◆
教育警察委員会委員長(
国枝慎太郎君)
教育警察委員会に審査を付託されました議案五件並びに請願二件の審査の経過及び結果について御報告申し上げます。 まず、議案の概要を申し上げます。 議第九十九号の令和二年度岐阜県
一般会計補正予算のうち
歳出予算補正については、当
委員会所管として総額六億七千五百五十六万八千円の増額となっております。 その主な内容としましては、
県立特別支援学校のスクールバスにおける車内の密を避けることを目的に
乗車人数が定員の二分の一を超えるものについて、それぞれ一台増車して運行する
取り組みを年度末まで継続するため、三億六千三百二十七万六千円を増額するほか、
公立学校が
岐阜関ケ原古戦場記念館などの県内の魅力ある
地域資源に触れ体験する日帰りの
修学旅行を実施する場合に、密を避けることを目的に増車する
借り上げバスの経費等を支援するため、二億九百万円を増額するものなどであります。 また、
債務負担行為補正については、当
委員会所管として
岐阜北高等学校空調設備改修工事など七件であります。 条例その他の議案としましては、
教育委員会において、
県立学校と
特別支援学校の児童・生徒一人一人が、学校内での授業や
新型コロナウイルス感染症等による臨時休業時にも活用できるよう、タブレット型の
パーソナルコンピュータを取得するための議第百二十九号
パーソナルコンピュータの取得についてなど四件であります。 採決の結果、議第九十九号のうち
歳出予算補正中
教育警察委員会関係及び
債務負担行為補正中
教育警察委員会関係並びに議第百二十九号から議第百三十二号までの各案件については、
全会一致をもってそれぞれ原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査の過程において、執行部から各議案の説明を受け、質疑を行いました。その主な内容を申し上げます。
日帰り修学旅行の
実施支援について、その支援の対象となる
訪問施設に関して質疑があり、執行部から、岐阜県の魅力に触れることのできる施設については幅広く対象としていくとの答弁がありました。 また、県警察における
ウェブ会議システムの
環境整備について質疑があり、執行部から、
当該システムは
県警本部の全所属と県下の全警察署に設置するものであるとの答弁がありました。 次に、請願二件に関する審査の結果を申し上げます。 請願第十六号
コロナ禍のもと、
子どもたちの安全と安心、学びと発達を保障する「少
人数学級」の実現を求めますについては、国における財源の裏づけや教員の確保の方策が示されていない状況において、県に対して先行して少
人数学級の実現を求めるのは過大かつ性急であり、また今後の国の動向も注視し、見極める必要があると考えられることなどから、本請願は不採択とすべきとの意見があり、採決の結果、
全会一致をもって不採択とすべきものと決定いたしました。 また、請願第十七号 「学校での
芸術鑑賞会の実施」を求める請願書については、
コロナ環境下の
学校現場で、いまだ感染症の終息が見込めない現状において、いかに
文化芸術活動といえども学校の積極的な
取り組みの推進を図ることは困難であり、時宜を得たものとは言えないことなどから、本請願は不採択とすべきとの意見があり、採決の結果、
全会一致をもって不採択とすべきものと決定いたしました。 以上、
教育警察委員会の審査の経過と結果を御報告申し上げます。
○議長(森正弘君) ただいまから、議第九十九号から議第百一号まで、議第百十六号から議第百二十号まで、議第百二十二号から議第百二十七号まで及び議第百二十九号から議第百三十二号まで並びに請願第十二号、請願第十五号及び請願第十八号を一括して採決いたします。 お諮りいたします。各案件を各
委員長報告のとおり決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(森正弘君) 御異議なしと認めます。よって、各案件は各
委員長報告のとおり決定いたしました。 ただいまから、議第百二十一号、議第百二十八号及び議第百三十三号並びに請願第十三号、請願第十四号、請願第十六号及び請願第十七号について討論を行います。 討論の通告がありますので、発言を許します。十一番
中川裕子君。 〔十一番
中川裕子君登壇〕
◆十一番(
中川裕子君) それでは順次申し上げます。 まず初めに、議第百二十一号
岐阜産業会館の設置及び管理に関する条例を廃止する条例についてです。 施設の老朽化と稼働率低下を理由に岐阜県産業会館を廃止するというものです。 この産業会館は、もともと岐阜市が岐阜県に要望をする形で、産業の発展と文化の向上という目的を持って市と県共同で建設、運営されている施設であります。まだ築五十年であり、耐震化工事を行ってから年月も浅く、おおむね六十五年まで活用するという岐阜県の長寿命化計画における基本的な考え方から見ても矛盾を感じます。また、この岐阜県産業会館は、重量機械や自動車の展示も可能であり、廃止した場合にはほかに代替施設がなく、県外の施設を活用することになるという点も非常に残念です。 この五十年間で社会情勢や産業の在り方は大きく変化しましたし、当然、産業の拠点としてこの産業会館に期待される役割も変化していくものです。しかし、今回の廃止に当たって、この先どうしていくのかという具体的な方向性は見えず、率直に申し上げて、次の五十年に向けての商工政策につながる期待が感じられません。岐阜県の成長雇用戦略では、重要プロジェクトの一つが販路拡大支援プロジェクトであり、販路拡大のビジネスチャンスの提供や大規模展示会など、まさにこの産業会館が担ってきた役割でもあります。 今後、新しい生活様式の中、こうした大規模展示会や商談会がどういった形に進化していくのか、まさに産業の発展と文化の向上のための模索と変化が始まっています。老朽化と稼働率低下を理由にした単なる廃止ではなく、本県の産業をどう守り、変化・発展させていくかといった展望や成長戦略を深めていった上で未来につながる結論が必要だったのではないでしょうか。耐震工事を行い、建物の当面の危険性はないということですので、引き続き岐阜市としっかり議論を深めていただくことを要望し、条例の廃止には反対をいたします。 百三十三号は、この産業会館廃止に伴う運営管理協議会規約の変更ですので、同様の理由で反対です。 続いて議第百二十八号議案、徳山ダム上流域の山林取得については、以前から申し上げているとおり、旧徳山村村民とダム建設の条件になっていた取付け道路建設がほごにされ、この公有地化計画が進められているという経緯から賛成できません。 続いて請願に移ります。 請願第十三号 「
コロナ社会」での必要な
医療提供を継続するための「
地域医療機関等への
機能継続交付金」の創設を求める請願についてです。
医療機関の機能が継続するよう支援をすることは、憲法で保障された生存権に基づき、本来は国で早急に手を打つべきであり、その御意見には異論がありませんが、実際には具体的な支援策は実施されておりません。こうした現状を踏まえて、羽島市では具体的に支援策を創設されており、請願者は県としての支援策を求めておられます。岐阜県は、全国と比較し医師少数県に当たり、県民の命と健康を守るとりでである医師や診療所の偏在は常態化しています。この
医療機関の減収が続くことで閉院を招けば、それだけで地域として成り立たないところも出てくるという非常に厳しい状況があります。 今年度当初予算時、岐阜県は、コロナ対策について国の
取り組みを待つことなく取り組むと基本方針を掲げてきました。この件についても同様の方針で取り組んでいただきたい。本請願は全県民にとって重要であり、採択を求めます。 続いて、請願第十四号
地方たばこ税を活用した
分煙環境整備に関する請願書については、不採択を主張いたします。 WHOでは、公共施設や飲食店をはじめ八種類、公衆の集まる場所での屋内全面禁煙を義務づける条約を二〇〇三年に
全会一致で採択、日本も既に承認をしています。屋外であっても学校や
医療機関、児童福祉施設では敷地内禁煙、公衆が集まる場所は屋内全面禁煙が世界的な流れです。 この本請願は、
分煙環境整備にたばこ税の財源を充てるということを求めておられますが、喫煙専用室を設けても受動喫煙のおそれはなくなりません。この点からも、請願内容はこうした国際的な流れや条約で求められている禁止措置との整合性が取れていない、また、海外からの観光誘客を進める本県の姿勢としてもふさわしいとは思いません。増大する医療費の適正化が進められる中、厚労省の研究によれば、この受動喫煙で肺がん、虚血性心疾患を誘発したことによる超過医療費が、日本では二〇一四年度のデータですが年間三千億円を超えております。死亡者は交通事故死の四倍の年間一万五千人、よって、分煙ではなく、公共スペースでの受動喫煙をなくすことに注力すべきです。たばこ税の増税分は、まずはこうしたたばこの被害に苦しんでいる人たちへの対策や医学的な研究、予防対策などに充てるべきと考えております。 最後に念のため申し上げますが、私は、この請願で書かれている個人の趣向として楽しむ自由については否定をしておりませんが、税金は、国民の生存と健康に資するところに充てるのが基本で、本請願は不採択とさせていただきます。 次に、請願第十六号
コロナ禍のもと、
子どもたちの安全と安心、学びと発達を保障する「少
人数学級」を求める請願です。 今、感染症が引き起こしている問題は多岐にわたりますが、学校においては主に二つの問題に直面しています。一つは感染予防ができる人との距離が保つことができないという点、二つ目は感染の恐怖や非常に強いストレス状態にある子供たちに対し、よりきめ細かいフォローや本人のペースに合わせた対話が必要になっているという点です。少
人数学級というのは、こうした問題に対する有効な解決策の一つであり、全国知事会、校長会、文科省、諮問機関、教育再生実行会議でも少
人数学級を求める発言が相次ぐようになっています。 国における財源の裏づけがない中では難しいというのが採択の理由でしたが、岐阜県では独自に一部で少
人数学級が実施されていますし、それでも全国的に見ると遅れております。岐阜県と同じ財政規模である山形県、新潟県、栃木、群馬などでは、独自に財源を確保し、全学年で実施をされています。国における具体的な財政措置を求めるとともに、県としても積極的に取り組む必要があるということを申し上げ、採択を求めます。 最後です。請願第十七号 「学校での
芸術鑑賞会の実施」を求める請願です。 国連・子どもの権利委員会が四月に発した
新型コロナウイルスが子供に及ぼす重大な影響についての警告の中で、子供の健康を維持しつつ文化的・芸術的活動を継続できるよう、適切な代替措置や解決策を講じるように国連加盟国に求めています。先ほどの
委員長報告では、感染防止の観点から推進していくことができない旨の意見がありましたが、日本においても一時期はコンサート、舞台、どれも
コロナ禍で自粛をせざるを得ず、楽しむ機会が奪われてきました。 しかし、最近では、
ウイルスの特徴が分かりつつあり、徐々に感染防止をしながら文化芸術を楽しむ経験が生まれています。学校における鑑賞会も同様です。子供の数を減らして、その分ステージ数を増やすなど工夫され、そのときに余分にかかる費用は劇団側で負担しながらも、子供たちの芸術鑑賞の機会をなくさないように力を尽くしておられます。 この文化庁の事業は、募集期間が短く、また圧倒的に周知不足という課題がありました。情報をお知らせできた
学校現場では、好意的に受け止められ活用がされていますが、全県的に見ると、まだ幅広い活用には至っておりません。県として周知を進めていく必要があります。そして何よりも、長引く緊張状態と先行き不透明な閉塞感の中で私たちが生き抜いていくためには、文化芸術の力は欠かせません。国会において超党派で成立した文化芸術基本法の精神が生きるよう、県として
コロナ禍での文化芸術の火を消さないための基本方針をつくっていくことは大変重要な提案だと思います。この請願の願意は妥当であり、採択を主張いたします。以上です。
○議長(森正弘君) 以上で、通告による討論は終わりました。 これをもって討論を終結いたします。 ただいまから、議第百二十一号、議第百二十八号及び議第百三十三号並びに請願第十三号、請願第十四号、請願第十六号及び請願第十七号を起立により一括して採決いたします。 お諮りいたします。各案件を各
委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(森正弘君) 起立多数であります。よって、各案件は各
委員長報告のとおり決定いたしました。……………………………………………………………………………………………
○議長(森正弘君) 日程第三を議題といたします。 ただいまから、県議第十二号
新型コロナウイルス感染症のワクチンの
早期開発と
安定確保等を求める意見書について及び県議第十三号 地域の安心を支える
医療機関等の
安定的経営に向けた支援を求める意見書についての各案件に対する提出者の説明を求めます。十七番 広瀬 修君。 〔十七番 広瀬 修君登壇〕
◆十七番(広瀬修君)
厚生環境委員会関係の意見書二つについて、提案者を代表し、意見書発案の趣旨を説明いたします。 まず、県議第十二号
新型コロナウイルス感染症のワクチンの
早期開発と
安定確保等を求める意見書について説明いたします。
新型コロナウイルスのワクチンの開発については、世界中で開発競争が激しさを増す中、国内よりも海外メーカーが先行していると言われております。国は複数の海外メーカーとの間で、ワクチン開発に成功した場合の国内供給について基本合意を結んでおりますが、引き続きほかのメーカーとも協議を進めるなど調達先の多様化を図る必要があります。また、ワクチン開発に成功したとしても世界全体に必要量が行き渡るには数年かかるとの推測もあることから、国際社会とも連携して必要なワクチンの確保に取り組む必要があります。 一方、開発が先行している海外メーカーのワクチンは、核酸ワクチンと呼ばれるこれまでに実用化の実績がない新技術を活用して開発が進められていることから、実用段階でワクチン接種による重い副作用の発生も懸念されています。 よって、ワクチンの
早期開発、
安定確保等に向けて、国内の製薬会社や研究機関、大学が積極果敢に開発に取り組むことができるよう財政支援を行うこと、同時に海外メーカーとも国内供給に向けた協議を引き続き進め、調達先の多様化を図るとともに、国際社会とも連携を図り、安全性、有効性が高いワクチンの研究開発を進め、国民向けに必要十分なワクチンを確保すること、ワクチン接種による副作用の発生も十分考慮し、健康被害の救済制度の創設に向けた検討も並行して進めることを国に求めるものであります。 続きまして、県議第十三号 地域の安心を支える
医療機関等の
安定的経営に向けた支援を求める意見書について、発案趣旨を説明いたします。 今年一月、国内で初の
新型コロナウイルス感染例が確認されて以降、感染者の治療に当たる病院はもちろん、日常的な地域医療等を支える病院、診療所や歯科診療所あるいは
介護事業所等では、地域の安心を支えるため懸命に活動を続けています。 一方で、四月の国の緊急事態宣言以降、
医療機関等への受診控えや利用控えの影響で患者数が大きく減少している
医療機関も見られるほか、介護施設においても、営業自粛や利用控えによる稼働率の低下が見られ、経営に深刻な影響が生じています。 さらには、経営状況の悪化に伴い従事者の処遇や雇用にも影響が及んでおり、このままでは地域の安心を支えるという重要な役割を果たせなくなる可能性があります。 よって、地域医療及び地域の介護システムに支障が生じることのないよう、経済的な支援を含めた
医療機関等への支援の一層の充実、今後の感染拡大に備え患者向けのPCR検査や抗原検査などの
検査体制の充実とともに、治療や介護に当たる医療従事者等向けに必要な
検査体制の確保、過度な受診控えや利用控えによる疾患の重症化等を防ぐために、
医療機関等において国のガイドラインに基づく感染防止対策が実施されていることの周知、医療従事者等へのいわれなき誹謗中傷や差別的対応等への対策の実施について、国に対して求めるものであります。 どうか、議員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げまして意見書発案の趣旨説明といたします。
○議長(森正弘君) お諮りいたします。県議第十二号及び県議第十三号を直ちに一括して採決したいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(森正弘君) 御異議なしと認めます。よって、各案件を直ちに一括して採決することに決定いたしました。 ただいまから、県議第十二号及び県議第十三号を一括して採決いたします。 お諮りいたします。各案件を原案のとおり決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(森正弘君) 御異議なしと認めます。よって、各案件はいずれも原案のとおり可決されました。 ただいまから、県議第十四号 種苗法の改正に関する意見書について及び県議第十五号 豚熱対策に関する意見書についての各案件に対する提出者の説明を求めます。二十六番 加藤大博君。 〔二十六番 加藤大博君登壇〕
◆二十六番(加藤大博君)
農林委員会関係の意見書二つについて、提案者を代表し、意見書発案の趣旨を説明いたします。 まず、県議第十四号 種苗法の改正に関する意見書について説明いたします。 品種登録をした農産物、いわゆる登録品種の不正な国外流出等の防止を図るための必要事項が盛り込まれた種苗法の改正案は、さきの通常国会に提出されていましたが、法案審査は次の国会以降に持ち越されることとなりました。既にブランド農作物の苗木が中国や韓国に不正に流出し、東南アジア向けの輸出品となった事例もあることから、国として新品種を知的財産として適切に保護していくことは必要な措置であり、県が育成した品種の不正流出を防ぐという観点から、本県議会としてもぜひとも実現すべき法改正であると考えます。 法改正による規制強化は登録品種に限定され、農産物の大半を占める一般品種の利用は何らの制限もされませんが、農業者や生産者団体等の十分な理解が進むよう、国は改正法の再提案に向けて十分に周知していく必要があります。 また、法改正が実現すれば、国内の優良品種の海外への不正流出の防止に向けた具体的な対策を充実していくとともに、海外での品種登録を促進していくことが今後重要な課題になってくると思われます。 よって、本意見書は、国に対して改正法の再提案に当たり、農業現場の不安払拭に向けて法改正の内容を十分周知すること、海外での育成者権の侵害となる行為に対して、流通差止めや損害賠償請求等の迅速な行使を実施するための体制を検討すること、登録品種の開発者に対して海外での品種登録を促進することを求めるものであります。 次に、県議第十五号 豚熱対策に関する意見書について、発案趣旨を説明いたします。 昨年十月の豚へのCSFワクチン接種開始以降、県内では幸いなことに農場でのCSFは発生していませんが、CSFのワクチン接種については、家畜伝染病予防法により現行制度下で接種できるのは都道府県の家畜防疫員に限られています。 一方、接種対象となる豚の頭数は、飼養頭数がCSF発生以前の水準に回復した暁には、年間二十万頭程度となるため、今後、ワクチン接種を円滑に進めるためには、民間獣医師による接種を認めるなど、ワクチン接種の担い手を拡大し、持続可能な接種体制を構築することが必要不可欠であります。 また、ASFについては、現時点で国内の発生事例はありませんが、
新型コロナウイルス感染症の水際対策として実施されてきた海外からの入国制限が緩和されてきており、国内侵入の可能性が高まることが懸念されます。 よって、国に対し、CSFに関しては防疫指針の改正により民間獣医師のワクチン接種を可能とすること、接種に要する人件費や資材費等について財政措置の拡充等を行うこと、感染源となる野生イノシシ対策の長期的な方針等を提示するとともに十分な予算措置を行うこと、ASFに関しては、水際対策の徹底と農場施設のバイオセキュリティーレベル向上のための農場施設の改修等への財政措置の拡充等について国に求めるものであります。 どうか、議員各位の御賛同を賜りますようお願いを申し上げまして、意見書発案の趣旨説明といたします。
○議長(森正弘君) お諮りいたします。県議第十五号を直ちに採決したいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(森正弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案を直ちに採決することに決定いたしました。 ただいまから、県議第十五号を採決いたします。 お諮りいたします。本案を原案のとおり決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(森正弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は原案のとおり可決されました。 ただいまから、県議第十四号について討論を行います。 討論の通告がありますので発言を許します。十一番
中川裕子君。 〔十一番
中川裕子君登壇〕
◆十一番(
中川裕子君) ただいま提案されました県議第十四号 種苗法の改正に関する意見書案について、二点申し上げたいと思います。 まず初めに、ここで述べられている優良品種の不正な海外流出を防ぐことというのは、私も重要なことと考えております。本意見書案では、種苗法改正の理由として、まず法改正が実現すれば優良品種の海外流出を防止するとありますが、シャインマスカットのように輸出を想定しておらず、海外で品種登録をしなかったことで海外流出が起きているのが原因であり、農水省が調査した育成者権の侵害事例でも、日本の農家による自家増殖が原因であるという根拠はありません。 優良品種の海外流出を防ぐには、本来はこの意見書で求めている自家増殖の規制では対応できず、この意見書の三項目めにある海外での品種登録を促進していくことが唯一の方法であります。この三項目めのみでしたら賛同できますが、全体として種苗法改正の問題点が指摘されず、法改正を推進するという内容には賛同しかねます。 種子法の廃止により、優良で安価な種子を安定的に供給するという都道府県の農業試験場の法的根拠が失われました。また、農業競争力強化支援法では、公的研究機関や都道府県が有している種苗生産に関する知見を海外企業を含む民間企業に提供することを求めています。種苗法改正は、農業者が収穫作物の一部を種として使う自家増殖については育成者権が及ばない範囲で原則自由とされていた法二十一条を削除し、登録品種の自家増殖を一律禁止するものです。現段階では、登録品種の作付面積割合はまだ一部ではありますが、特にサツマイモやイチゴなど野菜の登録品種への依存度は既に高まっており、新しい品種が次々と登場する中で、当然依存度も上がっていくことになります。また、作付面積の拡大や民間企業の参入が進めば、許諾料の値上がりは避けられません。 こうした一連の流れを見れば、種苗法改正というのは、都道府県や公的機関が担ってきた優良な種子を安価に提供する役割というものを縮小させ、その知見を民間企業に提供し、企業の利益のための品種開発に比重が移りつつあるという点に私は問題があると考えております。意見書案では、こうした種苗法改正の問題を指摘する必要があり、農家への丁寧な説明をしていくということで終始している点に同意できません。 以上の理由で、この意見書案については反対をいたします。
○議長(森正弘君) 以上で、通告による討論は終わりました。 これをもって討論を終結いたします。 ただいまから、県議第十四号を起立により採決いたします。 お諮りいたします。本案を原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(森正弘君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。 ただいまから、県議第十六号 令和二年七月
豪雨災害からの復旧と国土強靱化対策の継続、拡充等に関する意見書についての案件に対する提出者の説明を求めます。二十五番
田中勝士君。 〔二十五番
田中勝士君登壇〕
◆二十五番(
田中勝士君) 県議第十六号 令和二年七月
豪雨災害からの復旧と国土強靱化対策の継続、拡充等に関する意見書について、提案者を代表し、意見書発案の趣旨を御説明いたします。 令和二年七月豪雨では、本県で二度目の大雨特別警報が発表され、中濃から飛騨地方を中心に河川の氾濫や土砂災害が発生し、四百棟を超える家屋が全壊や床上浸水等の被害に遭いました。 飛騨地方の大動脈である国道四十一号やJR高山本線が不通となり、高山市内でも道路が寸断され、平湯地区が一時孤立しました。また、飛騨川と白川の合流地点でバックウオーター現象による浸水被害が発生するなど、道路、河川、鉄道など多方面にわたって大きな被害が生じ、住民の生活基盤と本県の産業基盤を深刻に脅かす事態となりました。 よって、災害に強い地域づくりに向けて、国に対し災害復旧・災害関連予算の十分な確保と補助対象の拡大を図ること、被災箇所の復旧に当たっては、原形復旧を行うだけでなく気候変動への適応を進める適応復興の考え方を踏まえた国土強靱化の
取り組みを強化するとともに、防災・減災・国土強靱化のための三か年緊急対策の後に続く新たな五か年計画を策定し、防災・減災対策に必要な予算を計画的かつ安定的に別枠で確保すること、地方の社会資本整備を着実に推進するため、必要な公共事業予算の総額確保と社会資本整備の遅れている地方に影響が生じないように配慮すること等を求めるものであります。 議員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げまして、意見書発案の趣旨説明といたします。
○議長(森正弘君) お諮りいたします。県議第十六号を直ちに採決したいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(森正弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案を直ちに採決することに決定いたしました。 ただいまから、県議第十六号を採決いたします。 お諮りいたします。本案を原案のとおり決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(森正弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は原案のとおり可決されました。……………………………………………………………………………………………
○議長(森正弘君) これをもって、提出された案件は全て議了いたしました。よって、令和二年第四回岐阜県議会定例会を閉会いたします。 午前十一時六分閉会……………………………………………………………………………………………
△閉会式 〔一同起立〕
△
事務局長(服部敬君) ただいまから閉会式を行います。議長から挨拶をいただきます。 〔議長 森 正弘君登壇〕
○議長(森正弘君) 閉会に当たり、一言御挨拶を申し上げます。 議員各位には、二十二日間にわたる本定例会開会中、提出された議案をはじめ当面する県政の諸課題について、終始熱心に御審議を賜り、ここに全ての案件を議了することができました。議員並びに執行部各位におかれましては、議事運営に格別の御協力をいただきましたことを心から御礼申し上げます。 さて、依然終息が見通せない
新型コロナウイルス感染症については、今後の季節性インフルエンザとの同時流行にも備えた感染防止対策の強化と社会経済活動の両立に全力を挙げて取り組んでいただきますよう、改めてお願い申し上げます。 また、
岐阜関ケ原古戦場記念館が関ケ原の戦いからちょうど四百二十年の節目となる今月二十一日に待望の開館を迎えます。関ケ原の戦いの歴史を伝え、関ケ原古戦場の魅力を発信する当記念館が多くの県民の皆様に愛され、日本全国、世界各国の皆様に楽しんでいただける施設となるとともに、戦国武将観光の新たな拠点として、広域的な周遊観光の一つの核となることを期待申し上げる次第です。 結びに、議員並びに執行部各位におかれましては、今後とも県勢発展のため一層の御協力をお願い申し上げまして、閉会の挨拶といたします。 (拍手)
△
事務局長(服部敬君) 知事から挨拶をいただきます。 〔知事 古田 肇君登壇〕
◎知事(古田肇君) おはようございます。 閉会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。 議員の皆様方におかれましては、提出案件につきまして熱心に御議論を賜り、誠にありがとうございました。皆様方からいただきました御意見、御指摘を十分踏まえまして、今後の県勢の推進に努めてまいります。とりわけ、本日議決いただきました
一般会計補正予算のうち、令和二年七月
豪雨災害に対する復旧関連事業をはじめ喫緊の重要案件につきましては、速やかに執行してまいります。 さらに、
新型コロナウイルス感染症につきましては、今定例会中にも外国人県民に関するクラスターが発生するなど、いまだ予断を許さない状況が継続しております。季節性インフルエンザとの同時流行にも耐え得る十分な検査、医療体制の確保、県民の皆様への感染防止対策の基本の徹底などにより、安心・安全をしっかりと確保した上で県経済・雇用の再生に向け、withコロナ、afterコロナ時代を見据えた様々な支援を展開してまいります。議長からもお触れになられましたように、依然終息が見通せない状況でありますが、引き続き終息を目指して緩みなく取り組んでまいりたいと考えております。 そして、いよいよ今月二十一日に本県武将観光の拠点となる
岐阜関ケ原古戦場記念館がオープンいたします。六年の歳月をかけて多くの方々のお知恵をいただきながら完成に至ったものであり、関ケ原古戦場ならではの魅力を体験できる仕掛けを随所に配置しております。
新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底しつつ、多くの皆様に何度でも訪れて親しんでいただけるよう、企画・運営に万全を期してまいります。 以上、議員各位におかれましても、引き続き御協力を賜りますようお願い申し上げます。 これをもちまして、閉会の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。 (拍手)
△
事務局長(服部敬君) これをもちまして閉会式を終わります。ありがとうございました。…………………………………………………………………………………………… 議長 森 正弘 副議長 小原 尚 七番 所 竜也 十一番
中川裕子 十八番
布俣正也 二十五番
田中勝士 三十二番
水野正敏...