愛知県議会 2018-02-01
平成30年2月定例会(第7号) 本文
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定例会(第7号) 本文 2018-03-08
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発言者一覧 選択 1 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 2 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 3 : ◯十八番(
河合洋介君)
選択 4 :
◯健康福祉部長(
長谷川洋君)
選択 5 : ◯十八番(
河合洋介君)
選択 6 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 7 : ◯三十一番(
新海正春君)
選択 8 :
◯農林水産部農林基盤局長(
勝又久幸君)
選択 9 : ◯三十一番(
新海正春君)
選択 10 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 11 : ◯五十五番(
谷口知美君)
選択 12 :
◯健康福祉部長(
長谷川洋君)
選択 13 : ◯五十五番(
谷口知美君)
選択 14 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 15 : ◯四十四番(
山下智也君)
選択 16 :
◯農林水産部長(
高橋智保君)
選択 17 : ◯四十四番(
山下智也君)
選択 18 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 19 : ◯四十五番(
山本浩史君)
選択 20 :
◯農林水産部農林基盤局長(
勝又久幸君)
選択 21 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 22 : ◯七十六番(高橋正子君)
選択 23 : ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君)
選択 24 : ◯七十六番(高橋正子君)
選択 25 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 26 : ◯十五番(わしの恵子君)
選択 27 :
◯健康福祉部長(
長谷川洋君)
選択 28 : ◯十五番(わしの恵子君)
選択 29 : ◯四十一番(近藤ひろひと君)
選択 30 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 31 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 32 : ◯
議長(中野治美君)
選択 33 : ◯四十八番(安藤正明君)
選択 34 : ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君)
選択 35 : ◯四十八番(安藤正明君)
選択 36 : ◯
議長(中野治美君)
選択 37 : ◯八十七番(木藤俊郎君)
選択 38 :
◯健康福祉部長(
長谷川洋君)
選択 39 : ◯
議長(中野治美君)
選択 40 : ◯六十四番(青山省三君)
選択 41 :
◯農林水産部農林基盤局長(
勝又久幸君)
選択 42 : ◯
議長(中野治美君)
選択 43 : ◯七十七番(高木ひろし君)
選択 44 : ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君)
選択 45 : ◯環境部長(菅沼綾子君)
選択 46 : ◯七十七番(高木ひろし君)
選択 47 : ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君)
選択 48 : ◯
議長(中野治美君)
選択 49 : ◯百三番(筒井タカヤ君)
選択 50 : ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君)
選択 51 : ◯百三番(筒井タカヤ君)
選択 52 : ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君)
選択 53 : ◯
議長(中野治美君)
選択 54 : ◯十二番(ますだ裕二君)
選択 55 : ◯警察本部長(加藤達也君)
選択 56 : ◯
議長(中野治美君)
選択 57 : ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君)
選択 58 : ◯
議長(中野治美君)
選択 59 : ◯一番(大嶽理恵君)
選択 60 : ◯建設部長(河野修平君)
選択 61 : ◯一番(大嶽理恵君)
選択 62 : ◯四十番(中根義高君)
選択 63 : ◯
議長(中野治美君)
選択 64 : ◯
議長(中野治美君)
選択 65 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 66 : ◯二十二番(山田たかお君)
選択 67 : ◯環境部長(菅沼綾子君)
選択 68 : ◯二十二番(山田たかお君)
選択 69 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 70 : ◯三十二番(犬飼明佳君)
選択 71 : ◯教育長(平松直巳君)
選択 72 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 73 : ◯二十五番(政木りか君)
選択 74 : ◯建設部建築局長(海田肇君)
選択 75 : ◯教育長(平松直巳君)
選択 76 : ◯建設部建築局長(海田肇君)
選択 77 : ◯二十五番(政木りか君)
選択 78 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 79 : ◯四番(朝倉浩一君)
選択 80 : ◯警察本部長(加藤達也君)
選択 81 : ◯四番(朝倉浩一君)
選択 82 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 83 : ◯二十七番(神戸健太郎君)
選択 84 : ◯産業労働部長(吉澤隆君)
選択 85 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 86 : ◯五番(安井伸治君)
選択 87 : ◯建設部建築局長(海田肇君)
選択 88 : ◯警察本部長(加藤達也君)
選択 89 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 90 : ◯二十九番(渡辺周二君)
選択 91 : ◯企業庁長(間所陽一郎君)
選択 92 : ◯二十九番(渡辺周二君)
選択 93 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 94 : ◯三十番(犬飼万壽男君)
選択 95 : ◯建設部建築局長(海田肇君)
選択 96 : ◯三十番(犬飼万壽男君)
選択 97 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 98 : ◯十七番(福田喜夫君)
選択 99 : ◯教育長(平松直巳君)
選択 100 : ◯十七番(福田喜夫君)
選択 101 : ◯四十一番(近藤ひろひと君)
選択 102 : ◯副
議長(
峰野修君)
選択 103 : ◯副
議長(
峰野修君) ↑
発言者の先頭へ 本文 ↓最初の
ヒットへ (全 0
ヒット) 1: 午前十時開議
◯副
議長(
峰野修君) ただいまから会議を開きます。
直ちに議事日程に従い会議を進めます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
日程第一 第一号議案平成三十年度愛知県一般会計予算
から第六十二号議案包括外部監査契約の締結に
ついてまで、第八十八号議案副知事の選任につ
いて及び第八十九号議案副知事の選任について
2: ◯副
議長(
峰野修君) 第一号議案平成三十年度愛知県一般会計予算から第六十二号議案包括外部監査契約の締結についてまで、第八十八号議案及び第八十九号議案いずれも副知事の選任についてを一括議題といたします。
なお、第二十六号議案知事等及び職員の給与の特例に関する条例の一部改正についてのうち職員に関する事項について、地方公務員法第五条第二項の規定により、人事委員会の意見を徴しましたところ、この条例案は指定職給料表適用職員及び管理職手当受給職員の給与の減額措置をさらに一年間延長するものである、本委員会としては、一般職の職員の給与は地方公務員法に定める給与決定の原則により決定されるべきものと考えているので、減額措置が継続されることは非常に残念であると言わざるを得ない、今後はこのような措置の回避に向けて最大限の努力が尽くされることを強く要望する旨の回答を受けましたので、御報告いたします。
この際、第一号議案平成三十年度愛知県一般会計予算のうち、第一条中歳出第六款健康福祉費から第八款農林水産費までの質問を許します。
通告により質問を許可いたします。
河合洋介議員。
3: ◯十八番(
河合洋介君) 皆さん、おはようございます。
通告に従いまして、順次御質問をさせていただきます。
私からは、歳出第六款健康福祉費第四項高齢福祉費並びに第五項障害福祉費について質問をさせていただきます。
まずは、第四項高齢福祉費第一目高齢福祉総務費のうち、認知症対策費、また、オレンジタウン構想推進費について、とりわけ若年性認知症への対応について伺っていきたいと思います。
認知症対策につきましては、現在全国の自治体では、二〇一五年に国が策定しました認知症施策推進総合戦略、これは新オレンジプランと呼ばれておりますが、これに基づいて各種認知症対策を推進しているところであり、本県におきましても、あいち健康福祉ビジョン二〇二〇、第六期愛知県高齢者健康福祉計画において、認知症対策を重要な課題と位置づけ、国の新オレンジプランを踏まえた総合的な認知症対策を進め、認知症に優しいまちづくり、社会づくりを進めていることと思います。
その認知症対策の中でも、近年非常に話題に上ることが多くなってまいりました若年性認知症に絞って県の取り組みを質問したいと思います。
若年性認知症とは、言葉のとおり若くしてかかる認知症のことであります。六十五歳未満でかかる認知症のことを若年性認知症と呼称しているだけで、症状に関しては通常の認知症と何ら変わりはありません。平均発症年齢は約五十一歳という報告もあります。女性よりも男性のほうがかかりやすいという特徴もあるようですし、中には三十代の前半からでも発症する可能性もあるという報告もあります。いつか誰でもかかるかもしれない認知症という認識から、いつでも誰でもかかるかもしれない認知症といったような認識が必要となってきているんだと思います。
愛知県のホームページでは、認知症は一般に高齢者に多い病気ですが、六十五歳未満で発症した場合は若年性認知症とされます、若年性認知症の人やその配偶者は現役世代であることから、職を失い、経済的に困窮するなど、高齢者の認知症とは異なる課題への支援が必要となりますと書いてございます。
まさにそのとおりで、症状は同じであるけれども、高齢者の認知症とは異なる課題への支援が必要となってくる、ここが重要であろうと思います。高齢になってから発症する場合と違い、御本人、御家族ともに、まさかと思うところから始まります。認知症はお年寄りのかかる病気だと思っておりますから、当然医療機関への受診も遅くなりますし、発見が遅くなります。心づもりができていない状況であるのだと思います。実際に鬱病や更年期障害などとも区別がつきにくいですし、少し物忘れがあっても、これは仕事のせいだ、疲れのせいだと流して、なかなか診断に結びついていないということもあるようであります。
若い世代だからこその苦労が非常に多いというお声をよくお聞きします。まず、認知症は高齢者がかかる特有の病気であるという認識が社会に根づいてしまっており、周囲に理解が求めにくいということがあります。また、子育て、親の介護、家庭内でも責任世代である場合が多いため、家族関係に大きな影響が出てしまうということもありますし、夫婦関係や子供の葛藤、あるいは遺伝の不安など、さまざまであります。
また、働き盛りの年代で発症をし、経済的に困窮してしまうケースもやはり多々あるようであります。また、加えて、認知症に対する制度がどうしても高齢者向けになっているため、介護保険や障害者制度のはざまに立たされてしまうということも少なくありません。この十年ぐらいで若年性認知症に対する対応は大きく変わってきているとは思いますが、まだまだこれからという感じでもあります。
平成十八年度から二十年度にかけて行われました厚生労働省の調査では、これも十年も前の話でありますが、推計で十万人当たり四十七・六人の若年性認知症の患者さんがいると言われ、それに当てはめれば、愛知県内に二千人近い患者さんがいると言われていて、なお、数はふえ続けているのではないかと思います。
また、本県大府市にある認知症介護研究・研修大府センターにおいて、平成二十六年度に若年性認知症の実態調査も行われております。その内容を見ましても、若年性認知症特有のお悩み、課題が浮き彫りになっています。受診がおくれて適切な治療が受けられず、症状がどんどん悪化するでは困るわけであります。国も現在、二〇一七年度から三カ年をかけまして、患者さんとその御家族一万人の就労状況や生活実態調査を行っている最中ということであります。この若年性認知症の分野に関しては、今後の認知症に優しい社会を築いていくに当たって大変重要になっていくと思います。
これまでの若年性認知症に対する施策は、二〇〇九年七月から、認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクトの中で、若年性認知症対策として、一、若年性認知症に係るコールセンターの設置、二、診断後からのオーダーメードの支援体制の形成、三、若年性認知症就労支援ネットワークの構築、四、若年性認知症ケアの研究、普及、五、若年性認知症に関する国民への広報、啓発といった五つを柱とした施策を展開しております。
二〇一三年九月からは、認知症施策推進五カ年プラン、これ、いわゆるオレンジプランと呼ばれていたやつですが、この中で、御本人、御家族向けの若年性認知症ハンドブックの作成、相談対応者向け、これは支援者向けの若年性認知症支援ガイドブックの作成という項目が追加をされ、二〇一六年一月からは、新オレンジプランの中で、都道府県の相談窓口に支援関係者のネットワークの調整役を配置することが義務づけられ、若年性認知症支援コーディネーターが配置をされることになっております。
愛知県におきましても、若年性認知症の方御本人やその御家族等からの相談に応じ、医療、福祉、就労等の総合的な支援をするため、愛知県若年性認知症総合支援センターを開設しているとお聞きをしております。
重ねてになりますが、六十五歳未満での認知症の発症は、高齢者のそれとは環境の違いが大変大きく、その支援体制も、働いている企業にも理解してもらい、配慮してもらうことも重要ですし、そもそも転職を余儀なくされたり、家族関係を含めた人間関係も大きく変化をしたり、課題は多くあります。
また、支援を受けるに当たっても、生活や就労に関する相談、あるいは障害者手帳や障害年金の受給など、その特性に応じた支援が求められますが、相談窓口がわかりにくい現状があり、関係機関との連携が非常に重要であると思います。
そこでお伺いをさせていただきます。
愛知県、本県の若年性認知症に対する認識をお示しいただきたいのと、若年性認知症に対する今までの取り組みをお聞かせください。また、新年度新たに取り組んでいく施策についてお聞かせをいただきたいと思います。
続きまして、同じく歳出第六款健康福祉費第五項障害福祉費のうち、特に障害者スポーツ振興費についてお聞きをしたいと思います。
今議会でも冒頭から話題になっておりますが、平昌冬季オリンピックにおいて、日本選手団、とりわけ愛知ゆかりの選手たちの活躍はすばらしいものがありました。大変感動をいたしました。
また、九日、あしたからですが、パラリンピック競技大会も開催をされます。こちらも、選手の皆様が日ごろの練習の成果を十分に発揮され、すばらしい成績と悔いのないパフォーマンスを残していただけますよう、大いに期待を申し上げるところでございます。
さて、この障害者スポーツに関しましては、健常者の皆様と同様、障害の有無にかかわらず、スポーツ競技にひたむきに集中して打ち込む選手の姿は大変美しいものがあり、見る者に感動を与えてくれます。そして、感動、共感を呼び、社会のきずなというものを感じさせてもらえる大変崇高なものに感じられます。
障害者スポーツは、障害を持つ皆さんの可能性を広げ、社会参加の意欲ですとか、生きていく自信ですとか、自立心なんかを大いに育むものであると思います。国でも、文部科学省が昨年三月に発表いたしました第二期スポーツ基本計画においては、スポーツを共生社会の実現に貢献できるものと位置づけ、障害者スポーツを通じて障害者への理解、共感、敬意が生まれる、子供、高齢者、障害者、女性、外国人なども含め、全ての人々が分け隔てなくスポーツに親しむことで、心のバリアフリーや共生社会が実現をすると記されております。
愛知県としても、愛知県スポーツ推進計画、いきいきあいちスポーツプランが作成をされ、障害者スポーツ活動の推進や、障害者スポーツの競技力向上等が盛り込まれているとお聞きをしております。
障害のある方の社会参加を進めるため、愛知県では障害者スポーツの振興に今までどのように取り組まれてきたのかお聞かせをください。そして、障害者スポーツの振興に対してどのように認識をし、来年度は取り組んでいかれるのかお聞かせをいただきたいと思います。
また、障害者スポーツの祭典、スポーツの大会といいますと、皆さんすぐパラリンピックと思い浮かぶと思いますし、私も地元の皆さんとお話をしておりますと、パラリンピックという言葉は非常に知名度があるんですね。市民権を得ているといいましょうか。
しかし、よくよく話をしてみると、案外皆さん御存じないというか、誤解をされている人も多かったように感じます。どういうことかといいますと、障害者の方が参加をするスポーツ大会イコール、パラリンピックというように勘違いをされている方が非常に多かったように思います。
それで、大変これはいい機会だと思って、いろんなところで私は宣伝をして回っておりますが、パラリンピックという大会は、皆さん御存じのとおり、身体障害の中でも肢体不自由の方や視覚障害を持たれている方が参加をされる主な大会であります。そして、聴覚に障害を持つ方はデフリンピックという大会もありますよとか、そして、知的障害を持つ皆さんが参加をするスペシャルオリンピックスという大会があるんですよと、このように言いますと、結構皆さん知らなかったです。
加えて、実はこの秋に愛知県でスペシャルオリンピックスの国内大会があるんですよと言うと、これもまた全然知らなかったですね。非常に寂しかったです。
スペシャルオリンピックスは一九六八年に設立をされて、本年がちょうど記念の五十周年に当たります。その記念の年に、この愛知県で全国大会が開催をされているということで、大村秀章知事も大会の顧問に御就任をされていらっしゃいます。公益財団法人スペシャルオリンピックス日本の理事長であり、愛知大会の会長でもありますマラソンオリンピックメダリストの有森裕子理事長も、幾度かこの愛知、名古屋を訪れてPRをされておりますし、来週三月十一日には、栄のオアシス21で知事とトークイベントもあるやに聞いております。
この大会は県の事業ではありませんので、予算措置等々は行われていないということでありますが、せっかく御当地にて開催をされるスペシャルオリンピックスでございます。ぜひPRも含めて県としても捉えていただきたいものと思います。
昨年九月の一般質問でも、公明党の渡会先生もこのスペシャルオリンピックスについて、障害者スポーツ全般にも触れられて質問をされておりますが、九月二十二日から二十四日、開会を半年に控えまして、そしてまた四月には、二十八日だったと思いますが、ジョギングフェスティバル等々の関連の事業も始まってまいります。
県として、スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・愛知を、県の障害者スポーツ振興としてどのように捉えているのか、加えてお聞かせをいただきたいと思います。よろしくお願いします。
4:
◯健康福祉部長(
長谷川洋君) 最初に、認知症対策のうち、若年性認知症への対応についてであります。
六十五歳未満で発症する若年性認知症につきましては、現役で働いているときに発症するケースが多く、就労や生活費、子供の教育費など、経済的な問題や、時に若年性認知症の御本人と親の介護が重なり、複数介護になるなどの特徴がありますので、就労継続支援、生活相談など、高齢者の認知症とは異なる支援を講じていく必要がございます。
このため、本県では平成二十八年十月に、認知症介護研究・研修大府センターの中に愛知県若年性認知症総合支援センターを設置いたしまして、若年性認知症の特性に配慮した、医療、福祉、就労等の総合的な支援を実施しているところであります。
このセンターには若年性認知症支援コーディネーターを配置し、御本人はもとより、御家族、勤務先の企業や地域包括支援センターなどからの電話や来所による相談に応じるとともに、相談内容に応じて関係機関と連携を図り、御本人の状態に応じた適切な支援を行っております。
また、来年度は発症の初期段階から適切な支援が受けられるようにするため、認知症疾患医療センターであります国立長寿医療研究センターで若年性認知症と診断された方に、若年性認知症総合支援センターの支援コーディネーターを紹介し、長寿研の地域連携担当者とともに適時適切な支援を行う新たな連携体制を構築してまいります。
まずは両センターで連携をしてまいりますが、さらに今後は県内の認知症疾患医療センターにおいても同様の連携体制がとられるようにして、若年性認知症の診断と支援をつなぐ総合的な支援体制を県内全域に波及させてまいりたいと考えております。
次に、障害者スポーツ振興費についてのお尋ねのうち、まず、これまでの取り組みについてお答えをいたします。
県におきましては、障害のある方の社会参加と、障害や障害のある方への県民の理解促進をスポーツを通して行うことを目的として、水泳、卓球、陸上競技、フライングディスクなどの競技を行う愛知県障害者スポーツ大会を毎年開催しておりまして、今年度は千五百二十四人の方に御参加をいただきました。
また、この大会で優秀な成績をおさめられた選手を、毎年秋の国民体育大会終了後に引き続き行われます、国内最大の障害者スポーツ大会であります全国障害者スポーツ大会に派遣をしており、今年度は愛媛大会へ、百七十三名の選手及び役員から成る愛知県選手団を派遣いたしました。
さらに、障害者スポーツの裾野を広げるため、本県ゆかりのトップレベルの選手、指導者による障害者スポーツの講演会や実技指導等を行う障害者スポーツ参加促進事業を実施しております。今年度は車椅子バスケットボール、卓球、陸上競技、ボッチャ、車椅子ダンスの五種目を開催し、六百四十九人の方に参加をいただきました。
次に、障害者スポーツ振興についての認識と来年度の取り組みについてお答えをいたします。
障害者スポーツは、障害のある方がスポーツを楽しみながら健康の増進を図ることができるとともに、スポーツに参加することが、障害のある方の自信と希望につながってまいります。また、障害者スポーツを振興し、県民の皆様に障害者スポーツをごらんいただいたり交流をしていただくことで、障害や障害のある方への理解が進み、障害のある方の社会参加につながり、共生社会の実現に貢献していくものと考えております。
こうした認識のもとに、引き続き愛知県障害者スポーツ大会の開催や、全国障害者スポーツ大会への選手団派遣、障害者スポーツ参加促進事業を実施してまいります。特に、県内で広く県民の皆様にも御参加をいただく愛知県障害者スポーツ大会や障害者スポーツ参加促進事業につきましては、地元企業などからボランティアスタッフの派遣や会場提供等の御協力をいただきながら実施をしてまいります。
さらに、できる限り多くの方々に障害者スポーツの普及、振興にかかわっていただくため、大学の授業の一環として、学生さんに障害者社会参加促進事業に参加をしていただくなど、新たな仕掛けを講じてまいりたいと考えております。
このような取り組みによりまして、障害者スポーツ振興にかかわる関係者のつながりを広げ、障害のある方の社会参加の促進と、障害や障害のある方への県民の理解促進をしっかり進めてまいりたいと考えております。
最後に、スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・愛知を本県の障害者スポーツ振興としてどのように捉えているのかについてお答えをいたします。
スペシャルオリンピックスは、知的障害のあるアスリートそれぞれの性別、年齢、競技能力などによってグループ分けが行われ、可能な限り同程度の競技能力のアスリート同士で競技が実施されるものであります。そして、参加した全てのアスリートが表彰台に上がり、最後まで競技をやり遂げたアスリート一人一人の栄誉をたたえる全員表彰が特徴となっておりまして、スキルを競うだけでなく、多くの人との交流を通じて社会性を育み、自立への意識を高めていただくことを目指したものとなっております。
また、スペシャルオリンピックスはボランティアと善意の寄附によって行われておりまして、多くの企業、団体、個人の方々の支援に支えられ、大会のテーマ「超える歓び。」のもと、障害の有無を越えて、皆で喜びを分かち合うすばらしい大会であります。
こうした特色を持つスペシャルオリンピックスの全国大会が本年、本県で開催されますことは、障害者スポーツを通して障害のある方の社会参加と障害への県民の理解を目指す本県の取り組みに大きなはずみとなるものでありまして、大会の開催を県も一緒になって、大いに盛り上げていきたいと考えております。
5: ◯十八番(
河合洋介君) 御答弁いただきましてありがとうございました。
再度
発言をさせていただきます。若年性認知症対策につきましては、今お話をいただきました、昨年から設置をされております若年性認知症総合支援センターの運営ということで、さまざまなコーディネーターさんのもとにいろんな相談が来て、ワンストップでいろんな施策、いろんなところとつないでいただくようなこの施策はぜひ引き続きお願いをしたいというのはもちろんですが、国立長寿研との連携や、県内の認知症医療機関との連携も、この設置をしております大府センターさんとつないでいく、そんな役目も新年度取り組んでいかれるということですので、ぜひともお願いをしていきたいと思います。
国が二〇二〇年度まで三カ年、今やっています実態調査の結果によっては、国の制度設計も少しずつ、これ、変わってくるんだというふうに思います。やはり若年性の認知症というのはまだまだ知名度というか認知度が低いですので、やはり六十五歳以上が対象の制度設計になっているものが非常に多いと思いますので、これがどんどんどんどん広がっていった場合に、若い人でも周囲がしっかりと理解をして支えていける、これがやはり総合的な認知症対策になっていくと思いますので、ぜひお願いをしたいというふうに思います。
そして、障害者スポーツの大会でございますが、今部長からは、新たな仕掛けをいろいろして、理解の促進、裾野を広げていくというお言葉があったので、大変期待をさせていただきます。ぜひ、本年はスペシャルオリンピックスの国内大会もあるということで、これも一つの契機にして、県内全域にこうした、どんないかなる障害があっても、スポーツを通じて人と、社会とつながっていけるんだと、こういう思いを、ぜひ県としても姿勢を見せていっていただきたいというふうに思います。
以上で
発言を閉じさせていただきます。ありがとうございました。
6: ◯副
議長(
峰野修君) 進行いたします。
新海正春議員。
7: ◯三十一番(
新海正春君) 私からは、歳出第八款農林水産費第五項林業費のうち、あいちのスマート林業推進事業についてお伺いをいたします。
我が国の森林資源は、戦後に植栽された杉やヒノキの人工林を中心に、本格的な利用期を迎えていると言われています。
本県の森林に目を向けてみますと、杉やヒノキの人工林約十一万ヘクタールのうち、一般的に木材住宅の柱などに利用可能と言われる、植栽後四十六年以上経過した森林の面積は約九万ヘクタールと言われ、人工林全体の八割を占め、全国平均の五割を大きく上回っています。
森林の多くは三河地域にあり、私の地元岡崎市においても、特に額田地区は古くから林業が盛んで、何代にもわたって長い年月をかけ、丁寧に育て上げた優秀なヒノキを中心に、利用可能な森林が多くなっています。
しかし、昭和五十年代半ば以降、木材価格の大幅な下落と、林業労働者賃金の緩やかな上昇による採算性の悪化等により林業が停滞し、十分な森林整備が行われず、間伐などの手入れが不足した森林が見られるようになりました。
森林所有者に利益を還元しながら、こうした森林資源をしっかりと活用していくことが、林業の推進や山村の活性化を図っていく上で非常に重要であると考えますし、森林が持つ災害の防止、水資源の涵養、地球温暖化防止などの公益的機能を将来にわたって持続的に発揮させるためにも、着実に森林整備が進められることが県民全体の利益にもつながると思います。
森林を伐採して生産された丸太は、製材工場で柱や板などの製品に加工され利用されていくことになりますが、これまで県内には十分な加工体制がなかったため、丸太の一部は県外の大型製材工場に輸送費をかけて運ばれていたとお聞きしました。
そのような中、豊田市において、ことしの夏ごろに大型製材工場が稼働する予定であり、現在その建設が着々と進められています。杉やヒノキの丸太を加工する新たな受け入れ先が、生産地に近いところにできることになりますので、従来の製材所とあわせ、この製材工場が、岡崎市も含め、広く県内の山間地域の活性化につながることを大いに期待するところです。
平成二十九年六月九日に閣議決定された未来投資戦略二〇一七では、林業分野においてもICT活用の必要性が掲げられています。実際に長野県の北信州森林組合では、ICT、特に航空レーザー計測データを活用するシステムを導入し、林業の効率化を進めています。
航空レーザー計測といえば、昨年八月十五日にNHKテレビの屋久島”伝説の超巨大杉”というドキュメンタリー番組が放送されました。世界遺産屋久島の象徴といえば、樹齢二千年を超える縄文杉でありますが、さらなる未発見の杉が存在するという超巨大杉伝説がひそかに語り継がれているということで、取材班がその捜索に臨むという内容でありました。
番組では、航空機からレーザーを照射して森林をスキャンし、巨大杉のありかを示す宝の地図をつくり、その後現地に向かった捜索隊が、高い確率で巨大杉や樹種の異なる巨大な木を発見していました。現在の技術でこんなことまでできるのかと驚く一方で、夢のある技術であると感じました。
このような中、平成三十年度予算で、新規事業のあいちのスマート林業推進事業費により、ICTを活用して林業の成長産業化を図るスマート林業を推進していくとのことであり、大変注目をしております。
そこで伺います。
ICTを活用してスマート林業をどのように推進していかれるのか、また、平成三十年度にはどのようなことに取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。
8:
◯農林水産部農林基盤局長(
勝又久幸君) ICTを活用したスマート林業の推進と、平成三十年度の取り組みについてお答えいたします。
現在豊田市において建設中で、ことしの夏に本格的な稼働を予定している大型製材工場では、住宅の柱材など、同一規格の木材製品を大量に出荷することが計画されております。
このため、木材生産者である、県内の森林組合を初めとする林業事業体には、原料として長さや太さのそろった丸太をこれまで以上に大量に安定して供給することが求められることとなります。これは、本県の森林資源を有効に活用し、木材の生産活動を活性化させ、林業の振興を図る大きなチャンスであると考えております。
このチャンスを生かすには、まず、生産者が製材工場の需要を的確に把握するとともに、森林資源の正確な情報に基づく精度の高い木材生産計画を作成する必要があります。このため、航空機により上空から森林に向けてレーザーを照射する航空レーザー計測を実施し、杉、ヒノキ一本一本の立っている場所やそれぞれの高さ、太さといった詳細な森林情報を把握してまいります。また、生産者と製材工場がインターネット等によりリアルタイムで丸太の生産情報と需要情報を共有し、円滑なマッチングを可能とするシステムをつくってまいります。
こうしたICTの活用により、県産木材を製材工場等の需要に応じて計画的、安定的に供給することを可能とするスマート林業を推進してまいります。
このスマート林業の推進の第一歩として、平成三十年度には、まずは地域の市町村との調整が整った森林において、航空レーザー計測を実施いたします。また、木材関係者などからICTの活用に向けての提案などを聞き取り、それらを踏まえ、スマート林業の具体的な仕組みづくりに向けた基本構想を作成してまいります。
9: ◯三十一番(
新海正春君) 御答弁ありがとうございました。
それでは、要望させていただきます。
ただいま答弁をいただきましたような新しい取り組みをしていく上では、やっぱりスピード感も大切であると思います。民有林約二十一万ヘクタール全てを対象にレーザー計測をし、単木ごとの詳細な情報を把握することによって、必要なときに必要なものを伐採して、最適な林道整備とあわせて、効率よく出荷するという取り組みの核となる基礎データベースができ上がることになると思います。
利用期を迎えた杉、ヒノキの多い三河山間地域においても大いに期待されるところですので、なるべく早く航空レーザー計測が完了できるよう、しっかりとした実施計画を立て、予算を確保して、着実に進めていただくことをお願いいたします。
そして、森林組合や林業クラブなどと連携を密にして、伐採実績等による最新の森林データへの更新や、森林データをより一層有効活用するための民間への公開方法なども今後の検討課題にしていただきたいと思います。
また、航空レーザー計測により取得するデータには地形データもあり、林業の活性化だけではなく、建設部の防災計画の推進など、さまざまな活用が考えられますので、できるだけ幅広い分野での有効活用を検討していただくように要望し、質問を終了します。
10: ◯副
議長(
峰野修君) 進行いたします。
谷口知美議員。
11: ◯五十五番(
谷口知美君) 歳出第六款健康福祉費第三項児童家庭費と第五項障害福祉費について伺います。
まず、児童相談センター費についてです。
私はこれまでも児童虐待や性犯罪、性暴力被害について質問してきましたが、先日も性的被害を受けた方々のお話を伺う機会があり、被害がその後の人生に大きな傷を与えていることを改めて知りました。話をする場に出てくることができた人でも、職場や家庭でうまくいかず、心療内科にかかっている人や自立支援を受けている人の割合が高いことに驚きました。
特に児童への性的虐待に関しては、小さいころの記憶がない方や、摂食障害など、体からのサインへの治療を通して、ようやく幼いころの性被害が認識できた方、解離性障害を発症されている方もいらっしゃいました。
解離とは、過去の記憶の一部が抜け落ちたり、知覚の一部を感じなくなったり、感情が麻痺したりすることで、それが遁走、てんかん、多重人格など、日常生活に支障を来すまでになると、解離性障害といいます。自分が虐待を受けている場面をもう一人の自分が見ているという体験を語られる人もいますが、虐待などのつらい体験のダメージを避けるため、精神が緊急避難的に機能の一部を停止させることが解離性障害につながると考えられています。
自分の人生が自分ではどうしようもできない状態になっていることが悔しいという言葉も聞きました。サポートが本当に必要だと思いますが、彼女たちが一様に言うのは、相談に至るまでに大きなハードルがあるということです。
平成二十七年七月、十桁だった児童相談所全国共通ダイヤルが、かけやすく覚えやすい三桁の一八九番、「いちはやく」となりました。厚生労働省の資料により、一八九番になる前となった後の入電数を前後六カ月間で比較すると、約十五倍、月平均二万六千七十件にふえ、三桁化の効果はあったようです。
しかし、そのうち児童相談所が話ができるまでにつながった電話は月平均二千九百六十三件と、接続率は一一%という低さでした。これは、音声ガイダンスだけで一分以上かかり、全くいち早くではなかったことが接続率の低さの原因の一つだったようです。
先日、私もある件で初めて一八九番に電話をしました。その際にはオペレーターによる案内に改善されており、居住地を言えばすぐに次の案内につながりましたので、接続率の向上が期待されます。
この一八九番について調べてみますと、本県では、昼間は一八九番から直接児童相談センターにつながるのですが、夜間休日は、まず県一括の相談窓口につながり、その後、必要に応じて児童相談センター職員に連絡が入るとのことです。
児童相談センターには、昼間はさまざまなところから相談電話がかかってくるとのことですので、夜間休日の一八九番について、まず伺います。電話相談の件数や内容、どのように対応しているのかお示しください。
さて、私が深夜に携帯から一八九番にかけた際には、二十五秒で十円かかるとアナウンスがありました。一一〇番や一一九番と違って有料だったのです。携帯も使えない状況にいる子供もいます。被虐待児は身近な人からの虐待を相談しにくいということに加えて、物理的にも相談への壁を感じました。
虐待に気づいて一八九番に電話された方からも、この通話料についての疑問をいただいています。こうした壁を少しでもなくすため、通話料の負担をなくすことや、例えばいのちの電話のように、隠れてでも連絡しやすいメールの活用などはできないものかと考えます。
ここで二点目の質問です。子供からのSOSや、虐待を心配する方からの相談を受けやすいようにするための環境整備を、県としてどのように進めていくのかお伺いいたします。
さて、性被害の方からの話に戻りますが、相談しても、各方面において、性被害に関しての専門性がある方が少ないために、かえって傷ついたり、あなたのことがかわいいからだよというとんでもない対応をされたりしたことで、相談をやめてしまった方も少なくないようです。虐待に関しても、決死の覚悟で電話をかけても、その対応がよくなければ子供たちは救われません。
児童相談センターには、性的虐待のみならず、虐待全般や子育てに関する多岐にわたる相談があり、また、里親委託の推進など、それぞれすぐに答えが出るものではない困難な個別の課題に対し、職員の方々は日々大変な御尽力をされているのも承知しています。しかし、的確な対応をしていただくことが子供たちや相談された方にとって大事です。まさしく人生の岐路となります。
児童相談センターに関して最後の質問です。来年度、児童相談センターの相談への対応力をどのように強化するのかお示しください。
次に、心身障害者コロニー費について一点質問します。
重症心身障害者が入所している心身障害者コロニーこばと学園の、利用者の食事代やおむつ代などの利用者負担金の支払いについてです。
この支払いは、現在金融機関の窓口での支払いとなっており、支払う方は親御さんや兄弟の方、もしくは第三者、成年後見人、支払いの仕方は、県から届いた愛知県納入通知書兼領収書を持って、毎月金融機関の窓口に行き、金融機関で税金・公共料金等払込書を書いての納付となります。
これについては、私ども議員が政務活動費の返納時に経験することと同じですが、年に一回のことでも、ATMを利用しての振り込みや口座振替になれている私には時間がかかることに思えます。
こばと学園に関しては、被後見人の通帳から支払う場合は、さらに預貯金払戻請求書を書いて、窓口に預金通帳とともに提出し、預けてある印鑑との照合も必要となります。毎月毎月この支払いにかなりの時間を割くことになります。
高齢になった親御さんや兄弟は、金融機関に出向くだけでも大変ですし、共働きや単身の親御さん、成年後見人は、介護と御自身の生活や活動との両立が厳しい状況です。こうしたことから、もう何年にもわたってこの支払いを口座振替にしてほしいと県に要望をしてみえます。
しかし、収納システムの構築や金融機関との調整が課題になっていたようで、まだ実現はされていません。心身障害者コロニーを医療療育総合センターとして再編整備をするこの機会を生かして、ぜひ改善を図っていただきたいと思います。
ここで質問です。こばと学園の利用料を口座振替することについて、県のお考えを伺います。
こばと学園の利用者のみならず、高齢者や核家族、共働きがふえ、子育てや介護でも余裕がなくなっている中、県民の方の利便性を図ることは重要なことだと考えます。提出書類などを初め、県民の方の負担軽減をするという観点での、県庁全体での業務改善も希望して質問を終わります。
12:
◯健康福祉部長(
長谷川洋君) 児童相談センターに関するお尋ねのうち、まず、児童相談センターへの電話相談についてお答えをいたします。
本県における、平成二十八年度の夜間休日における一八九番、「いちはやく」の相談件数は七百九十六件でありまして、このうち虐待相談が三百二十五件で最も多く、四割を占めており、次いでしつけや育児など、育成相談が百五十五件で二割となっております。
これらの電話相談に対しましては、県が委託した相談専門機関におきまして、さまざまな悩みや児童虐待に対し、専門的知識やノウハウを持った相談員が悩みの解消に向けて必要な支援につなげるなど、対応しているところであります。
とりわけ児童虐待の相談につきましては、速やかな対応が必要な場合もありますことから、そうした場合は相談員が児童相談センター担当職員に連絡し、連絡を受けた職員が相談者から直接事情をお聞きし、適切に対応をしております。
次に、相談を受けやすいようにするための環境整備についてお答えいたします。
児童虐待から子供たちを守るためには、保護者や子供が気軽に、かつ必要なときにいつでも相談できる体制を整えることが重要であります。そこで、本県では現在、二十四時間三百六十五日、「いちはやく」、一八九番からの相談を受け付けるとともに、平日の日中は、子供や子育てに関する専門の電話相談、子ども・家庭一一〇番を実施し、さまざまな悩み事に対応しているところであります。
より相談しやすい環境づくりを進めていくためには、こうした相談窓口を広く知っていただく必要がございますので、本県では、毎年十一月の児童虐待防止月間に市町村と連携しながら実施しておりますオレンジリボンキャンペーン啓発活動におきまして、一八九番や子ども・家庭一一〇番を広く紹介しております。また、二月には新小学校一年生となる児童と保護者の方に向けたリーフレット等を配布し、広く相談窓口の周知に努めているところであります。
県といたしましては、今後ともこうした相談窓口をお知らせする取り組みを着実に推進することによって、誰もが気軽に相談できる環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、児童相談センターの相談への対応力の強化についてお答えいたします。
本県では、急増する児童虐待相談に的確かつ迅速に対応するため、児童相談センターに配置する児童福祉司などの専門職員を、今年度は十六人、来年度もさらに十六人増員してまいります。
また、複雑、困難化する虐待事案に適切に対応するためには、こうした専門職員の資質の向上が必要でありますので、平成二十九年度は児童福祉司全員を対象として、具体的な事例検討などを含む、実務的な任用後研修を新たに実施いたしました。
また、より高度な知識や技術を習得させるため、国が行うスーパーバイザー養成研修へ児童福祉司六名を派遣するとともに、各センターにおきまして、この研修を修了したスーパーバイザーを講師として伝達研修を行うことにより、児童福祉司全体の資質の底上げを図っております。来年度についても、引き続きこうした研修を実施してまいります。
さらに、平成二十八年度に立ち上げた、児童相談センターの職員を構成員とする児童相談センター機能強化検討委員会において、相談体制の強化などについて調査検討を行っているところでありまして、今後、検討結果を踏まえ、順次実務に反映し、児童相談センターの相談機能の充実を図ってまいります。
今後とも児童虐待相談に的確に対応できるよう、児童相談センターの職員の資質向上などにしっかりと取り組んでまいります。
次に、心身障害者コロニーのこばと学園の利用料の口座振替についてお答えをいたします。
現在、心身障害者コロニーのこばと学園の利用料につきましては、利用者の方が県から送られてくる納入通知書を金融機関に持参し、納期限までに窓口でお支払いしていただく方法をとっております。この支払い方法では、平日の金融機関の窓口があいている時間帯に直接出向いていただく必要があり、仕事のある方や高齢になられた御家族の方から、口座振替による納入をしたいという希望がふえてまいりました。
こうした御家族の希望を踏まえまして、口座振替による利用料の納入システムの導入について検討をしてまいりましたが、来年度、口座振替システムの開発を進め、新しい医療療育総合センターの全面開所する時期に合わせまして、平成三十一年度から口座振替による利用料の納入ができるようにしてまいります。
今後も障害のある方やその保護者の施設利用に当たっての御意向をよくお聞きしながら、障害のある方の暮らしの利便性向上に努めてまいります。
13: ◯五十五番(
谷口知美君) 御答弁ありがとうございました。
こばと学園利用者の方への利用料の口座振替につきましてはしっかりと進めていただけるということで、本当に利用者の方も喜ばれると思います。よろしくお願いいたします。
ただ、児童相談センターへの相談につきまして、相談しやすい環境整備をということについての御答弁につきましては、周知啓発を進めるということ、気軽に相談できる環境をつくっていくということでの御答弁でありました。
私が申し上げたのは、物理的な部分も含めてということでお話をさせていただきました。本当に、先ほど述べましたけれども、携帯を持てない、相談できる年齢になっても携帯を持てないような子供、それから、また、家から電話をしようと思っても、電話をしてしまったら親にまた気づかれて、その後大変になるというような状況などなど、本当に環境的に相談もできない子もいるのではないかと、その子たちにどうサポートしていくんだというようなところでの、またいろいろと調査とか子供たちの実態というものを把握していただきながら、具体的な環境整備をしていただきたいというふうに思っております。
ぜひそうした支援を進めていただけるように要望させていただきまして、
発言を終わります。ありがとうございました。
14: ◯副
議長(
峰野修君) 進行いたします。
山下智也議員。
15: ◯四十四番(
山下智也君) 私からは、歳出第八款農林水産費のうち第二項畜産業費第二目畜産振興費種鶏場整備費に関連してお伺いいたします。
今さら申し上げるまでもなく、名古屋コーチンは全国的にも圧倒的な知名度を有しており、愛知県を代表するブランドの一つであります。
名古屋コーチンは、愛知県がその遺伝資源を管理しており、県の農業総合試験場で改良を進める一方、畜産総合センター種鶏場では、試験場が開発した名古屋コーチンの維持と増殖を担い、民間のふ化場を通じて、生産者へ安定的にひなを供給しております。
皆様御承知のとおり、名古屋コーチンは明治の半ば、海部壮平、正秀兄弟がつくり出した傑作品であり、全国的にも高い評価を受け、明治三十八年三月十日には、国産の実用的な鶏として、我が国で初めて公式に品種として認められております。その後、歴史のあるこの鶏が養鶏王国愛知の礎となったばかりでなく、我が国の養鶏の代名詞となり、全国で多くの消費者に親しまれてまいりました。
しかしながら、昭和三十年代半ばから昭和五十年代にかけては、産卵能力や産肉能力を追求した、経済性の高い外国産の品種が主流となり、名古屋コーチンは絶滅の危機に直面するものの、消費者のグルメ志向の高まりとともに、その品質の高さが見直され、最近は年間約百万羽が出荷される等、見事に復活を遂げました。
その需要拡大の一つの契機となったのが、二〇〇五年に開催されました愛知万博であります。万博会場のみならず、中部国際空港やJR名古屋駅など、愛知県の玄関口においても御当地メニューとして注目を集め、現在では名古屋コーチンの手羽先や卵を使ったスイーツなど、お土産品としても定着しております。
このように、名古屋コーチンの需要の広がりは加速していることから、一般社団法人名古屋コーチン協会を中心とした業界では、現在の倍の年間約二百万羽程度の潜在的な需要があるものと分析をしております。
加えて、二〇一九年のラグビーワールドカップ、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、二〇二六年のアジア大会など、大きな国際大会を契機に、その需要がますます高まることは確実であります。
したがいまして、これらを充足する供給量をしっかりと確保するため、業界では畜産クラスター事業を活用した鶏舎の増設を進める等、生産拡大に向けた取り組みに着手するとともに、ひなの供給のかなめである県に対しても、畜産総合センター種鶏場の機能強化を要請されていると伺っております。
一方で、畜産総合センター種鶏場は安城市の農業地帯で事業を開始しましたが、近年は周辺の宅地化が進み、事業継続が困難となってきております。また、旧式の施設設備を長年にわたって維持しながら事業を行っているため、生産性の低下や鳥インフルエンザ対策に不安を抱えており、万が一の経済損失の大きさを勘案すると、その影響ははかり知れません。
このように、本県の知的財産である名古屋コーチンの遺伝子を鳥インフルエンザの脅威から確実に守り、また、市場の潜在的な需要を確実に捉えるためには、速やかな施設の刷新が必要であります。
県ではこれらの課題を解決するため、周辺環境との調和や防疫体制なども勘案し、昨年度、小牧市の県有地への種鶏場移転整備を決定し、現在、基本構想に基づく実施設計を策定していると伺っております。
そこでお尋ねいたします。
畜産総合センター種鶏場の移転整備について、実施計画の進捗状況をお尋ねいたします。あわせて今後のスケジュールと移転整備の効果についてお尋ねをいたします。
次に、名古屋コーチンのブランド力の強化と消費拡大についてであります。
名古屋コーチンは、県が原種となる鶏を厳格に管理することによって消費者の信頼を確保し、このことがブランド力の形成に大きく寄与しております。また、国産地鶏で唯一の純粋種として供給され、品質、知名度、どれをとっても地鶏の王様にふさわしく、県内外に広く親しまれております。
県においても、ふるさと全国県人会まつりや農林水産フェアなどのイベントにおいて毎年PRされるほか、最近はユーチューブやSNSなどで動画等も配信されており、名古屋コーチンの魅力を発信するため、いろいろ取り組まれております。
また、毎年七月の大相撲名古屋場所の優勝力士には、愛知県知事賞の副賞として、名古屋コーチンの肉百キロ、卵千個が贈呈され、大変喜ばれていると伺っております。
さらに、名古屋コーチンのブランド力を一層高めるため、県は昨年度、業界と一体となり、三月十日を名古屋コーチンの日として定め、イベントを初め、さまざまなPRを実施されました。
このような取り組みもあって、名古屋コーチンの出荷量は毎年着実に増加をしており、生産農家でも鶏舎を整備するなど、さらなる増産に備えておりますので、需要喚起対策はますます重要となってまいります。
ことしも間もなくですが、三月十日の名古屋コーチンの日には金山駅でイベントを開催されることとなっており、多くの消費者の方に、名古屋コーチンの魅力を改めて認識していただくきっかけとなるものと期待をしているところであります。
全国各地にブランド鶏や銘柄鶏が数多くある中、名古屋コーチンが地鶏の頂点に立ち続けるためには、このような取り組みを継続し、その魅力を発信することが非常に重要だと考えます。
そこでお尋ねいたします。
名古屋コーチンのブランド力をさらに強化するため、今後どのように取り組まれるのかお尋ねいたします。
16:
◯農林水産部長(
高橋智保君) 種鶏場整備費に関するお尋ねのうち、初めに、移転整備に向けた実施設計の進捗状況等についてであります。
現在安城市にあります畜産総合センター種鶏場につきましては、施設の老朽化、施設周辺の市街化の進展、防疫対策の強化などの課題に対応するため、
小牧市内の県有地へ移転し、新たな種鶏場を整備することといたしました。
昨年度は、効率的にひなを生産するための鶏舎の構造や配置、鳥インフルエンザなどの防疫対策に必要な施設や設備、さらには排水や臭気などの周辺環境対策などについて検討を進め、基本構想を策定したところであります。
今年度はこの基本構想に基づき実施設計を進めており、用地造成工事、施設の建設工事及び、導入する機械や設備の機種選定などの詳細設計を実施して、年度内に策定してまいります。
次に、今後のスケジュールにつきましては、来年度から用地造成工事に着手してまいりますが、周辺環境に十分配慮して工事を進めるため、二カ年の工期を予定しております。この用地造成工事が完了した後、三年間で施設を整備し、新たな種鶏場の開場は二〇二二年度を見込んでおります。
また、新たな種鶏場の整備による効果につきましては、種ひなの生産機能の大幅な向上が図られることから、順次規模拡大を進めている民間の養鶏場と連携して、将来的には名古屋コーチンの供給量を、現在の百万羽から倍増を目指す業界の目標の実現に貢献できるものと考えております。
次に、名古屋コーチンのブランド力強化に向けた今後の取り組みについてであります。
名古屋コーチンは全国屈指のブランドとして定着しておりますので、この優位性を維持しながら、消費拡大の取り組みを継続的に進めていくことが重要と認識しております。
これまで名古屋コーチンにつきましては、一般社団法人名古屋コーチン協会と連携して、各種イベントにおけるPRを初め、県内のグルメマップの作成、歴史を紹介するためのDVDの作成などに取り組み、ブランド力の強化を図ってまいりました。
また、昨年度からは三月十日を名古屋コーチンの日として登録したことから、この記念日を活用したイベントを開催して、さらなるブランド力強化に取り組んでおります。今年度におきましても、議員お示しのとおり、名古屋コーチンの日に金山総合駅でイベントを開催することとしており、名古屋コーチンを広くPRするためのポスターや動画の表彰式を行うとともに、より多くの方に名古屋コーチンを味わっていただくため、ひきずり鍋や鉄板焼きなどの試食などを行う予定であります。
三十年度におきましても、名古屋コーチン協会と連携して、名古屋コーチンの日を初めとする各種のイベントでPR活動を展開いたしますとともに、新たな取り組みとして、首都圏版のグルメマップを作成し首都圏での消費拡大を図るなど、名古屋コーチンのブランド力強化にしっかりと取り組んでまいります。
17: ◯四十四番(
山下智也君) 種鶏場の整備について一点要望させていただきたいと思います。
これまでも地元に対しまして丁寧な対応をしていただいているということは私も承知をいたしております。先ほど部長の御答弁で、来年度より造成工事等に入られるということでありましたが、引き続き小牧市とも協力をしながら、また地元に対して御配慮をいただきますようにお願いを申し上げまして終わりたいと思います。
18: ◯副
議長(
峰野修君) 進行いたします。
山本浩史議員。
19: ◯四十五番(
山本浩史君) 私からは、歳出第八款農林水産費第三項土地改良費の土地改良事業費のうち、経営体育成基盤整備事業費についてお伺いします。
農業や農村は、食料を安定的に供給する場としてだけではなく、関連産業とともに地域の経済を支える重要な役割を担っていることに加え、県土の保全や水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成などの多面的な機能を有しております。
しかしながら、都市部に比べ高齢化や人口減少が進んでいる農村地域では、高齢化のために離農せざるを得なくなった農家や、相続等により、農地を所有しているが農業に従事していない、いわゆる土地持ち非農家が増加の一途をたどっており、良好な農業農村の維持に苦慮しているところであります。
私の地元田原市は、豊川用水が通水したことで、良質な水が安定的に供給されるようになり、大規模な基盤整備も行われたことから、キャベツ、ブロッコリー、レタスなどの露地栽培、菊、バラなどの花卉や、メロン、トマトなどの施設園芸が飛躍的に発展しました。平成二十七年の農業産出額は八百億円を超え、市町村別の農業産出額では全国一位を誇っております。特にキャベツについては、本県は作付面積日本一であり、冬キャベツは国内シェアの三割以上を占めています。
また、昨年十一月に知事が御試食された、田原市のキャベツを使ったコロッケ、キャベコロは、平成二十八年の優良ふるさと食品中央コンクールで農林水産大臣賞を受賞しており、御当地グルメとして人気を博しております。
しかし、こうした田原市であっても、地域の農業を支えてきた担い手農家の維持や後継者対策は大きな課題であります。
こうした中、国は、担い手農家による営農を拡大するため、平成三十五年度までに、担い手への農地集積面積を全農地の八割にするという目標を掲げ、その具体的施策として、貸借を中心とした農地利用の効率化を図る農地中間管理事業を平成二十六年三月に創設しました。
本県においても、公益財団法人愛知県農業振興基金を農地中間管理機構に指定し、農地を貸したい農家から機構が一旦農地を借り受け、担い手農家等にまとまった形で農地を貸し出すことで、担い手の農家等への農地の集積、集約化を進めております。
しかしながら、農地集積のために不可欠とも言える基盤整備事業の実施に当たっては、これまでのような農業者による申請、同意、費用負担を前提とした事業の仕組みのままでは、離農した農家や土地持ち非農家が費用負担などを理由に事業に賛同しないケースが数多く見られることが課題として残りました。
このため国は、昨年九月に土地改良法を改正し、農地中間管理機構が借り入れた農地については、農業者からの申請によらず、農業者の費用負担や同意なしで県が基盤整備を実施できる制度を創設しました。現在でも、生産性の高い農業を営んでいる担い手農家はもとより、小規模経営から脱却を図りたい農家からも、区画拡大を初めとする基盤整備を求める声が日増しに大きくなっているところであります。
こうした中、田原市の中でも太平洋岸の温暖な気候を生かして、トマトの施設栽培やキャベツの露地栽培が盛んな地域である和地太田地区においては、地域の担い手農家がさらなる経営規模の拡大に向けて、農地中間管理機構と連携した基盤整備事業に着手すると伺っております。
そこでお尋ねいたします。
農地中間管理機構と連携した基盤整備事業により、和地太田地区ではどのような整備を行うのか、あわせて、今後どのようにこの事業に取り組んでいかれるのかお伺いします。
20:
◯農林水産部農林基盤局長(
勝又久幸君) 農地中間管理機構と連携した基盤整備事業についてお答えいたします。
議員お示しのとおり、田原市の和地太田地区では、地域の担い手農家を中心に、新たに区画の大きい農地を借り入れ、畑作物などを生産することで経営規模を拡大し、高収益が期待できる営農を展開したいとの意向が以前よりありました。
このため、県は平成三十年度に、農林水産省が創設する農地中間管理機構と連携した基盤整備事業を和地太田地区において実施することといたしました。
具体的な整備の内容といたしましては、二十三ヘクタールの水田に平均五十センチ程度の厚さの土を運び入れ、区画を拡大し畑といたします。さらに、水はけをよくするための排水施設を整備し、スプリンクラーかんがいを可能とする揚水機場やパイプラインなどを一体的に整備することで、より効率的な営農が図られるとともに、品質のよいキャベツなど、高収益作物の収穫が期待できることとなります。
この整備に要する期間は、平成三十五年度までの六年間を予定しており、総事業費は十五億八千五百万円を見込んでおります。
農地中間管理機構と連携した基盤整備事業は、農家にかかる費用を国が負担し、事業化に必要な手続を大幅に簡素化できます。このため、基盤整備に取り組みやすくなり、意欲ある担い手農家は営農条件のよい農地を円滑に借り受けることができ、担い手農家への農地の集積、集約化が促進されることとなります。
県といたしましては、先駆的に実施する和地太田地区を、本県のモデルとして土地改良区などの関係団体へ積極的にPRすることで、本事業を推進してまいります。
21: ◯副
議長(
峰野修君) 進行いたします。
高橋正子議員。
22: ◯七十六番(高橋正子君) 歳出第六款健康福祉費第五項障害福祉費自殺・ひきこもり対策のうち、ひきこもりについて、とりわけ、今社会的課題として浮上してきている中高年のひきこもり対策についてお尋ねをいたします。
まずはひきこもりの定義について、仕事や学校に行かず、半年以上家族以外とほとんど交流せずに自宅にいる人のことをいい、本県でひきこもりに関する家族相談が目立ち始めたのは、平成六年ごろからだったようです。
ひきこもりは度合いによって分類され、自室または家から出ない、ふだんは家にいるが近所のコンビニなどには出かける群を、狭義、狭いと書きますけれども狭義のひきこもり、ふだんは家にいるが、自分の趣味に関する用事のときだけ外出する群を準ひきこもりといいます。
ひきこもりの問題は顕在化しにくく、ひきこもり者の正確な数を把握することは困難ですが、内閣府が平成二十七年十二月に、全国の市区町村に居住する十五から三十九歳の五千人を対象に行った若者の生活に関する調査から、ある程度の推計は可能です。
内閣府の調査結果を、平成二十九年四月一日現在の本県の若者の推計人口に当てはめますと、コンビニなどには出かける狭義のひきこもりは約一万九百人、自分の趣味に関する用事のときだけ外出する準ひきこもりは約二万二千六百人、両方を合わせますと、本県のひきこもり者数は約三万三千五百人と推計されます。
さて、このひきこもりの問題で、長期化に伴い、新たに社会的課題として浮上しているのが中高年のひきこもりです。八〇五〇問題、これは、八十代の親と五十代の子を意味します。あることがきっかけで、就労をせずにひきこもり状態に陥った中高年の子は、親の年金で生活しているケースが大半です。したがって、親の病気や介護の問題に直面したときは、たちまち生活は立ち行かなくなり、親子で共倒れになるリスクも出てきます。
さらには、親亡き後、残された子は孤立と困窮生活へと転落の一途です。とかく、ひきこもりの子を持つ家庭は孤立しがちで、親が周囲の目を気にして支援を求められないまま親も子も高齢化する傾向にあり、中には、高齢の親の介護で自宅を訪れたヘルパーらが初めてひきこもりの子がいることに気づくケースもあると言います。
長い間親子だけで向き合っていると、家庭内暴力など、危機的状況を迎えることもあり、平成二十二年、豊川市において発生したひきこもりの三十歳の長男が家族五人を殺傷して逮捕された事件は、中高年の事例ではありませんが、ひきこもりの長期化により悲惨な結末に至ったその典型ではないかと思います。
また、一方では、高齢の親がひきこもり状態の子の将来を悲観して無理心中を図る事件も起きるなど、ひきこもりの問題は、何ら解決の糸口も見えないまま時間だけが経過する場合が多く、家族は心身ともに疲弊し、経済的にも追い詰められるなど、深刻な問題になっていきます。
これまでひきこもりは、いじめや不登校がきっかけで始まるケースが多いことから、子供や若者の問題として捉えられてきました。しかし、ひきこもりの長期化で、対象者は若年者から中高年へと軸が移りつつあり、八〇五〇問題と称される中高年のひきこもりの問題は、働き盛りで日本社会を担っていくはずの中高年の中に、何らかのきっかけにより、社会とのつながりを失ったままの方がいるということを指摘するものです。
内閣府も、これは決して軽視できない社会的課題であるとの認識から、二〇一八年度に、四十から五十九歳を対象に中高年のひきこもりに関する初の全国調査を行うと聞いており、これにより実態が明らかになることを期待しております。
本県では平成二十九年八月に、ひきこもりに関する状況を明らかにし、調査結果を今後のひきこもり支援施策に役立てるためのひきこもりに関するアンケートを、愛知県内のひきこもり支援団体の支援を受けている方を対象に実施されました。
そこでお尋ねいたします。
ひきこもりに関する相談実績やアンケートの結果から、引きこもる中高年の子の実態と同居する高齢家族の現状について何が見えたのか、そして、八〇五〇問題に対してどのような認識を持っておられるのか伺います。
次に、本県の取り組みについて伺いたいと思います。
本県では、平成十八年四月に名古屋市北区で、民間のひきこもり関連施設アイ・メンタルスクールで起こった職員による入寮者の暴行死亡事件をきっかけに、ひきこもり問題への支援対策が一気に進んだと聞いております。
特に、同年七月には県の全保健所にひきこもり相談窓口を設置し、ひきこもり家族教室を全ての保健所で開催するなど、身近な相談窓口としての機能を有しています。
さらに、平成二十二年四月には、愛知県精神保健福祉センターをひきこもり地域支援センターとして位置づけ、ひきこもりに特化した専門相談窓口として、面接相談に加え、電話やEメール相談などにより、ひきこもり本人と親への援助を行っています。
全国ひきこもり家族会連合会が二〇一七年一月に、生活困窮者自立支援法による自立相談支援窓口を対象に調査を実施したところ、四十代のひきこもりのケースに対応した経験があるとの回答が六二%に上り、五十代も多かったことから、ひきこもりの高齢化が明らかになったと分析しています。
内閣府が来年度実施するとお聞きしている中高年のひきこもり実態調査については、単に推定人数だけではなく、家族を含めた生活実態や健康状態の把握にも努めるべきだとの支援団体からの意見もあるようです。
そこでお尋ねです。
ひきこもりは長期化するほど対応が難しくなり、本人もさることながら、追い詰められる家族の救済の必要性を感じます。ひきこもりの高年齢化を踏まえ、具体的にどのような取り組みをされるおつもりか伺います。
23: ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君) 自殺・ひきこもり対策事業費に関する御質問のうち、初めに、相談実績やアンケート結果から見たひきこもりの現状と、八〇五〇問題に対する認識についてお答えいたします。
平成二十八年度における県保健所のひきこもりに関する相談実績によりますと、四十歳以上のひきこもりの方についての相談は、面接相談が二十八件、電話相談が二十四件で、いずれもひきこもりに関する相談全体の四分の一程度を占めておりました。
また、アンケートは、本県が昨年八月に、ひきこもり支援団体の支援を受けている方を対象として実施し、本人またはその御家族から百六十三件の回答をいただきました。このアンケート結果によりますと、ひきこもり本人の年齢が四十歳以上の割合は約二〇%、主たる生計維持者の年齢が七十歳以上の割合は約二一%であり、また、主たる生計維持者が年金生活者である割合は約三三%でございました。
さらに、五年後の状況について不安を感じることを複数回答で質問した結果は、親の高齢化と答えた方が約五三%、経済的なことと答えた方が約四九%でございました。これらの結果から、ひきこもり状態にある方の少なくとも二割程度は四十歳以上であり、本人を支える親の高齢化や経済的なことに不安を感じている方が少なくないと考えられたところでございます。
こうしたことから、八十代の親と五十代の子を意味するいわゆる八〇五〇問題は、本県といたしましても重要な課題であると認識しております。
次に、ひきこもりの高齢化を踏まえた具体的な取り組みについてお答えいたします。
本人を支える家族は、家庭内で悩みを抱え込み、地域において孤立することが多く、特に長期化、高齢化した場合などは、先行きの見えない状況に疲弊することがございます。
そこで、県精神保健福祉センターや県保健所では、家族の孤立感や精神的負担感の軽減を図るために、親の集いや家族教室などを開催しております。これは、本人への対応方法を学ぶとともに、家族の気持ち等について話し合い、日ごろの悩み等を分かち合う場を提供するものであり、昨年度は計九十三回開催し、延べ六百三十三人の方が参加されました。来年度も引き続き実施してまいります。
また、ひきこもりが長期化し、本人や家族の年齢が高くなると、心身の健康問題だけではなく、経済上の問題、親の介護など、課題も複雑化、多様化してまいります。このため、それぞれの世帯に応じた適切な支援を提供するためには、県精神保健福祉センターや県保健所と、生活困窮者支援を行う福祉事務所、高齢者支援を行う地域包括支援センターなど、地域の関係機関との連携が大変重要であると考えております。
本県といたしましては、それぞれの世帯がその実情に応じて適切な支援を受けることができるよう、地域における関係機関の連携強化により一層努めてまいります。
24: ◯七十六番(高橋正子君) 御答弁いただきましてありがとうございました。
中高年のひきこもり問題、非常になかなか実態がつかめない中で、特効薬もなかなか見つからないということをよく聞いています。
友人に八〇五〇問題って知っているかということを言いましたら、八十歳で何が五十本あればいいのって言いました。そうではなくって、中高年のひきこもりのことなんだ云々ということを説明しましたら、そういえば自分の周りにもそうした家庭があるということを言っていました。
実際問題、私の周辺にもそれらしい家庭は確かにあります。しかし、やはり町内とのそういったコミュニケーションとかおつき合いもなかなかなくって、孤立していらっしゃる家庭なんだなということを思いました。
今回、国のほうで中高年のひきこもりの実態調査をするということを聞きまして、だったら愛知県はどんな状況なのかなと思い質問をいたしましたけれども、保健医療局長のほうからは、しっかりと県のほうは取り組んでいるという、そんな、相談体制もそうですけれども、答弁をいただいたと思いますので、以下の要望をさせていただきたいと思います。
私も、本県が平成二十九年にひきこもり支援団体に協力を得て実施したひきこもりに関するアンケート調査を拝見させていただきました。その中で非常に気になったところが一点あったんですけれども、回答の中で、親身に聞いてくれる同じ悩みを持つ人と出会える、そんな相談機関を希望するという回答が非常に多かった。改めてひきこもり者に寄り添う、そういった体制が必要なんだな、求められているんだなということを思いました。
中高年で引きこもる当事者たちは、実際は本当は仕事がしたい、社会とつながりたい、自立したいと思っていると言われています。しかし、その長い空白の履歴を経て、どのように社会に出られるのか、また、仕事につけるのかがわからずに、誰にも相談できないまま一人で悩んで、自分の心の中を開いてくれる人を求めていらっしゃると思います。
そういった意味では、御答弁にはありませんでしたけれども、本県が行っているひきこもりの方への家庭訪問や外出の同行を行うひきこもり支援サポーター、ハートフレンド活動をやっていらっしゃるそうですけれども、そういったハートフレンド活動は、孤立するひきこもり者にとって、家庭に外部の風を吹き込む、社会との接点をつくることになるわけですから、ひきこもり家庭に変化をもたらすことが期待できます。
ひきこもり当事者とそうしたひきこもり支援サポーター、ハートフレンドとの相性、人間関係が構築されれば、本人やその家族にとって身近な相談相手になるわけですから、国も今そういったサポーターをしっかりと養成することに力を入れていらっしゃるとお聞きしていますので、県のほうもまた取り組みをしっかりしていただきたいと思います。
そうしたサポーターを、できればひきこもり経験者が担ったほうが、私は同じ悩みを経験して気持ちがわかる、理解できると思いますので、そうした当事者ならではの目線が生かされるピアサポーターを積極的に養成して、登用をお願いできればと思います。
以上、
発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。
25: ◯副
議長(
峰野修君) 進行いたします。
わしの恵子議員。
26: ◯十五番(わしの恵子君) 質問いたします。
第六款健康福祉費第一項健康福祉総務費のうち、第四目国民健康保険指導費についてお伺いいたします。
本年四月から国保運営が大きく変わります。愛知県がそれぞれの市町村に提示した事業費納付金と参考とする標準保険料を受け、多くの市町村が市町村国保運営協議会に諮問し、答申を経て、二月議会に関連する予算案や条例案を提出しています。
そこで、数点に及び質問いたします。
第一に、県は、昨年十一月に行った平成三十年度国の施策・取組に対する愛知県からの要請において、市町村国保は被保険者の年齢構成が高いため、医療費水準が高く、また、所得水準が低いため、保険料負担率が高いといった構造的な問題を指摘しています。また、その中のデータでは、愛知県の市町村国保は、六十五歳から七十四歳までの被保険者の割合が三九・五%と年齢構成が高く、一人当たり医療給付費が被用者保険の約二倍になっており、また、年間所得が二百万円未満の割合が六八・四%と、所得水準が低いことが示されております。
こうした問題に対し、日本共産党愛知県議団は昨年十二月、市町村国保の保険料を引き下げるため、愛知県みずからも県単独補助金を復活するよう要望しましたが、この要望は平成三十年度予算案にどのように反映されていますか。また、国に対しても財政支援の拡充を強く求めるべきと考えますが、どう対応されるか伺います。
第二に、全国知事会は、制度改正前の平成二十七年一月に、持続可能な国民健康保険制度構築に向けた緊急要請で、子育て支援の観点からの子供に係る保険料、均等割の軽減等、国保基盤強化協議会で都道府県が提案した方策の実施に向けて、真摯に検討することを求めました。
国民健康保険では子供にも均等割保険料が賦課されますが、被用者保険の場合は、扶養する子供の人数がふえても保険料は変わりません。少子化、人口減少対策は、待ったなしの緊急に求められる問題です。知事会も国に検討を求める子供に係る保険料、均等割の軽減について、愛知県では検討されたのでしょうか、お答えください。
第三に、愛知県の国保運営方針では、決算補填等を目的とした法定外の一般会計繰り入れの解消、削減に向けた取り組みを計画的に進めていくとの記述があります。そして、赤字解消計画の策定に当たっては、一般会計繰入金、法定外のうち、決算補填等目的の額で、保険者の政策によるものについては、赤字市町村の政策的判断等の背景や実情等を踏まえ、計画的な解消、削減ができるよう、県と市町村が個別に協議するとしておりますが、解消する時期は明示していません。
ところが、ある市では、激変緩和措置の期間を勘案して、五年後に県から提示された標準保険料率にするという案を国保運営協議会に示し、市民の感情を全く考慮せずに、一人当たりの保険料を五年間で四七%も引き上げる資料を提示しています。
市町村では、一般会計からの法定外繰り入れ廃止を求める財政当局の圧力に拍車がかかる自治体も見受けられます。
また、厚労省は本年一月二十九日、国保の赤字削減・解消計画の策定等に関する通知を出し、計画期間は原則六年以内とし、策定した計画に基づき、保険料率の適正な設定や医療費適正化、収納率の向上などの取り組みを進めるよう迫っています。
そこで質問ですが、愛知県の国保運営方針では、原則は赤字の計画的、段階的な解消に努めるものとするとしておりますが、被保険者の保険料、税負担が短期間で著しく増加しないよう配慮し、関係者の納得と理解が得られる範囲で、現実的な赤字の解消、削減を進めていくものとしています。
県は、赤字市町村と赤字削減、解消の取り組みについてどのように協議していくのかお答えください。
27:
◯健康福祉部長(
長谷川洋君) 国民健康保険に関するお尋ねのうち、まず、県単独補助金についてお答えをいたします。
本県では、かつて福祉医療の実施に伴い発生する医療費の波及増を対象に、国民健康保険事業費補助金を保険者である市町村に交付してまいりましたが、平成二十五年度における補助額は、被保険者一人当たりでは二十四円、市町村ごとでは、四十一の市町村が五十万円以下の少額となり、補助効果が薄れたことから、補助金の申請等に係る事務負担なども考慮して、平成二十五年度限りで廃止したところであります。
なお、県は平成三十年度以降も、低所得者の保険料の軽減分や市町村の医療給付費等の九%相当を県の一般財源で負担することとしており、平成三十年度当初予算案ベースで申し上げますと、約五百五十五億円、被保険者一人当たりでは約三万五千円と、平成二十五年度の約三万千円と比較して約四千円増額をしております。
また、国に対する財政支援拡充の働きかけについてであります。
被保険者の医療費水準が高く、また所得水準が低いという市町村国保の構造的な問題に対しては、今回の制度改革に伴い、三千四百億円の公費の拡充が図られますが、今後も医療費の増加が見込まれる中で、持続可能な制度とし、被用者保険との格差を縮小していくためには、さらなる財政支援の強化が必要であり、そのために必要な財源は、制度設計者である国が責任を持って確保するよう引き続き求めてまいります。
次に、子供に係る均等割保険料の軽減についてであります。
今回の国保制度改革を、国と地方が平成二十七年二月に合意する前の一月に、全国知事会は国に対して、子育て支援の観点から、子供に係る均等割保険料の軽減の実施に向けて、真摯に検討することを求めたところであります。
これを受けまして、国と地方の協議の場である国保基盤強化協議会で検討が行われ、現行制度の趣旨や国保財政に与える影響等を考慮しながら、引き続き議論をしていくこととされました。
本県といたしましては、国保基盤強化協議会での議論の動向を注視しながら、国に対し、実施に向けた検討を働きかけているところであります。
なお、今回の制度改革に当たり実施されました国の公費拡充により、二十歳未満の被保険者数に着目した財政支援の拡充が図られたため、国から県に交付される特別調整交付金が、県全体で約六億円程度増額される見込みとなりましたことから、本年一月に各市町村にお示ししました平成三十年度の国保事業費納付金の算定におきましては、市町村ごとの過去の交付実績や子供の被保険者数を反映し、県への納付金額を減額しております。
次に、市町村における赤字の解消、削減の取り組みについてであります。
国から出されました国民健康保険保険者の赤字削減・解消計画の策定等についての通知では、市町村は計画的に赤字の削減、解消を図るため、赤字の削減、解消に向けた基本方針、目標設定、取り組み等について都道府県と協議を行った上で、赤字削減・解消計画を定めるとされております。また、赤字の削減、解消に当たっては、被保険者の負担水準に激変が生じないような時間軸を置きつつ、実現可能な削減目標値と具体策を十分に検討するものとされております。
県といたしましては、国の通知を基本に、愛知県国民健康保険運営方針で定めた手順に基づき、赤字削減、解消の取り組みを進めることとしております。
具体的には、市町村に対する県の聞き取り等により、平成三十年度以降も継続して赤字の発生が見込まれる市町村は、医療費水準、収納率など、赤字の要因分析及び必要な対策の検討を行い、赤字削減・解消の計画案を作成し、当該市町村は、県とこの計画案を十分協議、精査した上で、赤字削減、解消の目標年次及び赤字解消に向けた取り組みの計画を定めることとしております。
28: ◯十五番(わしの恵子君) 答弁いただきました。
要望したいと思います。
まず、子供の均等割保険料の軽減について、特別調整交付金として約六億円が増額される見込みとなるということでした。各市町村にはその納付金額に反映されるということですので、その分については納付金の引き下げにつながると考えておりますのでよろしくお願いします。
そして、国保の赤字削減・解消計画の策定等については、県が定めた運営方針において、被保険者の保険料、税負担が短期間で著しく増加しないよう配慮されるということですので、赤字市町村とはしっかりと話し合っていただいて、市町村の法定外繰り入れについては継続してできるよう要望して、質問を終わります。
29: ◯四十一番(近藤ひろひと君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
30: ◯副
議長(
峰野修君) 近藤ひろひと議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
31: ◯副
議長(
峰野修君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。
午前十一時三十九分休憩
━━━━━━━━━━━━━━━━━
午後一時開議
32: ◯
議長(中野治美君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
通告により質問を許可いたします。
安藤正明議員。
33: ◯四十八番(安藤正明君) 私からは、歳出第六款健康福祉費第五項第一目障害保健福祉総務費のうち、依存症対策総合支援事業についてお伺いします。
依存症とは、特定の物質や行為などに対してやめたくてもやめられない状態になることをいい、代表的なものとしては、アルコールやギャンブル、パチンコ、薬物などがよく知られています。最近では、若い世代を中心に問題になっているゲーム依存について、WHO(世界保健機関)が、新たに国際疾病分類(ICD)に盛り込む方向であるとの報道もあったところです。
アルコールやギャンブル、パチンコなども、嗜好品や趣味の一つとして、生活に潤いを与えたり、気分転換を図るのに役立つなど、決してそれ自体が否定されるものではありません。しかし、ほどほどに楽しむ程度を逸脱し、必要以上にのめり込み、本人はもちろん、家族など身近な人の生活に支障が生じるようになる場合に、依存症として問題となるわけです。
依存症は、アルコールや薬物などの物質や、ギャンブルなどの行為を繰り返すうちに脳の状態が変化し、自分ではコントロールできず、やめることができなくなる病気です。周囲の人がとがめても、また、本人が一旦反省しても再び繰り返してしまうのは、本人の意思の問題ではなく、病気が原因となっているからです。
依存症に陥ると、アルコールや薬物などの原因物質によって、本人の心身に健康障害が発生するほか、生活態度や借金などをめぐり、家族とのいさかいが絶えなかったり、生活リズムの乱れから仕事に支障を来すことがあるなど、本人だけでなく、家庭や職場など、身近な人々にも多大な悪影響を及ぼします。さらに、飲酒運転や暴力などの問題を生じさせる危険性もはらんでおり、県民の安心・安全にかかわる重大な社会問題と言えるのです。
ところで、どの程度の方々がこれらの依存症に苦しんでいるのでしょうか。厚生労働省の研究班による調査等によると、全国で、生涯において依存症が疑われると考えられる方の推計数は、アルコールで約百九万人、ギャンブル等で約三百七十九万人程度とされています。あくまで推計人数ではありますが、この数字を見ると、多くの人が依存症により苦しんでいるのがわかります。
こうした中、県では平成二十九年三月に、アルコール健康障害対策基本法に基づく計画として愛知県アルコール健康障害対策推進計画を策定し、アルコール健康障害対策を総合的に推進していくこととされました。計画一年目である今年度は、県の精神保健福祉センターや保健所に、アルコール関連問題に特化した相談体制を整えるなど、一歩一歩対策を進めておられるとお聞きしております。
また、国でも、今国会にギャンブル等依存症対策基本法案が提案されているなど、依存症対策のより一層の充実強化が期待されているところです。
依存症は、適切な治療や支援を提供すれば、回復することが可能な病気であると言われていますが、その一方で、否認の病気であるとも言われており、依存症者は一般的によくうそをつきますし、自分が依存症者であることを認めようとはしません。否認する傾向が強く、病気であるという自覚を持たないケースが多々見られます。
そして、家族もまた誰にも相談できず、家庭内の問題として抱え込むことが多く、私がいなくてはこの人はだめになると世話をやき過ぎ、かばい、支え過ぎて、かえって依存症者の回復を妨げる共依存の関係に結果としてなってしまい、適切な相談支援や治療につながっていないケースが多いと考えられます。
こうしたことから、全ての県民が依存症に対する正しい知識を持つとともに、そうならないための予防啓発や、悩みを抱える本人や家族が気軽に相談できる体制が必要です。同時に、適切な医療を提供できる体制についても整備し、依存症になった場合にどのような医療機関を受診すればよいのか、具体的に県民に周知していくことが必要であると考えます。そして、相談や治療から回復までの、切れ目のない支援が必要となります。
こうした取り組みにより、依存症の発生を予防するとともに、既に依存症に悩む方々が少しでも早く、一人でも多く回復につながることができるよう、県においてはこれまで以上に依存症対策を充実させていく必要があると考えます。
そこでお尋ねします。
県では平成三十年度予算として、依存症対策総合支援事業費を計上されていますが、具体的にどのような取り組みを実施する御予定かお伺いします。
また、依存症からの回復に当たっては、やめ続けることが重要でありますが、先ほども申し上げたとおり、依存症は脳の状態が変化し、一旦依存症になると、脳を以前の状態に戻すことは難しいとされています。自分の意思や努力だけでは、やめようと決意しても本人一人で取り組むことは難しく、周囲の環境やそのときの精神状態に左右され、再び繰り返してしまうことが多いのはこのためと言われています。
しかし、医療機関において適切な治療を受けるとともに、依存症の回復支援を行う自助グループなどの援助を受けながらやめ続けることで、回復することは可能です。
私は、アルコール依存症者の回復支援自助グループで、海部、津島をエリアとする愛西断酒会の例会に毎月一回出席をしております。断酒会の例会は毎日どこかで行われており、十九時に始まり、二十一時に終わります。
断酒し始めたとき、多くの人が特に飲みたくなるのは、夕暮れからネオンがちらつく夜です。まず、この時間を切り抜けることが大切です。そこで、例会がこの時間帯の避難場所になるわけです。例会出席すれば、同じ苦しみを持つ仲間と会えます。
例会では、みずからのどん底の体験と断酒の苦しみと、回復、成長の体験を真剣に語ります。そして、仲間の話に聞き入ることにより、自分の体験や心の葛藤がどんなに似ているかということに気がつきます。また、家族も例会に出席をして、酒害者家族としてのこれまでの苦悩を語ります。
例会では、酒害者本人や家族の体験談を聞いておりますと、酒害者が医療機関とつながる直前、末期のころの記憶はかなり曖昧ですが、それを見てきた家族の記憶は心の傷として鮮明で、許すことのできない、一生消えないものとなっているケースが多いようであります。
一人では難しい断酒継続は、例会出席することにより、仲間に会い、体験談を聞くことと語ることで、心の病を少しずつ癒やし、回復へと向かうしかありません。こうした行政や医療機関などでは対応が難しい分野における民間団体の地道な活動は、依存症の回復支援において、大きな社会的役割を担っていると考えられ、県としてもその活動を支援することは大変重要であると思われます。
そこでお尋ねします。
こうした自助グループなど、民間団体の活動に対してどのような支援を実施する予定かお伺いします。
34: ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君) 依存症対策総合支援事業費に関する御質問のうち、まず、平成三十年度の取り組みについてお答えいたします。
アルコール、薬物、ギャンブル等の依存症は、適切な治療や支援により回復が十分可能な疾患であり、予防、相談、治療、回復支援の各段階において、支援体制を整備することが必要でございます。
依存症の発生や進行等を予防するためには、正しい知識の普及が重要であることから、啓発リーフレットを作成し、保健所や市町村等に広く配布するほか、公営競馬等の事業者の協力を得て、各事業所での普及啓発に努めてまいります。
相談体制の整備につきましては、昨年七月から県精神保健福祉センターで実施しているアルコール依存症の専用電話相談に加え、来年度からは、ギャンブル等依存症についても、専用電話による相談窓口を新たに開設する予定としております。
また、医療提供体制の整備といたしましては、新たに依存症それぞれに対する専門医療機関を選定し、ホームページ等で広く県民の皆様に周知するとともに、当該医療機関の中からアルコール依存症治療拠点機関を選定し、専門相談事業や人材育成等を委託することとしております。
なお、かかりつけ医が肝機能障害などの身体症状の背後にあるアルコール依存症を的確に診断し、精神科につなげることができるよう、かかりつけ医等アルコール依存症対応力向上研修を、来年度から県医師会に委託して新たに実施する予定でございます。
さらに、回復支援といたしましては、引き続き県精神保健福祉センターにおいて、依存症からの回復を支援するプログラムを毎週実施していく予定でございます。
次に、自助グループなど、民間団体への活動支援についてお答えいたします。
依存症は、本人の意思だけで回復することは困難であるため、本人やその家族が、同じ目的を持つ仲間と互いの悩みを共有しながら回復につなげる自助グループなどの民間団体の役割が大変重要でございます。
そこで、本県では、依存症問題に取り組む民間団体が実施するミーティング活動や普及啓発活動等に対して、来年度から新たに国庫補助を活用して助成を開始し、その活動を支援する予定としております。
こうした民間団体への助成を含め、予防から相談、治療、回復支援に至る切れ目のない支援を提供することにより、依存症対策を総合的に推進し、誰もが健康で、安心して暮らすことのできる社会の実現を目指してまいります。
35: ◯四十八番(安藤正明君) 御答弁ありがとうございました。
一点要望いたします。
質問の中でも申しましたが、依存症は、一度罹患してしまうと脳が変調を来し、もとの状態に戻ることができない病気であります。本人、家族の不断の努力により、回復、やめ続けることはできます。しかし、欲求を抑えることができずに、たった一度手を出してしまうと、依存状態に戻るのに時間を必要としないわけであります。最も大切なことは、依存状態に陥る前にストップをかけることであると思います。
先ほどの御答弁で、正しい知識の普及啓発、依存症関係団体との支援などという御答弁をいただいたわけでございますが、やはり一番は予防であると私は思います。予防の啓発、予防の相談にも重きを置いた支援事業の推進であることを要望しまして、質問を終わります。ありがとうございました。
36: ◯
議長(中野治美君) 進行いたします。
木藤俊郎議員。
37: ◯八十七番(木藤俊郎君) 私は、歳出第六款健康福祉費第三項児童家庭費のうち、保育士の労働環境の改善等について、健康福祉部にお尋ねいたします。
近年、核家族化や地域におけるつながりの希薄化等により、家庭や地域における養育力が低下し、子育ての孤立化や不安、負担感が増大しております。
昨今の子供と子育てにおける状況を見ますと、年間の出生数が減少傾向にある一方で、女性の社会進出等を背景に、保育所等の利用児童数は年々増加しております。
幼児期は、人間形成の基礎が培われる大切な時期であり、一日の大半を保育所等で過ごす子供にとって、保育所等で密接な関係を持つ保育士は、子供の成長に重要な役割を担っております。
そのような中、保育所では、単に子育て支援、保育を行うだけではなくて、今まで以上に子育て支援機関としての役割というものが求められてきており、また、発達障害や食物アレルギーなど、特別な支援を要する子供たちが増加をしてきていることに加え、事故予防、感染症対策など、子供や子育てを取り巻く環境の変化によって、保育士にはこれまで以上に一層の専門性が求められております。
しかし、こうした状況にもかかわらず、保育士の賃金につきましては、厚生労働省の平成二十七年賃金構造基本統計調査では、全産業の女性労働者と比較すると、四万円程度の賃金差があるということで、なかなか保育士の確保と定着が難しい状況となっています。
民間における保育の現場においては、勤続年数が伸びても昇格するポストがないというところが多いという状況にあり、このため賃金アップが困難な実情があり、早期に退職をしてしまうという事例が多く、保育人材の確保が進まないという状況があります。
このため、国ではこうしたことを踏まえまして、保育士の資質向上と保育人材を確保するという観点から、平成二十五年度から安心こども基金、平成二十六年度には保育緊急確保事業で処遇改善等加算をするなど、保育士の処遇改善に取り組んできています。また、平成二十七年度からの子ども・子育て支援新制度を設け、施設型給付費や地域型保育給付費の処遇改善加算として賃金が加算されてきており、また、今年度においても、ニッポン一億総活躍プランに基づき、保育士のキャリアアップの仕組みの構築を支援するため、技能や経験に応じた処遇改善の制度を創設しました。
さて、この事業では、園長とか主任保育士、いわゆる副園長のもとに、新たに副主任保育士、専門リーダー、職務分野別リーダーという三つのポストを設け、キャリアアップの体系を構築して保育士の処遇改善に取り組む保育所に対しまして、処遇改善加算するというものです。
今回の制度において創設されたキャリアアップのための研修の実施主体は都道府県であり、乳児保育分野や幼児教育、保育衛生、安全対策など、八つの研修分野があり、研修受講後に発令を受けると、副主任保育士と専門リーダーについては月四万円、職務分野別リーダーについては月五千円の加算をすることができることになっています。
主任保育士と専門リーダーについては四分野以上の研修を、職務分野別リーダーについては担当する職務分野の研修を受けるということになっていますが、日ごろから多忙な保育士さんにより多く受講していただくためには、受講しやすい研修体系が必要であると思います。
さらに、子育て安心プランでは、保育士の業務分担軽減のため、保育士の補助を行う保育補助者を採用することなどの支援策を設けるなど、保育人材の確保策が実施されていると承知をしております。
私は、愛知県において質の高い保育人材を確保するためには、賃金改善はもとより、労働環境の改善を一層進めるとともに、キャリアアップのための研修を受講することでみずからの資質の向上を図り、保育士の皆様が生きがいを感じながら継続して働くことのできる職場を構築することが必要であると考えております。
そこでお伺いいたします。
県は、保育士の労働環境の改善に今後どのように取り組んでいかれるのか、また、キャリアアップのための研修をどのように推進していかれるのかをお伺いいたします。
38:
◯健康福祉部長(
長谷川洋君) 保育士の労働環境の改善とキャリアアップのための研修についてのお尋ねであります。
まず、保育士の労働環境の改善についてお答えをいたします。
多忙な保育士の労働環境を改善することは、保育士の確保や離職防止のため、さらには良好な保育を提供する上でも重要な課題であると考えております。そのため、今年度から、保育士の業務負担を軽減するため、保育補助者を雇い上げた場合に必要な費用を補助する保育補助者雇上強化事業を実施しております。
この保育補助者は、子育て支援員研修等を受講した者であることが要件とされておりますが、来年度からはこの要件が緩和され、保育所での実習を修了した方も対象とされましたので、より多くの保育所等で本事業を活用いただけるものと考えております。
さらに、清掃業務や寝具の用意、後片づけなど、保育に係る周辺業務を行う保育支援者を雇い上げた場合に必要な費用を補助する保育体制強化事業を来年度新たに実施し、保育士の業務負担の軽減、労働環境の改善に取り組んでまいります。
次に、保育士のキャリアアップ研修についてであります。
この研修は、保育士の資質向上を図るとともに、受講した保育士が今後処遇改善を受けるための要件の一つとなるものでありますので、受講を希望する保育士の皆さんが受講しやすいものであることが重要であります。
そこで、今年度は、勤務に支障が生じないよう、土曜日に研修を開催いたしましたほか、勤務の都合等から一部の科目を修了できなかった方には、一部科目修了証を交付して、次年度の受講を免除する方式を取り入れてまいりました。
来年度につきましても、多忙な保育士さんにできるだけ多く受講していただけるよう、今年度の研修の実施結果の検証を行い、開催日程や実施場所などにさらなる工夫を行い、開催をしてまいります。また、研修内容につきましても、多様な保育ニーズに対応できる高度な専門性や実践力が身につく研修となるよう、改善をしてまいりたいと考えております。
39: ◯
議長(中野治美君) 進行いたします。
青山省三議員。
40: ◯六十四番(青山省三君) 私からは、歳出第八款農林水産費第五項林業費全国植樹祭開催準備費についてお伺いいたします。
全国植樹祭は、例年、天皇、皇后両陛下の御臨席を賜り、全国から多くの招待者が一堂に会し、木を植えることを通じ、森づくりや木使いの必要性を、県民の皆様はもとより、国民全体で共有する、国土緑化運動の中心的行事であります。昭和二十五年に山梨県において、植樹行事並びに国土緑化大会として第一回大会が開催されて以来、昨年五月の富山大会まで六十八回の歴史を刻んでいます。
富山大会では私も参加させていただき、天皇、皇后両陛下がお座りになられましたお野立所は、富山県の立山連峰を表現しており、今でも大変印象に残っています。
次回の福島大会はことしの六月に、そして、いよいよ来年の春には、本県の尾張旭市と名古屋市守山区に広がる愛知県森林公園をメーン会場とした、第七十回全国植樹祭が開催されます。昨年の十二月八日には、新しい天皇陛下の御即位日が来年の五月一日と決定されましたことから、本県開催の全国植樹祭は新しい両陛下の御臨席を賜ることになれば、大変光栄に存じます。
また、全国植樹祭と並び、三大行幸啓に位置づけられている国民体育大会、豊かな海づくり大会は、例年いずれも秋の開催であり、新しい元号、新しい時代の幕あけのもとで、全国植樹祭がいち早く開催されますことから、私の地元尾張旭市では、全国植樹祭への期待がますます高まり、一日千秋の思いで大会の開催を待ち望んでいます。
県におかれましては、式典行事や植樹行事を柱とする基本計画を策定されるなど、着実に開催準備を進めておられると認識をしております。
そこで、開催まで残り一年余りとなる中、三十年度は、会場である森林公園の整備にどのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。
また、私は昨年の十一月十八日の土曜日に、NHKのブラタモリというテレビ番組を拝見いたしました。番組では、本県の製造品出荷額等が日本一である背景として、江戸時代に山車やからくり人形づくりを通じて、木材を使った高度な加工技術が培われ、明治以降、機織りや鉄道車両などの近代産業をもたらしたとの説明があり、いわば、日本一の物づくり王国の原点は木材利用にあると理解をしました。
また、本県では花卉を初め、野菜や畜産物等、生産量や品質において、全国トップレベルの実力を持つ農林水産物がたくさんあります。
こうしたことから、大会の成功に向けましては、開催機運を盛り上げるための取り組みはもちろんのこと、大会において、材木利用や、愛知が誇るべき農林水産物を全国にPRすることが必要であると考えております。
そこで、広報、PR活動を初め、愛知県らしい大会とするため、今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。
41:
◯農林水産部農林基盤局長(
勝又久幸君) 全国植樹祭についてのお尋ねのうち、まず、会場となる森林公園の平成三十年度の整備についてお答えいたします。
全国植樹祭の式典会場につきましては、森林公園の中でも、緑あふれ、静かな環境にあり、約四万平方メートルの広さがある広芝生を利用することとしております。
来年度はこの広芝生において、天皇、皇后両陛下が御臨席の際にお座りいただくお野立所とともに、大会会長である衆議院
議長などの特別招待席を整備いたします。
また、森林公園の正面入り口にある案内所につきましては、建築から四十年以上経過し老朽化していることから、建てかえることとしており、こうした施設の整備や建てかえに当たっては、愛知県産の木材をふんだんに使用してまいります。
さらに、森林公園内に二カ所予定している植樹会場では、木材チップを敷き詰めた歩道や木製の階段の設置を進めてまいります。
加えて、大会当日におよそ二百八十台の大型バスが発着することになる駐車場を改修するなど、県内外からお越しいただいた皆様をお迎えするにふさわしい会場としてまいります。
次に、広報、PR活動を初め、愛知県らしい大会とするため、今後どのように取り組んでいくのかについてお答えいたします。
まず、広報、PR活動についてでございますが、県民の皆様方と一体となって全国植樹祭の開催機運を盛り上げていくことは大変重要であると認識しております。
本年五月十九日には、毎年県内各地で開催している愛知県植樹祭を、第七十回全国植樹祭の一年前記念イベントとして開催し、愛西市親水公園総合体育館において、多くの県民の皆様に御参加をいただき盛り上げてまいります。
また、全国植樹祭の開催日は例年八月ごろに決定されることから、九月十五日には、名古屋市にありますオアシス21において、カウントダウンボードの除幕式を行うとともに、全国植樹祭への参加者募集の開始をお知らせしてまいります。
次に、愛知県らしい大会とするための取り組みについてでありますが、大会当日の式典行事におけるプロローグ、記念式典、エピローグの各ステージにおいて、木材利用から発展した愛知の物づくりの歴史やまちづくりの未来を表現し、木材利用が山とまちをつなぐかけ橋となることを発信するなど、演出に工夫を凝らしてまいります。
加えて、昼食として提供するおもてなし弁当につきましては、全てのメニューに愛知県産の食材を使用するなど、農林水産業の盛んな本県らしい大会とするための開催準備をしっかりと進めてまいります。
42: ◯
議長(中野治美君) 進行いたします。
高木ひろし議員。
43: ◯七十七番(高木ひろし君) 私からは、歳出第六款健康福祉費第五項障害福祉費にかかわりまして、本県でもかつて行われておりました優生手術の問題について、そして、第六項の生活衛生費にかかわりまして、魚アラ処理公社の解散について、この二点について伺ってまいりたいと思います。
昭和二十三年(一九四八年)から平成八年(一九九六年)、つい二十年前でございますが、これまで優生保護法という法律がございました。この法律の前文には、不良な子孫の出生を防止するという目的を期し、精神障害者や知的障害者などに対して、本人の意思に基づかない不妊手術──これは妊娠ができなくなる手術でございます──が行われていました。
国連人権委員会は、平成十年(一九九八年)に、これが障害者への差別、著しい人権侵害に当たるとして、被害者への補償を日本政府に勧告いたしましたが、日本政府は、当時は法的には問題なかったという立場で、長らく調査も対応もしてこずにきました。
しかし、平成二十六年(二〇一四年)に、障害者権利条約を日本が批准したことなどを契機に、障害者団体などの動きが活発になり、日弁連が昨年二月に、旧優生保護法下において実施された優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶に対する補償等の適切な措置を求める意見書を発表します。
そして、本年一月、仙台地裁に被害当事者の六十代の女性が国家賠償請求訴訟を提起したことなどがきっかけとなり、謝罪や補償、あるいは救済を求める動きが国会内外に急速に広まってきております。
厚生省の年報や統計報告からは、この強制不妊手術は、五十年間に全国で一万六千四百七十五人の方に対して行われたとされ、その年次別や都道府県別の数字も明らかになっておりますが、ちなみに愛知県においては二百五十五人に対して行われたということも発表されており、私は愛知県公
文書館でこの資料を確認することができました。
それによりますと、女性が二百六人、二十歳未満が二十一人、二十歳代九十一人、三十歳代八十六人、四十歳代八人、そのほか、男性が四十九人などとなっており、昭和五十七年以降の報告はゼロとなっております。
しかし、肝心の手術を受けた人が特定できるような基礎資料は、全国的にも十九道県で約二千七百人分が確認されておりますが、本県を含む二十八都府県では廃棄され存在しないという見解が発表されておりました。
ところが、この三月一日になりまして、突然愛知県健康福祉部障害福祉課は、旧優生保護法に基づく強制不妊手術に係る愛知県優生保護審査会の審査状況についての一部資料が見つかったといたしまして、その概要を発表したところであります。
それによりますと、昭和四十一年度(一九六六年)から四十六年度(一九七一年)までの六年分でありまして、女性五十二人、男性八人の計六十人が、医師からの申請により優生不妊手術の審査対象とされ、十三歳の女性を含む五十五人が手術適、手術をすべき対象であると認定され、手術を実施する医師も指定されております。その理由は、主に遺伝性のあるなしを含む精神病、精神薄弱などと記されております。一部とはいえ、こうした具体的な資料が残っており、県が自主的な調査でこれを明らかにしたことは、まずは評価したいと思います。
その上で、四点お尋ねしたいと思います。
まず第一に、半世紀にわたって障害者に対して強制的な不妊手術を実施してきたという事実に対して、その一端を担った県としての基本的な考えをお聞かせください。
第二に、今回の資料発表は全容解明の重要な手がかりとなる一歩として、国に対しても徹底した調査を求めると同時に、県庁内に有識者を含む調査チームをつくって、関係者からの聞き取りや資料収集を進めるべきだと思いますが、今後の方針をお聞かせください。
第三に、今回明らかにされた資料を見ますと、この六年間分の優生保護審査会の審査結果と、実際に不妊手術を行った、先ほど紹介しました報告の人数とに大きな開きがあるということにまず気がつきます。具体的には、審査会が五十五人を手術適と結論づけ、手術医を指定しているのに対して、手術件数の報告には六年間分で十七人しか計上されておりません。この差、一体三十八人はどう見ればいいのか見解をお聞かせください。
第四に、基礎資料を保存していたほかの県の例を見ますと、個々の事例を記した優生手術台帳によって、一件一件の審査と手術の実施が管理されている県もあります。宮城県がそうであります。宮城県ではこれを永年保存資料としており、これによって今回の国賠訴訟が可能になったわけでありますが、愛知県では一体どんなふうにこの優生審査、優生手術を管理していたのか。優生手術台帳というものが存在するのではないかと推察いたしますが、これはあったのかどうか、これを廃棄したとすれば、これをいつ、誰がこの廃棄を決めたのかという点について明らかにしていただきたいと思います。
次に、魚アラ処理公社の解散についてであります。
この問題は、昨年十二月議会で、公社の存在する弥富市選出の議員の質問に答える形で一応の経過説明がなされておりますが、以前から関心を持っておりました私としては、この説明だけでは納得しかねる件が幾つかございますので、改めてお尋ねしたいと思います。
もともと民間で行われておりました魚アラの処理事業に対して県が関与するに至りましたのは、悪臭などの公害問題がきっかけでありました。昭和五十二年ごろ、稲沢市や名古屋市で魚アラを処理していた企業が、公害問題を起こすなどして、操業中止に追い込まれました。
その結果、静岡県など、県外の業者に引き取ってもらっていたのですが、この引き取り先の静岡県焼津市で、愛知県から持ち込んだ魚アラが悪臭を発しているということが問題になりまして、社会的に批判を浴びることになりました。
そして、これを受けました当時の鈴木礼治愛知県知事が、県内で発生した魚アラの処理は、県外で迷惑をかけることなく県内で処理すべきだということをおっしゃって、県として解決に乗り出す決断をされたのがきっかけであります。
当初は、魚アラの主な排出者であります名古屋市内の鮮魚商、魚屋さんが中心となって、尾張水産加工事業協同組合という協同組合が知事認可のもとに設立をされ、県の支援のもとに、公害防止を前提に弥富ふ頭で操業を始めることになったわけであります。これが平成元年のことであります。ここまでは、こうした廃棄物処理の原則である域内処理、そして排出者責任、こういう原則にのっとった正しいスキームであったと私も思います。
ところが、この協同組合が、見通しの甘さや経営のまずさから早々に行き詰まってしまいます。このスキームを維持するために、二年にわたり計八億二千万円もの緊急的な融資をした県といたしましては、引くに引かれず、結局みずから公社を設立して、この尾張水産のツケを全部かぶって経営を引き継ぐという羽目になったわけであります。
当時は、平成三年から四年にかけて、当時のことを覚えていらっしゃる先輩議員もいらっしゃると思いますが、県議会では大変な議論がありました。有価物として魚アラを買い取り、国際的な市況によって激しく価格が変動する魚粉に加工して、これを販売するという事業、この事業の採算性が将来にわたって保証できるのかと、そういったものに融資をし、それを今度は公社として直接に県が担うという形が本当に適当なのかどうか、こういった厳しい批判でありました。
結果的には、その後二十五年たちまして、そういった数々の懸念が現実のものとなってきて、専ら財政上の理由によって公社を解散せざるを得ないということになったわけであります。
私が問題だと思うのは、結局、この事業が当初の懸念を抱えながら、問題点は関係者は気づいていたと思うんですけれども、これを副知事が理事長をお務めになり、そして県の衛生部のOBが専務理事を務めるという、全く官製団体の中でとどまったまま、民間活力の導入を含めた経営改善の努力でこれを何とか維持させていこうという努力が何ら行われた形跡がないということであります。
改めて、ここで幕引きを急いでおる県に伺いたいと思います。この公社解散の結論を出すに至った経緯を振り返って、どのように総括、反省点を捉えておられるのか。魚アラ処理量の減少や赤字の発生を外的要因にのみ責任転嫁するような議論だけではなく、これを主導してきた県としての主体的な責任に立ったお考えをお聞きかせいただきたいと思います。
次に、さきの質疑の中にもありましたが、県が公社を解散し手を引くということになれば、この名古屋を中心とした地域で排出される魚アラは一体どうなるのかという問題であります。県の説明では、民間の業者が、これは主に埼玉県の業者のようでありますが、十分な処理能力があって、愛知県の魚アラを引き取る意欲を見せていると、だから大丈夫だと、こういう御説明であります。
しかし、それは現在の魚粉が異様と思えるほどの高い相場で、高値で取引されているという現況の局面に限っての話であって、今後も安定的に埼玉県からわざわざ愛知県の魚アラを回収しにきてくれるのかという保証は全くありません。魚粉の値がかつてのように暴落をするというようなことになれば、その原材料である魚アラが再び廃棄物になったり、公害発生源になる心配を私はしないでいいのかと思うわけであります。
県は昨年度、私も振興環境委員会でこの議論に加わりましたが、あいち地域循環圏形成プランという資源循環モデルを推進するための計画を発表いたしました。この中では、食品に関する循環ループを柱の一つに掲げており、農業や畜産業と連携し、食品廃棄物の飼料化、餌ですね、それから堆肥化を通じて、地産地消の推進と一体となった食品循環ループの展開を県内で目指していくと、こううたっております。
そこで、環境部に伺います。
今、るる述べましたこの魚アラの扱いに関する経過を顧みて、このあいち地域循環圏形成プランの立場からはどのようなふうに見えるのか、その関係をお聞かせいただきたいと思います。
以上で私の第一問を終わります。
44: ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君) 旧優生保護法に関する御質問のうち、まず、強制的な不妊手術に対する県の考えについてお答えいたします。
旧優生保護法に基づく強制不妊手術は、障害者の方に対する差別と考えられ、平成八年の法律改正により制度が廃止されたものと承知しております。
当時行われた強制不妊手術につきましては、法律に基づいて行われていたものとはいえ、人権上の問題があり、県内でも二百五十五人の方に手術が行われていた事実を重く受けとめております。こうした方々につきましては速やかに救済されるべきものと考えております。
次に、強制不妊手術に関する実態調査についてお答えいたします。
現在、国会におきましては、三月六日に超党派の議員連盟が設立され、強制不妊手術を受けた方々に対する救済措置へ向けた動きも伝えられております。国から実態調査に関する方針等が示された場合には、その内容に応じて関係者の聞き取りや資料収集を進めるなど、適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、愛知県優生保護審査会の審査結果で手術適当とされた数と実際の手術件数に大きな差があることについてお答えいたします。
今回確認された優生保護審査会の資料によりますと、昭和四十一年度から昭和四十六年度までの六年間において、強制不妊手術を実施することが適当であると認められた方は五十五人でありました。一方、県衛生年報によりますと、実際に強制不妊手術を受けられた方の昭和四十一年から昭和四十六年までの合計は十七人であり、両者の差は三十八人となります。審査会の決定から実際の手術までに時間的な間隔があるため、両者は必ずしも一致するものではありませんが、三十八人という差はこれだけで説明できるものではなく、このように大きな差がある理由は不明でございます。
最後に、強制不妊手術の審査結果や実施状況が個人ごとに把握できる台帳、いわゆる優生手術台帳が本県に存在したのかについてお答えいたします。
当時の関係法令には優生手術台帳に関する規定はありませんが、議員御指摘の宮城県におきましては、年度ごとに各個人の手術の審査結果や実施状況を記した一覧表を作成し、この
一覧表を優生手術台帳として管理していたものでございます。
私どもが調べた範囲では、当時の本県において、宮城県のような資料が作成されていたということは確認できませんでした。現時点において、私どもの管理する範囲内にそのような資料はありません。
いずれにしても、県といたしましては、今後、強制不妊手術を受けたという県民の方からの問い合わせ等がございましたら、丁寧にお話を伺い、誠意を持って対応をしてまいります。
続きまして、魚アラ処理公社の解散に関する県の考えについてお答えいたします。
公社設立当時は、魚アラ処理事業は採算性が低く、また、悪臭等の公害対策に多額の経費が必要となることなどから、尾張地域の民間事業者が全て廃業するに至りました。このため県は、魚アラの適正処理には公共が関与する以外に対応策はないと判断し、平成五年五月、生活環境の保全及び公害の防止に寄与することを目的とし、魚アラ処理公社を設立いたしました。
設立後は、県及び名古屋市が、高度な公害防止対策に要する経費について、毎年度補助金等を交付し、公害防止に努めながら県内の魚アラの適正処理を行ってまいりました。また、厳しい経営環境の中、公社職員みずから機械の修理等を行うことで長寿命化を図るなど、経費削減に努めるとともに、新たに食品製造業者での魚アラを収集するなど、魚アラ搬入量を確保し、安定的な経営に努めてまいりました。
しかし、設立から約二十五年が経過し、民間における魚アラ処理の状況は大きく変化いたしました。具体的には、国内における魚の消費量の減少により、魚アラの発生量が減少するとともに、養殖業における飼料の原料となる魚粉の需要増に伴う魚粉価格の上昇などから、大規模な民間処理施設が都道府県の枠を越えて広域的に魚アラを収集し、効率的かつ適切に魚アラ処理を行っております。
その結果、公社に搬入されていた魚アラは設立時の約二〇%まで減少し、公社が魚アラ処理を行わなくても、民間処理施設での処理が十分可能となるなど、公社の存在意義は極めて小さくなりました。また、民間ベースで事業が行われている中で、公費を投じて公社による魚アラ処理を続ければ、民業圧迫となりかねないことから、公社はその役割を終えたと判断し、解散を決定したところでございます。
45: ◯環境部長(菅沼綾子君) 私からは、魚アラの扱いについて、資源循環の観点からお答えいたします。
県が昨年度策定したあいち地域循環圏形成プランでは、県内で発生する廃棄物や未利用資源を地域内で有効利用し、それを県内各地で積み重ねていくことにより、持続可能な愛知を目指しております。
しかしながら、食品廃棄物などのバイオマス資源については、現在有効利用されていないものが多く、環境に配慮しながら地域内循環の仕組みを構築することが必要であると考えております。
仮に魚アラが廃棄物になった場合には、まずは適正処理に努めるよう指導していくとともに、プランに基づき、関係機関と連携しながら、その有効利用について検討してまいりたいと考えております。
46: ◯七十七番(高木ひろし君) 御答弁いただきましたが、私からは再質と要望をさせていただきたいと思います。
まずは優生手術の問題でありますが、これはもう日々、今国会内外では動きが激しくて、今後、近日中にまた大きな展開があり得るもの、すなわち、国が救済や補償に動き出すというふうに見ております。
そこで、愛知県も、今お示しいただきましたように、基本的にこれが障害のある人、特に精神障害者、知的障害の方に対する重大な人権侵害であったということをはっきりと捉えられて、この解明に対して前向きに対応されようとしていることは評価できると思います。
ただ、私、三月一日に発表していただいたこの資料、これがどういう調査の結果出てきたのか、ちょっとまだ不明な点があります。これから国の指示があれば調査をするというのはもちろんいいんですが、県自体が自主的に調査を、ある時点からこれ、始められたわけですよね。その結果これが出てきたと。一体どこをどういうふうに調べられたのか。これは他県の件を見ましても、この優生手術に深く関与していらっしゃるのは、大体旧衛生部の県の役所の方と、精神病院の精神科医なんですね。実際に手術をしたのは産婦人科のお医者さんであります。
どちらにしても、これは、精神科と産婦人科の医師が両面で深くかかわってでなければこのことはできないわけでありまして、そういう意味では、愛知県には城山病院という大きな精神病院を県はずっと抱えてやってきました。
そして、コロニーが六十年代から、これもかなり大規模に知的障害の方をここに集めて治療や訓練をやっておったわけでありまして、この中の特に女性について何が行われていたのか、これは、数字としてあらわれてくる問題だけじゃないんですね。優生保護審査会にかけて、あるいは国に報告するような優生手術としてやったもの以外にも、精神障害者、知的障害者の方々に対する人権侵害の疑いのある事例が山ほど恐らく眠っていると思います。
そこで、こういうコロニーとか城山病院の中は調べたのか。あるいはこの関係者の方、まだ御存命の方、多いと思います。東京や北海道では、公立病院に勤務されておった医師が重い口を開いたことがきっかけで、資料が続々と出てくるというような事例もありました。これまでの調査の段階で結構でございますが、こうした県内の愛知県庁にかかわるどういった部分を調査されたのか御説明をいただければと思います。
それから、魚アラ公社でありますけれども、私は別にこの公社として維持しろと、どれだけ税金を突っ込んでもこれを維持していけと言っているわけではないんです。これは、しかし、これだけの議論があり、県として知事の非常に重い決断でもって、億単位のお金を突っ込んでやってきたわけですから、民間がやってくれるようになったから、もうどこの民間であれ持っていってくれるのなら、もう県は手を引いちゃいましょうというのは、余りにも安易な結論の出し方ではないかと思うわけであります。
率直に考えて、つくる魚粉は今、非常に高値で売れるわけですよ。問題は、その原材料がどんどん減ってきちゃって確保できないから、稼働率が落ちて、結局収支がだめになっていると、こういうことですね。だから、魚アラを処理して魚粉に加工して売るというこの事業自体は、採算性はあるんですよ、これね。
何で公社がやれば失敗するのかというところに問題があるわけで、これは、これまでもいろんな提案があったはずです。民間の力が参入して、公社の処理していた施設や魚アラをそのまま処理したいという申し出もありました。しかし、このことについては十分な議論なくこれを断って、昨年二月以来、一気呵成にこれ、とにかく幕引きを急いでいたように私は見えます。
このことについてはまだ終わりになっておりませんので、今後の魚アラの展開を含めて今後も議論を続けていきたいと思っておりますので、これ、当初が悪臭問題であっただけに、臭い物にふたということにならないように、今後もしっかりと取り組んでいただきたいと御要望をしておきます。
47: ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君) 旧優生保護法に基づく強制不妊手術に関する
文書について再質問をいただきました。
本来十年の保存期間の経過により全て廃棄済みであるとして、当初、該当
文書はないという旨を回答しておりました。しかしながら、他の自治体における公表及び開示の状況並びに、国における救済に向けた議論の動向等から、本県における該当
文書の存否を改めて確認しておくことが必要と考え、念のため西庁舎の地下三階の倉庫の点検を行ったところ、関係
文書と思われる物が出てきたものでございます。
内容としては、愛知県優生保護審査会の関係資料と、当時の厚生省の通知でございました。さらに、ほかにもないかどうかを確認するため、関係
文書が保管されている可能性のある全ての部署、具体的には庁内の当時の担当課である医務課、それから現在の担当課室であるこころの健康推進室のほか、保健所、精神保健福祉センターにおいて確認作業を行っております。
ただし、議員御指摘のコロニー、それから県の精神医療センターについてはまだ確認をしておりません。そういうことで、コロニー、精神医療センターについては今後調査をしていく予定としております。
いずれにいたしましても、強制不妊手術を受けられた方々につきましては、速やかに救済されるべきものであるというふうに考えております。その救済のために、県として何ができるか、何をすべきかという観点から、今後の対応について、対策について検討してまいりたいと考えております。
48: ◯
議長(中野治美君) 進行いたします。
筒井タカヤ議員。
49: ◯百三番(筒井タカヤ君) 平成二十八年二月議会、平成二十九年二月議会の議案質疑に続いて、今議会でも歳出第六款健康福祉費第八項議案質疑を行います。医薬費のうち、あいち健康の森薬草園管理事業費についてお尋ねいたします。
大府市にある愛知県の施設、健康の森の薬草園については、随分前から愛知県薬剤師会による要請がありました。幾度も構想は浮かんでは消えたりすることが再三ありました。
まず一に、県民に正しい薬草に対する知識と理解を学ぶ場としてはよいが、美しく咲く花や樹木を鑑賞するものでもなく、華やかさにも欠けるものであること。二として、薬草、薬木を植え育てるといった経験に欠けること。三つ目に、県内の薬学部のある大学では、それぞれが薬草園を所有しており、専門知識を学ぶ学生のボランティアを集めることも難しいこと。四つ目、これが最大のネックでありましたが、健康の森の一画といえども、正面の入り口から薬草園に行くにははるかに遠くにある位置、来場者にとっては乗用車のみでしか来園ができないのではないか、これらの声が多くありました。私自身も、当議会でその旨を指摘しております。
県当局が示した当初の計画図には、薬草園の中央には大型の温室があり、季節ごとに、薬草園では収穫された薬草を販売することにもなっていました。私自身も、こうした県が示した構想を理解するために、県内外のそれぞれある薬草園に出向いて視察、研修を重ねました。そこでは、薬草園には植物があるのだから、最重要なのは土づくりが基本であり、命ですよと教わってまいりました。
その後、先ほど述べた四点への懸念は一切考慮されることなく、とにかく薬草園をつくることのみで計画が推進され、完成されたのであります。
この間私は、東京都の薬草園の施設管理者から、温室は膨大な経費がかかることを考慮すると大変だからとの指導を受け、計画を中止するように県当局に伝えました。今、県薬草園は温室はなく、芝生広場となっています。また、薬草を収穫した品を販売することもさまざまな問題があり、再考する必要があると県当局に伝えました。今、薬草園では薬草の販売もしていません。以上の二点は考慮いただけました。
しかし、最重要と考えられていた薬草園としての基本の土づくりは、一切考慮されていません。雑木、雑草地であった土地を、ブルドーザー等による力をかりて整地されました。園内の区画整備もされました。そこに穴を掘り、腐葉土をスコップで入れ、植樹等をされただけです。まるでそこらの街路樹や草花を配置するのと同じでした。
私たち健康福祉委員会に所属していた県会議員は、それぞれ各地の薬草園を視察して、土づくりが基本であることを学びながら、一方、県は平然と粘土質の地面に穴を掘って薬草を植樹した、その姿勢が私には理解ができないのです。
一に、開園当時、土壌についてどのように考えていたのかをお尋ねします。また、今になって限られた場所のほんの一部を土壌改良して、改善に努められているようです。なぜこの作業を行っておられるのでしょうか。本当の意味での薬草園として改善させる必要があるとお考えになってこの作業をしておられるのかどうかも含めて答弁をしてください。土壌改良が必要ならば、現在の薬草、薬木を他に移して土を取り除き、薬草、薬木に適した土を入れられることのほうが、一気に改善ができるはずです。一気に土壌改良を行わないのはなぜか、答弁を求めます。
次に、提案です。もともとこの薬草園は、薬草や薬木を集めて県民に見てもらう、学んでもらうだけの目的でもってつくられております。そう理解するならば、何も慌てて今さら土壌改良をする必要はありません。ただし、薬草園として来訪する専門知識のある人には、これは何じゃと言われることだけは覚悟する必要はあります。
ここで提案です。健康の森の一帯の敷地は、建設部が樹木、広場を管理されておられます。単なる薬草、薬木ならば、わざわざこの一画だけを健康福祉部が所管することはありません。指定管理も含めた取り扱いも含め、建設部に移管をされてはいかがでしょうか。格段問題がなければ、建設部が薬草園も公園の一環として管理されればよいと考えます。
次に、薬草園前に、自家用車以外の一般の県民も来訪くださるには、バス停留所を設置くださるようにお願いをしました。バス停もなければ、小中学校の課外学習もできません。また、一般県民もなかなか薬草園には行けません。
二として、バスの停留所の設置について、循環バスを運行する大府市や路線バスの運行事業者との交渉はどこまで進んでいるのでしょうか。県当局の報告と所見を求めます。
以上です。
50: ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君) 初めに、薬草園の土壌改良についてお答えいたします。
薬草園の整備時に、土壌が薬草の生育に適さない粘土質であることを把握しており、性質の異なる土を加えて土壌を改良する、いわゆる客土を行っております。しかし、開園後、体験薬草農園及び圃場において、薬草の生育が芳しくなく、一部が枯れたり成長のおくれが見られたことから、植栽豊かな魅力ある薬草園とするためには、さらなる土壌改良が必要と考えました。
そこで、県内製薬企業の協力を得て、漢方薬製造の原料となる生薬からつくった堆肥を用いた土壌改良を進めているところでございます。なお、対象エリア全体を一度に土壌改良する場合、大がかりな作業となり、薬草園を一定期間休業する必要がありますので、休業を避けるため、エリアを区切って順次実施しております。
土壌改良の結果、改良を行っていない区画に比べて土が肥え、植物の生育がよくなり、植栽展示できる薬草の種類がふえるなどの成果が着実にあらわれております。今後も引き続き土壌改良を進めて、植栽展示の充実に努めてまいります。
次に、バス停留所の設置についてお答えいたします。
来園者の利便性を高め、より多くの県民の皆様に薬草園にお越しいただくためには、公共交通機関の利便性を高めることも有効だと考えております。そこで、薬草園前に新たなバス停留所を設置することや、既存の停留所の移設について、周辺のバスを運行する知多乗合株式会社及び大府市と協議した結果、採算性等を考えると、バス停留所の新たな設置や移設は難しいとの結論でありました。
しかしながら、大府市からは、薬草園に近いバス停留所に案内表示をすることについて御了解をいただき、三カ所の停留所に、薬草園まで徒歩五分などと書かれた案内表示板を設置いたしました。この案内表示により、バスで来園される方への利便性が向上したと考えております。
今後、薬草園につきましては、展示する薬草の種類、量をふやすなど、その魅力を高め、薬草園設置の目的である、薬草の活用を通じた県民の皆様の心と体の健康づくりに対する意識の向上に努めてまいります。
51: ◯百三番(筒井タカヤ君) 再質問いたします。
まず一つ、薬草園の設計はどこに委託をしたのかということです。それは薬草を理解している事業所だったのかどうか、これが疑念があるからです。現地を見れば、明らかに粘土質であります。粘土質が植物の成長に適さないことは、小中学生でも承知のことであります。今、限られたほんの一部分の土壌改良を始めているとのことのようですが、これは、薬草としての土壌改良が適切になされていなかったあかしでもあります。設計ミスでもあります。それに気づくことのなかった県当局のミスであることを認められますか。答弁を求めます。
二つ目、今後、全体のどのくらいの規模でもって土壌改良が必要なんですか。全体面積の何%ほどを考えておられるのか、また、どのような方法でもって土壌改良をなされるのか。今の漢方薬での改良であるとのお話のようです。どのくらいの期間でもって土壌改良を予定しているのか答弁を求めます。いま一つ、粘土質の土を取り除き、最良の土を入れることのほうができない、この採用をしない理由をもう一度述べてください。
三つ目、県内製薬企業の協力によって漢方堆肥を活用した土壌改良には異論はないが、ある特定の企業による善意と考えるべきか。それでも、漢方堆肥による土壌改良の実験場として、後日、データも含めて全国に広報されたときのことを心配します。よくもまた愛知県はでたらめな薬草園を完成させたものだと拡散することにもつながることだからであります。逆に、後世において、人は漢方堆肥の推進に愛知県は貢献をした薬草園をつくったと評価されるのかのいずれかであります。特定の漢方堆肥による土壌改良実験場を、県当局はどのように考えているのか答弁を求めます。
四つ目、薬草園の目玉として、薬草の王様とも言われている朝鮮ニンジンを育てて展示してはいかがですかと昨年提案しました。今、どのように進行していますか。
五つ目、薬草園の目的の一つに、薬物乱用防止を啓発することも大切であると提言しました。どこまで進んでいますか。特に、DVDを活用した、麻薬の原料となるケシや大麻等がどんな植物なのかも含めた映像を、常に薬草園で学習ができるようにと提案しました。当局は、ケシや麻薬等の映像の展示広報をどのようにお考えですか。検討くださっているならば、それはいつごろに実現可能となるのかについてもお尋ねします。
もともと今の薬草園の施設は、立派な温室が計画されていた内容でもって完成をしました。違う点は、最大の目玉であった温室は、費用経費がかかることからの指摘もあってなくなりました。当然、ここで基本的な見直しがなされるべきでありました。今、このような管理棟も必要でもなく、風雨から影響を受けないだけの建屋でよかったのではないでしょうか。五月の大型連休、夏、秋に行われるイベントを行うものであっただけでいいはずであります。健康の森の一つの施設としての、樹木と草が植えられている薬草園でよいのではないかとも考えがあります。
薬草講座イベント等は、健康の森の、あのすばらしい施設の部屋で実施すれば、交通の便もいいし、来場者も大勢来られているのでありますから、今以上に盛大に行われるはずであります。それを可能にするには、管理を健康福祉部の医薬安全課から、健康の森を管理している建設部に移管する、それで全ての問題が解決できるのではないかと考えます。今後の検討課題として提案いたします。
以上です。
52: ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君) 再質問のうち、まず、開園前の土壌改良に関する設計についてお答えいたします。
薬草園の設計につきましては、県が公園緑地等の設計を行う民間業者に委託して実施いたしました。また、その実施設計では、いわゆる客土の実施が記載されておりまして、これに沿って、開園前に薬草園内で土の入れかえを行ったところでございます。
しかし、開園後、体験薬草農園及び圃場におきまして、薬草の生育が芳しくなかったため、平成二十七年十月からさらなる土壌改良を実施しているものでございます。
次に、今後の土壌改良の規模等についてお答えいたします。
現在薬草園で実施しております土壌改良は、駐車場等を含めた薬草園全体面積の約八%を占める体験薬草農園及び圃場を対象としております。ことし二月末までに、体験薬草農園の約五分の四及び圃場の約三分の二が完了しております。今後も順次土壌改良を行い、平成三十一年度末までに完了する予定でございます。
なお、土壌改良は、漢方薬製造の原料となる生薬からつくった堆肥をまぜ込む方法で行っておりますが、これは、地元市町の代表や学識経験者から成るあいち健康の森薬草園に関する運営懇談会の提案を受けて実施しているものでございます。
次に、現在実施している土壌改良に対する県の考え方についてであります。
土壌改良に用いる堆肥につきましては、県内製薬企業が漢方薬を製造する際にできる搾りかすを活用するもので、ごみを減らすことにつながると考えております。なお、この方法は、同製薬企業の農場において、既に土壌改良の実績があり、同社の御協力が得られることから実施することといたしました。
続いて、朝鮮ニンジンの栽培についてお答えいたします。
朝鮮ニンジンの栽培を研究している県内の製薬企業の御協力を得て、園内に専用の栽培施設を設置して、昨年十月から試験的な栽培を開始しております。順調に生育すれば、五、六年後に収穫でき、園内展示や収穫祭等で活用していきたいと考えております。
朝鮮ニンジンは、涼しく一年を通して湿度があまり高くならない気候を好むとともに、化学肥料を嫌うなど、その栽培は容易ではありません。しかし、栽培に成功すれば、魅力ある薬草園の目玉となることや、将来的に愛知県産の薬用ニンジンの供給に道を開くことから、今後も積極的に取り組んでまいります。
最後に、薬草園を薬物乱用防止啓発の場として活用する取り組みについてお答えいたします。
園内のボランティア交流センターに啓発コーナーを設けてポスターを掲示し、来園される方々にリーフレットを配布しております。さらに、今年度、薬物乱用防止の講座を五回開催し、大麻やケシ等の違法な薬物の原料となる植物の情報を提供するなどして啓発を行っております。なお、映像を用いることは、啓発効果を高める上で有効だと思われますので、その実施に向けて、引き続き検討を進めてまいります。
また、今後の取り組みとして、木の皮がせきどめなどの効能を持つ桜を、地元の愛好家団体の全面的な御協力を得て、園内中央の芝生広場に集中的に植樹することを検討しております。桜の花が春の目玉になり、多くの県民の皆様が薬草園に来園していただくきっかけになるものと期待しております。
今後も、地域や関係の方々の御支援を得て、薬草の活用を通じて県民の皆様の心と体の健康づくりに対する意識の向上を図るという薬草園設置の目的を実現するよう努めてまいります。
53: ◯
議長(中野治美君) 次に、第一号議案平成三十年度愛知県一般会計予算のうち第一条中歳出第九款建設費から第十五款予備費まで及び第二条繰越明許費から第六条歳出予算の流用まで並びに第二号議案平成三十年度愛知県公債管理特別会計予算から第六十二号議案包括外部監査契約の締結についてまで、第八十八号議案及び第八十九号議案いずれも副知事の選任についてに対する質問を許します。
通告により質問を許可いたします。
ますだ裕二議員。
54: ◯十二番(ますだ裕二君) 私からは、歳出第十款警察費第二項警察活動費のうち、街頭犯罪対策費並びに保安活動費について質問させていただきます。
昨年の九月議会一般質問で、多くの県民が利用する金山駅を中心とする歓楽街対策について質問させていただきました。金山地区は、名古屋開府から名古屋の発展を支えてきた名古屋城と熱田神宮を結ぶ歴史的な都市軸上に位置しており、まちの発展の一翼を担ってきました。
一方、今後国際化が進展する中で、海外との玄関口となる中部国際空港と、二〇二七年に開業を迎えるリニア中央新幹線の東京との玄関口となる名古屋駅を結ぶ、これからの人の動線軸上にも位置しており、この二つの軸のクロスポイントとなっている金山の位置づけは、都市機能の集約などに新たな役割を果たすことが大いに期待されています。
現在、金山総合駅は、一日に四十三万人の方が利用し、これから名古屋市と一体になった再開発が進められていきます。現時点の計画では、二〇二〇年にはアスナル金山の改修工事を行い、その後二〇二八年には、アスナル金山を含む一帯は人が集える広場として整備される予定となっています。
現在の市民会館は防災機能を備えた商業施設が建設され、隣接する古沢公園には大型ホールが誘致されるなど、玉突き式に開発される案が示されています。これにより人の流れが変わるばかりか、今より広範囲に多くの店が誘致され、たくさんの人にお越しいただけるような計画になっています。
しかし、金山地区が他の歓楽街と違うのは、近隣に多くの地域住人が住んでいるということです。コンパクトシティー化された金山地区は、中心地には商業施設があり、近隣に幾つかの保育園や公園、病院、スーパー等が点在し、歓楽街と住宅地が隣接する地域であります。そして、再開発計画が発表されるにつれ、地域住人からは、治安対策を不安視する声が多く上げられていました。
これに応えていただく形で、昨年の十二月に地元住人を集めた犯罪抑止・環境浄化推進地区指定に係る公聴会を開催していただき、ことしの二月一日より愛知県安全なまちづくり条例の犯罪抑止・環境浄化推進地区に金山地区を指定していただきました。
環境浄化推進地区の指定に伴い、地域内の事業者には、従業員の違法駐車の禁止、従業員の就労資格の確認など、ある一定のルールが課せられますが、地元の子供たちを犯罪から守る青少年保護の観点からも、この地域を見守るための管理体制づくりが必要であると思います。
そこで、今回の街頭犯罪対策費の中で、十五台の防犯カメラを設置する予定であると伺いました。まずは、金山地区にどれだけの防犯カメラが設置される予定になっているのか。そして、防犯カメラを設置する場所の選定について、どのように進められていくのかお聞きします。
次に、同じ歓楽街対策として、全国初のぼったくり被害防止アプリ、アイチポリスの運用を含む保安活動費について質問させていただきたいと存じます。
アイチポリスは、運用開始と同時に各マスコミやSNSを通じて、全国初のぼったくりに特化したアプリとして話題となりました。ぼったくり防止条例に違反した店舗が地図上に表示され、グーグルマップ上に現在位置から当該店舗の位置を確認できるほか、ぼったくり条例違反店の店舗名、違反行為が確認できるシステムとなっております。もちろん多くの県民が利用する歓楽街ではありますが、これからの観光誘致を推進する意味でも、他県からの来県者が安心・安全に楽しんでいただけるために、このサイトの果たす役割は非常に大きなものであると思います。
現に、条例施行後、約半年がたちましたが、料金トラブルの認知件数は月平均十四件あったものが、現在では月に一、二件程度と激減し、大きな効果を生んでいることがわかります。そして、ぼったくり防止条例違反による行政処分の店舗数は、二月末現在で十六店舗にも上ります。
しかし、ここでこれら対策の手を緩めたならば、再びぼったくり防止条例施行前と同様、料金トラブルが多発してしまうことが懸念されます。また、県内のみならず、全国から訪れる来県者にも安心して楽しんでいただけるよう、アプリを広く知っていただき、積極的に利用していただくことも重要でありますが、これらのアプリの運用に関しては、課題も残っていると思います。課題解決のためには、まず、現状を把握し分析することにより、適切な対策を講じていくことが今後必要であると思います。
そこで、アイチポリスは現在、どの地域のどのくらいの方に利用していただいているのか、さらには、今後どのように運用されていくのかお聞きいたします。
55: ◯警察本部長(加藤達也君) 初めに、金山地区に設置される防犯カメラの台数についての御質問にお答えいたします。
県警察では、愛知県安全なまちづくり条例に基づき、犯罪が多発し、かつ、風俗環境の悪化により、少年の健全な育成が阻害されるおそれがあり、犯罪の防止及び環境の浄化を図ることが特に必要であると認められる地区を、犯罪抑止・環境浄化推進地区に指定し、防犯カメラの設置を進めております。
金山地区におきましても、二月一日、推進地区に指定されたことから、今後、安全なまちづくりを進めていくため、防犯カメラ八台の設置に向けた検討を行っているところであります。
次に、防犯カメラの設置場所の選定についての御質問にお答えいたします。
金山地区は、金山総合駅を中心に発展している繁華街であり、駅周辺では、自転車盗や万引きなどの窃盗犯や、居酒屋等の客引きに関するトラブルなどが発生しているところであります。
これらの状況を勘案して、安全なまちづくりに向け、現在設置する場所を検討しており、その際には、地域住民の方々が不安に思っている場所等の御意見を伺った上で、地域住民の安心感の醸成や、地域防犯活動の活性化が図られるよう進めてまいりたいと考えております。
続いて、ぼったくり被害防止アプリの活用状況についての御質問にお答えいたします。
全国初となるぼったくり被害防止アプリ、アイチポリスにつきましては、パトネットあいちや県警ホームページ等の各種広報媒体を利用して広報啓発活動を行った結果、運用開始からわずか三カ月という短期間にもかかわらず、北海道から沖縄まで、一万六千人以上の方に利用していただいております。
次に、今後の運用方針についての御質問にお答えいたします。
このアプリは、ぼったくり被害の防止に非常に効果的な
ツールであると考えておりますので、今後も歓楽街を訪れる多くの方々に利用していただけるよう、広報啓発活動を推進するとともに、新たな手口の紹介、違反店舗情報のタイムリーな掲載など、利用者にとって有益な情報の拡充に努めてまいります。また、今後もぼったくり防止条例を活用した検挙活動等を強力に推進し、歓楽街の環境浄化に取り組んでまいりたいと考えております。
56: ◯
議長(中野治美君) 先ほどの高木ひろし議員の質問に対する答弁について、訂正の申し出がありましたので、これを許可いたします。
57: ◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君) 訂正をお願いいたします。
先ほど、旧優生保護法に基づく強制不妊手術に関する
文書についての再質問への答弁におきまして、県コロニー、それから県精神医療センターにつきまして今後調査していく旨を答弁いたしましたが、現在調査中でございますので、現在調査中ということで訂正させていただきたいと思います。失礼いたしました。
58: ◯
議長(中野治美君) 進行いたします。
大嶽理恵議員。
59: ◯一番(大嶽理恵君) それでは、第九款建設費第三項河川海岸費に関連しまして、地域との協働による河川管理について伺ってまいりたいと思います。
平成十八年度の建設委員会での答弁を拝見しますと、河川の草刈りは、財政危機であった平成十年ごろ、以前は年二回であったものが、現在のような年一回の原則となったとのことです。河川の近隣にお住まいの方からは、もっときれいな川にしたいという声があり、自主的に草刈りをしてくださっている方も見られます。
全国的に、川に親しみを持つ地域の方々と河川の手入れを協働して行っている制度があります。お隣の静岡県ではリバーフレンドシップ制度、奈良県では地域の河川サポート事業、我が愛知県ではコミュニティーリバー推進事業があり、県内で四十八団体ほど御協力いただいていると聞いております。
この制度は、川に愛着を持っていただいたり、地域の方々で助け合いながら地域をよくしていくことができる大切な制度であると思っております。ぜひ推進していただきたいと思いますが、その事業の意義と、もっと加盟団体数をふやすなど、推進する考えについて伺います。
次に、地域で草刈りしてきれいになった堤防に、花の植栽及びその管理活動を許可する考えについて伺います。
河川堤防に植物を植えることが、護岸を傷めてしまい、洪水が安全に流せなくなるなど、治水上の懸念が生じるなど、河川管理上必要なものであれば、その規制も必要なことだと考えますが、県が河川改修後の堤防に芝などを植えていることからも、どれも全く植えてはいけないということではないんだと思います。
奈良県では、先ほど御紹介しました地域の河川サポート事業の中に、彩り花づつみプログラムとして、年間を通じた花の植栽及びその管理活動に支援を行っております。本県も、地域が河川をきれいにしようという思いのもと植物を植えることに対して、きちんとした基準を設け、その範囲内であれば、植えたりその植物の費用などを助成してもよいのではないかと思います。
そこで、河川が地域の憩いの場となるため、護岸を傷めない程度の草花及び低木を植えることはできないものか伺いたいと思います。
関連して、水辺の緑の回廊事業について伺います。
この事業は、河川堤防を自然に戻そうとしていることの趣旨は理解をいたします。しかし、樹木を植えることは護岸を傷めることにならないのか、もしならないのであれば、その理由について伺います。
60: ◯建設部長(河野修平君) 地域との協働による河川管理に関して、三点御質問をいただきました。
まず、愛知コミュニティーリバー推進事業についてであります。
本事業は、自治会や市民団体など、地域で活動されている団体に作業料や保険料をお支払いし、身近な河川において、きめ細やかな草刈り作業を実施していただくものであります。メリットとしましては、希望される時期と場所で草刈りができること、また、作業を通じて川への愛着や地域の連帯感が深まることなどが挙げられます。
平成十七年度に、七河川十団体の参加により開始した制度でありますが、平成二十九年度には、三十八河川四十八団体にまで増加しております。引き続き、より多くの皆様に参加いただけるように普及を図ってまいります。
続きまして、護岸を傷めない程度の植物を植えることはできないのかについてでございます。
植物を植える場合におきましては、治水上重要な堤防や護岸に影響を及ぼさない範囲であることとしております。また、環境面の配慮も必要ですので、良好な自然環境を保全すべき範囲を除くこと、さらに、植栽する植物の種類は、在来種が淘汰されないように、繁殖力が強くない種としております。
いずれにしましても、植栽後も継続的に管理をしていただく必要がございますので、市町村からの御要請をいただいて許可をさせていただいているところでございますので、市町村から申請をいただいた上で、植栽場所や種類を個別に判断させていただいております。
最後に、水辺の緑の回廊事業による植樹についてでございます。
この事業は、堤防天端が周囲の地盤とほぼ同じ高さにある、いわゆる掘り込み河川において、国が定めた基準、河川区域内における樹木の伐採・植樹基準を踏まえて、護岸への影響のない位置に植樹しているところでございます。今後とも地域の皆様とともに、快適な河川空間の確保に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
61: ◯一番(大嶽理恵君) 御答弁ありがとうございました。
それでは、要望させていただきます。
地域との協働で河川管理をする区域を推進していきたいという御答弁であったと思います。ぜひ、地域の顔となるような景観であったり地域のつながりの場となったり、その川の周辺の景観があるからこそ、このまちに住みたいと思われるような、まさに言葉どおりのコミュニティーリバーがふえていくといいなと思っております。
一方で、地域で管理してくださる箇所がふえれば、河川の維持管理費用の軽減にもつながります。地域が気持ちよく活動できるように、県として丁寧な御対応をいただきたいと思っております。
また、建設部所管の他の制度で、道路沿い等の緑化に対する補助を、あいち森と緑づくり事業交付金を財源にして、緑化の種代などを助成してみえる事業もあります。こういったものを河川にも活用、あるいは制度を創設したり、市の占用区間に対しても、コミュニティーリバー制度の趣旨にかなう地区については同様に補助をするなど、地域との協働による河川管理が一層進むようにお知恵を絞っていただきたいと要望して終わります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
62: ◯四十番(中根義高君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
63: ◯
議長(中野治美君) 中根義高議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
64: ◯
議長(中野治美君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。
午後二時三十九分休憩
━━━━━━━━━━━━━━━━━
午後三時十分開議
65: ◯副
議長(
峰野修君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
通告により質問を許可いたします。
山田たかお議員。
66: ◯二十二番(山田たかお君) 私からは、第三十五号議案廃棄物の適正な処理の促進に関する条例の一部改正について伺います。
この議案は、平成二十八年一月、食品製造業者から処理を委託された食品廃棄物が、産業廃棄物処分業者により食品として不正に転売されるとともに、大量に過剰保管されるという不適正処理事案が発生したことが原因だと伺っています。
廃棄物処理法では、排出事業者は事業活動に伴って生じた廃棄物をみずからの責任において処理することが義務づけられており、委託した産業廃棄物の処分が終了するまでの一連の工程が適正に行われるよう、必要な措置を講ずるよう努めなければならないとされています。また、廃棄物の適正な処理の促進に関する県の条例では、委託先における処理状況を定期的に確認しなければならないとされています。
今回の案件については、排出事業者が廃棄物の処理責任に対する認識が不十分であったということが大きな原因であるという見解であります。
ここで、排出事業者、収集運搬業者、処分業者の関係を整理して考えてみます。今さらではありますが、排出事業者とはごみを出す人、ここでは法人が多いと思いますが、収集運搬業者とはごみを運ぶ人、処分業者とはごみを片づける人です。
処理委託の仕組みは、排出事業者が収集運搬業者、処分業者それぞれと契約をするというたてつけになっていますが、現実の流れは、収集運搬業者が排出事業者に営業活動をし、契約を持ちかけるという場合が多いと考えられます。つまり、片づける人ではなくて、運ぶ人が営業しているということです。この場合、収集運搬業者が排出事業者と処分業者との間に挟まり、排出事業者と処分業者の関係が薄くなります。さらに、コスト削減のため、処分業者をより有利な条件の処分業者に変更する場合も、収集運搬業者が主導する場合が多いと考えられます。
これらの原因によって、排出事業者が処理の過程を確認、つまり、処分業者の業務を確認することが難しくなっていると考えられます。今回の条例改正の有効性を考えれば、廃棄物の処理過程をコントロールしている収集運搬業者にも確認にかかわる仕組みが必要ではないかと考えます。
また、別の観点からいえば食品ロスの問題でもありますし、何より最大の問題は、処分業者の不適正処理を早期に発見できなかったことであります。対策として最も有効なのは、許可、監督をしている愛知県による立入検査の充実が最も効果的と思われます。
今回の条例改正は、排出事業者の委託先での処理状況の確認義務をより実効性の高いものとするため、確認を行わなかった場合の措置規程を追加し、排出事業者が委託した廃棄物の適正な処理を促進するものであります。
現実として、県内に幾つあるかわからない排出事業者に対して、処分業者が遠方であったり、例えば県外にあっても、契約のたびに、もしくは年に一回、処理がどのようにされているか、現地での確認が必要であるという、排出事業者にとっては大変大きな負担になることの実効性を高めることで、今回のような不適正処理の是正にどのような効果があるかを伺います。
67: ◯環境部長(菅沼綾子君) 平成二十八年一月に発覚いたしました食品廃棄物の不適正処理事案を受けまして、県ではこうした事案を二度と起こさないよう、さまざまな再発防止対策に取り組んでいるところでございます。
具体的に申しますと、まずは県における監視体制の強化を図るため、職員向けの詳細な立入検査マニュアルを作成するとともに、それを用いた実地研修を実施するなど、職員の資質向上に努めているところでございます。
また、収集運搬業者や処分業者に対しましては、六月や十一月の立ち入り強化月間を中心に、重点的な立入検査を実施するとともに、国、保健所等との合同立入検査を実施するなど、適正処理についてしっかりと指導してまいりました。
また、食品廃棄物の発生抑制や有効利用を図るため、愛知県廃棄物処理計画に基づいて、食品関連事業者へ3Rの促進を働きかけるとともに、三〇一〇運動などを通じた食品ロス削減に取り組んでまいりました。
さらに、今回の不適正処理事案では、従来から条例で義務づけております排出事業者による廃棄物の処理状況の確認、これが行われなかったことが大きな要因となっていましたことから、排出事業者に対して、排出者責任をしっかりと認識していただくためのリーフレットを作成して、周知啓発を図るとともに、廃棄物関係団体等と連携し、実際の処理状況の確認方法を学ぶための現地研修会を開催したところでございます。
今回の条例改正は、排出事業者が処理委託する廃棄物の処理状況の確認を行っていない場合に、知事が勧告を行い、その勧告に正当な理由なく従わなかった場合には、その内容等を公表できる旨の規定を追加するものでありますが、これにより排出事業者による処理状況の実地確認がしっかりと行われるとともに、廃棄物の不適正処理の早期発見につながることが期待されます。また、収集運搬業者や処分業者における適正処理にも資するものと考えております。
なお、排出事業者が中小企業である場合や、委託先の処分業者等が遠方にある場合には、この確認作業が負担となることも考えられることから、実地での確認を関連会社や同業で構成する組合などが代理で行うことができるよう規則で定めてまいります。
また、処理委託先が廃棄物処理法上の優良認定業者である場合は、特例として実地での確認を省略することもできるよう、こちらも同規則で規定してまいります。
今回の条例等の改正とあわせ、監視体制の強化や処分業者等への指導など、再発防止対策にしっかりと取り組みながら、廃棄物の適正処理の促進に努めてまいります。
68: ◯二十二番(山田たかお君) 少し要望を申し上げます。
規則でいろいろ定めていただけるということで、有効性が高まっていくのではないかというふうに感じています。
廃棄物の処分は、処分するものとその費用が一緒に動いていくという特殊な形態の取引です。排出者から中間処理業者に、中間処理業者から最終処分業者へと、廃棄物とその費用であるお金が一緒に動いていきます。一般的な取引では、対価を支払い、物を受け取る、サービスを受け取るなどして完了するので、取引後の心配は、物なり結果が手元にあることが多く、自分で管理できます。
しかし、廃棄物の取引は、対価を支払い、廃棄物を片づけてもらうという、全てを相手に渡してしまい、何も手元に残らない状況なので、取引後の管理が難しく、意識も薄くなります。また、取引をしたときから処理が始まり、さまざまな過程を経て最終処分がなされることから、その間に故意に不正が行われることが起きることもあります。
不正な処理は、処分価格の低下や同業者の通報、処分業者の立入調査を強化することなどで、その兆候を発見できる可能性が高いと考えられます。今回の条例の一部改正に加えて、あらゆる方策に取り組んでいただくことを要望して終わります。
69: ◯副
議長(
峰野修君) 進行いたします。
犬飼明佳議員。
70: ◯三十二番(犬飼明佳君) 私からは、歳出第十一款教育費第六項生涯学習費のうち、若者・外国人未来応援事業費について質問いたします。
中学卒業後の進路未定者や高校中退者は、就職やキャリアアップにおいて不利な立場にあります。高校卒業の資格が必要であると認識している方が多い一方、それらの方を対象とした学び直しのための支援は、残念ながら十分に行き届いていないと思います。なぜなら、学習支援が必要な青少年は、学校とのつながりがなくなっていることに加えて、不登校が原因であったり、ひきこもりなどにより社会とのつながりが希薄になっているケースもあり、その把握が極めて難しいからです。
このような状況の中、本県では、文部科学省事業である学びを通じたステップアップ支援促進事業を活用して、今年度、全国に先駆け、若者・外国人未来応援事業を開始しました。
この事業は、中学卒業後の進路未定者や高校中退者等に対して、高卒認定試験の合格等に向けた学習支援や相談による支援を行うもので、県生涯学習推進センターを会場とした名古屋地域、豊田市青少年センターを会場とした豊田地域、豊橋市青少年センターを会場とした豊橋地域の県内三カ所において実施されております。
特に名古屋地域においては、日本語支援が必要な外国人に対する日本語の学習支援も行われています。本県は、中学校卒業後の進路未定者数及び高校中退者数が多いことに加え、外国にルーツを持つ日本語指導が必要な児童生徒数に至っては、平成二十八年度のデータによれば全国一位であるなど、事業の必要性は極めて高いと考えます。
私ども公明党愛知県議員団は、昨年十月、名古屋地域会場の視察を行いました。子供たちに寄り添い、熱心に指導されている支援者の姿を目の当たりにするとともに、参加者数や事業実施の状況等についても調査し、利用者の半数以上が名古屋市外から来ており、交通費や移動時間などが負担になっているなど、開設後二カ月余りでありましたが、具体的な課題もお伺いをいたしました。
しかし、参加人数自体がまだまだ少なく、対象者の把握が難しい中で、本事業を必要としている方に対しいかに周知していくかに本事業の成否がかかっていると感じました。また、この学習支援に参加した方が、必ずしも継続的に学習できていないという現状も確認できました。
私は、この若者・外国人未来応援事業においては、学校とのつながりが切れてしまった若者に対して、どのような方法でこの事業を周知するかということに加えて、対象となる方の多様な生活スタイルを考慮する必要があると考えます。継続的な利用ができるよう、できるだけ居住地に近い場所で、アルバイトなどを行っていても利用しやすいような時間帯で学習支援が受けられるようにすることが必要であります。
そこでお伺いします。
県教育委員会は、現在本事業をどのような方法で周知し、その結果として、具体的にどのような若者がこの事業に参加をしているのか、また、先日公表されました子どもの貧困対策プロジェクトチームの成果である、子どもが輝く未来へのロードマップには、この事業の拡大についても記載されておりますが、今後、参加者が継続的な学習支援を受けられるようにするために、どのような事業展開を目指していくおつもりであるのか、この二点について、教育長にお伺いをいたします。
71: ◯教育長(平松直巳君) 若者・外国人未来応援事業について、まず、事業周知の方法と参加している若者の状況についてお答えをいたします。
この事業は、中学校卒業後の進路未定者、高校中退者、外国人等を対象といたしておりますことから、該当する若者が多く訪れるような、ハローワークや図書館、公民館等の社会教育施設、県立高校のほか、高卒認定試験の会場におきましても事業紹介のチラシを配布するなど、事業の周知に努めてきたところであります。
本年二月には、周知用のリーフレットを、学習支援を実施している三地域それぞれで作成いたしました。このリーフレットの作成につきましては、みずからも不登校や高校中退経験のあるこの事業の学習支援参加者が、過去に自分の抱いていた悩みや不安を思い出しながら、同じような悩みを持つ若者に訴えかけることができるよう、イラスト作成や構成に携わっております。
このリーフレットにつきましては、関係機関における配布はもとより、今後、商業施設においても配布できるよう検討しているところであります。
次に、参加者の状況でございますが、本年一月末現在、三地域において学習支援を受けた方は、十代後半から三十代までの若者で、実人員は四十二名であります。その内訳は、中学校卒業が八名、高校中退が二十名、高校在籍中が六名などとなっておりまして、中には中学校から不登校であった方、高校中退以降ひきこもり状態にあった方、少年院退所者や児童養護施設退所者などの参加もございます。
次に、今後の事業展開についてでございますが、参加希望者からは、交通費のかからない身近なところで実施してほしい、仕事との兼ね合いがあり、平日や日中では参加ができないなどの声もいただいておりますので、平成三十年度は、まず名古屋地域におきまして、新たに二カ所の会場を設けて、休日や夜間など、仕事をしている方でも利用しやすい時間帯に学習支援を行うことを予定いたしております。
さらに、今後、より身近なところで支援が受けられるよう、現在の三地域から、全県をカバーできる九地域程度での学習支援の実施を目指して、一層の体制整備に努めてまいりたいと考えております。
72: ◯副
議長(
峰野修君) 進行いたします。
政木りか議員。
73: ◯二十五番(政木りか君) 私からは、歳出第九款建設費第一項建設管理費第一目建設総務費のうち、新体育館基本計画策定費についてと、関連して、第十一款教育費第七項保健体育費の体育施設管理運営事業費、体育施設整備費についてお尋ねいたします。
まず、新体育館基本計画策定費についてお伺いいたします。
県体育館の移転に関しましては、昨年六月の名古屋市会において、移転先候補地として名城公園北園が示されたことから、移転の可能性の検討を行うため、昨年九月議会において二千万円の補正予算を組み、新体育館に必要な機能、諸室、建物規模や配置計画などの諸条件の調査を行ってこられたわけですが、先月二月二日の報道で、名城公園北園の野球場に検討位置を決定したと知ることとなりました。
そこで、今年度の調査でどんなことがわかったのか、どのような調査結果に基づいて位置を決定し、今回一億二百六十四万八千円が予算計上されているのかお尋ねしてまいります。
新体育館を建てるのであれば、体育館の建物の面積や規模や機能だけを検討するのではなく、周辺の環境状況を踏まえて、建物の配置、駐車場の確保、今後の周辺施設の改修なども含め、その周辺を利用、通過する車や人の通行などの対策も考慮すべきと考えます。
三月一日の一般質問の答弁で、振興部長より、新県体育館についてはアジア大会が開催できる施設に向けて検討していると答弁がありました。また、大相撲名古屋場所にふさわしい建物、全国大会、アジア大会を初め、国際大会も行えるようにと知事からコンセプトも示され、収支計画、建設から運営管理まで調査されるとの答弁でありましたが、どこまでの範囲を視野に入れて計画され、建設されるのか、名城公園北園の野球場あたりとは、どこまでの範囲を指しているのか、駐車場や通行の動線も含めてどのように考えられているのかなど、検討すべき項目はたくさんあります。
また、北園東側は、今週末十一日に開催されるウィメンズマラソンのコースにもなっており、ウィメンズマラソンに出場するために、県内外から多くのランナーと、その沿道には、応援や観戦のためにたくさんの人が訪れ、移動します。中には車椅子の方もいらっしゃいますし、周辺道路は通行どめになるなど、通行規制もかかるような場所であることから、事前調査については、範囲を広げ、実際の状況をしっかり把握し、県内外からの来訪者が使いやすいような環境整備が必要と考えます。
そこでお尋ねいたします。
今年度、諸条件の調査について、どのような調査検討を行ってきたのか、また、来年度の新体育館基本計画策定費として計上されている一億二百六十四万八千円は、今年度の調査結果に基づいてどのような調査検討を行うのか、その考え方と検討内容についてお伺いいたします。
次に、関連して、体育施設整備費のうち、現在の愛知県体育館についてお伺いいたします。
新体育館の移転検討が進んでいく中、現体育館については、当面は大相撲を初め、アイスショーやコンサートなど、有料での興行や、多くのスポーツイベントや大会にも使用されるほか、幼稚園や小学校、高校、大学などの運動会やコンサートなどの催しも多数開催され、室内プールやボクシング場も併設していることから、毎年継続して希望があるところであります。また、立地のよさから、今後も利用希望が見込まれますが、新体育館の移転が完了するまでは、それらのイベントを円滑に開催するための機能を維持する必要があると思います。
そこでお尋ねいたします。
今回の体育施設整備費三億五千二十一万九千円の予算のうち、愛知県体育館の整備のための予算及び整備内容はどのようになっているのか。また、今後どのような方針のもとで維持管理をしていくのか。
また、県体育館はつい先日、一月十二日から二月二十一日まで、ネーミングライツパートナーを、年間千五百万円以上、三年間の契約で募集されましたが、この募集の最中である二月二日に新体育館の移転先決定の報道が出るなど、県体育館を所管する教育委員会としては大変な時期に報道があったと察するところでありますが、この命名権料は施設の管理などに充てるとされております。
そこで、もう一点お伺いいたします。
今回予算計上されております体育施設整備費との関連性についてはどのようになっているのかお伺いいたします。
74: ◯建設部建築局長(海田肇君) 新体育館基本計画策定費についてのお尋ねのうち、まず初めに、今年度、諸条件の調査について、どのような調査検討を行ってきたのかについてお答えいたします。
今年度は、全国大会や国際大会を開催できる施設など、新体育館の整備に関する五つの基本的な考え、いわゆるコンセプトを実現するために、どのような機能や諸室が必要となり、また、どの程度の建物規模になるか等について検討を行うとともに、名城公園北園内から名古屋城への眺望の配慮などの観点から、公園内での配置計画等につきましても検討してまいりました。
これを踏まえ、これまでにおおむねの建物規模を、フィギュアスケートの国際大会開催時に一万人程度収容できるアリーナ規模と想定して、野球場あたりで引き続き設置の検討をすることとしたものでございます。
次に、来年度はどのような調査検討を行うのかについてお答えします。
来年度におきましては、今年度の調査結果を踏まえ、新体育館に必要な機能、規模等や、建設後の持続的な運営、維持管理などにつきまして、より詳細な検討を行ってまいります。あわせて、公園の風致、美観と調和する建物の規模、外観や、敷地として活用できる範囲などにつきまして、公園管理者である名古屋市等と調整しながら、必要な諸条件を進めてまいります。
さらに、駐車場対策や利用者動線、周辺環境への影響などの課題につきましても、名古屋市を初めとする関係機関と調整に入ってまいります。
新体育館が県民の皆様にとって魅力ある施設となるよう、基本計画策定の段階からしっかりと検討してまいります。
75: ◯教育長(平松直巳君) まず、現在の愛知県体育館の整備のための予算とその内容についてであります。
愛知県体育館は、年間六十万人を超える方々に御利用いただいておりますが、建築後五十年余りが経過する中、施設内の設備にふぐあいが生じているものもございます。来年度はこうした設備のオーバーホールといったメンテナンスのほか、利用者から特に要望の高い、一部トイレの洋式化を行うこととしており、合わせて約一億円を当初予算に計上したところであります。
現在、県体育館の移転整備が検討されているところでありますが、当面は現体育館を、大相撲名古屋場所を初め、さまざまなスポーツ大会、イベントに御利用いただくこととなりますので、今後とも利用者の安全性や利便性に配慮した、適切な維持管理に努めてまいりたいと考えております。
次に、ネーミングライツ導入で得られる命名権料の取り扱いについてでありますが、現在公募を締め切り、ネーミングライツパートナーに関する審査を実施しているところであり、具体的な金額が確定せず、平成三十年度当初予算では歳入予算に計上いたしておりません。
ネーミングライツの導入は、安定的な収入確保による県の財政負担の軽減や、民間資金を活用した、より一層の施設利用者へのサービス向上を図ることを目的とするものでありますので、今後、その目的に合致した事業に資金を充当してまいりたいと考えております。
76: ◯建設部建築局長(海田肇君) 先ほどの来年度の調査検討の答弁の中で、公園管理者である名古屋市等と調整しながら必要な条件を進めてまいりますと申し上げましたけれども、必要な条件整理を進めてまいりますということでございます。失礼いたしました。
77: ◯二十五番(政木りか君) 県体育館について、整備状況と、今後新しく建設するに当たっての考え方をそれぞれ御答弁いただきましたが、現在、県体育館は、各種大会や運動会などで毎年利用されている団体、学校もあり、その予定は半年から一年前にもう既に立てられ、計画をされております。そのため、体育館の移転は、その時期についても利用者の方々のさまざまな計画に影響することが考えられますので、利用者が困らないようにしていただきたいと思います。
また、現在新体育館が検討されているのは名城公園野球場あたりとされておりますが、野球場の北には、道路を挟んで県スポーツ会館があり、また、スポーツ会館周辺にはランナーズ施設、新体育館を検討している土地の角には信号交差点、名古屋市市営のプール、テニスコート、下水道科学館などの施設が集中しているため、新体育館建設に当たっては、周辺施設利用者などにかなり影響があります。
また、野球場と県スポーツ会館の間には、東西に抜ける一車線ずつの道路がございますが、その周りは毎日青空駐車が絶えず、土日祝日には道路両脇にぎっしりと縦列駐車がされている状況の地区であるため、県スポーツ会館の駐車場入り口には警備員が常駐して出入りを管理し、スポーツ会館利用者以外駐車場内に駐車しないようにしていることから考えても、車での来訪者が多いということであり、新体育館が野球場あたりに移転することとなれば、ますます通過交通がふえることが想定されます。
現状でも野球場北の道路は、バスやワゴン車が一台通行しようものなら相互通行ができず、また、Uターンする場所もないため、前にも後ろにも進めなくなる状態となります。そのような状態をどう回避するのか、周辺の通行路の確保についても広く調査が求められます。
私の地元のナゴヤドームからスタートするウィメンズマラソンの参加者からも、また、年間を通じて練習のために名城公園周辺を利用するランナーの方からも、さらには周辺施設利用者からも、このような状態も踏まえて対策を考えてほしいとの陳情もございます。
以上のことから、新体育館の建設に当たっては、建物、敷地及びその周辺はもちろんのこと、駐車場対策、また、利用者の動線確保など、公園全体の課題についての検討も重要と考えます。公園管理者である名古屋市と解決すべき諸問題を共有し、その具体的な対応についても、県と名古屋市の共同作業としてあらゆる可能性について考え、想定できることであれば解決策を一緒に考え、しっかりと協議していただきたいと思います。
事業主体は県であることを踏まえ、今後、名古屋市と協議、検討、計画していくに当たって、大変とは思いますが、県体育館の長寿命化の対応から移転、建てかえに変わったようなケースにならないよう、ほかの体育施設の整備につきましても、しっかりと名古屋市と調整して条件整理し、十分に調査、協議した上で計画して、県として県民の利用しやすい環境づくりと、アジア大会などの国際大会や全国大会開催時においても、来訪者にも利用しやすい環境づくりに主体的な姿勢で取り組んでいただきますよう要望いたしまして、質問を終わります。
78: ◯副
議長(
峰野修君) 進行いたします。
朝倉浩一議員。
79: ◯四番(朝倉浩一君) 私からは、歳出第十款警察費第二項警察活動費交通安全施設整備費について御質問いたします。
愛知県の交通事故死者数は、平成二十八年と比べ、平成二十九年は二百名と十二名減少したものの、ワーストワンが続いております。また、ことしに入り、昨日までに三十三人もの方が交通事故で亡くなり、本県の交通事故情勢は予断を許さない状況が続いております。
年度末の三月は、午前五時から午前十時台にかけて、出勤や業務目的の通行車両が関与する交通死亡事故が多発をしております。特に交差点において、一時不停止や信号無視、横断歩行者等妨害等の違反を伴う交通死亡事故が多いことから、県警では交差点対策強化旬間を実施し、指導、取り締まり活動を強化しております。
中でも交通事故多発交差点における対策は、警察による交通規制や指導、取り締まりなどのほか、国や自治体など、道路管理者による交差点改良などが行われております。
しかし、県民にとっては道路管理者が誰かなどはわからず、各地区でもそうでありますが、新年度の初めに自治区、町内会より、住民要望危険地域などをお知らせくださいなどの回覧板が回ってきますが、これを見ていないと、住民の方は、危険箇所、防犯・防災対策を講じてほしいと思っても、どこに要望してよいのかわからないこともございます。また、要望をしたが返答がなく、そのままになっていることもあるように住民からお聞きしたことがあります。
警察では、地域住民の要望等を踏まえて、信号機や道路標識、道路標示などの交通安全施設整備を実施しているものと思われますが、地域住民からの要望はどのような手段により把握しているのかお伺いいたします。
また、交通事故多発場所等における対策は、道路の構造自体を改善したり、新たな交通規制を実施したりするほか、警察による取り締まり、警察や自治体等が連携したキャンペーンなど、さまざまな手法が考えられます。
私の地元半田市の私の住んでいる地区では、十年前に教育懇話会という会を立ち上げ、幼稚園、保育園、小中学校、PTA関係者、自治体役員、おやじ会、老友会、女性の会などのコミュニティー団体と一年に四回開催をしております。
春先には、新年度を迎えるに当たって、不審者と思われてもいけませんので、顔を合わせての自己紹介、夏休み前の意見交換会、秋は子供たちが参加する敬老会前のお年寄り見守り運動等々、地域の子供たちは地域で守るをモットーに、交通安全運動を初め、防犯、防災など、さまざまな課題を挙げて地域で活動をしております。後の対応としては、議事録等、問題点を挙げ、フィードバックをして皆様と共有をしています。
私は、警察や自治体の連携の中でも継続的な効果が期待できるのは、道路の改良や交通規制といった、道路交通環境の改善であると考えており、これを推進していくには、警察と道路管理者が緊密に連携をし、それぞれの対策を両輪として実施していくことが重要であると考えていますが、その実施状況についてお伺いいたします。
80: ◯警察本部長(加藤達也君) 初めに、地域住民の方々からの御要望の把握についての御質問にお答えいたします。
交通規制の実施や交通安全施設の整備に係る地域住民の方々からの御要望につきましては、各警察署において、要望書や電話、口頭により受理しておりますほか、街頭活動や警察署協議会、交番・駐在所連絡協議会等の各種会合の機会を通じて、幅広く把握に努めております。また、警察本部におきましても、県警のホームページや電話等により御要望を受理する仕組みを設けております。
このほか、道路管理者において警察の所管に関する御要望を把握した場合には、道路管理者から情報提供を受けており、他方で、警察において交差点改良や区画線の設置などの道路管理者の所管に関する御要望を把握した場合につきましては、道路管理者に情報提供を行い、相互に情報共有を図っているところであります。
次に、道路管理者との連携についての御質問にお答えいたします。
交通安全対策を推進するに当たりましては、道路管理者とはさまざまな面で連携した対策を推進しているところでありますが、例えば県警察におきましては、平成二十七年度から交通事故多発交差点対策として、ACT─45という対策を推進しております。これは、県内の四十五警察署におきまして、死亡事故などの重大事故につながりやすい、出会い頭や歩行者横断中などの事故が多発している交差点を抽出し、道路交通環境の改善や交通指導取り締まり、広報啓発の総合的な対策を推進するものであります。
対象交差点におきましては、信号灯器のLED化や交通規制の実施、さらには道路管理者による交差点改良やカラー舗装など、交通実態に応じた必要な対策を個別に検討し、実施しております。
平成二十八年度に対策が完了した三十二交差点について、対策の契機となった出会い頭や歩行者横断中などの人身事故の発生状況を、対策完了後六カ月間と対策前の同時期とで比較しましたところ、対策前は二十八件であったものが、対策後は七件と二十一件減少し、約七五%の減少効果が見られております。
今後とも道路管理者との緊密な連携を図り、より効果的な交通安全対策の実施に努めてまいりたいと考えております。
81: ◯四番(朝倉浩一君) 御答弁ありがとうございました。
それでは、一つ要望させていただきます。
交通事故抑止対策は、警察や道路管理者、また、場合によっては教育委員会など、広範囲にわたる場合が多いわけでございますが、県民からしてみれば、その担当部署がどこであるのかを判断することは難しいことも多く、また、交通事故抑止対策を迅速に、また効果的に行うためには、関係部署の緊密な連携が不可欠である、そう思います。これまで以上に情報共有や連携を図っていただき、要望に対する対応の迅速化や、より効果的な対策の推進を要望して質問を終わります。ありがとうございました。
82: ◯副
議長(
峰野修君) 進行いたします。
神戸健太郎議員。
83: ◯二十七番(神戸健太郎君) 私からは、第六号議案平成三十年度愛知県中小企業設備導入資金特別会計予算について、特に地域中小企業応援ファンド貸付金についてお尋ねをいたします。
本県では、平成二十年度、国からの資金拠出四十億円と、県からの資金拠出三億円に加え、地域の金融機関から五十七億円の資金協力のもと、公益財団法人あいち産業振興機構に総額百億円の基金を造成し、その運用益によって、地域資源を活用した中小企業の新事業展開を支援するあいち中小企業応援ファンド事業を実施してまいりました。
地域資源を活用して新たなビジネスチャンスを獲得しようとする中小企業にとって、新商品の開発、販路の拡大などに対する助成事業は、経営課題の解決につながるものであり、ひいては本県の地域経済全体の底上げにつながる大変有意義な事業であります。
本事業の実施は、中小企業が経営基盤の強化や新たな事業活動などを図る際の公的なワンストップ支援機関である公益財団法人あいち産業振興機構が担い、助成対象事業の採択に当たっては、地域資源の活用の度合いや地域産業の活性化への効果、事業化の実現性など、さまざまな観点による審査が行われて、助成案件が採択されたわけでございます。
平成二十年度に第一回の助成対象事業を決定して以降、十年間にわたり、中小企業者や小規模企業者にとって利用しやすい制度として定着しており、これまでの採択実績は四百十六件、十億七千三百万円余に及んでおります。
県、地域の金融機関と経営支援機関の三者がかかわるこの事業は、新事業の展開を考える県内中小企業にとってなくてはならない施策の一つと考えておりますが、この一月末に、平成三十年度に交付決定が予定される最後の助成事業の募集が終わったものと伺っております。
そこでお尋ねをいたします。
十年間にわたるあいち中小企業応援ファンド事業について、どのように評価をしているかお伺いをいたします。
次に、あいち中小企業応援ファンドの終了後の本県の取り組みについてお伺いいたします。
国内人口の減少、少子・高齢化により、国内需要は大きく変化し、さらに、グローバル化に伴う国際競争の激化の中で、中小企業を取り巻く環境は以前にも増して厳しい状況にあります。
こうした中、企業が成長していくためには、自社の強みをしっかりと見きわめ、市場ニーズを的確に把握し、自社の製品情報をさまざまな手段によって発信していくことが大変重要なことであります。
資金や人材が確保できる大企業や中堅企業においてはこうした取り組みも進められましょうが、中小企業においては資金が十分でないことから、市場ニーズを反映した製品開発や、販路開拓のための新たな取り組みが追いついていけないというのが実情ではないでしょうか。
産業構造が急激に変化する今こそ、新たな顧客や市場を獲得するため、積極的に新規市場の開拓に取り組み、ある程度のリスクを冒しても積極的に進めていくことが、一企業の発展だけではなく、将来的な地域の経済成長にも結びつくものと考えております。
こうした中小企業の経営状況を踏まえ、現行のあいち中小企業応援ファンドの後継事業として、新しいファンドを造成すると伺っております。金利動向の推移を見てみますと、例えば長期金利の代表的な指標である十年物国債の利率は、現行ファンドが造成された平成二十年九月当時には年一・五%近辺でありましたが、この三月末には年〇・〇五%近辺となっております。このような低金利の情勢にあって、新しいファンドは従来のような運用益を見込めない中で、助成対象分野もある程度限定せざるを得ないわけでありますが、その内容は、地場産業の新規事業展開に焦点を当てたものになるというふうにお聞きしております。
平成二十八年経済センサス─活動調査によりますと、本県が指定している地場産業の製造品出荷額等に占める割合は一八・〇%、同じく事業所数に占める割合は四一・八%、従業者数に占める割合は二七・四%となっております。
地場産業は、地域の経済基盤として、雇用の受け皿として大きな役割を担っております。例えば、本県の主要な地場産業である繊維産業を見ますと、紡績、織物などのテキスタイル産業から、紳士服、婦人子供服などのアパレル産業や産業資材に至るまで、多種多様な繊維関連産業の一大集積地となっております。とりわけ毛織物は日本一、さらには世界的にも有数の一大産地を形成しております。
こうしたことからも、地場産業は物づくり愛知を支える大変重要な産業であると考えており、持続的かつ安定した地域経済の発展には、県として、地域を挙げて地場産業の振興に長期的視野から取り組んでいくことが必要であり、今回地場産業に焦点を当てた中小企業応援ファンドを造成することは、大いに評価できるものであるというふうに思っております。
そこでお伺いします。
新たに造成される地域中小企業応援ファンドについて、どのような内容としていくのかお伺いいたします。
84: ◯産業労働部長(吉澤隆君) あいち中小企業応援ファンドに関するお尋ねのうち、まず、現行ファンドによる助成事業の評価についてお答えいたします。
本県では平成二十年度に、国、県、金融機関の資金をもとに、公益財団法人あいち産業振興機構にあいち中小企業応援ファンドとして百億円の果実運用型基金を造成し、その運用益により、中小企業の新製品、新商品開発と販路開拓を支援してまいりました。
本事業の開始に当たり、目標として、助成金の交付を受けてから三年以内に事業化した件数が年五件以上となること等を掲げたところ、毎年行っておりますフォローアップ調査により把握している平成二十七年度採択分までの実績を見ると、目標値四十件に対して百三十八件が事業化に成功しており、目標を大きく上回っております。
成功事例の一例を御紹介いたしますと、糸から生地、製品まで一貫してオリジナルで製造、販売を手がける事業者が、シルクの通気性を生かした上で、デザイン性を高めたTシャツやネックウオーマーなどを試作し、その後、ミラノ、東京などで開催された展示会に出展した結果、欧州有名ブランドを含めた三十七社の販売先と新たな取引関係を構築することができました。
このほか、フォローアップ調査では、さまざまなトライアルを実施して課題の抽出や対策ができた、ファンドの採択を得たことで企業の認知度、信頼性が高まり、新商品の販売に大きな効果があったなど、事業者の皆様の評価を得ております。
続きまして、新たに造成する地域中小企業応援ファンドの内容についてお答えいたします。
まず、本ファンドは、現行ファンドと同様に、独立行政法人中小企業基盤整備機構からの無利子貸し付け四十億円と県の資金三億円に加え、金融機関からの貸付金を増額し、総額百六十億円を目途に、本年九月以降、同じく果実運用型の基金として造成します。来年初頭にも支援対象事業の募集を開始し、その後できるだけ早い段階での交付決定を予定しております。
次に、支援対象についてお答えします。
現行ファンドでは、業種を問わず、地域の産業資源を活用した新製品、新商品の開発と販路開拓とを一体的に進める取り組みを支援してまいりました。しかし、業種によって置かれている経営環境は大きく異なることから、業種やその取り組みニーズに応じて、よりきめ細かく支援を図っていけるよう、制度内容を見直ししていくこととしております。
とりわけ繊維、窯業を初めとする主要な地場産業については、国内市場の縮小が進む中で、海外を含む販路開拓を積極的に推し進める必要があると認識しております。このため、新しく造成するファンドでは、支援対象を繊維、窯業、食品、家具及び伝統的工芸品の主要地場産業五分野とし、海外市場など、新たな販路開拓に前向きに取り組む産地企業を中心に支援してまいります。
また、主要地場産業五分野以外の幅広い業種については、本ファンドとは別に、産業空洞化対策減税基金を活用し、新製品、新商品の開発などの取り組みを支援いたします。さらに、新あいち創造研究開発補助金に、これまで採択実績がない中小企業を優先的に採択するトライアル枠を新設し、研究開発に取り組む中小企業への支援を強化してまいります。
これらの三制度をトータルに運用することで、中小企業の新事業展開の取り組みを一層強力に支援してまいります。
85: ◯副
議長(
峰野修君) 進行いたします。
安井伸治議員。
86: ◯五番(安井伸治君) 私からは、歳出第九款建設費第九項住宅費のうち、応急危険度判定制度推進費についてお尋ねをいたします。
応急危険度判定士講習会については、平成二十九年度九月議会において、迅速な避難所開設のため、消防団等の地元の防災意識の高い方々に講習を受講していただいてはどうかと提案をさせていただいたところ、建築局長より、講習会に参加し知識を習得していただくことにより、二次災害のさらなる防止につなげられるよう取り組んでいくとの御答弁をいただきました。
平成三十年度当初予算案を見ると、五百七万二千円と、昨年度と同額ではありますが、しっかりと予算計上していただき、当講習の普及に前向きに取り組んでいただけるとの理解をさせていただいております。
発災直後には、被災された住民の方々にとって、避難所施設の安全確認が生活の安心を得るために非常に大きな心の支えになるのと同様に、避難所運営マニュアルに従い避難所施設の安全確認をして開設をする立場である施設管理者や災害対策委員及び地域住民等にとっても、その知識が大きな心の支えとなってまいります。
しかし、今回愛知県が応急危険度判定士講習会の門戸を開き、災害時の避難所開設、また、運営のため必要な知識として、各地元の防災意識の高い方々に受講していただきたいとの思いがあっても、参加希望の方がみえないことには、避難所施設の安全確認のための知識は広がってまいりません。
そこで質問です。
今回の応急危険度判定士講習会を各地元の防災意識の高い方々に積極的に受講していただくために、どのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。
次に、今年度までの応急危険度判定士講習会の対象となる方は、愛知県内在住または在勤の建築士や、一級建築施工管理技士や愛知県内の地方公共団体職員の方であります。
講習会パンフレットを見させていただきますと、対象は二区分に分かれております。一つは、建築士、一級建築施工管理技士、地方公共団体の建築技術職員など、建築に対する知識を有した方。二つ目は、地方公共団体のその他の職員、つまり、余り建築に対し知識を持たない方となっております。
そこでお伺いいたします。
施設管理者や災害対策委員及び地域住民等においては、専門的知識のない方々が多いと思われますので、二つ目の区分にて参加いただき、この講習内容をよりよく理解していただき、災害時に避難所施設の開設の判断に役立てていただけるよう御配慮をいただくことは可能でしょうか。お伺いをいたします。
続きまして、歳出第十款警察費第二項警察活動費のうち、主にドライブレコーダーについてお伺いをいたします。
まず初めに、昨年十月、ドラレコ、捜査活用をという見出しで載りました中日新聞の記事を御紹介させていただきます。
名古屋市は、市バスやごみ収集車に搭載しているドライブレコーダーを事件や交通事故の捜査に役立ててもらおうと、県警と映像提供に関する協定を結んだ。車体にドライブレコーダー作動中とのステッカーも張り、防犯活動にもつなげる。名古屋市は昨年まで、全国の政令市で、住宅対象侵入盗が七年連続、自動車盗が九年連続のワーストワン、交通事故死者も前年同期に比べて十人ふえております。協定は、事件や事故の発生時に映像を保存、提供するほか、業務中に事件や事故を目撃した際は警察に通報する。対象車両は計約千二百台で、深夜から早朝を除き市内を走行しているとの内容で、名古屋市と愛知県警との映像提供協定を報道いたしました。
画像に関する提供手順について少し触れさせていただきますと、通常、事件、事故発生時に現場付近の防犯カメラやドライブレコーダー装着車両を捜査し、自治体や民間から防犯カメラやドライブレコーダーの映像の提供を求める。これら重要な映像は、刑事訴訟法に基づき、捜査関係事項照会や差し押さえ、任意提出により提供していただくのですが、もし仮に拒否されても、状況に応じて差し押さえ令状により強制的に入手することも可能です。これにより捜査の足がかりや重要な証拠となり、迅速に事件、事故の解決が図られ、県民の安心・安全につながってまいります。
調査会社の発表では、二〇一七年のドライブレコーダーの販売台数は、あおり運転の影響もあり、十六年比三八%増の百九万台だったと報告をされております。あおり運転をめぐっては、昨年六月、神奈川県の東名高速道路で、ワゴン車の夫婦が後続車にあおられて停止させられた後、大型トラックに追突され死亡するという痛ましい事故が発生しております。動画サイト、ユーチューブであおり運転を
検索しますと、同様の危険運転が数多く
ヒットしてまいります。
警察庁は本年一月、あおり運転等に暴行罪等が適用される場合、またはあおり運転に起因し暴行、傷害、脅迫、器物破損等が伴う場合には、点数制度による処分に至らなくても、自動車等を運転することが著しく交通の危険を生じさせるおそれが認められるときは、最長百八十日の免許停止ができる、危険性帯有にかかわる行政処分を積極的に行うように全国の警察に指示をいたしました。
あおり運転に対し厳正な対処をしていただくことはもちろんでありますが、多くの車両にドライブレコーダーが搭載されることで、こうした危険な運転や危険性帯有者に対する抑止効果が期待できるとともに、後に事件となった場合にも客観的な証拠になり得ると考えます。
このほかにも、ドライブレコーダーの効果として、運転者自身にも見られているという意識が働くことで、交通事故、交通違反の防止など、安全意識の向上につながるものと考えます。
このように、ドライブレコーダーは非常に有用であり、県警においても全車両にドライブレコーダーを装備すべきと考えますが、現在の整備状況と、今後の整備方針についていかがお考えでしょうか。
以上、お伺いいたします。
87: ◯建設部建築局長(海田肇君) 応急危険度判定制度推進費についてお尋ねをいただきました。
まず、応急危険度判定士講習会を各地元の防災意識の高い方々に積極的に受講していただくために、どのように取り組んでいくのかについてお答えします。
南海トラフ地震の発生が懸念されるこの地域においては、余震などによる二次災害を抑止するため、できる限り多くの応急危険度判定士を養成することはもとより、判定士以外の方々にも応急危険度判定業務への理解を深めていただき、被災した建築物の危険度等の専門的な知識を習得していただくことは、防災の取り組みとして重要であると考えております。
こうしたことから、来年度からは、応急危険度判定士講習会における判定士の養成に加え、災害対策委員や消防団員を初めとする地域の防災のために活動されている方々にも講習会に参加いただくことを検討しております。
県といたしましては、何より、それぞれの地域の実情に詳しく、防災のために活躍されている方々に、できる限り多く講習会に参加いただくことが重要であると考えており、市町村とも連携して、幅広くきめ細やかに参加を呼びかける等の取り組みを進めてまいります。
次に、消防団員等の方々が受講する応急危険度判定士講習会の受講内容についてであります。
現在、応急危険度判定士講習会は、対象者別の二種類の講習内容となっております。
一つ目は、建築士、一級建築施工管理技士、地方公共団体の建築技術職員等、建築技術者向けの講習であり、応急危険度判定士の制度と判定の手法等をその内容としております。
二つ目は、建築技術職員以外の地方公共団体の職員を対象とする講習であります。こうした方々は、一般的には建築に関する専門的な知識は有していないことから、建築技術者向けの講習に、建築の構造についての基礎的な内容を追加しております。
来年度新たに講習会に参加いただく消防団員等の方々は、その多くが建築について専門的な知識を有していないと考えられるため、建築技術者以外を対象とする講習を受講していただくこととし、この講習の回数をふやすことを検討しております。地域で防災のために活動されている消防団員等の方々にとって、内容がわかりやすく、二次災害のさらなる抑止等につながるような講習会を実施してまいります。
88: ◯警察本部長(加藤達也君) ドライブレコーダーの整備についての御質問にお答えいたします。
ドライブレコーダーにつきましては、議員お示しのとおり、あおり運転や交通事故、その他犯罪が発生した場合の客観的な証拠となり得るほか、これを搭載していることで、ドライバーの安全意識を高め、交通違反、事故の抑止効果が期待できるなど、非常に有用性が高く、社会において急速に普及が進んでいるものと承知しております。
警察車両へのドライブレコーダーの整備についてでありますが、県警察が保有する四輪車両約二千九百台のうち、ドライブレコーダーと同等の機能を有する無線自動車動態管理システムを搭載した警ら用無線自動車等を除く約二千六百台について、平成二十八年度から計画的に整備を進めており、現在約千五百台の整備が完了しているところであります。
今後の整備方針でありますが、未整備の約千百台の整備に必要な経費を来年度予算案に計上させていただいており、全車に整備することで、警察車両の交通事故防止を図るとともに、犯罪の抑止及び検挙活動等に効果的、効率的に活用してまいりたいと考えております。
89: ◯副
議長(
峰野修君) 進行いたします。
渡辺周二議員。
90: ◯二十九番(渡辺周二君) 私からは、第十七号議案平成三十年度愛知県用地造成事業会計予算に関連して、企業庁が実施する内陸工業用地の新規開発地区の分譲についてお尋ねいたします。
愛知県は、日本の中央に位置する良好な地理的条件や、産業活動に欠くことのできないすぐれた交通インフラを有し、全国屈指の産業集積を築いてまいりました。特に製造業においては、世界有数の物づくり拠点として、日本経済を牽引する大きな役割を果たしてきました。
この地域が引き続き産業経済の発展を担っていくためには、既存企業に力を発揮していただくことはもとより、次世代産業の誘致、育成を進める必要があり、その受け皿となる工業用地や交通網といった産業基盤の整備が必要不可欠であると考えております。
企業庁は、昭和三十六年に内陸用地造成事業を開始して以来、九十六地区、約三千八百七十ヘクタールの用地を取得し、約三千五十ヘクタールの用地を企業などに提供することにより、県外企業の新規立地や県内企業の移転、拡張のための産業の受け皿づくりに取り組まれ、本県の産業振興と地域経済の活性化、雇用の創出に大きく貢献しているものと認識しています。
私は、昨年九月議会の一般質問で、本県で頑張っておられる企業がいつまでも本県にとどまり、かつ、発展をしていただきたい、また、県外からも新たな企業を少しでも多く誘致したいという思いから、企業の留置と誘致が重要な課題と考え、本県が産業首都あいちの立場を揺るぎないものとするため、企業留置と誘致について御質問させていただきました。
企業庁の御答弁では、最近分譲を開始した大府木の山地区、稲沢三宅地区、豊川大木地区の三地区はいずれも工事完了と同時に完売となっていることや、現在開発中の愛西佐織地区は今年度末、高浜豊田地区は平成三十年度末、稲沢三宅(二期)地区は平成三十一年度末に順次造成工事が完了するとお聞きいたしました。
さらに、開発予定として、県内各地域の十五を超える市町村から相談を受けており、開発の具体化に向け、熟度が高まった地区から順次開発を進めていくとのことでありました。
その後企業庁では、現在造成工事中の愛西佐織地区及び高浜豊田地区について、公募による分譲を開始するとともに、昨年十月に安城榎前地区の開発を公表、続いて本年一月には豊橋三弥地区、また、この三月には刈谷依佐美地区の開発公表と、今年度は三地区の開発を順次決定するなど、企業庁の積極的な取り組み姿勢が感じられます。
私の地元である刈谷市においては、地元企業からの事業拡張に伴う移転要望あるいは新たな産業への進出要望も多く寄せられており、工業用地の需要がとても多い地域と考えています。しかしながら、刈谷市内にはまとまった工業用地が不足しており、その結果、市外、県外へと工業用地を求めるような動きがあります。
こうした中、三月に開発が公表された刈谷依佐美地区は、国道四百十九号に隣接し、主要道路である国道二十三号インターチェンジにも近く、交通アクセスにすぐれるなど、産業インフラが整備された場所であり、ここに新たな工業用地が開発されるということで、地元においても大きな期待を寄せているところです。
そこでお伺いいたします。
一点目として、最近公募を開始した愛西佐織地区及び高浜豊田地区の分譲の状況についてお伺いします。二点目として、新規開発地区の一般的なスケジュールとして、開発公表から立地企業決定、土地の引き渡しまでの流れはどのようになっているのかお伺いします。三点目として、企業は土地の引き渡しを受けたらできる限り早期の工場建設に着手したいという要望が強いかと思いますが、どのような配慮をしているのかお伺いします。
91: ◯企業庁長(間所陽一郎君) 内陸工業用地の新規開発地区の分譲について、三点お尋ねをいただきました。
初めに、最近募集を開始した愛西佐織地区及び高浜豊田地区の分譲の状況についてでございます。
まず、愛西佐織地区についてですが、昨年十二月に六・四ヘクタール、五区画で分譲を開始し、区画数を超える申し込みをいただきました。現在、立地審査を経て全区画が立地内定となっており、売買契約の締結、土地引き渡しに向けて事務を進めております。
次に、高浜豊田地区についてですが、昨年九月に五・一ヘクタール、二区画で分譲を開始しました。現在一区画が売買契約済みであり、残る区画についても年度内の契約締結に向けて事務を進めているところであり、造成工事が完了する平成三十年度末に企業に引き渡す予定でございます。
次に、新規開発地区における開発公表から立地企業決定、土地の引き渡しまでの一般的な流れについてであります。
企業庁の内陸工業用地の開発は、市町村からの依頼に基づき、市町村の協力、連携のもと進めているもので、事業採算性が確保されること、企業の立地見通しがあること、用地取得の見込みがあること等の要件について検討し、関係機関との調整及び県庁内の手続を経て開発公表となります。
議員お尋ねの開発公表後の流れですが、用地買収及び法手続の完了後、造成工事着手となります。造成工事完了前には立地企業の募集を開始し、地元市町村の意見を聴取の上、企業庁において審査を行い、立地企業の内定を経て土地売買契約を締結いたします。その後、造成工事が完了し、立地企業に土地を引き渡すというのが一般的な流れであります。
最後に、土地の引き渡し後、速やかに建設に着手したいという企業の要望への配慮についてであります。
従来は造成工事の完了後に分譲を開始しておりましたが、早期に工場を建設したいという企業ニーズが強いことから、最近の開発では、造成工事中において、工事完了のめどが立った時点で分譲を開始することといたしました。早期に分譲を開始することにより、企業が工場建設の検討を行う期間も十分確保することができ、土地引き渡し後速やかに建設に着手できるものと考えております。
92: ◯二十九番(渡辺周二君) それぞれの質問への前向きな御答弁まことにありがとうございます。
最後に、改めて企業の立場に立って要望をさせていただきます。
企業は、分譲が正式に決定してから、工場規模や必要雇用人員などの計画づくり、新たに建設する工場の設計と概算工事費の算定など、多くのことを検討、決定していく必要があると思います。当然のことながら、その過程におきまして、計画や設計内容の修正や見直しが必要になることも予想され、新たな工場建設には長い期間を要するものと考えております。
土地の売買契約から用地の引き渡しまでの期間が短くなりますと、準備が間に合わないこともあり、引き渡しと同時に工場の建設に入ることができない可能性もあります。企業庁におかれましては、内陸用地における新規開発案件が増加する中、用地の取得など、地区ごとに難しい課題があるかと思いますが、企業の用地需要が旺盛な現状では、内陸工業用地の確保は待ったなしの状況でございます。
繰り返しになりますが、産業首都あいちを揺るぎないものにするため、まずは誘致する企業の意見をしっかりと伺っていただき、企業の考え方を最優先とし御配慮いただきながら、企業の立場に立った企業誘致活動を進めていただけるよう要望して、私の議案質疑を終わります。
93: ◯副
議長(
峰野修君) 進行いたします。
犬飼万壽男議員。
94: ◯三十番(犬飼万壽男君) 私からは、歳出第九款建設費第九項住宅費のうち、民間住宅・建築物耐震診断費補助金及び民間住宅耐震改修費補助金について伺います。
最初に、民間住宅・建築物耐震診断費補助金についてお尋ねします。
観測史上初めて震度七の揺れを連続して二回記録した熊本地震の発生から、もう間もなく二年が経過いたします。現地ではことしになって災害公営住宅の建設工事が始まるなど、一歩一歩復興が進んでいるものと思います。
本県を含むこの地域においては、大きな被害を及ぼすとされている南海トラフで発生する地震について、政府の地震調査研究推進本部は、ことし二月九日に、今後三十年以内にマグニチュード八から九クラスの巨大地震が発生する確率を、従来の七〇%程度から、七〇から八〇%に引き上げました。記者会見で、地震調査委員会の平田委員長は、三十年以内というのは三十年後という意味ではなく、あす起きる可能性もある、次の地震が迫っていることを忘れないでほしいと述べ、大規模地震に対する備えを促しました。
平成二十六年に県が公表した南海トラフで発生するおそれのある地震による被害予測調査では、県内で建物が倒壊、焼失するという建物被害が約九万四千戸に及ぶと予測しています。大変大きな被害予想だと思います。
これに対し、少しでも被害を少なくする、すなわち減災を図ろうと思えば、既にある建物の耐震化に取り組む以外にありません。しかしながら、今存在する全ての建物の耐震化がすぐにできるとは考えにくいことから、まずは迅速に避難ができ、その後、復旧に速やかに取りかかることが重要です。
そのためには、道路の機能の確保が必要です。地震発災時に、主要な道路が建物の倒壊などによって閉塞されることがあってはいけません。愛知県地域防災計画で定める緊急輸送道路のうち、第一次緊急輸送道路を基本に、広域的な避難・救助活動の観点から、沿道建築物の耐震化に緊急かつ重点的に取り組む路線として、五十路線、路線延長八百七十三キロメートルを平成二十六年三月に指定しました。
その路線において、倒壊時に道路を閉塞して、避難や救援物資の輸送等に支障を来す建築物として、建築物の高さが緊急輸送道路の幅員の二分の一を超える建築物等を対象としています。
このため県は、震災時において緊急輸送道路を閉塞するおそれのある沿道沿いの建築物や、避難所等の防災上重要な建築物について、耐震診断を実施し、その結果を県等の所管行政庁に平成三十一年三月三十一日までに報告するよう、愛知県建築物耐震改修促進計画で規定し、所有者等に義務づけをいたしました。
そこで、県は、耐震診断の実施に当たっては、所有者等の自己負担なく耐震診断を実施できるよう、補助制度を平成二十六年に創設するなど、診断の促進に積極的に取り組んでこられました。さらに、報告期限まであと一年となったことを踏まえてのことと思いますが、平成三十年度当初予算案では、民間住宅・建築物耐震診断費補助金について七億三千万円余を計上され、平成二十九年度当初予算の約三億八千万円と比較すると約一・九倍と、大きく増額されているところであります。
そこで質問いたします。
災害時に倒壊し、緊急輸送道路を閉塞するおそれのある建築物や、避難所等の防災上重要な建築物について、現在の耐震診断の進歩状況はどうなっているのでしょうか。また、平成三十年度末が報告の期限となっていますが、全ての建築物について耐震診断結果が報告されるよう、耐震診断の実施を促すために、今後、建物所有者等にどのように働きかけていくのかお尋ねします。
次に、民間住宅耐震改修費補助金について伺います。
大きな地震が発生するたびに言われることですが、二年前の熊本地震においても、住宅の倒壊等被害の割合は、昭和五十六年の新耐震基準導入以前の古い基準で建てられた住宅が大きく、こうした住宅の耐震改修は、住宅の耐震化を進める上で最も優先して取り組むべきものだと考えられます。
県では、平成十四年度から木造住宅の無料耐震診断を、平成十五年度からは耐震改修費の補助をそれぞれ始めてきました。その結果、耐震診断については、平成二十八年度末累計で十三万四千戸余りで全国第一位、耐震改修については同じく一万五千戸余りと全国第二位の補助件数実績となるなど、積極的に取り組んでこられました。
しかしながら、耐震改修実績については、東日本大震災直後には年間二千六百戸以上の実績があったのですが、平成二十六年度には六百四十一戸まで減少いたしました。最近は御担当の努力もあって、平成二十八年度は八百二十八戸、今年度も平成二十九年末時点で八百六十戸余りと、若干盛り返して増加してはいるものの、なかなか思うように進んでいないともお聞きしました。
そこでお尋ねします。
耐震改修件数の増加を図るため、今後県はどのように取り組んでいかれるのかをお尋ねします。
95: ◯建設部建築局長(海田肇君) 民間住宅・建築物耐震診断費補助金及び民間住宅耐震改修費補助金について御質問いただきました。
まず、民間住宅・建築物耐震診断費補助金のうち、緊急輸送道路沿いの建築物等の耐震診断の進捗状況についてお答えいたします。
本県では、建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づき、愛知県建築物耐震改修促進計画を定め、その中で、震災により倒壊した場合に緊急輸送道路を閉塞するおそれのある建築物及び、避難所等の防災上重要な建築物を指定することで、建物所有者等に対し、平成三十年度末までに耐震診断の結果を報告するよう義務づけているところであります。
現在、緊急輸送道路を閉塞するおそれのある建築物及び避難所等の防災上重要な建築物は、県内に合わせて約七百棟ありますが、平成三十年一月末現在、その約七割に当たる五百棟余りについて耐震診断が実施されております。
次に、建物所有者等による耐震診断の実施を促すための取り組みにいてでございます。
本県では、平成二十六年度に建物所有者等の負担なく耐震診断が実施できる補助制度を創設し、これまでも戸別訪問や相談窓口を設置すること等により、建物所有者等に対して耐震診断の実施を促す取り組みを行ってまいりました。
平成三十年度末が耐震診断結果の報告期限となりますことから、来年度におきましては、耐震診断未実施の約二百棟の診断の実施に向けて、より一層の普及啓発に努めるとともに、それぞれの対象建築物の規模等に応じた概算耐震診断費用を提示するほか、耐震診断後の対策について建築専門家がアドバイスするなど、取り組みを強化してまいります。
これまで以上に個々の建物所有者等の事情を踏まえた丁寧な対応を行うことで、平成三十年度末までの報告期限内に、全ての対象建築物の耐震診断結果が報告されるよう取り組んでまいります。
最後に、民間住宅耐震改修費補助金についてお答えします。
本県では平成十五年度から、住宅の耐震化を促進するため、耐震改修費の補助を実施してまいりました。平成二十五年度には、改修費用が高額で改修に踏み切れないとの声があることを踏まえて、まずは倒壊しにくいレベルまで耐震化を行う段階的改修費補助や、寝室などに安全な空間を確保する耐震シェルター整備費補助など、比較的安価に実施いただける減災化に対する補助制度を、耐震改修費補助制度に加えて設けたところであります。
また、今年度は、平成二十八年の熊本地震の被害の状況を踏まえ、木造住宅の一階部分のみを補強する改修費補助や、耐震性のない戸建て住宅の除却費に対する補助制度を創設するなど、補助メニューを拡充いたしました。
さらに、来年度からは、住宅の耐震改修費補助の上限額を、戸当たり九十万円から百万円に増額し、耐震改修の促進に向けて、補助制度を充実いたします。
引き続き、大規模地震発生時に県民の皆様の生命と財産を守ることができるように、市町村とも連携して、住宅の耐震化に取り組んでまいります。
96: ◯三十番(犬飼万壽男君) 要望させていただきます。
平成三十年度末に向けて、緊急輸送道路沿道の建築物や防災上重要な建築物の耐震診断結果が報告されるよう、しっかり進めていただけることを、今答弁いただきました。
そして、診断結果の報告の目的は、言うまでもなく報告を義務づけた全ての建築物が耐震性を有するようになることであり、そのためには、耐震性がないことが判明した建築物に対しては、現在県で整備している耐震改修費補助制度を活用して耐震改修が進められるよう、着実に取り組んでいただきたいと思います。
また、住宅の耐震改修についても、来年度から補助上限額を、九十万円から百万円に増額されるとお聞きしました。このことを十二分に生かして、一戸でも多くの住宅の耐震化が進むよう、さまざまな形で働きかけていただき、しっかり取り組んでいただくことを要望し、私からの質疑を終わります。
97: ◯副
議長(
峰野修君) 進行いたします。
福田喜夫議員。
98: ◯十七番(福田喜夫君) 私からは、歳出第十一款教育費第一項教育総務費中、部活動指導員配置事業費補助金及び部活動指導員配置モデル事業費についてお尋ねします。
教員の多忙化解消に向けた取り組みのうち、部活動指導にかかわる負担軽減と、部活動指導員配置事業費補助金三千二百五十三万六千円及び、部活動指導員配置モデル事業費千五百四十一万円が計上されています。
平成三十年二月二十三日、スポーツ庁から運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン(案)が示されました。学校の運動部活動は、スポーツに関心や興味のある生徒が参加し、各運動部の責任者である運動部顧問の指導のもと、教育の一環として行われ、我が国のスポーツの振興に大きな役割を果たしています。これは文化系部活動も同様で、単に技能の向上を図る目的以外にも、先輩、後輩との交流の中で、生徒同士や教員との好ましい人間関係の構築を図ったり、学習意欲の向上や目標達成感、責任感、連帯感を生むなど、教育的意義が大変大きいものであります。
私も、中学校、高校を通じて野球に取り組み、硬式野球で愛知県予選に出場したり、社会に出てからも軟式野球やソフトボールで国体予選に出場する機会もあり、今でも生涯スポーツとして楽しんでいます。それは、中学校、高校と部活動を通じて、指導者であった先生が熱心に御指導いただいたおかげと、今でも感謝しております。
しかし、教育現場に係る課題が複雑多様化している現在、学校や教員だけでは解決できない課題がふえていることから、この部活動問題も、子供たちのためにできることを、保護者や地域の理解と協力を得て前向きに取り組む必要があります。
一方、スポーツの種目が多様化したり、吹奏楽など、楽器ごとの指導者が必要になってきており、一人の教員がそれぞれのスポーツキャリアや音楽知識、技能だけでは到底対応し得る部活動の範囲を大きく超えながらも、生徒や保護者の要望や期待に応えてみえますが、地域には、部活を補い、さらに高い目標を定めている各種スポーツクラブが存在し、その指導者は、まさに専門的な知識と指導力でアスリートの育成を目指されています。
私は、今回の部活動指導員配置事業は、教員の多忙化解消とともに、それぞれの各種スポーツクラブなどとの連携により、部活の効率化や科学的な練習など、新たな可能性や、今まで経験不足の種目の顧問になっていた教師が得意な分野で子供たちを指導育成できるチャンスでもあり、この事業の取り組み次第で、子供たちも教員も、そして地域の指導者もさらにスキルアップできるものではないかと思います。
そこでお尋ねします。
部活動指導員の制度の概要について、また、市町村における部活動指導員の任用方法や身分、本補助金の目的など、中学校での部活動指導員の配置、活用につきましてお尋ねいたします。
また、高等学校を対象とした部活動指導員配置モデル事業における配置高校の選定基準や検証方法と、今後の方向性や見通しについてお尋ねいたします。明快な答弁をお願いいたします。
99: ◯教育長(平松直巳君) まず、中学校に新たに配置する部活動指導員についてお答えをいたします。
部活動指導員は、教員の多忙化が全国的に社会問題化し、その大きな要因の一つが部活動指導にあることを踏まえ、昨年四月の改正により、学校教育法施行規則に新たに位置づけられた職であります。これまで本県でも広く活用してきた外部指導者とは異なり、部活動顧問の教員の立ち会い等を要せず、単独で生徒への実技指導や大会等への引率が可能な職とされましたので、その活用は教員の多忙化解消に資するものと考えております。
そこで、平成三十年度から、新たに中学校における部活動指導員の配置を促進するため、その配置に係る経費の一部を市町村に対し補助することといたしました。今後、地域の指導者の活用も含め、中学校での部活動指導員の配置を進め、部活動指導にかかわる教員の負担軽減と部活動指導体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
なお、部活動指導員の任用方法や身分等につきましては、学校教育法施行規則により学校設置者が定めることとされておりますので、部活動指導員を配置する市町村において適切に運用されるよう、県といたしましても、モデル例を示すなどの支援をしてまいります。
次に、県立高校における部活動指導員配置モデル事業についてでございます。
平成三十年度から実施するモデル事業におきましては、部活動数が多い学校、教員数が少ない小規模校、在校時間の長い教員が多い学校など、特性の異なる十二校を選んで、各校に部活動指導員一名を二年間配置したいと考えております。
このモデル事業は、部活動指導員が特定の部活動を指導するだけではなく、複数の部活動を横断的にサポートすることにより、学校全体の部活動の管理運営の均質化と教員の負担の軽減に資することを狙いといたしております。
事業開始後は、教員の在校時間調査や、教員、生徒を対象としたアンケート調査等により定期的に実績を把握し、その効果を検証してまいります。その検証結果を踏まえ、より効果的な部活動指導員の配置のあり方について、今後さらに検討を進めてまいりたいと考えております。
100: ◯十七番(福田喜夫君) 御答弁ありがとうございました。
要望させていただきます。
平成三十年三月五日、名古屋市議会において、小学校の部活全廃が発表されました。私は、小学校のころからスポーツや芸術、音楽などに親しむことは、教育的意義が大変大きいものと思っております。そのため、教員の多忙化解消とともに、地域力を最大限活用していただきますようにお願い申し上げます。
特にクラブチームの指導者は、長年地域の要請や、子供たちや保護者の信頼の中で、無報酬のボランティアで行われております。現に私も、中学硬式野球チームで十六年間携わり、子供たちの夢を実現するため、微力ですが協力している一人でございます。
今回の教員の多忙化解消と、外部指導者を学校に配置する施策ではありますが、全ては子供たちのために、指導体制の確立と、地域のスポーツクラブとも十二分話し合いながら、社会人指導者や大学、実業団チームなどと連携して、部活動指導員配置事業やモデル事業が円滑に導入されますとともに、やはりグラウンドや体育館など、部活と同じように、地域のクラブチームに施設を開放されることが特に重要なことだと思います。
ただいま申し上げましたことを、県として市町村に対しまして指導助言される内容を含んだ、愛知県における部活動のガイドラインを策定していただきますよう強く要望して質問を終わります。
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101: ◯四十一番(近藤ひろひと君) 本日はこれをもって散会し、明三月九日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
102: ◯副
議長(
峰野修君) 近藤ひろひと議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
103: ◯副
議長(
峰野修君) 御異議なしと認めます。
明三月九日午前十時より本会議を開きます。
日程は
文書をもって配付いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
午後四時四十七分散会
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