◎
小林伸行 交通政策課長 現在、
長野-松本につきましては、片道1,300円ということになっておりますけれども、長野・松本のその
JR篠ノ井線につきましては、今、割安の切符がございまして、
信州往復切符という形で往復で1,500円になっております。そういう中で、JRとの
競合関係にあるという中で、ここ数年、
長野-松本線については、利用者が減少してきていると認識しております。
◆
萩原清 委員 今の採算の関係でいくと、便数もかなり減らしていますが、その中での
利用状況、
飯田-長野、
松本-長野の関係では、便数を減らしたことによって、ある程度、乗車率が上がっているのかどうか、その辺はどうですか。
◎
小林伸行 交通政策課長 現在の便数でございますけれども、本年5月以降は、
長野-飯田線が、通常8往復のところ4往復、
長野-松本線が、通常14往復のところ、往路6便・復路5便に減便されているということでございまして、当面、その需要減に対応した、通勤・通学時間帯中心の運行になっております。そういう中で、
長野-松本線については、特に
松本-県庁間などは、通勤客が多いものですから、今はその減便によって乗車率は高く維持されているところでございます。
◆
萩原清 委員 いずれにしてもこの
コロナによりまして、ある程度出てきた問題ですが、私も松本にいますので、このバスは、あの
コロナがなくても赤字であったことは事実なんです。むしろ一番打撃を受けたのは、松本から東京、都市圏に行く
高速バスで、あれだけ赤字が増えているということで、これはもう公的な要素がないので、赤字だからやめてしまおうという状況を聞いています。
いずれにしても、
民間会社でも、ある程度
公的要素を加味しながら、できたら県の支援を受けられないかということが問題点だと思いますので、できる限り、これ、
コロナの収束というのはいつになるか分かりませんけれども、ある程度、
時限立法という言い方は変なんですけれども、この状況まで何とかできるような体制もまた検討の中に入れていただいて、できるだけいい方向に持っていっていただきたいということをお願いする次第でございます。
次に
コロナ関連になりますけれども、我々議会で、当初予算で予算を認めている中で、各部局で、中止になったところがあるわけでございます。
一般質問でもこんなようなことが出たと思いますけれども、全体的に、この
コロナの関係で、中止になって予算が減額となった、その総額というのは、大体、幾らになりますか。
◎矢後雅司
財政課長 今回、
新型コロナを受けまして、事業の見直しを行わせていただいております。その中で、今回、減額ということで、御提案させていただいているのが、約6億円になります。
◆
萩原清 委員 そうすると、仮にこの6億円の予算は、足りないところに回して使うことができるのかどうか、その辺はどうなんですか。
◎矢後雅司
財政課長 今回、
事業見直しさせていただきまして、当然、
新型コロナ、国でも、
臨時交付金など、国の
国庫支出金の活用がございますけれども、さらに、今回、7月
豪雨災害ですとか、様々財政需要ございますので、この
事業見直しで出てきた財源については、そちらに充てていきたいと考えております。
◆
萩原清 委員 そうすると、制度的に、その予算は、議会の議決を得なくても他の事業に振り替えることができるということですか。
◎矢後雅司
財政課長 当初予算の際に、お認めいただいた趣旨を踏まえた形では、多分、流用ですとか、そういう対応はございます。今回、
新型コロナを受けまして、大きく
経済情勢、変わっておりますので、やはり一旦、ここで
事業見直しということで、減額を提案させていただきまして、その財源を、
新型コロナ、また
災害関係に対応するということで、追加で
補正予算を今回、提案させていただいております。
◆
萩原清 委員 そうすると、もうその減額された予算が他の事業にあると、6億円そっくり、災害だとか、
新型コロナウイルス対策に回してしまい、単なる
減額修正をして、そしてその予算を積立てにするかとか、そういうことでなくて、使い切ってしまうということでいいんですか。
◎矢後雅司
財政課長 今回、
新型コロナ関係で、4月補正の段階でも、
財政調整基金を取り崩させていただいておりますし、また、今回、前年度からの
決算剰余金からの繰越金も充てさせていただいておりまして、それでも足りない部分で
一般財源は出ております。そういうところにも、今回の
事業見直しで出た部分については、充てていきたいと考えております。
◆
萩原清 委員 これ、今、
補正予算を見ても、ほとんど
台風被害予算と
コロナ関係で大きな予算が国から来ていますよね。しかし、我々、それぞれ、県議団や、いろいろなところで、この予算をつけてほしいという陳情したもので、採択されていない事業もたくさんあるんです。要するに、6億円の予算しかありませんので、今の
コロナ対策だとか、
災害対策というのは、もうある程度、国の予算が厚く来ているので、どちらかというとむしろ
新規事業、要するに今までいろいろなところから生活の関連もありますけれども、それぞれ陳情された事業について予算がついていない、少ししか予算がついていないというところに、それを振り替えたほうが、ある程度、そのものを有効に使えるんじゃないかと私は思いますが、その辺はどうですか。
◎矢後雅司
財政課長 今回、
事業見直しで
減額補正をお認めいただいた際には、そのような、国の
国庫補助・支出金を活用した事業、特に
新型コロナ、
災害関係について、やはり真っ先に対応すべきものと考えておりますが、そのような各業界からのお声も踏まえた上で、貴重な財源になりますので、
有効活用させていただければと思っております。
◆
萩原清 委員 これ、本当はその6億円の予算だって、我々が審議しながら、ぜひやってほしいという中で組まれた予算が、事情によって使えなくなってしまったということですから、逆に言うと、それを全て災害と
コロナに回すというのも、私はいかがなものかと思っていますので、
減額修正してからでも結構ですので、そういうような、今まで、それぞれの団体、いろいろなところから、ぜひ予算を盛ってほしいという強い要望が出ているものに対して予算を充てていただけるような工夫をしてもらいたいと思いますが、部長、その点はどうですか。
◎
関昇一郎 総務部長 先ほど
財政課長から御答弁申し上げましたように、今回、
コロナ禍で執行が難しいものについての減額をお願いし、財源的にも、それも活用しながら、
災害対策、
コロナ対策をやっておりますが、
県民要望というのは様々な観点から寄せられておりますし、そういったものに、
県民生活の向上に役立つような事業、喫緊の課題として浮かんだものについては、引き続ききちんと
予算措置をして対応していきたいと思っております。
◆
萩原清 委員 国から来る予算というのは、47都道府県、ある程度、同じような仕様にしろということで来てしまうので、県独自の予算をなかなか使いづらいものもあると思うんです。ですから、せっかく県の予算として財源がそれだけ生まれたものについては、県独自で
有効活用ができるように。やはり災害だとか、
ウイルス対策というのは、もう国の予算をどんどん要望して持ってきてもらうのは、ありがたいことですけれども、せっかくある県の予算として使えるものは、
減額修正しても結構ですので、単年度はあまりありませんけれども、ぜひともそちらに活用できるように検討してもらいたいということを強く要望しておきたいと思います。
それから
菅総理大臣が誕生してから、新たに
デジタル庁ができたことによって、県として、どういう
メリット、そしてまた、どういうような形でそれを国に対して要望していくのかというようなことを、もし分かったら教えてもらいたいと思いますが、どうですか。
◎
大江朋久 先端技術担当部長兼
先端技術活用推進課長 デジタル庁の創設に対する、長野県の対応という御質問かと思います。9月16日に菅政権が発足して、
目玉政策の一つが
デジタル化の推進であると認識しております。これに続いて、9月23日に開催された
デジタル改革関係閣僚会議にて、
菅総理大臣より、国・自治体の
システムの統一、標準化を進めて、
行政手続の
オンライン化などを進めるとの発言があったと承知しています。また、これを進めるために、各省でばらばらにそれぞれ調達していた
システムを、
予算要求から一元的に調達・管理する、
デジタル庁というものを創設するための検討に、今、入られているところということも承知しております。総務省では、これらの動きに対して、地方自治体の
デジタル化、DⅩを進めるために、
自治体DⅩ
推進計画というものを、年内に策定する方針ということもできているところでございます。
これの動きに対して、県では、この国の動きに先んじて、7月21日に長野県DⅩ戦略を策定し、県と市町村との
連携強化のための
先端技術活用推進協議会というものも設置して、今回の
補正予算でも、県と市町村で、これら国の動きに対して対応できるように、
システムの
共同調達・利用の取組を進めるような手だてを打っているところでございます。この
デジタル化の動きを、どんどん国は進めてくると思いますので、長野県としては、まず先に、どこの自治体よりも先につくった長野県DⅩ戦略がありますので、このアドバンテージを生かして、積極的に長野県のDⅩ戦略というものを進めていきたいと考えております。
◆
萩原清 委員 それで、身近なところで、そのDⅩ戦略というのは分かるんだけれども、要は県民にとって、このことが、分かりやすく言うと、どういう面で
メリットが出るかというのは、具体例で何かあったら教えてください。
◎
大江朋久 先端技術担当部長兼
先端技術活用推進課長 具体例の一つが、今、
菅総理大臣の進めようとしている
行政手続の
オンライン化、
デジタル化ということになります。例えば、今、
デジタル化されていないところだと、例えば申請書とかを、一々、市役所だとか、そういったところに持っていかなければいけない。それが
スマートフォン上で、全てが
一気通貫にできるとか、それによって、今回の給付金とかがありましたけれども、自動的に自分の口座に入るだとか、これまで役所に行かなければいけないとか、対面にならざるを得なかったというところは、非常に利便性が上がってくるというような
メリットが出てくると考えております。
◆
萩原清 委員 それは確かに、理論上で、私も分かるんだけれども、今、
後期高齢者の時代になっています。今の部長の説明について、本当に私もあまり頭がよくないので分かりませんけれども、その使用の仕方が果たして本当に理解できるのかどうかという問題があると思うんです。そこをいかにやっていくか。また、国の方針の中でも、何回も言いますが、
マイナンバー制度ができたり、新たな制度ができたのが、いつの間にかどこかへ行ってしまうようなことが結構ありますよね。この
デジタル化というのは、ある面でいけば、日常が変わっていく部分があると思うので、国の方針がどうか分かりませんけれども、何かそういうものでいくと、進めてきたのがすぐ変わってしまうとか、そういう心配はないですか。
◎
大江朋久 先端技術担当部長兼
先端技術活用推進課長 大事なこととして、
デジタル化が進むと、先ほどご説明したとおり、
オンラインで手続ができるようになりますというところと、
オンライン上で処理できると、例えば行政側のコストが削減できる効果があります。それの空いた時間で、先ほど言った高齢者の方だとか、
サポートが必要な方々に対して、丁寧に接するという時間が生まれると思います。なので、
デジタル化を進めながら、空いた時間でそういった
サポートの必要な人たちに対して手だてをするということと、先ほど委員おっしゃったとおり、なかなかころころ制度が変わらないような形で、国とも、しっかり言うべきことは言った上で、
システムの調達とか利用、そして、また普及についても、
説明会を丁寧にするとか、そういった対応をしっかりとやってまいりたいと考えております。
◆
萩原清 委員 これ、私もよく分からないんだけれども、少し
システムを変えただけで、かなり巨額の金が要るようになりますよね。ソフトを少し変えただけでも、全部破棄して新しいものにするなんていう、地方から見ると、それは国が勝手に決めるのはいいんだけれども、少し制度が変わっただけで、かなりの予算化をしていかなければいけないというようなことがあります。その辺をやはりきちんと国に言って、あまりころころ変えるようなことをやられると、皆さんだって、せっかくつくってきたソフトがまた新しくなってしまうなんて言えば、かなりのお金と労力がかかると思うんです。私が一番心配するのは、確かに便利はいいんだけれども、便利は不便なんですよね。だからその辺をよく検討していただきたい。
また、警察
委員会でも、今、こんな犯罪がいっぱいあるじゃないかという話で県警へも質問したんですが、果たして県警でも、それに対して、機能的についていけるかというところも、ある面では心配だということを言っていました。これも犯罪につながる可能性、知らない間に金が引き出されたとか、知らない間に自分の情報がどこかへ行っているということも、こういうことが進んでいくと、全部が全部、そうなるか分かりませんが、セキュリティーの問題でかなり難しい面が出てくる。こちらはそのとおり指導されてやったって、犯罪者はそれをちゃんとうまく利用してやるというのは、預金の引出しだってそうですけれども、分からないところで行われているんです。そういう点では、どういう具合に、ある程度、その対策を立てるか。これ、先の話で分かりませんけれども、どう思っていますか。
◎
大江朋久 先端技術担当部長兼
先端技術活用推進課長 デジタル化を推進するときに大事なことが、委員おっしゃったとおり、セキュリティーの対策になります。行政機関の
デジタル化を推進するときに、一つ、大事なこととして、総務省で、セキュリティーのガイドラインみたいなものを示していただいております。長野県としては、国のそういった最先端のセキュリティーのガイドラインとかルールに基づいて、我々もセキュリティーの対策というのは、しっかりやっていきたいと思います。
◆
萩原清 委員 これ、何回も言いましたけれども、便利は不便なんですよね。ですから、そういう点でいくと、こういうものは、どこかが便利になれば、どこかが不便になるということがあるんです。その辺をよく県民に対しても分かりやすい指導をしていただいて、これ、小学生などから教えていくといいんですが、まだ、我々の年代の上の人たちは、そんなによく分からないと思うんです。そういう人たちが、果たしてこれからそういう時代に対応できるかどうかという問題もありますので、ぜひ、そんな点を含めて、検討していただきながら、安全・安心な
デジタル化を進めていただき、効率のいいものを進めていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。以上です。
◆望月雄内 委員 それでは、私から二、三、質問をさせていただきます。予算書の細かい項目については、私は取り上げるつもりはさらさらありません。大まかな話でお話を承りたいと思います。
最初に、本会議でも取り上げられましたけれども、公安
委員会の人事のことです。人選にも関わることですが、これはもう承認された事項でありますが、この案件について、声高に議会軽視も甚だしいみたいな話の質問がありましたが、私も議員の一人として、大変、その質問に注目をした一人なものですから、差し支えのない範囲でお答えをいただきたいと思います。公安委員というのは、我々の生活の中での、危機管理の一番の総元締ということで、ある意味での羅針盤でもあるわけです。そういう意味で、ほかの人事案件と少し違うのかと私は受け止めておるものですから、あえて、承認された事項であっても取り上げさせていただきたいと思っております。この人選の経緯について、お分かりの範囲で御説明いただきたいと思います。
◎
出川広昭 人事課長 今回、選任の同意の議案を提案させていただいたのは人事課でございます。その立場でお話しさせていただきたいと思います。選任の経過、経緯ということでありますが、最初に、今回の公安委員につきましては、まず警察
法の規定に基づきまして、委員に求められます要件、それから欠格事項、そういった関係をまず確認いたします。それから、さらに関係機関から、委員の役割ですとか、求められる役割、それから職務内容、どのくらいの会議で、どういう場面があるのかということもしっかりお伺いしながら、様々な候補者について、関係者から御意見を伺いながら、その中で、今回、候補者の中から知事が提案するということで決定したという経過でございます。以上であります。
◆望月雄内 委員 人事案件ですから、これ以上言いませんけれども、あまり内容がよく分からないということでありますが、そういうことですか。それはそれとして承っておきます。
それでは、
コロナの時代を迎えてしまったわけでありますので、この件について、お話を承りたいと思います。大変不幸な時代を、21世紀になって迎えるとは夢にも思っていなかったわけであります。しかし、感染症というのは、いろいろなものを読むと、人類始まって以来、ずっとあるんです。だから人類の歴史は、感染症との闘いの繰り返しだとも言われております。私も全くそうではないかと思います。マラリア、あるいはペスト、天然痘、あるいはSARS、それからエボラの出血熱、スペイン風邪とか、これ、大きい感染症だけ捉えても、ある一定の期間の中で、繰り返し繰り返し、社会で起こっているということです。それに巻き込まれた日本の歴史もあるわけです。
そういう歴史の中では、本当に大ごとじゃないんだけれども、町が消滅してしまったとか、あるいは大国が、感染症によって消滅、崩壊した。例えば元の時代、モンゴルなんかもそうみたいですね。あるいはインカの帝国もそうじゃないかと言われていますし、また、東ローマ帝国なんかも、感染症のまん延で国力が落ちて、結果的には、それで消滅したと。ある人が言っていましたけれども、第一次大戦もスペイン風邪が大流行したためにあれだけの大戦争が終結したので、スペイン風邪に感謝しなければいけないなんて、そういう面白い発言をする人もいるみたいです。そういう歴史の繰り返しのなかで、今回、
コロナの感染症に世界が巻き込まれたということであります。世界、それぞれ状況も違うし、取組も違うし、それはそれでいいんでしょうけれども、日本は、世界との比較の中で、数字的に見ても、非常に上手にやったのか、結果的にうまくいっているとも見えないこともない。ただ、まだ収まってはいないということです。
4月7日、安倍内閣によって緊急事態宣言が発出されて、あれから、約半年が過ぎるわけです。その間、長野県の状況を見ると、数字的には、この前、私、申し上げましたけれども、大都会は別ですけれども、他の県に比較して、まあまあ上手にやられているのではないかと、そういう意味では評価をしたいということを申し上げたことがあります。それは、私、今も変わっておりません。
そういう中で、この半年間で、長野県の中で、
コロナの感染症ということに特化した場合に、どういうことが起こって、どういう状況になっているのか、県はそれをどのように把握しているのか、その辺のお考えをお聞きしたいと思います。大変、難しい質問で申し訳ないとは思うんですが、ぜひ聞いてみたかったことでありますので、お許しをいただいて、できる範囲でお願いします。
私もいろいろ見たんですけれども、倒産も増えているかもしれない、あるいは離職者も、それから解雇も、そういうことによって多分増えているんでしょう。雇用がどうなっていくのか、どうなっているのか、そんなことを思いますし、最大の命の拠点である医療機関、この状況もどうなっているのかということも、大変、私、興味もありますし、危惧しております。また格差、貧困、こういうようなことが、この半年間の中で、長野県の中で、どんな状況になっているのか、あるいはなりつつあるのか、それを県としてはどう捉えているのかと。こういうことを分かる範囲で御説明いただければと思います。時間はたっぷりありますので、ゆっくり御説明していただけたらと思います。お願いします。
◎
関昇一郎 総務部長 私で十分な答弁ができるかどうか、お許しいただければと思うんですが、今回の
コロナへの対応ということでは、県としても本部をつくりまして、全庁一丸となって対応してまいりました。そういう意味で、私もその一員として関わってまいりましたので、そういった観点からお答えさせていただければと思っております。
委員からも御指摘があったように、過去の感染症と人類の歴史という意味では、文明の盛衰を決めるような非常に大きなインパクトを与えたこともありますし、今回の、日本、そして世界に対する
新型コロナウイルスの影響というのも、経済状況、そして社会情勢を一変させてしまうような、大きな転換期に当たっているような捉え方をしております。そういう意味では、全国では2月頃から話題になりまして、県でも3月、そして第1波という形で、連休前に大きな山場を一つ迎えました。それが一定の収束を見た後、また7月上旬から、いわゆる第2波というような形で、県内での感染者が拡大をしてまいりました。
そんなことへの対応として、非常に、もう当初は、正直、県としても、新しい感染症ということで、いろいろな状況を判断しながらも、確定的に状況を捉え切れない中で、万全を尽くさないといけないということで、基本方針としては、県民の生命、命と暮らしを守る、経済的なものも含めて、というのを、変わらぬ基本原則としてやってきたと思っております。そういう意味では、言い換えると、感染の拡大を防止することと、それから社会経済活動との両立を図るという、両面を絶えず考えなければいけないというのが当初から念頭にございました。
そういう中では、第1波の際に、第1波のほうが第2波に比べて感染者数はまだ限られてはいたんですが、医療機関での備えが十分ではありませんでしたので、医療機関での入院者、そして重症者への対応ということでは、非常に病床の確保が難しかった状況もありますし、検査体制も、県内の検査機器等で、十分な体制を、当初、組めないというようなこともあり、検査でも、非常に各医療機関、そして医師会等の御協力もいただきながら、県内での体制整備に、第1波は、十分取り組まなければいけないということで対応してまいりました。
そんなことで、第2波に向けては、6月議会での条例の議決もいただきましたけれども、県としての備えを構えながらやってまいりましたので、7月上旬以降の感染拡大期については、数は、感染の拡大が広がったりはしたんですけれども、医療機関での体制も、ある程度、余裕をもって進めてくることができました。そういう意味で、これは、長野県だけではなくて、日本・世界も含めて、医療界の知見というのは、ある程度定着をして、何とか医療崩壊を起こすことがなく感染への対応をしてくることが、現時点ではまだできていると思っております。
そういった中では、現在も、9月補正の予算でもお願いをしておりますけれども、検査・医療体制というのは、さらに充実をしていかないと、今回、
新型コロナとインフルエンザとの流行期が重なる可能性もありますので、そういった意味では、今回、
補正予算でお願いしているような、医療界と十分協力・連携を取りながら、これからのインフルまん延期に備える必要があろうかと思っております。
また、経済的には、委員からも御指摘があったように、非常に雇用の影響、県内産業への影響から雇用問題に徐々に広がろうとしている状況であります。今回、国でも何度か
補正予算を計上しながら、雇用調整助成金で、何とか雇用をつなぎ止めるという対応をしてくれていますけれども、県内の産業界が、その対処療法だけで耐え切れない時期を迎えるのではないかというようなこともありますので、今回も、正規雇用につなげるような取組に、9月補正でも予算をお願いしているところであります。
特にサービス・飲食、それから観光業への影響が大きいものですから、早期議決をいただいた観光の予算というのも、観光県長野として、やはりいち早く手を打って、「Go To トラベルキャンペーン」をうまく活用しながら、長野県内の観光業の活性化を図ることが必要だろうということで取り組んでおります。
また、貧困の問題については、実際に今回の追加でも予算をお願いしているんですが、生活福祉資金の貸付けについても、非常に多くの御利用をいただいておりまして、非常に格差が拡大する傾向にあるのではないかと、私どもも危機感を持っております。そういう意味では、県民の暮らしを守るという点では、雇用を通じてなり、セーフティーネットを通じてなりで、何とか
県民生活が成り立って、そして発展していけるような取組をしなければいけないと思っておりますので、県内経済の影響というのは、まだまだ、これから大きく出てくるところもあろうかと思いますけれども、あらかじめ、先を見据えながら対策を講じていきたいと思っております。
◆望月雄内 委員 経済の問題は、多分、これからだろうと、私も思います。4月・5月・6月の3か月のGDPの結果から年率を出していますが、これが約3割という、驚異的な落ち込みの数字が出て、みんなぎょっとしたと思うんですけれども、そんな数字になったら、たまらないことになるんだろうと思います。
今の観点で、県はしっかり対応してくれていると思いますけれども、命を守るということと、もう一つは経済活動をしっかり維持すると、そういう両極で進めていくと、これは間違いないことだと思います。これは、世界各国、全部そうですね。一時的にロックダウンみたいなことをしたとしても、解除して、すぐ経済対策ができるようにしているということの中で、国は、いわゆるさっき話が出た「Go To トラベルキャンペーン」、これは国の施策なんですが、これが出て、先月4日間の連休がありましたね。あの結果がそろそろ出てくるんじゃないかと。それを見なければ分からないんですが、それで、相当、先行きの見通しが立つのかもしれません。
その地域の振興策として、今、言った観光だとか、飲食だとか、そうことにつながるんですけれども、いわゆる「Go To トラベルキャンペーン」には、当初、賛否両論ありました。早過ぎるのではないかとか、段階的にやれとか、やるべきじゃないとか、いろいろあったんだけれども、テレビ等で、あの国民の顔を見ていれば、これはやはりやってよかったなと、そう映るんですが、まだ1か月ぐらいなんですけれども、その点、県民の受け止めは、どう捉えていますか。
◎
関昇一郎 総務部長 「Go To トラベルキャンペーン」に対する受け止めということについてなんですが、もちろん、私も全てを把握しているわけではございませんけれども、県として「Go To トラベルキャンペーン」に取り組む基本姿勢としては、感染の拡大を防ぎながらお客様を迎え入れようということで、例えば観光業界の皆さんにもガイドラインを守っていただくし、また来る方にも、事前に具合の悪い人はおやめくださいというのも含めて、受け入れる側、来ていただく方、両方の取組が必要だと思っておりまして、現在の「Go To トラベルキャンペーン」の取組も、そういった意味では、観光業の皆さん、それぞれお取組をいただいていると思っております。
県民の皆さんの意識というのは、一くくりにするのが難しいかなという気もするんですが、やはり一番は、感染拡大地域から県内に感染が拡大しないようにしてほしいという気持ちはお持ちだと思いますので、その辺も踏まえ、なおかつ、経済的にも成り立つようにということで、先ほどの感染拡大防止と受入れというような取組をしておりますので、そういったことで御理解いただければと思っております。
◆望月雄内 委員 多分、経済の打撃とかというのは、この半年に起こっていること以上のことが、これから年末、それから来年の春頃に起こってくるという可能性が大ではないか。これは、今は、国の施策とか、支援とか、県のそういうバックアップ体制の中で、何とか我慢している、何とか生きられているけれども、これが終わった段階で、一気に噴き出るという可能性がなきにしもあらずだと。
今日、私も衝撃を受けたのは、安曇野市の30年の歴史を誇ったアートヒルズミュージアムが、今年いっぱいで閉館だということです。これは、もう大変残念なことだし、私の地元の安曇野市としても、とんでもない衝撃であります。損失は計り知れないものがあると、私は思っております。これも、要因は、
コロナの影響によって閉館せざるを得ないということです。この半年間は必死で維持してきたと思います。こういう例が、今後、随所に出てくるんではないかと、私も思うんです。本当はあってもらっては困るんだけれども、そういう危惧を持っているわけです。
総務部長、十分お分かりであることが今の答弁で分かりましたので、とにかくこれから県内をよく見る、よく聞く。そして的確な方針を打ち出していく。この基本線を忘れないで、ぜひ、県の組織を挙げて、耳を大きくして、そして県民の小さな声も漏らさずに吸収していただいて、県民の生活と命をしっかり守ってもらいたいと、そのことを心から要望いたしておきたいと思います。
それでは、次で、昨日の新聞で私もびっくりしたんですけれども、いわゆる
コロナ禍の中での自殺者の増加、これは、所管ではないので、ここで細かいことをいろいろお聞きするつもりはありません。私、気になったので調べてみたんですが、この警察庁の発表だと、8月の1か月の自殺者の数は、昨年より2割近く増加していると、これは予測できたことだと思います。これは、多分、国の見方としては、あるいは警察庁の見方としては、7月以降ずっと加速していくだろう、そういう傾向だろうということであります。来年度になると、空前の自殺者の数になるんじゃないかと思います。かつてバブルの崩壊の後に、自殺をされる数が経験もしなかったような急増をしました。ああいうことが
コロナ禍の後で起こるんじゃないかという危惧を、今、されているわけです。
先ほどのアートヒルズミュージアムではありませんけれども、そういうことになると、失業者も増えるし、そういう中で、支える人もいない、孤立化していく。そんなことで、自ら命を絶っていくということが想定できるわけだし、また、特に非正規の社員の中には女性が非常に多いんです。この人たちが、そういう方向に追い込まれていくということも非常に危惧されるということです。そこで、県として、今までいろいろ対応していたと思いますけれども、財政上、この自殺対策に対してどういう措置をされているのかどうか、その辺、矢後課長、お願いします。
◎矢後雅司
財政課長 今回、
新型コロナ禍で自殺者、先ほど委員からも、警察庁の、2割ほど増えるということでしたけれども、令和2年度、自殺対策は県としても、健康福祉部を中心として取り組んできております。自殺対策推進事業としまして、約5,500万円ほど予算計上させていただいておりまして、人材育成ですとか、普及啓発や総合相談支援、また市町村もやはり、民間団体と自殺対策を行っておりますので、それへの助成など、幅広く取組を行っております。直接的な自殺対策以外にも、生きがいを感じられる地域づくりですとか、生活困窮者の自立支援、また、職場の関係での問題等々ありますので、そのリスク軽減など、自殺対策に直接的なもの以外のところも含めて、全般、自殺対策について、当初予算で取り組んできております。
◆望月雄内 委員 その内容が的確かどうかは、それ、やってみなければ分からないところがあるので、できるだけのことをしていると理解いたします。
このことについては、かつて長野県で、特に若者の自殺者数が、全国の都道府県の中で最も高い数値を示したという時期がありましたよね。確か2010年から14年の頃ですかね。それは原因が何か分かりませんが、そういう中で、確か、公明党さんから、提言があって、LINEを使った自殺対策に取り組むんだと、そういう方針を県が出したということがあるんです。所管じゃないから確認しません。そういうことも含めて、ぜひひとつ、財政上の措置を、先ほどのお話じゃないんだけれども、足りなければぜひ
予算措置をして、万全の対策をしてもらいたい。
私が少し調べたら、相談窓口というのは、これは、国もそうだけれども、いっぱいあるんです。これを見ると、「よりそいホットライン」だとか、「生きづらびっと」だとか、「自殺予防いのちの電話」だとか、「東京自殺防止センター」とか、「いのちを支える自殺対策推進センター」、こういう組織で、いわゆる国の法律に基づいてつくられた組織・制度もあるんです。それだけ対応しているのに自殺者が増え続けるというのは、何かそこに問題があるんだろうと。これは、財政上の措置だけじゃないと思うんですが、ぜひそのことを念頭に置きながらの
予算措置をしていただきたいということを要望しておきます。
ではもう1点だけ、今日、資料1の、信州「働く×暮らす」プロモーション強化事業です。これは、前も、私、
委員会で取り上げたことがあるんですけれども、この
コロナということで、東京一極集中からの脱却が起こってくるんだろうということは、前々から予測されていたわけで、事実、それが数字的にも裏づけされている。例えば軽井沢にしても、蓼科にしても、それから私どもの安曇野にしても、まだ移住が決まったわけじゃないんだけれども、相談件数だとか、問合せとか、今までなかったものが来ている。これはもうずっと増えていく傾向だと思うので、この事業、非常に大事なものだと思います。
この事業なんですが、かつて移住の希望先ランキングなんかをやると、長野県が連続して1位だと。そういう意味では、
コロナは憎い存在であるけれども、ある意味、いいチャンスで、この移住策を進めて長野県の人口を増やしていく。これ、人口だけ増やすんじゃなくて、人材確保にもつながるわけで、非常にいいことではないかと。だから、この不幸なことを、逆にして前向きに捉えていくということで、何年後かには、あの
コロナのおかげでよかったよねと言えるような、そんな状況が生まれればいいかなと思うんです。
そこで一つ聞きたいんですが、これ、市町村が一生懸命やっているんですが、この事業と、その市町村との、整合というか、連携というか、それはどうなっておられるか、お聞きしたいんです。
◎
中沢文子 信州暮らし推進課長 今回の補正事業に関する市町村との関係についてのお尋ねでございます。委員御指摘のように、市町村との連携、私ども大変重要と考えておりまして、例えば今、「楽園信州」というサイトを運営しているんですけれども、これは、協議会を市町村と一緒に設置いたしまして、一緒になって情報発信をしてまいります。その楽園信州の協議会、働くという部分が少し弱いというのが現状でして、その部分を、今回、追加する形で、市町村も含めて、一体的に情報発信をさらに強化してまいりたいと考えております。
それから3番目の
オンラインフェアですけれども、「暮らす、働くフェア」というのを毎年開催しておりまして、これも市町村と一緒に、相談ブースが50ぐらい出まして、それから参加者も400名ぐらいという大規模なイベントを対面で今までやっておりました。今回、こういう
コロナ禍の状況におきまして、この規模感を損なうことなく、
オンラインで実施していきたいと思っておりまして、市町村の皆様にもぜひ参加していただいて、一緒になって情報発信していきたいと思っております。以上です。
◆望月雄内 委員 よく分かりました。ぜひそのことで進めていただきたいと思います。
最後になりますけれども、今回の予算の計上で、一般会計が1兆1,000億円を超えるということで、私の記憶だと、長野冬季オリンピックがあった頃のピークに1兆円を大幅に超えたことがありました。あれも、オリンピックを間に合わせるためのいろいろな施策のお金が上積みされて、今回は、不幸というか、今の話のように災害と
コロナ対策費で1兆円を超えたということだから、あまり喜ばしい予算ではない。当時の1兆円を超えたときは拍手して喜んだ、長野県もいよいよ1兆円の時代を迎えたとそういうことで、今回、裏腹みたいな状況なんです。ぜひ、大きな予算でありますけれども、災害を一日も早く復興させていただくということと、
コロナの感染症をしっかり抑え込むということをして、長野県の経済の発展のためにしっかり取り組んでいただきたい。さっきお話を申し上げた、よく見て、よく聞いて、そして間違いのない方針を出していくと、その基本線で頑張っていただきたい。以上で終わります。
◆佐々木祥二 委員 それでは、私からも二、三点、御質問させていただきたいと思います。令和2年の9月県議会の定例会における、知事の議案説明要旨のところから出させていただきたいと思いますが、ここで三六災害の話を知事がされておりました。本当にあの59年前、伊那谷を襲った大災害で、死者も100人を超える大災害が起きたわけでございます。
その後、建設省、国土交通省、この皆様方ですが、砂防事業、また河川復旧等々、この60年間で、330億円余というような予算をつけていただいて、天竜川の堤防、そして伊那谷の砂防事業等々をやってくれたおかげで、昨年、その三六災害の1.4倍とも言われる雨が襲ったわけでございますけれども、880億円余というような財産が補填されて、災害もほとんど少なかったと。今回は、下伊那を中心として300億円くらいの災害は出ているわけでございますけれども、当初から、これ、やはり災害復旧、またはあの地域を守っていくという意味で、手を入れていかなければならないなということを感じた次第でございました。
そのためにも、これからも、千曲川の整備から始まって、信州には千曲川・犀川・天竜川・木曽川、大きい河川で言いますとそういうものがありますし、支流等々も、急峻な河川等々ありますので、ぜひこれからもしっかり予算をつけていただいて、あの災害復旧、また災害からの復興に尽力していただきたいと思う次第でございます。
今、望月委員も言われましたけれども、1兆円を超えた1兆1,200億円余というような予算ということで、本当に24年ぶり、25年ぶりというような予算でございました。私も一番最初に入れさせていただいたときには、1兆円の予算でございましたので、ああこれでやっと元に戻ったのかというような感じもしないわけでもございませんけれども、しっかりこの予算を使って、長野県の安全・安心を進めていっていただきたいと思う次第でございます。
その中で、私、一つ、気になるのは、知事提案の中でもおっしゃっておりますけれども、誹謗中傷の抑止ということで、9ページでございます。ここが、私は、今、この
コロナの中で非常に重要ではないかなと。団長も私もつけておりますけれども、シトラスリボンのプロジェクトというようなことで、県民全員が、この思いやりや支え合いを持って進めていかなければならない、これは、一つの、私は事例ではないかなと思います。
それはなぜかと言いますと、長野県のトラック協会の方々と、私、お話をさせていただきました。そうしたら小学校、どこの小学校とも言いませんが、また中学校がお父さんの職業を調べたそうです。そして、お父さんの職業の中で「トラック運転手」と書いた方がいたんですね。そうしたら、もう子供たちから「
コロナ、
コロナ」と言われて、お父さんの仕事は、東京へ物資を運ぶとか、他県へ物資を運ぶとか、そういうすばらしい仕事をしておるにもかかわらず、その学校の仲間から誹謗中傷を言われるというようなことで、非常に悲しがって帰ってきて、お父さんの職業を変えてくれというようなことまで言われて、お父さん、本当にジーンときて、トラック協会へその話をされて、そして信濃毎日新聞に、この物流を守る全ての方々に感謝とエールをということで、大きな広告を打って、そして県民の皆様に、何とかこの誹謗中傷だけはやめてくれと、こういう訴えをやっているわけでございます。
どうか、長野県でも、ここをしっかり、どんどん情報発信をしていただいて、この誹謗中傷だけは抑止して、みんなで守っていくんだと、
コロナにかかった方も県民でありますし、そしてその皆さん方も一生懸命頑張って
コロナ対策をやっているわけでございますので、そういうことを、ぜひ、企画振興部挙げて、つくっていただいて、県民に情報発信をしていただきたいと思いますけれども、いかがでございますか。
◎伊藤一紀
企画振興部長 まさに、今、例示されたエッセンシャルワーカーですよね、本当に我々の生活、そういった方たちの日頃の活動があるから成り立っているんだということだと思います。それだけではなく、
コロナについて、闘うべきは
コロナであって、人同士とか、そういうものではないという基本線に立って、私ども、今回、
補正予算でお願いしています広報費も、きちんと県民の皆さんに届くように、しっかり工夫をしていきたいと思います。以上です。
◆佐々木祥二 委員 ぜひそこをしっかりやっていただきたいなと思いますので、これは、小学校・中学校、そして各課、また各部、これ、横の連携を持ってやらないと、これ、
総務部だけだとか、企画振興部だけで先行したってできるものではございませんので、どうか、それぞれの、教育
委員会から始まって、各自治体、そして各自治体から各隣組くらいまで、指示徹底できるような、方策をぜひしていただきたいと思います。よろしくお願いをしたいと思います。
次に、今、
コロナ禍の中で、はやっているという言い方は失礼かと思いますけれども、「結婚式難民」という言葉がはやっているんです。というのは、結婚式が、3月・4月・5月・6月・7月ぐらいまで、3か月から4か月、もうほとんどなくなってしまったと。そしてまた、8月・9月・10月、それを延期したのがそこへ来るわけでございますけれども、第2波というようなことで、その第2波が来たおかげで、またそれが延びていくというようなことで、この結婚式難民というのが、非常に私は重要な問題を抱えているのではないかと思います。
これ、調べてみましたら、現在、長野県では、8,700組という結婚式を挙げているんですね。それが半分以上、6,000件以上が繰延べをしているわけでございます。結婚式ができないということになりますと、一番重要なのは少子化問題なんです。この年だけ、極端なことを言えば来年の生まれる子供さんたちが少ない。そうすると、その方々が6年後には小学生になる、中学生になる、高校生になると、こうなってくると、極端にその年の人口が減ることになるんです。ですから、そこを、人口対策、少子化対策、これ、しっかりフォローアップしていかないと、私は大変なことになるのではないかと思っております。
今、市町村で、結婚式を、全て最初から最後まで完結できる市町村は、12あるという、逆に12しかないということなんです。白馬村、もちろん最大の軽井沢、長野・松本・上田・佐久・中野、そして諏訪・飯田・駒ヶ根市も入っておりますが、そういう完結できるというところが12しかないんですね。
それで、その結婚式場というのは、大体、1件当たりが360万円から400万円、資金がかかるわけでございまして、これは、全員、個人が出すわけでございますから、全然、補助金だとかそういうものはないわけなんです。そうすると、その県外の方々が長野県で結婚式をしていただければ、需要はたくさん入るわけでございます。しかし、県外でやられれば、その費用というものは、1件につき300万円から400万円は、外へ出ていくということになるんですね。ですから、これ、長野県でも、「Go To トラベル」、「Go To イート」、「Go To ウエディング」、こういうこの流れの中で、長野県の中で完結できるような方策・施策というものは打てないものか、そこをお聞きいたします。
◎
金井伸樹 総合政策課長 少子化に対するために、結婚式場等を設置するという方策も打てないかという御質問でございます。今回、私ども、プラン2.0でも、基本目標の一つとして、合計特殊出生率の増ということを掲げておりまして、なかなか、この部分につきましては、施策を打ちましても、難しい状況ということにはなっております。
それで、これにつきまして、やはり何が課題かということを考えましたときに、日本の場合は、大体、結婚した皆様方、9割の方はお子さんがいらっしゃるということで、まず一つは、できるだけ結婚をしていただくということが一つ。それとあと、どうしても、1人、2人、3人とお子さんを産んでいただくには、結婚を早くしていただくということが大事だと思うんですが、なかなか長野県の場合は、結婚が、全国的に見ても結婚の時期が遅いという状況がありまして、大体、女性で言いますと29.5歳の結婚の平均ということになっております。実際は県民文化部で所管しておりますけれども、なるべく私どもも、これにつきまして、何とかいい方策はないかと考えておりました。
確かに、委員おっしゃるとおり、結婚式を一連で行うということは非常に重要なことだと考えておりますので、その辺、どうやったら県が支援できるかどうか、今後、考えさせていただきたいと思います。
◆佐々木祥二 委員 大体、先ほども言いましたけれども、8,700件あると、大体、300万円から400万円というと、300億円前後の金がかかるわけでございます。県内でやれば、それが県内に入ってきて、県内で消費されるわけで、そしてその金が2.3倍ぐらいには回転するわけです。そうすると700億円から800億円というような経済波及効果になってくるわけなんです。それが、県外であれば、それは出ていくということですよね。
それで、これ、他県を見ると、いろいろな政策を打っているんです。佐賀では「さがウエディング祝福事業支援金」、こういうものを出しているんですね。そして、まだですね、沖縄なんか、沖縄
リゾートウエディング誘致施策というものをやっておりますし、結婚式パスポートというのをやっておったり、これ、群馬県・石川県、そういうところで、ウエディングに対して補助金をつけたり、施策を打ったりして、今言った長野県の29.5歳で結婚式をするなんていうことでなくて、もっと政策面でしっかり施策を打って、そして25歳、26歳ぐらいで結婚できるような施策を打っていく、それで補助金も出す。これは、「Go To ウエディング」ということで、そのときに、結婚式に対して補助金を出すとかですね。
第1子については、これはやはり施策を打って補助金をつけていくとか、第2子・第3子って、第3子なんか、本当、100万円ぐらいお祝い金を出すとかですね。大体、そういうことをしていかないと、これは、私はできないと思うんです。お金だけで全て解決するということではないですけれども、そういった意味では、あの企画から始まって、横とも連携をしていきながら施策を打っていくということを、どんどんやっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎
金井伸樹 総合政策課長 結婚のために、資金等、補助等を出していったらどうかという御質問でございます。これにつきましては、市町村の中には、実際、そういう取組を行っているところがあると理解しております。長野県としてできるかどうかということに関しては、いろいろ課題があるかと思いますが、今後、施策形成に向けて、その少子化問題というのは非常に重要な問題でありまして、人口というのは、各施策の基本になるものでございますので、いかにしたら人口増ができるかということを、各部局と共有しながら検討してまいりたいと思います。
◆佐々木祥二 委員 ありがとうございました。少子化問題というのは、もうこんなもの、10年も20年も前から言われているんです。長野県でも。長野県で1年間に1万人が亡くなるんですから、長野県で1年間に1万人亡くなるということは、1つの村、1万人の村が1個なくなっていくということです。そういうことをやっていると、あと10年後はどうなるか、今、204万人ぐらいですか、そうすると、もう200万人を切るのは5年後ってもう分かるわけですよね。ですから、そういうことをしっかり研究していきながら、皆さんたちも、もうあと何年かすると165万人になるなんていう計算もしているんですから、それをいかに食い止めるかという施策を、しっかりやっていかないと、大変なことになるんではないかと私は思うんですが、そこら辺の考え方はいかがですか。
◎伊藤一紀
企画振興部長 まさに自然減をいかに食い止めるかということは、地方創生の最も大事な施策だと思っておりますし、また、議会の議決を経て策定いたしました「しあわせ信州創造プラン2.0」は、その前の信州創生戦略を統合したものでありますので、まさにその地方創生、人口の社会増とか、自然減を食い止めるという施策は根幹をなすものでありますので、また改めまして、こういう
コロナ禍にあって、その辺、どうギアを入れていくかということも、しっかり念頭に入れながら、施策構築に当たっていきたいと考えております。
◆佐々木祥二 委員 ぜひ、これ、検討していってください。自然減はもうしようがないんですから、あとは、今言われた社会増をどうやって増やしていくかということでございますので、しっかりその施策を打っていただいて、少しでも人口減少が少なくなるような施策を打っていただきたいことをお願いして、質問を終わります。
○
堀内孝人 委員長 質疑の途中でありますが、本日の審査はこの程度とし、明10月7日は、午前10時30分から
委員会を再開し、
総務部、
企画振興部関係の審査を日程といたします。
散会を宣した。
●散会時刻 午後2時44分...