愛知県議会 2012-10-04
平成24年文教委員会 本文 開催日: 2012-10-04
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文教委員会 本文 2012-10-04 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ
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発言者一覧 選択 1 : 【かじ山
義章委員】 選択 2 : 【
教職員課長】 選択 3 : 【かじ山
義章委員】 選択 4 : 【
教職員課長】 選択 5 : 【かじ山
義章委員】 選択 6 : 【
教職員課長】 選択 7 : 【かじ山
義章委員】 選択 8 : 【
教職員課長】 選択 9 : 【かじ山
義章委員】 選択 10 : 【
教職員課長】 選択 11 : 【かじ山
義章委員】 選択 12 : 【
教職員課長】 選択 13 : 【かじ山
義章委員】 選択 14 : 【
義務教育課長】 選択 15 : 【かじ山
義章委員】 選択 16 : 【
日比たけまさ委員】 選択 17 : 【
義務教育課長】 選択 18 : 【
高等学校教育課長】 選択 19 : 【
日比たけまさ委員】 選択 20 : 【
義務教育課長】 選択 21 : 【
高等学校教育課長】 選択 22 : 【
日比たけまさ委員】 選択 23 : 【
高等学校教育課長】 選択 24 : 【
日比たけまさ委員】 選択 25 : 【体育スポーツ課長】 選択 26 : 【
日比たけまさ委員】 選択 27 : 【体育スポーツ課長】 選択 28 : 【
日比たけまさ委員】 選択 29 : 【体育スポーツ課長】 選択 30 : 【
日比たけまさ委員】 選択 31 : 【小出典聖委員】 選択 32 : 【財務施設課長】 選択 33 : 【小出典聖委員】 選択 34 : 【財務施設課長】 選択 35 : 【小出典聖委員】 選択 36 : 【財務施設課長】 選択 37 : 【小出典聖委員】 選択 38 : 【財務施設課長】 選択 39 : 【小出典聖委員】 選択 40 : 【財務施設課長】 選択 41 : 【小出典聖委員】 選択 42 : 【財務施設課長】 選択 43 : 【小出典聖委員】 選択 44 : 【財務施設課長】 選択 45 : 【小出典聖委員】 選択 46 : 【財務施設課長】 選択 47 : 【小出典聖委員】 選択 48 : 【
高等学校教育課長】 選択 49 : 【小出典聖委員】 選択 50 : 【谷口知美委員】 選択 51 : 【教育企画室長】 選択 52 : 【谷口知美委員】 選択 53 : 【
義務教育課長】 選択 54 : 【谷口知美委員】 選択 55 : 【
義務教育課長】 選択 56 : 【谷口知美委員】 選択 57 : 【義務教育課主幹(義務教育)】 選択 58 : 【谷口知美委員】 選択 59 : 【義務教育課主幹(義務教育)】 選択 60 : 【谷口知美委員】 選択 61 : 【生涯学習課長】 選択 62 : 【谷口知美委員】 選択 63 : 【生涯学習課長】 選択 64 : 【谷口知美委員】 選択 65 : 【生涯学習課長】 選択 66 : 【谷口知美委員】 選択 67 : 【
高等学校教育課長】 選択 68 : 【谷口知美委員】 選択 69 : 【
高等学校教育課長】 選択 70 : 【谷口知美委員】 選択 71 : 【
高等学校教育課長】 選択 72 : 【谷口知美委員】 選択 73 : 【
高等学校教育課長】 選択 74 : 【谷口知美委員】 選択 75 : 【教育企画室長】 選択 76 : 【谷口知美委員】 選択 77 : 【財務施設課長】 選択 78 : 【犬飼明佳委員】 選択 79 : 【
高等学校教育課長】 選択 80 : 【犬飼明佳委員】 選択 81 : 【
高等学校教育課長】 選択 82 : 【犬飼明佳委員】 選択 83 : 【
高等学校教育課長】 選択 84 : 【犬飼明佳委員】 選択 85 : 【
高等学校教育課長】 選択 86 : 【犬飼明佳委員】 選択 87 : 【特別支援教育課長】 選択 88 : 【犬飼明佳委員】 選択 89 : 【特別支援教育課長】 選択 90 : 【犬飼明佳委員】 選択 91 : 【東 裕子委員】 選択 92 : 【
高等学校教育課長】 選択 93 : 【東 裕子委員】 選択 94 : 【
義務教育課長】 選択 95 : 【東 裕子委員】 選択 96 : 【
義務教育課長】 選択 97 : 【東 裕子委員】 選択 98 : 【野田留美委員】 選択 99 : 【健康学習課主幹(健康学習)】 選択 100 : 【野田留美委員】 選択 101 : 【健康学習課主幹(健康学習)】 選択 102 : 【野田留美委員】 選択 103 : 【直江弘文委員】 選択 104 : 【教育委員長】 選択 105 : 【直江弘文委員】 選択 106 : 【教育長】 選択 107 : 【直江弘文委員】 選択 108 : 【教育長】 選択 109 : 【直江弘文委員】 選択 110 : 【教育委員長】 選択 111 : 【直江弘文委員】 ↑
発言者の先頭へ 本文 ↓最初の
ヒットへ (全 0
ヒット) 1: (主な質疑)
《議案関係》
なし
《一般質問》
【かじ山
義章委員】
教員の資質の向上について伺う。いじめ、不登校など子どもたちを取り巻く環境は必ずしも良いとは言えない状況の中で、子どもたちへの愛情や教育への情熱と使命感を持つなど、教員としての資質が重要であるが、教員として採用された後、どのような取組を行っているのか。
2: 【
教職員課長】
学校教育の成否は教員の資質能力に負うところが極めて大きいと考えている。そのため県としても、新規採用時から様々な研修を実施している。まず、新規教員に対しては1年間の初任者研修の中で、教科指導、生徒指導、学級経営などについて実施している。また5年経験者研修、10年経験者研修など教員のライフステージに沿った研修を実施し、教員として子どもたちや保護者から信頼される教育の専門家を育成できるように努めているところである。しかしながら、大多数の教員が子どもたちのために日々努力する中で、10年ほど前から体罰・わいせつ等の不祥事や指導力不足、不適格教員の実態、精神性疾患教員の増加などがマスコミ等で度々報道され、県民の学校教育への信頼が揺らいでいるのではないかと言われてきた。そうした中で、県教育委員会としては、学校教育に対する県民の信頼を確保する観点から、教員の資質能力の一層の向上や不祥事を防止するための方策について検討を行う場として、平成17年度から検討会議を設置し、現在では、教員資質向上会議と銘打って具体的な方策の検討等を行っている。
3: 【かじ山
義章委員】
教員資質向上会議は年にどれくらい開催されて、どのような検討がされているのか。
4: 【
教職員課長】
現在、年間2回程度開催している。会議の検討内容については、教員の人材育成、能力開発の方策を始め、教員の的確な人事管理のあり方など様々な検討をしている。
5: 【かじ山
義章委員】
人材育成や能力開発が学校現場でどのように生かされているのか。
6: 【
教職員課長】
例えば、優れた教育活動に取り組む教員を表彰することで、教員の意欲が高められるような新たな表彰制度を導入した。また、特色ある学校づくりに必要な人材の確保を支援するために、教員の公募制を導入したほか、指導が不適切な教員の指導に対して厳格な運用を図ることや条件付き採用期間中の教員への厳正な評価を行うため、評価方法を改めるなどの取組を行ってきた。不祥事防止についても、懲戒処分の基準や報道機関等への公表基準を作成し、公表しているところである。
7: 【かじ山
義章委員】
様々な取組をしているとのことだが、本年8月、中央教育審議会が「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」という答申を出しており、その中で、これからの学校は基礎的・基本的な知識技能の習得に加え、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等の育成や学習意欲の向上、多様な人間関係を結んでいく力の育成等を重視する必要があるとしている。学校には、子どもたちを適切に指導できない、保護者や同僚と上手にコミュニケーションがとれない教員が存在すると聞く。こうした教員への対応はどのようにしているのか、その現状を伺う。また、そうした教員はどれくらいいるのか。
8: 【
教職員課長】
子どもたちに適切な指導ができない、コミュニケーションがとれないなど、教員の指導力に関して、学校においては常日頃から校長等管理職員が子どもたちや保護者からの申出や授業観察を通じて把握に努め、必要に応じ指導している。
そうした指導を積み重ねても、授業が一方的で児童生徒から苦情があり信頼が得られていない、生徒指導を適切に行えない、同僚や保護者等と良好な関係が築けずに苦情が絶えない、コミュニケーションがとれないといった、指導力等に問題を有し、何らかの指導や研修が必要と思われる教員を県教育委員会としては支援を要する教員と位置付け、校内において研修を行うこととして、日常の勤務態度を観察することを本人に通知した上で、研修計画に基づく指導を行っている。それでもなお改善されない場合には、指導が不適切な教員として県教育委員会に申請し、実態に応じた研修計画により、学校を離れ、1年間総合教育センターを中心に再教育のための研修を行っている。指導が不適切な教員として認定され研修を受講している教員は、制度を設けた平成15年度から23年度までの9年間で42名となっており、今年度は7名が対象となっている。
9: 【かじ山
義章委員】
指導力を向上させるために、それぞれの実態に応じた研修を実施しているとのことであるが、どのような研修を行っているのか。
10: 【
教職員課長】
研修は1年を通して、週5日のうち4日を総合教育センター、1日を所属学校で行うAコースと、週1日を総合教育センター、4日を所属学校で行うBコースの2コースを設定している。まず、4月当初は、センターにおいて、原因を分析することから始め、該当教員の自覚と研修意欲を高める指導・助言をするとともに、研修プログラムとして教科指導、生徒理解等について研修を行うほか、老人保健施設、民間企業等での職場体験、例えば老人保健施設だと1週間の介護体験など他職種の職場体験も取り入れている。そうしたことにより、面接指導等を通じ、コミュニケーション能力の向上に向けた研修を行うなど、それぞれの実態に応じた再教育を実施している。
11: 【かじ山
義章委員】
研修を実施した後の状況はどうなっているのか。効果は上がっているのか。
12: 【
教職員課長】
平成15年度から23年度の9年間で研修を受講した42名について研修後に再評価をした結果、18名が学校に復帰し、子どもたちの教育に熱心に取り組んでいる一方で、17名は教育に自信が持てず自ら職を退いている。そのほか教員として不適格であると考え、分限免職とした者が1名、実習助手への職種替えが1名、引き続き研修を行っている者が5名となっている。24年度は2名を新たに認定し、昨年度からの継続である5名を含めた7名がAコースの研修を受講している。ただ7名のうちの4名は研修を受講する中で精神性疾患となり休職しており、現在は3名が受講している。
13: 【かじ山
義章委員】
少し前に「授業名人」という言葉を委員会や本会議場でよく耳にしたが、「授業名人」はどのような状況か。
14: 【
義務教育課長】
「授業名人」の派遣事業は平成18年度から平成21年度までの4年間行われ、1年間追加された平成22年度末をもって廃止されている。授業づくりの上手な先輩や大学教授を学校へ招き、教えていただく事業である。5年間で授業名人を発掘することができたため、平成23年度から「あいち『授業づくり』人材バンク」に登録し、本課のウェブページで公開し、活用を図っている。現在「授業名人」の登録者数は67名である。更に平成23年度から、「ことばの学習活性化推進事業」を実施しており、その中で言語活動の充実に向けた授業づくり、学習指導の工夫等についての教員研修会にも「授業名人」を活用しており、教員の指導力向上に努めている。
15: 【かじ山
義章委員】
我々議員や警察もそうだと思うが、一人が不祥事を起こすと皆がやっていると見られる。今回この質問をしたのは、新聞などで不適格な教員がいると理解はしていたが、身近にそのような教員がいると知ったからである。やはり親が安心して学校に子どもを預けられる、子どもたちも学校に通うのが楽しくなるような環境を改めて整えてもらうよう要望する。
16: 【
日比たけまさ委員】
中学校、高等学校におけるキャリア教育について、現在「あいちの教育に関するアクションプランII」では、キャリア教育の充実を重点目標に掲げて取り組んでいる。若年者の雇用情勢が厳しい中、比較的早い段階から勤労観、職業観を養うことは非常に大切であると考える。
中学校での職場体験活動及び高等学校でのインターンシップについて、これまでの経緯及び現在の状況そして県教育委員会としての指導方針について伺う。
17: 【
義務教育課長】
県教育委員会としては、子どもたちの発達段階に応じ、小・中・高等学校12年間とそれぞれの学校における教育活動全般を見通してキャリア教育を適切に位置付けて進めていくことが大切であると考えている。
中学校におけるキャリア教育の中核である職場体験学習は「あいち・出会いと体験の道場推進事業」として平成18年度から始まり、平成21年度からは名古屋市を除く県内全中学校で実施されている。この事業は、職場体験を通して子どもたちに将来の生き方について真剣に考えてもらい、働くことや学ぶことへの意欲を向上させることをねらいとしている。職場体験も学校の教育活動に位置付け、一過性の行事とならないよう事前指導・事後指導で子どもたちのこれからの進路・生き方・ものの考え方に結び付けていく指導をしている。昨年度は、約98パーセント以上の学校が3日以上の体験活動を行った。実施後のアンケートでは、生徒からは「自分で考えて行動していかなくてはならないことを学んだ。」とか保護者からは「人に合わせて何かをすることの難しさ、素晴らしさが体験できて良かった。」との感想があった。
18: 【
高等学校教育課長】
県教育委員会では、平成13年度からキャリア教育関係推進事業を立ち上げ、産業界との連携のもとインターンシップや外部講師の招へいなど発達段階に応じた組織的・系統的なキャリア教育を推進している。当初は、卒業後、社会へ出る生徒の多い職業学科を中心に取り組んでいたが、平成21年度の愛知県産業教育審議会の提言の中で「キャリア教育は、普通科も含めたすべての高校において、教育活動全体を通して取り組む必要がある。」と示されたことから、平成22年度からは全ての全日制県立高等学校でインターンシップを含めたキャリア教育を実施するよう指導することとした。
その結果、インターンシップやジョブシャドウイング等の取組については、数名でも行っている学校が、平成21年度は全体の73.2パーセントであったのに対し、平成22年度は96.0パーセント、平成23年度からは100パーセントとなっている。しかし、実施人数は全生徒の約2割であり、インターンシップ等への参加人数の拡大が課題の一つである。
また、産業界や大学等で活躍するプロフェッショナルを招へいして直接指導を受ける「キャリアリンク講座」や工業高等学校において地域企業と連携して産業界のニーズを踏まえた実践的な技能の習得を目指す「ものづくりスキルアップ講座」を実施し、各学校におけるキャリア教育を積極的に支援している。
19: 【
日比たけまさ委員】
キャリア教育については、学校間で取組に温度差があると聞いている。キャリア教育の重要性を教員がどれだけ認識しているのかという意識の差が学校間の温度差に表れるのだと思う。県教育委員会として現場の教員にどのようにサポートをしているのか。また、高等学校では以前「キャリア教育推進フォーラム」を実施したと聞いているがその内容とその後のフォローについて伺う。
20: 【
義務教育課長】
取組の温度差は、委員指摘のとおり、キャリア教育を進める上で一つの課題として捉えている。小・中学校については、学校間以上に小学校と中学校間でのキャリア教育に対する教員の意識の差がまだまだあると捉えている。
中学校では、職場体験が100パーセント実施されていることから、それを核としてキャリア教育は生き方指導という意識が教員の中では高くなっている。一方、小学校では進路指導がもともと行われていなかったこともあり、中学校と比べるとどうしても意識が低い傾向となってしまう。そこで、一昨年「キャリア教育推進の手引」を作成し、ホームページに掲載したことに続き、昨年度は、教員の研修用として「キャリア教育推進DVD」を作成し、各市町村教育委員会及び全小・中学校に配付した。また、系統的なキャリア教育を小学校・中学校から高等学校と特別支援学校の12年間で一層推進するために「キャリア教育ノート」を作成し、授業や行事の活動をまとめたり、学期末・学年末・卒業期に子どもたちが自分を振り返り、自分の将来について考えたりすることができるものとした。実際にこのノートを使用した学校の教員からは「学年の系統性や教科や行事との関連性を考えた指導ができた」との意見があり、子どもたちからは「かわいいキャラクターが使われていて、親しみやすい」という声を聞いている。
今後も手引やDVD、ノートを活用した研修を推進するとともに、各学校において日常的な係活動や当番活動、教科指導など学校教育全体を通してキャリア教育が推進されるよう市町村教育委員会に働きかけていきたい。
21: 【
高等学校教育課長】
県立高等学校におけるキャリア教育を推進するため、各学校のキャリア教育担当者等を対象とした「キャリア教育推進フォーラム」を平成20年度から22年度までの3年間開催した。内容としては、文部科学省のキャリア教育担当調査官の講演やキャリア教育先進校の事例発表、キャリアカウンセリングやキャリアデザイン等を学ぶセミナーを行った。参加した教員からは、キャリア教育の重要性や方策について理解を深めるとともに、生徒を指導する上での具体的な手法を身に付けることができたとの感想があった。
キャリア教育推進フォーラムが終了した平成23年度からは、県内を14地域に分け、各地域でキャリア教育担当者が集まり、情報交換や研修を実施したりする「キャリア教育推進会議」に、産業界等から講師を招き、企業が求める人材についての研修会を実施するなど、キャリア教育に対する教員間の意識を高めている。
22: 【
日比たけまさ委員】
高等学校でのキャリア教育は、進学するにせよ就職するにせよ、自分を見つめ将来を具体的に考えるためには大変重要である。進学を希望する者にとっても、なぜ自分は大学に進学するのか、どこの学部に進学すべきかといった具体的な目標にもつながることから、普通科も含め更なる充実が必要と考えるが、県教育委員会として今後どのように対処していくのか伺う。
23: 【
高等学校教育課長】
大学等への進学希望者の多い普通科では、インターンシップの実施人数が少なく、業種にも偏りがあるといった課題がある。大学への進学者も、将来の職業を考えて進学することが重要であることを踏まえ、普通科においても、インターンシップやジョブシャドウイング等の体験活動を3年間で計画的に実施するよう指導している。
そのためには、教育委員会として、多くの受入れ事業所を確保することが必要であることから、昨年度からインターンシップや社会人講師の派遣に協力していただける企業を登録する「あいち夢はぐくみサポーター制度」を開設した。現在70社ほどの登録があり、今後も登録数の拡大を図っていく。また、キャリア教育推進会議において、積極的に取り組んでいる普通科高等学校の取組事例を紹介するなどして、普通科におけるインターンシップ等の取組が高まるよう支援していく。
24: 【
日比たけまさ委員】
私は今年の夏に議員インターンシップとして3名の大学生を受け入れた。彼らは本当に有名な企業しか知らない。私自身の就職活動期を振り返っても、業界においては一流の企業であっても、テレビCM等がなければ存在すら知らないということがあり、彼らに問題があるとは思わない。いかに早い段階から自分を見つめることや自分の進路に興味を持つきっかけを提供できるか、ぜひともキャリア教育、特に高等学校でのインターンシップ活動をより充実させるよう要望する。
続いて小・中学校における運動部活動について伺う。運動部活動は、クラス活動とは別に集団生活における規律や道徳を学ぶ非常に重要な活動と思うが、最近は保護者から「子どもがやりたい部活動がない」などの意見を聞く。そこで小・中学校における運動部活動への加入状況と、運動部活動についての県教育委員会としての考えを伺う。
25: 【体育スポーツ課長】
年度当初に行っている「学校体育実施状況調査」では、名古屋市を除く小学校の89.1パーセントにおいて、運動部活動を実施している。その加入状況は、男子50.9パーセント、女子37.3パーセントとなっている。また、中学校における加入状況は、愛知県中小学校体育連盟の調べでは、名古屋市と国・私立を除く公立中学校で、男子94.1パーセント、女子68.2パーセントとなっている。
今回の学習指導要領の改訂により、部活動が学校教育の一環として位置付けられた。特に運動部活動については、スポーツに親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感のかん養、お互いに協力し合って友情を深めるといった好ましい人間環境に資するものであり、子どもの体力づくりや心身の成長において教育的意義のあるものと考えている。
26: 【
日比たけまさ委員】
現在、小学校では地域の実情に応じた形で運動部活動が実施されているようであるが、県としてある程度統一的な指導ができないのか、県教育委員会の考えを伺う。
27: 【体育スポーツ課長】
小学校での運動部活動については、これまでも学校規模や教員数など各学校の実情や児童の実態及び地域の実情などにより実施されている。例えば、運動部の種目などを決める際には、日頃の活動の成果を発表する場である大会で実施される種目や、地域に根付いている種目をその学校の特色として取り入れる学校がある。また陸上や水泳などの種目については、年間を通して行うのでなく、一定期間に部員を集めて行う学校もある。
小学校は中学校と異なり、登下校での安全面の配慮が必要になることから、部活動を長時間行うことが難しい場合があり、小規模で教員数の少ない学校では、継続的な指導者の確保が難しい状況もある。このように運動部活動が子どもたちのニーズに応えられない小学校があることから、学校や地域の実情などに合わせ、総合型地域スポーツクラブやスポーツ少年団との連携を一層図るなど、より多くの子どもたちがスポーツに親しむことができる環境づくりが必要であると考えている。
県教育委員会としては、県で統一した指導をするよりも、各学校・地域の実情や児童の実態に合わせた活動をしていくことが望ましいと考えている。
28: 【
日比たけまさ委員】
運動部活動を充実させることは一方で教員の負担増を招くなどの課題もあると考えるが、運動部活動の充実に向け県教育委員会としてどのように課題を認識しているか、また改善に向けた取組について伺う。
29: 【体育スポーツ課長】
課題としては、まずは運動部活動を指導していく上で、専門でない種目の顧問となる、運動部活動を学生時代に経験したことがないなど、指導に不安を感じている教員の負担を軽減し、指導力を向上させることと認識している。その改善に向けた取組として、部活動指導において教員を支援するために外部指導者の効果的な活用に努めており、平成23年度の学校体育実施状況調査では、名古屋市を除く県内の13.0パーセントの小学校と82.9パーセントの中学校で外部指導者を活用している。県教育委員会としても、文部科学省の委託事業である「運動部活動地域連携再構築事業」により名古屋市を除く県内の公立中学校47校で50名、県立学校25校で25名を配置している。
また、中学校及び県立学校等で運動部を指導している教員のうち、保健体育科教員以外の経験の浅い者を対象に指導力を向上させるための「運動部活動指導者研修会」を実施している。今年度は、5月と8月の2日間、中学校はバスケットボールと剣道の2種目に60人、県立学校はバスケットボール、柔道、テニスの3種目に120人が参加した。
その他の課題としては、少子化による生徒数の減少により、競技種目によってはチーム編成ができずに単独チームでは大会に参加できない状況がある。その状況を改善するために、中学校では近隣の学校と合同で組織し日常の活動を行う複数校合同運動部活動を実施している学校がある。生徒のスポーツに関する多様なニーズに応え参加機会を充実させるためにも、複数校合同運動部活動の実施など柔軟な運営等が必要と考えている。今後も運動部活動の意義を踏まえ、外部指導者の活用を充実させるとともに部活動指導者の指導力向上を図り、教員の負担軽減に努めながら部活動を充実させていきたい。
30: 【
日比たけまさ委員】
名古屋市では市内のほぼ全小学校にバスケットボール部、軟式野球部、サッカー部が存在しているのを始め、様々な種目があり運動部活動が盛んである。平成22年度の調査では小学校における参加率が8割を超えているとのことである。運動部活動の充実のために外部指導者もうまく活用しており、中学校では昭和61年から、小学校では平成5年から派遣事業制度を導入し、学校が外部指導者の派遣を依頼する場合は予算の範囲内で対応しているようである。外部指導者の活用については、費用面のみならず人材確保や責任問題等様々な課題もあると思うが、何よりも子どもたちの将来のために県教育委員会として力を注いでもらうよう要望する。
31: 【小出典聖委員】
計画進学率について伺う。まず、計画進学率は何のために、どのような調査を行い設定しているのか。
32: 【財務施設課長】
計画進学率は来春、中学校を卒業する全生徒に対する公私を合わせた全日制高等学校の募集枠を算定するための率である。したがって、県としての教育水準の維持、向上を図るための誘導指標と捉えることができる。
平成9年度に1パーセント引き上げ、現在の93パーセントとなっている。県教育委員会では、毎年9月と12月に全中学3年生を対象とした進路希望調査を行っており、特に9月時点の調査結果は募集計画を公表する直近の数値であるため、計画進学率を確定する上で重要な意味を持つと考えている。全日制高等学校への進学を希望する者の率は、ここ10年間ほど94パーセントで推移している。また、募集計画発表後の12月の進路希望調査においてもおおむね93パーセントとなっている。
33: 【小出典聖委員】
高等学校教育は私学でも担っている。私学の数字についても対応しているのか。その中身はどうなのか。
34: 【財務施設課長】
私学、公立それぞれの生徒募集枠を設定するにあたり、来春卒業見込みの中学生に計画進学率の93パーセントを掛け、公私の受入分担はかねてから2対1としてあるため、機械的にその3分の2が国公立の募集枠、3分の1が私学の募集枠となる。
35: 【小出典聖委員】
県教育委員会の計画進学率とは別に、県民生活部統計課で高等学校等進学率という学校基本調査の数字がある。97パーセントくらいで推移していると思うが、県教育委員会の計画進学率と統計課の高等学校等進学率の違いは何か。
36: 【財務施設課長】
計画進学率は全日制高等学校に対する率であり、高等学校等進学率は全日制、定時制、通信制、特別支援学校の高等部の合計である。
37: 【小出典聖委員】
専門学校や各種学校は入っていないのか。
38: 【財務施設課長】
専門学校、各種学校のいずれも入っていない。
39: 【小出典聖委員】
計画進学率93パーセントに対する過去10年の進学実績は平成15年90.5パーセント、平成16年91.0パーセント、平成17年90.8パーセント、平成18年90.9パーセント、平成19年90.8パーセント、平成20年90.9パーセント、平成21年90.5パーセント、平成22年90.0パーセント、平成23年90.1パーセント、平成24年90.0パーセントとなっている。平均するとおおむね90パーセントで、3パーセントの差が10年続いている。なぜ実績に基づいて計画進学率を設定できないのか。
40: 【財務施設課長】
進学の結果、実績進学率については委員の示したとおりである。ただ、ここ数年の中身を見ると、進学結果は国公立でほぼ募集枠を満たしている一方、私学では景気の低迷もあると思うが、2,000人を超える大幅な欠員が生じている状況である。
こうした状況下において、計画進学率を実績進学率に置き直すと、公立の募集枠がひっ迫しているため、93パーセントの計画進学率であれば受け入れられた生徒層が、計画進学率を下げることによって募集枠の中に納まらない可能性が出てくる。その生徒たちはどこかに向かわなければならないが、そういった生徒たちは家庭環境に恵まれないとか、進学を断念せざるを得ないような層が多いと予想される。現在はそのような生徒たちが進学して初めて90パーセントを維持しているため、そうした生徒たちが進学しないとなると、進学率が更に落ちてしまう心配がある。
それから、今年度の入学実績を追跡調査したところ、最終的に全日制の公立高等学校を受検して不合格となった生徒が約4,000人いた。その約4,000人のうち約3,000人が私学を併願していたため私学へ進学し、全日制に通うこととなった。差し引き約1,000人が全日制高等学校を希望したものの結果的に全日制高等学校へ進学できなかったこととなり、実績には反映されていない。県教育委員会としては、最後の最後まで全日制高等学校を希望した約1,000人は決して少ない数字ではないと考えている。したがって、まずはこうした約1,000人を救う方策を考えることが最優先の課題であり、計画進学率は現在の数字を継続したいと考えている。
41: 【小出典聖委員】
せっかく追跡調査をしてもらったので、その先をもう少し伺う。その約1,000人の生徒たちは今何をしているのか。
42: 【財務施設課長】
統計的な数字になるが、定時制、通信制高等学校に入学したり、中には就職した者もいる。また、どこの区分にも入らない無業者となった者もいる。
43: 【小出典聖委員】
計画進学率は93パーセント、実績は90パーセントであるが、その3パーセントのアローワンスを維持していかなければいけないというのが県教育委員会の姿勢なのか。
44: 【財務施設課長】
県教育委員会としては、やはり生徒一人ひとりが希望した進路に進むことを目指すことが必要だと思っている。この計画進学率を維持することがベターだと判断している。
45: 【小出典聖委員】
県教育委員会の姿勢は理解した。一方で私学の欠員は2,203人、公立の欠員は109人である。計画進学率をもとに私学は施設や人員体制等の準備をする。私学の欠員は公立の20倍である。本来、生徒を受け入れる比率が2対1であれば、欠員も2対1になって当然ではないか。計画進学率をもとに私学は設備投資をしている。その辺りを考慮すべきだと思う。個人的な見解だが、計画進学率は実績進学率プラスアルファで検討すべきだと申し上げておく。
これまでの質問に関連するが、歴史的に愛知の公教育は公私比率2対1という形で、私学の協力を得ながらやってきた。これから子どもたちの数がどんどん減少するが、公私比率をどのようにしていくのか。
46: 【財務施設課長】
公立・私立の生徒募集数については、計画進学率に公私比率を乗じて算出している。こうした機械的な計算となっているため計画進学率と公私比率は切っても切れない、表裏一体、密接不可分の関係にあると考えている。現在の公私比率については、昭和56年度の第7回愛知県高等学校研究協議会の協議の場において、生徒の急増急減期に公私間の生徒の受入れ比率について全県でおおむね2対1という提言がされている。更に平成3年度の第8回愛知県高等学校研究協議会においても、公私が協力し生徒急減期においても全県でおおむね2対1となるように計画を進めることが再確認されており、現在に至っている。
こうした経緯を踏まえ、公私間では、長期的な視野に立ち、生徒急増急減期を通じ、いい意味での競争環境下で協調を図ってきたと認識している。本県の県民ニーズは公立志向が非常に強いが、100パーセントを公立で受け入れることはできないため、私学にも十分な役割を担ってもらう必要がある。したがって、計画進学率や公私比率が高等学校を目指す受検者にとってハードルになってはいけない。県全体の教育を考えた場合、従来からの公私協調を崩すことなく現在の2対1の比率を維持する方策を考えていく必要があると思っている。
47: 【小出典聖委員】
個人的な経験から申し上げるが、県立高等学校の合格発表を中学校の卒業式前にできないか。
48: 【
高等学校教育課長】
本県の全日制高等学校の入学者選抜は2月中旬の推薦入学に始まり、その合格発表をした後、2月下旬に一般入試の出願の受付を終え、3月中旬からAグループ及びBグループの入学者選抜を実施し、合格者発表を3月下旬に行うとしている。このような入試日程のあり方については、
複合選抜制度の導入にあたり、中学校関係者の意向を尊重して設定したものであるが、その後、入試日程が長期化するという課題が指摘されるようになった。こうした指摘を受け、合格者発表日が1日でも早くなるように高等学校の入試業務日程を短縮するなどの努力をしてきた。今後は、更に中学校関係者との意見交換を続けるとともに、今年度新たに立ち上げた「入学者選抜制度の改善に関する検討会議」においても入試日程の長期化が課題として示されているので、適切な入試日程となるよう検討会議でしっかり協議していきたい。
49: 【小出典聖委員】
前向きな検討をお願いする。
50: 【谷口知美委員】
9月20日に豊橋市において、保護者の育児放棄により4歳の子どもが亡くなり、小学校1年生にあたる7歳の児童が就学していない上に就学前の健診にも来ていなかったとの報道があった。居所不明者について、平成24年度は全国で976名とのことであるが、愛知県の実態について伺う。
51: 【教育企画室長】
文部科学省が実施している学校基本調査において、毎年5月1日現在の「1年以上居所不明者数」を調査している。調査方法については、市町村教育委員会においては法令に基づき、区域内に住所を有する学齢児童生徒について住民基本台帳に基づき学齢簿を作成する。その学齢簿に記載された学齢児童生徒の居所が1年以上不明であるときは、学齢簿とは別の簿冊を編製することとなっており、この簿冊に記載されている者の数を「1年以上居所不明者数」として計上することとなっている。
平成24年5月1日現在の愛知県における「1年以上居所不明者数」は、63名となっている。
52: 【谷口知美委員】
相模原市教育委員会では独自のチェックリストを元に調査し、19名の居所不明者を7名に減らしたと聞くが、愛知県としての対応を伺う。
53: 【
義務教育課長】
就学すべき子どもが、就学前健診や入学式に参加しない、それまで登校していた児童生徒が突然理由もなく登校しなくなった場合は、市町村教育委員会に次のような対応を依頼している。一つ目として、学校が家庭訪問し居住の実態を確認する。その際、その地区を担当する民生委員にも確認する。二つ目として、居住の実態が確認できない場合、学校は、その旨を市町村教育委員会に報告し、地域の民生委員と連携しながら定期的に家庭訪問をする。三つ目として、市町村教育委員会は、住民登録する部局及び民生委員を管轄する福祉部局にその住所に居住の実態がないことを連絡する。そして、必要に応じて、児童相談センターや警察への相談も考える。
また、今回の豊橋市の事案を踏まえて、児童手当を支給している部局への情報提供や要保護児童対策ネットワーク協議会などで対象児童として取り上げていくことも市町村教育委員会で検討してもらうよう依頼をしていく。
54: 【谷口知美委員】
市町村から出て行ってしまった子どもには対応ができないと思われるが、要保護児童対策ネットワークとはどの程度の範囲のものなのか。
55: 【
義務教育課長】
要保護児童対策ネットワーク協議会は市町村で作られていて、関係機関は児童生徒に関わる児童相談所などである。市町村から出て行ってしまった子どもについては、住民票も移さず、かつ移転先の教育委員会へ就学の届出もされなければ、現状としては把握が難しいと思われる。
56: 【谷口知美委員】
9月11日公表の文部科学省の「問題行動調査」で、深刻とされるパソコンや携帯電話によるネットいじめが全体の4.3パーセントで0.4ポイント増加となっていた。ネットいじめの怖さについては、匿名性、なりすまし、周囲に気づかれにくい、メッセージが瞬時に広域的に広がりいつまでも残るなどがある。
愛知県の取組として、平成23年度「あいちの教育に関するアクションプランII」実施状況報告書に情報モラル向上のための事業として「i-モラル」の運用が挙げられているが、今年度はどのような取組をしているのか。
57: 【義務教育課主幹(義務教育)】
「i-モラル」は県教育委員会の情報モラル教育専用サイトであり、学校と家庭、地域が連携し、児童生徒の情報モラルに対する意識を高めるために平成21年度に開設した。「i-モラル」は県内全ての小・中学校の情報モラル教育実践や市町村教育委員会の取組を掲載し、平成23年度まで運用した。今年度からは、「i-モラル」を吸収した形で愛知県道徳教育総合推進サイト「モラルBOX」を開設し、新たに情報モラル教育に関する指導案や役に立つリンク集など学校や保護者にとって有益な情報を掲載している。「モラルBOX」へのアクセス総数は現在のところ12万件を超え、多い日では1,000件を超えるアクセスがある。今後も学校、保護者、地域の方々への周知を図り、社会全体で児童生徒の情報モラルを高める機運を醸成していきたい。
58: 【谷口知美委員】
情報モラル教育については、学習指導要領にも載っているようだが、系統的な指導は不十分と聞く。県教育委員会での系統的な指導はどのようになっているのか。
59: 【義務教育課主幹(義務教育)】
「i-モラル」は中学校だけでなく小学校での実践も掲載している。小学校、中学校ともに連携をとりながらそれぞれ進めてもらうようお願いしている。中学校から高等学校への連携については、高等学校での活動を見据えて指導してもらうよう中学校にお願いしている。
60: 【谷口知美委員】
平成23年度のネット見守り隊の監視活動では、削除要請が8件、経過観察が必要な案件が599件となっている。これらはどこを見守って、削除要請等はどのように行っているのか具体的に教えてほしい。
61: 【生涯学習課長】
ネット見守り隊の対象は小・中学校となっている。「学校裏サイト」などと入力し検索できたブログなどを閲覧し、緊急を要するもの、削除が必要と思われるもの、経過観察が必要と思われるものに分類していく。経過観察が必要と判断されたものについては、ネット見守り隊の活動の中でその状況を継続的に確認していくといった作業をしている。
62: 【谷口知美委員】
具体的に削除要請するとなると相手はどこになるのか。
63: 【生涯学習課長】
基本的にプロバイダーに直接削除要請することになるが、ケースによって本人又は未成年者の場合は保護者に行うこともある。
64: 【谷口知美委員】
これからの事業展開はどのように考えているか。
65: 【生涯学習課長】
ネット見守り隊は現在17名がボランティアとして年間60日ほど活動している。インターネットの世界は変化が大変早いが対応を少しでも円滑にできるようフォローアップ研修をしながら引き続き事業を進めていきたい。
66: 【谷口知美委員】
全ての県立学校を対象に専門機関によるネットパトロールを実施しているとのことだが、今年度の取組状況を伺う。
67: 【
高等学校教育課長】
各学校に関するキーワード等をもとに学校非公式サイト等を検索し、1か月で県立高等学校148校、特別支援学校25校の合計173校全ての県立学校を検索するペースで年間12回程度行っている。この結果については、毎週、県教育委員会と当該校に報告されるようになっている。今年度はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などのコミュニケーションサイトの検索も実施しており、前年度より検索件数が増加している。
情報の削除依頼については、学校はひぼう中傷の書き込み等に関して、書き込んだ生徒が特定される場合はその生徒を指導しサイト等を閉鎖している。特定されない場合は、学校がサイト管理者へ削除を依頼している。なお、問題の書き込み等個人や学校が削除できない場合は、教育委員会が委託業者への削除の依頼を代行している。
68: 【谷口知美委員】
今後もずっと続けていけるものなのか。
69: 【
高等学校教育課長】
この事業は必要な事業であると考えているので、来年度も実施できるよう予算要求していきたい。
70: 【谷口知美委員】
本事業の予算はどのくらいか。
71: 【
高等学校教育課長】
平成24年度は緊急雇用創出事業として、1,196万円である。
72: 【谷口知美委員】
緊急雇用創出事業ということは今後どうなるのか。
73: 【
高等学校教育課長】
緊急雇用創出事業は今年度限りであるので、必要な予算を要求していきたい。
74: 【谷口知美委員】
以前は具体的な被害事例や予防・対応策を掲載したチラシなどが配布されていたかと思うが、現状はいかがか。
75: 【教育企画室長】
「ケータイは、子どものオモチャじゃありません。」という啓発パンフレットを平成21年度に作成し県内全ての小学校6年生の保護者に配布した。また、「インターネットの怖さを知っていますか?」という啓発パンフレットを平成22年度に作成し県立高等学校及び特別支援学校高等部の1・2年生の保護者に配布した。その後は、県教育委員会が県内全ての公立小・中・高・特別支援学校の保護者に向け発行している広報誌「パレット」において2回にわたり特集記事として掲載し、県教育委員会ウェブページにもその内容を掲載した。
今後とも情報モラルの啓発は子どもだけでなく保護者に対しても非常に重要と考えており、広報誌などを活用して啓発に努めていきたい。
76: 【谷口知美委員】
文部科学省は、いじめ問題への対応など子どもと正面から向き合うための新たな教職員定数改善計画案を策定したが、少人数学級推進にあたっての国の考え方はどのようなものか、愛知県としてどのように取り組んでいこうとしているのか伺う。
77: 【財務施設課長】
国は、教職員定数の将来にわたる予見可能性を持たせ、計画的・安定的な教職員の採用や学級増に伴う施設整備を可能とするため、計画的に定数改善を行うこととしている。この計画案によると、35人以下学級の推進については、平成25年度から29年度までの5年間で1万9,800人の定数改善を図ることとしている。手法としては、小学校第1学年のような標準法の改正によることなく、今年度の小学校第2学年に実施した手法と同様に36人以上の学級を解消するために毎年度予算措置をすることにより定数加配していく方針と聞いている。国の考え方の特徴として、各都道府県が国の計画策定に先行して少人数学級を導入するなどその推進状況はまちまちであることから、各都道府県の判断で実施学年等を選択できるなど柔軟性のある制度を設計している。
また、各都道府県が国の計画策定に先行して独自に実施している分については、35人以下学級は既に実施済みとされ、先ほどの1万9,800人に含まれていないとのことである。したがって、国がこの方針で推進していくと、本県の中学校1年生の35人学級については、引き続き県独自で実施していかざるを得ない状況である。
78: 【犬飼明佳委員】
いじめにより不登校になるケースも多々あると思う。また、不登校や経済的理由などによる進学の断念や、高校へ進学したものの退学するなど、多くの学生が学ぶチャンスを失っている。社会のライフスタイルも変化し、それに伴い、学習に対するニーズも多様化しており、様々な形の学習する場が求められている。
その多様なニーズの受皿になる場所の一つが昼間定時制課程であると考えるが、昼間定時制課程は愛知県内に起工業高等学校、刈谷東高等学校、名古屋市立中央高等学校、豊橋市立豊橋高等学校の4校あるが、その志願状況とどのような生徒が通っているのか伺う。
79: 【
高等学校教育課長】
昼間定時制課程の入学者選抜は、募集定員を二つに分けて前期・後期選抜の2回行っている。4校を平均した志願倍率は、平成22年度は前期1.88倍、後期2.86倍、平成23年度は前期1.67倍、後期2.06倍、平成24年度は前期1.68倍、後期2.72倍となっており、昼間定時制課程の志願倍率は4校とも高い。なかでも名古屋市立中央高等学校は、ここ数年の状況を見ると4校の中で最も高くなっている。
昼間定時制課程の生徒については、全日制課程と同様の通学時間帯に自分のペースに合わせて学習できることから、不登校経験を持つ生徒や発達障害など特別な支援の必要な生徒が在籍している。平成24年度の昼間定時制課程の入学者は600人であるが、その約4割にあたる241人が中学時代に不登校を経験している。ちなみに平成23年3月に県内の公立中学校を卒業した生徒のうち、不登校経験者であった者は、2,452人となっている。また、平成23年度に特別な支援が必要と保護者から申出のあった県立高等学校の生徒は505人であったが、その約4割にあたる211人が昼間定時制課程に在籍している。
80: 【犬飼明佳委員】
昼間定時制課程の志願倍率はとても高く、裏を返せば多くの不合格者を出していることがうかがえる。今後、新たな昼間定時制課程を設置することが必要と感じるが、どのように考えているのか。また名古屋市内については県立の昼間定時制高等学校がなく、名古屋市立中央高等学校しかない。その学校の志願倍率が一番高いが、名古屋市内に設置することについてどう考えているか。
81: 【
高等学校教育課長】
多様なニーズに応える学校づくりの必要性については県教育委員会としても認識している。昨年度開催した「特色ある県立学校づくり検討会議」においても、不登校経験者や特別な支援を必要とする生徒、多様な学習歴をもつ生徒のニーズに応えるために、名古屋市内に昼間定時制課程と夜間定時制課程を併設する単位制高等学校の設置を検討していく必要があるとのまとめを得ている。不登校生徒が多数存在する名古屋市内での対応については大きな課題と捉えているが、全県のバランスも考慮しながら検討していく必要があると考えている。
82: 【犬飼明佳委員】
私の地元の名古屋市北区に愛知工業高等学校があるが、全日制課程と夜間定時制課程を備えている。全日制課程については総合技術高等学校に統合されるため、開校予定である平成27年度に募集停止になると思う。この場合、平成29年度には全日制課程の生徒はいなくなるが、夜間定時制課程だけ残るのか、それとも募集停止になるのか。
83: 【
高等学校教育課長】
全日制課程については、総合技術高等学校が平成27年度に開校するのに合わせて募集停止となる予定である。夜間定時制課程については、名古屋市内の夜間と昼間を含めた今後の定時制課程全体のあり方を整理していく必要があり、現在検討中である。
84: 【犬飼明佳委員】
「特色ある県立学校づくり検討会議」において、単位制高等学校の設置を検討していく必要があるとのまとめを得たと答弁があったが、一から新設すると費用も時間もかかる。愛知工業高等学校をリニューアルして活用することを提案したい。既存の建物や設備を利用することでコストや時間を抑えることができる。昼間定時制課程と夜間定時制課程の複数部制となることや普通科と機械科の展開などの可能性も広がり多様なニーズに応える教育機関となると思うが、昼間定時制課程について愛知工業高等学校を活用することに対してどう考えるか。
85: 【
高等学校教育課長】
昼間定時制課程については幅広く検討する必要があるが、愛知工業高等学校も有力な選択肢の一つであると考えている。
86: 【犬飼明佳委員】
行き場や居場所がなく未来に希望を失っている児童生徒はたくさんいる。再チャレンジの場となる昼間定時制課程の設置・拡充について、スピード感を持って進めてもらうよう要望する。
聴覚に障害のある子どもたちにとって、聴覚を補助する有効な手段としてFM補聴器の活用があると聞いている。聾学校の保護者からも活用を望む声を聞いており、先日の名古屋市会でも市教育長はFM補聴システムの導入に関して、未整備の学校に通う児童生徒にも公費で購入を補助する方針を示した。システムの導入には様々な課題もあると認識しているが、活用することにより、学習効果も高まるものと期待している。
現在の県立聾学校や小・中学校の難聴学級でのFM補聴器の整備状況や活用状況はどのようになっているのか。
87: 【特別支援教育課長】
県立聾学校のFM補聴器の整備状況であるが、5校全ての聾学校で、備品として送信機1から2台及び受信機5から6台を整備、若しくは今年度中に整備する予定である。活用状況については、現在FM補聴器の活用を希望する児童生徒に対し順にFM補聴器を試用し、効果や課題を検証しているところである。
名古屋市を除く小・中学校の難聴特別支援学級においては、一つの学校の2名がFM補聴器を活用している。この学校では、備品として送・受信機を保有しているが、児童の実態により現在は保護者が用意したFM補聴器を活用している。他の学校の児童生徒は、FMシステムを活用しない補聴器で、口話法や手話などを中心とした学習に取り組んでいる。
88: 【犬飼明佳委員】
今後、整備や活用を進めていく必要があると感じるが、今後の整備について伺う。
89: 【特別支援教育課長】
県立聾学校では、多くの学校が現在FM補聴器の活用や効果について試用していることから、その結果を踏まえ、例えば送信機については、幼稚部、小学部、中学部、高等部ごとに保有できるようにする、また受信機については順次増やしていくなどの支援の充実に努めたい。
小・中学校の難聴特別支援学級に対しては、県立聾学校からFM補聴器の有効性などについて情報提供したり、必要に応じて活用にあたっての助言をしたりするなど、それぞれの学校で適切な支援ができるよう努めていきたい。
90: 【犬飼明佳委員】
送・受信機はそれぞれ高額であるが、ぜひとも整備を進めてもらいたい。また難聴といっても程度によっては障害者手帳がないこともあり、そういった方は機器の購入が全額自己負担となる。経済的負担を減らすためにも受信機の整備も目標を持って進めてもらいたい。
91: 【東 裕子委員】
来年度から高等学校の英語の授業は基本的に全て英語で行うことになっている。英語教員が英語で効果的な授業ができるかが心配であるが、そもそものねらいは、子どもたちが基本的な日常会話を含め、自分の意思や意見を相手に伝えたり、相手の言葉に対して適切に答えるなど双方向のコミュニケーション能力を身につけることと考える。子どもたちのコミュニケーション能力をより一層伸ばすためには、子どもたちのモデルとなるべき教員のコミュニケーション能力を一層強化する研修が必要と考えるが、今後英語科教員への研修をどのように進めていこうとしているのか伺う。
92: 【
高等学校教育課長】
これまでの教員研修については、初任者研修などの法定研修において英語を用いた研究協議を実施するなどして進めてきたが、法定研修とは別に県独自の取組として、平成21年度から今年度まで、県内を24地区に分けて、「英語科教員地区別研修」を実施し、英語によるコミュニケーション活動を取り入れた指導改善に重点を置いて取り組んできた。
その結果、生徒の英語によるコミュニケーション活動が活発に行われるなど一定の成果を収めてきた。来年度はこの研修の一層の充実を図り、教員自身のコミュニケーション能力の向上に結びつけていきたい。また、外国人講師を全ての県立高等学校に配置しているが、彼らの活用方法の工夫を図り、日本人英語教員自身のコミュニケーション能力の向上にも役立てていきたい。
93: 【東 裕子委員】
県教育委員会でもいろいろと取り組んでいることは理解できた。しかしながら、生徒のコミュニケーション能力向上のためだけにALTを使うのでなく、もっと教員の能力向上のためにALTを活用したスピーキングに特化した具体的な目標を定めた研修をしていくことも必要と考える。これまでの研修は教員同士で内々に行うものであったが、公開するような研修方法がよい。例えば英語の教員だけによる討論会を公開で行うことがあってもよいし、インターネットで公開してもよい。今、大学生を中心に「ピブリオバトル」という本を5分間で紹介する活動が全国的に広がっている。それを英語で行い、生徒に読んでほしい英語の本を英語で自らプレゼンテーションできる力を付けられるようオープンにしながら続けることが大切である。
へき地教育について伺う。県内には51校のへき地学校があり、各地域それぞれの良さを生かした特色ある教育活動が展開されていると聞いている。山村留学という形で、都会やその周辺の子どもたちを1年単位で受け入れる取組を行い、地域の活性化につなげたり、子どもたちの教育向上を図っている地域がある。愛知県では、豊根村の富山地区でNPO法人が進める山村留学制度があり、子どもやその家族だけでなく、受け入れる地域にとっても大きなメリットがある魅力的な事業である。愛知県としてはどのように山村留学を考えているのか現状を伺う。
94: 【
義務教育課長】
本県における山村留学は、昭和60年に旧富山村が東京の財団法人と連携する形で始まった。その後は、豊根村との合併を経て、平成17年からはNPO法人とみやま交流センターが運営主体となり「山村留学栃ノ実の里」という名称で現在に至っている。
豊根村立富山小・中学校の山村留学は、都市部の子どもたちが親元を離れ、農山村で1年から数年生活し、様々な生活体験や自然体験を通して、一人ひとりの子どもの中に心の豊かさを培い、それぞれの人生に向かって独り歩きさせることを目的に実施していると聞いている。本年度は、富山小学校に4名、富山中学校に4名、計8名の児童生徒が県内各地及び三重県から受け入れられていると聞いている。
95: 【東 裕子委員】
これからも山村留学に対してもっと支援をお願いしたい。
その他、県が進めているへき地教育振興のための事業はどのようなものがあるか。
96: 【
義務教育課長】
県教育委員会としては、へき地小規模校に学ぶ児童生徒の自主性や社会性を伸ばすことを目的に、「へき地 学びの絆」づくり事業を推進しているところである。「絆」ということでは、へき地には少人数の学校が多く、少人数であるがゆえにできない学習があり、例えば体育のチームプレイや大人数での話合いなど、いくつかのへき地学校が集まって合同で学習することで、温かな人間関係づくりを学んだり、都市部の学校との交流により児童生徒の生き方に関わる視野を広げたりすることなど、それぞれの地域の実態に応じた交流活動を支援するものである。
また、小規模校における学校経営の在り方や複式学級の指導法、少人数指導等、へき地の抱える教育的諸課題について研修を実施することで、へき地教育に携わる教員の資質向上を図っている。今後とも、教育の機会均等とその質の維持向上のため、へき地教育の振興に努めていきたい。
97: 【東 裕子委員】
へき地における教育の機会均等とその質の維持向上は大切であり、その意味で現在の県のへき地教育関係諸事業の成果に期待したい。
豊根村に隣接する設楽・東栄両町にも、学校の統廃合・閉校などにより活力をなくしている地域があるように思われる。そこに新たに山村留学や里親制度を根付かせることにより、地域の子どもが育ち、自然環境だけでなく、人的資源が生かされるなどの効果が期待できる。県の地域振興を担う部局の施策のあり方を一歩進めて考えていく必要はあるが、山村留学について広く知らせることにより、へき地教育と地域振興の一層の充実を要望したい。
98: 【野田留美委員】
学校における防災訓練について伺う。東日本大震災を踏まえて東海地方でも今後高い確率で発生が予想される東海・東南海・南海における三連動地震が発生した場合に備えた防災減災対策の検討が進められている。その中で被災直後において、住民自らが自らを助ける知識・能力を高めるための自主参加型の避難訓練、シェイクアウトが注目されている。
シェイクアウトとは、アメリカの南カリフォルニアにおける活断層による地震被害の科学的な推定結果を広く社会に周知するために、ロサンゼルスを中心として、2008年に始まった新しい形の防災訓練である。この訓練の特徴は、統一した地震シナリオに基づき、訓練日時を指定し、ドロップ、カバー、ホールドオンという身の安全を守るための短時間の統一行動への一斉参加を住民に呼びかけているところにある。ちなみに、シェイクアウトとは「地震に負けるな」という造語で、ドロップは「揺れに倒される前に姿勢を低く」、カバーは「手や腕で頭や首を守る」、ホールドオンは「揺れが収まるまでじっとする」を意味し、それらの一連の行動を約1分間一斉に行う避難訓練である。アメリカでは2011年の第4回訓練に950万人が参加している。海外の事例に基づき、シェイクアウトは日本でも東京都千代田区が国内初の訓練を本年3月9日に実施し、北海道では道をあげて、8月30日に取り組んでいる。また、名古屋市でも栄・久屋大通周辺で9月19日に実施され、登録者数は3,800名に及んだ。今後実施する予定の自治体としては蒲郡市、神奈川県の座間市がある。北海道においては、北海道防災会議が地域住民等に積極的に訓練に参加する機会を提供するため、個人、企業、学校等を対象としたシェイクアウト訓練を実施し、道民や企業等の防災リテラシーの向上を目指している。全道一斉のシェイクアウトには参加に事前登録した学校、企業、個人などの約11万人が参加している。メールで送られてきた訓練用の緊急地震速報を確認し、机の下に潜り込むなどの身を守る姿勢をとる避難訓練である。学校における防災訓練は必要なことだと思うが、改めて現在、愛知県内の学校ではどのような訓練を実施しているのか伺う。
99: 【健康学習課主幹(健康学習)】
県内の学校においては、これまでも、地震を想定した防災訓練がほぼ全ての学校で行われている。主に9月1日の防災の日前後に実施しているが、机の下に潜るなどして身を守り、その後避難するという訓練を行っている。それ以外にも特徴的な訓練としては、東日本大震災の検証を受けて、児童生徒へ事前に予告することなく、抜き打ちで訓練を行ったり、また、沿岸部の学校においては、近隣の高台まで避難したり、小・中学校と連携して一緒に訓練を行うなど各学校の実情に合わせて工夫した取組が行われている。
100: 【野田留美委員】
北海道のように、学校現場を巻き込んだ訓練としてシェイクアウトを行う自治体も出てきているが、今後ますます学校現場への導入が進んでいくと考えられる。そこで、今後シェイクアウトの普及に伴い、学校への導入をどのように考えているのか。
101: 【健康学習課主幹(健康学習)】
シェイクアウトは防災行政無線やエリアメールを活用して訓練情報を伝達し、そのエリアにいる人たちが一斉に訓練に参加をすることで、訓練を活性化させることが大きな特徴となっている。こうした訓練を同じ地域の人たちと繰り返し行うことはその場でどういったことをするべきかという防災リテラシーの向上につながるため、例えば、市町村からシェイクアウトのような防災訓練をする情報を得た場合には、県教育委員会としても、学校へ参加するように働きかけていきたい。
102: 【野田留美委員】
北海道においては、道教育委員会より各市町村の教育委員会に呼びかけ、各学校にシェイクアウトの参加に係る通知を2回にわたって出したそうである。また、私立学校や保育園、幼稚園に関しては、所管の担当部局が通知を出して参加を呼びかけたそうである。各学校においては熱心な教員が自ら調べて取り組む傾向も見られ、避難訓練に対する意識を高めることができる。更にネットなどを通じた口コミでの参加も非常に多い。今後シェイクアウトは全国で広く実施されていくと考えられる。愛知県でも、県を挙げてのシェイクアウトの実施が可能な際には、ぜひ学校も積極的に参加するよう要望する。
103: 【直江弘文委員】
いじめと不登校について質問する。
昨年10月に滋賀県大津市の中学校で2年生の男子生徒がいじめを苦に自宅マンションから飛び降り自殺した。学校、市、教育委員会等はいじめとの因果関係を長く認めなかったが、事件後間もなく行った全校生徒へのアンケートではいじめの練習をさせられていたなどの証言があり、学校の隠ぺい姿勢が非難され、被害者の父親が大津警察署に被害届を提出し、滋賀県警が学校と大津市役所を家宅捜索したというセンセーショナルな事件であった。
同じような時期に、埼玉県草加市でも中学校2年生の男子生徒が同級生から強要され、校舎の1階と2階の間の窓から飛び降り、骨折の大けがを負った。事件が発生したのは4月だが、学校に救急車が来て、救急搬送されたにも関わらず、同市の教育委員会は3か月間隠ぺいした末に、いじめがあったと認めざるを得ないと公表した。
これはいじめではなく明確な犯罪であると思う。本日の中日新聞の1面に、一宮市で10年前にあったいじめについての訴訟に関する記事が掲載されていた。5年間準備をして、ようやく法廷闘争に入ったもので、この裁判の結果如何では大変な問題になる。この3件の問題は氷山の一角である。教育委員長の所見を伺う。
104: 【教育委員長】
いじめの問題についてはいろいろな事象がある。いじめの問題を責任論から先に入るとはっきりしない。最終的に裁判や警察の介入により判断はできるが、子どもたちは先生や親に隠れていじめを行う。目の前で「私はいじめをしています。」と言うことは非常に少ない。いじめられている子どもをどのように救うかが一番の課題だと思う。
私が住んでいる地域でも自殺に追い込もうとするいじめがあり、報道されセンセーショナルに取り上げられた。この件については学校が認知して解決したところであったが、ある人が報道関係にリークして、新聞社が来て大騒ぎになった。そして、子どもが特定されて、せっかく仲良くやろうとしていたのに学校へ行けなくなったという事例である。私はいじめに関して、教育委員会を擁護しているわけではない。悪いところもたくさんあったと思う。しかし、いじめの問題は個別、千差万別の事例があり、総論で語るのは難しい。
隠ぺい体質についても一般から見ると隠しているように見えるかもしれないが、保護者の希望で本人が特定されないようにするため発表できない事例もたくさんある。愛知県の義務教育段階で年間8,000件のいじめ認知件数があるが、事例を一つ一つとってみても、いじめに対して、いかに困っている子どもたちを早期発見するかという対策・仕組みを作ることが一番大切だと思う。スクールカウンセラーなど様々な形でいじめを見つけようとしているが、最終的にはいじめのあったことを真剣に学校、教員が捉えることが第一歩だと思う。そういうところから気持ちを一緒にしてやっていく。それについては義務教育、高等学校も含めて教育委員会の方で取り組もうとしており、これからもいじめ問題に対処していくことは間違いないので、理解いただきたい。
105: 【直江弘文委員】
教育長に感想を伺う。
106: 【教育長】
いじめにも色々あり、色に例えるなら黒から灰色、灰色でも濃い色から薄い色まで千差万別であると思う。それを一口でいじめとする場合に難しさがあるし、また、それぞれの捉え方や意味にも違いがあり、そういう中で議論が巻き起こることもある。隠ぺい体質については犯罪的な行為がはっきりしている場合はともかくとして、加害者なのか、被害者なのかという人間関係のもつれもあり、必ずしもはっきりしないケースも中にはあるのではないか。また、ある程度、被害者、加害者と整理ができる場合でも、わいせつの事案に似たところもあるが、公にしてほしくないという被害者側からの申出があることもあると思う。学校としてはそういったことを踏まえて、公表しないケースもあると思っている。ただ、そればかりではないと思うが、得てして、そうしたことにより学校や教育委員会は隠ぺい体質なのではないかと捉えられる場合も数多くあるのではないか。それから、事なかれ主義的な対応をとるケースもあると思うが、全てがそうではないと理解している。いじめにも様々なケース、段階がある中で、どのように対応するかが非常に難しい問題であると思う。
いずれにしても、いじめはエスカレートしていく傾向があると思っており、本会議等でも答弁しているが、早期に発見をして、当事者同士で話し合い、できる限り仲直りするように早期解決を図っていくことが基本的な対応だと思っている。いじめが水面下に潜り込んで深刻化し、ある時に大問題として浮かび上がり、中には犯罪行為に近いものもあるわけであるが、そうした時にはき然とした対応が必要になると考えている。
107: 【直江弘文委員】
犯人捜しをしているわけでも、責任が誰にあるのかと追及しているわけでもない。いかにしていじめを減らすかである。文部科学省が認めるとおり8・9割の学校でいじめがある。いじめが負の遺産、社会現象になる中でどう対応していくのかと聞いているのである。私は教育委員会制度といった、戦後日本の教育の抱えてきた問題により被害者が出たのだと思う。
文部科学省は、この夏に、世論に押されて、全国の公立の小・中学校にアンケートをとった。いじめの態様については8項目ある。それを見てびっくりしたが、まず、問1は冷やかし、からかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われるいじめである。問2は仲間外れや集団による無視である。いわゆるシカトと言うらしい。問3は軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしながらたたかれたり蹴られたりする。問4はひどくぶたれたり、たたかれたり、蹴られたりする。これは極めて犯罪に近い行為である。問5の金品をたかられる、これもまさに恐喝罪と言われる犯罪である。問6の金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたりすることは窃盗罪や器物破損罪である。問7の嫌なこと、恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりすることは一般的には強要罪だと思う。問8のパソコン等でのひぼう中傷は、一般社会では名誉棄損罪である。ネットに死ねと書くなどは殺人予告とされ、大変な問題だ。
文部科学省がアンケートをとり、どのような対応をしたかわかるか。恐らく対応してないからわからない。何を言いたいかというと、いじめは教育長が言ったような白とか黒とかグレーとかそういう問題ではない。問4以降は犯罪だということである。それがゲーム感覚で行われている。だからこそ、警察が家宅捜索を行ったり、法廷に提訴されるようになる。今までは性善説であり、いじめはあり得ないこと、あってはならないことという感覚であった。遊びの延長のいじめ、遊びと犯罪とをきちっと分けて、問4以降は犯罪だということを子どもに常々言い聞かせる、後で具体的な提案をするが、親も含めて、こういうことをやらないとどんどん同じ事が起きる。社会も家庭も学校もそれぞれルールをきちんと教えて、そして違反したら罰を与えることをしないから、当然そうなるわけである。だから、私はこの問題は教育委員会だけの責任ではなく、戦後の政治にも責任があると考えている。政治も行政も犯人捜しではなく、どうしたらいじめを防げるのかを考えていくべきであると私は言っている。学校教育法では児童生徒についての出席停止措置の規定がある。実際には、ほとんど行われていない。平成22年のデータにおいていじめを理由にした出席停止は全国でたった6件である。一方、いじめを理由にした不登校は2,716件である。つまり、いじめた側の加害者は野放しにされるが、いじめを受けた被害者は不登校となって学校から締め出される。まず、順番として、どちらの教育を受ける権利を守るのかということである。大津市の事件では、なかなか認めないから市民から声が上がり、責任をとる者がいないから怒りが爆発して教育長の襲撃事件まで発生した。言葉は悪いが、教育委員会制度は治外法権になってしまっている。
我々政治の責任もあるが細川政権時代に地方分権一括法という法律が制定された。それまでは教育行政は法定受託事務だったが、自治事務に変わった。つまり、教員の給料は国が半分、県が半分出すのに口は出すなという法律になった。それはあまりにひどいから必要に応じて注意はするということになったが、聞くか聞かないかは地方の裁量ということになった。だから誰も責任をとらない。例えば愛知県だと、教育委員長は互選であり、県には任免権はなく、金は出すけど、口は出すなということなっている。市町村も同じである。このような事件はどこでも起こるということである。このことを認識してどのように対処していくかを私は提案したい。
私は小・中学校や高等学校を回って、校長にも話を聞いた。うまくいっている学校では、40人の子どもを毎日見ているのだから分からないわけはないと言う。学校にはルール、校則がある。例えば、遅刻してきたり、授業をちゃんと座って受けなかったり、途中で早引きしたりという違反をした者は分かるし、分からないほうがおかしいと言う。
良い悪いはともかく、各学校において、まず、第一義的な責任は担任にあることとし、子どもたちがルール違反しないように見てもらいたい。モンスターペアレントができるのも当たり前である。親は良くも悪くも学校に教育を押し付けている。地域社会も距離が離れている。学校もできるだけ子ども中心主義で子どもの個性を大事にしようとするから、誰もルールや道徳、倫理を教えてくれない。自分の欲望の赴くままに行動する。だから、オリエンテーションの時に親も呼んで、学校にはルールがあるので守ってください、守らないとペナルティがあるということを説明しなければいけない。ルールを破ったら、親を呼び出したり、親のところへ行って、あなたの子どもはこういうルール違反をした、あまりにひどい場合は、停学になると言ってやれば、正々堂々とやれる。私学はやっている。そうすれば、私は、いじめがなくなるとまでは言わないが、少なくできると思う。15歳から35歳までの人生の大事な時期にニート、フリーターになっている者が200万人いると言われている。私はここに遠因があると思う。だから、どうしたらいじめがなくなるかということを皆で考えなければいけない。人事権も予算権もないが、せめていじめの問題は学校において責任をもって解決できるようにし、担任のほかに地域の人や警察OBを入れて、厳しく監視をして、芽のうちに摘まなければならない。そういうことをやってうまくいっている学校もある。やれないことはないとある校長ははっきり言った。それを仕組みとして教育委員会に作ってもらいたい。私の提案は突拍子のないものか。
教育委員長に聞いたのは、民間出身だからである。たまたま県の教育長は職員出身である。失礼なことを言ってしまうが、教育行政には教育ムラ的な要素がある。地方に行くと7割の教育委員長、教育長は教員出身である。個人は一生懸命やっていても、いざとなるとどうしても仲間をかばうような仕組みになっている。大阪で教育基本条例が制定されて市長、知事が人事権や予算権を握る方針を立てる動きがあった。できるだけいじめを少なくする提案をしたつもりであるが、教育長はどう思うか。
108: 【教育長】
いじめを皆でなくそうという提案は貴重な意見だと思う。どういう形の仕組みかはいろいろあると思うが、仕組みとしてやることについてはその通りだと思っている。これまでも答弁しているが、早期発見、早期対応、早期解消という抽象的な言葉の掛け声だけではいけない。それが担保できる仕組みを具体的にどうしていくのか考えていくことが重要である。具体的なアイデアがあるわけではないが、これまでできる限り学校全体の仕組みとしていじめを解決できる仕組みを目指してきたが、具体的にもう一歩二歩突っ込んで、どんなことができるのか考えていきたい。
109: 【直江弘文委員】
教育委員長はどうか。
110: 【教育委員長】
いじめの問題は早期に発見し、解決するのが基本である。責任論から入るとはっきりしなくなる。罰については、警察や裁判所が入らないと最終的には解決しない。先日、BS放送で、世界のいじめ問題が報道されていた。各国いろいろな形でいじめ対策を立てている。日本も決して対策を立てていないわけではなく、義務教育では、各学校にいじめ対策委員会があり、担任、学年主任がいて校長がリーダーシップをとる仕組みがある。高等学校では退学や停学等の処分もある。義務教育の場合は、出席を禁止する仕組みがあっても、なかなかそこまではいかない。私学の場合は希望して入学しているため、退学や停学もやりやすいところがある。いろいろな仕組みにおいて、世間で言われているように教育委員会が隠ぺい体質であると見られないように説明責任を果たす必要がある。愛知県の場合は、教育長も行政職であり、
教職員課長も行政職であり、教員の中だけでやっているという体質ではない。なるべく地方へ、市町村へ権限を移譲するという話になると、市町村では教員が教育長をやることが多く、教育行政をどのようにガバナンスしていくのか大きな問題がある。教育委員会自体の問題も取り沙汰されているが、問題はあるにしても、長い歴史の中で、教育委員会のあり方は選挙などによって変遷してこの形になっているという歴史的な事実を一度検証しなければいけないと思う。
愛知県の場合、小・中学校を合わせて4万人強の教員と60万人近い子どもたちの総体の中の総論を話すのか各論を話すのかを分けて立ち位置を決めないと、あまりにも教員と子どもの数が多い。民間で言えば、会社でもこれだけ大きなものを、組織論なしにガバナンスするのは大変な話で、もっとしっかりとした組織論がないと、なかなか難しいと思う。教育委員会が、大きな総体としての学校を総括する一方で、各学校でやっていくという仕組みがある。今後、ここのところを教育のガバナンスとしてやっていくかをよく議論していい方向に持っていければと思っている。教育委員会という組織自体が長い歴史の中でいろいろなことをやってきた。そうした経緯は考えないといけない。
日本においては明治時代からいい教育をしてきたのだろうと思っている。中国のデモやアメリカのハリケーンの時に見られたように、デモとか災害から暴動が起こることは日本ではない。東日本大震災のときに海外メディアも報じていたが、日本のすごいところはそういった教育を綿々と続けてきたことではないかと思う。その中で、これから対応していかなければいけないいじめなど、問題がないわけではないので、それにどのように対処していくかを総論として考えることと各論として問題を解決することを分けて、立ち位置を決めないと話ができない。民間出身の私から言うと、経済には欲求を充足し、付加価値を作っていくなど、世の中の欲求をうまく捉えて解決していくという分かりやすいところがある。教育については欲求の充足ではなく、大きな使命、教育の使命をどのように果たしていくかという必要の充足であるから、目標を立て、いかにそれが正しい目標かどうか、またその達成のためにどのようにやっているのかチェックできる教育委員会でなければいけない。もちろん行政であるから、議員にチェックしてもらって、常にその説明責任を果たすことも必要である。
教育委員会関係では不祥事が大きく報道されるが、まだまだ足らないのは広報していく力であり、日々やっていることをもっと外に向かって発信していく必要がある。学校と家庭は昔に比べるといろんな形で情報を出すようになってきた。しかし、教育委員会は首長が話題にすれば新聞の記事になるが、一般的には教育委員会のやっていることはなかなかマスメディアで報道されない。そういった意味で教育委員会、行政がしっかりとやっていることを示していく。教育行政も税金を使っている以上、説明責任を果たしていくことを議論していきたい。一生懸命やっている教員も多いが、そうではない教員をどうするかという話のときに、総論にもっていくと話が進まなくなることがあるので、そういった問題を一つ一つ解決していき、世間にもっと近い所で議論ができるような場が増えていくことが教育行政に求められていると考える。
111: 【直江弘文委員】
私は愛知県の教育行政を否定しているわけではない。いじめという社会を揺るがす大問題にどう対処するかである。校長には権限がない。もう少し権限と力を持たせてやらなければいけない。第一義的に責任があるのは担任である。また、担任を支える体制、地域、警察OBも必要かもしれない。そして、いじめを早く見つけて、芽のうちに摘む。放っておくからエスカレートして事件、犯罪になる。そうならない仕組みをどう作るかと言っているわけで、私の言っていることが正しいとは言わないが、一つの案である。そういうことをやって、うまくいっている学校がある。現場から学んで、フィードバックして、仕組みを作り直すことが必要ではないか。真実は現場にある。ところが校長は教育委員会の顔色をうかがって仕事をしている。何千校とあるので、教育委員会の目は届かない。責任者をはっきりさせて成果を上げたら認めて出世させるぐらいの気持ちでやらないといじめはなくならない。厳しいことを言ったが、教育のことを思うがゆえに言っている。現場でいろいろな話を聞いており、私なりに考えた結論である。一つでも良いところがあれば取り入れてもらい、いじめをなくし子どもが希望を持てるようにするよう要望する。
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