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  1. 愛知県議会 2017-09-01
    平成29年9月定例会(第3号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 平成29年9月定例会(第3号) 本文 2017-09-27 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 58 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長中野治美君) 選択 2 :  ◯議長中野治美君) 選択 3 :  ◯六十七番(須崎かん君) 選択 4 :  ◯振興部長野村知宏君) 選択 5 :  ◯知事大村秀章君) 選択 6 :  ◯議長中野治美君) 選択 7 :  ◯七十六番(高橋正子君) 選択 8 :  ◯防災局長相津晴洋君) 選択 9 :  ◯健康福祉部保健医療局長松本一年君) 選択 10 :  ◯総務部人事局長齋木博行君) 選択 11 :  ◯県民生活部長鳥居保博君) 選択 12 :  ◯副知事宮本悦子君) 選択 13 :  ◯七十六番(高橋正子君) 選択 14 :  ◯四十一番(近藤ひろひと君) 選択 15 :  ◯議長中野治美君) 選択 16 :  ◯議長中野治美君) 選択 17 :  ◯副議長峰野修君) 選択 18 :  ◯七十二番(伊藤勝人君) 選択 19 :  ◯農林水産部長高橋智保君) 選択 20 :  ◯健康福祉部保健医療局長松本一年君) 選択 21 :  ◯振興部長野村知宏君) 選択 22 :  ◯七十二番(伊藤勝人君) 選択 23 :  ◯知事大村秀章君) 選択 24 :  ◯副議長峰野修君) 選択 25 :  ◯三十一番(犬飼明佳君) 選択 26 :  ◯教育長(平松直巳君) 選択 27 :  ◯健康福祉部長(長谷川洋君) 選択 28 :  ◯健康福祉部保健医療局長松本一年君) 選択 29 :  ◯防災局長相津晴洋君) 選択 30 :  ◯三十一番(犬飼明佳君) 選択 31 :  ◯副議長峰野修君) 選択 32 :  ◯二十八番(渡辺周二君) 選択 33 :  ◯企業庁長(間所陽一郎君) 選択 34 :  ◯建設部長(河野修平君) 選択 35 :  ◯農林水産部長高橋智保君) 選択 36 :  ◯二十八番(渡辺周二君) 選択 37 :  ◯四十番(中根義高君) 選択 38 :  ◯副議長峰野修君) 選択 39 :  ◯副議長峰野修君) 選択 40 :  ◯議長中野治美君) 選択 41 :  ◯十六番(安井伸治君) 選択 42 :  ◯建設部建築局長(海田肇君) 選択 43 :  ◯健康福祉部長(長谷川洋君) 選択 44 :  ◯防災局長相津晴洋君) 選択 45 :  ◯教育長(平松直巳君) 選択 46 :  ◯総務部長(加藤慎也君) 選択 47 :  ◯政策企画局長(松井圭介君) 選択 48 :  ◯十六番(安井伸治君) 選択 49 :  ◯議長中野治美君) 選択 50 :  ◯二十二番(丹羽洋章君) 選択 51 :  ◯議長中野治美君) 選択 52 :  ◯議長中野治美君) 選択 53 :  ◯農林水産部農林基盤局長(勝又久幸君) 選択 54 :  ◯防災局長相津晴洋君) 選択 55 :  ◯二十二番(丹羽洋章君) 選択 56 :  ◯四十一番(近藤ひろひと君) 選択 57 :  ◯議長中野治美君) 選択 58 :  ◯議長中野治美君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時開議 ◯議長中野治美君) おはようございます。ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 一般質問並びに第百五号議案平成二十九年度       愛知県一般会計補正予算から第百二十五号議案       教育委員会の委員の選任についてまで及び決算       第一号平成二十八年度愛知県一般会計歳入歳出       決算から決算第十六号平成二十八年度愛知県用       地造成事業会計決算まで 2: ◯議長中野治美君) 第百五号議案平成二十九年度愛知県一般会計補正予算から第百二十五号議案教育委員会の委員の選任についてまで及び決算第一号平成二十八年度愛知県一般会計歳入歳出決算から決算第十六号平成二十八年度愛知県用地造成事業会計決算までを一括議題といたします。  これより一般質問並びに提出議案及び決算に対する質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  須崎かん議員。     〔六十七番須崎かん君登壇〕(拍手) 3: ◯六十七番(須崎かん君) おはようございます。  私は、アジア競技大会について質問いたします。  昨年九月二十五日に、ベトナムのダナンで開催されたアジア・オリンピック評議会(OCA)総会において、愛知・名古屋がアジア競技大会の開催都市に決定されて、はや一年が経過いたしました。  アジア競技大会は、第二次世界大戦後間もない一九五一年に、戦禍によって引き裂かれたアジア諸国のきずなを、スポーツを通じて取り戻し、アジアの恒久平和に寄与したいとの願いを込めて、インドのネルー首相の提唱により始められたものであるとお聞きしております。  そして、現在では、アジアの四十五の国と地域から、オリンピックに次ぐ約一万五千人の選手、関係者が参加するアジア最大のスポーツの祭典となっております。
     アジア競技大会で実施される競技は、陸上、水泳、バレーボールといったオリンピックの実施競技に加えて、カバディやセパタクローなどのアジア由来の競技や、アジアで人気の高い競技も含まれることが特色です。  我が国においては、これまで、第三回大会が一九五八年に東京で、第十二回大会が一九九四年に広島で開催されており、愛知・名古屋で開催する第二十回大会は、我が国にとっては三十二年ぶり、三回目の開催となります。  この記念すべき第二十回大会を二〇二六年に開催することは、日本のスポーツ界にとって、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック後の次なる大きな目標となるので、極めて大きな意義があります。  今後、この大会の開催が近づくにつれ、県民の皆様や、日本全国、アジア各国の方々からの大会に対する期待は、ますます高まっていくものと思います。  このような大会への期待を考えますと、改めて開催都市としての責任の重さを強く感じているところであり、必ずや大会を成功させなければならないと、決意を新たにしているところでございます。  さて、大会開催に向けた取り組みは、開催構想で示された、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮するためのアスリートファーストの視点、経費低減を図るための既存施設の活用、産業首都である愛知のポテンシャルを発揮する先端技術の駆使、伝統と県民・市民性に触れるおもてなし、アジア競技大会の開催を誇りにさらなるスポーツ文化の普及への貢献といった五つの大会コンセプトのもとで、着実に進められていることと思います。  議会としても、この大会の開催を積極的に支援するため、大会の招致に当たり、昨年の六月定例議会において招致決議を行っております。  また、大会の成功に向けた取り組みを推進するため、本年六月に、超党派による第二十回アジア競技大会推進愛知県議会議員連盟を設立したところであり、私も、この議員連盟の幹事を拝命しております。  本議員連盟では、早速、八月に名古屋市会の議員連盟の役員と合同の勉強会を開催し、競技会場の調整や選手村の整備、大会の機運醸成など、開催に向けた取り組みについて意見交換を始めたところであります。  この意見交換では、大会の盛り上げには地元選手の活躍が重要であり、そのためには大会に向けた選手の育成方法が課題であること、このような大規模国際スポーツ大会の運営を経験した職員がいないことから、人材の育成や組織のあり方が重要となると指摘されております。  今後も、名古屋市会の議員連盟と緊密に連携しながら、取り組みを進めてまいります。  さて、アジア競技大会の開催都市契約については、本年九月二十五日を締結期限とし、契約当事者であるOCA、公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)、愛知県、名古屋市の間で協議が行われてまいりました。  これまでに、札幌、クウェート、インドネシアのジャカルタ、トルクメニスタンのアシガバットで協議がなされたほか、電子メールなどでの調整をしていると伺っております。  OCAから提示された開催都市契約案は、十三章百四条の条文から構成され、その内容は、基本原則といった総括的な事項から、宿泊施設、競技プログラム、文化プログラム、式典、輸送など、大会の運営方法等について、多岐にわたって規定するものとなっております。  開催都市契約は、通常、開催の決定と同時に締結するものであり、また、その契約内容についてはOCA案に従うのが一般的とされていると言われております。  しかしながら、愛知・名古屋での大会については、OCAから提示された開催都市契約の案をもとに協議を行うこととし、弁護士、監査法人等の専門家による助言を得ながら、名古屋市やJOCとも連携して慎重に検討が進められ、その結果、全ての条項のうち、約九割について修正が必要であるとされております。修正が必要とされる条項については、修正案をOCAに提案し、OCA幹部との直接の面談により、随時、調整が進められていると伺っております。  これまでの協議の状況を踏まえると、契約内容の修正協議には時間を要するものとして、契約締結期限については来年の三月二十五日まで延長することとし、さらに、契約当事者のいずれかがこの期限までに契約を締結することが困難と決定した場合、さらに六カ月間延長できることとし、実質一年間、期限を延期されたところであります。  開催都市契約は、大会開催に当たっての権利、義務を規定するもので、大会運営の基本となるものです。その内容は、開催構想において示された八百五十億円とされる大会主催者負担経費や、入場料、スポンサー収入等の大会収入にも影響を及ぼすものと考えますので、引き続き、しっかりと協議を行っていただきたいと思います。  そこでお尋ねをいたします。  OCAとは、開催都市契約について、どのような観点で修正協議を行っているかをお伺いいたします。  次に、大会主催者負担経費の財源についてであります。  大会主催者負担経費の八百五十億円については、運営経費として四百四十億円、競技会場仮設整備費として百十億円、選手村仮設整備費として三百億円を想定しております。  これらについては、不確定要素が多いため、さらに費用の圧縮に努めるとともに、経費を精査するとされております。  このような経費の精査は、もちろん重要なことではありますが、一方で、大会主催者負担経費を圧縮したとしても、その財源が確実に確保されなければ、開催準備を着実に進めていくことができず、大会を成功させることはできません。  大会主催者負担経費の財源については、昨年九月の知事と名古屋市長との合意において、行政負担の上限を六百億円と定めております。  この六百億円の本県と名古屋市の負担割合は、県と市で二対一として、四百億円が本県、二百億円を名古屋市がそれぞれ負担することとされています。  そして、行政負担以外の二百五十億円については、観戦客による入場料収入や企業などからのスポンサー収入等により確保することとされております。  このため、財源については、行政負担以外からも確実に確保していくことが重要となりますので、まずは、この大会をしっかりとアピールして、入場料収入やスポンサー収入を確実に確保していかなければなりません。  また、入場料収入やスポンサー収入以外の財源についても、ほかの国際スポーツ大会の例を参考に検討するとともに、国を初めさまざまな団体に支援を働きかけながら、一層の収入確保に取り組むことが必要であると考えます。  そこでお尋ねをします。  行政負担以外の大会収入の確保について、どのように取り組んでいるかをお伺いいたします。  次に、県内における競技施設の整備についてお尋ねをします。  愛媛県において第七十二回国民体育大会の会期前大会が九月九日から十七日まで開催され、水泳の競泳やビーチバレーボール、カヌーなどの競技が実施されました。競泳では、リオデジャネイロオリンピックにも出場した豊川高校の今井月選手が、少年女子A二百メートル平泳ぎで優勝し、少年女子A百メートル自由形でも準優勝と大活躍しているところであります。また、森山幸美選手が、成年女子四百メートル自由形で準優勝し、少年女子Aの四掛ける百メートルメドレーリレーにおいても愛知県が準優勝するなど、愛知県の選手が好成績をおさめております。  九月三十日から始まる国体の本大会でも、愛知県の選手が活躍する姿を大いに期待しておりますし、こうした勢いを九年後のアジア競技大会まで続けていく必要があります。  また、皆様も記憶に新しいことと思いますが、今月九日に、福井運動公園陸上競技場で行われました第八十六回日本学生陸上競技対校選手権大会の男子百メートルにおいて、桐生祥秀選手が日本人初の九秒台となる九秒九八をマークし、日本新記録を更新する快挙をなし遂げました。  実は、従来の男子百メートルの日本記録である十秒〇〇は、一九九八年に開催されたバンコクアジア競技大会で伊東浩司選手がマークしたものでありました。  ちなみに、女子マラソンの高橋尚子選手が、このバンコクアジア競技大会で出した二時間二十一分四十七秒は、高橋選手自身が保持していた日本記録を、一気に四分〇一秒も更新する、驚異的な日本記録でありました。  このほか、水泳競技においても、二〇〇二年の釜山アジア競技大会において、北島康介選手が、二百メートル平泳ぎで二分〇九秒九七の世界新記録で優勝しています。これは北島選手にとって初の世界記録であり、世界で初めて二分十秒の壁を破るすばらしい記録でありました。  このように、アジア競技大会は、アジアのトップアスリートが集い、おのれの力を発揮する最高の場であります。せっかくの愛知・名古屋大会なので、私だけでなく、県民の皆様も、できるだけ県内で競技が実施され、白熱した戦いを観戦したいと思っているのではないでしょうか。  さて、先月の自民党振興環境調査会において、アジア競技大会の実施競技のうち、シンクロナイズドスイミングが名古屋市総合体育館レインボープールでは水深が不足しているため、浜松市総合水泳場へ会場を変更し、今後、調整を進めていくと説明がありました。  愛知・名古屋への招致までの経緯をさかのぼってみますと、昨年三月にJOCの理事会において、第二十回アジア競技大会招致に関するスケジュールが示され、JOCが国内立候補都市の募集を開始したところから始まります。  そして、五月に愛知県及び名古屋市が共同で立候補を表明し、開催構想バージョン1を公表しましたが、実質的にここで競技会場の候補を決めたわけであります。開催都市の募集から立候補まで二カ月という非常に短い時間で競技会場などの調整を行い、開催構想を取りまとめられましたことは、本当に大変な作業であったと思います。  ただ、シンクロナイズドスイミングは、前回二〇一四年の仁川アジア競技大会では銀メダル三つ、二〇一六年のリオデジャネイロオリンピックでは銅メダル二つと、メダルが期待できる花形の競技であり、それが間近で見られないのは、大変残念に思っております。  これにより、県外での競技は、静岡県で実施する自転車のトラックレース、岐阜県で実施するホッケーと合わせて、三つとなりました。さらに、サッカー会場についても、県外を含めて検討されているとのことであります。  また、県内で実施する競技も、会場の多くは主として市民向けの利用を前提に建てられており、国際大会には必要な運営諸室などが不足しているとも伺っております。  愛知・名古屋大会で想定している会場の多くは、平成六年に開催された、わかしゃち国体に向けて整備されたスポーツ施設であります。わかしゃち国体のレガシーとも言えるこれらの施設を含め、愛知・名古屋に集積するスポーツ施設のすばらしさをOCAにアピールした結果、アジア競技大会の愛知・名古屋への招致につながったと思います。  現在、アジア競技大会に間に合うよう、瑞穂公園陸上競技場が建てかえられることとされており、また、愛知県体育館も移転の可能性を検討されているとのことです。このほかにも、アジア競技大会で利用できるよう、さらに競技施設を整備すれば、愛知・名古屋大会におけるレガシーとなり、今後のほかの大会を招致していくためにも有利となりますし、また、国内外のさまざまな競技団体の合宿誘致も期待できると思われます。  そこでお尋ねをいたします。  アジア競技大会を契機としたスポーツ施設の整備について、どのように考えているのかをお伺いします。  次に、選手村についてであります。  スポーツ大会が盛り上がるためには、先ほども申し上げましたように、何といっても選手がすばらしいパフォーマンスを見せて、熱い試合が繰り広げられることが一番重要であります。選手村は安心・安全で快適な滞在環境を提供し、大会の主役である選手が日ごろの練習の成果を発揮できるよう、心身のコンディションを整えてもらう場所であります。このため、選手村での滞在環境は、大会を成功させる大きな要因の一つであると思われます。  そこで、選手村の整備についてお尋ねをします。  二〇二六年に開催する愛知・名古屋大会には、選手や大会関係者を合わせて約一万五千人が参加するとされており、これは、東京二〇二〇オリンピックに参加予定の選手等約一万七千人と比べても遜色のない、大変大きな人数です。一万五千人というのは、愛知県の市町村で言えば、豊山町の人口とほぼ同じくらいです。選手村の整備は、一つの大きなまちをつくり上げるようなものと言えます。  この選手等が宿泊する選手村は、昨年公表した開催構想では、名古屋市港の名古屋競馬場が弥富市へ移転した跡地を候補地としております。選手村には、選手や大会関係者の宿泊施設だけでなく、ダイニングホールや交流スペース、娯楽施設、診療所、輸送センターを初め、滞在に必要なさまざまなサービスも必要となります。  これまでのアジア競技大会である、一九九四年の広島大会や二〇一四年の韓国・仁川大会の選手村は、民間事業者による開発マンションを活用しました。新たに建設した高層の集合住宅を、分譲前に組織委員会が選手村として借り上げ、選手村用の内装工事を施した上で、選手等の宿泊施設として利用しています。また、サービス施設は、主に仮設建築物で対応をしております。  また、東京二〇二〇オリンピックの選手村は、東京都中央晴海にある都有地を再開発して、十四階から十七階建ての住宅棟を二十二棟整備し、選手等約一万七千人の宿泊施設を確保する計画となっております。  今から九年後の二〇二六年に開催される愛知・名古屋大会の選手村においても、これまでの大会と同じように、集合住宅を活用して、このような大規模な選手等の宿泊施設を確保しようとすると、戸数にして約二千もの膨大な数が必要と聞いております。  しかし、名古屋競馬場のある港において、分譲マンションは過去十年間の平均で、年間およそ百戸程度しか供給されていないのが実情であります。  また、昨年、ブラジルで開催されましたリオオリンピックの選手村では、建設した約三千六百戸のマンションのうち、一割にも満たない約二百四十戸しか売れておらず、負の遺産となっていることが、ことしの四月の新聞に報道されたことは、記憶に新しいとともに、大変衝撃なことでした。  そうしたことや、今後の日本、そして愛知、名古屋の人口動態を考慮すると、名古屋競馬場跡地に約一万五千人全ての宿泊施設をマンション等の集合住宅で整備することは、大変難しいことと思います。  一方、この地域における期待が高まる大きな話題としては、二〇二六年のアジア競技大会の翌年、二〇二七年には、いよいよリニア中央新幹線が開業する予定であり、名古屋圏は東京圏とともに、スーパー・メガリージョンを形成いたします。  東京の品川駅から名古屋駅まで約四十分、名古屋駅から名古屋競馬場前駅は、あおなみ線を利用してわずか十分程度であるため、名古屋競馬場跡地は、東京と約一時間で結ばれるという好立地となります。  しかも、名古屋競馬場跡地が約二十ヘクタールというまとまった大規模な土地であることを考えますと、大会後の開発は、単に住宅中心のまちとするのではなく、リニア開業後の将来のまちづくりを見据えたものとすべきであると言えます。  名古屋競馬場跡地周辺や港の発展、さらには、名古屋市の将来の発展やにぎわいに貢献する開発準備をしていくことが望ましいのではないかと強く考えます。  また、競技会場は、県内全域、さらには一部を県外の施設を活用することから、県外の競技会場であるホッケーやシンクロナイズドスイミングの会場はもちろん、三河方面のバスケットボール、セーリング及び射撃の会場など、名古屋競馬場跡地に整備する選手村から移動すると、選手等の移動が一時間以上かかる競技会場がたくさんあります。  過去のアジア競技大会においても、選手村から遠方となる競技については、競技会場近くに選手等の宿泊施設を設けています。例えば一九九四年の広島大会では、女子サッカーやボートの競技会場が福山市内に置かれ、広島市内の選手村から遠方であることから、会場近くのホテルを活用しています。  二〇一〇年の中国・広州大会でも、馬術やセーリング、ゴルフ競技では、会場近くのホテルを活用しております。また、二〇一四年の韓国・仁川大会では、ボートの競技会場が遠方であったことから、会場近くの研修施設を活用しています。  そのため、愛知・名古屋大会におきましても、冒頭に申し上げました大会のコンセプトの一番目に挙げているアスリートファーストの視点を加えて、県内全域での大会の盛り上げの一助にもするために、選手村を分散することについて検討しているとお聞きしております。先ほどの名古屋競馬場跡地や競技会場の配置の状況を踏まえて、どのように分散を考えているのでしょうか。  私は、こうした課題を解決していくためには、これまでとは異なる新たな選手村のあり方を打ち出し、それを実現させることが、愛知・名古屋大会を成功に導き、そして、愛知を元気にしていくことだと考えております。  そこでお尋ねをいたします。  名古屋競馬場跡地の選手村をどのように整備していくのか、また、選手村の分散について、どのような検討をしているのかをお伺いいたします。  アジア競技大会は、オリンピックに次ぐ大規模国際スポーツ大会であり、この大会の開催は、本県、ひいては日本全体のスポーツの発展に大きく寄与するものであり、また、交流人口の拡大や国際競争力の強化、さらには成長著しいアジア地域との強固な連携の構築にもつながるものです。  このビッグプロジェクトを成功させるため、議会としても、積極的に取り組みを進めてまいりますので、県当局にも一層の御尽力をお願い申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。(拍手) 4: ◯振興部長野村知宏君) アジア競技大会に関する質問のうち、まず最初に、開催都市契約の修正協議をどのような観点で行っているかについてお答えいたします。  アジア・オリンピック評議会(OCA)との開催都市契約については、開催都市に権限のない条項や実施困難な条項の修正、開催都市や組織委員会の負担軽減を図るための条項の修正、OCAが一方的に有利な条項の解消、財政面及び商業面の義務に関する調整という点について協議を行っております。  例えば、セキュリティーや医療サービスについて、OCA案では、あらゆる措置を講ずるとされている条項があり、そのままでは、OCAの要求により経費が増大するおそれがあります。これらについては、治安が安定し、医療体制の充実している日本の実情を踏まえ、合理的な内容の条項となるよう修正の協議を行っております。  また、収入面におきましても、入場料、スポンサー収入等は、組織委員会とOCAとで配分することとされているため、組織委員会が大会開催に必要な収入を確保することができるよう、配分のあり方等について協議を行っております。  このような観点からOCAと協議を行っておりますが、本年九月二十五日としていた開催都市契約の締結期限を実質一年間延長いたしましたので、本県にとってよりよい条件での契約となるよう、しっかりと協議を行ってまいります。  次に、大会収入の確保の取り組みについてお答えいたします。  アジア競技大会の収入につきましては、開催都市による負担金以外では、入場料やスポンサー収入、テレビ等の放映権を初めとするマーケティング収入により確保していくこととなります。  また、日本で開催される他の国際スポーツ大会では、宝くじの収益金やスポーツ振興くじによる助成金が重要な財源となっており、アジア競技大会においてもこれらの支援を求めてまいります。  こうした大会収入の確保の取り組みは、今後設立される組織委員会において行うこととなりますが、宝くじやスポーツ振興くじについては、開催都市として、本県からも国等に対して積極的に支援を求めていく必要がございます。  このため、昨年十月には、知事が安倍総理を訪問するなど、国等に対して支援の要請を行ったほか、関係省庁等の担当者とも協議を始めております。  今後は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックなど、日本のスポーツ界への関心が高まる時期を捉え、大会収入の確保のための取り組みをさらに進めてまいります。  次に、アジア競技大会を契機としたスポーツ施設の整備についてお答えいたします。  競技会場につきましては、県内にある既存のスポーツ施設を最大限活用できるよう、調整を進めています。  しかしながら、シンクロナイズドスイミング、自転車のトラックレース及びホッケーの三競技については、県内に国際競技基準を満たす施設がないため、静岡県や岐阜県の施設を会場としております。  また、サッカーにつきましては、大会時に、参加チーム数の増加が予想されるため、開催構想に記載した五会場では不足する可能性があることから、県外も含めて会場を検討しているところでございます。  こうした理由により、県外で一部の競技を行うこととなりますが、会場となった近隣県の御協力を得ることで、競技を開催する地域が一体となって、大会の盛り上げを日本全国へ拡大できる効果があると考えております。  また、これら以外の競技につきましては、県内で想定している会場で競技を実施できると考えておりますが、県内の競技会場におきましては、今後、瑞穂公園陸上競技場が建てかえられるとともに、愛知県体育館の移転の可能性について検討することとしているほか、県内で新たなスポーツ施設の整備構想もあると聞いております。  今後、こうした施設を競技会場として使用することについて、競技団体初め関係者と協議を行うとともに、競技役員やメディアのための運営諸室や、観客席などが不十分な施設につきましては、一部施設の改修や仮設で対応する方向で、関係者とさらに調整を行ってまいります。  最後に、アジア競技大会の選手村の整備及び選手村の分散についてお答えいたします。  選手村は、選手、関係者に快適な滞在環境を提供し、大会の成功に大きく貢献するものでございますが、同様に、大会終了後のまちづくりに大きく寄与することも、大変重要であると考えております。  そこで、今年度は、名古屋競馬場跡地における大会後の将来の後利用を見据えて、民間開発事業者等へのヒアリングやアンケートを幅広く行い、基本構想づくりに取り組んでいるところです。検討に当たりましては、集合住宅を中心とするのではなく、リニア新時代に向けた将来のまちづくりに必要な集客施設や交流施設を想定するなど、名古屋市西南部の核となることを念頭に置いて進めております。  一方、アスリートファーストの視点や、県内全域での大会の盛り上げには、選手村の分散が重要であるため、名古屋競馬場跡地から遠方となる会場の競技につきましては、会場周辺のホテルや官民の研修施設を対象に、選手村の代替施設としての利用可能性について検討しているところでございます。  こうした名古屋競馬場跡地での選手村の整備及び選手村の分散につきましては、県と名古屋市で構成する選手村プロジェクトチームで検討を深め、OCAとも協議しながら、分散も含めた選手村全体の計画を取りまとめてまいります。 5: ◯知事大村秀章君) 須崎かん議員からのアジア競技大会の質問について、私からもお答えをいたします。  まず、御質問の中にもありましたが、県議会の皆様方には、第二十回アジア競技大会推進愛知県議会議員連盟を設立していただきまして、アジア競技大会の成功に向けて御尽力をいただきますことに厚くお礼を申し上げます。  さて、アジア競技大会の開催都市契約につきましては、大会収入、それから開催費用などへの影響を見きわめ、本県にとりましてできる限り有利な契約内容となるよう、OCAと引き続き協議を続けてまいります。  また、スポンサー収入の確保や宝くじ、スポーツ振興くじによる積極的な支援を得るためには、この大会を日本全国、そして世界から注目させることが肝要でありますので、大会の価値や大会開催による効果につきまして、二〇一九年のラグビーワールドカップや二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの機会を初め、あらゆる機会を通じてアピールをし、大会への期待を高めてまいります。
     さらに、徹底したコスト削減を図るため、競技会場は既存施設を最大限に活用することとし、また、アスリートファーストの観点から、選手村は競技会場近くのホテル等を活用する分散を検討しているところでありまして、あらゆる工夫を凝らしながら、簡素で質素、機能的で合理的な大会を目指してまいります。  これまでのオリンピックやアジア競技大会のモデルとは異なる新しい愛知・名古屋モデルを構築し、大会を成功に導くことは、アジア競技大会後の新たな国際スポーツ大会の招致、開催を可能とし、アジアを初め世界各国とのさらなる交流の拡大につながるものと考えております。  そして、こうした国際スポーツ大会を通じた世界との交流の拡大が、このアジア競技大会のレガシーにもなると考えておりますので、二〇二六年の開催までの九年間、しっかりと開催準備に取り組んでまいりたいと考えております。 6: ◯議長中野治美君) 進行いたします。  高橋正子議員。     〔七十六番高橋正子君登壇〕(拍手) 7: ◯七十六番(高橋正子君) おはようございます。  さきに通告をいたしました二項目につきまして、順次質問させていただきます。  一項目めは、外国人傷病者の救急搬送と救急外来の課題についてであります。  今、グローバル化の進展により、在留外国人が増加しています。本県でも現在、約二十二万人の外国人県民が暮らし、国籍や民族の違いにかかわらず、全ての県民が安心して暮らせるように、多文化共生の推進も積極的に図られています。  一方で、日本を訪れる外国人観光客は四年連続で過去最多を更新し、二〇一六年には二千四百四万人を記録いたしました。今後、国は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催までに四千万人の訪日客を目指すとしています。  本県でも、世界三十九都市と結ぶ国際拠点空港、中部国際空港セントレアを核として、国際観光都市へと機能整備を進めるとともに、世界各国から本県に外国人観光客を誘客するための観光プロモーションを着々と進めています。  そんな中、こうした訪日外国人の増加で、急な病気やけがなどによる外国人傷病者からの一一九番通報がふえていることから、救急活動の現場において、言葉の壁にぶつかり、意思疎通に四苦八苦する現状が問題視されています。  外国人傷病者の症状の把握をするには、救急隊の会話能力にも限界があり、ましてや英語以外に多言語での対応が必要となれば、お手上げ状態にも。言葉の壁は、救急隊に過重な負担をかけていることになります。  そこで、まずは最初の質問です。  救急隊がしばし外国人の救急事例に遭遇することから、各消防本部では、言葉が通じない壁をクリアするために、それぞれが工夫を凝らして救急搬送に当たっておられると推測されます。本県内の外国人傷病者の救急搬送について、本県の消防本部の取り組み状況はいかがでしょうか。  総務省消防庁では、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて訪日外国人が増加すれば、さらに外国人からの一一九番通報も増加し、英語のみならず、多言語での対応も迫られることが予想されます。  そこで、ことし一月から、多言語での救急搬送に対応できるよう、外国語による一一九番通報時に、電話通訳センターを介した三者間同時通訳ができる体制を整備されました。現在、都道府県各消防本部での活用を推進しているとのことです。  総務省の発表だと、ことし六月末までにこの三者間同時通訳が導入されているのは、百六十一の消防本部、率にして二二%で、奈良、和歌山などの五県では県全域で、東京消防庁にもこの七月一日から導入されたと伺っております。  さらに、四月からは、全国の消防本部に向けて、救急用のフレーズや傷病者とのやりとりの面で使い勝手のよいスマートフォン用多言語音声翻訳アプリ、救急ボイストラの無料提供を開始しておられます。症状に関する質問と回答を、英語、中国語、韓国語、スペイン語、フランス語、ロシア語、ドイツ語など、十五の多言語でやりとりできるすぐれものとして、消防庁では広く運用の呼びかけをしています。  また、話をした言葉が日本語文字として表記されることで、聴覚障害者などとのコミュニケーションにも活躍が可能だと注目されています。  消防庁では、外国人による救急搬送を円滑化することで、現場で対応する救急隊員の負担を減らし、傷病者の救命率向上を目指すためにも、多言語対応できる三者間同時通訳及び救急ボイストラの普及を図っていきたい考えです。特に三者間同時通訳は、二〇二〇年までに導入率一〇〇%を目指し、都道府県を介して各消防本部に多言語対応の推進を図っています。  本県でも、二〇一九年のラグビーワールドカップ、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会、二〇二六年のアジア競技大会などなど、全世界から本県への誘客をもたらすビッグイベントを控え、安心して本県に滞在してもらうための行政サービスとして、救急業務の整備は必要不可欠なところです。  そこで質問です。  本県として、県内各消防本部の多言語対応をどのように推進していかれるのか、見解を伺います。  さて、前段は、外国人傷病者の一一九番通報による救急搬送について伺ってきました。全国各消防本部でも、多言語で対応可能なように、運用が開始できるまでになってきています。  ここからは、外国人患者の救急外来での対応についてお聞きしていきたいと思います。  厚生労働省では、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される二〇二〇年までに訪日外国人はさらに増加するので、全国の各医療機関では、外国人傷病者に対応しなければならないケースもふえていくことが予想されます。  そこで、昨年、まずは現状把握として、各地の医療機関に外国人がどの程度訪れているのか、各施設の外国人患者の受け入れ実績を確認するために、救急患者を受け付ける病院など全国三千七百六十一の医療機関などを対象に、外国人患者の受け入れ実態調査を行いました。  回答を寄せた千七百十の医療機関のうち、二〇一五年度に在日外国人や外国人旅行者を患者として受け入れた医療機関は、全体の七九・七%に当たる千三百六十三カ所で、そのうち入院患者として扱ったのは、半数以上の五八・五%に当たる一千一カ所に上りました。外国人患者を受け入れた医療機関の半数以上は年間二十人以下でありましたが、中には五百人超えのところも九・八%あったそうです。  そして、回答があった六五・三%の医療機関が、日本語でのコミュニケーションが難しい患者がいたと答え、医療通訳を利用した経験があると答えた医療機関は全体の一二・七%にとどまることから、現実的には、外国人患者に通訳できる人を自分で確保するように頼む医療機関が多いということです。また、医療機関が一番不安視する医療費の未収も、全体の三五・三%あったこともわかりました。  今後、外国人患者による医療機関の利用はますます増加することが予想されるため、医療現場での外国人患者の現状と問題点を明らかにすることは急務であります。せめて、外国人患者の受け入れ経験の有無や、可能な医療機関数、文化や習慣の違いから医療現場で困惑したことの把握が必要です。  言葉以外にも、文化や生活習慣の違いで困惑する場面に遭遇することもあるようで、処置中に礼拝の時間だからと中断するように強く求められたとか、肌を見せることが許されない国の人たちは、聴診、触診ができず、説明しても理解が得られなかったなどが実際に報告され、医療現場の混乱ぶりがうかがえます。そのほかにも、外国人が安心して医療を受けるために必要な支援や制度など、本県でも、外国人患者の救急外来における課題を精査するためにも、本県独自の実態把握の必要性を感じます。  さきの厚生労働省のアンケート調査では、都道府県や政令市など、百八十八の自治体のうち、八割以上が外国人患者の受け入れ可能な医療機関などを把握していなかったという驚きの報告もありました。  そこでお尋ねいたします。  本県として、外国人患者の救急外来の受け入れの現状、実態について、どの程度把握しておられるのでしょうか。  本県には、約二十二万人の外国人が在住しておられます。過去に実施した県民意識調査では、外国人の困ったことの第一位は病院でのコミュニケーションで、片言の日本語はわかっても、専門用語が使われる医療の場では言葉も通じず、不安を抱く外国人が少なくないことがわかりました。  本県には現在、医療サービスを受けられる体制を充実させた医療通訳、外国人向けコーディネーターなどが配置された、国際的に高い評価を得た外国人患者受入れ医療機関認証制度(JMIP)の認証病院として、藤田保健衛生大学病院と名古屋共立病院の二病院があります。藤田保健衛生大学病院については、厚生労働省が外国人患者受け入れの拠点病院にも認定し、多言語による医療通訳の育成に、検査内容説明などの各種患者説明文書の多言語対応など、外国人患者受け入れの環境整備はお墨つきです。  今後、インバウンド市場はさらに拡大し、外国人の誘客に力を入れる本県でも、外国人の姿が多くなります。それに伴って、各医療機関においても、言語や文化、生活習慣の違いなど、外国人患者の受け入れが可能な条件をそろえる医療機関の整備が求められます。国際的に評価の高いJMIPのような医療機関がふえることが理想ですが、単施設で受け入れ体制を整備していくことは容易なことではありません。  せめて、各医療施設が現状で対応可能な外国語を、外国人患者に適切に情報提供していくことで、今後増加する訪日外国人の医療ニーズに愛知県全体で応えていく必要があります。  そこで、最後の質問です。  外国人救急患者に必要な医療を提供するため、外国語に対応できる救急医療機関の情報を提供する体制について、県の見解を伺います。  続きまして、二項目めの質問に移ります。  愛知の女性の活躍は進んだのか。女性活躍施策の検証と今後の取り組みについてであります。  平成二十五年六月、国の成長戦略の中核に女性の活躍が位置づけられたといっても、真に女性の人材や力をフルに生かすには、クリアしなければならないハードルが幾つもあります。  とかく本県は、従来から性別による固定的役割分担意識が強く、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきの考えに賛成の人の割合が全国平均よりも高い傾向にあることから、働く女性の占める割合も、女性管理職の登用も、全国平均に比べて低い結果となっています。製造業を中心とする豊かな産業県ゆえに働く男性が多く、安定した生活環境が維持できてきたことが、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきの古典的な考えをつくってきたようです。  しかし、本県でも、人口減少の影が忍び寄り、労働力不足が課題となる中で、女性の労働力は今後、期待される力となります。ところが、本県は、女性の社会進出に理解があるとは言いがたい土地柄。  そこで、どこかで男女共同参画社会の実現に向けて風穴をあける必要があったのを、平成二十五年七月に、本県初の女性副知事に就任した厚生労働省出身の吉本明子氏が、その先頭に立ったと振り返ります。  本県初の女性副知事という斬新さは、女性の活躍促進に足踏み状態だった本県に大きな変革をもたらし、まずは、県職員の女性管理職の登用拡大に意欲を示されました。平成二十五年四月の知事部局の管理職に占める女性の割合は六・七%で七十八人だったのを、直近の平成二十九年四月には九・七%、百十七人にまで押し上げ、管理職全体の約一割が女性の登用となった現在、愛知県庁に吹く風は変わったのではないかと感じます。  そこで、まずは最初の質問です。  女性管理職の比率は、活躍促進のバロメーターとして、企画立案などを担う女性管理職の拡大は、県庁にどのような変化、効果をもたらしているとお考えでしょうか。  その後、本県の女性活躍施策はスピードを上げ、平成二十五年九月に、各部局で女性活躍促進に向けての課題を洗い出して、女性が元気に働き続けられる愛知の実現を目指した、あいち女性の活躍促進プロジェクトチームを庁内に設置されました。吉本副知事をリーダーに、働く場における定着と活躍の場の拡大に向けたさまざまな取り組みを、あいち女性の活躍促進プロジェクトとして推進。現在では、四十七事業を展開中です。  さらに、同プロジェクトの一環として、平成二十六年夏に県内の一万一千社を対象に、職場での女性の活躍について現状と認識をアンケート調査した、女性の活躍状況「見える化」調査は、本県の女性活躍の実態を浮き彫りにしました。  アンケートの項目で、女性の活躍が今後の経営戦略の鍵を握るという考え方に共感する企業が七割強あった反面で、女性の活躍推進のために何も取り組んでいないと答えた企業は四割弱と最多でした。さらに、製造業では、管理職に占める割合がゼロの企業が八割、中でも、女性が担当できる仕事が限られていると消極的な回答は三割近くを占め、女性の能力が発揮できない現状を露呈しました。  しかし、このアンケートの回答で最も注目したいのは、女性の管理職や従業員がふえている企業ほど、売上高や経常利益が伸びているケースが多く、それは製造業に限っても同様であるという結果です。本県の製造業の九九%を占める中小企業に、女性の雇用や管理職登用を促すことこそが、本県の産業、経済を元気に持続させる特効薬であることを証明しています。  そうなると、女子力を当地で生かすためには、アンケートの課題にあった、女性が担当できる仕事が限られているとの現状を改善していかなければなりません。  確かに本県では、二十から二十四歳の若い女性は、魅力的な仕事を求めて東京圏へと流出する傾向が強いようです。その結果、県内の二十から三十四歳の男性に比べた女性の人口割合は、男性を百とした場合、女性は八九・〇で、男性より一割以上も少ないことになります。この若い世代の男性過多の現象は、ひいては男性の未婚率の上昇と少子化にもつながることから、本県では、若い女性の流出に歯どめをかけるために、愛知県の住みやすさをアピールしたり、女性の就業の場を広げる事業を積極的に展開しています。  特に平成二十七年度には、女性の活躍と雇用の拡大を通じた人材の確保、育成、生産性向上、新たな産業の創出を目的に、幅広い業種、企業の人事担当者、女性起業家、女性管理職をメンバーとする、あいち・ウーマノミクス研究会を設置されました。この研究会での意見を踏まえ、女子学生、生徒と、物づくり現場で活躍する物づくり女子が交流する機会づくりや、女性の起業家を育成する取り組みを進め、ややもすれば女性が活躍する職場が限られているといったイメージがある製造業を初め、幅広い業種における女性の活躍促進に注力してこられたと認識しております。  また、現在では、女性の活躍促進には機運の醸成が重要だとし、女性の活躍に取り組む企業を一社でも多くつくろうと、あいち女性輝きカンパニーの認証や、優良企業表彰を行っておられますことも承知しております。男性中心で女性の活躍推進が進んでいない建設業界では、総合評価落札方式の入札で、女性の活躍推進に積極的な建設業者を優遇する取り組みもスタートしました。  このほかにも、中小企業への取り組みに対する奨励金最大十万円の支給や、コーディネーターによる企業の取り組みの支援のほか、今年度は地方銀行と連携した中小企業などへ県の女性活躍促進プロジェクトの普及活動にも力を入れるなど、本県の課題とされる中小企業への支援にも一層の取り組みを推進されております。  これまで、製造業が盛んなゆえの課題や固定的役割分担意識の強い古典的意識が、働く女性の占める割合も、女性管理職の登用も、全国平均に比べて低いと評価されてきた本県にあって、あいち女性の活躍促進プロジェクトを立ち上げて丸四年、節目の五年目に入る前に、ここでこれまでの取り組みの成果を検証する必要性を感じます。  というのも、本県では、女性管理職の登用を民間企業にも促すために、女性管理職養成セミナーを平成二十四年からスタートしています。この五年間で、百九十三の団体から二百六十六人の管理職を目指す受講者がありました。この中には、中小企業五十一社から六十一人の受講者も含まれています。  では、本県でも女性管理職養成セミナーを長年開催してきた結果、女性管理職の登用拡大が県全体に波及しているのだろうかということです。  去る八月末の新聞で、気になる記事を発見しました。帝国データバンク名古屋支店が、愛知県に本社を置く千四百四十一社を対象に、愛知県の企業の女性活用に関するアンケート調査を実施し、五百九十七社から回答を得た結果です。  それによると、愛知の企業の八二・四%で女性管理職の比率が一割に満たず、全国平均の七九・三%を上回りました。さらに従業員全体の女性割合が三〇%以上とする企業も本県は二八%と、全国平均二九・八%を下回り、女性管理職の割合が五年前よりもふえた企業は二〇・三%、今後増加するの回答は二三・六%で、全国の二四%よりもやや低い数字が出ていました。  結論を申しますと、愛知の企業の女性登用進まずの見出しが目に飛び込んできたのです。  同じく帝国データバンクの二〇一七年の調査からでも、愛知県内の女性社長の占める割合は五・九六%で、全国四十四位、製造業が集積していることで、他地域よりも社長になりにくい環境にあることも指摘されていました。  そこで質問です。  本県では、あいち女性の活躍促進プロジェクトにおいて、本県の特性と課題を踏まえた多岐にわたる事業を展開中でありますが、主要事業の進捗と成果の検証、課題の精査を踏まえ、愛知の女性の活躍は進んだのか、県の見解を伺います。  さて、この七月に本県では三代続けての女性副知事、このほど宮本悦子知事が就任されました。  振り返れば、初代女性副知事の吉本明子氏は、県庁内での女性管理職の登用拡大や、女性の社会進出に必要な支援を進めやすくするために庁内にプロジェクトチームを設置するなど、女性活躍の土台づくりをされてこられたと思います。  そして、二〇一五年七月に就任の二代目堀井奈津子副知事は、中小企業での女性の活躍促進や、建設業や運輸など男性の多い職場でも女性が働きやすい職場づくりを進め、女性の参入を促す取り組みや理系女子の進路選択の支援、女性の活躍に取り組む企業に対しての認証や優良企業表彰に取り組んでこられました。また、本県は全国でも有数の農業県であることから、農業分野でも女性の活躍を推し進めてこられたことも印象に残っています。  そこで、宮本悦子知事にお尋ねをいたします。  宮本悦子知事に女性活躍促進のバトンが渡され、その手腕に期待したいと思います。宮本副知事は、本県の女性活躍の現状を見た上で、今後どのように進めていこうと考えておられるのか、お伺いをいたします。  二項目にわたりまして質問をいたしました。御当局の明快な答弁を期待いたしまして、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 8: ◯防災局長相津晴洋君) 外国人傷病者の救急搬送に関するお尋ねのうち、本県の消防本部の取り組み状況についてであります。  日本語での意思疎通が困難であった場合に、傷病者の症状を把握するための取り組みとしては、まず、イラストや文字が書かれたボードや、外国語と日本語が記入されている問診シートを使用するといった方法で対応している消防本部が、県内三十六消防本部のうち、二十八消防本部ございます。  次に、電話通訳センターを介した三者間同時通訳を導入している消防本部が六、また救急隊に配備されたスマートフォンやタブレット端末を使用して、総務省消防庁が本年度から導入した多言語音声翻訳アプリ、救急ボイストラを運用している消防本部が十一ございます。  次に、県内各消防本部の多言語対応をどのように推進していくかについてでございます。  現状では、ボードや問診シートの活用でも一定の対応ができておりますが、より的確な症状が把握できる三者間同時通訳や救急ボイストラの導入が進むことが望ましいと考えております。  本県といたしましては、既に導入している消防本部から運用状況を詳しく聞き取りして、未実施の消防本部に有益な情報を提供するなどの方法で、救急搬送における多言語対応の推進に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 9: ◯健康福祉部保健医療局長松本一年君) 外国人傷病者の救急外来の課題についての御質問のうち、まず、救急外来の受け入れの現状、実態についてお答えいたします。  県内の二十二カ所の救命救急センターのうち、外国人患者の受け入れ人数の統計をとっている十三カ所の平成二十八年度の受け入れ状況は、合計で七千四百十一人、一施設当たりの平均は五百七十人となっております。最も受け入れ数の多い施設は、千七百十人、最も受け入れ数の少ない施設では百九十六人でありました。  また、日本語でのコミュニケーションが難しい外国人患者の対応につきまして、救命救急センターにおいては一定の対応をしており、医療通訳の配置や病院の職員による対応が十三カ所、電話通訳の活用が十七カ所、音声翻訳アプリケーションの活用が三カ所となっております。  一方で、救命救急センター以外の救急医療機関における外国人患者の受け入れ実態については、現時点では把握しておりません。  そこで、今年度中に、救急医療を実施している百四十七の救急告示病院を対象に、外国人患者の受け入れ状況や、言語対応の体制などに関する実態調査を実施し、本県を訪れる外国人の方が安心して医療サービスを受けられる体制の整備に生かしてまいりたいと考えております。  次に、外国語に対応できる救急医療機関の情報を提供する体制についてお答えいたします。  本県では、救急時に県民の皆様が受診可能な医療機関を探すことができるウエブサイト、あいち救急医療ガイドを愛知県医師会への委託により運営しております。  あいち救急医療ガイドでは、外国語対応可能な病院、診療所として、英語、中国語、ポルトガル語など、十三の言語への医療機関の対応状況を日本語及び英語で提供しており、平成二十八年度は八千七百八十四件のアクセスがございました。  今後は、利便性の向上を図るため、英語以外の外国語によるウエブサイトの作成について、検討を進めてまいります。  また、本県を訪れる外国人観光客向けの情報といたしましては、愛知の公式観光情報ウエブサイトAichi Nowにおいて発信しているところでございますが、今後は、観光局とも連携し、このサイトを活用してあいち救急医療ガイドの周知を図るとともに、宿泊施設に対して、救急医療機関の外国語対応状況に関する情報を提供してまいります。  さらに、消防機関に対しても同様の情報を提供することで、外国人救急患者の円滑な搬送にも役立ててまいりたいと考えております。  県といたしましては、こうした取り組みを進めることで、外国人の方が安心して必要な医療を受けられる体制を整備してまいります。 10: ◯総務部人事局長齋木博行君) 女性管理職の登用拡大に伴う県庁における変化、効果についてお答えをいたします。  本県では、従来から、男女の区別なく政策形成能力や管理能力を総合的に評価し、ふさわしい人物を管理職へ登用してまいりましたが、平成二十六年二月には女性職員の活躍促進に向けた取組指針を策定し、平成三十二年度末までに知事部局等における管理職に占める女性の割合を一〇%にするという数値目標を掲げ、女性職員の登用を進めているところであります。  こうした中、事務職の女性職員を初めて本庁の部長に登用したほか、次長、主管課長など、これまで女性が配置されてこなかった主要ポストへの女性登用を一層進めており、政策立案の過程において、これまで以上に多様な視点からの提案がなされる機会がふえていると考えております。  また、みずから国の省庁や民間企業への研修派遣などに手を挙げて挑戦するといった意欲的な女性職員がふえてきており、こうした傾向は、管理職に登用されて活躍する先輩女性職員がロールモデルとなることで、キャリアに対する意識改革が進んできた結果の一つのあらわれではないかと考えております。  さらに、勤務成績が優秀で意欲と能力を有する女性職員を、積極的にグループ班長に登用して、管理職に必要な能力の養成を行っているところでありますが、部下の職員からは、きめ細やかで丁寧な指導を受けられるとか、業務の効率化に積極的で働きやすいといった声も聞いております。  日本一元気な愛知、人が輝く愛知を目指した取り組みを進めていくためには、多様な視点を取り入れることが大変重要でありますので、今後も引き続き、女性職員を管理職など責任あるポストへ積極的に登用してまいりたいと考えております。
    11: ◯県民生活部長鳥居保博君) 私からは、あいち女性の活躍促進プロジェクトの進捗と成果についてお答えいたします。  本県のさらなる発展のためには、女性の活躍が不可欠であるとの認識のもと、あいち女性の活躍促進プロジェクトでは、企業経営者の意識改革のためのあいち女性の活躍促進サミットの開催や、地方銀行と連携した中小企業への働きかけ、女性起業家育成のためのビジネスプランコンテストの実施など、全庁を挙げて各種施策を推進してまいりました。  プロジェクト事業につきましては、所管部局において、成果の検証、課題の洗い出しを行うとともに、副知事をリーダーとするプロジェクトチームにおいて、事業の進捗管理や情報共有を行い、毎年度新たな事業を企画立案して、取り組みを進めております。  その結果、企業トップからのメッセージや取り組みを表明する女性の活躍促進宣言は、平成三十二年度末までの目標一千社に対し、ことし八月末現在で九百三十五社となっており、年内の目標達成が見込まれます。  また、積極的な取り組みを県が認証するあいち女性輝きカンパニーは、平成三十二年度末までの目標四百社に対し、ことし八月末現在で三百一社となるなど、本県の女性の活躍は、進みつつあると考えております。  しかしながら、さらなる女性の活躍のためには、引き続き県内企業の九九%以上を占める中小企業へのきめ細かな対応や、ワーク・ライフ・バランスの一層の推進などが必要と考えており、今後も一つ一つの事業を丁寧に検証しながら、しっかりと取り組んでまいります。 12: ◯副知事宮本悦子君) 本県の女性の活躍を今後どのように進めていくかにつきまして、私からお答えさせていただきます。  本県では、平成二十五年九月に部局横断の女性の活躍促進プロジェクトチームを設置しまして、全国に先駆け、さまざまな先進的な事業を推進してまいりました。  その結果、女性の活躍促進宣言や、あいち女性輝きカンパニーの認証が着実に増加し、また、直近の国勢調査に基づく分析によりますと、本県の女性労働力率を示すM字カーブも、徐々に改善されつつあります。  しかしながら、女性の活躍の実現に向けては、男性も含めた働き方改革や子育て環境の改善などさまざまな課題があり、行政、企業、個人など、あらゆる主体が一体となって社会全体を変えていく必要があると考えます。  私は、プロジェクトチームの責任者といたしまして、吉本元副知事、堀井前副知事が取り組んでこられました成果をしっかりと受け取りまして、その上で、企業経営者の方々への働きかけ、ワーク・ライフ・バランスの推進、保育サービスの充実などを一層進めますとともに、若年女性の東京圏への転出超過など新たな課題にも挑戦し、プロジェクトのさらなる深化、充実を図ってまいりたいと考えております。  愛知県は、製造品出荷額等が三十九年連続日本一の物づくりの県でありますと同時に、中部地区最大の農業県でもあり、知事のリーダーシップのもと、先進的な事業が意欲的に進められており、総合力が非常に高いとともに、勢いのある県だと感じております。  今後、多くの現場に出向きまして、さまざまな方々、とりわけ若い女性、それから中小企業経営者の皆様などから、愛知の現状、課題、解決への糸口につながる御意見を直接伺いまして、そして議員の皆様方の御指導も賜りながら、女性が元気で働き続けられる愛知の実現に向けまして、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 13: ◯七十六番(高橋正子君) それぞれに御答弁をいただきまして、ありがとうございました。  私からは要望させていただきます。  まずは、外国人傷病者の救急搬送についてであります。本県の救急搬送体制は、日ごろからの消防機関、そして医療機関との間で傷病者の受け入れについて信頼関係が保たれておりまして、その円滑な運用は、全国でもトップレベル、トップクラスだと伺っております。  しかし、そんなトップクラスの救急搬送体制でも、時に、外国人傷病者に遭遇した場合の対応で、言葉が通じずにコミュニケーションに手間取ることもあるということを、現場の声からもお聞きしております。やはり現場の救急隊の方が一番負担を強いられることになりますので、ぜひとも多言語対応の救急ボイストラ、あるいは三者間同時通訳、こちらのほうの整備のほうに、救急業務は各自治体の所管ではありますけれども、県の役割として、できましたら運用、整備ができるような形で働きかけをお願いしたいと思います。  そして、外国人患者の救急外来の受け入れの現状と実態把握のほうでありますけれども、保健医療局長のほうから御答弁をいただきまして、大変踏み込んだ形で御答弁をいただけたのかなと思っております。  医療ツーリズムとは違って、外国人患者の救急外来となりますと、その現状は、全国どこの医療機関でも課題は山積だと思います。やはり一番の問題は、言葉、コミュニケーションだと思います。  今回、質問の中では踏み込みませんでしたが、やはり医療通訳の問題、そして医療費未収の問題など、さまざまな課題も今後出てきますので、答弁の中にも、今年度中に救急医療に携わる百四十七の医療機関の実態調査もするという答弁をいただきましたので、こうした実態調査を踏まえて課題が見つかると思いますので、また対応をしていっていただきたいと思います。  そして、愛知の女性の活躍は進んだのかということで、お尋ねをさせていただきました。  確実に、この県庁内で女性が活躍している風は吹き始めているんだなということを私は感じています。  プロジェクトでも四十七事業を展開しておられますけれども、なぜ今回、愛知の女性の活躍は進んでいるのでしょうかという質問をしたかというと、この四十七事業とかを展開しているにもかかわらず、各アンケートでは、どうしても愛知の女性活躍は進まないということで結論をつけられてしまう、それはなぜだろうという疑問から、今回、一度検証したほうがいいのじゃないかということで、質問させていただきました。  県民生活部長、あるいは宮本副知事からも御答弁をいただきまして、愛知の女性の活躍は進んでいるんだなということを私は感じ取った次第であります。確実に、県全体では女性の活躍を推進していかなければならないという意識は強くなってきているということは感じ取っています。  最後に、宮本副知事に、今後の女性の活躍を促進させるための取り組み、それをお聞きしました。  いろんな課題がある中で、若い女性の東京圏への流出に関しても問題意識をお持ちだということがわかりました。どうしたら若い女性の東京へ向く足を本県にとどまってもらえるのか、その施策が女性の活躍にどのように結びついていくのか、大変大きな課題であるとは思います。  ぜひ宮本副知事にはしっかりと頑張っていただきたいことを、エールを送って終わらせていただきます。ありがとうございました。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 14: ◯四十一番(近藤ひろひと君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 15: ◯議長中野治美君) 近藤ひろひと議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 16: ◯議長中野治美君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時十九分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時開議 17: ◯副議長峰野修君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  伊藤勝人議員。     〔七十二番伊藤勝人君登壇〕(拍手) 18: ◯七十二番(伊藤勝人君) 入学間近の小学校一年生、四十人クラスの話ですから、ちょっと前のお話かもしれません。先生が黒板に円、丸を描いて、先生のとおりに描いてください、生徒に言いました。しばらくして、先生ができましたかと尋ねられますと、子供たちが、はい、四十人中三十九人が手を挙げた。そして、一人だけ黙々とまだ作業をしている子供がいます。先生がそばへ行って、後ろからのぞいてみましたら、白い紙全体を鉛筆で黒く塗っている、白いところを浮き上がらせて、丸にしている子がいた。あとの子は、どういう答案を書いたかといいますと、白い紙に鉛筆で黒く丸を描いた。先生は、はたと悩んだのだそうであります。四十人中三十九人が描いたものが正しいのか、一人だけ写術的に描いた子が正しいのか。黒板です、チョークは白です。私たちも日ごろ、大勢の方が正しいと言ったものがどうも正しい、本当に正しいものというのは一体何なのだろうかということを考えさせられる出来事だった。先生は非常に悩んでどちらも正解としたということをおっしゃっておられました。  そのことを踏まえながら、順次尋ねていきたいと思います。あえて言うならば、僕は鉛筆で丸をすっと描いた人ですけどね。  一九五二年、昭和二十七年に制定されました主要農作物種子法を廃止する法律が本年四月に成立をいたしました。二〇一八年、平成三十年四月一日をもって、その法律の効力がなくなります。二月議会におきまして、同僚の丹羽洋章議員が、同法が廃止されようとしているが、県はどう考えるかを質問し、答弁がなされています。  廃止の法律ができ、廃止と同時に附帯決議がなされました。根拠法を廃止して附帯決議とはいかがなものか、そんなことを思いながら、この種子法は都道府県に義務づけた経緯があります。  愛知県としての考えをお尋ねしていきたいと思います。  昨年九月に坂田憲治議員とモンゴルへ出かけました、モンゴル共和国です。人口は約三百万、ウランバートルの首都に百三十万人の人が集中をしています。見ると聞くとは大違い、私たちが常日ごろ映像で、モンゴルを想像してみてください。もう馬に乗っている人はいませんでした。ほとんどが自動車です。ゲルの横に二トントラックが置いてあります。それ等々で、いろんなところで目からうろこが剥がれ落ちるようなことに遭遇をしました。  その中で、農業施設を訪ねることになりました。ハウスです。寒い国でありますから、ハウス栽培になっていたんですけれども、日本のODAと、そしてファームドゥ株式会社、群馬県の前橋市にありますけれども、そこが現地の法人と共同出資をして始まったんだそうであります。御案内のように、放牧民族です。農業は定住しなければ、耕して、種をまいて、水をやって、育てて、収穫してでありますから、定住民族の方々がなさることですよね。  大学の先生が研究論文を発表されました。モンゴルの平均寿命が六十歳、これ、今ごろにしますと短命になろうかと思います。それは、野菜を食べないからだということで、今や野菜ブームになっていました。  中国から、私たちのスーパーマーケットで並ばないぐらいの古いような物が売れていましたし、そこの農場で、いよいよ八棟が稼働をし始めていましたが、余り大した農作物じゃないものが完売だそうです。首都から約一時間車で行ったところにありますけれども、そこにだけ、農場に置いてあるものが完売になっているんだそうです。  それで、いよいよことしの四月から、ふやしていくということで、十倍ぐらいまでふやしたいなということをおっしゃっていました。寒いところですから、熱をどこで補うかということで、太陽光パネルを約百五十ヘクタールに設置して、その電熱で補っていきたいというようなこともおっしゃっていました。  何が大変ですか、水ですか、温度ですか。いろんなことが問題としてあるとおっしゃっておられましたが、一番の悩みは、種が高いですね。F1の種子を使うわけでありますから、種が高いですねということをおっしゃっておられました。  そのことをずっと頭に置いていたということがあって、食料というものに対して非常に興味を持っていましたので、順次聞いていきたいと思いますが、この今申し上げた法律は、実は議員立法でありまして、最初の議論のときに、坂田英一議員が提案理由を次のように説明しています。優良な種子を生産するためには特別な技術、そのためには種子が高くなりますよということでありますが、公的なところでそれを管理していきましょうということがありましたので、お尋ねをしていきます。  その昔、私たちは農業をしているときに、生産したものの約一割を、来年用の種にとっておきましたよね。その種をまいて、また来年収穫をして、また種をまいてということで、順次順次それを繰り返していました。  二十年ほど前に、バケツ一杯幾らでしたよ、種が。今、一袋五百円です。どのぐらいの量が入っているのかといいますと、大根でいいますと二畝ですね。十五メーターぐらいの畝、二畝ぐらいの分が五百円になっています。大変に高い、利は元にあり、F1とは一代の交配です。その種子を次にまいても、十分な収穫はできません。むしろ生育をしないわけであります。  いいことがあります。繰り返し使用してはできないわけでありますけれども、非常に丈夫だ、一斉に育ってものがそろう。そして、収穫するときに、ところどころ成長したものを収穫しながらでなくて、一斉に収穫をすることができますから、効率が非常によくて、大規模な農業に適しています。しかし、その種子の価格が高い。種子生産者に握られているということであります。  種子法の廃止によって、将来的に種子の値上げをも予想されるところです。  北海道の農業試験場で育成をしました、きらら三九七の種子は、二十キログラムで七千円、コシヒカリは二十キログラムで七千九百二十円、ヒノヒカリは七千六百七十円、一方で、民間企業のとねのめぐみは一万七千二百八十円、業務用きらら三九七が七千百円、まっしぐらが八千百円、民間企業のみつひかりが八万円です。民間で開発された種子はその十倍もするものもあります。  米の価格が上がれば、消費者が負担を負うことになってきます。外国企業の種子の囲い込みも懸念をしなければなりません。農業界では、種子を制するものが世界を制すといいます。その技術が無制限に民間に、多国籍企業に開放されれば、今後は日本の種子を巨大資本の外国企業が牛耳ることになるのかもしれません。  そして、世界の大手種子企業は業界再編を進めています。例えば、ドイツの医療、農薬大手のバイエルは、米国の遺伝子組み換え種子最大大手の、モンサントを六百六十億ドルで、日本円でいいますと約七兆二千五百億円、買収しました。同じく農業種子業界大手の米国ダウ・ケミカルはデュポンと合併をしました。中国におきましても種子ビジネスに熱心でありまして、中国化工集団ケムチャイナ、スイスの農業種子メーカーのシンジェンタを四百三十億ドル、約四兆七千三百億円で買収しました。中国化工集団は、中国を代表する巨大国有企業でありまして、習近平国家主席の傘下にあると言われています。  二〇一五年の資料によりますと、遺伝子組み換えの種子により、作付の割合は、大豆で八三%と言われています。この種子法があったからこそ、米、麦、豆で組みかえも含めて、この国に入ってこなかった。  農水省は種子法の廃止の理由を、多様なニーズに対応、民間ノウハウも活用して品種開発を強力に進めるためと説明をなさっておられます。この流れが決まったのが、昨年十月に開かれた政府の規制改革推進会議の農業ワーキング・グループ会議でした。民間の品種開発意欲を阻害している主要農作物種子法は廃止するとされました。ことしの二月に種子法の廃止が閣議決定されました。  そのころ、森友であったり、いろんなことが大きく報道されている時期でありまして、日本では余り大きく報道がなされなかったと私は思っています。ゆえに、いつ、どこで、どうなっているんだという声を、農協を中心にしてたびたび耳にすることになったのは御案内のとおりであります。TPPかな、FTAかなと思わざるを得ません。  十二月の国会において、交渉の中でサイドレターの効力について、岸田外務大臣は、我が国が自主的にタイミングを考え、実施していくことになると答弁をされています。この法律、主要農作物種子法が廃止された直後に、あるいは十年、二十年後に、それまでに大きな変化が起きる可能性は少ないのかもしれません、蓄えがあります。長期的には不透明と言わざるを得ません。  この種子の大切さを訴えたデンマークの研究者ベント・スコウマンは亡くなる前にこんな言葉を残しました。種子が消えれば、食べ物も消える。そして、君も。  西川芳昭、龍谷大学の農業・資源経済学教授は、種子は太陽や土、水と同じように農業にとって大切な資源、日本人はみずからの食べ物をどう守るか、それが問われていると言われています。  廃止に伴う問題点を考えるときに、種子の品種改良の促進、安定供給体制の確立、流通の適正化、都道府県など公的機関による生産と普及F1種による種子の高値、遺伝子による人体への不安と外国企業による寡占化、都道府県においては、根拠法のなくなった交付税化、将来への不安にあろうかと思います。  国の農林水産委員会においてさまざまな議論がなされています。その中で大臣がなさった答弁があります。   種子法の廃止をいたしましても、国と都道府県の種子  の開発、生産、流通、管理、こうしたものにおける基本  的役割は変えないでおきたい。そして、さらに加えて、  今後民間の力を活用できないものか、さらには、そのこ  とにおいて、都道府県のエリアから超えて、広域的なそ  ういう取り組みや、あるいは戦略的な取り組みが種子の  分野でも開発、生産が行われるということになってもら  いたい、こう思っています。   まず、御指摘の開発でございますが、これは、国はこ  れまでと同様、戦略的な品種開発に必要な遺伝資源の収  集、育種技術の開発を行います。また、都道府県は、農  業試験場を中心に独自のブランド品種の開発を行いま  す。   さらに、生産の段階では、これは原種、原原種を生産  していただき、必要に応じて民間企業に業務を委託する  などしていただき、一般種子の生産も、これまでと同様  に、種子協会が見積もった生産量を踏まえて圃場を指定  していただき、協会等の指導のもとに種子生産農家が種  子を生産する。さらには、民間企業が原種、原原種を生  産していただき、一般種子は農業者を選定の上で、生産  を委託し、民間企業の技術者による指導のもとで生産す  ることになる。   さらに、御指摘の流通でございますけれども、種子協  会等が引き続き存置されますので、各地の種子需要、供  給、それの把握や供給量の調整をしていただく。さら  に、農業者への種子販売は引き続きJA等が行っていた  だく。民間企業が生産した種子は、民間企業が直接農業  者に販売する場合もございます。   そして、品質の管理でございますが、種苗法の基準に  沿って現行の種子法と同様の規定を追加しまして、都道  府県が品質を確認していただくということになるわけで  ございます。   多国籍企業で遺伝子組み換えと農薬とのセットで売り
     上げを上げている国、アメリカがあります。   というようなことも非常に参考にしながら、食の安  全、安心というものを図り、かつまた、種子における研  究開発がさらに進むというようなことを念願していきた  いと思っております。   加えて、都道府県の負担を軽減するための地方交付  税、これは予算編成でございますけれども、各省に働き  かけをいたしまして、これをしっかり位置づけたいとい  うように思っております。 と答弁がなされています。  努める、念願している、なってもらいたい場合もございます。地方交付税については、各省に働きかけをしてと、箇所ごとに断定的な言葉をお使いになってはおられません。そして、採決時に附帯決議がなされました。これも全部読みます。附帯決議は、   主要農作物種子法は、昭和二十七年に制定されて以  降、都道府県に原種・原原種の生産、奨励品種指定のた  めの検査等を義務付けることにより、我が国の基本的作  物である主要農作物(稲、大麦、はだか麦、小麦及び大  豆)の種子の国内自給の確保及び食料安全保障に多大な  貢献をしてきたところである。   よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現  に万全を期すべきである。   一、将来にわたって主要農作物の優良な品質の種子の  流通を確保するため、種苗法に基づき、主要農作物の種  子の生産等について適切な基準を定め、運用すること。   二、主要農作物種子法の廃止に伴って都道府県の取組  が後退することのないよう、都道府県がこれまでの体制  を生かして主要農作物の種子の生産及び普及に取り組む  に当たっては、その財政需要について、引き続き地方交  付税措置を確保し、都道府県の財政部局も含めた周知を  徹底するよう努めること。   三、主要農作物の種子について、民間事業者が参入し  やすい環境が整備されるよう、民間事業者と都道府県等  との連携を推進するとともに、主要農作物種子が、引き  続き国外へ流出することなく適正な価格で国内で生産さ  れるよう努めること。   四、消費者の多様な嗜好性、生産地の生産環境に対応  した多様な種子の生産を確保すること。特に、長期的な  観点から、消費者の利益、生産者の持続可能な経営を維  持するため、特定の事業者による種子の独占によって弊  害が生じることのないよう努めること。 であります。  法律を、根拠法を廃止しながら、この法律があるがごとくの附帯だとお思いになりませんか。日本国民の生存にかかわる問題であるからこそ、そのことが読み取れると思います。そして、予算だけではなく、五月に成立をしました農業競争力強化支援法では、自治体や農業試験場が持つ種子生産の技術や知識を民間企業に提供するよう求めています。  農業試験場の役割はいろいろあると思いますが、今までここが、原種や原原種、あるいは新商品開発に係るさまざまなデータ、そして、現物を保存、管理してきた役割をきちっと担ってきたと私は理解をしています。地道で重要な作業であり、さまざまなものを開発していくとき、オリジナルのところへ戻ってくるということの重要性は言うまでもないと思っています。  それを踏まえてお伺いをいたします。  本県において、これまで主要農作物種子法が米、麦、大豆の生産振興にどのような役割を果たしてきたのか。また、種子法が廃止されることにより、優良な種子の供給などが確保されるのか心配する声がありますが、県としてはこれまでの役割をどのように担っていく方針であるのかをお伺いいたします。  次に、種子法の廃止に加え、農業競争力強化支援法の制定により、今後、外資系の種苗企業による国内の種子生産への参入が進むことや遺伝子組み換え農作物の作付がふえることなどが懸念をされますが、県はどのように考えておられるのかお伺いをいたします。  そして、遺伝子組み換え農作物について、食品安全やそれに関する懸念の声が高いわけでありますけれども、どのように認識をなさっておられるのかをお尋ねいたします。  次に、愛知環状鉄道のICカード乗車券の導入についてお尋ねをいたします。  少しおさらいをします。時間がなくなりました。はしょっていきます。愛知環状鉄道は、昭和六十三年一月に地方公共団体、地元企業の出資によって第三セクターで運用をしている会社です。営業キロが四十五・三キロ。高蔵寺─岡崎間、一日百六十九本、休日百四十八本、おおむね一時間当たり四本運行がなされています。  今回、愛知環状鉄道の中期経営計画によりますと、平成二十四年から二十八年度中のその計画の期間中、いろんなことをしてこられて、今や二十八年度には千七百十一万人乗車をなさっておられます。そこの中で、今回、なさる仕事をいっぱい抱えておられるうちの一つとして、IC化が予算立てがなされました。愛知県として七千七百万円予算化をなされておられます。  そのことも大事なことでありますが、私ども、沿線四市の議員連盟の中で、複線化を望んでいます。名古屋─品川間が、十年後に四十分で行く。高蔵寺─岡崎間が六十五分かかっている。そのことを思いますと、複線化することが時間を短縮するのに最も早いであろうということも含めながら、IC化についてお伺いをいたします。  愛知環状鉄道では利便性向上を図るため、ICカード乗車券を導入するとのことでありますけれども、ICカードが使えないことで、実際どのような不便が生じているのかを伺います。  愛知県内の鉄道におけるICカードの導入状況について伺います。  愛知環状鉄道がこの時期にICカードの導入を進める理由、そして、愛知県が支援する意義について伺います。  そして、期待する全線複線化の見通しについてお伺いをし、壇上での質問といたします。(拍手) 19: ◯農林水産部長高橋智保君) 主要農作物種子法の廃止についてのお尋ねのうち、まず、種子法が果たしてきた役割と法廃止後の対応方針についてであります。  種子法及び国の基本要綱では、都道府県は栽培試験を実施して、普及すべき稲、麦、大豆の優良な品種を奨励品種として決定することや種子の種類別の需給の見通しを取りまとめた種子計画を策定し、種子を安定的に供給することなどが定められております。本県におきましては、農業総合試験場が本県の気候や土壌条件に適した水稲や小麦の品種を育成して、県内各地で栽培試験を実施し、その結果を踏まえて奨励品種を決定してまいりました。  また、国の基本要綱により県が設置した愛知県米麦振興協会は、種子計画で定められた生産者が翌年の栽培に必要とする種子の数量等に基づいて、種子生産農家に委託することで、生産者の要望に対応した安定的な種子供給を担っております。  平成二十七年度に米麦振興協会が供給した種子は、平成二十八年度の県内栽培における必要量のうち、水稲で九五%、小麦で一〇〇%となっており、毎年、品質が保証された種子に更新することにより、安定生産に大きく貢献してまいりました。  来年四月の種子法の廃止に伴い、現在の都道府県における奨励品種制度や計画的な種子生産等については、法令等での位置づけはなくなりますが、種子の品質に関する基準は、引き続き種苗法において担保される方針でございます。  また、本県におきましては、奨励品種の決定や米麦振興協会による種子の供給体制が既に五十年以上も続いており、本県の生産者の経営安定のために欠くことのできないものとなっております。そこで、今後とも、これまでの優良な種子の供給体制を堅持し、米、麦、大豆の生産振興にしっかりと取り組んでまいります。  次に、外資系企業による国内の種子生産への参入や遺伝子組み換え農作物の作付の増加に対する懸念への対応についてでございます。  初めに、外資系企業の参入についてであります。我が国では地域ごとに異なる多様な気候条件に適した品種を国や県が開発して普及に努めております。一方、外資系企業は、海外の穀倉地帯などの均一な気候条件のもとで、大規模に栽培される種子の販売を前提としておりまして、販売単位が小規模となる我が国の市場は魅力的でないことなどから、外資系の種苗企業はほとんど参入していないのが現状でございます。  本県におきましても、水稲のあいちのかおりや小麦のきぬあかりを初め、県が開発した品種が、本県の気候条件や栽培体系に適しておりますことから広く普及しておりますが、その栽培面積は全体から見ればわずかでありますことから、外資系企業の参入の可能性は低いものと考えております。  次に、遺伝子組み換え農作物についてでございますが、我が国においては、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律、いわゆるカルタヘナ法に基づきまして、国において他の生物への影響を科学的に評価し、問題がない場合にのみ輸入や栽培が承認されているところでございます。  現在、国内で栽培が承認されている遺伝子組み換え農作物は八作物、百三十二品種でありますが、主要農作物につきましては、大豆のみでございまして、二十一品種となっております。こうした遺伝子組み換え農作物は、現行の種子法においてもその作付は規制されておりませんが、我が国では遺伝子組み換え農作物に不安を抱いている消費者が多いことから、稲、麦、大豆はもとより、食品や飼料として使用されている農作物において遺伝子組み換えの作付が行われておらず、今後も作付が増加することはないものと考えております。  また、種子法の廃止に加え、農業競争力強化支援法が制定されたことにより、民間事業者による種子の研究開発を促進するとともに、都道府県が有する種子生産に関する知見の民間事業者への提供を促進することが定められました。  県といたしましては、今後、民間事業者との共同研究にも積極的に取り組み、国内の種子の優位性を高めて、外資系企業の参入や遺伝子組み換え農作物の作付に対応するとともに、県が有する知的財産が不用意に流出することのないよう、すぐれた品種を守るための対策をしっかりと講じてまいります。 20: ◯健康福祉部保健医療局長松本一年君) 遺伝子組み換え農作物の食品としての安全性に関する認識についてお答えいたします。  厚生労働省は、遺伝子組み換え農産物及びそれを原材料とした食品と遺伝子組み換え微生物を利用してつくられた食品添加物を遺伝子組み換え食品としております。  これらにつきましては、専門家により構成された国の食品安全委員会において、科学的根拠に基づく安全性の評価がなされ、その結果、安全性に問題がないと判断されたもののみ食品衛生法により国内での流通が認められております。  また、食用の遺伝子組み換え農作物につきましては、国内での栽培は行われておらず、全て輸入品であり、検疫所が抜き取り検査等により、水際対策を講じております。  さらに、本県では、安全性が確認されていない遺伝子組み換え食品の混入や表示義務違反を調べるために、県内に流通している食品の遺伝子検査を実施しております。この検査では、遺伝子組み換え農作物として国内で流通が認められている八つの農作物のうち、輸入量の多いトウモロコシ及び大豆を対象としております。平成二十八年度には県衛生研究所におきまして、農作物及びそれを原材料とした食品の検査を二十五件実施いたしましたが、問題となるものはございませんでした。  これらのことから、県といたしましては、国内で流通する遺伝子組み換え食品の安全性は確保されているものと認識しております。 21: ◯振興部長野村知宏君) 私からは、愛知環状鉄道のICカード乗車券の導入についてお答えいたします。  まず、ICカード乗車券が使えないことでどのような不便があるかについてでございます。JR線からICカード乗車券利用者が愛知環状鉄道へ乗り継ぐ場合、乗り継ぎ駅となる岡崎駅、高蔵寺駅では、現在は改札を一度出て、愛知環状鉄道の乗車券を購入し、改めて改札に入る必要があります。しかし、両駅は改札を出ることなく乗り継ぎができる構造であることから、乗車券を購入しないでICカード乗車券のまま乗り継ぐ利用客が恒常的に発生しております。このような場合、基本的には愛知環状鉄道の下車駅で現金精算を行うとともに、そのままでは次回ICカード乗車券が利用できないことから、JRの駅で改札記録の消去を行っていただく必要があります。さらに、愛知環状鉄道は終日、または時間帯によって無人となる駅が十五駅あり、これらの駅では、車掌がこうした精算を行っておりますことから、列車の運行遅延にもつながっているところであります。  次に、県内の鉄道におけるICカード乗車券の導入状況であります。  県内では、平成十八年に初めてICカード乗車券が導入されて以来、各鉄道事業者が順次導入を進めてきた結果、現在導入されていないのは、愛知環状鉄道のほか、利用者が少ないJR飯田線の豊川駅より北の区間と名鉄蒲郡線、東海交通事業城北線の三路線のみとなっております。  続いて、愛知環状鉄道がこの時期にICカード乗車券の導入を進める理由であります。  愛知環状鉄道は、西三河から尾張北東部地域の人口及び産業の一大集積地を結び、年間一千七百万人以上が利用する、沿線住民の生活に不可欠な鉄道です。地域の発展にとってその重要性はますます高まっておりますが、ICカード乗車券の普及とともに、特にJR線から乗り継ぐ利用者を中心に、導入を求める要望が数多く寄せられてきました。  さらには、ラグビーワールドカップ二〇一九が平成三十一年秋に開催され、愛知環状鉄道は会場の一つとなる豊田スタジアムへのアクセスを担う重要な路線となることから、訪日外国人も含め、多くの利用者の円滑な移動を確保するためにも、ICカード乗車券の導入は急務となっております。こうしたことから、本年七月、愛知環状鉄道株式会社は平成三十一年春の導入を決めたと承知しております。  次に、本県が支援する意義でございます。  ICカード乗車券の導入で多額の投資を行うことは、導入によって直ちに利用者の増加につながらないこともあって、会社経営にとっては大きな負担となります。そうした中、国は平成二十七年に定めた交通政策基本計画の中に、旅客交通のサービスレベルをさらに引き上げるための施策として、ICカード乗車券の利用エリア拡大を位置づけ、補助制度により鉄道事業者の取り組みを支援しているところであります。  本県といたしましても、こうした国の動きを踏まえ、また、愛知環状鉄道が多くの県民に利用され、地域の発展に重要な役割を果たしている状況や今後の会社の安定的な経営などを総合的に勘案し、沿線市とともに支援を行うこととしたものであります。  最後に、愛知環状鉄道の全線複線化の見通しについてであります。  愛知環状鉄道は、全線単線の路線として開業して以来、需要の多い区間などを中心に部分複線化施設の整備を行い、現在約三割が複線化され、その結果、終日おおむね毎時四本の運行が実現されました。こうして、愛知環状鉄道では輸送面で一定の利便性向上が図られたことから、複線化区間の拡大よりも次の大規模投資として、利用者や地元からも要望の大きいICカード乗車券の導入を図ることにしたと承知しております。  このような状況でありますが、県といたしましては、引き続き愛知環状鉄道の利用促進を図る中で、複線化区間の拡大について、今後の需要動向等を勘案しながら、中長期的な課題として取り組んでまいりたいと考えております。 22: ◯七十二番(伊藤勝人君) 御答弁をいただきました。  理解するものは理解をしていきたいというように思っています。  知事、大村知事は日本のデンマークと言われた安城市に本拠を置かれています。そして、衆議院議員でありました。それ以前が、農林水産省の官僚というキャリアをお持ちであります。そして、この場でも、あるいはいろんなところで、愛知県の農業産出高が国内で今や八番目、以前五番目、六番目ということもあって、農業、あるいはその取り巻く環境について非常に造詣の深い知事だと思っています。  その後、ついに根拠法が廃止をされました。なし崩し的に交付税での予算措置が、いつの間にか全体の中で読みにくいことになるのではないかと思います。なぜか。これが交付税の中に入れてありますと言われれば、そこの交付税全体の中のどの部分なのかということが非常にわかりにくくなってくると思うんですね。根拠法がないがゆえに、国のほうは、それをいつかどこかでなくしてくるのではないか、そんな懸念も持っています。  食料というのは、私たちは口からしか物を入れることはできません。そのことにおいて、この国が終戦後間もなくのころには六千万人ぐらいでしたが、一億二千何百万人が、ここに住んでいる。その食料を輸入に頼っているという現状を考えるときに、食料というところで問題化しておかなければいけないのではないか、食料の安全保障というところで問題化しておかなければいけないのではないかと。そんな思いを抱きながら、知事の見識、そして、愛知県での農業試験場の今後のあり方について御見識をお伺いしたいと思います。 23: ◯知事大村秀章君) 伊藤勝人議員から、農業施策等々についての質問をいただきました。  主要農作物種子法の廃止について、そして、それを踏まえての対策等々について、国会での議論等々、附帯決議等々も引きながら御質問をいただきました。  国におきましては、昨年十一月に農業競争力強化プログラムを決定し、農業者が自由に経営展開できる環境の整備とともに、農業者の努力では解決できない構造的な問題の解決に取り組んでいるわけであります。今回の種子法の廃止や農業競争力強化支援法の制定は、このプログラムの改革の一つでありまして、民間事業者との連携を促進して、都道府県における種子の開発、供給の活性化を目指すというふうにされております。  しかしながら、今回の種子法の廃止は、平成二十八年十月に国の規制改革推進会議からの提言以降、この平成二十九年二月に閣議決定され、国会に提案されるという、ある意味で短期間で進められたことから、都道府県を初めとする関係者の理解はまだまだ足りないというところではないかと思います。それは議員の御質問のとおりだと思います。  その中で、国会におきましては、ことし四月に種子法の廃止法案が可決されましたが、議員が御指摘されておられますように、参議院の農林水産委員会では附帯決議がなされました。その内容は、これまで種子法が果たしてきた役割の継続を求めるものとなっているわけであります。  こうした中で、本県といたしましては、種子法に基づく種子の供給体制が昭和二十七年の制定以来、一貫して主要農作物の安定生産に大きく貢献をしてきたことを踏まえまして、引き続き、農業総合試験場において、奨励品種の栽培用の種子のもととなる原種及び原原種の生産などに取り組むとともに、国に対しまして、種子法が果たしてきた役割を踏まえたガイドライン等の策定を要請しているところであります。  今後とも、本県の農業者の皆さんが安心して高品質な米、麦、大豆の生産に取り組むことができるよう、農業試験場を初め県が主体となって、この主要農作物の種子の供給体制をしっかりと堅持していきたいと思います。  今、規制改革の流れの中で、民間の企業との連携の中で、新たにそれらの活力を出していければという趣旨で、今回の主要農作物種子法の廃止ということがあったわけでありますが、やはり長年ずっと、特に米、麦、大豆という主要な農作物の種子の供給が果たしてきた役割も非常に大きいということでありますので、議員御指摘のように、そうしたことを、体制を踏まえながら農業試験場がしっかりその役割を果たしていく、そういうことでこの体制を堅持して進めていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 24: ◯副議長峰野修君) 進行いたします。  犬飼明佳議員。
        〔三十一番犬飼明佳君登壇〕(拍手) 25: ◯三十一番(犬飼明佳君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、三項目について順次質問をいたします。  初めに、県立通信制高校の拡充について。まず、生徒の学習支援と就労支援についてお伺いをいたします。  通信制高校は一九六一年に学校教育法が改定され、全日制課程、定時制課程に並ぶ第三の選択肢となりました。自宅で学習をしながらスクーリングとレポート提出で高校卒業資格が取得できます。中卒就職者が多かった当時、通信制高校の生徒は働きながら学ぶ勤労学生と認識されていました。  しかし、二〇一二年に文部科学省が発表した調査によると、小中学校で不登校を経験した生徒は一四・六%、特別な支援を要する生徒は八・五%とあり、不登校や中退経験者の増加、発達障害など、配慮が必要な生徒に対応したニーズの高まり、また、公立校は経済的な事情を抱える生徒の選択肢であること等が示されました。  現在の通信制高校は、さまざまな経験をした生徒が、自分のペースで学べる場所として期待が高まってきております。  愛知県立の通信制高校は、旭陵高校と刈谷東高校の二校です。私は先日、旭陵高校を視察いたしました。在籍者は千五百十三人、そのうち実際に活動している生徒は、約五割となっています。生徒層の変化を開校当初の昭和四十六年と比較すると、未成年の割合が三割から七割以上となり、新卒中学生の増加も含め若年化が進んでいます。また、無職の割合が数%であったものから三割以上に。転編入をした生徒が一割から四割と大きく増加しています。  今年度新入学者のうち、中学三年時に不登校を経験した生徒は、五二・六%、さらに、活動生のうち精神疾患や発達障害、また、カウンセリング経験がある等配慮が必要な生徒は三百八十五人、五二・八%でありました。  一方、学力の高い生徒は大学進学を見据え、自分の時間を活用し、受験勉強を進めています。生徒の一割はこうした通信制のメリットをうまく生かしていました。学力が高い生徒、基礎学力が不足している生徒、未成年や未就労、さらに、精神疾患や発達障害等、生徒層の変化に学校の体制が追いつかず、学習支援、就労支援、生活支援等、多くの課題に直面していることを実感いたしました。  私は、神奈川県立の通信制高校の取り組みを調査いたしました。横浜修悠館高校は在籍数二千二百九名、活動生は約千五百名と七〇%近い高い数値となっています。大きな特徴は、スクーリングを日曜講座とともに、週四日の平日講座とインターネットによるIT講座を開設、あわせて、生徒の重層的な支援として二十一の施策を推進しています。小中学校の学び直し教室では、退職校長や教員OBも加わり、丁寧にサポートしていました。一方で、大学進学希望者向けには予備校の専任講師を招き、課外講座を開設。さらに、ICTの活用や校舎、教材のユニバーサルデザイン化も進め、発達障害の生徒らが落ちついて学習できる環境づくりにも取り組み、幅広いニーズに応える、きめの細かい学習支援を行っていました。  また、就労支援としてキャリアカウンセラーによる就職相談とともに、湘南・横浜若者サポートステーション、いわゆるサポステの相談室を校内に設置。若者支援相談員が、働くことやコミュニケーション等に自信のない生徒の相談に対応していました。学習支援や就労支援に対し、外部団体と積極的に連携し、日常的に、より重層な支援体制をつくっていました。  私は、本県の通信制高校の学習支援についても、日常的な支援の拡充が必要であると考えます。学習相談教室の充実や学校以外で学習支援できる場所、いわゆるサテライト施設の設置も必要です。例えば、七月から開始された若者・外国人未来応援事業と連携を図るなど、より生徒に近い地域で日常的にサポートができるサテライト施設を広げていただきたいと思います。  また、今回調査したもう一校の厚木清南高校は、通信制とともに、全日制と定時制の三課程併設のフレキシブルスクールとなっています。通信制にいながら、同校の全日制、定時制の講座を受講し、相互に柔軟に学ぶことができます。  本県においても、積極的に定時制高校との課程間併修を拡大し、単位取得の後押しにつなげていただきたいと思います。さらに、就労支援についても、通信制高校としてのキャリア教育のあり方やハローワーク、ヤング・ジョブ・あいち等の外部団体との連携をより深めていくべきであると考えます。  そこでお尋ねします。  通信制高校における生徒の学習支援について、これまでの取り組みと、サテライトの設置や課程間併修制度の拡大及びフレキシブルスクール化など、今後の取り組みについてお伺いします。  また、就労支援としてキャリア教育の取り組みとハローワークやヤング・ジョブ・あいち等の外部団体との連携について、どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。  次に、安心・安全な学習環境の整備についてです。  旭陵高校には配慮が必要な生徒が多数在籍しています。より安心・安全な学習環境をつくることが求められています。しかし、旭陵高校では、養護教諭の配置が週二十時間になっていました。日曜日のスクーリングには養護教諭が勤務していても、平日に学習相談や生活相談等で生徒が学校へ来ても、ほとんど養護教諭がいない状態となっており、改善が必要です。  横浜修悠館高校では、二十一の施策の中で、精神科校医による個別相談やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの拡充に力を入れていました。さらに、託児室もありました。生徒が在籍中に妊娠しても、出産後に復学しやすく、また、妊娠により高校中退した生徒も出産後の入学への後押しとなります。旭陵高校でも妊娠している生徒が複数おみえになると伺いました。ぜひ、託児室の設置推進をお願いいたします。  四十年前と比べ生徒のニーズは大きく変わりました。一方、学校の体制は変わっていません。その差を埋めるため、校長先生初め現場の教員が努力をなされています。しかし、やはり抜本的な改革が必要です。なかんずく生徒の安心・安全の確保が喫緊の課題です。  そこでお尋ねします。  多様なニーズを持つ生徒に対して、安心・安全な学習環境を確立するため、どのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、認知症対策について。まず、認知症予防の推進についてお伺いします。  本県の認知症高齢者は二〇一五年に約二十九万人、二〇二五年には四十万人に達すると推計されています。国においては、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年を見据え、新オレンジプランを二〇一五年一月に策定しました。このプランでは、認知症高齢者等に優しい地域づくりを推進していくため、七つの柱に沿った施策を総合的に推進することとなっています。  対象期間は二〇二五年までとなっており、当面の数値目標は二〇一七年度末で設定されています。昨年度末までの進捗は順調で、おおむね目標を達成できる見込みであり、本年七月に二〇二〇年度末までの数値目標に更新をされました。  今回の数値目標の更新にあわせて事業内容がより具体化されました。例えば認知症サポーターについては、養成講座の際に、サポーターが地域で活躍できるよう、地域でできる活動事例等を紹介することなどが求められています。私は、養成された認知症サポーターが認知症に優しい地域づくりを進めていくために、認知症予防の推進や認知症に関心のある誰もが集まれ、情報交換等を行う認知症カフェなど、さまざまな場面で活躍してもらえるように、県として施策を進める必要があると考えます。  先日、名古屋市内で国立長寿医療研究センターの島田裕之先生を講師とした、自分で行う認知症予防と題した講演がありました。五十から七十歳代の方を中心に二百名ほど参加されました。  人は加齢によって記憶力や注意力などの認知機能が低下し、認知症予備群と言われるMCI(軽度認知障害)に陥ります。六十五歳以上の五人に一人と言われていますが、MCIの段階であれば、予防により認知機能を回復できるとのことです。  そして、最も効果的な予防法として体と頭を同時に使う運動、コグニサイズを行いました。まず足踏みをします。それにあわせて五十音を言います。ただし、それを三文字で区切りながら言います。あいう、えおか、きくけと、これが案外難しく、な行、は行になると会場でも笑い声が起こり、大変楽しい講演会となりました。  参加者のアンケートでは、認知症に対する関心が高く、予防ができると安心した、コグニサイズが手軽にできてよかった、なかんずくサークルの仲間と一緒に実践していきたいといった、予防の取り組みを周囲の人へ伝えていきたいとの声が多数ありました。  本県は、国立長寿医療研究センターと認知症施策等の連携に関する協定に基づき、平成二十七年度から三年にわたり、認知症予防等の事業を実施しています。最終年となる本年、認知症予防について本県独自のプログラムを作成する計画となっています。いつでも、どこでも、誰でも、手軽にできるコグニサイズの作成とともに、認知症予防やコグニサイズの普及、実践に取り組むボランティア等の担い手の養成を図る必要があると考えます。  また、先日、県はあいちオレンジタウン構想を策定しました。あいち健康の森とその周辺地域を、認知症に理解の深いまちづくりのモデルとなる施策を着実に推進していただきたいと思います。特にあいち健康プラザにおいては、これまで培ってきた生活習慣病予防のノウハウや市町村、保険者とのネットワークを生かした認知症予防に取り組んでいただくことを期待しています。  そこでお尋ねします。  認知症予防について、コグニサイズの作成やその担い手の養成など、これまでの成果と今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。  また、オレンジタウン構想において、あいち健康プラザでは、認知症予防に対し、どのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、認知症の方や家族を支える地域づくりについて伺います。  認知症の方が、住みなれた地域のよい環境で、自分らしく暮らし続けていくには、地域住民のサポートや認知症への理解を進める必要があります。その一つが認知症カフェです。新オレンジプランにおいて、平成三十二年度までに全市町村に設置する目標が示されました。  本県では、第六期愛知県高齢者健康福祉計画に基づき、認知症カフェに関する地域住民の認知症理解促進事業が始まりました。認知症の方や御家族が認知症サポーターや認知症ボランティア等と交流する場となり、認知症の理解促進を一層推進していただきたいと思います。  また、あいちオレンジタウン構想において、認知症に理解の深いまちづくりの具体的な施策が示されました。先進モデルとして、認知症理解の連帯の輪が、本県から広がることを大いに期待しております。  そこで伺います。  現在の県内の認知症カフェの設置状況はどのようか。また、今後どのように認知症カフェの普及、定着を進めていくお考えかお伺いします。  また、オレンジタウン構想において、認知症の方や家族を支える地域づくりとして、どのように取り組むのかお伺いをします。  最後に、災害時における避難者への支援について。まず、指定避難所の拡充についてお伺いします。  平成二十八年熊本地震が発生し、間もなく一年半となります。愛知県では、熊本地震の被災地における課題の検証を行い、平成二十八年熊本地震の課題検証報告を平成二十九年三月に取りまとめ、あわせて、第三次あいち地震対策アクションプランを改定しました。このアクションプランでは十一項目を新規に追加し、十二項目の修正が行われ、全二百五十四項目となり、より充実した地震防災対策に改正されました。  この夏、私は熊本県に伺いました。熊本地震では、車中泊、テント泊等、避難所外で生活する方々が多数発生したことが大きな特徴でした。その要因は、避難所の収容能力を超える避難者が発生したことや、プライバシーの確保、子育て、ペット同伴などが挙げられています。指定避難所の拡充と良好な生活環境の確保が重要な課題です。  熊本地震の際、テント村の開設、運営等の支援をされた登山家の野口健氏は、その経験を著書、震災が起きた後で死なないためににまとめられました。その中に、日本の避難所はソマリアの難民キャンプ以下とありました。スフィア基準との、人道的支援をする際、最低限守るべき国際的基準では、例えば、避難所の居住空間は最低限一人当たり三・五平米であるが、日本の避難所は畳一畳分、約一・六から二平方メートルほど。必要なトイレ数は、トイレ一つ当たり最大二十名、男女比は一対三。トイレの所要時間の平均が男性三十一秒に対し、女性は一分三十秒とのこと。トイレの衛生環境が悪化すると、回数を減らそうとして水分等の摂取を控えてしまい、健康被害を引き起こすおそれがあります。私は、一時的な避難場所であったとしても、人としての尊厳が保たれる居住環境の提供は大変重要であると考えます。  そこでお尋ねします。  避難所の設置運営は市町村が主体でありますが、住民の方々が確実に避難できるための避難所の指定促進に向けた県の取り組みについてお伺いします。  また、安心して避難するために、避難所でのトイレの確保について、県としての取り組みをお伺いします。  次に、避難所外避難者への支援についてお伺いします。  被災された方々は、原則指定避難所に避難することになります。しかし、さきに述べたとおり、避難所外避難者が多数発生することは避けて通れない問題です。特に熊本地震では、避難者がどこに何人いるのか把握が困難であったため、情報や医療、食料などの物資提供等、行政の支援が行き届かなかったことが大きな課題となりました。私は、あらかじめ対応策を検討しておく必要があると考えます。  現行の避難所運営マニュアルでは、車中泊等におけるエコノミークラス症候群に対する予防の啓発、今回のアクションプランでは、車中泊及びテント泊を行う場所並びにテントの確保体制の整備が追加されました。私は、それ以外にも、例えば車中泊一つとっても、排気ガスが車中に入らないようにエンジンを切ることや、ガソリンの確保、熱中症対策や防寒対策など、注意すべき点は多々あると思います。安心・安全に車中泊、テント泊をするためには、正しい知識と万全の準備が必要であり、事前に住民の方々に周知することが重要です。そして、避難所外避難者をスムーズに把握し、地震から生き延びたとうとい命が避難所生活中に失われることを防ぐ体制づくりが必要です。  そこでお尋ねします。  住民の方々により安全に避難をしていただくために、車中泊やテント泊の注意点や、危険性を周知する方法についてお伺いします。  また、車中泊、テント泊等の避難所外避難者が発生した場合の取り組みについてお伺いします。  次に、要配慮者の避難支援についてお伺いします。  平成二十五年に災害対策基本法が改正され、避難が困難な要配慮者を把握し、氏名、住所、連絡先等を記載した避難行動要支援者名簿を作成することが市町村に義務づけられました。改正後の大きな災害となった熊本地震の検証報告には、要配慮者の支援のあり方について参考にすべき点があります。  その一つが個別計画です。市町村は避難行動要支援者名簿をもとに、要配慮者の避難支援や安否確認をすることとなっています。実効性のある避難支援をするためには、あらかじめ支援に当たる自治会や消防団、民生委員などの方々に名簿情報を提供し、支援が必要な方ごとに、災害時には、誰が声をかけ、どこの避難場所まで連れていくのか、具体的な支援方法を定めた個別計画が大変重要となります。  しかし、一人一人の個別計画を策定するには時間もかかり、なかなか策定が進んでいないのが現状です。熊本県の検証でも避難行動要支援者への支援が不十分であり、個別計画が策定されていなかったことが課題となりました。  そこでお尋ねします。  個別計画の策定の進まない理由として、個人情報保護の観点から、個別計画策定の前提となる避難行動要支援者名簿の提供が進まない現状があると考えますが、県の対応についてお伺いします。  最後に、福祉避難所と災害派遣福祉チームについてです。  避難所生活が長期にわたるような場合には、特に高齢者や障害のある方などで避難所での生活が困難な方には、早期に福祉避難所に移っていただくことが非常に重要です。熊本県の報告書では、市町村において福祉避難所の指定はされていたものの、十分にその機能を発揮することができなかったことが指摘されています。その主な理由として、要配慮者の生活支援を行う介護職員の確保が困難であったことや、福祉避難所の開設に当たり、行政側、施設側の運営のノウハウ不足などが挙げられています。  私は、福祉避難所の十分な数の確保とともに、円滑な運営に向けた平常時からの取り組みが必要であると考えます。  また、本県では平成二十七年度に、災害時に要配慮者を支援する福祉の専門職等で構成される愛知県災害派遣福祉チーム、DCATが創設されました。災害時には避難所に派遣され、要配慮者の支援に当たります。災害時、避難所は人であふれ、要配慮者の方々が埋もれがちです。DCATが要配慮者を見つけ出し、福祉避難所につなげるなど、早期に支援していくことが不可欠です。大きな災害の発生が懸念される本県にとって、DCATの果たす役割は大変重要であると考えます。  そこでお尋ねします。  県内の福祉避難所の箇所数の推移と福祉避難所の運用面での充実を図るため、県としてどのように取り組むのかお伺いします。  また、愛知県災害派遣福祉チーム、DCATは、創設から一年以上経過しておりますが、チームの活動の状況と今後の展開についてお伺いします。  以上、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 26: ◯教育長(平松直巳君) 通信制高校についてのお尋ねのうち、まず、学習支援の現状と今後の取り組みについてお答えをいたします。  本県の県立通信制高校二校ではレポートの添削やスクーリングにおける面接といった通常の指導のほか、自力で課題に取り組むことが難しい生徒に対して、スクーリングの日以外にも、継続的に、個別に学習指導を行うなど、個々の生徒に応じたきめ細かな支援に努めております。  昨年二月に策定した、あいちの教育ビジョン二〇二〇では、通信制教育について、新たな指導方法等を検討するとともに、今後の通信制高校のあり方について研究するといたしております。この計画に基づき、今年度から、生徒がインターネットを用いて自宅で学習することができる動画教材を活用した新たな指導方法の開発に取り組んでおり、今後、こうしたICT機器の活用をさらに進めるとともに、障害のある生徒のみならず、全ての生徒にとって学習内容が一層理解しやすいものとなるよう、教材のユニバーサルデザイン化にも取り組んでまいります。  また、今後の通信制高校のあり方につきましては、現在、教育委員会事務局内にワーキンググループを設けて検討しているところでございまして、この中で、議員お示しのサテライト教室の設置や課程間併修制度の拡大、フレキシブルスクール化などについても研究を進めてまいりたいと考えております。  次に、就労支援の取り組みについてでございます。  通信制高校にはさまざまな事情を抱えている生徒が多く、中には働く意義を見出せず、就職することを希望しない生徒も在籍するなどの課題もございます。そこで、本県では、生徒が社会とつながるきっかけとなるよう、職業科目を設定したり、資格取得を促したりしており、今後もスクーリングで社会人講師による講話を行うことなどにより、就労に結びつくキャリア教育の一層の充実を図ってまいります。  また、卒業後に就職を希望する生徒に対しては、ハローワークと連携し、生徒個々の状況を踏まえた就職先のあっせんを行っているほか、県と愛知労働局が共同で運営している、就職総合支援施設であるヤング・ジョブ・あいちとの連携により、職業選択に係る適性調べや模擬面接等、きめ細かな就労支援を行っております。  今後も引き続き、こうした外部の関係機関との効果的な連携を図り、通信制高校で学ぶ生徒が社会の一員として自立ができるよう、支援の一層の充実に努めてまいります。  次に、安心・安全な学習環境を確立するための取り組みについてお答えをいたします。  通信制高校では、不登校経験や発達障害等、特別な支援を必要とする生徒が多く在籍しており、教職員だけでは解決が困難な課題を抱えるケースもふえてきております。こうしたことから、昨年度は、県立通信制高校二校合わせて、スクールカウンセラーが四十八件、スクールソーシャルワーカーが三十三件の相談を受け、生徒の課題解決に当たっております。今後も引き続き、一人一人の生徒に応じたきめ細やかな支援に努めてまいります。  養護教諭につきましては、国の基準では通信制は配置の対象とはされておりませんが、本県では、独自に週二十時間、五日以内で勤務する非常勤の養護教諭を両校に配置しており、それぞれの学校の判断により具体的な勤務日を定めております。  生徒の多様な健康問題に対応するため、養護教諭の配置改善は課題の一つであると認識いたしておりますが、養護教諭の専任配置のためには、国の法制度化による支援が不可欠であると考えております。  また、託児室の設置につきましては、まずは生徒のニーズや他県の状況などの情報収集に努め、運用面や設備面でどのような支援ができるのか研究してまいりたいと考えております。  今後も、通信制高校に通う生徒が安心・安全に学習できる環境の整備を図るとともに、将来への希望を持って学び、社会のさまざまな分野で活躍できるよう、通信制教育の一層の充実に努めてまいります。 27: ◯健康福祉部長(長谷川洋君) 認知症予防に関する御質問のうち、最初にコグニサイズの作成やその担い手の養成などについてお答えします。  有酸素運動と同時に、計算や会話等を行うコグニサイズにつきましては、国立長寿医療研究センターと共同で開発を進めているところであり、今年度中に、自宅や公民館など、身近な場所においても手軽に実施できるコグニサイズ導入編を作成してまいります。  さきに策定したあいちオレンジタウン構想におきましても、コグニサイズを認知症予防のための有力なツールと位置づけ、その普及を進めることとしております。  また、担い手の養成につきましては、コグニサイズを実践する指導者である地域包括支援センター職員や健康づくりリーダーなどを対象に研修会を開催し、平成二十七年度は六十六名、平成二十八年度は百三名、平成二十九年度は百八名の方に参加をいただきました。  県といたしましては、今後、手軽に実施できるコグニサイズ導入編の普及啓発を進めていくため、健康づくりリーダーなどを対象とする養成研修をさらに充実してまいりたいと考えております。  次に、認知症カフェについてお答えをいたします。  本県におきましては、市町村に参考となる取り組み内容を情報提供するなどいたしまして、認知症カフェの設置を支援してまいりました。その結果、平成二十八年度末現在で、五十四市町村中四十六市町村に二百八十七カ所のカフェが設置されております。  あいちオレンジタウン構想におきましては、認知症の人が住みなれた地域で暮らし続けるためには、地域の住民の方が認知症を理解し、温かく支え合うことが必要であり、その中核として、認知症カフェを位置づけているところでございます。  今後の認知症カフェの普及、定着に向けた取り組みといたしましては、まず、十月と来年一月に実態把握のための調査を実施し、来年度、認知症カフェ運営マニュアルを策定してまいります。  さらに、認知症サポーターや認知症の人とその御家族、カフェの運営者が参加する認知症カフェプレサミットを九月十八日に初めて開催し、地域とのかかわり方やカフェの運営方法などを協議いたしました。来年二月には第二回目を開催し、さらに議論を深める予定でございます。  県といたしましては、こうした取り組みにより認知症カフェの普及、定着を図り、認知症高齢者やその御家族に対し、優しい地域づくりを着実に推進してまいります。  次に、オレンジタウン構想における認知症の方や家族を支える地域づくりに向けての取り組みについてお答えをいたします。  あいちオレンジタウン構想では、地域で暮らし、学び、働く人々が、認知症に理解の深いまちづくりに自分ごととして取り組む社会の実現を目指し、地域づくりと研究開発の両面から具体的な取り組みを推進してまいります。地域づくりの取り組みといたしましては、認知症カフェに認知症サポート医などがパートナーとして参画し、多世代の市民と専門職が学び合うカフェづくりを推進してまいります。  さらに、認知症の人と接する機会の多い小売業や金融機関などを対象とした企業サポーターの養成のほか、認知症に積極的に取り組む企業や大学が、まちづくりのパートナーとなる認知症パートナー宣言など、民間企業や大学を巻き込んだ新たな取り組みを展開してまいります。  また、地域づくりを支える研究開発の面では、国立長寿医療研究センターとともに、国内外の大学、企業、研究機関との共同研究や病院機能の拡大について、その具体化を検討してまいりたいと考えております。  こうした取り組みにより、認知症の人が住みなれた地域で自分らしく暮らし続けることができる地域づくりを推進してまいります。
     次に、災害時における避難者の支援に関する御質問のうち、まず個別計画策定の前提となる避難行動要支援者名簿の提供を促す県の対応についてお答えをいたします。  個別計画の策定に当たっては、市町村が作成する避難行動要支援者名簿の情報の活用が不可欠でありますが、災害対策基本法では名簿情報を平常時から避難支援者に提供するには、災害時に支援を受ける方、避難行動要支援者御本人の同意を必要としております。  議員御指摘のとおり、名簿情報は個人情報に当たりますことから、御本人の同意がなかなか得られず、現状では、名簿情報の提供は進んでいない状況であります。  県が作成した市町村のための災害時要配慮者支援体制構築マニュアルにおきましては、提供される名簿情報の内容や趣旨を、要支援者御本人に説明した上で意思を確認することとしておりますが、今後は災害時において、名簿に基づいて策定する個別計画が、災害時に要支援者の命と安全を守る上で大変有効で役立つことを、県のホームページなどを活用して丁寧に御説明し、要支援者を含めて、広く県民の皆様に周知を図り、名簿情報の事前提供に対する理解を広げてまいりたいと考えております。  次に、福祉避難所の箇所数の推移と運用面での充実を図るための取り組みについてお答えをいたします。  県内の福祉避難所の数は、平成二十七年十月末で八百十八カ所、平成二十八年十月末で八百三十四カ所、本年につきましては、八月末時点でございますが、九百二カ所となっており、毎年、箇所数は増加しております。  本県では、福祉避難所の適切な設置、運営を促すため、平成二十六年に市町村のための災害時要配慮者支援体制構築マニュアルを作成し、人員確保のための関係団体、事業所との事前協定の締結や平常時からの運営訓練の実施を働きかけております。  今後は、今回の熊本地震で課題とされた、平常時からの取り組みが重要と考えられますので、既に協定を締結したり、効果的な訓練を実施している市町村の具体的な事例を紹介するなどいたしまして、日ごろから災害時に備えた、福祉避難所の運営体制のより一層の充実が図られますよう、市町村に働きかけてまいります。  次に、災害派遣福祉チーム、DCATについてのお尋ねでございます。  愛知県災害派遣福祉チームは、被災地の避難所において、要配慮者の支援を行うため、五人程度を基本に、社会福祉士や介護福祉士などの福祉専門職等で構成され、現在二百二十一名の方々にチーム員として登録いただいております。  本県では、災害発生時にチームの支援活動を円滑に行うため、昨年の十一月、愛知県・弥富市津波・地震防災訓練において、災害派遣福祉チームとして初めての実地訓練を行いました。また、ことしの二月には、図上訓練を含めたスキルアップ研修を実施し、研修と訓練を着実に積み重ねているところであります。  県といたしましては、今後、災害の発生に備え、引き続き、チーム員を養成するとともに、実地訓練の結果を反映した実践的な活動マニュアルを作成し、災害派遣福祉チームの体制強化に努めてまいりたいと考えております。 28: ◯健康福祉部保健医療局長松本一年君) 認知症対策に関する御質問のうち、オレンジタウン構想におけるあいち健康プラザでの認知症予防の取り組みについてお答えいたします。  あいち健康プラザは、本年三月に策定した見直し基本構想において、今後はこれまで培ってきた生活習慣病予防のノウハウを生かし、認知症予防を中心とした取り組みを展開していくこととしております。そのため、オレンジタウン構想においては、国立長寿医療研究センターとの共同研究を行う連携ラボをあいち健康プラザ内に来年度設置し、認知症に対応した健康チェックや認知症予防を実践するためのプログラム開発を進めてまいります。  その後、コグニサイズ導入編や連携ラボでの研究成果を活用した認知症予防教室を開催するとともに、地域において認知症予防プログラムを実践する、認知症予防リーダーの養成を行い、県内全域に認知症予防の取り組みの普及を図ってまいります。  本県の健康づくりの拠点施設であるあいち健康プラザでは、これまで取り組んできた生活習慣病予防対策に加え、国立長寿医療研究センターとしっかり連携し、認知症予防にも積極的に取り組むことによりまして、健康長寿あいちの実現を目指してまいります。 29: ◯防災局長相津晴洋君) 初めに、避難所の指定促進についてであります。  災害対策基本法では、市町村長は、あらかじめ規模、構造、立地、交通条件などの基準を満たす避難所を指定避難所として指定することとされており、県は、その促進を支援することとしております。  このため、学校の体育館や公民館などの身近な施設が指定避難所としての基準を満たすことができるよう、耐震化や資機材の整備に対して助成しているところでございます。  こうした結果、本県では、市町村における指定避難所の指定が進んできてはおりますが、引き続き、全ての市町村が指定を完了できるよう支援してまいります。  次に、避難所でのトイレの確保についてであります。  避難所においては、避難者が安心して避難生活を送ることができるよう、衛生環境を整えることが求められており、中でもトイレの確保は重要な課題の一つであります。このため、市町村での携帯トイレ等の備蓄が進むよう助成するとともに、県の被害予測調査における避難者数に基づき、県が市町村備蓄の不足分を計画的に備蓄することとしており、避難所のトイレの確保について、引き続きしっかりと支援をしてまいります。  次に、避難所外避難のうち、車中泊、テント泊の注意点や危険性を周知する方法についてでございます。  さきの熊本地震では、車中泊やテント泊、在宅避難者などの避難所外避難者が多数発生しましたが、このうち車中泊やテント泊となった避難者の中には、エコノミークラス症候群や疲労のためお亡くなりになられた方がおられました。  こうしたことから、熊本地震の課題を踏まえて見直しを進めております避難所運営マニュアルでは、避難所外避難者への対策として、エコノミークラス症候群への予防対策に加え、外気温、天候などの変動に応じて注意すべき事項を新たに追加することとしております。この見直し後の避難所運営マニュアルにつきましては、市町村が避難所運営マニュアルを改定し、平時から車中泊やテント泊の危険性を住民の方々に周知していただけるよう徹底してまいります。  次に、車中泊、テント泊等の避難所外避難者が発生した場合の取り組みについてでございます。  大規模災害が発生した際には、まずは指定避難所に避難していただくのが原則でありますが、プライバシーの問題などを理由に避難所外避難を選択する方々も想定されます。熊本地震では、こうした避難所外避難者の人数や場所などの把握が難しく、必要な支援が行き届かないという事例が発生しました。  このため、避難所外避難者の人数や場所などを可能な限り把握し、物資の供給や円滑な災害情報等の供給を行うことができるよう、引き続き検討を進め、避難所運営マニュアルの改定に反映させてまいります。  以上でございます。 30: ◯三十一番(犬飼明佳君) さまざま御答弁をいただきました。  私からは、県立通信制高校について要望をさせていただきます。  旭陵高校にお伺いした際に、生徒に声をかけさせていただきました。彼は高校一年生のときに中退を経験して、現在はアルバイトをしながら通学をしているということでした。時給が上がることや将来正社員として働くために高校を卒業しておきたいということを語ってくれました。  私は、学びたいと願う生徒に応えることができる、それが通信制高校であると期待をしております。  旭陵高校ではスクーリングは年間二十四回、試験は四回、それ以外は自分のペースで自宅で学習ができます。教材費等の経済的負担も少ない。対人関係が苦手でも、適度な距離感を保つことができます。また、子育てをしながら卒業をされた方もいました。高校を中退してもやり直すことができます。一度つまずいたと思っても、旭陵高校から進学も就職も、資格を取った生徒の話も多々お伺いをさせていただきました。  私自身もその場に行き、知り得たことが数多くありました。生徒の可能性を引き出す選択肢の一つとなる学校でありますが、知られていないことも多いというふうにも思いました。  ぜひ、中学校の進路相談や高校を中退するかどうか悩んでいる生徒、保護者の方に対して、これまで以上に、県立通信制高校の周知に力を入れていただくことを要望して、発言を終わります。 31: ◯副議長峰野修君) 進行いたします。  渡辺周二議員。     〔二十八番渡辺周二君登壇〕(拍手) 32: ◯二十八番(渡辺周二君) 自由民主党、渡辺周二です。  議長の許可を得ましたので、通告に従って、質問させていただきます。  まず最初に、本県で頑張っておられる企業には、いつまでも本県にとどまって発展していただきたい、また、新たな企業を少しでも多く誘致し、知事も唱えておられます、産業首都あいちの立場を揺るぎないものにしたいという思いから、企業留置と誘致について御質問させていただきます。  愛知県は現在、全国随一の産業集積地域として、日本経済を牽引する大きな原動力としての役割を果たしていることは言うまでもないことですが、将来にわたってこうした地域の産業活力を維持し続けるには、既存企業により一層の力を発揮していただくにとどまらず、域外から企業を呼び込むことで、新たな分野の産業の創出や既存産業の活性化を図る必要があるのではないでしょうか。  特に本県は、都道府県別の製造品出荷額等は一九七七年以来連続で一位を維持しているなど、自動車関連産業を中心とした製造業に関して圧倒的な強みを持っていることは皆さんも御存じのことと思います。  翻って、昨今の製造業を取り巻く状況について考えてみますと、好調さを取り戻しつつある経済の状況下において、輸出系産業を中心に、生産の拡大や効率化を求められる企業が増加しており、事業用地の移転、拡大、もしくは集約化を図る企業がふえています。  その中で本県の二十一世紀高度先端産業立地補助金を初め、市町村と連携する新あいち創造産業立地補助金など、企業立地を支援する各種優遇制度については、平成二十四年度の制度設立以来、二百二十四件と多くの企業が活用し、四千億円を超える投資を生み出し、三万九千名を超える雇用の維持、創出など大きな効果を上げていることは承知しております。  一方で、用地に関しては、東日本大震災以降たび重なり発生している大規模な自然災害などに対して、被害を最小限に抑え、事業の早期復旧を図る事業継続計画、いわゆるBCPの策定やそれに伴う対策が大きな課題になっており、沿岸部に立地する企業等は、内陸移転を模索する動きが活発になっているようです。  そもそも企業が用地を探すに当たって重視するのは、単に土地の面積、形状だけではありません。取引先や材料調達元との距離や周辺の交通インフラ、従業員の通勤のしやすさなどを考え合わせれば、現在立地している場所からなるべく近距離の地域内で条件に見合う場所を探すものと思われます。  しかしながら、本県において、さきに述べた条件にかなう工業用地を内陸部に新たに確保することは、地区にもよりますが、現実的にはかなり困難となっているのではないでしょうか。といいますのも、現在本県では、内陸部の市街化区域内において、工場の建設が可能な規模の空き地はかなり少ないと思われるからであります。その上、仮にまとまった土地が見つかった場合においても、地価が非常に高く、用地の確保に莫大な経費がかかるため、土地の確保を断念せざるを得なくなることが容易に想像できるものであります。  一方で、高速道路の整備等により、全国各地の企業誘致活動は活発化しており、本県の企業も全国から積極的な誘致を受けているようです。このまま手をこまねいていては、他県に有力な企業を引き抜かれるのではないかという危機感を抱いております。  そこで、まず一点目の質問として、愛知県企業庁が現在実施している内陸工業用地の開発について、最近の分譲状況と現在の開発地区の進捗状況及び今後の開発予定についてお聞きします。  次に、企業の留置、誘致のため、民間開発による工業用地を確保する施策についてお尋ねしたいと思います。  企業が用地を求める事情にもよるでしょうが、往々にして、企業は早期の移転を求めています。そうした企業の声に迅速に対応する手法として、民間開発という選択肢がありますが、必ずしも開発許可を受けられるとは限りません。  一方、さきにも述べましたが、海岸部の企業が、防災の観点から内陸部への移転を模索する動きも見られ、この動きは県内にとどまらないものとなっているように感じております。それらの企業が、県内の市街化区域内で条件に合った移転適地を確保できない場合に、市街化調整区域であれば、企業が求めるまとまった規模の用地が確保できるだけでなく、比較的安価で土地を購入することができるため、実現すれば企業進出の追い風になるものと期待するところでございます。  そこで、二点目の質問として、防災対策などのために移転を検討している企業に引き続き県内にとどまっていただくとともに、県内へ新たな企業を誘致するため、工業用地を確保する施策をお伺いします。  続きまして、二つ目の項目、本県の農業の今後についてお尋ねいたします。  先ほどまでは、産業首都あいちという考えからの、企業の立場で質問をしてまいりましたが、今からは豊かな農業を目指し、農家を守る立場で質問します。  私は農家の出身であり、実際に農業を行ってまいりました。地域の農業者の集まりである営農改善組合という組織にも所属しておりました。  また、私は地元において土地改良の役員や農業委員も勤めさせていただくなど、さまざまな立場から農業にかかわってまいりました。  そこで、今回は、そんな私のこれまでの歩みの中で、非常にかかわりが深いものであった農業の問題について取り上げたいと思います。  私の地元、刈谷市は、市内に自動車関連産業の本社や大規模工場がたくさん立地しているため、工業都市のイメージが強いようにも思われますが、実は古くから農業が盛んに行われてきた都市でもあります。温暖な気候と肥沃な土壌に恵まれたことなどから、農業生産地として水田での米や麦、北部丘陵地域を中心とした畑や果樹園でのスイカ、大根、白菜などの露地野菜を初め、ブドウや梨など、さまざまな特産物を有しています。  しかしながら、その現状はと申しますと、工業都市であるがゆえの高い兼業化率が特徴であり、また、全国的に問題となっている農業者の高齢化、後継者不足、耕作放棄地の増加などの問題は、やはり刈谷市においても当てはまっております。  農家の戸数はこの十年間でおよそ二割の減少、地元農協や市内産直センター等へ農作物を出荷している生産者の年齢構成は、六十代以上の方々が全体の約八三・六%を占めているなど、やはり自分が感じたとおり、生産者の高齢化や後継者不足の状況が見えてとれました。また、後継者不足などの結果として、耕作放棄地も拡大しています。  それでは、ここから本題に入りたいと思います。  ただいま私は、刈谷市の農業の現状を申しましたが、翻って、本県全体の農業の現状は果たしてどのようなものなのか。  本県は、先ほど述べましたように、製造品出荷額等は全国一位を維持し続けています。一方で、農業産出額を見てみますと、平成二十七年度の数値では、農業産出額は全国で第八位となっております。中でも花は、昭和三十七年以降全国一位を維持し続けており、また、野菜についても非常に多くの種類を全国に出荷しており、全国六位の産出額を誇っております。  このように、本県は、製造業、工業が盛んである一方、農業についても全国有数の農業県であり、まさに工業と農業がバランスよく発展してきた県であります。これは本当にすばらしいことだと思いますので、今後の本県の持続的な発展のためにも、ぜひともこのバランスのよさを維持していってほしいと思っております。  そして、そういった点からしますと、これは農業も含めた全産業にかかわることかもしれませんが、日本社会が抱える少子・高齢化や人口減少社会の進行に伴う労働力問題など、これから克服していかなければならない課題がたくさんあると思います。  冒頭で、農業は私にとって最も身近なもの、思い入れが深いものであると申しましたが、私は農業と農地、そして、本県が培ってきた農業技術について、今後も適切に守っていかなければならないものであると考えております。  農業や農地は、私たちの毎日の暮らしの源となる、安心・安全な食料の供給源としての役割は言うまでもなく、洪水を防ぐ機能や暑さを和らげる機能、さらには、文化を伝承する機能や癒やしや安らぎをもたらす機能など、いわゆる農業、農村の多面的機能と呼ばれる、決してお金では買うことのできないさまざまな恵みを私たちにもたらしてくれています。  こうした多面的な機能を果たしている我が国農業の持続的な発展を図る上での課題としては、農業者の高齢化、後継者不足、耕作放棄地の増加などがあります。  そこで、一点目の質問ですが、本県における農家数の推移や農業従事者の年齢構成、新規就農者や耕作放棄地の状況など、本県農業の現状について伺います。  次に、農業を取り巻く諸問題を解決するための方策について取り上げたいと思います。  これは生産コストの削減による、競争力の強化や農業経営の安定化につながるものでありますが、やはり担い手の農地集積・集約化、経営規模の拡大を一層推進していく必要があると考えます。  国においては、十年間で、担い手の農地利用が全農地の八割を占める農業構造を実現すべく、農地中間管理機構の創設がなされ、本県においても平成二十六年度以降、農地中間管理事業の活動を開始し、農地の集積・集約化を推進しているところだと思います。  さて、農地中間管理機構による農地集積・集約化の実績についてですが、国は、本年五月に平成二十八年度の実績を発表しており、農地集積の状況として、農地中間管理機構の活動開始以降、担い手の利用面積は上昇に転じているが、平成三十五年度目標である全農地の八割の達成に向け、さらなる加速化が必要であること、また、平成二十七年度までは、容易に実績につなげられるケースも中心に活用されてきたが、これが一巡し、集積に向けた新たな取り組みの掘り起こしが必ずしも十分ではなかったとあります。  事業が始まって四年となりますが、実際の農業の現場ではさまざまな事情があると思いますし、それぞれの地域で農地の集積・集約化のための試行錯誤をされてみえると思いますが、農業者からは、機構を通した場合、手続が煩雑であり、時間もかかるという御意見や、今後借り受ける農地は管理が困難な場所が多く、基盤整備なしでは困難であるとの御意見を伺っております。  また、農林水産省のホームページには、農地中間管理機構の実績等に関する資料というものがございます。そこには、農地中間管理機構の活動状況等に関するアンケート調査の結果として、市町村及び担い手に対するアンケート調査の結果が載っております。  そのアンケート調査では、市町村と機構の連携についての設問ですが、本県におきましては、改善したが、まだ十分でないとの回答が半数以上あり、その理由として、市町村と機構の役割分担はできたが、情報共有など、連絡調整がまだ十分ではないとの回答が半数以上という結果でございました。  別の設問では、農業委員などと連携についても、うまくいっていないとの回答が八割以上であり、また、農地整備事業との連携につきましても、まだ十分でない、うまくいっていないとの回答が大半を占めるという結果でございました。  この結果を見ますと、本県の農地中間管理機構による農地集積・集約化をさらに推進するためには、農地中間管理機構と市町村との間で、情報共有化など、連携強化を図っていくことや、今年度新しい農業委員会制度への移行が本格化することを踏まえ、農業委員との、連携方法の確立が必要であることがうかがえます。全国的にもおおむね同様の傾向があることを申し添えておきますが、このような現状に対し、農地中間管理機構及び県は農業者と市町村の意見を聞きながら、問題意識を持って取り組んでいかなければならないと思います。  市町村の現場だけでなく、県のほうでも人材の確保等さまざまな苦労があるであろうことは十分に理解しておりますが、今後の農地中間管理事業の円滑な実施、さらなる農地の集積・集約化の推進のためには市町村、農業委員等との連携強化を図らなければならないと考えます。  そこで、二点目の質問ですが、県は農地中間管理事業について、現在の課題をどのように認識し、また、今後どのように取り組んでいかれるのか伺います。  続きまして、ただいまは農業を取り巻く諸問題を解決するための方策の一つとして、農地の集積・集約化を取り上げてみましたが、次に、集積した農地の活用方法について取り上げます。  実際、どれだけ農地を集めてみても、そこを耕作する人がいなければ何もならないわけでございます。また、耕作を続けていただくためには、耕作する人が十分な利益を得ていただく必要があります。  今回は特に、水田作における米の生産調整が、平成三十年度を境に大きく制度変更する点がありますので、県の対応や農家への影響などについて確認をさせていただきます。  さて、米の生産調整について、これまでは国が生産数量目標なるものを設定し、各県に配分をしていました。これを受けて県が、県内の市町村の配分を決め、市町村は各地域の配分を決めるという流れでした。これが平成三十年度からは、行政による配分をしないことになり、国からは生産数量目標の配分が廃止され、農業者や関係団体などが自主的に需要に見合った生産をするような形に変わるとのことです。  これを受けまして、本県では、愛知県農業再生協議会が、愛知県水田農業検討会議に生産数量目標の設定を依頼し、ここで設定された数値を、地域農業再生協議会に配分する体制になったとのことです。今までどおり、生産数量目標の配分が県下には行われるとのことで、ひとまずは今までどおりの流れで生産調整を行うことができそうですので、農家の方の制度変更に対する負担は少なくてよかったと思っています。  さて、平成三十年度からの変更点のもう一つは、米の直接支払交付金の廃止です。これは、米の生産調整への参加を条件に、水稲十アール作付当たり七千五百円を交付するものです。これにより生産調整への協力を促していたのですが、廃止となると生産調整に協力せず、勝手に米をつくる農家がふえないか危惧しております。  現在、麦や大豆など、水田で転作した場合に、営農者には国から経営所得安定対策等の交付金が支給されており、この制度は平成三十年度以降も継続されますが、この交付金が生産調整を続ける上で、ますます重要になってくるのではないかと考えています。  しかしながら、国は、麦、大豆、飼料用米での転作を優先する余り、県下の各自治体で独自に設定できる部分の産地交付金が、今年度は二割の配分が保留されていると聞いております。これは国の交付金の配分方法が、当初に八割を配分し、残りの二割は、全国的に、飼料用米などで予定よりたくさんの転作に取り組んだ農家への交付を確保するために保留してあることによるそうで、そのあおりを受けて、保留されている二割の配分がなくなるかもしれないというものであります。  特に麦、大豆による計画的な転作に取り組んでいる西三河地区の営農者は大きな不安を抱いております。現在の状況では、営農者としても、麦など転作作物の売り上げだけでは経営が成り立たず、交付金に頼らざるを得ないので、ぜひとも国からの交付金が十分に交付されるようにしていただけるとありがたいと思っております。平成三十年度からも、今後の営農者のモチベーションを保つために、国の交付金の確保にはぜひとも尽力していただきたいと考えています。  そこで、三点目の質問ですが、国における平成三十年度からの米の生産調整の見直しを踏まえ、県は営農者の需要に応じた主体的な米生産をどのように支援していくのか、また、国の経営所得安定対策等にどのように取り組んでいかれるのか伺います。  以上、壇上での質問を終わらせていただきます。(拍手) 33: ◯企業庁長(間所陽一郎君) 企業留置と誘致についての御質問のうち、内陸工業用地の開発についてお答えいたします。  最初に、最近の分譲状況についてであります。企業庁が最近五年間に新規分譲したのは、大府木の山地、稲沢三宅地区、豊川大木地区の三地区で、合計三十六・一ヘクタールに二十五社が進出し、いずれも工事完了と同時に完売となっております。  また、長期間分譲が完了していなかった額田南部地区、三好黒笹地区、豊橋石巻西川地区も、合計三十三ヘクタールに十八社が進出し、現在分譲中であるのは、新城南部地区の十・八ヘクタールのみであります。  次に、現在の開発状況についてであります。  現在開発中の工業用地は、愛西佐織地区、高浜豊田地区、稲沢三宅(二期)地区の三地区であり、合計の開発面積は二十六・三ヘクタールであります。工事完了時期につきましては、愛西佐織地区は平成二十九年度末、高浜豊田地区は平成三十年度末、稲沢三宅(二期)地区は平成三十一年度末を目標として造成工事を進めております。  今後の開発予定でありますが、現在、県内各地域の十五を超える市町村から相談を受けている状況であり、その中には、開発の具体化に向けてかなり熟度が高まっている地区もございます。引き続き、市町村と連携を図りながら、用地の取得見込みがあること、事業の採算が確保できることなどの要件を満たした地区から、順次開発を進めることとしております。
     企業庁といたしましては、産業首都あいちを実現していくため、産業の受け皿づくりは極めて重要であると考えておりますので、企業ニーズに沿った良質な工業用地を提供できるよう、全力で取り組んでまいります。 34: ◯建設部長(河野修平君) 次に、民間開発により工業用地を確保する施策についてのお尋ねであります。  本県が、今後とも物づくり愛知として日本を牽引していくためには、県内の企業が安全・安心に企業活動を継続していただくことはもとより、県内での移転、拡張を促すとともに、県外からの企業誘致も必要であります。  そのためには、企業の皆様にとって工業用地を確実に確保できることが重要であると考えております。  工業用地は、市街化区域内の工業系用途地域に確保していただくことが原則ではありますが、必ずしも条件に合った適地を確保できるとは限りません。その場合には、市街化を抑制する区域である市街化調整区域において、行政側があらかじめ設定した区域に企業が開発許可を受けて立地することが考えられます。  その手法として二つあり、まず一つ目は、市町村がまちづくりの方針に基づいて、工業系の地区計画を定めた場合、その区域に企業が立地できる制度です。この制度につきましては、本県が地区計画を策定するためのガイドラインを示すとともに、庁内関係課による会議の開催により、市町村における事務が円滑に進むよう支援しております。  二つ目は、開発できる区域や建物の用途等を条例で定めることにより開発が可能となる制度です。県が開発許可を行う常滑市初め九市町については、県条例により市町が申し出た区域において開発が可能となっております。また、開発許可権限を持つ、岡崎市初め十二の市においても、みずから条例を定めて開発が可能となる区域を指定しております。  県といたしましては、まちづくりの方針を踏まえながら、市町村と連携して工業用地の確保を図り、日本一元気な愛知を支えてまいります。 35: ◯農林水産部長高橋智保君) 本県の農業の今後についてのお尋ねのうち、初めに、本県農業の現状についてであります。  平成二十七年の本県の総農家数は七万三千八百三十三戸で、十年間で約二〇%減少しております。また、農業従事者の年齢構成は、農業就業人口六万三千七百三十六人のうち、六十五歳以上が六一・六%を占め、十年前の五四・九%から六・七ポイントふえ、高齢化が進んでおります。  一方、新規就農者につきましては、十年前は毎年百五十名程度でありましたが、最近は増加傾向にあり、直近五年間の平均では、毎年二百十名程度が就農しております。これは、平成二十四年度から、県の農起業支援センターにおける就農に関するワンストップの相談窓口が開設されたことや、国の青年就農給付金による新規就農者の生活支援制度が開始されたことなどによる成果と考えております。  次に、県内の耕作放棄地の面積は、平成二十七年で八千五百十三ヘクタールであり、十年前と比べて三百九十八ヘクタール減少しておりますが、県内の耕地面積全体に占める割合は約一一%で、十年間でほぼ横ばいとなっております。  次に、農地中間管理事業における現在の課題と今後の取り組みについてでございます。  農地中間管理事業におきましては、議員お示しのとおり、貸し付け手続が複雑で時間がかかることや、耕作放棄地や基盤整備が十分に行われていない農地につきましては、借り手が見つからないことなどが課題であると認識しております。また、農地中間管理機構と市町村、農業委員会等との連携も十分とは言えないのが現状でございます。  こうした中、県といたしましては、農地中間管理機構、市町村、農業委員会、農業団体等で構成する農地集積・集約化地域推進会議を七つの農林水産事務所ごとに設置して、情報共有を図りながら、地域の実情に合った事業を進めることにより、農地中間管理事業に対する農家の理解が深まるよう努めているところでございます。  また、今後の取り組みといたしましては、昨年の農業委員会法の改正に伴い、各農業委員会で設置を進めております農地利用最適化推進委員と連携して、地域の推進体制を一層強化してまいります。  さらに、土地改良法の改正により創設された農地中間管理機構が借り入れている農地について、農家の費用負担を求めないで実施できる新しい基盤整備事業は、今後の事業の推進につながるものと考えております。  今後とも、農地中間管理事業が活用しやすい制度となるよう、国に対し制度の改善を要請いたしますとともに、関係団体との連携を強化して事業の円滑な実施を図り、担い手へのさらなる農地の集積・集約化にしっかりと取り組んでまいります。  次に、需要に応じた米生産への支援と経営所得安定対策等への取り組みについてでございます。  農業者の経営安定のためには需要に応じた米生産による米価の安定を図るとともに、麦、大豆等を組み合わせた水田の有効活用を推進する経営所得安定対策等の交付金の確保が必要であります。  本県における需要に応じた米生産への支援につきましては、平成三十年産米からの、国の生産調整の見直しに対応するため、農業者、生産者団体が需要に応じた米生産を主体的に行えるよう、県と農業団体等で構成する愛知県農業再生協議会が主体となって、国からの情報を参考に生産数量目標の目安を決定することといたしました。また、この目安の地域農業再生協議会への配分時期につきましては、麦、大豆の計画的な作付を後押しするため、従前の十二月から八月に前倒しをしたところでございます。  次に、水田の有効活用を推進するための経営所得安定対策等への取り組みにつきましては、本県水田農業の特徴の一つである稲、麦、大豆を組み合わせた二年三作体系の一層の推進や飼料用米の生産拡大が必要でございます。  そこで、議員お示しのとおり、産地交付金を初め、経営所得安定対策等の予算を十分に確保するよう国に要請するとともに、本年八月には農業団体等とともにあいちの水田農業強化方針を取りまとめたところでございます。  今後は、この方針に基づきまして、水田のフル活用を進めるとともに、優位販売につなげるための新品種の普及による高品質・安定生産を推進するなど、本県の水田農業のさらなる振興を図ってまいります。 36: ◯二十八番(渡辺周二君) それぞれの質問への前向きな答弁、ありがとうございました。  それでは、二点要望させていただきます。  一点目は企業留置と誘致についてです。  国は、今年度、企業立地促進法を地域未来投資促進法としてリニューアルし、支援対象を製造業だけでなく、非製造業、サービス業へ拡大するとともに、これまでの産業集積への形成支援から、地域の特性を生かし、高い付加価値を創出するような地域経済への波及効果が期待できる企業に対する支援へと方針転換しているようです。  そこで、今後も活力と持続力ある日本一の産業首都あいちづくりのため、企業留置や誘致の呼び水となる立地補助制度に関しても、国の地域未来投資促進法への改正を踏まえ、投資意欲があり、その効果が地域経済に波及するような企業についても補助対象となるような制度拡大を要望します。  二点目の要望は、農業の今後についてです。  今月十三日の中日新聞に、企業が農業参入する際に、県信用保証協会を利用できる制度の対象区域が、従来の常滑市のみから県内全域に広がったと掲載されていました。このことは今後の農業、農地の維持に対して非常にいいことであると思っております。  一方で、従来から農業を営んできた方たちに対しても、先ほど私が述べました、農業、農村の多面的機能の維持保全に対して、継続していけるような政策をより拡充するよう要望して、私の一般質問を終わります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 37: ◯四十番(中根義高君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 38: ◯副議長峰野修君) 中根義高議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 39: ◯副議長峰野修君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後三時四分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後三時五十分開議 40: ◯議長中野治美君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  安井伸治議員。     〔十六番安井伸治君登壇〕(拍手) 41: ◯十六番(安井伸治君) 通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。  初めに、南海トラフ地震に対する取り組みについて質問させていただきます。  本県では全ての市町村で避難所運営マニュアルが作成されており、うち二十五市町村で県が作成した避難所運営マニュアルを準用し作成されていることを踏まえて質問をいたします。  私の住む名古屋市港の例を挙げると、災害により住民の避難を要するとき、港区長が避難所を開設することになります。なお、小中学校避難所は、震度五強以上の地震が発生したときは近隣協力員等の協力を得てグラウンドを避難所として自動開設し、施設管理者、本部から派遣された職員、災害対策委員及び地域住民等が避難所施設の安全を確認した上で、体育館等を避難所として開設するとあります。  この場合、施設管理者とは学校長や民間人であり、災害対策委員とは政協力委員の方々であります。  私の地元学区でも避難所運営訓練があり、体育館を開設する場合、避難所としての安全をどう確認したらよいのか、もし余震等で二次災害が出た場合、誰の責任になるのかといった声が聞かれました。  もちろん本部職員の方が判断をしていただくことが最も安心なのでしょうが、南海トラフ地震のような大規模災害の場合、職員の方が施設に到着するには二、三日かかるとのお答えをいただきました。であるならば、やはり地元の資格も知識もない方が避難所の安全を確認する以外ないのでしょうか。  愛知県では、大規模地震発生直後に被災した建物を調査し、その危険性を判定する、知事認定の資格である応急危険度判定士を平成七年度から養成しています。その対象となる方は、愛知県内在住または在勤の建築士や一級建築施工管理技士、愛知県内の地方公共団体の職員の方が対象であります。先ほど申しましたとおり、災害時避難所の開設を行うのは地元の方々がほとんどであることから考えると、施設管理者や災害対策委員、消防団の方々まで受講対象者を広げることは、安心して速やかに避難所開設の判断を下すことができるとともに、二次災害を未然に防ぐことにつながるのではないでしょうか。  愛知県避難所運営マニュアルの中の、震災後の余震に備えた体育館用の緊急点検チェックリストも見ましたが、予備知識なしで各点検項目の危険度の大小を判断することは難しいのではないでしょうか。しかし、応急危険度判定士講習を受講した後ならば、応急危険度判定基準に照らし合わせて判断を下すことができるかと思います。  そこで提案をいたします。  避難所開設の判断を安心して速やかに下し、また、余震等による二次災害の抑止につなげられるよう、応急危険度判定士講習会の受講対象者を、施設管理者や災害対策委員、消防団の方々まで広げてはいかがでしょうか。お答えを願います。  次に、内閣府及び消防庁においては、高齢者、障害者、乳幼児等の避難行動要支援者名簿の整備に係る各市町村の取り組みを推進し、昨年四月の熊本地震や台風災害発災後の安否確認を行う際にも名簿が有用であったとの声が聞かれております。本県の避難行動要支援者名簿の作成について調べたところ、平成二十六年四月一日に避難行動要支援者名簿の作成が義務づけられ、名簿作成に関しては県内五十四市町村全てで作成をされております。しかし、大規模地震発災後はまちの様子が一変し、名簿の住所のみでは要支援者の所在がわかりづらくなります。そこで、避難行動要支援者に係る電子地図情報の有無について県内三十八市について調べたところ、平成二十八年十二月の時点では三十八市のうち十二市にて作成をしており、その率は三一・六%、二十九年八月では十六市にて作成をしており、約四二・一%、徐々にではありますが作成をしている自治体がふえております。しかし、その他十六町村については三町村でつくられているのみです。また、避難行動要支援者を避難させるに当たって最も重要な避難支援のための個別計画の策定状況を見ると、策定済みまたは策定中の市町村が二十四市町村、未着手が約五五・六%の三十市町村あります。  避難行動要支援者を避難所へ導いていくのは、民生委員、消防団、福祉事業者などのボランティアの方々が行うこととなり、的確な避難支援をしなければ、けがを負うだけでなく、命にかかわる事故が起きるとも言われております。それだけに、この個別計画が重要になってきます。  愛知県では、市町村のための災害時要配慮者支援体制構築マニュアルを作成し、市町村の実態に即したマニュアルの策定をサポートしているとお聞きをしております。  そこでお伺いいたします。  避難行動要支援者の電子地図情報の作成や、避難支援のための個別計画の策定について、未着手の市町村に対し今後どうサポートしていくのかお伺いをいたします。  次に、静岡県焼津市のドローンを利用した取り組みを御紹介させていただきます。  焼津市では昨年、ドローンを活用する防災航空隊ブルーシーガルズを発足させました。メンバーは十五名で、四機のドローンを保有し、落石事故や船舶・建物火災では動画を撮影し、消防本部の職員や消防団員らが同じ映像を見て、消防防災活動に利用をしています。  今後はドローンの開発により、山間部の孤立した村への緊急物資の輸送や、水難事故による浮き輪やロープなどの救助資機材の輸送や投下についても活用が検討されております。  本県でも、安城市、豊川市、豊田市、海部南部の消防組合などの団体が、消防、防災に活用するためドローンを導入し、刈谷警察も測量会社との間で災害発生時のドローン出動に関する協定を結んでおります。  しかし、ドローンを操縦するに当たっては、人口集中地区など許可を要する地域での飛行は、国土交通省が定める飛行経験十時間以上の規定を満たす必要があります。また、飛行訓練に必要な広い練習場の確保や操縦者育成のための指導者の確保、日進月歩で進化していく機体の情報収集なども必要であります。  消防庁は平成二十九年に、偵察活動用資機材としてオフロードバイク、ドローンの配備に一億円、操縦方法、安全管理等の訓練として三千万円の予算をつけ、全国十六の消防学校に無償貸与し、消防団の災害対応能力の向上を図ることとしております。  消防学校でドローンを導入するということは、操縦者育成のための指導者を自前で確保することにもなります。また、若者が興味を持つドローンの技術習得が消防団で可能となることは、昨今、全国的に減少傾向が続く消防団員の募集にも一役買うのではないでしょうか。  そこでお伺いいたします。  愛知県も消防学校でドローンを導入し、消防団員に対して操縦方法の教育、訓練を実施するお考えがあるか、お伺いをいたします。  次に、東京パラリンピック選手発掘、強化について質問をさせていただきます。  本県では二〇一五年より、二〇二〇年東京オリンピックあいち選手強化事業をスタートさせ、翌年には二〇二〇年東京パラリンピックあいち選手強化事業もスタートさせました。今年度も東京パラリンピックに、ロンドン大会の七名、リオ大会も同じく七名の本県ゆかりの選手を送った倍以上の十五名を目標として事業をスタートさせました。パラリンピック強化指定選手は、二〇一六年の三十八名を上回る四十名に上り、本県の目標達成への意気込みが感じられるところでもあります。  今年度のパラリンピック強化指定選手を見てみますと、前回リオ大会出場選手の五名を含み、日本代表が九名、日本代表候補が十七名指定されており、目標の十五名をさらに引き上げても目標達成可能ではないかと思われるほどの充実ぶりであります。これもひとえに、選手本人や連盟の方々の努力、そして、本県のサポートのたまものだと思われます。  しかし、パラリンピック強化指定選手を見てみますと、三十歳以上が四十名中十二名、四十歳以上が四十名中五名、二十歳以下は四十名中八名という年齢分布になっております。本県の強化事業を見ても、オリンピックに対しては、スポーツ医・科学研究所と連携をし、アスリートとして必要な知識や技術を身につけるプログラムを提供したり、大学、企業と連携してスポーツ教育プログラムを実施するジュニア指定選手育成事業や、大学や企業と連携をし、講演会や最先端のスポーツ施設を利用した実技指導をする次世代につなぐスポーツ人材育成事業はありますが、パラリンピックに対するジュニアの育成や、専門的競技人口の拡大を図るなど、競技者の裾野を広げていく取り組みが不足しているのではないでしょうか。  昨年度、私は、東京都が主催をするパラリンピック選手発掘プログラムに行ってきました。このプログラムは、一人でも多くの東京都ゆかりの選手がパラリンピックに出場できるよう、競技志向の障害者アスリートを発掘するプログラムです。  例えば、ふだんから運動はしているがパラリンピックの正式種目はしたことがない、ふだん健常者の大会に出ているが、パラリンピックに挑戦したい、冬季パラリンピックの競技をしているが、夏季競技にも挑戦してみたいなど、パラリンピック競技との出会いをサポートするプログラムです。実施は年四回で、参加資格は小学校五年生、つまり満十一歳以上、各回、障害の種類や運動経験の有無によって参加が振り分けられます。  私が見学に伺ったときは、運動能力に自信のある方の回で、歩行、バランス、跳躍などの体力測定を行い、陸上の投てき種目、カヌー、パワーリフティング、ボート、トライアスロンの五競技の適性検査、体験が行われていました。陸上やパワーリフティングは実際、筋力を測定し、ボート、カヌーはプールに実際の船を浮かべ体験、トレーニングを行っていました。  その中で、トライアスロンの関係者の方にリオ大会日本代表の佐藤圭一選手は私の会社の元社員なんですよと話すと、その方は実際に佐藤選手を指導している全日本のコーチであり、この会場にはそれぞれ競技団体のコーチや監督が選手発掘に来ていると言われ、会場の熱気や真剣さが大いに理解をできました。  四回のプログラムの参加者は、十八競技延べ二百九十九名、事業費用は、広報、会場費や謝礼、四回分の運営費を含め五千四百万円で行われました。  また、障害者スポーツを普及させていくことは、障害者雇用にもよい影響を与えると考えます。先ほど紹介した佐藤選手は、夏季リオ大会出場のみならず、クロスカントリー、バイアスロンで冬季バンクーバー大会、ソチ大会に出場をしている、日本を代表する選手でありますが、スポンサー契約のために二百社近くを回ったそうです。新たなパラアスリートが発掘され、メディアにも取り上げられることにより、企業の障害者スポーツへの理解が深まりパラアスリートの雇用がふえれば、愛知県の障害者雇用率のアップのきっかけにもなるのではないでしょうか。  日本時間二〇一三年九月八日、東京大会が決定するまでのパラリンピックのスポンサー企業は五社であったのが、現在、日本障がい者スポーツ協会のスポンサー企業は四十一社と、大幅にふえております。スポーツが盛んで人口も多い本県には、有力なパラリンピック選手となり得る人材が潜在的に多数おられ、こうした方への働きかけをしっかりと行う必要があるのではないでしょうか。  そこで質問です。  三年後の東京パラリンピックやその後のパラアスリートの育成はもちろんのこと、障害者スポーツへの理解を深めるためにもパラリンピック選手の競技力向上を行う意義はあると考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に、名古屋市を初めとする県内市町村との条例制定等における情報共有について質問をさせていただきます。  地域の方々から、愛知県と名古屋市の関係はどうなっているのかと聞かれることがあります。  名古屋市民から見ると、アジア大会の費用負担、大規模展示場の建設、愛知県体育館の改修、移転など、新聞紙上をにぎわせた話題が確かに多かったように思います。  しかし、これら大規模事業は、収支等、検討事項が多岐にわたり、当初の計画どおり事が運ばないこともあろうかと思います。しかし、政策的な条例等であれば、県民にとって有益であるか、また、その効果を検証し、名古屋市などと歩調を合わせ制定していくことも可能ではないかという思いを込め質問をいたします。  名古屋市では昨年度から今年度にかけてさまざまな条例が制定されておりますので、御紹介をさせていただきます。  一つ目は、いわゆる自転車安全利用促進条例です。特筆すべきは、十月一日より、保険の加入義務、努力義務が生まれた点です。内容は、名古屋市内を通行する自転車利用者は賠償責任保険に加入する義務がある、未成年者は保護者責任において保険に加入させる義務がある、事業者の活動において従業員に自転車を利用させるときは保険の加入に努めるというものです。  私は一月ほど前、名古屋市内にある県立高校において賠償責任保険の状況はどうなっているのか調べてみました。通学しているほぼ全ての生徒が保険加入している学校は、通信制、定時制、盲学校、聾学校、特別支援学校を除くと二十二校中七校であります。保険に加入をさせる義務は学校でなく、当然保護者にあります。しかし、多くが未成年者である高校においては、加入に向かわせる教育、啓発の責任が条例に記されております。また、私の住む港では、隣接する市町村など通常であれば自転車賠償保険に入る義務のない方でも当然、自転車で港区内を通行されることがあります。もし条例の認識がなく人身事故を起こされた場合、神戸地方裁判所の判例にあるように約九千五百万円という高額の賠償金支払い命令が下される可能性もあります。  二つ目は、名古屋市が来年四月一日施行を目指している犯罪被害者等支援条例です。  対象者は名古屋市内に住民票がある方ですが、犯罪被害者、交通事故被害者は一事件に対し一人であるとは限りません。例えば、同じ事件に巻き込まれたにもかかわらず、一人の方が名古屋市内、一人の方が名古屋市外、同じ県内にかかわらず居住地域の違いにより、精神的・経済的支援の厚みの違いにより生じた被害の苦しみの差がマスコミ記事の材料となってしまうことも考えられます。私は、この犯罪被害者等支援条例については、被害者団体のシンポジウムに名古屋市と本県の職員の方もお見えになっていたので、共同で条例制定を行っていただけるのではと淡い期待を寄せていただけに残念でなりません。  冒頭名古屋市の事例を申し上げましたが、同じ行政課題に対して条例を制定する場合は、市町村の住民にとっても愛知県民にとっても有益な条例であるならば、対象地域がより大きい愛知県が条例制定をすべきではないでしょうか。  昨年、愛知県が制定をした、いわゆるぼったくり条例は、同じ地域の県会議員、市会議員の協働により、愛知県と名古屋市が情報共有をしながら、うまく条例制定まで運んだすばらしい例だと思います。もし、ぼったくり店が名古屋市外の繁華街へ移転をしても、すぐに罰則適用区域変更の条例改正を行うことができます。  また、条例以外の事業について申し上げますと、骨髄バンクドナー等助成金交付事業があります。  名古屋市では、提供日に市内に住所を有し、日本骨髄バンクを介して骨髄または末梢血幹細胞の提供を行ったドナーに対し、一日につき二万円、上限七日まで、事業所に対しては、ドナーが勤務している国内の事業所に対し、一日につき一万円、上限七日まで助成するというものです。骨髄バンクドナー等助成金交付事業は、名古屋市以外に、東浦町、犬山市がありますが、内容はドナーに対しての助成のみです。  愛知県は骨髄バンクドナー等助成金交付事業を行う自治体に対して補助をするということも検討し始めたとお聞きをしております。もしこの補助が行われるとなると、二市町さんはドナー助成に対する補助のみ、名古屋市に対してはドナー助成プラス事業所助成に対する補助ということになります。もし、県内の名古屋市を初めとするこれら市町村が助成金事業を検討している途中段階で愛知県がこの情報を拾い上げ、三市町村をリードしていく形で事業をつくっていったならば、助成金の形も統一でき、地域格差も生まれないのではないかと考えます。  そこで質問です。  県内市町村のさまざまな行政課題に関する情報収集、情報交換をどのように行っているのかお伺いいたします。  また、情報収集や情報交換などによって県内市町村から得られた行政課題に対する先進的な解決策については、それぞれの政策をつかさどる担当部局でしっかりとその内容を受けとめ、例えば条例制定が効果的なものは条例制定をするなど、その取り組みを県庁全体で盛り上げ、より円滑に実現していくことは、政策効果を高める上で必要不可欠であると考えます。
     県では、県の総合計画であるあいちビジョン二〇二〇の進行管理の中で、地域づくりの現状や課題の把握、分析などを行っておられます。そうした中で、新たに取り組むような行政課題に対しては、ビジョンへの位置づけなどでしっかりと行っていく必要があると思います。  そこで質問です。  こうして新たに取り組む行政課題に対して、どのように整理し県のビジョンなどに位置づけていくのかお伺いをいたします。  以上、私の壇上からの質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございます。(拍手) 42: ◯建設部建築局長(海田肇君) 南海トラフ地震に対する取り組みについてのお尋ねのうち、まず、応急危険度判定士講習会についてであります。  応急危険度判定制度は、大規模地震発生直後に被災建築物の危険度を判定することにより、余震などによる二次災害の発生を防止し、人命と財産を保護することを目的として、平成七年一月に発生した阪神・淡路大震災を機に全国的に制度化されたものでございます。  本県では平成七年度から、建築士や行政の建築技術職員を中心に応急危険度判定士の養成を始めており、平成二十八年度末現在で八千八百二十四名が登録され、これまでに、平成十六年の新潟県中越地震や平成二十八年の熊本地震などにおきまして、被災自治体からの求めに応じて本県の建築技術職員を派遣し、応急危険度判定業務の支援を行ってきたところでございます。  南海トラフ地震の発生が懸念されるこの地域においては、発災後の二次災害を抑止するため、できる限り多くの応急危険度判定士を養成することはもとより、判定士以外の方々にも応急危険度判定業務への理解を深めていただくこと、さらに、被災した建築物がどういった場合に危険であるかなどの知識を得ていただくことは、防災の取り組みとして重要であると考えております。  こうしたことから、来年度からは判定士の養成に加えて、災害対策委員や消防団員を初めとした地域の防災のために積極的に活動されている方々にも、講習会に参加し、知識を習得していただくことにより、二次災害のさらなる抑止につなげられるよう取り組んでまいります。 43: ◯健康福祉部長(長谷川洋君) 私からは、南海トラフ地震に対する取り組みのうち、避難行動要支援者の電子地図情報と個別計画についてお答えをいたします。  避難行動要支援者の電子地図情報につきましては、避難行動要支援者名簿とリンクをさせることによりまして、災害時における迅速な避難支援や安否確認につながる有用な取り組みであると認識をいたしております。  ことし八月に県が行った調査では、これまでに作成した市町村は十九市町村にとどまっておりますので、県といたしましても今後、未作成の市町村に情報提供を行い、作成を促してまいりたいと考えております。  次に、避難行動要支援者の避難のための個別計画についてであります。  実効性のある個別計画を策定するためには、自治会や自主防災組織など地域の方の協力が不可欠ですが、高齢化や地域のつながりの希薄化などによって、災害時に配慮が必要な要支援者に対応する避難支援者の確保が難しくなってきております。県では市町村のための災害時要配慮者支援体制構築マニュアルを作成しておりまして、その中で、平常時から住民同士の顔の見える関係をつくるなどして日ごろから地域の防災力を高めるよう、市町村に対して働きかけております。  さらに、ことしの三月に内閣府が作成した避難行動要支援者の避難行動支援に関する事例集では、声かけなどの見守りや民生委員の方が避難行動要支援者の御自宅に訪問するなど、地域での効果的な取り組みがまとめられておりますので、県としましてはこうした事例を市町村に紹介することなどにより、市町村において個別計画の策定が進むようサポートしてまいりたいと考えております。 44: ◯防災局長相津晴洋君) 愛知県消防学校における消防団員の教育、訓練へのドローンの導入についてでございます。  議員御指摘のとおり、ドローンを導入し消防防災活動に活用しようという試みが全国的には幾つか始められております。消防本部におけるドローンの活用事例といたしましては、平成二十八年三月に千葉市とさいたま市の二消防本部が、消防庁からの無償貸与により試験的にドローンを配備しており、このうちさいたま市では、本年三月に発生いたしました物流倉庫での大規模火災において上空からの撮影を行い、消防の現場で有効に活用した事例もございます。  一方、消防団の事例としては、県内では安城市がドローンを保有し、災害発生時に消防団員が被災状況の調査に活用する運用を始めておりますが、まだまだ県内市町村での導入は始まったばかりでございます。  本県といたしましては、消防団活動へのドローンの導入状況や、市町村からの要望の有無などを踏まえながら、消防学校での来年度以降のドローンを導入した教育、訓練の実施に向けた検討をしてまいりたいと考えております。 45: ◯教育長(平松直巳君) パラリンピック選手の競技力向上についてお答えをいたします。  本県では、東京パラリンピックに本県ゆかりの選手を多数輩出することを目指して、昨年度からパラリンピック競技の選手強化事業を開始し、強化指定選手を対象に遠征・合宿費や競技用具費等を助成いたしております。  今年度は、中央の競技団体から推薦された日本代表レベルの選手四十名を強化指定し、六月十一日にオリンピック強化指定選手とともに、県民参加による認証式において大村知事から認定証を授与したところでございます。  強化指定した選手は、昨年度から二名増加いたしましたものの、パラリンピックを目指し国際大会にチャレンジするパラアスリートは限られているのが現状であります。  議員御指摘のとおり、本県にはパラリンピック選手となり得るアスリートがたくさんおられると思われ、こうした方々が本県ゆかりのパラリンピック強化指定選手の活躍する姿を身近に感じることで、競技力向上への意欲を高め、トップレベルの大会を目指していくことが大いに期待されます。  また、選手の活躍を目にすることにより、これまでスポーツを行っていなかった障害のある方がスポーツに興味、関心を持ち、スポーツ活動に新たな一歩を踏み出すきっかけとなることで障害者スポーツ全体の裾野を広げることとなるなど、パラリンピック選手強化の意義は大変大きいものがあると考えております。  県といたしましては今後も、障害者スポーツ大会の上位入賞者や有力選手についての情報を競技団体等と共有し、競技力の高いパラアスリートの把握に努めるとともに、その活躍を広く県民に伝えることで障害者スポーツへの理解を広げてまいります。  さらに、強化指定選手に対して、コンディションづくりや栄養摂取などについての講習会の機会を設けるなど、選手強化に有効な方策について研究し、三年後の東京大会に向け、本県ゆかりのパラリンピック選手のさらなる競技力向上を図ってまいりたいと考えております。 46: ◯総務部長(加藤慎也君) 県内市町村のさまざまな行政課題に関する情報収集、情報交換についてお答えをいたします。  県といたしましては、市町村の行政及び財政に関するさまざまな質問や相談をお受けする中で、行政課題に関する情報収集、情報交換を行っているところであります。加えて、市町村課市町村行政支援室においては、地域担当主幹が定期的に個々の市町村の現場に出向き、地域の実情を把握したり市町村からの相談を受けたりしながら情報収集を行っております。  また、市長会、町村会により市町村長と県の関係部局長等が意見交換を定期的に行う場も設けられております。  今後もこういった取り組みを一層活用し、県内市町村におけるさまざまな行政課題に関する情報収集、情報交換に努め、得られた情報につきましては関係部局へ提供を行うなど、充実を図ってまいります。 47: ◯政策企画局長(松井圭介君) 県内市町村にかかわる新たな行政課題の県のビジョンへの位置づけについてお尋ねをいただきました。  二〇一四年三月に策定いたしましたあいちビジョン二〇二〇につきましては、その策定過程において県内全ての市町村と意見交換を行い、各地域の現状や課題などを共有しながら、重要政策課題の設定や政策の方向づけを行うとともに、尾張、西三河、東三河の地域別の将来像や取り組み方向をお示しいたしました。  このビジョンにつきましては毎年度年次レポートを作成して進行管理を行っており、現在、後半期四カ年の実施計画を作成しているところでございます。実施計画では、子供の貧困対策や、熊本地震の課題等を踏まえた地震防災対策、空き家対策など住宅ストックの有効活用、東三河地域における人口確保対策といった地方創生の取り組みなど、ビジョン策定以降にクローズアップされた地域の課題と市町村と連携した取り組みについても位置づけていくこととしております。  今後とも関係部局とともに、市町村からの情報収集に努めながら新たな行政課題を把握し、ビジョンの的確な進行管理に努めてまいります。 48: ◯十六番(安井伸治君) それぞれ御答弁ありがとうございます。私からは条例制定等における情報共有について要望をさせていただきます。  昨年の総務県民委員会にて、我が党のかじ山義章議員より、いわゆる自転車安全利用促進条例についてただしたところ、地域安全課主幹より、自転車の条例は、名古屋市とその他の市町村の地域事情が大きく異なる中で一律に損害賠償保険の加入を義務化することなどは、条例によって県民に負担を強いることとなるため、慎重な判断が必要であるとの回答をいただいております。  また、同じく中村友美議員より、犯罪被害者支援の単独条例についてただしたところ、地域安全課長より、犯罪被害者に寄り添った支援を一層推進していく、また、独立した条例の制定は今後も研究していきたいと、どちらも、条例制定に関しては後ろ向きなお答えをいただいております。  とはいえ、名古屋市が定めた条例に対しては本県もしっかり取り組んでいるだろうと思い、名古屋市の自転車条例に対しどのように取り組んでいるかを調べてみました。  正直、愕然といたしました。この五年間に県費で自転車を購入した名古屋市内に拠点を置く十五の部署や機関にアンケートをとりましたところ、九月二十五日の時点で自転車自賠責保険に加入している部署は十五カ所のうち二カ所。これは、ほかの自治体の政策的条例に対してそもそも関心がないと言わざるを得ません。  情報収集によるシステムがある、計画に反映させるシステムもある、しかし、行動に移すことができない今の姿は、仏つくって魂入れずと言わざるを得ません。  自転車は小さな例にすぎないのですが、犯罪被害者支援など一市町村にとどまらない政策的課題に対しては、情報収集、計画、実行と、条例等で県全体に網をかぶせ、県民に広く政策の効果が及ぶよう、前向きにしっかり取り組みを進めていただくことを要望し、終わらせていただきます。 49: ◯議長中野治美君) 進行いたします。  丹羽洋章議員。     〔二十二番丹羽洋章君登壇〕(拍手) 50: ◯二十二番(丹羽洋章君) それでは、通告に従いまして質問を行わせていただきます。  まず、大きな一番、豊川用水事業の進捗状況と事業効果の啓発についてお伺いいたします。  東三河地域では、古くから豊川の恩恵を受けてまいりました。豊川の右岸地域では松原用水が、戦国時代の永禄十年、一五六七年に開削されております。今からちょうど四百五十年前のことです。また、豊川の左岸地域でも牟呂用水が明治二十一年に開削され、来年、通水から百三十年を迎えようとしております。  昔からこの豊川の本流を水源とする牟呂・松原用水のかんがい地域は比較的水利に恵まれていたものの、この用水地域でも干ばつの場合は用水が不足することがたびたびありました。そして、これら牟呂・松原用水といった豊川の本流を水源とするかんがい地域以外の場所では、小河川やため池、地下水や天水などに依存するほかはなく、昔から水不足はこの地域の深刻な問題でありました。  用水不足が甚だしかった東三河地域では、しばしば干ばつの被害をこうむり、特に、明治二十六年、三十七年、大正十一年から十三年の三年間、昭和の時代に入っても豊川用水の通水前は幾度となく、大規模な干ばつに見舞われております。このように、東三河地域、特に渥美半島は水利に恵まれていなかったため、農業生産の安定と拡充の前に、常に水不足という大きな支障がありました。  こうした常に水不足に悩まされる地域であったため、豊川用水構想の芽生えは早く、大正末期にさかのぼります。その構想は、豊川上流に貯水池を設けて、東三河地域、渥美半島へ導水しようというものです。当時としては夢のような構想ですが、この構想を打ち出したのが、現在の田原市赤羽根町に生まれ、愛知県議会議員、衆議院議員、豊橋市長などを務めた近藤寿市郎氏です。  大正十年に、近藤寿市郎氏はこの豊川用水構想を、愛知県知事愛知県議会に働きかけたものの、最初は一部の県職員を除いて一笑に付されたそうです。その後、昭和初期に国の大規模農業水利事業に取り上げられ、一応の調査は完了したものの、多額の建設費を要することと戦争の影響もあり、実現には至りませんでした。  戦後、豊橋市内の陸軍の演習地でありました高師・天伯原といった広大な軍用地の開放もあり、食料増産、国土復興、失業対策のため豊川用水構想が再び見直され、昭和二十三年に豊川農業水利事業を基幹とした東三河総合開発計画が立てられました。  昭和二十四年に始まった豊川用水事業は、豊川水系の水資源を高度に利用して、愛知県の東三河地域及び静岡県西遠州地域の農業用水、水道用水、工業用水を確保し、地域の総合開発を図ろうとするものです。この豊川用水事業は、宇連ダム、大野頭首工などの水源施設を初め、幹線水路から支線水路、末端畑地かんがい施設までを一体的に整備してまいりました。  この豊川用水の通水を契機に、静岡県湖西市並びに田原市、蒲郡市を含む東三河地域は発展し、特に農業は、自然的・経済的条件にも恵まれたおかげで、日本有数の農業地帯へと飛躍いたしました。これはひとえに、豊川用水の恩恵と言えるものです。また、この豊川用水事業では、牟呂松原頭首工の築造と、牟呂用水・松原用水幹線水路の改修もあわせて行われ、昭和四十三年の五月に完成いたしました。  豊川用水は、農業用水のほかにも、水道用水、工業用水を供給しており、県民生活に、特に東三河の住民に欠かせないライフラインであるとともに、工業の発展にも大きく寄与してまいりました。通水以来、ひとときも休むことなく東三河地域を潤し続け、来年の平成三十年には通水五十周年という節目の年を迎えます。  こうした中、豊川用水が将来にわたり持続的かつ安定的に用水を供給するとともに、近い将来に発生が危惧される巨大地震に備えるためにも、老朽化した水路施設の改築及び大規模地震対策を目的とした豊川用水二期事業が、独立行政法人水資源機構により平成十一年から行われております。  現在は、既設幹線水路のトンネル区間の耐震補強と水路の複線化を図る併設水路建設及び牟呂用水幹線水路の改修などを、平成四十二年度までの工期で実施することとしております。  このうち牟呂用水幹線水路については、豊橋市西部の農業地帯である神野新田へ用水を導く水路であり、幹線水路のほぼ中間地点にあります森岡調節堰から下流約十キロメートルの区間を、水路施設の改築と大規模地震対策として改修する計画となっております。  この区間の大部分は豊橋市の市街地を通過しており、水路周辺にはビルや住宅などが多く、あわせて、国道一号線や二百五十九号線などの主要道路や河川の横断に加えて、JR東海道新幹線、東海道本線、豊橋鉄道渥美線を横断していることから、防災面からも早急に工事を実施する必要があります。  あわせて、近年、豊橋駅の西駅エリアの牟呂用水上にある飲食店の店舗等が大変にぎやかに発展、活性化してきております。そんな中、現在、豊橋駅西駅の再開発構想が静かに進んでいるわけですが、その豊橋駅西駅再開発構想と牟呂用水の整備は、しっかりと整合性を図りながら事業を進めていっていただかねばならないと考えます。  同時に、豊橋市内ではほかにも、牛川の土地区画整理事業、県道豊橋乗本線の拡幅などが予定もしくは既に進められておりますが、そうしたところでは、建設部を初め、豊橋市役所など関係機関としっかりと協議を進めながら牟呂用水の改修事業を着実に進めていっていただきたいと思います。  この牟呂用水幹線水路の整備につきましては、受益地の神野新田で県が進める農地の大区画化や、末端用水路の改修事業との円滑な調整が最も重要であることを考慮し、県が水資源機構から受託して施工していると聞いております。  そこでお尋ねいたします。  豊川用水二期事業で県が受託施工している牟呂用水幹線水路の改修状況についてお伺いいたします。  次に、豊川用水を利用した小水力発電についてお伺いいたします。  東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故を契機として、それまでの大規模集中型のエネルギーシステムの脆弱性が明らかとなり、供給源の多様化や地域分散型といった地域レベルのエネルギー施策に地方自治体としても積極的にかかわることが求められるようになりました。  東三河の最大の地域資源の一つに豊川用水があり、二十四時間流れ続ける用水を利用した小水力発電は、天候にも大きく左右されない再生可能エネルギーとして、高いポテンシャルが期待できると思われます。  そこでお尋ねいたします。  豊川用水における小水力発電施設の導入状況についてお伺いいたします。  次に、来年迎える、豊川用水の通水五十周年についてお伺いいたします。  いにしえより水不足に悩まされてきた東三河地域では、命をかけて多くの先人が水を求めてまいりました。戦国時代に開削され、ことしでちょうど四百五十年となる松原用水には、八人の義士が登場する伝説がございます。八人がその命をささげて人柱になって堰を築いたという伝説。または、堰ができたものの下流まで一滴も水が流れなかったため八人が打ち首の刑に処されたところ、突如大雨が降り、水路に水が満ちあふれたんですが、八人の血潮が三日三晩下流まで流れてきたという伝説。ほかにも諸説はございますけれども、水を得るために八人の命が失われたとされ、その八人の義士を静めるために、豊橋市大村町にある八所神社には八人がお祭りされていると伝えられております。  また、さきに述べた、愛知県議会議員、衆議院議員、豊橋市長などを務めて、こんじゅーさんの愛称で親しまれております近藤寿市郎氏が提唱し実現した豊川用水の完成によって、東三河地域における平成二十七年の農業産出額は、通水開始時の約四倍となります一千五百億円となっておりますし、平成二十六年の製造品出荷額も約二十倍の四兆円となっております。地域の発展に今日まで大きく貢献してまいりました。東三河地域五市の人口も、こうした産業の発展に伴いまして、約一・三倍の七十四万人となり、この地域で暮らす地域住民、県民が使用する水道用水は、その多くを豊川用水に依存するなど、何物にもかえがたい重要なライフラインとなっております。  この豊川用水の建設に当たりましても、やはり幾つかの難工事があり、十六名の殉死者を出しており、その殉職された方々の名前が記された記念碑がひっそりと今も残っております。  豊川用水の通水から間もなく半世紀を迎え、世代交代が進む中で、豊川用水実現のために、地域に渇望された水を確保するために奔走された先人たちの、郷土の未来を築こうとした足跡、また、その情熱、文字どおり命がけで完成に向けて流した血と汗、水源地域への感謝の気持ちや豊川用水への恩恵について、現在、残念ながら地域住民の認識が薄れてきているように感じております。  そこでお尋ねいたします。  豊川用水の通水五十周年を迎えるに当たり、用水の恩恵と重要性を、地域の住民、県民に対してどのように伝えていくおつもりなのかお伺いいたします。  続きまして、大きな二番、地震、洪水、竜巻などの自然災害の被災者に対する被災者生活再建支援制度の拡充についてお伺いいたします。  近年、地震を初め、水害や竜巻などの自然災害が相次いでおります。ことしに入ってからも、七月五日から六日にかけて福岡県と大分県を中心とする九州北部で発生した集中豪雨によって河川の氾濫や土砂崩れが発生し、三十六名が亡くなり、五名が行方不明となっている災害が発生いたしました。住宅も、一部損壊が約二百棟、床上・床下浸水が約四百六十棟といった住宅被害も出ております。  愛知県におきましては、七月十四日に犬山市と小牧市において局地的に大雨が降り、大口町では五条川から水があふれ、広範囲での浸水被害が出ました。  また、豊橋市においては八月七日、台風五号による影響で竜巻が発生し、負傷者三名、住宅の全壊が三棟、半壊が六棟、一部損壊が五十二棟といった被害が出ております。  こうした自然災害は、家や家族、仕事やコミュニティーなど、私たちの生活を支えるものを一気に奪い去ることすらあります。こうした自然災害に見舞われた際には、災害救助法によって、被災者の救出、避難所、応急仮設住宅の設置、食料品や飲料水、被服、寝具、学用品の給与、医療や助産、住宅の応急修理、住宅やその周辺の土石などの障害物の除去といった、応急的に必要な救助を、国からの法定受託事務として都道府県が被災者に対し行い、被災者保護と社会秩序の保全を図るものとされております。  また、住宅が全壊などの状況になった際には、被災者生活再建支援法によって、支援金が一定の条件のもとで支給されます。もちろん、こうした自然災害に被災した際に、住宅の再建など居住の確保については、保険、共済などの自助、共助が基本であるのは言うまでもありませんが、被災者がみずからの努力で居住安定を確保しようとする際に、その早期立ち上げをバックアップする公助についても、その必要性は論をまたないものだと思います。  今、申し上げました被災者生活再建支援法は、平成十年、第二次橋本内閣の際に、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者に対して、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して被災者生活再建支援金を支給するための措置を定めることにより、その生活の再建を支援し、もって住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資することを目的として制定されました。基金の財源は都道府県からの拠出金であり、国は支給金の金額の二分の一に相当する額を補助することとされております。この制度のもとで、自然災害により住宅が全壊するなどの被害を受けたときに、最大で三百万円の支援金を受け取ることができるわけです。突然の災害によって、住む住宅を失うといった絶望的な状況の中でこうした支援金が受け取れるということは、生活を再建しようとする被災者にとって本当にありがたいものだと思います。  しかし、この支援金の支給については、現行では支援法の適用範囲を、市町村または都道府県単位の被害規模で決める仕組みとなっております。例えば、十八年前の一九九九年九月二十四日、台風十八号の影響によって愛知県内で四つの竜巻が発生しております。豊橋市、豊川市、蒲郡市、弥富町の四カ所で竜巻が発生いたしましたが、中でも豊橋市で発生した竜巻は、戦後最大級のF三クラスで、甚大な被害が発生しております。豊橋市内では五十二世帯の家屋が全壊し、この被災者生活再建支援法に基づいて支援金が支給されております。しかし、一方で、豊川市内においては一世帯の住宅が全壊しているわけなんですが、支援法の適用外ということで支援金は支給されておりません。  この夏、豊橋市で発生した竜巻においても、三世帯の住宅が全壊するなど被害が出ておりますが、やはり支援法適用外ということで、支援金は支給されておりません。  今日まで、知事会から支給基準の見直しなどの要望が出されておりますし、また、国においても検討会が開催されて見直しについて議論がなされておりますけれども、現在まで改善はなされておりません。  このように、ある自然災害によって十世帯以上の住宅の全壊被害が発生した市町村に住む被災者には支援金が支給されておりますが、同じ災害による被害でも全壊被害が十世帯未満の市町村に住む被災者には支援金が支給されないなど、従前から支援法の適用に差があるのは不公平だという指摘もございました。  同様に、自然災害という本人に帰責のない事象による住宅の全壊という被害を受けた方がいるのに、地域で幾つの家が全壊したのかその数によって支援がなされるのかなされないのかが決まるのは、やはり不合理であるのではないのでしょうか。住宅が全壊するという被害を受けた方は、周りでどれだけの家が全壊したかどうかは関係なく、その被災者御自身で御自身の生活を再建していかなければならないわけです。全壊被害の数の多い少ないは、生活を再建していく被災者にとってはやはり関係はありません。  国が定めました防災基本計画には、被災地の復旧・復興は、地方公共団体が主体となって、住民の意向を尊重しつつ協働して計画的に行い、国はそれを支援するものとする、また、地方公共団体は、被災者生活再建支援法の適用条件に満たない規模の自然災害が発生した際には、同法の趣旨を踏まえ、独自の支援措置を講ずることができるよう、必要な措置を講ずるものとするとあります。  一定規模以上の被害が生じた大規模災害であって、全壊、大規模半壊といった著しい住宅被害を受けた被災者には、支援法に基づいて全都道府県の相互扶助により拠出した資金をもとにした基金から被災地方公共団体に一定の支援金を支給し、それに対して国が一定の補助を行っております。一方で、支援法の適用に至らない被害に遭った地域については、被災地方公共団体が支援金などによる被災者支援など必要な支援措置を講じると、こういう枠組みで、今、対応が行われております。  災害が発生した際にどのような支援を行うかは、現在は都道府県単位で検討し必要な措置を講じることとなっており、支援法が適用されない小規模な災害についても、被災した都道府県が、被災した市町村と連携をとりつつ、支援金の支給などの必要な支援を講じることが適切であると国のほうでは考えられております。  そうした中で昨今では、現在二十府県において、最大で三百万円の支援金が受け取れる、支援法と同等の支援措置が実施されております。  愛知県においては現在、災害見舞金制度はありますが、適用条件も厳しく、支援法と同等の支援措置を講じているとは言いがたいように思います。  支援法が適用されない地域の被害は一定規模の被害であって、被災者に対して地方公共団体が支援法と同等の支援措置を実施するのに必要と見込まれる金額は数百万円から数千万円程度であると考えられます。そうしたことからも、現在、国と地方の役割分担のもとで独自の支援措置を実施する都道府県が年々増加してきております。  そこで、本県としましても、支援法適用外の災害に対して支援法と同等の支援措置を講じるべきであると考えますが、県当局の御所見をお伺いします。また、その実現に向けては、庁内での検討はもちろん、本県と県内市町村の財源負担の割合など、市町村とのさまざまな調整等が必要になると考えますが、今後どのように考えて取り組んでいかれるのかお伺いしたいと思います。  以上、壇上からの質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 51: ◯議長中野治美君) この際、お諮りいたします。会議中時間経過のおそれがありますので、時間を延長することに決しまして御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 52: ◯議長中野治美君) 御異議なしと認めます。よって、時間は延長することに決定いたしました。
    53: ◯農林水産部農林基盤局長(勝又久幸君) 豊川用水事業の進捗状況と事業効果の啓発について、三点お尋ねをいただきました。  まず、豊川用水二期事業の事業主体である独立行政法人水資源機構より県が受託施工している牟呂用水幹線水路の改修状況についてお答えいたします。  この改修工事の全体事業費は二十六億四千万円で、工期は平成二十八年度から三十三年度までを予定しており、議員お示しのとおり、水路施設の改築と大規模地震対策の二つを目的としたものでございます。  このうち水路施設の改築は、用水の流量が少ない冬期においても安定的に通水できるよう、既設の牟呂用水幹線水路内に小断面の水路を設置するものです。  これにより、水田から転換された畑に冬キャベツやトマトなどの高収益作物の作付が促進され、農業競争力の強化が図られることとなります。  この水路施設の改築については、全体九・七キロメートルのうち、工事初年度の平成二十八年度には一・二キロメートルが完了し、本年度は引き続き、二・九キロメートルを実施しております。  また、大規模地震対策につきましては、南海トラフ地震による幹線水路の損壊及び隣接する住宅などへの二次災害を防止するため、耐震性が不足している区間〇・九キロメートルの耐震補強を行うものであり、平成二十八年度は〇・三キロメートルを完了したところであります。  水路改築と耐震補強を合わせた平成二十九年度までの進捗率は、約四二%となる予定でございます。  県といたしましては、今後も国や水資源機構などの関係機関との調整を十分に行い、平成三十三年度の完了に向けて着実に本事業を進めてまいります。  次に、豊川用水における小水力発電施設の導入状況についてお答えいたします。  県では、企業や電力会社、大学、国、水資源機構などの関係機関と連携して、産学官連携・愛知県農業用水小水力発電推進検討委員会を平成二十四年度に設立し、農業用水を利用した小水力発電施設の導入促進に取り組んでおります。  豊川用水におきましては、東部幹線水路の二川調節堰、大島ダムに設置した二カ所の発電施設が平成二十七年度より稼働しており、電気事業者に売電することにより得た収入を、関係土地改良などが負担する維持管理費の軽減に充てております。  また、現在、建設が進められている宇連ダムと西部幹線水路の駒場池流入工の発電施設につきましては、本年度末までに完成する予定で、この二カ所が稼働を開始しますと、豊川用水における四カ所の発電施設を合わせた年間発電量は四千七百四十メガワットアワーとなり、これを一般家庭が一年間に消費する電力量で換算しますと約千三百世帯分に相当いたします。  最後に、豊川用水の通水五十周年を迎えるに当たり、用水の恩恵と重要性を地域住民、県民に対してどのように伝えていくのかについてお答えいたします。  通水から五十年となる来年を節目の年と捉え、県、市、水資源機構、土地改良など、豊川用水の関係機関で構成する豊川用水通水五十周年記念事業準備会を平成二十八年に立ち上げております。  この準備会では、五十周年にふさわしいロゴマークやキャッチフレーズを公募等により選定し、ことしの七月には、豊橋総合動植物公園で開催されたイベント会場に豊川用水のPRブースを設置し、ロゴマークの入ったのぼりやパネル展示などにより、通水五十周年の機運を盛り上げているところでございます。  今後は、豊川用水通水五十周年記念事業として行う、上下流住民の交流を促進する小学生によるスポーツイベントや記念式典の開催などを通じて、豊川用水とともに発展してきた東三河地域の暮らしや産業がいかに水の恩恵を受けてきたのかを広く知っていただくとともに、とりわけ未来を担う若者たちに、これからも豊川用水を守り続けていくことが東三河地域のさらなる発展のために重要であることをしっかりと伝えてまいります。 54: ◯防災局長相津晴洋君) 被災者生活再建支援制度についてであります。  災害時における住宅の再建等住居の確保につきましては、保険、共済等による自助、共助が基本でありますが、阪神・淡路大震災を契機といたしまして、大規模で広域的な災害による被災者を支援するため、さまざまな議論を経て平成十年に被災者生活再建支援法が制定されました。  各都道府県は、この法律に基づきまして、相互扶助の観点から基金を積み立て、被災者生活再建支援制度の対象となる災害が発生した場合には基金を活用して、生活基盤に著しい被害を受けた被災者に対して支援金を支給するものでございます。  この制度につきましては、全国知事会の要請を受けまして、平成十六年には、支給額や対象世帯、対象災害の拡充が行われ、平成十九年には、所得制限の撤廃、さらなる対象世帯、対象災害の拡充が行われるなど、制度の大幅な充実が図られてきたところでございます。  しかしながら、現行制度においても、支援法の適用対象となる災害において支給対象とならない地域が生じるといった不均衡があるため、継続して全国知事会を通じた要請を行っておりますが、依然として改善されていない状況にあります。引き続き、国に要請してまいりたいと考えております。  こうした中、議員御指摘のとおり、支援法に基づく支給制度が行き届かない小規模な災害については、現行制度では国として支援を想定していないことから、本県といたしましては、県と市町村との役割分担、費用分担のあり方を含めて、市町村を交えた検討を行っていくことが必要であると認識しているところでございます。 55: ◯二十二番(丹羽洋章君) 被災者生活再建支援制度について要望させていただきます。  先ほど申し上げましたとおり、一定規模の被害が生じた大規模災害であって、全壊、大規模半壊といった住宅被害を受けた被災者に対して法に基づいて基金から一定の支援金が支給されているわけですが、それに対して国も一定の補助を出しているという制度でございます。  一方で、今回の豊橋市の竜巻被害ですとか、十八年前の豊川市の竜巻被害など、支援法の適用に至らない被害に遭った地域については、被災地方公共団体が支援金などによる被災者支援など必要な支援措置を講じるという枠組みで対応されているわけでございまして、法によりますと、一定規模、大きな災害は国が補助金を出しますが、補助金を出さない小規模な災害については地方自治体が支援をしなくていいですよということでは決してないはずです。地方自治体が、そんなに金額も大きくならないので、地方自治体独自で支援をしてくださいという枠組みだというふうに私は理解しております。  そうしたことで、現在二十の府県において支援法と同等の支援措置が独自で行われているわけでございますが、この愛知県におかれましてはそうした支援が現在行われていない実情でございます。  そうしたことで私は、愛知県、本県においても被災者生活再建支援法の拡充について、今、御答弁いただきましたが、今後、市町村とともに協議を進めていきますというふうに受けとめさせていただきましたが、可能であるならば遡及効も含めて御検討いただいて、早急に取り組んでいただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 56: ◯四十一番(近藤ひろひと君) 本日はこれをもって散会し、明九月二十八日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 57: ◯議長中野治美君) 近藤ひろひと議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 58: ◯議長中野治美君) 御異議なしと認めます。  明九月二十八日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後四時五十八分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...