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  1. 愛知県議会 2019-09-01
    令和元年9月定例会(第4号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 令和元年9月定例会(第4号) 本文 2019-09-30 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 56 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯副議長堀嵜純一君) 選択 2 :  ◯副議長堀嵜純一君) 選択 3 :  ◯二十七番(辻秀樹君) 選択 4 :  ◯都市整備局長鎌田裕司君) 選択 5 :  ◯県民文化局長齋木博行君) 選択 6 :  ◯保健医療局長吉田宏君) 選択 7 :  ◯防災安全局長山田哲夫君) 選択 8 :  ◯知事大村秀章君) 選択 9 :  ◯二十七番(辻秀樹君) 選択 10 :  ◯副議長堀嵜純一君) 選択 11 :  ◯九番(村瀬正臣君) 選択 12 :  ◯保健医療局長吉田宏君) 選択 13 :  ◯建設局長林全宏君) 選択 14 :  ◯九番(村瀬正臣君) 選択 15 :  ◯副議長堀嵜純一君) 選択 16 :  ◯十七番(鳴海やすひろ君) 選択 17 :  ◯教育長長谷川洋君) 選択 18 :  ◯農業水産局長中根俊樹君) 選択 19 :  ◯十七番(鳴海やすひろ君) 選択 20 :  ◯四十一番(田中泰彦君) 選択 21 :  ◯副議長堀嵜純一君) 選択 22 :  ◯副議長堀嵜純一君) 選択 23 :  ◯議長(神野博史君) 選択 24 :  ◯六十四番(いなもと和仁君) 選択 25 :  ◯観光コンベンション局長(藤田昇義君) 選択 26 :  ◯福祉局長(平田雅也君) 選択 27 :  ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 選択 28 :  ◯知事大村秀章君) 選択 29 :  ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 選択 30 :  ◯議長(神野博史君) 選択 31 :  ◯四十七番(南部文宏君) 選択 32 :  ◯スポーツ局長(飯田靖君) 選択 33 :  ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 選択 34 :  ◯議長(神野博史君) 選択 35 :  ◯三十六番(樹神義和君) 選択 36 :  ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 選択 37 :  ◯知事大村秀章君) 選択 38 :  ◯三十六番(樹神義和君) 選択 39 :  ◯四十番(寺西むつみ君) 選択 40 :  ◯議長(神野博史君) 選択 41 :  ◯議長(神野博史君) 選択 42 :  ◯副議長堀嵜純一君) 選択 43 :  ◯八番(杉江繁樹君) 選択 44 :  ◯建設局長林全宏君) 選択 45 :  ◯観光コンベンション局長(藤田昇義君) 選択 46 :  ◯教育長長谷川洋君) 選択 47 :  ◯八番(杉江繁樹君) 選択 48 :  ◯副議長堀嵜純一君) 選択 49 :  ◯六十三番(高桑敏直君) 選択 50 :  ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 選択 51 :  ◯教育長長谷川洋君) 選択 52 :  ◯建設局長林全宏君) 選択 53 :  ◯知事大村秀章君) 選択 54 :  ◯四十一番(田中泰彦君) 選択 55 :  ◯副議長堀嵜純一君) 選択 56 :  ◯副議長堀嵜純一君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時開議 ◯副議長堀嵜純一君) 皆さん、おはようございます。  ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 一般質問並びに第百八号議案令和元年度愛知       県一般会計補正予算から第百三十四号議案教育       委員会の委員の選任についてまで及び決算第一       号平成三十年度愛知県一般会計歳入歳出決算か       ら決算第十七号平成三十年度愛知県用地造成事       業会計決算まで 2: ◯副議長堀嵜純一君) 第百八号議案令和元年度愛知県一般会計補正予算から第百三十四号議案教育委員会の委員の選任についてまで及び決算第一号平成三十年度愛知県一般会計歳入歳出決算から決算第十七号平成三十年度愛知県用地造成事業会計決算までを一括議題といたします。  これより一般質問並びに提出議案及び決算に対する質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  辻秀樹議員。     〔二十七番辻秀樹君登壇〕(拍手) 3: ◯二十七番(辻秀樹君) おはようございます。通告に従い、順次質問いたします。  初めに、リニモ沿線の地域づくりについてお伺いいたします。  二〇二二年秋、リニモ沿線地域の愛・地球博記念公園にジブリパークが開業する予定であります。愛知万博の理念を次世代へ継承し、愛・地球博記念公園の魅力と価値を高め、公園内にスタジオジブリ作品の世界観を表現するというジブリパーク整備構想は、二〇一七年五月にスタジオジブリと合意がなされ、二〇一八年三月にはスタジオジブリと確認書を締結、そして、同年四月にはスタジオジブリから提供された基本デザインを発表、また、同年十二月には中間的な取りまとめ状況が整備構想の概要として発表されました。さらに、本年五月、ジブリパークの整備の核となる基本方針が取りまとめられるとともに、愛知県、株式会社スタジオジブリ及び株式会社中日新聞社の三者が、ジブリパークの整備並びに管理運営について連携、協力をすることを定めた基本合意書を締結、二〇二二年秋の開業に向けた準備が着実に進められているものと承知をいたしております。  このたびの補正予算案におきましても、愛・地球博記念公園における来園者の円滑な案内や誘導、安全な移動のために、インフォメーションセンター機能やサービス機能を備えた新たな総合案内センターを設置し、公園内の案内サインの見直しや園路の歩車分離に向けた基本設計、施設建設予定地の樹木を移植するための調査、検討を実施するとされました。さらに、連休などの繁忙期に駐車場が満車となり、周辺道路においては、駐車場を利用しようとする車などにより渋滞が発生している現状から、駐車場対策の検討や公園周辺の交通渋滞緩和に向けた調査設計を実施することとされ、これらの取り組みが進められることにより、ジブリの世界が愛知に訪れる足音が聞こえてまいりました。
     県民の皆様を初め、国内外の多くの方々が、ジブリの世界観を体感できるであろうジブリパークに期待を寄せております。多くの皆様が愛・地球博記念公園のあるリニモ沿線地域に来訪することになるこの契機を積極的に捉え、その集客効果等をリニモ沿線地域の活性化につなげていく取り組みが今後は重要になっていくだろうと考えております。  リニモ沿線の地域づくりにつきましては、本県では二〇〇九年三月に本県及び瀬戸、豊田、日進長久手市の沿線都市により策定されたリニモ沿線地域づくり構想、そして、二〇一六年三月に策定されたリニモ沿線地域づくり重点プラン二〇一六─二〇二〇により、新たな地域づくりの取り組みが行われてまいりました。この重点プランでは、市街地整備の着実な推進等による住みたくなる沿線づくり、観光やイベント等の交流による訪れたくなる沿線づくり、そして、これらを支える交通基盤とネットワークの強化が進められてきました。具体的には、土地区画整理事業等の推進、商業施設と連携した地域づくり、沿線の歴史や文化、芸術の魅力向上、沿線大学、学生と協働した地域づくりの推進、試験研究機関等の公開、知の拠点あいちでの研究施設の誘致や研究プロジェクトの推進、愛・地球博記念公園のもりの学舎における体験型学習の実施、公園西駅の歩道橋等の整備による公共交通の利便性の向上など、沿線地域の特性を生かしながら、愛・地球博の成果を継承、発展させるまち、愛知の新たな飛躍をリードする研究学園地区、リニモでつながるコンパクトなまちの実現に向けた主要施策が展開されています。  しかしながら、この重点プランの対象地域は、地域づくりを計画的に誘導していくことが必要であるとされた長久手古戦場駅から八草駅までの六つの駅周辺及び海上の森が主な対象地域とされ、藤が丘駅、はなみずき通駅、杁ヶ池公園駅周辺は対象エリアとはなっておらず、リニモ沿線全駅の周辺地域にわたる計画とはなっていないのが現状であります。さらに、名古屋市営地下鉄東山線とリニモの乗りかえ口である名古屋市内の藤が丘駅は、重要な結節点であるにもかかわらず、計画を共同策定する沿線に名古屋が組み込まれておりません。  二〇二二年秋のジブリパーク開業のインパクトを生かしていくことを視野に、今後のリニモ沿線の地域づくりを考えるに当たっては、その効果をやはりリニモ全線地域にわたり展開していくべきであり、名古屋駅から見れば藤が丘駅はジブリの世界観がそこから広がっていくような、まさに玄関口と言えることから、今後の重点プランの改定に当たっては、名古屋にも参画を呼びかけていくべきではないでしょうか。  そこでお尋ねいたします。  リニモ沿線の地域づくりについて、県は今後どのように取り組んでいくお考えかお伺いをいたします。  次に、県立芸術大学におけるメディア映像専攻の開設についてお伺いをいたします。  二〇一八年十二月三日、我が党自由民主党愛知県議員団は、大村秀章知事に対しまして、あいちの魅力向上に関する提言を提出いたしました。この提言は平成の時代から新たな時代を迎える今、アメリカ、トランプ政権による新政策、中国の世界経済への台頭、イギリスのEU離脱への動きなどにより、世界情勢が大きく変化、さらに、第四次産業革命と言われる経済社会が激変する変革期を迎え、これからの時代はこれまでの既存の成長モデルが通用しない、新たなチャレンジが求められる時代となったことを背景に、今日の我が国の経済を牽引する役割を担い、堅実で豊かな本県が、今後も魅力ある地域として発展していくためには、本県の有するポテンシャルを最大限に生かし、魅力と夢あふれる愛知の創造に向けて、ユニークかつ新しい切り口からの県政を推進する必要があるとしております。  具体的には、一、愛知をキャッシュレス社会のトップランナーに、二、リニア開通を契機に県内交通の再構築を、三、愛知を世界一のアニメ、漫画の聖地に、四、水素エネルギーを活用した先導的な社会づくりと人材づくりをという四つの提言をまとめたものであります。提言の作成に当たりましては、当時の伊藤勝人自由民主党愛知県議員団団長のもと、杉浦孝成座長を筆頭とするプロジェクトチームが設置され、私もそのプロジェクトチームの一員として、主に三の愛知を世界一のアニメ、漫画の聖地にしていきたいという提言の作成にかかわらせていただきました。  この愛知を世界一のアニメ、漫画の聖地にという提言では、本県が、二〇二七年リニア開業による大交流圏の誕生、二〇二六年アジア競技大会の開催によりアジア諸国から注目を集める地域となることから、本県としての新たな可能性を求め、本県の文化・芸術分野に着目し、そのポテンシャルを最大限に発揮し、これを独自の強みとして創出していくべきであるとしております。その上で、文化、芸術のうち、特にアニメ、漫画というコンテンツは、現代社会においては人々に感動や生きる喜びをもたらし、人生を豊かにするものであり、本県はドラゴンボールの作者である鳥山明先生など著名な漫画家を輩出し、また、スタジオジブリ作品を活用したジブリパークの開業を予定していることから、文化、芸術としてのアニメを愛知独自の強みに育て、それを国内外に発信し、愛知の魅力向上と本県の地域振興へつなげる施策を展開すべきであるといたしました。  具体的には、世界の玄関口となる中部国際空港をドラゴンボール空港へ改称することや名古屋港のポートアイランドのアニメの島への活用、さらに、愛知県国際展示場にて国際漫画博覧会を開催することや本県の誇る文化イベントであるにっぽんど真ん中祭りや世界コスプレサミットに匹敵するアニメ関連イベントの開催や育成を図ることなど、これまでの発想にはなかった斬新なアイデアを盛り込むとともに、世界一のアニメ、漫画の聖地を目指すためには、県立芸術大学に漫画家や声優を養成する専門学科を新設するなど、アニメ人材の育成に重点的に取り組むべきであると提言をいたしました。この人材輩出こそが若者の本県への定着に結びつき、愛知がモデルとなるアニメ作品が生まれ、地域振興にもつながる可能性もあると考えたからであります。  我が党県議団がこうした提言を行う中、このたび県立芸術大学が美術学部のデザイン・工芸科に新たにメディア映像専攻を開設するとの発表がありました。この県立芸術大学におけるメディア映像専攻の新設は、この提言を踏まえたものかどうかは承知をいたしておりませんが、まさに提言の趣旨に合致したものであると考えており、これに対して大きな期待をしているところであります。  文化庁におきましても、将来を担うすぐれた若手アニメーター等の育成を推進し、我が国アニメーション分野の向上とその発展を目指し、若手アニメーター等人材育成事業などを展開しており、国としても、社会全体を活性化する大きな力となるメディア芸術の振興に向けて、その人材育成の取り組みの充実を図っています。  県立芸術大学はリニモ沿線地域に所在し、ジブリパーク開業予定の愛・地球博記念公園に隣接しており、もしこれらがアニメ人材の育成拠点としての連携の可能性も模索できるようになれば、さらに夢が膨らんでまいります。そして、学部でのメディア映像専攻の設置は国公立大学では初めてであり、全国的にも独自のチャレンジとなることから、これを愛知独自の魅力向上へとつなげていくべきではないでしょうか。  そこでお尋ねいたします。  このたびの県立芸術大学でのメディア映像専攻を開設する狙いはどのようなものか、また、メディア映像専攻ではどのような人材を育成することを目指していくのか、さらに、今後の開設に向けて、現在の進捗状況はどのようになっているのかお伺いいたします。  最後に、いわゆるAEDに関連する本県施策について二点お伺いいたします。  自動体外式除細動器、いわゆるAEDは、二〇〇四年に非医療従事者である一般市民にも使用が認められて以降、学校、駅、公共施設を初め、商業施設等を中心に急速に普及してまいりました。AEDの有効性については、AEDを使用して除細動が行われた場合、行われなかった場合と比較して、一カ月後の生存率は四・八倍、社会復帰率は六・六倍と言われております。  二〇〇五年に開催された愛知万博では、会場内に約百台のAEDが設置され、それを使って横浜市立大学医学部の学生たちが心肺停止した観客を救助したことを初め、万博開催期間中に生じた五件の心室細動に対しAEDが使用され、そのうち四件で命が救われ、その後にも社会復帰するまでに回復したことが全国的なニュースとなり、この愛知万博での救命事例により、AEDが全国的に広がっていったと言っても過言ではなく、AEDの普及は愛知万博のレガシーの一つであると考えております。  AEDが有効に活用されるためには、一、その設置が各地に普及していること、二、広く市民がその使い方に習熟していること、そして、三、いざというときに救命の現場に居合わせた一般市民がAEDの設置場所を容易に知り得る環境が整備され、かつそのAEDの正常な機能が確保されていることが必要であると考えております。  公益財団法人日本心臓財団のホームページによると、AEDの国内販売台数は、愛知万博開催の翌年二〇〇六年ごろから急速にふえ始め、二〇一六年までの累計販売台数は約六十九万台に上り、このうち約十万台が使用期限を経過するなどにより廃棄されていると把握されていることから、二〇一六年時点では約五十九万台が国内に設置されていると推計されております。我が国はアメリカに次いで世界第二位のAEDの設置台数を誇り、全国的にAEDの設置が普及していることがわかります。  平成三十年版消防白書によれば、全国の消防本部における平成二十九年中の応急手当て講習受講者数は、百九十三万四千九百六十一名に上り、愛知県内の消防本部における地域住民等に対する応急手当て普及啓発活動については、平成二十八年に九万九千七百六十六名が受講したとされており、一般市民に広く普及が進んでいるものと考えられます。さらに、実際の活用についても、消防庁の救急救助の現況によると、一般市民によりAEDを使用して除細動が行われた症例数は年々増加、平成二十九年中に一般市民が目撃した心原性心肺機能停止傷病者数は二万五千五百三十八人で、そのうち一般市民が心肺蘇生を実施した傷病者数は一万四千四百四十八人、そのうち一般市民がAEDを使用し除細動を実施した傷病者数は千二百六十人で、そのうち一カ月後生存者数は六百七十四人、率として五三・五%、一カ月後社会復帰者数は五百七十六人、率として四五・七%となっていることが報告されています。  今後の課題としては、一般市民がAEDの設置場所を容易に知り得る環境を整備し、かつそのAEDが正常に機能することを確保していくことが重要であると考えております。AEDは適切な管理が行われなければ緊急時に作動せず、救命効果に重大な影響を与えるおそれがある医療機器であります。厚生労働省では、AEDの適切な管理等を徹底するため、AEDの設置者等に対して、日常点検や消耗品管理を呼びかけています。AEDの設置者は、設置したAEDの点検担当者を配置し、AEDのインジケーターの表示を日常的に確認することや、消耗品の交換時期を表示ラベルにより確認し、適切に交換することを求めています。県としては、この適切な管理等の周知を図っていくともに、県の施設では、これまでに率先してAEDの導入を進めてこられたと承知をいたしておりますが、今後設置者としてその更新時期が来たものを含めて、どのように対応していくかということが重要になるのではないでしょうか。  そこでまずお尋ねいたします。  県は、AEDの維持管理については、救命救急で管理の不備により性能を発揮できないなど、いざというときに使えない事態を防ぐため、日常点検の必要性の周知をどのように図っていくのか、また、県の施設ではどのように点検を行っているのかお伺いをいたします。  適切な維持管理とあわせて、厚生労働省では、AEDの設置場所について情報を共有し、いざというときの救命効果を高めるために、AEDの設置情報の登録を積極的に行うことを求め、一般財団法人日本救急医療財団を通じて、全国のAED設置情報をわかりやすく公開し、AEDの積極的な活用を促しています。  本県では、県内に設置されたAEDの設置場所を県民が地図上で見ることができるあいちAEDマップを平成十九年四月に開設しており、本年九月一日現在では県内に五千八百十九台が登録されているとお聞きをいたしております。このAEDマップでは、パソコンの画面だけではなくて、携帯電話やスマートフォンでもAEDを探すことができるようになっており、位置情報を利用して検索すると、今いる場所の近くに設置されているAEDを見つけることが可能となっています。  しかしながら、この情報の多くが設置当初の申請情報によるところにとどまっているようであれば、そこにあるAEDが必要なときに適切に機能するものかどうか、耐用年数を経過するなどにより撤去ないし機能停止にあるかを把握することができないものとなりかねません。適切な情報更新が行われるあいちAEDマップにより、身近な場所にあるAEDを探すことができ、消防本部の救急隊が到着するまでの間、心肺停止の場に居合わせた方が、迅速にAEDを用いた心肺蘇生法を実施することにつながると考えております。このため、あいちAEDマップの信頼性を高める取り組みは必要不可欠となるのではないでしょうか。  そこでお尋ねいたします。  あいちAEDマップの信頼性を高めるために、AEDの登録台数をどのように拡充していくのか、また、提供する設置情報をどのように更新していくのか、今後の取り組みについてお伺いをいたしまして、壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 4: ◯都市整備局長鎌田裕司君) リニモ沿線の地域づくりについてであります。  本県では、リニモを積極的に活用して計画的に地域づくりを誘導していくため、瀬戸、豊田、日進長久手市の沿線四と共同して、リニモ沿線地域づくり構想を二〇〇九年三月に策定いたしました。この構想では、愛・地球博の成果を継承、発展させるまちなど、二〇二五年ごろを展望した三つの将来像を掲げ、おおむね五年ごとの重点プランを定めて、地域づくりを進めてきております。現在は、リニモ沿線地域づくり重点プラン二〇一六─二〇二〇で位置づけた集約型まちづくりと自然環境の保全、観光やイベントによる交流の推進などの戦略に基づき、駅周辺の市街地整備や広域観光キャンペーンとの連携による観光交流の促進などに取り組んでいるところであります。これらの取り組みにより、駅を中心に良好な市街地の整備が進み、試験研究機関や大型商業施設が立地するなど、新たな機能が集積するまちづくりが展開されるとともに、当地域の魅力を国内外に発信することができました。  来年度は、次期重点プランを策定してまいりますが、そこではジブリパークの開業効果を沿線の地域づくりに広く行き渡らせ、さらなる発展につなげていくことが極めて重要な課題となります。そのため、対象エリアを名古屋方面からの来訪者がリニモに乗りかえる藤が丘駅を含むリニモ沿線全域に広げ、新たに名古屋にも加わっていただき、プランの策定を進めてまいりたいと考えております。その上で、例えば、駅周辺に立地する産業や歴史、文化といった魅力ある地域資源の効果的な発信や、来訪者がもたらす経済効果をこの地域全域で受けとめるための方策などを盛り込み、全国、全世界からの来訪者と沿線地域との一層の交流を目指してまいります。  今後とも、地域の基幹交通として着実な成長を見せるリニモの沿線地域づくりに、関係と連携してしっかりと取り組んでまいります。 5: ◯県民文化局長齋木博行君) 県立芸術大学のメディア映像専攻の開設に関する御質問のうち、まずは専攻を開設する狙いについてお答えをいたします。  現在、県立芸術大学では美術学部のデザイン・工芸科において、デザインを専攻する学生が、三年次より選択できる専門領域の一つとしてメディアデザイン領域を設置し、ウエブデザインなどの授業を行ってきておりますが、これをより高度かつ専門的に一年次から学ぶことができるようメディア映像専攻として独立させ、二〇二二年四月から新たに開設することといたしました。  情報化の進展に伴い、デジタルメディアを利用したCGアートやデジタルアートなどの映像表現が新たな芸術、デザインとして広がりを見せてきており、メディア映像専攻では、コンテンツ産業政策やクールジャパン戦略の取り組みに呼応したアニメ・映画産業の担い手育成やコンピューターによる三次元画像、3Dプリンターなどの最新技術を活用した新しいメディア映像表現による芸術分野の創造を図ってまいります。  次に、メディア映像専攻における人材の育成についてお答えをいたします。  メディア映像専攻では、専用のスタジオや編集室などにより、現代社会のコミュニケーションツールとなっているメディア映像の制作技術やコンピューターグラフィックスを利用した最新の映像表現を習得できる学習環境を整えてまいります。また、一学年十人という少人数教育のもと、各自の個性に応じて独創性と表現力を高めながら、これまでの芸術の枠を超え、分野、領域にとらわれず柔軟に横断する教育を実践してまいりたいと考えております。こうした教育環境の整備により、先進的なメディア映像に対応する技術力や表現力を身につけていただくとともに、さまざまな映像やメディアを通じた表現を新たなイメージで創造、発信できるデザイナーやアーティスト、映像クリエイターなどの人材を育成してまいります。  次に、二〇二二年の四月の開設に向けた現在の進捗状況についてお答えをいたします。  メディア映像専攻による高度で専門的な教育を実施するためには、施設設備の整備や優秀な教員の確保などが必要であります。このため、今年度は新たな映像スタジオ棟の建設及び既存校舎の一部改修工事に向けた実施設計を行っているところであります。また、新しいカリキュラムを担当する専任教員やメディア映像分野の第一線で活躍する特任教授の採用手続を進めるとともに、生徒募集に向けて、本年七月のオープンキャンパスでは、メディア映像専攻開設のPRを始めたところであり、引き続き二〇二二年四月の開設に向けた準備を進めてまいります。 6: ◯保健医療局長吉田宏君) AEDに関する取り組みのうち、まずは日常点検についてお答えいたします。  AEDの性能を十分に発揮するためには、日ごろからの点検及び消耗品の適切な交換が何より重要であります。県では、これまでAEDの適切な管理について、県医師会初め、関係団体並びに市町村等に周知してまいりました。また、本年五月にAEDの適切な保守管理の参考となる厚生労働省のガイドラインが改定されたことに伴い、改めて関係機関に通知いたしました。さらに、県のウエブページにおいて、日常点検の必要性を周知するとともに、今後は新たに、県が把握している全てのAED設置者に対しまして個別に点検の実施をお願いしてまいります。  次に、県の施設における点検の実施状況についてでございます。  現在、設置しています五百二十七台については、定期的な点検を行っており、必要に応じてバッテリー、電極パッドの交換や本体の更新を行っていることを確認しております。  今後も日常点検をしっかりと行うことにより、AEDの機能が十分に発揮されるよう働きかけてまいります。 7: ◯防災安全局長山田哲夫君) AEDに関するお尋ねのうち、あいちAEDマップの信頼性を高めるための今後の取り組みについてであります。  あいちAEDマップは、心停止の救命の促進に向け、いざというときに誰でも利用することができるAEDの設置情報をウエブサイトを通して提供するもので、その信頼性を高めていくためには、登録台数を拡充するとともに、常に設置情報を更新していくことが必要です。このため、登録台数の拡充については、設置者が手軽に登録することができるようウエブサイトから直接入力する環境を整えるとともに、ウエブページやチラシなどにより呼びかけを行ってきており、登録台数はマップを開設した二〇〇七年の千六百七十八台から九月一日現在五千八百十九台と、約三・五倍に増加しております。  今後は、一層の拡充に向け、既設のAEDについては、全国的な設置情報を公開している日本救急医療財団の協力を得て、県内全ての設置者に登録を再度要請するとともに、新設時の登録についても、販売業者の協力を得て、購入者に登録を呼びかけてまいります。また、設置情報の更新については、誤った情報を提供することがないよう、設置場所の変更などを正しく反映していくことが必要です。このため、登録時と同様にウエブサイトに更新機能を確保しておりますが、登録者に対し、年二回、電子メールにより、更新を行うよう呼びかけているところです。今後は、長期にわたり情報が更新されていないAEDについて、依頼書を郵送するなど重ねて呼びかけを行ってまいります。  これらの取り組みを通して、登録台数の一層の拡充と設置情報の着実な更新を図り、県民の皆様に信頼性の高いAEDマップを提供することができるよう努めてまいります。 8: ◯知事大村秀章君) 辻秀樹議員の質問のうち、県立芸術大学におけるメディア映像専攻の開設について、私からもお答えをさせていただきます。  アニメ、ゲーム、映画など、デジタルコンテンツの需要の増大が予想される中、これらの産業の振興に力を注いでいる本県といたしましては、その担い手の育成、強化が急務であると考えております。これは辻議員の御指摘のとおりであります。問題意識も全く一緒だと思っております。  そのため、二〇二二年秋のジブリパークのオープンにあわせまして、県立芸術大学、ちょうどのその隣の駅でありますから、そこにメディア映像専攻を新たに開設し、アニメや映画に関するすぐれた技能を持ったアーティストやクリエイターの育成を図っていくことといたしました。国公立大学の学部でメディア映像に関する学科、専攻を設置するのは初めてのことでありまして、ぜひとも全国から優秀な学生に集まっていただき、県立芸術大学において高度で専門的な知識、技能を学んでいただくことにより、この地域を初め、国内外で大いに活躍する人材を輩出してまいりたいと考えております。  今後、ジブリパークとの連携も図りながら、地域が一体となって日本のアニメ・映画産業を盛り上げていけるよう、メディア映像専攻の二〇二二年春の開設に向け、しっかりと準備を進めてまいります。  なお、ジブリパークのリニモ沿線の開発等については、都市整備局長からも答弁をさせていただきましたが、議員御指摘のように、私どもかねがね申し上げておりますが、ジブリパークに来た一番多くのお客様は地下鉄東山線に乗って藤が丘駅に降りて、そしてリニモに乗りかえるということになろうかと思います。したがって、ある意味で藤が丘の駅が一番の基点になることは間違いないと思います。したがいまして、東京だとディズニーランド、ディズニーリゾートに行くのに舞浜の駅を降りたらディズニーという雰囲気がありますので、藤が丘の駅を降りたらそこがもうジブリパークの入り口だというような感じの雰囲気のまちづくり、都市整備、これは名古屋としっかり連携をしてやっていきたい。ちょうどことしは、星ヶ丘から藤が丘まで東山線が延伸して、藤が丘の駅ができてちょうど五十年ということでございますので、そういったことも含め、よくよく名古屋とは協議、相談して、しっかり前に進めていきたいというふうに思っております。  以上です。 9: ◯二十七番(辻秀樹君) それでは、自席から各質問項目に関連した要望を申し上げたいと存じます。  リニモ沿線の地域づくりについてでありますが、先ほど知事から御答弁いただきましたように、まさに名古屋に所在する藤が丘駅が、ジブリパーク、ジブリの世界観がスタートする基点となるように、これから考えていただけるということでございまして、実は本年八月二十五日に、藤が丘駅前のリニモス広場及びアーケード街歩道におきまして、にっぽんど真ん中祭りがサテライト会場として藤が丘駅前で初開催されたということでございまして、大変な地域の盛り上がりがあったとお聞きをいたしております。今回の実行委員会の委員長の方から、このような活動を通じて地域がにぎわい、愛知、名古屋がもっともっと元気になることを願っており、今後のジブリパーク開業予定については、これを契機にさらに地域の活性化につなげていきたいという思いを抱いているとのお声をお聞きすることができました。  こうした地域の方々の思いを、今後のリニモ沿線地域づくり重点プランに反映することができるように、ぜひとも県から名古屋のほうに共同参画をしっかりと呼びかけていただき、名古屋ともしっかり連携する形の中で、これまでになかったリニモ全線地域にわたる新たな計画の策定を要望させていただきたいと思います。  そして、県立芸術大学におけるメディア映像専攻の開設につきましても、大村知事から、我々自由民主党愛知県議員団の提言と共通の認識を持って取り組んでいただけるということで、大変心強く思っております。また、答弁の中でも、その新設に向けて、着実な準備が進められていることを確認できました。  我々の提言では、さらに踏み込んで県立芸術大学や愛・地球博記念公園などを有するこの地域を、文化、芸術メディアの人材育成拠点として、全国の漫画家や声優などによるサミットを開催することや、愛知ゆかりの著名な漫画家が審査員となるアニメグランプリや本県独自にライセンスアワードを創設することなども、本県をアニメ、漫画の聖地にしていくものと提言しており、このたびの県立芸術大学におけるメディア芸術文化の人材育成がスタートすることを契機に、こうした人材育成拠点を中心とする複合的な施策の展開についても、御検討が進められることを要望するものであります。  最後に、あいちAEDマップの信頼性を高めるための今後の取り組みについてでありますが、一昨日、千種区歯科医師会の役員の皆様と意見交換をいただく機会を賜りましたが、その折にあいちAEDマップに掲載されている歯科診療所におけるAEDの現状についてお尋ねしたところ、やはり設置当初の状況とは異なる実態があることを率直にお教えいただきました。  あいちAEDマップの信頼性を高めるためには、設置者による設置当初の自主的な申請情報だけでは限界があります。これは県民のとうとい命にかかわるものであります。今後も、県による積極的な、適切な情報更新が行われますよう要望して、質問を終わります。 10: ◯副議長堀嵜純一君) 進行いたします。  村瀬正臣議員。     〔九番村瀬正臣君登壇〕(拍手) 11: ◯九番(村瀬正臣君) おはようございます。初めての登壇の一般質問で緊張しておりますが、頑張って、議長さんのお許しをいただきましたので、質問を務めていきたいと思っております。  まず最初に、がん対策についてお伺いをいたします。  愛知県は、昭和五十五年からがん死亡原因が一位を占め、その死亡者数は年々増加し、現在では国民、県民ともに約三人に一人ががんで死亡しており、約二人に一人が何らかのがんにかかると推計をされております。生命と健康にとって重大な課題となっております。  このような状況に対応するため、国におきましては、平成十九年四月にがん対策基本法が施行され、同年六月にはがん対策推進基本計画が策定されました。愛知県におきましても、平成二十年三月に策定した愛知県がん対策推進計画では、がん診療連携拠点病院を中心として、県内のどこに住んでいても適切な治療や緩和ケアが受けられる取り組みを推進し、平成二十五年三月に策定した第二期計画では、女性特有のがん対策、小児がん、働く世代のがん対策など、性、年齢、就労状況などに配慮したがん対策に重点を置いて施策を展開してきました。こうした中、国は平成二十九年十月にがん患者の雇用の継続やがんに関する教育の推進等の内容を盛り込んだ第三期がん対策推進基本計画を策定され、本県では平成三十年三月に第三期愛知県がん対策推進計画を策定しております。  もしも、ある日突然がんと宣告されたらどうしますか。二人に一人ががんにかかる現在において、決して珍しい問いかけではありません。多分、仕事や家庭、この先どうなるのか、さまざまな不安が頭をよぎると思います。そして、実際にがんと診断され退職した患者のうち、診断がなされてから最初の治療が始まるまでに退職した方は四割を超えています。その退職理由としては、職場に迷惑をかけると思った、がんになったら気力・体力的に働けないだろうと予測したからなどといったがん治療への漠然とした不安が上位に挙がります。就労可能年齢と言われる二十から六十四歳までのがん患者の数は、平成十四年の約十九万人から平成二十四年には約二十六万人と増加傾向にあります。  しかし、がんで死亡する人がふえている一方で、医学の進歩によりがんになっても治る人がふえています。がん医療を評価する指標として五年生存率というものがあります。がんと診断されてから五年たった後も生存している患者さんの割合を示すものです。この五年生存率をがんの進行度別に調べた調査によると、がんが初めに発生した場所から広がっていない場合では、多くのがんにおいて九〇%近い患者さんが、診断後五年たっても生存しているという結果が示されています。我が国のがんの五年生存率は年々上昇しており、がん患者が長期生存し、働きながら治療を受けられる可能性が高まっています。つまり、入院による治療から、通院をしながら、働きながら治療をしていけるのです。  働くことは私たちに収入をもたらすだけでなく、生きがいや社会貢献の機会を与えてくれます。また、貴重な人材の活用は企業にとっても大きな課題であり、職場の生産性や社会全体の活性化にも直結します。  また、がんと診断され、治療のための手術、がん化学療法、放射線などは、傷跡、脱毛、皮膚の変化、爪の変化など、患者さんの身体にさまざまな外見の変化をもたらすことがあります。このことは、国の第三期がん対策推進基本計画に掲げられた目標の一つに、尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築、その項目に、がん患者ががんとともに生きていくためには、就労支援のみならず、治療に伴う外見、アピアランスの変化といった社会的な課題への対策が求められているなどと、初めてアピアランスケアの必要性が明記されました。  アピアランスケアとは、外見を気にかけ手入れをするという意味になります。外科治療による傷の変化などがもたらす患者さんへのストレスを軽減するためのケアです。患者さんが安心して治療に専念し、また、治療後も安心して療養生活が送れるようにするためには、このアピアランスケアが必要不可欠と言えます。がんの治療のためだから見た目の変化は仕方がない、我慢しないといけないといった声も多く聞かれると思います。今までは我慢して見過ごされてきた外見の変化をケアし、より多くの患者さんが治療前と変わらない生活を維持できるようにすることが、現代のがん治療に欠かせないものだと考えます。  では、治療によるがんの主な外見の変化はどのようなものがあるのか。例えば、乳がんの患者さんで外見の変化をいいますと、抗がん剤の副作用による脱毛、爪、皮膚の変化、血管炎による皮膚変化など、乳房切除後にできてしまった傷、または乳房の喪失感、放射線治療後の皮膚の変化などと言われております。先ほども述べたとおり、ここでいうアピアランスケアは単なる美容目的ということではなく、外見の変化のケアにより、患者さんが前向きに治療に臨むことができたり、日常の生活を送ることができるようお手伝いすることであります。  先日、名古屋がん相談情報サロン、ピアネットにお邪魔をして、お話を伺いました。ここは、がん体験者の方やがん患者を支えた家族が、一年にわたるがんのピアサポーター養成講座を受講、修了し、学びと体験を生かしてがん患者とともに考え、問題解決の糸口を探るという施設で、名古屋の中区大須にございます。名古屋からの委託事業で、火曜日から土曜日、十時から十六時まで開館されております。名古屋の委託事業でありながら、愛知県内各市町村から、また、他県からも多くの相談があるそうです。  ピアネットの相談員であり、がんを治療した体験者である方からお話をお聞きすることができましたので、御紹介をいたします。その相談員の方は、抗がん剤治療で脱毛され、そして、爪にしましまな模様ができてしまったそうです。今では元気に相談員として御活躍をされておみえになります。女性の患者の方は、抗がん剤の投与により脱毛が始まると、抜け落ちる自分の頭髪を見ることで、気持ちが大きく落ち込むそうです。その精神的な落ち込みで、食事をとることにも影響が出てくるそうで、食事の量も減り、そして、体力が落ちることで治療にも影響があるのではないかとおっしゃってみえました。また、外出するにもニット帽をかぶっていると、近所の方からいろいろとお話をされるといった悩みもあるそうです。私がお伺いをする直前にかかってきた電話相談でも、髪の毛が抜け始めて再び生えてくるか心配ですとの内容で、がんにかかり一人悶々とそのことだけを考えてしまう、そんな方が多いそうです。その電話対応には、私も抜けてしまったけど、髪の毛はまた生えてくるから大丈夫ですよと経験談でお話しをされ、その相談員からの一言が、治療中の方には非常に励みになるとおっしゃってみえました。また、同じ体験をした人との会話が患者の方にとってどれだけの力になるのか。元気になってがんと闘い、治療に臨むその環境を整えることの大切さも必要であります。  やはり相談の内容は脱毛に関することが多く、ウイッグの問い合わせも多いそうです。医療用ウイッグの金額も幅広く、自宅用のもので一万円程度のものから、オーダーメードで一部に人毛を使った三十万円ぐらいのものまでありますが、経済的な理由で低額で済むコットン帽子を使用する方もおみえになるそうです。高額なウイッグはがんの治療をしながら生活していく上では、患者さんにとって大きな負担になってまいります。この脱毛は女性に限ったことではございません。男性からの相談もあるそうです。仕事をしている社会人の方、学校に通っている学生の方などからも脱毛に関する相談はあるそうです。また、ウイッグだけに視点を置いておりますが、アピアランスケアには乳がん手術による乳房切除の補正具や補正下着の助成も行われております。  こうした助成を行っている都道府県は、現在、ウイッグと乳房補正具費の両方の助成を行っている県は七県あります。そして、ウイッグのみを実施している県は三県、合計十県で行われております。また、八月三十日付日本経済新聞電子版によりますと、全国で八十以上の市町村がウイッグの助成の制度を設けているそうです。そして、愛知県の市町村で助成を行っているのは名古屋の一のみで、今年度から助成事業を開始されてみえます。  そこで、名古屋健康増進課に問い合わせをしましたところ、現在、ウイッグ購入費用の助成をしているということでございます。当初予算では、年間五百件の助成申請を見込んでおりましたが、想像をはるかに上回り、八月末時点で三百八十五件と多くの方の利用があったということです。助成の内容は、消費税込みの購入費の三割で、上限金額が三万円でございます。現在の平均申請額は二万六千二百円でありますので、平均購入価格は八万七千円前後ということがわかります。やはり高額になりまして、治療を続けながらの購入は大変であるというふうに思います。  アピアランスケアに対する助成を行うことは、闘病生活で多額の費用がかかり、がんを治療、克服する中で、さあ、これから頑張って社会復帰をしていこうとする県民に対して、がん治療を続けながらあすへの希望が持てる助成制度を創設することは必要であるというふうに考えます。多額の予算を必要とすることは理解できますけれども、所得制限などを設けるなどの措置を含め、本当にお困りの方には少しでも早く社会に復帰できる一助となるように、平成二十四年十月十六日に議員提案で公布されました愛知県がん対策推進条例にある、がんの予防及び早期発見の推進とともに、県民が県内のどこに住んでいてもひとしくその意向を尊重した最善のがん医療が受けられ、療養生活と職場、家庭、地域その他の分野における生活との両立ができる、がんになっても安心して暮らせる社会の実現が、今強く求められている、と前文にも記載してあります。また、条例第十四条、がん患者等への支援には、県は、がん患者等の意向を尊重したがん医療の実施及びがん患者の療養生活の質の維持向上に資するため、次に掲げる施策を講ずるものとする、とあり、第三号には、がん患者等の意向を尊重したがん医療の実施及びがん患者の療養生活の質の維持向上のために必要な施策、とあります。  そのことも鑑みていただきまして、そこでお伺いをいたします。  愛知県のアピアランスケアに対するお考えをお聞かせください。  続きまして、青木川の治水対策についてお伺いをいたします。  集中的な大雨や台風による大雨の被害は、記憶に新しい令和元年度の九州北部地方の大雨、そして、平成三十年七月に西日本豪雨で被害に遭われた方、また、先日の台風十五号で被害に遭われた方には、深くこの場をおかりしましてお見舞いを申し上げます。  さて、私の地元江南では、清流木曽川が流れ、市内には一級河川青木川と五条川、二級河川の日光川、準用河川般若川が流れております。また、木曽川左岸の扇状地であり、北東部より南西部へおおよそ五百分の一のなだらかな勾配ですから、南北に八・七キロメートルのでございますので、おおよそ十七メートル程度の緩やかな勾配である平たん地であります。  本日質問いたします青木川の歴史について、少し御紹介したいと思います。県ホームページによりますと、一級河川青木川の江南及び扶桑町内の前身は、用水と排水を兼ねる川であったとされています。歴史書には、十七世紀に入り、幾度となく襲った木曽川の洪水から尾張平野を守るため、徳川家康の命により、慶長十三年から十四年の二年間で犬山から当時木曽川の河口であった弥富にかけて約四十キロに及ぶ大堤防を完成させている。これが、御囲堤の名で知られる木曽川堤防でございます。この堤防完成により、扇状地を流下した幾筋かの木曽川派川は全て断ち切られ水源を失い、平地の雨水等のみが流れる排水河川となってしまった。しかし、その後の青木川は、現在の江南宮後付近にあった清水を水源として、この水源より下流は日常的に水が流れている川として存在していたと言われています。一部ちょっと省略をしておりますが、そのように記述をされております。  現在は一部の河川幅が改修されたものの、河床の改修はされていない状況で、市街化区域の進展による保水力の低下などさまざまな要因により浸水被害が多く発生しております。そして、江南には日光川水系の二級河川日光川の始点である上流端もございます。その上流部には江南団地もあり、保水力に乏しく、このあたりも多く冠水が発生するエリアでございます。また、川幅が一メートル程度で、流下能力が著しく劣っており、雨水の流下能力に不足が生じる中、二級河川でありながら一部にサイホン構造で整備されている箇所もあることから、その上流部には除じん機も設置されており、その影響で冠水が多い地域になっております。その解消も含め、今後の整備に期待するものであります。こちらも最上流部であることから、同様に河川改修はまだまだ長い年月を要すると思われますが、早期着工が必要であると考えております。  そして、水害被害が多く発生するのは江南だけではございません。この尾張北部地域に言えることです。国土交通省の水害被害統計によると、平成二十年から平成二十九年の十年間の床上・床下浸水の浸水戸数は、名古屋を除く県内市町村の中で最も多いが、隣接する一宮で三千百三十四戸、次に岡崎二千九百五十四戸、そして、江南千四百六十四戸と続きます。そして、隣接する扶桑町も七番目であります。世帯数が十五万以上ある一宮、岡崎の二から比較しますと、三番目の江南がおおよそ四万世帯であるだけに、その被害の状況がわかっていただけると思います。また、愛知県の水害統計を見ましても、江南は平成六年から数えて二十五年間に床上浸水が九回も発生している水害被害の多い地域であります。その主な被害状況を申しますと、平成十二年九月の東海豪雨では百二棟、平成十六年七月の豪雨では二百十七棟、平成二十年八月末豪雨では百三十四棟の床上・床下浸水を受けました。さらに、この地域で一番被害が大きかったのは平成二十三年八月の豪雨で、江南観測所で時間雨量が最大九十九ミリ、三時間雨量が百七十二ミリを記録し、市内の床上浸水五十八棟、床下浸水二百六十棟の甚大な水浸被害を受けました。私も、当時江南の職員でありましたので、災害対策本部の一員として市役所に詰め、約三千二百個の土のうを運び、また、不足する土のうをつくり、職員と一緒につくって運んだ覚えがございます。  では、青木川の整備計画を申し上げますと、平成十九年度策定、平成二十九年六月一部改定の新川圏域河川整備計画に基づいて進められています。その内容は青木川の工事区間、稲沢下津地区の五条川合流地点から上流部について、河川拡幅、河床掘削、築堤の整備を行う、また、洪水時の水位を低下させるため、青木川第三調節池、青木川第四調節池の整備を行う、青木川及び五条川の支川である準用河川昭和川、奈良子川の洪水調整を行うことを目的として、江南高屋町から大口町下小口地内にかけて、青木川放水路の整備を行うとの計画があると記されております。  では、これまで青木川の整備はどこまで進められたかと申し上げますと、五条川下流部から国道百五十五号線の一宮市内まで河道整備が平成二十五年に完了しております。しかし、その後、その上流部の改修は余り進んでおりません。そのような状況でございますけれども、県にも御努力をいただきまして、一宮市内に、暫定的でありますが、第三調節池が整備完了されました。その効果を申し上げますと、七月五日付で、河川課通知で県のホームページにも掲載をされておりますので、御紹介をいたします。その内容は、第三調節池の整備により、二〇一六年九月二十日台風十六号の豪雨により、青木川の一宮千秋町地内付近において越水し、床下浸水のほか、浸水深二十センチメートルを超える道路冠水等の浸水被害が生じた総雨量百二十四ミリの降雨と同規模の豪雨の家屋浸水・道路冠水抑制ができるというような内容でございます。第三調節池の約二倍の調節容量の第四調節池の整備に地元としても期待が高まるばかりでございますが、江南市内全体の雨水流出抑制施設は十九万五千二百五十二立米で、計画貯留量の青木川放水量函体貯留量八万四千八百五十四立米を除きますと、十一万三百九十八立米であります。第四調節池が完成することで、約二四%の大幅な貯留量の増加が見込まれます。また、江南では大雨による災害に対しまして、過去に一度避難勧告を発令したことがございました。それは平成二十九年十月二十二日、衆議院議員総選挙と台風二十一号の上陸が重なった日であります。私は当時、選挙結果の最終報告を県の選挙管理委員会に報告した後に、たしか深夜二時前後だったというふうに記憶しておりますけれども、非常配備要員として開票所から市役所災害対策本部に向かったことを今でも覚えております。そのときの河川の越水箇所二カ所は、今、整備を予定しております青木川第四調節池のすぐ上流に位置する場所でございます。  では、青木川の治水対策に対する地域の声がどれほどあるかということでございます。青木川の治水対策に関する江南市議会の一般質問を調べてみました。平成二十年度から江南市議会で青木川の治水対策に関する質問をされた回数は、二十一回行われております。毎年約二回弱、青木川の治水対策の一般質問をされている状況で、また、さきの令和元年度九月定例会におきましても、一般質問をされている状況であります。青木川の第四調節池の整備に向けて、今か今かと期待しているところでございます。  そこでお伺いをいたします。  江南市内には、第四調節池の全ての用地取得が平成二十九年に済んでおります。しかし、まだ整備には着手できていない状況でありますが、青木川の今後の整備の進め方についてお尋ねいたします。  以上、壇上からの質問とし、明確な答弁を求めます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 12: ◯保健医療局長吉田宏君) アピアランスケアに対する本県の考え方についてお答えいたします。  がん患者さんの外見の変化に起因するつらさを和らげるケア、いわゆるアピアランスケアは、がん患者さんが前向きに治療に向き合い、また、精神的な不安を軽減するためにも大変重要であると認識しております。  こうした中、本県では県内二十六カ所のがん診療連携拠点病院等全てに設置してございます、がん相談支援センターにおきまして、がんの治療やさまざまな悩み事のほか、アピアランスケアに関する相談にも対応しております。毎年五万件を超える相談がございますが、アピアランスケアに関する相談件数は、ことしの一月から六月までの半年間で六百九十四件ございました。その多くは脱毛や肌荒れ、手術跡の相談であり、患者さんの状況に応じた対応方法などを助言しております。また、がん治療経験者などが自身の経験をもとに、がんの不安や悩みなどの電話に対応するピアサポート事業においても、アピアランスケアの相談に応じております。さらに本県のがん対策のウエブページにおいて、国立がん研究センターが作成したアピアランスケアに関する最新情報などを発信しております。  アピアランスケアに関する財政的な支援につきましては、全国一律の制度とすることが適切であると考えておりますので、助成制度の創設などを引き続き国に働きかけてまいります。
     今後ともこうした取り組みを継続して行い、患者さんに寄り添った支援に努め、がんになっても安心して自分らしく暮らせる愛知の実現を目指してまいります。 13: ◯建設局長林全宏君) 青木川の今後の整備の進め方についてお尋ねをいただきました。  青木川につきましては、下流区間と上流区間の二つの区間の整備を河川整備計画に位置づけて進めております。  下流区間の整備は、五条川との合流点から江南の名鉄犬山線までの河道改修及び一宮千秋町と江南五明町の二カ所において調節池を整備するものであります。整備状況につきましては、五条川合流点より上流に向け改修を進め、現在、一宮の国道百五十五号町佐橋下流までおおむね完了しているところです。現在は、早期に治水効果を発揮させるため、河道改修に先行して、青木川の洪水の一部をカットする調節池の整備を進めており、一宮の青木川第三調節池を本年七月に供用開始いたしました。  今後は、用地買収が完了した江南の青木川第四調節池の整備を進めてまいります。  上流区間の整備は、青木川初め四河川の洪水を木曽川へ放流する青木川放水路の整備と、その効果を上流に波及させるため、放水路分派地点から県道一宮犬山線までの河道改修を行うものであります。青木川放水路につきましては、木曽川から大口町の昭和川までの延長約五キロメートルの地下放水路の整備が完了しており、残る昭和川から奈良子川まで約七百メートルについて、昨年度より整備を進めております。河道改修につきましては、江南の名鉄犬山線橋梁の改築は完了しております。現在、扶桑町の中島調節池上流五百メートルの河道改修を進めており、今年度は狭窄部となっていた県道一宮犬山線橋梁の改築を完了させ、引き続き河道改修及び町道橋の改築を実施してまいります。  今後も、地域の皆様の安全・安心を確保するため、青木川の河川整備を着実に進めてまいります。 14: ◯九番(村瀬正臣君) それぞれ御答弁をいただきましてありがとうございました。  二点について、御要望申し上げます。  初めに、がん対策についてです。  アピアランスケアの目的は、単に外見を整えることではないと思います。患者と社会をつなぐことであり、がん患者ががんとともに生きていくためには必要なことである。アピアランスケアの助成制度の創設も、今後御検討いただければと思います。そのことは、愛知県がん対策推進条例にもありますように、全国最高水準のがん対策を目指すと記載してあります。今後も、全国最高水準を目指していただきまして、より一層のがん対策に取り組まれるように要望いたします。  そして、青木川治水対策については、青木川第四調節池の整備を進めていただける答弁をいただきまして、まことにありがとうございました。感謝申し上げます。早期着工、完成に期待をしております。また、江南を含む尾張北部は、新川流域や日光川流域の上流部に位置しております。そのため、河川の整備は下流から順次進められておりますことから、先ほど説明しました日光川上流部の整備についても、早期着工をしていただきますようあわせて申し上げます。  以上で要望を終わります。ありがとうございました。 15: ◯副議長堀嵜純一君) 進行いたします。  鳴海やすひろ議員。     〔十七番鳴海やすひろ君登壇〕(拍手) 16: ◯十七番(鳴海やすひろ君) 新政あいちの鳴海やすひろです。  初めに、県立高等学校におけるジェンダーレス制服の導入についてお尋ねいたします。  性的マイノリティーの総称として使われるLGBT、その皆さんへの認知、理解の輪が広がっています。LGBTのLのレズビアン、Gのゲイ、Bのバイセクシュアル、この三つは性的指向にかかわる類型、Tのトランスジェンダーは性自認に関する類型と分けられます。また、こうした性的指向や性自認がはっきりせず、自分自身の心の性別が男性なのか女性なのかもわからない、また、どちらにも決めたくないと感じるなど、特定の状況に当てはまらないクエスチョニングという類型をアルファベットのQと分類し、最近ではLGBTQと使われることも多くなってきました。今回、特にトランスジェンダーの方が抱える問題を中心にお伺いしてまいります。  連合、日本労働組合総連合会が行った最新の調査によりますと、我が国の人口の八%、実に十三人に一人がLGBTであるという結果が出ており、また、ことし四月に開催された、自分らしさを表現する東京レインボープライド二〇一九には、前年を六万人も上回る約二十万人もの方が参加をされ、パレードも大いに盛り上がりました。こうしたLGBTの方々をいつまでも性的マイノリティーと扱ってよいのか、大いに考えさせられる数字であります。  こうした性的マイノリティーは、生活領域において日々さまざまな困難に直面し、大きな精神的負担を受けています。例えば、事情を知らない人から、男らしくしろ、女なのにとか、LGBTに理解のない人からは気持ち悪いなどの言葉を投げかけられ、深く傷つき、就職活動の際に性的指向をカミングアウトしたところ、面接を打ち切られる、入院した戸籍上は同性のパートナーについて、親族に限られることを理由に、病状や治療の内容の説明を受けられず、面会もできなかった、こうした声がLGBTの全国連合会に多く寄せられています。こうした声に法務省の人権擁護機関では、性的指向、性自認を理由とする偏見や差別をなくそうと啓発活動を展開し、全国の法務局、地方法務局において、面接や電話等により相談に応じています。  このように社会全体での取り組みは徐々に進んでいるものの、まだまだ手を差し伸べ切れていない、そう感じていますし、もっと性的マイノリティーの方々に寄り添った社会の実現に向けて、本県としても取り組みを強く推し進める必要があると考えます。  その一つが学校制服です。  昨年、二〇一八年四月、千葉県柏に新しく開校した柏市立柏の葉中学校では、ブレザータイプを採用した上で、性別に関係なく選べる制服を採用しています。私も柏を訪れてきました。今回、同校から写真を提供いただき、議長のお許しをいただきましたので、こちらの選択できるジェンダーレス制服の写真パネルをごらんいただきたいと思います。     〔パネル図を示す〕  選べるのは襟元のネクタイかリボン、そしてスラックスかスカート。例えば、ネクタイにスカート、スラックスだけど襟元はリボン、このように四種類の組み合わせが可能となっています。ブレザーやスラックスは、男子の体形と女子の体形に合わせた太いもの、そしてスリムタイプの二つが用意されており、こちらも自由に選択できます。  このほかにも、男女共通の制服を取り入れたり、検討していたりする自治体があり、全国の学校現場では、性別と服装の不一致に悩む子供たちの心の性別に配慮した制服の選択制が広がりつつあります。心と体の性別が一致しないトランスジェンダーの人たちにとって、自分の認識する性別と異なる性別の制服を着ることには強い抵抗感があり、こうした方々の自制のもと、現在の制度が成り立っていることを忘れてはいけないと考えます。  先日、私も心と体の性別が一致しない学生たちからの意見を聞く機会がありましたので、少し御紹介させていただきます。戸籍上は女性、心の性別は男性という学生の話です。どうしても通いたい県立高校があり、中学校で一生懸命勉強して、部活動にも熱心に打ち込み、合格できる成績水準まで頑張っていたが、常に悩んでいることがあった。それが学校制服のことだったそうです。中学校三年間も毎日スカートをはくことに強い抵抗があり、襟元にリボンを巻くことが苦痛で、授業や部活動終了後には一刻も早く自宅に戻ってリボンを外し、スカートを脱ぎたかったそうです。自宅からも通いやすく、自分自身の趣味と特技を生かすことができる部活動で高校三年間を過ごしたい、家庭の経済事情からも親に少しでも負担をかけたくない、そういう思いで一生懸命努力をしたその学生は、現在、第一志望の県立高校の夢を、進学を諦め、私学の高校に通っています。理由は、リボンとスカートに耐えられず、スラックス制服が認められている私学を選択せざるを得なかったからです。  このように、子供たちが制服で夢を諦めなければならない状況を少しでも改善してあげられないかと考えます。この学生の親も、子供がずっと目指してきた県立高校に入学させたかった、学力は十分足りていたが、スカートをはくときのつらそうな顔をさらにまた三年間見続けることができなった、経済的には大変苦しかったが、とにかく我慢させたくないという思いのほうが強く、お母さんが一生懸命働くから、頑張るから大丈夫だよ、そう言って私学への進学を一緒に決めたそうです。  この学生は、現在も友人にトランスジェンダーであることを打ち明けることはできていないそうですが、それでも元気に高校生活を送っていると笑顔で語ってくれました。トイレはこっそり職員用を使わせてもらうなど、高校生活を充実させて親にも心配させないように頑張っているそうです。それでも、体育の授業での着がえや、来月に迫った修学旅行での部屋割りなどの悩みや不安に心が押し潰されそうになるとも、勇気を出して語ってくれました。  こうしたLGBTの皆さんが性的違和感に気づいた学年について、女子は中学一年生から二年生が最多であり、ほとんどの方が高校一年生までの期間に自覚をしております。いわゆる思春期にジェンダー、セクシュアリティーについての自覚がなされていることがわかります。一方、男子の場合はもっと早く、二五%が小学校入学前に自覚をしており、半数以上が小学校卒業までに自覚をしたと回答しています。この結果を見ると、性別違和に対する支援は小学校から必要であると考えますし、県内の学校の制服についても、先ほど紹介した千葉県の学校のように、選択できる制度を県内全域に広げられるよう県教委が取り組むべきと思います。  しかしながら、本県の県立高校の校則を見てみますと、その多くが男女を別々に定めており、女性生徒のスラックス着用が認められているのは百五十の県立高校のうち新設された愛知県立愛知総合工科高校などわずか十六校であり、十分ではないと感じます。こうした校則についても、その運用を検証する時期に来ているのではないでしょうか。  選択できる制服については、ツイッターを中心に本当に大きな反響がありました。そして、そのほとんどが歓迎の声でした。これは、これまで同様の苦しみを味わいつつも、決して声に出せずにいた、耐えてきた方々の声であり、現在つらい思いをしている方たちが、その取り組みを自分の学校にも導入してほしい、そう願う声でした。周りにカミングアウトできないからこそ、SNS上で瞬く間に拡散されたのだと思います。  こうした声を行政に伝えることこそが、我々議員の役割であります。私は、学校制服の制度は、今後もよき伝統として続いてほしいと思っています。しかしながら、制服により夢を諦めなければならない子供たちが実際におり、不登校やいじめにつながっている実態も見過ごすわけにはいきません。学校によっては個別に対応しており、スカートをはきたくない生徒にはスラックスの着用を認めるといった特例もあるようですが、それは抜本的な対応ではないと思います。学校で一人だけスラックスを着用している女子生徒を見れば、誰もが性的マイノリティーだと思うでしょう。果たしてそんな環境の中で、その生徒は楽しい学校生活を送ることができるでしょうか。それに、先ほど、国の行ったアンケートによる実態調査では、いじめや差別を受けそう、理解されるのか不安という理由から、ほとんどの方がカミングアウトできなかったと回答しており、いじめや差別を心配する生徒が申し立てをしてくるでしょうか。きっと三年間の我慢と思っていることでしょう。申し出を待って対応するのではなく、こちらから救いの手を差し伸べる時期が来ているのだと強く感じています。LGBTの方々は、決して特別にしてほしいわけでなく、平等であってほしいと願っているだけです。本県としても、多様性を認め合い、全ての子供たちが笑顔で学校生活を謳歌できるよう、時代の流れに沿った取り組みを強く推し進めるべきだと考えます。  現在、学校の衣がえの期間は前後一カ月ほどの猶予が設けられて、その間は天候によって夏服か冬服かを選択できます。私の学生時代は、六月一日、十月一日と決められていましたが、今ではこのような対応がとられておるそうです。選択できる制服も含め、こうした柔軟な対応をさらに広げるべきだと思います。中学や高校に進学するとき、期待に胸を膨らませ、制服を買いに行くのが当たり前ではないでしょうか。入学前に買ってきた制服を着て、鏡の前に立ち、その姿を見ながら、これから始まる新しい学校生活を夢見て心躍るに違いありません。  そこで、教育長にお尋ねいたします。  本県の県立高等学校において、生徒が制服を選択する際、どのような運用となっているのかお聞かせください。あわせて、生徒が自由に選択できるジェンダーレス制服の県立高等学校への導入についての御所見もお聞かせください。  次に、農業の振興に向けての取り組みについてお伺いします。  農業の振興に不可欠な労働力、この農業従事者の人材不足問題が大きく押し寄せてきております。高齢化問題や後継者・人手不足、世界に誇る農業大国日本の農家、農業は大変厳しい局面に立たされていると感じています。  私は、名古屋中村区選出でありますが、祖父の代から地元で魚屋を営み、多くの農作物と魚介類に囲まれた中央卸売市場で長く働いていた経験もあり、本県の農林水産業が抱えるさまざまな問題を危惧しております。全国で超高齢社会、少子化問題が進む中、生産年齢人口は平成四年をピークに減少し続け、過去最低を更新しています。本県も全国屈指の農業県でありますが、二〇一五年の農業従事者数は六万人強と、二〇一〇年に比べ、この五年間で二万人弱も減少しています。脱サラをして農業に挑戦したくても、高額な農業機械の購入など初期費用等のハードルは高く、農家への転職を諦めた友人も見てきました。農業とは農家出身者が継ぐものという考え方を打破し、新たな就業先となるよう取り組みに御努力する農家の皆様に対し、行政としてもより一層の支援体制が必要であると考えます。  では、どのようにして人材・人手不足問題を解消していけばよいのでしょうか。  まず一つは、外国人材の活用だと考えます。  農業や畜産業では、技能実習生を安い労働力としか見ない事例もあり、私も以前この議場で発言をさせていただきました。その後、関係者の地道な取り組みにより、ようやく農業分野における外国人労働者の受け入れ体制も整い、技能実習生の実習期間を延長するなど、制度も充実してきました。本県でも、国家戦略特区制度を活用した農業支援外国人受入事業を開始し、経営規模の拡大などによる強い農業の実現に向けて大きく動き出しており、ことしの四月から新たな在留資格、特定技能一号が創設され、さらなる新しい制度による受け入れが開始されたと聞いています。  そこでお尋ねいたします。  農業支援外国人受入事業での、外国人受け入れ実績や従事内容はどのようなものか、また、労働力不足が懸念される中、外国人の受け入れを今後どのように展開していこうと考えるのか、お聞かせください。  もう一点は、障害者の雇用に関してであります。  全国的に農福連携の取り組みが盛んになっていると感じます。その取り組みを先進的に行っている北海道北広島にあります合同会社竹内農園を訪れ、農園の竹内代表や実際に働いている障害者の方々のお話を聞くことができました。上皇、上皇后両陛下が最後の地方御公務として訪問された農園としても知られており、両陛下が、障害者にとっていい機会がつくられていいですねとお声をかけられたと大きく報道がなされました。  農園では障害者が働くことを想定して作物を選定しており、障害者の方々にも使用可能な手動式の機械を導入し、作業の簡素化、細分化を図っています。例えば、コマツナやインゲンを袋詰めする際は、グラムで計量するのではなく、計量器に目印のシールを張ることにより、間違うことなく作業が進むようになり、また、片腕が不自由で袋詰めができない方にはバーコードのシール張りをするなど、それぞれの特性に合わせた作業を任せることにより、働きやすい環境づくりをしています。独自の出荷ルートも開拓し、障害者の方々からは、みんなと一緒に汗をかくことで孤独感がなくなり、作物を育てる喜びや楽しさを感じることができた、幻覚や幻聴が減り、よく眠ることができ、薬を減らすことができた、竹内農園で働いていることが自慢であり誇りだと意識の高さを感じさせられました。この意識の高まりに合わせるかのように、農園の出荷量も増加しているそうです。  竹内代表は、高額な農作業機を購入することはできないが、知恵と工夫があれば安い農機具でも負けない収穫を得ることができているし、仕事を細分化することにより、障害を持った方に働く場を提供することができている、最近ではひきこもりに悩む方も農作業で汗を流してくれている、また、近い将来、特別支援学校とも連携をして、就農者をふやしていきたい、そして、北海道へ人材を呼び込みたいともおっしゃっていました。本県も独自のすぐれた技術革新による、AIやIoTによるスマート農業に取り組んでおられますが、農業所得の向上とは違う視点での農業を見させられ、新たな雇用創生の可能性を強く感じました。  北海道では農業だけではなく、ホタテ貝の殻むき作業など水産加工業において障害者の方々に活躍をしていただく水福連携も推進しています。本県としても、多くの県民の皆様に天下の逸品あいちの水産フェアでごらんいただいた漁獲量一位のアサリ、二位のウナギ、三位のシラスなどの加工段階において、働く場を提供できるのではないでしょうか。この水福連携につきましては、また次の機会にお尋ねをしたいと思います。  このように障害者の活用は農業だけでなく、水産業にとっても担い手の確保や生きがい、地域産業の維持が期待されています。国において、六月に農福連携等推進ビジョンを取りまとめたことからも、今後ますます全国的な広がりを見せていくと考えます。  そこでお尋ねいたします。  本県が昨年度から取り組む農福連携推進事業の成果に大変期待をしているところでありますが、これまでの本県におけるこの事業への取り組み状況はどうなっているのか、また、農業における障害者の就労については、農業者、福祉事業所双方に不安や課題を抱える中で、今後どのように取り組んでいくのかをお聞かせください。  最後に、農泊の促進についてお伺いします。  日本の農村、山村、漁村ならではの伝統的な生活を体験してもらい、その地域の人々との交流を楽しむ農山漁村滞在型旅行、いわゆる農泊は、都市と農山漁村との交流を促進することで、農山漁村の所得向上、ふえ続ける外国人観光客を地域の活性化につなげる上で重要な役割を果たしており、かつてないインバウンド需要の増大を受け、農林水産省は農泊に大きな可能性を見出しているようです。  民泊という言葉は広く認識されていますが、一般の民家ではなく農山漁村の家に宿泊し、農作業を実際に体験する農泊をした外国人観光客からは、大都会の町並みばかりを散策していたが、本当の日本に出会うことができた、次回は滞在時間を延ばして、もっと大自然を味わいたいなど喜びの声が多く、地域、農家の所得向上、収益増加も期待できるのではないでしょうか。しかしながら、言葉の壁や宿泊客に十分な対応ができるだけの余裕がないなどを理由に、農泊事業の実施を迷っている方は決して少なくありません。  そうした声を受けて、京都府では農泊を始めたい、農泊に興味があるという農林漁業者や観光事業者などを対象とした人材育成研修を行い、農泊の開業を支援しているのことであります。  本県のすばらしい、そして質の高い農業を体験、経験し、長期間滞在してもらうことにより、観光消費の増大とさらなる魅力発信へとつながっていくことでしょう。  そこでまず、都市と農山漁村との交流を促進する上で、農泊への支援が重要だと考えますが、国における農泊の支援状況についてお聞かせください、また、本県における農泊の推進の考え方についてお伺いし、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 17: ◯教育長長谷川洋君) ジェンダーレス制服についてお尋ねをいただきました。  県立高等学校における制服は、各学校において定められておりまして、生徒が学校生活に誇りと愛着を持ち、健全な学校生活を送る上で、一定の教育的意義があると考えております。  高等学校では、学科改編や周年となる年度の記念行事などにあわせて制服を変更するケースがございますが、その際に女子がスカートとスラックスを選択できるようにした学校もふえつつありまして、現在、十六校がそのような制服となっております。その他の学校におきましても、自分の認識する性別との不一致により制服の着用に抵抗がある生徒に対しましては、生徒本人、保護者の意向を十分確認した上で、自認する性別の制服、衣服や体操着の着用を認めるなどの配慮を行っております。  議員御指摘のとおり、全ての子供たちが安心して笑顔で学校生活を送ることができるようにしていくことは重要であります。現在、学校では自認する性別に悩む生徒の負担を軽減できるよう、多目的トイレの使用や修学旅行での配慮などの支援を行っております。制服につきましても、こうした生徒たちへの配慮として重要であると認識をしておりますので、各学校の実情や時代の変化、生徒のニーズ等を踏まえまして、女子のスラックスの設定など、生徒が性別に関係なく選べる制服の導入について、検討していくよう、機会を捉えて、学校へ促してまいりたいと考えております。 18: ◯農業水産局長中根俊樹君) 農業の振興についてのお尋ねのうち、農業支援外国人受入事業での受け入れ実績や従事内容と外国人受け入れの今後の展開方向についてお答えいたします。  本県は、全国に先駆けて、昨年八月から国家戦略特区による農業支援外国人の受け入れを開始いたしました。ことし八月末時点で三十四人の外国人を受け入れており、今年度末には百四十名に達する見込みでございます。一部は現在研修中ですが、既に豊川のオオバ、西尾の施設キュウリ、半田の養豚など七軒の農家に派遣され、即戦力として農作業に従事しております。外国人を受け入れた農家からは、真面目でよく働いてくれていると高い評価を受けており、また、派遣された外国人からも、充実した研修制度と相談体制が整備されているので安心して働けるとの声が届いております。  農業分野における労働力不足が顕在化する中、将来にわたり労働力を安定的に確保するため、勤勉で意欲的な人材を確保したい農家のニーズと、日本で夢と希望を持って働きたい外国人のニーズに、しっかりと応えていく必要があると考えております。  本県は、特区の活用により、農業分野では全国に先駆けて雇用就労の形で農業支援外国人を受け入れておりますので、外国人が安心して働ける体制が整っております。こうした本県の強みを生かして、愛知県の働きやすさを海外に積極的にPRして、より多くの優秀な外国人材を本県に呼び込んでまいります。  次に、農福連携の取り組みについてお答えいたします。  本県では、二〇一六年度から当時の農林水産部、健康福祉部、産業労働部とネットワークをつくり、部局横断による農福連携の推進を図ってまいりました。今年度は、一層の連携強化のため、県の関係局だけでなく、新たにJA愛知中央会、障害者就労支援団体も加えた、あいち農福連携推進協議会を設置し、国や他県、県内各市町村の取り組みについて情報共有を図るほか、関係機関の連携により、一層の効果が発揮できる取り組みの検討を進めてまいりました。  ことしの七月には、取り組みの一つとして、農業と福祉それぞれの専門知識を持つコーディネーターを配置した農福連携相談窓口を新たに設置いたしました。この窓口が中心となって、県内の地域リーダー的な農家約千八百名に農福連携の意向調査を実施しており、今後は、調査結果を踏まえ、取り組み意向のある農家や福祉事業所を訪問して、両者のマッチングに取り組んでまいります。  さらに、昨年度に引き続き、農家や福祉事業所などを対象に農福連携セミナーを八月に開催しましたほか、障害者が農作業を行っている現場を見学する現地バスツアーも十月に計画し、理解促進にも努めてまいります。  また、農福連携に携わる人材育成も重要でありますので、新たに県農業大学校において、福祉事業所等の職員を対象に、実際の農作業を見学しながら、農業に必要な基礎知識を習得できる研修を実施するとともに、農家を対象として福祉の知識や障害者と一緒に農作業をするための知識、技術に関する研修を実施してまいります。  今後も引き続き、関係局、団体と連携して、障害者雇用への理解促進、農家と福祉事業所のマッチングや人材育成などに積極的に取り組み、農福連携を着実に進めてまいります。  次に、農業の振興に向けた農泊の促進についてのお尋ねのうち、まず、国における農泊の支援状況についてでございます。  農泊は、農家や漁師の方が運営する宿のみにとどまらず、農山漁村地域の古民家や廃校になった校舎、旅館、ペンションなど、旅行者ニーズに合った多様な宿泊施設の活用により、その地域ならでは伝統的な生活体験や地域の人々との交流を楽しみながら、その地域の魅力を味わってもらう滞在型の旅行でございます。国においては、この農泊を農山漁村の所得向上と活性化策等として位置づけ、持続的なビジネスとなるよう、体制の整った地域を二〇二〇年までに全国で五百地域創出することを目指しております。  このため、国は農山漁村振興交付金により、インバウンド需要に対応するための受け入れ環境の整備、古民家等を活用した滞在施設や体験施設の整備、人材の育成及び確保などの支援を実施しており、支援地域は既に本年八月末現在で五百三地域となっております。なお、本県では六地域が本交付金を活用して、体験プログラムの開発、ウエブサイトの新設、外国人観光客向けのPRや人材の育成など、地域の実情に合った受け入れ体制の整備に取り組んでおり、このうち先行して始めた四地域では、いずれも宿泊者数や売上高の増加が図られ、特に西尾地域での取り組みにおいては、年間の宿泊者数が目標を大きく上回る九千人となるなど、地域の活性化につながる効果が出てきております。  次に、本県における農泊の推進の考え方でございます。  農泊は、都市と農山漁村の交流を推進するための有効な手段の一つであると考えており、本県においても、さきに申し上げました交付金の支援を受けた六地域のほか、果物狩りなどの収穫体験、田植えなどの農作業体験や、地びき網などの漁業体験などと、温泉や観光などを組み合わせた農泊が各地で取り組まれております。こうした農泊の取り組みに加え、本県では車の移動の便がよいという特徴を生かした日帰り型のグリーンツーリズムも都市と農山漁村の交流に有効と考えており、そのための独自の取り組みといたしまして、県産の農林水産物等を活用して、食や花をテーマに地域活性化と観光振興に向けた活動を行う地域を食と花の街道として認定しており、県のホームページ等でその魅力を情報発信しているところです。  今後とも、地域資源である農山漁村の魅力の情報発信に力を入れ、農泊とともに日帰り型のグリーンツーリズムも含めて、都市との交流を促進し人を呼び込むことで、農山漁村の活性化を図ってまいりたいと考えております。 19: ◯十七番(鳴海やすひろ君) それぞれ御答弁ありがとうございました。  農業の振興に向けてということで、ただいま局長からも、本当に具体的で、そして前向きな御答弁、取り組みをお聞かせいただきました。ありがとうございました。また、この質問をさせていただくに際し、農業経営課の皆様、そして振興課の皆様には、本当にお話しさせていただく中ですごい熱量、熱意を感じました。愛知の農業、その未来に向けて、執行部の皆様の思いというのも本当に強く感じましたし、また、引き続き、大村知事の強いリーダーシップのもと、日本の食料基地と言われている北海道の農業にも負けない、そんな強い農業を目指して頑張っていただければなというふうに思います。  教育長からお答えいただきました、ジェンダーレス制服の導入についてということでございますけれども、これ、非常に、今すぐにというのは、難しい話だということは承知をしておりますが、今、このときにも性別と制服の不一致で、苦痛に耐えながら授業を受けている、そういう学生がいることを忘れてはいけない、このように思います。早期の導入に向けて、各学校と協議を進めてください。  そして、ジェンダーレス制服というのは、LGBTの方以外の方にも大変歓迎をされております。寒い冬の日に女子生徒が、スカートじゃなくてスラックスが認められていたらどれだけよかったか、本当に寒かった、今、通う子供たちもそうやって言っております。また、先日、私の地元の地下鉄の駅で、県立高校に通う女子生徒がスマートフォンでスカートの中を盗撮されるという事件が起こりました。こうした性的被害、こういう犯罪からも子供たちを守っていけるという観点もあるのかなというふうに思っております。  選択できる制服が愛知県に広がって、LGBTの学生、そうでない学生、みんなが幸せで、そんな子供たちの笑顔がもっともっと愛知に輝くことを心から願いながら要望とします。ありがとうございました。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 20: ◯四十一番(田中泰彦君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 21: ◯副議長堀嵜純一君) 田中泰彦議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 22: ◯副議長堀嵜純一君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時四十二分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時開議 23: ◯議長(神野博史君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  いなもと和仁議員。     〔六十四番いなもと和仁君登壇〕(拍手) 24: ◯六十四番(いなもと和仁君) 通告に従いまして、順次質問をいたします。  まず初めに、愛知デスティネーションキャンペーンについてお尋ねをいたします。  人生には上り坂、下り坂、まさかの、三つの坂があると、人生の大先輩方からいろいろな場面でお聞きをしたものであります。
     最近の若い人たちにとって、坂といえば、乃木坂、欅坂、日向坂、そんなあたりかもしれません。  私自身にとっては、赤坂、神楽坂、道玄坂、一度は行ってみたい坂であります。  そんな世の中に数ある坂の中で、まさかが順調に右肩上がりで成長してきた旅行業界、観光業界に待ち受けておりました。  最近の日本と韓国のさまざまな問題により、特に九州、沖縄、北海道、大阪など、韓国人旅行客が多く訪れる地域で影響が出始めております。  訪日外国人観光客をふやすことも確かに必要なことでありますが、私は常々、日本全国に愛知の魅力をアピールし、日本人観光客のさらなる誘致も大切なことであると考えておりました。  幾つかの事例をお示ししながら、二つの点についてお尋ねをいたします。  我が国の観光をめぐる状況でありますが、訪日外国人旅行者数については、本年六月に観光庁から公表された令和元年度版観光白書によりますと、昨年は三千百十九万人となり、初めて三千万人を突破いたしました。  また、訪日外国人旅行客の消費額についても、昨年は四兆五千百八十九億円となり、七年連続で前年を上回っております。  日本政府観光局の九月十八日発表によると、ことしに入ってもこの傾向が続き、今年一月から八月までの訪日外国人は、前年同期比三・九%の増となっておりますが、八月だけを見ると、訪日外客数が多い韓国がマイナス四八%となった影響で、全体として前年同月比で二・二%減となっております。  本県においても、中部国際空港の一部の韓国便が、八月下旬から減便になるなどの影響も出ているため、今後の動きに十分に注意を払っていく必要があると思います。  一方、昨年の日本人の国内旅行については、宿泊者数が延べ二億九千百五万人で、前年から約一割減少し、日帰り旅行についても、延べ二億七千七十三万人と、前年から一六%以上減少しております。  これは、西日本豪雨や北海道胆振東部地震などの災害に起因する一時的な減少と考えられますが、日本人の旅行消費額が約二十兆円と、外国人の四・五倍あることを踏まえますと、観光を産業として地域の活性化につなげていくことは、大変重要であると思います。  そのような中、八月三十日に本県と名古屋が連携して取り組んできた高級ホテル誘致に向けた補助制度の方針が発表されました。  国際会議や企業のVIPが集まるミーティング、展示会などのMICEの開催は、本県の国際的知名度とステータスを向上させることはもちろん、一人当たりの消費額が一般の観光旅行に比べて高額であることから、地域活性化につながるものとして、各地で誘致活動が活発に行われております。  高級ホテルは、MICEの開催会場や、MICEに参加するVIPの宿泊先として必要となりますが、当地域には名古屋市内に数軒しか立地していない状況であります。  このたびの補助制度の方針を見ますと、対象となるホテルは、首脳クラスが参加する国際会議の開催も可能とするため、平均客室面積が四十五平方メートル以上の百五十室以上のホテルで、そのうち五%以上をスイートルームとし、その中には、おおむね百平方メートル以上の国賓級の要人に対応できる客室を設置することとされております。  このほか、宴会場や車寄せ、複数のレストランなどの設置を求めております。  今回、こうした高級ホテルに対し、名古屋市内の場合、最大二十億円を支援することとなり、これによって誘致が実現できれば、首脳クラスが参加する国際会議を初め、学会、企業の大規模ミーティング等の誘致、開催や海外からの富裕層旅行者の本県への訪問につながっていくものと大いに期待をしております。  そのほかにも、現在、耐震工事を行っている名古屋テレビ塔の四階、五階部分にも高級ホテルができる予定と聞いており、こちらはタワーの中にできる世界でも珍しいホテルということであります。  計画では、レストラン、カフェ、バーチャルリアリティーを活用したエンターテインメント施設などが入る複合型の集客施設にリニューアルされ、また、すぐ近くにはインスタ映えするスポットとして外国人に人気のオアシス21がありますので、新たな名古屋の名所になるのではと、来年七月のオープンが非常に楽しみであります。  私もぜひこのホテルに泊まり、名古屋の夜を堪能したいなと、今から楽しみにしている次第であります。  こうした宿泊施設の充実に対する期待とともに、本県へ人を呼び込む観光の力をさらに高めていくことが大切であります。  大村知事は、二〇一五年をあいち観光元年とする旨の宣言を行い、観光集客を、愛知の生命線である製造業、物づくりに加えて、愛知の新たな戦略産業として位置づけました。  そして、二〇一六年には本県が取り組むべき具体的なプロジェクトを盛り込んだアクションプログラム、あいち観光戦略を策定し、この戦略に基づく各種施策により、発見、感動、伝えたい観光県あいちの実現を目指し、さまざまな取り組みが進められております。  この施策の一つとして、二〇一七年度から三カ年で観光客の大幅増加、定着化を目的とした全国規模の大型観光キャンペーンである愛知デスティネーションキャンペーンに取り組んでおります。  昨年は、その本番となる集中キャンペーンとして、十月から十二月まで全国のJRグループと連携した事業を実施いたしました。  JRグループにおいては、全国の主要駅に県内観光資源を紹介した五枚組のポスターを掲出していただくとともに、本県の観光情報やキャンペーン期間中に開催される特別企画、イベント情報などを掲載したガイドブックを設置していただくなど、全国に向けた情報発信について御協力をいただいたとお聞きをしております。  また、三英傑の名を冠したラッピング車両を用いた武将隊列車、尾張・知多・三河エリアの特色を押し出した地元タイアップ観光列車の運行や、県内十の鉄道事業者と共同で記念切符を限定販売するなど、このキャンペーンを大いに盛り上げていただきました。  そして、主な旅行会社からは、往復新幹線に宿泊と、愛知県内全ての鉄道路線と主な観光地へアクセスする一部のバス路線が二日間乗り放題となる、愛知DCフリーきっぷなどをセットにした旅行商品を販売されております。  一方、地元では、県内の自治体や観光協会などの観光関係団体、観光施設や宿泊施設などの観光事業者が協力し、名古屋城、犬山城、博物館明治村、徳川美術館、鳳来寺などで国宝や重要文化財などの特別公開を初めとした目玉となる企画を提供いたしました。  あわせて、本県が持つ観光資源を、武将観光や醸造文化、絶景スポットなど、さまざまなテーマで結び、県内観光地をお値打ちにめぐっていただく周遊バスが全十八コースで運行いたしました。  このような取り組みの成果として、期間中の県内の観光・レクリエーション資源の利用者数は、前年同期比一八・七%増の三千六百三十七万人となり、一定の成果があったものと思われます。  また、香嵐渓や名古屋城など、本県の定番スポットに加え、これまで余りツアーに組み込まれてこなかったスポットへの広がりが出ているとお聞きしておりますので、今後は、この流れをぜひとも維持、拡大していただきたいと思います。  一方で、課題も明らかになっております。  県内観光地をめぐる周遊バスについては、実証実験的に取り組んだということでありますが、盛況なコースがあった一方、集客状況が低調であったり催行できなかったものがあるなど、エリアや時期によって集客にばらつきがあったともお聞きをしております。  そこでお尋ねをいたします。  昨年の愛知デスティネーションキャンペーンの集中キャンペーンの成果と課題を踏まえ、本年十月から十二月にかけ実施するアフターキャンペーンは、どのような内容となるのか。  また、愛知デスティネーションキャンペーンは今年度で終了いたしますが、この成果が今後の本県の観光振興施策にどのようにつなげていくのか、お尋ねをいたします。  次に、ひとり親家庭に対する支援についてお尋ねをいたします。  本県のひとり親家庭は、平成二十七年の国勢調査によれば四万五千七百七十一世帯で、十五年前の三万六千三十四世帯から二七%増加しております。  また、平成二十八年の全国ひとり親世帯等調査の結果によりますと、母子世帯になった理由は、離婚が七九・五%と最も多く、次いで、未婚の母八・七%、死別八%となっております。  父子世帯になった理由は、離婚が七五・六%と最も多く、次いで、死別が一九%となっております。  昭和五十八年は、母子世帯、父子世帯とも、離婚が約五割、死別が約四割でしたので、三十年間でひとり親になった理由が大きく変化したことがわかります。  本県のひとり親家庭の子供の貧困率は、平成二十八年度に愛知県が実施した愛知県ひとり親家庭等実態調査では五二・九%となっており、全国とほぼ同水準であります。  同じ時期に実施した愛知子ども調査では、本県の子供の貧困率は五・九%と、全国平均の一三・九%を大幅に下回っていたことと比較いたしますと、ひとり親家庭の子供たちは大変厳しい状況にあると言わざるを得ません。  また、平成二十八年度国民生活基礎調査によりますと、全国の児童のいる世帯の平均所得金額が、七百七万六千円であるのに対し、愛知県の実態調査では、本県の母子家庭の平均年間世帯収入は、二百四十七万六千円であり、二百万円未満の世帯が全体の四六・七%を占めております。  このため、現在の暮らし状況について、大変苦しい、またはやや苦しいと回答した人が七〇・八%を占めており、経済的に大変厳しい状況がうかがえます。  こうした状況となる要因としては、母子世帯の母親は、九一・三%が仕事についているものの、そのうち、臨時・パート・派遣社員が四七・九%と、半数近くが非正規雇用のため、どうしても就労収入が低いためだと思われます。  ひとり親家庭の方々が苦しい生活を少しでも改善できるよう、これまでも国や県ではさまざまな取り組みが進められておりますが、こうした取り組みを推進するため、昭和三十九年に制定されたのが母子福祉法であります。  この法律には、母子家庭に対する福祉資金の貸し付けや、就業支援事業等の実施について規定されております。  昭和五十六年に法律の名称が母子及び寡婦福祉法に改正され、さらに、平成二十六年には父子家庭も対象に加え、名称も母子及び父子並びに寡婦福祉法に改正されました。  ひとり親が就業し、仕事と子育てを両立しながら経済的に自立するとともに、子供が心身ともに健やかに成長できるよう、また、子供の貧困対策にも資するよう、支援体制の充実や支援施策周知の強化が図られました。  そして、国においては、平成二十七年十二月に決定した、すくすくサポート・プロジェクトに基づき、就業による自立に向けた就業支援や子育て支援、学習支援、居場所づくりなどの支援施策が進められております。  こうした国の動きを踏まえ、愛知県でも、平成三十年二月に作成された、子どもが輝く未来へのロードマップに基づき、市町村等と連携しながら、就業支援や経済支援、生活支援など、さまざまなひとり親支援が進められております。  また、このような支援に加え、国においては、はたらく母子家庭・父子家庭応援企業表彰を行っております。  この事業は、母子家庭の母親または父子家庭の父の就業を積極的に支援している企業等を表彰し、ひとり親家庭の親の就業促進に向けた社会的機運の熟成を図るものであります。  平成三十年度は全国で三社が表彰されました。  そこで、そのうちの一社である夕食材料等の配達事業を行っている株式会社ヨシケイ埼玉の取り組みを御紹介させていただきます。  この会社の全従業員に占めるひとり親の割合は一八・七%であり、全従業員に占める、正社員であるひとり親の割合も一八・三%と、働くひとり親のほとんどが正社員として働いております。  この会社では、ひとり親であっても何の心配もなく働けるよう、会社ぐるみで子育て支援に取り組んでおります。  具体的には、子供を家で待たせないために定時退社の促進、家庭での楽しい時間のための有給休暇の取得推奨、子供が病気でも休めるバックアップ体制などを行っているとのことであります。  この企業からのメッセージには、何の心配もなく仕事に専念できる、時代に合った環境づくりを続けていきたいとありました。とてもすばらしい取り組みであると思います。  この企業の例にもあるように、ひとり親の自立促進を図るためには、ひとり親家庭を取り巻くさまざまな環境の整備が必要でありますが、その中でも、特にひとり親家庭の親に係る就業支援が非常に重要であると考えております。  とりわけ、今御紹介いたしました、株式会社ヨシケイ埼玉のように、ひとり親家庭に理解のある企業に、より多くのひとり親の方が就職できるようにする取り組みが大切なことではないかと思います。  本県では、ひとり親に対する就業支援について、どのように取り組んでいるのかお尋ねをいたします。  最後に、知の拠点あいち重点研究プロジェクトについてお尋ねをいたします。  本県の製造品出荷額等は、令和元年八月二十三日に公表された平成三十年工業統計調査によりますと、四十六兆九千六百八十一億円と、前年に比べ二兆円ほど増加し、昭和五十二年以来、四十一年連続で全国一位となっております。二位の神奈川県が約十七兆九千五百六十四億円であり、大きく開きがあります。  また、国内総生産の都道府県版、県内総生産では大阪府を抜いて、東京都に次ぐ全国第二位となるなど、基幹産業である自動車産業を中心とした世界的な物づくり地域として着実な発展を遂げてまいりました。  本県では、こうした物づくりを支えるため、平成二十四年から付加価値の高い物づくり技術の研究開発拠点として、知の拠点あいちを段階的に整備してまいりました。  知の拠点あいちは、平成二十四年二月に、あいち産業科学技術総合センター、平成二十五年三月に、あいちシンクロトロン光センター、そして、平成二十八年三月に、新エネルギー実証研究エリアが供用開始されました。  あいち産業科学技術センターは、産業技術センターを初めとした、四つの技術センターの本部として機能するほか電子顕微鏡を初めとした高度な計測分析機器、一つから試作品をつくることができる積層造形装置、そして、企業や大学が共同で使う研究室等を備え、日々、県内企業を中心に、多くの方々が訪れています。  また、あいちシンクロトロン光センターは、分子や原子レベルで物質の組成等を解析できるナノレベルの計測分析施設として、全国八番目に整備され、本県以外の七施設が学術利用を中心としているのに対し、あいちシンクロトロン光センターは、産業利用を中心としており、県内外から、多くの企業が研究開発や問題解決のために利用しております。  そして、新エネルギー実証研究エリアは、県内企業が新エネルギー関連の研究を行うために利用するものであり、太陽光発電、バイオマス等を活用する実証研究が行われています。  知の拠点あいちは、オープンから七年余りが経過し、これまでに四万人の企業の技術者や大学の研究者が訪れ、さまざまな技術的・学術的課題の解決に貢献してまいりました。  こうしたことから、知の拠点あいちは、物づくり愛知を支える重要な働きをしているものと考えております。  特に、知の拠点あいちの中核事業である重点研究プロジェクトは、大学等の研究シーズを活用し、新技術の開発や新産業の創出を図るため、産学行政が連携して行う共同研究開発として、知の拠点あいちのスタートから継続的に実施されています。  I期では、平成二十三年度から平成二十七年度までの五年間、次世代ナノ・マイクロ加工技術の開発プロジェクト、食の安心・安全技術開発プロジェクト、超早期診断技術開発プロジェクトの三プロジェクトが行われました。  これらのプロジェクトでは、飛行機のジェットエンジンの部品を高速で加工する技術が確立し、参加企業の生産現場に取り入れられたり、自動車部品企業が食品中の食中毒菌を素早く検査できる装置を製品化し、新分野進出を図ったり、あるいはトイレで簡単に尿の塩分を調べる便座を開発し、実証実験を続けている等の実績があると伺っております。  その後、昨年度まで行われたII期では、次世代ロボット社会形成技術開発プロジェクト、近未来水素エネルギー社会形成技術開発プロジェクト、モノづくりを支える先進材料・加工技術開発プロジェクトの三つのプロジェクトが行われたとお聞きしております。  そして、本年度から開始されたIII期については、本県の基幹産業に多大なる影響を及ぼすとされる自動車のコネクテッド、自動運転、カーシェアリングとサービス、そして、電気自動車を示すCASEと呼ばれる自動車の百年に一度の大変革期への対応や、人工知能、さまざまな情報がデータ化され、ネットワークでつなげてまとめ、解析、利用することにより、付加価値を生み出すことによる第四次産業革命の進展に対応した取り組みを行う必要があると考えます。  とりわけ、第四次産業革命は、あらゆるものがインターネットにつながり、新たな製品・サービスの開発につながるものであり、生産、販売、消費といった経済活動に加え、健康、医療、公共サービス等の幅広い分野や人々の働き方、ライフスタイルにも影響があると言われております。  このように、本県の物づくりが、これまでに経験したことがないような大きな局面を迎えている中で、III期が開始されたわけでございます。  特に、県内中小企業にあっては、こうした産業が大きく変化していく局面に対応した研究開発を一企業で行うことは極めて困難で、こうした点からも産学行政連携による重点研究プロジェクトの取り組みは、その重要度がますます高くなっているものと思います。  そこでお尋ねをいたします。  昨年度まで実施した重点研究プロジェクトII期では、具体的にどのような研究成果が得られたのか。また、本年度から開始された重点研究プロジェクトIII期では、本県が直面する物づくりの大きな変化の中で、どのような研究開発を進め、そして今回のIII期にどのような特色があるのか、お尋ねをいたします。  これで壇上からの質問といたします。ありがとうございました。(拍手) 25: ◯観光コンベンション局長(藤田昇義君) 愛知デスティネーションキャンペーンについての御質問のうち、初めに、本年十月から十二月にかけて実施するアフターキャンペーンの実施内容についてお答えをいたします。  まず、地域の関係者の御尽力により実施する特別企画につきましては、昨年好評だった愛岐トンネル群紅葉シーズン特別公開、吉田城鉄櫓手筒花火特別放揚などのほか、通常では入坑できない東栄町にある粟代鉱山軌道の特別見学などを新たに用意し、旅行者をお迎えいたします。  加えて、JR東海では、昨年運行して盛況だったモーニングトレイン一宮、知多鉄道酢トーリー、おいでん奥三河の三本の観光列車を今回も運行するとともに、県内各地の観光地やイベントを組み込んださわやかウオーキングについては、ウオーキングビンゴも開催するなど、工夫をして実施いたします。  また、大手旅行会社各社と連携し、主に首都圏、関西方面からの旅行者に向けた、期間中限定のお値打ちで便利な旅行商品を用意して、遠方からの誘客につなげてまいります。  県内の観光地をめぐる周遊バスにつきましては、昨年の十八コースから三十三コースに充実させるとともに、発着駅を、乗車率の高かった名古屋駅、豊橋駅に集中させ、旅行者の利便性を高め、集客力を向上させてまいります。  このように、昨年の集中キャンペーンの成果を踏まえ、より魅力あるものに磨き上げた企画をアフターキャンペーンに組み入れ、観光誘客に取り組んでまいります。  次に、愛知デスティネーションキャンペーンの結果を、今後の本県の観光振興施策にどのようにつなげるかについて、お答えをいたします。  今回のキャンペーン実施に当たっては、観光にかかわる地域のさまざまな関係者により、愛知県大型観光キャンペーン実施協議会を設立し、地域が一丸となって多くの事業を進めてまいりました。  昨年の集中キャンペーンの終了後には、この協議会において、各事業の実施結果を取りまとめ、課題分析を行った上で対応を検討し、ことしのアフターキャンペーンがより効果的に実施できるよう工夫をした内容にしてまいりました。  今回のキャンペーン全体が終了する時点においても、三カ年にわたる事業の成果を取りまとめ、協議会に参画された関係者間で課題の洗い出し、今後の取り組み方向の検討を行い、情報共有を図ることで、今後の愛知の観光振興施策の充実につなげてまいります。 26: ◯福祉局長(平田雅也君) ひとり親に対する就業支援についてお答えいたします。  ひとり親は、子育てと生計の担い手という二重の役割を一人で担っておられ、希望する仕事や正規職員につくことが難しい場合が多いなど、ひとり親を取り巻く雇用環境は大変厳しいため、安定した雇用につなげる支援が重要であると認識しております。  本県では、これまでも社会福祉法人愛知県母子寡婦福祉連合会に、母子家庭等就業支援センター事業を委託し、ひとり親が自立に向けた資格を取得するための講習会や就業相談などを実施しております。  昨年度は、就業支援講習会を二十一回実施し、三百十五人が受講するとともに、就業相談については、一万二百八十七件の実績がありました。
     今年度はこうした取り組みに加え、新たに、子育てしながら働く方々の就労に理解があり、その採用に意欲のある企業を集めたひとり親向け合同企業説明会を実施することとしております。  製造業、商社、福祉、医療、情報処理など、幅広い業種の企業二十社が個別ブースを設け、企業の担当者が事業内容や採用について、参加者の皆さんに直接説明をすることにより、一人でも多くの方のマッチングにつなげていきたいと考えております。  先日、九月二十三日に、第一回説明会を名古屋駅前のウインクあいちで開催いたしました。  参加された方からは、企業の担当者の話が直接聞けてよかった、子供連れでも参加できてよかったなどの声をいただいたところであります。  次回の説明会は、十二月に、JR刈谷駅近くの刈谷産業振興センターでの開催を予定しており、多くの方に参加いただけるよう周知に努めてまいります。  県といたしましては、今後ともこうした就業支援を初め、子供の学習支援や居場所づくりなどの生活支援、県独自の手当の支給などの経済支援を着実に推進し、ひとり親家庭の生活が安定するよう、また、子供が健やかに成長できるよう、しっかりと応援してまいりたいと考えております。 27: ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 知の拠点あいち重点研究プロジェクトのうち、まず、II期の研究成果について、お答えいたします。  重点研究プロジェクトは、大学や県内企業がコンソーシアムを組み、本県における物づくり産業のイノベーション創出を目指すもので、これまでに、企業は数々の製品を生み出し、大学は研究を通して地域貢献を行うなど、双方にとってメリットがある形で進めてまいりました。  III期では、三つのプロジェクト、二十六の研究テーマに、九十九社、十七大学、十一公的研究開発機関等から八百九十八名の技術者や研究者が参加し、その結果、全ての研究テーマにおいて試作品が完成、このうち二十一件が製品化に至りました。  そして、関連する特許出願四十六件、研究成果の報道発表二十二件を行いました。  プロジェクト終了後も、参加企業が中心となって、引き続き、量産品の開発を進めております。  主な研究成果として、次世代ロボット社会形成技術開発プロジェクトでは、介護医療現場で夜間の見回りをするロボットを開発し、現場での有効性を確認、現在、低コスト化した量産モデルの開発が進んでいます。  近未来水素エネルギー社会形成技術開発プロジェクトでは、天然ガスから水素をつくり出す際に必要な触媒について、高性能な触媒を開発し、現在二カ所の水素ステーションに導入し、長期使用による性能確認を進めています。  モノづくりを支える先進材料・加工技術開発プロジェクトでは、電気自動車などの電子回路において、熱を逃がすために不可欠な新材料を開発し、現在、この新材料を生産・販売する大学発ベンチャーを創業し、事業を進めています。  このため、本年度から、参画企業による確実な製品化のフォローと、研究成果を地域企業に技術移転するため、あいち産業科学技術総合センターに、重点研究プロジェクトII期総合成果活用プラザを設置して、性能評価等の支援を行っております。  次に、重点研究プロジェクトIII期について、お答えいたします。  III期では、県内主要産業が直面する喫緊の課題に対応した三プロジェクト、二十六の研究テーマに百社、十六大学、十一研究開発機関等が参加し、研究開発を開始したところであります。  一つ目の近未来自動車技術開発プロジェクトでは、電気自動車の航続距離を飛躍的に伸ばす高性能なモーターやインバーターの開発を進めるとともに、自動運転の実現と先進プローブデータを活用した交通安全に貢献する技術開発に取り組みます。  二つ目の先進的AI・IoT・ビッグデータ活用技術開発プロジェクトでは、物づくり現場の設計、生産、検査から、農業、健康長寿までの幅広い分野において、情報処理技術の活用を促進するとともに、複数ロボットの一括制御やエネルギー最適配分のための水素蓄電の技術開発に取り組みます。  三つ目の革新的モノづくり技術開発プロジェクトでは、物づくり愛知の根幹をなす基盤技術のさらなる高度化のため、繰り返しの実験にかわり、コンピューター上で大量のデータを解析する材料、プロセスの開発や、それらの性能の裏づけとなるシンクロトロン光を初めとした評価技術の開発に取り組みます。  III期の特徴としては、参加企業百社のうち、中小企業が六十四社を占め、このうちスタートアップ企業が八社参加します。  スタートアップ企業には、ITを駆使した新しいロボット向けプラットフォームや自動車の遠隔監視システムの開発など、画期的な技術による物づくり愛知への貢献を期待しております。 28: ◯知事大村秀章君) いなもと和仁議員の質問のうち、私からも、愛知デスティネーションキャンペーンについてお答えをいたします。  まず、本年十月からスタートするアフターキャンペーンにつきましては、先ほどの局長の答弁のとおり、より魅力のある企画を用意し、全国からの集客につなげてまいります。  その際には、愛知の持つさまざまな観光資源をしっかりとPRしていくことが大切であります。  名古屋城、犬山城などの武将観光、鉄道、航空機などの産業観光、あるいは花祭り、山車などの歴史文化といった、愛知を代表する魅力ある観光資源を、日本全体の幅広い皆様方にお届けできるような広報活動を計画してまいります。  そして、三カ年にわたる愛知デスティネーションキャンペーンの成果を次の観光施策に生かしていくことも、大変重要な視点であります。  今回のキャンペーンを通じ、市町村、観光関係団体、観光事業者が、観光素材の磨き上げ、旅行商品の企画を行う中で、観光に対する意識や取り組みが大きく向上いたしました。  また、そうして組み上げた商品を全国に売り込んでいく上では、キャンペーンを通じて協力関係を築くことができた交通事業者や、域外の旅行業者が大きな役割を果たしております。  こうした県内の観光関係者の意識の高まりや、広域的な交通事業者とのネットワークを一過性のものとせず、さらに継続していくことが愛知の観光振興にとって重要になってくると考えます。  まずは、今回のアフターキャンペーンで愛知の観光誘客をさらに拡大させ、そして、デスティネーションキャンペーン全体の成果を継承、発展させることで、愛知の観光振興をさらに前進させてまいります。 29: ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 先ほど、本来II期では三つのプロジェクト、二十六の研究テーマで九十九社が参加しているという発言をするところを、III期というふうに誤って発言しましたので訂正させていただきます。 30: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  南部文宏議員。     〔四十七番南部文宏君登壇〕(拍手) 31: ◯四十七番(南部文宏君) 自由民主党の南部文宏でございます。  それでは、障害者スポーツの振興についてから質問をさせていただきます。  昨年、本県では知的障害者のスポーツ大会でありますスペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲームが盛大に開催をされました。  大会を通して、障害者スポーツのすばらしさや感動など、県民の皆様にも障害者スポーツが認知をされたところでございます。  また、いよいよ来年は、東京パラリンピックを控え、そして、その先、二〇二六年愛知・名古屋でのアジア競技大会には、アジアパラ競技大会の開催に向けて、検討を進めているとお聞きをしております。今、障害者スポーツが一層注目をされているところでございます。  こうした中、本年の五月にスペシャルニーズ柔道ヨーロッパオープン大会で見事に銅メダルを獲得しました名古屋市立南養護学校高等部一年の少女、竹上公明子選手が知事を表敬訪問されました。  ここで、スペシャルニーズ柔道ヨーロッパオープン大会に彼女が出場することになった経緯について、説明しておきたいと思います。  竹上公明子さんはダウン症で生まれ、幼いころより心臓が弱く、三歳までは歩くことも困難であったとお聞きしております。その彼女が柔道を始めたのは、約四年前のことです。  柔道六段の腕前のお父様らが創設をしました柔道サークル、名古屋介護系柔道部の月一回の練習会に顔を出したのがきっかけでございました。  最初は、柔道を学ぶというよりは畳の上でストレッチをするなどの軽い運動を楽しんでいたそうですが、転機となりましたのは、昨年の九月、全日本柔道連盟が知的障害者を対象とした全日本ID柔道選手権大会を開催したことでございます。  お父様から勧められて、試しに出てみようと決意をされ、名古屋介護系柔道部で練習に大いに励まれました。  大会直前には、お父様が指導している同朋高校柔道部で、現役高校生柔道部員たちの心温まる練習にも恵まれて、見事に、全日本大会でクラス別の優勝をされました。  そして、スウェーデンで開催されるスペシャルニーズ柔道ヨーロッパオープン大会の出場切符を手にされることとなりました。  なお、全日本ID柔道選手権大会に寄せて、全日本柔道連盟、山下泰裕会長から次のメッセージが寄せられていますので、要約をして紹介させていただきます。   全日本柔道連盟は、平成三十年度から知的障がい者振興部会を設立しました。   私は常々、柔道は若者や競技者だけのものではない、男女を問わず子供から大人、お年寄り、さまざまな障害のある方まで親しむのが本来の柔道であると思っております。その根本理念は、やはり人づくり、人間教育としての柔道です。   海外での障害者柔道の取り組みは、日本よりも進んでおります。今後は日本での障害者の柔道普及に努めることはもちろんのこと、海外との柔道を通した交流もぜひ実現させたいと考えております。 というものでございます。  竹上公明子さんが練習拠点としました名古屋介護系柔道部についても触れておきたいと思います。  名古屋介護系柔道部は、医療、介護、福祉の仕事に従事していらっしゃる社会人のサークルです。  柔道を通して、日ごろの運動不足の解消やストレス発散を図りつつ、親睦を深めることを目的とし、月に一回ほどの頻度で主に愛知県武道館を練習会場として活動をしていらっしゃいますが、柔道未経験者も多く在籍をしていらっしゃいます。  ところで、愛知県議会柔道愛好会というのがあるのを御存じでいらっしゃいますでしょうか。  我が党には、柔道五段、四段という、それは大変な柔道の猛者がおりまして、学生時代は恐らくは柔道一直線の生活を送ったのではないか、というよりも、柔道しかやったことがない、それぐらい大変に強い柔道の方々が積極的にリーダーシップをとっていただく柔道のクラブでございますが、私、六十歳になりまして、晴れて入部をさせていただいた次第でございます。  少々不安を抱きましたけれども、熱烈な勧誘がございまして、そしてまた名古屋介護系柔道部でも、初心者の中高年齢者の方々が楽しんで柔道をしていらっしゃる、その様子に背中を押していただきまして、決意をした次第でございます。  私は初心者でございますから、当然受け身から練習を始めるわけでございます。日ごろの日常生活では、転ぶということはめったにありません。むしろ、転ばないように気をつけるわけでございますが、それが、あえて転ぶというこの訓練を行うということは、非常に新鮮に感じました。  転ばないように心がけるという意識と、転んでも大丈夫、受け身で自分を守る、こういう意識というのは、まるで違うものなんだなというカルチャーショックを受けたようで、それが新鮮に感じられたと、こういう意味でございます。  知的障害者の方々が、柔道をすることによって受け身を覚えて、いざというときに自分を守る、こういうわざを身につけるということは、非常に有意義なことなんだなと、こんなふうに思った次第でございます。  愛知県議会柔道愛好会の練習というのは、なかなか厳しいものがございますけれども、私はまだ一回しか練習に行ったことがないんですけれども、これから頑張ってみたいと思っております。  さて、名古屋介護系柔道部では、集まれチャレンジド柔道あそびというイベントを、夏休みと冬休みに開催しておられます。  障害を持つ子の親御さんから、学校の長期休暇は運動不足になりがちだが、運動する機会が欲しいという要望が寄せられたことから始まったとお聞きをしております。  私も、集まれチャレンジド柔道あそびを見学させていただきましたが、障害のある方、ない方、子供も大人も一緒になって畳の上で転がり、柔道を楽しんでいる光景に、全柔連、山下泰裕会長の柔道は若者や競技者だけのものではないというメッセージに込められたものを見た気がいたしました。  また同時に、援助者の物心両面でのサポートや、会場を提供いただいた同朋高校の御厚意があって成り立つのが、知的障害者スポーツの現実であるとも実感をいたしました。  竹上公明子さんのように、障害がある中、精いっぱい努力して世界の舞台で活躍する方が県内にもたくさんいらっしゃることだと思います。また、活躍している姿がもっと日の目を見ることに期待をしたいと思います。  さて、障害者スポーツの認知度が上がり、世界で活躍する障害者アスリートも出ている中、本県はこの四月に障害者スポーツを含めて、スポーツ事業の一元化を図り、スポーツ局が新たにできました。  そこでお尋ねします。  障害者スポーツの所管が、福祉部局からスポーツ部局に移管され、半年が過ぎましたが、その利点をどのように感じておられるのかをお答えください。また、障害者がスポーツ施設を利用する際に、施設の優先利用や使用料の減免措置などは、県営の施設ではどのようになっているのかお伺いします。  次に、障害者が充実したスポーツ活動を行うためには、適切な指導ができる指導者が必要であります。  本県では、愛知県障害者スポーツ指導者協議会という組織があり、障害者スポーツの各場面で活躍していると聞いております。しかし、指導者の数は十分でないとも伺っています。  そこでお尋ねします。  愛知県障害者スポーツ指導者協議会の概要と、障害者スポーツの指導員の実態はどうか。そして、障害者スポーツ指導者の養成について、どのように考えているのかをお答えください。  最後に、障害者スポーツが福祉部局からスポーツ部局に移管され、スポーツの観点からは大いに期待する方も多いと思われます。一方、福祉的な観点から、障害者スポーツのアスリート化が進むのではないかなど、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。  そこでお尋ねします。  今後、スポーツ局として、障害者スポーツにどのように向き合っていくのか、県のお考えをお聞きいたします。  次に、商工会等と連携した小規模事業者支援についてお尋ねします。  愛知県内の事業者は、二〇一九年の中小企業白書によりますと、約二十二万四千社を数え、そのうち約八割を占める小規模事業者は、県内の産業、経済活動に欠かせない存在であり、地域産業を下支えする役割を担っております。  この小規模事業者の経営を持続的に発展させるために、県は、経営、金融、税務、労務など幅広い分野で相談指導に当たる経営指導員等を商工会、商工会議所に配置することにより、小規模事業者を支援しておられます。  さて、小規模事業者を取り巻く環境は、製造業などにおいてはAIやIoTの導入による省力化、高精度化が進み、また、小売業においてはキャッシュレス化やネット通販が拡大するなど、大きな変革期を迎えております。  こうした厳しい経営環境の中、引き続き小規模事業者が活力を維持していくためには、小規模事業者自身が創意工夫をし、新商品や新技術の開発、新たなサービスの提供などを打ち出していくことは極めて重要であり、その方策として経営革新計画を策定し、その計画を実行に移していくことは、大変効果的であると思います。  経営革新計画とは、中小企業等経営強化法に基づき、中小企業が、新製品の開発、新たなサービスの提供、新たな生産方式による生産性の向上、新たなサービスの販路拡大など、革新的な事業活動に取り組む際の事業計画を策定し、県の承認を受けるものです。  また、事業計画の承認を受けることで、政府系金融機関の特別貸し付けや、信用保証の特例などの優遇措置があります。  しかしながら、小規模事業者は、従業員数も少なく、経営基盤も弱いことから、経営革新計画をより実効性のあるものとしていくためには、地域の商工会、商工会議所や課題に対応した専門家が一体となって、その計画の実現に向けてきめ細かく支援することが必要であると考えます。  そこで、今年度六月議会において、小規模事業者経営革新支援事業費補助金事業が創設をされました。  これは、小規模事業者が経営革新計画を策定し、その計画に基づく新商品・新技術開発及び販路開拓などの事業の実施に係る経費の一部を補助するもので、小規模事業者の取り組みを大いに促進するものでございます。  そこでお伺いいたします。  小規模事業者経営革新支援事業費補助金事業において、補助事業者の募集を既に行われたところですが、採択された事業にはどのようなものがあったのかお伺いします。  また、採択された補助事業者に対して、専門家を派遣し、商工会、商工会議所とともに伴走支援を行うこととなっておりますが、補助事業者からはどのような支援が望まれており、商工会等と連携し、どのように対応していくのかをお伺いいたします。  最後に、サービス産業の振興について質問をいたします。  本県は、物づくり愛知と言われますように、製造品出荷額等が平成三十年工業統計調査によりますと約四十七兆円となり、四十一年連続で日本一の座を誇るなど、物づくりを中心とした我が国随一の産業拠点でございます。  製造業が注目される本県でありますが、農林水産業や製造業を除いた第三次産業をサービス産業として捉えて見ますと、事業所数で約八割、従業者数で約七割、GDPで約六割を占めており、製造業を上回るシェアを占めているのが実情です。  そして、今後一層の県内地域経済の活性化を図るためには、サービス産業の振興を図ることが不可欠と考えます。  サービス産業といっても、非常に多種多様な業種がありますが、一例として、昨年度あいちサービス大賞の特別賞を受賞した米穀店さんでは、ただ単にお米を売るだけでなく、お客様の好みに応じたオリジナルブレンド米を販売していることで知られています。  この米穀店では、お米のオーダーシートに、米のかたさや甘み、粘り、粒の大きさなどの好みを点数で記入をするというものでございます。  さらに、副食のおかず類の味つけが、あっさりか、こってりを好むのか、炊飯器具は電気炊飯かガス炊飯器か、鍋か土鍋を使って炊くのかなども記入できるようになっており、お客様の好みをデータ化し、米カルテとして管理をし、お客様に最高のお米を提供するという至れり尽くせりのサービスです。  このように独自の強みを生かしたサービスを付加して提供している小売店は、ほかにも本県にも数多くあるものと思われます。  特色のあるサービスを付加することによって、売り上げの増加が見込まれることに加え、付加するサービスの内容によっては、広く県民福祉の向上や、地域課題の解決にもつながると考えます。
     国におきましては、日本再興戦略二〇一六の官民戦略プロジェクト10や未来投資戦略二〇一七において、サービス産業の生産性向上に取り組むこととし、平成二十七年三月にはすぐれたサービスをつくり、届ける仕組みを表彰する日本サービス大賞が創設されました。  日本サービス大賞とは、我が国の刻々と変化するサービスの需要に対して、顧客のニーズを先取りし、あるいは顧客と一緒にサービスを改善していくことで、私たちの生活を豊かにしてくれる、すぐれた取り組みを表彰する制度です。  日本サービス大賞の第一回目の受賞者は内閣総理大臣賞に輝いた九州旅客鉄道株式会社のクルーズトレイン、ななつ星イン九州が選ばれたのを初め、そのほかにも各大臣賞や優秀賞として三十一社が受賞をされております。  第二回目では、内閣総理大臣賞を受賞した三菱地所株式会社による街のブランド化に向けた丸の内再構築の地域協働型プロデュースが選ばれたのを初め、そのほかにも各大臣賞など十八社が受賞されております。このように多種多様な業種から、さまざまなサービスに対して表彰されております。  なお、現在、第三回目として、あなたのすぐれたサービスがこれからの日本を輝かせるをテーマに募集が行われているところでございます。  こうした中、本県では、昨年度から県内の中小企業者を対象に、すぐれた先進的なサービスを募り、表彰する制度として、都道府県では初めてとなるあいちサービス大賞を創設し、実施をしておられます。  あいちサービス大賞とは、先進的なサービスを提供している事業者を募集し、優秀な成功事例をあいちサービス大賞として表彰するものです。受賞した事業者や、その取り組みやサービスを広くPRすることにより、県内サービス産業の生産性向上を図るというものです。  日本サービス大賞が大企業も対象にしているのに対し、愛知は中小企業に限定をしている点に違いがあります。  昨年の第一回目の募集に応募された事業所を、業種別に見ますと、IT、デジタルコンテンツが四社、外食、中食が二社、トラック運送業二社、医療一社、介護が五社、保育一社、卸・小売が八社、生活関連サービスが十社と、多様な業種のエントリーとなっており、合計で三十三事業所を数えます。  先ほど紹介しました米穀店と同じく、特別賞を受賞された運送業者さんでは、女性ドライバーを積極的に採用していますが、ホームページによりますと、全ドライバー百三十四名中、二六%、三十五名の女性ドライバーが元気に働いているとのことでございます。  ママさんドライバーも大勢勤務しておられ、お子様を育てながら働ける環境を目指して、学校行事なども積極的に参加することを社を挙げて応援しておられます。  輸送力確保のために女性ドライバーを採用し、育成していることが評価され、また、期待され、特別賞を受賞されました。  先進的なサービスを提供することは、言うはやすしですが、それを実践し続けることは、大変な努力を伴うことでありましょう。  すぐれたサービス産業の振興を図る上では、あいちサービス大賞のような表彰制度は、消費者への周知により、受賞事業者の認知度や信用力の向上が図られ、また、他の事業者への波及も期待できるなど、非常に有意義であると考えられますが、本県におけるサービス産業の重要性を考えると、さらに、一層の振興を図るべきだと考えます。  今年度は、昨年を上回る事業所に参加していただきたいと願っておりますし、そのためには、あいちサービス大賞の認知度を上げることと、大賞の価値というか、ブランド力を高める必要があると考えます。  そこでお伺いします。  昨年度から実施しているあいちサービス大賞を創設した経緯及び第一回目の実績についてお伺いをいたします。  また、今後どのように本県におけるサービス産業の振興に取り組んでいかれるのかをお伺いいたしまして、質問を終わります。(拍手) 32: ◯スポーツ局長(飯田靖君) 障害者スポーツの振興につきましてお尋ねをいただきました。  まず、障害者スポーツのスポーツ部局への移管による利点についてお答えをいたします。  本県では、昨年度まで健常者のスポーツと障害者のスポーツを異なる部局で推進をしてまいりましたが、これを一元化することにより、さまざまな効果があらわれてきております。  具体的には、国民体育大会と全国障害者スポーツ大会の業務をスポーツ局に一元化したことによりまして、愛知県代表選手の選考や派遣事務などのノウハウの共有につながっております。  また、これから健常者のスポーツ関係者と障害者のスポーツ関係者の相互交流が一層進み、障害者スポーツに対する理解がより深まっていくものと期待をしております。  東京パラリンピックの開幕まで一年を切る中で、障害者スポーツへの関心が高まってきております。  県といたしましては、こうした流れを追い風にして、障害者スポーツの振興に一層力を入れてまいりたいと考えております。  次に、障害者の方がスポーツ施設を利用する際の優先利用や使用料の減免措置の状況につきまして、お答えをいたします。  障害者スポーツの振興は、障害のある方の自立と社会参加の促進に大変有効であり、そのためには、障害のある方が気軽にスポーツを楽しめる環境を整えていくことが大切だと考えております。  こうしたことから、スポーツ局が所管をいたしますスポーツ会館、武道館、一宮総合運動場、口論義運動公園、総合射撃場の五施設の個人利用につきましては、障害者及びその介護者の方一名につきまして、二〇〇四年一月から利用料金を全額免除しております。  二〇一八年度には、この五施設におきまして、障害者の方四千六百三十五人、介護者の方千九十四人の計五千七百二十九人の方に御利用いただき、三百七十万円を超える減免をさせていただいております。  また、施設の貸し切りなど、団体での利用につきましては、一般の団体と同じ利用料金及び予約方法になっております。  なお、県営の公園施設内にあるスポーツ施設につきましても、個人の利用料金を免除するなど、障害者がスポーツを楽しめる環境を整備しております。  次に、愛知県障害者スポーツ指導者協議会及び障害者スポーツ指導員について、お答えをいたします。  愛知県障害者スポーツ指導者協議会は、会員の指導員を、愛知県障害者スポーツ大会などに派遣をし、競技運営や選手のサポートに協力するとともに、地域で開催される障害者向けスポーツ教室やスポーツイベントの運営にも中心的な役割を担っていただいているところでございます。  この指導者協議会には、二〇一九年三月末現在で、三百八十六名が会員登録をして活躍されておりますけれども、会員数はここ数年、ほぼ横ばいで推移をしており、会員の高齢化と新規会員の確保が課題となっております。  このため、本県では、愛知県社会福祉協議会を通じて、指導者の資格を取得できる養成講習会の開催による新規会員の確保、さらには、そのスキルを高めるための技術研修会の実施による指導員の育成に努めているところでございます。  障害者スポーツには、障害者の障害特性や競技種目についての知識と、そして理解を持ち、安全なスポーツ活動やリハビリテーションの手助けをする専門的な障害者スポーツ指導員の存在が欠かせません。  県といたしましては、社会福祉協議会や指導者協議会などと協力をいたしまして、さまざまな機会を通じて周知、PRに努め、引き続き障害者スポーツ指導員の確保、そして養成に努めてまいります。  最後に、スポーツ局として、障害者スポーツへの向き合い方についてお答えをいたします。  障害者スポーツは、パラリンピックに代表される競技スポーツであるとともに、障害のある方の自立と社会参加の促進に大変有効なものと認識をしております。  また、東京パラリンピックへの期待が高まる中にありまして、大きな感動を共有できる障害者スポーツは、障害への理解促進に大きな役割を果たすものと考えております。  このため、県といたしましても、愛知県障害者スポーツ大会の開催のほか、本県ゆかりのトップアスリートや指導者が実技指導を行う障害者スポーツ参加促進事業などを引き続き実施し、そして、社会福祉協議会などと連携を図りながら、障害者スポーツの一層の振興に努めてまいりたいと考えているところでございます。 33: ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 商工会等と連携した小規模事業者支援についてのお尋ねのうち、まず、小規模事業者経営革新支援事業費補助金事業で採択された事業の主な内容についてお答えいたします。  この補助事業は、小規模事業者を新たな事業展開に誘導するため、経営革新計画の承認を受けた小規模事業者を対象に、その計画の実現に向けて、必要な経費の一部を助成するとともに、専門家派遣等の支援を行っていくものであります。  応募者は五十二社ありましたが、有識者による審査により、九月に二十二社を採択いたしました。  採択事業の例としましては、新製品の開発として、AIとIoTを活用した自動搬送ロボットを製作するもの、新たなサービスの提供として、写真撮影の際にアニメーションを活用することで、より楽しさを追求したフォトスタジオを運営するものなどがありました。  また、工程を集約し、形状測定機の導入や独自の加工技術を加えることで生産性の向上を図るもの、ドローンを活用した樹木管理や、家屋修繕など建築分野と連携した新規顧客の開拓などがありました。  次に、伴走支援として採択された補助事業者から求められている支援の内容と商工会等との連携についてお答えいたします。  この補助事業に係る伴走支援につきましては、商工会等の経営指導員による支援に加え、必要な専門家を派遣し、計画の実現に向けた支援を実施することとしております。  今回採択されました事業者からは、新製品、新サービスの他社との差別化や、開発、提供に伴う社内体制の見直し、短納期、低コストに向けた取り組み、さらには、関連事業者との連携や新規顧客確保に向けた効果的な宣伝媒体の活用などについて、助言支援を求められております。  これらに対応するため、事業者の課題解決に適した専門家を派遣し、技術分野を中心とした助言指導を行うとともに、日ごろからその事業者に対し、巡回訪問や経営相談などを行っている商工会等の経営指導員においても、補助事業者の課題を共有し、経営、金融、労務などの助言指導を補うことで、事業の相乗効果を図ってまいります。こうした取り組みを通して、小規模事業者の新たな事業展開を促進してまいります。  続いて、サービス産業の振興についてのうち、まず、あいちサービス大賞の創設経緯及び第一回目の実績についてお答えいたします。  本県のサービス産業の振興につきましては、二〇一五年十二月に策定しましたあいち産業労働ビジョン二〇一六─二〇二〇において支援施策の充実に努めることとしており、翌二〇一六年度から観光、医療、介護等の関係部局で構成する県庁横断的なワーキンググループを立ち上げ、検討を行ってまいりました。  さらに、二〇一七年度には、県内サービス産業事業者五千社へのアンケート調査を実施したところ、ウエブサイトでの情報発信、成功事例を他の企業が共有できる仕組みづくり、先進的なサービスを提供している中小企業の表彰制度の必要性があるなどの意見があり、その結果を踏まえ、ワーキンググループで検討を行った結果、二〇一八年度に全国に先駆けて先進的なサービスを提供している事業者を表彰するあいちサービス大賞の創設とともに、行政の支援制度や他の事業者の成功事例など、サービス産業の生産性向上を図るための情報を発信する専用ポータルサイトを開設いたしました。  昨年度実施した第一回あいちサービス大賞については、三十三社から応募があり、その中から外部有識者で構成する審査会により、知事賞を受賞された瀬戸の大橋運輸株式会社を初め、審査委員長賞一社、特別賞三社の全五社を選考し、本年三月に表彰式を行いました。  また、専用ポータルサイトでは、あいちサービス大賞を受賞した五社のほかにも、審査の過程で高い評価を得た十社の特色あるサービス内容を広く情報発信することで、その事業者の信用度の向上につなげております。  次に、今後のサービス産業の振興の取り組みについてお答えいたします。  あいちサービス大賞の受賞者からは、受賞したことに対し、取引先や地域の方などからお問い合わせをいただき、非常に知名度が向上したことを実感したとの声をいただき、県のPRによる信用度向上の効果に伴う売り上げ増加や、新たな取引先の創出などの施策効果があらわれてきていると考えております。  現在、あいちサービス大賞は、第二回目を募集しているところですが、県のウエブサイトでの掲載や募集チラシの配布による周知に加え、関係支援機関に対する応募依頼を行っております。  さらに、今年度は、専用ポータルサイトから直接応募できるよう改善し、応募件数の増加につなげてまいります。  まだまだ県内には、すぐれたサービスを提供している事業者が多くいると考えられますので、一つでも多くの特色のあるサービスを掘り起こしていくことにより、事業者の売り上げの増加や、他の事業者への横展開などを図るとともに、あいちサービス大賞のブランド力向上に努めてまいります。  さらに、県融資制度や今年度に新たに創設した小規模事業者経営革新支援事業費補助金による資金面での支援や、商工会等の経営指導員、専門家の派遣による技術面、経営面での助言、指導を行うことにより、サービス産業の振興に向けて引き続き取り組んでまいります。 34: ◯議長(神野博史君) 進行いたします。  樹神義和議員。     〔三十六番樹神義和君登壇〕(拍手) 35: ◯三十六番(樹神義和君) 豊田選出の樹神です。  通告に従い、本県産業のイノベーションの推進について順次質問してまいります。  さて、平成という三十年強に及ぶ歴史の幕が閉じましたが、この三十年の間にグローバル化や第四次産業革命が進展し、ソフトウエア産業等においては、一つの重要な発明は他の発明と結びつき、次の重要な発明の登場までの期間を短縮しイノベーションの速度を加速することにより、科学技術は直線グラフ的ではなく、指数関数的に進歩するという収穫加速の法則などとともに新たなイノベーションのメカニズムが生まれ、世界の産業構造は大きく変化しました。その結果、資本集約型社会から知識集約型社会に変貌しつつあるという見方もあります。  具体的に言えば、IT化や国際化、価値観の多様化が進み、価値を生み出す源泉が物からIT、サービスへとシフトし、価値を生み出す主体も大企業からスタートアップ企業へと移行しつつあると同時に、利益を上げる業種も変化してきております。  また、価値を生み出す手法もシリコンバレー等を中心とした、自社だけではなく、他社や大学、地方自治体、社会起業家など異業種、異分野が持つ技術やアイデア、サービス、ノウハウ、データ、知識などを組み合わせ、革新的なビジネスモデル、研究成果、製品開発、地域活性化、ソーシャルイノベーション等につなげるオープンイノベーションが主流となりました。  こうした世界情勢の中で、製造品出荷額等が実に四十一年連続で全国ナンバーワンと、日本の物づくり産業を支える本県においては、リニア中央新幹線、燃料電池自動車MIRAI、国産初のジェット旅客機MRJ改め三菱スペースジェットという、日本の未来をつくるプロジェクトが大きく動き始めた中で、産業集積を生かし、我が国の成長をリードする日本一元気な愛知の実現に向け、愛知県中小企業振興基本条例制定後、初めての産業労働政策のビジョンとして、二〇一五年十二月にあいち産業労働ビジョン二〇一六─二〇二〇を策定したところであります。  また、ビジョン策定以降、本県産業を取り巻く社会経済情勢が大きく変化しているのを受けて、昨年十二月にビジョンの追補版を策定し、スタートアップを起爆剤とするイノベーション誘発の土壌形成を進めるとともに、生産性の向上、働きやすい労働環境の整備に取り組み、全ての産業のさらなる育成、集積に向けた先導的な施策を推進し、地域経済の活性化を図っておられると理解しております。  しかしながら、日本全体では、企業や個人などが特定のインターネットサイトなどの利用者を対象に販売や広告などのビジネスを展開したり、情報発信したりする際のサービスやシステムといった基盤を提供するグーグルやアップル社といったメガプラットフォーマーのような大規模なイノベーションを創出できておらず、他国に比べてオープンイノベーションも低調であります。  こうした状況を踏まえて、国においては、経済産業省所管の産業構造審議会産業技術環境分科会の研究開発・イノベーション小委員会において、国内の産業イノベーションを推進するための取り組み施策についての中間取りまとめが行われ、本年六月十一日付で公表されておりますので、この中間取りまとめを引用しつつ、本県の取り組みについてのお考えを伺ってまいりますが、その前に、この中間取りまとめにおいては、世界の潮流に関して、次のように分析をしております。   世界ではIT・サービス業の存在感が増しており、物が付加価値の源泉だった時代には物づくりを中心に競争力を有する企業が多数あったが、付加価値の源泉がIT、サービスに移行し、状況は一変している。   また、価値を生み出す主体として、IT系のスタートアップから急成長したメガプラットフォーマーが膨大なデータや利益を獲得し、世界の経済、イノベーションを牽引していると同時に、価値を生み出す手法も変化し、多様化している。   他社の技術やリソースを積極的に取り込むオープンイノベーション、教育と研究とビジネスの集積、大学と企業が一体となってスピーディーに研究開発、ビジネスに取り組む産学融合などの動きが大きなスケールと速いスピードで進んでおり、米国や中国、インド等の圧倒的な規模の資金、労働力や試作、実証、ビジネス化等のスピード、あるいはドイツ等の欧州諸国や韓国等の基礎研究や先端技術への取り組みなど、各国の動きは精力的、戦略的である。   さらに、国際化やIT化による後押しもあって、新興国の経済、教育、技術等の水準は今後も速いスピードで伸びるであろう。世界の市場やプレーヤーは、今後も急速に変化、多様化する可能性が高い。 と、このように分析をしております。  一方、このような世界観、歴史観の中で、日本の製造業は高品質志向、生産側の意思のもと、独自のノウハウやアイデアを利用して新しい商品、サービスを生み出して提供するという考え方であるシーズ志向が強かったからか、ある程度の品質のものを低コストで大量生産する国との比較において競争力を失った面もあるとの分析もされております。  そのため、日本は物づくりの強さが裏目に出てしまったのか、物ではなく物を売った後のサービスを売るビジネス、物やサービスを売るために必要なデータやプラットフォームを提供するビジネスなどへの取り組みがおくれたと見られ、米国や中国のメガプラットフォーマーが起こしたような大規模なITイノベーションを創出できていないと言われています。  また、我が国においては、バブル崩壊後は雇用、設備、債務といった三つの過剰に対応したリストラ中心の経営となり、人材、資金、技術がそろっている大企業がリスクをとって新規事業に取り組む動きが停滞傾向にあり、その一方で、ベンチャービジネスが活発に創出される環境整備も実現しなかったとの指摘もあります。  要するに、日本はITビジネス等の分野で新しい産業を生み出せない一方、競争力のある分野で新興国の追い上げに遭い、収益の源泉が縮小する窮地に立たされています。加えて、少子化、高齢化、環境エネルギー制約、防災、セキュリティーなど困難な社会課題が顕在化し、産業技術に関する中長期的な展望を描きづらくなっています。  一方、日本にはまだ強みを有する分野もたくさんあります。例えば、日本は物理学、科学、臨床医学等の分野で強く、自動車、電子部品、材料等の産業が強いとされる調査もあります。  ITビジネスが台頭し、ITプラットフォーマーによるイノベーションフロンティアの開拓が進み、データ収集、ビジネスの舞台は、検索データ、SNS等のサイバー空間から、例えばロボット、自動走行、健康医療等のリアル空間に広がる動きもあり、このリアル空間では日本が一定の市場シェアを維持しており、日本の強みを生かせる可能性があります。  日本は海外に比べスタートアップ、オープンイノベーション、人材多様化等への取り組みが弱いというデータもありますが、裏を返せば、まだまだポテンシャルが残っているという見方もできます。  日本は少子・高齢化、エネルギー・環境制約、防災など課題先進国と言われていますが、これらの課題に世界に先んじて取り組み、解決することができれば、そのモデルは世界に展開可能であると言われています。  そこで、変革を阻む閉塞感、停滞感の打破、そしてパラダイムシフトを見据えた政策として、本中間取りまとめでは大きく六点について提言を行っておりますので、提言内容に対する県としての考えを伺ってまいりますが、まず第一点目は、ビジョンの共有と戦略的なリソース配分についてであります。  世界のパラダイムシフトの中で、日本がどこで稼ぎ、どこを守る必要があるのか、中長期的に目指す姿を描くことが重要であります。特に人口減少が進んで人材、資金等のリソースが限られる日本においては、未来への投資である研究開発投資の拡大や、重複投資の回避などの効率化に努めるとともに、縮小する市場や硬直化した旧来型価値観への惰性的、延命的なリソース投入、リソース分散は避けるべきであると指摘されております。  このような前提を踏まえつつ、次の産業競争力の源泉を生み出していくための中長期的な、具体的には少子化の進展とともに団塊ジュニア世代が介護離職や退職期を迎え労働力減少が加速し、デジタル革命の進展に伴うITシステム二〇二五年の崖が迫り、5G等のインフラ、量子コンピューター、次世代電池、ゲノム合成など、非連続的イノベーションをもたらす新たな技術が普及してくるであろう二〇二五年ごろまでが一つのターニングポイントであることから、二〇二五年をターゲットとした産業技術ビジョンが求められているのではないでしょうか。  中間取りまとめではその具体例として、産業技術情報の強化、蓄積については、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構などと民間シンクタンク等を含めた役割分担、協調の中で、組織的に産業技術に係る知見を蓄える体制を構築するとともに、二〇二五年と次の三十年という二つの時間軸を見据えた中長期的な産業技術ビジョンの策定を訴えております。  本県では、さきに触れさせていただきました産業労働ビジョン二〇一六─二〇二〇を策定し、これまで産業首都あいちの実現に取り組んでこられましたが、計画期間も残り一年半となりました。  そこでお尋ねしますが、次期計画の策定に当たり、現段階においてどのような視点を重視し、どのような方向性に力点を置いて本県の産業振興を図っていくべきと考えているのか、県の考えを伺います。  続きまして、二点目は、未来をつくるシーズの開拓、育成についてお尋ねします。  ビジネスの技術的革新は、非連続的、革新的な知見の発見によって起こると考えられておりますが、論文数や研究者数等の指標において日本の優位性は揺らぎ、未来をつくる革新的な技術ノウハウの研究に関し、将来が懸念されています。  企業は、出口寄りの開発を重視せざるを得ない面もあり、次世代の産業を生み出す新たな非連続的な技術ノウハウの開拓、育成は、大学や国の研究機関等に期待される部分も大きいと思います。  中間まとめでは、このような研究に携わる人材の確保や、それを支える環境の整備、特に若手の研究者に夢を与えられるような環境の整備が必要であると同時に、短期的な成果が求められて、出口志向の研究開発がふえる中、産業界に橋渡しできる次世代の産業を生み出す新たな非連続的な技術シーズの開拓、育成及び、それを支える人材を育成する環境整備が必要であると訴えております。そのためには官民一体となって、特に次世代を担う若手研究者へのリソース配分、中長期的な視点からの革新的なテーマへの大胆な挑戦をサステーナブルに進められる環境整備を行う必要があると指摘しております。また、中長期の研究開発の実施には、行政や研究機関等が中長期的視点から継続的に研究開発等を牽引するとともに、企業が投資しやすいような環境を整備する必要があります。  こうした中、本県においては、産業空洞化対策減税基金を活用して、研究開発、実証実験を支援する新あいち創造研究開発補助金を創設し、平成二十四年度から運用を開始することによって次世代自動車、航空宇宙、環境、新エネルギーなど今後の成長が見込まれる分野において、企業等が行う研究開発、実証実験を支援してきましたが、今後も積極的に支援していく必要があると思いますが、県の考えを伺います。  続きまして、三点目は、次の産業の担い手となるスタートアップの育成についてでありますが、急激に変化、多様化する市場の中で、既存の大企業だけでイノベーションを牽引し続けることは困難な状況にあり、また、世界を見ても時価総額のトップを占める企業の多くは創業から三十年以内というように市場の顔ぶれも変わっております。  そのような中で、次の産業の担い手として期待される研究開発型スタートアップが、自律的、連続的に、大規模に創出、成長するための支援や環境の整備が重要であり、本県においては、昨年十月にAichi─Startup戦略を策定し、スタートアップのエコシステム形成の中で、本県物づくり企業が保有する先端技術と、スタートアップ企業が保有する斬新なアイデアを融合させることにより革新的サービスや新市場を生み出し、新たなイノベーションを創出する土壌形成を地域の力を結集して図っているところであります。  一方で、研究開発型スタートアップを取り巻く環境は研究開発に要する期間の長さ、資金調達の難しさ、成功ノウハウ蓄積の少なさなど依然として厳しいことから、多様なプレーヤーからの支援が必要であり、中間取りまとめにおいては、認定ベンチャーキャピタルと協調したスタートアップ支援事業の強化や、エネルギー、環境問題等の社会課題解決や市場のゲームチェンジをもたらし得るような重要案件については集中的かつ重点的に支援する仕組みづくりの創設等を提言しておりますが、次の産業の担い手となるスタートアップの育成、特に研究開発型のスタートアップの育成に向けて今後どのように取り組んでいかれるつもりなのか、県の考えを伺います。
     続きまして、四点目として、多様性やスピードに対応するオープンイノベーションについてお尋ねします。  AIやIoTなどの第四次産業革命により価値の源泉や産業構造が変わる中で、既存の意思決定機構ではパラダイムシフトを起こす価値をタイムリーかつ継続的に生み出すことは困難となっており、多様性やスピードに対応するためには自前だけではなく、他者のリソースの活用、すなわちオープンイノベーションが重要であります。  こうした状況を受けて、中間取りまとめでは、オープンイノベーションの深化に向けた経営者の意識改革、ネットワーク構築の強化や産学連携、産学融合の推進、さらには地域イノベーションを生み出す集積について提言しておりますが、その中でも地域イノベーションを生み出す集積に関しては、地域のニーズに応じたコーディネーター機能の充実、大学と連携した地域イノベーションハブの重点支援、大学間高速ネットワーク等を活用した新しいビジネスの創出、そしてグローバルにリソースを呼び込むSDGsイノベーションエリアの形成を訴えております。  特に、SDGsイノベーションエリアの形成については、中間取りまとめでは、東京、大阪については二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会や、二〇二五年日本国際博覧会等の国際的なビッグイベントを契機に、東京や大阪のポテンシャルを世界に発信していく手法等について検討を深めていくべきと記載されているものの、我が愛知について記載されていないのは気になるところではありますが、国際都市である東京や大阪はイノベーションのきっかけとなる多くのリソースが集積している一方で、これらの都市はイノベーションという観点からの評価は必ずしも高くないと指摘しております。  このように、我が国においてはオープンイノベーションの量もスピードも圧倒的に不足しているのが現状であると思います。しかし、今のところ、日本ではさまざまな製品、部素材、質の高いサービス等で一定の優位性を保っており、多様な知見の融合によって起こるイノベーションにおいてポテンシャルを有していると考えます。  中間取りまとめでは、大企業が持つ要素技術を広くスタートアップ企業や大学等に提供し、大企業だけでは思いつかないような新しいビジネスを開発することが必要であること、あるいは、知、人材が集積している大学の役割がますます重要になっており、企業は知の宝庫である大学を積極的に活用し、大学も産業戦略、産業政策に積極的に関与する関係になり、連携を超えた融合に向けた環境整備が必要であることなどが指摘されています。  そこでお尋ねしますが、第四次産業革命が進展する中で、県ではオープンイノベーションについてどのような認識を持ち、どのような取り組みを進めているのか伺います。  続きまして、五点目として、イノベーションを生む人材の育成についてお尋ねします。  イノベーションの必須要件の一つとして、多様な人材、知見が相互作用することが挙げられますが、この観点から中間取りまとめでは、性差に基づく研究開発への新視点、ジェンダード・イノベーションズの概念も踏まえた女性研究者等の多様な人材の育成、複数の専門分野を習得した人材の育成などを進めることが重要であると訴えております。  また、これまで男性のみを対象として研究されてきた医療や製品開発について、女性も考慮することで治療方法や市場が広がるなど経済成長にも資する取り組みが海外では広がっているものの、日本はこの分野においても非常に立ちおくれており、早急に対応する必要があると指摘しております。  さらに、複数の専門分野を習得した人材の例として、特にエネルギー、バイオ、機械、電気、電子等の分野の専門的知見、経験と、IT、システム、デザイン等の横断的分野の知見の双方を習得した人材や、経済学とIT、哲学と医療など、文系、理系双方の専門分野を習得した文理融合人材などの重要性がうたわれており、これらの人材を支えるためのマネジメント、コーディネート等の研究開発、支援人材の育成も重要と考えます。  このように、イノベーションを生む人材の育成においては、取り組むべきさまざまな課題が山積している状況にありますが、私は、新たな時代を切り開き、革新的なイノベーションを創出していく中心となるのは、男女を問わず若者であると考えております。  先ほどの二点目の質問の中で触れたように、中間まとめでは、若手の研究者に夢を与えられるような環境の整備の必要性も指摘されており、若者研究者がこの愛知を舞台に活躍できるようにしていくことが大変重要であると考えます。  そこで、次世代を担う若手研究者の大胆な挑戦に対し、県としてどう取り組んでいかれるのか伺います。  続きまして、最後の六点目として、イノベーションを支える基盤整備についてお尋ねしますが、イノベーションを支えて推進するためには、研究開発やオープンイノベーションの推進、スタートアップや人材の育成に加えて、産業化を促進するためのデータ、知財、標準化に関するルール、環境の整備、計量標準、微生物遺伝資源、地質情報など企業だけでは取り組むことが難しい分野に関する知的基盤の整備など、イノベーションを支える基盤整備が必要であります。  特に新しい技術の普及拡大には、技術が受け入れられる市場環境整備も必要であり、中間取りまとめにおいては、初期段階からの知財、標準化、法制度との連携、公共調達等の戦略も含む産業化シナリオを検討することがますます重要になると指摘しております。  また、国の研究開発データをみずから活用するのみならず他者とも共有し、共同で利活用し、成果を高めるためには、研究開発データの共有化やその取り扱いについて、プロジェクト参加者間で事前に合意する必要があり、そのためのデータマネジメントガイドラインを国は示していますが、海外の企業や研究者との連携、知財マネジメント、標準化等についても、さらなる検討や取り組みが必要であると考えます。  さらに、今後はコネクテッドインダストリーズやエネルギー転換、脱炭素化、国土強靱化に向けた防災・減災対策及び安心・安全な社会づくりが進展する中、知的基盤はこれらのニーズにも的確に応える必要があり、特にデータの取得、共有及び蓄積されたデータの円滑な利用が一層重要となります。  そのため、新たな知的基盤整備計画を策定し、計量標準、微生物遺伝資源、地質情報に関する知的基盤の整備と一層の活用促進に向けたサービス強化、共同研究等を進める必要があると中間取りまとめでは指摘をしております。  このような標準化等に関するルール、環境の整備や計量標準などの知的基盤の整備は、今後、国においてさらなる検討が進められ、早期に整備されることを期待するものであります。  その一方で、県においては、イノベーションを支える基盤の一つとして、知の拠点あいちを整備、運営されておりますが、どのような取り組みを進めておられるのか伺います。  以上、本県産業のイノベーションの推進について、大きくは六点について伺ってまいりましたが、県当局の前向きな答弁を期待しまして、壇上からの質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 36: ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 次期産業労働計画の策定についてお答えいたします。  次期計画については、二〇三〇年から二〇四〇年ごろの社会経済を展望した上で、二〇二一年度から二〇二五年度の五年間を計画期間とすることとし、二〇二〇年内の策定を目指して、今年度から改定作業に着手してまいります。  次期計画で展望する二〇三〇年から二〇四〇年にかけては、第四次産業革命が一層進展し、ロボット、AIなどが人間と同等以上の機能を持って社会実装されるなど、最先端のデジタル技術と現実の社会経済活動の融合が一層進展するものと見込まれます。  こうした将来展望を踏まえ、本県が引き続き日本の成長の牽引役を果たすためには、最大の強みである物づくり産業の集積を生かしつつ、IT関連などの最先端技術への取り組みを強化し、第四次産業革命に対応したイノベーションの創出を図るという視点が一層重要になると考えております。  具体的には、自動車産業のCASE、MaaSへの対応や、ロボット、ドローン等の近未来技術の社会実装の支援、スタートアップを初めとする新たなイノベーションの担い手の創出、育成、誘致、さらには産業構造の変化に対応した人づくりなどに力点を置いていくことになると考えております。  今後、有識者や企業、関係団体等の参画を得た策定委員会などを通じて、幅広い御意見や御提言をいただきながら計画を策定し、技術革新など社会経済情勢の変化にも柔軟に対応しつつ、本県が日本の産業首都、さらには国際的なイノベーションの拠点として飛躍できるよう努めてまいります。  次に、新あいち創造研究開発補助金についてお答えいたします。  二〇一二年度の制度創設から今年度までの八年間で、企業等が行う研究開発、実証実験について、延べ六百十六件を採択いたしました。  補助事業終了後、五年間、フォローアップ調査を行っており、二〇一四年度から二〇一八年度までに補助した計三百九十六件のうち、約三分の二に当たる二百六十二件で商品化が実現、あるいは試作品が完成し、売上高約六十八億円という成果が出ております。  また、二〇一八年度より、過去に採択実績のない中小企業からの申請を積極的に採択するトライアル型を創設し、より利用しやすい補助金になるよう適宜制度の見直しも行っております。  この補助金は、県内企業が競争力向上を図るために研究開発を促進する有効な施策であり、今後とも積極的な活用を促し、付加価値の高い物づくりの維持、拡大を支援してまいります。  次に、スタートアップの育成、特に研究開発型のスタートアップの育成に今後どのように取り組んでいくかについてお答えいたします。  昨年十月に策定したAichi─Startup戦略に基づき、当地域の大学、経済団体、行政などが一丸となってスタートアップ支援に取り組む中、本県におきましてもスタートアップの育成を初めとした各種の支援施策を実施しております。  昨年度から実施しております、あいちスタートアップキャンプでは、起業を希望している方や関心のある方を対象に、週末の三日間をかけてビジネスモデルを構築した後、メンターなどによるブラッシュアップ、投資家や事業提携候補の企業に向けたプレゼンテーションの場を提供し、起業家の発掘、育成を図っております。  また、創業後五年未満の企業等を対象とする、Aichi Open innovation Acceleratorは、メンタリングや研修プログラムによる集中支援に加え、資金獲得や事業提携等につながる場、デモデイを開催し、スタートアップの誘引、育成、支援に努めております。  さらに、研究開発型スタートアップに対しては、ITや新しい技術等を活用し、生活の安心・安全、利便性向上などの地域の魅力向上や、環境、エネルギー、健康、医療などの地域課題の解決を目指して新たに起業する方を対象に、起業支援金の支給と創業後の経営面における伴走支援を行うほか、県が知の拠点あいちの中核事業として実施する重点研究プロジェクトIII期においても、スタートアップ八社が県内企業や大学とともにコンソーシアムを組み、共同研究開発に取り組みます。  本県としましては、今後もこうした成長の段階や業容に応じたきめ細やかな支援施策を引き続き実施し、研究開発型を含めたスタートアップの支援に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、本県のオープンイノベーションの取り組みについてお答えいたします。  新たなイノベーション創出に当たっては、従来の枠組みを超えた産学行政の連携、融合が必要であり、物づくり企業とIT企業、大企業とスタートアップといったさまざまな企業間の連携や、大学と企業による共同研究の一層の拡大を図るなど、オープンイノベーションを積極的に促進していくことが重要であると認識しております。  こうした認識のもと、産学行政連携の拠点である知の拠点あいちでは、今年度からスタートした重点研究プロジェクトIII期において、オープンイノベーションの視点をこれまでよりも強く打ち出した試みを行っております。  具体的には、近未来自動車技術、先進的AI・IoT・ビッグデータ活用技術、革新的モノづくり技術の三つのプロジェクトの研究テーマ選定に当たり、プロジェクトの実現に資する研究シーズを、あらかじめ県内外の企業や大学等から提案を受けました。その後、本県が選定、公表し、これらの研究シーズ提案者と企業とのマッチングを行うことにより、県外大学と県内企業や、大学発ベンチャーと県内企業といった新たなコラボレーションを生み出しております。  また、スタートアップがイノベーションの新たな担い手となる中、Aichi─Startup戦略に基づき、首都圏のスタートアップと県内企業のマッチングを支援しているほか、県内外から最先端のスタートアップを呼び込み、物づくりの最先端技術を有する企業や大学等との有機的な連携を図るため、スタートアップ支援拠点の整備を今議会に提案するなど、スタートアップを起爆剤としたオープンイノベーションを進めてまいりたいと考えております。  こうした取り組みを通じ、オープンイノベーションを積極的に促進することにより、新たな産業やビジネスモデルを次々と生み出し、本県産業の革新や競争力強化につなげていきたいと考えております。  次に、若手研究者の挑戦に対する取り組みについてお答えいたします。  本県では、若手研究者に対して、産学行政が連携して共同研究開発を行う重点研究プロジェクトへの参加と地域産業への貢献が期待される研究テーマの表彰という二つの取り組みを進めております。若手研究者にとって重点研究プロジェクトは、企業の最前線の技術者とともに地域の産業課題を解決する中で多くのことを学び、新たなネットワークを構築できる重要な機会となっています。  昨年度まで実施した重点研究プロジェクトII期の若手研究者は、全研究者の一二%に当たる五十二名が参加し、本年度から開始したIII期においては、二十六の研究テーマのうち、若手研究者を研究リーダーとする二テーマを採択しております。  また、研究者の表彰では、四十歳未満の研究者を対象に、将来産業や社会への貢献が見込める夢のある研究テーマ等を表彰する、わかしゃち奨励賞を二〇〇六年度から現在まで継続的に実施しております。これまでに延べ十三回の表彰を行い、二十三歳から三十九歳までの七十五名の若手研究者を表彰しました。  特に二〇一五年度からは、新たにアイデアの新規性を重視する基礎研究部門も設け、受賞者数を五名から八名にふやし、この事業を強化しているところです。  受賞後のアンケート調査の結果では、自分の研究が社会に必要とされることがわかって自信がついたといった声が聞かれ、また、受賞者の半数がその後、企業等との共同研究につながりました。  若手研究者の挑戦に対する取り組みにつきましては重要であると認識しており、引き続き積極的に取り組んでまいります。  次に、知の拠点あいちにおける取り組みについてお答えいたします。  知の拠点あいちでは、最先端の研究開発環境を備え、付加価値の高い物づくりを支援しております。ここでは、高度計測分析機器による依頼試験等を行うあいち産業科学技術総合センターを初めとして、分子・原子レベルで物質の組成等を解析できるナノレベルの研究に不可欠なあいちシンクロトロン光センターや、新エネルギー技術の実用化を促進するための実証研究の場を提供する新エネルギー実証研究エリアを順次整備し、県内企業の研究開発、実証実験を支援しております。  こうしたハード面に加え、ソフト面では、大学等の研究シーズを活用して県内主要産業が有する課題を解決し、新技術の開発、実用化や新産業を創出するため産学行政連携による重点研究プロジェクトを継続実施しているほか、知的財産を活用した企業を支援する知的所有権センターを設置しており、ハード、ソフトの両面から企業の新技術、新商品開発等を支援しております。  今後とも、知の拠点あいちにおける取り組みを通じて、イノベーションの創出につなげ、日本の成長をリードしてまいります。 37: ◯知事大村秀章君) 樹神義和議員の質問のうち、本県産業のイノベーションの推進について、私からもお答えをいたします。  本県では、これまで知の拠点あいちにおける産学行政連携による重点研究プロジェクトや、自動運転、ロボットなど次世代成長分野の社会実装の支援などを通じて県内産業のイノベーションの促進に取り組み、製造品出荷額等が四十一年連続日本一を誇るなど我が国経済の牽引役を果たしているところであります。  一方、AI、IoT、ビッグデータ等の情報技術の飛躍的な進展や、自動車産業におけるCASE、MaaSなどさまざまな技術革新が目覚ましいスピードで進展する中、付加価値の源泉が最先端のデジタル技術の活用や新しいビジネスモデルの構築へとシフトしております。  こうした社会、経済の変化に対応し、本県が産業の革新・創造拠点として成長を続けていくためには、最大の強みである物づくり産業の集積を生かしながら、革新的なビジネスモデルや最先端技術を導入することで新たなイノベーションの創出を図っていくことが必要であります。これは議員御指摘のとおりということでございます。  中でもイノベーションの重要な担い手であるスタートアップの創出、育成、誘致が急務でありまして、昨年十月に策定したAichi─Startup戦略に位置づけた各種施策の推進を図るとともに、今議会にスタートアップ支援の中核拠点としてステーションAiの整備を提案させていただいているところであります。  今後、このステーションAiを核として、国内外からすぐれたスタートアップや優秀な人材を本県に呼び込むとともに、本県の物づくり産業との連携、融合を図るなど、本県が国際的なイノベーションの拠点として発展をしていくように、今後とも全力を挙げてまいります。 38: ◯三十六番(樹神義和君) それぞれ御答弁をいただきましたけども、一点要望させていただきます。  今回の質問を通じて、改めてスタートアップやオープンイノベーション、さらには人材の育成等を通じて、世界規模での産業イノベーションの推進が図られているのを痛感させられ、その流れに追いつき、追い越そうとする本県の取り組みを理解することができました。  しかしながら、製造品出荷額等が四十一年連続で全国ナンバーワンの地位を維持し、日本の物づくりを支えている本県のこれらの取り組みについて、質問でも取り上げさせていただきました中間取りまとめにおいて全く触れられない一方で、東京、大阪のポテンシャルについてのみ語られているということは残念でなりません。したがって、今後は産業イノベーションの推進に向けてさらなる取り組みを期待しますとともに、その取り組み内容を広くPRすることにより、本県こそが我が国における産業首都であるということを名実ともに認知されるよう活動いただくことを期待申し上げまして、質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 39: ◯四十番(寺西むつみ君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 40: ◯議長(神野博史君) 寺西むつみ議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 41: ◯議長(神野博史君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後二時五十九分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後三時四十分開議 42: ◯副議長堀嵜純一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  杉江繁樹議員。     〔八番杉江繁樹君登壇〕(拍手) 43: ◯八番(杉江繁樹君) 自民党の杉江繁樹でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問をさせていただきます。  一つ目の質問は、中部国際空港についてでございます。  中部国際空港は、二〇〇五年の開港以来、地域に愛され親しまれる空港として歩みを重ね、来年の二月で開港から十五年を迎えます。  その歴史は中部国際空港株式会社の設立時からと捉えれば二十一年となりますが、中部、その歴史の起点を一九六九年の中部経済連合会が大規模国際貨物空港構想を発表したときと捉え直すと、本年十二月で五十年を迎えることとなります。いわば、この空港の歴史は半世紀を迎えたと言えるのではないでしょうか。  その工事の過程を地元住民の一人として見てまいりましたが、沿岸部の埋め立てが進み、臨空地域ができ上がり、沖には空港島が見えるようになり、大きく変化していくまちの姿に未来への希望を大いに感じ、ずっと常滑に住んでいたいなと思っていました。開港日前日には、次々と空港に飛行機が飛来してくるのを眺めながら、なぜか自分のことのように高揚感と喜びを感じたことを思い出しますし、同じように感じた人も多いと思います。  開港の年は、国際博覧会、愛・地球博が開催された年で、愛知県を中心にこの地域が大いに盛り上がり、その様子を愛知バブルと言われるほどの活気があふれていました。その要因もあり、年間の旅客数は一千二百三十五万人を記録しましたが、その後の道のりは平たんなものではなく、リーマンショックや東日本大震災とさまざまな要因が重なり、旅客数の伸び悩んだ時期は長くありました。しかし、大村知事を初め関係者各位の多くの努力もあり、二〇一八年度には過去最高の利用旅客一千二百三十六万人を記録するまでに成長してきたところであります。  そして、この九月二十日に中部国際空港におきまして格安航空会社、いわゆるLCC向けの専用ターミナルがオープンいたしました。この施設は、年間旅客、国際線三百万人、国内線百五十万人、合わせて四百五十万人の利用に対応した規模であり、当初は常滑に本社がありますエアアジア・ジャパン、同じく中部国際空港を拠点とするジェットスター・ジャパン、韓国のLCCでありますエアプサン、チェジュ航空、ティーウェイ航空の計五社が利用航空会社とし、海外六都市へ週四十二便、国内五都市へ毎日十四便が就航しております。  九月十八日に開催されました開業記念祝賀会において、中部国際空港株式会社の犬塚社長が快適さ、利便性にすぐれたLCCターミナルから空旅をもっと自由に自分らしく楽しんでほしいと期待をされているとの発言があり、加えて、中部国際空港は二〇〇五年に次ぐ第二の開港期を迎え、さらに愛され親しまれるターミナルにし、訪日外国人に選ばれる空港にしたいと力強く挨拶されました。  このLCCターミナルは、建物自体は機能性を追求したシンプルな構造とする一方で、新型の保安検査機でありますスマートレーン、高性能のエックス検査機及び自動手荷物預入機の導入によるファストトラベルに資する高い先進技術とシステムが導入され、機能性や利便性の高度化を確保していると聞いております。まさに利便性と機能性の追求、新たなにぎわいの創出のコンセプトは急速に拡大するLCCのビジネスモデルに沿ったものであります。  先月には、国内四番目の規模を有するアイチ・スカイ・エキスポが空港島に開業したところですが、この展示場は中部空港から約五分で行ける国内初の国際空港直結型の展示場であり、まさにドア・ツー・ドアの気軽に利用ができる施設でございます。そして、国内唯一の常設保税展示場になっており、簡易的な手続のみで、海外からの出展物には関税等をかけられることなく展示することができるなど、海外からの展示会参加企業には運営時の利便性にとてもすぐれている施設となっております。  このような展示場が空港島にできることにより、従来以上に多くの方が中部国際空港を利用していただけると期待しているところであります。  一方、日韓政府の関係が悪化の一途をたどっており、その影響は多方面に及んでおります。航空会社の運休や減便などの発表が相次ぐなど国際情勢の影響をまともに受けております。  また、観光も例外ではなく、日本政府観光局の統計では、韓国から日本への観光客は減少しており、本年六月は前年同月比〇・九%増と、何とかプラスを維持していたものの、七月には七・六%の減となっております。八月には前年同月比四八%減の三十万八千人となるなど、前月の七・六%減から急降下しております。  今後、中部国際空港におきましても、さらなる航空ネットワークの拡充を初めさまざまな取り組みが必要と考えます。また、航空ネットワークの拡充とともに、路線が就航した後、その路線の維持、定着をさせていく努力が極めて重要であると考えます。  ことしの三月に、中部国際空港とジャカルタ、スカルノハッタ国際空港をガルーダ・インドネシア航空が運行を開始いたしました。愛知の企業進出の多いジャカルタへの直行便となり、当初は週四便の運航により、企業進出によるビジネス需要が高まるジャカルタを中心に、この地域からインドネシアへ向かう旅客、さらにはインドネシアから中部地域へのインバウンド旅客の大幅な増客を見込んでおりましたが、先日減便となる知らせがあるなど、就航路線の維持、定着についても戦略的な取り組みが必要だと考えます。  そこでお伺いいたします。  中部国際空港の航空ネットワークの拡充、航空需要の拡大及びその維持、定着に向けてどのように取り組まれていかれるかお伺いいたします。  二〇二七年のリニア中央新幹線の開通を見据えると、その効果を最大限に生かすためには、中部国際空港の機能強化は必ず必要となってまいります。その機能強化を進めるには、やはり利用促進をすることが大切であります。それには、国内、国外からの中部国際空港を利用した旅客の取り込みも重要です。  県は、二〇一五年を観光元年として、愛知県の観光振興に取り組むとともに、魅力的な観光資源の発掘、磨き上げを行っているところであります。また、さまざまなキャンペーンを通して、県内各地への旅行に便利でお得な特別プランを旅行会社から発売するなどの取り組みをされております。  先日の報道にもありましたが、二〇一八年に県内の観光地を訪れた人の観光消費額が前年比四・九%増、うち宿泊客による消費額が前年比二六・五%増の大幅増と伺っております。また、入り込み客数一億一千二百九十四万人のうち、訪日外国人数は前年比約一〇%増の二百十九万人となっております。  政府が目指している訪日客数二〇二〇年四千万人、二〇三〇年の六千万人の目標を踏まえ、愛知県でもインバウンド旅客の取り込みについて、さらなる強化が必要不可欠であります。  我が国のインバウンド旅客は東アジアを中心に急増しており、二〇一八年には三千百十九万人の外国人旅客が日本に来ており、中でも全体の約二七%を占めるのは中国人観光客であり、前年比一三・九%増の約八百三十八万人となっております。背景としては、政府によるビザの発給要件の緩和に加え、中国の地方都市から日本へのLCCなどの航空便が増加していることも大きな要因となっております。
     愛知県においては、東アジアからの外国人旅行者が全体の約八割以上と大きな割合を占めています。これに東南アジアを含めると、その割合は九割を超える状況の中、県においてはアジアをターゲットに二〇一八年度までの三年間に、中国、台湾、香港を初めとするアジア十カ国、地域を対象に、旅行会社、メディアを招請するアジア大商談会を実施し、本年度は、中国、台湾、タイなどの四カ国、地域を対象とした個人旅行者向けのプロモーションを実施されています。  一方で、本年から来年にかけて、日本においてはラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから、これを契機に世界から日本への関心が高まり、多くの観光客の方が愛知県を訪れることが期待されます。  本県としては、これまで来県者数の少なかった欧米やオセアニア等の旅行者を取り込んでいく絶好の機会となります。ラグビー観戦者向けに、県としては、昨年はイギリスにおいて、世界最大級の旅行見本市ワールドトラベルマーケットでのブース出展を初め現地旅行会社、メディアへの個別訪問、日本大使館及び政府観光局が共催した日本観光PRイベントへの参加など、観光プロモーションを実施し、徳川家康と服部半蔵忍者隊とともに、歴史や武将関係の観光資源が豊富な本県の認知度向上を図ったとお聞きしています。また、豊田スタジアムでの試合のあるウェールズも訪問されたと伺っています。  そして、本年度は、昨年度のプロモーションの経験を生かして、オリンピック・パラリンピック観戦者向けの取り組みを実施される予定であると聞いております。今後、愛知県のインバウンド旅客の取り組みについては、中部国際空港を初め就航している航空会社との連携を積極的に取り組むことが必要不可欠であります。  また、愛知県では、今後、さまざまなビッグイベントの準備が着々と進んでおります。現在開催中のラグビーワールドカップや二〇二六年のアジア競技大会を初めとするスポーツイベントのほか、来年十月にはワールドロボットサミットなどの物づくりのイベントなど、その多くは空港島内を会場として展開されると聞いており、今後、さらに多くの旅客の方が中部国際空港を利用して愛知県に来られると思うと、受け入れる空港近隣地域としてはしっかりとしたおもてなしの心を持って対応していかなければならないと考えます。  そこでお伺いいたします。  中部国際空港を利用するインバウンド旅客のさらなる取り込みについて、どのように対応していくのかお伺いいたします。  次に、二つ目の質問、山車祭り文化の継承についてでございます。  この山車祭りに関する質問は、過去にも多くの先輩議員から質問がありましたが、私の地元、常滑も山車祭りの盛んな地域でさまざまな問題を抱えておりますので、恐縮でございますが、改めて質問させていただきます。  山車の歴史については、あいち山車まつり日本一協議会のポータルサイト、あいちの山車まつりに詳しく紹介されておりますので私が言うまでもありませんが、少しだけ触れさせていただきますと、山車の起源は祇園御霊会の山にあるとされ、疫病や天災をもたらすたたる神をなぐさめ、他界へ送り出すために始まったと言われております。応仁の乱以降、京文化とともに山が各地に伝播し、その地域ごとに工夫、洗練されて独自の山車文化が形成されたとされ、そのため、地域により形態や名称が異なっているとのことです。  愛知県の山車の発祥は室町時代と言われており、津島天王祭の車楽と熱田天王祭りの大山、現在は巡行されていないものですが、それが最も古い型式のものとされています。知多地域では、既に中止された山車を含めて、江戸時代中期以降に百十五輌ほどの山車が引き出されていたようです。現在は新しく建造されたものも含め百二十輌を超える山車が引き出されており、地域の人々がいかに地元の山車を愛して大切に保存しているかということがよくわかります。  その山車を一つのよりどころとして、昨今薄れがちな地域のきずなを保ち、祭礼以外の場面でもそのつながりは生かされていることが多く、例えば災害時の助け合いなど、地域によっては大いに期待されるところでございます。  しかし、その担い手が減少している地域もあり、問題とされています。今後、祭りの継続のみならず山車そのものを保存していくことも困難になると、心配の声を耳にすることもあります。  それに相反して、この令和の時代に休止していた山車祭りを再開させようと取り組んでいる地域や、昭和、平成の時代に山車を新たに建造し、山車祭りそのものを始めた地域も存在します。この地域の山車が百年、二百年と歴史を重ねていけば、いずれ文化財的な価値を生み出していくことだと考えます。  ここで、山車そのものについて少し触れたいと思います。知多地域では、大きく名古屋型と知多型の山車に分かれ、存在しています。  名古屋市内とその周辺に多く存在する山車と同様な仕様の名古屋型の山車は、主に東海から常滑の知多半島西海岸側に存在しています。その構造は二層になっており、唐破風の屋根を細い四本の柱が支え、正面には一段下がった前棚や前段と呼ばれる部分があります。そして、多くは立派なからくり人形を乗せています。車輪は外輪式で、格子の輪がけがあり、巻き込まれないように工夫がされております。装飾は、黒漆塗りや金箔、金の飾り金具などが多く使用され、大変豪華なつくりになっています。  知多型は、半田を中心に近隣に広く存在します。その形は、二層で前部に壇箱を置き、その上に四本柱による唐破風の屋根を置き、前後を明確にしています。また、多くは内輪式で、ごまと言われる車輪に当たるものは直径一メートルから九十センチほどのクロマツを輪切りにしたものが使用されてきました。装飾は豪華な彫刻が数多く施され、まるで動く美術品のようになっています。また、阿久比町横松地区には、古くから多くの宮大工が在住しており、知多の山車はその宮大工たちが手がけたものが多いとのことです。  しかし、現在、知多型の山車のごまという車輪に当たる部分の材料は入手が困難になっており、その調達は非常に苦労しているとのことです。以前は、輸入材が入手しやすく代用していた時期もありましたが、現在はその輸入材も入手が困難になってまいりました。木でできた部材のため、祭礼を行えば、アスファルトの道路により削れ、ある山車組では一回の祭礼での使用で外側から一センチ以上削れるとのことです。  そして、山車の彫刻や漆塗りなど装飾部分の追加や修理も、その技術のある職人は限られており、各山車組はそれぞれ苦労や問題を抱えています。今後、日本社会での少子化や労働力不足を考えると、この問題はより深刻になっていくことが予想されます。  愛知県内に百五十件を超える山車祭りが存在するのも、精巧につくられたからくり人形が多く残されているのも、この愛知県が古くから物づくりにたけていたあかしであり、その精神は現在も、そして未来にもつなげていかなければなりません。これは、山車祭り文化だけでなく、文化財の保存、継承についても同様のことが言えると思いますが、特殊な技能を持つ職人の確保と材料の確保は今後の重要な課題となるでしょう。  愛知県では平成二十七年にあいち山車まつり日本一協議会が設立されました。その設立趣旨の中には、山車祭りは愛知を代表する伝統文化であり、地域の宝であるとあります。私も全くそのとおりだと思いますし、このあいち山車まつり日本一協議会が設立したときに、今後の山車祭りのあり方に大いに期待を感じました。  しかし、現在は、県の有形及び無形民俗文化財に指定されている山車や山車祭りも数多いとは言えず、まだまだ今後に期待するところであります。全国に例のない県、、町、保存団体によるあいち山車まつり日本一協議会が存在する愛知県でありますので、全国に先駆けて問題の解決に当たっていただきたいと思います。  資金面におけるクラウドファンディング活用サポート事業など、新しい取り組みもしていただいていますので、今後の、また斬新な取り組みに大いに期待するところであります。  そこでお伺いいたします。  少子・高齢化等の社会状況の変化を背景に、地域の貴重な文化財の保存、継承が全国的にも課題となる中、山車の保存、修理や専門的な技術者の養成にどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。  さて、さまざまに述べてまいりましたが、山車の文化、山車祭りのよさは実際に見ていただくことが一番だと考えます。秋の各週末も多くの地域で山車祭りが開催されていますが、知多地域では、東海で十月五日、六日に大田まつりが開催されます。そして、ことしは十月十三日に武豊町と常滑において、五年ぶりに第六回武豊ふれあい山車まつりと第三回とこなめ山車まつりが開催されます。  知多半島では平成二十九年十月に開催された五年に一度の半田のはんだ山車まつりが盛大で有名であります。その規模は比べものになりませんが、ことしの両山車祭りもそれぞれの町、に現存する山車が一堂に会し、それを見ることができるのは大変貴重な機会であります。ぜひ多くの人々に訪れていただき、山車祭りの文化を体感していただくことを心から希望し、壇上での質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 44: ◯建設局長林全宏君) 中部国際空港の航空ネットワークの拡充についてのお尋ねをいただきました。  国際線については中国路線などの新規就航が相次ぎ、九月一日現在、週四百四十九便となっており、昨年夏ダイヤにおけるピーク時の三百四十便に比べ百便以上増加しました。また、国内線についても近年ジェットスター・ジャパンなどLCCの拠点化が進み、現在、毎日九十二便となり、五年前と比べ十便以上増加しております。  航空ネットワークの拡充に向けては、地元経済界や中部国際空港会社と連携し、訪日旅行需要の高まる中国、東南アジアを中心に、知事によるトップセールスを行っております。  ことし五月に訪問した中国南方航空が七月から広州直行便を週七便に増便しており、九月に訪問したベトナムでは、ベトナム航空から機材の大型化やダナン線の新設を検討中との回答のほか、LCCであるベトジェットエアからは、来年三路線の新設を考えているとの回答を得たところです。  一方で、航空需要の拡大及び路線の維持、定着に向けては、地元の関係機関で構成する中部国際空港利用促進協議会を中心に、さまざまな取り組みを行っているところです。  議員から御指摘のありましたジャカルタ線については、現地と中部地域の観光関連事業者との商談会を開催するほか、現地の旅行会社やメディアを招聘するツアーなどを実施予定です。また、本県としても、女性に人気の地域情報誌に特集記事を掲載するなどのPRを行っています。  さらに、地元経済界と連携し、インドネシア進出企業を中心にジャカルタ線のビジネス利用を働きかけているところです。その他の路線についても、旅行会社、メディア、ブロガーを招聘するなど、さまざまな取り組みを行っています。  今後も引き続き、中部国際空港会社や地元経済界などと連携し、航空ネットワークの拡充、航空需要の拡大及び路線の維持、定着に取り組んでまいります。 45: ◯観光コンベンション局長(藤田昇義君) 中部国際空港を利用するインバウンド旅客のさらなる取り込みについてお答えいたします。  中部国際空港におきましては、訪日観光需要の高まりや航空路線の充実とともにアジアからの旅行者が増加し、さらなる路線拡充も見込まれることから、航空会社と連携し、こうした訪日客を愛知の観光に結びつけていくことが重要であります。  このため、本年三月から直行便が就航したインドネシアのジャカルタにおいては、現地航空会社と協力して観光説明会を七月に開催し、十八社の旅行会社に本県の観光資源を紹介するとともに、個別の商談を行ってまいりました。また、台湾では、十月に現地旅行会社、航空会社等と協力し、個人旅行者向けの観光説明会を台北、高雄の二カ所で予定をしております。  さらに、近年、本県への旅行者数の伸び率が高いタイでは、十一月にバンコクで開催される旅行博に参加し、航空会社などに対する商談も実施してまいります。  本県への旅行者が最も多い中国につきましては、八月に中国最大のオンライン旅行会社シートリップと外国人旅行者誘致促進に関する協定を締結したところであり、今後、観光情報の発信や魅力ある観光コンテンツの開発等を協力して行ってまいります。  一方、滞在日数が長く、一人当たりの旅行支出額が大きい欧米等の旅行者を取り込むことも重要でございます。現在開催中のラグビーワールドカップに続き、来年の東京オリンピック・パラリンピックはその大きな契機になるものと考えておりまして、今年度は本県への来訪者数の多い米国やドイツで旅行見本市への出展や旅行会社への個別セールスなどプロモーション活動を行ってまいります。  こうした現地の状況を踏まえた取り組みによりまして、中部国際空港を利用したインバウンドの取り込みを図ってまいります。 46: ◯教育長長谷川洋君) 山車祭り文化の継承に向けた山車の保存、修理及び専門的な技術者の養成への取り組みについてお答えをいたします。  山車祭りを保存し次世代に継承していくためには、地域での個々の取り組みに加えまして、保存団体、市町、県が一体となった取り組みが重要であると認識いたしております。  このため、あいち山車まつり日本一協議会におきましては、二〇一七年度からクラウドファンディングを活用して、山車を初め祭礼用具の修理に必要な資金調達を支援するとともに、祭りの保存、継承に積極的に取り組んでいる他県の保存団体を招いた研修会の開催などに取り組んでおります。  また、地域の保存団体が行う山車の修理などにつきましては、国及び県指定の民俗文化財を対象とした補助事業により支援を行っております。本年度は、国指定文化財では、半田の亀崎潮干祭保存会初め四事業に対しまして、県指定文化財では、豊田の旧東町挙母祭山車保存会に対しまして、山車の保存修理に補助金を交付する予定でございます。  さらに、文化財の保存に当たっては、伝統的な技術や技能が不可欠であります。このため、文化庁では選定保存技術を定め、その保持者として認定された団体等が行う伝承者養成事業に対して補助金を交付しているところでございます。  教育委員会といたしましては、引き続き保存団体や市町と協議しながら、あいち山車まつり日本一協議会の取り組みを推進し、山車祭りの保存、継承に努めてまいりたいと考えております。 47: ◯八番(杉江繁樹君) 御答弁、それぞれありがとうございました。  中部国際空港に関して、一つ要望させていただきます。  壇上でも申し上げましたが、来年二〇二〇年に開港十五周年を迎える中、中部国際空港ですが、昨年からフライト・オブ・ドリームズ、本年八月の国際展示場、アイチ・スカイ・エキスポ、そして今月のLCCターミナルのオープンが続くなど、県内、そして知多半島の中でも非常ににぎわいを創出している地域でありますが、一方で、地元のグランドハンドリング会社等からは、新規就航に必要となる人材の確保が大変厳しい状況にあると伺っておりますので、県としましても、こうした課題へも丁寧に対応していただきますよう要望させていただきまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 48: ◯副議長堀嵜純一君) 進行いたします。  高桑敏直議員。     〔六十三番高桑敏直君登壇〕(拍手) 49: ◯六十三番(高桑敏直君) ラストですので、よろしくお願いいたします。  最初に、来年二〇二〇年十月に、アイチ・スカイ・エキスポで開催されるロボットの国際大会、ロボカップアジアパシフィック大会及びワールドロボットサミットについてお尋ねいたします。  言うまでもなく、本県は我が国を代表する物づくりの県であり、自動車関連産業を中心に歴史ある地場産業まで厚い産業集積を誇っています。  自動車産業についてはCASE、いわゆるコネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化という百年に一度と言われる変革期に直面しながらも、二〇一三年から二〇一七年までの五年間で、世界の自動車販売台数は約一三%増と堅調に推移しているところであります。  一方、この二〇一三年から二〇一七年までの五年間で、世界の販売台数が二倍の増加と大きく飛躍した製造品があります。それが産業用ロボットであります。  日本製のロボットは世界のロボットの実に六割弱を占めており、ロボットを製造する事業所数が日本一である愛知県は、まさに世界一のロボット生産国日本を支えていると言っても過言ではありません。  このところの中国経済の減速や米中貿易摩擦による先行き不透明感などによって、足元では世界的に設備投資が抑制されている状況にはありますが、人手不足の解消や生産性の向上を図ることなどを目的に今後も年平均一四%程度の増加が見込まれ、ロボットは次世代産業分野として引き続き高成長が期待されるところであります。  産業用ロボットは、一九六二年にアメリカの企業によって開発されましたが、我が国では一九六九年には川崎重工が国産第一号機を完成させ、自動車製造現場の溶接作業に初めて使用されたのを皮切りに、自動車・電気電子産業といった基幹産業へ普及し、危険性を伴う作業や長時間にわたる反復作業などを中心に物づくり現場の生産性を著しく向上させ、日本の経済成長の一翼を担ってまいりました。  また、専ら製造業の用途以外で利用されるサービスロボットと呼ばれるロボットも存在感を高めてきています。ヒューマノイドロボットのペッパーや掃除ロボットのルンバ、手術支援ロボットのダビンチなど、一般的に名の知られたロボットを初め警備や物流、医療、福祉、家事支援や建設現場、農林水産などさまざまな場面で人の暮らしや産業、社会の課題解決にサービスロボットが活躍し始めています。  こうした中、政府は少子・高齢化の急速な進行など、課題先進国である我が国のロボットによる社会変革を推進することを目的に、内閣府、文部科学省、厚生労働省、経済産業省が合同でロボットによる社会変革推進会議を設立し、本年七月にロボットによる社会変革推進計画として必要な制度整備や施策体系を取りまとめました。  その計画書では、新たなロボット産業の動きとして、人工知能(AI)やIoT技術を専門とするスタートアップ企業や、これまで主流だった生産性向上のための利用にとどまらない、ロボットを活用した斬新なサービスを提供する企業の出現など、新たなプレーヤーの参入に注目しています。  こうした背景のもと、ロボットの社会実装を一層推進し、人材育成やロボット技術のさらなる高度化を図るために、今後のロボット政策の方針として、我が国の英知を集結した協調体制をつくり出すこと、具体的には、ユーザー、メーカー、システムインテグレーター、大学、高等専門学校などの多様なプレーヤーによるエコシステムの構築が重要であるとしています。  一方、愛知県では、ロボット産業を自動車、航空宇宙に次ぐ第三の産業の柱へ育成すべく、二〇一四年に新たなロボットを創出するための産学官連携のプラットホームとして、あいちロボット産業クラスター推進協議会を設立し、製造・物流分野や医療・介護分野などのロボットの開発を支援しています。  実用的なロボットをよりスピーディーに開発し、社会に普及させるには、AIなどの技術を取り込むことが不可欠と言えますが、今やGAFAと言われるアメリカの巨大ITプラットフォーマーが最新のAIやIoT技術を駆使して世界の物づくりや各種サービス産業を席巻しているのは、皆さん御周知のとおりであります。  この愛知が世界に誇る自動車産業において、CASEやMaaSに関するオープンイノベーションの動きが加速し、AI技術などの活用でグローバルに合従連衡が進んでいます。  私は、自動車分野と同様に、ロボット分野でも当地の物づくり企業の強みであるすぐれた機械工学系の技術に、世界の新しいAI、IoT技術などを積極的に取り込むことによって、これまでにない革新的なロボットの開発が可能ではないかと考えております。  そのための大きな契機として期待されるのが、昨年末正式に開催が決まったロボカップアジアパシフィック大会であります。  ロボカップは、ロボット技術の研究の深化と若手のロボット人材の育成を図ることを目的として、日本のロボット研究者らが提唱し創設した、学生を中心としたロボットの競技会であり、一九九七年に第一回が名古屋で開催され、以降、毎年世界各地でロボットの最新技術が競われています。  そして、ロボカップアジアパシフィック大会は、ロボカップ競技者の裾野を広げようと、経済成長目覚ましいアジア地域の国々を対象に、二〇一七年に誕生した大会であります。  さらに、先月にはロボカップの国内大会であるロボカップジャパンオープンを来年二〇二〇年の三月にアイチ・スカイ・エキスポで開催することも決定いたしました。このジャパンオープンを含めロボカップを世界のロボット産業を牽引する日本の中心地、ここ愛知で開催することは大変意義のあるものと思っています。  また、二〇二〇年十月には、経済産業省とNEDOが主催するワールドロボットサミットがロボカップアジアパシフィック大会と同時開催されます。ワールドロボットサミットは、国がロボットによる新たな産業革命の実現を目指して策定したロボット新戦略に位置づけられた取り組みの一つであり、ロボットが諸課題を解決する姿を示し、ロボットの社会実装を促進するための競技会と、ロボット活用の現在と未来の姿を発信する展示会から構成される世界初となるロボットの競演会です。  愛知県としては、世界に誇れるロボット産業の拠点形成を目指して、ぜひともロボカップアジアパシフィック大会及びワールドロボットサミットを成功させていただくことを期待しております。  そこで、二点お尋ねさせていただきます。  ロボカップアジアパシフィック大会の約半年前という時期に開催されるロボカップジャパンオープンは、何を目指して開催するのかお伺いします。  次に、二〇二〇年十月のロボカップアジアパシフィック大会開催に向け、ワールドロボットサミットとの調整も含め、現在の準備状況についてお伺いしたいと思います。  次に、外国人児童生徒の現状を踏まえた取り組みと今後の対応についてお伺いいたします。  近年、小学校、中学校、高等学校等における日本語指導が必要な外国人児童生徒数は大幅に増加しており、平成二十八年度に文部科学省が行った調査によりますと、日本語指導が必要な児童生徒は全国で四万四千人を数え、この十年間で一・七倍となっています。  この調査では、本県において対象となる外国人児童生徒数は公立の小中学校、高等学校などを含めて七千二百七十七人と全国最多となっています。中でも、小学生は五千四十九人、中学生は千九百五十九人で、それぞれ二番目に多い神奈川県の二倍以上であり、本県は突出して日本語指導が必要な児童生徒が多いという実態があります。  こうした外国籍の子供は憲法上の就学義務はないものの、外国人の子供の不就学の問題は新聞などでも時々目にします。学校に通っていない外国籍の不就学児は一定数いると見られますが、全体数は把握されていないため、文部科学省は五月の全国調査で把握した実態のもと、多言語での就学案内を徹底したり、就園ガイドを作成したりするなどの支援策を講じていくと聞いています。  私の居住している岩倉においては、十年ほど前のことになりますが、近所の公園で平日の昼間にもかかわらず、小学生ぐらいの年齢の外国の子供たちが多数遊んでいる様子をよく見かけることがありました。当時、私はこの子たちは学校に通っているんだろうか、通わなくていいんだろうか、随分気になったことを覚えております。  こうした問題意識が社会全体で徐々に共有されるようになり、平成二十四年には、国から外国人の子どもの就学機会の確保に当たっての留意点についてという通知が出され、保護者に対して、住民基本台帳の情報に基づいて就学案内を徹底するよう示されました。そうしたことで、今ではより多くの外国人児童生徒が学校に通い、以前に比べれば、先ほどお話しした外国の子供たちを平日の昼間に公園で見かけるようなことは余りなくなってまいりました。  このように、外国人児童生徒の就学について、社会的な認識が広がっていく中、外国人が多く居住する地区は、その子供の数も増加の一途をたどっており、学校における外国人児童生徒の占める割合がふえてきています。  岩倉市内には、在籍児童の半数以上が外国人児童という小学校もあります。こうした学校の先生方や保護者からお話をお伺いしますと、外国人児童生徒にかかわるさまざまな問題が浮き彫りになってまいります。  一点目は、言葉の壁に起因する学校への不適応の問題です。学校に通う外国人児童生徒の中には、日本語で自分の思いや考えが思うように伝えられないため、コミュニケーションが上手にとれず、友達関係が築けない子供たちがいます。また、日本語が十分理解できないために、学習面でのおくれをとり、本来の力を発揮できずに自信を持てないでいる子供もおります。こうした子供たちは日本の生活習慣や生活文化になじめずに、不適応を起こすなどさまざまな不安を抱えたまま学校生活を送っている傾向があります。  二点目は、進路選択への不安です。日本語指導が必要な中学生の中には、小学校から中学校へ進学した生徒や中学校の年齢から来日した生徒がおりますが、誰もが進路選択をしていくことになります。しかし、思うように学力が向上しないことや経済的な不安などによって、将来に向けての自分の夢や展望が描けないということが多々あるということであります。  三点目は、先生方の負担がふえているということについてであります。こうした外国人児童生徒の学校生活を支援しようと、現場の先生方は大変苦労なさっております。先生方は、外国人児童生徒が日本語を習得することが生活上の不安解消につながり、今後の将来設計をする上でも重要な基盤になると考え、一人一人に寄り添いながら、個別の教材づくりや個別指導に多くの時間をかけています。また、学校生活や学習の問題、高校進学などの進路にかかわる問題などについての保護者からの相談も多いとお聞きしております。働き方改革による多忙化解消が叫ばれる中、こうした負担を少しでも軽減し、御尽力いただいている先生方をいかに支援していくかも重要な課題として捉えていくべきであります。  現在、これらの対応を進めるに当たって難しくなってきているのが外国人児童生徒の母語の多様化の問題であります。ポルトガル語、スペイン語、フィリピノ語を母語とする子供が多い状況でありますが、その他にも韓国語、インドネシア語、ロシア語を初めとして使用される母語は多岐にわたり、先生方は母語別の個別指導や教材作成、保護者対応に多くの時間をかけ、苦慮されると聞いています。また、全ての母語についての通訳を確保することも難しいとの声も聞いております。  加えて、昨年十二月の出入国管理法の改正と四月の外国人労働者の新たな在留資格の創設により、さらに多くの外国人の労働者を本県でも受け入れることが予想されます。さきにお話しました岩倉の例のように、今現在も外国人児童生徒の対応は喫緊の課題として取り組んでいただいていますが、外国人児童生徒の増加に伴った母語の多様化や居住地の散在化がさらに進み、各市町村における児童生徒個々の事情に応じたきめ細かな対応が重要な課題になってくると考えています。  そこでお伺いいたします。  外国人児童生徒の母語の多様化が進む中、各市町村において、よりきめ細やかな対応が必要となっていくと考えますが、県教育委員会としてどのような支援の充実を図っていくおつもりなのかお伺いいたします。  また、外国人児童生徒の増加が進む中、県教育委員会として小中学校における日本語指導担当教員の配置について、今後どのように充実を図っていくのかお伺いします。  さらに、外国人生徒が高校進学などの進路を考える際に、進路選択への不安を軽減し、将来に向けて自分の夢や展望を描いていくことができるようにするために、どのような方策を講じていくのか教育長にお伺いします。  最後に、五条川の治水対策についてお伺いいたします。  昨年度は西日本を中心に広い範囲で浸水被害をもたらした平成三十年七月豪雨や、関西国際空港において高潮により滑走路やターミナルが浸水した台風二十一号など、大きな浸水被害が発生しております。  また、ことし八月には佐賀県などで集中豪雨が発生し、佐賀において時間雨量が最大百十ミリ、二十四時間雨量が最大三百九十ミリなど、各地点で観測史上一位を更新し、全壊一棟、一部損壊が四棟、床上浸水五百三十五棟及び床下浸水千百七十九棟の被害が発生しております。  本県におきましても、平成十二年の東海豪雨、平成二十年八月末の豪雨や平成二十三年の台風十五号などにより、たびたび大きな浸水被害を受けていることは皆さん御存じのとおりであります。
     私の地元である岩倉を流れる五条川流域においては、平成二十九年の七月十四日に、南からの暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定になり、近隣の犬山観測所で時間雨量八十五ミリ、流域内の江南観測局では時間雨量三十七ミリに達するなど、集中豪雨により岩倉東町の五条川左岸や江南の天王町の右岸で越水し、岩倉市内で床上浸水一棟、床下浸水十六棟が発生しました。  さらに、同年の八月十八日には、同じく犬山観測所で時間雨量が観測史上一位を更新する九十九ミリの猛烈な豪雨により、七月と同じ江南天王町で再度越水するとともに、岩倉市内においても床下浸水十五棟の被害がありました。二カ月続けて同じ場所で河川から越水することは、私の記憶の限りでは初めてのことでありました。  一方、五条川は桜の有名なところでありまして、皆様も御承知のことと思います。毎年四月上旬ごろ、五条川河畔では岩倉桜まつりが開催され、川面を覆うように桜が咲き誇る風景や、夜にライトアップされた幻想的な夜桜はまさに絶景であります。祭り期間中は、会場内に屋台が並び、多くの人でにぎわい、山車の巡行やからくり実演、メーン会場ではステージでイベントなどが行われ、市民に愛されるお祭りとなっており、平成二年には公益財団法人日本さくらの会の創立二十五周年記念として、日本さくら名所百選にも選ばれております。  また、初春の風物詩となっているこいのぼりののり落としの作業、のんぼり洗いは例年二月から四月初旬に豊国橋付近で見ることができ、伝統的な手法で歴史と伝統を今に伝え、東海農政局から東海美の里百選にも選定されています。  このように地元に愛される五条川ですが、犬山の新郷瀬川からの分派地点を源として、犬山や大口町などの尾張北部やあま、清須の尾張中部の排出を担う治水上重要な河川であり、たびたび沿川では浸水被害が発生します。しかし、河川整備を現在下流から順次進めているところで、岩倉市内の整備にはまだまだ時間がかかると思われます。  そこでお尋ねします。  五条川の整備状況と今後の進め方についてお伺いします。  続いて、五条川流域の総合治水対策についてであります。  岩倉は名鉄犬山線で名古屋駅より十一分と交通の便もよく、昭和三十五年から五十五年の二十年間で人口が約三倍になるなど、名古屋のベッドタウンとして急激に都市化が進み、農地が宅地や道路に姿を変え、降った雨が地面にしみ込まず、短時間で河川へ流れ込むようになりました。  その対策として、総合的に治水対策を行うため、五条川を含む新川の流域において、昭和五十五年より流域の市町と河川管理者が連携して総合治水対策協議会を設置して、さまざまな治水対策を進めてきたところであります。  特に新川流域は、東海豪雨を契機に制定された総合治水対策を確実に進めるための特定都市河川浸水被害対策法を適用し、平成十八年一月に特定都市河川流域に指定し、流域水害対策計画を策定しております。  この計画に基づき、浸水被害を解消、縮減するよう、河川の整備はもちろんのこと、河川に流れ込む前に流域内に雨水をためたり、地下にしみ込ませる施設を整備するなど、河川と流域、つまり県と市町と民間が一体となって、着実に総合治水対策が鋭意進められていると聞いております。  近年、しばしば発生するゲリラ豪雨は、狭い範囲で短時間に集中的に降るため、側溝や水路に入り切らない水や側溝などからあふれた水が低い土地に押し寄せ、浸水被害を生じさせる特徴があります。このため、市町が流域で水をためる調整池などの整備は、河川の流出量を抑えるのみでなく、浸水被害の軽減に非常に有効であると考えております。  そこで、岩倉は雨水対策について、平成十八年に策定した岩倉下水道整備計画に基づき、五条川の越水を防止するため、時間差を設け流すように、平成二十一年度に南小学校に二千百四十立方メートル、平成二十三年度には北小学校に千三百七十立方メートルの地下貯留施設を設置しました。また、平成二十四年度から二十七年度にかけては、名鉄犬山線沿いの鈴井門前用排水路改修工事を行いました。  平成二十八年度には、岩倉駅周辺、アピタ岩倉店南西周辺の栄町地区などの浸水対策として、大矢公園に貯留量二千二百五十立方メートルの地下調整池の設置工事を行うための詳細設計を行っています。また、石仏町国道百五十五号付近の浸水被害の緩和のために、五条川小学校グラウンド地下の貯留量千八百五十立方メートルの調整地の建設に必要な下水道法事業計画と都市計画法事業認可の変更を行いました。平成三十年度には、五条川小学校調整池の設置工事を行うための詳細設計を行っています。  令和元年度は、五条川小学校調整池の本体工事を行い、令和二年度導水管工事を予定しており、令和三年四月に供用開始予定であります。  今後も、財政の状況を見ながら、岩倉駅東貯留管渠千六百八十立方メートル、中央公園調整池七千立方メートル、岩倉中学校調整池五百五十立方メートルと、整備を進めていく予定と聞いております。この岩倉のように、五条川流域の市町は浸水対策を喫緊の課題として捉え、厳しい財政の中、住民の生命、財産を守るべく必死に対応しております。  そこでお尋ねいたします。  五条川流域の総合治水対策の取り組みについてお伺いをさせてください。  以上、大きな三項目について質問させていただきました。明快な御答弁をよろしくお願い申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 50: ◯経済産業局長(伊藤浩行君) 初めに、ロボカップジャパンオープンの開催の目的についてのお尋ねであります。  ロボカップジャパンオープン二〇二〇あいちは、国内の学生など、約四百名の競技者がチームの仲間たちと切磋琢磨しながら、機械工学や電気工学、人工知能などを活用してロボットを製作し、ロボットによるサッカー競技のほか、工場や住宅を模した環境下で課題をこなす競技など十四競技を行います。会場では、これら競技の熱戦が繰り広げられ、優勝を目指し、熱心に取り組む学生の姿をじかに見ることができます。  また、併催イベントとして、子供向けのロボット工作教室や県内企業が開発する最新のサービスロボットのデモンストレーション、県内企業と競技に参加する学生とのマッチングイベントなどを行います。  本県としては、本大会を開催することによって、当地の子供たちを初め多くの方々に物づくりや県内のロボットを開発する企業に対する理解や関心を高めていただき、次代を担う物づくり人材の創出に貢献してまいりたいと考えております。  さらに、本大会を同会場で約半年後に開催するロボカップアジアパシフィック二〇二〇あいちのプレ大会と位置づけ、県内外に広くPRする場、さらには競技運営の試行の場として活用し、ロボカップアジアパシフィック二〇二〇あいち及びワールドロボットサミットの成功につなげるべく取り組んでまいります。  続いて、ロボカップアジアパシフィック大会の準備状況についてお答えいたします。  本大会は、知事が会長を務めるロボカップアジアパシフィック二〇二〇あいち開催委員会と国際的な推進組織ロボカップアジアパシフィック委員会とが主催いたします。  開催委員会は、ロボカップ日本委員会や地元自治体、経済団体、ワールドロボットサミットを主催する経済産業省などの関係者で構成し、大会の計画策定及び運営を行います。会場はアイチ・スカイ・エキスポのホールA、一万平方メートルを使い、アジア地域の若者を中心に約千七百名が集い、二〇二〇年十月八日から四日間、さまざまなロボット競技の熱戦を繰り広げる予定としており、現在、競技種目や会場レイアウトなど、ロボカップアジアパシフィック委員会と調整しながら詳細を検討しているところです。  また、同時開催しますワールドロボットサミットと共同で行う来場者向けのイベントも調整しており、ロボットの起源とも言われるからくりや、最新のロボット技術のデモンストレーション、子供向けロボット工作教室などを計画しています。  一方、本大会の開催機運を醸成するため、県内各地での大会PRイベントの開催や国内外のロボカップ大会でのPRブースの出展なども行っており、十月十二、十三日には、常滑市内で一年前イベント開催します。  先日発表しましたロゴマークやキャラクターも活用しながら、今後より一層、本大会の周知を図ってまいります。 51: ◯教育長長谷川洋君) 外国人児童生徒教育の現状を踏まえた取り組みと今後の対応について御質問をいただきました。  初めに、外国人児童生徒の母語の多様化に対する支援の充実についてお答えをいたします。  現在、県内の外国人児童生徒の多い市町村の教育委員会は、独自に語学相談員を配置し、日本語初期指導の補助や学校生活についてのアドバイス、保護者との面談時の通訳などを行っております。しかし、中には、人材面や財政的な面などから、十分な対応が難しい市町村もございまして、そうした市町村を支援するため、県教育委員会では、県内五つの教育事務所にポルトガル語四名、スペイン語四名、フィリピノ語三名、合わせて十一名の語学相談員を配置し、市町村教育委員会の要請に応じて学校へ派遣をしております。  しかしながら、議員御指摘のとおり、外国人児童生徒の母語の多様化が急速に進んでおります。したがいまして、これまでの取り組みでは、児童生徒一人一人にきめ細かな対応をすることが難しい状況となっております。  今後は母語の多様化を重要課題と捉えまして、市町村教育委員会が取り組む日本語初期指導を一層充実させるための指導者の確保や多言語に対応できる通訳機などのICT機器の配備について、国庫補助事業を活用するなどいたしまして、よりきめ細やかな外国人児童生徒への対応を進めてまいりたいと考えております。  次に、日本語指導担当教員の配置についてでありますが、今年度は二〇一八年度の五百四十二人から六十人増員をし、名古屋を含めまして六百二人を配置しているところであり、このうち八十八人は国の法定数とは別に本県単独で措置し、配置の充実に努めているところでございます。  この担当教員の配置につきましては、本県独自の配置基準を定めており、対象の児童生徒の増加、あるいは特定地域への集中などの状況を考慮し、順次増員を図ってまいりました。  二〇一五年度に見直した現行の基準では、小学校においては対象児童が十人以上の学校に担当教員一人を、以降二十人ごとに一人増員することとし、百七十一人以上の場合の担当教員九人を上限としております。また、中学校においては対象生徒が十人以上で担当教員一人を、以降十人ごとに一人増員することとして、八十一人以上の場合の担当教員八人を上限としております。  しかしながら、本県では、現行基準に見直した二〇一五年度以降も対象の児童生徒がふえ続け、小学校では百七十一人を、中学校では八十一人を大きく上回る学校も生じてまいりました。日本語指導が必要な児童生徒数は今後さらに増加していくことが見込まれますので、国に対して早期の定数改善を働きかけるとともに、引き続き対象の児童生徒の在籍状況に応じて、担当教員の配置の充実に努めてまいりたいと考えております。  最後に、外国人生徒が将来に向けて自分の夢や展望を描いていくことができるようにするための方策についてであります。  議員お示しのとおり、外国人生徒が高校進学などの進路選択の際に抱く不安は、日本語能力が不十分なことや学費等の経済的な問題などによるものが多いと考えております。県教育委員会では、こうした不安を軽減するための方策をこれまでさまざまに講じてまいりました。  公立高等学校の入学者選抜においては、外国人生徒が志願しやすくなるような配慮を行っております。全日制課程では、外国人生徒を対象に、学力検査を国語、数学、英語の基礎的な内容とし、問題の漢字にはルビを振る、そうした特別選抜をこれまで九校で実施しておりましたが、来年春の入試から実施校に岩倉総合高校と知立高校の二校を加え、十一校に拡大をしてまいります。定時制課程ではこれまで前期選抜で学力検査問題への漢字にルビを振るなどの外国人生徒への配慮を行っておりましたが、来年春の入試からは後期選抜でも実施することといたしております。  また、県教育委員会のホームページに、こうした入学者選抜における外国人生徒へのさまざまな配慮と就学支援金制度や奨学給付金制度等の経済的負担軽減制度について、スペイン語やポルトガル語などの多言語で掲載し、周知に努めてまいりました。  さらに、高校入学後には、語学支援員の配置に加えて就労アドバイザーの配置や、多言語に対応できる通訳機の配備により、外国人生徒の学習活動や進路選択など、学校生活全般において支援を拡充しております。  このような外国人生徒への配慮について、今後一層周知に努め、より多くの外国人生徒がみずからの将来の夢や展望をしっかりと持って高校に進めるような環境を整えてまいりたいと考えております。 52: ◯建設局長林全宏君) 五条川の治水対策について二点お尋ねをいただきました。  初めに、五条川の整備状況と今後の進め方についてであります。  五条川は、二つの対策を河川整備計画に位置づけ、整備を進めております。  一つ目は、新川との合流点より待合橋までの約十四キロメートルの区間を上流に向け、順次改修を進める五条川本川の改修であります。二つ目は、大口町で五条川と合瀬川が分流しており、この地点より下流側約二・三キロメートルの区間の合瀬川を改修し、洪水時には五条川の流量の一部を合瀬川へ転換することで、その安全度を向上させる合瀬川の整備であります。  五条川本川の整備につきましては、狭窄部となっていた清須の法界門堰の撤去や名鉄津島線橋梁の改築などとあわせ、護岸整備や河床掘削を実施し、巡礼橋付近まで整備が完了しているところです。現在は、その上流の河川幅が狭く流下阻害となっている名鉄名古屋本線橋梁の設計や道路橋二基のかけかえ工事を進めております。春日橋付近にある農業用の下之郷堰については、新たな用水施設が整備されますので、二〇二〇年度より撤去工事に着手する予定であります。  また、合瀬川の整備につきましては、二〇一七年の豪雨による浸水被害を契機として、災害対策等緊急事業推進費の採択を受け、合瀬大橋より上流約三百メートル付近までの整備が完了しているところです。五条川との分流地点までは残すところ約一キロメートルで、現在、河川を拡幅するための用地買収を実施しており、用地が確保できた区間より順次工事を進めてまいります。  次に、五条川流域の総合治水対策の取り組みについてであります。  五条川流域は、一九八〇年に国、県及び流域の市町から成る新川流域総合治水対策協議会を設立し、二〇〇六年には特定都市河川流域に指定され、市町とともに策定した流域水害対策計画に基づき、河川事業や下水道事業、雨水貯留施設の設置などの流域対策を柱とする総合治水対策を連携して進めているところです。  市町においては、雨水貯留施設の整備を着実に進めており、五条川流域内ではこれまでに約十一万一千立方メートルを完了し、進捗率は約六一%であります。また、五百平方メートル以上の宅地開発や舗装などの雨水浸透阻害行為には雨水貯留浸透施設の設置が義務づけられており、これまでに約五万六千立方メートルの貯留施設などが設置されております。このような対策は河川への流出量を抑制し、地域の浸水被害の解消、低減に大きく寄与するものと考えております。  今後も、五条川及び合瀬川の整備を促進するとともに、総合治水対策協議会において官民一体で総合治水対策を着実に進め、五条川流域の皆様の安全・安心の確保に努めてまいります。 53: ◯知事大村秀章君) 高桑敏直議員の質問のうち、ロボカップアジアパシフィック大会及びワールドロボットサミットの開催に向けた取り組みについて、私からも答弁をいたします。  二〇二〇年十月に開催する二つのロボット国際大会は、県内の最先端の物づくり技術やメード・イン・愛知のロボットを世界へ発信できる絶好の機会であります。とりわけ会場となるアイチ・スカイ・エキスポや中部国際空港におきまして、県内企業の英知を結集したサービスロボットや自動運転等の近未来技術が実際に活用される姿をショーケースとして披露いたします。  また、県内物づくり企業がロボットやAI、IoTに関して世界トップレベルの知見を有する研究者、学生、企業などと活発に交流、連携することにより、新たなイノベーションを次々と誘発していくことにつながると考えております。  ぜひとも二〇二〇年のロボット国際大会を成功させ、この大会を契機といたしまして愛知を世界に誇るロボット産業の拠点、ひいては、物づくりの強みと最新のテクノロジーとの融合によるイノベーションの拠点としてステップアップさせてまいりたいと考えております。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 54: ◯四十一番(田中泰彦君) 本日はこれをもって散会し、明十月一日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 55: ◯副議長堀嵜純一君) 田中泰彦議員の動議のとおり決しまして御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 56: ◯副議長堀嵜純一君) 御異議なしと認めます。  明十月一日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後四時五十四分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...