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  1. 長野県議会 2021-06-29
    令和 3年 6月定例会農政林務委員会−06月29日-01号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 3年 6月定例会農政林務委員会−06月29日-01号令和 3年 6月定例会農政林務委員会 農政林務委員会会議録(その3) ●招集年月日時刻及び場所   令和3年6月29日(火)午前10時30分、議事堂第4委員会室に招集した。 ●出席した委員の氏名    委  員  長        堀 内 孝 人    副 委 員 長        大 井 岳 夫    委     員        風 間 辰 一       同           丸 山 栄 一       同           山 口 典 久       同           熊 谷 元 尋       同           埋 橋 茂 人       同           小 池 久 長 ●欠席した委員の氏名    な し ●説明のため出席した者の氏名 (農 政 部)    農政部長           小 林 安 男
       農政部次長          加 藤   浩    農業政策課長         斎 藤 政一郎    農業技術課長         小 林 茂 樹    園芸畜産課長         吉 田 新 一    参事兼農地整備課長      飯 島 好 文    農村振興課長         飯 島 和 久    農産物マーケティング室長   佐 藤 源 彦    家畜防疫対策室長       荒 井 一 哉 ●付託事件   6月28日に同じ ●会議に付した事件   6月28日に同じ ●開議時刻 午前10時27分 ●堀内委員長  開会を宣した。 ▲ 日程宣告   農政部関係の審査 ▲ 議題宣告   付託事件及び所管事務一般を一括して議題とし、委員の質疑等発言を許可した。 ◆山口典久 委員 おはようございます。よろしくお願いいたします。最初に、県産食材「食べて応援」事業についてお伺いしたいと思います。言うまでもなく、この新型コロナの影響で、長野県の農産物が非常に深刻な事態になっていると。販売量の減少というのは伝え聞くところですけれども、最初に、令和2年度にもこの県産食材「食べて応援」事業に取り組まれたと思うんですけれども、昨年の取組において、どのような県産食材がどれくらい提供されたのか、そして、その事業効果をどのように把握しておられるのか、そのことについてお伺いいたします。 ◎佐藤源彦 農産物マーケティング室長 令和2年度に取り組んだ学校給食への提供の状況とその効果ということでございます。まず、取組の状況でありますけれども、提供した食材は、県産ブランド食材、コロナの影響を受けているものということで、信州プレミアム牛肉信州黄金シャモ信州サーモンニジマス、コイという品目でございます。  これは希望を聞く中で提供ということですが、信州プレミアム牛肉につきましては518校に提供しました。それから、信州黄金シャモは80校、信州サーモンが513校、ニジマスが442校、コイが40校という形であります。なお、ニジマス、コイにつきましては地域限定ということで生産量も限られておりますので、そういった状況になっております。  また、その効果ですけれども、実際に在庫がたまるというような形での事業者また生産者への影響を解消するために、こういった学校給食への提供ということで、生産者による食育活動も含めて取り組み、学校サイドからは、非常に貴重な体験、食育の授業ができたというような声も非常に多く聞こえて、子供たちの感想文といったものもマーケティング室に送っていただいている形になっております。ですので、こういった形で学校給食に提供することで、影響を受けていた事業者、生産者への影響の緩和につながっていると感じております。 ◆山口典久 委員 PR動画も作られたり、学校での食育活動も好評だったという話も、ニュースなどでも伺っているところですが、例えば牛肉なんですけれども、今お話ありましたが、518校において提供されたことによって、いわゆる販売量の減少分のどれほどをカバーすることができたのか、これはいかがでしょうか。 ◎佐藤源彦 農産物マーケティング室長 県産牛肉の販売、影響に対するその効果ということだと思いますけれども、実際に県全体の影響の数字というのは、統計データはございません。個々の聞き取りという状況の中になってしまっておりますので、実際に提供した数量では、プレ牛であれば14トン、学校給食に提供してきているということでございます。 ◆山口典久 委員 全体の減少量のうち、それが何%くらいに当たるのかというのが、もし分かればお願いしたいんですが。 ◎佐藤源彦 農産物マーケティング室長 令和2年度、県内の影響を受けたときの在庫量ですとかそういったものについては、正確なデータ等はありませんので、よろしくお願いします。 ◆山口典久 委員 せっかくやる事業ですから、その辺もつかむことができればいいかなと思うわけです。「食べて応援」事業が、令和3年度の今回の補正予算案でも提案されています。昨年の取組との違い、こういうところに今年は力を入れるとか、こういうところを見直すとか、扱う量をさらに拡大しているとか、その辺はいかがでしょうか。 ◎佐藤源彦 農産物マーケティング室長 本年度の取組の特徴でございます。本年度は、学校給食への提供に加えまして、販路拡大活動ということで、ホテル、直売所、それから飲食店、スーパー等での販路拡大の事業にも取り組むものです。そういった形で、幅広く地産地消、エシカル消費ということも訴えながら、影響を受けている県産農産物の販売を促していきたいと考えています。 ◆山口典久 委員 補正予算案では約3億円の予算が提案されていて、財源は地方創生臨時交付金と。裏づけということなんですが、私は、この事業が必要であり、県の農産物の消費を拡大していく上での大事な事業であるということであれば、県の単独事業として予算を確保しても提供する量を拡大するとか、対象となる品目を広げるとか、さらに販路を広げていくとかいうことも必要ではないかと思うんですが、見解をお聞きしたいと思います。 ◎佐藤源彦 農産物マーケティング室長 今回、臨時交付金の活用ということでございますけれども、国の事業と比べても、臨時交付金ということで、事業の仕掛け、仕組みも、県の裁量といいますか、県の考えに基づいて取り組むことができていると考えております。 ◆山口典久 委員 今後、県の農産物の販売量がどう推移していくかということもあるんですけれども、私はやはり今申し上げたように、必要な場合においては県が単独で予算を組んでも、臨機応変にいろいろ手を打っていただきたいということは、御要望として申し上げておきます。  次に、県産食材の消費推進に関して、今度は趣旨が変わるといいますか、伝統野菜について伺いたいと思います。貴重な食の文化財として信州伝統野菜が、給食ではどのように活用されているかということを伺いたいんです。長野県はいろいろ伝統野菜の宝庫ですし、多種多様な野菜が、貴重な食の文化財として受け継がれてきたと。しかし、戦後いろいろある中で伝統野菜が衰退してしまったけれども、最近またここへ来て、伝統野菜存在意義を見直して、復興させようという取組が各地で広がっているというのは大事なことだと思いますし、その点で、農政部の皆さんが大事な役割を果たしておられると思います。  伝統野菜、今79種類ですか、それから伝承地栽培として48の団体を認定しているということです。加えて申し上げますと、長野県主要農作物及び伝統野菜等の種子に関する条例も制定されたわけで、種子を継承する仕組みもつくられて、さらに今度は産地を形成していくと。そして、中山間地の活性化を図る取組としても前進が期待されると思うんですが、この信州の伝統野菜学校給食では、どの程度活用されているのか。種類、学校数などお伺いいたします。 ◎吉田新一 園芸畜産課長 伝統野菜の活用に関わるお尋ねだと思います。まず一つに、伝統野菜学校給食に活用しているかというところでございますけれども、残念ながら正確なデータを持ち合わせておりません。  ただ、委員御指摘のとおり79種類の伝統野菜が認定されていまして、その中で、ある程度学校給食に供給できる量、それから物流の2点が整っているところは、小さいところだと思いますけれども、過去において学校給食に取り入れた事例は聞いてございます。  そのほか、種子条例をつくらせていただいて、79種類の伝統野菜の保存、継承についても積極的に取り組ませていただいているところですが、今現在、伝統野菜の種の保存については、県も出資してございます長野県原種センターに種の保存機能がございます。そこに、今18種類の種が保存できました。これは順次、生産団体の皆さんの希望に合わせて保存を拡大していこうと思ってございます。  さらに、国、農水省にもジーンバンクという制度がございまして、そちらも活用を進めてございまして、今現在18品種が保存されているということでございます。79種類ございますけれども、種の保存がその生産団体ではままならないところについては、こういった種を保存する制度も活用していただけるように、我々から働きかけをしてまいりたいと思ってございます。 ◆山口典久 委員 やはり信州の伝統野菜学校給食で活用していくということは、何よりも次の世代に伝統野菜を受け継いでいくと。さらに、地域の気候や歴史や伝統を知り、子供たちが地域への愛着を深めていくということで、食育としても非常に大切なことだと考えます。  そこで、同じ伝統野菜といっても、学校給食向けの野菜もあれば、現実的には、なかなか難しい野菜もあるでしょうから、それは臨機応変というか、その野菜に応じた取組が必要なんでしょうが、ぜひ、今、学校給食における活用状況を調査していただきたいと思います。そのことによって、さらにどう広げていくか、新たな活用の道も見えてくるとも思うわけですので、お願いします。  それから、伝統野菜を復興させる取組というのは、いわゆる産地をどう形成していくかということになると思うんです。産地を形成していく上で、今、県の農政部として考えている取組や計画などがあったら、お願いいたします。 ◎吉田新一 園芸畜産課長 伝統野菜産地育成に関わるお尋ねだと思います。農政部としては、この伝統野菜を振興する上で、二つ、事業に取り組んでおります。  一つは、それぞれの伝統野菜を生産していく団体が、先ほど委員から48というお話だったんですが、去年少し増えまして51になってございます。その51の団体の皆さんに対して、どのような栽培のやり方が適切であるかということについて、信大の、いわゆる野菜の専門家の先生にも加わっていただきながら、農業農村支援センター普及指導員と連携して、それぞれの伝統野菜に合った栽培のマニュアル、あるいは肥培管理などについて、順次フォローをさせていただいてございます。  もう一つは、そういった生産団体の皆さんの活動を継続していただくことも大事でございます。そのためには、やはり、伝統野菜が適正な価格で販売できるような状況もつくり出さなければならない。伝統野菜を作って、単純に、その生産団体の皆さんだけで食用にするというだけでは閉塞的な活動になってしまうので、伝統野菜を、どう周りの方に認知していただいて食していただくか、そういう販売の部分にも、我々のほうから知恵を出しながらフォローをしているということで、その二つについて取り組んでいるところでございます。 ◆山口典久 委員 ぜひ積極的な取組、推進もお願いしておきたいと思います。  次に、凍霜害について伺いたいと思います。私も4月に、長野市また安曇野市など数か所、現地へ行って、農家の方からも直接、今回の凍霜害についてお話も伺ってまいりました。ベテラン農家の方からも、新規就農者の方からも話を伺ってきたんですが、農家の皆さん、今回はかなりダメージ、大きいなと。心が折れそうになっているという話もありますけれども、やはり何人かの方が共通して言われたのが、最近災害が多くなっていると思うし、市場価格の低迷もあり、また、資材などの価格の高騰もあって、作りづらくなっているということをおっしゃるんですね。  だから、そういう意味でいうと、今回の災害によって受けたダメージが非常に大きくて、ここから立ち直れるのか、立ち直ったとしても本当に意欲を持って皆さん頑張っていただけるのかどうか、今、大事な局面だと思っています。新規就農で県外から来られた方には、子供が本当に大きくなったときに、大学を出してやれたりできるのかというのが非常に不安になってきたというようなことを語っていた方もおられました。  被害額、数字に現れていないダメージもあると思うんですが、今回の災害について、その辺はどのように捉えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。 ◎斎藤政一郎 農業政策課長 被害農家ダメージというか受け止めということで御質問をいただきました。県のほうでも、50%以上の大きな被害があった農家さんですとか、大規模な農家さん、委員会資料でも御説明いたしました79経営体ですけれども、お邪魔にならないようにという形で、差し支えない範囲でお伺いなどしまして、今回どういう対策を取ったかですとか、また、今後どういう形で取り組まれていくかということなどもお伺いをしまして、確かに被害が大きいというところをお聞きしたものですから、そういう受け止めもありました。一番は、防霜ファンがある程度効果はあったというところもあれば、なかなかというところとか、道を挟んで大分違うとか、かなり影響がばらばらで、また、品種でも差があったようでして、今回は特に、災害の程度が一面的に来たのではなく、それぞれ大きく差が開いた形だったと。サクランボのほうからもお伺いしましたし、桃の話ですとか、部長と共に現地のほうもお伺いさせていただいたりもしまして、そういった話をいただいてきております。  そういう中で、皆さん、とにかく来年に向けて樹勢の管理などをやっていかなきゃいけないということはおっしゃっている中で、まずは、残ったものをなるべくしっかり残していこうというお話をされつつ、また、品質低下もありますので、今後のことも御心配の一つというお話を伺ってきております。  79経営体にお聞きしている中では、やはり防霜ファンの効果もあったというところで、長野地域では特に防霜ファンに対するニーズが多くあります。また、規模の大きい農家さんにお聞きしているものですから、多くの方は収入保険や共済など何らかに加入されているということですとか、今後についても、何か対応していこうという前向きな方とか、あとは、少し標高差を変えて、畑を分散することも考えているとか、そういった声がありました。基本的に、少し言い方が悪いですけれども、今回やられちゃったなというところもあるんですが、取り返さなきゃというお気持ちを持たれているということで、全体としては、これでもうしんどいから営農はどうしようかなというところまでの方はいらっしゃらなかったような状況です。 ◆山口典久 委員 今、お話があったんですが、農家の皆さんは樹勢の管理とか、これからも取り組んでいかなければいけないわけですよ。今後の対策として、本会議で和田議員のほうから質問をさせていただいて、農政部長さんの答弁の中でも、被災農業者が営農を継続できるように支援策を検討したいという答弁もいただいたと思うんですけれども、やはり収穫が大幅に減少しても、もしくは収穫がなくても、同じように消毒など様々な経費はかかるわけで、これは農家の皆さんにとっては本当につらい作業だと思うわけです。  農薬、肥料、資材など、こうした経費への補助を検討していただきたいと思うのですが、そこはいかがでしょうか。 ◎斎藤政一郎 農業政策課長 今かかっていらっしゃる経費への支援ということでの検討なり見解という御質問をいただいております。基本的に、今までの災害対策としてまず取り組んでまいりましたのが、今起きている被害状況をさらに拡大させないための緊急的な対策というものが取られてきております。技術対策もそうですし、野菜などほかの作物でも植え替えができるものもありますし、様々あるんですけれども、今回、凍霜害の場合が、特に花芽のつくところから、受粉のときに受粉対策が間に合えば、もう少し、実際には結実に効果があったかもしれないということは、結果的には考えられる部分はあろうかと思います。  今後の部分につきましては、基本的には、これまでも災害に対しては収入保険や共済などセーフティーネットをお使いいただいているところもありますし、まず先にそういったところを御活用いただくということがあります。  実際に経費のかけ方などの差もなかなかありまして、やはり今後に向けては、まずは来年度の作付までに、防霜ファンもそうですけれども、対応できることについて、検討したものをしっかり情報提供といいますか、やり方があるんだよということをお伝えできるようにしていくことがあろうかと思います。  また、災害が多い中では、やはり収入保険などについても、共済ですと収量ですし、収入保険であれば価格的な部分やほかの面のカバーということもありますので、そこについて取り組むということを、現在考えておるところでございます。 ◆山口典久 委員 技術指導技術対策というんですか、私も行ってみて、現地の方からお話を聞いて、被害を受けて実がつかないと枝に養分が行っちゃうそうなんですね。結局、枝が伸びて風通しが悪くなることによって病害虫発生の原因にもなりかねないということで、枝剪除の作業も必要になってくると。  この枝剪除については、農水省の交付金もあると伺っていて、福島県はそれを活用して、10アール当たり3万6,000円の補助を6月定例会議で決めたということもお聞きをしているんですが、この農水省の交付金もあれば、長野県でも活用できないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎吉田新一 園芸畜産課長 今回の凍霜害に遭って、作業的な部分での補助についてのお尋ねだと思います。昨日の丸山委員からの防霜ファンの御質問でもお答えしたんですが、そのときに、国の事業で果樹経営支援対策事業というのがありますとお答えさせていただきました。  その中に、自然災害に関わる助成というメニューもございます。主には果樹ですけれども、凍霜害に遭って、新梢、新しい枝が伸びて、それをどうしても剪定しなければならないという作業がこれから夏にかけて出てくるわけですけれども、そのときにほかの人を雇用する場合、2分の1以内で助成するというメニューもございます。これについても検討していないわけではなくて、今、全農長野さんと連携して、果たして、人を雇用して新梢管理をやらなければならないような被災農家がいらっしゃるのかどうかというところも聞いていただいている状況です。防霜ファンのときにも言ったんですけれども、ある一定の固まりが出てこなければ、なかなか事業の申請ができないので、その状況を踏まえて今は待っているという状況でございます。 ◆山口典久 委員 これについては、調査もしていただきながら、ぜひ、農家の方が積極的に活用できるように、前向きに取組をお願いしたいと思います。  続いて、昨日もお話ありましたけれども、収入保険について伺いたいと思います。今、収入保険加入状況は、昨日、面積で10%程度という御説明だったと思うんですが、そこを一つ確認したいのと、この10%という数字をどう見るのか。例えば、専業農家、第1種兼業農家など、大きくやっていて収入をそこに頼っている農家、そういう必要な農家が加入できているのかどうか。この10%という数字ですね、カバーできているのかということについて伺いたいと思います。 ◎斎藤政一郎 農業政策課長 収入保険の加入率とカバーについての状況という御質問をいただきました。まず加入率のところ、すみません、昨日も十分に御説明できずに申し訳ないんですが、一番新しい農業センサスでの青色申告の戸数については1万5,600戸という数字がございまして、現在、令和3年の収入保険加入戸数でいきますと1,647件ということで、若干変動はありますけれども、10%という状況です。収入保険自体は、品目ごとで見ますと、面積的にも2倍近い形で伸びてはいるのも事実です。  昨日も丸山委員からもお話ありましたけれども、セーフティーネットとして共済は畑ごとですとか、特定の被害に対応するだけの共済から、品目、リンゴならリンゴ全部とか、単作でしたらリンゴだけ全部入るということになりますし、複合系であれば、ブドウをやめてリンゴだけですとか、梨とリンゴは梨だけとか、いろんな方法もあるようですけれども、収入保険は全部の収入ですし、共済はその品目単位での入り方が出てくるような状況です。昨日も申し上げたように、令和3年度の収入保険の果樹では、面積でいって収入保険のほうで10.5%、共済のほうで12.3%ということで、22.8%というのが、面積から見るカバーになろうかと思います。  実際、その先に、委員さんのお話の専業農家ですとか、販売農家でも小規模と大規模で大分違いがございますので、セーフティーネットとしましては、収入保険を選ぶかまたは共済の一部をカバーするかというようなことは、経営判断、選択の余地があろうかと思っていまして、規模的な部分ですとか、品目による差といった点について、実はなかなかいい分析の数字がない中で、今現在、令和3年の加入のところで、ブドウ、リンゴですとか品目で、若干調べてつかんできている部分がありまして、年度比較はできていませんけれども、先ほどの果樹全体で見ると10.5%の面積ですが、面積ではリンゴでいうと12.4%まで、梨は8.8%ぐらい収入保険に加入されている状況です。  一方、共済のほうは、全体では12.3%で、リンゴでは面積比で16.3%と高めですし、また、梨についても14.8%と高めです。一方、ブドウは9.2%ということですから、やはり被害の大きいものについて入るという意識は、共済のほうには特に出ているかと思います。収入保険のほうは全体として、しっかり伸びてはきているのですけれども、これからという状況でありますし、今、御質問ありました、どの辺のターゲットといいますか経営層に入ってもらいたいかという分母については、もう少し様々な方法で研究していかなければいけないと考えております。 ◆山口典久 委員 その収入保険保険料についてなんですけれども、被害額が大きい災害が、この間、相次いで来た中で、農水省は、保険料率14%引き上げるということを決めたとお聞きしています。半分は国が負担してくれるわけですけれども、しかし、収入保険の重要性、役割が大きくなっていく一方で、保険料率がこうやって上がっていくのでは、ハードルが高くなるばかりになってしまうのではないかということが懸念されます。  県として、共済も含めてですけれども、収入保険の掛金への補助は考えていないということなんですが、今後のことも含めて、持続可能な長野県農業ということを考えた場合に、保険料負担の軽減、備えに対する支援というのは、私はやはり必要なものであって、ここを避けて通ることはできないんじゃないかと思っています。  他県の例を持ち出してあれなんですけれども、例えば福島県は、今回、凍霜害を受けて、農家経営安定資金の小災害資金というのを設けて、保険料にも活用できるように弾力的な運用に改めたということです。収入保険の半分は国が見て、その残りの半分の半分、つまり4分の1を県が支援すると。私はこういうことも、この機に検討していくべきではないかな、今やるべきではないかなと思いますが、改めて見解を伺います。 ◎斎藤政一郎 農業政策課長 保険料に対する助成ということで御質問をいただきました。福島県など、地方創生臨時交付金を活用しながら、災害、コロナという両方の観点からであるべき地方創生臨時交付金ですので、それを活用して補助的なものに取り組んだということはお聞きしております。  保険料については、1%台が1.23%、若干上がったのはそのとおりでございまして、今後保険料率が大変上がってくるということになりますと、長野県農業もそうですが、これは保険制度ですので国全体も同じことでもありますので、そこは私たちも国に対して、急激に上下するようなときのカバーをどうするんだと、ずっと上がり続けていく場合に、ただ上がるだけでは制度的にどうかということもありますので、しっかり要望等、意見は出していかなければいけないということを考えております。  実際には、収入保険は積立ての部分と掛金の部分等もありまして、共済と比較しても、決して見劣りするものではないんですけれども、まだ十分お分かりいただけないのか、もしくは、先ほどの複合経営で一部入るとか、いろいろ選択の余地もあるので、その辺はしっかりお伝えしながら進めていきたいと思っております。 ◆山口典久 委員 時間ももうそろそろですので次に移りますが、防霜ファンのお話もありました。私も、現場で農家の皆さんからお話を聞くと、やはり負担が大きいので、どこかから中古の防霜ファンを探してきて、それを使いたいと思っているという方もいらしたし、やはりいろいろな苦労をされています。この防霜ファンについても、改めてやはり県の支援というのも検討していただきたいと思います。防霜ファンが有効な土地もあれば、そうでない畑ももちろんあるわけですけれども、使いたいと思った方が気楽に使えるように、そういう県の支援も、改めてこれについては要望しておきます。  最後に伺います。今回もそうなんですけれども、私は災害対策の位置づけを農政の基本として、もちろん今までもやっていただいているのですが、さらにここで強化する必要があるのではないかなと思います。災害に強い農業に向けて、対策を研究、普及していく特別の位置づけ、本当に持続可能な農業をどう実現していくのか。新品種や技術の開発ももちろん必要だと思いますし、そして、補助や給付も必要だと思います。  販売や販路の拡大、これはもう大いに頑張っていただきたいし、いただいているわけですけれども、災害を防止する、災害に遭ったときの対策をしっかりと、もう少し位置づけを強化していただいて、研究や開発などもしていただきたいと思いますが、最後にそのことだけ見解を伺いたいと思います。 ◎小林安男 農政部長 災害に対する今後の方向ということで御質問をいただきました。委員御指摘のとおり、災害に対する対応を強化するということは農政部としても非常に重要なことだと理解しております。  そういった中で、セーフティーネットへの加入というのは、まず一義的に進めなければいけないということで、当初、収入保険も500名程度のものが1,647ということで、3倍以上に増えてきているという状況にございます。農業者のセーフティーネット加入への意識も高まってきている今の時期を捉えて、県としてもさらなる加入促進を図っていくことがまず重要だと認識しているところでございます。  加えて、被害に対する防止対策という中で、被害軽減に寄与する防霜ファンですとか燃焼資材ですとか、そういった部分の整備についても、今後、取組を進めていくことが重要だと考えております。  さらに、長期的な視野に立てば、例えば今回の4月上旬からの凍霜害につきましても、3月に非常に高温であって、それが一気に4月に迎えて低温になったということで、地球温暖化と言われますけれども、温暖化の一番の特徴は寒暖の差、急激な温度変化というところに現れてきている。それは、降雨の状況、風の状況ですとかそういったものも含めて、非常に気象条件の変化が激しいことが一つの特徴だと考えております。  そういった中で、例えば、開花の遅いリンゴの品種の開発ですとか、生育を3月の当初の早い時期でも樹体の生育に影響を与える栽培方法ですとか、それができるかどうかということは別にして、そういった視点に立った技術開発等も、長期的な視点では取り組んでいかなければいけないのかなと考えておりまして、いずれにしましても、災害に強い産地づくりということは長野県農政部としても進めてまいりたいと考えております。 ◆山口典久 委員 ありがとうございました。 ◆熊谷元尋 委員 それでは、よろしくお願いいたします。最初に、資料8の企業との協働による棚田保全について伺います。私の地元は典型的な中山間地ということもあって、歩いてみると、やはり今、空き家と遊休荒廃地といったところが広がっていて、その場所が年々増えているように感じております。このような中で、農村の景観ですとか風景をしっかりと守っていく、保全していく取組というのは、中山間地だけではなくて、長野県としてとても大事なことなのではないかと思っております。  そして、棚田の保全についても、昨日も風間委員から流域治水の取組について指摘があったように、やはり災害にもきっと役に立つと思っていますし、長野県が進めようとしているゼロカーボンについても、長野県というのは、日照時間も長いのかもしれないけれども、やはり山林もあって、あるいはまた農地もあるということで、太陽光発電や水力発電だけではなくて、この農地、山林をしっかり保全することが、ゼロカーボンの推進にもつながるのではないかと思っております。  以前、外国の方が日本を訪れてとても感動することの一つに、やはり田んぼに水が張られて、稲がきれいに植えられているといった景観、風景に対して感動するんだということもお聞きしたことがあります。これからさらに、企業あるいは大学との協働による棚田保全といったことにも期待をしたいと思っております。  そこでお聞きしたいんですけれども、パートナーシップ協定を結んでいる企業とか大学というのは、県内の企業、大学に限られているのでしょうか。例えば意欲のある企業、大学であれば、県内・県外に限らずこの協定が締結できるのか。また、パートナーシップ協定を結ぶための基準というものがあるようでしたらお示しいただきたいと思います。 ◎飯島好文 参事兼農地整備課長 ただいま熊谷委員のほうから3点、棚田の保全について御質問いただきました。1点目の棚田パートナーシップ協定の締結状況でございますが、現在、この資料にお示ししたとおり、岡崎酒造と八十二銀行、2社でございます。  それから、県外の方も可能かということでございますけれども、私どもは、広くこういった保全活動に協力していただける方を募っておりまして、特に県内外ということにこだわらず、県外からでも、長野県の棚田保全に御理解いただければ、そういった方と地元の保全団体を仲介しまして、協定締結を進めてまいりたいと考えております。  それから、3点目、棚田パートナーシップ協定の基準があるかというお尋ねでございますけれども、特にこういった基準はございません。あくまでも、棚田保全活動の趣旨を御理解いただいて、その活動に協力していただける企業等であれば、私どもでは協定締結をお願いしたいということでございます。 ◆熊谷元尋 委員 ありがとうございます。県内外を問わずに、棚田を保全していく意欲といいますか、そういう活動に対する理解があれば、何ら差し支えないということですけれども、例えば県の役割というと、情報提供ですとか、あるいはPRをするといったことなんですけれども、これをもっと広めていく場合に、それだけではなかなか広まらないのではないのかなという気が私はするんです。今回はこの2社の紹介がありますけれども、これまでそれ以外の企業ですとか大学の皆さんから、自分たちもこういった活動に参加してみたいというようなお話が来ているのかどうか。あるいはまた、これを県としてももっと増やしていくんだというお気持ちがあるのかどうか、お聞きいたします。 ◎飯島好文 参事兼農地整備課長 棚田保全活動、パートナーシップ協定のさらなる拡充についてのお尋ねでございます。現在2社ですけれども、具体的な会社のお名前は申し上げられないんですけれども、私どものほうにほかの会社から話が来ていまして、職員が伺って、締結に向けて準備していきたいと考えております。  それから、県としても増やすという気持ちは十分ありまして、県も、資料にありますとおり、信州棚田ネットワークを立ち上げまして、ホームページによるPR活動もありますし、あとは、毎年1回、棚田のフォーラムといいますかセミナーを開催してございます。昨年は千曲市の戸倉創造館で、棚田保全団体、企業の方、学校関係ですとか、そういった棚田の保全活動に興味がある方を対象としたセミナーを開催したところでございまして、そういったことも、今後も継続して実施していきたいと考えています。 ◆熊谷元尋 委員 棚田の数といいますか、そういった活動をされていらっしゃる皆さんの団体の数と、意欲がある企業や大学の数が同じならば、ちょうど一つの棚田に1企業、あるいはまた1大学ということになるんですけれども、あまり増えてしまうとなかなか活動がしにくくなるというような心配もありますが、幾ら増えても、意欲があれば十分にうまく活動ができるのか、その辺は調整をしていくことになるのか。  あと、やはり増やしていくには、ただホームページでPRしているというだけではなくて、県のほうから積極的に声をかけてみるとか、企業や大学に向けて発信するということが大事ではないかと思うんですけれども、そういったことに取り組んでいく気持ちがあるのかどうかお尋ねいたします。 ◎飯島好文 参事兼農地整備課長 パートナーシップ協定、幾らでも大丈夫なのかというお尋ねと、県の今後の発信という2点についてのお尋ねでございます。多ければ多いほど好ましいことかとは思うんですけれども、やはりパートナーシップ協定、受け入れる側、いわゆる棚田の保全をされている地元の団体組織がそこまで手を広げられるかというと、これもなかなか難しい問題がございまして、あまりに多いと、やはり来ていただいたときに対応もなかなか難しいということもございますので、地元組織の体制を見ながら、私どもも可能な範囲でパートナーシップ協定のほうを進めていきたいと考えています。  それから、県として、ホームページばかりではなく発信をということでございますけれども、当面はホームページを通じて、それぞれの棚田の取組、活動の状況といったものを広くアピールし、また、今回の八十二銀行の締結を契機に、県内の大きな企業さんがこういった取組をされているということを広くPRしまして、さらにこの取組を進めていきたいと考えています。 ◆熊谷元尋 委員 県のほうでも積極的に関わっていくということなんですけれども、例えば地域の課題をビジネスの手法を用いて解決していくという手法もあるし、例えば保全している団体が資金的に非常に厳しいということで、資金を調達するのであれば、クラウドファンディングだとかそういった手法もあると思うんです。そういったソーシャルビジネスとかクラウドファンディングのようなことを、団体の皆さんに対しても取り入れて、棚田を保全していくといったことも考えられるんじゃないかと思うんですけれども、そんな点についてはいかがでしょうか。 ◎飯島好文 参事兼農地整備課長 クラウドファンディング等を活用しました資金援助の関係でございます。現在、私どももその辺を検討している段階でございまして、例えば、棚田の景観を保全していくときに、全てではありませんが、石垣のある棚田地域では、老朽化によって石垣が崩れることがよくあって、それを補修、修繕するのは非常にお金がかかります。それから、せっかく棚田に来たんですけれどもトイレがないといったお話も聞きます。それについてもそれ相応のお金がかかるということで、委員のお話にありましたクラウドファンディング等も含めて、そういったことに対して支援ができないかということを現在検討しているところです。 ◆熊谷元尋 委員 ぜひまた、こういった農村の原風景のような棚田をしっかりと保全していけるように、県のほうでもできる限りの支援をしていただきたいと思います。  次に、資料10の新規就農者の確保・育成についてお伺いしたいと思います。農業を取り巻く環境、農業従事者の高齢化ですとか、有害鳥獣の被害ですとか、広がる遊休荒廃地、いろんな地域で多少の違いはあるかと思いますけれども、全体とすれば同じような課題を抱えているんじゃないかと思います。農業をやっていらっしゃる皆さんにとっては、特に後継者をどう育てていくのか、後継者不足というものも切実な課題の一つだと思います。
     そのような中で、新規就農者の確保と育成に取り組んでいらっしゃるということで、これも大変ありがたいことだと思いますけれども、最初に、農業従事者の現状はどのような状況になっているのかということについて、農業をやっていらっしゃる皆さんの後継者がいるのかいないのかというようなことも含めて、お聞きしたいと思います。 ◎飯島和久 農村振興課長 農業従事者の現状についての御質問でございますけれども、2020年、一番直近の農林業センサスの結果によりますと、本県における基幹的農業従事者数が、育成のほうは進めているところでございますが、2015年のセンサス時に比べまして、5年間で25%減少しておりまして、農業従事者5万5,320人になってございます。同じく、販売農家も減少しておりまして、こちらのほうは4万1,448戸、この5年間で20%減少しているところでございます。  人口減少社会が非常に進展している中で、農業ばかりではなく、各産業でいろんな担い手が不足している状況だと捉えております。特に、こういう中で農業人口の減少が一層加速しているのではないかと認識してまいりまして、県ではこれまで、担い手の確保・育成とともに、農地の利用集積や農業機械の導入等を強力に支援しまして、規模拡大による農業の経営効率化を支援してきているところでございます。  こういう中で担い手を育成しているところでございますが、昨日、資料10でも御説明申し上げたとおり、今お話しいただきました後継者については173人ということで、全体的に見ればやはり減少傾向でございます。特に、新卒、Uターンによる親元就農の部分の減少が著しいかというところでございます。  ただ、昨日も御質問にお答えしたところですけれども、これは45歳未満の数字ですが、45歳を超えて50歳ぐらいで戻られる方というのは近年増加傾向にございまして、そういう方々も含めて、長野県の農業の担い手を育成・確保していまいりたいと考えているところでございます。 ◆熊谷元尋 委員 それで、この資料10について若干お尋ねをしたいんですけれども、この(1)の令和2年度の取組実績、アの就農相談対応、令和2年度はオンライン相談会が146人、そして、対面、その他、現地機関対応があって、合計が847となっていますが、相談に来られる方の年齢別の階層はどんな割合になっているんでしょうか、お聞きします。 ◎飯島和久 農村振興課長 すみません、年齢階層別というデータのほうは、そういう集計はしてございません。 ◆熊谷元尋 委員 そうすると、例えば相談に来られた847人のうち、(2)の新規就農者に結びついているのか、その辺りの状況についてお聞きをいたします。 ◎飯島和久 農村振興課長 相談に来られた方が新規就農者につながったかということについては、その後の経過については調査をしておりませんで、すみません、新規就農者の確保状況というのは、別建てで集計しているということでございます。 ◆熊谷元尋 委員 相談窓口に、自分も農業をやって頑張っていこうといった意欲を持ちながら相談に来られるということで、そういう中から、きっと新規就農につながっている方もいらっしゃるんじゃないかなと思うんですけれども、ただ、そういった意欲があるだけではなかなか農業を始めることができないわけで、その地域にもともといらっしゃる方ならば、まだ住宅はあるんですけれども、その地域外から来られて農業を頑張るというような方にとっては、住宅の確保から課題があると思うんです。  この847人、せっかく相談に乗っているわけですから、例えば、どういった課題があって新規就農につながらないのかというようなことも、きっと調べれば分かると思うんです。こういったことをきちんとフォローすることによって、(2)の新規就農者のほうにつなげていくという取組が必要なんじゃないかなと私は思うんですけれども、そんな点について、お考えがあればお聞かせください。 ◎飯島和久 農村振興課長 相談から就農までの支援ということでございますけれども、まさしく私どものほうでもその部分は重要と考えてございます。それで、長野県ではデジタル農活信州という就農情報を一元管理して、情報発信、動画なども配信しているサイトがございます。まずそれによって、長野県というのが就農先として非常に魅力的だということを発信させていただきます。その後、今回はウェブでやらせていただいていますけれども、コロナ禍でなければリアルでお会いしてということで就農相談をさせていただくんですが、人となりを何度か見る中で、農業、就農というのはこういうことだと、それから農地の取得についてはこうだと。それから、国の支援、県の支援はこういうものがございますと、それだけではなく、やはり起業ということがございますので、就農実現のためには一定量の資金も持っていることが非常に有効だということも含めてお話をさせていただいて、あとは、作物は何をやりますかとか、どのエリアですかとか、いろいろ御相談をさせていただきながら就農に導いていく中で、農業大学校における1泊2日の研修などに参加していただきながら、イメージを確立していただき就農の意思を固めていただいて、それでその後、就農のための里親研修、もしくは里親前の基礎研修など農大でやっているものがございます。こういった研修を大体2年ぐらいやっていただきまして、就農していただくということで就農実現に向けていくと。  就農していただくときには、里親研修で、里親農家さんのところに入りますので、農地の調達、それから住宅。住宅は里親農家さんが見つかれば地域が決まりますので、地域が決まった中で、例えばスタートはアパートみたいな形が多いと思いますが、その後、里親農家さんで研修を積む中で、農地と住宅、機械とかを確保したりしながら、2年の里親研修が終わったところで独立していただくような形で就農実現を図っていただくと。  それから、その後、地域振興局の支援等がございまして、経営安定にだんだん取り組むようにということで、最終的にはちゃんとした農家に育てていくところを支援しているところでございます。 ◆熊谷元尋 委員 今の説明の中で出てこなかったんだけれども、これは、県で847人全部フォローする必要は、私はないと思っているんです。必要であれば、市町村に紹介して、市町村で対応してもらうということもとても大事なことで、市町村との連携といったものもしっかりとやっていただきたいんですけれども、その点についてお考えをお聞きしたいということと、(2)の新規就農者の目標値250人とありますけれども、この250人というのはどこから出てきているのかと、維持するためというのは、何を維持するための目標値になっているのかということを併せてお尋ねします。 ◎飯島和久 農村振興課長 まず市町村との連携でございますが、先ほど御説明申し上げました里親研修でも、里親を探す段階で市町村とも連携をさせていただくんですが、一番は就農してからでございまして、就農しますと、国の給付金、経営開始型は市町村から給付していただくということでございますので、今後、市町村と県で連携しながら、就農した後はきちんとケアをしていくという状況を保っているところでございます。  それから、新規就農者の目標250人についてでございますが、長野県農業の維持に必要な中核的経営体を1万経営体と考えてございまして、このうち集落営農が350組織、1経営体の営農年数を40年と計算をさせていただいて、1万経営体から、集落営農組織350組織を引いたものを40年で割ったものが241.25という数字になりますので、途中で営農を中止する場合も勘案しまして、この241.25から250人を出しているというところでございます。これから長野県農業を維持するためには250人が必要だということでございまして、今のところ200人をなかなか取れないという状況で、世の中の趨勢もございますが、さらなる支援を進めて、250人を確保することによって、長野県農業の維持・発展を目指していきたいと考えております。 ◆熊谷元尋 委員 先ほど山口委員から持続可能な農業についての指摘がされました。その中で、やはり私も、人をいかにつくるのか、人がいなければやはり農業を続けていくことはなかなかできない、法人だけに任せておけばいいというわけではないと思います。新規就農者の確保と育成については、しっかりとやっていただくことをお願いして次の質問に移ります。  資料11の人・農地プランの実質化の状況と今後の対応についてお聞きいたします。実質化を進めるためにアンケート調査をして、現状把握をして、そして将来方針の作成をして、こういった3点セットをやって実質化を推進していくということだと思いますけれども、農業関係のアンケート調査とか話合いをすると、どうしても世帯主というか、比較的年齢のいいおじいちゃんとかお父さんとか、そういった方の意向がすごく反映される傾向があると私は思うんです。農業をやっている家族にとってみると、若い人もいるし女性の方もいるけれども、そういった方たちの考え方を反映していくということが大事だと思いますし、5年先、10年先のプランをつくっていくのに、5年先どうなっているのか分からないといった皆さんの意見だけではなくて、実際に5年先、10年先、農業をやっていくんだという皆さんの意見をしっかりとつかんで反映することがとても大事だと思うんです。今、長野県のそれぞれの市町村で、こういった人・農地プランの実質化という取組について、もう既に始めているところもあるし、まだこれからというところもあると思うんですけれども、若い人だとか女性の方の意見というのが、どの程度、アンケート調査や話合いの中で反映されているかというのが、もし分かれば教えていただきたいと思います。 ◎飯島和久 農村振興課長 今、委員御指摘のところは非常に課題でございまして、5年から10年の地域の設計図となっているところでありましたけれども、ベテランの方がどうしても出てきてしまうというところがございまして、やはり話合いについては、そういう方の意見によってなされているような状況かなと考えているところでございます。  ただ、あくまでも目的は5年から10年後を見据えてということでございまして、地域の担い手としてどう取り組んでいくのかという部分がありますので、全くそれが反映されていないということはないと思いますが、その部分については、市町村にお任せという部分になってしまっているところでございます。  ただ、私どもも、一方で担い手団体などの育成ということで、農業青年クラブだったり、長野県農業士といった方々を育成しておりますので、農業士ぐらいになると、ほぼ40歳前後の方ですけれども、そういう方も参加されておりますし、まだそれより少し上の長野県農業経営者協会の方々も参加されていると聞いておりますので、必ずしも、今御心配される70歳、80歳とかそういう方々だけが参加されてプランが出来上がっているわけではないということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。 ◆熊谷元尋 委員 実質化を進めるに当たって、地域によってはもう実質化が完了してしまったところもあると思うんですけれども、そういったところも含めて、ぜひ若い人や女性の意見などを積極的に取り入れて、計画づくりに反映するようなことを、振興局のほうも入って計画をつくっていると思いますので、そういったところから、それぞれの市町村ですとか、集落の皆さんに対しても伝えていって、作成するようにお願いができればと思っております。  先ほど未来の設計図という話がありました。確かに、5年先、10年先の未来の設計図を描くことはとても大事だと思うんですけれども、市町村なりは、きちんとこういったものをつくらないといけないということになると、真面目に取り組んでつくってくると思いますし、人・農地プランの実質化をやっていないと、その後、事業を進めるときになかなか支援をもらえないというようなことも多分あると思うんです。そういったことも含めて実質化への取組をするとは思うんだけれども、ただ未来図を描きましたということだけではなくて、これをどうやって進めていくかということが一番大事なことだと思います。これをどういった形で進捗管理をしていくのかということについてお尋ねをいたします。 ◎飯島和久 農村振興課長 実質化につきましては、今委員から御指摘ございましたとおり、それがきちんと進まなければいけないということは重々承知してございます。県では、市町村・県で連携しました現地の支援チームが中心となりまして、実質化したところは、5年から10年後の地域の目指す姿に向かって継続した話合いを進めて、地域の課題解決につなげるための活動を、市町村や農業委員と協力しながら支援しているところでございます。  今後は、そういう支援をしていくと同時に、実質化が特に遅れているところについては、現地の県の支援チームを中心に、きちんとした実質化の設計に向かって、今進めているところでございます。  やはり進まないところは、中心経営体が不足している地域などがあって、そういうところはなかなかイメージが湧きにくいということがございます。そういうところについては、ほかの地域の優良事例等も示して情報提供させていただくというところと、中山間地直接支払事業だとか多面的機能支払制度などもありますので、そういったものを基礎としながら、実質化の推進についても進めていただいているところでございます。 ◆熊谷元尋 委員 長野県は広いものですから、こういった人・農地プランの実質化に沿って、例えば、今までのような零細な農家というか、なかなかもうからないというような農業から、規模を拡大して、そして農地も集約して、そしてもうかる農業に変えていこうというようなことは十分分かるんだけれども、そういったことになかなか向かない中山間地域があるのも実情なんです。ですので、県にはぜひそういった実情をしっかりと目配りしていただいて、画一的な実質化ではなくて、やはり地域の実情を十分考慮した実質化になるように、指導をぜひお願いしたいと思いますので、そんな点を要望して私の質問を終わります。 ○堀内孝人 委員長 午後1時30分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午前11時46分 ●再開時刻 午後1時27分 ○堀内孝人 委員長 再開を宣し、委員の質疑等発言を許可した。 ◆埋橋茂人 委員 よろしくお願いします。米の対策について、県が主体的にやれる部分というのはなかなか少ないので、概論でも結構なんですけれども、私も米の仕事に20年近く携わってきて、本当に答えのない世界だと思わざるを得ないんですが、思い起こすと平成5年の大凶作、全国作況で74でしたか、そして翌年が史上最高の109の作況になって、もう超不足でタイ米を食べたときから、翌年になると余って困るということがありました。それ以来、コロナによって一気に需要が縮んで、また三十五、六万トンの生産調整をしなければならないということに相なっているわけです。いずれにしろ人口が減少していますから、外国人に来ていただく、移民問題は別にして、このままいけば明らかに消費というのは絶対量として減ってくる。一方で、パンの消費額がお米の消費額を上回るところまで来てしまいました。  こんな中で、今回は単に一過性の問題としても、構造的に今の少子化、高校生が減っていくのと同じように、米の消費も残念ながら減っていかざるを得ない。一方で、昨日、農業政策課長のほうで自給率のお話をされる中で畜産は3%だと。私もびっくりして確認させていただいたら、要するに、餌のところが全く自給できていないのでそういうことだというお話で、それは当然そうですよね。  そういう意味でいうと、穀物を食べる主食から餌まで、バスケット的にいろんな品目を横断的に、総合的な政策をしないと、水田は、私の頭では7万5,000とか、それで生産調整をして5万と、それでさらに3万5,000、今や3万ぐらいの感じになっているかと思いますけれども、それだけ水田が、米として作らなくていいようになっているわけですから、風間委員もおっしゃったように、水田の洪水調節機能にも物すごい穴が空いちゃっていると思うんですよね。だから、そういう意味で、環境・防災面もさることながら、もっと畜産とかそういう横串を刺した、穀物のバスケット的な方策が必要だと思います。当然、コストが一番の問題ですけれども、その辺は、どんな展望でいらっしゃるのか。別に、これぞという部分はすぐにはないかと思いますけれども、お聞かせいただければと思います。 ◎小林茂樹 農業技術課長 米の生産調整、需給調整に対する御質問かと思います。国のほうで中心に進めておりましたけれども、需要の減少によりまして、民間在庫の適正水準は約200万トンと言われておりますが、それが今、36万トン程度オーバーすると言われております。そういったこともございまして、国は、30万トンほど減少させたいという中で生産数量目標を定めてきておるわけでございます。  県といたしましても、国全体の動きに連動する中で、昨年、県だけでなく、JAグループ、生産者団体と一体となった長野県農業再生協議会におきまして、前年の目安値からさらに2.5%減らすという形で、ここ10年で最大の削減目標を設定させていただきまして、全国に先駆けて、その目安値を11月5日に示して取組をしておるところでございます。  やはり米の価格の安定というのは、農家の所得確保で非常に重要だと認識しておりまして、毎年消費量が減っておるものですから、それだけで10万トン減らさなければいけないと言われております。そういった中で、生産調整、需給調整をいかに進めるかということでございますが、やはり主食米から他品目への転換がまず一つございます。それから、水田を水田のままで活用できる用途限定米穀といいまして、用途を主食用以外のものに回す、例えば飼料用米、加工用米といったものに回すという手段があろうかと思います。現在、JAグループと連携する中で、長野県におきましては様々な手法で転作に取り組んでおりまして、収益性の高い園芸品目への導入が一つございますけれども、やはり機械化の装備、土地の土壌条件、それから水はけの条件等から、園芸作物が入りにくい地域もございますので、そういったところは米を作付しながら主食用以外のものに回すといった手法を取っておるところでございます。  先ほど委員御指摘のとおり、今後も水田を活用して自給率を上げるという観点もございます。やはり麦・大豆といったものの需要はかなりありますので、そうした国産需要に対応した中で麦・大豆の生産拡大、園芸品目等を入れる中で高収益化を図ること、それから、土質等の件から水稲以外のものができない地域におきましては飼料用米、輸出用米も含めた中で誘導を図って、農家経営が安定するように需給調整を推進してまいりたいと考えておるところでございます。 ◆埋橋茂人 委員 おっしゃられればそういうことだと思いますし、ぜひそのように進めていただきたいと思うんですけれども、実はもう、今、国際的にはトウモロコシや大豆が非常に逼迫してきて、在庫も市場で一番少ないような水準まで落ち込んでいるわけで、日本だけは、コロナになっても食料不安がないというのは不幸中の幸いだと思いますけれども、このように安全保障的にも、機能している部分というのはやはりきちんと守っていけるような仕組みを維持していかないと、今のままだと、何か起きても場当たり的な方策しか出てこないですよね。構造的な問題なんだから、ゲタとかナラシとかあるにしても、きちんとした仕組みをつくることが必要だと思いますので、ぜひ国にも働きかけていただきたいと思います。  あと、今日、農業新聞でたまたま長野県がトップ記事になっていまして、「種苗法の関係で自家増殖許諾性への対応進む。長野決定、北海道も検討」ということで、大変前向きに御検討いただいているわけですけれども、これについて、まだホームページを見ていないんですが、何は許諾が必要で、何は自家増殖がいいという基準は、どういう形で決定されているのか、いろいろな意見を聞きながら決定されているのか、その辺はいかがですか。 ◎小林茂樹 農業技術課長 種苗法改正に伴います長野県の対応でございますが、ホームページ等で既に4月15日に定めたものを公表させていただいております。  種苗法の改正には幾つか論点がございまして、例えば、海外への流出防止という観点が一つございます。これは、指定された国以外への輸出・持ち出しを禁止すること、これがこの令和3年4月1日から施行されてございます。もう一つは、国内でも指定地域以外での栽培を制限することがございます。それでもう一つは、自家増殖に及ぶ権利、それがどういったものかということで、農業者の自家増殖を含めて育成権者の許諾を得る必要がある。要するに、育成した方の許可を取ってやる必要があるというものもございます。これは令和4年4月1日から施行されるという形になってきてございます。  長野県では、種苗法改正に伴いまして方針を定めまして、県が育成して種苗法に基づきまして登録をした登録品種につきましては、例えばクイーンルージュなどを除いて、今までどおり許諾不要で県内の生産者については自家増殖できるという形にさせていただきました。ただ、クイーンルージュとか、イチゴのサマーリリカル、サマープリンセスといったものは自分で苗を増やすことが簡単にできるものですから、そういったものはきちんと許可を得た上でやるという形を取りたいということを、事前にJAの関係者の皆様方などと協議する中で、県の方針を定めて公表させていただいたところでございます。 ◆埋橋茂人 委員 広く門戸を開いていただいて本当にありがとうございました。知的財産として守るべきものは守っていただかなければいけませんので、ぜひお願いしたいと思います。  その新品種の延長にもなりますけれども、リンゴの高密植栽培や梨の一本仕立てだとか、そういう新技術の普及状況はどのような状況でしょうか。リンゴ、梨、ブドウでお願いしたいと思います。 ◎小林茂樹 農業技術課長 新品種等の開発、新技術の普及状況でございます。まず県で育成した品種はどんなものがあるかということでございますが、県で、現在品種登録しておるのが41品種ございます。そういった中で面積拡大を図っておるわけでございますが、品種で先に申し上げますけれども、県で育成した代表的なリンゴ、例えばシナノリップでいきますと120ヘクタール、シナノスイートが777ヘクタールといったものがございまして、リンゴでいいますと、全体の面積の16.9%を県が育成した品種が占めてございます。その中で一番多いのはシナノスイートが777ヘクタール、合計で1,260ヘクタールとなってございます。そのほか、主なもので申し上げますと、梨ですと25.5%が県の育成した品種、それから、桃では11%という形になってございます。  技術的な開発につきましては、すみません、後ほど調べてお知らせをさせていただきます。 ◆埋橋茂人 委員 ありがとうございました。県の独自品種がこれだけを占めているということについては、ぜひこれからもお願いしたいところでございます。  それであと、畜産については、先ほど来いろいろお話しになって、学校給食等で消費拡大というか、コロナの減少分を補っていただくということでしたけれども、全体に量が減る中で高級路線を追求してきて、県の指導等もあってプレミアム牛は非常に数も増えていますし、あと、豚ではオレイン豚だとかいろいろやっていますが、これは今、全体数のどのくらいの割合になっているでしょうか。 ◎吉田新一 園芸畜産課長 いわゆる畜産のブランドに関する御質問かと思います。プレミアム牛肉ですと、昨年の認定頭数が全体で4,336頭になってございます。肉用牛の全体の出荷頭数が1万1,000頭なので、39%ということになります。  もう1点、豚のオレイン豚は、全農長野さんというか、直販さんと共同でブランド、銘柄豚に指定いただいているものなのですが、年間3,000頭の出荷になっています。豚については、例えばオレイン豚のように餌を特徴づけて、それぞれ地域ごとに銘柄を決めて出荷しているということで、23ほど銘柄豚がございます。長野県全体で、豚については年間8万頭くらいの出荷なので、4%ということになりますか。そういうことで、豚に関してはいろいろな銘柄豚がございますので、どの銘柄がいいということではなくて、その地域のカラーを出して進めているところが現状でございます。 ◆埋橋茂人 委員 プレミアムは県の統一ブランドみたいな形になりましたけれども、豚についてはそれぞれありますので、ここは、幾らなんでも全体の比率、オレインが少ないという意味ではなくて、もう少し売り込みを、関係者と詰めてよろしくお願いしたいと思います。  あと、熊谷委員もおいでですけれども、地元の市田柿の関係で県の皆さんにも大変御努力をいただいて、HACCPのところについて、生産者があまり負担しない形で収まったようでございますけれども、これで当面いけるのか、次のステージを考えておかなければいけないのか、その辺はどんな状況でしょうか。 ◎佐藤源彦 農産物マーケティング室長 食品衛生法一部改正に伴う対応についてということだと思います。今回、食品衛生法の一部改正によりまして、当初、市田柿につきましても、この対応、営業の届出とか、衛生講習といったものを受けるという話があったわけですけれども、その後、厚生労働省のほうから、市田柿農家自らが原料を生産した場合には採取業の範囲に入るので届出は不要ということで、その対応は必要なくなったということでございます。そのことについても、JAあるいは地域振興局も通じて、保健所とも連携しながら、食品衛生法改正に伴う営業届出の対象が変更となりましたという通知をチラシ等で作りながら、周知を図っているところです。  今、委員おっしゃられたような今後の部分については、現状、所管は食品衛生法を所管している健康福祉部になりますが、今のところ我々農政部のほうには、そういった動きは聞こえてきておりません。 ◆埋橋茂人 委員 農家が今まで作ってきたものが、急に基準が変わるということで大変戸惑っていたわけですが、こういう形で収めていただいて感謝を申し上げたいと思います。  あと、これは政府が旗を振っているので皆さんもあまり無理だとは言えないと思いますけれども、農産物の輸出の問題です。私も一般質問で申し上げたとおり、5兆円というのはどうやっても上げ底です。農家が、直接手取りが増えるような品目が2兆円少ししかないわけで、なおかつ長野県の場合は恐らく園芸品目、果樹と肉が可能かどうかは分かりませんけれども、非常に限られたものになってくると。  それで、日本の貿易依存率というのは、韓国が60%で中国が35%というようなところと比べれば、輸出入を合わせて二十四、五%のものですから、人口が減っていくとはいえ、日本の国内にまだ膨大なマーケットがあるわけです。そして、自給率がこんなに低い中で、輸出を、しかも所得水準の低い東南アジアをベースにやっていかなきゃいけないと。輸出が必要ではないと言っているわけではありませんよ。だけれども、どういう戦略でなぜやるのかということをはっきり示していただかないと、需給調整には簡単にはならないわけですので、その辺は、県は県としてのお考え、国は国としての考えを持って輸出の拡大路線ということでやっていますけれども、生産現場が国ごとに基準が違ったり、好き不好きの品目もあったりで大変難しい。ベトナムへも、県の議員研修で行かせてもらいましたけれども、やはり買っているのは向こうにいる日本人が主だという話を、向こうの大きな日本人スーパーの方にもお話を伺ったので、そういう路線ならばそれはそれでいいですけれども、どこまでどうやって膨らませていくおつもりなのか。5兆円という目標に相当する長野県の額というのはどのくらいを想定していらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎佐藤源彦 農産物マーケティング室長 農産物輸出について、国の5兆円の目標に対する県の取組ということでございますけれども、まず国が5兆円という形で示しているものは、国の説明によりますと、日本の農産物、あと食品製造業の2018年の国内生産額が51.7兆円あるということなんですけれども、うち、今、輸出額が0.9兆円であると。国内生産額の10%を海外へ販売することで、5兆円を達成したいということを示しています。  ちなみに、諸外国については、アメリカが、同じく農産物、食品製造業の生産額に占める輸出の割合が12%、フランスが28%、イギリスが18%というようなことで、日本の輸出割合は2%と他国と比較しても低い中で、輸出のポテンシャルは高いということで、国内農林水産業の活性化を図る上でも、こういった目標を位置づけたという説明になっています。  これに対して長野県ですけれども、長野県は第3期の食農計画で20億という目標を掲げています。これは、国の5兆円とは基本的には連動していないものでして、あくまでも長野県の強みであります、先ほど委員おっしゃられたような、高品質で海外でも評価を受けている果物等を中心に、これまでの輸出実績の伸び率等を考えた中で20億と掲げているものです。  また、対象国ですけれども、長野県とすれば、香港、台湾、シンガポール、タイ、こういったところの富裕層等を中心とした購買層をターゲットにして、果物等を中心に、しっかり高品質で評価を受けているものを売り込んでいこうと考えているところです。 ◆埋橋茂人 委員 県として数字を積み上げていただいて、生産者の皆さん、本当に、業界のところで数字を無理に置くことできしみが起きないように御指導いただきたいと思う次第であります。よろしくお願いします。  あと、いろいろあるんですが、先ほど伝統野菜の御説明がありまして、18種類ですか、ストックする状況になったというお話で大変ありがたいんですけれども、これ、全部で79種類、どういうスケジュールで原種センターへストックするのか。例えば、もっとその品種を安定させてから、「ぼたんこしょう」も幾つかのところに指定されていますけれども、少しずつ形状や辛みも違うし、あれはあれでいいのか分からないんですけれども、どういう基準であそこへ納めていくのか、スケジュールがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。 ◎吉田新一 園芸畜産課長 伝統野菜の種の保存についてのお尋ねと思います。原種センターさんに種の保存をお願いするということなんですけれども、スケジュールというのが79種類全てあるわけではございません。一番は、そこの伝統野菜がある生産者団体の皆さんが御自身で、その伝統野菜の特徴を本当に固定できているもので、なおかつ自分たちで存続していくのがままならないという方たちが、早めに原種センターさんのほうに、今ある中で一番いいものを保存して、何かあったときにそれを活用するというやり方をさせていただいています。 ◆埋橋茂人 委員 では、あくまで現地の生産者の皆さんの判断ということですか。それでは、固定化しているかどうかの御判断は指導してくださっているんですか。 ◎吉田新一 園芸畜産課長 伝統野菜を認定する際に、審査会というものを開いてございます。そこには、先ほど言った信大の種の保存、植物種子学に詳しい先生や、そのほか有識者に入っていただいて、その生産者団体が作っている種が、まさに、今まで残っていた従来の伝統野菜の特徴を有しているかどうかということと、その種が交ざらずに固定されるように種を採取しているかということもチェックさせていただいた上で、これは明らかに伝統野菜として種の保存が行き届くというものを認定しているので、固定されているという認識でございます。 ◆埋橋茂人 委員 分かりました。お願いします。  時間がまだありますが、最後にします。いろいろお話が出ていました流域治水計画の中で、遊水地、あと水田の貯水機能、湛水機能でありましたけれども、遊水地は営農型の遊水地、例えば、佐久は当初そんなお話でしたけれども、地形的に、もう常時湛水しなければならないなんぞという形で、国のほうですけれども進んでいるやに聞いていますし、これから営農を継続しながら、いざというときにためる。その場合、地役権の問題、いざ何かあったときの補償の問題、こういった仕組みというのは農政部で関わっていくんでしょうか。それとも建設部と調整しながらおやりになるのか、その辺は分かりませんけれども、農政部としたら、優良農地の保全も必要ですし、いざというときのこういうバッファ機能も必要だと思いますけれども、どんなお考えでしょうか。 ◎飯島好文 参事兼農地整備課長 農地、遊水地の関係のお尋ねでございます。遊水地の方式につきましては、現在伺っているところでは、一つは買収方式、買収しまして掘り下げるというような方式がございます。もう一つが、地役権を設定しまして、通常は、大体水田地帯ですので稲作をするということで、いざ氾濫の危険が高まった際に水を引き入れて治水に生かしていくという、この二つの方式があるかと思います。  地役権につきましては、稲作をやっていきまして、洪水調節で使用した際に受けた被害、農作物の補償につきましてはないといいますか、通常は共済制度による補償が考えられるということでございます。 ◎斎藤政一郎 農業政策課長 遊水地の農作物の農地・農業施設が被災した場合ということですが、事例として、NOSAI長野としましては、遊水地内の作物を共済保険の対象とすることは可能という見解は持っております。設計できているということではないんですけれども、そういう考え方と、基本的に共済、給付金の対象として可能という判断は国のほうでも持っておりまして、詳しいところですとか、まだ研究が進んでおらなくて申し訳ないんですが、そういった形のものが検討可能ということで、よろしくお願いしたいと思います。 ◆埋橋茂人 委員 分かりました。いずれにしろ、公益機能を持たせるわけですから、共済の掛金を減免するなり、そういうことも含めて御検討をいただいたり、議会でもこういう委員会で論議をするような場をこれからもつくっていただきたいと思う次第であります。終わります。 ○堀内孝人 委員長 先ほどの答弁の関係で理事者から発言を求められていたので、これを許可した。 ◎小林茂樹 農業技術課長 すみません、先ほど埋橋委員の御質問で一つ回答していない部分がございました。県が開発しました技術の普及状況でございますが、リンゴの高密植の新わい化栽培が520ヘクタールでございます。それから、ニホンナシの樹体ジョイント仕立てでございますが、これは7.8ヘクタールという形になっております。また、ブドウの大粒種の無核栽培技術が1,530ヘクタールという形で、それぞれ技術が普及しておるところでございます。よろしくお願いいたします。 ○堀内孝人 委員長 委員の質疑等発言を許可した。 ◆小池久長 委員 お願いします。では最初に、いよいよオリンピック・パラリンピックが本格的になるということですが、オリンピックに長野県産の食料品を提供するという話で、随分皆さん力を注ぎましたが、今どのようになっていますか、教えていただけますか。 ◎斎藤政一郎 農業政策課長 オリンピック・パラリンピックへの対応としましては、農政部では、提供可能な食材情報を既にお出ししている状況が以前からございまして、その中で、GAPなどの調達基準が必要なところについても、農業技術課を中心に支援などもしてきております。そういう体制を取れるようにやってきておりますが、現在、営業局の窓口でつなぎをするというところですけれども、基本的に情報提供はしておりますが、その先、選手村の食材にどういうものが使われるかということは、基本的に相手方のほうで全ては公表しない方針とも聞いているところであります。県としては、今の提示したものの中で、そこから先のところまでは動きが分からない状況のままにいるというのが現状でございます。 ◆小池久長 委員 ぜひそういったところで、うちの町の富士見高校も一生懸命やっておりますので、採用されるのかどうか、いろいろ紆余曲折があって、まだ本当にやるのかどうかということも定かではないところもありますけれども、ぜひともお願い申し上げます。  それで、令和2年から中山間地域等直接支払制度が第5期ということになりました。この中で四つのポイントということになっているんですが、生産向上加算を新設とか集落協定広域化加算など、それぞれまた新しいメニューがあるんですけれども、旧来型と今回と大きな相違点はどこなのか、教えていただけますか。 ◎飯島和久 農村振興課長 中山間地域等直接支払事業の第5期の相違点でございますが、今回、第5期は令和2年度から令和6年度までの間ということで開始されたところでございます。主な対象農用地の交付単価については変更がございませんが、加算措置というのが今回加わってございます。特に新設されたものでありますと、棚田地域振興活動加算ということで、棚田地域に指定されている指定棚田地域において、認定棚田振興計画に基づいて棚田地域の振興を図る取組を行う場合については、10アール当たり1万円加算されるということでございます。  それから、今まで、中山間地域の農業所得を維持するために、体制整備単価、10割を交付する単価ですけれども、10割交付単価の要件が、今までの要件から集落戦略を策定するというものに一本化されたというところでございます。  それからもう一つ、やられている方にとって一番メリットがあるというか、今まで心配されていた部分が緩和されたというのが、今まで、そこの生産活動を継続できずに遡及返還をする場合は、集落協定農用地全体でお金を返さなければいけなかったんですけれども、この5期対策においては、継続できなかった当該農用地だけのお金をお返しすればよくなったということでございます。この部分については、第4期までは、新たに入るときに、ああ俺はもう危ないからやめたほうがいいかなと思っていた人たちにとっては、できなくなったからといって、自分の部分は引っかかるんですけれども、協定農用地全体ということではなくなるということで、ほかの人に迷惑がかからない仕組みができているので、今回の第5期対策に進むときには非常に楽になったかなというところでございます。 ◆小池久長 委員 今、説明があったように、集落でまとまってやることですから、抜け出たところは誰かが代わりに借りてまでやっているということが、やはり農地保全の要だったと思うんです。  それで、いよいよ温暖化が顕著になってきて、この前も新聞に出ていましたけれども、施設園芸、貸しイチゴハウスとか、結構そういう投資が増えてきました。昨日も丸山委員から話があったように、気候変動が激し過ぎて、なかなか安定した作物が提供できないということになると、将来に向けて、露地ではなくて、いわゆる施設園芸のほうがいいんじゃないかというお話もあるわけです。だって、どちらにしろお米じゃ対応できないわけですから。  だから、長野県の競争力のあるものということになると、ハウスなり、2050年のカーボンゼロに向けた新たなる取組をしていかないと、毎年毎年滑った、転んだと言っていても、どうしたってもうお米で、全農も、ODAでお米出してくれないかという話をするようなところまで来ちゃっているんです。お米しか作れないから仕方なくやっているわけですけれども、こういう中山間地域に、例えば大手企業が来て、生産性の高い農業に取り組むということで貸すことはできないんでしょうか。無理に根性でやっていなくてもいいような気がします。 ◎飯島和久 農村振興課長 法人の農業参入につきましてはできるようになってございまして、農業法人をつくって法人として参入することもできますし、今の株式会社のまま、定款上に農業を定めることによって、農業に参入するということも可能になってきております。農地所有適格法人の要件といって、その農事組合法人や株式会社、またはその分社した子会社が、新たな農業の事業に取り組む場合に、適格法人というものに認められる場合は、農地を使って農業に参入することが可能になっております。 ◆小池久長 委員 うちのほうも、85歳だかのおじさんが120枚、1人で田んぼやっていて、それで何とかもっているようなものですけれども、片やオリックスさんは、非常にかわいらしいエプロンを着たお姉さんたちが100人近くも来て仕事しているような環境で、やはりもう構造的な転換をしていかないと。集落も考えなきゃいけないのは、中山間地域等直接支払制度で金をもらえて、水路や道路を直すとか、それはそれで、企業とかと調整すればいいんでしょうけれども、もう大々的にそういうふうにやっていかないと、ちょぼちょぼ昔ながらのことをやっていてもなかなか難しいし、いよいよ温暖化になってきて、セロリがなかなか、エコーラインから植えていかなければできないということで、客土をしなきゃいけない、除礫をすると機械が壊れちゃうみたいなところで、どのようにしていくんだということで、圃場をもう一回整備しながら、やはり考えていかなければいけないんですよね。  だから、その辺なかなか勇気がなくて、このままずっといくと、また、ウサギの餌屋さんがただ草をまいて、とんでもない雑草ができて、それがみんな田んぼに入っちゃって、逆に苦労するような状況になってしまう。だから、そういう提案についても、非常に今まで、優良農地を借りてもらってどこかへ行ってもらっちゃ困るという心配があったんだけれども、先ほど埋橋委員も言ったように、食料自給率を国内で上げなければいけないということになると、施設園芸でやるのか露地でやるのか、ただ何か、野立ての太陽光パネルがちょこちょこできて、つまみ食いみたいになるよりは、やはり大営農団地を誘致するような取組も知らしめていただいて、それは将来的に、そこに産業と雇用も生まれるわけですし、安心・安全が生まれるわけですから、命がけで死ぬまでやらなければいけないという正義感でやっているんだけれども、そろそろ違うんじゃないかという感じはするので、これは、ぜひとも市町村にそういう投げかけをしてもらいたいということなんですよ。  ソバなんか去年は半額になっちゃって、まだ売れぬで、要らないとか言われながらやっているし、やはり稼ぐ農業ということは、御自身が稼ぐということもそうだけれども、いかに優良農地を利用するかというのも稼ぐということだし、安全になっていくんだと思いますけれどもね。その辺は、これから高齢化でいろいろ問題は出てくるわけですから、そのうち、一人でやれと言っても、それは無理な話なので、早めに、例えば、当該地域でいうとオリックスさんがやってくれるんだったら、なおありがとうございますと。そこに若い人たちの雇用が生まれたりすれば、一大産業だし、観光のツールにもなってくるんですよね。だから、そういうことも含めて、ぜひともアプローチをかけていただければありがたいと思います。  それで、農業の担い手の話に移らせていただきますけれども、以前、私が農政委員会にいたときにお話をさせていただいたと思うんですけれども、やはり移住はいいんですが、富士見町も、昨日風間委員からも褒めていただきましたけれども、いい伴侶がつかないと、みんな途中でやめていっちゃうんですよ。うちの裏でも、背中に一人、おなかに一人抱えて、それで一生懸命、ブロッコリーを植えているおばちゃんがいましたけれども、やはり助け合って女の人が稼ぐところがリードしていくんですよね。  そんな中で、確かに長野県の皆さんは技術的にはすばらしいものがある。世界どこに出しても恥ずかしくない産品はあるんだけれども、ではその後の後継者の問題というのをどのように考えていくのか。いわゆる結婚という問題をどのように考えていくのか。その一つの情報発信として、前、農業はおしゃれでなければできないよという話をさせていただきましたけれども、今は軽トラックだってピンク、青とかすごいカラフルな色で、それにワークマンがそういう感じで、また今、ソロ活という話があって、いわゆる女性が非常に元気なんですよね。だから、ソロ活とかそういう包括協定などを使って、なるべく女性が長野県に来てもらって、例えば、週末でもテレワークとかリモートワークで来たときに、長野県の経営者と触れ合ってもらうような環境をぜひつくっていただきたいと思うんですよ。  今、皆さんはあまりテレビを見ないかもしれませんけれども、私、テレビをよく見るもんですから、軽バンに乗って一人でキャンプに行くとか、軽トラに乗っていくとか。だから、今、軽トラがすごく売れていて、3か月待ちとかになっているんですよね。コロナ禍になって、いわゆる密を避けるために軽トラの利用が、荷物も運べるし、いわゆる少し組立用のパッケージがあればそこでキャンプもできるというような発想になってきているんです。だから、ぜひともそういった交流を増やしていただいて、後継者というか、長野県に嫁いでもらう、長野県を好きになってもらう人を増やさないと、それは、じいちゃん、ばあちゃんと息子だけでやっていれば、なかなか気合が入らないというところもありますから、そういったスタイルも、ぜひとも発信をしていただければと思います。  それともう一つ、いわゆる価格の安定ということで、今のいろいろな野菜の被害とか、これから凍霜害でリンゴの値段とかいろいろあるわけですけれども、一つは逆に、6次産業で、ここに新聞にも載りましたけれども、エア・ウォーターが冷凍野菜の拠点を北海道から九州に移して、両方拠点としたということで、カット野菜を冷凍するなり、将来の新たな食料自給ということで、そういったもので価格安定を図れるのかどうか、少し教えていただければありがたいんですけれども、いかがでしょうか。 ◎飯島和久 農村振興課長 長野県農業における女性の婚活も含めた支援、対応ということでございますけれども、長野県におきましては、先ほど女性の力、女性がリードするということでございますが、40歳までの女性農業者の数というのは、全国で比べますと、北海道に次いで2番目に多いところでございます。そういう中で、毎年新規就農者、統計上は40歳未満ですけれども、150人ぐらい就農しているうち、20人ぐらいは女性の方が就農している状況でございます。  その中で、平成27年からNAGANO農業女子という、農業を自らやられている方、それから御主人が農業をやられている方の若い奥様という場合もございますが、こういう方々を巻き込んで、今までのような協議会を持ったという取組ではないんですけれども、緩い関係のつながりということで、NAGANO農業女子のトーク&カフェというフォーラムを7回ぐらいやっているんですけれども、都会に住む女性に対して、長野県農業の魅力などを発信して、長野県農業をよく知ってもらおうということ、これは、長野県に来ていただくということも入っているというところです。  それからあと、都会に住む若い女性に対して、農業体験を通じて農業・農村を知ってもらおうということで、これは婚活も含めてですけれども、バスツアーも自主的にやっていただいたりしていまして、農業女子の皆さんが、農業に興味をお持ちになりそうな女性を都会から呼んだりしながら、交流を深めるような仕組みというのもつくってありまして、まさしく、今、委員おっしゃるような、女性に来てもらうような仕組みを長野県の女性の方々がリードしてつくっていただいているところでございます。去年もやっているんですけれども、コロナ禍の中でバスツアーがなかなかできないということで、今年も考えてはいるんですが、なかなか対応できないところでございますけれども、そのようなこともやっていますし、また先ほど軽トラの話がございましたが、ダイハツ工業と組んで軽トラの商品化についても検討したり、モンベルと組んで農作業の作業衣の検討もするなど、今、農業女子のプロジェクトメンバーということで、全国に845名いる中に、長野県からは42名が参加しているというところでございます。
     それから、先ほど委員おっしゃった、大規模法人の参入というところでございますけれども、今年になってから県のほうにも、大規模農業をやられていない企業さん、結構有名な企業さんからですけれども、農業をやりたいというお問合せを幾つかいただいておりまして、私たちとしても、ここ5年で基幹的農業者が20%減っているという状況もありますので、今までの新規就農者、担い手の育成、大規模の農業生産法人の生産拡大という部分に加えて、いよいよそういう農業に参入する農外の企業さんの動きも、まさしく活発になってきたということで、オリックスみたいな感じだと思うんですけれども、そういう人たちも今後うまく取り込んで、農地の活用、農業生産の維持・発展にもつなげてまいろうと考えているところでございます。 ◎吉田新一 園芸畜産課長 もう1点、野菜の価格安定のお尋ねがございました。野菜の中も果菜類と葉菜に分かれると思いますけれども、主に価格の変動が大きいのはやはり葉菜だと思います。葉菜については国の価格安定制度があって、市場に出して価格が暴落した場合にはその差を補填するようなものもあります。ただ、こればかりにも頼っていられないということで、小池委員の説明があったエア・ウォーターなどが、カット野菜や冷凍野菜に進出しているという件がありましたけれども、まさにそういった業務用の需要を満たすということも大事かなと思っています。これはなぜかといいますと、市場出荷ではなくて、市場を通さずに直接実需者の方たちに渡すということで、全体的に価格を維持できるというメリットがあるのかなと思っています。  ただ、家族経営体が、カット野菜や冷凍野菜に手を出すということがなかなかできない現状でございまして、県内の動きですと、連合さんも御自身でカット野菜工場をお造りになったり、あるいは大規模の生産法人、JAさんでカット野菜の工場を整備したりということがございますので、そういったところには、我々も国庫事業や県の事業を活用して、施設整備について支援してまいりたいと思います。いずれにしても、野菜が潤沢になったときの価格変動というのは大変大きな課題だと思っていますので、基本的には生産計画、必要なときに必要な量をということで進めていきたいと思っています。 ◆小池久長 委員 確かに野菜は、シャインマスカットみたいに安定した高値があればいいんですけれども、乱高下するものですから、ある程度安定した収入は確保したいというのもあるんだろうと思うので、お取組をお願いしたいと思います。  企業の参入ですけれども、いわゆる半導体の工場とかも大事なんですが、長野県の魅力というのは、やはり日照時間が長いということと、農業の手当てができる。いわゆる、誰か、高齢者でもよければということで、そういう企業はもうAIとか機械でやるものですから、里親の皆さんが、俺の言うことが聞けないのかみたいな指導は、もうしないわけですよね。だから、科学的にやっていくので、私も見ていると、やはり高学歴で知識のある人たちは、入植しても、もう2年ぐらいで、例のあの150万はもらわなくても十二分にやっていけるよというデータ取りとかしたりしているんですよ。こんなに楽しい仕事はないということもあったり、いろいろですけれども、ぜひともそういった取組もこれから必要だろうと思いますので、農地を守るためにも、それぞれの御意見もあるんですけれども、やはり限界は来ていることは間違いないと思います。  それと、最後になりますけれども、働く人たち、昨日も、私、朝出てきましたら、続木議員ではないですけれども、歩道に車が数珠つなぎになっていて、人が歩かないからいいみたいな話でやっていますけれども、やはりあれだけの人間を確保するということは大変なことで、特定技能生をJAを通じて長崎へという話ですけれども、今、川上では最盛期で、コロナ前の研修生はいると思うんですよ。冬場は千葉に行っているらしいですよね。それで、千葉に行くのに、川上の農家がついて行って一緒に研修をしなきゃいけないとか、物すごく大変みたいなんです。  それで、実は特定技能になりますと、5年たつともう自由に歩けちゃうので、農業から離れていく可能性もあるということと、もう一つ、−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−外国人の何人かは、日本の男性は優しいということで、日本に嫁ぎたいという人がいることも事実なんですよね。だから私、常々言うのは、日本人で自分の思うとおりの人がもらえればいいけれども、そういうわけにいかなければ、家に帰ったときに電気がついていて、女性が家事の面倒を見ろとは言いませんけれども、双方が補完して、家の面倒を見てもらうような環境には、もう国境はないよというような話はしているんですよね。だから、技能実習生はたぶん結婚はできないと思うんですけれども、特定技能を過ぎれば結婚もできると思うので、ぜひともそういう人たちとの出会いをつくっていただければありがたいと思います。これは要望ですので、企業のほうはぜひ誘致してもらいたいと思いますので、よろしくお願いします。以上です。 ○堀内孝人 委員長 ほかに御発言もあろうかと思いますが、以上で質疑を終局いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、質疑を終局いたします。  ただいまから議案の採決に入ります。最初に、第2号「令和3年度長野県一般会計補正予算(第5号)案」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中の歳出 第7款 農林水産業費について、採決いたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、報第1号「令和2年度長野県一般会計補正予算(第15号)の専決処分報告」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中の歳出 第7款 農林水産業費 第3項 農地費について、採決いたします。本件、報告のとおり承認すべきものと決するに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本件は報告のとおり承認すべきものと決定いたしました。  ただいまから陳情の審査を行います。当委員会に付託されております農政部関係の陳情を一括して議題といたします。過日、お手元に配付いたしました審査資料を御覧願います。農政部関係の陳情は、継続分5件、新規分1件であります。  なお、審査に際し、継続審査とする旨の御発言をされる場合は、なるべくその理由を一緒に述べていただくようお願いいたします。また願意が複数ある陳情で、その一部が採択できないために継続審査と決定した場合は、付記事項として陳情者に通知することについて、その都度お諮りすることといたしたいと思いますので、御了承願います。  陳情の審査を行います。審査手順について、あらかじめお諮りいたします。最初に継続となっております5件の陳情を、続いて新規の陳情1件について、順次、審査をお願いしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  まず、継続分の審査を行います。継続分の審査に当たっては、2月定例会以降、状況に変化のないものについては一括して審査を行い、状況に変化のあるものについては取り出して審査を行うことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 ◆山口典久 委員 陳第12号、陳第15号については取り出しをお願いします。 ○堀内孝人 委員長 ただいま、山口委員から取り出して審査すべきとの意見のありました陳第12号については、取り出して審査いたします。理事者の説明はいかがいたしましょうか。      〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。      〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「継続審査」「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま委員各位から様々な御意見がありましたので、この取扱いについて、順次挙手により決することといたします。最初に本件について、まず継続審査について、挙手により採決いたします。念のため申し上げます。挙手しない方は、継続に反対とみなします。本件について、継続審査と決するに賛成の委員の挙手を求めます。      〔挙手多数〕  挙手多数であります。よって、陳第12号は、継続審査とすることに決定いたしました。  次に、山口委員から取り出して審査すべきとの意見のありました陳第15号については、取り出して審査いたします。理事者の説明はいかがいたしましょうか。      〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。      〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「継続審査」「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま委員各位から様々な御意見がありましたので、この取扱いについて、順次挙手により決することといたします。最初に本件について、まず継続審査について、挙手により採決いたします。念のため申し上げます。挙手しない方は、継続に反対とみなします。本件について、継続審査と決するに賛成の委員の挙手を求めます。      〔挙手多数〕  挙手多数であります。よって、陳第15号は、継続審査とすることに決定いたしました。  それでは、継続審査となっておりますその他陳情3件について、状況に変化がありましたら、理事者から説明を願います。 ◎斎藤政一郎 農業政策課長 陳第61号について、状況に変化がありましたので、御説明いたします。令和3年3月末で佐久の食肉流通センターが閉鎖予定と御説明しておりましたが、実際に3月末をもって閉鎖されまして、併設する加工施設のみ、引き続き食肉加工事業者が事業継続しております。県の対応としましては、3月末に県の食肉流通合理化計画を定めておりますが、食肉流通の基本的な考え方を関係者と検討した結果の素案を3月末に取りまとめ、国との調整の上で、計画を令和3年6月に施行しております。また、現在、松本にあります長野県食肉公社と中野にあります北信食肉センターにおきまして、体制強化のための具体的な経営判断等を促す形で新たな連絡会を設置しております。その他2件については、状況に変化はございません。 ○堀内孝人 委員長 ただいま、状況に変化があるとされました陳第61号につきましては、取り出して審査いたします。理事者の説明はいかがいたしましょうか。      〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。      〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま、採択との御意見がありましたので、陳第61号については、採択すべきものと決するに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  続いて、特に状況に変化のない陳情2件を一括して審査いたします。お諮りいたします。陳第373号及び陳第402号については、引き続き継続審査とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  続いて新規分の陳情の審査を行います。陳第482号についてであります。理事者の説明はいかがいたしましょうか。      〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。     〔「継続審査」と呼ぶ者あり〕  ただいま、継続審査との御意見がありましたので、陳第482号については、継続審査とするに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  ただいま、願意が複数ある陳情を継続審査とすることに決定いたしましたが、陳情者へ通知する付記事項につきましては、いかがいたしましょうか。  御意見がありませんので、委員長案として、陳情中、2及び3については、引き続き慎重に検討する必要があるため、現状では採択することができないといたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  さよう決定いたしました。  以上で陳情の審査を終局いたします。  以上で農政部関係の審査を終局いたします。  本日の審査はこの程度とし、明30日は午前10時30分から委員会を開会し、林務部関係の審査を日程といたします。  散会を宣した。 ●散会時刻 午後2時39分 △採決結果一覧(農政部関係) (付託議案)  ▲ 原案のとおり可決すべきものと決定したもの(簡易採決)     第2号 令和3年度長野県一般会計補正予算(第5号)案中      第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中       歳出 第7款 農林水産業費  ▲ 報告のとおり承認すべきものと決定したもの(簡易採決)     報第1号 令和2年度長野県一般会計補正予算(第15号)の専決処分報告中      第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中       歳出 第7款 農林水産業費           第3項 農地費 (陳情)  ▲ 採択すべきものと決定したもの(簡易採決)     陳第61号  ▲ 継続審査としたもの(挙手採決)     陳第12号、陳第15号  ▲ 継続審査としたもの(簡易採決)     陳第373号、陳第402号、陳第482号...