愛知県議会 2009-09-01
平成21年9月定例会(第5号) 本文
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ウィンドウで開きます) 平成21年9月定例会(第5号) 本文 2009-09-30 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ
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発言者一覧 選択 1 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 2 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 3 : ◯四十一番(吉田徳保君) 選択 4 :
◯環境部長(藤井敏夫君) 選択 5 :
◯地域振興部長(片桐正博君) 選択 6 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 7 : ◯六番(谷口知美君) 選択 8 :
◯県民生活部長(
大久保裕司君) 選択 9 :
◯健康福祉部長(野村道朗君) 選択 10 :
◯環境部長(藤井敏夫君) 選択 11 : ◯教育長(今井秀明君) 選択 12 : ◯六番(谷口知美君) 選択 13 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 14 : ◯四十五番(伊藤勝人君) 選択 15 :
◯県民生活部長(
大久保裕司君) 選択 16 :
◯農林水産部農林基盤担当局長(青木章雄君) 選択 17 :
◯健康福祉部健康担当局長(五十里明君) 選択 18 :
◯建設部長(川西寛君) 選択 19 : ◯四十五番(伊藤勝人君) 選択 20 : ◯三十八番(大見正君) 選択 21 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 22 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 23 : ◯副議長(鈴木孝昌君) 選択 24 : ◯二十二番(水谷満信君) 選択 25 :
◯建設部長(川西寛君) 選択 26 :
◯健康福祉部長(野村道朗君) 選択 27 : ◯防災局長(小出茂樹君) 選択 28 : ◯教育長(今井秀明君) 選択 29 : ◯副議長(鈴木孝昌君) 選択 30 : ◯六十二番(小島丈幸君) 選択 31 : ◯産業労働部労政担当局長(志治孝利君) 選択 32 : ◯産業労働部長(富吉賢一君) 選択 33 :
◯健康福祉部長(野村道朗君) 選択 34 :
◯県民生活部長(
大久保裕司君) 選択 35 : ◯知事(神田真秋君) 選択 36 : ◯副議長(鈴木孝昌君) 選択 37 : ◯百番(筒井タカヤ君) 選択 38 :
◯健康福祉部長(野村道朗君) 選択 39 :
◯健康福祉部健康担当局長(五十里明君) 選択 40 : ◯百番(筒井タカヤ君) 選択 41 : ◯三十七番(山下史守朗君) 選択 42 : ◯副議長(鈴木孝昌君) 選択 43 : ◯副議長(鈴木孝昌君) 選択 44 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 45 : ◯十六番(長江正成君) 選択 46 : ◯教育長(今井秀明君) 選択 47 :
◯建設部長(川西寛君) 選択 48 : ◯議長(吉川伸二君) 選択 49 : ◯三十八番(大見正君) 選択 50 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 51 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 52 : ◯三十七番(山下史守朗君) 選択 53 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 54 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 55 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 56 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 57 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 58 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 59 : ◯三十八番(大見正君) 選択 60 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 61 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 62 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 63 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 64 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 65 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 66 : ◯三十七番(山下史守朗君) 選択 67 : ◯議長(
吉川伸二君) 選択 68 : ◯議長(
吉川伸二君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 午前十時十分開議
◯議長(
吉川伸二君) ただいまから会議を開きます。
直ちに議事日程に従い会議を進めます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
日程第一 一般質問並びに第百八号議案平成二十一年
度愛知県一般会計補正予算から第百五十四号
議案公害審査会の委員の選任についてまで及
び決算第一号平成二十年度愛知県一般会計歳
入歳出決算から決算第十八号平成二十年度愛
知県臨海用地造成事業会計決算まで
2: ◯議長(
吉川伸二君) 第百八号議案平成二十一年度愛知県一般会計補正予算から第百五十四号議案公害審査会の委員の選任についてまで及び決算第一号平成二十年度愛知県一般会計歳入歳出決算から決算第十八号平成二十年度愛知県臨海用地造成事業会計決算までを一括議題といたします。
これより一般質問並びに提出議案及び決算に対する質問を許します。
通告により質問を許可いたします。
吉田徳保議員。
〔四十一番吉田徳保君登壇〕(拍手)
3: ◯四十一番(吉田徳保君) おはようございます。
通告に従い、環境問題を随時質問してまいります。
初めに、グリーン・ニューディール基金についてお伺いをいたします。
現在の我が国の経済状況を見ますと、国が進めているハイブリッドカーを初めとする環境対応車への買いかえ促進や、エコポイントによるエアコン、冷蔵庫、薄型テレビなどのグリーン家電の普及促進といった対策が功を奏し、一部では明るい兆しが見えてきたものの、県内の雇用状況を見ますと、まだ十分に回復していない状況にあります。
こうした中、国では、経済危機対策の一環として地域の当面の雇用創出を図るとともに、中長期的に持続可能な地域経済社会を構築することを目的として、地域グリーン・ニューディール基金を創設しました。
この基金では、地球温暖化対策とあわせ、地域において喫緊の課題となっている廃棄物対策も進めていくこととなっております。
具体的には、家庭ごみなどの不法投棄への対応や、海岸漂着ごみの処理に関する事業などが対象とされています。このうち、地上デジタル化に伴うテレビなどの廃家電が今後大量に発生することが見込まれる中、こうしたごみの不法投棄への対応は差し迫った課題であります。
私は、ごみの問題は、人の生活、衛生環境の保全という理由だけではなく、多くの生物の生息場所をきれいにするという観点からも重要だと考えています。
折しも、この地域では、生物多様性条約第十回締約会議、いわゆるCOP10の開催がいよいよあと一年余りと迫っております。地元の行政や経済界で組織するCOP10支援実行委員会では、本年三月に策定した開催計画に基づき、会議本体への支援などとともに、愛知県、名古屋の魅力を発信するための会議参加者向けの地域紹介ツアー、いわゆるエクスカージョンを初め、ボランティアによる観光案内や地域の魅力紹介など、万博で培ったおもてなしを行うこととなっております。
開催地元となる本県としても、かつて万博開催に向けて、散乱ごみのない清潔で快適なまちづくりを進めるため、あいちクリーンキャンペーンに取り組んだように、国内外から来訪される方々を美しい環境でおもてなしすることが大切であると思います。
環境を美しくすることは、クリーンな生物の生息環境をつくることにつながり、生物多様性に関する国際会議の開催地にふさわしい地域づくりという点でも有意義なものであります。
COP10は、環境に関する世界最大級の国際会議です。本県にとりましても、いわゆるマイルストーン事業と位置づける重要な取り組みであります。
私も、昨年、県議会の代表の一員として、ドイツのボンで開催されましたCOP9に参加させていただきましたが、会場周辺はもとより、まち全体がごみ一つない美しい環境に整然と保たれており、開催地の方々の来訪者を迎える温かい心が伝わってまいりました。
本県におきましても、海外からの会議関係者や観光客の方々に美しい自然や町並みに触れていただき、御満足いただきたいものです。COP10に向けて、ごみのない美しい県土づくりに取り組むことは、開催地元としてのおもてなしの象徴的な取り組みになると思います。
また、多様な生物が息づくこの地域をきれいにすることにもつながる重要な取り組みと考えており、今回のグリーン・ニューディール基金も活用しながら、積極的に取り組んでいくことが必要と考えます。
また、この基金の対象事業にも挙げられている海岸漂着ごみ対策については、本年七月に、議員立法により、いわゆる海岸漂着物処理推進法が新たに制定されたところであります。
法律の基本的理念は、良好な景観の保全や生物多様性の確保に配慮しつつ、総合的な海岸の環境の保全及び再生を図ることなどを挙げ、都道府県に対しては、この理念にのっとり、海岸漂着物対策に関して、区域の自然的・社会的条件に応じた施策を策定、実施する責務を課し、市町村に対しては、海岸管理者への協力義務を規定するなど、海岸漂着物にかかわる関係者の責任を明らかにすることにより、その円滑な処理を推進していくものであります。
さらに、国に対しては、海岸漂着物対策を推進するために必要な財政上の措置を講ずることなどを義務づけています。今後、この法に基づき、グリーン・ニューディール基金を活用しながら、地域において計画的に対策を推進していくこととなります。
そこでお伺いをいたします。
県として、グリーン・ニューディール基金も活用しながら、COP10に向けた美しい県土づくりをどのように進めていかれるのでしょうか。
また、海岸漂着物処理推進法の制定を踏まえ、今後、海岸漂着ごみ対策をどのように進めていかれるのかお伺いをいたします。
次に、環境に優しい交通行動「エコモビリィテライフ」の推進についてお伺いをいたします。
地球温暖化問題は、全人類が直面する喫緊の課題であり、県としても速やかに対応していかなければならないものであります。社会全体としての取り組みももちろん必要ですが、県民一人一人ができる身近な取り組みを積み重ねていくことが極めて重要であると私は考えます。
そうした取り組みとして私が注目しておりますのは、公共交通の利用促進であります。温室効果ガスであるCO2(二酸化炭素)排出量について、本県での排出量を部門別に見てみますと、運輸部門の占める割合は約一五%となっています。これは、産業部門の約五三%に次いで多く、民生部門であります業務の約一四%、家庭の一二%を上回ることから、運輸部門において取り組みを進めることは大変重要であると考えています。
また、人を一キロ運ぶ際のCO2の排出を交通手段別で比較してみますと、自家用車の排出量はバスの約三倍、電車の約九倍と算出されており、自家用車によるCO2排出の多さが際立っています。
愛知県は、大都市圏としては自家用車による移動割合が約七五%と高いことから、こうした自家用車での移動を公共交通へ転換していくことが地球温暖化防止対策には極めて有効な取り組みではないかと思われます。
さらに、別のデータとして、一日平均十分間、一台の自動車の利用を控えることで削減される年間当たりのCO2の量は、エアコン一台で冷暖房の温度を一度調整することで削減される量の約二十倍近いという調査結果もあります。
このように、自家用車の利用を少し控えて公共交通を利用することは、地球温暖化防止に向けて私たち一人一人が実践できる身近な取り組みであると考えます。そうした中で、昨今、高速道路の無料化を進めようという動きがありますが、私は、高速道路の無料化は車の利用をさらに助長し、CO2の排出を大きくふやすことにもなり、公共交通利用者の減少を招くことになるのではないかと強い懸念を覚えるものであります。
一方、自動車と公共交通の関係をまちづくりの視点で考えますと、過度に車に依存している社会では、道路渋滞や交通事故の問題が課題となっております都心のスプロール化、中心市街地の空洞化など、無秩序に拡散した都市構造の一因になっていると言われます。
今後の活力のある地域づくり、まちづくりにおいては、公共交通機関を活用した駅を核とした中心市街地の活性化などに取り組む必要があると考えております。
さらに、今後のさらなる高齢化などを踏まえた成熟社会において、地域住民の自立した日常生活や社会生活の確保のためには、公共交通の果たす役割は一層大きくなると考えられます。
環境面のみならず、まちづくりなどの面からも地域の公共交通の利用を促進し、活用と活性化を図ることは大変重要であると考えます。
こうした中、県は、市町村や関係企業、NPOなどと協力して、昨年度から車と公共交通、自転車、徒歩などを賢く使い分けるライフスタイルであるエコモビリティライフを県民運動として推進しています。この県民運動も今年度は二年目を迎えておりますが、このエコモビリティライフが県民に定着するかどうかは、今後の県の取り組み姿勢にかかっていると言っても過言ではありません。
私は、県がリーダーシップを発揮して、率先してエコモビリティライフの推進に取り組み、環境の世紀と言われる二十一世紀にふさわしい新しいライフスタイルとして県民にエコモビリィライフを定着させていかねばならないと考えております。
今、インターネット上では、出発場所と目的地をインプットすれば、いろいろなパターンの公共交通機関の組み合わせによる交通移動手段が情報としてだれでも得られることから、本県においても、公共交通と徒歩、自転車を組み合わせた利用しやすい情報を発信することも必要かと考えます。
そこでお尋ねいたします。
県として、エコモビリティライフの推進に向けて、今後具体的にどのように取り組んでいかれるつもりか、お尋ねをいたします。
以上をもって質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
4:
◯環境部長(藤井敏夫君) グリーン・ニューディール基金に関連し、二点御質問をいただきました。
まず、COP10に向けた美しい県土づくりについてお答えを申し上げます。
議員お示しのとおり、COP10への来訪者を美しい環境でお迎えしますとともに、クリーンな生き物の生息環境をつくること、これは開催地として重要な取り組みであると考えているところであります。
このため、今回のグリーン・ニューディール基金を活用いたしまして、県内の市町村の中でも、都市近郊の山間部や農地などを抱え、不法投棄の発生が多い市町村に対しまして、ごみの不法投棄防止に向けた監視パトロールなどの取り組みを支援することとしておりまして、本議会にも関連する補正予算を提案いたしているところであります。
また、この基金事業のほかに、県内の市町村や企業、各種団体などと連携をいたしました県民協働運動といたしまして、「あいち・なごやクリーンアクション for COP10」を展開しておりまして、この五月には七十五万人という多くの県民の皆様方の御協力をいただきまして、県内各地で清掃活動を実施したところであります。
今後さらに、この取り組みの輪を広げ、この十月及び来年度も実施することといたしております。こうしたごみの不法投棄防止のための監視パトロールや、「あいち・なごやクリーンアクション for COP10」の展開によりまして、COP10に向けた美しい県土づくりを推進してまいる所存であります。
次に、海岸漂着ごみ対策についてのお尋ねであります。
この七月十五日に公布、施行されました海岸漂着物処理推進法におきましては、国がまず海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進をする基本方針を示し、都道府県は、この基本方針に基づきまして、海岸漂着物対策を講じていくと、このようになっているところであります。
このため、本県としましては、今後示されます国の基本方針に従い、県、関係市町村、海岸管理者、民間団体などによります海岸漂着物対策推進協議会を組織いたしまして、この場において、海岸漂着物対策を重点的に推進する区域やその具体的な対策について協議を行い、対岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための計画を策定することといたしております。
この計画の推進に当たりましては、国からの財政的支援でありますグリーン・ニューディール基金を活用して、関係者が連携、協力をし、海岸漂着物の円滑な撤去や処分を行いますとともに、海岸美化意識の啓発などを積極的に進めてまいる所存であります。
以上です。
5:
◯地域振興部長(片桐正博君) エコモビリティライフの推進に向けた今後の取り組みについてお答えを申し上げます。
環境に優しい交通行動「エコモビリティライフ」の推進に向けましては、昨年度、県内全市町村、経済団体、関係企業、NPOなど多くの方々の御参加を得まして、あいちエコモビリティライフ推進協議会を立ち上げまして、さまざまな取り組みを展開してきているところでございます。
二年目を迎える今年度は、県民の方々にエコモビリティライフをより一層意識し、実践していただくきっかけとしまして、来月から毎月第一水曜日をあいちエコモビリティライフの日、略してエコモビの日と定め、普及啓発活動を積極的に進めてまいりたいと考えております。
そのスタートとなります十月七日に向けましては、名古屋まつりを初めとするイベント会場や、車での来店客が多い商業施設などでPRキャンペーンを行うこととしております。
こうしたエコモビの日の取り組みのほかに、車通勤から公共交通や自転車を利用したエコ通勤への転換促進に向けまして、アンケート方式による県内企業に対する働きかけを近く実施してまいる予定でございます。
また、コミュニティレベルのさまざまな主体が実施いたしますモデル的な取り組みを募集、支援いたしまして、その経験や効果を広く県内で共有、活用していくあいちエコモビリティライフ促進モデル事業を実施するなど、コミュニティライフの実践を促す取り組みを進めていくこととしております。
さらに、公共交通利用促進の動機づけといたしまして、昨年十月から愛知県美術館で実施しております公共交通機関を利用して来場された方への観覧料の割引、いわゆるエコモビ割を継続していくとともに、既に行われております県内各地の施設、店舗等における類似のサービスを周知することや、その普及拡大に努めてまいります。
県といたしましては、今後ともインターネットの活用を含めまして、さまざまな角度から啓発事業を展開し、県民の皆様一人一人にエコモビリティライフの理解を深めていただきまして、ふだんの生活の中で気軽に実践していただけるよう啓発活動に取り組んでまいります。
以上でございます。
6: ◯議長(
吉川伸二君) 進行いたします。
谷口知美議員。
〔六番谷口知美君登壇〕(拍手)
7: ◯六番(谷口知美君) それでは、通告に従い、順次質問をさせていただきます。
私は、さきの二月議会の場で、子供の貧困などとの関連の中で、日々成長し、生活している子供たちの幸せを考えた総合的な取り組みをお願いいたしました。
残念ながら、子供たちを取り巻く環境は依然厳しく、二十一年度版青少年白書によりますと、乳児院及び児童養護施設の入所児童数は年々ふえて、平成十九年度には三万四千人を超えました。平成二十年中に警察が検挙した児童虐待事件は三百七件、被害児童三百十九人のうち四十五人は亡くなっています。また、出会い系サイトを利用して犯罪被害に遭った児童は七百二十四人に上っています。校内暴力や家庭内暴力も前年よりふえており、子供たちの不安定な状況が見てとれます。
犯罪や虐待に関すること以外でも、アレルギーに苦しむ子供のことがよく話題に上りますし、子供たちは今、外で安心して遊ぶことも難しくなっている状況です。また、生活の乱れが子供たちの心身に不調をもたらしていることは、これまでも多く指摘されています。
元来、パワーいっぱいの子供たちが、子供たちを食い物にしようとする犯罪行為や、現代社会の環境などによって子供時代を謳歌しづらくなってきています。子供の成長にとってとても大切な睡眠を例にとってみても、日本小児保健協会の幼児健康調査では、二十二時を過ぎてから就寝する幼児は、一九八〇年(昭和五十五年)には一五・〇%であったものが、二〇〇〇年(平成十二年)には四三・七%と二十年間で三倍近くになっており、現在、この傾向がさらに進んでいることや、青少年期の子供たちの夜更かしが進んでいることは容易に推測できます。
一方、大人社会についても、世界有数の市場調査会社ニールセン・カンパニーが二〇〇四年(平成十六年)に、世界二十八カ国で睡眠習慣についてインターネット調査したところ、日本は遅寝で上位六位、早起きでも上位八位、結局、睡眠時間が一番短いのが日本であったとの結果が出ているそうです。その原因は、仕事、子育て、インターネット環境などいろいろ考えられますが、眠ることが大切にされない現代の日本の大人の生活や価値観の中で、現代の日本の子供たちの睡眠もむしばまれてきており、これも子供たちの不安定さを増す要因になってきているのではないでしょうか。
子供たちの成長の先に求められるのは社会的な自立です。しかし、子供というのは自立していないから子供であって、自立していない子供時代をしっかりと謳歌してほしいですし、それが必要だと思います。無邪気に大人たちに頼って過ごし、遊び疲れた後、また、友達とけんかした後でも安心して眠ることができる、いつも見守ってくれるだれかがいる、必要なことはしっかりと教えてもらえる、そんな幸せの時代を過ごしてこそ、自分を大切な存在として認識できる基本的な自尊感情を得、人を信頼してつながり、自立するエネルギーを蓄えることになります。
乳幼児期のたくさんのスキンシップ、幼児期からの適切なしつけと我慢、そして、思春期のころには正解のない問いや悩みに寄り添い、一緒に共有することなど、子供の成長過程に対して、その時期その時期に必要なことが周りにいる大人たちによって適切に与えられることが必要です。
現在、滋賀県や名古屋市などでは、子ども青少年局などの名称の部局を設置しています。教育委員会の所管事項以外の子供たちの成長過程における課題に対し、次世代育成支援と青少年の育成、また、母子保健や一人親家庭の自立支援などを包括し、一つの部局、独立した予算で子供が生まれる段階から社会の担い手となるまで、切れ目なく支援していこうとしています。
本県では、子供を育てる、子供が育つということに関しては、健康福祉部子育て支援課が中心となって進めている次世代育成支援対策推進法などに基づいたあいち子育て・子育ち応援プランと、県民生活部社会活動推進課が中心となって進めているあいちの青少年育成計画21がありますが、今年度末には、それぞれ新しい計画が策定されることとなっています。
それぞれの計画の策定に当たっては、これまでも連携をとって進め、協議会や策定作業を重ねているということです。現時点で一つにまとめてくださいというのは無理なことですが、青年期の課題として挙がったことで、幼少期に要因があると考えられることもあります。
二つのプランであっても、子供たちの幸せのために統合的に課題を洗い出し、生まれるときから自立するときまでの途切れない子供への支援とともに、健やかに育つことができる社会環境づくりなど、それぞれの時期の成長にとって必要なことを一貫した施策として打ち出していただきたいと考えています。
さて、子供たちの自立に向けた支援として、本年七月八日に子ども・若者育成支援推進法が公布されました。有害情報のはんらん等の子供、若者をめぐる環境の悪化、ニート、ひきこもり等、子供、若者が抱える問題の深刻化、従来の個別分野における縦割り的な対応では限界があることから、総合的な支援施策の推進や、社会生活を円滑に営む上での困難を有する子供、若者を支援するための地域ネットワークの整備を図るというものです。
また、この法律には、子供、若者について、その意見を十分に尊重しつつ、その最善の利益を考慮することとあります。
本県においても、昨年度、子供たちの意識調査を行ったとのことですが、子供たちの幸せを中心に据えた施策を進めるためには、子供たちの現状や意識、意見を把握していくのは重要なことです。
そこで、子ども・若者育成支援推進法と新たな青少年育成計画及び新たな子育てプランについて伺います。
まず、子ども・若者育成支援推進法の成立を受けて、県としては、今後どのような取り組みを進めていくのでしょうか。
また、この法律にあるニート、ひきこもり、不登校など、社会生活を営む上で困難を抱える子供、若者に対する支援について、新たな青少年育成計画にどのように位置づけていくのかお聞かせください。
次に、新たな青少年育成計画の策定に当たっての子供、若者の意識や意見を反映させることについての県のお考えをお聞かせください。
また、今後、計画を推進するに当たっても、子供や若者の意識や意見を取り入れていく考えがあるかお聞かせください。
最後に、新たな子育てプランについて伺います。
子ども・若者育成支援推進法の成立により、生まれるときから自立する青年期までの途切れない子供への支援という点で、新たな青少年育成計画と新たな子育てプランはますます密接に関連していくことが必要であり、新たな子育てプランの策定に当たっては、青少年育成計画を策定しているサイドからの提言、提案にも配慮していくことが重要だと考えます。青少年部局との連携をどのように図ってプランに反映しているのかをお伺いいたします。
次の項目に移ります。
鳩山首相は、二〇二〇年時点での日本の温室効果ガスの削減目標を一九九〇年比二五%減と打ち出し、国連気候変更サミットでは拍手を持って受け入れられました。実現のためには乗り越えるべき高い壁がありますが、環境先進県愛知がまずあいち地球温暖化防止戦略を着実に推進し、CO2削減を進めていただくことを期待したいと思います。
そこで、これまでも多く質問に取り上げられていますが、温暖化に歯どめをかけるため、また、現在の状態で使い続けていけば枯渇してしまう化石燃料の消費を減らしていくためにも、廃棄物や未利用のバイオマスを利用していく取り組みについて伺います。
平成二十年の調査による我が国のバイオマスの利用可能な量である賦存量とその利用率は、廃棄物系のバイオマスでは、廃棄された紙約三千六百万トンのうち未利用約四〇%、下水汚泥約七千九百万トンのうち未利用約二五%、食品廃棄物約千九百万トンのうち未利用約七五%などとなっています。
また、未利用のバイオマスとして、農作物の非食用部約千四百万トンのうち未利用約七〇%、林地残材約八百万トンについては、利用がほとんどないという状態であり、こうしたバイオマスの利用が急務です。
しかし、バイオマスからつくるバイオ燃料について見てみますと、バイオエタノールをガソリンに三%混入したE3や、バイオエタノール由来の化合物であるエチル・ターシャリー・ブチル・エーテル、通称ETBTを配合したガソリンの普及は、首都圏を中心に一部地域で始まっているくらいです。
もともとのバイオエタノールの生産が国内で進んでいない状況では、結局、化石燃料と同様、海外のものに依存することになります。バイオディーゼル燃料については、廃食油を原料とする取り組み以外にも、近年、パームヤシよりも油収率が高いジャトロファという油脂植物について注目が集まっているようですが、まだ調査研究の段階です。
県内でも、バイオエタノールの調査研究が進められており、本年二月には、導入の可能性を検討した調査結果が出ました。食糧と競合しない草やセルロース系の資源を原料とするという視点から、稲わら、果樹剪定枝、林地残材という愛知県で多く出される未利用バイオマスについて、それぞれが多く発生する市を対象にした調査でしたが、収集費や運搬費、バイオエタノール製造プラントなどを含めた製造コストは、現状ではガソリンの数倍になるとの推定結果が出、今後の技術や効率性の向上が待たれるところです。
また、バイオディーゼル燃料に関する取り組みについても、県内では、住民やNPOの方と自治体が協力するなどして、平成二十一年八月現在では、二十二の市町で廃食油の利用の推進が図られていますが、まだ徐々に取り組みが広がっているところです。
こうした現状を見ていきますと、バイオ燃料が私たちの生活の中にある程度の割合を占めるようになるのはもう少し先の話のようです。地球温暖化防止に向けては、バイオ燃料への取り組みを進めながらも、まずは生活をする中での意識の向上や活動を進めること、そして、回収の効率を考え、これまで未利用もしくは廃棄してしまっていたバイオマスの利用を地域循環の中で進めるのが大切であると私自身再認識しました。
そのためには、県内にある約三千ヘクタールの農業利用が可能な耕作放棄地の利用も含め、バイオマスを利用した地域循環型社会をできるだけ早いスピードで構築していかなければなりません。
愛知県内では、既にそれぞれの地域の廃棄物、バイオマス資源、自然エネルギーなど、未利用の資源やエネルギーをリサイクルやエネルギー変換の技術を用いて、地域内で循環させることを目指すあいちゼロエミッション・コミュニティ構想を平成十九年三月に策定しています。
この構想は、先見性のあるものとして高い評価を受けていると聞いておりますが、構想の中に示されたバイオマスを活用した事業モデルがいかに実効性のあるものになっていくかが肝心なところです。
そこで質問をいたします。
あいちゼロエミッション・コミュニティ構想に掲げられているバイオマスに関する事業モデルで、現在具体的に進められているものにはどのようなものがあるのでしょうか。その内容とその事業について、現在どのように進捗しているのかお聞かせください。
また、バイオマス資源の有効活用に向けて、今後この構想をどのように進めていくのかお聞かせください。
最後の項目に入ります。
私の地元名古屋昭和区の中京大中京高校野球部がこの夏、見事、全国制覇を果たしました。四十三年ぶりの優勝に盛り上がりましたが、それもつかの間、中京大中京高校の生徒が新型インフルエンザに感染したということがわかり、同校は、八月三十日まで休校及び部活の中止という措置をとることになりました。
これまでの季節性インフルエンザなら暑い時期にははやらなかったものが、暑い時期も感染は拡大し続け、今後の新型インフルエンザの蔓延や強毒化が懸念されています。
子供や若者が集まる学校などの場所は、集団感染しやすい環境にあることから、新型インフルエンザがはやり始めた春から夏にかけての時期は、強毒性を想定した慎重な対応が求められ、愛知県内での発生当初は、子供が一人でも罹患すれば、学校や保育園等では休校・休園措置をとっていました。
新型インフルエンザが弱毒性ということで、その後、弾力的な対応となりましたが、休校措置をとった中学校では、ちょうど夏休み前のテストや成績処理をする日程と重なっていて、夏休みを迎えるまでのスケジュールが大変に厳しいものとなったそうです。
あすから十月です。中学校三年生は、進路選択も本格的になってくる時期です。新型インフルエンザのはやりぐあいによって、行事的なもの、例えば修学旅行などはキャンセル料がどうなるのだろうかと心配はしながらも、残念ながら中止という選択肢はやむを得ないかもしれません。実際に文化祭など中止のニュースが聞かれています。
しかし、高校入試に関していえば、現在、約七万二千人いる愛知県の中学三年生のほとんどは、高校入試を経なければ次の居場所がないことになります。中止というわけにはいきません。中学校三年生やその保護者の方も、高校入試への新型インフルエンザの影響を大変に心配をしてみえます。
既に入試を行った大学では、受験生にマスクの着用を求めていたというニュースが流れていましたが、県内各地から多くの生徒が集まり、また、各中学校に戻っていく高校入試によって、さらに感染が広がることも考えられます。
これまでも、県は、私立学校等関係機関と調整しながら、高校受験生にとってよりよいシステムを構築してきていただいていると思っていますが、新型インフルエンザがさらに蔓延したり、強毒化した場合についても、よりよい対応をするため、今から今後の対応策を考えていただきたいと思います。
そこで質問します。
まず、これまで受験生が季節性インフルエンザにかかるなどした場合、県立高校においてはどのような対応をしてきたか伺います。
次に、今後、新型インフルエンザが蔓延したり、強毒化した場合、季節性のインフルエンザと同じ対応をすることが困難な場合も生じてくると考えます。現在、どのように対応策を考えているのか、もしくは今後どう考えていくのか、県の取り組みを伺います。
また、私立高校に関しては、それぞれの学校の対応になるかとは思いますが、県としてどのようにかかわっていくのかを伺います。
最後に、中学校では、平常時でも大変厳しいスケジュールの中で出願の準備や指導などを進めています。休校した中学校では、テストや学期末を迎える準備で大変だったことから考えても、いざというときのために入試事務をできるだけ簡素化することが必要です。入試事務の簡素化への取り組み状況を伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
8:
◯県民生活部長(
大久保裕司君) まず、子ども・若者育成支援推進法への取り組みについてのお尋ねでございます。
本年七月八日に公布されましたこの法律は、施行期日が未定でございまして、関係政令等も制定されていない段階であります。現在、積極的な情報収集に努めているところでございます。
この法律は、総合的な子ども・若者育成支援のための施策を推進することを目的としているものでありますが、特にニート、ひきこもり、不登校生徒など、社会生活を円滑に営む上で困難を抱える子供、若者に対する支援について、初めて定めたという点において画期的な法律であります。
そして、その支援の方法として、地方公共団体は、子ども・若者支援地域協議会という地域におけるネットワークの構築に努めることを規定をいたしております。
また、子ども・若者育成支援のための施策が国及び地方公共団体の密接な連携や、民間の団体及び国民一般の理解と協力のもとに、総合的な取り組みとして行われなければならないものと規定されております。
本県といたしましては、国や県内市町村のみならず、広くNPOを初めとする民間団体、学識経験者との連携を図りながら、社会生活を円滑に営む上で、困難を抱える子供、若者の一人一人に支援の手が届くネットワークの構築などに努めてまいりたいと考えております。
次に、新たな青少年育成計画の策定においての困難を抱える子供、若者に対する支援の位置づけについてでございます。
昨今の若者が抱える問題の複雑化、情報化の急速な進展、家庭や地域の変容など、青少年を取り巻くさまざまな情勢を受け、時代の変化に対応した青少年育成施策の一層の推進を図るため、当初の予定より一年前倒しをしまして、今年度中に新たな青少年育成計画を策定することといたしております。
ニートと言われる若者が六十四万人、不登校の児童生徒が十七万人を超えて存在するなど、困難を抱える子供、若者の数が高水準で推移をしていることが全国的な問題となっております。
本県におきましても、こうした子供、若者を支援することは大変重要な課題であると認識をいたしております。こうしたことから、新たな計画の策定に向けた提言をいただきます愛知県青少年問題協議会に対しまして、計画に盛り込むポイントの一つとして、ニート、ひきこもりなど、ケアが必要な青少年に対する包括的、継続的な支援をお示しをいたしまして、専門的な観点による審議をお願いをいたしておるところでございます。
子ども・若者育成支援推進法が新たに成立し、困難を抱える子供、若者に対する支援はますます今日的な課題となっておりますことから、新たな計画におきましては、法の趣旨を十分に勘案した上、これらの子供、若者に対する支援を重要な柱の一つとして位置づけてまいりたいと存じます。
次に、新しい青少年育成計画の策定や推進に子供や若者の意見あるいは意識を反映させることについてのお尋ねについてでございます。
議員御指摘のとおり、青少年育成計画の策定に当たりましては、対象となる青少年の意識などを把握することや、その意見をお聞きすることは大変重要なことであると考えております。このため、今回の計画の策定に当たりましては、大学の専門家に委託をいたしまして、県内の小中学生各一千人を対象に生活実態や意識について調査を行いました。
その結果として、家庭や地域で自分の話を聞いてくれる人がいるかどうかが子供の発達や自立にとって大変重要であることなどが明らかとなっております。
また、愛知県青少年問題協議会に専門委員会を設置いたしまして、新たな青少年育成計画の基本方針について審議をしていただいておりますけれども、青少年の意見が反映できますよう、大学生及び社会人になったばかりの若者にも委員をお願いをいたしておるところでございます。
さらに、青少年育成計画の推進に当たりましては、何よりもまず、青少年の立場を第一に考えることが重要でありますので、青少年と触れ合う各種の事業を通して率直な意見をお聞きし、青少年の健やかな成長を支援するための施策に反映させてまいりたいと存じます。
なお、時がたつにつれ、青少年の意識や生活実態にも変化が生じてまいりますので、節目節目におきまして、青少年の意識の調査を行い。施策を柔軟に見直していくことが重要であると考えております。
次に、高校入試における新型インフルエンザへの対応のうち、私立高校入試における対応について、県としてどのようにかかわっていくのかとのお尋ねについてでございます。
一月末から二月上旬にかけて実施されます私立高校の入試の時期に、受験生への新型インフルエンザの感染の拡大が憂慮されるところでございます。私立学校を所管いたします県民生活部といたしましては、受験生の受験機会が保証されるとともに、新型インフルエンザ感染の拡大防止が図られることが何よりも大切なことであると認識をいたしております。
私立高校入試時における新型インフルエンザへの対応は、それぞれの私立高校の設置者が判断し、実施することとなるため、私学関係者からは、その対応に苦慮していると伺っております。
このため、県内のすべての私立高等学校が加盟する私学関係団体に対し、感染の疑いのある受験生を別室で受験させたり、状況によりましては入試の日程調整を行うなど、受験生の受験機会の確保のための具体的な方策について検討するよう要請をいたしたところでございます。
今後も、受験生である中学生の感染状況や、県立高校入試における新型インフルエンザへの対応状況などの情報を県教育委員会及び私学関係団体と共有し、受験生が安心して受験できるようしっかり準備を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
9:
◯健康福祉部長(野村道朗君) 私からは、あいち子育て・子育ち応援プランの第二次計画の策定に当たって、青少年部局との連携をどう図るのかとのお尋ねについてお答えをいたします。
現在、策定作業中の新計画におきましては、家庭観や職業観を形成する児童・青少年期から、若者の就職、結婚、出産、子育てまで、ライフステージに応じた幅広い分野にわたる取り組みを位置づけることといたしております。
このため、計画策定に当たりましては、関係する部局の連携、協力が不可欠でございますので、県民生活部を初め、産業労働部や教育委員会などの職員で構成をいたします次世代育成支援対策特別チームにおきまして、内容の検討を進めているところでございます。
現在、健康福祉部と県民生活部におきまして、子供、子育て家庭への支援と、それから、子供、若者の育成というそれぞれの目的に沿いました計画づくりを進めているところでございますけれども、子供、若者の育成に関する提言等のうち、子育て支援の観点からも取り組むべき新たな課題につきましては、特別チームにおいても、解決するための具体的な実施内容の検討とか、担当部局の調整などを図りながら、第二次計画へ盛り込むよう努めてまいりたいと、このように考えております。
10:
◯環境部長(藤井敏夫君) あいちゼロエミッション・コミュニティ構想におけるバイオマス資源の活用について、二点御質問をいただきました。
まず、地球温暖化対策につながるバイオマス資源を活用した事業モデルの進捗状況、これについてお答えをします。
地域におけます未利用資源を循環利用する新しいビジネスを生み出すことによりまして、持続可能社会を目指すというあいちゼロエミッション・コミュニティ構想におきましては、バイオマス資源に関するものといたしまして、畜産廃棄物、木質バイオマス、食品廃棄物、下水道汚泥の四つの未利用資源活用のモデルを掲げているところであります。
このうち、具体的に進捗しているものといたしまして、二つございます。
一つ目の事業としましては、畜産廃棄物由来の堆肥を利用して耕作放棄地で資源作物を栽培をし、これをアルコール発酵させることによりまして、バイオエタノールを製造しますとともに、その発酵残渣を家畜飼料として活用するものであります。この事業は、現在、知多地域におきまして、畜産事業者、農家、バイオ関連企業及び研究者などが連携をし、実証事業を行っているところであります。
二つ目の事業といたしましては、豊田市内の建設会社と知多の鉄鋼メーカーが連携をしまして、木質パレット、伐採木などの木質バイオマスから木炭を製造しまして、それを製鋼工場でコークスのかわりに燃料として使用する事業であります。木炭を製造する施設が本年四月に豊田市内で完成いたしまして、現在、この木炭を製鋼工場で利用する試験を行っているところであります。
次に、バイオマス資源の活用に向けた今後の構想の進め方についてお答えを申し上げます。
現在取り組みが進んでおります二つの先駆的な事業モデルにつきましては、今後、採算性のある事業システムとして確立をし、地域への定着を図りますとともに、畜産廃棄物や廃木材など、類似の未利用資源を持つ県内の他地域での事業展開、これを目指してまいりたいと考えております。
また、先駆的な循環ビジネスの創出に向け、県では、関係者と情報交換ができ、専門家のアドバイスも得られる循環ビジネス創出会議の開催や、産業廃棄物税を活用しました調査や施設整備への補助、さらには、専門のコーディネーターの派遣といったさまざまな支援策を講じており、事業化が進んでいない食品廃棄物や、下水道汚泥を活用するモデルにつきましても、今後こうした支援策を駆使し、具体化に向けた取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。
いずれにしましても、バイオマスを初めとする未利用資源を循環利用するビジネスの事業化におきましては、多くの関係者の連携が不可欠でありますので、県がリーダーシップを発揮し、関係者の合意形成とネットワークの構築を図りますとともに、事業の採算性を確保するという観点から、初期投資に対する財政援助などの支援策、これが大変重要であります。
したがいまして、県としましては、こうした取り組みをしっかり進めることによりまして、あいちゼロエミッション・コミュニティ構想の早期実現を図ってまいりたい、このように考えております。
以上です。
11: ◯教育長(今井秀明君) 高校入試におけます新型インフルエンザへの対応について、三点お尋ねをいただきました。
まず、従来の季節性インフルエンザに対する対応についてでございますが、中学校と高等学校の間でよく連絡をとりながら、感染している受験生の症状に応じて、一般の受験生とは異なる教室を使ったり、入院をしている受験生に対しましては、病院での受験を認めるなどの対応をしてまいりました。
さらに、学力検査当日に発熱等のため急に受験できなくなった受験生に対しましては、受験機会を確保する観点から、翌日に追検査を実施してまいります。
次に、高校入試において新型インフルエンザが蔓延している場合及び強毒化した場合の対応についてでございます。
入学者選抜の実施時期には、新型インフルエンザの流行がさらに拡大していることも十分予想されます。現在の新型インフルエンザには、ワクチン接種が効果的であると言われておりますので、全国都道府県教育長協議会においても、今後の感染拡大防止のため、受験生を含めた希望するすべての小中高校生に新型インフルエンザワクチンが接種されるよう、文部科学大臣及び厚生労働大臣に緊急要望したところであります。
現在、厚生労働省では、ワクチン接種の優先順位等について検討されておりますので、国の方針が確定次第、受験生に対してできるだけ接種するよう促してまいりたいと考えております。
また、新型インフルエンザの対応は、まずは予防が大切でありますので、受験生に対しまして、手洗い、うがい及びマスクの着用等を引き続き呼びかけてまいりたいと考えております。
実際の入試の際に新型インフルエンザが蔓延している場合には、従来の季節性インフルエンザへの対応に準じて、感染の疑いのある受験生を含めて別室等で受験をさせるなど、受験生の症状や受験時の健康状態に留意して、安心して受験できるように体制を整えるなど、できる限りの配慮をしてまいりたいと考えております。
なお、現在の新型インフルエンザは弱毒性でありますが、もしこれが強毒性へ変化した場合には、国や関係部局、関係機関とも連携をとりながら、入試日程の調整も含めて適切な対応が必要になってくるものと考えております。
次に、入試事務の簡素化についてでございます。
高校受験は、中学生にとって将来を左右する重要なものでありまして、入学者選抜に係る事務につきましては、中学校、高等学校ともに最大の注意を払いながら慎重に進めているところでございます。
御指摘の出願に係る事務の簡素化につきましては、事務上のミスを減らす意味からも重要なことと考えております。
そこで、来春の入学者選抜からは、入学願書と受験票を一本化し、中学校長の職・氏名の記載や押印を廃止するなど、入学願書の記載事項の簡略化を予定しております。
この変更によりまして、中学校における出願に係る事務の簡素化を図ると同時に、受け手であります高等学校においての受け付け業務の円滑化が期待できるものと考えております。
今後は、中学校、高等学校に対しまして、変更点を順次説明し、誤りなく出願及び受け付け業務が行えるようにしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
12: ◯六番(谷口知美君) それぞれ御答弁をいただきました。ありがとうございました。
それぞれ着実に推進していただければというふうに思っておりますが、中でも、県民生活部長から、青少年の立場を考えることが第一という御答弁をいただきまして、本当に子供たちがそうした大人たちの思いを受け取れるような今後の青少年の育成プランをつくっていただければというふうに思っております。
そのためには、プランの中には、子供たちへのメッセージ性というものもしっかりと入れていただければというふうに思っております。まだネーミングも決まっていないということですので、ネーミングの問題、また、キャッチフレーズなどの問題などにつきましても、子供たちにとって愛知の大人がこんなにも自分たちのことを考えてくれているんだ、そういう気持ちを受け取れるような、そんな計画していただきますことを要望しまして、私の発言とさせていただきます。ありがとうございました。
13: ◯議長(
吉川伸二君) 進行いたします。
伊藤勝人議員。
〔四十五番伊藤勝人君登壇〕(拍手)
14: ◯四十五番(伊藤勝人君) シルバーウイークに、九月二十一日でありましたが、大阪へ行くことになりました。名神高速道路を利用しようとしたわけでありますが、春日井インターチェンジを八時半ごろに乗りました。小牧インターチェンジのすぐ手前のところで標識が出まして、十キロ、約百分というふうに渋滞で書かれました。急遽、方向転換をしまして、名古屋高速の小牧線を使って東名阪へ入りました。おっと、どっこい、これが大治南からもうのろのろになりまして、桑名へ行きました。標識に十四キロ、鈴鹿まで百四十分。なぜ回ったのか、反省をしたわけでありますが、でも、もう逃げ道がありませんので、これはもう仕方がないということで、本当に標識どおりでありました。百四十分かけて抜けることができました。
目的地へ着きましたときに、約三時間おくれて着いてしまいました。帰りは名神高速道路を使ってきたわけでありますが、本来でありますと、大体三時間ぐらいで大阪からうちへ着くのでありますが、のろのろがあったり、あるいは渋滞があったりして、うちへ五時間半ぐらいかけて到着をしました。千円ですね。間もなく無料になるという話でありますが、昔、おじいやおばあに聞いたことがあります。ただより高いものはない。これが実感をいたしました。
そして、いま一つは、はやりなら何でもいい。これはちょいと違いまして、この次に「の」と「か」がつくんですね。はやりなら何でもいいのかというのがありまして、高速道路の無料化というのも、それから、道路をつくっていけないというのもありますね。ダムもいけない。これは今はやりであります。インフルエンザも今、谷口議員の話でいきますと、流行でありますからはやりでありますので、はやりなら何でもいいのか。
このはやりというのは、いま一つ困ることがあります。それは、終わるんですね、どこかで。終わりますと、これは廃るといいます。はやりは廃る。はやり廃りがありますので、廃った後に後悔をしないように、杞憂に終わってくれればいいのかなということを思うわけであります。
大阪へ行きました。大阪で話をしておりましたら、交通マナーのことの話でありますけれども、交差点がありますね。私たちは、私たちといいますか、この近辺、愛知県や名古屋の近辺は、黄色になったときに、黄色は速やかに交差点から出よということで中へ入ってきますね。関西ではきちっととまるんだそうですね、黄色で。なぜか。左右の信号を見ていて、こちらが赤になるとスタートされるので、黄色で突っ込んでいくと危なくて仕方がないということなんだそうであります。
事ほどさように、私たちは、さまざまな習慣や、あるいはそれぞれが独特に持っている感覚といいますか、そんなようなものを持っているということで、交差点というのは車同士が出会う場所でありますから、あるいは歩行者や自転車に乗っている方たちと出会うところでありますので、事故が多い。ある意味で必然的なことなのかもしれません。
そこで、交差点の事故防止についてお尋ねをいたします。
県では、交通事故を減らすために、これまで警察や市町村、関係諸団体と一体となって県民総ぐるみで懸命に取り組まれておられます。その努力の結果、死者数を初め、人身事件数、負傷者数ともに昨年まで四年連続で減少をしております。
しかしながら、死者数については、昨年まで四年連続の全国ワースト一位であり、本年においても、五月三十日以降、ワースト一位が続いております。例年、これから年末にかけて事故が多発していることを考えますと、ワースト一位返上に当たっては、大変憂慮すべき状況であると思われます。
県議会といたしましても、とうとい命を一瞬にして奪い去る悲惨な交通死亡事故をなくし、五年連続ワースト一位という結果だけは絶対に避けようと、さきの六月定例議会におきまして、交通死亡事故の根絶についての決意をしたところであります。
こうした中で、本県の交通事故実態の大きな特徴として、死亡事故件数の中で交差点での事故が最も多いことに加え、その割合も全国平均と比べて非常に高いといったことが挙げられます。
昨年のデータによりますと、交差点での死亡事故は全体の六〇・二%、全国平均の三八・二%と比較をいたしますと、本県は二二ポイントも上回っていることになります。また、事故多発県の中でも比率の高い方でありまして、例えば埼玉県や千葉県より十数ポイントも高くなっております。
私自身も自動車を運転する機会が多くありますが、特に交差点においては、自分が細心の注意を払っていても、冷やっとしたり、はっとしたりすることがよくあります。恐らく何人もの人が同じようにこのヒヤリ・ハットを体験しているのではないでしょうか。
アメリカの損保保険会社の技師であったハインリッヒが労働災害事例の統計を分析し、一九二九年に発表したハインリッヒの法則によりますと、一件の重大な災害の背景には三百件のヒヤリ・ハットがあったと言われます。逆の言い方をしますと、三百回のヒヤリ・ハットの先には一回の重大な事故が待っているということになるのではないでしょうか。
私としては、このヒヤリ・ハットを少なくしていくことにより、重大事故、すなわち死亡事故が減っていくのではないかと考えるところであります。
このためには、交通環境の整備や違反の取り締まりなど、さまざまな対策に取り組んでいく必要があるわけですが、まず第一に大切なのは、ドライバーや歩行者、自転車利用者が交差点に潜む事故の危険性を認識し、高い安全意識を持ち続けていくことではないのでしょうか。
そこでお尋ねをいたします。
交差点における交通事故を防止していく上で、県民の方々の安全意識をより高めていくために、具体的にどのような取り組みを進められているのかをお尋ねをいたします。
続いて、あいち森と緑づくり税を活用した里山林の整備についてお尋ねをいたします。
愛知県の森といいますと、皆さんはよく御案内のとおりでありますけれども、杉やヒノキの森が多い。これは、三河の山間部へ参りますとそう思います。ちなみに、この杉、ヒノキの人工林は直径三十センチ、高さ四十センチの杉の丸太を一本売っても、森林所有者の手元には千円しか入らないそうであります。こうしたことから、森林所有者による間伐がなかなか進んでいません。
私も、昨年、岡崎市の間伐がなされていない山を見る機会を得ました。また、ついせんだってでありますが、峰野議員のお誘いで、同僚諸氏と富山、豊根、東栄町へ研修に行きました。思ったことは、松や紅葉樹林でなく、杉、ヒノキの人工樹林の山がほとんどであったという思いであります。
林の中には太陽の光がほとんど届かず、山の土が無残にもむき出しになった状態になっていました。山が荒廃すれば災害の原因となり、県民の安全を脅かすことになります。
こうしたことから、本県では、今年度からあいち森と緑づくり税を活用したあいち森と緑づくり事業により、林業活動では、整備が困難な奥地や公道、河川沿いの杉、ヒノキの人工林において、県みずからが間伐を進めることとしています。しっかり取り組んでいただきますように、県民の安全・安心を守っていただきますようお願いをいたします。
さて、愛知県を尾張部と三河部で分けてみますと、尾張部での森林の占める割合は一一%、三河部は五八%となっています。山が全くない市町村がある半面、私が住んでおります春日井市は、標高四百メーターの山があります。緑豊かな自然が残っている場所でもあります。春日井市の北東に位置するのみろくの森は、春日井市緑化植物園とともに、休日になりますと駐車場がいっぱいになり、都市住民が散策されておられます。こうした都市近郊の森林は、住民の憩いの場となっています。
しかしながら、都市近郊にある里山林の多くは放置され、人を寄せつけない状況となっております。こうしたことから、里山林においても、あいち森と緑づくり税を活用した事業は創設され、そして、県が直接里山林の再生整備を行うもの、または市町村が里山林の健全化のための整備を行ったり、市町村が地域の方々やNPO等の活動団体と協働して、保全、活用に関する提案をしていただき、これを実現するのに必要な作業小屋や歩道などの施設整備に対する助成措置があると聞いております。
私が懇意にしているNPOの人たちも、小牧市の大草地内で里山林の整備に取り組んでおられます。そのNPOの方に伺ったところ、こうした取り組みを行っていく上で、人は何とかなっても、道具を最初にそろえなければなりません。行政から何らかの支援があればありがたいと話しておられました。
また、里山林の整備は、人工林の間伐と違って、ただ単にそこに生えている木を切ればいいというものではないわけであります。そこには貴重な木が、木の下には貴重な草花が生えている場合もあるからであります。専門的な知識と地域住民の合意を得て慎重に進めていかなければなりません。
そのためには、まず、いろいろなノウハウを蓄積をしていくことが求められます。また、地域の人に今まで放置された里山林がこういうふうに再生されたぞというように体感してもらうことも必要だと思います。
そこで、昨年度実施されたあいち森と緑づくり事業のうち、里山林の整備についてお尋ねをいたします。
昨年度に春日井市と田原市において、里山林のモデル事業が実施されたと伺っておりますが、里山林整備モデル事業の成果とそれを踏まえた今後の取り組み方についてお尋ねをいたします。
食中毒についてお伺いをいたします。
私たちが健康で心豊かな生活を送るためには、健全な食生活は欠くことのできないものであります。食の安全確保は非常に大切なことと考えております。
昨年は、中国産冷凍ギョーザや中国産冷凍インゲンによる健康被害、中国における牛乳へのメラミン混入事件、さらには、事故米の食品への不正転用という事件が発生するなど、県民の食に対する不安が高まり、いまだ払拭されていない状況であります。
このような状況の中、ことし九月に入って、山口県を初めとする多くの都府県の飲食チェーン店において、角切りステーキによる腸管出血性大腸菌O157の食中毒が発生をいたしました。患者も四十名を超えていると大きく報道をされているところであります。
このO157は、平成八年に、大阪府堺市や岡山県での死亡者を伴う大規模集団発生が思い出されますように、お年寄りや子供は重篤な症状となることもあります。極めて注意が必要な食中毒であります。
今回の角切りステーキによる食中毒では、県内の患者の発生はなかったかと聞いておりますが、O157の食中毒は、本県においても平成九年に初めて発生しており、これは、家庭において調理した手巻きずしが原因であるとのことでありました。その後も、毎年O157による食中毒の発生が見られているところであります。
最近では、従来発生が多かった魚介類による腸炎ビブリオ、食肉や卵によるサルモネラ食中毒は減少傾向にあります。かわって、鳥肉によるカンピロバクターや、手洗いの不備等が原因となるノロウイルスによる食中毒が発生していると言われています。
このように、私たちの身近にも食中毒にかかる危険性が十分にあると思っています。過去十年間の厚生労働省の食中毒統計を見てみますと、全国の食中毒発生件数は年間で平均千六百件、三万人程度の患者が認められ、死亡者も数名出ております。
しかし、本県は、厚生労働省の食中毒統計の速報によれば、平年に比べ食中毒の発生が少なく、特に例年食中毒の発生件数が多い六月から八月の間では、昨年の四百十二件に対し五十二件、食中毒患者数は五千二百九十一人に対し八百二十六人に激減し、過去十年間で最低であったとのことであります。その理由は、冷夏による影響と、食品営業施設の衛生管理の向上にあると厚生労働省のコメントが新聞報道にあったところであります。
そこでお尋ねをいたします。
全国的にことしの夏は大幅に食中毒の発生件数、患者数が激少しているところでありますが、愛知県における昨年と本年の食中毒の発生状況はどうなっているのか。また、食中毒の発生防止のため、県はどのような取り組みをなされているのかをお尋ねをいたします。
次に、私は、食中毒予防の一つとして、手洗いが非常に重要であると考えております。このため、愛知県が食中毒予防対策の一環として、本年二月に幼稚園や保育園児を対象に、手洗い歌「あわあわゴッシーのうた」を作成され、報道機関にも取り上げられるなど、反響を得たことは非常に喜ばしいことであると思っています。
また、先日も新型インフルエンザの予防対策として、この手洗い歌がNHKの全国放送のテレビで紹介されているところを拝見をいたしました。手洗いは、食中毒のみならず、インフルエンザなどの感染症の予防にも非常に効果的であります。小さな子供のころから正しい方法で手洗いを習慣づけることは大変有意義なことであります。幼児期から手洗いの重要性を理解させ、また、子供たちに強制的にやらせるのでなく、自発的にできるようにすることは、幼児教育にとって非常にいいことだと考えています。
そこでお尋ねをいたします。
県では、手洗い歌のCDとポスターを県内の幼稚園や保育園に配付したと伺っております。その後の手洗い歌の活用状況についてお伺いをいたします。また、正しい手洗い方法が現在流行している新型インフルエンザの予防の重要な一手段になると考えられますが、県として正しい手洗い方法の普及啓発に今後どのように取り組んでいかれるのかをお尋ねをいたします。
勝川駅付近の連続立体交差化事業についてお尋ねをいたします。
春日井市の勝川地域は、江戸時代には中山道につながる下街道と呼ばれる街道沿いのまちとして栄えました。明治時代以降は、JR中央線の勝川駅が開業し、旧東春日井郡の産業や文化の中心地として発展をしてまいりました。その後、昭和十八年の町村合併による市政の発足に伴い、次第に市の中心地としての役割を終え、近年では、駅前でも商店や住宅が混在、密集し、道幅は狭い等の理由から居住人口は減少し、商店街も高齢化や後継者の不足などにより往年の活気が失われ、衰退傾向でありました。
さらに、当地域の発展に重要な役割を果たしてきたJR中央本線が近年の周辺市街地の都市化に伴い、当地域を縦貫していることから逆に地域を分断し、まちづくりの上で大きな障害にもなってきました。
春日井市では、これらの問題を解決するため、かつて繁栄した古きよき勝川の再生をという意味を込めたルネッサンスシティ勝川を合い言葉に、当地区を春日井市西部地域の拠点として位置づけ、市の西の玄関口にふさわしい土地区画整理事業や再開発事業等の勝川駅周辺整備事業を進めております。
このまちづくりを進める上では、都市交通の円滑化と市街地の一本化が不可欠であるため、県では、JR中央本線を高架化する勝川駅付近連続立体交差化事業をこの勝川駅周辺総合整備事業の一環として進めています。
現在、全国に先駆けて、立体換地手法を取り入れた勝川駅前土地区画整理事業や、数々の再開発ビルが駅前で完成するなど、駅周辺には商業施設や便利な都市機能が集積しつつあります。以前と比べると見違えるような状況になっています。
また、駅前広場の整備の一環として、周辺ビル群と駅舎をつなぐペデストリアンデッキも高架化とあわせて計画をされており、高齢者など交通弱者にも優しいバリアフリー化された安全、快適な歩行者空間が整備されることになっています。
鉄道を挟んで整備が進むこれらの都市機能が早期に一体的に結合し、さらに効果を上げるためにも、一日も早い連続立体交差事業の完成が待たれるところであります。
勝川駅より下り最初の松新町の踏切は、通勤時、あかずの踏切と言われていた時期があります。下り線を上に上げたことにより、いささかその渋滞も緩和されました。さらに、国道三百二号線が平面で接続することになりますと、一帯の交通の便は一気に解決をすることになります。
勝川駅への城北線乗り入れのためのプラットホームも完成をしています。複雑なルートでありますが、一日も早い取りつけを希望するものであります。そして、勝川地域が春日井市の副都心としてさらなる飛躍を遂げ、地域が活性することに地元は大きな期待をしているところであります。
そこで、こうした内容を踏まえてお尋ねをいたします。
連続立体交差事業は、既にJR中央本線の下り高架化が完成しているところでありますが、現在の工事の進捗状況と今後の見通しはどうなっているかをお尋ねをして終わります。(拍手)
15:
◯県民生活部長(
大久保裕司君) 交差点の交通事故防止に向けた県民の皆様の安全意識を高める取り組みについてお答えをいたします。
議員お示しのとおり、交差点における事故を防止するためには、車や人が多数行き交う交差点の危険性を認識し、それに対する安全意識を県民一人一人が持って、安全な行動をとっていただくことが何よりも重要なことであると考えております。
県といたしましては、交差点における安全確認の難しさ、あるいはどのようにすれば事故を回避できるかなどについて、リアルにわかりやすく説明をいたしました啓発用のDVDをこのほど作成をいたしました。
今後、市町村や警察署を初め、自主的に交通安全活動に取り組んでいただいております交通安全パートナーシップ企業などに配付し、地域や職場での交通安全教室などで広く活用していただくことにいたしております。
さらには、県内の事故多発交差点で直接事故防止を訴える必要があるとの観点から、今回新たに緊急雇用創出基金を活用いたしまして、交差点事故防止重点啓発事業を開始いたしたところでございます。これは、毎日四十人以上の体制で県内二百五十四カ所の事故多発交差点におきまして、ドライバーに対し安全運転を訴えかけるとともに、歩行者や自転車利用者には事故防止を呼びかけていくものでございます。
こうした取り組みによりまして、交差点での事故を減らし、何としても交通事故死者数全国ワースト一位の返上につなげてまいりたいと考えております。
以上でございます。
16:
◯農林水産部農林基盤担当局長(青木章雄君) 里山林整備モデル事業の成果と今後の取り組みについてのお尋ねにお答えをいたします。
春日井市では、地域の方々を初め、学生の方にも関心を持っていただくために、市内の大学構内に残された里山林を対象に官学協働で実施をいたしました。
ここでは、樹木の伐採による生態系への影響調査や、対象地域で確認されたこの地域の湿地に特有のトウカイコモウセンゴケ自生地の保全方法も調査研究したいという大学からの提案を踏まえまして、七つのブロックごとに伐採本数を変えるなどの整備を実施をいたしました。
これらの生態系への影響調査等は、引き続き大学で行われますので、その結果が適宜県にも提供されます。その結果等、意見交換をしながら、今後の里山林整備手法に生かしてまいりたいと考えております。
一方、田原市では、地元自治会所有の里山林でモデル事業を実施をいたしました。ここでは、地元の小学生や地域の方々の野外活動の場として、コナラやヤマザクラを生かした親しみのある里山林となるよう、歩道等の整備を県が実施したもので、これを契機に、今年度から自治会の方々が中心となって歩道の維持管理や下刈り等の保全活動が始まっております。
今後の取り組み方でございますが、里山林の整備に当たりましては、地域の特性や多様なニーズがあることから、目指したい姿についての地元の提案をしっかり受けとめて、事業を進めてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、モデル事業はもとより、これから進めていく事業も含め、県民の皆様に森林体感ツアーやホームページなどで事業の成果をPRするとともに、里山林が県民共有の財産として整備保全されていくよう、あいち森と緑づくり税を活用し、積極的に支援をしてまいります。
以上でございます。
17:
◯健康福祉部健康担当局長(五十里明君) 食中毒予防についての御質問にお答えをいたします。
初めに、本県における六月から八月までの食中毒発生状況でございます。例年、発生件数は十二から十三件、患者数は二百名前後で推移をいたしております。昨年は、発生件数十五件、患者数二百九名でございましたが、本年は、それぞれ三件、二十七名と、本県におきましても大きく減少し、ここ十年で発生件数、患者数とも最少となっています。
次に、食中毒の発生防止のための取り組みについてお答えをいたします。
本県では、夏季において、気温三十度以上が十時間以上継続すると予想されるなど、食中毒が発生しやすい気象条件になった時点で食中毒警報を発令し、食品営業者のみならず、消費者に対しても、食品の衛生的な取り扱いや適正な温度管理などを行うよう注意喚起を行っており、本年は七月と八月に各一回、計二回発令したところであります。
特に食品営業者の方々に対しましては、保健所の食品衛生監視員による食品営業施設への監視指導に加えまして、毎年開催しております衛生講習会におきまして、食中毒発生防止の危機意識を持った衛生管理の徹底を図っております。
また、消費者の皆様に対しましては、食中毒に関する正しい知識を初めとし、食の安全に関する情報の共有化を図ることを目的とした消費者行政の柱の一つでございますリスクコミュニケーションが重要であると考えております。
このことから、各地域におきまして、消費者、食品営業者、行政の三者で意見交換会などを開催いたしております。
今後も、食の安全・安心推進アクションプランに基づきまして、食品営業者の方々に対するHACCPによる自主管理の徹底や、消費者の皆様に対するリスクコミュニケーションなどを積極的に推進し、さらなる食中毒の発生防止を図ってまいります。
次に、手洗い歌の活用状況についてでございます。
本県では、食中毒を予防するためには、幼児期から手洗いの重要性を理解し、習慣づけていただくことが大切でありますことから、昨年度、「あわあわゴッシーのうた」を作成し、東浦町の保育園におきまして、デモンストレーションを実施いたしました。その後、東浦町におきましては、町内全保育園で積極的に手洗い歌を活用していただいており、また、保健所に対しましても、県内の三十三園の幼稚園や保育園からCDやポスターを活用した正しい手洗い方法の講習依頼が来ております。
さらに、県のホームページにこの手洗い歌と手洗い方法を記載いたしましたポスターをダウンロードできるようにしておりまして、ここのところ、全国的な反響も大きく、他県の幼稚園や保育園、小学校を初め、自治体、民間の食品事業者の方などからも多数の問い合わせがあり、九月二十五日までに一万八千二百五十件のアクセスがございました。
最後に、正しい手洗い方法の普及に関する今後の取り組みについてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、新型インフルエンザを予防するためにも、手洗いは非常に有効と考えております。この手洗い歌には、手洗いの六つの基本動作が盛り込まれておりまして、指先、指の間、手首など、手洗いがおろそかになりがちな部位も確実に洗うことができ、汚れや細菌などをきれいに洗い流すことができるように工夫されております。
しかしながら、これまでに、ポスターの絵からだけでは細かな手洗いの動作がわかりづらく、歌に合わせて手を洗うのは幼児には難しいとの御意見もございました。このために、歌に合わせて手を洗っているビデオ映像を作成いたしまして、県のホームページに新たに掲載するように現在準備を進めております。
さらに、幼児以外にも広く県民の皆様がこの手洗い歌を利用していただけるよう、携帯電話からアクセスできるようにも検討しているところであります。
今後も、このような新たな取り組みによりまして、正しい手洗い方法の一層の普及啓発を行い、食中毒や新型インフルエンザの予防に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
18:
◯建設部長(川西寛君) 勝川駅付近連続立体交差事業についての現在の進捗状況と今後の見通しについてお答え申し上げます。
本事業は、JR東海中央本線の勝川駅を中心とし、東西延長約二・五キロメートルの鉄道を高架化しますとともに、二カ所の踏切をなくし、あわせて一七カ所の交差道路を整備するものでございます。
現在の進捗状況でございますが、上り線の仕上げ工事を実施をしておりまして、本年の十一月には、高架線路への切りかえを予定しております。切りかえ後は、駅周辺地区の南北一帯となった総合的なまちづくりに寄与できますように、速やかに仮線を撤去いたしまして、国道三百二号線を除きます周辺道路を平成二十二年中に完成させますとともに、国道三百二号線につきましても、一日も早く整備されますよう、国に要請してまいりたいと考えております。
以上でございます。
19: ◯四十五番(伊藤勝人君) 勝川付近の立体交差化事業に絡んで御要望を申し上げたいと思います。
昭和五十四年の二月に、勝川の一番最初の県施行の区画整理がスタートしました。その以前にいろいろな議論があったわけであります。その区画整理で三百二号の用地が出ました。そして、今の十九号が当時バイパスと言っておりましたが、その用地もそこで出していただきました。そこの中に住んでおられた方たちには、すべて集団移転をしていただいたわけであります。
それ以来三十年で、やっと高架化が、今の部長の御答弁で、十一月にできるということになります。三百二号の平面交差ができて、もうそこで終わりではないと思っているんです、実はね。それはどこにあるかといいますと、城北線が、先ほども申し上げましたが、勝川駅の真ん中にプラットホームができていますね。この城北線をつないで初めて、ここの高架化事業全体が、三つの区画整理と一つの再開発を含めたものでありましたので、終わるのかなというふうに思っています。
でありますので、春日井市も当然、地域の皆さんも我々も、JR東海に対して一生懸命活動をしてまいりますが、県当局におかれましても、知事初め皆さん方でもお力をおかしいただいて、JR東海との最後の城北線の詰めまで御努力をいただけるように御要望申し上げて終わります。
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20: ◯三十八番(大見正君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
21: ◯議長(
吉川伸二君) 大見正議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
22: ◯議長(
吉川伸二君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。
午前十一時四十八分休憩
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午後一時十分開議
23: ◯副議長(鈴木孝昌君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
通告により質問を許可いたします。
水谷満信議員。
〔二十二番水谷満信君登壇〕(拍手)
24: ◯二十二番(水谷満信君) 通告に従い、防災について、ドメスティックバイオレンスについて、スポーツツーリズムについて、順次質問してまいります。
まず、第一点目の防災について、初めに、集中豪雨等についてお伺いをいたします。
ことしの七月二十一日、山口県防府市を豪雨が襲いました。その影響で裏山が崩れることにより土石流が発生し、特別養護老人ホームを直撃するとともに、七人のとうとい命が犠牲となり、八十七人の入居者が施設を追われることとなりました。このことを知らせるテレビでの報道映像は、見た人に大きな衝撃を与えるもので、被害の甚大さを伝えるのには十分でした。
このような災害を未然に防ぐため、都道府県は、土砂災害防止法に基づき、土石流や地すべりのおそれがある場所を指定しています。指定された場合、市町村は、ハザードマップの周知、警戒区域内にある老人ホームなどの災害弱者施設は警戒避難体制を定めることになっていますが、この施設は、昨年、山口県から土砂災害が発生するおそれがある地域で土砂災害警戒区域として指定を受けており、危険性が指摘されていたそうです。
そこでお伺いをいたします。
本県において、土砂災害警戒区域の中に、老人ホームなど、災害時要援護者関連施設がどれくらいあるのか。また、特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準において、風水害、地震などの災害に対処するための非常災害に関する具体的計画を策定しなければならないとしていますが、その状況はどうなっているのかお伺いをいたします。
こうした近年の異常気象は、これ以外にも、全国各地において、集中豪雨や竜巻等が数多く発生し、甚大な被害をもたらしています。そのため、気象庁では、集中豪雨に対して局地予報システムの整備をし、サービスを行っているとともに、各自治体においても、豪雨対策として雨量が一定量を超える場合の注意報や警報の発令や、メールで知らせるサービスを行っているところもあります。
しかし、集中豪雨や竜巻などは急に発生し、瞬く間に発達して起こるため、予測するのが難しいのが現状です。愛知県においても、甚大な被害を及ぼした九年前の九月十一日から十二日の東海豪雨、昨年の八月二十八日から二十九日の平成二十年八月末豪雨を初め、竜巻やダウンバーストなども県内各地から報告されています。
一方、全国各地において、局地予報体制を充実するために、集中豪雨や竜巻の発生の短時間予測が可能な気象ドップラーレーダーの増設を国に求めることや、緊急避難が無事できるよう体制を確立することなど、また、河川に対する洪水注意報・警報の改善、防災基準などの見直しの必要性があるものと意見も出ています。
そこでお伺いいたします。
現在、これらの情報による市町村長が行う避難勧告等のあり方は、国が作成したガイドラインに基づいて、市町村の避難勧告等の具体的な判断基準等の策定支援を本県で行っているとのことですが、その策定状況はどのようになっているのかお伺いをいたします。
次に、地震についてお伺いをいたします。
本年八月十一日、五時七分に発生した静岡地震は、駿河湾の深さ二十三キロメートル、地震の規模はマグニチュード六・五、最大震度六弱であり、発震機構は北北東から南南西方向に圧力軸を持つ形であり、震源の深さ、発震機構解及び余震の分布から見て、沈み込むフィリピン海プレートの内部で発生した地震と考えられるとのことでした。
一九二三年八月以降、この震央周辺では、北西側の静岡県内陸部で一九三五年と一九六五年に静岡地震が発生していますが、一九九七年十月以降、今回の震源付近での地震活動は、時々マグニチュード二から三の地震が発生する程度であるとのことで、気象庁は、今回の地震は想定される東海地震に結びつくものではないと発表がされました。
被害状況を見ますと、人的被害は、四十三歳女性が本などの落下による胸腹部圧迫により窒息死の死者一名、負傷者百六十九名、住居被害が半壊一軒、一部破損千九百一軒、火災一件、断水が二万一千二百二十三世帯、道路被害の四十三カ所、がけ崩れ等は十五カ所、東名高速上り車線の路肩が崩落し、一時通行どめになりました。
国土交通省中部地方整備局の試算では、中央道や国道一号線の大渋滞で物流が停滞したことによる損失額は約二十一億円、通行量の増加は、中央道で一日平均約三万台、国道一号線で一日約一万五千台であったとのことでした。
そこでお伺いをいたします。
述べましたように、死者を含む人的被害や経済的な被害もある中、被害が地震規模に対して小さいものであったとも報道がなされましたが、どのような理由で被害を抑えられたとお考えかお聞かせください。
また、この静岡地震での教訓となるものはどのようなことであるか、今後、防災対策にどう生かしていくのかお伺いをいたします。
次に、気象庁機動調査班についてお伺いをいたします。
気象庁では、自然災害が発生したときに、被災地域の状況把握や災害を起こした現象の解説のために被災地へ職員の派遣を行っていますが、平成二十年十月十七日から、災害発生時における現地調査のため、被災地へ派遣する職員を気象庁機動調査班と名づけました。これは、地域住民への安心感の醸成のため、被災地等における迅速な活動及びその成果の周知、広報が重要であり、これらの活動には、地域住民や関係者の理解及び協力が不可欠であることから、気象庁職員派遣に対する地域住民や関係者のより一層の認知と理解を得るためで、気象庁では、気象庁機動調査班の派遣に先立ち、当該の気象官署が地元自治体と調整を図る一方、派遣先での活動状況や調査結果などをより速やかに報道等に提供するとしています。
そこでお伺いいたします。
今後、気象庁機動調査班とどのような調整を行い、連携をされるのかをお伺いいたします。
次に、第二点目のドメスティックバイオレンスについてお伺いをいたします。
ドメスティックバイオレンス、いわゆるDVを単に日本語訳すると家庭内暴力となるそうです。家庭内暴力については、以前よりさまざまな相談が私にも寄せられてきておりますが、その中でも、最近は、配偶者からの暴力を受けている女性が相談に訪れることがたび重なりました。その一例を御紹介いたしますと、このようなお話でした。
仕事での人間関係がつくれない夫が仕事を転々とかわることにより収入が減るため、経済的な問題がストレスを生み出していったそうです。さらに、時間をもてあまして酒を飲み、奥さんが生活のために得たわずかなパート収入を勝手に持ち出したため、そのことを注意したことから夫が腹を立てて、暴力を振るうようになったそうです。
このようなことが日常化していきました。暴力や言葉での脅迫に恐れた女性は、時に身を隠すために友人の家に滞在したり、サウナやカラオケボックスで宿泊をして逃れるのですが、夫が職場へ訪れて迷惑をかけることや、退社時間を待ち伏せ、何度も連れ戻されたそうです。
さらに、暴力や脅迫はとどまることなく、刃物や鈍器などを持ち出すことも再三行われ、本人や近所の方から警察への通報も頻繁となり、警察官からも何度も説得をしていただいたそうです。
女性は、幾度となく離婚をして自立への道を考えたそうですが、いつも子供のことや住むところ、仕事のこと、そして、執念深く女性を探し続ける夫に対する恐怖など、不安を抱えているそうです。
そして、周囲からの勧めにより公共の相談所に行きましたが、解決の道が見えないため、一時はあきらめていたそうです。そのような状況を見かねた近所の方は、その女性とともに私のところへ訪れました。その後、どのような対応があるか調査をしている際、公共の相談所において、女性が希望する地に保護施設がないこと、保護した被害者でも、いずれ夫のもとへ帰ることがよくあると説明を淡々とされる状況にも直面しました。
その後に、そのときの状況を心配した勤務先の上司とともに本人の気持ちを確認し、まずは収入で借りられる住まいを探し、入居するとともに、離婚調停の申し立てをしましたが、夫は話し合いに応ずることはありませんでした。
しかし、女性を震撼させる出来事が数日後に訪れました。引っ越し先のポストへは夫からの手紙が入ったのです。女性の恐怖はさらに大きくなったため、すぐに身を隠し、新しい住まいへと引っ越しました。その後、裁判により離婚をし、夫があらわれることはなくなり、現在はお子さんと平穏な暮らしをしているそうです。
そこでお伺いいたします。
この場合は、経済的な問題がDVの一因となっていますが、現在の経済の低迷とDVの発生に関連があるとは言い切れませんが、最近のDVの状況はどうなっているのか。
また、被害者がもとの生活に戻るのは、その理由は、将来の不安となる住宅、仕事、子供などに関する生活の問題などが考えられます。被害者が抱く将来の不安を払拭し、安心して保護が求められるよう、就労支援、経済支援など、支援策についての情報提供をどのように行われているのか、保護施設の確保についてどのようにお考えかお伺いいたします。
次に、第三点目は、スポーツツーリズムについてお伺いをいたします。
最近、よく耳にするエコツーリズム、グリーンツーリズム、スポーツツーリズム、あるいは産業観光、武将観光は、いずれも新しい旅のスタイルをあらわすために普及してきたものです。
国においては、観光庁が主導し、国内観光と地域の活性化を目指すニューツーリズムは、言葉は知っていても、ニューツーリズムとは何を指すのか、御存じの方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。まして、スポーツツーリズムは、何となくわかったような気持ちになる、そんな位置づけにあると思います。
これまでの多くの旅行は、旅行会社が販売してきた出発地側の商品を開発し、多くのお客様を集め、観光地へ送るマスツーリズムと呼ばれるものです。ところが、旅行が日常化し、旅行の目的も千差万別になるにつれ、旅行社のニーズにこたえられない場合もふえています。
一方、ニューツーリズムは、テーマ性のもとに、目的地側でツアーをつくる、到着地である地域へお客様に集まってもらう着地型の旅行と言われるものが多く、マスツーリズムで不足しがちだった三つの要素、体験する、学習する、交流するを満たしています。
一九八四年のロサンゼルスオリンピック以降、世界規模のスポーツイベントによる社会経済的効果が期待されており、スポーツと旅行の関係が注目を集め、二〇〇二年の日韓共催ワールドカップによる海外旅行者の増加に伴い、スポーツ参加やスポーツ観戦を目的とした旅行者や旅行に日本でも注目が集まっています。
しかし、スポーツをツーリズムとした研究枠組みや定義はまだ確定するものがなく、スポーツを通していかに地域振興につなげていくかを検討し、考えていく必要があります。
東京都においては、生活文化スポーツ局を設置し、都民一人一人がみずからの能力を発揮し、自主的、自立的に活動しながら豊かな生活を送るとともに、都民と行政が協働して、あすの東京を築いていくための施策を担う局としています。具体的には、男女共同参画の推進、広報広聴活動、文化、市民活動、スポーツの推進、私学振興及び消費生活等の都民の幅広い活動を支援しています。
また、二〇一六年のオリンピック立候補都市に承認され、誘致活動を活発化し、改めて文化芸術創造都市であることを、創造活動とその成果の発信を通じて、国内だけでなく世界に強くアピールしています。
こうした中、平成十四年に策定したスポーツ振興基本計画(東京スポーツビジョン)を全面的に見直し、平成二十五年の東京国体や、その三年後に開催されるオリンピック、パラリンピックの競技大会を視野に入れ、平成二十八年度までを計画期間とする新たなスポーツ振興基本計画を策定されました。
計画では、区市町村や都民との連携、協働により計画に基づく取り組みを推進し、躍動するスポーツ都市東京の実現を目的としていくとし、スポーツ及びレクリエーション事業の実施、地域スポーツクラブの育成、支援、体育施設の維持管理、東京マラソン、東京大マラソン祭りの実施に係る企画及び総合調整に関することをスポーツ振興部が取り組み、広い意味でのスポーツツーリズムにも取り組みをしています。
一方、本県においては、愛知県観光基本条例が昨年十月十四日に公布され、ニューツーリズムのあり方や魅力ある観光地の形成を推進し、スポーツイベントなどの誘致、開催の施策を講ずるとしています。
そこで、教育長にお伺いいたします。
本県のスポーツ振興を目的とした「スポーツあいち さわやかプラン」では、夢や感動を与えるスポーツイベントの開催を計画するとしていますが、今後の取り組みについてどのように行われていくのかお伺いをいたします。
また、ニューツーリズムであります三河の山里ツーリズムは地域振興部地域振興課、グリーンツーリズムは農林水産部農業振興課、エコツーリズムは環境部自然課、ヘルスツーリズム、産業観光、武将観光などは、産業労働部観光コンベンション課などが所管していますが、スポーツツーリズムには定義もなく、さまざまな考え方が展開されている現状で、ツーリズムという枠組みにおいては、商用目的や興行のための旅行は除かれるとしていますので、このような中で、本県において、スポーツツーリズムをまず展開していくには、教育委員会において、スポーツ大会等の取り組みをどのように進めるべきかを検討することが望ましいと考えますが、御所見をお伺いし、私の壇上からの質問を終わります。(拍手)
25:
◯建設部長(川西寛君) 防災についてのお尋ねのうち、土砂災害警戒区域の中に災害時要援護者関連施設がどれくらいあるのかについてお答えを申し上げます。
土砂災害警戒区域の指定に必要な調査の中で把握した数は、これまで三十八施設でございます。しかし、本年七月の山口県におきます土砂災害を契機に、現在、関係部局や市町村とともに、改めて災害時要援護者関連施設に関する調査を進めているところでございます。
今後、この結果を踏まえまして、土砂災害警戒区域の指定促進に重点的に取り組みますとともに、その周知徹底に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
26:
◯健康福祉部長(野村道朗君) まず、防災についてのお尋ねのうち、特別養護老人ホームにかかわります非常災害に関する具体的計画についてお答えをいたします。
非常災害に関する具体的な計画、これは消防計画及び風水害、地震等の災害に対処するための計画でございますが、このうち、消防計画につきましては全施設で策定をされております。
一方、風水害等に関する計画につきましては、既に策定済み、あるいは今年度中に策定予定の施設が、七月末現在でございますが、愛知県所管の百二十七施設のうち九十七施設となっております。なお、政令市、中核市所管の八十五施設は二十一施設が策定済みと、このように聞いております。
この風水害等に関する計画につきましては、全施設で策定していただく必要がございますので、県といたしましては、関係施設の施設長会や指導監査など、今後あらゆる機会を通じて指導してまいりたいと、このように考えております。
次に、ドメスティックバイオレンス、いわゆるDVについてお答えをいたします。
初めに、最近のDVの状況についてでございます。
愛知県の配偶者暴力相談支援センターでございます女性相談センターが平成二十年度に取り扱いましたDVによる相談件数は千九百件、一時保護件数は二百四十六件でございまして、ともに過去最多の状況と、このようになっております。
また、本年度も、八月末までの相談件数は九百六十七件、一時保護件数は百二十八件でございまして、過去最多であった前年度における八月末よりも、さらに一〇%ほどふえているという、こういう状況にございます。平成十三年、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV防止法の施行以降、年々増加傾向にございますが、これは、これまで潜在化をいたしておりました配偶者からの暴力に関して、社会問題としての認識が高まりますとともに、支援体制についての周知が進んだ影響が大きいと、このように考えております。
次に、各種の自立支援策の情報提供についてでございます。
DV被害者の相談を行っております県の女性相談センターなどでは、家を出ることを望んでいる被害者の方に対しましては、一時保護制度の紹介を初め、母子生活支援施設などの住まいに関する情報の提供、ハローワークの紹介など就職のためのアドバイス、さらには、生活保護制度や母子福祉資金の貸付制度を紹介するなど、安心して新たな生活に踏み出していただけるよう、必要な情報の提供や、さらにはアドバイスを行っているところでございます。
被害者の状況はさまざまであるということから、その状況に応じた支援が必要でございますので、まずは相談に来ていただくことが大切だというふうに考えております。
このため、DV相談窓口の県ホームページへの掲載や、相談窓口を掲載したカードをスーパーや病院などに配付をし、その周知に努めているところでございます。
最後に、保護施設の確保についてでございます。
DV被害者の一時保護先といたしましては、県の一時保護所のほかに、社会福祉施設などに委託をしているところでございます。施設数は、現在名古屋市内に五カ所、尾張地域に四カ所、三河地域に二カ所の計十一カ所がございます。
一時保護を求める被害者の増加から、本年度、新たに名古屋市内にもう一カ所ふやす予定でございまして、今後とも、地域のバランスなどを考慮しながら、保護施設の確保に努めてまいりたいと、このように考えております。
27: ◯防災局長(小出茂樹君) まず最初に、市町村における避難勧告等の判断基準などの策定状況についてのお尋ねであります。
平成十六年に起きました一連の水害、土砂災害で、ひとり暮らしの高齢者の方々の逃げおくれによる人的被害が多数発生したことなどを契機に、国では、市町村が避難勧告等を適切なタイミングで必要な地域に発令できるよう、平成十七年に避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインを示しました。
このガイドラインでは、避難勧告等を発令する上で必要となる河川水位や降雨量などの具体的な判断基準や、住民への伝達方法などを定めたマニュアルを市町村に策定するよう求めております。
本県では、この国のガイドラインに沿って、洪水や土砂災害のおそれのある市町村を対象にマニュアルの策定を働きかけてまいりました。この結果、平成二十一年九月現在、河川の浸水被害が予想される四十三の市町村のうち二十五市町村で、また、土砂災害のおそれのある三十四の市町村のうち十九市町で策定されております。
引き続き、市町村でのマニュアル策定を進めるとともに、市町村長の避難勧告等の判断に必要となる気象情報の伝達や、河川情報、土石流警戒情報など、より正確な情報の提供に努めてまいりたいと考えております。
次に、駿河湾を震源とする地震については、どのような理由で被害が抑えられたと考えているのかとの御質問でございます。
静岡県では、東海地震を前提に三十年も前から地震対策に取り組んでこられたことから、県民の防災意識が高く、住宅の耐震診断や耐震補強など、日ごろの備えが進んでおり、こうしたことが深刻な被害を出さなかった要因の一つであると考えております。
次に、今回の地震の教訓と今後の防災対策についてでございます。
今回の地震により、地震の被害を軽減するためには、建物などの耐震化や、地震に対する日ごろの備えをしっかりしておくことが肝要であると改めて認識したところでございます。
本県におきましては、これまで、第二次あいち地震対策アクションプランによりまして、東海地震などの地震被害の半減を目指して地震対策を進めてまいりましたが、今後とも、県民の皆様の防災意識を一層高めていただくため、啓発活動を充実するとともに、地震被害の軽減に効果が大きいと考えられる住宅などの耐震化や、家具の固定を促進するなど、地震防災対策を一層推進してまいりたいと考えております。
次に、気象庁機動調査班についてのお尋ねであります。
気象庁では、自然災害が発生した場合、気象庁の職員を現地に派遣し、調査、観測などにより被災地の状況を把握するとともに、関係自治体などに対しまして、竜巻や地震などの自然現象の解説を実施しておりますが、これを昨年十月から気象庁機動調査班と名づけております。
最近では、八月十一日に発生しました駿河湾を震源とする地震においても、その気象庁機動調査班が震度観測点周辺の被害調査を行うとともに、静岡県の災害対策本部に出向き、東海地震観測情報や地震のメカニズムなどにつきまして、解説を行ったと伺っております。
本県といたしましても、このような活動は、災害時における的確な対応に資するものと考えられますので、必要に応じまして、災害対策本部に名古屋地方気象台を初め、気象庁職員の派遣を受け入れるとともに、関係市町村と密接な連携を図りながら、防災対策の強化、充実に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
28: ◯教育長(今井秀明君) スポーツツーリズムについてのお尋ねのうち、まず、スポーツイベントの開催につきましてお答えいたします。
本県では、平成十五年に策定いたしましたスポーツ振興基本計画「スポーツあいち さわやかプラン」において、スポーツの魅力を県民に肌で味わっていただき、多くの県民が夢を持ってスポーツに接し、心豊かな生活を営むことにつながるようなイベントを計画することといたしております。
このような中で、本県では、平成二十三年度に、第十九回日・韓・中ジュニア交流協議会並びに第六十七回国民体育大会冬季大会スケート・アイスホッケー競技会を開催することといたしております。
このスポーツツーリズムについてでございますが、議員お示しのとおり、ニューツーリズムの中でもスポーツツーリズムというのは、まだ明確な定義はございませんが、ただいま申し上げました大会の開催に当たりましては、海外や全国各地から参加される選手、役員はもとより、大会に合わせて来県されるすべての皆さんにとって思い出深い大会となるとともに、愛知県への親しみと愛着をはぐくんでいただくことがその大会の成功につながるものと考えております。
そのため、開催市町と協力しながら、多様な広報活動を通して、大会の情報や本県の活力にあふれた姿を広く発信するとともに、県民の皆様の幅広い御理解、御協力のもと、愛知らしく親切で温かい心のこもったもてなしのできる準備を進めてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、愛知県により多くの方々にお越しいただくために、スポーツを通じてどのようなことができるのか、勉強してまいりたいと考えております。
29: ◯副議長(鈴木孝昌君) 進行いたします。
小島丈幸議員。
〔六十二番小島丈幸君登壇〕(拍手)
30: ◯六十二番(小島丈幸君) 私からは、大きく三項目について、順次質問をしてまいります。
最初は、ソーシャルビジネスについてであります。
さきの衆院選で、公明党のマニフェストが作成をされました。そのマニフェストを踏まえ、公明党愛知県本部として、地域の重点政策「アクションプラン二〇〇九」を策定をいたしました。
その中には三つの重点政策を盛り込んでおり、地方分権を進めることで身近な行政サービスを向上させていくという項目中、官から民への地方分権とすべく、新たな雇用を増大するソーシャルビジネス発展のモデル地域とすると書かせていただきました。
我が党代表質問でも訴えさせていただいておりますソーシャルビジネスで新たな雇用機会と新たな地域経営システムを生んでいくこの取り組みに対して、検討するよう要望しております。
私からは、このソーシャルビジネスについて、県としての対応等を質問してまいります。
そもそも、ソーシャルビジネスとは何かというと、今まではコミュニティビジネスとか、事業型のNPOと言われることもありますが、いわゆる高齢者・障害者の介護・福祉、共働き支援、青少年・生涯教育、まちづくり・村おこし等、さまざまな社会的課題を解決するため、ビジネスの手法を用いて取り組む社会性、事業性、革新性の要件を満たす組織をいい、ボランティア主体の活動ではなく、しっかりと事業を継続するための収入を得て行う活動を総称してソーシャルビジネスといっております。
事業主体は、NPO法人が主でありますが、株式会社も参入しております。現在のところ、その国内の市場規模は推定二千四百億円、八千事業者、雇用規模三万人強となっており、国においては、ここ数年でソーシャルビジネスの先進国のイギリス並みの規模に持っていくことを考えております。
つまり、イギリスの市場規模は、現在の二十倍以上の五・七兆円、雇用者数七十七万人ということで、その目標に向かっていくということでありますが、なかなかその実態が現在のところ見えてきていない現状の中で、どのように地域に根づいたそうしたビジネスが発生してくるのか、甚だ疑問の残る取り組みとなっております。
本年、経済産業省では、ソーシャルビジネスの取り組みをよりわかりやすくするため、全国でこうした取り組みを行い成功している例として、ソーシャルビジネス五十五選を選定し、公表しております。
幾つかの事例をここで紹介をいたします。
徳島県上勝町の株式会社いろどりでは、高齢者を中心とした農家が葉っぱや草花を料亭やホテル、旅館で使われる料理のつまものとして出荷する事業が行われ、それに伴って、高齢者に使いやすいパソコンの開発や個人売り上げを公表し、競争心がわく仕掛けなどで全国に紹介され、高齢者の社会参画による地域活性化などが実現できた事例として紹介されておりました。
ちなみに、この地域の寝たきり老人は二人しかおらず、売り上げや事業とは別に地域貢献を果たす役割を示しております。
また、NPO法人生活バス四日市では、路線バス廃止により公共交通空白地域となった状況を解消すべく、新たな生活バスの運営を行っていくもので、運営資金は、沿線の企業からの協賛金、運賃、市の補助金で賄われており、公共交通の新たな形として全国から注目される形をつくったという事例が紹介されておりました。
五十五選中、愛知県においては、四つの事業所が選定されておりました。食の安全を会員の皆様に提供する株式会社にんじん、地域の教育資源の発掘や地域全体の教育力のアップを図るNPO法人アスクネット、コミュニティラジオ局のリソースを最大限に活用した地域貢献を目指す株式会社エフエム岡崎、障害者の自立と経済的自立の両立を目指して、だれからもおいしいと言われる商品づくりを行っているNPO法人パンドラの会がありました。
私は、先日、ソーシャルビジネスの現場を知るため、刈谷市にあるNPO法人パンドラの会に行ってまいりました。そこは、洋菓子の自社製造と販売を通じて障害者に働く場を提供することで、障害者と社会が接点を持ち、だれもが生き生きと生活できるノーマライゼーション社会の実現を目指しており、市場性を意識して、プロから技術指導を受けた競争力のある商品を製造する等の努力でCSR、つまり、企業の社会的責任に関心の深い周辺の自動車関連企業との関係づくりに取り組み、収益性を確保しておりました。
また、障害者が自立できるよう、適正賃金の支払いを目標に事業活動を展開している団体でもあります。作業現場では、小麦粉をふるいにかける作業を一心不乱に行っている障害者の方がおみえになり、必ず一つのロットにつき十回ふるいにかけている姿が印象に残りました。
後で、そこでつくったケーキを買ってきて、皆さんに食べていただいた印象を聞かせていただくと、どんな町なかのケーキと比べても遜色なく、むしろ、ケーキのベースはきめ細やかでとてもおいしかったという答えでありました。皆様も一度お買いいただいてはいかがかと思います。
このパンドラの会の代表理事の岡部扶美子さんにソーシャルビジネスについて伺いますと、最初、普通の主婦でしかない人が、子供の障害に対峙して、子供の将来をどうしていこうかと思案したあげく、同じ境遇の方たちとともにこうした事業を起こすことを考えたと言っておられました。
また、ちょうどたまたま、この地域は自動車産業の中心的な企業が多く、企業のCSRにうまく助けられ、成長の機会を得ることができたとも述べられておられました。
今後、どのように会の発展を考えておられるのかお聞きすると、ソーシャルビジネスという言葉を直訳すると社会的事業という言葉になります。私たちは、大きなことはやってはおりませんが、社会に役立つ活動をしていると自負しております。しかし、現実は厳しい。おいしいお菓子をつくろうとすれば、機械も必要になる。その機械を買う資金をどうやって確保するのか。普通の主婦をしていた私たちには、資金調達をしたことがないこうした人間がどのように事業を行っていくのか、公的な機関は、そうした私たちのサポートをすべきではないのかとも言っておられました。
今後、こうした事業を行うソーシャルビジネスの起業家、業を起こす方たちに対して、県として何らかのお手伝いができれば、この地域の真の地方分権に向けてのベースとなることは間違いないことであろうと考えます。
そこで、県当局に伺います。
昨年度、国の補正予算に計上され、今回の県の二十一年度当初予算に事業費が計上されているふるさと雇用再生特別交付金について、こうしたソーシャルビジネスを育てる観点からの事業はお考えになっておられるのか伺います。また、こうしたソーシャルビジネスへの県としてのサポートは、現在どのように進めておられるのか伺います。
さらに、ソーシャルビジネスは、福祉、まちづくり、教育等、さまざまな分野で事業を展開、または展開しようとしております。これからふえ続けるものと思います。しかし、このソーシャルビジネスという言葉に対する認知度や、事業内容への理解はまだまだ高くないと思います。
そこで、こうした事業の県民への認知度をまず高めることや、事業化を考えている方々がそれに関するノウハウを入手できることが重要であると思いますが、県としてどのように取り組んでおられるのか、所見を伺います。
最後に、知事に伺います。
このソーシャルビジネスについて、知事としてどのようにとらえ、地域の発展を考えておられるのか、御所見を伺います。
次に、介護現場における職場環境の改善について伺います。
近年、福祉・介護分野の人材の確保の問題も深刻さを増している現状があります。特に、高齢社会の課題である介護サービスを取り巻く状況としては、介護現場における労働力の著しい流動化が取り上げられております。財団法人介護労働安定センターによる平成二十年度介護労働実態調査結果において、仕事の継続意思や労働条件等の悩みについて、介護労働にかかわる一万八八千三十五人の回答を分析した結果から、五〇・四%の半数は、働き続けられる限りずっと働きたい、いわゆる継続希望と答え、次に、わからない、二三・一%、三年から五年程度続けたい、一一・二%の順となっています。なお、常勤者のみで見ると、働き続けられる限りずっと働きたいが五〇・五%、わからない、二四・一%、三年から五年程度続けたい、一〇・一%となっております。また、介護従事者の処遇の低さや、過重な業務のため、腰痛や頸肩腕症候群、いわゆる首、肩、腕にかけての痛みの症状が発生したり、精神的負担によって転職を余儀なくされております。
結果的に、介護従事者の五人に一人が一年以内に離職しているという実態が見えてきました。一人の離職が新たな離職を生む悪循環となっております。
先日、老人保健施設に勤務する一人の介護従事者の方とお話をする機会がありました。その方は男性で、見るからに筋骨隆々としておられ、さぞかし施設においてはてきぱきと働く重要な存在であろうと思いましたが、腰痛で少しの間休んでいるという回答でありました。
その方は、最初のころは、体力がある自分がやれるだけやろうと決め、介護現場で男性であるということから率先して、入浴の介助やトイレ介助、おむつ交換、車いすからベッドへの移乗、それらを繰り返す毎日を続け、ついにあるとき腰にきて、そういう一連の作業ができない状態になってしまったというものでありました。
認知症の行動障害への対応も行い、一番つらい夜勤では、限られたスタッフで介護に従事するため、体力的にも精神的にも疲れ切ってしまい、それが腰にきて、仕事に出ていくこともできない体になってしまったと言っておりました。
介護職員の勤務実態は、第三者の想像をはるかに超えた深刻な問題を抱え、介護従事者の悲痛な叫びが聞こえてまいります。介護施設の利用者といえば、身体的にも精神的にも介護支援が必要であると同様に、介護従事者が利用者から受けるさまざまな身体的、心理的な圧力があるのも介護現場の実態でもあります。
これらの問題の改善なくして、介護従事者の転職・退職率の好転もありません。しかも、介護現場における技能やノウハウは当然成熟しないまま運営されてしまいます。厳しい経済・雇用情勢のさなかではありますが、本県として、介護施設の職場環境の整備を何らかの形で行うことは必要と考えます。
そこで、初めの質問でありますが、経済危機対策等に基づき、国において各種の基金事業が創設されたところでありますが、そのメニューとして、こうした福祉・介護人材育成、就業促進についてどのような方策を行っているのか伺います。
平成二十年五月に、国会で介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律が成立をいたしました。昨年十月三十日に、介護従事者の処遇改善のための緊急特別対策として、過重労働に加え、ほかの職種との給与格差が指摘された処遇改善が決定され、この四月から施行されています。処遇改善の支援が介護従事者のもとに速やかに、着実に執行されることを望んでおります。
しかしながら、先ほどの介護労働安定センターが働く上での悩み、不安、不満等について調査した結果では、仕事の内容の割に賃金が低いが五八・三%で最も高く、人手が足りないが五一%、業務に対する社会的評価が低い、四一・三%、身体的負担が大きい、三八・二%、精神的にきつい、三六%などとなっており、介護労働にはさまざまな問題が山積みされている現状は変わりありません。
そこで質問でありますが、このことについて、介護現場の介護職員の処遇の改善について、当局としてどのように考えておられるのか伺います。
次に、欧米では、介護者にとって、作業関連性筋骨格系障害のリスクが最も高い作業は移乗介助であると認識し、移乗介助用の介護機器が普及しております。日本の介護現場では、移乗用の介護機器の普及率は低く、介護従事者に腰部などの筋骨格系障害も多く見受けられます。
平成八年、全国の介護老人福祉施設を対象とした調査では、天井走行型リフトを導入している施設は一一・五%、平成十二年、介護保険法が施行され、それ以降、腰痛者が減少している施設も見られますが、平成十七年に実施した調査では、移乗用リフトを保有している施設は低い割合にとどまっております。
一方、移乗用リフトを保有していない介護老人保健施設を対象に行った調査では、介護従事者の天敵である腰痛や頸肩腕症候群の自覚がある介護者は七〇%から八〇%に及び、現職を退職後の方たちの腰痛はありと答えた方は八九%に上っております。介護作業には、腰痛などのリスクとなる人力介助に対して、移乗用リフトを使用することで腰痛負担軽減に有効であることが調査の結果でもわかっております。
県として、腰痛負担軽減や腰痛予防に役立つ介護機器の移乗用リフトの導入を図るよう、指導していくことが重要と考えます。
以下、二点伺います。
現在、介護老人福祉移設に移乗用リフトを設置している施設がどのくらいあるのか、実態を把握されているのか伺います。
次に、移乗用リフトを設置したい施設はあっても、介護機器の設置費用が高いため、購入する施設は余りないのが介護現場の実態であります。
介護利用者に対して、安心かつ快適に移乗介助ができるのは、介護従事者が安定して職務を遂行できる改善策が必要であります。その改善には、介護老人福祉施設への移乗用リフトの導入を義務づけ、導入機器のメンテナンスや、故障などの費用について助成支援を検討すれば、導入する施設もふえてくるものと考えます。施設への移乗用リフトの設置を促進し、介護機器の充実に伴う補助について、何らかの方策をとるべきと考えますが、所見を伺います。
次に、消費者行政の推進について伺います。
消費者を主役とする社会の実現に向けて、大きな期待の中で消費者庁がこの九月一日に発足をいたしました。消費者庁は、消費者に身近な法律を所管、共管し、消費者行政を一元的にするものであり、消費者行政の司令塔としての役割を担うものであります。
中国製冷凍ギョーザ事件や、ガス湯沸かし器一酸化炭素中毒事件は、事故発生情報の伝達がおくれたり、所管省庁内で情報が共有されなかったことが原因で被害が拡大してしまいました。また、コンニャクゼリーによる幼児や高齢者による窒息事故は、農林水産省所管のJAS法にも、厚生労働省所管の食品衛生法にも規制がない、いわゆるすき間事案のため、対応がおくれてしまったことが被害拡大の原因でした。
こうした事件、事故を教訓として誕生したのが消費者庁であります。しかしながら、消費者庁がその役割を発揮するためには、身近な地方の消費生活センターが十分に機能を果たすことが重要であります。
国においては、昨年度、地方の消費者行政の充実強化を図るため、都道府県に消費者行政活性化基金を造成するための交付金を交付するなど、地方の消費生活相談窓口等の強化のための事業に集中的に取り組むこととし、さらに、今年度の補正予算においても、追加の財源措置が講じられたところであります。
ところで、昨今、多くの県民が不安を抱いている食の安全・安心の問題のほかに、例えばインターネットオークションで商品を落札し、送金したにもかかわらず、商品が送られてこない、あるいは落札した商品とは全く別の商品が送られてきたといったインターネットの普及に伴うトラブルも多く耳にします。
また、高齢者に言葉巧みに近づき信用させ、不安をあおるなどして、高齢者の年金や貯蓄などの財産をねらう悪質な事業者の手口は年々巧妙化しております。
また、自宅に閉じこもりがちな高齢者は、どこに相談したらよいのか、相談の窓口がわからない、あるいは悪質な事業者は言葉巧みで親切なため、被害に遭っていることすら理解していないといったケースも少なくないと聞いております。
このように、新たな取引手段や手口の巧妙化などにより、次から次に新しい消費者被害が発生している中で、被害者を救済する消費生活相談窓口の役割はますます重要になっており、消費生活相談窓口を充実強化するなど、県民の安全で安心な消費生活を守るための積極的な取り組みが強く望まれているところであります。
そこで伺います。
消費者庁の設置によって、県の消費者行政はどのように変わり、どう対応していくのか伺います。
以上で質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
31: ◯産業労働部労政担当局長(志治孝利君) ソーシャルビジネスに関する御質問のうち、ふるさと雇用再生特別交付金事業について、ソーシャルビジネスを育てる観点からどう考えるかにつき、お答えさせていただきます。
ふるさと雇用再生の事業は、地域内にニーズがあり、今後の地域の発展と継続的な雇用が見込まれる事業について、県または市町村がNPOや民間企業などに最大三年間委託して実施するものであり、継続的な雇用創出を目的として、新しいビジネスを支援するものと言えます。
一方、ソーシャルビジネスは、議員お示しのとおり、町おこしや村おこし、少子・高齢化など、今日の社会的、地域的な課題に対し、ビジネスという手法を用いて取り組もうとするもので、地域の継続な雇用にもつながってまいります。両者の事業内容は重なる部分が多く、ソーシャルビジネスを育てる上で、ふるさと雇用再生の事業が十分活用できるものと考えております。
二十一年度のふるさと雇用再生の事業を見ますと、例えば、三河山間地域の振興を図るため、ブログなどを活用して地域情報を発信する人材を育成いたします三河の山里特派員設置事業や、障害者の自立や社会参加の実現を目指して、授産製品の販路拡大を行う事業など、ソーシャルビジネスを支援する事業がございます。二十二年度のふるさと雇用再生の事業につきましては、現在、計画策定を進めているところでございますが、その中でもソーシャルビジネスの振興につながる事業を積極的に取り入れてまいりたいと考えております。
32: ◯産業労働部長(富吉賢一君) それでは、まず、ソーシャルビジネスに対します県としてのサポートについてお答えをいたします。
本県では、主に地域における雇用創出効果に注目いたしまして、既に平成十六年度からコミュニティビジネス支援という形で取り組んでおりますが、平成十七年度末には、雇用創出機能のみならず、地域経済の活性化、あるいはまちづくりへの効果などをねらいまして、コミュニティビジネス支援指針を策定をいたしたところでございます。
一方、この地域では、既にこの種のビジネスを支援いたします中間支援団体と呼ばれる団体が活発に活動をしておりまして、さまざまな実績を上げておられるところでございます。
本県では、こうした中間支援団体の活動の支援につながるよう平成二十年度までの間、施策を展開したところでございます。例えば、ビジネスマッチングの場を設けますとか、優良なビジネスモデルを認定するなどの支援を行いまして、ソーシャルビジネス、あるいは私どもの事業名でございますコミュニティビジネスが事業として展開できる基盤は形成できたのではないかと考えております。
このため、現在では、コミュニティビジネスあるいはソーシャルビジネスそのものに特化した施策は講じてはおりませんが、例えば創業ということであれば、財団法人あいち産業振興機構に設置しております専門相談員によります窓口相談でございますとか、創業プラザあいちへの入居などの支援制度を用意しております。
また、コミュニティビジネスの重要な担い手でございますNPOを支援するために、あいちモリコロ基金によるNPOへの助成でございますとか、NPOの支援センターとして機能しておりますあいちNPO交流プラザ、これはウィルあいちに置いているところでございますが、このプラザを御活用いただくなど、それぞれの事業の対応やステージに合わせまして、活用できる制度を用意してサポートをしているところでございます。
次に、認知度を高める取り組みについてでございますが、本県では、平成十六年度以来講じてまいりました施策の成果を踏まえまして、愛知県コミュニティビジネスホームページ、通称あいコミと申しておりますが、これをことし開設をいたしまして、人材や資金、施設など、コミュニティビジネスを行う上で必要な地域のさまざまな資源に関する情報を載せておりまして、本県で活発に活動されております中間支援団体を通じまして、あるいは関心のある県民、団体の方々に直接情報を提供させていただいているところでございます。
33:
◯健康福祉部長(野村道朗君) 介護現場におけます職場環境改善についてお答えをいたしたいと存じます。
福祉・介護人材の育成、就業促進についてのお尋ねでございます。
今後、高齢化に伴います介護サービス需要の伸びから、介護職員を大幅にふやす必要性が高まっておりますにもかかわらず、介護現場では、労働環境の厳しさなどから離職率が高く、介護福祉士養成施設の入学者も急減するといった状況にございまして、人材の確保は喫緊の課題と認識をいたしております。
このため、本県におきましては、基金を活用いたしまして、福祉・介護人材の育成、就業促進を図るため、より多くの若い方々に介護職を目指していただくように、その魅力を紹介したり、福祉・介護職場を体験していただきますほか、潜在的有資格者の方々の再就業を支援したりするといった事業を実施いたしております。
また、派遣どめなどにより離職された方々に、福祉・介護職場の実情をわかりやすく紹介し、個々の求職者にふさわしい事業所をあっせんするなど、円滑な就労を促進するよう取り組んでいくことといたしております。
なお、これらの基金事業のほかに、介護福祉士養成施設の学生を対象といたしました修学資金貸付制度につきまして、今年度から貸付額や貸付金返還免除条件、これらなどを大幅に改善をいたしまして、人材の育成を図っているところでございます。
次に、介護現場の介護職員の処遇改善についてでございます。
現場の介護職員が職場に定着していただくためにも、また、新たに従事する方の就業促進のためにも、介護職員の処遇改善を図ることは大変重要なことと、このように考えております。
処遇改善の中でも、賃金改善はそのポイントとなりますけれども、これにつきましては基金を活用し、介護職員一人当たり平均して月額一万五千円の引き上げを来月、あすからでございますが、来月サービス分から実施してまいることといたしております。
また、賃金引き上げを行う事業者は、あわせて休暇制度の改善とか、それから、職員の増員によります業務負担の軽減などの計画を立てることになっておりますので、これにより職場環境の改善にも大きく資することになると、このように考えております。
このほか、介護福祉士養成施設の教員が福祉や介護の事業所を巡回いたしまして研修を行うなど、職員のキャリアアップの対策にも取り組むことといたしております。
なお、生きがいを持って就業していただくためには、介護業務に対する社会的評価、これを上げていくことが大切でございますので、昨年度から新たに設けました介護の日を初めとして、さまざまな機会を活用して、介護業務に係る理解促進や、介護業務に対するイメージアップを図る行事を展開してまいりたいと、このように考えております。
次に、介護老人福祉施設、いわゆる特別養護老人ホームにおける移乗用リフトの設置状況でございますが、九月現在で、愛知県所管の百二十七施設のうち、四一%に当たる五十二施設で設置をされております。
最後に、移乗用リフトの設置を促進するために補助が必要ではないかと、こういうお尋ねでございます。
現在、設置していない施設も六〇%程度ございますけれども、その理由といたしましては、必要としていない、利用者が不安感を抱く、時間がかかるといったことのほか、コストがかかるということも挙げられております。
国は、今年度、労働環境の改善対策といたしまして、介護労働者の
身体的負担軽減や、腰痛を防止するため、事業主が移乗用リフト等の介護福祉機器を導入した場合に、その経費を助成する制度をモデル的に創設したところでございますので、県といたしましては、この助成制度の周知に努めてまいりたいと、このように考えております。
以上でございます。
34:
◯県民生活部長(
大久保裕司君) 消費者行政の推進につきましてお答えをいたします。
消費者庁の設置によって、県の消費者行政がどのように変わり、どう対応していくのかとのお尋ねでございます。
まず、消費者庁の発足と同時に施行されました消費者安全法に基づき、県が把握した消費者事故の情報を消費者庁へ通知することとなります。通知の対象となる情報は、生命、身体にかかわる製品事故や、医薬品等による健康被害、また、被害が拡大するおそれのある悪質商法による財産被害等に係るものであります。
県民の皆様から各部局に寄せられるこうした情報につきましては、中央県民生活プラザで集約した上、消費者庁へ通知することとなります。ただし、個別の法律等に基づき国への報告が義務づけられているもの、例えば食品衛生法に定められている食中毒に係る情報などは、従来どおり、担当部局が所管省庁である厚生労働省へ報告し、厚生労働省から消費者庁へ通知される仕組みとなっております。
こうしたことから、全部局から成る連絡会議を設置いたしまして、消費者事故情報の円滑な集約に努めることといたします。また、消費者庁から県に対し、消費者へ注意を呼びかける情報の提供があった場合には、この連絡会議を活用して、県民の皆様へ迅速な情報提供を行ってまいりたいと考えております。
さらに、消費者安全法において、消費者庁の事業者に対する立入権限等を都道府県知事へ委任できる旨の規定がなされました。このため、消費者行政関係法令を所管する課室の職員から成ります対策チームを編成し、消費者庁からのこうした要請に迅速に対応することにいたします。
あわせて、消費生活相談窓口の設置が法的に位置づけられるなど、消費者に身近な消費生活相談窓口の役割が一層重要になっております。消費生活相談業務は、消費者安全法において、第一義的に消費者が居住する市町村の事務とされており、市町村が把握した消費者事故情報は、消費者庁へ直接通知する義務が市町村に課せられております。こうしたことから、市町村における消費生活相談体制の整備が急務となっております。
県といたしましては、消費者行政活性化基金を活用して、すべての市町村に消費生活相談窓口が設置されるよう積極的に働きかけるとともに、相談員を目指す方々に実務研修を実施して、新たに六十人程度の相談員を養成したいと考えております。こうした相談窓口を担う人材の育成、確保のための支援により、県と市町村が一体となって相談窓口の開設整備に取り組んでまいります。
さらに、現在、県で消費生活相談に従事をいたしております四十五名全員に専門研修を受講させ、市町村の相談員を支援してまいりたいと考えております。
以上でございます。
35: ◯知事(神田真秋君) ソーシャルビジネスをどのようにとらえ、地域の発展を考えていくかという点でございます。
このソーシャルビジネスという考え方やら概念は、まだ比較的新しいものだと思っております。従来は、私どもは、コミュニティビジネスといったほうが、あるいは身近であるかもわかりませんが、必ずしも概念が一致するものではございませんけれども、これから大変重要になる考え方、ビジネスモデルだと考えております。
これまで、本県では、雇用創出効果、あるいは地域経済の活性化、まちづくりの効果などに注目して、さまざまな形で支援をしてきたところでございます。
議員からもお示しをいただきましたとおり、社会的な課題や地域の課題を解決するビジネスの多くは、一般企業ではなかなか手がけることが難しい、いわゆるニッチと言われるそうした分野であります。
そのような事業を展開する上で、このソーシャルビジネスというのは大変効果的なものでございます。ビジネス形態としては有力なものだと期待をいたしているところであります。
それと同時に、事業を適切に進め、継続していくためには、これは通常のビジネスも一緒でございますけれども、やはりひとり立ちができるかどうかと、大変重要な点だろうと考えております。
幸いに、本県におきましては、この種のビジネスを支援する力のある優良な中間支援団体が活躍をいたしておりますので、そうした民間の力を生かしながら、ソーシャルビジネスの活動に対し、先ほど部局長から説明申し上げました創業支援、助成制度、あるいはホームページによる情報提供などを進めてまいりますが、さらに、自立的な事業として展開されていく上で、今後どのような支援が必要であるか、一度十分検討してみたいと思っております。
36: ◯副議長(鈴木孝昌君) 進行いたします。
筒井タカヤ議員。
〔百番筒井タカヤ君登壇〕(拍手)
37: ◯百番(筒井タカヤ君) 発言通告に従って、児童福祉手当について、肺炎球菌ワクチンについて、三人乗り自転車について、順次質問いたします。
それでは、まず、父子家庭への児童扶養手当について質問します。
民主党を中心とする連立政権が誕生しました。国民の一人として、国の安全保障と国民の社会保障について、不安のなきよう国政を運営されることを心から願うと同時に、見守ってまいりたく思っております。
さて、選挙中に熱く語っておられたように、鳩山内閣は、政権マニフェストを推進するに当たって、国民に大量の名目の補助金、手当を出します。国民のうちで該当する限られた層の少人数の人々はさぞかし潤うことになるでしょう。
しかし、常識ある多くの国民が、そのお金の財源は本当に裏づけのあるものかと疑って、これからの日本の政治に不安を抱いています。
政権交代のためであれば、政党のマニフェストの乱発を含め、何をやってもいいでは済まされません。一たん国民から信託を受けて政権担当を任された者は、今度みずからの言動にはきちんと責任を持って政治を運営する義務があることを忘れてもらいたくはないのです。
さて、期待が高まる中、世間では、民主党が野党時代に提出した法案の復活が注目を集めています。その中でも今回は、ことし六月に提出した児童扶養手当法改正案について取り上げたいと思います。
この法案の中には、父子家庭への手当支給が盛り込まれていました。民主党は、衆議院においては十分な審議もしないまま廃案にしました。国民の各方面から、民主党は真剣に考えているのか、政権確保に対するパフォーマンスにしか見えないとの批判が相次いだのは記憶に新しいことかと存じます。
さて、この件がさきの九月八日、中日新聞夕刊十二面、「ハイ編集局です」コーナーにおいて、以下のような投書がありましたので、原文のまま御紹介いたします。
私たち父子家庭は、児童扶養手当の支給対象外です。一歳半の娘を保育園に送り迎えすると、仕事の時間が制限されて収入減に。それでは生活できないので、娘を施設に預けています。夜勤がなくて子育てに支障がない仕事と探してもなかなか見つかりません。
父子家庭の収入が母子家庭より多いとは限りません。でも、母親と暮らす子供には手当があって、父親と暮らすともらえない。子供を差別しています。実態調査を求めます。岐阜県安八郡、介護士、男三十九歳とありました。
この件について県に問い合わせると、愛知県でも、給付についての要望があるとの回答がありました。全国主要都道府県民生主管部局長連絡会議における要望書と、十四大都道府県児童福祉主管課長会議における国の施策及び予算に関する要望書においては、はっきりと要望しております。この要望に対して、国はどうこたえるのでしょうか。
母子家庭については児童扶養手当が認められるのに対し、父子家庭では児童扶養手当が認められておりません。そのため、生活に困窮している父子家庭が数多くあります。
そもそも、男女ともに社会で活躍している現在、男性のほうが女性よりも稼ぎがよいとは必ずしも言えないのです。母子家庭であれば手当があって、父子家庭には手当がないというのは、男女差別とも思える大変不平等であると言わざるを得ないと思います。
もちろん、一定以上の収入がある人については手当を出さなくてもよいでしょう。母子家庭、父子家庭のいかんにかかわらず、県民がどのような生活を送り、何を必要としているかを把握し、必要なところに必要なお金が支給されるようにしていただきたいと強く願います。
父子家庭の生活実態を踏まえ、支援が必要な父子家庭を児童扶養手当制度の対象とすることについての県の考えと、あわせて、仮に父子家庭を対象とした場合に県財政への影響をお伺いします。
以上、申し上げてまいりました件は、そもそも、ことしの六月の国会において、民主党がきちんと真剣に国民に奉仕する純粋な心があれば、既に法律は改正されて、問題が解決されていた事項です。いたずらに国民生活をする上において、児童扶養手当という実に生活に直結した大切な法案を葬り去ったのは民主党なのです。今になって、児童扶養手当についてはやりますよと民主党が声高に主張されるのは、ちゃんちゃらおかしいことだとあえて指摘しておきます。
次の質問に参ります。
次に、肺炎球菌ワクチンについてお尋ねします。
肺炎球菌は、その名のとおり、肺炎などの呼吸器感染症を引き起こす原因菌の一つであります。この肺炎球菌は、ふだん日常的に存在するありふれた菌です。高齢者や心臓・呼吸器の慢性疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病などの基礎疾患のある方は感染しやすく、また、血液中にこの菌が入り、全身性の重い症状を引き起こす敗血症や髄膜炎の原因菌となるなど、重症化しやすいとも言われています。
厚生労働省の人口動態統計調査によりますと、肺炎は、がん、心臓病、脳疾患に次ぐ日本人の死因の四番目に挙げられ、昨年は十一万人を超える方が亡くなり、そのうち六十五歳以上の高齢者が九五%以上を占めております。
かつては、抗生物質を使えば肺炎は治ると考えられていましたが、我が国では、ペニシリンなどの薬剤耐性を獲得した肺炎球菌の頻度が昭和五十年代後半から急速に増加し、最近は、各種抗生物質(セフェム、テトラサイクリン、マクロライド、ニューキノロン)に対する耐性を獲得した多剤耐性肺炎球菌が問題となり、医療の現場での治療に難渋するケースも出ていると言われております。
このような状況の中、やはり重要となるのは肺炎を予防することであります。幸いなことに、我が国では、肺炎球菌ワクチンを接種することができ、特に高齢者や基礎疾患を持った方にとっては、この予防接種が非常に有効な手段となることが期待されます。
また、現在、春から発生した新型インフルエンザが流行し、今後冬にかけて、季節性のインフルエンザとあわせてさらなる流行が懸念される中、高齢者がインフルエンザにかかると肺炎を併発するということも多いと言われております。
そこでお伺いいたします。
肺炎球菌ワクチンは、例年、インフルエンザワクチン接種の需要が高まる秋、冬の時期に合わせて需要が高まってまいります。ことしは特に、新型インフルエンザが発生し、県民の方々、中でも特に高齢者の方々では、重症化への危機感からか、肺炎球菌ワクチンの接種者が増加していると聞いております。一部の医療機関では、肺炎球菌ワクチンが不足し、医療機関によっては、今、接種の予約を行っても、一カ月先までは接種待ちの状況であるとも聞いております。現在の肺炎球菌ワクチンの供給状況はどのようになっているのかお伺いします。
また、私の知人で、七十歳を超えてはおりますが、元気に毎週グラウンドゴルフなど、地域のスポーツ交流の場へ参加しておられる方から、肺炎球菌ワクチンの接種時期について、仲間内で話題となっていると聞きました。私も興味を持ち、少し調べてみますと、肺炎球菌ワクチンは、インフルエンザワクチンのように毎年接種する必要がないものの、我が国では、生涯にただ一回しか接種することができず、その効果は約五年ということでありました。特に重篤な副作用もなく、有効なワクチンであれば、今すぐにでも接種したいというのが本音であります。
しかし、先ほど申し上げたとおり、接種回数は生涯にただ一回、しかも、その効果持続は約五年ということになれば、一体いつ、どのようなタイミングで接種すればよいのか、今すぐに接種するか、それとも、もったいないからもうしばらく待って、みずからの健康状態に少し不安を覚えるようになるまで接種を控えるようにしたほうが得なのか、高齢者にとっては大変に難しい選択を迫られることになります。
私が調べたところ、二回目の接種の際には、まれに痛み、はれ、かゆみの症状があるということでした。ところが、ちまたの人々は、二回目の接種は大変な拒否反応によるショックがあり、重篤、死ぬこともあるなどといった誤解がされています。全く根も葉もない誤解が解かれないまま、こんな大変な肺炎予防が一回しかだめならと多くの高齢者がためらい、先延ばししているのが実情のようです。
重ねて、せっかく有効な肺炎球菌ワクチンが国内で接種できる状況にあるにもかかわらず、高齢者の約五%しか接種していないことの実態があります。高齢者の罹患によるリスクの大きさや、ワクチン接種で予防できるということについて、情報提供を行っていくことが重要だと思いますが、県としての対応をお伺いします。
アメリカでは、二回の接種をすることも可能です。なぜ日本では一回としているのか、その理由もお尋ねします。
次に、三人乗り自転車について質問します。
県の財政が大変厳しい状態にあることは十分承知しておりますが、県民の安全・安心を保持するという国の使命に変わりはありません。
特に子育てに関する施策については、高齢者など他の施設に比べ、まだまだおくれていると言わざるを得ません。もちろん、小児医療センターなど評価すべき施設も多数あるのですが、まだまだ実施すべきものはあると思います。
そこで、道路交通法の改正に伴い、ことしの七月から全国的に解禁された幼児二人乗り、いわゆる三人乗り自転車についてお尋ねいたします。
自動車を持たない子育て中の親にとって、自転車は、子供を保育園や幼稚園への送迎や日常の買い物、さらには、病院への通院などに使用する日々の生活には必要不可欠なものであります。しかしながら、小さな子供が二人いる場合には、運転する親の前後に子供を座らせる三人乗りをせざるを得ない場合が多々ありますが、運転する上ではバランスが悪く、視界の妨げになることなど、交通安全という観点から見れば大変危険なものでした。
そのため、これまで三人乗りは禁止されていたのですが、自転車が子供の送迎や買い物などの手段として大変便利であり、日常生活に不可欠なものであること、また、子育て中の母親を中心に三人乗りの要望が強かったため、道路交通法などの改正により、認定された自転車に限り三人乗りが可能となったものです。
ただし、この自転車で三人乗りをするためには、幼児二人を乗せても強度や安全性を確保するなど、一定の認定要件を満たした自転車が新たに必要となります。
具体的には、一つ、幼児二人を同乗させても十分な強度があること、二つ、幼児二人を同乗させても十分な制動性能(ブレーキ)があること、三つ目、駐輪時の転倒防止のための操作性、安全性が確保されていることなどの要件を満たす自転車でないと三人乗りができないのですが、この条件を満たす自転車は必然的に高額となります。
安いものでも五万円程度であり、大変便利な電動アシストつきのものともなると、十三万円ほどというものであります。通常の自転車が一万五千円程度ということを考えると、この三人乗り自転車がいかに高額なものかおわかりだと思います。
しかも、この幼児を二人乗せ、使用する期間は数年しかありません。その期間を過ぎれば、子供が成長し、自分で自転車に乗ることもあるでしょうし、そうなれば、通常の自転車で十分間に合うことになるでしょう。何かと物入りで、お金のかかる子育て中の若い家庭にとっては、便利かもしれないが、たった数年しか必要のない三人乗り自転車を購入することは大きな負担を強いるものであります。
そのためか、町なかで改正法規に合格した三人乗り自転車をついぞ見かけたことはほとんどありません。現状のままでは、せっかく三人乗りが可能となっても、普及にほど遠く、ひいては子育ての最も大変な時期に、三人乗り自転車を利用できない親子が多数生じることとなりかねません。それは、子育て支援という観点から見れば好ましいものではなく、県としても何らかの対策を講じることが必要だと考えます。
そういった中で、一部の自治体では、子育て家庭の経済的な負担の軽減や安全を確保するために、三人乗り自転車の購入に際し、その半額(上限四万円)の補助を行うとの報道がありました。ただ、この方法でも数万円の利用者負担は生じることとなります。
一方、東京都の三鷹市では、三人乗り自転車を四十台購入し、十月一日、あすからレンタル事業を開始するための予算として三百万円が確保されていると聞きました。
このように考えてみると、若い子育て家庭を支援するためには、行政が率先して適正な三人乗り自転車の貸し出しを行うことが必要ではないかと私は考えます。もちろん、自転車の購入に対する経費を補助する手段もありますが、自転車の三人乗り走行が許可されるのは、子供が四歳になるまでです。そこで、数年しか使用しないものに対する購入費への助成よりも、より多くの子育て中の方々が気軽に利用できる貸出事業のほうが子育て支援策としては効果的なものであると考えます。
ただし、貸し出しの場合は、貸出期間中の物損や傷害の事故、さらには盗難といった危険がありますので、民間の保険会社には年間二千円から三千円程度の安価な保険があると聞いており、貸し出す際には、こうした保険への加入などを義務づける必要があります。また、利用中にパンクするなど、修理を要することも想定されますが、適正な利用が図られるものと思います。
特に、乗る人数が二人から三人にふえ、自転車自体も通常のものに比べて重くなっていることから、安全性などを考慮し、電動アシストつき三人乗り自転車の貸し出しが望ましいと考えます。
そうした中、国が都道府県に設けた安心こども基金を活用した三人乗り自転車の普及、貸出事業が認められたと伺っております。
本県においても、この九月補正予算の議案の一つとして、子育て支援対策基金事業費が計上されており、三人乗り自転車の貸出事業補助が実施されるようでありますが、県が多くの市町村で三人乗り自転車の貸出事業が実施されるよう指導力を発揮し、予算措置を講ずるのであれば、子育て中の家庭への支援としては大変有意義なことです。
もう一度申し上げます。
子育て支援をしている家庭では、三人乗り自転車が必要とされる期間は限られております。その限られた期間で高額な自転車を購入することは大変な負担になるでしょう。この負担を軽減させ、子育てをしている家庭がより生活しやすくなることを願ってやみません。
そこで、四点お伺いします。
まず、補正予算で計上されている子育て支援対策基金事業費において、三人乗り自転車の貸出事業の市町村における実施計画はどのようになっているのかお伺いします。
さらに、実施に当たっては、利用者の便益を考慮し、電動アシストつき自転車が望ましいと思いますが、県はどのように考えるか、あわせてお伺いします。
二、次に、三人乗り自転車の貸出事業は、子育て支援対策の一環であることから、一部の市町村に偏ることなく、県内の全市町村で実施されるべきものだと思いますが、実施を予定していない市町村があるならば、働きかける必要があると考えております。県の御所見をお伺いいたします。
三、貸出期間中の物損や傷害の事故、さらには盗難といった場合に対応できる保険について、県はどのように考えているのでしょうか、お尋ねいたします。
四、自転車を盗難防止の目的のため、ピンク色等の目立つ色で統一したらよいのではないかと考えますが、県のお考えをお伺いしたいと思います。
また、貸し出しという形態の場合を考えると、所有者は国、県、市を通じて配分された市町村です。利用者には、借りているものは大切に扱うことが望まれます。お借りしたときと同じ状態で返すのだという意識をいつまでも持ってもらいたい。大切な公共物を借りているのだということが明確にわかるように、また、国、県及び市町村が三人乗り自転車を積極的に導入していることを広報するためにも、先ほど申し上げたように、ピンク色、もしくは幸せの黄色いハンカチならぬ幸せの黄色い自転車でもいいでしょう。目立つ色で統一するよう提言を申し上げますが、所見を求めます。
終わりに当たり、この三人乗り自転車の実施ができるのは、自民、公明の連立政権による思いやりときめ細かい配慮がある子育て支援対策という国の補正予算の成立の成果の一つであることを強く主張し、私の論を終えます。
以上です。(拍手)
38:
◯健康福祉部長(野村道朗君) まず、父子家庭を児童扶養手当の対象とすることについての県の考えと、県財政への影響についてお答えをいたします。
議員御指摘のとおり、父子家庭におきましても、母子家庭と同様に、小さなお子様を抱え、育児のためにパートやアルバイトなど、短時間の就労しかできないため、収入が減少し、経済的に困窮している家庭もございますことから、これまでも県として父子家庭への児童扶養手当の支給を国に要望してきたところでございます。
また、県財政への影響でございますが、所得制限など児童扶養手当の支給要件に該当すると想定される父子家庭は、県全体でおおむね千五百世帯となりますけれども、このうち県が負担すべき対象となりますのは、町村にお住まいの約百七十世帯でございます。この方々への支給額の三分の二を県が負担することとなりますので、必要額は約五千三百万円となります。
次に、三人乗り自転車の貸出事業につきましてお答えをいたします。
まず、市町村における貸出事業の実施計画についてでございますが、これは、安心こども基金による地域子育て創生事業の一事業として実施するものでございまして、本年度については、名古屋市を初め十八市町村で合計八百八十台の三人乗り自転車を購入する計画となっております。
また、電動アシストつき自転車につきましては、議員御指摘のとおり、利点が多いというふうに思われますが、高額のため購入できる数が限られることもございますので、電動アシストの有無、それから、配備台数など具体的な内容につきましては、実施主体でございます市町村で地理的状況や利用者の行動範囲なども勘案しながら決定していただきたいと、このように考えております。
次に、未実施の市町村に対する働きかけについてでございます。
県といたしましては、多くの市町村で本事業を実施していただくよう取り組みを促したところでございますが、本年度は補正予算ということもございまして、実施を予定しておりますのは、約三分の一程度の市町村にとどまっております。
安心こども基金の事業が平成二十二年度も実施できれば、市町村に再度働きかけを行い、できるだけ多くの市町村で三人乗り自転車の貸出事業が実施されるよう努めてまいりたいと、このように考えております。
次に、貸出期間中における保険の問題についてでございます。
本事業は、実施主体でございます市町村が三人乗り自転車を購入し、子育て家庭にお貸しするというものでございますことから、事故や盗難など不測の事態に備えることが大変重要なことと考えております。現在、貸出事業を計画しております市町村において、貸出基準や貸出期間とともに、保険加入についても検討しておられます。県といたしましても、確実に措置されるよう市町村を指導してまいりたいと考えております。
最後に、貸出自転車の色の統一ということについてでございます。
自転車の色、それから、車種などの事項につきましては、実施主体でございます市町村にお任せをしたいと、このように考えております。しかしながら、三人乗り自転車の貸出事業は、子育て支援施策の一環であることや、それから、地域全体で子育てを支援する機運の醸成などを三人乗り自転車を活用してPRしていくと、こういうことは意義があり、重要な視点であるというふうに思っておりまして、市町村にPRにつながるような工夫をお願いしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
39:
◯健康福祉部健康担当局長(五十里明君) 肺炎球菌ワクチンに関する御質問にお答えをいたします。
まず、肺炎球菌ワクチンの供給状況についてのお尋ねでございます。肺炎球菌ワクチンは、予防接種法に規定する定期の予防接種ではなく、任意の予防接種として実施されておりまして、病気の重篤化を防止するなどの目的で各個人の判断により接種されておりますことから、被接種者の需要に応じた供給をワクチンの製造販売業者が行っているものであります。
各医療機関ごとの肺炎球菌ワクチンの在庫状況、これを把握することはできませんけれども、ワクチンの製造販売業者によりますと、現在、このワクチンが医療機関で不足傾向にありますものの、新型インフルエンザに対する関心の高まりなどから出荷量が増加するこの秋以降は、例年の五倍の量の流通を予定しているとのことであります。
県といたしましても、引き続き流通状況についての情報入手に努めてまいります。
次に、情報提供についてのお尋ねでございます。
議員御指摘のように、肺炎球菌ワクチンは、インフルエンザワクチンのように毎年接種する必要はなく、一年中、どの時期に接種しても効果が期待できますことから、高齢者を初め基礎疾患をお持ちの方に対しましては、できるだけ早期に接種することが望ましいと考えております。
肺炎球菌ワクチンの接種は、予防接種法に基づかない任意の予防接種ではございますが、県といたしましても、これまでホームページなどでこのワクチンについて取り上げてまいりました。今後は、予防接種スケジュール、副反応などに関する新たな情報を追加するなど、より詳細で正しい情報提供に努めてまいります。
最後に、日本で肺炎球菌ワクチンの接種を一回接種としている理由についてのお尋ねでございます。
海外で行われた開発初期の試験において、二回目の接種時に、議員御指摘のように、注射部位の痛みやはれなどが初回接種時より強くあらわれることが観察されましたことから、現在、我が国では、再接種を行うことができない規定になっております。
現在、肺炎球菌ワクチンを二度接種したときの副反応など調べるために、国の研究班が臨床研究を実施しておりますことから、その研究結果など、今後の推移を見守ってまいりたいと考えております。
なお、米国では、平成九年から六十五歳以上の高齢者のうち、六十四歳以下で初回接種を受けた方、それから、抗体レベルが低下しやすい患者で、初回接種から五年以上経過している場合、この場合には再接種が可能というようになっているところでございます。
40: ◯百番(筒井タカヤ君) 要望を一つ申し上げます。
御答弁をいただきました中で、安心こども基金のことが、平成二十二年度もできれば市町村に再度働きかけを行い、できるだけ多くの市町村で三人乗り自転車の貸出事業が実施されるよう努めてまいりたいと考えておりますとありました。
県としても、自民・公明連立政権による温かい愛ある事業によって行われる安心こども基金の三人乗り自転車の貸し出しが次の年の民主党連立政権でも行われるとは限らないとの思いもあっての回答と理解します。あれもこれも補助金、助成金を出すと公言している民主党連立政権です。自民・公明連立政権の行った事業でも、よいことはぜひ継続してもらいたいものです。あっちにもこっちにもばらまき過ぎて財源がなくなってしまったということも考えられ、心配です。
県におかれましては、安心こども基金のうち、三人乗り自転車の貸出事業が次の年も行われますよう、今から国に要望を行ってくださることを求め、質問を終えます。
以上です。
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41: ◯三十七番(山下史守朗君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
42: ◯副議長(鈴木孝昌君) 山下史守朗議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
43: ◯副議長(鈴木孝昌君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。
午後二時五十七分休憩
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午後三時五十分開議
44: ◯議長(
吉川伸二君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
通告により質問を許可いたします。
長江正成議員。
〔十六番長江正成君登壇〕(拍手)
45: ◯十六番(長江正成君) それでは、通告に従いまして、私からは、全国学力・学習状況調査について、そして、砂防指定地内行為許可について、順次質問をさせていただきます。
新学期が始まり、およそ一カ月たちました。県内の小中学校は、各学校の教育目標に向かって、先生も子供たちもそれぞれ頑張ってみえるところと思います。私の住む地域の小学校も、二学期の始業式に三名の転校生を迎え、七百八十名でスタートしたと聞いています。
私がその小学校のPTA会長を務めてから八年が過ぎ、また、私の子供が卒業してから三年が過ぎています。愛知県のホームページから四年前の児童数を確認することができました。平成十七年三月のいきいきあいちっ子キャンペーン「体験活動の日」実践事例報告集では、児童数四百二十五名で紹介をされています。
現在、私はPTA会員ではありませんが、地域の有志の方と学校周辺の環境整備を行ったり、地域の子供たちを地域の力で楽しませる行事を開催する際にも、お手伝いを行いながら、現在のPTA会員の方たちから聞く話の中に、保健室の状況があります。
けがや体調の悪い子供への対応だけでなく、健康診断を初めとする事務処理を行いながら、一人で対応している養護の先生が、時には来室する子供が集中するときを考えると、近隣の小学校では考えられない一台のベッドと収納式折り畳みベッド一台、これは通常しまってあるようですが、この保健室のスペースと来室する子供たちに対応する一名だけの養護教員では不十分ではないかという御意見をいただきました。
増築後、狭くなった校長室や、たくさんの机でいっぱいで、非常勤の先生の机が置けない職員室は、私も気がついてはいましたが、急激に児童数が増加し、来春には音楽室を普通教室にし、再来年まで児童数が急増する学校の保健室の状況をこの場で御紹介させていただきました。
昨年の九月定例会では、同僚議員から養護教諭関係の質問がありましたが、養護教諭が行う健康の保持増進や心の健康指導は、学校における児童生徒の健康管理の徹底や、学校環境衛生の維持改善を図る学校の大事な役目の一つであります。児童の増加により空き教室のない学校では、保健室の広さや設備も改善することが必要に迫られている教育条件整備であると私は考えます。
そこで、平成十九年度から実施された全国的な学力調査について質問を行います。
三回目となる全国学力・学習状況調査は、本年度四月二十一日に行われ、その結果が先月八月二十七日に発表されました。今回までの調査で百九十億円以上の税金が使われたと聞いています。
文部科学省は、この調査の目的を国、各教育委員会、学校等が全国的な関係においてみずからの教育及び教育施策の成果と課題を検証、把握し、その改善を図ることにあるとしています。
次の目的として、児童生徒への教育指導や、学習状況の改善等に役立てるとし、調査対象は小学校第六学年、中学校第三学年で、本年度の参加率は対象学年に在籍しない学校を除く国公立小中学校一〇〇%、私立小学校四五・六%、私立中学校四八・一%と発表されています。調査内容は、教科に関する調査が国語と算数・数学の知識と活用に関する問題が出題されています。
また、生活習慣に関する調査も行われ、同時に、学校に対して学習環境等に関する調査も行われました。小学校では、午前の授業時間四時間をすべて使い、中学では、昼休みを挟み五時間をかけ実施しています。
実施要領から確認できる結果公表については、文科省は、国全体の状況及び国立・公立・私立学校別の状況、そして、都道府県ごとの公立学校全体の状況、また、地域の規模等に応じたまとまりにおける公立学校全体の状況を公表するとしています。
結果の取り扱いに関し、次の四点が配慮事項としてあります。
本調査により測定できるのは、学力の特定の一部分であること、学校における教育活動の一側面にすぎないことなどを踏まえるとともに、序列化や過度な競争につながらないよう十分に配慮する。
二点目に、都道府県教委は、個々の市町村名、学校名を明らかにした公表は行わない。
三点目に、市町村教委は、域内の学校の状況について、個々の学校名を明らかにした公表は行わない。
最後に、学校は、自校の結果を公表することについてはそれぞれの判断にゆだねるとしています。
そこで、以下、この全国学力・学習状況調査について、二点の質問をさせていただきます。
まず、費用と効果の問題点について伺います。
三年間で百九十億円以上の税金が投入されたと述べましたが、調査の目的にもある教育及び教育施策の改善が費用に見合うだけ図られたでしょうか。例えば、過去二回と同様、秋田県や福井県が小学校、中学校とも正答率で上位であったそうです。
本県においても、全国の平均正答率との比較においては、小学校はほぼ全国並み、中学校はある程度高く、特に数学が高い。これは十九年度と同様の傾向でした。また、質問紙調査の回答傾向は、小学校、中学校ともに全国とほぼ同様の傾向でした。来年度は、小学校六年生時に全国学力・学習状況調査を受けた子供が中学校三年生として受けますが、過去の結果と大きく変わるとは私は思えません。
この調査に税金を投入するより、特に必要と迫られている教育条件整備に費用をかけるべきと考えます。
例えば、先ほど申し上げた保健室の環境や養護教諭の配置基準は、県独自の見直しを考えるべきではないでしょうか。私は、どのような環境で育っている子供であっても、学校の中では平等であるべきで、伸び伸びと安心して学べる教育環境整備のほうが必要であると考えています。川端文部科学大臣は、現行方式を見直す方針を示している中、県教委の考えをお伺いします。
二点目に、今後の結果公表、開示について伺います。
本年度も、公表翌日の全国紙は都道府県を比較した表が載り、明らかに平均点で序列化した記事が多く見られました。国語と算数、数学がすべての学力のごとく、また、地域によってさまざまな状況があるにもかかわらず、一〇〇%参加のもと、平均点で一律に比較することは意味があるのでしょうか。
また、文科省の調査実施要領では、都道府県教委は、市町村別、学校別の結果を公表できないことになっています。実際は、全国の一部自治体で情報公開請求に応じ、数値による結果公表をする動きに広がりが見られました。特に本年度は、鳥取県では、条例が改正され、県教委が市町村別、学校別の結果を公表できるようになったため、今年度分を開示するという動きが見られました。
本県においては、過去に一部市町村で開示請求があり、その市町村では、請求者に対して部分開示した経緯があったと聞いています。
一部の科目だけのほんの一部の学力を調査した結果をもとに、子供、学校、地域を序列化したり、結果として過度の競争に追い込むことであると考えます。
愛知の子供たちのために、行われた調査の数値による結果公表は行ってはいけないと考えますが、現状の制度のもとでの結果公表について、県教委の考え方をお伺いします。
次に、過去の石原産業フェロシルト問題の際にも議論されました砂防指定地行為許可について質問を行います。
昨年度末に、瀬戸市内で違法な土地の形質変更が行われました。たまたま付近住民の方から現地を見てほしいとの連絡が私のところにあり、現地へすっ飛んでいかさせてもらいました。現地では、土を掘る重機が動いており、また、トラックに掘り出した土を乗せているところでした。近寄るとけげんそうな顔をする作業員に声をかけるも無視されたため、電話で尾張建設事務所に砂防行為の確認をし、どうやら許可前に施工しているとの尾張建設事務所から返事をもらい、現地に職員を派遣してもらうよう要請を行った経験に基づき、質問をさせていただきます。
そもそも砂防指定地は、明治時代に施行された砂防法に基づき、国土交通大臣が指定しているわけですが、土石流、山崩れなどによる土砂災害を未然に防ぐための砂防ダムなどの工事をしたり、土地の形を変えるなどの行為を制限する区域です。
一般的には、土砂災害の起こるおそれのある山地部を指定して、下流の人家、住民の安全を図るものです。指定されると、施設または工作物の新築、改築または除去に伴う土地の掘削、盛り土または切り土、その他土地の形状を変更する行為などが制限をされます。砂防指定地内で次の行為をしようとする方は、原則として愛知県知事の許可を受ける必要があります。
砂防設備に工作物、その他の物件または施設を設け、継続して砂防設備を使用すること。河川等に流入するおそれのある場所に土石、砂れき、その他これに類するものを堆積し、または投棄すること。立竹木を伐採し、または樹根を採取すること。竹木を滑り下ろし、または地びきにより運搬すること。土地の掘削、盛り土、切り土、その他土地の形状を変更する行為を行うこと。土石もしくは砂れきを採取し、または鉱物を採掘すること。芝草を掘り取ること。
以上、本県が愛・地球博開催決定後の平成十五年四月一日施行の砂防指定地内における行為の規制に関する条例と、砂防指定地内における行為の規制等に関する規則に細かく述べられています。
砂防指定地内行為による許可件数は、過去三年間で本県二千十件と聞いていますが、このうち、技術基準を現地で満たしていない許可案件に対して指示票を交付し、建設事務所が指導を行った件数は、三年間で四十件あったとお聞きしました。
また、砂防指定地域の関係により、尾張建設事務所と豊田加茂建設事務所が許可件数及び指示票交付件数は県全体の五八%及び九八%を占めています。
以上を踏まえ、県当局の考えを四点についてお聞きをします。
一点目、建設事務所が書面による指導を行った件数がたくさんありますが、現状で、その指示票交付の原因をどのように分析をされているか、県のお考えを伺います。
二点目、申請者と設計者及び施工者に対して、愛知県砂防基準がそれぞれ十分に把握、遵守されているかお考えを確認します。
先ほど述べた現場では、設計者と申請者の疎通ができていなく、施工者は、施主の指示に基づき仕事をしていると主張し、工事をやめようとはしませんでした。
本県の砂防指定地内における行為の規制等に関する規則の中の様式、書式は、施工者を愛知県が把握をする書類はなく、申請者にすべて任せています。着手届等の様式、書式に、施工者として、作業責任者の住所、氏名、連絡先を追加する必要が大いにあり、規則にしっかり規定すべきと私は考えます。
なお、私は、これ以外の点についても、本県の砂防指定地内における行為の規制等に関する条例に欠けている部分があると考えております。
例えば、欠けている一点目、許可の期間が満了した場合や許可が取り消された場合において、速やかに許可にかかわる土地を原状回復または原状回復にかわるべき措置をさせますが、原状回復措置を完了したときは、その旨を知事に届け出て、その検査を受ける必要があると考えます。
また、その届け出の関係書類には、隣接地所有者を含めた利害関係者の承諾を加えていただきたいと考えます。隣接地所有者の承諾は、現在、本県の砂防許可申請には必要ないと聞いていますが、他の都道府県で必要とされているところもあります。
欠けている二点目、知事またはその命じた者、もしくは委任した者が、砂防法二十三条第一項の規定により、土地への立ち入るときの規定が条例には盛り込まれていません。
欠けている三点目、知事は、本来許可を受けた者に対し、許可にかかわる土地または行為等の状況について、報告または資料の提出を求めることができると考えられますが、本県条例には報告等の徴収に関する条文がなく、第八条の許可の取り消し等だけが目立つのは問題があると考えます。
このように、指導件数が多い状況において、条例の見直しについては、県当局に今後よくよく研究していただくこととして私の意見を述べましたが、まずは愛知県が施工者を把握する書類を改善、見直しすべきと考えるので、本県の砂防指定地内における行為の規制等に関する規則に定める様式、書式の改正を行うお考えがあるかお伺いをします。
三点目に、先ほどの現場で対応してくれた尾張建設事務所の職員は四名でしたが、県内で特に砂防指定地面積の広い尾張建設事務所管内では、通常は二名の警察OBの方が講習を受けて、砂防パトロール業務を三台のパトロール車を使用して行っていると現地で説明をされました。
過去の当局の説明にある月平均一回程度または二週間から二カ月に一度の頻度でパトロールを行っているとすれば、一日一カ所のペースでパトロールすれば、一カ月に平均六十現場、最大百二十現場、最小三十現場を監視できる計算になりますが、着手から完了まで一カ月という砂防行為は少なく、平均年間許可件数が二百四十件で、行為期間が複数年にわたる許可が多いと聞く尾張建設事務所は、砂防指定地パトロール監視が限界を超えていると思われます。県下九台の車両があると聞きますが、その配置の根拠と改善計画をお伺いします。
最後に、先ほど申し上げた現地で作業をしていた人から、私も埋めてしまうぞという言葉をかけられました。告発状を提出する人家や道路、河川に危害を及ぼすおそれがあり、緊急に措置する必要があると考えられるときだけでなく、原状回復さえしっかり行わない違反行為者や、再三の指導に従わない違反行為者に対して、砂防事務に精通した建設事務所職員が現地で指導を行う場合は、身の危険を感じたときでは遅いので、現職警察官が同行できる制度を構築できれば心強く感じられると思います。建設事務所と警察署との間で現状以上の協力関係をつくることはできないでしょうか、お伺いをいたします。
以上、二件の質問をさせていただきました。県当局の前向きで建設的な御答弁を期待して、質問を終わります。(拍手)
46: ◯教育長(今井秀明君) 全国学力・学習状況調査についてお答えいたします。
まず、費用に見合う効果があったかどうかという点についてでございます。
本調査は、教育委員会や学校が児童生徒の学力と生活状況を把握し、指導や学習及び教育環境の改善につなげることなどをねらいとしたものであります。本調査によって、小学校と中学校の最終段階であるすべての児童生徒の学力はもとより、学習意欲や学習方法、学習環境や生活面、指導の状況などとの相関関係が明らかとなり、指導や学習方法の工夫改善に資することができるものと考えております。
これまで、三年間の調査結果から、本県の子供たちの学力の傾向を確認できたことや、市町村教育委員会や各学校が調査結果を分析、考察し、それぞれ指導の改善に活用できたことは、本調査の成果であると考えております。
一方、議員御指摘の教育環境の整備は極めて重要であると考えております。改善すべき教育環境はさまざまありますが、今、学校に共通した大きな課題であります学校の耐震化を含めた施設整備に対する助成措置や、新学習指導要領の実施など、今日的な研究課題に対応するための新たな教職員定数改善計画の策定につきまして、本県教育委員会はもとより、全国都道府県教育委員会連合会や全国知事会と連携して国へ要望しているところでありまして、その実現に大いに期待しているところでございます。
次に、結果の公表についてでございます。
本県では、安易に平均正答率等の数値を示すことは、学校間の序列化を助長し、過度の学力競争をあおるおそれがあることから、個々の市町村名や学校名を明らかにした公表は行わないことといたしております。
市町村教育委員会に対しましても、公表に当たっては、過度な競争意識をあおることのないよう、数値であらわすのではなく、特徴や改善の方策を示すなど、工夫して適切に対応するよう要請しているところでございます。
以上でございます。
47:
◯建設部長(川西寛君) 砂防指定地内行為許可について、四点御質問をいただきました。
まず、書面による指導を行った違反行為の原因についてお答えを申し上げます。
過去三年間に書面による指導を行いました四十件のうち、土砂採取にかかわるものが十件と多くを占めております。違反内容といたしましては、許可範囲を超えました土砂の掘削、また、計画をしていました災害防止施設を設置していないことなどであります。
これらの違反行為が発生する原因といたしましては、利益優先でできる限り広く、または深く掘削して許可範囲を超えてしまうことや、申請者と施工者などの関係者間で、許可内容についての十分な意思疎通が行われていないことが原因と考えております。
次に、県が施工者を把握するために、砂防指定地内における行為の規制等に関する規則に定める様式の改正についてのお尋ねでございます。
まず、許可を受けた方は、その内容を把握し、遵守しなければならないということは言うまでもないことでございまして、ほとんどの行為は、設定者や施工者との意思疎通が図られて、許可どおりに工事が進められております。しかしながら、一部において、議員が経験された事例のように、申請者と施工者などの間でその内容が十分共有されていないため、違反行為の是正指導に苦労している事案も生じております。
また、施工者の把握についてでございますが、現在の手続では届け出を求めておりません。しかし、違反の原因として、関係者間の意思疎通の欠如が考えられますことから、是正指導をより実効性あるものとするためにも、例えば、申請者が提出をいたします着手届や、現地に設置をいたします許可の標識に施工者名を記載するなど、今後、手続上の改善を検討してまいりたいと考えております。
第三に、砂防指定地パトロールの監視者及び車両の配置の根拠とその改善計画についての御質問でございます。
本県では、砂防指定地内の行為を監視するため、嘱託員や砂防パトロール車を事務所に配置して、おおむね一月に一回の頻度でパトロールが一巡できるように計画的に実施をしているところでございます。
このため、嘱託員二名一組でパトロール班を編成し、事務所ごとに最低一班を配属した上、パトロール車及び追加のパトロール班につきましては、各事務所の砂防指定地面積並びに砂防指定地内行為の許可件数などを考慮して、適切に配置しております。
しかしながら、効率的な監視の実施については、違反行為を早期発見をして減らすことが何よりも重要だと考えております。このため、過去の違反の傾向をよく分析し、違反が多く見受けられました同種の行為や場所を重点的に監視するよう、今後とも努めてまいりたいと考えております。
最後に、建設事務所と警察署との間での現状以上の協力関係についてお尋ねがございました。
一部の許可行為で見られます恫喝的な言動などを行う相手には、職員も対応に大変苦労しているところでございます。しかし、一義的には、まず、行政が毅然と対応をし、違反の是正を図らなければならないというふうに考えております。
したがいまして、悪質な行為者に対しましては、交渉記録を残すなど組織的な取り組みを行いまして、違反の程度や現地の状況を判断して、許可取り消しなど、厳正な対応も検討していきたいというふうに考えております。
お尋ねの現状以上の協力関係につきましては、警察の職務権限の関係から、基本的には現地指導への警察官の同行は困難であるというふうに聞いております。しかしながら、地元警察署と情報交換を日ごろから密にして、職務の妨害が想定される場合には通報するなど、悪質な行為者に対しまして適切な是正指導に努めてまいりたいというふうに考えております。
なお、一点、ちょっと答弁に訂正をさせていただきたいと思います。違反行為の原因についてのところでございます。
書面指導を行いました四十件のうち、土砂採取にかかわるものを十件と申しましたが、十六件の誤りでございます。失礼をいたしました。
以上でございます。
48: ◯議長(
吉川伸二君) 以上で質問を終結いたします。
─────────────
49: ◯三十八番(大見正君) ただいま議題となっております議案は、さらに審査のため、それぞれ所管の常任委員会に付託されたいという動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
50: ◯議長(
吉川伸二君) 大見正議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
51: ◯議長(
吉川伸二君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております議案は、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。
なお、議案付託表は議席に配付いたしました。
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一般会計・特別会計決算特別委員会の設置
52: ◯三十七番(山下史守朗君) ただいま議題となっております決算第一号から決算第十三号までは、委員十三名の一般会計・特別会計決算特別委員会を設置し、これに付託されたいという動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
53: ◯議長(
吉川伸二君) 山下史守朗議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
54: ◯議長(
吉川伸二君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております決算第一号から決算第十三号までは、委員十三名の一般会計・特別会計決算特別委員会を設置して、これに付託することに決定いたしました。
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一般会計・特別会計決算特別委員会に付託された決算
決算第一号 平成二十年度愛知県一般会計歳入歳出決算
決算第二号 平成二十年度愛知県公債管理特別会計歳入歳出決算
決算第三号 平成二十年度愛知県証紙特別会計歳入歳出決算
決算第四号 平成二十年度愛知県母子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算
決算第五号 平成二十年度愛知県中小企業近代化資金特別会計歳入歳出決算
決算第六号 平成二十年度愛知県農業改良資金特別会計歳入歳出決算
決算第七号 平成二十年度愛知県県有林野特別会計歳入歳出決算
決算第八号 平成二十年度愛知県林業改善資金特別会計歳入歳出決算
決算第九号 平成二十年度愛知県沿岸漁業改善資金特別会計歳入歳出決算
決算第十号 平成二十年度愛知県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算
決算第十一号 平成二十年度愛知県流域下水道事業特別会計歳入歳出決算
決算第十二号 平成二十年度愛知県県営住宅管理事業特別会計歳入歳出決算
決算第十三号 平成二十年度愛知県印刷事業特別会計歳入歳出決算
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一般会計・特別会計決算特別委員会委員の選任
55: ◯議長(
吉川伸二君) これより一般会計・特別会計決算特別委員会委員の選任を行います。
委員の選任については、議席に配付いたしました文書のとおり指名いたしまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
56: ◯議長(
吉川伸二君) 御異議なしと認めます。よって、委員は議席に配付いたしました文書のとおり選任することに決定いたしました。
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一般会計・特別会計決算特別委員会委員
立松 誠信 直江 弘文
小林 秀央 松川 浩明
深谷 勝彦 浅井喜代治
石井 芳樹 杉岡 和明
住田 宗男 金澤 利夫
長江 正成 柴田 高伸
米田 展之
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一般会計・特別会計決算特別委員会の正副委員長の選任
57: ◯議長(
吉川伸二君) 次に、一般会計・特別会計決算特別委員会の正副委員長の選任を行います。
正副委員長の選任については、議席に配付いたしました文書のとおり指名いたしまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
58: ◯議長(
吉川伸二君) 御異議なしと認めます。よって、正副委員長は議席に配付いたしました文書のとおり選任することに決定いたしました。
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一般会計・特別会計決算特別委員会の正副委員長
委員長 小林 秀央
副委員長 金澤 利夫
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公営企業会計決算特別委員会の設置
59: ◯三十八番(大見正君) ただいま議題となっております決算第十四号から決算第十八号までは、委員十三名の公営企業会計決算特別委員会を設置し、これに付託されたいという動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
60: ◯議長(
吉川伸二君) 大見正議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
61: ◯議長(
吉川伸二君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております決算第十四号から決算第十八号までは、委員十三名の公営企業会計決算特別委員会を設置して、これに付託することに決定いたしました。
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公営企業会計決算特別委員会に付託された決算
決算第十四号 平成二十年度愛知県県立病院事業会計決算
決算第十五号 平成二十年度愛知県水道事業会計決算
決算第十六号 平成二十年度愛知県工業用水道事業会計決算
決算第十七号 平成二十年度愛知県内陸用地造成事業会計決算
決算第十八号 平成二十年度愛知県臨海用地造成事業会計決算
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公営企業会計決算特別委員会委員の選任
62: ◯議長(
吉川伸二君) これより公営企業会計決算特別委員会委員の選任を行います。
委員の選任については、議席に配付いたしました文書のとおり指名いたしまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
63: ◯議長(
吉川伸二君) 御異議なしと認めます。よって、委員は議席に配付いたしました文書のとおり選任することに決定いたしました。
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公営企業会計決算特別委員会委員
浜田 一徳 栗田 宏
川上万一郎 久保田浩文
三浦 孝司 鈴木 正
川嶋 太郎 近藤 良三
浜崎 利生 高橋 正子
とね 勝之 鈴木 純
鬼頭 英一
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公営企業会計決算特別委員会の正副委員長の選任
64: ◯議長(
吉川伸二君) 次に、公営企業会計決算特別委員会の正副委員長の選任を行います。
正副委員長の選任については、議席に配付いたしました文書のとおり指名いたしまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
65: ◯議長(
吉川伸二君) 御異議なしと認めます。よって、正副委員長は議席に配付いたしました文書のとおり選任することに決定いたしました。
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公営企業会計決算特別委員会の正副委員長
委員長 近藤 良三
副委員長 久保田浩文
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66: ◯三十七番(山下史守朗君) 本日はこれをもって散会し、明十月一日から十月十三日までは委員会開会等のため休会とし、十月十四日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
67: ◯議長(
吉川伸二君) 山下史守朗議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
68: ◯議長(
吉川伸二君) 御異議なしと認めます。
明十月一日から十月十三日までは委員会開会等のため休会とし、十月十四日午前十時より本会議を開きます。
日程は文書をもって配付いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
午後四時二十一分散会
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