• "議事調査課総括課長補佐"(/)
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  1. 岐阜県議会 1999-02-01
    03月11日-05号


    取得元: 岐阜県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-08
    平成11年  2月 定例会(第1回) △議事日程(第五号)                 平成十一年三月十一日(木)午前十時開議 第一  議第一号から議第八十二号まで及び議第八十四号から議第百号まで 第二  請願第六十二号から請願第六十八号まで 第三  一般質問          ……………………………………………………… △本日の会議に付した事件  一  日程第一 議第一号から議第八十二号まで及び議第八十四号から議第百号まで 一  日程第二 請願第六十二号から請願第六十八号まで 一  日程第三 一般質問          ……………………………………………………… △出席議員            五十人 一番     大西啓勝君 二番     岩花正樹君 三番     野村保夫君 六番     駒田 誠君 七番     足立勝利君 八番     藤墳 守君 九番     酒向憲造君 十番     松岡憲郎君 十一番    西戸正三君 十二番    中尾一明君 十三番    市川尚子君 十四番    不破照子君 十五番    戸部一秋君 十六番    木股米夫君 十七番    原 保治郎君 十八番    早田 純君 十九番    安田謙三君 二十番    尾藤義昭君 二十一番   早川捷也君 二十二番   近松武弘君 二十三番   渡辺儀造君 二十四番   玉田和浩君 二十五番   加藤一夫君 二十六番   伊佐地金嗣君 二十七番   中村 慈君 二十九番   平野恭弘君 三十番    岡田 脩君 三十一番   高井節夫君 三十二番   白橋国弘君 三十四番   岩井豊太郎君 三十五番   渡辺信行君 三十六番   小川 豊君 三十七番   伊藤延秀君 三十八番   山下運平君 三十九番   山田忠雄君 四十番    宮嶋和弘君 四十一番   田口淳二君 四十三番   加藤利徳君 四十四番   殿地 昇君 四十五番   中本貞実君 四十六番   高田藤市君 四十七番   松野幸昭君 四十八番   坂 志郎君 四十九番   新藤秀逸君 五十番    古川利雄君 五十一番   今井田 清君 五十二番   猫田 孝君 五十三番   船戸行雄君 五十四番   木村 建君 五十五番   松永清蔵君          ……………………………………………………… △職務のため出席した事務局職員の職氏名  事務局長          酒向紀輝 事務局次長         坂井 昭 議事調査課長        長屋 勝 議事調査課総括課長補佐   安藤 純   同    課長補佐   久保田善男   同    課長補佐   河村就也   同    課長補佐   富田武司   同    課長補佐   松原義孝   同    課長補佐   市原清司   同    主査     宇津宮清和          ……………………………………………………… △説明のため出席した者の職氏名  知事           梶原 拓君 副知事          森元恒雄君 副知事          桑田宜典君 出納長          藤田幸也君 理事兼知事公室長     奥村和彦君 理事兼総務部長      高橋新蔵君 科学技術振興センター所長 野崎武敏君 総務部次長        宮脇俊次君 企画部長         日置敏明君 民生部長         安藤隆年君 衛生環境部長       本間 泉君 環境局長         川瀬雅信君 商工労働部長       大下政司君 農政部長         森井季雄君 林政部長         清水正巳君 土木部長         小島秀俊君 都市住宅局長       平田佳史君 開発企業局長       船坂勝美君 人事委員会事務局長    原  敏君 代表監査委員       川添正幸君 地方労働委員会事務局長  服部卓郎君 教育長          日比治男君 教育次長         各務 斉君 警察本部長        水田竜二君 警察本部総務室長     青木正行君          ……………………………………………………… △三月十一日午前十時七分開議 ○議長(加藤利徳君) ただいまから本日の会議を開きます。          ……………………………………………………………………… ○議長(加藤利徳君) 日程第一及び日程第二を一括して議題といたします。          ……………………………………………………………………… ○議長(加藤利徳君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。 発言の通告がありますので、順次発言を許します。十番 松岡憲郎君。   〔十番 松岡憲郎君登壇〕(拍手) ◆十番(松岡憲郎君) 皆さん、おはようございます。 三日目の一番バッターで、発言のお許しをいただきましたので、通告書に従いお尋ねをいたします。 最初に、アトピー性皮膚炎を持つ児童・生徒への対応について、三点お尋ねをいたしたいと思います。 現在、社会問題になりつつあるアトピー性皮膚炎を初め、ぜんそくや花粉症など、何らかのアレルギーを持った児童・生徒が年々ふえてきています。文部省の学校保健統計調査によりますと、昭和四十六年度から平成十年度までの十二年間で、小・中学生で二倍、高校生においては三倍となっております。また、アトピー性皮膚炎につきましては、アトピーの子供を持つ母の会という団体の調査によりますと、軽い症状も含めれば、児童・生徒の三割、およそ三人に一人の割合であると発表されております。何らかのアレルギー疾患を持つ児童・生徒はかなりの数に上っていること、そして年々増加傾向にあることが報告されています。そこで、アレルギー疾患の中でも、慢性的に長く続き、かゆみが強く、非常に苦痛を伴うアトピー性皮膚炎を持つ児童・生徒への対応を中心にしてお尋ねしたいと思います。 ここで、まずアトピー性皮膚炎を理解していただくために、簡単に症状を説明しておきたいと思います。アトピー性皮膚炎は、多くは乳幼児期に発症して、皮膚がかさついて、ただれてきます。また、皮膚の表面が極度の乾燥状態となるため、皮膚表面の角質がめくれ上がり、白くひび割れたような状態となります。さらに重症の場合は出血も伴います。場合によっては激しいかゆみで夜も熟睡できない、勉強にも集中できないといった深刻な状況となっております。 昨年の夏、大阪府立羽田野病院に通院するアトピー性皮膚炎の小・中・高校生百六十五名に対して調査が行われました。その結果によりますと、アトピー性皮膚炎が原因で不登校になった、または過去に不登校になった経験があると答えた児童・生徒は、小学生で八%、中学生で二二%、高校生で一七%という結果が出ています。さらに、いじめに遭ったと答えた児童・生徒は、小学生で三八%、中学生で二二%、高校生で一七%であり、また、知らない人から変な目で見られた、差別された経験があると答えた児童・生徒は、全体の二五%と報告されています。そればかりか、心理テストの結果、三五%の生徒に不安傾向があり、自律神経失調症など精神障害の傾向も見られたとあります。このように、小学生、中学生、高校生という大切な人格形成の時期に、みずからの持つアトピー性皮膚炎のために、肉体的かつ精神的に不安定な状態に陥っているのです。 以上のことから、第一点目に、学校ではアトピー性皮膚炎を持つ児童・生徒をどのように把握しておられるかお尋ねいたします。 アトピー性皮膚炎の児童・生徒をお持ちの保護者の方々は、我が子の症状を改善しよう、和らげようと、発症・悪化要因となる食べ物、室内のちり、ダニ、細菌、カビなどを懸命に取り除こうと努力しておられます。毎日が真剣勝負であり、大変な御苦労をされているのであります。我が子が苦しむ姿を見るのはどこの保護者も嫌なものです。私は、このような保護者の気持ちが本当によくわかります。私はこれまでにアトピー性皮膚炎のお子さんを持つ保護者の皆さんや多くの患者さんと接している知人と会い、現状をお聞きしたところ、想像以上に大変な状況であることを確信いたしました。このような状況下で、文部省が目標とする学校教育を通し、知・徳・体の調和のとれた人間形成を実現することができるでしょうか。早急に行政として対策をとらねばならないと考えるものであります。それほど大きな問題になりつつあると感じます。将来ある子供たちの大切な人間形成の場である学校なのですから、アトピー性皮膚炎を持つ子供たちにも当然平等で、かつ楽しく学べる環境づくりを進めていかなければならないと思うのであります。 さて、そこでまず何をすべきなのか。学校保健法では、子供たちの保健管理は校長の指導のもと、保健主事、養護教諭、学校医、学校歯科医、学校薬剤師などを中心に全教職員で行うことになっております。しかし、担任や教科担任の先生がアトピー性皮膚炎の知識に乏しかったため、他県では過去に次のような実例が発生しており、大変憂慮しているところであります。アトピー性皮膚炎の患者にとって、残留塩素の強いプールに入ることは症状の悪化を招くのですが、そのことを知らない教員が水泳の授業を休ませなかったために悪化してしまったということがあります。さらに、アトピー性皮膚炎は動物性の油を多く摂取したり、タケノコやワラビなどヒスタミンを多く含む食べ物を摂取したりするとかゆみが増したり、症状が悪化するのですが、それを知らない教員が、残さず食べるように指導したため症状が悪化したという実例もあるのであります。私は、児童・生徒に最も身近にいる担任及び教科担任の先生方にも最低限の知識を持ってもらうべきであると考えるのであります。これは適切な処置や対応ができるように、先生方を対象としたアレルギー講習を開催したり、現状を把握するためにも、生徒にアンケートを実施することも必要ではないでしょうか。そして、アトピー性皮膚炎の子供を持つ保護者の皆さん方に安心と信頼をいただけるようにすべきではないでしょうか。以上のことから、第二点目として、学校ではアトピー性皮膚炎を持つ児童・生徒に対してどのように対応しているのか、お尋ねしたいと思います。 次に、給食の問題でありますが、さきにも述べましたように、アレルギー疾患を持つ子供は、量を食べることができない食べ物や制限される食べ物があるために、保護者の方々は食事療法に真剣に取り組んでみえます。したがって、症状を悪化させてしまうおそれのある給食の献立のときには、その都度弁当をつくり、子供に持たせる保護者もあると聞いております。これらのことから、そういった児童・生徒の給食を別メニューでつくることはできないものでしょうか。また、どうしても給食で食べることができない児童・生徒に対しては、その給食費を見直せないものかどうか、どのようにされているのか、お尋ねをしたいと思います。以上のことから、三点目として学校給食についてお尋ねします。 アトピー性皮膚炎の現状の把握状況、現在の対応、さらには学校給食、これらの三点について教育長さんにお尋ねしたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。 次に、交通安全対策モデル市の指定についてお伺いします。 昨年の県下の交通事故死亡者は二百四十九名で、一昨年と比較しますと二人の減少となりましたが、昭和六十三年以来十一年連続して二百人を超える厳しい状況であります。死亡事故の発生は地域的に集中する傾向があり、私が住んでおります各務原市におきましては、昨年十八人が犠牲となり、過去五年間の年間平均死亡者数は十三・八人でありますから、いかに多かったかがわかります。死亡事故の特徴としては、高齢者の死亡事故が七人と目立つこと。市道での死亡事故が九件、九人と全体の半数を占め、中でも交差点での出会い頭の衝突が四件、四人の死亡となっておるなどが挙げられます。 交通事故の防止活動は、地域住民と行政が一体となって各種の交通安全対策と活動を進めているわけでありますが、対策の進め方がわからなかったり、運動の限界、マンネリ化などもあって、なかなか成果が上がらないところもあると聞いております。 こうしたことから、警察本部では二年前から、交通死亡事故が多発している市町村の中から交通安全対策モデル市町村を選定し、関係機関・団体の協力のもと、集中的・総合的な交通安全対策を実施して、大きな成果を上げておられることを伺っており、実に的を得た対策であると思っております。 平成十年のモデル市であります美濃加茂市では、この推進母体として、市長さんを長とし、交通安全推進協議会を設置して、年間推進計画を策定、市の補正予算などにより、高齢者に対する参加・体験・実践型交通教室の開催、交通安全施設の整備など、市民ぐるみの総合的な交通安全対策を推進されたと聞いております。特に四月から五月にかけて市内で交通死亡事故が多発した際には、市長名による交通死亡事故急増警報を発令して、広報啓発や街頭活動などの緊急対策を推進し、その後六カ月間にわたり死亡事故がゼロという成果があらわれたということを聞いております。美濃加茂市ではこれをさらに発展、定着させようと、来年度も継続指定を希望されていると伺っております。 このたび各務原市が県警本部長から来年度の交通安全対策モデル市の指定を受けたのですが、市では現在、交通死亡事故抑止に向けた年間推進計画や総合的な交通安全対策を検討中であることを聞いております。交通事故、中でも死亡事故を一件でも減らすことは市民共通の願いでありまして、モデル市の指定は各務原市にとってまたとない機会であり、交通安全対策を推進する追い風でもあります。こうしたことを踏まえて、今回の交通安全対策モデル市指定の趣旨、活動の進め方、さらには過去のモデル市の活動状況につきまして、警察本部長さんにお尋ねいたします。ありがとうございました。   (拍手) ○議長(加藤利徳君) 教育長 日比治男君。   〔教育長 日比治男君登壇〕 ◎教育長(日比治男君) アトピー性皮膚炎を持つ児童・生徒への対応についてお答えいたします。 アトピー性皮膚炎は、身体的、精神的、知的発達に重要な乳幼児期から学校教育の時期を中心に見られます。また、この皮膚炎のために、いじめ・不登校などの問題につながることもあると憂慮いたしております。このため、多くの時間を過ごす学校の中で安心して生活できるよう、学年初めに行う保健調査、学校医による健康診断、あるいは保護者等からの申し出により、アトピー性皮膚炎の児童・生徒を把握いたしております。各学校においては、児童・生徒が症状を悪化させないよう保護者や学校医と連携を図るとともに、職員会議等で全教職員の共通理解を図り、指導に当たるようにしております。 さらに、県教育委員会といたしましては、日本学校保健会から近いうちに各学校に配布されます「アトピー性皮膚炎Q&A」を活用し、一層の啓発に努めてまいります。 なお、アトピー性皮膚炎などで食べることが制限されている児童・生徒につきましては、別メニューでなく、保護者が持たせる弁当で対応している場合があります。そのときの給食費は、学校ごとに調理する方式、共同で調理する方式により多少違いがありますが、徴収していないと聞いております。 今後ともアトピー性皮膚炎を持つ児童・生徒に対しましては、保護者、学校医等と連携を図りつつ、学校全体で対応するよう指導してまいります。 ○議長(加藤利徳君) 警察本部長 水田竜二君。   〔警察本部長 水田竜二君登壇〕 ◎警察本部長(水田竜二君) 交通安全対策モデル市町村の指定につきましては、年間の交通死亡事故が多い市町村の中から選定し、市町村、警察、道路管理者を初め、関係する機関・団体が協力して総合的な交通安全対策を推進するものであります。活動の内容といたしましては、増加が著しい高齢者の事故防止対策シートベルト着用の徹底、さらに事故を分析・検討した上での道路改良や交通安全施設の整備などを集中的に実施して、地域の皆さんの交通安全意識を飛躍的に高めようとするものであります。 平成九年度に指定された瑞浪市では、推進会議を設置して、道路及び交通安全施設の改良、市民大会の開催、街頭指導の強化などの対策を推進された結果、交通死亡者が八人から四人に半減し、負傷者も減少するなどの大きな成果がありました。平成十年度指定の美濃加茂市では、市交通安全対策協議会を中心に、御指摘のような対策が進められた結果、六カ月にわたって交通死亡事故がストップするなどの成果がありました。 そこで、このたび各務原市を県下第三番目の交通安全対策モデル市として指定させていただいたところであります。市におかれましては、快くこれをお受けいただき、既に当初予算でも活動上の手当てをされると聞いております。警察といたしましては、地元の各務原警察署はもとより、交通安全施設の整備、その他の諸活動においても重点的な支援をしたいと考えております。なお、過日は岐阜国道工事事務所等、関係する機関・団体に対しましても協力依頼の文書を送らせていただきました。 ○議長(加藤利徳君) 一番 大西啓勝君。   〔一番 大西啓勝君登壇〕(拍手) ◆一番(大西啓勝君) それでは、日本共産党を代表いたしまして質問を行います。 まず初めに、一九九九年度の岐阜県予算についてであります。 大変な歳入不足でありながら、相も変わらず大型公共事業を優先して進めようというのがこの予算の特徴であります。世界民俗文化センター建設費五十三億三千九百万円、国際陶磁器テーマパーク整備費三十六億四千五百万円、総事業費が百億円とも百五十億円とも想定される世界淡水魚園整備費六千三百十一万円、百億円近い施設を県がつくって民間企業に運営を任せるJR岐阜駅高架下開発事業費一億二千八百万円、そして調査費の段階ですが、十メーター一億、総事業費百億円と報道されたJR岐阜駅から柳ヶ瀬までの動く歩道構想と続きます。そして、国などのビッグプロジェクト、徳山ダム、中部国際空港、万国博覧会などの負担金が県にも課せられてまいります。しかも、総事業費が二十五兆円とも言われ、壮大なむだ遣いとされ、自然破壊も必至の首都機能移転PR費にも平成十一年度四千七百九十五万円の予算が計上され、平成七年以降、約五億円の予算が使われることになります。こうした大型公共事業の思い切った見直し、中止が求められています。 さて、こうした大型公共事業は多額の県債発行を伴い、平成十一年度でその発行残高は約一兆円となり、県民一人当たりの借金は四十七万円、四人家族で約二百万円となります。そして、平成十五年度には借金の公債費負担は一千億円となり、県債発行残高も一兆二千億円に達する見込みと県当局は見ているようです。知事が就任して以来、ふれあい会館、未来会館、ソフトピアジャパン、VRテクノセンターと箱物行政が続き、これからも前述したような大型公共事業が際限なく続きます。この結果、見通しのない財政状態をもたらした大型公共事業優先の知事の基本方針は、今その責任を問われなければならないと考えています。全国の例を見ても、東京、大阪など開発型の行政を中心にしてきた自治体の行き着くところは皆同じであります。この際、大型公共事業の思い切った見直し、中止をしなければ多様な県民の要求にこたえることはできません。また、財政再建もできません。知事の答弁を求めるものであります。 さて、財源が縮小した中でも、開発型の大型公共事業を追求するため、知事は世界淡水魚園やJR岐阜駅高架下事業で第三セクター方式公設民営方式を取り入れ、民間資本に協力を求めています。しかし、こうした方式は、既に東京の副都心開発や大阪のりんくうタウン開発、近くは美濃加茂市のシティホテルなど、全国至るところで破綻し、自治体に未曾有の借金を押しつけています。岐阜県で今またなぜこうしたやり方をとるのか、理解に苦しむところであります。知事に質問をいたします。 さて、こうした開発型の大型公共事業は大手の建設土木業者を潤すかもしれませんが、不況対策として効果を上げていないというのが私たちの主張であります。しかも、多くの借金を県民に残します。私どもは開発型大型公共事業を思い切って見直し、中止して、県民の要望の強い福祉、衛生環境や教育に思い切った財政的重点を移した国民生活密着型の公共投資へと転換すべきだと主張しています。そして、こうしたやり方はそのまま的確な不況対策につながり、財政再建にも連動いたします。知事の答弁を求めるものであります。 次に、こうした開発型大型公共事業に力を入れる余り、本来の地方自治体がやらなければならない仕事で大きく立ちおくれていること、その例を二つ挙げて質問といたします。 その一つは、特別養護老人ホームの整備であります。政府・総務庁の資料によっても、そのベッド数は全国最下位の状況であります。知事は、特養に入れず待機している老人の数は中部地方で最も少ないと答弁で繰り返していますが、それは全く実態に合わない数字に基づく答弁であります。その答弁の数字の根拠は、特養入所の判定委員会で認定された老人の数であります。岐阜県全体では昨年十月一日現在で五百八十五人です。ところが、まだ入所判定委員会にもかからずに窓口申請をして入所を待っている人が、県下ではその上に七百五十一人もおられるのです。したがって、正確には県下の待機者は一千三百三十六人、これは県当局の発表であります。私どもはそれ以上おられるだろうと思っております。ですから、岐阜市においては、県の統計でいうと、待機者はたったの四十七人ですが、窓口申請者は他に三百八十一人おられたわけでありまして、ちなみに二月末日現在の現時点では五百二十二人の待機者であります。ですから、入所申し込みをしても一年以上待たなければならないというのが普通のことであります。とても中部地方一位と言っておられる状況ではないのです。県はなぜ実態に合った待機者数の把握に努めないのか。実態をきちんと知事に報告しているのか。それとも知事は、それを承知の上で実態に合わない数字をもとに答弁しているのか、まず最初に民生部長にお尋ねをいたします。 第二は、入所判定委員会で認定された老人数を市町村別に発表してほしいと言っても、なかなか発表しません。私には二日前ようやく資料提出をいたしましたが、請求した県民には提出していません。実態に合わないから発表を恐れておられるのではありませんか。民生部長に同じく質問をいたします。 次に、介護保険制度発足まであと一年であるのに、特養定数が長い間全国最下位という現状、そして多数の待機者がいるという現実を直視して、特養を思い切って増設しなければなりません。そのとき、定数二十人でも十人でもよい、生まれ育った身近なところで、中小規模の特養やデイサービス施設などを建設すべきであります。幸い、来年度から厚生省もようやく中小規模の施設にも補助金を認めるというふうに聞いています。民生部長にお尋ねをいたします。 この項目の最後に、介護保険制度が発足したとき、従来からの福祉サービスが低下させられたり、特養に入所している老人が逆に追い出されることのないよう万全の配慮をしてもらいたいと思います。民生部長の答弁を求めます。 さて、緊急課題のもう一つの問題は学校施設の改修であります。私ども日本共産党は、全国で今学校施設の調査活動をやっています。それは、子供たちが学ぶ場が危険であり、また、社会通念からいっても随分ひどい状況が放置されているからであります。県立高校でも雨漏りがする、便所が少なく行列ができる、実習で汗まみれになっても汗を流すシャワー室もなく、そのまま下校するので、電車の中で臭い臭いと言われる、こういう現状をまさに一刻も早く改善すべきであります。予算配分をすべきであります。また、平成七年の阪神大震災後、県でも耐震調査が全面的に行われました。その結果、県立高校、養護学校の校舎三百八棟のうち七割に及ぶ二百二十三棟が危険度C、D、Eランクで、改築や補強対策を必要とするものでした。ところが、この改築補強対策の予算は今年度も来年度も、改築それぞれ二校、補強各二校にすぎません。これでは終了までに数十年かかり、子供たちは極めて危険な学校に通わなければなりません。思い切った予算の増額を図るべきであります。教育長の答弁を求めます。 特養建設と学校施設の改修について、そのおくれを今申し上げました。これは本来、地方自治体が重点的に取り組まなければならない任務であります。今この任務をきちっと果たしていただきたいと強く求めるものであります。私ども日本共産党地方議員団は、昨年八月二十四日に来年度予算に向けた要求交渉を行いました。その中で、実現したものも多くありますけれども、県民の要求がなお強いにもかかわらず、取り上げられていないものも数多くあります。 そこで、次に質問をいたします。まず、乳幼児医療費の無料化を小学校入学まで引き上げてほしいということであります。市町村単位では、今では三歳未満児までは、平均的なところにまでこの制度は来ています。民生部長にお尋ねをするものです。 次に、衛生環境部長に二点質問します。第一は、乳児健診の国の補助金が二年間でなくなります。県が当面肩がわり補助をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。二つ目は、健康管理院の廃止であります。従来、この面での議会答弁は健康管理院の移転でありました。こうした突然の一方的な廃止決定は、議会軽視であります。また、本来、最重要施策としている健康分野でこうも簡単に切り捨てる姿勢も全く理解できません。私どもは、存続を主張するものであります。 続けて、教育問題につき三点、教育長に質問します。第一は、三十人学級の早急な実現です。県単独実施も視野に入れるべきであります。第二は、私学助成についてであります。本年度より、授業料補助について所得による傾斜配分方式をとりました。当初三〇%の生徒受給を教育委員会は試算していましたが、余りにも所得を低く抑えたため受給者は一〇%となり、公私間格差が逆に広まり、予算の二四%が執行されずに終わりそうであります。この責任をどう感じておられるのか教育長に伺うものであります。来年度、県立高校の授業料値上げが今議会に提案されています。全日制及び専攻科が一人年間三千六百円、定時制千二百円の値上げ案で、合計、年間七千万円の増収となります。不況の影響も大きく、大変な中、この値上げは見送るべきだと考えます。教育長に答弁を求めます。 次に、商工労働部長に二点質問をいたします。第一は、地場産業育成に本格的に取り組むため、市町村と協力して地場産業の実態調査を本格的にやるべきであります。第二は、県の融資制度における貸付期間が他県に比べ短過ぎます。期間延長を要求するものであります。 最後に、財源問題について幾つか提言します。 第一は、消費税についてです。地方消費税が地方自治体の重要財源だから減税できないという議論があります。私どもは、三%への減税案でも地方消費税をとりあえず残すよう主張しています。しかし大切なことは、消費税減税によって消費不況を打開し、県税収入を高めることであります。知事の見解を求めます。 次に、思い切った開発型大型公共事業の見直しや、中止をして財源を確保することが基本でありますが、次の点も重要と考え、土木部長と総務部長に質問します。 第一は、電柱の道路占用料の引き上げであります。もう一つは、政府資金や縁故債を高い利息から低い利息のものに借りかえる交渉を始めるべきであります。 続いて、徳山ダムについて質問をいたします。 私どもは、治水面でも、ダム方式でなくとも、総合的な治山・治水対策でもって可能だと考えていますけれども、本日は利水面に限って二点質問します。 第一は、昭和四十六年、旧村民と建設省の間で取り交わした実施計画調査申し入れ書に関する確認書に書かれている、「みだりに強制収用をするものではない」という取り決めがありますが、今回の強制収用決定はこの取り決めの信義に反するものではありませんか。公団は「みだりに」ということは「絶対」ということではないと言っていますが、立会人であった岐阜県としてはどう考えているのか、お尋ねをします。 第二は、水需要の見通しについて、最近大垣地方の地下水沈下調査をあたふたと県は始めていますが、条例によって豊富な地下水の使用をやめさせ、徳山ダムの水を強制的に住民や企業に買わせるための準備調査ではないのですか。以上、開発企業局長に質問をするものであります。 次に、県庁の組織・機構の再編成について質問をいたします。 現行の八部一室一局の体制から、六部十二局に編成をし直そうとするものであります。市町村や県民から親しまれるとともに、中央の下請でなく、県民本位の組織体制でなければなりません。 そこで、三点、知事に質問します。 第一は、基盤整備部についてであります。前の議会でも質問をいたしましたが、この部は現在の土木部に加え、都市住宅局、農政部、林政部の土木にかかわりの深い分野が一つになったものです。三つの局から成り、県予算の七割以上を占める巨大な部であります。利権ともかかわりの深い分野でもあります。 さて、今日の農政は、カロリー計算で自給率が四一%に減少するなど、二十一世紀を大きな矛盾の中で迎えようとしています。何よりも農家の育成が急務であり、価格補償、所得補償などを中心にして食糧の自給率を高めていかなくてはなりません。ヨーロッパやアメリカを見ても、発達した資本主義国でこれほど食糧自給率の低い国は他に例を見ません。まさに自民党農政の破綻であります。この原因は、農政の分野でも公共事業が大きなウエートを占め、予算の六割が投入されているからであります。ところが、今回の組織再編は、こうした農政と、林業でも林道整備の部分を土木と一緒にするという案でありますけれども、ますますこの弊害が助長されるのではないかと懸念されます。知事に質問するものです。 次に、環境保全に対する位置づけについて質問をいたします。 最近、県を初めとした公共工事における希少動植物とのかかわりがあちこちで問題になっています。多治見市における国際陶磁器テーマパーク建設工事で、絶滅危惧種のシデコブシの一部が伐採あるいは移植されると報道されています。また、御嵩町や土岐学園都市計画地域、そして徳山ダム建設予定地、高山市の世界民俗文化センター建設予定地などでオオタカが飛来、営巣地が見つかっています。私は、一月二十日、県が建設している岐阜市環状自動車道の達目洞の工事現場を市民団体の方々と見学をいたしました。現場にある絶滅危惧種のヒメコウホネという水草、川の中で春になるときれいな花を咲かせるものでありますけれども、このヒメコウホネが道路建設の汚水が川に流れ込んで危険な状態にあるとの通報を受けたからであります。このヒメコウホネはきれいな水が流れている湿地帯にしか育たないものでありますけれども、あらかじめ注意されていながら、水中ポンプが故障して工事現場の濁った水が地下水を通して川へ噴き出していました。素人の私が見ても大変安易な工法で汚水処理作業をやっていて、環境に敏感な希少植物を絶対守るという構えは私に伝わってまいりませんでした。果たして春に花を咲かせるのかどうか大変心配であります。しかも、この工事現場は希少蛍もいて、昨年九月議会の野村議員に対する答弁で土木部長は、「ヒメコウホネも自生していて、自然環境の保全を図るべき貴重な地域」と答弁していました。もしコンクリートのまじった汚濁水がこの逆川に流れ込んでいたらヒメコウホネは死滅していたでしょう。 そこで、まず知事に質問します。環境局に、今回、自然環境森林課を入れて充実しておられますが、私は環境を守るための独自の監視部局を持ち、県の他の部局の仕事でも、環境が守られているかどうか立ち入って指導できるようにすべきだと思いますが、いかがでしょう。 次に、達目洞における工事現場の問題は土木部長にお尋ねをします。 さて、昨年組織再編を行った三重県では、自民党の議員が県議会で県の組織改革は本当にうまくいっているのかと質問しました。また、職員組合が昨年八月職員へアンケート調査をしたら、再編を評価する人一七・七%、評価しない人五二・七%でありました。公務員はトップがやることにはなかなか物が言えないと言われます。私は岐阜県においても職場の中での論議が不十分だと思っていますが、知事の見解を伺うものであります。 続いて、第十八号議案 岐阜県職員の給与や勤務時間などを変更しようとする条例改正について質問します。 今回、岐阜県は県職員の給与が、現在では昇給延伸年齢五十八歳、昇給停止六十歳となっているのを、五十七歳になると昇給をストップしてしまおうという案を出してきました。長く続く不況の中で、県民の中には公務員の給与は安定していてよいという意見があるということも事実であります。しかし、今日のように、労働者の春闘が混迷しているとき、公務員の給与が他の職場で働く人々の給与等の大きな目安になっていることも事実であります。公務員の生活が決して楽でなく、年々厳しさを増しているということは御存じのとおりであります。今回のように公務員まで定年退職前に昇給をストップしてしまうと、他の産業労働者や中小企業に働く人々にまでどんどん波及していかないかと心配であります。そうでなくても消費不況のとき、また一つ暗い材料をつくったことになります。今回国からの強い指導があり、各県でも検討されてきましたが、他県では職員組合と話し合っておられるところもたくさんあり、結論が出たのはまだ少ないとのことであります。慎重な対応が必要ではないのでしょうか。総務部長にお伺いします。 ところで、知事など特別職の給与について削減することは考えておられないのか、知事にお伺いをするものであります。 今回、産業廃棄物の規制を条例化した議案が出されています。続いて、議案第二十五号について質問します。 美濃市曽代や土岐市曽木、鶴里などの不法投棄、野焼き、不法埋め立てなどが相次いで起こり、業者の無法ぶりが社会の批判を受けました。と同時に、法律に基づく県の行政指導についても、法の不備のため限界はあるものの、現行法でやれることもやっていないのではないかという指摘がこの議会でも出されてまいりました。確かに現行法では、製造業者、排出業者の責任追及は極めて弱くなっています。この点は私ども、法律改定時に強く主張いたしましたが、入れられませんでした。今後とも政府に強く要求しなければなりません。ですから、今回条例において排出業者の責任に触れ、罰則も設けられたことは一定の前進面であります。しかし、現行法でやれることは毅然としてやってもらわなければなりません。土岐市の場合でも、無届けで採石し、産廃を不法埋め立てしていたわけですが、現行法でも指導できることであります。この点が明確に総括されていないと、条例ができても不法投棄が未然に防止できるだろうかという疑問が出てまいります。環境局長にまず質問をいたします。 二つ目は、建築廃棄物の処理にしても、元請のゼネコンなどが正規の処理費用を処理業者に渡していないため、処理価格の安い不法投棄に走ってしまうと言われます。したがって、排出業者の責任が元請にまで及ぶのかどうか。こうした場合、罰則適用は不法処理しかできないような不当に安い価格を押しつけていた元請にまで及ぶのかどうか、環境局長にお尋ねをするものであります。 次いで、土地所有者の責任であります。土岐市の場合も、不法投棄された山林所有者は細分化されていたり、遠隔地の所有者だったりしました。林業が営業として成り立たない今日、山の管理は現実にはなかなか難しいものがあると思います。どのように土地所有者の責任を問うつもりなのか、同じく環境局長にお尋ねします。 さて、過日、新聞で知事は、「廃棄物の法律だけとらえ、すべて県の責任と言われては困る。そうなると保健所の職員を何百倍に増員しても間に合わない。だからこそ住民、市町村が、おかしいと思ったら通報してほしい」あるいは「そこに条例の趣旨がある」、こう言っておられます。しかし、美濃市の場合も土岐市の場合も、住民の自衛態勢はすぐつくられ、県・市への申し入れもやられています。搬入する業者や処理業者は、いろんなルートを使って、あっという間に産廃を搬入してしまうのです。通報がなかったわけではありません。問題は、初期における何としても不法投棄や野焼きは許さないという毅然とした対応が大切であります。もちろん住民の意識も大切ですが、今までも役所にお任せということではありません。行政側のこの基本的な姿勢がないと新しい条例も絵にかいたもちになりかねません。知事の見解を求めるものであります。 続きまして、情報公開について質問をいたします。 三月三日に全国市民オンブズマン連絡会議が情報公開度ランキングを発表しました。岐阜県は三十四位で、前回の三十八位より少々順位を上げましたが、情報公開の重要性から見ても、まだまだ改善してもらわなくてはなりません。重要なことは、条例は各県ともそう変わらないのに、その運用の差によって透明性が変わってくるということであります。すなわち知事や首長の姿勢の違いから来るものが大きいわけであります。そこで、以下、知事及び総務部長に質問します。 第一は、今回の情報公開ランキング結果をどう見ておられるのか。 第二は、改善する余地として、まず最初に上げられるのが知事交際費です。相手方について一切公開されていませんが、公開すべきであります。 第三は、食糧費の公開は大分進んできましたが、依然相手方が民間人だったときは公開していません。改善すべきであります。 第四は、全国で公開を求める声が高まってきますと、自治体の中には公開すべき文書から極力情報量を少なくしたり、故意に文書をつくらなかったりするところまであらわれてきています。岐阜県でも、平成七年度から、阪神大震災の教訓から学校や県有施設への耐震調査を行いました。ところが、その結果は公開されていません。耐震調査結果を非公開とする理由は現条例でも定められていないはずであります。もう一つは、特別養護老人ホームの待機老人数についてであります。伊奈波福祉事務所管内の市町村別の待機者数を求めましたが、議員に対し議会用資料として出しても、一般には公開されていません。わかっていても文書にしない。これは、やはり行政にとって、都合の悪いことはふたをするというやり方であります。この点につき情報公開のあり方が問われますが、総務部長に質問をするものであります。 最後に、外郭団体の、岐阜県では中間機構と言っていますけれども、この情報公開についてであります。 補助金の交付団体との不明朗なうわさはよく耳にするところであります。そこで、補助金を交付している団体の情報公開を義務づけようとする動きが急ピッチで広がっています。こうした声にこたえて、岐阜県でもこの中間機構の情報公開をどう考えておられるのか、知事にお伺いをするものであります。 続きまして、戦争法案、ガイドライン法案に関連して質問をいたします。 今、国会で審議されています日米ガイドライン関連法案、私たちはこれを戦争法案と呼んでいますけれども、国会では周辺事態や後方支援が大変問題になっていますが、論戦を通じて、周辺が朝鮮半島や中国あるいは中国の一部である台湾を含むということや、後方支援も戦争の一部であり、国際法上からいって相手側の攻撃対象になるということなどが国会論戦の中で浮かび上がってまいりました。一方、アメリカは世界のあちこちで一方的な武力行使を行い、国連憲章さえ犯してきました。そのアメリカが戦争するところへ自動的に日本が参戦させられたり、公務員や民間人が動員させられることは何としても食いとめなければなりません。そこで、知事に二点質問します。 第一は、最近、自民党が地方自治体を協力させるため要請マニュアルを作成したとのことであります。また、全国基地協議会が開かれ、政府が担当者を集めて説明をしたそうであります。こうした行為は、自治体の戦争への協力を拒否しにくくさせるためだと言われています。知事の見解を求めます。 第二は、自衛隊の各務原市にある岐阜基地は日米共同使用基地となっています。したがって、緊急時に米軍機が飛来するかもわかりません。そのとき、日本の国是である非核三原則を守らせなければなりません。非核証明を何らかの方法で取りつける必要があると思いますが、いかがでしょうか。 第三点は、岐阜県上空における国内法無視の米軍機による低空飛行問題であります。自治体の主権を侵すものとして調査を行い、米軍へ抗議をすべきであります。 最後に、東海環状自動車道西回りルートについて、一点質問します。 今回、私はいろんな公共工事についての問題の中での環境問題について質問をしてまいりました。すなわち御望山のトンネル予定ルートの東側坑口に近い池の中で絶滅危惧種であるヒメコウホネが発見されています。この池には水脈が地下にあるのでしょう。いつもきれいな水が保たれています。こうした微妙な条件があるからこそ、このヒメコウホネは自生しているわけであります。ところが、付近で工事が始まると、この水脈に影響を与えるのは目に見えています。絶滅の危機にあるとされるスイレン科の植物ヒメコウホネは、環境庁自然局の中でもまさに全国二十府県で生息が確認されていて、県内では岐阜市と高山市だけだと言われています。レッドデータブックの岐阜県のページにある絶滅危惧植物四十四種の一つであります。移植は自生地植物の特性を失わすと言われています。御望山を通る現在のルートは、こうした面からも適していないと言えるでしょう。土木部長に質問をするものであります。 以上で第一回目の質問を終わります。 ○議長(加藤利徳君) 知事 梶原 拓君。   〔知事 梶原 拓君登壇〕 ◎知事(梶原拓君) まず、平成十一年度当初予算に関連するお尋ねにお答えしたいと思いますが、従来型の公共事業は景気対策として効果があるのかというお話でございますが、もちろん経済波及効果等、既に機会あるごとに申し上げているとおり、大きな効果がございまして、それが本県の景気の下支えをしているということでございます。そして、なぜこうした事業をやらなきゃいけないかということでございますが、ゼネコンさんのためにやっているという立場の御意見だろうと思いますけれども、例えば御指摘のございました多治見市の国際陶磁器テーマパーク一つとりましても、今や国際的にも有名になりました三年ごとの国際陶磁器フェスティバル、その応募作品の評価あるいは展示ということをする適当な場所がない。やむを得ず体育館のようなところでやっているという現状でございまして、県下各ブロックともそういう悩みがございます。一方、多治見市あるいは土岐市等における美濃焼の産業、大変苦戦を強いられておりまして、景気の問題もございますし、いろいろございますけれども、一つは美濃焼というブランドが内外に定着していないという苦しみがございます。そういうようなことを考えまして、いろんなイベント・コンベンション、メッセができる拠点、そして、同時に美濃焼を内外に成果を高らしめることができる場所、これは夢おこしの中でも地元からも大変御要望の強いことでございまして、そういう御要請にこたえて進めている事業でございます。世界民俗文化センターも同様でございますが、あれだけの観光地でありながら、大型のコンベンション、イベント、メッセをする場所がないという悩みがございます。そういうことがこのたびの世界民俗文化センターの完成によって解消されるということで、地元の方々は大変喜んでおられる。同時に、飛騨の特徴である民俗文化というものを世界的にもPRしていくと、こういういろんな複合的な目的を持った拠点施設でございまして、いたずらに貴重な金を使っておると、そういうばかな話ではないということでございます。 それから、福祉とか教育とかいうお話が出ましたが、こうした事業は景気対策で左右されるものではないという本来的な性格を持っておりまして、特別養護老人ホームのお話も出ましたけれども、景気対策のためにどんどん建物をつくればいいかと、こういうことじゃないわけでございまして、そこが道路なんかと違うところでございまして、福祉施設をつくるためには、一体だれがそれを運営するか、そういうことから始まって、しかるべき態勢が整わなければ、建物だけつくっても意味がないわけです。これは景気対策とは別に、計画的・組織的に着実に進めていくプロジェクトであるというふうに私は考えておりまして、それじゃあ景気がよくなればそういう福祉施設の建設は要らないのかということにもなるわけでございまして、その点の御理解をいただきたいと、かように思っております。 それから、同じく予算に関連いたしまして、財源の将来見通しはどうかと。県の起債に頼り過ぎではないかというお話でございますが、これも機会あるごとに申し上げておりますが、県の起債、借金というものは決してマイナスのイメージのものではないわけでございまして、一つには、世代間の負担の公平を図るという積極的・前向きの意味があるわけでございまして、今つくった道路が何十年、何百年後にも継続して使われるわけでございまして、したがって、後世使う人がしかるべき負担をするということは、いわゆる負担の公平の思想からいたしまして当然のことであるということでございます。 それからもう一つは、今、いわゆるキャッシュだけで、税収だけで仕事をやっていこうと。目先の金だけで仕事をやっていくということになりますと、大幅に福祉も教育も経費を切り落とさなきゃいけないということに当然なるわけでございまして、今申し上げましたように、後世の人々が継続的に使って、そういう方々が負担をする、一部を分担するということの方が公平であるというような性格の事業については適正な起債をいたしまして、その浮いた分を福祉とか教育に充てないと、予算というものが成り立たないわけでございまして、その点も、常識ではございますけれども、十分御理解を賜りたいというふうに思います。 県におきましては、そういうような観点から起債をやっておりますが、何でも起債はいいというわけではございません。その内容だとか量が問題になるわけでございまして、その内容につきましては、地域総合整備事業債とか、そういう後年度に元利償還金につき交付税の措置がある、国から金が来るもの、これを最大限活用いたしておりまして、今、十一年度末の県債の残高見込みが九千八百四十七億円、これは議員が御指摘のとおりでございますが、その中で、県が実質返さなきゃいけないのは四千二百億円、約四三%でございまして、実質の借金で義務を負うのが四千二百億円と、半分程度だと。このこともよく御理解をしておいていただきたいというふうに思います。 元利償還金が国から金が来ると。同じことじゃないかとおっしゃる方もおられますけれども、岐阜県の県民の皆さんが一生懸命働いて、経済活動で利益を生み出している。それに見合う税収というものがかなりの部分、国の方に、企業の本店・本社が東京にあるもんだから東京に吸い上げられている。それを地方にまた還元するということですが、岐阜県としては、当然県民の皆さんが一生懸命働いたお金を、今申し上げましたような起債の元利償還金の補てんというもので返してもらうということは当然のことでございまして、そういう制度をフルに私どもが活用すべきだと、かように考えております。 それから、元利償還金もやはり予算の中で自己負担がございますので、解消していかなきゃいけない。岐阜県は、その借金の返済額が予算の額に占める割合が六・三%で、全国都道府県の中で、低い方から二番目という非常に低い方でございます。これは低いほどいいわけでございまして、一五%が警戒ラインと言われておりますが、まだその半分以下でございまして、そういうことを念頭に置きながら起債をやっていくということでございますが、今後なるべく借金に依存しないためには、自主財源を強化しなきゃいけない。それには、金のなる木はないわけでございまして、どこかから生み出す。それは産業・経済から生み出すしかないわけでして、岐阜県の産業・経済の力を強化する。そして、そこから税金をいただいて、福祉とか教育に回していくと。なるべく借金を少なくすると、そういうほかないわけでございまして、県の財政の投資も、産業・経済を強化する。さっき申し上げましたように、拠点的な施設を整備するとか、そういうことを積極的にやらなければ、どんどん貧乏になっていくしかないわけです。その点も、常識でございますけれども、十分御理解をいただきたいというふうに思います。 それから、第三セクターのお話がありまして、世界淡水魚園とか岐阜駅高架下開発事業にお触れでございますが、いわゆる第三セクターといいましてもいろいろございますが、この世界淡水魚園におきましては、昨年十月現在の出資状況で、セガ・エンタープライゼスが八五%の出資率でございまして、その後、民間の方々の出資がふえてまいっておりまして、要すればこの第三セクターは民間の方々の出資がほとんどでございまして、セガを中心とする民間の方々が経営責任を負っていただくということでございます。 それから、森ビルにつきましては、施設整備につきましては県側が責任を持つということですが、経営につきましては、あくまでも森ビルが責任を持つということで、いずれも経営面におきまして、後世、県が何らかの負担を負うということはないということでございます。 それから、消費税を下げたらどうかというお話でございますが、消費税は、これも所得、消費、資産相互のバランスをとるということで、特に所得につきましては、サラリーマンの所得税というものに大きなウエートがございまして、そこに偏っちゃあいけないということがそもそもの発想の原点でございまして、使う方から税金をいただくということで、要すれば負担の公平を図るという大きな意味がございまして、サラリーマンの方々がその辺をよく御理解されていないということもこの際申し上げておきたいというふうに思います。 それから、実質的に福祉財源という位置づけを政府の方でなさいましたが、これはかねてから私も主張しているとおりでございまして、まことに結構なことでございまして、福祉財源がどんどん必要になってくると。しかし、それに見合う財源がないというのが現状でございまして、消費税を福祉向けに充てるということを予算総則に明記されるということは大変いいことだと私は全面的に賛同いたしておりますが、仮にそうした税金を大幅に減らしてしまうとどうなるのか。即刻、福祉財源がなくなってくるということでございます。この消費税の引き下げによって景気を刺激して、また税収が入ってくるからいいんじゃないかと、こういうようなお話もございましたが、現在、消費税の四三・六%が地方に回ってきております。十一年度の当初予算ベースで試算をいたしますと、県には四百九十三億円入ってくると。約五百億円でございます。同様に市町村には四百八十二億円、ほぼ五百億円。両方合わせますと一千億円という大きな財源でございまして、これだけの財源が、景気がよくなることによって入ってくるということはなかなか難しいことでありまして、試算はいたしておりませんけれども、かなり大幅な経済成長がないと、一千億の税収を確保するということは並大抵のことではない。景気を刺激すればということは非現実的な論理であると。数字の上からもそれは立証されると私は思っております。 それから、県の行政機構の改革の問題でお話がございましたが、このたびの改革は、局というところで強い団結をして一生懸命働いていただくと。同時に、縦割りになってしまうので、横割りで部というものでつなぐと。そして、縦割りの弱みを補うという、部という緩やかな連帯をしていくという岐阜県独自の方式でございまして、これは私どもが十年来考えてきた縦割りと横割りの調和の一つの姿だと、かように考えておりまして、そして、それぞれの部局の編成につきましては、若い人が一生懸命勉強してくれまして、原案をつくってくれました。おおむねそれに沿った案で改革をすることといたしておりまして、そしてまた、十年来私どもが苦労してきた成果をこの改革に反映させておるわけでございまして、ほかの県にございますように、ある日突然切りかえていくというようなものではございませんで、長年の積み上げの中で考えておる。三重県なんかの例も参考にしておりますし、県職員の方々とも相談をしておりますし、ほかの県の改革とは根本的に違うということをよく御理解いただきたいというふうに思います。 基盤整備部が大き過ぎるというようなお話もあったかどうかちょっと記憶しておりませんが、今申し上げましたように、局がそれぞれ独立性を持つと。そして、部で緩やかな連帯をするということで、巨大化が進むということではございません。むしろ、いわゆる農業、林業の方から土木関係というものを抜き出して、産業として特化して、農林商工部におきまして、横の緩やかな連帯で、農業・林業関係と商業・工業関係とうまく組み合わせて、生産から消費に至る一貫した体制をとることによって農業・林業も新たな飛躍ができるんじゃないか、こういうことを考えておるわけでございます。 それから、環境部門は独立した方がいいんじゃないかということですが、これは健康局とか福祉局と一緒の部でございまして、独立しておるといえば独立している。ただし、環境局というものは医学的な見識あるいは薬学的な見識、そういうものをやはり持たなきゃいけない。そういう意味で、同じ部の中において、それを健康局とか福祉局がサポートしていくと、こういう役割を期待しているわけでございまして、各部、各局におきましても、環境局以外でも環境というものを必ず考慮の対象に入れてすべての事業をやると、こういう体制にいたしておりまして、議員の御懸念は解消されるんではないかと、こんなふうに考えておりますが、御指摘のとおり、いかなる事業でも環境というものを抜きで考えられない。そういう意味において、環境局の発言権というものを強化しなきゃいかん。これはごもっともなお話でございます。 それから、特別職の報酬等についてお話がございまして、今回、高齢層職員の昇給停止措置というものを、県人事委員会の給与勧告を完全実施するという中で、経過措置を設けまして実施に踏み切ったということでございます。これを実施しますと六年後から影響が出てまいりまして、平成十七年度から全職員の約二%の職員について影響が出てくるということでございます。一方、特別職の給料・報酬につきましては、今まで三年ごとに見直しをしてきました。この例に従いますと、一昨年の平成九年が改定の時期に当たっておりましたが、これはいろんな情勢も考えまして、改定を見送っておるわけでございまして、特別職は実質的にはもう一年数カ月昇給停止ということでございまして、一方、職員は六年後から一部昇給停止の効果が出ると、こういうふうになっております。 それから、廃棄物に関する条例についてお尋ねがございまして、いろんな事件が発生したりいたしまして、私どもは指導要綱のようなものをつくりまして、手引きのようなものでございますが、そして、県民総ぐるみで事に当たろうじゃないかということにいたしました。それから、排出事業者の責任も強化しなきゃいけない。こういうような趣旨から今回の条例を制定しているわけでございますが、今までのいろんな経過を見てみますと、まず腑に落ちないのが不法投棄されている土地所有者の立場でございまして、自分の土地にどんどん不法投棄されておるのに黙認していると。いかにもこれは常識に反することでございまして、民法によって、あるいは民事訴訟法によって、直ちに仮処分で撤去できるという最も現行法で有力な手段があるにもかかわらず黙認していると。その腹のうちが私どもは理解できないわけでございます。そして、隣接地も同様の法的手段をとれるのにとらない。それはどうかというふうに思うわけでございまして、土地所有者も同様でございますが、周辺の住民あるいは市町村、これは自分のことでございますので、どんどん対応しなきゃいけない。議員は、通報したけれども県が動かなかったというようなお話がございまして、これがどうであったこうであったというのは過去の話で、あえて申し上げませんけれども、やはり市町村長も地元の市町村議会も地域住民のために立ち上がってもらわなきゃいけない。それを期待しておる。県が努力することは当然のことでございますが、そのことを強く訴えさせていただきたいというふうに思います。 しかし、現実に暴力的な背景がある場合が多いんですね、不法投棄には。なかなかそういう怖いところにはさわれないということがございます。そういうことで、県警本部の方も平成十一年の四月から、廃棄物対策課に職員一名、併任警察官一名を増員していただきましたし、廃棄物不適正処理対策班を二班体制といたしまして、パトロール車も一台購入する。計二台として、パトロール体制を一層強化するということができましたし、それから、平成十年の四月一日、本年度から県警本部におきまして生活保安課の中に廃棄物対策室を設置していただきました。それで、室長以下二十一名体制にしていただいた。これは大変ありがたいことでございまして、現在共同で空からヘリコプターで監視するというようなこともやっていただいておりまして、これが大いに効果を上げているというふうに思います。相手が相手ですから、警察の協力を得ないと何ともならないわけです。その辺に従来問題があったんですが、これも解消されて、違法な案件が増加するという傾向だけは抑えられておるんじゃないかと、こんなふうに思いますが、究極は適正に処理できる処理場・処分場をつくっていかないと、どれだけ廃棄物を省いていっても、出るものは出るわけでございまして、やはりそれをどこかで適正に受けるということをしなきゃいけない。何でも反対しとればいいというものではなくて、自分たちも大小便を初め、どんどん毎日ごみを排出しておるわけですから、それに責任を感じてもらわなきゃいけないと、こんなふうに思います。それで、地球環境村の整備について、より一層の御協力をお願いしたいと。自己責任ということをもっとお互いに銘記すべきであるし、同時に複合行政ということで地球環境村の応援をどんどん県としてもやっていきたい。 それから、情報公開のお話がございましたが、いわゆるオンブズマンのランキングというものが派手にマスコミ報道されておりますが、我々はこういうことで一喜一憂すべきではないと思っております。公式の制度でもございませんし、内容的にも手不足等もあってやむを得ないと思いますけれども、調査不足の点もあったりして不正確な面がある。その御努力は評価するものでございますが、できたらマスコミさんが共通に基準をつくってもらうというようなことにしたら、さらに一歩前進ではないかと私は思っております。私どもは、個人情報保護条例の制定と相まって情報公開の幅を広げておりまして、かなりの部分もう公開をいたしております。交際費のお話が出ましたけれども、相手方の承諾がないのに名前を出すということはいかがなものかと思うんです。プライバシーの問題は、情報公開と同様に大きな公共的な利益に属するものでございまして、そういう法益を勝手に侵すわけにいかない。やはり相手方の承諾ということが必須の要件である。そういう前提で私どもは情報公開をしていくということになっておるわけでございます。 それから、私どもはほかの県がやっていないころから県民情報ネットワークを構築したり、あるいは予算編成過程の全面公表をしたり、どんどんやっておりまして、県民の皆さんにぜひ県政に参加していただきたいと、こういう願いからこういうことを努力しておりますが、そういうことが評価の対象になっていないというようなことがありまして、一つの参考ではございますけれども、私どもは私どもといたしまして県民の皆様と御一緒にあるべき姿を着実に追求してまいりたいと、かように考えております。 それから、中間機構の情報公開についてお尋ねがございましたが、二十五団体対象になりまして、四月からは統合しまして二十四団体になりますが、そのすべてについて県の情報公開条例に準じた情報公開をするということにいたしております。 それから、ガイドライン法案についてお話がございました。 この法案の第九条第一項の地方公共団体の長に対する協力要請は、強制ということではなく、あくまでも任意の協力を求めるものであるという国の見解が示されておりまして、その具体例も国から示されております。こういう具体例に関する限り、格別問題ないわけでございますが、いざこの問題が具体化した場合には、県民の立場に立ちまして、県民の良識に従って公平に判断をしてまいりたいと、かように考えております。 ○議長(加藤利徳君) 理事兼総務部長 高橋新蔵君。   〔理事兼総務部長 高橋新蔵君登壇〕
    ◎理事兼総務部長(高橋新蔵君) 県債の借りかえについてお答えいたします。 地方債の資金には、主なものとして政府資金、公営金融公庫資金及び金融機関からの借り入れによる資金があります。地方債の借りかえは、借入先に金利変動リスクを転嫁することとなるため、借入先との十分な協議が必要となります。本県が発行する県債は、地元銀行から借り入れる縁故債が多くなってきております。これは証券発行の方法をとっており、市場で流通することを前提としております。最近、市場関係者の間で地方債の格付の動きが広がっており、また、平成十八年度から地方債の許可制が廃止されますと、今まで以上に地方債を発行する団体の信用力が地方債引き受けに当たり考慮されてくることが予測されます。このため、県の都合で安易に借りかえをすることは、岐阜県が発行する県債への投資家の信頼感を弱め、今後の資金調達を難しくすることにもなりかねず、慎重にならざるを得ないものと考えております。なお、十一年度の地方財政対策において、起債制限比率が一五%以上の団体など一定の要件を満たすものについて、政府資金、公営企業金融公庫資金の繰り上げ償還を行うことが認められましたが、これはあくまで公債費負担が非常に重く、繰り上げ償還の必要性が極めて高い団体に対する臨時的な特例措置であると理解しております。今後とも県債発行に当たりましてはより有利な条件で行い、県債発行に伴う財政負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。 次に、高齢層職員の昇給停止についてお答えいたします。 高齢層職員に係る昇給制度の改正につきましては、昨年十月に出されました県人事委員会の給与等に関する報告及び勧告の中で、高齢層職員の昇給制度の改正については、職員の人事管理の実態に留意しながら、国家公務員に対してとられる措置に準じた措置を講ずるよう検討する必要があると報告されております。そこで、給与改定とあわせて検討した結果、給与改定を勧告どおり実施するとともに、昇給制度についても国に準じた制度改正を行うこととしました。今回の改正は、昨年八月の人事院勧告の趣旨にあるとおり、民間においては従来からの年功型の賃金体系が見直されつつあり、五十五歳までに昇給を停止している事業所が多い。したがって、公務においても給与の年功的な部分を縮小し、世代間の給与配分の適正化を図る必要がある。そのため、現在の昇給停止年齢を引き下げるというものであります。なお、国家公務員については五十五歳昇給停止とされておりますが、県職員と国家公務員との間には、昇任等における人事管理上の相違があることを考慮いたしまして、五十七歳昇給停止とし、あわせて一定の年齢以上の職員について必要な経過措置を講じることとしております。 情報公開条例の運用についてお答えいたします。 交際費の相手方が識別され得る氏名等の情報につきましては、それを公開することにより、相手方との信頼関係、友好関係等を損なうなど、円滑な県政を推進する上において支障が生ずることが想定されるときには、岐阜県情報公開条例の規定により、個人に関する情報あるいは行政運営情報等として公開しないこととしております。なお、交際の相手方が、それのみでは識別されない支出年月日や個々の金額や支出の性格については公開することとしております。食糧費の支出を伴う懇談会等の出席者につきましては、条例上、公務員であれば、国、地方の別を問わず公開することとしております。民間の方の場合は、個人に関する情報として特定の個人が識別され得る場合には原則非公開としておりますが、運用に当たりましては、御本人の了承が得られるものにつきましては公開していくよう柔軟に対応してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、開かれた県政の実現を目的とする情報公開条例の趣旨に立ちまして、県の情報は可能な限り公開していくという考え方で対処してまいりますので、よろしく御理解を願います。 次に、耐震調査結果の公表についてお答えいたします。 県においては、阪神・淡路大震災後、県有施設の地震対策を促進することとし、その前提段階として、耐震工事の必要性を判断するため、耐震診断を平成六年度から九年度まで行ってまいりました。この診断結果の公表につきましては、従前は関係者の不安をいたずらにかき立てたくないという配慮のもとに、施設名を明示した公表はいたしておりませんでした。しかしながら、地震対策について県民の方に理解を深めていただくためにも、また一方で、懸念してきました診断の結果の受け取り方についても、現時点では冷静な理解が期待できる状況になっていると思われること。さらに、こうした公表をすることが情報公開条例の趣旨にも沿うことであることから、今後は公表してまいりたいと考えております。さらに、これとあわせて、診断結果を受けて策定しております耐震補強工事計画についても、施設名を明示して公表してまいりたいと考えております。 なお、福祉施設待機者数の公表の件につきましては、後ほど民生部長が答弁いたします。 ガイドライン法案についてお答えいたします。 在日米軍機によります低空飛行訓練につきましては、住民の安全確保という観点から、国において米国側と話し合いがなされてきたところですが、本年一月十四日、飛行訓練を制限する合意文書が日米間で署名されるなど一定の成果が見られているところであります。高根村周辺での飛行訓練の実施につきましては、平成九年、十年と、地元役場のほか、訓練目標とされていると言われているダムの管理事務所などを実地に調査してまいりましたが、特に問題の指摘はありませんでした。今後とも引き続き現地調査を実施いたすとともに、地元市町村との連携も密にしてまいりたいと考えております。 ○議長(加藤利徳君) 民生部長 安藤隆年君。   〔民生部長 安藤隆年君登壇〕 ◎民生部長(安藤隆年君) 特別養護老人ホームの待機者と、その整備状況につきましてお答えさせていただきます。 老人ホームの待機者数につきましては、平成十年十月一日現時点で県全体で五百八十五人となっております。この待機者数は市町村の入所判定委員会におきまして、入所が適当と判定された、また入所を待機されておられる方々の数でございます。これは各県とも同様の方法をとっております。なお、この判定を受けた方以外に入所希望者がおられることは承知しており、平成十年四月の調査では七百五十一人となっております。 平成十一年度、介護保険事業計画の策定のため、今年度各市町村が実施しております実態調査では、現在の施設入所者、待機者、先ほどお話のございました入所希望者及び在宅サービスの利用者等、要援護高齢者すべてを対象といたしまして、その要介護度別の分布状況やサービス利用の意向を今把握し、これを踏まえまして、平成十六年度までの在宅及び施設サービスの必要量を推計し、計画上の整備目標を定めることとなります。したがいまして、平成十二年度以降の特別養護老人ホームの整備につきましては、この介護保険事業計画及び県の介護保険事業支援計画に基づきまして実施することとなりますので、現在の待機者及び入所希望者のニーズをも反映した施設整備が行われるものと考えております。 また、待機者の声につきましては、特別養護老人ホームが地域エリアの社会資源といたしまして非常に公益的な施設であることから、我々、今までは県事務所単位にまとめて数値を県民情報ネットのウエルフェアネット・ぎふに載せております。今お話のございましたように、市町村の数値につきましても付表として載せてまいりたいと思います。また、お話のございました定員三十人未満の特別養護老人ホームにつきましては、既存施設を活用したデイサービスセンターやグループホーム等と複合化することなどによりまして、地域の実情やニーズに合わせた施設整備を図りたいと考えております。 次に、介護保険によるサービスの低下の問題でございますけれども、介護保険サービスは市町村が要介護認定、または要支援の認定を行った方に対して給付されますので、現行サービスを受給している方が給付対象とならなかった場合は、介護保険からの給付ができないこととなります。この場合、サービスの低下を来さないよう、給付を継続する場合は、市町村の判断によりまして、一般財源による高齢者対策事業として、要介護、要支援認定がなされなかった方への訪問入浴などの給付を継続することができます。また、介護保険制度におきましては、被保険者やその家族を対象に介護方法の指導や健康教育、健康相談、あるいは介護をする家族のリフレッシュ事業など、保健福祉事業を行うことができるようになっております。県といたしましては、市町村の主体性を尊重しつつ介護サービスの適切な給付及び保健福祉事業の実施について指導してまいりたいと考えております。 次に、乳幼児医療費助成の年齢引き上げの問題でございますけれども、この制度は昭和四十七年度制度創設以来、県におきましてもその拡大にいろいろ努力をしてきたところでございます。現在、本県の助成制度は、三歳児未満支給制限、あるいは所得制限及び一部負担等のないこと、あるいは現物給付であるということから、全国的に見ましても非常に高いレベルのものと認識しております。他方、大変厳しい財政状況の中で、三十四の県下市町村が対象年齢で県制度を上回る助成制度を実施していることも承知しております。今後につきましては、市町村及び県の財政状況や平成十二年度を目途に今実施が予定されております国の医療保険制度抜本改革等の動向を踏まえまして、慎重に検討してまいりたいと考えております。 ○議長(加藤利徳君) 衛生環境部長 本間 泉君。   〔衛生環境部長 本間 泉君登壇〕 ◎衛生環境部長(本間泉君) 乳児健康診査費の一般財源化についてお答えをいたします。 母子保健法に基づいて市町村が行います乳児健康診査につきましては、事業開始から相当の年数が経過し、市町村の事業として定着していることから、地方分権推進委員会の勧告の趣旨等を踏まえ、平成十一年度及び平成十二年度の二カ年で一般財源化されることになったものでございます。それに係る費用につきましては、市町村に対する地方交付税により所要の財源が確保されることになっております。市町村の対応状況につきましては、平成十一年度も引き続き全市町村で実施される予定となっております。また、今回の一般財源化に伴い、市町村に財源措置されるため、県単独で補助することは二重の財源措置をすることになり、困難であると考えております。 次に、県立健康管理院についてお尋ねがございましたので、お答えをいたします。 健康管理院につきましては、当初、健康増進や健康情報発信などの新たな機能を付与し、総合的な健康管理施設として、移転、再整備するという方向で検討を進めてまいりましたが、近年の医療機関の健診部門の普及・充実を踏まえ、住民健診に直接携わる市町村保健婦や医療関係団体、地域の中核病院長などの関係者に整備に対する意見聴取を実施したところでございます。その結果、民間等の人間ドック機関が充実し、市町村保健センターの整備も進んできた中で、利用者の地域的偏りが避けられない県立の施設を移転、再整備する必要があるのかという意見が多かった反面、県はもっと健診結果のデータベース化、さらには情報化などに取り組んでほしいという傾向にありました。これらの意見も踏まえ検討した結果、一般的な総合健診は民間等医療機関に任せ、県としては下呂温泉病院の東西医学ヘルスドックの拡充に努め、新たな総合診断法の研究や健康情報の発信などの基盤整備を進めることとしたところでございます。健診は、本来身近な一次医療圏レベルでのサービスであり、民間等健診機関が充実した今日では、十分にそこでの対応が可能なことや、医療機関内に併設されたドックでは精密検査や治療も可能であるというメリットもあります。これは県民がみずからの責任で行う健康管理について、身近なかかりつけ医に相談できる態勢の普及を図るという県の健康施策にも合うものと考えております。 ○議長(加藤利徳君) 環境局長 川瀬雅信君。   〔環境局長 川瀬雅信君登壇〕 ◎環境局長(川瀬雅信君) 廃棄物の適正処理等に関する条例についてお答えをいたします。 まず、今回提案しております条例は、現在の廃棄物処理法では不十分な点を補うものでありますので、条例の運用の前提として法の適正な運用に努めるのはもちろんのことでございます。特に不適正処理事案に対しては、平成九年十一月に廃棄物不適正処理対策要綱を改正して以降、より一層法に基づいた適正な対応に努めており、条例施行後は法と条例それぞれを適正に運用することにより、事案の早期解決に努めてまいります。 次に、建設工事等におきましては、原則として元請業者が廃棄物処理法上の処理責任がある排出事業者となりますが、下請業者が排出事業者となるケースもあります。しかしながら、どちらが排出事業者となるにしても、元請業者がその請け負った建設工事等から出る廃棄物処理に責任を持つことが基本でありますので、元請業者の指導に努めてまいります。なお、建築物の解体工事の施工者に届け出義務を課し、罰則も規定しておりますが、その施工者とは一般的には元請が該当するものと考えており、その方向で運用の詳細を詰めてまいりたいと考えております。 最後に、土地所有者等の適正な管理などの規定についてでございますが、お尋ねのような遠方に居住しておられる土地所有者なども、例えば地域住民にその管理を委託するなどの方法により、不適正処理の防止に努めていただく必要がありまして、それを怠って不適正処理が行われた場合には、勧告することもあり得ると考えております。 ○議長(加藤利徳君) 商工労働部長 大下政司君。   〔商工労働部長 大下政司君登壇〕 ◎商工労働部長(大下政司君) まず、地場産業の振興につきましてお答え申し上げます。 本県におきましては、地場産業の動向につきまして、岐阜県産業経済研究センター、岐阜県中小企業団体中央会、岐阜県中小企業振興公社の景況調査等を通じまして実態把握に努めているほか、地場産業振興会議の開催等を通じまして、各業界の代表から業界動向や県の施策に対する御意見等を伺い、それらを施策に反映するよう努めているところであります。今後ともさまざまな機会を通じまして県内の産業及び企業の実態の把握に努めてまいりたいと考えております。 次に、県の融資制度につきましてお答え申し上げます。 県中小企業資金融資制度の融資期間につきましては、現行の大半の資金が設備七年、設備特例十年、運転五年となっておりまして、近県と比較いたしましても長い融資期間となっているのではないかと考えております。県といたしましては、今後も限られた資金の中でできるだけ多くの中小零細企業者の方々の経営の安定に寄与できるよう、景気の動向等も見きわめながら、機能的かつ弾力的に対応してまいりたいと考えております。 ○議長(加藤利徳君) 土木部長 小島秀俊君。   〔土木部長 小島秀俊君登壇〕 ◎土木部長(小島秀俊君) 道路占用料についてお答えします。 国においては、電線類の地中化を促進する等の施策により、平成八年に道路占用料の改正が行われました。県としましても、この趣旨に沿って、小口径地下埋設管の占用料については軽減、電柱の占用料については大幅な増額とした改正を平成九年に行ったところであります。道路占用料の基準となる道路価格の算定に当たっては、県の実情を踏まえ独自の価格設定を行い、国と比較をしますと約一五%上回る額としたところであります。全国の状況を見ますと、三十都道府県が国とおおむね同様の改正を行ったところでありますが、本県を含め、残り都県においては独自の価格を設定いたしております。このことにより電線類の地中化が促進され、都市景観の向上が期待できますし、また、本県の占用料価格は全国的にも高い方に位置をしていることから、当面改正を予定しておりませんが、今後も改正に際しましては県の実情を踏まえた対応を考えてまいります。 岐阜市環状線におけるヒメコウホネの保存についてでございますが、達目洞には、ヒメコウホネを初めとする希少な生物が育成、生息しておりまして、自然環境の保全を図るべき貴重な地域であると認識をいたしております。このため、平成七年度には環境検討委員会を設置して、自然に優しい道づくりを計画してまいりました。工事の実施に際しましても、発生する濁水を沈殿池や処理施設により処理するなど、種々の対策について検討委員会の委員の方々の御意見を聞きながら工事を進めております。今回、沈殿池に設置している揚水ポンプの一時的な故障により、上澄み水が逆川に流入いたしましたが、水質・流量から見てヒメコウホネの育成に影響を及ぼすものとは考えておりません。しかしながら、ポンプ故障時のバックアップ態勢の不備などを反省材料としまして、今後は施工体制及び監視体制により一層万全を期する所存であります。なお、当地域の希少動植物については、工事完成後も関係者の方々と協議しながら保護に努めてまいります。 東海環状自動車道の御望山付近におけるルートとヒメコウホネの保護についてお答えします。 岐阜市御望山東側に位置する洞地区の東海環状自動車道ルートの道路中心から約五十メートル離れた南側に於母ヶ池があり、ヒメコウホネが生息していることは事前の環境調査で確認をしております。都市計画決定の手続に合わせて行われた環境影響評価の中で、計画路線はヒメコウホネ等の貴重な植物の生息する水域を直接改変せず、影響は少ないと予測評価されております。あわせて意見書に対する見解として、希少な植物を保全するという観点から、事業実施に当たり十分調査を行い、適正な工法・対策をとることにより植物の育成環境の保全ができるとの考えが示されております。これを受けて、東海環状自動車道西回りルートの都市計画決定がなされたものでありまして、適正な決定と考えております。今後の事業の実施に向けましては、都市計画地方審議会の貴重な動植物の自然環境の保全に配慮することとの附帯意見に従いまして、ヒメコウホネの生態系に関連する地下水等の調査が、御望山の安全性に関する調査に合わせて建設省において行われることとなっております。県としましても、一日も早く地元の皆さんとの協議が調い、調査に着手されるよう望むものであります。 ○議長(加藤利徳君) 開発企業局長 船坂勝美君。   〔開発企業局長 船坂勝美君登壇〕 ◎開発企業局長(船坂勝美君) 徳山ダムに関連いたしまして二点お尋ねをいただきましたので、お答えをいたします。 初めに、徳山ダムの土地収用法の適用についてでございますが、徳山ダムの建設事業について、建設省と徳山村等との間でみだりに強制収用はしないという約束があったにもかかわらず、裁決申請が行われたことについて、県としてどのように考えているかというお尋ねでございますが、これは今から二十九年前の昭和四十六年十二月二十七日に建設省と徳山村等が締結いたしました徳山ダム実施計画調査申入書に関する確認書の中の記八の文言でございます。確認書全体の趣旨は、村がダム建設の調査を建設省に認めるに当たって、生活再建を基本とした保障を誠意を持って実行することを建設省に確認した文書でありまして、この前提条件を具現することなく、みだりに強制収用はしないという意味でございます。このことにつきましては、同様趣旨の質問を民主党の石井紘基衆議院議員が政府に提出をされておりまして、これに対する政府の答弁書が昨年の十一月十日に示されておりますが、それによりますと、代替地の提供でダム湖に水没する全世帯の生活再建は図られたということで、約束した確認書の趣旨には反しないとされております。本県も同様の認識でおります。 次に、二点目の徳山ダムの水需要の見通しでございますが、西濃地域における都市用水の需要見通しについて、水道用水はほぼ単調に増加しております。工業用水は長期的な不況の中にあって現況は横ばい傾向となっております。しかし、将来的には新高速三道の交通網の整備や、ソフトピアジャパンを初め先端的な研究・開発機能の集積が進みまして、企業の立地条件の向上、産業の集積や産業間の交流が飛躍的に進展いたしまして、水需要は増加するものと考えております。 また一方で、本地域は地下水の依存度が極めて高く、将来の土地利用形態の変動及び降水量の減少傾向を考慮いたしますと、地下水保全が必要でありまして、地盤沈下の抑制及び地下水汚染の防止を推進するためにも、水源の多元化を積極的に進めていく必要があります。御案内のように、新たな水源開発計画は計画立案から長期間を要するものでありまして、社会情勢の変化に伴う水需要に対して安定的な供給を確保するためには、長期的な視野に立って先行的に取り組む必要があります。かかる認識のもとに、現在着実に進行しつつあります地球温暖化に伴う異常気象による利水安全度の低下、あるいは首都機能移転等の動向も見きわめながら、平成十一年度末をめどに、県内全域を対象とした水資源長期需給計画を策定中であります。来るべき二十一世紀を、豊かで潤いのある県土とするために、資源の自立を目指す岐阜県にとって貴重な水源の有効利用を図っていくべきと考えております。 また、関連いたしまして、最近になって地下水の表流水への転換が必要だと調査を行っているという御質問がございました。御存じのように、岐阜西濃地域は地下水依存度がおおむね九割でありまして、将来も地下水のみに頼っていくことは、地盤沈下が進行したり、水質汚染事故が発生した場合に、安全な水を安定的に供給することができません。また、今日までに策定されております国のフルプラン、あるいは県の長期需給計画の利水計画は、地盤沈下等を考慮いたしまして地下水の使用量を現況の使用量に固定して、将来の需要増分は新規ダム開発水を利用することを前提に策定がされております。 また、昨日の市川議員の御質問にもお答えをいたしましたように、平成七年度から三カ年をかけて策定されております地下水管理計画案につきましては、関係四市二十一町の連携を図りながら作成しているところでございます。 ○議長(加藤利徳君) 教育長 日比治男君。   〔教育長 日比治男君登壇〕 ◎教育長(日比治男君) 教育について四点お答えいたします。 県立学校の整備についてでございますが、整備につきましては、建築年次が古く、老朽化した校舎等の改築、単位制・総合学科等の新しい教育ニーズに対応した施設の整備、校舎の外壁等のリフレッシュ、部分的な改修や日常の維持管理的補修、この四つの事業に対し、限られた予算の中で優先順位を検討しつつ効率的な整備に努めてきたところでございます。 予算面におきましても、平成十年度の当初予算は、五年前の平成五年度と比較しますと二・〇倍となっております。なお、来年度以降の主な施設の整備事業は、関養護学校の全面改築、岐阜盲学校の移転改築、仮称フロンティア・ハイスクールの開校等の事業を計画いたしております。そうした中、平成七年の阪神・淡路大震災の教訓をもとに学校施設の安全性が問われ、耐震補強事業が大切な事業となってまいりました。県教育委員会といたしましても、児童・生徒の安全確保が施設整備の重要な課題の一つであるとの認識のもと、今年度から新たに耐震補強事業をメニューに加え、七校の校舎・屋内体育館につきまして事業に着手したところでございます。来年度以降も県で策定しました耐震補強工事計画に基づき、診断結果により、耐震性が劣るとされたランクの施設や特殊教育小学校の施設を優先しつつ、他の改築や改修事業等と調整を図り、順次整備してまいりたいと考えております。 次に、三十人学級の問題でございますが、教職員の増員につきましては、県といたしまして、第六次教職員配置改善計画の完全実施、そして次期改善計画の早期策定などにつきまして、国に対し機会あるごとに要望してまいったところでございます。また、国におきましては、教職員の配置改善につきまして研究協力者会議が昨年秋に設置され、新学習指導要領に基づく教育のための教職員配置、不登校など学校が抱える問題に対応するための必要な教職員の配置、必要とされる財源の問題などの検討が始まっており、関心を持って見守っているところであります。児童・生徒一人ひとりの個に応じたきめ細かな教育を推進するための教職員の配置のあり方につきましては、三十人学級の必要性だけを議論するのではなく、指導方法の工夫改善など、いろいろな観点から検討していくことが必要であると考えております。また、教職員配置などの財源の確保、国の諸施策との整合性等、課題も多くあります。今は国の動向を見守りつつ、県としての対応を検討していくことが大切であると考えております。 次に、私学振興についてでございますが、私立高等学校授業料軽減補助制度につきましては、今年度全面的に改正を行ったところでございます。補助対象者の範囲につきましては、平成九年度に私立高校生の保護者を対象にして行ったアンケート調査の結果や市町村税の統計資料などにより総合的かつ慎重に検討し、設定したところでございます。これにより、全生徒に対する補助対象者の割合を、当初予算では六四%程度と見込んでおりましたが、最終的には五八%程度になる見込みであります。当初見込みを下回った主な原因といたしましては、改正後、初年度であったことから、この制度が十分理解されなかったこと。一律に支給する方法から、申請する方法に変わったことなどによるものではないかと思われます。今後、生徒や保護者へより一層周知の徹底を図るほか、所得の状況について再度アンケート調査を実施するなど実態把握を行うとともに、今年度の実績を踏まえながら、対象所得階層の設定方法等につきまして十分検討してまいりたいと考えております。 最後に、高等学校授業料の値上げについてでございますが、県立高等学校授業料は地方交付税単価に準拠しており、改定の時期につきましては、従来から生徒の保護者の負担軽減を図るため、地方交付税単価が改定された翌年度に行ってきたところであります。平成十年度に地方交付税単価の改定が行われましたが、厳しい財政状況の中、今回の改定につきましても、従来どおり一年おくれで行うものとしたものでございます。高等学校授業料は多様化する社会の変化に対応した授業内容の充実や教育環境の整備・充実のための貴重な財源であり、この財源を有効に活用し、高等学校教育のより一層の充実に努めてまいります。 ○議長(加藤利徳君) 一番 大西啓勝君。   〔一番 大西啓勝君登壇〕 ◆一番(大西啓勝君) それでは、二回目の質問を行いたいと思います。 ただいま、それぞれ質問に対する答弁をいただいたわけですけれども、まず大規模工事の問題であります。この問題で、私ども、すべての大型事業がいかぬと言っておるわけではありませんけれども、いかにも私はむだなことが多いと思うんです。例えば先ほども出ました高山の世界民俗文化センター、この問題も、国際的と言えばすぐにそれが大型になる。例えば三千人規模の大きな国際会議場というものができるわけなんですけれども、次々とこういう巨大なものができていくということは、箱物ができれば、まさにそれは運営費が要るわけでありまして、大変そういう点では際限のない話につながっていくと思うんです。このことにつきまして、やはり私どもは何遍も繰り返して言っておりますけれども、やっぱり現在の財源状況を見ますと、まさにこういう状況の中で、私どもは福祉、教育あるいは中小企業対策、そういうものに力を入れた方が本当に県民のためになるというふうに思うんです。 それから、今やっていることは本当に開発型だと思うんですね。本来の地方公共団体の仕事というのは一体何なのか。世界淡水魚園をつくってみるとか、いろいろ新しいものは出るわけだけれども、本当にそれが地方公共団体の仕事なのかということなんです。私はさっきから申し上げておるように、まずきょうのテーマは、私は一番みんなが必要として一番おくれていること、もう来年介護保険制度が始まるんです。岐阜県の特別養護老人ホーム制度というのは極端に悪い。岐阜に住んでいますと一年以上入れないという状況なんです。こんなことで介護保険制度が始まったら一体どうなるんですか。まさに私どもは、こういう問題、あるいは子供たちが学校に通っている今の校舎の状況、耐震調査の結果がなかなか発表できないような状況があるわけですから、やっぱりこういうところに力を入れることがまさに私は地方公共団体の仕事であって、地方自治法の精神だと思うんですね。どこか狂ってしまっていると思うんです。 それから、実は私ども、今、日本の国自体がそうなってきてしまっていると思うんですけれども、日本の税金の中で七十兆円が毎年使えるということになりますけれども、その中で、まさに五十兆円は公共事業に行っています。二十兆円が社会保障事業です。ところが、同じ資本主義の国の中でこれはまさにいびつなんですね。例えばドイツでは社会保障制度の方が三倍です。アメリカは四倍、イギリスに至っては六倍なんですね。だから、私は一体この日本の国の中でだれが主人公なのか。県政アンケートを行ったって、福祉の充実が第一位、教育の充実が第二位。ところが、それに使われない。私どもは、やっぱり国民が、県民が主人公であるというお金の使い方をしてもらいたい。どこかおかしくないですかということを知事さんに聞いておるわけでありまして、私どもは、先ほど申し上げました特別養護老人ホームの大変少ない問題、それから危険な校舎で勉強しなければならない問題、これについて、いわゆるお金の乏しい中でやりくりをしておるという教育長の答弁もありましたので、知事にもこの問題をお伺いしたいというふうに思いますので、再度答弁をお願いいたします。 さてもう一つは、私ちょっと調査をしてみまして、平成十一年度の中で四百四億円の県民税の減収が起こる。この問題一つとりましても、実際に建設業をとりますと、建設業自身も確かによくないんですね。さらに建設業の前年度比は六七・七%ですね、予想される県税というのは。ところが、その中でこれをもう少し見てまいりますと、県内法人と県外法人、県外法人というのはゼネコンですよ。主要法人三十六のうち県外法人は十二になっています。ところが、この県外法人というものは、一六・八%の減、いわゆる県税を納めるのが少ないと見込まれている。ところが、県内法人二十四、これはもう全部大きいところですよ。だけれども、そこでは三九%の県民税の減になってしまう。つまり、やっぱりそういう点から見ると、中小企業の中で、建設業といったってどんどんつぶれているんです。大きな仕事をやる、大型工事というのは全部そういうゼネコンに行くんですね。私は、県税の収入一つ見たってそういうことが言えると思うんです。ですから、私はやっぱりこの問題、本当に中小企業がやれるような、県民がみんな喜ぶような投資というものをやらなきゃならぬ。この点についても、私は知事によくお答えをいただきたいというふうに思っております。 さてもう一つ、時間がありませんので急ぎますが、なぜ特養問題では実態をわかるような形で言われないのか。この議場で、きのうも二人の議員さんが、待ち老人が多いということを申し上げられて、介護保険で大変だという質問がありました。私、同様なんですよ。やっぱりこの実態について、これだけひどい状況、全国で最下位がずうっと続いていく。しかも、調べますと、どんどんどんどんふえているんですね、いわゆる待機老人という方が。二年前に日本共産党が調べましたら、前の年よりも二万五千人全国でふえています。現在調べますと、一万二千四百六十二人またふえているんです。これは岐阜県でもそうでありますけれども、岐阜市を一つ例にとりますと、昨年の十月、四百二十一人の待ち老人が見えたんです。ところが、二月末にはどれだけになっているか。五百二十二人になっているんです。施設の目標があって、それは一定の建設をしたりされるけれども、それでも間に合わない状況というのがどんどん出ているんですね。まして岐阜県は初めから低い目標です、全国的に見て。だから私は、これで中部地方で一番待機老人が少ないんだと言っておれる状態ではないと思うんですね。私どもは住んでいますから、現実にたくさんの相談を受けるし、皆さん苦しんでおられる。介護保険制度が始まったら、これは契約違反になりますよ、それぞれの市町村が。この問題について、私は知事に、ああいう認識というのは一体どこから出てくるのか。まさに現状に合わせた施策をとってもらいたいということをまず質問いたします。 たくさんの問題を取り上げなきゃならぬのですが、わずか十分しかありませんので、次にいきます。 いわゆる組織改編の問題なんですけれども、知事は十年もかかってやってきたから大丈夫だとおっしゃいます。私はこれ、なかなか大変なことだと思うんです。もちろん知事がこういう部局再編は指導権を持ってやっておられることは認めます。しかし、現実は職員の皆さんが協力をしなきゃならぬ。最近私のところに電話がありまして、県職員の現職の方だったんだけれども、遅いとか、冷たいとか、かたいとか、威張るとか、逃げる、隠す、むだ遣い、七つの大罪といいますか、七つの罪ですかね、これを壁にぱっと張るというんでしょう、各部屋に。初めから悪者扱いしてもらったら困るというふうに大変怒っておられた。とにかく言われたことを全部言いますと、知事さん、まさに頭に血が上って、きのうの話じゃありませんが、血液がかたくなるといけませんから言いませんけれども、まさにこの問題では、部長や知事の部屋にも張ってもらいたいと。まさに私は随分皆さんの中にこの問題でも不満があるんだなあという感じがしたんですけれども、これは一部のことかもしれませんけれども、みんな、そういう意見を言っていますよという話だったんですね。やっぱり、なかなかトップには言いにくい。そういう問題について、よく私は考えてもらいたいというふうに思っております。 それから、例の各務原の米軍飛行の問題について答弁漏れがあったのでお願いをしたいと思います。 それから、東海環状自動車道の問題については、いろんな問題がありますけれども、シリーズでやっておりますけれども、やっぱりこの問題をとってもあのルートは正しくないということを申し上げておきたいと思います。以上です。 ○議長(加藤利徳君) 知事 梶原 拓君。   〔知事 梶原 拓君登壇〕 ◎知事(梶原拓君) まず大規模工事をやるのはむだだとおっしゃるわけでございますが、いつも申し上げておりますように、県政というのは、現在の県民の方々を対象にいたしました気くばりの県政と、将来の県民をも考えた先取りの県政と車の両輪で進めていくべきでありまして、どっちか一つというわけにはまいりません。将来の県民の皆さんが働くべき職場がある、安全な環境である、楽しく生活ができると、こういうような基盤づくりを今からやっていかなきゃいけないということでございまして、金のなる木はないわけでございまして、福祉を何でサポートしていくかというと、これは産業経済しかないんです。自分で稼いで、自分たちの福祉を賄っていくということでございまして、そのことを抜きにして、やれ福祉だけだと、こんな発想ではやがて社会は崩壊してまいります。アメリカとかドイツの例も出されましたけれども、各都市間競争というのは熾烈なものがございます。インフラを整備し、企業誘致の有利な条件を整えて、いかに自分のところが経済的に繁栄するかという競争が激しいわけでございます。道路一つとりましても、ドイツのアウトバーン、あるいはアメリカのインターステートハイウエー、日本の高速道路とは比較にならないわけなんです。イギリスでもフランスでも同様でございまして、一つの高速道路が混雑しておれば、すぐ隣の高速道路に乗りかえができるという代替性のある交通ルートが既に整備されておる。この差は大きいわけでございまして、そういうような国土の均衡ある発展があって福祉も成り立つわけでございまして、何でもAかBかというような単純な割り切りでは地域社会の発展も維持もできないということでございます。 それから、特別養護老人ホームのお話がございましたが、待機者の数、これは岐阜県だけが特別の基準で待機者の数を勘定しているわけじゃないんです。中部地域全部が、いわゆる判定後の待機者の数で比較して、岐阜県が一番少ないと言っているわけでございまして、それ以外に待機希望者がおられることは百も承知のことでございまして、比較できる数字は判定後の数字でございまして、それが中部圏の中で対人口比一番低いと、こういうことを言っているわけでございまして、そのことは在宅介護に対する希望も岐阜県は強いということでございます。よく特別養護老人ホームの施設の数が少ないということをおっしゃいます。また私どもも、それを認めておりますが、県とか市町村が建設しておる特別養護老人ホームの施設の収容数というものは、人口と比較して比べた比率は、少し前の数字でございますけれども、全国で十六番目ぐらいなんです。それに比べて、民間がつくられた施設の数は四十七番目、それも四十六番目と大きな差がある。だから、ここでだれが責任あるかというお話をされるとすれば、民間の方々の慈善事業に対する関心の薄さというものを共産党も指摘をしていただきたいと、かように思います。 それから、景気対策のお話がございましたけれども、建設事業によりまして、民需が落ち込んだ、それによる落ち込みをいささかでも下支えしようというのが建設事業でございまして、景気対策の本来的な性格というものは現状救済でございまして、建設事業のウエートの高い、あるいは建設業のウエートが高い岐阜県においては当然の措置でございまして、そのこともよく御理解をいただきたいというふうに思います。 それから、組織改正について、大変だとおっしゃいましたけれども、大変なことをやらなきゃいけないほど大変な世の中なんです。多少の混乱はあっても断行すべきことは断行するというのが私の信念でございまして、先生に電話したという職員がおられるようでございますが、ぜひ名前を上げていただきたい。情報公開をしていただきたいというふうに思います。何をやっても反対の人間は必ずおるわけなんです。そういう者が反対だからやらないというわけにいかないんです。七つの罪の問題も、これは私がつくったんじゃなくて、県民の皆様がおっしゃっておられることを七つに集約しただけなんです。まだほかにもあるんです。独善だとか何か。まだ知事さん漏れておるよと。それをやはり部屋部屋に掲げて、朝晩見て、みずからを戒めるということが大事です。私自身でもあの七つの事項を眺めて、常に身を正さなきゃだめなんです。人間は弱いところがあるんです。そういうことを考えて、毎日毎日自戒の念を持つことが県民奉仕の大前提だと私は思います。 ○議長(加藤利徳君) 一番 大西啓勝君。   〔一番 大西啓勝君登壇〕 ◆一番(大西啓勝君) 特別養護老人ホームの問題で、今、民間が悪いと。これはとんでもない話だと思うんですが、まさに現実問題としてそんなことを言っているときではないんですよ、介護保険制度が始まるわけですから。 もう一回だけ、私、最後に聞かせていただきますけれども、介護保険制度が始まるときに、特別養護老人ホームの数の少なさ。ほかにもございますよ。デイサービスの問題とかいろいろありますけれども、この問題について、一体知事はそれではどうやってこの介護保険制度にこたえようとしておられるのか。もちろん市町村が主体ではありますけれども、大変困ったことではありませんか。県民の皆さんが一体どうしたらいいのかと、政治家に相談されるのも当然なんです。そのことについてもう一回お答えください。 ○議長(加藤利徳君) 知事 梶原 拓君。   〔知事 梶原 拓君登壇〕 ◎知事(梶原拓君) お隣の滋賀県知事さんと数年前知事会談をいたしまして、県がこういう福祉施設をつくるというお話をしましたところ、前の知事さんですが、びっくりされておられまして、そういうものはうちはみんな民間でやっていますよとおっしゃいました。こちらもまたびっくりしたわけでございます。私どもは、市町村と県が協調して公立をどんどんつくり、今恐らく人口対比でベストテンぐらいに入るんじゃないかと。これは私の推測でございますが、そのくらい努力しておるんです。県と市町村だけでは無理なんです。民間の方々が慈善事業の精神を持って参入をしていただかないと十分な施設の数も充足できないんです。だから、そのために私どもは岐阜県単独の全国でも最高の民間施設に対する助成の制度もつくったんです。そして、単なるハードだけじゃなくて、準備経費まで今助成対象にしております。これも全国に例のないことなんです。そして、民間の財界の方々あるいは福祉事業家の方々に集まっていただいて、数年前から岐阜県はこういう状況ですから、よろしく御協力くださいということを重ねて申し上げてきて、そして、それがようやく実を結んで民間の施設ができつつあったやさきにあの不祥事件が起きたと、こういうことでございまして、県とか市町村がさんざん苦労しているということも御推察をいただきたいというふうに思います。          ……………………………………………………………………… ○議長(加藤利徳君) しばらく休憩いたします。 △午後零時二十三分休憩           ……………………………………………………………………… △午後一時五分再開 ○副議長(宮嶋和弘君) 休憩前に引き続き会議を開きます。          ……………………………………………………………………… ○副議長(宮嶋和弘君) お諮りいたします。本日の会議時間を、あらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(宮嶋和弘君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。          ……………………………………………………………………… ○副議長(宮嶋和弘君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。二十七番 中村 慈君。   〔二十七番 中村 慈君登壇〕(拍手) ◆二十七番(中村慈君) 発言のお許しをいただきましたので、農政部長、林政部長に質問をいたします。 最初に、平成十四年に開催される第八回全国和牛能力共進会岐阜県大会の進捗状況について、お伺いいたします。 県は、「県民に信頼される農業の実現」及び「豊かで住みやすく魅力ある農村の実現」を基本目標としたぎふ二十一世紀農業ビジョンのもとに、七つの恵みを生かした「畜産物 味日本一」「ゆとりと質の高い畜産経営」を目指し、「消費者に信頼される畜産物の提供」「県畜産物のブランド化の推進」などを基本方針として、各種畜産振興施策が展開されており、その御尽力に感謝いたします。しかしながら、最近の畜産を取り巻く状況は、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意を契機に、国際化・自由化が一段と進み、国内農産物の需給の不均衡や生産調整の強化等により、畜産経営は不安定な状況にありますことは御存じのとおりであります。 一方、消費者の安全・安心・健康な畜産物志向への高まり、環境問題など、畜産を取り巻く情勢は大きく変化しており、二〇〇〇年のWTO交渉も控えており、先行きの不透明感から来る畜産農家の精神的不安は言葉に言い尽くせないものがあると思います。この状況にかんがみ、畜産農家が安心して農業経営が継続できるよう、また、若い人が就農しようという意識が持てるような農業・農村の環境づくりなど、一層の畜産振興施策の充実を望むものであります。 そこで本題に入ります。私は、昨年三月の県議会において、開催に伴う諸課題ということで質問させていただいたわけでありますが、その後の状況が変化していると思いますので、再度質問をさせていただきます。 皆様、御存じのとおり、この全国和牛能力共進会は五年に一度の全国規模の和牛の品評会です。通称、和牛のオリンピックとも言われ、開催都道府県にとっては一大イベントでもあります。第八回全国和牛能力共進会岐阜県大会については、平成七年から県及び肉用牛団体等を中心に誘致活動に取り組み、その結果、平成九年六月、主催者である社団法人全国和牛登録協会の総会において、平成十四年、岐阜県での開催が決定されたものでございます。続いて、平成十年六月に開催された第八回全国和牛能力共進会拡大準備委員会総会において、種牛の部の会場は、大野郡清見村の岐阜県肉用牛試験場内で、また肉牛の部は高山市内の食肉センターで開催することが決定されたわけであります。共進会の開催期間中、五日間の参観者の数は、前回の岩手県大会で約四十万人でありましたが、今回の開催県、岐阜県の場合には、日本の中央に位置しているという利便性に加え、安房トンネルの開通や高速道路網の整備促進等による道路アクセスの向上、さらには益田地域を含む飛騨地域の観光面を考えますと、かなりの参加者が期待できるものと思われます。現在、共進会開催に向けての準備は、県及び全国和牛能力共進会岐阜県拡大準備委員会において順次進められているとお聞きしております。しかしながら、共進会開催準備期間が平成十四年までの三カ年と長期間にわたるため、最近、私は共進会開催に対する農家・関係者の熱意が薄れるのではないかと不安を感じております。生産者の方々には、開催県にふさわしい成績をおさめるということは当然でありますが、共進会開催に対する理解を深めてもらうことが重要ではないかと考えております。 次に、共進会の種牛の部の会場の造成・整備、そしてまた、アクセス道路整備についてでありますが、一般の草地造成、道路工事の工期を考えてみましても、共進会の開催が平成十四年九月とはいえ、もう余裕のないのが現状ではないかと私なりに心配しているところであります。特に共進会場へのアクセス道路は、開催に当たり重要なポイントとなるわけでありますが、会場が清見村の国道百五十八号沿いにある肉用牛試験場であることを考えますに、地元の各種イベントの渋滞状況を見ましても、しっかりとした構想のもとに着実な道路の整備に努める必要があるのではないかと思っております。 また、共進会の肉牛の部の会場に関連してでありますが、現在、高山市にあります飛騨食肉センターを移転・整備し、そこを共進会場として利用する計画というように伺っております。現在、飛騨地域では新飛騨食肉センター建設運営協議会が設置され、その運営主体及び施設規模などについて検討がなされている現状だというように聞いております。この施設整備は、平成十二年度事業着工、平成十四年度竣工という計画で進められると聞いておりますが、共進会の関係のみならず、県下でも肉用牛を中心とする畜産の主生産地である飛騨地域の念願でもありますので、施設整備に当たっての県の特段の御支援をお願いするものであります。 また、共進会場に関連して、畜産を中心とした地元の構想でありますキャトルパーク構想が以前からありました。これを機会に、地域の農業を振興するというもっと幅広い視点からとらえた構想として考えることも必要であると思います。これにつきましても、構想が地元で具体化した時点において、その推進に向けて県の前向きな姿勢を望むものであります。 次に、共進会の運営体制は、先催県と同様、実行委員会形式で行われると伺っておりますが、実行委員会の設立について、早期に準備が行われ、共進会開催に怠りのないようお願いするとともに、全庁的な共進会開催への推進体制についても万全の体制をとっていただくようお願いしたいと思います。 最後に、共進会開催準備等に伴う予算関連でありますが、県の財政状況が厳しいことは十分認識しております。共進会の開催に当たり、簡素化、節約に努めることは当然でありますけれども、共進会の趣旨・目的を十分に御理解の上、予算の柔軟な運用がなされますようお願い申し上げます。私も微力ながら共進会の成功に向けて応援をさせていただきたいと思っております。 そこで、平成十四年に開催されます共進会に関しまして、次の四点について農政部長にお尋ねいたします。 第一点は、種牛の部及び肉牛の部の会場整備及び出品牛の対策の現状と今後のスケジュールについて、第二点は、共進会会場周辺のアクセス道路の整備について、三点目は、共進会開催への推進体制について、四点目は、共進会を開催するに当たり、肉用牛を中心とした畜産農家等にどのような波及効果があると考えておられるのか、以上の四点につきまして農政部長の御所見をお伺いいたします。 次に、「みどりの健康住宅」構想の推進についてお伺いいたします。 今年二月七日の新聞に、「癒し、潤い、山村の週末」という見出しで、週末を益田郡萩原町にあるセカンドハウスで過ごしておられる大学教授の記事が載っておりました。また、「田舎暮らし」「定年帰農」といった書籍が店頭を飾るなど、新たなライフスタイルの場として山村が脚光を浴びつつあります。一方、間伐については、健全な森林を育成する上で、だれもが必要であると認めるところでありますが、近年の材価の低迷などによりなかなか進まないのが実情であり、日の差し込まない薄暗い森林が見受けられ、県土保全上懸念しているところであります。 こうした状況の中、知事は十二月議会の答弁で、山村に対する新たなニーズを踏まえるとともに、防災・環境保全に必要な間伐の重要性に着目した「みどりの健康住宅」構想を提案されました。この構想は、公有地等山村地域の遊休地を活用して、間伐材などをふんだんに使った健康的な住宅を都市住民の方々に建設していただき、間伐材の需要を拡大することで間伐の推進を図ることが目的と伺っております。私としても、「みどりの健康住宅」の建設が促進されれば、木材の生産や加工活動が活発になり、間伐など森林の整備も進むとともに、地域経済にも好影響を与えるのではないかと思う次第であります。 私の地元であります高山市やその周辺の町村は、全国から多くの観光客が訪れる、自然が豊かで風光明媚な地域であるとともに、古くから木材産業が盛んな地域であります。加えて、一昨年には安房トンネルが開通し、首都圏からの交通アクセスが飛躍的に向上するなど、「みどりの健康住宅」構想を進めるための環境条件にぴったりの地域であると自負をしております。こうした地域の住民の一人としてこの構想の趣旨に賛同し、その推進を期待するものであります。 そこで、「みどりの健康住宅」構想を推進していくためには、都市への積極的なPR、新たな間伐施策なども必要であると思いますが、この点を含め、今後どのように進められていくのか、林政部長にお尋ねいたします。 次に、本年一月の大雪による森林被害の状況と対応策についてお伺いいたします。 県土の八二%が森林である本県にあっては、豊かで活力ある山村をつくっていく上で、森林を適正に管理し、有効に活用することが不可欠であり、森林所有者を初めとする林業関係者は明るい未来を夢見て、山の手入れに日夜頑張っているところであります。こうした中、昨年は台風の当たり年と言われていますが、八号、七号、十号と五月雨式に台風が本県を襲撃し、立木の倒伏や山腹の崩壊、林道の決壊など、森林に多大の被害をもたらし、現在その復旧に当たられているところであります。このような折、年が明けた一月八日から降り出した予期せぬ大雪は立木の幹折れなど、地域的に大きな被害をもたらしました。こうした被害地の現状を目にしたとき、林業を取り巻く環境が厳しい中にあって、二十年、三十年と丹精込めて育ててこられた森林所有者の痛手ははかり知れないものがあると胸が痛む思いであります。 そこで、本年一月の雪害の実態と対応策、また森林被害を補てんする措置として森林保険制度がありますが、本県での加入状況と加入促進策とを、あわせて林政部長にお尋ねいたします。 農政部長、林政部長とも長年県政発展のために、またそれぞれの専門職としての農林業に専念してこられましたこと、本当に御苦労さまでございました。将来の農林業に対して希望と期待を込められての答弁をお願いし、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。   (拍手) ○副議長(宮嶋和弘君) 農政部長 森井季雄君。   〔農政部長 森井季雄君登壇〕 ◎農政部長(森井季雄君) 第八回全国和牛能力共進会の岐阜県開催に関してお答えをいたします。 まず初めに、共進会会場の整備についてであります。 共進会は種牛の部と肉牛の部の二つに分かれて開催されます。種牛の部につきましては、会場となる肉用牛試験場内の約九ヘクタールについて十一年度に測量調査を行い、排水工事に着工してまいります。会場基盤造成工事については、十二年度を中心に、十三年度までの二カ年で実施する予定であります。肉牛の部につきましては、整備予定の仮称新飛騨食肉センターを会場として利用することを検討しております。その施設整備に当たっては国等の助成制度を活用した支援を検討してまいります。 次に、出品牛対策ですが、本県が開催県であることから、若牛の部を初め十区すべての区に出品するとともに、上位入賞を目指し、拡大準備委員会に出品牛対策部会を設け、その対策に取り組んでいるところであります。具体的には、早期に対策が必要な出産経験のある雌牛の出品区につきましては、既に候補牛の選定と、飼養管理の指導を実施しておりますし、その他の出品区についても、飛騨牛固有の肉牛のよさと体積等を兼ねた種雄牛の選定や出品牛を生産するための交配の決定及び飼養管理の指導を実施しております。 次に、共進会場へのアクセス道路についてであります。 アクセス道路の整備は、共進会の円滑な運営のために非常に重要でございます。特に共進会への直接搬入路となる県営ふるさと農道につきましては、現在、事業着手し、測量と実施設計等に取り組んでおります。平成十一年度は用地買収及び工事に着手するなど、平成十四年の共進会場へのメイン道路として供用できるように、その整備を推進してまいります。また、関連します道路につきましても、現在庁内に関係部局から成る推進会議を設置しており、建設省、市町村などとも緊密に連携をとりながら検討を進めております。 次に、共進会の推進体制については、現在、県と拡大準備委員会が中心となり基本構想の策定等を進めております。本年四月一日から本庁畜産課に全国和牛能力共進会推進室を設置し、推進体制の整備を図ってまいります。また、飛騨地域における共進会の推進活動の充実を図るため共進会飛騨事務所を設置します。共進会の運営主体につきましては実行委員会方式を考えており、本年五月に現在の拡大準備委員会を発展的に解消し、仮称ではありますが、第八回全国和牛能力共進会岐阜県実行委員会を設立する予定であります。 最後に、共進会開催の波及効果についてお答えをいたします。 共進会を単なる一過性のイベントで終わらせることなく、肉用牛改良に対する意識の高揚や経営意欲の向上につなげ、飛騨牛のブランド化をより強固なものにし、さらなる肉用牛振興が図れるものと期待しております。また、岐阜県農業の全国に向けたPRと飛騨地域の農業の活性化に大いに役立つものと考えております。 なお、議員御提案のキャトルパーク構想につきましては、現在飛騨地域の関係機関・団体で鋭意検討が重ねられているところでありますが、県といたしましても、事業実施に当たっては各種の補助制度を活用し、支援を検討してまいります。 ○副議長(宮嶋和弘君) 林政部長 清水正巳君。   〔林政部長 清水正巳君登壇〕 ◎林政部長(清水正巳君) 初めに、「みどりの健康住宅」構想の推進についてお答えいたします。 まず、PRについてでありますが、「みどりの健康住宅」構想の内容を初め、構想を推進しようとする市町村や建設用地の紹介、さらには安心して任せられる地元建築業者、自分で建てる場合の材料の調達方法などの情報をインターネットのホームページや新聞・専門誌等を通じて全国に向けて発信してまいります。また、PRの拠点とするために、現在加子母村でモデルハウス五棟の建設を進めているところでありますが、六月には完成させ、オープニングイベントを開催するほか、現地見学会の実施や常駐の専門家によります来訪者への説明や相談を行ってまいります。 次に、新たな間伐施策についてでありますが、来年度から間伐材を林道際まで搬出する経費についても補助の対象とするよう制度を拡充することとしております。特に「みどりの健康住宅」推進市町村にあっては、林道際から加工場等への材の運搬経費について助成額を増額するほか、高齢者がみずから実施する間伐についても面積要件を緩和して助成するなど、新たな施策を展開することとしております。こうしたことにより、「みどりの健康住宅」構想の推進とあわせて間伐の促進に努めてまいりたいと存じます。 次に、大雪による森林被害対策についてでございますが、大雪により被害を受けた森林は、揖斐郡から郡上郡にかけて十五町村にわたり、箇所数は六百四十四カ所、被害実面積は九十一ヘクタール、被害額は約一億七千万円であります。被害の発生状況を見ますと、被害面積の九割が郡上郡に集中するという局地的な被害でありました。被害森林につきましては、既に森林組合や森林所有者の方々が被害木の処理に取りかかっており、県といたしましても、造林補助事業の適用による一日も早い復旧を指導しているところでございます。 次に、森林保険の加入状況でありますが、県全体の民有林・人工林面積の二一%に当たる六万四千ヘクタールが加入しております。その内容は、幼齢林では被害を受けやすいため加入率も高くなっておりますが、林齢が上がるにつれて加入率が低くなっているのが実情であります。これまでも森林保険の加入を推進してきたところでありますが、今回の雪害を教訓として、林齢の高い森林についても必ず加入するよう、普及活動などを通じて森林所有者に強力に働きかけるなど、加入促進に努力してまいります。 ○副議長(宮嶋和弘君) 二十二番 近松武弘君。   〔二十二番 近松武弘君登壇〕(拍手) ◆二十二番(近松武弘君) 私は六点について質問いたします。 最初に、健康管理院の廃止とその対応について衛生環境部長にお尋ねします。 私も今までずうっと利用してきましたが、一昨日の答弁で、健康管理院の廃止が平成十二年度末と発表されました。県民の疾病予防及び健康増進を目的とし、昭和四十八年四月にスタート、今日まで二十六年間、県民の高血圧、糖尿病、胃がんなどの早期発見や健康管理に大きく寄与してきました。開設時一日五十人、年間一万二千人規模でスタート、その後整備され、現在一日百人規模まで可能になっています。利用者のピークは平成三年度、年間二万五千五百八十七人。その後、徐々に減少し、平成九年度は二万二千二百八十三人となりました。健康管理院の経営状況を単年度収支で見てみますと、平成七年度約千四百万円、平成八年度約五百三十万円、平成九年度約四百万円の赤字となっています。 そこでお尋ねします。 一、健康管理院廃止の背景には、健康診断は身近なところで受診できることが望ましい。健康管理院より民間の方が安いところが出てきた。民間医療機関でも人間ドックがふえ、精度も高くなってきたなどが一般に考えられていますが、本県の廃止の背景や理由は何か。 二、健康管理院の健診業務のすべてを民間医療機関にゆだねる場合、現在の受け入れ態勢は十分か、料金は今より高くならないかなどの心配があります。中でも最大の心配事は、検査や判定が正確に行われるかどうかであります。適正な精度管理をするに当たっての県の役割と具体的実施事項は何か。料金は市場原理、企業努力で決まるものですが、この料金や受け入れ態勢についての情報提供が必要であります。どのように対処されるのか。 三、県立健康管理院を廃止した場合、県としての健診機関充実への研究や取り組みはどこで行われるのか。 四、県として広く県民の健康を守る上で大切なことは、病気になる前の一次予防に力を注ぐことであります。県民の健康づくりにどのように取り組んでいかれるのか。 次に、介護保険制度の課題について民生部長にお尋ねします。 現在、我が国の要介護者は約二百五十万人です。寝たきり、痴呆症、虚弱等の要介護者の将来予測は二〇一〇年三百九十万人、二〇二五年五百二十万人です。五百二十万人といえば、岐阜県人口の約二・四倍に当たります。この予測どおりになったら大変なことであります。介護保険制度は福祉自治の新しい出発です。これからは子供に老後の世話を期待したり、家族だけで介護することは極めて困難になりました。そこで、今、介護保険制度を実施する上で必要なことは、地域の基盤整備を充実し、介護サービスを普及させることであります。そのもとになるのが各市町村の介護保険事業計画であります。 さて、岐阜県の要介護認定の変更率は一七%であります。昨年九月から二カ月間にわたり県内で実施された要介護認定モデル事業で、一次判定と二次判定の変更率が一七・二%でありました。全国平均九・二%を大きく上回っています。要介護認定とは、一人ひとりの介護の必要度を判定する作業です。一次判定では、介護認定調査員が、自分で起き上がることができるか、一人で食事することができるかなど、八十五項目の聞き取り調査をして、その結果をコンピューターで分析します。二次判定では、一次判定の結果に、かかりつけ医師の意見書などを加え、福祉、医療、保健の各分野の専門家で構成される介護認定審査会で審査します。そこで実際に保険で受けられる介護の度合いが決まります。 そこでお尋ねいたします。 一、介護保険制度の運営主体は各市町村です。県下九十九市町村は、それぞれに規模、財政、地理的環境、基盤整備などに大きな違いがあります。各市町村ごとの単独事業計画策定は困難だと思います。介護保険事業の広域連合化、一部事務組合方式、共同設置、単独設置など、県下の状況はどのように進んでいるのか。また、各市町村ごとの介護保険事業計画の策定はどのように進められているのか。 二、要介護認定のモデル事業を受けて、市町村から幾つかの要望が出されています。一、制度の公正・公平を確保するために、来年四月の本番に間に合うように、調査員や審査委員会の質を高めるための研修を進めてほしい。二、住民への説明や不服審査への対応のため、一次判定に使われるコンピューターソフトを公開してほしい。全国で一律の判定基準を確保するために、具体的で、より詳しいマニュアルが欲しいなどなどの要望です。どう対処されているのか。 次に、寝たきり老人ゼロ作戦など、要介護にさせない取り組みについて、民生部長、衛生環境部長にお尋ねします。 介護保険制度導入の中で、要介護にさせないという取り組みが極めて乏しいと思います。つまり、寝たきりにさせない取り組みと、寝たきりを改善する取り組みを展開しなければ、介護保険は薬漬け医療ならぬケア漬け介護に陥ってしまう危険性があるからであります。寝たきり老人の約四〇%は脳卒中が原因です。特に七十五歳までの前期高齢者の場合は五〇%を超えています。痴呆症の主要原因も脳卒中です。脳卒中の発症は減らせるといいます。また、脳卒中もリハビリで障害はある程度克服できるともいいます。したがって、脳卒中の減少が介護保険制度の安定財政運営のかぎを握っているようであります。九二年に創設された療養型病床群は、医療、介護スタッフを配置し、機能訓練室も整備しています。厚生省は二〇〇〇年までに療養型病床群十九万床の確保を目指しています。介護保険制度の民間の医療サービスとして大きな期待がかけられています。 そこで、まず民生部長にお尋ねします。 一、寝たきり老人ゼロ作戦と在宅福祉を二本柱とした高齢者保健福祉推進十カ年計画、いわゆるゴールドプランは平成二年度スタート、平成十一年度までの十カ年計画であります。来年度が最終年度です。寝たきり老人ゼロ作戦を推進するために、ホームヘルプサービス、ショートステイ、デイサービスの拡充などにどのように取り組んでこられたのか。また、その成果は。 二、寝たきり老人ゼロ作戦をさらに推進するためには、在宅の保健、医療、福祉サービスの充実が不可欠であります。平成十二年度以降どのような形で取り組んでいかれるのか。 三、身体機能が低下した老人に対して適切なサービスを提供する情報網の整備が必要であります。在宅介護支援センターの整備、高齢者総合相談センターなどの充実など、どのように進んでいるのか。 次に、衛生環境部長にお尋ねします。 一、寝たきり老人ゼロ作戦を推進するには、寝たきりの原因となる病気やけがの発生を防止することです。成人病予防のための健康診断の充実、寝たきり予防に関する健康相談・健康教育、骨粗しょう症、生活習慣改善指導など、どのように進められてきたのか。 二、原因疾患発症後のリハビリテーションの強化が寝たきり老人ゼロ作戦の大きなかぎを握っています。機能訓練の充実、老人保健施設の整備など、どのように進めてきたのか。また、その成果はどのようになっているのか。 三、寝たきり老人ゼロ作戦への今後の取り組みはどのようになっているのか。 四、介護保険制度に果たす療養型病床群の役割や必要性は何か。本県の整備計画とその状況はどのようになっているのか。 次に、高齢者の生きがいと雇用就業対策について、民生部長並びに商工労働部長にお尋ねします。 「大往生」という永 六輔さんのベストセラーの中に、こんな傑作というか、高齢者の叫びがあります。「孫にさあ、孫にだよ、おじいちゃん、どうせ死ぬのにどうして生きているの、と聞かれちゃったよ。どう答えりゃあいいんだ」何がつらいといったって、用がなくて生きているほど世の中につらいことはありません。つらいとか、悲しいとか、痛いというのは何とかできるんです。一番厄介なのは、むなしいということです。人間は目的がないとき、人に当てにされないとき、一番むなしさを感じるそうです。 高齢者を趣味の領域で閉じ込めるというか、絵画クラブや書道クラブのたぐいの活動は幾らでもあります。しかし、高齢者ももっと現実の前面に躍り出て活動してもいいのではないでしょうか。欧米では六十五歳、七十歳で平気で現場最前線で取材し、写真を撮り、文章を書き、マスコミなどで活躍しています。そこには真に生きる精神回路があります。日本の高齢者は、自己表現の回路を閉ざされてしまっているのではないでしょうか。高齢者は決してお金のためだけに働くのではありません。人間としての活力が欲しい。また、何かの役に立ちたいと願っておられます。日本は高齢者を生殺しにしてはいないでしょうか。働く意欲のある人には思い切り働けるような環境づくりをもっともっと進めるべきではないかと思います。 さて、日本の人口は二〇一〇年をピークに急激に減少します。二〇一〇年には労働力人口の二〇%が六十歳以上になります。二月六日、トヨタ自動車では、少子・高齢化社会の到来対策として高齢者や女性が働きやすい環境づくりや工場改革に取り組む方向を打ち出しました。二十一世紀の企業経営は、高齢者や女性をいかに活用できるかが企業の盛衰を左右するといいます。トヨタ自動車の改革の骨子は、高齢者や女性がラインの中で十分作業ができるよう、メインラインのわきに多くの固定式補助ラインを枝状に並べる方式です。補助ラインではモジュール部品をつくり、それをメインラインに流れてくる車体に載せる仕組みです。この新システムは、高齢者や女性でも十分に働ける作業環境だといいます。 さて、今、赤瀬川原平さん提唱の「老人力」が話題を呼んでいます。高齢化が進むと活力が低下するのではなく、活力が変化するという考え方です。六十歳までのぎらぎらしたエネルギーというか、活力とは違い、経験や実績を隠し味にした、いぶし銀のエネルギーです。これから迎える二十一世紀は、いぶし銀の老人力をうまく活用する企業や自治体に活力が出てくるといいます。 そこで、まず民生部長にお尋ねします。 一、高齢者の生きがい対策についての基本的な方針はどのようになっているのか。 二、高齢者の生きがい対策であるシルバーパワーの活用、生涯青春実践、高齢者能力活用協会設置などの取り組みとその成果はどのようになっているのか。 三、平成十一年度の新規事業も含め、今後の高齢者の生きがい対策をどのように進められていくのか。 次に、商工労働部長にお尋ねします。 一、高齢者の雇用就業対策についての基本的な方針はどのようになっているのか。 二、本県の高齢者の雇用状況、定年制の状況、再雇用や勤務延長制度の状況はどのようになっているのか。 三、高齢者の雇用就業対策について。継続雇用の促進、多様な形態による雇用就業の促進、高齢者の雇用就業に対する援助などについての取り組みと成果はどのようになっているのか。 四、平成十一年度の新規事業も含め、今後の高齢者の雇用就業対策をどのように進められていくのか。 次に、本県の財政改革について、知事並びに総務部長にお尋ねします。 今、地方自治体も瀕死の財政ピンチに陥っています。本来なら税収が豊かなはずの大阪府、東京都、神奈川県、愛知県が相次いで財政緊急事態宣言を出しました。その最大の背景には、県税収入の柱である法人事業税や法人県民税の激減があります。また、高い人件費、バブル時代に膨らんだ財政支出をそのまま抑制できず、膨大な借金を抱えてしまった構造的な問題もあります。こうした中で、今新しい風が吹いています。新しい風は常に地方が発信源です。その一つが、自治体に企業会計方式を導入する動きです。神奈川県藤沢市と社会経済生産本部は、九七年度、市財政を資産、負債、自己資本で示す貸借対照表などを試作しました。現行の予算、決算は税収額や新たな借金額など、単年度の現金収支を示します。しかし、企業会計方式では、借金までして調達した行政資金が、どのような価値ある資産、例えば道路や施設などに投下されているかがわかるといいます。こうした自治体会計の改革は九〇年代に入って欧州で本格化しました。過剰な投資や借金を防ぎ、将来負担を考えた施設整備ができるといいます。 さて、昨年十月、三和証券はアメリカの格付会社が行っている分析を参考に、全都道府県の財政格付ランキングを発表しました。試算では、国からの交付税依存度、公債費負担比率、経常収支比率など八種類のデータを使っています。その結果、経常収支比率が低い岐阜県が第一位。東京都は国から交付税を受けていないことが評価されて第二位、第三位愛媛、第九位に愛知県がランクされています。知事もこれまでの議会答弁で、この格付ランキングをもって他県に比べ健全であると評価されています。確かに一つの評価方法でありますが、しかし、これを信頼し過ぎてはいけないと思います。現に第二位にランクされている東京都、第九位にランクされている愛知県がともに財政緊急事態宣言をするほどの財政破綻に陥っています。 そこでまず、総務部長にお尋ねします。 一、三和証券のランキングではなく、県は毎年「岐阜県健全財政指数」を発表しています。この指数の何を健全財政の評価・検証の対象として重視されているのか。その指数で評価・検証した本県の財政の健全性レベルはどんな位置づけになっているのか。 二、本県の財政の健全性は全国のトップクラスと言っていますが、本県と、現在財政緊急事態宣言を出している東京、大阪、神奈川、愛知県などとの一番の違いは経常収支比率にあるようです。この指標について、年度別推移や個別の経常経費ごとの内訳にどのような違いが見られるのか、原因分析も含めて具体的に示していただきたいと思います。 三、本県に企業会計方式を導入し、個人の税負担と行政サービスの対比を身近に見えるようにしてはどうしか。 次に、知事にお尋ねします。 一、財政の健全性比較は他県との相対比較です。そういう比較ですが、本県が現在他県に比べて健全財政を維持してこれた要因ベストスリーを挙げるとすれば、これまでの取り組みの中で何と何と何か。 二、大ピンチは大チャンスであるといいます。大ピンチに陥り、財政緊急事態宣言を出した大阪、東京、神奈川、愛知県はかえってこの際思い切った財政改革を断行できる大チャンスでもあります。岐阜県レベルを一気に超える画期的な大改革が断行される可能性もあります。本県の財政の健全性はトップクラスといっても、その本質的財政事情は大変逼迫しています。県に抜かりはないと思いますが、既にこれまでの改革よりさらに高レベルの改革が求められています。これからどんな改革にチャレンジされるのか。 最後に、地球環境村構想の推進とささゆりクリーンパーク周辺整備事業への支援について、知事並びに環境局長にお尋ねします。 一月二十五日、ささゆりクリーンパークが県の地球環境村第一号に指定されました。ささゆりクリーンパークは可茂地域十一市町村で構成する可茂衛生施設利用組合が事業主体です。可児市、美濃加茂市、可児郡、加茂郡で構成され、対象人口は約二十二万人です。三月一日に火入れ式が行われ、四月一日からの本格的稼働に向け、今、入念な試験運転がなされています。その基本的施設は、一日最大二百四十トン処理できるごみ焼却炉、一日最大六十トン処理できる焼却灰溶融炉、余熱利用の自家発電施設、リサイクルプラザ、最終処分場施設などです。また、個別的施設としては、リサイクル研修施設、フィットネス研修館、公園、遊歩道、展望台広場などです。ささゆりクリーンパークは県の廃棄物対策五原則にのっとり、地球環境村構想の推進を目指してきました。その具体的な特徴は、県下初の最新式灰溶融技術の導入、水を一切区域外に放流しないクローズド方式の採用、大気を汚染しないクリーンエネルギーの活用、余熱利用による発電、そして、排気ガスのダイオキシン対策は最新規格である〇・一ナノグラム以下であることです。地球環境村の指定を受けるには、最新技術の採用、リサイクル、焼却の余熱利用といった一定の条件を満たす必要があります。 さて、ささゆりクリーンパークの建設事業費についてであります。基本的施設の総額約百四十五億円、個別的施設の総額約十八億円、附帯的事務費の総額約二十二億円、総合計事業費約百八十六億円です。このうち国からの補助金は約十六億円、県からの補助金は四千二百万円。起債額は約百三十三億円、このうち起債の交付税算入額は約五十九億円です。したがいまして、総事業費百八十六億円から国・県からの補助金や交付税算入額を差し引いた百十一億円が事業主負担になっています。地球環境村整備費交付金の対象は基本的施設ではなく、個別的施設についてであります。交付金は一般廃棄物施設の場合、上限二億円、産業廃棄物の場合、上限五億円であります。ささゆりは一般廃棄物処理施設ですので、交付金の限度額は二億円であります。ささゆりクリーンパークの個別的施設費は約十八億円、この施設に対して二億円を上限に交付されます。 そこでまず、環境局長にお尋ねします。 一、県は今、県下五圏域ごとに地球環境村の推進を目指しています。こうした取り組みと同時並行的に緊急課題にも取り組んでいかなければなりません。その一つである美濃市曽代の行政代執行はどのように進められているのか。代執行に着手された二月二十六日、私もその模様を視察しました。今後の対応も含め、見解をお尋ねします。 二、県下五圏域における地球環境村構想はどのように進められているのか。平成十年度の具体的な取り組みとその成果、さらに今後の取り組み方についてお尋ねします。 次に、知事にお尋ねします。 一、一月二十五日、ささゆりクリーンパークが地球環境村の第一号に指定されました。地元として大変名誉であり、誇りであります。それだけに果たすべき役割と使命は大きいと思います。県内外からの視察も既に殺到する気配であります。県は、地球環境村構想推進に当たり地球環境村整備交付金の助成措置のほか、施設整備に対する国庫補助事業の採択、有利な起債措置、そして県単独補助金制度の充実など、既に積極的な支援や協力をいただいています。可児市塩河地区にささゆりクリーンパークが建設できた最大の理由は、何といいましても地元自治会や地域の人々の理解と協力であります。地元の自治会や各種団体と事業主体の関係者たちによる百回を超す話し合いも大きな役割を果たしました。そして、七十七項目にわたる地元要望を信頼関係で合意し、その実現に誠意をもって取り組んでいる可児市の姿勢も高く評価できると思います。七十七項目のほとんどが施設周辺整備事業であります。これまでに協議事項の約七割が実施されてきました。市として、もちろん協議事項完遂は揺るぎないものでありますが、費用のかかる事業も残っています。地球環境村第一号に指定いただいた際、知事より、既定の県費支出は当然だが、周辺整備事業には県としても相談に乗っていきたいとの話があったと伺っています。県の地球環境村第一号です。いわば県の顔であります。周辺事業への財政的支援について知事の見解をお尋ねします。 二、地球環境村推進構想は平成八年三月に策定されました。以来三年たちましたが、その考え方や姿勢は立派に通用します。しかし、財政的支援については見直しが必要であると思います。特に地球環境村整備交付金の見直しであります。私は、少なくとも個別的施設の二分の一程度は交付すべきであると思いますが、知事の見解をお尋ねし、私の質問を終わります。ありがとうございました。   (拍手) ○副議長(宮嶋和弘君) 知事 梶原 拓君。   〔知事 梶原 拓君登壇〕 ◎知事(梶原拓君) まず、財政改革の問題についてお答えしたいと思います。 もう十年来、他県に先駆けまして本県は行財政改革に取り組んでまいりました。その結果、経常収支比率が七九・四%、全国の低い方から五番目ということでございます。これは平成二年度までに職員定数の五%、二百六十三人の削減、あるいは、その後、平成八年度事務事業の見直しによりまして、十二年度までに五百九十七人分の事務事業の削減をしていると。こういうことはほかの県でやっておったところはございません。岐阜県だけでございまして、そういう成果がこういうところに出ておるということでございます。 それから二番目に、起債がどうしても必要欠くべからざるものでございますが、こういう県の借金につきましても、後から国の方から元利償還金に交付税の手当てがあるというものを最大限活用してきました。その活用については、これまた日本でトップレベルでございます。例えば現在の、あるいは十一年度末県債残高見込みの九千八百四十七億円のうち、元利償還金が国から手当てされるものを除きますと、実質返済額は約半分の四千二百億円でございまして、見かけの借金と実質返さなきゃならない借金とは厳然と区分けして考えなきゃいけないというふうに思いますが、そういった努力によりまして、予算額に占める借金返済額の比率が六・三%ということで、全国の二番目という高い位置にございます。六・三%という数字はどうかといいますと、警戒ラインが一五%でございまして、その半分以下ということで、その警戒ラインに比べて健全な水準を保っているということは断言できると思います。 三番目に積立金でございますが、平成四年度末二千三百億円というものを将来の財政需要を見越して積み立てをしたということでございます。随分と二期目の知事選挙のときには対立候補の方からため込み県政という非難を受けましたが、そのため込みによりましてこの不況期を何とか乗り越えてきたということでございまして、いっときの状況だけを考えて事を論ずるということがいかに危険かということでございます。そういう基金の積み立てをいたしまして、この二千三百億円というものはどの程度の数字かといいますと、例えばお隣の愛知県の財政規模に換算いたしますと約六千億円の規模の積み立てになります。おやめになった鈴木知事さんはせめて五千億積み立てたかったと。それができなかったから今日の事態になったとおっしゃっておりますが、岐阜県の場合、愛知県に相当する金額であれば六千億円でございまして、鈴木知事さんがおっしゃるその五千億円をさらに一千億円超える水準の積み立てを岐阜県はしたと。そのことが今日何とか財政がもっておるという要因の一つであろうと、こんなふうに思っております。 そこで、これからの行財政改革ですが、こういうように一生懸命十年来行財政改革をしてスリムにしてきたところと、放漫な財政運営をして、ぜい肉いっぱいのところと同列に論ずるということは問題があろうというふうに思います。世間ではどれだけ削ったかという目先の数字だけでランクをつけておるとか、そういう嫌いがございまして、これは大変問題であると自治省の方にも申し入れをしておりまして、あるべき姿からどうだという基準でランキングを決めないと、さんざん放漫財政をやっておって、ぜい肉いっぱいで、それをずぼっと切ったら、これはすばらしいことだと、こういうような価値判断では困るんです。そのことを十分御理解いただきたいというふうに思います。 財政が危殆に瀕しているところは思い切ったことをやるだろうというお話でございますが、例えば職員の給与水準、それから教育・福祉のいろんな施策、高等学校入学金、私学助成、乳児医療費助成、老人医療費助成、介護手当、これを単独事業でこうした大都市は豊富な税収に任せて、大いに我々岐阜県に比べて支出の拡大をされておられまして、大阪府でもこういった私学助成等を切り下げるということで、血みどろの努力をされておられます。福祉もどんどん切り下げをしなきゃいけない。財政改革ということは、教育・福祉あるいは職員の給与の切り下げということでございまして、その切り下げを岐阜県の水準までやることは大変なことでございまして、恐らくそれは不可能だというふうに思います。一〇〇%おやりになっても、せいぜい岐阜県の水準ではないかというふうに思いまして、岐阜県を超える改革ができるということは、量の面からは決して考えられないというふうに私は思います。 そこで、企業会計方式を導入したらどうかというお話もございます。私はそういう考え方も一つの考え方だと思いますけれども、例えば過疎地の道路、通学路、そんなものはどう計算しても勘定が合うものではございません。いつも言っておりますように、憲法二十五条の、国民はひとしく健康で文化的な生活を営む権利を有するという生存権保障の道路でございまして、これは銭勘定でどうこうできるものではございません。それがゆえに公共事業という名前がついておるんで、最近景気対策の中に公共事業を使うもんですから、経済事業のように錯覚されておる。これはそろばん勘定でできないから、国とか自治体が税金で基盤を整備して、そして過疎地でも健康で文化的な生活を営める、それを保障するというのが憲法の精神でございまして、いたずらに企業会計論理を持ち込むというのはいかがなものかと私は思います。必要なところにおいては、そういう考え方を導入するということは必要なことではあると思いますが、これから大事なことは量の問題ではなくて、むしろ質の問題であろうと、こんなふうに思います。地方分権が進みますと、まず事務量の増大というものが自治体にかぶってきます。それから、仕事の範囲の拡大というしわ寄せも参ります。それから、仕事の質の向上をしなきゃいけないという要請も高まってまいります。この三つの要請をどう自治体レベルで実現していくかということがこれからの行財政改革の一番の大事なところでございまして、人の問題、頭数の問題、これは岐阜県はかなりの線までもうやっておる。あと残っておるのは、出先機関の問題だけだと言ってもいいと思います。それから、お金の問題は、これも十年間営々と努力をしてまいりました。次は、いかに知恵を出すかということでございまして、そういう意味の創造性・生産性を高めるということが私どもの改革の次なる目標でなきゃいけないと、こんなふうに思っております。そのためには情報化を進めると。EDSとのアウトソーシングの問題もそうでございますが、この中身をどう切りかえていくかと。そして、新時代にどうこたえていくかと。こういう質の課題にこれからこたえていくことが改革の岐阜県の最大の課題であろうと。今ほかの県でやっているようなことは既にもうやってきたわけでございまして、次なる課題に進まなきゃいけないというふうに思っております。 それには、やはり政策形成能力を高めるということで、今回四月からの行革でもそうでございますが、各部に企画管理課を設ける、あるいは各局に政策課を設けるということによりまして、それぞれの部署で、国の下請ではなくて、県民のニーズに沿って新しい政策をみずから創造できると、そういう力を持つことが最大の県民の福祉のための改革であろうと私は思っておりまして、今回の改革もそういうところに重点があるということを御理解いただきたい。そして、産業経済を発展させまして、そして将来の福祉財源、教育財源というものを確保しなきゃいけない。いたずらに国からのお金を待っておるというわけにいかないわけでございまして、そういう課題に挑戦してまいりたいというふうに思います。 それから、地球環境村の交付金の問題についてお尋ねがございました。地球環境村第一号ということで、可児市の市長さん初め御英断されまして、そして実現されたこと、本当に心から敬意を表したいと存じます。お聞きしますと、地元の自治会への説明なんか、延べ百十三回なされたと聞いております。地元住民の方も先進技術視察延べ七回されまして、地元と市長さん側が一緒になって苦労して実現され、そして、これは可児市だけの施設ではございませんで、お隣の御嵩町、兼山町、それから美濃加茂市を初めとする加茂郡、全部の一般廃棄物の溶融をしようということでございまして、広域の処理を可児市が、あるいはその地元がしょって立たれたということは、こういう御時世の時代、何でも反対の時代に、よくやられたと、心から敬意を表したいというふうに存じます。どなたも大・小便を初め、毎日ごみを出しておられるんです。それをどうするかという自己責任をここで明確にされたと。そしてまた、自己完結の態勢を示されたということは貴重なものがあると、私は心から敬意を表しておる次第でございます。 そういう地球環境村に対しまして、一般廃棄物につきましては二億円、産業廃棄物につきましては五億円の交付金を交付する制度を設けておりますが、一般廃棄物について、こうした交付金をこれだけ出しているところは全国どこにもございません。わずか徳島県でございましたか、千五百万円を助成するという制度があるだけで、その他は一切助成措置がございません。この地につきましては、地元から道路事業、河川事業、それから農業ため池防災対策事業、こういったことをやってくれという御要望がございまして、これには全面的に県は御協力申し上げるということで進めてまいりましたし、これ以外にも、こういう事業をやりたいということであれば、優先して県はおつき合いをしてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。 ○副議長(宮嶋和弘君) 理事兼総務部長 高橋新蔵君。   〔理事兼総務部長 高橋新蔵君登壇〕 ◎理事兼総務部長(高橋新蔵君) 財政問題について三点お答えさせていただきます。 まず、県財政の健全性の評価等についてでございますけれども、本県では、岐阜県健全財政指数として、毎年度決算が確定いたしました時期に合わせまして各種指標を全国順位とともに公表しておりますが、最も重要な指標は経常収支比率であるというふうに考えております。これは、県財政の余裕度・弾力性を示すもので、低いほど健全な指標であり、平成九年度決算では七九・四%で、全国で低い方から五番目であります。次に重要な指標は起債制限比率でありまして、これは一般財源に占める公債費の割合で、国から財源の手当てがある分を差し引いた指標であり、九年度決算では六・三%、全国で低い方から二番目となっております。このほか、県債に関する指標として、県民一人当たりの県債残高、県民一人当たり公債費も重要視しており、それぞれ全国順位では低い方から九番目、八番目となっております。これらの指標については、政令市を抱えることなどで財政構造が基本的に異なっております大都市圏を除きまして、低い方から全国ベストテンを従来から努力目標といたしておりますが、九年度決算で見た場合、大都市圏を含めても、いずれも低い方から十位以内と、健全な位置にあります。今後とも、今申し上げました努力目標は別といたしまして、できる限りすべての指標で全国トップテン以内を達成していけるよう、一層の行財政改革に努めてまいりたいと考えております。 次に、経常収支比率の推移等についてお答えいたします。 経常収支比率は、その構成を分析することにより、どのような経費によって財政の硬直化が進んでいるかを判断することが可能となります。財政緊急事態宣言を出している四都府県の平均と本県とを比較いたしますと、現在の数値には大きな差がありますが、ここ数年の数値の上がり方にも大きな違いが見られます。昭和六十年度から平成九年度にかけて、四都府県が八七・四%から一〇三・三%へ一五・九ポイント上昇したのに対しまして、本県では七〇・一%から七九・四%へと、九・三ポイントの上昇にとどまっております。これを人件費、物件費、扶助費、補助費等、公債費の経費別に分析いたしますと、特に人件費、扶助費、補助費等に大きな格差があらわれております。現在の経常収支比率は、四都府県平均が一〇三・三%、本県が七九・四%と、二三・九ポイントの格差があり、このうち人件費による格差が一二・三ポイント、扶助費及び補助費等による格差が一〇・二ポイントとなっております。このような経常収支比率の格差の要因は、これら四都府県ではラスパイレス指数の高さを示すように人件費の水準が高いこと、また、扶助費や補助費は従来から全国平均を大きく上回る高水準のサービスがなされてきたことなどが考えられます。本県では、昭和六十年度以降他県に先駆けて積極的に行財政改革に取り組み、人件費等の固定経費の抑制に努めるとともに、徹底した経費の節減に取り組んできたところであり、その成果が現在の経常収支比率にあらわれているものと考えております。 次に、企業会計方式の導入について、先ほど知事がお答えいたしましたが、私からも改めて答弁させていただきます。 企業会計方式には、県の資産保有状況など、ストックの状況がわかりやすいというメリットがある一方、行政には金銭的な評価が難しい福祉や教育、環境、治安などの分野があり、企業会計的な見方には必ずしもなじまない点も多いと考えられます。本県では、透明性・公開性を高めるため、県財政の現状を少しでも県民の方々に理解していただけるよう努力いたしておりますが、今後とも企業会計方式のよい点なども含めて、よいと思われることは積極的に取り込んでいけるよう、よりよい予算分析方法等について研究してまいりたいと考えております ○副議長(宮嶋和弘君) 民生部長 安藤隆年君。   〔民生部長 安藤隆年君登壇〕 ◎民生部長(安藤隆年君) 四点ほどございますので、順次お答えさせていただきます。 まず介護保険事業の広域化につきましては、きょうまで市町村の主体性を尊重しながら、地域に適した広域化を進めてまいりました。その結果、現在、介護保険事業全般の事務を行います形態といたしまして、広域連合が、揖斐、本巣、安八の三地域、一部事務組合が、山県、郡上の二地域でございまして、それぞれ発足に向けた準備を今進めております。また、介護認定審査会のみを広域で設置するものといたしましては、十一地域ございます。そのほか単独で設置するところは四市となっております。また、介護保険事業計画は保険者ごとに作成することになっておりますので、介護保険事務全般を行う三つの広域連合と二つの一部事務組合以外は、それぞれの市町村が保険者となって介護保険事業計画を策定することとなります。 なお、当計画につきましては、平成十一年度末までに作成することとなっており、今後、県は老人保健福祉圏域ごとに広域的な調整を図ってまいりたいと考えております。 次に、要介護認定モデル事業への問題でございますけれども、今年度実施いたしましたモデル事業の結果につきましては、モデル事業実施市町村から幾つかの問題提起がなされているところでございます。まず、訪問調査員や介護認定審査会委員に対する研修につきましては、平成十一年度に県におきまして資質向上のための研修を実施しますとともに、あわせて市町村におきましてもそれぞれ研修を実施していただく等、指導を行ってまいります。 次に、要介護認定におけます一次判定用コンピューターソフトの内容公開につきましては、国において現在検討中であり、内容が確定次第公開する意向であると伺っております。また、訪問調査のマニュアルにつきましても、国におきまして、今回のモデル事業の成果を踏まえ、訪問調査票記入要領等の改訂を行う予定となっておりますので、それを待っておるところでございます。私ども自身も、この件に関しましてはいろいろ研究しておりまして、いろいろ研修会等を通じましてお話をしていきたいと思っております。 次に、在宅福祉サービスにつきまして、寝たきり老人ゼロ作戦につきましては、国のいわゆるゴールドプランを推進する上で、保健福祉にかかわるさまざまな事業を推進する柱といたしまして大きな役割を果たしてまいりました。高齢者の在宅福祉の分野では、寝たきり予防等の観点から平成六年に県老人保健福祉計画を策定いたしまして、基盤整備に努めてまいったところでございます。その結果、十一年度計画の進捗状況は、ショートステイが千四十三床、九四・八%、デイサービスセンターが百七十二施設、九三・〇%に達すると見込んでおります。ホームヘルパーも十年度末で二千四百五十人、九五・七%見込みであるため、おおむね目標を達成できるものと考えております。 また、情報網の整備のために、十一年度には百三十七カ所の在宅介護支援センターを整備する予定でございます。そのほか、既に県高齢者総合相談センター及び県立寿楽苑に併設して県介護実習普及センターを整備しており、それぞれ年間約二千三百件の相談に対応し、年間延べ二千六百人が介護講座を受講しております。このほか高齢者の居住環境の改善を図るため、県単独助成事業などを実施しております。介護保険制度がスタートする十年度以降につきましては、今般民生部と衛生環境部の組織が一体化されることを契機といたしまして、一層の連携を図りながら、十一年度に策定される介護保険事業計画及び改訂されることとなる老人保健福祉計画に基づき、直接的な介護サービスに加えまして、要介護状態にならないための予防対策事業を推進してまいりたいと考えております。 次に、高齢者の生きがい対策につきましては、活力ある豊かな長寿社会の形成に向けまして、生きがい対策の推進が重要であると考えております。このため、高齢者が自分の知識・技能を積極的に社会に生かしていく活用施策、寝たきり・痴呆等を予防するための予防施策など、生涯青春・生涯現役に向けました施策を、県生きがい長寿財団並びに県老人クラブ連合会など関係機関との連携のもとに推進をしております。高齢者の知識・技能を活用し、例えば観光ガイド等のボランティア活動あるいは特産品づくり等の地域おこし活動を実施する団体には支援を行っております、シルバーパワー活用促進モデル事業につきましては、平成六年度に制度創設以来、六十一団体に今支援をいたしております。また、カラオケ教室とかおしゃれ交流会など、音楽・おしゃれ等をテーマにしました生きがい活動を実施する単位老人クラブに支援を行います生涯青春実践モデル事業につきましては、平成五年度の制度創設以来三百十三団体に対し支援を行っております。また、高齢者に対し、地域社会に密着した補助的・短期的な仕事、例えば公園の清掃とか、植木手入れとか、あるいは建物の管理、賞状書き等、屋内外の軽作業を提供いたしております高齢者能力活用協会につきましては、現在までに四十の市町村での設置を支援いたしております。また、平成十一年度におきましては、新たにサラリーマンOBいきがい活動支援事業、これは企業の協力を得てやるわけでございますけれども、さらに健康法実践リーダー養成事業に取り組むことといたしております。今後とも高齢者が地域社会の構成員として社会に参画し、生きがいを持って暮らすことができる社会づくりの推進を図ってまいりたいと考えております。 ○副議長(宮嶋和弘君) 衛生環境部長 本間 泉君。   〔衛生環境部長 本間 泉君登壇〕 ◎衛生環境部長(本間泉君) 県立健康管理院についてお尋ねがございましたので、お答えをいたします。 健康管理院での健診につきましては、民間医療機関等の人間ドックもふえ、そのレベルも向上し、健診施設としての先導的役割は達成されたと思われるため、岐阜病院の整備に際し廃止することとしたところでございます。検査数値や判定の信頼性をチェックする、いわゆる精度管理につきましては、岐阜県精度管理専門委員会を設置し、医療機関から検査を受託する衛生検査所に対し、毎年立ち入り検査及び基準となる検体を用いた検査を実施し、精度の向上に努めております。さらに、県医師会が実施いたします臨床検査精度管理事業に対し助成を行い、医療機関等の精度管理を推進しております。また、民間での健診料金や受け入れ態勢につきましては、県医師会の協力を得ながら、利用者の方々にホームページ等により情報を提供したいと考えております。 今後の対応といたしましては、県立下呂温泉病院の東西医学ヘルスドックの拡充に努め、伝統医学や民間療法等も取り入れた総合的診断法の研究や健康情報の発信などの基盤整備を推進したいと考えております。また、県民の健康づくりにつきましては、平成十一年度を健康増進元年と位置づけ、健康に対する自己責任の原則を踏まえ、県民自身の健康づくりに関する学習実践活動を喚起するため、県民総ぐるみの県民健康増進運動を積極的に推進することといたしております。 次に、寝たきり予防対策についてお答えをいたします。 寝たきりの主な原因となる脳卒中等の成人病を予防するためには、一人ひとりの生活習慣の改善が最も基本的な対策であることから、市町村が実施する寝たきり予防、骨粗しょう症予防に関する健康教育や、食生活、運動、休養等の生活習慣の改善指導を重点的に推進してまいりました。 また、健康診査につきましては、受診者の利便の確保等により受診率の向上を図り、疾病の早期発見、早期治療に努めてきたところでございます。 また、市町村が実施いたします機能訓練につきましては、実施箇所数の拡大、公民館・集会場等身近なところでの実施を促進するとともに、医療法人、市町村等に働きかけて老人保健施設の整備を促進するなど、地域のリハビリテーション体制の整備に努めてまいりました。この結果、寝たきり予防に関する健康教育の開催回数は平成二年度に比べ約三倍、健康診査受診率は約四ポイント増、機能訓練につきましては、実施箇所で一・六倍、開催回数は一・八倍、また老人保健施設の定員数は十四倍であり、これは平成十一年度目標四千九百四十床に対し九八%の進捗率となっております。なお、脳卒中死亡率は減少傾向にありますが、援護を要する在宅の寝たきり老人は、平成二年の四千四百人に対しまして、十年は六千五百人で、六十五歳以上人口に占める割合は近年やや増加傾向にございます。今後とも保健・医療・福祉の連携を図りながら、寝たきり予防に積極的に取り組んでまいります。 ○副議長(宮嶋和弘君) 環境局長 川瀬雅信君。   〔環境局長 川瀬雅信君登壇〕 ◎環境局長(川瀬雅信君) 地球環境村構想の推進について二点のお尋ねがございました。 まず美濃市曽代の行政代執行についてでございますが、二月二十六日から行政代執行を開始いたしまして、撤去を計画しておりました燃え殻及び鉱滓約三千三百立方メートルのおおむね五分の四の搬出を終えたところでございます。三千三百立方メートルのうちの三分の一につきましては、美濃市の御協力と地域住民の皆さんの御理解も得まして、三月九日に市のごみ処分場への搬出を終了しております。また、残り三分の二につきましては、岐阜県産業廃棄物処理共同組合員が設置する最終処分場などへ搬出しており、計画どおり今年度中には撤去が完了いたします。なお、この行政代執行に要した費用につきましては、行政代執行法に基づき、義務者、すなわち処理業者に求償してまいります。また、残された廃棄物の撤去につきましては、引き続き処理業者、搬入業者、排出事業者などに対し撤去を指導してまいります。 次に、地球環境村構想の推進状況についてでございますが、現在、各圏域の廃棄物問題研究会で地域の実情に合わせた地球環境村建設について自主的な検討がなされているところであり、県では、財団法人地球環境村ぎふとの連携のもとに、圏域別の地球環境村モデルプランの提示や「くらしと県政」による啓発、さらに最新の処理技術の情報提供などに努めているところでございます。その結果といたしまして、岐阜圏域においては、地球環境村の建設の具体的な候補地を設定し、地域住民への説明が始まっており、西濃圏域では西南濃産業廃棄物処理推進協議会を構成する排出事業者みずからが地球環境村建設検討部会を組織しまして、最新の廃棄物処理技術を研究しておられますし、また飛騨圏域では、一般廃棄物の広域化処理と地域の産業廃棄物とのあわせ処理を視野に入れた、仮称でございますけれども、飛騨地域環境村広域連合の設立について検討を行っているといったように、地球環境村整備に向けた具体的な動きが出ているところでございます。平成十一年度におきましても、地球環境村建設の促進を図るため、引き続き各圏域における研究の進捗度に合わせた情報の提供等の支援に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(宮嶋和弘君) 商工労働部長 大下政司君。   〔商工労働部長 大下政司君登壇〕 ◎商工労働部長(大下政司君) 高齢者の生きがいと雇用対策についてお答え申し上げます。 まず高齢者の雇用対策の基本方針でございますが、本格的な高齢社会の到来を控え、国においては高年齢者等職業安定対策基本方針の中で、六十五歳までは現役として働くことができる社会、すなわち六十五歳現役社会の実現を目指していくことと定めております。そして、この基本方針に基づきまして、継続雇用の推進、多様な形態による雇用就業の促進、高齢期の雇用就業の準備に対する支援を柱とした雇用対策を実施しているところであります。 次に、高年齢者の雇用状況でございますが、平成十年六月時点で、五十人以上の規模の企業一千三百四十五社を対象とした調査結果によりますと、五十五歳以上の高年齢者の実雇用率は一三・六%で、前年と比べると同率でございました。六十歳以上の定年制を実施している企業は一千三百四十三社、その実施率は九九・九%と、前年に比べ二・〇ポイント上昇いたしております。さらに、再雇用、勤務延長制度につきましては一千八十社が導入をしており、前年より三〇・八%の大幅な上昇となっております。 次に、高齢者の雇用就業対策でございますが、継続雇用の推進につきましては、ハローワークや社団法人岐阜県雇用開発協会と連携を図りながら、高年齢者雇用アドバイザーや各種助成金制度を活用いたしまして、六十歳定年を基盤とした六十五歳までの継続雇用制度の導入促進に努めているところでございます。また、多様な形態による雇用就業の促進につきましては、従来から高齢者の臨時的・短期的な就業機会を提供するシルバー人材センターの拡充に努めてまいったところであります。県下に十三ございますシルバー人材センターのこれまでの実績を見ますと、最近五年間では会員数は五五・五%、就業延べ人員は七七・四%、さらに受注件数は六四・一%と、それぞれ増加するなど、着実に成果を上げてきております。これらシルバー人材センターや社団法人岐阜県シルバー人材センター連合会に対しまして補助金を交付しているほか、関係機関に対しまして仕事の発注を要請するなどの支援をしているところであります。 さらに、六十歳代前半層の就業希望者の中で、本格的な就職を希望する方々に対しましては、本年度から技能講習と合同面接会を一体化したシニアワークプログラム事業を実施いたしております。また、高齢期の雇用就業に対する援助につきましては、岐阜高齢期雇用就業支援センターを通じまして、定年退職を間近に控えた在職者の方々に対し、職業生活設計支援セミナーを開催するなどの事業を行っております。なお、現下の厳しい雇用失業情勢に対応するため、平成十一年度におきましては、新たに障害者・中高年齢者のための就職面接会を開催するなど、引き続き雇用の場の確保に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(宮嶋和弘君) 答弁漏れがありますので、衛生環境部長 本間 泉君。   〔衛生環境部長 本間 泉君登壇〕 ◎衛生環境部長(本間泉君) 大変失礼をいたしました。 療養型病床群の役割についての御質問がございまして、答弁をさせていただきます。 療養型病床群は、主として長期にわたり療養を必要とする方が利用する施設として、病院や身近な医療機関である診療所において、良質な療養の場を提供することにより、症状の改善を目指すものでございます。また、療養型病床群は、平成十二年度から始まる介護保険制度におきまして、特別養護老人ホームや老人保健施設とともに、施設サービスの一つに位置づけられており、整備に当たっては老人保健施設の整備状況、病床利用率等地域の実情を考慮することとなっております。 療養型病床群の整備につきましては、平成十年七月に岐阜県医療審議会の答申を受け、平成十二年度当初までの整備目標を、県全体で三千四百三十八床と定めたところでございます。現在、関係医療機関に対し整備促進を指導しており、岐阜医療圏ではほぼ目標を達成しているものの、県全体では二千三百六十四床と、整備目標に対しまして六八・八%の進捗率となっております。今後とも整備目標の達成に向け指導してまいる所存でございます。なお、この整備目標は、現在民生部で策定中の介護保険事業支援計画を踏まえ、見直すことといたしております。 ○副議長(宮嶋和弘君) 二番 岩花正樹君。   〔二番 岩花正樹君登壇〕(拍手) ◆二番(岩花正樹君) 発言のお許しをいただきましたので、四項目についてお尋ねをいたします。 最初に、雇用対策についてお尋ねをいたします。 総務庁が今月二日に発表した一月の完全失業率、季節調整値は四・四%で、昨年十一月以来三カ月連続で過去最悪となっており、完全失業者数は前年同月比六十万人増の二百九十八万人と、一九五三年以降で最悪の状態を記録したのであります。特にリストラ、倒産など非自発的な理由による失業者数は百万人と、初の大台に乗せており、雇用情勢は深刻さを増しているのであります。また、一月の米国の失業率は昨年の十二月に続き四・三%で、二カ月連続で日米逆転となったのであります。一月の就業者数は六千三百八十万人で、前年同月に比べ六十五万人減となり、十二カ月連続の減少を示し、業種別で見ると、製造業が二十五万人減と、引き続き大幅な減少を続けております。完全失業者の内訳を見ると、男性が三十六万人増の百八十四万人で過去最多であり、女性は二十三万人増の百十三万人であり、理由別では、非自発的失業者三十四万人増の百万人、自発的失業者は十八万人増の百七万人、学卒未就職者は四万人増の十四万人、再就職活動を始めた主婦など、その他の理由が五万人増の六十八万人であったといいます。完全失業率を性別で見ると、男性は四・五%で、昨年十一月から三カ月連続で過去最悪水準となり、女性は昨年十二月から二カ月連続の四・二%だったのであります。年齢別では、四十五歳から五十四歳の中高年男性が前年同月比一・二ポイント増の三・三%と大幅に上昇し、これと連動する形で世帯主の失業率も〇・七ポイント増の三・三%になり、ともに過去最悪を記録したのであります。 また、労働省が発表した一月の有効求人倍率は前月より〇・〇二ポイント増の〇・四九倍と、九七年五月以来一年八カ月ぶりに上昇したが、これは有効求人が前月比で一・二%ふえた上に、有効求職者が三・二%減少したのが要因であり、新規求人は前年同月比で九・六%減少したのであります。政府は二〇〇〇年までの二年間で計七十七万人の新規雇用を創出する雇用対策をまとめ、産業構造転換雇用対策本部が決定をいたしました。それは雇用創出が期待される分野として、保健福祉、情報通信、住宅関連、観光の四分野を上げており、特に保健福祉分野では一九九九年度に集中的に対策を実施することで、約十万人の雇用を図ることが打ち出されたのであります。 そこで、青年や中高年齢求職者に対する雇用の悪化が深刻になってきており、職場の確保が急務でありますが、本県のハローワークにおける職業紹介の状況及び雇用の場確保の取り組み、雇用創出の具体策、この二点について商工労働部長にお尋ねをいたします。 そして、地場産業を初めとする製造業の振興を図ることは重要であり、そのための技術開発に県工業技術センター等、県の試験研究機関とも協力をして対策を講じられるよう強く要望するものであります。また、県内のハローワークは、一日じゅう来所者が多く、ハローワーク岐阜だけを見ましても、昨年九月には累計で三万八千九百四十四人が職業相談等で来所され、一日最大二千七百人で、日平均千九百四十二名が来所されたことになり、各種面接会も県下九カ所のハローワークで延べ四十八回実施されており、昨年の八月二十七日の岐阜合同面接会には千百人、十月七日の大垣合同面接会には千四百二十三人が参加をされており、ハローワークの職員各位には大変な御苦労、御努力をおかけしておりますが、このことに関して敬意をあらわすものであります。今後とも親切丁寧に対応していただきますようお願いするとともに、比較的規模の大きい倒産などが発生した場合には、その企業独自での職業相談を開くことができるようにしてはどうかと思うのでありますが、県民への便宜を図るためにお願いをするものでございます。この点につき、商工労働部長の御所見をお尋ねいたします。 次に、福祉施設の感染性疾患に関するマニュアルについてお尋ねをいたします。 本年一月、インフルエンザが原因と見られる疾患で全国で二百四十四人が死亡し、その中で老人施設関連での死者が約百五十人に上り、本県でも郡上郡内での老人福祉施設で四人がインフルエンザの疑いがある症状を起こし、死亡したのではないかと思われております。同施設では、県に対して医師のインフルエンザの診断はなかったために、患者はゼロと報告しながら、十六人の発熱を報告し、高齢者の中には日常的に微熱状態が続く人とか、呼吸不全などの持病を持った人等もいることから、県への報告は病院や医師の診断に基づいて行っており、発熱した人数は詳細な報告に心がけたためと説明されております。県はこのことに対し、同施設に立ち入り調査をされ報告をされておりますが、それによりますと、一月八日から二月十一日までの間に十人の入所者が死亡、このうち四人が肺炎などインフルエンザによって起こす呼吸器系疾患で死亡しており、インフルエンザが直接の原因ではなかったものの、この施設では風邪が流行していたことが判明したと報告されております。医療体制については、週二回嘱託医に訪問してもらい、常勤看護婦が朝・夕方に検温をし、調子が悪い人については病院へ引率をし診察をしてもらっていたということであります。また、予防のためのワクチン接種については、嘱託医が手配したが、在庫がなく接種できなかったと説明されており、インフルエンザに対する認識が明確であるならば、何としても接種すべきものであり、県も指導すべきであったと思うのであります。また、同施設では、風邪対策として日常的なうがいや手洗いはもちろん、換気も毎日行っているとのことであり、空気の乾燥を防ぐために加湿器を導入、静養室も含め十八室に配置したと説明されているが、現実的に風邪が流行していたのであり、ふだんから体調のすぐれない高齢者も生活していることは施設管理者は掌握しているのであり、対応が後手に回ったとしか言いようのないことであると思うのであります。病弱な高齢者も、健康な方々も、快適に暮らすことのできる施設でなければならないと思うのであります。 そこで、質問いたします。 一点目、今回の郡上郡内での老人福祉施設への立ち入り検査の結果はどのようであったのか。二点目、本県の福祉施設での感染性疾患の発生に伴う県への報告義務及び指導体制について。三点目、福祉施設内での感染性疾患が発生した場合のマニュアル等は作成されているのか。以上、三点につき民生部長にお尋ねをいたします。 次に、議第二十五号 岐阜県廃棄物の適正処理に関する条例についてお尋ねをいたします。 全国の自治体でも初めての廃棄物の適正処理等に関する条例を制定し、五原則であります「安全第一」「公共関与」「リサイクルの徹底」「複合行政」「自己完結」を基本として、本県の美しく豊かで快適な生活環境を守るために、県民、事業者及び行政が一体となって廃棄物の発生の抑制や再利用の促進により廃棄物の減量化を進め、不法投棄等の不適正処理の撲滅と廃棄物処理施設の適正な確保を目指し、全力で取り組むための条例であり、前文より第一章から第六章及び三十一条から成っており、今後の廃棄物行政に期待するものであります。そこで、条文の内容等についてお尋ねをいたします。 第一点目、廃棄物の減量等に資する再生品の認定等の中の第十一条四項の、県は認定製品の使用が促進されるよう、県民及び事業者に対しその周知に努めるものとするとありますが、どのように周知をされるのか。 第二点目、土地所有者の義務の中の第十三条第四項の、「知事は、県内の土地において廃棄物の不適正処理が行われたことを知った場合において、当該廃棄物の不適正処理に関し、土地所有者等の責に帰すべき事由があると認めるときは、当該土地所有者等に対し、その権限により容易に対処することができると認められる措置を講ずべき旨の勧告をすることができる」とありますが、当該土地所有者等に対し、その権限により容易に対処することができると認められる措置を講ずるべき旨の勧告をすることができるとは、具体的にどのようなことを想定されておられるのか。 第三点目は、同十五条第二項の、「県は廃棄物の不適正処理への的確な対応を図るための県事務所、警察署等の県関係機関、消防署等の市町村関係機関等が一体となって、適切な対策を講じることができるよう必要な組織を設けるものとする」とありますが、これらの組織の内容。 第四点目、産業廃棄物処理計画書の作成等の第十七条「産業廃棄物を生ずる事業場を県内に有する事業者は、規則で定めるところにより、県内産業廃棄物の減量及び処理に関する計画書を作成するとともに、規則で定める職務を行わせるため、産業廃棄物管理責任者を選任しなければならない」とありますが、これらはどのような考え方で実施をされるのか。 第五点目、建築物解体工事施工者の届け出義務の中の第十六条、「建築物の解体工事の施工者は、当該解体工事の施工に伴い生ずる産業廃棄物の処理方法、その他の規則で定める事項をあらかじめ知事に届け出なければならない。ただし、当該解体工事にかかわる部分の床面積の合計が、規則で定める面積以下である場合は、この限りではない」とありますが、解体工事などでは、下請業者がコストを抑えるため無許可業者に委託をする傾向がありますが、元請業者が直接処理の責任を明確にすべきであると思いますが、その点についての御所見をお尋ねいたします。 以上、五点につき環境局長にお尋ねをいたします。 次に、マイカーの減税拡充についてお尋ねをいたします。 もはや生活必需品とも言える車であるにもかかわらず、我が国の自動車関係諸税は諸外国に比べて二倍から五倍も高く、大きな負担になっているのであります。現在、自動車に関連して直接または間接に課税される税金として、国税・地方税を含めて九つの税目があると言われます。これらの税金はそれぞれの設定理由や目的も異なっておりますので、その性格等もおのずから相違するものであることは言うまでもありません。また、一台の自動車に対して、これら九つの税目である税金が課税されるというわけではないのでありますが、余りにも煩雑であり、納税者にわかりやすく、簡素化にすべきであると思うのであります。これらのこともかんがみながら、自動車取得税及び自動車税の減税拡充についてお尋ねをいたします。自動車を買うときにかかる自動車取得税の標準税率は、自家用車が、取得価格の五%、営業用自動車・軽自動車は三%となっており、新車・中古車とも取得価格が五十万円を超えれば課税されるのであります。今回の税制改正で、世界的に関心を呼んでいる二酸化炭素や窒素酸化物の排出を抑制することを目的に、環境対応車を対象に四月から自動車取得税の軽減措置を拡充されます。それはハイブリッドカーの場合、現行の標準税率から二%の軽減だったのが、改正後は二・二%に拡大され、電気自動車やメタノール車、天然ガス車は標準税率からの軽減を二・七%に拡大されました。しかし、これらの低公害車、低燃費車への軽減措置は、いずれも四月一日登録分からの実施であり、二年間の時限措置だといいます。これらの措置では、本来の環境対策ではなく、形だけの対策であり、今後本当に環境を守っていく政策をとるならば、思い切って低公害車に関しては非課税扱いにすべきであると思うのであります。また、自動車税に関しても、益田郡金山町では地球環境保全の一環として、ハイブリッドカーなどクリーンエネルギーカー所有者及び購入者に、税の一部として三年間にわたり毎年一万円を補助することを予算案に盛り込んだといいます。新年度は二十台分を予算化し、ハイブリッドカー千五百㏄未満の場合、自動車税三万四千五百円であり、一万円の助成は約三〇%に近い補助率になるのであります。同町では一台に三年間毎年一万円を補助していくと言われており、すばらしい環境対策ではないかと思うのであります。環境に優しい低公害車の自動車取得税非課税及び自動車税軽減についての総務部長の御所見をお尋ねいたします。 これら減税拡充に関連し、自動車税納税についてお尋ねをいたします。 納税義務者は自動車の所有者であり、課税団体は、主たる定置場所在の都道府県であります。それは、自動車はその性格上常に移動するものであり、その行動範囲は一人一つの都道府県の区域にとどまることはなく、数都道府県の区域にまたがることが多く、課税権を運行の実態に即して行使すると、当該自動車に対する課税権の認定が複雑になり、二重課税となったり、賦課漏れとなったりするおそれがあり、二重課税を回避すること等を目的に、主たる定置場所在地の都道府県となっているが、近年、本県と隣接する他県の定置場所在でありながら、本県に所有者の住所があるにもかかわらず、他県に課税権がある自動車が見受けられるのであります。本県としても厳しい税収入の中で、何か対策を講じられているのか総務部長にお尋ねをし、私の質問を終わります。ありがとうございました。   (拍手) ○副議長(宮嶋和弘君) 理事兼総務部長 高橋新蔵君。   〔理事兼総務部長 高橋新蔵君登壇〕 ◎理事兼総務部長(高橋新蔵君) マイカー減税等についてお答えいたします。 地球温暖化や大気汚染につながる二酸化炭素や窒素酸化物の排出を抑制することを目的とした電気自動車やハイブリッド自動車などの低公害車に対しましては、自動車取得税の軽減措置が講じられておりますが、その範囲を拡大するための地方税法の改善法案が本国会で審議中であります。低公害車に対する自動車取得税や自動車税の軽減措置につきましては、国の動向を見ながら対応してまいりたいと考えております。 次に、県内居住者における他県ナンバー自動車の使用についてでありますが、議員御指摘のように、本県に転入しても自動車の保管場所について変更登録がなされず、他県ナンバーのまま使用されている場合が見受けられます。実際このような方々を把握し、個別に登録がえをお願いすることは困難でありますが、「くらしと県政」やラジオの広報番組「県政の窓」等を通じまして本県への変更登録について広く呼びかけ、啓発を行い、実施を促しているところであります。今後は、さらに市町村の住民登録窓口や陸運支局の登録窓口で保管場所の変更登録について周知徹底していくなど、関係機関の協力を得ながら積極的に対応してまいりたいと考えております。 ○副議長(宮嶋和弘君) 民生部長 安藤隆年君。   〔民生部長 安藤隆年君登壇〕 ◎民生部長(安藤隆年君) 感染症疾患に対するマニュアルについてでございますけれども、郡上偕楽園におきましては、二月の十四日に状況確認のために私ども現地に職員を派遣いたしまして調査を実施し、それに基づきましてウイルス検査や予防指導を実施したところでございます。まず、御指摘のありました四人につきましては、担当医師の臨床所見や処置記録等にもインフルエンザを示唆するものはありませんでした。他の入所者の状況を見ますと、発熱等の症状があった入所者は二十名、うち入院六名でございまして、施設といたしましては、うがいの励行や居室の換気、加湿器を各居室に設置する等の予防対策の実施、医師の指示に基づいた措置等の対策がなされておりました。 次に、福祉施設におけますインフルエンザが発生した場合の報告につきましては、施設には法例等に基づく報告義務はございませんが、必要に応じて罹患状況等の調査で報告をいただくことにしております。また、施設への指導につきましては、毎年行います指導監査等の個別指導やインフルエンザ流行の懸念がある場合に、注意喚起のための通知を出すなど、対応しております。 感染予防対策につきましては、昨年二月に各老人ホームに予防対策マニュアルを配布しまして、その対策に万全を期すよう指導してまいりました。今回はさらにこれを徹底するために、二月十九日に緊急施設長会議を開催したところでございます。今後につきましては、インフルエンザを初めとする感染症の予防対策を徹底するために、入所者のみならず施設職員のワクチン接種への積極的な取り組み、あるいは関係機関との十分な連携を図ること、こういうことにつきまして研修会等の機会を通じて指導してまいります。 ○副議長(宮嶋和弘君) 環境局長 川瀬雅信君。   〔環境局長 川瀬雅信君登壇〕 ◎環境局長(川瀬雅信君) 廃棄物の適正処理等に関する条例について五点の御質問がございました。 まず、リサイクル認定製品につきましては、これまで十九製品を認定し、「くらしと県政」への掲載、カタログの配布などにより、県民の皆さんや事業者等への周知に努めております。来年度は、これらに加えて、認定製品などのリサイクル製品を積極的に販売している店舗を「エコショップ」と認定し、リサイクル製品を県民に普及する事業を実施したいと考えております。 次に、不適正処理が行われた場合の土地所有者等に求める措置の内容としましては、不適正処理の状況、行為者の判明の有無、行為者と土地所有者等との関係などを勘案して、事案ごとに判断することとなりますが、例えば行為者が明らかな場合には、土地所有権等に基づく妨害排除請求をしていただくことなどを想定しております。 三点目に御質問の、「県や市町村の関係機関が一体となった組織とは」でございますが、現在、県事務所ごとに設置し、地域の不適正処理の早期解決に大きな効果を上げております廃棄物不適正処理対策連絡会議でございまして、それを条例で位置づけるものでございます。 四点目の産業廃棄物処理計画等についてでございますが、産業廃棄物の減量化等を推進するためには、規模の大小にかかわらず排出事業者が自己責任を認識し、積極的に取り組んでいただくことが重要でありますので、産業廃棄物処理計画書の作成及び産業廃棄物管理責任者の選任は、原則としてすべての排出事業者に義務づけたいと考えております。 最後に、建設工事等におきましては、元請業者ではなく、下請業者が排出事業者となるケースもありますが、元請業者がその請け負った建設工事等から出る廃棄物処理に責任を持つことが基本でありますので、元請業者の指導に努めてまいります。 ○副議長(宮嶋和弘君) 商工労働部長 大下政司君。   〔商工労働部長 大下政司君登壇〕 ◎商工労働部長(大下政司君) 雇用対策につきましてお答え申し上げます。 厳しい雇用失業情勢の中で職務に励んでおりますハローワークに対しまして、御理解ある言葉をいただきまして、ありがとうございました。 そこで、まず最近の雇用失業情勢でございますが、本県における有効求人倍率は、昨年二月に二年ぶりに一・〇倍台を割り込みまして、十二月には過去最低の〇・七一倍を記録したところであります。その後、本年一月には〇・七九倍に回復したものの、県下のハローワークに登録する求職者は増加傾向にありまして、本年一月の有効求職者数は約三万三千二百人となったのに対しまして、有効求人数は約二万六千五百人にとどまっており、求人絶対数が不足する状況となっております。このため、県下九カ所のハローワークにおきましては、緊急雇用開発プログラムや雇用活性化総合プラン等の雇用対策に取り組んでいるところであります。具体的には、求人開拓推進員の配置による求人の開拓のほか、各種助成金制度の拡充によりまして、事業主や労働者に対する雇用の維持、再就職の支援を行っております。さらに、学卒者を含む若年者、障害者、高齢者に対する面接会や複数のハローワークによる合同面接会を実施し、就職の促進に取り組んでおります。その結果、大変厳しい求人状況の中でございますが、県下のハローワークが取り扱いました就職件数は今年度の一月までの時点で約二万一千三百人と、前年の同じ時期に比べまして四・一%の増となっております。なお、県といたしましても、十一年度新規に特に再就職の厳しい中高年齢者等を対象とした面接会の開催を予定いたしております。 また、大型倒産が発生した場合の対策といたしましては、離職者が広範囲にわたること等から、各ハローワーク間の連携を図りますとともに、ハローワークの職員が事業所へ出向きまして雇用保険の受給手続や再就職の相談を行うなど、きめ細かな対応を行っております。 次に、雇用創出の具体策についてお答え申し上げます。 雇用の拡大を図るためには、議員御指摘のとおり、研究・開発の推進などによります地場産業の振興が重要であることは当然でありますが、これに加えて、直接的に県内に雇用を創出する方法としましては、県外から新たな雇用の場を持ってくる工場立地・企業誘致と、県内に新たな雇用の場を生み出す新産業の育成の二つがございます。工場立地につきましては、従来から優良企業の誘致を積極的に進めているところであり、例えばパートを除く常用の従業者数で、恵那テクノパークに四百四十七人、中津川中核工業団地に千六百三十六人、美濃テクノパークに四百六人などの雇用創出の例があります。また、今年度から関市内におきまして関テクノハイランドの造成を開始いたしておりますが、これは分譲面積三十二・四ヘクタール、雇用期待従業者数約千人の計画でありまして、平成十二年度の分譲開始を目指し、地元関市と連携しながら強力な融資活動を行ってまいります。一方、高度情報化社会に対応する新しい産業団地でありますソフトピアジャパンには、現在七十四社、約千二百人の集積があります。VRテクノジャパンには分譲済みの四社を含めまして、二十社が既に進出をしております。現時点で約五百人の雇用創出を見込んでおります。 次に、新産業の育成につきましては、従来からベンチャーキャピタル事業、インキュベート事業、新産業創出支援事業等の施策を講じてきているところでありますが、今般、昨年末に成立しました新事業創出促進法に基づきまして、新事業創出促進基本構想を取りまとめたところでございます。この中で、中小企業振興公社、ソフトピアジャパン、VRテクノセンター等の既存の産業支援機関の機能を有機的に連携させた総合的な支援体制の形成を図っているところであります。本年の四月から、新たに新産業労働局が設けられる予定となっておりまして、これを契機に一層強力に新産業の育成に取り組んでいくことといたしております。          ……………………………………………………………………… ○副議長(宮嶋和弘君) しばらく休憩いたします。 △午後三時十分休憩           ……………………………………………………………………… △午後三時三十五分再開 ○議長(加藤利徳君) 休憩前に引き続き会議を開きます。          ……………………………………………………………………… ○議長(加藤利徳君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。五十五番 松永清蔵君。   〔五十五番 松永清蔵君登壇〕(拍手) ◆五十五番(松永清蔵君) 私にとりましては、生涯にない最高の幸せの日になるんじゃなかろうかと。と申しますのは、長い間、皆様方に御厚情賜ってきまして、これを最後に議場を退場したいと思っておりますので、余計その感が強いわけでございますが、一層の御指導をいただきますようお願い申し上げまして、質問に入りたいと思います。 議会初当選以来、まさに四十年の長きにわたり県民の皆様に御指導いただき、そしてまた、同僚の皆様、執行部の皆様のお力添えを賜り、まさに幕を閉じようとしているのが現下の情勢でございます。この間、お寄せいただきました御指導、あるいは微に入り細にわたって事細かにお世話になった各位に対し感謝申し上げつつ、特にきょう、私は生涯かけてやってまいりました長良川の河口堰、そして揖斐川につくられる徳山ダム、こうした建物に対しての将来像を描きながら質問をさせていただきたいと思いますので、よろしく御指導願いたいと思います。 静かにまぶたを閉じ、往時をしのびながら感無量なものがあります。これは私の実感でございます。特に長良川河口堰につきましては、地元において、賛成・反対の声高く、私どもも、当初は河口堰建設で地域の皆さんの合意を得たいと思いましたが、なかなかかたくて、思うようにいかなくて、いろいろぐらついたことの思い出を多く持ちながら、最後まで河口堰は推進すべきであるということで頑張ってまいったことを思い浮かべながら、感無量なものがあるわけでございます。この間、毎日デモで、きょうもか、あすもか、三々五々と反対のデモ、あるいは賛成のデモで輪中を沸かしたことを今覚えておりまして、感無量でございます。 しかし、いろいろと日を重ね、県の意向、あるいはまた識者の皆さん方のお話も聞いてみますと、やはりこのままの状態でいいはずはないのではないか。当たって砕けろだというようなことで、皆さんの合意をいただきまして、ようやく河口堰の話に取り組んでいったのが実態でございます。今思いますと、それでよかったんじゃないかなあ、こんなのが実感として沸いてくるわけでございまして、この間、多くの皆さんの御指導に対し、改めて感謝申し上げると同時に、まだ神は我に与えたもうた、こんなふうに感じながら喜んでおる実態でございます。 特に私は、子供のころ豪雨に見舞われますと、輪中堤の中に住んでいただけに、その水はどこにも行きません。ポンプでかえるしか手はなかったわけなんです。だから、川、水に関心は何より深く、何より怖く、何よりけりをつけないかんなあというのが実感として子供のころからあったわけでございます。そんな中で育っただけに敏感であると同時に、また考えなきゃならないなあという実感が一層あったことも事実でございます。 長良川河口堰が平成七年に本格運用が開始されました。長良川の水位が上がりますと、私どもの高須輪中はマイナス一メーター以下でございますので、高いところは別といたしまして、大体三千町歩のうちで六、七割は一メーター以下になっておりますので、どうしても工夫をしなきゃならない土地であることは御想像がつくと思います。そこでまず、長良川の水位が上がりますと、ひとたまりもなく押しつぶされてしまうような状況が目に浮かぶわけなんで、我々としてはまず長良川の水位を下げる、言いかえれば、しゅんせつをして、土砂を掘って、そして水位を下げるということが一番肝要であるわけでございます。そこで、長良川の完全なしゅんせつとその水調整が必須条件になってくるので、特に建設省、あるいは県、あるいは地域の団体にお願いをしながら、この完全なしゅんせつこそ私どもの必須条件であったわけでございます。まあおかげさまで、いろいろ二転三転いたしましたけれども、長良川のしゅんせつについては、ほとんど同調いただきまして、サンドポンプという、土砂と水とをまぜてしゅんせつする船でございます。大変な土砂の量でございますが、何とか目標を達したのが、私は解決の糸口がついたのではないかと思うわけでございます。 ようやくそのころにきまして、初めて水調整ができ、私どもとしては、皆さんには通じないと思いますが、まくらを高くして休めるなあというのが日常言葉でございました。やっとこれでまくらを高うして休めるなあ。さもないと、カンカンカンカンと鳴りますと水が来るわけです。それっ、水が立つぜというわけです。それで、まず二階へ物を上げるというのが実態でございました。それがだんだんと少なくなってきまして、やれやれというのが実際の感じでございます。でも、私どもは過去の水害の怖さをよく承知いたしておりますので、長良川の水がどうなんだろうかということをキャッチすることが一番重要な課題でございました。平成九年度までに、おかげさまで建設省においてマウンドのしゅんせつをしてくれました。要するに川の岸から全部土砂をさらえてくれました。したがいまして、水位は下がります。本当にこれはやれやれというのが実感でございました。ちょうど完了いたしまして、やっと胸をなでおろす感でございましたが、それでもなお心配なんです。上流から、山の上から物すごい雨が来たら一遍につぶれてしまうのではないかということで、雨が降り出しますと、西の天気ばかり眺めておるのが現状でございましたが、ようやくそのころになって建設省が本腰を入れて河川のしゅんせつをしてくれまして、水がつけば、すぐ流し終えるような態勢づくりをしてくれますし、あるいはまた、堆土があればしゅんせつするということで、今でもよう忘れませんが、長良川しゅんせつは一千万トンというふうに聞いておりますが、大変な土砂のしゅんせつをしてくれたことによって、我々はほっとしたのが実態でございます。 先般の船戸君の代表質問にもありましたが、私どもは、水、水害、すぐ長良川、揖斐川と、どこも寄り道しません。すぐだあっと行ってしまって、そして対応をいたしたものでございますが、ちょっと今のところ肩の荷がおりかけたかなあというのが実感でございますが、そんなことを言っていると、いつどうなるかわかりませんので、警戒を強めているのが実態でございます。長良川につきましては、マウンドしゅんせつということで約八千万立米を取ってくれました。 揖斐川についても大変問題があるわけです。ただ、揖斐川は徳山ダムが一番大きなポイントになってくることは言うまでもありません。徳山ダムは平成九年とか十年とかという話がございましたが、まだいまだにダムは完成いたしておりません。いつごろ完成するんだろうかなあといって私ども想像していますが、なかなかそう簡単にはいかない。建設省の話では、ここに書いてありますのは、大体十八、九年じゃないかと書いておりますが、実際はやってみないとわからないんじゃないかと思っています。もちろん責任ある人がいらっしゃるので、そうじゃないと。こうだと言っていただければ、大変短く言ってもらえば、ありがたいと思っています。ということは、水行政は一にダムにかかっているのが私どもの実態でございますので、その感が強いことは御想像にかたくないと思います。このダムが完成して初めて長良川も完成する、揖斐川も完成するとなって、やっと夜寝ておっても、まくらを高うして寝れるという段階になるのではないかと思います。 そこで、一日も早い両川の完成を願うのでございますが、そう簡単にはいかないので、私ども日夜建設省あるいは県へそれぞれお願いをし続けています。だって、私たちの命にかかわる大きな問題でございますので、何をさておいてもやらねばならないのではないかと思っています。これにはひとつ皆さんにわかってもらいたいことがあるんですが、一応建設省の御指導もありまして、移転をされた方々がたくさんいらっしゃいます。転出のために住家の移転をされました。移転しただけの形に今はなっておるわけでございます。その後のダム、あるいはまた河川改修等が行われていないままになっておるわけです。これを、私ども現場に居合わせる者にとっては、本当に胸が痛い思いでございます。そう、立ったか見たかに片づかないのが現状ではありますけれども、もっと早く何とかならないのかなあというのが願いで、先般も建設省へ行ってまいりまして、お願いをし、いや、一生懸命やっているんだという話はよくわかるんですが、非常に私どもも馬力をかけてお願いしたいと思います。私どもとしては、地域の皆さんに対して、できるだけ早く対応してもらわないと申しわけが立たないということで、地域住民の安全な暮らしが先延ばしされるんではなくて、できるだけ早く、協定した地域の方々、あるいはまたその他の対応をしていただきたいなと思っておりますので、この機会に皆様方にもお願いしておきたいと思います。 そこで、ダムは大体私どもの希望では、平成九年、平成八年と言っておったんですが、それはもろくも崩れ去っておりますので、次の段階について、いろいろ今お願いをし続けておるわけでございます。「いつごろになるなあ」と言いますと、「いやあ、いろんな前からの話もあるでなあ」というようなことで、なかなか慎重でございます。私もわからんわけではございませんので、幾ら仮切符をもらっても実行がなきゃあ何もならないので、実行できる段階で、ぜひ早く出してほしい。こんなことを申し上げておるのが現状でございます。ただ、揖斐川の治水能力も、これも非常に大きな問題でございます。結局、長良より揖斐川にかかることが非常に多くなってきておることは言うまでもありません。 話は変わりますけれども、洪水時になりますと、いわゆる川にいっぱいの水がつきますと、ちょうど二階から水が落ちてくるような形になります。非常に私どもとしては、ゼロメーター、〇・何メーターというぐらいの低さですから、水が落ちてくると、頭ごなしに水がのっかかってくる。ひとたまりもありません。そんな状況でございます。こんなところに住むでやわという話がありますけど、これは今私がどう申し上げようもございませんので、そういうところも過去のいろんな因縁の中で生まれてきたものですから、最高の住むべき、よりよい土地にしたいと願うのは私のみではありません。そんなことで、非常に神経がおのおのしておるのでございます。 長良川と揖斐川との間にそれぞれ輪中があるわけですが、それぞれの輪中にまた中小河川がへばりついております。ちょっと例を挙げますと、津屋川、大江川、牧田川、杭瀬川、何だ、おれのところも関係あるかという方もいらっしゃると思いますが、非常に関係の深い川が流れております。私どもとしては、その中心であります揖斐川、あるいは長良川、牧田川も大分大きい川になっておりますが、そんなものの一日も早い水対策を考えていただかないといかんのではないかというふうに聞いております。平成六年ですか、大渇水がございました。渇水の方はまだありがたいんです、洪水の方とは違いまして。水によるいろいろな被害があることは事実でございますが、一番大事な問題は、水をしょって立つあり方について、常に私どもは体制づくりをしていかなきゃならないということでございます。どうか御理解を賜っておきたいと思います。 そこで、一般状況はそんなふうに申し上げましたが、これからどんな形でこの地域の安全を期してお世話を願えるかなあと。徳山ダムが早く完成すること、あるいはまた長良川の治水対策が早く完成すること、これはもう当然の帰結でございますが、そう簡単にはいかないのが現状ではないかと思いまして、やきもきしながら、顔色を眺めながら陳情申し上げておるのが現状でございます。やがてこの席を去ることになると思いますが、何とかめどを立てたいなあというふうに思っておりますので、皆さんからもまた応援をいただきながら、住むところに心配することのないような体制づくりをしていきたいなと思っていますので、御理解をお願いしたいと思います。できれば、そうか、そんな心配があるのか。じゃあ、いつまでにやってやろうという県の知事さん、あるいは土木部の方で言ってもらうのが最高にありがたいが、なかなか難しいと思いますが、その辺よろしくお願いを申し上げたいと思います。 今私の頭に残っておりますのは、年に二、三回、揖斐川の徳山ダムを見に行きます。冠山に、冠山というのは一番高い標高の山でございますね、手を合わせながら、平和で安全な村づくりに協力してくださいということをお祈りしているのが現下の情勢でございますが、もちろんこれは神がかりの話ですから思うようにいきませんけれども、願わずにおれない私どもの心境を御推察くださればありがたいと思います。 そこで、私どもとしては、総合的に窓口を広めながら、もう少し声を大きくして、町長さん方とも相談しながら進めていこうかということで、今案を練っている最中でございますが、決して無理を申し上げるつもりはありませんので、県議会の皆さん方も、よしわかったと、こういうことで、御理解、御協力をいただきまして、御推奨願えれば最高にありがたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 実は長良川、揖斐川が大きい方の河川で、牧田川とか、津屋川とか、いろんな川があるわけでございますが、水ではぐくまれながら、水の災害を避けながら住んできたのが西濃地域全体の姿ではないかと思います。せめても私どもとしては、そういう対策を自然にとれるような形づくりをすることこそ一番大事なことではないかと思っています。きょうは県のそれぞれのベテランもいらっしゃっております。皆さん方にもいろいろと御経験があると思いますが、ひとつ事を構えようと思っておりますので、皆様方のこれからの御協力を切にお願い申し上げたいと思います。 大体きょうは、長良、揖斐の河川改修を含める、いわゆる水の心配から去るような行動計画を立てていくことについて御理解を賜り、応援を願いたいと思います。そうすると、私どもも非常に勢いづいて、いろんな問題もどんどん解決できるというふうに思います。また、それを約束してもいいのではないかと思っています。事は簡単なようでございますけど、なかなかこの問題は根が大きくございますので、私どもも懸命に努力しますが、皆さん方のお力もおかりしたいと思っています。きょうは、特に揖斐川の改修を一本にして、皆様方にお願いし、そしてお助けをいただきたいなと、こんなふうに思っています。 私の質問は、御答弁をいただきながら、村へ帰って、しっかり頑張れと檄を飛ばすつもりでおりますので、よろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。   (拍手) ○議長(加藤利徳君) 知事 梶原 拓君。   〔知事 梶原 拓君登壇〕 ◎知事(梶原拓君) 治水問題にお答えしたいと思います。 昨年の十月、台風十号によりまして長良川が大きく増水をいたしました。私の住んでおります知事公舎も避難命令が出ました。なぜか知事公舎は、洪水がありますとゲートが閉まりまして締め出される方になるわけです。早速、川を見に行きまして、近所の方々と水位の上がり下がりを観察いたしましたが、もうほぼピーク時を過ぎまして、下がり始めたという兆候がございまして、結局、避難はしなかったんですが、あれだけの水が出て、あの程度の増水で済んだということは、かつての長良川の洪水の歴史の中ではまれなことでございまして、これは明らかに、今、松永議員がおっしゃいましたように下流のしゅんせつの効果でございまして、私はその川を見てまいりまして、自宅まで帰るわずかな時間でございましたが、松永先生と御一緒に、あるいは松永先生の御指導を得まして長良川河口堰問題に取り組んできた、その歴史が走馬灯のように頭の中をよぎりまして、感慨無量のものがございました。長年努力してきました結果がここにはっきり出たと、本当にうれしく思った次第でございます。松永先生を中心に御努力いただいた結果が、この長良川下流域六十万人の方々のまくらを高くして休める、寝れる、そういう生活を保障していただいたと、心から感謝を申し上げたいと存じます。この治水問題だけではなくて、議員におかれましては長年県政各般にわたりまして、本当にまじめな御性格の中で筋を通して御努力をされました。もう数え切れないほどの御功績を残しておいででございますが、そのことに対しまして県民を代表して心から敬意を表し、また感謝を申し上げたいと存じます。 あれだけのしゅんせつ効果があり、墨俣あたりで一メーター半ぐらいの水位の低下があったということは、長良川の治水の歴史の中で画期的なことでございます。さっき申し上げたとおりでございますが、そのことを一部のマスコミを除いて報道がなされないということが、また一面本当に寂しい限りでございます。本当にマスコミが地域住民のためのものであれば、真剣にそのことを取り上げるべきだと私は思います。生命・財産、根幹的なものにかかわる大きな課題が解決されたわけでございまして、もっともっと生活者の立場に立つ報道であれば真剣に取り上げるべきだと、本当に残念に思った次第でございます。 それは余談といたしまして、長良川河口堰のおかげで大きなしゅんせつができまして、水防団の方々が口々におっしゃるように、長良川の水はけがよくなったということでございます。しかし、さらに議員も御指摘のとおり、継続して長良川の本川あるいは支川の改修を進めないと、いつ何が起こるか知れないというのが自然の力でございまして、決して油断はならないと思います。これから桑原川、犀川、糸貫川、天王川、境川、荒田川、板屋川、伊自良川、鳥羽川、石田川、新堀川、大江川、天神川、新荒田川、正木川、宝江川等々、数え上げると大変でございますが、こうした支川の改修を既定の計画、緊急治水事業として計画がございますので、これを建設省と一緒に早く進めてまいるということが必要であろうかというふうに思います。今後ともの御支援をお願いしたいと思います。 それから一方、徳山ダムの問題でございますが、海津郡の場合、長良川は安泰になっても、揖斐川に挟まれておりまして、これを解決しなきゃいけないと。これも御趣旨のとおりでございまして、流域住民四十四万人の生命・財産にかかわる課題でございます。これも早く進めなきゃいけませんけれども、御承知のとおり、地元で地権者の方々の反対がございました。しかし、今回この工事に手をつけるところにつきましては、ようやく一人の方だけというような段階になりまして、水資源開発公団の方では事業認定の手続を進めておいででございます。ここのところは反対派という方々がおられまして、さっき申し上げました一人の未調印者の方が、大垣市の近藤さんという方を通じまして他県の人たちにも権利を分けたということでございまして、その方が百十八人おられまして、岐阜県外の方がそのうち七十三名、半分以上他県の方でございます。そして県内でも流域外の方が三十二名おいででございまして、この揖斐川流域の方はわずか十三名ということでございまして、ほとんど直接関係のない方々ばかりでございます。そういうような状況でございますので、地元の皆様、特に昨年は十二月、旧徳山村の住民代表の方々が、ぜひ早く進めてくれと涙ながらに御要望されました。ふるさとをあのまま無残な姿の状況で放置するわけにいかないというふうにおっしゃっておりました。一日も早くやってくれと。それから一月には、小倉大垣市長さんを会長とする揖斐川流域の「生命と生活を守る市町村連合」の皆様もおいでになりましたし、ことしの一月には、揖斐川流域の地元水防団・消防団の皆様がおいでになりまして、大変危険箇所があると。昨年の台風七号、十号のときも大変だったと、こういうことを切々と訴えになりました。それから、ことしの二月には、揖斐川流域の地元自治会の代表がおいでになりまして、水防団の方々と同じように、危険箇所が多いと。早く改修、あるいは徳山ダムをつくってくれと、こういう悲痛な御要望を拝聴したわけでございまして、こういうように、地元の方々はこぞってこの徳山ダムの早期事業推進を望んでおられます。そういう御要望にこたえて、私どもは、特に知事の立場におきましては、県民の生命・財産を守るということが最優先の仕事でございます。そういうことを認識いたしまして、今後対応していかなきゃいけないと、かように思っております。 いつごろできるかというお話でございますが、これは私一人で決めるわけにまいらぬのでございまして、事業の工程からいきますと、ことしの秋に流れを変えて、そして今の流れのところで工事ができるようにしなきゃいけないという転流工というのがございまして、これが平成十九年度完成という締め切りを考えますと、ことしの秋にその工事ができなゃいけない。こういう絶体絶命のところに入ってきておりまして、そういうことを念頭に、これから関係者協力して事業の進捗を図っていくと、こういうことではなかろうかと、かように思います。私も三月十三日、現場、特に揖斐川が根尾川とか牧田川とか津屋川と合流する地点、そこに現地の調査に入りまして、地元の方々の御意見も拝聴したいというふうに思っております。これは長良川河口堰の場合も同様でございますが、県だけでできることではございませんで、地元の地域住民の方々の御熱意の盛り上がりがないと進行していかないということでございまして、長良川の河口堰の場合は、初期の段階で、私が当時企画部長でお世話になっておりましたが、県が、善意ではございますが先に走り過ぎたと。そのことが後に尾を引いたと私は思っておりまして、そのころから当事者というのはだれかということを常に県庁の部内でも主張してまいりました。地域住民の、治水あるいは洪水によって利害を直接受ける方々、その方々の意見を最優先しなきゃいけないのに、県がひとりよかれかしと思って飛び出すと、これが誤解を招く。かえって仕事がおくれる。そういう失敗を重ねないように、地域の住民の方々と御一緒の歩調で県も歩いてまいりたいと、かように考えております。 ○議長(加藤利徳君) 土木部長 小島秀俊君。   〔土木部長 小島秀俊君登壇〕 ◎土木部長(小島秀俊君) 揖斐川流域の今後の河川整備についてお答えをいたします。 揖斐川流域におきましては、過去、昭和三十四年八月の集中豪雨、同年九月の伊勢湾台風で本川の堤防決壊という大災害を受け、続けて三十五年、三十六年と三年連続の大洪水に見舞われ、流域住民の皆様方が大変な御苦労をされたところであります。さらに、昭和四十年以降も数度にわたり流域各地で浸水被害を受けております。揖斐川流域の河川整備につきましては、国・県ともに懸命の努力を続けておりますが、揖斐川本川においても下流部の広い範囲において堤防の高さが不足するなど、整備水準が低いのが実情であります。また、先般は流域の自治会や水防団・消防団の皆様から御意見を伺う機会がありましたが、洪水を心配される生々しい御意見をお聞きし、また、漏水箇所など多くの危険箇所の御指摘をいただき、治水安全度の低さを再認識したところであります。 建設省においては、海津郡などの築堤護岸工、牧田川、杭瀬川合流点付近の狭窄部の拡幅工事などを実施しておりますが、その他の危険箇所の改修も含めて、手のつけられるところからの整備促進を強く要望してまいりたいと考えております。 また、県といたしましても、大江川、杭瀬川などの支川の整備に取り組んでいるところでありますが、今後も鋭意事業を推進してまいります。また、平成九年度から着手をいたしました津屋川につきましては、早期に河川整備計画を策定し、改修工事を進めてまいります。いずれにいたしましても、揖斐川流域の治水対策には徳山ダムの早期建設と河川整備が不可欠と考えておりまして、流域の皆様とともにその促進を強く働きかけてまいる所存であります。 ○議長(加藤利徳君) これをもって一般質問並びに議案に対する質疑を終結いたします。          ……………………………………………………………………… ○議長(加藤利徳君) お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、お手元に配布の議案及び請願付託表のとおりそれぞれ所管の常任委員会に付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(加藤利徳君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております各案件は、お手元に配布の議案及び請願付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託することに決定いたしました。 なお、審査は三月十五日までに終了し、議長に報告願います。 △平成十一年第一回岐阜県議会定例会議案及び請願付託表 委員会名付託案件総務委員会〇議第一号のうち歳入予算、歳出予算中総務委員会関係、債務負担行為中総務委員会関係、地方債、一時借入金及び歳出予算の流用 〇議第二号及び議第三号 〇議第十二号 〇議第十六号から議第二十号まで 〇議第五十五号及び議第五十六号 〇議第五十八号から議第八十号まで 〇議第八十四号 〇議第八十五号のうち歳入予算補正、歳出予算補正中総務委員会関係、繰越明許費補正中総務委員会関係、債務負担行為補正中総務委員会関係、地方債補正及び一時借入金の借入れの最高額の変更 〇議第八十六号から議第八十八号まで 〇請願六十五号 〇請願六十八号企画経済委員会〇議第一号のうち歳出予算中企画経済委員会関係及び債務負担行為中企画経済委員会関係 〇議第九号 〇議第十三号及び議第十四号 〇議第二十六号 〇議第三十号 〇議第三十三号から議第四十号まで 〇議第八十五号のうち歳出予算補正中企画経済委員会関係、繰越明許費補正中企画経済委員会関係及び債務負担行為補正中企画経済委員会関係 〇議第八十九号から議第九十一号まで厚生委員会〇議第一号のうち歳出予算中厚生委員会関係及び債務負担行為中厚生委員会関係 〇議第四号から議第六号まで 〇議第十五号 〇議第二十一号から議第二十五号まで 〇議第五十二号 〇議第八十五号のうち歳出予算補正中厚生委員会関係及び繰越明許費補正中厚生委員会関係 〇議第九十二号から議第九十五号まで 〇請願第六十四号 〇請願第六十六号及び請願第六十七号農林委員会〇議第一号のうち歳出予算中農林委員会関係及び債務負担行為中農林委員会関係
    〇議第七号及び議第八号 〇議第二十七号から議第二十九号まで 〇議第五十七号 〇議第八十五号のうち歳出予算補正中農林委員会関係及び繰越明許費補正中農林委員会関係 〇議第九十六号及び議第九十七号 〇請願第六十三号土木委員会〇議第一号のうち歳出予算中土木委員会関係及び債務負担行為中土木委員会関係 〇議第十号及び議第十一号 〇議第四十二号から議五十一号まで 〇議第五十三号及び議第五十四号 〇議第八十一号及び議第八十二号 〇議第八十五号のうち歳出予算補正中土木委員会関係、繰越明許費補正中土木委員会関係及び債務負担行為補正中土木委員会関係 〇議第九十八号及び議第九十九号文教警察委員会〇議第一号のうち歳出予算中文教警察委員会関係及び債務負担行為中文教警察委員会関係 〇議第三十一号及び議三十二号 〇議第四十一号 〇議第八十五号のうち歳出予算補正中文教警察委員会関係、繰越明許費補正中文教警察委員会関係及び債務負担行為補正中文教警察委員会関係 〇議第百号 〇請願第六十二号          ……………………………………………………………………… ○議長(加藤利徳君) お諮りいたします。委員会開催等のため、明日から三月十五日までの四日間、休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(加藤利徳君) 御異議なしと認めます。よって、明日から三月十五日までの四日間、休会とすることに決定いたしました。          ……………………………………………………………………… ○議長(加藤利徳君) 以上をもって本日の日程はすべて終了いたしました。 三月十六日は午前十時までに御参集願います。 三月十六日の日程は追って配布いたします。 本日はこれをもって散会いたします。 △午後四時十三分散会           ………………………………………………………………………...