• "地域防犯県づくり"(/)
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  1. 愛知県議会 2006-12-01
    平成18年12月定例会(第2号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 平成18年12月定例会(第2号) 本文 2006-12-05 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 23 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長内田康宏君) 選択 2 :  ◯議長内田康宏君) 選択 3 :  ◯八十一番(熊田裕通君) 選択 4 :  ◯知事神田真秋君) 選択 5 :  ◯教育長伊藤敏雄君) 選択 6 :  ◯警察本部長山本博司君) 選択 7 :  ◯三十九番(三浦孝司君) 選択 8 :  ◯議長内田康宏君) 選択 9 :  ◯議長内田康宏君) 選択 10 :  ◯議長内田康宏君) 選択 11 :  ◯三十七番(浜崎利生君) 選択 12 :  ◯知事神田真秋君) 選択 13 :  ◯教育長伊藤敏雄君) 選択 14 :  ◯警察本部長山本博司君) 選択 15 :  ◯三十七番(浜崎利生君) 選択 16 :  ◯議長内田康宏君) 選択 17 :  ◯十二番(木藤俊郎君) 選択 18 :  ◯知事神田真秋君) 選択 19 :  ◯教育長伊藤敏雄君) 選択 20 :  ◯警察本部長山本博司君) 選択 21 :  ◯四十番(田辺克宏君) 選択 22 :  ◯議長内田康宏君) 選択 23 :  ◯議長内田康宏君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時開議 ◯議長内田康宏君) ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 一般質問並びに第百六十四号議案平成十八       年度愛知県一般会計補正予算から第百七十七       号議案当せん金付証票の発売額についてまで 2: ◯議長内田康宏君) 第百六十四号議案平成十八年度愛知県一般会計補正予算から第百七十七号議案当せん金付証票の発売額についてまでを一括議題といたします。  なお、第百六十八号議案愛知県教育委員会教育長給与条例等の一部を改正する条例中、第一条愛知県教育委員会教育長給与条例の一部改正について、地方公務員法第五条第二項の規定により、人事委員会の意見を徴しましたところ、妥当なものであると認める旨の回答を受けましたので、御報告申し上げます。  これより一般質問並びに提出議案に対する質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  熊田裕通議員。     〔八十一番熊田裕通君登壇〕(拍手) 3: ◯八十一番(熊田裕通君) おはようございます。私は、自由民主党愛知県議員団を代表いたしまして、順次質問してまいります。  既に御案内のとおり、本県では、いよいよ来年二月四日に愛知県知事選挙が行われます。今議会は、知事選直前の議会でありますので、まず初めに、知事の三期目に向けた抱負についてお尋ねをいたします。  愛知県知事選挙の告示まであと四十日余りとなりました。神田知事は、三選を目指して、我が自民党及び公明党、そして県内各種団体から推薦を受け、さらには市民レベルの支援団体「やろまい愛知・県民の会」も発足され、着実に選挙態勢を整えておられます。  神田知事の誠実な人柄と堅実な行政手腕が評価され、引き続き知事として県政のリーダーとなってほしいと、多くの県民の願いがさらに高まってきている状況であります。  平成十一年二月に知事に就任されて早々、県財政が二百二十三億円の赤字決算となるなど、未曾有の危機的な状況に陥る一方で、愛知万博や中部国際空港の二大事業は、実現までの確かな道筋がまだ描かれておらず、これから具体化しなければならないという大変難しい時期にありました。加えて、万博の会場変更や新空港の万博開幕に合わせた前倒し開港に向けた課題など、数々の難題が持ち上がっておりました。  こうした中でも、神田知事は、随所にリーダーシップと決断力を発揮され、二大事業を立派になし遂げるとともに、全国に先駆けて行財政改革を断行し、組織のスリム化等に取り組まれた結果、依然厳しい状況にあるとはいえ、本年度、全国の道府県の中で唯一地方交付税の不交付団体となったことにも見られますように、財政健全化にも一定の成果を上げられております。  さらには、企業立地の推進や次世代産業の育成、誘致、中小企業支援対策の強化など、産業経済の発展に努めるとともに、県民生活の面においては、教育の新生や安心・安全な地域づくり、県政への一層の県民参加に向けた情報公開やNPO等との協働など、知事就任以来、県民の皆様のさまざまな課題の解決と県政の将来への発展に資する施策の実施に真摯に取り組んでこられました。
     決してパフォーマンスに走ることはなく、マスコミや県民受けをねらった奇抜な施策を打ち上げることもなく、堅実に県政を推進してきた知事の政治姿勢に大いに敬意を表するものであります。  愛知は今、日本の中で最も元気な地域と高く評価されております。しかし、今日の社会経済情勢は激しく変動しており、本格的な人口減少、急速な高齢化やグローバル化が進む中で、過去に経験したことのない変革の時代を迎えております。  こうした時代に的確に対応していくためには、新しい発想や独自の政策展開が求められることは言うまでもなく、今回の知事選は、新しい愛知の創造に向けた決意と具体的な施策を明確に提示すべき大事な選挙であります。  知事は、先月の十五日に、「私の約束」と題するマニフェストの骨子を発表し、県政運営の基本姿勢や基本政策を打ち出されました。  そこで、知事にお尋ねをいたします。  今回のマニフェストの骨子に込めた今後の愛知づくりに対する知事の思いを、改めて県民に向け、率直にお示しをいただきたいと思います。  次に、知事が三期目を目指して掲げられたマニフェストの骨子の中の七つの具体的な政策の柱に沿って質問をさせていただきます。  最初の政策の柱であります安心できる健康・福祉社会づくりについてであります。  まず初めに、少子化対策についてお尋ねをいたします。  少子化は、合計特殊出生率の低下が社会問題化した平成元年のいわゆる一・五七ショック以来、平成六年の国のエンゼルプランを皮切りに、少子化対策のための各種の取り組みが国、地方を通じて実施されてきました。  しかし、残念ながら、これまでの取り組みでは少子化の流れに歯どめをかけることができず、昨年には一・二六まで低下しているのが現状であります。  少子化問題は、国の将来を担う若者が減少するという問題だけではなく、我が国経済の活力の問題にとどまることなく、現役の世代から高齢者の方々の福祉の担い手の問題につながる社会全体の大きな課題であります。  こうした危機的な状況に対して、知事はマニフェストの骨子で、少子化対策への取り組みを政策の柱の最初に掲げられ、不妊治療費の助成の大幅な拡充、三人目以降の乳幼児の保育料の無料化、子供の医療費の無料化の大幅な拡大など、非常に積極的な政策を打ち出されており、少子化対策への並々ならぬ知事の決意をうかがうことができ、高く評価をいたすものであります。  私の身近なところでも、十年間の不妊治療の末、ようやく子供に恵まれた、そんな夫婦がおられます。不妊治療は、精神的、肉体的、さらに経済的にも大きな負担を伴うものであり、また少子化対策に直接結びついていくことから、支援の充実が求められてきたもので、一日も早い実現を望んでおります。  また、子供を産み育てやすい環境があって、初めて安心して子供を産むことができるのであります。マニフェストの骨子に掲げられた保育料や医療費の取り組みは、子育ての環境整備には欠かすことができません。  県が今年度中に制定を目指している少子化対策の基本条例は、社会全体で少子化対策に取り組んでいくための機運の醸成を図ることに効果があり、知事の掲げられたこれらの施策は、この条例の精神を具体化するものであり、大いに期待をするものであります。  そこでお尋ねいたします。  今後、少子化対策についてどのような基本的な考えのもと、知事が掲げられた施策をいかに進めていかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、障害者の自立支援についてお尋ねいたします。  本年四月に施行された障害者自立支援法の理念は、障害者が地域で安心して暮らせる社会を実現することであります。今後は、こうした社会の実現に向けて、施設に入所されている方々の地域生活への移行の問題があります。  現在、福祉施設に入所されている方や精神科の病院に入院されている方の中にも、施設や病院を出て、地域で自立した生活を望んでおられる方があり、そうした希望がかなえられるよう支援していくことが重要な課題であります。そのためには、地域における居住の場を確保する必要があり、あわせて、ホームヘルプサービスなどの在宅福祉サービスや日中活動の場を確保することも不可欠であります。  また、地域生活への不安を解消したり、生活していく上でのさまざまな相談に応じられる体制を整え、さらには受け入れる地域の障害者に対する理解を深めていくことも大切であると思います。  そこでお尋ねをいたします。  こうした課題に対応し、施設に入所されている方々の地域生活への移行を円滑に進めていくために、県として今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。  次に、障害者の就労支援に関連して、授産施設についてお尋ねをいたします。  障害のある方が生きがいを持って自立した生活を送るためには、その人の意欲や能力を社会の中で発揮できる環境を整えることが大変重要であります。働くことにより十分な収入を得たいと考えていらっしゃる障害者の方は大変多くいらっしゃると思います。  障害者自立支援法では、そのポイントの一つとして、就労支援の抜本的な強化が掲げられており、今後は福祉施策と雇用施策との連携を強化し、障害者の一般企業等への就労を一層拡大するような支援策を講じることが必要であると思います。  その一方で、障害の状態によっては、こうした一般企業などでの就労が困難な方もおられるため、就労支援策を推進していく上で、いわゆる福祉的就労の場である授産施設の役割がますます重要になってまいります。  しかしながら、授産施設の現状は、製品の品質や生産性が必ずしも十分ではないため、競争力が弱く、結果的に工賃の水準が低い状況にあり、活動面でもさまざまな問題を抱えております。  また、利用面においても、法施行に伴う利用者の負担の増加により、授産施設の利用を控えざるを得なくなった方もいると聞いており、知事がマニフェストの骨子の中で、通所授産施設の利用者への奨励金の支給を掲げられたことは、関係者を勇気づけるまことに時宜を得たものと評価しております。  そこでお尋ねいたします。  障害者の自立を支える就労支援策の強化の一環として、こうした授産施設の活動内容の向上や利用の促進を図るために、県として今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。  次に、心の健康問題についてお尋ねいたします。  今、私たちの周りでは、子供や高齢者への虐待、子供による殺人事件、いじめによる児童生徒の自殺、あるいは中高年の自殺、さらには若者の引きこもりの問題など、一昔前では考えられなかったような事件が相次いで発生しております。  中でも、平成十年から全国的に自殺者が急増し、毎年三万人を超える方々がみずからの手で命を絶っており、本県でも昨年は千四百六十六人の方が亡くなられており、この自殺者数は、昨年の交通事故死者数の実に四倍以上に当たります。  こうした中、本年六月に自殺対策基本法が成立し、来年六月までに政府の自殺対策大綱が示されることとなっておりますが、事態は深刻であり、一刻も早い対応が望まれております。  心の健康支援に関して、これまで県では、保健所や精神保健福祉センターを中心に精神保健福祉相談として対応してきておられますが、主に精神疾患に焦点を当てた対策がとられてきました。昨今の幼児から青少年、大人、高齢者に至るまで、心の行き場を失ったかのような事件の数々を見るとき、その多くが心の健康の問題を抱えているのではないかと思われます。  今後は、広く県民のだれもが気軽に利用し、いつでも安心して相談できるような支援が求められております。  知事は、マニフェストの骨子で、すべての保健所にメンタルヘルス相談窓口を設置するなど、自殺や引きこもりなど、心の問題への積極的な政策が掲げられており、現代社会の闇に光を当てる重要な政策であり、我が党としても全面的に支持するものであります。  そこでお尋ねいたします。  自殺や引きこもり問題などの心の健康に関連する問題について知事は今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。  次に、いじめの問題と規範意識の醸成についてお尋ねいたします。  いじめが原因とされる自殺がこのところ全国各地で相次いで起きていますことは、まことに痛ましいことであります。本県でも、平成六年に中学二年生の男子生徒が執拗ないじめを苦にして自殺するという事件が起き、以後、この事件を教訓に各学校では早期対応に努めてきております。  昨年、本県の小・中・高等学校のいじめ問題の報告件数は二千五百九十七件で、全国で最も多くのいじめが報告されております。大変不名誉な実績ではありますが、見方を変えれば、実態の把握が進んでいるあらわれとも言えます。  しかしながら、いじめは教師や大人から見えないところで陰湿に行われることが多いため、見過ごしているいじめもまだまだ多いのではないかと懸念しております。  こうしたいじめ問題の背景には、さまざまな要因が考えられると思いますが、相手のことを思いやるとか、社会のルールを守るといった規範意識の低下も関係しているのではないでしょうか。  こうした規範意識が身につかない原因として、地域の教育力の低下や大人の規範意識の低下とともに、家庭の教育力の低下が挙げられます。本来、子供たちの規範意識の醸成は、家庭が責任を持つべきものであり、朝夕のあいさつや礼儀、規則正しい生活習慣などを幼児のころから成長段階に応じてしっかりと親がしつけるべきであります。  しかし、家庭での教育が十分できていない子がふえているため、学校教育にかける期待は、以前に比べ一層大きくなってきております。  学校には、今、悩みを抱えた子供の心のケアを図るとともに、集団生活の中でこそ学べる社会的ルールやマナーを教えていくことが求められております。  そこで、教育長にお尋ねします。  教育現場で起きているいじめ問題への対応と子供たちの規範意識の醸成を図る教育についてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。  次に、二番目の政策の柱、安全で災害に強い地域づくりについてであります。  まず初めに、治安対策についてお尋ねいたします。  本県では、平成十八年を治安回復元年と位置づけ、現在県民総ぐるみの運動が展開されております。さらに、知事はマニフェストの骨子の中で、県内全域にわたり組織された自主防犯団体への支援など、防犯活動に県民の力を結集した地域防犯県づくりの推進を掲げられており、治安の回復を願う県民の期待にこたえるものと評価しております。  急増した犯罪を減少させ、治安を回復させるためには、犯罪の取り締まりなど警察力の強化が不可欠であり、県警では、平成十五年十二月に、治安回復に向けて治安回復アクションプランを取りまとめ、三年間にわたり計画を実施してきました。  こうした取り組みの成果は、犯罪の認知件数が減少に転じていることにあらわれておりますが、依然として、子供が被害者となる事件や外国人や暴力団による組織的な事件などが発生しており、決して治安が回復したとは言いがたく、治安回復のための取り組みは、これからが正念場であると思います。  このような状況に対して、警察本部長が、さきの定例会で、これまでの取り組みのうち継続していくべき事項や、情勢の変化に基づいて新たに追加すべき事項などを盛り込んだ新たなプランを策定し、引き続き治安回復に向けた取り組みを進めていくとの方針を述べており、まさにこれからの取り組みが県の「地域安全緊急三か年戦略」と相まって、さらに大きな成果に結びつくことを期待するところであります。  そこで、警察本部長にお尋ねいたします。  これまでの取り組みの中で、特に成果に結びついたと分析されている事項は何か。また、これまでの取り組みと成果を踏まえ、来年からの具体的な取り組み方針と意気込みをお伺いしたいと思います。  次に、交通安全対策についてお尋ねいたします。  本県の交通事故死者数は、関係機関や県民の皆様方とのさまざまな交通安全対策にもかかわらず、昨日までの交通事故死者数は三百六人で、ワースト二位の北海道の二百五十二人との差を考えれば、残念ながら二年連続でワーストワンとなることが見込まれています。  死亡事故はゼロになることが理想でありますが、昨日現在の死者数三百六人は、昨年の同時期と比べ十七人も減少しており、このまま推移すれば、本年の目標である三百四十人以下を下回ることはほぼ確実な状況であります。  本年の九月末の時点では、交通事故死者数が昨年の同時期とほぼ同数であったことと比較しますと、九月二十一日から開始した交通事故死「ストップ・ザ・ワースト」ファイナル百日作戦の成果が着実に上がっており、評価できるものと思っております。  この作戦では、高齢者の事故防止や飲酒運転の撲滅などを重点に対策を進めてきた結果、高齢者の事故死者が昨年同期と比較してその数を減らし、また飲酒運転が関係する死亡事故も減少していることから、この作戦が功を奏したとうかがえます。この実績をぜひとも来年以降に継続していただき、悲惨な死亡事故を何としても一件でも減らし、汚名を返上していただきたいと思います。  そこでお尋ねいたします。  今現在、年末対策を一生懸命行っておられる時期でありますが、来年に向け、どのように交通安全対策を進めていかれるのか、知事のお考えをお伺いします。また、あわせて警察本部長のお考えもお聞かせください。  次に、三番目の政策の柱、新しい時代を拓く人づくりについてであります。  まず初めに、学校教育の充実についてお尋ねします。  本県が引き続き活力ある地域であるためには、多様で優秀な人材の確保と創出が求められております。中でも、人材育成にとって重要なものが学校教育であり、その基礎となりますのが、小中学校における教育であります。  国の基準では、小中学校の学級編制が一学級四十人のところ、本県では、児童の各個人に応じた指導を充実させるため、二年前から既に小学校一年生で三十五人学級が実施されております。  また、複数の教員で指導するティームティーチングなどの指導も小中学校のすべての学年で実施されており、少人数教育において効果を上げてきております。  こうした実績に基づき、知事はマニフェストの骨子で、この三十五人学級を小学校二年生や中学一年生にまで広げる少人数教育の拡充を示されました。  また、学校教育に関していえば、クラスの人数のみが議論されるのではなく、教員の資質の向上、学校評価の問題、ボランティア活動など、教育の質を高める総合的な検討が求められております。  こうした中、知事は、障害のある児童生徒の教育の充実や外国人児童生徒の教育への支援など、幅広く教育環境づくりを進めるとして、学校教育の充実を打ち出されております。特に、三十五人学級を小学校二年生や中学校一年生への拡充というのは、教育現場を一番よく理解していらっしゃる県内校長会からの強い要望でもあることから、積極的に推し進めるべきであります。  そこでお尋ねします。  知事は、現在小学校一年生で実施している三十五人学級を拡充するとの方向性を打ち出されましたが、今後少人数学級の拡充をどのように進めていかれるお考えか、お伺いします。  次に、高等学校における未履修の問題についてお尋ねします。  十月の下旬に他県で発覚し、全国的な問題となっている高校の必修科目の未履修が、県内の県立高校二十五校、私立高校四校でもあったことは、まことに遺憾であります。  必修科目の未履修は、教育本来の目的をゆがめるものであり、学校への信頼を大きく損ねることとなりました。社会のルールを教える立場にある教師が、それに背くことを教育現場で行っていたことは、強く反省していただかなければなりません。この未履修の問題の根底には、学習指導要領に基づく実際の教育内容と大学受験との間に大きな溝があることが要因として挙げられます。平成十五年から実施されている現在の学習指導要領では、週五日制への移行などにより授業時間が減少する中、履修内容が増加し、一方では大学入試の内容がそれほど変わっていないという現状から、受験科目を優先させることとなったというものであります。  このような問題を解決していくためには、義務教育段階から大学までの教育の全体像の再点検が必要であると思います。また、未履修者には受験を間近に控えた生徒も多くおり、文科省が示した弾力的な取り扱いに沿って、生徒にできるだけ影響を少なくする対応をお願いしたいところであります。  そこで、教育長にお尋ねします。  この未履修問題について、当面どのような対策を講じられるのか。また、県教育委員会として各高等学校を今後どのように指導していかれるのか、あわせて今回の事案について、県民の信頼回復に努めることは言うまでもなく、全国的な問題とはいえ、学校関係者などに対しては厳正な対応をしていく必要があると考えますが、教育長の御所見をお伺いします。  次に、四番目の政策の柱、世界をリードする産業中枢づくりの中の知の拠点づくりの推進についてお尋ねします。  本県経済の活力は、好調な輸送機器産業に大きく依存していることから、この生産が減少した場合、大きな打撃をこうむることが指摘されております。経済が元気である今だからこそ、新産業の育成や既存産業の高度化などの次の手を打つ必要があります。  こうした中、県では、次世代産業の創出をねらいとした知の拠点構想の実現に向けた検討が重ねられております。知事もマニフェストの骨子の中で、世界をリードする産業中枢を目指し、この知の拠点づくりの推進を掲げられております。  先月、知の拠点の基本計画の検討委員会が中間まとめを公表し、知の拠点では、愛知の次世代物づくりを支える基盤技術を超微細技術ナノテクノロジーに絞ることとされました。そして、このナノテクを核にITやバイオも融合した研究プロジェクトを展開し、環境・エネルギー分野や健康長寿分野などに貢献する物づくり技術の創造、発信を目指すこととしています。また、重点研究分野として、次世代エネルギーや診断・治療機器などをテーマ例として示すなど、かなり具体的なイメージが出されております。このほか、特に注目すべきは、革新的な技術開発が可能になる世界最先端の計測・分析評価装置の提案がなされていることであります。  そこで、知事にお尋ねします。  検討委員会から報告された中間取りまとめをもとに、さらに議論を深め、年度末までに知の拠点の基本計画を策定されるとのことでありますが、知の拠点づくりの速やかな具体化に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、知事の決意をお聞かせください。  また、ナノテク研究を推進するため、世界最先端の計測・分析評価装置の導入を目指すとされていますが、具体的にどのような施設を考えておられるのか、本県産業への波及効果も含めて、知事の御所見をお伺いします。  次の質問は、五番目の政策の柱、持続可能な循環型社会づくりについてであります。  この政策の柱は、我が党の政策提言「夢あいち21」の目標でもあります新しい循環型環境先進圏域と相通じるものであり、持続可能な活力ある強い地域づくりには欠かせない政策でもあります。我が党としても支援をしていきたいと思っております。  知事は、マニフェストの骨子の中で、廃棄物を資源として再利用し、廃棄物をゼロにするゼロエミッション・コミュニティづくりの推進を愛知万博における新エネルギーの成果などを活用して進めることとしており、未来を志向した先進的な取り組みとして高く評価するものであります。  そこで、環境をテーマにした愛知万博の剰余金についてお尋ねいたします。  本県に割り当てられた三十億円は、愛・地球博記念公園のイデアのひろばの整備や市町村の国際交流事業などに充てられることとされています。一方、開催地域全体にゆだねられた十億円余については、万博の理念を継承、発展させるゼロエミッション活動やリサイクル運動などの社会活動の支援のため、基金化することとされており、具体的な活用方法については、県、名古屋市、名古屋商工会議所、中部経済連合会に学識者を加えた検討委員会において検討され、先月二十日、公益信託方式により、愛・地球博記念社会貢献活動支援基金を創設するとの内容の報告書が取りまとめられました。  この支援対象は、広く万博の理念を継承、発展させるのにふさわしい社会貢献活動とされており、NPOを初め多様な市民参加による活動を支援する基金が創設されることは、当地域の社会活動の充実と地域づくりへの貢献の観点から大いに期待するところであります。  そこでお尋ねいたします。  万博剰余金のうち、十億円余を使った基金について、その設置、支援方法など、検討委員会でまとめられた報告書の内容をどのように受けとめ、今後どのように対応していかれるのか、知事のお考えをお伺いします。  次の質問は、六番目の政策の柱、多彩な交流が展開される愛知づくりについてであります。  まず初めに、文化芸術の振興についてお尋ねいたします。  我が党の政策提言「夢あいち21」では、未来の産業創造プロジェクトの一つとして、東アジア圏における芸術、音楽等の文化のソフト、ハード両面における拠点整備を提言しております。二大プロジェクトを成功させたこの地域であるからこそ、一流の文化芸術の交流が可能であります。
     例えば、万博開催期間中に芸術文化センターにおいて記念公演を行ったニューヨーク・シティ・オペラの正指揮者、山田敦氏ら関係者が、芸術文化センターの施設や立地条件を絶賛しておられました。このようなすぐれた機能を持ち、世界の一流の芸術家や観客からも評価の高い大ホール、コンサートホールを初め、充実したコレクションを有する美術館などから成る芸術文化センターを活用し、国際的な文化施設との姉妹提携などを図り、東アジア圏の文化芸術の拠点として、世界に一層の情報発信を目指していくべきであります。  知事は、マニフェストの骨子におきまして、愛知発の新たな文化芸術の創造を掲げ、芸術文化センターなどを拠点に国際的に注目される文化芸術イベントの開催を目指すこととされており、文化芸術の面でも元気な愛知を目指す知事の強い意思が感じられます。  そこでお尋ねいたします。  知事は、愛知芸術文化センターなどを拠点にした文化芸術イベントについて、現時点でどのような構想を描いておられるのか、お伺いいたします。  次に、愛・地球博記念公園の整備についてお尋ねします。  博覧会において長久手会場でありました愛・地球博記念公園は、ことしの第一期開園に続き、来年三月には第二期の開園が予定されております。この第二期開園には、例えば子供たちを初め多くの方々に根強く人気のあるモリゾー、キッコロを随所に登場させたり、来園される方々が思わず記念写真を撮りたくなるような夢のあるスポットをつくるなど、幅広い世代の方に楽しんでいただけるような公園づくりを期待しています。  そこでお尋ねします。  来年三月の第二期開園に向けて、どのように取り組んでいかれる所存か、お伺いします。  次に、イデアのひろばについてお尋ねします。  知事は、マニフェストの骨子の中で、多彩な交流が展開される愛知づくりの一環として、博覧会のテーマを継承、発展する愛・地球博記念公園の整備を進めていくとされておりますが、その核となるのがイデアのひろばであります。このひろばについては、理念継承エリア検討委員会が先月下旬に基本計画を取りまとめ、地球市民交流センターやフレンドシップ広場などを提案しており、これらの施設のデザインや演出にも県民の皆様からアイデアを出してもらう市民参加型の施設整備の方針が示されています。  我が党の政策提言「夢あいち21」では、愛知万博の成果継承プロジェクトのモデルとして、イギリスのエデンプロジェクトを挙げております。このプロジェクトは、イギリス南西地区の陶土発掘跡地に建設された環境共生型のユニークな植物園であり、地球に思いをはせるデザインアートと環境エンジニアリングとの効率性を追求した傑作として世界的に注目を浴びているものであり、万博の成果継承プロジェクトの参考にしていただくよう提言したものであります。  そこでお尋ねします。  今回取りまとめたイデアのひろばに関する計画において、このエデンプロジェクトをどのように反映させたのか、お伺いいたします。そして、今後どのようにこの基本計画を実行していく予定か、あわせてお伺いいたします。  最後に、七番目の政策であります分権・協働・行革の県政づくりについてであります。  知事は、マニフェストの骨子の中で、第二期分権改革のスタートに立つ今、地方こそ主役との認識を強く持って、自主、自立の地域経営を目指すため、持続可能な財政基盤の確立などを通じて、行財政改革を積極的に進めるとされております。知事の手腕に大いに期待をしたいものであります。  そこで、まず初めに、県税収入の見通しと今後の財政運営についてお尋ねします。  県税収入に大きな影響を及ぼす我が国の景気は、緩やかながら息の長い回復を続けており、いざなぎ景気を抜いて戦後最長を記録しております。とりわけ、企業収益は好調で、主要企業の九月の中間決算も、多くの企業において引き続き好調を維持しております。  本県の昨年度の県税収入は、前年対比五%増の一兆九百四十六億円を確保しておりますが、引き続き回復を続ける現在の経済状況を考えますと、本年度の県税収入にも大きな期待ができると思っております。  一方、本県の財政状況を見ますと、現在も六百五十一億円もの臨時の財源対策、すなわち基金からの借り入れを行っており、厳しい財政状況に変わりはありません。今後の財政運営を考えますと、まず、この臨時の財源対策の早期解消と県債の発行額の抑制による財政の健全化の推進を期待するものであります。  知事は、マニフェストの骨子の中で、歳入と歳出の均衡を図るプライマリーバランスの黒字化をあいち行革大綱二〇〇五の前倒しにより達成を目指す力強い決意を表明されたところであります。  そこで、知事は、現在の景気や企業収益の状況を踏まえ、本年度の県税収入についてどのような見通しをされているのか。さらに、今年度を含めた今後の財政運営についてどのように考えておられるのか、お伺いします。  次に、行財政改革についてお尋ねします。  神田知事は、平成十一年二月の知事就任以来、時代が大きな転換期を迎えている中、その変化に的確に対応しながら、さらなる県政の発展を目指して、平成十一年度から第三次行革大綱、十四年度から県庁改革プログラム、さらに十七年度からあいち行革大綱二〇〇五に取り組まれるなど、常に行財政改革を推進してこられました。  主な実績として、戦後最大となる本庁の部制再編を初めとした大規模な組織改革、約二千二百人に及ぶ一般行政職員の削減、五十六の公の施設の廃止や民営化、十七の県関係団体の削減などが挙げられます。これらの行革効果は、累計で四千億円を超す成果を上げ、こうした行革への真剣な取り組みが愛知万博や新空港の成功を陰で支え、また県政の発展に大きく寄与してまいりました。  そこでお尋ねします。  これまでの行財政改革の成果に対して、知事御自身はいかなる評価をしておられるのか、お伺いします。  次に、今後の行財政改革に向けた取り組みについてお尋ねします。  本年度から、本県は東京都に次いで普通交付税の不交付団体となったものの、本県の財政状況は依然として楽観できる状況ではありません。しかしながら、本県がさらなる飛躍をするためには、二大事業の理念と効果を生かし、新しい政策の指針や我が党の政策提言「夢あいち21」に基づく政策の積極的な展開が必要であります。  こうした政策の実現に向けた取り組みを足元からしっかりと支え、力強く進めるためには、県の足腰をさらに強化するため、これまで以上に行財政改革の取り組みを強化していく必要があります。  そこでお尋ねします。  あいち行革大綱二〇〇五は、中間段階で適切なフォローアップを行い、さらなる取り組みを推進するとされておりますが、本県のこうした状況を踏まえ、知事は今後どのように行財政改革に取り組んでいくのか、お伺いいたします。  以上、自由民主党愛知県議員団を代表して、今回は特に知事が示されたマニフェストを中心に県政の課題について質問をしてまいりました。  知事、今回の選挙において県内の市長会から推薦をいただいておりますが、その推薦をいただいたある市長さんがこんなことをおっしゃられておりました。一宮の市長時代からよく知られておるそうでありますが、当時の市長のときの行政手腕、そして知事になられてからの八年間も高く評価するということをおっしゃっておられました。そしてまた、ある市長は大変興味深い話をされました。首長や行政マンにとって、常に市民が主役でなければならない。市民が主役とは、首長がタクトを楽しく振っている姿を市民に会場で見せるのではなく、県民、市民が楽しく演じることのできるステージをつくる黒子に徹することだとおっしゃっておられました。この黒子に徹してこられたのが、神田知事、あなただと言っておられました。私も大変意を強くしたところであります。  今回掲げられた七つのこのマニフェストを着実に推進していただき、県民と夢を語っていただき、その実現に向けて、これからも県政のリーダーとして自信を持って頑張り続けていただきたい。県民は必ず良識ある判断を下していただけると思っております。知事の新たなる決意をお伺いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)     〔知事神田真秋君登壇〕 4: ◯知事神田真秋君) それでは、お答えを申し上げます。  まず初めに、今後の愛知づくりに対する私の思いについてであります。  私は、皆様方からの温かい御支援を賜り、知事に就任して以来、愛知の発展のために力いっぱい取り組んでまいりました。おかげで、万博、空港という二大事業を実現できるなど、自分なりにしっかりとした手ごたえも感じております一方、新しい課題も多く、まだ道半ばという思いでございます。  御指摘のとおり、時代が大きな転換期を迎える中で、二大事業にかかわった者として、これまでの成果を基盤とし、この地域の今後の方向性や新たに進めるべき政策の道筋を私自身の手でしっかりとつける責任があると考えております。  私が先月中旬に発表したマニフェストの骨子は、こうした考え方に立ち、未来に向け、よりよい愛知を築くため、高まった愛知の総合力をより確実なものとし、さらに高めていきたい、そんな強い思いを込めて、目指すべき県政について政策の一端を取りまとめたものでございます。  私は、これまで信頼や堅実、そして清潔を大切にして県政を進めるよう心がけてまいりました。今後も、県政運営に臨むに当たり、地域の力を結集する、信頼のきずなを強める、堅実さを大切にする、清潔で透明性の高い県政をつくる、この四つの姿勢を基本として、より豊かで活力のある愛知を創造していきたい、こうした強い信念を持って、来るべき知事選挙に臨んでまいりたいと考えております。  愛知のさらなる飛躍のために、県民の皆様方と手を携えながら全力で挑戦していく覚悟でございます。よろしく御理解をお願いいたします。  次に、少子化対策についてお答えをいたします。  少子化の原因にはさまざまな要因がございまして、日本の現代社会そのものが問われる根の深い問題でありますけれども、現象的には、一般に未婚化、晩婚化の進行、あるいは経済的な負担感や地域の子育て力低下による不安感などを背景とする夫婦出生力の低下ということが言われております。  そこで、具体的な施策としては、まず経済的支援として、子供を望んでも恵まれない方に対する不妊治療費の助成の大幅な拡充、三人目以降の二歳児保育までの保育料の無料化、さらには子供の医療費の無料化を、通院につきましては就学前まで、入院につきましては中学校卒業まで大幅に拡大してまいる所存であります。  また、地域全体で子育て家庭を応援するため、商店や事業者と連携した子育て家庭の優遇制度を実施いたしますとともに、従業員の育児支援を進めるファミリー・フレンドリー企業を応援してまいります。  さらに、未婚化、晩婚化の対策の一つとして、結婚支援のための男女の出会いの場を設ける事業も行ってまいりたいと考えております。  続いて、障害者の自立支援についてのお尋ねのうち、施設に入所されている方々の地域生活への移行についてでございます。  今後、障害のある方々が福祉施設や病院から地域生活への移行を円滑に進めるためには、まず、居住の場となるグループホームやケアホームの設置促進と運営の安定が必要であります。このため、従来から実施しております整備費の助成などに加え、新たに運営に要する費用に対しましても、本県独自の支援を検討してまいりたいと考えております。  また、ホームヘルプサービスや授産施設など日中活動の場につきましても、これを計画的に整備していくとともに、地域生活への不安の解消や地域の理解促進を図るため、相談や啓発などの各種事業を新たに実施してまいりたいと考えております。  次に、障害者の方々の就労支援に関連して、授産施設についてのお尋ねがございました。  この授産施設は、障害のある方々の就労や社会参加の場として大変重要な役割を担っておりますが、現在の活動状況につきましては、議員御指摘のように、工賃水準など必ずしも利用者の期待に十分こたえられていないという面がございます。  そこで、来年度、愛知県授産施設工賃倍増計画、この計画を策定し、商品開発や生産工程の改善、販売促進のための各種事業を実施してまいりたいと考えております。  また、通所授産施設を利用される方の負担軽減措置につきましては、本県を初め各方面からの要請を受け、現在国においても検討を進めていると聞き及んでおりますが、本県独自の利用奨励金支給制度を設けまして、国の制度と相まって、障害のある方々の自立や就労を支援してまいる所存でございます。  続いて、心の健康問題についてお答えを申し上げます。  最近の相次ぐ自殺報道は、大変痛ましく、つらく悲しい思いにさせられます。行政におきましても、できる限りの対応が必要との思いを強くしているところでございます。自殺、引きこもりなどのいわゆる心の問題は、切なる声を聞き、少しでも悩みを共有することがとても大切なことでございますので、すべての保健所にメンタルヘルス相談窓口を開設いたしますとともに、ニーズの高いEメールによる相談を実施するなど、相談体制の強化を図ってまいりたいと考えております。  また、自殺や引きこもりの実態を把握し、それぞれ専門家を交えた会議を新たに設置して、有効な対策を検討するとともに、民間支援団体とも協働して、県民の皆様方の心の健康のセーフティーネットを構築してまいる所存でございます。  次に、交通安全対策についてお答えを申し上げます。  ファイナル百日作戦、交通事故死者数に大きく歯どめがかかるなど、おかげさまで成果があらわれてきているところでございます。とは申しましても、毎年三百人を超えるとうとい命が交通事故で奪われておりまして、この事実を重く受けとめ、来年も交通安全を県政の最重要課題の一つとして、引き続きしっかり対応していく考えでございます。  そこで、明年一月早々に開催する予定の愛知県交通安全県民大会を契機に、一年を通じて、反射材の普及、飲酒運転の撲滅、シートベルトの着用などの啓発活動に力を注ぎながら、県民総ぐるみの運動を展開していくことにしているところでございます。とりわけ、高齢者につきましては、直接家庭を訪問して、交通安全を働きかけてまいりたいと思っております。  次に、学校教育の充実についてお答えを申し上げます。  学校教育に関しては、学力の定着、いじめや不登校の問題、発達障害のある子供や外国人児童生徒への対応など、保護者や教育現場の声をしっかり受けとめながら、さまざまな取り組みを総合的に進め、よりきめ細やかな教育環境の実現に努めていく必要があると、そのように考えております。  その取り組みの柱の一つとして、本県では、平成十六年度から小学校一年生に三十五人学級を導入したところでございます。保護者や学校からは、学校生活の基礎づくりに大変効果的との評価を得ておりますが、さらに大きな効果を上げるために、小学校二年生への拡大を望む声をいただいております。  また、学習や生活の変化になじめず、不登校やいじめが急増するという、いわゆる中一ギャップ、これが大きな問題になっておりますので、他の学年にも増して、教師の目が行き届きやすい環境を整えることが重要であると考えております。  以上のようなことから、少人数学級につきましては、小学校二年生と中学校一年生に順次拡充をいたしますとともに、学習指導面で効果のあるティームティーチングなどの少人数指導も引き続き充実してまいりたいと考えております。  なお、議員も御指摘になられましたように、いじめの問題がございますが、これまでも早期発見、早期対応の一環として、相談機能を高めるため、中学校へスクールカウンセラーの配置拡大をしてきたところであります。しかしながら、小学校におけるいじめの発生件数もふえております状況でもあり、新たに小学校へスクールカウンセラーの配置も考える必要があるのではないかと、そのように思っております。  次に、知の拠点づくりの推進についてお答えを申し上げます。  知の拠点につきましては、さきに基本計画の中間取りまとめで具体的な方向づけをいただきましたが、さらに産・学の皆様の御意見を集約し、年度内に最終計画として取りまとめることにいたしております。そして、先導的中核施設につきましては、早期の供用開始に向けまして、来年度から整備設計に着手したいと考えております。  また、ハードの具体化に合わせて、拠点で展開する研究プロジェクトの構築準備を進めるとともに、当地域の研究開発を支えるネットワークづくりにも同時並行的に取り組んでいく所存であります。  これらのハード、ソフトにわたる取り組みを両輪として、当地域の産業活力にふさわしい科学技術インフラが知の拠点を核に確立できるものと考えているところでございます。  続いて、施設の内容とその波及効果についてでございます。  知の拠点では、次世代物づくりの中核的技術であるナノテクを核に研究開発を推進していくことにいたしております。この研究に不可欠な材料、物質のナノ構造に係るデータを迅速に取得できるツールとして、産・学からの期待が高まっておりますものが、シンクロトロン光利用施設であります。  今、産業の革新は新しい素材や物質の開発でもたらされると言われております。また、それは原子・分子レベルの解析が不可欠と言われております。このシンクロトロン光による計測分析は、既存産業の一層の飛躍に寄与することが大いに期待されておりまして、当地域にふさわしい産業利用を重視した地域共同利用施設として、ほかにはない独自性を打ち出してまいりたいと考えております。  この具体化には、産業界のニーズに即した設備仕様の確立と計測データの解析等への大学の協力が不可欠でございますので、産・学の皆様と協力しながら、早期に検討、調整を図ってまいる所存でございます。  次は、愛知万博の剰余金についてお答えを申し上げます。  今回まとめられました報告書は、実際に活動されているNPOなどの意見もお聞きをし、公益信託を採用するなど、全体として公平かつ公正なものになったと考えております。持続可能な社会の創造や二十一世紀社会モデルの構築を目指す社会貢献活動を行う団体やグループを広く支援しようとするもので、万博の理念の継承、発展に十分資するものになっております。  今後、県といたしましては、この報告書に則して、開催地域関係者四者の代表として剰余金を受け入れ、公益信託により基金をつくるという責務をきちんと果たしてまいりたいと考えております。  次に、文化芸術の振興についてのお尋ねでございます。  文化芸術イベントにつきましては、世界、未来に向けて、愛知発の新たな文化芸術を創造・発信する国際的な芸術祭の開催を目指して、これは来年度にも構想の検討に着手したいと考えております。  その芸術祭は、我が国屈指のホールや美術館を擁する愛知芸術文化センターを拠点にいたしまして、県内のさまざまな文化芸術資産を活用し、広域的な展開を図ってまいりたいと思っております。  こうした思いを、芸術関係者や県民の皆様方、NPO、企業、市町村等と幅広くコラボレートして、ビエンナーレというような国際的な芸術祭としてつくり上げ、今を越える愛知発の文化芸術を世界に発信してまいりたいと考えているところでございます。  次に、愛・地球博記念公園の第二期開園に向けた取り組みについてでございます。  第二期開園につきましては、県民の皆様方が待ち望まれております温水プール、アイススケート場や、博覧会の感動を再び呼び起こしていただく愛・地球博記念館、さらには園内を散策し、四季折々の自然を楽しんでいただける林床花園や日本庭園の茶室などを来年三月にオープンする予定でございます。  施設の各所には、モリゾー、キッコロの演出を行いましたり、あるいは空中回廊によって、ふだんとは違った視点から自然を楽しんでいただける、そんな工夫をするなど、お子様からお年寄りまで幅広く楽しんでいただけるのではないかと私どもも今から大いに期待をしているところでございます。  続いて、イデアのひろばについてお答えを申し上げます。  十一月に開催されました愛・地球博理念継承エリア検討委員会、この委員会において、環境と交流をテーマにした計画を御提案いただいたところでございます。  その計画では、議員からも御指摘がございましたエデンプロジェクトの発想を取り入れ、中心施設となる地球市民交流センターに、自然の光や風を利用したエネルギーシステムの導入や周辺の地形に溶け込む建築デザインの採用など、園内の地形特性を生かした環境共生型の施設といたしております。  今後は、この提案をもとに、遊びながら自然に環境問題などが学べるような工夫や市民参加による森づくりなど、多様な交流活動を具体化させていくなど、より一層の検討を加え、県としての整備計画を速やかに取りまとめ、お示しをしていきたいと考えております。  次に、県税収入の見通しと今後の財政運営についてお尋ねでございます。  まず、県税収入の見通しであります。自動車関連産業を中心に企業収益が好調なこの地域の経済は、力強く拡大を続けておりまして、法人二税を初め県税収入は今のところ極めて順調に推移をいたしております。  こうしたことから、本年度の県税収入の見通しにつきましては、法人二税を中心に相当額の増収が確保できる状況になっております。  こうした好調な県税収入を受けて、今年度の財政運営につきましては、年度末までに臨時の財源対策六百五十一億円のすべてについて解消することができるものと考えております。その上で、将来の財政負担を軽減するという観点から、可能な限り県債の発行抑制にも取り組んでまいります。  そして、翌十九年度の財政運営についてでございますが、県税収入につきましては、企業収益の伸びが鈍化してきておりまして、また歳出面でも、減債基金へのルール積立額、扶助費、退職手当それぞれ増加が見込まれており、依然県財政は大変厳しい状況にあると言わざるを得ないのでございます。  このため、「あいち行革大綱二〇〇五」の徹底による歳出抑制、歳入確保に全力を注ぐとともに、三年連続で県債発行額の抑制を図りたいと、そのように考えております。そして、できればプライマリーバランスの黒字化を二十年度には前倒しで達成し、財政健全化の取り組みを一層着実に進めてまいる所存であります。  続いて、これまでの行財政改革の成果についてお尋ねがございました。  私が県政のかじ取りを任された平成十一年当時、我が国はいわゆる失われた十年の真っただ中にございました。社会全体が閉塞感に満ちておりまして、本県財政も戦後初の赤字決算に陥るなど、まさに未曾有の危機的な状況にございました。  私は、知事就任以来、真っ先に行財政改革に取り組み、各種の取り組みを前倒し、前倒しで断行してまいりました。その結果、二千人を超える行政職員定数の削減など、全国でもトップレベルの成果を上げてきたものと自負をいたしております。これも、職員一丸となり、歯を食いしばって取り組んできた成果であるとともに、これを温かく見守り御理解をいただきました県議会の議員各位並びに県民の皆様方の御支援と御協力のたまものであると考えておりまして、この機会に改めて感謝を申し上げたいと存じます。  私からの最後の答弁になりますが、今後の行財政改革についてお答えを申し上げます。  本県は、普通交付税の不交付団体になったとはいえ、引き続き厳しい財政状況の中にございます。一刻も早く財政健全化への道筋をつけ、足腰の強い財政構造を構築することが県政のさらなる発展にとって不可欠であります。  現在取り組んでおりますあいち行革大綱二〇〇五は、来年度に短期集中取り組み期間である前半の三年間が終了いたしますが、行革そのものは終わりがない取り組みでございます。来年度は、これまでの取り組みを総点検し、時代の流れを十分見きわめながら、しっかりとフォローアップを行い、取り組みの拡大や新規事項の追加、計画の前倒しなどを行ってまいりたいと考えているところでございます。
     なお、先ほど、最後の御質問の中で、県民、市民が主役である、また行政はそれを支える役割を徹底して行うべきである、新たな決意をお聞きしたいという御質問をいただきました。全く同感でございまして、県とともに県民があり、県民の歩みとともに県があると考えておりますので、これからも県民本位、県民主役の県行政を展開してまいりたいと思っておりますので、一層の御支援をお願い申し上げます。  以上で答弁といたします。 5: ◯教育長伊藤敏雄君) 教育に関しまして、二点の御質問をいただきました。お答えをいたします。  初めに、いじめ問題と規範意識の醸成についての御質問でございます。  いじめ問題につきましては、平成六年に本県で発生いたしました事件を踏まえ、いじめの早期発見、早期対応の取り組みの徹底を図ってきたところでありますが、依然として報告件数も多く、憂慮すべきことと思っております。  御指摘のとおり、いじめの背景とその要因はさまざまでありますが、子供たちの規範意識の低下も一つの要因として考えております。こうしたことから、学校におきましては、従来にも増して善悪の判断など規範意識の醸成に取り組む生徒指導や、知事の答弁にもありましたスクールカウンセラーや養護教諭による相談体制を充実するとともに、思いやりの心の育成を初めとして、家庭としての役割を働きかけるなど、学校と家庭や地域との協働によるいじめの問題の対応にこれまで以上に力を注いでまいりたいと考えております。  次に、高等学校における未履修の問題についてでございます。  本県でも多くの未履修等の県立学校が判明し、該当の生徒及び保護者の皆様に多大な御迷惑をおかけし、また県民の皆様の信頼を損ねることになりましたことを心からおわび申し上げます。  教育委員会といたしましては、まずは該当の生徒の卒業と進路希望の実現に最善の努力を払うこと、さらに今後に向け、各学校での必履修教科・科目の確実な履修について、指導の徹底を図ったところでございます。  なお、今回の事案に関しての関係者などへの対処につきましては、補充授業の実施など対応状況を見ながら、できるだけ早く方針を固めたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと存じます。 6: ◯警察本部長山本博司君) 治安対策についてお答えをいたします。  まず、これまでの取り組みの中で成果に結びついた事項は何かというお尋ねがございました。私どもでは、平成十五年の暮れに治安改革アクションプランを策定いたしまして、以来、県警の総力を挙げて取り組んでまいりました。  仕上げのことし、まだ一カ月弱を残してはおりますが、街頭犯罪の抑止や検挙等、基本目標の達成がほぼ確実と見込める状況となっております。このような成果に結びついた要因でございますが、厳しい財政状況の中で、平成十三年以降、千五百七十五人の警察官の増員を認めていただいて、体制が強化、充実されたということ。それから、愛知県安全なまちづくり条例の制定を契機といたしまして、あいち地域安全緊急三か年戦略、あるいはあいち地域安全県民行動計画等が策定をされ、犯罪抑止に向けた官民の意識が高まって、防犯ボランティア活動等も活発に展開されるようになってきたということ、さらには外国人によるものを含めまして、組織的な窃盗グループ等を相当数検挙いたしました。こういったことによって被害防止が図られたこと、こういった要因が相まって犯罪認知件数の減少等の成果に結びついたものと認識をいたしております。  次に、来年からの取り組み方針ということでございます。  この三カ年のアクションプランによる取り組み、相当の成果を上げてきたところでございまして、来年以降につきましても同様に、おおむね三カ年程度を目途といたしまして、もろもろ取り組むべき施策を次期アクションプランとして取りまとめる予定でございます。  内容につきましては、現在最終段階の検討を行っておるところでございますが、あいち地域安全緊急三か年戦略による取り組みと警察独自の取り組みが連動して、大きな成果に結びつくようにするために、この三か年戦略で定める刑法犯の一万件減少という毎年の基本目標とあわせまして、抑止、検挙両面からの警察独自の数値目標を掲げることといたしております。  それと同時に、施策面での目標といたしまして、安全・安心なまちづくりの推進、重要犯罪、組織犯罪、外国人犯罪等に対する捜査活動の強化、治安基盤の充実、この三つの重点に沿って取り組むべき課題、対策を取りまとめる予定でございます。  こうした新しい取り組み方針のもとで、各種施策をより一層強力に推進して、治安回復への道筋をより確実なものにしていきたいと、このように考えております。  次に、交通安全対策についてお答えをいたします。  ことしは、交通事故死「ストップ・ザ・ワースト」を合い言葉にさまざまな対策に取り組んでまいりましたが、現状では、議員お示しのとおり、大変厳しい情勢にございます。ことしの残り一カ月ももちろん全力で取り組んでまいりますが、来年も県警の最重要課題の一つといたしまして、交通死亡事故の抑止を掲げて、組織の総力を挙げて取り組んでいくことといたします。  取り組むべき課題は多々ございますけれども、中でも、お年寄りを事故から守るための高齢者対策、交通秩序を乱し事故の原因となる飲酒運転を初めとした悪質、危険な違反の取り締まり、それから事故が発生しにくい交通環境を確保するための交通安全施設の整備、この三つの対策につきましては、特に重点を置いて取り組んでいく考えでございます。  この対策の推進に当たりましては、県、自治体を初め関係の機関、団体と緊密に連携をさせていただくとともに、県民の皆さんの御理解と御協力をいただきながら、県民総ぐるみの取り組みとなるように努力いたしまして、交通事故による犠牲者を一人でも減少させ、もってワーストワンを返上できるように全力を傾ける決意でございます。  以上でございます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 7: ◯三十九番(三浦孝司君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 8: ◯議長内田康宏君) 三浦孝司議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 9: ◯議長内田康宏君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時十七分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時開議 10: ◯議長内田康宏君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  浜崎利生議員。     〔三十七番浜崎利生君登壇〕(拍手) 11: ◯三十七番(浜崎利生君) 私は、民主党愛知県議員団を代表し、現下の愛知県政を取り巻く重要諸課題につきまして、私たちの考え方を示しながら順次お尋ねをいたします。  それでは、まず初めに、本県を取り巻く時代認識について申し上げます。  私たちを取り巻く環境は、本格的な人口減少や超高齢化社会の到来、そして社会経済のグローバル化の進展、さらには新たな環境問題の広がりなど、時代は大きな転換期を迎えております。こういうときこそ、時代の変化の潮流の本質を見きわめ、従来の既成概念を超えた対応を地方行政として全うしていかなければなりません。  我が愛知といたしましては、歴史と伝統に裏づけられた特性をみずからが再発見し、それを自覚しつつ持続する元気な愛知へと結びつけ、全国の中でもトップランナーとしてリーダー的な存在を目指していくべきであると考えます。  さて、我が愛知は、工業化の伸展が続き、工業用製品出荷額が二十八年連続して全国一位を続けるとともに、農業においても国内有数の生産高を誇っております。そういう意味においては、農工バランスのとれた物づくりにおいて、日本をリードし続けてきたということが言えようかと思います。  これらの背景には、日本の中央など恵まれた地勢的条件に加え、堅実な生活感覚や地域のきずな、積極進取の気概と教育への情熱など、数々の特色ある県民性が、いわば愛知の本能として脈々と受け継がれてきたものと考えます。  こうした中、二〇〇五年の愛知万博の開催は、本県の環境に対する取り組みの先進性を広く世界にアピールしたものであり、愛知が手に入れたもう一つの財産は、この博覧会に携わったすべての人そのものであり、県民の大きな誇りと自信であります。  また、博覧会にあわせて開港した中部国際空港は、第二東名高速道路や東海環状自動車道を初めとする基盤整備の伸展と相まって、産業経済の発展や国際交流の玄関口として、この愛知を中心とした中部地域の発展の可能性をさらに高め、さまざまな効果を生み出しております。  これら二大プロジェクト二〇〇五年の成功は、直接的にも間接的にも、携わってこられた多くの関係者の深甚なる努力のまさに集大成であったことは言うまでもありませんが、過去において設定された規定路線の果実と経済動向のタイミングの結果であるということも冷静に受けとめなければなりません。  私は、この二大プロジェクトの理念をいかに愛知の発展へと結びつけていくのかが今後の我が愛知の大きな課題であると考えます。言い方を変えますと、二〇〇五年がイベントの終わりではなく、新たなスタートラインなのであります。  一方、この愛知にも少子・高齢化時代という変化の波が押し寄せてきております。格差拡大や将来への不安が若い世代の出産や子育てに対する意欲を萎縮させ、物づくりを支えてきた優秀で勤勉な労働力の確保が危ぶまれております。さらに、学力の低下や治安の悪化、加えて流入する外国人労働力やアジア系住民と共存するための制度の立ちおくれなどに対しても、政治や行政は有効な対策を打ち出し切れておらず、ふえ続ける高齢者への福祉施策に係る義務的経費の増加なども自治体の財政難に重くのしかかっているのが現状の実態であります。  こうした中、これまでのばらまき型福祉の拡大や公共事業主導型の経済・景気対策、さらには総花的な行政サービスの拡充はもはや望めるものではありません。  新しい公共サービスの担い手としてNPOを育成し、行政機構を効率的で強力なものに大胆に再編し、限られた行政資源を選択と集中で投下することが必要であります。  私たち民主党愛知県議員団は、これまで分権時代の行政改革に、一貫して、いつも真ん中に人がいると生活者主体の政策を訴え続けてきました。安心して子供を産み育てることができ、質の高い教育や職業訓練がだれでも受けられ、それぞれの能力を職業に生かす機会が保障されるという、こうした社会システムを行政と市民が支え合うことにより、持続する元気な愛知を実現させなければなりません。持続可能なという地球環境問題から生まれた発想を、人を中心とした社会全体のライフサイクルにおいても貫徹することが、愛知の政治や行政の追求すべき最大のテーマであると考えます。  以上、取り巻く時代背景や愛知の特性及び民主党愛知県議員団としての基本的な政策の考え方について述べてきましたが、このことを踏まえて、以下、県政の諸課題について質問をしてまいります。  質問の一点目は、県の施策展開の裏づけとなる財政状況と行財政改革についてであります。  本県は、十四年ぶりに不交付団体となったものの、財政状況は依然厳しいものと受けとめております。今後とも、税収や交付税を含め歳入の大幅な増が望めない中にあって、プライマリーバランスの赤字解消と財政構造の改善は喫緊の課題であります。  本県の県債残高は、十八年度見込みで三兆八千二百億円に上っており、本年度予算規模の一・七倍であり、その利払いは一日当たり一億八千万円となっております。県民一人当たりで見れば五十四万円の借金を抱えていることになります。そのうち、神田知事は、二期八年でおおよそ一兆一千六百億円の借金をふやしていることになり、県民一人当たりでは十六万円になります。借金ですから返済をしなければなりませんが、県債の返済について、いつまでにどのような返済計画をお持ちか、またプライマリーバランスの目標達成の見通しとその方策についてもお聞かせください。  行財政改革についても伺っておきます。  公共工事の競争入札で横行する官製談合や天下りが媒介する随意契約など、大きな社会問題となっております。県職員の外郭団体等への天下りの根絶及び県の外郭団体や関係団体の存廃を含む合理化推進は、世論の批判が高まっている今こそ、見せかけやその場しのぎの小手先の改革ではなく、行財政改革の中で第一に取り組むべき課題であると考えます。こうした問題に対する知事の御所見と対応策についてお伺いします。  また、県庁改革の主要な取り組みの一つである地方機関の見直しでありますが、当初の計画である十九年度にはこだわらないと伺っております。私たち民主党愛知県議員団は、二十年度にめどをつけるべきと考えますが、なぜそうなっているのか、またいつまでに実施されるのか、お伺いをいたします。  質問の二点目は、健康・福祉社会づくりの推進についてであります。  初めに、障害者自立支援法の新制度のもとでの本県の取り組みについてお伺いします。  障害者の地域での生活と就労の支援及び施設入所者の地域生活への移行と、自立支援や障害者の主体性を尊重した保健福祉サービスなど、県民が安心して利用できるよう、サービス水準の維持向上が図られることが強く求められております。  特に、グループホームで暮らしながら授産施設を利用した場合、そのために必要な経費が障害基礎年金や授産工賃などの収入を上回ることがあり、これまでの生活レベルを維持できなくなるケースが出てきております。  また、障害福祉サービスの支給決定に当たっては、障害程度区分の認定状況、社会活動状況や介護者、居住の状況、サービスの利用意向等を総合的に判断して、適切な判断がなされなければなりません。  こうした障害者の地域生活や就労及び自立支援に対し、どのような受けとめをされているのか、御所見とこれまでの取り組み状況をお聞かせください。  医療の問題についても伺っておきます。  厚生労働省は、療養病床について、現在の約三十八万床を十五万床程度に減らす方針のようであります。医療制度改革により病院の療養病床が大幅に削減され、老人保健施設や有料老人ホームなどの居住系サービス、さらに在宅療養などに病床の転換が進められております。  日本医師会の調査によりますと、現時点での削減を断行すれば、医療療養病床に入院している四万人近い患者が退院後に行き場のない介護難民となるおそれがあると分析した調査結果を公表されております。  退院後に入所する施設不足や在宅介護サービスの未整備などが主な理由で、早急に受け入れ態勢を整備するべきと指摘をしております。療養病床を持つ二千八百七十医療機関からの有効回答を得た同会調査では、病状が安定しており、退院可能な患者は一万八千六百二十八人で六三%、退院可能な患者の中には、施設の入所待ち、独居や家族が高齢で在宅の受け入れが困難など、行き先がない患者は四割近い一万一千百三十九人に上ったようであります。  また、全国に同様の患者が約十万人いることを考えますと、約四万人が行き場がなくなるおそれがあるとしております。  この数値を単純に案分計算しますと、我が愛知県では約一千五百人を超える方々が介護難民になることになります。療養病床の削減は六年かけて行われ、今すぐになくなるものではないとしつつも、その対応は待ったなしであります。  こうした療養病床削減に伴う実情に対し、どのようなお考えをお持ちか、御所見とこれまでの取り組み状況をお伺いいたします。  一方で、産婦人科などの医師不足が問題になる中、愛知県と県医師会は、十月に「病院医療が崩壊の危機に瀕している」と題し、シンポジウムを開催されました。パネラーからは、勤務医について、開業医よりも低い年収で過重労働を強いられている。また、忙しくて自分の時間が持てず、まじめな人ほどやめたくなる環境だなどの意見が出されたようであります。  また、医師不足の解決策について、地域医療人材センター(ドクターバンク)の活用のほか、地方の医師をふやすため、都市部の病院を整理すべきだなどの提言もあったと聞いております。  我が県における医療施設従事医師数を人口十万人当たりで見てみますと、全国三十七位であり、他の都道府県と比較し、決して十分な体制であると言える状況ではありません。  一方、豊橋市内のお産を取り扱う診療所を豊橋保健所が調査したところ、三診療所が助産師を雇用していなかったという例も発生いたしております。このように、看護師や助産師などの看護職員不足も問題となってきており、比較的大規模な病院に集中するなど、施設における偏在が明らかとなっております。  こうした医師不足、看護職員不足の実情に対し、知事はどのように受けとめておられるのか、御所見とこれまでの県の取り組み状況をお聞かせください。  質問の三点目は、愛知の教育の取り組みについてであります。  今、教育現場では、いじめによる自殺が社会問題になっております。大変残念な状況であると言わざるを得ません。  愛知県西尾市において、一九九四年、当時中学二年の大河内清輝君が現金をおどし取られるという恐喝のいじめを苦に自殺した事件がありました。この事件後、文部省や国会でいじめ問題が議論をされましたが、その後は改善されているのでしょうか。疑問を禁じ得ません。  いじめが主な原因で自殺した公立小・中・高校の児童生徒を文部科学省がゼロと発表していた九九年から〇五年の七年間に、いじめが原因と疑われる自殺が全国で少なくとも十六件あることが毎日新聞の集計により明らかになりました。文部科学省や教育委員会、そして学校によるいじめ自殺の実態把握の不十分さが厳しく問われなければなりません。  いじめの発生件数を都道府県別に見ますと、昨年度、小学校で、我が愛知県が最多で八百五十七件、最少は宮崎県の二件。中学校でも、愛知県が千五百八十九件と最も多く、最少は福島県の二件。児童生徒千人当たりでは、愛知県三・四件に対し、福島県は〇・一件となっているようであります。  宮崎県教育委員会は、学校現場がアンテナを張りめぐらせ、きめ細かい指導をしている成果とし、福島県教育委員会では、他県との比較はわからないが、ゼロではないので、まだまだ取り組んでいかなければならないと説明しているようであります。  この文部科学省の統計数字は、実態を反映していないのではと疑問に思うわけであります。大河内清輝君が自殺した後、愛知県では目安箱を校内に設け、無記名のいじめアンケートも定期的に実施してきておりますが、残念ながら、去る十一月十日、西枇杷島署において、同級生への暴行で中学二年生男子二人が逮捕されました。北名古屋市でもいじめ暴行事件が起きておりますが、学校側がいじめを見抜けない、事態の把握が後手に回っているなど、学校側の対応にも問題があるようであります。  愛知県のいじめの実態についてどのように受けとめ、教育現場での対応をどのように展開しているのか。さらに、福岡県、北海道、岐阜県で立て続けに発生したいじめ自殺の後、県内市町村の独自の動きもあるようでありますが、県としてどのような取り組みをされたのか、教育長に伺っておきます。  こうしたいじめ問題への対応も含め、私たち民主党愛知県議員団は、小学校低学年への三十人学級の導入と少人数指導の充実をぜひとも実現させたいと考えております。  また、国が県や市町村の支出金を対象として実施している地方教育費調査によりますと、平成十六年度、本県の小学生一人当たりの教育費は約八十一万四千円で全国四十二位、中学生は約九十一万八千円で全国四十六位であります。中学校一学級当たりの教員数も全国最下位であります。  いじめ問題が大きな社会問題となっている今こそ、せめて県の児童生徒一人当たりの教育費を全国平均並みに引き上げ、きめ細かな指導ができる教育環境を整備すべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。  また、小学校第一学年における三十五人学級の評価をどのように整理されているのか、さらに他の学年への導入拡大は考えられているのか、教育長にお伺いをいたします。  次に、未履修問題についてお伺いをします。  高等学校の必履修科目の履修漏れ問題で履修漏れのあった公立高等学校は、十月二十七日時点で十八都県・政令市の九十七校に上り、九十七校すべてが教育委員会に虚偽のカリキュラムを報告していたことも判明をいたしました。  十一月一日の時点では、全国の公立・私立高等学校の一割に当たる五百四十校に上り、人数としては、高校三年生の七・二%の八万三千七百四十三人に達したことが判明しております。  愛知県では、県立高等学校二十五校と私立高等学校四校の計二十九校で、いずれも三年生の生徒計四千百五十二人が世界史や日本史、地理などの必履修科目を履修していなかったと聞いております。  また、文部科学省は、必履修科目を未履修で高等学校を卒業した者については、卒業認定を取り消す必要はないと通知しておりますが、愛知県においても、未履修のまま卒業をした生徒が現にいると聞いており、これはまことに残念なことだと言わざるを得ません。  進学だけに重点を置く学校の姿勢は問題でありますが、ゆとり教育で授業時間数が足りなくなったという限界の中で、大学受験という現実と学習指導要領がかみ合っていない中で、各学校が苦肉の策として選んだということも推測できるわけであります。  そこでお伺いします。  未履修問題について、県教育委員会は全県立高等学校に調査をされておりますが、このような未履修問題に対して、該当する高等学校への生徒への対応と再発防止等についてどのようにお考えか、あわせて、先ほども述べましたが、大学受験科目と学習指導要領の食い違いという現実をどのように解消していくおつもりか、教育長にお伺いします。  また、今回の未履修問題について、知事はどのようにお考えか、御所見をお伺いいたします。  質問の四点目は、環境先進県愛知づくりについてであります。  近年、ヨーロッパにおける異常高温や我が国での集中豪雨、竜巻の発生、あるいはアメリカでの巨大ハリケーンの猛威など、地球温暖化の影響とも言われる異常気象が世界的に目立ち始めてきております。  こうした中、先月、ケニアのナイロビで開催されました京都議定書の第二回締約国会議では、議定書の約束期間後の二〇一三年度以降の新たな枠組みについて、難航の末、当面二〇〇八年に見直し協議を行う旨の合意がなされ、世界的規模での環境への取り組みの重要性が再認識されたところであります。  一方、昨年本県で開催された愛知万博は、国際的にも高く評価されたところであります。この万博では、「自然の叡智」をテーマとして、各パビリオンでのさまざまな環境配慮や太陽光、風力などの新エネルギーの活用、バイオラングなどの自然の力を利用した技術、さらには徹底したごみの分別や間伐材の利用、あるいはNPOや市民が主体となって進められた環境学習や交流事業など、広範囲にわたる環境への取り組みが展開され、世界へ発信をされました。
     もちろん、万博開催時だけでなく、海上の森の保全や環境影響評価の手続など、会場づくりから施設の撤去に至るあらゆる過程において、環境に配慮した取り組みが進められたと承知いたしております。  開催県である本県としては、こうした万博の理念や成果をしっかりと今後の新しい愛知県政の中に生かし、引き継いでいくことが重要であり、開催県としての責務であろうと考えます。  こうした環境に対する動きの中、私たち民主党愛知県議員団は、ポスト万博の「愛知ビジョン二〇二〇」として、本年二月に「持続する愛知」を取りまとめました。この中の政策インデックスでは、ゼロエミッション社会の実現、温暖化対策、公共交通機関への転換、環境教育の推進など、持続可能な社会づくりを目指した環境先進県愛知の確立を政策の柱として提言をいたしております。  一方、神田県政が平成十一年に誕生してからの環境政策は、平成十四年に、人が安心して快適に生活できる自動車環境の実現を目指したあいち新世紀自動車環境戦略、平成十六年には、資源循環型社会の実現を目指したあいちエコタウンプラン、平成十七年には、地域として先進的な温暖化対策を進めるあいち地球温暖化防止戦略など、各種の環境政策が相次いで打ち出されました。  環境政策は、先進的な計画の立案はもちろん必要でありますが、こうした政策がどう運営され、どのような効果や結果を生み出したかという検証も重要であります。つまり、他の都道府県から我が愛知が環境先進県であると評価されることが重要であると考えます。そこでお伺いいたします。  世界的規模での環境への取り組みの必要性が高まり、万博の理念、成果を継承し、循環型社会の実現が望まれる中、これまで愛知県が打ち出した自動車環境対策、温暖化対策などの環境先進県としての主要環境政策がどのように進み、いかに効果が上がっているのか、お伺いをいたします。  質問の五点目は、産業活性化対策と企業誘致及び雇用対策についてであります。  愛知及び愛知を中心とするこの地域は、全国で最も元気な地域と評価されております。その要因は、何といっても物づくりに支えられた経済活動の活発さにあることは言うまでもありません。自動車産業の好調がすそ野の広い部品関連業界はもとより、これも地域に集積している工作機械等の関連産業に波及していることが大きな要因であります。  九月に公表されました工業統計調査結果の速報によりますと、二〇〇五年における本県の製造品出荷額は三十九兆三千七百八十六億円で、前年に比べ七%増加し、また六年連続の増加で、かつ過去最高額の増加となり、二十九年連続で全国一位が確実な状況にあると聞いており、まさに元気な愛知を裏づける結果となっております。  このように、少なくともこれまでは自動車産業を中心とする従来の産業集積の効果によって愛知は発展を遂げてきたわけでありますが、経済のグローバル化が一層進展し、東アジア地域が急速な経済発展を遂げる中にあって、この地域がこれまでどおり活力を維持し、引き続き世界的な物づくりの拠点であり続けるためには、何が必要であるのかを見きわめて、実績を積み上げていかなければなりません。  自動車業界においては、日々たゆまぬ取り組みにより、現場における物づくりの力を深めていくことと同時に、新素材やITを初めとする新しい技術の開発に取り組んできたことが相まって、今日の繁栄があるものと考えます。  私は、愛知における行政として、これからの地域の産業振興を図っていく上においては、自動車産業を中心とする従来の産業集積をより強いものにしていくこととあわせて、愛知の次世代を担う新しい産業分野、技術分野を育てていくことが重要であると考えます。  そこで伺います。  県は今、産業創造計画に基づいて次世代産業の創出に取り組んでおられますが、この次世代産業の創出及び新しいビジネスモデルの創出についてどのように取り組んでおられるのか、お伺いします。加えて、この地域の産業集績をさらに充実したものにしていく上で、この地域に国内、国外を問わず成長が期待できる企業を誘致してくることも効果的な取り組みと考えますが、この企業誘致活動の展開について、県としてどのようなお考えをお持ちか、お尋ねをします。  また、本県産業の持続的発展にとっての大きな課題は、少子高齢化の進展の中での労働力の減少とそれに対する雇用対策についてであります。本県の物づくり産業等の順調な展開を基本に次世代産業を大きく開花させ、全体として本県産業が質、量ともに一段高い水準に到達するには、そうした産業を支える人材の確保が重要であります。  労働力人口の減少が見込まれる近い将来に向けて、本県産業の安定的な展開に必要な人材の確保についてどのように認識され、どのようなお考えのもとに対策を展開されるのか、お伺いをいたします。  質問の六点目は、農林水産業の振興についてであります。  最初に、愛知の強みを生かした農業施策についてお伺いします。  農業は、人間が生きていく上で欠くことのできない食糧を供給するとともに、安らぎの場の提供、洪水の防水、水資源の涵養などのさまざまな多面的機能を発揮することにより、私たちの安全で安心できる豊かな暮らしを支えております。このような機能は、農業が健全に営まれることによりもたらされるものであり、今後とも維持、発展させていく必要があります。  しかし、近年、輸入農産物の増加による価格の低迷や産地間競争の激化等により農家の経営が悪化し、担い手の減少がさらに見込まれるとともに、BSEや鳥インフルエンザの発生、残留農薬の問題、食品の偽装表示事件などが相次いで発生し、食の安全性に対する消費者の関心が高まっております。  一方、国際化が進展する中、WTO農業交渉に加えて、特定の国・地域間で関税撤廃等を行う自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)の議論においては、農産物の輸入自由化が大きな焦点になっております。  こうした農業をめぐる状況の中で、本県農業は産出額全国第五位の位置にあるなど、大変頑張っているところでありますが、この背景には、温暖な気候、日本の中央に位置するとともに、七百三十万人もの県民を抱え、大消費地が近くにあるという立地条件、さらに高度な産業技術が集積し、農業分野においても、技術開発力という点で全国に誇り得る農業総合試験場などの研究機関があることなど、さまざまな条件に恵まれていることも挙げられます。  本県農業の持続的な発展のためには、国内の産地間競争に打ち勝ち、海外からの輸入農産物に対抗することができるよう本県産農産物の競争力を高めるとともに、消費者の本県産農産物に対する支持を拡大していくことが重要でありますが、私は、県として、すぐれた技術開発力などを本県の強みとしてとらえ、この強みを生かした施策を展開していくことが必要ではないかと考えます。  そこで伺いします。  県は、農産物の競争力を高めるため、本県の強みを生かして、新品種の開発や低コスト化、省力化のための技術の開発にこれまでどのような方針で取り組まれ、どのような成果を上げてこられたのか、お伺いをいたします。  次に、本県産農産物に対する消費者の支持の拡大についてであります。  生産者が安全・安心な農産物の供給に努めることはもちろんでありますが、日ごろから生産者と消費者が互いの顔が見える関係を築き、信頼を深めていくことも重要であります。多くの消費者が近くにいるという本県の強みを生かし、地域で生産されたものを地域で消費する地産地消を推進していくことで消費者と生産者の信頼関係が深まり、本県産農産物の消費拡大や農業者の営農意欲の向上にもつながります。  そこで、県では、地産地消を推進するため、これまでどのように取り組んでこられたのか、また課題についてもお伺いいたします。  質問の七点目は、治安・交通安全対策についてであります。  まず、安全なまちづくりの推進についてお伺いします。  県は、本年を治安回復元年と位置づけるとともに、ことし三月にはあいち地域安全緊急三か年戦略を策定し、刑法犯認知件数を毎年一万件以上減少させることを目標に掲げられましたが、初年度である本年は、これまでのところ、三万五千件を超える大幅な減少になっていると聞いております。  また、戦略の大きな取り組み課題である自主防犯団体の設立についても、ほぼすべての小学校区で設立され、その地域における防犯パトロールや声かけ運動など、刑法犯認知件数の減少に成果を上げている大きな要素となっているものと受けとめております。  しかし、十年前と比べれば、犯罪件数は依然高水準にありますし、油断をすればもとに戻ります。私は、治安回復には警察力の強化と行政の取り組み及び地域住民の協働、この三位一体の活動をより充実強化することにあると考えております。  そこで、知事は、あいち地域安全緊急三か年戦略の推進状況をどのようにとらえ、それを踏まえて今後の課題をどのように認識されておられるのか、お伺いします。  次に、交通安全対策についてであります。  本県の交通事故死者数は、昨日現在三百六人で、昨年と比べて十七人減少しておりますが、大変残念なことではありますが、二年連続で全国ワーストワンとなることがほぼ確実となっております。  また、八月に福岡市内で起きました幼い三人の命を奪った飲酒事故を契機に、世論の飲酒運転撲滅機運が高まっているにもかかわらず、本県では、十一月に一度に四人ものとうとい命が飲酒運転で失われております。  本年もあと一月で終わろうとしておりますが、悲惨な交通事故の防止に向けて、最後までの取り組みが重要であります。  そこで、目下行っております交通事故死「ストップ・ザ・ワースト」ファイナル百日作戦では、高齢者の事故防止や飲酒運転の撲滅等を重点に展開されておられますが、作戦の成果はいかがなものか、その進捗状況について知事にお伺いをいたします。  並大抵の取り組みでは、ワーストワンの返上は達成不可能であると考えております。ファイナル百日作戦の今後の取り組みをどのように展開されていくのか、警察本部長にも伺っておきます。  質問の八点目は、知事の退職手当の引き下げについてであります。  これまでの知事の退職手当の引き下げは、平成十六年四月一日付で、給料月額掛ける在職月数掛ける百分の八十から百分の七十に改定されております。今回の提案は、係数値百分の七十を百分の六十に改定しようというものであります。  県民の意識からすれば、下げることに異論はないものの、どの程度が妥当なレベルなのか、さまざまな意見があろうかと思います。現在の最低は、山口県、沖縄県の五〇%でありますが、安易に低ければよいというものでもないと考えます。今回の改定内容については、報酬審議会の意見も聞かれたようでありますが、本来、知事の退職手当の性格をどのように考え、どのレベルにするのか、幅広い議論があってしかるべきであります。  今回の知事の退職手当の改定のタイミングを考えますと、選挙戦への対応ととれることも考えられないわけでもないわけであります。  そこで、本年度は年間総合予算として編成され、知事の退職手当も既に当初から予算化されている中で、年度の途中で支給率を変更することについて、知事はどのような考え方をお持ちか、伺っておきます。  また、知事の退職手当の性格について及び百分の六十に改定する根拠についても、あわせてお伺いします。  以上で壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)     〔知事神田真秋君登壇〕 12: ◯知事神田真秋君) お答えをいたします。  最初に、県債の返済とプライマリーバランスの見通しについてでございます。  まず、県債の償還についてでございますが、県債残高の増加のうち、臨時財政対策債や県税補てん債といった、いわば国の事情で発行を余儀なくされた県債が約四千九百億円と四割を超えております。そして、残る約六千七百億円が通常の県債でございますが、これは言うまでもなく、道路やら災害対策など社会資本の整備のために未来への投資として発行しているものであります。  実質的な公債費の一般財源に占める割合を示す十八年度の実質公債費比率を見ますと、本県は一二・四%でございまして、全国四十七都道府県のうち九番目に低く、適正に県債の管理が行われていると、そのように考えております。その償還につきましても、県債発行の際の許可年限の中で計画的にきちんと償還を進めているところでございます。  また、プライマリーバランスについてでございますが、あいち行革大綱二〇〇五では、通常の県債の歳入に占める割合を十六年度の一〇・四%から二十二年度には六%台に抑制する目標を立て、今年度、十八年度には七%台まで抑制したところでございますので、十九年度におきましても、この取り組みを進め、三年連続で県債発行額の抑制に取り組む決意でございます。  このような取り組みの結果、プライマリーバランスの赤字幅も十八年度は三百七十九億円と着実に縮小いたしておりますので、今後とも一層の歳出の抑制と歳入の確保を図り、できればプライマリーバランスの黒字化を二十年度に前倒しで達成してまいりたいと考えているところでございます。  次に、外郭団体に対する合理化推進についてお答えをいたします。  県関係団体につきましては、私が就任して以来、団体数は三十七団体から二十団体へとほぼ半減させ、さらに常勤役員数につきましては百二十一人を四十七人へと六割以上の大幅な削減を行ってきたところでございます。また、職員数や県からの財政支出につきましても、いずれも数値目標を掲げた取り組みにより、着実な削減を実現してきたところであります。  今後におきましても、指定管理者制度の拡大などによりまして、より一層の合理化に努めてまいりたいと存じます。  なお、県職員の再就職についてでございますが、これら県関係団体は、御高承のとおり、県行政の補完、代行という役割を担っておりまして、役職者に適任者を推薦してまいりました。退職する県職員が長年培った行政経験をそうした職場で生かしてもらうことは、人材活用の面からも意義があるものと考えております。  これらのいわゆる県OB役職員につきましては、これまで報酬額の見直しや退職手当の廃止などの合理化に努めてきたところでございますが、今後とも適切に対応してまいる所存でございます。  次は、地方機関の見直しについてでございます。  地方機関は、県民サービスの拠点でございまして、また市町村の窓口として、まさに県政の最前線であります。こうした地方機関の性格を考えますと、地方自治や地方分権をめぐる動き、本県における市町村合併の動向などを十分見きわめ、地域において県が果たす役割や機能をしっかりと検討しなければならないと思っております。  また、これまでの検討過程で、地域の皆様方から、県民サービスの一層の向上や山間地域への配慮、あるいは時間をかけたしっかりとした体制づくりなど、さまざまな御要望が寄せられております。こうした声に幅広く耳を傾け、県民の皆様方のニーズにきめ細やかにこたえる地方機関を実現することが肝要であると考えております。  私は、本年六月議会におきまして、十九年度実施にこだわらず、これまで申し上げた課題について検討を深める旨の答弁をいたしました。現在、そうした方向で全力を挙げて検討を進めておりまして、二十年度から新しい体制をスタートさせたいと考えているところでございます。  続いて、障害者自立支援についてお答えを申し上げます。  本年四月に施行されました障害者自立支援法につきましては、身体、知的、精神の三障害の制度格差の解消、また市町村への実施主体の一元化、就労支援の強化など、評価すべき点は多いと考えております。しかしながら、法案成立から施行までの期間が短く、また新たな利用者負担の導入や報酬基準の見直しなど、市町村や利用者、事業者にとって大変厳しい一面もあるものと考えております。  県といたしましては、これまで市町村への制度内容の周知徹底、事業者への指導、制度に携わる人材の育成など、精力的に行いますとともに、制度の問題点につきましては、機会あるごとに国に対して改善の要望を行ってきたところであります。  次に、療養病床削減についてお答えを申し上げます。  今回の医療制度改革は、急激な少子・高齢化が進展する中で、毎年ふえ続ける医療費をどう負担するのかという大きな課題に対し、いわゆる社会的入院を減らし、治療重点の医療から疾病の予防を重視した保健医療体系へと転換を図る戦後最大級のもので、それだけに周到な準備と体制づくりが必要になってまいります。  その改革内容は、医療保険制度の将来にわたる持続的かつ安定的な運営を確保するため、療養病床の削減を含む医療費適正化の総合的な推進、新たな高齢者医療制度の創設などを行うというものでございます。  特に、療養病床の削減は、県民の皆様方の安心を確保する上から非常に重要な問題でございまして、療養病床を退院される方々が行き場がなくなることのないよう、介護や医療の提供体制の整備を計画的に進めていく必要があると認識をいたしております。  このため、私も全国知事会の社会文教常任委員会の委員長を務めておりますので、療養病床削減問題につきまして、何度も国へ足を運び、地方の実情を訴え続けてまいりました。この十一月にも、地域での受け皿づくりの基本方針の早期提示などを強く要望してきたところでございます。  この方針を踏まえた上で、来年秋には本県の──仮称でございますけれども──地域ケア整備構想、この構想を作成することにより、療養病床の円滑な転換を図り、高齢者の皆様方が地域で安心して生活できるよう努力をしてまいりたいと思います。  続いて、医師・看護職員不足についてお答えを申し上げます。  全国各地におきまして、病院の医師や看護職員の不足が叫ばれておりまして、私ども愛知県におきましても、大変憂慮すべき状況にあるものと認識をいたしております。  都道府県の医師不足を判断する指標として、人口十万人当たりの医師数という指標もございますが、国は面積百平方キロメートル当たりの医師数という指標も用いておりまして、この面積当たりの指標では、愛知県は全国で第五位でございまして、この点からいえば、必ずしも下位にはなっていないわけでございます。  医師確保につきましては、私も、県の立場でも、先ほど申し上げました全国知事会の立場でも、国に対し強く要望を行ってまいりました。その結果、自治医科大学の入学定員の増加や産科医療における無過失補償制度の検討など要望の多くは、本年八月の国の新医師確保総合対策に反映されたところでございまして、現在具体化に向け検討が進められております。  しかしながら、以前から要望しておりました病院や診療所の管理者となる要件として、僻地医療等の従事経験を付加することは、さきの総合対策に盛り込まれなかったため、医師の地域偏在を解消する上でも、この点については引き続き国に対し要望してまいりたいと考えております。  また、県といたしましては、医師確保対策として、今年度ドクターバンクを立ち上げますとともに、新たに医師、看護職員それぞれについて、確保の具体策を検討する委員会を設けましたことから、こうした委員会からの意見などをもとに、実施できるものから早急に取り組んでまいりたいと思っております。  次は、教育の関係で、児童生徒一人当たりの教育費について御指摘をいただいたところでございます。  教育費の指標にはさまざまなものがございまして、一学級当たりの教育費というものもございます。これによれば、愛知県は、小学校で第二十位、中学校で第二十八位となっておりまして、本県は全国の中でほぼ中位に位置しているところでございます。また、この数値は国費と県及び市町村費の合算によるもので出されておりますが、県支出金のみの比較で見てみますと、本県は、小学校で全国第五位、中学校では第十二位となっているところでございます。  いずれにいたしましても、教育の水準は、しかし、こうした数値のみで単純に比較することは困難であると私は考えております。けれども、教育の充実は大変重要なことでございますので、必要なものに重点的に予算配分することは当然のことだと考えております。本県といたしましても、さまざま角度から今後教育施設の施策の充実に一層取り組んでまいる覚悟でございます。  また、高等学校の未履修についてでございます。  高等学校では、義務教育から次の段階へ進んだ生徒が必要な学識を高め、さまざまな学校生活での経験を積み、より人格を向上させることが目的でございます。大学入試重視のカリキュラムで学業を行うことは、高等学校としての本来の責務に沿っているとは到底思えないと考えます。今回の未履修問題も、大学入試を優先する姿勢が一部の高等学校にあり、このような結果を招いたわけでございまして、遺憾なことだと考えております。  今、何よりも優先しなければなりませんのは、生徒や保護者の皆さん方に不安や動揺があることを認識し、生徒の負担を十分考慮した補充授業を行い、進学や就職など、生徒一人一人の進路希望が実現できるように最善の努力を払うことであると考えております。  また、こうしたことが再び生じないよう、教育委員会や各学校がしっかりとした反省をし、取り組みをすることが求められているものと考えているところでございます。  続いて、環境先進県としての主要政策の進展と効果についてお答えを申し上げます。  本県では、自動車、温暖化など各種環境戦略・プランをいち早く策定し、全国をリードする取り組みを推進してまいりました。こうした取り組みの中には、エコカーの普及や住宅用太陽光発電施設の設置など、全国一を数えるものもございます。さらには、さきに全国に先駆けて開設をいたしましたあいち資源循環推進センターの活動などを通じて、新たに先進的な環境ビジネスを生み出すなど、多くの成果を上げつつあるものと考えております。一層より大きな成果を上げるために引き続き努力をしてまいります。  次に、次世代産業及び新しいビジネスモデルの創出についてでございます。  その基本的な戦略ということでございますが、大きく三つあるものと考えております。  まず第一は、産・学・行政の連携を強化するため、その仕組みづくりとして、次世代産業及び新しいビジネスモデルの創出に向け、推進協議会のような組織を立ち上げること。  第二には、この仕組みのもとに国の資金等を活用した共同研究開発を実施するなどして、より高度な研究開発を進めていくこと。  そして、三つ目として、これらに加え、既存の産業振興策、例えば高度先端産業立地促進補助金などを次世代産業分野に集中して施策展開することでございます。  これが三つの基本的な戦略だと考えております。  その成果について一例を挙げれば、知的クラスター創成事業において、産業界で非常に注目を集めておりますカーボンナノチューブの製造技術をもとに設立された大学発ベンチャーの創業、あるいは目標を大きく上回る百五十件を超える特許出願などがそれでございます。  企業誘致活動についてもお尋ねをいただきました。  私自身が企業訪問するのはもちろんでございますけれども、職員による一千社訪問など誘致活動の展開、あるいは本県既存産業の活発な投資意欲も相まちまして、工場立地面積は、平成十六年、十七年とおかげで全国一位となっております。  本県がさらなる発展を遂げていくためには、次世代産業の集積を図ることが重要でございまして、次世代航空機の主翼等を製造する三菱、川崎、富士の三重工に相次いで工場を新設していただきました。  また、グローバルな産業展開を考えますと、海外の優良企業に着目することは当然でありまして、外資系企業の立地が少ない本県地域には、これまで以上に増して誘致が重要だと考えております。  このため、本年も欧米ミッションや上海で開催されました中国国際工業博覧会に県幹部を派遣し、積極的な誘致活動を展開したところでございます。  最近、その成果の一例として、家具業界で世界的な企業であるイケアの物流センターの誘致にも成功したところでございます。
     次に、本県産業の安定的展開に必要になる人材の確保という点についてでございます。  産業のグローバル化などの中で、本県産業基盤の一層の強化には、それを支える人材の確保が極めて重要であると認識しております。そのための方針ということでございますが、これまた三つあると考えております。  まず第一に、女性や高齢者などの働きやすい環境づくりを進めるほか、不安定な就業の多い若者に対し、正規就業に向けた取り組みを行うこと。  第二には、本県の魅力であります物づくり産業を広くアピールし、人材の広域確保を図ってまいること。  そして、三番目には、産業高度化に対応する人材育成、技能継承に取り組み、人材のレベルアップとその継承を進めていくことでございます。  今後とも、さきの技能五輪で二年連続日本一を達成した本県の優位性を生かしながら、人材確保に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  続いて、農産物の競争力の向上についてお答えを申し上げます。  全国有数の本県農業を技術面で支えるため、農業総合試験場では、安全で良質な農産物の生産や環境に配慮した農業の推進などを重点課題として、さまざまな品種や技術の開発に取り組んでおります。既に米やイチゴなど多くの県育成品種が県内で広く栽培されておりますし、最近では、菊の新品種「白粋」、これが、私も参加をいたしましたけれども、タイで行われております国際園芸博で最高の金賞を受賞するなど、高い評価を得ているところでございます。  また、試験場で開発した稲作のじかまき栽培や野菜の養液栽培技術が広く活用されるなど、経営の安定や環境に優しい農業への取り組みを支えているところでございます。農総試につきましては、これからも充実できるように努めてまいります。  次に、地産地消の推進という点でございます。  本県では、全国の中でも早く、既に八年前から、消費者団体や生産者団体などと連携をして、愛知の農林水産物の理解促進を図るいいともあいち運動を積極的に展開し、地産地消を推進してまいりました。  この結果、各地で農産物直売所が増加いたしましたし、またスーパーなどにおきましても、愛知県産コーナーが設置されましたり、あるいは学校給食への地域農産物の導入が進むなど、それぞれ成果があらわれているところでございます。  地産地消の推進は、本県農林水産業の活性化や生産者、消費者の信頼関係の構築のため、とても重要なことと考えておりますので、今後とも関係者と連携し合いまして、推進を図ってまいります。  続いて、あいち地域安全緊急三か年戦略の推進についてでございます。  刑法犯認知件数は、昨年の十月末時点と比べまして、約三万六千件、二一・四%減少しており、これはともに全国一の減となっております。また、地域の防犯力の向上に大きな役割を果たす自主防犯団体につきましても、未設置小学校区は既に解消されておりまして、三か年戦略の一年目は、期待以上の成果を上げつつあるものと考えております。  今後は、数多く設立されました自主防犯団体について、活動回数、エリア、活動分野などの拡大を進め、その活性化、充実を図り、地域防犯の実効性をさらに高めていくことが重要でありますので、活動用資材の提供あるいは団体間のネットワークづくりなどに今後は力を入れてまいりたいと思います。  交通事故死「ストップ・ザ・ワースト」ファイナル百日作戦についてお答えを申し上げます。  この百日作戦の開始から昨日までの本県の交通事故死者数は、前年と比べ十七人の減少となっております。また、重点的に抑止に取り組んでおります高齢者の死者数や飲酒関連の死亡事故件数も昨年より減少しており、作戦の成果があらわれてきているものと認識をしております。  さらに、この百日作戦の成果を高めるために、現在年末の交通安全県民運動と連動させ、飲酒運転の撲滅や高齢者の事故防止を重点に県民総ぐるみで懸命に取り組んでいるところでございます。  年末まで一カ月を切ったわけでございますが、県民の皆様方には、一層交通事故撲滅に向けての御協力をお願い申し上げたいと思います。  私からの最後の答弁になりますが、退職手当についてお答えを申し上げます。  退職手当や給料につきましては、県民の皆様方の理解が得られるものでなければならないと常々考えているところでございまして、年度の途中でありましても見直すべきものは速やかに行うべきと私は考えております。  御質問がありました退職手当の性格という点でございますが、これは、一般的には、勤続報償説あるいは賃金後払い説など、いろんな考え方があるようでございますけれども、特別職の退職手当につきましては、任期の定めがあることやその職責にかんがみ、一般職員とは異なる支給基準や支給方法を条例で定めているものでございまして、その性格を一概に申し上げることは難しいものがございます。  支給率についてでございますが、御指摘いただきましたとおり、平成十六年四月に引き下げ改定をしたところでございますが、その後の社会情勢を見ますと、私自身もさらなる見直しを検討すべき状況にあると、そのような認識のもとに、経済界、労働界、マスコミなど幅広い方々で構成されている特別職報酬等審議会における委員の皆様方の意見も十分参考とさせていただきますとともに、全国的な支給率の状況を勘案して、今般百分の六十に引き下げることにしたものでございますので、よろしく御理解をお願い申し上げます。  以上、私からの答弁といたします。 13: ◯教育長伊藤敏雄君) 教育に関連いたしまして、三点の御質問をいただきました。お答えを申し上げます。  初めに、いじめの問題についてでございます。  本県では、いじめはいつでも起こり得る問題と認識し、児童生徒に対するアンケート調査の実施や相談活動の充実など、全校体制で早期発見、早期対応に努めてきたところでございます。しかし、いじめは依然として報告件数も多く、憂慮すべき状況でありますので、学校における生徒指導、相談体制の充実や保護者との連携を一層強めるなど、学校と家庭、地域が一体となった取り組みを進めてまいりたいと考えております。  なお、今回の一連の事件を受けまして、市町村教育委員会の担当者を緊急に招集いたしまして、改めて学校での指導の徹底と市町村独自の取り組みなどを促したところでございます。  これを受け、いじめ根絶に向けた緊急アピールなどの独自の対応を講じた市町村も見られるところでございます。  次に、少人数学級についての御質問でございます。  小学校一年生は、学校生活の基礎をはぐくむ重要な時期であることに着目をいたしまして、平成十六年度から三十五人学級を実施いたしたところでございます。保護者や学校現場からは、よりきめ細やかな指導ができるようになったという評価を得ており、就学前教育からの接続が円滑になったととらえておりますが、学習習慣や生活習慣の確かな定着を図るためには、小学校二年生にも拡大することがより効果が期待できると考えております。  また、中学生になりますと、学習や生活の変化になじめずに不登校になったり、いじめが急増するという、いわゆる中一ギャップという問題もありまして、よりきめ細やかな指導を行う視点から、中学校一年生への導入も必要ではないかと考えております。  こうしたことから、教員の充足や教室の確保といった課題もございますが、小学校二年生と中学校一年生への三十五人学級の導入について、検討を進めたいと考えております。  次に、高等学校の未履修問題についてでございます。  本県の県立学校におきましても、未履修が判明したことにつきましては、校長の裁量の範囲内であるとの判断から、必履修科目を適切に履修させなかったものであり、反省すべきことと思っております。また、多くの生徒に負担をかけることになりましたことをおわび申し上げたいと存じます。  該当校に対しましては、生徒の負担等にも配慮しながら、卒業に向けての対応に最善の努力を払うよう指示をいたしたところでございます。今後は、教育委員会の指導のあり方も改善し、適切な履修が行われるよう徹底を図ってまいりたいと考えております。  また、今回の事態を踏まえまして、大学受験科目と必履修科目のあり方などの検討を文部科学省にも要望してまいりたいと、かように考えております。 14: ◯警察本部長山本博司君) ファイナル百日作戦の今後の取り組みについてお答えをいたします。  例年十二月は、交通死亡事故が多発する時期でございます。残念ながら、けさ方も二件発生をいたしました。ワーストワン返上に向けて厳しい情勢が続く中で、私どもでは、これからがファイナル百日作戦の総仕上げと位置づけまして、各警察署の取り組みはもとよりでありますが、現在、警察本部からも多数の応援の警察官を事故の多発する警察署に派遣いたしまして、街頭監視活動や検問に当たらせるなど、交通事故抑止活動を強化しているところでございます。  重点とするところは、飲酒運転の取り締まりと高齢者対策ということでございます。  飲酒運転は、年末の飲酒機会の増加に伴ってふえることが危惧をされます。それによって、重大な事故の発生が懸念をされます。県内一斉の取り締まり等を実施することといたしております。  また、夕暮れが早いことから、この時間帯のお年寄りの事故の増加も懸念されるところでございます。早目点灯のライド・アンド・ライト運動を推進いたしております。  これらを重点としたファイナル百日作戦に年末いっぱいまで力いっぱい取り組みまして、事故による犠牲者を一人でも少なくするよう、最後の最後まで全力を尽くしてまいります。  以上でございます。 15: ◯三十七番(浜崎利生君) それぞれ答弁をいただきましたが、第二質問として、民主党愛知県議員団としての意見を申し上げておきたいと思います。  県債についてでございますけれども、その内容と今後の取り組み状況について、お考えをお伺いいたしました。  我が愛知は、前段でも申し上げたとおり、全国でも元気のある愛知として注目をされているわけであります。そういう中にあって、県債残高三兆八千億円の借金を抱えておりますが、このことは、県民の視点からすれば、何でこんなに経済状況のいい愛知がこれだけの借金を抱えているのか、行政のトップリーダーとしての経営的手腕が発揮されている状況にあるとは思えないわけであります。  また、一問でも申し上げましたが、国際化の進展や超高齢化社会、さらには少子化など大きな変化への対応は、行政として的確かつスピードを持った対応が求められているところであります。  これまでの過去の設定のもとで敷かれたレールの上をただ走っていくだけのリーダーは、これからの新しい愛知づくりには必要ではないわけであります。トップリーダーとしてのみずからの考え、ビジョンを県民に示し、目的を明確にし、政治的リーダーシップを発揮できる強いリーダーシップが求められているものと考えております。  とりわけ、本年度は、県民の負託により議席が与えられた任期四年の最終年度に当たり、県民の審判を前にした重要な年度として位置づけ、私たち民主党愛知県議員団二十九名は、「挑戦」をスローガンとして、これまで議員活動を推し進めてまいりました。  冒頭申し上げましたとおり、我が愛知が日本のフロントランナーとして、愛知の歴史と伝統に裏づけられた特性をみずから再発見し、持続する元気な愛知づくりへと結びつけることで、議員としての責務を全うしていかなければならないと考えております。そのためのグランドデザインとして、私たちは、人が中心の持続、発展する元気な愛知づくりとして、次の四点を取りまとめてきたところであります。  一点目は、人が中心の愛知づくり、二点目は、全国に先駆け徹底した行財政改革を進める愛知づくり、三点目は、日本をリードする経済産業県として持続する元気な愛知づくり、四点目は、日本一安全で安心な愛知づくりであります。この四大政策の実現に向け、私たち民主党愛知県議員団は、次なる愛知の発展に向けて、トップリーダーとして石田氏を候補として支援することを初め、一連の取り組みの集大成として挑戦を継続し、着実な前進とその成果を上げていくことをここに申し上げ、私の質問を終わります。  以上です。 16: ◯議長内田康宏君) 進行いたします。  木藤俊郎議員。     〔十二番木藤俊郎君登壇〕(拍手) 17: ◯十二番(木藤俊郎君) 議長のお許しをいただきましたので、私は、公明党愛知県議員団を代表いたしまして、県政の諸問題について順次お尋ねをいたします。  質問の第一は、知事が三期目に特に力を入れたい政策についてであります。  私ども公明党は、神田知事のこれまでの実績を評価し、神田知事の続投を望んでおりましたところ、さきの九月議会におきまして、神田知事は、三選を目指して、次の選挙に立候補する決意を力強く表明されました。大いに歓迎するものであります。神田知事には、ぜひとも引き続き県政の最高責任者として先頭に立ち、万博、新空港後の新しい時代を迎えた愛知のさらなる飛躍と発展のために全力を注いでいただきたいと考えております。私ども公明党も、第一期、第二期と神田県政を支えてきた責任の上に立ち、第三期神田県政の実現に向けて、積極的に支持、行動いたします。  さて、新しい時代のリーダーとして知事に求められることは、愛知の将来像を明確に示すことであり、その実現のための政策を用意し、着実な実行を図ることであります。  県民の皆様の間には、万博、新空港という二大事業をなし遂げた達成感、充実感をお持ちの一方で、これら事業によって高まったこの地域のエネルギーが今後向かうべき新たな夢やさまざまな社会不安解消に向けた将来展望、それらの実現方策や解決策を期待する声が大変強まっており、それらを具体的に提示していくことが県政にかかわる私たちに課せられた最大の責務であると考えております。  県におかれましては、本年三月に、県政の中長期的な方向性を示す新しい政策の指針を公表されました。この指針は、万博、新空港という大きな目標を達成した愛知が今後は何を目指し、どう進んでいくべきなのかという大きな問題認識に立ちながら、新しい時代の進路を切り開くべく、知事みずからが陣頭指揮をとって、御自身の今後の地域づくりへの考え方や思いを強く反映されたものと伺っております。内容的にも、愛知の新しい将来ビジョンと骨太な政策の方針をしっかりと提示し、県民の要請にこたえたものとして私たちも高く評価をしております。  今後は、この方針をもとに、どのように政策を具体化、充実し、具体的にどのように県政のかじ取りをされるのか、知事の政策、行動力に全県民の注目と期待が集まっております。特に、指針は二〇一五年までという中長期をにらんだものでありますが、その目標を実現できるか否かは、その期間の前半、すなわち知事の三期目に当たる今後の四年間において、しっかりと道筋がつけられるかどうかにかかっていると私は考えております。  こうした中で、去る十一月十五日に、知事は「私の約束」と題したマニフェストの骨子を発表されました。そこには、今後の四年間に御自身が取り組みたいと考えておられる政策の大まかな内容が提示されておりますが、新しい政策の指針に位置づけられた政策の具体化にとどまらず、指針を超えた新たな政策も多分に盛り込まれており、現状に満足せず、さらに高みを目指す、まさに今を越えるという知事の姿勢や熱い思いが感じ取られ、大いに敬意を表するものであります。  このマニフェストの骨子や新しい政策の指針が目指すところや政策は、公明党愛知県本部が平成十九年度の重点政策として掲げた「人」輝く共生・愛知、「地域」輝く成長する愛知、安全・安心の愛知のまちづくりという三つの改革の視点や、そのもとに掲げる政策とおおむね合致するものであり、賛同いたしますとともに、多くの県民の皆様から大きな期待を寄せていただけるものと考えております。  そこで、知事にお尋ねをいたします。  今後、知事は、現在のマニフェストの骨子を充実し、新しい政策の指針のさらなる具体化、肉づけという課題にこたえる形でマニフェストの全容を明らかにされると存じますが、次の四年間で知事が特に力を入れて取り組みたい、実行したいと考えている政策は何か、お尋ねをいたします。  質問の第二は、今後の財政運営についてであります。  平成十八年度当初予算では、県税収入は一兆一千億円を超える水準を見込んだものの、歳出の五割強を占める人件費、扶助費、公債費の義務的経費が伸びたことから、基金からの繰入運用、すなわち借り入れという臨時の財源対策を引き続き実施せざるを得ませんでした。  この結果、解消を図るべき臨時の財源対策は、十七年度の基金繰入実行額二百八億円と十八年度の基金繰入予定額四百四十三億円の合わせて六百五十一億円に達しており、依然として厳しい財政状況にあります。  しかし、現在三月期法人の九月期中間決算が出そろい、その内容を踏まえますと本年度末には歳入面で明るさが出てくるのではないかと期待をしております。すなわち、県税収入は、当初予算では一兆一千億円程度でありましたが、企業収益を見ますと、法人関係税を中心に増収が期待できるのではないかと思う次第であります。  これを受けて、今後の財政運営のためにも、臨時の財源対策、すなわち十七年度の基金繰入実行額と十八年度の基金繰入予定額の合わせて六百五十一億円の早期解消を図る必要があります。また、歳出不用などを受けて、臨時の財源対策の一つである県債の活用分の発行額を抑制する必要もあると考えております。  私は、このような財政健全化に向けての方向性については、県当局と同じであると認識しております。具体的な対応は、十八年度末の県税収入見込みを詰めた後に、本年度の二月補正や決算に向けて取り組まれることになると思いますが、このような対応が実現することを願うものであります。  さて、問題は十九年度当初予算であります。神田知事は、その就任後において、第三次行革大綱、改訂第三次行革大綱、さらにはあいち行革大綱二〇〇五と絶え間なく行財政改革に取り組んでこられました。しかしながら、団塊の世代の大量退職に伴う退職手当の増加、高齢化の進展による医療、介護などの扶助費の増加、バブル崩壊後の景気対策に伴い発行した県債の償還など、財政運営上の課題もふえてきております。  本年二月に公表されました財政中期試算では、二十二年度のプライマリーバランス黒字化を目指しておられますが、この試算によりますと、行革による歳出削減効果を加味した場合でも、七百八十億円の収支不足が見込まれております。この主な要因は、二月時点での見込みでは百六十億円を超える退職手当の増、百億円を超える扶助費の増、そして二百五十億円の公債費の増などでありました。  私は、県税収入は順調であるものの、義務的経費の増加により財政構造の硬直化が進んでおり、来年度の予算編成も、こういった面からかなり大変なのではないかと思うからであります。  そこで、十八年度末に向けて、臨時の財源対策などの解消見込み、そして現時点における十九年度の義務的経費の増加見込みと対応など、今後の財政運営についてお伺いをいたします。  第三に、教育に関しての質問をいたします。  教育に関してはさまざまな問題が提起されておりますが、私はいじめの問題についてお尋ねをいたします。  北海道、福岡県、岐阜県と、相次いでいじめを原因とする自殺事件が発生をいたしました。本来、学校は仲間とともに楽しい時間を過ごすべき場であります。しかし、その学校でのいじめが原因で子供がみずからかけがえのない命を絶つという現実に直面し、大変心を痛め、いたたまれない気持ちになったのは私一人ではないと思います。  また、新聞やテレビ等の報道によりますと、北海道では学校や教育委員会がいじめを隠そうとしたり、福岡県では教師の言動がいじめの原因の一つとなっていたりすることなどが伝えられております。その実態が明らかになるにつれ、憤りすら感じ、いずれもあってはならないことであると思います。  本県におきましても、同様の事件が平成六年十一月に西尾市で起きております。この事件を教訓にして、県内の各小中学校においては、ささいないじめも見逃さないようさまざまな努力がされてきたようであります。本年九月に文部科学省より発表されました平成十七年度生徒指導上の諸問題の現状についての調査結果によりますと、いじめの発生件数について、全国的に小学校、中学校ともに減少傾向となっているものの、本県は、小学校で八百五十七件、中学校で千五百八十九件と、いずれも全国最多となっており、憂慮すべき状況であると考えます。  いじめは、教師や保護者の目の届かないところで起こることが多く、発見することは容易ではありません。本県のいじめ発見件数の多さは、平成六年の事件以後、各学校がいじめの早期発見、早期対応について努力していただいている結果であるとも推察できます。今後も、いじめを隠さないという方針で臨んでいただきたいと思います。  さて、子供が自殺に至るまでには、心が大きく揺れ動き、子供自身がきっと幾つかのサインを発していたことと思います。友達の輪から離れ、一人でいる時間が多くなったり、浮かない表情で食欲のない日が続いたりするなど、これまでとは違う様子が家庭生活や学校生活、登下校の途中など、どこかで見られたのではないかと思います。それらを家族や教師、地域の人々など周りの大人が気づき、子供が抱えている悩みを受けとめてやれなかったことは残念でなりません。  いじめを早期に発見し対応していくためには、家庭や学校はもちろん、子供を見守る地域や関係機関の役割も大きいと考えます。ふだんの様子とは違う、何か深刻な問題をこの子が抱えているのかもしれないと気づいたとき、互いに連絡を取り合うようにすることが大切ではないかと考えます。  また、各学校においては、教師を指導、監督する校長先生の役割も重要であります。いじめの事実について、教師が発見したり、子供自身や保護者からの訴えがあったりした場合、きちんと校長先生へ報告され、早急に対応するようになっているか。そして、一人の教師が自分の学級で起きたことをすべて抱え込んでしまっていないかなどを再点検し、見えにくいところで行われる陰湿ないじめの問題を早期に発見し、学校を挙げて適切かつ迅速に対応していく体制となっているか、いま一度確認する必要があると思います。  いじめによる自殺などの報道が相次ぐ中、教師あるいは保護者の助けにより、いじめを克服した方々からの体験談も多く報道がされております。いじめという問題は、どこでも起こり得ることとして、子供たちの身近な教師を初めとする学校関係者や保護者が危機感を持って、子供たちの発するサインを見逃さないようにすれば、必ず救われる子供たちはいるのです。  そこで、今回の一連のいじめの事件を受けて、本県においての対応を含め、いじめの問題に対する教育長の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、少子化対策の条例についてであります。  我が党は、本年の四月に少子社会トータルプランを公表いたしました。我が党は、結党以来、子育て支援の充実を訴え、多くの実績を積み重ねてまいりました。昨年、人口減少時代に突入したことから、出生率低下に対する問題解決と人口減少社会の政策をトータルに提言することが、この道に先鞭をつけてきた政党としての責任であると決意し、その取りまとめに挑戦をしたものであります。  その一部を御紹介いたしますと、出産は本人の意思にゆだねられるべき問題でありますので、個人の意思を尊重することに十分な配慮を払いながら、出産を希望する方々には、積極的に機会を保障することの重要性や子育てを社会の中心軸に位置づけまして、社会全体で子育てを支援するチャイルドファースト社会、言いかえますと、子供優先社会の構築を目指すことを基本的な考え方に置いております。  少子対策を、生活を犠牲にしない働き方と子育ての負担を過重にしない支え方の二つに要約しますと、働き方と支え方のうち、経済的な負担感に関する部分については、主に国が責任を持ってリードすべき問題であり、また支え方のうち、子育ての不安感に関する部分は、主に地方が積極的に実施していく分野であります。  子育てには手間暇がかかりますが、かつては大家族の中や隣近所の助け合いの中で比較的分散されていたものが、最近では両親だけ、時には母親だけに集中する状況となっています。子育てが過重になる、あるいは過重に感じる人が多くなったのは、核家族化に加えて女性も働く時代を迎えたからであります。この過重感を取り除くためには、雇用制度の改革などによる一元的な施策で対応すべき領域もありますが、地域ごとの特性に見合った施策の導入が重要であります。  以上、我が党の少子社会トータルプランの一部を御紹介しました。  一方、本県におきましては、現在少子化対策の基本条例を制定するための準備をされているとのことであります。そこで、条例を制定するために少子化対策についての考え方を整理したもの、すなわち愛知県の少子化対策における今後の施策の考え方(案)を拝見いたしましたが、我が党の少子社会トータルプランと非常に近い考え方で整理されていることを強く感じました。  そういう意味からも、愛知県の今後の少子化対策の施策の考え方(案)に基づき条例を制定され、その条例の実現に向けた施策を今後積極的に打ち出していただきたいと考えているところであります。  そこでお尋ねをいたします。  初めに、愛知県の今後の少子化対策の施策について(案)についてのパブリックコメントを九月から十月にかけて実施したと伺っております。このパブリックコメントにおける県民の反応はどのようなものであったのか、お伺いをいたします。  二点目として、先ほど少子社会トータルプランの一部を紹介させていただきましたが、子育ての過重感を取り除くことこそが地域で行う少子化対策のキーワードではないかと考えます。これから制定される少子化対策の条例にも同様の趣旨が盛り込まれるものと理解をしておりますが、この子育ての過重感を解消するため、どのような対策が必要と考えておられるのか、また、それについて新たにどのような事業を実施していかれるのか、お伺いをいたします。
     質問の第五は、尾張西部の活性化についてであります。  愛知県の平成十七年の製造品出荷額等は六年連続の増加で、過去最高の三十九兆円を超え、第二位の神奈川県の約二倍、二十九年連続全国一位となっております。  こうしたことを背景に、全国的に元気な愛知と言われる中で、名古屋地域や西三河地域には、自動車産業を初めとする国際競争力のある物づくり産業の集積があり、活発な民間活力がある一方、一宮市、稲沢市、海部郡などの尾張西部・海部地域は、地域を支えてきた繊維関連産業が中国を初めとする海外の低価格製品の影響による国際競争力の問題や後継者難などによって廃業が増加するなど厳しい状況にあります。  また、繊維工場の跡地がショッピングセンターや高層マンションに建てかわるなどしており、利便性は高まっておりますが、地域経済が潤うような明るさがいま一つ見えてきません。  一方、この地域は名古屋市に近接し、東西を結ぶ名神高速道路と東名阪自動車道、南北を結ぶ東海北陸自動車道など広域的な道路アクセスに恵まれ、名古屋港にも隣接しているなど交通の結節点にあり、実際に企業からの産業用地に対する需要も多いことから、新たに産業用地を確保すべき地域の一つであると考えています。  しかし、この地域の土地利用の状況は、未利用地が存在する三河地域と比較して、農地、住宅地、工場などが混在していること、相対的に地価などが高いことなどから、規模が大きく良好な産業用地の確保が難しい状況にあります。  新しい政策の指針における基本課題の一つに、県内の各地域の特性を踏まえたバランスある発展として、尾張西部・海部地域については、土地利用の計画を総合的に見直しながら、新たな産業用地を確保し、企業立地を図る仕組みを市町村と一体となって構築していく。都市型産業や物流産業、成熟社会に対応した国内需要型産業の新規立地、さらには周辺地域に立地している産業の移転、増設などを視野に、相対的に地価の高い用地に適合する新たな産業の育成、誘致を図るなどといった記述がありますが、こうした課題について今後どのように進めていくのかについては、具体性に欠けているように思われます。  地域の特性を踏まえたバランスある発展を具体化するには、さまざまな問題があり、県だけで解決できる問題ではないと思いますが、今後、尾張西部・海部地域の産業の活性化につながる新しい芽はあるのでしょうか。また、どのような方向で取り組みを進められていくのか、お考えをお伺いいたします。  質問の第六は、本県の物づくり中小零細企業の強化策についてであります。  我が国の製造業をリードする幅広い分野にわたる本県の製造業は、これまでそれぞれの業種におけるすぐれた物づくりの技術力が基盤となっており、この技術力は、自動車や工作機械などの世界的な企業だけではなく、広く分業体制のもとで部品の製造や一部の加工工程を担う中小零細企業にも培われております。  そして、技術力のある多くの中小零細企業が本県の製造業を支えておりますが、一方、零細であるがゆえに限られた経営資源の中で課題が多いのも現実であり、ゆとりがないゆえに、将来にわたって大きな経営環境の変化への対応は困難であろうと存じます。  例えば、私の地元の繊維産業につながる中小零細企業は、皆様御承知のとおり、垂直分業の中で取引先が限られ、設備や技術力があっても、中国を初め東南アジアからの安い海外製品の増加と、それに伴う国内市場の価格破壊により事業規模の縮小に苦しんでおります。つまり、人件費コストの安い海外でつくられた製品と価格面で競争することは難しいため、最終製品として付加価値の高いものへと生産をシフトしていかざるを得ない宿命にありますが、このことは何も繊維産業に限らず、今ではほとんどの製造業の業種に共通する課題であります。  こうした中、中小企業における新たな事業活動を促進することをねらいとして、昨年四月に中小企業新事業活動促進法が施行され、経営革新に取り組む中小企業に対する支援が強化されました。この経営革新は、中小企業が既存の技術など経営基盤を活用して、三年から五年の期間で計画を立て、新商品の開発や新たな生産方式の導入による経営革新計画に取り組むものであり、まさに本県の中小製造業にとって必要なことであろうと思います。  そこで、初めに、県内中小企業の経営革新への取り組み状況についてお伺いをいたします。  中小製造業の集積の厚い本県では、経営革新計画の承認申請は多いと想定されますが、県内の中小企業の経営革新への取り組みはどのような状況なのか、また県としてどのように支援していくのか、お伺いをいたします。  次の大きな課題は、中小企業の営業力の問題であると常々感じております。中小企業が経営革新に取り組み、新たな素材や新たな用途向けの新製品を開発したとしても、既存の取引先ではなく、新たな取引先の確保、新たな販路の開拓が必要となることも多いでしょう。  しかし、中小製造業は技術力を持っていても、それを取引に結びつける、つまり売り込む手だてが弱く、特に零細下請企業は営業活動の経験が乏しい企業も多いため、むしろ販路開拓が最も難題であろうと思います。  新たな取引先の確保や販路開拓に結びつくためには、やはり発注企業と受注企業との適切なマッチングが重要であると思いますが、県としてそのためにどのような有効な施策があるのか、お伺いをいたします。  また、すぐれた技術力を背景に新しい事業活動への挑戦やリスクの高い分野への進出など、意欲的な取り組みを行う中小企業を県として支援していくことも重要であります。こうした新たな挑戦も、販路開拓が成否を分けると考えますが、そのために支援するための新たな施策があれば、あわせてお伺いをいたします。  質問の第七番目は、環境学習の推進についてであります。  昨年、本県で開催された愛知万博は、万博の歴史上初めて環境をメーンテーマに開催され、二千二百万人もの入場者を記録して、大成功のうちに閉幕いたしました。万博会場を訪れた多くの人々は、立ち寄ったレストランで新たな環境技術から生まれた生分解性プラスチックの食器を使って食事をしたり、ごみのきめ細やかな分別を実際に体験いたしました。また、燃料電池バスの静かな乗り心地も楽しまれたことと思います。  インタープリターの案内により、自然と触れ合う長久手会場の森の自然学校や瀬戸会場の里の自然学校は隠れた人気スポットとなり、太陽光発電や風力発電、水循環・汚水の処理システムなど先進の環境技術に触れるバックヤードツアーは、当初の予想以上に好評を博しました。  会場外においても、地域の美化活動などに多くの県民が参加されるなど、環境への関心は万博を契機に一気に高まったのではないでしょうか。  県が本年の六月に実施した県政モニターアンケートの結果を見ましても、確かに万博を機会に県民の方々の環境に関する関心は高まったとの結果が出ていますが、環境に配慮する具体的取り組みを行うようになった人はまだまだ少ないようであります。  肝心なことは、こうして高まった環境への関心が行動に結びついていくことであり、しかも、それが息長く続けられることだと思います。そのためには、環境学習の機会を通じて環境保全についての意欲を高め、みずから生活の中で環境に配慮したり、さまざまな環境活動に積極的に参加する、こうした一人一人の取り組みが地域に広がっていくことがまさに環境学習の目指すところでありましょう。そして、万博を契機に環境への関心が高まっている今日は、環境学習の取り組みを加速させる絶好の機会ではないでしょうか。  冒頭で申し上げましたように、公明党愛知県本部の平成十九年重点政策の一つの視点である「人」輝く共生・愛知の中で人間のための教育を取り上げておりますが、この環境学習、環境教育もその重要なキーワードになるものと考えております。  県では、万博開幕に先立つ平成十七年一月に、今後の環境学習の方向性などを示した愛知県環境学習基本方針を取りまとめておられますが、万博による県民の環境に対する意識の高まりを一層発展させ、環境を守り育てる行動に主体的に取り組むための環境学習について今後どのように進めていくのか、知事の所見を伺います。  最後は、交通事故死抑止対策についてであります。  本年も残すところ一カ月を切りました。本年は、年初から県と警察当局には、二年連続の交通事故死者数全国ワーストワンは何としても阻止するという意気込みで、交通事故抑止諸対策に取り組んでいただきました。その結果、交通事故死者数は昨年より大幅に減少したのを初め、人身事故件数、負傷者人数ともに減少するという目に見える効果が上がっているのではないかと評価いたしております。引き続き年末の最後の最後まで、一件でも悲惨な交通事故を減らすよう頑張っていただきたいものだと思います。  とはいうものの、残念なことに、どうやら二年連続の全国ワーストワンになってしまいそうであります。二年連続のワーストワンといいますと、昭和四十三、四十四年で記録して以来、実に三十七年ぶりという不名誉な記録であります。しかし、私は記録がどうのというより、そもそも毎年何百人ものとうとい人命が交通事故の犠牲になっているということ、この事実を重く受けとめ、県民の皆様をこうした悲劇から救うために、一人でも多く交通事故による犠牲者を減らすということが重要であると考えております。そして、その積み重ねた結果がワーストワン返上という形であらわれるのが理想であると考えます。  交通死亡事故を抑止するには、発生した事故を子細に分析、検証し、その発生傾向等に応じ、時宜を得た対策を行っていかなければなりません。しかしながら、減少傾向を定着化させ、事故死者数の大幅な減少を図るためには、道路事情、交通量、マイカー依存率など、当県の交通事情と今後の社会情勢の変化を見きわめ、中長期的な展望に立った計画を立てることも肝要であります。そして、その計画のもとに着実に死者数を減少させていかなければならないと思うところであります。  国は、平成十五年に、十年後の平成二十四年に全国の交通事故による年間死者数を五千人以下にするという閣議決定をし、長期的展望に立って、高齢者対策、自転車・歩行者対策、被害軽減対策などを進めていくとしておりますが、当然県としてもこれを受け、さまざまな施策を推進しているものと思います。  そこで、まず知事にお尋ねします。  県の長期的計画としては、交通安全対策の核となる愛知県交通安全対策会議において、本年を初年度とする五カ年計画であります第八次愛知県交通安全計画を作成しているのは承知しておりますが、その中で、今後長期的展望のもとに何を重点に交通事故抑止対策を進めていかれるのか、知事のお考えをお伺いいたします。  次に、警察本部長にお尋ねをいたします。  警察当局としては、長期計画のもとに交通取り締まりを中心とした諸対策を進めていくものと思いますが、今後の取り締まりの重点方針についてお伺いをいたします。当県は、シートベルトの着用率が低いことも交通事故死者数が大幅に減少しない理由の一つだとも思いますが、シートベルト着用率向上を初めとした被害軽減対策について、あわせてお聞きをいたします。  以上、県政各般にわたる諸問題についてお尋ねをしてまいりました。知事初め理事者各位の積極的かつ熱意あふれる答弁を期待いたしまして、私の壇上での質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔知事神田真秋君登壇〕 18: ◯知事神田真秋君) お答えを申し上げます。  まず、私が三期目に特に力を入れたい政策はどれかという御質問であります。  先月中旬に私から発表させていただきましたマニフェストの骨子では、本年三月公表の新しい政策の指針に加えて、新たに取り組みたい政策、また取り組むべき政策を中心にお示ししたところでございます。  それらの政策は、県政各分野のレベルアップを図り、愛知の総合力をさらに向上させるために重要かつ不可欠なものばかりでございますが、あえて力点を置く政策ということになれば、まず、少子化対策あるいは障害者の自立支援など、県民の皆様が安心できる福祉政策が挙げられようと思います。  少子化の進行は、社会経済面でさまざまな負の影響を及ぼすことが懸念されておりまして、我が国の大きな課題になっております。子供は、社会の宝、未来の夢であります。私どもとしては、子供を育てやすい環境づくりを築くために、子供の医療費無料化を全国トップの内容になるよう大幅に拡大し、子育て期の経済的負担の軽減を図るなど、さまざま新しい施策を展開し、少子化の流れを着実に変えてまいりたいと考えているところでございます。  障害者の福祉につきましては、本年四月一日から障害者自立支援法が施行されたところでございますが、障害のある方々や事業者の皆様方から、新たな負担や制度変更による厳しい状況について、いろいろな声を私どもに聞かせていただいております。こうした声におこたえをして、通所授産施設の利用者に奨励金を支給するなど、障害のある方々の真の自立に向けて、新しい制度へ移行したことに伴う負担や不安を少しでも和らげたいと考えているところでございます。  また、人づくり、これも大変重要なことでございまして、とりわけ学校教育は、言うまでもなく、愛知の発展のために欠くことのできない大切なものであると考えております。しかし、その学校で、今、いじめやら不登校、学力低下あるいは心や命にかかわる問題、さまざまな課題が山積しております。学校の先生方がなかなかきめ細やかな児童生徒の指導をすることが困難な状況にもございます。このため、現在小学校一年生で実施している三十五人学級を小学校二年生あるいは中学校一年生にも拡大して実施したいと思います。  そして、ティームティーチング、習熟度別指導など少人数指導の推進、さらには学習障害など障害のある児童生徒や外国人児童生徒に対する教育の充実などによりまして、先生方が少しでもきめ細やかに指導できる環境を整えて、学校の教育力が全体として高まるようにしてまいりたいと思っているところでございます。  そのほかにも、世界をリードする産業中枢づくりに向けた知の拠点づくりや、あるいは第十回生物多様性条例締約国会議を初め、さまざまな国際的イベント、コンベンションの誘致にも力を入れてまいりたいと考えております。  公表いたしましたマニフェストの骨子は、私が考えている政策の一端をお示ししたものでございまして、さらに検討を重ね、マニフェスト本体で愛知の総合力アップに向けた総合的な取り組みを明らかにしてまいりたいと思っております。  次に、今後の財政運営についてお答えを申し上げたいと思います。  まず、十八年度末に向けての臨時の財源対策などの解消見込みについてでございます。  自動車関連産業を中心に企業収益が大変好調でございまして、法人二税を中心に相当額の増収が確保できる見通しでございます。臨時の財源対策六百五十一億円のすべてについて解消することができると考えております。  また、県債につきましても、特に財源対策の一環として拡大発行を見込んでいるものがございますので、年度末に向けて、その発行額の抑制に取り組んでまいる所存でございます。  次に、現時点における十九年度の義務的経費の増加見込みとその対応についてでございます。  二月に公表いたしました財政中期試算のとおり、退職手当や扶助費、そして減債基金へのルールの積み立てがそれぞれ増加をいたしますことから、義務的経費は確実に増大するものと見込んでおります。  このため、十九年度当初予算編成に向けて、あいち行革大綱二〇〇五の徹底による歳出抑制と歳入確保に全力を注ぎまして、三年連続で県債発行額の抑制を図るなどの取り組みを進めるつもりでございます。そういう中で、できればプライマリーバランスの黒字化を二十年度には前倒しで達成して、全庁一丸となって財政健全化を図ってまいる考えでございます。  少子化対策の条例についての御質問のうち、パブリックコメントに関してお答えを申し上げます。  これにつきましては、百八名の方々からさまざまな御意見をいただくことができました。中には、極めて少数でございますけれども、少子化そのものを肯定するという意見や、国や県が少子化対策を行う必要はないと、このような意見も正直なところございました。けれども、大半は考え方(案)を支持する内容でございまして、不妊治療の支援の充実、保育サービスの充実、あるいは労働環境の改善といった具体的な施策について、積極的な推進を求めるものが多数ございました。これらの意見につきましては、次の二月議会に提案の予定の条例案の検討にしっかりと生かしてまいりたいと思います。  また、子育ての過重感を解消するための対応についてでございます。  子育ては、基本的には夫婦で行うものでございますが、議員御指摘のとおり、核家族化や地域の子育て力の低下によりまして、妻に過重な負担がかかる場合が多く見受けられますことから、夫の子育てへの参加、地域住民の応援、さらには気軽に相談できる場などが必要だと考えております。  そこで、夫も子育てに参加できるようにするため、仕事と生活の調和を図ることが大切でございますので、従業員の子育てを応援するファミリー・フレンドリー企業の普及拡大を図ってまいりますとともに、これは平成十九年四月から、新生児の父親に対しまして父子手帳を交付して、子育て参加意識をお父さん方にも高めていただこうと、こんなことも予定をいたしているところでございます。  また、地域の子育て力の強化のため、ファミリー・サポート・センターや気軽に相談できる地域子育て支援センターの設置を引き続き促進してまいりますとともに、新たな取り組みとして、子育て中の親に対する声かけや手伝いなどを行う地域住民の方々による活動組織を、これは市町村ごとに設置してまいりたいと考えております。  このような考え方を現在検討しております少子化対策の条例案に盛り込み、しっかり対応してまいる所存でございます。  次に、尾張西部の活性化についてお答えを申し上げます。  この地域は、古くから交通の要衝にございまして、繊維産業を基盤として栄え、本県の経済を支えてきた地域でございます。しかし、この地域に集積している繊維産業は、昨今、構造的に厳しい経営環境にあり、その活性化への新しい取り組みが重要でございます。  近年では、繊維産業で培われた技術を踏まえ、素材分野における環境志向、自然志向、さらには高機能化などの新しい動きが出てきております。県といたしましては、こうした新たな分野への展開を図るに際し、その技術、資金あるいは販路開拓などに対する支援を行っているところでございます。  一方、例えば、これは一宮市でございますが、電気、情報通信、電子機械を合わせた製造品出荷額が十年前に比べて二倍以上に伸びておりますほか、これは海部地域でございますが、弥富市において、ことし七月に、次世代旅客機ボーイング七八七の機体の重要な部分を生産する工場が完成するなど、新しい産業展開の動きが力強く見受けられるところでございます。こうした面も念頭に置きながら、総合的に活性化のための施策を展開してまいりたいと思っております。  県では、現在、産業用地を確保するための方策や、県内各地域の立地特性を踏まえた産業立地戦略づくりの検討を地域と連携して進めているところでございます。そうした中で、産業用地開発に係る地元市町村の前向き、かつ積極的な取り組みと一体的に連携をいたしまして、新たな産業展開を進めてまいりたいと考えております。  次に、物づくり中小零細企業の強化策についてお尋ねをいただきましたが、経営革新への取り組み、支援について、まずお答えを申し上げます。  愛知の物づくりを支えております製造業においても、海外製品との競合、原材料の高騰、人材確保の問題など経営課題は多く、常に創意工夫や改善が求められているところでございます。そのため、中小企業新事業活動促進法に基づきまして、新商品の開発や新たな生産方式の導入など、中小企業が経営革新に取り組むことは極めて重要なことでございまして、県としても、積極的に経営革新の普及に努めているところでございます。  その結果、平成十七年度の経営革新計画の承認は、製造業を中心に四百六十件、全国に占める割合が一〇・四%と全国一位の水準になっておりまして、今年度も昨年度を上回るペースで推移をいたしているところでございます。  このように、本県の中小企業は、経営革新への取り組み意欲が極めて高うございまして、県といたしましては、こうした承認をした計画に対する融資など、これを積極的に支援を行っているところでございます。  続いて、新たな取引先の確保や販路開拓に関する支援策についてでございます。  下請企業が多い県内の中小製造業においても、取引先の拡大や販路開拓は重要な課題でございます。そのため、県内の中小企業の支援拠点である財団法人あいち産業振興機構におきまして、下請取引の振興、ITの活用による企業情報の発信、窓口相談など、幅広く事業を行っているところでございます。  特に、下請取引の開拓のためには、保有設備や技術的条件の適合性が前提になりますので、あらかじめこうした情報を調査し、登録した下請取引の紹介システムにより仕事のあっせんを行うとともに、一度に多くの発注企業と面談が可能な商談会を開催するなど、今後も積極的に支援をしてまいりたいと考えております。  また、意欲的な取り組みを支援していく新たな施策につきましては、本年度から、経営革新の承認を受けた企業など新規性の強い事業や、バイオ、ナノテクなど成長が見込まれる重点分野について、商品評価、市場調査から販路開拓まで、事業化に向けての一貫した支援を始めておりまして、特に重点的に取り組んでいるところでございます。  本県の産業発展のため、中小製造業の果たす役割はとりわけ重要でございますので、今後も新しい事業活動への挑戦をしっかりと支援してまいりたいと考えております。  次に、環境学習の推進について御答弁を申し上げます。  愛知万博は、多くの県民の方々が環境問題の大切さを認識するという、まさに絶好の環境学習の場でございました。私たちの価値観やライフスタイルを見つめ直すいいきっかけとなったものと思っております。こうした愛知万博を契機に盛り上がりました環境を大切にする気持ちを私たちの日常生活や事業活動につなげていくことがとても重要であると認識をしております。  本県では、全国に先駆けて策定をいたしました愛知県環境学習基本方針に基づきまして、環境学習のプログラムづくり、人づくり、ネットワークづくりを三本柱としております。具体的には、環境学習ハンドブックの作成、環境学習指導者の養成、こどもエコクラブ活動への支援、さらには環境学習に携わっている方々の経験交流の促進などに鋭意取り組んでいるところでございます。  来年の二月には、環境学習の活動拠点として、名古屋市北区にあります県環境調査センターにあいち環境学習プラザを新たに開設いたします。今後は、このプラザを中心として、ことし九月にオープンをしましたあいち海上の森センターと一体となり、市町村や学校、さらにはNPOや企業などと連携をし、総合的な環境学習の一層の推進に取り組んでまいります。  私からの最後のお答えになるわけでございますが、交通事故死抑止の対策についてでございます。  交通事故や交通事故死者数を大幅に減らし、それを定着させるためには、中長期的な計画のもとにさまざまな対策を毎年着実に積み重ねていくことが大変重要だと考えております。そこで、本年、関係機関が連携して策定をいたしました第八次の愛知県交通安全計画では、平成二十二年までに交通事故による死者数を二百九十人以下に抑制することを目標に、高齢社会への対応、歩行者の安全確保、県民みずからの意識改革、ITの活用、以上四つの視点を重視した総合的な取り組みを推進していくことにしているところでございます。  中でも、本年に入って交通事故死者の四割以上をお年寄りが占めておりまして、今後の超高齢社会を考えますと、お年寄りが被害者となるばかりか、加害者にもなる交通事故がさらに増加することが心配されておりますので、高齢者の交通事故防止には特に力を入れてまいりたいと考えているところでございます。  交通事故の防止は、最終的には、言うまでもなく、県民の皆様方お一人お一人の交通安全意識と安全行動が大切であります。県民総ぐるみの運動を展開することによって、以上申しましたような悲惨な交通事故を着実に減らしてまいりたいと考えているところでございます。  年末、あとわずかになってまいりましたが、県民の皆様方には、一件でも交通事故による犠牲者が減るよう、一層の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げ、答弁といたします。 19: ◯教育長伊藤敏雄君) いじめの問題について御質問をいただきました。お答えをいたします。  本県では、平成六年に西尾市で起きました事件を受け、教師用の指導の手引書や啓発のリーフレットなどを通しまして、いじめ発見のポイントや具体的な対応方法について示し、ささいないじめも見逃さないという方針で指導をしてきたところでございます。また、今回のいじめが原因で相次いで子供がみずからの命を絶つという痛ましい事件を受けまして、市町村教育委員会に対し、改めて取り組みの再点検と指導の徹底を要請したところでございます。  いじめの問題につきましては、各学校において、議員御指摘のように、まずは早期に発見すること、そして校長のリーダーシップのもと、報告、連絡、相談、さらに確認を大切にした全校挙げての取り組みが不可欠であると考えております。  今後も、学校における生徒指導、相談体制の充実を図ることはもとより、地域社会や関係機関の協力も得ながら、学校と保護者が一体となって、いじめの防止の取り組みを進めてまいりたいと存じているところでございます。 20: ◯警察本部長山本博司君) 交通事故死抑止対策についてお答えをいたします。  まず、今後の取り締まりの重点方針についてであります。  交通事故抑止対策のうち、取り締まりは警察だけが行っているものでありまして、極めて重要な任務と心得ております。私どもでは、毎年五十数万件程度の取り締まりを行っておるわけでありますが、こうした取り締まりによる事故抑止効果が最大限に発揮されるよう、その重点を事故に直結する悪質、危険な違反に指向して取り締まりを行っているところでございます。  特に、重大事故を引き起こすおそれのある飲酒運転や速度超過、あるいはお年寄りや歩行者の安全を脅かす歩行者妨害であるとか信号無視であるといったような交差点関連の違反、こういった違反につきましては力を入れて取り組んでいるところでございます。  飲酒運転につきましては、運転者はもとよりでありますが、お酒を勧めた側あるいは同乗者等に対しましても、その責任を追及して、飲酒運転の根絶につないでいきたいと考えております。今後とも、こうした方針のもと、厳正な取り締まりを実施して交通死亡事故の抑止を図ってまいります。  次に、事故が起こった場合の被害軽減対策についてでございます。  本年十月末現在の数字でありますが、四輪乗車中に亡くなられた九十七名の方のうち、半数近くの四十四名の方がシートベルトをしておられなかったということでございます。そのうちの半数強の二十三名の方は、もしシートベルトをしていれば助かったであろうと思われるケースでありまして、大変残念に思うところでございます。  道路を走行する以上は、自分にも事故は起こり得る、そのとき、自分の命は自分で守る、こういった意識を県民の皆さんには強く持っていただかなければならないと思っております。このため、私どもといたしましては、引き続き取り締まりや広報・啓発活動を通じまして、後部座席を含めたシートベルト着用率の向上を図ってまいります。チャイルドシートについても同様であります。また、二輪車のヘルメットの確実な着用も徹底させてまいります。  こうした取り組みを通じまして、事故発生時において少しでも被害が軽減され、死亡という結果に至ることのないように努力していきたいと、このように考えております。  以上でございます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━
    21: ◯四十番(田辺克宏君) 本日はこれをもって散会し、明十二月六日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 22: ◯議長内田康宏君) 田辺克宏議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 23: ◯議長内田康宏君) 御異議なしと認めます。  明十二月六日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後三時十七分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...