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令和 4年 2月定例会本会議-03月02日-07号

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  1. 長野県議会 2022-03-02
    令和 4年 2月定例会本会議-03月02日-07号


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    令和 4年 2月定例会本会議-03月02日-07号令和 4年 2月定例会本会議 令和4年3月2日(水曜日)  出席議員(56名)   1 番 望月義寿    27 番 寺沢功希   2 番 小林君男    28 番 両角友成   3 番 小林あや    29 番 清水純子   4 番 清水正康    30 番 小池久長   5 番 加藤康治    31 番 酒井 茂   6 番 川上信彦    32 番 堀内孝人   7 番 山田英喜    33 番 石和 大   8 番 大井岳夫    34 番 依田明善   9 番 丸茂岳人    35 番 山岸喜昭   10 番 花岡賢一    36 番 小島康晴   11 番 池田 清    37 番 小林東一郎   12 番 熊谷元尋    38 番 毛利栄子   13 番 百瀬智之    39 番 和田明子   14 番 山口典久    40 番 諏訪光昭   15 番 小山仁志    41 番 丸山栄一   16 番 竹内正美    42 番 小池 清   17 番 竹花美幸    43 番 宮本衡司
      18 番 宮下克彦    44 番 清沢英男   19 番 大畑俊隆    45 番 垣内基良   20 番 共田武史    46 番 鈴木 清   21 番 丸山大輔    47 番 高村京子   22 番 髙島陽子    48 番 宮澤敏文   23 番 荒井武志    49 番 西沢正隆   24 番 埋橋茂人    50 番 風間辰一   25 番 続木幹夫    51 番 佐々木祥二   26 番 中川博司    52 番 向山公人   54 番 本郷一彦    56 番 服部宏昭   55 番 萩原 清    57 番 望月雄内  出席議員(1名)   53 番 平野成基         ─────────────────── 説明のため出席した者   知事        阿部守一     産業政策監兼産   副知事       関昇一郎     業労働部長     林 宏行   危機管理部長    中村宏平     農政部長      小林安男   企画振興部長    伊藤一紀     建設部長      田下昌志   総務部長      玉井 直     公営企業管理者   県民文化部長    中坪成海     企業局長事務取扱  小林 透   健康福祉部長    福田雄一     財政課長      矢後雅司   環境部長      猿田吉秀     教育長       原山隆一                      警察本部長     小山 巌                      監査委員      田口敏子        ─────────────────── 職務のため出席した事務局職員   事務局長      小山 聡     議事課担当係長   矢島修治   議事課長      百瀬秀樹     総務課担当係長   青木武文   議事課企画幹兼   丸山俊樹     総務課主事     古林祐輝   課長補佐         ───────────────────  令和4年3月2日(水曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    陳情取下げの件(日程追加)    議員提出議案(日程追加)      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    陳情提出報告、委員会付託    陳情取下げの件    議員提出議案         午前10時開議 ○議長(宮本衡司 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。  次に、平野成基議員から本日より本定例会会期中欠席する旨の届け出がありましたので、報告いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(宮本衡司 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、大井岳夫議員。       〔8番大井岳夫君登壇〕 ◆8番(大井岳夫 君)おはようございます。自民党県議団、大井岳夫です。通告に従いまして順次質問いたします。  初めに、第6波における保健福祉事務所の体制、対応について質問いたします。  1として、陽性者数は第5波の5倍以上となるなど、これまでにない感染拡大により、保健師をはじめとする職員の負担は今まで以上に大きかったと推測しますが、時間外労働の実態について第5波との比較と併せて伺います。また、激務のさなかにある保健師への心身におけるケアがどのようになされているか、伺います。  2として、感染拡大時の保健福祉事務所の体制強化のためには、県職員の応援のほか、地元市町村からの応援も重要であると考えますが、日頃の市町村との連携と第6波における地元市町村からの応援の状況について伺います。  3として、2月4日のSBC夕方のニュースにおきまして両親と小学生の子供2人が家庭内感染したケースが報道されまして、3点において問題提起がなされました。1として、陽性者への健康観察において保健所や健康観察センターから毎日かかってくる電話にストレスを感じる。毎日の健康観察で聞いてくる内容と聞き方が、大分前に決まったマニュアルどおりのように思える。2点目として、体温やパルスオキシメーターの数値も参考にしながら、具合が悪くなったなどの際に自主的に申告する制度は受け付けられないのか。3点目として、リスクが高い方をあぶり出して保健所が手厚くケアするというように優先順位を決めないと、もっと陽性者が増えたときに大変なことになるのではないかと放送されました。  この問題提起を受け、1として、他県のようにアプリやスマートフォンなどを通じて報告できる仕組みは構築できないでしょうか。2として、健康観察の際のヒアリングなどが、マニュアルどおりの対応ではなく、陽性者に寄り添った対応になっているでしょうか。健康観察などに当たる担当者が、陽性者が抱える疑問や問題提起などを受け、絶えず対応を改善するための努力、体制の構築が必要と考えますが、いかがでしょうか。以上3項目について健康福祉部長に伺います。  次に、トレーニングと健康について質問します。  1として、まん延防止等重点措置適用期間中、県立高校の部活動は原則中止となっています。特に、運動部に所属している生徒は、授業で頭を使い、放課後に部活動で体を使い、鍛えることで心身のバランスを保ち、日々リフレッシュし続けることで学業にも好影響を及ぼしていた側面は多大にあると考えますが、その貴重な場が失われたことは大きな損失であるという視点より、問題意識について伺います。  2として、特にトレーニングの機会が失われたことに対しどのようにフォローを行ってきたでしょうか。  3として、まん延防止等重点措置の適用が解除された後において、体力低下等も考えられる中、けが防止の視点も含め、運動部活動に取り組む生徒たちがスムーズに再開できるよう、例えば専門的なノウハウを持っている民間ジム等と連携した取組も考えられますが、教育委員会の取組を伺います。以上3項目について教育長に伺います。  4として、高齢者においても、コロナ禍において、運動、トレーニングの機会が減っていると推測しますが、その実態と、健康や生きがいに及ぼす影響についてどのように受け止めているでしょうか。また、体を動かしトレーニングする環境整備や家庭内でできる運動、トレーニングなどの情報提供が必要と考えますが、いかがでしょうか。健康福祉部長に伺います。  次に、第6波を含めた新型コロナウイルスの特性や傾向、これからの情報発信について質問します。  昨日、清水議員の質問において、第6波における県内の重症者率について答弁があったところですが、私は、これに加えて、第1波から第6波までの数値とその比較について伺います。  2として、新型コロナウイルスの感染が第1波から第6波へと推移するにつれて、特に重要な数値、重視すべきは、病床使用率や重症者率であるということが指摘されています。しかし、メディアの報道においては、新規陽性者が過去最高を更新など、新規陽性者数のみに焦点を当てた情報発信になりがちであることから、ともすれば不安をあおるような情報発信には違和感を覚えます。  第6波においては、オミクロン株の特性や、第1波から第5波と比較しての傾向が分かってきており、県民の皆様が行動判断の尺度とできるよう、さきに答弁いただいた重症率に加え、コロナ前、コロナ蔓延以降の県内の死亡者や死亡率が大きく増加していないこと、そして、かえってインフルエンザに起因する死者は減少したなど、もちろん、これらは県民の皆様の御協力によって抑えられている数値であり、亡くなられた方には心から哀悼の意を表するものでありますが、事実や客観的なデータを、第1波から第6波の傾向を比較しつつ、県民の皆様へ分かりやすく発信していくべきと考えますが、知事の所見を伺います。       〔健康福祉部長福田雄一君登壇〕 ◎健康福祉部長(福田雄一 君)私には6点ほど御質問を頂戴しております。  まず、保健所における時間外労働と職員へのケアについての御質問でございます。  第6波への備えとして、第5波のピーク時を踏まえて体制を構築してまいりましたが、これまでに経験のないほど感染が急拡大したことから、保健所の業務が逼迫いたしました。そのため、保健所職員1人当たりの時間外勤務時間は本年1月には45時間となり、第5波のピークとなった昨年8月における32.8時間を4割ほど上回る状況となりました。  保健所の逼迫への対応といたしまして、地方部からの兼務職員を176人から626人に大幅に増員するなどしたため、第6波のピークとなった2月においては暫定値で30時間程度と減少傾向となっております。  保健師を含め、長時間の時間外勤務を行った職員に対しましては、産業医との面談を実施し、心身の状況など健康状態の確認を行っているところでございます。今後も、必要に応じてさらなる兼務職員の増員を検討するなど人員の確保に取り組み、負担軽減を図りながら職員の心身の健康管理に努めてまいります。  次に、市町村からの保健師の応援についての御質問でございます。  保健所におきましては、平常時に管内の市町村と定期的に研修会等を開催し、業務に対する相互理解を深め、県と市町村保健師の連携強化に努めてまいりました。  新型コロナの感染拡大時には、地方部の兼務職員が疫学調査の補助を行う体制を構築しておりますが、専門知識を有する保健師がどうしても不足する場合は保健所長が管内市町村に保健師の応援を依頼しております。1月以降の第6波におきましては、2月26日までに18の市町村から延べ278人日の保健師に応援をいただいているところでございます。  ただし、現在は、市町村において住民へのワクチン接種を推進しているところであるため、保健師の応援をお願いすることが難しい状況でございます。このため、限度はございますけれども、御指摘のとおり市町村保健師の応援は大変有益であることから、今後も日頃の連携を密にし、市町村にも御協力いただきながらコロナ対応に当たってまいりたいと考えております。  それから、自宅療養者に対する健康観察体制についての御質問がございました。  健康観察センターにおきましては、他県に先駆けて遠隔健康管理システムを導入しておりまして、自宅療養者スマートフォンで体温と血中酸素飽和度を入力することによって、電話で会話をしなくても自動的にこれらを確認できる仕組みが既に構築されております。  健康観察に当たりましては、こうして把握いたしましたデータを踏まえて、受託事業者と県で打合せをして作成したマニュアルに基づき専任の看護師が症状の聞き取りを行っております。  また、自宅療養者の増加に伴いましてマニュアルを見直しておりまして、1月中旬には、症状に応じて、それまで1日2回を原則としていた電話の頻度に軽重をつけ、さらに、2月上旬には、センターからの電話はシステムへの入力がない療養者に限定するなどの重点化を行ったところでございます。今後も引き続き過度に負担なく自宅で安心して療養生活を送っていただけるよう、不断の見直しを行ってまいります。  次に、コロナ禍における高齢者の運動、トレーニングについての御質問でございます。  コロナ禍における高齢者の健康への影響につきましては、令和3年2月に国が市町村に対して行った調査において、通いの場における高齢者の健康状態に関しまして、約46%の市町村が運動器の機能が悪化している、また、約27%の市町村が認知機能が悪化していると回答しております。  コロナ禍の影響で外出する機会等が減少することによりまして、身体機能の低下のほか、認知症への影響、生きがいの喪失などにより、いわゆるフレイル状態に陥る高齢者の増加が懸念されるところでございます。  高齢者の運動の機会づくりの取組といたしましては、多くの市町村が体操教室や通いの場での運動などを行っておりまして、県は、これに対し、通いの場の立上げを支援したり、効果的な運動のためリハビリテーションの専門職を派遣するなど支援を行っているところでございます。  また、家庭内でできる運動として、多くの市町村において高齢者向けの体操について独自の動画を配信しているほか、県でも手軽にできる「アルクマと一緒にいつでもストレッチ」という動画を制作、配信しているところでございます。今後も、関係機関と連携して、こうした情報の提供に努めてまいります。  それから、第6波における重症者の割合等について御質問がございました。  第6波で重症となった方につきましては、2月20日までに9名おられまして、陽性者に占める割合は0.046%となっております。この数値は今後変わってくる可能性がございます。  また、第1波での重症者の割合は6.6%、第2波では2.2%、第3波では1.3%、第4波では1.0%、第5波では0.4%と、波を経るごとに割合は低くなっております。これは、中和抗体薬の投与など療養者を重症化させない治療法が医療機関で定着してきたことのほか、特に、第6波では、重症化リスクが低いとされているオミクロン株の特性による影響も大きいものと考えております。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)部活動中止に伴う児童生徒への影響についてのお尋ねでございます。  部活動は、学習意欲の向上にもつながりますし、責任感や連帯感の涵養等に資するものでありまして、学校教育の一環として大切な活動であるというふうに認識してございます。  オミクロン株の感染拡大に伴いまして学校での感染が増加し、部活動における感染事例が見られたため、まん延防止等重点措置適用期間中部活動を原則中止としたところでございます。  部活動に取り組んできた生徒にとっては、十分な活動の機会が失われ、気力や体力、技能の低下が生じているというふうに認識しておりますけれども、社会機能を維持し、重症化リスクが高い方を守るため、部活動の中止をお願いしたところでございます。  トレーニングの機会が失われたことに対するフォローについてでありますが、県教育委員会では、アスレチックトレーナーといった専門家と連携しまして、児童生徒が自宅でも一人でできる体幹や心肺機能を高めるトレーニングプランホームページに掲示するとともに、学校を通じて全ての児童生徒に活用を促しまして、部活動の再開を念頭にした体力等の維持に取り組んでいるところでございます。  まん延防止等重点措置解除後の部活動のスムーズな再開についてのお尋ねでございます。  議員御指摘のとおり、部活動の再開に当たっては、児童生徒の体力や技能の低下などへの対応が必要でございます。
     このため、ただいま申し上げましたアスレチックトレーナー等と連携した動画を活用したり、部活動の顧問から一人一人の状況に合わせた適切なアドバイスの下、まずは短時間で基礎的な練習から始めるなど、段階的に無理なく強度を上げた活動を行っていく必要があると思っております。再開後も、地域の感染レベルに沿った感染防止対策を徹底するとともに、児童生徒一人一人の状況に応じた部活動が行えるよう丁寧に取り組んでまいりたいというふうに思っております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、新型コロナウイルスに関連して、分かりやすい情報発信という御質問をいただきました。  御質問にもありましたように、県民の皆様方に様々な対策のお願い等をさせていただいている中で、皆様方お一人お一人が正確で分かりやすい情報を基に行動していただくということは大変重要なことだというふうに私も思っております。  私も、会見の場等では、例えば死亡者の発生状況や陽性者の感染経路などのデータを示しながら取組方針等の説明を行わせていただいているわけでありますけれども、日々の情報発信の中でも、より分かりやすい、より情報量の多い発信が重要だというふうに私も感じております。  特に、御指摘のように、当初はこの陽性者の数に非常に力点が置かれていたわけでありますけれども、今御質問にありましたように、例えば確保病床がどれぐらい利用されているのか、死者、重症者の状況はどうなっているのか、むしろこうした点に力点を置いて我々は状況を見ているわけであります。また、今回の第6波は、特に感染者数が非常に多い中で、これまでと違って、社会機能を維持するという観点から、この療養者の数や濃厚接触者の数にも我々は注目しているところであります。  そういう意味で、我々は、ホームページ等でメディアにもう少し分かりやすい発信をすると同時に、会見でもいろいろなデータをしっかり分かりやすくお伝えする努力をしていきたいというふうに思っています。  1波から6波の傾向の比較ということでありますけれども、例えば第5波と第6波を比べると、私としては、かなり違うウイルスと闘っている感覚を持っています。第6波のお子さんの陽性者が非常に多い状況や、高齢者施設での集団感染も非常に多いというような傾向もありましたので、そうしたことも引き続き分かりやすくお伝えしていく努力をしていきたいというふうに思います。  新型コロナとの闘い、これは、お一人お一人の県民の皆様方が行動いただくということが最も重要だと思いますので、御指摘の点も踏まえて、改善すべき点は改善をしていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔8番大井岳夫君登壇〕 ◆8番(大井岳夫 君)トレーニングと健康について答弁をいただきましたが、ここで、トレーニングや健康を考える際重要な要素であるテストステロンについて触れたいと思います。  テストステロンとは男性ホルモンの一種でありますが、女性も男性の5%から10%の割合でテストステロンが分泌されるとされています。テストステロンは、筋力トレーニングや運動をすることで値を上昇させることができ、男女ともに健康や幸福感の上昇につながり、骨粗鬆症の予防にも関与しているとされています。  トレーニングや運動によりテストステロンが分泌される。それにより継続的なトレーニングにつながっていく。そして、これまでできなかったことができるようになる。例えば、新しい技や演技ができるようになる、タイムが1秒縮まったりする、昨日より10キロ重いバーベルが上げられるようになるなど、自信がつき、自己肯定感を高めることにもつながります。県内においても、テストステロンをより意識した施策を展開していただき、高齢者から若者までの生きがいや健康づくり、自己肯定感の向上に活用し、役立てるべきと考えますので、研究を要望いたします。  次に、オミクロン株の特性、第6波の傾向ですが、重症者率は第5波までと比較して大きく減少、先ほど答弁していただいたとおりですが、陽性者に対する死亡者の割合は、第2波から第4波が2%前後だったことと比較すると、第5波は0.15%、第6波は2月18日までで0.20%と大きく減少しています。数字は県民のものであります。できるだけ早く、分かりやすい情報提供をしていただくことを要望いたします。  次に、消防団員確保における課題と地域防災における防災士の活用について、危機管理の視点より質問します。  災害が激甚化、頻発化する近年、地域の防災活動において特に頼りになる存在が、地域の実情を知り、行動力のある消防団であります。  さて、県内の消防団の状況を見ると、県の総合計画、しあわせ信州創造プラン2.0においては、人口1,000人当たりの消防団員数を、2017年度の16.85人から0.35人増やし、2022年度には17.2人にしようとする目標を掲げていますが、直近の統計、これは令和3年4月1日の数字ですが、16.06人と、増やすどころか逆に0.79人減少してしまっています。さらに、県内市町村においては、これまでの目標的な定員にとらわれることなく、若者の人口バランスや地元の団員が必要と考える団員数をヒアリングした結果、実態に応じて定数を大幅に減少させようとする動きもあります。  そこで、以下について質問します。  1として、地域の防災において消防団はどのような位置づけがなされているでしょうか。  2として、団員の定員を減らそうとする動きは、県の総合計画における目標数値と整合性がとれず、逆行する動きと思いますが、県の立場において、市町村の消防団員数、定数への関与はできません。よって、市町村の判断を尊重するのであれば、移住者の増加を鑑みても、少子高齢化の進行がこのままのペースで進むのであれば、仮に現状維持とする数値であっても、今後の総合計画に消防団員数の目標数値を盛り込むことは無理があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。  3として、国は人口10万人ベースで15分団、583人を基準に消防団活動に関わる経費を交付税措置していると認識しています。一方、77の市町村を有する長野県の平均では、先ほど挙げた数字を人口10万人当たりに引き直すと1,606人と、交付税措置における国基準の約3倍の消防団員を有しており、国基準を超過する部分は市町村の一般財源で賄っている状況であります。  消防団員数が多い、確保に努めていただいているということは、地域防災の観点におきましても大変すばらしい、心強いところだと思いますが、一方で、市町村の負担、持ち出しになっている部分があるというのも現状であります。県はこのような状況をどのように受け止めていますでしょうか。そして、今後、あくまで目標値を追求するのであれば、団員確保に向けて支援策の在り方を抜本的に見直す必要があると考えますが、いかがでしょうか。  4として、防災士の活用について質問します。  防災士とは、日本防災士機構による民間資格であり、一般的に、研修講座を受講した後試験に合格することで資格の取得が可能です。防災士は、自助、共助、協働を原則として、公助との連携充実に努めて、社会の様々な場で減災と社会の防災力向上のための活動が期待され、そのために十分な意識、知識、知能を有する者として認められた方と定義されています。端的に言えば、地域の防災リーダーであります。  さて、地域の防災力を上げるために、県内には、防災士の資格取得における費用の一部を助成している市町村が11あります。そのうち佐久市においては、資格取得後、防災士と自主防災組織とのマッチングを行っているとのことであります。  一方で、防災士の資格取得に当たり助成を受けていないケースにおいては、市町村は自治体内に防災士が何人いるかといった情報を持ち合わせていないことから、自主防災組織や地域で災害を想定し、図上を含めた訓練を行う際においても防災士には声がかからないという状況を生み出しています。  ちなみに、県内郵便局の局長は防災士の資格取得を奨励されており、多くの局長が防災士の資格を有していらっしゃいます。このような状況では、せっかく取得した防災士の資格、それに関わる知識を地域防災に十分に生かしているとは言い難く、まさに宝の持ち腐れになっているのではないでしょうか。  そこで、防災士に力を発揮していただき、地域の防災力を上げるためにも、例えば、防災士機構に掛け合い、県が情報管理を徹底した上で、防災士の情報を市町村と橋渡しすることを提案いたしますが、いかがでしょうか。以上5項目について危機管理部長の見解を伺います。  最後に、千曲川流域治水について質問します。  1として、計画的なしゅんせつについて質問します。  千曲川は、日本一長い河川であることから、流域面積も比例して広大ですが、県内には、いわゆる中抜け区間と言われる県管理区間と国管理区間が混在しており、上流域から下流域までが一体となった計画的な流域治水対策における大きな課題となっています。  流域治水対策において、河川の断面を広げるために、即効性があり、目に見える効果的な対策が、河川に堆積した土砂を取り去るしゅんせつでありますが、大雨により絶え間なく土砂は堆積するため、計画的、臨機応変的に切れ目なく進めていかなければなりません。  そこで、国管理区間においてもしゅんせつが行われていますが、県管理区間のしゅんせつはどのような優先順位にて計画的に進めていくのでしょうか。  2として、佐久市桜井地籍で計画されている遊水地区域内の用地活用について質問します。  桜井遊水地建設にあっては、これまで、用地は全て買収する方針であり、希望する耕作者には代替地を探すと示されてきましたが、耕作者の中には30町歩を超える大規模な方もいらっしゃいまして、代替地の確保は容易ではありません。  そこで、以下について伺います。  1として、桜井遊水地内の用地活用においては、県が農地を全て買収した後、希望者には再度農地として大区画化した上で貸与するような方法や、また、先日石和議員への答弁で選択肢として示された農地買収と地役権設定を組み合わせたハイブリッド方式で整備するという方針が決定された際においては、希望者には農地買収を進める一方で、優良農地や耕作者の生活を守るため地役権を設定し、農地を大区画化した上で集約するようなエリアを設けられないでしょうか。  2として、用地買収の後農地として活用されない用地については、地元住民や地元自治体の意向を確認しつつ、グラウンドなど広く活用できるような施設整備を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。  3として、遊水地建設における丁寧な説明について質問します。  しゅんせつを今以上に切れ目なく進めることで氾濫リスクを抑えられれば、遊水地の建設を行う必要はないのではないかと疑問を感じている住民、耕作者がいらっしゃることから、引き続き丁寧な説明が求められます。  住民の理解を得るべく、遊水地建設に当たり、中下流域への氾濫リスク軽減など、数値的根拠も含め、どのような説明にて理解を得ていく考えでしょうか。いま一度桜井遊水地建設の目的について伺います。以上3項目について建設部長に伺います。       〔危機管理部長中村宏平君登壇〕 ◎危機管理部長(中村宏平 君)消防団員の確保の課題と防災士の活用について御質問をいただきました。  初めに、地域防災における消防団の位置づけについてであります。  消防団は、地域において、ふだんから住民の安全、安心の確保に努め、一たび災害が発生すれば、速やかに現場に駆けつけ人命救助に当たるなど、地域防災力の中核として欠くことのできない存在です。  また、消防組織法に基づく消防機関の一つとして、常備消防とともに地域防災の一翼を担っており、平成25年に施行された消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律においても、住民、自主防災組織などと連携協力し、災害に速やかに対応できる組織として大きな期待を寄せられているところであります。  次に、今後の総合計画における消防団員数の目標値の設定についてであります。  現在のしあわせ信州創造プラン2.0における消防団員数の目標につきましては、消防団が地域防災力の中核として人口減少という状況においても防災力を維持していくために、市町村と協力しながら団員確保に取り組む必要があることから設定したものであります。  この目標を達成するため、消防団充実強化支援事業として、消防団応援減税や信州消防団員応援ショップ登録店舗の拡充など、団員確保のための支援や活動環境の整備に取り組んでまいりました。  しかしながら、消防団の新たな担い手である若年層人口の減少や若者の価値観の変化、地域との関わりの希薄化などにより、新規入団者の確保は難しく、消防団員数の減少が続いており、厳しい状況にあります。消防防災体制の充実は重要なテーマでありますので、次期総合計画策定に合わせ、関連する目標の設定について様々な観点から今後検討してまいりたいと考えております。  次に、消防団活動に係る国の財政措置に対する受け止めと団員確保に向けた支援策の抜本的な見直しの必要性についてであります。  長野県内の消防団員数は、令和3年4月現在3万2,477人と全国で3番目に多い状況であり、議員御指摘のとおり国基準の約3倍の消防団員数でありますが、消防団活動に係る経費が十分に措置されているとは言えない状況であります。  県としても、消防団員数に即した財政措置が必要と考え、これまでも、国に対して、実団員数に応じた普通交付税の算定方法への見直しや特別交付税による財政措置の拡充を要望してまいりました。  こうした要望に対しまして、国では、昨年4月に、初めて消防団員の報酬基準を年額3万6,500円、出動報酬を8,000円と定めました。また、来年度からは普通交付税の算定方法について市町村が支払った報酬の総額に基づく方法に変更となり、災害時の出動報酬についても新たに特別交付税で措置されることとなりました。  こうした見直しは団員の確保に一定の効果があると考えられますので、県としては、市町村に対して団員報酬の見直しを働きかけるとともに、消防団応援減税や信州消防団員応援ショップなどの拡充を通じて市町村と協力しながら消防団員の確保に取り組んでまいります。  最後に、防災士情報の市町村との橋渡しについてであります。  防災士は、NPO法人日本防災士機構が認証する民間資格であり、平時の様々な防災活動への参加など、防災士の役割は地域防災力の向上を図る上で重要であると考えております。  防災士の地域における活躍の場の確保については、これまでも、会議や研修などの機会を捉え、市町村へ要請するとともに、防災士養成研修機関の松本大学と連携した研修等に取り組んでまいりました。  防災士資格を取得する目的には、防災の知識を取得したい、会社の業務で使用したいなど様々な理由があるとお聞きしていることから、防災士情報の市町村との橋渡しにつきましては地域での活動を希望する防災士をターゲットに検討することが必要と考えます。  このため、県としましては、意欲ある防災士が地域において活躍できるよう、防災士の活動をサポートする団体や市町村などの意見を踏まえ、必要な支援をしてまいりたいと考えております。  以上であります。       〔建設部長田下昌志君登壇〕 ◎建設部長(田下昌志 君)初めに、千曲川におけるしゅんせつに関するお尋ねでございます。  県管理区間のしゅんせつにつきましては、流下能力に対する土砂、樹木による阻害の状況、さらには沿川の土地利用の状況など、越水した際の社会的影響を踏まえ、危険度の高い箇所から順次実施しております。  御質問をいただきました千曲川に関しましても、5か年加速化対策等の予算を活用し、令和3年度におきましては、土砂堆積が著しく、沿川に人家等が連檐している佐久市の中込地区や鍛冶屋地区等8か所において約12万立方メートルの土砂撤去を実施しております。  令和4年度以降につきましても、引き続き佐久市中込地区等において土砂撤去を実施するとともに、洪水による土砂の堆積状況を把握し、地域の皆様の御意見もお聞きしながら臨機に対応してまいります。  次に、桜井遊水地内の用地の取扱い等に関するお尋ねでございます。  これまでの説明会や意向調査の結果では、当該地での耕作の継続を希望される方、買収に応じていただける方など様々な意見をいただいておりまして、これらを踏まえた検討を進めております。  議員から2点御提案いただきましたが、県が買収後に農地として耕作される方に貸与する案は、現行の河川占用に関する考え方において、水田を新規に占用させることについては課題があるものと認識しております。  もう一方の御提案でございますが、現況地盤を掘り下げた上で、一部のエリアについては地役権を設定し農業を継続することが可能か、関係者の意向確認を含め検討を進めてまいりたいと考えております。  また、農地として活用されないエリアに関しましては、県内にも市の管理で陸上競技場として活用されている事例などもございますので、今後用地の状況を踏まえながら佐久市や関係の方々と協議を行ってまいります。  最後に、桜井遊水地の建設目的に関するお尋ねでございます。  桜井遊水地は、令和元年東日本台風に際して越水等による浸水被害が発生した佐久市内の滑津川など3支川において被災時の流量に対応した改良復旧を実施しておりますが、この改良復旧によりまして、千曲川への流入増となる毎秒約260トンの水が下流域に影響を及ぼさないようこの増分を調節することを目的としております。この遊水地は、佐久市内の河川が改良復旧により安全になると同時に、下流域の安全も確保していくことにより、流域全体で安全性を高めていく流域治水の理念に基づいたものでございます。今後も、遊水地の建設目的をはじめ、説明会等でいただいた御意見、疑問点等に対して丁寧に説明を行い、地域の方々の御理解を得ながら事業の進捗を図ってまいります。  住民の皆様に流域治水に対する理解を深めていただくことで、「治水ONE NAGANO」の下、安全で安心して暮らせる地域を実現できるよう最大限の努力をしてまいります。  以上でございます。       〔8番大井岳夫君登壇〕 ◆8番(大井岳夫 君)それぞれ御答弁いただきました。  消防団活動に関する件につきまして、私も現役の消防団員でありますが、今、消防団の活動の現場におきまして、大変大きな変化に直面しています。それは、国からの通達によりまして、団員報酬が、それまでの団の口座への振込、個人口座への振込と混在していた状況から、個人の口座に一本化するということがこの4月から徹底されます。現場からは、評価する声がある一方で、活動に必要な備品購入に係る経費をどのように捻出していくか分からないなど戸惑いの声も聞こえてきます。団員確保や活動において、この大きな変化というものがプラスになればいいわけでありますけれども、悪い影響を及ぼすことのないように、状況に応じて支援策を検討していただきたいと思います。  そして、建設部長より遊水地としゅんせつに関して答弁をいただいたわけですが、令和元年の台風災害を受け、庁内部局や市町村、国と連携しつつ、住民に寄り添いながら、迅速な復旧工事をはじめ、しゅんせつや遊水地などの防災・減災対策を進めていただいていることに感謝申し上げます。これからも引き続き防災・減災への効果が最大限に発揮されつつも、地元住民の意向を酌み、時として柔軟な発想も持ちながら防災・減災対策がなされることを願いまして、私の一切の質問を終わります。 ○議長(宮本衡司 君)次に、山田英喜議員。       〔7番山田英喜君登壇〕 ◆7番(山田英喜 君)上田・小県郡区選出の山田英喜です。今回、私からは、財団の合併、航空宇宙産業の推進、水道事業の広域化、消防団の確保と技術の向上について伺ってまいります。  初めに、財団の合併について伺います。  4月1日から、長野県産業振興機構として、中小企業振興センターがテクノ財団に吸収される形で両財団の合併が行われます。私は、昨年から、この合併に向けて民間企業や中小企業を支援する他団体との連携を密にするよう広く意見を伺うべきではないかとの提言を何度もさせていただいてきました。また、今回の合併を契機に長野県の産業振興の体制が充実され、発展が数字に現れて推進されていくよう期待するところでもあります。  長野県の経済は、昭和60年以降の円高や貿易摩擦により従来の素材型産業中心からの転換を余儀なくされ、精密工業を中心とする機械工業に特化していく中で全国における経済的な地位を大幅に引き上げてきました。  その後、長野県では、テクノハイランド構想を打ち出し、その中でも、上田市を含む当時の3市6町1村で構成される浅間テクノポリス圏域では、信州大学繊維学部などと産学官の連携を推進する中で大きな成果を発揮してきました。  そのおかげもあり、現在でも上田地域は蚕糸業からものづくりの町として発展し、多くの雇用を支えていますが、平成18年の大合併以降は製造品出荷額も年々減少し、約5,800億円あったものが一時期は4,000億円を下回り、上田市だけで見ると県内19市で最も下落しましたが、動向としては県内の多くの自治体が同じような状況です。  そこで、今回の両財団の合併により、今後の長野県の産業を本気で考え、東信地域の産業振興にとってもいい方向に進んでいくことを期待し、幾つか質問してまいります。  初めに、長野県産業振興機構の全体的な職員体制と長野県の関わり方はどのようになるのか。また、産業界や市町村に加え、工業技術総合センターとの関わり方については先日答弁がありましたが、上田地域では、AREC、浅間リサーチエクステンションセンターが中小企業を支援し、多くの実績を上げています。こうした団体との意見交換や今後の具体的な連携について伺います。そして、この合併が長野県の産業振興のためであるということを広く周知する必要があると考えますが、いかがでしょうか。同時に、合併の意義と期待について林産業労働部長に伺います。  続けて、テクノ財団と中小企業振興センターがこれまで取り組んできた事業の一つである航空宇宙産業についてお伺いします。今回の合併を契機に、この分野への取組の充実にも期待するところではありますが、長野県としてもより注力していただきたいとの思いで質問をしてまいります。  宇宙は人類にとって大きな希望であると同時に、実は地方や地域との親和性が高いテーマになるのではと考えられています。早い段階で未来への布石を打てるよう、宇宙関連技術を活用していく思いの下、多くの地方自治体でも動きが現れているところです。  昨年11月には、福岡県や大分県など宇宙産業を通じた地方創生を目指す11道県から岸田総理に対して、「地方からの「宇宙」への挑戦に係る要望・提言」が提出されました。既に、福岡県では人工衛星やロケットなどの宇宙関連機器の技術開発を支援する助成制度の創設、大分県では大分空港から航空機を使って人工衛星を打ち上げる計画が進むということや、福井県では衛星の開発など、各自治体で特色ある取組が進んでいることが分かります。  長野県は、これまで培われてきた技術を生かして宇宙産業への直接参加を図ろうと取り組んできた経緯がありますが、衛星データなどを活用して農業や災害予測などで地域と宇宙を結びつける形で宇宙技術を活用していくような方向性も適しているのではないかと考えます。  これまでに航空宇宙産業に関連する企業の募集などを行ってきているものと思いますが、インターネットで「航空宇宙」と検索して長野県で上位に出てくるテクノ財団NAGANO航空宇宙プロジェクトのホームページのトピックスを見ると、最新のものが2011年となっています。長野県において一時期盛り上がりを見せたものの、その後思うように推進してこられなかったようにも見えますが、捉え方によっては、行政で宇宙関連事業を推進するために先進的に取り組もうと挑戦してきたようにも考えられ、今は、当時と比べても、宇宙への関心も高まり、当時から検討してきた内容を生かすことができる新たなチャンスが訪れているとも捉えられます。  そこで、長野県の航空宇宙産業はこれまでどのように取り組んできたのか。また、出荷額の変化などその成果についてどのように評価しているか、伺います。  そして、航空宇宙産業の集積地として、県は宇宙産業参入への挑戦に対してどのように貢献し、産業の成長を図りたいと考えるか。また、同分野に対する他県の取組と比較した場合、長野県の特徴はどこにあると考えているか、伺います。  続けて、航空宇宙産業は製造業に限らず、衛星データを活用した農業や環境などの課題解決型ビジネスなど、新たな事業分野の創出にもつながると考えられますが、どのように生かしていくか、伺います。  世界の宇宙産業は、2040年までには現在の37兆円から約3倍の120兆円規模になると予測されている成長分野であります。航空宇宙産業の発展を通じた地域産業の振興、ひいては長野県経済の発展につなげていくことについて、今後の方針やイメージを伺います。  加えて、航空宇宙産業にも注力し、長野県と姉妹都市として提携するミズーリ州の官と民をつなぎ経済振興を推進するミズーリ・パートナーシップは、コロナ禍により経済が停滞した日本市場が経済再生を期する2022年を迎えるに当たり、新たに積極的な活動を再開するとの発表が日本でも取り上げられました。これを契機に産業振興に向けた連携を長野県から打診することはできないか、林産業労働部長に伺います。
     続けて、上田長野地域水道事業広域化についてお伺いします。  私たちが生きていくために、水は欠かすことができない存在です。また、水は、農業や製造業など私たちに直結する産業にも欠かすことができず、水なくして私たちの生活は成り立ちません。  山が多く定期的に雨が降る日本はダムを建設しやすいことから、豊富な貯水施設もあり、一般的な住宅においてはほぼ100%、世界最高水準の上水道普及率のため、家庭では安全でおいしい水を飲むことができます。  一方、世界的には、人口が急増を続ける中、2030年までに淡水資源の不足は必要量の40%に達すると見られ、世界はグローバルな水危機への道を一直線に進んでいます。そのため、将来にわたっておいしい水を維持し、享受できるよう、しっかりと考えていかなくてはなりません。  その中で、私は、上田長野地域水道事業広域化においては、地域間で置かれた環境が違うため、慎重に検討していかなくてはならない部分も多いと考えています。長野県水道ビジョンでも、地域によって特徴があるため、水道が目指すべき方向性や取るべき施策も地域の特徴に合わせて検討、推進していくことが必要となりますとあり、住民の生活圏としての一体性を配慮して圏域を設定するとあります。  その中で、上小・長野地域については、広域行政圏をまたいだ水道事業が実施されていることから、一体として考えられていますが、行政区域内人口で見ると、上小・長野圏域は73万人を超え、他圏域と比べて断トツに多く、上田市の諏訪形に企業局が運営する浄水場があり下流域に送水していることなどから、一体として今回の広域化の議論が進んでいるものと考えます。  また、上田地域においては、平成21年から県営水道事業移管検討会を設立し、検討を重ねた結果、断念され、平成26年にはそれまでの検討を中止し、水道事業運営研究会にて地域にふさわしい水道事業の在り方について検討を重ね、水源の確保や簡易水道の統合などを行ってきました。  例えば、上田地域においては、新たにつちや水源の供給があり、今後は黒曜の水の活用を考えていくことや、長野市においても、合併の効果を最大限発揮するため、大岡の豊富な水を活用していくことなども考えられることなど、各地域において慎重に議論をしたほうがよい可能性も多分にあると考えます。  当然、施設の老朽化における統合や廃止、管路の更新などを考えると、圏域ごとの広域化には賛成の立場ではありますが、以上のような観点から、広範囲で拙速に検討することで将来的な水資源の確保に不利益になる可能性もあると考えます。  そこで、今回の上田長野地域水道広域化の検討に当たり、研究会に参画している企業局において各自治体の状況をどのように把握されているか、伺います。  また、水道の広域化に当たっては、水道使用量から料金算定している下水道も併せて考える必要があると思いますが、これに関連して2点伺います。  上田地域の下水道は単独の運営、坂城町を含む下流域は県の流域下水道となっており、今回の検討の中で上水道のみを広域化する議論は、行政サービス、経営などにおいても課題が残ると考えますが、上田長野地域水道広域化研究会ではそうした点について議論はあったのか、小林公営企業管理者に伺います。  続けて、長野県水道ビジョンにおいて広域連携を推進するとしていますが、ビジョン策定に当たって下水道を含めた観点での検討をされたのか。していないとすれば、今後行っていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。  また、将来の50年先を考えた広域の在り方としては、現行の行政圏域を基本としていくべきであり、上田、長野でエリアを分けることが妥当ではないかと考えます。上田地域においては、上田広域での広域化を考えていくべきと考えますが、見解を猿田環境部長に伺います。  そして、水道事業など生活に密着したインフラの整備、運営は、住民にとって身近なものであり、長期にわたって運営していく中では、外国企業による運営の検討など様々な事態が予測されます。その時々には、議員など住民の代表から意見を十分反映できることも重要と考えます。  上田長野地域水道広域化研究会による検討経過報告では、広域化の研究を進めるに当たり考慮すべき事項としては議会や住民からの意見の反映が挙げられています。先日の質問では、広域化の検討に向けた中での意見の反映については答弁がありましたので、私からは、広域化後においても広く住民などの意見を聞きながら事業を行うべきと考えますが、見解を小林公営企業管理者に伺います。  次に、上田・長野地域の水道広域化により、上田地域においては水道料金の増加も予測されますが、現在行われているシミュレーションでは、上田地域と長野地域を分けた場合の広域化における試算を出すなど、どの程度細かくシミュレーションができるようになるか。また、市町村の水道事業者で緩速ろ過方式が多く採用されていますが、そのメリット、デメリットについて県ではどう考えるか。猿田環境部長に伺います。  続けて、上田・長野地域の水道広域化による懸念として、大手企業が管路の工事を行い、その後のメンテナンスや見回りなどは地元企業に残ってしまう懸念もあります。地元企業の活用や災害時の対応などを含め、研究会ではどのように検討していくか、小林公営企業管理者に伺います。  先ほど大井議員からもありましたが、私からも最後に消防団員の確保と今後の活動について2点お伺いします。  コロナ禍で消防団にとっても大変大きな変化がありました。その中でも、ポンプ操法大会の中止により訓練が実施されず、団員同士の交流も少なくなったことに加え、放水訓練を行う機会も減少しました。特に、新入団員にとっては、有事の際の動作などを覚えることができていない状況にもあります。  一昨年大会が中止になった際には、大会に向けた訓練でなくても、自主的に訓練を行うことで操作できる人材を増やしていこうという動きが一部でありましたが、継続して行われているところはほぼないのではないかと思います。  コロナ前から、早朝訓練が嫌で消防団に入る人が少ないといった意見や、有事の際に大会と同じ動きをすることはできず、訓練に意味があるのかという意見も多く聞いてきましたが、実際に訓練が中止される中で、私自身、改めてポンプ操法大会に向けた訓練の重要性を感じたところであります。  ただ、今後通常の活動に戻っていく中では、団員の意識の差で様々な意見が出されることが予測されます。私も、所属する上田市第12分団において団員の仲間に聞いてみると、ポンプ操法大会の再開に当たっては意見が大きく分かれているところであります。  そこで、ポンプ操法大会が再開された際には各消防団の訓練も再開されますが、長野県として操法大会の意義について改めて発信すべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、上田市消防委員会においては、団員報酬の増額に加え、定数の420人削減が答申されました。いわゆる幽霊団員などの在籍を抑制しようとの思いもあるかと考えますが、動ける消防団員の確保には企業側へのメリットを示していくことも重要と考えます。県では、消防団活動に協力している事業所への優遇措置を行っていますが、どう評価しているか。消防団活動に協力している事業所などへの支援について今後どのように取り組んでいくか、中村危機管理部長に伺います。       〔産業政策監兼産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(林宏行 君)8点御質問をいただきました。順次お答えいたします。  初めに、財団の合併後の職員体制と県の関わり方についてのお尋ねでございます。  この4月にスタートする長野県産業振興機構では、テクノ財団と中小企業振興センターの機能を融合させ、技術開発から販路開拓、起業・創業から事業承継に至る一貫支援を行ってまいります。このため、組織体制は、企業の様々な課題にワンストップで対応できるよう、産学官金等の連携を推進する総務企画本部と、医療や航空機等成長期待分野での技術支援やグリーンイノベーション、ITバレー構想の推進等を担う新産業創出支援本部、中小企業のよろず相談や販路開拓、事業承継・引継ぎ、再生等を担う経営支援本部の3本部体制といたします。  また、イノベーションプラットフォームとしての機能を発揮できるよう、専門コーディネーター等総勢で約120名の職員体制とした上で、県内五つの地域センターについては、技術支援に加え、よろず支援拠点のサテライトを設置するなど、経営相談を付加し、身近な支援体制を充実いたします。  新財団は、本県の産業振興の中核機関であるとともに中小企業支援法の指定法人となることから、県としても、職員の派遣を含め、財団運営のための必要な支援をしっかり行い、当財団と連携して県内の産業の成長をサポートしてまいります。  次に、地域の産業支援機関との意見交換や今後の具体的な連携についてのお尋ねでございます。  県内の産業支援機関の皆様には、これまでも、商工団体や大学、金融機関など67機関で構成するながの産業支援ネットへの参画はもとより、テクノ財団の地域センターごとに協働してプロジェクトを推進いただき、このたびの財団合併にも御理解と御協力をいただいてまいりました。  議員からお話しいただいた東信エリア最大の特徴は、立地する大学等の多様性と産業界や支援機関等の厚みにあると思っております。殊に、ARECが事務局を務める東信州次世代イノベーションセンターには、信州大学繊維学部、テクノ財団、中小企業振興センター等30を超える機関が参画し、創業、事業革新、農商工連携、人材育成、定着支援などを推進していただいております。こうした地域ぐるみで持続的に新産業、新需要等を生み出すローカルイノベーションは大変重要であり、財団合併後も取組が加速するよう協力してまいります。  次に、合併の周知についてでございます。  これまで、商工団体等の経済団体はもとより、テクノ財団の地域協議会や市長会、町村会など様々な場面で御説明させていただきました。また、国や大学等関係機関にもお知らせしてきたところでございます。この1月には、新財団のロゴマークも決定し、財団の位置づけや支援内容等を示すチラシを作成したところであり、引き続き機会を捉えて積極的に広報を行ってまいります。  また、合併の意義と期待についての御質問でございます。  中小企業が技術革新とビジネス環境の変化に迅速に対応していくためには、明確な出口戦略の下、事業の成長段階に応じた総合的な支援が求められるところです。また、個別企業の成長発展のみならず、地域産業の活性化のためには、新たな価値を創造するオープンイノベーションや、新しい産業や需要等を創出する仕組みが大変重要です。このため、新財団には、工業技術総合センター、発明協会、ジェトロ長野はもとより、信州大学工学部等の学術機関、ARECをはじめとする産業支援機関や金融機関とも連携を強化し、県内産業の成長、発展を促すイノベーションエコシステムを構築できるよう期待するところです。  次に、航空宇宙産業等についてお尋ねいただきました。  初めに、これまでの取組とその成果の評価でございます。  本県では、平成26年にアジアナンバーワン航空宇宙産業クラスター形成特区に参画し、飯田・下伊那地域から上伊那、諏訪、長野、上田地域へと順次拡大、令和3年11月現在66社が支援対象となっております。  これに併せ、県では、平成28年5月に航空機産業振興ビジョンを策定し、経済産業省やJAXA等の支援機関等と連携して取組を進めております。具体的には、工業技術総合センターによる開発支援のほか、サテライトのあるエス・バードに大手航空機メーカーの勤務経験者をマネジャーとして配置し、技術相談や販路開拓等の支援を行っております。また、人材育成では、平成29年度からエス・バードに開設された信州大学航空機システム共同研究講座をサポートし、これまでに修了生11名が大手航空機メーカー等へ就職しています。  出荷額は、平成28年度の154億円から、令和元年度は214億円にまで増加したものの、コロナ禍の影響もあり、令和2年度は175億円へ減少しましたが、企業数は57社から86社へと増加してきております。  さらに、需要回復期を見据え、サプライヤーの強化や新たな参入促進を支援するため、昨年4月に県内企業等で構成するNAGANO航空宇宙産業クラスターネットを立ち上げ、ニューノーマルに対応する機器等の開発、無人航空機や空飛ぶクルマへの対応などに取り組んでいるところです。  次に、航空機産業の振興と長野県の取組の特徴についてのお尋ねです。  国では、宇宙基本計画に基づき、衛星やロケット、GPS端末など宇宙機器産業と、衛星測位システムや通信などのサービスを提供する宇宙利用産業の両面でイノベーションを図ることとしています。  このうち、宇宙機器産業については、本県の航空機産業が有する超精密加工技術や製品等を生かして参入するべく、NAGANO航空宇宙産業クラスターネットの会員のうち28社が取り組んでいるところです。また、信州大学では、県内産業とも連携して、超小型衛星「ぎんれい」の打ち上げプロジェクトやSUWA小型ロケットプロジェクトなどにも取り組んでいます。  こうした中、県内企業が製造した部品が小惑星探査機「はやぶさ」に搭載されたり、ロボット用歯車装置がNASAの火星探査車に活用された事例も報告されています。宇宙機器産業には本県産業が培ってきたコア技術等が大いに発揮できると受け止めており、今後とも、信州大学、県産業振興機構と連携して県内産業の挑戦をサポートしてまいります。  次に、衛星データを活用した新たな事業分野の創出についてのお尋ねです。  衛星データ等を活用する宇宙利用産業については、議員からもお話がありましたように、例えば災害対策や農林業など様々な分野で活用やビジネス創出が期待されます。県内の装置メーカーがワイン用ブドウの栽培において衛星データと地上の気象データを統合して生育管理に生かす実験を行っているほか、長野市がJAXAと共同で衛星データを活用したビジネスプランコンテストを開催しております。また、信州大学がJAXAと連携し、衛星等のリモートセンシング技術に最先端のレーザー技術を組み合わせ、松枯れ被害の状況等を把握する技術開発も行っているところです。県といたしましても、こうした取組が一層加速するよう、必要な支援に努めてまいります。  次に、航空宇宙産業の発展を通じた本県産業の振興と県経済の発展につながる今後の方針やイメージという御質問でございます。  国の宇宙基本計画には、「宇宙を推進力とする経済成長とイノベーションの実現」が柱の一つとして掲げられており、宇宙機器産業では、衛星の小型化、多数化やロケットの低コスト化が進んでいますし、宇宙利用産業では、衛星データの質と量が急速に向上、拡大しており、いずれも新たなビジネス創出が期待されます。  県内の天文研究施設が中心となって平成28年に設立した「長野県は宇宙県」連絡協議会では、宇宙に近いという本県の資産を子供たちをはじめ、多くの人たちと共有し、地域の振興、人材育成等につなげるべく取り組んでいただいております。  コロナ禍にあって、リモート化やデジタル化が加速していますが、このような厳しいときこそ、産業振興においても人々に希望を与える長期的視点に立った取組を進めていくことが重要と感じております。  その意味でも、宇宙ならではのフロンティアへの挑戦を続けていきたいと考えておりますし、今後、航空機産業振興ビジョンに宇宙分野の取組を加味することや、次期産業振興計画にも織り込めるよう議論を重ねていきたいと考えております。  最後に、ミズーリとの産業振興に向けた連携についてのお尋ねです。  ミズーリ州とは、昭和40年に姉妹提携を結び、ホームステイにより交流するなど大変御縁の深い州であり、平成26年11月には、阿部知事と風間議長、県内企業の代表の皆様等が訪問しております。  その際、州政府本庁舎にて会談いただいたニクソン知事からは、姉妹連携を基に企業の連携も深め、発展させたいとのお話をいただき、阿部知事からは、諏訪圏工業メッセへの出展や銀座NAGANOでの交流イベント等を提案させていただきました。  ミズーリ・パートナーシップは、官と民をつなぎ経済振興を推進する機関として、ミズーリ州への雇用の創出、新規投資を推進し、経済的競争力を上げることで、パートナー企業との相互の利益向上を築くことを目標にしています。  また、ミズーリ州は、自動車産業や航空機産業の集積があり、本県の航空機システム開発での連携も期待されますので、アフターコロナを見据えながら交流の可能性について状況を把握してまいります。  以上でございます。       〔公営企業管理者小林透君登壇〕 ◎公営企業管理者(小林透 君)上田、長野の水道広域化についての御質問に順次お答えいたします。  まず、各自治体の状況の把握についてでございますが、この上田・長野地域においては、そもそも昭和30年代に、水源の確保が困難であることなどにより、地元からの強い要望を受けて、広域化の先鞭をつける形で、経営基盤の脆弱な四つの上水道と35の簡易水道を統合し、企業局が末端給水事業を経営することとなったものでございます。  議員御指摘のとおり、平成26年に現在の関係市町である長野市、上田市、千曲市、坂城町と企業局が水道事業運営研究会を設置して、情報共有や広域連携等に向けた議論を重ねてきており、このとき、広域的な水運用について検討したものが、令和2年度の厚生労働省による「水道施設の最適配置計画の検討」結果のベースとなり、現在の上田長野地域水道事業広域化研究会での検討につながっているものでございます。  また、令和元年に、企業局では、末端給水区域とともに、用水供給区域を含めた関係市町村と県営水道関係市町村等懇談会を設置し、意見交換することに加えて、私自身も現地に赴き、それぞれの水道施設等を拝見することに併せて、関係市町村長をはじめ、担当局、部、課長や担当する職員との意見交換を通じてその現状と課題を共有してきたところでございます。  こうしたことに加えて、さきの厚生労働省による「最適配置計画の検討」過程において関係市町のデータが提供され、意見交換なども実施されたことにより、例えば、今後50年間で企業局を含めた関係団体の給水人口が約26%減少し、有収水量が32%減少することなどにより、浄水場等の稼働率も50%程度まで大幅低減する見込みとなり、これに加えて、施設、管路の老朽化等により経営環境が急速に厳しさを増すこととなると改めて認識しております。  このような課題に対応し、自然流下を利用した広域的な水運用により、浄水場の統廃合を図ることなどで、持続可能な経営体制を構築するためには、一つ一つの水道事業者ではおのずから限界があるので、事業統合などによる広域化等への取組が必要になってきたものと考えているところでございます。  次に、下水道事業との関係での課題についてですが、上田・長野地域における水道事業と下水道事業は、施設設備や管路の系統等が異なるものであり、それぞれ別の事業として経営されてございますが、両事業とも水道の使用水量を基に料金を算定しているため、この地域における企業局の末端給水区域以外の市営水道給水区域においては、上下水道の事業主体が同じ市であることから、料金徴収業務や使用開始の手続などを行う窓口の一本化が図られております。  一方で、現在、これら関係市においては、同一市内でも給水区域により企業局と市で水道事業者が異なる上、企業局の末端給水区域においては企業局の水道事業と市の下水道事業となることから、上下水道の事業主体が異なっている状況でございます。  今後、仮に上田・長野地域において水道事業を事業統合により広域化した場合には、末端給水の事業主体が統合され、関係市町が構成団体として末端給水事業に加わることとなるため、上下水道事業における窓口の統一化等の調整はより取り組みやすくなるものと考えてございます。  上田長野地域水道事業広域化研究会では、まずは、この地域における水道事業について広域化等の方向性を取りまとめることとして検討を進めているところでございますが、下水道事業との関係性につきましては、これまでの議論の中で課題として挙げられているものの、現時点では具体的に議論を深めるところには至ってございません。今後、水道事業の広域化等の方向性などを見いだす中で、その関係性についても検討してまいりたいと思います。  次に、広域化後の住民等の意見反映についてでございますが、上田長野地域水道事業広域化研究会では、現在、事業統合による広域化をテーマとして検討を進めてございますが、事業統合による広域化が実現した場合には、一つの事業体が、中山間地域を含めて千曲川沿岸における3市1町の広い地域の水道を経営することとなります。  また、現在の水道事業は、水源や浄水場ごとにそれぞれの地域の地理的要因や歴史的経過の上に成り立っているものでございまして、住民の皆様が水道に寄せる信頼もそうしたものが基盤となってございます。  広域化後においても、それらを踏まえて事業運営を行っていく必要があり、そのためには、それぞれの市町や自治会などの地域に寄り添いつつ、議会や住民の皆様などから幅広く意見を伺いながら経営していく必要があるものと考えております。  次に、地元企業の活用についてでございますが、本格的な人口減少時代の到来により専門人材の確保が大きな課題となる中で、持続可能な水道事業経営のためには幅広い官民連携が必要であると考えております。  特殊な施設設備や先端技術の活用などにおいては専門的な民間事業者の先進性や知見などを生かすことが考えられますが、それとともに、漏水事故や災害等による断水の発生時には迅速な復旧が求められることに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大により移動制限等もあったことから、地域を熟知し、現場に近い地元民間事業者の皆様との緊密な連携協力により水道を守っていくことが今後さらに不可欠となっていくものと改めて認識しているところでございます。  企業局では、上田水道管理事務所において、従来職員が行っていた給水装置工事の受付や審査、漏水調査、施設の巡視等の業務の一部を令和2年度から地元民間事業者に委託し、業務の効率化とともに、官民連携による人材の確保や地域へのノウハウの蓄積に取り組んでございます。  また、企業局が関係市町と合同で定期的に実施している総合防災訓練や広域受援訓練において、日々の水道工事等を担っていただいている地元民間事業者の皆様とともに取り組んでいるところでございます。  研究会においては、地元民間事業者との連携等につきまして、現時点では具体的に議論するところにまでは至ってございませんが、企業局におけるこうした取組を継続し発展させるという視点を持って、今後、地元民間事業者の皆様とのよりよい官民連携の在り方についても検討してまいりたいと思います。  以上でございます。       〔環境部長猿田吉秀君登壇〕 ◎環境部長(猿田吉秀 君)水道事業に関しまして4点御質問を頂戴いたしました。順次お答えいたします。  最初に、長野県水道ビジョン及び下水道との連携についての御質問でございます。  平成29年3月策定の長野県水道ビジョンは、長期的視点に立った長野県の水道の在り方、課題解決に向けて取るべき方策や水道事業者相互の連携策など水道事業の体系の中で策定したものでございまして、下水道事業との連携については検討してございません。  一方、水道事業と下水道事業との連携につきましては、まずはそれぞれの事業者における検討によるところと考えます。両事業では、施設の機能や使用する機材などが異なりますので、施設の統廃合や共同調達による効果は見込まれにくい一方で、事務の共同化という点では一定の効果があると考えております。  次に、水道広域化の検討における圏域の設定についてのお尋ねでございます。  現在、私ども環境部が実施しております広域連携のシミュレーションにおきましては、広域行政圏を基本としつつ、県企業局が広域行政圏をまたいで水道事業を実施しております上田・長野地域については一つの圏域とし、結果として県内全市町村を九つの圏域に分ける形で検討を進めております。今後、シミュレーション結果を市町村等水道事業者にお示しし、圏域ごとに置かれました広域連携の検討の場などで協議を進めてまいります。それらの協議を通じ、広域連携の範囲や形態について、上田・長野地域も含め、合意点を見出してまいりたいと考えております。  3点目でございます。上田、長野を分けたシミュレーションは可能かというお尋ねでございます。  上田地域と長野地域を分けたシミュレーションにつきましては、広域連携の検討の場等において御要望があり、かつ両地域にまたがる企業局事業の取扱いについて前提条件を設定いただければ試算が可能と考えております。  4点目でございます。浄水におきます緩速ろ過方式についてのお尋ねです。  緩速ろ過方式とは、水道の原水を80センチ程度の砂の層に約6時間かけてゆっくり通す方式で、主に砂の表層に生息する微生物の働きで水が浄化されるものでございます。県内では、上田市の染屋浄水場など69か所あり、県全体の浄水量の7.8%を占め、全国平均3.6%を大きく上回っております。  この方式のメリットといたしましては、塩素消毒以外に特別な薬品を使用せず、維持管理が比較的容易で、かつおいしい水を供給できることと考えております。一方、デメリットといたしましては、処理に時間がかかるために、大きな処理能力を確保する場合には広い面積が必要になること、また、濁りの大きい原水の処理には適さないことなどが挙げられております。  以上でございます。       〔危機管理部長中村宏平君登壇〕 ◎危機管理部長(中村宏平 君)消防団に関して2点御質問をいただきました。  初めに、ポンプ操法大会の意義の発信についてであります。  県消防ポンプ操法大会は、消火技術の向上や団員の士気高揚とともに、日頃の訓練成果を発表する貴重な機会として、県消防協会との共催により毎年実施しておりますが、最近2年は新型コロナウイルス感染症の影響により開催できず、市町村消防団の操法訓練も中止あるいは縮小されている状況であります。  消防ポンプ操法は消防活動の基本動作であり、火災現場で団員が安全に活動するため重要なものですが、一方で、操法大会出場のための訓練が団員やその家族の負担となり、消防団への入団を敬遠する要因となっているという指摘もございます。  また、昨年8月に消防庁が公表した消防団員の処遇等に関する検討会最終報告書においても、操法大会の開催に当たっては、団の規律確保や消防技術の向上という本来の目的に留意しながら適切な運営に努める必要があるとされております。
     このようなことを踏まえながら、県では、現在、来年度の県大会に向けた準備を進めております。市町村操法大会や各分団の操法訓練の際にも、大会本来の目的を再確認するとともに、団員の負担軽減に配慮した運営に努めていただくよう県消防協会と協力しながら周知してまいります。  次に、消防団活動に協力している企業への支援等についてであります。  本県の消防団員のうち8割以上は企業に雇用されており、団員が活動しやすい環境の整備や団員の確保のためには企業の皆様の協力が不可欠であります。  県では、一定数以上団員が在籍し、消防団活動に協力する消防団協力事業所に対して、消防団応援減税をはじめ、県の入札参加資格での加点や中小企業振興資金の貸付金利の優遇などの支援を行っております。  消防団協力事業所は、令和3年4月には1,168の事業所が認定され、全国で3位の認定数となっております。また、入札参加の加点については、適用事業者が徐々に増加し、建設工事等の事業者のうち約3割が適用を受けております。  一方、協力事業所の認定数につきましては、制度創設後は順調に増加いたしましたが、最近は横ばいの状況にあるとともに、消防団応援減税も、資本金や団員数の要件緩和などを行っておりますが、減税の実績は毎年60件ほどであり、今後さらなる制度の広がりが必要と考えているところであります。  このため、県としましては、引き続き市町村と連携し、企業に対し協力事業所の認定申請への働きかけや減税制度のさらなる周知に取り組むとともに、必要に応じて関係機関や事業所の意見を聞きながらよりよい支援策の検討をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔7番山田英喜君登壇〕 ◆7番(山田英喜 君)それぞれ答弁をいただきました。  長野県産業振興機構については、他団体の取組が加速するように今後も協力していくという答弁がありましたので期待していくとともに、航空宇宙産業についても成果が現れてきているということで、引き続き長野県産業振興機構とも連携を図りながら推進していくこと、また、ミズーリ州との連携も併せて期待をし、引き続き注視してまいりたいと思います。  そして、水道事業の広域化についても様々伺ってまいりましたが、それぞれの地域の実情や広域化後の影響も考慮していただきながら検討が進められていくよう、よろしくお願いいたします。  また、先ほど緩速ろ過のメリットとデメリットについても答弁をいただきましたが、県が運営しているのは全てが急速ろ過ということで、この緩速ろ過と急速ろ過の組合せで災害に強い水道事業がつくられていくことを期待しています。  そして、私も何度か主張させていただいてきた外国資本による森林、水資源の買収と併せて、将来にわたって安全に水が享受できるようにしていただくことを強く要望させていただき、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(宮本衡司 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時27分休憩          ──────────────────         午後1時開議 ○副議長(清水純子 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  依田明善議員。       〔34番依田明善君登壇〕 ◆34番(依田明善 君)自民党県議団、依田明善です。順次質問させていただきます。  今からおよそ30年前、我が国には約100万人の外国人が住んでおりました。現在は、実に3倍に当たる290万人が生活しております。日常生活の中では、外国人をそれほど多く目にするわけではありません。しかしながら、永住することだけが移民ではなく、畑や工場などで数か月ほど働いている外国人も移民の範疇であることを鑑みれば、日本はもはや世界有数の移民大国だと言っても過言ではありません。  ただ、問題の一つとして、日本では移民政策が制度的に確立していないという点があります。また、現在の技能実習生の問題も、本来の目的を玉虫色に変え、場当たり的に進められてきております。その結果、実習生側と受け入れる側との両方に深刻なしわ寄せが生じております。そして、人権問題、金銭問題、失踪問題などが発生しても、間に入る中間監理団体やブローカーなどの多くは特に責任を問われません。やはりこういったゆがみは正していかなければならないと思うわけであります。  一方、現在、我が国には、数十万人とも言われるニートをはじめ、働く意欲のある高齢者や障害者、子育てを終えた女性などが多数おられます。こういった皆さんに強烈なインセンティブを与え、なるべく外国人に頼らない社会づくり、あるいは雇用体系を目指すことも重要だと思います。御存じのとおり、戦後の高度経済成長期も深刻な労働力不足でした。ヨーロッパ諸国の多くは外国人労働者に頼ってしまいましたが、日本の場合は技術革新と生産性の向上によって日本の若者に多くの富を分配し、内需を拡大しながら世界に躍り出ました。今回は、そんな思いを込めながら何点か質問させていただきたいと思います。  長野県においての外国人居住者は、30年前に約1万人だったのが、現在は約3万6,000人、およそ3.6倍となっております。比較的都心にも近く、住みやすい環境なのかもしれませんが、この状況をどのように捉えておられるのか、まずは県民文化部長にお伺いいたします。  次に、実習生、中間監理団体やブローカー、そして受入れ側の3者は、やはり公平に義務を負い、公平に利益を享受する権利があると思います。近江商人の売手によし、買手によし、世間によしという三方よしの経営理念はつとに有名ですが、そういった誰も損をしないという理念の下で技能実習生を受け入れるべきだと思いますが、産業労働部長の御所見をお伺いいたします。  次に、外国人労働者についてお伺いいたします。  現在、全国では約175万人の外国人労働者が働いております。長野県は約2万人でありますが、これを在留資格別に見ると、身分に基づく在留資格のある方、例えば日本人の配偶者になっている方とか永住許可のあるような方ですが、こういった方々が約1万人おります。この方々はどんな職業にも就けますので、雇用する側もされる側も大変都合のよい在留資格と言えます。  次に、技能実習生ですが、現在約5,700人が県内に身を置いております。続いて留学生アルバイトが約700人、インターンシップやワーキングホリデーといった特定活動が約1,000人、専門的・技術的分野が約2,900人となっております。2019年の4月に創設された特定技能はこの専門的・技術的分野の中に含まれますが、人数的には500人ほどであり、増加傾向にあります。  次に、国籍別で見ますと、ベトナムを筆頭に、中国、フィリピン、ブラジル、インドネシアと続いております。産業別では、製造業が断トツのトップ、続いてサービス業、農業、林業となっております。そして、地域別で見ますと、南信地域が最も多く、続いて東信、北信、中信となっております。  これらの状況を見ますと、いい悪いは別にして、もはや外国人抜きで長野県経済を語ることはできません。しかしながら、経済の安全保障という観点から見た場合はどうでしょうか。不測の事態が起きた場合、多くの雇用が一遍に喪失してしまうというおそれがあります。そして、その恐れていたことがコロナ禍によって現実になってしまったわけであります。当てにしている労働力が希望どおりに確保できないという状況は、事業者にとっては死活問題であります。特に、高原野菜などの農家においては、危機的な状況が既に2年にわたって続いております。この窮状を何としても改善させなければなりません。  政府は、外国人の入国制限を3月から緩和させるようです。しかし、ビザ取得の手続一つ取っても時間はかかります。そこで、入国が許可された外国人の入国審査、あるいは行動制限に係る事前審査などを速やかに行うよう県としても国に強く要望していただきたいと思います。  また、国内で働いている外国人労働者の奪い合いも始まっているようです。そんな中、伊那市のある会社が外国人労働者の雇用を支援しているという報道を目にしました。しかも、その相手先が私の地元の川上村とのことでありまして、その経緯を注目しているわけであります。  高原野菜の産地では、実際の仕事は春先から秋までの約7か月しかありません。これだと満足のいく収入にはなりにくい。そこで、この会社は特定技能という在留資格に注目したわけであります。この在留資格は、技能実習生とは違い、最長5年間は日本で働くことができますし、転職も自由です。そこで、冬から春先にかけては別の場所で働ける仕組みをつくりました。その結果、昨シーズン川上村で働いていた6人のインドネシア人は、半年間ほかの職場で働き、今年の春からは再び同じ農家に就労することになりました。これは、本人たちも希望しているようですが、お互いに気心も知れているし、仕事の内容も分かっているとなれば当然のことだと思います。この会社では、今年の春から40人ほど川上村に派遣する計画もあるとのことであります。この社長さんは、単なる労働力ではなく、地域の一員として外国人を受け入れることにつながると話されております。これも共生社会の一つの在り方なのかと思いました。  このような取組に対する御見解、あわせて、滞在する特定技能外国人の安定的確保の仕組みづくりと産地間リレーの円滑化を早急に行っていただきたいと思います。農政部長の御所見をお伺いいたします。また、日本人求職者のマッチングについても柔軟に対応していただきたいと思いますが、あわせて農政部長にお伺いいたします。  さて、私たちは、とかく外国人労働者や技能実習生という言葉を気楽に使用する傾向があります。そして、その気楽さの正体というのは、しょせん当事者ではないという立場的なものと、経済力を背景にした優越感の中から生まれる感情も混在していると思います。  今、日本は辛うじて経済大国という地位にあります。しかしながら、GDPなどの経済成長率や賃金の上昇率の低さを鑑みますと、今後は立場が逆転する可能性もゼロではありません。家族を残して海外に出稼ぎに行くことのリスクや人生の悲哀というものは当事者でないと気づきにくいわけですが、やはり気づくための努力も必要だと思います。それは、すなわち、自分たちの国や個々の事業所を守るという自衛対策にもつながることではないでしょうか。  今や外国人労働者に対する暴言や暴行、賃金の不払いなどといった人権侵害の実態は、SNSによって瞬時に世界中に拡散される時代になりました。雇用する側も安穏としてはいられません。よって、日本に渡ってくる外国人には、受入れ当初から細心の注意を払うことも必要だと思います。  例えば、技能実習生たちが抱えている借金問題もその一つだと思います。外国人が技能実習生として日本を目指す場合、標準的な流れとしては、まずは送り出し機関による語学教育や職業訓練などが行われます。もちろん契約金、渡航費、各種手数料なども当事者が負担しなければなりません。そして、中には法外な金額を請求してくる業者もあります。そうなりますと、金融機関などを通して多額の借金を背負わされます。借金を抱えたままで見知らぬ異国の地に身を投じなければならないその心境は、当事者も御両親も決して穏やかなものではないでしょう。その実態と問題点をどのように捉えているか、産業労働部長にお伺いいたします。  また、悪質な監理団体やブローカー等による中間搾取も横行しております。その結果、彼らに唆され、より条件のよい仕事を求めて脱走するといった事態も招いております。しかしながら、その末路は決して安穏としたものではなく、中には犯罪に手を染める者も少なくありません。そして、裏を返せば、外国人犯罪の犠牲になる県民が確実に増えていくことになります。そこで、県内において外国人による犯罪の実態はどうなのか、県民の安全、安心を守るためにどのような対策を取られておるのか、県警本部長にお伺いいたします。  また、県民が被る不利益という点で見ますと、例えば実習生などが突然失踪したような場合、管理不行き届きということで農家や事業者などが国や関係機関から責任を追及されるケースが多いようです。宿舎や食事の提供、身の回りの世話等で肉体的、精神的、金銭的な負担が増える中、失踪後の責任まで負わされるという現実、この事態に憤りを隠さない人々が多いのもうなずけます。中には、こんな割に合わない仕事であるならば、もはや廃業するしかないと思い詰めている農家や企業経営者もおります。この厳しい現実をぜひとも受け止めていただきたいと思います。  また、特定活動外国人等の不法滞在や失踪については、外国人に対する審査を厳格に行うとともに、手引きする業者等の取締りや摘発を徹底的に行っていただきたいと思うわけです。この点につきましては、出入国在留管理庁が果たす役割は大きいわけですが、県警本部におかれましても、善良なる事業者や農家を守るため、御尽力をお願いしたいと思います。  ところで、汚い、きついといった作業、あるいは単純作業といったものは、近年はとかく外国人に頼ってしまうという傾向があります。その結果、日本人の多くは、ああ、そういう仕事は私たちは無理してやらなくてもいいんだなという意識が芽生えてしまうということであります。これは決してよい傾向ではありません。  高原野菜の農家の場合、僅か30年ぐらい前までは、アルバイトを募集すれば都会から多くの若々しい男女がたくさん集まってきました。それは、農作業に対する差別的な偏見がなく、むしろ高原のすがすがしい大地の下で気持ちよい汗をかき、お金も稼げるし、避暑にもなるというポジティブな意識のほうが大きかったからだと思います。実際、そのときの体験や思い出を大切にしている方も多いですし、作業を共に行う中で農家の御子息との間に恋が芽生え、結婚し、今や一家の大黒柱として誇りを持ち、活躍している女性もたくさんおります。したがって、持続可能な社会の構成要件の一つとして、職業差別をなくすことは大切だと思います。  そこで、お聞きいたします。現代の若者はどのような職業意識を持っているのか。どんな職業が好まれ、どんな職業が敬遠されているのか。そして、敬遠されている職業に対してのイメージアップを県としてはどのように図っておられるのか。現状と成果について産業労働部長の御見解をお伺いいたします。  また、教育面におきましては、農業、林業、製造業、介護などといった仕事の尊さや楽しさ、これを子供たちにどう伝えていくかということも重要だと思います。例えば、今やIT技術を使ったゲームの世界は活況を呈しておりますが、その中には、農業、林業、建築、介護などに関してのゲームもあります。農業経営シミュレーターゲームなどの中にはかなり本格的なゲームもありますが、リアル感が足りなくて面白くないゲームも多々あります。こういったゲームを創り上げるクリエーターさんたちにもし農業、林業、建築業、介護などの実体験や知識があれば、リアル感満載の楽しいゲームやバーチャル空間を創り出す際にマイナスにはならないと思います。今どきの子供たちが憧れる職業につながりを持たせるような総合的な職業教育は必要だと思います。  そこで、お聞きいたします。職業に貴賤はありません。どんな職業にもどんな作業にも尊い意味合いが含まれます。つまらぬ偏見や職業差別の意識を持たないよう、日本の子供たちにもしっかりと教育していかなければなりません。教育長の御見解をお伺いいたします。  冒頭でも触れましたが、ニートや働く意欲のある高齢者や障害者、子育てを終えた女性の皆さんなどにインセンティブを与え、経済活動や社会活動を根底から支える原動力にすることは、外国人に頼り過ぎない社会をつくる点においても極めて重要なことだと考えます。今の若者は欲がないなどと言われておりますが、そもそも欲が湧かないような社会環境や社会構造にも問題があると思います。  外国人のみならず、女性も高齢者も障害のある方も、誰もが自分らしく生き生きと働き、活躍することができる多様性社会、いわゆるダイバーシティーにあふれた社会の実現を目指すことは重要だと思います。阿部知事の御所見をお伺いしたいと思います。       〔県民文化部長中坪成海君登壇〕 ◎県民文化部長(中坪成海 君)外国人県民の増加の状況についてのお尋ねでございます。  国が発表しております在留外国人統計によりますと、令和2年12月末現在、本県の外国人県民は3万6,530人で、全国で多いほうから18番目となっております。30年前に比べて約2万6,000人増加しておりまして、このうち永住者が約1万1,000人の増加となっております。  全国と比較した本県の特徴を申し上げますと、在留資格別では、永住を許可された方や日本人の配偶者となられた方など、身分や地位に基づく在留資格の方の割合が約6割と高くなっております。  また、国籍別では、ブラジルの方の割合が全国平均よりも高いという特徴がございます。これは、平成2年の入管法の改正以降、県内には製造業を中心に就労目的の日系ブラジル人が急増しまして、その後、リーマンショックの影響で減少はしましたが、引き続きブラジル国籍の方が県内に定住されております。  また、外国人技能実習制度が平成5年に創設されまして、県内でも受入れ企業等が増えたことにより、技能実習生はベトナム国籍の方を中心に増加してきておりまして、令和2年12月末現在6,141人となっております。  以上でございます。       〔産業政策監兼産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(林宏行 君)外国人労働者に関連して3点御質問をいただきました。  初めに、三方よしの経営理念の下で技能実習生を受け入れるべきとの御提案をいただきました。  技能実習制度の本旨は、我が国で培われた技能や技術、知識の開発途上地域等への移転を図り、当該地域等の経済発展を担う人づくりに寄与し、国際協力を推進するというものでございます。その趣旨に沿って実習生、受入れ事業所、監理団体それぞれが責務を果たせるよう、関係機関が連携して支援に当たり、送り出し国と我が国の相互理解と友好親善が一層深まることが重要と考えております。県といたしましても、国と連携して外国人材受入企業サポートセンター等で相談、助言を行ってまいります。  次に、技能実習生の多額の借財問題に関してでございます。  在留資格を所管する出入国在留管理庁の調査によりますと、2020年には全国で5,885人の技能実習生が失踪しており、その主な原因としては、賃金の不払いなど実習実施者側の不適正な取扱い、また、入国時に支払った費用の回収等実習生側の経済的な事情などが挙げられております。こうした技能実習制度をめぐる様々な問題については、県警本部や県を含む関係行政機関、技能実習機構などで構成する外国人労働者問題対策連絡会議において情報交換を行っております。  県としては、労政事務所において実習生からの相談に応じるとともに、外国人材受入企業サポートセンターの相談などを通じて受入れ企業に対し適切な対応を求めるなど、技能実習制度の適正な運営が確保されるよう努めてまいります。  最後に、若者の職業意識、敬遠される職業のイメージの現状等についてでございます。  大手就職情報会社の調査によりますと、大学生の就職観は、楽しく働きたいが34.8%で最も多く、次いで、個人の生活と仕事を両立させたいが23%、人のためになる仕事をしたいが15.2%などとなっております。  就職先を選ぶポイントとしては、安定しているが42.8%で最も多く、自分のやりたい仕事ができる、給料がよいと続き、逆に、行きたくない会社としては、ノルマがきつそうが35.8%、休日・休暇が取れないが28.9%、転勤が多いが24.9%などが多くなっています。さらに、SDGsに取り組む企業ほど学生の志望度が上がるとの調査結果もございます。  こうした若者の就職観を踏まえ、県では、職場いきいきアドバンスカンパニー認証制度でワーク・ライフ・バランスなど働き方改革に取り組む企業等の認証を進めるとともに、SDGs推進企業登録制度も設けており、既に1,000社を超える企業の皆様に登録いただいております。  また、介護や建設分野のようにコロナ前から恒常的に人手不足の状況にある業種では、職場環境の改善や賃金の引上げなどの取組が急務と考え、職場環境改善アドバイザーの訪問による助言等を行っているところです。新年度からは、企業のイメージアップと採用力の強化につなげる選ばれる職場づくり推進事業にも取り組むこととしており、引き続き若手人材の育成確保に取り組んでまいります。       〔農政部長小林安男君登壇〕 ◎農政部長(小林安男 君)私には2点御質問をいただきました。  初めに、外国人労働者の雇用支援等についてでございます。  川上村での雇用支援の取組については、特定技能の在留期間が5年間と長く、雇用先の変更も可能といった制度のメリットを生かし、技術を習得した外国人を複数年にわたり安定して雇用できる取組と理解しております。  県では、特定技能外国人の確保に向けて、昨年度からJA長野県農業労働力支援センターと連携し、技能実習や特定活動から特定技能へ在留資格を変更する手続を支援しており、これまでに9人が資格変更をしたところです。さらに、昨年度から農繁期が異なる長崎県と連携し、産地間リレーの仕組みづくりを進めており、これまでに延べ11名の特定技能外国人が県内で農業に従事しております。加えて、来年度は、県内のキノコ産地と葉洋菜産地をリレー雇用する仕組みづくりも進め、外国人労働者の安定確保につなげてまいります。  次に、日本人求職者のマッチングについてでございます。  県では、昨年度から人手不足産業の労働力確保を支援するJobサポ事業を開始するとともに、ハローワークと連携し、職を求める方と農業など人材が不足している事業者とのマッチングに取り組んでおり、本年度は農業に特化した就業相談会を9回開催したところです。  現在、コロナ禍で対面式での相談会の開催が困難であるため、今月19日には初めてウェブによる就業相談会を開催するなど新たな形式でのマッチングにも取り組む予定です。  また、県とJAグループでは、昨年度から1日単位でのマッチングを可能とするアプリの活用も開始しており、本年度は九つのJAに導入が拡大され、昨年12月末までの実績で延べ3,000人以上のマッチングが成立しております。  さらに、来年度は新たに大学生を対象としたインターンシップによる農業体験や就職説明会を開始するなど、雇用人材の確保に向けた様々な取組を進めてまいります。  以上でございます。       〔警察本部長小山巌君登壇〕 ◎警察本部長(小山巌 君)来日外国人犯罪について御質問をいただきました。  まず、来日外国人犯罪の取締り状況についてお答えいたします。  令和3年中の県内における来日外国人による刑法犯及び特別法犯の検挙件数は135件、前年比マイナス10件で、総検挙件数の3.3%を占めており、検挙人員は93人、前年比マイナス20人で、総検挙人員の3.8%を占めております。検挙件数が多い罪種は、窃盗62件、入管法違反35件、暴行・傷害7件で、検挙人員が多い国は、ベトナム人33人、中国人21人、タイ人16人となっております。  次に、来日外国人犯罪への対策についてお答えいたします。  来日外国人による犯罪は、日本人によるものと比べて組織的に敢行される傾向がうかがわれ、出身国や地域別に結びつくものがある一方で、それまで面識のなかった外国人同士がSNSを通じて連絡を取り合いながら犯行に及ぶ例も見られます。  県警察では、来日外国人が犯罪に巻き込まれないように防犯講習等の啓発活動などを行うとともに、犯罪に利用されやすいSNSサイトの実態把握や出入国在留管理庁と連携した不法滞在者の合同摘発等を実施しているところでございます。今後も、これらの取組を適切に推進してまいります。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)特定の職業について偏見や差別意識を持たないための教育についてのお尋ねであります。  まずは、誰に対しても差別することや偏見を持つことなく、公正公平な態度で接し、力を合わせて差別や偏見をなくす努力が重要であります。学校教育においては、例えば、特別の教科道徳の公正、公平、社会正義というテーマの中で学んでおりますが、さらに、農作業、清掃作業、介護業務など様々な職業に従事している人たちにより、自分たちの暮らしが支えられていることを人権教育や社会科の授業でも学んでおりまして、どんな職業、どんな作業にも尊い意味合いがあることを心に刻んでいるところでございます。  また、特別活動におきましては、職場見学や職業体験を行い、暮らしを支える職業の尊さや楽しさなども体験的に学んでいるところでございます。  こうした教科等の学びのみならず、学校教育全体を通じ、家庭、地域社会一体となった日常生活の様々な場面や事例を通して、共生社会を生きる子供たちが職業に対する差別や偏見を持つことがないようしっかりと取り組んでいくことが必要だというふうに考えております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、誰もが自分らしく生き生きと働き、活躍することができる多様性にあふれた社会の実現を目指すことは重要だと思うが、所見はいかがかという御質問をいただきました。  年齢や性別、国籍や障害の有無に関係なく、全ての人が個人として尊重され、そして自分らしい生き方を追求していくことができる社会の実現、これは、まさにSDGsの理念を実現していくものでもあり、また、私ども長野県の総合計画であるしあわせ信州創造プラン2.0で掲げる「誰にでも居場所と出番がある県づくり」につながるものだというふうに考えております。そういう意味で、非常に重要なことだというふうに思っています。  加えて、やはり多様性を尊重する組織や地域というのは、私は、これから未来に向けて発展する可能性が非常に高い地域だというふうに思います。イノベーションは違う者が交流し合うことによって起きていくわけでありますし、また、多様性が尊重されないようなところであれば多彩な発想は生まれてこないというふうに思っています。また、多様性が尊重されなければクリエーティブな人材も集まってこないというふうに思っております。今まさに企業もESGや人権対応といった社会的な役割が重要性を増しているわけでありますので、地域や企業をはじめ、組織においてもこうした多様性が最大限尊重されていくことが地域や企業、組織の発展につながっていくということを確信しているところであります。  県としても、この誰にでも居場所と出番がある県づくりをしっかり進めていきたいというふうに思いますし、また、様々な方たちが活躍できるような環境づくり、例えば職場いきいきアドバンスカンパニー認証制度やSDGs推進企業登録制度、また、今県議会には障がいのある人もない人も共に生きる長野県づくり条例案を御提案させていただいておりますけれども、こうした取組を通じて、環境整備をしっかりと行っていきたいというふうに考えております。多様性が尊重される長野県がさらに多様性をベースとして発展していくことができるように取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上です。       〔34番依田明善君登壇〕
    ◆34番(依田明善 君)最後に、新型コロナウイルス感染症に係るまん延防止等重点措置についてお伺いいたします。  年明けからの感染急拡大を受け、知事は、国に対し、1月24日にまん延防止等重点措置の適用を要請され、1月27日から本県では初めて適用されたところでありますが、その後も新規陽性者数や確保病床使用率は高止まりで推移していたことから、2月16日に適用の延長について要請されました。現在、3月6日までを期限として延長されておりますが、既に1か月以上の長期にわたってまん延防止等重点措置が講じられる状態となっております。  知事は、まん延防止等重点措置の解除の目安につきましては、確保病床使用率35%を安定的に下回ることとしておりまして、この目安を満たさない場合は、感染者数の動向等も踏まえて、国に再延長を要請するかどうか総合的に判断するとしております。まん延防止等重点措置の今後の見通しについてどうお考えか、知事にお伺いいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)3月6日が現在期限とされておりますまん延防止等重点措置の今後の見通しについてという御質問であります。  まん延防止等重点措置の解除の目安として、確保病床使用率35%を安定的に下回るということを掲げて取り組んでいるところであります。現在の状況を申し上げますと、昨晩の段階で確保病床使用率33.3%ということで、この35%を下回ることができました。また、直近1週間の人口10万人当たりの新規陽性者数につきましては直近で110人台まで下がってきました。これは、多いときには200に近い数字まで達していたわけでありますけれども、現在110人台まで減少してきているという状況でありまして、これは47都道府県で少ないほうから3番目という状況になっております。  また、重症化される方、お亡くなりになられる方を我々は防がなければいけないわけでありますけれども、重症化リスクが高い御高齢の方への対応という観点では、今、ワクチンの追加接種を進めているわけでありますけれども、期限の3月6日までには2回目接種済みの高齢者の8割を超える方に、また、全ての高齢者人口、これは1、2回目接種をされていない方も含めてでありますけれども、8割近くの方に対して追加接種ができる見込みだというふうに考えています。さらに、高齢者施設でのクラスター、集団感染が第6波は多かったわけでありますけれども、高齢者施設における追加接種も、6か月未経過の入所者がいる施設等を除く88%の施設で3月上旬までには完了することができる見通しになってきておりますし、高齢者施設における集団感染の事例も減少してきているという状況であります。  こうした状況を総合的に勘案して、本日午前中、国に対してまん延防止等重点措置を6日をもって終了するよう要請させていただいたところでございます。今回の重点措置の期間中、県民、そして事業者の皆様方には最大限の感染対策をお願いし、また、御協力いただきました。多くの皆様方に大変な御負担をいただく中で御協力いただいてきておりますことに改めて感謝を申し上げたいと思います。終了の正式決定については、これは私の権限ではなくて政府の権限でありますので、今後、政府対策本部会議において最終的な判断がなされるという形になりますが、国においては、本県からの要請の趣旨を踏まえて御判断いただけるものというふうに考えております。  現在も医療警報が発出中であります。その目標としております確保病床使用率25%というところまではまだ下がってきていないという状況でございます。引き続き、県民の皆様方の御協力をいただきながら、この現在直面している第6波の確実な収束に向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上です。       〔34番依田明善君登壇〕 ◆34番(依田明善 君)御答弁をいただきました。  まん延防止等重点措置が長期に及ぶことは、多くの県民に負担を強いることになります。本県の感染状況を見ると、知事の説明にもあったように、当初の感染急拡大には歯止めがかかっており、最近では様々な指標を見ても改善の傾向が見えてきていることから、これ以上いたずらに期間を延長することなく適用を終了させることについては理解を示すところであります。  しかしながら、まだまだ感染が収束した状況ではありません。オミクロン株についても、現在主流のBA.1系統のほか、BA.2系統が国内で検出されるなど、感染の先行きは不透明ですし、予断を許さない状況であると考えられます。引き続き感染対策には十分注力をいただくとともに、長引く重点措置の影響により冷え切ってしまった経済活動について効果的な対策を講じていただくよう心からお願いを申し上げまして、全ての質問を終了いたします。ありがとうございました。 ○副議長(清水純子 君)次に、小林あや議員。       〔3番小林あや君登壇〕 ◆3番(小林あや 君)小林あやです。  初めに、高校教育について教育長に伺います。  2022年度から「現代社会」が廃止され、新必修科目「公共」が導入されます。新科目「公共」は、アクティブ・ラーニングの主体的、対話的で深い学びの要素が取り入れられていること、また、将来地球環境問題など多くの社会課題の解決を期待される若者たちに対しスタートラインの場を用意する重要な位置づけでもあることから、課題によっては他の教科や総合的な探究の時間などと関連する部分も出てくることが予測され、学校、学年としてのカリキュラムマネジメントを工夫していく必要があります。つまり、学ぶ内容を授業でどのように展開していくかは各学校、教員の裁量に委ねられることになります。  新しいことを行うためには、準備として、教える側の教材研究や研修が欠かせません。しかし、現状では、教員が忙し過ぎて十分な時間が取れていないという点が指摘されています。教育委員会としてどのような見解を持ち、どう対応していくのか。教員定数の増加とクラブ指導の専門家への委嘱も含め、伺います。  アクティブ・ラーニングは、講義、実習、ディスカッション、発表など様々な学びの形が循環するため、学びのスタイルに合わせて変更ができるフレキシブルな空間が学びをサポートすると考えられています。他方で、学校は地域との開かれた関係構築が重要だとする意見もあり、従来の学校の枠を超えた教育の在り方も考えていく必要があります。  今から15年ほど先までの生徒数の推移は予測されていますが、減少は避けられない状況となっており、これに伴い、学校の空き教室について具体的な利活用の在り方も検討されていかねばなりません。新たな学びにフレキシブルに対応できる空間整備や地域に開かれた施設としての使い道など、空き教室の利活用は、その学校がどういった人材を育てたいのか、その特色をより強く引き出せるにはどういう空間が必要かという視野の広いビジョンの中で捉えられていく必要があります。今後の在り方について伺います。  近年、メンタル面に不安を感じる高校生が増えてきています。県では、高校に月2回程度カウンセラーを派遣するなどし、メンタルサポートに努めてはいますが、自分が周りよりも劣っているのではないかと自信をなくし、思い詰めてしまう生徒、友人関係に悩み、気持ちを切り替えられない生徒、また、最近では、発達障害のある生徒、またはその疑いのある生徒の数も増えてきており、これまで以上にきめ細かいメンタルケアが必要となってきています。リモートを導入したカウンセリング手法の拡充、発達障害への対応が可能となるような教職員研修の実施、医療機関にかかることを渋る生徒、保護者への適切なアプローチなど、高校生へのメンタルサポートの選択肢を増やす工夫が必要ではないかと考えますが、生徒の現状に対する御認識とメンタルサポートの今後の在り方について伺います。  近年、トイレは、排せつ機能だけではなく、個人の心の居場所としての機能も担うようになり、クールダウンの場所や一人になりたいときの場所としてなど価値観や目的が多様化しています。  一方で、県立学校のトイレの現状は、残念ながら精神的にも衛生的にも環境がよいとは言えません。高速道路のサービスエリアの個室トイレには便座をアルコール消毒できる装置が完備されていますが、学校のトイレにおいてもこうした感染症対策としての改善が必要ではないでしょうか。県立学校のトイレは、令和8年までの改修計画が立てられていますが、前倒ししていくべきだと考えます。また、近年、LGBTQ等性の多様性への理解を深める声が高まっていますが、こうした生徒への配慮も必要です。トイレが精神衛生上果たす役割と効果について、また、県立学校のトイレの在り方、早期の改善に向け、御見解を伺います。  高校無償化の動きにより2年目以降の家計の負担が軽減されたことから、公立高校の施設が古い、トイレが臭いなどの理由できれいな施設の私立高校へ入学を決めたという生徒が増えています。小中学校のトイレ空間の改善が進む一方で、子供の生活様式と乖離した施設はどうしても人気が衰えてしまうのかもしれません。私立の人気は高まる一方で、県立高校は志願者数の伸びに苦しみ、生き残りをかけて苦戦しています。施設の古さが生徒離れの一因を引き起こし、高校再編に拍車をかけているとしたら、負の連鎖となってしまいます。こうした状況を踏まえ、公立高校の老朽化対策について御見解を伺います。  現在、県内に2校ある県立の中高一貫校ですが、他地区への設置については、これら2校の成果を踏まえてとされています。現在の中高一貫校についてどう検証し、今後の方針はどう考えていくのか、伺います。  次に、特別支援学校について、こちらも教育長に伺います。  特別支援学校高等部分教室では、所在する高校の養護教諭は分教室の生徒に対して救急処置をはじめとする保健室業務を行うことができず、本校の養護教諭にわざわざ出向いて対応してもらわないといけません。この状況には、いささか違和感を覚えます。感染症対策も含め、生徒の体調管理に敏感になっている近年の状況を鑑みても、生徒が安心、安全な学校生活を送れるよう対策を講じる必要があるのではないでしょうか。別々の学校とはいえ、同じ建物内にあり同じ県立学校であるという強みを生かして、学校保健に関しても県が主体的に調整を図るべきではないかと考えますが、御見解を伺います。  分教室と本校とのマネジメントコミュニケーションに関して、県は、教育分野でもDXを推進する姿勢を示しています。一方、本校で共有されている情報を分教室では閲覧、共有ができなかったり、決裁システムや本校との合意形成もアナログで対応している現状が見受けられます。教師が生徒に関わる時間を確保し、生徒の学びをサポートしていくためにも、デジタルを活用した効率化が必要と考えますが、いかがでしょうか。  特別支援学校の図書室の貸出方法は、障害の多様性に配慮しているとは言い難い状況にあります。LD等特徴ある生徒に配慮した貸出しの在り方として、ICT化も視野に入れて検討されていくべきと考えます。また、障害の特徴が多様化している現代において、活字だけでなくデジタルを活用した視覚、聴覚に訴える資料もそろった図書室にしていくことが望ましいと感じます。文字が苦手な生徒は映像や音声からの情報が入りやすいからです。さらに、分教室の生徒は所在高校の図書室を借りている状況ですが、彼らにも使いやすい環境整備が必要だと考えます。以上、教育長に伺います。  二地域居住における教育環境の整備について質問いたします。  県は、地方回帰の流れに伴い移住促進策を強く進めていますが、信州の豊かな自然の中で子供の五感を育むという面においても、関係人口増加策としての二地域居住は、重要な施策であり、家族連れが短・長期滞在できる信州という観点も深めていくことは、地域振興においても有効であると感じます。二地域居住施策の今後の方向性について企画振興部長に伺います。  県内では、区域外就学制度や特認校制度などを活用している学校も増えており、多様な学びの場の提供に努めています。滞在中の児童生徒が滞在先でも学習できるような多様な学びの場を確保することについて教育長に伺います。  松本空港活性化について質問します。  ウィズコロナ、アフターコロナを見据え、また、人、物、情報の移送手段の進展も踏まえ、空港の活性化を考える必要があります。松本空港のチャーター便について、往復航路単体で考えてきた従来の発想を転換し、乗り継ぎのメリットを最大限活用するなど、国内外のハブ空港との連携にも力を入れるべきだと考えます。例えば、乗り継ぎまでの時間を多く確保すれば、その間に経由地を散策することができます。商品開発などの新たな取組について、コロナの影響で活動が抑制されている今だからこそ準備すべきときであると感じますが、企画振興部長に伺います。  また、松本空港活性化については、松本市をはじめとする空港周辺の自治体や観光・経済団体等でつくる信州まつもと空港地元利用促進協議会が毎年約3,000万、このほかに、例えば松本市では単独事業で毎年約4,000万ほどをかけて利用促進に取り組むなど、周辺自治体の頑張りが見られます。こうした思いも踏まえ、4月からの組織再編で新設される松本空港課にかける知事の期待を伺います。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず、高校教育について、教材研究や研修の時間を確保するための環境整備についてのお尋ねでございます。  探究的な学びを中核に据えた新教育課程の実施に当たりまして、教材研究や研修の重要性は一層増しているというふうに考えております。  県教育委員会では、令和3年2月策定の「学校における働き方改革推進のための方策」に基づきまして、教員が学校内外での学びや自己研さんができるよう働き方改革に取り組んでいるところでございます。  例えば、部活動における外部指導者、部活動指導員の活用や教員業務支援員の配置など、外部人材の活用によります教員の業務負担軽減を図っているところでございます。教員定数の改善については、その必要性を国に要望してまいりたいと思っております。また、ICT活用による学校業務の効率化や時差勤務など、多様な働き方についての取組も進めているところでございます。引き続き教員が質の高い教育を実践できる環境を整えてまいりたいというふうに思っております。  次に、空き教室の利活用についてのお尋ねでございます。  議員御指摘のように、県立高校では、少子化に伴いホームルーム教室として使用していないいわゆる空き教室が生じているというふうに認識しております。そうした中、各校では、クラスを分けた習熟度別授業や多様な選択講座展開など現在の学びのスタイルに合わせて工夫しながら空き教室を活用しているのが現状でございます。  県教育委員会におきましては、昨年度取りまとめられました学習空間デザインの方向性をこれからの学びにふさわしい施設整備のビジョンとして捉えております。今後は、この考え方に沿いまして、探究的な学びを実現するフレキシブルな学習空間の整備や地域連携を促進する共創空間などの整備を検討してまいりますが、空き教室につきましても同様の方向性の中で活用を図っていくものというふうに考えております。  次に、高校生のメンタルサポートについてでございます。  生徒の現状でありますけれども、学習面や友人関係、家庭の問題など様々な不安や悩みを抱えておりまして、その内容は複雑多様化しております。また、発達障害を抱える生徒の割合も年々増加しておりまして、発達障害から起因する心の不調も課題となっているところでございます。  メンタルサポートの今後の在り方についてでありますが、例えば、議員から御指摘がありましたリモートによるカウンセリングにつきましては、コロナ禍をきっかけに、スクールカウンセラーによるオンラインを活用した相談を実施しているところであります。  また、発達障害や摂食障害などに対応する教職員研修については、出前研修やそれをテーマにした教員研修を行っているところでございます。  また、医療機関にかかることを渋る生徒、保護者への適切なアプローチにつきましては、養護教諭が精神科医のアドバイスを受けまして医療機関への受診につなげているところでございます。  今後とも、多様な生徒の不安や悩みを早期に発見し、継続して適切なサポートができるよう、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、学校医といった専門家と連携しながら学校全体で組織的に対応してまいりたいというふうに思っております。  県立高校のトイレ改修についてでございます。  議員御指摘のとおり、トイレは個室で独りになって心を落ち着かせることができる効果もあるというふうに思っております。  県立高校のトイレについては、かねてより和便器の洋式化や臭いの解消等設備の更新に関する要望が多く寄せられておりまして、これに対応するため、令和元年度にトイレの使用実態調査を実施したところでございます。この調査結果に基づき、令和2年度から、床の乾式化、衛生器具の更新等現在の家庭での生活様式を踏まえた整備に取り組んでいるところでございます。  また、LGBTQに配慮したトイレについては、例えば、今年度飯田風越高校に性別に関係なく使用できるトイレを設置するなど、各校の事情を聞きながら整備を行っているところでございます。  今後も、各校の要望を踏まえつつ、できるだけ早期の改善に向け計画的に改修を進めてまいりたいというふうに思っております。  施設の老朽化についてのお尋ねであります。  県立高校の施設は、その約6割が昭和40年代から50年代に建設されておりまして、現在使用している施設の約8割が築後30年以上、約4割が築後40年を迎えることから、早急に老朽化への対策を取る必要が生じているというふうに認識しております。施設の修繕については、県の中長期修繕・改修計画に沿って来年度当初予算を増額し、老朽化した校舎の屋根や外壁、給水設備等の改修を行ってまいります。  また、現在、県教育委員会では高校の改革を進めておりますが、その中で、再編新校の整備や再編整備の対象とならない既存校の改築等についても取り組んでいきたいというふうに思っております。  次に、中高一貫校の成果や今後の方針についてでございます。  第1期長野県高等学校再編計画におきまして、モデルケースとして東北信と中南信に1校ずつ設置した屋代中学校と諏訪清陵中学校につきましては、遅れて開校した諏訪清陵中学校の第1期生が高校を卒業した後の令和3年3月に両校の生徒、保護者へのアンケート調査や各種統計データなどに基づき検証を行ったところでございます。  成果としては、進路結果等からも、伸びる力を伸ばす学力の向上の取組などによりまして、生徒が高い志を持って進路実現を果たすことができているというふうに分析しております。また、課題としては、6年間という長期の学校生活の中で生じる多様性に対応するための弾力的な教育課程や講座編成などについて、さらなる工夫と改善を続けていくことが必要であるというふうに認識しております。  新たな県立中学校の設置につきましては、市町村立小中学校の統廃合が進められていることや2校のモデル校を設置した以降に県立以外の中高一貫校が複数開校した状況などを踏まえ、併設型中高一貫校は現行の2校体制を維持していくとしているところでございます。  次に、特別支援学校についてのお尋ねであります。  高等学校の養護教諭による特別支援学校高等部分教室生徒への支援についてでございます。  本県では、身近な地域で特別支援教育を受けられる環境を整備するために、平成17年度以降、県立高等学校5校の中に分教室を設置しておりますが、分教室は小規模であるため、特別支援学校本校の養護教諭が分教室の保健室に関する業務を担っている状況でございます。  現在、分教室設置高校の養護教諭が分教室の生徒がけがをした際の応急処置や受診の要否等に関する相談支援等を行うなど、両校関係者による学校運営上の課題を協議する場を活用しまして保健室業務に関する実施可能な協力体制の検討を行ってまいりたいというふうに考えております。  次に、分教室と本校間のデジタル活用による効率的な連携についてでございます。  特別支援学校分教室の教員は、本校の教員と一体的に教育活動や校務を行う必要があり、学校全体で共有するデータや服務・文書管理に係るシステムにアクセスできる環境が必要だというふうに認識しております。このため、本年度、全ての分教室において本校とのネットワーク回線を整備いたします。現在は、ネットワーク上で様々な校務に係る情報の共有、処理が可能となるとともに、服務に関する申請等を行う県の職員ポータルの利用ができるようになりました。  また、来年度からは、このネットワーク回線を活用して、生徒の出席簿、保健記録、個別の指導計画等の情報を一元的に管理し共有できる統合型校務支援システムの運用が分教室を含む全ての特別支援学校で開始いたします。本システムの運用によりまして、教員の働き方改革の推進や様々なデータの効果的な活用による生徒への指導、支援の充実に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  次に、特別支援学校の図書室のICT活用等による利活用しやすい環境整備についてでございます。  特別支援学校の書籍の貸出方法については、貸出カード等に児童生徒が手書きで記入する場合が多いわけですけれども、各校では、個々の障害等に応じまして、教員が代筆したり貸出カードを色分けして探しやすくしたりするなど、児童生徒にとって利用しやすくなるような配慮をしているところでございます。貸出場面も大事な学習場面でありますので、今後、ICT化の必要性を含め、さらに利用しやすく学びにつながる方法を研究してまいりたいと思っております。  図書をデジタル化した電子書籍につきましては、学習環境整備事業等を活用しまして順次整備を進め、現在、特別支援学校全体で926冊保有しているところでございます。今後も、1人1台端末や電子黒板等を使った電子書籍の効果的な使用方法につきまして、各校が実践を通して研究を深め、成果を各校で共有できるよう取り組んでまいりたいと思っております。  高等学校内設置の分教室生徒にとって使いやすい図書環境の整備につきましては、週に1時間図書の時間を設け、高等学校の図書室を利用したり、分教室内に書架を設け自由に閲覧できるようにするなど、分教室ごとに工夫して取り組んでいるところでございます。今後とも、高等学校と共に、分教室生徒にとってよりよい図書環境の整備に努めてまいりたいというふうに思っております。  二地域居住における教育環境の整備についてでございます。  平成29年度に、文部科学省から、一時的な移住や二地域居住といった住民票を有していない場合も通学区域制度の弾力的な運用に該当する旨の通知がなされているところでございます。それを受けまして、塩尻市の教育委員会では、県外も含む塩尻市以外に住民票と学籍を置いたまま市内の小規模校への通学を許可する国内短期留学制度を導入しているところであります。同様の制度を導入している自治体は全国的にも少なく、先進的な取組であるというふうに思っております。  県教育委員会では、長野県に魅力を感じた二地域居住の児童生徒が滞在先でも学習できる学びの場の確保に向けまして、本制度に関わる情報を市町村教育委員会と共有し、具体的な制度設計における助言など積極的な支援を行ってまいりたいというふうに思っております。  また、県立高等学校では一時的に滞在する生徒を受け入れる制度はありませんが、単位認定を行わず体験入学の形で生徒を受け入れるなど、学校の教育活動に支障のない範囲で滞在先で学習できるような柔軟な対応を行っているところでございます。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)2点お尋ねです。  まず、二地域居住施策の今後の方向性についてということですけれども、コロナ禍での地方回帰の流れを追い風に、現在、信州回帰プロジェクトを展開、加速化しているところであります。これは、平成31年3月に県内市町村と共に策定いたしました「信州暮らし推進の基本方針」の趣旨に沿ったものであります。この方針では、一つとして、仕事と暮らしをセットで呼び込み働く場としての「信州」の展開、二つ目として、必ずしも移住・定住をゴールとしない二地域居住者や県内の地域や人と関わりを持つつながり人口の創出拡大、この二つを重点に取組を進めていくこととしております。  コロナ禍を契機に、テレワークの導入が進み、場所にとらわれない新しい働き方、暮らし方が広がる中、二地域居住への関心も高まっております。県では、二地域居住の促進に向けて、二地域居住の専用サイトを昨年の3月に開設いたしました。半分長野で暮らしましょうという意味の「ニブンノナガノ」での魅力発信や、信州リゾートテレワークやおためしナガノ、また、国のテレワーク交付金を活用した施設の整備、また、これも昨年の3月ですけれども、阿部知事を会長といたします全国二地域居住等促進協議会を設立いたしまして、情報共有・交換などの取組を進めてきたところであります。  三大都市圏との近接性、豊かな自然環境、多様な観光地、100を超えるテレワーク施設などがあります本県は、まさに二地域居住の適地であると考えております。こうした本県の強みを生かしましてこれまでの取組を進めますとともに、アウトドアやワインなどをテーマにした長期滞在型観光など交流人口の拡大を入り口、きっかけとした取組や、農ある暮らしなどの新しい暮らし方をしたい人に訴求する取組などの事業展開も図りながら、ただいまの教育長の答弁にもあった教育環境の情報も含めまして、大都市圏の若者や子育て世帯へ二地域居住の促進に向けた情報を発信してまいりたいと考えております。  次に、松本空港のチャーター便を活用した乗り継ぎ商品の開発についてということですけれども、松本空港就航の定期便の乗り継ぎにつきましては、これまで各就航先を経由する乗り継ぎの利便性をPRいたしますとともに、商品開発に向けまして旅行会社等へ働きかけを行っております。これについては今後も引き続き行っていきたいと考えております。  また、新たな取組といたしましては、大阪観光局等と連携しまして、関西国際空港に到着した外国人旅行者を対象に、神戸路線の乗り継ぎ利用によります関西と長野県を巡る広域観光ルートの検討も進めているところであります。  議員御提案の国内外へのチャーター便の乗り継ぎにつきましても、どのような形にすれば魅力的な商品になるかなど、旅行会社や航空会社の御意見を聞きながら可能性を探ってまいりたいと考えております。  以上です。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、松本空港課にかける期待という御質問をいただきました。  県では、松本空港の発展、国際化に向け、平成28年度に策定した取組方針に基づいて、これまで地元の市町村や経済団体から成る利用促進協議会の皆様方と共に様々な取組を進めてきたところであります。最近の例で申し上げますと、令和元年の10月には神戸線の新規就航、さらに、昨年の8月には運用時間の延長とともに神戸線の複便化を実現することができました。これもひとえに関係者の皆様方の熱意と地元地区の御理解、御協力のたまものだというふうに考えております。私の立場としては大変感謝しているところでございます。  本県の空の玄関口であります松本空港を今後さらに発展させていくためには、様々な課題があるというふうに考えております。そうした課題をクリアするためには、これまで以上に関係の皆様方と綿密な交渉が不可欠になるというふうに考えております。さらなる活性化が簡単にどんどんできるということではなく、しっかり向き合って対応していかなければいけないというふうに思っております。  そのため、こうしたさらなる発展のためのチャレンジをしていくという観点で、本年4月、松本空港利活用・国際化推進室を松本空港課に改組して体制を強化することとさせていただきました。この松本空港課を中心にしながら、地元市町村、そして地元地区の皆様方などとの話合い、また御協力、御理解をいただきながら、松本空港が本県の空の玄関口としてその役割を果たしていくことができるように努力をしていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔3番小林あや君登壇〕 ◆3番(小林あや 君)例えば、90分の職員研修にeラーニングを用いて視聴速度を1.5倍にすれば60分に短縮でき、30分時間をつくることができます。時間を効率的に捻出し、他のことへその時間を充てるのが働き方改革の本来の目的です。ぜひ様々に工夫され、実現につなげてください。  新たな時代に求められるガバナンスの在り方や合意形成の在り方を考えさせられる近年の不安定な国際情勢においても、学問は人生に希望をもたらすともしびであり、学校は万人を分け隔てなく温かく迎え入れてくれる場所、帰れる場所であってほしいと願います。  もろもろ御答弁をいただきました。今後の施策への反映に注視し、全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(清水純子 君)次に、小山仁志議員。       〔15番小山仁志君登壇〕 ◆15番(小山仁志 君)デジタル技術革命の到来は、社会に想像を超えるスピードで変化をもたらしています。企業価値を示す時価総額ランキングはこの10年でさま変わりし、上位はデータとAIを使い倒す企業に見事に入れ替わっています。これまでの規模拡大、スケールによって富を生み出す方程式は一変し、空間の制限を受けないものに大きな富が生まれていく、未来を刷新する期待感が企業価値となっていく、産業界の競争の舞台はゲームチェンジの時代を迎えました。
     こうした予測をはるかに超える変革に対し、大きな日本の出遅れが指摘されています。GDPは上昇傾向に至らず、1人当たりのGDPランキングは30位前後、30年前の1989年の4位からは著しい衰退を招いています。この原因として、世界が一気に労働生産性を高めてきたこの15年間、日本だけが長らく全く伸ばせずに取り残されてきたことが明らかになっています。例えば、産業別労働生産性水準の国際比較を見ますと、先進国のドイツやフランス、イギリスやアメリカと比較し、日本を1とした場合、他国の生産性はコマース分野などは2倍以上、情報通信分野は3倍前後、農林水産分野に至っては、人口密度で比較的近いドイツ、イギリス、フランスも10倍以上という極端な開きがあります。  日本の大半の産業が、この第4次産業革命期においてもまだ着手できていない宿題を多く抱え、人口の問題以前に労働生産性が伸ばせずにGDPが伸びていないこと、裏を返せば、日本の生産性の向上には大きな伸びしろが隠れていると言えます。  本県の主要な産業である製造業の付加価値を高め、経済成長を実現するために労働生産性をどのように向上させていくのか、県の対応策について伺います。  急速に進む少子高齢化の中で、一人一人の労働者の能力を高めることで労働力を拡大していくことも求められます。有効求人倍率が回復傾向にある一方で、指摘される人手不足の実態は、「どういう人が足りないか」と「そういうことをやりたい人」のミスマッチ、人余りで人不足という奇妙な状況を指し示しており、これまで人的資本への投資が十分な成果を上げていないことを認識しなければなりません。また、デジタル技術の革新が急速に進む中で、労働者の再教育を強化する意義も高まっています。賃上げが声高に叫ばれても、労働生産性が上がらなければ、持続的な賃上げは困難であり、教育機会の拡大による人的資本の増加を実現しなければなりません。  雇用のミスマッチの現状について県ではどのように認識されているのか。また、人材を最大のリソースとして捉え、労働者をはじめシニア層や子育て世代の女性などあらゆる世代への教育機会への投資こそ最重要と考えますが、人材育成に対する県の考え方と令和4年度において強化していく具体的対応策について伺います。  歴史的な革新期、社会変革が進展する中で、出遅れを指摘される日本で拡大してきたのが格差と貧困であり、長期化するコロナ禍が一段と拍車をかけています。  総務省の労働力調査によりますと、1990年に20%であった非正規雇用者数は、2020年には37.2%、全雇用者5,963万人のうち31.1%の1,854万人が年収200万円未満となっています。この要因の一つと指摘されるのが最低賃金の低さでありますが、購買力平価ベースではG7の中で米国に次いで2番目に低く、韓国よりも低い状況にあり、また、他国と比較し、正規労働者の平均とのギャップが大きいことも特徴となっています。  次世代に対しましても、このような格差の固定化や貧困の拡大繰り返しをいかにして断ち切るかの政策を講じていくことが求められます。こうした課題に対する県の認識とともに、2年を超えるコロナ禍による影響についてはどのように分析されているのか、伺います。  また、自律的な経済回復に向けましては、失業者の良質な雇用の創出、安定した正社員へのシフトも不可欠です。安定した雇用と企業の求人創出を実現するための県の今後の対応策について、現状における取組の成果と併せて伺います。  格差と貧困をめぐる課題が深刻化するのを尻目に、企業の経常利益は拡大を続けてきました。財務法人企業統計によりますと、企業の経常利益は71.4兆円と21世紀に入り倍の数値となっています。人件費や所得が伸び悩み、非正規雇用が増加する中でのこの利益拡大は、企業側が将来の不安の中で絞るだけ絞っていくコストダウンに力を注いできた姿を感じることもできます。  実体経済の中核たる国民生活が、賃金の低迷や中間所得層の弱体化、所得格差の広がりを見せ、いわゆるカンフル剤としての需要喚起策のみでは経済の構造転換の実現は見込めない中で、成長産業創出に向けた供給サイドへのてこ入れも進めていかなければなりません。第4次産業革命などの社会変革の時代において、成長産業や高付加価値化の創出等により高い収益が期待できる産業への投資、業態転換を導き出し、成長分野に対する労働力のシフトや構造転換への挑戦を促す攻めの政策が求められると考えます。  県では、経済再生に向けた成長に対し、どのような分野への取組を促していくことが求められていると考えているのか、具体的な施策とともに伺います。  指数関数的な変革を生み出すと言われるデジタル技術の革新の中で、国を挙げてのDX化の推進が掲げられ、本県においてもDX戦略が策定されています。このSociety5.0時代を見据えた取組は、単にデジタル化を行うわけではなく、現在起きているデジタル技術革新と多様な創造力、あるいは妄想力を掛け合わせた向こうにある新しい価値と未来を創造し、世の中を刷新していくことを目指すものであります。つまりは、データとAIの利活用があらゆる産業に広がっていく萌芽の水平展開を、いかにして二次的応用、さらにはエコシステム構築へのフェーズに向けどのように促していくかが重要と考えます。  日本のほとんどの企業、事業者は、AIの方法論の議論が先行し、AI掛けるデータを活用した事業運営や刷新、想像が未着手と言われている中で、逆に伸び代に満ちている状況とも言えますが、どのようにAI活用レベルを高め、展開を広めようとされているのか、伺います。  そして、このAI掛けるデータのデジタル技術の革新によるイノベーションの創出とエコシステムづくりに向け、県ではどのように取り組んでいくお考えなのか。以上、これまでの一切を産業労働部長に伺います。  これまで、N倍化という大量生産によってスケールとボリュームを生み出し、占有率を高めることで富を生み出そうとしてきた価値の源泉とは真逆の世界が現在来ています。「人類を救済する」をミッションとし、クリーンエネルギーのエコシステムの構築をビジョンに掲げたテスラが、単なる電気自動車ではなく、ネットワーク接続と絶え間ない最適化への進化を前提とした「人が乗るスマホ」を初めて世に出し時価総額でゼネラルモーターズやトヨタを抜き去ったように、規模ではなく、刷新や創造に対する期待と価値が生まれる時代を迎えました。  このように、横断的に世界が刷新されていく時代の局面において、生み出そうとしていく人材像も変化が必要とされると感じます。教育長が指摘される変化の激しい予測困難な時代、社会において必要とされる人材の育成と今日までの教育システムの構造的な変革や学びの仕組みの見直しに対しましては、10年先、20年先に対して責任と実効性ある関与、コミットメントしていく投資への意識が必要と考えます。そもそも日本の教育への公的支出が国際比較で低水準にある中で、必要とされる教育の変革の実現のため、未来への先行投資としての教育投資の充実への考え方について教育長に認識を伺います。  また、今後AI掛けるデータの力を解き放つ、使い倒していく人材が日本では大きく不足していることが指摘されています。データとAIは存在することで価値を生むわけではなく、それらを活用、実用化し、つながってこそ価値を生んでいきます。すなわち、デジタル技術の革新を使いこなし、創造力と妄想力とともにデザインし、出口産業につなげていくような人材育成への投資が欠かせません。  産業労働部では、来年度、新規事業として、求職者を対象とするITスキル習得・再就職トータルサポート事業に加え、学生を対象としたデジタル革新に挑むDX人材育成講座を行っていくということです。それぞれの事業において具体的にどのようなスキルとレベルを持った人材の育成を目的としているのか、手段となる事業の内容とともに、求めていく成果に対する狙いについて産業労働部長に伺います。  続いて、人権政策に関連し、お聞きいたします。  人権や差別をめぐる課題は、社会情勢、社会環境の変化とともに私たちに姿を変えながら迫り、新たな差別を生み出していく構造的課題を抱え、決して楽観できない厳しい現状があると感じます。新型コロナウイルス感染症をめぐっては、感染症に対する不安や恐怖が目に見えないウイルスとの闘いから人に対する誹謗中傷や差別にすり替わっていく実態も生起され、正しい情報共有の中で一人一人の思いやりと支え合いの輪が社会にとってどれほど大切か、改めて気づかされた思いであります。  一方で、様々な人権の侵害や差別事象は相次ぎ、後を絶たず、課題も複雑化、多様化しており、人権をめぐる情勢は国内外ともに大きく揺れ動いています。誰一人取り残されず、尊厳を持つ個人として尊重される社会の実現に向けましては、行政としても、差別や人権をめぐる課題の変化に対し適応を図りながら粘り強い取組が不可欠であると考えます。  本県におきましては、長野県人権政策推進基本方針が、平成22年の策定から既に10年以上が経過していますが、策定当時と比較し、人権侵害や差別をめぐる今日の状況についてどのような変化が生じていると認識されているのか、伺います。  また、こうした変化や様々な法律や計画等の動きも踏まえた新しい基本方針の策定が急務と考えますが、基本方針の見直しについての検討状況とともに、今後のスケジュールについて県民文化部長に伺います。  さて、2016年に、現在もなお部落差別が存在するとして、部落差別の解消が明記され、国と地方公共団体の責務を明らかにし、相談体制と教育啓発の充実等が定められた部落差別の解消の推進に関する法律が制定、施行され、既に5年が経過いたしました。  そこで、県として、新しい法律の制定後、今日まで特に相談体制の充実強化に向けた具体的な取組と今後の取組に対する考えとともに、部落差別を解消するための啓発の充実強化に向け、どのように取り組んでいく考えなのか、県民文化部長に伺います。  県内では、長野市内における隣人差別事件をはじめ、南信における差別文書の送付事件、また、身分や犯罪歴に関わる記載があるため、現在は閲覧禁止となっている壬申戸籍県関係分と見られる文書のインターネットオークションサイトへの出品、また、同和地区として特定の地域を動画サイト上に投稿するなどの差別事象が相次いでいます。各地方公共団体では、部落差別解消法の目的をいかに具現化し、部落差別のない社会となるように実効性のある取組が問われており、他県や県内市町村におきましても、各地で新しい法律に基づいた部落差別解消のための条例制定や改正の対応が見られています。  県としては、部落差別撤廃、人権擁護に関する条例は制定されていませんが、人権政策基本方針の実効性を高め、県の主要な政策としての部落差別解消のため、その裏づけとなる条例の必要性に対する見解を県民文化部長に伺います。  さて、壬申戸籍のインターネットオークションサイトにおける販売は、これまでも数回出品されていることが分かっており、匿名性を盾として、インターネットオークションを舞台に売買が容易に行われている実態、その背景に迫っていくことが重要と考えます。近年、部落問題に対する認識が薄まり、罪悪感もなく、お金になるかもしれないという安易な気持ちで出品されている可能性も高いことが考えられます。一方で、昨年明らかになった県内に関連する壬申戸籍のインターネットオークションでは、入札開始価格が2,800円であったものが、県からの要請による削除に至るまで、84件の入札、金額は11万円を超えていたということであります。  壬申戸籍については、所有や入札、売買を禁じる法的根拠もなく、強制的に回収する手段もないということで、こうした売買が差別を助長していくということ、なぜ包装、封印が通達され、閲覧が禁じられているのか、しっかりと県民と共有していくことが県の責務として重要です。  そして、佐久管内においては、特定の地域を同和地区として撮影した動画と写真がインターネット上に公開される事案が確認されています。特定地域が同和地区としてインターネット上に公開され、野放しに放置された状況は、新たな差別を助長、誘発し、人権侵害であり、断じて許される行為ではありません。この動画サイトなどで特定地域を公開された小諸市の小泉俊博市長、佐久市の柳田清二市長は、昨年12月、インターネット上における人権侵害事象に対する要望書を長野地方法務局などに提出、プロバイダーなどに掲載された人権侵害情報の削除要請を行うこと等を要望していますが、依然として公開されたままとなっています。身勝手に地域や自宅などが撮影され、インターネット上で広くその情報を暴露する行為が拡散され、新たな差別を生み、深く傷つく方がいらっしゃる人権侵害の被害からの救済のためにも、こうした情報が速やかに削除されなければなりませんし、行政としても毅然とした態度での対応策が不可欠であると考えます。  閲覧が禁止された壬申戸籍のインターネット売買や特定の地域が同和地区であるとして撮影された動画、写真等インターネット上で公開されている実態に対し、県としてはどのような見解を持ち、対処していくべきと考えているのか、阿部知事に伺います。  こうした差別事象が相次いでいる背景に、無関心により差別が容認され、広がっているということがないか憂慮いたします。同和問題が人権一般の教育や施策の中に埋もれ、部落差別の背景にある日本の歴史、社会、文化体制等について学び、正しい認識を持ち、自分のこととして考え、差別をなくすために行動できる態度を身につけることをおろそかにしてはなりません。差別を容認する無関心ではなく、私自身が差別をなくすためにどう行動していくのか、自ら問いを立てていく力を身につけていくことが重要と考えます。  本県におきましては、教育面では同和教育推進協議会が果たしてきた役割は大きく、今後も正しく学ぶための体制をさらに強化していく必要があると考えます。同協議会との教育現場における連携を図り、どのように子供たちに正しく理解を深め、さらなる同和教育啓発と強化のための取組を行っていくのか、教育長に伺います。       〔産業政策監兼産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(林宏行 君)社会変化に応じた産業界の今後について8点御質問をいただきました。  初めに、労働生産性の向上への県の対応策についてのお尋ねです。  議員御指摘のとおり、日本の労働生産性は諸外国に比べ伸び悩み、製造業で比較的優位性が見られるものの、卸・小売業、情報通信などのサービス業や農業では大きな格差が出ていると承知しております。  こうした中、本県の労働生産性は、2018年度で約750万円と、設定目標の約786万円に向けて上昇しつつあり、全国平均との差も縮小傾向にあります。また、分野別に見ますと、本県の主力でもあり輸出も多い製造業が全体を牽引する一方で、サービス業が小幅な伸びにとどまり、農林水産業は足踏み状態となっております。このため、県外や海外の需要を取り込める分野が競争力を低下しないよう後押しをしながら、その利益をより多く県内経済の好循環へとつなげられるような政策が重要だと考えております。  個々の企業では、短期的には、付加価値の高い製品やサービスを生み出せるようITやロボットの導入など設備投資による効率化等生産性の向上が、また、中期的には、イノベーションの創出やグローバル市場への展開などが求められるところです。また、それを実現する人材への投資や、情報、知的財産など無形資産への投資が重要と考えており、こうした県内企業の成長戦略をサポートできるよう産業振興機構と連携しながら支援を行ってまいります。  次に、雇用のミスマッチの状況についてでございます。  12月の県内有効求人倍率は1.38倍となっておりますが、職種別に見ますと、専門的・技術的職業やサービス職などで3倍を超えている一方、事務職などは0.99倍となるなど、職種によって求職者の希望と求人のミスマッチが顕在化しており、分野を超えた労働移動の促進が必要と認識しております。  また、人材育成の県の考え方、令和4年度の具体的対応策につきましては、昨年9月に策定しました長野県産業人材育成プラン2.0に基づき、特に労働移動の促進や生産性の向上につながるリカレント教育の充実やデジタル人材育成の強化に重点的に取り組んでまいります。  具体的には、令和4年度のリカレント教育については、民間活用委託訓練において、成長が期待されるIT分野や介護、建設等の人材不足分野を中心に、国のポリテクセンターの求職者支援制度とも連携しながら求職者向け訓練の充実を図ってまいります。また、子育て等と両立しやすい短時間の訓練コースを7コース設定するとともに、岡谷技術専門校に女性も受講しやすい設計業務や品質管理などを学ぶ訓練科を新たに設置し、ものづくり分野への女性の就職を促進してまいります。  デジタル人材の育成につきましては、企業内のIT戦略を担う人材育成のための講習会を県下2会場で実施するほか、在職者訓練においてもデジタル分野の講座を含め、207コースから227コースへと拡充してまいります。  次に、格差の固定化や貧困拡大の繰り返し等、課題に対する県の認識とコロナ禍の影響についてのお尋ねでございます。  厚生労働省の賃金構造基本統計調査によりますと、正社員を100とした場合の非正規雇用労働者の賃金水準は、平成17年に60.1であったものが令和2年は66.3と改善されてきているものの、いまだ正社員との間には大きな賃金格差が生じています。  また、総務省の労働力調査によると、令和2年度の非正規職員・従業員数は全国で2,066万人であり、前年度比97万人の減少となりました。このうち女性は、男性と比べ2倍以上の減少数となっており、長引くコロナ禍で、宿泊、飲食・サービス業などで解雇、雇い止めが生じ、女性を中心に非正規雇用労働者への影響が大きく出ていると認識しております。格差等を是正するためには、こうした非正規雇用労働者や失業者の方々をより安定した良質な雇用につなげていくことが最も大切であると考えております。  次に、安定した雇用と企業の求人創出のための取組成果と今後の対応策についてのお尋ねです。  正規雇用化へのサポートについては、ハローワークの一般就労支援のほか、県では令和2年8月にJobサポを立ち上げ、求人開拓と求職者のニーズや適性等を踏まえた丁寧なキャリアコンサルティングによるマッチング支援を行ってまいりました。  Jobサポの立ち上げから本年1月末までの累計で3,700件余の求人開拓を行い、2,200人余の求職申込みがあり、867名の方が就業に至っております。また、このうち307名が正規雇用となっております。また、Jobサポを通じて正社員として3か月以上雇用を継続した事業所に最大45万円を助成する緊急雇用対策助成金を創設し、これまでの交付実績は73件となり、良質な雇用の創出として一定の成果があったものと受け止めております。  雇用情勢が改善傾向にある中、求職者と求人とのミスマッチが課題となっておりまして、国においては、民間派遣会社を通じて研修・紹介予定派遣等の支援を行う500億円規模の労働移動支援事業が開始されるところです。県のJobサポでも、労働局やハローワーク等と連携を図りながら、求職者が自己実現できるよう就業支援に努めてまいります。  次に、経済再生に向け構造転換を図るべき分野への取組をどう促していくか、具体的な取組についてのお尋ねでございます。  最初の御答弁で申し上げたとおり、イノベーションの創出やグローバル化を進め、さらに地域経済の好循環をつくり出していくことが重要だと考えております。このため、高いコア技術を生かして競争力を維持できるよう、AI、IoT、ポスト5Gなどに適応する高い品質と技術力の確立、医療機器や次世代交通、機能性食品など成長期待分野への展開、グリーン、デジタル、サーキュラーエコノミーなども踏まえた複合的な事業への展開などが必要と考えております。  一方で、卸・小売業、サービス業、農業、食品製造業など地域や国内の市場が主力の業種については、消費を喚起する魅力的な商品やサービスの開発、国内の有望市場や海外市場への展開、Eコマースへの参入など、業態を転換する新たな取組が必要と考えているところです。  県内企業が成長戦略を持って事業を展開できるように、来年度においては、GXやDXに向けた取組の支援、航空機、医療機器、IT、食品等今後の成長分野が期待できる分野における技術開発、販路開拓等の支援、アジアなど成長する市場に向けた販路開拓やビジネスマッチングの支援などを実施することとし、工業技術総合センターや産業振興機構等が連携しながら取り組んでまいります。  次に、県内企業のAI活用レベルの向上と拡大、エコシステムづくりのお尋ねでございます。  AI、IoT、ビッグデータの活用は、企業のDXの推進や生産性の向上、新たなビジネスモデルの創出のために重要と認識しております。  県では、令和元年に長野県IoT推進ラボを開設し、以来、3年間で専門コーディネーターによる約500件の技術相談、補助金による約30件の導入支援を実施してまいりました。また、工業技術総合センターに開設したAI活用/IoTデバイス事業化・開発センターでは、12件の支援を行い、例えば、製粉会社におけるソバの実の品質の判定やベアリング製品の検査工程における良否の判定など、AI活用レベルの向上や導入拡大につなげてまいりました。  こうした取組を加速させるためには、経営者や従業員のITに関するマインド改革やリスキリングを促すとともに、県内企業とIT企業とのマッチングの推進による現場への実装が求められます。  今後は、産業振興機構に事務局を置く信州ITバレー推進協議会、NITが中核となり、長野県IoT推進ラボ、AI活用/IoTデバイス事業化・開発センター等支援機関の取組を融合させ、イノベーションを創出できるエコシステムの構築を目指してまいります。  最後に、デジタル人材育成のための新規事業へのお尋ねでございます。  産業分野のDX促進には、ITベンダー企業の専門人材と併せて、各産業のユーザー企業において、デジタル技術を使い、課題解決や業務効率化を進めることができる人材の確保が重要となっています。このため、信州ITバレー構想では、ユーザー、ベンダー双方の人材育成に取り組んでいるところです。  御指摘のITスキル習得・再就職トータルサポート事業は、ITベンダー企業で開発等に携わる人材の育成を目指すものであり、35歳以下の若者60名を対象に、プログラミングスキル等の基礎を習得する2か月のオンライン訓練と再就職支援を一体的に支援し、IT業界で不足する人材を確保してまいります。  また、DX人材育成講座は、主に各産業のユーザー企業において、デジタル技術を使い、業務改革を担える人材の育成を目指すものです。県工科短期大学校と県内大学等が連携して、社会に出る前の学生500名に対してITスペシャリストの講座をオンラインで配信し、DXに必要なデジタル技術の理解を深める機会を提供してまいります。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)教育の変革を実現するための教育投資の充実についてのお尋ねでございます。  より複雑に変化して未来予測が困難なこれからの社会を生き抜くためには、子供たちには、一人一人が社会の当事者としての意識を持ち、多様な人々と協働しながら新たな価値を創造する力が求められ、学校は、同質、均質な集団で一斉一律に学ぶ場から、子供一人一人の多様性を重視した個別最適な学びと協働的な学びを一体的に実現する場に変わらなければならないと思っております。  そのために、学校においては、例えば教育課程の弾力化や重点化のための体制整備、子供の特性等に合わせた学びやリアルな体験を広げ深める学びを充実させるデジタル環境の整備、探究的な学びに対応した多様な教育空間の整備、多様な人材を参画させるための外部人材の登用など、教育資源の確保、再配分を検討していく必要があるというふうに考えております。これからの子供たちの未来を切り開く教育投資の充実について引き続き意を用いてまいりたいというふうに思っております。  もう1点、同和教育推進協議会と教育現場における連携と取組についてでございます。  長野県同和教育推進協議会は、人権教育副読本「あけぼの」や指導者用資料集の作成など県における人権教育、同和教育推進に寄与しておりまして、県教委では、これまでも「あけぼの」の編さん、改訂や活用、長野県同和教育研究大会の共催など、同協議会との連携を図ってきたところでございます。  県では、同和問題を特筆する人権課題として位置づけ、各学校で重点的に取り扱うよう依頼しているところであります。子供たちが同和問題を正しく理解し、自ら考え、どのように行動していくかを身につけていくためには、現場の教職員の理解と指導力を高めていくことが必要でございます。このため、長年にわたり、同和教育を現場で実践してきた同協議会の職員が、その実践事例や経験を現場の教職員等に伝える機会を設けたり、当事者の声を聞き、実践に学ぶ講演会等の取組を実施することがこれまで以上に重要だというふうに認識しております。  引き続き同協議会と連携し、これまでの同和教育の実践を生かすことができるよう研修会や講演会を行うことによりまして、教師の指導力の向上と子供たちが同和問題を正しく理解し行動することができるよう取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。       〔県民文化部長中坪成海君登壇〕 ◎県民文化部長(中坪成海 君)人権政策に関しまして3点御質問をいただきました。  まず、人権政策推進基本方針策定後の情勢変化の認識と基本方針見直しの検討状況についてのお尋ねでございます。  平成22年2月に現在の基本方針を策定いたしましたけれども、その後、平成28年にいわゆる人権3法と呼ばれております障害者差別解消推進法、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消法の3法が制定されるなど、法律面での整備が進んでまいりました。一方、LGBTという言葉やジェンダーギャップという言葉が定着しつつありますが、社会の理解という面ではまだ十分には進んでおりません。また、ここ2年にわたる新型コロナウイルス感染症に伴う誹謗中傷や差別的な取扱い、さらにはインターネットへの悪質な書き込みなど人権を脅かす事象も発生しております。  基本方針策定後のこの10年余で人権課題は一層多様化、複雑化しておりまして、人々の暮らしや企業活動の中で、これまで以上に人権を意識し、一人一人の多様な個性を互いに尊重していくことが求められるようになってきていると認識しております。このような社会情勢の変化を踏まえて人権政策推進基本方針の見直しを進めておりまして、現在は、基本的な考え方や施策の方向性について関係団体の皆様から意見聴取を行うなど、人権政策審議会において調査審議を行っていただいているところでございます。  新型コロナの影響もあり、改定スケジュールが当初予定より遅れておりますが、引き続き必要な意見聴取を行うとともに、人権政策審議会での調査審議を進めまして、来年度中には見直しができるよう取り組んでまいります。  次に、部落差別解消に向けた相談体制や啓発の取組についてのお尋ねでございます。  同和問題に関する相談対応については、人権啓発センターを県の窓口として個別の相談に対応するとともに、市町村や隣保館向けに人権相談担当者を集めた研修会の開催やセンターの職員が隣保館を訪問して助言を行うなど、市町村への支援にも取り組んでおります。  また、広報啓発については、部落差別解消推進法の施行に際しまして、人権啓発センターの広報誌「人権ながの」で解説を行うなど周知を行ったほか、令和元年度には同和問題について企画展を実施して、講演会の開催や差別の歴史等についての展示を行ったところでございます。また、部落差別の解消をテーマとした出前講座を地域の公民館等の求めに応じて毎年開催してきております。  今後とも、人権啓発センターを中心に、市町村や関係団体とも連携して、担当者の研修会を実施するなど適切な相談対応を行うことができる体制づくりを進めるとともに、効果的な広報や啓発に取り組んでまいります。  最後に、部落差別解消のための条例の必要性について見解はどうかとのお尋ねでございます。  部落差別の解消につきましては、これまで、条例によらず、人権政策の基本的な考え方や方向性を示した人権政策推進基本方針に基づいて取り組んできたところでございます。先ほども申し上げましたとおり、現在、人権政策審議会におきまして、基本方針の見直しに向けた調査審議をまさにお願いしている過程でございます。  お尋ねの条例の必要性という点につきましては、審議会での十分な審議を経て方針が改定できた後に新たな方針も踏まえて考えていくべきものと認識しております。そのためにも、まずは策定から10年余を経た基本方針の見直しを進めてまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、人権政策に関連しまして、人権侵害につながるような情報の流布に対する見解と対処についてという御質問をいただきました。  法務局において厳重に管理されているはずの壬申戸籍がインターネットのオークションサイトに出品されていたり、また、特定の地域を同和地区としてインターネット上に動画投稿するといったようなことは差別の助長につながるものであり、断じて許されないというふうに考えております。  県では、平成23年から人権救済を担当する地方法務局や市町村との間で報告、通報の体制を整えてこうした事案に対処してきているところであります。昨年3月に、市町村と市町村教育委員会宛てに「人権侵害、差別事象発生報告について(依頼)」という文書を出させていただき、人権侵害や差別事象の発生の把握に努めているところであります。今年度も、県に情報提供があった事案について直ちに法務局へ通報し、削除につなげたところであります。  しかしながら、この削除などの対応がなされないケースもございます。その理由、要因の一つとしては、やはり必要な法整備がなされていないというところに課題があるというふうに考えております。県としては、こうした状況の中で、国に対して要請を行っています。「インターネットによる差別表現の流布に対応するための法制度の整備について」ということで、人権侵害行為等に関する現状の把握やプロバイダーへの情報提供、啓発の充実、また、海外プロバイダーを介したグローバル化への対応に努めること、こうしたことに加えて、法的措置等を含め、より一層実効性のある対策を早急に講じるよう、私の名前で法務大臣と総務大臣に提案、要望しているところであります。  今後とも、法務局とも十分連携をしながらこうした事案に対応していくとともに、国に対して要望を行うなど、差別を助長するような行為の抑止に努めていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔15番小山仁志君登壇〕 ◆15番(小山仁志 君)総務省の調査では、DXが進まない理由として、53%の企業が人材不足と回答されているということであります。社会経済にDXを展開するに当たっては、担い手となるための能力を身につける人材育成のリスキリングは喫緊の課題であると考えます。デジタル技術の革新が大きな社会変革を生み出していく中で、どのような人材が必要とされどのような人材育成への変容が求められているのか整理した上での対応策は急務であると考えます。こうした時代認識をしっかり踏み固めながら、持続可能な成長への挑戦、転換を促していくための攻めの施策展開をお願いしたいというふうに思います。  そして、明日で差別のない社会を願う全国水平社創立宣言から100年になります。あらゆる差別事件、差別事象にはそれぞれ固有の被害者がいらっしゃって、その人たちがどんな思いで日々を過ごしているのかに思いをはせるということが原点であると考えます。学術研究などを上辺の口実にしながら特定地域を同和地区として撮影した動画の公開など、インターネットの急速な普及とともに起こされる新たな差別の動きの潮流、深刻な人権侵害の実態に対して決して目を背けることのない粘り強い取組施策の充実をお願いさせていただいて、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(清水純子 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時54分休憩
             ──────────────────         午後3時10分開議 ○議長(宮本衡司 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて発言を許します。  埋橋茂人議員。       〔24番埋橋茂人君登壇〕 ◆24番(埋橋茂人 君)改革・創造みらいの埋橋茂人です。新型コロナウイルス感染症について、大きな項目で四つ伺います。  まず、医療、介護、エッセンシャルワーカー、幼稚園、保育園、学校の現場でコロナウイルスに毎日立ち向かっている皆さんに本当に敬意を表し、御慰労申し上げたいと思います。また、保健所や行政機関でそのコントロールに当たっている皆さんについても敬意を表したいと思います。  それでは、質問に入ります。  一つ目です。検査の現状と今後の体系、体制について伺います。  検査による感染者の早期発見とワクチン接種は、特効薬が未開発の現在ではコロナ対策の基本だと思います。しかし、国内発生から2年余を経ているにもかかわらず第6波に及ぶ感染の中で、検査体制が十全でなく、かつてのマスクの不備と同様の状況になっていることは大変問題です。抗原検査キットを扱っている薬局に配布されているキットの数は極めて少なく、検査を希望する方々に対応できていないとの声が私のところにも寄せられています。  2点伺います。  1、現在、検査については定性と定量の2種類ある抗原検査とPCR検査が併用されていますが、検査ごとの特性、検査件数と体制、体系はどのようになっているのか、伺います。  2、今回のオミクロン株を主とする第6波において、希望者に対する検査が円滑にいかず、抗原検査段階において目詰まりが起きています。原因とその対応方針を伺います。  大きな二つ目です。医療、看護、介護職員の待遇改善について質問いたします。  1、1月から空床補償の助成金の一部を処遇改善等に転用することが義務づけられましたが、以下3点について伺います。  1、そもそも事業者補助目的の空床補償と医療従事者の処遇改善は支出目的が違い、転用などで行うべきではないと考えますが、いかがですか。2、転用の申請実態はどのようになっていますか。3、公立病院であれば賃金改定には条例改正が必要だと考えますが、県内の公立病院の対応はどのようになっていますか。  2、厚生労働省から提示されている看護職員等処遇改善事業の事業概要は、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策(令和3年11月19日閣議決定)に基づき、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関、すなわち救急医療管理加算を算定する救急搬送件数1年に200台以上の医療機関及び三次救急を担う医療機関に勤務する看護職員を対象に、賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提として、収入を1%程度、月額4,000円になりますが、引き上げるための措置を令和4年2月から前倒しで実施するために必要な経費を都道府県に交付する事業です。  また、看護補助者、理学療法士、作業療法士等のコメディカルの処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認めています。  この件について、以下4点伺います。  1、現時点で、コロナ即応病床の使用率が県の平均の70%を上回る医療機関に該当する病院で、救急受入れ200台未満が該当し、補助金の対象外となる病院数は県下4地区ごとでどれくらいありますか。また、この組立てでは都市部大病院のみが対象となり、地域医療を担う中小の病院が除かれてしまう懸念があります。地域の実情を勘案した対応が必要であると考えますが、県の見解を伺います。  2、この事業は医療機関ごとの対応となっているため、一つの医療法人で急性期病院、慢性期病院、診療所などを展開している場合、医療法人の中で同一職種であっても賃金格差が生じてしまいます。また、これにより今後の配置転換が難しくなるおそれがあり、医療法人の運営に支障を来す懸念があると聞いていますが、県の見解を伺います。  3、県内において「松本モデル」と言われる地域医療機関の機能分担と連携が全国的に評価されていますが、今回の事業は一部の救急医療を担う病院だけが処遇改善される制度となっています。地域医療圏全体を網羅する対応が必要と考えますが、いかがですか。  4、処遇改善の対象となる職種が限定されると、医療機関における給与体系のバランスが崩れるおそれがあり、対応に苦慮していると聞いています。対象外の職員に対しても処遇改善を行おうとすると、いわゆる持ち出しが生じることになり、経営を大きく圧迫する可能性があります。県の見解について伺います。  3番目です。令和4年10月以降も処遇改善事業を継続することが前提となっています。9月までは補助金、10月以降は診療報酬、介護報酬の改定となっていますが、改定の内容が不透明な中で4月からの対応方針を定めることは非常に難しく、経営計画が立てづらい状況にあると聞いています。県の見解と国への要望等を含めた対応について伺います。  4、看護職員等処遇改善事業補助金は「定期昇給を除く」であり、同時期に実施される介護職員処遇改善支援補助金は「定期昇給を含む」となっています。それぞれの目的や対応の違いについて伺います。  大きな三つ目です。介護・福祉事業における課題について伺います。  1、オミクロン株の感染拡大を受け、通所介護や短期入所施設では、感染拡大を防止するため、事業を一時的に休止するケースが発生しています。経営負担が増大していると聞いていますが、こうしたケースに対して現状の対策では不十分です。新しい補償制度を設ける必要があると考えますが、いかがですか。  2、介護・福祉事業職員の新しい処遇改善支援補助金制度の運用が始まりました。制度の概要は、標準的な事業所で、新たな加算として介護職員1人当たり月額9,000円相当の補助金が交付されます。対象となる要件は、加算要件Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのいずれかを取得していることが必要で、要件のⅣ、Ⅴは対象外となります。  なお、加算要件とは、キャリアパス要件1、職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系を整備すること。2、資質向上のための計画を策定して研修の実施又は研修の機会を確保すること。3、経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること。要するに、定昇や賃上げを体系的に制度化することでありますが、この要件に職場環境改善要件を加えて、加算Ⅰは、要件1、2、3を満たし、かつ職場環境要件を満たすこと、加算Ⅱは、要件1、2を満たし、かつ職場環境要件を満たすこと、加算Ⅲは、1または2を満たし、かつ職場環境要件を満たすこと、加算Ⅳは、要件1または2、または職場環境要件等のいずれかを満たす場合、加算Ⅴは、要件1または2、または職場環境要件のいずれも満たさない場合となっています。  待遇改善自体は職場実態から歓迎すべきことですが、処遇改善支援補助金、介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算などがあり、これに対応する事務作業は非常に膨大で、現場の負担が少なくありません。令和4年10月に行われる臨時の介護報酬の改定では、介護報酬の本体に吸収し、統一して分かりやすく改定するなどの対応が必要と考えます。知事会等を通じて国へ要望していただきたいが、方針を伺います。  3、処遇改善加算要件のⅣ、Ⅴ、すなわち、賃金や職場要件の改善が容易でない事業所に対する介護職員処遇改善加算の経過措置がこの3月末をもって終了します。この要件Ⅳ、Ⅴに該当する事業所数はどれくらいあるのか。また、該当事業所に対する指導方針などについて伺います。  4、安倍政権時代には、介護人材の不足は全国で42万人超、県内でも7,000人超と想定されていました。現時点で不足する介護人材の見込みはどのような状況ですか。また、民間事業者は自前で介護初任者研修を実施し、人材育成確保に取り組んでいます。どのような支援があるのか、支援の現状について伺います。  5、医療従事者宿泊施設確保事業が適用される医療従事者以外でも、介護従事者が施設内感染の拡大により高齢者や基礎疾患のある家族のいる自宅への帰宅をちゅうちょする状況が生じていますが、以下2点について伺います。  1、医療従事者宿泊施設確保事業及び介護従事者に係る宿泊費をメニューとした補助事業の対象者への周知方法はどのようになっていますか。2、医療従事者に対して令和4年度は同様に実施されますか。  以上、全て健康福祉部長に伺います。       〔健康福祉部長福田雄一君登壇〕 ◎健康福祉部長(福田雄一 君)それでは、順次お答え申し上げます。  まず、検査の種類ごとの検査件数などについての御質問でございます。  県内の本年1月の検査件数は、1月7日から実施しております無料検査を含めまして、PCR検査が4万7,724件、抗原定量検査が2万3,226件、抗原定性検査が2万5,001件となっております。  それぞれの検査につきましては、抗原定性検査は簡易迅速に実施できますが、ウイルス量が少ないと検出できないという特徴があり、主に診療所での検査や薬局等での無料検査などで使用されております。抗原定量及びPCR検査は、信頼性は高くなりますが、検査機器の配備が必要で、PCR検査は結果判明まで一定の時間を要するという特徴があり、医療機関や民間検査機関などで実施されております。保健所が行う濃厚接触者への検査や外来・検査センターでの検査は、主にPCR検査で実施しております。  次に、抗原定性検査に目詰まりが起きているのではないか、その原因はという御質問でございます。  既に今議会で答弁させていただいておりますが、抗原簡易キットは薬局で購入でき、無料検査等でも広く使われるようになりました。しかし、第6波の感染急拡大により品薄状態となったため、国がメーカーに増産を要請したほか、県としても、知事会を通じて検査キットの増産に係る事業者支援を国に要望するとともに、行政検査を行う医療機関や自治体等への優先供給を県内卸売業者に依頼したところでございます。  医療機関については、こうした優先供給の取組や検査キットの確保が困難な場合に国へ直接緊急的な購入を希望することにより、卸売業者から供給される仕組みの運用も始まり、必要量は供給されていると考えております。  個人等が購入するものについてはまだ十分に供給が回復しておりませんが、徐々に増産等の効果が現れるものと考えており、今後も機会を捉えて国に対して安定供給体制の構築を要望してまいります。  次に、病床確保料の一部を医療従事者の処遇改善に用いることについての御質問でございます。  国の補助制度の改正に伴い、1月から全国一律に適用されているところでございます。病床の確保と処遇改善とでは目的が異なることは御指摘のとおりでございますが、反面、病床を確保してコロナ患者を受け入れていただくことにより職員の負担も増える側面もあることから、何らかの処遇改善が行われることは望ましいと考えております。それぞれの医療機関の実情に応じて適切に対応していただきたいと考えております。  また、転用申請の実態や県内の公立病院の実態というお尋ねでございますが、1月から3月までの補助実績に基づき今後病院から報告を受ける予定となっておりますため、現時点ではまだ明らかになっておりません。給与改定以外に特別手当の支給など様々な方法がございますので、それぞれの病院の判断で適切に行っていただければと考えております。  次に、看護職員等処遇改善事業についての御質問でございます。  まず、補助対象外の医療機関についてでございますが、2月28日の時点でコロナ即応病床の使用率が県平均の70%を上回っている病院で補助対象外となる病院は、東信、南信、北信地域で各1病院の計3病院でございます。  コロナ患者を受け入れている地域の中小病院が対象外となってしまうことは、本県のみならず全国的な課題でございまして、2月15日に、全国知事会を通じて、コロナ医療に従事した全ての看護職員の処遇が改善されるよう制度の見直しを検討するよう国に対する緊急提言を実施したところでございます。  次に、この制度により同一法人内での賃金格差が発生してしまうのではないかというお尋ねでございます。  同一職種であっても配属先による賃金格差が生じてしまうといったような御懸念の声が寄せられているところでございます。そのような声を踏まえた改善が将来的に行われることが望ましいと考えております。  一方で、この事業は、コロナ禍における看護職員の重要性が再認識されたものでございまして、看護職員の処遇改善は人材確保のためにも大変重要でございます。医療機関に対する制度の周知や相談への丁寧な対応を行いまして、それぞれの御事情に応じてできるだけ効果的に活用されるよう助言などの支援を行いたいと考えております。  次に、地域医療圏全体を網羅する対応の必要性があるのではないかという御質問でございます。  お話にございました松本モデルは、松本医療圏の救急医療や災害医療時の取組として始まったものでございますが、今般のコロナ患者の受入れにおいても、医療機関が役割を分担し、連携した取組が行われていると承知しております。  松本モデルを構成している9病院は、今回全て補助対象となっておりますが、中長期的には地域医療を担う看護職員全体の処遇改善が行われることが望ましく、そのような方向での制度構築がなされるべきであると考えております。  次に、対象外職員の処遇改善を実施した場合、持ち出しが生じるがどうかという御質問でございます。  対象職員には、看護補助者や理学療法士などのコメディカルが入っておりますが、薬剤師や事務職などが対象外であり、対象外の職種の給与引上げをした場合、病院経営に影響を与えるとの懸念の声が上がっているところでございます。どのような職種を引上げの対象とするかは医療機関の御判断であり、現在、どのように対応していくかを御検討いただいているところかと思います。  御指摘いただいたように、この事業では対象が限定されており、医療機関において活用していただくのに、それぞれの御事情によって難しい面もあろうかと思います。そうした医療機関の声は国にも伝えてまいりますが、事業の趣旨である看護職員の処遇改善にできるだけ取り組んでいただけるよう医療機関に対して丁寧な助言等を行ってまいります。  次に、10月からの診療報酬の改定内容が不透明で経営計画が立てづらい状況になっているがどうかという御質問でございます。  10月以降の診療報酬の具体的な中身については今後中央社会保険医療協議会で検討される予定でございまして、現時点では詳細な情報はございません。医療機関から早く情報が欲しいという声が上がるのは当然のことかと思っております。医療関係団体等の御意見を踏まえた上で、診療報酬の仕組みが早期に明確化されるよう、要望など必要な対応を行ってまいりたいと考えております。  看護職員と介護職員の処遇改善補助金の目的及び対応の違いについての御質問でございます。  いずれも現場の最前線において働く方々の収入を引き上げるという目的を掲げておりますが、対応の主な相違点といたしましては、処遇改善の内容について、看護職員等の補助金では定期昇給分の処遇改善が対象外になりますが、介護職員の補助金では対象としております。また、先ほど申し上げましたとおり、看護職員等の補助金では一部対象外の職種がありますが、介護職員の補助金では職種を限定していないことなどが相違点でございます。  それから、介護施設が事業休止した場合の補償についての御質問がございました。  介護事業所が新型コロナウイルス感染症の発生により休止を余儀なくされた場合のかかり増し経費については、9月定例会でお答え申し上げたとおり、1事業所当たり平均45万円ほどの財政支援を行ってまいりました。  お尋ねの事業休止に伴う収入減につきましては、感染症などの発生による利用者数の減少が前年度より5%以上減となった月においては、翌々月から3か月ないし6か月までの間、通常の介護報酬に3%の加算をすることで補うよう令和3年度から措置されました。  加えて、まん延防止等重点措置の指定期間中に限り、通所サービスを休止した際、訪問サービスへ切り替えて通所サービスを提供している時間の半分以上行っていれば、計画上の通所介護サービスを行っているものとして報酬を維持できるという取扱いがされております。  これまでも、国に対して、利用控えによる収入の減少に関し特別な対応をしていただくよう県独自に要望しておりまして、今後も介護事業所の御意見をお聞きしながら対応してまいります。  介護、福祉の職員の処遇改善のための介護報酬改定について分かりやすい改定となるよう国へ要望してほしいという御質問でございます。  介護報酬につきましては、処遇改善が実際に行われているかチェックをするため複雑な制度となっておりまして、一般論としては、制度をシンプルに構築していくことが望ましいと考えております。  令和4年10月に行われる介護報酬の改定は、基本的に介護職員1人当たり9,000円の引上げを求めるものでございまして、例えば、従前からある介護職員処遇改善加算とこれを統一した加算制度とすることなど、制度の改善を図ることは可能ではないかと考えております。国にも、制度を分かりやすくしてほしいという施設側の声を、機会を捉えて伝えてまいります。  それから、処遇改善加算の要件についてでございます。  介護職員処遇改善加算は、平成24年度から、これまで交付金で行われていた処遇改善を介護報酬化したものでございまして、改善の内容に応じて5段階に分けた形で加算の額が決まっております。御指摘の加算Ⅳと加算Ⅴは下位区分に当たりまして、賃金体系が確立していなかったり、6項目の職場環境の改善の多くがされていない事業所が該当しております。  御指摘の加算は、上位区分である加算ⅠからⅢまでに移行することを想定してこれまで10年間続いてきておりますが、廃止されることとなっており、現在、県内では7事業所が残っております。この7事業所につきましては、県の委託事業として主に介護労働安定センターが助言や相談員の派遣を行い、上位区分の取得に向けた支援を現在続けているところでございます。  次に、不足する介護人材の見込み及び支援の現状についての御質問でございます。  本年7月に厚生労働省が公表いたしました介護人材の必要数によりますと、2025年度に本県では約4万2,000人の介護人材が必要とされております。それに対し、介護職員数は2019年で約3万8,000人となっておりますので、約4,000人確保するため、第8期長野県高齢者プランに沿って介護人材の入職促進、資質の向上、定着支援の視点から人材の確保に取り組んでおります。  お尋ねの介護初任者研修につきましては、介護事業所向けに受講料の一部を助成する事業を実施しているところでございます。その他、県では、介護支援専門員研修、認知症介護実践研修などを行っており、引き続き、介護職員の資質向上を図るため、25の団体で組織する福祉・介護人材確保ネットワーク会議において御意見をお伺いしながら必要な研修の充実に取り組んでまいります。  それから、医療、介護における帰宅困難職員への宿泊費の支援についての御質問でございます。  まず、対象者への周知方法でございますけれども、両事業ともに昨年度からの継続事業でございまして、御承知いただいている事業者も多いと考えておりますが、医療従事者宿泊施設確保事業については、今年度、2度にわたり個別に通知しております。  また、介護従事者に係る宿泊費補助事業につきましても、県のホームページに掲載するとともに、介護サービス事業所に対し個別に通知をし、事業所からの問合せに対し丁寧に説明するなどの対応を行っております。  また、医療従事者宿泊施設確保事業の令和4年度の実施についてでございますけれども、本事業の実施につきましては、国は現在の枠組みを維持するとしていることから、県としては、本事業についても当初予算案に計上させていただいたところでございます。今後、事業の詳細について国の補助要綱等で明らかになってくるものと考えております。  以上でございます。       〔24番埋橋茂人君登壇〕 ◆24番(埋橋茂人 君)答弁をいただきましたけれども、医療・介護職場については、この制度によって賃金アップと職場環境が改善され、働き方改革につながることを強く願いますが、この仕組みのみでは、地域密着で事業を営んでいる中小の医療・介護事業者にとって、対応は容易ではありません。地域のセーフティーネットである医療・介護事業が継続的に営まれるよう、県の指導、支援を要望して、次の質問に移ります。  今の質問とも関連いたしますが、今回のコロナ禍で明らかになりましたセーフティーネットの脆弱性とその改善策について伺います。  1、産業分野についてです。福田健康福祉部長に伺います。  マスク、ガウン、フェイスシールド等は、新型コロナウイルス感染症の発生初期に不足しました。また、今回の第6波の中で、医療用マスクが一部の医療機関で逼迫しているとの話を聞いています。こうした医療用資材の備蓄状況と今後の方針はどのようになっていますか。  続いて、林産業労働部長にお聞きします。  持続化給付金、家賃補助金、ゼロゼロ融資等の事業継続のための制度により経営破綻を防ぐ効果が現れており、事業者からは一定の評価を得ています。一方で、場当たり的で、中長期的な展望が描けないとの声も聞いています。新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、ウィズコロナ、アフターコロナにおいても事業が継続できるよう、融資返済への対応や売上向上につながる取組を支援する必要があると考えますが、いかがですか。  労働関係についてであります。阿部知事に伺います。  雇用調整助成金は、雇用保険の資金、積立金を使って制度化されました。令和3年12月31日現在で、雇用調整助成金は、累計で4兆7,664億円、休業支援金は792億円が使われました。セーフティーネットとしての機能を果たしたとの見方もできますが、雇用保険は労使折半の負担で積み立てたもので、国がこういう使い方をしてきたことに違和感を覚えます。  雇用安定資金残高が令和2年度末ではゼロになり、積立金も枯渇する状況になってしまいました。令和3年度中に2兆1,600億円を一般会計から繰入れることによって、令和3年度末の積立金は1兆3,000億円まで回復する見込みとのことですが、令和4年度も莫大な雇用調整助成金が必要になると見込まれます。  コロナ禍という異常事態の中で、巨額のコロナ対策予算が組まれ、かつ膨大な予備費がある中で、積立金の回復のための予算措置が講じられる方向が示されていますが、雇用面における最終のセーフティーネットである雇用保険の資金、積立金へ国が拠出金を出して制度の安定化を早急に講ずるべきだと思います。国へ知事会等で強く要望していただきたいと思いますが、県の考えを伺います。  続いて、林産業労働部長に質問いたします。  IT機器を使った新しい就業形態や仕事が生まれています。先ほどの小山議員の質問にもありましたが、これに対応できない労働者も少なからずいます。リスキリングやリカレント教育に対して県ではどのような施策を考えているのか、伺います。  三つ目、福田健康福祉部長に伺います。  日々の暮らしを維持していくのに不可欠なエッセンシャルワーカーの皆さんの検査体制を確立するとともに、ワクチンの優先接種は職域接種等を活用しながら進めるべきと考えますが、いかがですか。  林産業労働部長に2点伺います。  一つ、非正規雇用やフリーランスとして働く人々への支援について、制度的に不備があり、生活を支えるに足るものになっていないと聞いていますが、今後雇用全体を網羅したセーフティーネットの構築が必要と思われます。どのような制度設計が必要なのか、県の考え方を伺います。
     コロナ禍における国の助成金制度は、そのほとんどが経営側を通じた仕組みとなっており、労働者本人に届かない事例があります。小学校休業等対応助成金などは本人が申請できるよう手続が見直されましたが、必要とされる本人に確実に支援が届く仕組みとなるよう国に要望していただきたいが、いかがですか。  生活関係について福田健康福祉部長に2点伺います。  一つ、一律の給付金が支給されましたが、目的が不明確で本当に支援が必要な人々には十分なものになっていません。住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金について、対象世帯数や給付総額の状況、給付時期の見込みはどのようになっているのか、伺います。  二つ、コロナ禍の生活支援として、これまで生活福祉資金特例貸付等の施策が実施されてきました。非常時の生活困窮者支援の在り方について国全体としての見直しが必要と考えますが、県においては、来年度、生活困窮者支援としてどのような施策を講じていくのか、伺います。       〔健康福祉部長福田雄一君登壇〕 ◎健康福祉部長(福田雄一 君)順次お答えを申し上げます。  まず、医療用資材の備蓄状況と今後の方針についての御質問でございます。  医療機関で必要とされるマスク等の医療用資材につきましては、現在、市場でも一定程度流通しておりまして、また、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関等において不足のおそれがある場合には、国のウェブシステムを利用した緊急配布の仕組みにより速やかに必要量を供給できる体制となっております。  県におきましても、クラスターの発生等により医療機関において緊急に必要となった場合等に備え、必要とされる品目を備蓄しておりまして、その数量は、現在、サージカルマスクが180万枚、N95マスクが4万5,000枚、アイソレーションガウンが39万2,000着、フェイスシールドが17万7,000枚等となっております。引き続き市場での流通状況等を注視するとともに、緊急時に適切に対応できるよう、必要な品目、数量の備蓄を図ってまいります。  次に、社会機能維持者、いわゆるエッセンシャルワーカーへの検査体制及びワクチン接種についての御質問でございます。  本県におきましても、地域における社会機能の維持のために濃厚接触者が業務に従事せざるを得ない場合には、社会機能維持者に限り、2日にわたる検査を組み合わせることで、5日目に待機を解除できる取扱いとしております。  なお、この際に実施する検査につきましては、原則として事業者の費用負担により抗原定性検査キットを用いて実施することとされており、事業者がこの用途で検査キットを購入する場合には、医薬品卸売販売業者から行政検査に次いで優先的に供給を受けられることになっております。  一般事業者からの問合せに対応できる医薬品卸業者のリストがございまして、厚生労働省のホームページにも掲載されておりますので、必要な場合はこの仕組みを活用して検査をしていただくようお勧めしてまいりたいと考えております。  また、エッセンシャルワーカーへのワクチン接種の進め方でございます。  優先接種を進めるに当たりまして、職域接種の活用は一つの有効な手段でございまして、初回接種を職域で実施していただいた交通事業者やライフライン運営事業者などを含む67団体に追加接種の実施をお願いし、現時点で、検討中も含め、58団体の実施を見込んでいるところでございます。検討中の団体に対しては、個別に相談に応じながら、引き続き実施に向けて働きかけるとともに、希望する団体には医療従事者の派遣を行うなど、積極的に支援することとしております。  また、県の接種会場におきましても、接種券なし接種の対象を、従来の医療従事者等に加え、保育士など社会福祉施設従事者や交通インフラ関係に拡大したところでございまして、関係する業界団体等を通じ、県接種会場の利用を呼びかけてまいります。  次に、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金についてでございます。  この給付金は、全額国庫負担により市町村から対象世帯に給付するものでございますが、県内の対象世帯数については、現時点で、住民税非課税世帯が約20万1,000世帯、新型コロナの影響による家計急変世帯が約2万4,000世帯で、県内の総世帯数の約25%、給付総額は約225億円を見込んでおります。  給付時期につきましては、本年1月以降、各市町村から住民税非課税世帯に向けまして振込口座等をお聞きする確認書が順次発送され、準備が整った市町村から既に給付が開始されております。県内全ての市町村で、遅くとも3月末までに給付を開始する予定となっております。県といたしましては、市町村における給付事務が円滑に進むよう、国との調整など必要な支援を行ってまいります。  最後に、来年度の生活困窮者支援施策についてでございます。  長期化するコロナ禍における生活困窮者支援として、生活福祉資金特例貸付の継続やまいさぽでの相談、就労支援を進めてきたところでございますが、生活に困窮する方の自立のためには、生活の安定を維持しながら早期に就労につなげる支援が重要と考えております。  そこで、来年度は、生活福祉資金特例貸付償還金や住居の住み替え経費を新たに助成することにより、家計支出の削減を図りつつ、被服費や交通費など就職活動に必要な経費を助成し、就労先確保に取り組む方を集中して支援してまいります。  また、まいさぽへの新規相談件数が毎月400件前後あることから、相談員の増員体制を維持して、一人一人の希望を丁寧に酌み取りながらしっかりと支えてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔産業政策監兼産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(林宏行 君)4点御質問をいただきました。  初めに、融資返済への対応や売上向上につながる取組への支援についてでございます。  県のいわゆるゼロゼロ融資の実績は、約2万9,000件、総額3,926億円となるなど、事業者の借入金はこれまでにない規模となっており、事業者をはじめ、金融機関等からも、今後本格的に到来する返済期を見据え、利用しやすい資金メニューが求められていたところです。このため、今月からゼロゼロ融資の条件変更時における利子補給の継続要件を緩和するとともに、新年度から同一金融機関における県や市町村等の保証付融資を一括して借換えできる新たな資金を創設するなど、返済負担の軽減策を講じ、事業継続を後押ししてまいります。  また、売上向上に向けては、厳しい経営状況に置かれている事業者が新分野展開や持続可能な経営形態へ転換を図る取組を支援するため、長野県プラス補助金による上乗せ補助を行うとともに、売上回復の呼び水となるよう、信州プレミアム食事券などによる需要喚起策を実施してまいります。  次に、デジタル技術活用のためのリスキリング、リカレント教育に関するお尋ねをいただきました。  仕事をしながら学び直すリスキリングについては、オフィスソフトの基礎講座からプログラミング講座まで、デジタル技術に関する幅広い層のニーズに対応できるよう、来年度は定員610名、60コースを設定し、在職者訓練を実施してまいります。また、夜間、休日やオンライン等を活用して専門学校等が開設する社会人向け講座への経費支援を20講座に倍増し、新たなスキル習得やアップデートなど働く人が主体的に学び続けられる環境を整備してまいります。  一方、職を離れて学び直すリカレント教育については、民間活用委託訓練においてウェブデザインやオフィスソフトの操作などそれぞれのスキルに応じたデジタル技術向上に取り組む訓練の定員を778名から827名に拡充してまいります。  加えて、子育て中の女性の再就職や起業への動機づけとして、ママのいきいき仕事塾を15講座開催するなど、こういった講座での誘導も含めてリカレント教育の充実を図ってまいります。  次に、雇用全体を網羅したセーフティーネットに関する御質問です。  コロナ禍におきましては、雇用調整助成金や休業支援金のほかに、失業手当を受けられない方に対して、月10万円の生活支援を受けながら無料の職業訓練を受講できる求職者支援制度が拡充されたことなどにより、一定の雇用の下支え、セーフティーネット的な効果があったものと認識しております。  こうした中、国においては、正規雇用化に向けて労働移動支援事業が開始されますので、こうした国の取組と連携を図りつつ、ジョブカフェ信州やJobサポにおけるマッチング支援を強化するとともに、障害者、母子世帯、ひきこもり状態にある方など就職が困難な方に対して、各地域振興局の女性・障がい者等就業支援デスクによる職業紹介や求人開拓員による支援に努めてまいります。さらに、非正規雇用やコロナ禍で離職した35歳以下の若者を対象に、新たにオンラインによる伴走型支援のITスキル習得・再就職トータルサポート事業を行う予定としております。  最後に、小学校休業等対応助成金などが必要とする方に着実に届く仕組みについてでございます。  議員御指摘の小学校休業等対応助成金は、当初、事業主が申請する仕組みとなっておりました。その後、事業主が手続しない場合などには保護者個人が申請できるようになり、先月8日には、労働局が勤務先に休業を確認する前でも申請ができるようより簡素化が図られたところです。また、こうした制度については、既に経済団体や学校を通じて周知しているところです。当制度のさらなる改善については、事業主が快く手続できるような仕組みとすることも必要と考えており、支援を必要としている方にとってより使いやすい制度となるよう国に改善を求めてまいります。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、雇用保険制度の安定化に関する国への要望についてという御質問をいただきました。  コロナ禍における財政運営の暫定措置としては、雇用調整助成金に要する経費に一般会計からの繰入れを令和4年度も継続することなどが雇用保険法改正案として閣議決定され、今国会に提出されていると承知しています。  一般会計からの支出は国民の負担であるということを念頭に置いた上で、将来にわたって安定的な運営が可能となるよう国において議論していくことを要望していきたいと考えております。  以上です。       〔24番埋橋茂人君登壇〕 ◆24番(埋橋茂人 君)いずれも御答弁をいただきましたけれども、コロナ禍が2年有余続いておりまして、非常にいろんなところに問題が起きています。様々な課題が明らかになったわけでありますが、言わば社会全体がストレステストを受けている状態が続いているわけであります。しかし、その過程で、コロナと向き合う中で知見も蓄積されています。コロナ禍は極めて不幸な事態ですけれども、人類が長い時間をかけて様々なウイルスと共存してきたことを踏まえれば、次年度こそは、収束を見据えて、新たな社会を、長野県をつくっていく再生の年としていかなければならないと思います。  コロナ禍で明らかになった格差の拡大は、収束後、対策の終了に伴い一層顕在化することが強く懸念されています。さらには、ロシアのウクライナ侵略によって、政治、軍事面に加えて、燃料、小麦、レアメタル等多大な影響が想定されています。そのためにも、明らかになったこの脆弱なセーフティーネットの改善を急ぐことを強く要望いたします。  今年度一般質問の最後となった私の質問をこれで終わります。ありがとうございました。 ○議長(宮本衡司 君)以上で行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑は終局いたしました。          ────────────────── ○議長(宮本衡司 君)お諮りいたします。第71号「教育委員会委員の選任について」は、会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮本衡司 君)御異議なしと認めます。よって、本件は委員会審査を省略することに決定いたしました。  本件に対して討論の通告がありませんので、本件を採決いたします。  本件、原案どおり同意するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮本衡司 君)御異議なしと認めます。よって、本件は原案どおり同意することに決定いたしました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △知事提出議案委員会付託 ○議長(宮本衡司 君)次に、残余の知事提出議案をそれぞれ所管の委員会に付託いたします。  各委員会におかれては、慎重審議の上、速やかに議長の手元まで審査報告書を提出願います。付託一覧表は後刻お手元に配付いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △陳情提出報告、委員会付託 ○議長(宮本衡司 君)次に、去る11月定例会後、県議会に対して陳情の提出がありましたので、報告いたします。       〔職員朗読、議案等の部「4 陳情文書表」参照〕 ○議長(宮本衡司 君)以上であります。  ただいま報告いたしました陳情を、それぞれ関係の委員会に付託いたします。  各委員会におかれては、慎重審議の上、速やかに議長の手元まで審査報告書を提出願います。陳情文書表は後刻お手元に配付いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △陳情取下げの件 ○議長(宮本衡司 君)次に、お手元に配付いたしましたとおり、陳情の取下願がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。  ただいま報告いたしました陳情取下げの件を本日の日程に追加いたします。  本件を議題といたします。  お諮りいたします。本件については、願い出のとおり取下げを許可するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮本衡司 君)御異議なしと認めます。よって、本件は願い出のとおり取下げを許可することに決定いたしました。       〔議案等の部「5 陳情取下願」参照〕          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案の報告 ○議長(宮本衡司 君)次に、議員から議案の提出がありましたので、報告いたします。       〔職員朗読〕 議第1号         県民の希望をかなえる少子化対策の推進に関する条例案         提出書                                令和4年3月1日      長野県議会議長 宮 本 衡 司 様            提 出 者              風 間 辰 一  本 郷 一 彦  小 島 康 晴              諏 訪 光 昭  毛 利 栄 子  丸 山 大 輔              依 田 明 善  共 田 武 史  竹 内 正 美              丸 茂 岳 人  山 田 英 喜  寺 沢 功 希              花 岡 賢 一  小 山 仁 志  加 藤 康 治              和 田 明 子            賛 成 者              垣 内 基 良  望 月 雄 内  服 部 宏 昭              萩 原   清  平 野 成 基  向 山 公 人              佐々木 祥 二  西 沢 正 隆  鈴 木   清              清 沢 英 男  小 池   清  丸 山 栄 一              山 岸 喜 昭  石 和   大  堀 内 孝 人              酒 井   茂  大 畑 俊 隆  宮 下 克 彦              竹 花 美 幸  大 井 岳 夫  小 林 東一郎
                 荒 井 武 志  髙 島 陽 子  埋 橋 茂 人              続 木 幹 夫  中 川 博 司  池 田   清              熊 谷 元 尋  望 月 義 寿  宮 澤 敏 文              小 池 久 長  川 上 信 彦  清 水 正 康              高 村 京 子  両 角 友 成  山 口 典 久              百 瀬 智 之  小 林 君 男  小 林 あ や  地方自治法第112条及び長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第2号         地域公共交通に対する一層の支援を求める意見書案提出         書                                令和4年3月1日      長野県議会議長 宮 本 衡 司 様            提 出 者              風 間 辰 一            賛 成 者              小 島 康 晴  望 月 雄 内  服 部 宏 昭              萩 原   清  本 郷 一 彦  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  西 沢 正 隆              鈴 木   清  垣 内 基 良  清 沢 英 男              小 池   清  丸 山 栄 一  山 岸 喜 昭              依 田 明 善  石 和   大  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  共 田 武 史              大 畑 俊 隆  宮 下 克 彦  竹 花 美 幸              竹 内 正 美  丸 茂 岳 人  大 井 岳 夫              山 田 英 喜  小 林 東一郎  荒 井 武 志              髙 島 陽 子  埋 橋 茂 人  続 木 幹 夫              中 川 博 司  寺 沢 功 希  花 岡 賢 一              池 田   清  熊 谷 元 尋  望 月 義 寿              宮 澤 敏 文  諏 訪 光 昭  小 池 久 長              小 山 仁 志  川 上 信 彦  加 藤 康 治              清 水 正 康  毛 利 栄 子  両 角 友 成              和 田 明 子  高 村 京 子  山 口 典 久              百 瀬 智 之  小 林 君 男  小 林 あ や  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第3号         新型コロナウイルスワクチン接種の更なる推進等を求         める意見書案提出書                                令和4年3月1日      長野県議会議長 宮 本 衡 司 様            提 出 者              風 間 辰 一            賛 成 者              諏 訪 光 昭  望 月 雄 内  服 部 宏 昭              萩 原   清  本 郷 一 彦  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  西 沢 正 隆              鈴 木   清  垣 内 基 良  清 沢 英 男              小 池   清  丸 山 栄 一  山 岸 喜 昭              依 田 明 善  石 和   大  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  共 田 武 史              大 畑 俊 隆  宮 下 克 彦  竹 花 美 幸              竹 内 正 美  丸 茂 岳 人  大 井 岳 夫              山 田 英 喜  宮 澤 敏 文  小 池 久 長              小 山 仁 志  川 上 信 彦  加 藤 康 治              毛 利 栄 子  高 村 京 子  和 田 明 子              両 角 友 成  山 口 典 久  百 瀬 智 之              小 林 君 男  小 林 あ や  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第4号         外国人材の円滑かつ適正な受入れに向けた入国・在留管         理を求める意見書案提出書                                令和4年3月1日      長野県議会議長 宮 本 衡 司 様            提 出 者              風 間 辰 一            賛 成 者              小 島 康 晴  望 月 雄 内  服 部 宏 昭              萩 原   清  本 郷 一 彦  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  西 沢 正 隆              鈴 木   清  垣 内 基 良  清 沢 英 男              小 池   清  丸 山 栄 一  山 岸 喜 昭              依 田 明 善  石 和   大  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  共 田 武 史              大 畑 俊 隆  宮 下 克 彦  竹 花 美 幸              竹 内 正 美  丸 茂 岳 人  大 井 岳 夫              山 田 英 喜  小 林 東一郎  荒 井 武 志              髙 島 陽 子  埋 橋 茂 人  続 木 幹 夫              中 川 博 司  寺 沢 功 希  花 岡 賢 一              池 田   清  熊 谷 元 尋  望 月 義 寿              宮 澤 敏 文  諏 訪 光 昭  小 池 久 長              小 山 仁 志  川 上 信 彦  加 藤 康 治              清 水 正 康  毛 利 栄 子  高 村 京 子              和 田 明 子  両 角 友 成  山 口 典 久              百 瀬 智 之  小 林 君 男  小 林 あ や  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第5号         サイバー攻撃等を含むハイブリッド戦に対応した安全保         障体制の確立を求める意見書案提出書                                令和4年3月1日      長野県議会議長 宮 本 衡 司 様            提 出 者              風 間 辰 一            賛 成 者              諏 訪 光 昭  望 月 雄 内  服 部 宏 昭              萩 原   清  本 郷 一 彦  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  西 沢 正 隆              鈴 木   清  垣 内 基 良  清 沢 英 男
                 小 池   清  丸 山 栄 一  山 岸 喜 昭              依 田 明 善  石 和   大  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  共 田 武 史              大 畑 俊 隆  宮 下 克 彦  竹 花 美 幸              竹 内 正 美  丸 茂 岳 人  大 井 岳 夫              山 田 英 喜  宮 澤 敏 文  小 池 久 長              小 山 仁 志  川 上 信 彦  加 藤 康 治              清 水 正 康  百 瀬 智 之  小 林 あ や  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第6号         オンラインを活用した本会議の実現に必要となる地方自         治法改正を求める意見書案提出書                                令和4年3月1日      長野県議会議長 宮 本 衡 司 様            提 出 者              小 島 康 晴  花 岡 賢 一            賛 成 者              小 林 東一郎  荒 井 武 志  髙 島 陽 子              埋 橋 茂 人  続 木 幹 夫  中 川 博 司              寺 沢 功 希  池 田   清  熊 谷 元 尋              望 月 義 寿  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第7号         児童相談所の体制強化に関する支援を求める意見書案提         出書                                令和4年3月1日      長野県議会議長 宮 本 衡 司 様            提 出 者              小 島 康 晴            賛 成 者              風 間 辰 一  望 月 雄 内  服 部 宏 昭              萩 原   清  本 郷 一 彦  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  西 沢 正 隆              鈴 木   清  垣 内 基 良  清 沢 英 男              小 池   清  丸 山 栄 一  山 岸 喜 昭              依 田 明 善  石 和   大  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  共 田 武 史              大 畑 俊 隆  宮 下 克 彦  竹 花 美 幸              竹 内 正 美  丸 茂 岳 人  大 井 岳 夫              山 田 英 喜  小 林 東一郎  荒 井 武 志              髙 島 陽 子  埋 橋 茂 人  続 木 幹 夫              中 川 博 司  寺 沢 功 希  花 岡 賢 一              池 田   清  熊 谷 元 尋  望 月 義 寿              宮 澤 敏 文  諏 訪 光 昭  小 池 久 長              小 山 仁 志  川 上 信 彦  加 藤 康 治              清 水 正 康  毛 利 栄 子  高 村 京 子              和 田 明 子  両 角 友 成  山 口 典 久              百 瀬 智 之  小 林 君 男  小 林 あ や  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第8号         ヤングケアラーへの支援の強化を求める意見書案提出書                                令和4年3月1日      長野県議会議長 宮 本 衡 司 様            提 出 者              小 島 康 晴            賛 成 者              風 間 辰 一  望 月 雄 内  服 部 宏 昭              萩 原   清  本 郷 一 彦  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  西 沢 正 隆              鈴 木   清  垣 内 基 良  清 沢 英 男              小 池   清  丸 山 栄 一  山 岸 喜 昭              依 田 明 善  石 和   大  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  共 田 武 史              大 畑 俊 隆  宮 下 克 彦  竹 花 美 幸              竹 内 正 美  丸 茂 岳 人  大 井 岳 夫              山 田 英 喜  小 林 東一郎  荒 井 武 志              髙 島 陽 子  埋 橋 茂 人  続 木 幹 夫              中 川 博 司  寺 沢 功 希  花 岡 賢 一              池 田   清  熊 谷 元 尋  望 月 義 寿              宮 澤 敏 文  諏 訪 光 昭  小 池 久 長              小 山 仁 志  川 上 信 彦  加 藤 康 治              清 水 正 康  毛 利 栄 子  高 村 京 子              和 田 明 子  両 角 友 成  山 口 典 久              百 瀬 智 之  小 林 君 男  小 林 あ や  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第9号         介護従事者の処遇改善に関する手続の簡素化等を求める         意見書案提出書                                令和4年3月1日      長野県議会議長 宮 本 衡 司 様            提 出 者              諏 訪 光 昭            賛 成 者              風 間 辰 一  望 月 雄 内  服 部 宏 昭              萩 原   清  本 郷 一 彦  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  西 沢 正 隆              鈴 木   清  垣 内 基 良  清 沢 英 男              小 池   清  丸 山 栄 一  山 岸 喜 昭              依 田 明 善  石 和   大  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  共 田 武 史              大 畑 俊 隆  宮 下 克 彦  竹 花 美 幸              竹 内 正 美  丸 茂 岳 人  大 井 岳 夫              山 田 英 喜  小 島 康 晴  小 林 東一郎              荒 井 武 志  髙 島 陽 子  埋 橋 茂 人              続 木 幹 夫  中 川 博 司  寺 沢 功 希              花 岡 賢 一  池 田   清  熊 谷 元 尋
                 望 月 義 寿  宮 澤 敏 文  小 池 久 長              小 山 仁 志  川 上 信 彦  加 藤 康 治              清 水 正 康  毛 利 栄 子  高 村 京 子              和 田 明 子  両 角 友 成  山 口 典 久              百 瀬 智 之  小 林 君 男  小 林 あ や  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第10号         水田活用の直接支払交付金の見直しについて白紙化を求         める意見書案提出書                                令和4年3月1日      長野県議会議長 宮 本 衡 司 様            提 出 者              毛 利 栄 子            賛 成 者              高 村 京 子  小 島 康 晴  小 林 東一郎              荒 井 武 志  髙 島 陽 子  埋 橋 茂 人              続 木 幹 夫  中 川 博 司  寺 沢 功 希              花 岡 賢 一  池 田   清  熊 谷 元 尋              望 月 義 寿  和 田 明 子  両 角 友 成              山 口 典 久  小 林 君 男  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第11号         ロシアのウクライナ侵攻を強く非難する決議案提出書                                令和4年3月1日      長野県議会議長 宮 本 衡 司 様            提 出 者              風 間 辰 一  小 島 康 晴  諏 訪 光 昭              毛 利 栄 子            賛 成 者              垣 内 基 良  望 月 雄 内  服 部 宏 昭              萩 原   清  本 郷 一 彦  向 山 公 人              平 野 成 基  佐々木 祥 二  西 沢 正 隆              鈴 木   清  清 沢 英 男  小 池   清              丸 山 栄 一  山 岸 喜 昭  依 田 明 善              石 和   大  堀 内 孝 人  酒 井   茂              丸 山 大 輔  共 田 武 史  大 畑 俊 隆              宮 下 克 彦  竹 花 美 幸  竹 内 正 美              丸 茂 岳 人  大 井 岳 夫  山 田 英 喜              小 林 東一郎  荒 井 武 志  髙 島 陽 子              埋 橋 茂 人  続 木 幹 夫  中 川 博 司              寺 沢 功 希  花 岡 賢 一  池 田   清              熊 谷 元 尋  望 月 義 寿  宮 澤 敏 文              小 池 久 長  小 山 仁 志  川 上 信 彦              加 藤 康 治  清 水 正 康  高 村 京 子              両 角 友 成  和 田 明 子  山 口 典 久              百 瀬 智 之  小 林 君 男  小 林 あ や  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。       〔議案等の部「1 議案 (2)議員提出議案」参照〕 ○議長(宮本衡司 君)以上であります。  ただいま報告いたしました議員提出議案を本日の日程に追加いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(宮本衡司 君)最初に、議第2号「地域公共交通に対する一層の支援を求める意見書案」、議第4号「外国人材の円滑かつ適正な受入れに向けた入国・在留管理を求める意見書案」、議第7号「児童相談所の体制強化に関する支援を求める意見書案」、議第8号「ヤングケアラーへの支援の強化を求める意見書案」及び議第9号「介護従事者の処遇改善に関する手続の簡素化等を求める意見書案を一括して議題といたします。  お諮りいたします。本案については、それぞれ会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮本衡司 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案それぞれに対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。  本案それぞれ、原案どおり決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮本衡司 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ原案どおり可決されました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(宮本衡司 君)次に、議第1号「県民の希望をかなえる少子化対策の推進に関する条例案」を議題といたします。  提出者の説明を求めます。  丸山大輔議員。       〔21番丸山大輔君登壇〕 ◎21番(丸山大輔 君)議第1号「県民の希望をかなえる少子化対策の推進に関する条例案」、通称少子化対策推進条例について、提案者を代表し、検討経過等も踏まえ、提案理由の説明をいたします。  まず、本条例案を制定するに至った契機であります。  少子化は我が国最大の課題の一つであり、県議会として知恵を結集させ、対策に昇華させていくべきとの認識の下、平成31年の改選後、全議員が参加する少子化対策議員連盟を設立するとともに、研究会を設け、少子化の原因分析や対応策についての研究を重ねてまいりました。昨年3月、研究会から少子化対策全体の指針となる条例の制定が必要であるとの経過報告を受け、議員連盟の総会において少子化対策条例制定検討調査会の設置を決定し、以来計7回の調査会を開催してまいりました。この間、市長会、町村会との意見交換の場を設け、首長の皆様方からも条例制定に前向きな御意見を頂戴しております。また、昨年の11月議会においては、コロナ禍の影響もあり、令和2年の本県の出生数が統計調査開始以来過去最少となったことから、知事に対し、少子化対策の政策パッケージを速やかに策定し十分な予算措置を講ずることを求める決議案を本調査会から発案し、全会一致で可決されました。こうした経過を踏まえ、昨年11月に条例骨子案を取りまとめ、1か月間の意見公募を実施し、頂いた意見等を踏まえ、条例案として取りまとめたところであります。  次に、条例案の内容について説明いたします。  条例名を「県民の希望をかなえる少子化対策の推進に関する条例」としましたのは、個人の価値観を最大限尊重した上で県民一人一人の希望をかなえることが、少子化対策の一番の近道であると同時に、県民の幸せの実現につながるとの考えによるものであります。  条例前文においては、少子化が地域社会の持続可能な発展を困難にするとの認識の下、結婚、妊娠、出産及び子育てに関する一人一人の希望をかなえることができる社会の実現に向け、実効性ある施策を強力に推進するため本条例を制定することとしております。  「目的」においては、基本理念、各主体の責務・役割、施策の基本的事項を定めることにより、結婚、妊娠、出産及び子育ての希望をかなえるための施策の推進を図り、豊かで活力ある持続可能な地域社会の実現に寄与することとしております。  「基本理念」においては、多様な価値観の尊重、一人一人の希望の実現、総力を挙げた取組といった全体を貫く基本的な考え方を定めています。  次に、県の責務、市町村との連携、県民、事業者及び学校の役割を定め柱となる四つの施策について主体ごとの取組を定めましたので、特徴的な点を御説明します。  初めは、「就業の支援」として、県民が安定した雇用を確保し経済的に自立することが前提として重要であることに鑑み、県は就業や職業能力の開発等に必要な支援を行うことといたしました。  二つ目は、「結婚の支援」として、最新の科学技術の活用を含めたあらゆる方法により出会いの場の提供等の支援を行うことといたしました。  三つ目は、「妊娠、出産及び子育ての支援」として、切れ目のない支援、家庭における保育や、特別な配慮及び支援を要する者に対する支援を行うことといたしました。  四つ目は、「職場環境の整備」としまして、県及び事業者による働きながら結婚や子育てがしやすい雇用環境や就業環境の実現について規定しております。  さらに、これら四つの施策を横断的に貫く取組として、ライフデザイン教育の推進、地域の特性を生かした取組、社会全体の気運醸成を定めております。  次に、施策を推進する方策については、施策を総合的かつ計画的に推進するため、知事に対して、行動計画の策定と県が講じた施策の実施状況について議会への報告と概要の公表を義務づけております。また、県の努力義務として必要な財政上の措置を講ずることを定めております。  以上条例案の概要について申し上げました。  少子化という言葉が国民生活白書に登場したのは1992年のことです。当時高校の政治経済の教科書に将来負担が増していく未来像が描かれていて、政治家は何をやっているのだと憤りを感じたことを覚えております。以来30年、少子化を克服するに有効な手は打たれてきておりません。  世界を見渡せば、人口は力だというような状況を感じる世の中になっているのではないかと思います。平和を愛する日本が、世界への影響力を保ち、世界の平和をリードしていくためには、人口と経済力という基盤に裏づけられた国力が欠かせないというように思っております。  環境に恵まれた長野県が、その持てる潜在力を発揮させ、全国に先立って少子化対策を実現していくことが必要であります。まずは県民希望出生率1.84を実現し、その上で県民希望出生率が2.07になっていくように取り組んでいくことが必要ではないかと思っております。  そのためには、大胆に発想して思い切った手を打っていかなければなりません。知事におかれましては、我々議員や県民の多様な、また多彩な発想を生かしていただき、本条例を有効に活用して、必ずや実効性の高い行動計画を策定し、県民参加の下、質、量ともに十分な施策を講じていっていただきたいとお願い申し上げます。  本条例の制定を機に、地域社会が総力を挙げ、県民の結婚、妊娠、出産及び子育てに関する希望の実現を阻む課題の解決に取り組み、少子化を克服することにより、魅力と活力に溢れた長野県が次世代へ引き継がれていくことを大いに期待するものであります。  以上申し上げました理由からこの条例案を提出いたしました。議員各位におかれましては、趣旨を御理解いただき、御賛同を賜りますようお願い申し上げ、提案説明といたします。 ○議長(宮本衡司 君)以上であります。  お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮本衡司 君)御異議なしと認めます。よって、本案は委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮本衡司 君)御異議なしと認めます。よって、本案は原案どおり可決されました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案
    ○議長(宮本衡司 君)次に、議第3号「新型コロナウイルスワクチン接種の更なる推進等を求める意見書案」を議題といたします。  お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮本衡司 君)御異議なしと認めます。よって、本案は提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに賛成の議員の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○議長(宮本衡司 君)起立多数。よって、本案は原案どおり可決されました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(宮本衡司 君)次に、議第5号「サイバー攻撃等を含むハイブリッド戦に対応した安全保障体制の確立を求める意見書案」を議題といたします。  お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮本衡司 君)御異議なしと認めます。よって、本案は提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。  質疑の通告がありませんので、本案につき討論をいたします。  和田明子議員から討論の通告がありましたので、発言を許可いたします。  和田明子議員。       〔39番和田明子君登壇〕 ◆39番(和田明子 君)議第5号「サイバー攻撃等を含むハイブリッド戦に対応した安全保障体制の確立を求める意見書案」に反対の立場で討論を行います。  意見書案では、「サイバー攻撃や国籍を隠した不明部隊による作戦等を複合的に用い、軍事と非軍事の境界を意図的に曖昧にした現状変更の手法である、いわゆるハイブリッド戦が採られることにより、純然たる平時でも有事でもない幅広い状況下において、自国の主張・要求の受入れを強要しようとする行為が継続的に行われることがある。」としています。そして、「日本の主権と領域を守るためには、我が国固有の領土等に対する直接的な武力攻撃への対応はもとより、ハイブリッド戦への周到な備えが必要である」と書かれていますが、趣旨が不明確でございます。  既に、国においては、防衛大綱にサイバー領域における能力が明記されております。また、サイバー攻撃が日米安保条約第5条に基づく武力攻撃に該当し得ると、日米安全保障委員会、2プラス2の共同文書に明記し、防衛省や自衛隊は既にサイバー対応を進めております。それは、アメリカの軍事戦略の一環であり、アメリカの軍事戦略を支援するものになっています。  さらに、防衛大綱によるサイバー対応は、攻撃を受けた時の対応ではなく、相手国のサイバー能力をそぐこととしております。また、サイバー攻撃への反撃に対し必要な武力を行使することができると、この間、防衛大臣は国会で答弁を繰り返しております。こうした動きは、結局軍事対軍事の悪循環を招きかねないと危惧するものです。国においては、平和外交によって戦争の危険性を解決すべきと申し上げ、意見書の反対討論といたします。 ○議長(宮本衡司 君)以上で討論は終局いたしました。  本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに賛成の議員の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○議長(宮本衡司 君)起立多数。よって、本案は原案どおり可決されました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(宮本衡司 君)次に、議第6号「オンラインを活用した本会議の実現に必要となる地方自治法改正を求める意見書案」を議題といたします。  提出者の説明を求めます。  花岡賢一議員。       〔10番花岡賢一君登壇〕 ◎10番(花岡賢一 君)議第6号「オンラインを活用した本会議の実現に必要となる地方自治法改正を求める意見書案」について、提出に至りました経過を御説明申し上げます。  2年以上のコロナ対策を行う中で、収束後を見据えた施策案もあれば、この先起こり得るパンデミックへの対応が急速に求められる現状で、今回の新型コロナウイルスへの決定的な有効手段として飲み薬の承認などが進められておりますが、第6波の拡大のスピードの速さと感染力の強さは驚愕の様相があり、現在も続いていることを考えると、予測し得る以上の対応を取っておく重要性は共通の認識であると思います。  第5波の振り返りとして、「最大限の対策を講じることで、対象地区となることなく感染を収束させることができた。」とありますが、第6波においては、まん延防止等重点措置の適用となり、当初の期間が延長され、解除予定まであと4日となっている現在も、新規陽性者の発生については連日高止まりが続いています。  そんな中、先日、子供を預けている保育園から、お子様が発熱していますので迎えに来てくださいと連絡があり、私は対応できなかったので妻が迎えに行きました。帰宅後、話を聞くと、私の娘はPCR検査を行ったというので、結果はどうかと再度問うと、緊急性が低いので結果は明日以降であるというものでした。次の日に県庁で重要な会議がありましたが、陽性の可能性がありますので出歩かないでくださいと制限を受けます。しかし、体調はすこぶる万全であるのに何もできないと、いら立ちとともに時間を持て余しておりました。その時に思ったのは、社会や経済が否応なくデジタル化を進めざるを得ない状態となっていることと、もはやどこでも誰でも陽性者となり得ることが第6波の特徴であるということです。他の地方議会では、同じ庁舎内でクラスターが発生した事例に対処するべく迅速に対応した例があるように、当県議会にも対応は迫られているものと認識しています。  このように、自身も含めた実例を基に、パンデミックのような中で公人たる議会議員が議会開会中の隔離等となった際に、「運が悪かった」やただの欠席扱いとした対応でよいのか。また、議員間でクラスターが発生すれば、定足数を満たせない状況も発生する可能性は十分あり得ます。  また、憲法改正論議とは一線を画するものであることは言うまでもありませんが、地方議会の開催方法が地方自治法という国の法律に定められている状況があるならば、それに対して地方から改正もしくは解釈の変更を求めることは当然のことであると考えます。  また、国の動きを注視するのではなく、万が一の事態に備える形として勝ち取る姿勢こそが地方分権を進める手段と考えると同時に、県民の負託を受けた我々として、いかなる事態においても意思決定の機能を維持させる、その義務があると考えます。また、次の世代に、今回の経験を踏まえ、その対応をとっておかなければ、議会として責任を果たしていると胸を張って伝えることもできなくなってしまいます。  加えて、通信環境の改善や、本年11月議会からは議員各位にタブレット端末を貸与するなど、使える環境や機材を整え、長野県議会もデジタル化への対応を始めていることと、昨年7月、全国都道府県議会議長会においても、国に対して、地方議会のデジタル化が効果的に推進できるよう措置を講じられたいとし、「近年の大規模自然災害の発生、新型コロナウイルス感染症のまん延、議員の出産・育児と議会活動の両立が求められている状況等を踏まえ、本会議をオンラインにより開催できるよう検討の上、必要な制度改正を行うこと。」と決議されていることから、全国都道府県議会の総意であるといっても過言ではない状況を踏まえ、本県議会にあっても、国に対して地方自治法の改正を求めることは、県民の負託に応えるべき当然の求めであると考え、提出に至りました。  以上議員各位の御賛同をお願い申し添えまして、提出に至りました説明といたします。 ○議長(宮本衡司 君)以上であります。  お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮本衡司 君)御異議なしと認めます。よって、本案は委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに賛成の議員の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○議長(宮本衡司 君)起立少数。よって、本案は否決されました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(宮本衡司 君)次に、議第10号「水田活用の直接支払交付金の見直しについて白紙化を求める意見書案」を議題といたします。  お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮本衡司 君)御異議なしと認めます。よって、本案は提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに賛成の議員の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○議長(宮本衡司 君)起立少数。よって、本案は否決されました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(宮本衡司 君)次に、議第11号「ロシアのウクライナ侵攻を強く非難する決議案」を議題といたします。  提出者の説明を求めます。  風間辰一議員。       〔50番風間辰一君登壇〕 ◎50番(風間辰一 君)議第11号「ロシアのウクライナ侵攻を強く非難する決議案」につきまして、提案理由の説明を申し上げます。  去る2月24日、ロシアは北大西洋条約機構への加入を望むウクライナへの軍事侵攻を開始いたしました。ロシア軍は、多方面からウクライナ領内へ侵入し、首都キエフを含めた複数の都市で今も激しい戦闘が行われております。攻撃は、軍事施設にとどまらず、病院、住居といった民間施設にも及んでおり、わずか数日の間に子供を含めた多くの尊い人命が奪われました。ウクライナの人々は、平穏な日常を突如として奪われ、故郷を追われ、家族や友人と引き離され、いてつく寒さの中、不安と恐怖におびえながら避難生活を余儀なくされております。これらの暴挙と惨状に対し、強い衝撃と憤りを禁じ得ません。今回の侵攻により命を落とされた方々に対し哀悼の意を表するとともに、祖国と家族を守るため懸命に行動するウクライナ国民に対し、深い敬意と強い連帯の意を表するものであります。  我が国や欧米各国は、ロシアと直接首脳会談を行い、再三にわたり対話と交渉による平和的な解決を求めてきましたが、ロシアは一方的な正当化の論理に基づき侵攻を強行しました。これに抗議する各国に対し、核戦力に言及して威嚇するなど、ロシアの態度は常軌を逸しており、もはや看過できない事態となっております。  このように、自国にとって都合のよい筋書きをつくることにより戦争行為、侵略の正当化を図ることは、力による一方的な現状変更を認めないという国際秩序の根幹を揺るがすものであり、地球上のいかなる地域においても将来に残すべきではありません。仮に、これを許せば、その悪影響は、欧州にとどまらず、アジアを含む国際社会の平和と安定への脅威となりかねません。加えて、社会経済面においては、既に高止まりしている原油価格のさらなる高騰や金融市場の混乱等により、我が国をはじめ、世界各国の国民生活や企業活動に影響が及ぶことが懸念されるものであります。  よって、本県議会は、国際社会の平和と秩序を維持するとともに、経済活動を含めた我が国の安全を保障するため、ロシアに対しウクライナ侵攻を強く非難するとともに、直ちに侵攻を中止し、事態の打開に努めるよう強く求めるものであります。  最後に、我々の決議が契機となり、ロシアの暴挙に対する抗議の声が国内外のあらゆる地域へ広がっていくことを強く願うものであります。  以上申し上げまして、提案説明とさせていただきます。 ○議長(宮本衡司 君)以上であります。  お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮本衡司 君)御異議なしと認めます。よって、本案は委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮本衡司 君)御異議なしと認めます。よって、本案は原案どおり可決されました。          ────────────────── ○議長(宮本衡司 君)次会は、来る3月14日午後1時に再開して、各委員長の報告案件を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって散会いたします。         午後4時23分散会...