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  1. 愛知県議会 2013-12-01
    平成25年12月定例会(第3号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 平成25年12月定例会(第3号) 本文 2013-12-05 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 57 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長久保田浩文君) 選択 2 :  ◯議長久保田浩文君) 選択 3 :  ◯四十番(堀嵜純一君) 選択 4 :  ◯健康福祉部長伊藤輝明君) 選択 5 :  ◯教育長野村道朗君) 選択 6 :  ◯健康福祉部健康担当局長加藤昌弘君) 選択 7 :  ◯四十番(堀嵜純一君) 選択 8 :  ◯議長久保田浩文君) 選択 9 :  ◯十九番(佐波和則君) 選択 10 :  ◯環境部長杉浦健二君) 選択 11 :  ◯産業労働部長小山和久君) 選択 12 :  ◯教育長野村道朗君) 選択 13 :  ◯知事大村秀章君) 選択 14 :  ◯十九番(佐波和則君) 選択 15 :  ◯三十九番(原よしのぶ君) 選択 16 :  ◯議長久保田浩文君) 選択 17 :  ◯議長久保田浩文君) 選択 18 :  ◯副議長鈴木正君) 選択 19 :  ◯二十五番(飛田常年君) 選択 20 :  ◯防災局長小林壯行君) 選択 21 :  ◯健康福祉部健康担当局長加藤昌弘君) 選択 22 :  ◯農林水産部農林基盤担当局長(溝田大助君) 選択 23 :  ◯建設部長(平井雄二君) 選択 24 :  ◯知事大村秀章君) 選択 25 :  ◯二十五番(飛田常年君) 選択 26 :  ◯副議長鈴木正君) 選択 27 :  ◯四十九番(みやけ功君) 選択 28 :  ◯総務部長(中西肇君) 選択 29 :  ◯健康福祉部長伊藤輝明君) 選択 30 :  ◯知事政策局長(石原君雄君) 選択 31 :  ◯知事大村秀章君) 選択 32 :  ◯四十九番(みやけ功君) 選択 33 :  ◯副議長鈴木正君) 選択 34 :  ◯六十七番(木藤俊郎君) 選択 35 :  ◯防災局長小林壯行君) 選択 36 :  ◯農林水産部長(中野幹也君) 選択 37 :  ◯健康福祉部健康担当局長加藤昌弘君) 選択 38 :  ◯建設部長(平井雄二君) 選択 39 :  ◯知事大村秀章君) 選択 40 :  ◯六十七番(木藤俊郎君) 選択 41 :  ◯三十八番(坂田憲治君) 選択 42 :  ◯副議長鈴木正君) 選択 43 :  ◯副議長鈴木正君) 選択 44 :  ◯議長久保田浩文君) 選択 45 :  ◯六十番(須崎かん君) 選択 46 :  ◯防災局長小林壯行君) 選択 47 :  ◯環境部長杉浦健二君) 選択 48 :  ◯知事大村秀章君) 選択 49 :  ◯議長久保田浩文君) 選択 50 :  ◯十八番(永井雅彦君) 選択 51 :  ◯警察本部長(沖田芳樹君) 選択 52 :  ◯県民生活部長(寺澤義則君) 選択 53 :  ◯建設部長(平井雄二君) 選択 54 :  ◯十八番(永井雅彦君) 選択 55 :  ◯三十九番(原よしのぶ君) 選択 56 :  ◯議長久保田浩文君) 選択 57 :  ◯議長久保田浩文君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時開議 ◯議長久保田浩文君) ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 一般質問並びに第百二十三号議案平成二十五       年度愛知県一般会計補正予算から第百四十一号       議案愛知県立心身障害児療育センター第二青い       鳥学園の指定管理者の指定についてまで 2: ◯議長久保田浩文君) 第百二十三号議案平成二十五年度愛知県一般会計補正予算から第百四十一号議案愛知県立心身障害児療育センター第二青い鳥学園の指定管理者の指定についてまでを一括議題といたします。  これより一般質問並びに提出議案に対する質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  堀嵜純一議員。     〔四十番堀嵜純一君登壇〕(拍手) 3: ◯四十番(堀嵜純一君) 皆さん、おはようございます。  本日から始まります一般質問、初めにさせていただきます堀嵜純一でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  初めに、障害者虐待防止法施行から一年の現状と課題について伺います。  障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律、略して障害者虐待防止法が平成二十四年十月一日の施行から一年経過いたしました。この法律の施行によって解決した事件も数多く報道されるなど、障害のある人への虐待を防止する上で大きな力になっていると考えられております。  しかし、一方では、家庭などの養護者への支援や虐待を発生させない環境づくり、学校や病院などを通報の対象に今後含むかどうかなど、課題も多く残っております。障害者虐待防止法の施行から一年が経過したこの機に、改めてこの法律に対する愛知県の取り組みについて質問をいたします。  この法律は、閉鎖的な雇用の場や入所施設でのひどい虐待事件が立法の出発点であり、障害者が必死に訴えても、公的機関がなかなか取り合おうとしなかった反省を込めて、国において議員立法によりつくられました。  第一条には、法律の目的として、障害者に対する虐待は、その尊厳を傷つけるものであり、障害者虐待の防止や家族に対する支援などに関する施策を促進することで、障害者の権利を守ることが挙げられております。
     第三条では、全ての人に障害者への虐待行為をしてはならないことを定め、第七条などでは、障害者虐待を発見した際には、速やかに通報する義務を有していることが規定されております。  こうしたことから、虐待防止法は、障害のある人の人権や尊厳を守るために、行政だけでなく、全ての国民に求められる役割を定めた法律であると言えます。  市町村には、障害者虐待の通報などを受け、虐待を防止するための相談や支援を実施する機関として、障害者虐待防止センターの設置、都道府県には、障害者虐待に関する相談や身近な相談機関の紹介、障害者を雇用する事業主、使用者による虐待についての通報や届け出を受け付ける機関として、障害者権利擁護センターが設置されております。  そこで、市町村に設置されている障害者虐待防止センターについて、何点か質問をいたします。  愛知県では、五十四市町村のうち四十五の自治体が直営で運営されており、業務の一部を含め、外部委託している自治体はわずか九カ所であります。全ての市町村において、休日、夜間を問わず二十四時間対応を実施していると伺っております。  障害者虐待防止センターの役割には、虐待を防止するための相談や支援の提供もあり、これらを円滑に実施するためには、地域の基幹的な相談支援事業所や社会福祉協議会への業務委託が有効との考え方もありますが、八割もの自治体が直営による設置を選択した理由は何があるのでしょうか。  虐待防止法では、虐待通報などの受け付けは虐待防止センターで対応することになっております。現地への立入調査や緊急時の一時保護措置は、市町村による直接対応を求めており、虐待防止センターを外部委託した場合でも、深刻な状況であると判断された場合には、行政が直接対応することが必要となっております。  また、虐待防止法には、虐待防止センターを設置、運営するための特別な補助金制度などがないため、費用の面がネックとなって外部委託ができない一つの要因ではないかと考えられますが、いかがでしょうか。  虐待防止センターの職員体制や虐待通報などの受け付け体制ですが、多くの市町村が直営している状況から見ると、他の所管業務もあり、完全な専任体制をとることが困難な現状ではないかと思われます。  市町村の障害福祉行政の現場は、新たな法律の創設や改正で近年特に繁忙であり、担当職員の業務量も多く、人と人とのかかわる事務的には解決できない問題に取り組むには専念できないのではないかと感ずるときがありますが、これでは虐待防止法の趣旨が浸透できるかと不安を覚えるのは私だけでしょうか。  また、虐待防止法では、市町村に対して専門的な人材の確保や資質の向上を求めております。愛知県としても、本法立法後、障害者虐待防止や権利擁護の研修など、どのような施策を展開してきたか、また、起きてしまった虐待事例にどのように対処やアドバイスをしてきたか伺います。  また、今後、虐待防止センターをより専門的に機能させるために、運営に係る補助制度を設けるなど、機能の充実をバックアップする考えはないか伺います。  続いて、県内における平成二十四年度の障害者虐待の状況について質問をいたします。  本年十一月、健康福祉部障害福祉課からの報告では、立法後の平成二十四年十月一日から二十五年三月末までの六カ月間の障害者虐待に対する相談、通報、届け出件数は二百七件とあり、そのうちでは、養護者、すなわち障害者の身辺の世話をしている家族、親族、同居人などによる虐待が最も多く、全体の七割以上を占め、次に福祉施設従事者等によるもの、次いで障害者を雇用する使用者によるものとなっておりました。  また、虐待認定がされた事案の被虐待者の障害種別は、知的障害が最も多く、精神障害、身体障害となっておりました。  ここでやはり気になるのは、家庭内における虐待の件数が際立っていることであります。家庭内の虐待が周囲からの孤立などによって引き起こされているものであれば、とても残念で悲しいことではないでしょうか。  この現状を放置することなく、今後は虐待が起きないようにするという観点から、家庭、家族への支援に重点を置いていただきたいのですが、行政施策としてどのような施策を充実していかなければならないかと考えているか伺います。  また、障害者福祉施設従事者等による障害者虐待が報告されている現状から、大阪府の取り組みを紹介させていただきます。  過去、大阪では、障害者施設での虐待事案の報道が相次ぎ、何とかこの状況を改善しようと、平成二十三年度からの三年間、知事重点事業として、サービス改善支援員派遣事業を実施しているそうであります。  この事業では、大阪府内の障害児、障害者の入所施設全てを対象に、第三者である社会福祉士がサービス改善支援員として訪問し、福祉の専門職として、第三者から見た利用者本位の視点から気づいたことを施設と共有し、課題の抽出と、それに対する対応策をともに考えるというもので、告発指導型ではなく対話交流型の取り組みで効果を上げているというものでありました。  施設は、ともすれば閉鎖的な空間であり、第三者としての視点がより重要となっております。このサービス改善支援員が訪問したことにより、開かれた施設、みずからの施設をみずからの手でよりよい施設にという取り組みが着実に推進できてきたという事例がございます。  このような対話や交流が障害者を取り巻く環境の改善につながり、利用者のための支援につながると思いますが、本県として、この行政事例をどのように考え、このような制度を構築するつもりはないか伺います。  最後になりますが、虐待防止法施行から一年がたち、現状の把握、虐待事例の集積、分析、そして、法の見直しを含めた多くの意見や議論が現在持ち上がってきていると思います。  障害児者の日常である学校や病院内で行われた虐待行為の通報を含め、この法律の趣旨を皆が理解、共有し、ノーマライゼーションの精神、すなわち障害があっても、普通に学び、働き、暮らすことができる社会を目指す各種の福祉施策の充実を願い、この質問を終わります。  次に、児童生徒に係る非常変災時における学校の対応方針について伺います。  変災とは聞きなれない言葉ですが、天災から受ける災難、天変地異による災難などを言うのでありますが、特に今回は、台風及び大雨のときの生徒児童の安全な下校について伺います。  近年、異常気象に対する安全対策は大きな課題となっております。ことしに入ってからも、九月に台風十八号による大雨、十月には台風二十六号による暴風、大雨により全国各地で大きな被害が発生をいたしました。  また、皆さんの御記憶にも新しいことと思いますが、岐阜県においては、本年九月四日に県内を襲った集中豪雨の際に、自転車で下校中の県立特別支援学校の生徒が川に流され死亡するという大変悲しい事案がありました。それを受け、非常変災時の対応方針を岐阜県として検討してきたと聞いております。  その結果、岐阜県では、県立高校や特別支援学校に対して、非常変災時における対応方針を協議し、関係機関に次のような対応方針を出しました。  その一部を申し上げます。内容は大きく省略させていただきますが、県立高等学校・特別支援学校に対する非常変災時における対応方針として、登校に関して、警報が発表されている場合は、自宅待機を原則とする。下校に関して、警報発表中及び警報発表が予想される場合は、学校待機を原則とする。警報発表後に帰宅させる場合は、警報解除後を原則とする。その際、児童生徒だけでは帰宅させない。警報発表中及び警報発表が予想される場合は、情報を把握する本部を設置する。県内広域に大規模な災害の発生が予想され、速やかにその徹底を要する場合には、県災害対策本部教育部長が全域または地域を指定して、休業等を決定するものとするということが通知されております。  また、少し前のことではありますが、愛知県内においても、平成三年に大府市で、当時中学校一年生の男子生徒が増水した川に流されて死亡する、これもまた悲しい事案が発生いたしました。  大府市では、その後の見直しで、暴風警報だけではなく、大雨警報、洪水警報、大雪警報の取り扱いは暴風警報と同様であるとし、登校後、これらの警報が発令されたときは、各保護者等による教室にての引き渡しが原則となりました。  さらに、気象庁では、本年八月に特別警報を新たに創設いたしました。これは、これまでにない尋常でない大雨等が予想されるときや、重大な災害が起こる可能性が非常に高まっているときに発表されるものでございます。こうした動きから、国も異常気象への対応を重要な課題として捉えていることがわかります。  台風、低気圧、集中豪雨などがもたらす風水害は、今日ある程度予測が可能であるため、気象情報等を確認し、事前の対応をとることで被害を軽減させることが可能と言われております。  特に、近年、人工衛星等の活用により気象情報を地域別に正確かつ短時間で把握することも可能となってきました。そうした気象情報を初めとするさまざまな関連情報を正確かつ迅速に収集する手段の整備や体制の構築こそが災害対策においては重要であると考えております。  そこで、次の三点について教育長にお尋ねいたします。  一点目ですが、岐阜県においても、大府市においても、事故の発生を受けて、自然災害発生時の対応方針の見直しが行われました。特に、登校後の警報の発表や警報の発表が予想される場合、学校待機を原則とし、警報解除後帰宅させることを原則とする原則論が明記されました。大府市でも、警報が発令されたときは、各保護者による教室にての引き渡しが原則となりました。  小学生が暴風や大雨のさなか下校させるのが安全か、堅牢な学校にとめ置き、保護者に引き渡すのが安全か、この災害時の登下校の再検討の必要性を私は感じますが、県教育委員会はどのような対策を講じられているか伺います。  二点目ですが、本年八月に新たに創設されました特別警報が発表された際の学校の対応についてどのように指導されているか伺います。  三点目ですが、各学校において、気象情報を初めとする関連情報を迅速かつ的確に収集することが重要であると思われますが、そのための県教育委員会の取り組みを伺います。  次に、あいち歯と口の健康づくり八〇二〇推進条例の施策の状況について伺います。  愛知県では、歯と口の健康づくりに関する施策を一層推進し、県民の生涯にわたる健康で質の高い生活の確保に寄与することを目的として、あいち歯と口の健康づくり八〇二〇推進条例が超党派の議員提案として本年二月議会に上程され、三月二十九日に公布、施行されました。  歯と口の健康は、食べる、話す、表情をつくるなどの機能を支えるとともに、生活習慣病の予防や全身の健康の保持増進に資するなど、県民が生涯を通じて健康で生き生きと過ごしていくためには欠かすことができない要素となっております。  さらに、高齢化が進展する我が国において、生涯を通じて健康で質の高い生活を送るには、そしゃく機能を初めとする口腔機能は大きな役割を果たすものと考えられております。  このことを踏まえ、同条例では、乳幼児期から高齢期まで全てのライフステージごとにその特性を踏まえた施策が示されていることに加え、障害のある者、介護を必要とする者の歯科医療や災害時における歯科医療提供体制の確保、歯科診療を通じた保護者による適切な健康管理がなされていない子供の早期発見、また、八〇二〇運動の推進など、幅広い施策が盛り込まれた特色ある内容となっております。  ある学説によれば、歯と口の健康は、高齢期になってもそしゃく力の維持ができ、バランスよく栄養が補給できる、バランスよく食事ができるということは、医療費の削減につながり、個人や自治体の費用負担が軽減される、歯が二十本以上残っている人は、認知症になるリスクが低いとも言われております。  本県は、八〇二〇運動発祥の地として、歯科口腔保健の推進についてさまざまな取り組みを進めてきたところであり、特に乳幼児の齲しょく対策については大きな成果を上げているということでありますが、歯周病については、平成二十三年度に報告されました健康日本21あいち計画最終評価において、計画策定時より状況が悪化していることから、さらなる取り組みが必要であると考えられております。  歯周病は、成人期以降の歯の喪失の主要原因であるばかりではなく、糖尿病を初め、脳卒中、心筋梗塞、骨粗しょう症などのリスク要因となることから、より一層の予防対策が求められるところであります。  歯周病は、自覚症状が少なく、慢性的に進行する疾患であることから、有効な保健行動の一つとして、定期的な歯科検診の受診が挙げられます。  平成二十三年に制定されました歯科口腔保健法でも、国及び地方公共団体は、国民が定期的な歯科検診を受けること等の勧奨、そのほか必要な施策を講ずるものとすると定められており、歯科口腔保健の知識の普及とあわせて、より一層取り組んでいく必要があることが示唆されております。  そこで質問いたします。  本県の条例では、歯科検診の促進を基本的施策として位置づけられておりますが、県は、歯科検診の促進に向けてどのように取り組んでいかれるのか、初めに伺います。  また、市町村が実施する歯周疾患検診については、対象の年齢がまちまちであるなど、市町村ごとに実施内容の差が大きく、県全体として歯周疾患検診の水準を向上させていく必要があると考えます。  歯周疾患検診制度の充実に向けて、県は、市町村に対してどのような働きかけをしていくのか伺います。  以上で壇上からの質問とさせていただきます。明快な答弁を期待し、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 4: ◯健康福祉部長伊藤輝明君) 障害者虐待防止に関する御質問にお答えいたします。  まず、市町村における障害者虐待防止センターについてでございます。  障害者虐待防止法において、市町村は、障害者の福祉に関する事務を所掌する部局、または当該市町村が設置する施設において、障害者虐待防止センターとしての機能を果たすようにするものとし、虐待の発見者や被虐待者からの通報、届け出の受理、あるいは障害者及び養護者への相談等の業務を行うことと定められております。  具体的には、虐待の通報を受けたセンターでは、速やかに市町村の担当部局に連絡をすることになっており、担当部局は、障害のある方の安全確認や緊急保護などの対応について、組織的な協議、検討をすることが必要となります。このため、多くの市町村が通報から対応に至る一体的な対策が図られるよう、直営による設置を行っているものと認識しております。  なお、法律上、障害者虐待防止センターの業務を委託することが認められておりますが、各市町村においては、費用の問題からではなく、通報、届け出の受理や立入調査及び保護、その後の支援などを考慮し、直営あるいは委託による設置の判断をしておられるものと考えております。  次に、障害者虐待防止に係る県の施策についてでございます。  障害者虐待に適切に対応するためには、障害者からの相談や養護者への支援などに適切に対応できる人材の育成を図ることが何より重要でございます。  このため、平成二十四年度から、市町村の職員はもちろん、障害福祉サービス事業者に対しても、権利擁護に関する理解、あるいは虐待防止に係る研修会を実施しまして、相談支援者の人材の確保と資質向上に努めておるところでございます。  また、県では、市町村を初め、障害福祉サービス事業者や警察、医療機関などを構成員とする障害者虐待防止連携会議を設置し、迅速かつ効果的な取り組みについて情報交換を行うなど、地域における関係機関の協力体制の整備充実に努めておるところでございます。  虐待事例への対応といたしましては、市町村では対応の難しい事例に対し、県に設置しました障害者権利擁護センターの職員が助言や情報提供を行うほか、専門的、法的な相談が受けられますよう嘱託弁護士を設置するなど、虐待対応の窓口である市町村が適切に対応できるよう支援に努めておるところでございます。  次に、障害者虐待防止センターの機能の充実についてであります。  障害者虐待防止センターは、最初に虐待の通報や相談に当たる窓口でございますので、職員の専門性や的確な対応が求められます。県といたしまして、こうした窓口職員の資質向上を図るために、国の虐待防止研修の受講者を講師に専門的な研修会を開催するなど、障害者虐待防止センターの機能充実に向けた支援を行っております。  今後も、県内で蓄積された実際の虐待事例を踏まえた研修内容とするなど、さらなる充実を図ってまいります。  なお、センターの運営に係る経費は交付税措置されているところでありまして、また、地域における関係機関の連携協力体制の整備や、休日・夜間対応のための人員配置、普及啓発事業などに要する経費に対しましては、国庫補助対象とされております。  県といたしましては、市町村に対し、こうした補助制度を十分に活用するよう働きかけるなど、障害者虐待防止センターの機能充実に努めてまいります。  次に、家庭や家族への支援対策の充実についてであります。  障害者虐待防止法が施行されました昨年十月から本年三月三十一日までに、本県で障害者虐待と認められた件数は九十五件となっております。そのうち、養護者による虐待と認定されたものは八十七件で九割を占めております。家庭内で一緒に生活をし、障害のある方のお世話をしている家族が加害者になりやすいという状況がございます。  その背景には、障害のある方を養護する家族に過重な負担がかかっていることがあることも指摘されており、障害者虐待防止法においても、養護者の負担軽減を図るため支援を行うことが法の目的の一つに掲げられているところでございます。  県といたしましても、虐待の早期発見や虐待が起こってしまった場合の対応はもとより、虐待の未然防止のため、養護者の悩みの解消や負担軽減に向けた取り組みに一層力を入れていかなければならないと考えております。  このため、障害のある方を介護する家族への支援として、ショートステイなどのサービス基盤の整備や利用の促進を市町村に働きかけるとともに、身近な市町村や相談支援事業所の職員が家族の悩みなどに早期に気づき、速やかな支援につなげていけるよう、相談支援専門員の養成により一層努めてまいりたいと考えております。  最後になりますが、大阪府のサービス改善支援員派遣事業についてお答えをいたします。  障害者福祉施設や障害者の介護に当たるサービス事業所の職員は、障害のある方と日常的に接する時間も長く、虐待が行われていることに気づきやすい、そういう立場にある一方で、虐待の加害者となる可能性もあります。  このため、議員御指摘の大阪府における事業のように、社会福祉士等が障害者福祉施設を訪問し、施設内虐待ゼロを目標に、対話や交流等の手法により施設みずからの改革を支援することは、施設内虐待の防止に向けて大変意義のある取り組みと認識しております。  本県におきましては、名古屋圏域を除く十一の障害保健福祉圏域に県独自に地域アドバイザーを設置し、市町村や障害福祉事業所などに対しまして、対応が困難な事例などへの専門的な助言を行うほか、それぞれの地域において、地域アドバイザーが中心となって、障害者福祉施設における事例を踏まえた権利擁護や障害者虐待防止に関する研修会を実施するなど、利用者にとってよりよい施設としていただくための取り組みを支援しております。  本県としては、引き続きこうした取り組みの充実を図りまして、障害者を取り巻く環境の改善に向け、市町村と連携をして取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 5: ◯教育長野村道朗君) 非常変災時における学校の対応方針のお尋ねのうち、まず、在校時の自然災害発生時の県の対策ということでございます。  本県では、児童生徒の在校時に暴風警報が発表された場合には、気象、交通機関、通学路の状況等から、児童生徒を安全に帰宅させることができると判断したときは授業を中止し、速やかに下校するようにいたしますが、通学路の冠水や河川の増水等により下校が危険なときや、交通機関の途絶等により帰宅が困難なときには、校内に待機して安全を確保するということを原則といたしております。  また、暴風警報が発表されていない場合におきましても、大雨等異常気象により児童生徒の安全確保に困難が予想される場合につきましては、気象や通学路等の状況を判断し、休業や授業の中止を決定するよう指導いたしております。  なお、こうしたことを判断する場合には、地域の環境や災害の状況を迅速かつ幅広く把握して、最も安全な対応を選択することが重要となります。  このため、県教育委員会では、県内の全公立学校の防災担当教員を対象といたします研修で、市町村防災担当部局、地域の防災ボランティアも加えた地区別の情報交換を行いまして、地域の防災ネットワークづくりにも努めておりますので、こうしたことも活用して、より適切な対応をとることができるようにしてまいりたいと考えております。  次に、特別警報が発表された場合の学校の対応についてお尋ねをいただきました。  特別警報は、過去のデータをもとに、数十年に一度の降雨量となる大雨や、強度の台風等の発生が切迫していることを伝えるために創設されたものでございまして、特別警報が発表された際には、直ちに命を守る行動をとることが大切でございます。  この特別警報の創設を受けまして、県教育委員会では、平成十六年時に定めた異常気象時の対応方針を見直し、ことし八月末に特別警報発表時の対応例を加えた新たな方針を県立学校及び市町村教育委員会に通知しているところでございます。  内容といたしましては、登校する前に特別警報が発表された場合には、登校させず自宅待機とし、警報が解除された場合であっても、安全に登校させることができると判断できるまでは登校させないということといたしております。  また、在校時に特別警報が発表されました場合には、すぐに授業を中止し、災害の状況や気象、交通機関、通学路の状況等にかかわる情報収集を迅速に行い、それに基づきまして、学校とめ置き、外部の避難場所への移動、保護者への引き渡しなど、児童生徒の生命及び安全の確保にとって最善の対応を判断することといたしております。  なお、この方針につきましては、県校長会を通じて、各学校に周知徹底を図ったところでございます。  最後に、災害関連情報を迅速かつ的確に収集するための県教育委員会の取り組みについてもお尋ねをいただきました。  県教育委員会では、異常気象による災害のおそれがある場合には、学校でテレビ、ラジオ、インターネット等を活用し、積極的に情報収集するよう学校を指導いたしておりますが、県教育委員会におきましても、台風接近時等には、警報が発表される前に名古屋地方気象台から情報を収集するようにしております。そうした情報を県立学校や市町村教育委員会に一斉送信が可能なiファックスにより迅速に伝達し、各学校が早目に対応できるよう支援をいたしております。  台風や大雨などは、地震と違いまして、毎年必ずやってまいりますことから、教育委員会では、今年度、防災教育指導者研修会で建設部河川課の職員から、最近の水害の状況などの気象情報だけでなく、水防災教育プログラム、洪水予報や川の水位情報、ライブカメラによる現地情報の収集方法について学ぶ場を設け、各学校の担当者の情報収集に係るスキルアップを図ったところでございます。  また、来年一月に県内の全公立学校の学校安全担当教員を対象として開催する愛知県学校安全研究大会におきましても、名古屋地方気象台長による自然災害の対応方法についての講演を予定しているところでございます。  いずれにいたしましても、予測が難しい自然災害から児童生徒の安全を守るためには、教員及び児童生徒の災害対応能力を育成することと、関係機関の連携による地域の防災力の強化が重要でございますので、今後とも、より迅速に適切に対応をとることができますよう引き続き取り組んでまいりたいと、このように考えております。 6: ◯健康福祉部健康担当局長加藤昌弘君) 歯と口の健康づくりに関する御質問のうち、まず、歯科検診の促進に向けた県の取り組みについてお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、歯周病が全身の健康に及ぼす影響は非常に大きく、また、歯周病の予防のためには定期的な歯科検診の受診が重要でございます。  このため、県は、毎年六月の歯の衛生週間を中心とした期間に街頭キャンペーンを実施し、また、大手スーパーの協力を得まして、レシートに歯科検診受診を促すPRを掲載するなど、県民の歯科検診受診促進に向け、さまざまな普及啓発活動を実施しております。
     しかしながら、県が平成二十四年度に実施をいたしました生活習慣関連調査の結果によりますと、二十歳以上の約半数の方が年に一度も歯科検診を受けていない状況となっております。  このため、あいち歯と口の健康づくり八〇二〇推進条例のアクションプランであります愛知県歯科口腔保健基本計画におきましては、歯科検診に関する年代別の目標値を設定し、平成三十四年度までの達成を目指すこととしております。  この目標達成のための具体的な取り組みの一環として、本年度、新たに歯科検診受診勧奨モデル事業を実施しております。この事業は、県内全域の歯科診療所において、治療を受けた方を対象としてアンケート調査を実施するものでございまして、歯科検診受診の妨げとなっている要因を明らかにすることなどによりまして、効果的な定期受診の啓発方法を確立し、今後の受診率の向上につなげてまいりたいと考えております。  次に、歯周疾患検診制度の充実に向けた市町村への働きかけについてでございます。  歯周疾患検診は、健康増進法の規定に基づき市町村が実施する健康増進事業の一つであり、高齢者の健康を維持し、食べる楽しみを享受できるよう、歯の喪失の予防を目的として、四十歳、五十歳、六十歳及び七十歳の方を対象として実施をされております。  平成二十三年度の調査によれば、全国で歯周疾患検診を実施する市町村は約半数程度となっておりますが、本県では全ての市町村で実施をされております。  議員御指摘の検診対象年齢の違いにつきましては、四十歳から七十歳まで十歳ごとのいわゆる節目検診に加え、対象年齢を拡大して実施する市町村が年々増加していることから生じているものでございます。  県全体の歯科口腔保健の水準向上のためには、今後、市町村に対し、歯周疾患検診の一層の充実に向けた働きかけをしていく必要があると考えております。  本県では、各保健所におきまして歯周病対策ネットワーク推進会議を開催し、地域の歯周病に関する情報、課題を関係機関、関係団体で共有し、具体的な歯周病対策に取り組んでおります。  こうした会議を通じまして、各市町村に対し、歯周疾患検診の対象者の拡大を含め、検診制度の充実に向け、さらに一層働きかけをしてまいりたいと考えております。 7: ◯四十番(堀嵜純一君) 三点の要旨は、いずれも市町村にかかわるものでございます。県としての調整力、指導力の加速を一層要望いたしまして、質問を終わります。  以上です。 8: ◯議長久保田浩文君) 進行いたします。  佐波和則議員。     〔十九番佐波和則君登壇〕(拍手) 9: ◯十九番(佐波和則君) 通告に従い、順次質問させていただきます。  まず初めに、次世代自動車の普及とインフラ整備についてです。  自動車産業は、我が国の基幹産業として、愛知県のみならず、日本経済の発展をリードしてきました。中でも、愛知県は、自動車関連企業が集積し、全国における本県の完成車シェアは四分の一、部品生産を含めれば三分の一程度となっており、本県が日本経済をリードしてきたと言っても過言ではありません。  また、自動車は、二、三万点の部品で構成されており、鉄鋼、化学といった素材産業から、電気、電子など幅広い産業がかかわっており、この地域の発展には自動車産業の振興は欠くことができません。  世界の自動車産業の市場動向は、米国、欧州など先進国での成長は鈍化するものの、アジアを中心とした新興国での需要が伸び、全体としては継続的な成長が見込まれる一方で、国内市場は縮小する見通しにあります。  国連の予測では、世界的には自動車の生産、販売は大きく伸びることが予測されており、世界の自動車保有台数は、二〇三〇年には、現在の九億台から約二倍程度となる十六億台が見込まれ、その中心となるのは、新興国市場のガソリンエンジン車であるとされています。  一方、自動車産業においては、BRICs等の新興国が台頭することにより熾烈な価格競争に巻き込まれることも懸念されるなど、我が国の自動車産業は大きな転換期に差しかかっていると言えます。  こうした中、日本の自動車産業は、高度な技術、知見を生かし、HV(ハイブリッド自動車)、EV(電気自動車)、PHV(プラグインハイブリッド自動車)、FCV(燃料電池自動車)といった次世代自動車の開発、製造を行うことで、その付加価値を図ることが期待されております。  我が国のEVの開発、普及に向けた取り組みは、一九七〇年代から始まっており、過去の計画では普及台数という数値目標が掲げられているものの、残念なことに一度も達成されておりません。政策的には、当初から一貫して税制優遇、補助金等の財政的支援と実証実験、モデル事業等による一定地域への集中的な導入が試みられてきたと言えます。  EVの用途は、当初は業務用、公用で、その後、家庭用まで広がったものの、初期需要を創出するまでの普及には至っておりません。その要因は、EVの価格、航続距離などEV自体の問題、用途、利用実態と、人々のライフスタイルや移動に対するミスマッチが生じているのではないかと思われます。  今後、EVを普及させるためには、業務用、公用、家庭用、それぞれで利用をふやしていく必要があり、人々の自動車の所有や移動に対する意識の変化を踏まえた対応が求められます。  そのためには、家庭用の普及が鍵であり、こうした取り巻く環境の普及シナリオを具体的に示し、それに応じた政策を講じていくことが必要と考えます。  加えて、近年の地球温暖化問題の高まり、エネルギー制約への対応などのため、次世代自動車への移行が加速することも予想されますが、当面は、次世代自動車の中心はハイブリッドやプラグインハイブリッドとなり、その先にはEVやFCVが普及していくものと考えられ、EVやFCVでは、充電インフラなど、ガソリンスタンドにかわる新たなインフラの充実が必要であり、その整備が求められます。  愛知県は、交通の要衝で人口が多く、自動車産業や航空宇宙産業を初めとする先進技術産業の集積地で、人や物の移動が極めて多い地域であり、愛知県の二〇一一年度末の自動車保有台数は約五百万台で全国一位、二位、東京四百四十二万台、三位、神奈川三百九十五万台、四位、埼玉、五位、大阪と、自家用車の利用割合が他の大都市圏と比べても高い状況にあり、EV、PHVなどの次世代自動車の普及は、地球温暖化対策や大気環境の改善に資するものと認識しています。  本県では、平成十四年十月にあいち新世紀自動車環境戦略を策定し、自動車環境対策に取り組んできましたが、平成二十五年三月には、新たに安心・快適な暮らしを支え、環境と自動車利用が調和した社会を目指して、あいち自動車環境戦略二〇二〇を策定し、その推進を図っています。  この戦略では九つの施策を掲げており、その一つに、低公害車の普及促進として、EV、PHVはもとより、FCVなど次世代自動車の導入促進を図っていくこととしています。  これまでのさまざまな取り組みによりEV、PHVの普及は進んでいるように思いますが、私は、平成二十四年度から実施されている本県独自のEV、PHVに対する自動車税の課税免除措置も大きく貢献しているものと考えており、来年度以降も引き続き実施されることを望んでいます。  また、平成二十一年度から、経済産業省のEV・PHVタウンモデル事業のモデル地域の指定を受けて、電力会社や自動車メーカー、充電器メーカー、流通業者、名古屋市や豊田市などの市町村の参加によるあいちEV・PHV普及ネットワークを設立し、平成二十五年度を目標にEV、PHVの普及促進を図ってきました。  本年七月には、経済産業省の次世代自動車インフラ整備促進事業におけるEV・PHV用充電インフラ整備のための地域計画を策定し、EV、PHVの初期需要の創出段階から本格普及段階へ移行するために必要な充電インフラに関する本県の基本的な考え方を示されました。  これは、本県内におけるEV、PHVに必要な充電インフラの整備を加速することで普及を促進させるとともに、次世代自動車や新エネルギー産業の集積を促し、二酸化炭素の排出が少ない低炭素社会の実現に向けて大きく前進できる施策として受けとめており、計画的に取り組みを進めていくことが不可欠と考えます。  そこでお伺いします。  EV、PHVの普及には充電インフラの整備が不可欠であります。ことし七月に策定された愛知県次世代自動車充電インフラ整備・配置計画では、二〇二〇年度までに千六百基の充電インフラを整備する目標を掲げられておりますが、この目標を掲げた基本的な考え方と、現在の進捗状況並びに今後の対応についてお伺いいたします。  次に、EV・PHVタウンモデル事業から五年が経過をしようとしていますが、これまでのEV、PHVの普及状況はどのようになっているのかお伺いします。  また、EV・PHVタウンモデル事業は今年度が最終年度となっておりますが、EV、PHVのさらなる普及に向けて、今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。  次に、水素ステーションの整備についてです。  福岡水素戦略について調査をしてまいりました。福岡県では、全国に先駆けて、産学官による福岡水素エネルギー戦略会議を設立、人材育成を初め、水素エネルギーの開発、普及を総合的に展開し、水素を次世代のエネルギーとして戦略的に活用する実験が進められ、世界を先導する水素の拠点を目指して取り組んでおられます。  具体的には、家庭用燃料電池百五十台を集中的に設置する世界最大の福岡水素タウンの整備、北九州市、福岡市に水素ステーションの整備、製鉄所から発生する副生水素をパイプラインで市街地に直接供給する世界初のモデル地区として水素を住宅に供給し、燃料電池を通じて発生する電気と温水を家庭で利用する実験が行われておりました。  このように水素は、家庭用の燃料電池や水素発電所でも使われ、輸入の化石燃料に頼る日本にとって、水素が将来的に国内で自給できる可能性があり、日本企業では、水素供給基地、水素輸送船、水素ステーション、燃料電池、FCVなどの水素関連事業への取り組みに拍車がかかっており、水素をエネルギー源に利用する水素社会の到来が近づきつつあると感じております。  また、北部九州燃料電池自動車普及促進構想では、北部九州において、二〇十五年までに水素ステーションの先行整備を行い、FCVの初期市場を目指し、二〇二〇年までに円滑なFCVの普及を可能にするために必要な水素ステーションの整備促進など、燃料電池自動車及び水素供給インフラの自立的な市場を率先して立ち上げることで、エネルギー需給の安定化、地球温暖化に貢献するとともに、FCV関連産業の育成、集積を進められています。  中でも、北部九州でFCV需要を創出するために求められる水素ステーション配置シナリオ、配置イメージでは、少数の水素ステーションでFCVユーザーの利便性を最大限確保するために、出発地及び目的地を分析し、ニーズ調査を把握した配置案を策定し、課題分析などを官民が一体となった導入促進策が講じられており、取り組みに強い熱意を感じました。  水素は究極のクリーンエネルギーと言われ、空気中の酸素と結合して電気を発生し、排出するのは水のみという環境性にすぐれています。HVやEVの次の時代を担う自動車が水素をエネルギーとした燃料電池自動車と言われ、本県もおくれをとってはいられません。  トヨタ自動車やホンダは、二〇一五年に日米欧で水素を燃料に使うFCVの販売を始めます。水素を量産し、安全に確保する技術の開発も進んでおり、水に含まれる水素は環境に優しい無尽蔵のエネルギーで、特に資源に乏しい日本にとって、水素技術は一段重要となるものと思っております。  FCVは、技術的には市場に投入できるレベルに達し、試作車の航続距離が約六百五十キロと電気自動車の約三倍程度と言われ、日本の自動車業界では、二〇二五年に国内で累計二百万台の販売を目指しています。  特に、二〇一五年にFCVが一般販売されることに先駆けて、現在、民間事業者による水素ステーションの先行整備が進められています。水素ステーションは、現在、国内で十七カ所稼働しておりますが、国では、二〇一五年度までに百基の設置を目指しており、FCVの普及が本格化する二〇二五年には千カ所程度の設置が想定されておりますが、自動車立県である愛知県として先導的な取り組みを行い、国内最大の拠点にしていかなければなりません。  そこでお伺いします。  県内の水素ステーションの現状はどのようになっており、今後の水素ステーションの整備をどのように推進していくのかお伺いします。  また、県が推進する次世代自動車の普及に関して、これまでは環境部が所管するあいちEV・PHV普及ネットワークと、産業労働部が所管するあいちFCV普及促進協議会と普及組織が分かれておりましたが、今回新たに既存の組織を総括するあいち次世代自動車インフラ整備推進協議会を設置し、県として、次世代自動車の普及を一体的にする体制を整備されました。  そこでお伺いします。  今後、この協議会において、充電インフラと水素ステーションの拠点形成を目指し、どのような取り組みを行っていくのかお伺いいたします。  二つ目は、学校教育の充実に向けて伺います。  全ての子供たちの健やかな成長は、保護者、県民の切なる願いであります。保護者、県民、教職員、教育関係者は、子供たちの夢と希望あふれる豊かな成長を創造するために力を合わせ、一体となって取り組んでいくことが必要です。  本県においては、県の独自措置による小学校第二学年及び中学校第一学年の三十五人学級が継続実施されるとともに、児童生徒支援対応教員や特別な支援を必要とする子供たちの担当教員が配置されるなど、子供一人一人にきめ細やかな対応をするための効果的な実施がされております。  しかし、依然として学校現場では、いじめや不登校、特別な支援や日本語指導を必要とする子供たちへの対応など、さまざまな問題が山積しています。子供たちの健やかな成長に向けた愛知の教育の充実、発展のため、教職員の定数増を初めとした教育条件整備を一層進めていただくことをまず申し述べておきます。  さて、先日、地元の教育委員会の方々と、現在の小中学校を取り巻く教育問題について話をする機会がありました。教育改革が声高らかに叫ばれる昨今、確かな学力の育成や、国境を越えて活躍できるグローバル人材の育成、規範意識の醸成等々、学校に求められる内容は多岐にわたっているということです。  これらの多くの教育問題の対応については、各小中学校において、校長先生のリーダーシップのもと、解決策を講じていく必要がありますが、本来、教育とは、学校、家庭、地域がしっかり役割を分担し、協働して取り組むべきものであると思っております。しかし、現在は、学校ばかり過度の期待や責任を押しつけるような風潮があり、私個人としては疑問を持つところでもあります。  私の訪問した市教育委員会も、小中学校を取り巻く教育諸課題に積極的に対応していくために大変多忙な状況であると伺いました。  特に、近年、社会的に高い関心を呼んでいるいじめ問題への対応については、学校だけでなく教育委員会に対しても、事案への直接的な対応や説明責任を求める声が高まっているとのことであります。現在、県内のどこの市町村教育委員会でも、いじめ問題等の生徒指導上の問題について、学校を直接支援する必要に迫られています。  市教育委員会では、深刻ないじめ問題等が発生した場合、当該校に出向いてその対応に当たったりする大変重要な役割の中心を指導主事という職員が担当していると聞きました。  この指導主事は、生徒指導上の諸問題への対応以外にも、定期的に小中学校を訪問し、ふだんの授業の進め方や指導方法についても具体的な指導に当たっているとのことです。  先生方にとっても、指導主事のような専門的な知識のある方から、自分の指導方法や対応方法について助言してもらえるシステムは大変ありがたいことではないかと思っています。何よりも、指導主事のおかげで先生方の指導のレベルが上がれば、子供たちは学ぶ喜びをより大きく感じることができるのではないでしょうか。  この指導主事が市町村教育委員会に導入された経緯についてですが、本県では以前から、小中学校における教科の指導や生徒指導にかかわる専門的な内容について、学校や先生方に直接指導するため、全額を県費の負担で指導主事を一人、市の教育委員会に対して配置されてこられました。  ただ、市教育委員会では、県から配置された指導主事以外に、独自に全額を市の負担で指導主事を配置している市もあり、そういった市では、県費負担と市費の負担の指導主事が協力して業務を行ってみえたとお聞きしました。  一方、町村に対しては、県費での指導主事の配置はされておらず、教職経験のない行政職員が指導主事の行うべき業務を行っていたそうであります。しかし、学校教育活動が複雑多岐にわたる中、町村においても、県費による指導主事の配置の強い要望がなされました。  そこで、市町村教育委員会の代表者を含めた会議の場で三年間の協議を重ね、平成十六年度から現在の派遣指導主事事業が実施されております。  この制度は、指導主事にかかる費用を県と市町村が二分の一ずつ負担し、希望する市町村に対して、市は二人、町村は一人まで指導主事を県から派遣するというものです。私は、このように県と市町村がそれぞれ連携し、子供たちにとって魅力ある学校教育を充実させていく制度は大変意義のある制度であると思います。  そこでお伺いします。  まず、本年度、市町村教育委員会に指導主事を派遣している現状はどのようになっているのか、また、その成果についてお伺いします。  次に、現在、県が行っている市町村への指導主事の派遣のあり方について、その見直しが検討されているという話も聞きました。見直しの背景には、平成二十年に改正された地方教育行政の組織及び運営に関する法律で、市町村教育委員会に市町村みずからの責務により指導主事を配置するよう努力が求められたこと、また、他の都道府県では、愛知県のように県の負担で市町村に指導主事を配置している事例が少ないことなどの理由があると聞きました。  しかし、ある市教育委員会では、市独自で指導主事の増員を考えているものの、財政的な負担が厳しく、すぐに増員することが難しい現状の中、県からの指導主事派遣のあり方について見直しが進められていることについて、強い不安を抱かれております。  小中学校での教育は、設置者である市町村が主体的に管理運営していくものではありますが、義務教育である以上、市町村の間に格差があることは好ましくありません。  指導主事が学校や先生方に直接的な指導を行うことで、今日的な教育課題への適切な対応と学習指導の充実に重要な役割を果たしているとするならば、県教育委員会として、県内の市町村の義務教育の水準に格差が生じないよう、市町村教育委員会事務局の体制強化に向けた支援をしていく必要があるのではないかと考えます。  そのためには、現在、県と市町村がその費用負担を折半して指導主事を配置するという他県にはない愛知県の施策は大変すぐれたものであると考えます。  また、国においても、現在、中央教育審議会教育制度部会の場で、今後の地方教育行政のあり方について議論が進められています。現在審議中ではありますが、その中にも、指導主事を配置することが難しい小規模市町村の小中学校や、指導主事の配置が難しい教科における学校指導については、都道府県教育委員会が指導主事を派遣し、市町村教育委員会を支援することが必要であるという文言が盛り込まれております。  こういった現状を勘案し、指導主事の市町村派遣の見直しに当たっては、県の市町村に対する責務を十分認識し、慎重に検討していただくことが必要不可欠であると考えます。  そこでお伺いします。  現在進められているという市町村への指導主事派遣の見直しについて、制度の運用開始時期を含めてどのように考えているのかお伺いします。  以上、当局の明快な答弁を御期待いたしまして、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 10: ◯環境部長杉浦健二君) EV(電気自動車)、PHV(プラグインハイブリッド自動車)などの次世代自動車の普及とインフラ整備のうち、まず、愛知県次世代自動車充電インフラ整備・配置計画の目標、千六百基の基本的な考え方と、現在の進捗状況並びに今後の対応についてお答えします。  まず、基本的な考え方でございますが、充電インフラを出発地から目的地への移動途中で充電する経路充電と移動先での目的地充電の二つに分けております。  経路充電は、国道では十キロごと、主要地方道では十五キロごと、一般県道では二十キロごとを基本に、交通が集中する地域ではさらに追加するなどして、約九百基を目標としております。  また、目的地充電は、観光・宿泊施設や商業施設等を初めとする集客施設などへ約七百基を整備することとし、経路充電と合わせて千六百基とすることで、電池切れが発生しないようにしようというものでございます。  なお、この千六百基の中には、既に設置されている六百六十一基、これは全国一の設置基数でございますが、これが含まれており、新たに設置が必要なものは九百三十九基となっております。  この計画の策定に当たりましては、あいちEV・PHV普及ネットワークを通じまして、充電インフラを整備しようとする事業者の意向を把握し、それを反映した実現可能性の高い計画としております。  次に、進捗状況でございますが、この計画に基づく充電インフラの整備には、経済産業省の補助金の上乗せが適用されることとなっており、この措置を受けるために本県に提出されました事前確認申請の件数は、十一月末現在で全国一の百七件となっております。  今後の対応といたしましては、商業施設や駐車場事業者などを対象に、補助制度を活用した充電インフラ整備に関する説明会を国や関係機関とともに開催するなどして、この計画に基づき充電インフラの整備を促進してまいります。  次に、これまでのEV、PHVの普及状況と今後の取り組みについてでございます。  本県では、平成二十一年度にあいちEV・PHV普及ネットワークを設立し、EV、PHVの普及促進に関係者が連携して取り組んでおりますが、その結果、平成二十四年十二月末現在のEV、PHVの累計普及台数は三千九百五十二台でございました。  その後のことし一月から十月までの登録台数は、軽自動車を除きまして千五百八十七台ございまして、これを合わせますと五千五百三十九台となり、EV・PHVタウンモデル事業の目標であります五千台を上回っております。  さらなる普及に向けての今後の取り組みでございますが、ことし三月に策定いたしましたあいち自動車環境戦略二〇二〇では、目指す将来像としまして、安心・快適な暮らしを支え、環境と自動車利用が調和した社会を掲げ、EV、PHVの一層の普及に努めることとしております。  このため、あいちEV・PHV普及ネットワークにおきまして、EV・PHVタウンモデル事業の今後のあり方について検討するとともに、ネットワークの参加者と連携いたしまして、試乗会や展示会などによる普及啓発や、充電インフラの整備促進などに引き続き力を入れて取り組んでまいります。 11: ◯産業労働部長小山和久君) 私からは、水素ステーションについてお答えいたします。  まず、県内の水素ステーションの現状ですが、愛知県内には、従前より、東海市の東邦ガス、常滑市のセントレアにある実証研究用の水素ステーション二基が稼働しており、これに加え、本年五月には、ガソリンスタンド一体型と燃料電池バスへの急速充填を想定した商用仕様の実証水素ステーションが、それぞれ名古屋市緑区、豊田市に設置されたことで、東京都の五基に次いで、本県は現在四基が稼働しております。  さらに、今年度から始まった国の補助制度により、本県では六基が採択され、全国一の十基となる見込みです。  次に、今後の水素ステーションの整備推進につきましては、二〇一五年の燃料電池自動車の一般販売開始を控え、さらなる全県的な取り組みが必要と考えております。  そのため、今年度より、あいちFCV普及促進協議会への市町村の参加を強力に推進し、普及・支援体制の充実を図るとともに、水素ステーション整備ワーキンググループを設置し、その戦略的な整備に向けて、愛知県水素ステーション整備・配置計画の策定に着手しているところでございます。
     八月に公表いたしました計画の骨子案では、水素ステーションの県内整備数として、燃料電池自動車が一般販売される二〇一五年に二十基、燃料電池自動車の普及が本格化する見込みの二〇二五年に百基の目標を掲げております。さらに検討を進め、今年度中の計画を取りまとめることにしております。  これに基づいて、水素ステーションの整備を引き続き着実に推進してまいります。 12: ◯教育長野村道朗君) 学校教育の充実に向けて、まず、市町村教育委員会に派遣をしております指導主事の現状と成果についてお尋ねをいただきました。  現在、三十七の市には二人ずつの七十四人、十三町村には一人ずつの十三人、合わせて五十市町村に八十七人の指導主事を派遣いたしております。  また、派遣をしておりません北設楽地区の三町村には、所管の教育事務所に指導主事を配置して、直接町村教育委員会を支援しているところでございます。  市町村へ派遣する指導主事は、学習指導や生徒指導に関する専門的な知識や実績を持ち、学校現場においてすぐれた指導力を発揮してきた教員や管理職経験者でございます。  こうした高い力量を持つ指導主事が市町村と県とのつなぎ役として、道徳教育やキャリア教育など、県の重点的な教育施策を推進したり、いじめや不登校など多様化、深刻化する教育課題について、小中学校を直接指導、助言したりすることを通じまして、県域全体の教育水準の維持向上が図られていると、このように考えております。  次に、市町村への指導主事派遣の見直しについて、制度の運用時期を含めてお尋ねをいただきました。  学校の抱える問題が複雑多岐にわたり、指導主事の果たす役割がさらに高まっている中で、議員御指摘のとおり、市町村には独自に指導主事を配置することが求められております。  そこで、現在、市町村教育委員会の代表を委員に加えた派遣指導主事在り方検討会議を開催いたしておりますが、市町村の独自配置の促進ということも念頭に置きながら、見直しについての協議を重ねているところでございます。  会議におきましては、市町村がふえ続ける教育課題に適切に対応するとともに、自主的、主体的な教育活動を推進するためにも、独自に指導主事の増員を図っていくことが重要であるものの、一方で、県が一定の支援を継続していくことも必要であるとの意見が示されているところでございます。  なお、新しい制度の具体化につきましては、市町村の十分な理解を得ながら、本年度いっぱいかけて検討し、固める予定でございますが、その運用時期につきましては、市町村における予算化や教職員の人事の関係もございますことから、準備期間を確保してまいりたいと、このように考えております。 13: ◯知事大村秀章君) 佐波和則議員の御質問のうち、あいち次世代自動車インフラ整備推進協議会の取り組みにつきまして、私からお答えを申し上げます。  次世代自動車は、二酸化炭素の排出量が少ない環境に優しい車でございまして、地球規模のエネルギー課題を克服する鍵として注目をされております。  さらに、災害時における非常用電源としての活用など、新たな社会システム上の要請にも応えるものとして、その一層の普及が期待をされております。  また、次世代自動車の着実な普及は、当地に集積をいたします自動車産業のさらなる発展、ひいては本県経済の活力の向上に寄与するものでございます。  そこで、これら次世代自動車の普及を一体的、効果的に推進するべく、ことしの八月に、自動車メーカー、インフラ事業者等の企業や主要な市で構成するあいち次世代自動車インフラ整備推進協議会を設置いたしました。  この協議会では、普及段階に移行しつつある充電インフラの利用状況や課題を今後の水素ステーションの整備に生かしていくことなどに取り組むことによりまして、あいちEV・PHV普及ネットワーク、そして、あいちFCV普及促進協議会での取り組みに相乗効果をもたらし、それぞれの取り組みを一層充実させてまいります。  また、協議会といたしまして、次世代自動車全般に対する県民の方々の関心の喚起や意識醸成を総合的に図っていくことで、次世代自動車の普及、活用を県民レベルの活動に深めてまいりたいと考えております。  これらの取り組みを通じまして、次世代の自動車社会を実践、発信する拠点地域として、我が国、世界をリードしてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。 14: ◯十九番(佐波和則君) 知事初め、それぞれ御答弁をいただきましてありがとうございました。  二点要望させていただきますが、一点目は、インフラの整備であります。  次世代自動車の普及にはインフラ整備が不可欠というふうに考えておりまして、先ほどEV、PHV、さらにはFCVの関係についても、計画に基づいて、まずは着実に進めていただくことを御要望申し上げておきたいというふうに思います。  特にEV、PHVの充電インフラの関係については、御回答にもいただいたように、順調に進んでいるということではございますが、ぜひ県有施設への整備を進めるなど、県みずからも整備促進に積極的にかかわっていただくことを要望したいと思います。  それから、二つ目は、派遣指導主事のあり方でありますけど、市町村が主体的な教育活動を展開していくためには、市町村教育委員会の事務局の体制がしっかり整っているということが前提であるというふうに思います。  そのためには、学校への専門的な指導をする役割の指導主事という方は必要であるというふうに思っております。しかし、現在の県内の市町村教育委員会の指導主事の配置状況については差があるように伺いました。県は、県域全体の義務教育の水準を担保し、維持向上に努めていただく責務があるというふうに思います。  壇上でも述べましたように、国においても、今後の地方教育行政のあり方について議論が進められており、その中にも、小規模の市町村においては、指導主事の配置が進むよう、国や県の財政的支援が求められているという文言が盛り込まれております。  こういった状況を勘案し、指導主事の市町村派遣の見直しを行うに当たっては、県の市町村に対する責務を十分認識し、慎重に検討していただくことを強く要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 15: ◯三十九番(原よしのぶ君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 16: ◯議長久保田浩文君) 原よしのぶ議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 17: ◯議長久保田浩文君) 御異議なしと認め、暫時休憩します。     午前十一時二十五分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時開議 18: ◯副議長鈴木正君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  飛田常年議員。     〔二十五番飛田常年君登壇〕(拍手) 19: ◯二十五番(飛田常年君) 通告に従い、一般質問をさせていただきます。  平成二十五年度愛知県議会海外調査団一行として六名が、平成二十五年十月二十七日から十一月三日までの八日間、県政の当面重要課題である防災危機管理対策、災害時医療体制、治安対策、エネルギー政策について調査するため、米国のペンシルバニア州ピッツバーグシティー、コロンビア特別行政区ワシントンD・C、ニューヨークシティーを訪問いたしました。以下、報告を兼ねて質問をさせていただきます。  私は、今回調査した中で、災害対策と災害時医療体制、そして、愛知県のエネルギー対策についてお伺いをいたします。  一つ目に、災害情報センターの運用と災害時医療体制について伺います。  いつ起こるかわからない南海トラフの大地震が叫ばれる中、広域防災は必要不可欠となっています。しかし、自然災害は、地震、津波だけでなく、十一月八日に発生した超大型台風三十号、アジア名でハイエンがフィリピンに上陸いたしました。観測史上例を見ない中心気圧が八百九十五ヘクトパスカルまで下がり、米軍合同台風警報センターによると、最大風速八十七・五メートル、最大瞬間風速百五メートルの台風がフィリピン中心部を襲いました。  十一月十一日時点で総人口の一割に当たる約九百六十七万人が被災し、死者、行方不明者は一万人を超えるおそれもあると報道されたように甚大な被害が出ました。亡くなられた方々並びに行方不明の皆様には、心より御冥福とお見舞いを申し上げます。  私は、米国に調査に行く前に、東京都の有明の丘の基幹的広域防災拠点施設のオペレーションルームなどを調査いたしました。  施設の面積は十三・二ヘクタールで、本部棟は延べ床面積九千五百平米の地上二階建てで、防災体験ゾーンや防災学習ゾーンが備わった防災体験学習施設や、ふだんはバーベキューなどができる多目的広場も備わり、オペレーションルームには、座席数百八十六席、ほかに打ち合わせスペースも八十四席用意され、三百インチのリアプロジェクションモニターが設置されていて、非常に立派なものであると感じました。  この有明の丘地区の東京臨海広域防災公園は、首都直下地震等の大規模災害時の首都圏の広域防災のヘッドクオーターや広域支援部隊のベースキャンプの機能を備えるもので、首都直下地震等が発生した場合、国の緊急災害現地対策本部が設置されるものと聞いております。  また、首都直下地震応急対策活動要領に基づく具体的な活動内容に係る計画では、物資調達は発災後一週間分を想定、応援部隊の派遣規模は最大十一万七千二百四十人、広域医療搬送は七十二時間以内に搬送目標患者数四百二十三人、DMAT派遣数百八十チームと、非常に詳細に計画をされていました。  一方、米国では、バージニア州のフェアファックス郡のバージニア州緊急事態管理局の災害指令センターを調査いたしました。  フェアファックス郡は、二〇一二年現在で人口が約百十一万人、面積は千二十三キロ平方メートルであり、センターは、本館が万が一被災等で使用できなくなった場合のバックアップとして、本館よりもやや小さいが機能は同等の別館も設備されていました。  地震、ハリケーンや事故、化学物質の流出等、そしてテロなど、あらゆる危機に対応しているそうです。緊急事態の対応のため、連邦政府(FEMA)が定めるひな形、NIMSをもとに、各地域の実情に沿った計画を策定しており、緊急時指令系統システム、ICSと呼んでいますが、彼らが策定したICSでは、例えば、白いベストを着用した人は広報担当、赤い色は計画担当、青色が物資の調達担当、紺色が警察関係、緑色が財務担当など、一目で役割がわかるようにしており、これらの各セクションには、フェアファックス郡の職員を訓練して、非常時の対応に当たらせているそうです。  コンフュージョン、混乱というタイトルの非常訓練を実施し、各セクションが抱える不安要素を訓練の中に取り入れ、その対応をすることで意図的に簡単には終わらせない非常訓練もしているようであります。  また、ここの災害指令センターには七十四名の席があり、パソコンやプリンター、テレビのスクリーンが多数設置され、衛星電話も配備されています。そして、万が一、本館、別館の両方が機能しなくなった場合は、全ての情報伝達を紙データで行う用意もしてあるようです。  バージニア州緊急事態管理局では、緊急事態を四つの段階に分けて対応していて、まずは一つ目に、準備、プレパレーションで、計画に沿ったトレーニングと避難訓練のような突発的なトレーニングの二種類を実施。二つ目は、対応、レスポンスで、緊急電話九一一に連絡が入った場合、直ちに対応すること。米国では、災害等の緊急事態には小規模な団体から順次対応し、そこが対応し切れない場合は上位の機関に依頼するという仕組みとなっています。例えば、自治会から町、市、郡、州、連邦政府といったぐあいであります。三つ目は、復旧、リカバリーで、できるだけ早く通常の生活に戻すことが目的です。四つ目は、減災、ミティゲーションで、災害発生によるダメージを最小限に抑えるための取り組みです。  また、緊急事態が発生したときは各機関でリーダーが必要となるが、連邦政府(FEMA)では大統領、州レベルでは州知事、そして、バージニア州内の郡レベルでは、選挙で選ばれた郡長代理がそれに当たっています。  緊急指令センターには、郡の職員を初め、郡の交通課、警察、消防職員がおり、互いに協力し合いながら対応でき、緊急事態発生時に政府機関にすぐ支援を要請できる仕組みになっています。バージニア州緊急事態管理局においては、このようなすばらしい災害指令センターを設置し、活用されているところであります。  県は、災害情報センターが移転されるとのお話をお聞きしております。私は、県の新しい災害情報センターにも大いに期待しているところであります。  そこで、県は、災害時の情報収集など、災害応急対策のオペレーションを災害情報センターで行うと聞いておりますが、国や市町村との連携を含めた災害時の情報収集のための仕組みはどうなっているか伺います。  また、災害時には非常に多くの防災関係機関が集結すると考えられますが、多くの防災関係機関との情報共有や連携、特に災害医療関係機関の情報共有や連携について、どのように行っていくのかお伺いをいたします。  ジョージ・ワシントン大学では、災害時での医療体制と危機管理教育プログラムについて調査しました。医学博士のバーベラ教授は、世界各国で発生したほとんどの大災害で救命活動に参加してきたそうで、例えば、一九九四年、フィリピン、一九九九年、台湾、二〇一一年、ハイチや、国内では、九・一一やハリケーン・カトリーナなどであります。  その中で教授は、危機管理は三つに分類できると言われました。一に、危機管理、クライシスマネジメント、民間企業等がビジネス活動を継続できるか。二に、緊急管理、エマージェンシーマネジメント、公的機関や病院、学校等の業務が継続できるか。三に、リスク管理、リスクマネジメント、どうすればリスクを低減できるかです。  まず、災害発生時に最も重要なことは、病院が通常どおり機能し続けることであります。災害が発生したら、まず外部から病院に物資を搬入し、災害対応を始めると考えられがちだが、それよりも大切なのは、日ごろ入院している患者が診てもらえる体制を確保できることであり、その上で外部からの搬入物資などで災害対応に当たることで、一番大切なことは、危機を地震や津波などケースを分けず、災害が発生しても病院や医療施設が機能し続けることを念頭に置き、その上で弱点は何かについて考えることであります。  また、緊急事態発生時の各病院間の連携、コラボレーションも重要であります。ワシントンD・C圏で教授が設立した仕組みについては、各病院がラジオ無線で連携をとり合うようにし、自家発電設備も設置しました。  また、二〇一一年に発生した郵便物炭疽菌事件のときにシステムが確立されたデューティー・オフィサー、当直員という担当官を各病院に配置しました。  デューティー・オフィサーは、緊急対応のトレーニングを修了すれば、事務員や医師、看護師など誰でもよく、バックアップ要員もいて、何か災害が発生した際に調整役のリーダーも任されており、情報収集や病院間の連絡なども行い、緊急時にはいつでも対応できる体制ができていると思われました。私としても、県として考えてみる必要があるのではないかと思います。  阪神・淡路大震災での教訓として、被災現場で活動する医療チーム、DMATの要請、災害拠点病院の整備、広域災害情報システムの整備が進められてきました。  また、東日本大震災では、災害拠点病院の耐震化、通信機能、自家発電装置、医療用の水、食料の備蓄、DMATの調整機能、中長期における医療提供体制の課題が明らかになりました。  災害時に病院の機能を維持できるかが大きな鍵になると思います。それには、最も大事なのは、電気と水のバックアップ体制が必要であることが今回の調査でわかりました。  これに加えて、平成二十三年の東日本大震災の教訓で、とりわけ発災直後の医療救護活動は人命救助の観点から非常に重要となりました。そして、医療救護活動を行うためには医療品の確保が不可欠であります。  そこで、災害発生後の医療救護活動に必要となる医薬品や衛生材料等の確保について、愛知県ではどのような体制を整えているのかお尋ねをいたします。  また、災害時において、避難所や在宅の被災された方への健康調査や健康相談は極めて重要であると思います。発災時に市町村は、地域住民の直接的サービスを最前線で展開し、保健所は、被災市町村の保健活動の支援や協働の役割を担うことになると思われますが、保健所と市町村はどのような連携体制が図られているのかお尋ねをいたします。  また、避難所等において感染症の発生を防止するため、保健所と市町村との連携はどのように行われるのか、さらに、避難所等における食中毒予防対策について、県の対応をあわせてお伺いいたします。  次に、二つ目のエネルギー対策についてお伺いをいたします。  今回の海外調査では、米国ウエストバージニア州マーシャル郡マウンズビル市とウエストバージニア州ドミニオン社のシェールガス採掘現場、分留施設を調査してまいりました。  シェールガスは、従来、そのままでは活用できなかったが、かたい岩盤の中に含まれる天然ガスを水圧によって破砕し、人工的に割れ目をつくってガスを採取する技術が二〇〇〇年代に確立したことによって、新たな資源として注目を集めているものであります。  また、掘削に際しては、単に垂直に掘り進めるだけでなく、到達したシェール層から水平方向に掘削し、一つの掘削ポイントから三から十五のガス田にアクセスできる技術が開発され、これらの技術進歩の結果、シェールガス生産量は飛躍的に増加し、シェールガスブーム、シェールガス革命などと呼ばれるようになっております。  視察したドミニオン社は、こうした掘削技術に加え、ガスの精製技術にもすぐれ、そのパイプラインは六州にまたがり、総延長八千マイル、一万二千八百キロメートルにも及ぶ壮大なプラントでありました。  現在、米国には、シェールガス、シェールオイルの採掘現場、採掘可能な場所が全部で二十五州あり、日本からも商社などが投資に参加しています。  こうした開発によって、アメリカ国内の天然ガス使用量に占めるシェールガスの割合は、十年前には二、三%であったのが、現在は、三三から三五%に及んでおり、十年から二十年後には五〇%近くに達するのではないかと見られております。  こうした量的拡大に伴って、米国内の天然ガスの価格は、五年前に百万BTU、これはブリティッシュ・サーマル・ユニットという熱量の単位でありますが、百万BTU当たり十ドルであったものが、現在は六ドルに低下しており、今後、火力発電の燃料が石炭から天然ガスに転換していくので、電気料金の面でも米国の国際競争力につながっていくと言われております。  しかし、それでもなお海外のエネルギー情勢に関与しないのではなく、安全保障上や環境問題、外交政策上も国際的なエネルギー動向にかかわっていくべきであるとの考えもお聞きいたしました。例えば、サウジアラビアの石油資源量が落ち込んでしまった場合、経済的影響は日本を初め各地に及び、米国にとっても無関心ではいられないという説明でありました。  こうした視察を終え、エネルギーに係る資源開発、技術開発が大変重要であるということ、そして、エネルギー確保に向けたリスク管理という視点もしっかり持たなければならないと感じました。  翻って我が国を見てみますと、日本のエネルギー自給率はわずか四%であります。そうした中では、エネルギーリスクに対応するため、特定の国に頼らず、分散的な資源調達の道を確保するとともに、技術開発を進めながら、国内にあるエネルギーを最大限活用していくことが必要であります。  このうち、国際的な資源確保は国の役割でありましょうが、地方自治体としても、地域にある資源を最大限生かしていくとともに、潜在的な資源を実用化する技術開発に取り組んでいくことが大切であります。  具体的に、本県に存在するエネルギー資源としては、日照に恵まれる地域として、まず太陽光発電が挙げられます。既に住宅用太陽光発電システムの設置数は全国一になっており、また、県内の各所でメガソーラーの設置も進んでおります。この背景には、固定価格の買い取り制度が大きく寄与していると考えます。  本県のエネルギー源の第二に挙げられるのは、小水力発電であります。愛知県は、農地面積に占める大規模農業用水路の密度が全国一位という特性を生かして、小水力発電の導入促進を図っていると承知しております。  私の地元蒲郡市においても、本年度、発電施設の設置が予定されているところであります。蒲郡市北部の大内地内の揚水機場に設置される施設は、最大出力が十ワットと大変小規模なものでありますが、発生した電力は、揚水機場や隣接する防災倉庫の照明として利用されます。小さなともしびではありますが、大きな安心につながるものと期待しております。  県内では、新城市の四谷千枚田において、県が手がける第一号の発電施設が設置されましたが、羽布ダムや大島ダムなどでも整備が進められつつあるとお聞きしております。  このように、県内各所で具体的な動きが見られるところですが、農業用水を利用した小水力発電の整備促進に向け、本県での取り組み状況をお伺いいたします。  エネルギー対策に関する最後の質問は、新たな資源として期待されるメタンハイドレートについてであります。  メタンハイドレートは、低温高圧の条件下で水分子に天然ガスが取り込まれ、氷状になっている物質であり、よく燃える氷と言われますが、シェールガス同様にこれまで活用できなかった資源であります。  東部南海トラフ海域におけるメタンハイドレートの資源量は、我が国の天然ガス消費量の約十年分に相当すると推定されており、平成二十五年三月に海域では世界初となるガス生産実験を実施し、成功をおさめたことは記憶に新しいところであります。  今後、平成三十年度をめどに、商業化の実現に向けた技術開発が進められますが、シェールガスが技術によって革命を起こしたように、ぜひこの技術開発が円滑に進むことを期待するものであり、県としても、その動向に関心を持ち、技術開発を積極的に支援していただきたいと思います。  こうした中、ことし一月に行われた海洋産出試験では、三河港の蒲郡ふ頭が支援基地として利用されており、県では、メタンハイドレートに関して勉強会を開催されたと聞いておりますが、その内容はどのようなものであったかお伺いをいたします。  また、来年度以降も継続して実施される産出試験の支援基地としての三河港蒲郡ふ頭の利用について、どのように対応していくつもりか、あわせてお伺いをいたします。  以上、海外調査の報告を踏まえての壇上からの質問を終わります。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手) 20: ◯防災局長小林壯行君) 最初に、災害時における情報収集のための仕組みについてのお尋ねであります。
     災害時には、迅速で正確な被害情報を把握し、それに基づく適切な災害応急対策が必要となります。このため、県、市町村、防災関係機関を地上系及び衛星系の防災行政無線で結んだ高度情報通信ネットワークを活用した防災情報システムにより被害情報等を収集しております。  防災情報システムによる被害情報や避難勧告・指示の状況などの情報は、自衛隊、中部地方整備局などの国の地方支分局へも提供し、共有を図っております。  なお、本年九月に豊橋市に上陸した台風第十八号においては、約百人体制で災害情報センターを開設運用し、県民事務所等に設置される方面本部を含めて約千三百人の体制で災害応急対策に取り組んだところであります。  ちなみに、震度五強以上の地震が発生した場合などは、県職員約二万三千人の全員体制で災害応急対策に臨むことにしております。その際、方面本部の指揮のもと、あらかじめ定められた県職員が市町村へ派遣され、被害情報の収集や市町村との調整に当たる体制をとることとなっております。  さらに、災害情報センターには、自衛隊を初め、国の地方支分局、ライフライン機関、医療関係機関などの防災関係機関の連絡員を受け入れることとしております。これらの連絡員を通じて、各機関との連絡調整を迅速かつ的確に行うことにより、関係機関で情報共有や対策の調整を図ることとしております。  続きまして、医療関係機関を含めた防災関係機関との情報共有や連携についてであります。  災害応急対策の実施に当たっては、防災関係機関と連携した取り組みが必要であることから、自衛隊、警察、消防、医療関係機関などの参加を得て、相互に連携しながら情報共有を行うとともに、対策の検討を行うこととなっております。  特に医療関係機関との連携については、今年度から県の災害対策本部のもとに新たに災害医療調整本部を設置し、医療関係機関との調整を行う体制の強化を図ったところであります。  この災害医療調整本部は、災害医療コーディネーターを初めとした医療関係者が災害情報センターにおいて、県内外からの医療チームを適切に配置するための調整や、患者の広域搬送の調整を行うものであります。  災害医療調整本部は、災害情報センターの活動と緊密な連携を図る必要があることから、両者の一体となった運用を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 21: ◯健康福祉部健康担当局長加藤昌弘君) 災害時医療体制のうち、災害発生後の医療救護活動に必要となる医薬品や衛生材料等の確保についてお答えをいたします。  平成七年一月の阪神・淡路大震災の教訓から、本県では、平成八年度より、けがの治療用など緊急用の医薬品等を必要量確保するため、愛知県医薬品卸協同組合と中部衛生材料協同組合に対して、通常の在庫量に災害時に不足する分を上乗せして在庫していただく、いわゆるランニング備蓄を委託しております。  これらの備蓄医薬品等につきましては、災害発生時に医療救護所を設置する市町村等からの要請を受けて、県の指示により必要とする施設へ供給を行う体制を整えています。  一方、東日本大震災では、慢性疾患用の医薬品等も不足したことが問題として挙げられております。そこで、医薬品等の販売業者から成る関係五団体と本年八月までに医薬品等の優先供給に関する協定を締結いたしました。この協定によりまして、災害時において、県の要請に応じて幅広い医薬品等を優先的に供給していただく体制を確保しております。  さらに、これらの関係団体には、毎年度実施しております県の総合防災訓練に御参加をいただき、医薬品等の搬送訓練を行っております。  今後とも、こうした取り組みを通じて、災害時に必要となります医薬品等の安定供給体制の充実を図ってまいりたいと考えております。  続きまして、災害時の公衆衛生活動についてお答えをいたします。  まず、災害時の保健活動における保健所と市町村の連携体制についてでございます。  保健所では、日ごろから市町村と災害時の保健活動について検討会等を開催しており、顔の見える関係をつくり、課題を共有するなど、連携の強化を図っているところでございます。  また、災害時に保健所と市町村が効率的な保健活動を行うには、保健師の稼働状況を速やかに把握することが重要でありますことから、県、保健所、市町村の間で情報伝達訓練も実施をしております。  さらに、東日本大震災の被災地で支援した経験などを踏まえ、災害時保健活動マニュアルの見直しを現在行っており、今後、その改訂版に基づき、より実践的な市町村との連携体制を築いてまいります。  次に、避難所等における感染症対策に関する保健所と市町村の連携についてでございます。  保健所は、感染症の発生を防ぐため、トイレや側溝、ごみ集積場などの消毒、ネズミや昆虫の駆除などを市町村に指示するとともに、市町村からの要請に応じて、消毒用器材の貸し出しや薬剤の調達及び職員の派遣をすることとしております。あわせて、感染症予防のための指導及び広報などを市町村とともに連携して行ってまいります。  次に、食中毒予防対策についてでございます。  避難所を設置する市町村と連携をし、保健所等に配置しております食品衛生に関する専門知識を有します食品衛生監視員を避難所に派遣して、炊き出し等における調理前の手洗いの励行、十分な加熱、また、食材の適切な保管等、食品の衛生的な取り扱いにつきまして指導することにより、食中毒の発生防止を図ってまいります。  こうした災害時の公衆衛生活動につきましては、避難された方々の健康を守るため、今年度、保健所が設置をいたしました地域災害医療対策会議におきまして、市町村等と密接な連携を図り、地域の災害時保健医療対策に万全を期してまいりたいと考えております。 22: ◯農林水産部農林基盤担当局長(溝田大助君) エネルギー対策に関するお尋ねのうち、農業用水を利用した小水力発電の取り組みについてお答えをいたします。  小水力発電は、発電効率がすぐれ、環境に優しく、純国産のエネルギーとして注目されており、そうした中で、本県は、農業用水を利用した小水力発電に関して非常に高いポテンシャルを有しております。  こうしたことから、昨年八月、市町村、土地改良区など、約百の団体を会員とする愛知県農業用水小水力発電推進協議会が設立されました。  また、これにあわせて、県におきましては、この協議会を技術面で支援することを目的に、国、大学、関連業界などの御協力をいただき、産学官連携による検討委員会を設置し、鋭意検討を進めているところでございます。  一概に小水力発電と申しましても、出力が数ワットの地産地消型から売電ができる比較的大規模なものまで大小まちまちでございますが、県内での具体的な取り組みは着実に増加し、現在二十一地区となっております。  このうち、新城市の四谷地区と、農地・水保全管理活動で設置した西尾市の北浜川西地区の二地区で既に稼働しており、地産地消型の小規模な施設ではございますが、地域の方々に大変喜ばれております。  また、売電を目的とするものでは、水資源機構において、豊川用水の大島ダムで出力二百四十キロワットの発電機を今月中にも工事発注の予定と伺っており、また、県で実施設計を進めております矢作川用水の羽布ダムでは、出力九百キロワット程度の発電機を来年度早々工事発注したいと考えております。  今後のエネルギー確保のあり方として、地域にある資源を最大限活用していくことは極めて重要であり、また、河川法、電気事業法の規制緩和や固定価格買い取り制度など、小水力発電を進める上での好条件が整ってまいりましたので、関係機関と十分な連携を図りながら、その推進に最大限努めてまいりたいと考えております。 23: ◯建設部長(平井雄二君) エネルギー対策についてのうち、メタンハイドレートに関して二点お尋ねをいただきました。  まず、メタンハイドレートの勉強会についてであります。  平成二十三年度から本県の渥美沖におきまして、経済産業省が主体となった海洋産出試験が実施され、三河港の蒲郡ふ頭がその支援基地として利用されております。  これを契機に、本県の港湾におきまして、どのような支援ができるかを研究する目的で、学識者や関係企業に参加していただき、海洋産出試験の内容や輸送技術の開発動向と港湾利用との関係につきまして勉強会を開催しているところであります。  ことし行われました海洋産出試験の調査結果が来年一月には取りまとめられると聞いておりますので、この結果を踏まえた勉強会を開催する予定であります。  次に、海洋産出試験の支援基地としての三河港蒲郡ふ頭の利用についてであります。  今回の海洋産出試験では、蒲郡ふ頭が人員や資機材の搬送基地として、あるいは掘削土砂のストックヤードとして利用されておるところでございます。  今後も、三河港蒲郡ふ頭が支援基地としての機能を十分発揮できるよう、事業者の意見を伺いながら、野積み場の再配置による利用の改善など、必要な協力を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 24: ◯知事大村秀章君) 飛田常年議員の質問の中から、私からは、災害情報センターの運用についてお答えをさせていただきます。  防災関係機関との情報共有が極めて重要でありまして、相互の連携にしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。  私も、東日本大震災時に、実際に宮城県の災害対策本部を訪問し、その実情を見てまいりました。愛知県の災害情報センターよりもかなり広いスペースを利用しているわけでありますが、自衛隊、警察、消防など、非常に多くの防災関係機関の皆さんがふくそうしておりまして、そういった状況の中で災害応急対策に従事をしておられました。  そこで、本県におきましても、防災関係機関との連携を図るためには、より広い活動スペースの確保が必要であるというふうに考えまして、来年度には、災害対策本部や災害情報センターなどの防災関係スペースを今の本庁舎のところから自治センターの六階に移転集約をすることとしたいというふうに思っております。  これによりまして、県及びさまざまな防災関係機関が災害情報センターにおきまして一体的な災害対応に当たることが可能となりますので、今後とも、災害応急対策における連携の一層の強化に努めてまいりたいと考えております。 25: ◯二十五番(飛田常年君) 御答弁ありがとうございました。一点要望させていただきます。  エネルギー対策について、物づくりの愛知県として、知事の言われる人、物、金を呼び込む、県の発展のためにはエネルギー確保は必要不可欠であると思います。  今回調査した米国では、エネルギー自給率は九〇%近くあります。日本は、原子力発電が停止している中で、自給率四%という資源のない国である以上、今回お答えいただいた最少の十ワットの小水力発電や、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電等の再生可能エネルギーに頼らざるを得ないと思います。  しかし、経済を動かすには、石油、石炭等の化石エネルギーやシェールガスやメタンハイドレート等、県としても注視していく必要があると思います。  今後は、海外調査で見てきたシェールガスも五年以内には輸入されるでしょうし、メタンハイドレートも日本産エネルギーとして実用化に至れば、LNG(液化天然ガス)の十分の一程度の価格で販売できるだろうとも期待をされております。ぜひ産出試験の支援基地としての三河港蒲郡ふ頭を継続して推進していただくよう要望いたします。  また、愛知県としましても、エネルギー確保について、リスク分散の意味でも、ありとあらゆる手法と分野を研究していかなければならないと思います。さまざまなエネルギー確保に向けて、分散的な資源調達と国内にあるエネルギーを最大限活用していただけるよう要望して、質問を終わります。 26: ◯副議長鈴木正君) 進行いたします。  みやけ功議員。     〔四十九番みやけ功君登壇〕(拍手) 27: ◯四十九番(みやけ功君) 減税日本一愛知のみやけ功です。議長の許可をいただきましたので、通告に従い、一般質問をさせていただきます。  前回は、私の声が大き過ぎるという、大変御迷惑をおかけいたしまして、何名かの方々から御助言をいただきました。今回は抑えぎみで質問させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。  今回の私の質問は、名古屋トリプル選挙後の知事マニフェストの動向について、三つの質問をさせていただきます。  第一に、県民税減税について、第二に、中京都構想について、第三に、平成の楽市楽座が目指す規制緩和や、県民及び企業の負担軽減の取り組みについて、以上三点質問させていただきます。  前代未聞、空前絶後の名古屋ミラクルと呼ばれたトリプル選挙から間もなく三年。大村知事マニフェスト三大公約の一つでありました県民税減税について、十人の名古屋市議会解散請求運動、これをリコール運動と呼んでおりましたが、リコール運動の主導者の一人として質問させていただきます。  今からちょうど三年前の平成二十二年十二月十五日、名古屋市選挙管理委員会が名古屋市議会解散請求署名を三十六万九千八名と確定、発表されました。  この決定までの道のりが、当時のマスコミは奇跡と驚愕し、新聞、テレビの報道は過熱状態でありました。NHKは、市政、県政の担当者を八倍にし、映写クルーも五チーム投入するという以前の十倍以上の取材体制をとり、全国に名古屋市と愛知県の政局が報道され、日本全国から注目を浴びました。  これらのマスコミ報道を目にするたび、有権者の一票で本当に政治が変わる、いや、変えることができると私たちは確信いたしました。その私たちとは、十名のリコール請求代表者であります。その十名の請求代表者だけが名古屋市全域、名古屋市全区から署名をもらうことが許され、我々十名以外で署名運動を協力していただける方は、御自分の住んでいる区からしか署名を集めることができないという苛酷なルールでした。しかも、期間は、八月二十八日から九月二十七日までの一カ月間、誰もが不可能と予想し、万が一達成したならば、政令指定都市では初の快挙であると言われました。  多くの皆様の御協力で、一カ月間で何と四十六万を超える署名を集めることができました。それを当時の名古屋市選挙管理委員会が直前に、署名の有効、無効の基準を変えて、その審査の結果、無効署名扱いが何と十一万を超えると発表いたしました。つまり、我々のリコール運動の全てを無効にしようとしました。  そこで、私たち請求代表者は、名古屋市に公開質問状を提出したり、名古屋地方裁判所にも訴訟を起こし、最後の手段として、無効署名扱いにされた三万人を超える市民の皆様の勇気ある異議申し立てにより、名古屋市議会解散請求に必要な署名数である三十六万六千を三千上回る三十六万九千八名の署名が有効とされました。  選挙管理委員会の名古屋市議会解散請求は無効であるという発表を市民の力で逆転させ、有効にするという、まさに奇跡が達成されました。  この市民のパワーを、当時、庶民革命と呼び、翌年、平成二十三年二月六日のトリプル選挙において約七十万の、七十万の人たちの名古屋市民の方が名古屋市議会解散賛成と、賛成と投票していただきました。  この奇跡は何がさせたのでしょうか。名古屋市民が長年の不景気に対し減税を求めたこと、さらには、身近な市会議員の報酬を市民並みにしてほしいという大きな原動力がありました。  そして、知事選挙においても、大村知事、思い出してください。当時、大村候補の公約、県民税一〇%減税も、名古屋市民にとってはダブル減税になる期待感いっぱいで大村候補に投票したのは間違いがありません。  二〇一一年、平成二十三年二月六日の名古屋市トリプル選挙で、知事選において大村知事が圧勝され、二年十カ月たとうとしています。選挙公約どおり、県民税減税を一〇%、そして、五%の提案をされ、議会で承認を得るために、さらに県民一律千円の減税、一万円の児童手当まで譲歩に譲歩を重ねられたのが九月議会でありました。そして、公約実現最後のチャンスの今議会では、県民税減税という形は見送るという苦渋の御決断をされました。  しかしながら、減税はこれで消えてしまったわけではありません。県民にとって行く行く大きな、大きな実りとなります障害者福祉減税基金の創設というのを提案されました。  これら一連の大村知事の公約実現に近づける御苦労に対して、心ある県民の皆さんはきっと理解されると思います。少なくとも、庶民革命を主導した一人として感謝と敬意を申し上げます。  昨日の代表質問で、我が会派の佐藤議員が県民税減税に関して質問し、その答弁として、知事は、経済対策としての減税施策は重要なツールの一つであり、実行策等について、引き続き検討を重ねていくという心強い答弁をいただきました。一連のリコール運動を主導いたしました請求代表者の一人としては、大村さんを知事に選んでよかったと心より安心いたしております。  そこで、私からの質問ですが、有効な政策の一つである減税施策のあり方について、どのように検討を進められるおつもりでしょうか。また、障害者福祉減税基金をどのように活用していくおつもりか、お答え願います。  次に、私は、減税日本一愛知という十六名の知事会派に所属させていただいております。御存じのように、河村市長代表の減税日本十二名と、大村知事代表の日本一愛知の会の四名の十六名であります。  愛知県と名古屋市の歴史的なタッグが誕生し、三年前に共同マニフェストも発表しました。中でも、私が最も期待しているのが、世界と闘える愛知・名古屋とするため、強い大都市、中京都の創設であります。そのために、私は、一年間、大阪維新塾第一期生となり、毎月、大阪に情報収集に通いました。  御存じのとおり、先行している大阪都構想も、先日の岸和田市長選挙、堺市市長選挙と大阪都構想推進派ではない市長が当選され、決して簡単に進行する状況ではなくなっております。新しい制度を導入することはいかに大変かを物語っていると思います。  中京都構想も、何回も有識者を囲んだ会議を公開で開催し、前回、大村知事担当の会議で有識者による分野別分科会が発表されました。大変御苦労の多い中京都構想が少しでも、二重行政改善など無駄を排除し、少しでも県民のためになる会議を期待しております。  そこで、中京都構想の検討に関して、今後どのように進めていかれるのかお尋ねいたします。  最後に、百五十万二千五百七十一人の大村知事誕生を願った県民の一人としての質問をさせていただきます。  私も、零細企業を三十五年間やらせていただいておりますが、今から三年前は、まるで全く先の見えないトンネル不況でした。多くの県民が大胆な規制緩和で景気回復、そして、愛知・名古屋の活力を取り戻してほしいと願ったはずです。それに応えるのが、大村知事マニフェストの平成の楽市楽座の実現であります。  かつて、当地ゆかりの戦国武将の一人である織田信長は、中世から続く権威、制度のもとで停滞していた経済を活性化するために、旧来からの既得権を打ち破ることに挑戦しました。その代表的な政策の一つが楽市楽座です。  楽市楽座では、既得権を持つ勢力からの激しい抵抗に遭いながらも、独占的な特権を持った商工業者の集団であった座を廃止し、市場税を免除することで自由取引市場を形成し、領内への新規商工業者の参入を促しました。その結果、信長の領内には全国から人、物、金が集まり、経済は大きく発展を遂げました。この楽市楽座は、信長の後も引き継がれ、秀吉、家康を初め、幕末まで続く尾張三河出身大名の隆盛へとつながりました。  現代に目を移しますと、長期にわたるデフレや円高により閉塞感に包まれていた我が国の経済は、安倍政権発足後のいわゆるアベノミクスの第一の矢、大胆な金融政策と、第二の矢、機動的な財政政策により歴史的な円高が改善基調に転じたことなどから、企業収益や設備投資、雇用情勢に改善の動きが見られるほか、個人消費も持ち直し傾向にあるなど、緩やかな回復を見せております。  しかしながら、対外経済環境をめぐる不確実性や、来年四月に予定されている消費税引き上げの影響など、懸念材料も多く、予断を許さない状況が続いております。  ようやく緒についた景気回復の基調を確固たるものとするためにも、第三の矢である民間投資を喚起する成長戦略が速やかにかつ着実に実施されることが重要であります。  この成長戦略に関しては、第一弾として、本年六月十四日に政府より日本再興戦略が発表されました。閉塞感の中でよどんでいた人、物、金を一気に動かしていくために、規制改革、予算、税制などの施策をパッケージで打ち出し、新たな特区、国家戦略特区を突破口に改革を加速させ、日本経済を停滞から再生へ、そして、さらなる高みに飛躍させ、成長軌道へと安定させることを目指したこの戦略は、その目的、手段から見て、まさに楽市楽座が目指すものと同じと言えるのではないでしょうか。  大村知事は、この日本再興戦略発表に先駆けること三年前、大胆な規制緩和と減税で景気回復を目指す平成の楽市楽座をマニフェストの一番に掲げ、これまでその実現に向け、精力的に取り組んでこられました。  規制緩和については、着任早々より国際戦略総合特区への提案に取り組み、平成二十三年十二月にアジアナンバーワン航空宇宙産業クラスター形成特区への指定を受けたことを皮切りに、構造改革特区に対しては、平成二十四年二月に民間事業者による有料道路の運営実現や、小水力発電に関する規制緩和や手続の簡素化など、二十一件の提案をし、本年四月には、ハローワークの地方移管など五件の提案を行っておられます。  また、本年五月には、地域の産学と連携し、あいち産業競争力会議を立ち上げられ、国家戦略特区の創設を初め、次世代自動車や航空機、環境エネルギーなど、次世代産業の創出や地域経済の活性化に向けた規制改革など、緊急性の高い提案を取りまとめ、産業競争力の強化に向けた規制改革の提案として、国に対し要請を行われました。  八月には、国家戦略特区の提案として、岐阜県、三重県、静岡県、名古屋市などとともに、グローバル競争に打ち勝つ物づくりに関する提案等をまとめたモノづくり産業強靭化スーパー特区と、農業の六次産業化に関する提案等をまとめたアグリ・フロンティア創出特区を愛知県単独で、民間事業者による有料道路の運営や、周辺開発の特例措置の提案等をまとめた有料道路コンセッション特区の提案をされ、さらに先月の十一月には、障害者を対象とした介助援助つきの住居サービス、グループホームについて、既存の戸建て住宅を活用しやすくするための建築基準法の規制緩和を、県独自の取り組みを進めております。  また、本県のみならず、我が国の基幹産業である自動車産業が引き続き国内で雇用を確保し、地域経済を牽引していくためには、自動車購入者の負担を軽減する恒久的な措置を早急に実現していくことが不可欠であることから、課税根拠であった道路特定財源が廃止されたことに加え、消費税と自動車取得税が二重に課税されるなどの問題がある自動車税制の抜本的な見直しにも着手し、平成二十三年度より他県の知事にも呼びかけ、連名での要望を累次にわたり実施しておられます。  さらに、県独自の取り組みとしても、環境対策の推進や、県内における次世代自動車の需要の拡大を通じた自動車産業の活性化を図る観点から、平成二十四年に電気自動車やプラグインハイブリッド自動車の自動車税の免除を実施されました。  私は、本県が引き続き日本の成長エンジンとして、我が国の持続的な経済成長に役割を果たしていくためには、規制緩和や、企業、県民の負担軽減につながるこうした取り組みをスピード感を持って着実に実施していき、平成の楽市楽座を現実のものとすることによって、国の内外から人、物、金をこの愛知県に呼び込み、その活力で新たな付加価値を生み、より創造性の高い愛知に育て上げていくことが重要であると考えます。  そこでお尋ねいたします。  地域経済の活性化に向けて進めてきた規制緩和や、企業、県民の負担軽減の取り組みは、今までにどのような成果を上げているのか、また、十分に成果を上げられていない分野については、これからどのように取り組んでいくお考えなのかをお伺いいたします。  以上、私からは三点の質問ですが、どうぞ県民の皆さんにわかりやすい御答弁をお願いいたし、私の質問を終わらさせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
    28: ◯総務部長(中西肇君) 私からは、減税施策についてお答えさせていただきます。  個人県民税減税につきましては、これまでいただいたさまざまな御意見や諸般の状況などを踏まえ、今議会での提案を見送らさせていただいたところでございます。  しかしながら、国は、消費税率引き上げの影響を緩和し、デフレからの脱却と日本経済の成長を促すため、新たな経済対策の策定を決定し、復興特別法人税の廃止前倒し、設備投資減税、賃上げ促進減税、住宅ローン減税といった減税施策も大きな柱として位置づけているところでございます。  このような状況を見ましても、経済対策としての減税施策につきましては重要なツールの一つでございまして、規制改革などと組み合わせて実施すれば、経済活性化に結びつく有益な施策であるというふうに考えてございます。  したがいまして、今後とも、減税施策のあり方、実行策等につきまして、引き続き検討を重ねてまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 29: ◯健康福祉部長伊藤輝明君) 私からは、障害者福祉減税基金の活用についてお答えをいたします。  本県におきましては、重症心身障害児者が利用できる施設が他の類似府県に比べて少なく、身近な地域で医療や療育などの支援が受けられる体制づくりが喫緊の課題となっております。  このため、障害者福祉減税基金を活用しまして、身近な地域における障害児者の福祉施設の整備を促進してまいりたいと考えております。  なお、詳細な内容につきましては、平成二十六年度当初予算案に反映できますよう今後検討を進めてまいりたいと考えております。 30: ◯知事政策局長(石原君雄君) 中京都構想の進め方について御質問をいただきました。  去る十月二十一日に第四回中京独立戦略本部を開催し、中京都のあり方と今後の進め方について御議論をいただきました。  中京都のあり方につきましては、知事から、民間の企業統合、経営統合の手法を踏まえ、県、市を包含する中京都ホールディングスの考え方をお示ししたところでございます。  また、世界と闘える愛知・名古屋に向けた政策を強力に推進していくために、県、市で目標を共有し、それぞれの強みや機能を踏まえ役割分担し、連携、共同により、より高い効果を引き出していくことが必要でございますので、今後、産業活力、都市基盤・防災など、四つの分科会を立ち上げまして、より専門的な議論をいただくことといたしております。  この分科会等での議論の成果を踏まえまして、本部会議でさらに検討を深め、中京都構想の実現に向けた基本的な考え方を取りまとめてまいりたいと考えております。 31: ◯知事大村秀章君) 私からは、平成の楽市楽座に向けた施策について答弁をいたします。  私はこれまで、減税と大胆な規制緩和を実施することで、人、物、金を呼び込み、世界と闘える愛知を実現するための施策に着実に取り組んでまいりました。  まず、国際戦略総合特区、アジアナンバーワン航空宇宙産業特区につきましては、緑地規制などの規制緩和、それから、また、県独自の不動産取得税の免除措置なども創設をし、進めてまいりました。  また、特区区域につきましても、ことしの十月、岐阜県や三重県までを含むエリアに拡大し、さらに、静岡、長野も視野に入れまして、東海地区全体を素材から部品、組み立てまでのフルセットのクラスターの形成に向けまして取り組んでまいりたいと考えております。  次に、国家戦略特区につきましても、本県が取りまとめ役となりまして、東海四県三政令市で特区の提案をいたしておりまして、今後、その指定とあわせまして、さらなる規制緩和の拡大を国に対して強力に働きかけてまいりたいと考えております。  さらに、本県の基幹産業である自動車産業の空洞化懸念を払拭し、その経済、雇用を確保するため、平成二十三年度以来、車体課税の見直しを強力に働きかけておりまして、ことし一月の税制改正大綱では、自動車取得税の消費税一〇%の時点での廃止が明確に位置づけられるといったような成果も上げることができました。  これを着実に進めていくため、先月の十五日には、自動車関係団体が主催をする共同記者会見にも参加をし、十一県の知事、それから、二政令市長の連名による自動車諸税の抜本的な見直しを求める緊急声明を発表するとともに、強力に要請をしてきたところでございます。  今後、国におきましては、年末の税制改正に向けまして、急ピッチで議論が進むものと考えておりますが、引き続き私どもの考え方を強く訴えていきたいというふうに思っております。  私は、これからもこうした地域の思いをスピード感を持って訴え、そして、県独自の取り組みもあわせて実施をいたしまして、平成の楽市楽座の実現による産業、地域の活性化を目指してまいりたいと考えております。 32: ◯四十九番(みやけ功君) 知事を含め各部局よりのわかりやすい御答弁をありがとうございました。  今回の知事三大公約について、この質疑応答で、我々のリコール運動に加わった多くの仲間は理解できたと思います。今後とも、三大公約実現のために、そして、県民が元気になるよう頑張ってくださるよう切にお願い申し上げます。  私からは、一点要望させていただきます。  東京は、二〇二〇年オリンピックで燃え上がり、一点集中はますます強化されることでしょう。この愛知も、リニアが開通し、東京─名古屋間四十分となります。いつピンポイントの大震災が起きるかもわかりません。ぜひこの名古屋から、愛知から人が行くんじゃなくて、東京からストロー現象でこちらへ持ってくるという、そんな形を思い描き、十年前に封印された首都圏機能の移転問題、二分の一でも三分の一でもいいから、とにかくこの愛知県にとにかく人を集めるというような、県民にとってわかりやすい大きな目標を掲げていただきますよう要望して、終わらさせていただきます。  以上です。 33: ◯副議長鈴木正君) 進行いたします。  木藤俊郎議員。     〔六十七番木藤俊郎君登壇〕(拍手) 34: ◯六十七番(木藤俊郎君) 議長のお許しをいただきましたので、私は、通告に従い、順次質問をいたします。  最初は、地震防災対策についてであります。  愛知県では、平成十四年に地震防災対策強化地域が大幅に拡大指定されたことを契機として、平成十四年十一月に、平成十四年度から平成十八年度までの五年間の行動計画として、第一次地震対策アクションプランを策定いたしました。  その後も、大規模地震の発生が依然として危惧される中、国の中央防災会議は、平成十七年三月に、東海地震及び東南海地震についてそれぞれの被害想定をもとに、平成二十六年度までに被害を半減するための具体的な数値目標や、その達成時期などを掲げた地震防災戦略を策定し、そこで、本県では、引き続き地震防災に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために、計画期間を平成二十六年度とする第二次地震対策アクションプランを策定いたしました。  そして、平成二十三年三月十一日、東日本大震災の発生により、この地震が大規模な連動型の地震であったことから、私たちの地域は、南海トラフ巨大地震等の被害予測による地震対策が急務となったのであります。  現在、県では、第三次地震対策アクションプランの作成作業中であります。  東日本大震災は、マグニチュード九という我が国の観測史上最大の地震となり、強い揺れや巨大な津波により多くのとうとい人命が失われるとともに、あらゆる施設が甚大な被害を受け、産業活動にも深刻な影響を与えました。  私は、この東日本大震災による甚大な被害状況を踏まえて、大規模地震から県民の生命や財産を守るためには、これまで以上に防災・減災対策を推し進めるとともに、被災後の速やかな復旧を図るための体制を整備することが喫緊の課題であると考えております。  こうした中、現行の第二次地震対策アクションプランでは、経済被害の半減の具体目標において、企業の事業継続の取り組みの推進として、事業所の事業継続計画の策定の推進等を掲げています。また、県が行う重要業務が継続できる体制をつくるために、愛知県庁業務継続計画が作成されています。  さらに、本年二月定例議会において、私は、代表質問で港湾機能継続計画の策定について質問を行い、大村知事は、国が港湾ごとに防災、減災の目標を取りまとめた地震・津波対策に関する基本方針に基づき、港湾施設の応急復旧から港湾機能の回復までを迅速かつ効率的に進めるために、港湾機能継続計画を策定することといたしましたと答弁なさいました。  今述べてまいりましたように、事業継続計画は、今やさまざまな分野で検討され、防災対策の重要な事項になっています。  そこで、まず、県においては、第三次地震対策アクションプランの作成に取り組まれておりますが、このプランにおいて、事業継続計画についてどのような取り組みを進めていくお考えなのかお伺いをいたします。  次に、農業分野における事業継続計画についてお尋ねいたします。  東日本大震災においては、田畑が崩れたり、瓦れきがたまったり、海水が引いた後も塩が残って作物が栽培できないという農業被害が発生するとともに、農業用水路や排水機場、園芸ハウス、畜舎、倉庫といった農業用施設の多くが破壊されました。  国の資料によりますと、青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の六県を中心として、農地約二万ヘクタールに被害が発生し、農業用施設を合わせた被害額は九千億円を超えるものとなっております。  こうした被災後の復旧状況でありますが、本年七月末時点で、工業関係ではほぼ震災前の水準に戻りつつあるのに対しまして、農業関係では営農が再開できた被災農地は約六割で、被害に遭った約一万百の農業経営体のうち、その半分がようやく経営の再開にこぎつけたという状況とのことであります。  国や被災地の自治体では、おおむね三年間での復旧を目指して事業が進められているところでありますが、被災地の方々のことを思いますと、一日でも早い復旧を祈らずにはおれません。  こうした事態は決して他人事ではありません。全国第六位の本県農業を支える全国有数の園芸地帯である渥美半島は、太平洋に面しており、また、尾張地域は、我が国最大の海抜ゼロメートル地帯であることから、本県においても、南海トラフ巨大地震に備え、地震発生から営農開始までに農業団体が取り組むべき事業内容や、その優先度を示した事業継続計画を早期に策定する必要があると考えております。  こうした中、徳島県では、東日本大震災の被害を教訓として、市町村、JA、土地改良区などの農業団体と連携して検討会を設け、本年六月に全国に先駆けて農業版のBCPを策定しております。  この事業継続計画では、巨大地震発生後に対応すべき事項を取りまとめた土地改良区BCPマニュアルを策定しており、被災後の優先事業として、人命にかかわる二次災害防止工事や応急排水ポンプの手配などを規定し、情報収集に当たっては、位置情報つきの画像データの利用や、緊急度を判定するトリアージを行うことで対応の迅速化を図ることとしております。  また、被災後一週間前後から取り組む事業として、除塩作業や施設の復旧工事を位置づけ、早期の営農復帰につなげるための事前準備として、今後、各農地の排水機場の設計図の電子データ化や、簡易な農地設計書の作成に取り組むとしております。  本県におきましても、防災上においても極めて重要な役割を果たしている土地改良施設について、大規模地震に対する事前の備えを充実させ、被災時における施設の速やかな復旧などを図る必要があると考えます。  危機管理は、自助、共助、公助であると言われており、まずはみずからがどのように行動すべきなのかを判断することが大切であり、農業分野においても、農業団体がみずからの課題と受けとめて、いざというときに農業生産活動の早期再開に向けて、的確な行動ができる仕組みとして、事業継続計画、すなわちBCPの策定に取り組む必要があると考えます。  そこで、本県の農業分野における事業継続計画の取り組みとして、JAや土地改良区などの農業団体における事業継続計画の策定に向けた取り組み状況についてお尋ねをいたします。  次に、がん患者の就労支援についてお尋ねいたします。  現役で働いている方ががんにかかってしまった場合に、がんが治るのか、命は助かるのかという不安とともに、この先、治療費や生計費をどうやって賄っていくのか、扶養者の方であれば家族を養っていけるのかという経済面の問題、すなわち働き続けることができるのかという不安が非常に大きいものとなってまいります。  私は、県議会議員となる前に、民間企業で働いていた際に人事労務の仕事をしており、実際にがんにかかった社員の処遇に携わった経験があります。  その方は、手術をされた後、後遺症があったものの、ぜひ働き続けたいとのことでありました。当時の社内では、過去にこのような事例がなく、手探りで検討を進め、会社の幹部も交えてよく話し合った結果、後遺症があっても働ける部署にて復職していただくことができました。  御本人やその家族の生活が安定し、また、働き続けることが御本人の生きがいにもつながるという意味で大変よい結果となりましたが、それだけでなく、周りの社員の会社に対する帰属意識も高まったのではないかと思います。  身近な人が困難に遭遇し、それを周りが助けながら困難に立ち向かい、克服していく姿を他の社員はよく見ていました。会社のそういう対応を見て、社員が会社を誇りに思い、就労意欲が高まる。このことは、企業とそこで働く社員の大変いい関係を築くこととなります。私の経験を通してそう思っています。  しかしながら、がん患者の方の就労継続をめぐってはさまざまな課題があるのも現状であります。  内閣府が本年三月に発表した世論調査では、がんの治療、検査をしながら働き続けられる社会だと思うかとの問いに対し、そう思わないと、どちらかといえばそう思わないの回答を合わせると約七割に上る結果となっておりました。残念ながら、我が国全体として、がんにかかっても働き続けられる社会とは言えない状況にあります。  先ほどの事例でもお話ししましたように、がんにかかっても働き続けるためには、柔軟な勤務条件の設定、復職支援、患者の体調への配慮、職場の理解促進といった雇用者側の取り組みが必要なことはもちろんですが、このことは雇用者側だけの問題ではありません。  行政においては、企業の取り組みを促進するよう雇用問題への積極的な対応を行うとともに、相談窓口の充実、がんに対する偏見や誤解を払拭するよう、しっかり普及啓発をしていくこと等が必要であります。  また、医療機関においては、患者さんの就労に配慮した治療の実施、患者の就労支援につながる雇用主等との連携などを積極的に行うなど、皆がこの問題に対して取り組んでいく必要があります。  愛知県がん登録の結果を見ると、本県において、四十代、五十代といった現役で働いている方々のがん罹患はふえてきています。  一方で、近年のがん医療の進歩により、がんにかかっても早期の適切な治療によって完治、もしくは完治に近い状態になる方もおられます。また、引き続き治療が必要な場合でも、生き続けられる期間は長くなってきており、国立がん研究センターが発表しているがん診断後五年後の生存率は年々改善してきています。また、リハビリ技術や補装具の進歩により、がんによる機能喪失をカバーするための対応も進んできています。  これらさまざまな要因を背景に、近年、がんにかかった後も働き続けられるようにしていくことが社会全体の重要な課題となっていることから、私は、本年二月の定例議会の代表質問において、この問題に対する県の取り組み姿勢をお伺いしたところであります。  知事からは、がんの通院治療体制のさらなる充実を目指すとともに、がん患者の方々が安心して就労できる社会環境づくりを進めていく、また、がん医療の現状についての普及啓発を一層進めていきたいとの御答弁があり、さらに、具体的取り組みとして、がん患者の方々の就労継続への対応として、事業者の代表や産業医等で構成する会議を開催し、がん患者さんの就労継続にかかわる課題とその対応策について検討していく旨の答弁をいただいております。  そこでお伺いをいたします。  県は、この課題について、これまでどのように取り組んでこられたのでしょうか、お伺いをいたします。  また、先般、がん患者就労継続支援検討会議の模様がニュースで報道されておりましたが、この会議の結果を踏まえて、県として今後どのように施策を展開していくお考えなのかをお伺いいたします。  次に、交通事故危険箇所の対策についてお尋ねします。  本県の交通事故情勢につきましては、昨日現在、交通事故死者数は百九十七人で、一月十八日以来、全国ワースト一位を継続しているものの、昨年、対前年比で十七人のマイナスとなっております。  しかしながら、交通事故死者数は平成十五年から昨年まで十年連続して全国ワースト一位にあり、さらなる交通事故の削減対策が必要であると感じています。  県民の誰もが交通事故を起こさず、交通事故に遭わずに安心して暮らせる社会の実現、これは県政の最重要課題の一つであります。  新聞にも掲載されていましたが、愛知県警察本部の実施したアンケートでは、県民の七割が愛知の交通モラルが低いと感じているとの結果が出ております。  実際、ドライバーが信号を無視したり、無理に車線変更をしたり、スピードを出し過ぎていたり、歩行者が左右を十分確認せずに道路を横断したり、携帯電話を操作しながら歩いているのを目にすることも多く、このような交通モラルの低さが交通事故の原因に結びついているのではないかと思っています。  現在、年末の交通安全県民運動の実施期間中であり、広報活動、交通安全教育など、さまざまな取り組みを県内で行っておられますが、ドライバーや歩行者などの交通モラルを高め、交通ルールを守るよう、県民の皆様の交通安全意識を高めるためのソフト対策の重要性は言うまでもありません。  このソフト対策にあわせて、道路施設側で行う対策として、安全な運転の誘導や注意喚起、また、事故を誘発するおそれのある道路交通環境の改善を行うハード対策も重要であると思っております。  そこで、ハード対策として、道路管理者が行う対策についてお聞きします。  愛知県建設部では、交通安全対策として、道路利用者が安全に通行できるように、道路施設の改良として、交差点改良や標識の設置などの対策をこれまで継続して実施されているところであります。  そうした中で、ことし四月に、国土交通省中部地方整備局、愛知県、名古屋市、愛知県警など、関係機関による愛知県道路交通環境安全推進連絡会議において、学識経験者や道路利用者の意見を聞いて、今後、重点的に事故対策を施す箇所として、事故危険箇所が新たに選定されました。  この事故危険箇所は、平成十九年から平成二十二年までの四年間に県内で交通事故が発生した箇所の中から、死傷事故や重大事故、死亡事故が多く発生している箇所のほか、歩行者の事故が多く発生している箇所、さらには、高齢者の事故が多く発生している箇所も選定されていると認識しております。  その後七月に、県内では二百九十九カ所、このうち県管理道路では百三十カ所において、この事故危険箇所が国の指定を受けたと聞いております。現在、この百三十カ所の事故危険箇所において、交通事故の状況に対応した対策として具体的に何を行うかを検討され、対策工事の実施に向けて進められているものと思っておりますが、こうした事故危険箇所の対策を着実に進めていただくことが交通事故の削減につながるものと考えております。  そこで、新たに指定されました事故危険箇所の対策について二点お伺いいたします。  一点目は、事故危険箇所の対策の具体的な内容についてお伺いします。また、そういった対策を行うことにより、どれぐらい交通事故削減効果があるのか、これまでの実施箇所において効果が検証されているものがあれば、あわせてお伺いいたします。  二点目は、事故危険箇所が七月に国から指定を受けて以降、対策内容の検討は現在どこまで進捗しており、また、今後、この事故危険箇所の対策の実施に向けて、どのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。  以上、お伺いをいたしまして、私の壇上からの質問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) 35: ◯防災局長小林壯行君) 現在策定を進めております第三次あいち地震対策アクションプランの中で、事業継続計画について、どのような取り組みを進めていくかについてであります。  本県では、本年五月三十日に開催した愛知県防災会議において、第三次あいち地震対策アクションプランの骨子をお示ししたところであります。  その中で、社会機能を守ることを対策の柱の一つに位置づけ、行政機能、社会基盤の確保はもとより、企業の経済活動の継続や農林水産業の維持に必要な対策に取り組むという方向性を明示しております。  東日本大震災の被災地域では、停電、電話・通信設備の被災、ガソリン、重油などの燃料の不足、道路の損壊などにより、社会経済活動の基盤に大きな支障を来しました。  一方、震災による直接の被害がなかった愛知県でも、自動車メーカーの工場において、サプライチェーンを構成する被災地の工場から部品供給が途絶えたことで、一週間以上にわたり操業停止に追い込まれた事案も生じました。  東日本大震災では、私たちの生活やあらゆる社会・経済活動の基盤が密接に関連し合っていること、そのため、社会のさまざまな分野において、事業継続計画的な視点に基づく取り組みが極めて重要であることを改めて認識させられました。  今後、さらにアクションプランの検討を進める中で、事業継続計画として、県、市町村が取り組むべき対策や、企業、その他事業者にとっての対策など、できる限り具体的な内容を盛り込むとともに、事業継続計画の考え方がさまざまな分野に幅広く浸透するよう取り組んでまいります。  以上でございます。 36: ◯農林水産部長(中野幹也君) 本県の農業団体における事業継続計画の策定に向けた取り組み状況についてお答えいたします。
     議員お示しのとおり、大規模地震発生後の被害状況の把握から、災害復旧、さらには事業活動の再開までを対象とする事業継続計画の策定につきましては、農業分野においても重要な取り組みであると考えております。  お尋ねの農業団体の取り組み状況でありますが、農業協同組合、JAにおきましては、燃料、家畜の飼料など、農業生産に必要な資材供給の事業を行っておりますことから、従来より、各JA単位で災害対応計画の策定に取り組んでまいりました。  東日本大震災発生後は、全国農業協同組合中央会が災害時における優先業務、すなわち経営資源を優先的に振り分けて直ちに復旧する業務及び最後まで継続が求められる業務などについての考え方を示したことから、各JAでは、従来の災害対応計画を見直して、業務継続計画の策定に取り組み、県内二十のJAのうち、八割の十六のJAで策定を終えたところであります。  また、土地改良区におきましては、施設の耐震対策など、ハード面での取り組みを着実に進めますとともに、大規模地震が発生した場合における緊急配備体制や施設の点検操作手順、災害復旧に向けての対応などを定めた危機管理マニュアルの策定に向けた取り組みを進めており、地区面積が千ヘクタール以上の大規模な農業用水を管理する八つの土地改良区においては、全て策定済みとなっております。  県といたしましては、今後とも、こうした農業団体の取り組みを積極的に支援して、大規模地震への備えとして、早期に農業生産活動が再開できる体制整備を進め、農業分野においても災害に強い愛知を目指してまいります。 37: ◯健康福祉部健康担当局長加藤昌弘君) がん対策についてのお尋ねのうち、まず、がん患者の方々の治療と就労の両立に向けたこれまでの取り組み状況についてお答えをいたします。  県はこれまで、がん診療連携拠点病院を中心に、県内どこでも適切ながん医療が受けられるよう、がん医療の均てん化を推進してまいりました。その結果、外来で通院治療を受けられる体制についても徐々に充実してきたところでございます。  また、がん診療連携拠点病院には相談支援センターの設置が必須とされており、がんの症状や治療、セカンドオピニオンといった医療に関する相談以外にも、医療費負担の軽減や、退院後の在宅医療、職場の悩みに関する相談など、療養上必要となるさまざまな相談に対応できるよう体制整備を進めてきたところでございます。  昨年十月に県政各会派の共同で御制定いただきました愛知県がん対策推進条例においては、従業員ががん患者となった場合でも、働きながら治療を受けられる環境の整備が事業者の責務として掲げられております。  さらに、この条例を受けて、本年三月に策定いたしました第二期の愛知県がん対策推進計画におきましては、新たな取り組みの柱として、働く世代へのがん対策を掲げ、がん患者が治療と就労を両立できる環境づくりを推進していくこととしております。  そのための具体的な取り組みの第一歩として、去る十一月に第一回目のがん患者就労継続支援検討会議を開催し、働く世代へのがん対策に関する今後の取り組みの方向性等について、産業医、がん専門医、企業の人事担当者等の委員の皆様から御意見をお聞きしたところでございます。  次に、がん患者就労継続支援検討会議の結果を踏まえた今後の施策展開についてでございます。  会議におきましては、委員それぞれの専門的見地から今後の取り組みの方向性について御検討いただきました。  主な意見といたしまして、産業医の委員からは、最も重要なのは職場の理解であり、体調不良時の対応や受診時間の確保に関する配慮が必要であること、がん専門医からは、医療の現場と職場との連携が必要であるとの御意見をいただきました。  また、企業の人事担当者の委員からは、休暇等の制度面の整備と会社側の理解による柔軟な配置やサポートが必要であるといった御意見もいただいております。  そこで、会議での検討結果を踏まえ、愛知県経営者協会に御協力をいただき、会員企業約九百社に対し、従業員ががんにかかった場合の休暇制度やサポート体制等に関するアンケート調査を実施することといたしました。  今後は、このアンケートの集計やその他の情報収集を行った上、来年の二月ごろに第二回の会議を開催し、企業等への働きかけや県民への理解促進のための効果的な情報発信などについて検討してまいります。  また、これとあわせて、企業等におけるがんの治療と就労の両立の環境整備を促進するため、企業の人事担当者等を対象とした講演会を今年度中に尾張地区と三河地区でそれぞれ一カ所ずつ開催する予定としております。  こうした取り組みを通じまして、今後とも、がん患者の方々が安心して就労できる社会環境づくりを進めていきたいと考えております。 38: ◯建設部長(平井雄二君) 交通事故危険箇所の対策につきまして二点お尋ねいただきました。  初めに、事故危険箇所の対策の具体的内容とその交通事故削減効果についてであります。  事故危険箇所の対策につきましては、抜本対策と速効対策に分けて取り組んでおります。このうち、抜本対策は、円滑な通行を確保する右折車線の設置や、安全な歩行空間を確保する歩道の設置のために、道路を拡幅して交差点改良を行うものでございます。  しかしながら、抜本対策は用地買収を伴うことから、多くの事業費と期間が必要となりますので、現在の道路幅の中で短期間で実施可能な速効対策も行っているところであります。  速効対策といたしましては、ドライバーに注意喚起や安全な誘導を行うため、路面を赤色や青色に塗るカラー舗装や、右折車線の分離のために直進車線に膨らみを持たせた右折ポケットを設置するなど、事故の発生状況や道路状況に応じたさまざまな対策を実施しております。  こうした対策による事故削減効果につきましては、平成二十年度から平成二十四年度までの五カ年で行ってまいりました対策済みの箇所におきまして検証を進めているところであります。  現時点での検証結果といたしましては、全体の死傷事故件数が三八%削減したという効果を確認しております。また、対策の中でも最も多くの箇所で行ったカラー舗装につきましては、対策前後の自動車速度も計測しており、交差点への進入速度が一八%低下し、死傷事故件数は三〇%削減した箇所もあります。  今後は、こうした検証結果を新たな事故危険箇所の対策に反映してまいりたいと考えております。  次に、事故危険箇所対策の検討状況及び今後の取り組みについてであります。  今回、事故危険箇所として指定されました百三十カ所のうち八カ所は既に抜本対策を実施しており、そのうち二カ所は今年度末までに完了させる予定であります。残りの百二十二カ所につきましては、県警など関係機関とともに、交通安全対策推進のための計画策定などを行う愛知県交通安全対策推進連絡会議におきまして、学識経験者の意見も聞きながら、事故の状況や道路環境に応じた速効対策の内容を検討しているところであります。  今年度は、まず、死傷事故率の高い六十四カ所におきまして、カラー舗装などの速効対策の立案を行っているところであり、来年度以降、順次対策工事を実施し、残ります箇所につきましても、来年度以降には対策の立案を行うなど、引き続き速効対策を進めてまいりたいと考えております。  これらの対策につきましては、幹線道路のうち、事故の危険性が高い箇所における重点的な事故対策の推進を盛り込みました国の社会資本整備重点計画の目標年度である平成二十八年度までに全ての対策工事を終えるよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 39: ◯知事大村秀章君) 木藤俊郎議員の質問のうち、がん対策につきまして、私からもお答えを申し上げます。  全国有数の産業立県である本県におきまして、働く世代のがん患者さんの治療と就労の両立というのは非常に重要な課題であると認識をいたしております。  本県では、これまでも、愛知県がんセンター中央病院を初めとするがん診療連携拠点病院を中心といたしまして、がん患者さんの治療と就労の両立に向けた取り組みを実施してまいりました。  さらに、本年度は、愛知県がんセンター中央病院におきまして、働きながら通院治療が受けられる外来化学療法センターを六十床に増床いたしまして、七月にオープンいたしました。  また、社会保険労務士を配置し、給与、手当、保険などについて、専門的な立場で就労相談に対応できる体制を十月に整えたところでございます。  がんにかかっても治療しながら働き続けるためには、雇用の現場で御理解をいただくことが不可欠でありますことから、治療と就労が両立できる環境づくりに向けまして、企業の皆様と一緒に考え、しっかりと取り組みを進めてまいりたいと考えております。 40: ◯六十七番(木藤俊郎君) 私のほうから二点要望させていただきます。  一点目は、事業継続計画の策定についてであります。  実は、私ども公明党の東海地域の議員で、昨年でございますけれども、東海防災・減災プロジェクトというのをつくりまして、一年かけてセミナーを各地で開催いたしました。  東海地域で、全てで約四十会場、全員で約四万人を超える方が参加をされました。個人の方あり、企業の方ありです。個人の方には防災手帳をお配りしたりしました。  また、その後、企業を中心として、企業BCPの、県で作成していただきましたものを印刷いたしまして、お持ちして、対話型でBCPの促進に努めた経験もございます。大変好評でございました。わかりやすい、それと、規模別につくってあるということで大変好評でございました。自信を持っていいと思います。  今後も、こういう活動を進めていきたいと思いますので、県としても、BCPについては第三次アクションプランに位置づけ、また、農業、また、私は漁業も必要かと思いますけれども、こういうBCP、各種団体と一緒になって、県が旗を振って大いに進めていきたいと。それが、災害があっても、そこから一日も早く立ち直ることのできる具体的な計画の一つであろうというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。要望いたします。  二点目のがん患者の就労支援についてでございます。  実は、私には二つの経験がございます。一つは、先ほど壇上で申し上げた企業人であったころのがん対策、就労継続をした方の体験を一つ申し上げました。  もう一つは、実は私の子供の小児がんでございまして、十五年前に当時、小学校四年生であった娘が、血液の難病であります白血病にかかりまして、当時、骨髄移植をすることができ、現在では克服をいたしました。  この二つの体験からやはり思いますのは、がんにかかった本人、また、家族、この不安というものは大変なものであるというふうなことを私個人でも思っております。病気に対する不安と、もう一つは、経済的な不安でございます。  厚生労働省のデータがあるわけですけれども、このことに対しまして、勤労者の約三〇%が自分から退職をしていると、依願退職ですね。それから、四%が解雇されていると。合計三四%の人が職を離れているという厚生労働省のデータでございます。  きょう、答弁にありましたように、しっかりと就労ができる環境をつくる、こういう方針を明快にお示しいただきまして、会議でも力強くお示しいただくということでございますので、何としても、がんにかかっても仕事を続けられる社会の構築に今後とも御尽力いただきたいことを要望いたしまして、質問を終わります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 41: ◯三十八番(坂田憲治君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 42: ◯副議長鈴木正君) 坂田憲治議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 43: ◯副議長鈴木正君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後二時五十分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後三時四十分開議 44: ◯議長久保田浩文君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  須崎かん議員。     〔六十番須崎かん君登壇〕(拍手) 45: ◯六十番(須崎かん君) 通告に従いまして、順次質問をいたします。  防災・減災対策について、大きく二つの観点からお尋ねをいたします。  一つは、この地域にとって大きな関心事となっている南海トラフ巨大地震について、国の被害予測調査の進捗に伴う県の被害予測調査等のスケジュールについてであり、もう一つは、県としてもできるところから取り組んでいる防災・減災対策についてであります。  あの平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震は、これまでの想定をはるかに超える巨大な地震、津波により、一度の災害で戦後最大の人命が失われるなど、甚大な被害となりました。  そして、同じように、巨大な地震の発生が懸念されているのが、静岡県の駿河湾から宮崎県の日向灘沖までの太平洋の海底に東西に横たわる地震の巣であります南海トラフであります。  この南海トラフでは、これまでの歴史的な記録のある地震のうち、最大のものとされる一七〇七年の宝永地震を初め、百年から百五十年周期で大規模な地震が発生しており、大きな被害に見舞われております。宝永地震は、マグニチュード八・六で、富士山の噴火を引き起こしたとされております。  さて、国は、平成二十三年九月二十八日に東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会の報告を取りまとめ、この中で、南海トラフ沿いで発生するあらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震、津波を検討していくべきとの考え方が示され、南海トラフの巨大地震について被害予測調査が開始されました。  まず、最大クラスの地震、津波について、国は、平成二十三年十二月二十七日に想定される地震の震源域や津波の波源域を示しました。それは、これまでの東海・東南海・南海三連動地震の震源域のおよそ二倍となる巨大なものでした。  それ以降、平成二十四年三月三十一日には、地震動や津波高等の推計結果が公表され、平成二十四年八月二十九日には、第一次報告として、建物被害を本県で全壊棟数最大約三十八万八千棟、人的被害を本県での死者数最大約二万三千人などと都道府県別に公表し、平成二十五年三月十八日には、第二次報告として、ライフラインを初めとする施設等の被害や、国全体の経済被害二百二十・三兆円が公表されたわけであります。  また、平成二十五年五月二十八日には、こうした調査結果を踏まえ、最大クラスの地震対策の基本的方向を整理し、具体的に実施すべき対策が示された南海トラフ巨大地震対策についての最終報告が公表されたのであります。  さらに、国は、最大クラスの地震、津波に加えて、最大クラスより発生頻度が高い、いわゆる対策目標レベルの地震、津波に関する検討を進めていると聞いております。  このように、国においては、南海トラフ沿いで発生する大規模地震に係る調査を進める一方、地震防災対策に関する法整備も進めております。そのうちの南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法については、十一月二十二日の参議院本会議において全会一致で可決成立し、十一月二十九日に公布されました。  この法律では、南海トラフ地震が発生した場合に著しい地震被害が生じるおそれがあり、地震防災対策を推進する必要がある地域を推進地域として指定し、この推進地域の中で南海トラフ地震に伴い発生する津波に対し、津波避難対策を特別に強化すべき地域を特別強化地域として指定することとされております。  この特別強化地域では、財源の措置として、地方公共団体等が津波避難施設や避難路などを整備する場合には、国が三分の二を補助し、また、浸水の危険性が高い地域の住民が集団で高台に移転する場合には、農地を住宅に転用しやすくするほか、学校や高齢者施設、病院などの移転等の緊急対策に国の支援が受けられることとなっております。  一方、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靭化基本法案も審議が進められており、この法案も今国会で可決成立したところであります。  この法律、いわゆる国土強靭化法の目的は、大規模自然災害等から国民生活や国民経済への影響を最小にすることの重要性に鑑み、事前防災及び減災などに資するため、国土全域にわたる強靭な国づくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進し、国民生活の向上と国民経済の健全な発展に資することであります。  この法律では、大規模自然災害等に対するインフラなどの課題や弱点を洗い出す脆弱性評価、総点検を実施し、その結果に基づき、国土強靭化にかかわる指針となる基本計画を定めて、施策の重点化や民間資金の積極的な活用を図ることなどが内容となっております。  このような国における被害予測調査や法整備などが進捗する中で、愛知県は、国の動きを見据えて、愛知県東海地震・東南海地震・南海地震等被害予測調査を実施しているところであると認識しております。  平成二十五年五月三十日に開催された防災会議においては、市町村ごとの防災・減災対策の検討に資する目的で、平成二十四年八月二十九日に国が公表した最大クラスの地震、津波の震度分布、液状化危険度や浸水想定域を前提とした建物被害、人的被害についての市町村別試算を公表されました。  また、県の被害予測調査では、最大クラスの地震、津波を初め、複数の地震、津波を対象としていると聞いております。  具体的には、国と同様に、最大クラスの地震、津波よりも発生頻度は高く規模は小さいものの、例えば、一七〇七年の宝永地震のように大きな被害をもたらす地震、津波についても調査対象としていると伺っております。  ところで、このより現実的な対応のため、地震モデルについて、当初、国は、八月上旬ごろに公表するといった情報がありましたが、現在のところ国からは公表されていないようであり、大幅におくれていることになります。この結果、国の地震モデルと整合を図りながら進めている県の被害予測調査に影響が出るのではないかと危惧しております。  さらに、県の調査結果は、新たな想定地震・津波に対する県の防災・減災対策を検討する上で基本的データとするものと考えられます。本県の地域防災計画の見直しや防災・減災対策の基本となる第三次あいち地震対策アクションプラン策定のスケジュールにも影響するのではないでしょうか。  そこで、まず、国の被害予測調査の進捗に伴う県の被害予測調査などのスケジュールについてお伺いをいたします。  次に、大地震はいつ起こるかわかりません。災害は待ってくれないのであります。したがって、できるところから速やかに取り組みを実施し、大規模地震災害に備える必要があります。  特に、南海トラフ沿いの巨大地震では、大きな津波に見舞われますので、国が平成二十五年五月二十八日に公表した南海トラフ巨大地震対策についての最終報告で指摘されているように、命を守ることを基本として、被害の最小化を主眼とする減災の考え方に基づき、住民避難を中心に、住民一人一人が迅速かつ主体的に避難行動がとれるよう、自助、共助の取り組みを強化して支援していく必要があります。  また、東日本大震災では、数多くの企業や大学、さらには、災害ボランティア等が避難生活に必要な食料や衣類など、さまざまな物資の提供と輸送を初めとした応急対策をされておりました。本県が被災した場合でも、企業や大学を含めた地域全体の防災力を向上させる取り組みも重要となっております。  そこでお尋ねをいたします。  大規模災害に備えるには、公助の取り組みの拡充だけではなく、自助、共助の取り組みの強化や、地域、大学、企業等と連携した防災・減災対策が重要だと思いますが、どのように取り組んでこられ、また、取り組んでいこうとしているのかをお伺いいたします。  次に、自然環境の保全と再生の取り組みについて御質問をいたします。  今、地球環境全体の急速な変化、レジーム・シフトと呼ばれる現象が繰り返し起こっていることを御存じでしょうか。レジームとは、地球環境の基本構造、シフトとは転換を意味しております。  レジーム・シフトとは、気候がある状態から別の状態へ急速に変化し、その影響によって地球全体の環境、生態系が変化する現象を指す言葉であります。  最近は、集中豪雨がふえているな、それも日本だけでなく世界各地でふえているように感じるなという方は多いと思います。台風の数もふえてきましたし、その被害もこれまでの想定を超えるということも珍しくありません。過去最高という言葉が珍しくなくなってきています。  一方、地球規模で生物の減少や絶滅の問題が起こっています。現在、地球上の約三千万種類いると言われている生物が、恐竜が絶滅した時代に比べて百倍から一千倍のスピードで絶滅し続けていると言われております。  こうした自然界で起こっている変化のデータを分析していくと、実は互いに関連があるということがわかってまいりました。  つまり、世界各地で起こっている自然界の現象が、実は個別の現象ではなく、大気、水、陸地、生態系を全て包む地球環境の構造全体が急速に変化することによって引き起こされているということなのです。  このレジーム・シフトは徐々に起こるのではなく、一定の状態を保つことができなくなった途端、ごろんと転がり落ちるように急速に起こるもので、そして、一旦変化が起こるとその状態が長く続く、例えば、突然気温が高い状態が始まるとその状態が十年以上続くということがわかってきたわけであります。
     例えば、一九八〇年末に起こった海水温の上昇、そして、マイワシの豊漁とその後の漁獲量の激減は、実は、このレジーム・シフトによる現象の一つであると言われております。  簡単に言えば、人類が化石燃料を急激に使ったため引き起こされた地球の温暖化が地球環境の構造全体の変化をもたらし、その結果、災害の大規模化や生態系の破壊といった形で返ってきていると言ってよいでしょう。  こうした地球環境の構造変化への対応として、私は、これまでばらばらに進めてきた温暖化対策、生物多様性の保全、防災インフラの整備などといった取り組みを土地利用を含めて総合的に考え、取り組んでいく必要があると考えます。  例えば、土地利用を考える際には、その場所ごとの歴史を調べて、起こりやすい災害の内容や規模に応じた計画を立てたり、海岸に砂浜と松林をつくることによって、防災と自然環境、そして、景観整備を図ったり、杉やヒノキの人工林ばかりでなく、そこに針葉樹と広葉樹の混交林を取り入れることによって、土石流などへの防災機能と生態系の回復を図ったり、あるいは都市など緑化を行う際には、いわゆる地域固有種を使うことによって、景観整備と生態系の回復を両立させるといった工夫が必要であると考えます。  実際に、EU(ヨーロッパ連合)では、コンクリートを主体としたグレーインフラから、自然の地形や森林を利用するグリーンインフラへの転換を図っていると聞いております。また、我が国でも、昨日、国会で可決成立しました国土強靭化基本法案では、自然の持つ柔軟な防災力に着目した国土強靭化基本計画を今後策定していく方向であるとも聞いております。  こうしたグリーンインフラの重要性に関連して、昨年三月、自民党愛知県議団オイスカ等国際交流推進議員連盟の主催で、日本森林学会や砂防学会で会長を歴任された太田猛彦東京大学名誉教授の講演を聞く機会がありました。  この講演で太田名誉教授は、戦後の造林によって森林が拡大した一方、輸入材の流入や燃料革命などによる人の森林への関与の低下などにより森林の全体的な蓄積量は飽和状態に達していることと、また、森林の飽和状態は、生物多様性の低下はもとより、土砂の流出や崩壊といった災害の危険を生じており、国土保全の面で新たな課題となっていると指摘されました。  そして、これからの森林管理は、持続可能な国土管理の観点などから森林の多面的な機能の持続的な発揮を目標とすべきであると言われ、そうした観点の一つとして、例えば海岸林は、海からの強風によって飛んでくる砂や塩の害を防ぐだけではなく、東日本大震災の際には、巨大な津波のエネルギーを弱め、内陸部への津波の到達時間をおくらせるなど、減災効果が認められたと言っております。  実際に宮城県名取市では、被災住民みずからが名取市海岸林再生の会を結成し、海岸林の再生事業を進めております。  私は、先月十一月十二日にこの名取市に赴き、海岸林が果たす役割の重要性と被災住民の取り組みを目の当たりにし、深く感銘を受けてまいりました。  このように、グリーンインフラの重要性が注目され、国内外で取り組みが始められている中、本県で、二〇一〇年の生物多様性条約締約国会議、いわゆるCOP10の開催をきっかけに取り組んでいる生態系ネットワークの形成の取り組みは、生態系の保全と再生という視点のみならず、グリーンインフラの整備という視点から見ても、大変ユニークで先進的なものであると評価しております。  生態系ネットワークとは、適切な場所に緑地や水辺を配置することで、開発によって分断された生態系のつながりを再生し、保全しようという取り組みです。  本県では、生態系ネットワーク形成の取り組みに当たって、まず、地域特有の自然について調べ、どのような生態系のつながりをつくり出していくかという目標を立て、土地の所有者、つまり、その地域の企業や大学、行政などが目標を共有して、コラボレーションで緑化を行っているとお聞きしております。  例えば、この地域は、ため池が点在していて、トンボの生態系を再生しようと決めたなら、ため池はもちろん、池と池をつなぐ緑地のつながりをつくっていく必要がありますが、ため池を整備する人、途中の緑地をつくる人、あるいは既にある緑地の内容を変える人というように、さまざまな人が目標を共有しながら、役割を分担してコラボレーションをする必要があるわけであります。  そうした目標の共有を進めるためのツールとして、愛知県では、県域全体を対象に、もともとどのような地形があって、どんな野生生物がいるのがふさわしいのか、そこにどのような生態系を再生していくのかを示した地図、すなわちポテンシャルマップという地図を世界で初めて作成し、県内の各地域で、多様な主体との協働によりそれぞれの具体的な取り組みが進みつつあり、大きな成果を上げていると聞いております。  例えば、私の地元であります名古屋市の天白区から海上の森にかけて、名古屋東部丘陵地区は開発が進む地域である一方、もともと里山が連なり、貴重な自然環境を有する地域であります。そうした里山の生態系を開発と調和させながら保全、再生していくため、この地域に立地する数多くの大学が中心となって取り組みが進められていると聞いております。  また、生態系ネットワークの形成は、単に生物多様性の保全に役立つだけではないと思います。その土地特有の生態系や利用の歴史を知ることによって、地域への愛着が生まれ、先ほど来申し上げてきた自然の特徴を防災に生かすグリーンインフラとしての整備といった発想も生まれてくるでしょう。  一例として、本県が渥美半島の先端部に位置する伊良湖休暇村において、今年度から実施している砂丘とオアシスの再生事業があります。  今回の整備事業では、老朽化した屋外プールを撤去して、この場所にかつて存在した砂丘とオアシスを再生し、渥美特有の海浜性植物を再生していく計画であるとお聞きしております。ちょうど防風林に取り囲まれる形で立地しており、そうした防風林を適切に管理し、防風林としての機能を維持していくと聞いております。そうした取り組みによって、防災、減災などの効果も期待できるのではないかと考えます。  このように、県内各地域の特性を踏まえながら生態系ネットワークの形成を進め、自然環境の保全を図っていくことは、県土の持続可能な管理という視点からも大変重要であると考える次第であります。  そこで質問をいたします。  第一に、これまで生態系ネットワーク形成を進めてこられた中で、県内各地域の特性に対応する工夫をどのように行い、その結果、どのような成果を上げているのかをお伺いいたします。  第二に、今後、生態系ネットワーク形成をどのように進めていくのか、本県の取り組みの情報発信という面も含めてお伺いをいたします。  以上で私の質問を終わらさせていただきます。本日はありがとうございました。(拍手) 46: ◯防災局長小林壯行君) 最初に、国の被害予測調査の進捗を踏まえた本県の被害予測調査などの今後のスケジュールについてのお尋ねであります。  本県では、地震防災対策の抜本的な見直しを行うため、愛知県東海地震・東南海地震・南海地震等被害予測調査を行っております。この調査結果を踏まえ、本県の地域に係る総合的な地震防災対策の基本的事項を定める地域防災計画を修正するとともに、本県が行うべき地震防災・減災対策の行動計画である第三次あいち地震対策アクションプランを策定することを予定いたしております。  本県の被害予測調査では、ハード対策が中心となる発生頻度の高い対策目標レベルの地震、津波と、ハード対策に過度に依存することなく、避難等を軸にソフト対策とハード対策を効果的に組み合わせることとなる、発生頻度が極めて低い最大クラスの地震、津波を対象として進めております。  そうした中で、議員御指摘のとおり、本県調査の取りまとめの前提となる国の対策目標レベルの地震モデルの公表がおくれている状況にあり、本県の対策目標レベルの地震に関する検討がおくれざるを得ません。  したがいまして、経済被害等を含めた本県被害予測調査の最終的な取りまとめにはまだまだ時間を要するものと考えております。このため、この調査結果に基づく本県地域防災計画の抜本的な見直しは当初予定よりおくれ、来年六月ごろに開催を予定している愛知県防災会議において行うこととしたいと存じます。  また、第三次アクションプランにつきましても、本年五月に骨子を公表させていただいたところですが、被害予測調査結果に基づく減災目標や事業量を定めることが現時点で困難な状況でありますことから、年度内での完全な形での策定は難しい状況となっております。  そうした状況にはございますが、防災・減災対策はできることからお示しすることが重要であると考えますので、年度中には第二次アクションプランの検証結果や、東日本大震災以降、緊急に当面取り組んでいる災害対策項目を盛り込んだ第三次アクションプラン中間報告を作成してまいりたいと考えております。  次に、防災、減災の取り組みについてであります。  今後想定される大規模災害に対しては、その被害が甚大なものとなることから、議員御指摘のとおり、公助の取り組みの拡充に加え、自助の取り組みの強化や、共助の考え方に立った地域レベルでの連携が重要であります。  こうしたことから、既にこれまでも、例えば、地域防災のかなめとなる人材を育成する取り組みや、災害に対する意識を高め、いざというときに自分の身を守ったり、津波から避難するといった住民参加型の防災訓練などを行ってきております。  まず、地域における人材育成についてであります。  本県では、知事を会長とし、市町村、自主防災組織、事業者団体、地域団体、ボランティア団体などを構成員とするあいち防災協働社会推進協議会を平成十九年に設置し、防災知識の普及啓発や、家具等の転倒防止などの安全への備えの促進といった災害被害を軽減するための取り組みを県を挙げて進めてまいりました。  特に昨年度からは、新たにこの協議会と名古屋大学、経済団体、防災ボランティア団体などが連携、協働して、地域でのリーダーとなる防災人材の育成を行う全国的にもユニークな防災・減災カレッジを実施しております。  また、防災訓練につきましては、大規模災害に対応する個々人の意識を高めることが重要であるとの観点から、住民参加型の訓練を企画、実施しております。  本年九月一日には、稲沢市における総合防災訓練にあわせ、本県として初めてあいちシェイクアウト訓練を実施したほか、十一月十七日には、美浜町で津波・地震防災訓練を実施し、全小中学生を初め多くの住民の皆様方が実際に高台に避難するなどの実践的な訓練を行ったところであります。  県といたしましては、地域全体で防災に関する自助、共助の取り組みが促進され、地域防災力の向上につながるような取り組みを今後とも引き続き進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 47: ◯環境部長杉浦健二君) 生態系ネットワークの形成を進める取り組みにつきまして、まず、県内各地域の特性に対応する工夫とその成果についてお答えします。  地域の生態系は、おおむね河川の流域ごとに特有の地形や気候、さらには、人々の暮らしや産業とのかかわりの中で育まれ残されてきたものであり、生態系の保全と再生を進めるに当たりまして、そうした地域の特色を踏まえることは大変重要であると考えております。  このため、生態系ネットワークの形成に当たりましては、河川の流域圏を基本に県内を九つの地域に区分して、各地域ごとにNPOや大学、企業、行政など、多様な主体の参加による協議会を設立し、地域の特色を踏まえた取り組みを進めております。  協議会では、地域ごとの生態系調査の結果や、昔から伝わる原風景なども踏まえまして、アカガエルなど指標となる生き物の生息可能性を地図上に示したポテンシャルマップをつくっております。そして、このマップにより、指標となる生き物の生息空間ができる限りつながるように工夫しながら、緑地、水辺などの保全や再生に取り組んでおります。  次に、そうした工夫による取り組みの成果でございますが、まず、名古屋市の東に位置します東部丘陵地域では、世界最小のトンボであるハッチョウトンボや、春の女神と呼ばれるギフチョウといった貴重な生物が飛ぶ街を目標に、地域内にあります二十三の大学のキャンパスに残る自然をネットワーク化する取り組みを進めております。例えば、金城学院大学では、キャンパスまるごと里山化計画として、周辺の緑地とのつながりを考慮した湿地の保全などが図られております。  また、知多半島では、「ごんぎつねと住める知多半島を創ろう」をテーマに、臨海部に立地する十数社の企業が一緒になって、幅百メートル、延長十キロメートルに及ぶ企業緑地を外来種の除伐などにより生き物の生息地として整備しており、今ではタヌキやノウサギなどの動物が見られるようになりました。  さらに、西三河地域では、企業が数多く立地する特性を踏まえ、工場群がまちに自然を呼び込むプロジェクトと称しまして、各企業がそれぞれ工場敷地へのビオトープ、生物群集の生息空間となる水辺や草地などでございますが、この整備などを進めております。  このように、県内各地域で多様な主体の協働により、地域の特性を生かした生態系ネットワークの形成が進んできております。  次に、今後、生態系ネットワーク形成をどのように進めていくかについてでございます。  地域ごとの生態系調査につきましては、これまでに県内九つの地域のうち、本年度末で七地域について完了する予定であり、今後、COP10で採択されました愛知目標の中間年となります二〇一五年までに県内全ての地域で完了させることを目標として進めてまいりたいと考えております。  この生態系調査の終了した地域から順次協議会を立ち上げているところでございまして、本年度末で六つの地域でそれぞれの地域の多様な主体の参加による協議会が設立される見込みでございます。  引き続き、各地域の協議会によりそれぞれの地域の特性を踏まえた取り組みが継続的に進められ、多様な主体によります生態系ネットワーク形成が県全体に広がっていくことを目指してまいります。  次に、取り組みの成果の情報発信についてでございます。  COP10の開催県であります本県の生態系ネットワーク形成の取り組みは、国内外から大変多くの関心が寄せられているところでございます。  このため、昨年十月にインドで開催されましたCOP11や、本年六月にスペインで開催されましたサブナショナル政府諮問委員会におきまして、本県の取り組みの成果として世界へ発信し、また、国内におきましても、COP10の一周年を機に設立され、全国約百三十の先進的な自治体で構成されます生物多様性自治体ネットワークなどを通じまして、情報発信しているところでございまして、今後もこうした機会などを活用いたしまして、情報発信していくこととしております。 48: ◯知事大村秀章君) 須崎かん議員からの質問のうち、生態系ネットワーク形成の取り組みに関しまして、私からもお答えを申し上げます。  本県は、二〇〇五年の愛知万博、二〇一〇年のCOP10を通して、環境分野での実績は世界にその名を知られているところでございます。そうした中、私はかねがね、日本一の産業県である本県は、環境施策においても世界のトップランナーであるべきだというふうに申し上げてまいりました。  NPOや大学、企業など、多様な主体と連携した生態系ネットワークの形成は、そうした環境施策の中核的な取り組みとして、COP10を機に世界に先駆けて進めているものでございます。  その成果につきましては、昨年十月にインドのハイデラバードで開かれたCOP11におきましても、世界にアピールさせていただきましたが、地域の多様な主体が目標を共有して一体となって取り組むことが他に類のないものとして高い評価をいただいたところでございます。  来年十一月には、この愛知・名古屋でESDユネスコ世界会議が開催されますので、この機会も活用いたしまして、本県の取り組みをまた世界に向けて広く情報発信をしてまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。 49: ◯議長久保田浩文君) 進行いたします。  永井雅彦議員。     〔十八番永井雅彦君登壇〕(拍手) 50: ◯十八番(永井雅彦君) 通告に従いまして、一つ目に、警察、自治体、地域が連携した住宅対象侵入盗対策、二つ目に、愛知県の産業競争力を支える西三河地域の道路整備について質問をいたします。  まず、一つ目の警察、自治体、地域が連携した住宅対象侵入盗対策についてであります。  さて、本県では、平成十七年中に十九万八千九百三十七件発生していました刑法犯認知件数を平成二十七年までに年間十万件程度に抑える長期目標を掲げ、短期的な取り組みとして、二度の三か年戦略を展開し、現在では、あいち地域安全戦略二〇一五を展開中であります。  そして、平成二十四年の刑法犯認知件数は約十万五千件まで減少し、全体としてはよい傾向にあると感じています。  しかし、一方では、県民が一番不安に感じます住宅を対象とした侵入盗は、平成十九年から六年連続で全国ワースト一位となる極めて憂慮すべき事態が続いていると考えます。  本年一月から九月までの住宅対象侵入盗の発生件数では五千五百二十七件となり、前年同月比でも三百八十五件も増加し、県民の安心・安全を脅かす犯罪が日常的に身近で多発しており、実際に被害に遭われた方の中には、誰かが家の中にいるような気がして不安で仕方がないといった声も聞こえてきます。  ことし八月、お盆休みに岡崎市内で発生した強盗殺人事件は、皆さんの記憶に残っているところだと思います。この事件は、一部の報道などによりますと、盗み目的で住宅に侵入し、住人と鉢合わせとなり、凶悪殺人事件に至ったと思われます。  このように住宅対象侵入盗は、忍び込んだ犯人が住人と鉢合わせとなった場合、強盗となり、殺人事件にまで至るという危険があります。そして、誰もがその対象となり得る、県民の日常生活にとって安心・安全な生活環境を脅かす大きな問題でもあります。  そこで、警察本部長にお尋ねをします。  本年のこれまでの愛知県内の住宅対象侵入盗の発生件数及び多発傾向にあります住宅対象侵入盗の特徴などについてお尋ねをします。  次に、昨年三月に公表され、現在展開中のあいち地域安全戦略二〇一五について見ていきたいと思います。  まず、背景として、平成二十三年を振り返りますと、刑法犯認知件数は約十一万九千件まで減少していました。しかし、重点犯罪では、住宅対象侵入盗による空き巣、忍び込みなどは多発していたのが実態でありました。  平成二十三年中の住宅対象侵入盗発生件数を都道府県別に見ますと、全国の中で愛知県が一位で七千七十六件、二位が千葉県の五千三百三十一件、三位が埼玉県の四千五百四件、四位が東京、五位が大阪となっています。  こうした実態を受けて、翌年に公表されましたあいち地域安全戦略二〇一五は、五つの基本戦略と二十二の重点施策にまとめられ、その中で、住宅対象侵入盗対策に深く関係し、基本戦略の二つ目の柱になります地域防犯力の向上では、自主防犯組織の設立促進と活動の活性化を図ることが重点施策の筆頭に挙げられ、地域防犯力の向上が大きな課題の一つとなっています。  このように、地域防犯力の向上に大きな課題を持ちながらも一年間取り組んできました結果、平成二十四年中の住宅対象侵入盗の発生件数は七千二百五件と、前年を上回る極めて憂慮すべき事態が続いている状況であります。  さて、こうした重点犯罪であります住宅対象侵入盗の減少に向けて、平成二十四年六月には、あいち地域安全戦略二〇一五で掲げた基本目標の達成に向けた行動計画として、あいち地域安全県民行動計画二〇一五が公表され、具体的な行動計画が示されています。  この行動計画では、地域の防犯力向上を図るため、市町村では、自主防犯団体の設立支援及び活動支援を行うことが示され、新たな取り組みとして、地域の防犯活動に役立つ防犯情報をメール配信することが具体的な行動計画に示されています。  そこで、県民生活部長にお尋ねをします。  あいち地域安全県民行動計画二〇一五には、市町村が自主防犯団体の設立支援及び活動支援を行うと明記をされていますが、昨年一年間にどれだけの団体が設立されたのかお尋ねをします。  また、本県の今年度の地域防犯力向上に向けた予算は約六千百七十二万円となっていますが、この予算を活用してどのように自主防犯団体の支援を行っているのかお尋ねをします。  次に、警察本部長にお尋ねをします。  警察では、自主防犯団体の活動支援を推進する中で、どれだけの自主防犯団体を把握し、それらの団体がどのような問題、課題を抱えているのかお尋ねをします。  それでは、ここで、刈谷市の警察、自治体、地域が連携して取り組んでいる住宅対象侵入盗防止について一部紹介をさせていただきます。  刈谷市の特徴は、市内全域七十八の町を二十二の自治区に編成し、その自治区ごとに地域パトロール隊が編成され、平成二十五年三月時点では総勢二千百五十八名が登録され、地域ごとにパトロールを初め、日常の防犯活動に取り組んでいただいています。  まず初めに、昨年六月から取り組んだ地域パトロール隊による赤色回転灯を活用したリレー方式による地域防犯力を高めていく事例であります。  これは、刈谷警察署が準備をしました赤色回転灯、直径十一センチ、高さ十一センチのサイズのものでありますが、三十個を侵入盗防止として使えないかと署長さんと検討を繰り返し、私の自宅の玄関先で三カ月間のテストを実施した結果、赤色回転灯を複数の一戸建て住宅にリレー方式で設置し、点灯位置を変えることで、パトカーが張り込み中であるように見せること、加えて、設置する対象宅をふやすことで、みずからの地域をみずからが守っていくという防犯意識が高まっていくと考えたからであります。  この取り組みによりまして、地域住民の間でも話題となり、パトロール隊の皆さんへの感謝の気持ちや、それぞれの家庭でも防犯意識が高まっていくことが感じられた取り組みでありました。  次の事例は、本年六月よりスタートいたしました重点犯罪情報をメール配信し、地域パトロール隊が活用していく事例であります。  これは、かねてより自治区から強い声として上がっていました刈谷警察署への要望事項でありました住宅対象侵入盗を初めとする重点犯罪情報のタイムリーな伝達であります。  個人情報保護の観点からも、どこまでの情報なら自治区に配信できるのか、私も警察署長さんと検討を重ね実現した事例として、自治区単位に発生した犯罪の種類、発生件数を、翌日の朝、警察署が刈谷市に連絡をします。刈谷市は、すぐに自治区の地区長さんと地域パトロール隊の隊長さんの携帯電話にこれを一斉配信します。  その情報を受け取り、パトロール回数をふやす、あるいはパトロール時間を変えるなど、パトロールの方法に重点を置いた取り組みが行われています。加えて、自治区の会合の中でも、重点犯罪情報が共有されるようになっています。  これは、警察から刈谷市を通じて情報提供することにより、自治体の意識の変化も感じています。それは、自治体自体が犯罪への危機意識を持つようになり、これまでの防犯は警察の仕事という意識から積極的な姿勢に変わってきています。  このように、自治体を巻き込み、地域が一つになって住宅対象侵入盗防止への具体的な活動を下見に来る犯罪グループに対して見せていく取り組み、見える化を活発化させています。  また、本年八月には、刈谷警察署が中心となり、警察、自治体、地域が連携した犯罪抑止活動ができるようにと地域パトロール隊を対象とした会合がもたれ、これまで以上に警察と連携した取り組みを進めていただいています。  そこで、警察本部長にお尋ねをします。  住宅対象侵入盗の犯人は、犯行前に必ず下見を行うと聞いています。したがって、抑止をするためには、パトロール活動など目に見える防犯活動を実施することが重要と考えますが、その点について警察としてどのように考えているのかお尋ねをします。
     また、新たに自主防犯団体からの不審者情報などの吸い上げも重要と考えますが、その点についてもお尋ねをします。  最後に、犯罪の抑止という点では、防犯カメラも有効であることは間違いないと感じています。しかし、都市部から少し離れた全ての地域まで網羅することは不可能であります。  冒頭に述べました岡崎市内強盗殺人事件のような凶悪事件を二度と発生させないようにするために、あいち地域安全県民行動計画二〇一五に基づくそれぞれの地域における目に見える形の見える化による防犯活動が効果的であると考えております。  それぞれの自治体において、全ての地域をカバーするような自治体ごとの自主防犯団体を設立できれば、不審者情報などの吸い上げも含めて、犯罪の減少に結びついていくと考えます。  市町村への自主防犯団体の設立及び活動支援を強力に推進し、県民の日常生活に直結をする日々の安心・安全に暮らせる環境づくりを県内市町村ごとに警察、自治体、地域が連携して取り組んでいくことが極めて重要であると考えております。  そこで、県民生活部長にお尋ねをします。  自主防犯団体は、自治区、町内会などの地域コミュニティー単位に設立していくことがあるべき姿と考えます。そこで、住宅対象侵入盗が多発している自治体の全域をカバーできるように自主防犯団体を設立することが必要と考えます。県として、そのように設立支援を進めていくお考えがあるのか、あるとすれば、どのように進めていくのかお尋ねをします。  そして、警察本部長にお尋ねをします。  設立をされました自主防犯団体の活動を活発化していくためには、警察による支援が重要であると考えていますが、警察としてどのような支援を行っていくのかお尋ねをします。  次に、二つ目の質問であります愛知県の産業競争力を支える西三河地域の道路整備に移ります。  本県の平成二十五年度当初予算では、産業競争力の強化を重点施策として、元気な経済・産業・地域づくりを柱の一つに掲げています。また、一方では、国内産業の空洞化対策も引き続き取り組むべき重要課題の一つであります。  本県の平成二十四年の製造品出荷額等は約三十八兆七千億円と三十六年連続日本一ですが、約五割を輸送用機械器具が占めており、本県の物づくりを牽引する自動車関連産業が大きな役割を担ってきています。引き続き、この分野の強化を図っていくことが極めて重要であると考えます。  その中心となる地域が西三河地域であり、車両メーカーの本社を初め、大規模工場や、多種多様のサプライヤーが集積して立地するなど、自動車関連産業を中心に製造品出荷額等で約二十兆円を生み出しており、当地域の持続的な発展が本県の産業競争力の強化につながると考えております。  こうした中、既に豊田市などで進んでいます研究開発施設の立地促進など、産業の高度化に向けた新たな取り組みを前進させることも重要だと考えておりますが、同時に、コスト面や品質面での厳しいグローバル競争に打ち勝ち、当地域が世界に冠たる製造拠点として成長を続けられる施策に積極的に取り組んでいかなければなりません。  その施策の一つとして考えますと、自動車部品などの輸送は貨物輸送が中心でありまして、地域間の貨物流動が活発になっています。一つの例として、国土交通省が公表した平成十七年の貨物流動量では、刈谷市、安城市、豊田市、この三市だけでも日当たり約二万トンに達し、貨物輸送が西三河地域を東西・南北方向に活発に流動していることがわかります。  このため、貨物輸送の移動時間の効率化を実現し、物流コスト増の主要因とされるリードタイムを短縮させ、物づくりの生産性を向上させるかんばん方式を支え続けることが、企業から見て、西三河地域に製造拠点を構える大きな魅力の一つになると考えます。  貨物輸送の効率化の実現には、幹線道路の整備が必要不可欠であります。企業が新たに工場を立地する際に、高速道路のインターへのアクセス時間、これを判断材料の一つと考えますように、渋滞による時間の損失を回避し、輸送時間が安定的に確保できる輸送ルートの整備は、厳しい価格競争を戦う産業界に対しまして、本県が支援する優先順位の高い施策と考えています。  平成二十三年九月に本県が公表しました西三河都市計画区域マスタープランにも、目標の一つとして、自動車関連産業を初めとする高度な工業機能の集積を高めるため、広域交通体系や、それらを補完する幹線道路網の構築を目指すとされています。  そこでお尋ねをします。  本県の産業競争力の強化につながる施策の一つとして考えます貨物輸送の移動時間の効率化と、本県が進める広域交通体系やそれらを補完する幹線道路網の構築との関係について、どのように考えているのかお尋ねをします。  ここで、私の地元であります刈谷市を取り巻く幹線道路網の整備状況を見てみますと、伊勢湾岸道路や東海環状自動車道が平成十七年に開通し、愛知県内を東西に結ぶ国道二十三号バイパスの四車線化が昨年末には藤井インターまで完成するなど、広域的な幹線道路網は着実に整備が進み、効率的な輸送環境が整いつつあります。  しかし、一方では、本年一月に愛知県道路交通渋滞対策協議会が公表しました主要渋滞箇所には、知立・刈谷エリアに多くの渋滞箇所が残っておりまして、広域幹線道路を支える幹線道路ネットワークがまだまだ十分とは言えない状況であります。  この地域を南北に結ぶ国道四百十九号は、ことしの六月に渋滞の激しかった刈谷市南部の約二・六キロの区間につきまして四車線化が完了し、企業からも産業競争力の強化につながると言われておりまして、貨物輸送の効率化には大きな前進であると感謝をいたしておりますが、引き続き衣浦港までの四車線化など、さらなる渋滞対策が必要であります。  また、広域幹線道路とのネットワークを構成する小垣江安城線や豊田刈谷線などの整備も、物流の効率化には欠くことのできない路線として、私もこれまで整備促進を訴えてきたところであります。  そこで、今後の西三河地域における幹線道路ネットワークの構築をどのように考えていくのか、中でも、現在事業中の国道四百十九号の渋滞対策及び新たなバイパスとなる小垣江安城線と豊田刈谷線の取り組み状況についてお尋ねをします。  次に、西三河地域と知多地域との結びつきについてであります。  自動車関連部品の供給を考えますと、知多地域も自動車関連産業の集積が進み、知多方面から西三河地域の車両メーカーや部品メーカーへの部品供給は、今や完成車両の製造過程において大変重要な位置づけとなっています。重要なサプライチェーンを維持、継続する上で貨物輸送は、将来にわたり安定的な部品供給を可能とする輸送ルートの確保が前提条件となります。  また、西三河地域の刈谷市や安城市などに製造拠点を構える企業からの輸出入に関する貨物輸送のリードタイムの短縮を考えれば、名古屋港や中部国際空港を視野に、さらなるアクセス向上も重要な課題と考えています。  現在の西三河と知多を結ぶ輸送ルートでは、境川や衣浦港などを渡る路線として、国道百五十五号、名古屋碧南線、刈谷大府線、知立東浦線、そして、衣浦大橋に着目をしますと、全国道路・街路交通情勢調査、いわゆる道路交通センサスの平成二十二年の調査結果では、日当たり換算で十二万台に達しています。  西三河地域の自動車関連産業を初めとする物づくり産業が引き続き本県を牽引する大きな役割を担い続けるために、西三河と知多を結ぶ路線、道路網の整備促進が将来に向けて欠くことのできない最優先課題であると言えます。  私は、この課題解決のためには、既存道路・橋梁の整備改良に加え、西三河と知多の連携強化のため、境川や衣浦港などで隔てられている刈谷市と東浦町の間に、新たな架橋となる西三河・知多アクセス道路と呼ばせていただきますが、新たな連携軸を整備することが極めて有益な先行投資であると考えます。  しかし、昨今の厳しい財政状況の中、新たな大規模橋梁を整備することは一大事業でありまして、一朝一夕にできないことは重々承知をいたしておりますが、本県のさらなる発展のために、この西三河・知多アクセス道路の実現に向けた検討に着手をする時期が来ていると強く思うところであります。  刈谷市、東浦町の両市町では、地域間のさらなる連絡、連携の強化を目指して、基礎的調査に着手をするというように聞いています。私は、本県がこの両市町と一緒になって、この西三河・知多アクセス道路の実現に着手をしていただきたいと強く言いたいところではありますが、これまで述べてきましたとおり、現在の西三河と知多を結ぶ路線は、日常の経済活動を支える上でも、また、大規模自然災害などの防災上の観点からも、経済や生活面での生命線となっておりまして、将来にわたり確実性の高い道路ネットワークを確保することが、この地域における喫緊の課題と考えています。  足元の既存道路・橋梁の整備改良を見ますと、既に整備が完了しています境大橋、平成大橋以外では、刈谷大府線のバイパスとなる新たな刈谷境橋が事業中であり、また、衣浦大橋付近では渋滞対策が進められていると聞いていますが、刈谷市中心部から知多地域に向かう名古屋碧南線の橋梁は、架設後五十年以上が経過をしており、境川の改修とともにかけかえるなどのスピード感ある迅速な対策が必要になると心配をいたしているところであります。  そこで、刈谷境橋の工事や衣浦大橋付近の渋滞対策の進捗状況、さらには、名古屋碧南線の橋梁の将来計画について、県ではどのように取り組んでいかれるのか、具体的にお尋ねをします。  以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 51: ◯警察本部長(沖田芳樹君) 住宅対象侵入盗対策についての御質問にお答えいたします。  初めに、住宅対象侵入盗の発生件数及び特徴などについてお答えいたします。  本年十月末現在の県内の住宅対象侵入盗の認知件数は六千百八十七件で、前年同期に比べて三百四十二件増加しております。そのうち、家人の不在中を狙う空き巣が四千八百六十三件と住宅対象侵入盗全体の約八〇%を占めており、昨年同期に比べ五百十五件の増加となっております。  本県の空き巣の特徴を見ますと、侵入手段別では、無締まり箇所からの侵入が占める割合は一六・八%と全国一低い数字でありますが、一方で、ガラス破りによる侵入が占める割合は六三・二%と全国一高い数字となっております。  また、空き巣の既遂一件当たりの被害額を見ますと、現金は全国の平均額とそれほど変わりはありませんが、現金以外の被害額は全国一高い数字となっており、中でも、貴金属、宝石、バッグ、時計等の被害が多いのが特徴であります。  こうした犯行につきましては、暴走族などの非行集団の元構成員や暴力団周辺者等がグループを構成し、連続敢行していたり、これまでは事務所や商店を対象に犯行を繰り返していたグループが、その対象を住宅に変えて犯行に及んでいることなどがうかがえたことから、年初から組織窃盗犯に対する捜査を一層強化したところであります。  その結果、十月単月で見ますと、住宅対象侵入盗の認知件数が昨年に比べて減少したところであります。  次に、自主防犯団体の数と団体が抱える問題、課題についてお答えいたします。  警察では、防犯ボランティア各団体のうち、月一回以上の活動があり、かつ構成員が五人以上の団体を自主防犯団体として把握しており、昨年末現在で二千三百十八団体となっております。  警察として把握を始めた平成十五年末は百三十団体でありましたことから、この十年間で約十八倍に増加したこととなります。  一方、団体の皆様方が抱える課題としては、私どもが開催した防犯ボランティア研修会で実施したアンケートでは、メンバーが高齢化していくので、いつまでできるのかが心配だ等の声のほか、新しいメンバーの加入がない、次にリーダーとなる者がいないなどの意見が寄せられております。  こうしたことから、自主防犯団体は、会員の高齢化、固定化や後継者の不足などといった課題を抱えていると推察されます。  警察では、それぞれの団体が抱えるこうした課題について解決策を話し合うためのフォーラムを開催したり、また、企業や大学生の自主防犯団体の設立支援や活動支援を行って、現役世代、若者世代の参加を促したりしております。  今後も、自主防犯団体の課題解決の一助となるような活動支援に努めてまいります。  次に、自主防犯団体による目に見える防犯活動についてお答えいたします。  パトロール活動など目に見える防犯活動は、犯罪の未然防止に効果がある上、住民の安心感の醸成につながる大変重要な活動であると認識いたしております。  また、過去に警察が行った犯罪者に対する調査では、窃盗犯人が住宅対象侵入盗を諦める最も大きな要因は、近所の人々の視線を感じた、声をかけられたからというものでございました。  こうしたことから、私どもといたしましては、目に見える防犯活動を効果的に行うための方法として、団体の皆様方に、パトロールベストや懐中電灯などの資材の活用や、青色回転灯を装備した自動車によるパトロール活動をお願いしているところです。  皆様方の目に見える防犯活動と私どもの警戒検挙活動が相まって、犯罪への効果がより高まるものと考えております。  次に、自主防犯団体からの情報収集の重要性についてお答えいたします。  警察活動を遂行していくためには、県民の皆様方から犯罪や事件に関する情報を提供していただくことが大変重要であり、特に自主防犯団体の皆様方が活動を通じて把握された情報は大変貴重なものであると考えております。  このため、緊急を要する場合は一一〇番通報していただくことはもちろん、日ごろから日常的な活動の中でさまざまな情報を提供していただいているところでございます。  他方、効果的な活動をしていただくためには、それぞれの地域における犯罪情報やその対策をお知らせすることが大切であるため、パトネットあいちなどのメールサービスやツイッターなど各種媒体を活用しながら、タイムリーな情報発信活動を行っております。  今後も、自主防犯団体の皆様方と連携を深め、双方向の情報提供がなされるよう努めてまいります。  最後に、自主防犯団体に対する支援についてお答えいたします。  警察といたしましては、自主防犯団体に対する支援につきましては、多発犯罪や多発地域等の情報提供を初め、パトロール活動の手引きを活用した研修会等を各警察署単位で実施しているところでございます。  また、新たに活動を開始された団体のリーダーの方に対しまして、警察本部において防犯ボランティア研修会を開き、活躍している団体の活動状況の紹介や活動方法について助言いたしております。  このほか、自主防犯団体による活動を県民の方々に広く知っていただくとともに、団体の皆様方が他の団体の活動を参考にしたり、活動へのやりがいを持っていただけるように、本年六月から県警のホームページ内に「防犯ボランティアの輪!!」というコーナーを設けまして、団体の活動を紹介いたしております。  今後も、自主防犯団体の活動が活性化されるよう支援に努めてまいります。 52: ◯県民生活部長(寺澤義則君) 住宅侵入盗対策のうち、自主防犯団体について何点かお尋ねをいただきました。  安全で安心して暮らせる地域づくりには、自分たちのまちは自分たちで守るという意識を持っていただくことが必要でございまして、自主防犯団体の活動は、犯罪抑止効果はもちろん、住民の防犯意識を高め、地域の防犯力の向上につながるものと認識をいたしております。  こうしたことから、あいち地域安全県民行動計画二〇一五におきましても、市町村の主体的取り組み事項といたしまして、自主防犯団体の設立支援及び活動支援を行うこととされております。  こうした取り組み方針のもと、昨年度は五十一団体、今年度は十一月末現在でございますが、三十三団体が自主防犯団体として新たに設立がされております。  次に、今年度、県が実施しております自主防犯団体への支援でございますが、これらの新たに設立されました団体にスムーズに活動を始めていただけるよう、帽子、ベストなどのパトロール用資材を提供しております。  また、自主防犯団体において指導、助言を行っていただけるリーダーを養成する防犯ボランティア養成アカデミーを開催いたしますほか、積極的に活動していただいている自主防犯団体の活動事例を市町村などに紹介いたしまして、より効果的な防犯活動の普及も図ってまいります。  さらに、県民生活部地域安全課や各県民事務所などに安全なまちづくり活動推進員を配置いたしまして、自主防犯団体の活動状況の把握と活動促進のための訪問を初め、青色回転灯を装備した車両によります巡回広報活動や、市町村、警察署と連携いたしました街頭啓発などを行っております。  次に、住宅対象侵入盗が多発いたします地域におきます自主防犯団体の設立支援に関する考え方についてでございます。  自主防犯団体による地域の活動は、住宅対象侵入盗対策として極めて有効であり、こうした犯罪が多発している地域では、とりわけ積極的に設立をしていただく必要がございます。設立に当たりましては、住民の御理解、担い手の有無などの問題のほか、山間地域を抱える市町村もございますので、そういった市町村の実情を踏まえながら、可能な限り設立を促進してまいります。  県といたしましては、警察とも連携して、侵入盗などの犯罪が多発しております市町村に個別に、あるいは担当課長会議など、さまざまな機会を捉えて積極的に働きかけてまいりたいと考えております。  今後とも、自主防犯団体の設立促進とともに、その活動の活性化に積極的に取り組みまして、住宅対象侵入盗など犯罪のない安全なまちづくりを目指してまいります。 53: ◯建設部長(平井雄二君) 本県の産業競争力を支える西三河地域の道路整備について、三点の御質問をいただきました。  初めに、貨物輸送の移動時間の効率化と幹線道路網の構築との関係についてであります。  自動車産業を初めとした物づくり産業の中心である本県が引き続き成長、発展していくためには、円滑な物流の確保が不可欠であり、物流拠点や生産拠点の間をスムーズに移動できる交通体系の確立が、輸送時間の短縮など、効率的な貨物輸送に大きく貢献するものと考えております。  こうしたことから、本県といたしましては、新東名高速道路や名豊道路など広域幹線道路の整備促進を引き続き国などに強く働きかけるとともに、空港、港湾、高速道路へのアクセス道路の整備や、主要な輸送ルートとなる幹線道路における渋滞対策につきまして、今後とも重点的に推進してまいります。  いずれにいたしましても、県内企業の生産活動を支える道路基盤の整備は、本県が物づくりの中心としてこれまでと同様な立場を維持する上で極めて重要な課題であるとの認識のもと、取り組んでまいります。  次に、西三河地域における幹線道路ネットワークの構築に関する三路線の取り組み状況についてであります。  一路線目の西三河地域の南北幹線道路であります国道四百十九号につきましては、これまで刈谷市内の有料道路衣浦豊田道路より南に向かって順次四車線への拡幅整備を行っており、刈谷市小垣江町まで二・六キロメートルが完了したところでございます。その結果、朝日小西交差点では最大一キロメートル近くあった渋滞が解消するなど、大きな効果を発揮したところであります。  現在は、さらにその南側、高浜市神明町までの二・九キロメートル区間の四車線化に着手したところであります。  二路線目の国道四百十九号と名豊道路とを結びます県道小垣江安城線につきましては、名豊道路から県道半城土広小路線に接続する市道まで〇・六キロメートルの道路整備を進めており、公安委員会など関係機関との協議が調い次第、その計画について地元の皆様へ説明してまいりたいと考えております。  三路線目の都市計画道路豊田刈谷線につきましては、豊田市内の県道名古屋岡崎線のバイパスから刈谷市内の県道豊田知立線までの二・一キロメートル区間の事業を進めており、現在、豊田市内では、中田地区の圃場整備区域内の用地買収を進めており、刈谷市内では、用地測量が完了した区間から用地を買収してまいりたいと考えております。  いずれの路線も、生産拠点が集積します西三河地域における幹線道路ネットワークを構築するとともに、伊勢湾岸道路などの広域幹線道路や衣浦港にもつながる重要な路線でありますので、今後とも整備促進に努めてまいりたいと考えております。  最後に、西三河地域と知多地域を結ぶ橋梁の取り組み状況についてであります。  西三河地域と知多地域は、衣浦港や境川、逢妻川などにかかる五つの橋梁を介して結ばれており、一部では交通集中による渋滞が発生しているため、経済活動や日常生活を支える上でその対策は急務の課題と考えております。  また、当地域は、これまでも総合治水対策に取り組んでいるところで、河川改修と連携した橋梁整備も重要であります。  こうした中、刈谷市と東浦町を結ぶ県道刈谷大府線のバイパスである刈谷境橋につきましては、渋滞対策としまして、河川改修とあわせた整備を行ってきており、平成二十六年度の供用を予定しております。  次に、国道二百四十七号衣浦大橋付近の渋滞対策につきましては、高浜市側で衣浦大橋東交差点の立体化工事を実施しており、半田市側では、衣浦大橋の西行き車線に左折専用レーンを付加する工事の着手に向け、詳細設計などを進めているところであります。  さらに、県道名古屋碧南線の境川などにかかる橋梁につきましては、老朽化に加え、境川・猿渡川流域水害対策計画に基づきます河床掘削に支障があることからも、かけかえ整備が必要でありますので、その具体的な検討に入ったところであります。  いずれにいたしましても、西三河地域と知多地域の連携、連絡の強化に向け、河川改修計画も踏まえた道路ネットワークの整備に取り組んでまいります。  以上でございます。 54: ◯十八番(永井雅彦君) 簡潔に要望を二点お願いしたいと思います。答弁につきましては、住宅対象侵入盗対策、そして、西三河地域の道路整備、どちらも前向きな答弁をいただきましてありがとうございました。  まず、住宅対象侵入盗対策についてでありますが、これは、本県として全体の発生件数の減少を考えますと、答弁にもありましたように、多発している地域への対策として、まずは自主防犯団体の設立をこれまで以上に積極的に取り組んでいただきたいと思っていますし、加えて、検挙には有力な画像が残るということで、防犯カメラの設置、これと組み合わせていただきながら、最終的には、先ほど述べましたように、警察、自治体、地域が連携した効果的な地域防犯力の向上に取り組んでいただくよう要望しておきたいと思います。  二つ目の西三河地域の道路整備についてであります。  これは、既存道路ネットワークを確保するための強化に取り組んでいただくという答弁をいただきまして、力強く感じておりますが、この地域のさらなる成長を促す、こういう点では、産業競争力を支える西三河と知多地域を結ぶ新たな道路整備が極めて重要だというふうに考えております。既存の道路の強化をできるだけ早く完了していただきまして、産業競争力を確かなものとしていくための次のステップに進むことを強く要望して、質問を終わります。ありがとうございました。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━
    55: ◯三十九番(原よしのぶ君) 本日はこれをもって散会し、明十二月六日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 56: ◯議長久保田浩文君) 原よしのぶ議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 57: ◯議長久保田浩文君) 御異議なしと認めます。  明十二月六日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後四時五十三分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...