滋賀県議会 1995-02-28
平成 7年 2月定例会(第2号〜第10号)−02月28日-02号
平成 7年 2月定例会(第2号〜第10号)−02月28日-02号平成 7年 2月定例会(第2号〜第10号)
平成7年2月
滋賀県議会定例会会議録(第3号)
平成7年2月28日(火曜日)
──────────────────────────
議事日程 第2号
平成7年2月28日(火)
午 前 10 時 開 議
第1 議第1号から議第47号まで(平成7年度滋賀県
一般会計予算ほか46件)(質疑、質問)
──────────────────────────
本日の会議に付した事件
第1 日程第1の件
──────────────────────────
会議に出席した議員(47名)
1番 冨士谷 英 正 君 2番 中 川 末 治 君
3番 宇 野 治 君 4番 脇 坂 武 君
5番 世 古 正 君 6番 三 浦 治 雄 君
7番 目 片 信 君 8番 中 村 善一郎 君
9番 大久保 貴 君 10番 中 島 敏 君
11番 梅 村 正 君 12番 沢 田 享 子 君
13番 稲 田 喜代司 君 14番 桐 山 ヒサ子 君
15番 林 良 子 君 16番 吉 原 稔 君
17番 深 田 作 治 君 18番 川 口 東 洋 君
19番 大 林 清 君 20番 白 倉 一 路 君
21番 上 野 幸 夫 君 22番 森 井 慎 三 君
23番 奥 村 展 三 君 24番 黒 田 昭 信 君
25番 丸 山 省 三 君 26番 橋 本 正 君
27番 滝 一 郎 君 28番 松 井 俊 治 君
29番 山 嵜 得三朗 君 30番 石 田 幸 雄 君
31番 清 水 鉄三郎 君 32番 谷 口 三十三 君
33番 黒 川 治 君 35番 桑 野 忠 君
36番 岩 永 峯 一 君 37番 有 村 國 宏 君
38番 西 村 政 之 君 39番 酒 井 研 一 君
40番 栗 本 藤四郎 君 41番 大 谷 元太郎 君
43番 北 川 弥 助 君 44番 清 水 藤 藏 君
45番 伊夫貴 直 彰 君 46番 石 橋 修 一 君
47番 奥 清 君 48番 小 林 実 君
49番 沢 野 邦 三 君
──────────────────────────
会議に欠席した議員(なし)
──────────────────────────
会議に出席した説明員
知 事 稲 葉 稔 君
教 育 委 員 会 委 員 長 南 光 雄 君
選 挙 管 理
委員会委員長 小 林 隆 君
人 事 委 員 会 委 員 長 野 玉 三 郎 君
公 安 委 員 会 委 員 長 宇 野 淳 一 君
代 表 監 査 委 員 高 土 禮二郎 君
副 知 事 山 田 新 二 君
副 知 事 岩 波 忠 夫 君
出 納 長 宮 尾 悦 夫 君
知 事 公 室 長 岩 田 正 春 君
総 務 部 長 今 仲 康 之 君
企 画 部 長 勝 義 隆 君
生 活 環 境 部 長 辻 本 昭 君
健 康 福 祉 部 長 國 松 善 次 君
商 工 労 働 部 長 山 脇 康 典 君
農 林 水 産 部 長 中 桐 正 君
土 木 部 長 亀 田 泰 武 君
企業庁長職務代理者企業庁次長 平 松 稔 三 君
教 育 長 高 井 八 良 君
警 察 本 部 長 内山田 邦 夫 君
──────────────────────────
議場に出席した事務局職員
事 務 局 長 森 田 吉 則
議 事 課 長 鈎 孝 之
議 事 課 課 長 補 佐 塩 見 和 夫
議 事 係 長 松 浦 伊久男
──────────────────────────
午前10時15分 開議
○議長(黒川治君) これより本日の会議を開きます。
───────────────
△諸般の報告
○議長(黒川治君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。
議第18号から議第21号、議第35号、議第36号および議第38号の各議案について、
地方公務員法第5条第2項の規定に基づき
人事委員会の意見を求めておきましたところ、お手元に配付いたしておきました文書のとおり回答がありましたので、御報告いたします。
───────────────
○議長(黒川治君) これより日程に入ります。
───────────────
△議第1号から議第47号まで(平成7年度滋賀県
一般会計予算ほか46件)(質疑、質問)
○議長(黒川治君) 日程第1、議第1号から議第47号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。
本日は、会派代表による質疑ならびに質問であります。
発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。
まず、38番西村政之君の発言を許します。
◆38番(西村政之君) (登壇、拍手)久しぶりの登壇、質問の機会をお与えいただきまして、大変ありがとうございます。私は、今期最後となります本議会において、
自由民主党県議団を代表いたしまして質問をいたします。
振り返りますと、当初35名の所属議員で発足をいたしました我が党も、平成5年夏の総選挙で峻烈なる国民の審判を顕著に受けとめて野党となり、以来、党挙げての自浄努力で再生を期し、国益優先、国民擁護の視点で、細川、羽田両連立政権の欺瞞性を追及し、数合わせの
寄り合い政権の崩壊後は、比較第一党ながら、あえて村山政権を擁立し、当面する諸課題に適切に対応をしているところでございます。
本県におきましても、国政に連動をして、志を同じくする同志8名の離党を見ましたが、引き続き知事の責任与党として絶対多数を維持し、何より党本部に先んじて立党の精神にのっとり、
生活者重視、地域重視の国民政党として、みずからを律し、その志を本部にも進達をいたしてまいりました。
知事もまた、我々の真意にこたえて、県政の重要課題について謙虚に耳を傾けられ、県政推進、県民福祉の向上にいささかの錯誤もなく、ともに努力、精進できましたことは御同慶の至りでございます。
今春4月執行の
統一地方選挙で県民の審判を受けることになりますが、新しい時代に向けた確かな道筋を持つ我々は、必ずや県民の御理解、御支持をいただき、引き続き県政にとって期待をされ、信頼をされる自由民主党として再び本議場で相まみえることをお誓い申し上げる次第でございます。
以下、今議会に提案をされました諸案件に対し、知事および関係部長にその考えを質問するものであります。
我が党は、来年度の予算の編成に当たり、県下50市町村に出向いて政調会を開催し、さらに
県民各界各層120余の団体から要望を受け、現在長引く不況の影響から厳しい環境にあるとはいえ、生活重視、地域重視の視点に立って、新世紀に向かって滋賀として今やらなければならないことの一つ一つを積極的に推進することを大前提として、
琵琶湖総合開発事業の推進、
国会等移転先の誘致、びわ湖の
水質保全対策、
びわこ空港を初めとする
総合交通体系の整備の促進、中小企業の総合的な振興対策の推進、
レイカディア構想の積極的推進、
県土基盤整備の促進などの重点9項目に加え、各般にわたる事業に対する要望として358項目を12月に提出をし、これらの実現が図られるよう強く知事に求めたところであります。さらに、阪神・淡路大震災を契機として、防災対策の点検と充実を図り、県民生活の安全対策に万全を期されるよう求めてもまいりました。
我が党の要望を知事は積極的に受けとめ、県民の要望に的確にこたえて編成されました平成7年度予算は、あすに向かって確かな湖国づくりを進めることを基本として、その実質の伸びとして対前年度当初比3.7%を確保いたしており、今回の予算編成に当たっての稲葉知事の意気込みを反映したものであり、まことに敬意を表するものでございます。
しかしながら、財源面からこの予算を見てまいりますと、収入の大きなウエートを占める県税収入の減収に歯どめがかかり、歳入においては一定の伸びが見られる状況となってきたとはいうものの、歳出に必要な財源を賄うことについては十分でなく、財源不足を補うため、来年度予算も
県債管理基金、財政調整基金合わせて280億円を取り崩すこととなっており、この額は前年度を10億円余りも上回るものでございます。また、将来の財政運営を硬直化させる要因にもなることが懸念をされる県債も20億円余りも増加し、831億円となっているのでございます。
そこで質問をいたしますが、知事は既に行財政改革に取り組んでおられるとは承知をいたしておりますが、県債残高の累増や基金の減少が続くなど厳しい財政環境の中で、今後財政運営をどのように考えておられるのか、その基本方針を知事に伺うものでございます。
次に、行政改革に対する取り組みについて質問をいたします。
本県における行政改革に対する取り組みについては、昭和57年度県議会において
行政改革特別委員会を設置し、本格的な論戦を始めてからはや12年を経て、国の行革大綱、3次にわたる行革審の答申が提出をされ、県においても昨年6月に
行政改革委員会を設置し、本年2月21日に中間報告が提出をされたところであります。
それにうたわれている行政改革の目指すものとして、県の行政上の課題や行政改革における理念を踏まえ、新しい時代の要請や県民の期待に的確にこたえていける新しい
行政システムの確立、また、県、市町村、県民それぞれの役割分担と新しい協調関係の構築および今後さらに厳しくなる財政状況を見据えて、重点的、計画的な投資を基本とする行財政運営への転換を図ることを目的としているが、今日までの取り組みを総括すると、事務事業の見直し、OA化の推進、職員定数の削減、補助金の見直しなど、一定の成果はあったものの、県民にとってはいまひとつわかりにくいものになっているのではないか。
例えば、県において、現在、大規模施設の整備、計画が進められております。これらの建設には、施設整備のため直接費用が膨大な金額を必要とし、以後毎年施設の維持管理と事業のための経費を義務的に要し、財政硬直化の重大な要因となるおそれがあり、これらの施設整備に対しては、県民のニーズを反映した優先順位に従って、その必要性および需要を的確に見込むことはもちろん、中長期的な展望に立った整備主体のあり方、建設の時期、施設の利用に際しての受益と負担の適正化、効率的な
運営管理体制などを十分に検討する必要があると思います。
また、現在国の外郭団体の統廃合問題が新聞紙上をにぎわしておりますが、県の公社、事業団等の外郭団体についても、人的、財政的に県と深い関係を持つものでありますが、
社会経済情勢の変化に対応した組織、運営となっているのか、今日までの論議があらわれてこないのが大変気がかりであります。
また、これら行政改革というと、すぐにリストラ、
イコール人員整理、削減という言葉が出てまいります。しかし、県民の行政に対する期待は知事を県の顔とした総合的かつ有機的な行政であって、そのことは、縦割り行政とその行政間の強い横の連携によって行政を有効的に推進していくことにあると思います。
また、本来、県勢の発展の基礎は有能な職員の双肩にかかっていると思われます。県では、有効的な行政運営や職員の意識改革など人材育成の一環として、一度社会に出て経験のある者を特別に採用する方法、つまり経験者採用を取り入れ、民間での知識経験を公務の場に生かそうとしていることは一定の評価を得ているものでございますが、将来の県政を担う若手職員のパワーアップが特に重要であると考えられるところでございます。
なお、県独自の取り扱いとして行われている許認可については、経済活性化と県民の利便性の向上を図るため、各界の意見や要望に沿って見直しの必要があるものであり、その目的に照らして最小限で合理的な範囲、内容を早急に改めるべきものと、かねてから要請をしてまいったところでございます。
この点については、今回の中間報告にも述べられているところであり、最終報告を待つまでもなく、景気回復を確かなものとするために、今直ちに取り組むことが必要不可欠な状況との認識のもとに、県行政のすべての分野において点検をし、急ぎ改革に向けて前向きに取り組むことが特に重要であると思います。
いずれにいたしましても、行政改革は、本来行政を預かる者のみずからの意欲と責任のもとに取り組むべき課題であることを認識され、今後の決意について知事に伺うものであります。
次に、県立大学についてお尋ねをいたします。
平成3年6月の定例県議会における我が党の代表質問に対して、知事が県立4年制大学の創設を表明されて以来、いよいよこの4月に晴れて開学の運びとなりました。
この間、
大学設置認可手続を初め、教授陣の確保、教育、研究内容の編成、さらにキャンパスと学舎の整備など、ソフト、ハードの全般にわたる諸課題を着実に推進し、当初からの計画どおり、この春の開学を揺るぎないものにされました。この間の関係者の努力に対し、改めて敬意を表するものでございます。
また、県立大学は、学内での教育研究にとどまらず、開かれた大学として、県民の生涯学習や社会人への再教育の機会の提供を初め、学術研究の成果をもとに産業界との交流を深めるなど、本県の産業振興と学術文化の振興に大きく貢献するものでなければならないと考えております。
我が党としても、県の21
世紀ビジョンの大きな柱である、新しい時代を切り拓く人づくりの主要事業の1つである県立大学が県政推進の大きな原動力となることを願うものであります。
そこで、県立大学が本県の将来にどのような役割を果たそうとしているのか、また滋賀から全国、世界へ情報発信し得る貴重な拠点として、特色のある学問分野を生かしたユニークな大学として育てていくべきではないかと思いますが、設置者である県としてどのように考えておられるのか、開学に当たり知事の所信を伺うものでございます。
次に、
びわこ空港について質問をいたします。
びわこ空港が国の第6次空港整備5箇年計画に採択をされてはや3年半がたちます。この計画も余すところ1年になろうといたしておりますが、国において平成8年度からスタートする第7次空港整備5箇年計画の策定を目指し、検討が開始されようとしていると伺っております。
こうした中で、
びわこ空港実現に向けた取り組みの多くは、関係集落の理解と協力を得るための誠心誠意の対応と努力にあると思うものであり、今、新たな局面をうかがえつつある転機に差しかかっているとは思いますが、いまだ空港の議論がかみ合わないという厳しい集落もあり、また
環境アセスメントの調査期間を考えても、6次空整期間内に事業着手の確証は難しい状況にあると認識をするものであります。
びわこ空港が6次空整において予定事業として採択を見るに至りましたことは、まさに我が党を初め、県政、経済界はもとより県民挙げての熱い思いを、また空港空白の中部圏、近畿圏の各県の思いを結集した結果でありまして、我が自民党は責任与党として県民にその実現を約束してきただけに、一日も早く県民にその姿を見せていただく責務を負っているものでございます。
7次空整では、関空、成田の拡張や中部空港の事業着手など基幹空港がメジロ押しと予想されておりますが、国の財政事情を考えましても、いつまでも
びわこ空港を待っていてくれるのであろうかと危惧の念を抱くものでございます。
執行部として知事を先頭に、地元の皆さんの理解を得るための努力が行われてきたことは十分承知をいたしております。長期にわたり解決が見出せないという状況にあることは、県、我々議会の責任として、早期解決への決意を新たにしていくべき時期が来たと思うものであります。空港事業は一部の欠落も許されないものであり、まずは地元の方々に将来の生活設計に不安が残ることのないよう地元対策の全体像を示しながら、空港整備に対して厳しい考え方の集落があっても、何としてもそうした形でのお願いをしていく時期に来たと我々は考えるものであります。
空港整備は県として経験をしたことのない事業であるだけに、具体的な補償や対策の中身に確信が持てないということはあろうかと思うのでありますが、ここはこれ以上解決を引き延ばすことは、県にとっても、また地元の人々にとっても決して好ましいことではないと考えております。
さらに、我が自民党は、我々議員の任期内をめどとした蒲生、日野両町の地権集落の同意を得ての
環境アセス調査の着手を強く申し上げてまいりました。このことを執行部として十二分に認識をし、真剣に地権集落と折衝されていると考えますが、知事の話し合いによる解決の基本に立って、このアセス調査の実施の見通しについては今後どうなるのか伺うものであります。
決して地元に犠牲を強いよということではございません。予定地周辺の皆さんに理解をしていただかなくてはならないことでございます。そのことによって、
びわこ空港が第7次空整にきっちりと引き継ぎをしていただき、滋賀の将来展望も開けることになると考えるところから、滋賀県民の大きな期待をバックに、県として、予定事業たる
びわこ空港について、平成8年から始まる第7次空整に向けての取り組みの現状と見通しのほどを知事に伺うものでございます。
次に、兵庫県南部地震について質問をいたします。
1月17日未明に発生をいたしました兵庫県南部地震は、2月27日現在、お亡くなりになられた方は5,438人、今なお行方が不明の方が3人、負傷された方が3万4,523人、避難所での生活を余儀なくされている方は多数に上るという関東大震災以来の大惨事となりました。お亡くなりになられた方々とその御遺族に対しましては深く哀悼の意を表するとともに、負傷された方々や避難生活を受けておられる方々に心からお見舞いを申し上げるものでございます。
さて、今回の地震は、我が国の
地震防災対策を進める上で多くの問題点を投げかけました。特に、県内に五十数本の活断層を抱え、今回
同様直下型地震発生の可能性が高いと言われている本県にとっても、
地震防災対策の見直しは緊急かつ最重要な課題であります。
そこで、今回の地震に見る大災害を踏まえ、今直ちにとるべき対応について質問をいたします。
まず、県の地震対策の基本となる滋賀県
震災対策計画についてでありますが、兵庫県や神戸市の計画ではともに震度5程度を想定してつくられており、今回の地震はその想定を超えたものであり、計画が実効性のものとして現実に機能をしなかったと聞き及んでおりますが、本県の計画ではどの程度の地震を想定して計画をされているのか。また、今回の地震でもその計画が対応できたのか。恐らく本県においても計画の見直しが必要であろうと思いますが、どのようにお考えになっておられますか。
また、今回のような大地震では、一市町村、一府県が対応することは極めて困難であり、市町村、県間の連携調整に支障が生じるだけでなく、応急対策を行う上で全国的な協力が必要であると痛感をしたところであります。国の対応についても、対応のおくれがあったのではという声が内外から起きている中、県、市町村間の円滑なる連携体制を整えるとともに、近隣府県を初めとする都道府県間の
応援協力体制の整備についてどのように対応をしていかれるのか、滋賀県防災会議の議長である知事にお伺いをいたします。
また、県下50市町村においてそれぞれ
地域防災計画を策定いたしているところでありますが、これが県の防災計画と有機的に連携をしなければ混乱を招く原因になると考えるが、これらについて市町村とどのように連携をしていこうとされるのか伺うものでございます。
また、これらの防災時における重要なものとして、情報の的確なる収集、発信であることは言をまたないところでありますが、兵庫県においては、七十数億もの巨費を投じて整備をされていた防災無線が稼働をせず、何の役にも立たなかったと言われております。
県においても、平成6年度に
防災行政通信システムを整備するとして五十数億もの予算をもって衛星通信をも組み入れた
通信システムであり、これで万全であると議会に報告をされているところでございますが、兵庫県の例を見ていると、まさに人間の英知も天災には無能であることを痛感せざるを得ないものでございます。これらについて、技術的なものも含めどのようにされたのか。
また、今回の兵庫県南部地震での教訓で、
防災ヘリコプターの必要性が大きく取り上げられ、時あたかも本県で平成8年度導入に向けて本議会にその購入費が上程をされているところでありますが、本県で導入をしようとするものは、日本国内で採用されている4機種の中で一番小さく、防災ヘリとして必要条件である過酷な使用に耐えるものであり、被災者、負傷者をより多く積めて広域的運用が図れるもっと大型ヘリの導入を今回の震災で関係方面から要望をされていることからも、もう一度先般の震災の教訓を踏まえて再考すべきではないかと考えるが、このことについて
生活環境部長の所見を承りたいと思います。
また、市町村における
地域防災計画の中に、災害発生時に周辺地域からの避難者を収容し、その生命を守る避難場所を指定しているところであり、それらの大部分は小学校、中学校、
県立高等学校であるところが多く見られるものでありますが、本県においては夜間が無人となることから校門を閉めている県立高校が多いように聞くが、これらについて地域住民と管理者である学校長との間で十分なる連携がとられているのかどうか教育長に伺うものであります。
最後に、今回の地震において最も大きな役割を果たしている自衛隊の出動についてであります。
県からの出動要請が遅かった、現場に到着するまでに時間がかかったことは事実などなど関係者の発言が報道をされている中、もしもっと早い時期に自衛隊が出動しておればと思えてならない次第であります。
もちろん、今回の反省に立って、今後国において大災害発生時の独自判断による出動を考慮に入れた法の見直しが検討をされるとは存じますが、本県においては、自衛隊との連携強化および県としての出動要請方法についてどのようにしていこうとされているのか知事にお伺いをいたします。
次に、環境先進県としての取り組みについて知事にお尋ねをいたします。
県選出国会議員を初め、多くの関係各位の御努力によって昭和47年にスタートをした琵琶湖総合開発も、紆余曲折はありましたが、法期限延長後は順調に推移をし、平成8年には所期の目的どおりの成果を見る段階となってまいりました。そして、ポスト琵総が大きな注目を受ける重要な課題となってまいりました。ポスト琵総とは一体どんなものなのでしょうか。
今日までは、びわ湖問題についての議論は水量が重要な課題でありましたが、現在では、国民大多数の要望は水質の問題へと意識が発展をしてきていると考えられます。環境推進県である本県は、当然そのテーマの主眼をびわ湖の水質改善に置くことは論をまたないところであり、新規立法による国からの支援の取りつけを目指すことがポスト琵琶総であります。
ところで、びわ湖の水質問題を考えるに当たっては、2つの面から論じられるべきだと思います。
1つは、びわ湖の中に既に流入され堆積されたものや、湖岸に浮遊するごみ、水草といったものをどのように除去すべきかであり、また、いま一つは、びわ湖への流入負荷をどのようにすべきかであります。そして、これらの課題が同時に解決をされなければ、真の水質改善問題の解決には至らないものと存じます。特に、今まで聖域として論じられなかった河川やびわ湖に流入する農業系の負荷をいかに抑えるかは重要な課題になると思います。
私たちは、今日の日常生活を営むに当たり、その生活環境も以前と比べると大変大きく変わり、大量生産、大量消費、物質的にもあり余る物に囲まれて、多量の廃棄物を平気で捨て去る物質文明を謳歌しておるのでございます。その分、環境汚染が拡大され、水質の悪化に至ったと言っても過言ではないと思います。
よって今後は、私たち自身一人一人が、廃棄物やごみをできるだけつくらない、出さないといった資源節約の思想の普及や啓発が大切ではなかろうかと思います。また、私たちが家庭よりごみを出す場合であっても、分別し、その収集がしやすいような個人の努力や協力を進めるなど、環境をみんなが身近な問題として考え、みんなで支える社会の実現を図るべきであると思います。
しかし、現行における廃棄物行政は一体どのようになっているかというと、その流れや仕組みは明らかに縦割り行政となっております。それゆえに、多くの問題が山積みになっていることが現実であろうというぐあいに思います。
なぜ、ごみや産業廃棄物、一般廃棄物といったものを横断的につなぐ一元的処理方法が考えられないのか。例えば、家庭から出る生活系の廃棄物の処理は市町村の義務であり、県では生活環境部が指導に当たっておりますし、また産業廃棄物の処理、処分等については指導や認可の権限も有しております。一方、下水道事業により派生する下水汚泥は土木部が所管し、下水道公社がその処分の任に当たっております。また、農林水産部は、集落排水の汚泥処理や畜産関係派生物の処理等、指導、管理に当たっております。すなわち各部ごとにその対策や対応がされており、当然、上部団体関係省庁にあっても縦割り行政で都道府県との連携がなされているのでございます。
これらの環境問題を考える場合において貴重なことは、現行の縦割り行政を打破して、行政各間が横のつながりをいかにして持ち得るようにすべきであるかが問われているのであります。つまり、一元化にして効率のよい効果的な諸施策が推進される方策をどのようにすれば立てられるのかが大きな問題であると私は思います。
また、廃棄物をむだなもの、不要なものと考えるのではなく、資源として有効利用を図ることや、循環リサイクルシステムの確立が必要であると思うところであります。
本県各部においても、ともに抱えている懸案の解決を図るためには、問題を一本化し、有効的かつ効率的な推進が必要であると考えるものであります。幸いにも当県は、一昨年、淡海環境保全事業財団を発足させました。事業財団の有効にして効率的な活用といった観点からも、事業財団を中心に各関係部より事業委託し、民間活力や大学等の研究機関との連携を深めて、産、官、学、民一体となった取り組みをすべきであると考えます。まさに、そのような新しい取り組みこそ、環境先進県を自負している稲葉環境行政の新しい時代へのチャレンジであると考えているものでございます。そのことが解決の糸口であるばかりか、まさに叫ばれている地方分権や地方の時代への橋渡しとなるとともに、環境先進県としての情報発信ができるものであると信じるものであります。
また一方、びわ湖の中の問題としては、既に何万年にも及ぶ堆積土砂や底泥、水草といったものの除去や処理をどのようにするかといった問題もあわせて一元的に処理し、有効利用を図ることが重要であると思います。
そして、前段申し上げてまいりましたことが確立をされ、総合的に処理されることができれば、例えば、製造されたコンポスト等を滋賀県全土の田畑で再利用されることによって有機農業や農法が確立されることにつながり、県民や国民が望む安全で安心でおいしい農作物の生産が図られ、湖国農業の新しい方向ができるのではないでしょうか。
稲葉知事は今日まで環境先進県として大変努力をし、大きな成果をおさめてはこられましたが、今まさにポスト琵琶総への取り組みが注目をされている中で、今後の環境問題をどのように推進しようとされているのか、その真価が問われておるときでございます。知事自身の決意と決断を重ねてお尋ねを申し上げます。
次に、医療体制の整備について質問をいたします。
いつまでも健康でありたいとの思いは、我々県民一人一人に共通をした切実なる思いであります。特に、高齢者社会の到来により、県民のだれもが病院での療養生活を送る可能性が高くなってきていることから、患者として最高の医療を受けられるよう、しかも快適な環境の中で医療生活を送りたいとだれもが強く念願をしているところであります。
本県の医療体制の現状を病院別について見てまいりますと、62病院、病床数1万2,600余りとなっており、鋭意体制整備に努められた結果、ひところと比べますと格段に充実はいたしてまいりましたものの、本県の場合、近府県への依存度が大変高いこともあって、今なお全国平均と比べますと、人口当たりのベッド数は低い状況にございます。
また、本県の場合は、他府県より自治体病院や公的病院の比率が高いものが特徴で、これらの病院がびわ湖を取り巻くようにそれぞれの地域にバランスよく配置をされており、それがそれぞれの地域で基幹的な役割を担い、地域の医療ニーズにこたえるよう医療体制の充実に努められているところでありますが、こうしたことから、本県の医療体制は他府県に比べて遜色のない程度に整ってきたと考えてはおりますが、一方で、高齢者社会の問題や目覚ましい医学、医療の進展があります。
そのためにも、すべての県民が安心して医療を受けることのできるよう、県民の医療ニーズの変化や医療の高度化に即応する医療体制の整備がさらに重要な課題と考えるものでありますが、近年の医療を取り巻く経営環境は、国の医療費適正化政策などからまことに厳しいものがあり、県下の自治体病院では、平成5年度の決算を見ますと、16病院中9病院が事業収支で赤字を計上しており、憂慮する状態となっております。
そうした中、昨年の能登川病院に続いて、今年度は市立長浜病院が抜本的なる移転新築に着手をされており、さらに幾つかの自治体病院や公的病院などでも増改築や新築移転計画の検討が進められ、地域の医療ニーズにこたえるべく努力をされていると聞き及んではおりますが、本県の医療体制の向上のためのこの努力に対し深甚の敬意を表するものではございますが、これらの医療体制の整備に当たっては、県は、これまで救急、僻地医療や不採算部門などの政策課題を踏まえ、国の補助制度をもとに一定の支援をされてこられましたが、本年度より我が党医療問題調査会の意を受け新たな制度を設け、公立病院の整備計画に合わせた病院施設の近代化整備に助成をされ、さらには来年度予算においても近代化整備助成のための積極的なる予算を計上されたことを、時宜にかなったものと我が党としては高く評価をいたしておるところであります。
そこで、本県医療の整備につきまして、各医療機関がそれぞれの役割に応じて医療の充実に努めてこられた結果、今日までに施設、設備整備が進んできたところではございますけれども、病床数は全国平均に比べてなお低い状態であります。さらに高齢化社会への進展や県民の医療ニーズの変化に的確にこたえるためには、引き続き施設の整備や機能の充実に積極的に取り組んでいく必要があると思われます。今後の医療体制の整備について、県の基本的なる考え方を伺うものでございます。
また、本県の場合、他府県に見られるような地域医療の中核を担う県立病院が少ないため、自治体病院や公的病院がそれぞれ地域の中核病院として積極的なる役割を担ってきたところではございますが、こうした医療体制の実態にかんがみて、自治体病院など施設、設備整備に対し、県はどのように役割を果たそうとしておられるのか、県の基本的な考え方を伺うものであります。
さらには、これらの地域中核病院を支えるためには、看護婦さんを初めとした医療スタッフの養成確保が大変大きな課題となります。来年度予算に2カ所の看護婦養成所の整備を考えておられますが、県下の看護婦、医療従事者の需給見通しはどうなっているのか、あわせて県の考え方を伺うものであります。
次に、産業振興について質問をいたします。
戦後の復興以来、半世紀が経過をしようとしていますが、この間、我が国経済は、オイルショック等の数々の経済的困難を克服し、産業構造をダイナミックに変化させながら、世界にも希有な経済発展を遂げてまいりました。そして、御案内のとおり、我が国の経済規模は世界でも有数のものとなり、国民1人当たりのGNPを見ても、世界で最も高い国の1つとなっているところでございます。
一方、本県経済においては、こうした我が国経済発展の流れに乗り、日本列島のほぼ中央に位置する地理的優位を生かし、びわ湖の豊かな水や安価な土地の提供等の好条件に恵まれた中で、かつての農業県から有数の内陸工業県へと急速に変貌を遂げ、今日、1人当たり県民所得や持ち家住宅率、あるいは道路の舗装率がいずれも全国第6位を占めるなど、その恩恵とするところは多大であります。
滋賀県が今後とも豊かで活力のある県民生活を持続させていくためには、本県経済の発展、産業の振興をさらに進めていくことが重要であり、関係者各位の力強い努力をお願いしなければなりません。しかしながら、最近の
社会経済情勢が高齢化や国際化の進展、あるいは技術革新や高度情報化など大きく変貌をしつつある中で、本県の産業も、海外シフトによる空洞化や規制緩和、後継者問題等々に直面をいたしており、その前途が大変心配をされております。
こうした最近の情勢から、今、行政に求められている最大の大きな課題は、生活基盤の整備や高齢化対策とともに、今後の産業振興をいかに進めるかであります。経済が低成長のままでは高齢化社会に対して対応できないと言っても過言ではございません。先ほども申し上げましたように、社会経済、とりわけ産業を取り巻く現況の環境は大変厳しく、産業構造も大きな転換を迎えており、まさに混沌のさなかにあるとは言えますが、こうしたときこそ将来を展望し、新しい時代に向けての取り組みを着実に進めていくことが必要ではないかと思います。
そこで、現在県におかれては中長期のスパンで本県の産業振興の羅針盤とも言うべき産業振興指針の策定に取り組んでおられますが、本県産業の今後をどのように展望し、そして、そうした展望を実現するためにはどのように取り組もうとしておられるのか、その基本的な考え方について商工労働部長にお尋ねをいたします。
また、私は、地域の産業振興上あるいは地域の雇用機会の創出の観点から、企業誘致は地域経済の活性化に欠かすことのできない効果的かつ現実的な取り組みであり、今後も計画的な取り組みが必要とされているところであると考えるところでありますが、県内経済界や関係者の話題の中に、企業立地の相対的な優位性の低下や、産業、雇用の空洞化などの懸念も出てきており、今後の企業誘致の取り組みが大変気になるところでございます。びわ湖東部中核工業団地の近況をも踏まえて、最近の企業の立地動向はどのようになっているのか、さらには本県における今後の企業誘致の取り組みについてどのように考えておられるのか、商工労働部長の所見をお伺いするものでございます。
次に、農政問題についてお尋ねをいたします。
平成5年12月のウルグアイ・ラウンドの農業合意の受け入れに伴い、国においては、農業者の不安や危機感を少しでも和らげ、国際化が一層進む中での我が国の農業の進め方についてを農政審議会の中で議論をされ、6年8月にその結論を得たわけであります。
この結果を踏まえ、政府においては、10月に農業合意関連対策大綱を策定し、昨年末には平成7年から12年までの6年間で講ずべき国内対策とその事業化を閣議決定され、その内容は既に御案内のとおり、農業農村整備事業や農業構造改善事業等の補助事業のほか、農家の負担軽減を図るための融資等を含めて総額6兆100億円の事業費で、うち予算額2兆8,000億が予定をされております。このうち、初年度分として5,545億円の予算額が確保され、その中から80%に当たる4,474億円を6年度に前倒しとして補正予算を計上し、積極的な姿勢を示されているところでございます。
翻って、我が党は、近畿唯一の生産県として、その特色、条件を生かし、滋賀県ならではの農村、農業を守り育てる施策の展開を提言してきたところでございます。
幸い知事の熱い思いもあって、湖国農林水産プランに基づき、例年その成果を上げてこられましたが、その結果は、基盤整備、集落営農などなど、国に先んじる施策の整備促進を図られたために、県単独助成額も先進的な実績を示してまいりました。
しかし、前段述べましたような国の対策は、先進的な本県にはストレートに甘受できないと懸念を持つものであります。特に、兼業農業枠の大きい集落対応、大規模農家育成にも限度があり、一方、有機栽培、産直販売など先行き不透明なだけに試行錯誤の農家も多いのではないでしょうか。
こうした状況を踏まえ、農林水産部長は、圃場整備、カントリーエレベーターやライスセンターなどの大型施設の整備が進んでいる本県にあって、ウルグアイ・ラウンド対策事業をどのように受け入れ、集落営農や大規模農家の育成を図ろうとされているのかお伺いをいたします。
なお、本県農業は全国一高い兼業農家に支えられている状況にかんがみ、今回のウルグアイ・ラウンド合意による農業対策に大きな期待が寄せられている反面、不安も少なくないのであります。当局のよりきめ細かい施策の推進を要望し、農政問題の質問を終わります。
次に、下水道事業について質問をいたします。
下水道法では、その第1条に「この法律は……下水路の設置その他の管理の基準等を定めて、下水道の整備を図り、もつて都市の健全な発展及び公衆衛生の向上に寄与し、あわせて公共用水域の水質の保全に資することを目的とする」とうたわれております。
ところで、今、私たち県民が本県の下水道事業に期待するところは、快適な生活環境の実現はもとより、条文にうたわれております「公共用水域の水質の保全に資すること」、すなわちびわ湖の水質の保全に資する下水道事業という本県特有の期待があると思うものでございます。
さて、びわ湖の水質を改善し保全するためには、琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例に見られますように、行政、企業、県民が一体となった取り組みが必要であり、さまざまな施策が講じられているところではございますが、びわ湖への流入負荷量の削減に効果の大きい下水道事業、農業集落排水事業の一層の推進が強く望まれているところであります。
既に、このような観点から、本県の下水道は
琵琶湖総合開発事業の根幹事業として、びわ湖を取り巻くほとんどの市町村を対象とした広域的な下水道事業として着手もし、さらにびわ湖の富栄養化の原因となる窒素やりんを除去するための高度処理を導入するなど、環境先進県を目指す滋賀県としての取り組みに敬意を表するものではございますが、しかしながら、本県の下水道普及率は平成5年度末で36.1%であります。全国平均の49%と比較するとまだまだ低い状況にあり、県、市町村が一体となって一日も早く下水道を整備することが、びわ湖を守り、県民の期待にこたえることではないかと考えるものであります。
このような状況を踏まえて、次の3点について土木部長の見解をただします。
まず、第1点として、琵琶湖流域下水道事業の進捗状況と今後の整備目標はどのようになっているのか。また、市町村が実施する公共下水道事業は、普及率の向上に直接つながるものであり、その整備状況と今後の整備目標はどのようになっているのか伺いたい。
次に、市町村にとって下水道はその必要性について十分認識はされているものの、技術的、財政的に大きな負担となっていると聞いており、県に対する技術的、財政的支援の要望の声は強いものがあります。このような要望に対して県はどのようにこたえていくのか伺いたい。
3点目として、下水道整備は各戸の水洗化が促進されて初めて事業の効果があらわれるものであり、これは市町村の努力と住民の協力が不可欠でありますが、県としては水洗化の促進についてどのように考えているのか、以上、土木部長の所見をお伺いいたします。
次に、生徒指導対策についてお尋ねをいたします。
21世紀を担う青少年の育成にかかわって、いじめの問題への対応は、当面、緊急にしてかつ最大の課題であろうと思います。
県教委の最近のいじめの実態調査によりますと、平成6年4月から12月の間に発生したもので、現在指導中のものが小学校で86件、中学校で57件であると言われております。しかし、いじめの実態は、陰湿で潜在化しており、表に出てこないものも多数あるのではないかと憂慮をされております。昨年末の愛知県でのいじめによる中学生の自殺にかかわって、国においては、社会で許されない行為は子供といえども許されないという態度を明確にするとともに、いじめの問題に関して当面緊急に対応すべき点について指導通知が出されたと聞いております。さらに、文部省では、来年度から幾つかの新たな施策が実施をされようとしているようであります。
本県においても、いじめの根絶に向けた施策をさらに充実する必要があると思いますが、県教育委員会にあっては、来年度に向けて、いじめの生徒指導対策に関する具体的な施策をどう進めようとしておられるのかお伺いをいたします。
これまで本県において、生徒指導上の課題解決に向け、さまざまな施策が取り組まれ、それなりの成果があったと考えてはおりますが、今後さらに21世紀を担う青少年の健全育成を図る上で、いじめ等生徒指導の課題の根本的な解決の方法を、学校教育に当たってはどこに見出していけばよいと考えておられるのかお伺いをいたします。
また、問題解決には、学校での取り組みとともに、家庭、地域の果たす役割も大きいものがあると考えます。わけても幼少の時代からの教育が特に重要であり、最近の青少年の問題行動から考えて、家庭の教育力の低下を憂慮せざるを得ない状態であります。次代を担う子供たちが健やかに育つことは親の願いでもあり、同時に地域の願いでもあります。地域の子供は地域で育てると言われるように、地域の大人が子供たちとの触れ合いをこれまで以上に大切にして、温かく、しかも、いじめなどの不正を許さない厳しい目を子供たちに注ぐとともに、そういう環境をつくっていくことも肝要ではないかと考えます。いじめの問題解決のためには、子育ての根幹をなす家庭教育の充実と地域の教育力を高めることが大変重要であると考えますが、教育長の所見を伺うものであります。
最後に、先般着任をいただきました警察本部長にお伺いをいたします。
県警察の運営に当たっての所信について、どのようにこれから対応をしていかれるのかお伺いをし、また地震災害における救助対策についてのお伺いもいたしたいと思います。
去る1月17日未明に発生をいたしました阪神大震災は、関東大震災以来の大きな災害となり、本日まで死者は5,400人を超え、今なお20万人を超える住民の方々が避難生活を余儀なくされております。今回の大震災では、発生直後から、今日現在に至るまで多数の本県警察官が応援出動されていると伺っております。まことに御苦労さまでございます。
ところで、今回の地震災害では、地域での防災計画を初め、その対応について幾つかの問題点が指摘をされているところでありますが、報道などによりますと、建物等の倒壊により生き埋めとなった人の救出が、救出機材や人員不足などにより時間を要したり、救助できなかったという問題も生じているようであります。
自然災害時の警察の業務はまことに幅広いものがあり、その対応には大変な御苦労があろうと思いますが、発生時において何よりも最優先されるのは人命の救出であります。この意味で、現在、県警察には十分な救助活動ができる装備の整備や訓練がなされているのかお尋ねをいたしたいと思います。
以上をもちまして、私の自由民主党を代表しての質問を終わります。知事および関係部長の明快な御答弁をお願いいたしたいと存じます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(黒川治君) 38番西村政之君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(稲葉稔君) (登壇)西村議員の自由民主党代表質問にお答えをいたします。
まず、財政運営に関する問題であります。
平成7年度一般会計の予算規模は、さきに今回冒頭の提案説明でも申し上げましたとおり、実質で前年度当初比3.7%増となっておりますが、これは、これまでの過去何カ年間かにわたる予算編成が税収の伸びに支えられてきたこと、また歳出面での湖国21
世紀ビジョンの推進とか景気対策要因などで全国的に見ても高い伸び率を確保してきたこと、そういったことと比較をいたしますと、極めて低い伸び率であります。しかし、そんな中にありましても、福祉、教育の充実、生活地域の環境保全、社会資本の整備、さらには阪神・淡路大震災の教訓を踏まえた防災計画の見直しなど、今後の県政の運営にもそれなりに配慮したまずまずの予算編成ができたのではないかと考えております。
この財源につきましては、緩やかな景気の回復基調を反映して、4年ぶりに県税収入の増収を見込みましたほか、県債の充当や、なお不足する財源については、基金からの繰り入れによる年度間調整により賄うことといたしております。このうち県債につきましては、将来の財政に影響を及ぼすことを考えまして、安易な県債依存を戒め、地方財政対策も十分見きわめて償還時に地方交付税措置のある有利な起債の活用を心がけました。また、今年度の最終補正では、県税の増収が見込めることや、元利償還が地方交付税で措置される減収補てん債の許可が見込めることとなってきましたので、
県債管理基金の積み立てなど相当の調整ができるものと考えております。
新年度に限らず、これからの地方財政は、このままでは急速に改善される見通しはないものと覚悟しなければなりませんので、国に対して要請することは要請するとして、みずからも厳しく律しながら、計画的、効率的な財政運営に努め、健全財政を堅持していく所存であります。
次に、行政改革についてでありますが、本県の行政改革は、過去数次の取り組みを経まして、相当の成果を上げてきたものと考えております。しかし、地方の行財政を取り巻く環境には極めて厳しいものがあり、
社会経済情勢の変化に対応した、来るべき地方分権の時代にふさわしい、簡素で効率的な
行政システムを確立するためには、県みずからが自主的、主体的に行政運営全般にわたる総点検を行い、県民各位の理解と共感を得ながら、抜本的な改革を進めていくことが急務であると考えております。
このため、昨年6月滋賀県
行政改革委員会を設置し、新しい時代の要請や県民の期待に的確に対応するための県行政のあり方をテーマに幅広い視野から検討をお願いしてまいりまして、去る2月21日にはその中間報告をいただきました。この中間報告を受けて、この4月から全庁的な事務事業の総点検見直しに着手し、この秋には県の行動計画としての新しい行政改革大綱を策定していきたいと考えております。
なお、大規模施設の整備につきましては、本体の建設費ばかりではなく、先々の費用までも十分に見通しを立て、管理運営に当たっては、設置目的に照らし、適切かつ効率的な運営が図れるよう対応すべきでありますし、また、公社、事業団等外郭団体につきましては、共通部門を複数の法人間で統合するなどの合理化に努めてきましたが、今後とも効率的な組織、運営となるよう徹底した見直しを行いたいと考えております。
地方分権論議がかつてなく高まっておりますが、地方が自前の政策を探り、住民と一緒になって住みよい地域社会をつくることが、地方分権を実効あるものとしていくものと考えておりまして、職員には、住民の多様な期待と要求に対応し、政策として計画立案する能力が今まで以上に求められていると存じますので、新年度から専門的な分野でこの政策形成能力を身につけさせる研修を新たに取り入れることとしたいと考えております。
また、国では、行革や経済対策の一環として諸規制を緩和するための見直しが行われていますが、県としても、事務事業の総点検の中で、規制緩和のあり方について適切に取り組んでまいりたいと考えております。
もとより行政改革は、日々行政に携わる我々が今何をなすべきか、県民は今何を求めているのか、常に行政の基本に立ち返り、県民とともに歩む効率的で効果的な県政の実現に努力することが重要だと考えます。今後ともこのことを念頭に、21世紀の県政に向けて誤りのない選択をしてまいりたいと考えております。
次に、県立大学についてでありますが、平成3年6月定例県議会におきまして、県立4年制大学の平成7年開学を表明いたしましてから足かけ5年、いよいよこの4月に開学の運びとなりました。これまでの長い道のりを顧みますと、感慨ひとしおのものがございます。開設準備委員会の委員の方々はもとより、県議会の議員各位、地元彦根市や用地を御提供いただきました地権者の方々など、関係の皆様から格別の御理解と御支援をいただきましたことを、ここに改めて厚く御礼を申し上げます。
県立短期大学が45年の歴史を通じて本県の学術文化の向上と地域産業の発展に果たしてきた大きな功績を考えますと、今後、滋賀県立大学が本県の継続的発展の原動力として、先導的役割を担うものでなければならないものと考えております。
展望の見えにくい21世紀を目前にして、時代の流れに的確に対応できる高度な知識や技術力、広い視野、豊かな創造力に加え、未知に挑戦する気概を身につけた有為な人材の養成が第一義であることは、論をまたないところでありますが、本県の学術研究の拠点として、県内の試験研究機関や産業界との共同研究の推進を初め、学内での研究成果を地域産業の技術力の向上に生かすなど、本県の産業の発展に寄与するものでなければなりません。また、県立大学の人的、物的資源を活用し、開かれた大学として地域社会への貢献を果たすことも重要な役割と考えております。
県立大学は、自然、歴史、文化、経済、社会に関して、滋賀県を背景とした学問の創造をしていただき、新しい淡海文化の創造に向けて力強い一翼を担い、本県の学術文化の向上と産業経済の活性化に大きく寄与することを期待しているものでありまして、その学部学科構成も、まさに滋賀県ならではの文系、理系にまたがったユニークな3学部7学科から成っております。滋賀の風土や地域特性を最大限に生かし、フィールドワーク、実験、実習などの実地教育を重視しておりまして、また専門科目と並んで、より幅広い人間性や創造性を育成するため、人間学の科目群を用意するなど、文字どおり、キャンパスはびわ湖、テキストは人間と言うにふさわしいカリキュラム構成であります。
さらに、大学の総合的、学際的な研究や他の試験研究機関との共同研究など、独創的、先駆的な学術研究活動を支援するため、学術文化振興財団を設立することにいたしておりますし、学年の進行と学部の充実を待って大学院を設置してまいりたいと考えております。
県立大学は、特色ある学問研究の成果とともに、多様な交流を通じて全国へ、あるいは世界への情報発信拠点となり、淡海文化にはぐくまれた若者たちが世界に羽ばたくことを念願する次第であります。
次に、
びわこ空港についてのお尋ねでございますが、空港の整備は、本県の将来にとって不可欠な基盤整備であります。本県にとってかつて経験したことのない大規模なプロジェクトでありますので、時間はかかっても、地元の皆さんの納得をいただくことがどうしても必要であります。
そういったことから、空港設置をしようとする県と、今の平穏な生活環境がどう変わるのか、自分たちの将来はどうなるのかといった不安のある地元が、今お互いの立場を尊重して議論を重ね、解決の接点を見出していこうとしているのであります。
試行錯誤を重ねた結果、空港計画を一方的に進めるのではなく、やはり話し合いを重ねて問題の解決策を見出していくしかないということで、ようやく話し合いを基本として取り組もうということになってきたところであります。
その結果、最近になって、対策協議会傘下集落の地元の皆さんに県の考え方を説明する場も持てるような状況が出てまいっておりますので、これをさらに広げ、進展させて、解決につなげてまいりたいと考えております。
次に、
環境アセスメントの実施見通しについてでありますが、既に日野町の必佐地域を初めとして調査同意をいただいている集落がございますし、対策協議会傘下の集落でも、最近になって、
環境アセスメントについて県の説明をさせていただいた集落が出てまいりました。
このアセスメント調査を通じて、空港ができることによる影響とその対策について、科学的なデータをもとに一日も早く地元の皆さんと十分な議論ができるよう、調査実施に向けてなお一層の努力をしてまいる考えであります。
次に、平成8年度からスタートする第7次空港整備5カ年計画への対応についてでありますが、国では、この3月に航空審議会に7次空整に向けた諮問がなされます。この審議会では、約1年半をかけて航空政策全般にわたる幅広い議論がなされ、答申の運びとなると伺っております。
びわこ空港は、6次空整において地域の振興に資する空港としての必要性が認められたものであり、この必要性は今日においても何ら変わるものではないと認識いたしております。加えて、7次空整に向けましては、社会、経済の動向、航空旅客需要の着実な伸び、さらには今回の震災を教訓に、災害発生時に備える観点からも、
びわこ空港の必要性はむしろ増大してきていると考えるところであります。
運輸省とは今日まで事務段階でのやりとりを行っているところでありまして、私どもの感触としては、
びわこ空港が7次空整に引き継いで位置づけていただけるものと受けとめておりますが、このことをより早期に確かなものとするためにも、地元全体の了解を一日も早く得られるよう、これまでの地元との話し合い、折衝の経緯を大切にしながら、引き続きあらゆる努力を払ってまいる所存でございます。
次に、地震についての御質問でありますが、現在の本県の
震災対策計画は、過去に本県で起こった地震のデータ等をもとに、マグニチュード7.2程度、震度6程度の直下型地震を想定して計画されております。
それでは本県であのような大地震が発生した場合に的確に対応できたのかということになりますと、率直に申し上げて、とても皆さんに納得していただけるような諸活動はとり得なかったのではないかと存じております。
こうしたことから、今回の大地震を糧に、被害想定の見直しを含め、特に地震発生時にたちまち必要となる災害応急対策計画については全庁的に再検討するとともに、防災会議地震対策部会の各防災関係機関の協力を得て、各関係機関の応急対策に関する部分についても再検討いただき、滋賀県
震災対策計画を実態に即した実効性のあるものにしてまいりたいと考えております。
また、今回のような大地震が発生した場合、災害対策基本法により、他の都道府県に応援要請ができることになっておりますが、その際には相互がより迅速に活動できる体制をあらかじめ整備しておくことが重要であり、その場合にも近隣府県だけの応援だけにとどまらず、被災の状況により、より広域的な相互の支援体制が組めるような、そうした準備の必要性を痛感いたしております。
現在、本県は、東海地震を想定し、東海、北陸の各府県および名古屋市との間で応援協定を締結いたしておりますが、この内容についても、実効性の確保について早急に検証を行い、協定内容の変更も考えてまいらなければならないと存じます。
また、近畿の各府県とも、福井県を含めて近畿府県災害対策協議会が既に設置をされておりますが、平常時から情報交換、応援協力等について協議を行っている実情であります。今回の災害においてこの協議会が十分に機能したとはとても言える状況ではありませんでしたので、こうした反省に立ちまして、去る2月25日、神戸市で開催をされました近畿2府4県と福井、三重、徳島県を含めた2府7県の近畿ブロック知事会議において、広域防災体制の連携のあり方について協議し、その席上で新たに広域防災計画の策定、広域防災訓練の実施、広域応援協定の締結等について合意をいたしました。
次に、県と市町村の防災計画との連携についてでありますが、今回の地震の教訓や、これに基づく県計画の修正作業とあわせて、お互いが一丸となって迅速に事に対応できるよう、連携体制を含めた計画の整備充実に向け、協議してまいりたいと存じます。
例えば、消防機関の応援については、県下の全消防本部を対象とした広域消防応援協定が締結されておりますが、今回のような大災害時における応援体制に県がいかにかかわれば適切な対応ができるかなどについても検討し、地震災害初動マニュアルの中に盛り込んでいきたいと考えております。
最後に、自衛隊との連携強化と災害発生時の出動要請についてでありますが、本県では、毎年実施している防災総合訓練、林野火災総合訓練において、航空偵察、救助、炊き出し、空中消化等の訓練に自衛隊の参加を得ておりますほか、随時県内における災害および災害発生時の出動要請等についての情報交換も行っております。
また、平成3年の信楽高原鐵道列車事故発生時の教訓を踏まえ、災害発生時において自衛隊法第83条の規定に基づく正式要請前に情報提供を自衛隊に対して行っており、平成4年の大津市葛川の土砂崩れ等の災害時には、陸上自衛隊今津駐屯地に対して事前連絡を行い、正式要請前に体制を整えていただくとともに、独自の情報収集を行っていただいたところであります。
しかしながら、今回のような大地震発生時に十分な連携が図れ、円滑な出動が得られるかについては、常に研究、検討を加えておく必要があると考えられますので、今後、国の自衛隊出動に係る法的整備の状況も把握しながら、必要な協議を行ってまいりたいと考えております。
次に、環境問題への取り組みについてでありますが、ここ数十年、豊かな物質文明を謳歌した私たちの生活は、一方で、その残渣を廃棄物としてびわ湖に堆積させ、その結果としてびわ湖の水質を急速に悪化させるとともに、堆積した廃棄物は有機底泥となって水質悪化を加速させることともなっております。
こうした事実を踏まえ、かつまた今までの生活のあり方に対しての反省を新しい淡海文化の心として、県政の推進に努めてきたところであります。基本的には御質問にありますような姿勢で、私も環境行政に取り組んでまいりたいと考えております。
例えば、廃棄物の処理にいたしましても、今日までの行政のあり方がそれぞれの個別の法律なり領域にとらわれ、いわゆる縦割りになり過ぎているのではないか。家庭系であろうと、産業系であろうと、一元的に処理すれば効率的なケースが考えられるにもかかわらず、行政の中の仕組み、補助金制度等が邪魔をいたしまして、うまくいかないという反省は大いに必要であり、特に環境問題への取り組みは社会全体として、生活者、事業者、行政が連携して対処しなければならないものと考えております。
こうしたことからも、御質問にあります御趣旨を今後の県政に生かしてまいりたいと存じておりますし、また、すさまじい社会の営みの中で、なおかつ高い価値を有するびわ湖をいかに保全し、次の世代に引き継いでいくかという新たな仕組みづくりを、ポスト琵琶総に向けても取り組んでまいりたいと考えているところであります。
最後に、医療体制の整備についてお答えします。
まず、今後の医療体制の整備についての県の考え方でありますが、滋賀県保健医療計画を基本に、日常的な疾病を対象とする1次医療から、高度、特殊な医療を対象とする3次医療まで、それぞれの役割分担と機能の明確化を図るとともに、限られた医療資源の有効活用に努めながら、7つの医療圏ごとに医療体制の体系的、総合的な整備に努めているところであります。
次に、自治体病院などの施設、設備整備に対する県の役割についてでありますが、これまでから本県の医療体制の整備に当たっては、成人病センターや小児保健医療センターなどの県立病院、さらには滋賀医科大学などが県域を対象とした高度専門医療を、また自治体病院や公的病院は、各医療圏において地域の実情に即した中核病院としての役割を担うこととしてきたところであります。
特に、本県の場合、他府県に比べ、自治体病院や公的病院の比率が高く、また、これらの病院が県下にバランスよく配置され、それぞれが地域の中核病院として、民間病院で対応困難な高度医療や特殊医療を行うなど、大きな役割を担っていただいております。
こうした中、幾つかの自治体病院や公的病院では、増改築や新築計画の検討が進められ、21世紀の医療に対応すべく施設、設備の充実が図られようとしておりますが、病院経営の大変厳しい折、その財政負担が大きな課題となっております。
医療は基本的には医療保険制度の中で行われるのが原則であります。また、自治体病院は、地方債制度や交付税制度によって財政支援がありますものの、県下の自治体病院や公的病院の果たしている役割にかんがみ、県として救急医療や高度医療などの不採算部門を担当する病院を対象に、国の補助に加えて、県単独による補助を行ってまいりました。特に、本年度からは、21世紀の医療にふさわしい病院とするため、個室の整備など療養環境の改善や設備の近代化などに対して県独自の補助制度を創設し、可能な限りの支援を行うこととしております。大体これによって県独自の助成の体系ができ上がったのではないかというふうに考えております。
次に、看護婦等医療従事者の需給見通しについてでありますが、平成3年に策定いたしました看護職員需給見通しでは、平成12年までに約3,000人の増員が必要であることから、看護職員の養成確保、離職防止、潜在看護力の活用などの施策により、その達成に努力しております。
中でも、養成所の定員増加は効果的な対策でありますので、平成12年までに150人が必要であるとしておりますが、平成6年には滋賀医科大学で定員60名の4年制の看護学科が開設されましたし、平成8年には滋賀県済生会看護専門学校で50名の定員増と愛東町に設置される滋賀医療技術専門学校で定員40名の看護学科の新設が予定されております。また、甲賀地区等で養成所の整備が検討されておりますので、平成12年までには看護職員の需給見通しはおおむね達成ができるのではないかと考えております。
このほか、理学療法士や作業療法士については、県内に養成所がないこともあって、逼迫した状況下にありますが、平成8年開校の滋賀医療技術専門学校において、理学療法学科、作業療法学科がそれぞれ定員40名であわせて開設される計画となっております。
県としましては、これらの施設整備に対して、来年度予算において一定の財政支援を考えているところであります。こうした養成施設の整備が着実に進むことによって、医療従事者の確保が一応できるのではないかと考えております。
◎
生活環境部長(辻本昭君) (登壇)まず、地震についての御質問のうち、現在整備中の
防災行政通信システムの耐震性の問題についてお答えいたします。
御案内のとおり、本県でも今年度から通信衛星を活用した全国的なネットワークとしてその再整備に着手をいたしております。
そこで、その耐震性についてでありますが、例えば、最も重要である非常時の電源の確保として、バッテリー、庁舎用の自家発電機の併用、さらにシステム専用の予備発電機の整備と三重のバックアップ体制をとるなど、全体設計の中で地震を考慮した再整備を行うことといたしておりますが、御質問にもありますとおり、人間の英知も天災の前には通用しないことが多々あるわけであり、本県といたしましても、報道されておりますようなことについて、その事実関係を早急に調査、検討し、例えば、発電機の冷却水系統を自動車のようにラジエーター方式に変更するとか、県庁の親局の被災を想定し、その代替機能を補完することなど細部にわたる見直しを行い、このたびの震災を教訓として、さらに耐震性を重視したシステムにしてまいりたいと考えております。
次に、
防災ヘリコプターの導入についてお答えします。
防災ヘリコプターの導入に際しましては、本年度、県の関係課や消防機関の代表者、県警航空隊の代表者等から成る滋賀県
防災ヘリコプター導入検討委員会を設置し、導入に関する検討を行ってきたところでございます。
そして、検討委員会でも、御質問にあります4機種について、その性能等を含め諸般の調査、検討を行ってまいりましたが、機体整備に要する日数が短いこと、故障時においても迅速にその対応ができること、後部が開口するため救急患者の搬入搬出が容易であること、さらには湖上、山地等災害発生場所へ降下する場合、着陸に要するスペースが小さく、風圧も小さいことなど、4機種の中では小回りがきく国産のヘリコプターが本県の利用条件に適しているとの検討結果を得たところでございます。
また、全国的な導入状況を見ましても、都道府県が導入しております
防災ヘリコプターとしての実績は同機種が最も多い状況でございます。今回の大地震におきましても、地元を含め、全国から消防、
防災ヘリコプターが1日当たり最大19機活動しておりますが、そのうち10機が同機種であり、救援物資輸送、医薬品搬送、人員搬送等に何の支障もなく活動していると聞いております。
このような点からも、県といたしましては、現在予定しております
防災ヘリコプターが本県に最も適したものであると考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
◎商工労働部長(山脇康典君) (登壇)産業振興についての御質問にお答えをいたします。
1点目の産業の展望とその取り組みについてでございますが、御質問にありました産業振興指針の策定につきましては、現在、産業振興指針策定委員会において、その取りまとめをお願いしているところであります。
その策定作業の中から概要を申し上げますと、今後の展望につきましては、目標年次を15年後の2010年に置き、創造と共生、交流で拓く産業新時代を基本理念に、目指す産業社会の姿としては、新しい付加価値の創造と活力あふれる産業社会、人、環境、世界と共生し、産業フロンティアに挑む産業社会、生活者や地域社会と交流し、ゆとりとアメニティーをはぐくむ産業社会の3つをイメージしているところでございます。
こうした新しい産業社会を実現するために、その基本目標として、1つには、ハイテク技術を応用した産業など創造的な産業活動の推進、2つ目には、環境、福祉等の地域社会に密着した産業など滋賀ならではの新しい産業の創出、3つ目には、にぎわいのある町づくりの核となる商業など滋賀の地域特性を生かした3次産業の育成、4つ目には、
びわこ空港など広域的な産業基盤の整備促進、この4つの柱を設定し、産業の高度化と新しい産業の創造を図ってまいりたいと考えております。
そして、産業振興の促進に向けて、県みずからが取り組む事業、市町村や産業界が主体となる取り組みへの助成、あるいはその環境づくりへの支援などについての基本方策や仕組み等を体系的に取りまとめ、新年度からはその推進を図るために、産、学、官等のメンバー構成によります仮称産業高度化推進委員会を設置するなど、広く施策を展開してまいりたいと考えているところでございます。
御質問第2点目の企業誘致についてでございますが、最近の企業立地の動向を工場立地動向調査で見てみますと、バブル経済崩壊後の平成4年以降の工場立地件数は、現下の経済情勢を反映して、3年続けて年間十数件の立地にとどまっております。しかしながら、平成6年度に入りまして、企業立地の引き合いも増加をしてきておりますことから、関係市町村等との連携を密にしながら、企業誘致に向けて積極的に対処しているところでございます。
なお、びわ湖東部中核工業団地の近況についてでございますが、全体の完成は平成9年3月ごろを予定しており、12区画のうち、平成8年9月までに完成する第1期分7区画につきましては、去る1月30日から、その予約分譲を開始したところでございます。既に4区画につきましては企業立地が決定し、残りの3区画につきましても早期に企業進出が決定できますよう引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
また、今後の取り組みについてでございますが、本県の産業経済の発展には、県内企業の育成とともに、企業誘致は重要な産業振興方策であり、雇用拡大や所得水準の向上、税収増など大きな経済効果が期待できるものと考えております。
このため、地域経済の活性化に向けて、新年度におきましては、本県の企業誘致の基本的戦略とも言うべき産業立地推進方策の策定に取り組んでまいりますとともに、引き続き積極的かつ効果的な企業誘致を推進してまいりたいと考えております。
◎農林水産部長(中桐正君) (登壇)農政問題についての御質問にお答えをいたします。
本県は、御質問にもありましたように、稲作農業の中心的な担い手確保対策として、集落営農や個別経営体などの育成を図っているところであります。
そこで、まず集落営農の育成につきましては、これまでから湖国農林水産プランに基づきまして、集落を基本とした組織経営体800を育成目標とし、ソフト面では、集落営農ビジョンの策定やその具体化に向け、県単独事業とあわせ、基制度としての農業構造改善事業のメニュー事業の活用などのハード面の取り組みを中心に進めてきたところでありますが、農業合意関連対策として新たに追加されました農業生産体制強化総合対策推進事業、地域農業基盤確立農業構造改善事業、さらには機械施設の整備を推進するための農業経営基盤強化支援対策事業や水田営農活性化対策推進事業などを取り入れることにより、集落営農から集落を基本とした生産性の高い組織経営体への育成に向け、指導、支援してまいりたいと考えているところでございます。
次に、大規模農家の育成についてでありますが、大規模農家の育成を図るため、主として農地保有合理化事業や自立経営農家経営基盤強化対策事業などを進めてきたところでございますが、今回の関連対策において講じられました経営体への農地利用の集積を図るための農地流動化対策や低利、長期の農業経営基盤強化資金などの融資制度の活用、さらには圃場の大区画化等の整備を総合的に行う担い手育成基盤整備事業などの施策を積極的に活用するとともに、経営面の能力向上に努め、地域に根ざした個別経営体の育成を進めてまいりたいと考えております。
今後とも、より一層担い手対策として集落営農や大規模農家などの育成を図るため、農業生産基盤の整備を初め、ハード、ソフト両面の諸条件の整備を進めるとともに、特に、中山間地域につきましても、地域の条件を生かした農業の振興が図られるよう、山村振興等農林漁業特別対策事業や中山間地域総合整備事業を積極的に推進するなど、湖国農林水産プランの方向に沿って、ウルグアイラウンド農業合意関連対策大綱も取り入れるなど、きめ細かい施策の展開を図り、農林水産業の進展のために鋭意取り組んでまいる所存でございます。
◎土木部長(亀田泰武君) (登壇)下水道事業についての御質問にお答えいたします。
まず、第1点目の琵琶湖流域下水道の進捗状況と今後の整備目標でありますが、4処理区合わせて平成6年度末の見込みは、管渠延長では184キロメートルとなり、全体計画の385キロメートルに対し48%の進捗となります。この結果、既に供用開始をしております21市町に加えて、新たに日野町と多賀町の2町が供用開始となります。また、処理施設につきましては、1日当たりの処理能力が17万立方メートルとなり、流入下水量の増加に対応できるよう整備に努めているところであります。
今後の整備目標でありますが、現在、流域下水道関連で事業を進めている42市町のうち、平成7年度で未供用の19町の早期供用開始を図るべく、流域幹線のより効果的な施行を図り、平成8年度を初年度とする次期下水道整備5カ年計画の期間中には、全市町に幹線管渠が到達できるよう努めてまいりたいと考えております。
公共下水道事業の整備状況と今後の整備目標でありますが、流域関連と単独公共を合わせた平成6年度末の面整備量の見込みは約1万ヘクタールとなり、下水道普及率も36.1%から39%強となる見込みであります。
今後の整備目標につきましては、次期5カ年計画期間内に現在事業を着手している44市町村すべてを供用開始するとともに、湖国21
世紀ビジョンの目標普及率50%を大きく上回るよう、関係市町村と連携を密にして整備促進に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、2点目の市町村からの技術的、財政的支援の要望についてでありますが、まず技術的支援につきましては、支援要望のある市町村に対し、経験のある技術職員を派遣して市町村職員の指導育成を図ってまいりましたが、支援要望の増加に伴い、平成3年度から、滋賀県下水道技術センターを設立し、技術的業務の指導、助言、研修会の開催等の事業を実施して市町村職員の技術力の向上に努めているところであります。
また、財政的支援についてでありますが、琵琶湖総合開発関連事業として下水道事業を実施している市町に対しては、下流負担金を原資として国庫補助対象事業費の10%が関係市町に交付されております。下水道事業が琵総事業対象となっていない町村に対しましては、県独自の財政支援制度により国庫補助対象事業費の10%を交付しております。さらに、単独下水道事業につきましても、事業費の5%を交付しております。
これらの制度は
琵琶湖総合開発事業に関連したものでありますので、平成9年度以降につきましては、下水道整備や市町村財政の状況等を勘案して、その必要性、方法等を調査研究し、下水道整備が円滑に推進できるように対処していきたいと考えております。
3点目の公共下水道の水洗化の促進についてでありますが、県下の水洗化率は、平成5年度末の全国平均の約90%と比較しますと約83%と若干低い状況にありますが、これは、本県の下水道の処理区域が急速に拡大しており、供用開始後、水洗化義務期間の3年を経過していない区域が比較的多いところに主な原因があると考えております。ちなみに、水洗化義務期間の3年を経過した区域の水洗化率は約93%であります。
そこで、水洗化促進についての対応策でありますが、関係市町におきましては、住民に対するPRの徹底のほか、資金援助制度の充実を図っており、融資あっせん、利子補給、奨励金交付、生活扶助世帯に対する補助金等により、水洗化促進のための助成が行われていますし、また徐々に水洗化施工業者の数の確保と質の向上がなされていますので、各家庭の水洗化の促進につながっていくものと考えております。
また、県では、全国下水道促進デーや下水道フェア等の催し物の中でも、直接県民に対し水洗化促進の啓発活動を行っておりますし、さらに、平成5年6月に開館しました水環境科学館においても水洗化のPRに力を入れており、今後とも全体的な水洗化の促進に努めていきたいと考えております。
◎教育長(高井八良君) (登壇)まず、兵庫県南部地震についての御質問のうち、県立学校の避難所の指定と地域住民との連携についてお答えいたします。
地震災害発生時における避難所につきましては、市町村の
地域防災計画において定められることになっており、公立小中学校を優先的に指定し、次に県立高校等が指定され、関係市町村から住民の方々に周知されているところであります。現時点では、県立の全日制高校45校のうち34校が避難所に指定されております。
御質問にありますように、県立学校につきましては、夜間は無人警備でありますので、防犯等の観点から校門を閉めておりますが、施錠はしておらず、緊急時には随時グラウンド等への立ち入りが可能な状況でございます。
また、地域住民との連携につきましては、学校運営等との関係もあり、自治会等地域団体との連携を保つよう努めているところでありますが、今後さらに緊急時の対応も含め、市町村とも調整しながら、十分な対応ができるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、生徒指導対策についてでありますが、まず、いじめ問題については、本県におきましても、社会で許されない行為は子供でも許されないという態度で臨んでおります。その上、学校の中で解決できないようなケースについては、広く家庭や地域社会、また関係機関の協力を得て解決を図りたいと考えております。
来年度の具体的な施策としましては、生徒指導の嘱託員を2名から5名に増員し、この事業の充実を図ることといたしましたほか、いじめホットライン滋賀の継続設置、各中学校へ臨床心理士を派遣しての教員研修の実施、スクールカウンセラーを活用する研究の委託などであります。また、市町村独自の相談員の配置、相談窓口の設置等の要請もあわせて行いながら、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
次に、学校でのいじめ等の課題の根本的な解決の方向でありますが、いじめはさまざまな要因が絡み合っており、その原因はなかなか明らかにしにくいのでありますが、御承知のとおり、現代は社会の変化が激しく複雑であります上、競争の原理も強く働くことから、あらゆる点で大人も子供もストレスがたまりやすい状態にあることがその原因ではないかと指摘する識者もおられます。
ストレスの解消にはいろいろな手段がありますが、子供のストレスの解消がいびつな形でなされますと、学校にあっては、例えば校内暴力やいじめであったり、また、適切な解消方法の見つからない子供は登校拒否などになるのだということでございます。
ストレスの蓄積は社会の進展とともにますます深まる方向と考えられますので、子供がストレスに出会いながらも、それに負けることなく、人間らしくたくましく生きていく力を確実に身につけることが大切であると考えます。このためには、子供たちに学校、家庭、地域社会でさまざまな体験をさせ、それをもとに学習を重ねまして、人として正しく生きるための知恵を自然と会得させることが必要であると考えます。このことは、自然への畏敬の念を抱かせたり、家庭や社会における温かい支え合いの大切さをも自覚させることになると考えます。
次に、家庭教育の充実と地域の教育力を高めることについてでございますが、いじめ防止とかかわりまして、家族お互いの温かい心の触れ合いや信頼、あるいは尊敬の心をはぐくむなど、人格を形成していく上で家庭の教育力の充実は大変重要であると考えます。
そこで、本年度から主として父親を対象とした職場内家庭教育講座を県内の100事業所で開設したり、いじめフォーラムを開催するなど、改めて家庭教育の大切さを確かめ合っていただいているところでございます。
また、地域社会は、今日の子供に不足がちな自然体験、社会体験等を多く積ませ、人や物との出会いを通して思いやりの心を育て、豊かな人間性を培うことを支援する場でもありますことから、今後とも、青少年育成市町村民会議、PTA、自治会あるいは少年団体指導者等の協力を得ながら、従来から実施しております少年少女地域活動促進事業を初め、さまざまな事業に取り組んでいきたいと考えております。
◎警察本部長(内山田邦夫君) (登壇)まず、県警察運営に当たっての所信についてお答えいたします。
さきの人事異動で警察本部長に着任いたしましたが、歴史と自然、また現代的な活力に富んだ当滋賀県で勤務できることを大変光栄に思います。と同時に、県下の治安維持の責任者といたしまして、その責任の重大性を改めて痛感しているところであります。
県警察の運営についてでありますが、治安を取り巻く環境は、社会情勢を反映して、犯罪が広域、凶悪化するなど著しい変化を見せており、交通死亡事故、少年非行事案にいたしましても、全国比較で見まして相当突出した状態が続いているところであり、まことに厳しいものがあると認識いたしております。
こうしたことから、警察活動の重点といたしまして、暴力団を初め、悪質重要犯罪の検挙、けん銃の摘発、また県民の方々の関心の高い交通死亡事故や少年非行の抑止等につきまして、特に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
また、未曾有の災害となりました阪神・淡路大震災につきましては、本県警察におきましても、非常に厳しい現地環境の中で鋭意支援活動を続けておりますが、貴重な教訓を得たところでもあり、滋賀県における大規模震災対策につきましても、総合的な枠組みの中で的確な警察活動がとれるよう、その対応について点検、検討を加えているところであります。
以上の各般にわたります警察活動につきましては、地域との連携を図りながら、県民の御理解を得つつ、県民の立場に立って、県民とともにその推進に当たることが肝要であり、このことを念頭に置きまして、本県警察の運営に最大限の努力を傾注していく所存であります。どうかよろしく御指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
次に、地震災害における救助対策についてお答えいたします。
災害対策用装備品につきましては、迅速かつ的確な被災者の救出、救護および被害拡大の防止活動を行うため、これまでもレスキュー車、チェーンソー等を整備し、水難事故救助用としてレスキュー船や潜水用具等を整備するなど、災害の種別、態様に応じた救助用資機材について、年々増強に努めてきたところであります。
しかしながら、今回の阪神・淡路大震災のような大規模災害等が発生した場合、現有の装備資機材では性能や数量において十分とは言えない状況であり、最新の災害救助用資機材をさらに整備していく必要があります。このため、平成7年度当初予算において、投光器、クレーン、ウィンチ、発動発電機、災害対策車等の購入をお願いしているところであり、今後も各種救助資機材の整備に努めてまいりたいと考えております。
次に、災害救助訓練について申し上げます。
災害現場における被災者の救出、救護活動の任務に当たる警備実施部隊といたしましては、機動隊、管区機動隊のほか、警察署員をもって編成する第二機動隊、第三機動隊がありますが、これらの警備実施部隊につきましては、緊急出動や装備資機材の操作等を反復実施しているほか、ヘリコプターを活用した高層建築物からの救出活動を初め、倒壊家屋や事故車両からの救出訓練等、被災者の救出、救護を重点に置いた実践的な訓練を実施しているところであります。
また、例年9月1日の防災の日に実施されます滋賀県防災総合訓練におきましても、被災者の避難誘導訓練、警察通信を駆使した情報伝達訓練、レンジャー部隊による孤立者の救助活動等の訓練を行っております。
今後は、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえまして、装備資機材の充実に努めますとともに、訓練内容にさらに改善を加え、実践的な訓練を実施し、大規模災害に迅速に対応できるよう努めてまいりたいと考えております。
○議長(黒川治君) しばらく休憩いたします。
午後0時7分 休憩
───────────────
午後1時10分 開議
○議長(黒川治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
46番石橋修一君の発言を許します。
◆46番(石橋修一君) (登壇、拍手)県民の皆様の負託をいただいた私たちの任期最後の2月定例県議会に当たり、県民連合を代表し、当面する県政課題について質問いたします。
私たち県民連合は、去る2月15日、心ばかりではありますが、救援物資を積めたリュックを背にいたしまして、復旧したばかりのJR住吉駅より、自転車をお借りいたしまして、灘区、中央区、長田区等を実動6時間をかけて回ってまいりました。目の前に見る惨状に、地震の巨大なエネルギーのすごさを冷厳に見せつけられ、身震いする思いでございました。家屋の倒壊、押しつぶされて車はぺしゃんこ、ビルは倒れ、あるいは大きく傾き、道路はうねり、そして波うち、高速道路のけたは外れ、支柱の太い鉄筋があめのようにぐしゃりと曲がり、鉄をも焼き尽くした猛火のつめ跡は、実感としてとても新聞報道やテレビの映像では知ることのできないものでございました。焼け跡や倒れた家屋の一角に花やたばこ、菓子などが供えられていて、私たちは思わず自転車を降りて手を合わさざるを得なかった状態でございました。
こうした筆舌に尽くしがたい悲惨な状況に出会ったとき、人々は、とうとい命を一瞬に奪われた人たちの御冥福をただただ祈ること、一瞬にして家族を失い、焼け野原にほうり出された被災者に対して、できることのすべてを、そしてなし得る支援の限りを誓うという人間の良心の噴き出ることを私たちは初めて知りました。大変貴重な体験でございます。
私はまず、県民連合を代表し、阪神・淡路大地震においてとうとい命を失われた5,400人を超える犠牲者の皆さんの御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、今なお不自由な毎日を過ごしておられる被災者の皆さんに思いをいたし、私たちも一緒に復興への道につながる行動をとることを誓うものでございます。
想像をはるかに超えた大惨事をもたらした阪神・淡路大地震は、私たちの暮らしのあり方に大きな警鐘を鳴らしたものと受けとめざるを得ません。自然のすごさ、自然との共生とか環境との調和という言い方のもとに、便利さや快適さを優先させ、人間が自然をコントロールできるかのような思い上がりを持ってしまったことを反省しなければならないと痛感するものであります。県民の皆様方の負託を受けて県政にかかわる者の責務として、私たちは示された多くの教訓に学び、早急に防災計画の抜本的見直しと生活基盤の点検、再整備に努めなければなりません。
また、今回の地震でボランティアの活動が大きく評価され、その役割や意義づけがクローズアップされました。行政が縦割り組織の中で、被災者への総合的な対応に迅速さを欠き、あるいは行政の限られた人員で不眠不休の努力をしても限界がある中で、被災者を支え、人々の訴えを行政に代弁する役割を果たしているのもボランティアの人々であります。ボランティア活動はこれまでから、地域活動、教育や文化、環境や福祉など、あらゆる分野で大きな役割を担ってきましたが、人々の自由で自発的な活動であるがゆえに、制度的サービスでは行き届かない、よりきめ細かなサービスを提供できること、行政を動かし社会を変える力となることが明らかになりました。学校や企業、地域社会で育ち始めたボランティア活動の芽を大きく育てる環境づくりに、県政の積極的な取り組みを強く求めるものでございます。
本年は、第2次世界大戦が終結して50年の節目の年であります。私たち、来るべき21世紀を平和と安定の世紀、地球上のすべての人々が飢えや貧困、恐怖から解放された世紀とするために、日本が経済力や科学技術力で大きな役割を果たす歩みを始めなければならないと考えます。
私たちが滋賀県議会に議席を与えられたこの4年の間に、国政は大きく流れを変えました。長期にわたった一党単独体制から連立の時代へ、政治の状況は大きく変わったのであります。地方における連合、連立に国政が大きく歩み寄ったと言えないこともありません。
いずれにいたしましても、私たち県民連合は、滋賀で培ってきた働く者、生産者、生活者の立場からの政治参加の思いを県政に反映させるよう努めてまいりました。来るべき
統一地方選挙、私たち県民連合は、かねてから私たちの理念とする県政をみずからのこととして考え、参加し、支えていく県政をしっかり定着させるために全力を傾けるものでございます。
以下、知事の所信表明と提案説明にかかわる諸課題について質問をいたします。
まず、新年度予算案について質問いたします。
知事は去る12月県議会で、新年度予算編成方針について我が会派の県財政に赤信号が点滅しているとの警告に対して、既定の計画だからとか、県民の皆さんに喜んでいただけるからというだけで、これまでのようにいいものはどんどんやっていくという姿勢では到底やっていけない。思い切った転換が必要であるとの所信を明らかにされたところであります。
提出されました予算案は、対前年度実質伸び率が3.7%で、1984年──昭和54年度以来の低い伸び率となっております。県税収入が対前年112.2%、155億円の増で、久しぶりに前年実績を上回ったこと、わけても県税収入の大宗を占めている法人二税が4年ぶりに対前年比を上回ったことなどの明るい特徴が見られるといたしましても、かつて法人二税が県税収入の半ばを占めた時代から見ますと、まさに雲泥の差であります。ちなみに、過去最も大きかった法人二税の収納額は、平成2年の780億4,400万円で、新年度予算額との差は235億8,000万円でございまして、法人二税の落ち込みが県財政に及ぼした影響がいかに大きかったかわかります。
積極的財政を基本に据え、ここ数年の特に厳しい財政環境の中にありましても、積極的、いわば攻めの予算編成を続けてきた本県にありまして、その方針を転換して、抑制、緊縮せざるを得ない苦しい状況下での予算編成で、関係各位の御苦労は十分理解するものでございます。
私ども県民連合は、新年度予算案に県民要望を反映させるため、各市町村や各種団体の意向を聴取するなど、精力的な取り組みをいたしてまいったところでございます。しかし、限られた財源の中で、施策の優先度を厳しく選択し、抑制すべきは抑制し、着実に必要な施策を前進させる当局の姿勢を評価し、基本的に新年度予算案に賛意を表するものでございます。
そこで、知事に伺いたいのでありますが、法人二税を中心にして、毎年 100億円単位で増収の伸びが期待できたこと、国の景気対策に呼応した起債財源の両者に支えられて、攻めの積極予算で臨んできた本県は、今ようやく増収に転じたものの、平成不況とともに、今度は一転して逆に毎年100億円単位で税収が落ち込むという状態が続いていたのであります。
こうした中で、県の借金である県債残高は5,000億近くに膨らんでおります。もちろん財政調整基金や
県債管理基金制度による年度間調整によって財政健全化に細心の留意をされてきましたが、財政の対応力に陰りを見るのを否定できません。福祉や環境、ポスト琵琶総等、さらにはけた違いに巨額の投資を要する空港対策が続き、本県財政はまさに非常事態を迎えつつあると、私どもは深刻に認識をいたしております。
私ども県民連合は、以前から本県財政に黄信号が点滅している、そして、さきの12月県議会では、赤信号が点灯している、大規模な施設整備が財政硬直化を招く要因となっていると警告してまいりました。新年度予算案の発表を契機に、このことが今ようやくマスコミでも取り上げられるようになりました。あるいは、去る21日発表の県
行政改革委員会の中間発表でも指摘されるに至りましたが、ようやく県民的議論になってきたと考えます。
知事はこれを真正面から受けとめ、本県財政の健全性確保について所信を吐露し、県民の理解と協力を求めるべきだと信じます。これらについて知事の所信を伺うものでございます。
次に、
びわこ空港についてであります。
びわこ空港は本県における地域振興の核となる社会経済基盤であり、その実現が一日も早からんことを期待し、これまで熱い議論を積み重ねてきたところであります。
確かに空港は周辺地域の自然や生活の環境を大きく変化させるものであり、まずはそのことへの対応策を具体的に示すことによって、空港予定地周辺の皆さんに将来の生活に対する不安や心配を取り除いていただくことが肝要であります。
びわこ空港の立地が両町にとって、また地域にとってどういう意味を持つことになるのかなど、より具体の議論の深まりもこれまた大事なことであると思うのであります。単に空港設置者である県や町が地元にお願いし、理解を得るということが表に出て、地元が将来に向かってどのような夢を描けるのか、町にとって、また地域にとって空港問題をいかに認識し対応すべきなのかなど、住民の方々による真剣な議論がいまひとつと受けとめるのであります。決して空港問題は、予定地周辺集落の問題としてとらまえるのではなく、地元にとって町や地域の将来を決定づけることになるものであり、そうした意味で、今、歴史的判断が求められているのであります。
先例空港の話としても、地元の熱意の盛り上がりの事例を聞くのでありますが、町として誘致された経過もあるのであり、現状において、地元蒲生、日野両町の地元住民の空港問題の受けとめはどうなのか、機運はどういう状況にあるのか。特にその中で、環境アセス等諸調査は、空港ができた場合の自然や生活への影響度合いを実証的、科学的裏づけをもって説明し、地元の皆さんの不安や心配を取り除く対策をお示しするなど、議論を深めていくための素材となるものでありますことから、一日も早い調査了解が待たれるものであります。
決してこのことが空港了解となるものではないと認識するのでありますが、今、県として地元の皆さんにどう説明し、理解を得ようとしているのか、また地元の理解はどのような状態なのか、空港整備推進本部長である岩波副知事に伺うものであります。
地震対策についてお尋ねいたします。
地震予知連絡会前副会長力武東京大学名誉教授は、7年前に出版した「日本危険地帯」で地震発生の可能性とその規模予測について、2001年から2010年までの10年間に100ガル──震度5以上の地震が起こる可能性は、神戸で59%、大阪で69%、京都で70%、大津で73%、さらに300ガル──震度6以上となると、岐阜県高山38%、敦賀37%、神戸29%と、全国62都市の中でも最高ランク3番目の危険都市、近畿が危ないと警告されてまいりました。力武説に限らず、滋賀、京都、大阪、奈良、兵庫南部は近畿三角帯と呼ばれる世界有数の活断層密集地として、専門家の間では、この地域は煮えたぎったやかんの上に座っているようなものとまで言われているのであります。
東海地震に備えて、関東、東海地域には大規模な地震観測網が敷かれておりますが、これとは別に、過去の地震予知連絡会によって、本県を含む名古屋、京都、大阪、神戸地区を初め、全国で8地区を特定観測地域にしております。県防災会議でも、
震災対策計画において、本県が活断層の分布密度の最も高い地域に属し、地震発生の危険性を抱えていると指摘し、姉川地震級のマグニチュード6.5の地震は100年に1回繰り返すとしているのであります。ちなみに、姉川地震は今から86年前、1909年に発生しているのであります。こうした実態は、我が滋賀県で阪神大地震と同規模の大地震が発生する条件がそろっていることを如実に示すもので、改めて本県の地震対策を厳しく問い直す必要性を私たちに鋭く迫るものでございます。
以下、地震対策について知事ならびに
生活環境部長の所信を問うものであります。
まず、地震対策計画の抜本的見直しについてであります。
県の地震対策計画は震度6程度を想定していますが、阪神大震災が震度7を記録し、大災害をもたらしたことから、対策計画の見直し等に1億3,500万円を新年度予算で計上されました。中央防災会議において、震度7の激震に対応した内容を新たに盛り込むよう聞くのでありまして、私ども県民連合は、想定震度7とすることは常識と考えるものであります。
地震の発生を完全正確に予知できれば、被害を最小限に食いとめることは可能でありますが、予知できないとすれば、震度7対策が財政的に極めて至難であるといたしましても、逃避することは許されません。なぜならば、万が一の災害を最小限に食いとめる方策なくして、安心して暮らせる都市の持続と未来への展望は開けないからであります。
このたびの震災で、ライフライン、通信、情報、防災、交通、指揮系統等々多くの問題点が露呈いたしておりますが、これらの対策を地震専門委員による結論を待つまでもなく、知事として積極的な姿勢を示されるよう強く期待するものであります。所見を伺いたいと存じます。
次に、2番目として、滋賀県地震対策計画が昭和56年6月に策定されたにかかわらず、空文化していた事実は謙虚に反省をされなければなりません。県は新年度予算において、県施設の耐震調査に必要な経費として3,000万円を計上されております。私どものかねてよりの強い要望であり、時宜を得た対策として評価するものであります。
私ども県民連合は、さらに踏み込んで、現に計画中の主要施設、例えばびわ湖ホール、新設高校等々についても震度7に耐え得る施設とするよう、必要な調査と対策を速やかに講ずるよう強く求めるものであります。入札や工事請負契約を急ぐべきではありません。知事の明快な御所見を伺いたいと存じます。
3番目には、観測体制を飛躍的に強化することについて伺います。
国は地震計の設置をふやして地震計測を強化することを決定したと承知するのでありますが、予知力を高めるためにも、断層ごとに観測体制を敷くことが大変重要なことではないでしょうか。私どもは、本県が活断層の密集地であるという特異性にかんがみ、県独自でもあえて断層ごとの観測体制に取り組むべきだと考えるものでありますが、
生活環境部長の所見を伺いたいと思います。
4番目には、活断層と地盤の液状化についての情報提供問題について伺いたいと思います。
さきに申し上げましたように、滋賀県を含む近畿・中部地方は、我が国でも活断層分布密度の最も高い地帯であります。と同時に、びわ湖岸周辺に見られる軟弱な粘土層、あるいは緩く堆積した砂層に、耐震性と液状化について地震対策計画は取り上げております。つまり、びわ湖周辺の活断層の分布図、地盤地質構造、防災上考慮すべき地震、表層地震の動的特性、地盤別予想震度、軟弱地盤の耐震性等々について検討を行った結果をまとめたものとして、滋賀県地震対策基本本図を策定されているのであります。
私どもは、このたびの阪神大震災を機に、私たちの滋賀の地に活断層が集中していること、液状化により災害が強く心配されることを滋賀県地図の上で初めてこの目で確認したのであります。私たちが目にしておりますのは25万分の1の地図でありますが、一種の戦慄を覚えたのであります。私どもはこれを1万分の1に拡大し、積極的に県民に提供すべき情報として位置づけるべきだと考えるのであります。公開により、あるいは一種のパニック現象を招くかもしれませんが、県民の知る権利として、公開について
生活環境部長の所見を伺いたいと存じます。
次に、平和祈念館に関連して伺います。
マスコミ報道によりますと、戦後50年の柱の事業として国で進められていた仮称戦没者追悼平和祈念館について、厚生省は、戦前から戦後の通史を展示して戦争の全体像を示すというこれまでの考え方を撤回し、戦中、戦後の国民の労苦を中心にした遺児記念館のような性格づけへ方針を変更したと伝えられております。厚生省の諮問機関、企画検討委員会の10人のメンバー中3人の委員が厚生省の独走に抗議して辞任したとも報じられております。このことは、昨年6月の村山政権発足時の与党3党の政策合意に、過去の戦争を反省し、未来の平和への決意を表明する国会決議が盛り込まれ、その取り扱いが本年8月の戦後50年を控えた今国会の会期末の大きな焦点だといわれている中で、大変注目される出来事であります。
国の平和祈念館は、国家のために父をささげた遺児らへの慰謝事業をとの日本遺族会の要求にこたえる形でスタートし、識者による懇談会による基本計画の論議等も経て、通史的な展示スペースを充実させる方向でこれまで準備が進められていたものと承知いたしております。本県におきましても、滋賀県遺族会の要望などが契機になって構想の具体化が進み、平成3年3月に平和祈念館(仮称)基本構想検討懇談会で基本構想報告書がまとめられております。
基本構想は、今、戦争体験が風化しつつある。平和祈念館は歴史的事実を踏まえ、身近なところから戦争体験を次の世代へと伝え、戦争の悲惨さと戦争の実相を正しく認識する場である。また、歴史の教訓を未来につなぐ視点を持ち、より平和な未来を希求する豊かな心をはぐくみ、恒久平和の実現に向けての努力がされなければならない。平和祈念館は、この2つの機能を合わせ持ち、世界の恒久平和を願う県民の心をあらわす施設であるとともに、戦争と平和について考え、語り合い、平和の尊さを実感する場として、平和を愛する心をはぐくみ、平和な社会の実現に寄与していくものとすると基本理念をうたっています。
平成7年度予算案においても、恒久平和の実現への願いを込めて、戦争体験の継承と平和の尊さを後世に伝えていくための平和祈念館の設置に向け、引き続き資料収集を行うとともに、戦後50年という節目において平和意識の一層の普及等を図るための平和展を開催するとして、新年度予算案に資料収集調査費1,680万円余り、そして平和祈念展開催費として700万円が計上されております。
私どもは、国における方針の変更が伝えられるもとでも、滋賀県の戦後50年の節目への取り組み姿勢は、戦争体験や資料を収集し、後世に残し、戦争体験を風化させることなく、歴史をしっかりと認識し、戦場となった諸外国の人々の思いに心を寄せ、平和を願う心をはぐくんでいくものとするという基本構想の方針をいささかも変えるべきでないと考えるものでありますが、資料収集調査に関する方針ならびに平和祈念展開催の基本的な計画について、知事の所信を問うものでございます。
次に、琵琶湖総合開発について伺います。
琵琶湖総合開発特別措置法は、平成8年度で期限が切れるわけでありますが、法期限後において新しく主にびわ湖の水質と水位の保全、維持、自然環境の保全を中心にした利水と治水、びわ湖の恵沢をどのように受け継ぎ、自然と共存、共生していく事業、ポスト琵琶総の模索がなされています。
新しい仕組みをつくるには、関係自治体の協力と国の理解がなければなし得ないものであることは明白であります。それゆえに事は慎重にして、かつ時には大胆に主張すべきことははっきりと申し述べ、協力を求めていただきたいと考えております。
この構想については、時期を失することなく、ポスト琵総を求めていくためには、計画された琵琶総事業の完遂が前提条件になると考えるところであります。そこで、新年度の事業予算は514億5,500万円であり、すべての事業が順調に執行されたとして、7年度末の進捗率をどう見ているのか、また特別立法の期限切れとなる8年度を見据えた事業執行についての今後の見通しについて企画部長に問うものであります。
次に、びわ湖の水質改善事業についてでありますが、生活環境部所管、土木部所管、農林水産部所管等々に多くの事業がございますが、河川やびわ湖の水質改善にかかわる新年度事業についてはどのように取り組まれるのか説明していただきたいと思います。
まず、生活環境部でありますが、合併浄化槽の設置目標と実績についてはどうなのか、今後の見通しについて、あるいはまた設置された合併浄化槽と早くから既に設置されている単独浄化槽の適正管理についてはこの実態はどうなのか、また今後の管理監督方針について問うものであります。また、昨年の渇水で心配されていましたヨシの生育管理についてはどのような状態なのか、今後の方針についても問うものであります。
次に、びわ湖の水質についてでありますが、昨年の大渇水時、びわ湖に流入する510の河川のほとんどが干し上がり、河川からの汚濁物の流入がなくなり、ひとときびわ湖の透明度が十和田湖並みとなって随分と美しくなりました。その後、河川に滞留していた汚濁物が雨で一挙にびわ湖に流入し、びわ湖の水質が悪化するのではないかと心配されていましたが、その後の経過について余り悪い報告は聞いておりませんが、経過についてどうなのか、
生活環境部長に問うものでございます。
次に、土木部でありますが、河川から汚濁物をびわ湖に流入させないための方策として、河川の河口部にためますと同じような効果をもたらす手法ができないものか、御提案を申し上げたいと思います。また、内湖の活用と改善策について問うものであります。
次に、びわ湖岸におけるヘドロ等のしゅんせつ、浄化についてでありますが、この際、しゅんせつとしゅんせつ土の洗浄浄化と覆土を船上で作業できるような施設をつくってはどうか、これも提案させていただきたいと思います。そして、年じゅう少しずつでも稼働し、びわ湖の水質浄化に努力しているというこの事実と、そのシンボルとしての啓発を兼ねるのもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。これらの提案について見解を問うものであります。また、河道のしゅんせつと散在性のごみ対策についてでありますが、この取り組みについて、今後の課題と新年度の方針について問うものであります。
次に、農林水産部についてでありますが、農業用水の用排水分離の改善ならびに用水の反復利用についてはどのように進んでいるのか、実態はどうなのか、新年度の方針と今後の方向を問うものであります。また、休耕田の計画的利用、すなわち沈殿池としての活用ができないものかどうか問うものであります。同時に、新年度の農林水産事業における環境に関する課題解決のための事業なり方針についても伺いたいと思います。
次に、企画部長に問うものでありますが、先般の議会でも同じようなことを申し上げましたが、この1月の新聞報道にもありましたけれども、昨年の渇水のとき、県民運動として、干し上がった湖岸に打ち上げられた水草の撤去を行っていたことに関連いたしまして、琵琶湖研究員のコメントとして、これを取り除いても、養分の除去という面から見れば効果は上がらないと言っているようであります。このことは、行政サイドと研究所の取り組み方、環境対策についての考えが異なっているように見えるのであります。県民のせっかくの努力がむだと言われるようでは、何をか言わんやであります。
私どもはいつも申し上げておりますが、基礎研究の大切さも十分理解しているつもりでありますが、応用技術についての指針をもっと積極的に提案すべきであり、学術的に高い評価を得られても、日々の暮らし、日々のびわ湖の水質改善にどう貢献していただいているのか、我々には見えてこないのであります。この点について見解を問うものであります。
次に、福祉施策についてお尋ねいたします。
私たち県民連合は、少子、高齢社会に対応できる社会基盤の整備として、高齢者福祉施策、障害者福祉施策、子育て支援施策の充実に努めるとともに、特に、障害を持つ人も持たない人も住みなれた家庭や地域社会で生活し活動するノーマライゼーションを実現し、安全で美しく、快適で、安心して暮らせる町づくりの推進を提言してまいりました。その結果、昨年9月定例県議会において、滋賀県住みよい福祉のまちづくり条例が、大阪府、兵庫県、山梨県に次いで全国で4番目として制定したところであります。
本県の福祉のまちづくり条例の特色は、先進府県は高齢者や障害者を対象としたものでありますけれども、本県においては、高齢者や障害者だけでなく、妊産婦や障害者に含まれていない難病患者や心臓等の弱った病弱者を対象として含まれていることが挙げられ、県民の期待は言うに及ばず、全国からも高い評価を得、県のこれからの取り組み姿勢に注目が集められているところであります。
今後の対応について伺うものでありますが、まず条例では、住みよい福祉のまちづくりを総合的に推進するための施策において、施策の基本的事項として、1つには福祉教育の啓発活動の推進、2つには移動、交通対策の推進および公益的施策等の整備の促進、3つには県民総ボランティアの推進、4つには視聴覚障害者への情報提供手段の充実、5つには住宅対策の推進の5項目を明確に位置づけられているのでありますが、新年度の予算の具体策を示していただきたいと思います。
私たちは、厳しい財政事情ではありますけれども、新年度の予算編成において、生活環境や、特に福祉サービス基盤の充実、さらには強化を求めてきたところであります。住みよい福祉のまちづくり条例の制定を受けて、条例施行に向けて具体的な施策推進に取り組まれるわけでありますが、その方針とスケジュールについて伺うものであります。
また、新年度当初予算として、住みよい福祉のまちづくり推進費として11億3,600万円余の予算措置がなされ、普及啓発事業費を初め、障害者仕様にトイレ設置促進事業費補助金、特定施設整備資金貸付金等々を計上されたところでありますが、その施策内容はどうか。また、条例施行日と相まって、事業予算の消化は図れるのかどうか危惧するものであります。健康福祉部長の所見を伺いたいと思います。
次に、高齢者対策についてお尋ねいたします。
本県の高齢化の状況は、平成7年1月1日現在では高齢化率が13.7%で、このうち20%を超える町村が12町村、さらに19%台も2町となっていると聞いておりますが、近いうちに県内の約3分の1の町村がいわゆる超高齢社会と言われる状況になると見込まれ、本県においても急速に高齢化の波が押し寄せてきているのであります。こうした中で、介護を要する高齢者の増大や、その家族の介護負担に対する積極的な保健福祉施策の充実が求められているところであります。
中でも、痴呆性老人につきましては、厚生省の示す出現率によりますと、平成6年では本県の痴呆性老人数は約8,000人に達すると推定されており、また平成12年には1万人を超すことが見込まれているところであり、このうち重度の痴呆性老人は約2,000人と推計されております。このような重度の痴呆性老人の中には、脳梗塞による身体的な障害に加えて、暴力や大声を発するなど問題行動が激しくなり、一般の病院では入院や診療が困難なことから、御家庭で日々の介護の仕方に戸惑い、思い悩みながら苦しんでおられる家族を初め、家庭内不和に至るケース、あるいは介護疲れやストレスによって介護者が倒れてしまうケースなど深刻な状況があります。これらの問題は、介護が長期間に及ぶことから、家族にとって非常に深刻な問題であり、早急にきめ細かな対策を講じていく必要があると思われます。
こうした中で、県は、湖国しが新ゴールドプランの推進を図るため、新年度予算案において約74億円を計上されていますが、その中でも、痴呆性老人対策の充実を重点施策に掲げ、都道府県レベルでは全国で初めてのグループホームの運営支援など新たな事業の取り組みも行われるようでありますが、県は痴呆性老人対策を基本的にどのように考えておられるのか、また平成7年度において具体的にどのように取り組もうとされているのか、健康福祉部長にお尋ねいたします。
次に、農業問題についてお尋ねいたします。
私たち県民連合は、我が国が貿易立国である以上、農産物の輸入自由化は避けられない今日的課題と考え、それぞれの生産物が市場競争で勝ち抜くための手厚い諸施策を追求するものでありますが、貿易優先、輸入促進をベースとした輸入農畜産物の残留農薬基準および食品添加物等の規格基準を切り下げてまで輸出国の基準に合わせるべきでないと考えるのであります。日本に輸入し、日本で消費されることが約束される日本の市場である以上、国民の食生活と健康を守るという安全基準が十分に確保されていなければなりません。この事務を所掌される健康福祉部長はどのように考えておられるのか、見解を明らかにしていただきたいのであります。
次に、ウルグアイ・ラウンドの多角的貿易交渉合意による国内対策は、御存じのとおり、さきの新政策に沿って農業の合理化を促進しようとするものでありますが、6年間で総額6兆100億円、地方単独施策、つまり農山漁村対策で地方の単独施策の拡充を図るため、1兆2,000億円の財政措置があります。
このようにガット・ウルグアイ・ラウンド国内対策は、米輸入を初めとして、WTOや新食糧法で明らかにされているとおり、日本農業が輸入農産物との商業的市場競争に対応できる農業施策として打ち出されたのでありますが、その中身のほとんどが新政策と相乗りの補強であり、目新しいものは、負債対策など6,000億円、金利といたしましては2.0から2.5%、土地改良負担金対策、金利は3.5%、地方単独事業の農山漁村ふるさと事業──7年度計画2,000億円のうち550億円が確定しているようでありますが──などであります。
そこで、農林水産部長にお尋ねいたしますが、その1番目に、ウルグアイ・ラウンド対策初年度事業に対する本県の場合どのように取り組まれるのか、公共事業、非公共事業、融資事業、その他事業、地方単独事業などについて新年度予算での取り組み内容を明らかにしていただきたいのであります。
2番目には、県下の公共事業、非公共事業の関連で、農家が現在抱えている負債総額および特定農家のメニュー別事業負債の県下全体の総額について問うものであります。
3番目に、新政策、ラウンド対策の進行と本県集落営農施策のひずみについてであります。集落営農体制はおのおのの取り組みが集落全体の位置づけとして、自然環境や水利、道路、用排水路等に関心を持たせ、環境に優しい農業づくりの展望があります。ところが、近年、農業経営の大規模化、農地の流動化対策などのかけ声とともに、圃場の大型化や農地の貸借による農地の利用集積が増加し、集落以外の耕作地が、作付や施肥、収穫時のほかは集落との地縁が全く切れてしまうため、地域環境はすべて無視されているのが現状であります。
農林当局は、このような農地の流動化対策で、農地利用の集積によって農業経営の大規模化が地域にさまざまな問題を提起していることに対して、どのような見解を持っておられるのか問うものでございます。同時に、農林水産部長には、集落営農という集落農家全体の協力的な態勢と、これとは異質の企業的な農業形態との関係をどのように調整しようと考えておられるのか所信を求めます。
最後に、いじめ等の教育問題について質問いたします。
昨年末、自殺者まで出たいじめ問題は、震災報道でマスコミの表からは消えていますけれども、深刻に悩んでいる子供たちは今なおあり、被災した疎開転校生がいじめに遭わないかということまで心配する声があります。残念至極です。県教委は、パンフレット「いじめ」を全保護者に配布して、学校はもとより、家庭、地域において適切な対応がとれるよう取り組まれたばかりですが、それを支援し、補う立場から質問をいたします。
自殺者まで出してしまったいじめも、当事者の子供に尋ねてみますと、遊び、けんかだととらまえており、生徒指導担当者の話でも、遊びが本来の遊びでなくなっていると聞きます。その背景に、「よく遊べ、よく学べ」ということわざが崩れ、「よく学べ、よく学べ」と子供たちを駆り立てている大人社会の問題があります。パンプレット「いじめ」を手がかりに、生き方、暮らし方、子供の育て方を、家庭、学校、地域、行政がそれぞれ主体的に考えておかなければなりません。依存し合って他のせいにするのでなく、家庭は家庭、学校は学校の責務をしっかりと果たし、地域、行政が連携しなければならないのです。
いじめの克服の原点は、子供自身の声を聞くことからスタートすべきであります。子ども(児童)の権利条約には、すべての子供にあり、当たり前と思われる権利があり、それを侵害してもならないし、されてもならないということを明文化しています。
それは、皆さん御承知のとおり、自分の名前を名のる権利、自分の好きなものを食べる権利、自分の部屋を持つ権利、自分の家族と暮らす権利、遊びたいときに遊べる権利、自分の小遣いを使える権利などですが、昨年秋に大津市内のある小学校高学年を対象に実施したアンケートで、子供たちから今取り上げられたら困ると思うものを1つ挙げなさいとの設問に、遊びたいときに遊ぶ権利が取り上げられたら困るということが断トツだったそうであります。これは、他の権利は取り上げられるはずがないと考えているのかもしれませんけれども、高学年の子供だから見せた率直な反応であり、それだけ子供たちには遊びが大切なのでしょう。しかし、遊びが大切なゆえに、遊びに参加したいという気持ちが、いじめる側といじめられる側にいじめを単なる遊びととらえるか否かの分岐点になると思われます。
子供が遊びの中で人間関係を深め、鍛え、けんかを含めた社会ルールの基本を体験、失敗や悲嘆、創造や喜び、時間や監督からの解放を味わうことができ、乳児期、幼児期、学齢期それぞれの段階で欠くことのできないものであります。
そこで、教育長は、子供の全人的な成長と遊びの関係をどのようにとらえ、県内の子供たちがいかなる実情にあるととらえておられるのか伺いたいと思います。
健康福祉部長には、子供の遊び場の確保について、子供にやさしい街づくり事業との関連をどう図ろうとしているのかお尋ねいたします。
思春期には悩みを仲間同士と打ち明け合ったりして、親や教師を疎んじる傾向は私たちにも経験のあることですが、今や小学校の子供にとっても、親や教職員が身近な相談員となり切れていない原因は何なのか、その対応をどう図ろうとされているのか、教育長に伺いたいと思います。
児童相談所は歴史もあり、その名が示すとおり、児童の相談に乗ってもらいやすいところだと考えられます。児童相談所の事業概要によれば、不登校相談が中学生になると2倍以上にふえ、性格行動相談の中には、内気、寡黙、臆病、いじめられる等、不登校の予備軍的な深刻な問題がある、保護者も多くの課題を抱え、継続指導の必要なケースが増加している、子供にも、グループで対応するよりも個別でじっくりかかわらなくてはならない子供が多くなっていることから、児童福祉司にかわって判定員が親に対するカウンセリングを行わざるを得ない状況にあると報告されています。
不登校児童のデイケアをより多く受け入れ、学校との連携を深め、子供の生かしやすい状況をつくり出すためにも、児童相談所のスタッフの拡充を図るべきだと考えますが、健康福祉部長の所見を伺いたいと思います。
パンフレット「いじめ」の中で、親がもしもいじめに気づいたら、子供の悩みを十分に聞き、気持ちを安定させることが大切だと述べてありますが、それに至るまでに、毎日家庭で家族一人一人が大事にされ、親や子の気持ちがいつも気軽に話し合われ、金銭感覚や労働観、人間づき合いについても、親を見本にしながら徐々に子供が身につけられるようにすることが最も重要だと考えられます。その中でこそ、子供は愛情豊かで、自分が家族にとってかけがえのない存在だと実感できるはずです。
ところが、地域、相談機関や学校は、いまだに子育ての責任は母親中心に置いているのではないか。父親に参画させる機会はまだまだ少ないのではないか。民生委員、児童委員や、補導委員など関係者の研修の機会にもさらに徹底すべきではないか。教育長、健康福祉部長の見解を求めたいと思います。
父親は仕事があるからと大目に見られているのではないか。子育てに両親として責任を持つよう、企業に働くお父さんへの意識啓発を深めるべきではないか。商工労働部長の見解を求めて、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(黒川治君) 46番石橋修一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(稲葉稔君) (登壇)石橋議員の県民連合代表質問にお答えをいたします。
まず、新年度予算案についてであります。
新年度予算編成に当たって、県税収入は緩やかな景気の回復基調を反映し、4年ぶりに前年より増収を見込むことができましたものの、かつての水準から考えますというと、その乖離はまだまだ大きく、依然厳しい財政環境にあります。このため、新年度予算の編成に当たりましては、これまで以上に
生活者重視、地域重視の視点から、滋賀として今やらなければならないことを一つ一つ綿密に検証し、厳しい施策の選択に徹することにいたしました。
この結果、新年度予算は、実質で対前年度伸び率3.7%と昭和59年度以来の低い伸び率となったところでありますが、伸び率は低くとも、まずまず効果的なバランスのとれた予算が編成できたものと考えておりますし、事務事業の効率化や既存事業の見直し等、できるところからの改革にも取り組み、県政推進の基盤をなす将来の財政にもできるだけの対処をしたつもりであります。
ただ、
行政改革委員会からは、先日中間報告をいただいたところでありますので、新年度におきましては、その内容を尊重しながら、全庁を挙げて事務事業の点検を進めていきたいと考えております。また、そういった取り組みにあわせて、投資のあり方や県債残高の状況にも十分に留意することとし、さらには毎年度の国の地方財政対策のあり方にも配意して、健全な財政運営に努めてまいる考えであります。
最初にも申し上げましたように、新年度の県税収入は前年よりも増収を見込むことはできましたが、県内の景気回復は依然としてはかばかしくなく、阪神・淡路大震災の影響も予想されます。こういう状況では、かつてのような年々税収が伸びていくというような状況を見込むことは到底望むべくもございません。また今後、地方分権が進められたといたしましても、地方財政がどれだけよくなるか、これは未知数であります。
そうなりますと、大変申し上げにくいことでありますけれども、これまでのように県民が望んでおられるから、期待が大変大きいからということで、将来の大きな財政負担を招くような財政運営は到底許されるはずもないのであります。国の地方財政対策を初め、財源見通しを十分に考え、今後必要になる歳出増大も頭に入れながら、既定のものの見直し、改革も含め、計画的、効率的な財政運営を図っていかなければならないものと考えております。
次に、地震対策についてでありますが、今回の阪神・淡路大震災の惨状を見まして、改めて地震の巨大なエネルギーとその怖さを身にしみて感じたところであります。
当然、本県におきましても、震度7クラスの地震が起きないとの保証はないわけでありまして、今回の地震で得られた兵庫県におけるデータや貴重な教訓、それに、これまで県が実施してまいりました各種の調査研究結果を参考に、震度7規模の地震が発生した場合にどのように対応するのかということを真剣に考え、その備えをしてまいりたいと存じております。
そのため、早々に防災会議地震専門委員の方々にその見直し方法等についての御意見を伺い、特に地震発生直後の対応として必要となる災害応急対策計画については、今回の地震で指摘されている問題点等を正確に把握して、抜本的な見直しを行いたいと考えております。あわせて、この計画に連動した県や防災関係機関との的確な初期対応と連携に関する初動マニュアルを作成し、これらが地震発生時に有効に機能するよう万全を期してまいりたいと考えております。
次に、建築物についてでありますが、国においては、阪神・淡路大震災を機に、建築耐震調査委員会が設置をされまして、調査が進められております。県有施設の耐震設計については、昭和56年に建築基準法が改正され、震度6程度においても建物の崩壊がないよう基準が強化されておりまして、今回の地震における神戸での被害についても効果があったというふうに聞いております。特に、びわ湖ホールについては、地盤の状況も考え、さらに安全性を確保するため、構造設計に配慮をいたしておりまして、大震災に耐え得る構造になっているものと考えております。
次に、平和祈念館の御質問についてでありますが、まず資料収集につきましては、戦争体験者が年々高齢化いたしまして、貴重な資料が日々散逸しつつあることから、現在その収集を急務として取り組んでいるところでございます。
資料収集に当たりましては、平和祈念館の基本構想に沿いまして、この施設が滋賀県民の戦争体験を風化させず、次代を担う子供たちにこれを伝え、子供たちが、そして広く県民が戦争の悲惨さと平和の尊さを学び、平和を願う心をはぐくむことができる場となるよう、県民の戦地での戦争体験や戦争中の生活などにかかわるさまざまな実物資料、体験談等を中心に収集を進めているところであります。
次に、平和祈念展に関する御質問でございますが、この事業は、戦後50年目という節目の年に当たりますことから計画しているものでありまして、平和祈念館のために既に多くの県民の方々から戦争体験等に関する貴重な資料を御提供いただいておりまして、こうした資料やパネル等を県下数カ所において展示し、子供たちを含めた多くの方々に見ていただくことによりまして、改めて県民の皆さんに戦争の悲惨さや平和の尊さということについてお考えをいただき、平和を願う気持ちを一層高めていただく契機としていただきたいと、そういうような内容のものにしてまいりたいと考えているところであります。
◎副知事(岩波忠夫君) (登壇)
びわこ空港について3点御質問がございました。順次お答えいたしますが、まず御質問の第1点目は、地元両町の住民の方々が
びわこ空港をどう受けとめているのかという点でございました。
最近の状況をかいつまんで申し上げますと、関係集落の中でも空港推進に向けて決議をいただいた集落がございます。また、地元紙のアンケート調査によりますと、約6割の方々が空港は地域活性化への起爆剤となるとの期待感をお持ちであると報道されております。また、日野町での有志による1万人署名活動におきまして、目標を上回る1万1,000人の署名が集められたということもございます。さらに、両町において、各地区での学習会の開催とか、商工会による関係集落での町づくり提案とか、特に最近になっては青年による空港のあるまちづくりグループというものも発足した等々の状況がございます。
一口に申し上げるのは難しいのですが、周辺集落の方々の不安や心配に気遣いをしながらも、一方、空港に対する意識も確実に高まってきているというふうに感じているところでございます。
御質問の第2点目は、
環境アセスメントについての地元説明についてでございましたが、アセスメントの目的や方法、その手続等を御説明しておりますが、特にアセスメントは、空港を整備した場合の環境や生活への影響を科学的、実証的に調査予測し、地元の皆さんの不安や懸念を解消する対策を明らかにするため必要なものであること、アセスメントの手続の中で、地元の方々に説明したり、意見をお聞きしたりする機会が十分に確保されていること、専門家による審査会において公正厳格な審査検討がなされること、さらに、2,000メートル滑走路の空港において、このような本格的なアセスメントというのは、国から求められてやるものではなくて、県独自に行うものでございまして、地域と共生する空港づくりを考えている県の姿勢のあらわれであるというようなことを特に御説明をさせていただいております。
また、あわせて、このアセスメントの調査了解即空港同意となるものではないというようなことも申し添えさせていただいてきているところでございます。
御質問の3点目は、アセスメントについての地元理解の状況ということでございますが、既に了解をいただいた集落も数多くございます。また、了解をいただけていない集落に対しましては、単に個別集落の問題としてではなくて、空港予定地の周辺地域全体の問題として、環境とか、生活環境等についていろいろ議論していただくためのものであるというふうに御認識をいただきたい、御理解をいただきたいというふうに、今懸命の努力をさせていただいているところでございます。
◎企画部長(勝義隆君) (登壇)琵琶湖総合開発についての御質問にお答えをいたします。
まず、平成7年度末における事業の進捗状況についてでありますが、
琵琶湖総合開発事業につきましては、県予算にあらわれない市町村等の事業もございますことから、現時点で把握しています市町村の予定事業費と平成7年度の県予算における県事業費とを合計いたしますと、平成7年度は全体事業費として514億5,500万円となっており、平成4年度以降に計画されております事業費約2,963億円に対しまして約93%の進捗となる見込みでございます。
次に、法期限の平成8年度を見据えた事業の執行についての今後の見通しについてでございますが、平成8年度は琵総事業25年間の総仕上げとなる最終年度でありますことから、各事業ごとに進捗状況等を見きわめながら、現時点における見通しについて、現在検討を行っているところでございます。
また、琵琶湖総合開発25年間の事業が滋賀県の社会基盤整備や地域経済等に果たした役割等について評価を行うため、平成7年度に調査費を計上しておりますが、その調査結果の総合的な評価のもとに、今後の新しい取り組みの中で展開すべき施策等についても検討してまいりたい、このように考えております。
また、先ほど申し上げましたように、事業費ベースでは全体としてかなりの進捗を見ておりますが、それぞれの事業の進捗を見たとき、部分的に非常に厳しい状況のものもありますことから、十分に検討を加え、県、市町村の組織を挙げて、事業の推進に最大限の努力をしてまいる所存であります。
次に、びわ湖の水質改善事業に係る琵琶湖研究所に関する御質問にお答えいたします。
生態系に配慮した水草の除去と水質の保全効果という観点がいずれも重要であるという点は、石橋議員の御指摘のとおりでございます。
昨年の渇水により干陸いたしました湖岸の形態は、流れ藻が漂着した砂浜とか、水草が生息していない岩場、あるいは水草が生息している遠浅の浅水域など、さまざまな形態がございました。
湖岸清掃の対象となった水域のうち、ごみや流れ藻が漂着しているような場所については、水質保全の上からもその除去は非常に有効でありました。また、遠浅のところで、びわ湖本来の固有種でありますネジレモやクロモ、センニンモが生育していて水位が一定確保されている場合は、魚の産卵場所や稚魚の生育場所、水鳥のえさ場となっておりまして、これがびわ湖の生態系を維持していく上で重要な水域であります。
こういった状況から、干陸したからといって、何もかもを無差別に一斉除去するという方法ではなく、水辺の形状や状況に応じて、生態系にも十分配慮した対応が必要となります。その意味では、こういった水域における清掃活動に当たっては、今回も琵琶湖研究所の職員が立ち会うなど、現場での清掃担当者と連携を図って実施するように努めてきたところでありますが、今後、清掃活動につきましては、今回の経験を踏まえ、十分でなかった点を反省しながら、このような場所で生態系に配慮して実施できるよう、清掃に当たってのマニュアルを準備して配布するなど、清掃に参加される方々に戸惑いが生じないよう努めてまいりたいと、このように考えております。
次に、琵琶湖研究所の水質保全のための成果についてでありますが、琵琶湖研究所の主な目的は、設立以来、びわ湖とその集水域の保全に関してさまざまな側面から研究活動を行い、行政的取り組み上の問題は何か、また今後どういった行政課題にどのように取り組んで行かねばならないのかといった、個々の課題で具体的、技術的な解決方法の基礎となる情報を生産し、集約することによって、行政課題への対策の基本的方向を示していくことと言えると思います。
例えば、集水域の研究を例にとりますと、土地利用の変化や、びわ湖へ流入する物質の量あるいは動きなどを把握することによりまして、湖国環境プランを初め、各部局の計画の策定や事業展開に必要な科学的な裏づけを提供してまいりました。特に現在、最も重要な行政課題となっておりますノンポイントソースの負荷の削減対策を考えますとき、研究所の長期の観測に基づきます降雨時の流域河川から流入する負荷量の把握は必要不可欠でございます。
また、湖内の研究におきましても、びわ湖の集水域における人々の暮らしや生産活動の調査だけでなく、気象の変化など地球規模のさまざまな自然現象がびわ湖に与える影響を明らかにし、窒素やりんなどの栄養塩のびわ湖への流入の影響や削減対策の評価を主要な課題として調査、解析を進めてきております。
また、南湖水質改善事業の委員会、あるいは21
世紀ビジョンの検討会、あるいは環境保全検討会など10を超える多くの事業の計画とか制度の検討に研究所の職員が参加をいたしまして、研究成果や情報を施策に反映できるよう努めてきているところでございます。
こうした取り組みの中で、平成7年度予算で計上いたしておりますアオコ発生機構に関連した隔離水塊実験調査につきましても、琵琶湖国際共同観測──バイテックス'93の成果をもとにいたしまして、3年間をめどに南湖赤野井湾でのアオコの発生メカニズムを解明しようとするものでございます。
なお、研究成果や活動状況の情報提供につきましては、わかりやすい形で紹介できるよう、今後とも引き続き努力してまいりたいと存じておりますので、なお一層の御理解と御支援を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
◎
生活環境部長(辻本昭君) (登壇)まず、地震対策についての御質問にお答えします。
最初に、観測体制についてでありますが、本県で地震が発生する場合、最もその可能性が高いと言われております直下型地震につきましては、現在のところ短期的予知が困難とされております。
そこで、本県では、地震の予知というよりも、地震発生時における県下各地の震度を予測するため、平成3、4年度の2カ年で、花折断層上の葛川観測所を初め県下6カ所に地震計を設置し、京都大学の協力を得て、すべての地震について研究を進めてきたところでありますが、本県の地震の震動予測を行う上で、箇所数または場所的にこれで十分なのかどうか、関係者と早急に検討してまいりたいと存じます。
また、国では、現在東海地震を対象に同地域で重点的な観測体制を敷いておりますが、本県が含まれております近畿一円の特定観測地域についても、東海地方同様、観測体制が強化されるよう国に対して要望してまいりたいと考えております。
次に、活断層と地盤の液状化についての情報提供についてでありますが、本県では、第3次の地震対策調査研究事業として、平成5年度から、県下の液状化危険地域を把握するための地質調査を行っており、この調査結果は平成8年度に完了する予定であります。
県といたしましては、調査結果で得られた活断層の存在や液状化危険地域についての情報、データ等については、県のみで保有するのでなく、各防災関係機関に提供し、それぞれの対応をお願いしておるところでございますが、そうした情報を広く県民の皆様に提供し、どのように活用していただくかにつきましては、調査結果を見た上で改めて検討させていただきたいと存じます。
次に、びわ湖の水質改善事業に関する御質問にお答えいたします。
まず、合併処理浄化槽の設置の推進目標と実績でありますが、各市町村で策定された生活排水対策推進計画では、平成2年度の計画策定前の下水道、農村下水道、合併処理浄化槽の人口シェアから見た生活排水処理率29.6%を、計画目標年次の平成12年度にはこれを68.4%に引き上げることとしており、このうち合併処理浄化槽による処理率は、平成2年度の7.5%を、下水道等に接続される分を差し引いても、なお9.7%にすることとなっております。
その目標に対する実績についてでありますが、既に計画年次と同数以上の合併処理浄化槽が新規に設置されておりますが、計画期間中にも下水道の整備が進み、合併処理浄化槽から公共下水道等に接続がえが行われるなどで常にその設置数が変動することから、現時点での正確な達成率の把握は困難でありますが、ちなみに平成5年度での処理率は7.7%でございました。
なお、最近の合併処理浄化槽の普及状況は、補助制度の充実に伴って年々増加しておりまして、本年度では新設される合併処理浄化槽が単独浄化槽の新規分を上回ることが見込まれるまでになってきており、今後ともこうした傾向が続くものと考えております。
また、その浄化槽の適正管理についてでありますが、平成5年度現在、県下に設置されている浄化槽は、単独、合併を合わせて6万274基となっておりますが、これを設置者と維持管理業者との契約から推計いたしますと、約20から25%程度において十分な管理がなされていないのではないかと思われるのが実情でございます。
こうしたことから、保健所に浄化槽管理指導員を配置し、浄化槽の設置者に対してその適正管理の指導強化に努めておりますが、今後とも浄化槽の設置や管理を行う業者ともども一体となって設置者に対する監視指導を強めてまいりたいと存じております。
次に、ヨシの生育管理についてでございますが、昨年の渇水時には、県が植栽しましたヨシは地上部が枯死し、天然のヨシ群落でもマコモなど種類によっては地上部が枯れるなどの影響を受けましたが、その後の降雨により随分回復しておりまして、基本的には、昨年の渇水はヨシ群落に大きな影響を及ぼさなかったものと考えております。
こうしたことから、新年度におきましても、引き続き保全区域において群落が衰退している箇所を中心に増殖を図るための植栽を実施するとともに、刈り取り清掃など既存群落の手入れをすることによりまして、積極的なヨシ群落の保全に努めてまいりたいと考えております。
次に、びわ湖の水位が最低値を記録して以降のびわ湖の水質についてでありますが、9月中旬には前線の活動により、また下旬には台風26号の通過により、それぞれ約100ミリメートルのまとまった降雨がありました。そのため、降雨に伴う汚濁物の流入によるびわ湖水質の悪化を心配したところでありますが、幸いにも中旬の降雨の後でも水質的には例年並みの値であり、特段の影響は見られませんでした。また、台風26号の通過直後には、北湖の透明度が2ないし3メートルまで低下するなどの現象が見られましたが、約1週間後には例年並みの値にまで回復いたしております。これらの状況から見まして、渇水直後の降雨によるびわ湖水質への影響は大きくなかったのではないかと考えております。
びわ湖の水位はその後も低いまま冬期を迎えましたが、水質的には昨年度並みの状況で推移いたしております。
◎健康福祉部長(國松善次君) (登壇)福祉施策についての御質問にお答えします。
まず、住みよい福祉のまちづくりに係る施策の新年度予算の具体策についてでありますが、条例に明記された施策の基本的事項に沿いまして、学童、生徒のボランティア活動普及や県民福祉大学校等の福祉教育啓発活動、やさしい歩きやすい道づくりや県立施設の福祉環境整備等の移動交通対策、公益的施設の整備、ふれあいのまちづくり事業や、県、市町村ボランティアの助成等県民総ボランティアの推進、聴覚障害者情報提供施設やコインファクスの整備等情報手段の充実、シルバーハウジングの建設や住宅改造助成等住宅対策の推進など40余りの事業を全庁的に進めることといたしております。
次に、条例の施行に向けての方針とスケジュールについてでありますが、新しい条例は本年10月の施行を予定しております。これに向けまして、新聞、テレビ等による広報や、住みよい福祉のまちづくり賞の創設、シンボルマークの募集等による普及啓発を行うほか、設計マニュアルによる設計関係者や事業者に対する周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
また、来月16日には、県、市町村、県民および事業者が一体となって住みよい福祉のまちづくり推進会議の設立を計画しておりますが、この推進会議によるポスター、チラシの作成配布や標語募集等の活動により、県民一人一人が高齢者、障害者、妊産婦、病弱者等についての理解を一層深め、日々の生活の中で身近なことから実践していただく取り組みを促進してまいりたいと考えております。
次に、住みよい福祉のまちづくり推進費の内容についてでありますが、民間事業者が実施する特定施設の整備、改善に対し、無利子または低利の融資による支援を行うとともに、高齢者や障害者等の行動範囲の拡大を図るため、駅周辺や主要幹線道路沿いで民間事業者が障害者仕様トイレを設置していただく場合に助成してまいりたいと考えております。
さらに、市町村における福祉のまちづくりの計画づくりに助成するとともに、高齢者や障害者等の日常的に利用する保健所、総合庁舎、養護学校など44の県立施設について率先整備することといたしております。このほか、障害者や高齢者にやさしいまちづくり推進事業を大津市と水口町で実施するとともに、長浜ドームなど7つの県立施設に聴覚障害者のためのコインファクスを設置してまいりたいと考えております。
次に、条例の施行日と事業予算の消化についてでありますが、10月施行に向けての準備と並行いたしまして、条例の普及啓発を初め、県立施設の整備や市町村の総合計画策定への指導、支援を進めますとともに、民間事業者に対する財政支援についても制度の周知徹底を図ることといたしまして、関係予算の適正な執行に努めてまいります。
次に、高齢者対策についてでありますが、まず痴呆性老人対策に係る基本的な考え方につきましては、痴呆性老人は単に知的能力の減退だけでなく、問題行動などを伴うため、介護しておられる家族の御苦労には並み並みならぬものがございます。
今後、この痴呆性老人がますます増加することが予想されますので、県としましては、湖国しが新ゴールドプランに基づき、意識啓発活動の推進、早期発見等予防活動の充実、相談体制の整備充実、デイサービス等在宅サービスの拡充、老人保健施設や特別養護老人ホームにおける痴呆棟の整備の5つの施策を柱に、各種対策の総合的な推進を図ることとしております。
特に、平成7年度予算におきましては、従来の施策に加えまして、新たに4つの事業に助成をすることといたしました。1つ目は痴呆性老人を専門的に治療する病棟の整備、2つ目には専門医療相談等を行う痴呆疾患センターの開設、3つ目には少人数で一定期間リハビリを行うグループホームの実施、4つ目には既存の身近な施設を活用した託老サービスの実施であります。
このほか、老人保健施設の痴呆専用ベッドを127床、特別養護老人ホームの痴呆専用居室を30床、痴呆性老人向けデイサービスセンターを7カ所整備いたしますとともに、保健所や市町村において保健婦による訪問指導や機能訓練などの在宅サービスを実施することとしております。
痴呆性老人の介護は、高齢者対策の中でも極めて深刻な問題でありますので、今後とも市町村等関係者と一体となって重点的に取り組んでまいりたいと存じます。
次に、農業問題についての御質問にお答えします。
残留農薬や食品添加物の基準設定につきましては、国民の健康を守る観点から、食品衛生法に基づき、毒性や発がん性等の検査から算出される1日摂取許容量と日本人の平均的な食品摂取量等から出されます数値、さらにはFAO、WHOが作成しました国際基準などを根拠に、国において基準値が定められているところであります。
残留農薬の基準につきましては、昭和53年には56の農産物、26の農薬についてでありましたが、現在では、すべての農産物に対し103の農薬について基準が設定されており、さらに100程度の農薬を追加すべく検討されております。また、化学的合成品である食品添加物の基準につきましては、現在348品目が指定されておりますが、近く天然添加物についても指定される予定であると聞いております。
これらの基準は、今後とも我が国の食生活の実態を踏まえ、国民の健康を守る観点から、国において適切に設定されるものと考えており、県といたしましては、この基準に基づき、食品の検査に努めてまいる所存であります。
次に、いじめ等教育問題についてお答えします。
まず、遊び場の確保と子供にやさしい街づくり事業についてでありますが、この事業の実施に当たっては、市町村が中心となって児童遊園や児童館の整備を初め、公共施設や民間駐車場等の開放など、安心して遊べる場の計画的な確保に努めるとともに、海や山、森など自然の中でさまざまな遊びの機会の提供などに地域ぐるみで取り組んでいただくこととしております。
次に、児童相談所のスタッフの拡充についてでありますが、近年、児童相談所における相談件数は、児童数の減少にもかかわらず増加の傾向にあり、また、その内容も障害や不登校に係るものが増えつつあります。こうした状況に備えるため、平成6年1月から189人の主任児童委員が県下に配置されたのを初め、民生委員、児童委員、家庭児童相談室などとともに、2つの児童相談所がその対応に努めているところであります。
児童相談所の専門スタッフの充実につきましては、今年度から心理判定員を1名増員しますとともに、子育てに悩んでいる父母や学校、友達関係で悩んでいる子供たちを対象にした電話相談事業を中央児童相談所に子供と家庭の110番として開設することとし、新たに専門職員を配置したところでありますが、今後とも相談内容等を見きわめながら、その充実に努力してまいりたいと存じます。
次に、子育てへの父親の参画についてでありますが、子育ての基本が家庭にあることから、父親の役割が重要であることは言うまでもありません。そのためには、社会全体がこうした認識に立って、それぞれの立場で努力することが大切になりますが、健康福祉部といたしましても、保育所の保護者や母親クラブ等関係団体を初め、主任児童委員や民生委員、児童委員、家庭相談員等の研修や相談活動を通じて働きかけているところであり、今後ともこうした点に力を入れてまいりたいと考えております。
◎商工労働部長(山脇康典君) (登壇)いじめ等教育問題についての御質問のうち、企業に働く父親への意識啓発についてお答えをいたします。
近年、自由時間の増大や価値観、勤労観の多様化などを背景といたしまして、ゆとりと豊かさに対するニーズが高まってきておりますことから、働きやすく、ゆとりある勤労者生活の実現に向けて、企業と生活との接点となっております労働環境につきましては、労働時間の短縮や育児休業、介護休業、あるいは福利厚生面など、その充実や普及促進が求められているところでございます。
こうしたことは生活重視の観点からも大切なことであり、県といたしましても、これらの速やかな達成に向けまして、ゆとり創造セミナーの開催や労働広報紙「滋賀労働」の発行等による啓蒙啓発や、各種の労働環境の整備に努めているところでございます。
御質問の最近続発する子供のいじめ問題につきましては、深刻な問題で、社会として憂慮すべきことであり、父親の子育てへの参画など、家庭生活に配慮した社会の取り組みが必要であると認識をいたしております。今後、商工労働行政におきましても、家族との触れ合いの機会をふやし、家庭生活を豊かにするなどのゆとりあるライフスタイルの定着につながります労働時間の短縮等の普及促進の取り組みの中で、父親の家庭人としての役割をも意識しながら、この啓発に努めてまいりたいと考えております。
◎農林水産部長(中桐正君) (登壇)びわ湖の水質改善事業についての御質問にお答えいたします。
まず、農業用水の反復利用についてでありますが、昭和40年代から圃場整備事業推進に際し、用排水の効率的利用の観点から、用水の反復利用に積極的に取り組んでまいりました。
また、びわ湖の水質保全の観点から、昭和54年度の琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例の制定に伴い、昭和55年度より県単独小規模土地改良事業によって反復利用施設の整備を行い、昭和60年度からは土地改良関連環境保全事業により、びわ湖から揚水し、かんがいしている地区において、農業排水をポンプ場に引き込み、再利用する循環かんがい施設の整備や宇曽川水系の反復利用施設の整備を実施してまいりました。その結果、平成6年度末までの整備箇所は、反復利用施設で684カ所、循環かんがい施設で7カ所となっております。
また、このほかにも、農業排水によるびわ湖への負荷削減のため、内湖の持つ浄化機能を向上させる対策を新旭町や彦根市等7カ所で実施してきたところでございます。
次に、新年度の環境に関する方針と今後の方向についてでありますが、びわ湖を初めとする豊かな自然環境を保全し、持続的に発展できる農林水産業の確立に向けて、農村地域の
水質保全対策や営農対策を総合的に進めてまいります中で、まず農村地域の
水質保全対策につきましては、従来から実施してまいりました反復利用や循環かんがい施設等の整備を、農村地域
水質保全対策事業等の各種補助制度を活用し、積極的に推進していくことといたしております。
また、びわ湖への農業排水の負荷削減対策をより効率的、計画的に実施するため、新たにみずすまし構想の策定に着手することとし、広く水質保全のための情報の収集に努め、休耕田の有する環境保全機能の活用や、浄化池、浄化水路の設置等の対策についても検討するなど、水質保全に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
また、営農対策といたしまして、滋賀の環境農業創造事業の中で、省化学肥料対策の推進や、病害虫の発生予察システムの構築による効率的な農薬使用に努め、さらに天敵などを用いた防除方法の開発に努めるなど、環境への負荷削減に向けた取り組みを進め、環境と調和した農業の推進に努めてまいりたいと考えております。
次に、農業問題についての御質問にお答えいたします。
1点目のウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策予算の取り組み内容についてでありますが、平成7年度のウルグアイ・ラウンド対策事業を含む当初予算として、公共事業は287億7,257万3,000円、非公共事業は14億3,365万2,000円、融資事業では農業経営基盤強化資金の融資枠5億円、その他事業1,500万円、合わせて302億2,192万円を計上しているところでございます。
また、地方単独事業の農山漁村ふるさと事業につきましては、平成7年度都道府県分として50億円が地方交付税措置されると聞いておりますので、集落営農ビジョン推進事業、自然の中の豊かな体験推進事業など、本県独自の施策の展開に資するよう努めてまいりたいと考えております。
なお、農業合意関連対策事業を加速的、重点的に推進を図る必要があるとして、国では、平成6年度と7年度の2カ年分を初年度とし、その予算額の80%を平成6年度に補正予算として対応しておりますことから、県におきましても積極的に取り入れることとし、現在その補正分の調整を行っているところでございます。
その内容につきましては、公共事業では農業農村整備事業など、非公共事業では農業生産体制強化総合推進対策事業など、融資事業では農業経営基盤強化資金、その他の事業では就農支援資金などでございます。
次に、2点目の本県農家の負債状況についてでありますが、平成5年次の農林水産統計年報によりますと、農家経済調査結果による農家1戸当たりの借入金および買掛未払金では、財政資金が5万8,200円、農協系統資金の合計が75万200円、その他の借入金が78万9,800円、買掛未払金が9,200円で、借入等合計額としては160万7,400円と相なっております。
なお、経営類型別の内訳につきましては、現段階では把握は困難でありますけれども、農林漁業金融公庫の制度融資に係る融資残高等については、調査をしているところでありますので、御理解をお願い申し上げます。
次に、第3点目のうち、まず経営の大規模化が地域に問題を提起していることに対する見解でありますが、大規模経営農家、集落営農組織等の間で、営農に際しまして、水利用や施肥、そして防除作業などの時期的なずれによる対応、2つ目には、道路、水路や畦畔の共同管理などについて調整をする必要がある事案があることは認識をいたしておるところでございます。
最後に、集落営農と企業的農業との調整についてでございますが、地域農業改良普及センターの普及活動を通じまして、集落個々の実情に応じた対応策の提示や他の地域での取り組み事例の紹介など、その両者間の問題解決に向けた指導、助言によりまして、農地の利用調整や共同作業などにうまく取り組まれた事例もございますので、この経験を生かし、安定した農業が営まれるよう関係団体とも協力しながら、双方の十分な話し合いを進めていく中で、適切な指導、助言を行ってまいりたいと考えております。
◎土木部長(亀田泰武君) (登壇)土木部におけるびわ湖の水質改善事業についての御質問にお答えいたします。
まず、河川からの流入負荷を削減する手法についてですが、御提案のように、河川の河口部で汚濁物を捕捉することは効果的な手法の1つと考えているところでありまして、現在、ヨシなど植生を活用した平水時の対策や貯留沈殿池を使った出水時の対策について、パイロット実験を進めているところであります。今後さらに、これらの手法や浄化プラントなど効率的な手法の検討を行い、その実現に向けて努めてまいる所存であります。
また、内湖につきましては、びわ湖への流入負荷削減に重要な役割を果たしており、また内湖自体の環境改善や親水空間としての整備も急がれておりますので、河川管理者が所管するもののうち、北之庄沢や西の湖につきましては、調査、検討に着手しているところでありますが、その他の内湖につきましても、今後、個々の特性に応じ、内湖を総合的に保全整備するための基本計画策定を予定しているところであります。
次に、御提案のびわ湖を対象にしたしゅんせつ等の総合的な作業船の建造についてですが、しゅんせつ土砂の浄化処理まで考慮した全体システムの構築は技術的にも難しく、まだ実験段階であることから、実現までには相当の検討期間を要するものと考えます。
現在、南湖の底質改善対策につきましては、本格的な事業の実施に向けて、関係機関や学術経験者で構成する委員会を設け、これまでの事業や調査の実績を踏まえ、基本的な検討を行っているところであります。平成7年度はしゅんせつの試験施行を予定しておりますので、今後具体的な実施計画の策定におきましては、できるだけ御提案の主旨を踏まえ、取り組んでまいりたいと思います。
次に、河道のしゅんせつと散在性のごみ対策についてですが、河道のしゅんせつにつきましては、特に治水上の支障が著しい堆積等のある箇所について、緊急を要する河川から、地元のご協力を得ながら順次進めておりますが、しゅんせつ土砂について処分地の確保など課題もあり、さらに地域の御協力をお願いするところであります。
また、散在性ごみ対策でありますが、従来から地域の方々の河川清掃活動によるところが大きく、県といたしましては、これらの活動に対して助成するとともに、地元で対処し切れないような特別な箇所については、河川管理の一環としてごみ清掃を行ってまいりました。
平成6年度からは、これらに加えて、県のごみの散乱防止に関する条例に基づき設定された美化推進地域内の一級河川において、年二、三回程度のごみ清掃を行っておりますが、基本的には、ごみの不法投棄防止や河川
利用者のマナー向上といった発生源対策が不可欠であることから、今後とも河川愛護思想と河川の美化意識の普及啓発や、より地域に親しまれる川づくりに努めてまいる所存であります。
◎教育長(高井八良君) (登壇)いじめに関する御質問にお答えいたします。
まず最初に、子供の全人的な成長と遊びの関係についてでありますが、子供にとって遊びはいつの時代にあっても生活そのものであり、生きるすべを学ぶ場として重要であると考えております。
県が平成3年度に実施しました小学生の生活体験等に関する調査によりますと、多い遊びとしては、戸外では自転車乗り、あとは室内でのトランプ、オセロ、テレビゲームとなっており、その内容は集団で遊ぶというより、1人または少人数で、しかも室内での遊びに偏る傾向が見られます。したがいまして、子供たちの全人的な成長のためには、もっと自然の中で子供たちが伸び伸びと群れて遊ぶことができるような雰囲気づくりや動機づけが大切だと考えております。
次に、親や教職員が身近な相談者になり切れていないことについてでありますが、子供は悩みを友達などと相談しながら、みずからの力で解決しようとする自立心や年齢相応の自負心等がありまして、身近な大人としての父母や家族、また教職員に相談しないということもあろうかと存じます。一方、親や教職員は、子供と同じ目の高さになって、親身にかかわれているか、子供の気持ちを察して、彼らの悩みの解決に的確に応じられているかということになりますと、まだ課題も多いと存じます。
いじめの解決の糸口としては、まず子供たちに、孤立した存在ではなく、家族はもとより、多くの人々に支えられ生活していることを自覚させることであり、そして、人の痛みや悲しみがわかるような人間の育成を図ることであると考えます。
それには、学校においてさまざまな体験的な学習を重ねさせ、その中から知的にも精神的にも必要なものを基礎基本として着実に身につけさせることが大切であると考えます。また、家庭にあっては、幼少時から基本的生活習慣をしつけとして伝達することが大切であろうと存じます。さらに、地域社会にありましては、子供たちが学校や地域という集団生活の場でよりよい人間関係を築けるよう、常日ごろ子供たちを温かく見守るとともに、すぐれた社会の一員となれるよう適切な御支援をお願いしたいと考えております。
次に、子育てへの父親の参画についてでありますが、平成4年の本県の調査によりますと、子育ての中心は主に母親であるとするものが64.4%、父親と母親が共同してとするものが30%という結果でございます。
そこで、家庭の教育力向上の観点からも、父親の子育てへの積極的な参加を促すため、県教育委員会では、平成6年度から、県内100カ所の事業所等で、「変わる家族と家庭教育」、「父親に求められているもの」などのテーマのもとに職場内家庭教育講座を開設しているところでございます。
なお、補導委員の研修につきましても、男女がともに子育てに当たることの大切さから、父親の家庭教育へのより積極的な参画について理解を深めていただくよう努めていきたいと思っております。
○議長(黒川治君) しばらく休憩いたします。
午後2時56分 休憩
───────────────
午後3時20分 開議
○議長(黒川治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。
23番奥村展三君の発言を許します。
◆23番(奥村展三君) (登壇、拍手)県勢の発展と住民福祉の向上に努力をお互いにしてまいりましたその同志として、そしてまた先輩議員ならびに同僚議員とともに本議会で議論をし、歩んでまいりました前議長田中高雄氏の御冥福をお祈りするとともに、謹んで哀悼の誠をささげたいと思います。
また昨日、結果によりますと、5,438名の方々があの阪神・淡路大震災におきましてお亡くなりになり、そしてまだ3名の方が行方不明になっておられることを思うとき、謹んで重ねて哀悼の誠をささげたいと思いますと同時に、20万人になんなんとする方々が今も被災をされ、心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
なお、先ほど来、お2人からもう既に関連するような質問をされておりますので、半ば具体的なことにつきまして質問に入りたいと思います。
今も申し上げましたような、あの1月17日の未明、阪神大震災を思うとき、本県でも同規模の地震が発生する条件がそろっているとも言われています。周辺に活断層の多数が分布されているようであります。古くは1185年、今から810年前、びわ湖の中心部を震源地としてマグニチュード7.4、1819年──文政2年、近江、伊勢を中心にマグニチュード7.4、そして、あの痛ましい姉川地震であります。1909年、今から86年前のことでありました。このときは、岐阜県を含め死者41名と記載されてあります。近々におきましては、1944年──昭和19年、1946年──昭和21年、そしてまた福井震災等々、本県も予断を許さない状況を認識する必要があると思われます。
また、風水害、雪害、干ばつ、雷、ひょうなど、知事が先日提案説明で述べられましたとおり、自然の力の大きさを改めて思い知らされたと思います。一昨年は冷夏、昨年は渇水、そして、ことしは大地震。我々は恵まれた社会の中で、もう一度自然とのかかわりを思い起こし、危機意識の大切さを反省しなければならないと思います。
そこで、今までに経験しない甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災を検証してみる中で、早急に本県における対応が求められる点についてお伺いをいたします。
まず、地震発生から40日を経過いたしました今でも、まぶたの奥にありありと残像が残っている神戸市内の火災についてでありますが、神戸市長田区で発生した火事は丸2日間燃え続け、かつての面影のない、まるで、私は空襲の姿はわかりませんけれども、よく先輩方に聞きますと、空襲のあの姿そのままだというようにおっしゃっております。
この火事に対する消防活動については、地震により防火水槽が破損したり、消火栓が崩れたり、十分な水量を確保できなかったことも延焼拡大の原因の1つと言われております。また、長田区のみにとどまらず、市内全域で火事が同時多発する中、家屋の破壊等で消防車が現場にたどりつけなかったということも指摘されているのであります。このような事態は、人口が急増しつつある県内の市街地においても十分起こり得るものと考えるものであります。
こうした経験を踏まえ、県としていかに消火活動が確保できるようその体制を整備されようとしておられるのかお伺いをいたしたいと思います。
次に、地震被害の大きかった神戸市等の多くの市町村で切実な問題となった災害発生時の飲料水の確保についてでありますが、現地の報道を見ておりますと、地震発生後数日は全く水が被災者に届かないという状況が報じられておりました。今回の地震の体験から、県民一人一人が地震発生に備えて、飲料水をはじめ、非常食を平常時から準備しておくことの大切さを痛感するとともに、行政が地震等による断水を想定した体制を整備しておくことの重要性を再認識したところであります。
そこで、今回の経験を踏まえ、県として給水体制の整備をどのように考えておられるのか知事にお伺いをいたしたいと思います。
また、平成8年度完成を目されている通信衛星での防災行政無線
通信システム整備や
防災ヘリコプター導入のほか、本県ならではの湖上交通を利用した防災体制の確立も強く望むものであります。
まさに今回の大震災では多くの問題が指摘され、その教訓を今後の対策に十分生かしていくことが我々に与えられた使命と考えるものであります。被害状況の実態を早期に把握して、関係機関が同じ情報に基づいた的確な措置が必要であり、今回の地震では、ヘリコプター等による上空からの情報、警察、消防等の専用無線電話が唯一の情報源や通信手段であったとも言われています。余り悪いことは想定したくありませんが、先ほど来述べておられますと同時に、「天災は忘れたころにやってくる」と言われていますとおり、非常事態体制は常に確立しなければならないと思うのであります。
ここで、土砂災害防止について土木部長にお伺いしておきたいと思います。
今回の大震災で、西宮市仁川の住宅地で発生した土砂崩れでお亡くなりになった方々は33名と報道されました。まことに痛ましい限りでございます。土木部では早々に危険斜面の調査支援をされたと聞いておりますし、部長もその状況をつぶさに聞いておられることと思います。
阪神地区では斜面地まで住宅地が拡大していった状況がございます。本県においても、昭和30年代後半から高度経済成長を契機に、内陸工業化や都市化の進展によって住宅地等が斜面地に拡大している状況も見られるわけであります。今後、地震のみならず、豪雨等によって同様の災害の発生が危惧されるのであります。
そこで、今後の本県における土砂災害から、県民の生命、財産を守り、県民がゆとりを持って豊かに生活できる県土を創造していくという観点から、以下の2点についてお伺いをいたしたいと思います。
まず、その第1点は、災害防止対策の中でも、人命にかかわる災いをもたらす土砂災害の対策についてであります。
県土の発展に伴い、人口、資産の集積が進み、これらを災害から守る必要性が増大している一方で、特に大震災でもクローズアップされたように、高齢者等災害弱者を安全に守ることがますます重要になりつつあると考えますが、この点に着目した取り組みの方向を伺うものであります。
第2点は、公共事業、中でも砂防事業における環境保全への取り組みについてであります。
申すまでもなく、人命と財産を災害から守ることは、公共事業の第一番の使命と考えているところであります。防災施設につきましても、環境面に十分な配慮がなされることが、環境立県を目指す本県においては重要な課題であると考えられます。また、自然に恵まれた渓流等に設けられることの多い砂防施設については、住民の憩いの場として活用されるような施設整備が図られるべきと考えております。これらの点について、基本的な考えをお伺いするものであります。
また、我々は県外調査などで県関係の庁舎の周辺を見て回ったりをいたしておるわけでございますが、最近ではその機能性を高められていることが特に目につきます。本県におきましても、県庁周辺整備を手がけられておりますが、特に最近では、警察本部の庁舎の屋上にヘリポートが整備され、周辺にも臨時ヘリポートが設けられるなど、大変参考になりました。
今後の課題であるとは思いますが、的確な情報を得るとともに、体制的にも、また装備的に見ても、本県警察にも必要と思われますが、警察本部長の所見をお伺いいたしたいと思います。また、現在、県庁周辺での臨時ヘリポートの設置状況はどのようになっておるのか、あわせてお伺いをしておきたいと思います。
先ほどもお伺いされましたが、新年度予算と長期的な財政見通しについてお伺いをしてみたいと思います。
新年度予算は、限られた財源を生かすことによって、きめ細やかな地域福祉の展開を図られるとともに、びわ湖を初めとする環境保全施策を一層充実、さらには各種の社会資本の整備を着実に進めるための予算等を的確に措置されているところであり、これを我々県民クラブ、高く評価いたしているところでございます。
また、人口の急速な高齢化や価値観の多様化などの変化を踏まえ、従来の行政のあり方をそのまま踏襲するのではなく、これまで継続してきた事業を見直す一方で、新しい社会のニーズに対応し、将来にわたって財政の健全性を配慮した予算とされていることは、大変時宜にかなった適切なものと考えているところでございます。
新年度予算は、見直しの努力によって一定の財源不足を補うこととあわせて、基金積立金をこの際取り崩すことによって、福祉や教育のための施設整備を計画的に進めることができ、さらに財源不足を賄うことができたことによって、県民の皆さんの期待にこたえる予算編成ができたものだと思っております。
しかし、今後の財政運営を左右するものとして、基金のうち財政調整基金、
県債管理基金についても大幅に減少しており、また経済構造の変化が指摘される中で、我が国の経済動向が不況からバブル時期のように景気が上昇し、これにより税収も大きく増収となるといった見込みを立てることは大変困難と言わざるを得ないのであります。新年度の予算が編成できたとはいえ、今後に不安を感じる者は私一人ではないと思います。
こうしたことからいたしまして、今後も次代に引き継いでいける滋賀を創造し、将来にわたっての発展を目指して、長期的な財政見通しのもとに県政を運営することが必要と考えられますが、知事は基本的にどのように考えておられるのかお尋ねをしておきたいと思います。
地域づくりの新展開でありますが、新しい淡海文化の創造の理念と新しい長期構想の整合性についてお伺いをいたしたいと思います。
知事は、平成2年2月定例会におきまして、よりよき滋賀をつくり上げるために次の時代に引き継いでいきたいという思いを込めて、びわ湖ルネッサンス──新しい淡海文化の創造を提唱し、自然と人との新たな共存の道を探っていきたいと力強く県政を担当される上で述べられたのでございます。
また、その思いを県政にしっかりと反映するため、平成6年3月には、新しい淡海文化の創造に向けた県行政推進の基本方針を策定され、自然との共生、風土と歴史、人と人、発信の4つの指針をよりどころに、それぞれの施策、政策、事業をいま一度見詰め直すとともに、広く県民の理解と共感を得ながら、足らざるところを補い、すぐれたところを伸ばし、滋賀の個性を発揮する新たな取り組みを進めていくこととされたところでございます。
変革の時代と称される時代、今大きく変動いたしております。こうしたときこそ、時代の潮流とそれぞれの地域の特性をしっかりと見据えた上で、明快で間違いのない理念とそれに基づいた個別具体のビジョンの策定が求められると考えます。
本県の場合、知事は、今述べましたとおり、新しい淡海文化の創造を滋賀の志、県政展開の基本理念として位置づけられているところでありますが、今後はこの理念、指針を県政の具体的なビジョンの中にどう生かしていかれるのか、重要な課題であろうと思います。県では、来年度から新しい長期構想の策定に着手されるとのことでありますが、この新しい淡海文化の創造の理念をどのように反映していこうとしておられるのか、その整合性についてお伺いをしておきたいと思います。
先ほども行政改革につきましては御質問があったわけでありますが、県における行政改革と県の将来に向けての取り組みについてお伺いしておきたいと思います。
21世紀まで残すところあと5年、社会情勢が目まぐるしく変化をし、行政に対するニーズも多様化する一方で、景気の先行きにはほのかな明かりが見えてきたものの、なお厳しい経済状況が続いております。県にあっても、豊かな県民生活の実現と次代に自信を持って引き継いでいける活力ある県土基盤の整備を新たな世紀へ着実に移行することは当然であります。また、県政の喫緊の課題でもありましょうし、今こそそれを可能ならしめるための思い切った方策を打ち出せる好機ではないでしょうか。
この意味からも、将来を展望し、新たな行政需要に的確に対応できる県政を実現するための方策を探るべく、いち早く他府県に先駆けて滋賀県
行政改革委員会を設置された知事の先見性に対して、大いに敬意を表するものであります。
折しも、2月21日は
行政改革委員会から県、市町村、県民の新しい協調関係や
社会経済情勢に適合した事務事業の見直し、県政推進の基盤をなす財政の健全性の確保等々を内容とする時宜を得た中間報告が出されたところでありますが、これを受けて今後、知事はどのような理念のもと、どのように行政改革を推進されようといたしておるのか、お伺いをいたしたいと思います。
次に、
総合交通体系の整備についてお伺いをいたします。
まず、
びわこ空港についてでありますが、
びわこ空港をめぐる地元状況として、
環境アセスメントの諸調査について既に御了解をいただいている集落、また空港計画とその対策について集落全体で県の説明を聞いて判断していこうという取り組みをしていただいている集落など、集落間には温度差が見られます。早期に解決すべき機運が関係皆さんの御努力によって見られてきたと思うものでありますが、候補地が選定されて以来6年が経過をいたし、余りにも時間が経過する中で、一定の目安はいつになったらつくのかといういらだちと、また反発の声も耳にするのであります。今ここに至っては、空港推進の立場や期待する側の論理だけをもってあまりにも迫ることはできないのでありますが、一昨年、知事が国との手続よりも地元の話し合いを優先し、対応することを表明され、それをきっかけに今日の状況があると承知しているものであります。我が県民クラブは、それを高く評価するものであります。
県として当然、早期解決を図ることが至上命令であるということは言うまでもありません。だからといって、県のこれまでのスタンスが崩れることがあってはならないのであります。あくまでも地元との対応は、これまでにも増して話し合いを尽くし、信頼関係を培っていく努力によって、その解決の道が開かれるものと思われます。あくまでも地元全体の合意が得られなければ、空港という大事業は発進できないのでありますから、ここはしっかりと先を見定め、後世に悔いを残すことのないよう取り組んでいくことが肝要であると思うのであります。
そこには、県民の期待の上で、行政としての強い信念と熱意が欠けてはなりません。周辺住民の方々が県の将来のため、また子や孫たちのためにという広い視点からの判断がいただけるよう、執行部としてなお一層の努力を期待いたしますとともに、議会もともに行動を起こさなければなりません。空港整備推進本部長である岩波副知事に今後の地元対応について御所見をお伺いいたすものでございます。
2つ目には、湖上交通の可能性についてお伺いをしておきたいと思います。
さきの大震災は、災害発生時における交通手段の確保の難しさを教訓として我々に教えてくれてました。大規模な災害が起こったときにも、人や物の移動を可能にするような多様な交通手段を整備することの必要性が指摘されております。陸上交通が遮断されるようなことがあっても、湖上から迅速に目的地へアクセスすることができる、本県ならではの湖上交通についても再認識すべきではないでしょうか。
本県のど真ん中に位置し、広大な面積を有するびわ湖の湖上交通は、かつては主要な交通手段として本県の発展に大きなかかわりをもってまいりました。ところが、鉄道等の交通網の整備やモータリゼーションの進展によって、今では観光を中心とする一部の航路が存在するだけとなっております。
しかしながら、草津市の烏丸半島において琵琶湖博物館や水生植物公園が建設されているのを初め、びわ湖の周辺では幾つかのプロジェクトが進展をいたしておりますし、また南湖周辺の道路網の渋滞等を考えるとき、びわ湖における湖上交通の役割はますます増大していくのではないかと考えるのであります。
湖上交通の必要性については過去にも何度か県議会でも取り上げられ、県においても既に検討に着手されていると仄聞いたしておりますが、私はここで、びわ湖における湖上交通の1つの手段として、ホーバークラフトの導入をしてはと提案いたしたいと思います。ホーバークラフトは水陸両用で、湖辺における観光地等を短時間で結ぶ交通手段として最適であるばかりではなく、移動そのものを楽しむための空間とし、乗船する人々に魅力を与え、びわ湖における新しい名物として大きな話題を提供することになると考えるのであります。びわ湖における湖上交通の多様な可能性について検討されるなら、幅広い利用が可能であるホーバークラフト等について検討すべきでないかと考えますが、企画部長の所見をお伺いいたしたいと思います。
次に、環境問題についてお伺いをいたします。
母なる湖を守るため、私たちはこれまで幾多の困難を乗り越え、英知と決断をもってびわ湖の環境保全のため、琵琶湖条例、ヨシ群落保全条例、ごみ散乱防止条例などの諸制度や各種の諸対策を県民の皆さんの協力を得て進めてまいったところであります。
その結果、極端な汚濁の進行は食いとめられ、富栄養化の速度は減速したものの、現状はなお淡水赤潮の継続的な発生など予断を許さない極めて厳しい状況にあり、かつての透明さを失い、その回復に向けて、今全県的に懸命の取り組みをしていただいているわけであります。
近年、地球の温暖化、オゾン層の破壊の進行等、地球的規模の環境問題の危機が叫ばれております。物質的な豊かさと引きかえに、現在、こうした環境問題のように、知らず知らずに失ったものも少なくなかったのではないでしょうか。未来の子供たちにより住みやすく、美しい地球環境を着実に引き継いでいくことが今人類の最も重要な課題であり、そのためには、これまでの経済活動や日常生活を真剣に見つめ直し、環境への負荷をできるだけ低減することが、人々の価値観やライフスタイルを転換しつつ、社会全体を環境に優しい形に変えていくことではないでしょうか。それも求められていると思います。
さきにも述べましたように、びわ湖の水環境保全など数々の先駆的な取り組みを進めてまいりました環境県滋賀こそ、県民、事業者、行政が一体となって、環境に優しい生活の実現に向け、県民総ぐるみの取り組みを全国に率先して進めていく必要があると思われます。一例ではございますが、私の地元甲西町では、平成7年度新年度予算よりリサイクルプラザ処理計画を立て、総工費22億5,000万円をかけ、平成9年から供用開始を目指しているわけであります。環境保全の高い関心を背景に、県下各地でこのようなさまざまなリサイクルに対しての活動が展開されておりますが、こうした環境に優しい生活実現に向けた取り組みをどう認識され、今後どう発展されていくのか、これを指導、支援していく立場から、その考えを
生活環境部長にお伺いをいたしたいと思います。
次に、湖国しが新ゴールドプランについて質問をいたします。
地域の高齢者のニーズをもとに、平成5年度から平成11年度までの7年間を計画期間として、今後必要とされる保健福祉サービスの整備目標を内容とする市町村老人保健福祉計画が作成されるとともに、県においても、市町村計画をもとに滋賀県高齢者保健福祉計画、つまり湖国しが新ゴールドプランを平成6年3月に作成されたわけであります。その推進に力強く努められているところでありますが、知事はさきの提案説明の中でも述べられましたように、生きる喜びが実感できる福祉社会の実現を目指し、老後を安心して過ごすことができるシステムづくりのため、湖国しが新ゴールドプランを市町村と一体となって推進すると述べられておりました。湖国しが新ゴールドプランの平成6年度末における進捗見込みは、特別養護老人ホームについては計画目標に対し75%、ショートステイ専用ベッドは63%に達するなど良好な状況で推移をしており、その積極的な取り組みを評価するものであります。
そこで、今後の湖国しが新ゴールドプランの着実な推進を期待して、健康福祉部長にお伺いをいたします。
まず、計画目標まで、今後、特別養護老人ホームで655人、デイサービスセンターで64カ所、ショートステイ専用ベッドで202人、老人保健施設で1,561人、また創設年度が比較的新しい施設でもある在宅介護支援センターで54カ所、ケアハウスで620戸、老人訪問看護ステーションで42カ所の整備が必要になるなど、さらに整備の推進を図っていくことが求められておりますが、目標年次である平成11年度までに計画目標を達成できるのかどうか、財源の問題も含めてその見通しについてお聞きをしておきたいと思います。
次に、補助器具センターについてでありますが、近年、高齢者や障害を持つ方がより快適で自立した生活が送れるような環境整備の重要性が改めて認識されるようになっております。高齢者や障害者の方々にとってより適切な機器の普及、開発については、ようやく社会の関心になりつつあるというのが現状であります。
こうした中で、それぞれの
利用者の状況に適合した適切な福祉機器の提供を図るため、改造、開発等の機能を持つ補助器具センターを全国に先駆けて本県で整備されることに対し、大いに評価いたしているところでございます。当センターが多くの方々に利用され、適切な機器に改良、提供されるために、市町村や既存の相談窓口ならびに民間企業の連携等が大変大切であると考えますが、今後の運営の考え方についてもお伺いをしておきたいと思います。
そして、健康長寿研究施設についてでありますが、高齢化社会における健康と長寿に関する科学技術面での拠点として、本県保健医療の向上に大いに寄与するものとして期待をいたしております。早期に整備されることを望んでいるところであります。
また一方、高齢社会における多様な医療ニーズや、医学、医術の進歩に対応していくためには、県立成人病センターの充実も必要であると思われます。健康長寿研究施設の整備に当たっては、成人病センターをも視野に入れ、その整備を図る必要があると思われますが、健康長寿研究施設整備の考え方と今後の進め方についてお伺いをいたします。
次に、活力に満ちた産業振興についてお伺いをいたしたいと思います。
本県は、国土の主軸上に位置しておりまして、交通至便という地理的な優位性に加え、大都市圏と比較して安い地価や豊富な水などの諸条件に恵まれております。我が国が高度経済成長期に入って以来、電機、機械を中心とした加工組み立て型産業の立地が急速に進み、農業県から全国有数の内陸工業県へと変貌を遂げてまいりました。
その結果、平成3年度の産業別総生産額の比率で見てみますと、全国平均では、第2次産業が39.1%、第3次産業が54.2%と第3次産業が大きく上回っているのに対し、本県では、第2次産業が57.7%、第3次産業が36.4%と、全国とは逆の構成比になっております。2次産業に特化した極めて特異な産業構造とも言えると思います。
しかも、従業員4人以上の事業所の1人当たりの付加価値額──これは平成4年でありますが、全国第1位というデータが示していますように、成長が著しい高付加価値型の企業が比較的多かったことが1人当たりの県民所得を御案内のとおり全国第5位まで押し上げてきたわけであります。滋賀の経済のパフォーマンスを高める方向へ大きな貢献をしてきたことは明らかではないでしょうか。
ところが、バブルの崩壊後の長期的な不況を契機として、我が国の産業は、既存産業の成熟化や新規産業の展開のおくれ、円高の進行や内外価格差と相まって、生産拠点の海外移転という産業の空洞化が懸念されてまいりました。本格的なリストラの進展に伴う雇用不安等、大きな曲がり角に差しかかっております。これらの動きは、これまでの景気循環論の延長では到底説明のできないものであり、産業構造変革の大きな流れの中でとらえる必要があると思います。
本県では、さきにも述べましたように、多くの優良企業が立地していただきました。大企業の製造部門が中心であるわけであります。中枢管理部門や研究開発型企業というのは極めて少ないと思われます。順調な経済成長が続いていた時代は、本県のような産業構造を持つところにとって大都合であったわけでありましたが、今日のように、これまで成長を支えてきた製造業が低迷してしまいますと、なおかつ新たな国土軸の形成や高速交通基盤の整備が全国的に進む中で、滋賀県の相対的な立地の優位性が低下しつつあるのではないかなと危惧するところであります。他府県以上に産業の空洞化がより以上進むのではないかなという不安や懸念も深まっているところであります。
21世紀に向かってさらに羽ばたく滋賀を創造するためには、産業の活性化はどうしても進めなければならない重要な課題であります。中長期的な産業の展望のもとに、県として産業政策を明らかにして早急に対応を図っていく必要があると思いますが、これらの産業振興の目指すべき方向や展望について知事の考え方をお伺いいたしたいと思います。
また、県内に立地しております大学等の知的資源の積極的な活用を図りながら、産、学、官が連携して産業の高度化や地場産業の振興を図っていくことが重要と考えますが、あわせてお伺いをいたしたいと思います。
次の問題は商工労働部長にお伺いをいたしたいと思います。直近の景気動向と雇用情勢についてお伺いをいたしたいと思います。
今回の大震災によりまして本県経済の影響はどのような状況にあるのか、一部では既に関連倒産の例も聞いておりますが、直接、間接的な影響をこうむっておる県内中小企業者に対し、どのように対処していこうとされておるのかお伺いをいたします。
また、本年度県では県内中小企業の新分野進出などに関する実態調査がなされたと聞きますが、新分野進出などに向けての課題や傾向を分析し、また今後どのような支援方策を考えておられるのかをお伺いしておきたいと思います。
さらに、経営状況は厳しい中にありまして、企業が発展していくためには人材の蓄積が何よりも大切であるということは言をまたないところであります。人材確保に意欲的な中小企業者もたくさんおられるわけでありますが、昨今の雇用情勢とは裏腹に、雇用のミスマッチも多くあり、また産業構造の変化や人口の高齢化など中小企業を取り巻く経済社会状況が大きく変化をしていくものと考えられますことから、中小企業における労働力確保についても、あわせて所見をお伺いいたしたいと思います。
力強い農林水産業の創造についてお伺いをいたしたいと思います。
まず、第19回全国育樹祭は、本年の9月30日、10月1日の両日、栗東町、今津町で開催されると先般発表されました。全国育樹祭は全国植樹祭と並ぶ国民的行事で、緑の大きな全国大会として開催されるものであります。緑豊かな森林の果たすその役割は重要なものであります。また、自然に恵まれた本県で行われるということは、大変意義深いものがあると考えております。全国育樹祭の準備につきましては、関係当局が諸準備に鋭意御努力をいただいているところでありますが、大会の成功を期して、この育樹祭の開催を契機として、今後の滋賀の緑づくりについてお伺いをいたしたいと思います。
育樹祭開催の意義は、緑資源を守り育てることの大切さを呼びかけ、県民に理解と協力を求めていくとともに、青少年を初め、広く県民が参加できるような緑づくりを志向することにあると思いますが、具体的にこのイベント開催の中でどのように実践していこうとされているのか。また次に、地球環境問題が大きく取り上げられている中で、この全国育樹祭を契機として、環境県滋賀にふさわしい緑化の先進県になるような緑づくりの積極的な取り組みが必要と考えますが、いわゆるポスト育樹祭の施設展開についての所信をも伺いたいと思います。また、一例として、全国植樹祭の際、お手まき会場となりました山東苗圃を公園化するなどについて、含めて農林水産部長にお伺いをしておきたいと思います。
近畿2府4県──これは兵庫県を、こういう被災を受けておられますから当初予算とは外れておりますが、福井県を入れまして6県を調べてみますと、2月24日現在、平成7年度の近府県の農林予算を見てみますと、滋賀県は相変わらず、知事初め皆さん方の努力によって11.5%という2けた台の率を確保していただいておるわけでございます。奈良や和歌山よりも数倍の率になってくるわけであります。心から御努力に敬意を表しておきたいと思います。
2つ目に、新食糧法の施行に伴う今後の近江米の振興策について農林水産部長にお尋ねをいたします。
昭和17年に制定されました食糧管理法にかわって、昨年12月8日に主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律、いわゆる新食糧法が成立をいたし、本年11月1日から施行されることとなっております。
今日までの食糧管理法は、生産者に対しては米の再生産を確保し、消費者に対してはその安定供給を図ることを目的として、お米をめぐる社会的、経済的実態の変化を踏まえて種々の改善がなされたにもかかわらず、生産者の創意工夫が発揮されにくく、消費者ニーズへの対応が十分でない等の指摘を受けてまいりました。さらに、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意等の国際化に対応する必要性や、一昨年の未曾有の不作による緊急輸入などの経過から、抜本的な見直しがなされたと思います。
今回公布されました新食糧法は、その基本的な考え方が需給と価格の安定を通じて国民に主食である米を安定的に供給するとされているものの、国の全量管理から民間流通による自主流通米を主体とする制度へと移行し、生産者の生産調整に対する自主的判断が求められ、さらに米の価格が今日まで以上に需給実勢を反映するものとなるなど、米の販売競争はさらに激しくなるものと考えられます。今後は、消費ニーズに合った米づくりを生産者みずからが実践しなければならない事態など、生産者にとって大変厳しい状況が予測されるのであります。
本県で生産される近江米は、今日まで京阪神地域で高い評価を受けてきたわけでありますが、新食糧法の施行後は、厳しい産地間競争の荒波にもまれることが必至であり、農家が安心して生産にいそしめるためには、本県独自の近江米の振興策が必要となっているのであります。近江米がこれからの販売競争の中で、その地位を保ち、有利に販売するためには、ブランド化のための新品種の開発や品質の向上対策が肝要であると考えているところでありますが、管理から自由化へ、言いかえれば、生産にとどまらず、販売への生産者や生産者団体への意識改革をどう指導していくのか、具体的な方策について伺うものであります。
次に、農業問題についてお伺いをしておきたいと思います。
県は、これまで集落営農ビジョンを1つの大きな柱として農政を進めてこられましたが、私どもは、2種兼業農家の多い本県の農業の現状においては的を射たものとして受けとめているところであります。集落営農を発展させて、組織経営体を目指そうとする本県独自の取り組みなど、当局の施策を是とするものであります。
一方、国では、平成4年に発表されました新しい食料・農業・農村政策の方向、いわゆる新政策の推進のもと、昨年10月に発表されましたウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱に基づき、平成7年度から向こう6年間に総事業費が6兆100億円という対策費が決定されたことは既に御承知のとおりであります。
こうした動きの中にあって、農業経営基盤強化促進法による意欲ある担い手への規模拡大、いわゆる認定農業者の育成や、農業合意関連対策事業費6兆100億円の使い道を見ましても、組織経営体よりも個別経営体にウエートが置かれているのではないかと思われるのであります。このことは、国の軸足の置きどころと県の軸足の置きどころに多少のニュアンスの差があるのではないでしょうか。つまり、県は組織経営体の育成を重点に推進し、国は個別経営体の育成を進めているのではないかと思うのであります。
そこで、農林部長にお尋ねをいたしますが、稲作農業を進める中で、組織経営体と個別経営体とが現場で混乱を起こさないよう、どのように育成しようとしているのか、湖国農林水産プランの中における経営体の育成や担い手の確保などを含めて考えを伺うものであります。
また、本県においても多数の認定農業者が生まれているようでありますが、現在本県において認定農業者数はどの程度か、県は最終的にどこまで見込んでおられるのか、今後の育成についてお伺いをしておきたいと思います。
次に、知事の提案説明の第2の柱でありました新しい時代を拓く教育、文化の振興についてお伺いをいたします。
最近、日本人には顔がないという批判を受けているとも言われております。この真意は、私たち日本人が、よい意味での日本民族としての心を喪失してしまっているとしか思えないのであります。戦後50年、日本人はあの終戦の廃墟から復興に忙殺され、ともすれば、日本独特の文化や美しい心情というものを忘れたとも言えるのであります。
今、こういった経済優先の時代から、単に文明だけでなく、生活の質の高さや精神的充実を求めていく時代であり、豊かな人の心を育てるためには、湖とともに生きてきた先人の心に学びながら、新しい文化をはぐくみ、よりよく高めなければなりません。淡海文化が芸術文化を置き去りにした文化にならないよう願いながら、知事にお伺いをいたしたいと思います。
基本的な性格、理念、その目的等を明示することにあるわけでありますが、文化振興そのものは実効性のある取り組みを進めなければなりません。そうした中で、文化は与えるものだけではなく、つくり出すものだということであろうと思います。文化を素直な命の燃焼として、感動できる感性をはぐくまなければなりません。例えば、熊本県や北海道では文化振興基本条例をつくって取り組んでいると仄聞をいたしております。淡海文化がどのような薫りを出し得るのかは、県行政や県民のこれからの取り組みにかかっております。知事は文化振興についてどのように考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
また、教育長に伺っておきます。
本年はいよいよびわ湖ホールが本格的工事に入り、平成10年開館に向けて大きな一歩を踏み出そうとされているところでありますが、そのソフト面についても考えをまとめる時期に来ているのではないでしょうか。人材育成や館長の選任、運営における他ホールとの関連、オープニング事業等について基本的な考えをお伺いしておきたいと思います。
また、いろいろ理解と御苦労をいただきました私の郡内の石部高校に関連いたしまして、平成8年に開校していただくわけでありますが、この石部高校は総合選択制を採用した新しいタイプの普通科ということでありますが、これらの幅広いコースの選択制、さらに進んで今後の総合学科制について教育長はどのような所見をお持ちになっておるのかお伺いをしておきたいと思います。
最後に、警察本部長にお伺いをいたします。
本県は、近畿、中部両圏の中間に位置するという地理的条件から、全国でも有数の人口急増県であります。また、都市化が急速に進展している状況にありますが、このような中において行政需要は増大する一方であり、警察行政もまた無縁ではないわけであります。
最近の犯罪を見ますと、企業幹部襲撃事件など犯罪の範囲が非常に広く、スピーディーとなっており、また極めて凶悪な事件が目立っております。県内でも、昨年、警察庁指定121号事件に見られますように、同じような傾向になっていると思われます。特に、滋賀県は高速道路が整備をされており、大都市にも近いことから、警察の捜査にも大変な御苦労があろうかと思われます。
幸いにして、このような凶悪事件のほとんどが本県警察によって解決されていると聞き及んでおります。大変安心をいたしておるところでありますが、このような傾向はますます強くなっていくのではないでしょうか。特に、都市化の激しい地域におきましては、県民からの交番、駐在所の増設要望をたくさん耳にするところであります。今後も警察官の増員が必要であろうかと考えているところであります。
そこで、県警察におかれては、最近の特徴ある凶悪犯罪に対して、今後どのように対処される方針なのか、また警察官増員についてどのように考えておられるのかお尋ねをしたいと思います。
以上をもちまして、私の県民クラブを代表しての代表質問を終わらせていただきます。
先輩の県議会の方々や同僚の皆さん方の温かい御支援に支えられ、不肖私も16年間にわたり県政のこの壇上に立たせていただくことができました。新しい政治にチャレンジをさせていただく意味から、今議会をもちまして引退をさせていただくことになりました。この間における議員諸兄の温かい御指導、御鞭撻に心から感謝を申し上げると同時に、稲葉知事を初めとする理事者の皆さんにいろいろと御指導、御協力をいただき、県民ニーズをともに担って頑張らさせていただいたことを心から感謝いたす次第でございます。
特に、今びわ湖湖上で「うみのこ」という少年の研修船があります。56年の12月議会で、この場所において私は質問をさせていただき、提言を申し上げました。当時、南教育委員長が教育長であり、林青少年課長と一晩徹夜をして、文部省から補助をもらえない、陸はもらえても海の上ではもらえないというようなことを思いながら、何とか滋賀県の子供たちに夢を持たそうとしてつくり上げたあの「うみのこ」というものに対しましては、この16年間の大変なる思い出が私の脳裏にかけめぐっているところでございます。
以上、質問を終えましたが、どうぞ皆さん方も、これから県勢発展のためにそれぞれのお立場で御活躍いただき、微力な私も今後自分の力のある限り努力することをお誓い申し上げ、質問を終えさせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
○議長(黒川治君) 23番奥村展三君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(稲葉稔君) (登壇)奥村議員の県民クラブの代表質問にお答えをいたします。
まず、災害対策でありますが、今回の連日にわたる震災報道の中で非常に強く印象に残っておりますものの1つが、燃え上がる家屋を目の前にしながら、なすところがなく立ち尽くす人々の姿でございました。やっと消防が到着しても、現場の消火栓は水圧が低く、肝心の水が出ない。テレビに映し出された被災者や懸命に駆けつけた消防関係者の無念ともあきらめともつかない姿に、ただただ何とかならないのかという思いを多くの方々が抱かれたのではないかと思うのであります。
あのような惨状を見るとき、今回のような大地震に対処するには、基本的には町づくりの段階からそうしたことを想定した道路、ガス、水道等のインフラ整備が必要であるということは、そのとおりであるというふうに存じますが、一方で、被災された地域の人々が、それぞれの力に応じて協力され、さしたる資機材のない中で、壊れた家屋の下から生存者を救出されたり、消火作業に努められたという地域住民の活躍を聞くにつけましても、改めて地域住民の連帯意識を大切にしていかなければならないと実感をいたしました。
そうしたことからも、混乱する、特に初期段階での防災活動を、そこで生活する地域住民に自主的に担っていただけるような、そうした自主防災組織体制の育成、充実を図っていく必要があるのではないかと考えておりまして、今後市町村とも協力して、そうした組織が機能的に活動できる資機材の整備に配意をしてまいりたいと存じます。
また、消防水利の確保については、人工水利や自然水利で確保に努めているところでありますが、耐震性貯水槽の設置数は、平成7月1月1日現在、42基という状況でありまして、万一、今回のような大地震により、同時多発的な火災が発生した場合、十分対処できるとは到底言いがたく、今後、耐震性貯水槽の設置や消防資機材の整備について、急ぎ市町村とも協議してまいりたいと考えております。
また、災害発生時における飲料水の確保については、各地で断水等により飲料水の確保が困難な事態が生じ、大変難渋、混乱している状況は御案内のとおりでございます。本県で大地震が発生した場合には、同様の事態が予想されますので、早速平成7年度から、市町村でお取り組みをいただくよう、給水車の整備や、有事の際にびわ湖や河川の水を飲料水として有効に利用することができる飲料水ろ水装置の整備に助成をしてまいりたいと存じております。
次に、財政問題でありますが、当初予算では4年ぶりに県税の増収を見込むことができましたが、依然かつての水準からはまだ大きな乖離がございます。また、景気回復のテンポが極めて緩やかであることから、御指摘のように、かつてのバブル経済がにわかに再現するといったことは到底考えがたく、依然厳しい財政環境が続いているものと思っております。
こうした厳しい財政環境のもとにありますことから、健全な財政運営の確保を図る観点から、施策の優先度を厳しく選択し、選択に努めたところであります。歳出面では、特にきめ細かな地域福祉の展開や、生活域の環境保全、また各種の社会資本の着実な整備に重点を置きまして、
生活者重視、地域重視の視点に立った予算が編成できたのではないかと考えております。
また、御指摘のとおり、人口の急速な高齢化や価値観の多様化、さらには国際化や情報化の進展など、行政をめぐる環境は今後急速な変化が予想されるところでありますので、こうした時代の潮流のただ中にあって、県行政が的確に新しい行政ニーズに対処していくためには、健全な財政構造を確保することが不可欠であると存じます。平成7年度当初予算につきましても、このような考えのもと、可能な限り事務事業の効率化や既存事業の見直しに取り組んだところでありまして、今後とも計画的な投資のあり方や県債残高の適正管理等には十分意を用いてまいる所存であります。
いずれにいたしましても、財政の健全性の確保は県政推進の基盤をなすものでありまして、先日いただいた滋賀県
行政改革委員会中間報告の趣旨や、新年度に引き続いて開催される
行政改革委員会の御論議を真摯に受けとめ、住みよく活力のある滋賀をつくっていくため、相乗効果をねらった施策の連携、受益と負担の関係、自主性、自立性の確立、民間との機能分担等に留意した中長期的な見通しを踏まえた財政運営の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、地域づくりの新展開についてでございます。
新しい長期構想の策定に当たりましては、先ごろ滋賀県新世紀委員会から新たな政策指針という提言の形で答申をいただきましたので、これを出発点として、今後、新世紀委員会の皆様の審議を軸に、広く県民の英知を結集してまいりたいと考えております。
その際、新しい淡海文化の創造の理念をどのように反映していくのかとのお尋ねででありますが、そもそも新しい淡海文化の創造は、滋賀県という自治体が全体として共有する志、あるいは県政展開の基本理念を示したものでありまして、時代に流されることのない普遍的な価値観をあらわしたものであります。
新しい長期構想の策定に当たりましても、不易の理念としての新しい淡海文化の創造を常に念頭に置き、淡海文化の視点でこれまでの施策を見直しながら、新たな息吹を吹き込み、今後の政策を定めていく必要があります。したがいまして、新しい長期構想は、淡海文化の理念の具体化に向け、これを計画的に進めるための手順を定めるものであり、このような形で理念との整合性が保たれると御理解をいただければと考えております。
淡海文化につきましては、県民の皆さんの共感の輪が広がってきておりますし、できることからやっていこうということで、既に具体的な取り組みを進めてきているところでありますので、こうした蓄積の上に立って、新しい長期構想の策定に当たっていく考えでございます。
次に、行政改革についての御質問であります。
人口の減少や高齢化の顕著な進行、地球的規模での環境問題の顕在化、経済のグローバル化や国際交流の活発化など、国際情勢や我が国の
社会経済情勢が著しく変化する中で、だれもがゆとりと豊かさを肌で感じられるような成熟した社会を形成し、間近に迫った新たな世紀への確かな一歩を踏み出すための礎を築くため、今、国や地方を通じ、新しいビジョンづくりや行政基盤の改革など、さまざまな取り組みが始められているところであります。
そこで、現在の厳しい財政環境をも踏まえ、今後の行政改革の進め方でありますが、さきに設置した滋賀県
行政改革委員会から、先般、望ましい県と市町村、県民との連携や行財政運営のあり方など、行政の根幹をなす重要な事項について取りまとめて、中間報告をお示しいただきました。
県としましては、当然のことながら、この委員会報告の趣旨を最大限尊重し、地方行政の責務である県民福祉の向上と住みよい地域社会の創造という大命題を基本理念として、今後、県民に信頼され、かつ活力のある県政を再構築すべく行政改革に取り組んでいく所存であります。
今日の社会経済は、我々の創造を超える勢いで変化しておりまして、民間ではこの荒波を乗り切り、新たな可能性を引き出すため、身を切る思いで構造改革を進められております。このため、県におきましても、これにおくれることなく、新しい時代の要請や県民の期待に的確に応えていける、新しい
行政システムを確立していくことが何よりも重要であります。
また、今なお先行き不透明な経済環境の中にあって、今後さらに厳しくなる財政状況を見据え、あしたに備えるため、今行政として何が必要かということを見きわめまして、厳に必要な施策の選択を通じて、真に必要なところに計画的に投資していくような行財政運営を行っていくことが重要であると考えます。
また、市町村や県民との関係にあっては、豊かな自然や快適な生活環境といった地域のことについて、それぞれが今何ができるかを考えていただき、ともに手を携えながら町づくりに当たっていただく。そして、県もそうした地域づくりにともに汗をかかせていただくといった新たな協調関係を築いていくことが肝要であると思います。
いずれにいたしましても、今般の中間報告の趣旨を踏まえ、この4月から改革を進めるための基本であります事務事業の総点検に全庁挙げて取りかかることとしておりますので、今後、委員会での個別具体の審議状況を見定めながら、点検の成果を、今秋に策定を予定しております行革の行動計画である行政改革大綱に生かし、改革を実りあるものにしていきたいと考えております。
次に、活力に満ちた産業振興方策であります。
まず、これからの産業振興についてでありますが、これまで本県産業は、本県のあらゆる特性や優位性を生かしながら、我が国の高度経済成長とともに順調に発展してきたところでありますが、今回の長期不況に加え、円高進行や国際化の進展などを背景に、一部において、アジアを中心とした生産拠点の海外シフトの進行や、生産縮小、工場閉鎖等の事例も見られるなど、企業の生き残りをかけた懸命なリストラが行われているところであります。
こうしたことは産業構造の大きな変革の流れによるものとは言いましても、このまま推移すれば、雇用問題を初め、産業の空洞化等さまざまな形で地域経済に深刻な影響を及ぼすのではないかと懸念をされます。このため、県といたしましても、当面の経済対策や活力ある産業振興に向けて精いっぱいの対策を講じているところでありますが、中長期的には、本県経済のさらなる発展に向けて積極的に地域を創造する、新しい時代を創造していくという前向きの努力をしてまいらなければならないと認識をいたしております。
そこで、今後の産業の新しい展開については、産業の空洞化など地域経済を取り巻く諸課題に対応することが急務でありますので、現在、産業振興指針策定委員会において、本県の産業のあるべき姿や、その振興方策などの指針の取りまとめをお願いいたしております。
その基本といたしますところは、県民を初め、産、学、官のだれもが創造と共生、交流で拓く産業新時代の実現を共通の理念に抱きながら、それぞれの個性や能力を発揮し、創造的な産業活動や感性豊かな知的活動を展開することができるよう、そのためのガイドラインとして産業振興指針を位置づけ、産業の高度化と新産業創造を図ってまいりたいと考えております。
次に、県内大学等の知的資源の積極的な活用についてでありますが、産業構造が変化していく中で、地場産業を初めとする県内企業が急速に展開する技術革新に機敏に対応し、今後も力強く発展していくためには、県内大学等の高度な技術、情報などの知識資源を積極的に活用していくことが重要であると認識をいたしております。このため、既に工業技術センターや工業技術振興協会などが中心に行っております産、学、官連携をさらにシステム化してまいりますとともに、先端技術、研究開発型企業の導入等により、地元企業の育成と技術水準の向上などを図りながら、産業の高度化や地場産業の振興に努めてまいりたいと考えております。
次に、文化の振興についてでございます。
私はこれまで、文化は県政の全般にかかわるものとして広くとらえまして、地域社会の発展にかけがえのないものであるとの認識のもとに、新しい淡海文化の創造を提唱し、県民一人一人が先人の築いてきた伝統を生かしながら、滋賀をより個性豊かな県にできるよう取り組んでいるところであります。
この考え方の中には、当然文化芸術の振興も含まれるのでありますが、特に文化の振興という面では、創造性と感性を養う文化環境づくり、地域に根ざした文化活動の促進、新しい芸術活動の拠点づくりという3つの柱を掲げているところでありまして、今後これらの柱に沿った文化行政を展開していく中で、だれもがすぐれた音楽や演劇、伝統芸能などに触れることができ、また、自由で創造的な文化活動を一層促進していくことが重要であると考えております。
なお、文化振興基本条例についてでありますが、他府県の条例はそれぞれに制定に至った背景や事情があろうと存じますので、その辺も考慮に入れながら、今後の文化振興施策を推進する中で、必要性などを考えてみたいと存じます。
◎副知事(岩波忠夫君) (登壇)
びわこ空港についての御質問にお答えをいたします。
びわこ空港の候補地が日野、蒲生地区に選定されて以来、今日まで6年余の長きにわたり地元の方々と折衝を積み重ねてきたところでございます。まだ地域間で、あるいは集落の中で幅広いお考え、御意見がございますし、いわゆる温度差がある中ではありますが、地元の多くの役員さんを中心として、県の考えも聞き、みんなで議論をして結論を出していくしか解決の方法はないという考え方に立っていただけるようになってきたと認識をいたしております。
私どもとしては、空港の実現は、まず地元の皆さんの御理解が得られるかどうかにかかっており、かつ地元の皆さんの御理解をいただくためには話し合いしかないという考えで一貫してきております。この考えをもとに対応してきた結果、ただいま申し上げましたような現状があるものと思っております。
したがいまして、今後の対応といたしましても、これまでの話し合いの経緯を大切にすることはもちろんでありますし、不安や心配を解消していただくよう努めることももちろんですが、さらに地元周辺集落の皆さんにとっても、空港ができることによって将来に向けて新たな展望を見出していただけることになるよう、議論を深めていく中で、双方にとって納得のいく解決策を早期に見出していくため、最善の努力をしていく必要があるものと考えております。引き続き、議員各位の格別の御理解と御支援を賜りますようお願いをいたします。
◎企画部長(勝義隆君) (登壇)
総合交通体系の整備にかかわって、湖上交通についての御質問にお答えをいたします。
びわ湖でかつて栄えておりました湖上交通は、鉄道網の整備やモータリゼーションの推進によって衰退し、今や一部の観光航路のみが運航されている現状でございます。しかしながら、議員御指摘のとおり、防災上の観点も含め、湖上交通の持つ多様な可能性が改めて注目されているところでありまして、県といたしましても、本県固有のびわ湖を生かした交通手段として多方面から積極的に検討していかなければならないと考えております。
このため、目下庁内の関係課と関係する市町とで構成いたします滋賀県湖上交通検討会の中で、湖上交通を取り巻く制度、びわ湖における湖上交通の現状と課題などについて、鋭意調査検討を進めてきたところであります。現在、需要予測を行い、どのような航路設定が考えられるのかを調査しているところでございます。
こうした検討の中で、湖上交通の実現のためには、安全性の確保を初めとする多くの課題があることがわかってまいりましたが、とりわけ船舶の運航事業は採算性が悪く、的確な需要の見通しと採算性の確保がポイントとなるわけでございます。
議員から御提案のありましたホーバークラフトは、船底から空気を吹き出すことによりまして、船体が浮き上がって進み、水の抵抗を受けないため、高速による航行が可能でありますが、反面、船の建造費や運航経費が高くつくということがございます。また、びわ湖の中を高速で航行することの安全性などについての調査も必要でありますので、今後、湖上交通の調査検討を進めていく中で、こうした御提言を含め、どういった船舶形態がびわ湖に適しているのかということも十分検討をしてまいりたい、このように考えております。
◎
生活環境部長(辻本昭君) (登壇)環境問題についての御質問にお答えいたします。
地球環境問題を初めとする今日の環境問題は、人々のともすれば物質的豊かさのみを追求した大量消費社会における暮らしぶりや、効率性や経済性を至上の価値とした産業活動など、社会全体のさまざまな活動が影響し合い、積み重なって生じてきたものであると考えられます。地域環境や地球環境を守り、次の世代に確実に引き継いでいくためには、暮らしや生産活動の中で、びわ湖や地球環境にこれ以上負荷をかけない、さらに踏み込んだ取り組みを展開しなければならないと存じております。
こうした思いから、県では昨年度、環境保全を志向した省資源・資源循環型社会システム基本構想、サブタイトルでは環境にやさしい淡海の暮らしの推進に向けてを策定いたしましたが、この基本構想では、環境への負荷の少ない県民一人一人の日々の生活とこれを支える社会システムの構築を目指しております。具体的には、適正購入、有効使用、再資源化、再生品購入の4つの視点と、県民、事業者、行政のそれぞれの担うべき役割等について提案をいたしておりますが、こうしたことが県民一人一人のライフスタイルとして定着するよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
そのための施策として、リサイクルルート整備に係る初めての実践活動や、こうした県民の自主的な活動、さらに地域全体の取り組みとして持続的に発展させるための市町村のネットワーク組織の育成等を支援してまいりたいと考えておりますし、また、こうしたライフスタイルを日常の生活に取り込んでいただくためのテレビ等での啓発や、びわ湖の日を中心とした淡海環境フェアの開催等のソフト事業の充実も図ってまいりたいと考えております。
幸い、本県は環境熱心県と自負するにふさわしく、県民の方々により県下で先駆的な環境への取り組みが進められておりますが、こうした自発的な住民、地域活動こそ環境保全を志向した社会システム実現へ向けての原点であると認識いたしております。
県といたしましても、新しい淡海文化の創造の理念のもと、自然と人との共生を目指して、県民の皆様とともに、環境に優しいライフスタイルの実現と、それを支える社会の仕組みづくりに今後とも努力してまいる所存であります。
◎健康福祉部長(國松善次君) (登壇)湖国しが新ゴールドプランについての御質問にお答えします。
1点目の湖国しが新ゴールドプランの目標達成の見通しについてでありますが、計画の主な事業を平成7年度予算で国の進捗率と比べますと、ほとんどが全国水準を上回っており、また全体としても、制度発足後日の浅い老人訪問看護ステーション、ケアハウスなど一部を除いて順調に推移しているものと考えております。
特に、新年度予算編成にありましては、生きる喜びが実感できる福祉社会の実現を重点に、市町村が計画されたものは全面的に県の予算に計上することといたしましたので、このペースで整備が進めば、目標年次の平成11年度には、湖国しが新ゴールドプランや市町村の老人保健福祉計画に計上された目標はおおむね達成できるものと見込んでおります。
なお、この財源につきましては、基本的には、国において国庫補助金、地方交付税などにおいて措置されるべきものであり、平成7年度の国の予算においても所要の改善がなされたところであります。
今後とも、国の制度のさらなる充実が図られるよう要望してまいりますとともに、県といたしましても、可能な支援について努力し、計画達成に努めてまいりたいと考えております。
2点目の補助器具センターの運営についてでありますが、福祉用具は高齢者や障害者の方々の自立を支援するとともに、家族など介護者の負担を軽減する上で極めて重要でありますが、
利用者の心身の特性や置かれた環境、さらには加齢や障害の進行に応じた適切な用具が必要となります。
こうしたことから、本県では、福祉用具が
利用者のニーズにぴったり合ったものとして活用されるよう、個々の装着テストを行うとともに、必要な改造、開発、さらには保管、リサイクル等の機能を持った福祉用具の総合拠点施設の検討をしてまいりましたが、いよいよ平成8年秋の開設をめどに、仮称補助器具センターを整備することとしたところであります。
当センターの運営については、多くの高齢者や障害者に利用していただくことが何よりも大切でありますので、市町村に設置されます在宅介護支援センターを中心の窓口に、病院や老人福祉施設などとの緊密な連携のもとに運営する必要があると考えております。また、高齢者総合相談センターや、介護実習・普及センターとも連携が望まれますことから、これらを運営するレイカディア振興財団による運営が適当ではないかと考えており、福祉用具の改造、開発や普及については、民間事業者等との情報交換や共同の取り組みも必要になってくると考えております。
3点目の健康長寿研究施設についてでありますが、健康長寿研究施設は、研究部門、健康増進支援部門、さらには情報・検診部門などの機能を基本に考えており、今日までの調査検討をもとに、平成7年度にはこれら各部門の企画設計を行うことといたしております。特に、研究部門については、臨床部門が必要になることや、人や技術の交流、設備機器の相互活用など、効率的な整備、運営が必要となりますことから、来年度は成人病センターの将来計画についても並行して検討する中で、構想の具体化を図ってまいりたいと考えております。
去る2月1日付で、成人病センターの運営整備と健康長寿研究施設の整備を総合的に進める責任者として、京都大学から新しい総長を迎えたところでありますが、今後は、企画設計を終え次第、基本設計、実施設計、建設工事へと進め、早期完成に向け努力してまいりたいと考えております。
◎商工労働部長(山脇康典君) (登壇)活力に満ちた産業振興方策についての御質問にお答えをいたします。
第1点目の県内景気の動向と雇用情勢についてでございますが、直近の経済指標や県内企業の景況感等では、傾向としては横ばいながら、徐々に回復への広がりもうかがえますものの、企業倒産の状況や円高影響などの不安材料もあり、また雇用面でも、平成7年1月の有効求人倍率が0.67倍と依然として低いなど、雇用面を含めて景気回復実感に乏しい状況にあるものと認識をいたしております。
第2点目の今回の大震災による影響についてでございますが、本県経済への影響調査では、直接的な被害は少ないものの、間接的には、県内中小企業の約5割において、原材料、部品が入手できない、製品の納入ができない、あるいは受注が減少するなどの影響が出ております。また、観光面では、宿泊施設の約8割で宿泊客数や宴会等の
利用者が減少し、主要な観光地では入り込み客の減少の影響も出ているところでございます。
こうした直接、間接的な影響をこうむっている県内中小企業に対する支援として、去る2月1日に、県単独資金の経営合理化資金の中に地震災害対策枠の特別枠を設けるなど必要な対策を講じているところでございます。
第3点目の中小企業の新分野進出等への支援方策などについてでございますが、本年度実施をいたしました実態調査によりますと、新分野進出等に向けて、約5割の企業が継続的な取り組みを行い、その内容としては、加工技術の改善や新製品の開発、既存製品の機能向上などとなっております。また、問題点としては、技術人材不足が約6割と高いほか、組織、体制の未整備やノウハウ不足、資金不足などが課題となっております。
こうしたことを踏まえ、今後県といたしましては、産地組合や中小企業者に対し、これまで以上に企業家精神の醸成を図るとともに、新分野進出等円滑化法に基づく施策の活用を促してまいりますほか、公設試験研究機関による技術指導や、産、学、官等の連携、異業種交流の促進などの支援施策を講じてまいりたいと考えております。
4点目の中小企業に対する労働力確保対策についてでございますが、中小企業は大企業に比べ労働環境面で格差があると見られていることや、若者のブランド志向なども重なり、総じて若手労働力を初めとする優秀な人材が得られにくい状況にあると伺っております。
このため、新年度におきましては、中小企業団体中央会や商工会議所等が実施する中小企業のイメージアップを図るためのビデオテープやポスターの作成、高等学校等の就職担当者に対する中小企業の見学会などの各種事業に対し、積極的に助成してまいりたいと考えております。また、各職業安定所におきましても、引き続き就職促進選考会や求人説明会の開催などに取り組み、中小企業における雇用のミスマッチの解消に向けて努力してまいる所存でございます。
◎農林水産部長(中桐正君) (登壇)力強い農林水産業の創造についての御質問にお答えをいたします。
1点目の全国育樹祭の開催とこれを契機とした滋賀の緑づくりへの取り組みについてでございますが、まず緑づくりについてイベント開催の中でどのように実践していくのかというお尋ねでございますが、第19回全国育樹祭は、御案内のとおり、「ふるさとに きらめく水と あふれる緑」を大会テーマに、豊かな自然を有している本県の特性を生かし、県民の多くの方々の参加により、自然と人との共生や調和、触れ合いの思いを生かした緑豊かな郷土づくりを目指して開催をしていきたいと考えております。
このため、大会に際しましては、既に大会テーマ、詩などについて県民の方々から御応募をいただき、また大会内容は、参加者の皆さんによる枝打ち等の育樹体験、育林技術交流集会、緑化活動の将来の担い手として期待されている少年たちによる全国緑の少年団活動発表大会、さらには音楽や郷土芸能の共演などを通じて自然に恵まれた滋賀の環境や県民の豊かな心をアピールし、自然と人との共生を意識した構成としてまいりたいと考えております。
そして、本大会が全国から参加される人々を通じて、滋賀の価値や魅力を発信し、滋賀らしい特色あるものとなりますよう、全国育樹祭滋賀県実行委員会を初め、関係機関、団体とも協議を行いながら、準備に万全を期してまいりたいと考えております。
次に、いわゆるポスト育樹祭の施策の展開についてでございますが、本県の緑化の取り組みにつきましては、御案内のとおり、湖国のみどり2001構想に基づき、びわ湖の水資源涵養、郷土の保全など、びわ湖を中心とした良好な自然環境と風土に根ざした快適な生活環境の創造を目指し、今日まで県下各地においてさまざまなお取り組みをしていただき、潤いや安らぎのある緑づくりが進められているところであります。
今後は、この育樹祭の開催を契機として、県民の皆様に、より緑の大切さを認識していただき、緑づくりの取り組みを一層推進していただきますとともに、次代を担う青少年の緑に対する意識を高めるため、新たに緑の少年団の森づくりや少年団活動の活発化を進めるほか、森林塾やフォーラムの開催により、自然と人との共生を目指した新しい淡海文化の創造にもつながる緑豊かな湖国づくりの推進について大いに議論を深めていきたいと考えております。
なお、お手まき会場跡地につきましては、隣接する森林センター湖北分場内の緑化樹見本園とあわせ、緑に親しむ場として検討してまいりたいと考えております。
2点目の新食糧法の施行に伴う今後の近江米の振興策についてでございますが、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意に伴いまして、国においては種々の農業政策の対応を検討されてまいったわけでございますが、新食糧法の制定に至るまでに、米をめぐる諸問題につきましては、国と生産者団体等との間で幾多の協議が重ねられ、その結果、御質問にありますように、流通につきましては、国の全量管理が廃止され、民間流通による自主流通米を主体とする制度に移行されたところでございます。
この経過の中で、生産者団体としましては、このポイントを押さえ、今後の流通対策に取り組むため協議検討が重ねられ、従来の集荷、保管業務から出荷、販売業務へと意識が移行されてきており、生産者団体がその課題として取り組まれようとしております、1、販路拡大対策、2、販売組織の充実強化、3、生産者対策などの対応について、県の指導には限界がありますものの、近江米振興協会など関係団体との連携を密にし、支援してまいりたいと考えております。
また、生産者につきましては、この法律の趣旨を御理解されていない方々に対しましては、一層啓発に努めますとともに、つくれば売れる米づくりから、良質、安全、そして消費者ニーズに合った米づくりのため、土づくりをはじめ、省化学肥料、省農薬栽培や稲作新技術等を含め、近江米ブランドを高める米づくりを関係団体と一体となって指導してまいりたいと考えております。
さらに、県といたしましても、今後の厳しい販売競争に対処するため、関係団体と連絡を密にし、従来から実施しております販売業者に対する産地説明会を初め、県外のアンテナショップや県内でのコシヒカリ、キヌヒカリ提供店の育成に努めるとともに、新たに毎月8日を米の日と定め、京阪神の消費地等におけるキャンペーンを実施するなど、関係団体と一体となって、なお一層の販売促進に努めてまいる所存でございます。
次に、3点目の農業問題のうち、組織経営体と個別経営体の育成についてでありますが、本県の稲作農業は、大規模な個別経営を目指している農家と、集落による集落営農を進めている実態を踏まえまして、湖国農林水産プランにおいて、稲作の担い手として、その大宗を集落を基本とする組織経営体および地域に根ざした個別経営体として位置づけ、その育成を図っているところであります。
まず、集落を基本とする組織経営体の育成につきましては、ソフト面では集落営農ビジョンの策定、ハード面ではその具体化に向けた事業の取り組みを一層進めることによりまして、集落営農から集落を基本とした生産性の高い組織経営体に向けた指導、支援をし、その育成に努めてまいる所存であります。
また、地域に根ざした個別経営体の育成につきましては、農地保有合理化事業などの各種事業に加えて、新たに農業経営基盤強化資金など農業合意関連対策の融資事業の活用などによりまして、その育成を図ってまいりたいと考えております。
次に、組織経営体と個別経営体間の現場での対応についてでありますが、地域農業改良普及センターの普及活動を通じて、指導、助言などを行うことによりまして、農地の利用や共同作業などの円滑化について調整を図ってきた事例もありますので、今後とも、この経験を生かして、両者の間に混乱が生じないように、双方の十分な話し合いを進めていく中で、営農方法の特色なども視野に入れ、円滑に農業が営まれるよう関係団体とも協力し、適切な指導、助言を行ってまいりたいと考えております。
次に、認定農業者についてでございますが、まず本県の認定農業者の数につきましては、2月末現在で法人を含めて61者となっております。
次に、今後の認定農業者の見込みについてでございますが、この認定制度は、御案内のとおり、認定を受けようとする農業者からの自主的な申請に基づきまして市町村長が認定することとされておりますが、市町村の基本構想にはその目標数を示すことは義務づけられておりません。県といたしましては、湖国農林水産プランに沿って、稲作の担い手として800の個別経営体を目標に育成しているところであり、認定農業者はその中に位置づけていきたいと考えております。
また、その育成につきましては、農業経営基盤強化資金の活用などを促しながら、認定農業者が目標としております農業経営改善計画の実現に向け、地域農業改良センターが主体となって、市町村、農業団体と連絡を密にし、積極的に経営、技術指導に努めるなど、認定農業者の育成を図ってまいる所存でございます。
◎土木部長(亀田泰武君) (登壇)土砂災害防止に関連しての御質問にお答えします。
1点目の土砂災害防止対策についてでありますが、災害防止は土木部所管事業の重要な役割であり、中でも人命にかかわる土砂災害の防止につきましては、特に重要視しているところであります。しかし、現状においても、なお、今後対応すべき急傾斜地崩壊危険箇所など土砂災害危険箇所がまだ相当数あります。
御質問にありますように、今日、守るべき人口、資産の増大への対応とともに、高齢化が進む中で、災害弱者をいかに守るかといった課題が今後一層重要性を増してくると考えております。今回の震災を契機に、特に災害弱者を守るという観点から、幼稚園、老人福祉施設、病院等に対する被害が危惧される箇所を重点において、引き続き砂防関係事業の推進を図る所存であります。
次に、2点目の砂防事業における環境への配慮についてでありますが、砂防施設は、自然が豊かに残された地域に設置される例が多いことから、魚類等生態系に与える影響を最小にとどめ、また石の利用等周囲の環境に調和した景観の形成に努めております。平成4年度からは、ふるさとふれあい渓流づくり事業により、親水護岸、散策路等を整備し、自然景観にマッチした水と緑に親しめる渓流の水辺環境の創出を図っております。
今後とも、砂防事業につきましても、土木部事業の基本としております人と自然に優しい建設工事の実現を目標に、社会基盤整備の推進と環境保全との調和のとれた安全で豊かな地域づくりを図ってまいりたいと考えております。
◎教育長(高井八良君) (登壇)びわ湖ホールについての御質問にお答えいたします。
(仮称)びわ湖ホールにつきましては、御質問にもありましたように、建築工事と並行して、事業計画などの具体的な準備を急ぐ時期に来ております。現在、開設準備委員や専門家の方々の御指導、県内舞台芸術関係者の御意見を聞きながら、鋭意準備を進めているところでございます。
まず、人材育成についてでありますが、事業を実務的に計画できるプロデューサーを確保するとともに、舞台、照明、音響各分野の専門技術者についても、専門能力を持ち、既にその分野で相当の経験を積み、活躍している優秀な人材の確保に努めております。あわせて、企画運営スタッフについて、他の先進ホール等への派遣研修を行うなど、人材の育成に努めているところであります。
館長につきましては、びわ湖ホールの顔として国際的視野と高い識見を有する人で、ホールの総括者としてもふさわしく、このホールを大きく育てていただける人物が望ましいと考えており、その人選を急いでいるところであります。
次に、他のホール等との関連についてでありますが、昭和47年に策定された文化の幹線計画やその後の県民文化会館検討懇談会におきまして、びわ湖ホールは文化芸術会館等とのネットワークのかなめとしての位置づけをされておりますことから、舞台芸術に関する企画や技術面での情報の収集、提供、スタッフの研修など、相互に連携をしながら県内舞台芸術の振興に努めてまいりたいと考えております。
次に、オープニング事業の基本的な考え方でありますが、開館年度の事業は、ホールの目指す方向を具体的に示すとともに、びわ湖ホールが全国に発信できるような事業を展開していく必要がございます。例えば、海外のすぐれたオペラ、バレエなどの公演や国内外のオーケストラによるコンサート、また県内の芸術団体による公演など、県民の舞台芸術活動への積極的な参加を促すための事業や、本県出身アーチストの公演などを計画してはどうかと思っているところでございます。
以上申し上げましたように、びわ湖ホールは、国際的水準の舞台芸術の鑑賞機会の提供や県民の舞台芸術活動の活発化の支援など、ホールの持つ機能、立地条件を生かし、県民に親しまれ活用される運営を目指していきたいと考えております。
次に、高等学校教育改革に関するお尋ねでありますが、既に御承知のとおり、高校への進学率は97%に達しようとしている今日、入学する生徒の興味、関心、進路等は極めて多様化しているという実態に即しまして、教育内容を弾力化、多様化する方向で高校改革を進めているところであります。
こうした状況の中で、本県では平成8年4月に石部町に高校を新設することといたしておりますが、この学校は生徒の多様化に対応した新しいタイプの普通科高等学校として、総合選択制を導入することとしております。
この総合選択制は、普通科の中に人文、理数、環境科学、国際教養などのコースを設定しまして、教科、科目を選択させる際に可能な限りの科目選択の自由を認めることで、個々の生徒の希望に応じた学習を深めさせることができるという特徴がございます。新設高校では、こうした総合選択制を実施するため、選択教室など施設面での充実を図っているところであります。
一方、総合学科は、普通科、職業学科と並ぶ新しい学科でありまして、国語や数学を初めとした普通科目と、商業や工業などの専門科目を幅広く用意し、生徒の進路希望に応じ自由に選択できるようにするとともに、自分なりの学習計画を立てて学べるように単位制を採用するところに特徴があります。
この総合学科の設置につきましては、現在、各学校で検討を進めているところでありますが、具体化に当たりましては、これから研究指定校の調査を8年度中に行い、平成9年度には1校を開設したいと考えているところであります。
◎警察本部長(内山田邦夫君) (登壇)まず、災害対策についてお答えいたします。
今回のような大震災の発生に際しましては、迅速な被災状況の把握が極めて重要でありますが、陸上交通等が麻痺した状態では、ヘリコプターの機動力、あるいはヘリコプターテレビシステムを通じた映像による情報の収集と伝達、こういったことが効果を発揮するものと考えられます。
このため、警察本部周辺における警察の臨時ヘリポートの設置場所といたしまして、皇子山陸上競技場、矢橋帰帆島グラウンド等々が確保してありますが、今回の阪神・淡路大震災での教訓に照らしますと、これらの多くは住民の避難場所として利用されるなど、臨時ヘリポートとしては使用できない状況が生じるものと思われます。
現在、県庁周辺整備が検討されておりますが、県警察としては、警察本部庁舎新築に際しましては、屋上ヘリポートの整備が不可欠の要素であると考えております。屋上ヘリポートの建設には運輸省の設置許可が必要でありますので、平成7年度には、県庁周辺における気象データの調査、解析、障害物の調査等を行う予定であります。
次に、都市化に伴う警察体制についてお答えいたします。
凶悪事件を初め、各種犯罪は、悪質化、広域化の傾向が著しくなっております。昨年は、現金輸送車襲撃事件や強盗殺人事件等30件余りの凶悪事件が発生し、そのほとんど全件近くを解決いたしておりますが、これらの事件の大部分が他府県にまたがる、いわゆる広域事件となっております。
県警察といたしましては、このような情勢に的確に対応するため、警察の総力を挙げた取り組み、関係府県警察の連携や合同捜査の推進、警察署等の指定捜査員の集中運用、捜査員研修制度の継続的実施等々に取り組んでいるほか、初動捜査体制の整備充実を図るため、現在、捜査一課内に置かれている機動捜査隊を独立の所属として体制を強化する方針であります。また、ヘリコプターテレビシテスムなどの各種捜査資器材の拡充整備を図っているほか、民間の方々の協力を得ながら、ファクシミリによる捜査手配システムの導入整備を進めるなど、捜査支援システムの整備、充実に努めているところであります。
次に、警察官の増員について申し上げます。
本県におきましては、人口、世帯数、車両台数の増加等、社会環境の変化に伴いまして、各種警察事象も増加の一途をたどり、治安情勢は年々厳しさを増しております。これに的確に対応するため、人員の効率的運用、能力向上に努めているところでございますが、第一線警察官の負担は依然として重いものがございます。
警察庁におきましては、臨時行政改革推進審議会による原則凍結の答申や、厳しい財政事情等を考慮し、平成7年度の地方警察官の増員については要求を見送ることとしておりますが、県警察といたしましては、本県における治安情勢の推移を踏まえつつ、国等の関係機関に対してさらに働きかけを強めてまいりたいと思いますので、御理解と御協力をお願いする次第でございます。
○議長(黒川治君) 以上で会派代表による質疑ならびに質問を終わります。
───────────────
△休会の議決
○議長(黒川治君) お諮りいたします。
明3月1日は議事の都合により休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
(「異議なし」)
御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。
───────────────
○議長(黒川治君) 来る3月2日は定刻より本会議を開き、上程議案に対する一般の質疑ならびに質問を行います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時13分 散会
───────────────...