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  1. 長野県議会 2022-06-21
    令和 4年 6月定例会本会議-06月21日-02号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 4年 6月定例会本会議-06月21日-02号令和 4年 6月定例会本会議 令和4年6月21日(火曜日)  出席議員(54名)   1 番 望月義寿    27 番 寺沢功希   2 番 小林君男    28 番 両角友成   3 番 小林あや    29 番 清水純子   4 番 清水正康    30 番 小池久長   5 番 加藤康治    31 番 酒井 茂   6 番 川上信彦    32 番 堀内孝人   7 番 山田英喜    33 番 石和 大   8 番 大井岳夫    34 番 依田明善   9 番 丸茂岳人    35 番 山岸喜昭   10 番 花岡賢一    36 番 小島康晴   11 番 池田 清    37 番 小林東一郎   12 番 熊谷元尋    38 番 毛利栄子   13 番 百瀬智之    39 番 和田明子   14 番 山口典久    40 番 諏訪光昭   15 番 小山仁志    41 番 丸山栄一   16 番 竹内正美    42 番 小池 清   17 番 竹花美幸    43 番 宮本衡司
      18 番 宮下克彦    44 番 清沢英男   19 番 大畑俊隆    46 番 鈴木 清   20 番 共田武史    47 番 高村京子   21 番 丸山大輔    48 番 宮澤敏文   22 番 髙島陽子    49 番 西沢正隆   23 番 荒井武志    50 番 風間辰一   24 番 埋橋茂人    51 番 佐々木祥二   25 番 続木幹夫    52 番 向山公人   26 番 中川博司    54 番 本郷一彦   55 番 萩原 清    56 番 服部宏昭  欠席議員(2名)   53 番 平野成基    57 番 望月雄内         ─────────────────── 説明のため出席した者   知事        阿部守一    観光部長      渡辺高秀   副知事       関昇一郎    農政部長      小林安男   産業政策監     伊藤一紀    林務部長      吉沢 正   危機管理部長    前沢直隆    建設部長      田中 衛   企画振興部長    清水裕之    公営企業管理者   総務部長      玉井 直    職務執行者・企   県民文化部長    山田明子    業局長       須藤俊一   県民文化部こど           財政課長      高橋寿明   も若者局長     野中祥子    教育長       内堀繁利   健康福祉部長    福田雄一    教育次長      尾島信久   環境部長      猿田吉秀    教育次長      今井義明   産業労働部長    林 宏行    警察本部長     小山 巌                     監査委員      田口敏子         ─────────────────── 職務のため出席した事務局職員   事務局長      村松敏伸    議事課主事     松橋高志   議事課長      矢島 武    総務課課長補佐   宮島文明   議事課企画幹兼   蔵之内真紀   兼庶務係長   課長補佐              総務課担当係長   津田未知時   議事課担当係長   矢島修治         ───────────────────  令和4年6月21日(火曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    知事提出議案(日程追加)      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    諸般の報告    知事提出議案    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時開議 ○議長(丸山栄一 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △諸般の報告 ○議長(丸山栄一 君)次に、諸般の報告は、お手元に配付したとおりであります。朗読は省略いたします。       〔議案等の部「2 諸般の報告」参照〕          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △知事提出議案の報告 ○議長(丸山栄一 君)次に、知事から議案の提出がありましたので、報告いたします。       〔職員朗読〕                                令和4年6月21日   長野県議会議長 丸 山 栄 一 様                           長野県知事 阿 部 守 一         令和4年6月長野県議会定例会議案提出書  議案を別紙のとおり提出します。 第 20 号 公安委員会委員の選任について 第 21 号 教育委員会委員の選任について       〔議案等の部「1 議案 (1)知事提出議案」参照〕 ○議長(丸山栄一 君)以上であります。  ただいま報告いたしました知事提出議案を本日の日程に追加し、その順序を変更いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △知事提出議案 ○議長(丸山栄一 君)本件を一括して議題といたします。  お諮りいたします。本件については、それぞれ会議規則第44条の規定により提出者の説明を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(丸山栄一 君)御異議なしと認めます。よって、本件はそれぞれ提出者の説明を省略することに決定いたしました。  これらの議案は、本日から行う質疑の対象に供します。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(丸山栄一 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  お手元に配付いたしましたとおりの議員から行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑の通告がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。  順次発言を許します。  最初に、荒井武志議員。       〔23番荒井武志君登壇〕 ◆23番(荒井武志 君)皆様、おはようございます。改革・創造みらい、千曲市・埴科郡区選出の荒井武志でございます。  初めに、このたびの自民党県議団幹事長であられました垣内基良議員の突然の訃報に接し、痛惜の念に堪えません。日頃の気さくなお声がけに感謝を申し上げるところでございます。この場に、「荒井」と声が飛んできそうな気がしてなりません。謹んで哀悼の誠を捧げさせていただきます。  さて、知事は、過日の6月定例会における議案説明の結びに、「社会経済活動の再生・復活はコロナ対策への協力を求めてきた私の責務であり、また、直面する危機に対処していくことこそ私に課せられた使命であると考えるに至りました。その上で、県民の皆様のため、長野県の発展のため、これからも全身全霊で県政に取り組むとの強い覚悟を固め、過日、来る知事選挙に立候補する旨の表明をさせていただきました。」と固い決意を表明されました。3期12年の足跡を何度も何度も振り返り、出された決断だったのではないかと拝察するところです。  初めに、知事の3期12年間の総括についてであります。  知事は、12年以上も前に出版された「社会を変えよう、現場から」の御著書の中で、過去の自治省時代を踏まえ、やはり霞が関では日本をよくできない。現場だ。社会を変えるには暮らしの現場から発想していかなければと思うに至り、その強い一念で最初の知事選に臨まれたと承知するところです。  その第2節、「行政を変える」の項で、「住民と行政の間にある壁とは」、「行政組織の中にある壁とは」、「国・自治体、都道府県・市町村の間にある壁とは」を指摘され、情報の共有や組織上の工夫の重要さ、地方分権の推進、地域主権の確立の必要性を訴えられています。  そこで、知事にお伺いします。  一つに、「社会を変えよう、現場から」の思いで12年前に出馬されたと理解していますが、出馬に当たって、行政にある三つの壁、1、県民と県行政との間にある壁、2、行政組織の中にある壁、3、国、県、市町村との間にある壁を指摘されました。3期12年の取組や経過を踏まえ、三つの壁を乗り越えるために取り組んでこられた成果と課題をどのように捉えていますか。  二つに、4年前、しあわせ信州創造プラン2.0の実現に向け、「攻めと守りの政策パッケージ~テイクオフ3+1~」として、三つの視点、「子どもや若者が希望を持てる」、「歳を重ねても安心して暮らせる」、「元気な産業が暮らしを支える」、プラス「県庁しごと改革と独自条例の活用」を掲げ、3期目の任期が始まった3日後には既に具体的政策に着手され、4年間の中で具体化の実をそれぞれ上げてこられたものと思います。  さきの提案説明では、平時とは全く異なる危機対応の中、精いっぱい取り組み、様々な分野の施策を進め、県政を前進させ、一定の成果を上げてくることができたと胸のうちを吐露いただきました。  そこで、この攻めと守りの政策パッケージに関連して、以下の6点について知事にお伺いします。  一つに、「子どもや若者が希望を持てる」の項に掲げたフォーラム開催等による「学びの県づくり」のオール信州・県民運動化の取組はいかがですか。  二つに、「歳を重ねても安心して暮らせる」の項に掲げた地域医療の持続可能性確保のための医療機関の機能分担、連携強化はどのように進みましたか。  三つに、「元気な産業が暮らしを支える」の項に掲げた機動的な政策推進のための産業イノベーション推進本部の機能強化や医療機器産業振興ビジョンの策定と事業化開発センターの設置に関連して、ようやく発足した県産業振興機構の機能発揮と今後の方向性についてはいかがでしょうか。  四つに、同じく「元気な産業が暮らしを支える」の項に掲げた総合的に市場開拓等を行うために設置した長野県営業本部はどのように機能していますか。  五つに、「県庁しごと改革と独自条例の活用」の項に掲げた地域の思いに寄り添う移動知事室の取組はいかがですか。  六つに、加えて、攻めと守りの政策パッケージ全体を通しての評価と課題をお伺いします。  次に、提案説明で触れられた今任期の大半のみならず、知事就任中の12年間は、幾つもの地震や火山噴火、毎年のように襲来する台風や集中豪雨災害などの自然災害や新型コロナウイルス感染症との闘いであったといっても過言ではないと思いますが、知事の率直な所感と今後への課題についてお伺いします。  続いて、コロナ禍後における経済活性化策についてです。  一つに、現在取り組まれている観光クーポン、信州割SPECIALは、当初の予定から1か月延長し6月末までとし、延べ泊数も6,000泊まで拡大しているところですが、利用施設によっては割当枠を使い切ってしまうところもあるのではないかと危惧します。
     一方、政府は7月上旬にも県民割を拡大するなど、新たな旅行需要喚起策に乗り出すとの報道があったところですが、利用状況と、延べ泊数の上限制限など今後の見通しはいかがでしょうか。  二つに、先頃、コンビニエンスストア関係者から、観光クーポンはスーパーマーケットやコンビニなどが外されている。県外客からなぜ使えないのかと何件も苦情が寄せられているとの切実な訴えがありました。隣県では対象施設になっているともお聞きするところです。  とりわけ、コンビニの多くは中小零細の個人オーナーであり、利用者のニーズも考え合わせれば、対象施設を定める条文のただし書、土産物店については、量販店やコンビニエンスストアは対象外とするとの除外規定の見直しが必要であると考えますが、観光クーポンの取扱いについての考え方と今後の取組をお伺いします。以上2点、観光部長に伺います。  次に、政府は、6月10日、事前に、密を避けてのツアー行程の作成や、マスク着用、医療保険加入の要請、添乗員が参加者の行動履歴を記録するなど旅行業界向けの新型コロナウイルス感染防止対策をまとめたガイドラインを公表し、インバウンドを再開。しかし、日本は、主要国で唯一一日当たりの入国者数2万人と制限を設けているほか、個人旅行はまだ認められていません。  日本政府観光局は、4月、韓国、中国、米国など重点22か国・地域の人口45億人余りのうち訪日旅行の潜在的な市場規模を約3億3,000万人と推計。とりわけアジアには、日本の地方を訪れたいという人が多いとの報告がありました。  本格実施、コロナ禍前の活況を呈するまでには相当の日数や様々な課題の解決や克服が必要になってくるものと思います。このような状況下にあるわけですが、長野県の経済活性化にはインバウンドの取組が絶対に欠かせません。5月24日からは小規模訪日ツアーの実証事業が開始され、当県にも来訪されましたが、結果の受け止めと、今後のインバウンド施策の方向性をどのように考えていかれますか。知事にお伺いします。  次に、県内への本社移転減少との見出しが目についた新聞報道。人の移住関係では社会増が年々増加しているのになぜとの思いでした。  長野県は、2019年の12社に対し21年は2社減の10社であるとする本社機能の移転に関し、減少傾向にある旨の報道でしたが、このことをどのように受け止めていますか。二つに、今後の本社機能の移転誘致に向けた活性化策はどのように進めていきますか。以上2点、産業労働部長に伺います。  次に、さきの2月定例県議会の企画振興部長の提案説明で示されているとおり、「公共交通は、通勤・通学や通院など日常生活を維持することはもとより、自家用車への依存から脱却し脱炭素社会への移行を進めるためにも極めて重要な社会基盤です。」としています。人口が減るから利用者が減り、利用者が減るから減便を行う。乗りにくく不便になるから乗らなくなるという悪循環に陥っていると思っています。知事も、5月17日の知事選への出馬会見で、公共交通の再構築を大きな課題の一つに挙げられているとの報道がありました。  一方、昨年の社会動態における国内移動は、前年に比べて転出超過が大幅に改善し、転入者数も過去10年で最多となったとのことです。コロナ禍なので一時長野県へという方々もおられるのではないかと感じるところもありますが、信州回帰の促進が図られていると思うところです。  そこで、伺います。人口減少抑制策として、公共交通の再構築や移住促進施策、信州回帰プロジェクトの推進は重要であると考えていますが、現状課題と今後への取組はいかがでしょうか。企画振興部長に伺います。  次に、障害者情報アクセシビリティー・コミュニケーション施策推進法の制定についてです。  去る5月25日、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律、いわゆる障害者情報アクセシビリティー・コミュニケーション施策推進法が施行されましたが、その目的では、全ての障害者があらゆる分野の活動に参加するためには、情報の十分な取得、利用、円滑な意思疎通が極めて重要であり、障害者による情報の取得、利用、意思疎通に係る施策を総合的に推進し、共生社会の実現に資するとしています。  これに先立つ形で、2月定例県議会に提案され、可決、成立した障がいのある人もない人も共に生きる長野県づくり条例では、障がいのある人に対する差別をなくし、多様な価値観を認め合い、お互いの人格と個性を尊重し合う共生社会の実現を目的とし、これを実現するための基本理念を、人権の尊重やあらゆる社会参加の推進、生活することを自分で決める権利の尊重、意思疎通手段の確保など7項目を盛り込み、基本的施策に、意思疎通等の手段の利用促進や医療、介護等の支援、学びの場の選択、就業機会や住宅の確保、権利擁護の推進、災害への対応など11分野における県の取り組むべき方向が示されているところです。  そこで、伺います。  一つに、情報分野のバリアフリー化に向けて、さきの通常国会で成立したいわゆる障害者情報アクセシビリティー・コミュニケーション施策推進法について、今後は、一つ、情報伝達機能やサービスの開発に対する助成。二つ、防災防犯情報を迅速、確実に得られる設備や機器の設置。三つ、多様な手段で緊急通信ができるような仕組みの整備。四つ、手話通訳など意思疎通支援者の確保や参政などの取組などが県政に求められてくると理解していますが、去る2月定例会で可決した障がいのある人もない人も共に生きる長野県づくり条例に定める基本的施策との関連性をどのように捉えているのでしょうか。  二つに、情報分野のバリアフリー化に向けて今後どのように取り組んでいくのか、考え方や方向性を伺います。いずれも福田健康福祉部長にお伺いします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)順次御質問にお答え申し上げたいと思います。  まず、私の12年間の総括という観点で何点か御質問をいただきました。  まず初めに、「社会を変えよう、現場から」という私の本に書かれている三つの壁、県民と県行政の間の壁、行政組織の中の壁、そして、国、県、市町村の壁、この三つの壁を乗り越えるためどう取り組んできたかという御質問であります。  私は公務員生活を長く経験してきておりますが、今申し上げた三つの壁によって本来の地方自治が実現できていない部分があるのではないかというふうな問題意識を持ってこれまでも取り組んできました。  まず、県民の皆様方と我々県行政との間にある壁を乗り越えるための取組でありますが、これにつきましては、例えば、県政タウンミーティングランチミーティングで、私は県民の皆様方に率直な意見を言わせていただき、また、県民の皆様方からも率直な意見をお伺いするという場を設けてきました。  また、移動知事室ということで、長野県は広い県土で、この長野市に私がいるだけではなかなか実情が分からないということで、私のほうから様々な場所にお伺いさせていただき、多くの皆様方との対話も行わせていただきました。  また、県民ホットラインということで、直接いろいろな意見を伺って、基本的には部長が回答しておりますが、私も対応については見させていただいて、必要があれば私のほうからも助言して改善対応を促してきたところであります。  さきに犯罪被害者等支援条例を制定いただいたわけでありますが、犯罪被害者の御遺族の方とも直接対話をさせていただき、そして、その皆様方の思いを受け止めた上で、まだ提出前ではありますけれども、条例案の案文も原案から少し修正させていただいたところであります。  私ども長野県という行政組織は県民の皆様方のためにある組織でありますので、行政と県民の間の壁がなくなるように、これは、私のみならず、県組織を挙げてしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。  それから、2点目の行政組織の中にある壁ということでありますが、もとより、各部で分担して仕事を進めているわけでありますが、とはいえ、昨今の課題は、部局だけの視点、それぞれの課だけの視点では対応できないものが増えてきています。例えば、ゼロカーボン推進室やDX推進課など全庁にまたがる施策を総合的に取り組んでいく課室の設置、また、産業政策監は4月から部長職とは切り分けさせていただきましたけれども、産業分野は、例えば人材確保や地域内経済循環、こうした分野は各部縦割りでは対応できませんので、そういう意味でこの産業政策監というポストを置きました。  また、次長制をつくりました。多くの都道府県ではかなり前から次長というポストはありますが、長野県は、これまで、簡素な組織ということで置いてきませんでしたが、やはり部局間の連携調整を主要な任務として次長職を設置して、できるだけ縦割り的にならないように、これは自分の仕事ではないというようなことにならないように、組織全体で対応を進める体制を構築してきたところであります。  また、今年度からは、創造的活動支援制度ということで、職員が勤務時間の20%以内を使ってほかの部局の仕事にも協力できるという仕組みの試行を始めたところであります。  どうしても縦割りで仕事をしていかなければいけない部分もありますが、とはいえ、総合的に対応できるように今後ともいろいろな取組を通じて改善していきたいと思っています。  それから、国、県、市町村の壁であります。  国との壁は正直言って厳しい部分があるというふうに思っておりますが、それでも、知事会において、私も分権改革委員会に参加させていただき、計画の義務付けを国に提案して、今回、国も大分問題意識を持って計画と施策のセットは改めていこうという方向性を出してもらいました。  また、県としても分権改革の提案募集に積極的に対応させていただいたところでありますし、特に、市町村との関係では、地域振興局の設置、県と市町村の協議の場の活用など、できるだけ市町村と私ども県が同じ方向を向いて取り組めるように工夫をしてきたところであります。特に、新型コロナ対応については、かなり頻繁に市長会、町村会の皆様方と意思疎通を図らせていただき、様々な県民の皆様方への要請の徹底やワクチン接種の推進に成果を上げてきたというふうに思っております。  以上申し上げたように、三つの壁は、それぞれいろいろな工夫をしてきたところでありますが、まだまだ道半ばの部分もあろうというふうに思います。特に、国と地方の分権については、非常に厚い壁がまだあるなというのが私の率直な思いでありますので、引き続き全国知事会等も通じながら、より国民、県民のためになるような地方分権の実現に向けて取り組んでいきたいというふうに思っております。  それから、4年前に提示させていただきました攻めと守りの政策パッケージについて何点か御質問をいただきました。  まず、「学びの県づくり」のオール信州・県民運動化の取組についてという御質問であります。  攻めと守りの政策パッケージは、しあわせ信州創造プランのスタートと同時期でありましたので、そういう意味では、現行総合計画の実現に向けたテイクオフの位置づけとして様々な施策に取り組みました。  そうした中で、学びについても、「学びと自治の力で拓く新時代」の下、まずは学びの重要性というものを広く県民の皆様方にお伝えしていこうということで学びの県づくりフォーラムを開催してきたところであります。養老孟司さんや池上彰さん、こうした方を通じて学ぶことの重要性や大切さを多くの皆様方と共有しました。  その後、県民の皆様方と一緒にこの学びの県づくりを進めていこうということで、Learn by Creation NAGANOというイベントを始めたところであります。これは、様々な特色ある学びや教育に関係している皆様方と一緒に学びについての考え方を深めていく、また、多様な学びについて共有していく、こうした思いの下で開催してきたところであります。  こうしたことを端緒といたしまして、例えば、信州やまほいくの広がり、県立大学ソーシャル・イノベーションの地域と連携しての推進、また、新しく設置した県立美術館におけるこどもアートラボという学びの要素を取り入れた取組、さらには県立図書館においての信州・学び創造ラボの開設など、様々な分野でこの学びの県づくりを深めてきたところであります。引き続き多くの皆様方とこの学びの重要性、意義というものをできるだけ広く共有しながら取組を進めていきたいと思っております。  続きまして、地域医療についてであります。  高齢化が進む中にあって、地域医療の持続可能性をどう担保するかというのは大変重要な課題だというふうに思っております。特に、限られた医療資源を最大限有効に生かしていくためには、病床の機能分化と連携を進めていくということが極めて重要だというふうに思っております。  そうした観点で、これまでも地域ごとの皆様方の御議論の下で、例えば、急性期から回復期への病床の転換や介護療養病床を介護医療院に転換していくといったようなことを各地域における病院同士の機能分担の考え方の下で進めてきたところであります。  ただ、新型コロナウイルス感染症の影響で、今は医療関係者の皆様方はコロナ対応に専念しなければいけないということで、地域医療構想の調整会議の開催が非常に制限されてきました。最適な医療をどうつくるかという観点で継続的にこの問題に取り組んでいきたいというふうに思っております。  それから、3点目でありますが、産業振興機構の機能発揮と方向性という御質問であります。  テクノ財団と中小企業振興センターの二つの組織を統合してスタートしたわけでありますけれども、両財団がそれぞれ行っていた機能の一元化、ワンストップ化を進めました。また、五つの地域センターで経営相談窓口機能を有するということで、地域における利便性の強化も図らせていただいたところであります。  また、成長期待分野、航空や宇宙、メディカル、食品、こうした分野のコーディネート機能や、DXやグリーントランスフォーメーション、GXの支援体制を充実させているところであります。ジェトロや県の営業局とも連携しながら、アフターコロナを見据えた海外販路の再構築も進めていきたいというふうに思っております。  引き続き、関係機関と連携しながら、イノベーション・エコシステムの構築をはじめ、県内産業の持続的発展に貢献できる組織となるように県としても支援をしていきたいと考えております。  続きまして、営業本部であります。  これについては、長野県にはいいものがあるけれども発信がうまくいっていないのではないかということがあり、営業本部や営業局を設置して取り組んできたところであります。これまでもかなり営業局に頑張って取り組んでいただいています。例えば、首都圏の複数の大手スーパーに直接働きかけて長野フェアを新たに開催してもらうといったようなことも行ってきていますし、また、県外のカフェレストランチェーンに対する食材提案やウェブを使っての商談会の開催といったようなことで、コロナ禍でなかなか対面での対応が難しい中でもできる限りの販路開拓に努めてきたところであります。  今、しあわせ商談サイトNAGANOやオールNAGANOモールなど、事業者の皆様同士がつながる場や消費者向けの県産品のサイトを構築させていただいているところでありまして、引き続き国内外に長野県の優れた物産をしっかり発信して、そして、発信するだけではなく、具体的な商取引につながるように取り組んでいきたいというふうに考えております。  それから、移動知事室についてであります。  平成26年度に開始して、これまでに24回開催してきています。ここ最近の4年間は、東日本台風災害や新型コロナ感染症への対応が迫られたわけでありますが、開催方法を工夫しながら、実はコロナ前に比べて開催頻度を増やして行わせていただいたところであります。冒頭で申し上げたように、地域の皆様方との対話は非常に重要だと思いますので、今後ともしっかり継続していきたいと考えております。  それから、全体としての評価と課題という御質問であります。  攻めと守りの政策パッケージは、しあわせ信州創造プラン2.0を進めていく上で土台となる取組をできるだけ集中的に実施してきたものであります。今申し上げたように、一定の成果が上がってきているというふうに思っておりますが、令和元年東日本台風災害や新型コロナの影響で、先ほどの持続可能な医療体制の構築のような部分など、これからも継続して取り組まなければいけない課題がたくさん残っているというふうに思っています。引き続き取組を進めていきたいと思いますが、総体としては、しあわせ信州創造プラン2.0を進めていく上で大きな役割を果たしたものというふうに考えております。  続きまして、この12年間は自然災害、コロナとの闘いであったと言っても過言ではないけれども、率直にどう考えているのかという御質問であります。  もとより、知事として仕事をする上では、県民の皆様方の思いに寄り添って、明るく希望の持てる安心な社会をつくっていくということが重要だと思いますが、そうした中で、いつ何どき襲ってくるか分からない危機事象への対応ということも県知事として重要な役割であるということを改めて痛感しているところであります。  様々な災害がありました。お亡くなりになられた皆様方に心から御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様方にはお見舞いを申し上げたいというふうに思います。また、今でもつらい思いをされている方がいらっしゃいますので、そうした方々へしっかりと思いを寄せながら様々な政策を進めていきたいというふうに思っております。  また、地震災害、台風災害、噴火災害、こうした災害の対応に当たりましては、国や市町村をはじめとする行政関係機関、医療関係者、経済団体等の様々な団体の皆様方、そして、多くのボランティアの皆様方をはじめ、県民の皆様方の大変な御協力と御支援をいただく中で、県民の総力を挙げて乗り越えてきたわけでありますので、私としてはそうした皆様方にも改めて感謝を申し上げたいと思っております。  近年、気候変動の影響もあり、災害の激甚化、頻発化ということが言われています。こうした危機にあって、まずは事前の守りをしっかり固めるということ、それから、いざというときに速やかに対応できる態勢をあらかじめ備えていくこと、こうした点に留意しながらこれからも対応していきたいと思います。防災・減災、県土強靱化を進めるとともに、逃げ遅れゼロをはじめとするソフト対策の推進にも力を入れていきたいと考えております。  それから、私に対する御質問の最後でありますが、観光の関係で、訪日観光実証事業の結果と受け止め、今後のインバウンド政策の方向性についてという御質問であります。  まず、この実証事業につきまして、長野県は積極的に対応させていただき、六つのツアーで長野県を訪れていただきました。県の観光部と観光機構の職員もツアーに同行させていただき、今後の訪日旅行に対するニーズ、課題について参加者の皆様方との意見交換を行わせていただきました。魅力的な観光地であり、積極的にツアー造成を考えていきたい、また、水際対策を一層緩和してほしい、こうした御要請もいただいているところであります。引き続き、県としては、インバウンドの再開に向けた受入れ側としての準備もしっかり進めていきたいというふうに思っております。  今後の方向性でありますけれども、コロナ前までは約160万人泊に近い外国人の旅行者をお迎えしてきた長野県でありますが、コロナで激減しているという状況であります。観光関係者の皆様方のインバウンドに対する期待は大変大きなものがあるというふうに受け止めておりますし、先日世界経済フォーラムが出した旅行・観光競争力ランキングにおいては我が国が1位ということで、日本の観光は今世界からも注目されているというふうに考えております。  こうしたことを踏まえまして、国の水際対策の動向も見極めつつ、県としては、まずオーストラリア、東南アジアなど本県への訪問実績が多い国をターゲットとした観光プロモーションを展開していきたいというふうに考えております。また、今後個人旅行の拡大も行われてくると思いますので、北米等もターゲットに加えて雑誌への記事掲載やデジタル広告も行っていきたいというふうに思っています。  こうした取組は、インバウンドが再開されたときに多くのお客様をしっかりお迎えすることができるように、また、観光業の観点からはビジネスチャンスを逃すことがないように、引き続き市町村や観光関係の皆様方と状況認識を共有して積極的なインバウンドの受入れに向けた取組を進めていきたいと考えております。  私に対する質問は以上でございます。       〔観光部長渡辺高秀君登壇〕 ◎観光部長(渡辺高秀 君)私には2点のお尋ねをいただいております。  まず、信州割SPECIALの利用状況と上限制限など今後の見通しについてでございます。  信州割SPECIALは昨年の6月から実施しており、現在、宿泊事業者や旅行会社2,451社に参加をいただき、これまでに宿泊割では延べ102万泊、日帰り割では6万人に利用をいただいているところでございます。  上限数については、割引期間の延長や割引対象地域の拡大に合わせて引き上げてきたところであり、現在上限数に達している施設の報告はないところでございます。国からは、対象地域の全国への拡大が示されているところですが、割引率の設定等多くの変更点もあることから、今後国から示される予定の具体的な取扱い等も踏まえ、上限数等を含め検討してまいります。  次に、観光クーポンの取扱いについての考え方と今後の取組についてでございます。  信州割SPECIALの観光クーポンの取扱いについては、新型コロナウイルス感染症の拡大により県内外からの観光客が大きく落ち込む中で、特に影響の大きい土産物店や飲食店など観光関連施設を対象としてきたところでございます。  今後につきましては、当該割引制度が全国に拡大されることに伴い、クーポンの取扱いについても変更が示されており、国の具体的な取扱いや他県の状況を踏まえつつ対象施設についても検討してまいります。  以上でございます。       〔産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業労働部長(林宏行 君)私には2点御質問をいただきました。  まず、御指摘をいただきました首都圏からの本社移転についての報道は、3年前の12件と2021年の10件を比較したものです。しかしながら、2021年の首都圏を含む全国からの本社移転の件数は17件あり、3年前の2019年と比較するとむしろ1件増加となっております。また、転出と転入を比較した件数の推移を見ますと、長野県は9年連続で本社転入が超過しており、過去10年間の累計でも全国第8位となっております。  コロナ禍により、企業活動におけるオンラインやテレワークなど場所を選ばない働き方も定着しつつある中、議員御指摘のとおり、本社機能等を誘致する好機と受け止めております。  次に、本社機能移転誘致に向けた活性化策についてです。  日本政策投資銀行の調査によれば、今後企業が国内に残す業務部門は、企画・経営管理、研究開発、マザー工場による基幹部品生産等いわゆる本社機能等が中心とされております。こうした分野を首都圏のみならず全国から積極的に誘致し、地域経済の活性化につなげてまいりたいと考えております。このため、県の支援策である本社等移転促進助成金については、昨年度、助成金額の上限を820万円から3億円へと拡充、設備取得経費の助成率を4%から12%にするなど制度の充実を図ったところです。  さらに、本定例会で御審議いただきます県税条例の一部改正案では、本社移転に関する事業税や不動産取得税の減免等の2年間延長、対象となる施設整備期間を2年から3年に拡大、対象分野に新たに情報サービス事業部門を追加するなど支援内容の充実をお願いしているところです。  また、企業誘致に当たりましては、企業の設備投資計画等に関する情報収集を広範囲に行うとともに、スピーディーな対応が何より重要と考えております。このため、東京、名古屋、大阪の企業立地推進役4名と、千曲市、飯島町からの派遣職員による常勤体制に加え、本県出身の企業経営者など26名を産業立地推進委員として委嘱し、必要に応じ金融機関等と連携するなど戦略的な誘致活動を進めてまいります。  以上でございます。       〔企画振興部長清水裕之君登壇〕 ◎企画振興部長(清水裕之 君)私には公共交通と移住促進施策の現状認識と今後の取組についてお尋ねがありました。  まず、公共交通についてであります。  県民の暮らしを支え、また、県内外の交流を促進する上で重要な社会基盤である公共交通は、人口減少、少子高齢化に加え、コロナ禍が重なり、民間事業者の独立採算により維持していくことが困難な状況になりつつあると認識しております。  このため、昨年11月、交通事業者、行政、利用者などが参画する長野県公共交通活性化協議会を立ち上げ、10圏域ごとの地域別部会も含めて交通ネットワークの最適化に向けた検討を進めているところであります。行政がこれまで以上に主体的に関わりながら官民の適切な役割分担を踏まえた持続可能な地域公共交通システムの構築を図ってまいります。  次に、信州回帰プロジェクトについてであります。  コロナ禍を契機とした意識の変化やテレワークの普及などにより、首都圏の若者や企業を中心に地方での生活や働き方への関心が高まっており、令和3年度の本県への移住者数は2,960人と前年度より500人以上増え、過去最高となったところであります。  この動きを一過性のものとすることなく、確かな人の流れへとつなげていくため、本県の強みである豊かな自然を生かし、農ある暮らしや信州やまほいくなど信州らしい暮らしの提案、新たなワークスタイルである信州リゾートテレワークの推進など、特に若者・子育て世代をターゲットに、本県で暮らし、働く魅力を積極的に発信し、信州回帰プロジェクトを一層推進してまいります。  私からは以上です。       〔健康福祉部長福田雄一君登壇〕 ◎健康福祉部長(福田雄一 君)2点御質問を頂戴しております。  まず、障害者情報アクセシビリティー・コミュニケーション施策推進法と障がい者共生条例の関連性についての御質問でございます。  障害のある方が社会の一員としてあらゆる分野の活動に参加する上で必要な情報を取得、利用し、円滑に意思疎通を図ることができることは極めて重要と認識しております。  そこで、県は、本年4月に施行いたしました条例におきまして、国に先駆けて、意思疎通及び情報の取得、利用、発信の手段について選択の機会が確保されることを基本理念に掲げ、意思疎通等の手段の利用促進等を基本的施策の一つとして規定したところでございます。  条例に規定したこれらの情報保障に関する規定は、障害者の皆様の声を伺い、明文化したものでございますが、今般成立した法律の趣旨は既に条例に盛り込まれているものと認識しております。
     次に、情報分野のバリアフリー化に向けた今後の県の取組についての御質問でございます。  コミュニケーションに障害のある方への情報支援といたしまして各圏域に手話通訳者を配置、手話通訳者、要約筆記者、点訳や朗読の奉仕員や失語症者向けの意思疎通支援者等の養成、点字図書館の運営費助成、長野県聴覚障がい者情報センターによる動画の作成、市町村が実施する意思疎通支援の取組の支援など様々な施策を実施しております。また、タブレットやスマートフォン等の情報通信技術を活用した意思疎通の支援にも取り組んでいるところでございます。  情報保障は、基本的人権を尊重する観点から、自立と社会参加を促進する上で必要不可欠なものでございます。今後は、法律及び条例の規定を踏まえまして、情報保障に関する合理的配慮の提供につきまして職員への研修による意識改革や事業者への啓発等の取組を行うとともに、デジタル技術の活用にも努め、情報分野のバリアフリー化を一層進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔23番荒井武志君登壇〕 ◆23番(荒井武志 君)それぞれ答弁をいただきました。  初めに、知事の県政に対する12年間の総括や思い、今後への課題などをお伺いしたところであります。いずれにしても、情報共有の大切さということを痛感させていただきました。  県民の皆様の知事の県政の評価は常に80%を超えている状況にあると承知していますが、裏を返せば、20%、40万人近くの方々はもう少し何とかしてほしいと思われているのではないかと推察されるところであります。  知事には、真に誰にでも居場所と出番のある県政、そして、ここ数日続いている能登半島での強い地震に思いを致し、県民に安全、安心が確実にもたらされ、今日もいい一日だったと県民一人一人が肌で感じられる県政の推進が図られるよう改めて要望し、次の質問に移ります。  続いて、第三次高校再編・整備計画案についてです。  県教育委員会は、5月24日の定例会で、高校再編・整備計画の最終案となる第三次案を決定し、公表しました。私に身近な旧第3、旧第4通学区に関連し、質問したいと思います。  第三次案において、旧第3通学区では、全日制の長野東高校が長野市内の定時制や通信制を統合する形で多部制・単位制と通信制の機能を備えた長野東スーパーフレックス新校に。旧第4通学区では、農業科の更級農業、普通科と商業科の松代、普通科と家庭科の屋代南が統合再編される形で、長野千曲総合技術新校(仮称)と普通科の松代とするものでございます。この第三次案をまとめるまでには、旧通学区ごとに設置された協議会や懇話会からの意見提案、要望などを慎重かつ丁寧に検討、議論いただき、決定に至ったものと推察するところでございまして、深く敬意を表するところでございます。  さて、この第三次案は、今後、県議会での議論や当該地区での住民説明会等を経て確定していくとのことですが、地元の皆様の様々な思いや熱意を改めて思い起こしつつ、以下、質問いたします。  一つに、都市部存立専門校に位置づけられている松代高校については、このたびの第三次案で、先ほど申し上げたように、長野千曲総合技術新校(仮称)と松代高校普通科に再編する案が示されましたが、仮に再編統合が実現した場合、普通科のみとなる松代高校の再編に関する基準等の区分はどうなっていくのでしょうか。  二つに、松代高校普通科の例示で、戦争遺構等を活用した特色ある学びの推進としていますが、同趣旨の取組は、既に管内の私立高校が長期にわたり取り組んでおり、大きな成果を上げているとお聞きしているところであり、同校と競合してくるのではないかと推察いたします。同校への相談や同意などにはどのように関わってこられたのでしょうか。  三つに、統合後の長野千曲総合技術新校(仮称)でございますが、設置場所が未定とのことですが、名称に「千曲」と入れたその意味合いをお伺いします。  四つに、旧第2、第3、第4通学区を見た場合、大都市の長野市のみ高校数が現状どおりになっています。他地区からも批判があったように、一極集中型の計画で、これこそ周辺地域の生徒が犠牲にならざるを得ない。地域の均衡ある発展の趣旨でどのように考えているのでしょうか。以上4点について内堀教育長にお伺いします。  続いて、戦後長野県史の編さんについてです。  昨年11月の定例県議会には、信濃史学会から「長野県史現代編等の編纂事業実施と公文書・地域資料の保存・活用の充実を求めることについて」の請願が提出されました。現在の長野県史は、1945年(昭和20年)の敗戦前後までの記述しかなく、戦後を含めた編さんは信濃史学会などにとって長年の懸案だったとのことであります。  75年以上前からの資料となると、資料の散逸や廃棄が相当進んでいるのではないか。加えて、生き字引とも言える各地域の地元の歴史に精通した研究者が年々減ってきていることなど大変危惧するところでございます。これらを踏まえ、この請願は、慎重審議の結果、採択となったところです。その後の処理経過及び結果を拝見しますと、県史の編さんに当たっては周到な準備が必要となるため、令和4年度から教育委員会内に検討チームを設置し、着手時期や事業規模等について検討してまいるとされています。  また、昨年11月に、我が会派、改革・創造みらいの予算要望提案で申し上げましたとおり、戦後の長野県史編さんを早急に始めるよう要請したところですが、検討状況はいかがか。内堀教育長にお伺いします。  続いて、松本の食肉処理施設についてです。  令和4年6月1日付で、私に文書により食肉処理施設の整備に関する要請がありました。  JAグループを中心に運営している株式会社長野県食肉公社について、令和4年1月に、松本市から、新たなごみ焼却施設の移設に伴い、長野県食肉公社が無償で使用している市有地を令和6年度までに返還するよう求められています。現在、県が設置する長野県食肉施設検討会の松本施設作業部会やJAグループ独自プロジェクトの場において対応を検討してまいりましたが、代替候補地については、多方面から情報提供を試みたものの、いまだ選定には至っていない状況です。このまま候補地も見つからない場合、松本の食肉処理施設は閉鎖せざるを得ません云々として、新施設の整備が整うまで、現行体制維持のために県や市町村の支援を、代替地の探索に協力を、極めて公設に近い形による施設整備などが要望内容でございました。  このことについて、県は、5月31日に県農協グループの皆様と知事も交えた懇談をされ、新施設の整備が整うまで現行体制が維持できるよう関係市町村に働きかけてほしい、中南信地域を主体にした代替地探しの協力を、施設整備は限りなく公設に近い形による最大限の支援をなどが要請されたと報道がありました。  そこで、知事にお伺いします。  去る5月に行われた関係者の要望に対し、知事は、これまでの県の対応から一歩踏み込んで、皆様と同じ方向を向いて取り組んでいきたいと答えておられますが、これまでとはどのように異なり、どこに力点を置いて取り組んでいくのでしょうか。  次に、農政部長に伺います。  このときの要望では、関係者からは限りなく公設に近い形による最大限の支援を要請されていますが、これまでの検討状況と今後の検討の進め方についてお伺いいたします。       〔教育長内堀繁利君登壇〕 ◎教育長(内堀繁利 君)頂戴いたしました5点の質問に関しまして順次お答えを申し上げます。  まず、松代高校の再編統合後に適用される基準等の区分についてでございます。  現行の再編に関する基準等につきましては、高校再編・整備計画三次が確定となった翌年度を初年度といたしまして、再編対象校以外の県立高校を対象に適用することとしております。このため、再編統合後に普通科のみとなる松代高校につきましては、現行の再編に関する基準等は適用されないことになります。このことは、再編対象校が所在する地域で今後実施する住民説明会等においても丁寧に説明し、周知を図ってまいります。  続きまして、松代高校の学校像の例示についてでございます。  管内の私立高校が戦争遺構を活用した学びに長期にわたり取り組んでいることは承知しております。三次案に示しました再編統合後の松代高校の学校像は県教育委員会としての例示でございまして、戦争遺構等を活用した学びにつきましても、地域資源の活用という観点から示したものでございます。その例示に当たっては、私立高校への相談等は行っておりませんが、今後、松代高校の学びの在り方について、学校を中心に地域とも相談しながら検討していく中で、私立高校の先進的な取組に学んだり平和学習に共同して取り組むなど相互の学びが深められるように働きかけてまいりたいと考えているところであります。  長野千曲総合技術新校(仮称)の名称についてでございます。  三次案を含めまして、再編・整備計画でお示ししている再編統合により新たに設置する高校の仮称名につきましては、上伊那総合技術新校(仮称)のように統合対象校が所在する市町村を包括する広域的な通称名を用いて表したものと、岡谷諏訪総合技術新校(仮称)のように統合対象校の所在する複数の自治体名を並列で表記したものがございます。  長野千曲総合技術新校(仮称)を含めまして、新校の仮称に市町村名を入れている場合は、統合対象校の所在する市町村名を総務省が定めているいわゆる建制順に示しているところでございます。  旧第2、第3、第4通学区の高校配置と地域の均衡ある発展についてでございます。  今回の再編・整備計画案による再編後の高校配置案は、都市部存立校と中山間地存立校の区分を設け、旧通学区を基本単位として地域の協議会からの意見を踏まえつつ、地域全体及び県全体の高校の将来像を総合的に検討してまとめたものでございます。その際、都市部存立校につきましては今後も一定の規模が維持できるように、また、中山間地存立校につきましては可能な限り存続できるように、地域バランスにも配慮して立案したところでございます。  議員御指摘の通学区につきましては、例えば、令和4年度入学生の通学区間の流出入を見ますと、旧第4通学区から旧第3通学区内の公立高校に入学する中学卒業生の数は、その逆に対して約140人多く、約1.75倍であり、こうした中学生の進路状況も考慮したものでございます。今後は、地区での住民説明会等を通じましてこのような考え方を示しつつ、地域と丁寧に話し合いながら理解を求めてまいりたいと考えております。  戦後長野県史の編さんの検討状況についてでございます。  昨年11月県議会定例会における県史編さんに関する請願採択や会派からの御提案を受け、今年度、県立歴史館に県史編さんの検討及び近現代史を担当する専門主事を1名配置するとともに、教育委員会内に検討チームを設置し、新たな県史編さんの在り方について検討を行っております。  検討チームでは、他県の状況調査や有識者からの意見聴取を行うとともに、県史の内容について複数のパターンを想定し、編さんスケジュールや必要経費、人的体制などをシミュレーションいたしまして課題等の整理を進めているところでございます。  これらの検討の結果を踏まえ、県として新たな県史編さんの事業化について判断してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には松本の食肉処理施設に関連して御質問をいただきました。  まず、県内の食肉処理施設につきましては、これまでの歴史的な背景の中で、企業と市町村の皆様方が連携して設置運営を行ってきていただいているところであります。  近年、県内の食肉処理施設は減少して、今は2施設になっているという状況でありますし、また、豚熱の発生等危機対応のリスクヘッジの重要性や食料安全保障に対する関心の高まりなど食肉処理施設を取り巻く環境については近年大きく変わってきている、変化してきているというふうに考えています。  こうした中、JAグループや生産者団体の皆様方から、過日、食肉処理施設の整備に関する要請をいただきました。施設整備への支援、畜産農家の生産拡大への支援といった御要請をいただいたところであります。  こうしたことを受けまして、これまでの取組と今後の在り方について県としても熟慮させていただいた上で、本県の畜産振興や食肉の安定供給という視点から、この食肉処理に関して県としてこれまでよりも一歩踏み込んだ支援を行うことが必要だと考え、その旨を表明させていただいたところでございます。  どういうところに力点を置くかということでありますが、まず、今後施設整備が必要になってまいりますので、県として最大限の支援ができるように進めていきたいというふうに思っております。ただ、その前提として、国庫補助金をしっかり有効に使っていくということが重要でありますので、先般も、国会議員の皆様方や農林水産省に対して、国庫補助事業が活用できるように要請活動を行わせていただいたところであります。  また、食肉処理施設の健全経営のためには、畜産農家の頭数増加といった生産基盤の拡大が重要でありますので、こうした取組も県として支援していきたいと思います。さらには、立地する場所の探索についても、県が関係者の皆様方と協力をしながら取り組んでいきたいというふうに思っております。  もとより、関係の事業者の皆さん、市町村の皆さん、生産者、JAグループ、それぞれの皆様方が役割をしっかり果たしていただくということが重要であります。そうした中で、県としても、私どもが果たすべき役割、今申し上げたような点についてはしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上です。       〔農政部長小林安男君登壇〕 ◎農政部長(小林安男 君)私にはこれまでの食肉処理施設の検討と今後の検討の進め方について御質問をいただきました。  県内食肉施設の老朽化が進む中で、県では平成31年に長野県食肉流通合理化検討会を立ち上げ、昨年6月に今後の食肉流通のあるべき姿について取りまとめた長野県食肉流通合理化計画を策定したところです。この計画に基づき、2施設の具体的な経営計画や施設整備を検討するため、昨年度、長野県食肉施設検討会を設置し、施設ごとの作業部会を設け、施設の在り方の検討を重ねた結果、それぞれの施設の方向性が見えてきたところです。  今回のJAグループ等からの要請を受けて、施設の移転、新設への新たなフェーズに移行したことから、今後は、役割を分担する中で、施設の仕様や運営形態を検討する場と整備経費の支援の枠組みを検討する場の二つの検討会を設けることとし、そこでより具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔23番荒井武志君登壇〕 ◆23番(荒井武志 君)第三次高校再編・整備計画案に関係しまして答弁をいただきました。  先ほど、再編後の高校についてはこれまでの基準は適用されないというようなお話をいただいたと思うんですが、その辺は住民説明会等でこういうことなんだとしっかりお伝えいただけないと困るとコメントさせていただきます。  生徒が集う学校は、それぞれの地域のにぎやかさや活気を生み出す大きな核であると思いますし、そして、何より子供たちの将来を方向づける重要な3年間であると思います。各地区での議論や寄せられてくるであろう生徒の皆さんを含む様々な県民意見を十分そしゃく、吟味、検討され、誰もが理解し合える第三次案が成案化されますよう強く期待をし、一切の質問とさせていただきます。 ○議長(丸山栄一 君)次に、宮本衡司議員。       〔43番宮本衡司君登壇〕 ◆43番(宮本衡司 君)自由民主党県議団、宮本衡司であります。県産材の利活用促進について伺います。  郷土の約8割を占め全国第3位の面積を誇る本県の森林は、いにしえより人々に豊かな自然環境を提供し続けるとともに、時代の変遷はあるものの、様々な面で私たちの暮らしを支えている極めて重要な社会資本であり続けています。  木材の供給などによる産業としての側面でも大きな役割を担っているとともに、昨今私たち人類が求められている地球温暖化防止、ゼロカーボンの取組などにおいても、持続可能な木材利用を進めていくことは特に重要な取組と位置づけられるところであります。  そのような中で、令和2年当初から始まった新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、木材需給における大きな変動が、世界で、また日本でもウッドショックと言われる形で起こってまいりました。世界的な経済活動の停滞により、令和2年夏頃には木材需要が大幅に減退し、価格も下落しましたが、その後、令和3年に入り、世界の経済の持ち直し需要が旺盛になると、今度は一転して価格が急激に上昇。外材の輸入も大幅に減少し、その傾向は現在まで続いているところであります。  県内の木材市況をコロナ前と現在で比較してみますと、1立方メートル当たり1万5,000円前後であったヒノキ丸太の価格が2万6,000円前後へ、カラマツ丸太の価格は1万5,000円前後から2万1,000円前後へ、ヒノキ柱材は7万5,000円前後から12万2,000円前後へ、カラマツ板材は4万3,000円前後から5万7,000円前後へと、ヒノキでは約170%、カラマツでは約130%の値上がりとなっています。  このような状況の中、令和4年に入ってロシアによるウクライナ侵攻という極めて重大な世界的規模の問題が勃発いたしました。ロシアの暴挙を止めるべく西側諸国が経済制裁を科す中で、ロシア産木材の輸入などがますます厳しい状況になってくると考えられます。  経済産業省の分析レポートによりますと、住宅の建築等に使われる木材の7割弱が輸入材であることから、輸入材価格高騰をきっかけに国産材へ切り替えを進めていくべきとの意見もあります。しかし、国内林業は、労働力不足、市場価格が維持できないなどの構造的な問題や、国産材の性能では代替できないなど、簡単に国産材の供給を増やすことが難しいという課題を抱えています。  今回のウッドショックは一時的な現象との見方もありますが、海外依存度が高い日本のサプライチェーンの脆弱性を改めて浮き彫りにしたものであり、国産材に注目が集まっている好機をどのように生かすのか。今後、国産材の活用を含め、サプライチェーンの強化に向け対策を講じていくことが必要と考えられますとあります。  そこで、これまでの状況に対して、県産材の利用促進に向けてどのような対応を行い、どのような結果であったのか。また、このような直近の情勢を踏まえて、木材需給や価格などの状況は今後どのように変化していくと見込まれるのか。林務部長に伺います。  また、ウッドショックの頃には建築業界では地場工務店から材木が入らず、受注した現場の工期が間に合わない等の声を聞きました。県内の住宅着工戸数については、過去10年において横ばいで推移しているものの、現在も製材品の価格高騰による資材調達への影響が残ると聞いております。  外材輸入量の減少と木材価格の上昇は、県内の木材産業振興と県産材利用にとって本来ならば大きなプラス要因になるはずのものでありますが、生産する側にとっては、急に生産を拡大できず、需要に応えられない。使う側にとっては、木材が入手しづらくなるといった負の側面もあると考えます。  実際に、県内の素材と製材品の生産量は、ウッドショック前に比べて令和3年において大幅に伸びているといった状況は見受けられないのではないかと思いますが、その実態はどうか。また、外材輸入量の減少、木材供給量の不足といった中で、なぜ長野県産材が外材等を代替して生産、供給を伸ばしていくことができないのか。その要因について林務部長に伺います。  かつて、平成23年3月に発生した長野県北部地震からの復興に際して、県は、不足する合板を確保して栄村における復興住宅の建設等を進めるため、信州認証合板の確保のための取組を進めました。木材を伐採する県有林、素材生産者、原木供給者、合板製造者、利用者など各段階の7者が連携し、役割分担をすることで、住宅50棟分に相当する約1万枚の県産材合板をつくり、供給できました。栄村の速やかな復興に向けて大きな役割を果たしていただき、今でも感謝をしております。  このような信州認証合板供給の取組が行われたことは大変有意義であったと考えるところでありますが、これについて林務部としてはどのような評価をし、その後の展開につながっていったのか。林務部長に伺います。  カラマツ材などロシア産の木材輸入が大幅に減少すると見込まれる中、強度が求められる合板用木材に限らず、減少する輸入材を代替して県産材がその需給量を伸ばしていくためには、これまでの市場経済の中での連携であるサプライチェーン構築とは違う取組が必要なのではないでしょうか。  県産材の生産から利用に至るまで様々な段階での障害がある中で、企業等の努力だけで市場経済の流れに乗るような需給の連携を構築していくことは困難と思われます。そこで、栄村における震災後の合板供給の取組に見られるように、生産段階から利用段階までに関わる企業等が連携し、一連の共同事業として行う企業共同体といったものを構築して取組を進めていくべきではないかと考えます。  そして、この共同体内での取組で必要となる効率化、低コスト化等をお互いが補完し合い、計画的にそれを実現していくことで、最終的には全体として市場性のある着実な県産材利用に結びついていくのではないでしょうか。  県産材を利用することに起因する各段階における割高な部分などを包括的に解消していくために、必要な支援等を県として積極的に行っていくべきではないかと考えるところであります。このような取組は、災害への備えにも結びつくものであり、発災時、応急仮設工事等に不可欠な合板の確保を日頃より準備することが必要と考えます。県が主導して、こうした県産材利用のための事業を共同で行う企業共同体といった取組の構築を関係する各企業等に促し、その支援等を積極的に行っていくおつもりはないか。林務部長に伺います。  県は、今年度、信州健康ゼロエネ住宅の普及に向けて、住宅新築やリフォームに対する助成制度を充実させました。今後の長野県のゼロカーボンの取組を進める上で大変有意義なものであると認識するところでありますが、県内に限らず、また、住宅分野にとどまらず、県産材の利活用を拡大していくことはゼロカーボン社会の実現に向けて極めて大きな役割を果たすものと認識するところであります。  そこで、様々な分野での県産材の利活用について、ゼロカーボン実現の側面からも、生産から利用に至る各段階にさらに積極的な支援を行うとともに、県産材を利用する者の意欲を促進するような具体的、現実的なメリットを構築、拡充していくべきではないかと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。       〔林務部長吉沢正君登壇〕 ◎林務部長(吉沢正 君)私に対しては大きく4点御質問をいただきましたので順次お答え申し上げます。  まず、ウッドショックへの対応と今後の木材需給、価格動向についてでございます。  県では、ウッドショックを背景とした県産材需要の高まりを好機と捉え、工務店に対する県産材製品の購入への支援や、工務店と製材工場を対象とする商談会の開催など、外材製品から県産材への転換を促す取組を実施してきております。その結果、これまで外材を主に取り扱ってきた工務店等が県産材利用に転換するといった例も新たに出てきているところです。  また、今後の木材需給に関しては、関係業界などによれば、世界的に需要が供給を上回る状況は続くと見られており、木材価格は、輸入材、国産材共に当面は高止まり、その後、やや安値に振れて落ち着いたとしても、長期的には上昇基調になるのではないかと考えております。  次に、素材生産並びに製材品出荷量の実態と県産材増産の課題についてですが、本県の令和3年の製材品出荷量は10万9,000立方メートルで前年比19.8%の増であったものの、木質バイオマス向けを除く素材生産量は46万立方メートルで前年比1.3%減となっており、大きく伸びるには至っていない状況にあります。  県産材の生産供給が直ちに伸びない要因については、森林所有者の同意を得て伐採を行うといった手続上急激な需要増に迅速に対応できないこと、増産のための機械導入や従事者の確保に時間を要すること、生産量の増加につながる主伐、再造林が進んでいないことなどが考えられるところです。  次に、震災復興に係る合板供給の取組の評価とその後の展開についてです。  御指摘の事例につきましては、長野県北部地震からの復興に向けた住宅建設の支援策として、県外事業者や行政を含む関係団体が連携をして、生産から利用まで木材の流通を迅速に行い、短期間に認証合板を栄村に供給された点が高く評価されると考えております。  その後、緊急時の対応としては、令和元年の東日本台風の際に、県と全国木造建設事業協会との協定の下、木造応急仮設住宅建設のため、製材工場から施工業者へ短期間に県産材の供給が行われた例がございます。  最後に、企業共同体構築への支援についてです。  安定した木材供給のため生産から利用まで事業者が連携する取組については、県内でも、地域内でお互いの顔が見える小規模な範囲で協定等の締結により企業共同体に近い形が実現している事例が見られます。こうした事例では、木材の年間取扱量や取引価格等を明確にする中で関係者間の信頼が確保されており、安定した県産木材の需給の実現によりウッドショックによる外材高騰の影響を軽微にとどめた例もございます。  このような連携の事例を広げていくことが急激な市場の変化等にも対応できる安定した林業・木材産業の実現、県産材の利用促進につながるものと考えております。そのためには、事業者間における取扱量や価格などの情報共有、取引に係る契約、さらには事業者間の信頼関係の構築といった仕組みづくりが必要ですので、こうした取組に係る施策について検討を進めてまいりたいと考えております。
     以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には県産材のさらなる利活用推進のためにどう取り組むかという御質問を頂戴いたしました。  県産材の利活用につきましては、ゼロカーボン実現の観点からも、産業振興の観点からも、宮本議員御指摘のとおり大変重要な取組だというふうに考えています。  まず、生産から利用の各段階における支援といたしましては、高性能林業機械の導入や新規就業者の確保支援ということを通じて生産性の向上を図っていきたいというふうに思っておりますし、また、県産材の需要を開拓していく上での製材工場と工務店のマッチング、さらには、多くの県民の皆様方が利用する公共施設等様々な施設の木質化への支援、こうしたことに取り組んできているところであります。  さらに生産を増加していく上で、団体有林における計画的な主伐、再造林の着手支援に係る補正予算案を今回お願いしているところでありまして、本格的な主伐期を迎える中で、林業の在り方についてもしっかり展開していけるように取り組んでいきたいと考えております。また、県産材を多く利用していただくという観点では、信州健康ゼロエネ住宅として助成制度を今年度拡充させていただいております。  県産材製品の販路拡大や魅力向上を支援いたしますウッドチェンジの普及促進にも取り組む中で、できるだけ木材を活用できるものは木材に、そして、でき得れば県産材に換えていってもらえるように県としても取り組み、また、県民の皆様方にも働きかけていきたいというふうに思っております。今後とも、県産材が県内においてできる限り活用されていくように県としても様々な工夫を講じていきたいというふうに思いますし、森林保全と林業振興が併せて図られるよう県としても努力をしていきたいと考えております。  以上です。       〔43番宮本衡司君登壇〕 ◆43番(宮本衡司 君)「森林県から林業県へ」のスローガンの下、県産材の利活用についてはより一層の取組をお願いするものであります。  次期長野県総合雪対策計画について伺います。  今冬は、10年ぶりに飯山市で豪雪災害対策本部が設置されるなど、大雪に見舞われました。観測記録上は平成18年豪雪には及びませんでしたが、それに匹敵するようなものであったと多くの地域住民は感じております。  今年は、コロナ感染のニュースの取扱いが大きく、その陰に隠れていたかのようですが、やはり除雪中の事故が相次ぎました。何より驚いたのは、100歳の男性が、屋根に架けようとしたはしごが倒れ、骨折されたというものでした。もしはしごが倒れなければこの方は屋根へ上がったのでしょうか。まさに過疎化、高齢化を象徴するような出来事であります。  そのような中、飯山市では、道路の除排雪や消雪パイプの不具合といった道路除雪等に関するもののほか、雪下ろし業者の紹介など屋根雪の相談、車庫、物置の倒壊に対する支援、さらには、集落の空き家の倒壊の心配といった相談もかなり多くあったと聞いております。これについて、飯山市では、シルバー人材センターや建設業協会に作業員の派遣を依頼しましたが、絶対数が不足しているという課題が如実に浮かび上がったそうです。  このような相談は、豪雪地帯の自治体共通の問題であるのではないかと思います。本来であれば個人の責任で対処すべき事案までもが行政に持ち込まれる。まさに、過疎化、高齢化がもたらしている課題であります。  おかげさまで、主要な道路は、散水・無散水消雪設備の設置や機械除雪によって道路交通の確保がされています。また、住宅除雪支援事業や高齢者等玄関先除雪支援制度が設けられ、さらに、屋根雪融雪化、屋根雪の自然落下補助、そして、命綱アンカー設置補助などにより、雪との闘いに対する助成は非常に手厚いものとなってまいりました。しかしながら、収入の限られた独居高齢者が、補助金が出るからといって屋根の融雪化やアンカー設置に蓄えを使うことはまれです。70代の方が80代、90代の高齢者が住む屋根の雪下ろしをし、地域の暮らしを辛うじて支えている、これが現実であります。ある新聞によりますと、老老介護ならぬ老老除雪だそうです。  高齢者を含む弱者世帯の雪処理対策をどのようにするのか。これは年々重い課題となってきますし、直ちに解決策は見つからないと考えます。そこで、来年度から始まる新たな総合雪対策計画は、より一層住民に寄り添った計画となるように要望するものであります。これについては、現在、鋭意各担当部局において検討を進めていると承知しておりますが、計画策定に向けどのような手順で進めていく予定か。企画振興部長に伺います。  現在の第七次長野県総合雪対策計画はよく練られており、基本的にはこの内容を踏襲するものになると考えますが、検討を進めているとする事業の具現化、時代の変化により状況の変わったものに対する措置に特に力を入れてほしいと考えます。  一例を申し上げると、かねてから提案しているたね池による消雪です。現在の計画書では、問題点を列挙して、「これらを踏まえた検討が必要となっています。」と記載されています。解決しなければならない課題があることは承知しておりますが、過疎化、高齢化、独居の進んだ北部豪雪地帯にとっては、今やなくてはならない貴重な自然消雪設備であります。  屋根の雪が「たね」に落下するようになっている家、玄関先の雪を「たね」に入れることで出入りが確保できる家等、冬期間、高齢者が自宅で暮らしていける先人が考えた大きな生活の知恵であり、今日まで残っている貴重な遺産でもあります。おかげさまで、小規模な改修工事は元気づくり支援金で対応していただく場合もありますが、前回の策定時からそろそろ5年、検討から整備へ一歩踏み出すべきと考えますが、いかがでしょうか。企画振興部長に伺います。  例年、千曲川に架かる綱切橋と中央橋の間の左岸にある河川敷に、国土交通省北陸地方整備局千曲川河川事務所の許可をいただき、雪捨て場が開設されます。今年は、早い時期から市内の道路、歩道、堆雪帯等からの搬入が始まり、最終的には雪捨て場が二山できる状況で、このようなことは近年記憶にありません。また、交通渋滞が発生し、車両運行に手間がかかり、極めて非効率的な事態となりました。これにつきましては、市内北部にもう一か所あればかなり緩和されるのではと思います。平成30年2月定例会においても飯山市における雪捨て場の確保について質問をさせていただいたところでありますが、雪捨て場の容量不足が市内の渋滞を引き起こしていると考えます。現状の認識と今後の対応について県の所見を建設部長に伺います。       〔企画振興部長清水裕之君登壇〕 ◎企画振興部長(清水裕之 君)私には2点お尋ねをいただきました。  まず、次期計画の策定手順についてであります。  消防庁の発表によりますと、昨シーズンは屋根の雪下ろし作業中の転落事故などの人的被害が県内で74件発生しており、過疎化、高齢化の進む豪雪地帯に暮らす方々が安心して快適な生活を送る上で雪対策の重要性を改めて認識したところであります。  来年度スタート予定の第八次県総合雪対策計画には、地域のニーズを的確に踏まえた効果的な支援策を盛り込んでいくことが必要と考えております。次期計画の策定に向けて今月から市町村への現地ヒアリングを開始しており、除雪作業における担い手確保や除雪作業中の安全対策の取組など雪対策を進める上での課題をお聞きしているところであります。今後、関係団体や地域住民の皆様から意見を伺う機会を設けるとともに、把握した課題については関係部局間で共有し必要な対策を検討するなど策定作業を進め、年末には基本的な方向性を固め、本年度中に計画を策定する予定としております。  次に、自然消雪設備への支援についてであります。  豊富な水を利用して冬期間の消雪を行う自然消雪設備は、自然を活用しながら除排雪における労力の軽減を図るものであり、高齢化が進む地域における持続的な生活の営みに資する先人の貴重な知恵であると認識しております。  現在の第七次計画の策定以降、地域発元気づくり支援金により住宅地を流れる水路の改修や市道における自然消雪設備の整備を支援してまいりましたほか、県営中山間総合整備事業により消雪に利用されております老朽化した農業用水路の改修を実施してまいりました。  自然消雪設備の中には、集落単位で存在するが、所有者、管理者が明確でないものや、集落に空き家が増える中、日常的な管理が十分でないものもあり、こうした課題を解決していくには地元自治体の協力が不可欠でありますことから、次期計画の策定を進める中で地元自治体と具体的な意見交換を進めてまいりたいと考えております。  私からは以上です。       〔建設部長田中衛君登壇〕 ◎建設部長(田中衛 君)私には大雪時の雪捨て場についてのお尋ねがありました。  飯山地域における雪捨て場については、千曲川河川敷や今井川遊水地など県の除雪計画に定められているものが4か所ございます。そのほかにも、市町村や除雪を請け負う企業の協力を得ながら雪捨て場の確保に努めてきたところです。  一方、昨シーズンは近年まれに見る大雪となり、道路、駐車場、宅地など様々な場所からの排雪による運搬車両が特定の雪捨て場に集中したことから交通渋滞が発生したと認識しております。このことを踏まえ、交通渋滞の軽減や効率的な除雪を図るため、今後も雪捨て場の確保と分散化について飯山市と企業と連携して取り組んでまいります。  以上でございます。       〔43番宮本衡司君登壇〕 ◆43番(宮本衡司 君)それぞれ御答弁をいただきました。  次期総合雪対策計画は、独居高齢者でも安心して冬を越せるような対策をさらに盛り込んだ内容となりますよう、より一層御配慮いただきたく重ねてお願いを申し上げます。  なお、かねてよりの懸案事項につきましては、豪雪地帯の市町村と緊密に意見交換、情報交換をし、一歩でも前へ進めていただきますよう強く要望をしておきます。  最後に、平成23年東日本大震災発生翌日の3月12日未明、栄村を震度6強の地震が襲いました。辺りはまだ暗く、村内は2メートル近くの雪に覆われていました。その中、多くの村民は、家財が散乱し傾いた自宅から自力で屋外に脱出し、各集落の避難所に声をかけ合い、向かいました。そして、消防団を中心に安否確認や救助が行われ、人々は食料や物資の確保に追われました。  これに対し、県の動きは極めて迅速で、12日の午後には当時の和田副知事が、翌13日には間髪を入れず阿部知事に栄村に入っていただきました。知事は、就任からわずか半年足らずでこの震災を経験したわけですが、村の再建に向けて真摯に村民と対話を続け、幾度となく栄村に足を運んでいただいたことを私は今でも鮮明に記憶しております。  自来、知事は、私にとって栄村は知事としての原点ですと時折口にされています。知事は、あの震災から何を学び、それをどのように生かし、今日まで77市町村と向き合ってこられたのか。また、それを糧として、今後どのように県政に反映されていくおつもりか。改めてその抱負をお伺いし、一切の質問を終わります。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私に対しましては、私も何度もいろいろなところで知事としての原点と申し上げておりますが、栄村の地震から何を学び、どう生かしてきたのか。そして、これからどう県政に反映するのかという御質問を頂戴いたしました。  私は、2010年に知事に当選させていただき、そこから県民の皆様方のために必死の努力をして、まずは新年度予算案をいいものをつくろうということで、ちょうど翌年、私にとっては最初の新年度の当初予算案を県議会で御議決をいただいたその日に、議場から知事室に戻るときに東日本大震災の揺れを感じました。そして、被災地の支援等を行わなければいけないというふうに考えていた矢先、翌日の未明に栄村で大規模な地震が発生し、速やかに県庁に登庁して、そこから栄村の地震への対応が始まったわけであります。  そのとき以来、教訓として私の心の中に刻んでいることが何点かございます。  まず一つは、当たり前ではありますけれども、いざというときの危機管理の大切さということであります。9月に知事に就任してから3月までの間、基本的に庁内でいろんな政策検討等を行ってきたわけでありますけれども、危機管理、様々な事象が発生したときにどう迅速に行動するか、何をやるべきかということについて、いささかその当時は心がけが不足していたのではないかというふうに率直に反省するところであります。今は様々な災害に対応させてきていただいておりますので、いつどんなときにどういう行動を自分がするべきかということについては一定程度考えて行動してきているわけでありますけれども、引き続き様々な事態に対応できるように取り組んでいきたいというふうに思っています。  それから、2点目は、多くの皆様方、特に関係機関の皆様方との連携協力の重要性ということであります。  まずは、やはり地域を熟知している市町村の皆様方、当時は栄村の皆様方との連携ということが重要でありましたし、やはり警察、消防をはじめ関係機関の皆様方の協力なしには災害の復旧・復興はできないということで、これは、危機管理のときは特に顕著に目立つわけでありますけれども、危機管理事象のみならず、普段の県政の推進に当たりましても、やはり県だけでできることはかなり限られているということを肝に銘じながら、多くの関係機関の皆様方との信頼関係、協力関係を大切にしながら取り組んできたところであります。  それから、3点目でありますが、やはり地域の独自性、地域の特性、こうしたものを踏まえた対応の重要性という部分でございます。  栄村の地震において私が感じたのは、やはり豪雪地帯としての特殊性、先ほども雪についての御質問を宮本議員から頂戴いたしましたが、やはり他地域と違って雪が多いということをしっかり念頭に置いて対応しなければいけないということ、そして、最終的には復興住宅も集落ごとにできるだけ分散立地をすることにいたしましたけれども、やはり地域の皆様方は地域に愛着を持って、コミュニティーは大事だと、こうした思いが非常に強いという栄村の独自性、個性というものを踏まえての対応の必要性、重要性ということを痛感いたしました。  そして、最後に、何よりも住民の皆さん、被災された皆様方との対話の大切さということであります。私も、栄村に最初にお伺いしたときに、村役場や福祉施設に村のほとんどの皆さんが避難されているという状況でありました。知事、ここで一言挨拶してくれということを村長から言われて、被災された皆様方の前で話をさせていただきましたけれども、率直に言って、非常に私自身も不安なところがありました。これからどういうふうに対応するのかということが、まだ初心者マークの知事としてはよく分からないところもたくさんありました。  そういう中で、改めて住民の皆様方と対話をさせていただき、当時、東日本大震災の直後でありましたので、私がいろいろなメッセージを出すことによって、住民の皆様方に安心感を与えることが一定程度できたというふうに思いますが、それと同時に、私も住民の皆様方から力をいただきました。「東北の皆さんに比べれば我々はまだ頑張れるから、知事も頑張れ」という温かい言葉をかけていただき、私自身も、住民の皆様方を応援する立場でありますけれども、勇気をもらいながらこの震災対策に取り組ませていただきました。  そういう意味で、地方自治を担うリーダーとしての責任と自覚をこのときに改めて栄村の皆様方から学ばせていただいたというふうに考えております。今申し上げたような様々なことをこの栄村の震災から学ばせていただき、そうして学んだことをその後の災害対応をはじめとする県政運営にも生かしていこうという思いで今日まで取り組んでまいりました。  今後とも、初心を忘れることなく、地域の個性をしっかり生かしながら住民の皆様方の思いに寄り添った県政を進めていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○議長(丸山栄一 君)次に、清水正康議員。       〔4番清水正康君登壇〕 ◆4番(清水正康 君)それでは、まず求人、求職のミスマッチ、人手不足について質問をしたいと思います。  長野労働局が発表した雇用情勢によると、令和4年4月の有効求人倍率は1.50倍で前月を0.05%上回り、3か月連続の増加となっております。全国平均も上回り、新型コロナウイルス感染症や国際情勢の動向は注視する必要はありますが、数字の上では雇用情勢は着実に改善が進んでおります。  しかし、地元の中小零細企業の経営者にお話を聞きますと、求人を出してもなかなか人が集まらないといった声が多くあります。さらに、昨年4月に比べて、宿泊・飲食・サービス業で67.7%、不動産業等で20.8%、製造業で18.2%といったように求人数が増えております。新入社員が入社する4月の状況ということで深刻さは増していると考えております。  しかし、産業別ではなく業務別で捉えると、事務職系は比較的求職が多いという話も聞いております。  そこで、質問をいたします。  産業別、業務別の新規常用求人、求職について把握しているのか。また、その求人、求職のミスマッチがあれば対策を図るべきと考えますが、県の考えを伺います。  また、人口が減少する将来は、さらに人手不足が進むことが懸念されます。現状人手不足の事業所だけでなく、AIやIoTの活用などDXを今こそ強力に推進すべきと考えますが、AI、IoTに関する認識はなかなか上がっておりません。しかし、地元の経営者などと直接話をすると、国や県の支援策には関心を持っていただくことが多くあります。令和2年度以降のAI・IoT等先端技術活用DX推進事業など県も力を入れて支援はしておりますが、現状ではまだまだ浸透していないと考えております。  そこで、質問ですが、人口減少が進む将来を見越して県内企業・産業が生き残り、発展するために、DXを今以上に強力に推し進める必要があると考えますが、県の姿勢を伺います。以上を林産業労働部長に質問いたします。  続いて、部活の大会開催、観戦、これは見たり応援したりする意味の観戦ですが、これの考え方について質問をいたします。  本年度、中学、高校などの3学年の生徒は、未知なるウイルスの流行が懸念された2年前に入学式を迎え、影響を受け続けて卒業学年を迎えております。部活動も、最後の大会などが既に終わった生徒もありますが、最近は観客ありで大会の開催ができ、最後の大会ができてよかったという声と併せて、観戦ができてよかったとの声も聞いております。しかし、プロスポーツでは春から100%観客で実施されている中で、県内の子供たちの大会の観戦は、いまだに人数制限をしている競技も見受けられます。  また、県は、現在の感染リスクを考慮し、国の指針に基づき、マスクの着用についての目安を6月7日に改定しております。屋内でも、会話がほとんどなく、2メートル以上離れればマスクを取ってもよいという状況や、そもそも屋外では2メートル以上離れればマスクは必要ないなどとしております。このように、これまでの知見から、リスクの高い場面を明確にし、以前に戻すことができることは積極的に戻すべきと考えます。  そこで、質問となりますが、大会の開催について、それぞれの主催団体でガイドラインを作成していると認識はしておりますが、これまで県はその作成にどのように関わってきたのでしょうか。また、制限が甘過ぎたり、行き過ぎた制限などを発見し、指導をしたケースがあるのか、質問をいたします。  競技の観戦、応援についても、長野県は制限が厳しいとの指摘を受けることが何度かありました。実際に観戦、応援をすることで感染拡大となったケースがあったのでしょうか。また、どういった場面が高リスクなのかを明確にし、それを避ければ観戦、応援は普通にできるのではないかと考えますが、県の見解について質問いたします。以上を今井教育次長に伺います。       〔産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業労働部長(林宏行 君)2点お答えいたします。  初めに、求人、求職のミスマッチについてでございます。  議員御指摘のとおり、長野労働局が公表した最近の雇用情勢では、4月の県内有効求人倍率は1.50倍となり、改善傾向にあります。しかし、業種別の状況では、製造業における生産工程の職業や建設、採掘の職業、警備といった保安の職業などで3倍を超える一方、事務職は0.80倍となるなど、職種によって求職と求人のミスマッチが顕在化しており、スキルの習得や分野を超えた労働移動の促進が必要であると認識しております。  このため、県の民間活用委託訓練においては、介護、建設など特に人手不足が生じている分野を中心に定員を拡充するとともに、国のポリテクセンターの求職者支援制度とも連携しながら各種技能や資格の取得をサポートしています。  また、分野を超えて求められておりますITスキルについては、今年度から新たに非正規雇用やコロナ禍で離職した35歳以下の若者を対象とする伴走支援を行うITスキル習得・再就職トータルサポート事業、通称デジチャレ信州をスタートしたところです。  さらに、県の就労支援窓口であるJobサポにおいて、国が実施する在籍型出向の取組とも連携し、失業なき労働移動をサポートしていくほか、一人一人に寄り添ったキャリアコンサルティングやマッチングにより着実な就労に結びつけてまいります。  次に、県内産業のDXの推進についてでございます。  県では、令和元年度に、AI・IoT等先端技術利活用支援拠点、長野県IoT推進ラボを設置し、専門コーディネーターによるIT技術等の導入をサポートしてまいりました。こうした中、民間調査会社が本年1月に実施した意識調査では、言葉の意味を理解し、DXに取り組んでいる企業は16.2%という結果でした。  もとより、デジタルトランスフォーメーションは、企業がデータとデジタル技術を活用して、製品やサービスのみならず、ビジネスモデルや企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することを目指すものであり、常に変化する顧客や社会のニーズを捉え、素早く変革し続ける能力を身につけることが重要とされております。  このため、長野県産業振興機構のITバレー推進部にDXのリーディング企業からコーディネーターを招き、ファシリテート機能を充実させたところです。さらに、県内のユーザーやベンダーが共同して新たなビジネスモデルの創出を目指すコンソーシアム活用型ITビジネス創出支援事業の拡充を図るなど、ソフト、ハード両面から支援してまいります。  以上でございます。       〔教育次長今井義明君登壇〕 ◎教育次長(今井義明 君)2点御質問をいただきました。  まず、部活動の大会ガイドライン作成への県教育委員会の関わり方についてでございます。  部活動の公式大会は、生徒にとって、それまでの活動の成果を発揮し、集大成となる大切な機会であることから、県教育委員会として、大会主催者と連携し、しっかりとした感染対策が取られる中で可能な限り大会が開催されるように取組を行ってきたところでございます。  具体的には、県内主催団体が感染防止ガイドライン等を作成する際には、新型コロナウイルス感染症対策に係る県立学校運営ガイドラインなどの県の感染防止対策を提示するなど、情報提供を行ってまいりました。また、大会開催に当たっては、感染状況に応じた専門家からの留意事項を大会主催者に伝えるなど、参加者、大会主催者が一体となって万全な感染対策の下に大会が開催されるよう努めてきており、これまで指導を行ったケースはございません。  次に、部活動の大会の観戦、応援についてでございます。  部活動の公式大会は、生徒にとって大切な機会であるのみならず、例えば、保護者の皆様にとっては子供の成長を実感できる大変貴重な機会であり、このことは、県教委、主催団体とも思いを共有しているところでございます。  部活動の大会における競技観戦につきましては、大会主催者が、大会開催時における感染警戒レベルの状況を踏まえ、競技会場の状況、選手、観客の見込み者数、運営体制等を総合的に勘案する中で競技観戦をどのようにするかを決定しており、これまで、競技の観戦、応援を理由に感染拡大したケースは承知しておりません。  また、高リスクの場面としては、特に、室内競技では、十分な観戦スペースが確保できず密の状態が生じる、換気が十分に行えない、選手と感染者の動線の分離が確保できない、あるいは大声で応援をするなどが想定されます。これらの高リスクへの対応が十分に行える場合には競技観戦も可能であると考えているところでございます。大会における感染対策を徹底した上で、可能な限り観戦機会の提供がなされるよう引き続き大会主催者に助言をしてまいりたいと考えております。  以上です。       〔4番清水正康君登壇〕 ◆4番(清水正康 君)求人、求職のミスマッチについて御答弁いただきました。  業種別、産業別等お話があったのですけれども、それに対しまして、全体的な求人はあっても、人気がある職種や業務については求人数が少なくミスマッチもあるというお話でした。  ちょっと話は違うのですけれども、若者が地域に残るためには、こういった人気の職種、業種が増えるようにするということも必要ではないかと考えます。ぜひいま一度調査分析等をしていただきまして、そういった業種の企業等を誘致するということもありではないかと考えます。  力を入れています本社機能の誘致にも期待しております。しかし、企業誘致に成功しますと、もともと地域に根づいている企業にとってはさらに人手不足のしわ寄せが来る傾向もあります。そういった人手不足を補うために、単純な機械化、自動化から一歩進めまして、ロボットによる業務の自動化であるRPAや、先ほど来ありますとおり、AIやIoTの積極活用などを、中小企業はもちろん、零細企業までその恩恵にあずかれるように、事業の再構築、技術革新が進むような支援策の充実を強く要望したいと思います。  また、本年度から部局横断の任を受けて産業政策監が置かれましたが、産業の生産性が高い県づくりを目指して県内企業の多くが将来を見据えて持続可能となるよう、伊藤産業政策監の御活躍も期待したいと思います。とともに、やはり所管であります産業労働部の奮起にも期待を申し上げます。
     部活動の大会の出場、観戦についてですけれども、今後第7波の新たな感染症が出た際に、これまでの知見を生かしていただきたいと思います。今も万全の対策で行ったというお話がありましたけれども、万全な対策はもちろん必要ですが、やはり今までの結果、成果の中でできる部分も増やしていただければと思います。  今回質問は行いませんでしたけれども、部活以外のクラブチームなどの大会にも反映できるようにぜひ強く御指導いただければと思います。あの団体はできているのにどうして僕らはできないのかといったような不満の声をいただくことも何度かありました。  また、今後に生かしてほしいことですけれども、大会開催時の検温やチェックシートの確認など先生方が受付で行う雑務が増えることから人数制限を行ったというような話もちょっと聞いております。そのことも理解できるのですけれども、お話にあったとおり、やはり子供たちにとって一生に一度の舞台であり、親も成長を見たいという中で、工夫をしていってもよいのではないかと感じております。例えば、受付を保護者にお願いしたり、予算はかかりますが外注ということも可能です。そういったことをしまして、どうすれば可能なのか、どうすれば制限をなくせるのか、そういった思考での対応をそれぞれの団体等に徹底できるよう御指導をお願い申し上げます。  続きまして、高校改革、再編について質問をします。  長野県スクールデザインプロジェクト、略してNSDプロジェクトのキックオフシンポジウムが6月5日に開催されました。教育長はもちろん、阿部知事も出席し、教育は改革が最も難しい分野との認識を持ちながらも、次の時代を見据えて変わり切れていない日本の教育を長野県が再び牽引するきっかけにしたいとの強い思いを受け取りました。予測不可能な将来を生き抜く力を身につけることができる学びの高校改革となることを期待しております。  そこで、質問をいたします。  現在行われている高校改革、再編整備は、何より、未来に向けて子供たちにとって魅力的な学校づくりにつながらなければいけません。それには、新しい時代を切り開く問題解決活動、探究は、目指している学びであると認識しております。  しかし、それだけではなく、生徒が純粋に行きたいと思う高校でなければいけません。それには、現役生の考えや思いを積極的に取り入れるべきと考えます。しかし、多くの生徒の関心はあまり高くないのも事実であります。現役生などの意見をどのように集め、反映させていくのか、質問をいたします。  また、NSDキックオフシンポジウムでは、これまでの画一的一斉授業ではない、一人一人が主語になる学び、子供が中心の学びなどのキーワードが挙げられておりました。新校がどういった高校になることを望むのか、また、ハードの整備もソフトの充実と同様に重要と位置づけておりましたが、新校が長野県の教育に対して果たすべき役割について質問をいたします。  以前、高校改革再編・整備計画にかける思いを原山前教育長に伺ったことがありますが、その思いをどのように受け継いだのか、内堀教育長に質問をしたいと思います。  最後に、少子化対策についてです。  子育て支援策について様々な施策をあちこちの市町村で行っておりますが、少子化は止まらず、成果の検証が難しい中で、関係予算は膨らむ一方であります。特に、子育て世代については、近隣で取り合いになっている現状もあります。内閣府や厚生労働省の検証、諸外国の先進事例などによると、少子化についての施策は、待機児童などの保育環境を挙げる地域もあり、地域差があると認識しております。  県は、2025年の県民希望出生率を1.84、本年度の合計特殊出生率を1.76と重点目標に掲げておりますが、厚生労働省が3日に発表した昨年の人口動態統計によると、県の合計特殊出生率は1.44でありました。コロナの影響で約2割の産み控えがあるとの調査結果もありますが、出会いの機会も減る中で、婚姻数も減少し、出生率はさらに減少しております。  結婚をする、しない、子供をつくる、つくらないはそれぞれの判断であることを前提の上で質問をしたいと思います。  よき出会いが増えるよう支援するなど婚姻数を増やすことに加え、夫婦が望む人数の子供を産めるように、また、もう1人と思えるような施策が少子化対策であると考えますが、婚姻数、一夫婦の子供の人数についてどう分析しておりますか。また、県や市町村の各種施策についてどう評価をしておりますか。野中こども若者局長へ質問いたします。  最後に、少子化の課題解決、改善は、今行わなければならない将来に対しての絶対的な責務であると考えますが、結果が伴っておりません。コロナ禍の影響もありますが、今後の取組についての阿部知事の決意を伺います。       〔教育長内堀繁利君登壇〕 ◎教育長(内堀繁利 君)2点御質問をいただきました。  統合新校の学校づくりへの現役生などの意見の反映についてでございます。  統合新校を子供たちにとって魅力的な学校にするため、新校ごとに設置している再編実施計画懇話会におきましては統合対象校の生徒も委員として参加しておりまして、委員の生徒たちからは活発に意見が出されているものと承知しております。  過日行われましたNSDプロジェクトに係るキックオフイベントにおきましても、こうした生徒たちから積極的な発言がございました。今後は、統合新校ごとのNSDプロジェクトに係るシンポジウムの開催を予定しておりますが、それ以外にも、学校現場と相談をし、様々な機会を捉えて現役の高校生の意見を集約できるように努めてまいりたいと考えております。  加えて、中学生や高校生、さらに小中学生の保護者を対象とする学校づくりのためのアンケートを計画中の懇話会もございまして、こうしたアンケートや生徒との意見交換を行うことで再編統合への理解を深めるとともに、新たな学校づくりに高校生等の意見を反映できるように進めてまいりたいと考えております。  新校への期待と新校が長野県の教育に対して果たすべき役割についてでございます。  社会の激変や少子化が進む中にあって、現在、そして将来にわたって探究的な学びを推進するとともに、子供を中心に据えた個別最適な学びの環境を保障していくことが次世代に対する我々の責任であるという強い思いがございます。それは、原山前教育長の下、共に進めてきた学びの改革であり、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  統合新校では、生徒自身が多様な学びを選択できる仕組み等を構築するとともに、これからの時代や新しい学びにふさわしい学習空間を整備するため、議員御指摘のNSDプロジェクトにより、県教委、学校、地域、建築の専門家が計画段階から共に関わることを通して、従来の概念にとらわれない高校、新たな学びの場をつくっていきたいと考えております。  学びの改革は、再編の有無にかかわらず、全ての県立高校で進めることとしておりますが、とりわけ統合新校には、統合に向けた準備段階から本県の高校改革の先導役としての役割を強く期待するものでございます。  以上でございます。       〔県民文化部こども若者局長野中祥子君登壇〕 ◎県民文化部こども若者局長(野中祥子 君)私には県内の婚姻数、夫婦の子供の人数に関する分析と各種施策への評価について御質問をいただきました。  本県の婚姻数は減少が続き、令和3年は7,348組と戦後最少となっております。これは、人口減少だけではなく、未婚化による影響も大きく、本県の50歳時未婚割合は、令和2年時点で、男性が26.6%、女性が14.3%と上昇が続いております。特に、ここ数年は、コロナ禍による出会いの機会の減少、経済的な不安感などが婚姻数の減少に拍車をかけているものと認識しております。  また、平成27年時点の全国調査における夫婦の平均した子供の人数は1.94人と、2人を下回る状態にあります。近年は、子供が1人という夫婦が増えているという調査結果です。昨年の県民アンケートにおきましても、理想の子供の数が平均2.16人に対して、実際に持つつもりの子供の数は平均1.41人と、県内においても全国と同様の傾向となっております。理想の子供を持つことができない理由といたしましては、子育て、教育の費用負担への不安や晩婚化による年齢の影響が大きいものと認識しております。  こうした課題認識の下、県と市町村では、結婚や出産の希望の実現を阻む課題を打破するための施策を進めてまいりました。具体的には、結婚応援として各市町村で工夫を凝らした婚活イベントを開催しているほか、県では、AIを活用した結婚マッチングシステムにより出会いの機会の創出を図ってきているところでございます。  また、子育て支援策として、市町村とともに、子供の福祉医療費の充実、多子世帯の保育料軽減による子育て世帯の経済的負担感の解消や、保育サービス、子育てサービスの充実などに取り組んできており、これらの施策は一定の成果が出ているものと認識しております。  しかしながら、急速に進行する少子化に歯止めはかかっておらず、今後は、これまでの取組以上により幅広い出会いの機会の提供や若者の経済的安定、子供の一時預かりへの支援といった子育て世帯のさらなる経済的負担感の軽減などに一層取り組んでいく必要があるものと考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には今後の少子化対策の取組への決意という御質問をいただきました。  御質問にもありましたように、少子化の急速な進行や人口減少を通じて、日本全体、あるいは地域社会に非常に大きな影響が出てくるおそれがあるというふうに私も考えています。そういう意味で、この急激な人口減少に歯止めをかけていくということが重要だと考えております。県議会におきましても、県民の希望をかなえる少子化対策の推進に関する条例が議決され、施行されたわけでありますので、この条例の趣旨も踏まえて知事としての取組を進めていきたいと思います。  まず、子供政策は市町村の役割が非常に多いわけでありますので、若者・子育て世代応援共同宣言を先日行わせていただきました。市町村と連携しながら子供・若者施策をしっかり進めていきたいというふうに思っています。  特に、市町村の皆様方と一緒に若者・子育て世代応援プロジェクトというものを取りまとめました。視点として大きく三つございます。例えば、県独自の奨学金返還支援などを通じた女性や若者が暮らしたくなる信州づくり、また、結婚新生活支援事業や新たな出会いの場づくりを通じて若者の出会いや結婚の希望を実現していくということ、そして、3点目が、不妊治療への助成や医療費助成の拡充、子供を産み育てる世代の安心と幸せの実現という大きな方向性に基づいて様々な取組を行っていきたいというふうに思っております。  特に、こうした中で、やはり国としての政策が非常に重要だというふうに思っております。特に、子供の医療費は全国の都道府県や市町村が行っていますが、国の制度にはなっていないということで、やはり子供、若者を応援するという観点で国にはより踏み込んだ取組を行うように求めていきたいというふうに思っております。我々も、具体的な提案をするように心がけるとともに、市町村とも連携し、また、県民の皆様、関係団体の皆様方の御協力をいただきながら、結婚から妊娠、出産、子育てと切れ目のない支援をしっかり行えるように取り組んでいきたいと考えております。  以上です。       〔4番清水正康君登壇〕 ◆4番(清水正康 君)高校改革についてですけれども、幾つかの手段で現役生の考えやこれから通う子や親の意見を取り入れるというようなお話をいただきました。とはいえ、まだまだやはり認知度は低いと感じております。子供たちが行きたい、どの高校も魅力的でどこに行くのか迷うと思うぐらいそれぞれの高校が子供たちにとって魅力的になるよう、広く周知をしながら意見を集めていただきたいと思います。  また、今回の再編・整備計画で整備される新校が、2017年の基本構想で示された新たな教育の推進、新たな高校づくりの牽引役になると理解をしております。構想ができて5年、そして新校ができるのが5~6年後ということで、10年以上の工程ということになります。まだまだ折り返し地点であります。新しい学びの形が子供たちの将来を形成すると考えると、また、激変する社会の中で予測不可能な未来のためにと考えると、時間をかけ過ぎではないかとも感じております。なくなってしまう高校もあるので賛否はありますが、再編整備は地域社会を持続発展させる真の力を養える高校、学びの環境を整えるのが目的と理解をしております。地域の合意を得ながら着実に、しかし早期に整備されることを期待しております。  少子化対策についてお答えをいただきました。それぞれ一定の成果はあるというようなお話があったのですけれども、結局、施策と結果の因果関係というのは分かりづらいのではないかというように感じております。  市町村の話になるのですけれども、隣近所の市町村が少子化対策に取り組むと、近隣での引っ越しが生じて、同様の施策に取り組まないと子育て世代が移住してしまうというようなことが往々にして聞かれます。純粋に子供が増えるような施策、効果のあるなしというような部分でぜひこの少子化対策に取り組んでいただきたいと思います。  市町村単独の評価というのはなかなか難しいと思います。ですので、県が市町村の枠を超えてそういった評価をしていただきたいと思います。ぜひ少子化対策に特化して評価をしていただきたいと思います。そして、効果のあるものがありましたら、市町村と連携して、県でも重点的に支援をしていただければと思います。  知事の決意をいただきました。  先ほど、私から少子化対策は将来に対しての責務であると発言させていただきましたが、施策を行うだけでなく、やはり結果が出なければだめだと思います。  子供は、大人になるまで10年、20年とかかります。そういった中で、自分たちの同級生が多いか少ないかという部分で、社会を担う人数、負担をする人数が変わってきます。今、子供たちの人数を増やすことで、社会がより公平に、そしてしっかりと支援が保たれると思いますので、知事の施策をしっかりと進めていただきまして、少子化が止まる長野県になりますことをお祈りしまして、一切の質問を閉じたいと思います。 ○議長(丸山栄一 君)この際、午後1時10分まで休憩いたします。         午後0時10分休憩          ──────────────────         午後1時11分開議 ○副議長(髙島陽子 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  清沢英男議員。       〔44番清沢英男君登壇〕 ◆44番(清沢英男 君)初めに、上高地に関する政策について伺います。  松本市の上高地は、アルプス一万尺の中ほど、五千尺に位置する長野県の貴重な観光資本であります。その入り口、県道上高地公園線の釜トンネルは、狭隘急坂で交互通行だった時代もありましたが、今は改良整備され、続いて落石による崩落で人身事故も発生した災害後に上高地トンネルが建設され、さらには、梓川に流れ込む沢筋には砂防施設が整えられるなど、徐々に観光県にふさわしい環境整備への努力がなされています。  そんな中、4月27日に予定されていた今年の上高地開山祭を前にして、前日から降り続く雨が4月観測史上最大となる140ミリを超え、同日未明に上高地トンネル北側2.4キロメートル地点で山からの土砂崩落が発生。早朝から通行止めを余儀なくされ、開山祭は急遽中止。上高地の宿泊客や従業員の皆さん700人が足止めになりました。  現地の松本建設事務所はいち早く復旧作業に当たり、同日午後3時半頃にはバスの通行幅を確保し、希望者約250人を乗せて下山していただき、翌28日は、仮設防護柵設置のため終日通行止めにして夜を徹しての突貫工事を行い、大型連休初日の29日早朝には片側車線での通行を確保することができました。建設事業者をはじめ県の対応に上高地の皆さんが大変感謝しておられたことは言うまでもありません。  建設部長に伺います。  1点目。今般の災害は夜間に発生したために人身被害は免れることができましたが、もしも昼間の出来事だったら、もしも崩落した土砂にバスが巻き込まれたら、そんな想像は背筋の寒くなる話であります。観光地上高地の安全と信頼は失墜してしまうでしょうし、県の責任も問われることになります。かかる事態が頻繁に続けば、上高地観光やアルプス登山への影響は必至であります。  そこで、上高地トンネルの延長先から大正池までの間にトンネルの建設をすることで、今般のような突発的災害を回避できる上に、当該県道の狭隘箇所の対策もできると考えますが、いかがでしょうか。この仮称第2上高地トンネルに着手していただければ、路線最後の難所が解消できます。それは、上高地やアルプスを目指す人々の熱い期待でもありますので、お考えをお聞かせいただきます。  2点目は、上高地の河床上昇対策についてであります。  松本砂防事務所によれば、横尾から大正池間の梓川では大量の土砂が堆積し、今後30年の間に河床が約1.5メートル上昇する箇所もあると予測しています。国、県、松本市や現地の皆さんで組織する検討部会では、川幅を広げる等の河床上昇緩和対策や、河童橋周辺ほかの土砂流入予想施設の保全対策を検討し、それぞれの具体策につき、今後5年を目途に実施するとしていますが、その概略と県の役割を御説明いただきたいと思います。  3点目は、焼岳が噴火した際の対策について危機管理部長に伺います。  4月に御嶽山が噴火警戒レベルを2に、また、5月24日には焼岳が同じくレベル2に引き上げられました。レベル2は、火口周辺1キロメートルが噴石の飛来する距離として規制されますが、仮にレベル3になると、大規模水蒸気噴火により火口から周辺2キロメートルが規制されます。気象庁の資料を見ると、県道上高地公園線は、釜トンネルの入り口付近から大正池ホテルまでの間が火口周辺2キロメートル以内に入ってしまい、通行不能になります。  松本地域振興局予算で一般向けの焼岳や上高地の防災マップがつくられ、対策の一つになっていますが、焼岳の噴火警戒レベルが3以上になって上高地が孤立した場合、当該マップでは、旧道の徳本峠越えでの避難が明示されるも、災害等で通行不能としています。  島々まで徒歩約7時間を要するこの登山道整備や、山にいる大勢の登山者対応、通信の確保、現地で緊急指示のできる統括責任者は誰か等々の危機管理を想定したシミュレーションに早急に取り組む必要があると考えますが、御所見をお聞かせいただきます。  4点目。長野県の西側は、中部縦貫道が福井県、岐阜県と建設が徐々に進み、東海北陸道が完成したゆえんをもって、世界遺産の白川郷や五箇山などから高山市、安房トンネルを経ての上高地が県外西側の大きな観光資本になっています。  残念なことに、長野県側の中部縦貫道は遅々として進まず、ようやく松本波田道路の橋脚が日の目を見せ始めている程度で、波田インター以西はルートさえ決まっていませんし、着手できても完成までには長い年月を要することになります。  県は、波田の渋滞対策道路や158号の狸平トンネル新設、また権限代行での奈川渡改良などを意欲的に進め、上高地から松本市、安曇野への誘客に支障が出ないように取り組んでいます。しかし、その一方で、中部縦貫道への期待は衰えることなくますます増加しています。35年前の四全総で閣議決定されたこの高規格路線は、当初はルートも梓川左岸をトンネル化するとの予想がされていましたが、それもいつの間にか立ち消えになり、現状は基本計画だけの白紙状態です。  そこで、建設促進長野・岐阜連絡協議会長である知事に伺います。  国との協議を今以上に積極的に進め、期限を区切っての長野県側ルート発表に持っていけないかどうかということであります。現状の宙ぶらりん感の解消に向けて御所見を伺います。       〔建設部長田中衛君登壇〕 ◎建設部長(田中衛 君)私には2点御質問いただきました。  まず、上高地トンネルから大正池までの間のトンネル建設に関するお尋ねでございます。  一般県道上高地公園線では、今年の4月27日に発生した崩落により全面通行止めになったことから、同日に予定されていた開山祭が中止となり、ホテルや旅館の宿泊者、従業員ら約700名が足止めされるなど、大きな影響がございました。現在、崩落箇所については仮設防護柵を設置し、交通を確保している状況ですが、今週6月23日に災害査定を受ける予定であり、早期の復旧を目指して取り組んでまいります。  将来的には、トンネルの建設も選択肢の一つとして検討したいと考えていますが、まずは当箇所の前後区間ののり面を調査の上、必要な現道対策を検討し、安全な通行の確保に努めてまいります。  次に、上高地の梓川河床上昇対策に関するお尋ねでございます。  議員御質問の検討部会で定められた実施方針では、国交省などが行う土砂流出防止施設等の機能維持・強化や、東京電力が実施する大正池における土砂流下促進等の河床上昇緩和対策と、環境省や林野庁が施設管理者に促す個別建物や地盤一帯のかさ上げ、松本市が実施する洪水警戒避難に資するソフト対策などの保全対策が位置づけられております。  その中で、県の河川管理者としての役割は、河床上昇緩和対策としての上高地集団施設地区における堆砂土砂の掘削及び流木の河道内からの除去、そして、保全対策としての護岸や堤防の維持管理などになっております。  これに基づき、令和4年度においては、緊急浚渫推進事業債を活用し、引き続き集団施設地区における堆積土砂の掘削などを実施することとしております。今後も関係機関と連携してこれらの河床上昇対策を積極的に実施してまいります。       〔危機管理部長前沢直隆君登壇〕 ◎危機管理部長(前沢直隆 君)私には、焼岳噴火による上高地孤立を想定した取組について御質問を頂戴しました。  焼岳の火山防災対策は、長野県、岐阜県、関係市町村、火山専門家、それに山小屋・観光関係者等を構成員といたします法定の火山防災協議会において協議を重ねておりまして、協議会として火山防災避難計画の見直しや各種訓練の実施に取り組んできたところでございます。  避難計画では、県道上高地公園線等の道路規制により上高地が孤立状態になることも想定しておりまして、平成30年、それから令和元年には、孤立した観光客の救出や負傷者救助を想定した実動訓練を、松本市の総合調整の下、県、警察、消防、自衛隊等が連携して実施したところでございます。  また、今回の噴火警戒レベル2への引上げを受けまして、去る6月1日には、松本市と上高地の関係機関の皆様と意見交換を行ったところでございますけれども、その意見交換の中では、噴火警戒レベルが3になった場合、想定した避難ルートや避難方法、それから指示系統などについてより詳細に検討すべきだという意見もいただいたところでございます。  こうした意見も踏まえまして、今の計画をより具体的な場面を想定したものに見直すとともに、訓練を通じて実践できますよう、県としても協議会の一員として積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上です。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には期限を区切って中部縦貫自動車道の長野県側のルート発表に持っていけないかという御質問をいただきました。  中部縦貫自動車道については、申し上げるまでもなく、国土全体の道路ネットワークを形成する上で非常に重要な路線だというふうに考えております。波田インター以西の検討を行う上で、まずは事業中の松本波田道路の整備を促進するということが重要であります。このため、県としても用地確保に積極的に協力してきたところであり、これまで、約8割の用地買収が完了し、波田地区では橋梁工事も進捗している状況であります。  また、波田―中ノ湯間につきましては、国、県、市によります検討会を設置して本格的な検討を始めたところであり、ルートや構造を検討する計画段階評価に着手できるよう県としても努力をしていきたいというふうに考えております。  国土交通省の皆様方には、先日も、地方整備局長の皆さんにお越しいただいたときに、道路整備がもっと計画的に進められないのかというお話を私からさせていただいています。現在進行中の道路事業でも、一体いつ完成するのかということがなかなか明確になっていないところがあります。これが明確になりますと、例えば企業立地や周辺地域の皆さんの取組が計画的に進められますので、同じ事業をやるにしても投資効果が変わってくるのではないかというお話もさせていただいています。  予算が絡む問題でありますのでなかなか難しい部分もありますが、引き続きそうした観点で道路整備の促進について国に求めていきたいと思いますし、中部縦貫自動車道の早期整備につきましては、これまでも、繰り返しいろいろな場面で私から直接国土交通省や財務省に要望してきており、7月にも中部縦貫自動車道建設促進長野・岐阜連絡協議会の会長として岐阜県知事とともに国への要望を計画中でございます。引き続き関係の皆様方と協力しながら、一日も早い開通に向けて取り組んでいきたいと考えております。  以上です。
          〔44番清沢英男君登壇〕 ◆44番(清沢英男 君)危機管理部長に再質問いたします。  会議や避難訓練をしていることは分かりますけれども、私が聞いたのは、徳本越え、これができるのか、あるいは、山に大勢いる登山者の逃げる方法、あるいは通信の確保、あるいは現地で実際一番問題になるのは、責任を持っていろいろ指示できる統括責任者を誰にするのか。こういうシミュレーションを早くしたらどうかということをお聞きしたのですが、一般論でなく、その話をお聞かせください。       〔危機管理部長前沢直隆君登壇〕 ◎危機管理部長(前沢直隆 君)まず、登山者の方の避難ルートでございます。今、徳本峠というお話がございましたが、これはなかなか行程が長うございます。それから、道の整備という問題もございますので、一般の方も、どんな方も全てお通りいただけるということではないという認識は強く持っております。そこの整備も必要だと思っています。  それから、登山者の避難につきましては、実は平成30年、令和元年の訓練では、自衛隊のヘリコプターを使いまして、一定の人数の方について避難させるというようなことも想定した訓練をしておりますので、それも選択肢の一つなのではないかというふうに考えております。  通信施設についても、途絶してしまいますと、登山者の方、観光客の方に非常に不安を与えてしまうということで、これは大事な問題だというふうに認識しております。その意見交換会のときに、松本市からこの通信環境については積極的に整備するという回答があったというふうに承知しております。  最後に、総括責任者ということ、これが一番大事なことで、答弁漏れで大変失礼いたしましたけれども、通常、災害が発生いたしますと、県、それから、この場合ですと松本市に災害対策本部が設置されます。そして、現場において必要だという場合にはさらに現地の対策本部を設置するという災害の場面もあろうかというふうに思います。  ただ、いきなり外の人が入ってきて中で指図をするというのは難しいというふうに思います。議員がおっしゃるように、日頃から誰が責任者で誰がどういうふうに指示をするかというルートがまだできてないということは確かに事実でございますので、そこも含めて今後の大事な検討課題であるというふうに受け止めて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。       〔44番清沢英男君登壇〕 ◆44番(清沢英男 君)お答えいただいたような事業を早期にシミュレーションしてやっていただきたい。お願いいたします。  次に、農業政策について伺います。  塩尻市洗馬や朝日村は、レタス、キャベツ、白菜という葉物野菜では県内有数の産地であります。今、そこで開闢以来というような危機が始まろうとしています。ほかでもない、肥料の話であります。野菜の葉や茎の成長を促進させる尿素肥料が、この6月から、1袋20キログラム入りで、これまでの1,845円から3,640円と約2倍の値上がりになったとのことであります。また、野菜植え付け前の元肥BM重焼リンは、1袋3,170円がプラス1,000円の値上げ。そのほかにも、窒素リン酸カリが混交する野菜類全体の元肥は、2,440円だったものが4,090円に、また、追肥もプラス1,000円の値上げと軒並み高騰しているとJA関係者が危機感をあらわにしています。  これらの輸入品の化成肥料は、ウクライナ侵攻を続けるロシアとの取引停止による影響、また、中国によるリンの輸出規制の影響を全面的に被っている上に、円安による燃油高や輸入品の値上げなど、早晩、果菜類生産者の皆さんは立ち行かない状況になるおそれがあります。今は在庫でしのぐ部分もありますが、さらにダンボールやマルチ、消毒薬などの値上げラッシュになれば、価格転嫁を余儀なくされ、それにより消費者との需給バランスが崩れれば、レタス生産日本一を誇る長野県の野菜産地は悲惨な時代を迎えてしまいます。  農政部長に伺います。  6月補正予算では、施設園芸の燃油高騰対策として1億円を盛っていますが、それに限らず、野菜をはじめ園芸作物の肥料等価格の高騰対策についても、短期、中期で何らかの形による支援策を繰り出してほしいと考えますが、いかがでしょうか。  次に、飼料価格の高騰で経営に困窮する畜産農家の支援策について伺います。  我が国の飼料自給率は25%にとどまっていると言われます。数年前から中国の養豚農家が大型になり、飼料の原料であるトウモロコシの需給バランスが崩れた結果、飼料価格の高騰が起き始め、現今の円安や燃油高、またロシアやウクライナ産のトウモロコシが輸入できない状況が輪をかけて、畜産農家は配合飼料価格安定制度では追いつかないほど経済的に逼迫しています。  酪農は、コロナの影響もあって、生産も価格も思わしくなく、肉牛は、肥育牛を販売したときに子牛を購入するサイクルでしたが、今は子牛を買うことさえちゅうちょするほど追い詰められています。  長野県は、6月補正に配合飼料高騰緊急対策事業として6億1,000万円余りを盛り込み、価格安定制度に加入している農家を対象に同制度で補填される額を除いた経費につき、飼料1トン当たり4,200円を上限に四半期ごとに補助するとしています。  そこで、公平に県の補助制度を適用すべきと考えたとき、牛の場合は、牛トレーサビリティ法制度による個体の頭数に応じた補助なのか、または配合飼料を購入した量的金額に見合った方法によるのか、畜産農家からも疑問が出ていますが、御説明をいただきます。  また、四半期を経過した後の申請、調査の上交付という県の補助は、相当なタイムラグが生じてしまうおそれがあります。農家は毎日餌やりをしなければなりません。よって、一日も早く農家の手元に届く支援策にしてほしいと思うことと、飼育動物によって影響の大きさに配慮しためり張りの利いた支援を考えてほしいと思いますが、いかがでしょうか。  また、飼料用米の作付増加策やライ麦の播種など県内自前の飼料確保も長期的に実施していただきたいが、どうでしょうか。さらに、配合飼料価格安定制度は、短期の飼料高騰を補填するものですが、現今のような長期にわたる高騰にも対応できるように制度見直しを国に働きかけて実現を図っていただきたいが、いかがでしょうか。  また、知事は、先ほど答弁にございましたように、去る6月2日、松本市の食肉処理施設につきJAや畜産生産者団体の皆さんから要望を受けられました。その中で、知事は、これまでの県の対応から一歩踏み込んでかかる団体の皆様と同じ方向を向いて要請に応えていく旨の発言をされ、諸課題に積極的かつアクティブに取り組む姿勢を明確にされました。  処理施設が抱える松本市との用地問題解決への協力、それから、新施設建設に係る国庫補助金の獲得と稼働への支援、食肉処理施設の暗いイメージの払拭と命の大切さにつながる教育現場での教えなどを表明され、要望した皆さんからは、従来からのターニングポイントになると、一様に明るさを持って受け止められたと伺います。その中で、知事が特に強調されたことは、畜産農家としての努力の継続性とそれを可能にする県の畜産振興施策の実施であります。  そこで、同席しておられた農政部長に、これまでの食肉処理施設に係る県内での問題の総括と、今後の同施設への積極的関与への決意につき人的配置を含めお聞かせいただきます。  次に、盛土条例に関連して1点伺います。  農地に盛土を行う場合、原則として農地法の転用許可が必要となり、転用後の土地については農地法の規制が及ばなくなり、仮に危険な盛土があっても、農業委員会での対応は難しくなると言われます。よって、残土処分が目的の場合や産廃を土に混ぜて埋めるなどの悪質なケースが散見されると言われていますが、農政部として農地への盛土につきどのような態度で臨まれるのか、お聞かせいただきます。       〔農政部長小林安男君登壇〕 ◎農政部長(小林安男 君)何点か御質問をいただきました。順次お答えさせていただきたいと思います。  初めに、肥料価格高騰の支援策についてでございます。  肥料価格の高騰は県内の農業者に影響を与えており、現在、県下10か所の農業農村支援センターに燃料・資材・飼料高騰に対する相談窓口を設置し、農業者の資金繰りや経営等に関する相談に対応しております。  また、当面の対応として、コスト削減を図るため、農家が土壌診断結果に基づき行う肥料の施用量を低減する取組を推進し、その診断経費を国事業により定額で助成してまいります。なお、この問題につきましては、全国的な課題であり、本県においても、今後、来春の作付に向けて大きな影響が出てくることを踏まえまして、農業者に対して価格高騰分のかかり増し経費への直接支援を検討するように国へ強く要望したところでございます。  次に、飼料価格高騰について4点御質問をいただきました。  初めに、畜産農家への支援の方法でございます。  今回の支援は、価格が高止まりしている配合飼料について、既存の国の制度では賄い切れない部分について県独自に支援を行うことにより、畜産経営の継続と安定を図ることを目的としたものです。支援に当たっては、頭数による一律支援ではなく、より農家ごとに影響が反映できるよう配合飼料の購入量に応じて助成をすることとしたところでございます。  次に、補填金の早期支払いについてでございます。  支払額の算定には、その時点の価格や農家の購入数量を確認する必要があり、既存の国の仕組みを活用するため四半期ごとの支払いとなりますが、交付に係る事務の簡素化や、JAや専門農協等飼料関係機関と連携することによりまして、速やかに対象農家への支払いが行えるよう進めてまいります。また、万が一に備えて、飼料購入費用等が不足する農家に対しては農林漁業セーフティネット資金等の活用についても周知してまいります。  なお、今回の支援は、牛、豚、鶏など全畜種を対象に購入費用の増加分に対し緊急的に支援を行うものであり、影響の大きさに応じた畜産経営の下支えになると考えております。  次に、県内産の飼料確保についてでございます。  県内における飼料作物は、畜産農家が生産する牧草や青刈りトウモロコシのほか、水稲農家等が生産する飼料用米や稲を丸ごと発酵させた稲ホールクロップサイレージなどがあり、県内の飼料自給率はおおむね3割と推定されます。飼料価格の急騰を踏まえ、自給飼料の生産や飼料自給率の向上については重要な取組と認識しているところです。このため、県といたしましては、地域の畜産農家が共同し、飼料の収穫作業などを受託するコントラクター組織の立ち上げや、大規模水稲農家と連携した水田での飼料生産など継続的に自給飼料を生産できる環境づくりを進めてまいります。  配合飼料価格安定制度の見直しについてでございます。  国の配合飼料価格安定制度は、配合飼料価格の高騰が畜産経営に及ぼす影響を緩和するため、直近1年間の飼料価格の平均を基準とし、その基準価格を上回った場合に、その差額が農家に補填される制度です。この制度では、飼料価格が高止まりした場合、基準価格と飼料価格との差が小さくなり、補填割合が低く、農家の負担が大きくなってしまうことが課題であると認識しております。  このため、県としては、配合飼料価格の高騰が長期化する場合にも畜産農家の経営安定に寄与できる補填金制度となるよう、6月13日に農林水産省に対して制度設計の見直しを要請したところでございます。  次に、松本の食肉処理施設の課題と今後の県の関与についてでございます。  松本の施設は、老朽化が進んでいるため、施設の改修整備、移転候補地の探索が最大の課題であり、そのほかに、畜産農家の減少に伴う屠畜頭数の確保、経営健全化に向けた機能の高度化などの課題もあると認識しております。  また、今回の要請を重く受け止めており、県としても積極的に関与することとし、施設の整備に対して国庫補助を活用しつつ県として最大限の支援ができるよう進めていくほか、移転候補地の探索への協力や畜産農家に対する生産基盤の拡大への支援についてJAグループや関係者にもそれぞれの役割を担っていただきながら進めてまいる所存です。なお、人的配置については、施設の規模や県が担う業務内容等の具体的な検討を進める中で併せて検討してまいります。  最後に、農地への盛土についてでございます。  農地法では、農地の転用を許可する際に、都市計画法の開発行為や森林法などその計画に関係する他法令がある場合は、所管部局や市町村と調整を行い、関係法令の許可の見込みを確認してから許可を行います。本議会に上程されている長野県土砂等の盛土等の規制に関する条例、いわゆる盛土条例も、施行後はこの調整の対象となることから、農地を残土置場に転用する場合など一定規模以上の盛土を行う計画については転用許可申請の際にチェックできることになります。  一方、農地転用後に用途を変更するため盛土が行われる場合には農業委員会での指導対象となりませんが、盛土条例により事業者や土地所有者は災害の発生防止や適正な管理などについて審査され、許可を受けることになります。  今後も、盛土条例を所管する建設部と連携し、農地転用許可申請者へ適切な助言を行うとともに、適正な審査を行ってまいります。  以上でございます。       〔44番清沢英男君登壇〕 ◆44番(清沢英男 君)肥料の話は結構長いことやりましたけれども、相談を受けるとおっしゃいましたが、「そうかね、高くなったかね。そりゃ大変だね。」という話だけでは困るのであって、あとは国の政策に任せようというのではなくて、やはり園芸日本一の部分は相当あるわけですから、化成肥料に対してどういう補助ができるかということはきちんと考えていただきたいというふうに思います。  畜産農家というのは、自分の責任ではない事情で、相当一頃よりも減少しています。今後もそういうことが続いて廃業等に追いやられれば、実は、有機肥料の確保が難しくなります。そうすると、野菜産地も打撃を受けて、これは悪い循環パターンが生まれるわけであります。その意味でも、今から必要十分な対策が肝要となるわけでありまして、農政部のしっかりとした政策の断行を願います。  続いて、教育行政について伺います。  2015年に改正地方教育行政法が執行され、教育委員長が廃止となって新教育長制度が始まり、知事が議長として参加する新たな総合教育会議が組織されて教育大綱策定などを担うことになり、会議は年に3回から2回開催されて、時々のテーマについて討議が行われています。  知事に伺います。  改正法は、新教育長への業務負担を大きくさせていった感があります。現実に、教育問題をめぐっての議会答弁も、改正法前は教育委員長と2人して対応されていましたが、法改正後は教育長が一手に引き受けておられました。この辺の問題意識について総合教育会議を主催する知事としてどう考えておられたか、お聞かせいただきます。  また、今議会に、教育長の勤務時間及び休暇等に関する条例案を提案されましたが、その提案理由をお聞かせいただきます。また、知事御自身の勤務時間等の管理は必要ないのか、併せて伺います。  教育長に伺います。  同条例案は、教育長の勤務時間規定や実働時間の記録もない中で、健康管理ができないこれまでの実態を何とかしようということだと思います。それ自体は共感するものでありますが、問題はそれにとどまらないと思うのです。勤務時間を管理することで、教育長なり管理的役職者がその部署を率いて担ってきた総合的な役割、また、それに割いてきた時間を、いかにすれば分担して管理時間導入前と同様あるいはそれ以上の成果を上げることができるのか、その体制や考え方を条例と同時に構築することが重要だと考えます。その点について御所見をお聞かせいただきたい。  話は変わりますが、直近の総合教育会議での議事録によると、岸田内閣が新しく設置した教育未来創造会議に都道府県知事では阿部知事だけが選ばれて参加しているということであります。国の期待値が大きいことは想像に難くありませんけれども、知事から、その未来創造会議で提言された内容につき、殊に強調したい部分を開示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)教育に関連して3点御質問をいただきました。  まず、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(2015年改正)によって教育長の業務負担が増えたのではないかという御質問でございます。  このときの法改正の考え方でありますが、従前は、教育長と教育委員長と、一定程度教育の責任を有する者がいたわけですが、教育委員会の責任者が分かりにくいといったような指摘、あるいは、いじめ等の問題に必ずしも迅速に対応できていないのではないかといったような問題背景を受けて、責任体制の明確化や迅速な危機管理体制の構築などを目的として、制度改正、法改正がなされたものというふうに認識しています。このため、非常勤であった教育委員長と常勤の教育長を一本化して、教育行政の総責任者としての常勤の教育長が設置されたところであります。  制度改正前と比べますと、改正前の教育委員長が担っていた毎月開催される教育委員会の運営、教育委員会を代表しての行事への出席、また、御質問にもありました議会での答弁、こうしたものについては教育長の業務量の増加につながっているものというふうに受け止めております。また、改正前は教育委員長と教育長の2人でそれぞれ責任を分担しておりましたが、この役割が一元化されたことによりまして責任も増大したものというふうに受け止めております。  こうした中で、教育長の勤務時間及び休暇等に関する条例案を提出させていただきました。教育長については、特別職でありますので、基本的には自らの判断と責任の下で職務を遂行することが求められているというふうに考えております。  しかしながら、働き方改革の進展やワーク・ライフ・バランスの意識が広まる中で、特別職も含めて健康状態の管理の重要性が高まっています。このため、健康管理体制の強化、専用相談窓口の設置等、特別職、管理監督者に対する心身の健康管理を充実していきたいというふうに考えておりますが、そうしたことと併せて、教育長の勤務時間及び休暇等を明確にするため本条例案を提案するに至ったものであります。  私、知事の勤務時間はどうするのかという御質問であります。  私は、県組織のトップであると同時に、公選によって就任するいわゆる政治的な色彩も強い職であります。そういう観点で、勤務時間等を規定するということにはなじまない職だというふうに考えております。  もとより、県民の皆様方からの負託に応え、職務に邁進するということが重要でありまして、そのためには、御指摘のとおり、自らの健康にもこれまで以上に留意をしていくということが必要だと思います。副知事をはじめ、関係の職員、そして秘書課のサポートも受けながら、勤務時間の適正化、健康管理に努めていきたいと考えております。  最後に、教育未来創造会議における提言内容で特に強調したい部分は何かという御質問であります。  御質問にありましたように、この教育未来創造会議は岸田総理をトップに教育の在り方について検討する場でありますが、都道府県知事としては私だけが参加させていただいております。そういう意味で、非常に重要な役割だというふうに思っております。  まず、1回目の会議のときに私が申し上げたのは、岸田内閣では新しい資本主義を掲げております。これは、ちょうど1960年12月に国民所得倍増計画が策定されたわけでありますが、まさに宏池会の岸田総理の先輩であります池田内閣がここから国民所得倍増をスタートされたわけです。  1960年代の前半には、実は教育においてもいろいろな取組がなされておりました。例えば、科学技術振興ということで、理工系学生の2万人増員計画、高等専門学校の設置ということで、長野高専もこの時期に設置されています。また、ちょうど高校の進学率が急上昇した時期でもあり、学習指導要領の改訂で法的拘束力を持たされたというのもこの時期であります。そうしたことを考え、この新しい資本主義を実現していく上で教育が非常に重要だということをまず私からは強調させていただいたところであります。  具体的な提言としては、知事の立場でありますので、まずは分権型の教育制度に転換する必要があるということ、そして、今、長野県の課題としては、高校を出ると大学に行くのに県外へ出ざるを得ないということで、やはり高等教育機関の地方分散化、地方大学の充実強化、こうしたことについて強く発言、要請をさせていただいたところであります。  特に、分権型教育制度については、やはり個性を伸ばす教育というのが重要でありますので、先導的な私学への支援の充実や初等中等教育における教員免許の弾力化、教職員の勤務形態についての制度運用面での見直し、また、カリキュラムづくり等において学校現場にできるだけ権限を持たせるような改革が必要だということを提案させていただきました。  こうした私の意見は、「知識と知恵を得る初等中等教育の充実」という項目の中で、多様な人材の教員免許の取得、教職課程の内容の多様化・弾力化、兼職兼業などの導入も含めた教員免許、教職員勤務の制度運用の見直し、あるいは学校長のリーダーシップ発揮による各学校の主体的、効果的で特色ある教育活動展開への支援充実という形で提言にも盛り込んでいただいたところであります。  また、大学の関連でありますが、進学者のニーズ等も踏まえた成長分野への大学等の再編促進や産学官連携強化という中で、地方へのキャンパス移転の促進等を通じた地方における高等教育進学機会の拡充、また魅力ある地方大学の実現に資する地方国立大学のソフトとハードが一体となった教育研究環境の整備充実、こうした項目として取り入れていただいたところであります。  教育の充実こそ地域を発展させる重要な要素だというふうに考えておりますので、引き続き委員としての積極的な役割を果たしていきたいと思いますし、また、都道府県、あるいは地域としての視点を積極的に提言していきたいというふうに考えております。  以上です。       〔教育長内堀繁利君登壇〕 ◎教育長(内堀繁利 君)業務分担に関する体制等の構築について御質問をいただきました。  今回提出いたしました条例案は教育長の勤務時間等を明確にしたものでございまして、議員御指摘のとおり、大切なことは、時間管理を行うことで、業務の分担などにより平準化、効率化を図っていくことだと考えております。  具体的には、次期教育振興基本計画策定に向けた意見交換の場に教育長に代わり教育委員や教育次長が参加するなど、順次業務の平準化を進めております。また、これまで長時間にわたる傾向にあった打合せを、あらかじめ時間と目的を明確にした上で始めることを徹底するなど、業務の効率化を進めているところでございます。  引き続き、全ての職員が時間を意識し、効率的な仕事を進めながら、これまで以上に成果を上げられるよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔44番清沢英男君登壇〕 ◆44番(清沢英男 君)尾島信久教育次長に伺います。  一つに、教育職員の給与に関する特別措置法、いわゆる給特法により、教師には特定事項のほかには残業代が出ない。4%の教職調整額が出るようになったのは半世紀以上前のことで、以後、小改正はあってもその形は変わっていません。そんな中、給特法の存在と教師の働き方改革についてどのように考えておられるか、次長の御所見をお聞かせください。  二つに、スポーツ庁の有識者会議が、中学校での休日運動部活動の指導を地域の団体等に委ねる地域移行を令和7年度までに実現するとの提言を行いましたが、県内の運動部活動の状況について、教師の負担や地域の協力、また子供たちの意欲等の面でどのように捉えておられるか。さらに、地域移行後の財政負担の有無についての予想もお聞かせいただきます。  今井義明教育次長に伺います。  一つに、高校再編で新たに発足しようとする学校に、学びのレベルを低下させることなく希望と新たな歴史を刻む意欲を育むことができる、そんなソフトを万全に構築することは県教委の責任第一歩でしょう。  ただ、極めて重要な視点として思うことは、新校の校地、どこに新校ができるのかという、いうならばハードの問題だと考えます。親御さんや子供たちは、どうやって通うのかが最大といってもいい関心事であります。電車か、バスか、自転車通学は可能か、健康に障らない距離なのか、地域公共交通は走っているか等々であります。  校地について、県教委は、再編案を地元の皆さんに説明、検討する中で決めていくとしていますが、既に、あそこになるらしいなどというまことしやかなうわさ話が流れていて、県教委の態度が不誠実に映っている様子でもあります。校地の問題は、過去分再編案でも必ずしも落ち着いていません。よって、新校の学校像であるソフトと、校地などのハードをセットにして県民に示すべきと考えますが、いかがでしょうか。  二つに、令和7年度より適用する公立高校の入学者選抜についてですが、中でも、取り上げたいのは、後期選抜への面接の導入という点であります。  受検生の状況把握と知識や思考力、判断力、また主体的に学習に取り組む態度等の学力3要素を多面的、総合的に判断するため、全ての高校で面接を実施する。ただし、人的・時間的制約を考慮し、対面面接が難しい高校は面接シートで紙上面接するというものです。
     高校入試の面接実施につき思うことは、面接でいい子になる必要もなく、少し表現力が下手でも、少しやさぐれていても、口下手でも、この頃の年代のどんな中学生でも誰もが持っていることは可能性であり、それを持っていることが、彼ら、彼女たちの特権であります。それを短時間の面接や一枚の紙で見抜くことは神様でもできないと思うのです。お聞きしたいことは、かかる選抜方法が是が非でも必要なのか、当落線上にいる子供はこの制度で決められるのか。  三つに、コロナ禍で取りやめていた修学旅行や運動会などイベントの再開につき、県教委の指導指針と子供たちの希望をお聞かせいただきます。  教育長に伺います。  長年にわたり長野県教育に携われた豊かな知見と経験を基にした教育理念をお聞かせいただき、目まぐるしく変化する世界の中で長野県から巣立つ子供たちに何を期待するのか、どんな未来を築き上げてほしいとお考えになられるかをお尋ね申し上げて、質問を終わります。       〔教育次長尾島信久君登壇〕 ◎教育次長(尾島信久 君)私には2点御質問をいただきました。  まず、給与に関する特別措置法の存在と教師の働き方改革の考え方についての御質問でございます。  いわゆる給特法では、校長が勤務時間外の勤務を命じられる場合を、修学旅行の引率などのいわゆる超勤4項目に限定するとともに、制定当時の時間外勤務時間を基に4%の教職調整額を支給することとしておりますが、現状では、超勤4項目以外の勤務を含め、時間外在校等時間が多くなっていると思っております。その背景には、教員は、自らの勤務時間の管理という視点よりも、子供たちのためにという意識が強いことなどが挙げられるというふうに思っております。  県教育委員会では、平成26年度より本格的に働き方改革を進めまして、長期休業期間における学校閉庁日の設定、また、時差勤務の積極的な活用などとともに、会議の縮減などの業務の見直しも行っているところであります。  また、本年度からは、全ての県立学校や公立の小中学校などにおいて、ICTの活用やタイムカードなどによる勤務時間の客観管理を通年で実施し、より正確な勤務状況の把握に努めているところであります。  これらの取組によりまして、教員の時間外在校等時間の縮減が一定程度図られてきておりますけれども、今後はさらにその縮減に努めるとともに、生きがいややりがいといった側面にも着目し、量と質の両面から働き方改革に取り組んでいく必要があると考えております。  次に、中学校の運動部活動の現状と休日の地域移行についての御質問でございます。  まず、本県の中学校における運動部活動の現状につきましては、専門外の種目を担当する顧問の割合が6割を超えていること、また、休日の部活動の指導や大会への引率などが教員の負担増の要因となっているというふうに認識しております。  また、現在、地域の競技スポーツ経験者などに部活動指導員や外部指導者として協力をいただいており、生徒にとっては専門性の高い指導が受けられ、教員にとっては負担の軽減が図られておりますが、一部の学校で人材が確保できないなどの課題もございます。加えて、生徒数の減少に伴い、各校において運動部活動の種目数が確保できないため、必ずしも全ての生徒が自分のやりたい部活動に所属できていない状況も生じていると思っております。  このような中で、このたびの休日の運動部活動の地域移行は、将来にわたって子供たちがスポーツに継続して親しむことができる機会の確保などを目指すものというふうに承知しております。現時点では、地域移行された場合の財政負担については不明でございますが、保護者の費用負担の増加などへの支援などが必要になることも考えられるため、今後の国の財政措置を含めた具体的な支援策などに注視するとともに、生徒や保護者、関係者の声を丁寧にお聞きしながら段階的な地域移行に向けて取り組んでまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。       〔教育次長今井義明君登壇〕 ◎教育次長(今井義明 君)私には3点御質問をいただきました。  まず、校地等も含めた統合新校案を県民に示すことについてでございます。  第1期高校再編の経験を踏まえ、今期再編では、地域の意見を丁寧に聞きながら進めることとしてございます。実施方針の中で示しました地域の協議会におきましては、旧通学区の将来を見据えた高校の学びの在り方等の議論を熱心に行っていただきましたが、再編対象校の校名を挙げた議論や統合後の校地等についての議論はまだなされていない状況でございます。  新校の具体的な学校像につきましては、再編・整備計画三次案確定後に設置いたします新校再編実施計画懇話会におきまして、統合対象校の関係者や所在する地域の代表者等の方々に校地や具体的な学びの在り方を含めた議論を行っていただいた上で教育委員会としての考え方を改めてお示しする予定でございます。  次に、新しい入学者選抜制度の後期選抜における面接についてでございます。  議員御指摘のとおり、短時間の面接で受検生の資質、能力、人間性等を十分に酌み取ることは難しいと考えます。しかし、受検生自身が書いたり話したりする場面をつくることで、学びに向かう姿勢、学びを人生や社会に生かそうとする姿勢を見ることができるのではないかと考えております。  また、受検生自身がこれまでの学びを振り返り、成功や満足感、そして、課題や失敗も可視化することで、自身を客観的に捉え、今後の学びにつながるきっかけにできるものと期待しております。  なお、紙上面接は、時間的制約を考慮したとともに、コロナ禍の入試でも中止や変更がなく確実に実施できるものとして考えたものでございます。後期選抜の面接は、調査書や学力検査の結果といった選抜資料を補完するための参考資料という位置づけであり、学びに向かう姿勢の有無を確認するものであるため、これまでの学習や活動の振り返り、高校入学後の抱負についての回答や記述があれば、その内容が合否に影響することはないと考えております。  入試は、こういう力をつけてほしい、こういうことを考えてほしいという受検生へのメッセージでもあり、それは時代に合わせて常にアップデートしていくべきものであると考えております。生徒一人一人の特性を踏まえたよりよい中高接続の結節点となるように、引き続き入試制度について考えてまいりたいと思っています。  最後に、修学旅行や運動会などの再開に係る指導指針と子供たちの希望についてでございます。  学校行事は、児童生徒の学校生活に潤いを与え、変化と充実をもたらすものであることから、県教育委員会では、県立学校運営ガイドラインにおきまして、感染防止対策を講じた上で、可能な限り学校行事を実施するように示すとともに、対策を講じても感染のおそれがある場合には延期や中止もやむを得ないとしてきたところでございます。  各校では、これまでも、修学旅行の行き先や日程の見直し、運動会の縮小などの行事の変更や、感染状況によっては中止を余儀なくされてきました。しかしながら、今年度は、感染対策を講じながら、宿泊を伴う行事や競技種目を増やした運動会などが実施できているところでございます。  修学旅行や運動会などについて学校から聞き取った子供たちの声の例を挙げますと、修学旅行に行けることが本当にありがたく感じ、みんなで泊まる行事がやっと実現するんだなという実感がある。運動会のダンスで最高の演技ができ、たくさんの拍手が聞こえてきて震えるほどうれしかった。先生や友達、家族などいろいろな人に支えられて運動会を迎えられて、たくさんの人に感謝したいといった喜びや思いがあふれており、学校における修学旅行や運動会などの行事の意義や必要性を改めて感じているところでございます。  以上でございます。       〔教育長内堀繁利君登壇〕 ◎教育長(内堀繁利 君)教育理念、子供たちへの期待、築き上げてほしい未来についての御質問でございます。  まず、教育理念についてでございます。  教育は、多様な個人の幸福とよりよい社会を実現するためのものであり、今を積み重ねた先にある未来を創造する営みであると考えております。  未来とは、希望であり、子供たちが持つ可能性への期待であります。教育が教育として成立するためには、年齢に関係なく、子供たちを一個の人格として尊重し、一人一人異なる子供たちの今を丸ごと肯定的に受け止め、子供たち自身が伸びようとする方向に向け全力で支援することが大切だと考えております。  長年にわたって信州教育と呼ばれてきたものの真髄も、人格の完成を目指した全人教育と、子供への信頼に基づいて学びの主体者である子供を中心に据えた教育にあると考えているところでございます。  子供たちへの期待についてでございます。  長野県で学ぶ子供たちには、様々な学びや経験を通じて当事者意識を身につけて巣立っていってほしいと考えております。自分の人生の当事者、自分が生きる社会や国、地球の未来を創る当事者という意識であります。それは、自ら人生を切り開いていかなければならないという責任を負うことでもありますが、自分が自分の人生の主人公だと思えるためにも、習得した知識や技術を最大限活用し、自ら考え、他者と協働しながら、よりよい社会をつくっていく力を身につけていってほしいと考えております。  築き上げてほしい未来についてでございます。  私が子供たちに築き上げてほしい未来は、子供たち自身が望む未来であります。子供たち自身がしっかり考え、議論し、知恵を出し合い、協働して望む未来をつくっていってほしいと考えております。  それに対する私個人の期待を申し上げれば、その未来には、前の世代から受け継いだものを少しでもよくして次の世代に引き継ぎたいと考える人や、自分と他者、自分を取り巻く環境を大切にする人たちがたくさんいて、一人一人の存在や命、人権が当たり前に尊重され、自分らしく、自分が生きたいように生きることができ、幸福や笑顔、夢や希望に満ちあふれている、そんな未来であってほしいと願っております。  以上でございます。 ○副議長(髙島陽子 君)次に、両角友成議員。       〔28番両角友成君登壇〕 ◆28番(両角友成 君)日本共産党県議団の両角友成です。私は、発言通告に沿って一般質問を行います。  まず初めの質問項目は、オンライン資格確認システム導入に対する県の姿勢についてであります。  厚労省が2023年末にほぼ全ての医療機関、薬局で導入するとして補助金を倍額にするなど促進しているオンライン資格確認システム、通称マイナ保険証システムです。この導入の主な理由だとする資格喪失の確認漏れによる診療報酬返戻の業務負担軽減について、全国保険医団体連合会の調査では、返戻件数は全レセプト件数の0.27%にすぎないとの指摘もありますし、病院で入手データとマイナンバーカード情報が一致しないとはじかれるとの医療機関からの苦情もあるようです。私は、現在の保険証システムで何ら問題ないのではないかと考えていますし、果たして現在の保険証システムより便利になると言えるのでしょうか。  政府の勧めで、現在既にシステムを導入している医療機関には診療報酬の上乗せがあります。導入した医療機関にかかると患者には最大21円の負担増となっており、矛盾が指摘され、導入早々見直しが検討されています。  それでも、本年5月25日の報道によりますと、来年度より医療機関に対しシステム導入が義務化されるとのことです。この報道を確かめるべく、6月7日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2022、通称骨太の方針を読み解きますと、「社会保障分野における経済・財政一体改革の強化・推進」の部分で、「オンライン資格確認について、保険医療機関・薬局に、2023年4月から導入を原則として義務付けるとともに、導入が進み、患者によるマイナンバーカードの保険証利用が進むよう、関連する支援等の措置を見直す。2024年度中を目途に保険者による保険証発行の選択制の導入を目指し、さらにオンライン資格確認の導入状況等を踏まえ、保険証の原則廃止を目指す。」と確かに書かれていました。2年後の2024年には保険証の原則廃止。現在、これに向けて税金を使って特典を与えてまでも進める姿勢です。マイナ保険証にポイント7,500円です。  特に、医療情報は究極の個人情報です。日本医師会は、時に応じて素早く判断、機敏性の高い医療情報とマイナンバーがつながることは協議の俎上にない。断じて容認しないとしています。テレビコマーシャルまでして導入を進める国の姿勢に違和感がありますが、県としてどのように受け止めているか。知事に伺います。  続けて伺います。  この動きに連動して、総務省は、4月15日、今年度中にマイナンバーカードの機能をスマートフォンに搭載できるようにすると発表しました。スマホ搭載カメラによる顔認証やセンサーによる指紋認証を使い、行政がサービスの申請や特定健診の情報提供などが可能になるとしていますが、スマートフォンと連携すると、個人の情報保護の観点から情報漏えいなどの懸念があります。こうした状況の中でスマートフォンとの連携を進めようとする国の動きに対し、県としてどのように考えているか。企画振興部長に伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)オンライン資格確認システムについて県としてどう受け止めているかという御質問であります。  オンライン資格確認によりますマイナンバーカードの健康保険証利用の目的は、よりよい医療の提供体制を確保することというふうにされています。マイナンバーカード自体にはプライバシー性の高い情報は記録されないなど、セキュリティー対策にも配慮がなされているというふうに承知しています。  このシステムを使うことによりまして、本人同意を前提として、過去の服薬情報や健診結果などの正確な情報に基づいて総合的な診療を受けられること、また、デジタル化により、医療従事者の業務の効率化が図られることなどが期待されているというふうに受け止めています。  以上です。       〔企画振興部長清水裕之君登壇〕 ◎企画振興部長(清水裕之 君)私にはマイナンバーカード機能のスマートフォン搭載に関する県の考え方についてお尋ねがありました。  現在、マイナンバーカードの安全性につきましては、ICチップに税や年金などのプライバシー性の高い個人情報は記録されていない。暗証番号の入力を複数回間違えると機能がロックされる。紛失、盗難の場合は、24時間365日体制で一時利用停止が可能である。不正に情報を読み出そうとするとICチップが壊れるといった様々なセキュリティー対策が施されていると承知しております。  これらは、今後マイナンバーカードの機能がスマートフォンに搭載されたとしても同様となる予定であり、加えて、新たに指紋などの生体認証も組み合わされることとされ、高いセキュリティーレベルが維持されるものと理解しております。  このため、マイナンバーカードの機能をスマートフォンに搭載することは、高い安全性を確保しながら、マイナンバーカードを携行せずともスマートフォン一つで様々な行政手続やサービスを利用可能にし、利便性を向上させることにつながるものと考えております。  以上でございます。       〔28番両角友成君登壇〕 ◆28番(両角友成 君)個人情報の漏えいが相次ぎ、昨年度、国の発表だけでも5,846件、マイナンバーは170件、うち100名以上が一度に漏えいしたケースが9件とのことでした。  マイナンバーカードは、他人が扱うことはできません。例えば、現在、特別養護老人ホーム入所の認知症の方々に対して預かり証をつくって保険証を管理していますが、12桁の個人番号を見てはいけないとされるマイナンバーカードを預かることが果たして可能なのか、疑問です。  カードの発行を担当する地方公共団体情報システム機構によると、カードの更新には、役所から申請を受けて新しいカードの発送まで10日はかかる。役所を経て本人の手に渡るのに何日かかるのか。もしも交換している間に病院受診の必要が出た場合について、総務省は今後検討すると、無責任な態度です。まずは導入ありきではないでしょうか。現在の保険証システムで何ら問題ないのではと改めて申し上げ、次の質問項目に移ります。  次の質問項目は、中小業者の経営支援についてであります。  日本銀行が毎月発表している企業物価指数、仕入価格や卸売価格が対象になる企業物価指数によると、2015年を100とすれば、今年4月には、原油で210.6、鉄鋼で181.7、木材174.9、食料品・農産物131.8、小麦149.9など急上昇しています。いずれも新型コロナウイルス感染症拡大が深刻化した2020年以降に値上がりが本格化。今年に入ってからロシアによるウクライナ侵略によってさらに状況が悪化しています。  このような中、業者の方々から、工事発注者に2~3か月前に見積書を提出したが、直前に原材料が値上がりし、発注者に交渉しても聞いてもらえない。鉄筋、アルミ材、たるきが1か月単位で値上がりしている。できるだけ見積りに反映しているが間に合わない。1年に一度ぐらいの値上げなら協力をお願いできるが、3~4か月ごととなるとお願いできず、赤字になってしまう。  他方、家を建てる計画をしている方からは、最初に概算見積りをいただいたときと本見積りをいただいた額に大変な開きがありとても建てられない。値上がりした金額に消費税が上乗せになる。  この住宅建築について、知り合いの建築士に、5年前と現在の住宅金額の比較を可能な範囲でお願いしました。結果は、特に木材、建材の値上がりが大きく、他の材料も全て値上がり傾向。基礎工事も上がるので、20%アップ、1軒3,000万円の家が3,600万円になる。しかし、大工手間は上がっていないとのことです。  業者の皆さんからの訴えは続きます。私どもにも、地元犀川砂防建設業協同組合から理事長名の要望書が4月16日付で届けられています。内容は、近年大規模な自然災害が頻発しており、地域の守り手として地域に暮らす人々の安心、安全を守る建設業界の役割はますます大きなものとなっていますが、将来にわたり建設業の使命を果たしていくためには、経営基盤の強化、経営の安定化が重要でありますとし、最近の物価上昇や原油価格の高騰の影響により、特に、生コンクリートの原材料価格の上昇に伴い、立米2,000円前後引き上げられ、ついては、公共事業の発注に当たり設計価格に反映してほしいという内容でした。考慮願います。  続いて、6月8日、私たちの会派は、県商工連合会と懇談を行いました。その中で、今中小業者が置かれている状況は、下りのエスカレーターを懸命に上がっているようなものだと表現されました。その業者の皆さんの評価は、それぞれの地元で営業、製造業等の営みをしていることがその地域を支えており、その役割は大変大きいと考えていると。決して暴利を貪っているわけではないと言われました。  この業者の皆さんが、長引く不況の中、借入金を返す時期に来ても、果たして返せるか。商工連合会に対し、業者の皆さんからは、手立てを教えてほしいと、今、会員になる方が増えていると言われました。そして、国も県も業者に対する支援策が必要と強く要請を受けてまいりました。飲食・観光業からは、コロナ禍で客が減少しているときに値上げすればさらに客離れになるなどなど、8割もの業者が経営難を訴えています。  国の緊急経済対策の補正予算の枠内だけでなく、県として独自の予算を組んでの緊急の支援策について伺います。また、今回の物価高騰緊急対策は第一弾とのことですが、今後の物価高騰対策の見通しについても併せて知事に伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)価格高騰、物価高騰に対する県としての独自の支援と今後の対策の見通しについてという御質問であります。  まず、今般、価格高騰対策としての補正予算を議会に御提案させていただきました。また、その基として、長野県価格高騰緊急対策第一弾という形で取りまとめさせていただき、影響を受ける県民、事業者の皆様方を支援していく方向性を取りまとめさせていただいたところであります。  県独自の取組は何かという御質問でありますが、事業者向けの取組の独自なものとしては、例えば、中小企業融資制度資金の貸付限度額を引き上げて資金繰りを支援してまいります。これは、経営健全化支援資金の新型コロナウイルス対策の貸付限度額を1.5倍に引き上げようというものであります。  また、持続可能な経営形態への転換を促進するため、国の中小企業等事業再構築促進事業及び中小企業生産性革命推進事業に対する県独自の上乗せ補助を行ってまいります。グリーン成長枠や原油価格・物価高騰等緊急対策枠、こうしたものを上乗せ対象に追加していくものであります。  また、省エネルギーによりますコスト削減を支援するため、空調、換気、照明等に係る省エネ設備や太陽光パネル等の再エネ設備の導入経費を助成してまいります。事業者の対象によって補助率は違いますが、最大が3分の2、補助上限額500万円ということで、事業者の皆様方のコスト削減の努力を応援していきたいと考えております。  また、円滑かつ適正な価格転嫁を促進するために、長野県産業振興機構が設置しております相談窓口「下請かけこみ寺」の周知や発注元との交渉の仕方等を学ぶセミナーを開催してまいります。こうした施策を金融機関、産業関連団体と連携して行ってまいりますし、引き続き観光業の支援としての割引施策等も講じてまいります。  また、もう一つの御質問の今後の物価高騰対策の見通しについてということでございます。  今回、第一弾ということで補正予算をお願いさせていただいておりますが、価格高騰の影響は今後とも継続することが予想されます。そういう意味では、私ども長野県としては、まずは県民の皆様方の暮らし、あるいは産業、経済にどのような影響が生じるのかということについてしっかり把握をさせていただきながら必要な対策を適切に講じていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔28番両角友成君登壇〕 ◆28番(両角友成 君)次の質問項目は、飼料価格の高騰に対する県の施策についてであります。  国内の食料生産に欠かせない肥料や飼料は大半は海外からの輸入です。このところの原油高や円安誘導も加わり、農業資材価格は軒並み高騰。既に、今年の1月時点で、肥料は前年比10%、飼料は16%アップしています。ウクライナ危機で今後さらに高騰することは必至と見られています。  畜産は、全ての業種で大変な状況が続いています。一例ですが、県内養豚農家の訴え。飼料が1トン2万円値上がり。1か月の持ち出し分が84万円増えてしまった。さらに上がりそうで怖い。現在、飼料会社に2,000万円の支払いを待ってもらっている。地元の精肉店が理解を示してくれ、高く買ってもらい、助かっているが、先が見通せない。資金繰りに対する支援、価格増加分の補填をと行政に求めています。  養鶏農家の訴えです。飼料の高騰がひどく、1万円単位で上昇している。直接販売ルートを持っているところは何とかなっても、販売先を大手に依頼している中小農家は中間マージンがかかる。あと1回値上げされたらアウト、倒産と。肉牛用配合飼料の価格も異常な値上がりであります。牧草では、価格高騰だけでなく、確保が困難になり、酪農経営が窮地に追い込まれています。牧草まで輸入している日本。アメリカより7割、オーストラリアより2割、カナダより1割とのことです。  6月定例県議会に向けた知事申入れを我が会派で6月9日に行いました。提出は7項目。その中に、「飼料価格の高騰により畜産農家の経営がひっ迫しています。低金利で使いやすい融資制度等の資金繰り支援、価格増加分の補填制度など高騰対策を緊急に講じてください。」と。  このことに対する答弁で、政府系融資制度で、現在1件当たり上限600万円を1,200万円にする。5年間無担保無利子。県として窓口を設ける。価格増加分の補填もするが、農家は不十分感がある。国に対し6月13日に改善を申し入れるとし、県独自の対策も取るとのことでした。  これを受け、今回の6月補正を見ますと、新規で配合飼料価格高騰緊急対策事業6億1,000万円が計上され、歓迎するものですが、価格安定化制度に加入している畜産農家に限っていますし、全体に行き渡るのか心配です。とにもかくにも大変な状況下で、県内畜産業をどのように守っていくのか。今後の見通しを含め、県の施策を農政部長に伺います。       〔農政部長小林安男君登壇〕 ◎農政部長(小林安男 君)私には飼料価格高騰下における畜産の今後の見通しと施策について御質問をいただきました。  本県の畜産は、近年、高齢化や専業化が進み、零細小規模農家が減少しております。一方で、一戸当たりの飼養頭数は増加し、経営の規模拡大が進展しており、この傾向は今後も続くものと見通しております。また、国際化が進む中で、輸入畜産物の拡大や不安定な飼料需給が続くとともに、環境や安全、安心などに対する消費者の関心がさらに高まると想定しております。  このため、短期的には今回お願いしております飼料価格高騰への取組を進めるほか、ロボット技術やICTを活用したスマート畜産技術の導入や、プレミアム牛肉等競争力を持ったブランド畜産物の拡大、豚熱など家畜伝染病の防疫体制の強化や、安全、安心な畜産物の生産の強化などの取組を総合的に展開し、持続性の高い畜産業の構築に努めてまいります。  以上でございます。
          〔28番両角友成君登壇〕 ◆28番(両角友成 君)農政に対する私の思いを一言述べさせていただきます。  我が国が直面している食料や農業の危機的状況は、食料を限りなく外国に委ね、農産物の輸入自由化を広げ、国内農業を切り捨てる政治を半世紀以上にわたって続けてきた結果にほかなりません。根本にあるのは、アメリカの対日食料戦略に屈服し、大企業の利益優先のために食料や農業を犠牲にしてきた無責任な国の姿勢です。  今求められるのは、農政の方向を食料の増産による自給率の向上に大きくかじを切ることです。大量生産、大量流通、大量消費ではなく、地域循環型、地産地消を中心に食料システム全体を転換することです。大小多様な家族経営が成り立ち、若者が安心して就農でき、農山村で希望を持って暮らせる土台を整えることです。  我が国は、温暖で雨が多い自然環境です。発達した経済力、蓄積された技術など農業を豊かに発展させる条件はあります。その条件を生かし、基幹産業にふさわしい農業予算を確保し、価格保証と所得補償の抜本的充実など欧米諸国並みの手厚い保護を実施する。際限のない輸入自由化をストップし、食料主権を確立することを柱とする農業・食料政策を実施し、農業の再生を図るべきではないでしょうか。以上を申し上げ、一般質問とさせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(髙島陽子 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時37分休憩          ──────────────────         午後2時55分開議 ○議長(丸山栄一 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  清水純子議員。       〔29番清水純子君登壇〕 ◆29番(清水純子 君)県内の道路路面下空洞調査についてお伺いいたします。  路面下空洞調査とは、道路陥没の原因となる目視では分からない路面下の空洞を調査するものです。この路面下の空洞は、地下インフラの老朽化や近年の地震、大雨の影響により増加、成長することが東京大学生産技術研究所の研究結果として発表されております。  昨年11月も北海道三笠市で道路が陥没して乗用車が転落し、乗っていた男女3人が重軽傷を負うという痛ましい事故が発生いたしました。これは、排水管の老朽化が原因と考えられ、現在も学識経験者による技術検討会が行われております。  陥没事故は、人に被害を加えるだけでなく、社会生活に大きな影響を及ぼし、テレビや新聞などのニュースで取り上げられ、路面下の空洞について社会的な関心が高まっております。目に見えない路面下の状況を点検し、事故を未然に防ぐことが大変重要であり、過去にも私ども会派から一般質問で取り上げた経過があります。  長野県では、総合評価落札方式により、平成28年、29年に路面下空洞調査が行われましたが、その後、平成29年度の実施を最後に4年以上経過しております。この間、地震や大雨の影響を受け続けている県道の路面下の空洞の状況はかなり悪化していることが予想されます。  平時の計画的な空洞調査は、人間でいうところの年に1回の健康診断と言えます。定期的、計画的にインフラの健康診断を行い、事前防災として予防的に手を打つことで道路陥没を未然に防ぐことができるのではないでしょうか。  そこで、お伺いいたします。  1点目。平成28年から29年にかけて行った調査の路線箇所、距離、結果についてお聞きいたします。  二つ目。東日本大震災では、大きな揺れによる路面下の空洞が原因となり、道路の陥没が多発し、物資の輸送や救援のための緊急輸送道路の利用に大きな影響を及ぼし、路面下の空洞現象の危険性が改めて認識されています。ぜひ早急に県道の路面下空洞調査を再開し、災害に強い長野県の道路における安全、安心を確保するために、まずは緊急輸送道路の空洞調査を計画的に実施することを強く求めますが、御所見をお聞かせください。以上、建設部長にお聞きいたします。  コロナ禍の長期化やウクライナ侵略の影響で、景気回復の遅れや物価高騰など国民の先行き不安が高まる中、持続的な賃金上昇をベースとした経済の成長と好循環を図り、雇用、所得の拡大につなげていくことが求められています。低迷が続く日本の賃金を継続的、持続的に引き上げることが生活の安定と将来の希望につながります。  現在、コロナ禍によって100万人もの女性が職を失っていると言われ、女性の雇用、就業面にも多大な影響を及ぼしています。  その背景には、コロナが発生する以前からの問題として、女性は男性に比べて非正規労働者の割合が高いこと、男女間の賃金格差が、正規、非正規労働者共に存在していること。また、固定的な性別役割意識を背景に、家事、育児、介護を女性が多く担い、働き方も家計の補助と位置づけられてきたことなどの構造的な問題が存在しています。  日本の女性の半分以上は90歳まで生きると言われる中、離婚件数は結婚件数の3分の1であり、30代でシングルマザーになる方も多く、女性が長い人生を生活的困窮に陥ることなく自立して生活できる力をつけることは喫緊の課題であると考えます。  初めに、長野県では、コロナ禍における独り親家庭の状況調査を行っておりますけれども、調査結果と分析、寄せられた意見をこども若者局長にお聞きいたします。  一方、我が国の将来を見据えた目指すべき将来像としてのSociety5.0を実現するために、人工知能やデータ活用は必要不可欠となっております。目指すべきデジタル社会を実現するには、それを支えるデジタル人材が十分に供給されることが不可欠であり、成長産業であるデジタル分野における人材は、日本国内のみならず、世界中での取り合いになることは必須であります。  県では、長野県DX戦略を策定し、信州ITバレー構想の中でIT人材の育成、誘致を行っておりますが、女性に特化したデジタル人材育成との観点は見当たりません。2030年には最大79万人不足すると言われるデジタル分野の女性の参入について県の御所見を産業労働部長に伺います。  国は、デジタル社会の実現に向けた重点計画に女性デジタル人材育成の推進との項目を追加し、4月26日には女性デジタル人材育成プランを発表しております。この取組を加速化させるために、全国各地域への横展開に向けた自治体、企業など多様な主体による積極的な取組を推進するとのことから、長野県における女性のデジタル人材育成の推進について産業労働部長に4点お聞きいたします。  まず、デジタルスキル習得支援として、子育て中で休職している女性やデジタル分野への職種転換を希望する女性に対する助成金や教育コンテンツ等の施策の現状をお聞きいたします。また、託児付訓練コースやインターネットを活用したeラーニングコースの充実など女性が参加しやすい配慮はされているのか、お聞きいたします。  現在、デジタル技術者の女性の割合は19%にとどまっています。求職者支援訓練における女性の受講状況を見てみると、全体の約7割を女性が活用しているのに対し、ITコースは約3割となっており、利用率は低くなっております。この課題を調査し、さらなる拡充でデジタル分野への間口を広く取り、女性の参入に的を絞った施策が必要と考えますが、いかがでしょうか。  コロナ禍により深刻な打撃を受けた宿泊業や飲食業などの業種では、非正規労働で働く女性の占める割合が多く、失業などで困窮する女性の増加が問題になっています。今後さらに地域産業をリードする人材の育成強化が重要な中、人材確保が叫ばれる介護、建設業、農林業分野でのデジタル人材活用は重要だと考えます。  人口減少社会の中で、人材不足が叫ばれる産業別のデジタル人材の育成と確保を女性の活用も含めて具体的に進めていくことも重要であると考えますが、県の取組を伺います。  何より、就労につなげていくことが重要です。女性デジタル人材育成プランでは、全国各地域への推進に向けて、官民の優良事例を取りまとめ、紹介しております。うれしいことに、その最初に塩尻市と市振興公社が進めるテレワークによる就労支援の取組が紹介されております。就労に時間的制限がある方が、自営型テレワークによる柔軟な働き方を実現しつつ、仕事を分配して登録者へ委託し、OJTでスキルを身につけていくことで地域企業への就労へとつなげております。  2010年に事業を開始し、当初年間200万円程度であった受注額は21年度には約2億5,000万円に拡大し、約300人の雇用の確保につながっております。その9割が女性、その半数が子育て中とのことです。  塩尻市の優良事例を参考に、入り口から出口、デジタルスキル習得と就労支援をパッケージとした仕組みをつくり、市町村とも連携を図り、身近な地域で女性がデジタル分野への就労につながる施策を県主導で進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。       〔建設部長田中衛君登壇〕 ◎建設部長(田中衛 君)私には路面下空洞調査について2点御質問をいただきました。  まずは調査結果についてのお尋ねです。  本県においては、突然発生する道路の陥没事故を防止するため、探査車などによる路面下空洞調査を平成28年度から平成29年度にかけて試行しております。調査対象路線は都市部の緊急輸送路としており、平成28年度は長野・須坂建設事務所管内の6路線、14.5キロメートルの区間で、平成29年度は松本・安曇野建設事務所管内の6路線、37.4キロメートルの区間で実施しました。その結果、陥没の可能性が高い空洞が12か所確認され、補修工事を平成30年までに完了させたところであり、事故の予防を行うことができたと考えております。  次に、路面下空洞調査の計画的な実施についてのお尋ねでございます。  調査の試行以降、補修工事の費用負担の在り方などの課題や調査方法への新技術の導入などを検討してまいりました。この間、地下インフラ施設の老朽化を原因とする陥没事例が発生していることを踏まえ、課題への検討を進め、残る地域の調査を進めていく必要があると考えております。今後、県、市町村、占用者で構成される長野県路面下管理連絡会議において調査内容や費用負担など具体的な方針などを協議し、関係者が連携した上で調査を計画的に実施するよう取り組んでまいります。       〔県民文化部こども若者局長野中祥子君登壇〕 ◎県民文化部こども若者局長(野中祥子 君)私にはコロナ禍における独り親家庭に関する調査の結果と分析、寄せられた意見について御質問をいただきました。  昨年実施いたしましたコロナ禍における独り親家庭状況調査におきましては、一月の総収入が20万円未満である家庭の割合が約66.9%と、コロナ影響前と比較しまして9.2ポイント増加しておる状況です。  また、独り親家庭の半数近くを占める非正規雇用の方の就労収入については、月額10万円未満の割合が約40%と、コロナ影響前と比較して16.7ポイント増加している状況。また、約4割の方が必要な食料を買えなかった経験があると回答されているなど、コロナ禍によって経済的な影響を大きく受けているものと認識しております。  また、転職及びキャリアアップの意向についても同調査でお伺いしたところ、キャリアアップしたいが、毎日仕事をこなすのが精いっぱい。キャリアアップしたくても子供に合わせると転職は難しいなどの声もいただいた一方で、約半数の方は、条件がよい職業への就職、転職を考え、そのための資格取得への支援希望も多い状況でございました。これらの結果から、資格取得のための受講費、生活費の助成など、引き続きキャリアアップ支援が重要であると認識しております。  以上でございます。       〔産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業労働部長(林宏行 君)私には、デジタル分野の女性の参入等について5点御質問をいただきました。  初めに、デジタル分野への女性の参入についての所見というお尋ねでございますが、女性をはじめとする多様な人材の活躍はダイバーシティー経営の推進に不可欠であり、国際競争力を高め、持続的成長を目指す上でも極めて重要です。  また、女性のデジタル人材の裾野を広げていくためには、スキル習得支援と就労支援の充実、受入れ企業等の拡大が必要であり、地域において官民が連携して取り組むことが肝要と考えております。デジタル分野における就労は、場所や時間的制約にも左右されづらく、テレワークなど柔軟な働き方の実現も期待されています。  県では、こうした視点に立って、昨年9月に策定した産業人材育成プラン2.0にデジタル人材の育成強化、女性の職業能力開発スキルアップ等を柱に掲げ、施策の充実を図っているところです。  議員の御指摘にもございましたが、こうしたデジタル就労の特徴を踏まえ、スキルを身につけた女性の方々が新たな就労や就労継続における待遇改善につなげられるよう取り組んでまいります。  次に、デジタルスキルの習得支援策の現状と参加への配慮についての御質問です。  デジタルスキルの習得支援は、県の民間活用委託訓練として実施しており、本年度は、ITパスポート等の資格取得を目指す訓練を23コース、基礎的ITリテラシー向上を加味した訓練を63コース、いずれも昨年度より拡充したところです。  また、女性が参加しやすくなるよう育児等との両立に配慮した短時間コースや託児つきのコースを設けたところですし、さらに、子育てのために離職した女性等を対象に実施していますママのいきいき仕事塾では、リカレント教育など学び直しへの動機づけや職業訓練等支援策の紹介を行っているところです。  なお、助成金については、国において職業訓練の受講に要した経費の一部を助成する教育訓練給付制度を実施しており、情報関連の講座については県内で約75講座が助成金の対象となっております。  続いて、求職者訓練における女性の利用率の調査と参入に的を絞った施策についてです。  本県における民間活用委託訓練の令和3年度の状況は、受講者1,128人のうち女性が74%で、このうち情報処理技術者を目指す長期高度人材育成コース、IT人材養成コースの女性受講率は約4割となっており、全国水準を若干上回っている現状です。  こうした背景について、厚生労働省では、特に女性に対して情報技術者として働くことに関心を持てるような支援が必要と分析しています。また、大学等への進学の際に理系を選択する女性が男性と比べて少ないなど、デジタル分野へのジェンダーギャップは高等学校の段階から始まっていると考えられます。このため、県としては、性別の分け隔てなく全ての人材が自らの力を発揮できるよう、今年度から県工科短期大学校と県内大学の連携によるDX人材育成講座を実施し、理系、文系を問わず、就職を目指す若者たちのITリテラシー習得を支援することとしたところであり、こうした教育段階からの取組も強化してまいります。  次に、産業別のデジタル人材の計画的な育成と確保についてのお尋ねです。  議員も御指摘されましたように、とりわけ人手不足が顕著な農林業や建設、介護などの分野においても、デジタル技術の活用を通じて生産性の向上や省力化を進めることが重要となっています。このため、県が実施しております民間活用委託訓練では、例えば介護系などのコースにおいて基礎的なITリテラシーの向上に資するカリキュラムを取り入れた訓練を行うなど、デジタル化への対応を強化したところです。  また、個別産業においても、例えばスマート農業機械の操作体験研修やスマート林業の普及事業を通じた人材育成、介護ロボット・ICT導入支援事業などデジタル技術を活用した業務負担軽減に取り組んでおり、こうした分野でも女性の活躍ができるよう必要な支援に努めてまいります。  最後に、女性のデジタル分野での就労につながる施策についてでございます。  議員御指摘の塩尻市の取組のほか、県内では、松本市のサザンガクや立科町のテレワークセンターなど、子育て期の女性がITスキルを習得し、それを生かしてウェブコンテンツの制作やバックオフィス業務などをテレワークにより行う事例がございますし、上田市のベンチャー企業、はたらクリエイトでは、IT関連の業務を支える約130人のスタッフ、約90%は子育て中の女性と聞いておりますけれども、そうした皆さんに安心して業務に取り組んでもらえるようフレックスタイム制やリモートワーク等を積極的に取り入れており、社員の起業も支援しているという状況でございます。  こうした企業などが県下各地域に増えていくことが極めて重要ですので、事業所におけるDXの推進やデジタルスキル習得に必要なリスキリング等の充実を図るとともに、女性の多様なチャレンジに寄り添う学びと社会参加が促進されるよう、労働局、市町村等とも連携した支援体制を構築し、女性の就労の裾野を広げていきたいと考えております。  以上でございます。       〔29番清水純子君登壇〕 ◆29番(清水純子 君)知事に伺います。  独り親家庭の先ほどの現状調査から、独り親家庭のほとんどが母子家庭であり、多くが非正規労働で収入が低く、さらには、生活に、子育てに、コロナ禍で大きな影響を受けている。4割が必要な食料が買えないとの現状を報告いただきました。そして、多くの方が条件のよい職業へ就職、転職したいと考えている。  このアンケート以降もコロナ禍は続き、今後さらなる物価高騰が続くことが予想され、さらに生活基盤の弱い立場の方々に大きなしわ寄せがいくことが予想されます。危機の時代、常に最初に影響を受ける女性を取り巻く環境の経済的改善を図る施策が必要だと考えますが、長野県での女性の生涯にわたる経済的自立に向けて現状と課題を知事はどう捉えているのか。御所見を伺います。  また、若い女性が地方から都市部へと出ていく傾向が強まり、長野県でも少子化、人口減少が一層進む要因の一つになっております。  コロナによって大きく変化するデジタル社会への移行の中で、子育て、介護、シングルマザー等時間の制限がネックとなり十分な力を発揮できていない女性の眠れる労働力を成長分野であるデジタル分野で活用する好機が到来していると考えます。長野県でのデジタル人材育成確保に向けて、女性に特化した施策を一つの柱として位置づけたプラットフォームを構築し、長野県で、女性が、自身が輝く生き方を選択できるグランドデザインを全国に先駆けて大きく発信していくべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。  保育所で子供が使用した紙おむつは保護者が持ち帰るというルールを見直す自治体が増えています。  これまで、使用済紙おむつの持ち帰りは、子供の健康状態のチェックや、保育園での廃棄は事業系ごみとなり有料となることなどを理由に、長く当たり前に続いてきたことのようです。保護者は、毎日、おむつに名前を書き、かばんに入れて持たせ、帰りは長時間保管した排せつ物を持ち帰ってくると、子育て中の親からは大変大きな負担になっていると声が上がっています。しかも、ほかの子の物が紛れ込む可能性もあると聞きました。保育園側でも、子供ごとに換えたおむつをバケツに保管し、お迎えの時間に渡すと、手間がかかっていると聞きます。  県内でも、多くの保育園に通う親御さんから改善のお話をいただいております。調べますと、長野県は保育園でのおむつ持ち帰りの割合は87%、全国2番目に高いようです。県内保育園における使用済紙おむつの持ち帰りについて実態の把握状況を伺います。  もちろん、実施主体は市町村でありますが、現在、新型コロナ感染の対策意識が大変に高まる中で、保育園に子供を通わせる親から疑問の声が上がっております。改善を求める声が噴出していることから、感染症対策の観点で、保育園のおむつ持ち帰りについて市町村に助言をしていただきたいと考えます。以上、こども若者局長にお伺いいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には2点御質問を頂戴いたしました。  まず1点目が、女性を取り巻く経済環境の現状及び課題についてどう捉えているのかという御質問であります。  長野県における女性の置かれている状況ですが、まず、働き方を見ますと、非正規雇用者の割合がほぼ半数となっています。特に、30代の後半以降になりますと、非正規が正規雇用者を上回っているということで、これは、どうしても育児や介護等で離職せざるを得ない方々がいらっしゃるということが背景にあるというふうに思います。また、県内の企業における女性管理職の割合が8.4%ということで、大変残念ながら全国最下位という状況になっています。  こうしたことに加えて、昭和時代に形づくられた様々な社会保障制度をはじめとする制度や労働慣行、また、固定的な性別役割分担意識が存在しているという状況であります。こうしたことが、全体として男性と女性の賃金格差にもつながっているというふうに考えており、こうした様々な格差、違いの解消に努めていくということが必要だというふうに考えています。女性が活躍いただける長野県をつくっていくということは、人口を定着させていく上でも重要だと思います。  また、様々な産業分野を発展させていく上では、これからは、男性も、女性も、あるいは、障害がある人も、外国人も、多様な人材が活躍できる長野県をつくっていくことこそが地域を発展させていく上で極めて重要だというふうに思っております。そういう観点で、女性が生涯にわたって経済的に自立することができるように、また、それぞれのライフスタイルに合った職業が選択できる、また、働き方を選べる、そうした長野県となるように、産業界をはじめ関係の皆様方と協力しながら取組を進めていくことが重要だと考えております。  続きまして、女性のデジタル人材プラットフォームの構築やグランドデザインを全国に先駆けて発信していくべきと考えるがどうかという御質問であります。  御質問にもありましたように、デジタルを生かした就労ということは、フレックス勤務や場所を選ばない勤務、育児や介護といった生活に欠かせない取組との両立等も含めて、女性が活躍できる、女性の就労機会を創出する、こうしたことにつながるものだというふうに考えています。  ある方が、人に優しいDXが必要だというふうにおっしゃっていました。人がこれから人間らしい生活を送っていく上で、まさにデジタルトランスフォーメーション、デジタル化の推進、新しい技術をしっかりと役立てていくということが大変重要だというふうに思っています。  御質問にもありましたように、県内では、例えば、塩尻市の取組や松本市のサザンガク、あるいは上田市のはたらクリエイトなど様々なところでデジタルを生かした新しい働き方が創造されてきています。こうしたことをさらに県内に幅広く普及していくことと併せて、こうした働き方をより一般化していく、そして、さらに新しい働き方をそこから創造していくということが重要だというふうに考えています。  女性のデジタル人材育成は、これからの長野県にとって非常に重要だというふうに考えています。スキル習得や就労支援、また、そうした業務における仕事の創出などに総体的に取り組んでいくことが必要だというふうに考えています。  今、長野県としては、新しい総合計画を策定しているところであります。女性のデジタル人材の育成、活用、こうしたことをしっかり位置づけて、そのための仕組みについても関係部局と一緒に検討して、ぜひ具体的な対応方向をお示しできるようにしていきたいというふうに考えています。  以上です。       〔県民文化部こども若者局長野中祥子君登壇〕 ◎県民文化部こども若者局長(野中祥子 君)私には保育所での使用済おむつの持ち帰りについて2点御質問をいただきました。  まず、県内の実態についてでございます。  県内保育所において使用済おむつの持ち帰りを求めているか否かについては、県では調査を行っておりませんが、議員御指摘の民間企業が実施した全国調査によれば、公立保育園のある75市町村のうち64市町村において保護者が持ち帰っているという結果となっているものと承知しております。  続いて、持ち帰りに係る市町村への助言についてでございます。  保育所の感染症対策につきましては、児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例に基づき衛生管理等を徹底しているところではございます。しかしながら、おむつの持ち帰りの実施については、衛生上の観点から問題意識を持っている市町村もございます。このため、今後、私立園も含めた県内保育所の現状、問題意識、課題等を調査、把握し、その結果を市町村へ情報提供するとともに、課題解決に向け必要な助言を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔29番清水純子君登壇〕
    ◆29番(清水純子 君)御答弁いただきました。  デジタル分野における就労は、先ほどから御答弁いただいているように、場所的・時間的制約に左右されないテレワークなどを含めた柔軟な働き方を実現しやすい特徴があります。また、デジタル分野の女性人材の年収の推移を調べてみますと、就労年数を重ねるごとに年収増加率が他職種と比べて大変大きく変わってまいります。時間制限、生活的な制限がある女性にとっては、デジタル分野での就労環境は大変大きなものがあるというふうにも思っております。  長野県で女性が生き生きと、そして、自分らしく暮らしていける未来像を示していただきながら、全国を牽引する大胆な政策の実行を強く求め、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(丸山栄一 君)次に、続木幹夫議員。       〔25番続木幹夫君登壇〕 ◆25番(続木幹夫 君)改革・創造みらい、塩尻市選出の続木幹夫です。順次質問に移ります。  まず、食料安全保障の観点からの農業振興策について伺います。  ロシアによるウクライナへの軍事侵攻により、かつてないほど安全保障について大きく関心が集まっていて、政府・与党は、この機とばかりに防衛費を倍増し、軍事力の強化を図ろうとしています。しかし、あらゆる資源に乏しく、四方を海に囲まれている我が国は、幾ら軍事力を増強したところで、シーレーンが封鎖されればあらゆる資源の輸入が滞り、途端にエネルギーや食料に窮乏することはさきの太平洋戦争で経験済みであります。  さらに、この戦争によって世界的食料危機が懸念され、仮に台湾有事を想定した場合、我が国の食は大丈夫なのかという食料安全保障についてもいまだかつてないほどに関心が高まっています。  食料安保を語るとき、まずは食料自給率が問われます。我が国のカロリーベースでの食料自給率は令和2年の時点で32%であり、長野県は53%です。しかし、この自給率もほとんど輸入に頼る化学肥料や畜産の飼料、そして、石油を原料や燃料とした資材や農機具によって生産されております。したがって、仮にこれらの資源の輸入がストップしたと想定すれば、日本の自給率は限りなくゼロになるのです。  資源に乏しく国土の狭い我が国の基本的な国家運営は、原材料を輸入し、それを製品化し、輸出し、その財で農産物を輸入するという国際分業論にのっとったスタンスでした。しかしながら、この戦争によって、これまでの我が国の農業の在り方を見直さなければならなくなったのではないでしょうか。  そこで、この際、いざ有事となっても、極力国民が飢餓状態に陥らないよう食料安保を強化するにはどうしたらよいのかという観点から、本県農業の振興策について質問いたします。  まず、化学肥料ですが、我が国は国土が狭いゆえに、狭い農地から極力多くの農産物を生産するため、化学肥料を大量投入する生産方法が取られてきました。しかし、化学肥料の原料となる尿素の需要量の90%以上、リン鉱石や塩化カリウム等はほぼ100%が輸入に頼っています。また、将来的に世界の人口が増えていくことが予想され、世界的に肥料の需要が高まることから、今後も化学肥料の原料を安定して輸入できるのか懸念されています。  さらに、化学肥料の大幅な値上げもあって、その生産方法を大きく見直さなければならなくなりました。そこで、今後は、緑肥堆肥や畜産堆肥を活用し、化学肥料を極力減らす有機循環型農業の推進が重要になってくると思います。有機循環型農業について県の取組状況を農政部長に伺います。  次に、農業機械について、現在、そのほとんどはガソリンや軽油を燃料とした内燃機関を動力源としたものです。したがって、有事となり、石油の輸入が滞った場合を想定すると、農産物の生産にも大きく影響することが考えられます。  そこで、農業機械についても今後石油を燃料としない農機具の開発を進めていかなければならないと考えます。近年、小型の農機具については、電動によるものが大分普及してきました。しかし、トラックやトラクターなど大型の重量農業機械については電動化が進んでいません。その訳は、電動エンジンでは大型重量機械を動かすほどのトルクが得られず、また、長時間の連続運転ができないからであります。  そこで期待されるのが、水素を燃料とした水素燃料エンジンであります。現在、企業局では、水力発電所の電力と地下水を用いた100%再生可能エネルギー由来の水素ステーションを整備するとともに、燃料電池車を導入し、その普及を図っています。そこで、燃料電池や水素を直接燃焼させる水素燃料エンジンが搭載された農機具の開発も待たれるところですが、まだまだ時間がかかりそうであります。  そこで、それまでのつなぎとして、石油に代わるバイオ燃料が注目されています。バイオ燃料は、バイオマスが持つエネルギーを利用したアルコール燃料やその他の合成ガスのことでありますが、これまでのバイオ燃料は、穀物などの食料品を用いて製造していました。これを第1世代バイオ燃料といいますが、穀物の価格高騰や食料不足を懸念しているときに食料と競合して燃料を製造していたのでは話になりません。そこで、第2世代バイオ燃料として、廃材やふん尿、キノコの廃培地など非食用の原料を利用するバイオ燃料の開発が進められていて、既に各地でプラントが建設され、実用化されつつあります。そこで、本県における第2世代バイオ燃料への取組について産業労働部長に伺います。  次に、お米の消費拡大について伺います。  近年、日本人の食の多様化などによってお米の消費量が減ってきています。とはいえ、日本人の主食であることに変わりはありません。お米は、温暖多雨の我が国には最も適した農作物です。  そして、輸入小麦の高騰によって、小麦粉を材料としたパンや麺類なども軒並み高騰していて、改めて価格が安値安定しているお米を材料とした加工食品に注目が集まっています。私も米粉パンやうどんパスタを食べましたが、しっかりこしもあり、小麦粉のものと何ら遜色なく感じられました。したがって、お米の加工品の普及促進も重要だと思います。  そこで、今後の米を材料とした加工品の消費拡大の取組について農政部長に伺います。  現在、お米の自給率はほぼ100%ですが、いざ有事のときには、恐らく輸入に頼っている麦や大豆の輸入が減り、その分のカロリーをお米で賄わなければならなくなります。さらに、先ほど述べたように、有事の際には燃料や化学肥料の輸入が滞りますので、お米の生産量も減少することが考えられます。  有事に備えて十分な備蓄をしておくことは重要です。現在、我が国のお米の備蓄量は、日本政府が100万トン、農協、卸売業者等による保有民間在庫が280万トンで、合わせて400万トン弱で、国民が食する半年分の備蓄量です。この備蓄量で十分であるのか否かは諸説ありますが、今、円安によって、米輸出の好機であります。有事の際にはこれを国内消費に回すということも考えると、米輸出拡大も図るべきと考えます。そこで、本県におけるお米の輸出促進策について農政部長に伺います。  次に、畜産であります。  今、配合飼料の高騰により、畜産農家は大きな経営危機に直面しています。そこで、畜産農家は飼料代軽減のために様々な取組をしていて、塩尻市にある美ヶ原牧場では本年も牛の放牧が始まりましたが、配合飼料の高騰を受け、例年以上に放牧の要望が多いということであります。このように、今後公共牧場への放牧の推進も重要と考えますが、農政部長に伺います。  そして、重要なのは、お米や野菜などを栽培している耕種農家と畜産農家が連携する耕畜連携であります。田畑に何も栽培していない冬などの期間に麦などを栽培し、田畑に苗を植え付ける前の春先にそれらを刈り取り、畜産の飼料とし、野菜や米などの収穫後に田畑に畜産堆肥を還元する耕畜連携を推進すべきと考えますが、農政部長に伺います。  次に、ミャンマーからの難民支援について伺います。  阿部知事は、本年3月25日にウクライナからの避難民を受け入れる方向で検討していることを明らかにし、既に県営住宅28戸を確保していると表明いたしました。阿部知事の人道的見地からの迅速なウクライナ避難民への支援表明には大いに賛同するものであります。しかしながら、世界には、ウクライナ侵攻のみならず、幾つかの地域において、今この瞬間にも紛争が起きていて、多くの難民も発生しています。  とりわけミャンマーは、昨年2月にミャンマー国軍がクーデターを起こし、国軍は村々を焼き払い、罪もない民間人を虐殺し、国連難民高等弁務官事務所によると、国内避難民は5月30日時点で103万7,800人、これまで軍によって虐殺された民間人の死者数は2,000人とも3,000人とも言われ、新型コロナ感染症の蔓延と相まって死者数の推計は不可能だということです。  日本では、ウクライナ侵攻の報道に隠れ、ミャンマーの状況についてはほとんど報道されなくなりましたが、関係者によると、その惨状は一層激しくなっているとのことであります。1,400万人が人道支援を必要としているとのことであります。しかし、我が国はミャンマーの難民に対して支援をしようとする動きがあまりありません。  ウクライナへの対応との違いについて、政府関係者は、ウクライナは他国の侵攻によって生まれた避難民であり、一方、ミャンマーは自国内の紛争によって生じた難民であるからだと説明しています。  しかし、ミャンマーは、我が国と以前より経済的な結びつきが強く、クーデターが起こる前の2019年度の日本の対ミャンマーODA実績は1,893億円であり、詳細な支援額を公表していない中国を除き、先進国では米英を上回る最大の支援国なのです。そして、この資金の一部が軍関係の企業に流れたであろうことは想像に難くありません。  さらに、ミャンマー国軍の幹部候補生が毎年防衛大学校に留学し、軍事教練を受け、帰国後、ミャンマー国軍の指揮官となり、自国民に銃口を向けているのです。したがって、今日のミャンマー国軍の暴挙については日本にも大いに責任があり、日本はミャンマーの難民に対して支援する責務があると思います。  しかしながら、これまで600人のミャンマー人が難民申請したにもかかわらず、認定されたのは僅か32人だけなのです。昨年の難民の認定率については、欧米人の認定率が20~50%であるのに対してアジア人は1.2%と非常にハードルが高くなっているとのことであります。  また、本県には、毎年、外国人技能実習生として多くのミャンマー人が来日し、農業をはじめ各分野で必要不可欠な労働力となってきました。そして、実習の期限が過ぎ、帰国しなければならなくなっても、帰国すれば迫害のおそれがあるとして帰国できない実習生も多くいると聞きます。なぜ我が国は同じアジア人に対してこんなにも冷たいのでしょうか。  本県議会は、昨年9月定例県議会において、都道府県議会の中ではいち早く全会一致でミャンマーにおける軍事クーデターを非難し、民主的な政治体制の早期回復等を求める意見書を国に提出いたしました。しかし、我が国においては、難民申請をしたい外国人が難民条約に定義されている難民に該当するか否かの判断は法務省の出入国在留管理庁が所管していて、本県議会で幾ら取り上げたところでどうにもなるものではありません。  そこで、知事に要望いたします。全国知事会などを通じて、ミャンマーの難民に対してもウクライナ人と同様に支援していただくよう国に働きかけていただけないでしょうか。そして、難民認定されたミャンマー人については、ウクライナ人同様、本県で積極的に受け入れるようにしていただけないでしょうか。知事に伺います。  最後に、知事の政治理念について伺います。  私は、たとえ地方自治体の首長といえども、どのような国家感を持ち、どのような政治理念を持って施策をしているのかは県政を担う上で重要な要素であると思っています。そして、その理念、信念を対外的に明確に表明できるか否かは、例えば玉城沖縄県知事や川勝静岡県知事のように、国が県民益に沿わないと思われるような方針を出してきたときにしっかりと国と対峙する覚悟がある知事なのかどうか、それとも、何でもかんでも国に迎合する知事なのか推しはかることができるからであります。  そこで、今、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、政府・与党内では、憲法9条を改正し、自衛隊を明記し、防衛費を倍増し、敵基地攻撃、改め反撃能力をも可能とすべきとの議論がなされています。また、アメリカから核の供与を受けて抑止力とする核シェアリングという考え方も出てきています。  そこで、憲法9条の改正についてどのような考えを持っておられますか。また、自衛隊が敵基地を攻撃することを可能とする反撃能力についてどのように思われますか。さらに、核シェアリングという考え方についてどのような見解を持っておられますか。以上3点、知事の見解を伺います。       〔農政部長小林安男君登壇〕 ◎農政部長(小林安男 君)私には5点御質問をいただきました。  初めに、循環型農業の取組状況についてでございますが、県では、信州の環境にやさしい農産物認証制度や環境保全型農業直接支払交付金等により、堆肥などの土づくりや化学肥料の低減に取り組む農業者を支援しております。  加えて、本年度は、地域における取組拡大を図るため、有機質ペレット堆肥による土づくり技術やドローンによるピンポイント施肥などのモデル的な取組を国庫補助事業を活用して支援しているところです。  今後も、土壌診断に基づく適正施肥を推進するとともに、家畜ふん尿、キノコ廃培地などの有機質資源を用いた堆肥や緑肥の活用を図り、環境に配慮した持続可能な循環型農業を進めてまいります。  次に、米の消費拡大対策についてでございます。  米の消費拡大を図る上で、米粉の活用は有効な手段の一つであり、パンなど様々な加工食品としての利用拡大を図ることが必要であると認識しております。  米粉の消費拡大につきましては、まずは食品製造事業者等の実需者に米粉を多く利用してもらうことが重要です。このため、県では、国が措置した実需者が輸入小麦から米粉等に切り替える際に必要な施設の整備や新商品の開発、PR経費等を支援する事業を活用し、消費拡大につなげてまいります。  次に、本県における米の輸出促進の取組についてでございます。  海外における日本産米の需要の高まりに加え、米の需給調整の面からも輸出拡大は重要と考えております。このため、県では、これまでも、現地の輸入事業者との連携による長野セールの開催や県産米をPRする英語版、中国語版デジタルリーフレットの作成、活用などにより輸出拡大に取り組んでまいりました。  さらに、本年度は、海外市場として期待のできる香港及びシンガポールにおいて大手の現地輸入事業者と連携し、日本食を紹介する現地サイトにおけるネット広告、百貨店における店頭精米販売などのプロモーション活動を実施することとしております。  今後も、国の掲げる輸出拡大実行戦略とも歩調を合わせ、輸出に意欲的な県内産地、生産者等と連携を図りながらさらなる米の輸出拡大に取り組んでまいります。  次に、公共牧場の活用についてでございます。  県内に市町村等が管理運営する公共牧場は令和3年において25か所あり、育成中の乳用牛や肉用繁殖牛が放牧され、畜産農家の飼料コスト低減に寄与していると認識しております。飼料価格の急騰を踏まえ、さらに畜産農家が牧場を利用しやすくするため、草地更新による牧草量の確保や家畜伝染病予防の徹底などにより牧場環境を整えることが重要と考えております。県といたしましては、牧場利用が進むよう、家畜保健衛生所や農業農村支援センターが管理者である市町村等に協力連携し、公共牧場の利用を促してまいります。  最後に、耕畜連携による飼料作物の生産についてでございますが、輸入飼料に依存し過ぎない自給飼料に立脚した畜産経営が求められている中で、飼料生産を分業する耕畜連携は有効な手段であると認識しております。  県としては、水稲農家と連携し、飼料用米などの作付拡大を推進しており、本年度は水田での作付面積が720ヘクタールと、前年より3割程度増加する見込みとなり、一定の成果が表れてきているところです。今後も、畜産農家と耕種農家の結びつけを促し、継続的に自給飼料の生産が行われるとともに、堆肥の活用も進むよう引き続き耕畜連携を推進してまいります。  以上でございます。       〔産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業労働部長(林宏行 君)私には第2世代バイオ燃料への取組についてのお尋ねをいただきました。  議員御指摘のバイオ燃料は地球温暖化対策の大きな切り札となることから、国のグリーン成長戦略においても重要なものとして位置づけられており、国内では大手燃料会社やベンチャー企業が取組を進めております。  こうした中、県内の動きとしては、未利用木材やキノコの廃培地からガス化発電方式による利活用が始まっております。県内においては、今のところ、農業機械や自動車等の燃料として製造しビジネス展開に至った事例は承知しておりませんが、カーボンニュートラルの世界的な潮流を受けて、県内企業からも、例えば果物の搾りかすを使ったバイオエタノールの生産に関する複数の技術相談等もお受けしているところでございます。今後、工業技術総合センターにおける技術支援や県産業振興機構、NICEによるコーディネート支援などを通じて、関連産業の振興を図ってまいります。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には4点御質問をいただきました。  まず、ミャンマーからの難民支援についてという御質問であります。  地方行政をあずかる立場として、様々な国や地域との友好交流を深めていくということが世界平和を維持していく上で大変重要だというふうに考えています。  そういう中で、国と国との関係、様々な関係性の中でいろいろな対応がなされてきています。現在、ウクライナからの避難民について長野県として受け入れさせていただいておりますけれども、難民条約上の難民という扱いではなく、人道的配慮で国が受け入れているということで、そうした避難民の方を私ども長野県としても地域でしっかり受け入れて支えていこうという思いで取り組んでいます。  一方、ミャンマーの方々に対しては、昨年5月以降、緊急避難措置が国において講じられています。情勢不安を理由に日本への在留を希望するミャンマー人について、緊急避難措置として在留や就労を認めるという形になっています。  長野県においては、今、249名のミャンマー国籍の方がいらっしゃいます。多くの方は技能実習生でありますが、そうではない方もいらっしゃいます。今回の緊急避難の措置でいらっしゃっている方がいるかどうかは確認ができない状況でありますけれども、こうした方々も含めて、やはり地域で温かくお迎えしていくということが重要だというふうに思っています。  知事会で議論してはどうかというお話でありますが、これは、やはり国の専権事項としてしっかり取り組んでもらいたいというふうに思います。先ほど申し上げたように、国家間の関係性は非常に微妙なものがあるというふうに思います。また、難民として受け入れるということは、御指摘のとおり、日本の場合かなり制限的に行われているというのは事実だと私も思います。ただ、国民全体が、移民政策も含めてどういう意識でこの難民の方々を受け入れるのか、あるいは移民の方々にもっと門戸を開いていくのか、そういう大きな枠組みの中で議論していくということが重要だというふうに考えています。  それから、憲法9条についての所見ということであります。  これにつきましては、この場でも何回かお答えさせていただいておりますが、県知事の立場としても、これまで公務員として仕事をする中でも、憲法遵守ということは当然の前提として取り組んできています。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義、こうした基本理念はこれからも堅持されるべきものというふうに考えています。  今、国会では、憲法改正についての検討が始まっているわけでありますけれども、最終的には、私も含めて、主権者である国民一人一人が判断するという形になりますので、ぜひ国会において分かりやすい丁寧な議論をしてもらいたいというふうに思いますし、一人一人の国民に今後の憲法の在り方についてぜひ真剣に考えてもらいたいというふうに思います。過去の歴史を踏まえ、未来を展望して十分な検討を行うということが必要だというふうに思っております。  憲法9条も含めて国民がどう選択するかでありますが、私としては、これまで日本が取ってきた平和主義という前提はしっかりと維持するべきものというふうに考えています。  続きまして、反撃能力についてどう考えているのか、それから、核シェアリングについてどう考えているのかという御質問であります。日々県政については頭を悩ませていますが、防衛問題については報道等で知っている範疇で、私としての考え方を申し上げたいというふうに思います。  まず、私としては、国としての安全保障戦略は総合的なものであるということが重要だというふうに思っています。今、反撃能力、それから核シェアリングをどう思うかという御質問をいただきましたが、これは、何を目的にするのか、外交の在り方をどう考えるのか、経済安全保障も含めて広く考える中で選択していかなければいけないものというふうに考えています。  その上で、今の国際情勢に鑑みれば、防衛力の充実強化の議論は必要になってきているというふうに思っています。しかしながら、先ほど申し上げたように、我々日本人は日本国憲法の下で我が国を発展させてきたわけでありますから、憲法を踏まえ、専守防衛の下で自衛のために必要最小限でどうやって国を守っていくのかということを真摯に考えるということが必要だというふうに思いますし、何よりも、主権者である国民一人一人の皆様方が理解できるような議論を国会で行っていただくということが重要だというふうに考えています。  反撃能力、これは、指揮統制機能等も含むということで議論されているようでありますけれども、安全保障のジレンマということがよく指摘されます。自国の安全性を高めるという取組がかえって国際間の緊張を高めてしまう、国際紛争の引き金になってしまうということもあるわけでありますので、そういう意味では、この反撃能力についても慎重な検討が必要だというふうに思います。  また、核シェアリングを含む核兵器についてでありますが、折しも核兵器禁止条約締約国会議が開催される日になっているわけであります。被爆された方々を含めて、核兵器をなくす、戦争をなくすという思いで多くの方々がこれまで行動されてきました。日本は、戦争で原爆を落とされた被爆国でありますので、そうした方々の思いに寄り添った対応をしていきたいというふうに思います。  また、こうした国際紛争は、もちろん緻密な戦略の議論も私は非常に重要だというふうに思いますが、その一方で、本当に合理的な判断で国家間の紛争が起きるかというと、必ずしもそうではないケースも歴史を振り返ればあるのではないか。要は、偶発的な出来事が戦争を誘発してしまうというようなことが起こり得るわけであります。そういう意味では、予測不能な面が多分にあるというふうに考えますので、そうしたことも十分考慮に入れながら対応していくということが必要だというふうに思います。  これからの我が国の安全保障政策については、先ほど申し上げたように、防衛力強化の議論をしっかり深めていくということが多くの国民の期待にもなっているというふうに思いますが、その一方で、先ほど申し上げたような憲法上の問題や専守防衛という考え方の基本に立ってどうしていくかということをぜひ国民的な議論、そして冷静かつ慎重な議論、さらには現実的な議論、そして理想論を追い求める議論、ここをどうしっかり組み合わせて方向づけをしていくかということが重要だというふうに考えています。  いずれにしても、安全保障戦略については、総合的、総括的な政策、単なる防衛の問題だけではなく、外交も含めてしっかり検討していくことが必要だというふうに考えております。  以上です。       〔25番続木幹夫君登壇〕 ◆25番(続木幹夫 君)まず、食料安全保障の観点からの農業振興策につきまして、今回これを考えるに当たって、結局、我が国の食料安保の強化という点では、脱炭素農業、そして有機循環型農業を進めることがすなわち食料安全保障の強化につながるということでありますし、また、資材や飼料や肥料の高騰に対しての対抗策であるという結論に私としては至りました。  そして、知事の政治理念につきましては、今いろいろ説明していただきましたが、何かかすみがかかったような感じでよくそしゃくできておりませんけれども、議事録を見て、それを有権者に周知して、間もなく行われる知事選の参考にしていきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。 ○議長(丸山栄一 君)次に、石和大議員。       〔33番石和大君登壇〕 ◆33番(石和大 君)自由民主党県議団、石和大でございます。それでは順次質問をいたします。  まず、長野県における希少野生動植物の保護について伺います。  長野県は、全国4位の広大な面積を有し、日本の屋根と呼ばれる北アルプス、中央アルプス、南アルプスには標高3,000メートル級の山々が連なるなど、多様な自然環境に恵まれており、地域ごとに大きく異なる環境に適応して生息する貴重な動植物のホットスポットとなっております。  長野県は、希少野生動植物を保護するためとして、平成15年に長野県希少野生動植物保護条例を制定し、種の指定、保護回復事業計画を策定し、保護監視員を置くなど希少野生動植物の保全に努めてきています。  しかし、20年近く経過した中で、条例の目的を果たした事例は数少なく、特別指定種のミヤマシロチョウは八ヶ岳での生息がほとんど確認できなくなったほか、木曽開田地域個体群のチャマダラセセリも、保護区域を設定したものの、現在は見られなくなっているなど、希少種の衰亡が進み、何種かは絶滅状態にあると思われます。  特に、2015年、信濃毎日新聞の朝刊1面では、ミヤマシロチョウ八ヶ岳生息ピンチと報じており、この記事の中では、希少種の保護は原則地元住民や企業が主体となるのが好ましいとする県の姿勢が記載されています。八ヶ岳のミヤマシロチョウについては、茅野ミヤマシロチョウの会などが保護に取り組み、違法採取防止パトロールや生息数モニタリング調査のほか、生息環境維持のための樹木の伐採や吸蜜植物の保護などに努めていたようですが、15年間の努力のかいもなく、ここ数年はミヤマシロチョウが見られなくなっており、絶滅したと考えられます。茅野ミヤマシロチョウの会は、刀折れ矢尽きた状態で、今年をもって解散するということであります。  ミヤマシロチョウは、中信高原、八ヶ岳を中心に長野県下に広く分布していましたが、北アルプスでは絶滅、美ヶ原でも絶滅、そして八ヶ岳でも絶滅し、南アルプスの奥地に僅かと浅間山系の湯の丸高原でしか見られなくなっているとのことで、南アルプスでは絶滅も時間の問題、浅間山系でも、環境の悪化、森林化により十数年後には絶えるのではないかとさえ言われている状況であります。  そこで、伺います。希少野生動植物の保護条例制定後、種の指定が増えていますが、どのように種の指定をしているのか。また、保護回復事業計画を策定した種について現状と成果をどう考えているのか。環境部長に伺います。  今春、各紙の報道で、県環境保全研究所や信州大学などの研究グループが、長野県、山梨県、静岡県の計5地域のミヤマシロチョウのサンプルによるDNA解析を行った結果、これら地域間で遺伝的な違いはほとんどないとする研究結果が発表されました。この結果は、現在生き残っている生息域からかつて生息した地域に移して復活を図る、いわゆる再導入という手法のハードルが下がったことを意味しており、今後の保護回復策を進めていく上での重要な成果と考えられているところです。  現生息地の維持保全や絶滅地域への再導入をしない限り、かつてシナノシロチョウとも呼ばれた信州の自然を代表する高山チョウであるミヤマシロチョウの近い将来での絶滅をひたすら傍観するだけになるのではないでしょうか。そこで、八ヶ岳をはじめミヤマシロチョウが絶滅した可能性の高い地域への再導入など、ミヤマシロチョウの絶滅を防ぐための方策について環境部長に伺います。
     東御市では、東御市工業振興会という組織があります。それを構成する企業の中で、ミヤマシロチョウやオオルリシジミ、オオムラサキなどのチョウの保護活動に協力するという取組がなされています。  チョウの実物大の模型をマグネットに加工したり、チョウの写真に解説をつけてクリアファイルにしたり、技術力を生かして作成し、販売する。また、それらを別の企業が買い取って小中学生に寄贈する。それらの収益の中から希少なチョウの保護活動に寄附するというものです。保護活動に継続的に取り組んでいる団体とこれらのサポート組織が共同して、東御市では、現在も希少な動植物が保護されています。このような取組を県内各地に展開できれば、希少動植物を未来に残せると感じています。  希少になってしまった動植物の実態は、人間の都合により起きているものが少なくありません。それは、人間も生きづらい世の中なのではないでしょうか。本県の豊かな自然は、様々な生き物が長い年月をかけて積み上げてきた限りある貴重な財産であります。私たち人類も、その一員としてこの地球上に暮らし、日常のあらゆるところで自然の恵みを享受しながら産業の発展と文化を育み、今日に至っています。  希少種の保護には地域住民の自発的な活動は不可欠なものですが、研究者や行政による減少原因の分析や活動への支援などと併せて県民全体で取り組んでいくことが重要であります。そこで、人と自然が共生する持続可能な社会を実現するためにも、また、本条例の実効性を無意味なものとしないためにも、希少野生動植物の保護に対する姿勢を知事に伺います。       〔環境部長猿田吉秀君登壇〕 ◎環境部長(猿田吉秀 君)順次お答えいたします。  希少野生動植物保護条例における種の指定と保護回復事業計画の現状と成果についてのお尋ねでございます。  本県では、絶滅の危機にある動植物約1,600種を長野県版レッドリストに掲載し、このうち人為的要因により存続が危惧されている種を中心に、現地調査や専門家からの情報収集、パブリックコメント、環境審議会の審議を経て、現在80種を条例に基づく指定希少野生動植物として定めております。  条例の指定種につきましては、捕獲、採取に際し許可や届出が必要となるとともに、保全団体や行政等による保護の取組が期待される15種に関しては保護回復事業計画を策定し、5年以上経過した段階で評価、検証を行っているところです。この15種につきましては、ブッポウソウやアツモリソウなど個体数が増加しているもの、中央アルプスのライチョウ復活プロジェクト、千曲市姨捨におけるオオルリシジミ再導入など取組に進展が見られるものもございます。  その一方で、御指摘のように、かつては開発行為や乱獲が減少要因と考えられていたものが、草地の森林化や鹿の食害などむしろ人間の関与が弱くなったこと等により生育環境が変化し、個体数の減少につながっているものもあり、対策の難しさとともに、個々の種それぞれの地域に適合した取組の必要性を強く感じているところでございます。  次に、ミヤマシロチョウの絶滅を防ぐための方策についてのお尋ねでございます。  条例の指定種でございますミヤマシロチョウにつきましては、平成21年に保護回復事業計画を策定し、地域の保全団体の皆様の御協力の下、保護に努めてまいりました。平成30年度に行った評価検証の時点では、東御市において個体数が増加する一方、八ヶ岳山麓など東御市以外の地域では激減。さらに、現在では、東御市においても減少傾向が見られる状況でございます。この要因といたしましては、生息地の森林化、鹿の食害のほか、温暖化の影響と見られる食樹分布の変化、さらには保全活動に当たる方々の高齢化や人員不足も考えられます。  ミヤマシロチョウの保護回復に向けましては、高木の伐採や鹿による食害を防止するなど、まずは幼虫の餌となる低木の生育環境を確保することが重要で、御質問にありましたように、他の生育地から個体を移動させます再導入につきましては、同じくDNA解析をした上で実施いたしましたオオルリシジミでの先行事例等も参考にしつつ、地域や保護に携わっておられる皆さんの御意見を伺って検討してまいりたいと考えております。  また、こうした直接的な対策のみならず、市町村、保全団体、さらには生物多様性の保全に御理解いただける企業の皆様とも連携を図り、人員面、資金面の課題解決にも取り組んでまいります。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には希少野生動植物の保護に対する姿勢について御質問をいただきました。  長野県は、自然と共生して発展した県であります。そうした中で、今、地球環境問題をはじめとして、生物多様性の在り方も世界規模でいま一度問い直されてきているというふうに考えています。  昨年のG7サミットにおきましては、2030年までに陸と海の30%以上を保全するサーティー・バイ・サーティーという目標が約束されるなど、世界的にも生物多様性への関心が高まっているところであります。  我が国の中でも、長野県は生物多様性に富んだホットスポットとも言われている地域でありますので、御指摘にありましたように、希少野生動植物の保護についてしっかり取り組むことが必要だと考えています。その取組を進める上では、一つは特定の種を守るという観点、それから一定のエリアを保全するという両面から取組を進めていきたいというふうに考えております。  今般、県の環境基本計画の改定に合わせて生物多様性保全の基盤となります戦略を見直していきたいというふうに思いますし、また、あわせて、長野県版レッドリストの改訂も行っていきたいと思います。その中で、御指摘にありましたように、保護対策の在り方についてもしっかり見直すべきところは見直していきたいと思っております。  加えて、エリア面での保全という観点では、御岳県立公園の国定公園化の動きもありますので、そうした面で捉えて自然を守っていくという観点もしっかり持って対策を考えていきたいというふうに思っています。  いずれにいたしましても、我々人間も一生物であります。多くの野生動植物と共存できるように行政としてもこの野生動植物の保護にしっかり力を入れて取り組んでいきたいと考えております。  以上です。       〔33番石和大君登壇〕 ◆33番(石和大 君)答弁にありましたとおり、条例によって指定されている種が80種以上あるわけです。それがしっかりと保護されているという実例がなかなか見られないというのが現実であります。ですから、実効性が伴う形でこれからもしっかりとお取組いただきたいということを要望しておきます。  次に、持続可能な農業、農家所得の向上について伺います。  県内各地の水田では田植えが行われ、カエルの鳴き声が響き、青空や白い雲を映す田園はのどかで懐かしい日本の原風景であり、秋には実りをもたらす地域の大事な資源であります。  長野県の稲作についてデータを見ますと、収穫量は19万2,700トンで全国生産量の約2.5%ですが、玄米検査時の品質を示す1等米の割合、10アール当たりの収量は全国トップレベルであり、その品質は全国でも指折りの高さであります。  また、長野県では、多様な自然条件を生かした米作りが行われ、私の地元、東御市においても、八重原台地で育った八重原米がブランド米としてその名が広まっており、全国にファンがおられるところです。  昔は、我が家の田で収穫した新米を我が家で漬けた漬物とともに食べ、実りの季節の到来と米の出来具合を感じるといった季節の風物詩もありましたが、最近はこうしたことも少なくなってまいりました。農業の後継ぎがいなくなり、田畑の維持も難しくなったのが現状であります。なぜ後を継がないかといえば、農家の弱みとして、価格を自分で決めることができず、農業では稼ぐことができない。品質の良い作物を作ってももうからないといった感覚が身に染みついてしまっているのではないかと思われます。そこへ、このたびのコロナ禍により、米をはじめ農畜水産物の需要低下が追い打ちをかけ、さらに農家の皆さんは先の見通せない状況に陥っているところです。  そこで、コロナ禍による外食産業や学校給食等の需要減少により様々な農畜水産物にも影響が出ていましたが、現在の県内の状況はどうか。農政部長に伺います。  また、国内では、コロナ禍による主食用米の需要減少による米価の下落、また、世界的にはロシアのウクライナ侵攻による世界情勢の変化などにより小麦の価格に影響が出ています。このような状況を踏まえ、長野県の米や小麦を生産している農業者の経営安定を図っていくため、今後どう対応していくのか。農政部長に伺います。  私の地元の東御市にあります道の駅「雷電くるみの里」では、地域の農家の皆さんが丹精して生産した四季折々の様々な作物が直売されており、休日には、新鮮で安全、質の良い野菜を求めて多くの方々が訪れます。地域で生産されたものを地域で消費する、これは、地域の農業経営者にとってもあるべき姿であると感じております。特に、小規模農家においては、経営的に継続していけるようにすることが大変重要なことだと考えております。  そこで、本県農業を維持発展させるには企業的な経営を行う大規模農業経営体の育成を進める一方、中山間地域が多い本県では、農村地域を守っていく上で、家族経営などの比較的小さな規模で経営を行う農家の存在も重要な役割であると考えますが、コロナに限らず、農産物の流通や市場の状況などにより農家所得の低迷が懸念される状況において、これらの小規模農家が営農を継続していくための今後の取組について農政部長に伺います。  町並み再生と観光まちづくりについて伺います。  今年4月、國學院大學では、日本各地の歴史、文化、自然を見つめ、観光を基軸に持続可能なまちづくりを考え、多様な側面から地域に貢献していくことができる人材を育てることを目的とした観光まちづくり学部が開設されました。人口減少、過疎化など経済的にも地域が苦しい状況にある中、地域の魅力を再発見し、地域経済の活性化につなげていく観光まちづくりの取組に大きな期待が寄せられているものと感じております。  全国には、古くからの町並みを再生し、にぎわいを取り戻した事例も見られるところです。長野県には、旧中山道と旧甲州街道が通り、旧中山道から軽井沢の追分で分岐して旧北陸道につながる北国街道のほか、古くから塩の道として有名な千国街道などがあり、そうした街道には風情を感じる宿場町が残っています。  コロナ禍前、日本を訪れる外国人観光客の中には、こうした古くからの町並みを楽しむ方が少なからずおられました。私の地元、東御市にあります旧北国街道の海野宿は、重要伝統的建造物群保存地区に指定され、伝統的な町並みが当時のたたずまいを残して保存されており、まさしく地域の宝となっています。長野県には、こうした宿場が旧中山道だけでも26ありましたが、地域の宝である歴史ある町並みの大きな可能性を生かし切れていないのではないでしょうか。  そこで、町並みの整備と町の魅力を生かした観光地づくりについて伺います。  昨今、古民家の再生や旧宿場町の町並み再生などにより古くからの町ににぎわいを取り戻している事例が見受けられるところです。こうした古民家や町並みなどの資源を生かしたまちづくりに関する県内の取組事例と取組に対する支援策について建設部長に伺います。  また、こうしたまちづくりは、地域の魅力となり、新たな観光客を引きつける契機になると考えますが、町の魅力を生かした観光地づくりに対する現在の取組を観光部長に伺います。  次に、コロナ禍の学生生活による心の疲労の状況と対応について伺います。  大学生活を振り返りますと、キャンパスライフやサークル活動、時には仲間と夜通し語り合うなど、勉学もさることながら、様々な価値観を持つ友や恩師との巡り会いがあり、こうした多くの人との出会いが人生において何よりの財産であったと思います。  しかし、新型コロナ第1波の春に入学した多くの大学生にあっては、この2年間、キャンパスで行われるはずの授業はオンラインとなり、数多くの友人と出会う機会が失われ、人との関わりにより彩られるはずの思い描いていた普通の学生生活の多くが奪われました。  昨年度後半からは徐々に対面授業が復活。文部科学省は、本年3月22日、全国の大学に対し感染対策を講じた上での面接授業の実施に適切に取り組むことなどについて通知を発出しました。いよいよ念願の大学生活がスタートするものと思われましたが、これまで通常であったオンライン授業が対面授業となるに当たり不安を覚える学生もあるとのことです。2年間も続いたことにより、オンライン授業が通常になってしまったということは大きな課題です。そこから脱却するにはサポートが必要になる人も少なからずいることでしょう。県内の高校を卒業して進学した若者の多くは県外にいます。特に、一人で都会に暮らし、学校に通っている学生が多いのですが、それらの若者がどんな不安を抱え、苦しんでいるのか、とても心配しています。  文科省は、令和4年度前半の大学の授業の実施方針を調査したとのことですが、そこには、学生生活不適応、就学意欲低下の背景をしっかり把握するという目的があるようです。学生たちが置かれている状況を多角的に調査分析し、対策をするように願うところですし、県内大学の情報は県でも把握してほしいと思います。  ここでは、県立大学について質問します。2年間にわたるオンライン授業に慣れた弊害として、再開された対面授業に息苦しさを覚え、不適応になっている学生が少なからずいるとの報道がありますが、長野県立大学の状況と対応について県民文化部長に伺います。  次に、子供たちのアフターコロナについて伺います。  3年目に入ったコロナ禍において、マスク姿はもはや通常となり、職場の同僚なども、マスクをしていない顔を思い浮かべることが難しくなっているのではないでしょうか。また、顔の半分が隠れていることから、表情が読み取りづらくなり、相手の反応が分かりにくくなっていることも指摘されています。  我々大人でもこうした不便を感じており、保育や学校の現場などで子供たちと接する保育士、教職員の皆様におかれては、大変苦労されていることと思います。専門家によれば、4歳から10歳くらいの子供の脳は、相手の立場に立って考えることを発達させる時期であり、コミュニケーションを通して、相手はどう思っているのか、自分はどのように振る舞ったらよいのかをイメージする能力が芽生えてくるとのことであり、子供たちへの影響が心配されるところです。  そこで、小中高の子供たちは、ここ2年半ほどマスク生活に慣れ、お互いの顔をよく認識していないのではないか、また、相手の感情を読む能力が育っていないのではないかという懸念がありますが、現状をどう把握し、対処を考えているのか。教育長に伺います。  こうしたマスク生活とともに、コロナ禍においては、学校生活、特に、子供たちが楽しみにしていた修学旅行などの行事や懸命に打ち込んできた部活動に大きな制限が生じてきました。そこで、中学や高校は1年次の途中からマスク生活で自粛を強いられ、修学旅行や各種行事、部活動の制限で、得られるはずの経験が乏しいまま卒業したのではないかとも考えますが、現状をどう捉えているのか。教育長に伺います。  政府においては、本年5月に新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針を改定し、屋外、屋内での一定の状況においてはマスクを不要としました。長野県においても、今月3日にマスク着用についての目安を公表したところであります。  しかしながら、これまでのマスク生活に慣れた若い世代では、マスクを外すことに抵抗を感じる人たちも多く、顔パンツなる言葉も登場しているところであります。一日も早く新型コロナウイルス感染症が収束し、マスクを外して生活できる日が来ることを願うところですが、学校においてマスクを外すことができない子供たちがいるであろうことも考慮しなければなりません。そこで、いずれマスクを外すときが来たとき、マスクを外せない子供たちがいることが考えられますが、どう予測し、対処するのか。教育長に伺います。       〔農政部長小林安男君登壇〕 ◎農政部長(小林安男 君)私には3点御質問をいただきました。  初めに、コロナ禍による農畜水産物への影響についてでございますが、新型コロナウイルス感染症により、これまでに、米や牛肉の高級部位、ダリアなどの花卉、信州サーモンなどの淡水魚などに需要の落ち込みや価格の低下などの影響が生じたところです。  このため、県では、農業農村支援センターに相談窓口を設置し、農業者からの相談にきめ細かく対応するとともに、学校給食への県産食材の提供など、関係団体と連携した地域内消費の拡大に取り組んできました。現在、牛肉の高級部位、花卉、淡水魚などの価格は回復傾向にありますが、米については依然として価格低下が見られるため、今後も農業分野への影響を注視してまいります。  次に、米や小麦を生産している農業者の経営安定についてでございますが、米につきましては、主食用米の需要減少等によりまして、県産の相対取引価格は前年に比べ約1割程度安くなっており、一方、小麦については、日本はロシア、ウクライナからの輸入はないものの、国際相場の変動に伴い輸入価格が上がっている状況にあります。このため、米につきましては、米価の回復を図るため、関係機関と連携し、国の事業を最大限活用しつつ、引き続き主食用米の適正生産と高品質化に取り組んでまいります。  また、県産小麦につきましては、ほぼ全量が県内実需者で利用されており、実需者からは、パン、中華麺用の増産や、品質、数量の安定が求められていることから、栽培技術の向上や品種転換を図ってまいります。  さらに、スマート農業やトヨタ式カイゼン手法の導入による生産性の向上や、収益性の高い園芸品目の導入による複合化なども併せて推進し、米や小麦の生産をしている農業者の経営安定に努めてまいります。  最後に、小規模農家の営農継続のための取組についてでございますが、本県の農業農村の維持発展を図っていく上で、家族経営などの小規模農家は、中核的な経営体とともに営農や農村のコミュニティーを維持し、地域農業を支える重要な担い手と考えております。  小規模農家においては、限られた農地を有効に活用して所得の向上を図ることが重要であり、例えば、少量であっても多品目の品ぞろえを求めている農産物直売所への出荷により所得向上を実現するため、農業農村支援センターが特産品の品質向上のための講習会や生産指導などを行っているところです。また、中山間地域農業直接支払事業交付金を活用して、地域の農業者が共同して栽培した大豆を豆菓子として加工販売するなど、農産物の付加価値向上を図ることで所得向上にもつなげております。  今後も、こうした取組を通じて小規模農家の営農継続を支援し、本県農業農村の維持発展を図ってまいります。  以上でございます。       〔建設部長田中衛君登壇〕 ◎建設部長(田中衛 君)私には古い町並みなどを活用したまちづくりの事例と支援策についてお尋ねがございました。  議員御指摘のとおり、県内には旧宿場町の古い町並みを活用した事例が多くございます。例えば、小諸宿周辺や上田市の柳町紺屋町、下ノ諏訪宿においては歴史的な建物の外観整備や道路の石畳舗装など、国の補助事業を活用しながら町並みの魅力を向上させる取組を実施し、新たな人の流れが生まれております。  最近では、奈良井宿においてUDC信州や民間の取組を活用し、町の象徴的な存在であった旧酒蔵を再生するとともに、宿泊施設や飲食店にリノベーションするなど、歴史を積み重ねた古民家に価値を見いだした人々が集い、活用を進める新たな取組が県内各地で行われています。こうしたまちづくりにおいては、ハード整備だけでなく、民間との連携が重要であることから、UDC信州のノウハウなどの活用を通じて継続的に市町村の取組を支援してまいります。       〔観光部長渡辺高秀君登壇〕 ◎観光部長(渡辺高秀 君)町の魅力を生かした観光地づくりの取組についてのお尋ねでございます。  古い町並みや古民家は、多くの観光客を引きつける資源であり、インバウンドにおいても注目のコンテンツと認識しております。このため、県公式観光サイト「Go NAGANO」での特集などによる情報発信をはじめ、例えば、宿場街道とワイン、自転車などとの組合せによる長期滞在につながる広域的な観光地域づくりを信州の観光地魅力向上実践事業により支援、また、地域の魅力、素材を生かし、稼げる観光地域をつくるため、DMOの形成、育成等を県観光機構と連携して支援するなどの取組を進めているところでございます。  また、観光地域づくりは部局横断的な対応が必要なことから、引き続き県観光戦略推進本部等を通じ、関係部局と連携し、取り組んでまいります。  以上でございます。       〔県民文化部長山田明子君登壇〕 ◎県民文化部長(山田明子 君)長野県立大学におけるコロナ禍による学生の心の疲労の状況と対応についてのお尋ねでございます。  県立大学では、学生からの心身の不調や悩みに対して、関係機関等と連携し、カウンセラーや保健師による相談体制を整えて対応を行っておりますが、これまで、コロナの影響を主な要因として学生生活に不適応となっている学生は把握しておりません。  コロナ禍における授業形態についてでございますが、令和2年度の前期は全てオンラインでありましたが、その後は感染対策を行いながら順次対面授業を増やし、現在は約9割が対面授業となっております。  少人数教育という県立大学の特徴を生かし、コロナ禍でも早期から対面授業を多く実施することができましたし、オンライン授業においても、教員と学生の双方向の対話やグループディスカッションを行うなど、対面に近いコミュニケーションが図られるよう取り組んでまいりました。  また、学生寮につきましては、今年度も引き続き2人部屋を1人利用としておりますことから、入寮できなかった学生を含め、全ての1年生が参加できるオンライン交流会を4月に開催するなど、学生同士の交流の促進を図っております。  今後も、学生一人一人の状況に応じた相談対応に努めてまいりますとともに、特徴ある教育を生かしながら学生が生き生きとした大学生活を送ることができるよう、大学とともに取り組んでまいります。       〔教育長内堀繁利君登壇〕 ◎教育長(内堀繁利 君)3点御質問をいただきました。  まず、小中高校生のマスクの着用の影響とその対処方法についてでございます。  新型コロナウイルス感染症が拡大した当初はマスクをしたままの学校生活が続いておりましたが、最近ではマスクを外す場面も増え、子供たちは互いの顔を一定程度認識していると考えております。  一方で、御指摘のマスクの着用により相手の感情を読む能力が育たないのではないかという懸念があることは承知しているところであります。このため、学校では、例えば、感染対策を講じた体育の授業や部活動、登下校時にはマスクを外し、互いに表情を見ることができるようにする。少人数のグループ学習でお互いの考えや気持ちを伝え合う場面を増やすなど様々な工夫を行っているところでございます。  今後は、感染リスクが低い場面ではマスクを外すことを奨励し、さらに各校の取組の好事例を紹介してまいりたいと考えております。  続きまして、修学旅行や各種行事、部活動の制限による影響についてでございます。  議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響により、修学旅行で行き先の変更を余儀なくされたり、文化祭や部活動の大会が中止となったり、また、開催されたとしても来場者が制限されたりするなど、得られるはずの経験を得られないまま卒業した生徒もいると考えております。  しかしながら、そのような中、教員と生徒が話し合いながら工夫をすることで、例えば修学旅行では、目的地や体験内容を生徒自らが考えたり、学級ごとに学習テーマを設定したりするなど、連れていってもらう修学旅行から自らつくり出す修学旅行へと変化をした。文化祭において、ICTを活用し、バーチャル空間に作品を展示して鑑賞したりステージ発表をオンラインでつなぐなど、空間を超えて参加者が一体となる方法で実施した高校がある。部活動では、コロナ禍で開催された大会で生徒が改めて試合ができる喜びを感じるとともに、大会関係者や保護者への感謝の気持ちを強くしたなど、これまでとは異なる学びが生まれ、広がりを見せていると認識しております。このように、従来どおりの活動はできなかったものの、生徒が主体的に考え、活躍することで、これまでにない経験を積むことができたものと考えております。  マスクを外せない子供たちの予測と対処についてでございます。  県教育委員会では、児童生徒のマスク着用に関する現状と指導上の課題を把握するため、今月8日に小中高等学校にアンケートを実施いたしました。その結果、教職員がマスクの着用が必要ないと指導した場面においてほとんどの児童生徒がマスクを外していないと回答した学校の割合は、全体で15.0%でございました。子供たちの中には、素顔を見せることに抵抗感があるなどの声もあることから、コロナが収束し、マスクを外すときが来たときに、一定数マスクを外せない子供がいるのではないかと予想しております。  これまでの学校教育活動では、感染防止のため、活動上または健康上支障がある場合を除きマスク着用を原則としてまいりましたが、これからは、アフターコロナを見据え、感染リスクが低い場面ではマスクを外すことも必要と考えております。  県教育委員会といたしましては、市町村教育委員会と連携して、マスク着用の意義や必要がない場面を児童生徒が皆で考える時間をつくったり、保護者と共通認識を持つなど、児童生徒が安心してマスクを外せる環境を整えたいと考えております。  ただし、心身の課題など様々な事情でマスクを外せない児童生徒がいることにも留意が必要であるため、児童生徒には、マスク着用について、他者に配慮し、お互いの対応を尊重することも併せて指導したいと考えているところでございます。  以上でございます。       〔33番石和大君登壇〕 ◆33番(石和大 君)最近、私が暮らす海野宿では、古民家を買い取って改修したゲストハウスが2軒できました。とてもきれいに改修されていて魅力を感じます。既存のものを含めると3軒になりました。まだ何軒か希望者がいるともお聞きしています。海野宿ですから、元の宿場に戻っていくのもよいかもしれません。ほかにも、若者たちが始めたクラフトショップなど魅力的な店舗が2~3軒できました。  このように、元々の住民だけでなく、よそから来た人による再生が持続可能な地域をつくっていく可能性を感じています。先般の新聞の記事によると、木曽の妻籠宿なども空き家対策に追われているとのことです。重要伝統的建造物群保存地区の保存対策は、世の中の多様性に対応できるものでなくては先行きがないとも感じています。  改修に対する補助金の在り方について文化庁等国と市町村と協議をすることを要望しておきたいと思います。具体的には、補助金の上乗せなどです。高齢になった家主には改修費の負担はし切れず、若い世代は別に建てた自分の家のローンがあります。古い家の維持管理には手が回らない家がどんどん増えていきます。地方自治体が取得して維持、利用するような場面が少なからず出ることが予想されます。適時的確な補助金の給付が必要です。いろいろな人が知恵と力を出し合い、魅力的な町をつくっていくことに行政はどう応えていくかということが重要になります。
     先ほど紹介した海野宿のクラフトショップでは、農業者の皆さんが作った大豆等を持ち寄って、古くからのみそ造りを子供たちと一緒に体験する機会を設けて、この間も、おしょうゆを搾り出すというようなことができたわけであります。そういったことがだんだん広まっていくことは、長野県の中のいろいろなところに可能性があると思うのです。そういう可能性をしっかりと生かしていく、いろいろな出番が創造されていく長野県に期待いたしまして、本日の質問といたします。 ○議長(丸山栄一 君)会議規則第13条第2項の規定により、本日はこれをもって延会いたしたいと思います。  次会は、明22日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後4時43分延会...