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  1. 長野県議会 2021-06-30
    令和 3年 6月定例会農政林務委員会−06月30日-01号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 3年 6月定例会農政林務委員会−06月30日-01号令和 3年 6月定例会農政林務委員会 農政林務委員会会議録(その4) ●招集年月日時刻及び場所   令和3年6月30日(水)午前10時30分、議事堂第4委員会室に招集した。 ●出席した委員の氏名    委  員  長        堀 内 孝 人    副 委 員 長        大 井 岳 夫    委     員        風 間 辰 一       同           丸 山 栄 一       同           山 口 典 久       同           熊 谷 元 尋       同           埋 橋 茂 人       同           小 池 久 長 ●欠席した委員の氏名    な し ●説明のため出席した者の氏名 (林 務 部)    林務部長           井 出 英 治
       林務部次長          村 松 敏 伸    森林政策課長         今 井 達 哉    信州の木活用課長       飯 田 浩 史    県産材利用推進室長      千 代   登    森林づくり推進課長      三 澤 雅 孝    鳥獣対策ジビエ振興室長   清 水 靖 久 ●付託事件   6月28日に同じ ●会議に付した事件   付託事件のうち、2、3、8、10〜12及び林務部関係所管事務一般開議時刻 午前10時28分 ●堀内委員長 開会を宣した。  最初に、小池委員から、昨日の発言について、その一部を取り消したい旨の申し出がありました。申出書を配付いたします。     〔申出書 書記配付〕  お諮りいたします。申し出のとおり、これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。 ▲ 日程宣告   林務部関係の審査 ▲ 林務部関係付託事件の報告   事件案1件、専決処分報告1件、陳情4件 ▲ 議題宣告林務部関係)   付託事件及び所管事務一般を一括して議題とし、議題に関連して理事者の説明を求めた。 ◎井出英治 林務部長 別添、部長説明要旨に基づいて説明した。 ○堀内孝人 委員長 第9号「大北森林組合等補助金適正受給事案に対する損害賠償請求事件に係る和解について」、理事者の説明を求めた。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 議案及び別添資料1により説明した。 ○堀内孝人 委員長 報第1号「令和2年度長野県一般会計補正予算(第15号)の専決処分報告」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中、歳出 第7款 農林水産業費中の林務部関係について、順次理事者の説明を求めた。 ◎今井達哉 森林政策課長 議案及び予算説明書により説明した。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 予算説明書により説明した。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 予算説明書により説明した。 ◎清水靖久 鳥獣対策ジビエ振興室長 予算説明書により説明した。 ○堀内孝人 委員長 報第16号「令和2年度長野県一般会計予算の繰越しについて報告」中、第7款 農林水産業費、第12款 災害復旧費中の林務部関係について、理事者の説明を求めた。 ◎今井達哉 森林政策課長 議案により説明した。 ○堀内孝人 委員長 報第17号「令和2年度長野県県営林経営費特別会計予算の繰越しについて報告」について、理事者の説明を求めた。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 議案により説明した。 ○堀内孝人 委員長 理事者から発言を求められていたので、これを許可した。 ◎今井達哉 森林政策課長 別添資料2「令和2年度みんなで支える森林づくりレポートについて」により説明した。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 別添資料3「大北森林組合事業経営計画及び補助金等返還計画の見直しについて」により説明した。 ◎千代登 県産材利用推進室長 別添資料4「外材の高騰及び品不足等について」により説明した。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 別添資料5「松くい虫被害について」により説明した。 ◎清水靖久 鳥獣対策ジビエ振興室長 別添資料6「ニホンジカ対策について」により説明した。 ○堀内孝人 委員長 委員の質疑等発言を許可した。なお、議論を深めるため、委員の発言に対し、ほかの委員から意見等がある場合についても、あわせて発言願った。 ◆風間辰一 委員 御苦労さまです。今、部長のほうからも、また、それぞれの課長さんからも説明がありましたけれども、大変な、ウッドショックと呼ばれている世界的な木材不足の影響が我が国にも及んでいるというお話でございます。  理由としては、今日の資料にもありますけれども、アメリカですか、低金利住宅ローン、それから中国の旺盛な住宅の需要拡大であるとか、あるいは最近の巣ごもり状況からeコマースが非常に増えているということでコンテナ不足、さらにはロシアでの木材の関税引上げといったことも影響があるようですけれども、とにかく国内産に戻ってきているという流れがどうも出てきているようでございます。  そこで、この価格について、今日もお示しいただきましたが、杉の値段が倍になっているとか、あるいはアカマツ、県産材においては、人工林の50%がカラマツということですから、こういったものも含めて値段が上がってきているということなんですけれども、これは、例えば40年前、50年前の価格と比べてどうなのか。つまり、これは今までの木材価格が低過ぎたから価格の上昇に見えるのか。それとも40年前、50年前の我が国の木材価格というのは高くて、高値安定が続いていたと、それが外材をどんどん導入することによって値段が下がり、今の我が国全体の林業に及ぼす影響が出ているわけですけれども、そのときの価格、それから三、四年前の価格等と比べて、この価格というのはどう見ればいいのか。元に戻ったのか、戻っていくのか、いきつつあるのか、それともどんと今まで見たことないような高騰なのか、この辺の受け止め方を少し最初にお聞きしておきたいと思います。 ◎千代登 県産材利用推進室長 長野県内木材価格の過去の価格との比較という御質問でございます。私の手元の資料、昭和55年の価格で見ますと、杉の丸太でございますけれども、1立方メートル当たりの価格が、3万6,000円余でございます。これが最新の令和2年の数字でいきますと、1万400円という数字でございます。  また、県内でも今、最も蓄積量が多いカラマツでありますけれども、同じく昭和55年は2万5,000円余でございますが、これが令和2年は1万4,000円ということでありますので、おっしゃるように、過去、特にこの数十年前においては非常に高価格であったということがございます。  ただ、この歴史を見ますと、為替相場の関係も大きく影響しておりまして、木材がやはり多国間を流通する国際商品でありますので、為替相場高度成長期を経まして、現在のような形に推移してくる中で、徐々に国産材、県産材の価格が安くなっていったということであります。  近年は、先ほど申し上げたような価格で低位に推移しておりますけれども、大体丸太でいきますと、一旦は1立方メートル当たり100ドルというのが国際的な価格の流れであるということを言われておりましたので、また、過去のように上昇するかと言いますと、今回、ウッドショックとちまたでは呼ばれておりますけれども、このような形のときに跳ね上がるというようなことは言えると思いますが、高値で落ち着くということはなかなか考えられないのかなと考えておりますので、価格に関しては、そんな認識をしておるところでございます。 ◆風間辰一 委員 そうしますと、そもそも木材価格が異常に安かったという時代が長く続いてきていたということなんですね。それらが実はそもそもいろいろな問題を醸し出している。今説明にもありましたけれども、山に手が入らないということで、わざわざ森林税というのもこさえて、年額6億8,000万円ぐらいを使って間伐をするということも、本来であれば民間、あるいは地主さんたちがやっていたことだったわけです。それは実は、昔は価格設定が高かったからそもそもできたと。山守ができたわけですよ。ですけれども、それが下がってしまったということで、全体的に山に手が入らない。そこでこのような税金をつくらざるを得ない、施策も打って出ざるを得ないという時代で、ここ近年、ずっと我が国は講じざるを得なかったということなんだろうと思います。  そうなってきますと、高値安定とも言いづらいですけれども、高値のときにやらなければいけないということが種々あろうかと思うわけです。まず、前提として、今現在、これだけの急激な需要増に対応できていない理由というものの中に、伐採される方々、林業事業者の数がもともと少ないと。今までのような流れからいくと、当然そういう流れになってきてしまって、どんどん少なくなってきているわけですけれども、25年前に比べて半減ということのようであります。林業就業者が1,400人とか、林業事業者、組合ですね、これが163という数字も25年で半減ということですから、1900年代後半は今の倍はいたのが、従事者が半減しているという中で、そして、この急激な需要増の時代を迎えてしまったというわけでありますから、当然のことながら対応ができないという事態に陥っているわけであります。  そこで、それらの従事者の方々の問題もありますけれども、そもそもの県内の素材生産につきまして、用途別の現在の生産の状況でありますとか、それから県内外への流通の状況、これをまず確認しておきたいと思います。また、併せまして、県内の製材の状況につきましてもお伺いします。 ◎千代登 県産材利用推進室長 県内の素材生産量のお尋ねでございます。直近、令和2年の長野県内素材生産量ですけれども、合計57万立方メートルでございまして、用途別で見ますと、製材用が17万1,000、合板用が20万2,000、パルプ向けチップ用が9万3,000、それからバイオマスの燃料用が10万4,000という形になっております。特に、本県の特徴としましてはカラマツが多いということで、これが現在、合板に多く利用されておりまして、今申し上げた四つの用途の中では合板用の素材が最も多く生産、流通しているということでございます。  その流通先ですけれども、製材用の素材は、そのほとんどが県内の製材工場へ向けられております。合板用に関しては、合板工場が県外にございますので、近県の県外へ全て出ていると。そして、パルプチップ用は、パルプということですので、行く行くは県外の製紙工場へ行きますけれども、一旦は県内のチップ工場へ流れております。そして、バイオマス燃料用に関しては、ほぼ全て県内の発電施設へ流通しております。  加えまして、県内の製材の状況でございますが、工場数はこの30年で小規模なものを中心に、約400工場あったものが、現在では75工場まで減少しております。県内の製材工場への丸太の入荷量は、ここ数年県内全体で15万立方メートル程度で推移しているところでございます。なお、かつて20年ほど前までは県内の製材工場のほとんどが外材の丸太をひくということが主流でありましたけれども、現在は県内のどの工場もほぼ県産材を加工しているという状況であります。 ◆風間辰一 委員 大変詳しく説明をしていただきました。  委員長、今の説明について、資料を各委員に作成して、このウッドショックの話は皆さん、多分やりたいというか、やると思いますので、なるべく早く今の県内の製材の状況、生産の状況についてまとまったもの、1枚物でいいですから出していただければと思います。できればお昼休みまでに届けていただければありがたいんですけれども、そんなことでお願いしたいと思います。  そうなってまいりますと、400あった工場が75になったり、それから、今現在、県内産は15万トンで推移しているということでありますけれども、こういった外材の高騰や入荷の減という状況で、県外へ出ている丸太を県内で加工するためには、どうしても工場数が足りないということになってまいります。県産材の製品の生産量を増やしていくということに対応するためには、どのような課題があると林務部としては考えておられるのか、お聞きします。 ◎千代登 県産材利用推進室長 県産材の製品も県内加工で、その生産量を増やすための課題という御質問でございます。県産材製品の生産量を増やすためには、まず一つは、その基になります山から出てくる素材、丸太の生産量を増やすことが最も重要かと思っております。これまで低位でありました県内の製材用丸太の需要が今上がってきておりますので、現在、林業の現場では、その需要に応えるべく作業が実施されておりますけれども、徐々に増産の効果というものは現れてくるものと考えております。  これまで製材向けの直材、いわゆる真っすぐな、A、B、Cのうち、A材と呼ばれるものですけれども、これが山で細かな仕分けをされずに一部合板用のB材と一緒になって、県外の合板工場へ出荷されているケースがあるということも聞いております。木材の規格上、合板用のB材を県内の製材用のA材に充てるということは困難ですけれども、今申し上げたように、仕分けをされずに合板用に出ていたような直材、A材をしっかり山で仕分けして、県内の製材用に流通させるということは重要かと考えております。したがいまして、県産材の製品の生産量をまず増やすためには、山でA材からB材、低質なC、D材に至るまで、全体の素材生産量を拡大するということ。それと、山における素材の仕分け、特にA材とB材の仕分けをしっかりと行うこと。そして、そのためには林業現場にタイムリーに木材需要の情報を伝えるということが課題であると考えております。  また、もう一つには、県内でA材をフルに製材できるような加工体制を整えることも非常に重要なことと考えております。現状で、その辺の対応が困難だということでありましたら、いかにこうした生産体制を増強していくかということが増産に向けての大きな課題ということで考えておりますし、また、今のような新たな需要を安定的なものにするための需給のマッチングも課題だと考えております。 ◆風間辰一 委員 はい、ありがとうございます。様々な今の事態に対応していくべきことが林務のほうには課されているんだろうと思いますけれども、冒頭に少し触れさせていただきましたけれども、林業従事者の確保というものもしっかり体制を整えていかなければいけないんだろうと思います。  ただし、これは簡単ではないと。要するに、長期にわたって、今の高値安定が続くという前提がなければ、なかなか人材の確保が思うようにならないというのも確かにあろうかと思いますが、今現在、林業労働者確保基本計画の中で、人材育成に力を入れていくということも明記していくという答弁がたしか一般質問で部長のほうからあったかなと思います。今後、これは本当に難しいところですけれども、先の見通しを立てていかないと、この新規林業従事者を増やすための基本計画もなかなか意味をなさないのではないかとも思うわけですが、この辺をどのように受け止めて、この基本計画の中で明記、落とし込んでいかれようとするのか、お伺いしたいと思います。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 林業従事者の確保についてのお尋ねでございます。委員御指摘のとおり、現在、労働力確保促進基本計画の策定に向けた取組を行っているところでございまして、ちょうど明日から有識者による検討会を始めまして、2年かけて基本計画を練っていこうというところでございます。これまでの林業就業者の減少につきましては、我々としては、やはり労働災害の発生率の高さですとか、他産業に比べて低位にとどまっている所得といった点が大きな課題であろうかと認識しております。こういったところに関しましては、より効果的な対策を講じていく必要があろうと考えております。そういったことが改善していくことによって、林業という職業の魅力が高まっていくというところもあろうかと思います。そういう魅力を高めながら新規就業者を確保していくことが必要になってきます。  また、皆さん御存じのとおり、人口減少社会に移行しております。そういった中では、人材確保は、他の産業も含めまして、林業のみならず共通の課題になってございます。林業も従来の労働集約的な就労の構造を変えていく時代を迎えていると感じております。  これから2年かけて基本計画をつくっていくわけですけれども、現在やっている取組、労働災害、所得の向上などやっていくものもあります。引き続きやっていくもの、それをまた強化していくものについて、有識者の意見も聞きながらしっかり練っていきたいと思っております。 ◆風間辰一 委員 明日からということでありますけれども、2年かけてやるということですので、2年たてば、この職というのも状況が変わっているかもしれませんし、あるいはそのまま続いているかもしれませんし、やはり見通しが必要になってくるんだろうと思います。  今の林業従事者の育成について、林業士の講習会は随時開催されているようでありますけれども、この空きがあまりないと伺っているんです。何か2年待ちとか、1年待ちとか、そんな話も漏れ伝わってくるんですけれども、これはどういうことなのかなと思うんですね。  今まで林務の話を聞いていると、林業従事者が少なくてという話だったのが、いや、待っている人が多いということであれば、ここのところはやはり講座としてもっと窓口、門戸を広げていかなければいけませんし、その辺の実態をお伺いしたいと思います。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 林業士の講習について、2年待ちということを地元でお伺いしているということでございますけれども、すみません、そのような状況は現場から聞いていなかったものですから、林業士につきましては毎年、認定を進めておりまして、地域で活躍していただいているところでございますが、現状につきましては、追って御説明したいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◆風間辰一 委員 そういう情報がありますので、これ、午後に大井副委員長が取り上げますので、確認取って、もう1回やり直しますから。  それで、結局見通しが立たないと、2年かけて従事者確保基本計画をつくるにしても、なかなかうまくいかないと思うんですよね。先ほどこの資料の中では、長期的な需要が見込まれる場合は増産を支援と書いてありまして、この需要の動向の見極めというのも必要だと思いますけれども、先ほど申し上げましたとおり、今、早急に取られ得る対応を取る必要があるのではないかなとも思いますが、その考えについて、何かあればお伺いしたいということが1点。  それと、この見通しに関してなんですけれども、全てがやはり、需要と供給のバランスによる価格の動きによって、こういったショックと言われるようなものができてしまっているということを考えます。値下がりするよりは、私は高値でいってくれていたほうが、木材の値段が元の形に戻っていくということでありますから、様々都合のいい部分があるんだろうと思います。  そこで、今後、例えば中国なり、アメリカなりが需要に応えられるようになってしまったということで、外に出すようになってくれば、これはまた日本国内木材価格が下落に転じていくような事態が生じていきかねません。ここの部分、やはりこういう事態をしっかり想定しておいたほうが私はいいんだろうと思います。つまり、3年前の林務部が問題にしていたことがまたやってくるということですから、また同じことの繰り返しをするよりも、やはりその状態をキープしておくことのほうが重要ではないかなと考えます。  落ちていってしまう値段に対して、価格低下分を長期間ヘッジするよう制度ができれば、これは安定的に林業者の皆様方も体制を整えることができるわけです。こういったこともそろそろ考えないといけないのではないかと私は考えているところですけれども、これについて、林務部長、お考えがあればお伺いしたいと思います。 ◎井出英治 林務部長 大変長い目で見ますと、長期にわたって木材の価格が低下し続けているという中で、今日のような問題が起きてきている。ここで足元、今年に入って値上がりをしたというような状況でございます。木材の値段、長期的に見ますと、木材の輸出、輸入が自由化されて、世界的に値段が推移するという世の中に変わってきて、日本だけが、あるいは長野県だけが木材の価格が高いという状況をある程度長い間維持するというのは非常に難しい、そんな世界的に取引される商品という面を持つようになってきているということかと思います。  ただ、その中でも長野県の木材は大変質がいいものである、あるいは長野県の木材だからこそ使いたいというような、ある意味世界的な値段にプラスアルファの価値を持っていくことができれば、長野県の木材にとって世界的な値段プラスアルファの値段での需要が生まれてくるということかと考えております。  そのために様々な取組をしていく必要があると考えておりまして、特に、これから日本では人口減少社会で住宅用の需要が伸びていくということがなかなか期待できない状況もございますので、非住宅の部分を含めて、木材を使うことのよさを発信して、しかも長野県の木材を使うことのよさというものを多くの人に分かってもらい、そして非住宅で使ってもらえるような取組を進めていくことによって価値を維持し、そして林業従事者の確保につなげていくということが大事だと思っているところでございます。 ◆風間辰一 委員 国際的な取引の中で価格が決まっていくということもありますので、我が県だけが高値安定ということを狙うことはなかなか難しいというお話だと思います。  ただ、これは、国にこういった制度を考えられないのかどうかということを長野県、林業県として訴えていくべきではないかなと思います。部長をはじめ、知事にも、この機を捉えて、国に対しての要請、要望ということで長野県から声を挙げていくということは、私はありではないかなと考えますから、ぜひそんなことを進言させていただきたいと思います。  それから、もう1点、そうは言っても、様々な高機能機械などの補助金の緩和といったものも、実は値段を左右する大きな要件だと考えておりますので、今、本当に直面する問題として、この要件の緩和をそろそろ考える時期ではないかなと思いますから、そのことをしっかりと対応していただきますことをお願いいたしまして、私の質問とします。 ○堀内孝人 委員長 先ほど風間委員から資料の要求がありましたが、これを委員会として資料要求するに御異議ございませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○堀内孝人 委員長 さよう決定いたしました。ただいま要求がありました資料につきましては、後刻提出をいただきますようお取り計らいを願います。  午後1時30分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午前11時48分 ●再開時刻 午後1時28分 ○堀内孝人 委員長 再開を宣した。  委員会において要求した長野県内素材生産、製材の現状等に関する資料はお手元に配付したとおりであります。この資料について、理事者の説明を求めた。 ◎千代登 県産材利用推進室長 別添追加資料長野県内素材生産、製材の現状等」により説明した。 ○堀内孝人 委員長 委員の質疑等発言を許可した。 ◆丸山栄一 委員 それでは、何点か質問をさせていただきたいと思います。大北森林組合の補助金の不適正受給事案に対する損害賠償請求事件に係る和解について、議案の第9号にも記載されておりますけれども、補助金の不正受給事件で1億2,000万円余の損害賠償を求めているわけでありますが、今回、元専務が謝罪をし、全額を支払う意向を県側のほうに示したと、こういうことでありました。議案の中身を見る中で質問させていただきますが、和解条項に原告、県に対する謝罪が盛り込まれておりますが、その経過についてお伺いいたします。  もう1点は、原告はその余の請求を放棄するとございますが、具体的な内容をお聞かせください。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 2点御質問いただいております。まず1点目、和解条項に原告、県に対する謝罪が盛り込まれた経緯ということでございますが、元専務理事は、今回の事案の主導的な役割を果たしており、詐欺行為により私的な利益を得るなど、利欲的な動機は強い非難に値することから、和解に当たっては被告本人からの謝罪が必要だと判断いたしまして、和解条項案に盛り込むように県として主張したところです。それに対しまして、相手方もこれを認めたため、和解条項案に盛り込むものとしたところでございます。  2点目の質問でございます。原告は、その余の請求を放棄するとあるが、その具体的な内容ということでございますが、これにつきましては、法的課題検討委員会の報告書において、権利主体として県が最大限損害賠償請求の対象とすることが可能な範囲を検討しております。この報告書を踏まえ、平成29年9月に損害賠償請求についての基本方針を定め、県としては最大限請求が可能と判断しました今回の1億2,984万4,608円の請求を行ったところでございます。今回、原告は、その余の請求を放棄するとあるのは、平成29年9月のこの金額以外には請求がないということを改めて確認したものでございます。 ◆丸山栄一 委員 これから和解成立に向かって手続を進めていかれると思いますが、その流れを教えていただきたいと思います。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 この6月の定例会、県議会での議決後、長野地方裁判所における次回弁論準備手続において和解が成立する見込みでございます。
    丸山栄一 委員 議案のほうにも、元専務理事とは連絡できる状態を維持するということでございますが、どのように行っていくのか、お聞かせ願いたいと思います。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 今回の和解成立後の元専務理事との連絡につきましては、現在引き続き被告訴訟代理人弁護士を通じて連絡を取ることとなっております。 ◆丸山栄一 委員 和解に向けて、元専務も全額支払うという意向とお聞きをしておりますので、今後全額回収できるのかというような疑問もあるわけですが、その辺はしっかり今後の対応の中でやっていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、高性能林業機械導入についてでありますが、風間委員のほうからも指摘がございました。高性能林業機械は、森林県から林業県へ、県のほうも方針を示されているわけでありますが、その中で必要不可欠なもの、今やなくてはならない装備だと私も理解しているところであります。  しかしながら、高性能林業機械の価格は度重なる排ガス規制強化等に伴いまして高騰していると聞いております。標準的な素材生産事業の仕様となっておりますスイングヤーダ、ハーベスタ、フォワーダ一式をそろえると1億円近くになるとお聞きしています。ちなみに、ハーベスタについては、平成20年頃には2,200万円ぐらいの機械でありましたが、令和3年度には3,500万円、1.6倍ぐらいの単価になっているとお聞きしています。  また、特殊な機械である高性能林業機械は修理費や維持費が高額で、林業事業体の経営を圧迫している状況であります。特に、長期の不利益は高額な修理が不規則的に発生しておって、本来ならば速やかな機材の更新を図らなければならないわけでありますが、これも高額であるがゆえにままならない実態であります。以前は2分の1の補助事業が主であり、予算額も大きかったわけで、事業主体が希望すれば採択されやすい状況でもありました。近年は補助率の3分の1が主流で、さらに予算額が少なく、今や導入は大困難と聞いております。  補正予算の案件は、令和元年度補正事業は、補助率が27%、令和2年度補正事業は、補助率が24%と大変厳しい状況になっています。リースの導入に対する補助メニューもありますが、補助率は3分の1である上に、5年後の機材返却が基本となっております。これに対する補助事業の予算の拡充と補助率の向上をぜひ検討していただきたいと思うんですが、御所見をお聞かせください。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 高性能林業機械の導入に係る支援についてのお尋ねでございます。高性能林業機械ですけれども、県内で今、386台ということで、おおむね目標としていた台数は導入してきたところでございます。修理費や維持費が高額で、また補助率も下がってきたり、予算額も下がってきているということでございますが、実際、そういったことは現場であろうかと思いますし、我々も認識しているところでございます。  もう一つ問題意識があるのは、高性能林業機械、生産性が上がる機械でございますので、せっかく高いお金を出して導入したからには、なるべく稼働を多くするというのが大事かなと思っておりまして、それがなされませんと、維持費だとかが余計重くのしかかってくるということでございますので、やはり経営していくに当たっては、稼働率を上げていくということも指導させていただいているところでございます。  さて、お尋ねの補助の拡充につきましては、我々もなかなか厳しい状況の中で林野庁と交渉させていただいておりまして、予算を取ってくるという作業をしておるところでございます。現場まで十分に行き渡っていないという声があることは認識しておりますけれども、これからもなるべく林野庁に対して予算が取れるようにしっかりやっていきたいと思っておりますし、予算額は林野庁のほうでも取っていただきたいと思っているところでございます。 ◆丸山栄一 委員 スマート林業というか、今、若い担い手を確保していくためにも、こういった高性能の機械をしっかり導入しながら、格好いい、イメージのいい林業生産というのが大事なことなんだろうと思っておりますので、ぜひ御支援のほどをいただきたいと思っています。  それと、ニホンジカの関係でありますが、資料を見させていただくと、いわゆるすれ鹿ですか、だんだん慣れてきて捕獲数が減少しているという御説明ですけれども、そうは言っても、ニホンジカの対策をしっかりやっていかなければいけないわけであります。そんな中で、いろいろ対策はしていただいて、捕獲技術、防止の資材の開発であったり、また、防護柵の設置についても大分老朽化してきて、新たにということもあるんですが、なかなか難しいということもあります。維持費用の助成というようなことも考えていかなければいけないと思いますし、ジビエについても、コロナ禍でなかなか難しい部分もあるんですけれども、ジビエの活用も今後しっかりやっていかなければいけないと思うんですが、その辺の見解をお聞かせ願いたいと思います。 ◎清水靖久 鳥獣対策ジビエ振興室長 ニホンジカの対策について御質問いただきました。資料6でも説明しましたが、ニホンジカ、大変警戒心が高まって捕りにくくなっております。そのような状況で、新たな捕獲方法ということでは、いろいろな資材、方法、例えば大規模な囲いわなですとか、いろいろ試されてはきましたけれども、一網打尽に捕まえるという方策はなかなか決め手がございません。これまでの経験を踏まえて、一番重要だと思っていることは、やはり来る日も来る日も捕獲する人が山に入って銃で捕るなり、わなをかけるなり、頻繁に山に入っていくということが非常に重要だと考えております。  そのためには要所を見定めて、そこで確実に捕るということが必要だと思っておりますので、どこが要所になるのかということを見える化をする。また、森林、林業の現場におきまして、いろいろな被害も起きているわけですけれども、これについて、一番実態が今把握できていない状況です。と言いますのは、古い被害なのか、最新の被害なのかということをしっかり見極めていかないと、今そこに鹿が入り始めている、今まさに手を打つべきだ、防除と組み合わせて捕獲を入れるべきだというタイミングも逸してしまいますので、そのような情報について、いろいろな関係の皆さんと科学的なデータを共有して、その上で、今どういう状況にあるかということについて情報を入れてもらって、その上で的確な捕獲隊を入れるなり、手を打っていくというような方法を考えているところでございます。  一つの動きとしましては、林業の現場、森林組合はいつも山に入っています。これから主伐・再造林が進みますと、獣害対策が非常に重要になってきますけれども、日頃から山に入っていただいている皆さんには、そういった情報を入れてもらう、そしてまた、わなをかければ、山に入ったついでに日々見回りもしてもらえる。そのようにお互いに連携して捕獲を進めていくような枠組みを進めていきたいと考えております。  ジビエの活用につきましては、長野県は信州そばで全国に有名ですけれども、営業局の資料によりますと、全国の8割を超える人がそばというと長野県を思い浮かべると言っております。やはり、ジビエについてもそういう存在の食材にしていくことが重要かなと考えております。長野県に来れば、ジビエが当たり前にあるということで、ベースを担う一定量として、県内での需要、消費が拡大するように、県内で一般的な食材としてできるだけ普及していけるように、需要拡大を含めてジビエの対策に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆丸山栄一 委員 しっかりと対策をしていただきながら、捕獲目標に達しておらない状況でありますので、今後ぜひ目標を達成できるように御努力をお願いしたいと思います。私からは以上であります。 ◆山口典久 委員 お願いいたします。最初に、大北森林組合の関係の損害賠償事件に係る和解について伺います。損害賠償請求の経過について、幾つか確認をさせていただきたいと思います。  今回1億2,984万4,608円、和解にということだと思いますけれども、損害賠償を求めた具体的な事案といいますか、この事業について損害賠償を求めたというところを御説明いただけるでしょうか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 元専務理事に対する損害賠償の請求の内訳ということでよろしいでしょうか。元専務理事に対しましては、今回の事案において主導的な役割を果たして、詐欺行為により私的な利益を得るなど、利欲的な動機は強く非難に値するとされていることから、今回の損害賠償では、その関与が明らかな森林作業道、これは未施工であったり、施工単価の不適合という部分があるんですが、その森林作業道の分を対象としております。  具体的な請求額は、国と県との時効差分については、少なくとも国に返還した国庫補助金相当額4,550万円余と、加算金相当額については、県職員と重複する部分について、両者の継承関係を残さないようにするため、2分の1とした8,430万円を合わせた1億2,980万円余の損害賠償金に加えまして、年5歩の遅延損害金を請求したものでございます。 ◆山口典久 委員 それで、元専務理事側が、支払いには応じられないと、こういって突っぱねてきたわけですけれども、何をもって元専務理事は応じられないと主張してきたのか、そこを確認させてください。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 元専務理事が請求を拒んだ理由でございますが、平成29年12月の損害賠償請求に対しまして、元専務理事側からは、あくまでも県が組織的に関与したものであり、責任は認められないといった理由から、損害賠償の請求には応じられないという回答があったものでございます。 ◆山口典久 委員 これまでは、県が組織的に関与しているわけだから、自分の責任はないといったらあれですけれども、損害賠償は認められないという立場だった。彼がそこの部分を改めて謝罪をしてと考えていいわけですかね。つまり、県の責任があるからという部分は撤回したということになるんでしょうか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 今回の和解条項案にもありますとおり、原告、県に対する謝罪が盛り込まれた経緯としましては、先ほども私のほうから説明させていただきましたが、私的な利益を得るなど、利欲的な動機は強い非難に値することから、県とすれば被告本人らの謝罪が必要と判断して、和解条項に盛り込むように主張したところ、相手側がそれを全部認めたということでございます。 ◆山口典久 委員 はい、分かりました。今も御説明いただいたんですが、和解することによって、その金額は基本的には国に返還したものと考えていいと思うんですけれども、今後彼がどれだけ返還するか、その返還額によっては県民の負担となることもあり得ると考えてよろしいんでしょうか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 今回の和解によって、県が新たな損害を受けるのかどうかという御質問でよろしいですかね。先ほど丸山委員からの関連した質問にもお答えしましたが、今回の和解によって県としては新たに放棄するものはないという考え方でございます。今回、最大限請求可能と判断した1億2,984万6,000円余の請求を行ったところでありまして、今回の和解条項案においても、この金額以外に請求がないということを改めて確認したものでございます。 ◆山口典久 委員 分かりました。今後、和解が成立した場合に、この和解に関してやはり県民に対してきちんと説明していただきたいということを御要望しておきたいと思います。  次に、同じ大北なんですけれども、事業経営計画及び補助金等返還計画の見直しについて伺いたいと思います。最初に、今回大北森林組合側から計画の見直しが行われたわけですけれども、当初、合意した返済期間並びに返済金額そのものに変更はないのか、そこを確認させてください。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 お答えいたします。返済期間及び返済金額については変更はございません。 ◆山口典久 委員 すみません、もう一度、その返済期間が何年であり、返済金額は幾らなのか確認をさせてください。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 現計画の返済期間ですけれども、令和31年度となってございます。返済金額については、当初請求額が8億7,988万3,000円となってございます。 ◆山口典久 委員 はい、ありがとうございました。それは変更ないということでよろしいわけですね。  次に伺いたいのは、今回提出された計画について、今、林務部のほうで精査をしていただいているというわけですね。精査した結果、この見直し計画が妥当であれば、履行延期申請書を提出させて、それがさらに適当であれば、令和3年7月30日までの補助金返還納入期限を5年延長するということです。  ごめんなさい、私よく理解できなくて、この令和3年7月30日までの補助金の返還は、具体的にどの部分といいますか、資料の表にあります当初の計画で令和3年分1,910万円だったものを見直し計画で1,000万円返済になっているんですが、このことを言っておられるのか、すみませんが、御説明をいただければと思います。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 補助金返還債務に関する履行期限の延長と、返還に必要な額についての質問にお答えいたします。履行期限の延長についてですが、前回、平成29年3月に、今、現計画と言っていますが、大北森林組合の経営計画及び補助金等返還計画が県に提出されまして、内容を確認しまして、その計画にのっとって履行期限の延長を認めたところでございます。その期限が今年度、令和3年7月30日ということでございまして、返済金額は県の補助金返還請求以外に銀行からの短期借入金、市町村に対する返還金等も含んでおりますので、県の補助金の返還請求額とは一致しない部分がありますが、その全体の返還をどうするかというものが、返還計画と経営計画であります。その見直し計画が今回5年目ということで現在提出されておりまして、その内容について皆さんの意見を聞きながら、内容が適当であると認められれば、7月30日をもって5年間の延長を考えているところでございます。 ◆山口典久 委員 分かりました。つまり、この5年間のまとめというか、この5年間をひっくるめてどうかという話ですね。ありがとうございました、  次に伺いたいのは、組合側が提出した中期計画について、各事業の見通しがかなり伸びる。伸びるというのは、例えば販売部門で言えば、販売事業が令和7年の計画が令和2年の実績比で取扱額が2.1倍になる。特殊伐採班を編制して、支障木伐採を安定的に行うとしています。また、森林整備事業については、令和7年の計画が令和2年の実績比で、同じく取扱額が2.7倍、これは職員の増員によって事業量の増加を図るとしていますが、一体職員の増員は何人ほど計画しているのか。というのは、先ほど風間委員からも御指摘ありましたけれども、今職員を増員するというのはかなりハードルが高くて、いろいろな困難や御苦労もあろうかと思うんです。特に、大北森林組合の場合は、厳しい経営環境の中で、この間、人件費も削らざるを得ない中で働いていただいているわけで、果たして職員さんを確保するというのは現実的なのか、その展望があるのかと思うんですが、その辺については、これは精査の途中なんでしょうけれども、林務部としてはどのように今、御覧になっていらっしゃるでしょうか。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 大北森林組合の職員の増員、体制の整備についての御質問かと思います。まず、もう既に始まっておりますけれども、令和3年度から事務的な一般職員3名を増員しております。計画上、この5年間で、もう2名増員させることによって、森林整備事業を活発に進めていきたいということでございます。森林整備事業が進めば、おのずと販売事業も膨らんでいきますので、そういった関係になっていると認識しております。 ◆山口典久 委員 ここはぜひ、県のほうでもよく精査していただきたいと思うんですね。やはり人が確保できなければ、この返還計画も足元から崩れるということになりかねないと思いますので、そこはよろしくお願いしたいと思います。  それで、加工部門、加工事業なんですけれども、令和7年の計画を見ますと、令和2年の実績比で、取扱額が16倍にぐんといくわけですね。チッパーを導入して、大町に導入される大型木質バイオマスボイラー等へチップを安定的に供給するということなんです。  私、よく知らないんですが、この大型木質バイオマスボイラーというのは、現実的になってきているんでしょうか。その辺の状況を教えていただきたいと思います。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 大型木質バイオマスボイラーの設置につきましては、大町市内の工場で設置を予定してございまして、そちらにチップを供給するということについて、現在、大北森林組合のほうで調整中と聞いております。なので、そういった大規模な施設に向かって持続的に事業が発生するということで、そこの調整が済めば、継続的に事業確保ができると認識してございます。 ◆山口典久 委員 これはもちろんうまくいけばいいんですけれども、例えば木質バイオマスについても、信州F・POWERプロジェクトなど、県内でも幾つかそういう取組がありますけれども、いろいろ苦労されているのも事実で、果たしてこの木質バイオマスの工場が安定的に経営を行って、しかもチップを安定的に供給することができるのかどうかということも、16倍に伸びるということですから、ここもよくチェック、確認していかなければいけないと思うんですね。そこで、例えば大型木質バイオマスがどうなるのか、そこへチップを安定的に供給する計画がどうなのか、その辺の精査も林務部のほうでは行われる予定なんでしょうか。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 そういった部分、地元の声も聞きながら、また我々の出先もありますので、地域の状況も踏まえながら、本庁のほうで精査していきたいと思っております。 ◆山口典久 委員 はい、分かりました。  最後に、林務部改革推進委員会の外部有識者へ意見照会もしながら計画の妥当性について精査していただくということなんですが、これは林務部改革推進委員会の外部有識者との会議を開催するということなのか。また、その精査の過程において、精査している内容について、一定の情報の公開はされるのか。私は公表されたいと思うのですが、その辺はどのように考えておられるんでしょうか。 ◎今井達哉 森林政策課長 改革推進委員会の委員さんには、本計画について、年に何度か参集の上に会議を開いていますが、今回は通常の流れの中における計画の更新ですので、計画を送付して、必要な意見があればお寄せいただくという形を取っております。 ◆山口典久 委員 はい、分かりました。いずれにしても、今回の大北森林組合の事業に関しては、残念ながら県民も様々な不信を持ってしまったのも事実ですし、今後の動向を注目されているというのも事実だと思うんですね。  やはり、この計画が本当にきっちり行われていくのかどうか、改めて県の林務部としてしっかりチェック、必要な場合は指導もしていただきながら、計画どおりに進行するように、県としての責任も果たしていただきたいと思うのですが、最後にいかがでしょうか。 ◎井出英治 林務部長 大北森林組合につきましては、大町市、北安曇郡地域においては唯一の森林組合でありまして、地域にとって必要な仕事をこれからも担っていってもらわなければならない存在であります。様々な経過がございましたけれども、地域にとって必要な仕事をしっかりと進め、そして、その中で補助金の返還もしっかりとできるような組合運営をしていってもらうことが必要だと思っております。県といたしましても、指導と支援の両面からしっかりと取り組んでいきたいと思っているところでございます。 ◆山口典久 委員 ぜひ、そこはよろしくお願いしたいと思います。以上です。 ◆熊谷元尋 委員 よろしくお願いします。大北森林組合の元専務理事に対する損害賠償請求事件に係る和解について、お聞きいたします。この件については、元専務理事の不法行為に対して、県が1億2,900万円余の損害賠償請求を求めて提訴したわけなんですけれども、今回和解ということで、元専務理事のほうから謝罪があったと、そして支払い、1億2,900万円というお金も認めるというようなことで和解をしたいということだと思うのですけれども、もともと県が提訴したのは、この謝罪を求めて提訴したわけではなくて、不法行為に対して1億2,900万円余を払いなさいと、損害賠償のお金を払ってくださいという提訴だと思いますので、私は、謝罪があったからということで和解することについては、基本的にはいかがなものかなというような疑問を持っております。  先日も一般質問で、小林議員のほうから質問があり、林務部長のほうから答弁がありました。何点か確認をさせてください。専務理事は、1億2,900万円の損害賠償に加え、大北森林組合との間でも損害賠償請求があるというようなこともお聞きしておりますし、そしてまた、県に対する遅延損害金もあるということで、こちらの遅延損害金については、最速で和解をしても、約3,000万円くらいあるのではないかというようなことをお聞きしているわけなんですけれども、その3,000万円と、大北森林組合との間の損害賠償請求の金額についてお聞きいたします。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 遅延損害金の内容と大北森林組合との損害賠償請求の内容という御質問かと思います。遅延損害金につきましては、平成28年9月12日から支払い済みに至るまで年5%の割合によるということで請求しておりますが、この平成28年9月12日というのは、県が国に補助金を返還した日でございます。その日から、仮に7月中旬という形で試算いたしますと、年5%ですので、1億3,000万の5%といいますと、それだけで年650万円ほどになりまして、もうすぐ5年になりますので、単純に5年、それを掛けますと3,000万を超える金額になるということでございます。  あと、大北森林組合と中村元専務との損害賠償の内容でございますが、大北森林組合が、不適正受給事件で中村元専務に対して非のある部分について、2億1,500万の損害賠償の訴訟を行っております。これにつきましては、平成29年12月に大北森林組合と和解が成立している状況でございます。 ◆熊谷元尋 委員 金額を聞いただけでもなかなか大変な金額で、これを返済していくというのは並大抵なことではないと思うわけですけれども、もし仮に県との和解が成立した場合には、県への支払いが優先されるのか、あるいは組合への支払いが優先されるのか、その点についてはどうなっているのでしょうか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 お互いの損害賠償請求についての返還の優先度の御質問かと思いますが、お互いに請求したものの回収につきましては、任意という形でございますので、優先権というものはないということでございます。 ◆熊谷元尋 委員 任意ということであれば、元専務のほうで県へ支払いたいというときには県を優先するし、県ではなくて、組合のほうへ優先して払うというようなことになれば、組合のほうが優先されて、県のほうでは回収がなかなか難しくなるというようなことも想像されるわけなんですけれども、そういうことで理解をしてよろしいのでしょうか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 今、優先権はないと御説明いたしましたが、ただ、実際問題としては、当人、中村元専務が可能な支払い額に応じて、お互いにどれだけという金額を両者協議しながら決めていくことになるかと思います。 ◆熊谷元尋 委員 分かりました。それで、今回は和解を進めていきたいということなんですけれども、和解というのは、責任の所在というか、経過というのがなかなか明らかになってこない点があると思うんです。  先ほども山口委員からの質問で、元専務は、これまで支払いに応じられない理由として、県が組織的に関与したものであって、請求には応じられないというようなことをおっしゃっていたということなんですが、裁判すれば、もしかしたら県の関与といったものがあったじゃないかといったことが、判決の中で触れられるかもしれないけれども、和解してしまうと、県の関与があったのか、なかったのか、県の責任については、表には出てこないと思うものですから、なかなか分かりにくい面が出てくると思っています。  もともと裁判で不法行為に対して損害賠償を求めたんだけれども、今回和解をするメリットというものはどのように考えていらっしゃるのか。特に、1億2,900万円が県に支払われればもちろんいいわけなんですけれども、もしかしたら支払ってもらえないといったことも予想できるわけで、そうなりますと、結果として、県民の負担が生まれてくるんじゃないかと思うんです。県民にとっても、裁判から和解にするということに対して、どういうメリットがあるのかということについて、お尋ねいたします。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 和解が県民にとってどのようなメリットがあるかという御質問でございます。和解によりまして、本損害賠償請求事件が、県の主張が認められた上で、早期に終結するということが一つのメリットと考えているところでございます。  あと、関連的なものではございますが、大北地域の森林づくりには森林組合が不可欠で、その早期再生についても様々な方、市町村長からも意見をいただいておりまして、この組合に係る一連の訴訟が、やはり一区切りをつけるということで、新たな計画も作成している中、組合が前に進み、森林の維持管理がより一層図られること等は、地域、さらには県にとっても、県民の皆様のメリットになると考えております。  本訴訟に関しては、元専務から県に莫大な被害を与えたことを深く反省し、県に対し心から謝罪するということも言われ、県の主張が認められたところでございます。このことについては、県にとってというだけでなく、県民の皆様の信頼回復に向けた取組に向けて、よかったという感想をいただけるように、これからも取り組んでいきたいと考えております。 ◆熊谷元尋 委員 県民の皆さんにとって一番いい形は、1億2,900万円余がきちんと県に支払われることだと私は思っていますので、そこの所を忘れないようにしていただかないと、謝罪してくれたのでいいとか、裁判やっていると時間がかかるけれども、和解すれば早く解決してしまう、自分の手元から難しい仕事が少しでも離れていく、そういったことであっては決してならないと思いますので、ぜひ1億2,900万円の回収といいますか、支払いを履行してもらうということについては、しっかりとやってもらいたいと思います。  この和解条項の中で、支払い義務があるということは認めて、そして今も説明がありましたけれども、莫大な損害を与えたことを深く反省し、原告に対して心から謝罪をする、そして、損害賠償金1億2,900万円余プラス遅延損害金の支払い義務があることを認めるということは書いてはあるんだけれども、支払うということは一言も書いていないわけなんです。本当に支払う気があるのかどうか、その点についてはどのような感触なのか、お聞きいたします。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 元専務の支払いの意思の確認という御質問かと思います。元専務に対しては、現在も裁判の中で弁護士を通じてお話をさせていただいているところでございまして、現在、今後の収入額に応じた支払いの意思については示されている部分がございますが、それについては和解成立後、きちんと県のほうも手続を取りながら、弁護士を通じて話を進めさせていただいて、しっかりと債権の回収ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆熊谷元尋 委員 和解条項案も一応できてはいますけれども、私は、謝罪をする意思だとか、支払い義務があるということを認めるのであれば、条項の中に、どういう方法でお金を返していくんだ、お金は返しますというような文言をきちんと入れるべきではないかと思うんですけれども、そんな点については、どのようにお考えでしょうか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 県としましては、元専務側から損害賠償金の支払い義務を認めた上で謝罪の意思が示されたことから今回の和解に応じたところですが、和解成立後につきましては、速やかに財産調査を行い、その結果、財産が債権額に満たない場合には、元専務理事に対しまして、今後の収入額に応じた支払い計画の策定を求めてまいりたいと考えております。そして、計画的な債権回収に努めてまいりたいと考えております。 ◆熊谷元尋 委員 くどくなりますけれども、可能な限り和解条項の中に、1億2,900万円余の請求額の返済について、きちんと明記していただくことが、より安心できる条項案になるのではないかと思います。  また、仮に、この1億2,900万円余が支払われない場合の責任の所在についてはどういうことになるのか、お聞きいたします。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 今後速やかに財産調査を行った上で、換価可能な財産について、強制執行の手続等を行ってまいるわけですが、財産が債権額に満たない場合につきましては、元専務理事に対して今後の収入額に応じた支払い計画を求める中で、支払いの期限を設定するようにしていきたいと考えております。 ◆熊谷元尋 委員 1億2,900万円余をきちんと払ってもらわなければならないと思っているし、仮に払われないときには、責任というのは当然、県にあるわけでして、そこの点についてもしっかりと感じながら、返済をきちんとしてもらうように、そういうことだけは忘れないようにしていただきたいと思います。  先日の答弁にもありましたけれども、今後、和解後、速やかに債権額を確定してというようなことでしたけれども、この債権額というのは、何を債権額というのか、私は1億2,900万円余がもう既に債権額になっているのではないかと思いますけれども、それは解釈が違うのでしょうか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 債権につきましては、現在、損害賠償の請求をした段階で債務が生じているわけでございますが、現在、裁判で係争中でございますので、今後和解が成立した段階で、その債権の額が確定するという形でございます。 ◆熊谷元尋 委員 そうすると、これが1億円になるのか、5,000万円になるのか、もっと減ってしまうという可能性もあるというような理解をしておいてよろしいのでしょうか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 額につきましては、1億2,900万円余というものは、もう確定でございます。そのほかに、裁判費用の41万円というのが新たな債務として発生するわけですが、それに加え、遅延損害金につきましては、支払いが終了した段階で確定しますので、それまで額は確定しないという形になります。 ◆熊谷元尋 委員 そうすると、1億2,900万円余を下回ることはないということでよろしいわけですね。分かりました。和解後、可能であれば返済計画というのを同時並行的につくるべきだと私は思っておりますけれども、同時というわけにいかないとすれば、可能な限り早く返済計画を先方につくらせて、そして、損害賠償金をきちんと回収することによって、県民への負担を限りなく減らしてもらいたいと思っておりますし、先ほど山口委員のほうからも指摘がありましたけれども、和解の経過ですとか、内容ですとか、そういったことはきちんと県民にも伝えていくことが必要ではないかと思っております。最後に、そんな点について、部長にお伺いし、私の質問を終わります。 ◎井出英治 林務部長 県といたしましては、1億2,900万円余を請求して長い間、裁判をしてきたわけでございます。今回、全額の支払い義務を認めるという形で和解をしようと考えているわけでございますけれども、委員おっしゃるとおり、この後は回収ということが大変大事な場面になってまいります。でき得ることであれば、全額を回収できるような財産の発見をすることが一番でございまして、もちろんそれに努めるわけですが、発見することができない場合には、計画的な返済をするように、支払いの計画の策定を求めてまいるという手順で臨みたいと思っています。  いずれにしましても、これから、県民にとって必要な財産を損害賠償請求という形で回収していくという大事な仕事をしていかなければいけないと思っておりますので、気を引き締めてさらに臨んでいきたいと思っておりますし、また、必要な情報についても、分かりやすく説明していきたいと思っているところでございます。 ○堀内孝人 委員長 午後2時45分まで、休憩を宣した。 ●休憩時刻 午後2時30分 ●再開時刻 午後2時46分 ○堀内孝人 委員長 再開を宣し、委員の質疑等発言を許可した。 ◆埋橋茂人 委員 大北の問題は大勢が聞かれましたので、私は1点だけ、森林組合のほうから中村元専務に対する損害賠償2億1,500万円が平成29年11月の和解で確定したという説明を受けました。この額が大北森林組合の再建計画の中の、いわゆる賠償予定額の中に盛り込まれているのか、いないのか、そこを教えてください。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 大北森林組合から中村元専務に対する損害賠償請求の請求額について、補助金返還計画に盛り込まれているかどうかという御質問でございますが、現在の計画の中では、中村元専務から損害賠償請求に対する返還金があった場合は、返還計画上は、その部分を組み込むという形の記載になっております。 ◆埋橋茂人 委員 はい、分かりました。たらればということですね。この話はこれにして、森林経営管理制度の件で御質問いたします。  私も地元で里山を守る会に入って山の整備等へ行って、2か所あって、林福連携とかいろいろやっているんですが、この年になると、切り出しからこんなでっかい丸太を運ぶのが結構大変で、取付け道路まで造ってやっているんですけれども、それはそれとして、山が本当に荒れていますから、森林経営管理制度で早く手を入れてやっていただきたいと思います。県の県民税、あと森林環境譲与税ということで、風間委員のおっしゃったとおり、何もしないできた、とどのつまりがこういう形になったので、残念ではありますけれども、ようやく手を入れてくれる気になったんだなと思って、地域でもそれはそれとして歓迎していますので、よろしくお願いしたいと思います。  それで、質問ですけれども、市町村の事務のところに、所有者の確認、林地台帳等、それをずっと飛ばしていって、森林所有者及び権利者の同意ということがありますが、これは東日本大震災のときもそうでしたし、例えば私の母の実家で祖父の持っていた山が公共土木の工事にひっかかって、同意書を取りに、私のところまで来たんですね。それをどこかの会社が請け負ってやっていましたけれども、登記、相続、本当に複雑で、全員の同意取得をしていたら、ほとんど実効性がないと思うんですけれども、例えばマンションの管理組合みたいに8割同意とか、そういうレベルの仕掛けはあるんでしょうか。それとも全員同意が必要なんでしょうか。 ◎今井達哉 森林政策課長 森林経営管理制度の同意の御質問をいただきました。現在、多くの市町村、8割以上の市町村で個々の森林所有者の意向調査を行っています。エリアを広くするためには全員ということになりますが、あくまで山林は個々の所有者の意向の確認を取った上で、その森林が資産として活用できれば林業事業体に行きますし、そうでない場合は市町村が管理するという制度になっていますので、個々の所有者が何割の同意ができたからと、広いエリアを見れば、そういう形になりますが、個々の所有者ごとの管理というところで御理解いただければと思います。 ◆埋橋茂人 委員 制度上の立てつけ、私もそこは分かっているんですけれども、現実には、一雨降れば沢筋が変わって、山の境というのは変わってしまったり、ほとんど境界確定も不十分で分からないし、山に手を出そうという若い人がいないわけですから、林業者として育てていくのは別として、家産として管理していくという仕組みがほぼ難しいところへ来ているので、要は、利益の出そうなところは業とする人がやって、もうかりそうもないところは市町村でやってもらうということですよね。  その切り分けだって、飛び地になっても困るから、ゾーニングをしていかざるを得ないと思うんですけれども、このときに、今言った同意前提とか、これは私有権だから、それは当たり前ですけれども、それよりも早く森林の崩壊なり、山のひどい状況がそのまま続いているわけで、スピード感がないと、せっかくの制度が生きてこないと思うんですよ。その辺、皆さんも当然お困りになっていると思うんですけれども、どのようにしていくお考えなのか。 ◎今井達哉 森林政策課長 管理体制をどのように構築していくかという御質問をいただきました。単位がどうしても市町村になっていきまして、そうすると、市町村の規模だとか、また、いわゆる国有林の規模だとか、そういうもので森林環境譲与税の額も違ってきていますので、本県としますと、10広域ごとに、広域的な連携、協議会方式ですとか、そういう管理体制の構築を進めたいというところで、本年度おおむね10圏域の中で、どのような方向性を出していくかという検討が始まっているところです。今、すみません、国有林はもともと管理体制ではありませんので、現状の面積比率として申し上げた点であります。  初委員会の際に少し申し上げましたけれども、木曽地域では、全国初めての取組で、広域連合という組織体を使って取組をしておりますし、現在、ほかの地域でも協議会方式という形で鋭意検討しておりますので、県としますと、それぞれの地域の形に応じて、個々の市町村が苦労しないで、情報共有をしながら制度が運用できる仕組みを進めていきたいと思っております。 ◆埋橋茂人 委員 市町村ではなくて、広域ということですから、ぜひ県も関与していただきたいところです。本当に今、私も山仕事へ入ってみて、山をやる人がいないんだなと、恐らく境にすら興味がないという状態になっています。  したがって、ここのところ、発想を変えて、やはり所有することも大事だけれども、利用するほうがより大事な部分に私はなっていったと思います。現実に管理をやらないということは、放棄しているのと同じですから。だから、そういう発想でもやっていただかないと、より広域的なものになっていかないんではないかと思いますので、ぜひお願いをしたいところであります。
     私も4月の初委員会の資料を見て質問申し上げているわけですけれども、それで、もう一つ、今日の説明にもありましたが、森林づくり県民税のストック分もあと少しで消えるということで、これからこういう森林政策、農業もそうですけれども、面を相手にする仕事というのは長く、金はかかるし、人もかかるということで、森林環境譲与税があれば、それで済むという話なのか、県民税と併用していくことでまた新たに県民税をいただくようなことをお考えなのか、その辺はどうですか。金がなければできませんから。 ◎今井達哉 森林政策課長 森林環境譲与税と県単独の森林づくり県民税の関係性の御質問をいただきました。先ほど説明しました県民税は、現在、3期のちょうど折り返しが来て、残り2年となっていますので、今後どうするかという点は現行制度の成果や課題を整理して、みんなで支える森林づくり県民会議ですとか、事業体の皆さんの意見を踏まえながら考えていく形で、いわゆる間伐など、様々な事業を実施していくものです。  一方、森林環境譲与税は、県にも来ますけれども、市町村の皆さんが森林自体をどう管理していくか、事業体に任せるのか、市町村が管理するのかということで、税という概念では同一の流れにはありますが、現在、私のほうでお答えできるのは、目的というか、制度の趣旨的には、両方が補完し合っているという形ではないかと思っております。 ◆埋橋茂人 委員 おっしゃるとおりで、そのようにしかお答えできないんだと思うんですけれども、現場は同じ山の中でやったり、同じ方がやったりしているわけですから、ぜひ本当にスピードアップをしていただくようお願いしたいと思います。  あと、野生イノシシに係る豚熱の関係で質問いたします。新型コロナですっかり陰に隠れてしまった感じがありますけれども、根っこは同じだなと思っています。ウイルスの感染症に対して、人のものに対しても、動物のものに対しても、動き、特に初動が非常にまずかったと。そして、ワクチンもイノシシ用はドイツから輸入しなければならない、人間用はアストラゼネカとかファイザーとか、こういう世界になっている。防疫は国の義務、予防は県の義務と、こうやられても、現実に厳しいですよね。しかも今、飼養豚に対してはワクチン管理の中で打てますけれども、その飼養豚にすら豚熱が発生しています。野生のイノシシは、ヨーロッパの例で言うと、いなくなるまでに七、八年かかっているわけですね。だから、ここも含めて、大分減ってきているし、抗体保有率も上がってきていますけれども、これからどういう形で散布していくのか、防衛ラインというのは恐らくほかの県まで移ってしまったので、ないかと思いますが、その辺はどんなお考えでしょうか。 ◎清水靖久 鳥獣対策ジビエ振興室長 豚熱への対応に関するお尋ねでございます。まず先に、今の野生イノシシにおける感染状況を、農政部のほうのデータと共有しているもので御説明いたします。令和元年に県内で最初のイノシシの陽性が発生して、令和元年末の状況ですと、イノシシのPCRの陽性率というものは27%ぐらい、そして抗体を持っているものは僅か9.7%にとどまっておりました。それが今年4月末の数字でいきますと、PCRの陽性率は4%、抗体保有率は51.2%まで上がってきております。そして、全国を俯瞰しますと、やはり感染の初期の地域というものは、感染スピードがものすごく早く、長野県もそうだったんですけれども、今、西は京都、兵庫、東は栃木、茨城、その辺が活発で、古くから感染が広がった岐阜、長野では、陽性が出なくなってきております。ここ5月、6月のデータで見ますと、PCRの陽性率がゼロで、抗体保有率が6割を超えております。  委員御指摘のとおり、ドイツではイノシシの間で終息までに8年ぐらいかかったということですけれども、今、2年弱を経過しまして、6割まで向上してきておりますので、意外と感染のスピードというものが鈍っているのかなというような状態です。  それでも、一方で、経口ワクチンの散布は続けておりますし、イノシシの捕獲も続けております。このイノシシの捕獲の状況ですけれども、令和2年度、全県で捕獲数が3,580頭でございます。令和元年が約6,900頭でしたので、比較しますと約半分になっているということです。捕獲の努力量は変えていませんので、イノシシ自体が減ってきたのかなということになります。  これから先の見通しでございますけれども、今イノシシが少ない状態になっておりますけれども、イノシシがいれば、また新たな感染の広がりということもあると思います。だから、初期に講じた移動抑制の防衛ラインも感染力が活発な初期には効果を発揮したと思っていますけれども、やはりイノシシ自体が過密でないことが一番重要だと今、考察しております。イノシシは1回に4頭、5頭子供を産みまして、放っておくと、耕作放棄地など、生息に適した環境があれば、どんどん増えていってしまいますので、まずは生息させないための環境の改善と、それから捕獲を両輪として、並行してやっていくことが必要だと考えております。  国のほうから、そのためのモデル事業の予算をいただきまして、今年度、実証的に耕作放棄地の多い安曇野市、旧明科、篠崎のあの一帯ですけれども、長年放置したために、沢に木が茂っていて、そこをイノシシが利用している、そのような環境を伐採して緩衝帯をつくりながら捕獲も同時に進めていく。そういった成功事例をつくって、全県に広げていきたいと考えております。 ◆埋橋茂人 委員 では、ほぼイノシシは集団抗体が獲得できていると判断してよろしいですか。 ◎清水靖久 鳥獣対策ジビエ振興室長 数字上は、まだここ2か月くらいのことになりますので、もう少し長期的な傾向を見なければいけないと思いますが、その辺りについては、国の消費・安全局のほうと県の農政部の家畜防疫対策室のほうでいろいろ検討していることと思います。 ◆埋橋茂人 委員 ここまで来たので、詰めをよろしくお願いします。裾花川を挟んで、県庁の反対側にイノシシの巣がある状態ですので、ぜひ面倒を見てやってください。よろしくお願いします。ありがとうございました。以上です。 ◆小池久長 委員 それでは、お願いいたします。森林税の件に関しまして、先ほど来、風間委員、埋橋委員と質問されているわけですが、大事に貯金していたものをここでということになりまして、本来の使い道になってきたわけです。今の埋橋委員の発言に対して、その先どうなるかということは当然分からないわけですけれども、私、一つだけ森林政策課長に申し上げたいのは、これはアンケートを取ったときに、7割の県民の方が払ってもいいと言った目的税ですね。それでは、少し辛辣なことを聞きますけれども、市県民税、払っても払わなくてもいいなら、課長だって払わないでしょう、極端な話を言うと。だから、要は、払ってもいいような施策を続けていって、今日生まれた子供も500円払ってもいいよというようなことをしていかないと、そんな消極的なことを言っていたら、やはり皆さんの期待に応えられないと思いますけれども、その辺はどうですか。 ◎今井達哉 森林政策課長 県民税の在り方、今後について担当としてどう考えるかという御質問だと理解いたしました。県民の皆さん、7割方が賛同していただいている、それは大変心強いお話でありまして、当然、いただいた貴重な税金ですから、こう使っていますというものをしっかり見せていくことによって、継続的な賛同を得ていくことは大変重要だと思います。  その分、今回資料として提出しましたレポートにつきましても、この委員会だけでなく、多くの県民の方の目に触れていただいて、7割以上の賛同が引き続き継続して得られるよう努めていきたいと思っております。 ◆小池久長 委員 まさに、そのとおりで、目的税というのは、ふるさと納税は品物をくれたり、いろいろありますけれども、クラウドファンディングも一緒なんですよね。だから、自分の大切なお金が、こういう目的に使えるならいいよと。ただ、税金が無駄に使われているとは言わないけれども、何だかよく分からないのならば嫌だよというのが今の国民の見方なので、引き続き、気持ちよく県民税をお支払いいただけるような環境整備に努めていただければと思います。  それと、長野県は森林が多いわけですが、先ほど来、森林整備ができなくて、伐採をして、太陽光発電にする業者さんが結構ありまして、でも、どっちみち手が入らなくて間伐というか、手が入らないので、太陽光でいいやといった管理をする方があるんですよね。それは個人の自由と言ってしまえば自由なんですが、できれば、市町村にもそういった決め事はあるんだろうけれども、せめて外から見えないような配慮をしてくれというようなことを林務部としても、森林を守って、景観を守るという意味でも進めていただきたいと思うんです。あるとき急にできました、あるとき急に何か神奈川の業者が来て、うちの隣にもあったものですから、日帰りだなんて言っていて、という話で、何か計画的になっていかないものですから、せめて周りを囲って見えないような配慮をしてもらいたいと思いますけれども、その辺についてはいかがですか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 森林内での太陽光発電、メガソーラーに関する景観上の配意に関する御質問にお答えいたします。1ヘクタールを超える森林の土地の改変につきましては、林地開発許可制度という中で、景観への配慮というものが一つの許可の条件になっています。そういったことから、残置森林と言いまして、施設の周辺に森林を何パーセント以上残さなければいけないというものが決められておりまして、太陽光発電につきましても、森林率は25%以上、事業地の中で残さなければいけないという決まりになっております。  もう一つは、これは太陽光発電に関しまして、景観への配慮ということで、やはり景観の維持に相当な悪影響を及ぼすことから、パネルやフレーム等についても、景観になじむ色等に配慮することが望ましいという形で今、許可のほうの協議に当たっているところでございます。 ◆小池久長 委員 それは1ヘクタールのかなり大きな開発ですよね。小さいところもあって、小さいところは何かみんなきれいにさらわれてしまって、せめて桜でも植えろやという話をしたんですけれども、市町村を含めて、そういったことをしていかないと、これからまさに長野県がCO2削減も含めて、環境というものを声高にうたっていくのに、あっちにもこっちにも太陽光があって、これがCO2の削減だということでは、やはり少し格好がつかないので、例えば、桜でも、広葉樹でも何でもいいんですけれども、自治体でもそういったものを植える努力目標をつけてくれという話を、お施主さんがしていくか、近隣の人がしていくか、そういうことを義務づけていかないと、もう乱開発になることは目に見えているので、ぜひその辺については情報発信をしていただいて、やはりこういうことは積み重ねなものですから、思わぬところ、足元に落とし穴があったりするので、ぜひともお願いしたいと思います。  それと、ジビエについて、コロナ禍の中で大分外食産業も停滞しているわけですけれども、ジビエの外食産業、先ほども質問にあったかと思いますけれども、その流通に大きな課題があったりするのかどうか。例えば、イオンで置いたり、足りなかったりするという話も聞くんですけれども、その辺は、どのようにまた取り組んでいくのか、併せてお聞きいたします。 ◎清水靖久 鳥獣対策ジビエ振興室長 コロナ禍におけるジビエの流通についての御質問かと思います。コロナ禍の中で、ジビエの流通につきましても、外食産業などと同様に、レストランや居酒屋での消費が滞っておりまして、また、県をまたいだ移動が制限されていたことから、サービスエリアにおいて置いている缶詰、乾きものとか、そういった加工品の売れ行きが非常に深刻だと聞いております。首都圏の飲食店にジビエを供給していた処理施設については、売上が5割ぐらい落ちたといった話も聞いております。  そういった中で、先ほど丸山委員の質問にもお答えしましたけれども、やはりそういうことに左右されない、コンスタントに売れるもの、今のコロナ禍の中では、テイクアウトできるものですとか、身近な食材として一定量が常にはけるようなものを作っていきたいと考えておりまして、昨年から県では新たな需要をつくるために県民の身近な食材として選択いただけるように、県内の飲食チェーン店、スーパーチェーン、イオンという話も出ましたけれども、県内資本のスーパーチェーンにおいても、ジビエを置いてもらうようなことで、営業局と連携して取り組んでまいりました。やはり県内でそういう需要ができると、一定量の確実な需要ができておりまして、ジビエにつきましては、コロナ禍の中でも割と成績がよく対応できているような状況でございます。  それで、先ほど少し説明が足りなかったんですけれども、信州と言えば何を思い浮かべるかというと、やはり環境のよさと、それから、長野県に来ればそば屋を非常に多く目にするということから、そばというイメージが強いということで、長野県におきましても、ジビエをそのような存在になるように育てていきたいと考えております。そのためには、やはり安定供給が不可欠なので、資料6のニホンジカの計画の中でも説明いたしましたけれども、コンスタントに捕れる場所で、獣肉、ジビエをやっている人たちが持続的にそこで捕れるような仕組みと同時に、組み立てて安定的に、品質の高いものが供給できるように取り組んでまいりたいと考えております。 ◆小池久長 委員 一つの食材というか、そういう考え方もあるんでしょうけれども、やはりここで、森林税で取り組んできた、いわゆる命を頂くということを、ぜひともうたっていただいて、尊いものだということを子供の頃から理解していただいたり、親御さんにも理解していただいた中で、買ってもらうような活動もしていただければありがたいかなと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、ここに長野木材チップ工業有限会社さんの要望書がありますけれども、長年、C材、低質材をチップ加工して製紙会社等に販売をしてきましたと、製品販売先を製紙会社に限定しているわけではなく、製品の販路として製紙会社とボード業界のみという状況にあったため、2012年にFIT制度が導入され、バイオマス発電が注目され、各地に建設されたときは、新たな販路ができるとともに、業界各社とも非常に期待をしたわけであります。  しかし、思いと違い、県内バイオマス発電所はチップ等の製品供給でなく、原木による供給のみを考えているようであります。そのために、今年度からコロナ対応という名目で、実質的にバイオマス発電を援助するために、県などが原材料に補助を行い、素材生産者のC材価格が実質的に引き上げ始めると、素材生産者が平成26年からほぼ微増であったチップ加工のバイオマス業界は共存しないと、原料の確保が難しくなるように思うと御要望が出されているわけですけれども、現在はどんな状況になっているのか、材が高騰して搬出ができているのか、その辺、両立できているのか、お願いします。 ◎千代登 県産材利用推進室長 県内のチップ事業者の木材調達が大変厳しくなっているということに関する御質問でございます。午後一番で配付させていただいきました資料を御覧いただきますと、上のグラフではチップ用というのがございまして、これはパルプチップ用ということで、既存の昔からチップをやられている皆さんのところに出されたチップの量で、昨年を見ますと、その前よりも増加しておりますので、その点、昨年は幾らか苦労されながらも、ある程度の量は確保されたのではないかと考えておりますけれども、昨年の途中に、バイオマス発電所、新しいところが2か所稼働しております。今年から、さらにC、D材、低質材の県内需要は大きくなると見込まれておりますので、C、D材の需給というのは非常にタイトになってきているのではないかと考えております。  特に、パルプチップ用バイオマス用のすみ分け、これはとりわけ電力の固定買取り制度、いわゆるFITの制度ですけれども、これで高値となりますと、間伐材等由来のものについてはバイオマス用、それ以外の、いわゆる一般木材と言われるものに関してはパルプ用ということで、すみ分けは可能と理論上はなっているわけですけれども、申し上げたように、需給が逼迫してきますと、そんなことも言っていられなくなりまして、価格の高いところへ流れてしまうという現実もございます。  委員御指摘の点は、昨年、コロナの関係でA、B材を含めた素材生産量が少し落ちましたので、それに危機感を感じて、バイオマス事業者は、今年分の調達を相当強化していることが一つの要因ではないかと私どもとしては考えております。  県としては、とにもかくにも全体の素材生産量を上げるということが一つでありまして、その資料、中段ほどに樹木が寝っころがったイラストが書いてありますけれども、1本の木を切っても、A、B、C、D、いろいろなところがありますので、A、BからC、Dまで全体の生産量を上げるということで、パルプチップの事業者の皆さんにも材が流れるように、しっかり山側に働きかけていくということが第一かなと考えております。  それから、県内バイオマスの発電事業者で、チップを購入して、それも一緒に燃やして発電している発電事業者さんもいらっしゃいまして、そこと連携を始めた既存のチップ事業者さんもいらっしゃいます。こうしたことから、地域の素材生産事業者からチップ事業者さん、それから、バイオマス発電事業者まで含めた需給調整の機会みたいなものも重要かと思っておりまして、パルプか発電かの二項対立ではなくて、地域内のA、B材からC、D材まで、需給をいかに地域内で回していくかという観点で、関係者が連携できる形を模索していくことも必要かなと考えておりますので、その点は今後、また現地機関等でも情報を共有しながら対応を検討してまいりたいと考えております。 ◆小池久長 委員 素材を生産する皆さんは、今まで低迷していたところに一筋の光が見えたようなものというところもあるんですけれども、やはり既存の関わりというのもあって、これが全てではありませんけれども、県がいわゆる自然エネルギーを奨励しているということで、県がリードしてそこへ持っていくということは、なかなかこれは厳しい状況ですから、森林業者の底上げを図るためにも、バランスのいい森林整備というか、いわゆる仕入れですよね。当然高いから向こうへ持っていこうというんですけれども、結局、運搬料がかかってしまって、アブ蜂取らずみたいな話もあるものですから、その辺はよくバランスを見て、恒久的に続く森林業というものをぜひとも確立していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。以上です。 ◆大井岳夫 委員 それでは、お時間少しいただきまして質問をさせていただきます。私の質問は、各委員がもう取り上げられていました外材のこと及び品不足等について、資料4に基づくものになります。  コロナ禍でサプライチェーンの再構築が叫ばれております。マスクをはじめとします生活医療用品、それから、製造業における部品などが言われておりまして、国内回帰を進めていかなくてはいけないということが叫ばれていますけれども、まさに今、この木材というのが国内回帰ということにおきまして、サプライチェーンを再構築していく、ある意味、絶好の機会、チャンス到来と受け止めております。  先日、佐久地域にあります素材の卸の会社、組合に行ってまいりまして、現地調査すると同時に意見交換もしてきたところです。サプライチェーンの再構築と一口に言ってもなかなか難しいところがありまして、と言いますのが、足元、素材が高騰していて、高く買いたいという業者が当然いらっしゃるわけです。ただ、何十年という付き合いの中で、一定量供給をしていかなくてはいけないという信用、信頼関係も成り立っているわけですから、足元、高く買ってくれるからと言っても、なかなかすぐそちらのほうに回す素材というのは、もともと確保も大変だということもありますけれども、難しさというのがあるのかなと。  ただ一方で、もし、例えば1年、2年というスパンではなくて、長く5年、10年というスパンでしっかり高い価格で買っていただける、そんな国内回帰も含めて、サプライチェーンを再構築していくことができれば、やはり働いている皆さんの賃金に跳ね返っていくと思いますし、新規雇用にもつながっていくのかなと考えているということで、ぜひそういう体制の整備、構築に向けて御尽力いただきたいということでありました。  そこで、ただ、そうは言っても民間対民間の商取引なわけですから、県がそこに関わっていく難しさというのが当然あると思うんですけれども、そういう一方で、サプライチェーンの再構築ということには、県も関わっていくという意向であるとお聞きをしたところです。具体的に、どのように関わっていくかについて、1点目でお伺いいたします。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 木材のサプライチェーン再構築について、私のほうから川上サイドの面から御答弁を差し上げたいと思っております。川上サイド、今ある、切る側からしてみると、どの山をいつ切るか、どう切るか、経営能力の話になってくると思いますので、経営能力を向上させていくというのが、ひとつサプライチェーンを構築する川上側の一番、最初の取組かなと思っております。その点につきましては、県といたしましては事業体の経営力の向上ですとか、もちろん安全確保もそうですし、先ほど来、御質問のありました高性能林業機械の導入といったものもありますけれども、経営能力の向上の研修をしているところでございます。また、厚労省の事業でも、安全に絡めまして、経営力の向上につきましても、研修が行われているところでございます。  また、森林組合について言いますと、森林組合の経営改善の事業を令和元年度まで行っておりまして、その中で、やはり森林組合の経営力を向上しなければいけないという課題と、もう一つ、IT化をしなければいけないという二つの課題が見出されまして、それに基づきまして、現在、県の事業として、そこを補うような経営力の話だとか、ITについて研修事業をやっております。  こういったところで、事業体、森林組合が経営力を高めていただくことによって、川下のほうとつながっていくサプライチェーンができていくということを期待しているところでございます。 ◎千代登 県産材利用推進室長 私のほうからは、川下の木を利用する立場のほうからの視点で、できることを申し上げたいと思います。現在の外材不足、県産材への期待というところをチャンスにしようということで、外材主体に取り扱っていた大手住宅メーカー等からの問合せに応じまして、その供給体制づくりについて、原木の流通を担っている県内、特に県の森林組合連合会等と調整をしているところでございます。原木流通、それから木材加工事業者、消費者が連携していくことで、このウッドショックが終わった後も安定した取引につなげられるのではないかと考えておりまして、こうした事例を増やしまして、新たな需要を生み出すことで需給バランスの取れた市場拡大というものを図っていきたいと思います。  その上で、こうした新規の需要を将来的に確かなものにするためには、川上から川中、川下を含めた関係者の長期的な協定みたいなものを締結するといった工夫も必要ではないかと考えておりまして、様々な手法はあるとは思いますけれども、またいろいろ価格が変わった後でも、安心して川上、川中で県産材の製品を作って、供給できるような状況をつくってまいりたいと考えております。 ◆大井岳夫 委員 先ほど風間委員からも、将来の価格の下落リスクに対してのヘッジということで御提案がありました。森林組合連合会の皆様と意見交換しながら、連携しながらということでありますので、ぜひそういう観点からも研究を進めていっていただきたいと思います。  2点目としまして、信州プレミアムカラマツについて質問いたします。県は、平成29年度より規格を設けまして、信州プレミアムカラマツということで、ブランドを位置づけて、そしてPRに努められています。基準としては、樹齢が80年以上の人工林、横の長さが4メートルから6メートル、そして直径が30センチメートル以上ということで、品質としては素材の日本農林規格1等、2等に相当するものと規格がされているところです。  ということで、大変期待しているところではあるんですが、令和2年度の実績では、丸太換算で19本しか出荷できていないという現状があります。ブランド力を上げて評価を高めていくためには、一定の供給数量というのは必要だと思いますけれども、これからどのように供給量を増やしていく、確保していくのかということについて伺います。  また、これも意見交換の中で、信州プレミアムカラマツについて、県のほうでしっかり、規格の厳格運用ということもそうですし、さらにブランド力が高められて、高く買っていただけるような新たな基準ということで、特に、信州産カラマツというのは、強度の面で日本一とも言われる品質を誇っているということも聞きます。これは家だけではなくて商業施設、そして建築現場で使われる材もそうですけれども、高い強度を誇っているということで、信州産のカラマツは重宝されているということであります。そういった強度という規格も今後盛り込んでいけないかということも含めて、規格の見直しも検討していく必要もあるのではないかと考えますが、見解を伺います。 ◎千代登 県産材利用推進室長 高齢級のカラマツ、信州プレミアムカラマツの供給量を伸ばすこと、それと強度の規格を取り入れたらどうかと御質問でございます。委員御指摘のとおり、私ども、良いものはやはり並材、並みのカラマツとは別にして、より高く売りたいということを目的に、信州プレミアムカラマツを作ったわけでありまして、これは平成29年から販売されております。特に、それまでは、天然林のいわゆる天カラと言われる天然カラマツの赤みのある目の詰んだ太いものですね。これは1立方当たり100万円で流通したような事例も過去にございました。そこまでは伸びなくても、とにかく高く売りたいということで、プレミアムということでやってきたわけでありますけれども、こういったものを今後もしっかりPRすることが必要だと思っております。  先ほど、なかなかたくさん出ていないという御指摘もございました。私どもとしましては、このPRに関しては、買っていただける皆さんへのPRだけではなくて、山側の生産者の皆さんへのPR、ともすると、機械でざっと切って、ちゃんちゃんと造材をして、合板工場なりに出したほうが楽ではあるんですけれども、山の中にそういうお宝が何本かあるというところの認識を、そしてまた、売れ筋ということで、需要があるということをよく知っていただくというPRも必要かと思っておりますので、そんなところにも力を入れながら安定的な供給、あるいは供給量の増加につなげていきたいと思っております。  それから、強度に関することでありますけれども、プレミアムカラマツ自体は、丸太の状況でグレーディングをしておりますので、丸太の状況で強度のグレーディングというものをやることは恐らく困難だと思っております。しかしながら、特に、これはプレミアムカラマツだけのことではありませんけれども、信州のカラマツというのは、ほかの県、どこにでもあるものではありませんので、これは一つの大きな強みだと思いますし、委員おっしゃるように、強度も非常にあります。そういう強みは、プレミアムカラマツも、並材のカラマツも含めて、信州カラマツということでしっかりPRしていくことで、ほかの県産材、あるいは外材との差別化というものをしっかりしてまいりたいと考えております。 ◆大井岳夫 委員 それでは、最後に3点目、林業における人材不足、人材育成について質問いたします。午前中の風間委員の質問中、林業士講習が2年待ちだという質問に関してですけれども、県の塩尻にあります林業総合センターにおける林業のリーダー、高度な技術者養成に関する講座でありまして、新規参入のためのものではないとのことでありますので、そんなことを踏まえながら、改めて人材育成、人材不足解消について質問いたします。  委員会資料4の説明の中に、裏ページの一番下のところ、今後の見通し、対応のところ、二つ目の丸ですけれども、工務店等と木材加工業者のマッチングを実施しておるということでありますけれども、具体的にどのような取組をしているのか。また、状況に応じながら目標数値を適宜、設定して推進していくべきと考えますが、いかがでしょうか。  もう1点になりますが、先日、同僚議員とともに、木曽の森林組合の間伐現場に行ってきました。大分林業の現場というのは高齢化が進んでいるのかなといった想像もしていたんですが、そこでは幾つかの班に分かれて、技能習得度、能力に応じた現場を受け持っているということで、たまたまということではなかったんでしょう、比較的、木曽森林組合は若い方が多いということがありました。その現場だったんですけれども、若い皆さんが非常に生き生きとやりがいを持って働いている姿というのが印象的でした。  そして、収入面においても聞いてみたんですが、40歳少し前ぐらいで、同世代の方の2倍ぐらいの収入を得ているということもありました。直近、ここ数か月、第3次ウッドショック到来、そして信州産カラマツ、好機到来という見出しも踊ったところですけれども、必ずそこで、好機到来なんだけれども、ただ、人材不足ということを主な要因として、なかなか間伐が進まない、そして、さらなる再造林につながっていっていないんだという指摘もされました。その人材不足の要因の一つとして、高い労災率もあります。必ずネガティブな報道というのがついて回るわけなんですけれども、一方で、受け身だけではなくて、攻めの姿勢というものに転じていかなくてはいけないと思います。もっと前向きな、ポジティブな情報発信をしてもらうように、林業の魅力というのは本当にすばらしい多面的な機能、防災面ですとか、様々な効果も、それから2050年ゼロカーボン化等々、多面的な効果があります。それだけ尊い仕事なんだということについては、もっと県からも発信をしていただきたいと思いますし、メディアと連携して、若い皆さんがもっと参入していただけるような、従事していただけるような環境整備に努めていただきたい、力を入れてPRをしていただきたいと考えますが、いかがでしょう。 ◎千代登 県産材利用推進室長 私のほうからは、工務店等と木材加工事業者のマッチングについて、具体的にどのような取組をやっていて、なおかつ目標数値などあるかという御質問についてでございます。具体的には、私ども、現在、外材を主体に扱っていらっしゃいます工務店さん、あるいは住宅ビルダーと県内の製材工場の商談の場を、県の営業局と連携しながら実施しているところでございます。今後は、さらに各地域で県産材を必要としている工務店、住宅ビルダーさんが参加するような研修会や商談会等を予定しているところでありまして、今年度の目標数値ですけれども、当面の目標は、研修会、商談会を県内の4地域、それぞれ1回ずつ、4回は実施してまいりたいと考えております。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 もう1点、林業のPR、攻めの姿勢にしたほうがいいのではないかという御指摘についてでございます。委員おっしゃるとおり、イメージ戦略というのは産業界にとって非常に大事なことかと考えております。昨年はコロナの影響もありまして、対面での就職説明会ですとか、各種研修もできませんでしたし、そういった時代でございまして、当方においては、予算を活用いたしまして、信州の林業についてのPR動画を撮影いたしました。元AKBの方をナビゲーターに起用いたしまして、マスコミでありますABNさんの下、製作させていただきまして、こちらは今ユーチューブのほうで流させていただいているところでございます。やはり時代的にSNSですとか、そういったデジタル媒体で若い人にPRしていくということを始めたところでございます。  あと、他部局とも連携いたしまして、ジョブサポにも林業のほうを入れていただいて、そういったところへも参加させていただきながら、あと各種の説明会も引き続きやっているんですけれども、そういうところでもユーチューブの動画を積極的に流させていただいているところでございます。こういったことから、反響も少しあって、説明会への参加は徐々に伸びているところでございまして、引き続きこういったPR活動を積極的にやっていきたいと思っております。 ◆大井岳夫 委員 はい、ありがとうございます。繰り返しになりますが、林業は大変尊い産業だと思いますし、そして、夢のある、そんな仕事でもあるのかなと受け止めています。ぜひそういった発信を様々なツールを使って、SNSで拡散、拡散ということで広がっていくというようなことも、それほどコストをかけずに、工夫一つでやりようもありますので、アウトリーチということで、特に力を入れていただいて、発信に努めていただきたいと思います。以上で終わります。 ○堀内孝人 委員長 ほかに御発言もあろうかと思いますが、以上で質疑を終局いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、質疑を終局いたします。  ただいまから議案の採決に入ります。最初に、第9号「大北森林組合等補助金適正受給事案に対する損害賠償請求事件に係る和解について」、採決いたします。本件、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本件は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、報第1号「令和2年度長野県一般会計補正予算(第15号)の専決処分報告」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中、歳出 第7款 農林水産業費 第4項 林業費について、採決いたします。本件、報告のとおり承認すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本件は報告のとおり承認すべきものと決定いたしました。  ただいまから陳情の審査を行います。当委員会に付託されております林務部関係の陳情を一括して議題といたします。過日、お手元に配付いたしました審査資料をご覧願います。林務部関係の陳情は、継続分2件、新規分2件であります。  なお、審査に際し、継続審査とする旨の御発言をされる場合は、なるべくその理由を一緒に述べていただくようお願いいたします。また願意が複数ある陳情で、その一部が採択できないために継続審査と決定した場合は、付記事項として陳情者に通知することについて、その都度お諮りすることといたしたいと思いますので、御了承願います。  陳情の審査を行います。審査手順について、あらかじめお諮りいたします。最初に継続となっております2件の陳情を、続いて新規の陳情2件について、順次、審査をお願いしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  まず、継続分の審査を行います。継続分の審査に当たっては、2月定例会以降、状況に変化のないものについては一括して審査を行い、状況に変化のあるものについては取り出して審査を行うことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  それでは継続審査となっております陳情2件について、状況に変化がありましたら、理事者から説明を願います。 ◎今井達哉 森林政策課長 状況に変化はございません。 ○堀内孝人 委員長 それでは、特に状況に変化のない陳情2件を一括して審査いたします。お諮りいたします。陳第375号及び陳第404号については、引き続き継続審査とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  続いて新規分の陳情の審査を行います。まず陳第474号についてであります。理事者の説明はいかがいたしましょう。     〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第474号については、採択すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に陳第475号についてであります。理事者の説明はいかがいたしましょうか。     〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。 ◆風間辰一 委員 陳第475号、ツキノワグマの個体数調整について発言をさせていただきたいと思いますが、ここ数年、特に今月に入っても、熊の出没が多数散見されます。今月に入って、須坂市においては人家の庭先で人身事故が発生したところでありまして、記憶に新しいところでございますが、熊の生息場所が人里に近づいて、熊の生息域が人の生活域に侵食していることが専門家からも指摘されているところであり、我々としても、この点、深く憂慮をしなければならないだろうと思っております。  このような中、本年度は令和4年から5年間を計画期間といたします第二種特定鳥獣管理計画、第5期ツキノワグマ保護管理の策定が予定されると伺っております。自然豊かな本県といたしましては、熊との共存を目指して、ルールを定めて対応してきているところではありますけれども、この陳情の資料にもございますとおり、そうは言っても、非常に多くの目撃件数、そして被害件数、人身被害件数、毎年伸びてきているのも事実でございます。すみ分けのルールをより徹底して、人里の餌に餌づき、人を恐れない熊を増やさないようにしていくことが熊との共存につながるものと考えます。人身被害や農林業、農産品の被害の防止に向けまして、今回の陳情の趣旨をしっかりと踏まえた上で、この第二種特定鳥獣管理計画の策定に入っていただきたいという思いを込めまして、発言をさせていただきました。よろしくお願いいたします。 ○堀内孝人 委員長 以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょう。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第475号については、採択すべきものと決するに御異議ありませんか。
        〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  以上で陳情の審査を終局いたします。  以上で林務部関係の審査を終局いたします。  次に、本委員会関係の閉会中継続調査事件は、お手元に配付いたしました資料のとおりとし、なお慎重に調査を要するための理由を付して議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に委員長報告について、何か御発言がありますか。      〔「なし」と呼ぶ者あり〕  それでは正副委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  この際、何か御発言がありますでしょうか。      〔「なし」と呼ぶ者あり〕  閉会を宣した。 ●閉会時刻 午後3時53分 △採決結果一覧(林務部関係) (付託議案)  ▲ 原案のとおり可決すべきものと決定したもの(簡易採決)     第9号 大北森林組合等補助金適正受給事案に対する損害賠償請求事件に係る         和解について  ▲ 報告のとおり承認すべきものと決定したもの(簡易採決)     報第1号 令和2年度長野県一般会計補正予算(第15号)の専決処分報告中      第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中       歳出 第7款 農林水産業費           第4項 林業費 (陳情)  ▲ 採択すべきものと決定したもの(簡易採決)     陳第474号、陳第475号  ▲ 継続審査としたもの(簡易採決)     陳第375号、陳第404号...