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  1. 長野県議会 2022-06-23
    令和 4年 6月定例会本会議-06月23日-04号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 4年 6月定例会本会議-06月23日-04号令和 4年 6月定例会本会議 令和4年6月23日(木曜日)  出席議員(55名)   1 番 望月義寿    27 番 寺沢功希   2 番 小林君男    28 番 両角友成   3 番 小林あや    29 番 清水純子   4 番 清水正康    30 番 小池久長   5 番 加藤康治    31 番 酒井 茂   6 番 川上信彦    32 番 堀内孝人   7 番 山田英喜    33 番 石和 大   8 番 大井岳夫    34 番 依田明善   9 番 丸茂岳人    35 番 山岸喜昭   10 番 花岡賢一    36 番 小島康晴   11 番 池田 清    37 番 小林東一郎   12 番 熊谷元尋    38 番 毛利栄子   13 番 百瀬智之    39 番 和田明子   14 番 山口典久    40 番 諏訪光昭   15 番 小山仁志    41 番 丸山栄一   16 番 竹内正美    42 番 小池 清   17 番 竹花美幸    43 番 宮本衡司
      18 番 宮下克彦    44 番 清沢英男   19 番 大畑俊隆    46 番 鈴木 清   20 番 共田武史    47 番 高村京子   21 番 丸山大輔    48 番 宮澤敏文   22 番 髙島陽子    49 番 西沢正隆   23 番 荒井武志    50 番 風間辰一   24 番 埋橋茂人    51 番 佐々木祥二   25 番 続木幹夫    52 番 向山公人   26 番 中川博司    54 番 本郷一彦   55 番 萩原 清    57 番 望月雄内   56 番 服部宏昭  欠席議員(1名)   53 番 平野成基         ─────────────────── 説明のため出席した者   知事        阿部守一    観光部長      渡辺高秀   副知事       関昇一郎    農政部長      小林安男   産業政策監     伊藤一紀    林務部長       吉沢 正   危機管理部長    前沢直隆    建設部長       田中 衛   企画振興部長    清水裕之    公営企業管理者   総務部長      玉井 直    職務執行者・企   県民文化部長    山田明子    業局長        須藤俊一   県民文化部こど           財政課長       高橋寿明   も若者局長     野中祥子    教育長        内堀繁利   健康福祉部長    福田雄一    教育次長       今井義明   環境部長      猿田吉秀    警察本部長      小山 巌   産業労働部長    林 宏行    監査委員       田口敏子         ─────────────────── 職務のため出席した事務局職員   事務局長      村松敏伸    総務課課長補佐   宮島文明   議事課長      矢島 武    兼庶務係長   議事課企画幹兼   蔵之内真紀   総務課担当係長   津田未知時   課長補佐              総務課主事     古林祐輝   議事課課長補佐   吉沢秀義   兼委員会係長   議事課担当係長   矢島修治         ───────────────────  令和4年6月23日(木曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    諸般の報告    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時開議 ○議長(丸山栄一 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(丸山栄一 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、寺沢功希議員。       〔27番寺沢功希君登壇〕 ◆27番(寺沢功希 君)皆さん、おはようございます。朝一番、爽やかに質問してまいります。  安曇野市の国道147号拾ヶ堰橋北交差点から松本市の国道19号平瀬口交差点を結ぶ一般国道147号高家バイパス。生活、産業、観光等の主要幹線として、交通量が多く、路線上の梓橋や交差点付近では慢性的な渋滞を引き起こしていた安曇野市と松本市を結ぶ国道147号に対し、県は、沿線で整備が進められていたあづみ野産業団地等の地域開発に寄与するとともに、交通渋滞の緩和や一般国道254号との連絡による上田・佐久地域との交流、連携の強化等を目的とし、安曇野市鳥羽地籍の国道147号から松本市島内地籍の国道19号までの間にバイパスを計画されました。平成元年度に都市計画決定され、平成6年度に工事着手、平成19年7月に梓川に架かるアルプス大橋の完成により全線供用開始されました。  バイパスの整備により、それまで集中していた周辺道路の交通量が分散され、渋滞が緩和されましたが、開通から15年がたち、周辺環境や人々の生活、行動の変化により、状況は変わってきております。  平瀬口交差点に接続する国道254号松本トンネルは、利用状況が低調だった当時、バイパスの開通により利用台数が2.5倍に増加しました。その松本トンネルも、一昨年9月、無料化となり、交通量はさらに増加し、通勤時間帯には平瀬口交差点から料金所跡地付近まで約1.5キロほど渋滞しており、逆に平瀬口交差点を先頭に安曇野市方面へも約2キロほど渋滞が発生しております。  実際、無料化に伴う交通量への影響はどの程度になっているのでしょうか。このバイパスは、当時検討されていた松本糸魚川連絡道路のルート案への接続も考慮し、片側2車線の4車線道路として計画されており、暫定2車線として供用を開始し、現在に至っております。現在13メートルの幅員も、4車線25メートルの幅員に対応すべく、道路両側及び中央の用地がほぼ100%取得済みになっています。  当時の案とは異なった松本糸魚川連絡道路のルートが決定されたとはいえ、松本トンネルの無料化に加え、開通後利用開始された梓川スマートインターチェンジの利用台数が年々増加していることや、沿線のあづみ野産業団地が昨年5月に拡張され、3企業が進出し、既に2社が完成、稼働し、1社が今年12月に稼働予定となっていることから、さらなる交通量の増加が懸念されております。当時、計画交通量は1日2万6,000台とされておりましたが、現在の交通量はどの程度になっているのでしょうか。また、今後予定どおり4車線化する可能性はあるのでしょうか。  道路の拡幅や車線増設を行う際に、路線上に橋梁がある場合はそこがネックとなる場合が多いようです。このバイパス上にもアルプス大橋があり、当初から4車線化を見据えた構造として建設してあるとも聞いておりますが、実際、4車線化においてアルプス大橋の拡幅がネックとなる可能性はありますでしょうか。  今回、松本市側のアルプス大橋東交差点から平瀬口交差点間の4車線化が事業化されたとお聞きしました。アルプス大橋東及び平瀬口それぞれの交差点における現在の車の流れはどのような状況でしょうか。また、この交差点間の4車線化による効果はどの程度と見込んでいるのでしょうか。  4車線化を見据えた取得済用地は、4.2キロメートルにわたり1万5,000平米以上と大変広大で、維持管理費が潤沢に確保できていない現状では常に管理しておくことはなかなか難しいものがあります。  県内には、同様に取得済みでありながら、事業が進まず塩漬け状態となっている用地はどの程度ありますでしょうか。また、用地取得後、計画が変更され、売却もしくは別の活用が行われた例はありますでしょうか。  現状では、残念ながら、雑草が生え、見た目の悪い状況も見受けられます。特に、雄大な北アルプスを臨みながら西に向かう際は、その景色と大変ミスマッチであり、梓川スマートインターチェンジ松本トンネルを利用して安曇野へ観光に訪れた皆さんの第一印象は決してよいものにはなりません。いつまでこの状態が続くのでしょうか。  4車線化が難しいのであれば、バイパス周辺には、南部総合公園ANCアリーナ、あづみ野やまびこ自転車道複合型スポーツ施設ラーラ松本などがあることから、自転車、ジョギング、歩行者を分離した歩道や遊歩道など別の活用方法も検討する必要があると思いますし、4車線化するならば、アダプトシステムなどを活用し、現地機関の負担や予算を抑えつつ管理し、花を育てるなどしながら、来る4車線化を待つ必要があるのではないでしょうか。以上、建設部長にお聞きします。       〔建設部長田中衛君登壇〕 ◎建設部長(田中衛 君)私には国道147号高家バイパスに関連して6点質問をいただきました。  まず、松本トンネル有料道路の無料開放に伴う交通量への影響についてのお尋ねです。  松本トンネル有料道路の平日の交通量は、無料開放前には3,055台であったものが、無料開放後に6,425台となり、110%増加しています。  また、接続する国道19号平瀬口の交差点においては、安曇野市方面へ向かう国道147号において1万4,636台であったものが、無料開放後に1万6,596台となり13%増加するなど、交差点部の渋滞に影響を及ぼしております。  次に、高家バイパスの4車線化についてのお尋ねです。  高家バイパスについては、安曇野市と松本市を結び、生活、産業等を支える主要幹線道路として4車線で計画し、効果の早期発現を目的に、暫定2車線にて平成19年までに全線の供用を行ってきたところです。平日昼間12時間の交通量は、安曇野市豊科下鳥羽地先において令和3年度に8,046台となっています。  こうした中、交差点部の渋滞等が課題となっていた安曇野市の拾ヶ堰橋北交差点及び南中学校南交差点の2か所については、昨年度、右折レーンを設置しました。さらに、議員の御指摘のとおり、アルプス大橋東交差点から平瀬口交差点の間の約0.5キロメートルについても昨年度事業に着手し、4車線化を進めております。今後も、交通量や渋滞などの状況を確認しながら、緊急性の高い区間から順次4車線化を進めてまいります。  次に、アルプス大橋の4車線化についてのお尋ねです。  アルプス大橋の橋台、橋脚については、将来の4車線分の構造として整備が済んでいる状況です。4車線化に必要な残工事は上部工のみであることから、アルプス大橋の拡幅がネックになるとは考えておりません。  次に、アルプス大橋東交差点から平瀬口交差点間の状況についてのお尋ねです。  平瀬口交差点では、松本トンネルから安曇野市方面へ直進する車両が約8割を占めていますが、国道19号へ右左折する車両の滞留により直進できないなどの原因により、交差点部で渋滞が発生しています。アルプス大橋東交差点におきましても、同様の状況により渋滞が発生しています。今回の4車線化の事業が完成すれば、直進車両が交差点を円滑に通行できるようになり、渋滞が緩和されると考えております。  次に、県内の道路事業における取得済用地についてのお尋ねです。  県管理道路において、4車線の計画で用地を取得している事業のうち暫定2車線で供用している区間は、高家バイパスを含め6区間ありますが、今後、交通量や渋滞などの状況を確認しながら4車線化を進める予定としているところです。  また、そうした区間において、計画を変更し、売却や別の用途に活用した事例はありません。  最後に、高家バイパス取得済用地についてのお尋ねです。  高家バイパスの事業用地につきましても、土地を提供いただく県民の皆様の負担軽減や事業の円滑な執行の観点から、将来の交通需要を見据え、4車線の道路計画に基づき取得しており、計画どおり道路整備に活用します。  取得済みの用地については、4車線化までの間、職員や委託による除草、防草シートの敷設などを行うとともに、アダプトシステムの活用など地域の御協力をいただきながら適切な管理に努めてまいります。  以上でございます。       〔27番寺沢功希君登壇〕 ◆27番(寺沢功希 君)4車線化を順次進めていくという答弁をいただきました。  東西の横軸が弱い安曇野市にとりましては、高家バイパスの4車線化は大いに期待するところであり、今後の松本糸魚川連絡道路の開通とで相乗効果が生まれるものと思います。  道路が開通、拡幅しただけで地域の産業、商業、観光が発展するわけではありません。その道路という道具をどう活用したまちづくりとするか、どんな将来のビジョンを描けるかが重要になると思います。  どうか県には市と一緒になって知恵を絞っていただきますよう御尽力をお願いいたしまして、次の質問に移ります。  障害者の日常生活や機能訓練をはじめ、創作活動や生産活動の支援を行う生活介護事業所は、本人はもとより家族にとっても頼れる場であり、また、事業所も、利用者と家族にとって、毎日通いたい、通わせたいと思える安心して頼っていただける存在となるよう心がけ、日々努力し、運営されております。  コロナ禍においても、感染拡大防止への対応を行いつつ、利用者に対し必要なサービスが継続的に提供される必要があり、神経をとがらせ、さらなる努力を行い、運営されております。  特に、この間、新規に開所された事業所は、ただでさえ手探りの運営に加えてとなりますので、相当御苦労されていると聞いており、今まで以上に行政の寄り添った支援が必要不可欠であると感じています。  そこで、健康福祉部長にお聞きします。  県では、障害福祉サービス事業者の支援を基本とし、制度理解の促進、自立支援給付の適正化とよりよい支援の実現を目的に、国の基準に沿って事業所に対し3年に1回、特に新規事業所については、県独自に指定後おおむね3か月後に実地指導を行うとされています。しかし、今回、コロナ禍の令和2年11月に指定され開所した新規事業所に対し、3か月たっても何の連絡もなく、半年以上たった6月になって12月に実地指導を実施するとの通知が届き、最初の実地指導が13か月半後に行われた事例がありました。ここ数年での新規事業所に対して行われた実地指導の状況及び指定からの期間の状況はいかがでしょうか。  実地指導が行われたこの事業所は、人員配置が不足していたため、報酬額が減算となり、当初に遡って6か月分の返還を指導されました。しかし、これには悪意はなく、現在までに第15報まで発せられている厚生労働省から届いた「新型コロナウイルス感染症に係る障害福祉サービス等事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」という一般の方にはなかなか理解するのが難しい行政文書を誤った解釈をしてしまったことによるものでした。  間違った部分に関して是正しなければいけないことは当然ですが、県が目安どおり3か月後に実地指導を行っていればもっと早い段階で是正ができていますし、返還額も運営への影響も最小限で済んだはずです。もっと言えば、独自とはいえ、県が要領に定めたとおりに実施できていなかった状況で指導といっても、そこには全く説得力がありません。指導の目的である「事業者の支援を基本とする」からはかけ離れていると感じますし、利用者へも影響が出る可能性があります。このような事象についての見解をお聞きします。  実地指導が遅れたことに対し事業所が意見したところ、謝罪もなく、コロナ禍のためできなかったのは当然で仕方のないことと返答されたそうです。コロナ禍により多忙となっていることは十分に承知しており、職員の皆さんが御苦労され、様々対応いただいていることには感謝するところであります。しかしながら、コロナ禍だから仕方がないと行政の通常業務に影響が出ている状況には問題があると思います。コロナ禍により、ほかにはどのような業務に影響が出ているのでしょうか。  コロナ関係の業務を最前線で担う健康福祉部では、増加した仕事量に対し、職員の皆さんの努力や頑張りによって対応していただいております。コロナ禍により通常業務に影響が出ている状況に対し、コロナが収まれば影響はなくなるとこのままの状態で様子を見るのか、あるいは、臨時職員の雇用や他部局からの人員補充、業務の見直しや、可能なものは外部に委託するなど、都度対応を行うのか。現状に対する見解と今後の対応について知事にお聞きします。  事業所では、感染者が出ないように、また、集団感染が起きないように細心の注意を払い、運営を続けていますし、行政も、施設へのウイルスの持込みを懸念し、訪問を控えているということもあるかと思います。しかし、こういった状況だからこそ事業所と行政の連携がより重要であると思いますが、コロナ禍における県と事業所との情報共有及び関係構築をどのように行っているのか。健康福祉部長にお聞きします。
          〔健康福祉部長福田雄一君登壇〕 ◎健康福祉部長(福田雄一 君)障害者施設についての御質問をいただきました。4点、順次お答えを申し上げます。  まず、新規事業所に対する実地指導の状況などについての御質問でございます。  御質問の中にもございましたように、障害福祉サービス事業所に対する実地指導につきましては、国の指針ではおおむね3年に1回実施となっておりますが、県では、実施要領の中で、独自の取組として、新たにサービスの提供を開始した事業所に対しては、既に同一法人内で同種のサービスを提供している場合など必要性が低いと認められるときを除き、サービスの質の確保等を図るため、開設からおおむね3か月以内に実地指導を実施することと定めております。ただし、今申し上げた対象外となる事業所がございますほか、事業所側あるいは保健福祉事務所の事情によりこの定めに従って早期に実施できていないことが多い状況でございます。  令和元年度から昨年度までの新規事業所に対する実地指導の状況でございますが、全体でそれぞれ74事業所、69事業所、32事業所に対して実施いたしました。また、実地指導までの期間でございますが、おおむね3か月以内に実施した割合は、コロナ前の令和元年度の新規事業所に対しては27%でございますが、コロナ禍の令和2年度、3年度は、それぞれ16%、10%と低下しております。  次に、今回の事案についての見解という御質問でございますが、ただいま申し上げたとおり、コロナ前と比較して新規事業者に対して早期に指導が行われた割合は低下しておりますが、これは、厚生労働省から、新型コロナウイルス感染症感染拡大抑制を図る観点から、地域の感染状況等により実地指導等の延期を検討するよう通知があったことを踏まえたものであり、やむを得ない措置であったものと認識をしております。  しかしながら、実地指導の延期については、新規事業者を含め関係者にその旨を早めに連絡するなど、取扱いを切り替えたときに適切な対応を取ることが必要であると考えております。また、事業者に対しては、訪問しての実地指導は行えないとしても、必要に応じて電話や書面等により密接な連絡、連携に努めることは可能であり、こうした事業者に寄り添った対応が望ましかったと考えております。  それから、コロナ対応の影響を受けているほかの業務についての御質問でございます。  新型コロナ対策に万全を期し、県民の生命、財産への影響が大きい業務を着実に継続するため、一昨年から全庁的に非常時業務体制を取り、時々の感染状況に応じ、優先・継続すべき業務と縮小または休止すべき業務を部局ごとに判断して対応してまいりました。  健康福祉部では、事業所の実地指導以外にも、重症化リスクの高い高齢者や障害者を含む大勢の人が集まるイベントや大会、各種研修会等の業務を縮小してコロナ対応に注力してきたところでございます。  それから、コロナ禍における事業所との情報共有や関係構築についての御質問でございます。  御指摘のとおり、コロナ禍においても、とりわけ新規の事業所と情報共有を図り、事業運営に対する助言、指導を行っていくことは大変重要であると思っております。  これまでも、報酬改定やコロナ対策など様々な情報を登録されたメールアドレスに送信したり、ホームページへの掲載などによりまして適宜共有を行ってきたところでございますけれども、今後は、必要に応じ、リモートによる会議など新たな連携手法を活用して情報共有を図り、事業所との信頼関係の構築に努めてまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には健康福祉部業務量増加に対する今後の対応についてという御質問であります。  健康福祉部は、コロナ対応等で非常に業務が急増いたしました。そのため、保健師等の増員や各部局からの兼務配置などの応援体制に取り組みますとともに、相談電話対応の外部委託などを通じて職員の業務軽減に努めてきたところであります。  また、先ほど保健福祉部長から御答弁させていただきましたとおり、業務の逼迫や感染リスクの高まりを受けて全庁的に非常時業務体制を取らせていただき、一定期間縮小可能な業務は先送りするといったような対応を行ってきたところであります。今後とも、緊急事態、例えば、さらなるコロナ陽性者の急増期等にあってはこうした対応を行っていく必要があるというふうに思っております。  今回の事案に即して考えますと、健康福祉部におきましては、今申し上げたような考え方に基づいて事業所に対する実地指導を一定期間縮小するという判断をしたところであります。しかしながら、取扱いを変更する場合には、関係の方々に丁寧に説明を行う、あるいは、もっと緊密に連携して代替となるような措置を行うなど、より丁寧で適切な対応を取ることが必要ではなかったかというふうに考えております。  今後、コロナに限らず、臨時的な業務量の変動に備えて常日頃から業務の優先順位を見極めておくということが必要だと思いますし、もう一方で、我々は県民の皆様方のために仕事をしていますので、ルールを変えるような場合には、どういう対応をするのか、関係者とどうコミュニケーションを取るのかということも含めて考えておくことが必要だというふうに思っております。今後とも、必要性、重要度が高い業務を着実に遂行することができるように適切に対応していきたいと考えております。  以上です。       〔27番寺沢功希君登壇〕 ◆27番(寺沢功希 君)事業所としては、こちらの故意ではない、解釈の間違いだったという言い訳は聞かないのに、自分たちはコロナ禍だったから実地指導に来られなかったのはしようがないでしょというのは納得できないと思います。今回の件は、やはり配慮が少し足りない部分が幾つかあったのではないかというふうに思います。  実施率の低さには少し驚きましたが、コロナ禍前も低かったことから、現地機関にとっては新規事業所の実地指導は大変な業務であるようです。リモートでの実地指導を導入するなど方法の見直しや、3か月という期間の見直しも検討していただき、事業所、現地機関双方にとってよい方向に進めていっていただきますようお願いいたします。  次に、観光分野は、コロナ禍により最も影響を受けたと言っても過言ではありません。感染状況も落ち着いてきて県民割の対象範囲がブロック単位に拡大し、さらに、来月より全国に拡大されるなど、活気が戻りつつあります。  一方で、訪日外国人観光客の受入れが再開したものの、コロナ禍前の水準に戻るにはまだまだ時間がかかると思われますし、そもそもまたいつ感染の波がやってくるかという不安もあります。  今後、コロナと共存していくのならば、いかにその感染の波を捉え、事業を打ち出すか。また、新たな5か年計画の策定に当たり、5年前では全く予想できなかったこの状況、そして、予想しにくく刻々と変わっていくであろう今後に対しどんな計画を立てていくのか。非常に難しいところであると思います。  平成28年6月定例会本会議で、人数が多ければよいということではないが、部局横断的に物事を進めていくには、中心となる観光部にある程度の人材が必要ではないかとの質問に、当時の観光部長から、プロモーションやキャンペーンなどに多くの人数を割いている状況であり、正直なところ、中長期的な形での観光振興政策までなかなか手が回っていない状況であるといった悲痛な叫びともいうべき答弁がされたことを今でも鮮明に覚えております。当時とは全く違う状況ではありますが、新たな5か年計画の策定に当たり、観光部の人員体制についてはどのような状況でしょうか。観光部長にお聞きします。  とはいえ、中長期的な観光振興政策や企画立案を県が行うことには少し違和感もあります。民間のほうがより的確で柔軟な発想ができるのではないでしょうか。昨年度、委員会でも観光部長に質問いたしましたが、観光への補助やクーポン券、食事券の発行事業であれば、観光部でなくても、企画振興部、産業労働部などでも対応可能だと思います。ファムトリップを行ったとしても、取り扱うか否かは相手側にかかっていますし、そもそも競合相手にも一律に発信された情報をそのまま取り上げるとは考えにくいのではないでしょうか。  旅行業者を利用しない方々は、今の時代、ネットやSNSで情報を得、直接観光地やその地元の観光協会に問い合わせます。  昨年10月、マガジンハウスより発刊された「BRUTUS特別編集 長野県の大正解」は大変話題になり、予想を上回る反響、販売状況だったと聞いております。この雑誌を手に取り、影響を受け、長野県を訪れた方々も数多くいらっしゃると思われ、営業局が携わって発刊されたこの雑誌により、影響力の大きい観光要素も含めた情報発信が行われたと言えます。  こうした幾つかの観点から見たとき、であれば、観光部は必要なのかと考えさせられる部分もあります。長野県にとって、観光部の必要性、また、観光部に求めるものは何か。知事のお考えをお聞きします。  次に、2017年に全国で2万6,081人だった待機児童数も、昨年4月には過去最少の5,634人と5分の1近くまで減少し、200人以上の待機児童がいる自治体はゼロとなりました。しかし、全1,741市区町村のうち約18%の312自治体では待機児童が存在し、待機児童数の約6割に当たる3,516人は首都圏や近畿圏といった都市部に集中しております。  待機児童と大きく関係しているもう一つの問題に、保育士不足があります。昨年4月時点で保育士の全国での有効求人倍率は2.04倍となっており、待機児童同様、首都圏や近畿圏などの都市部では2.5倍を超え、栃木県では3.34倍、大阪府では3.33倍となっています。  保育士不足の原因としては、給料が十分でない、長時間労働になりがちである、命を預かるという責任が重いなど様々言われておりますが、昨今メディアなどで取り上げられることが多くなった影響からか、見直しが進み、ここ数年保育士の給与は増加傾向にあるようです。  そこで、こども若者局長にお聞きします。  保育士を目指す子供たちが、高校卒業時に県外に出ることなく、せっかく学びの場を県内に選んだのに、就職の際に県外へ流出する例も多いと聞きます。今年3月、県内の大学、短大など養成校9校の保育士または幼稚園教諭免許取得者である卒業者数をお聞きします。また、そのうち公私問わず県内の保育所及び幼稚園への就職者数はどれぐらいでしょうか。  首都圏や近畿圏など、都市部では依然として保育士不足が課題となっております。令和元年11月定例会本会議で県内保育士の求人倍率等の状況の部長答弁がありましたが、改めて県内保育士の充足状況についてお聞きします。  東京都では、保育士に対し、国と都で4分の3、区市町村で8分の1、事業者が8分の1を負担し、月額8万2,000円を上限に家賃補助を行っています。区によっては、独自の上乗せを行い、いずれも区内物件の場合、千代田区では13万円、港区では11万2,000円、渋谷区は10万円の補助を行っています。  通勤費も企業で負担してくれるのですが、こうした補助により、わざわざ郊外物件で家賃を抑え、電車で通勤する必要はなく、勤務先の近くで、しかもワンランク上の物件で生活することができるのです。  また、全国で保育所を運営するある企業では、東京への勤務を命ぜられた場合、赴任支度金として20万円が支給されるほか、地域手当として月々の給料に8万円上乗せされます。この地域手当は、今回の物価上昇に伴い、今後2万円増額され、10万円になるそうです。ちなみに、この企業が支給する長野県での地域手当は1万5,000円となっています。  東京都で働く保育士に対してはこうした行政や企業による補助や手当など支援はかなり充実しておりますが、県内の保育士に対する支援事業の状況はいかがでしょうか。各種支援により、県内で働く保育士と東京都内で働く保育士の手取り額には約8万円の差が出ますし、家賃補助を考慮すれば、県内で実家を出て働く保育士とは手元に残る金額に13万円ほどの開きが生じることになります。  県内の施設に就職が決まったものの、全国展開しているその運営企業に1年間の研修名目で東京都内の施設に赴任を命ぜられた保育士が、期間を過ぎても戻ってこないという例も多いと聞きます。これだけ収入に差が出れば人材の流出は止められるはずもなく、また、一度経験すれば、その生活を捨て、戻ってくることはなかなかできないことと思います。県としては、この状況をどのように考えていますでしょうか。また、今後この差を埋めるような施策は考えていますでしょうか。  一方で、県内では、保育士の正規雇用は少ないとも聞いています。こうした状況は、保育士不足の解消や保育士の処遇改善といった現在の施策の方向性とはギャップがあると考えます。もちろん、自由な働き方の選択の中で、自ら非正規を選択するという例もあるかと思いますが、県内保育士の非正規比率の現状はどの程度でしょうか。  また、この状況に対する見解と改善に向けた県としての取組についてお聞きします。  国では、今年2月より新型コロナウイルス感染症への対応と少子高齢化への対応が重なる最前線において働く保育士、幼稚園教諭等の処遇改善のため、収入を3%程度、月額9,000円引き上げるための費用を補助する保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業を実施しております。  しかし、この交付金は、認可外保育施設で働く保育士は対象外となってしまっております。県では、信州やまほいくとして認定制度を設け、自然保育を推進しております。認定施設の中には、認可外保育施設も存在します。以前、幼児教育・保育の無償化が実施され、当初、認可外保育施設が対象外とされた際、制度変更されるまでの間、県は市町村に協力を求めながら独自に支援を行い、認可保育施設と同様の扱いとされました。今回の交付金の対象外となっている点について県として何か対応を考えておられるか。お聞きします。       〔観光部長渡辺高秀君登壇〕 ◎観光部長(渡辺高秀 君)新たな5か年計画策定に当たっての観光部の人員体制についてのお尋ねでございます。  観光政策については、平成29年度からDMOとなった県観光機構と連携し、役割分担を図りながら取り組んでおり、現在、観光機構には、ネットワークや専門性を生かし、国内外へのプロモーションやDMOの形成支援などに取り組んでいただいております。  計画の策定については、観光部の山岳高原観光課の職員を中心に、関係部局と計画の背景や課題の共有、すり合わせを行うとともに、観光産業などの課題や展望などを事業者とも意見交換しながら観光部職員全体で検討し、進めているところでございます。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には観光部の必要性、観光部に求めるものは何かという御質問をいただきました。  47都道府県様々な組織の立て方があるわけでありますけれども、やはりその地域の特色や強みをどう伸ばすかという観点は非常に重要だと思います。  御承知のとおり、長野県は日本有数の観光県だというふうに考えております。また、県内各地域で観光に力を入れていて、観光に携わっている方々がいらっしゃるということで、やはり観光行政に力を入れていくことが重要だというふうに考えています。そういう意味で、観光部には、長野県の観光政策の大きな方向性をしっかり立てて、関係の皆様方と共有しながら観光政策を進めるということをまずは期待をしています。  加えて、御質問にもありましたように、民間の皆様方の力をもっと発揮していただくということが重要であります。稼げる観光をどうつくるかということが重要でありますが、この点については、DMOとしての長野県観光機構の機能を強化して、マーケティングも含めて、行政の公平性や中立性から一定程度外れて頑張ってもらうような体制を構築しています。  その裏返しで、観光政策は部局横断で取り組まなければいけない課題がたくさんございます。例えば、自然公園を観光に生かすという観点であれば環境部との連携、文化財をどう生かすかということであれば教育委員会と関連、ユニバーサルツーリズムを広げようと思えば健康福祉部との関係、また、観光にどうしても不可欠なのは道路、交通でありますので、建設部や企画振興部と、観光部において各部局の総合調整をしていくということが重要だと思っています。  県としては、観光戦略推進本部を設置して、各部局が総力を挙げて観光に取り組むという方向を出させていただいていますが、まさに観光部はその中の司令塔としての役割を果たしてもらうということを期待しているところであります。引き続き長野県が観光県として発展できるように取り組んでいきたいというふうに考えています。  以上です。       〔県民文化部こども若者局長野中祥子君登壇〕 ◎県民文化部こども若者局長(野中祥子 君)私には県内の保育士の状況について6問御質問をいただきました。順次お答えさせていただきます。  まず、県内の保育士養成校卒業生の保育士資格取得者及び県内の就職者についてでございます。  県内の保育士養成校9校における令和3年度の卒業生494人のうち、99.2%の490人が保育士資格または幼稚園教諭資格を取得しております。このうち、保育士資格取得の県内就職者は432人、県内就職率は89.1%と比較的高いものとなっております。  また、就職に関しては、保育所以外の児童福祉施設等に就職される方もいらっしゃることから、保育所または幼稚園への就職に限定いたしますと316人、就職率は65.2%となっております。  次に、県内保育士の充足状況についてでございます。  本年1月時点の県内保育士の有効求人数は596人、有効求職者数は315人で、有効求人倍率は1.89となっております。昨年同月よりも0.13ポイント上回る状況にあり、引き続き高い水準で推移しております。この背景には、女性の就業率の増加等に伴い、3歳未満児の保育ニーズが増加しているということがあると考えております。  次に、保育士の確保状況、確保対策についてでございます。  本県におきましては、着実に保育人材を確保するため、主に三つの取組を進めております。  第一に、新規資格取得者の県内保育所等への就職支援策として、平成28年度から返還免除型の保育士修学資金の貸付けを行っております。第二に、潜在保育士の就職支援策として、平成29年度に設置した保育士人材バンクによる潜在保育士と保育施設とのマッチングや、就職準備金または未満児の保育料の貸付けなどを行っております。第三に、保育士の就業継続支援として、保育士が自信と誇りを持って就業できるようキャリアアップ研修会を実施するとともに、処遇改善にも取り組んできているところです。これらの取組を推進することによって、引き続き保育士の確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、保育士の給与格差による人材流出に関する考え、差を埋める方策について御質問をいただきました。  収入面の差につきましては、国が定める保育所運営に係る公定価格の都市部の単価が地方の地域に比べて高く設定されていることから、保育士の給与につきましても、都市部と長野県とを比較すると格差が生じているものと認識しております。生活費の差はございますものの、この給与差のみに着目いたしまして東京での就職を選択される方も一定程度いらっしゃるものと認識はしております。  地方が給与面で不利とならないような仕組みというものが必要であると考えております。このため、県といたしましては、給与格差の是正について引き続き公定価格等の改善を国に要望してまいりたいと考えております。  また、保育士として働く際には、給与等の待遇面だけではなく、働く環境も重視されているものと認識しております。したがって、県におきましては、保育士に対して、例えば、県が推進しております信州やまほいくなど自然豊かな環境の中で様々な体験を通じて子供と向き合えるという長野で保育士として働く魅力ややりがいを説明、PRすることによって、都心部で働くよりも長野で働きたいというふうに思っていただけるよう、人材確保に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  次に、県内保育士の非正規比率及び非正規雇用の現状に対する見解と改善に向けた取組についてでございます。  令和4年4月現在の公立と私立保育所を合わせた県内保育士の非正規雇用の割合は50.1%となっております。現在、保育所においては、延長保育、休日保育、一時預かりといった多様な保育需要に応えていくことが求められており、そのため、正規職員だけで対応することが難しく、また、働く側も時間単位労働等柔軟な働き方を望む方もいらっしゃることから、非正規雇用の保育士の方も必要であると認識しております。  県といたしましては、雇用形態にかかわらず、保育士の質の向上、技能や経験に応じた処遇改善を図っていくことが必要と考えており、今後も保育の実施主体である市町村とよく話をしながら適正な保育所運営を働きかけていくとともに、国に対しては引き続き保育士の処遇改善を求めていきたいと考えております。  最後に、信州やまほいく認定園の認可外保育施設における処遇改善に対する県の対応について御質問をいただきました。  信州やまほいく認定園である認可外保育施設については、保育環境や保育の質の向上を図る観点から、認可園に係る施設型給付費に準ずる形で県単独事業による運営費補助を行っておるところでございます。  国の処遇改善臨時特例交付金につきましては、9月までの措置として行われるものではございますが、10月以降も処遇改善が維持されるよう施設型給付費の中での対応を国が検討しているものと承知をしております。この検討状況を踏まえて、我々県のほうでも信州やまほいく認定園への支援策についてしっかり検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔27番寺沢功希君登壇〕 ◆27番(寺沢功希 君)観光部につきましては、営業局があり、また機構があり、市町村、観光協会、民間企業がある中で、非常に難しい部分があることは分かっております。観光部の職員の皆さんにとりまして大変失礼な質問になりましたことをおわびいたします。  ただ、落ち込んだ県内観光関係者の皆さんは、観光部の皆さんの活躍に期待しています。知事からも、観光部の重要性、また、今後に期待する答弁がありました。ぜひ頑張っていただきたいと思います。  夢をかなえて保育士になった皆さんが、仕事へのやりがいを感じる前に処遇の悪さによって職を離れることがないよう、いつも子供たちの前では笑顔でいられるように県には引き続き環境改善に御尽力いただきますことをお願いいたしまして、私からの一切の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(丸山栄一 君)次に、竹花美幸議員。       〔17番竹花美幸君登壇〕 ◆17番(竹花美幸 君)竹花美幸でございます。よろしくお願いいたします。  まず初めは、デジタル田園都市国家構想における地域活性化策についてです。  政府においてデジタル田園都市国家構想実現会議が7回開催され、令和4年4月4日には、内閣府地方創生推進事務局より、デジタル田園都市国家構想の実現に向けた地方創生分野における先導的な取組が発表されました。  さらに、この6月1日には、デジタル田園都市国家構想の基本方針が発表され、地方こそデジタルで解決すべき課題がある。デジタルを活用して生活の利便性向上を図り、全国どこでも快適に暮らせる社会を目指すことが掲げられました。  誰一人取り残さないデジタル化、人に優しいデジタル改革を進めていかなければなりません。AIやビッグデータなどの先端技術を活用し、行政手続、移動、医療、教育など幅広い分野での利便性を向上させるための生活全般にまたがる複数分野の先端的サービスの提供、先端的サービスを促進するためデータ連携基盤を通じ、必要なときに必要なデータを迅速に連携、共有すること、大胆な規制改革を行うため、令和2年9月に改正国家戦略特区法が施行されました。  そこで、松本市や茅野市がスーパーシティの提案を行うなど、本県においても地域の課題解決を図ろうと先進的にデジタル化を推進している自治体が存在しますが、こうした優れた取組を県としてどのように広げていくのか。清水企画振興部長にお伺いします。  茅野市においては、デジタル田園健康特区として、吉備中央町、加賀市の3自治体と連携し、デジタル技術を活用して健康、医療の課題解決に重点的に取り組むなどの方針が示されました。デジタル田園健康特区は、人口減少、少子高齢化など、特に地方部で問題となっている課題に焦点を当て、当該特区において先駆的に地域の諸課題解決を図ることを重視しております。県は、今後、特区で取り組む先駆的事業にどのように関わっていくのか。福田健康福祉部長にお伺いいたします。  第7回デジタル田園都市国家構想実現会議において、デジタル基盤整備計画の全体像、ロードマップが示されました。2027年度末までに光ファイバーのカバー率を99.9%に。5Gカバー率は、2023年度末には全国95%、全市町村に5G基地局整備、2030年度末には全国99%、60万局に。データセンター海底ケーブル、ビヨンド5Gの研究開発、社会実装などが盛り込まれています。長野県としては、この計画に対しどのように取り組んでいくのでしょうか。  次は、マイナンバーカードについてです。  マイナンバーの普及促進については、政府は、閣議決定において、令和4年度末までにほぼ全国民に行き渡ることを目指すとの方針を示しております。  例えば、加賀市では、独自財源を活用し、5,000円分の商品券を配付したところ、人口に対する交付枚数率は、令和2年6月が14.2%に対して、令和3年10月には70%となり、同期間の全国平均を見ますと、令和2年6月が16.8%、令和3年10月は38.4%ですので、この数字を大きく上回っており、一気に交付率が伸びたという事例もございます。長野県の普及率はどうでしょうか。また、長野県は、市町村に対し、普及促進のためにどのように支援していくのかをお伺いいたします。  我が国が目指す未来社会、Society5.0。Society5.0時代の新たな信州への道しるべとして、長野県DX戦略がございます。県内人口は、平成12年の222万人をピークに減少に転じ、令和4年5月1日現在では202万3,254人となり、加えて、少子高齢化に伴う人口構造の変化も進行しております。また、令和元年東日本台風や新型コロナウイルス感染症などの前例のない危機対応にも追われております。  このような中で、IoT、AI、5Gなど進化し続けるデジタル技術と、21世紀の石油と言われるデータを活用して、既存の業務プロセスの改変などにより新たな価値を創出し、長野県を新たな社会の仕組みにつくり変えるデジタルトランスフォーメーションを行うことは急務であり、難しいが実現しなければならない挑戦でもあると戦略への挑戦の言葉が記されております。
     21世紀の石油、データをいかに賢く使うかで、県の発展は大きく変わってくることでしょう。長野県DX戦略は、デジタルトランスフォーメーション、DXをあらゆる分野において実行に移すために長野県全域のDXを推進する方針となりますが、2022年度を区切りとして、進捗管理や見直しを行うこととしております。  県では、DXの推進に当たっては、組織体制を充実させながら取り組んでこられたと認識しておりますが、これまでの取組状況に関する認識と今後の方向をどのようにお考えでしょうか。以上3項目を清水企画振興部長にお伺いいたします。  続いては、本県のデジタルトランスフォーメーションの取組について5点を具体的にお伺いしてまいります。  まずは1点目です。経済産業省の「未来の教室」モデル校実証事業として、県立坂城高等学校において1人1台のICT学習環境を構築し、際立ったICT環境、活用経験のない一般的な学校においても、教員、生徒がノート型パソコンを文具と同じように活用できるモデルケースとして、学びの自立化や個別最適化、教員の働き方改革が図られております。県立高校「未来の教室」実証事業に取り組まれた中で、成果や課題をどう捉え、今後はどのように展開していこうとお考えでしょうか。  さらに、今後、都市部とは違い、地方では、特に人口減少、少子化の進行による学校規模の縮小や教員不足を勘案すると、学校間をつなげて行う遠隔授業も重要な手段となり、取組が必要と私は考えますが、どのようにお考えか。内堀教育長にお伺いいたします。  2点目は、ドローンや航空レーザー計測を用いて取得したデータとICTを活用し、森林管理と林業経営の最適化と効率化を図るスマート林業の進捗状況について吉沢林務部長にお伺いいたします。  3点目は、2019年1月に、県企業局は、しごと・働き方改革の一環としてオフィスをリニューアルいたしました。職員が自ら働き方と時間をマネジメントし、複雑化するミッションに対応する柔軟で俊敏な組織への転換を目指し、一つとして、時間、場所にとらわれない働き方、二つ目として、ICTの利活用、3点目として、多様な執務空間の創出、4点目として、公文書の組織的共有、電子化といった四つの方向性でオフィス改革が実施されました。企業局における働き方改革、オフィスワークスタイル変革についてはどのような変化や効果が見られたのでしょうか。須藤企業局長にお伺いいたします。  さらに、4点目は、2019年4月からは働き方改革関連法も施行されておりますが、企業局の取組を参考に、今後県組織においてオフィスワークスタイル変革についてどう展開していこうとお考えか。玉井総務部長にお伺いいたします。  5点目は、平成31年3月に策定した産業生産性向上のためのAI・IoT、ロボット等利活用戦略を活用し、その推進に当たっては、国から長野県IoT推進ラボとして選定を受けることとしていましたが、これまでに県内ではどのような取組がなされてきたのでしょうか。効果と今後の展開について林産業労働部長にお伺いいたします。  続いて、政府は、2026年までに230万人のデジタル人材を育成する計画を立てています。長野県においては人材育成、呼び込みを今後どのように進めていくのでしょうか。  また、「女性版骨太の方針2022」では、デジタル分野におけるジェンダーギャップの解消のため、女性デジタル育成プランに基づき、就労に直結するデジタルスキルの習得支援及びデジタル分野への就労支援を今後3年間集中的に推進していくとしています。女性デジタル人材の育成確保の取組についても林産業労働部長にお伺いいたします。  国は、誰もがデジタルの恩恵を享受できる取り残されないデジタル社会の実現を目指しております。例えば、伊那市が取り組む空飛ぶデリバリー事業、ドローンによる買物支援サービスは、中山間地域の高齢者が慣れ親しんだテレビのリモコンで操作し、テレビで注文できるシステムを構築しております。テレビのリモコンでしたら毎日手にし、誰もが身近に操作できるので、高齢者にも分かりやすく、安心感がございます。  特に、人口の3分の1ともなる高齢者のデジタル化推進は重要課題と言えます。高齢者等デジタル機器の操作に不慣れである方への配慮を踏まえないと、幾ら最新の技術を投入してもデジタルは社会に入っていかないと考えます。そうした高齢者等デジタル機器の操作に不慣れである方への配慮を含め、長野県としてどのような対応を図っていくのか。清水企画振興部長にお伺いいたします。  生活利便性の高い地域づくりは、それぞれの自治体が中心となって進める必要がございます。政府は、今後、各自治体に、具体的な取組を記したデジタル田園都市国家構想総合戦略の策定を要請する考えでございます。このデジタル田園都市国家構想総合戦略を次期総合5か年計画にどう落とし込んでいこうと考えているのか。清水企画振興部長にお伺いいたします。  続いては、原油価格、物価高騰による長野県への影響と対策についてです。  今定例会において、世界的なエネルギー、食料等の価格上昇に伴う物価高に対する経済対策について補正予算案が提案されました。長野県価格高騰緊急対策第一弾が取りまとめられ、価格高騰により大きな影響を受けている県民や事業者を緊急的に支援するとともに、中長期的な視点に立った省エネの推進や観光需要の喚起などに取り組んでいくとしています。さらに、価格高騰の影響は今後も継続することが予想されることから、引き続き施策の具体化に努めていくことが示されております。そこで、物価高騰による県民や事業者への影響の現状と今後についてどのように分析をしているのか。伊藤産業政策監にお伺いいたします。  続いては、物価高騰に対する中長期を視野に入れた対策について2点お伺いしたいと存じます。  一つ目です。緊急性を要する支援は第一弾として打ち出されておりますが、半導体やレアアースなど重要な物資の安定供給確保等については供給途絶リスクも考えられ、懸念されるところです。今後の分析により必要となる中長期を視野に入れた対策をどのようにお考えでしょうか。  二つ目は、政府が打ち出した新しい資本主義、令和4年6月7日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2022の中で、「食料安全保障の強化と農林水産業の持続可能な成長の推進」として、飼料や小麦、米粉等の生産・需要拡大、食品原材料や木材の国産への転換等を図るとともに、肥料価格急騰対策の構築を検討することと、食料の安定供給確保に必要な総合的対策の構築に着手することがうたわれております。  農業県である本県においても、食料自給率を高めたり、県内での生産拡大に向けた取組は重要と考えますが、どのような農業政策を行っていこうとお考えか。また、肥料の高騰に伴う農業者への影響とその支援についてどうお考えか。小林農政部長にお伺いいたします。  最後は、必要な方に必要な支援がしっかり届くためには、国、県、市町村、社協や経済団体など関係団体との連携が欠かせません。どのように連携を図っていくのか。伊藤産業政策監にお伺いをいたします。  以上、明確な答弁をよろしくお願い申し上げます。       〔企画振興部長清水裕之君登壇〕 ◎企画振興部長(清水裕之 君)私にはデジタル田園都市国家構想における地域活性化策につきまして6点御質問をいただきました。順次お答えいたします。  まず、自治体のデジタル化に関する先進事例の横展開についてであります。  県では、長野県DX戦略の策定に合わせ、県内市町村とともにDXを推進すべく、令和2年7月、県内全77市町村が参加する長野県先端技術活用推進協議会を立ち上げ、情報システムの共同利用の推進や先進事例の共有を図ってまいりました。  昨年度は、当該協議会の下に設置しました自治体DX推進懇談会や地域交通最適化DX勉強会におきまして、例えば、南牧村からマイナンバーカードの普及促進を図る取組や、塩尻市から自動運転技術やAIを活用した次世代モビリティーサービスの取組などを発表いただき、取組を進める上でのポイントやノウハウを共有したところであります。県としましては、引き続き協議会の枠組みを活用し、先進的な取組の横展開を進めながら、市町村も含む県全体のDXの底上げを図ってまいりたいと考えております。  続きまして、デジタル田園都市国家インフラ整備計画への取組についてであります。  今般策定されたデジタル田園都市国家インフラ整備計画は、光ファイバーや5G等の携帯電話基地局といったデジタル基盤の整備に向けて総務省が策定したものであります。これを機に、信越総合通信局から、県に対しまして、通信インフラの整備を地方において効果的に推進するため、学識経験者、自治体、通信事業者などをもって構成する地域協議会への参加を打診されているところであります。  県では、これまで、光ファイバー整備や携帯電話不感地域解消に向けて国や通信事業者などに働きかけを行ってきた結果、光ファイバー網の利用可能世帯率は99.8%、携帯電話エリア内人口の割合は99.8%と、人が住む地域ではほぼ達成しているものと認識しております。  今後、先ほど申し上げた国の地域協議会に参画し、地域のニーズを国や事業者に積極的に提供することで、県内への携帯電話基地局のさらなる整備促進や、山岳地帯の観光地などにおけるさらなる携帯電話不感地域解消など、県内のデジタル基盤が一層整備されるよう取り組んでまいりたいと考えております。  続きまして、マイナンバーカードの普及率と市町村への支援についてであります。  総務省が6月1日現在で取りまとめた資料によると、本県人口に対するマイナンバーカードの交付枚数率は38.5%となっております。全国の交付枚数率は44.7%であり、本県は全国平均を下回っている状況であります。  マイナンバーカードは、デジタル社会の基盤となるツールであり、県としても普及促進に力を入れる必要があると認識しております。県では、これまで、市町村が策定する交付円滑化計画を支援してまいりましたほか、地域の大型店などで市町村と連携しながら複数市町村による広域での出張申請受付を実施してまいりました。  国では、本年9月末までの申請者に対し最大2万円分のポイントを付与する取組、マイナポイント第2弾を行うほか、カード未取得者に対し本年7月頃からQRコード付の交付申請書を順次送付するなど、さらなる普及促進を図ることとしております。  このような動向を踏まえ、県としましても、広域での出張申請受付を昨年度の3会場から今年度は20会場以上に拡充して実施することを予定しております。加えまして、新たに県と市町村で構成する長野県マイナンバーカード普及促進会議を定期的に開催することとし、県側からは私や地域振興局長、市町村からは副市町村長などの幹部職員が出席して情報共有や意見交換を行い、普及促進の一層の加速化を目指してまいりたいと考えております。  続きまして、DX推進の取組状況と今後の方向性についてであります。  まず、本県のDX推進の組織体制としては、国のデジタル田園都市国家構想の動きに先駆けまして、平成31年4月、副知事を最高デジタル責任者、CDOとし、全ての部局長により構成される先端技術活用推進会議を設置。令和2年7月には長野県DX戦略を策定しました。令和4年4月には長野県職員採用試験にデジタル区分を創設し、採用したデジタル職3名をDX推進課とデジタルインフラ整備室に配置するなど、部局横断体制を整備して取組を進めてまいりました。  また、市町村や民間企業との連携を強化するため、県内全ての市町村が参加する長野県先端技術活用推進協議会を設立。令和2年12月には、県内外の企業と連携を図る長野県DX戦略推進パートナー連携協定制度を創設し、民間の専門人材を確保してきております。  このように、外部との連携も含め、組織体制を充実しながらDXを推進してまいりましたが、今年度は、県行政のスマート化に向け、約8,000人の職員が利用する次期情報システム「ながのデジタルワークプレイス」を本格稼働させるとともに、それに合わせてテレワークなど新しい働き方を県職員に浸透させる取組を進めております。  また、県内市町村によるAI音声文字起こしシステムの共同調達の支援ですとか、全国初となります県と県内全市町村による協働電子図書館のサービス開始など、これまでのDXの取組が着実に実を結んできているものと認識しております。  現行の長野県DX戦略につきましても、今年度末が期限となるため、次期総合5か年計画の策定に合わせまして、国のデジタル田園都市国家構想や最新技術の動向なども踏まえながら、長野県のDXのあるべき姿、取り組むべき具体的な施策を検討してまいりたいと考えております。  続きまして、取り残されないデジタル社会の実現に向けた取組についてであります。  デジタル技術は、コミュニケーションの円滑化をはじめ、人間の生活を便利にするためのツールであり、多くの人がそれぞれの場面や状況に合った使い方をしていくことができるかが重要であると認識しております。このため、県では、デジタル活用に不安のある高齢者の方々でもICTを活用できるようにするためのいわゆるスマホ教室が県内各地で実施されるよう、国、市町村と連携して取り組んでいるところであります。  また、議員から伊那市の事例についても言及がありましたが、デジタルサービスを提供する際、例えば音声による文字入力などデジタル機器に不慣れな方に配慮した技術の積極的な活用についても研究を進めてまいりたいと考えております。こうした取組を進めながら、誰もがデジタルの恩恵を享受できる取り残されないデジタル社会の実現を目指して着実に歩みを進めてまいりたいと考えております。  最後に、デジタル田園都市国家構想総合戦略を次期総合5か年計画にどう落とし込んでいくかについてであります。  6月7日に閣議決定されたデジタル田園都市国家構想基本方針では、国は年内をめどにまち・ひと・しごと創生総合戦略を抜本的に改定し、デジタル田園都市国家構想総合戦略(仮称)を策定。地方は、改定された国の総合戦略に基づき、地方版総合戦略を改定するよう努めるなどとされたところであります。  国の基本方針に示されておりますデジタルの力を活用した地方の社会課題解決、ハード、ソフトのデジタル基盤整備、デジタル人材の育成確保、誰一人取り残されないための取組は、本県にとっても重要な取組であり、具現化していく必要があると考えております。  県としましては、次期総合5か年計画を国のデジタル田園都市国家構想総合戦略(仮称)に基づく地方版総合戦略として位置づける予定としております。国の動向や先進事例の情報を収集しながら、デジタル技術を活用して目指す社会の姿や、そのために必要な取組を具体的に検討し、計画に落とし込んでまいりたいと考えております。  私からは以上です。       〔健康福祉部長福田雄一君登壇〕 ◎健康福祉部長(福田雄一 君)私にはデジタル田園健康特区について御質問を頂戴いたしました。  茅野市などが指定されました国家戦略特区につきましては、医療・健康分野におけるデジタル技術活用のモデル事業として、具体的には、在宅医療を担う看護師の役割の拡大やタクシーによる医薬品等の配送などの日常的な取組の実施を目指しており、現在国と調整しているものと承知しております。  こうした取組は、高齢化の進展により医療需要が高まる中で関係機関の連携やサービスの効率化を促すものであり、地域の医療提供体制を将来にわたり確保する上で意義のあるものと認識しております。  県といたしましては、茅野市から具体的なお話を伺い、協力できる分野があれば取組に関わってまいるとともに、事業の成果を県内市町村と共有するなど、地域課題の解決に向けて連携してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔教育長内堀繁利君登壇〕 ◎教育長(内堀繁利 君)まず、「未来の教室」実証事業の取組と今後の展開についてでございます。  本事業の実施校である坂城高校では、1人1台端末と学習ソフトを活用した学びに取り組んでおり、生徒が自分のペースでそれぞれの理解の状況に合わせて学ぶ個別最適な学びの充実が基礎学力の定着につながっています。また、大学生等の支援を得ながら、地域の企業を調査して課題を発見し、解決方法をウェブサイト上にまとめる探究的な学びも行っており、これらが高く評価され、デジタル庁のデジタル社会推進賞最高賞を受賞しました。  本事業のような取組は、他の高校にも浸透しつつあるものの、坂城高校が起こしたような学びのDXは現時点では一部の学校にとどまっていることが課題であります。今後は、各学校の学びのDXに向けた取組を支援するとともに、全県へのさらなる普及拡大を図るため、先進校等の公開授業や成果報告等に一層努めてまいります。  次に、遠隔授業の取組の必要性についてでございます。  遠隔授業については、議員御指摘の小規模校が中山間地に散在している本県の現状に加えて、各学校の特色ある学びを共有するという視点からも、学校間で授業を配信し合うことにより生徒の学びの充実につながるものと認識しております。  その際、知識の習得のみならず、多様な考えに触れながら、思考、判断、表現する力を育成するという視点も大切にしつつ、遠隔授業の在り方について研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔林務部長吉沢正君登壇〕 ◎林務部長(吉沢正 君)スマート林業の推進状況についてお答えします。  県では、平成30年度から、全国に先駆けて、産学官55者で構成する協議会、スマート林業タスクフォースNAGANOにおいて、ドローンを活用した森林資源の把握などスマート林業技術の開発、検証を行いました。  現在は、こうした技術を事業体が早期に導入できるよう支援しており、昨年度は22の事業体でドローンや衛星を活用した高精度、高効率の森林測量システムなどを導入し、現場での林業経営に活用しています。あわせて、専門的な研修会を開催し、スマート林業技術を十分に活用できる人材の育成に取り組んでいます。  スマート林業に関する技術は日進月歩であることから、引き続き必要な最先端機器の実装支援と新たな技術に対応できる人材の育成を2本柱として普及推進に取り組んでまいります。  以上です。       〔公営企業管理者職務執行者・企業局長須藤俊一君登壇〕 ◎公営企業管理者職務執行者・企業局長(須藤俊一 君)企業局におけるオフィスワークスタイルの変革による変化や効果についてお答えいたします。  企業局では、平成30年度からオフィスの変革に取り組んできております。具体的には、本庁オフィスをリニューアルする中で、席を固定せず、業務に応じて空いている席やスペースを自由に使えるフリーアドレスを導入するとともに、打合せスペースや一定時間集中して事務処理を行うエリアなど多様な執務空間をつくり出しました。  また、モバイルパソコンやスマートフォン端末の全職員への配備に加えて、全ての所属に業務管理用のグループウエアを導入し、職員全員の業務予定を共有するなど、時間や場所にとらわれずに働くことができる職場環境の整備を進めてまいりました。  こうした一連の取組の変化や効果としまして、所属の垣根を越えたコミュニケーションの活性化や、テレワークやテレビ会議の積極的な実施が進んだことなどにより、業務の省力化や職員の働きやすさの向上に一定の成果が得られたものと感じております。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大期においても、出勤抑制など感染リスクの低減を図りながら円滑に業務を遂行することができたものと考えております。  職員の価値観や生活様式も多様化する中、引き続き職員が生き生きと働くことができ、自らの働き方と時間をマネジメントできる職場づくりを進めてまいります。  以上でございます。       〔総務部長玉井直君登壇〕 ◎総務部長(玉井直 君)県組織におけるオフィス改革についてのお尋ねでございます。  情報技術の活用をベースとしたオフィス改革の取組につきましては、先ほど企業局長からお答えしたとおり、業務の効率化や庁舎スペースの有効活用にとどまらず、職員間のコミュニケーションの活性化、創造的な発想を生み出す執務空間の創出に有効であり、仕事の質の向上や生産性の向上、また、職員の多様で柔軟な働き方の実現にもつながるものと認識しております。  現在、新たな情報システムを全庁的に導入し、業務用パソコンのモバイル化や庁内LANの無線化、チャットやテレビ会議などによるコミュニケーションを容易にするツールの導入等を行うとともに公文書の電子化も進めているところでございます。  こうした取組によりまして、行政事務のDX化や公文書の保管スペースの削減が進むなどオフィス改革に向けた環境が整ってまいりますので、企業局での取組を参考にしながら、今後、どのような職場環境づくりが望ましいのかも含め、その在り方や実現方法などについて検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業労働部長(林宏行 君)3点御質問をいただきました。  初めに、IoT推進ラボのこれまでの取組、効果と今後の展開のお尋ねでございます。  長野県内で選定された地方版IoT推進ラボは、県のAI・IoT等先端技術利活用支援拠点による取組、伊那市のドローンを使った配送サービスなどの実証プロジェクト、川上村のスマート農業導入に向けた取組の3団体となっております。  長野県IoT推進ラボでは、2名の専門コーディネーターによりIT技術等の導入をサポートしており、昨年度までの3年間で、個別相談528件、先進事例を学ぶセミナーの開催48回、AI・IoT等先端技術活用DX推進事業等による導入補助28件、国のIT導入補助金のサポート405件などとなっております。  こうした取組により、AI学習機能付ボイスオーダーシステムの導入や、傾斜地の圃場における農薬散布機械の自動運転など、サービス業や製造業などにおいてAIやIoTの活用が促進され、付加価値や生産性の向上に寄与したものと受け止めております。  なお、推進ラボの選定時に掲げたKPIの現時点での評価でございますが、AI・IoTの導入率は2018年度の9.4%から2021年度は26.5%へ、1人当たりの労働生産性は、2014年度の731万4,000円から、2019年度は743万8,000円となっております。  現在、国では、AI・IoTの導入による生産性の向上のみならず、地域の経済発展とウエルビーイングの向上を目指すデジタルトランスフォーメーションを推進するべく、新たに地域DX推進ラボへの移行を検討しています。  県としては、こうした動きを視野に入れつつ、長野県産業振興機構ITバレー推進部を中心に、企業の取組が加速するよう取り組んでまいります。  次に、デジタル人材の育成、呼び込みをどのように進めていくかというお尋ねでございます。  県では、昨年9月に策定した長野県産業人材育成プラン2.0の施策にデジタル人材育成の強化や女性の訓練環境の充実などを位置づけ、信州ITバレー構想とも連動して事業を展開しております。主な取組は、在職者訓練事業のほか、工科短期大学校と県内大学の連携によるデジタル革新に挑むDX人材育成講座、若年の離転職者を対象にIT分野のスキルの習得から就職までを伴走支援するデジチャレ信州の実施、リスキリングをサポートする企業内IT人材育成講習事業などを実施しております。また、人材誘致としては、信州リゾートテレワークの利活用の促進や、IT人材等を対象としたおためしナガノによる移住・創業支援を行っております。  さらに、この6月には、経済産業省の地域デジタル人材育成・確保推進事業の連携機関として長野県産業振興機構が採択されました。DXに関する基本的スキルを身につけた方々に県内企業において現場研修していただき、着実な定着につなげてまいります。  女性デジタル人材の育成確保につきましては、スキルの習得支援と就労支援の両面の充実、受入れ企業等の拡大など官民が連携して取り組むことが肝要と考えております。具体的な施策については、一昨日清水純子議員にお答えしたとおりですが、国や県の様々な支援策が活用しやすくなるよう、現在、社会人学びの総合ポータルサイトを構築中でございます。今後とも、労働局はもとより、関係部局と連携しながら一層の充実に努めてまいります。  最後に、原材料価格上昇に対する支援についてでございます。  価格高騰に対する事業者への支援は、コスト削減への取組と、スムーズな価格転嫁ができるよう、二つの面からのサポートが必要と考えております。このため、第一弾では、中小企業融資制度資金の限度額を引き上げるとともに、中長期的な経営支援として中小企業エネルギーコスト削減促進事業を盛り込んだところです。また、価格転嫁のサポートについては、県産業振興機構内に開設した相談窓口「下請かけこみ寺」でのアドバイスに加え、中小企業向けの価格交渉サポートセミナーなどを開催することとしております。  事業者を取り巻く環境は直ちに改善されず、今後も経営のかじ取りは厳しい状況が続くものと推察されることから、為替の安定化や不安定な国際情勢を受けたサプライチェーンの見直し、再構築も求められるところです。このため、第二弾に向けては、エネルギーや重要物資の安定確保等を含め広範囲な情報を把握すべく、事業者、経済団体、金融機関の皆様の声を丁寧にお聞きし、必要な支援を検討してまいります。  以上でございます。
          〔産業政策監伊藤一紀君登壇〕 ◎産業政策監(伊藤一紀 君)2点お尋ねです。  まず、物価高騰による県民や事業者への影響の現状と、今後をどのように分析しているかというお尋ねです。  直近の全国調査によりますと、消費者物価はエネルギーや食料品の値上げを背景に上昇しておりまして、この4月は8か月連続、長野市におきましては前年同月比3.0%の上昇となっております。5月の国内企業物価は前年比プラス9.1%で、15か月連続で前年同月を上回っており、価格上昇品目にはさらなる広がりが見られている状況となっております。とりわけ、ガソリン代や電気代の高騰は、家計や事業活動において大きな痛手となっております。  また、民間の調査機関によりますれば、急激な円安やロシア・ウクライナ情勢などによりまして、仕入価格の面、また仕入れ数量の確保の面で影響を受けている県内企業におきましては、販売価格への転嫁や仕入先の変更などの対策を余儀なくされているところでありますけれども、中には、それができない企業もあるとのことであります。  今後の見通しは極めて不透明で、不確実性が高まっております。こうした状況が長引くとすれば、消費マインドが冷え込みつつある中で、企業行動において利益の確保が困難となり、設備投資や賃上げに結びつかない。それがまた財布のひもをますます固くしてしまうという景気悪化の負のスパイラルになることが懸念されるところであります。引き続き県民生活や地域経済への影響を注視しつつ、また、国の動向等も見据えながら必要な対策を講じてまいります。  次に、必要な支援を行うため、国、市町村、関係団体との連携をどのようにしていくのかということであります。  今回の長野県価格高騰緊急対策第一弾の策定に当たりましては、有益な支援策となることを目指しまして、市町村、関係団体等と情報共有を図りながら策定いたしました。また、取組の実施に当たりましても、例えば、生活困窮者に対する食料や生活必需品の支援につきましては、市や県社協等と連携しながら、まいさぽを通じて御希望に応じて提供できる体制を構築いたします。  また、事業者向けの中小企業エネルギーコスト削減促進事業につきましては、エネルギーコストを削減し、収益構造の改善が図られるよう支援をしていくということを目的としておりますので、県的な産業支援団体、いわゆる経済4団体が共同で事務局を設置いたしまして、それぞれの団体が持ちます経営指導の知見と地域に根づいたネットワークを活用して実施することといたしております。今後とも、市町村、関係団体等としっかり連携して、必要な支援がきちんと行き渡るよう取り組んでまいります。       〔農政部長小林安男君登壇〕 ◎農政部長(小林安男 君)食料自給率を高める生産拡大の取組、肥料価格高騰の支援策についてでございます。  コロナ禍やウクライナ情勢などにより食料供給をめぐるリスクが顕在化する中で、食料自給の重要性が再認識されたところです。  生産拡大に向けた取組では、農産物の責任供給産地として、競争力の高い信州農畜産物の生産に向け、県オリジナル品種の生産拡大やスマート農業技術の導入の加速化、信州農業の中核を担う大規模経営体の確保育成、基盤整備による農地の集積、集約化の促進などの取組を重点的に進め、食料自給率の向上に貢献してまいります。  また、肥料価格高騰の影響につきましては、今後、来春の作付に向けた肥料購入が進むにつれ、経費負担が大きくなり、経営を圧迫することが危惧されます。このため、県としましては、農家自らが化学肥料低減に取り組めるよう、指導者向け手引書改訂版をJAとも協力して作成を進めており、今後、これを基に肥料低減に向けた技術指導を行ってまいります。  さらに、化学肥料から有機質肥料への転換を進めるため、佐久地域でモデル的に実証が始まった有機質ペレット堆肥の取組等の拡大により農家の生産コストの低減につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔17番竹花美幸君登壇〕 ◆17番(竹花美幸 君)東日本台風災害、そして新型コロナ対策、原油高、物価高騰対策と、県民の皆様の生活はますます厳しさが増しております。県民の命と暮らしを守り、長野県をさらに成長させるために、引き続きしっかりとお取組をいただきたいと存じます。  以上をもちまして私の質問は終了させていただきます。ありがとう存じました。 ○議長(丸山栄一 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時34分休憩          ──────────────────         午後1時開議 ○副議長(髙島陽子 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  百瀬智之議員。       〔13番百瀬智之君登壇〕 ◆13番(百瀬智之 君)今回は、高校再編に対する一般行政のスタンスについてお尋ねします。  先月発表された第三次の再編・整備計画案によると、中信地区でも複数の学校が再編の対象になるとのことでした。普通校、普通科もさることながら、特に専門校や専門学科の統合が目を引きます。  よく、生徒が行きたいと思える学校とか魅力ある学校づくりという言葉が出てきます。子供たちの立場に立ってその入り口は何なのかと考えたときに、少なくとも、中学校時の成績によって、普通校も専門校もひっくるめて数字が上の者から自動的に行ける学校に振り分けられるシステムでは、行きたい学校も魅力ある学校もあったものではありません。  今後、子供たちが主体的に教育と学校を選べる仕組みをつくるとともに、特に偏差値による序列で後塵を拝してきた学校を、本当に行きたい高校、魅力ある高校に変えていくならば、現行の教育委員会制度の中にあっても一般行政の積極的な関与が必要だと思います。というのは、例えば、今回再編の対象となった南安曇農業高校、穂高商業高校、池田工業高校の絡みでいうと、かつて農学校としての歴史を持つ3校は、時代の要請とともに姿形をそれぞれに変え、それが今般総合技術新校となることによって、3校はおろか、中信地区からもいよいよ農業という名前のついた高校が消えることとなります。  かねてよりの環境・健康志向の高まりに加え、今年は食料の安全保障や度重なる物価上昇で日々の食がひときわ話題になっています。こうした農業復権が待たれる時代に、足元では粛々と農業高校が整理されていくさまには、一般行政としてもっと強いメッセージが出されるべきではないでしょうか。  学科としては存続するという見方も、このような一斉型の整理事業を繰り返すうちに、また次の世代ではどうなることか分かりませんし、私が問題意識として持っているのは、どういう形にして学校を残していくかということよりも、地域としてどのような人材を育成していきたいのかメッセージが全く伝わってこないということであります。  これは、子供たちの側からすれば、どこに進学したら本物の体験が得られるのか見えてこないということでもあって、特に、専門校においては、優秀な教員、充実した教育施設・設備などの環境要因よりも、体験の数々、現場の第一線で働く方々と時間を共にできる臨場感であったり、自身の取組が地域社会の創造につながるのだという達成感であったりと、学びの実質的な中身に直結する事項が問われているのではないでしょうか。  椅子に座って教室で習う科目もおろそかにはできませんが、そうはいっても、分からないことはもうスマホ一つで幾らでも知り得る時代であります。それよりは、実習課題になるか、課外体験になるか、その辺は分かりませんが、農業で言えば、地元の農家さんととがった商品をプロデュースしてみたり、伝統野菜やこだわりの食材を扱う農園に通ってみたり、あるいはそれらを扱うレストランとコネクションを持ってみたり、そういう体験の数々が子供と地域の好循環を育むのだと思いますし、そこには人材の交流や資産、拠点、アイデアの提供などにおいて県政の果たせる役割はまだまだあるはずです。  そういえば、いつかの一般質問でイタリアの食科学大学を御紹介させていただいたことがありました。大学と高校の違いこそあれ、農業全般に始まって、作ったものをどう売るかという視点からはマーケティングや商業的知識を、さらには、地理学から食品工学に至るまで食にまつわる基礎知識は全部学校が用意するから、その代わり、しっかり地域を巻き込んで地域と世界の食をクリエートしていくべしという強烈なメッセージが訪れる人たちの目を引いてやまないわけであります。高校の規模が縮小されていく今だからこそ、長野県の熱意はどこにあるのか示されるべきであります。  それらに鑑みると、林業からも目を外せません。中信地区を起点に考えたとき、かつての木曽山林高校が統合されてしまったことは一大痛恨事でありました。これまた形として今なお受け継がれているとはいえ、幼少期は全国に誇るやまほいくを展開し、小中学校でも環境教育が進み、特に木曽から塩尻、松本にかけては、林業大学校や林業総合センターほか、民間でも活発な関係団体や事業体が集積し、係るフォレストバレーとともに林業県を目指す長野県が今の高校体制をよしとするのか。現行の再編計画案は重みを持つものではありますが、やはり将来的には全国に誇る林業高校の単独復活を目指すべきだと考えます。  本来は、それを攻めの姿勢として片手に持ちながら、現行案では志学館高校と田川高校の再編が俎上にのっていますが、もう片方の守りの姿勢として、2校だけでなく、木曽から塩尻、松本地域までをもっと広く俯瞰して普通校や総合校を配置していくべきだと思います。  高校再編が旧通学区に軸足を置いたところから話が始まっているので、それは自分たちが通える学校なのかという議論にはなっても、心から行きたい学校なのかという議論にはならず、全県、全国を見据えたスケール感が一つも出てこないのは非常に残念と言うほかありません。  そこで、以上、そのような含意から伺います。  まず、農政部、林務部が現在高校生に対してどのような政策を展開しているのか。また、農業高校、林業高校が縮小し続けた歴史と、それによる地域への影響をどのように見ているのか。農政部長と林務部長にお尋ねいたします。  そして、知事におかれましては、農林業に限らず、商業や工業等も含めて、そうした専門高校などの再編が同じく地域にどのような影響を与えてきたと見ているか。過去の高校再編を振り返ったときに、一般行政としてはどのようなことを課題に考えているのか。伺います。  その上で、特に専門高校や専門科は人材育成と産業振興に密接に関わっており、それらの在り方こそが高校改革の目玉になるべき部分だと考えます。この学校に入りたいという気持ちを湧き立たせるため、県政のダイナミックな関わりを求めたいと思いますが、いかがか。今後の高校再編にどのように臨むおつもりか、所見をお伺いします。  最後に、次期総合5か年計画では、高校教育も含めた地域の在り方や住民のライフデザインも存分に示していただきたいです。ですが、そうしたときに、新旧通学区と振興局の区割りで整合性が取れていないことは一つの課題ではないでしょうか。学校教育と地域社会、あるいは産業振興との接続は、こうした地図の上でも一貫性を持って描けるようにしていただき、とりわけ第一次からこれだけ大規模に再編するとなると、旧通学区や地域振興局の範囲をまたいだ再編が多く、申し上げてきたような拠点の在り方や地域の人の流れも再考していかねばならないと考えます。改めて10広域の再整理の必要性についてどのように考えるか。知事の見解を求めて、一切の質問といたします。       〔農政部長小林安男君登壇〕 ◎農政部長(小林安男 君)高校生に対する施策と農業高校縮小による地域への影響についてでございますけれども、農政部では、将来の農業人材を確保するために、農業高校の校長や農業法人協会、農業経営者協会の会長に参加いただき、継続的に意見交換を行いながら施策の充実と高校との連携強化を図っております。その中で出された意見も踏まえ、高校生に農業の魅力を伝えるため、若手農業者が農業高校へ出向き、自身の経営や将来の夢などを語る農業の魅力発見セミナーや、農業高校生が先進農家で体験実習を行うなど、農業高校と連携した取組を実施しているところです。  また、農業高校の再編統合は、社会情勢や産業構造の変化に対応し実施され、現在は、関連学科も含め、11校と承知しております。昔とは異なり、卒業と同時に就農する生徒は少数ですが、例えば県農業大学校の学生の約4割が県内農業高校出身者であることからも、地域農業を支える上で農業高校は一定の役割を果たしていると認識しております。  なお、高校生など若い世代が農業に触れて職業として農業を意識することや、農業の技術の習得のみならず、マーケティングやDXなどこれからの農業経営に必要なスキルを学ぶことは大変重要であると考えております。  以上でございます。       〔林務部長吉沢正君登壇〕 ◎林務部長(吉沢正 君)私からは高校生に対する林業施策といわゆる林業高校縮小の影響についてお答えします。  就職を意識する年代である高校生に向けて、県では、学校からの要請に応じ、林業に関心ある生徒向けの体験研修やチェーンソー操作等の安全教育、また、学校有林の利活用を促進するための指導者派遣や資機材導入の支援などを行っています。  さらに、林業大学校では、学生が高校生にドローンやチェーンソーの操作技術を披露して大学校への進学意欲を喚起するとともに、木曽青峰高校、上松技術専門校と連携した交流事業や演習林の共同利用など各校の特徴を生かした教育に取り組んでいます。  林業関連学科のある高校については、昭和期の5校から、統合、学科の改編等を経て、現在4校で林業の学びが行われていると承知しておりまして、社会情勢や産業構造の変化などを総合的に勘案し、見直されてきたものと認識しております。  多様な経験を経て就業する方が多い林業におきましては、高校の再編が地域林業に与える影響を直ちに推しはかることは難しいと考えますが、若い世代が林業を職業の選択肢として意識できる環境があることは極めて重要だと認識しております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には3点御質問をいただきました。  まず、高校再編が地域の産業に与えた影響と今後の高校再編の課題という御質問であります。  人口減少に伴い生徒の数が減少していく中で、学校の再編統合等を行う中にあっても、時代の要請を踏まえた学科の改編等により、専門学科における学びの質を高めることにより地域産業の発展に貢献できるよう人材の育成に努めてきたところであります。  今後の改革に向けての問題意識は、私も百瀬議員と同じ思いであります。今いただいたような御指摘を受けているという状況をしっかり重く受け止めて対応していかなければいけないというふうに思っております。  今回の高校再編に当たりまして私の問題意識を少し申し上げたいと思いますけれども、まず、教育県として発展してきた長野県であります。今回の高校再編は、将来の長野県の教育のみならず、全ての分野における長野県の発展の礎をつくるものという認識を関係者が共有して学校に魂を込めていくということが重要だというふうに考えております。  また、時代が大きく変わっている中で、中長期的な視点をしっかり持ちながら将来を見通して、子供たちを中心に置きながらも、経済界や社会のニーズに合致した教育の場となるようにしていくということが重要だと思っています。  さらに、高校はまさに地域の拠点であります。地域の発展とも密接に関連しているわけでありますので、市町村をはじめ地元の皆様方の理解と協力が得られるような改革にしていくということが重要だと考えております。  そうした観点で、具体的な課題として私が認識しているものは、まずは子供たちの進路希望、あるいはこれからの将来の産業構造の在り方、こうしたものを見据えて、適切な入学定員、あるいは学科定員を設定していくということが必要だというふうに思いますし、改編、再編をしたらまたすぐ見直しといったようなことになってはいけませんので、一定程度持続可能性ということも意識した改革をしていくということが必要だと思っております。  また、二つ目には、経済団体や地域の皆様方と十分に意思疎通、意見交換を図りながら、産業構造の変化や地域社会の変化に適合した学習内容、学びの方法、カリキュラムづくり、こうした分野は教育委員会のテリトリーでありますけれども、しっかり行っていただくということが重要だというふうに思います。  また、今、地域戦略会議ということで、いろいろな地域で市町村長の皆様方と意見交換をさせていただいていますが、まさに教育こそが地域に人を引きつける重要な要素だというふうに考えています。そうしたことに鑑みれば、全国の高校改革や高校の在り方を先導するような特色ある学校、学科をつくっていくということが重要だというふうに考えています。  また、教育委員会を中心に新しい学校デザインを行ってきています。学校の形を変えていくということだけでなく、地域の皆様方とのつながりや実業界の皆様方とのつながりも変えていくということが必要だと思います。そういう意味で、地域の皆様方を積極的に講師としてお迎えする、あるいは、子供たちが地域や企業に入って、インターンシップなどを通じて実学を学ぶ、こうした地域や企業との連携ということも大きな課題だというふうに考えております。  続きまして、今後の高校再編の取組についての所見ということであります。  一般行政の積極的な関与が求められているのではないかということで、私も全く同じ考えであります。これまでも、教育委員会に対して、今申し上げたようなことも含めて、知事の立場として意見を申し上げてきているところであります。今回の県立高校の再編・整備計画を含めた高校改革は、まさに未来志向、そして、子供を中心として長野県の教育を組み立て直していくための千載一遇のチャンスだというふうに考えています。  もとより、今後、県議会の皆様方の御理解をいただきながら改革を進め、また、学校の新設等に当たっては多額の投資を必要とするわけでありますので、県民の皆様方の理解が得られるものにしていくということも大変重要だというふうに考えております。  御指摘がありましたように、こういう学校だったら入りたい、こうしたことを学びたいという思いをかなえられるような高校改革にしていくということが重要だと考えています。  私としては、全国からも人が集まるような学校であってほしい。また、未来を見据えて、デジタルや環境学習、そうした長野県らしい取組に強みを持つ学校を、産業界、地域の皆様方、保護者の皆様方、そして子供たちと一緒に考えていくことが求められているというふうに思っています。  こうした高校改革を進めていく上では、例えば、高校の施設整備は予算編成権を有している私の権限でもありますので、知事部局としてもしっかりコミットしていくことが必要だというふうに考えています。そのため、この4月に教育委員会に高校教育改革推進担当の参事を設置いたしましたが、知事部局と併任という形で配置しているところであります。高校再編、高校改革は、長野県の未来にとって極めて重要なテーマだという思いを県職員全体が共有して、教育委員会と一緒に高校改革を進めていきたいというふうに考えております。  もう一点御質問をいただきました。10広域の再整理の必要性についてという御質問であります。  広域の枠組みについては、必ずしも画一的な捉え方のみでなく、これまでも場面に応じて様々な対応の仕方があったというふうに考えています。  例えば、県といたしましては、総合的な現地機関としての地域振興局については10広域に設置しておりますが、専門性の発揮やマンパワーの集約というような観点から10の広域にこだわらない現地機関も設置しています。児童相談所や労政事務所等がそうした現地機関であります。  また、市町村レベルにおきましても、基本的には10の広域連合が設置されているわけでありますけれども、広域市町村圏のエリアにかかわらず、地域によっては柔軟な対応がされているという現状がございます。  今後とも、交通体系の変化や情報通信環境の進化など、時代の変化をしっかり踏まえながら、その状況に応じ、組織や、組織が所管する地域の在り方を考えていきたいというふうに思っております。  以上です。 ○副議長(髙島陽子 君)次に、熊谷元尋議員。       〔12番熊谷元尋君登壇〕 ◆12番(熊谷元尋 君)熊谷元尋です。  初めに、2050ゼロカーボンの達成についてです。  県では、昨年、2050ゼロカーボンの達成と持続可能な脱炭素社会の実現に向けた行動計画となる長野県ゼロカーボン戦略を策定しました。この戦略については、日本で一番充実した内容と評価する声がある一方、どのように達成するのかが課題だと指摘する声もあります。  ところで、2050ゼロカーボンを達成するには、県民、事業者、市町村の理解と協力が不可欠ですが、特に、県と市町村が2050ゼロカーボンの達成に向けて連携して取り組むことが大切と考えます。県内の77市町村は、気候非常事態宣言に賛同されてはいますが、2050ゼロカーボンの達成に向けての行動には温度差があると思います。そこで、2050ゼロカーボン達成のために、市町村の理解と協力をどのように促し、市町村とともに推進していくのでしょうか。阿部知事にお伺いします。  次に、環境省のホームページでは、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく地方公共団体実行計画の策定状況を見ることができます。令和3年10月時点の調査結果によれば、県内における事務事業編は、県を含めて78団体中、策定数は64団体で、策定率は82%、また、区域施策編は21団体で、策定率は27%です。  2050ゼロカーボンを達成するために、市町村は、住民に対して、市町村の現状や取組内容、そして、目指す姿を明らかにする、いわゆる見える化が大切ではないでしょうか。そのためには、各市町村で実行計画を策定し、計画的に取り組むことが必要と考えますが、県内における策定状況をどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。猿田環境部長にお伺いします。  次に、各市町村は、人口や財政規模はもちろん、自然環境等が違いますので、人口300万人の横浜市と中山間地域の市町村が同じような計画を策定し、ゼロカーボンに取り組むことには無理があり、市町村の実情に合わせた実行計画づくりが重要と考えます。  ところで、温対法では、都道府県は市町村に対して必要な情報提供、助言、その他の援助を行うよう努めることとなっています。人口10万人の飯田市は自力で実行計画を策定されたようですが、小規模な町村では、職員が複数の仕事を兼務していることに加え、環境やエネルギー問題に詳しい人材が少なく、実行計画を自力で策定することは難しいことも考えられます。そこで、複数の町村が共同して実行計画を策定できるよう県が支援すべきと考えますが、これまでの市町村への支援状況と併せて猿田環境部長にお伺いします。  次に、県の実行計画は、市町村の現況や数値を積み上げて策定したものではありません。例えば、県は全ての建物に屋根ソーラーの設置を目標に掲げていますが、市町村によっては難しい場合もあります。県と市町村は、2050ゼロカーボンの達成という目標は同じでも、実情が違いますので、実行計画の内容や進め方等には差が生じることも考えられます。一方、温対法では、市町村の実行計画策定に当たっては、県の実行計画との整合性を確保することが求められています。そこで、県と市町村の財政負担も含め、今後の進め方等については調整が必要といった指摘がありますが、猿田環境部長に見解をお伺いします。  次に、2050ゼロカーボンを達成するには、知事の思いに県民が共感し、行動してもらうことが大切です。  そこで、これまで、県は、県民を巻き込むためにどのような取組を行い、成果につながっているのでしょうか。また、県では、長野市内にゼロカーボンに向けた取組を進める人が集うサステナブルNAGANO共創プラットフォームを設置するとお聞きしますが、具体的にどのような拠点になるのでしょうか。  さらに、南信州地域で環境やエネルギー問題に関心のある方が長野市の拠点に行くのは簡単ではありません。2050ゼロカーボン達成への取組は全県的なものであり、長野市近郊の人だけが関心を持ち、集まればよいというものではありません。  例えば、長野県はごみの排出量が少ないそうですが、これは、県の努力以上に、市町村や住民の取組の成果だと思います。特に、南信州地域の多くの自治体は、早くから、ごみの分別収集やエコバッグの持参を周知するために、行政による住民への説明会及び公民館活動や女性の皆さんによる学習会など、住民自治の実践により理解を深めました。  そこで、例えば、長野市の拠点とは別に、地域振興局の単位でサテライトを設けるなどして、地域住民が身近な場所に集まり、交流や学習、情報発信等ができる環境を整えるなど、学びと自治の力により行動の輪を広げるべきと考えますが、猿田環境部長に見解をお伺いします。  次に、再生可能エネルギーの普及に取り組む事業者の中には、例えば、小水力発電の設置を進めるときに申請者がどのような提出書類が必要なのか分からない場合があるそうです。県には中小水力発電導入の手引があるそうですが、どの河川にも共通する最低限必要な提出書類をガイドラインで示してほしいという声がありますが、いかがでしょうか。  また、市町村や事業者の中には、小水力発電の設置についていきなり県に相談するには気が引けるので、気軽に相談できる窓口が欲しい。また、県の組織は、ゼロカーボンを推進する部署と河川や砂防など法律が関係しブレーキをかける部署があるので、県庁内で調整をしていただきたい。さらに、地域振興局にエネルギー全般に詳しい担当者を配置してほしいといった声があります。そこで、地域振興局等における相談体制の強化について猿田環境部長に見解をお伺いします。  次に、移住・定住対策についてです。  ふるさと回帰支援センターの調査によれば、移住したい都道府県ランキングで長野県は常に上位で人気があり、昨年度県内へ移住した人の数は2,960人とお聞きしますが、縁があって県内へ移住された皆さんに移住してよかったと思ってもらうことが大切です。そこで、長野県に移住、定住する人の傾向と満足度を清水企画振興部長にお伺いします。
     次に、地域の住民の中には、次のような声もあります。自分たちは、住民参加の下、自治会に入り、行政からの文書は回覧板で回し、河川の草刈りやごみ拾い等に参加している。そして、作業に欠席すると出不足金を取られることもある。一方、移住転入者の中には、自治会等に加入せず、作業等にも参加してくれない人がいる。そして、行政からの文書は個人に郵送される。自治会に加入していてもメリットがないので退会したいというものです。  そこで、県としてこのような実情をどの程度理解されていらっしゃるのでしょうか。また、地域住民と移住者が共にまちづくりの担い手として活動するには何が必要とお考えでしょうか。清水企画振興部長にお伺いします。  次に、県では、UIJターン就業・創業移住支援金を市町村と連携して支給しています。令和3年度は58件の補助金を支給したとお聞きしますが、移住されてくる方は支援金があるから長野県を選択されるのでしょうか。また、支援金は移住の促進に本当に役に立ち、移住者が増えることで地域が元気になっているのでしょうか。さらに、県と多くの市町村が手厚い支援で移住対策に取り組んでも、県の人口は減少しています。なぜ手厚い支援をしてまで移住を促進するのでしょうか。林産業労働部長並びに清水企画振興部長にお伺いします。  次に、保護者の方からこんな意見をいただきました。UIJターンで県内へ移住し、就業や創業する方は支援金をもらえるのに、自分の子供のように、県内の高校や大学等を卒業し、地元の企業等に就業しても、支援金はもらえません。地元に就業した若い世代の人は、消防団への加入や地域のお祭りなどにも参加し、地元のために汗を流し、まちづくりに貢献しています。移住されてくる皆さんは、歓迎され、支援金までいただいて、お客様ですかというものです。UIJターンにより移住し、就業や創業をして支援金を受け取る方と、地元の高校や大学等で学び、卒業後地元で就業や創業をして頑張っている皆さんと、一体何が違うのでしょうか。地元に残り頑張る皆さんに対する支援も必要だと思いますが、阿部知事に見解をお伺いします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には2点御質問をいただきました。  まず、ゼロカーボン達成に向けて市町村の理解と行動をどう促し、市町村とともに推進していくかという御質問であります。  御質問にもありましたように、ゼロカーボンの達成に向けては、基礎自治体であります市町村の皆様方の理解と協力、そして何よりも地域で率先して対応していただくということが大変重要だというふうに考えています。  そういう観点で、これまでも、市長会、町村会の皆様方にゼロカーボン戦略の説明等を行わせてきていただいているわけでありますが、各圏域で行っています地域戦略会議の中でも熊谷議員と同様の御指摘をいただいています。市町村としてはどうした取組をすればいいのかなかなか分からないところがある。県としてもっとリーダーシップをしっかり取ってほしいという趣旨の御発言がありました。  そういう意味で、市町村の皆様方との関係性はいま一歩進めていかなければいけないのではないかというふうに思っています。長野県は市町村の数が多いので、広域ごとに県と市町村でより具体的な情報共有、例えば、今県が考えている取組の方向性や市町村が取り組もうとしている具体的な内容を共有させていただき、意見交換をして、一緒に取り組んでいく。そういう体制を考えていきたいというふうに思っています。  また、個々の市町村からの様々な御相談にも丁寧に応じていきたいというふうに思います。再生可能エネルギーの普及拡大や省エネルギーの取り組み方は地域性によるところがかなり大きいというふうに思いますので、県の一律の対応だけではなく、市町村と連携してきめ細やかな対応をしていけるように県としても努力していきたいと考えております。  それから、移住、定住の関係で、UIJターン者だけ優遇されて、地元に残っている人たちとちょっと差があるのではないかという御指摘であります。そうした御不満の声があるということをまずはよく受け止めさせていただきたいと思います。  私どもとしては、今、人口減少下の中で、できるだけ多くの方々に長野県に移り住んでもらう、あるいは関係人口として様々な活動に参画してもらうということが、ひいては地域の持続可能性を高め、地域の発展につながるものということで、移住、定住に力を入れて取り組んでいるところであります。  UIJターン就業・創業移住支援金については、移住される方はどうしても初期費用、引っ越し代とか住居費がかかりますので、そうした負担を軽減するという観点で行っている事業でありますし、また、就業を前提としていますので、今はあらゆる分野が人材不足でお困りになられていますので、そうしたことを解消することにも寄与するものということでぜひ御理解をいただければというふうに思っております。  一方で、長野県で生まれ育って活躍している皆様方に対する感謝の思い、これも我々行政としてはしっかり持ち続けなければいけないというふうに思っています。例えば、地域で頑張っていただいている消防団の皆様方に対しては、消防団員応援ショップをはじめ、消防団の活動を応援する仕組みをいろいろつくらせていただきましたし、また、先日も、消防団団長として活躍された方々等を県庁で表彰させていただいたところであります。  元気づくり支援金など地域活動を応援する様々な仕組みもありますが、地域で地道に継続的に自治の担い手として活躍されている方については、我々県としてもしっかり応援していけるように、そして、感謝の思いを常に持ち続けていきたいというふうに考えております。  いずれにしても、県外から移住される方、そして地元にずっといらっしゃる方も含めて、共に協力し合って地域社会が発展していくことができるように県としても様々な支援策をつくると同時に、地域が一体となるような取組が進むように応援をしていきたいと思っています。  以上です。       〔環境部長猿田吉秀君登壇〕 ◎環境部長(猿田吉秀 君)ゼロカーボンに関しまして御質問をいただきました。順次お答えいたします。  最初に、市町村の計画策定への支援についてのお尋ねでございます。  地球温暖化対策推進法に基づき市町村が策定する計画には、事業者として策定する事務事業編と管轄区域内における削減計画を策定する区域施策編があり、先ほど議員からも御指摘いただきましたように、現在まで各市町村で取り組んでいただいておりまして、この1年で共に増加する一方、未策定の市町村には小規模自治体が多いという課題があることは承知しているところでございます。  このうち、区域施策編についてでございますが、議員御指摘のとおり、複数の市町村で策定するということも可能でございまして、人員面のみならず、それぞれの市町村が持つ強みや弱みを補完できるという観点からも有効な手段であるというふうに考えております。私どもは、これまで、単独での計画策定を前提に市町村からの御相談に応じてまいりましたが、今後は複数の市町村での一体的な策定についても選択肢として助言等を行ってまいりたいと考えております。  次に、県と市町村の実行計画の調整についてのお尋ねでございます。  地球温暖化対策推進法におきまして、県と市町村の実行計画は整合性を確保するよう努めなければならないと規定されております。一方で、県の実行計画に当たります長野県ゼロカーボン戦略は、市町村ごとの施策や事業及び数値目標を定めたものではないため、県計画と市町村計画との整合性が問題となるような場面は起こりにくいと考えております。  市町村の計画策定に当たっては、国の補助金のほか、計画策定の際に設置される地域協議会への補助金を県でも御用意しておりますので、これらの活用も含め、それぞれの特性を踏まえた計画づくりができるよう助言、支援をしてまいります。  次に、県民の巻き込みとサステナブルNAGANO共創プラットフォーム(仮称)についてのお尋ねでございます。  ゼロカーボン達成に向けましては、年齢を問わず様々な主体の参画が必要でありまして、これまで、信州環境カレッジの年代別コンテンツの拡充、学生、企業、実践者が参加するゼロカーボンミーティング、海外の学生とつながる国際学生ゼロカーボン会議などを実施してきたところでございます。  今年度スタートいたしますサステナブルNAGANO共創プラットフォーム(仮称)は、企業や大学、実践者、自治体、さらには、若者などゼロカーボンの実現に意欲を持つ方々が学び、つながり、行動を起こす場となります。この拠点は、長野市内に設置する予定とはしておりますが、ウェブサイトやオンラインの活用、さらにはゼロカーボンミーティングの県内各地での開催により、場所に制約されない活動を行ってまいりたいと考えております。さらに、飯田市や松本市、上田市などにおいて設置されましたプラットフォームや市民会議とも連携を図り、ゼロカーボン実現に向けた行動の輪を県内全域に広めてまいります。  次に、小水力発電に関しまして、ガイドラインについてのお尋ねでございます。  長野県は河川の高低差が大きく、また、農業用の用水路も発達していることなど、小水力発電に適していると言われておりますが、事業の実施にはそれぞれの立地条件に応じた許認可手続等が必要となります。このため、国土交通省から河川や農業用水といった設置場所に応じたガイドライン等が公表されているほか、県企業局におきましても中小水力発電推進マニュアルを策定し、事業実施までの手順や事業に必要な手続等に関する基本的事項をお示ししているところでございます。  あわせまして、小水力発電に関する相談窓口等についてのお尋ねでございます。  小水力発電につきましては、先ほど申し上げましたように、立地条件等がそれぞれ異なります。このため、事業の進め方等につきましては、全てをガイドライン等で一律にお示しすることは困難かと思います。このため、県におきましては、立地ごとに異なる個別の事情等に丁寧に対応するため、環境部、企業局、建設部等の関係部局で構成する小水力発電キャラバン隊を編成し、事業者向けに相談会や講習会を開催するとともに、各地域振興局や本庁に個別にお問い合わせいただいた際にも関係部局で連携して相談に対応しているところでございます。  平成25年度からこれまでキャラバン隊の相談会等を34回開催しておりまして、多くの事業者や市町村に御参加いただき、複数の事業者において実際に事業化まで至っているところでございます。  地域振興局長における相談体制の強化という点でございますが、各圏域に設置いたしました県、市町村で構成する再生可能エネルギー等地域連絡会議を活用し、国の最新の動きや各地域の再エネの活用事例、課題等の共有などを行い、各現地機関におけるノウハウ、知見の向上を図りつつ、県、市町村間の連携強化に努めているところでございます。  これまでは太陽光発電に関する課題事例の共有などが主な内容でございましたが、今後は、小水力発電についても、さらなる普及に向け、課題、取組例の共有等に取り組んでまいります。引き続きこうした取組を通じて小水力発電に取り組む事業者や市町村を支援してまいります。  以上でございます。       〔企画振興部長清水裕之君登壇〕 ◎企画振興部長(清水裕之 君)私には移住・定住対策について数点御質問いただきました。順次お答えいたします。  まず、移住者の傾向と満足度についてであります。  県では、市町村の協力を得て、本県へ転入される方に市町村窓口アンケートを実施しております。当該調査による移住者の傾向としましては、世帯主の年齢は、20歳代から30歳代が全体の半数以上、転出地は、東京圏1都3県からの転入が全体の半分以上、移住の理由としては、地方暮らしをしたいが1位で約25%、転職・転業が2位で約20%などとなっております。  移住者の満足度については特段調査をしておりませんが、移住者の声といたしまして、例えば、冬の寒さを除けば満足度は高い。都会生活のストレスから解放され心身ともに健康でいられる。地区の月1回の清掃活動が思ったより大変。地域の人が自分たちをどう思っているのか不安を抱くこともあるなど様々な意見を聞いているところであります。  続きまして、移住者と地域活動の関わりについてであります。  議員が指摘されておりました移住者の中に地域活動などに積極的でない方もいるといったような事例があることは聞いております。こうしたことが起きるのは、移住者の側におきましては、地域側のルールや事情を十分承知しないまま移住している場合があることですとか、地域にとっての当たり前にギャップを感じる方がいるといったことなど。また、受け入れる地域の側におきましても、昔からのしきたりや価値観を重視している場合もあるなど、双方に要因があるのではないかと考えられます。  県といたしましては、移住相談を受ける際に、移住のよい面ばかりを過度にアピールせず、移住者にとって負担となること、例えば、自治会費の徴収があるとか、自家用車が必要であるとか、そういったことも併せてお伝えしまして、地域の実情をできる限り把握した上で移住を検討していただくよう促しているところであります。  また、地域住民と移住者が共にまちづくりの担い手として活動するためには何が必要かということでありますが、何より地域住民と移住者の相互の理解が重要であると考えておりまして、県では移住者が地域になじめるような支援を行ってきております。  具体的な取組でございますが、市町村の移住担当窓口として登録された移住コンシェルジュが移住者の相談内容に応じまして、地区の代表者の方などを紹介することですとか、信州暮らしパートナーとして先輩移住者を県から委嘱しておりまして、そのパートナーの方々が移住者からの移住後の不安相談に幅広く対応いただいております。  ほかにも、地域の住民が移住者を積極的に受け入れ、官民一体となって受入れ体制の整備を進める地区を長野県移住モデル地区として認定するなど、市町村や民間事業者の方々とも連携しながら移住者の地域への溶け込みを支援しているところでございます。  続きまして、移住者が増えることで地域が元気になっているのかというお尋ねをいただきました。  移住者の増加が地域の活性化につながっていると考えられる事例は様々あるかと考えております。例えば、都会から過疎化の進む地域に移住されてきまして、担い手不足となっている林業に就業され、消防団など地域の活動にも参加しながら移住先で結婚し、家族4人で今生活されているという方ですとか、地域おこし協力隊として活動された後、自らDIYで再生した古民家をゲストハウスとして運営し、藍染めの商品づくりに取り組んでいるといった事例を聞いております。移住者が地域の担い手となり、活性化に寄与しているということも承知しております。  最後に、移住を推進する理由についてでありますが、人口減の続く本県では、地域の担い手の減少による地域活力の低下が課題となっております。このような状況の中、移住者が地域に溶け込み、地域住民とともに担い手として活躍することで地域の活性化に寄与することがこうした課題解決の一助になると認識しておりまして、県としましては、この地方回帰の流れも追い風に移住を推進していくことが重要ではないかと考えております。  以上であります。       〔産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業労働部長(林宏行 君)移住支援金についての御質問にお答えいたします。  これまで、移住支援金の対象は、創業を目指す方と県のマッチングサイトを通じて就業を目指す方のみでしたけれども、昨年度から内閣府の指定要件が緩和され、県外本社に籍を置きながら県内において仕事をするテレワークなども対象とされたため、支給件数は前年度比47件増の58件となっております。  移住先として長野県を選んでいただく理由としては様々ございますが、雄大な山岳景観やきれいな水、空気をはじめとした豊かな自然環境、伸び伸びと安心して子供を育てられる環境の下で働き、暮らしたいという声が多く聞かれております。  県内に生活基盤のない移住者の方々には、本県で生活を始めるためのイニシャルコスト、また、移住に伴う引っ越し代や交通宿泊費等がかかることから、移住支援金がインセンティブになった、背中を押してくれたとの声も寄せられており、当支援金が最初の一歩を後押しし、移住推進に一定の効果をもたらしているものと考えております。  移住して仕事に就く、あるいは起業、創業していただくことで、地域への経済的効果も大きいものがございます。今後とも市町村と連携し、地域経済の活性化に結びつくよう取り組んでまいります。       〔12番熊谷元尋君登壇〕 ◆12番(熊谷元尋 君)2050ゼロカーボンの達成に向けて、県にはすばらしい計画ができました。次は実行です。知事からも答弁をいただいたように、県民、事業所、市町村に、理解し、行動していただくために、ぜひ丁寧な進め方をお願いいたします。  移住・定住対策は、他県と同じような取組ではなく、特徴ある取組で差別化が必要ではないかと思います。例えば、かつて注目された消滅可能性都市に20歳から39歳の若い女性を呼び込むことはいかがでしょうか。あわせて、移住者と地元住民の満足度が上がる定住対策を要望し、質問を終わります。 ○副議長(髙島陽子 君)次に、望月義寿議員。       〔1番望月義寿君登壇〕 ◆1番(望月義寿 君)改革・創造みらい、望月義寿でございます。通告に従い、質問いたします。  最初に、UDフォントの導入について質問いたします。  年齢や能力、状況などにかかわらず、できるだけ多くの人が使いやすいように、製品や建物、環境をデザインするユニバーサルデザインの考えに基づいたフォントが自治体でも取り入れられるようになりました。  茨城県行方市は、市の広報紙は平成29年から、職員PCの環境では平成31年からUDフォントを採用し、令和3年12月にはホームページでも採用しました。兵庫県明石市でもUDフォントが取り入れられ、ツイッターで話題になりました。県内においても、茅野市が令和4年5月1日からホームページにUDフォントを導入するなど、誰もが見やすい、分かりやすい情報発信が求められています。  行政は伝えることが大切ですが、伝わらなければ意味がありません。伝わることを意識した情報発信のため、本県においても、ホームページやメール、行政文書全般にUDフォントを導入したらいかがでしょうか。玉井総務部長に御所見を伺います。  次に、ウェブアクセシビリティーについて質問いたします。  茨城県神栖市では、ウェブアクセシビリティーに取り組み、全国862自治体を対象としたA.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査自治体編第17回において、公式ホームページが最上位のAレベルであると評価を受けました。  本県では、ウェブアクセシビリティーに配慮したホームページの実現を目指していますが、UDフォントは取り入れられていませんし、残念ながら同調査において本県は到達レベルEと評価されました。いち早くUDフォントを導入した行方市のレベルもEであることを考えると、フォントだけで評価が左右されるわけではない調査でしょうが、誰もが見やすい、分かりやすい表記を取り入れることは大切だと考えます。  本県のホームページにおいてもUDフォントを導入するとともに、さらにウェブアクセシビリティーへの取組を進めるべきと考えます。本県のウェブアクセシビリティーの現状と今後の取組について清水企画振興部長の御所見を伺います。       〔総務部長玉井直君登壇〕 ◎総務部長(玉井直 君)行政文書へのUDフォント導入についての御質問でございます。  県では、これまで、行政文書について統一したフォントを定めていないものの、分かりやすく親しみやすいものにするため、平成16年度に手引を作成し、レイアウトやデザイン、文字の大きさや行の間隔等につきまして文書を読む人の立場に立った工夫をするように取り組んできたところでございます。  議員御提案のユニバーサルデザインに基づいたフォントにつきましては、平成29年度に作成した長野県障がい者プラン2018や広報紙「県からのたより」など既に取り入れているものもあるところでございます。フォントの効果的な活用による分かりやすい行政文書の作成は大切な観点であるというふうに認識しておりますので、御提案のフォントも含めて、様々なフォントが持つ特性や優位性について検討してまいりたいと考えています。  以上でございます。       〔企画振興部長清水裕之君登壇〕 ◎企画振興部長(清水裕之 君)私には県ホームページへのUDフォントの導入についてお尋ねをいただきました。  県の公式ホームページでは、ウィンドウズ10の標準フォントである游ゴシックを使用しております。游ゴシックはUDフォントではありませんが、一般的に読みやすい書体であるとされ、閲覧する側のブラウザ等の環境に左右されずに表示される利用互換性が高いということから游ゴシックを採用しているものであります。  また、本県のウェブアクセシビリティーの現状と今後の取組についてでございます。  県では、高齢者や障害者を含め、誰もが提供される情報や機能を支障なく利用できるよう、公式ホームページのウェブアクセシビリティー方針を定め、取り組んでいるところであります。具体的には、総務省の「みんなの公共サイト運用ガイドライン」に基づく自己評価と外部専門家による評価分析を毎年実施しております。  また、アクセシビリティーの基本や求められる内容などについて理解を深めるための職員の研修に加え、個別のページを作成、更新する際にはホームページ管理システムによるチェックを行うなど、改善を図っております。  今後も引き続き誰もが必要な情報を簡単に入手できるよう、利用しやすさ、分かりやすさに配慮したホームページの作成は大変重要と考えておりまして、常に改善の取組を進めてまいりたいと考えております。  以上です。       〔1番望月義寿君登壇〕 ◆1番(望月義寿 君)それぞれに御答弁いただきました。  分かりやすい情報発信に取り組んでいただいているということで、また、UDフォントに関しましても、採用しているものもあれば、まだ統一した見解として採用しているわけではないというところもあります。UDフォント自体が新しく出てきたフォントですので、これからもよりよいものがどんどん出てくるかと思います。ぜひそういう状況なども追っていっていただいて、日々県民の皆さんにとって分かりやすい情報発信に努めていただきますようお願い申し上げまして、次の質問に移ります。  次に、部活動指導員の人材確保について質問いたします。  文部科学省が平成28年度に実施した教員勤務実態調査において、教員の厳しい勤務実態が改めて明らかになったことから、学校における働き方改革が進められてきました。  その一環として、平成29年4月1日施行の学校教育法施行規則の改正によって部活動指導員が制度化され、学校長の監督下で、顧問である教員の代わりに、あるいは顧問として、教員と連携を図りつつも、単独で部活動の指導や大会、練習試合への引率ができるようになりました。  公益財団法人日本スポーツ協会が令和3年に行った学校運動部活動指導者の実態に関する調査によると、運動部活動の顧問のうち、保健体育以外の教員で、担当している部活動の競技経験がない教員は、中学校で26.9%、高等学校で25.3%であり、平成26年に行った同調査の中学校約46%、高等学校約41%からは改善されていますが、該当する教員のうち、中学校で35.9%、高等学校で31.5%が自分自身の専門的指導力の不足を課題としています。  本県の調査によると、担当している部活動の競技経験がない教員の割合は60.8%と、全国平均よりかなり高く、本県にこそ部活動指導員が必要だと考えます。部活動指導員の活用は、質の高い部活動指導や教員の負担軽減など大きな効果が見込まれますが、短時間勤務のため報酬が少なく、生業というよりは有償ボランティアの位置づけにならざるを得ず、人材確保が難しい状況にあります。  そこで、お伺いします。総合型地域スポーツクラブから部活動指導員を派遣してもらうのも一つの方策と考えますが、総合型地域スポーツクラブとの連携は進んでいるのでしょうか。県にはスポーツ指導者バンクがありませんが、創設し、指導者と学校をマッチングして人材確保に努めてはいかがでしょうか。  東京都日野市では、地域企業の実業団選手OBや経験者をスポーツ指導者人材バンクに登録してもらい、部活動に派遣する取組を進めていますが、本県でも、地域企業やスポーツ活動をしている大学生等に積極的に働きかけてはいかがでしょうか。  また、部活動指導員は学校職員と位置づけられていることから、教員業務支援員等との兼職により今以上の報酬を保証し、人材確保に努めるべきと考えますが、いかがでしょうか。内堀教育長の御所見を伺います。  最後に、国民スポーツ大会における隔年実施競技について質問いたします。  令和10年に本県で開催予定の第82回信州やまなみ国民スポーツ大会における実施競技は、馬術となぎなたが隔年開催とされ、どちらかが外れることになる可能性が高くなってしまいました。開催県として、県内からオリンピック選手を輩出している馬術は実施すべきであるとともに、連盟の御尽力で成果が上がっているなぎなたも実施していただきたいと思います。日本スポーツ協会に対し両競技開催を働きかけていただきたいが、いかがでしょうか。内堀教育長の御所見を伺います。       〔教育長内堀繁利君登壇〕 ◎教育長(内堀繁利 君)5点質問をいただきました。まずは部活動指導員の人材確保に係る4点の御質問に順次お答え申し上げます。
     総合型地域スポーツクラブとの連携についてでございます。  部活動指導員については、議員御指摘のとおり、教員の負担軽減や質の高い部活動指導が期待できることから、平成30年度の制度導入以降、任用している学校数、任用者数ともに年々増加しております。  県内の総合型地域スポーツクラブの指導員が中学校の部活動指導員として任用されているケースは、現在、県内に設置されている68クラブ中11クラブあり、地域の実情に応じ、スポーツ指導員の人材確保のための連携が徐々に進んでいると認識しているところでございます。  今後、休日の部活動の地域移行を進めていく中で、総合型地域スポーツクラブは、地域におけるスポーツ活動の受皿となる団体の一つとして期待されておりますので、地域移行の趣旨について理解を得ながら引き続き連携を深めてまいりたいと考えております。  スポーツ指導者バンクの創設についてでございます。  部活動指導員は、専門的な技術指導力を備えるとともに、教員に代わり単独で部活動指導を行い、大会への引率を行うなど、学校職員として責任のある業務を行う役割を持っていると認識しております。例えば、日本スポーツ協会が行う研修等を受け公認指導者資格を取得するなど、指導者としての一定の資質が必要と考えられます。このため、スポーツ指導者バンクにつきましては、県教育委員会としては、日本スポーツ協会が運営している公認指導者資格を取得した者を対象とした公認スポーツ指導者マッチングサイトの活用を勧めているところであります。  また、県スポーツ協会では、県内に約3,000人いるスポーツ少年団の指導者をはじめ、総合型地域スポーツクラブや競技団体に対して積極的に公認指導者資格の取得を呼びかけるとともに、指導者登録を促し、指導者の確保を図っていると承知しております。県教育委員会としては、こうした県スポーツ協会の取組と連携し、さらなる県内指導者の確保に努めてまいりたいと考えております。  地域企業や大学生等による指導人材の確保についてでございます。  議員御指摘の東京都日野市の例は、学校部活動を支援している企業が中心となり、実業団選手を抱える企業や大学と連携し、部活動の指導者を派遣している好事例と承知しております。本県においても、この事例を参考に、県スポーツ協会と連携し、スポーツ選手が所属する県内企業や大学に対しても、先ほどお答えいたしました日本スポーツ協会が運営する公認スポーツ指導者のマッチングサイトに公認指導者として登録していただけるよう働きかけを行うなど、外部指導者となり得るスポーツ人材の発掘、確保に取り組んでまいります。  部活動指導員と教員業務支援員との兼職についてでございます。  部活動指導員は各学校が任用する一方、教員業務支援員は県教育委員会が任命しており、任命権者は異なりますが、制度上兼職をすることは可能でございます。双方の勤務時間が重複しないようにするなどの調整は必要となりますが、人材確保の面から兼職が可能であることを市町村教育委員会等に周知してまいります。  次に、国民スポーツ大会の隔年実施競技の実施についてでございます。  国民スポーツ大会の実施競技につきましては、国民体育大会開催基準要項に基づき日本スポーツ協会が決定することとなっており、本年が4年ごとに行われる見直しの年となっております。  議員御指摘のように、令和10年に本県で開催予定の第82回大会から第85回大会までの正式競技が今月開催された当協会理事会で決定されましたが、そのうち、馬術となぎなたについては隔年で交互に実施されることとなりました。  競技の決定は同協会の決定事項であり、隔年実施競技を毎年実施競技に変更することは非常に困難であると考えております。しかしながら、開催市や両競技団体には、これまで競技の実施を前提に様々な調整に御尽力いただいており、この開催市や両競技団体の開催への思いを改めて日本スポーツ協会に伝えてまいります。  以上でございます。       〔1番望月義寿君登壇〕 ◆1番(望月義寿 君)部活動指導員は、教員の負担軽減や子供たちの部活動の質の高い指導など様々な面から期待される制度なのですけれども、御答弁のように取組が進んでいる中でもなかなか確保が難しい状況です。あらゆる方策を考えてこれからも指導員の確保に努めていただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ○副議長(髙島陽子 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時10分休憩          ──────────────────         午後2時28分開議 ○議長(丸山栄一 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  竹内正美議員。       〔16番竹内正美君登壇〕 ◆16番(竹内正美 君)自由民主党県議団、千曲市・埴科郡選出の竹内正美でございます。  最初に、県立高校の再編計画について伺います。  県教育委員会は、今年5月、県立高校の再編計画の三次案を公表しました。長野市南部や千曲市などの旧第4通学区では、更級農業、松代、屋代南の3校を統合して総合技術新校とし、松代高校の普通科を残すとしています。  避けることのできない高校再編まであと8年と迫り、人口減少により生徒数減が高まる経過に、統廃合の必要性は十分認識しつつも、地域で学びの場が確保できなくなる可能性があり、対象校の屋代南高校がある千曲市では、関係者や地域の思いは大変複雑であります。  屋代南高校は、私の生まれ育った地域にある110年以上続く学校であり、また、私の事務所とは徒歩数分の距離にあることから、この学校が大変地元の皆様に愛され、地域に根差している学校であることを十分認識しています。  この屋代南高校の扱いとしては、普通科と家庭科を総合技術新校に学校全体として統合する方針が示され、屋代南と更級農業、松代の3校を統合した総合技術新校と、松代高校普通科の2校に再編する内容でありますが、総合技術新校の校舎がどこになるかはまだ示されていません。同窓会や地元関係者などでつくる「屋代南高校を発展させる会」は、屋代南の校舎を新校として利用するべきと要望してきました。地域の皆様の声を伺っても、3校の統合については一定の理解を示す声がある一方で、重視しているのは、やはり校舎の立地だと感じています。  旧第4通学区高校再編をめぐっては、期待と不安の声が多く聞こえてきます。対象となった三つの高校は、いずれも地域との結びつきが強く、住民の皆様の思い入れも強い高校ばかりであると感じています。  3年前の令和元年6月議会で高校改革について一般質問した際、教育長は、文部科学省の高等学校教育改革推進事業について触れられ、屋代南高校では、地消地産をテーマにレシピを生徒が考案し、駅前通り商店街で高校生レストランを開催していると紹介していただきました。こうした地域との協働による学びの高校改革の新たな学びの推進につなげていくとも発言され、再編・整備計画の確定に当たっては、関係者の理解を得ながら、また協議会からの意見、提案を最大限尊重しながら進めると答弁されています。  そこで、再編・整備計画に当たって、どのように関係者の理解を得ながら、また、協議会からの意見、提案を最大限尊重してきたのか。教育長に伺います。  再編案は、今後、県議会や地域での議論を経て確定されるわけですが、同窓会や地域の声をこれからどのように聞いていく予定かを教育長に伺います。  屋代南高校では、さきに述べたように、地域との協働による学びを長年続けてきましたが、新校になった場合、この伝統ある学びの継承についてはどのように考えているか。教育長に伺います。  次に、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律について伺います。  令和3年の衆議院議員選挙の際の自民党の選挙公約の一つが女性の活躍を応援するというものであり、その内容の一つが、性犯罪対策を推進し、新法制定を通じ、DVや性被害など多様化する困難な問題を抱える女性への包括的支援強化でありました。そして、さきの令和4年通常国会にてこの法律が制定されたところです。  昭和31年制定の売春防止法では、売春を行うおそれのある女子の保護が目的とされていました。しかし、今国会で制定された新法では、ドメスティックバイオレンスや性被害、生活困窮をはじめ、日常生活や社会生活において女性であることにより直面する様々な困難な問題を抱える女性への支援について幅広い施策を推進することとされたところです。これによって、女性の人権が尊重され、安心かつ自立して暮らすことができる社会を実現するという目的が掲げられました。  また、法第8条に基づき、都道府県には、国の定める基本方針にのっとり、困難な問題を抱える女性への支援のための施策実施に関する基本計画を定めることが義務づけられています。また、第13条では、都道府県は、困難な問題を抱える女性への支援に関する活動を行う民間団体と協働して支援を行うこととされました。  そこで、女性が抱える困難な問題への支援には、福祉、保健医療、労働、住まい、教育など多岐にわたり県の様々な部局が関連することから、連携の強化とともに、各分野に関わる民間団体との協働が欠かせないと考えますが、いかがか。法律に義務づけられている県の基本計画の策定に当たって、民間の意見集約も含めどのように進めていくのか。こども若者局長に御所見を伺います。  次に、新・放課後子ども総合プランの取組について伺います。  現行プランにおける放課後児童クラブ、放課後子供教室の両事業の実績は、全国的には放課後児童クラブの約30万人分整備が順調に進むなど大きく伸びていますが、近年の女性就業率の上昇によりさらなる共働き家庭等の児童数増加が見込まれています。  子供を保育園に預けて働いている間は延長保育などもあり、安心して仕事と両立できていたものが、子供が小学校に上がるタイミングで、待機児童になったり、お迎え時間が早くなってしまうことで仕事と子育ての両立が難しくなることを指す、いわゆる小1の壁。これを打破するとともに、待機児童を解消するため、放課後児童クラブの追加的な整備が不可欠な状況であります。  長野県では、昨年、待機児童ゼロを達成しており、高く評価します。しかし、全国的には、保育園を卒園した子供の約8割しか放課後児童クラブを利用しておらず、県内も予断を許さない状況にあると認識しています。  小1の壁を解消するとともに、全ての児童が放課後を安全、安心に過ごし、多様な経験、活動を行うことができるよう、引き続き放課後児童クラブと放課後子供教室の両事業の計画的な整備を推進することが重要です。  そこで、質問します。今後の女性就業率上昇を踏まえ、さらなる受皿の整備をどのように進めていくか。こども若者局長に伺います。  子供の主体性を尊重し、子供の健全な育成を図る放課後児童クラブの役割を徹底し、子供の自主性、社会性のより一層の向上を図るためにどのような取組を計画しているか。こども若者局長に伺います。  放課後児童支援員の専門性向上と、質の高い人材を安定的に確保することも重要と考えます。国では、令和3年度補正予算において、放課後児童クラブ予算の拡充がなされました。その中で、放課後児童支援員等を対象に、賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提として、収入を3%程度、月額9,000円引き上げるための措置を本年2月から実施していますが、県内の状況及びそれに対する県の考えをこども若者局長に伺います。  次に、独り親家庭の養育費確保について伺います。  養育費は、子供が経済的、社会的に自立するまでに要する費用を意味し、衣食住に必要な経費、教育費、医療費などが当たります。離婚によって親権者でなくなった親であっても、子供の親であることに変わりはありませんので、親として養育費の支払い義務を負うこととなっています。  しかしながら、平成28年度全国ひとり親世帯等調査によると、例えば、母子家庭の母が養育費の取決めをしていないのは54.2%、また、養育費を受けたことがないが56%となっています。養育費を確保できなければ生活が不安定となり、子供の成長にも影響が懸念されます。特に、コロナ禍においては、経済的な影響を受けやすい独り親家庭にとって養育費の確保が一層重要となります。県における養育費確保に向けた取組について、現状と課題をこども若者局長に伺います。  次に、雇用、就業、働き方について伺います。  多くの障害者を雇用し、障害のある社員も障害のない社員も共に生き生きと働き、成果も出し続けていることで全国的に注目されている日本理化学工業の大山泰弘会長は、人間の究極の幸せは四つ。それは、人に愛されること、人に褒められること、人の役に立つこと、人から必要とされること。つまり、働くことによって究極の幸せを得ることができると話しています。  人には、働くことからしか得ることのできない充実感や満足感があるのではないでしょうか。働くことがお金を稼ぐ手段にすぎないとき、それはただの労働であり、働くことがお金を稼ぐ手段だけではないとき、働くことそのものの中に喜びや生きがいや自分の人生の目的を込められるとき、それは本当の意味での仕事になると思います。  そこで、働くということに関して8点質問します。  会社は人に幸せをもたらす場であるという考え方も企業経営に必要であり、こうした意識がこれまで以上に経営者に必要になっていると考えますが、県の御所見を産業労働部長に伺います。  内閣府男女共同参画局において、コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会報告書が昨年4月にまとめられました。この研究会の設置意図は、女性の社会進出が進んでいると言われながら、家庭責任の多くを女性が担う構造が変わっていない中で、新型コロナウイルス感染症が拡大し、現代社会の諸制度の前提となっているジェンダー格差にメスを入れない限り世界から大きく取り残されるという問題意識があるとされています。  これまでも、本議会、委員会で議論されてきましたが、コロナ禍で表面化した女性雇用の問題点とその対応策を産業労働部長に伺います。  さきにも触れましたが、独り親世帯の就業者に目を向けると、労働時間が週35時間を下回る方が増加するなど、収入が激減し、今後の生活すら見通せないとの声を聞いています。独り親家庭の長期的な自立のためには、今こそ安定した就労ができる施策が必要であると考えます。  こうした困窮する独り親家庭に寄り添った対応を強化することは極めて重要です。既に就業支援や能力開発のための支援を行っていただいていますが、さらにきめ細やかな施策展開が早急に必要だと考えます。コロナ禍における独り親家庭の自立のための就労支援について県はどのように取り組んでいくのか。こども若者局長に伺います。  障害者雇用を取り巻く環境は非常に厳しい状況となっており、今後、雇用調整助成金の特例措置終了や原油価格の上昇による中小企業等の経営不振の影響を受け、障害者雇用の状況はさらに悪化する可能性があります。実雇用率は、精神障害者の雇用が進み、2.25%で過去最高となるも、約4割の企業で法定雇用率未達成の状況です。昨年3月1日から法定雇用率が0.1%引き上げられたこともあり、さらなる努力が必要となりますが、本県における障害者雇用促進に向けた県の対応について産業労働部長に伺います。  全国的には、障害者の就労継続支援事業所が受注する作業も減少し、工賃等が低下していると聞いています。障害者施設が受託する仕事内容は内職仕事が中心で、本県では観光地での土産物の箱折りが多く、観光分野の影響が大きいそうです。私が訪問した施設でも、観光関係の仕事がなくなった際に他の業界の仕事を探すことに大変苦労され、今は納期の厳しい工業製品の作業を受注せざるを得ず、施設の皆さん総出で忙しそうに対応されていました。  また、障害者の方数名とともに飲食関係の仕事をしていた別の施設では、新型コロナで飲食の営業ができず、しかし、企業のように雇用調整助成金の活用ができないなどの事情もあり、障害者全員が仕事を失いました。  このような外的要因に影響を受けやすい障害者の就労支援に対して、昨今の経済状況を踏まえた障害者の就労継続支援事業所への県の支援強化を期待しますが、健康福祉部長に御所見を伺います。  昨年4月から中小企業についても同一労働同一賃金が義務づけられたことから、正規雇用労働者と非正規雇用労働者間の不合理な待遇格差の是正に向け、労働局と連携して周知徹底を図っていただいているところです。  待遇格差解消のために労使合意なく労働条件を引き下げることは望ましい対応ではないことを併せて周知するほか、雇用形態にかかわらない均等均衡待遇が確保されるよう勤務実態を調査、把握する体制を関係機関とともに構築すべきと考えますが、産業労働部長の御所見を伺います。  70歳までの就業機会確保を企業の努力義務とした改正高年齢者雇用安定法が昨年4月に施行されました。政府の高齢社会白書によると、65歳を超えても多くの高齢者に高い就業継続意欲が見られる現況であります。一方で、高年齢者の雇用状況では、66歳以上でも働ける制度を設けている企業は全体の3割程度にとどまっています。これを踏まえ、年齢に関わりなく希望に応じて働き続けることができるよう、雇用・就業環境の整備を図るとともに、社会保障制度についてもこうした意欲の高まりを踏まえた柔軟な制度となるよう必要に応じて見直しを図ることは、県として国への要望を望むところであります。  高齢者の体力は向上しており、65歳定年制までは受け入れやすいと思いますが、同じように70歳定年制については現状ではなかなか困難だと感じている経営者が多いと聞きます。体力の低下や健康状態には個人によって相当な格差が生じています。一律の扱いではなく、できるだけ個々人の事情に合わせた働き方が可能となるよう柔軟な制度設計をすべきと考えますが、産業労働部長に御所見を伺います。  自分の好きな時間、好きな場所で働きたい、複数の仕事をしたいなど、ワーク・ライフ・バランスや希望に合った働き方を選べる社会になることは、労働者にとって大きなメリットであります。多様な働き方の実現に向けた労働に関する様々な改革に今後どのように取り組んでいく方針かを産業労働部長に伺います。       〔教育長内堀繁利君登壇〕 ◎教育長(内堀繁利 君)3点御質問をいただきました。  まず、再編・整備計画に対する関係者の理解と協議会の意見等の尊重についてでございます。  高校再編につきましては、これまで、旧通学区ごとの地域懇談会やパブリックコメント等により広く県民の意見を聞きながら、改革の基本構想や具体的な実施方針を策定するなど、地域とともに進めてきたと考えております。  また、今回の再編・整備計画三次案の策定に当たっても、旧通学区ごとに高校の将来像を考える地域の協議会を設置し、市町村長、市町村教育長、産業界、学校関係者、PTAなど地域の関係者から旧通学区ごとの将来の学びの在り方や望ましい学校の姿等について意見、提案をいただきました。この意見、提案を尊重しつつ、旧通学区のみならず、地域全体及び県全体の高校配置の将来像も視野に入れ、地理的な条件等を検討した上で今回の三次案を策定、公表したところでございます。  次に、再編・整備計画三次分の策定に係る意見聴取についてでございます。  再編・整備計画三次分につきましては、今回お示しした案をこれから開催する住民説明会で地域に説明し、理解を求めるとともに、必要に応じて当該市町村、同窓会、PTA等について個別に説明を行うなど、関係者の声や要望を丁寧にお聞きしてまいりたいと考えております。  屋代南高校の伝統ある学びの継承についてでございます。  新校の学びにつきましては、これまでの再編対象校と同様に、案が確定した後に設置される新校再編実施計画懇話会で意見交換をしながら検討することとなりますが、その中で、屋代南高校の地域と協働した学びの継承についても議論されることになるものと考えております。  屋代南高校においては、これまで、昭和59年から継続して介護用寝巻きを製作し、社会福祉協議会へ寄贈したり、服飾と食物の課題研究の成果を発表するファッション・フードショーを毎年開催したり、昨年8月には、富士見高校の生徒が育てたトマトを使った「フルティカ御膳」を全日本高校生WASHOKUグランプリに出品し、審査員特別賞を受賞したりするなどの特色ある取組を行い、高い評価を得ていると承知しております。このような113年の歴史と伝統を持つ屋代南高校の学びが、関係する他の再編対象校の持つ伝統ある学びと融合し、新たな価値を生み出していくものと考えております。  以上でございます。       〔県民文化部こども若者局長野中祥子君登壇〕 ◎県民文化部こども若者局長(野中祥子 君)私には6問御質問をいただきました。順次お答えさせていただきます。  まず、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律に基づく県の基本計画の策定についてでございます。  県の基本計画は、今後国が定める基本方針に即して策定することとなり、支援に関する基本方針、施策の内容を盛り込むものと考えております。  ドメスティックバイオレンスや性被害、生活困窮など多岐にわたる困難な問題を抱える女性への支援は、御指摘のとおり、福祉や保健医療だけではなく、自立に向けた就労や住宅の確保など様々な分野に及ぶものと考えております。  基本計画の策定や施策の実施には県の多くの部局が関わることが想定され、また、民間団体、関係機関との連携も不可欠となることから、計画策定の段階から県関係部局と連携するとともに、民間団体等の御意見も十分お伺いしながら必要な支援策を検討し、実効性のある施策を推進していくべきと考えております。  次に、放課後児童クラブに関するさらなる受皿の整備についてでございます。  保護者が就労等により昼間家庭にいない小学生が放課後や長期休暇を安心して過ごせる遊びや生活の場を提供する放課後児童クラブは、子供や就労する保護者にとって必要不可欠なものであり、県内の令和3年度の利用定員数は3万2,808人となっております。  現在、県内では待機児童は発生していないものと承知しておりますが、議員御指摘のように、女性の就業率の上昇に伴って今後も利用希望者が増加することが見込まれております。県といたしましては、事業の実施主体である市町村に対して、今後も継続的に利用希望者の動向を把握し、それを踏まえた計画的な受皿整備を働きかけていくとともに、市町村の子ども・子育て支援事業計画等に基づく整備事業に対して補助を行うなど、引き続き市町村の取組を支援してまいりたいと考えております。  次に、放課後児童クラブの役割徹底と子供の自主性、社会性の向上に向けた取組についてでございます。  放課後児童クラブは、単に児童を授業の終了後に預かるだけではなく、基本的な生活習慣や異年齢児童との交わりを通じた社会性の習得、発達段階に応じた主体的な遊びや生活ができる遊びの場、生活の場であるべきと考えております。そのためには、各児童クラブの支援単位ごとに配置され、活動の適切な支援を行います放課後児童支援員の役割が非常に重要であると認識しております。  このため、県では、放課後児童支援員認定研修を実施し、子供の遊びへの理解と適切な支援の方法、子供の発達段階に応じた必要な配慮事項、各種活動における安全確保に向けた方策や緊急時の対処方法など子供が安心して過ごすことのできる場を提供する放課後児童支援員としての必要な知識及び技能を習得していただいており、昨年までに1,777人が認定を受けておるところでございます。  今後も、こうした研修を通じて放課後児童クラブで働く職員の質の向上に取り組み、子供の健全な育成が図られるよう市町村を支援してまいります。  次に、市町村における放課後児童支援員の処遇改善の状況とそれに対する考え方についてでございます。  本年6月に調査したところ、県内の放課後児童クラブ実施市町村64市町村中40市町村が放課後児童支援員の処遇改善を実施しております。事業実施主体の市町村において、他の職種とのバランスも図りながら、職員の経験年数に応じた処遇改善が行われているものと考えておりますが、県におきましては、引き続き市町村に対して必要な情報提供、助言を行うとともに、運営費の助成などによる支援を行ってまいります。  次に、独り親家庭の養育費確保に向けた取組についてでございます。  養育費を受けられない様々な法的な問題を解消し、養育費の確保を促進するため、令和3年度から弁護士による法律相談を無料で受けられる事業を実施しておるところでございます。昨年度は23人の方が利用されております。  また、昨年県が独自に実施いたしましたコロナ禍におけるひとり親家庭状況調査によりますと、養育費について法的な取決めをしていない方は65%に上り、そのうち11.1%の方から公正証書作成費用の助成があれば取り組みたいという御回答をいただいております。
     こうした声に応じるとともに、調停証書や公正証書等の公的な取決めが養育費を確保する上で非常に有効であるということも踏まえて、今年度から新たに公正証書等作成費用の補助を行うこととしております。  また、先ほどの調査において、行政の窓口は平日の昼間しか空いていないため相談しにくいというお声があったことも踏まえ、今月末より、新たに独り親支援に関する電話相談員を県庁に配置し、月、水、金の夜間、そして土曜日に養育費確保などの困り事に関する相談の窓口を開設したいと考えております。  養育費は、子供の監護、教育のために必要な費用でございます。独り親家庭が養育費を確保できるよう引き続き必要な支援を行ってまいります。  最後に、コロナ禍における独り親家庭への就労支援についてでございます。  独り親家庭の経済的安定のためには、安定した職に就いていただくことが重要です。このため、保健福祉事務所に配置しております就業支援員及び母子・父子自立支援員による就業相談を行うとともに、就業に有利なパソコンなどの技能習得、保育士、看護師等の資格取得に向けた支援を行ってきております。  資格取得支援につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が長引いていることを踏まえて充実を図ってきておるところでございます。具体的には、資格取得に向けた講座の受講料負担を軽減する自立支援教育訓練給付金について、対象となる指定講座の要件を拡充するとともに、給付の上限額の増額をいたしたところです。  また、資格取得に向けた養成訓練期間中の生活費を支援する高等職業訓練促進給付金につきましては、対象となる資格を拡大し、国家資格のみから一部の民間資格も認めることとしております。  今後も、市町村、ハローワーク等関係機関と密接に連携を取りながら、お一人お一人の状況に寄り添った支援に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業労働部長(林宏行 君)私には雇用、就業、働き方について6点御質問をいただきました。  初めに、人に幸せをもたらす企業経営意識についてのお尋ねでございます。  近年、ESG投資の拡大やSDGsに取り組む企業が注目されておりますが、組織運営で大切になるのが、ダイバーシティーとインクルージョンの推進やウエルビーイングを意識した経営にあると考えております。ダイバーシティー経営は、多様な人材を生かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することでイノベーションや価値創造につなげようとするものですし、企業におけるウエルビーイングは、従業員が心身ともに健康で、やりがいの向上や安心して働ける職場づくりにつながり、議員御指摘の人に幸せをもたらす企業経営意識にも通じるものと受け止めております。こうした取組を増やすことが、ひいては持続可能な地域社会、地域経済全体の幸福度にもつながると期待されているところであり、県といたしましても、ワーク・ライフ・バランスの実現や、ダイバーシティー等に取り組む企業を認証する職場いきいきアドバンスカンパニー制度を推進しておりますし、全国で先駆けてスタートしたSDGs推進企業登録制度も約1,500社まで拡大し、うち600社が「生きがいも、経済成長も」を主要な目標に掲げて取り組んでいただいております。  今後も、こうした取組などを通じ、本県で働く方々が幸せを感じられる魅力ある職場が増えるよう努めてまいります。  次に、コロナ禍で表面化した女性雇用の問題点とその対応策についてです。  コロナ禍での女性雇用への影響は、とりわけ感染拡大初期において大きく、その要因としては、飲食業、宿泊業など対人サービス業において女性の割合が高いこと、雇用調整の対象となりやすいパートタイムで働く女性が多いことなどが指摘されております。  雇用調整助成金の特例措置の延長等により、雇用の下支えは一定程度なされておりますが、コロナ禍で離職を余儀なくされた方に対しては、県内各地に女性就業支援員を配置し、求人開拓員やJobサポとも連携して一人一人に寄り添った就労支援に取り組んでいるところです。  また、構造的な労働力不足にあるデジタル分野などへの就労を支援することも重要です。このため、スキルの習得から就職までのマッチングまで一貫して支援し、こうした分野への女性の就労を後押ししてまいります。  次に、障害者の雇用についてでございます。  令和3年6月1日現在の本県における障害者法定雇用率達成企業の割合は56.8%で、前年を2.0ポイント下回りました。また、令和2年度の県内ハローワークを通じた障害者の就職件数は対前年度比10.4%減の1,956件で、平成21年以来11年ぶりの減少となっております。  障害者の法定雇用率達成に向けては、受入れ企業への直接的かつ地道な働きかけが重要と考えています。昨年度から新たに4名の地域コーディネーターを配置し、企業への雇用啓発や助言を行っているほか、先進事例に触れる企業見学会を実施するなど企業へのサポートを行っております。  今年度からは、従業員100人以下の企業が新たに障害者を雇用し3か月以上継続した場合に30万円の助成金を交付する「障がい者雇用はじめの一歩応援助成金事業」を開始したところです。さらに、今定例会には、こうした取組が支援を必要とされている方々に着実に届くよう、広報の充実や障害者雇用に関する情報を一元的に発信するポータルサイトを構築するなどの補正予算案をお願いしているところでございます。  続いて、待遇格差の解消についてのお尋ねです。  同一労働同一賃金については、パートタイム・有期雇用労働法において雇用形態による不合理な待遇差が禁じられ、その待遇差の解消に当たって、労使の合意なく正社員の待遇を引き下げることは望ましくない旨厚生労働省のガイドラインにも明記されているところです。  また、事業所の勤務実態の調査、把握については、監督権限を有する労働基準監督署が個別に立入調査を実施し、不適切な事案には改善指導が行われております。県としては、労働基準監督署を所管する労働局とも連携を図りながら、9名の職場環境改善アドバイザーによる事業所訪問等を通じて周知啓発に努めてまいります。  次に、高齢者の事情に合わせた働き方が可能となるような柔軟な制度設計についてのお尋ねです。  昨年度、長野県シニア大学の学生を対象に行った生きがい就労に関する意識調査では、今後も仕事をしたいと考える方は約7割。うち75歳以上までを希望する割合は60%超となり、生涯現役として働きたいというニーズがうかがえる結果となりました。また、体調に合わせて休みやすければ、時間に縛られなければ、仕事をしてもよいという声も寄せられております。  人生100年時代を迎え、企業にとっても経験豊かな方々が生涯現役で活躍してもらうことは有益であり、定年年齢にかかわらず柔軟な働き方ができる環境整備が求められるところです。このため、県といたしましては、職場環境改善アドバイザーが企業を訪問する際に、短時間正社員やテレワークなど多様な働き方制度の導入の働きかけや、職場いきいきアドバンスカンパニー認証制度のダイバーシティコースをより一層普及するなど、高齢者が安心して就労できる環境づくりに努めてまいります。  最後に、多様な働き方の実現に向けた取組方針についてでございます。  働き方改革の推進のためには、経済団体や労働団体、国や県などの行政機関が一丸となって取り組むことが必要であり、引き続き就業促進・働き方改革戦略会議を中心に改革を進めていくことが重要と考えております。  今後に向けては、先日開催した戦略会議の幹事会において、働き方改革の浸透を筆頭に掲げた八つの主要プロジェクトの着実な推進に加え、社会情勢の変化を踏まえた当面の課題として、人手不足分野の充足・マッチング、多様な人材の労働参加、賃金アップ・格差の是正の3点を掲げて取り組むことを確認したところです。今後とも、ワーク・ライフ・バランスや多様な働き方に取り組む企業が一層増えますよう引き続き取り組んでまいります。  以上でございます。       〔健康福祉部長福田雄一君登壇〕 ◎健康福祉部長(福田雄一 君)私には障害者の就労継続支援事業所に対する県の支援を強化すべきではないかとの御質問を頂戴しております。  まず、状況について申し上げますと、就労継続支援B型事業所の工賃実績を調査したところ、令和3年度の平均工賃月額は前年度比1,083円増の1万6,153円となり、過去最高だったコロナ前の平成30年度を若干上回る結果となりました。  コロナ禍において工賃アップを実現した事業所も多くございまして、こういったところでは、コロナの影響を受けにくい農作業等への生産活動の転換、受注活動の強化、ネットの活用などによる販売方法の変更、新規事業の開拓などに取り組んだ成果が出たものと認識しております。  県では、コロナの影響により事業所の生産活動の収入が減少しないよう、令和2年度から2年間にわたり新たな生産活動への転換や販路拡大等に要する経費を助成してきたところであり、一定の成果があったものと考えております。  一方、工賃が減少した事業所は、減少幅が僅かなところも多く見られますけれども、そうしたところを含めて31.9%の事業所が工賃が減少したと回答しております。  御指摘のとおり、厳しい状況の事業所もやはり多くございます。それぞれの事業所の実情に応じた支援を手厚く行っていくことが必要と認識しております。  このため、今後も事業所の受注拡大や販路開拓に向けた支援、農業分野での就労機会の拡大を目指す農福連携の推進、新規事業への進出を図るための専門人材の派遣などの取組の充実を図ることによりまして、就労継続支援事業所の利用者の工賃アップを支援してまいります。  以上でございます。       〔16番竹内正美君登壇〕 ◆16番(竹内正美 君)新しく制定された困難な問題を抱える女性への支援に関する法律、これは、売春防止法からの脱却でありまして、従来の法律との考え方、基本が大きく変わった画期的な法律だと思っています。県は、この法律をきっかけに、本当に困難な女性に目を向けて対応していただきたいと思いますし、私自身もしっかり注視していかなければいけないと思っています。  高校再編についてですが、私の事務所は屋代駅前商店街というところの中にあるのですが、屋代南高校の校舎が使われなくなるのではないかという可能性を想像するだけで、駅の利用者のことだとか、町のにぎわいのことだとか、そういった影響の大きさに大変危機感を持っております。引き続き地域の希望を尊重していただき、十分に御検討いただきたいと思います。  以上御期待申し上げまして、一切の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(丸山栄一 君)次に、小林あや議員。       〔3番小林あや君登壇〕 ◆3番(小林あや 君)地域活性にもつながる二地域居住を目的とした区域外就学制度について質問いたします。  本県は、移住促進を目的とする信州回帰プロジェクトの一環として二地域居住の促進に向けた専用サイトを開設、ニブンノナガノでの魅力発信から始まり、全国二地域居住等促進協議会では阿部知事が会長を務められるなど、二地域居住を積極的に促進しています。  私は、2月定例会の一般質問で、単身赴任や単身者の枠を超えて家族連れで二地域居住を選択できる環境をつくっていく必要があるという趣旨の発言をさせていただきましたが、それは、都市と自然が融和した信州が子育てにとても適した環境であると自信を持って言えることが根底にあるからです。  しかし、子供を連れて他の場所に滞在するには、子供の教育をどのように受けさせるのかが課題となります。平成28年に閣議決定されたまち・ひと・しごと創生総合戦略の中で、地方への移住に伴う子供の就学手続について区域外就学制度が活用できることを周知することが明記され、文部科学省では、地方への一時的な移住や二地域に居住するといった理由で保護者が児童生徒を住所のある市町村以外の学校に就学させようとする場合も含まれるとし、都道府県教育委員会から域内の市町村教育委員会に周知するよう通達を出しました。  区域外就学制度は、住民票を移すことなく移動先の学校に転入できる制度で、これまではいじめ等の対策のために他校へ転校するといった場合に適用されていました。しかし、新たに二地域居住等を目的とした区域外就学も適用の対象となったのですが、県内の多くの市町村教育委員会においてこの情報は公表されていないようです。  二地域居住を目的とした区域外就学は、地方と都市などそれぞれの地域のよさを体験することで、双方の視点に立った多面的な考え方のできる人材を育成する目的があるだけでなく、地方移住の促進など地域振興にもつながると考えられています。つまり、地方創生や少子化対策などの観点で地域活性化につながることが期待できます。  また、親の仕事による一時滞在なども適用の対象であることから、女性の社会参画や女性が活躍できる社会の仕組みづくりといった観点からも、実質的な環境整備としての機能も持ち合わせています。区域外就学制度を活用した二地域居住の促進は、これまでは別々の課題として捉えられていた事象をつなげ、新たな価値を創造していくことで、地域の様々な課題の解決につながる一つの取組として大いに期待ができると思います。  徳島県では、地方創生臨時交付金を使い、この制度を活用して、デュアルスクールと称した独自の受入れ体制を整えています。また、家庭、教育委員会、学校など関係機関のやり取りがスムーズに進むようデュアルスクールコーディネーターも配置しています。  デュアルスクールにおける成果について、徳島県ではおおむね次のように分析しています。対象児童にとっては、二地域双方で豊かな自然、地域の文化、行事を体験し、様々な価値観を醸成できる。保護者にとっては、新たな働き方の可能性を実感したり、時間にゆとりができ、子供と過ごす時間が増える。地元小学校にとっては、新しい人間関係の結び方の体験を通して学校が活性化し、互いの環境の違いを知る機会の創出につながる。地域にとっては、交流人口の増加によりにぎわいが創出され、二地域居住の可能性の拡大、移住の促進につながるというものです。  これらの成果を踏まえると、子供を受け入れる環境づくりは地域活性にも大きく連動していくということが分かります。こうした点に着目しながら、女性や独り親などが自分のキャリアを諦めずに子育てと仕事を両立できる社会、その社会から生まれる新たな価値の創造まで見据えた取組こそ長野県が果たすべき役割だと考えますが、知事の見解をお伺いします。  区域外就学という制度があっても、運用に不慣れな市町村教育委員会がとても多い現状を踏まえ、マニュアルや仕様書の作成など煩雑な手続の簡略化を目指した体制づくりの必要性を感じますが、二地域居住を目的とした区域外就学を県の施策に明確に位置づけることも含め、本県の区域外就学制度適用の現状と今後の在り方について教育長に伺います。  また、区域外就学制度を活用した家族単位での二地域居住がもたらす地域振興への期待と今後の方向性について企画振興部長に伺います。  さらに、区域外就学においては、放課後の居場所も必要とする児童が想定されますが、そのためには、担当部局の壁を越えて関係機関が互いに連携し合う必要があります。県としてこれをどのように促進していくのか。こども若者局長に伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、女性や独り親が子育てと仕事を両立できる社会づくりと新たな価値の創造まで見据えた取組を実施することが長野県の果たすべき役割だと考えるがどうかという御質問であります。  長野県におきましても、日本全体にとりましても、女性が社会でさらに活躍していくことが様々な観点で重要だというふうに思っています。今、人口減少社会の中で様々な分野の担い手が減少しています。また、多様性がある社会をつくっていくことこそがクリエーティブな社会をつくり上げていくということにもつながっていくわけでありますので、女性の活躍を応援していく、後押ししていくということは行政としても重要な役割だというふうに考えています。  しかしながら、現実を見ますと、平成30年度に実施した県の調査におきまして、第一子の妊娠、出産、育児の時期に仕事を辞めた理由としては、家事、育児に専念するために自発的に退職したという女性が半数いらっしゃる一方で、仕事と子育ての両立が困難であるということで退職したという方が約2割いらっしゃいます。この結果を見ますと、キャリアを途中で諦めざるを得ない方が一定数いるというふうに考えられます。  働き方や暮らし方、ライフスタイルが多様化していく中で、子育て等を理由として女性が社会的な活動を諦めるということは、社会的な損失でもあるというふうに思っています。先ほど、区域外就学制度や徳島のデュアルスクールという一つの手法についてご提案いただいたわけでありますけれども、長野県としても、他の都道府県の様々な取組について研究をしながら、女性の皆様方がその能力をより発揮することができるように、また、自らが考えるライフスタイルに合った働き方を選択することができるような社会となるように取組を進めていきたいと考えております。  以上です。       〔教育長内堀繁利君登壇〕 ◎教育長(内堀繁利 君)区域外就学制度適用の現状と今後の在り方についてのお尋ねでございます。  本県における区域外就学制度につきましては、今年度は約6割の市町村において180名程度の利用がなされているところであり、そのうち、一時的な移住や二地域居住を理由とした利用は2名という状況であります。  これまで、一時的な移住や二地域居住により本制度を活用した保護者や市町村教育委員会からは、子供は環境が変わることでこれまで以上に楽しく学校に通うことができ、対人関係に自信を持ったという声がある一方で、短期間であり学級に溶け込めなかった。県外からの受入れは教科書や学習進度が異なる場合の個別対応が難しいなどの声をお聞きしております。  県教育委員会といたしましては、利用する方々がスムーズに利用できるようにすることが大切であるというふうに考えておりまして、引き続き本制度に関わる情報を市町村教育委員会と共有するとともに、区域外就学制度を利用して本県での二地域居住を検討している方々に対しては、知事部局とも連携しながら情報提供や相談に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔企画振興部長清水裕之君登壇〕 ◎企画振興部長(清水裕之 君)私には区域外就学による家族単位での二地域居住がもたらす地域振興への期待と今後の方向性についてお尋ねをいただきました。  地域振興への期待についてでありますが、区域外就学制度を活用して本県へ家族単位で訪れ、二地域居住が行われる場合、例えば、訪れる家族と地元住民との交流を通じたつながり人口の創出拡大や、議員から御指摘がありました徳島県では子供のみこしが復活した事例もあるなど、様々な形で地域の活性化に寄与することが期待されると考えております。  今後の方向性についてでありますが、本県では、信州やまほいくや山村留学など特色ある教育環境を本県の魅力として情報発信しており、区域外就学制度を活用した二地域居住に取り組む環境が整った場合には、二地域居住や移住の候補地としてさらなる魅力の向上につながるものと考えております。  県内にも、移住などにつなげていく目的で区域外就学制度を実施している市町村もあると聞いており、そうした市町村の意向も伺いながら、楽園信州やニブンノナガノ等の移住関連サイトを通じて都市圏の若者や子育て世代向けに情報発信をしていきたいと考えております。  私からは以上です。       〔県民文化部こども若者局長野中祥子君登壇〕 ◎県民文化部こども若者局長(野中祥子 君)私には区域外就学者が放課後の児童の居場所を利用する場合の関係機関の連携促進について御質問をいただきました。  放課後の子供の居場所である放課後児童クラブ等については区域外就学の子供も利用が認められているところでございます。区域外就学の承認等を所管する市町村教育委員会と放課後児童クラブ等の利用手続を所管する市町村の担当部局が異なる場合がありますが、こうした場合においても、利用される方が申込手続等を円滑に行うことができるよう、両機関が連携して取り組んでいただくことについて、県教育委員会とともに、市町村に対して周知、助言を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔3番小林あや君登壇〕 ◆3番(小林あや 君)誰しも最初は新しい環境に不安を覚えるものですが、親子が共に過ごす時間や新しい発見、楽しみが増えたりと、不安以上に得るものも多いという点がこの制度の特徴かと思います。県内二地域という場合もあり得ます。  仕事と家庭の両立を目指す新しい生活スタイルを温かく応援できる優しい県であってほしいと願い、県の公共交通政策についての質問に移ります。  まずは、アルピコ交通上高地線の全線再開に向けた県の御支援について地元住民として心より感謝申し上げます。  地域公共交通は、生活をする上で欠かすことのできない重要な社会基盤の一つでありますが、近年苦しい経営を強いられている交通事業者の状況から、地域の足の確保に限界が生じてきていることが懸念されています。  知事は、2月定例会で、地域公共交通の維持発展に関して、県をはじめとする行政がこれまで以上に積極的に関与し、新しい地域公共交通システムを官民連携でつくり上げていかなければならないこと、また、公共交通活性化協議会を通じて、来年度末までには各地の実情を踏まえた持続可能で最適な地域公共交通の姿を明らかにする旨の発言をされています。  県内の公共交通は、JR線も含めて、総合的な交通体系を考えていかなければならない時期であると思いますが、県としてどのように推進していくのでしょうか。また、上田電鉄やアルピコ交通の長期不通といった事態が起こらないような強靱化対策が必要と考えますが、企画振興部長に伺います。  高速バスは、これまで国の補助対象となりませんでしたが、一定の条件を満たせば国の補助路線にできる事例が出てきました。長野―松本間の休日バス運行を望む声は非常に多く、また、飯田―長野間のみすずハイウェイバスは通学で利用する学生も多いと聞いています。こうした高速バスを国の補助路線として整備し、足の確保を充実させることが必要だと考えますが、企画振興部長に伺います。  大糸線の今後の在り方を話し合う振興部会が5月に大町市で開かれました。大糸線の存続に係る課題に対して県はどのように向き合っていくのでしょうか。  また、大糸線の問題は県内における氷山の一角と認識でき、今後類似の問題が各所で出てくることが予想できます。そうした場合を想定し、どのような準備をしていくのか。阿部知事にお伺いいたします。       〔企画振興部長清水裕之君登壇〕 ◎企画振興部長(清水裕之 君)2点お尋ねをいただきました。  まず、総合的な交通体系の構築についてであります。  さらなる高齢化の進展やカーボンニュートラルの観点からも、交通機関の枠を超えた総合的な交通体系の検討は重要な課題であると認識しております。  昨年11月に立ち上げた長野県公共交通活性化協議会には、鉄道、バス、タクシー事業者にも参画いただき、幅広い観点で長野県の新たな交通体系について検討を進めているところです。検討に当たりましては、公共交通をネットワークとして捉えるとともに、事業者と行政の役割分担による持続可能な公共交通システムを構築する方針としております。今後、協議会で合意した内容につきましては、長野県地域公共交通計画として取りまとめ、可能なものから速やかに取り組んでいきたいと考えております。  また、計画の策定後におきましても、協議会において客観的なデータを基に取組状況を評価し、取組内容の改善や計画の見直しに反映させていきたいと考えております。  鉄道への強靱化対策についてでございます。  近年、頻発化、激甚化する豪雨災害のため、鉄道の河川橋梁の被災が相次ぎ、長期運休により県民生活や地域経済に大きな影響を与えております。
     河川の橋梁につきましては、法令に基づき、鉄道事業者が2年に1度点検を実施し、必要な対策を講じることとされておりますが、県では、地域鉄道事業者に対し、国や沿線自治体と協調の上、補強工事等に対し補助を行っております。また、国に対しましても、事業者が河川橋梁の点検と対策を確実に実施できるよう手厚い財政的、技術的支援を要望しているところであります。今後とも、県民の暮らしや地域経済を支える地域鉄道の安全、安定輸送の確保に向け、必要な支援をしてまいります。  2点目、高速バスの充実についてであります。  広大な県土を有する本県において、高速バス路線は、地域間を結ぶ移動の軸として重要な役割を担っていると認識しております。  高速バス路線を含めた県内の移動の軸をどのように確保、充実させていくかについては、長野県公共交通活性化協議会における主要なテーマとして検討を行っているところであります。今後、高速バス路線への補助に関する国の動向や他県の状況なども情報収集しながら、行政の支援を含む関与の在り方等につきましても議論を深めてまいります。  私からは以上です。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)公共交通に関連して、まずは大糸線の存続についての県の向き合い方という御質問をいただきました。  大糸線は、地域にとって非常に重要な路線でありますし、また、全国的な鉄道ネットワークの一端も担っています。加えて、県としても、平成7年の豪雨災害の復旧には多額の財政負担をして支えてきている路線であります。また、今後は、北陸新幹線の延伸によりまして、関西方面との交流拡大にも寄与し得る路線というふうに考えています。  こうしたことから、県としては、大糸線活性化協議会に参画して、沿線市町村とともに利用者の増加等の取組を行ってきているところであります。この大糸線については、新潟県側との連携ということも重要でありますので、新潟県とも意思疎通を図りながら一緒に取り組んでいくことが必要だというふうに思いますし、沿線の自治体、地域の皆様方とともに地域の足を維持するという観点で取り組んでいきたいと考えております。  また、同じような問題が起こった場合への準備という御質問であります。  まず、JR路線については、全国的な鉄道ネットワークが形成されているわけでありまして、経営が厳しくなったからということで安易に廃止といったようなことが行われると、国全体の鉄道ネットワークが分断されてしまうということを危惧しています。そういう意味では、JR各社が担っている全国的、広域的な鉄道ネットワークについては、国土の根幹をなす重要な社会インフラというふうに位置づけて、国においてしっかりとした対応をしてもらうということが重要だと考えています。  先般も、国に対して、この鉄道ネットワークの維持確保のための仕組みづくりと強力な財政支援を県として要請いたしました。また、JRの各路線の沿線で活性化協議会等が行われており、県としてもそれぞれの協議会に参加をしているところであります。  中央東線の高速化促進広域期成同盟会や小海線沿線地域活性化協議会、篠ノ井線、飯山線、飯田線、中央西線、そして先ほどの大糸線と、路線ごとに協議会がありますので、地域の皆さん、関係の皆様方と連携して一層の利用促進に取り組んでいきたいというふうに思います。また、JR各社をはじめ関係者とは現状と課題を共有するなど、日頃から意思疎通を行っていきたいというふうに考えています。  また、こうした鉄道の全国ネットワークの在り方については国においても問題意識を持って検討が始められているところというふうに承知しています。地方鉄道を維持していく上で、制度面、財政面で抜本的な対策を検討し、実施していくよう国に求めていきたいと考えております。  以上です。       〔3番小林あや君登壇〕 ◆3番(小林あや 君)ローカル鉄道は、一たび災害が起これば、母体まで共倒れしてしまう懸念や、長期の不通から復旧しても利用が大きく落ち込んでしまうといった懸念があります。総合的な交通体系を考えていくことは、まさに今やるべきタイミングだと思いますが、県の地域公共交通計画が策定過程にありますので、これらの問題をどう扱うか注視していきたいと思います。  阿部知事からも御答弁いただきまして、またそういった地域の住民の方たちとともに交通の在り方というものを一緒に考えていかれたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  以上で私の質問を終わります。頑張り過ぎて30秒余ってしまったのですが、寺沢モデルということで、参考にさせていただきました。ありがとうございました。 ○議長(丸山栄一 君)次に、加藤康治議員。       〔5番加藤康治君登壇〕 ◆5番(加藤康治 君)初めに、物価高騰への対応について伺います。  コロナ禍の長期化に加え、ロシアのウクライナ侵略により、原油をはじめとするエネルギー価格や食料品などが高騰し、さらに、急激な円安が追い打ちをかけ、県民生活や中小・小規模事業者、農林水産業などに幅広い影響を及ぼしております。  このような影響を受け、公明党長野県議団として、4月8日、阿部知事に対し、物価高騰から県民生活を守るための緊急要望を行いました。しかし、その後もウクライナ情勢は長期化の様相を呈しており、今後の推移によっては県内経済が戦後最大の危機に陥りかねないとの認識の下、県民や中小企業などの声をしっかりと受け止め、地域の実情に応じたきめ細かな対策を講ずる必要があることから、5月9日、緊急要望第二弾として取りまとめ、長野県経済と県民生活を断じて守るため、必要な対策を果断に実行するよう強く求めたところです。  県においては、2回にわたる緊急要望を受け止めていただき、今回発表された価格高騰緊急対策や補正予算案には、多くの部分が事業として反映されており、評価するところですが、その上で何点かお伺いをいたします。  今回の補正予算案には、食材価格高騰による保護者負担を軽減するため、県立学校や私立小中学校の給食費等を支援する事業が計上されていますが、県内市町村で給食費への支援に差が生じないようにすることが重要です。市町村と連携し、学校給食費の保護者負担の拡大を抑えるための取組を推進すべきと考えますが、いかがか。伺います。  電気料金も高騰している中、これから暑い時期を迎えるに当たり、児童生徒の熱中症予防対策の一環としてちゅうちょなく冷房を使用する必要があることを踏まえ、県立学校の冷房費等に対する費用を確保すべきと考えますが、いかがか。以上を教育長に伺います。  原油や原材料などの価格高騰により事業活動に多大な支障を来している企業等に対し、事業活動の安定的な継続を図るため、今回の補正予算案において様々な補助事業が計上されていますが、燃料価格の高騰により多大な影響を受けている業種の一つとしてトラック運送業があり、安定的な経営に向けた支援が必要です。  県の価格高騰緊急対策では、トラック輸送を利用する際の「標準的な運賃」の活用や燃料価格高騰に伴う燃料サーチャージ制の導入など、企業間における円滑な価格転嫁が図られるよう経済団体と連携した呼びかけを行うとしていますが、トラック運送業者と荷主との関係を踏まえると、燃料価格上昇分が適正に運賃に反映されるか不透明な部分があります。  県民生活と経済のライフラインとしての重要な機能を果たしているトラック運送業者の安定的な経営に向け、確実な価格転嫁の実現に向けた方策や、燃料費の助成等具体策を講ずる必要があると考えますが、どのように行っていくか。企画振興部長に伺います。  製品やサービスのCO2排出量の見える化を図り、県民の行動変容を促すため、脱炭素への行動や省エネ性能の高い商品の購入等に付与するグリーンライフポイントの促進を図るべきと考えます。  今回の補正予算案には、家庭負担の軽減や温室効果ガスの削減に向け、省エネ性能の高い家電製品の購入を支援する事業等が計上されていますが、ゼロカーボンの推進に向け、一過性のものではなく、継続的な取組とすべきと考えますが、今後の方向性について環境部長に伺います。  今回、地方創生臨時交付金が拡充され、原油価格や物価高騰等に直面する生活者や事業者に対する支援として追加配分が行われました。長野県分として約79億円、県内市町村分として約94億円が交付限度額として設定されており、今回の県の補正予算案において交付金を財源として様々な支援策が計上されています。  地方創生臨時交付金は自治体固有の財源であり、使途については県と市町村がそれぞれで検討することが前提ですが、県と市町村で支援策が異なることは避けるべきと考えます。今回拡充された臨時交付金の効果的な活用に向け、市町村と連携し、より多くの県民に支援が行き渡るようにすべきと考えますが、どのような対応を行っているか。産業政策監に伺います。       〔教育長内堀繁利君登壇〕 ◎教育長(内堀繁利 君)2点御質問をいただきました。  食材価格高騰に伴う学校給食費の保護者負担の拡大抑止についてお答えいたします。  価格高騰による学校給食費の保護者負担の状況について調査したところ、学校設置者である市町村教育委員会及び学校組合82のうち「地方創生臨時交付金を活用する」が42、「自主財源で対応する」が27、「保護者負担を増加させない方向で検討中」が13となっており、現時点で、令和4年度に入ってからの価格高騰により保護者負担が増加している市町村等はないと承知しております。  市町村教育委員会には、これまでも、臨時交付金を活用した給食費の負担軽減に関する全国の好事例の紹介や、栄養教諭等を対象とした研修会での呼びかけを行ってきたところではございますが、検討中の市町村等で保護者負担が増加しないよう、引き続き様々な機会を捉えて交付金の活用を呼びかけてまいりたいと考えております。  次に、県立学校の冷房費等の確保についてでございます。  教室の室温につきましては、文部科学省が定めた学校環境衛生基準において、最も学習に望ましい条件として夏は28度以下とされているところであり、各学校には、学校施設の構造や天候などに配慮しながらその都度適切に冷房を使用するよう周知しているところでございます。  これから暑い時期を迎えますが、各学校と予算の過不足などについてきめ細かに情報を共有することにより、必要な電気代等の費用を確保し、適正な学習環境を維持してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔企画振興部長清水裕之君登壇〕 ◎企画振興部長(清水裕之 君)私にはトラック運送業における価格転嫁についてお尋ねがありました。  トラック輸送は、経済と暮らしを支える重要なライフラインでありますが、今般の燃料価格の高騰が事業者の経営に大きな影響を与えていると認識しております。  こうした中、5月10日に長野県トラック協会等から県に対して支援の要望をいただいたところであります。これを受け、県では、今般の価格高騰緊急対策の取りまとめに先立つ5月25日付で、県経営者協会はじめ経済4団体に対して、トラック輸送を利用する際の「標準的な運賃」の活用や燃料サーチャージ制の導入などにより円滑な価格転嫁が図られるよう知事名の文書で依頼を行ったところであります。  国においては、国土交通省が価格転嫁に関する相談窓口を全国各地に設けているほか、公正取引委員会では価格転嫁の拒否が疑われる事例に立入調査を行うなどの取組も進められていると承知しております。  今後とも、トラック協会から現状を丁寧にお伺いしながら、適正な運賃による取引が広がるよう対応してまいりたいと考えております。  私からは以上です。       〔環境部長猿田吉秀君登壇〕 ◎環境部長(猿田吉秀 君)ポイント制度を活用した省エネ家電切換え支援を継続的な取組としてはいかがかという御質問でございます。  長野県では、過去に類似の取組事例がございまして、平成21年度から、信州エコポイント事業として、省エネ活動や太陽光発電設備等の導入に対しポイントを付与した実績がございます。  一定の効果はございましたものの、一つに、申請手続が煩雑であったこと、二つに、ポイントの使途が協賛店に限られていたこと、三つとして、ポイントを協賛店等の事業者が実質的に御負担いただく形であったことの3点から、利用者、協賛店共に大きな広がりを見せず、平成25年度をもって終了いたしております。  これらを踏まえまして、今回、補正予算案に計上しております省エネ家電切換え緊急支援事業では、一つとして、電子申請を採用、二つとして、既存の汎用性のあるポイントを付与、三つとして、国からの財源を活用する形となっております。  この国からの財源といたしまして、原油価格・物価高騰対応分として臨時的に措置されました交付金を活用するものでございますので、本事業は今年度限りとなりますが、今回の取組の効果等につきましてはしっかりと検証してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔産業政策監伊藤一紀君登壇〕 ◎産業政策監(伊藤一紀 君)地方創生臨時交付金の効果的な活用に向け市町村とどのように連携しているかというお尋ねです。  これまで、市町村に早め早めに情報提供するように取り組んでまいりました。政府の対策が決定されてから速やかに国が示します交付金の活用が可能な事業などの資料を全ての市町村に提供いたしました。  また、県の考えを早めに伝えるために、5月25日に開催いたしました県と市町村との協議の場、またその準備段階におきましても対策の骨子案を示しまして、県民や事業者への緊急的な支援に加え、中長期的な視点から省エネルギーなど未来につながる取組を促進するという基本的な方向性、それから、具体的な取組としまして、例えば県立学校と私立の学校の給食費の負担軽減や公共交通事業者への支援など、県としてこれまで支援してきたところへはしっかり支援するので、市町村におかれては、臨時交付金を有効活用し、地域の実情に応じたきめ細かな対策をお願いしたい旨をお伝えしたところであります。  また、今議会にお願いしております6月補正予算案の編成におきましても、市町村の取組状況を随時把握しながら行い、補正予算案が固まる段階で、この対策の第一弾と併せて、県の市長会、町村会の事務局を通じまして市町村に対し提供したところであります。  国におきましては、臨時交付金のさらなる増額も検討されているというふうにお聞きしております。今後とも様々な動向を注視しつつ、市町村と円滑に意思疎通を図り、効果的な取組となるよう努めてまいります。       〔5番加藤康治君登壇〕 ◆5番(加藤康治 君)学校給食費については、臨時交付金の効果が出ているということが分かりました。引き続きこの臨時交付金の活用について呼びかけをお願いしたいと思います。  トラック運送業者の安定的な経営に向けた具体策についてですけれども、地域経済を支える重要な社会インフラである物流を維持するためには、やはりトラック運送業者への支援は重要だと考えます。全国を見ますと、一歩踏み込んで燃料費の助成を行う県もあります。いずれにいたしましても、実の上がる支援となりますよう強く要望しておきたいというふうに思います。  また、県と市町村が連携しての地方創生臨時交付金の効果的な活用についてでございますけれども、例えば、僅かな差で国の支援策の対象にならないといったケースもあります。その場合には、県あるいは市町村が対象にならない方に支援を行うといった連携も重要と考えます。  先行きが不透明な状況でありますけれども、皆様が安心して暮らすことができますよう、市町村と連携して、より多くの県民に広く支援が行き渡るような対応をお願いいたしまして、次の質問に移ります。  次に、環境教育及び学校施設のZEB化の推進について伺います。  地球規模での環境問題への取組であるSDGsや2050年のゼロカーボン達成に向けさらなる取組が急務ですが、公共建築物の中でも大きな割合を占める学校施設の老朽化がピークを迎える中、教育環境の向上とともに、学校施設を教材として活用し、児童生徒の環境教育を行う環境を考慮した学校、エコスクール事業が行われてきました。この事業は、現在、エコスクール・プラスとして、文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省が連携協力し、認定を受けた学校が施設の整備事業を実施する際に関係各省より補助事業の優先採択などの支援を受けることができ、これまで全国で約250校が認定を受けています。  このうち、文部科学省では、新築や増築といった大規模事業のほかに、教室の窓を二重サッシにする等の部分的な補助事業も行っており、この事業により電力を大幅に削減するとともに、児童生徒に快適な教育環境を整えることができた学校もあります。  また、太陽光発電や壁面緑化、自然採光等を取り入れた学校施設を通じ、仲間とともに環境問題や環境対策を学ぶことにより、科学技術への触発となるとともに、最新の技術等を学ぶ貴重な教育機会となっています。これまで学校施設で行われてきたゼロカーボンの取組や環境教育のさらなる推進のため、事業の加速化が必要であり、多くの学校での実施が重要と考えます。  そこで、何点かお伺いいたします。  県内の学校におけるエコスクール、エコスクール・プラスの導入実績について伺うとともに、導入した学校における省エネ効果や教育効果の状況について伺います。  カーボンニュートラルの達成やSDGs等の環境教育の充実に向け、国の補助事業の活用は非常に有効です。また、大規模事業だけでなく、LEDや二重サッシの設置といった部分的なZEB化への取組も重要と考えます。そこで、県立学校において、補助事業の積極的な活用や部分的なZEB化への取組を推進すべきと考えますが、いかがか。以上を今井教育次長に伺います。  県内において、学校施設のZEB化にできるところから取り組む自治体や学校を増やしていくことも大変重要と考えます。市町村に対してもしっかりと周知を行い、推進すべきと考えますが、いかがか。教育長に伺います。  次に、防災・減災対策としての危機管理型水位計の活用について伺います。  本格的な梅雨の時期を迎えていますが、近年、激甚化、頻発化している豪雨災害から県民の命や暮らしを守るため、早期の避難を促す仕組みの構築が重要と考えます。  全国各地で集中豪雨による中小河川の氾濫が相次いでおり、早期の避難のためには正確で迅速な情報発信が必要です。気象庁は、今月から、豪雨災害を引き起こす要因の一つである線状降水帯の状況を半日前から予報する取組を開始しています。線状降水帯予報を事前に知らせることにより警戒を呼びかけ、住民の早期の避難につなげていくこととしています。  また、現場に行かずにインターネットやスマートフォン等で河川の水位を確認できる危機管理型水位計の設置が大きく進んでいます。この水位計は、大雨などで河川の氾濫リスクが高まった場合にのみ10分ごとに水位を観測します。その結果をリアルタイムで見える化し、住民の備えを促す仕組みで、全国で9,000を超える箇所に設置されています。  2017年に発生した九州北部豪雨では、中小河川への水位計の未設置が住民の避難の遅れの一因と指摘されました。これを受け、2018年度から中小河川などへの危機管理型水位計の導入が本格的に行われているところです。災害から県民の命や暮らしを守るため、水位計のさらなる活用が重要と考えます。  そこで、お伺いいたします。県における危機管理型水位計のこれまでの設置状況や効果についてお聞きするとともに、3年前の東日本台風災害を踏まえ、防災・減災の観点から、今後も計画的、継続的に水位計を設置することが重要と考えますが、どのように取り組んでいくか。建設部長に伺います。  災害に備え、防災を学び、適時適切な避難行動を支援するため、県では信州防災アプリが昨年実用化され、多くの方に活用されています。信州防災アプリの地図に表示されてあるマークをタップすると水位計のデータが表示されるようになっていますが、全ての水位計について網羅されていない状況です。県民の迅速な情報収集のため、より多くの水位計のデータが地図上に表示され、水位の状況が確認できるようアプリの内容を更新すべきと考えますが、今後どのように取り組んでいくか。危機管理部長に伺います。       〔教育次長今井義明君登壇〕 ◎教育次長(今井義明 君)私には2点御質問をいただきました。  まず、エコスクール、エコスクール・プラスの導入実績と効果についてでございます。  エコスクール、エコスクール・プラスの対象となる県内の義務教育諸学校の状況でございますが、エコスクールについては、これまでに、小学校28校、中学校24校、施設一体の小中学校2校、特別支援学校1校の合計55校で導入されております。また、エコスクール・プラスは、令和3年度に小学校1校が認定され、合計56校が認定されているところでございます。  次に、導入した学校における省エネ効果でございますが、太陽光発電を導入した学校で、電気使用量が7%から20%程度削減できているところでございます。  また、教育効果といたしましては、太陽光や地中熱の発電量を示すパネルを校内に掲示することにより、児童生徒が自然エネルギーの利用を身近に捉え、節電への行動に結びつきやすくなっているという現場からの声がございます。また、生活科の授業で雨水タンクを活用しながら節水を学んだり、家庭科の授業でLED照明の省エネ効果を学ぶことなどにより、子供たちのSDGsへの理解が深まっていると承知しております。  次に、国の補助事業の活用や部分的な省エネルギー改修についてでございます。  2050ゼロカーボン達成のための第6次長野県職員率先実行計画におきまして、県有施設のゼロエネルギー化として、新築、改築する施設は原則ZEB化するとともに、改修する施設はできる限り消費エネルギーを削減するとされており、県立学校も当該計画に沿って対応を進めているところでございます。  例えば、新築、改築については、今年度より、特別支援学校2校、高校再編に伴う統合新校2校の整備に着手したところであり、まずはこの4校の整備事業の中で国の補助事業の活用を検討してまいります。  また、省エネルギー改修としては、昨年度及び今年度の2か年で県立学校の体育館照明器具のLED化に取り組むほか、今年度、松本ろう学校の中央廊下の窓ガラスをペアガラスに変更するなど、断熱性、気密性の向上を図る改修にも取り組んでおります。  今後とも、大規模改修や修繕といった県立学校の施設整備の機会を捉え、国の補助事業の活用や省エネルギー化を推進してまいります。  以上でございます。       〔教育長内堀繁利君登壇〕 ◎教育長(内堀繁利 君)ZEB化の取組を推進するための市町村への周知についてのお尋ねでございます。  学校のZEB化を進めていくためには、学校の設置者、管理運営者である市町村や市町村教育委員会、学校関係者の理解と協力が不可欠だと考えております。このため、県教育委員会では、市町村教育委員会に対し、エコスクール・プラス実施要項を配付するだけでなく、これまで学校施設担当職員向けに実施してきた研修会において、昨年度は、設計会社、照明機器やガラスのメーカーなどの専門家を講師とする動画を作成し、それを活用したオンライン形式の研修を実施したところであります。  受講者アンケートでは、学校施設の長寿命化計画と併せてZEB化を検討していきたい。財政的な課題もあるがLED化などを早期にできるところから進めていきたいなどの回答がありました。  引き続き環境部と連携しながら県内外の事例の情報提供を行うとともに、増改築を計画している市町村に対し、個別にZEB化の重要性やエコスクール認定による財政的なメリットを助言するなど、市町村の取組が促進されるよう支援してまいりたいと考えております。
     以上でございます。       〔建設部長田中衛君登壇〕 ◎建設部長(田中衛 君)私には危機管理型水位計の設置状況と効果、今後の取組に関する御質問をいただきました。  危機管理型水位計は、住民自らの命を守る避難行動の判断材料とすることを目的としており、市町村と協議を行いながら、対象とする河川、さらに狭窄部や集落の近くなど洪水の切迫感が住民に分かりやすく伝わる場所を選定した上で設置してまいりました。  平成29年度からこれまでに、175河川において310基を設置し、川の水位情報のホームページで水位を公表しており、昨年8月の大雨の際にも避難情報の発令や水防活動にも活用されるなど、住民の適切な判断に効果を発揮していると認識しております。  今後の水位計の設置につきましては、市町村の皆様の御意見もお聞きしながら、危機管理上より有効な場所への移設も含めて検討し、住民の皆様の避難行動につながる適切な水位情報の提供に努めてまいります。       〔危機管理部長前沢直隆君登壇〕 ◎危機管理部長(前沢直隆 君)信州防災アプリにおける水位の状況確認についてお尋ねをいただきました。  現在、信州防災アプリのトップ画面からは、水防法に基づく指定河川に設置された約100か所の水位計のデータは確認できるようになっておりますけれども、それ以外の河川に設置された危機管理型水位計については国交省のサイトから確認する仕様となっておりまして、直接アプリには表示されていないという状況でございます。  水位計の情報でございますけれども、これは、今建設部長からも御答弁申し上げたとおり、防災上も大変有益な情報であるというふうに考えておりますし、現在アプリの利用者の方に御不便をおかけしているということでございますので、今後は、お近くの河川の水位情報をより簡単に入手できるようアプリを改善する方向で前向きに検討してまいりたいと考えているところでございます。       〔5番加藤康治君登壇〕 ◆5番(加藤康治 君)学校施設のZEB化につきましては、やはり取り組む学校を増やしていくということが重要ではないかというふうに思います。今後も市町村と連携を取っていただきながら、より多くの学校で導入していただくようにお願いしたいというふうに思います。  危機管理型水位計の活用についてでございますけれども、私も、大雨や洪水の警報等が発表された際には、先ほど御紹介がございました川の水位情報で確認をすることにしています。これが信州防災アプリで確認することができれば、より利便性が高まると考えます。  先ほど、危機管理部長から前向きな答弁をいただきましたけれども、県民の早期の避難という観点からもアプリの充実を図っていただきますようお願いしたいというふうに思います。  今年も出水期を迎えております。大雨が降ると、どうしても心配になって現場を見に行きたくなってしまうという場合もあるかもしれませんけれども、この危機管理型水位計は、インターネット環境があれば、現場に行かなくても、いつでもどこでも河川の水位を確認することができます。市町村とも連携していただき、水位計のさらなる周知をお願いいたしまして、一切の質問といたします。ありがとうございました。 ○議長(丸山栄一 君)会議規則第13条第2項の規定により、本日はこれをもって延会いたしたいと思います。  次会は、明24日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑並びに決算特別委員会の設置等を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後4時7分延会...