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  1. 愛知県議会 2018-02-01
    平成30年2月定例会(第6号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 平成30年2月定例会(第6号) 本文 2018-03-07 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 104 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長中野治美君) 選択 2 :  ◯議長中野治美君) 選択 3 :  ◯五十七番(長江正成君) 選択 4 :  ◯建設部建築局長海田肇君) 選択 5 :  ◯五十七番(長江正成君) 選択 6 :  ◯建設部建築局長海田肇君) 選択 7 :  ◯議長中野治美君) 選択 8 :  ◯十五番(わしの恵子君) 選択 9 :  ◯健康福祉部長長谷川洋君) 選択 10 :  ◯十五番(わしの恵子君) 選択 11 :  ◯議長中野治美君) 選択 12 :  ◯四十一番(近藤ひろひと君) 選択 13 :  ◯議長中野治美君) 選択 14 :  ◯議長中野治美君) 選択 15 :  ◯議長中野治美君) 選択 16 :  ◯七番(田中泰彦君) 選択 17 :  ◯振興部長野村知宏君) 選択 18 :  ◯七番(田中泰彦君) 選択 19 :  ◯議長中野治美君) 選択 20 :  ◯四番(朝倉浩一君) 選択 21 :  ◯環境部長菅沼綾子君) 選択 22 :  ◯四番(朝倉浩一君) 選択 23 :  ◯議長中野治美君) 選択 24 :  ◯四十五番(山本浩史君) 選択 25 :  ◯振興部長野村知宏君) 選択 26 :  ◯議長中野治美君) 選択 27 :  ◯十三番(岡明彦君) 選択 28 :  ◯防災局長(相津晴洋君) 選択 29 :  ◯十三番(岡明彦君) 選択 30 :  ◯議長中野治美君) 選択 31 :  ◯四十六番(石塚吾歩路君) 選択 32 :  ◯防災局長(相津晴洋君) 選択 33 :  ◯議長中野治美君) 選択 34 :  ◯十六番(渡辺靖君) 選択 35 :  ◯振興部長野村知宏君) 選択 36 :  ◯十六番(渡辺靖君) 選択 37 :  ◯議長中野治美君) 選択 38 :  ◯六十九番(坂田憲治君) 選択 39 :  ◯総務部長(加藤慎也君) 選択 40 :  ◯六十九番(坂田憲治君) 選択 41 :  ◯副知事(中西肇君) 選択 42 :  ◯四十番(中根義高君) 選択 43 :  ◯議長中野治美君) 選択 44 :  ◯議長中野治美君) 選択 45 :  ◯副議長(峰野修君) 選択 46 :  ◯十七番(福田喜夫君) 選択 47 :  ◯総務部長(加藤慎也君) 選択 48 :  ◯防災局長(相津晴洋君) 選択 49 :  ◯十七番(福田喜夫君) 選択 50 :  ◯副議長(峰野修君) 選択 51 :  ◯九十三番(塚本久君) 選択 52 :  ◯環境部長菅沼綾子君) 選択 53 :  ◯副議長(峰野修君) 選択 54 :  ◯八十九番(渡会克明君) 選択 55 :  ◯防災局長(相津晴洋君) 選択 56 :  ◯副議長(峰野修君) 選択 57 :  ◯百三番(筒井タカヤ君) 選択 58 :  ◯振興部長野村知宏君) 選択 59 :  ◯百三番(筒井タカヤ君) 選択 60 :  ◯振興部長野村知宏君) 選択 61 :  ◯副議長(峰野修君) 選択 62 :  ◯八番(鈴木雅博君) 選択 63 :  ◯健康福祉部長長谷川洋君) 選択 64 :  ◯八番(鈴木雅博君) 選択 65 :  ◯副議長(峰野修君) 選択 66 :  ◯一番(大嶽理恵君) 選択 67 :  ◯健康福祉部長長谷川洋君) 選択 68 :  ◯一番(大嶽理恵君) 選択 69 :  ◯健康福祉部長長谷川洋君) 選択 70 :  ◯副議長(峰野修君) 選択 71 :  ◯十番(今井隆喜君) 選択 72 :  ◯農林水産部長(高橋智保君) 選択 73 :  ◯十番(今井隆喜君) 選択 74 :  ◯四十一番(近藤ひろひと君) 選択 75 :  ◯副議長(峰野修君) 選択 76 :  ◯副議長(峰野修君) 選択 77 :  ◯議長中野治美君) 選択 78 :  ◯五十二番(市川英男君) 選択 79 :  ◯産業労働部労政局長(藤田昇義君) 選択 80 :  ◯五十二番(市川英男君) 選択 81 :  ◯議長中野治美君) 選択 82 :  ◯十一番(辻秀樹君) 選択 83 :  ◯産業労働部長(吉澤隆君) 選択 84 :  ◯議長中野治美君) 選択 85 :  ◯三番(黒田太郎君) 選択 86 :  ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君) 選択 87 :  ◯三番(黒田太郎君) 選択 88 :  ◯議長中野治美君) 選択 89 :  ◯二十三番(丹羽洋章君) 選択 90 :  ◯農林水産部長(高橋智保君) 選択 91 :  ◯二十三番(丹羽洋章君) 選択 92 :  ◯議長中野治美君) 選択 93 :  ◯十六番(渡辺靖君) 選択 94 :  ◯農林水産部長(高橋智保君) 選択 95 :  ◯十六番(渡辺靖君) 選択 96 :  ◯議長中野治美君) 選択 97 :  ◯二十六番(成田修君) 選択 98 :  ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君) 選択 99 :  ◯議長中野治美君) 選択 100 :  ◯二十八番(南部文宏君) 選択 101 :  ◯産業労働部長(吉澤隆君) 選択 102 :  ◯四十番(中根義高君) 選択 103 :  ◯議長中野治美君) 選択 104 :  ◯議長中野治美君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時開議 ◯議長中野治美君) おはようございます。  ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 第六十三号議案平成二十九年度愛知県一般会       計補正予算から第八十七号議案損害賠償の額の       決定及び民事調停についてまで 2: ◯議長中野治美君) 第六十三号議案平成二十九年度愛知県一般会計補正予算から第八十七号議案損害賠償の額の決定及び民事調停についてまでを一括議題として、これに対する質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  長江正成議員。 3: ◯五十七番(長江正成君) おはようございます。私は第八十号議案特定事業契約の締結について質問をいたします。  この特定事業契約は、愛知県営東浦住宅PFI方式整備等事業のうち、第一期の供用開始及び本移転並びに第二期供用開始及び本移転に関連し、取り壊す十棟四百三十戸のうち、現在入居してみえる二百十九世帯の戻り入居に関し、二DKタイプ、三DKタイプ、四DKタイプについて、要求水準書において、第一期と第二期を合わせ一対一の割合となる計二百八十戸の半分となる二DKタイプ百四十戸、三DKタイプ百三十戸、四DKタイプ十戸を施設規模で定めています。  そこで本日の質問です。  住戸種別の割合について伺います。  今回の東浦住宅建てかえは、二DKと三DK以上の割合は一対一ですが、昨今の世帯事情を十分に考慮された計画であるか疑問を感じますので、質問をしていきます。  担当部局から取り寄せた資料では、平成二十五年度末に、翌年度予定される平成二十六年度建てかえ計画立案のために、従来からと異なり、二DKタイプと三DKタイプの比率は暫定的に一対一とする方針が決められていました。  そのときの資料に目を通せば根拠が示され、新規入居世帯の一DKから四DKの住戸比率と、建てかえに伴う戻り入居の二DKと三DKの住戸比率が根拠として示され、結論として新規入居は二DK世帯が半数、戻り入居は家族の減少による結果単身世帯が多いことから、二DK比率が六割程度となっていると補足記述をされています。  冒頭の東浦住宅建てかえ計画は、新規入居者と戻り入居者が入居される住宅であり、今回示された二DKと三DK以上の住戸比率は、平成二十五年度末の補足記述をどのように勘案されたのか疑問が残るところです。  また、他の県営団地建てかえでも、建てかえに伴う戻り入居の割合が気になるところですから、実際の数字に非常に私は興味が湧きます。平成二十六年度以降設計され、入居が始まろうとしている県営住宅について、どのようになっているのでしょうか。
     そこで伺います。  県は今後の住戸構成について、建てかえ手順に過去の動向がどのように生かされているのか気になるところなので、今回の東浦住宅についてお聞きします。また、平成二十六年度以降の設計された二DKと三DKが過不足なく希望どおり戻り入居ができたのか、個々の建てかえ住宅についてお聞きします。 4: ◯建設部建築局長海田肇君) 初めに、東浦住宅の住戸構成について、過去の動向がどのように生かされているかについてお答えします。  県営住宅におきましては、入居される世帯の人数に応じて広さの異なる住戸タイプを設定しており、一人または二人世帯については二DKタイプ、三人以上世帯については三DK以上のタイプを基本としております。  住戸タイプにつきましては、既存入居世帯の居住の安定を図るため、まず、現在の入居世帯が建てかえ後の住宅に戻られる、いわゆる戻り入居を希望される場合には、その世帯の人数に応じて比率を設定しております。  また、それ以外で新たに入居する世帯がある場合には、過去の県営住宅への新規入居世帯の人数の状況から、住戸タイプの比率を設定しております。  東浦住宅におきましては、いずれの場合においても、一人または二人世帯と三人以上世帯の比率がおおむね一対一となっており、二DK及び三DK以上の住戸につきましては、それぞれ百四十戸としたものでございます。  次に、平成二十六年度以降に設計された住宅で、希望どおり戻り入居できたのかについてお尋ねをいただきました。  平成二十六年度以降に設計され、これまでに入居手続が行われた住宅は五住宅あり、そのうち碧南市の鷲塚住宅、北名古屋市の西春住宅、稲沢市の高御堂住宅及び豊田市の初吹住宅の四住宅につきましては、いずれも予定どおり世帯の人数に応じた住戸タイプに入居していただいております。残りの瀬戸市の原山台住宅につきましては、世帯の人数の異動等により一部の住戸に不足が生じたため、現在、世帯の人数に応じた住戸タイプのある他の住宅へのあっせんなどの調整を行っているところであります。 5: ◯五十七番(長江正成君) 御答弁いただきましたが、改めて質問をさせていただきます。  建てかえ時の事前説明会に、家族状況や移転希望の調査を県は行うそうです。また、建てかえ新住宅への優先入居を示したパンフレットを事前説明会で配布しているそうです。  数年かかる建てかえ計画に、入居者の状況が変わるということは十分あり得ます。現在の手続では、新住宅への入居の手続がスムーズであるとは、私は感じられません。今後、建てかえに当たり一般公募をする前に、優先入居ができる制度が現在愛知県にある以上は、新しい住宅へのあっせんには、今御答弁にあったように、不足しているところがあってはならないと言えます。  逆に、今御答弁にあったように、過不足があったということですから、もともとの愛知県の計画が正しかったのか、疑問を感じるところでもあります。  そこで再質問させていただきます。  今後の二DKと三DKの比率に対して、ここ数年続いた比率の考え方について、平成三十年度以降、設計についても踏襲をされるのか、再質問をさせていただきます。 6: ◯建設部建築局長海田肇君) 平成三十年度の設計における二DKと三DK以上の比率の考え方について、再度の御質問をいただきました。  平成三十年度におきましては、新たに三住宅の建てかえの設計に着手したいと考えておりますが、住戸タイプの比率につきましては、これまでと同様に、まずは戻り入居を希望する世帯の人数と、過去の新規入居世帯の人数をもとに設定してまいります。  一方で、県営住宅の建てかえ事業は、住宅の設計から工事が完了するまで三年から四年程度を要するため、その間に、戻り入居を希望される世帯の人数や、新規入居世帯の人数の状況についても変わることが想定されます。  そうした状況の変化に一層丁寧に目を配ることで、これからも入居者の皆様が県営住宅に安心して住み続けられるよう努めてまいります。 7: ◯議長中野治美君) 進行いたします。  わしの恵子議員。 8: ◯十五番(わしの恵子君) 第六十三号議案平成二十九年度愛知県一般会計補正予算について、歳出第六款健康福祉費第四項の高齢福祉費の第三目高齢福祉施設費、介護施設等整備事業費の市町村事業費補助金について伺います。  これは、市町村が行う介護施設整備事業について、二〇一七年度の当初予算では四十七億五百九十八万四千円が計上されていましたが、今回の補正では二十二億八千四百七十一万八千円の減額がされているものです。  当初予算では、二〇一六年十月に各市町村から小規模特養ホーム十五カ所を、認知症高齢者グループホーム二十三カ所を増設する計画となっていました。  しかし、二〇一七年度においては計画どおりに進まず、小規模特養では九カ所、認知症高齢者グループホームでは十三カ所のみの整備に終わりました。昨年度に続き、予算の六割程度の実績にすぎません。  私は昨年の二月議会でもこの問題を質問しましたが、健康福祉部長は、今後は補助事業の活用を促進するため、事業者に県内市町村の整備計画や補助制度の内容について、会議などを通じて詳しく紹介し、できる限り周知を図ります、そして、小規模特養やグループホームなどの整備を一層進め、第六期計画における目標達成を目指していくと答弁されました。  そこで伺います。  今年度は第六期計画の最終年度です。目標達成について、県はどのような取り組みをされてきたのか伺います。  次に、市町村事業である小規模特養ホーム、認知症グループホームについては、国費と県費で造成された基金で賄われ、市町村負担は基本的にはありません。にもかかわらず、昨年度に続き、なぜ介護事業者の参入がないのか、制度上の困難性、正すべき問題点はないのか、改めて県の見解を伺います。  そして、県内の特養ホームの待機者は七千三百三十九人ということですが、その方たちが入所できるように努力することが求められます。  しかし、このように小規模特養ホームの設置が計画どおりに進まないということは、その分だけ待機者の解消から遠ざかるのではないかと危惧しますが、いかがでしょうか。  最後に、さて、新年度から第七期愛知県高齢者健康福祉計画が始まりますが、計画についてどのような配慮をされるのか伺います。 9: ◯健康福祉部長長谷川洋君) 初めに、第六期高齢者健康福祉計画の目標達成に向けて、県が行った取り組みについてお答えをいたします。  市町村に対しましては、市町村高齢者福祉・介護保険担当課長会議や、第七期計画の策定に向けた市町村担当者との個別ヒアリングにおきまして、第六期計画の進捗について個別に聞き取りを行うとともに、事業計画を着実に実施できるよう、他の市町村において成果を上げた事例を紹介するなど、助言を行ってまいりました。  事業者に対しましては、市町村に採択された小規模特別養護老人ホームの整備計画につきまして、速やかな事業着手が可能となり、県の施設認可が円滑に進むよう、人員、設備、運営の各基準に関する相談に迅速に対応し、事業の進捗を支援してまいりました。  また、新たに県内の特別養護老人ホームを会員とする老人福祉施設団体が主催する会議に出席し、第六期計画の進捗状況を説明するとともに、施設整備への積極的な協力をお願いしたところであります。  次に、事業者の参入が進まない要因と、制度上の問題に関してであります。  事業者の参入が進まない要因の一つとして、市町村における公募の周知が不十分であったことがございます。このため、市町村によっては、事業者を公募する際に、ホームページに掲載し周知するだけでなく、その市町村の中で既に事業を行っている事業者に公募内容を案内したり、参入意欲のある事業者を集め、公募内容を周知する説明会を開催するなど、公募方法を見直したところがございます。より丁寧に周知を行った結果、事業者を決定することができたとの事例もございます。  このような市町村の積極的な取り組みによりまして、事業規模が小さく、事業者の参入が比較的容易な認知症グループホームにつきましては、平成二十八年度の六施設から平成二十九年度は十三施設に整備数を大きくふやすことができました。  今後は、地域における介護ニーズをより的確に把握し、そうした地域の実情にふさわしい地域密着型サービスを中心に、市町村の介護基盤の整備を進めてまいりたいと考えております。  次に、特別養護老人ホームの待機者解消に関してお答えをいたします。  特別養護老人ホームの待機者調査は、高齢者健康福祉計画策定に当たっての基礎資料とするため、三年ごとに実施をしております。  平成二十九年四月一日時点の七千三百三十九人の待機者につきましては、小規模特別養護老人ホームを含む特別養護老人ホームだけでなく、老人保健施設や認知症高齢者グループホームなども活用して、第六期計画に基づき平成二十九年度以降に開所される施設と、第七期計画で計画する施設整備によりまして、待機者の解消を図ってまいりたいと考えております。  なお、現在作業中の第七期計画の策定に当たりましては、各市町村に対して市町村別の待機者数をお示しし、その解消に向けた考え方や取り組みについてヒアリングを行い、地域密着型の小規模特別養護老人ホームの積極的な整備を働きかけ、待機者の解消に向け実効性のある市町村計画を策定していただけるよう、必要な指導や助言を行ったところでございます。  最後に、第七期愛知県高齢者健康福祉計画の策定に当たって、特に配慮した点についてであります。  第七期計画におきましては、介護、予防、医療、生活支援サービス、住まいが地域において切れ目なく提供される地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みを進めることとしております。  具体的には、特別養護老人ホームの待機者の解消に向けて、特別養護老人ホームを初めとする入所施設の施設整備を引き続き進めるとともに、在宅介護の充実に向けて、中重度の要介護状態になっても可能な限り住みなれた御自宅や地域で生活ができるようにするため、小規模多機能型居宅介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護といった、今後重要となります新しい地域密着型サービスの基盤整備を促進していくこととしております。  また、今回は地域保健医療計画と同時に策定いたしますことから、それぞれの計画において在宅医療の提供体制と在宅介護サービスの基盤整備との整合性を確保しながら、医療と介護が連携した地域包括ケアを一体的に推進してまいりたいと考えております。  こうした取り組みを第七期計画に位置づけ、高齢者が健康で生きがいを持って安心して暮らせる社会の実現に向け、地域包括ケアシステムの構築を進めてまいります。 10: ◯十五番(わしの恵子君) 要望を申し上げます。  二年連続で計画どおりに介護施設の整備が進まなかったことについて、制度上の問題ではないですかとお聞きしたところ、公募上の不十分さなど問題を挙げられたと思います。  とはいえ、私はやっぱり愛知県というのは、特養の目標七千三百三十九人、今おられるわけで、部長さん、いろいろ説明されましたけれども、やはり自宅で介護ができないから特養の申し込みをすると、そういう方たちがいらっしゃるわけで、そういう方たちの願いに応えることが、私は県の責務だと思います。そういう決意なしには、入所を待ち望む要介護者とその家族の期待に応えることはできないと思います。  パブコメがありましたけれども、パブコメに掲載されている第七期計画素案、ここには、地域実情に応じて整備を図る、というふうにありますので、市町村や団体からの要望、こういう要望に応えて、市町村の計画どおり整備が進むように、県としても最善の努力をしていただくことを改めて強く要望して、質問を終わりたいと思います。 11: ◯議長中野治美君) 以上で、ただいま議題となっております議案に対する質問を終結いたします。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 12: ◯四十一番(近藤ひろひと君) ただいま議題となっております議案は、さらに審査のため、それぞれ所管の常任委員会に付託されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 13: ◯議長中野治美君) 近藤ひろひと議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 14: ◯議長中野治美君) 御異議なしと認めます。  よって、ただいま議題となっております議案は、それぞれの所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。  なお、議案付託表は議席に配付いたしました。        ─────────────      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第二 第一号議案平成三十年度愛知県一般会計予算 15: ◯議長中野治美君) 次に、第一号議案平成三十年度愛知県一般会計予算を議題といたします。  この際、第一号議案平成三十年度愛知県一般会計予算のうち、第一条中歳出第一款議会費から第五款環境費までの質問を許します。  質問に際しましては、款項を明らかにして発言されるようお願いをいたします。  通告により質問を許可いたします。  田中泰彦議員。 16: ◯七番(田中泰彦君) 私からは、歳出第三款振興費第一項振興総務費、交通対策事業費についてお伺いをいたします。  平成三十年となり、リニア開業まで残り九年となりました。リニア開業に向けては、愛知県議会でも幾度となく議論がされており、リニアインパクトを愛知県内広域に波及させることは多くの愛知県民が望むことでもあり、また、その影響は経済、産業、観光など多岐にわたり、さまざまな課題が山積していると考えます。  先日、三月五日の一般質問の中でも、我が党の石井拓議員がリニアインパクトについての質問をし、三河地域の鉄道ネットワークの充実、強化、また、ストロー現象についての大変わかりやすい説明と、その問題提起をされました。私も、愛知県が今後もしっかりと対策をとらなければならない課題だと思っております。  振興部長の御答弁にもありましたリニア開通後の新幹線のあり方で、三河安城駅や豊橋駅を中心とした愛知県東西の移動について、新たな選択肢や可能性が出てくると思います。  また、私はストロー現象が起きてしまうことは、人も物も情報量も圧倒的に違う東京相手では避けて通れないことで、課題としては影響をいかに抑えるか、逆に愛知、名古屋ができることは何なのかの対策が重要であると考えます。  一つの例として、現在国で法案として出されている地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律案があり、早くて平成三十二年度から適用の、東京二十三区内の大学定員増を認めないという抑制をするというものがあります。これにより考えられることとして、東京都内の大学を選べなかった学生が、名古屋駅を通じて愛知の大学に関東圏から通うという選択肢が出てきます。もちろん、それには県内の大学の考え方など別の議論もありますが、可能性の一つとして大いにあるということです。  また、海外に対する可能性も変化してきます。  石井拓議員の質問にも、愛知県民が羽田空港を使い海外に向かうことが多くなるという旨の議論がありましたが、逆も考えられると思います。もちろん手放しでよくなることはありません。将来的に中部国際空港の第二滑走路や完全二十四時間化が実現すれば、国際空港としての水準はより高くなり、さらに、羽田空港からは飛んでいない国際便をふやすなどバックアップをするような対応が充実すれば、リニアインパクトを生かして、関東圏の利用者を中部国際空港に呼ぶことも可能となります。  関東圏だけではなく、愛知に隣接する県の皆さんの中には、鉄道を使い名古屋駅を経由し中部国際空港へ向かうという流れから、鉄道アクセスに大きく期待をしている方も少なくないのではないでしょうか。  西知多道路が開通して、新たに自動車での利便性が向上することとあわせて、名古屋駅からの鉄道網をさらに強化することも重要だと考えます。  例えば、名古屋臨海高速鉄道あおなみ線を海底トンネルで結ぶというような夢のようなことができた暁には、名古屋駅から中部国際空港への鉄道アクセスの選択肢がふえます。名古屋駅と海外のアクセスはもちろんですが、開幕予定の空港島に隣接される愛知県国際展示場を利用する際にも、大きな魅力の向上となるのではないでしょうか。  愛知県が進めるMICEにもプラスに働くことが考えられ、また、東京ビッグサイトや幕張メッセなどの関東圏のイベントスペースで賄い切れないものを愛知の常滑で開催しようという声も上がると思います。  別の路線の可能性も考えます。例えば、JR武豊線を、知多半島を横断するような形で中部国際空港につなげば、三河地域の中部国際空港への利便性も高まるのではないでしょうか。  先日、我が党の山田たかお議員の一般質問で、自動車のEV化における産業構造の変化についての質問があり、産業労働部長から、将来にわたり自動車産業が本県の基幹産業として成長、発展できるよう、先を見据えた施策対応に全力を尽くす、との御答弁がありました。次世代自動車産業に対する世界の動向を注視していく中で、西三河内では、物づくり企業の誘致に対し、今後とも動きを見せる市があるということも伺っておりますし、そういった動きから、これからも三河地方が愛知県における物づくりの中心であることでしょう。よって、リニアの窓口名古屋駅と、世界への窓口中部国際空港、物づくりの中心の三河地方、これらのつながり、関係性は本県にとって重要課題だと考えます。  このように、現在の名鉄常滑線以外の選択肢を考えることは大変有意義で、現状で満足せず、リニア開通までに愛知県が対策を考えなければいけない大きな課題だと思っております。  また、名古屋駅前と周辺の開発も大きな課題です。  名古屋市は今後、容積率の上限を引き上げるなどの施策、対応が行われ、対象エリアについても協議がされていくようで、駅東側から中区栄エリアが検討されるとの発表もあります。私の住む名古屋市西区は、名古屋駅から見ると北側に位置をし、名古屋駅前エリアも含まれ、先ほどの容積率緩和にかかわる地域もあります。さらに、名古屋駅から名鉄本線一本でつながる上小田井駅周辺は、その利便性からも若い世代を中心に人口もふえ、人気の居住エリアとなっています。  駅前の開発や鉄道がつながることによって、そのエリアは発展する可能性が大きくなると考えられます。  愛知県のリニアを見据えた鉄道ネットワークの充実・強化に関する方策案の基本的な考え方の中には、リニア開業による首都圏との時間短縮効果をより広域的に波及させる、とあります。  そこで、私は、より広域に波及させるという点においては、駅の西側の可能性も大きいのではないかと感じています。過去に、当時の運輸省主導で、平成二十年度までをめどとして、名古屋圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画というものがありました。これは、名古屋の地下鉄路線の延伸、また、名鉄線への延伸を考えていたもので、その中には、名古屋高速鉄道六号線、地下鉄桜通線の中村区役所駅から稲葉地付近を経由して、あま市にある名鉄七宝駅までの延伸も計画されていましたが、桜通線は現在も中村区役所でとまっています。  先ほどの愛知県のリニアを見据えた鉄道ネットワークの充実・強化に関する方策案の基本的な考え方の中には、四十分交通圏の拡大等を目指すともあります。石井拓議員の質問に対する御答弁にも、名古屋駅─豊田市中心部駅間の所要時間を短縮し、名古屋駅からの四十分交通圏域の拡大を図るために、とありました。  三河地域に対する四十分交通圏域の議論はよく耳にしますが、それ以外、主に尾張地方に対する四十分交通圏域の話は余り耳にしないような気がします。あくまでも私の感想です。  リニアインパクトをより広域に波及させるため、四十分交通圏域の拡大という意味であれば、この六号線、地下鉄桜通線の延伸も大いに関係するのではないでしょうか。こちらの延伸に関しては、名古屋市と愛知県が改めて協議する余地が十分にあると考えます。  これまでのことだけでも、リニア開通後の県内の交通網がいかに大切で、見直さなければいけない点がたくさんあることがわかります。そして、それらについては愛知県がしっかりと対応をとること、また、名古屋駅スーパーターミナル化や駅前再開発では、イニシアチブを持つ名古屋市との連携が欠かせない内容も多くあります。  以上を踏まえて、名古屋駅の現在の取り組み状況と今後の進め方、また名古屋市にどのような関与を愛知県はしているのかをお伺いいたします。 17: ◯振興部長野村知宏君) リニア開業に向けた名古屋駅の現在の取り組み状況と今後の進め方及び県の関与についてお答えいたします。  名古屋市は、これまで名古屋駅の乗りかえ空間等の検討調査を行ってきたところでございますが、名古屋駅周辺まちづくり構想における交通基盤関連プロジェクトを中心に、今後の整備内容を具体化するための方向性を示す名古屋駅周辺交通基盤整備方針案を昨年八月に公表し、現在はその取りまとめを進めております。  今後、この方針を踏まえて、さらに関係事業者との協議、調整が進められ、来年度からは、名古屋駅周辺交通基盤整備方針案に示されている各プロジェクトの整備内容や、鉄道事業者との役割分担等の取りまとめが進められることとなります。  本県といたしましては、名古屋市が行うわかりやすい乗りかえ空間の形成等の検討調査に対して、平成二十八年度から補助を行ってきており、来年度も引き続き補助を行うことにより、名古屋駅の利便性向上に向けた取り組みを支援してまいりたいと考えております。
     さらに、交通基盤関連プロジェクトの具体化に向けた会議などに参画し、広域的な視点から意見を述べてきているところでございます。  本事業の着実な進捗に向け、引き続き名古屋市と連携を図りながら、リニアインパクトが広域的に波及するよう、名古屋駅のターミナル機能の強化に努めてまいります。 18: ◯七番(田中泰彦君) 要望をさせていただきます。  東京隣接県の主要都市、例えば神奈川県の横浜市や埼玉県さいたま市、千葉県柏市など、東京へアクセスのいい都市でも、それぞれの都市と、また、東京の行き先にもよりますが、大体三十分から四十分はかかることから、四十分でつながる名古屋も東京のベッドタウンになるというふうに私は考えています。東京に出勤、通学する人が名古屋に移り住むことも逆に考えられるのではないでしょうか。  愛知、名古屋に来る理由、魅力を、そういったことを創出できれば、関東圏から名古屋にもどんどん人を引き寄せることが可能であると考えます。  今回は交通対策事業費についての質問、限られた内容の質問ではございましたが、私はリニア新幹線の開通については、ざっくり大きく分けると二つ考えられるというふうに思っています。  一つは、東京を通じて、いかに世界を視野に入れたプラスの要因をつくっていくのか、愛知県にとって大きなチャンスだということ。  もう一つは、従来の経済、産業の中心であることはもちろん、東京と四十分でつながる大都市圏の責任がより大きくなったということです。  少なくとも名古屋─大阪間のリニアが開通するまでは、愛知県には十分にそれがあるというふうに考えています。  経済、産業の部分に関しては、引き続き愛知のプラスになるよう、また、日本の経済を支える中心であり、世界に発信する存在であるべきだと思います。  そして、今までにも第二の首都愛知とか、首都機能を果たせるようにというような話題や議論はあったようではありますが、私はその点について、東京のバックアップ機能を果たすようなエリアであるという視点から、リニア開通を機に、改めて愛知県がそういった面に関しても考えてはいいんじゃないかなというふうに思っております。  県としての規模、リニアと従来の東海道新幹線が通り、さらには高速道路網も東名高速と新東名の二路線があり、日本のほぼ中心に位置するような、そんなようなところは愛知県しかありません。産業や観光など、また、それぞれに合わせた交通対策などはもちろんですが、リニアインパクトの影響は目に見えない部分の効果も大きく、次世代に合わせた愛知県や県民の変化が必要だというふうに思っております。世界に向けて日本を引っ張っていく愛知という意識をより強く持てるような愛知県になることを期待いたしまして、そして、今御答弁の中にもありました名古屋との連携をしっかり持っていただいて、さらに、その中で愛知県として広域を見て、名古屋にそれを伝えられるようなことを今後しっかりとやっていただきたいなということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。 19: ◯議長中野治美君) 進行いたします。  朝倉浩一議員。 20: ◯四番(朝倉浩一君) 私からは、歳出第五款環境費第一項環境対策費のうち、あいち自動車環境戦略についてお伺いいたします。  本県では、あいち自動車環境戦略二〇二〇に基づき、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)及び燃料電池自動車(FCV)を初めとする次世代自動車や、最新の排出ガス規制適合車等の環境性能にすぐれた自動車、いわゆる次世代自動車等先進エコカーの普及を促進するため、事業者に対する補助制度や、EV、PHV及びFCVの平成三十一年三月三十一日までの新車新規登録を対象とした本県独自の自動車の課税免除などにより、普及に取り組んでおられます。  自動車業界の動向を見ても、環境対応においては、四輪車で二〇三〇年にグローバル販売の三分の二を電動化することを目指しているそうです。ハイブリッドモデルの拡大はもとより、ハイブリッドをベースとする高効率なプラグインハイブリッドシステムを生かした開発を中心として取り組み、また、排出ガスを出さないゼロエミッション・ビークルについてもグローバルで急速に拡大することから、燃料電池自動車に加え、電気自動車の開発を積極的に進めていく動きがあります。  そこでお伺いをいたします。  あいち自動車環境戦略二〇二〇では、次世代自動車等先進エコカーの二〇二〇年度の普及目標として県内二百万台、普及率四二%を挙げておられますが、現在の普及状況と推移はどうか、また、その中でもEV、PHV及びFCVの状況はどうか、お伺いをいたします。あわせて、目標達成に向けた今後の取り組みについてもお伺いをいたします。  また、このような業界を含め、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車の普及拡大に向けた動きが今後急速に拡大をしていく状況下において、その燃料供給施設である充電インフラについても着実に整備を進めていく必要があります。  本県では、愛知県次世代自動車充電インフラ整備・配置計画に基づき、EV、PHVの本格的な普及促進に向けて設立をしたあいちEV・PHV普及ネットワークの関係者との連携、協働により、充電インフラの整備促進に向けた取り組みが進められております。  そこで、愛知県次世代自動車充電インフラ整備・配置計画に基づく充電インフラの整備について、現在の進捗状況と今後の取り組みついてお伺いをいたします。 21: ◯環境部長菅沼綾子君) あいち自動車環境戦略費についてのお尋ねのうち、初めに、次世代自動車等先進エコカーの普及状況についてお答えをいたします。  本県では、あいち自動車環境戦略二〇二〇に基づき、EV、PHV、FCVを初めとする次世代自動車や、排出ガス、燃費面で環境性能が特にすぐれたガソリン車などの次世代自動車等先進エコカーの普及拡大を図るため、旅客運送事業者や、中小企業等の事業者に対する補助や、EV、PHV、FCVの自動車税の課税免除により、その導入を支援しております。  また、県民の生活環境の保全等に関する条例に基づき、乗用車換算で二百台以上の自動車を使用する事業者に一定割合以上の低公害車導入を義務づけるとともに、自動車環境対策に積極的に取り組む事業者を自動車エコ事業者として認定、公表することにより、事業者みずからによる積極的な導入を促しております。  こうした取り組みにより、本県の次世代自動車等先進エコカーは、平成二十九年三月末現在で自動車総保有台数約五百万台の三三%に当たる約百六十四万台となっており、戦略を策定いたしました平成二十四年度末からの四年間で約八十二万台、普及率で見ますと一五・八ポイントの増と順調に推移してきており、二〇二〇年度の目標の二百万台、普及率四二%を達成できる見込みとなっております。  このうち、EV、PHV、FCVは、平成二十九年十二月末現在で見ますと、EVが九千三百五十三台、PHVが一万一千八百七十一台、FCVが八百二十台で合計二万二千四十四台となっており、二十四年度末と比較して、EVが六千七百九十八台、PHVが九千六百九十七台、FCVが八百十台それぞれ増加しており、全体では四・六倍にふえております。  県といたしましては、今後も引き続き低公害車導入促進費補助金や自動車税の課税免除といった支援制度等により、県民の皆様の積極的な取り組みを促しながら、あいち自動車環境戦略二〇二〇に掲げた目標の達成に向けて、しっかりと取り組んでまいります。  次に、愛知県次世代自動車充電インフラ整備・配置計画に基づく充電インフラの整備の進捗状況についてお答えいたします。  EV、PHVの本格的な普及に向けては、その動力源である電気を供給する充電インフラの整備が不可欠であり、運転途中の充電切れや充電待ちによる渋滞が発生しないよう、適切な間隔や場所に配置することが必要となります。  このため本県では、平成二十五年七月に策定した愛知県次世代自動車充電インフラ整備・配置計画に基づき、自動車メーカー、充電器メーカー、電力会社や市町村等で構成するあいちEV・PHV普及ネットワークの関係者と連携、協力しながら整備を促進してまいりました。  その結果、県内における充電インフラ整備の進捗状況につきましては、平成二十八年度末で千百九十九カ所、千七百二十三基と全国トップクラスとなっており、計画策定当時の、平成三十二年度に千六百基、という整備目標を上回る状況となりましたことから、現在は二千基に目標を上方修正して、さらなる整備の促進に取り組んでおります。  今後の取り組みについてでございますが、観光施設、宿泊施設、大規模商業施設、公共施設等、多くの人が集まる場所への充電器の複数台設置や、設置箇所の少ない山間部等への設置など、充電環境のさらなる充実が必要と考えております。  県といたしましては、県民の皆様に対して、ポータルサイトあいちEV・PHVタウン等により設置場所などの情報提供を引き続き行うとともに、平成三十二年度の整備目標の達成に向け、事業者や市町村等の関係者に設置を働きかけ、充電インフラの利用環境の整備、充実を図ってまいりたいと考えております。 22: ◯四番(朝倉浩一君) 御答弁ありがとうございました。  本県には、自動車整備工場関係が五千百七工場ございます。  さきに申し上げましたように、業界を含め、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車の普及拡大に向けた動きが大変急速に拡大をしておりますが、その燃料供給施設である充電インフラについても、先ほど御答弁いただきましたように着実に整備を進めていただいておりますが、自動車の適正な点検、整備を通じて、安全・安心の確保や環境と調和のとれた車社会を目指している自動車整備会社にとっても、充電インフラは必要不可欠と感じております。  今後の普及活動に御期待を申し上げて、要望を終わります。ありがとうございました。 23: ◯議長中野治美君) 進行いたします。  山本浩史議員。 24: ◯四十五番(山本浩史君) 私からは、歳出第三款振興費第一項振興総務費のうち、二〇一八ISAワールドサーフィンゲームス開催費負担金について伺います。  近年、国際スポーツ大会を生かした地域活性化の取り組みが、我が国だけでなく、アジア地域を初め世界各地で進められています。  そうした中で、オリンピックに代表されるように、大規模なスタジアムなどが必要なスポーツ大会の開催は、大都市から離れた地域では施設や集客などの面で容易ではありません。  このため、まずは地域が持つ資源や自然を生かせるよう知恵を絞っていくことが大切ですが、東三河は、こうした地域の資源、自然を生かしたスポーツ大会開催のポテンシャルが高い地域です。  例えば、ことし四回目の開催を迎える奥三河パワートレイルは、奥三河の自然の地形を生かし、新緑の森を駆け抜けるスポーツ大会として、全国からランナーが集まる大会となってきました。  また、新城ラリーも、県営新城公園をメーン会場としてから年々来場者がふえ、今では日本最大級のラリー大会に成長しています。また、招致活動が進められているWRC世界ラリー選手権のコースの一部として検討されるなど、より大きな大会につながる可能性も秘めています。  さらに、昨年は、美しい海に囲まれ、セーリングに最適な風が吹く三河湾の自然を生かし、蒲郡の海陽ヨットハーバーを核に、日本で初めてセーリングワールドカップが開催されました。このセーリングワールドカップは東京五輪の前哨戦とも言われたものであり、この開催により蒲郡の知名度も高まったものと思います。  そして、ことし九月にはサーフィンの世界選手権であるISAワールドサーフィンゲームスが田原市で開催されることが決定しました。この大会が日本で開催されるのは一九九〇年の開催以来、実に二十八年ぶりです。  大会会場として予定されている田原市赤羽根の大石海岸は、浜松、豊橋、田原と連なる遠州灘で、一年を通じてサーフィンに適した波が打ち寄せる全国有数のサーフィンスポットです。国内最大級のプロサーフィンコンテスト六スターイベントの六年間開催や、全日本サーフィン選手権大会など、国内有数の大会開催実績があり、田原市ではこれまで、こうした大会の開催支援や施設整備を初め、地域再生計画にサーフタウン構想を掲げるなど、サーフィンを取り入れた地域づくりに取り組んでまいりました。  こうした実績を生かし、本県においてサーフィンのオリンピックとも言われる世界的なビッグイベントISAワールドサーフィンゲームスが開催されることは、サーフィン関係者の期待も大きく、大変喜ばしいことだと思います。  そこでお尋ねします。  まず、この世界大会の出場選手や観客数など、大会規模はどれぐらいを見込んでいるのでしょうか。そして、この大会の成功に向け、県としてはどのように取り組んでいくのか伺います。 25: ◯振興部長野村知宏君) ワールドサーフィンゲームスについてお答えいたします。  まず、大会規模についてお答えいたします。  ISAワールドサーフィンゲームスは、ISA(国際サーフィン連盟)が主催するサーフィンの世界選手権で、昨年は五月にフランスのビアリッツ市で開催され、過去最高となる四十七カ国が参加し、二百四十五人の選手が出場いたしました。  また、昨年九月には、同じくISAが主催する世界ジュニアサーフィン選手権が宮崎県日向市において、アジアで初めて開催されております。  この世界ジュニアサーフィン選手権には四十一カ国から三百四十四名の選手が出場し、大会会場となった宮崎県日向灘のお倉ヶ浜海岸には、選手の活躍を間近で見ようと、国内外から三万八千二百人の観客が訪れました。  ことし九月十五日から二十二日までの八日間、田原市で開催される二〇一八ISAワールドサーフィンゲームスには、過去の大会実績を参考にいたしますと、およそ五十カ国から三百名程度の選手が出場するものとNSA(日本サーフィン連盟)では見込んでおります。また、今回の観客数につきましては、地元田原市では、国内外からおよそ四万人の観客が訪れるものと想定しているところでございます。  次に、本大会の成功に向けた県としての取り組みについてお答えいたします。  今回の大会には、愛知県知事が名誉大会長に就任しており、また、先月十九日に田原市役所内に設置された大会実行委員会には、本県も日本サーフィン連盟等とともに構成員として参画しているところでございます。  サーフィンが東京二〇二〇オリンピックの追加競技になったことに伴い、大きな注目を集める大会となります。このため、本大会の円滑かつ安全な実施に向けて、観客の交通手段の検討や警備、ボランティアの確保などの準備を実行委員会において進めているところでございます。  また、この大会の開催は、国内外からの選手や観客の皆様に本県の歴史、文化、産業、グルメなどの魅力に触れていただく絶好の機会でもあります。そのため、大会の前後にも県内を周遊いただけるよう、観光関係団体の協力を得ながら、本県のスポーツ情報発信媒体であるアイスポなどを通じ、愛知の魅力を幅広く発信してまいりたいと考えております。とりわけ東三河地域につきましては、豊かな自然や農林水産物、伝統文化など多くの観光資源に恵まれていることから、大会でのあいちの花の活用などを通じまして、ほの国東三河ブランドの知名度向上にもつなげていきたいと考えております。  今回のISAワールドサーフィンゲームスの開催を、田原市のみならず東三河地域の振興や本県への誘客促進にも生かせるよう、二十八年ぶりの日本開催となる本大会の成功に向け、関係機関と連携し、しっかりと取り組んでまいります。 26: ◯議長中野治美君) 進行いたします。  岡明彦議員。 27: ◯十三番(岡明彦君) 私からは、歳出第四款県民文化費第五項防災費のうち、産学官連携地域強靱化推進事業費のあいち・なごや強靱化共創センターの事業についてお聞きします。  未曽有の被害をもたらした東日本大震災より七年、忘却は人の常とはいえ、あの悲惨な記憶が薄れ始めていることに憂いを感じる方は多いと思います。風化との闘いはこれからが正念場です。そうであるからこそ、県当局は、いつ起きてもおかしくない大規模災害を強く意識し、常に防災対策を強化していく必要があります。我々議員の側も県民の代表として、本県の防災対策が進んでいるのかを常にチェックしていく必要があります。  平成二十八年六月議会の一般質問では、その年の四月に発生した熊本地震に関連して、本県における県立学校の避難所指定や、県職員の災害対応能力を担保するための備蓄品の確保について、私は質問させていただきました。  本県では、熊本地震におけるさまざまな教訓を県の地震防災対策に活用するため、熊本地震の被災地における課題を検証し、県地域防災計画や第三次地震対策アクションプランに反映させ、現在は、各種マニュアルに反映させようと作業しているとお聞きをしております。  さて、先月、国は南海トラフ地震の発生確率値を公表いたしました。それによると、今後三十年以内の南海トラフ地震の発生確率が、従来の七〇%程度から、七〇%から八〇%に増加しました。一方、昨年、国は今までの予知についての見解を改め、南海トラフ地震の予知は難しいとの見解を示しました。  いつ発生してもおかしくない南海トラフ巨大地震に対して、県民の生命、財産をどう守るか、また、本県産業をどう守るのか。国に頼ることなく、県みずからがより主体的に防災・減災対策を加速していくことができるか、突きつけられた課題は大きいと思います。  そういった意味からも、この地域の強靱化に向け、戦略的に対策立案や人材育成を行っていくため、本県、名古屋市及び名古屋大学が産業界とともに設立したあいち・なごや強靱化共創センターの使命はまことに大きいと思います。知事初め県当局の同センター設立の決断をまず高く評価したいと思います。  産官学の連携による防災・減災対策がダイナミックなものになるのか、また、俯瞰した視点を持ち得たものになるのか。その好事例として、本年一月、豊田市で行われた西三河防災減災連携研究会のワークショップをここで紹介したいと思います。  岡崎、刈谷市など西三河九市一町でつくる西三河防災減災連携研究会が呼びかけ、内閣府及び内閣官房の参事官を初め、愛知県、九市一町の防災担当職員及びトヨタ自動車、中部電力、東邦ガスなどの企業の防災担当者約二百人が参加したこのワークショップは、愛知県全域と三重、静岡県など周辺自治体を掲載した五千八百分の一の大きな地図、これは十八メーター掛ける二十一メーターの大きな地図ですが、これをホールの床に広げて行われておりました。  ここでは南海トラフ地震を想定して、津波や液状化等による被害の範囲を、プロジェクターを使って、その大きな地図の上に投映して、さらに、市役所や物資を集積する防災拠点、また、工場などを色違いのLEDライトで示して、発災直後の産学官のそれぞれの対応を広域連携を含めて考える場となっておりました。  あいち・なごや強靱化共創センターの福和伸夫センター長は、災害時に命を守ることは大切だが、生活を維持するために産業を早く復旧させることが求められている。西三河地域の課題を共有するよい機会になったと、産学官の連携の必要性を強調しておられました。  私は、平成二十九月二月議会の議案質疑では、設立予定だったこのあいち・なごや強靱化共創センターの組織や役割などについて質問しました。  そこで、今回は、まず平成二十九年六月に設立されたあいち・なごや強靱化共創センターが本年度どのような取り組みを行ったかについて伺います。  こうした取り組みは、すぐに結果が出るのではありません。大事なことは継続的に行うことで、さらに、実施した場合には点検や改善がなされるようPDCAサイクルを回してよりよいものにしていくことが重要だと考えます。  そこで、もう一点伺います。  今年度事業を踏まえて、来年度どのように取り組んでいくのか、また、その方向性について伺います。 28: ◯防災局長(相津晴洋君) あいち・なごや強靱化共創センターの今年度の取り組みについてであります。  同センターは、産学官が連携、協力し、この地域の強靱化に向けた調査研究や人材育成等の取り組みを行っております。  このうち調査研究の取り組みにつきましては、産業活動を行う上で不可欠な道路、港湾などのインフラや、電気、ガス、水道などのライフラインが被災した際、企業が業務を継続する上で何が解決すべき課題であるかなど、この地域を強靱化するための研究を進めております。  また、内閣府が行う南海トラフ沿いの大規模な地震発生の可能性が平常時と比べ相対的に高まった場合の新たな防災対応の具体化に向けた検討に当たり、内閣府と連携し、南海トラフの地震観測に基づく新たな防災対応中部検討会という名称の検討会を設置いたしまして、中部経済界をモデル地区として検討を行うなど、地域の強靱化のためのコーディネートも行っております。  一方、人材育成につきましては、産業、県民、行政の各分野を支援すべく、各種の事業に取り組んでおります。  まず、産業支援としましては、中小企業のBCP策定や改定を促進するための講習会の開催や、BCP策定の必要性を周知するためのパンフレットを作成し、啓発に努めております。  県民支援では、要配慮者施設の責任者を対象とした講習会の実施や、地域や組織を超えて防災・減災活動を実践している人々のつながりを強化するための交流イベントを開催いたしました。  行政支援では、自治体職員が災害対応業務に係る専門的な知識を身につけられるよう、住家の被害認定研修などを行いました。  そのほか、防災ワンストップ相談窓口を開設し、企業や市町村、学校等からの防災、減災に係る各種の相談に対応いたしました。  次に、来年度の取り組みの方向性についてであります。  調査研究につきましては、インフラ、ライフライン機関等の施設の脆弱性に係る基礎的なデータの収集、整理など、今年度に引き続き、産業界とも連携しながら進めてまいります。  産業、県民、行政の各分野における人材育成に関しましては、今年度の取り組み状況や要望を踏まえまして、産業支援については、中小企業のBCP策定等に係る講習会の開催に加えまして、新たに、経営者が集まる会合等に講師を派遣する事業の実施、県民支援では要配慮者利用施設のBCP策定講習会を新たに実施、行政支援においても新たに災害救助法に関する研修メニューを設けるなど、それぞれの内容の充実を図ってまいります。  さらに、あいち防災協働社会推進協議会が行っております防災人材育成のためのあいち防災・減災カレッジを当センターと共同で開催することとし、より効果的な人材育成を目指してまいります。 29: ◯十三番(岡明彦君) 答弁ありがとうございました。  要望を申し上げたいと思います。  この強靱化共創センターの活動が始まったことで、その中核にある中経連が、内閣官房の民間レジリエンス向上中部研究会や、内閣府の南海トラフの地震観測に基づく新たな防災対応中部検討会に名を連ねたと伺っております。中経連が国の防災対策最前線で新たな役割を担い始めているわけでありまして、この活動が同センターの活動そのものではないと思いますけれども、先ほど紹介をしました西三河防災減災連携研究会のワークショップとともに、このセンターの活動の伸びしろの大きさを示す事例だと思います。  このように、強靱化共創センターによる産学官の連携活動が強化されれば、愛知県の防災・減災対策は国を巻き込みながら加速すると思いますので、同センターの活動に資するカネ、ヒトの拡大こそ本県産業の強靱化の肝になると考えます。  また、愛知県民、愛知の企業の防災・減災力の強化には、先ほど答弁もありましたけれども、緒についたばかりとはいえ、同センターの防災ワンストップ相談窓口の果たす役割は大きいと考えます。相談数は、お聞きをしましたところ少ないものの、相談内容はBCP計画の策定支援や、また、食料の備蓄について、また、講習会の講師紹介依頼や、学校現場における防災など多種多様であるというふうにもお聞きをいたしました。県民や企業等の期待を感じるとともに、このワンストップサービスの存在をさらに知らしめれば相談需要が掘り起こされ、その結果、地域の最前線での強靱化が進むと考えます。しかし、これも少ない職員数で丁寧な相談対応をすることは難しいわけであります。  南海トラフ地震の発生まで、残された時間は余りありません。強靱化共創センターの活動が拡充されるよう、今後一層の予算確保とともに、ワンストップサービスのPRや人の派遣、本県の防災担当職員や、また、防災担当教職員等のセンターへの派遣を含めて、人の拡大、強化を要望し、質問を終わります。
    30: ◯議長中野治美君) 進行いたします。  石塚吾歩路議員。 31: ◯四十六番(石塚吾歩路君) 私からも、歳出第四款県民文化費第五項防災費のうち、産官学連携地域強靱化推進事業費についてお伺いいたします。  本県が名古屋大学や名古屋市と共同で昨年六月に設立したあいち・なごや強靱化共創センターで実施されております行政職員の人材育成事業についてお伺いいたします。  先月二十日、我が党が開催した自民党研修会で、熊本県の危機管理防災企画監の有浦様をお招きして、熊本地震、オペレーションからの教訓と題して御講演をいただきました。  その中で、熊本県では風水害の予防対策は先進県として自負するほど進んでいましたが、地震対策のほうは十分でなかったため、熊本地震の際、その対応で御苦労された点や、いかに平時の備えが大切であるかのお話をいただきました。熊本地震の経験から、指揮の混乱を回避するため、災害対策本部における指揮命令系統の確立や、適時適切な状況判断が可能になるよう、情報の共有、集中システムの構築の必要性のことを言われておりました。  また、支援物資については、国のプッシュ型支援で、物資が集積拠点までは届くものの、そこで滞留してしまい、避難所の被災者の手元にまで届かないことへの対応、地域住民などによる自主的な避難所運営、罹災証明書の発行や建物の被害認定調査のノウハウの習得などが今後の改善すべき点であるとのことでした。  こうした災害時に刻々と変化する状況に対応するには行政職員の対応能力がより向上していかなければならないため、平常時からの準備として職員の教育や訓練がとても大切であるとのことでした。私も全く同意見であります。  防災や減災対策も理論上ではかなり成熟してきております。例えば以前ですと、避難所運営では、避難所に避難してきた方が雨露をしのげ、食料や水を確保できればとりあえずよいというものでありましたが、最近では、食べ物も温かいもののほうがよいとか、アレルギーも考慮する必要があるとか、女性や小さなお子様への配慮、ペットの扱いなど多様化する住民ニーズに対応できるよう準備をしておく必要があります。  訓練に関しても、私も町長時代には、当初、展示型、シナリオ型の訓練が中心であったものを災害対策本部長として本部テントから見ているだけのものを、より実際の災害を想定した実践的なシミュレーションを行う訓練内容に変更し、防災担当職員中心ではなく、全庁的な取り組みとして展開した経験があります。  防災・減災対策がうまく機能するかどうかは、人によって大きく左右されます。どんなに立派な組織や体制、防災計画、マニュアルがあっても、それを実行する人が十分理解していないと、その機能を満足に発揮できません。そういった意味においては行政職員の力量が試されるわけでありまして、そのためには職員の教育や訓練がとても重要であります。  本県では、大規模災害が発生した際に県民の生命、財産が守られ、この地域の社会経済活動が維持されるための調査研究や人材育成を行うため、あいち・なごや強靱化共創センターを名古屋市や名古屋大学とともに設立され、運営されてきました。  その中で、行政支援として行政職員の研修を実施していると聞いておりますが、そこでお伺いいたします。  あいち・なごや強靱化共創センターでの行政職員への研修はどのようなものを行っており、今後どのようにしていくのかお伺いいたします。 32: ◯防災局長(相津晴洋君) あいち・なごや強靱化共創センターでは、県や市町村の職員を対象に、災害対応に係る専門的な知識を身につけるための研修を行っております。研修の内容でありますが、大学の教員からは地域の強靱化に資する最新の知見を、ライフライン事業者からは各社の防災対策の現状を、被災自治体の職員からは実際の災害現場では何が起こり、どう対応したのかなどにつきまして、それぞれの講義を行っていただいております。  この中には、議員から御指摘のありました熊本地震の課題にも対応するよう、物資の調達や供給に係る実態と課題について学ぶ物資の確保、提供研修や、避難所運営のあり方を考える避難所運営支援研修なども含まれております。  また、講義形式によるもののほか、ワークショップや実習方式を取り入れ、災害時の対応を具体的にイメージできるような実践的なものにしております。  今後は、自治体の幹部クラスを対象とした研修や、連携強化のため警察、消防、自衛隊などの実動部隊の活動について学ぶ研修など新たな研修メニューの追加を検討しており、南海トラフ地震などの大規模災害に備え、自治体職員の災害対応能力の向上に努めてまいります。 33: ◯議長中野治美君) 進行いたします。  渡辺靖議員。 34: ◯十六番(渡辺靖君) 私からは、歳出第三款振興費第一項の振興総務費のうち、地籍調査費についてお伺いをいたします。  地籍調査は、行政の行う事業の中では大変地味な事業でありますが、その意義自体が余り浸透をしていないことが実感としてあります。  地籍調査は、一筆ごとの土地について、その所有者、地番、地目を調査するとともに、土地所有者の立ち会いにより境界を確認した上、面積の測量を行い、現況に合った正確な地図である地籍図及び台帳である地籍簿を作成し、その成果を登記所に備える事業でございます。  地籍調査が行われていない地域では、登記所に備えつけられている図面が明治時代の地租改正の際に測量されたものであり、不正確な図面となっているところが多いと言われております。  地籍調査が行われた地域では土地の所有者や境界が明確になるため、土地をめぐる紛争を未然に防止できるばかりではなく、土地取引の円滑化や土地資産の保全を図ることができます。また、地籍調査が行われた地域では、地球上の座標値と結びつけた一筆ごとの正確な測量を行うため、災害が発生し土地の境界を示すくいがなくなったり、移動してしまった場合でも、測量で得られた情報をもとに、土地の境界を現地に復元することが可能になります。  東日本大震災からの復旧・復興においても、地籍調査が行われた地域では登記所に正確な地図が備えられているため、境界調査、測量等の工程が省略されたことから、速やかな事業着手ができ、早期に復旧・復興が可能になったと聞いております。  例えば岩手県宮古市の防災集団移転促進事業では、地籍調査成果の活用により、八カ月以上の短縮効果、そして、また釜石市の市街地開発・施設整備事業では十二カ月以上の短縮効果があったとされております。  しかしながら、地籍調査の進捗率は全国で五二%であり、調査はなかなか進んでいない状況下でもございます。  地籍調査が進まない要因といたしましては、一般的には、都市部において地価が高いため、土地所有者の権利意識が強く、権利関係も複雑であるため、土地所有者等による境界確認が難しいことなどが挙げられております。  また、地籍調査の実施主体であります市町村等で調査実施に必要な職員が確保できないことや、市町村の財政事情が厳しく、地籍調査の実施に必要な予算が確保できないことが課題となっていると言われておりますが、地籍調査自体は自治事務とされ、主に市町村が実施主体となっておりまして、必要な経費は国が二分の一、県が四分の一、残りの四分の一を市町村が負担、さらに県や市町村が負担する経費につきましては、それぞれ八〇%は特別交付税措置の対象となっていることから、実質的には県、市町村は五%の負担で地籍調査事業を実施することができるとされております。  近年では、GPS等の人工衛星を用いた新たな測量技術が普及し、さらに測量機器等が高度化したことにより、より簡便に高精度な測量を実施することが可能となっており、以前より効果的に地籍調査が行えるようになったとも聞いております。  そして、国におきましては、平成二十九年六月に中長期的な地籍整備の推進に関する検討会を設置し、次期国土調査事業十箇年計画を見据え、今後の地籍調査のあり方について検討が行われており、この二月に中間取りまとめが公表されているところでございます。  南海トラフ地震による津波浸水想定地域などに向けては、最低限必要とされる境界情報を対象地域全体で迅速に整備する必要があるとされております。  そこで、四点お聞きをいたします。  本県の地籍調査の進捗状況はどうなっておられますか。  二点目に、本県の予算額で市町村の要望に十分応えておられるか。  三点目といたしまして、測量に使用できる人工衛星の数も格段に増加をしていると聞いておりますが、地籍調査にどのような効果があるのか、お伺いをします。  そして、四点目として、愛知県として今後積極的に進捗率を上げるために、どのような取り組みを進めていかれるか、お伺いをいたします。 35: ◯振興部長野村知宏君) 地籍調査費についての質問のうち、まず、愛知県の地籍調査の進捗状況についてお答えいたします。  本県における地籍調査の現状でございますが、県内五十四市町村のうち、現在地籍調査を実施しておりますのは十市町でございまして、残る四十四市町村の内訳は休止中が二十三市町村、未着手が二十一市町村となってございます。また、本県の地籍調査の進捗率は平成二十八年度末現在で一三%となっております。  次に、愛知県の平成三十年度の地籍調査の予算でございますが、国との調整や各市町村の要望を踏まえ、必要な額を計上しておるところでございます。  次に、測量に使用できる人工衛星の数が増加したことが地籍調査にどのような効果があるかについてお答えいたします。  地籍調査では一筆ごとの土地の境界の位置を測定するため、測量作業を行っております。従来は地上に測量機を置いて、複数回測量を繰り返す必要がございましたが、近年、測量に使用できる人工衛星の数が増加したことにより、GPS等による衛星測位技術を用いた測量が可能となりました。この人工衛星を活用した測量技術を用いることにより測量作業が効率化され、地籍調査の期間の短縮、経費の削減といった効果が見込まれるところでございます。  最後に、地籍調査の進捗率を上げるための取り組みについてお答えいたします。  進捗率を上げるためには、実際に調査を行う市町村の理解を得ることが最も重要でございます。  このため、毎年、地籍調査の未着手、休止中の市町村を訪問し、地籍調査を実施するよう積極的に働きかけを行うほか、こうした市町村の職員を対象に、地籍調査先進市町村や国土交通省職員などを講師に迎え、地籍調査着手、再開に向けた技術、手法の講習会を開催しているところでございます。  こうした取り組みにより、来年度は稲沢市、新城市及び蟹江町が新たに着手するなど、地籍調査を実施する市町村が着実にふえております。地籍調査を実施する市町村は、平成二十五年度で六市町村でありましたが、来年度は十三市町が実施する予定となっており、地籍調査に対する理解が深まってきているものと考えております。  県といたしましては、地籍調査は土地の権利にかかわるあらゆる行政、そして、関連する社会、経済活動を根幹で支える重要な調査であると認識しております。  今後発生が懸念されております南海トラフ地震の津波浸水想定地域や、高齢化が進行している山間部など、境界情報が失われる危険性が高い地域を中心に、未着手等市町村への働きかけを行い、地籍調査が進むよう努めてまいります。 36: ◯十六番(渡辺靖君) 要望させていただきます。御答弁ありがとうございました。  今年度、大変積極的に取り組んでいただいていることは実感として感じております。  しかしながら、先ほど御回答の中にありましたように、愛知県の場合、一三%という全国的に大変進捗率も低うございますので、これを、積極的に活動を深めていただき、各市町村にPRをしていただきたいと思います。  それと、私自身がこの市町村、私の地域もそうなんですが、平成に入ってからもう三十年近く、少しずつでありますが、推進をいたしております。非常に価値のある事業だと認識をいたしておりますので、ぜひ各市町村の取り組みをこれからもしっかりとPRしていただきたいと思います。  ぜひとも先ほど御回答の中にありましたように、これから地震、津波、そして土砂崩れ等、水害等の災害が危惧される市町村には特に積極的に推進をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 37: ◯議長中野治美君) 進行いたします。  坂田憲治議員。 38: ◯六十九番(坂田憲治君) 私からは、第一号議案平成三十年度愛知県一般会計予算第二款総務費第二項総務管理費及び関連して第二号議案平成三十年度愛知県公債管理特別会計第一款公債費第一項公債費についてお伺いをいたします。  まず、本県の財政状況でありますが、景気が緩やかに回復する中、来年度の法人二税収入は一定の回復が見込まれるとの見通しの一方で、当初予算編成では多額の収支不足に対応しなければならず、依然として厳しい状況が続いております。  県におきましては、第六次行革大綱となるしなやか県庁創造プランに基づき、行財政改革に取り組んでおられますが、今後も、高齢化の一層の進展、大型プロジェクトの実施、県有施設の長寿命化対策、大規模地震などへの備えなど、幾つもの歳出増加要因が考えられます。  このため、事務事業の不断の見直しなどによる歳出の合理化、効率化の努力はもちろんでありますが、安定的な歳入確保がやはり必要であります。  そのためには、本県産業の活性化や雇用の確保を図ることで税収増加につなげていく取り組みが何といっても肝心でありますが、自主財源確保に向けたさまざまな努力もまた重要であると考えます。  しなやか県庁創造プランには、財源確保の取り組みとして県税の適切な徴収、県有財産の有効活用の推進、地方法人特別税の廃止と、地方税への復元に向けた要請など、各種の事項が掲げられておりますが、基金の効率的な運用もその一つであります。  本県には、現在三十の基金があります。資金を積み立てて必要なときに取り崩して事業に充当する取り崩し型基金や、資金の運用により得た果実を事業に充当する果実運用型基金などがあり、国からの原資となる交付金を受けて、基金を設置して事業の財源とするといったような、いわば制度としての基金もありますが、いずれにしても、それぞれの設置目的に沿って活用されるものであります。そして、現在高は平成二十九年九月末現在で合計八千六百五十五億余円であります。  ただし、そのほとんどが減債基金の満期一括償還分であり、これは、いわば将来の公債費負担の引当金でありますので、自由に使うことができる貯金というわけにはなりませんが、残高がある以上、それぞれの基金を運用することは可能であります。そして、低金利下にあるものの、一定の収入を生み出すことはできるものであります。  そこでお尋ねをいたします。  しなやか県庁創造プランでは、満期一括償還分の減債基金を除く他の基金について、より効率的な運用のため、基金ごとの個別運用から一元的な運用への移行に向けて検討するとしておりますが、その取り組み状況についてお伺いをいたします。  また、満期一括償還分の減債基金については、長期債券の運用の拡大として、債券運用益を拡大させるとのことでありますが、どのような状況であるか、お示しください。  そして、これらの効果額は幾らになるか、お聞かせをください。  以上、お伺いをいたします。 39: ◯総務部長(加藤慎也君) 基金の効率的な運用についてのお尋ねのうち、初めに基金ごとの個別運用から一元的な運用への移行についてお答えをいたします。  しなやか県庁創造プランに基づいて、基金の効率的な運用の検討を行い、平成二十八年度から満期一括償還分の減債基金以外の基金を一元的に運用いたしております。これにより、個別運用よりもまとまった額を運用することが可能となり、その都度、定期預金先を複数の金融機関から入札により選定をいたしまして、より有利な運用利率を得られるよう努めているところであります。  次に、満期一括償還分の減債基金の運用についてであります。  満期一括償還分の減債基金につきましては、平成二十年度からより有利な利率が得られる長期債券運用を開始し、しなやか県庁創造プランでは、基金残高の増加にあわせて、平成三十年度までに長期債券運用額を五千億円にまで拡大することを目標に掲げ、平成二十九年度末に達成できる見込みであります。  満期一括償還分の減債基金残高は年々増加しており、平成二十九年度末で六千五百八十九億円と見込んでおりますが、リーマンショック以降、臨時財政対策債などの特例的な県債発行が多額であったため、引き続き、その償還財源として計画的に基金への積み立てを行う必要があります。このため、満期一括償還分の減債基金残高は今後もしばらく増加するものと見込まれることから、来年度以降も長期債券運用額のさらなる拡大に取り組み、運用益の増加に努めてまいります。  続いて、これらの基金の効率的な運用による効果額についてお答えをいたします。  満期一括償還分の減債基金以外の基金につきましては、基金ごとの個別運用から一元的な運用への移行により、歴史的な低金利が続く中にあっても、平成二十八年度の運用利率は〇・〇三四%、運用益は約一億一千万円、また、平成二十九年度の運用利率は〇・〇二三%、運用益は約八千万円となる見込みであります。  一方、満期一括償還分の減債基金の運用につきましては、しなやか県庁創造プランの開始前年度の平成二十六年度末に三千百十八億円であった長期債券運用額を平成二十九年度末までに五千億円に拡大し、運用益は平成二十六年度の約十五億七千万円から平成二十九年度で約二十二億三千万円と、約六億六千万円増加する見込みであります。  本県財政は依然として厳しい状況に置かれておりますので、健全で持続可能な財政基盤の確立に向け、さまざまな財源確保の取り組みに努めることが必要であります。基金につきましても、引き続き効率的な運用に取り組み、運用益の確保に努めてまいります。 40: ◯六十九番(坂田憲治君) 今後とも健全で持続可能な財政基盤の確立を目指して、財源の確保に努めていくということでありました。厳しい財政状況が続く中、知恵を絞り、できる限りの歳入確保に取り組んでいただきたいと思います。  そこで、この三月に勇退される中西副知事に再質問をさせていただきます。  中西副知事は昭和五十三年に入庁され、四十年に及ぶ県庁人生のほとんどを総務部部門で過ごし、中でも財政課に大変長く在籍をされました。まさに財政のプロとしての道を歩んでこられたわけでありますが、その在籍期間は、いわゆるバブル崩壊に始まる平成不況に重なり、税収が低迷し、大変厳しい状況が続く時代でありました。歳出削減のため、事業部門を相手に説明や説得の努力を重ね、あるいは歳入面ではできる限り財源確保に努め、さらには、本県に影響を及す財政制度改正への対応に尽力をされたこともあり、大変な苦労を経験されたことも多かったと思います。  思い出されるのは、私が一期目のとき、当時財政課長でありました中西副知事から県財政に関するレクチャーをお受けしました。専門用語の多い分野ではありますが、財政の仕組みに関する詳しい説明をいただき、感謝をしております。その際、財政課は多忙であるため、つい食が進んで太りますというふうに話されていたのが印象的でありました。  その後も、地方分権推進監、総務部次長、そして、知事政策局長、総務部長と、県行政のかなめにあって、本県の行政運営に多大な尽力をされてきました。中西副知事の誠実な人柄と、仕事に対する真面目でひたむきな姿勢や強い使命感は、職員の模範となるものであります。  最後に、中西副知事に、このたび御勇退をされるに当たって、本県税財政の歩みについての思いや、後輩職員に対する助言などをお伺いして、私の質問とさせていただきます。 41: ◯副知事(中西肇君) ただいま坂田議員から身に余るお言葉をいただきました。大変恐縮をしてございます。議員の皆様方には、長い間御指導、御鞭撻をいただきまして、まことにありがとうございました。  私は、県職員としての勤務四十年間のうち、通算いたしましてちょうど二十年間、財政課で予算や財政の関係につきまして、仕事に従事をさせていただいたところでございます。  この間、さまざまな出来事がございました。県税収入が順調に推移している時代の後のバブル崩壊、そして、平成十年には戦後初めての赤字団体への転落を経験させていただきました。  その後、行革大綱に基づきまして、財政の健全化に向けての道のりを歩ませていただきましたが、また、そうした中、国から三位一体の改革と、こうしたこともございまして、さまざまな思い出がございますが、そうした中で一番強く記憶に残ります一つが法人事業税の一部国税化でございます。  平成十九年、ちょうど私が財政課長のときに、国、地方を通じまして、地方税の偏在性と、こういったことが大きな議論となりました。結果といたしましては、法人事業税の一部が国税化されまして、それを、相当分を地方譲与税で再配分すると、こうした制度となりましたが、その過程におきまして、本県といたしましては、そうした法人事業税の国税化と、こういったことは地方分権改革にまさに逆行するものであること、また、地方の税源涵養に向けたさまざまな取り組み、努力、こういったものが無になること、こうしたことを主張させていただきまして、議員の皆様方と一緒に、国に対してこうした主張を申し述べさせていただいたところでございます。  法人事業税を初めといたします地方税財源の充実は、地方分権に向けての大きな柱でありますとともに、この地域にとりましても大変重要なものでございます。  今後も、議員の皆様方には引き続き地方税財源の充実に向けまして、お力添えをどうぞよろしくお願い申し上げます。  また、後輩への助言をというお言葉もいただきました。  私は、四十年間の公務員としての勤務のうち、振り出しは地方事務所でございまして、ここを皮切りにいたしまして、総務部や、また、今の政策企画局、また、今合併しました西枇杷島町への出向などさまざまな仕事、また、事務をさせていただきました。そして、平成二十六年の四月からは副知事という立場で東三河県庁初め県行政に携わらせていただいたところでございます。  振り返ってみますと、やはり県民の皆様方の目線で、県民福祉の向上のために、前向きにしっかりと取り組みを進めていくと、我々はこうしたことに向かうということが一番大事なんだろうと改めて思うところでございます。  愛知県は日本一の物づくりの県でございますとともに、日本でも有数の農業県でありますなど、大変高いポテンシャルを持った地域でございます。職員の皆様方におかれましては、ますます複雑、多様化する時代ではございますが、県民の皆様方の目線に立ちまして、この地域のさらなる発展に向けて御尽力をいただきたいと思います。  最後になりますが、私がこうして任期を全うできますのも、大村知事さんのリーダーシップ、そして、職員の皆さんの御協力、何よりも県議会の議員の皆様方の御指導、御助言のおかげでございます。改めて感謝を申し上げまして、答弁とさせていただきます。まことにありがとうございました。(拍手)      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 42: ◯四十番(中根義高君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 43: ◯議長中野治美君) 中根義高議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。
        〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 44: ◯議長中野治美君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時三十八分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時開議 45: ◯副議長(峰野修君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  福田喜夫議員。 46: ◯十七番(福田喜夫君) 私からは、歳出第二款総務費第二項総務管理費中法務文書事業費についてお尋ねします。  私たち新政あいち県議団は毎年九月議会中に、翌年度の予算編成に向けて、知事に要望活動を行っています。  今回も、平成三十年度施策及び当初予算に対する提言を取りまとめ、行財政改革の推進を最重点課題に、業務のペーパーレス化や職員のID化など、県庁業務の見直しを細部まで徹底することと掲げました。  従来より、役所の仕事は文書に始まり文書で終わるというほど文書作成に多大な労力とペーパー、紙を使います。この法務文書事業費には、条例、規則、訓令などの制定や改廃を行う法制執務の事務に関する予算や、それを編さんしている愛知県例規集の加除や追録費などが計上されています。  従来は、日本国憲法の原文が縦書きのため、国などの法律は縦書きで策定されており、愛知県もそれに準じて縦書きになっていると思いますが、都道府県、市町村とも、昭和三十五年以降、一般の公文書は横書きが主流となり、それに合わせるように、条例、規則、訓令なども横書きに変更されてきました。現在、四十七都道府県のうち、二十四道府県が横書きの例規集に変更しており、例規のデータベース化と同時に実施している状況となっています。  また、近年では、ICTやウエブの進展、また、環境面からペーパーレスへの取り組みが積極的に進んでおり、市町村などではパソコンが個人貸与され、サーバーに接続され、庁内LANや光回線で出先とも接続され、行政文書の作成、決裁はもとより通知、照会などメールで送信するとともに、起案した文書や回答文書などは、文書保存と保存年限も考慮した文書管理システムを運用して、膨大な行政文書を整理して、情報公開に対応している自治体もあります。  愛知県においては、県法務文書課作成のマニュアル、文書事務の手引により、どの職員でも行政文書や条例や規則など、例規の制定、改廃の統一を図られるとともに、愛知県行政文書管理規程に基づき、一、収受に関する事務、二、起案及び決裁に関する事務、三、浄書に関する事務、四、施行に関する事務、五、整理及び保存に関する事務を行われ、県内市町村職員も文書事務の手引を参考に行政文書や法制執務に取り組まれ、文書管理も県の取り扱いを参考に行っているとお聞きしています。  また、県も文書管理システムを導入しているとお聞きしていますが、さらなる文書事務の高度化を期待しています。  そこでお尋ねします。  条例、規則などの例規の横書き化に対する現在までの取り組み状況及び今後の見通しと、県の文書管理システムにおける行政文書のペーパーレス化の取り組み状況についてお伺いします。  次に、歳出第四款県民文化費第五項防災費中被災者生活再建支援事業費補助金についてお尋ねします。  被災者生活再建支援法は、平成七年一月十七日に発生した阪神・淡路大震災を契機に、平成十年に制定され、各都道府県はこの法律に基づき基金を積み立て運用する制度で、その後、支援限度額が百万円から三百万円に引き上げられるとともに、住宅の再建または新築、解体、補修、大規模半壊、敷地被害などに対応できるように制度の充実が図られたと承知しています。  しかし、自然災害で十世帯未満の住宅が全壊する被害が発生した場合は国の支援制度から外れるために、市町村が独自の見舞金制度で対応するなど、各市町村ごとに異なっている状況にあります。  また、今回、県の創設する被災者生活再建支援事業費補助金は、被害の発生した市町村への補助であり、支援の内容は県二分の一、市町村二分の一で、最高三百万円の国と同等の支援金が支給できるものとなっています。  私の調べたところでは、被災者生活再建支援法では支援されない自然災害により、十世帯未満の被害があった場合の新制度について、県内市町村の防災部局に対して説明を行ったと伺っていますが、県内各市町村では、県の補助制度に対応する制度制定と予算確保が必要であります。  市町村の立場からすると、今回県が創設する制度が適用されるケースは少ないと想定されることから、新年度早々に制度化して、実際に事案が発生した場合に、予備費や補正予算で対応される市町村がほとんどとのことです。予算措置の方法にかかわらず、対象となる被害が発生した際には、確実に支援金が支給されることが重要と考えます。  そこでお尋ねします。  県が制度を創設しても、市町村が制度を創設しない場合には被災者に支援金が支給されず、救済されないこととなります。県では平成三十年四月一日から制度を創設するとのことですが、市町村の意向についてお伺いします。  また、一部の市町村では、平成三十年度当初から制度を創設しないと、住んでいる市町村によって支援金の支給に不均衡が生ずることとなりますが、この解消に向けて、県はどのようなことを行うのか、お伺いします。 47: ◯総務部長(加藤慎也君) 法務文書事業費に関するお尋ねのうち、まず、条例、規則などの例規の横書き化について、お答えをいたします。  本県の条例、規則などの例規につきましては、国の法令に準じて縦書きとしておりますが、横書き化を実施するためには、各条例等を横書きに改正することが必要となります。  具体的には、各種行政委員会の規則なども合わせると、現在約八百ある条例、規則等を改正することとなります。  また、紙ベースの県法規集やインターネット用の法規集データベースを横書きに改める経費も必要となってまいります。  過去の検討におきましては、これらの作業が膨大なものとなり、経費もかかることから、条例、規則などの例規の横書き化は実施いたしておりません。今後、国や他の地方公共団体の実施状況等も見つつ、費用対効果も踏まえながら研究してまいりたいと考えております。  次に、県の文書管理システムによる公文書のペーパーレス化の取り組み状況について、お答えをいたします。  本県では、あいちITアクションプランに基づく電子地方政府の構築に向けた行政運営の簡素、効率化と、業務改革のための取り組みの一つとして、平成十六年四月一日から総合文書管理システムを稼働いたしております。このシステムは、収受、起案、決裁、施行、保存及び廃棄までの文書のライフサイクルをペーパーレス化し、行政文書を管理するもので、現在、知事部局と各種行政委員会等の約一万五千人の職員が利用いたしております。  このシステムの導入による文書事務の電子化で、文書番号の自動取得、文書の題名が一覧となった保存文書目録や、情報公開の検索資料である行政文書ファイル管理簿等の自動作成、文書の電子的蓄積による検索時間の短縮など、文書事務の効率化を図っております。  また、決裁の進捗状況をパソコン上で随時確認でき、合議や供覧の際に紙を回覧しなくても複数の職員が同時に確認できるなど、決裁処理の迅速化を図ることもできており、決裁文書のおおむね半数が電子決裁となっております。  総合文書管理システムによる公文書のペーパーレス化につきましては、業務の効率化を進める上で重要な取り組みと認識しておりますので、引き続き、職員研修等を通じて総合文書管理システムの適切な運営に取り組んでまいります。 48: ◯防災局長(相津晴洋君) まず、被災者生活再建支援事業費補助金の創設に係る市町村の意向についてであります。  今回の補助制度の創設に当たりましては、あらかじめ市町村に新制度のモデル案を示した上で意見を照会し、多くの市町村から賛同が得られたことから、制度の詳細について尾張、西三河、東三河の三地域で説明会を開催し、さらに市町村防災担当課長会議での意見も聞きながら制度設計を進めてきたところであります。  こうした経緯もありますことから、多くの市町村では、支援制度の必要性について御理解をいただいておりますので、早期の制度創設に向けて御努力をいただけるものと認識をいたしております。  次に、支援金の支給に不均衡が生じないための対応についてであります。  今回創設する制度では、被災者生活再建支援法の適用とならない災害により被災された方々が、県内のどこに居住していても同じ支援を受けられることが重要であると考えております。市町村での対応が異なる場合、居住する地域によって被災された方々への支援に格差が生じることから、できる限り早い時期に、全ての市町村で制度を創設していただくことが必要であります。  このため、早期の制度の創設に何らかの課題を抱えた市町村に対しましては、相談に応じるため個別に訪問するなど丁寧に説明を行うことにより、県内での不均衡が生じないよう制度の早期の普及にしっかりと取り組んでまいります。 49: ◯十七番(福田喜夫君) 御答弁、それぞれありがとうございました。  それでは、要望させていただきます。  まず、法務文書事業費についてですが、文書管理システムは年々進化しているとお聞きしています。今後もICTやウエブを活用して行政文書の管理運営に当たっていただき、全庁挙げてペーパーレス化を推進していただきますようお願いします。  また、愛知県のホームページで県民が見ることができる条例や規則は、システム上、本来縦書きの例規が横書きに変換されており、やはり例規自体を横書きに改めないと大変読みにくい状況となっています。また、早い時期に例規の横書き化に着手されるよう要望します。  次に、被災者生活再建支援事業費補助金についてであります。  今回、県において国の制度の対象とならない自然災害について、被災者の生活再建を支援し、地域の復興を後押しする制度を創設されることは高く評価しております。  今後、市町村において、制度の創設に向けて検討を深めていく中で、例えば避難先が当該市町村以外となる場合の対応など、さまざまなケースが想定されると考えます。こうしたことについてもあらかじめ想定して制度設計をされるよう、しっかりと市町村を支援していただくことを要望して、質問を終わります。 50: ◯副議長(峰野修君) 進行いたします。  塚本久議員。 51: ◯九十三番(塚本久君) 私からは、歳出第五款環境費第一項環境対策費PCB廃棄物適正処理推進事業費について、お伺いをいたします。  PCB(ポリ塩化ビフェニル)は水に溶けにくく、沸点が高い、熱で分解しにくい、不燃性、電気絶縁性などが高いなど、化学的にも安定な性質を有することから、電気機器の絶縁油、熱交換器の熱媒体、ノンカーボン紙など、さまざまな用途で利用されてきました。  しかし、昭和四十三年に食用油の製造過程において熱媒体として使用されたPCBが混入し、健康被害を発生させたカネミ油症事件が発生し、昭和四十七年に、当時の通商産業省が行政指導により製造中止、回収等を指示しました。それから約三十年間にわたり、民間主導で処理施設の立地が試みられましたが、地元住民の理解が得られず、立地には至らず、各事業者はPCB廃棄物を長期間にわたり保管することとなりました。  一方、世界的に見てもPCBを全く使用していない北極圏などでも汚染が確認されたことなどから、平成十三年にストックホルム条約が締結され、PCBの平成三十七年までの使用禁止、平成四十年までの適正処分が規定されています。  この条約を受け、我が国では平成十三年にポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正処理の推進に関する特別措置法、いわゆるPCB特別措置法が公布され、PCB廃棄物の処理の期限、PCB廃棄物の適正な処理を確保するための体制の整備、保管事業者による保管状況等の届け出、国または都道府県による報告の徴収及び立入検査といった規定が定められました。  その後、PCB廃棄物の処理の期限は、PCB特別措置法の施行時には平成二十八年七月までと規定されていましたが、低濃度のPCB汚染された電気機器が大量に存在することが判明したことや、PCB廃棄物の処理が想定よりもおくれていることなどを踏まえ、国は平成二十八年にPCB特別措置法を改正及びPCB廃棄物処理基本計画を変更して、処理の期限を見直しました。  それにより、本県内の高濃度PCBの廃棄物及び高濃度PCB使用製品のうち、安定器及び汚染物等は平成三十三年三月末まで、変圧器、コンデンサー等は平成三十四年の三月末まで、低濃度PCB廃棄物は平成三十九年三月までが処理を委託しなければならない処分期間とされました。  本県は産業県であり、多くの事業場でPCBを使用した変圧器等の機器が存在すると思われます。特に高濃度PCB廃棄物等は、処分期間の終了まで数年しかありません。中小企業の中には、自社にPCBを使用した機器を所有していることや、処分期間が迫っていること認識していないことも考えられます。  そこでお伺いをいたします。  県内の高濃度PCB廃棄物の処理状況はどのようになっているのでしょうか、お伺いをいたします。  さらに、県みずから保管するPCB廃棄物については、率先して処理すべきと考えますが、県有高濃度PCB廃棄物の処理状況はどうなっているのでしょうか、お伺いをいたします。  また、事業者がPCB廃棄物の処理を委託することを失念したり、資金不足で処理費用を捻出することができないなどにより、処分期間を過ぎても処理の委託がされていないPCB廃棄物が残るという事態は避けなければなりません。高濃度PCB廃棄物の処分期間内の処理の委託を確実にするため、今後、事業者にどのような働きかけをお考えでしょうか、お伺いをいたします。  また、一方、低濃度PCB廃棄物については、処分期間に余裕があるとはいえ、処分期間内に確実に処理が委託されるよう計画的な処理を推進することが重要と考えますが、今後、事業者にどのような働きかけをするお考えでしょうか、お伺いをいたします。  以上です。 52: ◯環境部長菅沼綾子君) PCB廃棄物適正処理推進事業費についてのお尋ねのうち、最初に、県内の高濃度PCB廃棄物の処理状況についてお答えいたします。  平成二十九年三月末時点で把握している県内の高濃度PCB廃棄物ですが、安定器及び汚染物等につきましては、三十一万八千四百二十キログラムが既に処理され、四十万一千三百三十四キログラムが保管中であります。また、変圧器、コンデンサー等は二万七千七百八十六台が処理され、二千三百八十台が保管中であります。  このうち、病院や学校を含む県有施設における高濃度PCB廃棄物は、安定器及び汚染物等が二千九百四十三キログラム処理され、十四万六千百三十七キログラムが保管中であります。また、変圧器、コンデンサー等は五百五十三台が処理され、三十四台が保管中であります。  なお、県有施設に保管中のPCB廃棄物につきましては、処分期間内に計画的に処理してまいります。  次に、高濃度PCB廃棄物の処分期間内の処理を確実にするための取り組みについて、お答えいたします。  本県では、高濃度PCB廃棄物等の保管状況について今までも調査を実施してまいりましたが、さらに漏れのないようきちんと把握するため、来年度、PCB含有安定器を使用している可能性がある事業用建物の所有者を対象とした調査を行うこととしております。  これらの調査により把握した所有者等には、高濃度PCB廃棄物の処分先である中間貯蔵・環境安全事業株式会社、通称JESCOでございますが、ここと協力いたしまして、処分期間内の処理の委託について指導してまいります。  また、中小企業者の処理費用につきましては、国及び都道府県の出資によるPCB廃棄物処理基金からの助成金及び国からの補助金により、法人においては処理費用の七〇%が、個人事業主においては処理費用の九五%が軽減される仕組みとなっておりますので、この負担軽減制度についてもあわせて周知してまいります。  最後に、低濃度PCB廃棄物の処分期間内の処理を確実にするための取り組みについて、お答えいたします。  低濃度PCB廃棄物につきましても、処分期間内の処理について、これまで事業者を対象とした研修会等で啓発や指導を行っているところであります。  しかしながら、高濃度PCB使用製品がメーカー名、製造年、型式等から判断できるのに対して、低濃度PCB使用製品は製造過程でPCBが混入した電気機器などであり、実際に分析しないとPCB混入の有無が把握できません。そのため、現在、国において、低濃度PCB使用製品の効率的な把握方法を検討しているところです。  今後、国の検討結果を踏まえ、県としても対応を検討し、処分期間内に処理するよう指導を進めてまいります。 53: ◯副議長(峰野修君) 進行いたします。  渡会克明議員。 54: ◯八十九番(渡会克明君) 私からは、第四款県民文化費第五項防災費第一目防災総務費のうち、防災ボランティア活動支援事業費について、お尋ねをいたします。  平成七年に発生した阪神・淡路大震災において、全国からボランティアが駆けつけて支援を行ったことがきっかけとなり、ボランティア元年と位置づけられ、また、これを受け、平成十年には特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法がつくられたという経緯があります。  そんな中で、本県では、東海地震の発生が危惧されていると言われた時代から防災ボランティアの活用について着目し、昭和五十七年には防災ボランティアグループの登録制度を設けるなど、災害対策を進めてきた点については、評価をしたいと思います。  その後、防災ボランティアの活動も多岐にわたるということで、災害の事前予防や発災後の応急対応にリーダーシップをとれる防災リーダー、あるいは、この地域が被災した場合に駆けつけてくれるボランティアの活動を調整する役割の防災ボランティアコーディネーターの育成に取り組んでいる状況であります。  そこで、まず、愛知県ではこれまで何名の防災リーダー、また、防災ボランティアコーディネーターを養成してきたのか。また、災害時に防災リーダー、防災ボランティアコーディネーターがそれぞれの役割を果たすことができるように、県はどのような取り組みを行ってきたのか、お伺いをいたします。  先日、地元の会合で彼らの話を聞く機会がありました。お互いが熱心に勉強しているがゆえに意見がぶつかっているように感じ取られました。一生懸命防災活動に取り組んでいただけるのは地域にとっても大変よいことであり、彼らの力なしに、行政だけで全ての災害対応を行うことは到底できないことは明らかであります。  近年この地域では幸いにして大きな災害が起きていませんが、防災ボランティアの皆様は、大規模地震の発生に備えて、少しでも被害を抑えたいとの思いで一心に学んできたはずであり、こういった努力がもっと認められ、目を向けられるべきであると思います。  今後も引き続き人材を育成していくことはもちろん必要でありますが、一方で私は、これまで育成してきた人材が積極的に活動していただくことが何より重要であると考えています。彼らのモチベーションが上がり、ますますやる気を起こしていただけるような、県も市町村と協力をし、彼らの活動を後押ししていただきたいと思います。日ごろからのつながりを持っておくと、いざというときに、より連携の強化が期待されるものであります。  こうした方々が力を合わせ、南海トラフ地震のような広域的な大規模災害にも意欲を持って活動していただくために、防災リーダーや防災ボランティアコーディネーターの取り組みが広く知れ渡るような機会や、交流して情報交換する場を設けることで、日ごろの努力が認められ、さらなるやる気や新たな気づきが得られることになると思われますが、県としてはどのように取り組んでいるのか、また、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。  次に、歳出第四款県民文化費第五項防災費第二目消防連絡調整費のうち、救急高度化対策費についてお伺いをいたします。  自動体外式除細動器、いわゆるAEDについては、平成十六年七月から、救急の現場に居合わせた一般市民が使用することが認められるようになりました。以来、AEDの設置が進み、日本救急医療財団の全国AEDマップでは、三月一日時点で愛知県内に一万七千九百五十八台が登録されております。  また、総務省消防庁が昨年十二月に公表した統計では、愛知県内で救急搬送された心肺停止傷病者のうち、その場に居合わせた方が、救急隊が到着する前にAEDを使用した件数は、平成二十八年では百十件に上っております。平成十七年の八件から約十三・八倍と大きく増加したことになり、多くのAEDが設置されるにつれて、県民の心肺蘇生法への関心も大きく高まっており、AEDが使用されることによる愛知県内の救命にも大きな効果があったのではないかと考えております。  しかし、AEDの使用や胸骨圧迫といった心肺蘇生法は、訓練を受けていないと、いざ救命の現場に居合わせたときになかなかできるものではありません。救える命をより多く救うため、消防本部が開催している救命講習、日本赤十字社の赤十字救急法基礎講習、さらには民間機関が実施する講習など、AEDの使用も含めた心肺蘇生法の講習をより多くの方々に受講していただきたいと思います。  また、これらの講習を既に受講した方にあっても、実際の救命の現場で実施するためには、繰り返しAEDの使用を含めた心肺蘇生法を経験したり見たりする必要があると考えております。  そこでお尋ねをいたします。  一般市民によりAEDが使用されたことで、愛知県内の救命にどのような効果があったか、お尋ねをいたします。  また、次に、住民に最も身近な実施者である消防本部でのAEDの使用を含めた心肺蘇生法の講習の実施状況と、講習を受講した方が繰り返し心肺蘇生法を体験する機会の確保について、県はどのような取り組みを行うのか、伺います。  以上です。 55: ◯防災局長(相津晴洋君) 防災ボランティアに関するお尋ねのうち、まず、防災リーダーの養成についてでありますが、本県が平成十四年度から平成十八年度まで実施したあいち防災カレッジや、平成二十四年度から現在まで行っております防災・減災カレッジなどによりまして、これまでに千五百六十名を養成しているところでございます。  市町村においても同様な取り組みを行っていただいておりまして、平成二十八年度末時点で七万二千名を超える防災リーダーが養成されております。
     一方、防災ボランティアコーディネーターにつきましては、阪神・淡路大震災を契機として、一市町村でおおむね十名を養成することを目標に、平成八年度から平成十六年度まで実施した入門講座と、現在行っております防災・減災カレッジによりまして、これまでに千四百八十九名を養成しているところでございます。  さらに、市町村や日本赤十字社、愛知県社会福祉協議会等においても、平成二十八年度末時点で一万名を超えるボランティアコーディネーターが養成されております。  これらの防災リーダーや防災ボランティアコーディネーターがそれぞれの知識、能力を十分に発揮していただくことは大変重要であり、地域における啓発事業や防災訓練等において、市町村と連携していただくため、防災・減災カレッジで養成した防災リーダー、防災ボランティアコーディネーターの方々の名簿を、御本人の了解の上で市町村へ提供しております。  さらに、防災ボランティアコーディネーターにつきましては、毎年スキルアップをしていただくための講座を開催しております。  次に、防災リーダーなどに対するやりがい、やる気や新たな気づきの場の提供についてであります。  あいち防災カレッジなどで養成した防災リーダーを中心に組織された五百二十五名の会員を要するあいち防災リーダー会は、地域の自主防災組織の活動を支援していただいており、平成二十四年六月には、本県と防災啓発活動に関する覚書を締結し、講演活動や県の防災訓練、防災イベントへの出展など、県民の防災意識と地域防災力の向上に貢献をしていただいております。  こうした活動が評価され、平成二十四年度には防災功労者防災担当大臣表彰、平成二十五年度にはボランティア活動功労者として愛知県知事表彰、平成二十七年度には防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞されております。  また、防災・減災カレッジの開講に加え、昨年十月に本県で開催いたしました地域防災力の充実強化のための全国大会におきましても先進的な取り組み事例を発表していただくとともに、出席者間で交流するなどお互いの意識を高める機会を設けております。  また、十一月にはつなぎ舎と称する防災人材交流のためのシンポジウムを開催し、過去の地震災害に遭われた方の体験談をお聞きするなど、広く県民の皆様と交流する場も設けているところでございます。  表彰受賞者や発表者の方からは、活動の励みになりありがたいという言葉をいただいており、今後もこうした取り組みをいろいろ工夫した上で継続してまいりたいと考えております。  次に、AEDを使用した心肺蘇生法の普及啓発に関するお尋ねのうち、一般市民によりAEDが使用されたことで、愛知県内の救命にどのような効果があったかについてでございます。  県の平成二十八年の調査によれば、本県内で救急搬送された心肺停止傷病者の社会復帰率は、その場に居合わせた方により救急隊の到着前にAEDを使用されていない場合の三四・三%に対して、使用された場合は五七・一%と二二・八ポイント上回っておりまして、早期にAEDを使用することにより効果が確認されております。  次に、県内の消防本部での心肺蘇生法の講習の実施状況と、受講者が繰り返し心肺蘇生法を体験する機会の確保についてであります。  まず、平成二十八年中に県内の消防本部が実施したAEDを使った心肺蘇生法の講習は、消防本部が直接実施したものと、消防本部が認定した応急手当普及員が事業所や防災組織に出向いて行ったものを合わせまして九万九千人を超える方々が受講しておりまして、平成二十四年に短時間で受講しやすい救命入門コースが新たに設けられたことから、平成二十五年以降年々増加しております。  また、講習の受講者が繰り返し心肺蘇生法を体験する機会の確保についてでありますが、繰り返し体験することにより、いざというときに心肺蘇生法をより確実に実施できることが期待できます。そのためには、消防のイベントなどでAEDの体験や短時間の講習を行うことが効果的であります。  したがいまして、こういった取り組みを率先して実施している消防本部の事例について、消防本部と医療機関が構成する各地区の協議会等で県から紹介し、より多くの消防本部で推進されるよう周知をしてまいります。 56: ◯副議長(峰野修君) 進行いたします。  筒井タカヤ議員。 57: ◯百三番(筒井タカヤ君) 第三款振興費第一項振興総務費から、あいち航空ミュージアムについてお尋ねいたします。  昨年の十一月三十日のオープンから三カ月がたち、入館者数も十万人を超えたということで、盛況であると伺っております。  私も大変楽しみにしていたところであり、足を運びました。その中で気づいたのは、率直な言葉でもって表現するならば、大きな工場のような中に飛行機やヘリコプターが配置されてはいるものの、華がない、味気ない展示のように感じます。特に二階から見る光景です。真正面東側の階下から見ると、展示された飛行機等が見られます。広い東壁面を見ると、左側が北、右側が南です。ここに例えば北斗七星や南十字星が輝くLEDイルミネーションを設置すれば、今の無機質的な感性から少しでもロマンが感じられるのにと思いを抱きました。そうしたロマンを感じさせるような改善が求められるべきだと思います。  また、あいち航空ミュージアムには、MU2、MU300、零式艦上戦闘機など三菱重工の航空機ばかりが展示されており、展示に偏りがあるように感じます。  日本には、三菱重工の航空機の歴史以外にも、着目すべき歴史が多くあります。例えば、江戸時代中期にライト兄弟よりも先に空を飛んだとされる鳥人、浮田幸吉や、明治時代に飛行機の原理を発見し、日本の航空機の父と言われる二宮忠八など、世界と比べても先進的であった日本の航空機産業をぜひとも全面的に打ち出していくべきです。  三月二十四日に岐阜県各務原市のかかみがはら航空宇宙科学博物館が、岐阜県と各務原市により、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館、愛称空宙博としてリニューアルオープンします。  岐阜県は、平成二十八年三月議会で補正予算二十億一千五百万円を計上して、かかみがはら航空宇宙科学博物館を全面改修、リニューアルしてきました。その中で、あいち航空ミュージアムの課題を研究して、絶対に負けないとする態勢でもって臨んでいます。愛知県の展示場とは違うという気合いすら感じます。展示の建屋も従来の一・七倍に増床して、あいち航空ミュージアムよりも大きくしました。  古田岐阜県知事と浅野各務原市長は常に一体連携して、スミソニアン航空宇宙博物館(アメリカスミソニアン協会)やNASA(アメリカ航空宇宙局)とも連携協定を結ぶとともに、日本国内ではJAXA(宇宙航空研究開発機構)とも連携協定を締結し、常に一緒になって出向き行動しています。  あいち航空ミュージアムは、期限つきでゼロ戦を三菱重工に借りていますが、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館では、実物大のゼロ戦の模型を初め、実物の三式戦闘機飛燕または実物大の複葉機、翼が上下にある飛行機の模型を展示して、飛行機の発展の歴史を学ばせています。  さらに、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館の目玉でもある宇宙開発の歩み、歴史を学べる展示を強調しています。岐阜県、各務原市は、私たちの岐阜かかみがはら航空宇宙博物館には、単に航空機だけではなく、宇宙に関する展示、歴史を学ぶという点を強調しています。ロケットエンジン、H2ロケットのメーンエンジンLE7を展示、ロケットが運ぶ衛星を守るフェアリングをシンボルに展示。さらに、今もこの広大な宇宙には、各国が協調して宇宙基地があり、人類共通の願いでもあるきぼうがあります。  日本人の宇宙飛行士がロケットに乗り込んで活躍することが報道され、今や子供や学生にとって宇宙は大きな憧れ、夢であります。その夢の展示がはやぶさ2で、宇宙に浮かぶ宇宙ステーションきぼうの模型の展示です。特に、きぼうの内部をそっくり実現した展示は一体どんなものだろうかと、公開を今か今かと待っています。  この岐阜かかみがはら航空宇宙博物館とあいち航空ミュージアムを比較すると、展示面積でも、展示機体の数でも規模が小さく、また、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館では、航空、宇宙の両分野にまたがった博物館であるのに対し、こちらは航空だけであるなど、施設、展示、学びのスケールなどの面においておくれをとって、多くのお客を奪われてしまうのではないかと危惧しております。  少なくともこの愛知には宇宙関連産業も数多く立地していて、また、若い人たちに宇宙への夢を持たせていくということは、人材育成の点からもとても大事なことだと思います。  あいち航空ミュージアムを拡張し、宇宙分野を取り扱うべきではないでしょうか。答弁を求めます。  年間来場者目標数について、あいち航空ミュージアムは初年度六十五万人、平時は三十五万人としていますが、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館は、オープン以降五十万人を目指しております。岐阜かかみがはら航空宇宙博物館が二年目以降も高い目標を掲げているのに対し、あいち航空ミュージアムは二年目以降が初年度の半分程度であり、及び腰ではないかと考えます。  そうした中で、愛知県と岐阜県、各務原市の予算規模を比較すると、岐阜県、各務原市の合計の予算よりも、当然愛知県の予算規模の方が大きいわけですが、殊、平成三十年度のミュージアムに関連する経費については、予算項目として単独で計上されておらず、予算上はミュージアムの充実に向け、どう取り組んでいくのか、意欲が感じられません。展示実機の数やスケールだけで負けている状況ならば、わくわくする効果的な展示の充実などに知恵を絞っていかなければ、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館にお客をとられる一方で、あいち航空ミュージアムへの来場者がどんどん減っていくのではないでしょうか。  また、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館は、展示の詳細をインターネット動画として配信するなど、全力で広報を行っています。  また、三月二十四日のオープンから七日間、アメリカから月の石、ロシアから月の砂を展示するという見事な企画も相まって、日本中のテレビ、新聞も含めた広報によって華々しくスタートします。  いまだ、我があいち航空ミュージアムは広報の動画の配信も行っていないことを考えると、これでいいのかと思います。岐阜かかみがはら航空宇宙博物館のオープンをただ見詰めているのではなく、インターネット動画の広報も含めて、戦略的にPRを行っていくべきと考えます。  以後、ミュージアムの利用者数を増加させていくためには、何らかの対策が必要と思うが、何を考えておられるのでしょうか、答弁を求めます。  また、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館の入館料は中学生以下無料としています。私はこれまで、あいち航空ミュージアムの入館料は中学生以下無料とすべきだと主張してまいりました。しかしながら、あいち航空ミュージアムの入館料は小中学生は五百円、学校利用でも三百円です。このままでは、小中学生の入館者が岐阜かかみがはら航空宇宙博物館にとられてしまうのではないかと思います。これからの航空宇宙産業を担っていく小中学生に対し、お金を取る必要があるのでしょうか。岐阜かかみがはら航空宇宙博物館とセット料金を設定するのであれば、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館と同じ料金体系にすべきだと思います。  さらに、三菱重工のMRJミュージアムについても学校利用は無料だと聞いています。学校の社会科見学で来てお金を取るのはあいち航空ミュージアムだけです。このままでは、MRJミュージアムと岐阜かかみがはら航空宇宙博物館をセットで見学し、あいち航空ミュージアムには行かないというツアーができてもおかしくはありません。  私は、少なくとも全国からの修学旅行や社会見学などの小中学生の学校利用については無料にすべきだと思います。答弁を求めます。  あいち航空ミュージアムには、高校生の学校利用の料金がありません。私はこのミュージアムが社会科見学や修学旅行の受け入れ先として、物づくりの愛知の魅力を伝えるという大きな役割が期待できると感じておりますが、高校生が有料で団体料金しか適用されない状況では、高校の修学旅行では使われなくなるのでしょう。修学旅行生は、MRJ量産工場の見学コースのみ訪れ、あいち航空ミュージアムを横目に帰っていくことになるかと思います。  また、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館の休館は月一回、第一火曜日です。あいち航空ミュージアムは月四回、毎週火曜日です。駐車料金は、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館は無料、あいち航空ミュージアムは初めの一時間こそ無料でありますが、それ以降は一時間ごとに二百円の駐車料金が発生すると伺っております。これでは、修学旅行などの学校利用で来たときには、来場者を早く帰らせるよう急がしているように見えます。落ちついて見学してもらえなければ、足早に館内を一周しただけで、細かい展示内容を見てもらうことができません。  私はこのミュージアムのコンセプトである人材育成の中心となる小中学生はもとより、高校生などの学校利用がどれだけ伸びるのかが鍵になると思います。学生の皆さんに多くの知識、体験を持ち帰ってもらうことこそ、この地域から人材が輩出する礎となるのではないでしょうか。  あいち航空ミュージアムは大村知事自身で、アメリカ、シアトル航空博物館に出向いたことが縁となり、あいち航空ミュージアムと、世界有数の規模を誇り、人材育成にも取り組んでいるシアトル航空博物館とが協定を結びました。結んだからには、シアトル航空博物館が持つさまざまなノウハウを活用していかなければ意味がないと思います。  あいち航空ミュージアムのコンセプトの一つである次代の航空産業を担う人材育成の推進を達成するためには、このような協力協定を活用しながら、一人でも多くの子供たちをミュージアムに呼び込み、航空機産業のすばらしさを伝える必要があります。  多くの学校にミュージアムを訪れていただくために、今後どのような取り組みをしていくのでしょうか。答弁を求めます。  以上です。 58: ◯振興部長野村知宏君) まず、あいち航空ミュージアムで取り扱う分野についてお答えいたします。  本県は、従来から現在に至るまで我が国を代表する航空機の生産拠点であり、県営名古屋空港周辺地域がその中核を担ってきたことから、航空機産業の情報発信や人材育成などを目的に、県営名古屋空港内にあいち航空ミュージアムを整備したところでございます。  議員から宇宙分野に関する御指摘もございましたが、愛知の航空機の歴史、愛知ゆかりの航空機の実機、さらには実際の航空機の離着陸などを生で体感していただくことが当ミュージアムの最大の特色でございますので、この特色を最大限に生かした展示の充実など、航空の分野を伸ばしてまいりたいと存じます。  次に、利用者を増加させる対策についてお答えいたします。  利用者増加に向けましては、イベントなどの魅力向上に向けた継続的な取り組みや積極的なPRが必要と考えております。  オープン以降、展示実機を活用したイベントやクリスマスイベントなど、さまざまな企画を実施してきました。また、毎年度秋に実施しております広く空港に親しんでいただく空の日イベントを、今年度は一月二十七日にミュージアムをメーン会場にして実施いたしました。  さらには、先週三月三日には、航空自衛隊小牧基地のオープンベースと連携いたしまして、シャトルバスで相互に送客するなど、ミュージアムを広くPRするとともに、御来場いただくさまざまな工夫をしているところでございます。  こうしたイベントに加え、ミュージアムの紹介映像を活用した情報発信や、旅行会社に対しミュージアムをルートに組み込んだ旅行商品の造成を働きかけるなど、より多くの方々に御来場いただけるよう積極的にPRに取り組んでまいります。  次に、学校利用を無料とすべきとの御質問にお答えいたします。  小中学生の学校行事での御利用につきましては、施設運営の収支とのバランスをとりながら、できる限り低廉な料金設定にしているところでございます。  あいち航空ミュージアムがある県営名古屋空港は、航空機が製造され、飛行し、そして、それらを見て学ぶという三拍子がそろった施設であります。また、名古屋の中心部からもアクセスがよく、こうした立地条件を生かして学校行事にも利用していただけるようPRしていきたいと考えております。さらに、工作などを通じて飛ぶ仕組みを学ぶサイエンスラボや、パイロット、整備士の職業体験コーナーといった体験型プログラムの充実などを図り、学校行事に継続的に御来館いただけるよう取り組んでまいります。  最後に、学校に訪れていただくための取り組みについてお答えいたします。  学校利用を促進するため、ミュージアム開館前から、公立、私立の学校や県内市町村の教育委員会など学校関係者に対し、ミュージアムについてPRさせていただきました。おかげさまで、これまで三十七校、約二千人の方に御利用いただいております。  来年度からは、遠足、社会見学、修学旅行など年度の行事に組み込んで御来館いただけるよう、県内はもとより周辺県、FDA就航先などの学校や旅行代理店へのPRを積極的に行ってまいります。  また、県内大学等教育機関との連携や、協力協定を結んだシアトル航空博物館との運営面、人材育成に関する情報やアイデアの交換などを通じまして、学校行事にも御利用いただける魅力的なコンテンツを提供してまいりたいと考えております。 59: ◯百三番(筒井タカヤ君) 再質問いたします。  新聞等で談合となったリニアモーターカー名古屋駅付近の報道を知るとともに、今まさにリニアモーターカーの工事が既に始まっていることを知ります。  これが完成すると、愛知、名古屋を中心とする中京圏の人と物の流れ、企業の流れ、流出に大きな変化が起きると見られます。我々愛知県民、名古屋市民からすると、この変化を前向きに捉えて躍進を期待するのも事実です。  反面、お隣の三重県、岐阜県は人と物、企業が流出することの懸念すら抱いています。  これまでJR名古屋駅の周辺が整備、大改修されて、JR名古屋駅に東京の高島屋百貨店や駅周辺の高層ビル、私立大学までが集まるようになって、三重県、岐阜県の商業施設が寂れ、人の流れも若者を中心とする世代は愛知、名古屋に吸収される傾向を強く警戒しています。  そこに、愛知県が大村知事の鶴の一声でもって、あいち航空ミュージアムを昨年十一月末に完成させました。  岐阜県各務原市には、かかみがはら航空宇宙科学博物館があり、岐阜県としては、山河に囲われた地に、懸命になって岐阜県に航空宇宙産業の企業を誘致して、新産業の目玉として頑張っています。岐阜県を紹介するPRのインターネットには、その努力を、取り組みを広報していることでも明らかであります。若い世代の人と新産業の招致は岐阜県の命運としています。  その目玉がかかみがはら航空宇宙科学博物館でした。そこに突然あいち航空ミュージアムがつくられることとなり、岐阜県としても強い決意のもとに、二十億一千五百万円余りの巨費を投入して、かかみがはら航空宇宙科学博物館を再生させ、逆にあいち航空ミュージアムに向かう次の世代の小中高校生全てを吸収する内容のようです。  私の友人でもある岐阜県職員や県議会議員は、古田知事の決断に賛辞を送るとともに、大愛知が小中学校生徒からも入場料を徴収する。我が岐阜県は無料で開放して、次の世代を支える若者に来てもらえるように決断した勇気を誇らしげに語っています。  私の友人で岐阜県職員、議員に古田知事は、次の世代の子供たちが航空機、宇宙に夢を膨らませて、無料でもって学習、研修をさせて、次の世代の岐阜県を支えてくれる施策に誇りを感じると言っています。それに比べ、大県の愛知が子供たちからもお金を徴収するとはね。さすが大村知事だ。自分も毎年政治資金を集め、県も金、金と集める。さすがだねと言っています。  子供たちへの教育について、自民党はかつて小泉総理が選挙のとき、昔日本にはこんな偉大な決断をした藩があった、百俵の米をみんなに配るよりも、次の子供たちのために米を使った、こういった語りをし、我が自民党もかくある決断をして子供の教育振興に尽力すると訴え、国民の共感を得て大勝利をしました。今こそ、その精神こそが大切なんです。自民党を除名されたままの大村知事には、百俵のお米の心をお忘れか。  今、あいち航空ミュージアムと岐阜かかみがはら航空宇宙博物館とでもって、相互の連携協定の検討がなされているようであります。この機会に、相互がなるべく同じような内容にする機会があると思います。  ぜひこの機に、小中学校生徒の無料、高校生までの同じ条件の入場料の改正を求めます。やっぱり、百俵の米は教育に使うべきだと思います。  以上です。 60: ◯振興部長野村知宏君) あいち航空ミュージアムの料金につきましては、施設の収支採算を考慮の上、設定をしております。中でも、小中学生の学校利用について、人材育成、教育的観点を重視しつつ、収支のバランスをとりながら、できる限り低廉な料金設定として三百円としております。  なお、この料金を設定するに当たりましては、この地域の産業観光の拠点であるトヨタ博物館やリニア・鉄道館など、同様の施設を参考にしております。 61: ◯副議長(峰野修君) 次に、第一号議案平成三十年度愛知県一般会計予算のうち、第一条中歳出第六款健康福祉費から第八款農林水産費までの質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  鈴木雅博議員。 62: ◯八番(鈴木雅博君) 私からは、歳出第六款健康福祉費第五項障害福祉費のうち、ヘルプマーク普及促進事業費について、お伺いいたします。  私はこれまでに、平成二十八年二月定例議会の議案質疑、さらには、さきの十二月定例議会の一般質問の二回にわたり、一見して援助や配慮を必要としていることがわかる方はもちろん、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方など援助や配慮を必要としていることが外見からはわかりにくい方も、そのことを周囲に知らせるための有効な手段としてヘルプマークの早期導入を提案するとともに、ヘルプマークの導入が適切と思われる援助と配慮を提案するための建設的な対話と支援行動につながることを訴えさせていただきました。  そして、さきの十二月定例議会では、余命五年との宣告を受けながらも、ヘルプマークの普及のため献身的な活動をされているヘルプマーク普及活動の会代表の小崎麻莉絵さんが傍聴に来られている前で、大村知事より、ヘルプマークを市町村と連携をして、できる限り早く導入してまいりたいと考えておりますと積極的な御答弁をいただきました。  さまざまな障害や難病を抱えている方、妊娠初期の方など、援助や配慮を必要としている多くの方が大きな期待を持ってヘルプマークの導入を心待ちにしているところであります。  こうした中、この二月定例議会に提案されている平成三十年度当初予算案の中に、ヘルプマーク普及促進事業費として二百六十四万八千円が盛り込まれ、大村知事からの提案説明におきまして、ヘルプマークについて、本年七月から県内全域で市町村と連携して導入し、普及を促進していくとの大変心強い御説明をいただきました。  本県では、本年九月に知的障害者によるスポーツ大会であるスペシャルオリンピックス二〇一八愛知、そして、平成三十一年にはラグビーワールドカップを控え、全国、世界から多くの方々がお越しになるこれら大会の開催前にヘルプマークを導入することは、その理解を深める絶好の機会となり、大変意義深いものであります。大村知事のリーダーシップのもと、ヘルプマーク導入に早急に対応していただいたことに、改めて感謝を申し上げる次第であります。  このように大きな役割を果たすことが期待されているヘルプマークですが、既に導入している自治体では、導入が進む一方で認知度が追いつかず、その普及啓発が課題となっております。  東京都が平成二十八年に行った調査、障害及び障害のある方への理解では、ヘルプマークについて意味も含めて知っていると答えたのは二四・二%で、さまざまな取り組みの結果、平成二十九年に行った同様の調査で、ようやく五〇・五%と半数を超えました。  東京都に次いで平成二十八年からヘルプマークを導入している京都府が平成二十九年に行った京都府障害者福祉に関する調査では、ヘルプマークを知っていると答えたのは一五・七%で、そのうちヘルプマークを持っているのは三二%という結果となっております。  また、民間の調査会社、株式会社ゼネラルパートナーズが平成二十九年に行ったヘルプマークの認知度・利用状況に関する調査では、ヘルプマークを知っている人のうち利用経験のある人は二二%にとどまり、利用していない理由は、入手方法がわからないからという回答が五八%と最も多く、また、利用時の周囲の反応やヘルプマークの認知不足を理由に挙げる回答が多いという結果が出ております。  これらのことから、ヘルプマークを導入した自治体では、独自に普及啓発のためのさまざまな取り組みを行っていますので、幾つか事例を紹介したいと思います。  東京都は、都営地下鉄各駅の駅務室や都営バス各営業所、都立病院などでの配布や優先席でのステッカー表示に加え、民間企業への働きかけを行い、現在では民間企業でもヘルプマークの普及活動が進められております。また、毎年十二月の障害者週間にあわせ、都内の小中高校生などに理解と関心を一層深めてもらうため、都内の全公立小中学校、都立高校、都立特別支援学校にヘルプマークの見本とポスター、チラシを配布しております。  京都府では、日本で唯一のマンガ学部を設置し、府と包括連携協定を締結している京都精華大学に啓発漫画の作成について協力を要請し、府内の中学生に約二万五千部を配布しました。また、京都市内は外国人観光客も多く訪れることから、公共交通機関に掲示するステッカーには、その内容を英語でも表記しています。  ステッカーについては、広島県でも県内のバス会社十五社に千六百枚を配布し、優先席付近に張ってもらい、さらに路面電車用に五百枚を配布する予定です。  議長のお許しをいただきましたので、本日は東京都、京都府、広島県のステッカーをお持ちしました。     〔ステッカーを示す〕 これが東京都で配布しているステッカーであります。そして、次に、これが京都府で作成し配布しているステッカーであります。そして、最後に、こちらが広島県が作成し配布しているステッカーであります。このように、各自治体がそれぞれ工夫をしたステッカーを作成しております。  北海道では、道と包括連携協定を締結しているコンビニエンスストアとの協働により、道内にある約九百店舗で、レシートの余白部分を活用したヘルプマークの広報活動を行っています。
     岐阜県では、県内の障害者関係団体が加盟している岐阜県障害者社会参加推進センターに対して委任状を授与し、希望する方が円滑にヘルプマークを入手することができるように、同センターに加盟する二十五団体に対して利用見込み調査を行い、各団体に計一万四千四十個のヘルプマークを配布し、積極的な普及啓発活動を展開しております。  また、本県と同じく平成三十年度からヘルプマークの提供を始める三重県では、ヘルプマーク普及活動の会代表の小崎さんにヘルプマーク・アンバサダーの就任を要請し、さまざまなイベントや学校への出前授業などを通じた普及啓発に取り組んでいくこととしています。  このように、さまざまな調査や他の自治体の取り組みからも、行政だけでなく、官民一体となった普及啓発が重要であり、他の自治体の取り組みを本県でも積極的に取り入れ、認知度や利用度の向上を図っていくことが必要であります。  例えば、本県でもコンビニエンスストア及びスーパーマーケットとは既に包括協定を結び、昨年の衆議院議員総選挙では、本県からの要請により、スーパーマーケットにおいてレシートの余白部分を活用した選挙啓発広告を行っていることから、ヘルプマークについても普及啓発広告の要請を検討すべきであります。  また、入手方法がわからないからヘルプマークを利用していないという調査結果も出ていることから、希望する方々が円滑に入手できるように、配布に際しても配慮がなされ、行政窓口での個人配布だけでなく、障害者関係団体などとの対話や利用見込み調査を行い、それに基づいてヘルプマークを配布し、また、啓発用のポスターやチラシには配布場所を記載し、やむを得ない場合は郵送も含めて円滑な配布を通じた普及啓発をすべきであります。  本県でも既に一般社団法人愛知県腎臓病協議会からヘルプマークの啓発活動に対する協力の申し出及び普及のために同会員へのヘルプマークの配布について要望も出されており、利用を希望する当事者との対話を通じ、円滑で柔軟な配布による普及が必要であります。  さらに、多くの自治体がステッカーを作成し、鉄道、バスなどの車内で掲示していることから、公共交通機関の優先席などで掲示することはヘルプマークの周知を図る上で非常に効果的であることから、本県でもステッカーを作成し、公共交通機関に掲示できるように要請することも必要であります。  そして、公共交通機関を多く利用する高校生などに対して、ヘルプマークの理解を促すために、校内でのポスターの掲示やチラシの配布などによる啓発活動を初め、全国、世界から多くの方々がお越しになる本年九月のスペシャルオリンピックス二〇一八愛知や、平成三十一年のラグビーワールドカップに向けて、中部国際空港株式会社と協力して、中部国際空港での普及啓発も行うべきであります。  以上のように、本県でも効果的で配慮ある普及啓発により、広く県民にヘルプマークが認知され、障害及び障害のある方に対する県民の正しい知識と相互理解を深め、障害のある方との建設的対話と、社会的障壁除去の自主的な取り組みが進んでいくことは、障害を理由とする差別の解消推進につながるものであり、まさに愛知県障害者差別解消推進条例の目的である障害を理由とする差別の解消を推進し、もって全ての県民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資するものであると考えます。  そこで、二点質問いたします。  まず初めに、ヘルプマークの入手に当たっては、その趣旨から、障害者手帳の有無にかかわらず、また、書類などの提出も不要で、障害や遠方などの理由で本人が窓口に行くことができないことも考えられることから、希望者本人はもちろん、代理人にも配布することが必要だと考えます。本年七月から市町村と連携してヘルプマークを導入していくとのことですが、県と市町村でヘルプマークをどの程度作成し、どのような内容で導入、配布していかれるのか、お伺いいたします。  次に、ヘルプマークの導入に当たって、全ての県民にヘルプマークに対する理解と認知度を高めていくためには、民間企業や障害者団体、学校など官民一体となった活動が必要であると考えますが、平成三十年度当初予算に盛り込まれている普及促進事業費の内容について、お伺いいたします。 63: ◯健康福祉部長長谷川洋君) ヘルプマーク普及促進事業費についてのお尋ねのうち、まず、ヘルプマークの導入及び配布等の内容につきまして、お答えをいたします。  ヘルプマークの導入に当たり、より効果的な普及を図るため、障害のある方と身近に接する市町村と連携した取り組みが必要であると考えております。  そのため、県で開催しております市町村障害保健福祉主管課長会議などの場を活用して、できる限り早く県内一斉に導入できるよう市町村に働きかけを行ってまいりました結果、本年七月から、県内全市町村で配布を開始できる見込みとなりました。七月から県内一斉に導入するため、導入時に必要となるヘルプマークのうち、政令・中核市分を除く一万七千個につきましては本年度中に県で作成をしてまいりたいと考えております。  なお、県内の政令・中核市の四市につきましては、ヘルプマーク作成のための費用を来年度予算で対応していただけるとのことで、県作成分一万七千個と合わせ、県全体で約三万九千個を作成する見込みとなり、そのほか一部の市町村におきましても作成予定と伺っております。  配布対象といたしましては、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など外見から援助や配慮を必要としていることがわかりにくい方を考えております。  また、配布方法につきましては、障害者手帳の有無にかかわらず、市町村窓口や県の保健所等において、対象者やその御家族などからの口頭での申し出を受けて配布することを考えておりまして、今後こうした配布方法等を取りまとめたガイドラインを作成し、市町村へ配布してまいります。  さらに、市町村への説明会を開催するなど、引き続き市町村と連携を図りながら、七月の配布開始に向け、着実に準備を進めてまいります。  次に、ヘルプマーク普及促進事業費の内容について、お答えをいたします。  ヘルプマークの効果的な普及に当たりましては、県民の皆様にヘルプマークを広く知っていただく必要がありますので、本年七月の配布開始に先立ち、県が中心となって全県的に普及啓発活動を展開してまいりたいと考えております。  当初予算案でお願いをしております普及促進事業費の具体的な内容といたしましては、まず、普及啓発用のリーフレット十万部と、ポスター二千五百部を作成いたしまして、市町村、小中学校、高等学校に加え、御協力いただける民間事業者や障害者団体等へ配布をし、ヘルプマークの周知を図ってまいります。特に、ヘルプマークを携帯する多くの方の利用が見込まれますJRや名鉄などの鉄道各社の御協力をいただきながら、主要な駅にポスターを掲示してまいりたいと考えております。  さらには、県外から本県を訪れる方の窓口となります中部国際空港や県営名古屋空港等におきましても、援助や配慮を必要とする来県者の方にヘルプマークを配布できるよう働きかけてまいります。  多くの方にヘルプマークに対する理解を深めていただくため、既に導入している都道府県の取り組みを参考にしながら、市町村はもとより、鉄道、バスなどの公共交通事業者、さらには障害のある方への支援などに関して県と包括連携協定を締結している民間事業者に御協力を働きかけるなど、積極的な普及啓発活動に努めてまいりたいと考えております。 64: ◯八番(鈴木雅博君) 三点、要望いたします。要望の前に、先ほどお見せさせていただいたステッカーについて、見えていなかった方もおられますので、     〔ステッカーを示す〕 これが東京都のステッカーになります。こちらが京都府の作成したステッカーになります。そして、これが広島県が作成したステッカーになります。  これを踏まえまして、改めて三点、要望いたします。  一点目、ヘルプマークを携帯する方がふえ、障害などの有無にかかわらず多くの方がヘルプマークと接する機会がふえることで認知度と利用度の向上が期待されることから、ヘルプマークを希望される方が円滑に入手できるように、その配布についても、一般社団法人愛知県腎臓病協議会を初め障害者関係団体などからの要望があれば、ヘルプマークの趣旨に鑑み、柔軟な対応と配慮をしていただき、官民一体となった普及啓発に取り組んでいただきますよう要望いたします。  二点目、ヘルプマークを携帯する多くの方が利用される鉄道、バスなど優先席付近にステッカーを掲示することは、認知度の向上とともに、適切と思われる援助と配慮を提案するための建設的な対話と支援行動につながりやすいことから、本県でもステッカーを作成し、JRや名鉄、近鉄、愛知環状鉄道、そして各市町村が運営する地域バスにもステッカーを張っていただくように働きかけていただき、また、JRや名鉄、近鉄は、その路線が本県だけでなく岐阜県、三重県にもまたがり、両県ともにヘルプマークを導入済み、または導入予定であることから、両県とも協力して、広く民間交通事業者にもヘルプマークの普及啓発に協力していただけるよう、本県が主体的に取り組んでいただきますよう要望いたします。  最後に、認知度向上が課題となっているヘルプマークの情報発信について、本県において抜群の情報発信力をお持ちの大村知事には、ヘルプマークの情報発信にも引き続きのお力添えをお願いいたしまして、私の質問を終わります。 65: ◯副議長(峰野修君) 進行いたします。  大嶽理恵議員。 66: ◯一番(大嶽理恵君) 歳出第六款健康福祉費第三項児童家庭費のうち四目児童福祉施設費の子育て支援施設事業費に関連して、年度途中の待機児童対策について伺います。  働き続けながら出産、子育てをする女性がふえており、年度途中の育児休業明けに保育園に入所させたいという人が増加いたしております。  本県では、年度初めの四月時点では待機児童ゼロとなっている自治体が、平成二十九年四月一日現在で四十一市町村と多いことは、それぞれ市町村を含めた御担当者方のおかげと感謝をいたしております。  しかし一方で、年度途中の待機児童数は、厚生労働省発表の資料によりますと、愛知県内において平成二十八年四月一月から十月一日にかけて六百八十六名増加しております。これは、保育所整備は例年四月開園に向けて行われるため、年度途中に保育園に入園しようとしても既にあきがなく、待機児童となってしまうケースが多いためです。こうしたことは全国的な傾向ではありますが、本県においても年度当初よりも年度途中に待機児童が発生しており、日本一子育てしやすいあいち実現のためには、この点に力を入れていく必要があると思っております。  子供の成長は生まれ月によっても大きく違い、行政が正式な入所時期と設定している四月に合わせることはなかなか難しい面があります。ゼロから二歳児の数カ月の違いは大きなものであり、子供の成長に合わせて保育園に入所する時期を決定できるようにするために、この年度途中の入所対策をしっかり行うべきと思います。  まず初めに、年度途中の待機児童の本県の課題認識について伺います。  次に、低年齢児途中入所円滑化事業について伺います。  本県では、年度途中の待機児童を減らしていくため、平成二十一年度から、市町村が民間保育所に対し、保育士を配置基準を超えて配置する場合に要する経費を補助しております。昨年度は百二十五名分予算計上されておりましたが、今年度はさらにふえ、百四十名分を予算化されております。  しかしながら、年度途中の待機児童はまだまだ発生してしまっており、より目標達成できるよう、この制度改善が必要ではないかと思っております。  年度途中の待機児童の現状は、年度途中に保育ニーズが発生すると、受け入れ予定施設が最低基準上の保育士数に満たない場合は、その時点で保育士確保に努めるものの、確保に至らない場合には受け入れ困難となり、待機児童となってしまいます。この解消のためには、途中入所する月から保育士を計画的に配置できればいいですけれども、ここ最近の保育士不足の現状を見ますと年度途中の保育士確保は難しく、四月当初に法定の配置基準限度まで受け入れるのではなく、余裕を残して人材配置をしておく必要があります。余裕を残した配置といいますと、必要以上に配置しているのではないかと思われる方もみえるかもしれませんが、このような配置は、年度初めは新しく入園する園児が多くトラブル等も多いことから、きめ細やかな対処をすることにも役立つこと申し添えたいと思います。  さて、民間保育所が四月時点で途中入所に対応するための保育士を雇う場合、低年齢児途中入所円滑化事業費補助を申請すると、加配保育士一名当たり年間四十五万円を上限に補助を受けられるわけですが、保育士の平均給与は、厚生労働省の平成二十七年賃金構造基本統計調査によりますと年間約三百二十万円であり、この補助金額ですと、県と市で半分ずつ負担しますが、約一・五カ月分の人件費にしかなりません。その月以上のあきが生じた場合、民間保育所がその分持ち出しで補填することになります。  四月の一・五カ月後といいますと五月半ばまでですが、それ以降の時期の途中入所への希望は多いにもかかわらず、公費による補填はありません。  そのため、民間保育所は四月当初の受け入れ人数以上に配置することはなかなか難しい面があり、年度途中の待機児童をなくすのに十分な施策となっていないと考えます。また、新たに三名以上入所できる保育所でないとこの補助を受けられないことも、民間にとってはネックになっております。  なお、隣の岐阜県においても、本県と同趣旨の補助制度を設けておりますが、補助金額は一施設当たり約百三十六万円で、本県よりも上限額を多く設定しております。保育士加配の状況によっては本県の制度の方がメリットがある場合もありますが、このような他県の例も参考にすべきと考えます。  民間保育所が積極的に途中入所を受け入れることを促進するためには、この補助額が一、民間保育所の持ち出しとならないような費用の上乗せをすること、二、一つの保育所で三名以上を受けられる状態でないと補助を受けられないという基準を撤廃することが重要と考えます。また、県内には公立保育所の比率も多いことから、公立保育所にも補助することが施策目的の達成に必要だと考えます。  そこで、県として低年齢児途中入所円滑化事業における制度改善への認識について伺います。 67: ◯健康福祉部長長谷川洋君) 初めに、年度途中の待機児童に関する課題認識についてのお尋ねであります。  本県では、平成二十八年四月一日現在の待機児童数が二百二名であったのに対し、十月一日では八百八十八名となり、前年の平成二十七年においても、四月時点では百六十五名であったものが十月には七百二十九名になるなど、年度途中に多くの待機児童が発生している状況にございます。これは、主に育児休業の終期が子供の生まれた月に左右されるため生じる全国共通の現象でございます。  女性が元気に働き続け、活躍するためには、保育を希望される時期に子供を預けることができるよう、年度途中に発生する保育ニーズにも柔軟に対応できるような環境を整備することが必要であると認識をしております。  したがいまして、本県では特に待機児童の多い低年齢児の年度途中の入所に対応するため、県の単独事業として、低年齢児途中入所円滑化事業を実施いたしまして、途中入所に備え、あらかじめ国の配置基準を超えて保育士を配置するために必要な経費を助成しております。  次に、低年齢児途中入所円滑化事業の制度改善への認識についてであります。  本県では、これまで低年齢児途中入所円滑化事業の制度改善につきまして、最近では平成二十七年度に補助単価の上限を四十二万八千円から四十三万一千円、平成二十九年度にも四十五万円に増額をし、補助単価の改善に努めてきたところでございます。  また、来年度の予算では補助単価は同額でありますが、予算額を平成二十九年度の二千八百万余円から三千百万余円まで増額し、二十三市町において百四十名の保育士を新たに配置し、五百二十四名の児童を年度途中に受け入れる計画であり、今年度の四百五十七名の受け入れからさらに利用の拡大を図る予定といたしております。  議員から、制度改善に向けてさまざまな御提案をいただいたところでありますが、県といたしましては、市町村ヒアリングなどを活用して、保育の実施主体である市町村や事業者など現場の意見をよくお聞きしながら、そうした現場の声をできるだけ制度の改善に反映して、この事業をより利用しやすい事業にしてまいりたいと考えております。 68: ◯一番(大嶽理恵君) 御答弁ありがとうございました。  それでは、再質問させていただきます。  この低年齢児途中入所円滑化事業を民間保育所が積極的に手を挙げるような制度にすることで、年度途中の待機児童を減らせる可能性は大変大きいと思っております。  平成二十一年度から始まった制度であり、これで十年目になります。先ほどの御答弁の中で、徐々に単価が数万円上がってきたりしているというお話は伺いましたけれども、その十年前と今では、保育士の不足の深刻化など、取り巻く状況が大変違っていると思っております。PDCAサイクルをさらに回していくという意味でも、より年度途中の待機児童を減らす、そしてゼロにする、そういったことに貢献する制度にしていただきたいと思っております。  御答弁では、市町村など関係者ヒアリングをして改善を検討していただけるとのことで、ありがとうございます。  最後に、制度見直しの検討について、時期的なめどをお教えください。ぜひ早いうちに、せめて来年度中にはお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか、伺います。 69: ◯健康福祉部長長谷川洋君) 低年齢児入所円滑化事業に関しまして、再度のお尋ねをいただきました。  来年度につきましては、市町村のヒアリングなどを通じまして、まずは現場の声をよくお聞きして、この事業をより活用しやすい事業にしていくためにどのような課題があるかを把握した上で、制度の改善が必要かどうかを含めまして、この事業のあり方を検討してまいりたいと考えております。 70: ◯副議長(峰野修君) 進行いたします。  今井隆喜議員。 71: ◯十番(今井隆喜君) 私からは、歳出第八款農林水産費第一項農業総務費のうち、あいち花フェスタ開催費負担金に関連して、質問をさせていただきます。  本県は、昭和三十七年から五十五年間連続で、花卉産出額が全国一を誇る花の王国あいちであり、全国のシェアは平成二十八年度の数字で見ても一六・二%となり、歳出額で見ましても愛知県は五百七十二億円となっており、二位の千葉県、百八十七億円、三位の福岡県、百七十九億円と比べても三倍以上の数字となっております。また、愛知県の花卉は、県内の農業産出額が三千百五十四億円に対し、約二割を占める重要な品目でもございます。  しかしながら、景気の低迷などによる国内需要の減少により、平成十年のピーク時には七百六十三億円あった県産花卉の産出額は、平成二十三年には五百二十六億円と約七割まで減少し、その後の景気回復で平成二十八年には五百七十二億円まで持ち直してはおりますが、歳出額はピーク時ほどまでは回復しておらず、生産農家の経営は依然厳しい状況にございます。  また、総務省の家計調査報告を見てみますと、県庁所在地の名古屋市での一世帯当たりの切り花の年間支出額は二十八年度、六千七百八十二円、二十九年度、七千五百七十三円となっており、全国順位は、平成二十八年は三十九位、平成二十九年は三十一位と、順位は上げてはいますが、全国下位にとどまっております。  また、園芸品で見ましても、平成二十八年度は四千八百五十円、これは全国順位四十位、二十九年度におきましては三千七百九円、これは全国順位四十三位という結果になっております。  さらに、平成二十七年度に県が実施をいたしました県政世論調査でも、本県の花卉生産が五十年以上日本一であり、花の王国あいちであると知っている県民は一三%程度になっていることがわかっております。  こうしたことから、本県花卉の振興には生産性の向上、生産コストの低減を図ることはもちろん大切ではありますが、生産から流通、販売までの花卉関係者が一体となって、県民の皆様に対して、愛知の花のすばらしさ、美しさを知ってもらい、花が身近にある生活を実感してもらいながら、本県の花を日ごろから消費していただくことが何よりも重要であると考えます。  こうした中、県では平成二十八年三月に策定をいたしました食と緑の基本計画二〇二〇において、マーケットインの視点に立った生産・流通の改善と需要の拡大や、農林水産業を理解し身近に感じる活動の推進の取り組みに、花卉の振興対策を掲げております。  さらには、本県の強みや特徴を生かした十二の重点プロジェクトの一つとして、花の王国あいちパワーアッププロジェクトを位置づけ、暮らしの中に花を取り入れる花いっぱい県民運動と、花と緑のイベントの開催を車の両輪とした、日本一の花の産地にふさわしい取り組みを生産から消費まで一体となって展開し、愛知の花を県内外にPRし、需要拡大を図ることとしております。  このうち、花と緑のイベントについては、あいち花フェスタが地域のアニバーサリーに合わせるなどして、平成二十四年度のラグーナ蒲郡を皮切りに、二十五年度は西尾市総合体育館、二十六年度はセントレアをメーン会場として開催され、二十七年度の全国都市緑化あいちフェアにつなげてきました。また、二十八年度からは地域からの提案を踏まえて、引き続き県民参加型の花と緑のイベントとして県内各地で開催されることとなり、二十八年度は弥富市総合社会教育センター、本年度は田原市文化会館・総合体育館において、あいち花フェスタin東三河が開催されたところでございます。  今年度のあいち花フェスタin東三河は、つい先日の二月九日から十二日の四日間、田原市で開催されましたが、さすが日本一の花の産地ということもあり、東三河地域の切り花をふんだんに使ったメーンディスプレーの百花繚乱のBONSAIや、間近に迫ったバレンタインを意識したハート型のディスプレー、また、花縁日と称した、子供たちが楽しく遊び体験しながら花に親しむコーナーなどが設置され、まさにインスタ映えするとのことから、多くの来場者みずからがSNSにて情報を発信しているのが印象的でございました。  さらに、会場には地元産の新鮮な野菜、特産品の即売を初め豊橋カレーうどんや田原ポークを使ったソーセージ、蒲郡市のメヒカリの空揚げなど、東三河グルメまであり、花だけではなく地域全体を盛り上げていくイベントでもあり、大変好評だったと聞いております。  花は嗜好品であり、人が生きていくためには絶対必要とまでは言えませんが、私は、あいち花フェスタが県民の皆様に花のある暮らしのすばらしさをPRすることで、花卉の需要拡大につなげるだけではなく、産地ツアーや生産者による花育教室の開催など、生産者と消費者の交流を通じて、より県産花卉への理解を深める大切な機会だと思います。  また、地元の市町村、各地域の生産者組織が協力し合って一つのイベントをつくり上げていくことから、地域の連携にもつながるすばらしいイベントと思いますので、引き続き継続して開催していただくことが必要と考えております。  そこで、まず、今年度のあいち花フェスタin東三河の開催結果について、お尋ねを申し上げます。  また、あいち花フェスタについて、平成三十年度はどのような取り組みをされるのか、お伺いをさせていただきます。 72: ◯農林水産部長(高橋智保君) あいち花フェスタ開催費負担金に関するお尋ねのうち、初めに、今年度のあいち花フェスタin東三河の開催結果についてでございます。  あいち花フェスタにつきましては、県民参加型の花と緑のイベントとして、平成二十四年度から地域のアニバーサリーなどに合わせて開催し、平成二十八年度からは地域からの提案等を踏まえて開催してまいりました。  今年度のあいち花フェスタin東三河は国内最大の花の生産地であります東三河地域で開催し、昨年十一月四日と五日に豊橋市で開催したプレステージと、去る二月九日から十二日までの四日間、田原市で開催したメーンステージを合わせまして、六万人を超える多くの県民の皆様に御来場をいただきました。田原市で開催したメーンステージにおきましては、東三河地域の花をふんだんに使った大型ディスプレー展示や、地域で活動されている生け花やフラワーアレンジメントの愛好家の作品展示などを通じて、日本一の花の産地の豊富な種類や品質の高さをしっかりとPRできました。  また、今回の花フェスタでは、こどものための花縁日と称して、子供たちが気軽に花に触れ合い、遊んで楽しめる催事コーナーを設けました。これは、花に触れる機会の多い子子供たちは大人になってから花をよく購入しているとのアンケート結果を踏まえた企画であり、子供を連れた家族の来場者の増加にもつながったところでございます。  さらに地域の皆様と連携して、東三河地域の観光資源や特産品等もあわせてPRすることができ、東三河地域が持つ魅力を広く発信することができ、花卉の需要拡大はもとより、東三河地域の活性化にも寄与したものと考えております。  次に、平成三十年度の花フェスタの取り組みについてであります。  平成三十年度につきましては、種類豊富な花卉産地であるとともに東三河地域に次ぐ産出額を誇る西三河地域からの提案を受けまして、安城市での開催を決定したところでございます。  具体的な内容につきましては、新年度早々に開催市の安城市を初め地元JAなどとともに実行委員会を立ち上げて、西三河地域の特色を生かした花フェスタとなるよう検討を進めてまいります。また、実行委員会におきましては、今年度実施した花育教室など、生産者と消費者との交流を深める取り組みにつきましても検討してまいります。  県といたしましては、多くの県民の皆様に来場していただき、愛知の花の魅力を十分に堪能していただける花フェスタとなるよう、安城市を初めとする関係団体と一体となって、しっかりと準備を進めてまいります。 73: ◯十番(今井隆喜君) 丁寧な答弁をどうもありがとうございました。  今回会場となる私の地元、安城市でありますけれども、安城市は昭和二十五年から観葉栽培が行われておりまして、昭和三十九年には安城市温室園芸組合というのが設立をされております。花卉園芸がつくれば売れる時代へと変容したのがこの時代だとお聞きをしておりますけれども、それと同時に、国の経済成長が相まって、組合員も規模拡大されて、昭和四十九年までには観葉植物の生産三団地が完成しております。そして、五十一年には農協の集出荷場が設置され、全国有数の観葉植物の産地が形成されておりまして、さらに五十一年に農協の集出荷場が設置され、観葉植物を初め洋ラン、鉢花、盆栽類といった鉢物を主体とした共同出荷も行われるようになっております。現在も小規模ながら多くの農家の方々が質の高い花卉園芸品を生産されております。  ただいまの御答弁にもありましたように、ちょうど提案型ということでありますので、昨年の八月に安城市を中心にあいち花フェスタ二〇一八(仮称)の準備委員会ということで、安城市の温室園芸組合代表の浅岡委員長より県に開催招致に向けた要望書が提出されたと聞いておりますけれども、そうしたことも踏まえて、今回安城市の産業文化公園デンパークを主な会場といたしまして、あいち花フェスタ二〇一八が開催を、十一月二十二日から二十五日までの四日間で開催されるということで、うれしく思っている次第でございます。  今後は、実施主体として春に実行委員会を立ち上げて準備が行われていくということでありますけれども、ちょうどこの時期はJRのデスティネーションキャンペーンも同時に開催されていると思いますので、こうしたキャンペーンを通じて、うまく連携をしながら、しっかりとPRをしていただきたいと思っております。そしてまた、JRで駅まで来ていただいた後も重要だと考えておりまして、あわせて駅からの会場地までのアクセス向上に関しても、しっかりと県の支援をいただきたいと思っているところでございます。  例えばの話でありますけれども、デンパークの中にはメルヘン号というバスが走っておりまして、ああいったものが例えばJRの駅前ですとか三河安城駅まで、この期間中だけでも運行すると、駅からおりたところから花フェスタを感じていただけるようなものになるんじゃないかと思っておりますし、また、安城市のJR安城駅からは、デンパークに向けてずっと道路に花壇がつくってありまして、その行き先にも、花を楽しみながら会場に向かうということにもつながっていくんじゃないかと思っておりますので、こうしたことも、予算に伴うことでありますので、県のしっかりとした支援がいただけたらと思っているところでございます。こうした、会場で丹精込めた生産者の方々がつくった花や園芸品が披露、販売される機会がつくられたことは本当にうれしく思っておりますので、こうしたことをしっかりと県として支援していただくことを強く要望いたしまして、私からの質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 74: ◯四十一番(近藤ひろひと君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
    75: ◯副議長(峰野修君) 近藤ひろひと議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 76: ◯副議長(峰野修君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後二時四十八分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後三時三十分開議 77: ◯議長中野治美君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  市川英男議員。 78: ◯五十二番(市川英男君) それでは、私の方からは、歳出第七款産業労働費第三項労政費の障害者雇用促進対策費について、お伺いをいたします。  本県の民間企業における障害者実雇用率は平成二十九年六月一日現在一・八九%となっており、前年から〇・〇四ポイント上昇するなど、微増ではありますが進展しているところであります。  ただし、依然として法定雇用率を下回っており、全国平均の一・九七%をも下回っている状況であります。  とりわけ従業員規模三百人以上の企業における障害者実雇用率が二・〇五%であるのに対し、三百人未満の企業においては一・五五%にとどまっているなど、中小企業における障害者実雇用率が低い傾向にあります。  また、従業員規模五十人以上の企業には障害者の雇用義務があるものの、障害者の方を一人も雇用していない企業が千七百五十一社あり、そのうち三百人未満規模の企業が千七百四十六社と九九・七%を占めている状況にあります。  このように、県内の企業における障害者雇用は中小企業ほど取り組みが進んでいないため、中小企業に対する障害者雇用に向けた支援が重要となっているところであります。  中小企業において障害者雇用が進んでいない背景には、障害者雇用の重要性は理解しているものの、障害者雇用に係るノウハウや経験のなさから二の足を踏んでいる企業が少なからずあると思われます。  こうした中、県は初めて障害者の方を雇用する中小企業の負担の軽減を目的とした中小企業応援障害者雇用奨励金を今年度から創設するなど、中小企業における障害者雇用の促進に向けた取り組みを進めてきたと伺っております。  そこで、まず、平成二十九年度に創設された中小企業応援障害者雇用奨励金の支給状況と次年度に向けた対応について、お伺いしたいと思います。  また、新年度は改正障害者雇用促進法の施行により、精神障害者の方も雇用義務の対象とされ、法定雇用率の算定基準に精神障害が加わることに伴い、法定雇用率は本年四月から現行の二・〇%が二・二%に引き上げられます。その後、三年以内にはさらに〇・一%引き上がり、二・三%になることが決定しております。  近年の県内ハローワークにおける障害者の方の求職状況を見ると、身体障害者の方や知的障害者の方がおおむね前年並みで推移しているのに対し、精神障害の方の求職者数は増加傾向が顕著であり、障害者の方全体の求職者数の半数近くが精神障害の方となっているとのことです。精神障害者の方の障害特性は個々それぞれ異なっており、また、表面にあらわれにくい場合もあるため、精神障害の方の雇用の促進と定着に向けては、個々の障害特性を的確に踏まえた上で、その特性に応じて就業機会の確保と支援が必要であると考えられます。  こうした中で、中小企業における障害者雇用を強力に推進し、精神障害者の方のみならず身体障害者の方や知的障害の方などを含め、就職を希望する県内全ての障害者の方々が就職に結びつき、しっかりと定着できるよう、さらなる支援の充実と効果的な取り組みの強化が必要になってきます。  そこで、障害者雇用の促進に向け、新年度、どのような部分を強化していくのか、お伺いをいたします。 79: ◯産業労働部労政局長(藤田昇義君) まず、中小企業応援障害者雇用奨励金の支給状況と、次年度に向けた対応についてお答えをいたします。  この奨励金は、障害者の方を雇用する際の企業負担の軽減を図ることを目的といたしまして、ハローワーク等の紹介により初めて障害者を雇い入れ、六カ月以上継続して雇用した従業員数五十人以上三百人以下の企業に対し、奨励金を支給するもので、本年度創設したところでございます。  本奨励金の支給状況につきましては、六カ月の雇用で定着が確認された後に申請手続が始まることもあり、本年二月末現在では五件の支給となっておりますが、今後さらに数件の申請を見込んでいるところでございます。  この制度の活用促進に当たっては、平成二十八年六月時点で障害者を一人も雇用していない対象企業千七百三十五社宛てにリーフレットを送付するとともに、障害者就職面接会の参加企業を中心に個別要請を実施するなどして、制度の周知に努めてまいりました。その中で、一部の企業におきましては、ハローワークの紹介を経由せず、大学卒の障害者の方を直接雇用したとの声も聞かれました。  新年度におきましては、本年四月からの法定雇用率の引き上げを踏まえ、対象範囲を従業員規模四十五・五人以上まで広げるとともに、新たに障害者を雇用するルートをハローワーク経由に限定することなく、直接雇用の場合も対象に加えるなど、要件を緩和してまいります。  また、障害者を一人も雇用していない企業には積極的に個別訪問するなど、周知啓発をさらに強化するとともに、各種障害者就労支援事業の中で本奨励金の制度改正をPRするなどして、活用促進に努めてまいります。  次に、障害者雇用の促進に向け、新年度に強化する点についてお答えをいたします。  障害者の雇用促進については、これまで障害者の方を企業の採用につなげる障害者就職面接会や、障害者雇用への理解を求める企業向けのセミナーの開催、さらには、企業からの相談に対応する障害者雇用企業サポートデスクの設置など、各種の取り組みを実施してまいりました。  新年度はこれに加え、新たに職場見学、実習開拓事業を実施することとしております。この事業は、障害者雇用に前向きな企業を開拓し、まずは障害者にお試し期間として職場見学、職場実習に取り組んでいただくことで、障害者と企業の双方が相互理解を深め、より確実な就職とその後の定着に結びつけることを狙いとするものでございます。  今後増加する精神障害者の雇用に当たっては、障害者の方お一人お一人に異なる障害の特性に対する理解と、その能力と適性に応じた適切な配慮ある対応がこれまで以上に大切になってまいります。職場見学、実習を通じて、企業がそのノウハウをしっかりと理解し、また、障害者の方々が不安を解消していけるかが、この事業の大きなポイントとなってまいります。  従来の取り組みとあわせ、こうしたきめ細かな点に十分留意しながら、障害者の方々の雇用の促進を図ってまいります。 80: ◯五十二番(市川英男君) 一点、要望させていただきたいと思います。  奨励金についての今年度の取り組みをお聞きしていると、非常に厳しい形じゃなかったのかと思っています。その上で、今回その幅を広げるというのは一定の評価をさせていただきたいと思いますが、いずれにしてみても、次年度しっかり検証していただいて、しっかりとこの奨励金についてのことと、あと啓発のほうをさらに強化していただきたいということを一点要望させていただいて、質問を終わります。 81: ◯議長中野治美君) 進行いたします。  辻秀樹議員。 82: ◯十一番(辻秀樹君) 私からは、歳出第七款産業労働費第二項商工業費のうち、商店街振興事業費について、三点質問いたします。  各地の商店街は、商品やサービスを住民に提供するとともに、地域のお祭りなどの伝統文化の継承や、日常の買い物などを通じた住民交流の場としての役割を果たすなど、これまでの地域社会の発展に大きく貢献してきました。  少子・高齢化が急速に進展する近年では、商店街の持つ日常の身近な買い物の場としての役割と、高齢者を初めとする買い物弱者支援対策や、子育て家族に対する支援など、地域コミュニティーの担い手としての役割への住民からの期待は今後ますます高まるものと考えられます。  しかしながら、近年のモータリゼーションの進展や住民のライフスタイルの変化、平成十二年の大規模小売店舗法の廃止による大型店の出店増加、ICT社会の進展によるネット通販の利用増加などにより、多くの商店街では来客が減り、かつてのにぎわいが見られなくなってまいりました。また、経営者の高齢化と後継者難による廃業や空き店舗の増加、それによる商店街活動の担い手不足など、各地の商店街は複合的な困難な課題に直面し、非常に厳しい状況に置かれております。  こうした中、本県では平成二十三年五月に新あいち商店街プランを策定、新たに商店街を地域コミュニティーの担い手として位置づけ、補助制度を活用しながら積極的に商店街の取り組みを支援してまいりました。  さらに、県は平成二十七年度にそれまでのプランにおける取り組みの成果を検証した上で、平成二十八年二月にあいち商店街活性化プランを策定し、地域とともに歩む持続可能な活力ある商店街の創出を目指すことといたしました。  この商店街活性化プランでは、商機能の強化、地域コミュニティーの担い手としての機能強化、商店街の担い手育成と外部人材の活用促進とともに、活動の担い手不足に悩む商店街が大学、地域住民、NPO、まちづくり会社などと連携する多様な主体との連携の促進を重視すべき支援の視点として位置づけました。  この多様な主体との連携による取り組み支援では、県、県内の大学、商店街の産学行政連携により、商店街の課題解決に向けた調査研究に取り組むとともに、調査対象商店街に対するハンズオン支援が実施され、商店街、大学、専門学校、地域住民、NPO、まちづくり会社など、地域、商店街を応援する多様な主体との連携を促進するためのマッチング支援が実施されていると承知をいたしております。  これにより、商店街では大学生等によるイベントの企画、運営支援やチャレンジショップの運営、NPOと連携した子育て支援施設や、高齢者の買い物支援サービスなど、さまざまな地域の団体、組織と連携した取り組みが行われ、大学、専門学校、地域住民、NPO、まちづくり会社などの地域の多様な主体には、商店街とともに魅力あるまちづくりに積極的に協力していくことが期待されております。  そこでお伺いいたします。  県は、商店街の大学、専門学校等との多様な主体との連携による取り組みの支援について、これまでの成果と今後どのように取り組む考えか、お尋ねいたします。  次に、げんき商店街推進事業費補助金について、お尋ねをいたします。  この県の補助金は、商機能強化に向けた取り組み及び地域コミュニティーの担い手としての役割に着目した取り組みから、活性化を目指す商店街を支援するため、また、防災、防犯の観点から県民の往来における安全確保に向けた取り組みを支援するため、商店街活性化の主体的役割を持つ市町村がまちづくりの観点から計画的に行う商店街活性化事業等に対して助成するものであります。  来年度予算からは、げんき商店街推進事業費補助金のうち、地域コミュニティ活性化事業では、補助下限額を五十万円から人材強化事業と空き店舗対策事業と同様の三十万円に引き下げ、小規模な事業であっても活用しやすくすることにより、商店街等が買い物弱者対策などの社会問題の解決に積極的に取り組むことができるように、新たな拡充措置が講じられると伺っております。  さらに、消費拡大チャレンジ事業については、日銀名古屋支店が発表した本年一月の中部三県の金融経済動向では、個人消費を緩やかに回復しているとしたものの、各地の商店街としては、個人消費の拡大はまだまだ実感がないものであり、消費喚起効果のあるプレミアムつき商品券発行事業への支援が求められております。名古屋市のプレミアムつき商品券発行事業の平成二十八年度における事業実績とその効果は、発行総額が二億六千七百六十万円、プレミアム分利用額四千四百二十八万円に対して、消費喚起額は二億六千三百五十二万円であり、その消費喚起効果、いわゆるビー・バイ・シーは五・九五倍に上ると推計されています。来年度においても、この消費喚起効果を維持、拡大するため、県の助成、支援が期待されるところであります。  そこでお伺いいたします。  県は来年度から、げんき商店街推進事業費補助金のうち、消費拡大チャレンジ事業により、名古屋市のプレミアムつき商品券発行事業の取り組みに対して、どのような支援を行う考えか、お尋ねいたします。  最後に、商業振興事業費補助金について、お尋ねいたします。  この補助金は、地域経済の発展のため、商店街振興組合または発展会等の商店街組織などが集客力向上のために、夏祭りやイルミネーションなどの実施によりにぎわいを創出する事業など、自主的かつ主体的に取り組む商業活動活性化事業に対して、県が直接補助するものであります。  しかし、この補助対象要件が、今年度では一事業百万円以上の事業とされ、小規模な商店街が実施する小規模な事業は対象とはならず、平成二十九年八月に県が実施した商業振興事業費補助金の要望調査では、回答した商店街振興組合のうち四二・四%が補助対象事業費の見直しについて希望していたと、お聞きをいたしております。  また、本県の会員数三十以下の商店街団体の割合は五二・三%であり、さらに、これらの実施した二十万円以上百万円未満の補助対象外事業は、アンケート結果によれば二十四団体、三十七事業があったと承知をしております。小規模な商店街ほど、商店街の空洞化による衰退など商店街の抱える困難な課題も多く、これらを打開するためには、自主的かつ主体的に取り組む商業活動活性化事業にチャレンジする必要があり、その取り組みに対する支援が求められると考えます。  そこでお伺いをいたします。  小規模な商店街が実施する小規模な事業であっても、組合員数の減少による事業縮小を防ぎ、小規模な商店街の活性化を図る観点から、これら取り組みについて、県としてどのように支援していくお考えか、お尋ねいたします。  以上、私からの質疑といたします。 83: ◯産業労働部長(吉澤隆君) 商店街と大学、専門学校等の多様な主体との連携に関する御質問のうち、まず、これまでの成果についてお答えいたします。  県では、商店主の高齢化や後継者難による担い手不足に悩む商店街の再活性化を図るため、知力、体力、行動力を有する大学、専門学校等の多様な主体と商店街との連携に向けたマッチングを昨年度から行っております。  これまでにマッチングを進めてきた結果、九商店街で連携が進められており、その取り組みについて、徐々に具体的な形として結実しつつあります。  例えば名古屋市天白区の原駅前商店街と南山大学との連携では、大学生が商品の提案、試作及び包装デザインなどにかかわって開発した洋菓子ラスクの新商品、はらすくを昨年十月に商店街連合会主催のテストマーケットの会場で販売したところ、多くの方が買い求めて好評を得ました。  また、豊田市の永覚新町商店街と愛知学泉大学との連携では、この三月四日に商店街で開催されたにぎやか市で、個店回遊を誘発することを目的としたスタンプラリーを大学生が企画、運営したところ、多くの子供たちが参加し、商店街のにぎわいを創出することができました。  次に、今後の取り組みについては、引き続き大学、専門学校、NPO等と商店街とのマッチングを進めるとともに、既に連携した商店街と連携先の大学等が自主的、継続的に取り組みを進めていけるよう、県として補助金等支援策に関する情報提供を行うなど、フォローアップを進めてまいります。  また、連携のノウハウや有用性を他の商店街や大学等の関係者に広く周知する取り組みを進めてまいります。  まずは、来る三月十六日に商店街関係者、大学の学生、先生から連携の内容を発表していただく報告会を開催いたします。その後もあらゆる機会を捉え、商店街と大学等の連携の機運を一層高めてまいります。  続きまして、げんき商店街推進事業費におけるプレミアムつき商品券発行の取り組みへの支援について、お答えいたします。  県では、げんき商店街推進事業費補助金により、市町村が計画的に実施する商店街の活性化に資する取り組みに対して支援をしております。消費税八%への引き上げ以降、個人の消費支出は低い水準で推移しており、地域や商店街を活性化するためには個人消費の拡大が重要であると考えております。  このため、市町村単位での広域的な消費喚起効果が見込まれ、かつ事業者が一定の自己負担をするため波及効果がより大きくなることが見込まれる事業を対象に、この補助金の上限額を拡大する消費拡大チャレンジ事業を今年度より創設しており、来年度は補助上限額を一千万円から二千万円に増額いたします。  来年度におきまして、名古屋市からプレミアムつき商品券発行事業に関し、本消費拡大チャレンジ事業への申請があり、要件を満たす場合には、積極的に支援をしていきたいと考えております。  最後に、小規模な商店街が実施する小規模な取り組みへの支援についてお答えをいたします。  県内の商店街の状況を見ますと、商店街を構成する商店の廃業等による会員数の減少が進んでおります。会員数三十以下である県内の商店街の割合は、平成二十年度末では四五・三%でしたが、議員お示しのとおり、平成二十八年度末では五二・三%と半数を超えております。商店街のイベントは会員数の減少により、人材面や費用面での一会員当たりの負担が年々大きくなり、事業の規模を縮小せざるを得なくなっております。  このような中、商店街のイベントを補助いたします商業振興事業費補助金の対象事業の下限額である百万円を満たさないため補助対象とならず、取りやめを検討せざるを得ないケースも出ております。  商店街のイベントは、規模が小さくとも、地域コミュニティーの機能として重要な役割を担っているものでもあり、その継続は消費拡大に加え、地域の安心・安全の確保の観点からも重要であると考えられます。  このため、来年度から会員数三十以下の団体については、補助対象経費の下限額を百万円から引き下げ、二十万円以上であれば補助できるように制度改正を行います。県といたしましては、商店街が実施する小さい規模の取り組みに対しても積極的に支援をしてまいりたいと考えております。 84: ◯議長中野治美君) 進行いたします。  黒田太郎議員。 85: ◯三番(黒田太郎君) 歳出第六款健康福祉費第一項健康福祉総務費第五目疾病対策費のうち、オ、健康経営推進企業支援事業費についてお伺いします。  私は、昨年六月の本会議にて健康寿命を延ばす施策を積極的に推進することを求め、具体的には介護予防への取り組みについて、アニマルセラピーへの取り組みについて、口腔ケアの充実についてを取り上げました。そして、要望として、この三項目はたまたま私が日ごろの活動の中で見聞きした事柄を取り上げたにすぎず、健康寿命を延ばすための方策は多岐にわたると考えられる。したがって、民間や学術界などとも連携して、どのような方策にどれだけの予算を使うとどのような効果が得られるのか、広範囲かつ精密な分析を行い、政策として取り上げていただきたいと申し上げたところです。  言うまでもなく、政策として取り上げるときに、費用対効果の考え方はとても重要です。県民の皆様から頂戴する貴重な税金を使い、極力大きな効果をもたらす政策を取り上げねばなりません。この費用対効果を検討する上で、自治体の規模を考慮することも大切です。住民の方々に一番近い市町村がなすべき政策なのか、市町村を包括する県がすべき政策なのか、政策の一つ一つについて吟味していく必要があると、私は考えています。  このように見ていくと、例えば介護予防に力を入れて健康寿命を延ばしますという政策は、住民に近い市町村向きの政策なのかもしれません。なぜなら、この広い愛知県において県民の皆様の生活様式はさまざまであり、介護予防に必要となる具体的な細かい施策は地域、地区によって異なってくると考えられるからです。  このため、愛知県としては、市町村がその地域や地区の実情に即した施策を遂行するに当たり、この後押しをする立ち位置が合理的となるのではないでしょうか。なぜなら、仮に愛知県が県全域に一律に網をかけるような介護予防策を講じても、それぞれの地域に必ずしもそぐわない施策となる可能性があるからです。  こうした観点で健康経営推進企業支援事業を見ると、まさに健康経営を推進する企業を県として支援する事業と理解されます。  一口に企業といっても、この愛知県には多数の企業が存在します。県がそれぞれの企業にふさわしい支援が可能なのか、お聞かせください。  先ほども触れましたように、県という立場でこうした政策に取り組む場合、個人を対象にすることも大切ですが、企業という単位を対象にすることで、費用対効果が向上する可能性があると見ており、こうした点で、この施策は対象の捉え方がすぐれていると見ています。なぜなら、企業がその従業員構成に応じて、これまでやってきた従業員の健康推進策があるならば、そうした施策を県として後押しすれば、比較的小さな費用で大きな効果を上げられる可能性があるからです。  しかし、その一方で、大企業と比べて中小企業や特に小規模事業者については、こうした施策の存在が伝わりにくい傾向があるのではないかと危惧します。  仮に中小企業や小規模事業者がこの施策の存在を知ったとしても、我が社は健康経営どころではないと、その意義を正しく捉えていただけない可能性もないとは言えません。どのような施策であっても、その施策の存在と意義を広く正しく伝えていくことは、施策を推進する上で極めて重要であると考えます。  また、一口に健康経営といっても、実際には何をやればよいのか具体策が思い浮かばない企業も少なくないのではないでしょうか。  そのとき、行政がこれをやりましょうと示すやり方もありますが、これこれこういう項目があるので、その中からそれぞれの企業に合うものを取り入れてやってみてはいかがですかとした方が、取り組み始める際に気が楽なのだろうと思います。それで、やってみた結果として何らかの実利につながったとの実感が持てれば、その企業は取り組みを続け、場合によってはもう少し力を入れ、それが他の企業にも伝わっていくという好循環が生まれると期待できます。  このように、健康経営という非常に大きな概念をわかりやすくかみ砕き、かつ気軽に取り組めるような雰囲気づくりも大切であると考えます。  そこでお尋ねします。  本事業の存在と意義を正しく広く伝えるとともに、中小企業や小規模事業者においても健康経営に取り組みやすくするための対応策をお聞かせください。 86: ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君) 健康経営推進企業支援事業費に関する御質問のうち、まず、それぞれの企業への適切な支援について、お答えいたします。  健康寿命の延伸を図るためには、県民の皆様一人一人が働き盛りのうちから健康づくりに主体的に取り組むことが大変重要であります。  そのためには、従業員の健康を重要な経営資源と捉え、企業全体で積極的に従業員の健康増進に取り組むこと、いわゆる健康経営を実践する企業を増加させることが必要でございます。  しかしながら、県内には多数の企業があり、その規模、業種は多種多様であるため、必要となる支援の内容も異なると考えられます。  そこで、本県といたしましては、健康経営の普及促進に関する包括協定を主に大企業が参加する経営者団体だけではなく、中小企業も参加する団体や、医療保険者等とも締結し、連携して取り組みを進めてまいります。
     また、包括協定のメンバーに有識者を加えた健康経営に関する検討会議を立ち上げ、行政や企業それぞれが果たすべき役割を整理した上で、効果的な事業展開や具体的な取り組み方策等について検討を行ってまいります。  こうした取り組みを進めることにより、それぞれの企業に対するふさわしい支援、すなわち健康経営を導入しようとする企業に対しての効果的な支援につなげてまいりたいと考えております。  次に、本事業の存在と意義の周知や、中小企業や小規模企業者が健康経営に取り組みやすくするための対応策についてお答えいたします。  多くの中小企業や小規模企業者においては、いまだ健康経営に取り組んでいないことから、本事業の存在と意義を伝えるために、健康経営導入支援のためのポータルサイトを構築いたします。  このポータルサイトでは、従業員の健康増進に伴う生産性の向上や、企業のイメージアップによる人材確保等、健康経営に取り組むことによるメリットをわかりやすく伝えてまいります。また、何から始めたらよいかわからない、独自で取り組みの企画をすることは難しいといった企業からの声を踏まえて、先進事例を紹介するとともに、企業においても活用可能な県や市町村の健康づくり事業を掲載いたします。  さらに、企業が健康経営に取り組むインセンティブとして、特にすぐれた取り組みを行う企業の表彰制度を本県独自に創設し、表彰を受けた企業名やその取り組み内容について、ポータルサイトで紹介してまいります。  本県といたしましては、大企業だけではなく、中小企業や小規模企業者においても健康経営に取り組んでいただけるよう、しっかりと支援することにより、健康経営実践企業の増加を図り、県民の健康寿命の延伸につなげてまいりたいと考えております。 87: ◯三番(黒田太郎君) 御答弁ありがとうございました。  それでは、要望をさせていただきます。  県が諸団体を通じて企業の健康経営を支援するこの政策は、もともと団体や企業が取り組んでいることに広がりや深みを持たせる点で大変合理的な政策であると考えます。  健康寿命が延びれば、財政への負担が軽くなるだけではなく、県民の皆さんの人生がより豊かなものになると考えられますので、こうした政策は着実に推進すべきと考えます。  一方、口腔ケアの充実と健康寿命の延伸の関連性が明らかになっている今、本事業では口腔ケア推進に関する後押しが弱い気もいたしますので、この点、もっと明確に主張していただければと思います。  また、本事業の存在と意義を広く正しく伝えていくためにも、県としてどのような団体と協議していくのかということが鍵になると考えられます。  まず、健康寿命の延伸という課題を扱う以上は、その専門家である医師会や歯科医師会とも協議をしてはどうでしょうか。また、中小企業への浸透を図る上では、中小企業関係団体との協議を充実させてはいかがでしょうか。さらに、経営者に健康経営の大切さを知っていただくことは大切ですが、実際に健康増進策を行うのは経営者も含む働く皆様であることを考えると、協議者に労働組合を含めていただくのはいかがでしょうか。  その一方で、矛盾するように聞こえるかもしれませんが、協議に参加する方がふえればふえるほど議論はまとまりにくくなるものです。この点については、絶妙なバランス感覚を発揮していただくようお願いするしかありません。無理な注文のようですが、大変意義深い事業であるだけに、広く深く浸透することを願い、要望とさせていただきます。 88: ◯議長中野治美君) 進行いたします。  丹羽洋章議員。 89: ◯二十三番(丹羽洋章君) 私は、歳出第八款農林水産費第一項農業総務費第七目農作物対策費のうち、主要農作物振興指導費の米、麦、大豆といった主要農作物種子の安定供給体制について、お伺いいたします。  戦後の日本で、米や麦、大豆などの主要農作物の種子の安定供給や、我が国の食料の安全保障に多大な貢献をしてきました主要農作物種子法が、この四月に廃止されます。  この法律は一九五二年五月に制定されました。我が国が国際社会に復帰したサンフランシスコ講和条約が発効した翌月のことです。諸外国いずれの国も、主要作物の種子政策は農業政策上の基本事項とされており、我が国が主権を回復して国際社会に復帰するに当たり、国として明確に農業政策の基本を定められたものだと思います。  この法律には、都道府県による普及すべき優良品種、奨励品種の選定や、その原原種及び原種、一般種子の生産と安定供給に都道府県が責任を持つことが定められております。今日まで、本県においても、例えば豊田市の中山間部で栽培されており、幻のお米と言われるミネアサヒを初め、水稲で十八品種、麦で二品種、大豆で二品種の奨励品種を採用して、種子の安定供給を行ってきました。  その根拠となってきた主要農作物種子法がこの四月に廃止されるのですが、廃止に至るまでの経過を見ますと、平成二十八年十月、国の規制改革推進会議から廃止の提案があり、平成二十九年二月に閣議決定、その後国会に提出されて、四月十四日に廃止法が成立と、都道府県を初め関係機関の理解が十分に得られないまま、極めて短期間に、廃止する理由も不明確なまま決定されております。  なお、参議院においては、都道府県がこれまでの体制を生かして主要農作物の種子の生産及び普及に取り組むに当たっては、その財政需要について、引き続き地方交付税措置を確保し、都道府県の財政部局も含めた周知を徹底することとの附帯決議がなされており、これまで種子法が果たしてきた役割の継続を求めるものとなっております。  多くの問題点、課題が解決されぬまま、その法律がこの四月に廃止されるわけですが、ここに至ってもなお幾つかの懸念がございます。  そこで、以下についてお伺いいたします。  まず、種子法に基づき、国の地方交付税措置がとられてまいりましたが、根拠法がなくなったことで、今後も安定的な予算が確保されるのかが懸念されます。平成三十年度予算に当たりまして、種子法廃止によって国の交付税措置はどうであったか、確認させていただきたいと思います。  次に、種子法を根拠に、公的種子制度によって、今日まで良質で地域の気候風土にあった安価な種子が安定的に提供されてまいりました。あわせて、都道府県間の競争を促し、数多くの優良品種、地域特産の品種を生み出してもまいりました。今日まで主要農作物の種子政策に愛知県の果たしてきた役割は大きく、根拠法が廃止されたにせよ、今後も今日までと同様、しっかりと愛知県が果たすべき責任、役割を担い、優良品種の提供、確保機能が低下するようなことがあってはならないと考えます。  そこで、本県として今度どのように取り組まれていくのでしょうか。主要農作物種子の遺伝資源の管理、品種改良の促進、種子の安定供給体制の確立、種子流通の適正化を今後どのように担保し、主要農作物種子の生産及び普及を促進していこうと考えられていますでしょうか。  以上、質疑とさせていただきます。 90: ◯農林水産部長(高橋智保君) 主要農作物振興指導費について、主要農作物種子法廃止後の本県の取り組みをお尋ねいただきました。  主要農作物種子法及び国の基本要綱では、都道府県は栽培試験を実施して、普及すべき稲、麦、大豆の優良な品種を奨励品種として決定することや、種子の種類別の需給の見通しを取りまとめた種子計画を策定し、種子を安定的に供給することなどが定められております。  本県におきましては、農業総合試験場が本県の気候や土壌条件に適した水稲や小麦の品種を育成して、県内各地で栽培試験を実施し、その結果を踏まえて、奨励品種を決定してまいりました。また、国の基本要綱により県が設置した愛知県米麦振興協会は、種子計画で定められた生産者が翌年の栽培に必要とする種子の数量等に基づいて種子生産農家に委託することで、生産者の要望に対応した安定的な種子供給を担っております。  平成二十八年度に米麦振興協会が供給した種子は、平成二十九年度の県内栽培における必要量のうち、水稲で九四%、小麦で一〇〇%となっており、毎年品質が保証された種子に更新することにより、安定生産に大きく貢献してまいりました。  ことし四月の種子法廃止に伴い、現在の都道府県における奨励品種制度や計画的な種子生産等については、法令等での位置づけはなくなりますが、種子の品質に関する基準は引き続き種苗法において担保されております。  また、お尋ねの種子法廃止後の都道府県の取り組みに対する地方交付税措置につきましては、農林水産省から引き続き措置される旨の通知が出されております。  次に、今後の取り組みでありますが、議員お示しのとおり、本県におきましては、奨励品種の決定や米麦振興協会による種子の供給体制などが既に五十年以上も続いており、本県の生産者の経営安定のために欠くことのできないものとなっております。  そこで、県といたしましては、農業総合試験場における主要農作物の品種開発を継続するとともに、優良な種子の供給体制を維持するため、本年四月から新たな要綱を整備して、引き続き主要農作物の生産振興にしっかりと取り組んでまいります。 91: ◯二十三番(丹羽洋章君) 要望させていただいて終わります。  第四十三代アメリカ合衆国大統領のジョージ・ブッシュ元大統領、息子さんのブッシュ大統領のほうですけれども、食料の海外依存の危険性を強調して、次のようなことを言われております。食料自給ができない国は、国際圧力に屈する国だとブッシュ大統領は言われておりました。もちろん、種がなければ農作物ができるわけでもなく、食料自給以前の問題でありまして、ゆえに、種を制する者は農業を制する、また世界を制すると言われているわけでございます。  また、そうした食料安全保障の観点以外からも、私たちは食べなければ健康を維持することもできませんし、生きていくことももちろんできないわけでございます。  本県として、今後も健康にもよく安全に安心して食べられる農作物をつくることのできる安価で良質な種子を安定的に供給できるように、せめて米、麦、大豆といった主要農作物の種子については、愛知県として、財政措置を含めて、今後も従前同様、その役割を果たしていっていただきますことを要望するものでございます。  また、先ほどの答弁では、地方交付税措置は平成三十年度については従前同様であったということでございますが、将来的にどうなるかはやはり不透明でございます。  種子法が廃止される四月からは、本県として新しく独自の要綱をつくって、それをもとに取り組まれていかれるということでございますので、仮に将来、地方交付税措置がなくなったとしても、本県として予算をしっかり確保しながら引き続き取り組んでいっていただきますことを重ねて要望して、終わります。 92: ◯議長中野治美君) 進行いたします。  渡辺靖議員。 93: ◯十六番(渡辺靖君) 私からは、歳出第八款農林水産費第一項農業総務費のうち、次世代技術活用水田農業強化事業費について、大きく二点お伺いをいたします。  まず一点目といたしまして、愛知の水田農業の発展のために重要な技術開発とブランド化について、御質問いたします。  近年、産業用ロボットや人工知能などの先端技術の発展は目覚ましく、製造業や建設業を初め医療や環境など、さまざまな分野で応用されており、生産性や労働性を飛躍的に向上させるものと期待されております。  農業分野におきましても、農林水産省が平成二十七年三月に策定した食料・農業・農村基本計画において、高齢化や労働力不足が進む中で、担い手の一層の規模拡大、省力化や低コスト化を実現するロボット技術や、ICTを活用した農業の実現に向けた取り組みを進めるとしておられます。  また、農林水産業・地域の活力創造本部が平成二十八年十一月に決定いたしました農業競争力強化プログラムにおいては、農業者の所得向上を図るため、農業者が自由に経営展開できる環境を整備するとともに、農業者の努力だけでは解決できない構造的な問題については、国を挙げて解決していくことが必要とされております。  これを受けて、国においてはGPSを利用した無人トラクター運転の実証や、ロボット技術を活用した野菜収穫調製機械の開発等が行われていると聞いております。  本県においても、野菜や花の施設園芸を中心にICTの活用が進んできており、ハウス内の温度や湿度の環境データをどこにいても携帯端末で確認できる技術の導入により、生産性が大変上がっていると聞いております。  本県は施設園芸が盛んな県でありますが、耕地面積の約六割は水田でございます。稲、麦、大豆など、土地利用型作物を主体に生産する経営体も数多くおられます。経営の大規模化や機械化が進んでいる水田農業におきましても、こうした先端技術を活用した新たな栽培管理技術を導入することが一層の生産性の向上になると期待しております。  そこでお伺いいたします。  水田農業の生産性向上のための技術開発について、県はどのような取り組みを進めておられるか、お伺いをいたします。  次に、あいち米ブランド化についてであります。  米の消費量は年々減少しておりまして、国の統計によりますと、平成二十八年の一人当たりの年間消費量は五十四キログラム、ピークの昭和三十八年の百十八キログラムの半分以下となっております。その要因は食生活の多様化や欧風化、高齢化による消費減退などと言われておりますが、それでも米は日本人の主食であることに変わりはございません。  また、米は消費減退と相まって、昭和四十年代から一貫して国による需給調整が行われてきましたが、国は政策を転換し、平成三十年産からは国による需給調整は行わず、都道府県段階で、生産者や関係団体、行政が中心となって、需要に応じた生産ができるように取り組むこととされました。  需要に応じた生産とは、米が過剰生産にならないよう、全国の需給調整の状況も考慮しつつ、地域の特色を生かした米生産を行うということであり、水田農業の競争力強化のためには、生産性の向上とともに、特色のある米によるブランド化が重要であると考えます。  そこで、他県の取り組みでは、青森の青天の霹靂、山形のつや姫などブランド米を開発し、日本穀物検定協会が実施しているお米の食味ランキングの最高評価であります特Aをとって、おいしいお米のお墨つきのもと、強力に売り出しております。  今後、こうしたブランド米による地域間競争はますます激しくなることと想定されます。本県においても、水田農業の強化、発展を図るために、生産性向上のための新たな技術を導入しつつ、消費者の求めるおいしいお米を供給して、ブランド化を図っていくことが重要だと考えております。  そこで、愛知県の米のブランド化を推進するため、どのような取り組みを進めていかれるか、お伺いをいたします。 94: ◯農林水産部長(高橋智保君) 次世代技術活用水田農業強化事業費についてのお尋ねのうち、初めに、水田農業における生産性向上のための技術開発についてであります。  国の米政策が平成三十年産から見直され、水田農業を取り巻く環境が大きく変化する中、本県の水田農業の競争力を強化するためには、より高い生産性を実現させる技術開発が不可欠であると認識しております。  これまで、県の農業総合試験場では、田植えを必要としない不耕起V溝直播栽培や、追肥を必要としない全量元肥栽培法を開発し、生産現場における省力化や低コスト化を図ってまいりました。  近年では、ICTやドローンなどの先端技術の活用が進む中、とりわけフランスは、ドローンに搭載した高精度のカメラで作物をモニタリングし、生育や栄養の状況を分析して、作物の収量を飛躍的に向上させるなど、農業分野におけるドローン活用の先進国として、極めて高い生産性を実現しております。  平成三十年度におきましては、こうしたドローンによる高度なモニタリングと、これまでに農業総合試験場が開発してきた栽培技術を融合させて、圃場における生育のむらの補正に適した肥料を与える時期、量の決定や、収穫時期などを決定する本県独自の生育診断プログラムを開発してまいります。この技術は、IT関連企業や、情報工学系の大学と連携して開発を進めるとともに、県内各地で開発した技術に基づく栽培実証と改良を重ねてまいります。  こうしたドローンなどの次世代技術を活用した県独自の生産システムを確立し、本県の水田農業における生産性向上にしっかりと取り組んでまいります。  次に、本県における米のブランド化の取り組みについてであります。  本県におきましては、水稲作付面積の約四分の一をコシヒカリが占めておりますが、コシヒカリは米が熟す七月に気温が高い日が続きますと、米粒が白く濁り、品質が低下するという課題がございます。  このため、農業総合試験場におきましては、コシヒカリの高温障害による品質低下を改善するとともに、食味を向上した新品種愛知百二十三号を平成二十六年度に開発し、現地試験を実施しているところでございます。  これまでのところ、愛知百二十三号の特徴を十分に発揮させるためには収穫時期が重要であることが解明できましたので、今後はドローンを活用して、圃場ごとに収穫に適した時期を判断できる技術を確立してまいりたいと考えております。  また、こうした技術により、愛知百二十三号の食味のさらなる向上が図られることから、昨年四月に本県と農業団体、生産者で構成する愛知百二十三号ブランド化推進協議会を立ち上げ、食味のトップランクである特Aの取得に向けた取り組みを進めております。具体的には、協議会の中に特A生産技術作業部会を設置して、特A取得のための栽培管理技術や肥料成分などの検討を県内各地の生産者の圃場で実施しております。  また、愛知百二十三号のブランド化につきましては、ブランド戦略作業部会を設置して、ワンランク上のお米としての知名度向上を図るため、ブランド名やパッケージデザインなどの検討を進めてまいります。  こうした水田農業における技術開発と、新品種愛知百二十三号のブランド化を推進して、本県の水田農業の振興にしっかりと取り組んでまいります。 95: ◯十六番(渡辺靖君) 御回答ありがとうございました。  それでは、要望をさせていただきます。  農業を取り巻く環境は大変大きな変化をしておりますし、また、現在農家を経営者に変えることから始まると言われております。  それで、現状を鑑みますと、農業就農者の減少と特に高齢者の離農が加速しており、その要因といたしましては、今まで高齢者でも比較的容易な稲作経営者が、米価の低迷などにより離農が進んでいるというのも現実でございます。そして、さらにその農地が担い手に集まり、担い手の規模拡大が進んでおり、法人経営も増加をしている現状でございます。  今後の稲作経営におきましては、大規模化、機械の大型化などにより単位コストの低減に努める一方で、米や飼料米や野菜などの複合施設経営で勝ち抜いた農家だけが生き残り、小規模農家はどんどん消えていくと言われております。  稲作経営を取り巻く環境は依然として厳しい状況ですが、頑張る専業農家には大きなビジネスチャンスが訪れると考えております。  引き続き、本年度新規事業の中で、次世代技術を活用する水田農業の強化、そしてまた、ブランド化に力を注いでいただきまして、大農業県である愛知の底力で、維持拡大に努めていただきますことを要望いたしまして、終わらせていただきます。 96: ◯議長中野治美君) 進行いたします。  成田修議員。 97: ◯二十六番(成田修君) 私からは、第六款健康福祉費第八項医薬費のうち、医療ツーリズム推進事業費についてお伺いいたします。  医療ツーリズムは、医業を受ける目的で他の国へ渡航することでありますが、広い意味では、ついでにその地の観光もすることも含まれます。自国の高い医療水準と国民皆保険になれ親しんだ私たちは、海外で病気療養をし、また、病人を置いて観光旅行するなどということは理解しがたいかもしれませんが、医療ツーリズムはインターネットの普及や国際交通網の発展を背景に拡大し、医療目的で渡航した人の数は年間六百万人程度と推計され、今後も市場規模は拡大することが見込まれております。  医療ツーリストの渡航の目的としては、最先端の医療技術や、よりよい品質の医療を求める方が約七割を占めておりますが、各国の医療制度、医療情報のひずみも一つの原因と言われております。例えばイギリスやカナダでは、治療を受けるまでの時間がかかるため、待機時間の解消を目的に渡航するケースが多く、米国では多くの人が保険に加入していないことに加え、雇用主が医療保険の負担軽減のために従業員に医療コストの低い海外での医療を推奨しており、低コスト医療を求める場合が多くなっております。また、自国では受けられない治療を求めて渡航するケースもあるわけであります。  以前は、高度の医療を求め、欧米先進国への渡航が多く見られましたが、近年では、渡航理由にかかわらずアジアへの渡航がその主流となっておるわけであります。  次に、日本についてであります。  日本の高度な医療サービスを希望する外国人は年々増加傾向にあります。例えば、二〇一一年に七十件であった医療滞在ビザの発給数は、二〇一六年に一千三百七件を数え、わずか五年で約十九倍に激増いたしました。  しかしながら、医療目的で訪日する外国人の大半は、医療滞在ビザではなく観光ビザで入国し、旅行の合間に検診や美容医療を受けていると複数の医療関係者は口をそろえており、正確な受け入れ数を把握することは困難な状況であります。  二〇一七年、厚生労働省が結果を公表した医療機関における外国人旅行者及び在留外国人受入れ体制等の実態調査によれば、二〇一五年度に検診を含む医療目的で来日した外国人患者を受け入れた医療機関は全体の一七・三%に上りましたが、そのうちの患者数を把握していないと答えた医療機関がおよそ六割に及んでおります。  また、今回の調査では、外国人富裕層向けに美容医療などを行う個人クリニックは対象としておらず、こうした実情を考えれば、実際にはさらに多くの外国人が医療目的で渡航しているのが現状であります。  では、愛知県の受け入れ状態はどのようになっているのでしょうか。  二〇一七年に県が実施した外国人患者の受け入れ状況に関するアンケートでは、県内三百二十三病院でアンケートを配布し、百八十七病院から回答を得ましたが、その結果によると、十六の病院で二百四十四人の受け入れを既に実施しているということであります。  また、内容としては中国の方が最も多く、受診科目は検診、循環器、消化器の順位となっていて、価格設定は通常の価格から二倍以内の医療機関が多くなっております。  次に、受け入れに関する問題であります。  医療ツーリズムが日本でビジネスとして成長するための課題や問題点は、既に幾つも浮き彫りになっております。  一つ目は、日本語を流暢に話し、かつ医療の知識を持つ外国スタッフの雇用問題、二つ目は、患者が病院に来るまでの間や、病院を離れてから必要になるコーディネーターと呼ばれる専門の通訳などスタッフの確保について、そして、三つ目は、患者が来院直前になってキャンセルする、いわゆるドタキャンの問題や、患者や家族が院内で起こすトラブルなどがあります。  受け入れに当たって特に問題となるのが言語と生活文化の相違であります。言語については、検診のように比較的定型的な診療であれば、結果の説明を含めて、医療が専門でない通訳でも対応可能ではないでしょうか。
     しかしながら、治療を前提とした場合、刻一刻変化する病状を的確に把握するためにも、十分な医療知識を持った人材が二十四時間体制で求められるのです。また、入院中の食事は治療内容によってさまざまでありますが、一週間を超えるとなれば、食習慣の相違からくる不満が高まることが懸念されます。しかも、想定される患者が富裕層であれば、その不満はなおさら高まるのではないでしょうか。  このような問題や課題はあるものの、日本が医療ツーリズムで他国に勝てる要素は多数あります。  まず、日本は世界に類を見ない医療機器大国であり、CTやMRIといった診断装置の保有台数は世界でも圧倒的なトップクラスであり、また、重粒子線治療機器、陽子線治療機器、放射線治療機器をも保有しております。これらは体を切らずに治す非侵襲治療をがん患者に提供するのであり、海外のがん患者が日本を渡航先として選ぶ可能性は非常に高いと思います。  既に国内の患者向けには、高度な専門的な診療を担う病院では、診療所や他の病院からふさわしい患者を紹介してもらえるような取り組みを行っております。外国から患者を受け入れる場合についても、送り出し国との診療の役割をどのように見定めるかによって、受け入れ可能な患者の範囲は大きくも小さくもなり得るのであります。  以上のことを踏まえまして、お伺い申し上げます。  県では、外国人患者に対する先進的な医療の提供や、最先端の医療機器などによる検診の実施などによって、医療の国際化を推進するため、二〇一六年、あいち医療ツーリズム研究会を発足させ、医療ツーリズムの推進方策について提言が取りまとめられました。この提言を踏まえ、二〇一七年二月にあいち医療ツーリズム推進協議会を設置し、推進のための具体的取り組みを検討していると聞いております。  そこで、この研究会の提言を受け、これまでの県の取り組み状況についてお伺いいたします。  また、二〇一七年までの取り組みを踏まえまして、今後、県としてどのように医療ツーリズム推進に取り組んでいくか、お伺いいたします。  以上、二点を私の質問とさせていただきます。 98: ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君) 医療ツーリズム推進事業費に関する御質問のうち、まず、これまでの取り組み状況についてお答えいたします。  平成二十八年十一月にあいち医療ツーリズム研究会からいただいた提言には、六つの推進方策が示されており、これらについて、県として着実に実施していくこととしております。  まず、昨年二月に、推進のための具体的な取り組みを検討する場として、大学病院や県医師会などの研究会の構成員に民間団体等に加わっていただき、あいち医療ツーリズム推進協議会を新たに設置いたしました。  また、昨年十月には先進事例などを発表するシンポジウムを開催し、医療関係者や旅行会社など約百名の方に出席をいただき、県内における医療ツーリズム推進の機運を高めることができました。  さらに、外国人患者を円滑に受け入れられるよう、資格制度はございませんが、外国人患者受け入れの調整を行う国際医療コーディネーターを育成するための研修を昨年十二月に実施し、医師、看護師、病院事務職員など約三十名の方に参加していただき、人材の育成を図ることができたと考えております。  また、環境整備として、早期に治療が必要な外国人の方に愛知のすぐれた医療を迅速に提供するために、国家戦略特区の規制改革事項として、医療滞在ビザの早期発給などを提案しており、その実現を目指しているところでございます。  次に、医療ツーリズム推進に関する今後の県の取り組みについてお答えいたします。  医療ツーリズムの実施に当たりましては、医療機関の院長等の理解が必要と考え、来年度は院長等経営トップ層に対象を絞りセミナーを開催するほか、引き続き国際医療コーディネーターの育成に取り組んでまいります。  さらに、これらの取り組みに加えまして、海外での愛知の認知度を高めるとともに愛知の医療ツーリズムを紹介するため、本年十一月に中国の北京において開催される国際医療展覧会へ県内医療機関と合同で出展いたします。また、愛知の医療ツーリズムを映像でPRするためのDVDやリーフレットを制作し、この展覧会でDVDを上映するなど、知名度の向上を図ってまいります。  なお、研究会からの提言にもありますように、医療ツーリズムの実施は、地域医療に影響を及ぼさない範囲で行うことが大変重要でありますので、その点にしっかり留意しながら取り組んでまいりたいと考えております。  今後も引き続き外国人患者への先進的な医療の提供や、最先端の医療機器を使った検診の実施など、愛知のすぐれた医療技術の活用による医療の国際化を進めるため、関係団体と緊密に連携しながら、官民一体となって医療ツーリズムを推進してまいります。 99: ◯議長中野治美君) 進行いたします。  南部文宏議員。 100: ◯二十八番(南部文宏君) 私からは、歳出第七款産業労働費第二項商工業費ワールドロボットサミット開催準備についてお伺いをいたします。  我が国は世界的なロボットメーカーが数多くあるロボット製造大国と呼ばれていますが、本県のロボット製造業の製造品出荷額等を初め事業所数及び従業員数は全国一位の規模を長年にわたり維持しております。  このような状況に鑑み、本県では平成二十六年十一月に、大村知事を会長とするあいちロボット産業クラスター推進協議会を設立しました。ロボット産業を自動車、航空宇宙に次ぐ第三の柱として大きく育てていくことを打ち出し、三つのワーキンググループによる新たなロボットの創出に結びつけるためのマッチングの促進や、あいちサービスロボット実用化支援センターの運営など、さまざまな取り組みを進めているところでございます。  こうした中、平成二十八年十二月には、二〇二〇年に経済産業省等が主催となって世界で初めて開催するワールドロボットサミットを、愛知県国際展示場を会場として誘致をいたしました。  ワールドロボットサミットは、ロボットの競技会ワールドロボットチャレンジと、最新のロボット技術を展示するワールドロボットエキスポで構成され、世界中のロボット関係者が一堂に集まり、リアルな日々の生活、社会、産業分野でのロボットの社会実装と研究開発を加速させることを目的としているとのことであります。  ワールドロボットチャレンジは四つのカテゴリーで実施される予定です。ものづくり、サービス、インフラ・災害対応と上限十九歳までのチームが参加できるジュニアの四つです。研究者を初め、多くの子供たちの参加が期待されます。  このような世界中からロボット研究者や技術者、企業関係者などが多数集まる絶好の機会に、本県のロボット産業を大々的にアピールしていくことは非常に重要なことであります。  昨年七月に、ロボカップ二〇一七名古屋世界大会が名古屋市で開催されました。このロボカップ世界大会には、世界四十二カ国、地域から二千五百名を超える研究者や学生、子供たちが集い、約十三万人の方々の来場があり、大変盛況な大会となりました。ちなみに、サッカー標準プラットフォーム、チャレンジシールド部門におきまして愛知県立大学が、さらにジュニアサッカー、ライトウエートプライマリー部門で、たかはま夢・未来塾チームがそれぞれ一位を獲得され、表彰されました。  この大会では、関連事業として企業等が開発したロボットの展示会もあわせて開催され、海外や県内外の研究者のみならず、多くの子供たちが最新のロボットや技術に触れるという貴重な体験ができ、ロボット技術や人工知能など先端技術への関心がより高まる非常によいきっかけになったものと考えております。  このロボカップ世界大会と同様、このイベントが大いに盛り上がるよう、二〇二〇年に向けて、主催者である国と連携をし、ロボット研究者だけでなく、一般の方々や子供たちにも幅広くPRしていくことが必要と考えます。  また、ワールドロボットサミットの開催に当たっては、ロボカップアジアパシフィック大会の同時開催が予定されていると伺っております。ぜひともワールドロボットサミットとともに、盛大なイベントとしていただきたいと考えております。  そこでお伺いします。  二〇二〇年のワールドロボットサミットの開催に向け、来年度は具体的にどのような取り組みをされるのか、お伺いいたします。 101: ◯産業労働部長(吉澤隆君) ワールドロボットサミットの開催に向けた来年度の取り組みについて、お答えいたします。  ワールドロボットサミットは、経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の主催で二〇二〇年に初めて開催される世界的なロボットの祭典であり、本県のロボット産業を世界に発信する絶好の機会となります。  本県は開催地自治体として、主催者との連携のもと、開催までの三年間、段階的に大会の機運を醸成してまいります。  来年度はその初年度として、主に三点の取り組みを実施してまいります。  まず一点目として、二〇二〇年を見据え、会場となる愛知県国際展示場やその周辺などにおいて、新たに社会実装を目指す最先端のサービスロボットの開発や実証実験を行う県内企業に対して、新あいち創造研究開発補助金に新たなメニューを加えて支援してまいります。  二点目として、県内外のできるだけ多くの方々に向けて、本祭典を周知し関心を高めていただくための取り組みを展開してまいります。具体的には、十月に経済産業省等が東京ビッグサイトにおいて開催するワールドロボットサミットのプレ大会となるワールドロボットサミット二〇一八に参画し、県内企業が開発したロボットを展示紹介するなど、本県ロボット産業をPRいたします。  また、県内においては、さまざまな現場で活躍しているロボットを身近に感じていただくことができる施設等への見学ツアーを実施するほか、開催二年前のイベントとして、名古屋市内においてロボット関連のセミナーやロボットづくりの楽しさを体験できる子供向けの工作教室を開催いたします。  さらに三点目として、ワールドロボットサミットとの同時開催を予定しているロボカップ世界大会の地域版であるロボカップアジアパシフィック大会の招致について、ロボカップ日本委員会等関係者との調整をしつつ、提案書を作成するなど、招致活動を進めてまいります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 102: ◯四十番(中根義高君) 本日はこれをもって散会し、明三月八日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 103: ◯議長中野治美君) 中根義高議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 104: ◯議長中野治美君) 御異議なしと認めます。  明三月八日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後四時四十四分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...