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  1. 長野県議会 2020-09-29
    令和 2年 9月定例会本会議-09月29日-02号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 2年 9月定例会本会議-09月29日-02号令和 2年 9月定例会本会議 令和2年9月29日(火曜日)  応招議員   33 番 石和 大  出席議員(56名)   1 番 熊谷元尋    26 番 中川博司   2 番 望月義寿    27 番 両角友成   3 番 小林君男    28 番 中川宏昌   4 番 清水正康    29 番 清水純子   5 番 加藤康治    30 番 小池久長   6 番 川上信彦    31 番 酒井 茂   7 番 山田英喜    32 番 堀内孝人   8 番 大井岳夫    33 番 石和 大   9 番 丸茂岳人    34 番 依田明善   10 番 寺沢功希    35 番 山岸喜昭   11 番 花岡賢一    36 番 小島康晴   12 番 池田 清    37 番 小林東一郎   14 番 山口典久    38 番 毛利栄子   15 番 小山仁志    39 番 和田明子   16 番 竹内正美    40 番 諏訪光昭
      17 番 竹花美幸    41 番 丸山栄一   18 番 宮下克彦    42 番 小池 清   19 番 大畑俊隆    43 番 宮本衡司   20 番 共田武史    44 番 清沢英男   21 番 丸山大輔    45 番 垣内基良   22 番 髙島陽子    46 番 鈴木 清   23 番 荒井武志    47 番 高村京子   24 番 埋橋茂人    48 番 宮澤敏文   25 番 続木幹夫    49 番 西沢正隆   50 番 風間辰一    54 番 本郷一彦   51 番 佐々木祥二   55 番 萩原 清   52 番 向山公人    56 番 服部宏昭   53 番 平野成基    57 番 望月雄内         ─────────────────── 説明のため出席した者   知事        阿部守一     農政部長      伊藤洋人   副知事       太田 寛     林務部長      井出英治   副知事       小岩正貴     建設部長      田下昌志   危機管理部長    竹内善彦     公営企業管理者   小林 透   企画振興部長    伊藤一紀     企業局長事務取扱   総務部長      関 昇一郎    財政課長      矢後雅司   県民文化部長    増田隆志     教育長       原山隆一   健康福祉部長    土屋智則     警察本部長     安田浩己   環境部長      猿田吉秀     警務部長      來山信康   信州ブランド推   熊谷 晃     監査委員      田口敏子   進監兼営業局長   産業労働部長    林 宏行   観光部長      中村正人         ─────────────────── 職務のため出席した事務局職員   事務局長      小山 聡     議事課担当係長   山田むつみ   議事課長      百瀬秀樹     総務課課長補佐   川村亜由美   議事課企画幹兼   丸山俊樹     兼庶務係長   課長補佐               総務課担当係長   青木武文                      議事課主事     松橋高志         ───────────────────  令和2年9月29日(火曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    知事提出議案(日程追加)      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    諸般の報告    知事提出議案    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時開議 ○議長(小池清 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △諸般の報告 ○議長(小池清 君)次に、諸般の報告は、お手元に配付したとおりであります。朗読は省略いたします。       〔議案等の部「2 諸般の報告」参照〕          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━知事提出議案の報告 ○議長(小池清 君)次に、知事から議案の提出がありましたので、報告いたします。       〔職員朗読〕                                令和2年9月29日   長野県議会議長 小 池   清 様                           長野県知事 阿 部 守 一         令和2年9月長野県議会定例会議案提出書  議案を別紙のとおり提出します。 第 23 号 令和2年度長野県一般会計補正予算(第8号)案 第 24 号 公安委員会委員の選任について 第 25 号 教育委員会委員の選任について       〔議案等の部「1 議案 (1)知事提出議案」参照〕 ○議長(小池清 君)以上であります。  次に、お手元に配付いたしましたとおり、地方自治法第122条の規定に基づき知事から予算説明書の提出がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━知事提出議案 ○議長(小池清 君)ただいま報告いたしました知事提出議案を本日の日程に追加し、その順序を変更いたします。  本案を一括して議題といたします。  提出議案の説明を求めます。  阿部守一知事。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)ただいま提出いたしました追加議案につきまして御説明を申し上げます。  提出いたしました議案は、令和2年度一般会計補正予算案など予算案1件、事件案2件です。  一般会計の補正予算案は、40億3,569万7,000円であります。  今月15日に閣議決定された国の予備費使用に対応し、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関の空床確保費用への補助及び生活福祉資金特例貸付の原資に係る予算を増額するほか、季節性インフルエンザの流行期に備えて新型コロナウイルス感染症の検査体制を強化するため、検体採取を行う医療機関等に協力金を支給するための経費等を計上しました。  この補正予算案の財源として、国庫支出金40億1万1,000円、諸収入2,800万円、地方交付税768万6,000円を見込み、計上しました。  本年度の一般会計予算は、今回の補正を加えますと1兆1,211億1,822万9,000円となります。  事件案は、公安委員会委員の選任について及び教育委員会委員の選任についてであります。  以上、追加提出いたしました議案につきまして、その概要を申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○議長(小池清 君)以上であります。  これらの議案は、本日から行う質疑の対象に供します。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(小池清 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  お手元に配付いたしましたとおりの議員から行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑の通告がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。  順次発言を許します。  最初に、宮澤敏文議員。       〔48番宮澤敏文君登壇〕 ◆48番(宮澤敏文 君)おはようございます。新型コロナはいまだ終息する気配はなく、ワクチンが一日も早く開発、普及されることを祈りながら、新型コロナ感染と最前線で向き合う医療関係者に心から敬意と感謝を申し上げます。  全ての分野において新型コロナの影響は大きく、歴史的変革の時代に突入しようとしている、そう実感いたします。この大変革期に、長野県政はどう備え、対処して、県民のより豊かな生活を支援していくのか。来年度予算の組立てが始まるこの時期に県の考え方をお伺いし、温めてきた提言を申し上げます。  まずは産業労働部長であります。  産業分野への新型コロナの影響をどのように把握しているのか。この現実を受けて、長野県経済の今後の展開をどう分析しているのか。また、現在、海外との行き来がストップしているわけですが、正常化するのはいつ頃と見込んでいるのか。正常化した後、本県の産業立地の政策の見直しの必要性が求められると思いますが、具体的に用意している政策はどのようなものか、お伺いをいたします。  総務部長にお伺いします。新型コロナの影響後、来年度以降の県税収入の見込みについてどう分析しているのか。持続可能な社会を掲げ、時間をかけてつくり上げた令和2年度の予算の執行率はどうなっているのか。  続いて、観光部長にお伺いします。提出した緊急観光対策は評価をいたしますが、これらの対策の実行で今季の冬の営業は前年度比何%の達成を目標に置いているのか。また、今後3密を避けての他県を圧倒する信州の特異性を考慮した観光ツールを準備しなければなりませんが、既に検討している具体策は何か、お伺いをいたします。  続いて、教育長にお伺いいたします。観光部から既に協力依頼があったと思いますが、県教育委員会は、新型コロナの影響で、県挙げての非常事態に対し、県内スキー学習旅行県内修学旅行等について、中学校は何%、高校は何%を目標に各学校に働きかけをしているのか。また、新型コロナの影響でリモート社会が進めば、働き方が変わります。地方への移住分散が進むと予測されています。家族そろって地方に移住するためには、教育は移住先を決める大きな要因の一つだと思います。他県と違う地域との関わり合いを大切にすることを長野県教育の特徴にする考えはないか、お伺いをいたします。       〔産業労働部長林宏行君登壇〕
    産業労働部長(林宏行 君)私には2点御質問をいただきました。  まず、新型コロナの産業経済分野への影響についてです。  知事の議案説明でも触れましたが、今月の日本銀行松本支店の発表や長野経済研究所の調査におきまして、県内経済は厳しい状況が続いているとされています。県への経営相談の状況は、飲食業、宿泊業、製造業などが多くなっており、雇用情勢では、7月の県内求人倍率が0.99倍となる中で、雇用調整助成金緊急雇用安定助成金の申請件数が8月末で1万9,155件となるなど、各企業が全力で雇用の維持に取り組んでいる現状が数値にも表れてきております。  今後の展開については、内閣府の月例経済報告によると、先行きについては、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されるとしております。県といたしましても、県内産業が厳しい状況から脱し、着実に回復へと向かえるよう、今議会の補正予算案に計上いたしました中小企業融資制度資金の拡充等による経営の下支えや、求人開拓とマッチング支援体制の強化、正規雇用を促す緊急雇用対策助成金の支給などを通じ、雇用の確保と就労支援に重点的に取り組んでまいります。  次に、海外との行き来と正常化後の立地政策へのお尋ねでございます。  報道によりますと、政府は、既に認められてきたビジネス上必要な人材の出入国に加え、10月1日からは、留学生など他の在留資格者について、全ての国、地域の新規入国者の受入れを再開するとしており、経済活動も徐々に活発になるものと受け止めております。  このたびのコロナ禍では、中国等における部品の調達不足から製品が供給できないなど、企業のサプライチェーンが大きく打撃を受けました。そのため、今後の産業立地政策を進める上では、生産拠点の分散化や、県内回帰しようとする企業の動きを十分考慮していく必要があると考えております。  現在、産業界や市町村などの意見も踏まえ、令和3年度に向けた見直しを行っているところです。具体的には、サプライチェーンの強靱化や、本社機能等の地方移転に取り組もうとする企業を支援するため、助成金制度や不動産取得税等の課税免除制度の見直しについて検討を進めてまいります。       〔総務部長関昇一郎君登壇〕 ◎総務部長(関昇一郎 君)新型コロナの影響に関連して2点御質問をいただきました。  1点目の県税収入の見通しについてのお尋ねでございます。  今年度の税収は、新型コロナウイルスの影響による企業業績の下振れや消費の低迷などの要因から、法人2税や地方消費税などの税目の落ち込みが予想され、100億円以上の減収となる見通しであります。  令和3年度の税収について主要税目で見ますと、法人2税は、申告税額の半数以上を占める3月決算法人の今年度の申告では、新型コロナウイルス感染症の影響が本年2月から3月の2か月限りでありますが、翌年度の申告では、その影響が通年で反映されることとなります。個人県民税については、今年の個人所得が翌年度の税収に反映されることとなります。また、地方消費税についても、今年度の消費活動の多くが翌年度に反映されることとなりまして、全体で令和2年度をさらに下回るものと予想されます。  新型コロナウイルス感染症の終息により景気が一日も早く回復することを期待しておりますが、経済状況がコロナ以前の水準に戻るには長期間を要するとの見方もあり、今後も厳しい税収動向となるのではないかと考えております。  2点目の主要事業項目ごとの予算執行状況についてのお尋ねであります。  今年度当初予算の発表資料においてパッケージ化してお示ししたしあわせ信州創造プラン2.0の政策推進の基本方針ごとの支出負担行為の状況を見ますと、年度半ばの時点ではありますけれども、1点目の学びの県づくりについては53.2%、産業の生産性が高い県づくりについては73.8%、3点目の人をひきつける快適な県づくりについては84.2%、4点目のいのちを守り育む県づくりについては50.6%、5点目の誰にでも居場所と出番がある県づくりについては50.1%、6点目の自治の力みなぎる県づくりについては65.5%となっております。  以上であります。       〔観光部長中村正人君登壇〕 ◎観光部長(中村正人 君)2点御質問をいただきました。  まず、誘客施策による今期の冬観光の達成目標についてでございますけれども、県内旅行会社等によりますと、6月から7月には回復傾向が見られたものの、8月は新型コロナウイルス感染の再拡大も影響し、宿泊者数は前年度比約6割と大変厳しい状況とお聞きしております。  こうした厳しい状況を回復するため、信州観光の活性化のための事業を早期議決によりお認めいただいたところでございまして、これらの宿泊割の事業等では、延べ宿泊者数を約70万人泊と見込んでおります。これは、今年のインバウンド需要が見込めないことから、昨年10月から3月における外国人の延べ宿泊者数79万5,000人分をほぼカバーしていくことを見込んだものでございます。  一方、国内消費マインドが依然として低い状況の中で、今後の半年間も8月と同様に約6割の水準が続くものと仮定した場合、前年の同期間が約740万人泊であったことから、今回の観光振興策による70万人泊の見込みを加えると、前年度比では約7割になると想定しております。  かつてない厳しい状況下にあるとの認識の下、観光地域が一体となって感染防止対策にしっかりと取り組んだ上で、前年度に少しでも近づけられるよう、冬のアクティビティーの割引やスキー場の魅力度を高めた積極的な誘客策を進め、危機感を持って切れ目なく観光需要の回復に努めてまいりたいと思います。  次に、3密を避けての観光ツールの具体策についてでございます。  ウィズコロナアフターコロナ時代の観光におきましては、アウトドアアクティビティーやキャンプ等の密になりにくい屋外型のコンテンツが大きく発展すると考えておりまして、観光関係の皆様と連携した取組を進めているところでございます。  具体的な取組として、自転車で本県を一周する広域的なモデルルートの策定を進めるとともに、マウンテンバイクやE-バイクといった自転車の様々な楽しみ方の情報発信やコースづくりなど、官民が一体となってハード、ソフトの両面でサイクルツーリズムを進めております。  また、ぜいたくにアウトドアを楽しむグランピングの人気が高まっていることから、その普及と併せ、例えば南信州地域の複数のキャンプ場による定額使い放題のサービスへの支援や、新たな観光需要として冬キャンプの研究など、キャンプ市場の拡大やグレードアップに向けて取り組んでおります。  近年、自然アクティビティーに歴史文化を組み合わせて楽しむアドベンチャーツーリズムというものの人気が海外でも高まっておりますけれども、これは、本県の地域資源を最大限生かせる取組でありまして、観光消費額の増加や年間を通じた長期滞在型の観光地域づくりにつながりますことから、関係者の皆様方と連携してこうした取組を強化してまいりたいと存じます。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)県内修学旅行等に係る各学校への働きかけの状況についてのお尋ねでございます。  県内への修学旅行の実施につきましては、観光部作成の資料と併せまして、県内全ての学校に通知し、検討を依頼したところであります。また、校長会においても別途資料を配付し、協力を求めているところであります。  先日議決されました9月補正予算に計上された観光部の安全・安心な修学旅行等サポート事業では、修学旅行を実施する学校の約3分の1に当たる200校程度を目標としているというふうに承知しております。7月末の県教育委員会の調査では、修学旅行の行き先を既に県内に変更した小中高等学校は約130校程度であります。実施の可否を含め、行き先等を検討している学校が約190校程度ということになっています。  また、スキー体験学習を実施する学校は、小学校で336校、中学校で23校、高等学校で10校の予定となっております。  県教育委員会としては、市町村教育委員会等と情報共有に努めるとともに、当該事業の活用について改めて周知し、県内の学校が県内を魅力ある行き先として選択肢に加えてくれるよう観光部と協力してまいりたいというふうに考えております。  次に、地域との関わり合いを長野県教育の特徴とすることについてのお尋ねであります。  教育が移住先を決める大きな要因の一つであるという議員の御指摘は、私もそのとおりだというふうに考えております。そして、これからの時代は、単に机上で知識を詰め込むのではなくて、現地社会と触れ合いながら探究的に学びを深める、そういう教育が求められているというふうに考えております。  長野県のそれぞれの地域には、その地域独自の歴史や文化、地域課題があり、生徒が自分の身近な場所で、住民や企業、行政などの協力を得ながら探究学習ができるという大きな強みがあります。例えば、白馬高校では、高校生ホテルの取組に代表されるように、自治体、地元企業などと協働してコンソーシアムを構築し、地域とともに課題解決に向けた探究的な学びに取り組んでおります。  こうした学びを通じて、未来を切り開くための必要な資質、能力を身につけて、地域ならではの新しい価値を創造できる地域人材の育成を図っているところであります。そして、このような高校での学びにつなげていくためにも、保育園では地域の様々な方々と触れ合い、小学校では地域の自然や伝統文化を学び、中学校では地域の中で自分のできることを探究する学びに全県の学校で取り組んでいるところであります。  地域と触れ合い、地域を知り、地域のために考え、地域とともに活動する教育を、これからも本県の魅力ある特徴としてさらに大切にしてまいりたいというふうに考えております。       〔48番宮澤敏文君登壇〕 ◆48番(宮澤敏文 君)教育長をはじめ、それぞれの皆さん方の積極的な取組、また、部課を挙げての取組に対して心から敬意を申し上げたいと思います。その中で、観光部長の答弁を受けて知事にお伺いいたします。  今後の新たな観光ツールとして、先ほど野外利用の推進の説明がございました。私も全く同感であります。観光立県として中途半端で終わらせるわけにはいきません。例えば、知事が力を入れているサイクルツーリズムですが、長野県観光の目玉とするならば、県警察や各分野の参加を仰ぎ、県全体にわたっての道路利用のルールの検討、確立、立ち寄りポイントでの魅力産品の掘り起こし、宿との連携、広告パワーアップ事業として、ツール・ド・フランス、ツール・ド・信州的なイベント開催の世界への発信、関わる人たちが一体となって全体の動きを理解し合い、補完し合う取組が必要だと思います。今のように、自転車道路整備は建設部、広告は観光部と部門ごとの取組では、一般県民を巻き込んだ観光のうねりはできません。取り組む事業の裾野を広くして、プロジェクトをやり遂げようとする強い意志と、関わる人たちが連携し合い、補完し合う精神を持ち合うことが必要だと思いますが、この点について知事にお伺いいたします。  引き続き知事にお伺いします。  執行率が低い分野の令和2年度の予算の組替えが必要だと思いますが、どう組み替え、この非常事態をチャンスに変え、成果を導こうとするのか。相当な額に上ると思われますが、いつまでに組み替えて予算案を県議会に提出するのか、お伺いをいたします。  新型コロナの影響で、第4次産業革命が急速に動き出す予感がします。アフターコロナの流れを先取りして、歴史的変革の中で引き続き全国からモデルとされる県であり続けるために、来年度予算を組み立てる基本的な考え方をお伺いいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には3点御質問を頂戴いたしました。  まず、サイクルツーリズムを取り上げていただき、より強い意志で関係機関と連携して取り組むべきだという御指摘をいただきました。  基本的に私も同じ思いであります。長野県は、新型コロナの中で、観光、地域が非常に厳しい状況に置かれているわけでありますけれども、こうした中でも、やはり未来に向けた取組を着実に進めていくということが重要だと思っています。アウトドア、サイクルツーリズム、こうした長野県の強みをしっかり生かしていけるように取り組んでいきたいと思っております。  既にオール長野の官民一体による体制整備を行わせてきていただいておりますし、また、ハード面での自転車専用通行帯の整備やモデルルート整備、こうしたものに取り組ませていただいておりますけれども、対外的な発信や全体のコーディネート、こうしたものについてより強化をしていくということが必要だというふうに思っています。  県のあらゆる施策も同じでありますけれども、今、国、新しい内閣も、縦割り打破ということを強くおっしゃっております。県の施策も総合的に取り組まなければいけない施策が非常に多くなっておりますので、部局間連携をしっかり行い、多くの皆様方を巻き込みながら施策の推進を行っていきたいというふうに考えております。  それから、新型コロナの影響の中で、令和2年度予算をどう組み替え、補正をいつ行うのかという御質問であります。  今、新型コロナウイルス感染症の影響で、本県においても、年度当初から不要不急の事業の実施を見送り、また、想定どおりの実施が困難なものについては、実施方法の見直し等を行ってきているところであります。  こうした中で、ウイルス対策、これは、生活産業支援も含めて累次にわたる補正予算を計上させていただき、県議会にお諮りしてきたわけでありますが、その一方で、現時点で執行しないというものも出てきております。そういう観点で、今回の補正予算の中で、現時点で削減する経費として約6億4,000万円減額のお願いをさせていただいているところであります。  その一方で、この社会の変化をチャンスとして生かす上で、医療機器産業の振興やDXの推進、こうした経費を新たにお願いさせていただいております。  現在、感染状況は県内では落ち着いている状況ではありますけれども、今後さらに状況を見極めなければいけないと思っています。ただ、今、社会経済活動を積極的に進めていこうというフェーズになっておりますので、各部局が計上している予算についてはできるだけ執行できる方向で考えていきたいというふうに思っています。  引き続き、今後の推移を見極めながら、事業の見直し、追加を適切に行わせていただき、必要なものについては県議会に改めて補正予算案でお諮りするといったような対応も含めて検討していきたいと考えております。  それから、来年度予算を組み立てる基本的な考え方という御質問であります。  第一に、新型コロナウイルス対策、これは、状況を見極めながらではありますが、引き続き対応を迫られるものというふうには考えております。ただ、ウィズコロナの対応だけではなくて、先ほど申し上げたように、アフターコロナの時代も見据えた対応、対策というものを検討していきたいというふうに思っております。  また、災害が相次いでいる中で、災害からの復旧・復興はもとより、災害に強い県づくりも来年度重要なテーマとして考えております。加えて、国もデジタル庁の設置というようなことを検討されておりますので、県のDX戦略を踏まえたDXのさらなる推進、さらに、県議会で決議をいただいた気候非常事態宣言を踏まえてのゼロカーボン宣言、こうしたものの実現に向けた取組、大きな未来に向けた観点もしっかり持ちながら来年度予算を組み立ててまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔48番宮澤敏文君登壇〕 ◆48番(宮澤敏文 君)知事から御答弁いただきました。方向性はすばらしくいいと思うのですが、一つ一つの細かい分野になっていったときに、果たして知事の思いがしっかりとできているかと、そこについて非常に危惧を持つわけであります。  先日、議会の私の机の上に、営業局から沖縄のマンゴーの注文票が配付されていました。この非常事態になぜマンゴーなのだと、そんな感じを覚えました。長野県のたくみ、日本酒が全く売れない。ワインもしかりで、醸造企業は大変であります。酒米の価格は大幅に低迷し、来年度は他品目に転換せざるを得ない状況であります。しかも、ウルチ米は、来年は全国で220万トンを超える米が余る予測であります。生産者はわらにもすがりたい気持ちで行政の支援を待っています。  営業局の方針には今までも疑問を持っておりましたが、この新型コロナの非常事態でなぜ長野県産品でないのか。県民の苦悩を酌む配慮はないのか。職員の意識が残念ながら低い。これが阿部県政では困る気がいたします。知事の考えをお伺いします。  菅内閣は、デジタル庁を設置し、今後の日本国づくりの新たなベクトルを発表し、これを総務省が受け、このたびDX支援に39億円を計上いたしました。長野県は、2019年から信州DX戦略に取り組み、超効率化とクリエーティブの向上を目指しています。  そこで、小岩副知事にお伺いします。  県民生活にリモート社会を定着するために、全ての県民のデジタル対応力の向上を急ぐべきであると思いますが、高齢者を含め、県民のデジタル教育はどの部局が担当し、いつから、どこで、何年にわたって進めるのか、お伺いします。  続いて、知事にお伺いします。  スマート化により、県組織はどのように各分野で効率化が図られるのか。超効率化された県組織の姿と推進するステップをお聞きしたいと思います。スマート化で県と市町村の関係はどのように変わると予測し、そのために、県は今何を準備していくのか、お伺いをいたします。  県全体で公平にスマート社会を推進しなければなりません。課題は、裾野の人材育成であります。仕事が終わった後に受講する社会人や公務員がおおむね30分程度で研修を受けられる地方部ごとの体制整備を急ぐべきであります。時代の大変革を受けて、最低3年は必要と思いますが、数千人と思われる受講者にどう対応していくのか。その展開計画をお伺いいたします。  また、クリエーティブの向上を目指していますが、知事が描くクリエーティブの向上とはどこにあり、具体的に進めるプロセスはどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お聞きいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)まず、県政の細部についてしっかり進めるべきだという御質問であります。  マンゴーのお話がございました。もとより、私どもとしても、県内農産物の振興、営業は非常に重要なテーマだというふうに思っております。他方で、先ほど申し上げましたように、こういう危機の状況でありながらも、やはり将来を見据えた取組ということも並行して行っていくことが重要だというふうに思っております。沖縄との交流、連携は、これから長野県の発展を考える上で一つの重要な要素だというふうに思っておりますし、実は、沖縄県側でも長野県産の農産物の販売を行っていただいております。そういう意味では、御指摘がありましたように、例えば日本酒振興や農産物の販売促進、こうしたものをしっかり行うべきだということは、これは全く私も同じ思いであります。そうした施策に加えて、やはり未来を見据えた施策についても並行して行う、次に向けた布石も講じていくということが必要だというふうに思っています。引き続き、農業者の皆様方、県民の皆様方の思いに寄り添いながら施策推進を図っていきたいというふうに思っております。  それから、DXに関連してでございます。  まず、スマート化により県組織はどのように効率化が図れるのか、そのステップはどういうものかという御質問であります。  DX戦略が目指す姿、これは、例えば、県民の皆様方が様々な行政手続をオンラインで時間と場所にかかわらず行えるようにしていくといったようなこと。また、職員の仕事の中でも、例えば裁量の余地がないような手続については極力自動化していくこと。それによって浮いた時間をクリエーティブな創造的な活動に充てていく。さらには、テレワークやウェブ会議など働き方自体を新たなスタイルに変えていく。こうしたことが求められていると思いますし、実現が可能な段階になってきているというふうに思っております。  ステップとしては、当面、2022年度に向けて、テレワーク、クラウドサービスを利用しての市町村等との資料の共有、共同作業、こうしたことができる業務環境を目指していきたいというふうに考えております。国のデジタル化の取組も踏まえまして、県民のニーズにしっかり応えられるようにDX戦略を進めていきたいと考えております。  それから、市町村との連携はどう変わるのか、何を準備していくのかという御質問であります。  DXの推進によりまして、これは既にコロナ禍で行っておりますけれども、例えば、市町村との間のウェブ会議、長野県は非常に県土が広いわけでありますけれども、ウェブを使いますと参加いただく方の時間の効率もかなり上がるというふうに思っております。また、頻繁に意見交換することも可能になってきています。現に、市長会、町村会とは、このコロナ禍で複数回にわたってウェブ会議を行わせていただいております。  また、クラウドサービス、あるいは共通のシステム上での情報共有が迅速に行われることによって連携も一層強化できるというふうに思っております。例えば、災害対応も、市町村でいろいろな入力を行っていただき、我々も瞬時に共有できるシステムになっております。  今後、県と市町村でさらなる未来を目指した取組を進めていかなければいけないわけでありますけれども、先端技術活用推進協議会を設置しておりまして、RPAやAIによる文字起こし等のソフトウェアの共同調達、共同利用に向けて効果的な活用方法について検討を重ねてきているところであります。今般の補正予算の中でも、総務省のモデル事業を活用した実証事業を行っていきたいというふうに考えております。行政のDXは市町村との連携が不可欠でありますので、引き続きしっかり協力し合いながら積極的な展開を行っていきたいというふうに考えております。  それから、DX戦略に関連して、社会人、公務員が学ぶ体制づくりということであります。  学びの県づくりを掲げている本県としては、やはりこのDX戦略推進に当たっての人材育成は私も非常に重要だというふうに思っております。そういう意味で、今年度、新たに、企業内でIT戦略を担う人材を育成するための講習を行う予定にしておりますし、また、工科短大においても企業内で取り入れやすいITを学ぶ講座の開催等を行ってまいります。また、離転職者に対しては、労働局とも連携をさせていただきながら、ITの素養を培うための職業教育を支援してまいります。  この社会人のITスキルは、分野や企業によって求められる水準や内容が様々あるものというふうに思っております。産業界の意見も十分踏まえさせていただき、御意見を伺った上で、この人材の育成については、県としてさらなる充実を検討していきたいと考えております。  それから、最後でありますけれども、クリエーティブの向上について、どういうものを目指し、どう進めていくのかという御質問であります。  2年前の選挙で私が公約として掲げたテーマは、創造的で持続可能な共生社会づくりということであります。技術革新が進む中で、クリエーティブな社会、創造的な社会をつくっていくということがこれからの長野県にとって非常に不可欠でありますし、創造性を尊重する社会をつくることによって暮らしを向上させていくということが求められているというふうに考えております。  そういう観点で、本県としても、例えば教育分野のICT環境の整備やデジタル化を推進する観点での中小企業の支援、こうしたことについて今回の補正予算で提案させていただいているところであります。  もとより、デジタル化の恩恵は、一部の人たちだけが受けられるというようなことがあってはいけないというふうに思っております。先ほど申し上げたように、市町村とも一緒に考える体制をつくらせていただいております。引き続き、大学、企業、各種団体、多くの皆様方を積極的に巻き込みながら、本県のDX、デジタルトランスフォーメーションをしっかり進めていきたいというふうに考えております。  私への質問は以上でございます。       〔副知事小岩正貴君登壇〕 ◎副知事(小岩正貴 君)DX戦略に関連しまして、県民のデジタル対応力の向上をどう進めるのか。どの部局が担当し、いつから、どこで、何年にわたってという御質問でございました。この点につきましては、大きく四つの視点で述べさせていただきたいと思っております。少々長くなるかもしれませんが、御容赦いただきたいと思います。  まず、最も急ぐべきであると考えておりますのは、行政の現場、中でも、特別職や部課長などの幹部クラス、あとは学校現場の教員の先生方、そして、会社や企業、特に中小企業が多くなるかと思いますが、こうした経営の現場への浸透であろうと思います。ここが利用する当事者にならないと、なかなか社会全体に広がっていかないという問題意識を持っております。  県では、私が情報化推進担当部長時代の5年前から、部局長会議でタブレット端末を導入するなどデジタル化への対応を進めてまいりました。意識の上での障壁というものは当初に比べると大分取り除けているのかなというふうに感じております。  一方で、次の課題と思っておりましたのは、課室長クラスの皆さんでございます。ここにつきましては、今般のコロナ禍における対応といたしまして、意図的にテレワークやウェブ会議を活用してまいりましたので、こうしたことが意識の浸透を図る一つのきっかけになったと思っております。  ただ、DX戦略を取りまとめる、あるいはこの進捗管理をしていくという中で、先端技術活用推進課が各課とかなり激しいやり取りをしております。そういう中で少しでも意識を高めていく取組を進めてまいりたいと思っております。  市町村についてでございますが、これは、まずトップからということで、昨年10月に専門家を招いてトップセミナーを開催いたしました。これは市町村側からも要請があった取組でございます。  この7月には、先ほど知事から答弁もありましたけれども、県と県内の市町村で先端技術活用推進協議会というものを設立いたしました。これは、当初、市町村側も対応に若干ばらつきがあったのですが、現時点では全市町村が参加していただくというところまで何とかこぎ着けたところでございます。
     この協議会で県が行っている取組と市町村が行っている取組を共有することで、市町村でのデジタル対応への意識の醸成につなげていきたいと考えております。DX戦略は3年間でございますけれども、この部分はできるだけ前倒しで、先端技術活用推進課がまさに先頭に立って進めていきたいと考えております。  教員でございますが、教育委員会において、まずは最低限のものとして、オンラインでの対面授業を行うスキルを8月末までに全教員に一通り身につけていただくという取組をしていただきました。  その上で、今年度中に双方向での授業ができるようなスキルを身につけていただく研修に引き続き取り組んでいただいておるところでございます。その先は、ICTを活用した授業を行う中でICTスキルの向上が図られるものと考えておりますので、今後は、教科ごとの授業改善、ICT教育を支援する体制や組織について教育委員会とともに考えていきたいと思っております。  そして、企業の経営の現場でございますけれども、こちらは産業労働部で取り組んでもらっております。まずは令和3年度に県内企業のAI、IoT等の導入率50%を目指そうというのが当面の目標でございます。そのために、経営者を対象としましたIT活用講座や、従業員のスキルアップのためのセミナーや講座、IoTの導入実践の研修といったところに、行政だけではなく、産官学が連携して取組を始めております。  二つ目の大きな視点としましては、システムエンジニア等のデジタル技術を支える専門人材でございます。ここの部分が弱いままですと社会としての対応力をつくり込んでいく力が弱くなりますので、ここは重要だと思っております。  この点につきましては、昨年7月の調査によりますと、県内IT企業の7割で人材不足感があるというデータがございます。2025年度を一つの目標としまして、この7割の人材不足感を解消すべく、産業労働部を中心に産官学で連携して取り組んでいただいておりますが、実際には、大学、専門学校等での人材育成と社会人のリカレント教育、それから人材の誘致、これをどう組み合わせていくかというところがテーマになってくると思いますので、そのベストミックスをこれから産業労働部とともに議論していきたいと考えております。  三つ目の視点でございますが、将来世代、児童生徒のデジタル対応力の向上についてでございます。こちらも教育委員会で取り組んでいただいておりますが、目標としましては、5年後までに全ての生徒が高等学校卒業時までに必要な力を取得できるように取り組んでいただいているところでございます。  具体的なプロセスでいいますと、まず、本年度から、小学校は、全小学校でキーボード入力など基本的な操作などを身につけてもらう。そして、実際には先行している学校もありますけれども、来年度からは全中学校でデジタル情報の活用と情報技術について学ぶ学習、そして、これも既に先行している学校があるのですけれども、再来年度から全高等学校で情報技術を活用した問題の発見、解決を行う学習、使いこなす能力を磨いていくという取組を順序立てて進めていただいているところでございます。  そして、最後になりますが、これはユーザーとしての県民のデジタル対応力の問題であろうと思っておりますが、ここにつきましては、実際に使っていただく中で対応力を上げていくという形になろうかと思います。実際には、デジタルサービスを使う局面を多く提示されるということ、そして、それを使う際に、特に高齢者の皆さんなどがそうかと思いますけれども、こうしたデジタルを使うためのハードル、多くは心理的なハードルだと思っておりますが、心理的なハードルを下げる工夫をしていくというアプローチが重要になってくると思っております。  今後、DX戦略に基づきまして、令和4年度に向けまして七つのプロジェクトを動かしてまいります。その際には、システムやプログラムの簡略化、デザイン上の工夫などに加えまして、ユーザーとなる住民の皆様への説明の機会を意識的に設けていくなど、こうした取組に民間事業者の知恵も借りながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔48番宮澤敏文君登壇〕 ◆48番(宮澤敏文 君)それぞれ説明をいただきました。  農業者が、自分の市場をつくりたいからツイッターで自分のバーチャル市場をつくる。それから、今回、持続化補助金を頂くために初めてパソコンに触ったという経営者もいるわけであります。その人たちにどうやって教え、どう導いてデジタルへの対応力を上げていくのかということを私は問題にしているわけであります。  群馬県では、さきの新型コロナの補正予算で、43の商工会にZооmシステムを導入して小規模事業者のリモート対応の窓口を開きました。デジタル化は、県民全ての日常生活に関わる課題だけに、県民がひとしく、県下隅々までリモートの恩恵を受けられる県民目線で政策を推進していかなければならないと思っているからこの質問をしているわけであります。次の補正予算で、さきほど小岩副知事から答弁があった高齢者を含めた県民隅々までのデジタル教育をスタートさせること。そしてまた、社会人の学び直しも30分以内で学べるように、そして、そこには農業者も様々な人たちも参画できるように、地に着いて門戸を開放することの必要性を感じます。  地域に根差した商工会や商工会議所、JAが、Zооmシステムを活用して小規模事業者や生産農家をしっかりと指導ができる体制整備も必要だと思います。このことを知事に提案させていただきます。  次に、建設部長にお伺いいたします。  地域高規格道路松本糸魚川連絡道路につきましては、雨中第2トンネルが貫通し、あしたへの明かりがともされ、第1トンネルの掘削に入りました。地元として、知事を先頭に、この記念すべき貫通に心から感謝を申し上げます。  令和4年度、雨中―月岡と白馬北区が完成すると、連続する今でさえ事故が多発する小谷村塩水地区、老齢化した外沢トンネルをどのように整備していくのか、お伺いいたします。  仮称安曇野北インターへのアクセスはほぼAルートに決まりました。多くの皆さんの御労苦に対して心から感謝を申し上げます。具体的にインター周辺の工事着手はいつになるのかお伺いいたします。厳しい予算下でありますが、知事が常々言われていらっしゃる集中と効率化によって現道部門の改修工事を進め、新潟県に遅れないようにスピードを上げるべきだと思いますが、決意をお伺いいたします。  次に、災害に強い河川管理のために、河川内樹木の伐採を含めた政策をしっかりと進められました。高く評価いたします。樹木は年々成長しますから、これをどういうふうに管理していくのか、また、具体的にどんな維持管理体制を用意しているのか、お伺いいたします。  最後に、知事にお伺いします。  総務企画委員会で何度も提案してまいりましたが、部局ごとに管理されております県の研究施設を集約して独立行政法人をつくり、横の連携を強化して、眠っている原石を掘り起こす。そして、それを活用する。県の英知と民間の連携とを結集することによって新たな成果を生む体制をつくるべきだと思いますが、知事の決意をお伺いいたします。       〔建設部長田下昌志君登壇〕 ◎建設部長(田下昌志 君)初めに、国道148号の小谷村塩水地区及び外沢トンネルの整備に関するお尋ねでございます。  議員御指摘のとおり、雨中バイパスが整備されますと、塩水地区付近では連続するカーブがネックとなってくることから、来年度より、雨中バイパスと一体的な交通安全と走行性の確保の観点から、改良の計画検討を始めてまいります。また、外沢トンネルは、路肩を含めた幅員が6.5メートルと前後のトンネルに比べて狭小で、照明も暗く、老朽化も進んでおり、トンネル内での事故も起きている状況でございます。改良の必要性について十分認識しているところでございます。当面の措置としまして、照明のLED化や剥落防止、漏水対策の補修を早急に行い、安全を確保してまいりますが、将来的に松本糸魚川連絡道路としての整備も考慮しつつ、どのような整備が効果的であるか検討してまいりたいと考えております。  次に、松本糸魚川連絡道路安曇野市新設区間の今後の日程に関するお尋ねでございます。  安曇野市新設区間では、8月30日に住民説明会を開催し、長野自動車道に仮称安曇野北インターチェンジを設け、犀川右岸堤防沿いから高瀬川右岸道路を最短で結ぶAルート帯を最適ルート帯として選定しております。引き続きこのAルート帯を基に現地の測量や各種調査に着手しており、今後、詳細ルート線を決定するとともに、地域の広域交通を担う道路として都市計画決定の手続を着実に進めてまいります。  県といたしましては、地元の皆様へ丁寧な説明を行い、御理解をいただきながら、早期の新規事業化を目指してまいります。  次に、松本糸魚川連絡道路の整備のスピードアップについてのお尋ねでございます。  広域的な交流を促進し、地域間連結を図るという地域高規格道路整備においては、効果をより早く発現することが非常に重要と考えております。県では、かねてより、高速道路と接続する起点部を最優先に整備していくとともに、現道の活用も併せて検討していくこととしており、効率的かつ迅速な整備を進めてまいります。  さらに、今後の事業化に当たりましては、国に対し、より有利な支援を受けることができる地域高規格道路としての補助を要望し、整備のスピードアップを図ってまいる所存でございます。  最後に、河川の維持管理体制に関するお尋ねでございます。  現在実施中の3か年緊急対策事業では、再繁茂を抑制するために、伐採に併せて抜根を実施しておりまして、国が策定した再繁茂しにくい樹木管理手法等の事例集を参考にしながら有効な対策を実施しているところでございます。  また、乗用草刈り機の増強を図るとともに、資源の有効利用の観点から地域住民への伐採木の配布や公募型伐採を進めております。さらに、河川構造物の長寿命化計画策定の手引が改定されておりまして、河川構造物だけでなく河道内樹木の伐採についても長寿命化計画に位置づけるようになったところでございます。  今後、県の長寿命化計画を改定し、計画的な樹木伐採を進めるとともに、土砂掘削や樹木伐採に対する国の支援を活用し、必要な予算確保に努めてまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)まず、DXについては、地域の競争力の今後の源泉であるというふうに考えておりますので、先ほど来年度予算についても言及しましたが、DXに力を入れて、そして、取り残される県民の方や事業者の方が出ないような学びの支援、こうした観点もしっかり持ちながら対応を検討していきたいというふうに思っております。  それから、試験研究施設の集約についてでございます。  独立行政法人というような御指摘も含めて御質問いただいたわけでありますけれども、試験研究機関は、これまで、長野県の地域産業の発展に大きな役割を果たしてきているというふうに思っています。今後に向けては、さらに連携強化すべきという答申を行政機構審議会からもいただいておりますので、分野ごとに、例えば工業技術総合センターと農業試験場との連携や、工業技術総合センターと林業総合センターとの連携、そうした新たな連携の中で研究開発を進めてきているところであります。  私も、今、技術革新が非常に急速に行われている中で、これまでと同じ枠組みで試験研究機関があるのが果たして望ましいのかという問題意識を持っておりまして、試験研究機関の在り方についても一つの検討課題ではないかというふうに考えております。ただ、実際に今様々な研究を行っておりますし、特に、中小企業や農業者の方々に寄り添った対応を長野県の試験研究機関は中心に行ってきております。そういう意味で、独立行政法人化、組織の再編整備ということを行うに当たっては、こうしたこれまでの事業をどうやって継続していくのかということもしっかり踏まえなければいけないと思います。他方で、技術革新がどんどん進められ、私としては、この試験研究機関が特定の分野においては日本を代表し、世界からも注目される、そうした高い目標を掲げていくということも職員のモチベーションにとって非常に重要ではないかというふうに思っております。そうした観点も持ちながら、試験研究機関について抜本的な在り方、方向性、こうしたものについてさらに議論を深めていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔48番宮澤敏文君登壇〕 ◆48番(宮澤敏文 君)昨日、果樹試験場にお伺いしました。一生懸命にやって、すばらしい成果を上げておいでになりました。私は、例えばミルクでナイロンをつくった東洋紡の例のように、農業部門、工業部門、そういう部門が全部一緒になって、そして月に一度ぐらい連携を取る。そういう部分の連携が絶対に必要だと思っているんです。北海道でやっているように、それぞれの試験場が一体となって独立行政法人をつくると、民間とのやりとりができるわけです。そうすると、もっともっと付加価値が上がってくる。そういう相乗効果を狙いたいということで提案をさせていただいたわけであります。知事の検討したいという御答弁に対して心から敬意を表すると同時に、期待させていただくところであります。  先ほど、知事、副知事、そして、教育長をはじめ各部長からそれぞれ答弁がありました。内容の充実した答弁に感謝を申し上げます。  私は、家庭の目線での不安、現場の思い、それから現状の問題点、上から行くDXはそんなに楽なものではないと。県民の人たちが今まで全く知らなかったものを上げていかなければならないので、これは相当エネルギーとお金の要ることだなと、こんなふうに感じているところであります。  新型コロナの影響で、市町村の財政は大変厳しい深刻な状況にあります。急速に進むIoT、DX社会等々を含めまして、まさにデジタル化への取組によって、市町村、都道府県ごとに大きな差が生まれる、そんな時代に入ったと、こんなふうに痛感しております。人口が少なくなったから高校は統廃合する。統廃合で要らなくなった校舎は市町村に無償で払い下げるから県はその裁量については考えないという今までのやり方では許されないような気がいたします。  知事が今言われるように、規制改革で、効率化、幅広い連携、連携し合うものがそれぞれの立場に立って補完し合うという気持ち、深掘りする取組を進めていくとともに、県民がどこに住んでもひとしく県政の恩恵が受けられるような公平な社会づくりを実行する阿部県政であっていただきたいと願います。この問題についての知事の決意を頂いて、私の全ての質問とさせていただきます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)社会が大きく変化していく中で、我々行政としては、未来を見据えた取組を着実に進めていくということが必要だと思います。と同時に、大きな変革期に当たりましては、まさに宮澤議員がおっしゃったように、そうした流れになかなか対応し切れない方々が出てくる可能性があるということも否定できない事実だと思います。  私どもは、県民の皆様方の思いにしっかり寄り添って県政を進めてきておりますけれども、まさに大変革の時代にあっては、未来を先取りしたDXのような取組をしっかり進めると同時に、そうした中で、なかなか光が当たらない、大きな動きに対応し切れない方々の思いにもしっかり耳を傾けて、必要な支援、対応を行っていくことが重要だというふうに思っています。  引き続き、県民の皆様方の御期待に応えられるように、そして、誰一人取り残さないというSDGsの理念を県庁全体でしっかり徹底して、未来に向けた歩みを進めていきたいというふうに考えております。  以上です。 ○議長(小池清 君)次に、西沢正隆議員。       〔49番西沢正隆君登壇〕 ◆49番(西沢正隆 君)自由民主党県議団、長野市・上水内郡区選出の西沢正隆でございます。信濃美術館の整備についてお聞きします。  信濃美術館の歴史を振り返ると、1962年7月、信越放送の重役会において美術館建設の企画案を決定したことから始まりました。県内で美術館が欲しいという声は、戦後間もない1948年に開かれた長野県美術展覧会、県展の頃から美術家や関係団体の間にあったように、戦後の早い時期から長野県民の間には本格的美術館の誕生を期待する声が高かったようです。  ちなみに、企画案が決定した1962年当時、県内の美術館は、諏訪市美術館、泰阜村立学校美術館、碌山美術館、2014年に閉館しました山本鼎記念館、この4館。国内には、県立系美術館は、東京都美術館、石川県立美術館、神奈川県立近代美術館、愛知県美術館、埼玉県立近代美術館の5館という状況でありました。  このような状況下で、県民の美術館誕生の期待の声を受け、1962年8月15日、全県下に対し、長野県に美術館を贈る運動が開始されました。同日付の信濃毎日新聞には、信越放送により美術館建設の広告が大きく掲載され、見出しには「みんなの力で信濃美術館を」の文言が大きく飾られました。この見出しから分かるように、美術館の名称は当初から信濃美術館となっており、これは既定路線であったようです。その後、「みんなの力で長野県立美術館を」運動は県内各地に広がり、作品寄贈の声が各所から寄せられるなど大きな反響を呼び始めました。  一方で、1962年9月、定例市議会において、信濃美術館への城山公園土地提供をめぐって議会が紛糾したことも歴史に残っています。しかし、最終的には、当初から計画していた長野市城山公園に建設することが決まりました。  1963年1月、信濃美術館建設の主催者は、信越放送に加え、長野県、長野県教育委員会、長野県市長会、長野県町村会、朝日新聞社、信濃毎日新聞社の計7団体となりました。その主催者による第1回の会合が行われ、1964年7月には信濃美術館建設委員会が発足し、信越放送から始まった長野県に美術館を贈る運動は行政やマスコミを巻き込む運動として大きく加速していきました。  1965年5月、財団法人信濃美術館の第1回理事会が開催され、1966年10月1日、県民の夢であった信濃美術館が開館しました。その3年後の1969年6月に財団を解散し、美術館は長野県に移管され、長野県信濃美術館が誕生しました。紆余曲折の末建設された信濃美術館は、開館から51年で歴史に終止符を打つ運びとなり、現在、来年4月10日のリニューアルオープンに向けて建設が進捗しているところであります。  今定例会に長野県信濃美術館条例の一部を改正する条例案が提出されました。令和2年2月定例会での一般質問で問題提起をさせていただいた信濃美術館の名称変更について、県民説明会や地域住民の声を踏まえ、以下に質問をいたします。  2月定例会での名称変更に関する県民文化部長の答弁では、今後は、信濃美術館整備委員会において御意見をいただき、また、新美術館の紹介に併せ、県のホームページに掲載するとともに、県民説明会においても、新しい美術館の魅力の発信とともに説明をしていくとのことでした。その後、コロナ禍で予定どおりに整備委員会や説明会が開催できなかったようですが、7月26日、8月1日、2日にかけて、地元長野市第二地区、松本市、伊那市、上田市、長野市で信濃美術館に関する説明会が開催され、その全ての会場に参加いたしました。整備の進捗状況、名称変更について県側から説明された後、参加者との意見交換が行われました。  名称変更については様々な意見が出されました。大多数が長野県立美術館への名称変更には反対でありました。特に、多くの参加者から出された意見として、信濃美術館の名称は県民に慣れ親しんでいる。長野県立美術館では個性がない。「信濃の国」が歌い続けられてきたことから、県民は信濃という名称を大事にしている等々が出され、代替案として、長野県立信濃美術館ではどうかという意見が多く出されました。  特に印象的だったのは、県職員OBの方が、かつて県立歴史館の名称を決めるときに職員として携わり、県立信濃歴史館の名称を館長が押していたにもかかわらず、結果的には県立歴史館と決定したことを現在は後悔しているとの思いから、名称変更については反対の意見を述べられ、長野県立信濃美術館との名称にするよう提案されました。一方、長野県立美術館に賛成する意見も、少数ではありましたが、出されました。  県世論調査協会の県民世論調査において、「信濃美術館の名称をそのままにするべき」は60%を占め、「長野県立美術館に名称変更するべき」の25%を大きく上回った結果でありました。また、長野市と地元選出県会議員との懇談会で信濃美術館の名称変更について質問したところ、信濃美術館整備委員の樋口副市長は、信濃美術館の名称は定着しており、ブランドをみすみす捨てるのはもったいないと述べました。  さらに、信濃毎日新聞の「建設標」の投書で、信濃の名称、長野県の財産と題して、信濃美術館の名称は、地元はもちろん、県外の方々にも定着していて、私は変更の必要性は感じません。信濃、信州の名称は、長野県にとっては歴史ある財産です。いつまでも残していってほしいと思いますと結ばれていました。  私は、昨年の11月に信濃美術館の名称変更案を聞いたときから、明確に名称変更には反対であることを主張してきました。県民世論調査、県民説明会の参加者、ネット上の意見募集、いずれも反対意見が上回り、県民世論は名称変更について否定的であります。地域住民からもメールや手紙で名称変更反対の意見が届いています。一方、信濃美術館整備委員会のリモート会議では、長野県立美術館への名称変更については大方の委員は賛成であったと聞いています。  以上のことを踏まえ、以下、知事にお聞きします。  名称変更については、2016年の信濃美術館整備基本構想には明記されていなかったことから、唐突に出てきた感があります。県民の意見を重視する知事は、県立大学の名称を決めるときのように県民アンケートを行う予定はなかったのか。また、代替案として長野県立信濃美術館でどうかと県民意見が多く出されていましたが、ほかに名称の候補があった中で決めたのか。さらに、どのような経緯で長野県立美術館の名称変更に至ったのか、お聞きします。  知事は、これまで、県民の声を重要視し、慎重に施策方針を決定してきました。これだけ県民から名称変更について反対意見がある中、名称変更に至りました。知事の名称変更に対する並々ならぬ思いがあると存じますが、名称変更反対の県民の思いをどう受け止めて名称変更に至ったのか、お聞きします。  慣れ親しんできた信濃の名称は県民ギャラリーやエントランスホールに残すと聞いていますが、これは、名称変更反対の県民の声を受け止めた配慮であります。私は、60%の県民が名称変更に反対で、過去の歴史も踏まえると、さらに信濃という歴史的名称を永遠に親しまれて呼び続けられるように残していくことが必要と考えます。  新しく生まれ変わる信濃美術館は、本館、東山魁夷館、フリースペースである屋根のある公園と三つのエリアで構成されています。本館の愛称を信濃美術館とするか、もしくはフリースペースである屋根のある公園部分の名称に信濃をつけるなど、多くの名称変更反対の県民の声を受け止めることが必要と考えますが、御所見をお聞きします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)信濃美術館に関連して大きく3点御質問を頂戴いたしました。  名称についての経緯という御質問でございます。  長野県信濃美術館は、これまでも多くの方々に親しまれてきた美術館であり、その名称変更について議論があるという御指摘は私もしっかり受け止めております。正式名称は長野県信濃美術館となっているわけでありますけれども、もともと、長野と信濃という地理的名称が2か所に入っており、ダブっていて分かりづらいという御意見もありました。また、長野県という呼称が、場所概念なのか、設置主体なのか、一般的にはなかなか分かりづらいと。館長と話をすると、館を運営する立場から、県立というと信頼感があり、展覧会等を行う場合に他館から作品を借りることがありますが、やはり設置主体が県立であるということは非常に重要だというお話であります。  この名称については、新しく美術館を整備する中で、コレクションポリシーの方向性の検討が行われました。どういう作品を収集していくかということであります。これまでは、長野県出身、あるいは長野県に関係の深い作家の作品、長野県内の風景などを題材とした優れた作家の作品、こうしたコレクションポリシーでありましたが、そうしたものに加えて、さらに長野県にゆかりのある近現代美術の作品や、自然、人と自然、そうしたものをテーマとした優れた近現代美術の作品、加えて、日本及び海外の近現代美術史上の重要作品、こうしたものも収集していこうということになりました。  今申し上げたように、長野県以外も入ってきますし、また、近現代という部分にかなり軸足が置かれてまいりますので、そうすると信濃という名称と合わないのではないかという問題が出てまいりました。また、設計をする方ともお話をさせていただきましたけれども、建物のイメージとどう名称を合わせるかという課題も出てきたわけであります。  そういう中で、我々としては、長野県立美術館という呼称のほかに、お話がございました長野県立信濃美術館、あるいは、漢字ではなく平仮名の長野県立しなの美術館、こうしたことも考えられるのではないかということで検討を行ったところであります。  この3案につきまして、先ほど西沢議員から経緯をお話しいただきましたけれども、信濃美術館開設時に関わられた信越放送、信濃毎日新聞社、こうした皆さんの御意見や、これまで展覧会等で美術館を多く利用していただいている美術団体の方、地域の文化関係者等々、関係する多くの皆さんの御意見を伺いました。そうした中で、長野県立美術館は、県外の方にも分かりやすく、また、新しく生まれ変わる美術館の性格を表しているということで、長野県立美術館が県としても望ましいのではないかとの案を取りまとめたところであります。  その上で、先ほどもお話があったように、まず地元の皆さんの御理解が必要だろうということで、住民説明会を開催させていただきました。しかしながら、1月に開催した住民説明会では、反対意見が多数と、先ほど西沢議員に御指摘いただいたとおりであります。その後、第2回目の地元住民説明会、また、併せて県内4会場での説明を行って、ホームページでの意見募集等も行いました。地元の御意見については、第1回目に比べますと、反対意見はあるものの、賛成の御意見の方もやや増えた状況だというふうに受け止めております。  また、県内4会場での説明会やホームページによる意見募集においては、賛成の方、反対の方、両方いらっしゃいますが、お話があったように、数字的には反対の方のほうが多いという形になっています。反対の御意見としては、やはり県民の皆様に親しまれ、定着していると、ここが一番重要だというふうに考えております。  ただ、その一方で、先ほど私から申し上げたように、この美術館の名称は、単に呼称ということだけではない意味合いがあります。美術館の性格をどう表すかといったようなことも含めて考えるべき問題だと思っておりますので、そういう意味で、信濃美術館の整備委員会にもお諮りさせていただき、意見を求めました。御欠席の方もいらっしゃいましたが、参加いただいた13名中、お一人の方が反対ということでありましたけれども、大半の委員にはこの名称を御理解いただいたところでございます。こうした経過の中で、県として長野県立美術館という呼称で今回の条例案を提出させていただいているところでございます。  2点目の質問でございます。これまで県民の声を重視して慎重に方針を決定してきたが、並々ならぬ思いがあるのではないかという御質問であります。  先ほど申し上げたように、親しまれてきた美術館でありますから、私としてもできるだけ県民の皆様方の思いに寄り添うことが重要だというふうに思っております。そういう意味で、担当部局は、コロナ禍でなかなか思うように説明会等ができなかった部分もありますけれども、県内各地での説明会等を行ってきたわけであります。  名称については、先ほど申し上げたように、今回の新しい美術館は、ソフト面、ハード面でこれまでの美術館をまさに一新させるものであります。これまで、常設展示もなかなかできない状況でありましたし、国宝や重要文化財を含む全国規模の展覧会も開催できないという状況でありました。先ほど申し上げたように、コレクションポリシーとしても、自然と人間、そうしたものをテーマに、近現代美術の作品を積極的に収集していこうというふうに考えております。  こうした意味で、ハード、ソフト両面での在り方が抜本的に変わっていくということ、また、善光寺に隣接しているランドスケープ・ミュージアムとして、やはり観光の面でも多くの皆様方にお越しいただけるような場にしていくことが重要だというふうに思っております。そういう観点では、分かりやすい、そして、誰が設置しているかということも明確な長野県立美術館という名称で新たなスタートを切っていくことが望ましいというふうに判断をさせていただいたところであります。ぜひ多くの皆様方の御理解をいただき、御賛同いただければ大変ありがたいというふうに思っております。  また、信濃の名称を残すことについてでありますけれども、先ほど申し上げたように、全体の名称については、親しみやすい、親しまれてきたからということだけで名称を判断することは適切ではないというふうに思っておりますけれども、その他の新しい美術館の部分的な呼称として信濃という名称を残すということは、私としては、多くの皆様方の御意見を踏まえればあり得るものというふうに思っております。  先ほど御紹介いただいたように、新しい美術館は、東山魁夷館のほかに、いわゆる本館部分、それからどなたでも自由にお入りいただくことができる屋根のある公園部分、こうした部分に分かれておりますので、御提案をいただいた中でどういう対応ができるかということについて検討してまいりたいというふうに考えております。  以上です。       〔49番西沢正隆君登壇〕 ◆49番(西沢正隆 君)最初に、答弁漏れですけれども、アンケートをやる予定はあったのかということが多分答弁漏れでしたので、もう一回お聞きします。  それぞれの説明会に私も参加したのですが、実は、地元の第二地区では、2人だけが県立美術館に賛成であると。あとのところでは、意見した方は全て反対でありました。  私がお聞きしたかったのは、どういうところから県立美術館という名前が出てきたのかという経緯、知事がいろいろ考えてやったのか、職員からやったのか、整備委員会から出てきたのか、その辺の経緯が私が聞きたかったところであります。この提案説明の「国内外の皆さんに対して広く来館を呼びかけるため、名称変更を長野県立美術館と改めます。」、これでは分かりません。今回、50年以上と非常に長く使われたこの名称を変えるということは、大きなことであります。  設置ということを考えると、実は、長野県の公立高校は全て長野県長野高等学校、長野県長野西高等学校と、立が入っていないのです。これも実は非常に分かりにくいということで、私は、1回、この場で変えたほうがいいという話をしました。それだったら、長野県の県立は、整合性を取って、県立歴史館は長野が入っていませんので長野県立歴史館にしたり、そういった全ての施設の整合性を取ったほうがいいと私は思うので、その辺のこともどうお考えか、改めて知事にお聞きいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)まず、アンケートについてであります。
     いろいろな施設の名称を公募したり意見聴取するというやり方はあると思いますけれども、美術館の場合は、基本的にオーソドックスな内容のものが望ましいという考え方の下から、アンケートは行わずに、検討を行った上で我々のほうから案をお示しさせていただいたところであります。  どこからスタートしているのかということでありますが、これは、先ほど申し上げたように、コレクションポリシーの検討や設計を進める中で、名称との整合性という課題が浮かび上がってきたわけであります。  これは、私が責任者であり、先ほど申し上げた分かりづらいといったことも含めて問題意識を持っています。最初に事務的に案が上がってきたかどうかということは、今、細かいプロセスの確かな記憶はないのですけれども、私としては積極的にこの名称変更について検討する必要があると考えております。先ほど申し上げたような考え方から、現時点においても多くの反対意見があるということは承知しておりますけれども、美術館の名称をしっかり体現し、未来に向けて発展をさせていく上で、信濃美術館という名称ではなく、長野県立美術館という名称にさせていただきたいというふうに思っております。  それから、呼称の問題を県の施設で統一すべきではないかという御質問であります。  今回、美術館の改築に併せてこの名称問題について検討を行わせていただいたわけでありますけれども、私も、県の施設の呼称、特に、先ほど御指摘があった高校については、長野県何々高校というふうになっています。こうしたものの取扱いをどうするかということについて、これは、教育委員会の意見も聞かなければいけないわけですけれども、やはり一定程度統一的に対応していくということも必要だというふうに思います。  ただ、呼称を変更する、しないについては、かなり定着しているものもありますので、いきなり変えていくということではなく、今回のように見直しがある際には検討していくということもあるというふうに思っています。  以上です。       〔49番西沢正隆君登壇〕 ◆49番(西沢正隆 君)まず、名称がどこから出てきたか承知してないという発言が知事からあったのですけれども、それは非常に問題だと思います。これだけの質問を私は出したわけですから、その経緯をしっかり把握してこの場に来るのが知事の仕事であると思います。  この名称について、これから一般質問、委員会等で議論をしていくと思いますけれども、非常に簡単に名称変更がされてしまったのかなという感があるのです。今後、議員の皆さんがどう考えるかなんですが、委員会でしっかり議論をしながら検討させていただければと思います。  名称変更について聞きましたが、県民に愛され、当初の目標である100万人が訪れる美術館として生まれ変わることが最も重要であります。今月14日には信濃美術館建設の進捗状況を視察してきました。3月に視察したときより、県民ギャラリー、エントランスホール、交流スペース、アート・ライブラリー、屋上広場、カフェレストラン、ラウンジ等々全容が明らかになってきており、4月10日リニューアルオープンに向けて順調に進捗してきました。  そこで、以下、県民文化部長にお聞きします。12月に竣工し、4月10日のリニューアルオープンに向けて計画どおり進捗されていると思われますが、開館後の展覧会等のスケジュールについてお聞きします。  フリースペースに設置されるカフェレストランとミュージアムショップは、来場者に大きく貢献しなければ目標の来場者には達成することはできないと考えます。カフェレストランはプロポーザル方式で募集したとのことですが、その結果について、また、ミュージアムショップのオリジナルグッズ開発状況などそれぞれの準備状況についてお聞きします。  バリアフリーに設計され、アウトリーチ活動を実施するなど、障害者に配慮された計画となっていますが、県民説明会で、障害者との意見交換会を行ってほしいとの要望が出されました。今後、障害者の方々との意見交換会を行うべきと考えますが、計画についてお聞きします。  開館後は、県内の多くの小中高生が訪れ、学習に生かして、次代を担う子供たちにリピーターになってもらうことが重要と考えます。学びの支援についてどのように計画されているのか、お聞きします。  当初、開館時期が善光寺御開帳と重なる予定でありましたが、善光寺御開帳が延期になったことで、善光寺周辺に設置される予定であった臨時駐車場が使用できなくなりました。開館時は混雑が予想されることから、信濃美術館駐車場の一般車両15台、バス8台では足りなくなることが明らかであります。善光寺御開帳が延期になったことで駐車場計画が大幅に変更されると思いますが、駐車場についてどのように対応される予定か、お聞きします。  来年4月の開館時もコロナ禍であることが予想されます。新型コロナウイルス対策を万全に施しての開館が必須でありますが、その準備状況についてお聞きします。  いよいよ来年4月10日、リニューアルオープンであります。新美術館は、鑑賞、学び、交流の三つの柱により、県民に開かれた身近な美術館として、「信州と日本・世界の交流ステージ」を目指す姿としています。県内外をはじめ世界へPRしていくためには、美術館だけでなく、地域の関係者との連携関係を構築して共に進めていくことが必要ですが、知事の御所見とともに、営業本部長としての決意をお聞きします。       〔県民文化部長増田隆志君登壇〕 ◎県民文化部長(増田隆志 君)美術館について6点御質問をいただきました。  まず、開館後の展覧会等のスケジュールについてでございます。  開館は来年の4月10日を予定しておりますが、その後、8月末までは、新しい建物から放出されます化学物質や水分等を考慮いたしまして、安全を見まして、影響を受けやすい作品の展覧会は控えます。そこで、この間ですが、生まれ変わった美術館のお披露目として幅広く多くの方に足を運んでいただけるような展示やイベントを計画しております。  まず、新設されます企画展示室では、4月から、東京藝術大学の協力を得て、文化財の保護、保存と展示、公開の在り方をテーマにした展覧会を開催いたしますし、常設展示室では、触って味わう、触って鑑賞する美術作品の展示を行います。  このほか、県内の高校生や専門学校生によるSDGsをテーマとしたファッションや映像などの展覧会、美術館スタッフの制服をデザインした県内出身のデザイナーでいらっしゃる黒河内真衣子さんの個展、屋外では霧を使った彫刻の展示などを展開してまいります。さらに、県出身芸術家によるライブペインティングや県産のワインやシールドの試飲会など、新しい美術館の使い方も提案するようなイベントを実施してまいります。  そして、8月からは、本格的な作品展示を行ってまいります。グランドオープン記念展として、「森と水と生きる」をテーマに、絵画作品を中心に全国の美術館から集めた100点余りの作品を展示します。また、常設展示室では、4,600点余りございます収蔵品の中からよりすぐった名品選シリーズをスタートさせます。現在、展覧会、イベントの展開について詰めの段階というところでございます。  次に、カフェレストランの業者選定結果及びミュージアムショップのオリジナルグッズの準備状況についてでございますけれども、カフェレストランの運営事業者につきましては、今年4月、公募型プロポーザル方式により選定を行いました。審査の結果、長野県に眠っている食材や長野県の新たな魅力を発見し、地元の方にも観光客にも、新鮮で、来るたびに新しい発見のある店づくり、また、美術館等と連携して、展覧会のテーマに合わせた限定メニューやアーティストとの共同企画など、その場でしか味わえない体験といったことを提案した事業者が高く評価され、選定されたところです。現在、県産の食材をふんだんに使った和を基調とするイタリアンやフレンチのメニュー開発、雰囲気に合った店内の内装など、オープンに向けた準備を進めております。  ミュージアムショップのオリジナル商品については、新たに8品程度の開発販売を予定しております。県産リンゴのシールドに美術館の限定ラベルを貼ったもの、収蔵品をデザインしたクリアファイル等でございます。  次に、障害者との意見交換についてでございますけれども、美術館の整備に当たっては、障害をお持ちの皆様と意見交換を継続的に開催してまいりました。頂戴した御意見から、建物の1、2、3階に道路から水平で移動できるようにすること、触って観賞する美術館の常設展示など、実際に建物やプログラムに反映されているところもございます。今年度は、建物が完成した後、新型コロナウイルス感染症防止策を講じながら、出来上がった建物を実際に体感していただいて御意見をお聞きし、開館後の運営に反映してまいる予定でございます。  学びの支援の計画についてでございます。  基本構想でもコンセプトの一つとして掲げている重要な柱でございまして、新たに3名の専門の職員を配置し、企画検討を進めております。  御質問の子供たちの観点から主なものについて申し上げれば、まず気軽に美術に触れるきっかけとして、チケットなしで御利用いただける場所に、先ほどから申している触って楽しむ美術品の展示、あるいは交流スペースに長野県の風景を織り交ぜながら描き出すアニメーションの展示といったようなものを行ってまいります。また、より深く楽しく理解してもらうために、展覧会、企画展やコレクションに合わせまして、親子トークと名づけていますが、小学生以下の子供さんと家族を対象とした学芸員との対話のプログラムを提供していきます。  そのほかにも、美術館を授業で活用していただいたり、あるいは社会見学に活用していただくためのプログラムをきめ細かく提供してまいる予定でございます。  それから、駐車場の対応予定についてでございますが、駐車場につきましては、現在の東山魁夷館もそうなんですけれども、障害のある方など移動に配慮を必要とする方用と団体バス用に限られてございます。したがいまして、車でお越しの場合には近隣の駐車場を御利用いただくようホームページやパンフレットなどで御案内をしているところです。また、駐車場に誘導員を配置し、車で来館された方に対して近隣の駐車場を案内するということをしております。来年4月の本館開館後も、先ほど議員から御指摘がございましたように、基本的に同様の扱いとなりまして、駐車場は、障害のある方などと団体バス用のみとなりますので、近隣の駐車場を案内するとともに、公共交通機関の利用について協力を呼びかけてまいります。  また、新たにSNSを活用して混雑状況をリアルタイムで発信したり、ピーク時の予測などを事前に周知するなど、きめ細かな情報提供をしてまいりたいと考えているところです。さらに、特に混雑が予想される際につきましては、交通事業者とも協議しながら、駅などからストレスなくアクセスができる対応策を検討してまいります。  最後に、新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。  現在、東山魁夷館では、いわゆるガイドラインに基づき、感染予防策を実施しております。具体的には、来館者に対するマスクの着用、手指消毒、氏名、連絡先等の記載の依頼、そして検温の実施、また、入館人数の制限、館内イベントの中止、受付やショップのレジでは間隔を空けていただくよう立ち位置の表示をしてお願いをしたり、透明アクリル板を設置したり、トレイを介した金銭の受渡しなどをやっているところでございます。来年4月の開館時にも同様の対応を取ることができるよう準備を進めております。  また、新たに日時を指定できる予約システム、それから入館料のキャッシュレス支払い、これは現在できないのですが、それができるようなシステムを導入することとしております。  ウィズコロナ禍の開館となるわけですが、状況の変化等に十分留意をし、状況に合わせた適切な対応を取ってコロナウイルスの感染症対策に万全を期してまいります。  以上です。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)美術館を県内外はじめ世界にPRしていく上での関係者との連携についての考えと決意という御質問であります。  新しい美術館を県内外や世界へとPRしていくためには、御指摘のとおり、地元の関係者や民間企業の皆様方とも十分に連携しながら取り組んでいくことが重要だと思っております。県としては、隣接する善光寺やバス、鉄道等の交通事業者の皆さん、さらには、地元の商工会議所や観光事業者、そして、メディアの皆様方とも連携してプラットフォームをつくって、共同企画や利便性の向上に向けた取組など美術館の魅力を高めるための事業を進めていきたいというふうに考えています。  また、御開帳をはじめとする大規模なイベント等に併せて広報活動も行ってまいりますが、こうしたものについても関係者と十分協力をしながら積極的に進めていきたいというふうに考えております。  芸術文化の拠点としてのみならず、観光の一大拠点としての役割も果たすことができるよう、地域の皆さんと協力しながら、積極的な発信、そして地域に愛される美術館となるような取組をしっかり行っていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔49番西沢正隆君登壇〕 ◆49番(西沢正隆 君)それぞれ答弁をいただきましたが、一番は、地域に愛されて、目標である100万人の皆さんが訪れる世界に誇れる美術館になれば、私はそれが目標の一つなのかなというふうに思っています。それには、先ほど議論をさせていただきました名称問題に対しまして、反対意見の皆さんの意見を重く受け止めて、今後しっかりとした対応をお願いしたいと思います。  新型コロナウイルス感染症対策についてお聞きします。  新型コロナウイルス感染症対策として、検査・医療体制等の強化、医療機関従事者への支援、信州観光の活性化、県内経済の再生、雇用対策の充実等が今回の補正予算で計上されています。県民の皆様には、今日まで、休業要請や新生活様式への移行など様々なことに御協力をいただき、感謝申し上げます。これからは、さらなる県内経済の再生が重要施策の一つとなります。飲食業の皆様は、支援金などを活用されていますが、利用客が回復せず、まだまだ厳しい状況が続いて、閉店した飲食店が多いとも聞いています。  先日、知事と長野市長は、感染対策と経済活動の両立を訴え、飲食を伴う懇談会を開催しました。知事は、今は感染防止策を講じながら新生活様式としての会食の在り方を考えるときだとコメントしています。長野市長は、再三、長野県が積極的に飲食などの経済活動を行えば市町村や民間にも波及すると言われています。特に、長野市は官庁街と言われているので、長野市経済は公務員にかかっていると言っても過言ではありません。長野市は、今後の予定しているイベントを全て行うと市長が明言しました。  そこで、知事も、県内経済の再生への力強いメッセージを述べるとともに、県職員にも新生活様式を施しての飲食等を積極的に行うことを促すことが必要と考えますが、御所見を知事にお聞きします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)新型コロナウイルス感染症に関連して、経済再生への力強いメッセージをという御質問と、県職員にも積極的な取組を促すようにという御指摘であります。  この間、新型コロナウイルス感染症対応をずっと行ってきておりますけれども、誹謗中傷等の問題もありますが、県内経済をしっかり再生していく上では過度な自粛は行わないということが重要だというふうに思っています。  今回、10月1日以降の対応方針を県の対策本部で決定させていただきましたけれども、10月以降、停滞していた社会経済活動の活性化を積極的に図る重要な時期だというふうに位置づけているところであります。そういう意味で、県の行事等も積極的に行っていく考えでありますし、先般早期議決を行っていただいた観光関連の振興策、そして、国のGo To キャンペーンの中でのGo To イートというものも始まってまいりますので、そうした取組と相まって、消費マインドの向上に向けた取組も進めていきたいというふうに思っております。  先般、長野市長と会食をさせていただいたのも、感染症対策をしっかり行った上で飲食を伴う会合を行っていただくことは差し支えないということを形で示そうという思いから実行させていただいたところであり、飲食店やお酒類を扱っている方からも、私のところにポジティブな形で反響をいただいているところであります。  まだ新型コロナウイルスが完全に終息しているわけではありませんので、事業者の皆様方には感染症対策をお願いしていかなければいけませんけれども、やはり経済活動はしっかり回していく、そうした姿勢で我々も取り組みますし、県民の皆様方にも、Go To トラベル、Go To イート、そうしたものも活用しながら、宿泊、飲食を行っていただくように呼びかけていきたいというふうに考えています。  また、県の職員も、公務において、既にいろいろな行事や宿泊を伴う取組を行ってきておりますので、新しい生活様式に適応した消費活動を行うということ、その在り方についても県職員にさらに周知していきたいというふうに考えております。  以上です。       〔49番西沢正隆君登壇〕 ◆49番(西沢正隆 君)知事から答弁がありましたが、やはり知事が先頭に立って経済を回していくということは非常に重要でございます。県職員が動くと市町村や民間にも波及していくと、そんなことも言われていますので、ぜひそういった積極的な行動を取っていただければと思います。  新型コロナウイルス感染症対策については、国、県、市町村でこれまで様々な取組を行ってきました。そのことから、これからは経済を回していくことが重要であります。知事と長野市長が会食したのは、感染対策と経済活動の両立について推進していこうという両トップからの県民へのメッセージであったと思います。我々県議会はもちろんですが、自粛ムードから感染対策と経済活動の両立の機運を高め、経済を回し、それが県民に波及し、活性化するよう、長野県が一丸となって取り組まれることをさらに強く要望いたします。  まだまだ猛威を振るう新型コロナウイルスが一日も早く終息することを願いながら、質問を終了させていただきます。 ○議長(小池清 君)次に、中川博司議員。       〔26番中川博司君登壇〕 ◆26番(中川博司 君)改革・創造みらいの中川博司です。  最初に、災害対策に係る市町村への支援についてお伺いいたします。  昨年の台風19号、今年7月の梅雨前線豪雨により、長野県内でも大きな災害が発生しています。国、県において災害対策に全力を挙げていただいており、9月定例会にも県単で応急対策や災害復旧事業費が予算化されているところであります。  一方、村や町など小規模な自治体でも災害対策に取り組まねばなりませんが、人手も不足し、予算も十分ではない中、対応に苦慮するケースがあります。例えば、19号台風の豪雨のとき、普段から沢の水が流れ込んでいた自治体管理の道路側溝が、谷からの出水を飲み切れず、水と一緒に土砂もあふれて道路を流れ、周辺の人家に被害が出ました。  その現場では、対策として、砂防指定地内の土砂流出防止のための砂防堰堤を施工し、道路側溝につなぐところまでの水路を整備し、そこから下流の道路側溝を大きくする改良は自治体が行うという分担になります。道路側溝も、10メートル程度ならまだしも、1キロ、2キロとなれば改良の費用はかなりの額になり、村や町のような小さな自治体では大変な負担になります。これでは、上流では県が立派な施設を迅速に対応する。しかし、下流は金額によっては改良できるかどうかも分からない、あるいはできないということになりかねません。  この事例では、令和元年度、2年度の時限的な財源措置として国が制度を設けた緊急自然災害防止対策事業債、これは、災害の発生を予防し、または災害の拡大を防止することを目的として、地方公共団体が策定する事業計画に基づき実施する単独事業に充てられる事業債とのことですが、これを活用することとなっています。  同様のことは、会派で視察した佐久市蕃松院の裏山の土砂災害の復旧工事でも、保安林は県が行うけれども流末については地権者がやることになりますが、お寺の所有地であり、苦慮しているという例もあります。  そこで、伺います。  国の補助に至らない市町村等の小規模な災害対応について県としてどのように対応していますか。また、異常気象が続く中、災害を未然に防ぐための制度として、今年度が最終となる防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策事業や、緊急自然災害防止対策事業債について、小規模町村でも災害の事前対策ができるよう取組の継続を国に対してさらに要望していただきたいと思いますが、いかがですか。以上、建設部長にお伺いします。  また、小規模な市町村では災害対策を実施するための人材も不足しているとお聞きしていますが、県としてどのような支援を行っていますか。企画振興部長に伺います。  さらに、国では、近年頻発化、激甚化する自然災害を踏まえ、国土強靱化計画の地方版として国土強靱化地域計画の策定を推進し、今後、国はこの地域計画を交付金の要件としていく方向で検討されているとお聞きしています。長野県内における市町村の計画策定の進捗状況はどうなっていますか。地域計画策定へ県としての支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。危機管理部長に伺います。  次に、ごみ処理場建設への支援について伺います。  ごみ処理場などの建設について、6月定例議会で市長会から陳情があり、採択されています。要旨は、全ての廃棄物処理施設の整備についての用地費や解体撤去工事費、管理棟を含む必要な全ての建屋部分についても交付対象とするとともに、住民理解を得るための周辺環境整備に要する費用についても新たに対象としてほしいというものです。  長野県は、気候非常事態宣言を行い、ゼロカーボン社会を目指しています。ごみ焼却熱の有効利用、ごみの減量など持続可能な社会づくりに向けての施設整備や、昨年の台風19号災害で課題となった災害ごみの受入れも重要な課題であると言えます。  そこで、市町村がごみ処理施設を整備する上で、国の交付金事業の制度拡充は切なる願いと考えますが、このような市町村の要望に対して県としてどう取り組んでいますか。ゼロカーボンや災害対応といった社会的変化を踏まえ、市町村に対して県として廃棄物処理施設整備のあるべき姿を示していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。以上2点、環境部長にお聞きします。  次に、高齢者ドライバーの運転免許証の更新について伺います。  高齢者講習等の混雑が常態化していると聞きますが、高齢者講習等の受講待ちの現状と、受講待ちが原因で運転免許を失効してしまった高齢者の方がどの程度いるのでしょうか。また、高齢者講習などの受講待ちで運転免許を失効させないため、県警としてどのような取組を行っていますか。また、運転免許の失効者を救済することを考えるべきではないかと思いますが、以上、県警本部長に伺います。  次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。  新型コロナウイルス感染症の第2波は、長野県内では8月第5週を山として沈静化に向かっているようです。これまでの第1波及び第2波の取組を踏まえ、今後予想されるインフルエンザの流行と併せた第3波にどう備えていくのかという観点から質問をいたします。  まず、感染者情報について伺います。  山梨県のホームページを見ると、追加情報の記載があります。長野県でも、感染者の調査中のその後の状況を明らかにし、経路を確認して封じ込めに生かすべきではないでしょうか。  無症状者や軽症状者から感染が拡大すると言われてきましたが、無症状病原体保有者の濃厚接触者から陽性反応が出た例が長野県内ではありますか。  厚生労働省は、保健所等の業務負担軽減及び情報共有、把握の迅速化を図るため、緊急的な対応として、新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム、HER-SYSの導入を促してきました。厚生労働省の調査では、医療機関で利用が進んでいないという今朝の新聞報道もありましたけれども、長野県における活用状況はどうなっていますか。  感染者の公表について、性別、年齢は必要でしょうか。県民が知りたいことは、個人の特定ではなく、行動履歴ではないでしょうか。改めて公表についての考え方を伺います。  次に、検査体制と検査対象について伺います。  インフルエンザと併せて、新型コロナウイルスの検査を長野県内において1日9,000件行う方針が示されています。診療所などで新たに検査を行う場合、発熱外来テントや防護服、N95マスク、フェースシールドなどが必要となります。  私のかかりつけ医に、診療・検査医療機関として手を挙げることができるかと聞いたところ、なかなか厳しいというお話しです。診療所での感染拡大のおそれがあることから、中心的には外来・検査センターを使うべきではないかと考えますが、具体的に展開していくための方針について伺います。  高森町では、町が負担して、病院、高齢者施設、障害者施設などで働く皆さんへの抗原検査を行うと聞いています。県としても、病院、高齢者施設、障害者施設などで働く皆さんへの一斉定期的な検査を行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。  国は、高齢者や基礎疾患を有する方へ、本人希望により検査を行う市町村を支援する方針を示していますが、県としての考えを伺います。  私のところへ次のような相談がありました。月1回程度県外へ出張しています。ただし、配偶者が介護福祉士であるため、長野県に戻っても2週間帰宅することができません。そのため、2週間ホテルに滞在するのですが、その費用は10万円になります。毎月10万円の支出があると生計を維持できなくなるため、無料でPCR検査を受けることができるか、簡易な宿泊施設を長野県に用意していただきたいと思いますという相談です。感染拡大地域への往来者の積極的検査の呼びかけなど、自己負担検査の拡充と費用への支援を行うべきではないかと考えますが、いかがですか。  病院などへのPPE(個人防護具)は、依然として不足感があるようです。何をもって足りているのか。病院によって判断が異なる部分もあるようです。県としても丁寧に調査を行うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。  宿泊療養施設入所について伺います。入所に当たって、外部からの差し入れ禁止やSNSへの投稿禁止を条件にしていますが、その理由と、行動を制限できる根拠はどこにあるのでしょうか。また、これらの条件に合意できない場合はどのような扱いになるのか、お聞かせください。  次に、免疫力を上げるための施策について伺います。  ウイルスを防御するためには、抗ウイルス薬の開発、予防のためのワクチンの開発に加えて、ウイルスを撃退する生体防御力、いわゆる免疫力を高めることが有効だと言われています。皮膚を覆っている厚いケラチンは微生物の侵入を阻止し、汗や油分を含む分泌液には微生物の細胞壁を分解する脂肪酸や抗体も含まれ、呼吸器系では粘膜にある絨毛の運動で微生物を排除しています。  さらに、侵入してきた病原体や異常になった細胞をいち早く感知し、それを排除する仕組みである自然免疫という機能を持っています。加えて、自然免疫で対抗できない微生物に対しては、リンパ球に依存する免疫系が発動されるのだそうです。
     今回の新型コロナウイルスの抗ウイルス薬や予防に効果的なワクチンが開発されていない現時点では、ウイルスを撃退する生体防御力、免疫力を日頃から高めておくことが重要なのではないでしょうか。免疫力を高める方法として研究者から言われていることの一つに、ウイルスを撃退する免疫細胞を活性化する物質を含む食材を摂取することがあります。乳酸菌、果物、海藻類、キノコ類、ポリフェノールを含む緑茶、シソ、タマネギなどの淡色野菜、それにみそなども有効と指摘されています。  免疫力を高める二つ目の方法は、ストレスを軽減する生活を送ることです。不快なストレスや都会での過密生活は自律神経の中でも心身を活性化させる交感神経を優位にし、ウイルスを攻撃するリンパ球の機能が低下するそうです。ストレスを緩和するには、交感神経にブレーキをかける副交感神経刺激作用のある音楽を聴くことや、熱くないお風呂にゆっくりつかること、アロマによってリラックスすること、そして、7時間以上の睡眠を取ることが大切なのだそうです。  交感神経が優位な状況では、体の分泌能力が低下するため、皮膚や消化管の粘膜面が乾燥してきます。特に、呼吸器への感染を引き起こすコロナウイルスは、呼吸器粘膜の上皮細胞から体内に侵入するため、粘膜の乾燥はとても危険です。そこで、ねばねば成分を含むレンコン、長芋、オクラ、モロヘイヤ、納豆などの摂取により、乾燥した粘膜面にバリアを構築し、ウイルスの侵入を防ぐことができるのだそうです。今申し上げてきた食材は、実は信州ACE弁当に使われている食材が多くあります。  長野県は、平均寿命でも健康寿命でも日本一を誇ってきました。その要因はいろいろ挙げられていますが、新型コロナウイルスに感染しても重症化しない理由とも重なると考えられます。その意味では、これまで長野県が取り組んできた健康増進策を、免疫力を上げることと併せて、政策として打ち出していくことが今必要だと思いますが、いかがでしょうか。  これまで申し上げてきましたように、第3波に備えて様々な課題がありますが、保健所の体制強化をさらに図るべきではないか。以上、健康福祉部長に伺います。  次に、個人情報と感染対策についてお伺いします。  集会や会議開催時、参加者の住所、氏名、電話番号の記載を求められます。主催者管理となっていない場合もあり、個人情報の取扱いに対して県としてどのように指導しているのか。危機管理部長に伺います。  教育委員会は、子供たちの行動履歴把握等の通知を行ったようですが、その趣旨と、プライバシー保護の観点から取扱いについてどう考えているのか。教育長に伺います。  学校等における感染症対策の調査についてお伺いします。  学校によっては、消毒液が不足しているという声を聞きます。また、教室内の机の間隔について、県立学校再開ガイドラインによれば、できるだけ2メートル、最低1メートルとされていますが、教室が狭いことから適正な間隔確保が難しく、1メートル未満となっている教室もあるようです。学校における感染症対策状況の調査を行っていますか。また、調査を行っているとすれば、調査結果を踏まえた今後の対策について教育長に伺います。  同様に、保育所における感染症対策の状況を調査しているのか。また、その状況を踏まえ、今後どのような対策を行うのか。県民文化部長に伺います。  学校再開後、子供たちの変化について、疲れやすい、生活習慣の乱れ、落ち着きがないという学校の先生たちの受け止めがあるとお聞きしました。また、学習意欲の減退、不安傾向、不登校傾向、無気力など心のケアが必要と考えられるとも指摘されています。子供たちへのケアは現在どのように行われているのでしょうか。  また、ゲーム内のいじめが現実社会のいじめにつながっているなど、増加傾向にある子供のネットトラブルへ県教委はどのような対応をしてきましたか。併せて、今後の課題についてどのように考えているか。教育長に伺います。  最後に、今後の総合的な対策強化について知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症等対策条例制定の一つの理由として、県外からの観光客が多い本県では、新型コロナウイルス感染症対策として、特措法によらない地域の実情を踏まえ、観光・宿泊施設に対して休業の検討の協力依頼を独自に行ってきた。こうした対策についても、他の休業要請などと同様に、その根拠をできるだけ明示的に規定しておくことが望ましいと説明がされてきました。  第2波において、市町村別で見た場合、10万人当たり20人を超える時期も現実にありましたが、休業の検討の協力依頼はされませんでした。休業の検討の協力依頼に至らなかった理由と、総合的に第2波への対策、取組は条例を生かした取組となってきたのか。  また、先般の上田圏域における対応では、県と上田市と連携して対応に当たりました。今後についても、市町村と必要な情報を共有化し、市町村と医師会との協力体制をさらに強化していくべきではないか。  新型コロナウイルスにより県税収入の大幅な減収が見込まれるわけです。一方で、新型コロナ対策や災害対応への歳出増が見込まれる中で、中長期的な財政の見通しが必要であると考えますが、いかがでしょうか。知事にお伺いします。       〔建設部長田下昌志君登壇〕 ◎建設部長(田下昌志 君)小規模な災害対応を行う市町村への支援についてのお尋ねでございます。  市町村の災害につきましては、1か所当たりの復旧費用が60万円以上となるものが国庫負担の対象になります。被害額が少額等の理由で国庫負担を受けることができない小規模災害につきましては、起債充当率が100%、交付税措置率が財政力によりまして47.5%から85.5%となる単独災害復旧事業債を活用することで地方の実質負担を低く抑えることができます。  県としましては、市町村の財政負担の軽減が図られるよう、企画振興部が中心となり、必要に応じて単独災害復旧事業債に関する説明会を開催するなど、市町村に対する支援を行っております。また、建設事務所に市町村への技術的支援を行う技術専門員を配置しておりまして、申請に当たっての相談や技術的指導など必要な支援を行ってまいります。  次に、国土強靱化のための事業等の継続に関する国への要望についてのお尋ねでございます。  今年度で終了する3か年緊急対策や緊急自然災害防止対策事業債は、災害の発生予防、拡大防止などの目的のため、県のみならず市町村においてもその活用を図っているものと認識しているところでございます。激甚化、頻発化する豪雨災害や切迫化する大規模地震災害等から県民の生命と財産を守るためには、災害を未然に防止する対策を行っていくことが重要でございまして、国土強靱化のための予算を引き続き確保していくべきと考えております。  このため、3か年緊急対策終了後の令和3年度以降も5か年間の計画を策定し、社会インフラの老朽化対策と道路ネットワークの整備を含め国土強靱化地域計画に基づく予算を確保するとともに、緊急自然災害防止対策事業債など地方の負担が極力少なくなる財政措置を講じるよう、全国知事会、市長会、町村会を通して国に強く訴えているところでございまして、県としても、引き続き市町村と連携して、国に対しあらゆる機会を捉えて強く求めてまいりたいと考えております。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)小規模自治体に対する災害時の人的支援についてでございます。  職員数の少ない小規模自治体におきましては、復旧・復興事業を円滑に進めていくため、技術職員等を中心に中長期の職員派遣のニーズがございます。これに対応する仕組みとしまして総務省スキームというものがございます。具体的には、本県の場合ですけれども、県市町村課が被災市町村の職員派遣ニーズを把握した上で、まずは県内のほかの市町村と調整する。それから、枠を広げまして、全国8ブロックのうち中部ブロックで調整をする。その上で、なお不足する分につきましては、総務省が全国市長会、町村会を通じて全国の自治体と調整を行うものであります。  昨年の台風災害の際には、昨年度41名、今年度33名が県内市町村及び全国の自治体から派遣されております。このスキームに加えまして、県独自の取組ですけれども、地域振興局を通じまして市町村の要望を把握しまして、農業用施設被害の復旧に当たり、特に支援が必要な佐久、上田、北信の3地域におきまして計5名の農業土木職員を配置したところでございます。  今後とも、こうした仕組みの活用等によりまして、被災市町村のニーズに的確に応えられるようきめ細かな支援に努めてまいります。  以上です。       〔危機管理部長竹内善彦君登壇〕 ◎危機管理部長(竹内善彦 君)私には2点御質問をいただきました。  まず、県内市町村の国土強靱化地域計画策定の状況と策定に向けた県の支援についての御質問でございます。  昨年の令和元年東日本台風をはじめ、激甚化する災害がどこでも起こり得る状況下において、最悪の事態を明らかにし、事前に取り組むべき施策を定める国土強靱化地域計画を市町村が早期に策定することは、大変重要なことと認識しております。  県内市町村における地域計画の策定状況ですが、9月1日現在で、策定済みが5市町、策定中が14市町村、策定予定が31市町村となっております。しかし、いまだ3割以上の市町村が策定について検討中で、その主な原因は、事務負担が大きいことやノウハウが不足することが挙げられております。  県としましては、市町村担当部長会議等の場で計画策定ガイドラインの説明や先進事例の紹介などの情報提供を行うとともに、策定負担を軽減するため、項目に従って記載することなどで計画案を策定できる国の支援ツールの活用を促してきたところでございます。今後は、これらに加え、国が講師を派遣し、策定実務をアドバイスする出前講座の活用や、個別に市町村の相談に応じ、地域計画の策定が一層加速するよう支援してまいりたいと考えております。  次に、新型コロナウイルス感染症に関連しました集会や会議等の参加者の個人情報の取扱いについての御質問でございます。  連絡先等の把握につきましては、国の基本的対処方針や内閣官房からの通知により、感染者が発生した場合に調査を行いやすくし、感染拡大防止につながるよう、催物の主催者や施設管理者に対し参加者の連絡先等を確実に把握することを求めているものでございます。  県としましては、国の方針等に基づき、連絡先等の把握について特措法第24条9項により協力の要請を行うとともに、関係団体や市町村を通じて主催者や施設管理者に周知を依頼し、併せて、連絡先等を記載した名簿に関する考え方を伝えております。この中で、個人情報の保護の観点から、名簿は、参加者等に対し、保健所が実施する調査に限って利用するという目的や使用方法を説明し、同意を得た上で作成することや、名簿の目的外利用の禁止、保管方法、保管期限などを示し、協力をお願いしております。  今後も、こういった方法により周知するとともに、催物開催の事前相談があった場合には名簿の適切な取扱いを求めていく所存でございます。  以上でございます。       〔環境部長猿田吉秀君登壇〕 ◎環境部長(猿田吉秀 君)ごみ処理施設建設の支援について2点御質問をいただきました。  最初に、交付金事業の制度拡充への取組についてでございます。  市町村が一般廃棄物処理施設を整備するに当たり、国からの支援策として、循環型社会形成推進交付金制度がございまして、平成23年度以降、関係市町村とともに、確実な予算措置と交付対象の拡充について要望活動を行ってまいりました。  このうち、予算措置につきましては、本年度においても、県内市町村が必要とする事業費は確保されている一方、廃止した処理施設の撤去費の一部や周辺環境整備など交付対象の拡充については実現に至っておりません。引き続き、市町村と協力して、確実な予算措置と交付対象の拡充について国に要望していくとともに、他の都道府県とも連携して粘り強く求めてまいりたいと考えております。  次に、県の考える廃棄物処理施設整備のあるべき姿についてでございます。  一般廃棄物処理施設は、資源の再生利用の促進を図り、循環型社会の形成に寄与するとともに、特に、焼却施設につきましては、地域のエネルギーセンターとして周辺施設への電力供給や熱利用などに取り組むことで低炭素化の促進にも寄与するものと考えております。また、災害時においては、災害廃棄物の確実な処理だけでなく、エネルギーセンターとしての機能を活用し、避難所の機能も併せ持つ施設とすることも期待されます。  県では、現在、令和3年度を初年度とする第5期廃棄物処理計画の策定を進めておりまして、広域的見地から、一般廃棄物処理施設の整備の方向性についても記載する予定でございます。その中で、ゼロカーボンや災害時の廃棄物対策の視点についてもお示ししてまいりたいと考えております。  あわせて、個々の施設の整備におきましても、災害対策の強化や地域へのさらなる価値の創出につながるよう、計画段階から市町村に対し助言を行ってまいります。  以上でございます。       〔警察本部長安田浩己君登壇〕 ◎警察本部長(安田浩己 君)私には、高齢者ドライバーの運転免許証の更新について2点御質問をいただきました。  初めに、高齢者講習等の受講待ちの現状と運転免許を失効してしまった高齢者の有無についてのお尋ねであります。  道路交通法では、70歳以上の運転者が免許証の更新を受けようとするときは、事前に高齢者講習の受講が必要であり、また、75歳以上の運転者の場合は、高齢者講習の受講に先立って認知機能検査の受検が必要となっております。  本年、県内における高齢者講習の受講対象者は約10万5,000人で、このうち、認知機能検査を受ける運転者は約6万7,000人であり、これらの方々の受検・受講待ちの日数は、本年6月末現在で約78日であります。これは、全国平均の約71日よりも若干長くなっておりますが、昨年6月末の104日と比較をいたしますと約26日短縮しておるところでございます。  また、高齢者講習等の受検・受講待ちをしている間に運転免許証の更新手続ができずに失効し、運転免許を再取得された方につきましては、本年8月末までに35人となっております。  次に、高齢者講習等の受講待ちで運転免許を失効させないための取組と失効した方の救済措置についてのお尋ねであります。  県警察では、高齢者講習等の対象者に対しては、更新期限満了日の約6か月前に発出をいたします通知において高齢者講習等の早期予約を促しております。加えて、更新を迎える誕生日の約40日前に発出をいたします運転免許証更新の通知においても、更新手続前に高齢者講習等の受講が必要な旨を案内しているところであります。  また、受検・受講待ち対策といたしまして、運転免許センターに専用の相談ダイヤルを設置し、運転免許証の更新期限が迫っている方からの相談に対しましては、受検、受講しやすい自動車教習所等の案内を行っております。  さらに、自動車教習所への委託により実施していた認知機能検査について、平成29年3月からは、その一部を県警察で直接実施いたしますとともに、本年4月からは、新たに6人の会計年度任用職員を雇用してこの検査体制を強化したところであります。加えて、昨年9月からは、高齢者講習についてもその一部を県警察で直接実施しており、こうした取組によって高齢者講習等の受講待ち期間の短縮に努めているところであります。  また、受検・受講待ちで運転免許を失効させてしまった方に対しましては、運転免許を再取得する場合の手数料を減額いたしますとともに、再取得した場合には、失効前の運転免許証を継続扱いとする措置を講じているところです。しかしながら、運転免許を失効させた場合には、再取得するまでの間、車の運転ができなくなることから、受検・受講待ちの解消は引き続き取り組むべき課題であると認識をしております。そのため、現在、各自動車教習所における高齢者講習等の空き状況を一元的に把握し、迅速に受検、受講の案内を行うことができるシステムの導入を検討しているところであります。  また、本年6月の道路交通法の一部改正により、高齢運転者の運転免許証の更新制度が改正され、令和4年までには、認知機能検査の結果により現在は2種類ございます高齢者講習が一元化されるなど、合理化、効率化がなされるものと承知をしておりますので、これらの制度改正の状況につきましても見守ってまいりたいと考えておるところでございます。  以上です。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)新型コロナウイルス感染症について順次お答えをしてまいります。  最初に、調査中案件のその後の状況の公表についてでございます。  本県では、原則として陽性判明日の翌日にプレスリリースを行い、感染者の年代、性別、居住地等の基本情報や、症状、経過等を公表しております。また、その後の調査で判明した他の発症例との関連や発症2週間前の滞在歴、濃厚接触者の状況等につきましては、随時県ホームページに掲載し、公表しているところでございます。  今後も、保健所における丁寧な積極的疫学調査を行う中で、感染拡大防止のために県民の皆様にお知らせすべき情報や、一定の安心感を持って生活を営んでいただけるような情報などを正確かつ迅速に提供するよう努めてまいります。  次に、無症状病原体保有者の濃厚接触者からの陽性反応についてでございます。  9月28日現在の新型コロナウイルス感染症の感染者305例のうち、無症状病原体保有者は39例確認されております。この39例の濃厚接触者計180名のうち、検査で陽性が確認されたのは4例でございます。  なお、無症状病原体保有者は、文字どおり症状が出現していないことから、感染者とその濃厚接触者との感染の順番、すなわち、どちらからどちらに感染したのかを推定することが困難な場合があることを御理解いただきたいというふうに思います。  次に、新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム、HER-SYSの利用についてでございます。  HER-SYSは、より効率的に患者等に関する情報を収集し、地域の関係者間で共有できるようにするとともに、保健所の事務負担の軽減を図るため、本年5月29日より運用が開始されております。本県においても、7月6日検体採取分より医療機関や保健所などにおいて情報の登録を開始し、現在、帰国者・接触者外来及び検査協力医療機関など114機関において利用されているところであります。  一方、データ入力に当たっては、保健所での代行入力が全体の6割を占めるなど、入力項目の多さなどから、かえって医療機関や保健所の負担となっているといった指摘もございます。今後は、これらを踏まえた国の運用見直しの動向を注視しつつ、効果的な活用を図ってまいりたいと考えております。  次に、感染者の行動履歴に係る公表についてでございます。  感染症に係る情報の公表に当たっては、当初より、感染の拡大防止のために必要な情報を公表していくという基本姿勢に立つとともに、その一方で、感染者等の人権、プライバシーの保護には十分留意することとしております。こうした考え方から、例えば、不特定多数の濃厚接触者がいる場合には、その把握のため、具体的な場所や店舗名についても公表をしてきたところでございます。  逆に、調査の中で濃厚接触者が特定され、そこから感染が拡大するおそれのない場合には、感染者の行動歴を明らかにすることによって個人の特定につながったり、また、一つ一つの行動について誹謗中傷のもとになるといった事態も危惧するところでございます。  また、感染者の行動歴を公表することとした場合、今後の積極的疫学調査において協力が得られなくなるといった懸念もあり、慎重かつ適切に判断してまいりたいと考えております。  次に、検査について4点お尋ねをいただきました。  まず、検査体制の拡充についてでございます。  これから季節性インフルエンザの流行期を迎えるに当たり、過去の発熱患者の発生状況を勘案して、本県のピーク時における検査需要を1日約9,000件と見積もった上で体制の整備を進めることとしております。これだけ多数の患者が発生した場合には、できるだけかかりつけ医等の地域で身近な医療機関において相談、診療、検査を行っていただきたいと考えており、国においてもそのための支援措置を講ずることとしております。県でも、こうした体制を構築するため、今回の補正予算において医療機関に対する協力金を計上したところでございます。  一方、地域によっては、個々の医療機関ではなく、議員御指摘のように、外来・検査センターなどで対応する方法が効果的または適切な場合もあろうかと思います。その場合には、センターの増設や能力向上といった取組も必要になってまいります。  いずれにいたしましても、今後、それぞれの地域において、保健所が医師会や市町村と連携して地域の実情に合った体制を構築することとしており、県もしっかりとその支援をしてまいりたいと考えております。  次に、病院等で働く方への一斉定期的検査についてでございます。  国は、本年8月28日に発出した新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組において、「感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては、その期間、医療機関、高齢者施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象に、いわば一斉・定期的な検査の実施を都道府県に対して要請する。」としております。  もとより、県といたしましても、医療機関や高齢者福祉施設等の入所者は重症化リスクが高いことから、県民の命と健康を守り抜くという目的の下、施設内感染対策は最重要であると認識しております。今後、こうした検査にも対応できるよう、PCR等検査の処理能力のさらなる拡充を図るとともに、これらの施設に対する積極的な検査の実施を検討してまいります。  次に、高齢者等への検査の実施についてでございます。  国は、9月15日に閣議決定された予備費活用事業において、感染拡大や重症化を防止する観点から、市町村が高齢者や基礎疾患を有する者の希望により検査を行う場合にその費用を助成するという方針を打ち出しました。県といたしましても、市町村と丁寧に協議を行い、検査体制整備計画に位置づけることによって高齢者等に対する検査を円滑に実施できるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、自己負担検査の拡充と検査費用の支援についてでございます。  第1波収束以降、海外渡航や県外への出張など仕事に係る検査需要が増えてきており、県内でも十数か所の医療機関で全額自己負担の保険適用外検査を実施していることと承知をしております。検査は、安心して経済社会活動や日常生活を送るためにも重要な前提となるものと認識しており、今後、これらの検査にも十分に対応いただけるよう、まずは県内におけるPCR等検査能力のさらなる拡充など環境整備に努めてまいりたいと考えております。  次に、病院等における個人防護具の状況把握についてであります。  病院等における個人防護具の充足状況につきましては、国の新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム、通称G-MISに各病院が1週間当たりの使用見込みや在庫数量を入力することによりまして県及び国において状況を把握しているところでございまして、これに基づいて国によるプッシュ型の配布や調達困難時における緊急配布を行ってきたところでございます。  しかしながら、このシステムは、各病院の使用実態に基づく結果としての状況は把握できるものの、各病院においてどのように節約した使い方をしているのかといった取組までは明らかになりません。そこで、県では、これまでも数度にわたり電話による聞き取り調査やメールによるアンケートを実施いたしますとともに、先月下旬には幾つかの病院を直接訪問して使用状況や調達状況についてお聞きしたところでございます。  診療や検査に欠かすことのできない個人防護具については、今後も丁寧に実態把握に努めますとともに、国や県の供給システムについて医療機関の皆様と共有することによって、必要な資材を必要な医療機関に迅速に供給できるよう取り組んでまいります。  次に、宿泊療養施設の入所条件等についてでございます。  宿泊療養施設は、医療機関の負担軽減のため、軽症者や無症状者の方で高齢者や基礎疾患のある方を除き、一旦入院して経過観察した後の療養場所として用意しているものでございます。この宿泊施設は、安心、安全な環境下で運用を行っていく必要があるため、様々な点に配慮が必要であり、施設を設置運営する県の責任において入所に当たっての利用条件を設けているところであります。  プライバシー保護や風評被害防止の観点から施設名自体を公表していないこともあり、入所者のSNSへの投稿について御遠慮いただくことを条件の一つとしており、また、感染防止の観点から外部者との接触を抑制するため、必要な薬等を家族の方が届ける場合を除きまして外部からの差し入れを原則として禁止しているところでございます。宿泊療養への移行の際には、こうした条件も含め、患者本人に説明し、同意をいただくこととしております。同意いただけない場合には引き続き入院していただくということになるところでございます。  次に、県が取り組んできた健康増進政策を免疫力向上の政策として打ち出したらどうかといったお尋ねでございます。
     免疫力の向上には、常日頃からのバランスの取れた食事と適度な運動により基礎体温を上げること、また、十分な睡眠を取ることなどが重要であると認識しております。  県では、これまで、県民の健康づくりに関して、県民の健康増進を図る運動、信州ACEプロジェクトを推進し、毎日の運動や健康的な食事といった生活習慣の実践を促してまいりました。こうした取組は、県民の免疫力を高めることにも少なからず効果があるものと考えているところであります。  そこで、今後は、免疫力向上につながるといった視点からも動機づけを行うなど、新型コロナウイルス感染症へのおそれをプラスのエネルギーに変えて、県民に一層健康づくりに取り組んでいただけるように働きかけてまいります。  最後に、保健所のさらなる体制強化についてであります。  第2波の振り返りからも、保健所の体制強化は重要かつ喫緊の課題であると認識しております。感染が拡大し、レベル4、特別警報を発令した上田地域においては、上田保健所の保健師に加え、クラスター対策チームの派遣や、他の保健所等から、延べ86名、1日最大10名の保健師の応援を行い、積極的疫学調査を徹底して実施したところでございます。このような人的資源の集中投入が感染の拡大防止につながったものと考えております。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大時における保健所の体制につきましては、7月に国から示された算式に基づいて試算いたしましたところ、県の10保健所での人員不足は計31名ということでございました。これを踏まえまして、県ではその倍の61名を確保することを目標に取組を始めているところであります。  このうち、保健師については、これまでに12名、さらに今後13名の臨時的任用を行うとともに、臨床検査技師等についても大幅な増員を図ってまいります。また、これら人員体制の強化に加えまして、外部委託の活用、地域振興局をはじめとした県の現地機関や市町村保健師による協力体制の確立を図り、次の波に備えてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねでございます。  まず、子供たちの行動履歴把握等の通知の趣旨と、プライバシー保護の観点から取扱いをどう考えているかというお尋ねでございます。  通知の趣旨でありますが、これは、夏休みにおいては、児童生徒が県外に行ったり県外の方と接触する機会も多いことから、そのような児童生徒につきまして、休み明け後の学校生活において教職員がきめ細やかに健康を観察するために行ったものであります。これによりまして、そうした児童生徒が夏休み中に安心して県外に行くこと等ができ、また、休み明け後、その子らも含め、児童生徒が安心して学校生活を送ることができるものと考えたものでございます。  しかしながら、プライバシー保護の観点からは、個人の行動について学校が把握することに対しては慎重に対応する必要があることから、今後の感染症対策を進める上では十分留意してまいりたいというふうに考えております。  続きまして、感染症対策の調査と今後の対策についてであります。  県立学校については、月2回程度、健康チェックや消毒、換気、身体的距離の確保等の感染症対策について県教育委員会として聞き取り調査等により確認を行っており、必要な対策が取られているものというふうに考えております。また、市町村立学校については、教育事務所の主幹指導主事が学校訪問を行う中で状況把握に努め、助言を行っております。また、今月中には全ての学校を対象とした感染症対策の調査を依頼する予定でありますので、調査結果を踏まえ、適切な対応を取ってまいりたいというふうに考えております。今後とも、学校における感染症対策の徹底に努めてまいりたいというふうに考えております。  次に、子供たちの心のケアについてでございます。学校再開後、早期に担任等が心と体のチェック票を活用しまして子供たち一人一人と面談を実施しました。子供たちの表情やしぐさ、声の調子などを含め、子供たちの状況を丁寧に把握し、心のケアに努めたところでございます。  子供たちが抱えるストレスや悩み事に対して、現在、多くの学校で学校生活アンケートや三者懇談を実施し、子供や保護者とじっくり向き合える時間を作って対応に努めているところであります。さらに、その中で支援が必要な子供に対しては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門家と連携し、適切な心のケアに取り組んでいるところでございます。  県教育委員会でも、今年度は、長期休業前後だけではなくて、毎週水曜日にLINE相談を実施しています。また、学校生活相談センターでは24時間相談を受け付けておりまして、引き続き子供の悩みに寄り添ってまいりたいというふうに考えております。  最後に、子供のネットトラブルへの対応と今後の課題についてであります。  県が以前から実施しております児童生徒約4,000人を対象とする調査では、インターネットを利用している児童生徒のうち、昨年度は、小学生の1.4%、中高生の0.6%がネットの中でいじめに遭ったという回答がありました。  こうしたことも踏まえまして、県では、これまで、性被害防止教育キャラバン隊の派遣や高校生ICTカンファレンスの開催、ネットの専門家を講師に迎えた教職員向け研修会の開催等により、インターネットの適正利用に関する啓発やトラブルの未然防止を図ってきたところであります。  今年度は、初めて、県内の教員や小児科医から成る子どもとメディア信州の皆さんと協力しまして、約7万2,000人の児童生徒を対象にインターネット等の利用についてのアンケート調査を実施いたしました。長期休業の影響について聞いたところ、長期休業を経て使用時間が増えたとした児童生徒が5割を超え、トラブルの増加が懸念されるところであります。  現在、アンケート結果を分析しているところでありまして、子どもとメディア信州の皆さんとともに、今後取り組むべき方策について検討を進め、さらなる有効な取組につなげていきたいというふうに考えているところでございます。  以上です。       〔県民文化部長増田隆志君登壇〕 ◎県民文化部長(増田隆志 君)保育所における感染症対策の状況調査と今後の対策について御質問いただきました。  対策の状況は、県庁及び保健福祉事務所に配置する保育専門推進員等が保育施設を訪問して現場を確認し、施設の責任者から直接状況を聞き取る形で把握しております。それによりますと、保育現場では、今のところ、消毒用アルコールやペーパータオル等の感染対策用品は行き渡っている一方、子供たちと保育士が触れ合うことにより保育を行うことが一般的なため、密になりやすく、ソーシャルディスタンスの確保が困難といった特有の課題もございます。  給食やおやつのときに透明のパーティションを設置する、あるいは昼寝の際には子供の頭と足を互い違いの方向で寝かせるなど、それぞれの施設で実情に応じて様々な工夫をされていることと承知をしております。  県といたしましては、引き続き保育所からの問合せに対して丁寧な対応を行うほか、巡回訪問により状況を把握し、必要なアドバイスを行うとともに、現場での効果的な取組について保育所間で共有を図ってまいります。また、衛生用品の購入や感染対策の研修等の経費について補助を行うなどにより保育現場における感染対策を支援してまいります。  以上です。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)新型コロナウイルス感染症に関連して大きく3点御質問いただきました。  まず、いわゆる第2波における休業の検討の協力の求めがなされなかった理由ということでありますけれども、新型コロナウイルス感染症等対策条例6条1項によります協力の求めにつきましては、感染警戒レベルが5に達するなど感染が顕著に拡大し、人の移動や本県との往来を極力少なくする必要がある場合を想定しているものであります。いわゆる第2波におきましては、医療提供体制の拡充も進み、重症者向けを中心に病床にはまだ余裕があったことなどから、こうした措置を講ずることなく対応を行いました。  また、条例を生かした取組だったかという話でございますが、いわゆる第2波への対応につきましては、まず条例4条に基づく基本方針を策定して、その対応方針を基に対応を行ってきております。また、対応方針に定めた様々な取組については、条例5条による感染症対策として実施しております。  さらに、こうした方針の決定、対策の実施につきましては、8条により学識経験者等から意見を聴取し、9条によりまして議会へ報告をさせていただくなど、条例に基づき適正な手続を取って行ってきております。  次に、市町村や医師会との協力体制の強化でございます。  私も、県医師会の会議に参加をしたり、また市長会、町村会とはウェブ会議等を通じて意思疎通を図らせていただき、市町村や医師会との連携は非常に重要だというふうに思っております。  現在、季節性インフルエンザ流行期に向けた対策が喫緊の課題となっておりますけれども、これも、保健所が中心となりながらも、郡市医師会、あるいは市町村の皆様方の御協力が不可欠だというふうに考えております。引き続き、市長会、町村会並びに県医師会、さらには郡市医師会、こうした皆様方のお力を借りながら新型コロナウイルス対策を進めていきたいと考えております。  最後に、中長期的な財政見通しの必要性についてということでございます。  県税収入の大幅な減少が見込まれる中、他方で、新型コロナ対策、災害からの復旧・復興と大変大きな財政支出等を行ってきており、厳しい財政運営を迫られている状況です。通常債残高の縮減や財政調整のための基金の積み増し等をこれまで行ってきたところでありますので、現時点の見込みとしては、財政健全化に関する指標の上昇も限定的でありますので、直ちに財政健全性が大きく損なわれる状況にはないというふうに考えております。  ただ、次年度以降、慎重な財政運営が必要となってまいりますので、来年度の県税収入、地方財政対策の内容も踏まえ、また、新型コロナウイルスの影響も見極めた上で試算を行い、来年の当初予算案と併せて新たな中期財政試算を公表して、それに基づく対応を行っていきたいと考えております。  以上です。       〔26番中川博司君登壇〕 ◆26番(中川博司 君)土砂災害対策で言えば、流末まで一体的に整備する法改正が必要なのではないかということは指摘しておきたいというふうに思います。また、新型コロナウイルス対策で感染拡大地域との往来者の宿泊についても、Go To トラベルや「信州版新たな旅のすゝめ」宿泊キャンペーンが利用できるよう推進していただければと思いますし、自己負担検査への支援はぜひ検討をしていただきたいと思います。  今回、災害対策やごみ処理、さらには新型コロナ対策でも、市町村への支援、あるいは協力体制という観点から質問をさせていただきました。  感染症対策は、法によって国及び県の仕事であるわけですが、市町村の首長にしても、住民の命と健康、暮らしを守る責務があります。新型コロナウイルスへの対策は、科学的な安全と不安を取り除く安心と両方の対策が必要です。情報の共有化ということに法の壁があるわけですが、一方で、新たに高齢者や基礎疾患がある方への検査の実施は市町村が主体で行うという国の方針です。県と市町村が力を合わせ、県民の命と暮らしを守るために引き続きの御努力をいただくことをお願いし、質問を終わります。 ○議長(小池清 君)この際、午後1時50分まで休憩いたします。         午後0時49分休憩          ──────────────────         午後1時50分開議 ○副議長(小池久長 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  清水正康議員。       〔4番清水正康君登壇〕 ◆4番(清水正康 君)それでは、質問いたします。  1点目、財産区の在り方について。財産区は、地方自治法に明記されているとおり、主として市町村の一部で財産または公の施設の管理及び処分を行うことを認められた特殊な地方公共団体であり、合併に伴い各地に生まれ、市町村の条例によって財産区議会、総会、管理会などが設置されております。県内でも、9年前で少し古いデータなのですが、26市町村に約190の財産区が設置され、120余の財産区議会、50の管理会、その他などが設置されております。  設置から数十年がたち、廃止などがされた地域もありますが、時代の変化によって、旧態依然の形はいつしか形骸となっている団体もあると認識しております。特に、財産区議会の選挙は町村議会の選挙に準じて行われ、市町村の選挙管理委員会が管理をすることになっておりますが、選挙になることはほぼ皆無であります。  地方自治法により、財産区住民の利益を保護する必要から県の関与規定等がありますので質問いたします。  財産区の設置から数十年がたち、長野市などは廃止をした財産区もありますが、形骸化していても改廃に着手できない財産区も存在します。地元でも同様な声を耳にしました。また、今回の公職選挙法の改正によって、財産区議会議員選挙も選挙費用の公費負担が認められ、供託金も必要となり、関係市町村や財産区は改正となる本年12月12日以降の対応に苦慮しております。県として、こういった市町村や財産区の現状についてどのように考えているのか。伊藤企画振興部長に質問いたします。  次に、結婚支援についてです。結婚は個人の意思であり、望む方を支援するのが結婚支援であることを大前提に質問をしていきます。  生涯未婚率は、2015年の国勢調査より、本年は男性26.7%、女性17.5%という推定値があり、今後、若干といえども増加傾向にあるとのことです。2015年の出生動向基本調査に、未婚者の18歳から34歳の9割弱の方はいずれ結婚したいと考えているとのデータもあり、結婚を望む方がよき出会いに恵まれ、結婚されることを支援するのは、県民のためであると考えます。加えて、しあわせ信州創造プラン2.0の重点目標である合計特殊出生率の向上に対しても有効であると考えます。  県は、異性との出会いや結婚機会の増加のために様々な施策を講じておりますが、昨年の県の合計特殊出生率は1.57であり、プラン策定時である2016年時の基準値1.59を下回っております。過日出された県の政策評価報告書は、全国的に低下傾向にある中で横ばいを維持、2019年の全国順位は10位と東日本では最も高いと県は一定の評価をしておりますが、2022年の目標値である1.76には程遠く、私の評価は少々異なります。  そこで、質問いたします。  ながの結婚マッチングシステムへの昨年度末の登録者は1,098人ですが、登録者数の認識と、この情報を有効に活用できていると考えておりますか。また、18歳から34歳の未婚者の平均希望結婚年齢は、男性が30.4歳、女性が28.7歳であり、初婚における平均交際期間は4.26年というデータがあります。これらを考慮すると、男性は26歳、女性は24歳で出会っていることになります。この分析から、今後の県の結婚支援の施策として、20代中頃からの出会いの機会を積極的に増やすべきと考えますが、県の認識と今後の取組について伺います。  さらに、最近になって開催もあるようですけれども、本年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、各地で計画どおりに事業、イベントができておりません。本年の話ではなく、県が結婚支援に力を入れてから、近年、市町村の取組、婚活サポーター、婚活応援団などの活動についてどう認識し、どう支援をしてきたのか。特に、婚活支援においては、これらを応援する県や市町村、団体、民間を含め、人を有機的につなげていくプラットフォームを構築し、一体感を持った取組も必要ではないかと考えますが、認識を伺います。以上3点、増田県民文化部長に質問いたします。  また、地元の町の取組でありますが、女性職員のプロジェクトチームのアイデアで、昨年、中学3年生にライフデザインセミナーを開催し、人生年表を作成し、発表する行事を行いました。生徒たちからは、何人も子供が欲しいから何歳までに結婚したいとか、両親が晩婚で大変そうだったから私は早めに結婚したいといったような結婚について意識する発言が多数あったとのことです。  県は、大学生に向けてのライフデザインセミナーなどは行っておりますが、家族を持つという意味で、性教育だけではなく、人生年表をつくるなどライフデザインに関する学習を中学生などから行うべきと考えますが、現状と県の考えについて原山教育長に伺います。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)財産区の現状に対する考えについてでございます。  団体によりましては、設置から長い年月が経過いたしまして、構成員の高齢化や代替わりに伴いまして担い手が不足しているといったような事情から、運営していく上で様々な課題があるという声をお聞きしているところであります。最近10年では、先ほど御紹介がありましたいずれも長野市の例ですけれども、管理の負担増や収益の悪化などによりまして財産を市に譲渡して財産区を廃止した例が3件ございます。  今後、運営に係る負担軽減を図るためには、例えば、公選法の規定が準用される財産区議会を廃止して議決機関を市町村議会とすることや、選挙以外の方法により委員の選任が可能で、住民の意思を反映する簡素な審議機関としての管理会への移行を図るなど、手間や費用を軽減するといった方法が検討として可能ではないかというふうに考えております。  今後それぞれの財産区をどうしていくかにつきましては、まずは所在する市町村とよく話し合っていただく必要があると思いますけれども、県といたしましても、管轄の地域振興局におきまして手続上の様々な相談に対し助言を行うなど、課題解決に向けて支援してまいりたいと考えております。  以上です。       〔県民文化部長増田隆志君登壇〕 ◎県民文化部長(増田隆志 君)結婚支援について3点御質問を頂戴しました。  ながの結婚マッチングシステムの登録者数の認識と有効活用についてでございますが、登録者数については、平成23年のシステム導入以来着実に増え、5年前と比較すると約1.5倍となっております。しかし、システムを導入しております長野県と同程度の人口規模の福島県や新潟県と比較いたしますと5~6割にとどまっているという状況であり、登録者数をさらに増やしていく必要があると考えております。また、登録者の年齢層や性別に偏りもございます。  システム導入から昨年度末までの累計で、お見合いが1,058件、結婚されて退会した方が292人となっており、一定程度の成果に結びついているものと考えております。一方、このシステムの導入から9年がたちまして、技術は日進月歩しております。現在のシステムでは、相談者が結婚相談所に出向かなければ利用できませんが、スマートフォンからのアクセスが可能なシステムを導入している県もございます。  県といたしましては、今申し上げました課題や問題意識を踏まえながら、登録者の情報をより効果的に生かす方法や有効なマッチングシステムについて検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、20代の出会いの機会を増やす取組についてでございます。  長野県の平均初婚年齢は、2019年統計では、男性が31.3歳で全国40位、女性が29.5歳で全国35位と、他県に比べて晩婚化が進んでいる状況でございます。  県が令和元年度に実施したアンケートでは、結婚意向がある方で独身でいる理由としては、適当な相手にまだ巡り会わないからが40%を超えて最も多く、若い年代層から出会いの機会を増やしていくことが重要であるというふうに認識しております。  同調査では、身近に出会いの機会がないと答えた18歳から20歳代の若者の約半数が各種イベント等による出会いの場の提供を望んでいるという結果も出ております。現在県が運営しております婚活支援のポータルサイト「ハピネスナビ信州」においては、いわゆる婚活イベント等を掲載しておりますが、今後は、若者の自然な出会いの場となる交流イベントやワークショップの情報などについても、県の関係部局や市町村、民間等と連携して積極的に情報発信を行ってまいります。あわせて、今年度中に、新たに若者が多く利用しているSNSを活用した情報発信にも取り組んでまいります。  最後に、市町村等の取組についての認識と支援策ということでございます。  市町村や社協では、昨年度、92団体で232件の婚活イベントや婚活セミナーが開催されました。また、元年度末現在で、市町村等が運営する結婚相談所は74か所ございます。これら公的支援によるお見合いの件数は、昨年度は1,647件と増加傾向にございますが、結婚に至った数は132組でございまして、これは横ばいといった状況です。必ずしも結婚に結びついていないという状況も見られ、相談に関わる方々のスキルアップといったことも課題となっております。  婚活サポーターにつきましては、昨年度末で1,103名、5年前と比較すると約1.7倍となっておりますが、お見合い件数や成婚数、この方々が関わった結婚の数は減少傾向にありまして、サポーター同士の連携やノウハウの共有が課題というふうに捉えております。  婚活応援団につきましては、昨年度末時点で218団体ということで、結婚を望まれる県民の出会いの機会をつくり出すということに貢献いただいているものと考えております。  県としての支援でございますが、婚活コーディネーターによる助言などを行っておりますほか、ハピネスナビ信州を通じて一元的にイベント情報を発信しているところです。また、今般、ウィズコロナの状況の中で、市町村等の相談所がオンラインを利用したお見合いができるよう相談所職員を対象とした研修会を開催したところでございます。  御質問にございました婚活支援関係団体等のプラットフォームの構築についてですが、例えば、協議会といったような明確な形式を取ってはございませんけれども、県の婚活コーディネーターが中心となりまして市町村等との連携を図り、各相談所やサポーターに対する助言を行っております。また、結婚マッチングシステムを利用している団体同士やサポーター同士の会議、打合せを毎年開催し、情報共有やスキルの向上を図っているところでございます。  さらに、今年1月、県内の民間結婚相談所との意見交換会を県として初めて開催し、効果的な連携の在り方の検討を始めたところでございます。結婚支援に関わる関係者間の連携を一層深めながら、相乗効果を上げられるよう、引き続き取り組んでまいります。  以上です。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)中学生、高校生を対象としたライフデザインに関わる学習についてのお尋ねでございます。  自分の人生を構想する学習につきましては、県内の多くの学校で行われているところであります。例えば、ある中学校では、外部講師を招いてライフデザインセミナーを実施し、20歳のときに何をしているか、いつ頃結婚するかなどを4~5人のグループで考え、人生年表を作成するといった取組が行われているところであります。  このような外部講師を招いた学習に加えまして、家庭科等の教科や総合的な学習の時間等におきましてもライフプランを考える取組が行われているところでありまして、高校におきましては、人生設計、進学や仕事、結婚、出産、育児等について扱う中で人生年表を作成するなど、将来の自分と家族や地域の人々との関わりを思い描く学習を全ての学校で行っているところであります。  また、中学校では、自分の誕生や成長を振り返るこれまでの学習に加えまして、家族や地域と協力、協働の必要性にも気づく学びが新たに行われるようになってきているところでございます。  今後も、子供たち一人一人が自分の将来設計を総合的に考えて、より良い社会と幸福な人生の作り手となるよう、学びの充実を支援してまいりたいというふうに考えております。       〔4番清水正康君登壇〕 ◆4番(清水正康 君)まず、財産区の在り方についてですが、先ほど助言等を行っていくというようなお話であったかと思います。そういった県の姿勢というのは分かるのですけれども、小規模の自治体では、形骸化していても、改革することに対して適切な指導ができないといった事実もあります。大変な作業であります。  また、財産区議会が設置されている市町村の選挙管理委員会は、任期が来れば、選挙にならなくてもその準備をしなければならず、人的にも経費的にも一定の負担が生じております。  さらに、市町村の特別会計を設けて経理をしている財産区もあるのですが、やはりそこも負担がかかっております。財産区自体で収入があって回していけるところはいいのですけれども、やはり形骸化したところに対してメスを入れる必要もあるのではないでしょうか。
     コロナ禍により、市町村も税収ダウンは避けられず、将来に向けて負担を減らすことができるよう、「相談があれば助言をする」ではなく、財産区の改廃を検討するならばこういった手法がありますよという形で県から通達していただけるよう積極的な支援をぜひお願いいたします。  結婚支援の答弁についてですけれども、先ほどお話しいただいたとおり、成婚率というのはかなり高いというふうに思っております。ですので、まずマッチングサイトの登録者数を増やすという取組が必要ではないか、そのように考えます。現在、登録者は1,098人、女性はそのうちの26%という話です。地元の上伊那の人口比で計算しますと、女性の登録者は25人ということになってしまいます。8市町村人口約18万人で25人という登録数、これは決して多くはありません。人数が少ないと登録しても意味がないと思われますし、恥ずかしいなどといった感情も生まれます。独身の方がより多く登録していけるようなマッチングサイトの運営をお願いしたいと思います。  民間のマッチングサイトもある中で、県が開設している理由は、やはり信用度だと思います。県だからこそ企業の協力などもいただきながら登録者数の増加にチャレンジしていただきたいと思います。また、先ほどプラットフォームに関してもアイデアをいただきました。そういった形もつくりながらチャレンジしていっていただければと思います。  生徒へのライフデザインに関する学習ですけれども、高校では100%、中学校も幾つかで取組があるというような答弁をいただきました。ぜひ中学校も100%になるようにお願いしたいと思います。特に、将来の生活の中に結婚がイメージできるような取組をお願いしたいと思います。県下の学校に広がるよう県教委としての関わりをお願いいたします。  少子化対策ということもありますが、何より若者の幸せな未来のために、将来、結婚を望む若者が結婚できるように取り組んでいただくことを強くお願いいたします。  次の質問に移ります。救急医療と受診の在り方についてです。  新型コロナウイルスの感染対策をしながらの救急医療の活動は、医師や看護師、救急隊員に非常に大きな負担となっております。地元で確認しましたが、以前は発熱だけの症状でも受け入れてくれた病院が、現在は発熱だけでは受け入れることができないと断るケースもあるそうです。  また、新型コロナを用心しての装備が必要で、準備や片づけに時間がかかる。搬送先が決まるまでにいつも以上に複数の医療機関に連絡をしているとの話でした。119番の救急要請から現場到着、搬送について、以前と比較して時間がかかり、医療機関も万全の体制が必要ということで、地域の皆さんの命を守るという使命感を持った方々には大変な状況下で務めていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。  詳細は述べませんが、先月、某紙の報道に、県内でも深夜に受入先の病院が見つからなかった事例が取り上げられておりました。この件は、関係各所でお話を聞きますと、幾つかの要因が重なって起きておりましたが、二度とこのようなことが起きないようにしなければいけません。県も、救急医療の現状を認識し、今定例会の補正予算にも支援事業などを計上しておりますが、それを踏まえ、3点質問いたします。  救急医療従事者の予防対策については、熱などの新型コロナウイルス感染症を疑う症状がある場合とそうでない場合で装備に差があるということですが、けがなどで救急搬送された方が陽性だった事例は県内にもあり、救急医療従事者は不安と隣り合わせでおります。それぞれの従事者が十分な装備を取れているのか、現状認識と今後の支援策について土屋健康福祉部長に伺います。  また、救急要請から搬送まで時間がかかるケースをどう認識し、どう対応しているのか。竹内危機管理部長に伺います。  さて、新型コロナウイルス感染症の状況下では、自らの感染のリスクを抱えながら治療に当たる医療従事者に感謝の気持ちを伝えようと、拍手をしたり、ライトアップをする取組がありました。ブルーインパルスが飛行する姿もありました。現在、長野県は、感染に関しては若干の落ち着きを見せておりますが、しかし、直接の感染はなくても、誹謗中傷などの心配もあり、まだまだ大きなリスクがあると感じております。地域の安全、安心のために、医療従事者の存在は大きく、引き続き感謝の気持ちを持ち続けるべきと考えます。  話は変わりますが、平成16年の医師の新臨床研修制度以降、医師の偏在化が発生し、県内でも医師数に大きな差が生じました。その際、地元の公立病院から産科医がいなくなるなど、診療科が減るということで、女性を中心に住民の会が立ち上がりました。その会は、現状を学ぶ中で、医師確保の要望をするだけではなく、私たちにできることをしようということで、医師に選ばれる地域にしようと取組を始めました。具体的には、医師の負担を減らそうということで、コンビニ受診を控えようといったカードを配ったり、もしものときの対応マニュアルをつくったり、かかりつけ医を持とうと取り組みました。当時の院長先生や医師からは一定の評価をいただいたと認識しております。  現在、新型コロナウイルス感染症によって受診控えが起き、119番の救急要請も減っておりますが、これは逆に本当に大丈夫なのかと不安を感じる部分もあります。  そこで、質問いたします。  地域住民も救急医療従事者も安心し、信頼して救急医療を進めるためには、受診の在り方をいま一度明確に示す必要があると考えます。コロナ禍というこのタイミングで、県として、県民の皆様に対し、医療機関の受診の在り方についてしっかりと啓発をすべきではないでしょうか。阿部知事に質問をいたします。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)救急医療従事者の感染予防対策についてのお尋ねでございます。  新型コロナウイルス感染症の流行下にあっても救急医療の提供体制を確保していくためには、医療従事者への感染を防止しながら救急医療に従事できる環境を確保することが必要でございます。そのため、医療資材等の備えにつきましては、万全を期して対応する必要があると考えております。  県としては、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者を診療する救急医療機関の登録を行いますとともに、これらの医療機関に対し、個人防護具の購入や簡易陰圧装置、また、空気清浄機などの感染防止のための備品の整備、消毒に要する経費などについて、今補正予算案での追加計上を含めて、32億6,700万円余の支援を予定しているところでございます。  本県では、これまでに、救急医療の現場で感染が発生したという事例はございませんが、今後感染が拡大した場合においても、これらの支援事業を有効に活用いただくことによりまして、救急医療従事者への感染防止を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔危機管理部長竹内善彦君登壇〕 ◎危機管理部長(竹内善彦 君)救急要請から搬送まで時間がかかるケースをどう認識し、どう対応しているかについての御質問でございます。  消防本部において、新型コロナウイルスの感染対策のために、救急要請時の搬送時間がこれまでよりも時間がかかる場合があるということについて県としても認識しているところでございます。  搬送に時間がかかる要因といたしましては、救急要請があった時点で、感染が疑われる患者の要件と照らし合わせ、傷病者の状況を詳しく聴取していることや、搬送先医療機関との調整に時間を要する場合があることなどが挙げられます。  県では、消防本部による傷病者の搬送が円滑に行えるよう、新型コロナウイルスの感染者や感染が疑われる傷病者の救急搬送における課題について、消防本部から提供された情報を必要に応じて保健所、医療機関とも共有し、課題の解決に向けて取り組んでいるところでございます。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)救急医療に関連して、県民の皆様に適切な医療機関の受診と救急車の適正な利用を促すべき、啓発すべきという御質問であります。  基本的に、私もそうした取組が必要だというふうに思います。本県の救急医療体制におきましては、軽症患者の診療を行う在宅当番医などの初期救急、中等症以上の患者を救急車で搬送して診療を行う二次救急、重篤な救急患者の治療に当たる三次救急、こうした役割分担が行われているわけであります。  自ら赴くことができるような場合は初期救急医療機関を受診していただき、不要不急の救急車による搬送要請を行わないなど、適切な医療機関の受診と救急車の適正な利用を行うよう、市町村や医師会等とも連携して県民の皆様への啓発を図ることによりまして、救急医療従事者への負担を軽減したり、あるいは持続的な救急医療体制を確保したり、そうしたことが必要だというふうに考えております。  また、現在、新型コロナウイルス感染症流行下でありますので、県民の皆様には、医療機関に連絡をしたり救急搬送を要請したりする際には、発熱等の症状の有無や行動歴といった情報を自ら申し出ていただくよう会見等を通じて県民の皆様方に周知をすることにより、医療従事者の皆様方が安心して働ける環境を確保していきたいというふうに考えております。  以上です。       〔4番清水正康君登壇〕 ◆4番(清水正康 君)御答弁をいただきました。  まず1点目、コロナの疑いがあるか否かで装備は異なりますけれども、万全の装備ができるように県でも御支援したいというようなお話であったかと思います。どんな状況下でも十分な装備が取れるよう、引き続き御支援をお願いしたいと思います。また、病院や救急隊員、消防署等ですけれども、その都度そういった話が上がってくるような、そういった関係を築いていただければと思います。  2点目、救急医療は、1分1秒でも早く到着し、医療機関へ搬送することが生命を守るために重要だと思います。先ほどお話もありましたけれども、搬送先がすぐに決まらないといったような状況もあるやに聞いておりますので、そういった部分を研究しまして、支援できるところはぜひ支援していただきたいと、そのように思います。  健康福祉部へのお願いということになりますが、新型コロナによりまして、地形的に医療の格差、特に救急医療の格差が顕在化したと感じております。地域医療構想の見直しも今後必要ではないかと思いますので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。  3点目、知事より御答弁いただきました。救急医療の関わり方についてということでしたけれども、コロナ禍で、保健所、病院をどういった形で使うか啓発しているというお話でありました。こういったことを県民がさらに広く共有できるように啓発のお願いをしたいと思います。  県民の皆さんが普段からかかりつけ医を持つことを含め、適正に医療を受ける知識を身につけていただくことで、医師ら医療従事者に、長野県は医療従事者に理解がある県と感じてもらえるのではないでしょうか。このことは、県にとって将来的にもプラスになると考えております。  コロナ禍での受診控えも問題でありますので、先ほど机の上に配られておりました10月からの基本方針、こういったものに載せるなどして受診の在り方について啓発し、知事のメッセージが県民に届くような形をぜひお願いしたいと思います。  以上で質問を終わりにします。 ○副議長(小池久長 君)次に、竹花美幸議員。       〔17番竹花美幸君登壇〕 ◆17番(竹花美幸 君)竹花美幸です。まず最初は、社会基盤整備についてからです。  我が国の道路は全国で約120万キロメートルと言われ、約1万4,000キロメートルの高規格幹線道路ネットワークも、今年度末には約87%に当たる1万2,140キロメートルが供用開始の見込みとされています。高規格幹線道路網に次ぐ道路として広域道路があり、この中から地域高規格道路約7,000キロメートルが全国で指定され、整備が進められております。  こうした道路ネットワークは、1994年(平成6年)に策定され、1998年(平成10年)に見直しが行われた広域道路整備基本計画に基づくもので、計画策定以来20年以上も見直しが行われておりませんでしたが、平成30年に重要物流道路を指定したのを機に、今年度秋を目途に新広域道路交通計画を策定するとの報道がなされたところです。  この間、道路を取り巻く社会情勢は大きく変化し、大都市への一極集中と人口減少社会の到来、さらに、コロナ禍におけるサプライチェーンの在り方、相次ぐ大規模自然災害における道路の果たす役割の変化、ICTの進展による自動運転や物流の効率化、町なかにおける道路空間の新たな活用方法など、以前とは比較にならないほど道路に対するニーズの変化、多様化が求められる時代となっています。  さて、長野県では、中部横断自動車道、中部縦貫自動車道、三遠南信自動車道の三つの高規格道路の整備が進められておりますが、残念ながら全国13%に当たる未整備区間を大きく抱えている状況です。これは、過去に公共事業に対し予算を著しく削減してきた時代があり、それに地元での反対運動などが重なり、全国に比べて著しい遅れが生じているものと解されております。  そこで、まずは広域道路の整備について、3点、田下建設部長にお伺いいたします。  まず1点目です。国土交通省において新たな広域道路ネットワークに関する検討が進められており、広域道路に求められる機能として、平常時、災害時を問わない安定的な輸送、交通事故に対する安全性、自動運転等の将来のモビリティーへの備えなどが挙げられております。  長野県の中央部において、東西南北の地域を結ぶ仮称松本佐久連絡道路、仮称上田諏訪連絡道路は、新たな広域道路ネットワークに位置づけられるべき重要な道路であると考えますが、現在の道路状況を鑑みると、時間短縮と安全性向上を図るべき課題も多いです。特に、松本―佐久間の課題として、この9月1日に無料開放された三才山トンネル道路の老朽化が挙げられ、いずれ大規模更新が必要と思われるこのトンネルについては、新たなバイパスとして、トンネル2期線を計画するべきと考えます。  また、同様な観点から、峠越えの山間地間である立科町宇山から長和町古町の間、長和町有坂から上田市武石、上田市荻窪間等においても新たなバイパス整備を検討していくべきと考えます。  そこで、これまで地域高規格道路への位置づけの要望を続けてまいりました松本佐久連絡道路、上田諏訪連絡道路について、現在策定中の新広域道路交通計画において県としてどのような道路として位置づけようとしているのでしょうか。また、現在の策定状況についてもお伺いいたします。  2点目は、松本―佐久を結ぶ広域的な道路としては、将来的に三才山トンネルや立科町宇山から上田市荻窪に至る間などについて新たなバイパス整備が必要であると考えますが、新広域道路交通計画への位置づけを踏まえた上での県の整備方針についてお伺いいたします。  3点目は、高規格幹線道路未整備区間の整備促進のために国の事業を最大限支援する組織づくりについてです。  阿部知事は、リニア中央新幹線の建設に伴い、平成27年度からリニア整備推進局を設置し、残土処理場の調整や地域振興に関する業務を行っておられます。人流のみならず物流にまで大きな影響を及ぼす高速道路ネットワークの構築は、県内経済に大きな影響を及ぼし、これは経済波及効果としてはリニアの比ではないと考えます。  他県における高規格幹線道路整備の組織的支援状況を調べてみますと、福井県では高規格道路課、山梨県では高速道路推進課、長野県におきましては建設部道路建設課内に担当者が数名おられるだけです。かつて長野県においても、中央自動車道、長野自動車道、上信越自動車道建設の際には本庁内に高速道路局を設置するとともに、用地買収や地元調整を行う現地事務所を複数設置し、全面的に国の事業に協力してきた時代がありました。まさに、この県として取り組む姿勢が整備状況の差にも表れてくると言っても過言ではないと思います。  この際、高規格道路のみならず、国の直轄事業に対する地元調整や様々な課題に取り組める専門の課または室レベルの組織を設置し、全面的なバックアップを取るべき時期に来ていると考えますが、お考えをお聞きします。  続いては、今年の梅雨前線豪雨では、熊本県の球磨川、島根県の江の川、山形県の最上川をはじめ、各地で大河川の氾濫が相次ぎ、全国で大きな被害が発生している状況です。気候変動による水害リスクの増加は全国的な問題です。  国土交通省の社会資本整備審議会水災害対策検討小委員会で去る7月に答申された「気候変動を踏まえた水災害対策のあり方について」においては、国は、堤防やダムなどの河川整備だけでは洪水を防げない、対策が追いつかないとして、従来の河川、下水道、砂防等管理者主体のハード整備、ソフト対策等の役割分担を明確にした治水対策から、自治体のみならず、企業、住民などあらゆる関係者が流域全体で行う、流域全体でリスクを分散させる流域治水への転換をうたっております。治水の考え方もパラダイムシフトされます。  新潟県見附市においては、過去の災害を踏まえ、水田の貯水能力に着目し、豪雨時に一時的に水田に水を貯留するための排水調整パイプを設置した水田に対し市が全面的な補助を行う田んぼダム事業の取組が過日テレビで紹介されておりました。これは、まさに流域治水の先駆的な取組であると言えます。  一方で、昨年の台風第19号で大きな被害が出た千曲川流域においては、公共土木施設や農業施設の災害復旧事業が鋭意進められているところですが、こうした地域こそ、再度の被害を防ぐために、今が流域治水への意識転換の絶好のタイミングと見るべきではないでしょうか。  そこで、流域治水の取組について、3点、田下建設部長にお伺いいたします。  まず1点目です。災害の防止や被害軽減のために、河川における対策だけではなく、流域における対策が重要であると考えますが、流域治水を進めるに当たってどのような対策を考えていらっしゃるのでしょうか。  2点目は、田んぼダム事業や流域内の工場、店舗、公共施設の駐車場やグラウンドなどを活用した貯留浸透施設設置を推進するには、関係者が流域治水への意識を高め、行政と一体となって取り組む必要があると考えますが、県として関係者の御理解を得るためにどのような取組と支援を行っていくのでしょうか。  3点目は、治水を考慮したまちづくりやソフト対策は有効ですが、やはり、何と申しても、ハード対策は最も重要です。しかし、新たなダム建設は、関係者の合意形成や建設に時間がかかります。県が管理する古谷ダム、湯川ダム、余地ダムなど既存ダムの有効活用が重要と考えますが、県の既存ダム活用方法についてお伺いいたします。  続いては、今後の畜産振興と食肉処理施設の在り方についてです。  現在、県内には、県食肉公社(松本市)、北信食肉センター(中野市)、佐久広域食肉流通センター(佐久市)と三つの食肉処理施設があり、いずれも老朽化が課題となっています。  佐久広域食肉流通センターは、佐久地域の畜産振興を図るため、圏域内の三つの食肉処理場を統合して整備し、昭和57年から稼働、建設後38年が経過しております。他施設より新しい施設とは言えますが、施設の老朽化が進行するとともに、畜産農家の後継者不足や飼育環境問題、配合飼料の高騰などにより畜産農家が減少している状況です。  そのような中、過日、佐久広域食肉流通センターは、今後の継続は難しい。来年度以降は継続せず、民間に譲渡するか、できなければ廃止との考えを打ち出し、新聞報道がなされました。以前より大変危惧されていたものの、信州蓼科牛ブランドの振興拠点ともなり、生産者の皆様からは、廃止された場合、コスト増などの影響を懸念する声や、廃業にもつながりかねない、何とか継続できないかなど切実な声が上がっております。さらには、センターで働く関連会社、団体の雇用にも影響が生じてまいります。  佐久では、2000年度に計7万1,000頭余であった処理頭数は、2019年度には計2万5,000頭余まで落ち込んでいます。これまで、2003年以降は、毎年赤字分を市町村の負担で補填してまいりましたが、2021年6月からは、食品衛生法の改正に伴い、HACCPが完全実施義務化され、対応のため、担当職員を新たに採用する必要や、老朽化する施設や冷蔵設備など施設整備のために今後も多額の経費が生ずるため、将来的に処理頭数の増加が見込めないこと、さらに、公費を投入して継続していくことへの限界を迎えたという判断であると考えます。  私ども地元県議6名も、畜産農家の皆様からの思いを受け、今後の食肉処理施設の在り方を考える重要な時期を迎えていることを鑑み、現地調査と意見交換を行い、関係者の皆様の声を傾聴したところでございます。  農林水産省によりますと、長野県内の2018年の豚の処理頭数は、1995年比32%減の14万4,745頭、牛も54%減の8,389頭と大きく減少しています。日米貿易協定などの影響を試算し、豚、牛の生産は今後も落ち込むと見られています。これは、佐久地域だけの課題ではございません。  県は、昨年1月、県内の食肉処理施設や流通の在り方を考える各施設の関係者や学識経験者の皆様等でつくる県食肉流通合理化検討会を設置しております。県内の今後の畜産振興に向けた大きな方向性が進められています。  TPP、飼料価格の上昇、長野県の畜産農家数は、肉用牛が、平成2年には飼養戸数3,450戸、飼養頭数5万7,700頭、全国順位は15位でしたが、平成30年には423戸、2万1,600頭、全国順位27位。豚も、平成2年には930戸、20万頭、22位でしたが、平成30年にはわずか69戸、6万8,100頭、全国順位は27位と減少しております。県内の畜産業を取り巻く状況は大きく変化し、大変厳しくなっております。  そこで、2点について阿部知事にお伺いいたします。  まず1点目です。県は、今後の畜産振興をどのように進めていかれるのでしょうか。  2点目は、県内食肉処理施設の在り方の検討やその整備につきましては県がリーダーシップを取って進めてほしいと考えますが、阿部知事の見解をお伺いいたします。  続いては、季節性インフルエンザ流行期への対応についてです。  6月に米国疾病対策予防センター、CDCのレッドフィールド所長は、今年の冬に発生するインフルエンザと新型コロナ感染症は同時発生の危惧があり、その対策を講ずるべきと指摘したと報道されました。厚労省は、ワクチンの開発、研究から生産まで全ての過程を加速させ、来年前半を目指すとしています。しかし、その前にインフルエンザの流行期が到来します。季節性インフルエンザの流行期には多数の発熱患者が発生することを想定して対策を講じる必要があります。一方で、専門家によりますと、季節性インフルエンザとCOVID-19を臨床的に識別することは困難であることが指摘されています。  このような状況を踏まえ、次のインフルエンザ流行に備えた体制整備が必要と考えます。そこで、3点について土屋健康福祉部長にお伺いいたします。  まず1点目です。季節性インフルエンザ新型コロナウイルス感染症との同時流行による医療機関の混乱等を避けるためにも季節性インフルエンザの流行を抑える必要があると考えます。県としてどのような対策を考えているのでしょうか。  2点目は、現在、県内の新型コロナウイルス感染症の感染状況は比較的落ち着いておりますが、季節性インフルエンザ新型コロナウイルス感染症の同時流行を見据えた医療提供体制の整備が急務です。県はどのような体制整備を考えているのでしょうか。  3点目は、同時流行を見据え、検査能力の向上が必要と考えますが、検査需要の増加に対応するため、医療機関をどのように支援するのでしょうか。また、検査を受ける方への支援はあるのか、お伺いいたします。       〔建設部長田下昌志君登壇〕 ◎建設部長(田下昌志 君)順次お答えいたします。  まず初めに、新たな広域道路交通計画における松本佐久連絡道路、上田諏訪連絡道路の位置づけと計画の策定状況に関するお尋ねでございます。  県としましては、現在策定中の新広域道路交通計画の中で、仮称松本佐久連絡道路及び仮称上田諏訪連絡道路につきまして、より高い定時性を有する特定広域道路としての位置づけを目指すこととして国にも要望しているところでございます。  現在、国と協議を進めてきておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、策定期限が当面延期されており、国において調整中と聞いているところでございます。引き続き国からの情報を注視しつつ、両路線の位置づけがなされるよう関係市町村とも連携を図りながら積極的に国と調整を図ってまいります。  次に、松本と佐久を結ぶ広域的な道路の将来的な整備方針についてのお尋ねでございます。  新たな広域道路交通計画において、特定広域道路としての位置づけがなされた道路につきましては、平常時、災害時を問わない安定的な輸送、交通事故に対する安全性、自動運転等の将来のモビリティーへの備えに加え、より高い定時性が求められることになります。  このため、県といたしましては、仮称松本佐久連絡道路につきましても、現在策定している新広域道路交通計画を踏まえて、既存道路の活用を含め、必要な改良やバイパス整備など効果的な整備手法を検討してまいりたいと考えております。  次に、高規格幹線道路や直轄事業を進める専門の組織設置についてのお尋ねでございます。  県内の状況としましては、高規格幹線道路では、中部横断自動車道、中部縦貫自動車道など、また、国直轄施工では、国道20号諏訪バイパス、権限代行の伊駒アルプスロードなど大きな事業が動き出そうとしております。  このような中、高規格幹線道路や国直轄の道路整備に当たっては、事業主体である国と地元自治体である市町村との間で県の果たす役割は重要と考えております。このため、設計協議や用地買収交渉等、地元調整に積極的に取り組むとともに、円滑な事業促進を図ることができる体制について今後の事業の進捗状況も考慮しながら検討してまいります。  次に、流域治水を進めるに当たっての具体的な対策についてのお尋ねでございます。  流域治水とは、河川管理者のみならず、流域のあらゆる関係者が協働して流域全体で行う治水対策のことを指しております。  対策、施策として、河川における対策、流域における対策、まちづくりソフト施策の3本の柱を中心に進めます。一つ目の河川における対策は、河川管理者が行うハード対策で、護岸整備や河道掘削、遊水地などでございます。二つ目の流域における対策は、河川区域外で行う流出抑制策で、グラウンド等を利用した雨水貯留施設の設置や各家庭への貯留タンクの設置、田んぼ、ため池等の雨水貯留機能の拡大でございます。三つ目のまちづくりソフト施策は、浸水想定区域図やハザードマップの作成、避難訓練の実施、また、水位計や河川監視カメラによるリアルタイムな洪水情報の発信、水害に強いまちづくりなどでございます。
     県としましては、信濃川や天竜川、木曽川等の七つの水系ごとに、地域の実情を踏まえ、これらの対策メニューを組み合わせた流域治水プロジェクトを、今年度中を目標に、国、市町村と連携して取りまとめ、関係機関、流域の住民の皆さんと一体となってさらなる安全、安心の確保を目指してまいりたいと考えております。  次に、流域治水を進める上での関係者の理解を得るための取組と支援についてのお尋ねでございます。  流域治水は、議員御指摘のとおり、流域に関わる関係者が一体となって取り組まないと効果が得られず、流域市町村をはじめとした関係者の理解と御協力が必要であると考えております。  まずは、流域市町村の取組を支援するため、活用できる補助制度や参考となる先進事例をまとめた流域・ソフト対策市町村取組メニュー表を作成し、今年4月より県下の全市町村に支援策を提示してきたところでございます。さらに、今年9月から、県職員が市町村に出向き、事例紹介や制度説明を行い、市町村ごとの相談に応じる取組を行っております。その結果、公園や校庭等の雨水貯留施設の整備を行う市町村が15、防災教育を実施する市町村が50となるなど徐々に市町村の取組が拡大してきております。  また、先頃、国土交通省は、流域治水を推進するため、支援制度の拡充として、来年度より民間企業等による雨水貯留浸透施設の整備に対する補助対象区域を、従来の雨水公共下水道の排水区域から区域外へも広げる方針を示しております。  また、田んぼダムにつきましては、水田への調整板などの設置が必要となりますが、こうした取組につきましては農林水産省の支援制度が活用可能であり、周知に努めてまいります。  今後、さらに流域治水の考え方について県や市町村のホームページへの掲載、回覧等による周知を進めるとともに、出前講座などできめ細かな説明を行い、流域住民や企業に広く浸透させ、取組が拡大するよう努めてまいります。  最後に、既存ダムの活用方法についてのお尋ねでございます。  既存ダムの発電や水道のための利水容量を洪水調節のために有効活用し、下流域の洪水を抑えることは、極めて重要と考えております。このことから、令和2年5月に、河川管理者である国土交通省と県管理ダムや発電用の利水ダムなどのダム管理者及びダムに権利を有する利水者との間におきまして利水容量活用の治水協定を締結しまして、6月から運用を開始しているところでございます。  令和2年7月豪雨の際には、木曽川では、木祖村にある味噌川ダムにおける1,200万立方メートルの洪水調節容量に加え、牧尾ダムや三浦ダムなど八つの利水ダムにおいて一時的に治水に活用できる容量として約4,200万立方メートルが確保され、氾濫危険水位に達していた上松町の桃山水位観測所における流量を2割ほど減らす効果があったと推定されております。また、7月豪雨では、県が管理する裾花ダムや奈良井ダムなど5ダムにおいても事前放流を実施し、容量を確保して大雨に備える体制を整えたところでございます。  今後も、関係者と連携を図り、洪水氾濫等の被害が生ずるおそれのある降水が予測される際には事前放流を行うなど、既存ダムを効果的に活用するように努めてまいります。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、今後の畜産振興と食肉処理施設の在り方について御質問をいただきました。  まず、今後の畜産振興についてでありますが、本県の畜産は、県民の皆様に安全、安心な食肉、牛乳、卵を供給するという基本的な役割に加えて、牧場や御当地食材など観光資源としての地域経済への貢献、堆肥の供給による土づくりなど様々な面で重要な役割を果たしていただいているというふうに認識をしております。  一方で、生産者の高齢化やTPP協定等の発効に伴う輸入品との競合、また、人口減に伴う消費の減少やCSFの発生等、畜産を取り巻く環境は大きな転換期を迎えております。畜産農家が経営を持続的に発展させていくためには、さらなる生産性の向上やブランド力の強化などが必要と考えています。  こうしたことから、県としては、JAグループや関係団体と連携をさせていただき、AI、ICTを活用したスマート畜産の導入や施設、機械の整備による大幅な省力化や収益力の強化、また、信州プレミアム牛肉など個性ある高品質な畜産物ブランド力の向上、農場HACCPの導入などによる消費者に信頼される安全、安心な生産体制の確立などによりまして畜産振興を図っていきたいと考えております。  続きまして、今後の食肉処理施設の在り方についてという御質問であります。  本県の食肉処理施設は、民営2社、一般社団法人1社、合わせて3社が生産者や食肉流通事業者と結びつき、それぞれの系列ごとに独自の経営方針や販売戦略を持って企業経営として運営されているところであります。このため、各施設の在り方やその整備については、それぞれの運営主体の主体的な判断を尊重すべきものというふうに考えています。  県としては、食肉流通関係事業者に対しまして、事業者間の連携、補完についての話合いを促すとともに、食肉処理施設の運営主体が行います衛生基準の高度化や作業の効率化につながる施設の機能強化、こうしたものに対しての支援を検討していきたいと考えております。  以上です。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)季節性インフルエンザ流行期への対応について3点お尋ねをいただきました。  まず、流行抑止策についてでございます。  季節性インフルエンザの流行を抑止するためには、やはり感染防止の三つの基本でございます身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いの徹底、これはコロナ対策と併せて進めてまいりたいと考えております。  加えまして、インフルエンザワクチンの予防接種を積極的に呼びかけてまいります。コロナと重なるこの冬の状況を見込んで、国では、昨年の使用量の12%増、過去5年で最大の約6,300万人分のワクチンを供給する予定としております。これらがより必要とされる方に確実に届くように二つの点で呼びかけを行ってまいりたいと考えております。  一つは、より優先度の高い方に早めの接種をお願いしてまいります。重症化リスクの高い65歳以上の高齢者等に対しまして、他に先んじて10月初めからの接種を呼びかけてまいります。  二つ目は、接種に当たっては、あらかじめ医療機関に電話で予約をいただくようにお願いしてまいります。これによりまして、医療機関における必要なワクチン量の確保に役立ちますとともに、限りあるワクチンを余すことなく活用できるものと考えております。  県といたしましても、ワクチンの確保について長野県医薬品卸協同組合と情報交換の場を持って対応してまいりますとともに、市町村や医師会等の御協力もいただきながら周知啓発に努めてまいります。  次に、同時流行を見据えた体制の整備についてでございます。  例年、季節性インフルエンザの流行期には多数の発熱患者が発生しており、今年度も同程度の発熱患者が発生することを想定いたしますと、ピーク時で1日約9,000件の検査需用に対応し得る体制を整備する必要がございます。このため、発熱患者等は、基本的にはかかりつけ医等身近な医療機関等において相談、診療、検査を行っていただく体制を整備してまいりたいと考えております。  また、この場合、季節性インフルエンザと新型ウイルス感染症の区別は、議員も御指摘のとおり、臨床上では困難であるというふうにされておりますことから、できるだけ多くの医療機関において抗原検査キットによる診療、検査に取り組んでいただきたいと考えております。  しかしながら、こうした体制の構築に向けては、各医療機関における施設設備や診療体制、さらには個人防護具の確保といった課題があるものと承知しております。そこで、県では、本議会に追加で提案いたしました補正予算案において、これらの課題解決にも役立てていただけるよう医療機関に対する協力金を計上いたしました。また、これに限らず、個人防護具の供給につきましてもしっかりと支援を行ってまいりたいと考えております。  今後、体制の整備に当たりましては、医療圏ごとの医療資源等が異なることを考慮し、先ほど中川議員にもお答えいたしました外来・検査センターの拡充も含め、保健所を中心に、市町村や医師会等の協力もいただきながら、10月中を目途に地域の実情に合った体制を整備してまいります。  最後に、検査能力向上に向けた医療機関等への支援についてでございます。  身近な地域で迅速かつ確実に検査が受けられる体制を強化するため、今補正予算において新型コロナウイルス検査体制強化事業を計上してございます。医療機関に対してPCR検査機器等の購入費用を助成し、検査能力の向上を図ってまいります。  また、検査を受ける方に対しましては、保険適用検査における自己負担分について無料化を図るなど、安心して検査を受けられるよう努めてまいります。  以上でございます。       〔17番竹花美幸君登壇〕 ◆17番(竹花美幸 君)御答弁いただきました。  まず、県内の食肉処理施設の在り方と整備につきましては、それぞれ運営の仕方は違ってはいるのですけれども、時代は令和です。施設も老朽化し、劣悪な状況ですので、県がリーダーシップを発揮して将来の方向へ導き、より良い施設になるように施設整備をお願いしたいと思います。  そのほか、長野県をさらに成長させるためには社会基盤整備は重要です。組織体制を充実させてしっかりと前へ進めていただきたいと思います。  そして、インフルエンザとCOVID-19の同時流行対策につきましては、今、市町村においてもワクチン接種の補助を拡大しているところでございます。長野県においても、この補助をつけてしっかりとインフルエンザを抑える、やはりそこまでの支援を考えていただきたいというふうに思います。  いずれにいたしましても、万全な体制を構築していただきたいということをお願い申し上げまして、時間がございませんので、以上をもちまして私の一般質問は終了させていただきます。ありがとう存じました。 ○副議長(小池久長 君)次に、和田明子議員。       〔39番和田明子君登壇〕 ◆39番(和田明子 君)知事の政治姿勢について、阿部知事が護国神社崇敬者会会長に就いていることに関してお聞きします。  地元紙が、9月10日付で、2018年の鳥居修復以前にも、2013年に護国神社社殿の改修の寄附集めに関わっていたと報道しました。護国神社崇敬者会会長として繰り返し寄附集めに関与したことについて、憲法学の高見勝利北海道大学名誉教授は、反復継続することで県と神社の結びつきを象徴する役割を果たす。純粋に私的な参拝行為と異なり、神社を支援する崇敬者会の会長として寄附集めに関わっているので、外形的に見て憲法違反の疑いを払拭することができないと指摘しています。  長野県弁護士会は、県政の最高責任者である知事が宗教法人である護国神社を支援する崇敬者会会長を務めたり寄附を集めたりするのは、特定の宗教を援助、助長、促進する効果をもたらす。判例が許容する儀礼、習慣の範囲を超えた積極的活動であり、政教分離違反の疑いが極めて強いと言わざるを得ない。反復継続性があることは宗教活動に密接に関わっていたことになる。社会的影響は極めて大きいと問題の重大性に言及しています。知事が私的な活動であり憲法には違反しないと認識しているとしても、純粋な私人としての活動と評価するのは困難と厳しい指摘です。  私は、知事に、昨年9月議会、今年2月議会で質問を重ねてきました。今年2月議会の質問に対し、知事は、9月議会以降、公務の合間を見て、これまでに弁護士、憲法学者など複数の有識者の方にお話をお伺いしておりますと答弁されました。  そこで、知事にお聞きします。知事は専門家から意見を聞いたと言われますが、どのような意見であったのか、お聞かせください。それらの意見を踏まえて、知事はどのように考えを整理したのか、お伺いします。  また、知事は私的な活動と言われますが、県民の理解、納得が得られているとお考えなのか、お聞きします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)護国神社崇敬者会会長としての務め、役割についての御質問であります。  まず、これは県知事として就任しているわけではなく、個人、私人の立場であると、これは繰り返し申し上げているとおりでありますので、まずそこは明確にしておきたいというふうに思います。  これまでもお答えしておりますように、公務の合間を縫いまして有識者の皆様方からお話を伺っている状況であります。御意見の内容は様々でありますけれども、私が考え方を整理する上での視点などを御提供いただいている状況であります。信教の自由は非常に重要な問題だというふうに思っておりますので、考え方を慎重に整理させていただいた上で県民の皆様方に御説明をしていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔39番和田明子君登壇〕 ◆39番(和田明子 君)県民は私的な活動だとは理解していないと思います。昨年8月以来、憲法学者、県弁護士会、県革新懇などから是正をするよう申入れがあることに対して誠意を示すべきだと申し上げて、次に移りたいと思います。  災害対策について伺います。  昨年10月の台風19号災害から間もなく1年を迎えます。千曲川の堤防が決壊した穂保地区では、住民の要望に寄り添い、技術検討する中で、堤防の両面をコンクリートで覆う被覆型を採用し、越水しても決壊しにくい改良復旧が行われました。  穂保地区でも、当初は堤防の上部や住宅地側ののり面下を強化する危機管理型ハード対策で実施する方針でした。それに対し、堤防の住宅側のり面の多くは盛土が露出する構造に、住民から、また決壊するのではないかとの不安や強化してほしいなどの要望があり、国土交通省が設置した令和元年台風19号の被災を踏まえた河川堤防に関する技術検討会で、越水した場合にも決壊しにくい堤防を目指すとして、結果的に両面をコンクリート被覆する工事がされました。  建設部長にお聞きします。  国土交通省の技術検討部会では、河川堤防を強化する区間、決壊発生箇所の特徴の分析のポイントとして、狭窄部、橋梁の上流部、合流部、湾曲部などの影響を受け水位が上昇しやすい区間などが示されています。この決壊発生箇所の特徴は、篠ノ井塩崎地区の越水によって堤防が700メートルにわたって大規模に欠損した現場でも当てはまると考えますが、建設部長の見解をお伺いいたします。  篠ノ井塩崎地区の復旧工事は、川側はコンクリートで被覆し、川裏側は路肩保護、のり尻補強と植生を施す危機管理型ハード対策とする方針の下、既に川裏側は、堤防の路肩、のり尻の補強工事が行われました。今後、渇水期に川側の工事が行われる予定です。  しかし、千曲川河川事務所の地元地域の説明会では、様々な意見、要望が出されました。もっと堤防の強化をしてほしい、19号台風で堤防が決壊寸前だった、安心できないなど、切実な声です。この場所が決壊すれば、長野市南部地域の広大な範囲が浸水し、被害は甚大なものになります。  長野市塩崎地区の堤防欠損箇所は、穂保地区と同様に、川裏側もコンクリートで被覆する改良復旧を行うべきではないかと思います。長野市、長野市議会、地元等からの要望も上がっております。これらの要望を県としてどう捉えておられるのでしょうか。国に対してどう対応しているのかについて建設部長にお伺いいたします。       〔建設部長田下昌志君登壇〕 ◎建設部長(田下昌志 君)国土交通省の技術検討会での決壊発生箇所の特徴の分析に関してのお尋ねでございます。  国の技術検討会報告書においての基本的な考え方として、洪水時の河川水位を下げる対策を今後とも治水対策の大原則としつつ、氾濫リスクが高いにもかかわらずその事象が当面解消困難な区間において、堤防が決壊するまでの時間を少しでも長くする粘り強い構造の河川堤防の整備を実施すべきであるとされております。  また、決壊箇所の特徴としては、決壊箇所の多くは合流点の上流部、橋梁上流部、狭窄部上流部、湾曲部外側であり、これらの箇所は局所的に水位上昇が起こる可能性が高い箇所であるという水理学的な特性とも整合しているが、今後は、単純な位置関係だけではなく、河道の平面形状や縦横断形を踏まえて、越水状況を水理的に検討する必要があるとされております。  国からは、立ヶ花の狭窄部上流8キロメートルの区間においては被覆型の粘り強い河川堤防を整備することとしておりまして、現状、今の時点で、こうした対策を行う地点としてはこの箇所のみを想定していると聞いているところでございます。  長野市塩崎地区の被災した堤防の補強工法についてですが、国によりますと、堤防が決壊した長野市穂保地区においては、専門家で構成された技術検討会での議論を踏まえると、当箇所が狭窄部の水位上昇しやすい箇所に該当し、当面この事象が解消されない区間であったことから、緊急的な堤防強化対策として宅地側堤防のり面にコンクリートブロックによる被覆が実施されたとのことです。  また、篠ノ井塩崎地区の軻良根古神社付近の堤防整備につきましては、本年の出水期を前に、危機管理型ハード対策として、堤防天端の舗装、民地側のり尻部の補強による改良復旧が行われた状況でございまして、11月以降に川側ののり覆護岸、のり肩保護工などが施工される予定と聞いております。  さらに、国では、信濃川水系緊急治水対策プロジェクトにおいて塩崎地区の上流部に遊水地を設置する計画となっておりまして、河道掘削等と併せ総合的な対策により水位低下対策を図るものとしております。  国では、今後、堤防の補強工法については技術検討委員会や千曲川堤防調査委員会で継続して検討を進めていくものと思われますが、県としましては、まずは当プロジェクトに位置づけられた河川水位を下げる対策を着実に推進していくとともに、国に対しましてもプロジェクトの確実な実施についてしっかり要望してまいりたいと考えています。       〔39番和田明子君登壇〕 ◆39番(和田明子 君)河川の水位を下げる対策を総合的に行っていくということですけれども、決壊しやすい場所の特徴の分析に照らして、塩崎の現場は、千曲川に聖川が合流し、流れがほぼ直角に大きく曲がり水圧がかかる箇所であり、新幹線、しなの鉄道、国道18号の橋脚の直上流に位置しているなど決壊が発生しやすい箇所の特徴に当てはまるものでありまして、そして、ここで本当に大きな水害、決壊が発生しないように、県からも、引き続き国に対して、これからの技術検討の中でこの堤防の補強をさらに強めていただくように要望していただきたいと思います。よろしくお願いします。  次に、都市型水害について伺っていきたいと思います。  近年、ゲリラ豪雨による都市型水害が問題化しています。長野市でも、急激な都市化により、市街地で床上・床下浸水被害や幹線道路の冠水被害があり、地域住民から早期に対策を求める声が上がっています。  長野市街地を東西に横断する北八幡川は、中心市街地の広範囲の雨水を、中沢川、松林幹線、三輪幹線から古牧地区の北八幡川雨水調整池1か所に流入する構造になっています。そこから柳原1号幹線排水路しか出口がなく、結果として、古牧地区から柳原1号幹線排水路が柳原2号幹線排水路に分流する朝陽地区までの住宅地が床上・床下浸水被害に見舞われています。浸水被害は、2012年、2017年、今年7月と、8年間で3回も発生しています。度々被害に見舞われる地域住民から早期の対策が求められていますので、お伺いいたします。  柳原1号、2号幹線排水路は、農地水害対策として昭和40年代に国営事業で整備され、その後、県が事業主体となって平成4年から下流側から排水路改修工事が行われました。現在は、柳原2号幹線の最終工区が令和5年度完成予定で進められています。1号幹線のその後の事業化は令和6年度以降と言われています。  先般、長野市と長野市関係県議との懇談会で、長野市から、柳原1号幹線の北八幡川は7月21日も豪雨で沿川全体が浸水するなど、これまで度々浸水被害が発生しており、周辺地域の防災・減災を早急に図るため、令和6年度以降の着手予定を前倒しするなど御配慮いただきたいと県へ要望がありました。  これまでの経緯からすると、農政の関連事業で着手予定を前倒ししてほしいということが長野市からの要望ですが、柳原1号幹線排水路は、過去には農業予算で実施された事業でありますが、今は急激に都市化が進み、水田等の農地が激減しているという状況でございます。引き続き県として農政サイドで排水路の改修事業を実施することができるのかどうか、お伺いいたします。  また、都市化で農地がほとんどなく、農政での事業が不可能ということであれば、どうすれば浸水被害軽減のために早期の事業化ができるのか、県としても関係機関との調整に対応していただきたいと思います。この点は農政部長にお伺いいたします。  柳原1号幹線の水路断面を拡張することも浸水被害の軽減にはなりますが、時間雨量50ミリを超えるような豪雨による浸水被害の軽減には総合的な都市型水害の対策の検討がされているところです。  長野市は、以前から個人住宅への雨水貯留施設、いわゆる雨水タンクに助成制度を設け、普及に努めています。また、流出抑制のために公共施設などへの貯水施設設置の検討、国交省が水害対策、流域治水への転換ということで、民間施設への貯留施設なども言われるようになりました。  そこで、県として、市街地の雨水の流出抑制のために、例えば県営住宅などの県有施設への貯留施設の設置の検討はできないか。建設部長にお伺いいたします。       〔農政部長伊藤洋人君登壇〕 ◎農政部長(伊藤洋人 君)長野市の排水路の改修事業についての御質問をいただきました。  柳原1号幹線排水路は、昭和36年度以降、農林水産省の直轄及び県営事業により整備、改修され、農業用の水路として管理されてきたところです。しかし、現在は排水路周辺の宅地化が進み、農地がほとんどなくなっており、農林水産省所管事業の実施に必要な農地の面積要件を満たさないことから、県営事業として実施することは難しい状況です。このため、農政部といたしましては、これまでの排水路整備の経過を踏まえ、まずは農林水産省と相談をしてまいりたいと考えております。       〔建設部長田下昌志君登壇〕 ◎建設部長(田下昌志 君)県有施設への雨水貯留施設設置についてのお尋ねでございます。  市街地での雨水の流出抑制は、流域治水対策を進める上で非常に重要なメニューとなっております。雨水貯留施設などの設置による流出抑制策の推進は、様々な主体が取り組むことが重要でありまして、県有施設にも可能な限り設置する必要があると考えております。既に県営住宅の一部や長野県立大学学生寮では、敷地内の雨水を一時的に貯留、浸透させる施設が設置されている状況でございます。  今後も、庁内に設置した長野県流域・ソフト対策検討委員会を中心に検討を進め、県営住宅等の県有施設における雨水貯留施設の設置をさらに進めてまいります。       〔39番和田明子君登壇〕 ◆39番(和田明子 君)ただいま農政部長からは、農業用排水路としての事業継続はやはり困難であり、農水省と相談するという御答弁でありましたが、農水省と相談、それから長野市との調整、これにも農政部としてしっかり対応していただきたいところであります。  また、建設部長からは、県営住宅の一部や長野県立大学などにおいて既に貯水施設を設置しているということでありました。県としてそういうことを行っていることをもう少しPRし、さらに拡大していくということをしていただきたいと思います。  気候変動で水害リスクが大きくなっている中で、毎年のように雨のたびに市民の皆さんに大変な被害が起こっていることに対して、しっかりと対策をしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、最後に、大北森林組合にかかる損害賠償の調停についてお伺いいたします。  2018年6月に大北森林組合に6,748万6,000円の損害賠償請求がされてから、組合側から減額を求める要望がされたことについて、私は、2018年11月県議会、当時の林務委員会において、この森林組合の減額の理由について質問しました。そのときの担当課長の答弁では、組合側から減額配慮を求めるということで、その理由といたしまして何点か挙げられておりまして、組合の主張としましては、補助金の多くは森林整備に使われていたということを挙げております。
     検証委員会の検証の中でもある程度明らかになっておりますけれども、不適正受給額のうち約9.8億円は、もちろん内容とか時期とかは不適切であったけれども、森林整備に使われていたのではないかという整理もございました。実際には、山に入っている、施業がなされている部分もあるということを配慮してほしいということとか、組合の置かれている状況、現在集中改革期間という状況について配慮してほしいということ。あるいは、これまで組合として地域の山を守り育てることに一生懸命取り組んできた。また、現在、補助金返還に真剣に取り組んでいるといった事情を配慮してほしい。こういう理由で減額を求める、配慮を求めるという内容の要望があったという答弁でございました。これは、大北森林組合からの切実な訴えとして、県林務部がどれだけ真摯に受け止めたかということではないかと思います。  2018年度から昨年度まで、この損害賠償請求は収入未済であり、今年1月、大北森林組合から調停の申立て、また、大北地域5市町村長からも6月に経営再建の支障になりかねないと損害賠償額の減額の要望もありました。  そもそも、この損害賠償の請求自体が妥当だったのかということが問われているのではないでしょうか。大北森林組合の補助金不正受給は決して許されることではありません。しかし、県が適正な実務を行っていればこのような重大な事件にはならなかったということも私たちは繰り返し指摘をしてきました。  調停の結果として、今回、3,915万1,000円の減額の案が出されました。これは、県民益を損なうものです。つまり、新たに県民の負担が生じるものです。県民に理解が得られる説明が必要だと思いますが、いかがですか。林務部長にお伺いいたします。       〔林務部長井出英治君登壇〕 ◎林務部長(井出英治 君)調停についてお尋ねをいただきました。  損害賠償請求に当たりましては、法的課題検討委員会の報告書を受けて作成した損害賠償請求についての対応方針に基づきまして、大北森林組合元専務理事、県職員等に対し、法的に最大限可能な請求を行ってまいりました。  今回、調停により損害賠償請求を減額する部分は、補助金支給要件には適合しなかったものの、実際に組合により森林整備が行われていた箇所としており、具体的には次の部分について減額をしております。1、交付申請時には未施工であったが、実際に施業された部分に当たる請求額。2、施業内容が申請どおりではなかったものの、施業が実施されていると認められる内容について適正な補助単価により再積算した額。この二つでございます。  森林整備が行われたことにより、森林の持つ県土の保全や水源涵養といった公益的機能が高まり、県民がその恩恵を受けていると考えられることから、裁判所が間に入った調停での話合いの結果、減額の判断に至ったものでございます。このことから、新たに県民の負担が生じているものとは考えておりません。  以上でございます。       〔39番和田明子君登壇〕 ◆39番(和田明子 君)今回の損害賠償の調停について、今、考え方を林務部長から御答弁いただきました。  当時未施工だったが、時期がずれたけれども実際には施工がされていた。適正な補助単価に見直した。こういうことが今回言われているわけですけれども、それが本当に通るのでしょうか。  損害賠償請求の減額によって県民益は損なわれない、このように部長はおっしゃいますけれども、県民益は損なわれている。県政の信頼は損なわれている。県民に対して丁寧な説明が必要だと思います。  また、大北森林組合の補助金返還が計画どおりに履行されるように県として責任を持って対処していただくように要望をして、私の質問を終わります。 ○副議長(小池久長 君)この際、15分間休憩いたします。         午後3時22分休憩          ──────────────────         午後3時38分開議 ○議長(小池清 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  丸山大輔議員。       〔21番丸山大輔君登壇〕 ◆21番(丸山大輔 君)沖縄県との交流促進について伺います。  沖縄には多くの魅力があります。温暖な気候、美しいビーチの数々、街の景色も、日本でなく外国にいるような感覚を味わうことができます。こうした魅力をさらに彩るのが文化的な魅力や人の魅力です。沖縄民謡や独特の料理、100年物の泡盛があれば、日常的に飲む泡盛も安くてうまい。開放的で明るい人柄は、オトーリという独特の飲み方で我々をもてなしてくれます。  こうした物事に強く引かれるのは、我々との違いが鮮明であるからであって、きっと沖縄の人たちからは、我々が普段見ている景色や文化も魅力的に感じられるのだと思います。そのため、沖縄と交流を深め、お互いの魅力を引き出していくことで、経済的にも相互に恩恵を受けられる環境を築いていくことは十分可能ですし、これを成し遂げることによって長野県観光は一段上のステージに上がることができます。  また、こうした違いが強く意識されることから、相手の目線で信州の魅力を見つめ直すことによって、改めて県民がふるさとのすばらしさを再確認することにつながっていくという価値も生み出すことができます。  ただし、沖縄は世界を見ています。アジアのみならず、ヨーロッパや北米からの観光客を呼び寄せ、北海道と東京、静岡に送り出すハブの役割を担うという戦略が既に始動しています。ここに食い込んでいかなければならないわけです。我々も、世界を見据え、戦略を持って、沖縄のみならず、沖縄を経由した長野県観光を展開していく必要があります。  では、どうやって切り開いていくのか。長野県にとって、沖縄との相互関係を築いていくための足がかりとなる事柄が幾つかあります。  歴史をたどれば、2月議会で花岡議員が触れましたが、旧南佐久郡野沢村出身の軍医、小池勇助と沖縄の縁があります。沖縄に出征し、野戦病院の隊長となっていた小池の下に、終戦の年の3月、那覇市の積徳高等女学校の生徒25名から成るふじ学徒隊が配属され、地上戦で傷ついた多くの負傷兵の看護に当たっていました。最後は、糸洲の壕という自然洞窟に至って看護を続けたのですが、6月に日本軍がほぼ壊滅し、小池はふじ学徒隊を解散しました。自決を覚悟する女子学徒たちに必ず生きて帰ることを諭したことで、ひめゆり学徒隊をはじめとするほとんどの学徒隊が多くの死者を出す中、戦死者を3名にとどめました。このことを、元隊員たちは、命と平和の尊さとして語り続けたということです。  戦争という異常な状況の中ではあれ、こうして信州人と沖縄人はえにしを結んできたという歴史とそれぞれへの思いは、これからも生かされていくべきものです。  平和教育で糸洲の壕や松代大本営を訪れるということも有意義です。戦争の悲惨さを伝えた上で、戦争が起きない、起こさないようにするためには、いかに平和な時代にそれに備えなければならないのかということ、感傷ではなく極めて冷徹な分析が必要で、世界情勢や地政学的な観点、あらゆる事象とその奥にある真実を見る目を養い、そうして手に入れた全体視の視点こそが戦争を食い止めるために役立つということを伝えることができれば、両県の教育にとって大きな意味を持つものになります。  また、恩納村と川上村は、農業視察などで30年以上の交流がありましたが、夏場の川上村と冬場の恩納村の気温が似ていることから、川上村が土づくりや植付け、収穫を支援し、恩納村で本格的なレタス栽培が始まっています。この取組はシンカプロジェクトと名づけられていますが、シンカは沖縄の方言で仲間を意味するシンカヌチャーから取られており、まさに両村両県の友情が開花したものと言えるでしょう。  恩納村長にお会いし、レタスの話を聞くことができたのも、宮古市長と対談し、ぜひ空路をと期待していただいたのも、両県の交流の促進を進める民間の団体の取り計らいがあってのことでした。沖縄の政財界のみならず全国の有力者と広くつながりを持つ団体が長野県にあって活動してくださっていることも、非常に大きな力であると感じています。  また、10月には、松本青年会議所が松本空港と下地島空港をつなぐチャーター便を飛ばすことを計画しています。松本空港自体の可能性と沖縄とつなぐことの価値を見いだしてのことであり、今後の沖縄線の就航に期待をかけてきっかけづくりを民間の立場から企画してくれていることは、大きな力だと受け止めています。こうしたムードの盛り上がりというものはなかなか意図してつくることができるものではありません。この点でも今チャンスが訪れているのであろうと思います。  さらには、今年の10月末から、沖縄ではツーリズムEXPOジャパン旅の祭典in沖縄という全国最大規模の観光イベントが行われますが、沖縄では初開催であり、長野県の存在感をアピールし、これまでの活動を加速させる上で、またとない機会と言えます。  また、沖縄テレビ放送の小林美沙希アナウンサーは安曇野市の出身であり、長野県を売り込んでもらうのにうってつけの人材と言えます。こうした人材を観光大使に登用するなどして長野県と沖縄県のかけ橋となってもらうことも交流の深化に有効だと思います。  このように、様々なつながりがあり、そして、今大きなチャンスを迎えている沖縄との交流ですから、ここは可能な限り多くの人材物量を投入して、一気呵成に沖縄県との関係を確たるものとしていくべきと考えます。  ついては、課題もあります。長野県にしかない魅力は何なのかが求められているのです。もちろん、厳密に長野県しかないものでなければならないということではないと思っています。すなわち、長野県の魅力の核の部分は何なのかということが問われているのだと思います。これをしっかりと掘り下げて確認し、共通認識にしておく必要があります。単品でなくとも、パッケージでも構わないと思いますが、それが県民の共通認識になっていないところに、対沖縄だけでない、観光面での訴求力の不足を感じます。スノーリゾートであるならば、リゾートとしての相当なてこ入れが必要でしょうから、そのための予算を確保しなければなりませんし、素朴さや温泉との組合せを売りにするならば、関連づけやふさわしいコピーなども必要です。こうした取組を沖縄との交流促進と同時に、そして、速やかに進めていくことは、必ず今後に生きてきます。  以上のことから、初めに観光部長に伺います。  昨年来沖縄県との交流を活発化させていますが、これまでの沖縄県との観光交流の経緯や状況を振り返り、何が効果的であったとお考えでしょうか。また、今後の可能性と課題をどのように捉え、本年度はどのように展開されるでしょうか。  さきの沖縄戦に見られる信州人のストーリーや、現在沖縄県で活躍する本県出身の方々など、両県を結ぶえにしや人材に注目して、観光をはじめとする交流の輪を広げることが有効と考えますが、これについての取組はいかがでしょうか。  ツーリズムEXPOジャパン旅の祭典in沖縄には、どのような目的意識を持って臨み、また、何を成果として期待しているでしょうか。  沖縄県との観光振興において航空路は不可欠でありますが、本県の観光戦略に照らし合わせ、路線の開設やチャーター便の在り方についてどのように考え、どのような取組を行ってきているのか。企画振興部長に伺います。  沖縄県との観光物産の交流に当たり、県観光機構の果たす役割は大きいと考えますが、沖縄観光コンベンションビューローや地元の観光業者との交流も含め、現在どのような役割を果たしているのでしょうか。また、今後どのように関係性を高めていくのでしょうか。  長野県にしかない魅力をあえて言うとしたら何でしょうか。また、これについて今後掘り下げていき、共通認識を持てる程度まで昇華させることについてどうお考えでしょうか。  現在が人材物量を大量投入して押すべき重要なタイミングにあると思いますが、その用意はあるでしょうか。また、用意していくお考えか。以上、観光部長に伺います。  民間の力を生かし、混じり合いながら交流を進めていくことが非常に重要と考えますが、沖縄との交流促進に向けた民間の活動をどのように評価しているでしょうか。また、交流事業の推進に当たってどのように連携や支援を図り、活動を拡大していくのか。昨年沖縄を訪問され、副知事ともお会いになった小岩副知事に伺います。  ツーリズムEXPOジャパン旅の祭典in沖縄は、これまで観光や物産の視点で交流を重ねてきた本県の活動をさらに発展させる意味で極めて重要と考えますが、このEXPOにかける知事の思いと、知事が思い描く沖縄県との観光交流の方向性について伺います。  続いて、今後の社会資本整備について伺います。  昨年の令和元年東日本台風災害、そして、本年の7月豪雨災害と、異常気象を原因として多大な被害が発生しています。現在、これら災害からの復旧・復興に県と市町村は最重要課題として取り組んでいますが、到底地方だけでは財政的にも復旧を果たすことはできません。国も被災直後から支援要請に迅速に対応しており、権限代行で行われている復旧工事の様子とスピードを見れば、国の力の大きさに感服せざるを得ません。  社会資本の整備については、復興・復旧に加え、今後の異常気象等に備え、災害を未然に防ぐ取組も同時に進めていく必要があります。防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策は、地域の危険箇所の解消に大きく寄与しましたが、対象箇所は依然多く残されており、今後も継続して取り組んでいく必要があります。  また、高度成長期に整備されたインフラの老朽化が一斉に進んでおり、これらを計画的に予防保全することが安全対策及び費用抑制のために必要であります。さらには、高規格道路網の整備が経済の活性化には不可欠であり、これを一刻も早く進めるべきだと思いますし、地域の安全対策として何十年も要望されている道路の整備というような課題にも対応していく必要があります。私の地元でいえば、国道153号両小野バイパスのように、危険と思われ、何十年も要望されていてもなかなか着手に至らない事業もあります。  以上のような状況を見ると、社会資本整備のやり方は今までどおりでいいのか、疑問です。災害復興は別として、国は全体のバランスや景気や物価というようなことも念頭に事業費を配分していくのだと思いますが、財政の比重が重過ぎるように感じます。老朽化したインフラを計画的に修繕していけないような予算では不足ですし、インフレにもなっていません。国はまだ財政健全化などを目指すような状況になく、県債の発行には制約が多い上、地域のニーズとのずれがあるような点を考えれば、公共事業についてより一層の財源移譲が図られ、プラスアルファとして国が重点的に高規格道路などの整備を進めるべきと考えます。  また、現下の新型コロナウイルス感染症の蔓延とそれに伴う経済の縮小は、税収減と対策費用の増大につながり、県財政を悪化させることになります。しかしながら、経済縮小の影響を最小限に食い止めるためには安定的な公共事業が不可欠であり、この規模やタイミングをどうしていくか、建設債をどこまで増やしていくかなど慎重に判断することが求められています。  そこで、知事に伺います。  今後も社会資本整備を積極的に進めていくべきと考えますが、知事の御所見を伺うとともに、社会資本整備を進めるに当たっての財源の確保や地方債の活用等の考え方について伺います。  国道153号は、リニア新幹線の整備効果を全県に及ぼすための重要な二次交通の路線であり、南部では整備が進んでいますが、伊那谷と中信とを結ぶ両小野地区は狭隘で危険な状態であり、地元や伊那谷から対策への強い要望があります。両小野バイパスについて今後どのように取り組んでいかれるか。建設部長に伺います。       〔観光部長中村正人君登壇〕 ◎観光部長(中村正人 君)沖縄県との交流について6点御質問をいただきました。  まず、これまでの観光交流で効果的であったことについてでございますけれども、本県と沖縄県のそれぞれの魅力を生かした観光や物産の交流拡大を図るため、昨年度から沖縄県を訪問し、観光の状況調査や旅行会社への本県の観光素材の売り込み、また、沖縄の旅行会社等を招聘して商品造成のための現地視察を行うなど、連携を強化してまいりました。こうした取組を通じて、本県の山岳や冬のアクティビティー、観光列車といった沖縄県にはないコンテンツや日本酒、ワイン等食への関心の高さといった沖縄県の本県に対する観光ニーズを把握できたことが効果的であったと考えております。  今後の可能性と課題、そして本年度の取組についてでございますけれども、異なる魅力を持つ両県にとって、それぞれの県民による観光交流は大きく伸ばせる余地があるほか、松本空港を活用した相互の送客にも可能性がある一方、本県の高校の修学旅行先の6割が沖縄県であるのに対しまして、沖縄県からはほとんど本県にお越しいただけていないということが課題と捉えております。  こうしたことから、本年度は、10月末に沖縄県で開催されるツーリズムEXPOで本県観光の売り込みを図るほか、教育旅行担当者を招聘し、修学旅行先として選択してもらえるような取組を検討してまいります。  次に、縁や人材に着目した交流の輪を広げる取組についてでございます。  両県の観光や産業、文化など幅広い交流のためにも、縁のある方々に着目をして交流の輪を広げることは両県の関係強化にとって重要な視点でございまして、今後もこうした方々と継続的に交流を深めていくことによって、将来的には観光分野における大使等をお願いすることなども検討していきたいと考えております。  今回のツーリズムEXPOジャパンでは、出展の機会を捉えて、長野県を応援していただけるキーパーソンの方々とお会いし懇談をすることとしておりまして、こうしたことを積み重ねることでさらなる関係を築き、今後も一層交流を深められるよう取組を進めてまいります。  3点目、ツーリズムEXPO参加の目的についてでございます。  ツーリズムEXPOは、観光振興、地域活性化を目的に、ビジネスの場として展示会や商談会、消費者向けのプロモーション等の機会を提供する場でありますことから、今回のEXPOへの参加は、本県の様々な観光資源の魅力を全国に積極的に発信することを目的としております。加えて、沖縄県で開催されますことから、これまで重点的に交流を進めてきた沖縄県とのつながりを一層強固なものとし、今後の両県の観光交流を深めることを目的に臨みたいと考えております。  期待する効果については、全国から集まる観光関係者へ本県の魅力を発信していくことのほかに、沖縄県での開催であることから、アジア諸国の旅行会社、観光関係団体も出展するため、当県のアジア諸国に対するインバウンド戦略を進める上で、本県のアピールはもちろん、関係者との具体的な商談につなげていきたいと考えております。  また、一般公開日には旅行に関心の高い沖縄県の方々が会場に足を運ぶため、長野県の知名度が向上するようしっかりとPRを行い、本県を目的とした旅行のきっかけづくりにしていきたいと考えております。  4点目、沖縄県との交流における県観光機構の役割と今後についてでございます。  県観光機構は、昨年度から、本格的な両県の相互訪問に当たり、観光、物産の両面で沖縄県関係者との窓口となり、観光素材の売り込みや商品造成に向けたアレンジ、教育旅行の誘致活動、さらには本県の商品を売り込むフェアの開催等を精力的に進めるなど連携交流の中心的な役割を担ってまいりました。今後は、これまでの取組を発展させ、相互訪問の頻度を増やし、商品造成を具体的に行って相互送客をしていくほか、物産展での販売やホテルのシェフを対象とした食材の売り込みなども行ってまいります。  また、沖縄県民に対して本県の情報があまり届けられていないことが課題となっていることから、沖縄県のメディア関係者への働きかけも強めていくなどの取組により、県観光機構の協力の下、関係性を高めていきたいと考えております。  5点目でございます。当県の魅力とこれを共通認識まで昇華させることについてということでございますけれども、長野県は、標高3,000メートル級の雄大な山々と豊かな森林、清流が織りなす日本を代表する山岳県、森林県でございまして、四季折々の自然がもたらす景観、歴史文化、豊かな食、そしてこれらをつくってきた人々の営みが本県としての魅力と考えております。観光の振興に当たっては、こうした強みを生かし、これまでも、山の信州、スノーリゾートなどを前面に出した情報発信を展開してまいりました。  一方、県民の皆様が日頃当たり前に目にしているけれども、そこにしかないことが外から見ると魅力的であるというものに気づいていただき、その魅力を再度掘り下げて共通認識としていくということが、他県からお越しになる方々、特に沖縄県の皆様に対しても重要であるというふうに認識しております。  そのため、各地域でそれぞれの魅力を再発見、再認識していただき、お住まいの方々にとっても共通認識としていくことを通して一段と魅力的な観光地域となるよう、県及び県観光機構も協力しながら取り組んでまいりたいと思います。  最後に、交流に当たっての人材物量の投入についてでございます。  これまでの観光物産交流を基礎に、本年度は、当県への修学旅行をはじめとする旅行商品造成に向けた取組や物産の商談などを予定しているところでございます。今年は、さらに多くの観光事業者が集うツーリズムEXPOジャパンをその絶好の機会と捉えまして、長野県ならではの山のリゾート、健康長寿、アウトドアなどの魅力を広いスペースを確保して積極的に発信していくことを考えております。  具体的には、山と高原が育んだ健康リゾートをテーマに、北アルプスを背景に撮影できる山岳フォトスポットの設置ですとか、実物のブドウをつるしたブドウ棚のディスプレー、リンゴ、ブドウ、ワイン、そば等の信州の味覚の試食、また、販売ブースなど、こういったものを用意をしております。  引き続き両県の観光が相互に発展していくためにも、今年のツーリズムEXPOジャパンを皮切りに、人や物を通じた交流を積極的に推進してまいります。  以上でございます。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)沖縄県との航空路線の在り方とこれまでの取組についてということですけれども、ただいまの観光部長の答弁にもありましたように、本県と沖縄県とは、観光をはじめ、相互に人の流れをつくり出すことが大いに期待できるというふうに考えております。  折しも、FDAは、この7月に沖縄県と連携協定を締結いたしまして、その取組の一つとしまして、チャーター便就航による離島観光の促進を掲げております。こうしたことから、松本空港からの路線として、まずは観光需要をターゲットにしまして、沖縄本島のみならず、離島とも結ぶチャーター便が適しているのではないかというふうに考えております。  県では、このチャーター便の就航に向けまして、これまで、県内の旅行会社を訪問して、運行の可能性を探ってまいりました。また、FDAとも、松本と沖縄の双方からの運行を目指して協議を始めたところです。民間レベルでも、今週末に、青年会議所同士の交流として下地島空港へのチャーター便が計画されております。  こうした動きも踏まえまして、関係部局、それからFDAと連携しながら、チャーター便の運航を具体化してまいりたいと考えております。  以上です。       〔副知事小岩正貴君登壇〕 ◎副知事(小岩正貴 君)沖縄県との交流における民間レベルの活動に対する評価、今後の連携や支援についての御質問でございます。  両県のウィン・ウィンの関係を底堅い堅調なものにしていくためには、行政同士の連携もさることながら、観光や物産、人の交流の面における民間レベルでの活動やつながり、こういったものも非常に貴重な存在であり、重要であると考えております。  これまで、多くの民間の団体や企業の方々に活動、また御尽力をいただいております。幾つか申し上げますと、先ほど議員からも言及がありました川上村と恩納村のレタス栽培を通じた交流というのは古くから行われておりますし、また、阿智村では、小学生の平和学習、スポーツ、これはスキーですけれども、そういった交流を実施いただいている団体もございます。  また、先ほど企画振興部長からもありましたが、松本青年会議所は、沖縄県の宮古青年会議所と連携して、松本空港と下地島空港とのチャーター便事業、両地域の交流事業を実施していただいております。  また、幅広い交流、特に、観光、物産の分野で長野県と沖縄県の関係者のつながりに大変御支援いただいております県内の社団法人の皆様もいらっしゃいます。こうした皆様には、行政だけではできない、より深いつながりを進めてもらっていることに大変感謝をしているところでございます。  今後、こうした皆様の活動を含めてどのように連携支援をしていくかという点でございますが、今述べましたような様々な活動をされている民間団体、また事業者の皆さん、こういった皆さんの活動を共有したり、コラボレーションできるような情報交換、意見交換の場について検討してみたいと思っております。  また、人の流れを大きくするという視点からは、沖縄県の旅行会社を招聘しまして、先ほど観光部長から御答弁がありましたが、修学旅行や個人、団体ツアーの相互送客に向けた魅力ある旅行商品の造成を支援してまいります。  また、並行して、FDAとも協力して、松本空港と沖縄離島、本島を結ぶ空の便の運航を実現していきたいと考えておりますし、また、物産販売関係では、沖縄までの輸送に係る物流ルートの確立に向けた試験的な取組も始めたいと思っております。  これらは、いずれも相互の信頼関係、パートナーシップの醸成と関係者の熱意が肝でございます。私も積極的に関与いたしまして両県の交流拡大に取り組んでまいりたいと思います。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)沖縄県との交流促進に関連して、私にはツーリズムEXPO、それから観光交流の方向性について御質問をいただきました。
     まず、ツーリズムEXPOにかける思いという御質問であります。  ツーリズムEXPOにつきましては、海外の観光関係者を含みます幅広い産業関係者が観光を軸として集結するものであります。アジアを中心に海外戦略に取り組んでいこうとする本県にとっても重要な総合観光イベントだというふうに考えております。可能であれば私も出席したいというふうに考えております。  沖縄県とは、観光物産振興はもとより、例えば、今回の新型コロナウイルス対応も、沖縄県は大変感染者が増加したわけでありますので、本県から看護師を応援させていただきました。コロナ禍を共に乗り越えて観光交流イベントを一緒に盛り上げ、僅かばかりではありますけれども成功に協力したいというふうに思っております。  また、これを契機として、本県としても、沖縄の様々な分野の皆さん、行政はもとより、産業、経済界の方々とも懇談するなど、人的なネットワークについても構築をしていきたいというふうに考えております。  観光交流の方向性についてでありますが、まさに海の沖縄、山の信州ということで、美しい景観や風土を大切にしてきた思いを共有できる県同士だというふうに考えております。その一方で、魅力が180度異なるわけでありますので、様々な観光資源を活用して、学習旅行の活性化や松本空港を活用してのチャーター便による相互送客、こうしたものも拡大していきたいというふうに考えます。  また、インバウンドの観光客が多い海外の玄関口であります沖縄県を起点として、本県に一層の誘客を図っていくということも可能だというふうに思いますし、また、沖縄県の国際物流拠点を活用して本県産品をアジア市場へと輸出していく、こうした展開も重要だというふうに考えております。  引き続き、沖縄県と協力し、また、研究、検討を相互に深める中で、観光物産振興はもとより、様々な分野で連携し、互いに発展していくことができるよう取り組んでいきたいと考えております。  それから、もう一点、社会資本整備と財源について御質問をいただきました。  近年、頻発、激化しております自然災害からの脅威やインフラの老朽化、こうしたことに対応するため、防災・減災対策をこれからも着実に推進していかなければいけないというふうに考えております。  また、未来に向けた魅力ある県土づくりのための取組も重要であります。本州中央部広域交流圏の形成の核となる高速交通ネットワークやリニア中央新幹線の関連道路整備、こうしたものを推進していかなければいけません。また、国民体育大会の開催に向けた施設整備や高校再編に伴う施設整備、こうした未来への投資も進めていかなければいけません。  こうした取組を積極的に進めていく上では、やはり何よりも財源の確保が大変重要だというふうに考えております。そういう観点で、国に対しては、まずは国土強靱化予算を継続的に十分確保していただくように強く要請をしていきたいというふうに思っています。  また、これまでも様々な交付税措置がある起債や国庫支出金の活用等を行ってまいりましたけれども、地方税財源のさらなる充実強化を強く求めるとともに、県としても財政の健全性に配慮し、こうした様々な有利な財政措置を積極的に活用しながら社会資本の整備をしっかり進めていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔建設部長田下昌志君登壇〕 ◎建設部長(田下昌志 君)国道153号の両小野バイパスの整備に向けての取組に関するお尋ねでございます。  国道153号の辰野町小野地区から塩尻市北小野地区までの区間におきましては、幅員狭小で事故も多く、歩行者の安全な通行に支障を来していることから、地元の皆様より改良の御要望をいただいており、事業の必要性について認識をしているところでございます。  このため、県といたしましては、現道の状況や沿道利用の現状を踏まえまして、バイパスも含めどのような整備が効率的であるのか、今年度より調査費を計上して調査検討を始め、今後、地元の皆様と十分な話合いをさせていただきながら整備方針を決めてまいりたいと考えております。  今後とも、市、町ともしっかり連携して整備に向けて鋭意取り組んでまいります。       〔21番丸山大輔君登壇〕 ◆21番(丸山大輔 君)御答弁からは、ツーリズムEXPOジャパン旅の祭典in沖縄というものが非常に大きな契機になるのではないかということがうかがえたわけであります。非常に大きなブースをつくって取り組まれるということで、成果に期待していきたいと思います。  また、チャーター便についてもお取組をされるということで、ぜひチャーター便を積み重ねていただいて、定期化されることを願っております。やはり、空路があるなしで、非常に交流の速度にも違いが出てくるというように思います。ここは肝になる部分でありますので、ぜひ県の本気の取組をしていただきたいというように思います。  また、民間の皆さんも、今、非常に関心を持って関わってきてくださっている状況であります。これが息切れしてしまう前に成果を上げなければならないというように思いますので、本当にタイミングです。人材物量を一気に投入していただいて、一点突破を図る戦略を取っていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ○議長(小池清 君)次に、共田武史議員。       〔20番共田武史君登壇〕 ◆20番(共田武史 君)丸山議員に引き続き、沖縄県に関する質問です。沖縄県との交流の礎を築くための質問です。  先日、民間団体の支援を受けながら沖縄県に行ってきました。沖縄の地で活躍する人と意見交換をする中で、様々な経験を積むことができました。  私にとって初めての沖縄です。宮古島に着いたときの感想は、私が思っている日本の風景とは明らかに違い、海の色、空の色、植物が出す雰囲気は、台湾などの南の国の雰囲気でした。成田空港まで、大きい荷物を持ち、電車で4時間かけて向かい、飛行機に乗り、沖縄に到着するまでの時間と労力は大変なものですが、日本でありながら南国を体験できるのも沖縄のすばらしさだと感じます。もし松本空港から宮古島まで飛行機で行けることになれば、沖縄に行ったことのない多くの長野県民にも、日本でありながら、南国の雰囲気がある沖縄を体験できると感じました。また、宮古島は、すばらしい南国の雰囲気とは別に、たくさんの高級リゾートホテルの建設ラッシュで、これから一大リゾート地として発展していく気配がありました。  沖縄本島では、沖縄県人の郷土愛の源を感じることができました。沖縄県は、琉球諸島と本島から成っています。それぞれの島のコミュニティーは大きくないので、それぞれの島民は皆顔見知りです。沖縄本島に出てきて活躍する人たちにも、それぞれの島でのコミュニティーが生きており、お互い協力し合って沖縄県全体とふるさとの島のことを考えていることが、沖縄の方々と話をする中で随所から伝わってきます。  そんな背景から、郷土愛は、私たち長野県人とは別物だと感じています。その郷土愛の強い方々が、本土復帰後、沖縄の経済自立のために努力し、現在の活力を生んでいることから、これからも力強く自立、発展していく可能性を感じることができました。  沖縄県は、1972年にアメリカの施政権下から本土に復帰して今年で48年を迎えています。本土復帰当時、沖縄の経済は豊かではなく、依存経済と言われてきました。基地経済依存と財政依存です。歴史的経緯から生じた本土との格差の是正と、依存経済からの自立を目指してきました。所得水準は、復帰前においては全国比5割を割り込む状況でしたが、最近は7割程度にまで上昇しています。国からの支出と米軍施設に沖縄経済が支えられながら成り立っている中で、何とか沖縄経済を活性化し、自立していくこと、沖縄県民の暮らしを向上させることを目指してきた48年間だったと思います。  その努力の結果、昨今、沖縄県に注目が集まっています。日本全体では少子高齢化、人口減少社会が進展する中、沖縄は出生率が高く、2030年まで人口増加が見込まれています。  今後の沖縄の成長を見据えて、国内外から積極的な投資も行われています。国においても、沖縄を国内経済を牽引するフロントランナーと位置づけています。特に、観光リゾート、ICT、国際物流などの産業分野で目覚ましい発展を遂げています。成熟した日本経済の中で、これからも力強く経済発展していく地方は、沖縄しかないかもしれません。  そして、長野県は沖縄県の良いパートナーになれると感じます。沖縄の国際物流産業を見てみますと、沖縄の物流ハブは東アジアの中心に位置し、地理的優位性を生かしています。那覇空港から飛行機で4時間圏内には、人口が20億人もいます。超巨大なマーケットの中心にあるということです。  長野県がアジアと経済活動を進める中で、この沖縄物流ハブは欠かせない存在です。沖縄国際物流ハブの強みとして、那覇空港がアジアの主要都市と結んでいること、騒音問題も少なく、24時間運用されており、深夜出発、早朝到着の高速物流を実現していることです。  この沖縄国際物流ハブを利用すれば、深夜21時から0時までに国内やアジアから出発して空路で沖縄に届け、那覇空港で荷物を積み替え、翌朝3時から7時台に沖縄を出発。翌早朝には国内空港やアジアの主要都市に到着します。全国各地から出荷された荷物がアジア各地へ翌日に届くということです。これは、長野県の特産品を新鮮な状態で海外へ届けることが可能ということです。現に、農水産物の輸出実績は増加しており、この10年で10倍になっています。青森県は、生鮮品をアジアへ最短で翌日配送を実現しています。静岡県は、イチゴを沖縄県内の商社と連携して輸出拡大を実現しています。  日々アジアが豊かになり、LCCが増え、人や物、文化が頻繁に行き来する中で、長野県ブランドを生かしながら県産品が翌日アジア各地に届くとなると、可能性は大きく広がります。沖縄県庁を訪れ、職員さんと意見交換をする中で、長野県の特産品がアジアで売れるためのアドバイスを求めました。答えは、例えば信州サーモンを単純に海外で売ることは難しいが、一度沖縄の加工工場でお寿司などにしてアジアへ売ることも考えたほうがよいとのアドバイスをもらいました。  県内企業が沖縄の経済特区に進出して、県内の食材を加工しながらアジアへ輸出することも考えられます。沖縄の物流ハブと経済特区を生かしながら、県産品のアジアへの輸出拡大と県内経済の活性化の大きな絵を描く必要があります。  発展していく東アジア物流拠点としての沖縄、国内経済の牽引役としての沖縄、人口が増加し、豊かになってくる沖縄、長野県民がリゾートを楽しめる沖縄など、様々な可能性が秘められています。海なし県の長野県と山のない沖縄県、暑い地域と寒い地域、様々な特徴が相反している両県の交流は、暮らしや産業だけでなく、様々な相乗効果を生むことができます。大きな夢やビジョンを描いて、多数のチャンネルを通じて沖縄との交流を進めていく必要を感じます。  そこで、沖縄県との物産交流に対して努力している長野県ですが、営業本部として、これまでの沖縄と本県の物産交流をどのような考えに基づいて展開してきたのでしょうか。また、期待と課題をどのように捉えているか、伺います。  続いて、本年度はどのような計画で沖縄での営業活動を進めていくこととしているのでしょうか。コロナ禍において、当初の計画が大幅に変更されるなど大変な状況だと思いますが、現在どのように進めているのでしょうか。また、本県特産品のアジア向け戦略において沖縄国際物流ハブの活用は有効と考えますが、今後どのように展開していく考えなのでしょうか。コロナ禍の状況下、沖縄国際物流ハブ自体の今後の見通しについてどのように把握しているのか。3点を熊谷信州ブランド推進監に伺います。  宮古島市長を訪問して、話の中で、宮古島には山がないので流れる川がないとのことでした。宮古島の子供たちに渓流での遊びや雪遊びをさせてあげたいということです。川がないということに驚きました。両県の子供たちに普段経験できない体験をさせてあげられることは、教育上も必要ですし、両県の交流には普段経験できない体験がたくさんあります。子供たちの経験は、生涯にわたり沖縄県と長野県のよい関係をつくっていくことと期待します。長野県と沖縄県の学生がお互いの県を旅する修学旅行等の機会を捉え、両県の学生の交流を促すことについて、見解を原山教育長に伺います。  農業関係なら、沖縄県の国際物流拠点に加えて、加工貿易型産業の振興を進めています。長野県の農産物を沖縄で加工し、輸出することも考えられますが、それ以前に、例えば、青森県、長野県、山形県のリンゴを詰め合わせてジャパンブランドとして売り出す、こんな世界戦略をつくることができます。ぜひ検討していただきたいと思います。  そして、既に実現している農業技術交流があります。レタス栽培で有名な川上村の技術者の指導を受け、沖縄県の恩納村でもレタスの栽培が始まっています。沖縄県でさらに信州の特産である農産物を栽培していくことについて、所見を伊藤農政部長に伺います。  静岡では、新たな取組として、那覇空港の旅客機の床下スペースにイチゴを積載し、輸出しているようです。静岡空港と那覇空港の定期便があるからこそできる取組です。信州まつもと空港と那覇空港を結ぶ定期便が実現すれば、物流、学生交流、様々な技術交流がさらに活性化すると考えます。実現の可能性について所見を伊藤企画振興部長に伺います。  物産観光の取組のみならず、教育、農業、環境など、沖縄県と長野県が交流すれば、分野はさらに広がっていくと考えますが、今後どのような分野で交流を深めていくことが県政にとって有益と考えますか。昨年沖縄を訪問され、沖縄県の副知事と会った小岩副知事に伺います。  沖縄県との交流は、宝の山と言えます。残念ながら、しあわせ信州創造プラン2.0には沖縄県との交流はありませんが、日々変化する情勢の中、フレキシブルな対応と強い意志がなければなりません。沖縄県との交流に当たって、県内の推進体制の整備も含め、決意を阿部知事に伺います。  続きまして、諏訪湖環境研究センター(仮称)についての質問です。新聞報道にも出てしまいましたが、質問させていただきます。  今年の4月に、下諏訪町の赤砂崎公園の10年かけた全面整備が完了しました。総事業費29億円をかけた大事業です。町民の憩いの空間としてだけではなく、諏訪湖周地域の防災力向上に向けた広域的防災拠点の機能を持つ複合的な公園で、下諏訪町出身の建築家、伊東豊雄さんが基本構想の設計を手がけました。デザイン的にも機能的にも独創的な公園なので、本来であればもっと注目されてよい公園ですが、コロナ禍のオープンとなり、認知度が上がらないことが残念です。  また、5月には、下諏訪町の漕艇場に新しい艇庫、AQUA未来が完成し、利用が始まりました。諏訪湖全体では湖周サイクリングロードが順次整備される中、岡谷市では諏訪湖スマートインターチェンジによる人の流れの変化とその周辺の整備、諏訪市は上諏訪駅から諏訪湖までのアクセスがよくなる道路の整備や、旧東洋バルヴ諏訪工場跡の検討が行われています。諏訪湖を囲む2市1町と長野県が協力して、諏訪湖と周辺が大きく生まれ変わってくるのが分かります。  諏訪湖創生ビジョンの実現に期待している地域住民も多い中、諏訪湖の水質が改善されるのか疑問視する方が多いのも事実です。私は、小学校の頃から趣味やスポーツで諏訪湖に触れながら生活してきました。小学校の頃、アオコだらけの湖しか知らない私にとって、父や祖父から昔の泳げる諏訪湖の話を聞くたびに羨ましく思いました。私の生きている間に諏訪湖がきれいになるのか、そんなことを考えていたことを覚えています。子供たちが諏訪湖で趣味やスポーツを楽しみ、環境問題にも関心を持ってほしいと心から思います。  これまでの長野県、岡谷市、諏訪市、下諏訪町地域住民の努力によって、昔に比べれば水質は劇的に改善されていますが、まだ泳ぎたくなる諏訪湖ではなく、一般の人は触れたくない水質です。先日も、諏訪湖の水を触った後、自分の手が諏訪湖臭くなり、昔と変わらないなと感じてしまいました。子供の頃に描いていた泳ぎたい湖を実現するために、諏訪湖環境研究センター(仮称)に期待するところです。  諏訪湖の水質と生態系保全の要となる諏訪湖環境研究センター(仮称)の在り方案が7回の検討会を重ねてまとまったようです。内容についてはしっかり検討されており、納得できる内容だと思います。地域住民からも、どのような研究が行われて、新たに諏訪湖周辺に何が展開されるのか、注目と期待がされています。諏訪湖環境研究センターが諏訪湖周辺にできれば、なぜ水質改善などが今まで以上に進むのか、いま一度周辺の住民にも伝えていただきたいと思います。  そこで、2点、猿田環境部長に伺います。  諏訪湖環境研究センター(仮称)では、諏訪湖をはじめとする県内河川、湖沼の調査研究を行うとのことですが、諏訪湖近隣地に研究機関を設置する意義をどのように考えているのか、伺います。  諏訪湖環境研究センター(仮称)は、調査研究についてどのようなことを重点的に取り組んでいくのでしょうか。また、情報発信、学び、連携の機能はどのように展開していくのでしょうか。伺います。  阿部知事も、諏訪湖漁協の方から、実際に諏訪湖の水質、湖底の泥などを見せてもらい、課題を感じてもらっていると思います。諏訪湖環境研究センターは何を目指している施設なのでしょうか。そして、具体的にはどの施設に設置するのでしょうか。また、その施設の従前の機能はどうなるのでしょうか。阿部知事にお伺いします。       〔信州ブランド推進監兼営業局長熊谷晃君登壇〕 ◎信州ブランド推進監兼営業局長(熊谷晃 君)3点御質問いただきました。  まず、沖縄県との物産交流の展開の考え方、期待と課題についてでございます。  県内生産者、事業者と県外とのつなぎ役としての役割を担う営業本部としまして、沖縄県は、県外、さらには国外への販路の開拓を進める上で重要な拠点となり得るとの観点から活動を開始したところでございます。  沖縄県との物産交流において、具体的に期待する点としましては、南の島、沖縄県と本県では、農産物一つを取っても、その種類や収穫時期に補完性があり、大きなビジネスチャンスがあること。近年、順調にインバウンドが増加している沖縄県において、外国人観光客を中心に日本各地の食文化へのニーズが高くなっていること。また、アジアを中心に海外戦略を進めようとしている本県にとりまして、国際物流拠点の形成を目指す沖縄県と連携することは極めて有益であること、以上3点が掲げられます。  一方、内陸県である本県の課題は、やはり輸送コストであります。沖縄国際物流ハブを活用する上でも、沖縄県までいかに安く早く運ぶかにつきまして、今後、県内での体制づくりや航空便の効率的な活用方法などを研究してまいります。  次に、コロナ禍において、沖縄県でどのように営業活動を進めているかのお尋ねでございます。  本年度は、昨年度の取組に加え、新たに沖縄県内大手チェーン店での長野フェア、沖縄のシェフをお招きしての県内産地視察、商談会、沖縄国際物流ハブを活用した海外流通ルート開拓のための調査研究等の事業を計画しておりました。しかしながら、昨年から行ってまいりました外国人旅行者向けテストマーケティングは中止したほか、沖縄大交易会はオンラインを活用した方式になるなど、一部計画の変更を余儀なくされております。  このような状況ではありますが、営業局としましては、活用できるチャンネルを頼りに営業活動を展開しております。まず、県庁同士の取組としましては、コロナの影響で売行きが懸念される産品の支援の観点から、7月には、県議会の皆様にも大変御協力をいただき、本県でマンゴーを、沖縄県庁では、今月、ナガノパープル、シャインマスカットを販売し、両県で大変好評を博したところでございます。  両県の民間事業者の御協力による取組といたしましては、レタスの船便による物流試験や沖縄県内大手チェーン店19店舗での長野フェアの開催を10月に予定しております。また、10月29日から開催されますツーリズムEXPOジャパンでは、EXPO会場のほか、那覇市内2か所におきまして、日本酒、ワイン、発酵食品を中心とする本県特産品のPR販売も予定しております。今後も、これまでの交流で築いた人脈やオンライン商談会などを最大限に活用して、アフターコロナを見据えた営業活動を展開してまいります。  最後に、沖縄国際物流ハブの活用と今後の見通しについてのお尋ねでございます。  議員御指摘のとおり、沖縄国際物流ハブは、アジアを中心に海外戦略を進める本県にとりまして有効な輸出ルートの一つであると考えております。このため、本年は、沖縄までの新たな物流を確立するための実証実験を予定しているほか、このハブの活用に関心を持つ県内事業者18社と海外バイヤーとの商談会を本年12月に開催する予定でおります。  沖縄県庁からは、本年3月26日に第2滑走路が供用開始されました那覇空港の強みを生かし、アフターコロナを見据えて、同空港の国際物流拠点化に向けてさらに取組を強化するとお聞きしております。本県としましても、沖縄県庁と連携を密にし、国際物流ハブの活用に協力するとともに、輸出の拡大を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)両県の学生の交流を促すことについての見解というお尋ねでございます。  本県の県立高等学校の修学旅行において最も多い旅行先は沖縄県でありまして、年度当初は81校中43校が予定していたところであります。沖縄への修学旅行では、平和学習や歴史、伝統文化等のテーマについて事前学習を行ったり、現地で実体験を通して学びを深めたりするなどの取組が行われているところであります。  今後、意義ある探究的な学びの一環として、両県の生徒が共通する課題について意見交換をしたり討論したりするなど、相互に行き来しての直接的な交流をはじめ、オンライン等を活用した間接的な交流と多様な交流の在り方を探ってまいりたいというふうに思っております。       〔農政部長伊藤洋人君登壇〕 ◎農政部長(伊藤洋人 君)沖縄県で信州の農産物を栽培していくことにつきましてのお尋ねをいただきました。  沖縄の冬の気温が川上村の夏と似ていることを生かしまして、川上村の特産であるレタスの栽培が恩納村で定着していることは、両県の交流の一つの成果と考えております。県といたしましては、沖縄県との交流を進める中で、信州の特徴ある農作物を栽培したいという具体的な相談に対して、作物の特性や栽培上の課題等についての助言、栽培に関わる技術情報等の提供など必要な支援を行ってまいりたいと考えております。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)那覇空港との定期便の実現可能性についてということですけれども、先ほど丸山大輔議員の御質問にもお答えしたとおり、観光をはじめとした人の流れが期待できる沖縄県と本県とを結ぶチャーター便の就航は、実現の可能性が高いものと考えております。  一方、航空会社が定期便の就航を判断するに当たりましては、やはり採算性の面から安定した需要が見込まれることが重要な材料になるということから、観光のみならず、ビジネス面でも、いかに多くの人が利用するかということが必要になってまいります。  まずは、松本と沖縄の双方向でのチャーター便の運航の実績を積み重ねまして、また、併せて観光や産業面など様々な交流を拡大して、需要創出を図りながら定期便就航の可能性を探ってまいりたいと考えております。       〔副知事小岩正貴君登壇〕 ◎副知事(小岩正貴 君)物産や観光のほかに沖縄と今後どのような分野で交流を深めていくことが有益なのかという御質問でございます。  平和学習や体験学習といった教育の部分や農作物の栽培技術の交流ということでの農業、松本空港への航空路の開設といった交通分野、これは、先ほど教育長また各部長から御答弁を申し上げたとおりでございます。  このほかにも、両県が課題やノウハウを共有することで、より広い視野に立った取組が見込める分野も数多くあると考えております。中でも、環境の分野につきましては、地球温暖化や海洋プラスチックごみが問題になっておりますけれども、共に知事会で設置されましたゼロカーボン社会構築推進プロジェクトチームのメンバーになっておりますし、また、海洋プラスチックごみ問題につきましては、比較的全国でも早く取組を開始したところでございます。  また、地域の活性化や人材の確保育成という観点、これは、沖縄県は離島を多く抱えておりますが、長野県は中山間地を多く抱えている。一見すると違うように見えますけれども、実は、本質的には似ている部分、共有している部分があるのではないかというふうに思っておりますので、こういった課題に対してどう取り組んでいくのか、この辺りにつきましては、両県が連携することで、新たな展開や相乗効果、発信力の強化が望めるというふうに感じているところでございます。  昨年、また今年2月と、2回沖縄県庁を御訪問させていただきまして、その際には、向こうの副知事ともこういった点について意見交換をさせていただきました。今後も意見交換を重ねていきたいと考えておりますので、両県の交流が図られますように私も積極的に取り組んでまいりたいと思います。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)まず、沖縄との交流についてお答え申し上げたいと思います。県庁内の推進体制の整備も含めた決意についてという御質問であります。  まずは、今日こういう形で県議会で質問をされて、各部局が積極的に答弁しているということを玉城知事にお伝えしなければいけないなというふうに思っています。  新型コロナウイルスの影響で具体的な交流がなかなか進めづらい状況が続いてまいりましたけれども、副知事や関係部長が答弁申し上げましたとおり、今後を見据えて、沖縄県との交流は、様々な側面で本県の発展に大きく寄与する可能性を秘めているというふうに考えています。そういう意味で、幅広い分野での交流を図っていきたいというふうに考えております。  また、我々県の交流だけではなく、民間ベースでの交流も重要だというふうに思っております。今週末には、松本青年会議所の皆さんによりまして、下地島空港へのチャーター便を活用した宮古島市との交流事業が行われる予定になっています。県も元気づくり支援金で支援させていただいているところでありますけれども、今後とも、我々としては、民間同士の交流ということも視野に入れながら沖縄県との交流促進を図っていきたいというふうに考えております。県としては、幅広い分野における交流が必要だというふうに考えておりますので、小岩副知事をトップに専門のチームを設けて、県庁全体で対応していきたいというふうに考えております。  先般、新型コロナの応援で本県から看護師2名を派遣させていただいた際に、玉城知事からもお礼のお電話をいただいて、その際に、私のほうからは、沖縄県と様々な交流を促進したいというお話をさせていただいています。今後、私自身も沖縄へのトップセールスを行っていきたいというふうに思いますし、積極的に県全体で沖縄との交流促進を図っていきたいと考えております。  それから、諏訪湖環境研究センターについて私に2問御質問をいただきました。  まず、目指す姿についてでございます。  諏訪地域振興局が中心となりまして、平成30年3月に諏訪湖創生ビジョンを策定いたしました。泳ぎたくなる諏訪湖を目指した取組も含めて、水質保全、生態系保全、湖辺面の活用・まちづくり、この三つの分野において県としての取組を充実していきたいというふうに考えております。  これまで、諏訪湖の日の制定、サイクリングロードの整備、さらにはUDC信州によるまちづくり支援、こうしたことに着手しているところであります。こうしたことに加えて、諏訪湖環境研究センター(仮称)を設置して、調査研究、情報発信、環境学習の拠点としていきたいと考えておりまして、このことによりまして、ビジョンが目指す人と生き物が共存し、誰もが訪れたくなる諏訪湖の実現への歩みを加速していきたいというふうに考えております。  同時に、このセンターには、県全体の水環境に関する研究・検査機能を集約したいというふうに考えております。本県が誇る豊かで清浄な水環境を守るための拠点にしていきたいとも考えております。  それから、設置場所についてでございます。
     諏訪湖環境研究センター(仮称)の設置場所につきましては、諏訪湖周辺の既存の公共施設の活用を前提に検討してまいったわけでありますけれども、岡谷市にございます長野県男女共同参画センター、通称あいとぴあの建物の一部を活用したいというふうに考えております。  男女共同参画センターは、開設から35年余が経過し、利用状況等が変化しましたことから、その在り方について見直しを進めてきており、現在の指定管理の満了とともに貸し館業務を廃止することにしております。それに伴って、この施設の活用を図ろうというものであります。  一方、男女共同参画に関する取組につきましては、少子化、グローバル化を背景として重要性が増しているというふうに考えておりますので、男女共同参画センターの機能につきましては、人が集まる拠点から人に発信する拠点へと転換、充実強化を図っていきたいと思っております。今まで以上に県民に身近な形で男女共同参画社会づくりを推進していきたいというふうに考えております。  以上です。       〔環境部長猿田吉秀君登壇〕 ◎環境部長(猿田吉秀 君)私からも諏訪湖環境研究センター(仮称)について2点お答えいたします。  最初に、水環境の調査研究の拠点を諏訪湖の近隣地に置く意義についてお答えいたします。  諏訪湖は、県下最大のシンボル的な湖である一方で、今知事からもございましたが、泳ぎたくなる諏訪湖を目指したさらなる水質改善、ヒシの大量繁茂への対応、さらにはワカサギなど水産資源の確保といった、県内の河川湖沼の中で最も課題が多く、環境面からの専門的な調査研究が必要な対象となっております。  また、諏訪湖は、周辺の都市化が進んでおり、水環境というものは人間の諸活動から受ける影響が大きいため、諏訪湖を重点的に調査研究することで県全体の河川湖沼の保全対策にもつなげていくことが可能となります。さらに、湖の名前を冠した滋賀県の琵琶湖環境科学研究センター、茨城県の霞ヶ浦環境科学センターなど県外の研究機関と連携を深めることが可能になってまいります。以上のことから、諏訪湖周辺に拠点を設け、諏訪湖を直接肌で感じ、湖に詳しい地域の方々の知見も頂きながら調査研究を行ってまいりたいと考えます。  もう一点、センターの調査研究の内容や機能についてお答えいたします。  センターが行う調査研究といたしましては、水質や湖底の状況、魚類、貝類や水草など動植物、さらには湖水の循環についてそれぞれの現状や相互の関連性について把握するほか、マイクロプラスチック問題や、気候変動、水環境に与える影響といった新しい課題にも取り組み、研究成果を農林、建設、環境等の様々な分野で実施する施策につなげてまいります。  また、こうした研究機能のほか、児童生徒をはじめとする多くの皆様に諏訪湖や県内の河川、湖沼を知っていただく学びの場を施設内に設けてまいりたいと考えております。  さらに、センターの研究成果などを積極的に発信するとともに、県、市町村、大学、民間団体など様々な機関と連携することにより、諏訪湖周全体で環境学習や情報発信の効果を上げられるよう取り組んでまいります。  以上でございます。       〔20番共田武史君登壇〕 ◆20番(共田武史 君)答弁いただきました。知事がおっしゃったとおり、積極的なお答えだったと思います。  沖縄県のことを考えると、最初は何で沖縄だと感じていたのですが、行って話を聞くたびに、グローバルな視点、そして歴史的背景の中で苦労してここまで発展してきている沖縄を感じることができました。長野県がこれから様々なことをする中で、沖縄との交流が確実に県民の経済や暮らしにプラスになるということを改めて感じております。今回、小岩副知事を筆頭に新しい体制ができるということなので、ぜひとも期待したいと思いますので、よろしくお願いいたします。  諏訪湖環境研究センターについては、今まで悲願だった本格的な諏訪湖浄化に県が力を発揮していただける、そんな期待感を持っています。環境県である長野県、あれだけ汚かった湖が本当に誰もが泳ぎたくなる諏訪湖になれば、世界に誇れる事例だと思います。我々地域住民が汚してしまったわけですが、長野県の力を借りなければきれいにすることはできません。どうか引き続き諏訪湖の浄化、そして長野県の環境のために御尽力いただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ○議長(小池清 君)会議規則第13条第2項の規定により、本日はこれをもって延会いたしたいと思います。  次会は、明30日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後4時49分延会...