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  1. 長野県議会 2020-06-29
    令和 2年 6月定例会農政林務委員会−06月29日-01号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 2年 6月定例会農政林務委員会−06月29日-01号令和 2年 6月定例会農政林務委員会 農政林務委員会会議録(その3) ●招集年月日時刻及び場所   令和2年6月29日(月)午前10時30分、議事堂第4委員会室に招集した。 ●出席した委員の氏名    委  員  長        中 川 宏 昌    副 委 員 長        大 畑 俊 隆    委     員        清 沢 英 男       同           山 岸 喜 昭       同           竹 花 美 幸       同           小 林 君 男       同           花 岡 賢 一       同           中 川 博 司       同           両 角 友 成 ●欠席した委員の氏名    な し ●説明のため出席した者の氏名 (農 政 部)
       農政部長           伊 藤 洋 人    農業政策課長         斎 藤 政一郎    農業技術課長         小 林 安 男    園芸畜産課長         鈴 木 正 幸    農地整備課長         飯 島 好 文    農村振興課長         飯 島 和 久    農産物マーケティング室長   佐 藤 源 彦    家畜防疫対策室        荒 井 一 哉 ●付託事件   別紙のとおり ●会議に付した事件   1 委員席の決定   2 付託事件のうち1〜6、8〜10及び農政部関係所管事務一般について ●開議時刻 午前10時26分 ●中川委員長 開会を宣した。  ▲ 審査日程の決定    農政部関係 6月29日(月)、6月30日(火)    林務部関係 7月1日(水)  ▲ 日程宣告    農政部関係の審査  ▲ 審査順序の決定   1 付託議案等について理事者説明   2 質疑等   3 付託議案等の採決   4 陳情の審査  ▲ 委員席の決定    着席のとおり決定するに異議ないか諮り、異議がなかったのでさよう決定した。    1番 清沢委員  2番 山岸委員  3番 竹花委員  4番 小林委員    5番 花岡委員  6番 中川委員  7番 両角委員  ▲ 農政林務委員会付託事件の報告   予算案1件、条例案1件、事件案1件、専決処分報告1件、陳情10件  ▲ 農政部関係付託事件の報告    予算案1件、条例案1件、事件案1件、専決処分報告1件、陳情5件  ▲ 議題宣告農政部関係)    付託事件及び所管事務一般を一括して議題とし、議題に関連して理事者説明を求めた。 ◎伊藤洋人 農政部長 別添、部長説明要旨に基づいて説明した。 ○中川宏昌 委員長 第2号「令和2年度長野一般会計補正予算(第4号)案」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中、歳出 第7款 農林水産業費について、理事者説明を求めた。 ◎佐藤源彦 農産物マーケティング室長 議案予算説明書及び別添資料1により説明した。 ◎飯島和久 農村振興課長 予算説明書及び別添資料2により説明した。 ○中川宏昌 委員長 第9号「長野家畜保健衛生所手数料徴収条例及び長野手数料徴収条例の一部を改正する条例案」について、理事者説明を求めた。 ◎荒井一哉 家畜防疫対策室長 議案及び別添資料3により説明した。 ○中川宏昌 委員長 第15号「受託災害復旧事業浅川排水機場復旧工事請負契約の締結について」、理事者説明を求めた。 ◎飯島好文 農地整備課長 議案及び別添資料4により説明した。 ○中川宏昌 委員長 報第1号「令和元年度長野一般会計補正予算(第13号)の専決処分報告」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中、歳出 第7款 農林水産業費中の農政部関係について、理事者説明を求めた。 ◎飯島好文 農地整備課長 議案及び予算説明書により説明した。 ○中川宏昌 委員長 報第13号「交通事故に係る損害賠償専決処分報告」について、理事者説明を求めた。 ◎斎藤政一郎 農業政策課長 議案により説明した。 ○中川宏昌 委員長 報第25号「令和元年度長野一般会計予算の繰越しについて報告」中、第7款  農林水産業費 第12款 災害復旧費中の農政部関係について、理事者説明を求めた。 ◎斎藤政一郎 農業政策課長 議案により説明した。 ○中川宏昌 委員長 理事者から発言を求められていたので、これを許可した。 ◎斎藤政一郎 農業政策課長 別添資料5「新型コロナウイルス感染症に係る農業分野の対応について」により説明した。 ◎鈴木正幸 園芸畜産課長 別添資料6「新型コロナウイルス感染症に係る花き・牛肉の対応について」により説明した。 ◎飯島和久 農村振興課長 別添資料7「新型コロナウイルス感染症に係る産地における労働力確保状況について」により説明した。 ◎小林安男 農業技術課長 別添資料8「農作物生育状況等について」により説明した。 ○中川宏昌 委員長 午後1時30分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午前11時16分 ●再開時刻 午後1時26分 ○中川宏昌 委員長 再開を宣し、引き続き理事者から発言を求められていたので、これを許可した。 ◎小林安男 農業技術課長 別添資料9「令和元年度に開発した新品種・新技術について」により説明した。 ◎飯島好文 農地整備課長 別添資料10「農業水利施設長寿命化について」により説明した。 ◎飯島和久 農村振興課長 別添資料11「新規就農者の確保・育成について」及び資料12「中山間地域農業直接支払事業の第5期対策について」により説明した。 ○中川宏昌 委員長 委員質疑等発言を許可した。なお、議論を深めるため、委員の発言に対し、ほかの委員から意見等がある場合についても、あわせて発言願った。 ◆清沢英男 委員 それでは、お願いいたします。本会議でも出ていましたが、種苗法の改正について、ちょっとお伺いをいたします。これは3月の国会に上程されたけれども、まだ取っ散らかっているということですよね。それで、この種苗法の改正については、賛否両論あって、中には、すごく反対する人たちもいるわけですが、問題視されているポイントというのが、まず一つには、種苗の知的財産権の強化ということがありますが、その反面、種苗の自家採種が制限されるという面がある。そこら辺を非常に取り上げて、反対が多いということになっているんですが、正しく理解をした上で反対ということになっているのかということを疑問に思うわけであります。  例えば、今、長野県の農業試験場で新品種を開発したということを説明してもらいましたけれども、例えばリンゴ等というのは、当然、一般品種登録品種があると思うんですが、長果何とか、そういう新しく開発したものは、知的財産権を確保するためにも登録品種としていくということは、これはそういう理解でもいいですか。 ◎小林安男 農業技術課長 種苗法の改正についての御質問でございます。委員御指摘のとおり、先の国会に種苗法の改正が提案されたわけでございますけれども、先の国会では審議されず、継続審査ということで、現状はそういう状況になっているということでございます。委員からもお話がありましたけれども、この改正につきましては、賛否両論といいますか、様々な意見が聞かれているところだということで、私も認識をしているところでございます。特に今回の改正につきましては、海外への流出防止自家増殖という部分のところの取扱いということでございますが、先ほどの委員の質問にありますとおり、自家増殖につきましては、一般品種登録品種という2つに分かれておりまして、登録品種というのは、私ども、先ほどの長果34のようなものを開発して、農林水産省に種苗として認めてほしいということで申請をして、それが認められ、新しく登録された品種というものでございまして、この登録の期間については、一般のもので25年間、永年性作物で30年間、登録品種という取扱いがされるということになってございます。  一方で、伝統野菜等在来種の野菜ですとか、既に登録の期間が過ぎているものですとか、そういったものは一般品種ということで、今回の種苗法の改正で、特によく知られていないといいますか、判断が間違っている部分の中で、自家増殖の禁止というようなことが言われているようなこともありますけれども、実際には禁止ではなくて、許諾制であり、なおかつ一般品種については、その自家増殖をこれまでと同様に認めるということになっておりまして、こういったことについての理解が不足しているということも課題であると認識しているところでございます。 ◆清沢英男 委員 ですから、今、お話しのように、要するに、一般品種というのは、自家増殖ができるわけですが、米でも84%、ミカンで98%、馬鈴薯で90%、野菜で91%、「コシヒカリ」とか、「ひとめぼれ」とか、「ふじ」も一般品種、8〜9割以上が自家増殖でやっている一般品種と言われていて、登録品種というのは、いわゆる自家増殖がちょっと難しいと。そもそも、F1というか、要するに1年作って、また次にやろうと思えば、それはうまくできないよという話で、F1になるんですよね。  それで、今後、問題になることは、自家増殖できる品種と、できない登録品種があって、農業生産者がどういう影響を受けていくかということだと思うんですね。例えば長野県で、農業試験場で開発した今のようなリンゴ、それ、何か新しい名前がつくかどうか知らないけれども、それもまた後で答えてください。そういうものについては、農業者登録料を払うということになると思うんですが、そこは例えば長野県の人には払わなくてもいいよというようなことも、ほかの県ではやっているようなところもあるようですが、長野県でもそういうことができるのかどうかということ、お聞きをしたいと思います。 ◎小林安男 農業技術課長 一般品種登録品種の割合ということを最初に答えさせていただきますけれども、例えば水稲の場合、現在、一般品種のものがほとんどになっておりまして、全国的には80数%ということですけれども、本県においては、「コシヒカリ」「あきたこまち」など、もう既に一般品種となっているものの作付がほとんどでして、一部、本県オリジナルの「風さやか」などの登録品種として扱われているのは5%ということで、95%は一般品種ということですので、ほぼ影響が少ないという状況にあるというのがまず1点でございます。  それから登録品種につきまして、先ほど品種登録、名前をつけるのかというお話がございましたけれども、種苗法に申請する際には、まずこういった長果34とかいう名前はつけますけれども、後ほど正式な品種名というのは、改めて別途つけるという形になってございます。 ◆清沢英男 委員 それで、よく言われますのが、外国企業による品種登録の申請で、日本の農家や消費者が悪影響を受けるのではないかというような心配をする声もあると思いますけれども、私は、それはほとんどないだろうと思いますが、その辺の見解をちょっとお尋ねしたいと思います。 ◎小林安男 農業技術課長 外国の大手企業等の影響ということでございますけれども、種苗法上で、直接、外国の大手種苗業者が、ということでは、影響がないと考えております。一方、農業競争力強化支援法という法律もございまして、その法律の第8条の部分のところで、県の所有している品種等に関する知見について情報を提供するというような記載がありますけれども、これは、あくまでも情報を出せという義務ではなくて、情報を提供することを促進するということで、直接的に、県が持つ情報を提供しろということではないということで、農林水産省にも確認をしておりますので、そういったことから県が持つ知的財産が外国の企業に使われてしまうというようなことは起きないと考えておりますし、本会議の答弁でも答えましたけれども、県にとって、長野県の農業者にとって有益なものであるかないかということを、育成者権、そして農業者利便性、双方から検討して、どうやって対応していくんだということを決めていくと考えておりますので、影響は少ないものと考えております。 ◆清沢英男 委員 種子法の廃止で、長野県では種子条例伝統野菜種子をきちんとやるようにという条例をつくったわけですが、その中でのいわゆる種子というのは、当然、自家増殖可能、特に伝統野菜というのは、ある意味、それをやらないとどうにもならないという気がしますが、条例との関係でこの種苗法を語ってもらえればありがたいと思います。 ◎小林安男 農業技術課長 主要農作物種子法が廃止されました。主要農作物種子法は、米・麦・大豆等主要農作物種子を安定的に供給するという目的で定められていた法律でございます。これが廃止されたことを受けまして、県では、当初、県が持つ長野県の原種センターという機構がございましたので、そこを活用して、要綱の定めによって、そこで安定的に生産をしていこうと考えましたけれども、さらに将来にわたって、長野県の特徴も出しながら、主要種子伝統野菜について、安定的な生産をするためには条例も必要だろうということで、条例も定めさせていただきまして、こういった主要農作物及び伝統野菜等について、安定的な生産を進めるための対応を、今、取っているところでございまして、これに基づいて生産をしていくということになります。  伝統野菜については、今、御質問があったとおり、一般野菜ということでございまして、既に在来種ということで、今現在も、生産者の皆様は自らその採種を行い、その採種したものを翌年の種子として使っているという取組が多いわけでございまして、こういったことについては、何ら変わることはございません。 ◆清沢英男 委員 もう一つだけ、聞かせてもらいたいんだけれども。その登録品種の中で、米については、これは山形県だと思うんだけれども、「ゆめぴりか」とか「つや姫」というのが入っていますよね。同じ頃、長野県で開発した「風さやか」、もっと長野県のほうが新しいんですかね。「風さやか」については、これは登録品種にしていますか、いませんか。 ◎小林安男 農業技術課長 「風さやか」については、登録品種になってございます。 ◆清沢英男 委員 そういう場合に、一般の農業従事者皆さんから、これが自家増殖できないじゃないかという話が、もしかしたら出るかもしれない。ただ、実際問題として、今、苗を自分で作るというのは、本当に少ないわけでありまして、大農家になるほど、やはり購入した苗ということになると思います。ただ、自家増殖できないよというだけの論理だと、それは困ったなという反対論も出てくるわけですけれども、実際は、それはもう今はやっていないということの説明をしなければいけないと思うんですが、どうですか。 ◎小林安男 農業技術課長 水稲の種子自家増殖でございますけれども、基本は、種子伝染性の病害、例えば「イネばか苗病」ですとか、そういった種子から伝染するような病害の発生の懸念もあることから、種子については、毎年、更新していただきたいということを基本に技術指導をしているところでございまして、農家における水稲の種子更新率は8割以上の高いものになっているということでございます。種子において、例えば登録品種使用許諾料を取る場合においても、長野県の場合は1%という非常に低率なものでかけてございまして、農業者の経営の負担になっているというような状況ではございませんので、自家増殖は禁止というようなことだけではなくて、そういったことからも、今後も農業者への影響というのは大きくないというふうに思っています。 ◆清沢英男 委員 全体で1%払えば、登録したもの、「風さやか」は使えるよということで、そんなに大きな負担ではないということですね。分かりました。  次に、コロナに関連して、パンデミック食料という関係で、ちょっとお尋ねをしてまいります。今、食料自給率は、カロリーベースで37%、生産額ベースで66%ということですが、もう一つの数字として、食料国産率カロリーベースで46%、生産額ベースで69%という数字が出てきていますけれども、この食料国産率というのは、前からありましたか、そういう数字を並べて発表するということがありましたでしょうか。 ◎斎藤政一郎 農業政策課長 カロリーベースの数字というものはございましたけれども、今の国産の部分は、国でも今回、新たに示してきているものかと考えています。 ◆清沢英男 委員 では、その自給率国産率の違いも含めて説明してもらえればと思いますが、どうですか。これ、飼料の問題だと思うけどね。 ◎斎藤政一郎 農業政策課長 食料自給率計算方法は、カロリーベースでありますと、1日当たり供給熱量を分母に、1日当たり国産供給熱量ということで出すということになっております。あと、国産生産額ベースというようなことでありますと、それぞれ金額的なものを踏まえての数値を出しております。 ◎伊藤洋人 農政部長 食料国産のほうでございますけれども、基本的に餌の関係をどうカウントするかという問題でございます。食料自給率は、餌の自給率まで勘案したものになっておりまして、要するに例えば畜産物100キロ作るのに、餌が例えば100トン必要だと。このうち50トンしか自給のものがなければ、50%分しかできていないのと同じですよというふうに換算するというのが食料自給率の考え方でございます。  一方、それだと畜産でどのぐらいの量が作れるということがきちんと評価できないよね、例えば日本ではこれだけの肉ができるんですよということを示すためには、その自給率を勘案しない指標があってもいいだろうということで、畜産について、飼料自給率の勘案をしないで計算したものが国産率というものになっているところでございます。 ◆清沢英男 委員 ということで、飼料については、ほとんど100%が外国から輸入されているものであるという意味で、日本の食料自給率というのは非常に低い数字になっているわけです。政府は、令和12年度までに、カロリーベースで45%まで持っていきたい、国産率については53%まで持っていくということをもくろんでいるようですが、なかなか、きついかなと思うんですが。ただ、もう一つ、長野農業に関して伺いたいんですけれども、長野農業は、よく言うように、カロリーベースでは自給率が低いと言うじゃないですか。では、カロリーベース自給率はどのくらいで、長野農業は低いということの要因を御説明いただければありがたい。 ◎伊藤洋人 農政部長 お答えいたします。カロリーベース長野県の自給率は、29年で試算いたしますと54%ということになっておりまして、全国19位ということでございます。それで、これは、米とかが、県民が食べる以上に生産されているということが一つの原因でございますけれども、一方、やはり園芸作物が多いということがありますので、100%にはならないという状況でございます。 ◆清沢英男 委員 パンデミックになると、国境閉鎖になるわけですよね。今回もそうでしたけれども、食料がほとんど日本に入ってこないということになる。これが1か月、2か月の話ならば何とか乗り越えられるわけでありますが、パンデミックが長引いた場合に、日本の食料事情というのは、当然、逼迫していくだろうと思うわけです。その場合に、長野県として当然、まず県民の皆さんが、食料に逼迫しないように考えていくということが必要だろうと思いますが、このパンデミックと、これからの長野県の農業生産方向性と大きくは関係してきませんでしょうかね。その辺をお聞かせいただきたいと思います。 ◎伊藤洋人 農政部長 委員御指摘のとおり、今回のコロナで、一番多いときに世界では20か国ぐらいが、食料の輸出を規制したという事実がございます。また、こういうパンデミックが起きて、食料の輸出入が非常に逼迫するということも、可能性としては当然あると考えております。政府は、そのために自給率を確保するということを言っているわけです。  大きく二つあるかと思いますが、一つは、長期的な視点で考えたときに、まずやはり国内の自給率を高めるということについて、国民にしっかり御理解いただくということが重要だろうと。国民の皆さんがやっぱり国産の物を使っていこうという気持ちを持っていただかなければ、幾ら生産をしても、例えば安いから外国産にしようというような形になってしまいますので、まずここをしっかりしていくことが必要だろうということです。  それから国民が食べられる量、直接、消費者が買える物というのは、ある程度、限られておりますので、例えば食品産業が作っている物ですとか、加工事業者さんが作っているような物の原料、これは、結構、海外産が多いわけですけれども、そういうものを国産に置き換えていくことで、事業の幅を広げていく。これによって国内生産の枠を広げていくということも非常に重要じゃないかと考えております。長期的な視点で、こういったことを進めること、また、生産性の向上ということも併せて、国内の生産力を上げていくことによって、パンデミックに備えるということが一つあるかと思います。  あと、緊急的な対応につきましては、国の今回の食料農業農村基本計画の中にありますけれども、戦前・戦後の食料逼迫期ではありませんが、本当にそういう緊急時になった場合には、一時的に野菜の生産を抑制して、いわゆるお芋ですとか、そういったカロリーの高い物の生産に切り替えるといった非常措置みたいなものというのも、一つの想定の中では考えられるところでございます。ただ、これは、究極的な部分でございますので、それと併せまして、食料の備蓄、そして諸外国との友好関係をしっかり結ぶ中で、海外から食料が入手しやすいような外交を行っていくということも、大きな目では、そういった内容になってくるんではないかなというふうに考えているところでございます。 ◆清沢英男 委員 工業製品サプライチェーンの不足というか、外国、特に中国から入ってくるものがなくて、家を建てるにもトイレを輸入できないということで家が建てられないというような現象が起こったわけですけれども、今の部長さんのお話のように、究極の話になりますけれども、カロリーベース中心の物を作っていって生き残っていくということを人が考えることになる。そうすると当然、今、耕作放棄地についても、そこがもしかしたら山になっていたかもしれないけれども、もう一回切り取って耕作地にしていくというような現象もあるかもしれません。ですから、こういう耕作放棄地について、食料が入ってこなくなるかもしれないというようなことは、このコロナ以前のことでは、頭の中には考えていなかったんですが、多少、農業としての形が変わるかもしれないということは、1行分だけでも書き換えられたような気がいたします。  次に県内の農業事情その他について、お尋ねをさせていただきます。今、中山間地域農業直接支払制度について、お話がありましたけれども、中山間地農業高齢化がますます進んでいく中において、傾斜地でも消毒できるように民間で消毒器の開発をするとか、あるいは、これは今まで農政部でもやってきましたけれども、畦畔の草刈り機とか、あるいはレタスの自動収穫機、こういうようなものがあったと思うんですが、これらの開発状況について教えてください。 ◎小林安男 農業技術課長 スマート農業の推進ということで、県が開発している農業機械化の今の状況ということでございます。主に県が取り組んでいる、機械化しているものにつきましては、傾斜の厳しい畦畔についても、ラジコン操作で草刈りができるという畦畔の自動草刈り機を、一つ開発しているところでございます。こちらについては、もう既に現地の農業生産法人等でも実際に使っていただいて、非常に使い心地がいいというようなことの中で、来年度にはその実用化を目指していくという形で、販売にまでこぎ着けていきたいということで考えているところでございます。
     レタスの自動収穫機につきましては、なかなか難しい面はございますけれども、関係する機関・団体と取組を進めながら、メーカーが、一部、当初扱っていたメーカーから別のメーカーに変更になったということで少し遅れも出ておりますけれども、引き続き実用化に向けて研究を進めてまいりたいと考えているところでございます。  そのほか、果樹について、自動の非破壊で糖度等の検査ができる成分計といったものもございますけれども、これも、理化学研究所等と連携をしながら、現在、開発を進めておりますし、また、市田柿の自動化の関係についても、今も実用化に向けて取組を進めているところでございます。  なお、委員から御紹介がありました樹園地で、小型で、実際に乗らずに、SSとは違ってラジコン等で操作できるというようなものを民間で開発しているということは承知をしておりまして、実際に散布量の問題ですとか、薬液を遠くに飛ばす吐出圧の問題ですとか、いろいろ課題はあるというようなことをお聞きしていますけれども、そういった民間での開発の技術についても、私どもも注視してまいりたいと思っております。 ◆清沢英男 委員 私、3年ばかり前に農業者の集まりで、レタスの自動収穫機は、もう3年ばかりすればできるからねなんて言って、300万円ぐらいでいいんじゃないかとか言っちゃったんですよね。植えるのは、もう結構、展示もしてあって、よく分かっていますが、自動収穫機、いろいろ難しいところもあると思うんだけれども、ただ、北海道でキャベツの自動収穫機はどんどん働いているじゃないですか。レタスのほうが多少難しいとは思うんですけれども、ぜひ、今後もどんどんやっていただければと思います。  それから資料4の浅川の排水機場の話なんですが、これは2年ばかりかかるということなんですが、まず、今回の災害でここの排水機場が使えなくなった。多分、このほかに、建設部の関係で、配水ポンプが3台ほどあったと思うんですけれども、そっちも今回は使えなくなったんですかね。どっちにしても、2年かかるというんだけれども、2年の間に台風が来たらどうしますかね。それは建設部に任せておきますか。 ◎飯島好文 農地整備課長 浅川排水機場の復旧についてのお尋ねでございます。新聞等でもいろいろ報道されていますけれども、現在、浅川排水機場は、被災した第一排水機場と、あと第二、第三がございます。第二排水機場が農政部で所管している排水機場でございまして、これは、毎秒10トンのポンプ3台ということで合計30トン。それから第三排水機場は建設部で管理していますけれども、これが14トンということで、現在、44トンの排出能力がございます。さらに長野市で、今、毎秒1トンの仮設ポンプを設置しておりまして、現在、復旧を行います第一排水機場は令和3年度中の完成を目指していますけれども、その間は、この排水量になるかと思います。  ただ、排水機の運転のパターンというのはいろいろございまして、現在、使えます30トンと14トン、1トンの合計45トンをしっかり稼働させて対応すると。それから、浅川流域のため池についても、低水管理等で、降雨時に一時的に貯留させるような工夫もこれから取っていくことになっておりますので、そういったことを含めて、しっかり対応してまいりたいと思います。 ◆清沢英男 委員 何か昔を思い出しましたね。ため池と田んぼダムね、そういうところに水をためて何とかって。今度の災害で一番びっくりしたのは、穂保で、地区の中へどんどん水が入ったじゃないですか。それを翌朝には、全部、千曲川に戻した。初めは6台だったんですかね、それを26台だかにポンプを増やして、全部、排水したということで、これには私もびっくりしましたね。一晩のうちに、あの穂保のあの水だけでも千曲川へ戻したと。今回、浅川の場合ですね、もし仮にそういう災害が起こったならば、ある意味、国にポンプをちょっと貸してくれやとこういうことで、できるだけ排水をするべきだと思うんですね。そうすると、あそこにあるリンゴ等が、ある意味、助かるわけじゃないですか。そういう意味で、そういうことができるのかどうか、教えてください。 ◎飯島好文 農地整備課長 緊急時の仮設のポンプのお尋ねでございます。これ、建設部の所管にもなってしまいますので、はっきりとしたことは申し上げられないんですが、農政部の関係でございますと、農林水産省の関東農政局にポンプがございますので、そちらをお借りするようなことも考えられるかなと思っています。今回、仮設の河畔ポンプなんですけれども、そういったものは、主には国土交通省で手当てをしたと存じています。 ◆清沢英男 委員 そうそう、国土交通省でね。以上で終わります。 ○中川宏昌 委員長 午後2時35分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午後2時21分 ●再開時刻 午後2時34分 ○中川宏昌 委員長 再開を宣し、委員質疑等発言を許可した。 ◆山岸喜昭 委員 お願いします。最初に令和元年東日本台風の関係ですが、今回の台風では、農地や農業用施設に非常に大きな被害が発生したわけであります。その中で、復旧業務を担う小規模な町村では、人が足りない。そしてまた、農地災害業務で設計などを行うことができる職員が少ない、技術者を抱えていられないというような小さな町村があるわけでございますけれども、この辺につきましては、この災害に対して、どのように対処されたのか、お伺いいたします。 ◎飯島好文 農地整備課長 技術職員が不足する市町村に対する支援ということでよろしいでしょうか、そのお尋ねでございます。県農政部と地域振興局農地整備課では、これまでに約1,300人余の技術職員を現場等に派遣して、技術的な支援に当たってきたところでございます。加えまして、この4月から、佐久・上田・長野・北信、4地域振興局農地整備課に技術職員を増員しまして、支援体制の強化に努めてまいりました。特に佐久につきましては、4名の技術職員を増員しまして、支援に当たってきたところでございます。 ◆山岸喜昭 委員 おかげさまで、作業も順調には進んでいると思っています。私ども佐久地域、本当に千曲川の氾濫によって、農作物や農地、農業施設など、大分、飛ばされちゃったということであります。県、また国から復興に対する支援もいただいておりますけれども、今年になって、この災害によって離農した農家、または規模を縮小した農家、もう農業はやらないよということで遊休荒廃地にしてしまうといったことが、最初、心配されたんですけれども、今、現状では、そういう方は多いんでしょうか。離農したり、規模を縮小したりという方はどのくらいで、今までどおり、復興してやるぞという意欲ある農家の皆さんは、まだおられるかどうか、お聞きします。 ◎飯島好文 農地整備課長 離農や経営面積の規模縮小等のお尋ねでございます。私どもの農地・農業施設災害の関係で、特に佐久管内・上田管内は、頭首工の被害が非常に大きかったわけでございますが、約771か所に対しまして、現在、約6割が復旧し、耕作をしているところでございます。残り300余につきましても、仮設等の配管をいたしまして、耕作に支障のないように水を取っているところでございます。現在、被害を受けた農地面積の99%については、水稲が作付できていますし、できなかったところにつきましても、農業農村支援センターと連携して、作物の栽培等に取り組んでおります。ということで、お尋ねの離農等については、数字等は持っていないわけですが、水稲については、そういうことで、ほぼ100%耕作しているということで、御理解いただきたいと思います。 ◎鈴木正幸 園芸畜産課長 果樹関係等について、若干、お話をさせていただきます。果樹関係は主に長沼を含む長野管内の被害が大きかったわけですが、トータル、リンゴで437ヘクタールほどの被害ということになっております。当初は、大分、離農されるというようなお話があったり、新聞報道もございましたけれども、やはり土砂が撤去されて、災害ボランティアの方々で圃場をきれいにしていただく中で、ほとんどの方々が離農をやめたといいますか、最初は諦めたんですけれども、ちゃんともう一回作ろうという形になりまして、一部、新しい生産者へ貸して再開するというところもございますけれども、かなりの方が、現在は作っていただいていると聞いております。 ◆山岸喜昭 委員 ありがとうございます。このように、今回も11億円という予算もついておりますので、またしっかりと地域産業を支えていただきたいと思います。  続きまして、資料7の労働力の確保ということであります。毎年、2,000人以上の外国人技能実習生を受け入れている中で、800人が入国できなかったという実態があるわけでございますが、そんな中、今年ももう3月・4月という農繁期に向かって、観光関係の皆さんに応援に来ていただいて、人員の確保はできたということでございます。今まで農業に関しては、人員の確保というのは本当に大変なことで、苦しんできたところですけれども、今回の新たな取組によって外国人に頼らないで、働いている観光関係、またホテル関係の皆さんが来ていただいたということで、本当に確保できたなと思っているところでございます。これから夏のシーズンに向かうんですけれども、ホテルとかいろいろ観光施設がオープンしたら、そのお手伝いに来てくれた人たちはどうなるのか、またその辺の対応はどうなっているか、お伺いいたします。 ◎飯島和久 農村振興課長 JA佐久浅間地域のホテルや旅館関係の方のマッチングの状況ですけれども、私どものお聞きしているところですと、新聞等でも出ていますけれども、近隣のホテル、軽井沢等の旅館組合からのお話があったり、プリンスホテル、それから池の平ホテル、星野リゾート等のお話がありまして、マッチングをされていると聞いております。一番多いのが星野リゾートの従業員さんでございまして、これが41人、JA佐久浅間さんに入っておると聞いておりまして、選果場で大体14名ぐらい、それから農家の季節雇用で27名ぐらいと聞いております。これは、4月中旬頃、ホテル側からJAへ、従業員の副業ということで農業アルバイトについての相談がございまして、6月上旬から雇用されているということでございます。JA佐久浅間さんとは、雇用契約ではないですけれども、契約を結ばせていただいて対応しているということでありまして、まだ本格的に需要が戻らないという状況の中では、選果場等で勤務をされていくと聞いておりますけれども、今現在、ホテル側から14人が選果場、27人が農家で働いているということです。  それからまた、池の平ホテルも4名ほどが季節雇用されているということ。それから軽井沢のバス会社さんも2名ぐらいが雇用されているということ。それからホテル組合さんのペンション、旅館組合からも、上旬から雇用されているということで、従業員の副業という扱いになっておりまして、一応、会社に籍を置きながら勤務をしているということで、会社の経営が戻れば、順次、戻っていくような状況ですけれども、今の状況ですとすぐにという状況ではないので、まだしばらく継続していただくということだと思います。  今年については、御承知のとおり、学生のバイトも結構きつい状況で、大体8月の上旬の第1週までは入ってこないというような状況でございますので、そのあたりとうまく入れ替えができたりするということもあったりして、調整がうまくつけば回っていくと。今現在は、雇用していただいているということでございます。 ◆山岸喜昭 委員 新しい取組で御苦労さまでございます。また、今後の展開としまして、特定技能者の外国人のリレー雇用について、御説明願います。 ◎飯島和久 農村振興課長 これは、今、長崎県と調整をさせていただいておりまして、26日に、長崎県との調整で、最終的には5名の予定なんですけれども、特定技能労働者が4名、長野県に来ております。それで、今、松本地域、ハイランドと洗馬で働いていただいていまして、途中からまた、お二人は木曽に移るというところです。現在は試験的に、向こうの特定技能労働者に向こうの農業がない夏の時期に長野に来ていただいて、10月ぐらいまでこちらで野菜栽培等に御活躍いただくということで、来年以降は、もう少し拡大的に取り組もうということで、非常に長崎県の方が乗ってきております。  これについては、条件がございまして、一応、トラブルがあったときに関係者が飛行機を使って来て、調整できて長崎県と日帰りできるというような仕組みということで、それを法律的に許可いただいて、対応させていただいているというところでございまして、こういう取組が進めばいいかなと思います。こういう取組については、実は、その外国人さんに対しても、リゾートを移動するようなことを望む方を選んで対応していると聞いております。 ◆山岸喜昭 委員 この特定技能外国人は、これは5年とかという期間ですよね。5年間で行ったり来たりできるということですよね。 ◎飯島和久 農村振興課長 そうです。特定技能外国人については、今、お話がございましたとおり、農業については5年までしか駄目なもので、5年という期間の中で行ったり来たりということをやっていくというものでございます。 ◆山岸喜昭 委員 だからこれができると、労働力の確保という部分につきましては、そんなに苦労しないと言ったらおかしいですけれども、本当に確実にできるような気がするんで、これは、ぜひ進めていただきたいなと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。  続いて、新規就農者の確保と育成ということでございます。この辺につきまして、新規就農者のことについて、小諸にも農業大学校がありまして、研修生等を受け入れて頑張っているところでございますが、今、数字を見ますと、就農者の目標には少し届かないんですけれども、この農業大学校、そしてまた小諸の研修センターにつきまして、生徒の今年の受入れの様子をお聞かせください。 ◎小林安男 農業技術課長 農業大学校の生徒の受入れの関係でございますけれども。農業大学校につきましては、平成26年に農業大学校改革を進めて、農業大学校で、新たに、総合農学科の中に、実践経営者コースと農業経営コースということで、2つのコースを本校では運営しておりますけれども、それぞれ、今年の入学者につきましては、実践経営者コースが7名、それから40名の定員である農業経営コースについても、定数を超える41名ということで入学生を確保しているという状況でございます。 ◆山岸喜昭 委員 こういう研修生も徐々に入っているわけですけれども、就農ということに関しまして、やはりこちらのほうでも、しっかりとした農地の確保、これができなくては、なかなか就農に結びつかない、長野県の農業に来ていただけないということだと思います。就農、そしてまた集約ということについては、地元の市町村と連携しながら、進めていかなければできないわけですけれども。今、荒廃地もたくさん増えている中で、県として、農地の集約、集積関係、この辺の取組について、どのようにやられているのか、お伺いをいたします。 ◎飯島和久 農村振興課長 農地の利用についてということで御質問いただきましたけれども、本日、信濃毎日新聞に載っておりましたけれども、農地の集積がなかなか進まないということがございました。国は農地集積率80%という目標を掲げておりますけれども、県は63%という目標を掲げて推進しているところでございます。今現在の集積率は、平成30年が41.1%、令和元年が41.3%、若干伸びているところでございます。食と農業農村振興計画では、最終的に令和4年で54%という目標に向かってやっておるところでございます。これについても、農地中間管理機構を活用しながら展開をしていこうと思っております。ただ、今までちょっと農地中間管理機構の寄与率というか、機構を使っての部分というのは全体の7%程度しかなかったんですけれども、今回、農地利用集積円滑化事業トップクラスの長野県が、今回、円滑化事業も農地中間管理事業に移行しましたので、今年から統合されて3年で移行するということでございますので、今後はその農地中間管理機構の事業を一層進めまして、農地の集積を進めてまいることとしておるところでございます。 ◆山岸喜昭 委員 どうしても、長野県は中山間地が多いところでありまして、集約・集積というのは、なかなか進まないということで、また所有者が分からないところもあったり、持っている人もなかなか貸してくれない、交換もしてくれないということなので、この辺につきまして、本当にお取組を願いたいと思っているところでございます。  私ども、小諸の農業青年クラブという若者たちと、就農された青年の皆さんとも交流会をしているんですが、そこで意見交換する中で、一番多いのが、里親から自立するにしても、農地の確保ができないということですね。就農相談の関係なんですけれども、まずその就農した皆さんが土地を確保できないということですね。2番目が、資金の確保ができない。そして3番目が、営農技術がまだまだ不足しているということ。そして4番目が、住宅が確保できないというような課題。5番目に相談の窓口が分からないというようなことが出されています。そのようなことで、今、就農された皆さんも、本当に、土地の確保、資金、また技術、また住宅の確保など、様々な課題があるわけでございますけれども、県でやられている就農相談の内容につきましては、どのような対応をされているのか、お聞かせください。 ◎飯島和久 農村振興課長 就農相談の内容についてでございますけれども、まず、資料の支援体制というところにもございますけれども、農業農村支援センター、それから農業大学校に就農コーディネーターという方を置いていまして、非常にベテランで、就農について指導している方が積極的に対応していただくということです。まずは、今回、ウェブ相談等の場合は、ウェブ相談の初歩の段階から、資金については、借りられる、利用できる制度の話、それから作物を、何をしたらいいかとか、その作物を作るには産地はどこがいいか。それから市町村と連携させていただいて、市町村によって支援に差はありますけれども、より積極的にされている市町村は、農地の部分もきちっと対応していただけるということもありますので、就農実現に向けて展開をしていくと。今、住居の話もありますけれども、やはり市町村、現場と連携することによって住宅の確保ということもありますし、それから地域によっては、住宅の支援、移住の支援をやっている市町村もございますので、そういうものを利用いただきながら、円滑な就農実現というのを図っていただくということで、支援をしているところでございます。 ◆山岸喜昭 委員 やはり新規の就農者につきましては、いろいろ課題がありますけれども、迎え入れる側もしっかりと集約して、しっかり働けて食える農業にさせていかなければいけないと思っているところでございます。なかなか、農業は、後継者など、人材が育たないということでございまして、今回のWithコロナ・Afterコロナという中で、「新しい生活様式」ということで見据えまして、この大事な地域産業であります農業振興には、先ほども清沢委員からありましたけれども、スマート農業、そしてまたIT・IoTとか、いろいろ、そういうふうにしていかなければ駄目だということで、今までの考え方の農業じゃなくて、時代の変化をしっかりと捉えた柔軟な発想を持った、新しい価値を持った、そんな創造力のあるような新しい人材が育っていかなければ、農業は変えられないと私は思っているんです。こういう大学校だけじゃなくて、全体的にこの農業を、今、変えるときであると思っていますけれども、「新しい生活様式」に向けて、人材の育成について、お取組、考え方、そんなことをお聞かせ願えればと思います。 ◎小林安男 農業技術課長 新しい時代の農業の担い手の育成についての考え方ということでございます。一つ、農業大学校の取組ということで御紹介をさせていただきたいと思っておりますけれども、農業大学校は農大改革を進める中で、アドバイザリーボードというボードを設置しまして、東京農大の先生ですとか、市町村長ですとか、実際の法人経営の経営者ですとか、そういった方たちをアドバイザーという形で位置づけまして、その都度、その時代に合った農業大学校はいかにあるべきかというようなことで、毎年、検討させていただいて、その意見等を基に、様々な取組を進めさせていただいているところでございます。  例えば最近の話題でいきますと、GAPが、農業の中では生産工程管理という形で非常に重要になってきているという中で、農業大学校において、平成30年度においては、長芋で全世界で通用するグローバルGAPを取得してございますし、令和2年の1月には、大豆で同じくGAPを取得しているというようなことで、そういった先駆的な取組も導入をしているという状況にございます。  スマート農業につきましても、農機具メーカーと連携しまして、実際に最新の技術をメーカーの方から直接指導を受けたりですとか、機械を見せての実演を行ったりですとか、そういった取組も進める中で、時代の先端を行く農業技術等について学ぶ機会を農大生に与えて、まさに時代に合った農業者の育成に努めているところでございます。  それから、1点、修正ということで、申し訳ございません。先ほど実践経営者コースの入学者の数を、私、7名と申し上げましたけれども、実際には10名の方が受験されまして7名の方が合格したわけですけれども、1名辞退がございまして、実入学者は6名という形でございました。申し訳ございません、修正をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 ◆山岸喜昭 委員 農業大学校も、しっかりしたすばらしい先生方がおられるので、また新しい様式ということで、指導していただければと思います。また、もう高齢の皆さん農業をやっていたり、後継者がいない、遊休荒廃地が増えているという中で、新規就農者皆さんにしっかりと土地を提供できる、こういうことを、市町村と連携を持ちながらやっていかないと、なかなかもう集約もできないし、集積もできないということでございますので、新しい様式の中で、そんなお取組もぜひ進めていただければと思っているところでございます。  次に、先般の大変な台風の被害で、千曲川、佐久から上小、長野へと、本当に甚大な被害があったわけでございます。以前は、今頃から秋にかけましては、信州の風物でありますアユ釣りとか、つけば漁とか、そういうのがオープンしまして、多くの人たちが千曲川の流れや川魚料理を楽しんでいるというのが今まででしたけれども、先般の台風で、もう本当に、千曲川の川も変わり、流れも変わり、形も大きく変形したということでありました。そんな中で、もともと漁協の皆さんからも言われていましたけれども、ウグイやハヤやアユや、そういう川魚が本当に減っているということでお聞きして、いろいろ要望も受けていたわけでございます。そんな中で、この千曲のアユ釣りとか、つけば漁、これも今回の台風で流されてしまったということでございますけれども、本当に何とか、今までの姿に戻ってもらいたいということでございます。  大きい災害ということで、千曲川の氾濫を防ぐには、河床の整備をしたり、積極的に災害防止のためにしていかなければいけないということで、しゅんせつ工事も始まりまして、千曲川の強靭化、そしてまた改造が進んでいるわけでございますけれども、今、この千曲川をしっかりと生かしていかなければいけないなと、私は思っているんですが、この千曲川の漁業に対して、川魚がすめるような環境づくりをどのようにお考えか、本当にもうコンクリートの川にしちゃったりするのか、どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。 ◎鈴木正幸 園芸畜産課長 千曲川の漁業の関係についてお答えをさせていただきたいと思いますけれども、昨年、台風によりまして非常に川が荒れてしまったということでございます。その後、魚がちゃんとすめるようになっているのかというお話でございますけれども、今年、水産試験場が、上田から千曲市にかけて千曲川を簡単なものですが調査させていただきました。その中で、そこにすんでいるウグイ、オイカワとか、そういったものの稚魚を確認しているということで、荒れてはいますけれども、川としては魚がすめる環境になっていると確認をさせていただいております。  また、上田でつけば漁をやっていらっしゃる方にお聞きしたんですけれども、昨年は非常に豊漁だったということで、かなり量が取れていたんですけれども、今年は、それには及ばないけれども、それなりに取れていると。取れた年は、150キロぐらい取れていたんですけれども、今年も100キロ程度は取れているということだそうです。一番取れないときは30キロぐらいしか取れなかったときから考えると、そういった面から見ても、川魚はいるし、取れる環境にあって、今年は、どちらかというと大型の魚が取れているというふうにお聞きしております。当然、荒れてはいますので、護岸の整備等の必要はございますけれども、魚がすめる状態にはなっているということでございます。  あと、どういった形で護岸整備をしていくかというのは、すみません、建設部のお話になるかと思いますけれども。私どもとすれば、当然、釣りができる状況も残していただきながら、きちんとした整備をしていただきたいと思っておりますので、そんな方向で、また私たちから建設部にお話しする機会があるときはさせていただきたいと思います。 ◆山岸喜昭 委員 魚もだんだん戻ってきているというお話でございます。つけばの関係はいかがでしょうか。 ◎鈴木正幸 園芸畜産課長 失礼いたしました。つけばの関係ですけれども、やはり台風でつけばを大分流されたり、いろいろな設備を使えなくなってしまったというところがございますけれども、現在、重機を用いて、駐車場ですとか、そういったところの整備も行ってきたということでございまして、私の聞いた業者さんは、5月9日からつけば漁の営業が再開できたとお聞きしております。それに当たっては、資金も大分、かかるものですから、中小企業庁の事業ですけれども、被災小規模事業者再建事業を使えるように、今、申請をしているというようなお話も聞いておりますので、そういった部分で支援をしていただきながら、つけば漁再開に向かっているということでございます。 ◆山岸喜昭 委員 特に東信の辺の、本当に、あっ、千曲川だなというような感じなので、ぜひ復旧をしていただきたいと思います。  昨年の東日本台風、そしてまた今回のコロナということで、もうここであらゆる産業に甚大な被害をもたらしたということで、特に観光関係につきましては、大変なことになっているということでございます。それに加えて、また、私ども小諸のほうでは、浅間山が膨らんできたなんていうことで、本当に苦しんでいるところでございますけれども、農政部におきましても、以前、「釣ーリズム」ということで、観光部と連携した中で、観光振興にも応援していただいたんですが、農政部の釣ーリズムの推進事業、これにつきましても、部として、全体でやっていかなきゃいけない課題かもしれませんけれども、これについて、どのようにお考えか、お聞かせ願います。 ◎鈴木正幸 園芸畜産課長 釣ーリズム信州推進事業の関係でございますけれども、千曲川では、戸倉上山田地域で平成29年から実施させていただいているところでございます。ただ、今年に関しましては、台風の影響がございまして、護岸工事等が入るということでございますので、本年度はお休みということでございますけれども。来年の2月頃までには工事が終わるということですので、令和3年度にはまた復帰するということで、こちらといたしましても、技術的な支援等をさせていただいて、対応させていただきたいと思っております。 ◆山岸喜昭 委員 ぜひお願いをしたいと思います。そしてもう一点、ここへ来まして、CSF、いわゆる豚コレラの関係ですね。これも、昨年は県内に本当に大きな影響を与えたわけでございますけれども、今、CSFにつきましては、養豚場への対応、また野生イノシシへの対策、ワクチン関係につきまして、どのようにされているか。まだまだ、新聞にもたまに感染したイノシシが捕れたとか、そういう話もありますので、CSFについての対策、お取組についてお願いします。 ◎荒井一哉 家畜防疫対策室長 CSFの対策でございます。CSFにつきましては、養豚農場におきましては、ワクチン接種等を進めていく中で、全国では3月の中頃に沖縄県で発生して以降、もちろん本県も含めて発生はない状況でございますけれども、一方、野生イノシシにつきましては、今現在まで、1府14県で発生しているということで、その感染のエリアは徐々に拡大しており、長野県におきましても、陽性事例が引き続き相次いで見られているという状況でございますので、依然として養豚農場に対する感染リスクがあるという状況でございます。  それに対しまして、本県といたしましては、大きく三つの柱でこのCSF対策を進めているところでございますけれども、一つは養豚農場での対策、それから野生イノシシへの対策、それから人・物を介した交差汚染対策という3本柱で対策しております。  養豚農場での対策につきましては、委員からお話がありましたとおり、全ての豚に対するワクチン接種を継続的に進めているところでございまして、基本的には、飼養豚につきましては6か月ごとに出荷しますけれども、出荷までに1回、あるいは母豚につきましては6か月に一遍ずつ、継続的に打っているということで、いずれにしましてもワクチン接種は全頭に対して継続的に行っている状況であります。  また、同じく養豚場での対策につきましては、やはりバイオセキュリティーレベルを高めると、防疫レベルを高めるというのが非常に重要でございまして、防護柵等につきましては、本会議のときにも答弁もありましたけれども、1軒の農家につきましては、中国からの資材の搬入が遅れているということで、今年の8月までにはできる見込みですが、それ以外につきましては、全ての農場で一応設置が終わっているという状況でございます。防疫レベルの向上につきましては、完璧ということはございませんので、引き続き農家に対する支援等をしてまいりたいと考えております。  また、野生イノシシに対しましては、経口ワクチンの散布ということで、去年、約3万5,000個のワクチンを散布いたしましたけれども、本年も引き続き、効果的にワクチン散布をしていくということで、イノシシの免疫を高めていくという取組を進めていくということでございます。主な取組といたしましては、そういったところで対応を進めているという状況でございます。 ◆山岸喜昭 委員 ありがとうございます。最後に、鹿の被害について、今、県内の被害状況はいかがでしょうか。 ◎小林安男 農業技術課長 鹿によります農作物への被害の状況でございますけれども、ニホンジカによる被害につきましては、平成30年度は1億3,937万円の被害が発生しているという状況にございます。有害鳥獣による被害全体としては減少傾向にございますけれども、依然、鹿による被害が、最も大きい状況となってございます。 ◆山岸喜昭 委員 そんな中で、御存じかと思いますけれども、小諸市では、ガバメントハンターがおりまして、鹿を捕まえて商品化するということに取り組んでいます。平成30年度には、902頭の解体をいたしました。昨年、令和元年では1,514頭を商品化ということで、今まではペットフードということで商品化をして、やっと軌道に乗ってきまして、昨年ですと2,500万円ほどの売上げがあったということでございます。  それで、今年の取組としまして、鹿皮を使った商品化ということで今、皮でネクタイを作ったりとか、ペンケースを作ったりとか、名刺入れを作ったりということで、大変柔らかくて、大変いい商品であります。それを、県のイメージアップとして、きれいに作っていますので、これをまたPRしてほしいと思うんです。今、この取組について、いろいろな県から視察も多いんですよね。もう3、4年で100件以上、視察に来ています。そんな中で、ぜひ部長にお願いしたいんですが、県職員も名札とかネクタイとか何かに使っていただければありがたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎伊藤洋人 農政部長 鹿皮の製品を県職員で使ってはどうかという御提案でございます。私は、たまたまペラペラのものですけれども、現在も県職員でも鹿皮の名札を使っている者や、知事は木曽の漆の名札を使っております。我々も野生鳥獣被害対策に取り組んでいる立場でございますので、そういった製品がございましたら、また職員にも紹介して、どうですかという声かけはしてまいりたいと思っております。 ◆山岸喜昭 委員 ぜひ県のイメージアップとして、特に農政部は使っていただきたいと、そんなふうにお願いをしまして、以上で終わります。ありがとうございました。 ○中川宏昌 委員長 本日の審査はこの程度とし、明30日は午前10時30分から委員会を開会し、農政部関係の審査を日程といたします。  なお、今定例会中の委員会の開議通知は、書面通知を省略し、放送または口頭連絡により行いますので御了承を願います。  散会を宣した。   ●散会時刻 午後3時16分...