• "僻地小規模校"(/)
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  1. 愛知県議会 1988-02-01
    昭和63年2月定例会(第3号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 昭和63年2月定例会(第3号) 本文 1988-02-26 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 75 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長(倉知俊彦君) 選択 2 :  ◯議長(倉知俊彦君) 選択 3 :  ◯七十七番(筒井タカヤ君) 選択 4 :  ◯教育長(小金潔君) 選択 5 :  ◯知事(鈴木礼治君) 選択 6 :  ◯七十七番(筒井タカヤ君) 選択 7 :  ◯教育長(小金潔君) 選択 8 :  ◯知事(鈴木礼治君) 選択 9 :  ◯議長(倉知俊彦君) 選択 10 :  ◯三十七番(石川義之君) 選択 11 :  ◯企画部長(山内千吉君) 選択 12 :  ◯農業水産部長(原田尚巳君) 選択 13 :  ◯農地林務部長(白浜明君) 選択 14 :  ◯教育長(小金潔君) 選択 15 :  ◯知事(鈴木礼治君) 選択 16 :  ◯三十七番(石川義之君) 選択 17 :  ◯議長(倉知俊彦君) 選択 18 :  ◯二十七番(浜田一徳君) 選択 19 :  ◯企画部長(山内千吉君) 選択 20 :  ◯土木部長(下田修司君) 選択 21 :  ◯総務部長(奥田信之君) 選択 22 :  ◯商工部長(高嶋伸享君) 選択 23 :  ◯参事(本田辰郎君) 選択 24 :  ◯知事(鈴木礼治君) 選択 25 :  ◯二十七番(浜田一徳君) 選択 26 :  ◯五番(鈴木政二君) 選択 27 :  ◯議長(倉知俊彦君) 選択 28 :  ◯議長(倉知俊彦君) 選択 29 :  ◯副議長(松山茂朗君) 選択 30 :  ◯十五番(大松沢光敏君) 選択 31 :  ◯労働部長(鬼頭大一君) 選択 32 :  ◯商工部長(高嶋伸享君) 選択 33 :  ◯知事(鈴木礼治君) 選択 34 :  ◯十五番(大松沢光敏君) 選択 35 :  ◯副議長(松山茂朗君) 選択 36 :  ◯四十八番(広木良次君) 選択 37 :  ◯副議長(松山茂朗君) 選択 38 :  ◯参事(本田辰郎君) 選択 39 :  ◯人事委員(杉浦正男君) 選択 40 :  ◯企画部長(山内千吉君) 選択 41 :  ◯土木部長(下田修司君) 選択 42 :  ◯企業庁長(田上光大君) 選択 43 :  ◯農地林務部長(白浜明君) 選択 44 :  ◯知事(鈴木礼治君) 選択 45 :  ◯四十八番(広木良次君) 選択 46 :  ◯副議長(松山茂朗君) 選択 47 :  ◯九番(柴田紘一君) 選択 48 :  ◯副議長(松山茂朗君) 選択 49 :  ◯九番(柴田紘一君) 選択 50 :  ◯民生部長(春日井文人君) 選択 51 :  ◯建築部長(越智福夫君) 選択 52 :  ◯教育長(小金潔君) 選択 53 :  ◯衛生部長(玉木武君) 選択 54 :  ◯知事(鈴木礼治君) 選択 55 :  ◯九番(柴田紘一君) 選択 56 :  ◯六番(石田芳弘君) 選択 57 :  ◯副議長(松山茂朗君) 選択 58 :  ◯副議長(松山茂朗君) 選択 59 :  ◯議長(倉知俊彦君) 選択 60 :  ◯十八番(三輪敦昭君) 選択 61 :  ◯総務部長(奥田信之君) 選択 62 :  ◯土木部長(下田修司君) 選択 63 :  ◯知事(鈴木礼治君) 選択 64 :  ◯十八番(三輪敦昭君) 選択 65 :  ◯議長(倉知俊彦君) 選択 66 :  ◯議長(倉知俊彦君) 選択 67 :  ◯四十番(鈴木紀正君) 選択 68 :  ◯企画部長(山内千吉君) 選択 69 :  ◯環境部長(苅谷明君) 選択 70 :  ◯衛生部長(玉木武君) 選択 71 :  ◯教育長(小金潔君) 選択 72 :  ◯知事(鈴木礼治君) 選択 73 :  ◯五番(鈴木政二君) 選択 74 :  ◯議長(倉知俊彦君) 選択 75 :  ◯議長(倉知俊彦君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時十三分開議 ◯議長(倉知俊彦君) ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 一般質問 2: ◯議長(倉知俊彦君) これより一般質問を行います。  通告により質問を許可いたします。  筒井タカヤ君。     〔七十七番筒井タカヤ君登壇〕(拍手) 3: ◯七十七番(筒井タカヤ君) 発言通告に従いまして、質問に入ってまいります。  次回の愛知国体において武道館の建設が必要とのことで、県当局も懸命に取り組まれておられるようであります。昭和六十九年が国体の開催の年だから、その前年にはエキシビジョン大会をせねばならないので、何かとお急ぎであるとか聞いております。その候補地には名古屋市港区の名古屋競馬場近くの土地が有力と、新聞でかつてすっぱ抜きされたことがありました。はっきり申し上げまして、私はこの土地がなぜ候補地になるのか、理解できません。  その第一の理由は、日・祭日の競馬の開催日と重なったらどうなるでしょうか。  第二に、勤労青少年の武道の殿堂がばくち場の近くでは、環境の上でも好ましくありません。県当局は、近年競馬場の売り上げが余りよくないので、将来の売り上げ増をねらって、青少年が集まる場所として、わざわざこの地を候補地としているのでしょうか。  第三点に、この候補地は一万平方メートルといった小規模の用地でもあることであります。  第四点に、この名古屋市南部地区には名古屋市体育館、名古屋市総合体育館もあり、何ゆえわざわざ重複するような地域に進出せねばならないのか、理解に苦しみます。県は、名古屋市北西部に県体育館、県スポーツセンターを有しており、公平な地域配分から見れば、当然に名古屋市東部地区に建設すのが一番あると、私は思います。  八年前、県当局は県民に「オリンピック会場のスタジアムは平和公園地区に」と、大々的に公表宣伝されたことを忘れてしまったようであります。県当局に「今、この平和公園地区に武道館を誘致すればいいではないか」と申し上げたところ、関係者は、「平和公園地区に誘致するためにはこれから国と協議せねばならず、逆計算すれば、次回の国体施設としてどうしても間に合わず、ここ平和公園地区は候補地とならず」と、平気な顔で言ってくれるじゃないですか。本当にこんな状況に至るまで、よくぞ県立武道館の建設を放置しておいたものだと、つくづくあきれ返ります。  知事にお尋ねいたします。御承知のように、ことしはオリンピックの年であります。八年前、県がオリンピックスタジアム唯一の候補地とした場所を見てください。いまだに何もありません。私はスタジアムをつくれとは言っているのではありません。県民がひとしくスポーツの場として利用できるような計画ぐらい、遅きとはいえ、立案して、土地所有者である国に申し入れるが筋と考えます。このまま何の総括もないままに時を過ごすようなことであればだめだと思っております。何らかの結論を出していただきたい。利用できない土地だとすれば、我々は当時県当局が夢指導でつくった幻で踊らされたのか、知事に御所見をお尋ねいたします。  質問の第二は、武道館建設に向けて、現実状況に即してお尋ねいたしてまいります。実際に県当局の言うように、次回の愛知国体の開催に武道館が必要であるならば、早速適地を選定すべきであります。ただし、さきに述べましたとおり、すべての条件を満たさない場所に建設することには、断固反対であります。しからば、適地はとなると、名古屋市東部地区である名古屋市名東区、天白区、守山区とも、土地区画整理事業計画の展開を見渡しても、なかなか存在しないのが現状であります。  では、名古屋市東部付近といった限定枠を少し伸ばすと、この地ならば最適と言える候補地があります。名古屋市名東区に接する地区に、愛知郡日進町株山地区があります。現在、住宅・都市整備公団を中心として土地区画整理事業が進められており、特に住宅・都市整備公団の中・高層住宅用地三カ所が予定されており、その三カ所のいずれもが二万平方メートル以上の用地であります。公団当局も「県の希望があれば、一カ所ぐらい変更は可能」と言っております。さらに地元日進町の山田一麿町長も「ぜひここに武道館の誘致をしたい」と、積極的に受け入れ大歓迎の姿勢を示しています。  また、現在の交通利便からいえば、東名高速道路名古屋インターより車で十分の位置にあります。公共輸送機関は、現在は、地下鉄一号線の星ケ丘駅より名鉄バスで十二分です。公団当局は、住宅建設整備の進展によって、さらに名鉄バスにより星ケ丘駅よりこの株山住宅の中央を横断して、天白区、地下鉄鶴舞線の赤池と結ぶバス路線、さらに市バス星ケ丘駅より同じく株山住宅の中央を横断して天白区平池と結ぶと、現地の安藤所長は説明をしてくれました。
     思うに、地下鉄一号線、鶴舞線を結ぶ名古屋東部地区一帯は大学、高校、小中学校及び企業移転も進み、武道館建設に最良の適地であると信じます。  武道団体の責任者より昭和六十年十月に県当局に提出した陳情内容、すなわち「第四十九回国体会場として武道館を建設し、建設場所を名古屋市内とする等々の項目があるけれども、これをどのように運用されるかは県当局にお任せしたい」と、私あてに書面で届いております。この書面は、県当局責任者にもお渡しをいたしております。この意味するところは、武道館建設は必ずしも名古屋市内に限るとしたものでないと回答してきているのであります。常々県当局は「競技団体が了承すれば、建設場所を名古屋市内に限定しない」とも述べてこられました。競技団体も、この日進町株山地区用地の適地を認めたのですから、最善の策として、早急に各機関と調整を図り、日進町株山地区に武道館を実現すべきであると思いますが、御見解を示していただきたい。  今議会に、武道館建設に関する設計費の予算が計上、提案されておりますだけに、本件は最も注目を集めております。二十一世紀に誇れる武道館が、後世にわたって最良の環境の地に、ゆとりを持ってつくられたと言えるような決断を示されるよう強く願いつつ、質問を終えます。  以上です。(拍手) 4: ◯教育長(小金潔君) 武道は日本の伝統的な競技でございまして、この武道を行うための武道館の建設に当たりましては、六十九年の国体に向けてはもとよりでございますが、後々まで県民に親しまれる、本県の武道の殿堂にふさわしい、格調のあるものでなくてはならないと思うわけでございますが、この候補地の選定に当たりまして、これまでいろいろと経緯がございました。したがいまして、これまでの検討経過を踏まえまして、今後さらに検討を続けていきたいと考えておるわけでございます。  平和公園の問題でございますが、これは現在、都市計画上墓園でございまして、名古屋市との協議もいたしておりますけれども、変更ということは、都市計画の変更が非常に困難だと、こういうことでございますし、また、開拓農民の不法耕作地が若干ございまして、この解決も大変難しいということも伺っているわけでございます。  今までも、先ほども申しましたように、いろいろなところを当たって現在に至っておりますので、ひとつその作業を今後も進め、適当な候補地を決めてまいりたいと考えております。 5: ◯知事(鈴木礼治君) 武道館の用地、建設の用地の選定でございますが、結論として、今、大変幾つも候補地があるわけでございますけれども、なかなかこれといって、まだ決まっておりません。  それで、実は、まずは経過を申し上げますと、競技団体は名古屋市内にと、こういう希望のように承っておりますし、確かに今御指摘のありました平和公園も一つの候補地になり得るところでございますけれども、いろいろと教育委員会その他、名古屋市と協議をいたしました結果、大変難しいと、こういうことであります。  そこで、いずれにいたしましても、武道館は利用する側も、交通利便のいいところでないといけないということは当然のことでありますし、また、用地取得が比較的スムーズに行えないと、工期その他において間に合わないところもございますので、なかなか、今、用地の選定に苦慮いたしておるわけであります。  今直ちにどこそこと、私もお答えする段階でございませんので、恐縮でありまするけれども、この問題、やはり武道館をつくるからには、いい武道館をつくらねばなりません。したがって、後で禍根を残すようなつくり方はいけませんので、もう少し時間をおかしいただきまして、十分な検討をした上で決めさせていただきたい、かように存じます。 6: ◯七十七番(筒井タカヤ君) 再質問をさせていただきます。  質問の第一は、武道館の建設と次期愛知県国体の関係について、もっと原点に戻し、冷静に考えていただきたいと主張するものであります。私は、次期愛知国体のための武道館をつくるのではないということを主張しておるのであります。武道館をつくる必要性が生じてきたから、これを建設しようとするものであります。もちろん、次期愛知国体に間に合えば最善であると思っております。後世の県民のため、この際じっくり腰を据え、用地を選定すべきと考えますが、県当局のいま一度のお考えを示していただきたいと思います。  質問の第二は、県教委は武道館建設の話をするときに、必要以上に、武道四団体が次期愛知国体に間に合うよう、名古屋市内でつくってくれるよう主張している旨を再三再四話をされるが、これはおかしいと思います。何にも武道四団体のために施設をつくるのではないのであります。今日までほっておいて、急に必要以上に我々のしりをたたくような態度は、名古屋オリンピック誘致のときの県当局の姿勢そっくりではないか。反省を求めます。  次期愛知国体でもって、名古屋市内で開催される武道は柔道です。県当局は、次期愛知国体での柔道会場は暫定的に名古屋市もしくは県施設の既存のもので開催することもあり得る旨の通知をされ、早急に選定協議をすれば、じっくりと武道館建設に取り組めると思うが、県当局の見解を求めます。  質問の第三点は、武道団体の責任者にも、まだまだ武道団体だけで連日利用ができるまでに至っておらず、もしも活発に利用ができないことを考えると、とても心配だとの声もありました。そこで県当局にお尋ねをしたい。この武道館は、単に武道場の延長線上のものではなく、県民各層が利用できるものの位置づけをもっと明確に示すべきであると思うが、いかがですか。他の室内スポーツや各種イベント等、多目的に利用されるものであると私は思っておりますが、県当局の見解はいかなるものかを示していただきたい。  私が考えているものと同じものであるとするならば、将来の交通事情を考慮しても、車五百台以上の駐車場は最低限必要と考えます。本県について、県教育委員会側との協議の過程で再三感じられたのは、既に名古屋市港区の競馬場付近の小さな一万平方メートル用地、駐車場百五十台が限度のあの土地、県開発公社所有地が有力候補となって、今ごろ他の用地は考えられないような態度であった。何をもってこの土地が武道館有力の候補地たり得るのか、理解に苦しむものである。今回の議会に提案されている武道館の建築設計費の予算計上について、何か目に見えざるうちの、ある予定された中での既定の枠の中でたががははめられているような不自然なものを私は感じる。かつて県当局が八年前、やみくもに名古屋オリンピック誘致推進を図ったときと同じ手法でもって団体用の武道館づくりを推し進めているような方法に、私は厳しい反省を求めると同時に、憤りを感じる一人であります。  もし県当局が、私が指摘した、これだけは武道館として適地でないとした名古屋市港区の競馬場付近のところに予想どおり選定したとすれば、後世の人々より笑われるであろうことを表明し、質問を終え、以上再質問三点について、知事並びに県教育長より回答を求めます。  以上です。 7: ◯教育長(小金潔君) 第一点の、武道館と国体の関連ということでございますが、これまで私どもが検討してまいりました経過におきましては、この武道館で国体の柔道競技を開催するということで検討をしてまいっておるわけでございます、  それから、四団体の意向のみで決めるべきことではないという点でございますこれども、国体の会場地の選定、あるいはそれに伴いますもろもろの準備等につきましては、国体準備委員会の団体側も加盟する国体準備委員会で決めてまいっておりますので、その経緯をひとつ御理解いただきたいと思います。  それから、性格づけの問題でございますけれども、これは、まだ今後検討すべき点もいろいろあるわけでございますが、基本的にはやはり武道館ということで、多目的と申しましても、まだどういう形で多目的な利用を考えるかというようなところまで検討をいたしておりません。要するに、その土地につきましては現在検討中ということで御了承いただきたいと思います。 8: ◯知事(鈴木礼治君) 利用の仕方についての再度の御質問でありましたが、やはりみんなが使えるような、スポーツとして使用できるような武道館にするというような御意見、その点につきまして、今後いろいろと私どもも、つくるについて、この御意見を十分に尊重してまいりたいと思います。 9: ◯議長(倉知俊彦君) 進行いたします。  石川義之君。     [三十七番石川義之君登壇](拍手) 10: ◯三十七番(石川義之君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、以下三点についてお伺いをいたしたいと思います。  質問の第一は、鉄道のネットワークについてであります。交通は、人間が生活をしていく上において欠くことのできない要素であります。目的によって、徒歩、自転車、さらには自動車、飛行機等さまざまでありますが、生活水準の向上に伴って行動範囲が拡大し、交通の高速化、遠距離化が要請されており、交通手段も多様になっておるのであります。このため、将来にわたって円滑な県民生活を確保するためには、常に広域的な視点からも交通を考え、各種交通手段の役割の明確化と連続性を図っていく必要があると思います。  本県の鉄道網の整備は、昭和四十七年三月の都市交通審議会の答申及び昭和四十九年三月の中京圏陸上交通整備調査会議の報告を指針として進められているところであります。しかしながら、近年の人口動態の変化やマイカー交通の急増など、答申時の想定と異なる社会状況の変化も生じてきており、また、二十一世紀に向けた地域づくりや来るべき成熟社会に対応した鉄道網計画が求められているところであります。  名古屋市においては、昭和六十一年九月、名古屋市基幹公共交通網調査委員会が設置をされ、二十一世紀を目指した地下鉄などの公共交通網の計画づくりについて約一年半にわたり審議を行った結果、去る二月五日、名古屋市を中心とした基幹的公共交通網のあり方とその整備方策について、市長に対し答申がなされたところであります。答申は、昭和百年度を目標とし、新設路線として、鉄軌道系十一路線約百十七キロメートル、基幹バス三路線約四十五キロメートルを整備することといたしております。  路線網策定に当たっては、公共交通優先の原則に立ち、高速性、確実性、快適性などの質の高さやゆとりを求めるとともに路線相互のつなぎのあり方や利便性の向上にも配慮したものとされております。  また、特にこの答申においては、広域性にも配慮し、名古屋市の境から約六キロメートル以内の隣接市町村へも路線網策定の対象地域が広げられ、例えば、鉄軌道系の東部線、六号線、八号線など七路線の市域外への延伸が計画をされており、優先着工順位や建設資金の調達などについては今後の研究課題とされておりますけれども、地域の発展につながるものとして、隣接市町村からも大きな期待が寄せられているところであります。  一方、本県においても、二十一世紀に向けて、鉄道を主体とした交通網のあり方について構想をまとめるため、昨年三月新中京圏陸上交通整備調査会議を設置し、現在鋭意調査会議が進められているところであると伺っております。この会議においても、今後精力的に調査検討が進められ、二十一世紀の本県にふさわしい交通網構想づくりがなされるものと、大いに期待をするところであります。  これらの構想は、現在審議中の大阪圏の次に設置されると聞いております運輸政策審議会地域交通部会の名古屋圏都市交通委員会に地元としての考え方として示され、最終的には国において名古屋圏の交通網計画が正式決定されるものと存じます。  そこでお尋ねをいたします。  第一は、新中京圏陸上交通整備調査会議の検討状況及び最終取りまとめの目途はいかなるものか、お伺いをいたします。  第二は、地下鉄建設に対する県の補助金についてであります。  現在の名古屋市の地下鉄建設の達成率は計画の五五%にすぎないのが現状でありますが、これは、膨大な建設資金の調達を必要とするのがネックとなっているものと思われます。県の名古屋市に対する地下鉄補助金は、四十一年度に創設されて以来、徐々に増額をされ、六十一年度から八億円となっておりますが、地下鉄は高額な建設費を必要とすることや、その建設が周辺市町村の活性化に寄与することを踏まえると、一層の増額が検討されてもしかるべきではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。  第三に、鉄道交通の利便性向上のためには、相互の乗り入れとともに結接点となる駅での円滑な乗りかえの配慮が必要でありますが、今後の調査会議などでどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。  また、名古屋圏あるいは通勤圏の拡大傾向の今日、地下鉄を六キロメートル圏以上に延伸することについては、地元の期待も踏まえ、どのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  次に、本県の鉄道ネットワークの上で重要な愛知環状鉄道についてお伺いをいたします。  尾張東部と西三河に連なる四つの中核都市を結ぶ地域の足として、また今後発展が期待される名古屋東部丘陵地域を支える動脈として、沿線住民の期待を乗せて、去る一月三十一日に開業いたしたところであります。しかしながらこの鉄道は、旧国鉄の輸送密度四千人以下という特定地方交通線を引き継いだものでありまして、当分の間は厳しい鉄道経営を余儀なくされるものと思われますが、経営を引き受けた以上は、安全で便利な地域として、早期に健全経営が行える基盤を確立する必要があると考える次第であります。  そこでお尋ねをいたします。  第一は、愛知環状鉄道は、大都市近郊の都市型鉄道という性格から、通勤・通学用として利用する人が大半を占めていると聞いております。開業後間もなく一カ月を経ようとしていますが、この間の利用客の状況、収支の状況を踏まえて、今後の会社経営の見通しと利用客増大に向けての方策についてお伺いをいたします。  また、会社は健全な鉄道経営が行えるようにさまざまなアイデアを凝らしていくものと思いますが、今後の経営の多角化の一環である副業の見通しについて、あわせてお伺いをいたします。  第二は、愛知環状鉄道は、その名称からも、瀬戸線とともに将来は名古屋を取り巻く大環状線の一翼を担うこととなっているのであります。瀬戸線のうち、勝川─枇杷島間は六十六年度完成に向けて工事が進められており、完成後はJR東海が運営することとなっておりますが、高蔵寺─勝川間は一連の国鉄改革の中で建設計画が消滅し、その関連用地も日本国有鉄道清算事業団に承継されてしまいました。しかしながら、愛知環状鉄道が名称どおり環状機能を発揮するためにも、また、中京圏の効率的な交通体系の整備を図る上からも、高蔵寺─勝川間は重要であり、その工事再開に向けてどう取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。  第三は、愛知環状鉄道の利用客の増加を図るためには、名古屋に集中するJR東海道本線、中央本線、そして名鉄本線、名鉄瀬戸線、名鉄豊田新線との連絡をスムーズにして、乗客の利便に努めることが何よりのサービスであり、大切なことであります。各線との連絡についてどのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。  質問の第二は、農業問題についてでございます。  御承知のとおり我が国農業は、かつて経験をしたことのない困難に直面をし、大きな転換点に立たされております。さきのガット理事会において、我が国は輸入制限農産物十二品目中十品目はクロ、二品目は灰色とする裁定案を受け入れ、自由化の道を余儀なくされた形であります。牛肉、オレンジをめぐるアメリカとの二国間交渉を見てもわかるとおり、農産物の自由化はもはや避けて通ることのできない状況となっております。  一方、国内産の農産物の価格は、米価に代表されるように、国際価格と比較して相当割高となっており、消費者の関心を集めているのであります。その割高の背景には、基本的には農業部門の低い生産性がありますし、直接的には農業保護のための価格支持政策があるとされております。  こうした政策をとっておる理由は、言うまでもなく、一つは食糧安全保障論であり、一つは農業の国土保全機能というふうに言われておるところであります。農業の規模が小さい、あるいは片手間農業という生産力構造に原因する低い生産性、高価格を是正し、国際化時代にふさわしい競争力のある農業へと脱皮させることが、今最も必要な農業政策ではないかと思うのであります。  「欧米並みの賃金から欧米並みの生活へ」というキャンペーン活動が盛んでありますが、そこには、賃金は円高によって世界の一流水準になったけれども、生活の実質は欧米の水準とはおよそかけ離れた実態にあるという不満があります。何よりも円高のメリットが食卓になかなか反映しない食糧管理政策への批判や、一方、国際化時代を迎えて、我が国の農業政策はこれでよいのかという問いも含まれていると存じます。農業の生産性を向上し、食糧の自給力の維持を図っていくのは当然でありますが、国際化時代を迎え、我が国の国土資源の制約から見て、食糧の一〇〇%自給は困難であり、おのずから自給品目の選定、限定選別も言われておるところであります。そういう意味では、まず第一は、完全自給するもの及び自給率を一定目標に保持するもの、二つ目は、国内生産と輸入を並行するもの、三つ目は、原則として輸入に依存せざるを得ないもの等々であります。過去の延長だけでは対応ができなという現実を示しておると思うのであります。  そこでお伺いをいたします。  第一は、産業として自立できる農業の育成についてであります。  こうした農業を取り巻く現状と情勢を踏まえ、自立できる農業をどう育成しようとされておるのか、お伺いをいたします。  第二は、農地の流動化と経営規模の拡大についてであります。  これは、我が党の武田等議員が六十一年九月議会の代表質問でお尋ねしたところでありますが、国際化に備えて農産物のコストを引き下げ、生産性を高めるには、意欲的な農家に対し、農地利用を集積して、経営規模の拡大を図ることが重要であるからであります。このため、農用地利用増進法に基づく農地の流動化に取り組んでおられるのでありますが、その成果はその後どうなっておるのか、お伺いをいたします。また、今後どのように取り組んでいかれるのか、あわせてお伺いをいたします。  第三は、稲作等の低コスト生産技術についてであります。  国際競争に打ちかてる生産性の高い農業を展開するためには、バイオテクノロジー等先端技術の開発、普及が不可欠でありますが、内外価格差で問題となっておる稲作等の低コスト化に向けての技術開発も極めて重要なことであります。  本県の農業総合試験場は全国的にもすぐれた技術を持ち、高い水準の試験研究をしていると言われておりますが、ここで開発された技術も、広く農家まで普及させ、活用されてこそ、初めて効果を生じると言えましょう。低コスト生産技術の現状はどうなっておるのか、また、今後の開発見通しはどうであるのか、お伺いをいたします。  質問の第三は、山村留学についてお伺いをいたします。  最近、お隣の三重県員弁郡藤原町の小学校が、地区を挙げて都会の小学生を受け入れる独自の山村留学制度をつくり、県内だけでなく、県外からも希望者を募ったところ、問い合わせが大変多かったということであります。町教育委員会のつくった制度によりますと、留学期間は原則として一年間とし、児童は地区の民家が里親として預かり、家族の一員として通学させるというものでありまして、病気や事故などのトラブルに関しては町教育長が責任を負うといったものであります。  山村留学を最初に手がけたのは、東京都武蔵野市の財団法人「育てる会」であります。この会は、早くから自然の中で青少年の自立性を養うことを目標に、農家に分宿して野外活動を進めておりましたが、昭和五十一年になって、長野県八坂村に二百五十人が宿泊できる施設を建設し、子供たちの住民票を移し、地元の小中学校に通学させる教育を始めました。  その後、徐々に他町村にもこのような制度がふえてまいりました。また、国の第四次全国総合開発計画において、都市と農山漁村との広域的な交流の中で、滞在学習の促進を取り上げております。昨年の一月には、関係する市町村教育委員会や教師、親などによる全日本山村留学推進連絡協議会が発足し、七月には、国に対し理解や援助を求めていく山村留学協会も結成されております。  山村留学制度は、小規模校の活性化というメリットだけでなく、いろいろな教育効果も期待されております。例えば、山村の子供が都市の子供から、その積極性や行動力、社会性などを学び、都市の子供は、豊かな自然に触れ、地元民の温かい人情に包まれながら、地元の子供の持つたくましさや忍耐強さなどを身につけていくといった点であります。また、親元を離れた共同生活を通して協調性や自立心が養われることも期待できるとともに都市と山村との親同士の相互理解や交流というプラス面もあるのであります。  このように、教育的効果も大きく、プラス面の大きい山村留学制度は、今後真剣に考えてみるべき問題であると存じます。  しかし一方で、不安もないわけではありません。例えば、親元を離れ、なれない環境の中で生活する子供たちが病気になったり事故に遭ったりしたときであります。山間部の交通事情や医療施設のことなどを考えますと、預ける方も預かる方も心配が多いというのが、正直なところであります。  そこでお尋ねをいたします。  山村留学制度に深い関心を持つ者の一人として、本県における山村留学の現況と、こうした趣旨の事業について教育長の御所見をお伺いをいたします。  また、自然生活体験チャレンジ事業が六十三年には企画をされておりますけれども、生きた教材のある山村での触れ合い体験こそ、青少年の豊かな心とたくましい体を育てると思います。無人島もいいけれども、時には、陸の孤島と言われる山間地域も本県にはあるわけでありますから、地域の活性化や高齢者の生きがいも含め、考えてみるべきことではないか、対象に選んでもいいのではないかと思います。あわせてお伺いをいたします。  以上、明快な答弁を期待いたしまして、第一問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 11: ◯企画部長(山内千吉君) 鉄道網のネットワークについての御質問にお答えをいたします。  まず、新中京圏陸上交通整備調査会議につきましては、現在、小委員会を中心に、精力的に調査、審議が進められているところでございまして、昨年三月の発足以来、十六回のワーキンググループにおける検討と四回の小委員会を重ねているところでございます。この間、交通網構想のあり方に関する委員アンケート調査、交通事業者に対する長期経営戦略等についてのヒヤリング、この地域における大規模開発プロジェクト等交通網構想策定に必要な基礎的な調査などを行ってきたところでございます。最終取りまとめにつきましては、六十四年三月をめどといたしておりまして、整備すべき路線、あるいは増強すべき路線、山間地域の公共交通のあり方などを御提言いただけるものと考えております。  次に、地下鉄建設に対する県の補助金についてでございますが、県の地下鉄補助金は、名古屋市の地下鉄が中京圏鉄道網の中核をなす重要な公共交通機関であり、県民多数の足として機能していることにかんがみまして、その整備促進を図りますため、他の都道府県に先駆けまして、四十一年度から助成を行っているものでございます。御質問にもございましたが、補助額は、四十一年度の二千五百万円から逐次増額をいたしまして、六十一年度からは八億円というようにさせていただいておるところでございまして、都道府県が任意で補助を行うものといたしましては、全国一の高額となっているところでございます。  県としてどの程度支援していくかにつきましては、これまでの経緯とか他府県との比較、さらには交通対策における助成のあり方など、もろもろの観点から検討をしていくべき課題であろうと存じているところでございます。  次に、鉄道交通の利便性の向上についての御質問でありますが、鉄道交通に求められておりますものの一つに、御指摘のような移動の連続性の確保がございますので、新中京圏陸上交通整備調査会議におきましては、利便性の一層の向上のため、相互直通あるいは総合駅化について十分御検討いただけるものと考えております。また、地下鉄の市域外延伸につきましては、名古屋市の基幹公共交通網調査委員会の答申を踏まえまして、その延長すべき方面やその整備方策についても御提言がいただけるものと考えているわけでございます。  次に、愛知環状鉄道についてでございます。  まず、愛知環状鉄道の開業後の状況でございますが、二月二十日までの一日当たりの輸送人員は一万人から一万一千人程度、収入は一日当たり二百五十万円程度となっておりまして、おおむね順調な滑り出しであると理解しております。ただ、開業後数カ月間は物珍しさから利用する人が多い。あるいは季節的にも、この二月というのは高校、大学の入試が行われているというようなこともございますので、それらの事情を多少割り引いて判断する必要があろうと考えているところでございます。  そうしたことから、開業間もない時点でもございますので、今後の会社経営について明確に今は見通すことが困難でございますけれども、健全な鉄道経営が行えますように、引き続き一層の努力をしてまいりたいと存じます。  また、利用客増大のため、可能な限り機動的なダイヤ編成、運行本数の増便、早朝から深夜までの運行など、サービスの向上に努力をしているところでございますけれども、今後は、各地の祭りや催し物の開催に合わせた特別列車の運行など実施してまいりたいと存じます。  次に、副業についてでございますけれども、既に損害保険の代理店、国内旅行業務、広告業を開始したところでございますが、今後さらに、駅構内売店の設置、高架下の賃貸等を考えているところでございます。  次に、高蔵寺以西の瀬戸線につきましては、愛知環状鉄道と連なり、名古屋周辺の環状線を形成する、極めて重要な路線でありますことから、早期全線開通が必要であると認識をしているところでございます。このため、高蔵寺─勝川間につきましてはこれまでも本県独自に、また、瀬戸線建設促進期成同盟会と相携えまして、国及びJR東海に対し、再三再四工事の再開を働きかけているところでございます。今後とも、勝川─枇杷島間の早期完成とともに、高蔵寺─勝川間の工事再開に向けて有効適切な措置が講ぜられますよう、国、JR東海に対して粘り強く要望をしてまいりたいと存じております。  次に、愛知環状鉄道と他社線との連絡についてでございますが、連絡をスムーズにいたしますためには、運行ダイヤの問題と連絡施設の両面での整備を図ることが大切であると存じます。  運行ダイヤの面につきましては、東海道本線、中央本線とは、岡崎、高蔵寺の両端駅が共同使用駅となっていることと、列車運行上必要な、事前に運行ダイヤ編成上の協議をしていることもありまして、おおむね短時間で連絡をいたしております。  名鉄各線との連絡につきましては、乗客の方々の利用実態を十分把握し、余分な待ち時間などのないように、極力運行ダイヤ面での整合に努めてまいりたいと存じます。  施設面でございますけれども、名鉄各線とは乗りかえ駅がそれぞれ若干離れているということもございますので、将来的には連絡橋の設置を考えるなど、利用しやすい形態を整えてまいらなければならない、そのように存じております。  以上でございます。 12: ◯農業水産部長(原田尚巳君) まず、産業として自立できる農業の育成についてお答えをいたします。  農産物の輸入が増大するなど国際化が進む中におきまして、農業の健全な発展を図るためには、生産基盤の整備、近代化にあわせまして、担い手対策、また技術対策を有機的、総合的に推進し、競争力のある、足腰の強い農業を育成していく必要があろうかと考えております。このため、従来から進めております農業基盤の整備や農地流動化の推進等の生産性向上対策、企業者マインドを持った農業経営者や高能率な生産組織の育成対策、ハイテク等を活用した新品種の開発育成などブランド化対策に積極的に取り組んでまいります。  特に昭和六十三年度の予算におきましては、今後農業生産の場面で重要な役割を果たすであろうと思われますバイオ技術や高度環境制御システムの開発に向けましての取り組みに配慮し、産業として自立でき得る農業の育成をより一層推進してまいりたいと考えております。  次に、稲作など低コスト生産技術の現状と見通しでございますが、低コスト稲作を実現するためには、水田の大区画化、集団化にあわせて、大規模経営のための農地利用の集積や、機械、施設の整備を図り、農作業の効率化を進めますとともに、高品質多収省力栽培技術の確立が相まって、コスト低減が図れるものと考えております。  低コストに向けての農業総合試験場におきます研究といたしましては、品種育成では、多収性で機械化に適し、病害虫に対し抵抗性のあります月の光、あいちのかおりというような品種を育成し、また省力栽培技術といたしましては、直まきなり、またばらまき技術や、田植えと同時に施肥する技術が開発実用化されつつあり、コスト低減に役立っております。  今後、さらにコストの引き下げを目指しまして、バイテク等の先端技術を応用した、良質なハイブリッド米の育成や稲の成育診断技術を生かした栽培技術の確立、さらには大規模経営におきます作業管理システムの開発等の研究にも取り組むことといたしております。  いずれにいたしましても、米の生産コストの大幅な引き下げを行うには、開発された新技術が生産現場に速やかに定着することが重要でございますので、試験研究機関と技術指導機関など密接な連携をとりながら進めてまいりたいと、このように考えております。 13: ◯農地林務部長(白浜明君) 農地の流動化の状況と今後の取り組みにつきましてお答えをいたします。  お示しのとおり、農業経営に意欲と能力を有する農家に農地利用を集積をいたしまして、生産性の高い農業を確立することは、今日、農業構造政策の重要な課題となっておりまして、本県といたしましても、農地の流動化に積極的に取り組んでいるところでございます。  昭和六十二年十二月末現在の農地の流動化は、八十一市町村で取り組んでおりまして、その利用権設定面積は三千八百六十二ヘクタールでございます。昭和六十一年九月議会でお答えをいたしました以降、四百四十六ヘクタールの増加となっておるわけでございます。これは、本県の地方計画に定められております昭和六十五年の目標面積七千五百ヘクタールに対しまして五一%の達成率となっております。これを経営規模拡大の面から見ますと、規模の小さい農家から規模の大きい農家に農地利用の集積が見られておりまして、現在では、十ヘクタール以上の規模の農家もかなり出現をしてまいっております。  今後の取り組みにつきましては県と農業関係団体で構成をしております構造政策推進会議や市町村、農業団体等と一体となりまして、農地利用増進事業を中心に、農地流動化促進の啓発に努めまして、より一層の推進を図ってまいりたい、かように考えております。 14: ◯教育長(小金潔君) 山村留学の件でございますが、山村留学を実施しておりますのは、本県の場合、北設楽郡富山村の小中学校のみでございます。現在は、中学生の男子三人、女子二人の、計五人が留学をいたしております。この中には、制度がスタートした六十年度に小学校に入りまして、現在中学校に通学している者も二名いるという状況でございます。  この事業は、御指摘のとおり僻地小規模校の活性化になるという面もございますし、豊かな自然の中での教育ということで、いろいろよい点もあるわけでありますけれども、一面、小中学校時代に長期間親元を離れて生活することが人格形成上望ましいかどうかという、これを疑問視する向きもあるわけでございます。また、お話ございましたように、病気や事故についての不安、富山の場合は、幸い、特に問題はございませんですが、これも大変重要な問題だと考えるわけでございます。この点については、私ども、受け入れております学校に対して、教育活動全般を通じまして十分生徒の状況を掌握し、対応するよう指導をいたしておるわけでございます。
     そのほか実施町村の事情、あるいは山村留学に応ずる家庭教育の問題、あるいは国の農山漁村振興に対する施策等、いろいろ問題が考えられるわけでございますが、いずれにいたしましても、送り出す側と受け入れる側の呼吸がうまく合わないと、この事業はうまくまいらないというふうに思いますが、慎重に対処してまいりたいと存じます。  もう一点の、自然生活の体験チャレンジの事業でございますが、これは、次年度、国の補助を受けまして新たに始めるわけでございますが、要するに、異年齢構成の青少年の集団五十人、これを対象にするものでございます。社会教育指導者等の指導のもとに、自然の中で、生活体験を通してたくましく生きる力、あるいは忍耐力とか自立心とか、物を大事にする心を培う、いろいろいい面もあるわけであります。実施に当たりましては、企画推進委員会というのを設けまして、御質問にありましたような山村での生活というようなことも十分踏まえまして、検討をしてまいりたいと考えております。 15: ◯知事(鈴木礼治君) 新中京圏陸上交通整備会議、ここにおきましては、二十一世紀にふさわしいような鉄道を主体といたしました交通網のあり方の御提言がいただけるものと期待をいたしておりますが、それはそれといたしまして、私どもは、地下鉄の問題でございますけれども、名古屋市の地下鉄の問題でございますけれども、上飯田の接続の問題、あるいはまた地下鉄の名古屋市域外への延伸の問題、いろいろありまして、大変密接な関連を持つわけでございます。  そこで、御質問がありました名古屋市への地下鉄の八億円の助成でありますけれども、補助でございますけれども、これについてもう少しというか、とにかく八億ではという御質問がございましたわけでありますが、これは実は、まず、地下鉄はやればやるほど大変骨が折れると、こういう現状の制度は、やはりもっと国がてこ入れをしてもらわなければならないのではないかと、ぜひとも国に、まず国にてこ入れをしてもらわなきゃならぬと、こんなふうに考えますが、県も一応と申しますか、八億というのはほかに例を見ない助成をやっておりますけれども、この県の助成ぐらいでは到底根本的な解決にはなりません。したがいまして、まず、私どもも積極的な姿勢は示しますものの、基本的にはまず国が、現行制度では大都市の地下鉄は大変経営しにくいと、こういうことに着目されまして、もっと制度上の大きな助成、やりやすいような助成を国がまずとってくれるべきではないかと考えております。  そういうことで、いつも、徐々にはふやしてきてまいりますが、八億円というのが中間をいくところでございまして、今後、またこれもいろいろと議論があるところでございましょうが、一キロ敷くについて二百何十億も要るような地下鉄でありますので、八億円という金は大変小さいという見方もできますし、また、ほかから見ますと、八億円もあれば、もっといろいろなことができると、こういう議論もありまして、いつもこれは悩むところでございますけれども、徐々にふえてまいりまして、今日の八億円というところに落ちついておるわけであります。  それから、愛知環状鉄道でございますが、これは、おかげをもちまして、順調な滑り出しでございますが、そうはいっても、最初だけのことでございますから、今後厳しい経営環境にあることは十分承知いたしておりますので、会社としても大変な努力をしなきゃならぬと思っております。心強いのは、県はもちろんでありますが、沿線四市も一体となって、できる限りの支援をやってきております。これからもやってもらいたいと思います。  ただ一つ、いろいろありますが、私どもびっくりいたしましたのは、ただ乗りが多いということでございます。無人駅というので人件費の節約を図りまして、人のいないというのは、駅員のいない無人駅をつくりましたせいもございますが、そこですっと出ていく、金を払わないで。これはまことに困るわけでございまして、こういうことはやってもらわぬようにPRをしなきゃなりませんし、それから、そういうことができないように、これから工夫をして収益を上げていかなきゃいかぬ。妙な収益の上げ方でありまするけれども、ただ乗りということがあるということ、相当あるということを聞きまして、びっくりしておるようなことでありますが、そういうちょっと次元の低い話ではございますけれども、こういうことも大変大切であると考えております。  それから、瀬戸線の勝川─枇杷島間の早期完成、これはもとよりでございますが、高蔵寺と勝川の間、御指摘がございました。これにつきましても、文字どおり環状になるためには、高蔵寺と勝川の間はぜひともやっていただきたい。これはずっと陳情を続けておりますが、これは御質問にありましたように、全部ではございませんけれども、用地買収ができたところがあるわけであります。あの部分が国鉄の清算事業団に引き継がれておりますので、現在までにやりましたことは、国鉄の清算事業団へお願いしたことは、引き継がれた買収済みの用地をほかに売ってもらわないように、手放してもらわないように、とにかく現状のところでは、ほかへ手放されてはすべて何もできなくなりますから、せめて引き継がれた用地は持っておってください。ほかに売らないとか、要するに手放さないように、じっと持っておってほしい。そうこうしておいて、私どもの方は高蔵寺と勝川の間をぜひとも建設をしてほしいと、こういうふうにお願いをしておるわけでございまして、この状況はますます強めてまいりたいと、かように考えます。  それから、農業の問題でございますが、いろいろお答えを部長がいたしましたが、要は、足腰の強い農業にしなきゃならぬのですが、それには生産の近代化とか経営規模の拡大、そのための農地の流動化、こういうことを一生懸命やりますが、加えまして、バイオをにらみまして、私どもは取り組みたい、取り組まねばならぬと考えておりまするので、その方面の施策を拡充してまいりたいと思いますが、特に農業総合試験場を充実強化をしてまいりたい、かように考えております。 16: ◯三十七番(石川義之君) それぞれお答えをいただきまして、ありがとうございました。  一点要望を申し上げておきたいと、こう思うんですが、愛知環状鉄道に関連する話でありますが、先ほど、愛知環状鉄道が名古屋東部丘陵地域を支える動脈としてどんどん発展してほしいということを申し上げたわけでありますけれども、交通の発達に伴いまして、当然沿線の開発が進んでいくだろう、そういうことが期待されるわけでありますが、そのことがまた、地上げ屋が暗躍したり土地の値上がりがどんどん進んだりということでは困るわけであります。  したがって、そういうようなことを考えますと、今、長久手町までは監視区域ということで、この沿線は割合皆さんの目が厳しくいっておるわけですけれども、愛知環状鉄道が、一部地域とはいえ、これからますます発展伸びていく、それからまた、県が今、新交通システムということで、名古屋東部丘陵地域の調査をしておるわけですけれども、その調査区域の沿線もまた、非常にいろいろな人からの関心を集める地域になっていくだろうと思う。そういうことを考えますと、当然のことながら、この地域に対して将来のあるべき姿を考えるとき、勝手な開発をさせないように、十分ひとつ目を光らせていってもらいたい。  それからもう一つはですね、猿投グリーンロード上の、例えば西中山インターの近くのところがちょうど西加茂郡藤岡町地内になるわけですけれども、ここが最近、不動産屋さんの話を聞きますと、「近くまで電車が近々来ますよ。ここはもう名古屋ですよ」というような宣伝を通して、非常な開発が進んでおる。それがしかも、近くを見ると、ミニ住宅団地というものがそこらじゅうにできかかってきておる。その結果が、御船川が汚染したりというようなことが起きておるわけです。そういうことを考えると、もう少し広範な目でこういう土地問題は考えなければいけませんが、特にこの藤岡町地内については、いわゆる地域指定がない。白地地域になっておる。そのことのために、何をやってもいいと言っちゃ語弊があるけれども、何でも今ならできるということで、かなり業者が入っておるというようなことがありますので、将来にわたってあるべき姿ということを考えるときに、こういう白地地域は好ましくないので、早く何らかの手を打ってもらって、将来にわたって悔いのないような、いわゆる学術研究ゾーンにしてもらいたい。そのまた一翼を担う部分だということでありますので、これからの問題として十分その辺のところを検討してもらいたいということを要望しておきます。  終わります。 17: ◯議長(倉知俊彦君) 進行いたします。  浜田一徳君。     〔二十七番浜田一徳君登壇〕(拍手) 18: ◯二十七番(浜田一徳君) 通告に従いまして、地域活性化にかかわる問題について順次質問してまいります。  「ふるさととは、誇りにできる生活と活動の本拠である。それぞれの地域が特色を持つと、人は自分の希望に合わせて生活と活動の本拠を選ぶことができ、また、その地域によって個性と才能を発揮することができる」、これは竹下首相の「ふるさと創生論」の一節であります。私は、この「ふるさと創生論」は地域の活性化戦略でもあると考えております。  そして、地方と国との関係について、こうも記されております。「これまでは、東京、つまり政府が企画を出し、地方がこれに乗るという形が多かったのであります。これは、決して地方に企画する能力がないからではなく、中央が企画し、コンセプトを示すと、地方は、指定してもらうために中央の意向に沿ったものでなければならないと考えてしまうのである。したがって、これを避けるためには、現在の仕組みを逆にする必要があり、つまりは、地方が知恵を出し、中央がそれを助成するという発想であります。そのためには、中央が地方の知恵を信頼するということが大切であり、地方はみずから責任を持つという態度が必要となってくるわけで、こうしてこそ地方の企画力も育ち、個性ある地域が生まれるのではないかと思うのであります」と述べられております。そしてさらに続けて、「このためには、まず国の方が発想を変えることであり、一つの基準や前例に合わせて地方の計画を審査するのではなく、個性ある計画、独自の特色を持った地域開発を優先的に取り上げる姿勢にならなければなりません」と結ばれております。このように、地域の活性化について、時の宰相ははっきり地方の立場に立った考え方を示されているところであり、まことに心強く感じておる次第であります。  鈴木知事も既にこの「ふるさと創生論」はお読みになられたことと存じますが、最初の質問として、地域活性化の視点から、「ふるさと創生論」についての感想をまずお伺いいたすものであります。  私は、地域の活性化とは、地域が潜在的に持っているポテンシャルを引き出し、開花させることにあると考えております。平たく言えば、地域の経済、社会、文化、いろんな面で若返りを図ることであり、そのため、交通網、都市環境の整備による活性化、あるいは産業の振興、企業、研究機関、大学などの誘致による活性化、教育、スポーツ、芸術、コミュニティー活動による活性化など、実に多種多様な取り組みが求められていると思うのであります。  こうした考え方に立って、本県の活性化への諸方策を探り、以下、数点にわたってお尋ねしてまいります。  まず、地域活性化にとって欠かせない交通網の整備について、とりわけ尾張西南部地域の交通体系について質問をいたします。  この地域の交通の現状を見ますと、まず道路交通については、昨年三月に東名阪自動車道と名古屋高速道路が結ばれたことによって、この地域と名古屋都心は飛躍的に時間が短縮されたものの、朝の通勤時間帯における一般道路の混雑は依然として解消されず、名古屋都心へ向かう国道一号線や二十三号線は言うに及ばず、その他主要な県道でも慢性的な渋滞が発生しているのであります。  一方、この地域から名古屋への鉄道は、名鉄津島線と南部の近鉄名古屋線、JR東海の関西本線の三線が通っているのでありますが、このうち関西本線は、部分複線ということもあって、運行本数は一日わずか二十三本と大変少なく、しかも駅間距離が長く、他の路線に比べ駅の数も少ないなど、都市圏の鉄道としての機能をほとんど果たしておりません。名鉄津島線と近鉄名古屋線は、朝夕の殺人的ラッシュは相変わらずで、しかも両線は、その間が約十キロも離れているために、それぞれの駅勢圏から外れ、鉄道を利用できない地域が多く存在しているのであります。これら鉄道から外れた地域では、名鉄バスや名古屋市営バスが唯一の公共交通機関となっておりますが、そのバスも、朝夕は渋滞に巻き込まれて、その使命を十分果たせない状況にあります。  このように、尾張西南部地域は、名古屋都市圏にありながら、公共交通機関の整備が著しくおくれているのであります。  地元においては、交通網の整備を促進するために、同盟会を設立したり、署名運動を展開するなど、息の長い活動を続けてまいりました。  特に地下鉄六号線の早期実現に関しましては、昭和五十三年に名古屋市中村区を初め、大治町、七宝町の関係住民の熱望により、名古屋市高速度鉄道六号線建設期成同盟会が設立され、署名運動や陳情活動を進めております。また、昨年十一月二日に開催されました名古屋近隣市町村サミットにおいて、七宝町長は地元を代表し、「名古屋の基盤整備は東高西低であり、ぜひ地下鉄を中心とする公共交通網を整備してほしい」と訴えたところであります。そして、去る二月五日には、二十一世紀の地下鉄など名古屋市の基幹交通網調査委員会が、昭和百年を目標とする計画を名古屋市長に答申したのであります。この答申の中でも、地下鉄六号線は、市域外にもかかわらず、重要な路線として七宝方面が明確に位置づけられており、地域住民の喜びと期待は大きく広がってまいりました。  このように、交通網の整備は、通勤・通学交通の利便性の向上が図られるばかりでなく、県土の均衡ある発展を促す重要なプロジェクトでもあります。  そこで、今回のこの答申を受けて、地下鉄六号線の七宝町方面への延伸の見通しについてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  七宝町は、御承知のとおり名古屋駅より西へ十キロメートル足らずの位置にあります。東の方と比べると、本山、八事あたりと同距離に位置しているにもかかわらず、都市圏交通の整備がおくれていることを、十分この際御認識願いたいのであります。  次に、東海北陸自動車道の南伸計画についても、あわせて伺っておきます。  この計画は、地元海部郡にとりましても非常に関心の深いものでありますが、昨年十月末に国から発表された第十次道路整備五箇年計画において、名古屋圏の自動車専用道路網構想の中で一宮西港線として位置づけられたと聞き及んでおりますが、今後どのように事業化に向けて進められていくのか、お伺いをいたします。交通網の整備は地域住民の強い願いでもありますので、知事の誠意ある御答弁を期待するものであります。  次に、ふるさとづくり財団についてお伺いをいたします。  自治省では、東京への一極集中化や地域格差の拡大傾向が顕著となっていることから、多極分散型国土を形成する必要性が一段と高まっているとし、都道府県と政令指定都市が中心となって、出資設立するふるさとづくり財団構想を打ち出したところであります。  本県も、新年度予算案に財団法人地域総合整備財団出捐金として五千万円を計上しておるところでありますが、財団では、地方自治体が地域経済の活性化と地域の特性を生かした魅力あるふるさとづくりを進める上で役立つと認定した事業に、その資金を長期無利子で融資しようとするものであります。  自治省の構想によると、融資対象は、先端技術産業や情報通信産業、再開発ビルや見本市会場などの都市施設や交通・流通施設、リゾート・観光施設、文化・スポーツ施設などであります。私は、この構想は、地方が国に合わせるのではなく、地方の創意工夫を国が支援するという、まさに竹下首相のふるさと創生論とも合致するものとして、大いに期待するものであります。ただ、いささか気になるのは、自治省と大蔵省を初めとする他省庁との間で意見の相違が見られ、調整に手間取っているとのことであります。  県としては、ふるさとづくり財団への出資を決めたことでもあり、積極的な取り組みを期待するものでありますが、今後具体的にどう対応していかれるのか、お伺いいたします。  次に、地域活性化のために進められているユニークな事業を二つ三つ紹介して、県当局の考え方と今後の取り組みについてお尋ねしたいと思います。  まず最初は、風おこし事業であります。  これは、風景、風物、風情などに関する地域資源を見直し、その資源を活用して、イベント、観光振興、物産開発を展開し、地域の活性化を図ろうという事業であります。愛知県商工会連合会と県下の各商工会とが連携して調査研究を行い、懇談会活動啓発活動を通じて地域活性化を図ろうというものであり、今、全国的に活発な展開が目立つ村おこしの前段階ともいうべきものであります。  風おこしの名称、内容とも本県独特のものであり、スタートして五年目になりますが、県としては、この事業の成果をどう評価し、また、風おこしのままで終わらせずに、村おこしへと展開させ、定着化させ、発展させていくために、プロモーター役として今までも指導してこられたと存じますが、今後どのように支援し、育てていくおつもりなのか、お伺いをいたします。  また、一つの提案でありますが、市町村へ適切な指導や助言ができるよう、各界の専門家による地方振興アドバイザー制度のようなものをこの際発足させて、総合的な視野から助言を行う専門家と現地に派遣する一般アドバイザーで構成し、必要があればプロジェクトの実践へ向けての調査を実施し、またこのほかに、アドバイザー制度を通じて集めた資料を分析し、問題点や対応策をまとめたり、地域の人材育成方法や具体的な事例を深める調査を実施し、地域の活性化に効果的なプロジェクトの掘り起こしに役立ててはいかがなものか、あわせて伺っておきます。  次に紹介するのは、お隣の岐阜県で実施されている地域活性化アイデア事業コンペなるものであります。  このコンペは、地域の活性化を目的に、ユニークなアイデアを市町村から募り、すぐれた計画には賞金という形で補助金を交付しようという、岐阜県独自の事業であります。民間有識者がメンバーとなっているアイデア事業選定委員会によって審査され、アピール度、独創性、資源活用、住民の参加、事業効果などを基準に選び、第一席には三百万円、第二席には二百万円、第三席には百万円、賞品の名目で補助金を出すという仕組みであります。ちなみに、今年度の第一席は、板取村の自然と冒険、すなわちアウトドアスポーツと子供を結びつけた自然と冒険スポーツ村構想、第二席が、カモの人工飼育と薫製の商品化をねらった美山町の美山鴨の里づくり事業というものであります。  私は、地域活性化のプランナー役としての県が行う企画として、おもしろいアイデアと思います。しかし、我が鈴木知事は先見性と行動力に富む知事さんでありますから、それにまさる企画を考えておられると思うのでありますが、この際、知事の考え方をお聞きしたいと思います。  最後に、文化の面における地域活性化の事例として、超一流の施設をつくった二つの町を紹介したいと思います。  一つは、先日私も視察をしてまいりましたが、宮城県中新田町にあるバッハホールであります。バッハホールは、東北の典型的な農村地帯にある町立の文化会館のシンボル名であります。落成記念演奏会で指揮をされた芥川也寸志さんが日本一の音響と高く評価し、またゲバントハウス管弦楽団が世界屈指のホールと絶賛したことで一躍全国的に知られるところとなり、現在では内外の著名な音楽家が訪れ、そのたびごとに高い評価を受け、地域の人々の大きな誇りとなっているのであります。  もう一つは、長野県丸子町にできた、信州音楽村のホールこだまであります。このホールは、カラマツを使った木造建築の多目的ホールで、全身で体感できる自然の味わいは、至るところに使用されている木の香りにあふれ、信州の大自然に囲まれた田園地帯のど真ん中にあり、小さな田舎には似つかわしくないほど美しくしゃれており、ここでコンサートを開いた世界的なギタリストのアッカーマンも大賛辞を贈っているとのことであります。  ここで私が申し上げたかったのは、このホールを建設した二つの小さな町は、いずれも我が国の典型的な農村地帯の片田舎であるにもかかわらず、このように独創的で、世界にも誇れる魅力ある施設を生み出したことで、地域活性化への起爆剤としてはかり知れないインパクトをそこに住む人たちに与えているということであります。  そこで、本県としてもこのような視点を持つ必要があると考えますが、この際知事の所見を伺っておきます。以上、るる申し上げてまいりましたが、いずれにいたしましても、地域活性化の意味するところはまことに幅広いものがあり、これに取り組む場合には、住民や地域社会のニーズを先取りし、みずからの地域社会に対する長期的、全国的な展望を踏まえた、真に地方の時代を迎えるべく、個性的で魅力ある地域社会の長期的な将来ビジョンが必要であります。そこで、県行政に携わっておられる皆様方には、従来にも増して時代の変化に即応できる弾力性と進取の気性で、時代をむしろ先取りしていく積極性を持って取り組んでいただくことを願って、次の、地域間競争と職員の人材育成についての質問に移ります。  現下の県政を取り巻く環境は、私たちがいまだかって経験したことのない高齢化社会の到来を初め、国際化、技術革新、高度情報化が進み、さらには県民一人一人の価値観の多様化など、社会の成熟期に向けて著しい質的変化が見られるところであります。  また、地方の時代が叫ばれて久しいところでありますが、これからは地域と地域の競争が展開される地域間競争の時代に入っており、都市と都市との戦いであり、現代都市対抗は、何も野球だけではないのであります。その意味から、愛知県もこれからの行くべき道を必死になって模索しているというのが、率直な現状ではないかと思うわけであります。とりわけ地域間競争に打ちかつ基本は、いかに人材を確保、養成していくかに尽きるのであり、私は、人づくりこそ根本の施策でなければならないと思うのであります。  そこで、私は、この時代に県行政運営の任に当たる県職員の育成に関連して、順次お伺いしてまいりたいと存じます。  「企業は人なり」と、よく申します。県の施策がいかに立派ですばらしいものであっても、これを遂行する職員一人一人の資質が時代の変化に的確に対応していかなければ、本当の行政は生きてこないと思うのであります。これからは、型どおりの施策や前例の踏襲では、とても県民の信託にこたえることはできません。そこには、先見性、創造性、行動力、使命感など、従来とは趣の違った資質が求められているのであります。しかも、人材は育つものではなく、知識偏重に偏らず、積極的に育てていかなければなりません。  そこで、最近出された自治研修ビジョン研究会など三つの研究チームの中間報告を踏まえて、知事は職員の育成に当たって、今後具体的にどのように取り組まれていく所存なのか、まずお伺いをいたします。  次に、組織の活性化についてであります。  職員一人一人の育成も大切でありますが、その能力を最大限発揮できる職場風土をつくり上げることが、これまた重要な課題であります。職員が高学歴化し、能力ややる気を持っていても、それが発揮できないということになりますと、士気の低下につながりますし、その組織に活力がわいてこないことにもなります。これがひいては県のイメージダウンにつながることにもなりかねないと憂慮されるところであります。JRやNTTでも、民営化時点で最も重視したのが職員の意識改革と組織の活性化と聞いております。生き生きとしている職場というのは、はたから見ていても気持ちのよいものであります。恐らくその中で働く職員の方々も同じことを考えているに違いありません。  そこで、今までもいろんな方策は講じられてきたと思いますが、職場の活性化を一つの人事管理の重要施策ととらえ、取り組まれる考えはないか、お伺いをいたします。  第三点は、人材の活用についてであります。  労働省の人事労務管理研究会の報告によりますと、多数の企業で、労働者の高齢化や団塊の世代のポスト不足により労働者の労働意欲が低下する一方で、組織の硬直化が進んでいるということであります。このような情勢の中で、各企業は着々と人事制度の見直しを進め、能力主義への転換を図っているのであります。  本県におきましても、職員の高齢化、高学歴化が進みつつある中で、意欲と能力を持った職員がふえる反面、役職ポストへの昇任年齢はおくれるという、相反する現象が混在していくことが予想され、人事管理をする側にとっては、今、大変難しい時代であろうかと存じます。  そうした中で、職員を有効に活用するためには、やはり適切な評価が伴わなければなりません。特にこれからの人事管理には、多様な能力をさまざまな角度から把握し、活用していくための新しい人事制度が必要ではないかと思うのであります。長い伝統のもとに築き上げてこられた現在の仕組みが決して悪いとは言えませんけれども、やはり能力主義を積極的に導入する、まさに今その時期に来ているのではないかと存じます。  そこで、今後の職員の活用方策についてどのようにお考えになっているのか、お伺いをいたします。  私は、地域間競争の時代にあって、県はオーガナイザーの役割を果たすべきではないか、つまり、あるときは企画立案者、すなわちプランナーになる。またあるときは旗振りの推進者、プロモーターになる。また、あるときは根回し役、フィクサーにもなるというように、オーガナイザーとして基盤をつくる役割を果たすべきではないかと思うのであります。そのためには、何よりもリーダーとして、まさにエネルギッシュな鈴木知事さんに期待するところがますます大きいのであります。人々は、県のイメージを知事にオーバーラップさせて考えるものであります。  繰り返し申し上げるようでありますが、これからは非常に激しく移り変わる時代であります。職員の皆様には、十分大地に足を踏み締めながらよく勉強し、先も見ながら前進されんことを願ってやみません。  以上、地域活性化にかかわる諸問題について、ハードな面、ソフトな面、両面にわたって質問してまいりました。前向きな答弁を期待し、質問を終わります。(拍手) 19: ◯企画部長(山内千吉君) まず、交通網整備の御質問のうち、地下鉄六号線の七宝町方面への延伸につきましては、昭和四十七年の都市交通審議会の答申におきまして盛り込まれていたところではございますが、地下鉄のそのものの建設が、費用の高騰や国、地方を取り巻く財政状況の悪化などもございまして、思うような進展を見せていないのが現状でございます。今回の名古屋市の基幹公共交通網調査委員会の答申におきましても、市域外延伸につきましては、この四十七年の都交審と同様の位置づけがなされているところでございますが、これを進めるに当たりましては、建設費の負担問題とか経営主体のあり方、経営収支の見通しなど、多くの難しい問題があるわけでございますので、新中京圏陸上交通整備調査会議の場におきまして、こうした問題についても十分検討を進めてまいりたいと、そのように存じます。  それから次に、地域振興アドバイザー制度についてでございますが、御指摘のように、最近、全国各地で地域活性化や個性的で魅力のある地域づくりといった観点から、地域おこしやユニークな町づくりへの関心、意欲が高まっております。このために市町村では、各種事業の実施に当たって学識者に相談をし、助言を得るなど、いろいろな工夫、努力をしているのでございますが、そうした中で、国土庁におきましては六十三年度の新規施策として、地域づくりの専門家をブレーンとして、市町村の求めに応じて派遣する地域振興アドバイザー制度をスタートさせることとしております。まだ要綱の内容が固まっていないようでありますので、県といたしましては、その内容等の把握に努めますとともに、県として果たす役割があれば、適切に対応してまいりたいと考えております。  地域活性化アイデアコンペについてでございますが、地域づくり、地域おこしが各地で大きな課題となっておりますが、こうした地域活性化事業が円滑に進められていきますためには、それぞれの地域におきましてすぐれたアイデアが生まれ、それを育てていくための市町村などの主体的な取り組みと、それを支援する国、県の地域密着型の行政が求められているところであります。御指摘の岐阜県の取り組みもその一例でございますが、本県におきましては従来から、例えば地方課における地方振興事業、あるいは農水部におきます農産物のブランド化推進事業、さらには市町村イベントに対する支援など、他府県にも引けをとらないような実績もあるわけでございます。いずれにいたしましても、地域の特性を生かした、個性豊かな地域づくりを推進いたしますため、各部局の諸制度を総動員いたしまして、地域の主体的な取り組みを今後とも積極的に支援してまいらなければならないと、そのように存じているところでございます。 20: ◯土木部長(下田修司君) 東海北陸自動車道の南伸問題についてお答えをいたします。  ただいまお話がございましたように、昨年、名古屋圏の自動車専用道路網構想が打ち出されたわけでございますが、この中で、東海北陸自動車道の南伸に当たります名神高速道路から伊装湾岸道路までの約二十七キロメートルの区間が一宮西港道路として位置づけられたところでございます。今後国におきましては、六十三年度から始まります第十次道路整備五箇年計画期間中に所要の調査が行われることになっておりまして、これによってルートや整備手法等が明らかになるというふうに考えております。  県といたしましては、この調査の促進を働きかけるとともに、必要な時期に都市計画決定をしてまいりたいというふうに考えております。 21: ◯総務部長(奥田信之君) ふるさとづくり財団──仮称でございますけれども、これは、御指摘がございましたように新たな民間優良プロジェクトの発掘及び民間事業等の具体的なプロジェクト等に関するデータバンク機能、コンサルタント機能、調査並びに融資のあっせんを行うものでございます。いわゆる民間活力がより円滑に発揮できるように考えられたものでございます。ただ、この財団は、現在、各省間で若干調整の問題が残っておるようでございますけれども、こうした事業が本県において行われますれば、本県内における設備投資の増加あるいは雇用の増加ということがもたらされるわけでございまして、本県の地域の振興に、あるいは地域経済の活性化に大いに期待ができるというふうに期待をいたしておるわけでございます。  したがいまして、本県といたしましても、その活用化を考えて出捐をいたしたわけでございますが、今後財団が設立されますれば、県としての利用についての検討は当然でございますけれども、民間事業者、あるいは県が出資いたしますと、市町村が利用ができるということになりますので、市町村にも制度の周知徹底を図り、その活用をしていただくように推進をしてまいりたい、かように考えております。  次に文化による地域活性化の問題でございますが、これからの地域づくりには、すべての人々が誇りと喜びを持って生活ができるような、特色ある地域づくりを進めていく必要があろうかと考えるわけでございます。したがいまして、地域づくりの考え方といたしましては、市町村が文化施設を計画する場合には、従来とも地域文化広場の建設など地域の活性化あるいは文化の振興などにつながるような環境づくりのために努力をしてまいってきたところでございますけれども、今後とも、市町村がそういう文化的な施設を計画した場合におきましては、積極的に助成をしてまいりたい、そういうふうに努力をしてまいりたいと、かように考えておるところでございます。 22: ◯商工部長(高嶋伸享君) 風おこし事業でございますが、御指摘のように、愛知県商工会連合会と県下の傘下各商工会とが連携いたしまして、それぞれの地域にございます各種の資源を掘り起こして、これをイベントあるいは観光物産開発、それから文化活動等に結びつけまして、地域の活性化を図るという目的で、調査研究するものでございまして、地域の活性化を期待できる、大変意義のある事業と理解しております。この事業の成果を踏まえまして、村おこしにつながった具体的なものといたしまして、祖父江町の商工会のギンナン製品、それから鳳来町商工会等の梅製品、稲武町の商工会の柿製品などの実例がございまして、それぞれの効果を上げてきております。県といたしましては、この商工会連合会等に対する助言、関連の指導及び助成等、一層力を入れてまいりたいと存じております。 23: ◯参事(本田辰郎君) まず、職員の育成と組織の活性化についてお答えをいたしたいと思います。  御指摘のとおり、県政を取り巻く環境は大変厳しいものとなってきておりまして、今後とも県民の期待にこたえてまいりますためには、職員一人一人の自覚と能力の向上が急務となっております。こうした中で、県は、昭和六十年に策定をいたしますた行革大綱に基づきまして、自治研修ビジョン研究会、それに職場活性化研究チーム、さらに事務改革推進研究チーム、これを設けまして、人材の育成方策等を鋭意研究をしてまいりました。このたび、当面の成果が中間報告としてなされたところでありますが、これらの報告書におきましても、職員の育成は緊急かつ重要であり、この際、職員に意識改革を強く求めるべきであるとしております。  また、昨年十二月に策定いたしました六十三年度以降の行政合理化大綱の中におきましても、三本柱の一つに、職員の資質の向上、これを掲げましておるところでございます。  これらを踏まえまして、このたび、職員の育成方針を定めまして、過日、全職員に周知をしたところでございます。この育成方針は、職員の資質の向上と組織の活性化の二つの柱で構成しております。  まず、職員の資質の向上におきましては、まず最初に、職員の能力開発目標を明らかにしております。二つ目に、教育の重要性と多角的な能力把握の必要を述べております。そして三つ目には、人材育成は長期的かつ計画的に図るべきであるとしておるわけでございます。また、組織の活性化の方におきましては、まず、活力ある職場づくり、健康で明るい職場づくり、そして効率的な職場づくり、この三つの観点から組織の活性化を図るべきであるとしておるわけでございます。  職員の資質の向上の面で具体策でございますけれども、特に能力開発の目標といたしまして、各職級ごとに、これは、部長、課長、主査ということでございますが、そういうごとに、基幹的な役割と必要とされる主な能力を明示をいたしまして、今後は全職員にこれを目標として自己研さんを促し、役付職員にあっては、部下の指導育成に努めることの効果をねらったものであります。  また、組織の活性化では、具体策の一つといたしまして、このたび、職場の元気度診断シートを開発をいたしまして、新年度全所属へ自己診断させたいと考えているところでございます。この内容は、二十四項目のチェックリストがございまして、自然に職場活性化のイメージが自覚されるようになっておりまして、上司はこれを診断することによって職場の欠点が把握でき、自己反省にもつながる、こういう啓発効果をねらったものであります。今後は、元気度診断の結果等を把握しながら、ウィークポイントの是正の手引などをつくり、職場風土の改革の一助にしたいと考えているところでございます。また、健康管理制度の見直しやOA化の推進等による事務のスピード化についても積極的に取り組み、活力あふれる、生き生きとした職場づくりに力を入れてまいりたいと考えております。そのほかの項目につきましても、具体の方策ができ次第、順次実施をしてまいりたいと考えておるところでございます。  次に、人材の活用についてお答え申し上げます。  お示しのとおり、本県の場合におきましても、高齢化、高学歴化が進んでいるところでございます。例えて申し上げてみますと、役職昇任を迎える三十代の職員の構成比は、昭和五十年度は二二%であったものが、十二年後の現在は三八%と急増いたしております。また、大学卒業者の比率につきましても、十二年前は二三%であったものが、現在は三五%、どんどん増加の傾向にあるわけでございます。これまでのように経験に応じた地位と職務を与え、士気を高揚するということが、お示しのとおり大変難しくなってきておるわけでございます。先ほど申し上げました職員の育成方針の中でも、多角的な能力把握の必要性を強調しているところであります。そこで今後は、職員の能力を的確かつ多角的に把握し、それを正確に評価する新しい能力評価制度を確立して、さらにはその人材を有効に活用する人事配置を推進する必要があるというふうに強く考えておるところでございます。 24: ◯知事(鈴木礼治君) まず、竹下総理のふるさと創生論でありますが、これは、さきの通常国会の所信表明にも触れられております。演説に融れられておりまするが、要は、私もこれはこのように思います。それぞれの地方が、その特性を生かしまして、特色ある地域づくりを行うこと、そこに住んでいる人が自分たちの地域に誇りを持ちまして、真の豊かさを実感できる社会をつくっていくと、こういうふうな表現でありますが、まことにそれはそのとおりでございます。そこで、これは言葉をかえて言いますれば、多極分散型にもなろうかと思います。政府機関の地方移転もそういうことであろうと思いますので、私どもも大変これは、実現性の濃厚な地方移転、国の研究機関の地方移転を大いに期待しているところでございます。  それから、地下鉄の六号線の七宝町方面への延伸の問題でありますけれども、これはまことに望ましいことでありまするけれども、地下鉄の名古屋市域外への延伸は、だれが一体やるのかと、これは御承知のとおりでありますが、事業主体の問題等から、またそれは金の問題にもつながるわけでございますけれども、こういう名古屋市と周辺市町村を結ぶ交通ネットワークづくりというのは、県政といたしましても大変重要な問題でありまするので、地下鉄の問題に限りませんが、特に地下鉄延伸の問題は、関係者と十分な協議を行いながら進めてまいりたいと、かように存じます。  それから、東海北陸自動車道の南伸でありますが、あれはぜひともやりたい。それはですね、今の東海北陸自動車道は名神高速までということになっておりますが、ややもいたしますと、名神高速でおりられると思う人が多いわけであります。ところが東海北陸自動車道は、確かに地図の上では名神高速まで北の方から下がってまいりますけれども、名神高速に交わるところまで「はい」とおりれるわけにはまいりません。実際には、あのような計画では、名神高速と交わったところあたりでおりられると思っていらっしゃる方は、もっと北の方の、尾西とか一宮方面でおりて一般道を走ってもらわぬことには、到達できないということであります。  したがいまして、言いたいことは、名神高速を突き抜けて南伸することによりまして、その地域で名神高速よりも南の地域におりられることができるためのインターをつくらにゃならぬと思います。それがまたあの地域の活性化にも大いにつながる、役立つわけでございますので、ぜひとも名神高速を通り越えてからおりられるインターをつくるためにも、南伸を図って、港の方まで東海北陸自動車道を延伸しないことにはいかぬということでありますので、あの地域の開発のためにも南伸はぜひとも必要ということで、一生懸命にこれは取り組んでまいりたいと思います。  それから、もう一つ私からお答えしたいのは、地域によりましていろいろと、市町村も一生懸命になりましてアイデアを考え、そしてまた文化施設その他、一生懸命になって取り組んでおります。したがいまして、私、きのうもお答えいたしましたが、文化の振興のための環境づくりには一生懸命に取り組みますので、そういう市町村におかれましても、文化施設あるいは文化の事業等々ございまして、いいアイデアをお示しいただきますれば、また私どもも一生懸命に援助、助成をいたしたいと、かように存じます。 25: ◯二十七番(浜田一徳君) 要望を二点しておきたいと思います。  地下鉄六号線の答弁、今いただきましたが、特に今知事さんからも強調しておってくださったわけでありますが、特に財源問題でありますが、現在、東京圏の常磐新線の建設が、開発利益の還元方法により推進すると、そんなことを漏れ伺っておるんでございますが、例えばこのあたりを大いに参考にしていただいて、新中京圏陸上交通整備調査会議ですか──の場でも、要するに、市から外へ出るということで、非常に難しい部分であろうと思いますが、十分に、財源問題は特に配慮をしていただくように、論議を尽くして、まさに新たな制度をつくるぐらいの意気込みで、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  もう一つは、職員の育成のことでございますが、ちょっと例え話をして恐縮に思いますけれども、名君と言われた熊本藩主の細川忠興が「部下は将棋のこまと同じである」と言っております。しかし、部下を単に機能の単位としてとらえているのではなく、つまりは、自分のわきで盤石の重みをもって身じろぎもしない飛車のような名補佐役、そして、守り一方ではなく、思い切ってベンチャー精神を発揮する角、さらに、自分の回りにあって、飛車の指揮のもとに自分の意を体し、ぴったりとわきにつく金、銀、あるいは角の指導のもとに思い切った行動をとる桂馬と香車、こういったこまのいることが望ましいが、最も大切なのは歩である。歩の歩みは遅いが、着実だ。場合によっては、敵陣に入って金にかわることもある。歩を大切にしない王はやがて滅びてしまう。  これは今風の言葉に直したわけでありますが、これをまさに県庁のポストにはめてみますと、大変意味深いと思うんであります。さしずめ王将をトップとするならば、飛車は補佐役でありますし、角は部長さん、金、銀は課長さん、桂馬と香車は係長さん、こんなことだと思います。そして問題は、歩はもちろん一般の職員でありますが、歩である一般の職員を大切にしなければならないということをまさに私たちに教えてくれておると思うんであります。この言葉を知事さん初め県幹部の皆様方にとくとかみしめて、職員育成に当たっていただきますよう要望して、質問を終わります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━ 26: ◯五番(鈴木政二君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 27: ◯議長(倉知俊彦君) 鈴木政二君の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。
        〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 28: ◯議長(倉知俊彦君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後零時八分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時十三分開議 29: ◯副議長(松山茂朗君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  大松沢光敏君。     〔十五番大松沢光敏君登壇〕(拍手) 30: ◯十五番(大松沢光敏君) 議長のお許しをいただきましたので、私は通告しました雇用問題について、以下、順次質問してまいります。  本議会における今までの質疑を通じまして、我が国の経済並びに本県の経済が、個人消費を初めとする内需拡大により堅調に推移し、景気が回復から拡大局面へと移行していること、そして、それに伴い雇用情勢も改善しつつあることは、明らかとされています。  失業率は昨年五月、史上最悪の三・二%に達し、一時は、二百万人の大量失業時代への突入かともささやかれていました。私たち一年生議員にとって初めての六月定例議会では、本県の有効求人倍率が調査開始以来最低であると議論されていたことを考えますと、このわずかな期間での回復ぶりは劇的とも言える展開であったと、全く目をみはるものがあります。雇用者数は増加し、完全失業率は低下し、有効求人倍率は著しく上昇しています。  しかし、こうした雇用情勢の総体的な好転にもかかわらず、なお未解決の、というより新たに深刻化する雇用をめぐる問題があるのも、これまた事実であります。  私は、これらの問題の中で、産業構造の変化における雇用のミスマッチと産業の海外進出に伴う雇用の喪失の問題を取り上げながら、質問いたしてまいります。  なぜなら、この二つの問題は、将来にわたって私どもが抱える構造的とも言える課題であり、雇用情勢が好転しているとき、まさに今こそ真正面から取り組むべき課題であると考えるからであります。  そこで、まずお伺いいたしますが、最近の雇用情勢は、産業の構造調整の進展との関係から見て、どのような特徴を示しているのでありましょうか。  産業・地域・高齢者のミスマッチ、いわば中村労働大臣の言う「ミス・サチコ」はいかがでしょうか。ミス・サチコはお嫁に行けるのでしょうかお尋ねいたします。  本県における雇用の最大のミスマッチは、私は、高年齢者雇用の問題ではないかと考えます。  最近の県内の有効求人倍率は一・二倍前後ですが、年齢階層別では著しい差を示しています。四十四歳以下の有効求人倍率が一・八二倍なのに対し、五十五歳以上では〇・一九倍にしかすぎません。年齢が上がるにつれて雇用は厳しく、五十五歳以上では百人の求職者に対し、わずか十九人の求人しかないという状況になっています。  昭和六十二年の愛知県人口動向調査を見ても、高齢化は着実に進行しています。さきの第五回県政モニター調査でも、高齢化社会を実感する人が九四%を超え、トップであります。しかし、それでも本県は高齢化のテンポが遅く、全国平均に比べれば若い県と言えます。それだからこそ、「あいちレポート’86」の指摘をまつまでもなく、高齢化社会への準備期間が他県に比べ若干ながらも保障されており、まさに高齢者対策は、本県ではこの時期を逃してはならないと考えます。  高齢者に対する福祉、医療制度の充実が高齢者対策の大きな一つの柱とするなら、もう一本の柱は、人生八十年代時代にふさわしい就業システムの確立であります。それは、八十年のライフステージに見合う経済社会の構築であるとも言えます。  いずれにせよ、本格的高齢化社会を迎えようとする中、急速に拡大する高年齢者の雇用、就業の場を確保していくことこそ焦眉の課題であります。  そこで、県当局のこれらの問題に対する姿勢や現在の対応について、まず二、三お尋ねいたします。  国では、昭和六十一年六月、活力ある長寿社会の実現を目指し、長寿社会対策大綱を定めました。また、その二カ月前の六十一年四月には高年齢者等の雇用の安定等に関する法律いわゆる高年齢者雇用安定法を制定いたしました。本県では、これらの指針や法律に対しどのような取り組みがなされているのでしょうか、お伺いいたします。  また、昨年十二月、総務庁は高年齢者の雇用対策について、全国四百八十一カ所の公共職業安定所のうち十六都道府県の四十五カ所を監察し、その結果をまとめ労働省に勧告しております。  内容を見ますと、高年齢者の求人開拓に対し、職業安定所職員が会社訪問を通じ積極的に行っているかどうかと、比較的規模の大きい二十の職安について調べたところ、二つの職安は会社訪問そのものを行っておらず、九つの職安では、訪問は実施しているが、開拓求人数は百人未満とのことであります。また、管理人など、高年齢者でも就労可能な職種の年齢制限緩和の指導を行ったのは、調査した千件余のうちわずか四分の一にしかすぎないと報告されております。  総務庁は、「職安職員は積極的に汗をかき、足で稼ぐ姿勢がない。企業との接触を深め、就職あっせんを積極的、計画的に進める必要がある」としています。  そこでお尋ねします。本県の職安もこの調査の対象になったと聞いておりますが、総務庁のこうした指摘が当てはまる職安があったのでしょうか、お尋ねいたします。  次に、六十歳台前半層雇用促進奨励金制度についてお尋ねします。  これは、六十歳台前半層の雇用促進を図るため、来年度一億一千七百万円の予算を計上し、創設しようとするものであります。六十歳以上六十五歳未満の高齢者の占める割合が、一〇%以上の中小企業主が対象で、支給額は、対象従業員一人当たり月額八千円を助成するものとのことです。例えば、百人の企業で六十歳から六十五歳未満の従業員が十人いれば、その十人のうちの一人にだけ八千円を給付するとの説明であります。  そこで質問しますが、この制度が適用される対象企業は幾つあり、対象人員は何人を予定しているのでありましょうか。  また、国の制度の上乗せ制度ということでありますが、この制度が導入されると、一体どれだけの雇用促進や雇用安定につながると思われるのかをお示しいただきたいと存じます。  国や県の制度では、既に高年齢者雇用を推進するために、とりわけ再就職を促進したり、継続雇用を進めるために、多くの給付金が支給されています。これらには、特定求職者雇用開発助成金、愛知県高年齢者多数雇用奨励金、高年齢者多数雇用報奨金、定年退職者等雇用促進助成金、愛知県高年齢者雇用確保奨励金、高年齢者短時間雇用助成金、高年齢者雇用確保助成金と、数多くの制度があります。さらに国は、来年度予算で特定業種雇用安定助成金、高年齢者雇用特別奨励金制度を創設しようとしております。  労働部長さん、これらの一つ一つを説明してくださいとは言いませんが、実際、これらの制度の一つ一つを理解するのには大分労力が要ります。  制度がこれだけあるのは、それだけきめ細かな対策がとられているのだとも言えますが、私が危惧するのは、先ほどの総務庁の、もう一つの指摘なのであります。総務庁の職安行政に対する改善勧告の中に、高齢者雇用促進のための高年齢者短時間雇用助成金が昨年度予算で三億五千万円計上したにもかかわらず、実績が四十万円、定年退職者等雇用促進助成金は二十五億円の予算に対し千六十万円しか利用されていないと指摘されております。  こう見ますと、制度をつくることも大事ですが、それぞれの制度を理解していただき、利用しやすいようにすることもより重要ではないかと考えます。  この際、六十歳台前半層雇用促進奨励金を含めた各種制度の積極的、効果的な運用についての取り組み方をお示しいただきたいと存じます。  また、来年度予算に、中高年齢者の再就職をスムーズにするため、第三次産業を中心に、中高年齢者が適応できる業種や職種の調査研究を行う、中高年齢者第三次産業職域開発調査費三百万円が計上されていますが、これは、だれが、いかなる調査を、どのくらいの期間をめどに、進めようとするのかをお尋ねいたします。  この点では、私は、県や市自体、発想を変え、模範を示すべきだと考えます。  例えば、世界デザイン博のキャンペーンは、相も変わらず若き美しい女性ではなく、人生経験豊かな、そして心豊かな、だれにも気軽に温かく対応できる、しょうしゃなデザイン衣装に身を包む中高年齢の紳士、淑女にしたらいかがでしょうか。先ほどの昼休み、社会党控室にもキャンペーンガールがいらっしゃったそうですが、私は残念ながら会えませんでした。県、市は高齢化社会をシンボリックに先取りすべきであると考えます。  最後に、国の六十三年度予算には、高年齢者の職業訓練を民間に委託する高年齢者特別能力開発制度の創設が新規施策として盛り込まれていますが、本県ではどのような形で実施され、どのような効果が見込まれるのか、お尋ねします。  さて、次の質問は、産業の空洞化と雇用の喪失についてであります。  近年、企業の海外への直接投資、現地生産、原材料の現地調達はますます増大しております。  昨年十二月、産業構造審議会の総合部会企画小委員会は、構造調整の進展と産業構造の展望と題する報告書をまとめました。この中で、「製造業の対外直接投資は、今後、年一四%ずつ拡大する」と指摘しています。そして、昭和七十年までには約六十万人の雇用に影響が出ることを指摘しています。  また、円高、輸出の激減、そして、海外進出を強いられている電機産業では、それと関連する政策研究会が、「七年後の昭和七十五年までには電器産業の四十六万人が、また、製造業では八十四万四千人が、その雇用に影響が出る可能性がある」との報告をしています。  また、三日前に開催され、公述人として甲斐副知事も参加した参議院産業・資源エネルギーに関する調査会で、河村自動車総連愛知県連絡会議長は、自動車産業の海外現地生産本格化による国内生産の空洞化について述べ、「自動車総連の試算だと、日本国内で自動車の生産台数が百五十万台減少すると、自動車とその関連業界で計二十二万人の雇用減につながる」と、訴えています。自動車メーカーは、二年後の九〇年までに年間二百二十五万台の海外生産体制を整えるとされていますが、本県にもこれから大きな影響が出るのは必至ではないでしょうか。  対外進出の主たる動機には、大きく二つの要因があると考えます。一つは低コストの追求であり、他は貿易摩擦を回避しようとするものです。北米への自動車産業の輸出などが後者であるとするなら、東南アジア諸国への進出などは前者の理由からと言えます。例えば、タイへのこの一年の投資件数は、過去二十四年分に見合う勢いであると報道されています。先月末、東海銀行の初めての海外企画タイ投資環境視察団には約五十社が参加し、この二十三日に出発した商工会議所主催の直接投資視察団もすぐ定員いっぱいになったとも報道されています。  私は、この二つの要因以外に注目すべきなのは、最近の県のアンケート調査でもうかがい知ることができますように、海外進出の動機として、取引先の海外進出に対応するという点であります。ある時点では、みずからは海外進出の動機を持たない企業も、取引先が海外に進出すれば、それに対応して海外進出する、あるいはせざるを得ないということになる点であります。  実際、例えば自動車産業の場合、完成車メーカーが海外進出すると、そこに納入する部品メーカーも現地に集結します。部品メーカーには、自動車部品だけでなく、電装品、タイヤ、ガラス、シートメーカー、そしてそれらに原材料を提供する石油化学会社へと波及いたします。そのプロセスはメーカーにとどまらず、さらに工場建設のための建設会社、輸送会社、金融機関、果ては日本食供給会社にまで及ぶとされています。私は、こうした点にこそ大いに危惧を抱くのであります。  商工部では、企業の海外進出とその影響、副題として、企業の海外進出とその影響に関するアンケート調査結果報告書を発表しました。私はこれを読んでみまして、当局には危機感が希薄ではないかと感じますので、お伺いいたします。  商工部は、この調査結果をどのように受けとめているのでありましょうか。  報告書では、この調査結果を、本県の地域づくりや産業、貿易の振興のあり方に十分生かしていきたいと、述べていますが、どのように生かしていくおつもりでしょうか。  また、産業振興、雇用政策のあり方等について、新たな視点で臨むことが期待されておりますと、されていますが、「新たな視点」とはいかなるものであり、「期待されている」とは、いかなる意味でありましょうか、お伺いいたします。  私どもは、これら企業の海外投資、雇用の喪失に対応するには、結局、内需型経済を一層推進することであり、未来志向型技術集積産業の育成、先端技術、情報研究機関の誘致、新設などであり、企業においてはより高次のハイテク化、ソフト化であると考えます。そして、また、こうした要請にこたえていくには、つまるところは人材の養成ではないかと考えます。国土庁の「明日の国土政策を考える」という著作では、地域の自立的発展を担っていくのは、結局、その地域に根を持った人間である。この意味で、地方振興の要諦は、人材の分散であると言っても過言ではないと述べています。  産業技術中枢圏域に名実ともなる上にも、また、産業構造の変化の中、雇用のミスマッチを起こさないためにも、速やかに人材育成の諸施策を講ずるべきであると考えます。  教育システムの改革と生涯職業生活プランに基づくリカレント制度による職業転換教育、国際化教育等が重要であります。リカレント制度を導入するため、行政として、訓練期間中の人件費、費用等に公的助成をしていくお考えはありましょうか。  また、雇用のミスマッチの最も大きな部分は、いわゆるソフトウェアクライシス、すなわち、システムエンジニアを初めとする情報処理部門に生ずると言えます。  昨年十月、雇用職業総合研究所は、大企業のコンピューター部門の雇用管理調査をまとめましたが、大企業では、システムエンジニア不足が七一%、情報処理部門全体の要員不足は六四%であると、問題点を指摘しております。  これらに対応するため、本県において、情報大学校の発足、質の高い情報電子専修学校の増設が必要であると考えますが、いかがお考えか、御所見を伺います。  労働省の雇用動向調査や労働力需給の展望と課題によれば、産業構造の転換に伴い、雇用構造の変化が急ピッチで進んでいること、そして、今後も進んでいくであろうことを示しています。失業率は、いわゆる「ミス・サチコ」から生ずる失業が解消されず、数年後には現在の失業率を上回る三%前後が見通しされています。  しかし、企業の事業転換、多角化、流通過程の合理化の進行、海外進出の展開、技術革新による省力化などにより、この三%を上回る危険性をも指摘しております。  それだからこそ、今日のように雇用情勢が上向く現在、各種の雇用対策を実施し、転換期を迎えた労働市場の変化を先取りする形での的確な対応が求められていることを指摘申し上げ、第一質問を終了いたします。(拍手) 31: ◯労働部長(鬼頭大一君) 雇用対策に対する八点の御質問にお答えを申し上げます。  まず、本県における最近の雇用情勢についてでございますが、政府の緊急経済対策の効果や本県企業の内需転換への地道な努力等によりまして、最近におきましては、製造業を中心とした大幅な求人増加につながり、はっきりとした雇用の改善傾向を示しているところであります。  しかしながら、一方、不況業種等で、雇用調整を余儀なくされている事業所も依然としてありますし、職安の窓口で職を求めている中高年齢者の割合が高くなっている事実など、構造的な厳しさが出ている面もございます、したがいまして、今後とも中・長期的な視点に立って、産業間、年齢間における労働力需給のミスマッチを解消していく努力が重要であると考えている次第でございます。  次に、高年齢者の雇用安定法に基づくところの取り組みについてでございますが、まず、この法律の大きな柱でございますところの六十歳定年の一層の徹底につきましては、従業員規模百人以上の企業に対し、法に基づくところの行政措置を講じ、六十歳以上の定年引き上げを指導しております。また、従業員規模百人未満の企業に対しましても、法の趣旨の徹底に努めているところでございます。  また、もう一つの柱でございますところの六十五歳程度までの継続雇用の推進につきましては、労使を対象とするところの懇談会の開催や啓発資料の作成、配布によりますところの高齢者雇用についての機運の醸成に努めてまいりますとともに、奨励金の支給によりますところの六十歳以上の雇用継続の促進を図っているところでございます。  さらに、高年齢者の方の再就職の促進につきましても、国の施策のほか、本県独自の雇用奨励金や求人情報紙の作成、高年齢者の職業相談室の設置などによりまして、各般の努力を傾注しているところでございます。  次に、総務庁が昨年の十二月に発表いたしました行政監察の結果で指摘したような事実は、本県職安ではなかったかという問題でございますが、本県の職安では、行政監察で指摘されたような内容はなかったものと承知しております。しかしながら、高年齢者雇用対策の重要性が一層強まっている中で、この総務庁の指摘は、本県といたしましても謙虚に受けとめ、今後とも職安業務の改善向上に一層努めてまいりたいと考えている次第でございます。  次に、六十歳台前半層の雇用促進奨励金についてでございますが、この制度は、今後高齢化の波が六十歳台前半層に押し寄せてくると、また、高年齢者の多くが中小企業に就業している実態にかんがみ、新たに設けようとするものでございます。したがいまして、国の高年齢者多数雇用奨励金と相まって、六十歳台前半層の方々の雇用の維持促進を図る上で効果が期待されるところでございます。  六十三年度の支給対象といたしましては、約九百企業、千八百人を見込んでいるところでございます。また、これらの高年齢者雇用にかかわる各種助成金制度の効果的な運用につきましては、職安の窓口で制度の趣旨の徹底を図りますことはもちろんのこと、県の広報媒体の活用や、事業主の参集いたしますところの各種の機会で周知徹底を図るなど、十分の配慮をしてまいりたいと考えている次第でございます。  次に、中高年齢者第三次産業職域開発調査でございますが、これは、今後雇用の増加が見込まれるところの第三次産業を対象にいたしまして、中高年齢者の方でも適応できるところの職種の洗い出し、洗い出しました職種の就業の実態はどうなっているだろうか、さらには、これらの職種に就業させるためにはどういう方策があるかにつきまして、調査研究しようとするものでございます。またこの調査は、第三次産業の事業主、それから学識経験者と行政側で研究会を構成いたしまして、六十三年中に行うこととしております。  次に、今年度の国が新規事業として打ち出しましたところの、高年齢者特別能力開発制度をどのように実施していくかの問題でございますが、本県といたしましては、高年齢者の雇用に結びつきやすいところの、造園だとかビル管理の訓練を民間団体に委託することによりまして、高年齢者の再就職の促進を図ってまいりたいと考えている次第でございます。  次は、企業の海外進出に伴うところの雇用の影響についてでございますが、この問題につきましては、一概に論ずることはなかなか困難でございますが、現在のところ、雇用に至るような重大な影響は生じていないと承知している次第でございます。  今後につきましては、国内での雇用に重大な影響をもたらさないように、海外進出企業みずからがその責任において雇用の確保に向けた最大限の努力を傾注していただきますように、企業の労使におきまして事前に十分な話し合いを実施していただくことが肝要であろうと考えておる次第でございます。  県といたしましては、関係企業の動向等の把握に努めますとともに、雇用面に重大な影響が及ぶことが予想される場合におきましては、所要の対応について労使双方及び関係者が迅速にコンセンサスづくりができるように配置してまいりたいと考えておる次第でございます。  最後になりましたが、リカレント制度の導入のために、行政としては、訓練期間中の人件費だとか費用等について公的助成をしていく考え方はないかという御質問でございますが、企業がリカレント制度を活用いたしまして従業員の教育を行う場合におきましては、生涯能力開発給付金制度の中にございますところの自己啓発助成給付金を支給することによりまして、人材育成の助長をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 32: ◯商工部長(高嶋伸享君) 二つの点につきましてのお尋ねにお答え申し上げたいと思います。  まず、県内企業の海外進出の問題でございますが、当面の県内企業の海外進出につきましては、我が国と世界の経済との結びつきがますます強まってまいります中で、国内産業の構造調整、それから、この国際的な変化というのは、新しい国際分業体制の形成といった大きな情勢が見えておるわけでございますが、これは基本的には不可避の過程であり、これに対処しての県内企業の海外進出も、その中でやはり位置づけられると考えなければいかぬと思うわけでございますが、現在のところ、県内の企業の海外進出の概況を見てみますと、国内の事業活動が拡大いたしまして、その成長部分が進出することによって海外の需要に対応するという発展形態を、実際上とっていると考えられるわけでございます。最近の、また、各種の鉱工業生産でございますとか、あるいはただいまも出ておりました雇用の統計などを見ましても、現在までのところ、県内経済全体に直ちに著しい影響を与えているという状況にはなっていないと考えております。  しかしながら、この円高情勢、引き続いておるわけでございますし、県内企業の海外進出は今後とも増大していくことが予想されるわけでございまして、御指摘のとおり、今回のまた進出状況の調査結果からも、その影響が、下請企業の受注の減少でございますとか余剰人員の発生といったような形であらわれる可能性があることでございますので、こうした問題を、先ほど認識が不十分ではないかという御指摘もございましたけれども、県庁といたしましても十分考えておるつもりでございまして、この問題を最小限に食いとめますためには、県内企業にとりまして内需の拡大等の新たな分野の需要を開拓すること等によって対処できるようにすることがまず必要ではないかと考えておるわけでございます。  また、同時に、現在、別の角度から見ますと、産業構造のソフト化あるいはハイテク化といった変化の流れも起きているわけでございますが、これらに同時に、適切に対応して、本県経済構造の一層の高度化を図りながら、県内企業の競争力を高め、この産業空洞化の懸念を払拭していくことが大事であると認識しておるわけでございます。  このような認識に立ちまして、県といたしましても、公設試験研究機関の拡充でございますとか、あるいは工業技術振興計画の策定といったような技術振興対策、それから情報処理面での機能強化の面で企業の各種の自助努力への支援というようなことはもちろん、新規産業分野の育成のための各種の指導、あるいは雇用対策関連基盤の充実等の、国際的な経済構造変化への積極的な対応という新たな視点での、総合的な施策を進めていくことが必要と考えておるわけでございまして、今後、これらの関係諸施策の積極的な推進に努めてまいりたいと考えているわけでございます。  それから、第二点は、情報処理関係の御質問でございましたが、御指摘のとおり、我が国の情報化は急速に進展しておりまして、ハードウェアが急速に普及いたします一方で、これを活用いたしますソフトウェアの供給不足、あるいは信頼性の問題など、ソフトウェアの質の問題が生じておるわけでございます。技術立県を目指します本県におきましても、情報化を円滑に進めていきますために、情報関係の人材養成機関の拡充強化が大きな課題と考えておりまして、現在、通産省で進めております地域の情報処理教育の向上を目的として、必要な要件を備えております専門学校等を支援いたします情報化人材育成推進事業、これはかつて情報大学校構想と言われておったわけでございますが、この事業を、通産省と一緒に進めております文部省と協議の結果、この情報化人材育成推進事業という言葉を使うことになったようでございますが、この施策を積極的に活用しながら、この分野での人材養成を今後ともできるだけ前向きに進めてまいりたいと考えておるところでございます。  以上でございます。 33: ◯知事(鈴木礼治君) 六十歳台前半層の方々の雇用の促進について、私からもお答えをしたいと思いますけれども、御指摘にありましたように、そういう高年齢層の雇用確保は、高齢者の医療、福祉と、こういった制度と、これは両方大切だという御質問がありましたが、全く私もそのとおりだと思います。もっと言いますならば、雇用といいますか、つまり、仕事につかれた方がかえってまた病気にもならなくて済んだりというような面もありまして、要するに生きがいを持って生活できると、こういうことから考えましても、六十歳台前半層の方々の雇用の確保、これは大切であろうと思います。  したがいまして、それについての施策をいろいろ、先ほど御指摘ありましたたくさんな制度が国といい、県が上乗せ、横乗せをするという制度もございますけれども、そういうものも全部利用しやすいようにしなきゃいかぬという御指摘がありましたが、これもそのとおりであります。ですから、利用をしていただけるように、そして、この雇用の確保が万全を期しますようにやってまいりたいと思いますが、傾向としまして、私どもが言えることは、今の状況では、まずいかに雇用するかという考え方でございますけれども、実際、これからもっと先に参りますと、雇用しなければ労働力が足りない、不足する時代が目前に迫っておるんではないかと。つまり、若年労働力というものが減ってきておる傾向でございますので、このことは今まではなかったことでございますけれども、このような若年労働力の減少期に入りますと、高齢者の方々の労働力を雇用しないことには、不足する時代がやってくると。そのようなときには、雇用の道を探すというよりも、求めていくような時代になるんではないかと、このような感じもいたしております。そういうことで、この高齢者、特に六十歳台前半層の方々の雇用には万全の対策をとらねばならぬと思っております。  そしてまた、そういうような高齢者の時代になりますと、御指摘にありました、キャンペーンガールは若い人ばかりでというあれがありましたが、おおむねそうであります。しかしながら、商売あるいは仕事の点につきましては、高齢者をターゲットにしておる商売、仕事も相当ございまして、そういう方々の、これからの高齢層を頭に置いたいろいろな商売、仕事がかなりもうふえてきておると、これはもう既にふえてきておると思います。そういう点では、むしろ民間の経済界の方が実態を敏感に把握して、そういった方向に向かっておる傾向はうかがえると思います。  それから、海外進出の問題でありますが、海外進出によりまして空洞化のおそれがあると、それをいかに防止するか。これは、やはり内需の拡大も大いに図らねばならぬ。この内需の拡大につきましては、ただ「内需の拡大、拡大」と言っておったのでは拡大するわけではございませんので、この点につきましては、前々から私どもも唱えておりまする本県経済構造の一層の高度化、これはあらゆる先端技術を含めまして高度化し、そして多方面化して、県内企業の競争力を高めまして、またいろいろな点につきまして領域を広げていくと。領域を広げていくことによりまして内需の拡大を図っていく、それが空洞化防止の一番いい方法ではないかと、かように存じます。  それにつきましては、御指摘にございましたが、人材の育成が大事でございます。まことに人材がおらないことには、幾ら産業技術の中枢と言っておりましても、これは絵にかいたもちになるわけであります。そういうことで、この問題につきましても、各方面からの取り組みも行われておりますが、県といたしましても、先ほどお答えをいたしました通産省のいろんな事業もございます。情報大学というのは、文部省のクレームがついて名前こそはやめたようでありまするが、情報化人材育成推進事業と、看板をかけかえまして推進すると。これについては、先ほど御質問にありました専修学校、各種学校的な現存する機関をうまく利用して人材育成の事業を進めていくと、こういう体制になりつつありまするので、私ども、大変これは現実に即した、しかも必要な施策を通産省が展開しておるということで、結構な措置であると。つきましては、県もそれにつきまして、もう少し通産省の制度がはっきりするのを待ちまして、私どももそれとどうやってタイアップをして進めたらいいかということを寄り寄り研究してまいりたいと、かように存じております。 34: ◯十五番(大松沢光敏君) それぞれ御答弁ありがとうございました。  「定年」という言葉が、ヨーロッパなんかの労働者なんかの場合には、大変嫌な仕事から解放されるという、大変うれしい日ですけれども、日本の場合には、まだ「定年」という言葉は一抹の寂しさを伴うものであり、今、知事さんにお答えいただいたように、やっぱり二面があると思いまして、一面が生きがいだとか、やっぱり社会と切断されたくないとか、あるいは健康のためにと。そのために定年後も働きたいというのが一方であると同時に、やはりまだしかし、多くの場合は家族を抱えながら、そしてまたローンを抱えながら、定年後も働いていかなければいけないという状況に置かれている多くの中高年齢者が存在していると思うわけです。  そういった意味で、いずれにしましても、これから中高年齢者が非常に多くなるような状況の中で、就業形態のあり方だとか労働形態のあり方、賃金のあり方等について、やはり新しいあり方といいますか、そういうものを追求していくというような課題があると思います。その意味で、労働部長さんあるいは商工部長さん等々にお答えいただいたような諸問題について、さらに積極的に推進していただくことを心よりお願い申し上げまして、要望といたしまして、私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 35: ◯副議長(松山茂朗君) 進行いたします。  広木良次君。     [四十八番広木良次君登壇](拍手) 36: ◯四十八番(広木良次君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして順次質問を申し上げます。  まず、最初の質問は、人事行政についてお尋ねをいたします。  質問の第一点は、職制のあり方についてであります。  県は昭和五十一年に、行政運営の効率化の名のもとに、係制を廃止して、主査制を実施し、職員配置の流動化の促進を図り、また昭和五十四年には、管理職を、専門職の機能分化により組織の活性化が期待できるということで、ライン・アンド・スタッフ制の実施に踏み切り、新たに専門員制度の導入を行い、責任体制をより明確化するとともに、専門的な知識、技能、経験を持った技術系職員を処遇し、活用に努めてきたところであります。
     しかし、その間、定年延長、役職者の削減、昭和四十年代の高度成長期採用者の昇任等々の理由があり、特に専門員制度は、行政の高度化、専門化、複雑化に対応するために設けられたものでありましょうが、その実態は、ポスト不足への対処のために利用されているのではないかと思われるのであります。  その顕著な例としましては、事務系で主任専門員、主任専門員兼主査、総括専門員兼課長補佐等々の役職名の職員が雨後のタケノコのように出現し、職制の改革の本旨であった職制の簡素化、責任体制の明確化、事務能率の向上促進といった目的にはほど遠く、県庁の内外から見た場合、全く複雑でわかりにくいと言わざるを得ないのであります。  そこで、この際、ライン、スタッフともにすっきりさせるために、職制改革の原点に返るよう見直しをする意思はないか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二点は、職制改革をベースにした職員の士気の高揚についてお伺いをいたします。  大手の就職・企業情報会社が、従業員千人以上の企業の実態調査をしたところ、会社によっては、課長クラスのポスト不足、あるいは三人に一人は部下なし課長、また、部次長、課長などへの昇進年齢は十三年前より平均二年遅いといった結果が出ているのであります。こうした管理職候補者のだぶつきは、大企業ほど強く、五千人以上になりますと、部下なし課長が四一%に上ると言われております。  しかし、本県では、このような状態になっていないと思うのでありますが、団塊の世代の働き盛りの中堅職員の処遇、女性職員の積極的な登用等が今日的課題であります現状を直視し、将来を展望したとき、現行の職階職務給制度をかたくなに維持すれば、近い将来、民間企業の轍を踏むような事態が到来することは、火を見るより明らかと思うのであります。  そこで、男女を問わず、熱意と意欲を持って働きながら、昇任できない職員に対して、士気の維持、高揚のために給与面で処遇できるよう、給与制度を検討する考えはないか。現行の給与制度では、難しい面もあろうかと思いますが、関係当局のお考えを伺いたいと存じます。  質問の第三点は、定年後の雇用確保についてであります。  県労働部は民間企業に対して、定年延長の促進、定年後六十歳代前半の雇用確保等についてということで、行政指導を行ってきているところでありますが、県当局としましては、県職員の定年後の第二の職場の確保のため、民間、公社等々に対して、パート、アルバイト、嘱託等の形で雇い入れるよう要請したことがあるかどうか。また、県職員の定年後六十歳代前半職員の雇用確保について、県当局はどのような対応を考えておられるのか、伺いたいと思います。  次に、これは私の提案でありますが、県は、定年退職した六十歳代前半の職員を専門別に、例えば、土木部出身者は土木部に、建築部出身者は建築部に技術系スペシャリスト、事務系ゼネラリストとして登録をし、先般の緊急経済対策事業への対応のときのように、一時期大量の職員を必要とする場合等に、職務実力者として、その知識、技術、そして経験を有効活用することができる制度を考える意思はないか、県当局の御所見をお伺いしたいと思います。  次の質問は、交通体系の整備についてお尋ねいたします。  これまでの質問者の中で、若干重複する点もあるかと思いますけれども、あえてお尋ねを申し上げます。  質問の第一点は、名古屋圏鉄道網の整備についてであります。  鉄道は、安全性、高速性、大量性、定時性はもとより、低公害、省エネルギーといった数々の特性を有する交通手段であり、新伊勢湾時代の展開を目指すこの地域において、その整備を図ることは喫緊の課題であります。  名古屋圏の鉄道網の整備は、首都圏や阪神圏に比べておくれていると言われております。圏域の人口の違いなどにより、一概に言えませんが、名古屋圏の鉄道営業キロ、八百四十七キロ、首都圏のそれは千九百八十九キロ、阪神圏は千三百十キロと、数値を見る限り、そのおくれがわかります。  さて、名古屋圏の鉄道網の整備は、昭和四十七年の都市交通審議会答申に基づいて進められているところでありますが、その新線建設の進捗状況は四七%にとどまっております。  具体的には、地下鉄では一号線の高畑─中村公園間、三号線の庄内緑地公園─赤池間、四号線の金山─新瑞橋間が開通し、現在は、六号線の中村区役所─野並間、三号線の庄内緑地公園─上小田井間が工事中となっております。その他の路線では、去る一月三十一日に開業した愛知環状鉄道線、名鉄豊田新線、名鉄瀬戸線の栄乗り入れが実現しており、JR線の瀬戸線勝川─枇杷島間が工事中であります。しかしながら、地下鉄四号線の新瑞橋─大曽根間、五号線、七号線、八号線につきましては、全くの手つかずの状態であり、もちろん、一号線や六号線の市域外延伸については、検討の俎上にものっていない現状にあるのであります。  地下鉄の整備は、名古屋市及びその周辺地域にとりまして、公共交通としての足の確保、交通事故や交通渋滞の防止などの面からも緊急の課題であります。  そこで、県当局は地下鉄など名古屋圏の鉄道網整備についてどのように取り組んでいかれるのか、まず、お伺いをいたします。  次に、これまでもたびたび話題になっております名古屋東部丘陵地区の新交通システムについてお尋ねいたします。  去る一月三十一日に愛知環状鉄道が開業して、尾張と西三河を結ぶ南北方向の鉄道が整備されましたことは、地元住民にとりましてまことに喜ばしいことと思います。しかし、この環状鉄道の利用者増を図るためにも、また東部丘陵地区に点在する大学、公共施設などの足を確保するためにも、さらには東部丘陵学園都市構想を実現に導くためにも、地下鉄一号線と愛知環状鉄道を結ぶ東西方向の交通機関の整備がぜひとも必要ではないかと考えます。  そこで、現在調査が進められている東部丘陵地区新交通システムの導入については、今後どのように進めていかれるおつもりか、お伺いをいたします。  次に、桃花台線についてもお尋ねをいたします。  桃花台線は、昭和六十六年四月開業を目指して建設が進められておりますが、この路線につきましては、桃花台からさらに東へ延ばし、JR中央本線高蔵寺駅と結ぶ二期計画があります。愛知環状鉄道の開業により、この二期計画の実現が公共交通整備の上からも、強く強く期待されてくるものと考えられます。  そこで、二期計画の実現についてどのように考えておられるのか、伺いたいと思います。  質問の第二点は、幹線道路の整備についてであります。  昨年六月三十日、名古屋圏が産業技術の中枢圏域と位置づけられた第四次全国総合開発計画が閣議決定されましたが、この中で、交流ネットワーク構想の推進による多極分散型国土の形成を進めるには、高速交通体系の全国的展開による全国一日交通圏の構築が不可欠であるとして、一万四千キロメートルに上る高規格幹線道路が定められ、本県に関係いたします路線として、第二東名自動車道、第二名神自動車道、東海環状自動車道、三遠南信自動車道の計画が組み入れられたことは、御承知のところであります。  さらに、昨年十月末には、昭和六十三年度を初年度とする第十次道路整備五箇年計画が建設省から発表され、この中では、名古屋圏の自動車専用道路網計画が打ち出されてまいりました。  このように、本県の広域幹線道路並びに都市圏の自動車専用道路の将来像とも言うべき全体構想が決定されたことは、まことに心強く思うとともに、大きな期待を寄せているところであります。  そこで、これら道路整備につきまして順次お尋ねをいたします。  まず初めは、名古屋圏の道路網の整備についてでありますが、現在、建設中の名古屋環状二号線においては、西北部及び西南部で来る三月、名古屋西ジャンクションから清洲東インターまでの専用部並びに国道二十三号線から国道一号線の平面部が供用される予定と聞いております。また、名古屋高速道路においては一昨年十月、高速一号名古屋西インター─白川間が供用され、東名阪自動車道と都心部の直結がなされるなど、着々と整備が進められていることは、喜ばしいことであります。  しかしながら、これらの道路は、名古屋市及び周辺地域の交通円滑のために不可欠なものでありますので、なお一層強力に促進する必要があると考えるものであります。  そこで、これらの道路の整備状況並びに今後の見通しはどうか、また、名古屋圏の環状体系を形成する東海環状自動車道の見通しについても、あわせてお伺いをいたします。  次は、第二東名自動車道、三遠南信自動車道についてでありますが、とりわけ東三河地域におきましては、将来の地域の開発、活性化にとりまして大きな期待を持っているところでありますので、そうした観点から、具体的な今後の見通しをお伺いしたいと思います。  次に、渥美半島縦貫道路についてでありますが、本道路の建設は、この地域の農・漁業はもとより、あらゆる産業の振興、さらには、すぐれた自然条件を生かしたリゾート構想に欠かせない、重要な課題であると考えております。  昨年十月には、豊橋、田原、渥美、赤羽根の一市三町を主体とした渥美半島縦貫道路建設協議会が、三河湾岸ルートを地元要望案として取りまとめ、知事に早期着工に向けての詳細調査を要望したところであります。  そこで、県当局は今後どのような取り組みをされるのか、お伺いをいたします。  最後に、東三河の水問題につきましてお尋ねいたします。  東三河は、毎年のように深刻な水不足に見舞われておりますが、ことしは特に厳しい節水が長期にわたって続けられており、今後の見通しも、不透明という状況と聞いています。  今回の長期にわたる渇水は昨年の八月から続いており、宇連ダムを水源とする豊川用水地域では、八月末から節水を開始し、順次節水を強化して、九月十五日から農業用水四四%、水道用水二〇%、工業用水二七%という厳しい節水を実施するとともに、応急水源対策として森岡導水の活用が図られましたが、九月末には宇連ダムの枯渇が予想されるほど状況が悪化しました。  幸い、九月末にある程度の降雨があり、十月、十一月も、平年と比べて量的には少ないものの降雨に恵まれ、宇連ダムの貯水量一千万トンを超えるまでに回復し、十一月末には若干の節水緩和がなされました。  しかし、十二月の降雨は平年を大きく下回り、ことし一月中旬から再度節水を、農業用水四四%、水道用水二〇%、工業用水二七%と、第四次節水に戻すとともに、中断していた森岡導水の活用を再開したのであります。  その後も、大した降雨もなく今日まで至っておりますが、二月二十五日現在、宇連ダムの貯水率は三・二%と枯渇寸前で、豊川用水は既に第五次節水、すなわち農業用水四六%、水道用水二二%、工業用水二九%に入り、その節水は半年間という長期に及んでおり、深刻な水不足となっております。  そこでお伺いしますが、質問の第一点は、このような厳しい渇水状況の中で、県は渇水対策本部を設置してその対策に取り組む必要があると思いますが、お考えを伺います。  質問の第二点は、東三河の水資源確保の抜本策としましては、設楽ダム、大島ダム等の建設と、これらを水源とする豊川総合用水事業の促進であることは言うまでもありません。そのため、県としましても、国や下流受益市町と協力して、水源地域であります鳳来町や設楽町の了解を得るべく努めておられることは承知しておりますが、水源地域との最近の折衝状況及び今後の取り組みについて伺いたいと存じます。  質問の第三点は、豊川総合用水事業で着手されております万場調整池の早期完成が待たれているところでありますが、その完成はいつごろになるのか、また、利用計画はどのようになっているのか、さらには、同調整池以外の事業についても早期促進を図る必要がありますが、その現況と見通しをお伺いいたします。  質問の第四点は、水の有効利用を図るため、愛知県水道用水供給事業で計画されております災害時等緊急事態に備えるための応急調整池等の活用も有効と考えるものであります。つきましては、これら事業の全体計画とこれまでの進捗状況、特に東三河地域の事業の進みぐあいについてお尋ねをいたします。  以上で私の第一回の質問を終わりますが、明快かつ前向きの御答弁を期待して終わります。(拍手) 37: ◯副議長(松山茂朗君) この際、理事者各位に申し上げます。  議員の質問が多岐にわたっておりますので、質問の要旨を十分把握して、的確、簡明に答弁されるようお願いをしておきます。 38: ◯参事(本田辰郎君) まず、職制のあり方につきまして、お答えを申し上げます。  本県の職制につきましては、行政需要の変化とともに、さまざまな改革を経まして現在に至っておりますことは、御指摘のとおりでございます。やや複雑になり過ぎた嫌いもございますが、現在の職制はそれなりに機能していると存じておるところでございます。  御承知のように、行政需要は年々複雑多岐になってまいりますし、内容につきましても、高度かつ専門的になってまいりますと、どうしてもそれに対応する職制は複雑にならざるを得ない状況もございます。いずれにいたしましても、職制を考える上で最も大切なことは、職務を正確に、かつ迅速に、しかも責任を持って処理できる効率的な体制をつくることだと存じております。今後とも、行政需要の変化を的確に把握し、それに見合った職制づくりに努めたいと存じております。  次に、定年後の雇用確保につきまして、お答え申し上げたいと存じます。  職員に退職後再就職できる機会を確保するということは、特に退職を控えた中高年職員の士気を高揚するためには、大変有意義であると存じております。  現在、退職する職員には、再就職の意向を確認をいたしまして、健康で働く意欲のある職員には、できる限り再就職のあっせんに努めておるところでございます。働ける年齢がどんどん延びてきておりますので、今後とも引き続き再就職先の開拓に努力してまいりたいと存じております。  次に、退職者の登録制度の御提案がございました。これからは、自分の知識や能力をみずから売り込み、それを活用する時代が来るのではないかというように、私も思います。その意味では、退職者の人材を活用する一つの方策として貴重な御提案でございますので、今後に向けて研究してまいりたいと存じます。 39: ◯人事委員(杉浦正男君) 人事行政についての御質問のうち、当委員会に関しまする事項につきましてお答えを申し上げます。  県職員の給与につきましては、職務に対応したものになっておりまして、職員の士気を維持、高揚するため、今すぐに給与面で処遇することは困難ではございますが、給与制度勧告の趣旨から、あるいは社会一般の情勢に適応するよう、随時適切な措置を講じてまいるところでございます。  このような観点から、民間企業等におきます処遇対策等の進捗状況に注目しながら、給与制度が社会一般の情勢に適応するよう、今後とも努力してまいりたい所存でございますので、御了承願いたいと思います。 40: ◯企画部長(山内千吉君) 交通体系の整備に係る御質問のうち、まず、名古屋圏の鉄道網の整備につきましては、御質問にもございましたが、昭和四十七年の都市交通審議会答申及び昭和四十九年の中京圏陸上交通整備調査会議報告に基づいて整備が進められているところでございますが、鉄道網の整備は地域づくりの根幹をなすものでございますので、今後とも一層整備促進について努力をしてまいりたいと、そのように存じております。  そこで、二十一世紀にふさわしいこの地域の鉄道網構想を策定していただきますために、昨年三月、新中京圏陸上交通整備調査会議を設置したところでございまして、現在、精力的な調査、審議が進められておりますので、こうした中で鉄道網整備の新しい方策についても御検討をいただくことといたしております。  次に、名古屋東部丘陵地区の新交通システムにつきましては、今年度から民間の専門調査機関に委託いたしまして、現在、鋭意調査を進めていただいているところでございます。調査の進捗状況につきましては、各種新交通システムの比較や名古屋東部丘陵地区における土地利用計画、開発計画等の検討を初めといたしまして、需要予測や採算性などについて調査が進められているところでございますが、そうした調査内容を踏まえまして、来年度はさらにその検討を深め、事業化の可能性についての調査を進め、最も適切と考えられる整備方策を探ってまいりたいと存じております。  次に、桃花台線の二期計画についてでございますが、桃花台線は、現在、小牧市から桃花台ニュータウンまでの第一期区間の建設に全力を挙げて努力をいたしているところでございまして、まずはこの区間の早期開業が先決であろうと考えているところでございます。  この路線は、中京圏鉄道網計画において、名鉄小牧駅から桃花台、高蔵寺両ニュータウンを経て、中央線の高蔵寺駅に至る、尾張北東部地域の交通の連続性を確保する路線として位置づけがされておりますので、二期計画の実現につきましては、今後の沿線周辺地域の土地利用構想、開発動向、さらには鉄道網の全体構想を踏まえながら、検討してまいらなければならないと考えております。  次に、東三河の渇水対策についてでございますが、昨年九月から企業庁において異常渇水対策本部を設置されまして、節水対策に取り組んでまいられたところでありますけれども、お示しにもございましたように、雨が降らず、非常に逼迫した状況となってきておりますので、一月の十七日には森岡導水の活用を再開するなど、渇水対策に全庁的な取り組みをしてまいったところでございます。しかしながら、状況が依然として好転しませんので、二十日には節水率をさらに強化するとともに、地区内水源の確保を実施いたしまして、宇連ダム貯水の温存に努めてまいったとこころでございます。  しかし、去る二十三日に、期待しました降雨も大して降らずに、このままでいきますと三月上旬には宇連ダムが底をつくことが予想される状況となってまいりましたので、現在、この異常渇水を乗り切るために、国の関係機関、水資源開発公団とともにできる限りの対応を図っているところでございますが、さらに全庁的な取り組みを強化してまいらなければならないと、そのように存じておるところでございます。  次に、東三河地域の水資源確保の抜本策についてでございますが、本県といたしましては、豊川水系対策本部を中心といたしまして、建設省、農水省の協力を得ながら、設楽ダム、大島ダム等の推進に鋭意努めているところでございます。  このうち大島ダムにつきましては、五十八年十二月の調査同意取得後に、農水省によりまして現地調査が進められておりまして、一部環境調査が残りますものの、基本的な調査は本年度で完了する見込みでございます。この調査完了に引き続きまして、農水省及び県は鳳来町に対しまして建設要請をすることとなります。現在、水没関係者の生活再建、地域振興計画等に関し、町、町議会及び地元関係者と話し合いを重ねております。  また、設楽ダムについてでございますが、六十二年二月に空中写真測量実施の同意を得まして、十月二日に建設省が空中写真撮影を実施したところでありまして、現在、その地形図作成の作業が進められており、本年度おおむねそれが完了するという見込みでございますので、引き続きまして、残る必要な調査につきましてできるだけ早く実施させていただけますように町当局に対して働きかけを強めているところでございます。  いずれにいたしましても、ダム建設の円滑な推進のためには、水源地域の要望に対しまして誠意を持って対応することが肝要でございますので、建設省、農水省及び下流受益市町と一体となって取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 41: ◯土木部長(下田修司君) 幹線道路の整備についてお答えをいたします。  一点目の、名古屋圏における基幹道路網に対する取り組みでございますが、名古屋環状二号線につきましては、先ほどお話がございましたように、名古屋西ジャンクションから清洲東インターまで八・五キロメートルの専用部が、来る三月二十三日に供用されることになっております。清洲東インターから名古屋インターまでは第十次道路整備五箇年計画期間中に整備を終えるものというふうに聞いております。  名古屋高速道路につきましては、工事中の高速一号の白川から吹上西まで及び高速三号と高速分岐三号の新洲崎から東別院までが本年春に、それから、高速二号の楠から萩野通までが本年末に供用することになっております。残っております高速三号の明道町から名駅まで及び高速二号の萩野通から東新町までと、それから高速分岐二号につきましては、六十三年度から着工いたしまして、六十八年度完成の予定でございます。なお、高速一号の吹上西から四谷までにつきましては、関連街路事業を鋭意進めているところでございます。  東海環状道路につきましては、国が所要の調査を進めておりますが、県といたしましては、伊勢湾岸道路との関連もございますので、調査の推移を見きわめながら、都市計画決定を進めることにしてございます。  二点目の、高規格道路についての取り扱いでございますが、第二東名につきましては、御案内のように昨年九月に国幹道として建設されることが決定されたわけでございまして、今後、国幹道法に基づく基本計画、それから、高速自動車国道法に基づく整備計画の策定へと計画の具体化が図られることになってまいります。なお、基本計画は昭和六十三年度中にも決定されると聞いておりますので、主な経過地、車線数、設計速度などが明らかにされるものというふうに考えております。  三遠南信自動車道につきましても、今後、ルート、整備手法等につきまして調査が行われることになりますが、県といたしましても、さきに申し上げました第二東名と有機的に結びついて、東三河地域の振興に寄与するように、関心を持って見守ってまいりたいというふうに考えております。  三点目の、渥美半島縦貫道路についてでございますが、六十一年度から企画部が基礎的な調査を進めてまいりましたが、来年度からは、昨年十月に提案されました地元案を中心といたしまして、具体的なルートの調査、道路構造、整備手法等につきまして、土木部で検討を進めてまいることになっております。 42: ◯企業庁長(田上光大君) 当面の渇水対策に関連をいたしまして、愛知県水道用水供給事業における広域調整池の整備計画などについてお答えを申し上げます。  広域調整池は、一般的な安定給水の目的に加え、お示しのような災害時などの緊急事態に備えて、従来の調整池より容量の大きなものを、県下全体として七カ所に整備する計画でありまして、東三河地域につきましては二カ所を予定いたしております。このうち、豊橋市南部の城下広域調整池につきましては既に着工いたしておりまして、本年夏までには一期分三千六百立米が完成する予定です。  このほか、地域内の水の融通を図りますために、浄水場間の連絡管の敷設も計画いたしておりまして、逐次建設を進めてまいりますが、東三河地域では、豊橋浄水場の権現調整池と豊川浄水場を結ぶものにつきまして昭和六十三年度から着手したいと考えております。  いずれにいたしましても、東三河地域の水需給逼迫の現状は、私ども深刻に受けとめておりまして、安定給水体制の実現に今後一層の努力をいたしてまいる所存でございます。  なお、渇水対策本部についてのお尋ねがございましたが、企業庁といたしましては、先ほども企画部から若干御答弁がございましたが、昨年八月にまず豊川用水地域で節水が始まり、次いで九月には愛知用水地域でも節水が始まったのを受けまして、昭和六十二年九月十二日付をもちまして愛知県企業庁異常渇水対策本部を設置し、関係部局との緊密な連携のもとに、関連地域の市町村にも協力を求めまして、実態の把握と住民やユーザー企業などへの適時適切な節水のPRを行いますとともに、特に東三河地域につきましては、関係機関の御協力を得て、応急水源対策として森岡導水の活用を図るなど、鋭意対応に努めておるところでございますので、よろしくお願いを申し上げます。 43: ◯農地林務部長(白浜明君) 豊川総合用水事業に関する三点の御質問にお答えをいたします。  豊川総合用水事業は、農林水産省の手によりまして、六十六年度完成を目途に、鋭意推進されているところでございます。  初めに、万場調整池の完成時期についてでございますが、万場調整池の六十二年度末までの進捗率は約七三%となっておりまして、六十四年度の完了を目指して進められております。  次に、この万場調整池の利用計画でございますが、豊川の放水時に最大毎秒八トンの水を導入いたしまして、五百万トン貯水することになっております。調整池からは、豊橋南部浄水場と農業用水の一部受益地で直接取水をいたしますほか、最大毎秒二トンを幹線水路に戻しまして、下流の農業用水の補給を行う計画となっております。したがいまして、六十四年度に工事が完了いたしますと、六十五年度には試験貯水をいたしまして、できるだけ早く利用できますように、関係機関と十分協議をしてまいりたいと考えております。  最後に、万場調整池以外の事業の現状と見通しについてでございますが、大原調整池、芦ケ池調整池並びに寒狭川導水路の工事が六十二年度から着手されておりますが、寒狭川頭首工につきましては、現在、着工のための協議が農林水産省と建設省との間で鋭意進められておるところでございます。これらの施設の六十二年度末までの進捗率は約二四%となっておりまして、六十六年度の完了を目途に、進めているところでございます。  さらに、大島ダム及び蒲郡調整池をこの事業に含めるための計画変更の手続を現在進めておるところでございますが、県といたしましても、今後必要となります受益農家の同意が早期にいただけますよう、引き続き努力をしてまいる覚悟でございます。  以上でございます。 44: ◯知事(鈴木礼治君) 私から、名古屋圏鉄道網の中の、名古屋東部丘陵地区を結ぶ交通の問題でありますが、これは現在、六十二年度におきまして、一番適した方法を探っておるんでありますが、どうも今年度中にはなかなか的確な答えが出ないわけでございまして、残念ながら、もう一年、六十三年度も研究させていただきたい。  と申しますのは、まだいろいろな、一番適した交通手段を研究いたしておりますと、建設省あるいは運輸省にまだ認められていない、例えば、道路の上を利用するといっても、建設省なり運輸省なりからまだまだ、新しい乗り物でございますと道路を使わせてもらうというようなことが、直ちにオーケーに至っていないようなことがございまして、それやこれやございまして、やるからには禍根を残さないシステムでないといけませんので、その点の研究をもう一年進めさせていただきたいということでございます。これがございませんと、あいち学術研究の開発ゾーンもなかなか的確な発展は望めないと、このように考えておりまするので、慎重なうちにも急いでやりたいと考えております。  それから、渥美半島の縦貫道路でございますが、これは、昨年暮れに地元の意見がまとまりました。まとめていただきまして、まことに、今回はきちっとまとまって感謝いたしておりますが、皆様の御協力のたまものでございますが、これを中心にいたしまして、これから専門的なルート、つまり具体的なルートとか道路構造等々につきましてこれから検討して、整備方法をやってまいりたいと考えております。  それから、第二東名と三遠南信でございますが、第二東名は、国の法律に基づきました手続が残っておりまして、基本計画あるいはまた国の法律によります整備計画、これがございます。このうち、基本計画が六十三年度中に決まるという段取りに聞いておりますが、この基本計画でルートが決まるわけでございます。したがいまして、それから車線、何車線かということやら設計速度等々はっきりするようになってくると思いまするので、このところ大いに私どもとしては、ルートについては、それから車線についてもさようでございますけれども、この問題については大いに意見を述べて、私どもの意見が取り入れられるように努力をしなきゃいけないと思っております。  それにつけても、三遠南信はそれと交差する、交わるルートでございますので、第二東名と一体になって考えなければあり得ないと、そしてまた、それが一番便利、しかもやりやすいということになりまするので、第二東名とこの三遠南信は一体となって考えなければならぬ、かように存じます。  それから、渇水の問題でございますが、結論から申しますと、現在、企業庁が異常渇水対策本部を昨年の九月からもう設置済みでございます。異常渇水対策本部をつくっておるんでありますが、本県の渇水対策本部をつくりますときの要領は、一昨年、六十一年の十一月に渇水対策本部を設置いたしました。このときは、宇連、牧尾、岩屋と、三つのダムが大変なピンチに陥ったわけであります。このときがちょうど十一月というときでありまするので、冬場に向かってますます雨の降らない直前でございますから、余計に深刻の度を加えたわけでございまして、六十一年の十一月に渇水対策本部を、これは全域に影響があるということでつくったわけであります。  ところが、今回の場合になりますと、同じ要領で進んでまいりますと、いろいろと心配しながら、対策本部については検討準備をしておりまする。検討をしてまいってきておりますが、今日までまだ設置には至っておらない。というのは、岩屋の方が、比較的牧尾とか宇連に比べまして調子がよかったわけでございますが、こういうように実は、本県の渇水対策本部は、企業庁の異常渇水対策本部は臨機応変にやるようになっておりまするが、全県の渇水対策本部は、全般に水がうんと減って激減する、このときに設置するというようになっておりまするが、この点については、やはりこれからは部分的な場面で渇水対策本部をつくるような方策を考えていかないといけないかなと、実態に合うためには、全県すべてに影響があったときに初めてつくるというやり方は、いろいろと考えてまいりますと、御質問にもございましたが、全県全部に影響が出て初めて渇水対策本部というやり方よりも、部分的に、部分的といっても、そう細切れにするわけではございませんけれども、ある程度の広がりのところで渇水対策本部を設置できるように改正をしていったらどうかと考えておりますが、いずれにいたしましても、改正するとか、せぬとかということでなくて、実態は大変なところに来ておりまするので、今後、岩屋の動向も見ながら、とにかく渇水対策本部の準備は当然進めていかなければならぬのではないかと、かように考えております。 45: ◯四十八番(広木良次君) 水問題で再質問と思いましたけれど、知事が今、対策本部についてある程度の示唆をされましたので、要望にとどめますけれど、対策本部をつくったから水がたまるというもんじゃないことは、よくわかっておりますけれども、やはり県の姿勢だと思うんですね。中身的には一生懸命やっていただいておるということは、よく今の答弁で理解できますけれども、やはりその上で、こういう姿勢で取り組んでおりますという、やっぱり姿勢も大事だと思います。だから、全県的というのは大変難しいということでありますけれども、対策本部の東三河支部でも結構でございますから、そういう形で、水対策に一生懸命やっておるという姿勢をもう少し示す努力をしていただきたい、このことを要望して終わります。 46: ◯副議長(松山茂朗君) 進行いたします。
     柴田紘一君。     〔九番柴田紘一君登壇〕(拍手) 47: ◯九番(柴田紘一君) 失礼をいたします。  昨年の四月、岡崎から選出をいただきまして、大変お世話になっております柴田紘一でございます。通称「シバコー」ということで、大変御迷惑をおかけをいたしております。「ハマコー」ではございません、「シバコー」でございますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  初めての一般質問に立たせていただきまして、光栄に存じております。  早くも一年が過ぎるわけでございますが、一期生で、率直な感想はと聞かれます。そのときに、知事初め理事者の方々、そして職員の皆様のすばらしい活躍に感動いたしております。ひたむきな中にも真剣に取り組まれるその姿勢に、これなら将来の愛知は日本一になれると、意を強くいたしている次第でございます。  そしてまた、議会の権威の高いこと、歴代の議会の先生方が営々として築いてくださった実績と、感謝をいたしております。難しい時代、不透明な部分の多い時代ではございますが、六百五十万県民のため、今後とも最大限の御努力、心よりお願いを申し上げる次第でございます。  さて、本県の将来は、四全総でも位置づけをされておりますように、世界に開かれた産業技術の中枢圏域として大きな飛躍が期待をされております。県当局におかれましても、それを受け、六十三年度予算も公共投資部門を伸ばし、積極実行型予算として一般会計「いい世にゴー」、一兆四千二百五十億円余の計上をされたところでございます。  伸び行く愛知の基軸となる産業の振興、交通網の整備、新しい伊勢湾時代への構築に向けて、建設的な諸施策は、活気に満ちた経済活動を推進する上で大きな期待をいたしているところでございます。真剣にお進めいただくこと、心よりお願いをいたすところでありますが、きょうの私の質問は、視点を変えまして、青少年、そして高齢化社会における諸問題を中心に、お伺いいたしたいと思います。勉強不足で、失礼もあろうと思いますが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  まず最初に、青少年の健全育成と児童福祉対策についてお尋ねをいたします。  二十一世紀を担う青少年に大きな期待をいたす、そのことは、私のみならず、だれもが願っているところでございます。その未来は、今想像することのできないようなすばらしい社会の構築に向けて、限りない原動力を秘めているものと、考えるものであります。  子供たちの生き生きとした確かな目、教えれば必ずこたえる純真さ、しかれば落胆をいたしても、すぐ立ち直る素直な心、そして、褒めてやればにっこり笑い自信をつける。より一層頑張るすばらしい成長。子供たちと一緒に活動したそのときを思うとき、私たちは、未来にすばらしいものを残すことの大切さを痛感するものでございます。真剣に取り組む青年の姿、まじめに働く労働者とは裏腹に、非行に走る者の多い昨今に胸を痛めているものであります。「三つ子の魂百までも」と、言われますように、幼児期の家庭環境、また社会的状況の重要なことは、申し上げるまでもありません。次代を担い、家庭を担っていく児童を心身ともに健全に育成することは、児童福祉行政の責務として一層重要になってきております。  我慢を強いられた私どもの育った時代と違い、豊富な生活物資に囲まれて、金さえ払えば何でも手に入るという恵まれた生活環境の中の青少年の置かれている現状は、極めて難しく、厳しいものがございます。  人口の高齢化に拍車のかかる中での児童数の減少傾向、そして、三人以上の子供のいる世帯は、たった一七%。子供同士のつき合いは、家庭内でも地域でも希薄化して、人間形成に微妙な影響を与えています。さらには、少ない子供に対する過保護の問題も指摘をされているところであります。  また、核家族化の進行、有配偶者の女性の就労は、十年前の五百九十五万人から九百三十三万人と、六〇%も増加し、離婚も、十年前の十二万組から十七万組と、四〇%増加する等の事由により、子供の成長の基盤である家庭の形態や役割を弱体化させ、また、それが大人の子育て観、家庭観を、若い世代を中心に変化させております。核家族化や小家族化の影響を受けた世代では、子育ての伝承を的確に受ける機会が少なく、育児の経験不足と相まって、育児に悩む親もふえております。  先ごろ発表されました昭和六十一年度の県下の児童相談所の相談実績によりますと、十年前に比較して五〇%も相談件数が増加をしており、その内容も、複雑かつ深刻化していることが指摘をされております。  児童の非行は、戦後第三のピークにありますが、内容的には悪質化、低年齢化していることが指摘をされております。教育の場で問題となっている登校拒否は、中学一年を中心に多発しておりますが、その原因は、家庭や中学校での心理的なトラブルが一般的で、長期にわたる指導が必要であるとも言われております。いじめも、多くは学校内でグループによる暴力行為、仲間外れ、悪口などの形で行われ、その方法も陰湿、潜在化してきております。その他、相談実績には直接出てはおりませんが、家庭内暴力も多数発生しており、家族の苦しみは想像を絶するものがあることは、多くの例が示しているところでございます。  数多く発生している児童に関するこれらの問題は、本人はもちろんでありますが、家族や身近な児童をも巻き込んで広がり、児童全体の健全な育成に悪い影響を与え、社会の活力を弱める危険性をはらんでおりまして、放置することのできない問題であります。こうした問題に対しては、児童の成長の基盤である家庭が、自覚を持ってその責任を果たすことが望まれますが、婦人の職場進出に伴う保育対策の充実、児童の遊び場の確保、育児相談機能の充実等は、行政もまた役割を分担して、援助の手を差し伸べていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。  知事は、活力ある愛知の建設を目指して、道路網や港湾、工業用水、工業用地等の基盤整備を積極的に推進しておられますが、私は、もう一つの基盤として、児童を健全に育成し、その児童に活力ある愛知を支えていってもらう、そういう取り組んでいってもらう必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。  長期的な展望から、相対的に少なくなる児童を健全に育成していく児童福祉対策の重要さについて、知事はどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  また、昭和六十三年度予算において、児童福祉施設にどのような施策、配慮がされているか、その点についてもお伺いをいたします。  さらに、児童福祉施策のうち、とりわけ保育対策については、保護者からのニーズが高まっております乳児保育、延長保育について、どのような配慮がなされているか、お伺いをいたします。  保育対策について、いま一点は、幼稚園と保育園の問題であります。  保育に欠ける子供を措置するのが保育園であり、幼児教育の推進をするのが幼稚園。児童福祉法と学校教育法の枠の中で進められていることは、承知をいたしているところであります。  幼保の一元化の問題が一時期課題になったことがありましたが、昨年の四月に出された臨時教育審議会の教育改革に関する第三次答申は、「それぞれの立場で特徴を持って進むべき」との線であったようでございます。しかし現実は、保育園に預けても、幼稚園のよきところを親御さんは願ってみえますし、また、それに近いところまで進んでいる点もあるようでございます。  幼稚園と保育園、ともに長所、短所を持ち合わせていると思いますが、幼保の連携、意思の疎通、保母さんの交流、研修等して、保育に欠ける子をということだけでなく、幼稚園のよき面を取り込み、社会のニーズに合った保育のできるようすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。  青少年問題の最後に、教育委員会にお尋ねをいたします。  「教育は人なり」と言われますように、学校、地域、家庭が一体となって、その人づくり、未知の可能性を発見し、それを伸ばしてやろうと真剣に取り組んでまいりますときに、非行と登校拒否児童、生徒の多くなっていることに胸を痛めているものであります。まじめに勉学に打ち込む子供にとっては大変迷惑なことでありますが、何とかしなくてはいけないことであります。  本県も幾多の施策を進め、その対策に御努力いただいているところは、十分承知をいたしておりますが、登校拒否児童生徒の数はいかほどでありましょうか。また、その原因と今後の対策をどのようにお考えになっているか、お聞かせをいただきたいと思います。  次に、高齢化社会に向けての対応について、お尋ねをさせていただきます。  人生八十年時代の到来と言われ、政治が高齢化の問題を避けて通れない重要なときとなりました。長寿は、人類が長い間願い、求めてきたものであり、このことがいよいよ実現してきていることは大変喜ばしく、また誇らしいことであります。来るべき二十一世紀前半には、四人に一人が六十五歳以上という未曽有の超高齢化社会を迎えると予測されていることは、周知のとおりであります。先ごろまとめられた県政モニターアンケート結果によりましても、ほとんどの県民が、生活の中で高齢化社会の到来を実感し、しかも、その多くが非常に強く感じているのであります。  高齢化のもたらす問題は、社会全体はもとより、県民一人一人にとって身近な問題でもありますので、将来を見据え、着実にその対策を進めていくことが大変重要でありまして、その積極的な取り組みを県民は大きく期待をいたしているのであります。  鈴木知事は、今議会の提案理由の説明の中でも述べてみえますように、県民のすべてが健康で生きがいを持ち、温かい思いやりと連帯の中で生活のできる「いきいき長寿社会」を構築したい。さらに、昭和六十三年度予算案の中にも高齢者総合相談センターの設置を初め幾多の高齢化社会への予算措置をされていることは、当を得た施策であり、もろ手を挙げて賛成をいたすものでございます。  そして、本県は既に愛知県高齢化社会対策会議の手によって「生き生き愛知の建設のために」と題した指針を得られ、昭和六十二年度には、その具体化のために、早々と県を挙げて高齢化対策の推進組織である高齢化対策本部を設置されるなど、知事の高齢化対策への取り組みの、その姿勢を高く評価をいたすものであります。  私もこの一年、高齢化社会対策委員会に所属をさせていただき、本県の進むべき方向、また、各施設の視察等もさせていただいたのでありますが、その重要性を改めて認識し、痛感をいたした次第でございます。  今後、大きく発展させていただく意味から、次の点についてお伺いをいたします。  まず、高齢者の生きがい就労対策についてでありますが、六十三年度予算において、中高年齢者の雇用の場を拡大する施策が打ち出され、雇用環境の厳しい中高年齢者の第三次産業への就職の道を模索する職域開発を含めた雇用促進方策の研究に取り組まれることはまことに喜ばしいことでありますが、私は、高齢者の方々の生きがい就労の道もまた、これ大切なことであると思っております。  昨年発表されました本県の高齢者生活実態調査によりますと、六十歳以上の方三人に一人は働いておみえになり、八十歳以上でも、一割近い人が社会的に活躍してみえるという結果が出ております。高齢者の動労意欲の高いことがうかがえるわけでございますが、高齢者が働くということは、高齢者自身の経済的安定、健康保持、ひいては生きがいを高めるためにも心要であります。同時に、長い人生で身につけた技能や経験の提供は、社会や経済の発展にとりまして非常に重要なことであります。  本県が、全国に先駆けて昭和六十年度に創設されました高齢者生きがい活動推進施設は、就労や健康づくり、憩い、地域交流の場として大変喜ばれております。今後は、こうした生きがい、就労の場を確保することがより重要であると考えますが、この施策の充実についてどのように進めていかれるおつもりか、御所見をお伺いいたします。  次に寝たきり老人、痴呆性老人対策についてお伺いをいたします。  研究会議の報告書の中にもうたわれておりますように、高齢化対策は、保健、医療、福祉、さらには所得保障といった幅の広い総合的な対応が必要となってまいりますが、とりわけ、寝たきりになった老人やその家族のことを思うとき、胸が痛む思いでございます。  昭和六十年、県政モニターアンケートによりましても、年をとってから不安を感ずるもののうち、「健康」と答えた方が六三・五%、「寝たきりになったときの看護」と答えた方が四九・三%と、健康、とりわけ寝たきりになったときのことを大きく心配してみえます。  本県も、高齢化社会の進展に伴い、寝たきりなど要介護老人が大きく増加することが予想されます。  介護を要する老人のみえる家庭に参りますと、よく聞かされます。「長くこの状態ですので、ほとほと疲れました。早く治ってほしいのですが、その見通しもありません。我が家のために頑張ってくれた人ですので、できるだけのことは一生懸命やっていますが、たまにはだれかかわってくれたらと思いますよ。家庭奉仕員の方が時々見舞いに来てくれます。喜びますね。ありがたいです。」。家庭の事情から、付き添いの十分できない人もいます。また、看病疲れから自分まで寝込んでしまう方、ともに死に追いやられる方、まさに社会問題として避けて通ることのできない課題となっております。  知事は、このような事柄にどのような考えで対処していかれるおつもりか、お聞かせいただきたく思います。  国では、昭和六十一年十二月、老人保健法の一部を改正して、病院、特別養護老人ホーム、家庭のおのおのの中間に位置する施設として老人保健施設の創設を決定し、昨年の十一月老人保健審議会の答申に基づき、本年一月には厚生省令も定められたと聞いております。  本県も、本年度二施設、来年度五施設の補助をいたす予定とされていますがこの老人保健施設の基本的な事業の内容、性格はどのようなものか、お示しを願いたく存じます。  また、寝たきり老人を抱える家族にとって、何でも施設に入ればよいという考え方では困るわけでありますが、大きな安心感と申しますか、この保健施設には期待をいたしているものでございます。  今後の本施設の進め方、運用方法等についても、お考えをお聞かせ願いたく思います。  高齢化対策の最後に、住宅政策についてお尋ねをいたします。  昭和六十三年度予算の説明にもありましたシルバータウン整備事業は、高齢者の皆様の住宅政策として新たに打ち出されたものとして、注目をされております。一時期、核家族化の傾向から、お年寄りも同居で、あるいは近くでという志向の進んでまいりましたことは、喜ばしい限りでございます。  本県も、これまで大型県営住宅の建設、全国に先駆けて実施された親子世帯近居のための優先入居制度等、各般の住宅政策を講じてみえるところでありますが、このたびのシルバータウン計画は、高齢者が地域や家族との触れ合いの中で安心して暮らせるコミュニティーの場と、聞いているところであります。  創設されたシルバータウン整備事業の基本的な理念、考え方、そして大府に着手される予定のモデルタウン事業の内容高齢者の方々にどのような影響を与えるか、お示しを願いたく存じます。 48: ◯副議長(松山茂朗君) 発言者に申し上げます。  質問は簡明に願います。 49: ◯九番(柴田紘一君)(続) 次に、教育問題についてお伺いいたします。  昭和五十九年六月、愛知県教育委員会は中等教育問題研究協議会に対し、本県の中等教育の改善についての諮問をいたしました。それを受けて、十分な検討がなされ、二十一世紀を展望した新しい時代の学校教育のあり方について答申がありました。その中で、複合選抜入試の問題もあったところでありますけれども、私は、第二次答申にあります学校教育のあり方についてお尋ねをいたすものでございます。  答申では、生徒の個性や進路の希望等、それに応じて教育制度をできるだけ弾力的に運用するとの提言がなされております。そこで、その後の具体化をどのように進めておられるのか、以下、二点についてお伺いをいたします。  まず第一点は、転学、転科に関してであります。  現在、県外からの一家転住による公立高等学校への転入学希望者に対して、一年生対象に年五回、二年生、三年生対象に年四回の転入学考査を行い、しかも、学級定員枠を超えて受け入れるなど、新しい配慮がなされていることに敬意を表する次第でございます。  ところで、この問題の中で、転居を伴わない場合でも、転学、転科を求める妥当な事由が生じた場合には、学習を中断させずに、挫折感を与えないためにも、それを認めていくことは必要な問題でありますので、生徒の個性、能力、適性、希望を尊重する観点からも、望ましい教育制度の弾力化だと考えますが、この点について、どのように進められるか、教育長の御所見をお伺いいたします。  もう一点は、公立高校への編入学についてであります。この問題についてもどのようにお考えになってみえるか、お尋ねを申し上げる次第でございます。  時間がございませんので、最後の愛知病院の問題は、私の地域の問題でありますけれども、非常に重要な意味を持っております。管理棟、診療棟を含めて、非常に立派な整備を進めておっていただくわけでありますが、これを何とか病棟の改築にかかっていただきたいという地域の皆さんの熱望があるわけでございますので、この点をひとつよろしくお願いを申し上げまして、最初の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 50: ◯民生部長(春日井文人君) 児童福祉対策についてお答えいたします。  児童を健全に育成して、次の時代を託していけるようにすることは極めて大切なことでありまして、児童の遊び場の確保、保育対策の充実、育児相談機能の充実等につきましては、真剣に取り組んでいかなければならないと考えております。  次に、昭和六十三年度予算案につきまして、私どもお願いをしている件でございますが、自然の中で、親子連れで楽しく遊んでいただく愛知こどもの国に新しくぼうけん広場を設置することをお願いいたしております。  また、児童に関するさまざまな問題の相談を県民の身近なところで応じられるように、津島市内に児童相談所を新しく設置したいと考えております。  また、不良行為をしたり、そのおそれのある児童を入所させて立ち直らせる愛知学園の寮舎が手狭になってきており、老朽化してきておりますので、このための建て替えということで、その実施設計費などをお願いしておるところでございます。  次に、保育対策についてでありますが、乳児保育と延長保育につきましては、従来から県の単独補助を実施しているところでありますが、その一層の充実を図るため、乳児保育につきましては、ゼロ歳児の補助単価を一人月額二万六千八百円から三万六百円に大幅な増額をし、また延長保育につきましても、対象となる延長時間を二時間から四時間に拡大することとしております。  次に、保育所と幼稚園との連携でございますが、幼稚園と保育園の連絡協議の機関といたしまして、幼保連絡調整会議とか愛知県幼児教育研究協議会が設置されておりまして、従来から、これらの場を通じて幼稚園とも連携を図っておりますが、さらに連絡を密にして、保育の充実に努めてまいりたいと考えております。  また、保育所におきましては、保育所保育指針に基づきまして、児童の発達段階に応じて養護し、また、教育を行っているところでありますが、教育面につきましては、幼稚園教育要領も参考にして実施するように指導しているところでありますが、今後とも各保育所において、保育者のニーズを十分把握して、保育内容の充実に努めていただくよう指導してまいります。  次に、高齢者の生きがい就労の場の確保等についてでありますが、高齢者生きがい活動施設は、就労や健康づくり、憩い、地域交流の場として、市町村と協力しながら設置を進めているものでありまして、本年度末には十五カ所で活動することとなります。  また、高齢者の生きがい就労対策として、国に先駆けまして昭和五十四年度に家庭や事業所から依頼のあった仕事を高齢者に提供する高齢者能力活用推進事業を創設いたしまして、事業の推進に努めておりますが、五十一の市町にシルバー人材センターを設置されまして、高齢者の生きがい就労の拠点となっております。  今後は、こうした事業をさらに県下各地で推進いたすように努力をしてまいりたいと考えております。  次に、今後の高齢者福祉対策の取り組みについてでありますが、高齢化の進行に伴いまして、今後ますます充実をしていかなければならないと考えております。六十三年度予算でも高齢者総合相談センターの設置や在宅ケア援護事業等の新規事業、さらには、デーサービスセンターの整備補助、特別養護老人ホームの整備補助などをお願いしているところでございます。  今後の取り組みにつきましては、高齢化社会対策研究会議の報告を推進指針といたしまして、多様なニーズに対応すること、即応性や選択性を持ったサービスを提供すること、サービスの質的向上を図ることなど念頭に置きながら、在宅福祉対策、施設福祉対策、生きがい対策など、高齢者の生活を支援する総合的な福祉対策の充実に努めてまいる考えでおります。よろしくお願いいたします。 51: ◯建築部長(越智福夫君) 生きがいシルバータウン整備事業でございますけれども、高齢者の方々が共同して多様な生きがい活動を行うことができるような場でございます、いきいきシルバープラザを高齢者向け設備仕様を備えました住宅と一体的に建設することにいたします。それと同時に、高齢者の生きがい活動の企画であるとか準備等をサポートしていただきます、いきいきシルバーコーディネーターをも配置していこう、こういう考え方でございます。  六十三年度から着手をいたしてまいりますモデル事業でございますが、高齢者向けの県営住宅を三十戸、これを中心にいたしまして、公社、公団、民間などによりまして供給されます三世代同居住宅でございますが、これとか、あるいは近居向けの住宅、こういったものを合わせまして住宅としては八十戸程度を予定をいたしております。  また、三百平方メートル程度の建物、ここでいろいろな方が共同で文化等の活動をしていただくわけでありますが、それと屋外の菜園など、こういったようなものを持っております、いきいきシルバープラザも一緒に建設をしてまいる、こういう予定でございます。 52: ◯教育長(小金潔君) 登校拒否の問題でございますが、昭和六十一年度中の登校拒否で、通算五十日以上欠席した者の数は、態様はいろいろございますが、小学生二百八十六人、中学生二千九十一人となっております。教育委員会といたしましては、登校拒否児童、生徒の対策としまして、教育事務所に生徒指導担当指導主事や家庭教育相談員の配置、中学校への生徒指導主事の加配、学校カウンセリング講座の開設、さらに教育相談に関する手引等の作成配布などいろいろとやって、登校拒否の予防と解消に努めているところでございます。今後とも学校と家庭、あるいは地域社会の連携を深める中で努力をしてまいりたいと思います。  次に、転学、転科の問題でございますが、生徒の進路変更とか家庭の事情の変化等、妥当な理由が生じた場合におきましては、転居を伴わなくとも転学を認めるということは必要なことであろうと考えております。生徒の能力、適性、興味、関心等から見て、例えば、普通科から専門学科への転科を希望するような場合につきましても、これを認めるというような方向で、教育制度の弾力的運用の方向を考えているところでございます。この点、愛知県中等教育問題研究協議会の答申を受けまして、教育制度を、調査研究委員会におきまして研究、検討を今やっておるわけでございまして、転学、転科に伴って生ずる学習の継続や進級、卒業認定の問題、あるいは教育課程編成上の諸問題、さらに進路指導、生徒指導上の留意点等につきましてきめ細かく研究を進めておりますので、その成果を踏まえまして、公正なルールを設定いたしまして、できるだけ早くこのような施策を進めてまいりたいと考えております。  編入学につきましては、海外帰国子女の編入学、それから、これは従来からいたしておりますけれども、新たに中途退学者の編入学の問題でございますが、事情があって高校を退学したという者が、学習経験、意欲もあり、そして学習をやはり続けたいと強く希望するということであれば、一定の学力水準のある者について、これを受け入れるということについては、やはり教育的に意義のあることと考えておりまして、今後の単位制高校との関連にも留意して、実施に向けましてさらに検討を進めてまいる所存でございます。 53: ◯衛生部長(玉木武君) 老人保健施設の事業等についての御質問でございますが、老人保健施設は、療養が必要な老人、いわゆる要介護老人でございますが、「要介護老人に対しまして心身の状況にふさわしい医療サービスと、生活サービスをあわせて提供する施設」と、国では定義をいたしております。病院での治療により症状は安定しましたが、まだ家庭での療養が無理なお年寄りには、この老人保健施設に入所していただきまして、リハビリを中心とした医療ケアを受けながら療養していただき、さらに家庭生活が送れるような訓練も受けるという、家庭復帰への準備を目的とした施設でございます。  そのほか、在宅療養中のお年寄りに対するサービスといたしまして、一日のうち一定時間受け入れまして、入浴、食事などの生活サービス、リハビリなどの医療サービスを行うデーケア、それからまた、家庭における介護者が病気、休養等の理由によりまして介護が困難なとき、短期間受け入れますショートステイ等も行うこととされております。  老人保健施設に対する期待は、高齢化社会が進む中で、要介護老人が増加しますとともに高まるものと予想されておりまして、これに対して、地域の実情に応じた適正な配置を積極的に図る必要があると考えておりまして、本県といたしましては、国の補助対象となった施設に対して、単独の上乗せ補助をいたしております。  また、老人保健施設の性格からいたしまして、特に地域に密着した利用しやすい施設運営、すなわち、地域の医療機関、福祉施設、また、市町村の行います在宅福祉サービス及び保健サービスと有機的に連携いたしまして、入所の必要なお年寄りは早急に入所でき、また、家庭に帰れる方々は速やかに家庭復帰ができる地域密着型の運用を行うよう指導してまいりたいと考えております。  県立愛知病院の御質問でございますが、御案内のように、この病院は、建築後三十年余りも経過いたしまして、老朽化が著しいことと、施設も狭隘になってまいりましたことから、本年九月の完成を目指しまして診療管理棟を改築いたしておりますが、病棟の整備も必要でございますので、改築に向けて努力をいたしてまいりたいと考えております。  しかしながら、がんセンターの全面改築とか尾張病院の改築計画もありますことから、他の病院の整備状況や財政状況等を勘案いたしました上で、できるだけ早い時期に改築に向け進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 54: ◯知事(鈴木礼治君) まず、青少年の健全育成、これは、次代を担うのは、青少年でございますから、青少年の健全育成、大変大切な事柄でございまして、これは私どもといたしましても最重要の柱としてやっていかなければならぬ、このように考えております。  それから、幼稚園、保育所の点を御指摘になりましたが、これは昔から言われます幼保一元化の問題でございますが、この問題でございますが、特に、教育面では、御質問ございましたので、教育の面ではほぼ同じ内容で両方とも実施するように従来から保育所を指導してきております。したがいまして、今後とも、幼稚園の中のいわゆる幼稚園教育の実態を十分考えながら、保護者の期待に沿うような保育内容にしてまいりたいと思います。  それから、高齢者生きがい活動施設でありますが、今までに十五カ所ございます。さらに六カ所新年度で追加するわけでありますが、これは御承知のように、ミツバの水耕栽培とかあるいはポットマムの栽培、それからふすま張りとか自動車用の配線加工とか電気製品の部品の加工とかいろいろありますけれども、こういったものをやりまして、大変全国でも例のない施設でございますけれども、市町村と県とタイアップをいたしましてやっておりますが、地域のお年寄りの方からは、生活に大変張りができたとか、あるいは新しい友達ができたとか、いろんな点で好評をちょうだいいたしておりますが、この三月には鳳来町でオープンしますが、これは、県の林業センターの技術指導によりましてヤナギマツタケを栽培すると。これはマツタケによく似ておりますけれども、マツタケそのものではない。そこで、ちょっと寸法が長いものですから、ヤナギマツタケと、こういうふうになっております。こういうものをやってまいります。  それから、いきいきシルバータウンでございますが、これは、通産省でシルバーコロンビアという構想がありまして、簡単に言いますと、外国へ出ていって、高齢になられた方がそこで悠々自適をなさると、こういう構想でございましたけれども、スペインというような例もありましたようですが、そんなスペインまで行かぬでも、我が県でやれるではないかと、シルバーコロンビアでなくてもシルバー愛知県内でよろしいんではないかということで、県の中で考えたわけであります。  そこで、これは地元の市町村の協力が要りまするので、とりあえずモデル事業といたしましては、大府市とタイアップをいたしましてやることになっております。  これは、大府市と民間業者も協力して、高齢者の方々が生き生きと住まえる地域づくりと、タウンづくりということで始めました。大府の場合ですと、ほぼ二十九億程度のものになります。これはもうあらゆる一切合財でございますが、そういうケースがもし、もしといいますか、あちこちでこれはよかったと、非常に結構であるということで、あっちもこっちも重複するなら、私どもはあっちにもこっちにもやっていこうと、こういうふうに考えております。  それから、愛知病院でありますが、やります。これは、ぜひとも改築をしたいと思います。できれば、基本設計は、六十四年度に基本設計を組んででも取り組みたいと考えております。  以上であります。 55: ◯九番(柴田紘一君) 三分しか時間がございませんので、ひとつよろしくお願いいたします。  御丁寧な答弁をいただいたわけでありますが、本当に意のある姿勢を伺いまして、私どもも本当に安心をいたしておる次第であります。  しかし、その中で、御要望を申し上げさせていただきたいことは、幾つかあるわけですが、特に、いきいきシルバータウンですね。これは新しい構想でありまして、非常にこれから注目がされるわけでありますが、ややもすると、今日まで公共のつくってまいった、県とか市がつくってまいった施設というのは、何か味気ないというような部分もあるわけでありまして、これからの時代に即応した、お年寄りの皆さんが生き生きとして、この名前にありますようにいきいきタウンですから、生き生きとできるにはどうしたらいいかということを内容的にはこれから模索をしていただきたいということをお願いをいたすわけであります。
     例えば、こんなことできないにしても、少しは赤ちょうちんがあって、カラオケの歌が聞こえてくるということもよろしいでありましょうし、ダンスパーティーがあるげなという話もよろしいでありましょうし、いろんな面でこれから民活を十二分に取り入れた形で進めていただきたいというふうに思いますので、お願いをいたしたいと思います。  それからまた、愛知病院の関係でございますが、ありがとうございます。どうぞ鋭意努力をいただいて、この問題、診察は非常によくなった、診察の部屋とかあるいは診療棟は非常によくなった。そこへ行かれる。ところが、病棟へ入りますと、非常に暗いものですから、皆さんから非常に多くそんな意見も出ておりますので、一年でも早い改築に向けて御努力をお願いを申し上げ、質問を終わらせていただく次第でございます。ありがとうございました。      ━━━━━━━━━━━━━━━━ 56: ◯六番(石田芳弘君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 57: ◯副議長(松山茂朗君) 石田芳弘君の動議のとおり決して御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 58: ◯副議長(松山茂朗君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後三時二十八分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━     午後四時二分開議 59: ◯議長(倉知俊彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  三輪敦昭君。     〔十八番三輪敦昭君登壇〕(拍手) 60: ◯十八番(三輪敦昭君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に基づきまして順次お尋ねをいたします。  一般質問も七人目でございます。お疲れとは思いますが、最後までひとつ御清聴のほど、よろしくお願いいたします。  質問の第一は、地域活性化を進める知事の基本姿勢についてお尋ねいたします。  昭和六十三年度当初予算に目を通しますと、そこには、社会情勢、経済情勢の変化に伴って多様化する県民のニーズに対応する当局の姿勢がうかがえるのであります。県政を推進するためには、それを支える活力ある経済社会の実現が必要であります。このため昭和六十三年度は、新しい伊勢湾時代に向けて、大愛知づくりのための構想計画を一層推進し、具体化するための実行の年として、各般の施策を着実に展開することとしたとあり、さらに二十一世紀に向けての総合的地域づくりの指針となる愛知県二十一世紀計画の策定を進めることにしたともありました。私は、たくましく、また魅力あふれる愛知づくりを一層着実に進めていこうとする知事の姿勢を改めて強く感じたのであります。  厳しい地域間競争を勝ち抜き、生き残るためには、すぐれた点をさらに伸ばす必要を感じながらも、残念ながら、東京、大阪などに比べ、情報発信力や国際化等の面で見劣りすることも多々と思います。したがって、これらは大いに補い、進展させることが必要であります。そのためには、研究開発機能の充実を初め情報の集積度を高めるとともに、さらには愛知の特性を最大限に引き出し、伸ばしていくために、道路、空港などの交通基盤の整備が決め手となると考えるものであります。このことに対して特に全力を挙げ、取り組んでいくべきと思います。それが愛知を、産業技術の中枢圏域という地域共通の目標を確固たるものとし、知事の掲げられる大愛知実現の源と考えられます。  それだけに、知事のリーダーシップは不可欠であり、大きな期待を寄せるものであります。この点についての知事の御決意のほどをお伺いいたします。  私は、このような将来への夢を抱きつつも、以前からの疑問であります財政問題は大丈夫かということが脳裏をよぎるのであります。  きのうの代表質問でも一部ありましたように、国は、財政再建を目指して経常部門の抑制を続け、その結果、国庫補助負担金の削減措置を強化しており、この点からも県の財政負担は厳しいものと思います。なお、その一方では行政の義務的経費も年々増加し、財政の硬直化が心配されるのであります。  そこで、質問の第二は、県債及び公債費についてであります。  この件につきましては、昨日の代表質問の中で、私どもの榊原団長からも、また他党からも触れられましたが、観点が異なるということで、お許しをいただきたいと思います。  県債につきましては、昨年の九月の議会の一般質問におきましてお尋ねいたしております。私は、増加し続ける起債残高に、将来、愛知県の財政硬直化のおそれありと、心配しての質問をいたしました。鈴木知事は自信満々に、将来、よくやったとのお褒めのいただける知事であることを御答弁で申されたわけであります。また総務部長も、健全財政であることを力説されました。そのことは皆様も御承知のとおりであります。そして、その論拠は、知事の持論であります県税収の動向により県債発行の増減を行い、健全財政で推移できるとのお答えであったと理解いたしております。  そこで、六十三年度の予算に目を向けますと、税収は県史最高額の八千四百五十億円を見込まれるとともに、一般会計一兆四千二百五十億余円、六十二年度当初比六・七%増の積極予算を編成されました。そして県債発行は、さきの答弁にも準じ、七・七%減、一千三百八十八億余円となっていることは大変喜ばしいことであり、表面的に見れば、知事の日ごろの論理に基づく手腕と見受けられます。  また、過日の新聞報道にも、「税収増で県債減額」の見出しのもと、次のような文面がありました。「運のいいことに、実行の年は神風も味方してくれた。前年落ち込んだ県税が過去最高にまで伸びた。税があるときは起債を減らし、税が落ちたとき起債で景気回復というのが知事の持論。予算をもっとつけたくても、こういう年にこそ県債を減らして身軽になると、非常のときにまた県債に頼ることができる。ゆとりある積極実行予算は将来の積極さも残した」と、このような内容でありました。これは、日ごろの鈴木知事の持論そのものであります。  しかし、私は、この持論とは裏腹に、年々悪化の一途をたどる県債依存財政政策を危惧するものであります。なぜならば、県債発行残高の激増とあわせて公債費の内容分析をいたしますと、健全財政確立との発表、また答弁とは逆行する硬直化の進行を示す数値のみが、データとして出てくるわけであります。  六十三年度当初予算による実態分析を申し上げれば、発行県債一千三百八十八億余円、そのうち、NTT株売却による政府の償還保証額百五十八億円を除けば、その額は一千二百三十億余円となり、これは、幸いにして公債費一千二百九十八億余円を六十八億円下回ることになります。しかし、公債費の内容は償還金額七百億余円となっており、残り五百九十八億余円は金利並びにその経費なのであります。実質、六十三年度当初予算は五百三十億余円の後年度負担増となるのであり、累計の一般会計の県債発行見込み額は、NTT債を含めて、何と一兆一千三十億余円となるのであります。これにより、六十四年度の金利及び諸費用は、私の試算によりますと、およそ六百八十億余円が必要となり、公債費は利子支払いのためにその大半を費やすところとなるのは明白の事実であります。  ここに、私の調べました一つのデータがございます。それは、当初予算に占める公債費の額及び比率で、昭和五十六年度から六十二年度のものを示しますと、その内容は、五十六年度予算対比五%、四百九十七億余円であったものが、以下、五十七年度五・四%、五十八年度六・三%、五十九年度七・〇%、六十年度八・六%、六十一年度九・五%、さらに六十二年度に至っては九・六%、一千二百八十億余円となっております。七年間、つまり五十六年度の予算対六十二年度当初予算比の伸び率は一三三・九%に比べまして、公債費の伸びは二五七・六%であります。  このような急上昇は、特に五十八年度以降の伸びが大変大きいのであります。データは突出した悪化進行をあらわしており、これこそ財政悪化を示すものであり、六十三年度の少々の減額、減率で、この問題の抜本解決には何の改善施策とはならないわけであります。  そこで知事にお尋ねいたします。私が指摘した公債費の比率が急激に高くなっていることについて、どのように考えておられるのか、まず御所見を伺います。  税収最高時の今日ですら、先ほど申し上げましたとおり、後年度負担増五百三十億余円であります。県債発行についてはもちろんのこと、この際抜本的な行財政改革に取り組むお考えはあるのかないのか。  具体的に申し上げれば、執行事業の見直し、縦割り行政の弊害除去等の勇断など、知事の大英断により、県史にさん然と輝く実績を残していただきたいのであります。  総務部長にお尋ねいたします。総務部長は、昨年の九月の答弁では、数字的な裏づけのない表現で、健全性を強調されました。地財計画や他県との比較論でかわされたわけであります。きょうは、先ほどから述べました数値をもとにした財政硬直化進行への私の危惧を何と受けとめておられるのか、また、今後解決のお考えがあれば、その方策をお示しいただきたいのであります。  行政は、一時的発展以上に、中・長期的展望の中、執行されることこそ、実務当事者の義務と考えます。知事、総務部長の明快なるお答えをいただきたいとともに、なお、答弁は数値を示してお答えいただきたいと思うわけであります。  質問の第三は、私ども地元天白区を流れております天白川の河川改修についてお尋ねをいたします。  御承知のとおり、天白川はその源を日進町の丘陵部に発し、植田川、扇川等の支線を合流して名古屋港に注ぐ、県下でも有数の河川であります。この流域では、名古屋のベッドタウンとして宅地造成、土地区画整理などが急ピッチで進み、流域面積に占める宅地面積が、昭和四十年ごろには一二%程度でありましたものが、現在では三十数%にまで拡大しているほか、人口も、名東、天白、南、緑及び日進町を合わせますと約二十五万人から五十万人に増加いたしております。さらに豊田新線周辺を含め、地形的、地理的立地条件等のよさから、急激な開発が見込まれているところであります。  流域の開発進展は、当然、河川への流水量も増加し、現在の天白川の流水能力では危険な状態ではないかと心配いたしております。特に中流部から下流部にかけては、河川周辺に民家、町工場がびっしりと建ち並び、万々が一にも堤防の決壊を想像いたしますと、はんらん区域は、天白、南、緑の三区のうち約三千二百ヘクタールにも及ぶわけであります。ここには、人口約二十一万人、家屋約七万戸、資産は約一兆三千億円が集中いたしており、大きな被害が懸念されるのであります。  現に、昨年の九月二十四日から二十五日にかけての集中豪雨に、天白川は警戒水位を突破し、地元の水防団が出動するという危険な状態となったことは、記憶に新しいところであります。  県は、昭和四十八年度から公共事業、また単県事業といたしまして、河口から大慶橋までの間の改修を進めておられますが、この間の河川改修が完了するのは昭和六十六年度末になると聞いております。しかし、現状、一日も早い改修が求められているのはその上流であります。  そこで、まずお尋ねいたします。大慶橋から上流部についての河川改修について、県は今後どのようなスケジュールで取り組んでいかれるのか、また、完成目標をいつごろに置かれているのか、お示しいただきたいと存じます。  次に、大慶橋上流の河川両側の多くは住居地よりも川底の方が高い、いわゆる天井川であります。天井川は河川として最も危険性の大きいものであり、もし堤防の決壊あるときは、洪水は一気に民有地へ流入し、その被害はさらに大きくなることが予想されます。したがって、天白川の改修においては、何よりも早急に川底の切り下げ工事が必要と思われます。  そこで、二点目として、天白川改修方法についてどのように考えておられるのか、川底の切り下げの問題を含めて、見解をお伺いいたします。  また、河川改修には相当の日時が必要と考えられますので、当面の対策の一つとして、水防体制の強化も必要であろうかと思われます。天白川は、流域の急激な開発により、雨が降れば出水は非常に早く、鉄砲水となり、従来からの水防体制では的確な対応ができないものではないかと危惧いたしております。水防活動を的確に対応するには、何よりも通信連絡体制を整備するとともに、迅速、確実な情報の提供が必要であります。  三点目として、天白川の水防体制について、今後どのような考えに基づき整備されていくのか、お伺いいたします。  以上、三つの質問に対し、知事、理事者の明確なる回答をお願いし、私の第一回目の質問とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 61: ◯総務部長(奥田信之君) 県債及び公債費についてでございますが、歳出に占める公債費の構成比がこのところ急速に高まっているということから、財政の硬直化が進んでいるのではないかという御指摘でございますけれども、これは、過去に借り入れました県債の償還条件からまいります要因が大きく、本県財政が硬直化しているようなことは特にないと考えておるところでございます。  昭和五十年度以降、地方財源不足の続きます中で、県政の水準の維持向上に、あるいはまた景気の回復浮揚に努めてまいったわけでございますけれども、その際、国の地方財源対策といたしまして、地方債措置が中心になって行われたわけでございます。したがいまして、財源として県債を活用してまいってきたところでございます。  これら県債のうち、地方銀行から、地元の銀行から借り入れましたものにつきましては、三十年の償還を前提といたしまして、償還の平準化のため、途中二回の借りかえを予定をいたして発行いたしておるわけでございまして、そういう関係上、十年の償還期間満了ごとに、当初に借り入れました金額の五八%を、借換債ということで発行いたして償還をする方法をとっておるところでございます。したがいまして、県債発行額の急増いたしました昭和五十年度以降、十年後になりますと、今申し上げました借換債が、昭和六十年度からそれを発行するという形になって、公債費が膨らむ形になってきておるわけでございます。  したがいまして、この借換債を除きますと、公債費の構成比を見てまいりますと、六十年度は七%、六十一年度は六・八%、それから六十二年度は七%、六十三年度は六・七%ということでございまして、実質面で見た場合における構成比というのは、特に増にはなっておらないというふうに考えておるところでございます。  また、県債発行額が償還額を超えているということについてでございますが、計上しております県債は、国の補助負担率の引き下げ等に伴う補てんといたしまして起こす県債、これが約二百二十五億円ほどになるわけでございまして、国の地方財源対策として発行するものや、施設の性格上、将来の県民の方々にも公平に御負担を願うという観点から県債を発行いたし、その償還時に税等を充当するものなど、国の地方債制度にのっとったものであるわけでございます。確かに県債残高は増となりますけれども、これら県債の償還時には財政の規模も拡大しておると思うわけでございますし、また、本県が進めております企業立地等の施策が税収増につながることが期待されるわけでございますので、公債費がそう上がっていくことはなかろうというふうに思っておるわけでございます。  ただ、このように考えておりますけれども、県債の運用に当たりましては、公債費が他の経費を圧迫したり、償還財源に支障を来すということのないように留意をしてまいらなければならないというふうに思っておるわけでございます。  また、行財政の見直しにつきましては、従前から努めてまいってきておるところでございますけれども、今後とも一層合理化に努力をしてまいりたい、かように考えますので、御理解をいただきたいと存じます。 62: ◯土木部長(下田修司君) 天白川の改修問題についてお答えをいたします。  御指摘のように、天白川の流域は県内でも都市化の最も著しい地域の一つでございまして、重点的に河川改修に取り組んでいるところでございます。  一点目の、大慶橋から上流部の改修のスケジュールと完成の目標についてでございますが、当区間につきましては、川幅を広げる必要がございますので、現在、改修計画について地元の皆様方に御説明をいたしまして、協力を要請しているところでございます。  完成目標でございますが、移転を必要とする物件が多数ございますので、完成までには相当の年月が必要かと存じます。平子橋までの区間についてだけ取り上げましても、十年近くかかるというふうに考えておりますけれども、関係の皆様方の御理解と御協力をいただきまして、用地取得に努め、改修の進捗を図るために、今後とも最大限の努力をしてまいる所存でございます。  二点目の、天白川の改修の方法についてのお尋ねでございますが、天白川は、先ほどお話がございましたように、いわゆる天井川となっておりますので、改修に当たりましては、洪水時の水位を下げるために川幅を広げるとともに、大幅な河床掘削を行うことにしております。  河床の掘削につきましては、その前提となります川幅の確保が必要でございますし、また、下流の方から順次進めていかなければなりませんので、大慶橋から下流部の掘削が終わってから施行していくことになります。しかしながら、下流に影響のない範囲内での維持しゅんせつ等の必要な緊急工事につきましては、遅滞なく実施してまいる所存でございます。  三点目の、水防体制についてでございますが、水防活動は河川改修と車の両輪をなしておりまして、洪水の監視と住民の避難誘導を適切に行うとともに、未然に堤防決壊を防止するものでございます。第一義的には、水防法上水防管理団体もしくは市町村の責任でございますが、県といたしましても、水防活動が十分行われるよう、水防倉庫、資材等の整備を図るとともに、降雨及び出水状況を迅速かつ正確に収集し、伝達するための水防警報施設を整備しているところでございます。天白川におきましては、上流域に雨量計を設置するとともに、既存の野並、植田、鳴海の水位計のほかに、河口部に潮位計を設置するなど、その充実に現在努力しているところでございます。こうした水防警報施設を活用いたしまして、水防体制には万全を期してまいる所存でございます。 63: ◯知事(鈴木礼治君) まず、私につきましての、決意のほどという御質問でありますが、これは、県議会の皆様を初め、県民の皆様の御支援、御理解のもとに、産業振興、交通基盤の整備、一方、福祉、教育、文化、こういった方面の充実等、県政の各分野にわたりまして積極的な施策の展開をさせていただいておりまして、まことにありがたく、感謝申し上げる次第であります。  そこで、今後でございますが、やはり私どもの地域が、激しい地域間競争、それからまた国内的な発展の役割から見まして、産業技術の中枢圏域としてのこの地域の発展を私どもは図らねばなりません。いたずらに東京の方を見たり大阪を見て、右顧左べんしておってもいけないと、私は考えております。やはり国が産業技術の中枢と言うだけあって、私どもの方はそれなりの実力と、また今後の課題を背負っておりまするので、それを満たしていかなければならない。したがって、今後、各方面の御協力をちょうだいしながら、交通交流の拠点の整備、そしてこれが柱となりまする新伊勢湾時代の展開を図っていかなければなりませんし、それがつまりは愛知が大きくなることでございますので、そのような施策を着実に、しかも早く、できるだけ早く、確実に進めてまいりたいと、かように存ずる次第であります。  それから、公債費の御質問でありますが、いろいろと御指摘をちょうだいいたしておりまして、前々からも御指摘をいただいておりまして、御指導、感謝いたしますが、まず見かけのところですがね、公債費が上がっておるように見える。これは、先ほど総務部長が御答弁いたしましたように、地方財源対策が、国が地方へ対しまして財源対策をやるときに、地方債で措置をする。その地方債は借金じゃないかということでありますけれども、そこには一つの理屈がありまして、その借金の元利は面倒見ますと、こういう形の地方債措置というのがとられてきたわけであります。  本来は、きのうもお答えいたしましたが、本来はきちっと地方財源として、国からこの点については地方に分かち与えるというふうにすべきでありますものを、地方債で先延ばしをしていきまして、ぼちぼちぼちぼちと返すというか、面倒を見てくれると、こういう見方でありまするので、地方債措置は、本当は私どもは好ましくない、ないよりはよろしいですが、好ましくないと思うんであります。ところがそれは、面を見ますと、公債費になってくるわけでありますので、その点が、見せかけは大変多くふえたように見えますが、実質はそれほどではない。  したがいまして、今いろいろと御答弁をいたしておりますけれども、今度のNTT債なんかでもですね、NTT債といって、起債でありまするけれども、あれはびた一文地方の負担にならぬのであります。もらったも同然でありまするけれども、見かけは起債になるわけであります。そのようなことでございますので、財政は決して、愛知県の財政は硬直化いたしておりません。  それから、もう一つ御指摘がありました、行政合理化をぱっとやれと、こういうことでありますが、この行政合理化は、私どもはもともと最大限取り組んでおりまして、最小の経費で最大の効果を上げるべく取り組んでおりまするので、これはまた別途出るをはかるわけでありますから、出るをはかりまして、経費の方は、行政合理化等あらゆる知恵を絞りまして、それを圧縮すると、こういうことはやっております。しかしながら、この圧縮というのは、そういう点の、今申しました圧縮でありまして、私どもが行います施策を萎縮するということではございませんので、先ほど申しましたような中部圏のかなめとしての、中枢圏域としての役割を果たそうということを考えますと、やはり積極的な事業展開を行わなければならないということであります。  しかし、そうはいっても、やはり借金でございますから、本当のネットの借金のところはしょっちゅう注意をして見ながら、私どもは、節度をわきまえた起債発行ということに鋭気努力をいたしておりまするので、御理解をちょうだいいたしたいと存じます。 64: ◯十八番(三輪敦昭君) 知事さんの方から大変丁寧な御答弁をいただきまして、特に御決意のほどは、鈴木知事さんには珍しく堅実な内容であったと。いつもは大変ムードのいい答弁があるわけでありますが、きょうは堅実な御答弁であったと、大きく評価したいと思うわけであります。  県債のことは、今詳しく御説明いただきましたので、特に天白川のことについて、一つの質問と要望を申し上げておきたいと思うわけでございます。  というのは、川幅を広げなきゃいかぬ。したがって、土地の買収が絡むというお話があったわけでございます。当然、天白川の流域に住んでおります住民、これは住宅並びに町工場でありまして、公共事業といえども、「川幅を広げるで、ちょっとどいてくれ」と、「金を出すでどこかへ行け」と、こういうわけにはまいらぬわけでございまして、やはり事業をやっておる者にすれば、その事業が継続できるような場所を確保していただいて、そういった御指導に当たっていただくというような手が打っていただけたら、この天白川の改修工事は、先ほどお話がありましたように十年以上かかるといったものも、もう少し何とか短縮していただけるのではなかろうかと思うわけであります。  なぜならば、川というのは自然が相手でございまして、今後の改修工事、相当雨量の大きいものを予測しての改修工事とは思いますが、これはことしの梅雨に、また夏に降るかもわからぬという、自然が相手でございます。できるだけ早く着手し、そして完了していただくことが地域の住民にとりまして安らかな眠りにつけるわけでございますから、ひとつ何とかその辺の、夜もゆっくり眠れるわけでありますので、くどいようですが、土地の移転に対する、そういった面までひとつ御配慮いただくような買収にしていただきたいと、要望であります。  天白区は、鈴木知事のお家のあるところでございます。したがいまして、天白区民としては、知事さんがお見えになるうちに、何とかしてでも天白川を早く改修していただきたいと。優秀な知事でございますので、長期政権が予測されるわけでございますが、その中でも特別、この天白川の改修に今後とも熱心にひとつ取り組んでいただきたいことを御要望申し上げまして、終わらせていただきます。どうもありがとうございました。 65: ◯議長(倉知俊彦君) この際、お諮りいたします。会議中時間経過のおそれがありますので、時間を延長することに決しまして御異議ありませんか。     [「異議なし」と呼ぶ者あり] 66: ◯議長(倉知俊彦君) 御異議なしと認めます。よって、時間は延長することに決定いたしました。  進行いたします。  鈴木紀正君。     [四十番鈴木紀正君登壇](拍手) 67: ◯四十番(鈴木紀正君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、まず、山村振興にかかる諸問題とその対策についてお尋ねいたします。  美しい自然と豊かな森林資源に恵まれた三河山間地域は、我が県の北東部に広がり、県土面積の約三分の一を占め、そのうち約九割が森林に覆われており、そこには現在、我が県総人口の約一・二%に当たる八万人の人々が居住しています。この地域では、豊かな森林資源を基盤として、昔から農林業を中心に人々の生活が営まれ、それらの人たちのたゆまざる努力によって森林の適正な管理が行われ、水源の涵養、農林水産物の供給、県土の保全など、県民の暮らしにとって重要な役割が果たされてきました。  昭和三十年代の後半から昭和四十年代の高度成長期に都市部へ人口が流出した結果、著しく過疎化が進行し、昭和三十年に約十二万人であった人口が、昭和四十年には十万人、昭和五十年には八万二千人と、減少の一途をたどり、深刻な地域課題とされてきました。このため、昭和四十五年に制定された過疎地域緊急特別措置法、そして、期限切れ後の昭和五十五年に制定された過疎地域振興特別措置法及び昭和四十年に既に制定された山村振興法などに基づき、これまで国、県、地元町村の懸命の努力によって各種の振興施策が講ぜられた結果、近年では、三河山間地域全体では人口減少にも歯どめがかかり、現在は落ちつきを取り戻してきているところであります。  私はかねてより、人口は地域活力のバロメーターであると思っております。  我が県の総人口は、年々増加傾向を示しており、昭和六十二年十月一日現在、六百五十五万九千六百七十人と既に六百五十万人の大台を突破し、着実に増加しております。このことは、知事が活力ある愛知をスローガンに掲げ、心豊かで住みよい愛知の実現を着々と進めておられる成果のあらわれであると思うところであります。しかし、三河山間地域のうち、都市に近い山村においては近年人口減少に歯どめがかかり、増加しているところもありますが、奥三河など都市から遠い山村では、今なお若者を中心とした人口流出が続いている地域もあります。  また、これまで若者を中心に人口流出が続いた結果、著しく高齢化が進行し、昭和六十年の六十五歳以上の高齢者比率は、県平均が八・五%であるのに対し、三河山間地域平均が一七・五%となっており、中には、津具村の二三・六%を最高に、既に四カ町村が二〇%を超え、高齢化社会へ突入しているといった状況であります。  さらには、主産業である林業が長期的な不振に陥りまして、深刻な課題を抱える山間地域が第二の過疎化の波にさらされようとしている現況を、我々は心に深くとどめて、二十一世紀に向けて、今こそ何をなすべきかを真剣に考えなければならないと思う次第であります。  近年、山村振興法、過疎地域振興特別措置法などに基づいて、各種の振興施策の成果がようやく緒についたところでありますが、過疎地域振興特別措置法が昭和六十五年三月で期限切れを迎えるとのことであります。山村にとって最大のよりどころであります過疎法が期限切れを迎えるということは、今後の過疎地域振興施策が後退していくのではないかと、地元町村では懸念しております。  私は、山間地域が地域社会を維持し、その重要な役割を引き続き果たしてまいりますためには、ぜひとも過疎法の趣旨が今後も続けられていくことが必要であると考え、新しい過疎法の誕生を願ってやまない次第であります。  そこでお尋ねいたします。現在、国では過疎法の期限切れに伴いどのような検討が行われているのか、また、県におかれては今後どのような対応を行い、山間地域の振興対策を進めていかれるお考えか、お伺いいたします。  次に、山間地域の活性化を図るための対策についてお尋ねいたします。  従来から山間地域の基幹産業である農林業は、近年特に厳しく、林業においては、木材需要の減少、外材の輸入の増加、代替材の進出などにより、生産活動は長期的に低迷しているところでありますが、農業においても農産物の自由化の波が押し寄せ、今後、国際競争のあおりを受けて、山間地域の農業も打撃を受けるものと予想されるところであります。したがいまして、今後、山間地域の経済を支えていくためには、新しい方策による地域の活性化が必要であります。とりわけ、山村と都市との交流の推進や、企業導入を初めとした産業振興について取り組んでいく必要があると考えるのであります。  そこで、まず、山村都市交流についてでありますが、近年、山村の豊かな自然環境、伝統文化や風物との触れ合いを求めて、山村と都市の交流が全国各地で行われるようになってまいりました。先ごろ国土庁において取りまとめられた第四次全国総合開発計画によれば、定住と交流による地域の活性化が計画の基本目標とされており、この目標を効果的に達成するために、交通、情報、通信体系の整備と交流の機会づくりの拡大を目指す交流ネットワーク構想を推進していくと述べられているところから、今後はますます地域間の交流が盛んになってくるものと思われます。  県におかれては、山村都市交流の意義を早くから理解され、昭和五十四年から、全国に先駆けてあいちの山村展を中心に、山村都市交流を実施されており、この事業を契機として、県下では市町村間の姉妹提携や山村生活体験宿泊、ふるさと会員制度など、さまざまな交流が広がっております。  このような山村と都市の交流の積み重ねが山村活性化につながるものと思いますが、そのためには、山間地域に山村と都市の交流の場を整備していかなければならないと考えるものであります。  私は、昭和六十年六月県議会で、山間地域に山村と都市の交流の場となるふるさと村づくりをしていったらどうかと、初めて提案申し上げましたが、このたび、昭和六十三年度当初予算で、津具村と田原町による東三河モデル定住圏ふれあいの里事業及び作手村のリフレッシュふるさとモデル事業が計上され、実現化される運びとなり、当局の積局的な姿勢に敬意を表する次第であります。  三河山間地域には、このような山村と都市交流の場づくりが今後ともますます必要であると考えます。広域行政を預る県におかれては、山村都市交流の拠点施設の整備を含め、山村都市交流をどのように進めていかれるお考えか、お伺いいたします。  次に、活性化対策のうち、産業の振興対策についてでありますが、山間地域において若者の定住を促進してまいりますためには、雇用の場の確保が重要なことでありまして、そのためには、農林業の振興と並んで企業導入の推進が不可決であり、また最も効果的な施策であろうと思います。  このため、三河山間地域の中でも特に若者の流出が深刻な状況にあります東三河の山間町村では、これまでの町村ごとの企業誘致活動に加え、北設楽郡では北設楽郡企業誘致推進会議を、また南設楽郡では南設楽郡企業立地調査研究会を組織し、町村間の垣根を越えた広域的な協力のもとに、企業誘致活動や企業誘致に関する各種の情報交換などに取り組んでいると伺っております。
     とりわけ北設楽郡では、郡内の六町村の連携のもとに、昨年の秋には、豊橋市で東三河地域の企業関係者を対象として企業立地懇談会を開催されましたが、まことに画期的な試みであり、企業誘致にかける町村の意気込みを強く感じるものであります。また、南設楽郡の鳳来町では、豊かな自然環境を生かし、先端技術産業の研究部門を導入することを目指した、これまでとは違った新たな発想のもとにほうらいハイテク村構想を打ち出しておりまして、その実現に向けて調査検討が進められております。  このように、これら地元町村では積極的な取り組みを見せてきておりますが、県におかれては、これらの取り組みに対し、今後いかに対応していくお考えか、お伺いいたします。  次に、三河山間地域のリゾート、観光レクリエーション開発についてお尋ねいたします。  国においては、国民の余暇の増大などを背景に、リゾート地域の整備を促進するため、昨年六月総合保養地域整備法、いわゆるリゾート法が制定され、十月にはその基本方針が示されたところであります。  本県でも、これを受けて、三河湾を中心とした地域についてリゾート開発の基礎的な検討作業を進めておられるとお聞きしていますが、三河山間地域まで対象地域に含めることは困難な状況であると言われています。  しかし、三河山間地域は、緑なす山々、澄んだ空気、豊かな自然、伝統文化に恵まれており、まさに三河湾とともに絶好のリゾート地域ではないかと考えるのであります。さらに、近年、都市の人々の身近な観光レクリエーションの場、さらには交流の場としての役割が期待され、年々都市から訪れる人々も増加しております。  このように、近年の県民の余暇などを利用したさまざまな活動の増大に対応して、山間の良好な自然条件を生かしたリゾート、観光レクリエーション地域の整備が求められており、それが山間地域の活性化の重要な方策となるのではないかと考えるものであります。  そこでお尋ねいたします。総合保養地域整備法、いわゆるリゾート法に基づく対象地域については、当面、三河湾沿岸の市町村に限らざるを得ないとお聞きしていますが、三河山間地域にとりましてもリゾートは地域づくりの大きなテーマであり、重要な戦略と考えるのであります。今日のリゾート開発ブームの中にあって、滞在型保養地、すなわちリゾート地として、現時点で三河山間地域をどのように認識し、今後どのような取り組みをされていくおつもりか、お考えを伺うものであります。  次に、地下水汚染についてお尋ねいたします。  昨年八月、藤岡町南部簡易水道において、水源用の井戸から、人の健康にとって有害な物質であります水銀が、水道法の基準を超えて検出されたという問題が発生しました。当簡易水道においては、水道法に基づき、毎年定期的に水道水源の水質検査を実施しておりますが、今まで検出されなかった水銀が、昨年八月の水質検査によって初めて、五つの水源のうち二つの水源から検出されたのであります。  水道法の基準では、水銀は検出されてはならないこととなっておりますが、今回検出された水銀の濃度は、この水銀の検出限界である一リットル当たり〇・〇〇〇五ミリグラムを超える〇・〇〇〇九ミリグラムであり、また、それは毒性の高い有機水銀ではなく、人体への影響の少ない無機水銀ではありますが、地域住民にとりましては、毎日飲んでいる水道水から水銀が検出されたものだけに、極めて関心も強く、人の健康に影響を及ぼすのではないかと心配している向きも多いところであります。  この問題は、昨年十二月の定例県議会で取り上げられ、知事及び衛生、環境両部長から、水道業者に対し、水道水の水質を確保するため必要な指導を行うとともに、原因究明に努める旨の答弁がありました。  藤岡町においては、県の指導によって、水銀が検出されていないほかの井戸で賄っており、直接地域住民への影響はないものと考えてはいますが、地下水は日常住民の生活に密着し、極めて重要なものでございますので、一刻も早く原因を突きとめ、対策を講じていただき、地域住民が安心して生活できるよう努力していただきたいと存じます。  そこで、次の点についてお伺いします。  第一点は、その後、藤岡町南部簡易水道水源における水銀の検出状況はどのようになっているか、また、住民の飲む水道水は本当に安全であるのか、そして、今後どのような対策を講じていくのかについてお伺いします。  第二点は、県当局においては、鋭意その原因究明に努めておられることと存じますが、その原因究明調査はどの程度進んでいるか、お伺いするものであります。  次に、教育問題二点についてお伺いいたします。  まず、幼児教育についてお尋ねしたいと思いますが、幼児期は、人間の人格形成の基礎が培われる重要な時期でありまして、幼児教育の大切さは、私が今さら言うまでもありません。本県におきましては、公立、私立幼稚園、保育所など、在籍するところは異なりますが、幼児のほとんどすべてが就学前の教育を受けておりまして、県民の幼児教育への関心の高さと幼児教育の重要性を痛感しているところであります。  さて、近年、社会の進展により、物質的豊かさの中で共稼ぎ家族の増加が進み、同時に、三世代家族の減少、核家族化、そして少子化の増加する中で、ほとんどの親が育児に必要な知識、技術を身につける場と機会が減少して、家庭での教育力の低下が指摘されるところであります。そして、幼児教育のすべてを幼稚園、保育所に任せるというような風潮になってきているところでありますが、こうした現状の中で、昭和六十一年度幼児教育研究協議会は、家庭教育力の回復のために、幼児教育機関の果たす役割について研究協議し、報告がなされたところであります。  その報告書では、家庭での教育力に期待することとして、幼児期の親子のきずなを強めることと、家庭でしつける基本的な生活習慣の形成を挙げております。また、幼稚園や保育所が家庭教育の活性化を図るための方策についても述べられております。これは、幼児教育機関としての幼稚園、保育所が家庭の教育力の回復のためにどのような役割を果たすべきかについての報告であると受けとめています。幼稚園、保育所の保育者にとってはまことに大変な仕事ではあるとは思いますが、この家庭教育への働きかけは極めて大切なことであると信じるものであります。今後、これを充実させていくためには、保育者の自覚と、それに対する研修が何としても必要になってまいります。  このことについては、昭和六十二年度幼児教育研究協議会において研究協議し、資質向上のための研修のあり方と研修内容について一応の方向は見出され、教育長への報告がなされたと伺っているところであります。私も、多様な価値観のもとで育てられている幼児に即したさまざまな対応と、保護者への適切な指導、助言のための資質向上が保育者にとって極めて重要なことであると考えるものであります。  そこで、本年度幼児教育研究協議会の報告の概要と今後の活用について、教育長のお考えをお伺いいたします。  続いて、道徳教育についてお伺いいたします。  私はほとんど名鉄電車や地下鉄で県庁に通いますが、電車の中で子供が老人に席を譲る姿に接すると、本当にさわやかで、ほのぼのとした気持ちになるものであります。しかし、まだまだ行儀の悪い乗客が多く、中でも若者の態度は大変気になります。二列に並んで乗車しているのに、横から割り込んだり、車中では足を投げ出し、周囲にお構いなしに騒ぎ立てたりといった、自己中心的な態度が目につきます。私はこのような場面に出合うたびに、子供のうちから社会の一員としての正しいマナーを身につけさせ、他人を思いやる心を育てることの大切さを痛感いたすところであります。  現在進められている教育改革の中でも、徳育の充実が中心課題として取り上げられております。昨年十二月に出されました教育課程審議会の「まとめ」を見ましても、教育課程の基準の改善のねらいの第一に、豊かな心を持ち、たくましく生きる人間の育成を図ることを挙げております。私は、心の教育や人としての生き方の教育こそが重要な課題であると考えるものであります。  最近の急激な社会変化が人々の物の見方や考え方に大きく影響を及ぼしているように思われるのであります。例えば、核家族化が老人への理解や思いやりの心を忘れさせてしまったとも言われております。科学技術の進歩とともに、自然への畏敬や感謝の念が薄くなってきたようにも思われてなりません。また、国際化が進む中で、我が国の美しさやふるさとのよさを忘れるような人間が育っているという心配はないでしょうか。  徳育の充実は、単にいじめや非行といった生徒指導面からだけでなく、激しい社会の変化に対応していける人間の育成という面からも強く要請されるところであると思います。しかも、この問題は、学校全体で取り組んでいくことはもちろんですが、まず家庭や地域社会がそれぞれの役割を踏まえつつ連携し、三者一体となって子供を育てる環境をつくってこそ、効果が上がるものと思います。しかし、残念なことに、現在では家庭の教育力が低下しており、地域の取り組みもまた決して十分とは言えないと思うのであります。  こうした状況の中で、県では道徳教育振興会議を設けて、家庭や地域社会を巻き込んだ活動を展開していると伺いました。そこで、現在での小中学校における道徳教育への取り組みと道徳振興会議の活動内容について、教育長にお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手) 68: ◯企画部長(山内千吉君) 山村振興にかかわる諸問題の御質問のうち、まず過疎法の期限切れ問題でありますが、過疎法が昭和六十五年三月で期限切れを迎えますことは、過疎地域にとりましてまことに大変な問題であると認識をいたしております。  現在国では、国土庁を中心といたしまして、過疎法成立以来過去十八年間の実績の評価と昭和六十五年四月以降の過疎対策のあり方につきまして検討が進められているところでございまして、今後、六十三年度から六十四年度にかけて本格的な取り組みが行われていくと、そのように聞いております。また、全国の過疎市町村、都道府県、国会議員の方々で構成されております全国過疎地域振興連盟におきましてもこの問題が取り上げられまして、六十三年度には、今後の過疎地域の振興方策について検討が行われていくこととされております。  県といたしましても、このような国の動きを的確に把握しながら、三河山間地域十四町村で構成されております全国山村振興連盟愛知県支部と力を合わせて、今後の過疎振興のあり方を検討しますとともに、現行過疎法の期限が切れた後も過疎地域の振興対策が十分行われますよう、国へ働きかけを行いますとともに、県としての山間地域の振興対策を今後とも積極的に推進してまいりたいと考えております。  次に、山村都市交流の推進についてでございますが、二十一世紀に向けて県土の均衡ある発展を図っていくためには、山村と都市がお互いにその役割を理解しながら、ともに手を携えていくことが最も重要であると考えております。このような認識のもとに、県におきましては、昭和五十四年度から三河山間地域十四町村と一緒になってあいちの山村展を中心とした愛知の山村都市交流事業を実地してまいったところでございます。今後とも、この事業を引き続き実施いたしまして、山村都市交流の推進に努めてまいりたいと考えております。  また、かねてより山間地域に交流の拠点を整備すべく努力をいたしておりましたが、地元町村の強い熱意もありまして、津具村と田原町が共同で、また作手村が交流拠点施設を整備することとなりましたので、県といたしましても、国土庁の補助制度を導入して助成措置を講ずるなど、積極的に支援してまいる所存でございます。  いずれにいたしましても、山間地域には交流の場づくりが今後とも必要と考えておりますので、積極的に対応してまいりたいと存じております。  次に企業導入に対する取り組みについてであります。  山間地域において若者の定住を促進してまいります上で、企業導入の推進による就業機会の確保は非常に重要なことでありますので、県といたしましても、企業誘致に必要な情報を提供いたしますとともに、地元町村が行う企業立地懇談会の開催等に対し積極的に協力をいたしているところでございます。  また、鳳来町のハイテク村構想につきましても、助言、指導を行いますとともに、計画策定に要する経費に対しまして県独自で助成措置を講ずるなど、バックアップに努めているところでございます。  いずれにいたしましても、山間地域の活性化を図ってまいりますためには、地元町村が主体となって進める、企業導入を初めといたします産業振興に対しましては、それぞれの町村の立地条件等に配慮いたしながら、引き続き積極的に支援してまいる所存でございます。  次に、山村振興策としてのリゾート開発についてでございますが、都市に接近する豊かな自然を擁しますところの特性を持つ三河山間地域、今後確実に増大が予想されます県民の余暇レクリエーション活動の受け皿として大きな可能性を有しているものと存じているところでございます。しかしながら、現時点で申し述べますと、民間活力の活用に主眼を置いた総合保養地域整備法、すなわち、いわゆるリゾート法の対象地域といたしましては、必要な要件や地域性を十分に備えているとは言えないような状況でもございます。このため、法律に基づくリゾート構想の検討推進は、当面、三河湾沿岸地域を対象としていく方針でございますけれども、二十一世紀に向けた三河山間地域の振興策においては、県民にとって身近な余暇活動空間、観光レクリエーション拠点としての地域整備が極めて重要であり、また、それに適した地域でありますことから、そのための道路網や活動、交流の場の整備を着実に進めていかなければならないと考えております。そのことがまた、長期滞在型のリゾート地域としての可能性も高めていくことになると考えているところでございます。  このため、県といたしましては、来年度早々にも、関係部局を初め、関係市町村、関係事業団体からなる協議組織を設けて、観光レクリエーション及びリゾート整備に関する情報の交換や取り組みの連携、各種方策の検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 69: ◯環境部長(苅谷明君) 地下水汚染のうち、第二点の、原因究明調査についてお答えをいたします。  汚染が判明して以来、地元藤岡町の御協力を得まして、原因究明に必要な各種の調査を実施いたしておるところでございます。その調査の内容でございますが、まずは、水源の周辺に立地しております十八の工場、事業場へ立ち入りをし、水銀の使用状況調査を行いますとともに、汚染の広がりの程度や濃度分布を明確化するため、水源を含む周辺約四キロメートル四方にある民家及び工場、事業場の井戸二十五本の調査を行いました。また、上流からの影響や河川からの地下水汚染の可能性を把握するため、周辺を流れる西中山川及び山田川における水質や底質の調査、さらにはこの地域の地下水の特性を明らかにするための地下水の組成の調査、また、地下水の流れの状況を推定するため、濃度相関マトリックス手法を用いた各井戸間の相関を求める調査、このほか、地下水の流れや水質に影響を及ぼすと考えられる地形、地質の調査など、幅広く行っております。  これらの調査はおおむね終了いたしましたので、今後は、これらの調査結果を踏まえ、学識経験者等で構成をいたしております愛知県地下水汚染調査検討会の御意見を伺いながら、鋭意原因究明に努め、できるだけ早い時期に調査結果を取りまとめてまいりたいと考えておりますので、御了承を賜りたいと存じます。 70: ◯衛生部長(玉木武君) 藤岡町南部簡易水道水源の汚染被害のその後についてのお尋ねでございます。  御案内のように、昨年八月六日、微量ではございますが、水銀が検出されました第二、第四水源につきましては、その後取水を停止しておりまして、経過観察のため、藤岡町では定期的に検査を実施しておりまして、第二水源につきましては昨年十一月二日以降、また第四水源につきましては本年一月十九日以降、水銀は検出されておりません。その他の水源につきましても、水銀の検査が実施されておりますが、すべて検出されておりません。  また、住民の飲用します水道水の安全性についてでございますが、汚染被害が判明してから、直ちに藤岡町では汚染されていない予備の水源などを利用いたしまして、安全な水を供給いたしております。したがって、安全性には問題はないと考えております。  県といたしましては、今後とも、第二、第四の両水源の使用を引き続き休止させ、原因の究明をまちますとともに、藤岡町に対して、その他の水源も含め水質検査を定期的に実施させ、安全な水の供給が図られますよう指導してまいりたいと考えております。 71: ◯教育長(小金潔君) 保育者の資質向上についてお答えをいたします。  去る二月一日に、幼児教育研究協議会から、幼児教育のための保育者の資質向上のあり方について、一年間にわたります協議のまとめをいただきました。この報告書は、昭和六十一年度の同協議会の報告を受けまして、保育者の専門性を高めるための研修のあり方と、保育者が基本的に心得ておくべき必要な事項を、問答形式の指導手引書としてまとめたものでございます。  この指導手引書は、幼児の実態把握の仕方や発達のとらえ方など、保育の基本となる事柄、それから、幼児期にさせたい運動的な遊びや身辺自立のさせ方などの指導技術、さらに保護者からの教育相談に対応する基本的な事項などのカウンセリングの基本、この三つの柱立てになっているわけであります。内容は、理論と実践の結びつきということをよく考えまして、保育者の実践力を培うために極めて有効な報告書となっております。  今後、県下の全幼稚園、保育所千七百四十五カ所に配布いたしまして、日々の指導の手引としたり、研修会のテキストとして活用してもらうようにしてまいりたいと存じております。  次に、道徳教育でございますが、これは学校では、いろいろな場面で展開をされているわけでありますが、本県におきましては、各学校の全体計画に基づきまして、道徳の時間の充実が、これが中心でありますが、県独自の指導資料の作成、それから教員の指導技術の向上などを進めているところであります。  お尋ねの道徳教育振興会議は、本年度から新たにスタートをいたしました文部省の委託事業でございまして、県下の各界から幅広く意見をお聞きし、学校教育に反映させるとともに、道徳教育の充実振興に向けて県民全体で取り組む機運を醸成するということをねらっているものでございます。  この振興会議は二十名の委員で構成されておりまして、実践活動として、十一月十六日から一カ月間の期間を設け、心の教育推進活動を展開いたしたわけでございますが、この活動には、県下千三百七十五校の小中学校全部が参加をしたわけでございます。主な活動は、道徳の時間を保護者に公開するとか、あるいは奉仕活動や勤労生産活動、講演会や討論会、親子の触れ合い活動が行われました。例えば、寝たきり老人への慰問活動や一人住まいの老人に年賀状を出すという運動、あるいは親子はもとより、地域住民まで巻き込んだクリーン作戦、町をきれいにする運動などを展開したわけでございます。その活動は、新聞、テレビ等でも広く紹介をされまして、大変関心を呼び、効果があったと考えております。来年度も心の教育推進活動を一層、経験を踏まえて充実をいたしまして、積極的にやってまいりたいと考えております。 72: ◯知事(鈴木礼治君) 山村の過疎法の期限切れの問題でございますが、まだ幾らか、ちょっと時間がございますけれども、それにいたしましても、過疎法は大いに必要でございますので、過疎地域の振興対策上、延長方を今後働きかけてまいりたいと、かように存じます。  それから、山村地域の活性化の対策といたしましては、もちろん重要課題でございますが、都市部との交流ももちろん図ります。先ほどお答えいたしましたようなもろもろの施策をやってまいりますが、同時に、企業導入による活性化も大きな決め手であろうかと思いますので、この点をこれから十分に取り入れてまいりたい、企業導入を図ってまいりたいと、かように存じております。  それから、リゾート開発でございますけれども、山間地域にとりまして必要でございます。そこで、観光レクリエーション開発、さらには長期的なリゾート整備が山間におきましても、大きな柱になるだろうと確信をいたします。そこで、関係の市町村長、それから関係事業団体の参画を得ながら、もちろん私も加わりまして三河山間地域リゾート観光レクリエーション振興協議会、これをつくりまして、振興策を今後協議してまいりたいと、かように存じます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━ 73: ◯五番(鈴木政二君) 本日はこれをもって散会し、明二月二十七日及び二月二十八日は休会とし、二月二十九日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 74: ◯議長(倉知俊彦君) 鈴木政二君の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 75: ◯議長(倉知俊彦君) 御異議なしと認めます。  明二月二十七日及び二月二十八日は休会とし、二月二十九日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後五時二十一分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...