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  1. 愛知県議会 2019-09-01
    令和元年9月定例会(第3号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 令和元年9月定例会(第3号) 本文 2019-09-27 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 58 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長(神野博史君) 選択 2 :  ◯議長(神野博史君) 選択 3 :  ◯四十九番(藤原宏樹君) 選択 4 :  ◯スポーツ局長(飯田靖君) 選択 5 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 6 :  ◯建設局長(林全宏君) 選択 7 :  ◯知事(大村秀章君) 選択 8 :  ◯四十九番(藤原宏樹君) 選択 9 :  ◯議長(神野博史君) 選択 10 :  ◯二十三番(福田喜夫君) 選択 11 :  ◯防災安全局長(山田哲夫君) 選択 12 :  ◯建設局長(林全宏君) 選択 13 :  ◯警察本部長(後藤和宏君) 選択 14 :  ◯知事(大村秀章君) 選択 15 :  ◯二十三番(福田喜夫君) 選択 16 :  ◯四十番(寺西むつみ君) 選択 17 :  ◯議長(神野博史君) 選択 18 :  ◯議長(神野博史君) 選択 19 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 20 :  ◯三十番(丹羽洋章君) 選択 21 :  ◯保健医療局長(吉田宏君) 選択 22 :  ◯福祉局長(平田雅也君) 選択 23 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 24 :  ◯建設局長(林全宏君) 選択 25 :  ◯知事(大村秀章君) 選択 26 :  ◯保健医療局長(吉田宏君) 選択 27 :  ◯三十番(丹羽洋章君) 選択 28 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 29 :  ◯十一番(加藤貴志君) 選択 30 :  ◯保健医療局長(吉田宏君) 選択 31 :  ◯福祉局長(平田雅也君) 選択 32 :  ◯十一番(加藤貴志君) 選択 33 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 34 :  ◯九十二番(高木ひろし君) 選択 35 :  ◯県民文化局長(齋木博行君) 選択 36 :  ◯政策企画局長(野村知宏君) 選択 37 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 38 :  ◯九十二番(高木ひろし君) 選択 39 :  ◯教育長(長谷川洋君) 選択 40 :  ◯四十一番(田中泰彦君) 選択 41 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 42 :  ◯副議長(堀嵜純一君) 選択 43 :  ◯議長(神野博史君) 選択 44 :  ◯二十六番(今井隆喜君) 選択 45 :  ◯スポーツ局長(飯田靖君) 選択 46 :  ◯建設局長(林全宏君) 選択 47 :  ◯福祉局長(平田雅也君) 選択 48 :  ◯知事(大村秀章君) 選択 49 :  ◯二十六番(今井隆喜君) 選択 50 :  ◯議長(神野博史君) 選択 51 :  ◯二十番(安井伸治君) 選択 52 :  ◯建設局長(林全宏君) 選択 53 :  ◯建築局長(砂原和幸君) 選択 54 :  ◯福祉局長(平田雅也君) 選択 55 :  ◯二十番(安井伸治君) 選択 56 :  ◯四十番(寺西むつみ君) 選択 57 :  ◯議長(神野博史君) 選択 58 :  ◯議長(神野博史君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時開議 ◯議長(神野博史君) ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 一般質問並びに第百八号議案令和元年度愛知       県一般会計補正予算から第百三十四号議案教育       委員会の委員の選任についてまで及び決算第一       号平成三十年度愛知県一般会計歳入歳出決算か       ら決算第十七号平成三十年度愛知県用地造成事       業会計決算まで 2: ◯議長(神野博史君) 第百八号議案令和元年度愛知県一般会計補正予算から第百三十四号議案教育委員会の委員の選任についてまで及び決算第一号平成三十年度愛知県一般会計歳入歳出決算から決算第十七号平成三十年度愛知県用地造成事業会計決算までを一括議題といたします。  これより一般質問並びに提出議案及び決算に対する質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  藤原宏樹議員。     〔四十九番藤原宏樹君登壇〕(拍手) 3: ◯四十九番(藤原宏樹君) おはようございます。  それでは、通告に従い一般質問をさせていただきます。  一点目として、本県のスポーツの推進について、二点目として、ICT、プログラミングの普及について、三点目として、豊川市内の幹線道路の整備についての三点を質問させていただきます。  まずは、一点目の本県のスポーツの推進についてであります。  いよいよ来年には、我が国における大きなイベントとして東京オリンピック・パラリンピック二〇二〇が開催をされます。つい先日も、マラソンのオリンピックに向けた代表選手の選考会が行われ、国中のオリパラに向けた機運も盛り上がっているところであります。
     今回のこの質問で深掘りしていきたいことは、大きなスポーツ大会は、町のあり方や人々の生活や文化に至るまで大きく影響を与え、まちづくりには欠かすことのできない施策であるということであります。  今回の東京二〇二〇オリンピックは、我が国で開催される二回目の大会でありますが、前回、一九六四年東京オリンピックは、まちづくりにどのような影響を与えたのかを見てみると、経済大国として第一歩を踏み出すきっかけとして大きな役割を果たし、首都高速道路や東海道新幹線の建設など都市基盤の整備がなされるとともに、カラーテレビの普及拡大や所得倍増計画、さらにはスポーツ振興の諸制度が確立され、先進国の仲間入りを果たした大会でありました。  本県では、スポーツ大会を通じたまちづくりにおいて、東京オリパラに次ぐ国際スポーツ大会、アジア競技大会を見据え、さまざまな事業施策が積極的に展開をされている最中であります。  七年後の事業ではありますが、本県が世界やアジア全域に対して、物づくりの県として、IoTや自動運転などの技術力であったり、リニア中央新幹線開通を目前に控えた新名古屋駅周辺の新たな都市の形や、本県文化や歴史など、世界と闘うことのできる未来都市愛知をつくり出す一大イベントであると認識をしております。  そのような中、スポーツ施策が国としてどのように大きく動いているのか注目をすると、スポーツを通じて全ての人々が幸福で豊かな生活を営むことができる社会の創設を目指し、スポーツ基本法が平成二十三年に制定され、スポーツに関連する施策を総合的に推進するため、平成二十七年、スポーツ庁が創設されました。  施策の中心として、国際競技力の向上、スポーツを通じた健康増進や地域経済の活性化等を掲げております。アスリートの発掘、育成を進め、人づくりに積極的に取り組みながら、超高齢化や人口減少社会に対応するため、スポーツを通じて健康寿命を平均寿命に限りなく近づけることができる社会を進めるとともに、スポーツコミッション等の活動を一層進展させ、スポーツを地域資源として活用した地域活性を目指しております。人口減少に対し交流人口をふやすとともに、高齢化社会を視野に入れ、スポーツの推進に取り組んでいることが理解できます。  次に、本県のスポーツ行政の現状については、ことし四月に振興部や教育委員会などの複数の部にまたがっているスポーツ関係業務を知事部局へ一元化し、スポーツ局を設置いたしました。アジア競技大会の成功に向けて県庁一丸となって取り組むとともに、選手育成やスポーツ大会の招致など、スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に進め、全ての人が輝くスポーツ王国愛知の実現を目指しております。  具体的には、交流人口の増加や地域活性を目的としたあいちスポーツコミッションの運営や、未来都市を誕生させるきっかけとなる二〇二六年アジア競技大会の成功に向けて、施策を展開しております。  さらに、スポーツ王国愛知の実現に欠かすことのできない人づくりに対しては、国際競技大会で活躍できる地元選手の発掘、育成を図るあいちトップアスリートアカデミーなど積極的に進めつつ、全ての県民に対しても、スポーツを通じて自分を磨き、健康を保ち、郷土愛を見つける人づくりに取り組んでおります。  人づくりあってのまちづくりであり、特に将来の我が町のあり方を考えるときには、本県を担っていただける若い世代に対する人づくりをどのように取り組んでいかなくてはならないのかが鍵となってまいります。  しかしながら、ここで、スポーツ王国愛知を掲げる本県として、これからの愛知を担っていくであろう小中学生の体力、運動能力の低さを指摘させていただきます。  スポーツ庁が行っている全国の小学生や中学生の体力、運動能力の現状を明らかにすることが目的で、全国の小学五年生、中学二年生全員を対象に行われている全国体力・運動能力、運動習慣等の調査結果を都道府県別で見てみると、昨年、愛知県の結果は、小学男子が四十七都道府県中で四十七位で最下位であり、小学女子は四十六位、中学男子も四十六位、中学女子が四十一位であり、小学男子においては、平成二十六年から五年間連続で最下位という結果であり、本県小中学生の体力、運動能力が長年低い順位に位置しているということであります。  今年度、スポーツ局も創設され、スポーツ王国愛知を目指す本県として、ぜひこの機会にこの結果をしっかり捉え、改善していく必要が強くあると考えます。  また、今年度から二〇二六年に開催するアジア競技大会を契機に、国際大会で将来活躍できる地元選手の発掘、育成を目的としたあいちトップアスリートアカデミー事業がスタートをしております。  アジア競技大会で地元選手が日本代表選手になり、活躍することで、国民が日本代表選手を応援する以上に、選手の地元の方々はそれ以上に熱が入り、自分の家族が出場しているかのように大いに応援するのがスポーツのすばらしい点だと考えます。まさしくスポーツを通じてトップアスリートが生まれた地元に誇りを持つことで、地元を愛し、その歴史、文化に触れ、ふるさとの未来を考える、これがスポーツを通じて人が育ち、町が育つことだと考えます。  そこで、今回、私が提案させていただきたいのが、アジア競技大会に向け、一市町村一競技一日本代表であります。  かつて、環境をテーマに、我が県で成功させた愛知万博がありましたが、この成功の一翼を担ったのが一市町村一国フレンドシップ事業であり、我が愛知には、このフレンドシップで培ったレガシーが残っており、開催地元がおもてなしの心で温かく迎え、地域ぐるみで万博を盛り上げ、二十一世紀最初の国際博覧会というイベントにふさわしい、新しい地域の特性を生かした草の根の交流の形を創設いたしました。  アジア競技大会は、本県において一大プロジェクトであり、県民が心を一つにし、成功に向かっていかなくてはなりません。どこの都道府県にもなくて本県にしかない強みである万博成功の歴史、地域ぐるみで万博を盛り上げたこのレガシーである一市町村一国フレンドシップ事業の精神をアジア競技大会に注ぐことが私は必要であると考えます。  アジア競技大会に向け、県内各市町村から最低一競技の日本代表を誕生させることにより、県内全ての市町村で大会を応援する熱が高まり、意識も高まり、難しいとされる国際大会の成功に向けての大きな一歩につながると考えます。  冒頭に述べたように、前回の東京オリンピックは、新たな町の姿を生み、人をつくり、歴史をつくりました。  二〇二六年アジア競技大会は、町をチームにし、本県に新たな町の姿を生み出し、人をつくり、リニア時代の新たな交流を生み出す大会となると信じております。ぜひとも積極的な取り組みを期待しております。  ここまで、アジア競技大会に向け、一市町村一競技一日本代表の選手育成の考え方を提案させていただきました。  そこでお伺いいたします。  アジア競技大会に向けて、本県の選手育成について、現在どのような考え方のもとに進捗をしているのか、現状と今後の考え方についてお伺いいたします。あわせて、質問の中でも触れた本県の小中学生の体力、運動能力が長年にわたり低い順位となっている原因と、アジア競技大会を控え、スポーツ王国愛知を目指す本県として、子供たちの体力・運動能力向上に具体的な長期計画を立て、積極的に取り組んでいく必要があると考えますが、本県のお考えをお伺いいたします。  次に、質問の二点目として、ICT、プログラミングの普及について質問いたします。  我々は、日々生活をしていく中で、肌身離さず持ち歩いているものの一つとして、スマートフォンがあります。このスマートフォンを外出するときに忘れると、不便で不安な一日を過ごす、こんな経験をした人が多いと思います。  携帯電話の普及後、あっという間にスマートフォンへと移行し、多くの機能が使えるようになり、生活が便利になる一方、スマートフォンへの依存度が日に日に高まってきております。  それでは、どれぐらいの人がこのスマートフォンを使っているのか、ここで世界のスマートフォンの普及率を見てみると、総務省のデータでは、二〇一七年の世界人口は約七十六億人であり、スマートフォンの利用台数は約四十億人とされており、半分以上の人がスマートフォンを使っているということになります。  一方、国内のスマートフォンの普及率は約七五%であり、パソコンの保有率を抜いている状況であります。  スマートフォンは、一九九六年に、フィンランドのノキア社が発売した携帯電話をスマートフォンと呼んだのが起源とされておりますが、日本では、二〇〇七年にiPhoneが発売された際、スマートフォンをスマホと略して浸透し始め、ここ十年で爆発的な普及をしてまいりました。スマホの普及と同時に、社会や生活のあり方は大きく変化してきました。  その影響で、若い世代はテレビ離れが進み、スマホでの動画を楽しみ、自分に合った情報を視聴する、新聞や雑誌も電子書籍へと変わり、電車の中では、ほとんどの人がスマホを眺めている風景は、今ではよく見る光景となりました。  かつて、ビジネスマンのかばんの中身は、財布、手帳、携帯電話、書籍などが入っておりましたが、今では、スマートフォン一つで用を足すことができ、電話はもちろんですが、支払いからスケジュール管理、読書、情報収集、健康管理に至るまで、多くのことがスマホで対応できる時代へと変わりました。  スマートフォン一つ捉えても、ここ十年で、我々の生活はこれだけ大きく変化をいたしました。今までの十年以上に変化をするのがこれからの時代であります。  これからの時代は、進化した人工知能(AI)がさまざまな判断を行ったり、身近なものの動きがインターネット経由で最適化される時代、第四次産業革命が到来し、社会や生活を大きく変え、今までの情報社会に続く人類史上五番目の新しい社会、ソサエティー五・〇の到来が予測されております。  新たな社会は、少子・高齢化、地方の過疎化などの課題をイノベーションにより克服を目指したり、ロボットや自動運転などの支援により人の可能性を広げたり、AIにより面倒な作業から解放するなど、高い技術力で、経済発展と社会的課題の解決ができる社会を目指しております。  このように、高い技術力で課題の解決ができる社会を目指す一方で、不安視されているのが、今後十年から二十年以内に日本の労働者の半数近くの仕事がロボットや人工知能の発達により自動化される可能性が高くなることや、二〇一一年に小学校に入学した子供たちの六五%は、将来、今は存在しない職業につくなどの予測がされていることであります。  このような社会、生活が激変していく時代を生きていく子供たちにとって必要なのは、単に知識、技能を覚える今までの教育ではなく、習得した知識、技能をどのように活用するかが重要であり、現在、文部科学省が進めている学習指導要領の改訂は、これらの力が重視されております。  この新学習指導要領の情報教育、ICT活用教育のポイントは、情報を活用できる能力を言語能力と同様に位置づけたことや、学校のICT環境整備と、ICTを活用した学習活動の充実を明記したことであります。  そうした背景のもと、小学校プログラミング教育の必須化を含め、小中高等学校を通じてプログラミング教育を充実することが挙げられており、来年度四月から、小学校でのプログラミング教育の必須化を含んだ新学習指導要領の全面実施がいよいよスタートをいたします。  小学校プログラミング教育については、時間割りの中で教科としてこまがあるわけでなく、教科等の中で進めていこうということで、授業の進め方など教員は不安を感じ、また、進んで取り組んでいる学校との差が気になると聞いております。残り約六カ月で、県下の小学校の各学校において新たに導入されるプログラミング教育をスタートさせるときに、現場が混乱することがないように、各教員が困ることがないような準備が必要かと考えます。  そこで、来年四月に全面実施されるプログラミング教育に対し、本県としてどのように取り組んでいるのか、また、今後どのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。  あわせて、プログラミング教育を推進していく中で欠かすことのできない学校でのICTの整備状況に目を移すと、二〇一七年度調査では、教育用コンピューター一台当たりの平均は児童生徒数五・六人となっており、普及率が全国で一番高いのが佐賀県の一台当たり一・八人であり、本県については、一台当たりの児童生徒数が約八人と、全国的にもワースト三位に入るぐらい低く、今後の取り組みが心配される状況であります。  そこで、本県におけるICT環境の整備の現状と、今後の取り組みについてお伺いいたします。  それでは、最後の質問として、豊川市内の幹線道路整備について質問させていただきます。  東三河地域の発展なくして愛知の発展はないと、大村知事の強い思いとリーダーシップのもと、平成二十四年に東三河県庁がスタートし、ことしで八年目に突入いたしました。東三河の商業、農業、工業と、バランスのとれたポテンシャルを最大限生かしていく取り組みを進めていただいております。  東三河県庁では、地元の市町村や民間組織等と一体となって東三河ビジョン協議会を組織し、東三河地域の十年後の目指すべき姿を示す東三河振興ビジョンを平成二十四年に策定し、このビジョンを着実に推進するための実施計画として、本年度、交通基盤の整備と利便性向上に向けた地域連携の推進をテーマに進めており、これからの東三河地域に対して、交通基盤の整備が欠かすことのできない重要な施策であることが理解できます。  続いて、東三河地域のポテンシャルに注目をすると、産業は、自動車の輸入台数、金額とも二十六年連続日本一を記録する三河港があり、後背地に我が国を代表する自動車産業を中心とした産業の集積地を有しており、日本の物づくりを支える地域であります。  スポーツや観光においても、蒲郡市のセーリング世界大会、新城ラリーや田原市でのサーフィン世界大会など、世界・全国レベルのスポーツ大会が開催される地域であるとともに、芝桜まつりが開催される茶臼山高原や、日本三大稲荷の一つである豊川稲荷といった多様な資源にも恵まれております。  また、農業産出額においても、全国でも有数の農業の生産地域であり、東三河地域の算出額は本県の三千二百三十三億円の半分を占めており、全国二十位の秋田県並みの産出額であり、商業、農業、工業と高いポテンシャルを有する地域であります。  その一方で、東三河地域は、沿岸地域と山間地域を有しており、東日本大震災や豪雨等を踏まえ、巨大地震や津波、洪水、土砂災害等への不安が高まっているとともに、医師不足等で十分に機能が発揮できていない医療体制や、高齢化社会を迎えて必要度が増す福祉体制の維持、充実など、高齢化が著しい我が地域においては、交通基盤の整備等が課題となっております。  愛知の発展に欠かすことのできない東三河の発展のため、さらなる産業振興や広域観光の推進とともに、人々の安全・安心を支えるためには、県域を越え、広域連携に必要となる幹線道路ネットワークの形成が極めて重要であります。  そのような中、我が地域の道路整備の特徴を見てみると、豊川市には東名高速道路豊川インター、音羽蒲郡インターを初めとした交通結節点があり、これら交通拠点を核とした地域間交流を促進し、地域のにぎわいや活力を引き出していくことが、豊川市を中心として、この地域の発展につながるものと考えております。  さらに、現在、国が名豊道路の整備を進めており、東三河地域と県内外の他都市との連携を図る道路ネットワークの形成が進められておりますが、豊川市と東三河の各地域との連携強化を図るためには、三河港や東名・新東名高速道路などにつながる国道百五十一号や、豊橋市と豊川市の市街地の外周を結ぶ東三河環状線、さらには、名豊道路蒲郡バイパス金野インターへのアクセス道路となる豊川蒲郡線の幹線道路整備が必要であると考えます。  そこでお尋ねいたします。  豊川市内で現在事業中の一般国道百五十一号と、東三河環状線及び豊川蒲郡線の進捗状況並びに今後の取り組みについてお伺いいたします。  以上、理事者からの明快な答弁を期待して、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 4: ◯スポーツ局長(飯田靖君) アジア競技大会に向けた本県の選手育成についての進捗と考え方についてお答えをいたします。  アジア競技大会の成功に向けては、本県ゆかりの選手の活躍が重要であり、盛り上がりにつながります。その中心的な役割を担う事業が、あいちトップアスリートアカデミー事業であり、アジア競技大会やオリンピックなど世界で活躍できる地元選手の発掘、育成を目指しております。  七月に選考会を開催し、八月の面接を経て、二〇一九年度生として、キッズ五十九名、ジュニア五十七名、ユース十一名、合計百二十七名を選考したところでございます。  アカデミーは十月十三日に開校し、活動がいよいよスタートをいたします。アカデミー生には、県内スポーツ競技団体や大学関係者などの協力をいただきながら、実技としてさまざまな競技体験や専門的な競技指導を受けていただきます。また、トップアスリートになるために必要な栄養学などのスポーツ教養の講義も受講していただきます。  こうした実技、講義を来年六月まで毎週実施し、みずからの能力を最大限に発揮できるような競技に一人一人が出会えるように育成してまいりたいと考えております。  今回、アカデミーに参加する子供たちにとっては、七年後に地元愛知・名古屋で開催されるアジア競技大会の日本代表になるということが大きな一つの目標になりますので、これから始まるアカデミーをしっかり軌道に乗せて、本県の選手育成に努めてまいりたいと考えております。  なお、御提案のありました一市町村一競技一日本代表についてでございます。  各市町村において、アジア競技大会に向けてアスリートを育成していく機運の醸成にもつながっていく御提案と受けとめさせていただきました。今年度のアカデミー生は、県内二十八の市町村の幅広い地域から選考されております。アカデミー生は個人の能力によって選考いたしますけれども、各市町村からトップアスリートが輩出されることになれば大変すばらしいことと考えております。 5: ◯教育長(長谷川洋君) 本県におけるスポーツの推進のうち、小学生、中学生の体力、運動能力向上に向けた取り組みについてお答えをいたします。  二〇一六年度から二〇二〇年度を計画期間とするあいちの教育ビジョン二〇二〇では、子供はおもしろいから運動する、これを基本的な考えとして作成いたしました体力向上運動プログラム、この普及を図り、学校体育の充実に取り組むこととしております。現在、このプログラムは、全ての小学校で活用をされております。  しかしながら、昨年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果における本県の体力合計点の平均値は、小学校、中学校の男女とも前年の数値を上回っているものの、全国平均値を大きく下回っております。  また、運動習慣についても、授業を除いた一週間の総運動時間が六十分未満と回答した児童生徒の割合が高くなっております。  総運動時間の短い児童生徒は、必然的に体力合計点が低くなる傾向にありますことから、県教育委員会といたしましては、こうした児童生徒に対する重点的な取り組みが必要だと認識しております。  このため、昨年度から、運動が苦手な児童に対するきめ細かい指導を充実し、みずから運動に親しむ児童に育てるために、新たに県内の大学と連携して、教員を目指す大学生を小学校へ派遣する体育授業サポーター派遣事業を実施しております。  さらに、来年度策定する二〇二五年度までを計画期間とする新たなあいちの教育ビジョンでは、運動が好きな児童生徒の割合を高めることを目標に掲げまして、新たな体力向上運動プログラムを作成するなどいたしまして、本県小中学生の体力合計点が少しでも上向くよう、計画的にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、ICT、プログラミングの普及について、二点お尋ねをいただきました。  初めに、小学校プログラミング教育を推進する取り組みについてお答えをいたします。  プログラミング教育は、算数、理科等の各教科で、主にコンピューターのソフトを使って課題解決のプログラムをつくりながら論理的な思考力を高めることを大きな狙いとしております。本県でも、小学校プログラミング教育について先進的に取り組んでいる市町村はありますが、取り組み状況については、市町村の間でばらつきがあるのが現状であります。  県教育委員会では、有識者、学識経験者の代表から成る義務教育問題研究協議会におきまして、昨年度から、小学校プログラミング教育を進める上での基本的な考え方や授業づくりについて協議を進めてまいりました。その成果として、本年三月には、小学校プログラミング教育の在り方を取りまとめました。  さらに、新学習指導要領の全面実施を翌年に控え、実際の授業に役立つ実践事例等を求める声も上がってきており、本年度は、教員が授業づくりにすぐに取り組むことのできる実践的な事例集を発行してまいります。  また、来年度から全ての小学校で着実にプログラミング教育が実施されるよう、各学校における推進リーダーの選任を進めるとともに、今年度中に、本県における小学校プログラミング教育の取り組み指針を作成し、推進体制を整えてまいります。  次に、学校でのICT環境整備についてであります。  議員御指摘のとおり、文部科学省が行った教育の情報化の実態等に関する調査におきましては、教育用コンピューターの整備が県全体として全国水準を下回る状況にあります。  これまで、小中学校のICT環境整備のため、市町村に対し地方財政措置が講じられてきましたが、各市町村の認識に差があり、市町村間のICT環境の整備状況については、格差が大きくなっているのも事実でございます。  今後、プログラミング教育を充実していくためには、学校でのICT環境整備は急務であります。  本年六月には、学校における情報通信技術の活用のための環境の整備を基本的な施策の一つに位置づけました学校教育の情報化の推進に関する法律が公布、施行されました。県教育委員会といたしましては、この法律の周知に努めるとともに、各市町村においてICT環境の整備が計画的に推進されるよう強く働きかけてまいります。  また、国が市町村に対して行うアドバイザーの派遣や、ICT活用教育アドバイザーによる説明会への参加などを促すとともに、ICT機器の整備やプログラミング教育の推進、啓発に関する新たな方策を検討し、小中学校における教育の情報化に向けた取り組みを強力に支援してまいります。 6: ◯建設局長(林全宏君) 豊川市内で現在事業中の一般国道百五十一号と東三河環状線及び豊川蒲郡線の進捗状況並びに今後の取り組みについてお尋ねをいただきました。  まず、一般国道百五十一号につきましては、国道一号宮下交差点の立体化と、東名高速道路豊川インターチェンジから新城バイパスに接続する約八キロメートルの一宮バイパスを、国庫補助事業により事業を進めております。  宮下交差点の立体化につきましては、本格的な立体化工事の実施に向けて、今年度より国道百五十一号の切り回し工事などに着手してまいります。  また、一宮バイパスにつきましては、これまで豊川市内の約三・六キロメートル区間において、用地取得が九割に達し、昨年度から本線部の工事に着手しており、今年度も、残る用地の取得に努めるとともにJR飯田線をまたぐ仮称一宮跨線橋の下部工事を進めてまいります。  さらに、その先の豊川市から新城市につながる区間の約四・四キロメートルにおいても、今年度から路線測量に着手してまいります。  次に、東三河環状線につきましては、これまで順次バイパス整備を進め、現在は三カ所で国の交付金により事業を進めております。豊川市市街地北部の大崎工区、三蔵子工区では、残る用地もわずかとなっており、まとまって用地の確保ができた区間では道路築造工事を進め、ことしの三月には、三蔵子工区東側の一般県道三蔵子一宮線から都市計画道路古宿樽井線までの区間が開通いたしました。引き続き、残る用地の取得に努め、早期整備を目指してまいります。  豊川市から豊川を渡り豊橋市をつなぐ石巻本町・当古工区では、豊橋市側において、現在、用地買収を進めており、豊川市側では、今年度から現地測量と道路設計に着手しております。  また、豊川を渡る区間についても、これまで実施した調査設計などをもとに、河川管理者と協議を進めるなど、工区全体で事業に取り組んでおります。  最後に、豊川蒲郡線につきましては、名豊道路のアクセス道路として、仮称金野インターチェンジ付近において用地取得が完了し、現在、橋梁工事や道路築造工事の進捗を図っているところであります。引き続き、名豊道路蒲郡バイパスの開通を目途に、整備を推進してまいります。  今後とも、豊川市と周辺地域との連携強化に向けて、市内の幹線道路整備にしっかりと取り組んでまいります。 7: ◯知事(大村秀章君) 藤原宏樹議員の質問のうち、私からもアジア競技大会へ向けた本県選手の育成についてお答えをいたします。  九月十五日に行われたマラソングランドチャンピオンシップで、鈴木亜由子選手と服部勇馬選手が東京オリンピックの日本代表の座をかち取りました。四人のうち二人が愛知県ゆかりということで、大変うれしいことでございます。  また、既に水泳のアーティスティックスイミングの吉田萌選手が、さらに、先般カザフスタンで開催されたレスリング世界選手権で、向田真優選手、川井梨紗子選手、川井友香子選手の三人が東京オリンピック日本代表として続々と内定するなど、愛知県ゆかりの選手の活躍に早くも期待が高まっております。  あいちトップアスリートアカデミーでは、こうした選手に続く未来の愛知のアスリート、二〇二六年のアジア競技大会で活躍するアスリートを発掘、育成する大きな夢のある取り組みであります。ことし、二千八十八名の応募者から、競技団体の指導者や専門家などによる厳しい選考に残った百二十七名が、これからトップアスリートを目指して頑張っていくことになります。アカデミー生たちは、オリンピックやアジア競技大会の日本代表として、将来の活躍を期待したいと思っております。まずは、この中から二〇二六年のアジア競技大会で金メダルをとるような選手があらわれることを目標にいたしまして、アカデミーを運営し、未来のトップアスリートの卵を大いに応援してまいりたいと考えております。 8: ◯四十九番(藤原宏樹君) それでは、一点要望をさせていただきます。  豊川市内の幹線道路整備について質問をさせていただきましたが、現在の我が地域の状況は、名豊道路未開通区間九・一キロの影響により、国道一号線を初め、豊川市内の中心を通っている都市計画道路姫街道線から生活道路に至るまで、朝夕、慢性的な渋滞をしている状況であること、そして、その影響により、通学時間帯の子供たちや、また高齢者の安全・安心の確保が強く求められている状況であります。  あわせて、今後、新たに県下でも最大クラスの大型商業施設の出店の話も進んでおり、大きな期待が高まる一方で、新たな町の姿を想定した市内の渋滞対策が課題となっており、影響、また、豊川市内の中心を走る都市計画道路姫街道線の積極的な対策が望まれるところであります。
     本路線は、地元の方からあかずの踏切と呼ばれる箇所も存在し、今後の対策として、JR飯田線及び名鉄豊川線との交差部をアンダーパスの構造とする計画となっておりますが、地元としても、少しでも早い取り組みが望まれております。今後、県庁一丸となって取り組んでいただくことを要望して、質問を終わります。 9: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  福田喜夫議員。     〔二十三番福田喜夫君登壇〕(拍手) 10: ◯二十三番(福田喜夫君) 新政あいちの福田喜夫です。  質問の前に、本年は、五月から大雨による被害が全国各地で頻発するとともに、六月末から台風が相次いで九州地方や西日本の太平洋側に接近、上陸し、九州北部地域や鹿児島地方を中心に、全国各地で甚大な被害が発生しました。この一連の風水害でお亡くなりになられました皆様にお悔やみと、災害に遭われました皆様にお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧と復興を願っております。  では、順次質問してまいります。  まず、防災・減災対策についてお尋ねします。  九月五日に発生した台風第十五号は、発達しながら北西に進み、九月八日には中心気圧九百五十五ヘクトパスカル、最大瞬間風速四十五メートル毎秒と非常に強い勢力となり、その勢力を保ったまま、九月九日午前五時ごろには千葉県千葉市付近に上陸しました。千葉県や首都圏を中心に、大規模停電や断水が発生し、公共交通機関においても大きな被害を受けたところであります。  その暴風により千葉県内の送電鉄塔が二基、電柱八十四本が倒壊したほか、約二千本の電柱に損傷が確認されるとともに、多数の倒木や破損した建物の飛散物や散乱物により、電力会社などの復旧作業に多大な障害となりました。  まず、作業は、停電地域全域の倒木や作業障害を除去した後、電線や電話回線、ケーブルテレビなどの復旧作業に入ることとなり、停電により、当初は固定電話の不通やテレビやケーブルテレビの不通、さらには、長時間停電により携帯電話の基地局も使えなくなり、海洋上に携帯電話基地局を装備した船舶を配備する新たな対応策がとられました。さらに、断水も広範囲に長期間続き、ライフラインの早期復旧が大きな課題となりました。  そこでお尋ねいたします。  本年も愛知県地域防災計画の修正が行われ、九月一日防災の日には、愛知県・豊橋市総合防災訓練が行われ、私も参観いたしました。  関係機関との連携強化や役割分担、指揮命令系統の確認など行われましたが、今、愛知県で千葉県のような大規模停電となった場合、県として電力会社や電話会社などライフライン関係機関と連携して、どのように早期に応急復旧を図るのか、お尋ねいたします。  次に、ことしは、昭和三十四年九月二十六日に東海地方を直撃し、全国に甚大な被害を及ぼした伊勢湾台風から六十年を迎えました。伊勢湾台風は、超大型台風に発達し、暴風、豪雨、そして、進路が満ち潮と重なったことから南寄りの暴風が吹き込み、高波と高潮による広域で甚大な浸水被害を発生させ、愛知県の犠牲者は三千二百人を超えました。  この伊勢湾台風を契機に、日本の防災対策が大きく変わり、災害対策基本法が制定され、その後、相次ぐ災害により適宜改正され、現在に至っています。  その後、昭和四十七年七月豪雨は、全国各地で洪水被害や浸水被害を発生させ、愛知県においても、当時の西加茂郡小原村、現在の豊田市を中心に、洪水や大規模な土砂崩れで、死者、行方不明者六十八人、全壊家屋二百七十一棟の被害が発生しました。  平成三年九月には台風第十八号、第十九号の暴風雨が愛知県を襲い、さらに、平成十二年九月の東海豪雨では、百年に一度と言われるような記録的な豪雨が愛知県を襲いました。  そのため、名古屋市及びその周辺自治体において、河川の越水や洪水により広範囲に浸水するとともに、帰宅途中の渋滞する自動車が多数水没したり、アンダーパスで自動車が取り残されるなどの事故が発生し、さらに、地下街や地下鉄への浸水など、都市型水害を象徴する甚大な浸水被害が発生しました。  そして、平成二十年八月末豪雨では、岡崎市の伊賀川、鹿乗川、幸田町の広田川などで越水、内水氾濫などで甚大な浸水被害が発生しました。  昨年、建設委員会の県内調査で、それぞれ主要な施工場所や対策済みの箇所を確認しましたが、まだまだ対策道半ばの印象を強く受けました。  そこでお尋ねいたします。  伊勢湾台風から六十年の間にも、県内各地で風水害による被害がたびたび発生しており、過去の風水害を経験した上で、近年の温暖化に伴う海水温の上昇により、台風の大型化やさらなる豪雨災害が予想される中、愛知県として、甚大な浸水被害が発生した災害に対する現在までの治水事業の状況と、今後の取り組みについてお伺いいたします。  次に、防災・減災対策で最も重要な情報システムについてお尋ねいたします。  災害時には正確な情報、特に被害情報をどれだけ迅速に集めるか、また、県民に正確な情報をどれだけ早く確実に伝達できるか、例えば、南海トラフ地震に関する臨時情報や事前避難、風水害時の避難に関する情報など、国や愛知県の対応や市町村に対する支援を迅速かつ確実に行うことがポイントとなります。  災害はいつ発生するかわかりません。愛知県は、二十四時間体制で愛知県高度情報通信ネットワークや愛知県防災情報システムを運用されていますが、被害状況など迅速な情報収集には、例えばiPadなどのタブレット端末などを活用することにより、災害現場や参集途上の防災担当職員がどこにいても災害情報の入力や共有が可能となる体制が重要であると考えます。  そこでお伺いいたします。  情報通信の技術革新が進む中、現在の愛知県高度情報通信ネットワークと愛知県防災情報システムの更新計画はどのようになっているのか、お伺いいたします。  次に、愛知県防災航空隊についてお尋ねいたします。  平成七年一月に発生した阪神・淡路大震災を教訓に、それまで東京消防庁や名古屋市消防局など政令指定都市の消防ヘリコプターの活動が中心でしたが、各都道府県に消防防災ヘリコプターの導入が進み、現在五十五団体、七十五機が運航されています。  愛知県においても、平成八年四月、県内の消防本部から九名が派遣され、愛知県防災航空隊を発足、同年七月四日、中日本航空株式会社と防災ヘリコプター運航管理業務委託契約を締結して、パイロットや整備は民間で、搭乗する隊員は県職員併任の消防職員が行うこととなり、同年八月三十日、ベル四一二EP型愛知県防災ヘリコプターが就航、愛称は公募により、わかしゃちと決定されました。  そして、同年十月一日から、二十四時間体制で愛知県防災ヘリコプターの運航が開始され、以後二十年間、県内はもとより全国各地の災害に応援協定による出動や緊急消防援助隊航空部隊としての出動、災害時の情報・状況収集、救助活動、救急搬送、消火活動など大きな成果を上げているところであります。  そして、平成二十九年七月には、愛知県防災ヘリコプターわかしゃちを更新し、機体も信頼性と実績のある最新のベル四一二EPIとなり、昨年八月の私の地元で発生した産業廃棄物中間処理施設の火災では、地上部隊との連携で、空中消火や周辺の延焼阻止活動により、当初一週間以上延焼が続くと予想された火災でしたが、三日で鎮火に至り、地元では、航空消防防災体制の効果と、その評価は大変高いものがあります。  一方、消防防災ヘリコプターの活動は、地上部隊の到達困難な活動障害の多い場所や、気流の変化や突風が発生するなど、大変厳しい気象条件の中で活動することとなります。したがって、山岳救助活動を初め、水難救助活動など日々の訓練を積み重ねることにより、安全を確保する活動を目指されていますが、残念なことに、平成二十一年度以降、全国で四件の墜落事故が発生しています。  平成三十年八月十日、群馬県防災ヘリコプターが、山岳遭難に備え、危険箇所確認中に墜落し、搭乗していた九人が全員死亡、平成二十九年三月五日、長野県防災ヘリコプターが訓練予定地に向けて山地を飛行中に樹木と衝突、墜落し、搭乗していた九人全員が死亡、平成二十二年七月二十五日、埼玉県防災ヘリコプターが渓流から救助活動中に墜落、同機から先に降下した隊員二名を除く五人が死亡、平成二十一年九月十一日、岐阜県防災ヘリコプターが北アルプス奥穂高で山岳救助中に、気流の乱れで機体が移動し、機体の一部が岩壁に接触して墜落、同機から先に降下した隊員二人を除く三人が死亡されました。殉職されたパイロットや、各県下から派遣された航空隊員に心から御冥福をお祈りいたします。  総務省消防庁は、これらの事故を教訓に、今後の航空消防防災活動に生かすため、平成三十年三月に、消防防災ヘリコプターの安全性向上、充実強化に関する検討会として報告書を出されました。これは、各運航団体に対するアンケート、ヒアリング、現状調査をもとに、安全性の向上策、航空消防防災体制の充実策及び消防防災ヘリコプター操縦士の養成・確保策などをテーマに、課題解決への取り組みを整理し、取りまとめられました。  それをもとに、消防防災ヘリコプターの運航に関する基準の在り方に関する検討会が行われ、令和元年六月十一日に、消防防災ヘリコプターの運航に関する基準(案)が示され、九月二十四日、総務省消防庁より基準が告示されました。  それによると、安全性確保のため、機長と副操縦士の二人が搭乗するダブルパイロット方式の導入や、事故発生時の原因を究明するため、飛行記録装置、フライトレコーダーやボイスレコーダーの搭載も求めています。  また、ヘリ拠点に、出動承認や活動中止の指示をする運航責任者と、航空機に関する専門知識のある運航安全管理者を配備するよう明記されました。  愛知県防災航空隊は、一機運航で、操縦士は一人体制です。全国的に運航を委託している都道府県三十二団体が操縦士一人体制となっています。また、自主運航している秋田県が操縦士二人体制、委託運航でも、埼玉県、山梨県、奈良県は操縦士二人体制で、また、兵庫県は神戸市と共同でヘリコプター三機を運航していますが、操縦士は二人体制です。  一方、自主運航している東京消防庁や政令指定都市の十六の消防航空隊は、全て操縦士二人体制で運航し、運航団体のパイロットと委託先のパイロットが混在しているのが長野県と岐阜県ですが、操縦士は二人体制で運航されています。  以上のことから、最優先に取り組むことは、安全運航のために早期にダブルパイロット体制に移行する必要があります。  愛知県は現在、委託先である中日本航空株式会社に一任されていると伺っていますが、県としても、あらゆる手段を講じる必要があると考えます。これは愛知県だけの問題ではありませんが、パイロットの独自養成や、自衛隊や海上保安庁からのパイロット派遣、さらに、愛知県警察や名古屋市との共同運行など、パイロット不足に対応するため、あらゆる方法を調査、検討すべきと考えます。  そこでお尋ねいたします。  愛知県として、防災航空隊発足時のように、防災ヘリコプターの二十四時間運航体制の確保と安全性向上のため、ダブルパイロット体制に向けてどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。  最後に、モータースポーツと交通安全についてお伺いいたします。  昨年まで、愛知県は十六年連続で交通死亡事故ワーストワンという大変不名誉な状況にあります。ことしは、昨日現在、死者百二名で全国二位となっています。  愛知県警察のことしの最重要課題は、交通死亡事故の抑止、減少傾向の定着を掲げ、道路標識、道路標示、信号柱、信号制御機などの計画的な更新整備を推進するとともに、歩行者などの安全通行と交通の円滑化の確保などについて推進しています。  一方、あおり運転が大きな社会問題となる中、県警ヘリコプターからの情報をもとに取り締まりを行うなど、一定の成果を上げています。  しかし、もちろんあおり運転はいけないことですが、日々自動車を運転していると、気づくことが多々あります。  まず、自動車運転免許を取得する際、誰もがキープレフトの原則を学び、複数車線では左の車線を走行し、追い越す場合に追い越し車線を走行し、追い越したら再び左車線に戻ることとなっていますが、追い越し車線をずっと低速走行したり、右折レーンの整備とともに、最近は追い越し車線に車が集中し、走行車線と並走する走行が漫然と行われ、渋滞の原因にもなっていると思います。  次に、左折する場合は、できる限り道路の左側端に沿って徐行しなければなりませんので、左折後は走行車線に進入することとなるはずですが、アウト・イン・アウトで追い越し車線に入る車が大変多く見受けられます。名古屋市内では、二車線目どころか三車線目、四車線目に向かう車も多く、これは単にハンドルの切れ角を少なくして楽な運転をしているのか、左九十度のステアリング操作ができないのか、いずれも基本的な自動車運転ができていないように思います。  また、左折中に、右側から追い越していく車もいます。これは、故意に行っているドライバーもいますが、無意識に長年の運転からなれによる運転、無意識交通違反、わがまま運転が横行したり、車線変更時のウインカーも省略している車も多く見受けられます。いわゆる名古屋走りです。  一方、モータースポーツは、その走行スピードの高さから、無謀運転、暴走といったイメージがありますが、いかに無駄なくスムーズに、また、ほかの車に対する走行違反があれば即失格となる厳格なルールのもとに行われています。走る・曲がる・とまる技術に、三百六十度の情報を瞬時に把握、判断してゴールを目指し、一番車の性能を引き出し、違反や事故なくゴールしたドライバーが優勝するスポーツで、最近は障害のあるドライバーもサーキット走行やジムカーナで運転技術を学んでいます。  大村知事は、新城ラリーの折、WRC世界ラリー選手権に参戦しているWRカーや、全日本ラリー選手権に参戦しているラリーカーにたびたび同乗され、高度なトレーニングに基づく運転技術を間近で体験されたと思います。  また、愛知県警察の警察官も、茨城県にある安全運転中央研修所で実技の研修を受け、走る・曲がる・とまる技術を習得されています。  最近では、企業や自動車販売店が県内のサーキットや岡崎市にある民間の自動車大学校で走る・曲がる・とまる実技講習や走行会を積極的に行っていることから、実技講習の必要性は県警も企業も理解されていると思います。  一方、高齢者講習受講者を除く一般の運転者に対しては、免許更新時には実技講習はなく、改正法令などの講習のみです。本来であれば実技講習も行い、複数車線の走り方、右折、左折など基本的な運転をチェックする必要があります。  また、茨城県にある安全運転中央研修所のような施設が県内にあれば実技講習も可能ですが、残念ながらそのような大規模な施設はありません。  しかし、走る・曲がる・とまる基本的な実技講習は、例えば公的な施設の駐車場でも十分行うことができます。  過去には、県内の警察署の敷地内で、署員を対象に、緊急ブレーキ体験で、ABS(アンチロックブレーキシステム)の作動を体験する実技講習をされ、そのときの講師はラリードライバーとお聞きしています。  また、JAF(日本自動車連盟)も走る・曲がる・とまる実技講習、セーフティトレーニングを行っているほか、スラロームと車庫入れなどを組み合わせた安全運転コンテスト、オートテストも公認し、開催を推奨しています。  そこでお伺いします。  モータースポーツのドライバーの高度な運転技術、知識、経験を活用した基本的な実技講習を一般ドライバーに推進するため、県警察としてどのように取り組むのか、お伺いいたします。  最後に、運転マナーを高める施策についてお伺いいたします。  私は、自動車運転のマナーの悪さは、自転車運転に起因しているのではないかと思います。自転車は、道路交通法上軽車両であり、運転に当たり運転免許は不要ですが、自動車などと同様、交通の方法が定められており、悪質な違反に対しては、交通切符、赤切符が交付されます。  また、車道でも右側通行したり、一時停止をしない危険きわまりない自転車が見受けられ、特に、小学生から高校生までこのような運転であれば、二輪や四輪の免許を取得しても、マナーの向上は見込めないと思います。  そこで、法令遵守や運転マナーの意識を高めるためには、小学生から高校生までにおける自転車の安全運転の意識を向上させる必要があると思いますが、どのように取り組んでいかれるのか、あわせてお伺いいたします。  交通死亡事故ワーストワン返上に向け、決意と明快な答弁を期待して、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 11: ◯防災安全局長(山田哲夫君) 防災・減災対策に関するお尋ねのうち、まず、大規模停電時におけるライフライン関係機関と連携した応急復旧の対応についてであります。  大規模停電に関しましては、本県でも、昨年九月の台風第二十四号で、東三河地方を中心に最大で約二十七万戸の停電が発生いたしました。その際には、事業者を中心に復旧作業を進め、一日で約八一%、二日目で約九八%を復旧し、四日後には全ての復旧を完了しております。  今回、千葉県で生じた停電被害は、設計風速を上回る暴風雨により送電鉄塔や電柱が倒壊したことに加え、倒木等により配電設備の損傷が大規模かつ広域的に発生し、さらに、現場に至る道路自体も被害を受けたことなどから、復旧作業に長期間を要したものであります。  電力や通信などライフライン設備の復旧作業は、各事業者において実施することになりますが、被害の規模が広範囲にわたり、かつ、倒木の除去や作業道路の確保が必要となり、事業者による対応が困難となった場合には、自治体や災害派遣要請を受けた自衛隊が支援し、早期に復旧を図る必要があります。  現在、本県では、災害対策本部や方面本部に中部電力や自衛隊など防災関係機関から連絡調整員が派遣され、被災情報を収集、共有して、応急復旧に当たる人員や資機材を迅速かつ効果的に投入する体制をとっております。  また、作業道路の早期通行確保に向けては、県の建設事務所や市町村ごとに、地域の建設業者や建設業団体と、公共土木施設の復旧作業に関する協定等を締結し、担当区域や道路の区間を定め、発災直後から巡視活動や倒木等障害物の除去など、応急復旧作業を実施する体制を確保しております。  今後、千葉県における被害状況を踏まえ、これらの連携・協力体制について再度点検するとともに、これまで感電事故等の二次災害の危険性から、電力会社や通信事業者が担ってきた障害物の除去作業について、事業者による安全確認のもと、県や市町村、自衛隊が作業を支援する体制づくりに取り組み、関係機関相互の協力体制の一層の強化に努めてまいります。  次に、愛知県高度情報通信システムネットワーク及び愛知県防災情報システムの更新計画についてであります。  本県では、災害時に、県機関はもとより国や市町村を初めとする防災関係機関の間で迅速かつ的確に情報を伝達するため、一九六一年度に単一無線回線による通信ネットワークを整備いたしました。以降、情報通信技術の進展により、デジタル多重回線による通信の高速・大容量化や、衛星通信による通信のバックアップなど、順次、機能の拡充を図りながら更新を行ってきております。  現在の通信ネットワークを構築した二〇〇二年度の更新では、災害応急活動の一層の迅速化と強化を図るため、新たに防災情報システムを導入しております。これにより、県内全ての市町村から寄せられる被害情報や、避難所ごとの避難者数と必要な物資、さらには、自衛隊の派遣要請などの情報を自動的に集約することで、迅速かつ的確な災害応急対策の実施環境を確立いたしました。  これらのシステムは、いつ発災しても対処できるよう、二十四時間の運用体制を維持することが求められておりますが、供用後十六年を経過し、設備の老朽化が進んでいることなどから、更新を検討していく時期を迎えております。  このため、本年度から基礎調査に着手したところであり、現在、全ての装置ごとに、劣化や損傷の状況、性能の低下状況を調査するとともに、耐震性能や非常電源の容量などの脆弱性評価を進めているところです。  引き続き、これらの結果をもとに、制御機能の分散化や通信経路の多重化、さらには、現場における情報支援機能の拡充などについて検討を加えるなど、本県の防災活動を支える重要なインフラとして、より効率的で信頼性の高い通信ネットワーク及び防災情報システムを構築していくことができるよう、しっかりと検討を進めてまいります。  次に、消防防災ヘリコプターの二十四時間の運航と、安全性の向上を図るダブルパイロット体制の確保に向けた取り組みについてであります。  消防防災ヘリコプターの二人操縦士体制への移行については、航空消防活動の安全性を確保する上で、全国的な課題となっております。  特に、消防防災ヘリコプターは、散水装置を取りつけての消火活動、ホバリングによる遭難者等の救出作業、さらには、山岳地帯や河原などでの離発着など、苛酷な状況下で活動を行う必要があるため、操縦士には高度な技能が要求され、全国的にヘリコプターの操縦士が不足している中で、豊富な経験を持つ操縦士を確保していくことは困難な状況となりつつあります。  操縦士の育成施設を保有していない本県では、従来から運航を航空会社に委託しておりますので、新たに国から示された消防防災ヘリコプターの運航に関する基準に基づき、運航会社はもとより、同じ会社に委託を行っている三重県や石川県など五つの県とも協力して、操縦士の育成を図っていきたいと考えております。  具体的には、県防災航空隊創設以降、継続的に実施している年間約百二十回の救助活動の実動訓練を活用したOJTや、民間が保有するシミュレーターを用いた緊急操作訓練などにより、若手技術士の育成を計画的に進め、国の基準に定められた施行期日から経過措置期間の三年間を加えた二〇二四年度末までの約五年間で、二人操縦士体制への移行を図ってまいります。  また、二十四時間の運航体制の確保につきましては、喫緊の課題となっている二人操縦士体制の整備を進める取り組みの中で実現することができるよう、検討してまいりたいと考えております。  今後も、運航会社や関係機関と連携し、消防防災ヘリコプターの安全な運航体制を確保することができるよう、しっかりと取り組んでまいります。 12: ◯建設局長(林全宏君) 甚大な浸水被害が発生した災害に対する現在までの治水事業の状況と、今後の取り組みについてのお尋ねであります。  河川の整備は、河川整備計画に基づき計画的に行うとともに、大規模な床上浸水など、甚大な被害が発生した場合には、短期間に集中的な整備を実施しております。  東海豪雨では、新川、天白川において河川激甚災害対策特別緊急事業の採択を受け、また、平成二十年八月末豪雨では、伊賀川初め四河川において、床上浸水対策特別緊急事業の採択を受け、再度災害を防止するため、一連区間の河川整備などをおおむね五年間で集中的に実施してきたところです。  また、二〇一六年八月に、北名古屋市の鴨田川付近で発生した浸水被害に対しては、災害対策等緊急事業推進費により、緊急的な予算を確保し、約〇・六キロメートルの狭窄区間をほぼ一年間で解消する取り組みなども行っております。  現在は、これらの対策を実施した区間の上流や支川の整備などを引き続き進め、さらなる治水安全度の向上に努めているところです。  今後は、平成三十年七月豪雨を初めとする頻発・激甚化する災害に対応するため、事前防災として、大規模放水路や遊水地の整備、狭窄部解消のための橋梁改築などを行うことを目的に国が制度化した大規模特定河川事業も活用しながら、河川整備を促進してまいります。引き続き、県民の皆様の安全・安心を確保するため、河川整備の進捗に努めてまいります。 13: ◯警察本部長(後藤和宏君) まず、一般ドライバーに対する実技講習についての御質問にお答えをいたします。  ドライバーの立場から交通事故を防止するためには、道路交通法を初めとした交通ルールをしっかりと遵守した上で、道路交通の状況に応じた正しい運転操作を行うことが求められます。  全てのドライバーが運転免許を取得する際には、交通ルールを学び、必要な運転技能を習得して道路交通の場に出ているわけではありますが、中には年月を経ることにより、ルールに対する意識が希薄化したり、自己流の運転操作が身についてしまうドライバーも見受けられるところであります。  県警察では、交通指導取り締まりや、あらゆる機会を通じた広報啓発活動の推進等により、ドライバーへの交通ルールの周知や規範意識の向上に努めているところであります。  実技講習につきましては、道路交通法に基づく高齢者講習や、自動車学校と連携し、老人クラブの会員等を対象として運転指導を行うシニアドライバーズスクールを実施しているところでありますが、幅広い年齢層のドライバーに対する講習は行っていないところでございます。
     このような中、モータースポーツのドライバーは、高度な運転技術に加えまして、自動車の特性に関する豊富な知識を有し、また、交通安全に対する高い意識をお持ちでありますことから、こうした方々による体験型の講習については、一般ドライバーの運転技能の向上や交通安全意識の高揚につながるものと考えております。  今後、モータースポーツの関係団体等により、こうした講習の機会が設けられる場合には、県警察といたしましても参画してまいりたいと考えております。  続きまして、自転車の運転マナーの向上についての御質問にお答えをいたします。  自転車は身近で便利な乗り物でございますので、ただ、一方、交通ルールが軽視され、交通事故につながることも少なくありません。  こうした中、県警察では、本年の交通死亡事故抑止対策の柱の一つとして自転車対策を掲げておりまして、各種取り組みを推進しております。  主な取り組みといたしましては、信号無視や一時不停止などの悪質、危険な自転車利用者の指導取り締まりを推進しているところでございまして、本年は、八月末現在で約千百件を検挙いたしますとともに、約十一万七千六百件の指導警告を実施しております。  また、自転車を利用することが多い小学生、中学生、高校生に対しましては、交通安全意識や交通マナーに係る教育を充実させることが重要でありますことから、学校に警察官を派遣して、自転車の安全利用に向けた段階的かつ体系的な交通安全教育を推進しておりまして、本年は、八月末までに約九百七十回、延べ約十二万一千二百人に対して実施をいたしております。  その内容でございますけれども、小学生には主に自転車の交通ルールを理解させ、交通事故の被害に遭わないようにするための交通安全教育を行う一方、中学生、高校生には、通学等で自転車を利用する頻度が高まることなどを踏まえまして、加害者となった場合の法的責任につきましても理解をさせるほか、スタントマンにより交通事故を再現し、危険を疑似体験させるなど、心身の発達段階やライフステージに応じた交通安全教育に取り組んでおります。  引き続き、教育委員会や学校等と連携し、自転車の法令遵守の意識やマナーの向上を図ってまいります。 14: ◯知事(大村秀章君) 福田喜夫議員の質問のうち、私からも防災・減災対策についてお答えをいたします。  近年、全国各地におきまして、地震、台風、集中豪雨などによる大規模な自然災害が相次いで発生しており、改めて災害への備えの重要性を認識しているところであります。  そして、先ほど防災局長からも答弁いたしましたが、今回、千葉県で生じた停電被害というのは、予想を上回る大変大きな被害であったかと思います。そのことを拝見いたしましても、ちょうど一年前の今ごろの台風二十四号の停電被害等を思い出したところでございます。あの台風は、実際は、尾張北西部、稲沢あたりを直撃したんでありますが、あそこに三菱電機のエレベーターの実験施設があって、あの直後、私も行ったんですけれども、一番上のところが、バランサーがあるんですが、一メーター半ぐらいずれているんですね。四十メーターを超える風が吹いたということで大変心配したんですが、尾張北西部、一部停電がありましたが、それは数時間で復旧した。やれやれと思っておりましたら、実はそこからはるかに離れた東三河のほうで大変大きな停電被害があったと。先ほど申し上げた一日、二日、特に新城以北の山間部で、風倒木で道路に復旧車が入れないというようなことを昨年、まさに目の当たりにさせていただき、そして、昨年十二月議会にもお出しいたしましたが、農業施設の被害がすさまじいものがあったということと、停電でハウスが動かない、それからまた、畜産、酪農等々も動かない、それから、食品製造業なんかも冷蔵庫がとまって被害になるというようなこともありました。  また、隣の浜松では一週間停電があったというのを目の当たりにいたしまして、今回の千葉県の被害は、それを上回る、まさに想像を超えるものであったかと思います。  昨年、私は、その折、中部電力さんには、直ちに私どものほうから申し入れをして、今回の停電が起きたことの事実関係の解明、検証と、そして、しっかり対策を組んでもらいたいという要請を昨年、強く申し上げたところでございます。  そういうことがございましたが、いずれにいたしましても、本県におきましても、南海トラフ地震やスーパー伊勢湾台風の発生が危惧をされておりまして、こうした災害への備えをより強固なものとすることを目指し、国、市町村、関係機関などとともに、防災・減災対策を推進してきたところでございます。  特に、昨日は伊勢湾台風六十年ということでありまして、この議場でも、皆様と一緒に黙祷をささげさせていただきましたが、その記憶をしっかりと風化させることなく語り継ぎ、そして、しっかり防災対策をやっていかなければならないというふうに思います。  今後は、こうした災害から得られた教訓を生かし、関係機関との連携・協力体制の一層の強化につなげるとともに、河川・海岸堤防を初めとするインフラの整備、最新のIT技術を活用した防災情報システムの構築など、ハード・ソフト対策の両面から万全の備えをしてまいりたいと存じます。安全・安心な愛知をつくることは全ての基本でありますので、大規模な災害から県民の皆様の生命、財産を守るため、今後も防災・減災対策の推進に総力を挙げてしっかりと取り組んでまいります。 15: ◯二十三番(福田喜夫君) それぞれ御答弁ありがとうございました。  災害は、刻一刻、被害の状況が変わっていきます。また、応急復旧ともに、日々、対応方針や新たな応援部隊の投入など、時間と人的資源の戦いであります。まず、あらゆる手段を活用して、県民の生命と財産を守っていただくようお願い申し上げます。  そして、被害情報などを収集するネットワークである高度情報通信ネットワーク、防災情報システムは、5Gに代表されるように、日進月歩で情報通信の技術革新が進んでいます。  岐阜県は昨年、岐阜県防災情報通信システムを更新されたと伺っています。愛知県としても、老朽化している施設の基礎調査を開始されたとのことですが、防災対策の基幹システムでありますそれぞれのシステム、早期更新を図っていただきますようお願い申し上げます。  次に、愛知県防災航空隊についてですが、安全第一で活動するためには、ダブルパイロット体制は早急に行うこと、また、南海トラフ地震の発生確率が高まる中、やはり二十四時間体制の運航が不可欠です。  また、現在、愛知県には、愛知県防災ヘリ一機、名古屋市消防ヘリ二機、ドクターヘリ一機の四機が活動していますが、ドクターヘリは年間五百件以上出動し、要請が重なると、東三河には静岡県からドクターヘリコプターの応援を受けています。  また、東京消防庁は、大型ヘリが四機、中型ヘリ四機、うち一機は総務省消防庁のヘリですが、計八機体制、静岡県は県防災ヘリ一機、静岡市と浜松市の消防ヘリ二機とドクターヘリ二機で五機体制です。  南海トラフ地震の発生確率が高まる中、愛知県として、愛西市に続き、西尾市にもゼロメートル地帯防災活動拠点の整備が進んでいます。  愛知県防災航空隊も、災害時の初動で上空から偵察、情報収集と人命救助、被災者救助を同時に行えるように、大型ヘリと中型ヘリの二機体制の実現を目指して検討されるよう要望いたします。  最後に、モータースポーツと交通安全について要望します。  車の運転は、走る・曲がる・とまる技術とマナーが重要であります。モータースポーツの運転技術とルール、マナーから、ぜひ一般公道での安全運転に生かしていただきたいと思います。  また、本年十一月には、二〇二〇年に開催が予定されているWRC世界ラリー選手権のテストイベント、セントラルラリーがモリコロパークを起点に開催されるため、県民の関心も高いこの時期に、モータースポーツと交通安全をコラボした取り組みが大変重要だと思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。  以上で終わります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 16: ◯四十番(寺西むつみ君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 17: ◯議長(神野博史君) 寺西むつみ議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 18: ◯議長(神野博史君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時三十分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時開議 19: ◯副議長(堀嵜純一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  丹羽洋章議員。     〔三十番丹羽洋章君登壇〕(拍手) 20: ◯三十番(丹羽洋章君) それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。  まず、大きな一番、国民健康保険についてお伺いいたします。  一九六一年以降、我が国では全ての人が公的な医療保険に加入することになりました。いわゆる国民皆保険制度がスタートしました。  具体的には、一般の民間企業の会社員等が加入する健康保険、農林漁業、自営業者、自由業者等が加入する国民健康保険など、何らかの医療保険に加入することとなっております。この国民皆保険制度により、誰でもいつでもどこでも医療を受けることができるようになったわけです。  制度の確立から既に六十年近くが経過し、今日では、国民誰もが保険証一枚あれば医療機関にかかることができると、何の疑問もなく、当然のことであると思われています。  この国民皆保険制度のおかげもあり、我が国は世界最高の保健医療水準を実現し、長寿国にもなり、乳児死亡率などの健康指標も世界トップとなるなど、国民の健康の保持、増進、長寿命化などに大変大きな役割を果たしてまいりました。  しかし、近年、我が国の医療費は毎年一兆円を超えるペースで増加し、この国民皆保険制度を支えることが難しくなってきていると言われております。その要因としては、医療保険における収支バランスがとりにくくなり、多くの保険者の財政状況が悪化してきていることが挙げられます。  医療費がふえている主な原因は二つあります。一つは、高齢者人口の増加です。もう一つは、医療技術の高度化です。技術が進歩し、高度な医療が受けられるようになったことは国民の健康を大きく支えておりますが、その分、お金もかかるわけです。一方で、経済の低成長と労働人口の減少により、保険料の確保が難しくなってきているという状況もあります。  こうした中で、将来にわたり医療保険制度を持続可能なものとし、国民皆保険を堅持していくために、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案が二〇一五年の通常国会に提出され、成立、公布されました。  この法改正により二〇一八年度から、つまり昨年の四月より国民健康保険においては、都道府県が国保の安定的な財政運営や効率的な事業運営の確保などにおいて中心的な役割を担うこととなり、財政基盤の安定化が図られました。また、市町村は、地域住民と身近な関係の中、資格管理、保険給付、保険料・保険税率の決定、賦課、徴収、保健事業など、地域におけるきめ細かい事業を引き続き担うことになったわけです。  なお、これ以降、国民健康保険税は国民健康保険料という言葉に含めて、統一して質問をさせていただきます。  市町村の行う国民健康保険は、国民皆保険制度の最後のとりでとして、大変重要な役割を担っています。  しかしながら、国民健康保険の性質上、国保加入者はほかの医療保険の加入者と比べて、平均年齢が高く、平均所得が低いという傾向があります。  これは、国保が退職者や無職の人たちも含め、ほかの医療保険の対象とならない人全てを対象としているという構造的な要因によるものであり、国保財政悪化の最大の要因となっていると言われます。  また、若者に比べて医療費が高い高年齢者が多いため、一人当たりの診療費がどうしてもほかの医療保険よりも高くなってしまうことも、財政負担の増加の一因となっています。  こうしたことから、国保財政の安定化を図るために、昨年四月に大きな改革が行われたわけです。この改革では、国保への財政支援が拡充されるとともに、都道府県は新たに保険者となり、国保運営の中心的役割を担うこととなりました。  財政運営の面では、市町村が行う保険給付に必要な費用を県が全額交付することとなっております。そして、県は、市町村と協議を行った上で、市町村から県へ納める納付金の額を決定することとなりました。市町村においては、それまではそれぞれ医療費を推計し、保険料の必要額を算出してきましたが、改革後は県の決定する納付金をもとに保険料の賦課、徴収を行うこととなったわけです。  この法改正により、改正前と改正後を比較した場合、一人当たりの平均保険料が増加した市町村、減った市町村が出てまいりました。愛知県の市町村の具体的な状況を見ますと、一人当たり保険料が下がった市町村は十七、上がった市町村は三十七であり、市町村数で見れば、上がったところのほうが多かったわけです。  また、制度改正前から多くの市町村において、国保の収入不足への対応や保険料抑制のための一般会計から国保特別会計への繰り入れが行われていたと伺っております。  しかしながら、国においては、国保の財政を安定的に運営していくためには、原則として、必要な支出を保険料や国庫支出金などによって賄うことにより、国保特別会計の財政収支を均衡させることが重要であり、決算補填などを目的とした一般会計からの法定外繰り入れは、計画的に削減、解消すべきであるとしています。  さらに、本年六月二十一日に閣議決定された骨太の方針二〇一九では、国保財政を健全化するためにも、こうした法定外繰り入れ解消に向けた計画の策定を求めるとともに、加減算双方のインセンティブ措置を導入し、早期の解消を促すこととされたところでもあります。  そこで、愛知県内の市町村国保における決算補填等目的の法定外繰り入れの状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。また、本県として、市町村国保の決算補填等目的の法定外繰り入れの解消について、どのようにお考えになっているのか、お伺いいたします。  続きまして、国が定める納付金等算定ガイドラインでは、将来的に、同一都道府県内において同じ所得水準、同じ世帯構成であれば同じ保険料水準となるよう、保険料水準の統一を目指すとされています。実際に、大阪府や奈良県、沖縄県などでは、具体的に統一時期などを決めて、保険料の統一を目指していると伺っております。また、先ほどの骨太の方針二〇一九では、保険料水準の統一など、受益と負担の見える化に取り組む都道府県の先進・優良事例については、全国展開を図るとされています。  しかし、一方で、現実問題として、本県内においても地域ごとに医療資源の配置状況が異なっているので、医療サービスの水準は地域格差があるのが現実です。また、市町村ごとに独自の保険料軽減策が講じられていますし、保険料の賦課方式も、所得割、均等割、世帯割、資産割の四方式を採用している市町村から、このうちの二方式を採用している市町村もあるなど、賦課方式もそれぞれ異なっています。事ほどさように、県内市町村の保険料水準には差が生じているのが現状です。  こうした医療費水準に関する課題、保険料算定方法に関する課題、各市町村の取り組みに関する課題などを解決しない限り、保険料水準の統一化は難しいのが現実ではないかと思います。  そこで、本県として、県内の保険料水準の統一についてどのようにお考えになられているのか、お伺いいたします。  次に、在留外国人の国民健康保険の利用についてお伺いいたします。  医療ツーリズムなどの医療を受けることを目的として医療滞在ビザを取得している外国人の場合は、滞在期間にかかわらず、国保の適用はありませんが、治療目的で来日する外国人が医療滞在ビザではなく、経営管理ビザや留学ビザを取得して市町村国保に加入し、高額な医療サービスを低額な負担で受けているといった報道が以前ありました。  現在、外国人への国保の適用については、出入国管理及び難民認定法上の一定の在留資格に基づいて、適法に三カ月を超えて滞在する予定の外国人であって、国内に住所を有する者は、被保険者とすることとなっています。  これは二〇一二年、当時の政権がそれまで国保加入が認められる在留期間が一年間だったものを、加入条件を大幅に緩め、三カ月滞在する予定がある外国人に対して国保を適用することとしたものです。  その結果、留学生や会社経営者として入国すれば、国籍に関係なく、すぐに保険証をもらうことができ、高額医療を受けることができるようになり、こうした制度を悪用したケースがあるのではないかという報道であったように思います。  さて、ことし四月現在、本県内の市町村国保の被保険者数は約百五十一万人います。その中で、外国人被保険者は約八万人、割合として約五%となっています。  そこで、報道であったような在留外国人の国民健康保険制度の不適正利用事案が本県内でも確認されたことがあるのか、お伺いいたします。また、本県として国保制度の不適正利用防止、外国人に対する国保の適用を適正に行っていくために、本県としてどのように対応しているのかお伺いいたします。  なお、もちろん適法に国保の加入要件を満たす外国人に対して、外国人であることを理由に国保を適用しないなどの事態があってはならないということは申し添えさせていただきます。  続きまして、大きな二番、児童虐待についてお伺いいたします。  連日のように、テレビや新聞等で児童虐待の痛ましい事件のニュースが報道されています。こうした虐待による痛ましい事件を二度と起こさないために、児童虐待を減らしていくために、本県としてもより一層の取り組みが必要であると考え、以下の諸点についてお伺いいたします。  まず、歯科医師との連携についてお伺いいたします。  虐待を早期に発見し、早い段階でその兆候を突きとめ、支援につなげていく、また、場合によっては介入していくことが大変重要であると思います。児童虐待を早い段階で発見するのに、歯科医師の先生方が果たす役割も大きいように思います。  その理由といたしまして、歯科医師は乳幼児歯科健診や学校歯科健診で子供の歯を診る機会があり、顔や口の中の不自然な傷、虫歯が治療もされず、放置されたままになっていることなどを見た際に、その子供が虐待されているのかどうかすぐにわかる、もしくは虐待の疑いを持つことができるからだと言われます。  歯科医師の先生方が虐待の疑いを持った際にとるべき行動については、本県として、歯科医療、歯科保健にかかわる人のための子どもの虐待対応マニュアルで示されております。  ただ、そうしたマニュアルがあるとはいえ、虐待が疑われる子供の口腔を診るといった経験がある歯科医師の先生がたくさんいらっしゃるわけでもなく、そうした経験があったとしても、通告をためらう歯科医師の先生も実際いらっしゃると伺っております。  そこで、乳幼児歯科健診や学校歯科健診は法律が実施を義務づけているものであり、全ての子供が健診を受けるものでありますので、そうした歯科健診の際に不自然な形での歯の損傷、長期にわたり虫歯治療がなされていないなどといったようなことが見られた場合、子供の服装の乱れや汚れ、体の不自然な傷などと比較しても、児童虐待の可能性が高く疑われるものであり、そうした意味においても虐待の早期発見、防止について、歯科医師の先生方との連携は重要であるというふうに考えます。そのためにも本県としても今まで以上に、歯科医師の先生方に対して、児童虐待について果たすべき役割をしっかり伝えていく、お願いしていく必要があると考えます。  そこで、今後、児童虐待に係る歯科医師の先生方との連携強化について、本県としてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。  続きまして、地域の関係機関との連携強化についてお伺いいたします。  虐待の早期発見、虐待予防の取り組みの必要性については今さら申し上げるまでもありません。  ただ、虐待を予防するために用意されている行政の支援策等が必要なときに必要とする人にきちんと届いているのか、関係機関の連携が機能し、虐待に至る前に虐待を防ぐことができているのか、虐待が発生してしまったとしても、早期に発見し、対応がなされているのか。まだまだ改善の余地があるのではないかと思います。  虐待死の事件などでは、行政サービスを受けることができていなかった、支援を受けていない家庭がかなりの割合に上ったと伺っております。  そもそも児童相談所は、虐待が発覚してから、虐待の疑いがあるという通報を受けてから動き出すところであるので、やはり虐待の発生予防の面から見ると、市町村の担当課や日ごろから子供たちとかかわる幼稚園や保育園、学校、お医者さん、歯科医師の先生方などとの緊密な連携や情報交換、適切なアセスメントが行われることが重要であるように思います。  地域の関係機関との連携強化に向けて、今後どのように対応されていくのか、お伺いいたします。  次に、介入と支援の対応についてお伺いいたします。  さきの国会で、児童福祉法、児童虐待防止法が改正されました。その中で、子供の安全確保に関して、保護者の相談など支援をする職員と、児童相談所での一時保護など介入をする職員とを分けて、介入機能を強化することが打ち出されました。  児童福祉司が介入と支援をともに担うことの弊害として、以前より専門家などから、児童福祉司が強制的な措置をとるべきかどうかの判断をちゅうちょしてしまう。その結果、介入がおくれ、悲惨な事件につながってしまうケースも見られるということが言われておりました。そして、親の側も、そうした措置をとった児童福祉司への信頼を失ったり、感情的にわだかまりを生じたりする可能性の指摘もございました。  そこで、ほかの都道府県の児童相談所の中には、既に支援チームと介入チームに分けて対応し、よい結果を残しているところがふえてきているとも伺っております。  ただ、また一方で、介入と支援を担当する職員を分けても、介入を担当する職員は通報があればすぐに対応しなければならず、介入担当者の業務過多が心配されるとともに、職員数が少ない児童相談所においては、そもそも担当分けをすることすら難しいという声もあります。  そこで、今回の法改正にもありました支援と介入の職員を分けて児童虐待事案に対応することに関する、本県の認識と今後の対応についてお伺いいたします。  続きまして、中核市への児童相談所の設置についてお伺いいたします。  平成二十八年の児童福祉法改正の際に、特別区も含め、中核市に児童相談所を設置することができるようになっております。また、今回の法改正において、施行後五年間をめどとして、中核市、特別区が児童相談所を設置できるよう、児童相談所の整備、職員の確保、育成の支援、その他の必要な措置を講ずる、この支援を行うに当たっては、地方団体とよく連携するなどといったことが規定されました。
     このように、身近な地域において児童虐待事案に対応できるように、中核市などに児童相談所の設置を促進する、国においても設置に向けた支援を行うとされております。  そこで、本県における中核市への児童相談所設置についての検討状況はどのようになっているか、お伺いいたします。また、今後どのように対応しようとお考えになられているのか、お伺いいたします。  続きまして、この夏、私は本県の一時保護所にお邪魔させていただく機会をいただきました。そこで施設を見せていただき、また、職員の方から一時保護所の現状等のお話を伺うことができました。  一時保護の期間は、原則二カ月を超えてはならないというふうにされております。ただ、さまざまな理由によって、子供たちが一時保護所に半年近く入所することになってしまうケースもあると伺いました。  やむを得ない理由があるにせよ、一時保護所に長期間にわたり入所することは、やはり極力避けなければならないと考えます。  そこで、入所者が多く、一時保護所の利用が困難となる場合や、入所期間が長くなった場合、どのように対応されているのか、お伺いいたします。  そして、一時保護所に入所した子供たちは、学校へ登校し、授業を受けることができません。一時保護所には教員のOBの方がいらっしゃって、その方が子供たちの勉強を見ていらっしゃいました。が、教員OBの方に勉強を見てもらえるというやはり暫定的な対応であって、一時保護所で十分な教育、授業が受けられるわけではありません。  虐待を受けた子供自身に何の責任もなく、教育を受けられない状況に置かれる。そうした子供たち、児童生徒からは、決して数は多くはないにしても、教育を受けることのできる機会をなくしてはならないと考えます。  そこで、そうした児童生徒のそもそもの居住地から通っていた学校の出席の取り扱いなど、対応はどのようになっているのかお伺いいたします。また、学校復帰後の補習などの支援状況はどのようになっているのか、お伺いをいたします。  そして、この児童虐待について、職員の処遇改善等について最後にお伺いいたします。  今日までさまざまな取り組みを行ってきているにもかかわらず、本県においても一向に児童虐待事案件数は減りません。ふえ続ける児童虐待事案に対し、国は児童福祉司を大幅に増員するなどの児童相談所の体制強化を打ち出しましたが、児童相談所の児童福祉司や児童心理司の確保と資質向上に向けた取り組みは、やはり必要不可欠であります。  本県として、どのように考えて取り組まれているのか、お伺いいたします。  あわせて、事実は小説より奇なりという言葉がありますが、文字どおり、そうしたことが少なくない児童虐待の最前線の現場で働かれている児童相談所の職員の皆さんは、相当のストレスを抱えながらの仕事となっていると伺っております。  そうした職員の皆さんの精神的なストレスに対するケアについて、どのように取り組まれているのでしょうか。また、処遇改善等についてはどのようにお考えになっているのか、お伺いをいたします。  続きまして、大きな三番、伊勢湾の港湾ビジョンと三河港の港湾計画改訂についてお伺いをいたします。  現在、我が国の港湾を取り巻く情勢として、大きく次の四つが挙げられます。一つ目は、東アジアを初めとする新興市場の拡大と生産拠点の南下、二つ目として、アジアのクルーズ市場の急成長、三つ目として、資源・エネルギー獲得競争の激化と低炭素社会への移行、四つ目として、世界の主要港のコンテナターミナルの自動化の進展などがあり、港湾を取り巻く情勢は、大きな変化、進化にさらされていると言えます。さらに、国内においては、人口減少・超成熟社会の到来と労働力不足、第四次産業革命の進展、巨大災害の切迫とインフラの老朽化などの課題にも直面しています。  そんな中で、昨年七月、国において港湾の中長期政策、PORT二〇三〇が示されました。そのPORT二〇三〇では、二〇三〇年ごろの我が国の経済、産業、人々の暮らしを支えるために港湾が果たすべき役割として、一つに、列島を世界につなぐ、開く港湾、コネクテッド・ポート、二つに、新たな価値を創造する港湾、プレミアム・ポート、三つに、第四次産業革命を先導するプラットフォーム、スマート・ポートの三つを掲げ、それを具現化するための八本の柱の主要施策が示されました。  また、近年、本県内の物づくり産業は、アジア諸国の経済成長に伴い、調達、生産、販売を国内外問わず適地で行うグローバルサプライチェーンを構築し、世界市場での競争においては、グローバルネットワークを活用することで、コスト削減を図るなど競争力の強化に努めています。そんな中、国際物流の結節点となる港湾には、物流の効率化や安定性、定時性など、さらなる機能強化が求められております。  そこで、それらに応えていくために、昨年三月、名古屋港、衣浦港、三河港の県内の三つの港と背後産業のサプライチェーンを客観的かつ大局的に見た場合の港湾物流における課題や要請を整理して、サプライチェーンから県内の三つの港が取り組むべき方向についてまとめた、愛知県港湾物流ビジョンが策定されております。  そこには、名古屋港、衣浦港、三河港の利用価値向上、陸上輸送網の強化による物流の円滑化、三港の連携による港湾物流機能強化といった三つの方向性が示され、輸送コストの削減、リードタイムの短縮、災害時のリスク軽減、環境負荷の低減といったサプライチェーンを強くする港湾物流機能強化施策が打ち出されています。  そしてさらに、本年三月、二〇三〇年ごろの将来を見据え、地域経済、産業の発展及び国民生活の向上のため、伊勢湾に位置する港湾が果たすべき役割、今後、特に推進すべき港湾政策の方向性などを示す伊勢湾の港湾ビジョンを策定することを目的として、伊勢湾の港湾ビジョン策定委員会が設置されました。  委員会のメンバーは名古屋大学の教授といった学識経験者、中部経済連合会などの経済団体、名古屋港利用促進協議会などの港湾・空港関係者、愛知県や名古屋港管理組合などの港湾管理者、中部運輸局などの国の機関から選出されており、既に数回、会議が開催されたと伺っております。  昨今の港湾を取り巻く内外の情勢や、港湾を利用する企業等の物流コスト削減、競争力強化等を考えたとき、これからの港湾に求められる課題、要望は多く、それら一つ一つにスピード感を持って対応していかなければならないと私も考えます。  そこでお伺いいたします。  今回、伊勢湾の港湾ビジョンを策定しようとしておりますが、その伊勢湾の港湾ビジョンの策定の目的と、今後の港湾行政を進めていく上での位置づけについてお伺いいたします。  次に、三河港ですが、自動車の輸出入港として着実に今日まで発展し、輸入自動車では金額、台数ともに二十六年連続日本一となるなど、現在では、我が国でトップクラスの完成自動車の取り扱いを誇る港となっております。三河港の成長とともに、今日まで三河港の港湾機能の拡充、整備が着実に進められてまいりましたが、平成二十三年に策定されました第六次港湾計画が平成三十年代前半、令和の前半に改訂時期を迎えます。  そこで、三河港の次期港湾計画改訂に向けて、昨年度より勉強会等が既にスタートしております。また、ことし八月には、東三河地域の三つの商工会議所、十一の商工会で構成される東三河広域経済連合会が港湾計画の改訂に先立ち、経済界が期待する三河港のあるべき姿について提言書を取りまとめております。  このように、三河港の次期港湾計画改訂に向けて着々と作業が進められている一方で、伊勢湾の港湾ビジョン策定に向けても動き出しております。  そこでお伺いいたします。  次期三河港港湾計画と伊勢湾の港湾ビジョンとの関連性はどのようになるのか、お伺いいたします。また、名古屋港と衣浦港と三河港との連携及び役割分担を含め、三河港港湾計画の改訂を今後どのように取り組まれていくのか、お伺いいたします。  以上、壇上からの質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 21: ◯保健医療局長(吉田宏君) 国民健康保険に関する御質問のうち、まず、決算補填等目的の法定外繰り入れについてお答えいたします。  決算補填等目的の法定外繰り入れを行った市町村数及びその金額は、制度改革前の二〇一七年度は三十二市町村で約七十一億円でしたが、制度改革初年度の二〇一八年度は二十八市町村で約五十七億円であり、市町村数及び金額とも減少しております。  二〇一七年十二月に策定しました愛知県国民健康保険運営方針においては、決算補填等目的の法定外繰り入れなどを削減、解消すべき赤字と位置づけており、その削減、解消に向けて、計画的に取り組んでいく必要があると考えております。  具体的には、赤字発生年度の翌々年度までに赤字解消を見込めない市町村は、保険料の急激な変化がないように配慮しつつ、目標年次を定めた赤字削減・解消計画を策定し、取り組みを進めているところでございます。  県といたしましては、計画を策定した市町村に対して適正な保険料の設定や収納率の向上、医療費の適正化等、赤字削減、解消に向けた取り組みが着実に行われ、計画が達成されるよう、指導、助言してまいりたいと考えております。  次に、保険料水準の統一についてお答えいたします。  現在、本県の各市町村における保険料は、それぞれの医療費水準を反映したものとなっており、保険料水準は統一されておりませんが、仮に統一をいたしますと、市町村によっては保険料が大きく変動することも予想されます。また、保険料水準の統一に向けては、決算補填等目的の法定外繰り入れなど、市町村の個別政策的な取り組みに関する課題もございます。  したがいまして、本県の国保運営方針では、将来的な保険料水準の平準化に向けて、医療費の適正化などの取り組みを進めてまいりますが、当面の間、保険料は医療費水準を反映することとしております。  今後の方向性につきましては、市町村の意見をしっかり聞きながら検討してまいりたいと考えております。  次に、外国人による国保の不適正利用についてお答えいたします。  治療目的で来日する外国人が国保に加入し、高額な医療を受けているとの報道がなされたことを受けまして、国は二〇一七年度に全市町村を対象に調査を行いましたが、報道のような事例はほぼ確認できなかったということであり、本県におきましても確認されておりません。  国は、治療目的の国保加入が疑われる場合等に、市町村が地方入国管理局に通知する制度を二〇一八年一月に創設しておりますので、県といたしましては、この制度の運用によりまして、外国人に対する国保の適正な適用に努めているところでございます。  国民健康保険につきましては、制度改革後一年半が経過したところでございますが、おおむね円滑に移行できたものと認識しており、今後も市町村等としっかり連携して、制度の安定的な運営に努めてまいります。  次に、児童虐待についての御質問のうち、歯科医師との連携強化の取り組みについてお答えいたします。  多数の虫歯はネグレクトがその背景にあるケースもあり、虐待の早期発見に歯科医師の果たす役割は大変大きなものがございます。  そこで、県では、今年度新たに歯科医師を初めとする歯科保健医療関係者向けの虐待対応マニュアルの改訂版を作成し、ウエブページへ掲載するとともに、歯科医療機関や市町村、学校等に概要を記載したパンフレットを配布いたします。  さらに、このマニュアルを教材としまして、歯科保健医療関係者、児童相談所職員、市町村担当者を対象にした研修会を開催いたします。  このような取り組みを通じて、児童虐待防止に向け、歯科医師との連携を強化してまいります。 22: ◯福祉局長(平田雅也君) 児童虐待についての御質問のうち、初めに、地域の関係機関の連携強化についてお答えいたします。  児童虐待の未然防止には、市町村を中心に地域の関係機関がネットワークを構築し、取り組むことが重要であります。  市町村が設置する要保護児童対策地域協議会は、児童相談所を初め、児童福祉担当課や保育所、学校、保健センター、さらには警察署や医療機関等が参加し、家庭環境や養育に不安がある児童や、年齢、生活状況により出産前から支援が必要な妊婦等に関する情報交換を行うとともに、共通の認識に立って、適切な支援方法や役割分担について協議するなど、重要な役割を果たしております。  県といたしましては、児童虐待の未然防止の取り組みを促進するため、今後とも児童相談所による適時適切な情報提供や助言に努め、この協議会の運営を積極的に支援してまいります。  次に、児童相談所における介入と支援の機能分化についてお答えいたします。  ことし六月に改正されました児童虐待防止法において、児童相談所の介入と支援の機能分化が規定され、来年四月一日から施行されます。この趣旨は、ちゅうちょなく一時保護を行うとともに、保護者への支援を円滑に行う体制を整えるものと認識しております。  本県では、これまで機能分化を実施しておりませんが、国の調査によりますと、機能分化をしている児童相談所は全体の約三分の一であり、介入後、一定の段階でケースを引き継ぐパターンや、対応の途中から共同して業務に当たり、引き継ぎながら交代するパターンなど、それぞれの地域の実情に応じた方法で実施されております。  県といたしましては、全国の取り組み状況や国の動向を踏まえながら、本県の児童相談所に最もふさわしい機能分化の体制について、今後とも十分に検討を行い、実施してまいりたいと考えております。  次に、中核市の児童相談所設置についてお答えいたします。  国の調査によりますと、全国五十四の中核市のうち、二〇一九年四月時点で、設置済みが三市、設置する方向が一市、設置の方向で検討中が五市などとなっております。このうち、本県の三市につきましては、豊橋市が設置の方向で検討中、岡崎市及び豊田市が設置しない、もしくは未検討となっております。  本県では、これまで中核市及び本県の担当課長等による会議を行い、今回の法改正の趣旨や内容を伝えますとともに、各市の取り組み状況について意見交換を行ってまいりました。児童相談所の設置は、それぞれの中核市が地域の実情に応じて総合的に判断されるものと考えておりますので、今後とも適切に対応されるよう、児童相談所の設置に必要な人材の確保や財政措置等に関する情報の提供や助言など、中核市の求めに応じたきめ細やかな支援に努めてまいります。  次に、一時保護所への入所が困難な場合及び入所期間が長期化した場合への対応についてお答えいたします。  一時保護は、児童の安全を迅速に確保したり、児童の心身の状況を把握するために実施するものであり、一時保護所におきましては、安全・安心な環境で児童の状況に応じたケアが提供できるよう、適切な運営に努めているところでございます。  本県には一時保護所が二カ所ございますが、児童の年齢や心身の状態、入所状況等により、入所が困難な場合もあります。そうした場合、児童にふさわしい乳児院や児童養護施設、障害児入所施設、あるいは里親等へ速やかに一時保護委託を行っております。  また、児童養護施設等への入所に必要な保護者の同意などの法的手続や、家庭復帰に向けた保護者との調整に時間がかかり、長期入所となる場合がございます。そのような場合は、保護児童の個々の状況を確認しながら、可能な限り早期に施設入所や在宅支援などに移行できるよう、保護者や関係機関との調整に努めております。  今後とも、児童一人一人の状態に合わせた支援が提供できますよう、一時保護所の適切な運営に努めてまいります。  次に、専門職員の確保と資質の向上についてお答えいたします。  本県では、児童相談所の体制強化を図るため、児童福祉司等、専門職員を二〇一七年度から二〇一九年度までの三年間で四十八名増員しております。二〇二〇年度以降につきましても、国が昨年末に策定いたしましたプランに基づき、計画的に増員してまいりたいと考えております。  こうした人材の確保のため、今年度の職員採用候補者試験において、社会福祉職及び心理職については、これまでの試験区分に加え、三十歳から五十九歳までの方でも受験可能な特別募集を行い、実務経験者を幅広く採用することといたしました。  また、経験年数の短い職員が多くなっている中で、職員の資質向上のための取り組みは極めて重要であり、これまでの法定研修に加え、本県独自に今年度から若手職員の実践力を強化するための研修や、職員の指導、教育を行うスーパーバイザーの指導・育成技術向上のための研修を実施しております。  今後とも、こうした研修やOJTにより相談業務のノウハウの継承を図り、若手職員の育成を図ってまいります。  最後に、児童相談所職員の精神的なストレスに対するケア及び処遇改善についてお答えいたします。  児童福祉司等の仕事は、緊急対応や児童相談所の方針に反発する保護者への対応など、精神的に負担が大きい業務となっておりますことから、担当者が受け持つ全てのケースについて、スーパーバイザーが直接かかわり、対応するとともに、組織として援助方針を決定するなど、担当者の精神的なストレスの軽減に努めております。  また、働きやすい職場環境づくりも重要であると考えており、職員の増員に伴い狭隘化する児童相談所の施設の増築を進めるとともに、児童記録の作成等の事務処理業務の効率化を図るシステム改修を行うなど、職場環境や業務の改善にも取り組んでおります。  こうした取り組みも含めまして、県といたしましては、全ての子供の命と笑顔を守ることを最優先に、今後とも、児童相談所の機能強化や関係機関との連携促進を図り、児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応にしっかりと取り組んでまいります。 23: ◯教育長(長谷川洋君) 一時保護されている児童生徒への学校における対応について、二点お尋ねをいただきました。  まず、児童生徒の出席の取り扱いについてお答えをいたします。  文部科学省より二〇一五年七月に、一時保護等が行われている児童生徒の指導要録に係る適切な対応及び児童虐待防止対策に係る対応についてという通知が出されております。各学校ではこの通知に基づきまして児童相談所と連携を図りながら、一時保護所における相談、指導の状況や、児童生徒の生活、学習の状況等を把握した上で、出席扱いにするかどうかを判断いたしております。  次に、児童生徒が学校復帰した際の対応につきましては、一時保護所における学習の進度等を確認した上で、授業においてチームティーチングや少人数指導を行ったり、授業後に補習をしたりするなどして支援体制を整え、学習のおくれが生じないようにしております。  今後も、児童相談所や市町村の福祉担当部局が所管する要保護児童対策地域協議会、あるいは個別ケース検討会議等、関係機関との連携を密接にいたしまして、一時保護された児童生徒一人一人に寄り添いながら、適切に対応をしてまいります。 24: ◯建設局長(林全宏君) 伊勢湾の港湾ビジョンと三河港の港湾計画改訂についてのお尋ねのうち、まず、ビジョンの目的と位置づけについてであります。  伊勢湾の背後圏に集積する物づくり産業にとって、名古屋港、衣浦港、三河港の県内三港を初めとした伊勢湾に位置する港湾は、国際物流の結節点として重要なものとなっております。  伊勢湾の港湾ビジョンは、背後圏の企業活動の活性化や生産性の向上を図るために、伊勢湾の港湾が果たすべき役割を示すことを目的に検討が進められており、本県としても、物づくり産業の国際競争力の維持、発展を目指し、策定に参画しております。  次に、港湾行政を進めていく上での伊勢湾の港湾ビジョンの位置づけであります。  物づくり産業のサプライチェーンは、多くの生産拠点と複数の港湾、それらをつなぐ道路ネットワークにより成立していますので、広域的な視点から港湾行政を進めていくことが重要であります。  このため、各港湾で実施する施策の検討、実行に当たっては、伊勢湾という広域的な視点により策定される伊勢湾の港湾ビジョンに示される役割や方向性を踏まえていく必要があります。特に将来を見据えた港湾政策の方向性を示すものとなるため、港湾計画といった中長期の施策を検討する際の指針として活用してまいります。  次に、三河港の港湾計画改訂についてであります。  現在の港湾計画は二〇一一年に改訂しており、この計画に基づき、船舶の大型化への対応や埠頭再編などの事業を推進しております。  一方で、産業のグローバル化の進展や東アジア地域の急成長など、大きく変化する国際社会の中で、三河港の自動車流通港湾としての国際競争力を維持、強化する必要があります。  また、国においては、港湾計画を定める際の指針である港湾の開発、利用及び保全並びに開発保全航路の開発に関する基本方針が本年六月に見直しされ、この地域の港湾の方向性を示す伊勢湾の港湾ビジョンの検討も進められております。  こうしたことから、三河港の港湾計画の改訂に当たっては、国が示した基本方針はもとより、伊勢湾の港湾ビジョンでの議論、論点、方向性を参考に進めてまいります。  次に、三河港の港湾計画改訂の取り組みについては、今年度後半から取扱貨物量、環境、交通量などの基礎調査を行い、物流に関する調査に当たっては、三河港に加え、名古屋港や衣浦港との連携、役割分担について検討するなど、愛知県港湾物流ビジョンで示したサプライチェーン全体の生産性向上を目指して調査を進めてまいります。  今後、学識者や港湾関係者による委員会を開催し、二〇二二年度改訂を目標に、具体的な計画の内容について検討してまいります。 25: ◯知事(大村秀章君) 丹羽洋章議員の質問のうち、私からも三河港の港湾計画改訂についてお答えをいたします。  東三河の玄関口である三河港は、産業・経済活動を支える物流拠点として、この地域のさらなる発展にとって重要な役割を担っており、東三河の地域力を向上させることは、日本一元気な愛知の大きな柱となります。特に完成自動車の取り扱い拠点であり、輸入自動車につきましては全国第一位、輸出自動車につきましては全国第二位を誇るなど、日本経済を牽引する港として重要な役割を担っております。  なお、今も神野地区、そしてまた明海地区もさらに用地、路線を含めて進めているわけでございまして、着実な整備を進めていかなければならないと思っております。  このため、強靱で安定的な物流ネットワークの構築を進めることが重要であります。  計画改訂に当たっては、三河港と背後地を結ぶ幹線道路の整備による三遠南信地域を含めた背後圏の拡大を考慮するとともに、伊勢湾の港湾ビジョンを踏まえて、現在の三河港の特徴、優位性を伸ばしていけるよう、地元関係者や港湾利用者、さらには経済界、そして地元の行政の皆さんからのさまざまな御意見も幅広くお伺いをして、次の時代にふさわしい三河港の姿を描いてまいりたいと存じます。 26: ◯保健医療局長(吉田宏君) ただいま、私、国民健康保険の御質問のうち、外国人の国保の不適正利用についての国の調査が二〇一七年度に行ったと答弁いたしましたが、誤りがございました。正しくは二〇一七年でございましたので、まことに申しわけございません。謹んで訂正させていただきます。 27: ◯三十番(丹羽洋章君) 御答弁ありがとうございました。  三河港の港湾計画改訂について、一点御要望させていただきたいと思います。
     三河港でございますけれども、輸入自動車、もう二十六年、輸入台数、金額とも日本一という特色のある港でございますが、御承知のとおり、神野地区においてはもうカーポート、車を置く場所がないということで、やむなく御津地区に今、陸送して置いているというような状況にもなってきております。  次期改訂においてもしっかりと、そうしたところも踏まえて改善ができるように取り組んでいただける計画にしていただきますことを期待いたしますとともに、現計画においても着実に進めていただきますことを強く要望するものでございます。  あわせて、御津地区には立派な緑地公園もございますけれども、そこがやはり雑草が生えて、管理がなかなか行き届いていない、利用がしにくい、そうした声もあります。維持管理につきましてもしっかりと取り組んでいただきますことを強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 28: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  加藤貴志議員。     〔十一番加藤貴志君登壇〕(拍手) 29: ◯十一番(加藤貴志君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、二つのテーマに関し、順次質問をさせていただきます。  一点目は、多胎児支援について、二点目は、シニア世代の子育て支援活動への参加促進についてであります。  まず初めに、多胎児支援についてであります。  三つ子家庭。ミルクを一日に二十四回。一日中、三人のうち誰かは泣いている状態。睡眠時間も数時間しかとれない毎日。ひどいときは、一時間睡眠。終わりの見えない状況。夫の育休終了・職場復帰後は、家事・育児全般を一人で担い、そのような状況が数カ月。そして、行政支援を受ける気力もなくなり、昨年一月、豊田市で起きた三つ子の母親による虐待死事件。夜中に泣きやまない当時十一カ月の次男を抱え上げ、畳の上に二回にわたって投げ落とし、二週間後、その次男は脳挫傷が原因で息を引き取りました。  以前から母親は子育てに関し、行政へさまざまな相談を持ちかけていました。  一方、妊娠届を受け取った時点で多胎と把握していた行政サイドでしたが、特別な支援が必要との認識はせず、その後も問診票などで危険な兆候が出ていたにもかかわらず、介入を行うことはありませんでした。  そのような状況に母親は無力感、絶望感を徐々に感じ、それが積み重なり、最終的にこのような事件につながったのではないかと考えられます。  厚生労働省が旗振り役となり始まった、妊娠、出産から子育て期まで切れ目なくサポートする子育て世代包括支援センター。現在、その展開が全国に広がり、二〇二〇年度末までに全国で設置されるよう国が強力に進めています。  また、厚生労働省は各都道府県知事に対し、保健所設置市市長及び特別区区長を除く管内市町村長にセンターの適正かつ円滑な設置運営の周知を行うよう通知がされています。  妊娠期から子育て期まで切れ目のない包括的支援を行っていくことに主眼が置かれたこの支援センターの事業内容の目的は主に四つ。一、妊産婦、乳幼児らの状況を継続的に把握すること。二、保健師らによる相談、情報提供、助言を行うこと。三、課題やニーズに的確に対応する支援プランの作成を行うこと。四、関係機関との連携を行うこと。  では、子育て包括支援センターがあるにもかかわらず、なぜこのような事件が起きたのでしょうか。  ことし六月、豊田市で、内部・外部検証委員会が今回の事件の事実把握、発生原因の分析、再発防止策を検討し、その結果を報告しました。  その報告で挙げられた本事件の特徴として、当該者が要支援家庭の予防、早期発見につながる特定妊婦として管理されていなかった、多胎児支援の重要性が認識されていなかった、医療機関等、関係機関との連携がうまく機能していなかった、当該者との信頼関係構築、切れ目のない支援、相談体制の強化が不足していた、母子保健コーディネーターの役割の整理とセンターの体制が不十分だったなどがありました。  これらの特徴は、多胎児支援において行政で欠けている点であり、単胎児に対する指導、考え方は多胎児にはほとんど当てはまらないという証左なのではと感じています。つまり、単胎児と多胎児の育児方法を全く別物として捉え、それぞれの支援方法を考えていく必要があるということです。  では、実際、多胎児支援にはどのような課題があり、その課題に対し、行政はどのような対応を行っているのか。これらを把握するため、積極的に多胎児支援を実施している団体、行政を訪問、調査を行ってきました。行政主体で支援を行っている埼玉県川越市、そして滋賀県大津市。  川越市では多胎児支援は、妊娠から産後一年までの間に一日一回、二時間を三十二回利用できる無料サービスを提供しています。  その支援内容は、介護事業所からのヘルパー派遣による授乳、沐浴介助、掃除、洗濯、健診付き添いなど多岐に及び、利用者の所得制限はありません。  サービスの周知は母子手帳発行時、新生児訪問などの際に行われており、サービス自体は行政が外部委託事業として、登録介護事業所に委託、連携をとり行われています。  また、大津市では、生後三歳になるまで、百時間分の無償サービスを所得制限なしに受けることができます。サービス利用を希望する場合、電子申請も可能で、申請簡素化、事務作業負担の軽減にもつながっているとのこと。また、財源は、子ども・子育て支援交付金の養育支援訪問事業として、国、県、市がそれぞれ各三分の一ずつを拠出しています。  支援内容は、ほかの自治体とほぼ同様で、事業形態も類似しています。加えて、産前、産後、育児のケアとして、多胎児家庭が集え、情報交換できる交流の場を積極的に設けていることも特徴です。  なお、ユニークな支援としては、佐賀県では、双子以上の多胎児家庭にタクシー料金二万円分の利用を助成する事業を二〇一七年から始めています。多胎児家庭は出産や健診を受けられる病院が限られ、交通費がかさむため、配慮された支援策がとられています。  NPO法人ぎふ多胎ネットは、多胎児育児経験者を中心とする子育て支援者、通称ピアサポーター、保健師、保育士、医療関係者等の専門職が相互にかかわることで多胎児家庭の支援をしている団体で、経験者だからこそわかるサービスの提供ができる、寄り添い型の支援を行っています。  調査から感じたことは、まず、多胎児支援の問題は、社会要因と家庭要因に分けて考えることができるのではないかということです。  社会要因としては、さきの豊田での事件における特徴にもあらわれているように、行政が提供するサービスは多胎児家庭に寄り添うことができるような仕組みになっておらず、適正なサポートが受けにくい。また、多胎児家庭の実情を理解、把握、対処できる専門的な知見を持った人材が少なく、特に母親の不安を取り除くことができる十分な情報入手が難しいということです。  一方、家庭要因として、多胎児家庭は単胎児家庭よりも精神的・肉体的負担が大きく、物理的な外出の困難さ、ミルク、おむつ、洋服等に単胎児家庭の二倍から三倍の費用が同時に必要となり、経済的負担も大きいなどです。  また、当事者へのアンケートによると、虐待をしているかもと感じる割合が多胎児家庭のそれは単胎児家庭よりも高く、産後鬱のリスクも大きいようです。  社会的要因にしろ、家庭要因にしろ、多胎妊娠した時点で、産前・産後・育児不安、育児困難、虐待感情が生じるリスクは、単胎の際よりも大きいということが理解されるべきかと思います。  愛知県における多胎児出生数は年間千三百から四百人で、全新生児に占める割合は約二%です。割合は決して大きくないですが、小さな声を聞く、このことで当事者に支援が行き渡るような制度づくりを働きかけていきたいと思います。  一般社団法人日本多胎支援協会の当事者へのアンケート集計結果、一般社団法人あいち多胎ネット、NPO法人ぎふ多胎ネットとの会話で得た、あったらいいなという支援、これを幾つか紹介させていただきます。  的確なアドバイスができる有識専門家の存在。サポートしてくれる機関、施設。多胎児家庭育児の情報交換をできる機会、場所。多胎児家庭のニーズと合う保育園の入所条件。ピアサポーターの存在。経済的支援。産前、産後のホームヘルパー派遣。多胎児育児に関する情報誌の発行。  つまり、逆に言うと、これらが現在、多胎児家庭への不足支援項目ということが言えると思います。  一般的に、子育ては三歳までが特に手がかかる時期です。その観点からも、多胎児家庭への集中的な支援もその三年が勝負ということになります。この時期の手厚い支援は、将来への投資という意味合いにもなります。  つまり成人になると、双子の場合、同時に二倍の労働者、納税者になり、母親が子供を預けることができ、再就業できた場合、人手不足緩和や女性活躍が進むと期待されています。  また、単胎児家庭よりも多くの支援を必要とする多胎児家庭へは、行政が行う事業だけではなく、地域のNPO法人、民間団体などが取り組んでいるインフォーマルな活動も含め、さまざまな関係機関が互いに連携、調整、協働体制をしいていくことが非常に重要なことだと感じます。  しかし、配慮しなければならないのは、多胎児家庭は日々、絶えず多胎育児に追われる中、行政による有益なサービスがある場合でも、それを求めて外出するということができにくい状況にあります。  つまり、このような状況において、サービス提供側は呼び寄せ型支援ではなく、家庭訪問型支援を行うことが重要であり、そこが単胎児家庭の支援とは別の視点を持たなくてはならないという側面だと考える理由です。  家庭訪問により個々の家庭状況の把握も容易になり、外部との接点もでき、孤立無援になるのを防ぐことにもなります。  昨今、児童虐待で子供が亡くなるという痛ましい事件が各地で起こっています。その一因として、児童相談所、自治体、関係機関などの間で連携がうまくとれていなかったということを聞くことも多々あります。子供を安心して産み育てることができる環境を整えていかなくてはならないと切に願います。  知事の公約の中の一つに、日本一子育てしやすい愛知の実現とあります。多胎児支援を含め、子育て支援全般の実動は各市町村に委ねられています。  冒頭に述べた事件の控訴審判決が先日九月二十四日に出され、判決で、行政機関の十分な支援を受けられないまま、負担の大きい多胎育児に一人で懸命に取り組む中で起きた痛ましい事案と、母親の置かれた育児環境へ考慮すべき一定の事情もあったとしています。  また、手薄となっている多胎児家庭の支援について、厚生労働省は、令和二年度予算概算要求における重点事項、母子保健医療対策の推進の中で、多胎児妊産婦への経験者による相談支援、育児サポーター派遣等という項目を挙げています。  そこでお尋ねいたします。  国も動き始めた多胎児支援。県として、現在どのような取り組みを行っており、課題をどう認識しているのか、今後どのように進めていくのか、見解をお尋ねいたします。  二つ目の質問に移ります。  シニア世代の子育て支援活動への参加促進についてです。  少子・高齢化。現在、日本が直面する大きな課題の一つです。その状況にどのように対処していくのか。国がさまざまな施策を打ち出しているのは既に多くの人が知り得ることです。  十月から一定条件のもと、ゼロ歳から五歳児を対象にした幼児教育、保育の無償化制度が始まります。この制度が社会にどのような影響を及ぼすのか、現時点では明言できませんが、特に心配されるのは受け入れ側、つまり保育所など、とりわけ保育士の確保に困難さが生じることが予想されます。  保育士のなり手不足は有効求人倍率にも顕著にあらわれています。十九年一月時点での保育士の有効求人倍率は三・六四倍と全体平均の約二倍超。また、保育所の約三〇%が人手不足で、約八%が児童の受け入れ制限を行っているという状況もあるようです。  保育士不足への対応策として、愛知県は二〇一五年から子育て支援員を養成する研修を開始。研修修了者には子育て支援員研修修了書が交付され、支援員は子供・子育て分野に携わってもらえるよう期待されています。  この研修制度、二〇一八年の受講者の年齢内訳は、二十代未満九%、三十代二二%、四十代三〇%、五十代二七%、六十代以上一二%と伺っています。  特に注目すべきは六十代以上の割合一二%で、これは三十代から五十代の平均割合三二%から半減以下になっているという事実です。これは年齢が上がると、健康面、体力面で支障が出てくるため、参加ができにくくなるという背景があるのかもしれません。  統計によると、今後、二〇四二年までは若者が減る一方、シニア数は増加し続けると予測されています。つまり、今後、四半世紀は、シニア層の占める割合が大きい社会になっていきます。ただし、社会はこの高齢化社会に手をこまねくのではなく、逆にシニア人材が社会で大いに活躍できる環境を整えていく必要性があると思います。  年齢とともに体力や健康面の理由により活動範囲が狭くなるのは否めないことですが、年齢とともにシニアの方々がほかの世代と比べ、確実に優位性を持つのはその経験と時間だと思います。  加えて、会社で定年を迎え、次の生きがいをどこに見つけたらいいのか。男女では地域社会とのつながりの深さに大きな差があると思います。特に人生百年時代が迫っている中、定年後の余生をどのように過ごしていくのか。  保育士のなり手不足が大きな社会問題の一つとなる一方、実は時間もあり、人生で豊富な経験を持つ人材は多く存在します。かつ、今後、その数はふえていきます。是が非でも地域で活躍していただきたい。そのように期待されているのがシニアの方々です。  会社とのつながりが終わると、次は地域社会とのつながりを充実させていく必要があると思います。その一つとして、シニアの方々に地域で子育てサポートを行うという選択肢もありますよと働きかけ、地域で子供を育てるという考えを浸透させる。それが地域貢献、そして保育士の負担軽減にもつながるという好循環をつくり出せるのではと考えています。  先日、県としてシニア世代へ地域での子育て活動を推進している福岡県福祉労働部子育て支援課を訪問、視察を行ってきました。  福岡県は独自に、ふくおか子育てマイスター制度というものを設けています。これは豊富な知識、経験を持つ六十歳以上のシニアが地域の子育てを応援、活躍していただくようにするための制度です。  活動に至るまでの流れは、全七日、三十時間のマイスター認定研修会を受講し、ふくおか子育てマイスターの認定を受け、登録された後、地域の子育て現場で活躍していただくという仕組みです。  主な活動内容としては、保育所での早朝勤務、市町村シルバー人材センター登録を介し、保育所への送迎や託児活動、ファミリー・サポート・センターの提供会員としての子供預かり業務、地域イベントでの託児、読み聞かせなど、さまざまな分野のものがあります。  冒頭に述べた子育て支援員との関係性でいうと、子育て支援員になるために必要な基礎研修と専門研修のうち、マイスター認定者はその基礎研修が免除されるということです。マイスター制度には子育て支援員に必要な専門研修は不要で、制度が簡素化されており、シニアにとっては受講のハードルが低いということです。  ただし、専門性がないということではなく、参加者はマイスター制度の独自基礎研修でしっかりと勉強されています。  シニアはボランティアなどの地域活動に意欲があるものの、なかなかその一歩が踏み出せないその理由として、近隣でそのような機会がない、時間を縛られる、あるいは煩雑なことはしたくないということも挙げられています。その観点では、シニアに特化したこのマイスター制度は、シニア、託児所、子育て家庭にとってもメリットが大きいと感じます。  二〇一二年にスタートしたこのふくおかマイスター制度、現在のマイスター登録人数は千五百四十一人。対象者を六十歳以上として、年間登録者数を愛知県と比較した場合、福岡県のそれは約二百二十人、愛知県は約六十人。つまり、福岡県は愛知県の三・六倍となります。  福岡県は独自の制度を持ち、取り組みに力を入れているため、登録者数が多くなっていますが、六十歳以上の人口は、愛知県二百二十六万人、福岡県百六十万人ということを考慮に入れた場合、活躍できる環境があれば、愛知県にはまだまだ子育て支援者となり得る潜在者が多くいると期待できます。  また、福岡県はシルバー人材センターにこの制度の業務委託をしています。シルバー人材センターは、登録済みマイスターとサポートを必要としている託児所、保育所などをマッチングしながら、人材の有効活用を進めています。  豊富な経験を持つシニアを受け入れる保育所などからは、特に朝夕の保育士が手薄になる時間帯に短時間だけでも来てもらえるので助かります、若い保育士の見本になっていただいていますなど、好意的な意見が多々あるようです。  一方、今後取り組むべき課題として、現在一割にも満たない男性のマイスターをどのようにふやしていくのか、託児所等にマイスターの存在、利用をどのように促していくのかを考えなくてはいけないと、シルバー人材センターのコメントがありました。  なお、福岡県として、ふくおか子育てマイスターを今後も引き続き発展させていくための活動支援、例えば、マイスター活動に関する相談対応、マイスター認定者の資質維持、向上、モチベーションアップのためのフォローアップ研修会の開催、活動事例集発行、マイスター同士のグループ活動などを継続的に行っています。  シニアの方に社会で活躍していただく機会を提供することは、自身の生きがいづくり、心身ともの健康増進、現場で働く保育士の負担軽減にもなると考えます。また、世代を超えた第三者とのかかわり合いは、子供たちにとっても、また、親御さんにとっても、メリットは大きいと考えます。  高齢者がふえ、生産年齢人口が減る中、例えば保育士不足にある保育現場に関し、厚生労働省はシニア人材の活用も想定した朝夕の時間帯に限る保育士の人員配置基準の緩和を行っています。私も現場からは、早朝、夕方に園児を託児所で見る人が足りないと相談を受けたことがあります。  そこでお尋ねいたします。  愛知県として、子育て支援員研修制度を実施していますが、保育士不足の中、新たな保育の担い手として、子育て経験豊かなシニア世代を活用していくことが必要と考えます。そうした中、県は多様な保育サービスの担い手を養成していくために実施している子育て支援員研修を今後、どのように進めていかれるのか。特に六十歳以上の受講者が少ない現状をどのように捉え、参加率を上げるため、今後、どのような対策を行っていくのか。福祉局のお考えをお尋ねいたします。  以上、当局からの明確な答弁を期待し、壇上からの質問を終わらせていただきます。御清聴いただき、ありがとうございました。(拍手) 30: ◯保健医療局長(吉田宏君) 多胎児支援についてお答えいたします。  同時に二人以上の育児を行う多胎児家庭においては、一人のお子様の育児とは全く異なる大変さがあり、育児負担の軽減を図るため、一層の支援が必要でございます。  市町村が実施する養育支援訪問事業は、各家庭を訪問し、ヘルパーや子育て経験者が実施する育児・家事援助や、保健師などが個別の相談に対応する専門的相談支援から成り、多胎児支援においても有効な施策でございます。  このため、県といたしましては、養育支援訪問事業が全市町村において実施されるよう、市町村担当課長会議等において働きかけるとともに、支援に従事する職員の資質向上のための研修会を開催しております。  しかしながら、養育支援訪問事業のうち、とりわけ多胎児支援に有効と思われる育児・家事援助の実施は現在二十七市町にとどまっており、その増加を図ることが必要でございます。  また、事業を実施している市町においても、母親だけでなく、家族を含めたよりきめ細やかな支援をしていくことが課題であると考えております。  そのため、県では、育児・家事援助に関する市町村の先進事例を担当課長会議等の場で情報提供するとともに、より適切な支援につながるよう新たに多胎児支援に実績のある民間団体と連携し、多胎児の育児経験者を研修会の講師として招くなど、研修内容の充実を図ってまいります。  今後とも安心して子供を産み育て、子供が健やかに成長できるよう、しっかりと取り組んでまいります。 31: ◯福祉局長(平田雅也君) シニア世代の子育て支援活動への参加促進についてお答えいたします。  子育て支援研修は、子ども・子育て支援新制度に基づき実施する小規模保育や家庭的保育等の地域型保育、放課後児童クラブ等の子育て支援事業の担い手となる子育て支援員の養成を目的とした研修でございます。  この研修はどなたでも受講でき、本県では、子育て支援の仕事に関心を持ち、子育て支援分野に従事することを希望する方を対象に、二〇一五年度から毎年実施をしております。これまでに千九百十四人の方に受講していただいており、そのうち、六十歳以上の方は二百九十八人、全体の一六%となっております。  多様な保育ニーズが高まる中、地域社会全体で子育て家庭を応援していくことが重要であり、その担い手である子育て支援員は、今後一層必要になってまいります。  そうした中で、健康で元気な子育て経験のあるシニアの方が子育て支援員として御活躍いただくことは、核家族化が進む中で子供たちにとっても高齢の方との触れ合いを持つよい機会となるとともに、高齢者の健康増進や生きがいにも資するものであります。  県といたしましては、今後、より多くのシニア世代の方に子育て支援員研修を受講していただき、保育の現場などで御活躍いただけるよう、市町村を通じまして定年退職された方々などに積極的に受講を働きかけますとともに、地域の高齢者団体などにも周知を図ってまいりたいと考えております。 32: ◯十一番(加藤貴志君) 御答弁ありがとうございます。  二つのテーマに対して、それぞれ要望を述べさせていただきます。  まず、多胎児支援に関してですが、二点要望を述べさせていただきます。  一点目は、行政は多胎児支援に関し、例えば、外部委託する形でピアサポーター、有識者を持つ外部機関と連携、あるいは、相談窓口としてさまざまなアドバイスできる団体に多胎児家庭支援アドバイザーとして、ともに当事者のニーズを満たすため、具体的な対応策を進め、社会全体で支える仕組みを構築していただきたいということです。  二点目は、現在、愛知県は、あいちはぐみんプラン二〇二〇─二〇二四を策定中だと思います。現行のはぐみんプラン二〇一五─二〇一九に掲げられている重点目標、子供の健やかな成長を支援するの中で、とりわけ、専門的な知識及び技術を要する支援という基本施策があり、障害のある子供への支援、外国人の子供への支援という記載はあります。しかし、そこには多胎児への支援という基本施策はありません。  そこで、ぜひ次期あいちはぐみんプランに多胎児への支援という施策を入れ込んでいただきたいということです。多胎児支援に対し、愛知県が日本のトップランナー、モデル県となるように願います。
     シニア世代の子育て支援活動への参加促進に関しては、シニアの方々が地域で活躍することは、シニア自身も健康保持ができ、また、子育て支援にもかかわることは、保育現場にとってのメリットも大きいと考えます。これは、日本一元気な愛知、日本一子育てしやすい愛知を形づくる上で有益なことだと思います。  シニアの方々が地域で子育て支援に参加しやすいような環境・制度づくり、積極的なPRを行っていただけるよう要望いたしまして、私の発言を終わります。ありがとうございました。 33: ◯副議長(堀嵜純一君) 進行いたします。  高木ひろし議員。     〔九十二番高木ひろし君登壇〕(拍手) 34: ◯九十二番(高木ひろし君) 新政あいちの高木ひろしでございます。  私は、通告いたしました二点につき、一点目は、アジア系留学生の現状と県の対応について、そしてもう一つは、愛知県教育委員会の障害者雇用率達成に向けた諸施策についてということで順次伺ってまいります。  まず、留学生の問題でありますが、昨日の西久保県議の代表質問の中で知事の御答弁でも触れていただきましたが、愛知県内に居住する外国籍住民はふえ続けて、ついに二十六万人を超えて、東京に次ぐ、多国籍住民が数でも率でも多く居住する地域となっております。  注目すべきはその人数の問題だけではなく、平成三十年の間に大きく変化しているその中身にも注目する必要があると思います。  一九八九年の入管法改正で、ブラジルなどの日系人が急増いたしました。また、二〇〇八年のリーマンショックによって、このブラジル人の皆さんが帰国を余儀なくされる等の現象が生じました。そして、入れかわるように、今度は中国とフィリピン、ベトナムなどアジア系の永住者、定住者がふえまして、カテゴリーの上でも在留資格の上でも技能実習生や留学生などの、これはそれぞれ就労には条件がつく外国人でございますが、こうした方々も急増してきております。  名古屋市内でも、コンビニや飲食店で働くアジア系留学生と思われる店員の姿はもはや当たり前の風景となってきております。こうしたアジア系の留学生の実態と県の対応について、何点か伺いたいと思います。  県内には政府が二〇〇八年に打ち出した留学生三十万人計画に後押しされる形で、日本語教育機関がどんどんとふえてまいりまして、今五十校に達しております。  そして、その日本語教育機関の課程を修了した留学生が進学する受け皿として、専門学校がまた大きく成長してきておりました。県内の専門学校に在籍する留学生の数は、二〇一四年度、四十六校九百人であったものが二〇一八年度においては五十二校五千四十一人と、四年で約五・六倍となっております。しかし、この数字には、後ほど述べますが、さらに実態を反映する大きな陰の部分があったということであります。  また、専門学校の留学生の国籍を見てみますと、二〇一四年度は中国、ネパールが多い状況でしたが、二〇一八年度においては中国にかわってベトナムが急増するなど、国籍もアジア各国に多様化してきております。  このような状況の中で、東京福祉大学系列の保育・介護・ビジネス名古屋専門学校という名の名古屋にあります専門学校で、定員を大幅に超える留学生が存在しているのではないかという問題が発覚いたしました。  それを受けまして、県と名古屋出入国在留管理局、入管ですが、これは四月の法改正によりまして、出入国在留管理庁のもとでの管理局というふうに名前が変わっておりますけれども、この管理局と県が六月に合同で同校に調査に入りました。  その結果、何と定員の四倍をはるかに超えるような五千人近い留学生が在籍しているという実態が判明いたしました。この学校一校で五千人でありますから、先ほどの公式数値の五十二校で五千四十一人という数字が実態を余り反映していないのではないかという疑念も浮かんでまいります。  この件に関連をいたしまして、私は留学生に大量のビザを発給していた名古屋出入国在留管理局、いわゆる名古屋入管にも問題があるのではないかと考え、立憲民主党の国会議員らとともに、九月二日にこの名古屋入管を視察し、聞き取り調査を実施してまいりました。  名古屋入管の説明によりますと、専門学校は愛知県知事認可の学校でありますので、その定員については所轄庁である県が把握して管理すべきものであって、入管では把握していなかったということ、留学生の多くはまた、日本語学校から在留期間の更新という形で個々に申請してきたことなどから、結果的に定員を大幅に超える留学生のビザ更新を受け付けることになってしまったと、こんなような説明でございます。言うならば、県と入管がこの問題に関して責任をなすりつけ合っているようにも思えるわけでございます。  そこで、県にお聞きいたします。  今回の件については、この学校は県への生徒数の報告を偽っていたということが明らかになっておりますけれども、改めて、なぜ定員の四倍もの留学生がこの専門学校に在籍することができたのか、その理由をお聞きしたいと思います。  第二に、この専門学校に対しましては七月二十五日に県から指導が加えられまして、その指導の中身というのは、大幅な定員超過の原因となっている二つの学科、国際教養学科及び国際ビジネス情報学科でありますが、この定員超過状態が是正され、留学生の受け入れ体制が改善されるまでの間、新規入学生の受け入れを見合わせること、これは当然であります、そして、入学志願者等の目的意識や学力等を適切に判定し、定員に即した入学数などがきちっと選抜できるように体制を改善するとともに、入学後の適切な在籍管理体制を整備すること、そして、このような不祥事を起こした学校法人の管理運営体制を是正して、その再発防止の体制を確立すること等について指導があったようであります。  これに対しては八月三十日付で専門学校から改善計画書が出されているはずでありますが、この改善計画の中身について、そして、留学生が今後も増加すると予想される中で、こうした事態が二度と発生しないように、県内のこうした学校に対してどのように対処していくおつもりなのか、お聞きをいたします。  また、このような専門学校の留学生の多くは、日本での就職を夢見て海外から来日し、決して安くない入学金と授業料を支払って日本語学校などを修了し、その後さらに専門学校などの入学金、授業料を払って、それはみんな前払いでありますから、勉強している若者たちであります。  今回の専門学校においては、現在在籍している彼らに対し、強制的に退学させるなどの不利益な取り扱いを行わないよう県から指導されており、国際教養学科及び国際ビジネス情報学科に在籍する留学生については定員を超えた状態ではあるけれども、修業年限が完了するまでこの学校で勉強ができることになったと聞いてもおります。  ただ、こうした定員を超過した留学生の中には、資格外活動のアルバイトを週二十八時間以上行うなど、実態的には留学ビザに値しないような留学生も多く含まれているようであり、アルバイトばかりに貴重な時間を費やし、実質的な教育が保障されず、学力が身につかない状況では、一体何のために彼らが日本に留学をしてきたのか、大金を払ってきたのか、彼らのその後の進路も心配になってくるわけであります。  そこでお伺いします。  こうした留学生のアルバイト管理を含め、留学生の適切な在籍管理につきましては、県はどのような指導を行っていくのか、お示しください。  この問題の最後の質問でございますが、外国からの留学生には、日本語学校や専門学校だけではなく、さらにレベルの高い大学や大学院の学生もふえております。  こうした留学生に対しましては、学校を通じた指導、管理という形だけでなく、日本語や専門知識、技能などを習得していただいて、貴重な労働力、人材として地域社会の中に定着していただくことが期待される存在でありまして、昨年策定されました県のあいち国際戦略プラン二〇二二はまさにそうした姿を目指すものだと理解しておりますが、具体的にアジア系留学生に対してどのような支援を行っているのか、行おうとしているのか、お示しをください。  二番目の大きなテーマに移ります。  愛知県教育委員会の障害者雇用の問題であります。  昨年、障害者雇用促進法が改正されまして、四月から官民それぞれの分野での障害者雇用率が引き上げられました。  公務員部門における障害者雇用は目標を二・五%に、教育委員会は二・四%とされ、本県においては知事部局、警察本部、教育委員会ともに、何とか達成はできているという発表でありました。当初は。  ところが、障害者雇用の主管官庁であります厚生労働省を初めとして、実際の障害者雇用をカウントし直してみたところ、大幅に雇用者の数が不足しているということが明らかになり、大きな問題となったことは記憶に新しいところであります。  当然ながら、障害者団体からは厳しい批判の声が上がり、ペナルティー、つまり雇用納付金六十万円というような、不足分につき罰則も課せられている民間事業者からは、怒りの声も上がったところであります。  愛知県教育委員会の場合は、県が任命権者となる教職員二万八千三百八十五人のうち、法定雇用率二・四%に当たる六百七十二人が雇用されているという当初の発表でありましたが、障害者手帳等で確認できた在職障害者の数は、実際には二百四十七人しかいない。率にして一・一%、法定雇用率の半分以下という、全国でも最悪の数字でありました。  県教委は障害者の確認方法の認識不足によるものであり、意図的な水増しではないというふうに弁明しておりましたが、今回の事態の深刻さを十分反省しているとは思えない態度に終始したということで、私はまことに残念だと思います。  しかし、大村知事は、ことし二月の知事選挙の際、障害者団体から寄せられた公開アンケートに対してこの問題に触れて、教育現場の障害者雇用を改善するためには、通勤、就労中の支援策や、エレベーター設置を含む学校施設のバリアフリー化などが必要であると回答されております。  そこで、懸案となっている本年の本県教育委員会の障害者雇用率の達成について、何点かお尋ねいたします。  まず最初に、国の中央省庁におきましては、昨年の実際の雇用率が一・二二%と大幅に不足していたことを受けまして、昨年十月からことし六月までの間に三千八百七十六人の、非常勤職員を含め、障害者を新たに採用され、そして、ことし六月一日時点では二・三一%に、二・四%の率には届きませんでしたけれども、全体では二・三一%に改善をされたとされております。本年六月一日現在での愛知県教育委員会の障害者雇用率はどのようになったのか、お答えください。  第二問、来年度の教員採用選考試験が行われております。今回初めて、昨年の事態を受けまして、三十人という障害者特別枠を設けて、教員の採用選考、募集を行われたようであります。その結果が出ておるようでありましたら、お示しをいただきたいと思います。  第三問、そもそも、教員免許、教員資格を持っていらっしゃる障害者の方自体が、現在の高等教育における障害者の就学状況から考えますと極めて少ないわけでありますから、教員の採用だけで障害者の法定雇用率を達成することは、すぐさまにはなかなか困難だとは思います。しからば、他県で行われておりますように、教員以外の採用についてはどのようにお考えなんでしょうか、お示しください。  第四問ですが、今回の参議院選挙におきまして、二人の重度障害者の方が国会議員となられました。このことを契機に参議院がその対応をいろいろと協議されまして、国会議員としての執務中の重度障害者に対する介護・介助サービスを参議院の責任で行うという制度が措置されました。これを契機にして、日常生活において提供されている介護や介助のサービスが就労中にも、当然ながら必要であるということが改めて浮き彫りになりました。  愛知県教委におきましても、厚生労働省は既に合理的配慮指針などを出しておりまして、就業中の配慮基準、すなわち支援措置とか介助に関するさまざまな合理的配慮措置でありますね、こうしたものを整備すべきだいうことになっておりますが、この点、どのように愛知県教委においてはお考えなのか、お示しください。  この問題の最後でございますが、これは何度も県教委に私もお願いをしてきておるテーマでありますけれども、県立高校全体をバリアフリー化していくということが、これはソフトの対策とともにやっぱりハード面での整備として、障害のある人が働ける職場としての学校のため、ぜひとも必要だということでありました。  現在のところ、愛知県県立高校百五十校中の、エレベーターが設置されている高校はわずか九校であります。学校のバリアフリー化として、現在進められておる長寿命化の計画策定や作業の中で、大規模改修の際にエレベーターを設置するということを私は求め続けておりましたが、このことについては今どのようにお考えなんでしょうか。改めてお聞きしたいと思います。  以上でもって、壇上からの第一問を終わらせていただきます。どうぞ誠意ある御答弁を期待いたしまして、終わります。(拍手) 35: ◯県民文化局長(齋木博行君) 初めに、この専門学校に多くの留学生が在籍することができた理由についてお答えをいたします。  本県では、留学生の受け入れについて、これまでも安易に留学生を受け入れることは厳に慎むこと、留学生の受け入れ数は、学校の設置目的、入学定員、教職員組織、施設整備等を考慮した適切なものとすることなどについて各学校に通知をしてまいりましたが、近年、専門学校における留学生が増加している傾向にあることから、昨年十月、文部科学省の通知を受け、再度、同趣旨の内容を通知いたしました。  しかしながら、この専門学校につきましては、校舎として認められていない建物を使用して多くの留学生を受け入れることにより定員を大幅に超過する一方、県が毎年実施している生徒数調査におきましては、生徒数が定員におさまるよう、実際より少ない人数で虚偽の報告を行っていたことが今回の調査により判明いたしました。  また、この専門学校は一九九一年の開校以来、経常費補助金の交付を辞退していたことから、これまで補助金検査のために学校を訪問することがなかったため、実際の生徒数の把握には至らなかったものであります。  次に、再発防止に向けた取り組みについてお答えをいたします。  本県では、現在五十二校の専門学校において留学生が在籍しておりますが、このうち、経常費補助金を交付している三十四校については、定期的に学校を訪問し、補助金について指導検査を行うとともに、留学生を含む生徒数を出席簿、授業料徴収簿などで確認しております。  今回の事態を受け、今後、補助金を交付していない十八校につきましても、随時学校を訪問し、生徒数を確認するとともに、名古屋出入国在留管理局から留学生に対するビザの発給状況の情報提供を受け、正確な留学生数についても確認をしてまいります。  次に、留学生の在籍管理の指導についてお答えをいたします。  本県では、これまでも各学校が責任を持って授業の出欠管理、日常生活に関する指導及びアルバイトの内容、就業場所、就業時間などを常時正確に把握するよう周知をしてまいりました。  一方、名古屋出入国在留管理局では、留学生の労働時間が出入国管理及び難民認定法施行規則で定められております週二十八時間以内であることなどをビザの更新申請時に確認されております。  今後は、名古屋出入国在留管理局と連絡を密にし、週二十八時間を超えてアルバイトをしている留学生が多く在籍している学校につきましては、アルバイトの内容などを含めた在籍管理が適切に実施されるよう、指導を徹底してまいります。 36: ◯政策企画局長(野村知宏君) 急増するアジア系留学生の現状と県の対応についての質問のうち、アジア系留学生が貴重な労働力、人材として、地域社会に定着するための支援についてのお尋ねでございます。  県内の大学、大学院に通う留学生数は、二〇一四年度に五千百五十四人であったものが二〇一八年度には六千七百十九人と増加しており、彼らの多くは高度な知識や技能を習得し、日本語と英語にも堪能でございます。  こうした現状を踏まえ、二〇一八年三月に策定したあいち国際戦略プラン二〇二二では、留学生をこの地域の発展に資する高度人材として位置づけ、海外の優秀な留学生をこの地域に呼び込むとともに、大学、経済界と連携して、留学生の就職、地域定着の支援に努めることとしております。  具体的には、アジアのトップレベルの大学と連携、協力の覚書を締結し、学生や研究者の交流を進め、海外の優秀な人材をこの地域に呼び込むとともに、留学生と県内企業を結びつけるインターンシップや交流会、留学生を採用するための企業向けノウハウ習得セミナーを開催し、留学生の就職を支援しております。  さらに、アジア各国からの優秀な留学生に対し、県内企業への就職を条件とした奨学金制度を設け、海外の高度人材の呼び込み、地域定着に成果を上げているところでございます。  アジアからの優秀な留学生がこの地域で就職し、活躍することは、愛知の発展のためにも重要でございます。県としては、これからも多岐にわたる留学生の地域定着の支援にしっかりと取り組んでまいります。 37: ◯教育長(長谷川洋君) 教育委員会における障害者雇用について、何点かお尋ねをいただきました。  まず、本年六月一日現在の障害者雇用率につきましては、八月下旬の厚生労働省からの通知を受けまして、現在、調査を行っているところでございます。  次に、来年度採用の教員採用選考試験の結果につきましては、本日付で受験者に合否の結果を通知したところでありますが、障害者枠の選考の結果につきましては、志願者は二十二人ございまして、うち九人の方を合格といたしました。  次に、教員以外の職員採用についてでございます。  これまでも人事委員会が実施する身体障害者を対象とした市町村立小中学校職員採用選考により身体障害者を採用してまいりましたが、今年度から知的障害者及び精神障害者も受験できるよう、対象者を拡大したところであります。  また、教育委員会では、知的障害者を対象に、正規職員として実習助手や現業職員の採用選考を実施してまいりましたが、今後、新たな職域への採用も検討してまいりたいと考えております。  さらに、県立学校におきまして、資料印刷や図書整理などの学校業務を補助する非常勤の職員として採用するなどの取り組みを検討いたしまして、障害者雇用率の向上に努めてまいりたいと考えております。  次に、障害者への配慮についてお尋ねをいただきました。  厚生労働省が二〇一五年三月に策定した雇用の分野における合理的配慮指針では、基本的な考え方の一つとして、合理的配慮は、個々の事情を有する障害者と事業主との相互理解の中で提供されるべき性質のものであることが示されております。また、合理的配慮は、個々の労働者の障害の状態や職場の状況に応じて提供されるものであるため、多様性があり、かつ個別性が高いものであるとされております。  厚生労働省の指針のこうした考え方に沿って、障害者と事業主がしっかりと話し合った上で、個別にどのような措置を講ずるかを決定することが重要であると考えております。  したがいまして、教育委員会といたしましては、二〇一六年四月に合理的配慮指針に関する対応要綱を制定いたしまして、障害のある職員からの相談体制を整備するなど、適切に対応しているところであります。  今後も、厚生労働省が取りまとめた合理的配慮指針事例集などを参考にしながら、障害のある職員の個々の事情に応じて対応してまいりたいと考えております。  次に、県立学校におけるバリアフリー化についてお答えをいたします。  これまでエレベーターの設置につきましては、人にやさしい街づくりの推進に関する条例の制定以降、設置が義務づけられております、三階以上で、かつ床面積二千平方メートル以上の建物を新増築する場合に整備をしてまいりました。  既存の建物へのエレベーターの設置につきましては、設置スペースの確保や費用の面などで効率的な整備が困難でありますことから、本年三月に策定いたしました県立学校施設長寿命化計画の標準的な整備内容には盛り込まなかったところでございます。  なお、この先も、長寿命化になじまない建物を建てかえる際には、条例の定めに従い、エレベーターを整備してまいります。  また、エレベーターが未設置の学校に車椅子を利用する教職員が在籍することとなった場合には、これまで車椅子を利用する生徒が入学したときと同様に、車椅子に乗ったまま移動できる階段昇降機を配備してまいります。  今後とも、個別の実情に応じた対応のほか、スロープ、手すりの設置や、トイレの床の段差解消などにつきましては、長寿命化計画の標準的な整備内容に沿って取り組むことで、県立学校のバリアフリー化を着実に進めてまいります。 38: ◯九十二番(高木ひろし君) それでは、私のほうからは、要望と再質問をさせていただきたいと思います。  まず、アジア系留学生の問題でございますけれども、この問題は代表質問の中で、西久保議員の質問に対して知事からも、多文化共生、外国人人材の受け入れ、共生に向けた県の取り組みについて、協議会をつくるとか、共生センターでの取り組みなど、取り組みが御答弁されておりますから、これで要望にとどめたいと思います。  私はこの問題を取り上げましたのは、この学校がかなり悪質で、特殊な例だとは思いますけれども、これは氷山の一角ではないかと。これまでの、外国人が日本に対していろいろやってくる、その入管行政の変遷を見たときに、ことしの四月からは特定技能というような形の新たな受け入れもこれから始まるわけでありますけれども、ここ何年かは留学生という形が一番日本への出稼ぎには手っ取り早いということが、特にアジア系、ネパールなどの学生の間ではもうしきりに今話題になっておりまして、そういったブローカーもあり、これは構造的に生み出されてきた問題だと思うからであります。  この構造的な問題とは、定員割れを起こして学生の確保に躍起となる学校法人、それから、人手不足に悩むコンビニとか飲食店などのサービス業、そして、日本に行けばもうかるぞと、稼げるぞというブローカーの言葉に誘われて、多額の借金を背負ってやってくる留学生たち、こうした人たちが後を絶たない、こういう構造があったわけでありまして、これを後押ししてきた要因の一つに、政府が二〇〇八年以来進めてきた留学生の三十万人計画で、学校認可や入国管理が大幅に緩和されたという事情があることが指摘されなければなりません。  これが今回の問題の発覚を通じてまた厳格化されるということは当然ではありますけれども、外国人留学生にしても法令にのっとって適切に管理されるということは当然でありますけれども、その肝心の国の法令や制度自身がこれまで外国人の受け入れ政策に関して、多分に御都合主義的な改変が重ねられてきた経過があることを指摘しなければなりません。  九〇年代に始まるブラジル人などの日系人の受け入れ、そして国際貢献を一応名目とする研修生や実習生の受け入れ、そして留学生三十万人計画の受け入れ。政府は一貫して、今回の入管法改正に当たっても、移民政策はとらないんだと、こう言い続けてはおりますけれども、OECDのカテゴリーに従えば、これら留学生を含めまして全てこれは移民という勘定に入りまして、ある統計によりますと、日本は既にアメリカ、ドイツ、英国に次ぐ、世界第四位の移民大国だとも言われております。  大村知事はこの移民問題につきましては、二〇一五年に出版されました愛知が起こす成長革命という本の中で、成長戦略としての移民受け入れについて非常に大胆な提言もされております。この評価は今触れませんけれども、私が心配しますのは、今の調子で日本が労働力不足ということで、今はどんどんと受け入れることを進めていっても、それが本当に多文化、多民族、多国籍の住民が共生、共存していけるような社会に日本がなっていくのかどうか。欧米のような反移民とか排外主義の台頭を防ぐためには今何が必要なのか、こうした本格的な議論が決定的に不足しているというふうに思うからであります。  こうした問題については国政にかかわるテーマでもありますけれども、知事会などを通じて、ぜひ愛知県、知事からも問題提起をしていただき、本格的な議論が始まるよう期待をさせていただきます。  もう一つ、障害者の雇用の問題でありますが、この問題は昨年の文教委員会でも、また、十月の決算委員会、それから、ことしの本年度予算の議案質疑でも問題になりました。私も何回か平松教育長に尋ねたところであります。  問題発覚からちょうど一年たちました。国も他の都道府県もこの大幅な障害者雇用率の不足という実態に対して、急遽、さまざまな手を打っております。  例えば千葉県などでは、各学校に一人ずつの教員以外の現業職員を障害者で雇用するなど緊急措置をとって、百人以上の障害者の雇用が実現しております。  国も先ほど述べましたように、三千人以上の障害者の雇用がこの半年間で実現したということになっています。その中で、現在の愛知県の状況は、今ほどの答弁を伺いますと全く不十分だと言わざるを得ないと思います。雇用率については答弁がありませんでしたけれども、実際、この半年間で、一年間で障害者の雇用がふえていないわけですから、率が上がるわけないですね。一・一%台であることは明らかだと思います。こうした大幅に最悪の障害者雇用という実態を一体いつまで続けるのでしょうか。  この受け入れのためには実際には、今、いろいろ御紹介もありましたように、ソフト面の対策やハード面のバリアフリー化など、さまざまな体制が整えられなければなりません。  再質問に二点伺いたいと思います。  現在の障害者雇用の数字、率、約三百人が不足しているという実態でありますが、これは一体いつまでにこの解消を目指して、障害者雇用を進めていこうとされておるのか。目標時期とか、その採用方法について、お示しをいただきたいと思います。  二番目、エレベーターの問題でありますが、再び新築や改築の場合にしかエレベーターはつけないんだという姿勢を繰り返されましたけれども、しからば、一体、県立高校百五十校にエレベーターの設置を進めるという計画方針はお持ちでないのかと。バリアフリー法、人にやさしい街づくり条例はもちろん、新築、改築のときにはつけろと義務づけをしておりますけれども、既存の建物についても当然エレベーターを含むバリアフリー化は進めるべきというふうにしております。特に公共施設については。  この趣旨にのっとって、エレベーター設置についての計画化、その方針というものをお聞かせいただきたいと思います。
    39: ◯教育長(長谷川洋君) 障害者雇用に関して、二点の再度の御質問をいただきました。  まず、障害者の法定雇用率、いつまでに達成するかということでございますが、教育委員会といたしましても障害者の法定雇用率、できるだけ早期に達成しなければならないと考えております。  このため、先ほども申し上げましたが、本年度から教員採用選考試験において新たに障害者採用枠を設けまして、九人を合格とさせていただきました。  しかしながら、議員の御指摘にもありましたように、教員として採用するためには、教員免許資格が必要でございますので、教員の中で障害者を一度に大量に採用するというのは、なかなか難しい面がございます。  したがいまして、事務職員、あるいは実習助手、現業職員、さらには、今後、学校業務を補助する非常勤職員など、教員以外の職域、職種で工夫をいたしまして、新たな採用などを考えながら、地道に着実に障害者雇用の拡大に取り組みまして、できるだけ早期に法定雇用率を達成できるよう努力してまいります。  次に、エレベーターの設置でございます。  障害者雇用を進めていく上では、エレベーターの設置を含めたバリアフリー化は、有効な手段、方法であると私どもも考えております。  しかしながら、長寿命化の推進に当たりましては、膨大な県立学校施設が対象となっておりますので、全体として事業費を効率的に縮減を図りつつ、平準化を図って、また一方で、スピード感を持って取り組んでいかなければならないと思っております。改修工事にあわせてエレベーターを設置することを標準的な取り扱いにすることは、なかなか難しい状況でございます。  今後とも、個々、個別の実情に応じた対応のほかに、先ほども申し上げましたが、スロープや手すり、それから多目的トイレといったような長寿命化計画の中で、標準的な整備内容にしておりますことについてはしっかりと取り組んで、県立学校のバリアフリー化を着実に進めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 40: ◯四十一番(田中泰彦君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 41: ◯副議長(堀嵜純一君) 田中泰彦議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 42: ◯副議長(堀嵜純一君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後二時五十五分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後三時三十分開議 43: ◯議長(神野博史君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  今井隆喜議員。     〔二十六番今井隆喜君登壇〕(拍手) 44: ◯二十六番(今井隆喜君) 自民党所属の今井です。通告に従いまして、大きく三項目につきまして順次質問をさせていただきます。  まず一項目め、初めに、アジア競技大会についてであります。  二〇二六年、愛知・名古屋で開催されるアジア競技大会は、日本のスポーツ界にとって来年開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会終了後、自国開催における国際規模の総合スポーツイベントとして、次なる大きな目標となることが期待をされております。  大会まであと七年となりましたが、この大会を成功へと導くため、関係者が一丸となっていかなくてはなりません。  こうした中、本年五月三十日に、本大会の開催準備や運営等を担う組織であります愛知・名古屋アジア競技大会組織委員会が設立をされ、大村知事が会長として就任をされました。  これを受けて、県議会におきましても改選後、本年五月の臨時議会におきまして新メンバーを加え、アジア競技大会調査特別委員会が大会開催に向け、大会運営にかかわる諸計画の策定、選手の発掘、育成、施設整備やその後の利用、交通対策等の取り組みの推進について調査を行うため設置がされました。  その後、大会開催に向けた今後の取り組みにつきましては、前回の六月議会で我が党の代表質問、そして昨日行われた我が党の伊藤幹事長からの代表質問の中でも取り上げさせていただき、現在のところ、その進捗が少しずつ見え始めてきたところでございます。  そこで、さきの代表質問の答弁では、本年十一月にアジア・オリンピック評議会に提出する大会開催基本計画に沿って、今後は輸送や警備、そして個別の運営計画の検討を進めていくということでございました。  この大会開催基本計画に目を通しますと、競技はもとより、開会式などの式典や宿泊、輸送、情報技術、メディア、警備、宣伝活動、マーケティングなどさまざまな項目について記載をされており、大会を開催するためには非常に多くの準備が必要になることを改めて感じたところでございます。  私は、こうした多岐にわたる準備の中で、今回特に輸送面に着目して質問をしたいと思います。  二〇二六年、愛知・名古屋で開催されるアジア競技大会の特徴の一つは、大会のコンセプトにも位置づけられているように、既存の施設を活用することだと思います。そのため、競技会場は愛知県内だけでなく近隣県にも分散をしています。名古屋競馬場の跡地に設置をされるメーン選手村から離れている競技会場も数多くあり、県外や東三河など名古屋競馬場から離れた競技会場を使う選手は、メーン選手村ではなく競技会場に近いホテルなどを利用すると伺っております。  しかしながら、選手の輸送をバスに頼る以上、選手を輸送するバスが渋滞に巻き込まれることはどうしても想定されることから、時間どおりにバスを運行することが非常に大変ではないかと心配をしております。バスがおくれることにより、試合前のウオーミングアップの時間が短縮されたり、試合開始がおくれたりするようなことは避けなくてはなりません。  この輸送については、来年行われる東京オリンピック・パラリンピックでも課題として挙げられております。大会期間中は、企業などに時差出勤やテレワークの実施、車の利用を控えてもらうよう要請していたり、首都高速道路の料金を時間帯によっては上乗せすることで首都高速道路の交通量を減少させることなどが計画をされております。  このほかにも、東京オリンピック・パラリンピックではさまざまな手法が試みられると思いますので、こうした手法をしっかりと研究する必要があると思います。  また、競技会場へのアクセスルートにおいて、道路の整備や改良などが進められているのであれば、こうした取り組みを着実に進めていくことが何より重要と考えます。  特に、既に実施が確定しているオリンピックの中核二十八競技以外の競技については、実施の確定までにもう少し時間がかかるようですが、対応が時間切れになることのないよう十分に注意し、計画どおり整備を進めていただきたいと思います。  そこでお尋ねをいたします。  アジア競技大会の輸送を確実に行うために、他の大会での取り組みや教訓を踏まえながら輸送計画を検討していく必要があると思いますが、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。  続いて、輸送計画を実行していくためには、市町村との連携が必要と考えます。  私の地元、安城市では、現在、競技予定会場へのアクセスルートにおいては、現在、都市計画の一部変更等の要望を行いながら、主要地方道豊田安城線バイパスの整備に力を入れております。  この道路の整備につきましては、平成二十七年度より用地取得が進み、未整備区間のうち、先行区間の進捗とその先の鉄道をまたぐ部分の整備の行方が、現在の競技予定会場へのアクセスをよりスムーズに行うために重要な役割を果たすと地元では期待をされております。  二〇二〇年に開催をされます東京オリンピックで、追加競技種目として野球・ソフトボール競技が復活することが決定をされました。  こうした中、二〇二六年アジア競技大会においてもソフトボール競技は有力視される中で、現在、大会構想に会場候補地として位置づけられている私の地元安城市ソフトボール場は、数年前から市及び競技団体を挙げて大会成功に向けてさまざまな取り組みをしております。  具体的に、競技予定会場には、現在、この会場では全日本大学女子ソフトボール選手権、通称インカレがことしから五年間続けて開催されることになっているほか、東京オリンピックでは、カナダ女子ソフトボールチームの合宿に使われることになっているほか、国内外から多くの競技関係者や観客が集まれるように、専用のソフトボール場二面のうちメーンのA球場は昨年、二〇一八年七月にリニューアルオープンし、約二千五百人の観客が収容可能であり、夜間照明と電光掲示板を完備いたしました。  本年十月一日からは、現在女子ソフトボール一部リーグ、デンソーブライトペガサスの本拠地という御縁からネーミングライツ導入により、会場の名称もデンソーブライトペガサススタジアムとして変更されることも決まっております。  課題はアクセスでございます。本競技場への現状のアクセスに目を向けてみると、最寄り駅の名鉄本線新安城駅及び西尾線北安城駅、そしてJR三河安城駅及び安城駅からは若干の距離があるため、来場者の多くはバス及び自動車利用が想定され、市外からの来場者について言えば、会場の北一キロメートルほどにある国道一号から端末のアクセス道路を走行し、会場へ向かう交通が主流になると思います。  こうした中、地元では現在、主要地方道豊田安城線バイパスの整備済み区間をつなぐ都市計画道路安城高浜線の整備計画があるものの、一部未整備区間があるため、現状では、現道の豊田安城線を経由して会場へ向かう経路が主要な自動車アクセスルートとなっております。  一方で、この現道の豊田安城線には、途中、名鉄本線と平面交差する宇頭十二号踏切があることから現在でも渋滞が発生しているなど、アジア競技大会ソフトボール会場への主たるアクセス道路としての利用には課題があり、アクセス性の改善が強く望まれているところでございます。  この豊田安城線については、これまで県において順次バイパス整備が進められ、宇頭十二号踏切を有する現道区間との並行区間である国道一号と名鉄本線を立体交差で越える尾崎高架橋を含む一連の区間につきましては、平成二十一年度までに整備をされたものの、このバイパス区間と豊田安城線の現道を接続する都市計画道路安城高浜線の〇・七キロメートル区間がまだつながっていない状況であり、現在、先行整備区間として用地取得が進んでいる状態でございます。  今後、この区間が整備されれば、豊田安城線の現道とバイパスが連結されるなど、これまで整備されてきた区間の整備効果をさらに向上させるだけではなく、市道とあわせて整備を進めることでソフトボール競技会場へのアクセス性も飛躍的に向上するものと期待をされております。  また、その先の西側へ続く残りの未整備区間〇・五キロメートル区間も現在未整備でありますけれども、この区間は名鉄西尾線と立体交差し、安城市市街地方面とを連絡する区間であり、東海道新幹線の三河安城駅とのアクセス性を飛躍的に向上させ、その先にある二十三号明名豊道路の高棚福釜インターや衣浦港をもつなぐ大変重要な区間でありますし、先行区間の〇・七キロ区間との連結により、市北部で今年度末に整備完了を控える名古屋岡崎線との直結や、その先、豊田市内においては、令和二年度末ごろに整備予定の、トヨタ上郷工場に隣接するスマートインターとの連結も可能となり、これまで特に懸念されていた朝夕の渋滞を初め、イベント時の交通アクセスも飛躍的に向上することが期待をされております。  この未整備の〇・五キロ区間においては、現在、都市計画では道路が鉄道をオーバーする計画でありますが、さきの安城市議会九月定例会におきまして、この区間が地元の松尾市議の質問に対して市長より、都市計画の変更による鉄道高架化を実現したいとの意思表明があり、市では本格的に鉄道を高架化する方向で事業費の比較検討や事業効果の検証が進められております。  また、先ほど述べましたが、市ではアジア競技大会を大きな契機に、このソフトボール会場に多くのスポーツ観戦客が訪れるよう期待を寄せているだけでなく、西三河の広域交通拠点である東海道三河安城駅を中心とした周辺地域では、二〇二七年のリニア中央新幹線開業によりもたらされるリニアインパクトを見据えたまちづくりの計画が進められていることから、豊田安城線バイパスの早期全線整備が強く望まれております。  そこでお尋ねをいたしますが、アジア競技大会における輸送計画においても重要な役割を果たすことが期待をされる安城市内におきます豊田安城線バイパスの進捗状況と、今後の取り組みについて伺います。  続いて、大きな二項目め、介護人材不足への対策についてでございます。  超高齢社会に突入し、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年には、厚生労働省の推計では、介護職員は約五十五万人の需要増が見込まれており、今後、一層の人材不足が懸念をされております。  国では、現在こうした深刻な人材不足に対し、介護職員の処遇改善や多様な人材確保、育成、さらには離職防止、定着促進、生産性向上等に力を入れていくこととしており、これを受け、本年二〇一九年十月には、経験、技能のある介護福祉士を中心に処遇改善を行う特定処遇改善加算の創設などが予定されており、介護現場の方々からは高い評価をいただいております。  しかしながら、一方で、介護従事者の有効求人倍率は二〇一八年度平均で三・九五倍と全産業平均の二倍を超えている状態でございます。中でも都心部での人材不足は著しく、二〇一九年四月時点において介護従事者の都道府県別有効求人倍率を見ると、愛知県が一位となっており六・一九倍、東京都が二位で六・〇五倍となっております。  こうした中、現在、県では、第七期愛知県高齢者健康福祉計画において、基本方針の中で介護人材の現状と将来推計で必要とされている職員数の確保を図るため、事業者等とも連携し、福祉人材確保指針を踏まえ、さまざまな対策を打ち出されているとされておりますが、介護現場における有効求人倍率が全国一位となっている現状があります。  そこでお尋ねをいたします。  現在の計画に基づく取り組み状況はどうなっているのか、お伺いをいたします。  続いて、本年に入り、何カ所かの介護施設の関係者の方々と意見交換を行ってまいりました。事業者から共通の課題として、やはり人材不足の解消に対する取り組みへの要望を多くいただいたところでございます。その内容を踏まえ、質問したいと思います。  まず一点目に、近年は事業者の不断の経営努力によって介護人材が働く現場の環境は以前に比べよくなっているとのことでありました。中でも半数以上の優良な施設では、働きやすい環境が整うにつれ離職者も減り、近年は経営も安定してきているとのことでありました。  また、制度改正による処遇改善加算により、介護職員の処遇は他サービス業の給与面と比較しても年々よくなっている、さらに本年十月には、消費税率の引き上げに伴い介護職員のさらなる処遇改善も実施予定とのことから、給与面について言えば、かなり魅力的な職場であるとのことでございました。  こうした中、介護業界では、厳しい人材不足の中でも、特に夜間の担い手が不足しているとのことでございました。特養などの入所施設ではどうしても若いスタッフが多いと、結婚して子供ができると夜勤を敬遠しがちで、残りのスタッフに過度に負担がかかってしまう現状があるとのことでございます。  夜勤の負担は、昼夜の逆転による生活スタイルの変化だけではなくて、夜間の見回りなどは少人数で時間ごとに行うため、何かあったときの対応など不安もあり、精神的な負担も大きいとのことでございます。  早速、先日これらの問題に対し解決策を探るため、私の地元にあります特別養護老人ホームを視察してまいりました。この施設では、現在、夜勤スタッフの負担に対して、手当の増額とともに、先進的な介護ロボット導入に先行投資をして業務負担の大幅な軽減に成功されたとのことでございました。  その介護ロボットの仕組みは、全ての部屋の天井に見守りセンサーと、任意で異常時に作動するカメラを設置し、スタッフの持つ業務用スマホと連携をすることで、事務所にいながら異常時の把握が可能となり、夜の時間ごとの定期見回りをしなくてもよくなったとのことでございます。  このシステムのメリットは、業務改善だけでなく、現在、東京大学との共同研究の中で夜間の定期的な見守りをやめることで利用者にとっても睡眠環境の向上などに効果があると検証されておりますし、また実際に、事務所に隣接する利用者からは夜間よく眠れるようになったとのことでございます。  課題といえば値段が高いことだということです。この施設では、百床単位で数千万円かかるとのことでした。現状では、体力のある施設などしか導入にかじを切りにくい金額であるのは間違いありませんが、こうした介護ロボットによる業務支援によって生産性の向上、そして利用者の満足度の向上につながるのであれば、積極的に導入支援をしていくことが重要と思います。  続いて、二点目は、外国人材の活用でございます。  今あるパイの中で人の奪い合いをするのではなくて、やはり新たな人材の掘り起こしをすることが重要という話があります。その一つとして、国が進めているのが外国人材の採用ですが、これについてはさまざまな意見があります。  できることなら私自身も可能な限り日本人の雇用を優先すべきと考えておりますが、実際に、政府の二〇二五年に向けた介護人材の確保においての取り組み方針におきましても、国内人材の確保対策を充実、強化していくことが基本とされております。  その上で、外国人介護人材の受け入れにかかわる検討は、人材不足の対応ではなく、各制度の趣旨に沿って進めていくとされております。  しかし、一方で、高齢化の流れは今後世界的にも進んでいくと言われる中、既に主要な国では介護人材の必要性が叫ばれ始め、待遇面でも日本よりも好待遇の国も出始めているとのことでございます。今後、世界中で介護分野における優秀な人材の獲得競争が始まりつつあることをお聞きして驚いたところであります。  こうした中、現場においても給料のほかに、さまざまな待遇面でお金をかける以上は、優秀な人材を確保し、質を維持できるかが問われていると聞きます。  実際にこれまでの現場において働いていた外国人の方は、利用者からの評価も高く、どの外国人の方も非常にまじめで、極めて仕事熱心だといいますが、一方で、課題としては、現場では言葉の壁によるスタッフ間のコミュニケーションへの不安や待遇面での費用負担、そして何より懸念されるのが、さまざまな制度などで日本に来る外国人材はいずれ祖国に帰国をする可能性が高く、せっかく時間をかけて投資して育成しても活躍を期待するころにはいなくなってしまうおそれがあるということでありました。  現在、日本で外国人の介護人材を受け入れようとする場合、介護分野で介護人材を受け入れようとする場合の制度は大きく四つありますが、一つ目に二〇〇八年八月入国のEPAによる受け入れ、二つ目に二〇一七年九月から在留資格に新たに介護が追加されたことによるもの、三つ目に二〇一七年十一月から技能実習に介護が追加をされたもの、四つ目に本年四月から始まった特定技能による受け入れとなっております。  政府が示すとおり、それぞれ特徴があり、それらをしっかりと理解をして採用することが重要なことということでございます。  こうしたことから、外国人の介護人材を受け入れるための制度の正確な情報発信と受け入れ事業者に対する出入国を含めた法令遵守の徹底等、国の役割もさることながら、県として外国人の介護人材の就労、定着に対する対応をきめ細かく行っていくことが重要であると考えます。  そこで、本県として今後、介護現場の人材不足に対応するため、こうした現場の状況を踏まえ、介護ロボットの導入や外国人材の受け入れにどのように今後取り組んでいくのか、お伺いをいたします。  大きな三項目めになりますが、生活介護事業所における経営課題について、二点お聞きをいたします。  まず一点目は、本県における生活介護事業所の現状についてであります。  本県が平成三十年三月に策定した第五期障害福祉計画では、障害の有無によって分け隔てられることなく、障害のある人もない人もともに暮らせる地域社会を実現するためには、障害のある人がより身近な地域で生活し、働くことができる環境づくりが求められるとして、障害のある人がその能力と適性に応じ、安心して自立した日常生活や社会生活を営むためには、さまざまなニーズに対応した障害福祉サービスや相談支援を受けることができる体制づくりが必要とのことから、それまでの四期計画の評価を踏まえて令和二年度までの生活介護事業所など障害福祉サービスについて、今後のサービス見込み量等を設定しております。  この生活介護事業所とは、障害福祉サービスの一つであり、常に介護を必要とする障害のある人が身体能力及び日常生活能力の維持、向上を目的として主に日中に利用する施設であり、利用できる人は障害支援区分が六段階のうち三以上というふうにされております。  そこでお尋ねをいたします。  まず、本県における生活介護事業所の現状及び今後の見込みについてお聞きをいたします。  次に、二点目として、医療的ケアの必要な重度障害児者の比率の高い生活介護事業所における経営課題について、県当局の考え方を伺っていきたいと思います。  九月十四日土曜日、中日新聞西三河欄に、重度障害者の居場所守ってとの題名で、安城市内にある重度心身障害者の生活介護事業所を運営する社会福祉法人が資金難により存続危機との記事が掲載をされました。  ちょうどその日、私は市内で朝からさまざまなイベントに出席をしておりましたが、記事の効果は高く、多くの方から重度の障害者の方の場所がなくなったらどうするんだとか、できて数年しかたっていない施設なのに一体なぜそんなことが起きるんだというような、私の地元安城市では関心の高いニュースとして注目をされておりますので、このたび、この問題点を幾つか挙げさせていただき、県全体でこの問題を共有しながら解決策を探っていきたいと思います。  この施設は、現在の代表者が市内で今から二十四年前の一九九五年に心身障害者小規模施設として市内のアパートの一室で、特に福祉サービスが行き届きづらい重度心身障害者の方たちの居場所をつくりたいとのことから始まり、利用者二人からスタートをいたしました。  利用者の増加とともに、二〇〇一年に施設の場所を移転、そして自立支援法施行後は、利用者のニーズに応える形でグループホームも運営を開始し、事業拡大してまいりました。  その後、借家の契約終了とともに、二〇一四年に現在地に移転をし、国県補助を申請し、日中活動系の生活介護事業所の施設を新設し、定員は三十六名まで拡大をしたところです。現在、利用者は安城市だけではなく、岡崎、碧南、知立など六市町より、十九歳から六十五歳までの方が利用しています。  この施設が、他の生活介護事業所と少し異なる点といえば、脳性麻痺、筋ジストロフィー、ダウン症、統合失調症など障害支援区分が高い利用者が多く、また同時に、人工呼吸器管理、経管栄養、導尿など医療的ケアも行っており、区分六段階で見ても利用者の平均が五・六とかなり高い比率であることが特徴であります。  それでは、これだけ地元で長年障害者福祉にかかわり、知名度も高い施設がなぜ今経営困難になる事態となったのか代表者から話を聞いてまいりましたので、それらを踏まえ、問題点を挙げていきたいと思います。  まず、根本的な問題として、この施設では、重度の障害者を多く受け入れている性質上、病気での欠席及び利用者が長期入院をしてしまうことも日常であり、看護師の常勤配置、職員の配置基準等変更ができず、経営が常に不安定な状態であるとのことでございます。  一応こうした場合の制度といたしましては欠席時対応加算というのがありますが、これが一人当たり月四日までとなっており、長期入院等に対し対応ができず、現状に合わないという指摘がございます。実際に、定員三十六名に対し、現在、一日当たりの利用者平均は二十人から二十一人となっており、定員に対する利用の割合は六割を下回っているのが現状とのことでございます。  安城市では、事業運営の安定化を図る目的で、数年前に市単独の補助制度が創設をされましたが、本来、障害福祉サービスは広域的に国及び県が対応すべきであると思います。
     続いて、ここからは私自身が今回の件で感じた問題点を挙げてみたいと思います。  まず、先日、施設の経営状況についてお話を聞く際に、代表より会計帳簿を見せていただきましたが、感じたことは、毎年収支で赤字が続いている状態であり、そもそも監査等で経営的問題点を指摘し、改善するよう指導、助言ができなかったものかと感じた次第でございます。もし早目にアドバイスをできたのであれば、ここまでの赤字の累積にはならなかったのではないかと思います。  そして、さらに、収支の中身について気になったのが初期投資の部分の借金の額であります。現状では、事業収支以外でこの部分の負担がとても大きいと感じました。  本来、施設を新設する際には、この施設は、先ほど述べたように、国、県、市の補助対象となっているはずなのに、なぜここまで借金があるのかとお聞きをいたしましたところ、建築基準法上、市街化調整区域にも福祉施設は建設可能となっているが、施設以外の接続道路や上下水道などの附帯設備などの補助などはこの補助の対象外、それによってこれらは民間の金融機関から借り入れることになり、これらが大きな負担となっているとのことでございました。  この他にも、看護師や生活支援員などの人材確保にも現在かなり苦労をしているとのことであり、これらを人材派遣会社へ依頼をすると、紹介料が二五%も上乗せをされるということで、それらが事業費の増加などになって経費を圧迫している要因とのことでございました。  以上、数々の現状の問題点を挙げさせていただきましたが、これら事業者の抱える経営課題は、県としても今後、障害者福祉の分野で地域移行をさらに推進していく上で極めて重要な課題であり、現状を把握した上で早急に解決しておかなくてはならない問題と感じましたし、また、この問題は何より現在ここを必要とする利用者の方々のためにも、継続して安定した経営が図られることが望まれる次第でございます。  そこでお尋ねをいたします。  医療的ケアの必要な重度障害児者の比率の高い生活介護事業所における経営については、利用者の欠席率が高い場合が多く、経営的に安定しないという話を聞いておりますが、こうした現状を踏まえ、県としての考えをお聞きしたいと思います。  以上、大きな三項目について質問させていただきました。誠意ある御答弁をよろしくお願いいたしまして、壇上からの質問を終わらせいただきます。(拍手) 45: ◯スポーツ局長(飯田靖君) アジア競技大会の輸送計画についてお答えをいたします。  大会を運営するに当たっては、選手を初め、審判などの競技スタッフ、メディア関係者、観客、さらには各国の政府関係者などさまざまな方に対して、安全で時間に正確な輸送サービスを提供する必要がございます。  また、選手村から各競技会場への輸送のほか、空港から選手村、審判やメディア関係者などの宿泊するホテルから各競技会場、名古屋市国際展示場に設けられるメーンメディアセンターから各競技会場などさまざまな輸送ルートを設ける必要がございます。  このように、輸送サービスが必要な対象者や輸送ルートは多岐にわたりますので、輸送計画の策定に当たりましてはさまざまな輸送ニーズを想定し、詳細な計画を練っていく必要がございます。  こうした輸送計画の検討のうち、最も重要となります選手のバス輸送につきましては、競技会場を選定する過程におきまして道路の整備計画も織り込みながら、バスの運行に大きな支障がないか確認作業を行ってまいりました。  現在、組織委員会では、選手と観客を各競技会場に輸送するのに必要となるバス台数の推計や、想定ルートにおける渋滞箇所などの課題の把握とその対応策の検討に着手をしているところでございます。この検討に当たりましては、実施の確定していない競技の会場につきましてもおくれが生じないようあらかじめ想定をしながら進めてまいります。  また、大会期間中に輸送ルート周辺の交通量を減らすことも重要でございますので、東京オリンピック・パラリンピックなどで行われる取り組みやその効果などを見きわめながら、この地域の特性に合わせた取り組みを検討し、実効性のある輸送計画をつくり上げてまいります。 46: ◯建設局長(林全宏君) 安城市内の豊田安城線バイパスの整備についてお尋ねをいただきました。  豊田安城線バイパスにつきましては、国道一号と名鉄名古屋本線をまたぐ尾崎高架橋など、これまで順次整備を進めてまいりました。  唯一未開通区間となっております安城市内の一・二キロメートル区間につきましては、喫緊の課題であります現道の踏切対策として、現道と整備済みのバイパスをつなぐ東側〇・七キロメートル区間の整備を先行して進めているところであります。  この〇・七キロメートル区間では、二〇一五年度から用地買収に着手し、これまでに約六割の用地を取得しておりますが、残る用地を早期に取得し、速やかに工事着手できるよう、二〇二六年のアジア競技大会の開催も見据え、地域の交通円滑化に向けてしっかりと取り組んでまいります。  また、西側に残る〇・五キロメートルの未整備区間につきましては、名鉄西尾線との交差部において、議員から御紹介がありましたとおり、安城市では鉄道を高架化したいという意向がありますので、安城市とその実現性について検討してまいります。 47: ◯福祉局長(平田雅也君) 介護人材不足への対策についての御質問のうち、初めに、計画に基づく取り組み状況についてお答えいたします。  少子・高齢化の進展により生産年齢人口が減少する一方で介護サービス需要が高まる中、本県における介護分野の有効求人倍率は全国的に見ても非常に高い水準で推移しており、県内の介護現場における人手不足は大変厳しい状況にあると認識しております。  こうした状況を踏まえ、本県では、第七期愛知県高齢者健康福祉計画に参入促進、資質の向上、労働環境、処遇の改善を位置づけ、さまざまな取り組みを行っております。  主な取り組みといたしましては、参入促進に関しまして、介護の仕事の理解促進とイメージアップのため、国が介護の日と定めた十一月十一日前後の週末に普及啓発イベントを実施するほか、小中学生及び高校生を対象としたDVDの作成、配布、愛知県福祉人材センターへの委託による施設見学や職場体験、就職合同説明会などにより介護の仕事への関心を高め、より多くの方に就労していただけるよう努めております。  資質の向上に関しましては、市町村や介護福祉士養成施設等が実施するさまざまな研修に対して助成を行い、介護職員の専門性の向上を図っているところでございます。  労働環境、処遇の改善に関しましては、処遇改善加算による給与改善や介護事業所内保育所の運営費への助成等により、魅力ある働きやすい職場環境の整備に努めております。  さらに、業務の効率化につながるICT機器の導入に対する助成に係る補正予算案を今議会に提案させていただいており、こうした取り組みにより介護職員の負担軽減を図ってまいります。  次に、介護人材不足に対応するための今後の取り組みについてお答えいたします。  まず、介護ロボットの導入につきましては、二〇一六年度から導入を支援する補助制度を設け、昨年度からは、一台当たりの補助上限額を十万円から三十万円へ引き上げるなど毎年度予算を増額し、積極的に支援をしております。  その結果、これまでの補助実績は、今年度の補助予定分を含めて百九十二事業所、六百九十八台となっております。事業所からは、介護ロボットの導入により職員の負担が軽減されたとの報告を多く受けておりますことから、他の事業所の参考となるよう実際の活用モデルや導入効果をホームページで公表することにより、さらに介護ロボットの導入が促進されるよう努めてまいります。  次に、外国人介護人材につきましては、近年の新たな在留資格の創設により、今後増加が見込まれる外国人材が介護現場へ円滑に就労、定着するための支援に、今年度から新たに取り組んでいるところでございます。  就労への支援といたしましては、留学生が介護福祉士国家資格を取得して県内の事業所へ就労できますよう、受け入れ介護施設等が留学生に支給する奨学金への助成を行ってまいります。  また、定着支援としては、技能実習及び特定技能による介護人材がそれぞれの事業所へ円滑に定着できますよう、地域の中核的な受け入れ施設等が行う介護技術向上のための研修の費用を助成してまいります。  県といたしましては、今後とも厳しい介護人材不足の状況を踏まえまして、介護ロボットの導入や外国人介護人材の受け入れへの支援等を進め、介護人材の確保にしっかりと取り組んでまいります。  続きまして、生活介護事業所における経営課題についての御質問のうち、初めに、生活介護事業所の現状及び今後の見込みについてお答えいたします。  生活介護事業所では、障害者総合支援法に基づき、常に介護を必要とする障害のある方に、通所により入浴や排せつ、食事などの介護を行うとともに、創作的活動や生産活動の機会の提供、生活訓練等を行っております。  近年、医療的ケアを必要とする在宅の重度障害者がふえており、生活介護事業所はそうした方々の日中の活動の場として、また、御家族の負担軽減や入所施設からの地域移行を進めていく上でも大変重要な役割を果たしております。  そのため、本県では、障害福祉サービスの提供量の見込みなどを定める障害福祉計画において、生活介護のサービス提供量の増加を目標に掲げ、施設整備に対する助成や事業所運営で中心的な役割を担うサービス管理責任者に対する研修を行うことなどにより、計画的に整備を進めてまいりました。  そうしたことにより、本県における生活介護事業所の数は、本年四月現在で五百三十二カ所となり、実人員で一万四千二百二十九人の方に利用いただいております。  現行の第五期障害福祉計画では、計画期間末の二〇二一年三月における利用者を一万五千百五十一人と見込んでおりますので、引き続き市町村と連携を図りながら、計画達成に向けて着実に取り組みを進めてまいりたいと考えております。  次に、生活介護事業所の経営課題に関する県の考えについてお答えいたします。  生活介護事業所では、適切な障害福祉サービスを提供するため、利用される障害のある方の状況に応じて生活支援員や看護職員を配置しており、医療的ケアを必要とする重度の障害児者の方を受け入れるため、一定の基準を上回って職員を配置した場合には、報酬単価が加算される仕組みになっております。  しかしながら、議員御指摘のとおり、必要な職員の加配を行っているにもかかわらず、体調不良等により急に利用を中止した場合はその分の報酬が得られないため、安定した経営ができないとの声を伺っております。  こうした実態を踏まえ、主要都道府県で構成する障害福祉主管課長会議において全国的な課題として取り上げ、事業所経営が安定的になされるよう欠席時対応加算の拡充や、職員の加配に対する報酬単価の大幅な引き上げについて、ことし八月に国へ要請を行ったところでございます。  今後とも、医療的ケアが必要な重度の障害児者の方を受け入れている生活介護事業所が報酬単価の算定において適切に評価され、継続して安定的な経営を図ることができるよう国へ働きかけてまいりたいと考えております。  引き続き、事業所の皆様の声もお聞きしながら、医療的ケアが必要な重度の障害児者の方が地域で安心して生活していただけるようしっかりと取り組んでまいります。 48: ◯知事(大村秀章君) 今井隆喜議員の質問のうち、アジア競技大会における輸送計画について、私からもお答えをいたします。  昨年、ジャカルタで開催をされましたアジア競技大会を訪れた際、開会式への出席や競技会場などの視察を行いました。ジャカルタは世界有数の渋滞が激しい都市でありますので、輸送面では選手を輸送するバスのパトカーによる先導やナンバープレートの奇数、偶数による一般車両の通行制限など、関係機関の努力によりさまざまな取り組みが行われておりました。  また、現在開催されているラグビーワールドカップ二〇一九の輸送においては、パーク・アンド・バスライドの取り組みや列車の増発、外国語表記による案内対応などを行っており、ここでの経験も生かせると考えております。  愛知・名古屋大会でも、選手が最高のコンディションで試合に臨め、また、観客に楽しんでもらうためには、安全で時間に正確な輸送サービスの提供が大変重要であります。大規模な国際スポーツ大会の取り組みを参考にしながら、関係機関が一体となって万全の準備を進めてまいります。 49: ◯二十六番(今井隆喜君) ただいま知事からも答弁いただきまして、まことにありがとうございます。私からは、数点要望させていただきたいと思います。  ただいま知事からも答弁がありましたように、安全で時間に正確なアジア大会の大会輸送計画、つくっていただきたいと思います。二〇二六年アジア競技大会に向けた輸送計画は、大会をより安心・安全に運営するためだけでなく、試合の開始時間等の遅延防止や、選手や関係者、観客などの移動ストレスの解消にも大きくかかわるため、重要な課題として認識し、取り組んでいただきたいと思います。  そして、市町村との連携によるアクセス整備につきましても、整備のさらなる促進に向けて、今後、東京オリンピック・パラリンピック開催後における国の関与を一層強めていただくよう要望したいと思います。  また、具体的に、安城市における要望に対しましては、計画変更による鉄道高架化に対する前向きな答弁をいただき、大変うれしく思います。  市では、事業効果の検証の中で、アジア大会のソフトボール会場候補地となる市総合運動公園競技場のど真ん中を名鉄西尾線が東西に走っているため、今後、この西尾線をまたぐ部分が鉄道高架化に向けて動き出すのであれば、多くの来場者にとってさらに利便性を高めるために、総合運動公園内の新駅設置やそれらに合わせた周辺開発などに向けても、これまでの新駅設置における事業検証の中で検討されていると伺っており、私自身も期待しているところでございます。  もちろん鉄道高架化及び新駅設置となれば、鉄道会社となる名鉄との協議も同時に必要となりますので、この点につきましても、あわせて県としての御支援のほどをよろしくお願いしたいと思います。  続きまして、生活介護事業所における経営課題についてでありますけれども、御答弁をいただき、まことにありがとうございます。引き続き、あらゆる機会を通じて国へ働きかけていただくよう要望をしたいと思います。  また、昨年の九月定例議会で、私の一般質問において、私から医療的ケア児の実態調査の実施について要望させていただきました。  県では、今年度当初予算におきまして実態調査費を計上され、現在、名古屋市と共同で県内の医療的ケア児の実態調査を実施しているとお聞きをしております。この調査結果を踏まえ、医療的ケアが必要な重度障害児者と御家族の方が望んでおられるニーズを把握するとともに、ぜひサービスを提供する側の生活介護事業者を初めとする事業所の現状についても県として把握していただいた上で、今後のさらなる取り組みについて検討を進めていただきますよう要望させていただき、私からの要望を終わります。 50: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  安井伸治議員。     〔二十番安井伸治君登壇〕(拍手) 51: ◯二十番(安井伸治君) それでは、通告に従い順次質問をいたします。  まず初めに、南海トラフ地震における防潮扉や水門の閉鎖について質問をいたします。  国土交通省港湾局では、沖合の波浪情報を取得するため、GPS波浪計を設置しております。東日本大震災では、東北地方太平洋側に設置したGPS波浪計において、津波が沿岸に到達する約十分前に六メートルを超える津波高を観測いたしました。このデータをもとに津波規模予測を伴った警報を発令し、より高台への避難を促し、多くの命が救われました。  この実績により、二〇一三年三月より、気象庁はGPS波浪計の観測データを津波警報システムに組み込み、GPS波浪計プラスマイナス三十センチ以上の潮位偏差を観測した場合に、津波観測情報の詳細を津波警報発令後、最短一分で関係機関へ配信することが可能となっております。  本県においては、平成二十六年三月から、伊勢湾口沖、静岡御前崎沖、三重尾鷲沖に設置したGPS波浪計より、愛知県防災安全局を初めとする自治体の防災機関や名古屋港管理組合などの港湾管理者へと津波観測情報の詳細が配信されるようになっております。  現在、全国でGPS波浪計は十八基が設置されており、私の地元の名古屋港は伊勢湾口に設置されたGPS波浪計からは約七十キロで、津波到達時間は地震発生後約九十六分と予想され、比較的避難や防潮扉や水門の閉鎖に費やす時間はあると考えます。  ちなみに、名古屋港管理組合に伺ったところ、防潮扉の閉鎖は名古屋港管理組合職員や地元消防団、その岸壁を使用する企業の方が行うそうですが、避難に要する時間として最低三十分は確保するよう指示がされております。  震源地が南海トラフ沿いの遠州灘や駿河湾、もしくは相模湾の相模トラフ沿いでも御前崎沖のGPS波浪計が、熊野灘であれば尾鷲沖のGPS波浪計からの情報が役に立ってまいります。  では、遠方の四国沖が震源地の場合はどうでしょうか。内閣府の発表では、四国沖GPS波浪計が津波を感知した場合、渥美半島に津波が届く時間は十六分、津波の高さは最大八メートルと予想をされております。震源地が遠方であっても全く安心できないのが南海トラフ地震であります。  そこで質問です。  南海トラフ地震が起きて、GPS波浪計が津波を感知した場合、津波到達時間が三十分以内と予想されている地域においては、震源地にかかわらず防潮扉や水門の閉鎖をすることなく避難することが必要です。現在の委託先との閉鎖マニュアル委託内容の変更が必要だと考えますが、いかがでしょうか。  次に、津波発生時における河川、海岸の水門等の自動閉鎖や遠隔監視、遠隔操作について質問をいたします。  県内でも特に津波の到達が早い渥美地域や知多地域には、河川の水門や海岸堤防の開口部となる防潮扉などが約二百九十カ所あります。そうした中、対策として本県では第三次あいち地震対策アクションプランで水門等の自動閉鎖化、遠隔操作化の推進が計画されております。  県が平成二十六年度に公表した最大想定モデルにおいて、最大二十一メートルの津波の到達が予想される渥美地域の田原市では、防潮扉などの施設がある福江地区で津波到達時間が四十分から六十分と予想されております。  最大九・五メートルの津波の到達が予想される知多地域の南知多町では、津波到達時間はさらに早く、二十分前後と予想をされており、先ほど例に挙げた名古屋港管理組合の定めた避難に要しなければならない時間、三十分を考えると、田原市では防潮扉の閉鎖のための時間は短く、南知多町では管理すべき水門や防潮扉が余りにも多くあり、閉鎖に費やすことのできる時間はほぼないと考えます。  これでは津波による浸水から町を守ることができないだけではなく、水門や防潮扉を閉めること自体、地元の方々や職員の方々の命を危険にさらすことになるのではないでしょうか。  先日、私は、神戸市に全国初のタブレットを活用した神戸港水門、防潮扉の遠隔操作・遠隔監視システムの調査に行ってまいりました。  まず、この事業を行うに当たり、防潮扉の必要性を場所ごとに点検をし、統廃合を行い、二百二十八基から百六十七基へ減らしました。これにより、津波対策の強化はもちろん、管理負担の軽減にもつながってまいります。  国からの津波対策事業、緊急防災・減災事業債によって行われる、インターネットを介してタブレットで行う遠隔操作システムは、Jアラートと連動した自動開閉も可能であり、費用は一基四千万円、七十四基、総額約三十億円の事業予算で、整備を二〇二四年度中に行う予定であります。  神戸港は、津波到着時間、津波の高さ、防潮堤の高さが名古屋港とほぼ変わらない規模であると考えると、阪神・淡路大震災を経験した神戸市の防災意識の高さを感じるところであります。  一方、遠隔監視システムは、ローパワー・ワイドエリア、つまり省電力広域無線を活用したIoTシステムであり、操作は五台のタブレットで職員が行います。このシステムは二〇二〇年度中に百六十七基を整備完了予定で、一基当たり約四十万円の費用です。このシステムは乾電池を電力としており、乾電池は年一回の訓練のときにかえるだけで済むそうです。  また、徳島県の日和佐港では、浸水してきた水に対する浮力と水圧を利用したフラップゲート式の防潮扉を導入し、人の手を介さない自動開閉のシステムを導入しておりました。こちらも国からの海岸保全施設整備事業費の中で行い、一基当たり一億から二億の予算だそうです。  このように、防潮扉や水門の開閉に人が携わらないようにし、なおかつ浸水域を狭めていくことは災害・津波対策として非常に重要だと考えます。  そこで質問です。  水門、防潮扉の自動閉鎖や遠隔監視、遠隔操作を一日でも早く着実に実現することが、津波による浸水から町を守ると同時に、防災意識の高い地元の方々や職員の命を津波から守ることになります。現在、こうした取り組みの対応状況はどのようになっているのかお伺いをいたします。  次に、南海トラフ地震における民間宅地の液状化対策について質問をいたします。  昨年九月に起きました北海道胆振東部地震は、東日本大震災と並ぶ最大震度七を記録した大地震でありました。その被害の特徴に液状化被害が挙げられ、札幌市など道内十五市町に及ぶ二千九百地点以上で液状化現象が発生していたとの調査結果が出ております。  特に札幌市清田区里塚一条地区では、およそ二ヘクタールの範囲内で、液状化により建物の傾斜や不同沈下による損壊が起こり、札幌市が被災建築物応急危険度判定制度により調査をした二百八十八の建物のうち、約四割の建物が要注意もしくは危険と判定をされました。  北海道胆振東部地震では、本年九月五日時点で災害関連死を含めて四十四人の方がお亡くなりになり、地震から一年たった今でも四百人余りが仮設住宅での生活を余儀なくされております。しかも、札幌市内では液状化による被害が今なお見つかるケースが相次いでおります。  また、同市北区及び東区において発生をした道路陥没被害を調査した結果、地下鉄沿線上に分布していることから、開削工法で建設された地下鉄の埋め戻し土が液状化したとの報告もなされております。名古屋市内に当てはめると、名古屋の基幹道路でもある錦通、桜通などがまさしくそれに当たってまいります。  愛知県の液状化危険度分布を見てみると、濃尾平野を中心に、名古屋市内西部は名古屋駅を含めてほぼ液状化、渥美半島や岡崎平野の河川沿い、知多半島の沿岸部など広範囲にわたり、本県は液状化危険度が極めて高い地域であるとされております。  国は、宅地耐震化推進事業として、大地震時に液状化現象が発生する可能性のある地域において、道路、下水道等の公共施設と隣接宅地等の一体的な液状化対策を推進し、液状化調査費用や液状化防止工事費用に補助金をつけております。  札幌市もこの制度を活用予定ではありますが、熊本地震によって被害を受けた熊本県熊本市及び甲佐町、東日本大震災で被害を受けた茨木県鹿嶋市、千葉県浦安市及び埼玉県久喜市など、復興のための液状化対策事業計七市において活用されたのみであります。  これらの事業は復興事業であり、事前対策としての事業ではありません。一方、独自の財源で宅地における液状化事前対策の助成を行っている自治体もあります。東京都葛飾区では、地盤調査費助成としてボーリング調査費用の十分の十、限度額三十五万円、液状化対策費助成としてくい打ち工事等に要した費用の二分の一、限度額九十万円を助成しております。  今のところ、本県や県内の市町村では葛飾区のような液状化対策に対する補助制度はなく、住宅の倒壊から人命を守るための耐震診断や耐震改修に対して補助を行っており、住宅等の耐震化を進めております。  本県での住宅耐震診断の件数の推移を見てみると、東日本大震災直後の平成二十三年は七千四百九十八戸であり、平成三十年では五千四百三十九戸と約七三%となっております。  しかし、肝心な耐震改修戸数となると、平成二十三年、二千六百二十八戸、平成二十四年、千四百三十五戸と徐々に減り、平成三十年では四百八十四戸まで減少をしております。この数字を見ると、次にすべき施策は葛飾区のような民間宅地の液状化事前対策ではないでしょうか。
     そこで質問です。  宅地の液状化は、一たび発生すると住宅の修復が必要となるなど生活に多大な影響を及ぼす問題であり、事前対策が重要であると思いますが、本県における民間住宅の宅地の液状化対策についてお考えをお伺いいたします。  続きまして、公営住宅の目的外使用について質問をいたします。  三年前になりますが、大阪府へ府営住宅の目的外使用の実態調査に行ってまいりました。大阪府では、地域再生法に基づく地域再生計画府営住宅地域資源化プランを策定し、地域のにぎわいや活力の向上を図るため、府営住宅の空き室を福祉スペースとして転用を進めております。  その結果、大阪府営住宅の目的外使用は、二〇一八年のデータで五百五十四戸とずば抜けて全国一位であります。ちなみに、愛知県は二〇一九年九月現在、公営住宅法に基づく障害者のグループホーム事業の五住宅、十七戸にとどまっております。  大阪府営住宅の福祉施設利用は、グループホームのほかに小規模保育所、子育て支援拠点、学習支援拠点、若者の職業的自立住戸などバラエティーに富んでおります。  今回は、二点について事業提案を含め質問をさせていただきます。  一つ目は、高齢者生活支援住宅です。  大阪府堺市槇塚台第一住宅にある高齢者生活支援住宅は、サービス付き高齢者住宅に近い形態であり、二十四時間体制の見守りがなされるシステムであり、全体が七戸、うち一戸を風呂等の共同スペース、あとは、六戸は居室として使用、一戸当たり二つの居室を設置して使用しております。  こうした施設においては、介護も含めた二十四時間体制でのサポートシステムをどのように構築するかということが重要になってきますが、これは行政が明確な訪問介護の保険内と保険外サービスの区分を設定し、ケアマネジャーや訪問介護事業者が安心して混合介護に取り組むことができる環境づくりによってクリアすることができます。  介護事業所の数がなかなか伸びない中で、高齢者介護においては、要支援と要介護を含めた数は、二〇一五年を一〇〇%とすると二〇二五年には一三二%となり、今後も大幅な増加が見込まれています。  こうした中、県営住宅を高齢者生活支援住宅として利用することにより、要介護者等の受け皿の確保にもつながるのではないでしょうか。  二つ目は、シングルマザー支援住宅の設置であります。  シングルマザー支援住宅については、我が団の日比たけまさ議員よりも平成三十一年二月定例会一般質問において、その必要性について質問がなされておりますので、私からは具体的事例を挙げて質問をさせていただきます。  先日、全国初となる県営住宅を使ったシングルマザー専用シェアハウスの調査へ、群馬県へ行ってまいりました。設置されている前橋市広瀬第二県営住宅は、築四十七年、五階建て四十戸の住宅であります。ここでは三階全体を一つのシングルマザー専用シェアハウスとして活用するため、外部からの無断侵入を防ぐため施設の玄関はオートロックのセキュリティーモニターがつけられ、外部通路には壁を設け、施設内廊下を通り各部屋へと移動をしていきます。全体八室のうち七室をシェアハウスとして利用し、残り一室を共有スペースとして活用、開放し、入居者のコミュニケーションづくりに利用するそうです。家賃は一LDKで月額一万六千六百円から、二LDKで二万一千円から、いずれも共用リビングの賃料も含んでおります。  また、シングルマザーシェアハウスがある棟の一階には、二LDKほどの地域開放スペースがあり、高齢者の交流や子ども食堂、無料学習塾、フリースクールなどを運営していくそうです。  このシングルマザーシェアハウスは、そもそも県庁部署の領域横断による政策提案コンペが発端であったとお聞きをし、福祉部門と住宅部門の意欲的な事業であることが大いに感じられる住宅でございました。この目的外使用は、県営住宅の現在、また将来的な課題を解決することにもなります。  その課題の一つ目は、入居者の高齢化による自治会活動の停滞です。  平成二十年度と二十九年度を比較すると、世帯主年齢六十五歳以上の一人から二人世帯が、一万三千五百六十二世帯から一万八千八百九十五世帯へと増加をしております。県営住宅の自治会は日常の快適な生活のための活動だけではなく、近年では、さまざまな防災活動においても重要な役割を担っており、こうした点からも自治会活動の活性化を図ることが必要です。  二つ目は、家賃収入の減少です。  平成二十年度と二十九年度を比較してみると、収入一分位が六三・一%から七二%へと増加しており、かつ低所得減免及び福祉減額の適用を受けている世帯が六〇・三%あります。このため、家賃収入を主な原資としている県営住宅の維持管理はこれからますます困難な状況となっていくことは明らかと考えます。  三つ目は、県営住宅の供給のあり方です。  民間賃貸住宅の空き家率が愛知県でも約二〇%強ある中で、県直営の方式が本当によいのか、民間借り上げ方式等の検討や賃貸住宅費助成制度への転換も他県では検討され始めております。さきに挙げた二つの県営住宅の目的外の福祉利用は、高齢者やシングルマザーに対する施策であるだけでなく、NPOや社会福祉法人などの運営団体による自治会活動への参加による活性化や安定した家賃の確保により県営住宅の健全経営に帰するものと考えます。  私は、本県でも大阪府のように福祉施設活用を積極的に進めていくべきと考えますが、福祉事業者から県営住宅の目的外使用に対する申し込みがなければ何も始まりません。しかし、多くの福祉事業者は県営住宅が事業で利用できるということすら知りません。  では、どのようにすればよいのか。例えば大阪府ではホームページで目的外使用をPRしております。また、大阪市では、年一回、コミュニティビジネス等導入プロポーザルが実施され、大阪市が活用する住戸を選定し、使用希望団体によるプレゼンテーション等を経て、目的外使用につなげております。  そこで質問です。  このように目的外使用を進めるためには、まず福祉事業者に積極的なPRを行い、住宅利活用のニーズを引き出すこと、その後、大阪府のように地域再生法に基づく地域再生計画を策定し、福祉施設活用を進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、高齢者やシングルマザーの支援を目的とした県営住宅の目的外使用による活用について、施設管理者としてどのように考えるかお伺いをいたします。  続きまして、福祉サービスを所管する福祉局として、県営住宅を高齢者福祉や子育て支援などの福祉サービスに活用することについて、どのように考えるのかお伺いをいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 52: ◯建設局長(林全宏君) 南海トラフ地震における防潮扉や水門の閉鎖についてのお尋ねのうち、まず、現在の委託先との閉鎖マニュアル、委託内容についてであります。  本県が管理する防潮扉、水門の操作は、原則として地元の市町に委託しており、操作員は操作施設の開閉や点検、訓練に係る業務を実施しております。  東日本大震災で水門等の操作に従事した多くの操作員が犠牲になったことから、国は、津波・高潮対策における水門・陸閘等管理システムガイドラインを改訂し、新たに操作員の安全を最優先とした操作や避難に関する項目を追加いたしました。このガイドラインでは地域ごとで事情が異なるため、操作・避難ルールをそれぞれ検討するよう求めております。  したがって、本県では避難のタイミングを一律に決めず、実際に要する時間を各操作員に聞き取りを行うなど、関係機関を含む地域での話し合いを綿密に行いながら、避難のタイミングを防潮扉、水門ごとに定めた水門、樋門及び陸閘の操作規則を策定し、ことし四月から運用を開始しました。  操作規則では、訓練を年一回以上行うこととしており、操作や避難のルールが実態に即しているか検証するとともに、安全性や操作の確実性を高めるため、必要に応じて見直しを行ってまいります。  次に、水門、防潮扉における自動閉鎖や遠隔監視、遠隔操作への取り組みの対応状況についてであります。  半島先端部など津波の到達が早い地域では、操作員の命を守ることを最優先に考えた対策を実施しております。具体的には、津波で大きな浸水が想定される主要な水門、防潮扉を対象に、水門は地震の揺れを感知すると自動で扉が閉まる対策を、また、陸上にある防潮扉では、離れた場所から監視カメラで確認しながら扉を閉める対策を順次実施しております。  こうした自動閉鎖化、遠隔操作化については、第二次及び第三次あいち地震対策アクションプランで対策を位置づけた三十九施設のうち、これまでに自動閉鎖化は十一施設で、遠隔操作化は十五施設で整備が完了しております。  残りの施設につきましては、二〇二三年度までを計画期間とする第三次あいち地震対策アクションプランに基づき、重点的に整備を実施してまいります。  また、これらの対策に加え、防潮扉などで特に日常の利用頻度が低く、近隣の施設で代替できる場合には、その開口部をコンクリートの壁で閉め切ることや、扉を常に閉鎖しておくことで地震発生時に操作が必要な施設を減らす対策にもあわせて取り組んでおります。 53: ◯建築局長(砂原和幸君) 南海トラフ地震対策のうち、民間住宅の液状化対策についてお答えいたします。  県といたしましても、民間住宅の宅地における事前の液状化対策は重要であると考えております。住宅を含む建築物は、例えば木造で延べ面積百平方メートル以下の小規模なものを除き、国家資格を有する建築士が建築基準法に基づき、その基礎が地盤の沈下や変形に対して安全なものとなるよう、液状化対策も含めた設計を行うこととなっております。  このことから、住宅の新築や建てかえ時に適切な液状化対策がなされるよう、本県では建築関係団体と協力しながら、建築士に対して研修会等の機会を通じ、液状化対策に関する知識習得の支援を行っております。  あわせて、県民の皆様に液状化について御理解いただくことが重要でありますので、建築物の液状化被害や対策を解説したパンフレットやパネルを作成し、市町村が開催する防災関連のイベント等での配布や展示、県ホームページへの掲載を行うなど、周知、啓発に取り組んでおります。  さらに、建築関係団体と連携し、県民の皆様からの問い合わせについて建築の専門家がお答えする相談窓口を設置しております。  今後も、各種イベント等の機会を捉えて情報提供を行うなど、引き続き市町村や建築関係団体と連携して液状化対策の推進に取り組んでまいります。  次に、公営住宅の目的外使用についてのお尋ねのうち、まず、福祉施設として活用を進めていくことについてお答えいたします。  県営住宅は、公営住宅法に基づき、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸することを目的として、県が国の補助を受けて建設しているものであります。そのため、県営住宅を本来の目的以外に使用するためには国の承認が必要でございます。  国から承認を受けられるものには、まず、公営住宅法に規定された社会福祉法人等に住宅として使用させるものがございます。このほかに、小規模保育所など地域が必要とする施設である場合に、事業の内容を個別に勘案して目的外使用許可の可否について判断するものと、地域再生計画に基づく目的外使用許可がございます。  いずれの場合も、目的外使用許可に当たりましては、地域におけるニーズや実情を把握している市町村の意向が重要でありますので、福祉施設としての活用に向けて、まずは市町村に対し、県営住宅の目的外使用の制度に関する情報提供を行ってまいりたいと考えております。  続いて、高齢者やシングルマザーの支援を目的とした県営住宅の目的外使用による活用の考え方についてお答えいたします。  県営住宅を高齢者やシングルマザーの支援事業に目的外使用許可する場合には、市町村の申し出があり、県の支援が必要と認められる事業で、一定の要件が整ったものについて検討してまいりたいと考えております。  具体的には、地域の交流や活性化に不可欠なものであることや、県営住宅のほかに活用できる適当な建物が周辺にないこと、また、自治会などを通じて地域住民のコンセンサスが得られていることなどが要件となります。  今後、こうした要件を満たし、高齢者やシングルマザーの支援事業を行う場所として県営住宅の活用について相談があった場合には、県営住宅の適正かつ合理的な管理に著しく支障のない範囲において、国を初めとする関係機関とも調整をしながら対応してまいりたいと考えております。 54: ◯福祉局長(平田雅也君) 公営住宅の目的外使用についての御質問のうち、県営住宅の福祉サービス活用への考え方についてお答えいたします。  今後、ますます高齢者福祉や子育て支援へのニーズが増加する中、介護施設や保育所などを開設することが困難な都市部などの地域において既存の住宅なども活用し、より身近な場所でさまざまな福祉サービスを受けることができるようにすることは意義のあることと考えております。  現在、本県では、障害者のグループホームの設置について県営住宅を活用している事例がございますが、他の福祉サービスにおいても市町村や事業者から県営住宅を福祉目的で活用したいという御要望があれば、地域の実情に応じた福祉サービスの拡充が進みますよう、県営住宅を所管する建築局と調整を行い、活用に向けた支援をしてまいりたいと考えております。 55: ◯二十番(安井伸治君) ありがとうございました。  公営住宅の目的外利用、シングルマザー支援施設について要望をさせていただきます。  二カ月ほど前に、福祉局並びに建築局に対し、シングルマザー支援施設の県営住宅の目的外使用を認めていただくよう、お願いを事業者とともにいたしました。そのとき感じたことを少し要望させていただきます。  まず、障害者のグループホームですと、申し込み時に事前照会申込書というのが出てくるんですけれども、これ、私と事業者が行っても全くこういった書面は出てこず、どのような事業者が、どのような地域で、以前どんな事業をやっていて、これからどんなことをやりたいのか、そういったこと全くなしで、いきなり面接をし、もう事業の本当にふわっとした話をするというだけで、全くこれは、この目的外利用の事業を進めるに当たっては、まず入り口が全くなっていない。  次に、その事業を開設するまでのステップアップしていく、クリアしていく基準一つ一つが、またこれも書面で何一つ示されない。  これは事業者のためにそういったチェック項目というか、そういったことをするという面も確かにありますけれども、これは福祉局と建築局がそれぞれの仕事の区分をはっきりし、そして、そこの部分で責任を持ってその可否を判断していく、そういった局内、役所内でのきちっとした事業の整理ができていないとこれは絶対に進まない事業だと私は思っております。  例えば一つ例を挙げますと、名古屋市内で県営住宅を使って福祉住宅をやりたいと、シングルマザー支援住宅をやりたいと申し入れたときに、じゃ、名古屋市の福祉局から県の建築局に上げるのか、県の建築局から名古屋市に上げるか、それも当局の担当者に聞いても全く返答が来ないという状況ですので、内部をもう少し整理していただき、この目的外利用に対して積極的に進めていただくよう要望をし、終わります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 56: ◯四十番(寺西むつみ君) 本日はこれをもって散会し、九月三十日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 57: ◯議長(神野博史君) 寺西むつみ議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 58: ◯議長(神野博史君) 御異議なしと認めます。  九月三十日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後四時四十七分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...