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  1. 愛知県議会 2022-02-01
    令和4年2月定例会(第4号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 令和4年2月定例会(第4号) 本文 2022-03-02 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 52 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 2 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 3 :  ◯四十九番(山下智也君) 選択 4 :  ◯観光コンベンション局長武田光弘君) 選択 5 :  ◯農業水産局長中根俊樹君) 選択 6 :  ◯経済産業局長矢野剛史君) 選択 7 :  ◯知事大村秀章君) 選択 8 :  ◯四十九番(山下智也君) 選択 9 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 10 :  ◯三十九番(樹神義和君) 選択 11 :  ◯県民文化局長水野直樹君) 選択 12 :  ◯経済産業局長矢野剛史君) 選択 13 :  ◯知事大村秀章君) 選択 14 :  ◯三十九番(樹神義和君) 選択 15 :  ◯四十一番(南部文宏君) 選択 16 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 17 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 18 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 19 :  ◯四十六番(神戸健太郎君) 選択 20 :  ◯政策企画局長沼澤弘平君) 選択 21 :  ◯経済産業局長矢野剛史君) 選択 22 :  ◯総務局長(林全宏君) 選択 23 :  ◯福祉局長(岡本範重君) 選択 24 :  ◯知事大村秀章君) 選択 25 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 26 :  ◯十番(杉江繁樹君) 選択 27 :  ◯保健医療局長(吉田宏君) 選択 28 :  ◯企業庁長(飯田靖君) 選択 29 :  ◯観光コンベンション局長武田光弘君) 選択 30 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 31 :  ◯五十七番(水谷満信君) 選択 32 :  ◯保健医療局長(吉田宏君) 選択 33 :  ◯県民文化局長水野直樹君) 選択 34 :  ◯四十番(丹羽洋章君) 選択 35 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 36 :  ◯議長坂田憲治君) 選択 37 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 38 :  ◯四十五番(野中泰志君) 選択 39 :  ◯農業水産局長中根俊樹君) 選択 40 :  ◯経済産業局長矢野剛史君) 選択 41 :  ◯建設局長(道浦真君) 選択 42 :  ◯知事大村秀章君) 選択 43 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 44 :  ◯六十三番(飛田常年君) 選択 45 :  ◯建設局長(道浦真君) 選択 46 :  ◯保健医療局長(吉田宏君) 選択 47 :  ◯観光コンベンション局長武田光弘君) 選択 48 :  ◯知事大村秀章君) 選択 49 :  ◯六十三番(飛田常年君) 選択 50 :  ◯四十一番(南部文宏君) 選択 51 :  ◯副議長近藤裕人君) 選択 52 :  ◯副議長近藤裕人君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時開議 ◯副議長近藤裕人君) ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 一般質問 2: ◯副議長近藤裕人君) これより一般質問を行います。  通告により質問を許可いたします。  山下智也議員。     〔四十九番山下智也君登壇〕(拍手) 3: ◯四十九番(山下智也君) 皆様、おはようございます。  質問に先立ちまして、一言申し上げたいと思います。  今この瞬間もロシアによるウクライナの主権と領土を踏みにじる侵略行為によって多くの人たちが犠牲となっております。映画やドラマではない二十一世紀の現実の世界で起きているこの出来事に、何とも言えない感情を抱いております。一日も早く平和な世の中になることを切に願います。  それでは、通告に従い、私の地元であります小牧市の話題にも触れながら、大きく三項目について質問をさせていただきたいと思います。  初めに、大河ドラマを生かした武将観光のPR、プロモーションの取組についてお尋ねいたします。  本県は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康をはじめ多くの武将の出身地であり、名古屋城や犬山城、岡崎城、小牧山城をはじめとする貴重な城郭、城址も県内各地に存在しております。加えて、桶狭間や長篠・設楽原、小牧・長久手など歴史の分岐点になった有名な古戦場があり、合戦にまつわる様々な武将の物語も伝わっております。激動の戦国時代に活躍した武将の人気は高く、熱烈なファンも多いことから、武将観光の推進は本県にとって大きな可能性を持つ重要なテーマであると考えます。  そうした中で、二〇二三年、来年の大河ドラマは、徳川家康の生涯を描く、どうする家康に決定しております。家康が主人公となるのは、二〇〇〇年に津川雅彦さんが家康役を演じた「葵 徳川三代」から約二十年ぶり、滝田栄さんが主演を務めた一九八三年の徳川家康からは四十年ぶりとなります。  今回は、人気アイドルグループ嵐のメンバーの松本潤さんが家康役として主演を務めることから、松潤の演じる家康がどのようなイメージとなるのか、大きな注目を集めております。  また、昨年十一月にはその他の主な出演者が発表されました。織田信長役は、二〇一四年の軍師官兵衛で主人公の黒田官兵衛役を演じ、数々の映画やドラマで活躍する岡田准一さんが務めます。そして、豊臣秀吉役にはムロツヨシさん、家康の正室、築山殿役には有村架純さん、今川義元役は野村萬斎さん、武田信玄役は阿部寛さんなど、人気と実力を兼ね備えたそうそうたる顔ぶれであり、ドラマへの期待はいよいよ高まっております。  さらに、今回の脚本は「ALWAYS 三丁目の夕日」で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した古沢良太さんが新たに書き下ろすもので、NHKの発表では、一人の弱き少年が乱世を終わらせた奇跡と希望の物語とされております。織田信長や武田信玄といった圧倒的な存在に翻弄されながら、豊臣秀吉や真田昌幸など次々に現れるライバルの中で、数々の苦境を乗り越えて天下を取る家康の物語は、コロナ禍で厳しい状況にある多くの人々に勇気と活力を与えてくれるものと思います。  また、昨年十一月には、豊臣秀吉と徳川家康が戦った小牧・長久手の戦いの戦跡がある小牧市、長久手市をはじめとする五市が同盟を結成し、連携して情報発信や誘客事業に取り組んでいくことを宣言するなど、地元の機運も盛り上がってきており、大変楽しみであります。
     さて、小牧・長久手の戦いでありますが、江戸時代後期の歴史家、思想家であります頼山陽という方が書き記した日本外史という幕末から明治にかけて最も多く読まれたと言われている歴史書の中にこのような一節があります。  それは、家康の天下を取る、大坂に在らずして関ヶ原にあり、関ヶ原に在らずして、小牧にあり。家康の天下を取る、大坂に在らずして関ヶ原にあり、関ヶ原に在らずして、小牧にありという一節であります。真の天下分け目の戦いは、関ヶ原の戦いではなく、小牧・長久手の戦いであったということであります。くどいようですが、もう一度言います。真の天下分け目の戦いは、関ヶ原の戦いではなく、小牧・長久手の戦いであったということであります。  その理由は、家康と秀吉が直接対決した唯一の戦いであるからと言われております。私の地元であります小牧市もしっかり取り組んでいきますが、家康の生誕地である本県としては、この大河ドラマを生かし、積極的に武将観光のPR、プロモーションを展開していく必要があると考えます。  そこでお尋ねいたします。  大河ドラマ、どうする家康の発信力を生かし、どのようにPR、プロモーションを行い、武将観光の魅力をアピールして観光客を呼び込んでいくのか、県の取組をお伺いいたします。  次に、畜産総合センター種鶏場整備についてお尋ねいたします。  本県の養鶏は、江戸時代に尾張藩で広がった内職としてのサムライ養鶏がその始まりであると言われております。私の地元でも、私の幼い頃は近所で養鶏業を営んでいる方がお見えでして、大きな鶏の鳴き声と独特な臭いが今でも懐かしく思います。  尾張地方は、気候が温暖で消費地としてまちが発達していたことなどから、鶏の餌となる魚のアラや野菜くずを得やすく、武士の一部は養鶏業の内職を行いながら生計の足しにして生活し、明治維新以降、廃藩置県によって禄を失ったことから、養鶏業を本業にしたものと考えられます。  旧尾張藩士の海部壮平、正秀兄弟は、私の地元であります小牧市の東部、池之内で養鶏業を行っていましたが、尾張の地鶏は体が小さく、肉が硬い上に、卵をたくさん産まないため、その地鶏と中国産のバフコーチンを何回も掛け合わせ、改良を重ね、名古屋コーチンを生み出しました。  名古屋コーチンは、明治三十八年三月十日に日本家禽協会から国産実用鶏第一号として登録された日本で最も歴史のある国産地鶏であります。  海部兄弟の養鶏場跡地には、その場所を記す碑が設置されておりますが、海部兄弟の末裔が所有されていた海部養鶏場百分之一絵図では、約千百五十坪に及ぶ広大な敷地内に三十四室の大小様々な鶏舎が立ち並び、当時、五千羽の鶏が飼育されていた全盛期の海部養鶏場の様子が描かれております。  名古屋コーチンは、卵を生産した後も食肉としても利用できる卵肉兼用の鶏として全国で飼育され、明治時代から昭和三十年代までの養鶏産業の振興に大きく貢献し、養鶏産地としての愛知の名を全国にとどろかせ、本県は現在も鶏卵生産農家数では全国第一位を維持しております。  しかし、名古屋コーチンは、これまでの養鶏の歴史の中で安定した地位を維持し続けてきたわけではありません。昭和三十年代以降、大量生産に適した外国種にその座を奪われ、一時は絶滅の危機に瀕していましたが、本県の農業総合試験場による肉用に向けた大型化などの改良を行ったところ、グルメ志向や本物志向も相まって、地鶏の王様として再び脚光を浴びるようになり、昭和五十年代の後半以降、生産羽数が急増しました。  名古屋コーチンの肉質は弾力に富み、よく締まって歯応えがあり、コクのあるうまみが特徴で、ひきずりと呼ばれる鶏肉のすき焼きなどの伝統料理にも使われております。  また、名古屋コーチンの卵は、美しい桜色をした卵の殻が特徴であります。卵はやや小ぶりですが、舌触りが滑らかで濃厚であり、卵かけ御飯をはじめ、将棋の藤井聡太五冠が対局中のおやつに食べたことで一躍有名となりましたぴよりんなど、和洋菓子向けの素材としてその利用はさらなる広がりを見せております。  このように、名古屋コーチンは、元尾張藩士の侍がつくり出し、それを引き継いだ愛知県が品種改良や系統維持に真剣に取り組んだことにより、愛知・名古屋という地域の食文化に欠かせない食材として浸透し、また、全国で最も知名度が高いブランド地鶏として定着してきたのであります。  小牧市には、観光資源として、織田信長によって築城され、その後は、先ほどの質問でも取り上げました、小牧・長久手の戦いで家康が本陣を構えた史跡小牧山をはじめとする多くの歴史的資源に恵まれておりますが、市は、名古屋コーチン発祥の地であることを観光振興基本計画の三本柱の一つに位置づけ、観光協会や商工会議所などと共に、名古屋コーチンの卵や肉を取り扱う店舗の拡大、イベント、プロモーションの展開、グルメの開発、ひきずり鍋の伝承と普及などを行うプロジェクトを展開しております。  さらに、二〇二四年度(令和六年度)にオープンする(仮称)小牧市農業公園においては、その都市計画案の概要の中にも、種鶏場の紹介や名古屋コーチンの歴史と魅力等を積極的に発信する旨が記されております。  最近のコロナ禍においては、外食産業が危機的状況に陥っており、名古屋コーチンもそのあおりを受けて消費が低迷しております。そのため、県では、学校給食への食材提供や、コンビニ、スーパーでの家庭消費向け商品の販売などに対する支援を行っておりますが、コロナ終息後を見据え、県内、県外、海外からの観光客の回復に向けた準備を進め、特にインバウンドの再開に向けて、名古屋コーチンはその消費の伸びが期待される食材であるため、遅れを取ることのないよう準備を進める必要があります。  業界においては、畜産クラスター事業を活用した鶏舎の増設を進めるなど、生産拡大に向けた取組を進める一方、県は、名古屋コーチンのひなの供給を行う拠点施設である畜産総合センター種鶏場について、名古屋コーチンにゆかりのある小牧市からの要望を受け、小牧市東部の元県有林地を移転先として選定し、来年、二〇二三年(令和五年)三月の開場を目指して工事を進めていると聞いております。この移転整備により名古屋コーチンの生産体制が強化されるものと思います。  そこで、三点お尋ねをいたします。  小牧市東部で畜産総合センター種鶏場の移転整備が進んでおりますが、今後どのように種鶏場の移転を進めていくのか、また、新しい種鶏場はどのような特徴があるのか、お伺いいたします。さらに、種鶏場の移転に合わせて、地元の小牧市とどのように連携をしていくのか、お伺いいたします。  最後に、航空機産業、ドローン産業の振興についてお尋ねをいたします。  初めに、本県の航空機産業の振興についてお伺いいたします。  本県では、一九八〇年代以降、三菱重工業や川崎重工業、スバル、三菱重工航空エンジンの工場において、ボーイング社などとの国際共同開発による機体構造部品やエンジン部品などが生産されております。また、その裾野を支える中堅、中小のサプライヤー企業も多数集積することで、我が国最大の航空機産業の拠点を形成しており、愛知県を中心とする中部地域の航空機及び航空機部品の生産額は、我が国全体の約五割、機体部品に絞れば約七割を占めるに至っております。  ところが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、二〇二〇年以降は航空機製造需要が大きく落ち込んだことにより、県内の航空機製造サプライヤーの売上げは大きく減少しております。  世界的な航空機製造需要については、欧米の国内線等の旅客需要の回復に伴い、比較的小型の航空機は徐々に回復の兆しが見られるようになってきております。しかしながら、本県における主力製造機種は、ボーイング787やボーイング777といった主に国際線に利用される中大型機でありますので、これらの部品製造を行っている県内サプライヤーにとってはまだ厳しい状況が続くことが見込まれます。  このような状況にあるものの、航空機産業は多くの新技術が集約されており、技術波及効果が大きく、また、自動車産業と比較して部品点数が多いため、裾野も広い産業であります。  また、足元では、航空機製造需要は一時的に低迷しておりますが、一般財団法人日本航空機開発協会によれば、コロナ禍からの回復後の世界のジェット旅客機市場は、二〇四〇年までに現在の約一・六倍と、世界のGDP成長率を大きく超えて成長することが予測されており、航空機産業は中長期的には依然として未来の明るい安定成長産業であります。  このため、私としましても、航空宇宙産業は、本県における自動車産業に次ぐ第二の柱として大きく育てていくべき大変重要な産業であることには変わりはないと認識をしております。  本県における航空宇宙産業の振興は、愛知県が中心となり、航空宇宙産業が特に集積をする名古屋市や小牧市をはじめ、航空宇宙産業に関わる産学行政が参画するあいち・なごやエアロスペースコンソーシアムにおいて、地域一体となって推進しているところであります。  コロナ禍後の航空機産業のV字回復につなげるため、需要が低迷している今こそ、航空機製造サプライヤーに対して特に手厚い支援を行うべきときであると考えます。  現在の厳しい状況を乗り切り、未来に向けた種まきをしっかり行うことで、本県における航空機産業はさらに大きく羽ばたくことができ、本県の産業全体を牽引していくことができると確信をしております。  そこでお尋ねいたします。  本県の航空機製造サプライヤーが現在の厳しい状況を乗り越え、中長期的な成長を促すために県としてどのような支援を行っているのか、お伺いいたします。  次に、ドローン産業の振興についてお伺いいたします。  ドローンの飛行許可に関して、昨年六月、航空法等の一部改正がなされました。この改正が施行される本年十二月以降、新たに制度化されるドローンの機体認証と操縦ライセンスの取得を条件として、従来認められなかった有人地帯における目視外飛行、いわゆるレベル四の飛行についても、航空局の許可、承認を得ることで可能となります。これによりドローンの利活用に向けた環境が整い、都市部における物流や警備、点検など、市場が飛躍的に拡大することが期待されます。  ある民間シンクタンクの試算によれば、機体市場やサービス市場等を含んだドローンビジネスの国内市場規模は、二〇二〇年度には推定約千八百億円だったものが、二〇二五年度には約三・五倍の約六千五百億円に達すると見込まれております。  しかしながら、現在の状況を見ますと、空撮や農業、測量など既に活用が始まっている分野もありますが、幅広い用途での社会実装に向けては、いまだ技術面での課題が少なくありません。何よりも、有人地帯を安全に飛行するための技術開発が不可欠であります。そのほかにも、物流分野においては、可搬重量の拡大や航続距離の延長、建設やインフラの点検分野においては、検査精度の向上などが求められます。  このような中、本県にはドローンに関する先進的な技術を有する企業があります。例えば、産業用ドローンメーカーである株式会社プロドローンは、最大三十キロの重量物を搬送できる機体を開発しており、長野県伊那市が運営する中山間地域における買物支援事業で活用されております。  また、ドローンによるデータ活用事業などを手がける株式会社テラ・ラボは、災害時の被害状況の把握と情報共有のためのプラットフォームの開発に取り組んでおり、昨年の熱海市における土砂災害でも現地での情報提供に活躍されたと聞いております。  本県では、二〇一四年に設立したあいちロボット産業クラスター推進協議会に無人飛行ロボット活用ワーキンググループを設け、ドローンの黎明期から研究開発や実証実験の支援に取り組んでまいりました。協議会の会員には、機体メーカーだけではなく、多数のサービス提供事業者も参画しておられます。  これらのアドバンテージを生かし、ドローンのさらなる技術開発を促進するとともに、利活用を促す先導的事例を生み出していくことで、愛知県が先陣を切ってドローン市場を創出し、大きな産業へと育てていっていただきたいと思います。  そこでお尋ねいたします。  ドローンを本県の新たな産業として育てていくため、技術開発を含めたドローンの社会実装の支援について、今後、県としてどのように取り組んでいくか、お伺いいたします。  以上、明快な答弁を期待して、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 4: ◯観光コンベンション局長武田光弘君) 大河ドラマ、どうする家康の放送を生かした武将観光のPR、プロモーションの取組についてお答えいたします。  本県は、多くの武将を輩出し、小牧・長久手の戦いや小牧山城などの有名な古戦場、城郭、城址も数多く存在することから、武将観光の推進を主要な施策の柱の一つとして位置づけ、誘客の拡大に向けたPR、プロモーションを実施しております。  具体的には、全国の武将隊や忍者隊が集結するサムライ・ニンジャフェスティバルの開催や、徳川家康と服部半蔵忍者隊による県内外のイベントでのPRなどにより、武将のふるさと愛知の認知度の向上とブランド化の推進に取り組んでおります。  新年度は、こうした取組に加え、どうする家康の放送に合わせて、効果的にPR、プロモーションを展開してまいります。  先月には、県と市町、観光関係団体等で構成する愛知県大河ドラマどうする家康観光推進協議会を設置したところであり、この協議会を中心に取組を推進していきたいと考えております。  主な取組の内容といたしましては、本県の主要な玄関口であるJR名古屋駅にインフォメーションセンターを設置し、武将観光の情報発信の拠点として誘客に活用いたします。  また、徳川家康ゆかりの地をテーマとするシンポジウムや著名人によるトークショーを開催し、武将観光の奥深い魅力を紹介することで新たな顧客の開拓につなげてまいります。  さらには、武将観光の重要なコンテンツであるお城について、横浜市で開催される国内最大級の城郭イベント、お城EXPOへのブースの出展や、本県で開催されるにっぽん城まつりなどで愛知のお城の魅力を広く発信してまいります。  どうする家康を活用してPR、プロモーションの効果を高めつつ、武将のふるさと愛知をしっかりとアピールして多くの観光客を呼び込み、武将観光のさらなる推進につなげてまいります。 5: ◯農業水産局長中根俊樹君) 畜産総合センター種鶏場の整備についてのお尋ねのうち、まず、今後の移転の進め方についてお答えいたします。  小牧市東部の県有地に新たに整備する種鶏場の建設工事につきましては、昨年十月に建設業者と契約を締結し、鶏舎十七棟をはじめとする建築物の建設に着手しており、二〇二三年三月の開場に向けて順調に進んでおります。  開場後は、防疫上の理由により、安城市にある現在の種鶏場から、生きた鶏ではなく卵の状態で徐々に移動を進め、小牧市の種鶏場において卵からひなにかえして親鶏にまで育てた後、その親鶏の卵からかえしたひなを供給することとなります。このため、ひなの出荷は二〇二三年後半から開始する計画としております。  次に、新しい種鶏場の特徴についてお答えいたします。  新しい種鶏場は、鳥インフルエンザをはじめとする家畜伝染病の発生を防止するために、その最大のリスクであります野生動物の侵入を防ぐ密閉型の鶏舎を採用するとともに、野鳥の排せつ物が鶏舎内に入りにくいように、鶏舎と鶏舎をつなぐ通路を密閉するなどの工夫をしております。  さらに、車両や人が病原菌を持ち込むことを防止するため、車両消毒設備や更衣室、シャワールームを設置することなどで、より防疫対策を強化した施設となっております。  また、鶏舎の屋根や壁には断熱材を用いるとともに、鶏舎内には換気扇やミスト装置を設置することにより、鶏にとって快適な環境が保たれるように工夫しているため、産卵率などの生産性が向上し、種ひなの生産能力が大幅に強化できると考えております。  最後に、地元の小牧市との連携についてであります。  名古屋コーチンは、県が純粋な種を厳格に管理することで極めて高い品質を維持することができ、全国に誇る高いブランド力を有しております。  県では、三月十日を名古屋コーチンの日と定め、名古屋市内を中心にイベントを開催するなど、名古屋コーチンのさらなる知名度向上やブランド力強化の取組を行っておりますが、種鶏場の移転に合わせ、地元である小牧市とも連携を密にし、歴史的にも文化的にも価値が高い名古屋コーチンの魅力を積極的に発信することが重要であると認識しております。  そのため、小牧市をはじめ、名古屋コーチンプロジェクトに取り組んでいる小牧市商工会議所や小牧市観光協会とも連携し、市民まつりや農業祭等で地元が行うこととしている名古屋コーチンのPRなどの様々な活動についても、県も一緒になって取り組んでまいります。 6: ◯経済産業局長矢野剛史君) 初めに、航空機産業の振興についてお答えします。  現在、コロナ禍による航空機製造需要低迷の影響を受けている県内航空機製造サプライヤーに対しては、まずは需要低迷期を乗り切るための支援が必要であります。また、中長期的な成長のため、需要回復後を見込んだ支援も必要であると考えまして、この二つの観点で支援を行っております。  まず、需要低迷期を乗り切るための支援についてでございますが、県内航空機製造サプライヤーは、航空機産業における受注量が大きく落ち込んでおり、また、この需要低迷はまだしばらく続く見込みでありますことから、早急な売上げの確保が喫緊の課題となっております。このため、本県としては、航空機製造サプライヤーが他産業からの受注を獲得することで、この需要低迷期を乗り切るという取組を強力に支援しております。  具体的には、受注機会を増やすために、航空機産業以外の企業と商談ができる様々な展示会や商談会において出展料を全額支援しております。昨年十月に愛知県内で開催されましたエアロマート名古屋においては、五十七社の出展を支援し、会期二日間で合計九百件もの商談が行われました。  また、中長期的な航空機産業の成長のための支援としては、需要回復後を見据え、国際的な競争に打ち勝っていくために地域全体の競争力を向上させることが重要であります。このため、航空機産業に関わる人材の各階層に応じた人材育成講座をそれぞれ開講するとともに、生産性向上等を目的とした経営相談に応じる無償の専門家派遣を実施することで企業の競争力向上を支援しております。さらに、コロナ禍が終息し、渡航が可能となれば、海外の商談会におきましても県内企業の出展を支援し、海外販路開拓も支援をしてまいります。  これらの取組により、本県の航空宇宙産業が自動車に次ぐ第二の産業、第二の柱として大きく飛躍するようしっかりと支援を行ってまいります。  次に、ドローン産業の振興についてお答えをいたします。  ドローンの社会実装を着実に進めていくためには、機体の安全性能の向上や活用分野に応じた技術開発を支援するとともに、先導的な利活用事例を生み出し、その横展開を促進していくことが重要であります。  本県では、二〇一四年の設立以来、産学行政で構成するあいちロボット産業クラスター推進協議会を核としまして、補助制度等によるドローンの技術開発支援や実証実験場の提供などを行ってまいりました。  また、一昨年度からは、実証実験を通じた新たなビジネスモデルの創出にも力を入れており、今年度は、レベル四飛行を見据えた全国初の試みとして、市街地の営業路線における鉄道災害初動点検の実証実験を行うなど、インフラ点検分野のビジネスモデルの創出に取り組んでいるところであります。  今後も、県内企業の技術開発を手厚く支援するとともに、その技術を生かした利活用事例を生み出し、無人飛行ロボット活用ワーキンググループ等の活動を通じて横展開を促進してまいります。  さらに、レベル四飛行の実現により期待されます幅広い分野におけるドローンの社会実装に向けては、機体メーカーだけでなく、サービス提供事業者の拡大、利用者の創出、住民理解の醸成なども課題となります。また、さらなる技術革新や量産化も必要であり、自動車産業や航空宇宙産業など、当地のモノづくり企業の優れた技術を生かすことが効果的と考えられます。  このため、企業間のマッチングの機会や、市町村との情報交換の場を新たに設けるなど、ワーキンググループの活動を今後さらに強化をしていきます。こうした取組により多様なステークホルダー間の連携の輪を広げることで社会実装を加速させ、ドローンを大きな産業へと育ててまいります。 7: ◯知事大村秀章君) 山下智也県議の質問のうち、畜産総合センター種鶏場の整備について、私からもお答えをいたします。  畜産総合センター種鶏場は、名古屋コーチンのひなを供給する全国唯一の施設であり、種鶏場のひなを基として、本県を中心に東海三県の農場で名古屋コーチンが生産をされております。生産された名古屋コーチンの肉や卵は、県内をはじめ首都圏にも流通をし、多くの消費者の方に名古屋コーチンのおいしいグルメを味わっていただいております。  本県には、織田信長や徳川家康が残した史跡である小牧山をはじめ、魅力的な観光コンテンツが数多くあり、今年の秋にはジブリパークも開業することから、アフターコロナにはインバウンド需要の回復が期待できると考えます。  種鶏場の移転整備によりまして、名古屋コーチンの生産体制を現在、大体年間百万羽ということでございますが、この倍増の二百万羽にまで増やしていくことが可能となると考えております。もちろんすぐにじゃなくて徐々に、一遍に増やすと値崩れしますので、着実に増やして、二百万羽体制に持っていきたいと考えておりまして、こうした需要にも対応できることとなると考えます。  今後、小牧市や関係団体とさらなる連携を図りながら、県政百五十周年の記念事業にも位置づけました今回の種鶏場の整備を契機といたしまして、地鶏の王様と言われております名古屋コーチンのブランド力の一層の強化に取り組んでまいります。 8: ◯四十九番(山下智也君) それぞれ答弁をいただきましたが、要望をさせていただきたいと思います。  初めに、大河ドラマ、どうする家康を生かした武将観光のPR、プロモーションの取組についてでありますが、何かと注目度の高い大河ドラマでありますので、本県にとってはまたとない大きなチャンスだと思います。多方面での相乗効果をいかに生み出すかが鍵になると思いますので、愛知県大河ドラマどうする家康観光推進協議会、立ち上がったということでありますので、こちらを中心として、ぜひ知恵を絞っていただきたいと思います。  また、畜産総合センター種鶏場整備についてでありますが、今、知事から大変力強い答弁をいただき、心強く思います。地元の小牧市にとりましても、名古屋コーチン発祥の地に種鶏場が整備をされるということで、これも大きな財産になると思います。引き続き移転整備に御尽力をいただくとともに、小牧市や関係団体ともさらに連携を深めていただくことを要望して、質問を終わります。ありがとうございました。 9: ◯副議長近藤裕人君) 進行いたします。  樹神義和議員。     〔三十九番樹神義和君登壇〕(拍手) 10: ◯三十九番(樹神義和君) それでは、通告に従い、大きくは二点について質問させていただきますが、まず初めに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、三密回避などの新しい生活様式の実践を通じて消費行動が大きく変化する中での消費者行政の推進について伺ってまいります。  現在、県民を取り巻く消費者問題は、スマートフォンの普及に伴うインターネットの利用拡大等による高度情報通信社会の進展や、経済のグローバル化、少子・高齢化の進行など、消費者を取り巻く社会経済環境が大きく変化する中で、ますます多様化し、広範にわたっており、さらに、新型コロナウイルス感染症が世界的に猛威を振るう中で、その傾向は加速度的に進んでいるように感じております。  こうした中、本県では、ちょうど新型コロナウイルスが世界的に流行し始めた二〇二〇年三月に第三次愛知県消費者行政推進計画であるあいち消費者安心プラン二〇二四を策定し、現在、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現を目指して、五か年計画で消費者行政の推進に取り組まれておられますが、本プランの資料を読み解いていきますと、本県における消費者の問題の傾向と課題について改めて認識することができます。  具体的には、情報通信技術の発達とスマートフォンをはじめとした情報通信機器、サービスの急速な普及により、インターネット上で国境や時間の制約を超えて、様々な商品、サービスの取引が拡大するとともに、キャッシュレス決済の普及など決済手段も多様化し、消費者の利便性は大きく向上している一方で、電子商取引に関する消費生活相談の件数も高水準にあり、二〇一八年度の本県内の消費生活相談では、インターネット通販に関する相談が相談全体の五分の一を占めているとあります。  さらに、個人間の電子商取引に伴う消費者同士のトラブルなど、新たな消費者トラブルも増加しており、その結果、県消費生活総合センター及び市町村の消費生活相談窓口に二〇一八年度に寄せられた消費生活相談件数は四万七千五百六十三件となり、二〇一二年度の三万九千一件を底に増加基調となっております。  また、そのうちの年代別の相談件数では、四十歳代以下において減少傾向となる一方で、五十歳代以上が総じて増加基調となっていることから、高齢者被害の拡大が懸念されており、さらに、若年層に関しても、二〇一八年度の相談について、十八歳から二十一歳の相談における二十歳、二十一歳の相談件数は、十八歳、十九歳の相談件数の二倍以上となっていますが、これは事業者と未成年者との契約において、民法の未成年者取消権が抑止力となっていることが一つの要因であると考えられますが、成年年齢の引下げに伴い、本年四月以降は十八歳と十九歳は未成年者取消権が行使できなくなるため、十八歳、十九歳の消費者被害が増加するおそれもありますし、こうした状況に加え、外国人県民からの相談に関しても増加傾向にあることから、全ての県民が安心して消費生活を営むことができるよう、さらなる取組強化が必要と考えます。  そこで、まず初めに、プラン策定から二年が経過いたしますが、この間の消費者問題の発生状況についてお尋ねします。  この二年間は、まさに新型コロナウイルスの感染拡大に伴う感染防止策徹底の要請期間と重なり、実店舗での購入や実際の会場等での体験といった従来の消費の形から、オンライン上での購入やネット配信等を通じた体験といったオンラインを介した消費にこれまで以上に広く目が向けられるようになりましたが、その分、トラブルに巻き込まれる可能性も高くなったと思います。さらに、新型コロナウイルス感染症に便乗する悪質商法や詐欺が全国的に横行しているとの情報も耳にします。  そこでお尋ねしますが、あいち消費者安心プラン二〇二四策定から二年が経過しますが、この間の県内での消費生活相談件数はどのように推移しているのか、商品・サービス別と契約当事者の年代別にそれぞれ答弁をお願いします。また、どのような特徴があるのかも併せて伺います。  続きまして、あいち消費者安心プラン二〇二四が掲げる主な取組について、それぞれお聞きしてまいりますが、まず、一つ目として、消費者被害の救済、未然防止の強化についてお尋ねします。
     本取組については、計画策定時の愛知県消費生活審議会への諮問に対する答申、次期愛知県消費者行政推進計画のあり方において、増加する高齢者の消費者被害や社会経済環境の変化に伴う新たな消費者問題にも的確に対応していくため、地域全体で消費者問題解決力を強化していくことが重要であり、そのため、第二次計画期間中に構築した県と市町村の連携による消費生活相談体制の維持、充実を図るとともに、高齢者等を消費者被害から守る仕組みづくりを拡充するなど、消費者問題解決力の高い地域づくりを今後も進める、また、悪質事業者に対する徹底した指導、迅速な処分等を行うとともに、法執行を含めた事業者指導を強化し、消費者被害の未然防止、拡大防止を図るべきであるとの提言を受けて設定されたと理解をしております。  その中でも特に、認知症等の高齢者の見守り体制の充実については、令和三年版の消費者白書によれば、認知症等の高齢者の相談は高齢者全体とは異なる傾向を示しており、高齢者全体では本人から相談が寄せられる割合は約八割ですが、認知症等の高齢者では二割に満たない状況であり、販売購入形態別に見ると、インターネット通販は二・五%、通信販売全体でも一四・四%にとどまる一方で、訪問販売が三割を超え、電話勧誘販売も二割近くと大きな割合を占めているそうであります。  認知症等の高齢者は本人が十分に判断できない状態にあるため、訪問販売や電話勧誘販売による被害に遭いやすく、事業者に勧められるままに契約したり、買物を重ねたりといったケースが見られ、具体的な相談事例としては、認知症の母が訪問販売で排水管清掃や床下ファン設置を契約してしまった、認知症ぎみの父が電話で蟹を勧められ、承諾してしまったといった相談が寄せられているそうであり、認知症等の高齢者本人はトラブルに遭っているという認識が低いため、問題が顕在化しにくい傾向があり、特に周囲の見守りが必要と考えます。  実際、私の友人の場合でも、母親は認知症を発症していますが、家庭の事情で同居はしておらず、週二、三回、仕事帰りに実家に立ち寄って母親の様子を見られておられますが、その都度、電話勧誘や訪問販売による契約の痕跡があり、注文伝票等から販売先を特定し、注文の取消しと、今後、母親に商品を売りつけないよう依頼したりと大変御苦労をされております。  また、その友人いわく、注文をキャンセルしても切りがなく、また、別の業者から勧誘等があり、母親は無意識に注文をしてしまい、まるで販売業者にとってのお得意様リストが業界内に出回っているようだと嘆いておられました。  今後、高齢化の進展に伴い、認知症の人はさらに増加が見込まれ、その分、消費者トラブルに巻き込まれる可能性も増加するのではないかと考えます。  そこでお尋ねしますが、消費者トラブルに巻き込まれるおそれのある高齢者を今後どのように見守り、消費者被害の救済、未然防止の強化につなげていくのか、県の考えをお伺いします。  続きまして、主体性のある消費者の育成についてお伺いしますが、答申では、消費者自身が消費生活に関する必要な知識の習得、情報の収集を行い、自主的かつ合理的な選択を行うことができるよう、主体性のある消費者の育成に積極的に取り組むべき、特に二〇二二年四月からの成年年齢引下げへの対応を講じるべきであり、そのため、県は、様々な関係者、団体との連携を図りながら、総合的、体系的に消費者教育を推進していく必要があるなどの提言を受け、設定された取組であると理解をしております。  消費生活において、成年年齢とは一人で契約することができる年齢となりますが、例えば、携帯電話を契約する、クレジットカードを作る、アパートを借りるといった行為が保護者の同意がなくても可能になります。成人になると、その契約に対して責任を負うのは自分自身となりますが、成年年齢引下げ開始まであと一か月となるこの時期においても、引下げによってどのような影響があるのかということをはっきりと答えられる若者も少ないように感じます。  また、インターネットやスマートフォンの普及など、若年者を取り巻く消費生活環境が大きく変化している中、オンラインゲームやSNSを介した若年者の消費者トラブルは後を絶たず、年々増加しています。中には、親のクレジットカード情報が登録されているタブレット端末を利用し、安易に決済手続をして、百万円を超える高額な請求を受けているという事案などもあり、大変危惧しているところであります。  こうしたことから、若年者の消費者教育について、より早い時期から充実強化を図り、十八歳を迎えるまでに適切な消費行動に結びつく知識や実践的な能力を習得させることが極めて重要になってくると考えます。  そこでお尋ねしますが、県は、若年者の消費者教育について、これまでどのように取組を行ってこられ、今後どのように取り組んでいかれるのか、伺います。  また、主体性のある消費者の育成では、国連の持続可能な開発目標SDGsの理念を踏まえ、人や社会、環境に配慮した消費行動であるエシカル消費、日本では倫理的消費とも言われていますが、この概念を広く県民に普及啓発し、持続可能な社会の形成に貢献する消費行動を促進する必要があるとの提言を受け、エシカル消費の普及に向けて積極的な啓発活動が行われていると認識しておりますが、まだまだあまり認知が進んでいないように思われます。  実際に、県が昨年十一月に実施した第二回県政世論調査によると、エシカル消費の認知度は二二・五%と低く、まだ十分に知られているとは言い難い状況にあります。しかしながら、同調査によると、エシカル消費に興味があると答えた人の割合は四一・二%、エシカル消費に取り組みたいでは四二・六%といずれも四割を超えており、今後のさらなる啓発活動が期待されるところであります。  エシカル消費を消費者一人一人の身近な消費行動として根づかせるためには、まずはエシカル消費の必要性を知ってもらうこと、例えば、障害のある方が事業所等で作った製品を購入する、フェアトレード商品、エコ商品を選ぶ、地元の農林水産物を買うといった消費行動が社会や環境問題の解決や、豊かな地球を未来の子供たちに残すことにつながるんだということを知ってもらい、そして、それを自らの消費行動において実践してもらうことが大変重要であると思います。  そこでお尋ねしますが、エシカル消費の普及啓発について、これまでどのように取組を行ってこられ、今後どのように取り組んでいかれるのか伺い、消費者行政の推進に関する質問を終わります。  続きまして、大項目二点目として、中小企業振興基本条例制定十周年の節目を迎えるに当たっての本県における中小企業支援策の充実についてお尋ねしますが、私は、条例制定後間もない平成二十五年六月定例議会一般質問において、条例制定に沿った産業振興策の充実について質問させていただきましたが、来年度は条例制定十周年という大きな節目を迎えることから、改めて、この間の成果、課題を踏まえつつ、さらなる支援策の充実に関する県の考えを伺ってまいります。  さて、我が愛知は言わずと知れた日本屈指の産業県であり、二〇二〇年の工業統計調査結果によれば、製造品出荷額等は前年に比べ七千九百七十七億円減と三年ぶりの減少となったものの、それでも総額で約四十八兆円を誇り、二位の神奈川県約十八兆円、三位の静岡県約十七兆円に大差をつけ、四十三年連続で日本一の地位を維持しており、まさに日本を支える成長エンジンとしての役割をこれまで担ってきました。  この産業県愛知を支えてきたのは、絶えずモノづくりの技術を革新してきた製造業に携わる人々であり、さらには、流通業、運輸業、サービス業など様々な業種の企業、そこで働く人々が互いに支え合い、共に成長してきた結果が現在の愛知の繁栄につながっていることは疑いようのない事実であります。  さらに、県内企業数の九九・七%が中小企業であり、県内の常用雇用者、従業者においても、六六・五%が中小企業で働いていることを踏まえれば、中小企業の皆様が県内の経済と雇用を支える主役であるということを改めて御認識いただけると思います。  こうした状況を踏まえ、本県では、中小企業の存在と役割の重要性に対する認識を共有し、自ら努力する中小企業者と共に中小企業の振興を図るため、平成二十四年十月に愛知県中小企業振興基本条例を制定し、条例で掲げられた基本理念、すなわち、一、中小企業者の自主的な努力が助長されることを旨とすること、二、中小企業が、その多様で特色ある事業活動を通じて、地域における経済の活性化を促進し、就業の機会を増大させるなど、地域社会の発展及び県民生活の向上に貢献する重要な存在であるという認識の下に行うこと、三、県、市町村、中小企業者、中小企業団体、大企業者等、金融機関及び大学等の連携の下に行うことという三つの基本理念に基づき、中小企業の振興に努められてきましたが、条例制定から間もなく十年を迎えますが、中小企業を取り巻く環境はこれまで以上に厳しい状況に陥りつつあります。  具体的には、現在直面する新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う業績の悪化に加え、新たな課題として急浮上してきたカーボンニュートラルやデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXへの対応は、大企業と比較して資金的に十分な余裕がないケースが多い中小企業にとっては非常に高いハードルと言わざるを得ません。  また、従来からの課題である事業継承や人材の育成、確保、それに伴うワーク・ライフ・バランスの推進や第四次産業革命への対応などなど課題は山積しており、引き続きの中小企業支援は必要不可欠と考えます。  そこで、まず初めに、現在の県内中小企業の実態についてお尋ねしますが、条例制定以降の県内中小企業の企業数や従業者数などの動向はどうなっているのか、また、最近二年間に感染拡大した新型コロナウイルスの影響について、どのように認識しているのか伺います。  あわせて、本県においては、ここ十年間は条例及び産業労働ビジョンに基づき中小企業の振興に努めてこられたと理解しておりますが、これまで県は条例の理念を踏まえて、どのように中小企業振興を検討、実施してこられたのか、また、現下の課題をどのように認識されているのか、伺います。  続きまして、条例に基づく具体的な支援策についてもお伺いしますが、条例は、目的、定義、そして、先ほど述べさせていただいた基本理念を明記した後、県の責務、市町村に対する協力、中小企業者の取組、中小企業団体の取組等を定め、さらに、大企業者、金融機関などの配慮等に続き、そして、大学等の協力、県民の協力を定めた上で具体的な支援策に関する条文へと続く流れで構成されていますが、今回は、具体的な支援策のうち、二項目に絞ってお尋ねをいたします。  それでは、まず、一点目として、条例の第十二条に掲げる経営基盤の強化等の促進についてお伺いしますが、中小企業は、さきに申し上げたとおり、様々な課題を抱えており、本県では、条例及び五か年ごとに改定されるあいち経済労働ビジョンに基づき、これまで中小企業の経営基盤強化に努めてこられました。  特に、昨年三月に策定されたあいち経済労働ビジョン二〇二一─二〇二五では、基盤施策として、中小・小規模企業の持続的発展を掲げ、その上で、次世代産業の振興、イノベーションの創出や地域産業の活性化などの六つの柱の下で産業振興に取り組まれていると理解をしておりますが、この経済労働ビジョンでも指摘されているとおり、中小企業は、感染症により深刻な影響を受けるとともに、デジタル化への対応など様々な課題を抱えていることから、社会変化に柔軟に対応した経営革新を支援する必要があると考えます。  そこでお尋ねしますが、条例では、経営基盤の強化等の促進に向け、中小企業者の経営方法に関する指導及び助言をはじめ七項目がうたわれていますが、経済状況の先行きが非常に不透明な中、中小企業の経営基盤強化について、今後どのように取り組まれていかれるのか、県の考えを伺います。  続きまして、条例に基づく具体的施策の二点目として、資金の供給の円滑化についても県の考えをお尋ねしますが、条例では、県は、中小企業に対する資金の供給の円滑化を図るため、中小企業者を対象とする融資制度の充実、中小企業団体と金融機関との連携の促進その他の必要な施策を講ずるものとすると定められており、こうした条項に基づき、県は、従来からの中小企業金融対策貸付金に加え、新型コロナウイルスの感染拡大時には、売上減少に苦しむ中小企業者支援のため、新たに緊急つなぎ資金保証料補助金をはじめとする各種制度を創設するなどして資金供給の円滑化に努められてきました。  しかしながら、昨年末に県が発表した十月から十二月の中小企業景況調査結果によれば、行政が今後強化すべき支援策の問いに対し、全産業の四八・二%が金融支援を選択し、雇用維持支援の四四・七%を上回り一位となるなど、依然として資金の供給の円滑化に関する期待は非常に高いのが実情であります。  そこでお尋ねしますが、ウイズコロナ、アフターコロナを見据えて、さらには新たな課題として急浮上してきたカーボンニュートラルの実現に向けた中小企業の取組等を支援するため、今後どのような方針の下に資金の供給の円滑化に努められていかれるのか、伺います。  続きまして、私の壇上からの最後の質問となりますが、条例制定十周年を契機に、さらには、現在、新型コロナウイルスの感染拡大という、特に中小企業の皆さんにとっては大変厳しい状況にありますが、それらを乗り越えることができたウイズコロナ、アフターコロナ社会においても、中小企業の皆さんが本県の経済と雇用を支える重要な役割を担っていただいていること、そして、条例の前文にも明記されているとおり、中小企業は、経営者と従業員の創意工夫によって、新たな事業や商品、サービスを生み出すとともに、地域における新たな雇用を創出するなど、地域経済の活力の維持向上の源となる存在であることを改めて広く県民の皆様に訴えることが重要であり、今後も引き続き条例の理念を周知、啓発していくことが重要であると考えますが、県のお考えをお伺いします。  以上、大きくは二項目について質問をさせていただきましたが、県当局の明快な答弁を期待いたしまして、壇上からの質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 11: ◯県民文化局長水野直樹君) 消費者行政の推進のうち、まず、あいち消費者安心プラン二〇二四策定から二年間の県内の相談件数の推移と特徴についてであります。  県及び市町村に寄せられた消費生活相談件数は、二〇一九年度は四万四千六百二十二件で、二〇一八年度の四万七千五百六十三件より減少したものの、昨年度は四万八千九十一件で、二〇一九年度に比べて七・八%増加しました。これは、マスクの品不足や価格高騰、旅行や結婚式のキャンセルなど、新型コロナに関連した相談が多数寄せられたことが影響しております。  今年度につきましては、新型コロナに関連した相談は昨年度より少なくなってきており、一月までに寄せられた相談は全体で三万三千六百二十六件で、昨年度同期と比べ一八・三%減少しております。  また、今年度の相談を商品・サービス別に見ますと、身に覚えのない架空請求などの相談や、化粧品や健康食品などのお試しのつもりの申込みが実は定期購入だったなどの相談が多く寄せられております。  さらに、年代別では、あいち消費者安心プラン二〇二四策定時の二〇一九年度と比較して、今年度は三十歳未満の割合が上昇しており、中でも、インターネットを通じた副業に関する相談や、SNSを介したトラブルの相談が多くなっています。  一方、七十歳以上の高齢者の相談件数は若干減少しておりますが、屋根の無料点検と言って訪問しながら、修理工事の契約を促す点検商法の相談や、不用品を買い取ると言って家に上がり込み、貴金属を安値で買い取る訪問購入の相談が多数寄せられています。  次に、高齢者の消費者被害の救済、未然防止についてであります。  本県では、高齢者の消費者被害を未然に防止するため、悪質商法の手口や具体的な対処方法などを掲載した消費生活情報誌、あいち暮らしっく高齢者向け特集号を発行するとともに、出前講座を開催するなどにより広く啓発し、注意喚起を行っております。  また、高齢者は日中に家におられることも多く、悪質な訪問販売等の被害に遭いやすい一方、被害に気づかない、自分が悪いと思い相談しないなどの傾向があります。このため、周囲の方々が日頃から高齢者に気を配り、地域で見守る体制を構築することが必要です。  そこで、本県では、消費者団体、福祉・医療団体、弁護士会、金融機関などによる県連絡会議を立ち上げ、市町村における高齢者等消費者被害見守りネットワークづくりを支援するとともに、未設置市町村にも会議にオブザーバー参加していただいております。  さらに、今年度は、他県の先進事例等を盛り込んだハンドブックを作成し、市町村等に配付して、見守りネットワークの組織づくりや活動の充実に向けての参考にしていただいております。  ネットワークは二十一市町で設置され、人口カバー率は七二%となっており、今後ともあいち消費者安心プラン二〇二四に掲げる八五%の目標達成に向けて設置促進とレベルアップを図るとともに、高齢者の安全・安心な暮らしの実現に向けての周知、啓発に取り組んでまいります。  次に、若年者の消費者教育の取組についてお答えいたします。  若年者のうち、特に十八歳、十九歳は、民法の改正により、本年四月から成年年齢が十八歳に引き下げられ、未成年者取消権による保護がなくなることで消費者被害が増加することが懸念されます。  そこで、本県では今年度、成年年齢引下げ直前動画メッセージとして、法改正に伴う注意点等を若者への訴求効果の高いユーチューブを使って広く配信し、消費者被害の未然防止を図っております。また、県内全ての高校で実践的な消費者教育の授業が行われるよう、消費者教育コーディネーターが外部講師の紹介や消費者庁の教材、社会への扉を活用した授業案の作成を支援しております。  一方、最近では、スマートフォンやタブレット端末の普及等により、オンラインゲームの課金など小中学生が契約当事者となる消費者トラブルも増加しており、児童生徒の発達段階に応じた消費者教育のさらなる充実強化が求められております。  このため、来年度は有識者検討会を立ち上げ、その議論を踏まえ、小学生向けと中学生向けのそれぞれの段階に応じた消費者教育教材を開発、配付し、より実践的な授業の実施を支援してまいります。  今後とも、次代を担う若者たちが消費者トラブルに巻き込まれることなく、自立した消費者として豊かな生活が送れるよう、若年者の消費者教育にしっかりと取り組んでまいります。  最後に、エシカル消費の普及啓発の取組についてであります。  エシカル消費の普及啓発は、持続可能な社会の形成に貢献するため、大変重要な取組であると認識しております。  そこで、本県では、エシカル消費に関するポータルサイトを開設し、市町村や団体、事業者の取組を紹介するとともに、エシカル消費につながる身近な行動事例、関連イベントなど、エシカル消費を知り、行動する手がかりとなる様々な情報を掲載し、発信しております。  また、今年度は、県独自のエシカル消費のロゴマーク及びエシカル消費を紹介するイメージ動画を募集、表彰し、それらを啓発資料やイベント、ウェブページなどで効果的に活用しております。  さらに、エシカル×あいちフェスタを開催し、知事によるエシカルあいち宣言、エシカルをテーマとしたトークライブ、ファッションショー、そして商品の展示、販売などを行い、多くの方々にエシカル消費を身近に感じていただきました。  来年度は、エシカル商品の販売や、エシカル消費に関連するワークショップなどを実施する市場、マルシェを開催するとともに、身近なエシカル消費の写真をインスタグラムに投稿していただくなど、エシカル消費の実践をより広めてまいります。  こうした取組を着実に実施し、持続可能な社会の実現に向けてエシカル消費をしっかりと推進してまいります。 12: ◯経済産業局長矢野剛史君) 中小企業振興基本条例十周年を契機とした中小企業支援策の充実に関する御質問のうち、まず、中小企業振興基本条例制定後の中小企業の動向及び新型コロナウイルスの感染拡大による影響についてお答えをします。  二〇一二年の愛知県中小企業振興基本条例の制定以降、県内中小・小規模企業は、それまでの急激な円高、東日本大震災による影響に加え、サプライチェーンの国際化や情報化の進展への対応など様々な課題に直面をしてまいりました。  この間、県内中小・小規模企業の動向について、比較可能な二〇一二年と二〇一六年を比較しますと、企業数が二十二万三千六百九十八社から二十万八千三百十社へと約一万五千社減少した一方、従業者数は二百十四万五千七百八人から二百二十二万千七百九十五人と約七万六千人増加をしております。また、付加価値額については、二〇一一年から二〇一五年の間に八兆千百二十八億円から九兆五千六百六十一億円と約一兆四千五百億円の増加となっており、引き続き中小・小規模企業は地域の経済と雇用の基盤を支える重要な存在であると認識をしております。  また、新型コロナウイルスの影響につきましては、県が県内二千社を対象に四半期ごとに実施している中小企業景況調査二〇二一年十月─十二月期において、業況が前年同期と比べよくなったと回答した企業割合から、悪くなったと回答した企業割合を差し引いた業況判断DIはマイナス二一・二となるとともに、回答のあった企業の約六割が売上げが減少したと回答しており、依然として厳しい経営環境にあるものと認識をしております。  続きまして、これまでの中小企業振興と現下の課題についてお答えをします。  県では、条例の理念を踏まえまして、中小・小規模企業支援を最重要施策に位置づけましたあいち産業労働ビジョン二〇一六─二〇二〇を二〇一五年に、あいち経済労働ビジョン二〇二一─二〇二五を昨年度策定し、これらのビジョンに沿って中小・小規模企業の振興に努めてまいりました。  施策の検討に当たっては、県が実施する景況調査に加え、担当職員が毎年約二百社を直接訪問しまして現場の生の声をお聞きするとともに、毎年度フォローアップ会議を開催し、政策目標の進捗について検証を行ってまいりました。  こうした検討を踏まえ、あいち産業労働ビジョン二〇一六─二〇二〇においては、計画期間中の二〇一八年十二月に、少子・高齢化、IoTの進展、自動車産業の変革といった経済社会環境の変化に対応するため、追補版を取りまとめまして、施策の見直しを図ってきたところでございます。  また、現下の課題につきましては、現在、中小・小規模企業は、一昨年からのコロナ禍による事業活動の制約に加え、原油・原材料価格の高騰、部品、部材の供給制約、脱炭素・デジタル化への対応といった新たな課題に直面しており、引き続ききめ細かい支援が重要と認識をしております。  続きまして、中小・小規模企業の経営基盤強化についてお答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中、昨年度策定をしましたあいち経済労働ビジョン二〇二一─二〇二五においては、今般の感染症の影響に対する緊急対策と産業競争力強化の両立を目指しまして、最重要となる基盤施策として中小・小規模企業の持続的発展を位置づけたところでございます。  具体的には、まず、厳しい経営環境にある中小・小規模企業の経営基盤の安定、事業継続を支援するため、県融資制度や時短要請に係る協力金による資金繰り支援に努めるとともに、新しいビジネスモデルや製品・技術開発、生産性向上を目指す企業に対する資金面、技術面からの支援、市町村のプレミアム商品券発行事業への支援による消費喚起に引き続き取り組んでいくこととしております。  さらに、デジタル化やカーボンニュートラルへの対応といった新たな経営課題に対応するため、昨年十一月に設立をしましたあいち産業DX推進コンソーシアムを核としたデジタル技術の導入・利活用支援や人材育成に加え、ソフト系IT企業の県内立地、水素社会形成に向けた取組など、資金面、技術面から支援をすることとしております。  県としましては、今後とも、こうした足元の課題への対応はもとより、ウイズコロナ、アフターコロナを見据えた支援を行うことにより、中小・小規模企業の経営基盤強化に取り組んでまいります。  次に、今後どのような方針の下、資金供給の円滑化に努めていくのかについてお答えをいたします。  これまでも、コロナ禍で売上げの減少等の影響を受けた中小企業に対しまして、感染症対応資金をはじめとする融資制度により、事業継続に必要な資金を円滑に供給するとともに、昨年十二月には、原油・原材料高の対策としまして、県が信用保証料の二分の一を負担する融資制度による支援を行っているところでございます。経営者の自助努力だけでは十分な対応ができない非常時に資金調達コストのさらなる低減を図り、キャッシュフローの確保を最優先として対応しております。  また、今年度から、金融機関が経営面における助言などの伴走型支援を行うことを要件とします経営改善等支援資金の取扱いを開始し、経営改善に向けた取組を金融機関と共に後押しすることで、本来、中小企業が持つ稼ぐ力を取り戻してまいります。  さらに、産業構造が大きく変化する中、特に中小企業がカーボンニュートラルの実現に向けて早急に具体的な対策を進めていくことは、地域経済の持続的な発展からも大変重要なことであります。このため、通常金利より年〇・五%低いカーボンニュートラル資金を来年度創設しまして、新たな分野における中小企業の自発的な取組を金融面から牽引してまいります。  引き続き、融資制度を通じて中小企業の資金繰りをしっかりと下支えしていくとともに、経営環境が大きく変化する中、企業価値の向上につながる資金供給の円滑化にも万全を期してまいります。  最後に、中小企業振興基本条例の理念の周知、啓発についてお答えをいたします。  県では、これまで市町村、中小企業団体、大企業、金融機関、大学等と協力をして条例シンポジウムを開催するとともに、地域金融機関との勉強会、産学行政をメンバーとして県内六地域ごとに毎年度開催する地域産業労働会議、職員による企業訪問など、様々な機会を通じて条例の周知、啓発に努めてまいりました。  さらに、条例の理念を広く周知し、地域の現状や課題を踏まえた施策を実施するため、企業や県民の最も身近にある市町村に対しまして条例の制定を働きかけ、これまでに二十二市町において中小企業の振興に関する条例が制定されたところでございます。  条例制定以降、経済社会の変化がより速くなる中、本県の産業と雇用を支える役割を果たしてきた中小・小規模企業の重要性はますます高まっていると認識をしております。  県では、引き続き中小企業振興基本条例の理念につきまして、市町村、経済団体、金融機関、大学、支援機関等と連携をし、様々な機会を捉えて広く県民の皆様に周知、啓発を図ってまいります。 13: ◯知事大村秀章君) 樹神義和議員の質問のうち、中小企業振興基本条例について、私からもお答えをいたします。  本県産業は、これまでモノづくりの革新的技術、製品を世界に向けて発信しつつ、その厚い集積により我が国産業を牽引してまいりました。中小・小規模企業はこうした発展に大きく貢献をし、経済と雇用を支えるとともに、地域社会を支える重要な役割を担ってきたものと認識をしております。  このため、私は、二〇一一年の知事就任に向けたマニフェストにおきましても、産業振興の重点項目に中小企業振興条例の制定を位置づけるとともに、その制定に当たっては、県レベルの条例では初めて民間金融機関に期待される役割を明記したほか、企業が担う地域社会への貢献や小規模企業に配慮した施策展開など、本県独自の規定を盛り込んだところであります。  条例の制定以降、この条例の理念に基づきまして、経営、金融、技術、人材の面から総合的な支援を行うとともに、中小・小規模企業が直面する時々の課題に対しまして、切れ目ない施策の充実に努めてまいりました。  こうした中で、中小・小規模企業をめぐる経営環境は、世界的な感染症の拡大、サプライチェーンの脆弱性の顕在化、脱炭素・デジタル化への対応、オープンイノベーション化など、目まぐるしく変化をいたしております。  県といたしましては、引き続き中小企業振興基本条例の理念を踏まえ、スピード感を持って、総合的、かつきめ細かな施策を講じ、中小・小規模企業を全力で支援をしてまいります。 14: ◯三十九番(樹神義和君) 知事はじめ、それぞれ御答弁をいただきましたが、消費者行政の推進のうち、高齢者の見守り体制強化について要望をさせていただきます。  質問内において、高齢者の消費者トラブルに関する実例も挙げながら、見守り体制強化の必要性を訴えさせていただき、ただいまは、市町村における見守りネットワーク設置促進やレベルアップ等に取り組むなど、前向きな答弁をいただいたと理解をしております。  しかしながら、高齢化の進展に伴いまして、高齢者の方が消費者トラブルに巻き込まれるケースは今後さらに増加することが予想されますので、消費者被害に遭うことがない安全・安心な暮らしの実現に向けて取組の加速、強化を要望いたしまして、私の質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 15: ◯四十一番(南部文宏君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 16: ◯副議長近藤裕人君) 南部文宏議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 17: ◯副議長近藤裕人君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時二十三分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━
        午後一時開議 18: ◯議長坂田憲治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  神戸健太郎議員。     〔四十六番神戸健太郎君登壇〕(拍手) 19: ◯四十六番(神戸健太郎君) それでは、通告に従いまして、質問させていただきます。  まず、先端技術を生かしたまちづくりについてお伺いします。  先端技術と言われるAI、IoT、ロボット、ビッグデータなどを経済活動や市民生活に取り入れることによって、ソサエティー五・〇と言われる新しい社会の形が実現すると言われています。  一方で、新型コロナウイルスの出現をきっかけにして、私たちの生活空間は、好むと好まざるとにかかわらず、急速にデジタル化が進展しました。デジタル化の進展によって、従来の発想にはなかったサービスが誕生し、様々な社会課題、例えば、交通、エネルギー、医療、福祉、防災、農業などの分野における課題が解決する可能性があると言われるようになりました。  我が国では、ほとんどの地域において、人口減少、高齢化、災害多発、感染症リスク、脱炭素社会の実現などの社会課題を有しており、こうしたデジタル分野における先端技術を利用することで、地域のサービスを効率化、高度化し、持続可能で利便性の高いまちづくりにつなげていこうとするスマートシティの取組が必要であると言われる理由がここにあると思います。  スマートシティの話を住民の方々にしますと、自分たちのまちには大して先端産業もないし、縁遠いことのように言われることが多いのですが、スマートシティは先端技術を活用したまちづくりであって、通信環境とデータとデバイスがあれば、そのまちに合った仕組みをつくることでスマート化の可能性は大いにあると思います。  現にスマートローカルという言葉もあるように、例えば、山間地域でもサービスを構築している例もあります。スマートシティは、限られた地域だけが恩恵を受ける仕組みではなく、全ての住民が暮らしやすい社会を築くための大きな方向性であると思っています。  そのような中、岸田内閣は、デジタル田園都市国家構想を推し進めており、地方からデジタルの実装を進め、地方と都市の差を縮めつつ、世界とつながることを目指す先導的取組として、スマートシティを二〇二五年度までに百地域でつくろうとしています。  スマートシティの取組は、既に国内外の各地で始まっていますが、まだ現段階では実現したとまで言える地域は少なく、多くの住民がスマートシティの効果を実感できる状況には至っていないと思います。そうした中、先行事例を着実に積み上げていくことが大切だと思います。  本県市町村においても、既に一部では国の支援制度などを活用して先端技術を取り入れながらスマートシティの取組を始めている市町村もあり、こうした取組を県内に広げていくことが大切であると思います。  社会課題の一つである交通分野について言えば、MaaSやAIを活用したデマンド交通、自動運転など、新たな技術を活用した新しいモビリティサービスが進展しています。新しいモビリティサービスは、移動の利便性向上、人手不足への対応、移動手段の確保、混雑の緩和といった課題の解決が期待できます。  本県が先月策定したあいち交通ビジョンでは、あらゆる地域において移動の利便性が確保されるモビリティ先進県を目指して取組を進めていくこととしています。このモビリティサービスの中でも特に自動運転は、高齢者の移動支援など、県民生活の向上面において期待が大きいものと思います。  本県では、これまで全国に先駆けて様々な先導的実証実験を進めてきましたが、とりわけ今年度は、あえて交通量の多い名古屋市都心部の幹線道路において、長時間にわたり、地域の移動手段として活用する全国初の実証実験にも挑戦していると聞いています。  今後は、培った技術や知見を社会実装につなげていき、自動運転技術を交通手段として具現化していく必要があると思います。このためには、車両側の走行技術の向上はもちろんのこと、先端技術を仲介したまちづくりとの連携を推し進めていく必要があると思います。  そこで、二点についてお尋ねいたします。  県内市町村が地域の課題に対応したスマートシティの取組を進めようとする際、スマートシティに必要な先端技術やサービスを提供できる民間企業とどのように連携し、事業を進めたらいいのか分からないという場合が多いと思いますが、県として市町村のスマートシティの取組をどう支援していこうとしているのか、お尋ねいたします。  また、本県では、二〇一六年度から自動運転の実証実験を進め、特に中部国際空港エリアでは、二〇一七年度から五年間にわたり継続した取組を進めています。当該エリアは、最も知見の蓄積が進んでおり、次なる段階の安全で利便性の高い自動運転技術を活用した社会実装モデルの構築に期待が高まっています。  そこで、来年度の中部国際空港エリアでの自動運転の実証実験をどのように進めていくのか、お尋ねいたします。  次に、オープンデータの活用に向けた取組についてお伺いします。  二〇一一年の東日本大震災の復興においては、政府、地方自治体、民間事業者それぞれが保有する地図、地形、天候、人や車両や鉄道の動きなどに関する様々なデータが提供され、インターネットを通して関係者に共有されました。一九九五年発生の阪神・淡路大震災の復興時と比べて、格段に多くの情報提供、情報共有がなされたことで、復興の手助けや、その後の防災、減災を意図したまちづくりの参考になったと聞いています。  こうしたことを機に、様々な官民データは、公開されることによって住民生活や企業活動に大いに役立つ可能性があることが認識されるようになりました。  二〇一六年には、官民データ活用推進基本法が制定され、急速な少子・高齢化が進む我が国が直面する課題に対して、官と民が保有するデータを効果的に活用して、国民が安全で安心して暮らせる社会を実現していくことが示されました。  一方で、公共のデータは国民共有の財産であり、活用を推進する観点と安全を確保する観点から、個人情報保護法やサイバーセキュリティ基本法などの法整備もなされてきました。特に個人情報保護法については、情報通信技術の進展に伴い、個人の行動、状況等に関する情報の分析と活用が格段に進んだことを踏まえて、利用価値の高いパーソナルデータは、特定の個人を識別できないようにした上で利活用を進める趣旨の改正がなされました。個人情報保護法の三年ごとの見直しに関する規定の中でも、個人情報の保護に関する国際的動向とともに、情報通信技術の進展、それに伴う個人情報を活用した新たな産業の創出及び発展の状況等を勘案して必要な措置を講ずるものとされています。  また、二〇一七年には、国が定めたオープンデータ基本指針の中でも、オープンデータの意義、目的として、国民参加、官民協働の推進を通じた諸課題の解決、経済活性化や行政の高度化、効率化などが掲げられました。  昨年六月、このオープンデータ基本指針は改正され、国、地方自治体、事業者には、利用ニーズの高いデータの公開を促進するように、そして、公開データの機械判読性を強化するように求められ、公共データの公開と活用にこれまで以上に積極的に取り組んでいくことが示されました。  私たちの周りを見渡してみますと、インターネットはもはや社会のインフラの一つであり、私たちには様々な情報を手軽に入手して活用できる環境が整ってきています。そういった受け手側の需要に応じて、有償、無償を問わず、オープンデータを活用して、サービスとして供給しようとする事業者が増えています。  例えば、これは一番目の質問で述べましたスマートシティが目指す姿と重なる部分もありますが、災害情報をリアルタイムで取得し、避難や復旧に役立てようとするもの、エネルギー、上下水道、リサイクルなどの状況を見える化して最適な状態に管理しようとするもの、必要な移動・配送サービスを探し出して提供するもの、地域の見守りを支援し、安全・安心なまちづくりに役立たせようとするもの等々、新しいサービス、新しいビジネスが始まっています。  本県においては、オープンデータの取組として、あいちDX推進プラン二〇二五にも掲げられておりますが、例えば、県民文化局においては、愛知県図書館が保有する貴重な地域資料を画像データ化して自由に閲覧できるようにするデジタルライブラリーの取組が進められ、警察本部においては、警察庁が保有する交通事故統計情報に県警のウェブページからもリンクを通して入れるようにするとか、犯罪発生情報について、特定の手口を公開して安全・安心につなげるなど、様々な取組が進展しています。  このように、社会課題の解決や住民の利便性向上に活用が望まれるオープンデータでありますが、活用が進展するためには、利用者にとってより分かりやすく、利用しやすい形で公開され、誰もが容易に利用することができる仕組みや環境の整備が必要であると考えます。  そこで、全庁的な情報発信の仕組みをつくっておられる総務局にお尋ねします。  まず、県のオープンデータはどのように公開されているのか、これまでの経過と現状をお尋ねします。  次に、オープンデータの活用を進めるために、今後どのように取り組んでいくのか、お尋ねします。  最後の項目となりますが、コロナ禍における認知症施策の推進についてお伺いします。  高齢化が急速に進行する中、認知症高齢者の大幅な増加が見込まれています。国の推計によりますと、二〇一五年には六十五歳以上高齢者における認知症高齢者の割合は約七人に一人でありましたが、いわゆる団塊ジュニア世代が六十五歳以上になる二〇四〇年には、高齢者の約四人に一人が認知症になると言われています。これを愛知県に当てはめてみますと、認知症高齢者が二〇一五年には約二十八万人であったものが、二〇四〇年には約五十五万人と、人数ではほぼ二倍に増えることになります。  認知症は誰もがなり得るものであり、認知症の御本人や御家族が住み慣れた地域で安心して暮らしていける環境づくりが求められていますが、一旦認知症になりますと、よく通った喫茶店や、長年楽しんだ趣味の集まりに行く回数も減ってしまい、知人、友人との交流の機会が減ることでさらに認知症が進んでしまう、そんな傾向があると言われています。そのような交流の機会を地域の身近なところに確保しようという思いで設置されていますのが認知症カフェであります。認知症カフェとは、国の認知症施策推進大綱によりますと、認知症の人やその家族が地域の人や専門家と相互に情報を共有し、お互いを理解し合う場とされており、認知症の御本人や御家族が安心して参加でき、地域の方や専門職を交え、お茶やお菓子を楽しみながら気軽に交流することができる場所となります。利用者からは、認知症であることを気にせず安心して行ける、介護をしている家族同士で話すことで気が楽になり、孤立感が癒やされるなどの声も聞かれており、認知症カフェが心の支えになっていることが分かります。  県内には、介護保険事業所や地域包括支援センター、ボランティア等、多様な主体により約五百か所の認知症カフェが開設されていますが、設置基準や実施内容に統一的な基準はなく、開催の頻度、場所、プログラムは運営者の思いや参加者のニーズによって決められており、様々な運営がなされているようであります。  また、カフェの活動推進を担っている市町村においては、国と県の交付金を活用した運営費への助成や、広報、周知の協力、相談対応を行う専門職の派遣など、地域の実情に応じた様々な支援を行っています。  しかしながら、一昨年来の新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの認知症カフェにおいて、これまでどおりの開催が難しくなっており、これは致し方のないことですが、今年度県が行った実態調査では、昨年八月時点で開催しているカフェは約三割程度にとどまり、開催しているカフェにおいても、開催時間を短縮したり、参加者が減少するなど、大半のカフェにおいて活動の休止や縮小を余儀なくされていることが分かりました。  一方、少数ではありますが、コロナ禍においても、開催場所の変更やオンラインツールの活用など、人と人が直接接触する機会を減らすための様々な工夫をしながら活動を継続している認知症カフェもあったようであります。その取組は、県が十二月に実施した認知症カフェサミットでも紹介されたところです。厳しい状況の下にあっても、認知症カフェを通して築き上げた参加者とのつながりを維持したいという運営者の強い思いがカフェの継続につながったようであります。  また、実態調査の結果として、新型コロナウイルスによる活動量の減少とは別に、認知症カフェ自体についても、運営、企画していくためのノウハウが不足している、認知度が低いなどの課題も浮かび上がってきたということであります。  認知症カフェの活動を今後さらに社会のニーズが高まることが見込まれる将来にも持続し、拡大していくためには、コロナ禍の中で新しい生活様式への対応を進めることはもちろんのこと、アフターコロナを見据え、県と市町村が連携して認知症カフェの活動を支えていくことが重要ではないでしょうか。  さらに言えば、この新しい取組は、認知症カフェという一形態の推進にとどまるものではなく、介護現場においてオンラインツールの活用を図っていく上での一つのきっかけになるのではないかという思いも持っております。  そこでお尋ねいたします。  コロナ禍にも対応しつつ、認知症カフェの活動を推進していくために、県として今後どのように取り組んでいくのか、お伺いします。  以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 20: ◯政策企画局長沼澤弘平君) 市町村のスマートシティの取組への支援についてお答えいたします。  急速な高齢化など、地域が様々な課題を抱える中、ICT等の先端技術の活用により、都市や地域の機能やサービスを効率化、高度化し、新たな価値を創出するスマートシティは、これからのまちづくりに必要な取組と認識をしております。  そのため、県は来年度、市町村の取組を支援していくためのスマートシティモデル事業を新たに実施いたします。この事業では、交通、モビリティーをはじめ、幅広い分野を対象に、市町村が代表者となって企業等とコンソーシアムを組成し、先端技術を活用した社会実験を提案していただきます。その中から三つの市町村を選定した上で、事業委託により地域の取組を支援してまいります。  また、事業実施後は、成果報告会の開催等を通じて、他の市町村へ情報共有を図ってまいります。  県内には都市から農山漁村まで様々な地域があり、それぞれ地域特性に応じた課題や行政ニーズがあります。このモデル事業は、分野を限定せず、市町村のこれからのまちづくりを支援することを目的としたものでありますので、多くの市町村に御検討いただけるよう、しっかりと周知を図ってまいります。 21: ◯経済産業局長矢野剛史君) 次に、来年度の中部国際空港エリアでの自動運転の実証実験についてお答えをいたします。  二〇一七年度から毎年実証実験を行ってまいりました中部国際空港エリアにおきましては、来年度、実証区域を空港島から商業施設等のある対岸部まで拡張いたしまして、移動需要を踏まえた実利用に近い形での実証実験を行い、国内外に広く横展開できるショーケースの形成を目指してまいります。  具体的には、中部国際空港連絡道路におきまして、衛星測位システム等に加え、磁気マーカを活用することで、悪天候時における走行性能のさらなる向上を図るとともに、5Gによる高精細画像や、人や車の動きを捉えるセンシング技術を活用しまして、より安全性の高い自動運転の確立に取り組んでまいります。  また、人流データなどのデジタルデータを活用し、時間帯等により変動する移動需要に合わせた最適な自動運転バスの配車を行うなど、利便性の向上を図ってまいります。  こうした愛知発の自動運転の社会実装モデルを幅広い関係者と共に構築し、ショーケースとして国内外に幅広く発信することにより、安全で利便性の高い自動運転技術を生かしたまちづくりに貢献をしてまいります。 22: ◯総務局長(林全宏君) オープンデータ活用の取組のうち、これまでの経過と現状についてお答えいたします。  県では、公式ウェブサイト上に事業者の方がデータを二次利用可能な形で公開するオープンデータを一覧にまとめた愛知県オープンデータカタログサイトを二〇一四年三月に開設しました。  当初は七十五ファイルでスタートし、二〇二一年四月一日現在では五千三百二十三ファイルまで拡充してきております。これらは、くらし・安全・環境、観光・文化・スポーツ、教育・子育てなど六つのカテゴリーに分類し、探したいデータを分かりやすい形で公開しています。  例えば、土砂災害の警戒区域や危険箇所に係るデータには、所在地、緯度、経度や面積、人家、戸数等の情報を、また、病院や福祉施設のデータでは、所在地、施設名称、診療科目、定員等の情報を掲載しています。その上で、これらの情報は地図上で位置関係が確認いただけるマップあいちでも表示しているところです。  庁内の各課に対しましては、地方公共団体や民間事業者によるオープンデータの利活用事例などを示しながら、オープンデータカタログサイトへの各種データの掲載について積極的に働きかけ、オープンデータの充実に努めております。  次に、今後の取組についてお答えします。  県が保有する公共データの公開は、地域課題の解決や住民の利便性向上につながる重要な取組であると認識しており、これまでもデータの充実に努めてきたところであります。  来年度は、県の公式ウェブサイト上のカタログサイトの改修を行い、オープンデータを御利用いただく上での利便性向上を図る予定としております。具体的には、キーワード等での検索精度の向上とともに、データの作成者、更新日時、データサイズといったファイルの詳細情報をきめ細かく表示するなど、利用者目線に立ったカタログサイトづくりを行います。  このカタログサイトの改修に加え、庁内各課には掲載するデータの一層の充実を積極的に働きかけ、オープンデータの活用促進が図られるよう取り組んでまいります。 23: ◯福祉局長(岡本範重君) 認知症カフェの活動を推進するための取組についてお答えいたします。  認知症カフェは、認知症の方や御家族が安心して参加できる交流の場として重要な地域資源の一つでありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大により活動が縮小されるなど、影響が懸念されているところです。  また、その運営主体や形態は様々であり、認知症カフェの活動の推進を担う市町村がカフェと連携し、地域の実情に応じた取組を実施することが求められます。  そこで、県では、来年度新たに、コロナ禍においても、カフェの参加者や運営者が相互に交流を図ることができるよう、オンラインツールの活用をはじめとする新しい生活様式への対応や、スタッフの資質向上など、それぞれの課題に応じて市町村や認知症カフェが活動を推進していくためのモデル事業を実施いたします。  実施に当たっては、適切かつ効果的に事業を実施いただける民間事業者に委託し、事業の企画、運営やオンラインツールに関する技術的サポートなど、一貫した支援を提供する予定であり、得られた成果は市町村やカフェの運営者等を対象とした認知症カフェサミットにおいて広く発信し、全県への波及を図ってまいります。  こうした取組により認知症カフェの活動の推進を図り、認知症の方とその御家族が安心して暮らすことのできる地域社会の実現にしっかりと取り組んでまいります。 24: ◯知事大村秀章君) 神戸健太郎議員の質問のうち、市町村のスマートシティの取組への支援につきまして、私からもお答えをさせていただきます。  その前に、今日午後一番の答弁でありますので、今日のコロナ感染症の速報値が手元に参りましたので、申し上げます。まだ県所管分と名古屋市の分しか来ておりませんが、現段階では県所管分が二千六百四十四、名古屋市が千五百七十八、昨日より若干増えておりますが、合わせて四千二百二十二ということで、昨日は全体が四千六百三十五でありましたので、今日は多分中核四市で七、八百だろうと思いますので、四千九百から五千という感じではないかなと思います。  ちなみに、水曜日は曜日としては大変多い曜日でありまして、一週間前が六千四十一、二週間前、六千五百九十一、三週間前、六千二百八十七、四週間前、六千百二十六ということで、五週間前の一月二十六日が四千六百十一ということなので、その一月末ぐらいのところまで少し減ってはきたということですが、ただ、四千、五千が毎日続きますと医療は逼迫、なかなか止まりませんので、なかなか厳しい状況だと考えております。  そういうこともありまして、今日午前十時に国に、内閣官房に文書でもって三月六日までのまん延防止等重点措置、愛知県の、これを延長継続ということで要請をさせていただきました。  国は、三十一の対象の区域それぞれに意向確認をして、その上で、あした決めて、あさって金曜日に国会報告等手続をやると聞いております。ということでありますので、この状況であれば延長継続、しばらくの間はやむを得ないということでございます。引き続き感染防止対策の徹底とワクチン接種の加速をお願いしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。  さて、市町村のスマートシティでございます。市町村がスマートシティの取組を進めていくためには、住民目線に立った地域課題の明確化と、それを解決するための技術を持つ民間企業との連携や協力が必要不可欠であります。  また、民間企業とプロジェクトをつくっていく上で、AIやセンシング技術といったまちづくりに利用可能な先端技術に関する知見に加え、企業との役割分担や住民の合意形成、実施場所の確保など、社会実験を実現していくためのノウハウも必要となります。  こうした中で、本県では、多くの自動車関連企業が立地する刈谷市をモデルとして、企業等と連携したスマートシティを進めるための研究会を刈谷市と共同で開催をし、昨年夏から開催をし、本年一月に研究会の検討成果を取りまとめたところであります。この研究会で得られた知見、ノウハウを活用するとともに、来年度新たに実施するスマートシティモデル事業を通じて、県内市町村のスマートシティ化に向けた取組を支援してまいります。  愛知県は日本一の産業県でありまして、最先端の技術を持つモノづくり企業が集積をいたしております。こうした企業等と連携したスマートシティの成功事例をできるだけ多く創出をし、広く横展開を図ることにより官民連携による地域課題の解決を支援してまいります。  ポイントはやはり企業との連携、企業の技術と行政、力を合わせてスマートシティ、そして地域の課題を解決していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 25: ◯議長坂田憲治君) 進行いたします。  杉江繁樹議員。     〔十番杉江繁樹君登壇〕(拍手) 26: ◯十番(杉江繁樹君) それでは、通告に従い、大きく三つの項目について質問をさせていただきます。  一つ目の質問は、地域医療構想の推進についてでございます。  地域医療構想とは、超高齢化社会にも耐え得る医療提供体制を構築するため、二〇一四年六月に成立した医療介護総合確保推進法によって制度化されたものです。将来人口推計を基に、二〇二五年に必要となる病床数を四つの医療機能ごとに推計した上で、地域の医療関係者の協議を通じて病床の機能分化と連携を進め、効率的な医療提供体制を実現する取組でございます。  医療介護総合確保推進法を受けて、厚生労働省は二〇一五年三月に地域医療構想策定ガイドラインをまとめ、これに沿って、二〇一六年度中に全ての都道府県で地域医療構想が策定され、二〇一八年に四月から始まった第七次医療計画の一部として位置づけられました。  地域医療構想では、二次医療圏を基本に、全国で三百四十一の構想区域を設定し、構想区域ごとに、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の四つの医療機能ごとの病床の必要量を推計しています。  また、地域医療構想を実現するため、構想区域ごとに地域医療構想調整会議、愛知県では地域医療構想推進委員会を設置し、関係者の協議を通じて地域の高齢化等の状況に応じた病床の機能分化と連携を進めることになりました。  調整会議では、各医療機関が自主的に選択する病床機能報告制度に基づく現状の病床数と、地域医療構想における二〇二五年の病床の必要量、さらには医療計画での基準病床数を参考にして、病床の地域偏在、余剰または不足が見込まれる機能を明らかにして地域の実情を共有し、関係者の協議によって構想区域における課題を解決し、二〇二五年の医療提供体制構築を目指すこととしています。  愛知県においても、二〇二五年における目指すべき医療提供体制を明らかにするために、二〇一六年十月に愛知県地域医療構想を策定し、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の四つの機能に分けて、それぞれの二〇二五年に必要とされる病床数を県内十一の構想区域ごとに推計しています。  こうした中、厚生労働省は、二〇二〇年に地域における議論の活性化を図るため、急性期医療を担う全国の公立病院と公的病院を分析し、再編統合について再検証が必要な病院を選定し、通知を発出しました。この医療機関の選定に当たっては、がん、心疾患、脳卒中などの急性期医療に関する九項目の診療実績が特に少ないとされた医療機関と、構想区域内に類似の診療実績を持つ医療機関があり、かつ所在地が近接しているとされた医療機関が選定されております。  厚生労働省が昨年十二月に取りまとめた再検証対象医療機関の取組状況では、全国の再検証対象の四百三十六医療機関のうち、再検証結果について合意に至ったところは百七十五医療機関でした。この再検証要請対象医療機関には、私の地元、常滑市民病院をはじめ、県内十二の病院が含まれています。  では、ここで、常滑市民病院について少し触れたいと思います。常滑市民病院は、一九五九年(昭和三十四年)五月に開院して以来、今日まで市民と医療圏の方々の健康と命を守るため、医療・予防サービスを提供してきましたが、もとより公立病院の経営はどこも苦しいものであり、常に医師不足などの問題を抱え、市の一般会計から多くの繰入れをして運営してまいりました。  特に大変だったのは、施設が老朽化して耐震もできておらず、市の財政状況も厳しいときに病院の存続及び新築を検討したときでした。新築して病院を存続していくのか、廃院して市民病院を諦めるのか、市民の皆様にも様々な意見がある中、市民百人を集めた会議を設置して議論をしました。私も市議として議論の成り行きを見守ってきましたが、地域から入院できる病院がなくなることへの抵抗は大変なものであったと記憶しています。
     常滑市は、市内にあった県立高校の統廃合も経験しています。その際も大変な市民の抵抗感情がありました。これはあくまでも私見ですが、病院の廃院に関しては、その比ではない抵抗感情があると感じました。結果、常滑市は市民会議の意見も含め判断し、病院の新築移転を決断し、二〇一五年五月に現在の飛香台地区に新常滑市民病院を開院しました。  ちなみに、常滑市民病院は国際空港直近ということで、全国に四つの特定感染症指定医療機関となっております。新病院開院からも地域医療の要としてその役割を果たしてきましたが、医師不足等の問題は解消されず、常に難しい運営をしてまいりました。  そんな中、隣の半田市立半田病院の新築移転の事業が計画されてまいりました。当初は、現在半田病院がある付近に新築が予定されていましたが、様々な議論があり、また、半田病院は愛知県の災害拠点病院の指定を受けていることも重なり、常滑市民病院から約三キロ東の高台である半田運動公園付近での新病院建設が決定されました。この状況を半田市、常滑市の両市で総合的に協議して、半田病院と常滑市民病院は二病院で効率的に医療を提供していくことが話し合われ、令和七年四月を目標に独立行政法人を設立して経営を統合していくという合意書が両市の間で令和三年二月十六日に交わされました。この一つの経営体で隣接する二病院をそれぞれ必要な診療科や機能を残しつつ、役割分担をしながら運営していくという統合は全国でも珍しいケースであり、この統合が成功していけば、愛知県独自のモデルとして全国に先駆けることになると思います。もちろん、愛知県地域医療構想の実現にも資することになります。  ですが、この新たなる試みには課題も多くあります。その一端を紹介させていただきます。  まず一つは、臨床研修病院の指定基準についてでございます。  それは現在、半田病院、常滑市民病院はともに臨床研修病院として指定を受けているため、研修医の受入れはそれぞれ可能な枠があります。しかし、経営統合に向けて医師の働き方改革に対応するため、救急機能を半田病院に集約すると、常滑市民病院単独で臨床研修病院としての指定を受けることが困難になることが考えられます。そうすると、結果、両病院合計の研修医の受入れ数が減少することになりかねません。それでは逆に医師の働き方改革にも支障が出てきてしまいます。  もう一つは、医師の常勤配置についてでございます。  現在では、常勤配置の要件のある施設基準が多く存在します。二病院で柔軟な医師の勤務を行うことで効率的な医療機能の分化ができると考えますが、一人の医師が二病院の双方で外来診療を行うと、この医師は両病院で非常勤扱いとなってしまいます。このことがさきに述べた常勤医師の要件のある施設基準にかかり、保険医療機関の要件を満たさなくなる可能性があります。そうなると、この事例に当てはまる治療は保険適用外の実費治療となり、患者に負担をかけることになってしまいます。これらはほんの一端で、今後まだまだ多くの課題が出てくることも考えられます。このような課題は、市町村や当事者の病院だけでは解決できず、国に対する制度変更の働きかけも必要であり、愛知県の強力な支援が必要だと考えます。  そして、この地域医療構想について、もう一つ考えなければならないことがあります。それは現在のコロナ禍であります。二〇二〇年厚生労働省により選定された県内の公立病院、公的病院の大半が、このコロナ対応の医療機関になっているという事実です。もちろん、私の地元の常滑市民病院も初期の段階よりコロナ患者を受け入れています。コロナ禍が始まったときには、医療の最前線で闘っている看護師さんたちの悲痛な訴えもお聞きしました。  先日も、コロナ患者を受け入れている病棟を視察させていただきましたが、スタッフの皆さんは非常に緊張感を持って職務に当たってみえました。この新型コロナウイルス感染症禍で経験した様々な状況をそれぞれの地域でしっかりと考慮され、今後の地域医療構想を進めていくべきと考えます。  そして、二〇二五年に限られた医療資源が最大限に活用され、県民、市民の安心と健康を守る医療体制であることを願います。  そこでお尋ねいたします。  まず、地域医療構想において、再検証の要請をされた医療機関の現状はどうなっているのか、お伺いいたします。  また、地域医療構想を実現するための取組状況と、今後どのように推進していくのか、お伺いをいたします。  続いて、二つ目の質問、中部臨空都市の企業誘致の現状と今後についてでございます。  中部臨空都市は、中部の世界への玄関口である中部国際空港セントレアの空港島のうち、東側百七ヘクタールと、その対岸部である前島と言われる百二十三ヘクタールを合わせた二百三十ヘクタールほどの地域のことをいい、愛知県と常滑市で企業誘致を進めております。セントレアを核として、陸海空のアクセスに優れた環境と最先端の都市機能を備えた次世代型産業拠点で、まとまった用地を確保できるほか、充実した優遇制度が利用できるとして常滑市もPRをしています。  対岸部の前島部分は、中部国際空港開港からしばらくの間はリーマンショックによる景気の低迷などもあり、なかなか企業の進出が進まず、大きな草原が広がっている状態でしたが、今では大型の商業施設などの立地が進み、週末には多くの皆様が来場してにぎわいを見せています。  北側のエリアには外資系企業が立地しており、りんくうビーチから南方向に進み、結婚式場が多数立地している地域や、NTPマリーナりんくうにつながるエリアは非日常的な雰囲気を醸し出しており、まるでリゾートの一部のようです。昨年九月には、常滑港に初めて寄港したクルーズ船にっぽん丸からテンダーボートによりNTPマリーナりんくうに乗客が降り立ちました。そういう意味では、知多半島観光の海の玄関口にもなることができる地域だと思います。私は、いつもシンガポールのマリーナ地区のようになっている未来を勝手に想像しています。  そして、この中部臨空都市は、国のスーパーシティ型国家戦略特別区域の指定に関する公募に愛知県と常滑市共同で提案をしている地域でもあります。  それでは、そのあいち・とこなめスーパーシティ構想の内容に少しだけ触れたいと思います。  その趣旨としては、中部国際空港島、周辺地域を中心に、愛知県国際展示場アイチ・スカイ・エキスポに国際会議や見本市などMICEを誘致し、我が国を代表する国際観光都市を実現するとともに、最先端技術、サービスの社会実装フィールドとすることで、イノベーションの創出の拠点化を進めるとされています。  また、この対象地域では、先ほどの神戸議員の質問でもありましたが、自動運転サービスの実証に向けて二〇一七年度から実証実験を行うとともに、空港を中心に二〇一九年度からサービスロボットの実証実験を積極的に行い、最先端技術、サービスの社会実装フィールドとしてのポテンシャルが高まっているとも言われております。  私も初期の頃から空港島で行われている自動運転の実証実験を継続して体験させていただいておりますが、その技術が年々進化していることを実感しております。しかし、その実験には多くのハードルがありますので、空港島は場所的に市街地と比べ新しい技術を実験するには有利な場所だと思います。  本年一月三日の中日新聞に、自動運転、空港連絡道で実験という記事が掲載されました。内容は、連絡橋を自動運転で渡るというもので、この空港島と対岸部を自動運転で結ぶという話は、何年も前から地元の方々の間では希望的な未来の話として話題に出ておりました。もし実現するとなれば、自動運転が大いに前進することになると思います。  また、スーパーシティ構想では、この地域を愛知県で計画されているスタートアップ支援拠点STATION Aiと連携して、開発、実証から実用化につながるサイクルを形成する実装フィールドにするとされています。世界中からイノベーターが集まり、大いに盛り上がることを期待しています。  そして、この地域は、二〇五〇年カーボンニュートラルに関しても深く関係する地域であります。それは、空港という施設は港湾と同様にCO2の排出量の多い場所であるからです。中部国際空港は、国の重点調査空港に選定されました。これは、空港の脱炭素化に向け、空港施設、空港車両からのCO2排出量削減の取組を進めるとともに、空港の再エネ拠点化等について具体的な検討を進めていくためとされています。  スーパーシティ構想の中にも、水素エネルギーを利活用したクリーンエネルギーモデル構築とありますので、中部国際空港はどちらにしても脱炭素化を推進していかなければなりません。  既にヨーロッパの大手航空機メーカーのエアバス社は、二〇三五年までに水素燃料を燃料とした旅客機を実用化させたいとしています。それは飛行機だけでなく、受け入れる側の空港にも水素燃料の供給施設が必要なことを意味しています。現在、空港島には水素ステーションが自動車用とフォークリフト用の二か所あり、新エネルギーに対する取組をしていると言えますが、今後はより本格的な取組とそのスピードアップが求められてくるでしょう。  このように、中部臨空都市は将来に対する大きな期待と可能性を秘めた地域であると言えます。しかし、現在のコロナ禍は中部臨空都市にも大きな影響を与えています。中部国際空港セントレアとの関係性の深い地域でありますので、航空需要の低迷は大きくこの地域の様子を変えました。コロナ禍前のインバウンドが旺盛なときは、空港対岸部の前島に立地した大型商業施設には多くの外国人旅行客の姿が見えました。もちろん、空港島に立地したホテルにも多くの外国人旅行客が宿泊して、大型の観光バスが頻繁に行き来する様子が見えました。しかし、現在は、コロナの影響で国際線が激減しており、まちに外国人旅行客の姿は消えてしまいました。ですが、このコロナ禍はいつか終息するときが来ます。そうなれば、きっとコロナ禍前より海外との往来は増えていくと思います。そのときこそ中部臨空都市本来の価値が発揮されると考えます。  そこでお尋ねいたします。  中部臨空都市の企業誘致の現状はどうか、お伺いいたします。  また、現在計画提案されているスーパーシティ構想が進めば、さらにこの地域の価値は上がり、需要は高まることでしょう。その将来を見据えた企業誘致が必要であると考えます。  そこでお尋ねいたします。  中部臨空都市の今後の企業誘致への取組はどうか、お伺いいたします。  続いて、三つ目の質問、コロナ禍におけるアイチ・スカイ・エキスポ(愛知県国際展示場)の催事についてでございます。  先日の代表質問にもありましたが、私の地元の施設でございますので質問をさせていただきます。  昨年九月の議会でも、アイチ・スカイ・エキスポでの音楽催事について質問をさせていただきました。それは、昨年八月二十九日に緊急事態宣言中にもかかわらず、アイチ・スカイ・エキスポにおいて感染対策の不十分な音楽フェスが開催され、その状況がSNSなどで拡散され、全国的なニュースとなり、また、この音楽フェスを原因とする感染クラスターが発生するなど、大変な事態となったことを受け、愛知県としての対応をお伺いするためでございました。  ニュースでは、愛知県の常滑市で開催されたと常に紹介されたため、この問題は常滑市内の行事にも影響を与えました。その象徴的な事例を申し上げると、毎年開催されていた常滑焼まつりは、開催の準備の段階において、この状況で常滑市に人を集めることが批判されるのではないかという意見もあり、やむなく中止を決断しました。  愛知県においては、御答弁いただいたとおりに、直ちに有識者による検証委員会が立ち上げられ、事実経緯などの検証をしていただき、再発防止策などを含め提言がなされ、この件に関しては一定の区切りとなったと思います。  そして、アイチ・スカイ・エキスポではその後も数々の大きな催事が開催されてきました。九月にはワールドロボットサミット二〇二〇愛知大会が開催されました。これは、経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が主催して、ロボットの研究開発及び社会実装の加速を目的とする協議会と展示会であります。  そして、十一月には、フィールドスタイルジャンボリーという中部地区最大の遊びの祭典と言われるイベントが開催されましたし、何といっても、ロボカップアジアパシフィック二〇二一あいちとコウゲイ・エキスポ・イン・アイチが同時期に開催されたことは、多くの皆様に御来場いただき、アイチ・スカイ・エキスポという施設のスケールの大きさを実感していただけたと思います。  全てに共通することは、このコロナ禍でなければ、もっと盛大で、もっと来場者がいたはずだと思うと、一日も早くコロナが終息することを望むばかりでございます。  また、どの催事でアイチ・スカイ・エキスポにお邪魔しても、催事の主催者だけでなく、会場の様々なところで愛知国際会議展示場株式会社のスタッフの皆様を見かけるようになりました。私もある団体で会場利用の相談をしたときも、とても親切に対応していただきました。  アイチ・スカイ・エキスポが開業した当初、地元の皆さんは、愛知県の施設という認識で、私の元に様々な問合せや、時には苦情のようなものもありましたが、その当時と比べると対応は格段に改善されていると思います。  それに今年の一月には、常滑市内二十八行政区の区長さんが集まる新年の区長会の場に愛知国際会議展示場株式会社の社員の皆様が出席していただき、地元との連携などについてお話をいただきました。これは初めてのことで、このように地元とのつながりを大切にしていただければ、今後何か協力が必要な場合も理解が得られやすいと思います。  そんな状況の中、本年一月二十二日と二十三日にアイチ・スカイ・エキスポでヒップホップの音楽イベントが開催されました。実はこの音楽イベントは、開業間もない頃に野外で開催され、その重低音が対岸の民家に響き、少し騒ぎになったことのある催事でした。今回は屋内での開催でしたが、一月二十三日に現地を視察させていただきました。主催者法人の社長さんに詳しく会場内を御案内いただきましたが、来場のお客様もマスクをしっかりと着用して、声を出さずに手拍子で応えるといった徹底した感染対策でした。  当日は、県の担当室の皆様も会場に詰めていただき、万全の体制だったと思います。局長をはじめ担当の皆様、大変お疲れさまでした。  スペースを広く取り、密を防ぐ感染対策をするためには、余分な会場費が必要だったり、設備が必要であったりとコストが思いのほかかさむようです。それにオミクロン株の広がりが始まっていたこともあり、最後のチケット販売の伸びも少なかったようで、運営は厳しいようでした。愛知県の補助制度も御利用いただいているようですが、このように正直に徹底した感染対策をしている事業者は、音楽の火を消さないためにも救っていかなければならないと思います。  地元にとっても重要な施設であるアイチ・スカイ・エキスポの利用を活発にするためには、コロナ禍における催事開催に係る様々なリスクを低減する必要があると考えます。  そこでお尋ねいたします。  コロナ禍における催事開催に伴うリスクにどのように対応していくのか、お伺いいたします。  以上、明確な答弁を求め、質問とさせていただきます。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) 27: ◯保健医療局長(吉田宏君) 地域医療構想において、再検証の要請を受けた医療機関の現状についてでございます。  本県では、七つの構想区域で十二の医療機関が再検証の要請対象とされ、地域の協議の場でございます地域医療構想推進委員会におきまして、医療関係者が医療機能の見直しについて協議を行ってまいりました。昨年の厚生労働省の調査の段階では、十か所の医療機関が見直しの合意に至り、病床機能の転換や病床数の削減及び近隣の医療機関との連携強化を図ることとなりました。なお、残っておりました二つの医療機関におきましても、地域の関係者で協議を進めた結果、当該構想区域で二月に開催されました地域医療構想推進委員会で病床数の見直しについて合意されており、本県においては要請のあった再検証を適切に進めることができていると考えております。  次に、地域医療構想の実現に向けた取組状況と今後についてでございます。  本県では、地域医療構想の実現に向けまして、回復期病床への転換を行う医療機関や、病床規模の適正化に伴い不要となる病棟、病室等をほかの用途へ変更する医療機関への助成を行ってまいりました。  また、二〇二〇年度から新たに病床数の適正化を図るために、病床の削減を行う医療機関に対し、削減する病床数に応じて逸失利益を補填する交付金も創設しております。  今後も、これら助成制度の活用を医療機関に働きかけまして、地域医療構想を推進してまいります。  また、国では、コロナ禍におきましても地域医療構想の枠組みを維持しつつ、着実に取組を進めていくこととされておりますので、本県におきましても、各構想区域の地域医療構想推進委員会で、コロナ対応を踏まえた現場の意見も丁寧にお聞きしながら、各医療機関が果たす役割について協議を行い、地域医療構想の実現に向け全力で取り組んでまいります。 28: ◯企業庁長(飯田靖君) 中部臨空都市についての御質問のうち、まず、企業誘致の現状についてお答えをいたします。  中部臨空都市は、中部国際空港セントレアがもたらす効果を地域に波及させることを目的に、企業庁が埋立て、造成をいたしました大規模なまちづくり事業でございます。国際空港に隣接をし、陸海空のアクセスに恵まれた立地を生かしまして、製造、物流から商業、サービスまで幅広く企業誘致を進め、現在までに空港島と空港対岸部を合わせまして五十二社の企業に立地をいただいているところでございます。  中部臨空都市二百三十ヘクタールのうち、道路や緑地などを除きました百六十一ヘクタールの分譲を進め、その七六%の百二十三ヘクタールが売却またはリースにより御利用いただいているところでございます。  次に、今後の企業誘致への取組についてお答えをさせていただきます。  コロナ禍にありましても、ウイズコロナ、アフターコロナを見据え、イオンモール、コストコ、めんたいパークといった大型商業施設や、マリーナを中心としたリゾート感あふれる港湾エリアとの相乗効果を狙い、新たに出店を検討している企業からの引き合いがございます。こうした意欲的な企業の誘致を進め、一層のにぎわいを創出してまいります。  また、中部国際空港の将来構想や、議員からもお示しのあいち・とこなめスーパーシティ構想を中部臨空都市のさらなる発展のきっかけと捉え、航空関連企業の一層の集積や、自動運転、サービスロボット、水素エネルギーといった最先端技術、サービスの社会実装に取り組む企業の誘致も目指してまいります。  企業庁といたしましては、次世代の産業技術やライフスタイルが創造、発信される、にぎわいと魅力ある中部臨空都市を目指し、戦略的な企業誘致にしっかりと取り組んでまいります。 29: ◯観光コンベンション局長武田光弘君) コロナ禍におけるアイチ・スカイ・エキスポの催事についてお答えします。  昨年夏に県からの再三にわたる要請にもかかわらず、感染防止対策が不十分なまま開催された音楽イベントは、クラスターが発生するなど大変残念な事案となりました。こうした事態を重く受け止め、県では直ちに有識者による検証委員会を設置し、事案の検証と再発防止に向けた提言をしていただきました。  この提言を踏まえ、施設の運営事業者である愛知国際会議展示場株式会社と県では、催事内容や主催者の運営能力について情報収集するとともに、懸念されるリスクを避けるため、準備段階から主催者と綿密な打合せを行い、必要に応じ、事前の強い指導、要請や、当日の現場監視などを実施しております。  また、そうした指導、要請の実効性を確保するため、催事の性質上、人が密集しやすく、感染リスクが高い状態になる可能性があるものについては、そのような状態が発生した場合には、運営事業者の権限において催事を中断させることを事前に主催者と申合せするなどの対策も講じているところでございます。  さらに、催事の主催者だけでなく、出演者や参加者も対策を守る意識が重要であることから、そうした啓発も行っております。  一月に開催された音楽イベントでは、基本的な感染防止対策の徹底に加え、出演者からも大声を出さないよう呼びかけていただき、参加者もそれを守って、指定席から移動し密になることもなく、拍手で応えるなど、主催者だけでなく、出演者、参加者の意識の啓発にもつながったものと感じております。  今後も引き続き運営事業者と共に適切に対応し、安心・安全な催事の開催に努めてまいります。 30: ◯議長坂田憲治君) 進行いたします。  水谷満信議員。     〔五十七番水谷満信君登壇〕(拍手) 31: ◯五十七番(水谷満信君) それでは、通告に従い、大きく二点について、青少年犯罪について、院内感染について、順次お伺いをいたします。  まず初めに、青少年犯罪についてお伺いいたします。  愛知県における少年犯罪は、十年前の平成二十四年中の刑法犯少年の検挙・補導人員は四千三百十四人であり、令和三年においては千三百二十四人となり、この十年間で見ると減少傾向を示しており、統計数値が残る昭和二十六年以降で最も少なくなりました。  また、平成二十四年中の特別法犯少年の検挙・補導人員は三百七十人であり、令和三年は三百九十九人と、この十年で見ると増減を繰り返す状況にあります。  先ほどお示ししましたが、刑法犯少年は全体的には減少していますが、令和三年中では、罪種別で見ると、窃盗犯が七百六十八人で前年比マイナス四十一人のマイナス五・一%であるものの、全体の約六割の五八・〇%となっており、強盗などの凶悪犯は三十三人で前年比プラス十八人のプラス一二〇%、知能犯においては五十六人で前年比プラス十六人のプラス四〇%となり、年齢別では、十六歳が二百六十人で最多となっており、次いで十七歳が二百三十八人となっております。  ここで、刑法犯少年と特別法犯少年の違いを御説明いたします。  刑法犯少年とは、窃盗や傷害などの刑法に規定する罪を犯した少年及び同法に触れる行為をした触法少年のことであり、特別法犯少年とは、大麻など薬物関連犯罪や児童買春・児童ポルノ禁止法など特別法に規定する罪を犯した少年及び同法に触れる行為をした触法少年になります。  さらに、犯罪少年とは十四歳以上の罪を犯した少年のことで、触法少年とは十四歳未満の刑法法令に触れる行為をした少年のことをいいます。  ここでいう触法少年は、まず、児童福祉法の対象になります。刑法ではどのような犯罪が行われても、十四歳未満の者は刑事未成年とされているので、刑事責任能力がないものとして刑事処分を科せられることはなく、保護手続の対象となるのみとなり、少年の保護者の監督が不適当であるか、あるいは少年に保護者がいないというときには、児童相談所、または福祉事務所に通告することとなり、審判が行われるのは都道府県知事や児童相談所長から送致があったときに限られています。  また、少年院法では、少年院は十四歳未満の触法少年を収容することができなかったのが、平成十九年に年齢下限が改正されて、おおむね十二歳以上の少年が収容可能になりました。しかし、通常は、触法少年の身柄について、強制的な取扱いとしては、児童福祉法上の措置としての一時保護、児童養護施設、あるいは児童自立支援施設に収容することとなっています。そして、本年四月からは、法令改正により十八歳に成人年齢が引き下げられることとなります。  そこで、改めて、令和三年中の刑法犯少年罪種別、年齢別の検挙・補導状況を見てみますと、強盗や放火、強制性交等の凶悪犯は、近年においては、増減はするものの高止まりを示しており、窃盗犯においては減少しつつも低年齢化の傾向にあり、特別法犯少年の法令別、年齢別に目を向けてみますと、近年、児童買春・児童ポルノ禁止法、大麻・麻薬取締法等が低年齢化するなど、注視していかなければなりません。  ここで、以前に報道された幾つかの事案を紹介いたします。  二〇一五年十月には、京都市内の山科、伏見の男子高校生の二つのグループが摘発され、合計四人が大麻取締法違反容疑で逮捕されました。報道によれば、四人以外の男子生徒十一人の自宅を京都府警が調べたところ、七か所から大麻の吸引器が見つかったということで、大麻の入手は、大麻を所持している二十五歳の知人から男子高校生のうちの一人が譲り受け、LINEを使って仲間に売っていました。  また、大阪市で密売人から買ったと証言をした高校生もいたということであり、大麻の入手ルートは多岐にわたっているとのことでした。  また、続いて、十一月には、京都市教育委員会によれば、小学校において生徒の禁煙指導を強化していました。そうした中、ある六年生の男子がたばこを吸っているという情報を得たため、十月十四日に問いただしたところ、喫煙を認めるとともに、この生徒はさらに大麻も吸っていたことがあると話し、大麻の吸引方法や、どんな経路で入手したのかを具体的に説明したため、小学校は信憑性が高いと判断したとのことで、その後、保護者と連絡を取った上で、教育委員会と京都府警に知らせたという報道もされました。  次に、二〇二一年十二月、京都市で連れ去られた女子高生の当時十九歳が、滋賀県守山市のアパートで女子高生が心肺停止状態で見つかり、室内には抗不安薬や睡眠導入剤、せき止め薬など約百錠分の使用済み包装シートがあった事件で、滋賀県警は十三日、共謀して女子高生を誘い出し、前日午後六時頃、自宅に連れ込んだとする未成年者誘拐の疑いで、この部屋に住む無職で三十八歳の容疑者と岐阜県関市の無職で二十一歳の容疑者を逮捕しました。  離れた場所で暮らす三人の接点はSNSと言われる交流サイトで、精神的苦痛を和らげる目的などで、処方薬や市販薬を大量に飲むオーバードーズの仲間として知り合ったと二人の容疑者は供述しているとのことで、前日の夕方、二十一歳の容疑者が携帯電話で知り合いの男の家にいるけど来ないなどと女子高生を誘い出し、三十八歳の容疑者の車で自宅近くまで迎えに行き、この日が初対面の三人は、三十八歳の容疑者宅で一晩を過ごしたとのことで、翌朝、室内の廊下で倒れている女子高生に気づいた二十一歳の容疑者が、意識がなく呼吸もしていないなどと一一九番通報をし、消防から連絡を受け駆けつけた警察官が現場で高校生の死亡を確認した後、司法解剖の結果、死因は薬物中毒だったとのことで、事件現場となったアパートは築二十数年のファミリー向けタイプで、間取りは三DK、三十八歳の容疑者は、一、二年ほど前からこの部屋で暮らし、アパート唯一の単身入居だったとの報道でした。  そこで、若者に対する薬物乱用防止に関する取組についてお伺いいたします。  最近、若者を中心に大麻の所持で逮捕されるなど、薬物乱用に関する事件は後を絶ちませんが、全国及び本県の薬物乱用の現状はどのようになっているのか。  また、大麻や市販薬等の薬物乱用を未然に防止するための啓発が重要となります。効果的な啓発を実施するためには、若年層を中心として社会に広く啓発することが必要だと思われますが、どのような対策を講じているのか。  さらに、最近では、インターネットを取り巻く状況は日々変化をしており、幼児においては、保護者のスマートフォンやタブレットなどでユーチューブ等の動画やゲームなどにより触れる機会が増えることや、小中学生においては、スマートフォンの利用の増加によりトラブルに巻き込まれる事案が発生しています。インターネットを介した犯罪トラブルから青少年を守るため、県はこれまでどのような取組をし、そして、今後どのように取り組まれるのか、お伺いします。  次に、院内感染についてお伺いいたします。  今回、この質問に当たって、私自身の経験ではありますが、身内の者が医療行為後に細菌による感染症となり、敗血症ショック症状による壊死で手と足を失うということがありました。このことは私にとって大変ショックな出来事であり、昨年の十一月から入院をして二度の手術を行い、現在においても病院から外出することもできない状況で不安な毎日でした。  院内感染について、近所の方やほかの方といろいろとお話をお聞きする中で、医療機関や医療従事者の方々が患者さんの治療に全力を注いでいただいていることはもちろん理解しているものの、病気を治すため入院していたはずが、全く予期せぬ違う病気を引き起こし、さらに重篤化してしまった患者さんとその家族からすると、なぜこのような状況になってしまったのかという、いつまでたっても拭い去れない思いを抱いていることが分かりました。
     医療機関では、治療に対する説明や感染対策等、病気を治すだけではない様々な役割がございますが、私が勉強を進める中で、院内感染とはどのようなもので、医療機関においてその対策がどのように実施されているかを自分なりに調べてみました。  まず、院内感染の定義でありますが、厚生労働省によりますと、医療機関において患者さんが原疾患とは別に新たに罹患した感染症と、医療従事者等が医療施設内において感染した感染症を指しています。  病院には、免疫力や体力の少ない乳幼児や、悪性腫瘍等の手術を受けたなど感染リスクの高い処置を受けた患者さん、また、化学療法や臓器移植後に免疫抑制剤の投与を受け、感染防御機能が低下している患者さんなど、細菌やウイルスなど様々な病原体の感染に対する抵抗力が低下している方々が多くいることから、感染症が発生しやすい特殊な環境であると言われています。  院内感染を引き起こす病原体としては、よく耳にされることがあるインフルエンザなどのウイルスやサルモネラ、病原性大腸菌O157などの食中毒菌、そして、人や動物の皮膚、消化管内など体表面に恒常的に存在し、通常は無害であるんですが、皮膚の傷などから細菌が侵入し、皮膚とその下にある脂肪組織などに炎症を引き起こす病気である蜂窩織炎など、皮膚感染症から肺炎、腹膜炎、敗血症、髄膜炎などに至るまで様々な重症感染症の原因となるMRSAと言われるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌などの抗生剤の効きにくい耐性菌など数々あります。  これらの病原体が体に付着または定着するだけでは感染ではなく、病原体が組織に侵入し、炎症反応を引き起こした場合に感染したこととなります。病原体そのものの感染しやすさもそれぞれ異なりますが、各個人の体調や免疫力などでも感染の状況は異なり、発症する症状も患者さんごとに異なります。  さきに述べましたが、病院に入院中の免疫力の低下された方が感染して発症しやすい状態であると考えるのは当然のことだと思われます。このように、院内感染対策は、抵抗力の弱い患者さんに対してどのように守っていくべきかを考えていくことが必要です。院内感染をゼロにすることは困難だと思いますが、感染を予防するために、各医療施設では感染対策チームが組織され、患者さんと共に医療従事者を感染から守るための標準予防対策が行われていると聞いております。  これは疾患にかかわらず、全ての患者さんの血液や排せつ物などと、傷のある皮膚、粘膜は感染性のあるものとみなして、手袋やガウンなどを使用し、手洗いを行って防御するもので、標準予防対策を行った上で感染症のある病原体を持っている患者さんからの感染経路の遮断を行うことが重要となります。  具体的には、一つ目に、手洗いや手袋などの使用を徹底し、患者さん自身及び患者さんが触れるものを介して感染が広がるのを防ぐ接触感染予防策、二つ目に、せきやくしゃみなどでより広く伝わることを物理的に遮ることや、個室での隔離、マスクや手袋などを着用することで防ぐ飛沫感染予防策、三つ目に、病原体が外部に漏れないよう室内の気圧を室外よりも低くした陰圧の個室に患者さんを配置し、入室する場合にN95マスクなど防護具を使用する空気感染予防策の三種類があります。  新型コロナウイルス感染症に対しても、度々これらの対策の重要性が話題となっており、流行が始まった当初は、マスクや手袋、ガウンなど、いわゆるPPEと言われる個人防護具や手指消毒用アルコールが不足し大きな問題となりましたが、現在ではそのような問題は様々な対策により解消されていると聞いております。  今日では、新型コロナウイルス感染症への対策もあり、守るべき抵抗力の弱い患者さんが集まる医療機関や介護福祉施設では、これまでになく一段と厳重に感染予防対策を取っていただいており、医療従事者の皆様方の一方ならぬ御努力に感謝を申し上げるとともに、改めまして、院内感染対策の重要性を痛感したところであります。  以上のことを踏まえ、質問いたします。  新型コロナウイルス感染症に係る対策は、皆様も御承知のとおり、手厚く感染防止策を実施されておりますが、今回は、新型コロナウイルス感染症以外の院内感染が発生した際の県の対応について、どのように実施されているのか、お尋ねします。  また、今後、院内感染を防止するため、県はどのように取り組まれていくのかをお伺いし、私の壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 32: ◯保健医療局長(吉田宏君) 青少年犯罪について、まず、薬物乱用の現状についてでございます。  麻薬、覚醒剤、大麻等の薬物事犯の検挙者の総数は、二〇二〇年では全国で約一万四千人、本県では約千百人であり、全国及び本県ともに近年はほぼ横ばいで推移しておりましたが、二〇二〇年は僅かに増加しております。  全国の薬物事犯全体の約六割が覚醒剤によるもので、依然として薬物対策上の重要課題ではございますが、三十歳未満の割合は約一三%となっております。  一方、大麻は年々増加傾向でございまして、全体の三割強でございます。また、三十歳未満の割合が約七割を占めるなど、若者の増加が顕著でございます。  本県におきましても同様な傾向でございまして、大麻の使用により検挙された三十歳未満の者は、二〇一八年に比べ二〇二〇年では約二・五倍に増加しており、大変憂慮すべき状況でございます。  次に、本県の薬物乱用防止に関する啓発活動につきましては、毎年、ライオンズクラブなどの民間ボランティア団体や保護司会等と協力し、夏には、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動を、また、秋には、麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動として街頭啓発活動等を展開しております。  加えて、県独自に危険ドラッグが大きな社会問題となりました二〇一三年度から、県内の中学三年生及び高校二年生に対してリーフレット等を配付し、大麻、市販薬等を含めた薬物乱用には絶対手を出さないというメッセージを伝えております。  県では、今後とも様々な施策を実施し、若者をはじめとする県民の皆様に薬物乱用防止の意義を浸透させることで薬物乱用の撲滅を目指してまいります。  続きまして、院内感染の御質問のうち、発生時の対応についてでございます。  院内感染発生時の対応として、医療機関は、細菌やウイルスによる感染症の発生例が目安として十名以上発生した場合や死亡者が確認された場合、管轄する保健所に速やかに報告することとされております。報告を受けました保健所は、医療機関の対応状況につきまして一定期間定期的に確認し、必要に応じて指導及び助言を行っております。  県内の発生状況につきましては、二〇二〇年度はノロウイルスによる事例一例と皮膚感染症による事例三件の計四件、二〇二一年度はノロウイルスによる事例一件がこれまで報告されております。  医療機関及び保健所による事後の対応や再発防止の取組につきましては、いずれも適切な対応が取られたところでございます。  次に、県の取組でございます。  医療法では、医療機関の責務として、院内感染対策のための体制整備を図り、指針の作成や委員会の設置などを、また、県の役割としまして、院内感染を含めた医療の安全に関する情報の提供などを実施することとされております。  県では、二〇〇八年度より院内感染地域支援ネットワーク事業を実施しております。具体的には、委託先である愛知県看護協会に院内感染相談窓口を設けまして、医療機関での院内感染発生時の初期対応や防止に向けた体制づくりに関する相談に対しまして、感染症専門医や感染管理認定看護師等の院内感染対策の専門家が現場のニーズに対応した実践的な対応策などを回答しております。さらに、必要に応じて専門家が医療機関を訪問し、現地での助言、指導も行っております。  また、院内感染に関する困難事例の検証や情報共有を図るため、定期的に県内四大学をはじめとする医療関係者による院内感染ネットワーク委員会を開催しております。  さらに、保健所が実施する立入検査におきまして、各医療機関の院内感染防止対策の確認及び指導を実施しているところでございます。  今後もこうした取組を着実に実施し、医療機関における院内感染の未然の防止や発生時の感染拡大防止対策をしっかりと進めてまいります。 33: ◯県民文化局長水野直樹君) 青少年犯罪についてのお尋ねのうち、インターネットを介した犯罪やトラブルから青少年を守るための取組についてお答えします。  情報化が進み、スマートフォンなどを利用する年齢が低下する中、青少年がインターネットを介した犯罪に巻き込まれないよう、行政、保護者、関係事業者がそれぞれの役割を果たすことが重要です。  そこで、本県では、青少年保護育成条例に基づき、スマートフォンの販売店等に対して、保護者へのフィルタリング機能の説明を求めるとともに、保護者に対しては、フィルタリングをしない場合の書面の提出を義務づけるなどの対策を講じてきました。  また、保護者に対しては、二〇一四年度からトラブルの実態やフィルタリングの必要性を周知するためのスマホ教室を開催し、二〇一八年度からは、それらに加えてSNS等に起因するトラブルを回避するための家庭のルールづくりの大切さなども啓発する出前講座、みんなのネットモラル塾を開催しております。この講座は、保護者、児童生徒を合わせて、これまで六万四千人の方々が受講しており、講座を受講した保護者へのアンケートでは、フィルタリングに関する理解が深まったと答えた方が九五・七%、講座で学んだ内容を家庭のルールづくりに生かせると思うと答えた方が九八・三%となっているなど、取組の効果が得られております。  さらに、来年度は講座の内容を充実した上で、その実際の様子を録画してユーチューブで配信し、これまで講座を受講する機会がなかった方にも自宅で気軽に学んでいただくとともに、学校の授業で活用していただくなど、取組を幅広く展開してまいります。  また、これまでの県の取組の成果を県内広域に波及させ、各地域でも独自に事業展開していただくため、講座の取組の意義や具体的な実施方法などを市町村等に積極的に情報提供してまいります。  本県としましては、今後とも行政、保護者、関係事業者と連携を図りながら、インターネットを介した犯罪やトラブルから青少年を守るための取組をしっかりと推進してまいります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 34: ◯四十番(丹羽洋章君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 35: ◯議長坂田憲治君) 丹羽洋章議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 36: ◯議長坂田憲治君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後二時三十三分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後三時四十分開議 37: ◯副議長近藤裕人君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  野中泰志議員。     〔四十五番野中泰志君登壇〕(拍手) 38: ◯四十五番(野中泰志君) 通告に従って質問をさせていただきます。  初めに、持続可能な農業への取組についてお伺いします。  二〇二〇年における日本の農業の現状について、基幹的農業従事者は百三十六万三千三十八人で、愛知県では四万百五十九人、このうち六十五歳以上の高齢者が九十四万八千六百二十一人、愛知県では二万六千四百十三人、基幹的農業従事者の平均年齢は六十七・八歳で、二〇〇〇年の六十二・二歳から五・六歳高齢化しています。企業人なら定年退職している世代の人たちが日本の農業界の主力選手として、暑い日も、寒い日も、雨の日も、風の日も農作業にいそしんでいます。  ところが、生産農業所得は、二〇二〇年には三百十万七千円になっております。これは、一人当たりの金額ではなく、一経営体の所得であります。  農業全体の産出額で見ると、ピークであった一九九〇年に十一・五兆円あったものが、二〇二〇年では八兆九千三百三十三億円に減少しております。苛酷な労働、明らかな低収入のまま働き続けてきた生産者が高齢になり疲弊、その姿を見てきた息子や娘たちはバトンを受け取らず農地を放棄する。当然、生産高も落ちる。その結果、二〇年度の日本の食料自給率はカロリーベースで三七%で、現在も過去最低のままであります。  国も手をこまねいていたわけではありません。農業者の経営循環整備や農業の構造的問題解決を目指して、改正農地法や農業競争力強化支援法などが施行されました。これによって硬直化した農業を効率化し、生産性を高めようというもので、規制緩和を含む既存のシステムの再編、農業の大規模化や企業参入が行われました。しかし、農業活性化の起爆剤とはなり得ませんでした。  このような状況の中で、二〇一八年十二月三十日、アメリカを除いた十一か国によるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)、二〇一九年二月にはEUとのEPA(経済連携協定)が発効しました。  TPPでは、農林水産物の関税が段階的に撤廃、削減され、関税ゼロになる品目は農林水産物の八二%、およそ二千百品目に達します。EPAでも同様で、将来的に農林水産物の八二%の関税撤廃、チーズ、豚肉など重要品目の関税も削減されました。  TPPとEPAは、日本の農産物を輸出しやすくなるメリットがあります。しかし、これまでの日本の農業の現状を見ると、輸出によって活性化するよりも、さらに輸入によって価格競争に巻き込まれ、何とか踏ん張っていた高齢の生産者に致命的なダメージが広がる可能性のほうが高いように思われます。このような農業の先行きが不安な中、今度は脱炭素時代の到来に向けた対策も講じなければならない大変な時代を迎えました。  農林水産省は、二〇二〇年十二月二十一日に、みどりの食料システム戦略本部を設置し、二一年五月十二日に、食料、農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する新たな政策方針として、みどりの食料システム戦略を決定しました。  その内容は、農林水産業の持続性と生産性向上の両立をうたい、主な目標として、化学農薬の使用量の半減や有機農業の面積拡大、デジタル技術を活用した生産体制の構築を挙げております。  しかし、農業の現状を考えたとき、優先すべきは農業者の所得アップで、三十年後の目標と言われても考えようがないという意見や、既に十分安全な農薬の使用量をさらに減らすと、農産物の収穫は減り、価格も上がる、それでも消費者は購入してくれるのかなど、地元農家からは懸念する声も聞かれております。これは、国の急ピッチな動きに対して、最前線を担う農業者の大半が中身を詳しく知らされていないことが理由の一つであると思いますが、あしたの食いぶちをどうするのかという不安を抱えた農業者に対して、目前の課題を解決していく中で、農家に寄り添った脱炭素に向けての取組を求めたいものです。  私は、今回のみどり戦略は、農林水産業が気候変動の一因となっている反面、温室効果ガスの削減にも貢献をしているところに着目している点において評価できるものと思います。しかし、日本が抱える農業問題の根本的解決を図りつつ、脱炭素時代に持続可能な農業をどのように構築していくのかは見えてきません。  そもそも古来より農業は国の礎と言われてきたように、国策の上位にあってしかるべきもので、他国のルールに翻弄されるべきものではないと思います。  ところが、貿易国として工業製品を輸出するための取引材料として長年農業が犠牲になってきたことは否めません。その際、日本の農業は過保護だという間違った情報がメディアを通じて国民に広く刷り込まれました。保護政策をやめれば自給率が上がるかのような議論まであります。しかし、日本の農業が過保護だから自給率が下がった、耕作放棄が増えたというのは間違いで、過保護ならもっと所得が増えてもいいはずであります。  逆に、アメリカは競争力があるから輸出国になっているのではありません。多い年には穀物輸出の補助金だけで一兆円も使っております。コストは高くても自給は当たり前で、いかに増産して世界をコントロールするかという徹底した食糧戦略で輸出国になっているのであります。つまり、ここに国として農業がどうあるべきかの意思が見えてくるのであります。  さらに、アメリカでは、農家にとって必要最低限の所得が確保されるように、その水準を明示して、下回ったら政策を発動するので、安心して営農できるシステムが完備されています。  最近では、コロナ禍でアメリカ政府が農産物を買い入れて、生活が苦しくなった人々や子供たちに配給したり、SNAPと呼ばれる低所得者層への補助的栄養支援プログラムでは、四人世帯の場合で、粗月収で約二千五百ドル、手取り二千ドルを下回る場合は、最大月六百五十ドル程度分がカードで支給されます。そのカードで食料品を購入すると、買物代金が自動的に受給者のSNAP口座から引き落とされ小売店の口座に入金される仕組みになっており、消費者の食料購入支援策が農業政策の中に分類され、しかも六四%も占めております。  また、カナダ政府は、三十年も前から、農家への直接支払いというのは生産者のための補助金ではなく消費者のための補助金なのだということを主張しております。それは、農産物が製造業のようにコストとの見合いで価格を決めると、人の命に関わる必需品を高くて買えない人が出てくることを避けなければならないからで、それなりに安く安定して供給してもらうための補助金が必要になるという理屈であります。これが食料を守るということではないでしょうか。  農業政策を意図的に農家保護政策に矮小化して批判するのは間違いであり、農業政策は国民の命を守る真の安全保障政策であるという本質的な議論なくして食と農業の持続的な発展はないのではないでしょうか。  そして、今般のコロナ禍において、自国の国民生活は自国でしか守れないということを、マスク不足などを通じ、私たちは肌身に感じたはずです。お金があっても物が買えない事態の中で食料が入ってこなくなったらどうするのか。反省すべき点は少なくはないと思います。  本県の農業産出額は中部地区最大の二千八百九十三億円で全国第八位であり、特に野菜の産出額は全国五位、花卉の産出額は一九六二年以降五十九年連続して全国第一位となっております。しかしながら、産地では、担い手の減少や高齢化、共同利用施設や園芸用栽培施設の老朽化が進んでおり、生産力の低下が懸念されているのが現状です。  県は、二〇二〇年十二月に策定した食と緑の基本計画二〇二五で、生産の柱として、持続的に発展する農林水産業の実現を挙げておられますが、本県農業を持続的に発展させるために、産地の生産体制の強化に向けてどのように支援していくのかお伺いをします。  二問目は、カーボンニュートラルに向けた水素社会の実現についてお伺いします。  九月議会での一般質問で、私はトヨタをはじめとする自動車産業に従事する労働者の雇用を断固守る必要を訴えましたが、豊田章男社長が主張されるように、脱炭素時代という意味を国民みんなが正しく理解し共有することなく世界を相手の競争に勝利することは難しいのではないでしょうか。  何より発電のための電源を何に求めるかという国家の意思が明確でない中で競争が始まっているのですから、まず私たちのできる範囲での対策が急務であると考えます。  二〇一四年十二月に、燃料電池自動車(FCV)が世界に先駆けて日本で最初に販売開始となって以来、二〇一六年に燃料電池フォークリフト、二〇一八年に燃料電池バスと、次々に燃料電池車両が市販化されてきました。そして、昨年には、ガソリンの代わりに水素を燃焼してエンジンを動かす水素エンジン車が二十四時間耐久レースに出場して話題になりました。この水素エンジン車は、現行のガソリン車の部品を活用できることから、その実用化が大いに待たれるところであります。  これらモビリティーの燃料となる水素は、利用段階でCO2を排出しないだけでなく、無尽蔵に存在する水をはじめ様々な原料から製造が可能であり、将来的に化石燃料が枯渇する可能性や、近年の地球温暖化等のエネルギーをめぐる問題が深刻化する中で、理想的なエネルギー源として期待されています。  また、国内に資源が乏しく、エネルギーの大部分を海外の化石燃料に依存している日本にとって、水素はエネルギーの有効活用やエネルギー効率の向上を通じて、エネルギー供給源の多様化や環境負荷の低減にも資するものです。  このように、次世代のエネルギーとして注目される水素ですが、その製造方法は様々あります。  現在、低コストで短時間で大量製造できるのが、化石燃料を燃焼して水素を取り出す方法ですが、その製造過程においてCO2が排出されてしまいます。一方、生ごみや植物など、全体で見れば大気中のCO2の量に影響を与えないバイオマス燃料を原料にして水素を作れば大気への影響を防ぐことができます。さらに、太陽光などの再生可能エネルギーを使って水を電気分解し水素を作れば、製造から使用までトータルでCO2を排出しない、いわゆるグリーン水素となります。  私は、このグリーン水素を日本で製造し消費することがエネルギーセキュリティーの観点からも理想だと考えております。  しかしながら、グリーン水素を日本で地産地消するにはまだまだ課題も多く、技術革新によるコスト低減などが必須となります。  国の水素基本戦略では、水素の供給コストを現在の一立方メートル当たり百円から、二〇三〇年に三十円、二〇五〇年に二十円以下に低減するという目標を掲げ、供給量も、二〇三〇年に三百万トン、二〇五〇年に二千万トン程度を達成できるよう、二〇三〇年までに国際水素サプライチェーンの構築を目指しています。  具体的には、海外の安価な原料を使って大量に水素を製造し、それを日本に輸送するというものです。現在、オーストラリアで製造された水素を液化し、運搬船に乗せて神戸港に運ぶ世界初の技術実証が行われています。  こうした取組をさらに加速させるため、国は二兆円のグリーンイノベーション基金を創設し、大規模水素サプライチェーンの実証を計画しています。  さて、私たちの地域に目を向けますと、昨年度から名古屋港カーボンニュートラルポート検討会が水素等の需要や利活用方策等の検討を始めるとともに、民間企業十八社で構成される中部圏水素利用協議会が名古屋港における大規模な水素利用の可能性を検討しています。  そして、本年一月には、この中部圏水素利用協議会が、地域の経済団体と共に、中部圏における大規模水素社会実装実現に向けた提言書を知事に手渡しました。  この提言書によると、中部圏の水素需要ポテンシャルは、二〇二五年に四から六・四万トン、二〇三〇年には二十三万トン規模まで拡大する可能性があり、さらに二〇五〇年には三百万トン以上の水素活用が期待されるとしています。  中部圏は、中小企業も含めて裾野の広いモノづくり地域であり、発電や石油産業などの大口需要に限らず、産業横断的に幅広いセクターを有しているのが特徴です。  一方、大規模水素社会実装の実現に向けた課題として、エネルギー及び大規模インフラの投資コスト、そして法的規制の二点が挙げられています。これらの課題は民間企業だけで解決できるものではなく、行政や金融界、経済界が連携して進めていかなければなりません。  そして、提言書の最後には、中部圏は産業横断的な日本全国のひな形となる先駆モデルになり得る地域であり、中部圏は自ら汗をかいて、そのロールモデルの役割を果たしていきたいとつづられています。  モノづくりが盛んな中部圏において、日本初の水素社会実装を実現し、カーボンニュートラルに向けた産業構造改革に貢献したいという中部圏水素利用協議会の思いは大変心強いものがあると思います。  そこでお尋ねいたします。  水素社会の実現に向け、県として今後どのように取り組まれていくのか伺います。  最後に、東三河地域の道路整備についてお尋ねします。  私が生まれたのは高度経済成長期であり、東京オリンピックや大阪万博の開催などの特需に沸き、三種の神器に代表される技術革命と、それによる設備投資の活発化によって景気拡大が進むとともに、東海道新幹線や東名高速道路といった高速交通網の整備が進むなど、日本の経済成長を支える社会資本が着々と整備された時代でありました。  その後、オイルショック、バブル崩壊、リーマンショックによる不況時代の到来、また、この愛知を中心に大きな被害を及ぼした東海豪雨、今月十一日に十一年目を迎える東日本大震災の発生など、日本は数多くの困難に見舞われてきました。そして、今、新型コロナウイルス感染症との厳しい闘いのさなかにあり、医療体制の逼迫や社会経済活動の停滞など、未曽有の危機に直面しています。  このように変化し続ける私たちの日常生活の中で、社会経済活動の基盤となっている道路、港湾、空港、下水道、河川、公園といった社会資本の整備はいつの時代においても欠かせないものであります。
     本県のインフラは、戦後の復興期から高度経済成長期にかけて、急激な人口増加や経済成長に伴うその時代のニーズに対応するため集中的に整備され、日常生活の利便性の向上や社会経済の発展に大きく寄与してきたわけでありますが、それらのインフラは建設から五十年以上を経過しているものが多く、大規模修繕や更新が必要となっています。  こうした状況の中、インフラの老朽化の進行が将来の県民生活や社会経済活動に支障を与えないよう、インフラの維持管理や更新を戦略的に取り組むため、愛知県公共施設等総合管理計画やインフラ毎の長寿命化計画に基づき、これまでの事後保全型から、損傷が軽微な段階で補修を行うことでインフラ施設を長寿命化させる予防保全型へと転換を図ることで財政的な負担を軽減する取組が進められておりますが、それでも毎年多くの予算が必要な状況であります。  近年は、発生が懸念される南海トラフ地震、気候変動の影響により頻発・激甚化する自然災害など、私たちを取り巻く環境は一段と厳しさを増しており、一たび災害が発生すれば、被災地の復旧や生活再建に向けた予算が必要であります。  さらに、社会全体に目を向けますと、高齢化に伴う年金、医療、介護などの社会保障費の増加や、新型コロナウイルス感染症に伴うワクチン接種や事業者支援など、インフラの老朽化対策以外にも、これら多くの予算が必要となっている状況であります。  厳しい財政状況ではありますが、県民の安心できる日常生活と活力ある社会経済活動を取り戻すため、愛知一丸となって日常生活や社会経済活動の基盤となるインフラ整備を進め、日本の成長エンジンとして将来にわたって我が国の発展を本県が引き続き力強くリードしていくことが求められると考えます。  インフラの整備は未来への投資であり、その効果には、フロー効果だけでなく、整備されたインフラが機能することによって、整備直後から継続的に中長期にわたり得られる効果であるストック効果があります。  具体的には、私の住む東三河地域では、一九六九年に東名高速道路が開通いたしました。この当時、日本の経済は確かに急成長を続けていましたが、これらの高速道路を建設する資金が国内だけでは調達できないという状況にありました。このため、政府は世界銀行から六%以上の高い金利でこの資金を借り入れました。首都高速道路や阪神高速道路も同様です。  これら高速道路建設資金の世界銀行への返済は、一九九〇年になってやっと終了しました。おかげで、豊川インターチェンジ周辺には物流施設や製造工場が進出し、こうした民間投資の誘発によって固定資産税や法人税などの安定的な税収が確保され、長きにわたり東三河の経済的発展を支えてきました。  また、一九六八年に豊川用水が完成したことにより農地開発が進み、野菜、花卉、果樹、畜産など、農業全般にわたって特色ある産物を供給できる豊かな営農地域となり、東三河の農業産出額は全国的にも有数の規模を誇る地域へと発展したのであります。  つまり、インフラの整備とは、次の世代や、そのまた先の世代の生活や社会を支える基盤を構築するという、まさに時を超えた地域づくりであると考えます。財政が厳しいからという理由で、つじつま合わせに東名や名神、首都高速や阪神高速の建設を凍結していたら、現在の日本の姿はなかったと思います。  今年は、現在の愛知県が誕生してから百五十周年を迎えます。この愛知が日本屈指の産業力を備えた大都市圏として発展したのも、まさに先人たちの知恵やたゆまぬ努力によって我が国に蓄積されたインフラが様々な効果を発揮し、今を生きる私たちの日常生活や社会経済活動の基盤となっているのであります。  とりわけ道路の整備は、ネットワークとしてつながることで、人流、物流の効率化や成長基盤の強化、防災、減災、国土強靱化など県民の安全・安心の確保につながるものでありますが、今後ますます増加するインフラの老朽化対策に取り組む予算を確保しつつ、新たな道路の整備を進めるためには、点検結果による厳格な査定を条件として、必要となる維持補修費用は義務的経費と捉え、新規投資予算とは別枠で財源の確保を検討するなど、選択と集中によりストック効果が最大限に発揮されるよう、投資効果や必要性の高い事業に重点化して取り組む必要があると考えます。  インフラの整備方針については、あいち社会資本整備方針二〇二五が二〇二〇年十二月に策定されております。その中では、二〇四〇年頃の社会を展望したあいちビジョン二〇三〇を踏まえながら、今年度から二〇二五年までを計画期間として、未来を拓き、暮らしに寄り添う社会資本づくりという理念の下、あいちを高める、あいちを守る、あいちが輝くの三つのテーマに沿った取組を進めることとしています。  このような中、私の地元、東三河地域においては、中心都市である豊橋市を中心に、山間部から渥美半島に至るまで、それぞれの地域への東三河一時間交通圏の確立に向けた道路の整備や、救急医療施設への搬送時間を短縮することで地域医療を支える命の道など、そこに住み続けるために必要な整備すべき道路が多くあります。  まさにポストコロナを見据え、私たちの子供や孫たちといった次の世代へとつなぎ、未来を切り開く道路の整備に取り組むことが、今を生きる私たちの責務ではないでしょうか。  そこでお尋ねします。  連携と協働で未来を創り、輝き続ける東三河を目指し、東三河地域の道路整備をどのように進めていかれるのか伺います。  以上、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 39: ◯農業水産局長中根俊樹君) 本県農業の産地の生産体制強化に向けた支援についてお答えいたします。  県では、二〇一六年から、農林水産事務所単位に、県、市町村、農業協同組合などを構成員とするプロジェクトチームを設置し、産地が抱える課題を解決するための産地戦略の策定を進めており、これまでに県内の主要な四十六の産地で策定いたしました。  県では、この産地戦略の実現に向けて、産地の関係者が一体となって行う様々な取組を支援しております。  具体的には、ハード面での支援として、国の産地生産基盤パワーアップ事業や、県独自の補助制度、あいち型産地パワーアップ事業を活用し、新規就農者も含め、産地の担い手が使用する農業用ハウスや農業機械、設備の導入や、選別や包装を自動化し作業を大幅に効率化できる集出荷施設などの共同利用施設の整備を支援しております。  また、ソフト面では、県独自のあいち農業高度化プランナーの派遣により、農産物のブランド化に向けたマーケティングなどの助言指導を行うとともに、新規就農者の受入れのための、産地が実施する就農希望者の募集や研修に係る経費の負担軽減と助言を行うなど、課題の解決に向けた取組を支援しております。  さらに、本年度は燃油価格が高騰しており、特に施設園芸農家の経営が圧迫され、産地の発展にも影響を及ぼしかねない状況となっております。こうした事態に対して、緊急的に燃油の購入費を支援しておりますが、今後もヒートポンプなど省エネ設備等の導入に対して補助を実施するなど、産地の支援を行ってまいります。  県といたしましては、今後も関係機関と連携して、ハードとソフトの両面から産地が行う取組をきめ細やかに支援し、本県農業の生産体制の強化に努めてまいります。 40: ◯経済産業局長矢野剛史君) 水素社会の実現に向けた本県の取組についてお答えをいたします。  燃料電池自動車などの水素を燃料とする車両の普及には、そのインフラである水素ステーションが不可欠であります。  県では、二〇一五年度から水素ステーションの整備や運営に対する本県独自の補助制度を創設しまして、水素ステーションの整備促進を図っております。現在、県内における水素ステーションの数は、整備中のものを含めまして、全国最多の三十七か所となっております。  また、二〇一五年三月に設置をいたしました愛知県水素エネルギー社会形成研究会では、水素需要の創出につながる水素エネルギー利活用モデルの検討を行っております。この取組の成果としまして、中部国際空港に水素ステーションを開設するとともに、燃料電池バスや燃料電池フォークリフトを導入いたしました。  このように水素需要の拡大に取り組む中で、民間企業におきましても、産業横断的な水素需要の創出に向けた取組が活発化してきております。当地域では、二〇二〇年三月に中部圏水素利用協議会が設立され、中部圏での海外水素の大量受入れや多くの産業セクターでの水素利活用など、大規模水素サプライチェーンの社会実装の実現に向けた検討が行われています。  今後は、本年二月に産官が一体となって設立しました中部圏大規模水素サプライチェーン社会実装推進会議を中心に、水素の受入れ、配送のための整備計画や水素の利活用促進策などについて検討し、水素社会の実現に向けた具体的な取組を推進することとしております。 41: ◯建設局長(道浦真君) 東三河の道路整備についてであります。  本県では、社会資本整備の取組方針を示したあいち社会資本整備方針二〇二五に基づき、日本の成長を牽引する愛知の国際競争力を強化し、地域の活力を創出する道路整備や、安全で安心な生活を支え、地域の魅力向上に資する道路整備を計画的に進めることとしております。  また、昨年十二月に策定した東三河振興ビジョン二〇三〇では、広域道路ネットワークの強化や東三河一時間交通圏の確立などを位置づけております。  まず、県境を越えた広域連携軸となる三遠南信自動車道については、昨年四月に公表された二〇二五年度の残る県内区間の開通に向けて整備を促進するとともに、そこから南伸し、三河港に接続する浜松湖西豊橋道路については、国と連携しながら早期実現に向けて取り組んでまいります。  また、豊橋市と名古屋圏を結び、三河港へのアクセス強化となる名豊道路についても、二〇二四年度の全線開通に向けて整備促進を図ってまいります。  こうした広域道路ネットワークの強化に加えて、地域の骨格を形成する幹線軸として、奥三河山間部から渥美半島までを結ぶ東三河縦貫軸や、豊橋市、豊川市の市街地外周部をつなぐ環状軸の整備などを進めております。  現在、東三河縦貫軸としては、国道二百五十七号の清崎工区、国道百五十一号の一宮バイパスや宮下立体、国道二百五十九号の植田バイパス四車線化などを進めております。また、環状軸となる東三河環状線においては、豊川を渡る橋梁を含む三工区で事業を展開しております。  今後も、東三河地域のポテンシャルを最大限に引き出す道路ネットワークの充実強化にしっかりと取り組んでまいります。 42: ◯知事大村秀章君) 野中泰志議員の質問のうち、水素社会の実現に向けた取組について、私からもお答えいたします。  水素は、使用時に二酸化炭素を排出しないなど、究極のクリーンエネルギーでありまして、発電や産業、運輸、家庭など幅広い分野での活用が期待されております。このように、水素は二〇五〇年カーボンニュートラル達成の切り札となり得るもので、一層の水素需要の拡大が不可欠であります。  そうした中で、本年一月に中部圏水素利用協議会及び地元の経済三団体から、中部圏における大規模水素サプライチェーンの社会実装実現に向けた提言書が私宛てに提出をされました。  このプロジェクトを強力に推進するため、岐阜県や三重県、名古屋市にも参画を促し、先月、この三県一市と経済団体等で包括連携協定を締結いたしました。そして、その目的を達成するため、具体的な活動を行う中部圏大規模水素サプライチェーン社会実装推進会議を立ち上げまして、その会長に私が就任をさせていただいております。  本県をはじめとする中部圏は、モノづくり企業の圧倒的な集積地であると同時に、エネルギーの一大消費地となっておりまして、水素需要が飛躍的に増加するポテンシャルを有していることから、大規模水素社会実装のロールモデルを全国に先駆けて実践していくための最適な地域であると考えます。  今後もカーボンニュートラルに資する水素社会の実現に向けて、産業界、経済団体などと一致団結して取り組んでまいります。 43: ◯副議長近藤裕人君) 進行いたします。  飛田常年議員。     〔六十三番飛田常年君登壇〕(拍手) 44: ◯六十三番(飛田常年君) 通告により順次質問をいたします。  最初に、大規模災害時における早期の道路啓開に向けた体制の確保についてお伺いをいたします。  先日、一月二十二日に日向灘を震源とするマグニチュード六・六の地震があり、大分県大分市や宮崎県延岡市などで震度五強を観測しました。  今回の地震は南海トラフの想定震源域で発生しましたが、震源地の深さや地震発生のメカニズムも違ったことから、南海トラフ地震との関係について調査を始める南海トラフ地震臨時情報の発出までには至りませんでした。もし今回の地震で巨大な後発地震につながる可能性があると判断され、南海トラフ地震臨時情報の巨大地震警戒が発出された場合、事前避難対象地域においては、一部地域の住民に一週間の事前避難が求められたところです。  この事前避難対象地域とは、地震発生から三十分以内に三十センチメートル以上の津波などによる浸水が想定される地域であり、県内では十一市町村が既に指定されております。私の地元、蒲郡市でも事前避難対象地域の早期の指定に向け作業中であると聞いており、防災対策のさらなる充実に取り組まれているところであります。  また、先日、二月十五日には、地元の蒲郡ふ頭十一号岸壁と大塚海浜緑地(ラグーナビーチ)において、南海トラフ地震を想定して、蒲郡市消防本部と蒲郡市民病院、陸上自衛隊第十師団、海上自衛隊が連携し、発災後、津波で三河湾に流された二人を救助するという想定で災害対応訓練が行われました。  この訓練では、自衛隊のヘリコプターが沖合で要救助者を引き揚げ、接岸した海上自衛隊の輸送艦しもきたにヘリコプターが同艦甲板に着艦し、医務室で応急処置、トリアージを受けた後、艦内で待機する救急車へけが人を引き継ぎ、市民病院へ搬送するという内容と、同艦に搭載している重量五十トンの積載能力があるホバークラフト型のエアクッション艇LCACにもう一人の被災者と災害派遣車両を積み込み、ラグーナビーチへ上陸し、災害拠点病院へ搬送する訓練であり、まさに海上から陸上へ、関係機関との連携が重要であるということを再認識する訓練でありました。  一方、政府の地震調査委員会による一月十三日の発表では、マグニチュード八から九クラスの南海トラフ地震が今後四十年以内に発生する確率が従来の八〇から九〇%から九〇%程度へ八年ぶりに引き上げられました。  平成二十六年五月に愛知県防災会議地震部会が発表した被害予測調査結果によれば、建物の全壊や焼失が約九万四千戸、死者数が約六千四百人などとなっており、発生確率が高まってきている南海トラフ地震に対し、万全の備えで被害を減らす必要があると考えています。  南海トラフ地震のような大規模災害時には、関係機関との連携の下、人命救助において生存率が大きく変化する七十二時間以内のうちに救援・救護活動を行うことが重要であり、蒲郡市で行われた災害対策訓練のような連携を行い、一刻も早く要救助者を災害拠点病院等へ搬送することが重要となります。  このような要救助者を災害拠点病院へ搬送するためには、陸上においても、瓦礫等で塞がれた道を切り開き、緊急車両の通行を確保する道路啓開を迅速かつ適切に行う必要があります。  東日本大震災では、この道路啓開の重要性が改めて認識され、中部圏でも、その翌年三月に、国や地方公共団体、学識経験者、地元経済界等で組織する南海トラフ地震対策中部圏戦略会議において、早期復旧支援ルートの確保手順として、中部版くしの歯作戦を策定し、災害に備えているところであります。  災害への対応として記憶に新しいところでは、昨年七月の静岡県熱海市で発生した土石流災害があります。この災害では、雨が降り続く中、自衛隊や消防などが対応に奔走するとともに、地元の建設業者が二次災害に警戒しながら瓦礫や土砂の撤去作業などに二十四時間体制で従事したとのことであります。  産経新聞オンラインの記事によれば、こうした懸命な復旧作業の振り返りとして、十二月一日に静岡県と陸海空の自衛隊、消防、警察などのトップによる県指揮官会議が開催されており、会議の中で、初動対応において、発生直後には各機関が共通の現地地図を持っておらず被災状況の把握に混乱があったこと、また、各機関がそれぞれドローンを飛ばして被災状況を確認しており、その調整に手間取ったなどが指摘され、情報共有に課題があったことが報告されています。  本県の災害対応として、建設部門において、東海豪雨での経験を契機に、県と地域の建設業者が防災安全協定を締結し、まずは建設業者が協定に基づいて現地確認を行い、速やかに県に情報を伝達する体制を取っていると伺っており、地域に密着した建設業者との連携は大変重要であると考えます。  しかしながら、建設事務所での激甚災害に備えた図上訓練の様子を伺うと、被害情報を建設業者から電話やファクスで収集し、その情報を職員が大判の地図に手書きで記入し復旧支援ルートを定めていくという内容でした。  南海トラフ地震などの大規模自然災害が発生した場合は、土砂崩落などで道路が不通となった場合など、地理や地域特性を熟知している地元建設業者といえども、目視や現場巡視が難しく、状況把握が困難な場合も想定されます。  また、巡視結果の伝達においても、情報が正確に伝わらなかったり、その情報を本県職員が紙ベースで集約しシステムに入力する対応となっており、時間がかかるとともに、情報の抜け落ちや入力ミスなどの懸念もあります。このようなアナログな対応では、人命救助などの災害対応の要の一つである道路啓開が迅速かつ適切に実施できるか心配しております。  南海トラフ地震などの大規模自然災害が発生した場合でも、確実な情報の収集や、正確な伝達や共有、また、その情報を分析、応急措置を行い、早期に道路啓開を実施する体制の確保が必要であると考えます。  そこでお伺いをいたします。  大規模災害時における早期の道路啓開に向けた体制の確保について、どのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。  次に、東三河地域における災害拠点病院の整備について伺います。  本県において大規模な災害が発生し、県民、市民が負傷して治療が必要となった際には、被災した多くの傷病者を受け入れるとともに、適切な医療の提供を行うことができる体制を災害時においても構築する必要があります。そのためには、いつ起こるか分からない大規模災害に備え、今後起こり得る災害の被害状況などを想定した上で、発災時においても対応可能な医療提供体制の整備を常日頃から進めていく必要があると考えております。  災害時における医療の確保につきましては、医療法に基づき、地域の実情に応じて都道府県知事が策定する医療計画に記載する事項の一つとされており、愛知県ではこれまでに愛知県地域保健医療計画を策定し、災害時における医療提供体制の確保、整備を進めておられると認識しております。  この愛知県地域保健医療計画の第四章に災害医療対策に関する記載がありますが、この中の現状と書かれている内容を見ますと、平常時における対策の中の一つに、災害時に多発する重症患者の救命医療を行うための高度な診療機能、被災地からの重症患者の受入れ機能、DMAT、DMATとは、災害急性期、おおむね四十八時間以内に活動できる機動性を持った専門的な訓練を受けた災害派遣医療チームのことですが、このDMATの派遣機能等を有し、災害時の医療救護活動の拠点となる災害拠点病院を広域二次救急医療圏ごとに複数設置していますとあり、平常時においては、災害拠点病院を指定、整備することで、災害時における医療提供体制を確保することとされています。  災害拠点病院は、一九九五年一月十七日に発生した阪神・淡路大震災の教訓を生かし一九九六年に制度化されたもので、被災地の医療の確保や被災した地域への医療支援を行うため、重篤救急患者の救命医療を行う高度の診療機能、地域の医療を支援する機能、広域搬送機能、自己完結型の医療チームを派遣する機能などを有する病院であります。  愛知県では、一九九六年十月に災害拠点病院指定方針を定め、この方針に基づき、広域二次救急医療圏ごとに災害拠点病院の複数設置を進められていますが、どんな病院でも災害拠点病院になることができるわけではありません。  災害拠点病院は、県の指定方針では、脳卒中や心筋梗塞、頭部損傷やその他特殊診療部門における重篤救急患者の救命医療を担当する救急救命センター、または入院や緊急手術が必要な救急患者の医療を担う第二次救急医療機関の中から愛知県知事が指定することになっています。  愛知県におけるこれまでの災害拠点病院の指定状況を見ますと、一九九六年十一月二十六日に県内で十三病院を指定したことから始まり、現在では三十五病院が指定されています。  私の地元、蒲郡市が属する東三河南部医療圏における指定状況を見ますと、現時点においては、豊橋市内にある二つの病院と豊川市内にある一つの病院の計三つの病院が災害拠点病院に指定されております。  先ほど申し上げましたように、愛知県では、災害拠点病院を広域二次救急医療圏ごとに複数設置するという方針で、これまで地域ごとに災害拠点病院の整備を進めております。この災害拠点病院の複数設置の基準につきましては、県の指定方針によりますと、人口二十万人に一か所となっております。つまり、広域二次救急医療圏ごとの人口を基にして指定されるということになりますので、この基準を東三河南部医療圏イコール東三河平坦広域二次救急医療圏に当てはめますと、整備目標は三病院となり、東三河南部医療圏では既に災害拠点病院の整備目標を達成している状況であります。  しかし、近い将来に発生することが予想される南海トラフ地震に備えるため、津波による大きな被害が想定される東三河地域においては、地域の実情に応じた体制整備が今後ますます重要になってくると思われ、さらなる災害医療の体制整備の強化が必要ではないかと考えております。  前の道路啓開の質問でもお話しさせていただきましたが、蒲郡市では、先月二月十五日に、自衛隊、消防、蒲郡市民病院による共同防災訓練が蒲郡ふ頭十一号岸壁とラグーナビーチにおいて実施されました。この訓練では、救助者を輸送艇の中で待機していた救急車で第二次救急医療施設である蒲郡市民病院に搬送する手順の確認が行われました。  このように、地元、蒲郡市においては、日頃から蒲郡市内において医療の中心的な役割を果たしている蒲郡市民病院も参加し、災害に備えた取組を進めているところであります。  また、災害時の医療体制を確保、整備するに当たっては、大規模地震による被害だけではなく、近年になって各地で発生している災害の大規模化や広域化を踏まえ、隣接する西三河地域からの被災者の受入れや、東三河地域に隣接する地域が被災した場合にその被災地へ医療支援を行うなど、広域連携を見据えた体制整備も今まで以上に進めていく必要があるのではないでしょうか。  このように、近年の災害発生状況や東三河地域における地域特性といったものに応じた多様な視点が今後の災害医療体制を考える際には重要になってくると私は考えます。  さらに、今般の新型コロナウイルス感染症への対応では、各地域の中心的な医療機関の懸命な御努力により、多くの新型コロナウイルス感染症患者や疑い患者の対応に当たっていただいているところであり、一県民として大変感謝しているところであります。  現在、新型コロナウイルス感染症患者の入院受入れや、新型コロナウイルスの疑い患者の受入れを担われている病院は、大規模災害時においても各地域において中心的な役割を果たしてくれるものと思われ、災害拠点病院の担う役割は今後ますます重要になってくると考えます。  今後起こり得る大規模地震や近年の自然災害の発生状況、また、東三河地域の地域特性等を踏まえると、さらなる災害拠点病院の指定が必要ではないかと私は考えます。  そこで質問します。  今後、大規模災害に備えて、東三河地域の災害医療体制を強化するため、県として新たな災害拠点病院の指定を行う考えはあるかお伺いをいたします。  最後に、地域資源を活用した武将観光推進の取組についてお伺いをいたします。  県内には、徳川家康の生誕の地である岡崎城や、象徴となる名古屋城、ルーツとなる松平郷など、織田信長や豊臣秀吉などの武将を含めて、現在、武将観光を展開していただいていると思います。  戦国の世を勝ち抜き、天下人となった徳川家康の生誕の地である本県には、名古屋城や岡崎城、長篠・設楽原や小牧・長久手の古戦場など、徳川家康ゆかりの場所や建物、歴史、文化などが集積しており、有名な観光スポットも数多くあります。  一方で、家康を生んだ松平氏の発祥の地である三河の国には、まだあまり知られていない興味深い逸話や史跡などが各地に残っております。  武将観光の中心はお城であり、お城を中心とした観光推進も大事ですが、ほかにも歴史や文化などの魅力ある拠点も県内にはたくさん存在し、特に三河地方には、家康の幼少期から成長していく歴史の中で拠点となる場所や、家康を支えた大名のふるさとが点在しています。私の地元である蒲郡市も家康と松平氏にゆかりのある地域であります。丸に一の字をあしらった蒲郡市の市章は、竹谷松平家の家紋、丸に一つ引きから取られたものであります。  ここで、蒲郡市にある上ノ郷城について、地元の上ノ郷保存研究会の方にお話を聞いてまいりましたので御紹介をいたします。  上ノ郷城は、三重県最南端の町、現紀宝町鵜殿に起源を持つ鵜殿氏一族が、十二世紀頃、当地域へ移住を開始し、蒲郡の開発に取り組んできたのが由来であります。  上ノ郷城の築城は十五世紀後半頃と言われており、鵜殿家本家の城で、十五メートルほどの崖の上の大地に建立された平山城の形態の城であったようであります。  十六世紀中頃、東の駿河、現在の静岡県の地を拠点として京への上洛をもくろむ今川義元と、西の尾張──愛知県西部でありますが──の地に勢力を持つ織田信長の間で緊張状態が続いていました。そのはざまに位置する上ノ郷城の鵜殿氏は今川氏の最西端に陣を張る城として重要な役割を果たしていました。  一五五七年、四代目の長照が家督を継ぎ、長照の母は駿河の今川義元の妹であり、今川家とは非常に濃い親戚関係にあり、長照は義元に忠誠を尽くし、多くの戦果を上げていました。桶狭間の戦いの前哨戦である大高城の兵糧攻めでは、城代として鵜殿長照が苦戦する中、松平元康、後の家康によって兵糧が届けられ勝利を収めています。まさに二人は今川義元配下の盟友でありました。  しかし、一五六〇年、桶狭間の合戦で今川義元が織田信長に討ち取られた後、一五六二年、それまで今川氏に従属していた松平元康は岡崎城を拠点として自立を図り、今川方の武将で蒲郡の上ノ郷城を守っていた鵜殿長照を攻めました。この頃、元康は今川氏に対して、正室の瀬名姫と嫡男の信康、長女の亀姫を差し出していました。元康は、上ノ郷城の戦いで、長照の子供の氏長、氏次を生け捕りにし、彼らの身柄と引き換えに妻子を返してくれるよう今川氏に要求をしました。長照の子、氏長、氏次の祖母は今川義元の妹であり、義元亡き後、家督を継いだ氏真とは大変親しい親族であり、氏真は鵜殿兄弟を見捨てることができず、交渉が成立し、双方の人質が交換されることになりました。
     この城攻めで松平方は大きな損害を出しましたが、夜陰に乗じて元康配下の忍者が城内に忍び込んで火をつけ、その混乱に乗じて落城させたと言われております。また、この戦いで初めて忍者が活躍したとも言われております。この城攻めは若き家康にとって、まさに運命を左右する重大な局面であったと思います。  戦国時代の蒲郡には、徳川家の分家である竹谷松平家、形原松平家、五井松平家が本拠地を置き、三家とも家康が天下を統一していく中で、宗家を支え、共に歩んできた一族であります。  家康の妹、おきんの方は、竹谷松平家の家清に嫁ぎましたが、豊臣秀吉の命で家康が関東に国替えとなり、竹谷松平家も家康に従って移転する途中、身重であったおきんの方は小田原で子供を出産した際に命を落としたと言われています。おきんの方の菩提を弔うために夫の家清が建立したのが蒲郡の天桂院であります。境内の墓所には、おきんの方のお墓とともに代々の竹谷松平家の当主のお墓が並び、静かにたたずんでおります。  竹谷松平家は、豊橋の吉田藩主となっていた七代、忠清に嫡子がなく、一旦は絶家となったものの、弟の清昌が蒲郡に五千石の領地を与えられ、蒲形陣屋を構えました。清昌の系統は幕末まで続き、蒲郡市博物館には蒲形陣屋の大手門であったと伝えられる高麗門が復元、移築されております。なお、形原松平家は、丹波亀山藩──現在の京都府亀岡市──として、五井松平家も旗本として明治維新まで続いております。  このように、地域に伝わる松平家の物語は、知れば知るほど奥深く、魅力の尽きないドラマであり、磨き上げれば観光の素材として輝きを増す原石であると考えます。今回の大河ドラマ、どうする家康でも、この上ノ郷城が大きな見どころとなるのではと期待をしております。  今回制作されることを絶好の機会と捉え、このような情報を収集して、全国の歴史好きな方々に情報発信すれば、既に岡崎城や名古屋城などの武将観光を体験した者にとっては、さらに上級者用の観光推進を図ることができ、リピーターを確保できるのではないかと思います。また、大河ドラマを入り口として武将観光を体験した者に対し、その後に何度も県に訪れていただく機会を創出するものとなり得ると思います。  県としては、大河ドラマを活用し観光振興を行う際に、このようなコンテンツを集め、三河地方を中心に県内各地を周遊するような観光施策を考えるべきだと思います。  そこでお尋ねをいたします。  大河ドラマ、どうする家康の放送を機に、県内各地の武将ゆかりの地域資源をどのように活用し武将観光を推進していくのか、県の取組をお伺いいたします。  以上、理事者の明快な答弁を求めて、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 45: ◯建設局長(道浦真君) 大規模災害時における早期の道路啓開に向けた体制の確保についてであります。  現在、各建設事務所においては、震度四以上の地震や災害が発生した場合などに、防災安全協定を締結している地域の建設業者による巡視点検を行い、二次災害の防止や災害復旧活動に備える体制を取っております。  早期の道路啓開のためには、情報収集におけるドローンなどのICT機器の活用による機動力の強化、関係者間のシステムの連携による確実な情報伝達、また、短時間で多くの情報を整理、分析できる処理能力の向上など、DXの活用が大変効果的であります。  そのため、来年度に、災害対応力の向上に向け、DX導入の検討調査に着手いたします。  具体的には、国や市町村、建設業団体等におけるドローン等のICT機器やシステムの運用状況を調査し、県管理の道路や河川の被災状況の映像など、システムを通して情報を効率的に入手する方法を検討いたします。  また、得られた情報を地域の建設業者などの関係者とリアルタイムに共有し、応急復旧等の指示や確認がウェブ上で可能となるシステムに係る基本設計を行います。  今後ともDXを活用したシステムの早期構築にしっかりと取り組み、道路や河川などインフラの機能を速やかに回復できるよう、災害に備える体制を強化してまいります。 46: ◯保健医療局長(吉田宏君) 東三河地域における災害拠点病院の整備についてでございます。  南海トラフ地震をはじめとした大規模災害に備え、平常時から災害医療対策を推進し、災害時に十分な医療を実施できる体制を整備しておくことは大変重要なことであると考えております。  県では、災害時においても医療を継続して提供するための拠点となる災害拠点病院を指定し、中心的な役割を担っていただくことで各地域における災害時の医療提供体制を確保することとしております。  現在、東三河地域におきましては、東三河南部医療圏と北部医療圏を合わせて、四病院を災害拠点病院に指定しております。大規模災害に適切に対応するためには、医療機関をはじめ、地区医師会等の関係団体、市町村、消防などの関係者による円滑な連携が何より重要となりますので、関係者による協議の中で、今後さらなる災害拠点病院の整備が必要であるとの合意形成が得られましたら、県においても災害拠点病院の指定に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。  今後も災害時における医療提供体制を確保できるよう、東三河地域の医療機関や関係者の皆様との連携を深めながら、体制整備にしっかりと努めてまいります。 47: ◯観光コンベンション局長武田光弘君) 大河ドラマ、どうする家康の放送を機に、県内各地の武将ゆかりの地域資源を活用し、武将観光を推進していくための取組についてお答えいたします。  本県は、歴史、自然、文化など、魅力ある多様な地域資源を有しております。とりわけ、歴史においては、武将ゆかりの城郭、城址や古戦場、神社、仏閣などが数多く存在していることから、どうする家康の放送を機に、そうした資源を有効に活用し、観光誘客の拡大を図ってまいりたいと考えております。  先月には、愛知県大河ドラマどうする家康観光推進協議会を設置したところであり、この協議会を中心に関係者が連携して取組を推進していくこととしております。  主な取組の内容としては、どうする家康の放送に合わせ、JR名古屋駅に武将観光のインフォメーションセンターを設置し、武将ゆかりの史跡や観光スポットをはじめ、武将関連の体験プログラムやイベントなどの情報を集約し、効果的に発信してまいります。  さらに、徳川家康ゆかりの地をテーマとするシンポジウムを開催し、武将のふるさと愛知への関心を高め、その魅力をしっかり伝えていくことで県内各地への周遊観光を促進していきたいと考えております。  また、市町村や観光関係団体等と連携し、武将に関する地域資源を観光コンテンツとして磨き上げ、旅行業者との商談会を開催するなど、旅行商品化の促進に取り組んでまいります。  どうする家康の放送を機に、武将ゆかりの地域資源を十分に活用して、観光コンテンツの充実を図り、PR、プロモーションを展開していくことで武将観光のさらなる推進につなげてまいります。 48: ◯知事大村秀章君) 飛田常年議員の質問のうち、大規模災害時における早期の道路啓開に向けた体制の確保に関連いたしまして、私からもお答えをいたします。  その前に、先ほど、地元の地域の歴史のお話を大変興味深く拝聴させていただきました。映画のゾッキもいいと思いますけれども、上級者用の観光推進という観点も大変大事だなと、改めてそう思わせていただきました。ありがとうございます。  そして、今日最後の答弁になりますので、コロナの感染症の今日の数値が確定いたしましたのでお知らせをいたします。  先ほど、県と名古屋市はほぼ変わらず、二つ合わせて四千二百ですが、中核四市が、先ほど私、午後一番の答弁で七、八百と言いましたが、ちょっと多くて千ありましたので、今日は五千二百を超えております。大変厳しい状況です。  内訳を申し上げます。県所管分が二千六百三十二人、名古屋市が千五百七十八人、豊橋市が百九十九人、岡崎市が二百七人、一宮市は三百八十九人、そして豊田市二百二十人で五千二百二十五人でございます。一週間前が六千四十一なので減ってはおりますけれども、火曜日、四週連続六千を超えていたのが五千二百、減ったとはいいながら、やはり四千、五千というのが続きますと本当に厳しい状況でありますので。ということでありますので、今日午前中にまん延防止等重点措置の延長継続を要請させていただきました。  まだまだしばらく厳しい状況が続きますけれども、感染防止対策の徹底とワクチンの接種の加速を何とぞよろしくお願いいたします。  さて、道路啓開についてでございます。  飛田議員が言われましたように、二月十五日の蒲郡市と自衛隊の共同防災訓練では、私も現地で輸送艦や上陸艇に乗艦し、被災者を収容し、搬送するまでの一連の状況を視察させていただきました。大変有意義な視察だったと思っております。  そして、救援・救護活動におきまして、自衛隊や市町村との緊密な連携が欠かせないと実感をいたしました。  南海トラフ巨大地震などの大規模災害時には、何よりも県民の命を守るため、関係機関が緊密に連携し、迅速な救援、救護のための初動活動に全力を尽くすことが重要であります。  そのため、本県では、道路啓開の体制整備はもとより、全国から自衛隊や消防、警察などを受け入れ、被災地域に配備し、災害応急活動を展開するための基幹的広域防災拠点を整備してまいります。その上で、大規模災害に遭っても被害を最小限に抑え、産業首都あいちの社会経済を速やかに回復させなければなりません。  そのため、産業を支えるインフラの事前防災対策である河川・海岸堤防や橋梁の耐震化、道路のダブルネットワーク化など、県土の強靱化も強力に推し進めてまいります。  備えあれば憂いなしであります。引き続き、迅速かつ的確な災害対応ができるようにしっかりと取り組んでまいります。 49: ◯六十三番(飛田常年君) 知事含め、前向きな答弁ありがとうございました。要望させていただきます。  先ほど知事も言われましたように、蒲郡の訓練では、LCACに搭乗して体感していただきまして、本当にありがとうございました。空輸からは、名古屋空港の隣の愛知県基幹的広域防災拠点が整備される予定であります。港湾からは、蒲郡港の耐震十一号岸壁が整備されておりますので、支援物資の供給のみならず、負傷者の救援についても港から市民病院への連携が取れております。  現在、私の地元の蒲郡市民病院では新病棟の建設を予定しておりまして、以前三十七名まで減ってしまったドクターが、地元の代議士や病院長の努力のおかげで今六十九名まで増えておりまして、大変手狭になっていることに加え、新病棟は大規模災害にも備え、災害拠点病院の指定要件を満たされるように蒲郡市民病院も努力しておりますので、申請が出てまいりましたら、ぜひとも指定をしていただけるとありがたいと思っております。  次に、地域資源を活用した武将観光推進の取組についてですが、蒲郡もいろいろありますので、皆さんも調べていただければと思います。  愛知県大河ドラマどうする家康観光推進協議会が立ち上がるようでありますが、協議会を通じて、全県から協力をいただいて、その際に様々な情報を各地域から集積し、観光振興につなげていただくことを要望して質問を終わります。ありがとうございました。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 50: ◯四十一番(南部文宏君) 本日はこれをもって散会し、明三月三日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 51: ◯副議長近藤裕人君) 南部文宏議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 52: ◯副議長近藤裕人君) 御異議なしと認めます。  明三月三日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後四時五十二分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...