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令和 2年 2月定例会本会議-02月21日-04号

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  1. 長野県議会 2020-02-21
    令和 2年 2月定例会本会議-02月21日-04号


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    令和 2年 2月定例会本会議-02月21日-04号令和 2年 2月定例会本会議 令和2年2月21日(金曜日)  出席議員(57名)   1 番 熊谷元尋      27 番 両角友成   2 番 望月義寿      28 番 中川宏昌   3 番 小林君男      29 番 清水純子   4 番 清水正康      30 番 小池久長   5 番 加藤康治      31 番 酒井 茂   6 番 川上信彦      32 番 堀内孝人   7 番 山田英喜      33 番 石和 大   8 番 大井岳夫      34 番 依田明善   9 番 丸茂岳人      35 番 山岸喜昭   10 番 寺沢功希      36 番 小島康晴   11 番 花岡賢一      37 番 小林東一郎   12 番 池田 清      38 番 毛利栄子   13 番 百瀬智之      39 番 和田明子   14 番 山口典久      40 番 諏訪光昭   15 番 小山仁志      41 番 丸山栄一   16 番 竹内正美      42 番 小池 清   17 番 竹花美幸      43 番 宮本衡司
      18 番 宮下克彦      44 番 清沢英男   19 番 大畑俊隆      45 番 垣内基良   20 番 共田武史      46 番 鈴木 清   21 番 丸山大輔      47 番 高村京子   22 番 髙島陽子      48 番 宮澤敏文   23 番 荒井武志      49 番 西沢正隆   24 番 埋橋茂人      50 番 風間辰一   25 番 続木幹夫      51 番 佐々木祥二   26 番 中川博司      52 番 向山公人   53 番 平野成基      56 番 服部宏昭   54 番 本郷一彦      57 番 望月雄内   55 番 萩原 清  欠席議員(0名)         ─────────────────── 説明のため出席した者   知事        阿部守一     農政部長      山本智章   副知事       太田 寛     林務部長      井出英治   副知事       小岩正貴     建設部長      長谷川朋弘   危機管理監兼危   竹内善彦     建設部リニア整   坂田浩一   機管理部長              備推進局長   企画振興部長    伊藤一紀     会計管理者兼会   塩谷幸隆   総務部長      関 昇一郎    計局長   女性活躍推進監   酒井裕子     公営企業管理者   小林 透   兼男女共同参画            企業局長事務取扱   センター所長             財政課長      矢後雅司   県民文化部長    増田隆志     教育長       原山隆一   健康福祉部長    土屋智則     教育次長      轟 寛逸   環境部長      高田真由美    教育次長      三輪晋一   信州ブランド推   熊谷 晃     警察本部長     伊藤泰充   進監兼営業局長            警務部長      野﨑美仁   産業労働部長    林 宏行     監査委員      田口敏子   観光部長      中村正人         ─────────────────── 職務のため出席した事務局職員   事務局長      小山 聡    議事課課長補佐   小山雅史   議事課長      村松敏伸    兼委員会係長   企画幹兼議事課   西川 裕    議事課担当係長   山田むつみ   課長補佐              総務課担当係長   伊藤啓一                     総務課主任     三輪佑也         ───────────────────  令和2年2月21日(金曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    各委員長の報告案件      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    各委員長の報告案件         午前10時開議 ○議長(清沢英男 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑並びに各委員長の報告案件についてであります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(清沢英男 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、山岸喜昭議員。       〔35番山岸喜昭君登壇〕 ◆35番(山岸喜昭 君)おはようございます。これより質問に入ります。  まず最初に、森林・林業の現状と課題についてお伺いいたします。  今回の令和元年東日本台風の被害により、千曲川という大河川と共に暮らす私たちは、危険と隣り合わせで生きる覚悟が必要であります。国や県、市町村だけでなく、住民や事業者も対策が欠かせません。この災害を教訓としたいものであります。  私は、今回の災害を受け、国土の70%を占める森林を見直す必要性を感じています。以前から、森林は緑のダムと言われ、洪水や渇水を防ぐ機能があるとされています。そして、今回の令和元年東日本台風において、千曲川上流部の森林が大きくクローズアップされておりますが、森林保全にきちんと向き合い、災害に強い県にしていくには、森林を守っていくことが県民の生命、財産を守ることにつながるのではないでしょうか。防災・減災のために森林の健全な状態を維持し、林業を持続的に行っていくには、森林所有者の意識向上及び森林整備に対する理解の深化が必要と思われるが、いかがか。  信州カラマツ等の利用促進についてお伺いします。  東京オリンピックで体操などの競技場となる有明体操競技場が完成しました。オリンピック関連施設の建設は、環境に配慮して、管理された森林から伐採された認証材の利用が求められ、約2,000立方メートルの丸太材を生産し、これらを集成材に加工して作られた競技場の長さ90メートルのはりは、木製構造物として世界最大規模のものであります。内装、外装ともに木材をふんだんに使い、オリンピック関連施設の中では木材利用が最も多い施設であります。ここに使われている材は、東信のカラマツであります。  また、間もなく開館を迎えます県立武道館にも、カラマツ材をはじめとした県産材が多く使用され、柔らかい温かみのある施設に仕上げられております。  また、まだ記憶にも新しいと思いますが、昨年、天皇陛下が御即位され、国家国民のために、その安寧と五穀豊穣に感謝し、新穀を神々に供える皇位継承重要祭祀、大嘗祭が11月に執り行われましたことは、御承知のとおりであります。中心的儀式、大嘗宮の儀が、皇居東御苑に特設された大嘗祭の舞台である大嘗宮で行われました。大嘗宮が公開され、参観者は80万人にも上りました。大嘗宮のそれぞれの殿堂の主要部材として使用されたのは、浅間山麓の国有林から搬出されたカラマツ材であることを御存じでしょうか。生産された皮つき丸太は、1,100本が使用されております。  木材の輸入自由化で、安価な外国産木材が市場を占め、国産材のシェアが激減し、林業に携わる人材も減少、かつての重要な経済基盤であった森林の活気が失われ、地方から人材が去っていきました。今こそ木材の価値、評価を上げるため、信州産カラマツの良さを発信し、県産木材の利用拡大が求められております。大切に守り育てられてきた資源がオリンピックや大嘗祭で脚光を浴び、使用されることは、誇りでもあり、喜びにも感じ、今こそ県産材を売り込むチャンスでもあります。  本格的な木材利用の時代を迎える中、これからの県産材製品の今後の販路開拓はどのように取り組まれていくのか。また、良質なカラマツなど、森林資源の充実に伴い利用増加が見込まれるが、いかに利活用していくのか。今後の取組内容について林務部長にお聞きします。  次に、森林・林業人材の育成についてお伺いします。  長野県の林政において、これからの若い森林・林業人材をどのように県として輩出していくのでしょうか。高校教育は、地域経済を支える源であります。しかし、長野県内の高校において、林業を学べる高校は限られています。  ヨーロッパ、特にドイツは、スマート化された林業先進国ですが、国としてもその林業技術者をきちんと育てています。  長野県の強みは、森林王国と言われるように、その78%が森林であるということから、森林・林業の技術者を育成することは自然の理であります。長野県としても、高校の職業科の募集においてなかなか定員を満たすことができなく、断片的な判断でその必要の可否を論じるのではなく、その教育が、県そして国を守る力になることを子供たちに教えていかなければならないと思うところであります。  そして、時代、環境に合わせて、高校における林業技術並びにマネジメント能力アップにおいても、先進的なICT教育を進めながらその学科に夢を持たせようとしなければ、生徒は林業に目を向けることはないと感じます。  そして、全国から注目される森林・林業人材の育成に取り組むことにより、中山間地の雇用先も生まれ、より地域の人材確保のニーズも高まるものと思います。特に、森林の役割は、県土の保全や水源涵養、木材をはじめとする林産物の供給、地球温暖化防止等、その必要性はますます高まるものと確信するところであり、県として、森林・林業人材の育成については、林務部と教育委員会と横断的な取組をし、森の人材育成を推進すべきと思うが、いかがか。林務部長及び教育長の見解をお伺いします。  次に、信州ブランドの挑戦についてであります。  人口減少で国内市場の行き先が見通せない中、信州ブランド品の将来をどこに見いだすか。観光客の急増で活気づく沖縄県を視察してきました。国内外から訪れる観光客は、6年前から120万人増加して724万人、町なかをあふれるほど行き交う外国人は、台湾、中国、韓国、香港を中心に、外国人が293万人を占めています。2019年には1,016万人と過去最高を更新しており、観光客数全体が順調に推移し、観光収入8,000億円、1人当たりの消費額は7万8,000円、平均滞在日数が3.65日と説明がありました。  1人当たり県民所得は全国で最も低いが、出生率が高い上、移住人気も集め、人口が増加しています。多様な人が集まる消費地としての注目度が高まっています。その勢いを取り込もうと、県営業本部が活動しています。  また、海外との交易の歴史が深い沖縄を通じたアジアヘの進出であります。東アジア及び東南アジアと日本本土との中間に位置し、活気づく沖縄県は、消費地として注目度が高まっており、連携や交流を深めていくことは今後大きなメリットが期待されるものと考えます。  アジアではどんな信州ブランドが売れるのか。それを探る上でも、年間300万人の外国人観光客が訪れる沖縄県は好都合であります。目的には、県産品を通じて信州ブランドを浸透させ、沖縄から信州に農産物や観光客を呼び込む道筋を探ります。気候の違いから、両県の農産物などが競合するおそれは少なく、海なし県の信州と海に囲まれた沖縄が交流することは非常に意義あるものと思います。  広さに限りのある沖縄で信州産品への反応を集中的に調べれば、国内の他の地域でやるよりも精度の高い効果が得られる可能性があり、県産品を扱う催事の交渉、観光事業者とのツアー企画など、結びつきの強化に向けた動きに期待は大きいところであります。  先行している交流事例もあります。国内で有数なレタス産地、川上村と、友好都市を提携する一大リゾート地、恩納村であります。川上村の農家が農閑期の冬に恩納村を訪れ、栽培技術を伝え、沖縄で育ったレタスを現地のリゾートホテルや学校給食に使っているというシンカレタスと名づけたこの事業は、地元ではパッションフルーツやサトウキビなどの生産が中心だったのですが、レタス栽培で村の農業の幅を広げられたと力が入ります。今後、気象や風土が大きく異なる沖縄と信州が連携し、さらに交流を拡大していくことは、双方にとって物産と観光の振興の両面でウィン・ウィンの関係が築けるものと考えます。  県営業局では、11月に沖縄大交易会2019への長野県のPRブースを出展するとともに、現地バイヤーや流通事業者への営業にも着手したところであり、沖縄県は、アジアへの輸出展開を図る上でも、テストマーケティングの地として有益であります。  沖縄県民向けのマーケットとしては、可能性をどのように認識し、今後どのように展開していくのか。外国人観光客が数多く訪れるリゾートホテルヘの売り込みも開始されたとお聞きしているが、反応はどうであったか。あわせて、今後はどのように展開していくのか。さらに、県民の豊かな暮らしを創出するために稼ぐ力を意識した戦略が求められるが、今後期待される沖縄とのウィン・ウィンの関係はどのように築いていくのか。信州ブランド推進監にお聞きします。  さらに、海と山のリゾートとして代表される両県では、観光面での人の交流を盛んにしていくことにも観光振興の可能性が大きく広がるものと考えます。沖縄県議会も本県との交流に大変前向きであったが、将来的には松本空港の活用につなげていくことにも大いに期待が持たれています。こうした観光面からも、両県が交流拡大を進めることで観光振興の可能性が大きく広がると思うが、現状と課題をどのように認識し、今後どのように取り組んでいくか。観光部長にお聞きします。       〔林務部長井出英治君登壇〕 ◎林務部長(井出英治 君)私には4点お尋ねをいただきましたので、順次お答えをいたします。  森林保全に対する県の所見についてでございます。  県土の8割を占める森林は、土砂災害の防止など様々な機能を有しており、県民生活に深く関わりを持っております。このため、県では、災害に強い森林づくり指針の基本理念である立地環境に適した樹木を育成する適地適木や間伐による適正管理により、森林の土砂災害防止機能を高め、壊れにくい森林の育成に努めております。また、最近では、航空レーザー測量人工衛星データを活用するなど最新の技術を取り入れ、災害の起きやすい危険箇所の把握に努め、治山事業を進めているところでございます。  今後も、こうした取組をさらに加速し、多面的な機能が十分に発揮される強く美しく豊かな森林を育成することにより、県民の安全、安心の確保を図ってまいる所存でございます。                 次に、森林の維持や持続的な林業のための森林所有者の意識向上等についてお尋ねをいただきました。長期にわたる木材価格の低迷により森林所有者の経営管理意欲が低下していることに加え、所有者の世代交代が進んでいることなどにより、経営管理が十分に行われないケースがございます。  このため、県としては、森林の持続的な経営管理が進むよう、生産性の向上や県産材の利用拡大等により収益性の高い林業の推進に取り組むとともに、森林整備の必要性等について十分に御理解をいただくため、各種の事業の実施に併せて、所有者に対する普及啓発を行っております。  加えて、地域住民の皆様が自立的に行う里山の整備等を通じて森と人とのつながりを再生することも森林整備に対する理解の深化につながるため、引き続き森林づくり県民税を活用してこのような活動に対して支援をしてまいります。  次に、県産材製品の今後の販路開拓及び大径材の利活用についてでございます。  初めに、県産材製品の販路開拓につきましては、全国的に住宅着工戸数の減少が予測されていることから、今後、需要の拡大が期待できる公共施設やオフィス等非住宅分野での販路開拓が必要であると考えております。  このため、これまでの取組に加え、多くの県民が利用する店舗やオフィス等の木質化支援、JAS認証の取得支援、都市圏で販路開拓を行うコーディネーターの配置に必要な予算を今定例会でお願いをしているところでございます。  次に、大径材につきましては、大径材の特性である大断面や強度を生かしたツーバイフォー住宅部材の製品開発など、関係団体と連携して取り組んでおります。このような取組により、今後増加が見込まれる大径材の利活用の促進を図ってまいります。  森林に関わる人材の育成についてでございます。  本県の豊かな森林の持続的な活用と保全を図っていくためには、議員御指摘のとおり、森林に関わる人材の育成、また、このための高校生をはじめとした次代を担う若い世代への教育が重要と認識をしております。  小中学校の段階では、森林・林業への理解を深めるため、学校や地域が主体的に行う緑の少年団や木育活動等への支援を行っております。また、高校の段階では、地域の指導者による森林・林業教育や林業体験活動の実施のほか、高校生を対象とした林業の職場見学会なども開催しているところでございます。さらに、森林・林業に関心のある高校生の進学先として、林業大学校においてより高度な知識や技術の修得を図るための教育を展開をしております。
     今後とも、教育委員会との連携をさらに深め、幅広い年代での森林・林業教育や職業としての林業の認知度向上等により、これからの森林・林業を支える人材の育成と確保に努めてまいります。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)森林に関わる人材の育成についてのお尋ねでございます。  本県では、各地において、林務部と関係団体が行う高校生等を対象とした林業体験・研修を実施しておりまして、昨年度は8校の371名の高校生が参加いたしました。こうした学びを通して、林業大学校や地域の森林組合に進路を決めた生徒がいると承知しております。  こうした中、木曽青峰高校は、今年度より本県の「未来の学校」構築事業研究校の指定を受けまして、高度な産業教育を推進する高校のカリキュラム開発に取り組んでおります。同校の森林環境科では、林業の高度化、生産性の向上を実現できる人材の育成を目標として、来年度から林務部の支援を受けながら林業大学校の教官、学生たちと実習を行い、ドローンによる森林測量、高性能林業機械の実習など、スマート林業の実践的な学習を行う予定であります。こうした研究成果は、広く県内に普及してまいりたいというふうに考えております。  今後とも、地域の資源や人材を活用して、森林・林業への関心を高めるための教育を林務部と連携して行ってまいりたいというふうに考えております。       〔信州ブランド推進監兼営業局長熊谷晃君登壇〕 ◎信州ブランド推進監兼営業局長(熊谷晃 君)4点お尋ねをいただきました。  まず、アジアでどんな信州ブランドが売れるのかについてでございます。  農林水産省やジェトロの調査、沖縄県からの聞き取りによりますと、香港、シンガポールでは富裕層が多く、輸入規制が少ないことから、幅広い品目が日本から輸出されておりまして、高級日本食レストラン向けの牛肉や日本酒、高級果物などに人気があります。一方、訪日観光客が多い台湾やタイでは、日本食が広く知られているため、リンゴやブドウなどの果物のほか、加工食品が広く輸出されております。  営業局でも、本年度、アジア各国で市場調査やフェア、イベントを行っておりますが、そこで見えてきました信州ブランドの可能性としましては、高価格帯の日本酒やシャインマスカットは、香港、シンガポール。リンゴ、桃、ブドウは、香港、シンガポールに加え台湾。また、健康志向から注目されている市田柿は、香港、台湾、タイなどと考えられます。  また、タイでは、国内の日本食レストランが3,000店舗を超えるなど、日本食が人気なことから、みそや凍り豆腐、そばなど、本県の伝統食材への関心も高まってきておりまして、売れ筋商品として期待できるものと考えております。  次に、沖縄県マーケットの可能性と今後の展開についてでございます。  農産物について、レタスなどの葉物野菜は、沖縄県では、本県とは逆に12月から4月が出荷最盛期で、気温の上がる5月以降は出荷が減少するため、6月から9月にかけては本県産各種野菜の参入がチャンスとなります。果物は、パイナップルやマンゴーなど熱帯果物が中心で、沖縄県でも多様な果物が好まれることから、本土でも人気の高いブドウやリンゴ、また、リンゴジュースなどの加工品も需要が期待されております。酒類については、これまで、泡盛、ビールが中心であったものが、外国人旅行者や本土からの移住者の増加などで、日本酒やワイン、その他酒類への関心が高まっております。  また、増加が著しい外国人観光客は、沖縄の文化だけでなく、幅広く日本の文化にも興味を持っており、このことから、日本各地の食文化への関心も高くなっております。南の島国といった特殊性から、沖縄県内の産品は限られており、バラエティーに富んだ本県産品の参入のチャンスがある一方で、いかに安く運ぶかという課題もあり、個々の事業者がばらばらに対応するのではなく、協同して輸送していく方法なども検討したいと考えております。  次に、リゾートホテルでの売込みの反応と今後の展開についてでございます。  今月上旬、沖縄県の宮古島市と恩納村の2か所で、リゾートホテルのシェフと購買担当者の皆さん38名にお集まりいただき、本県ブランドのPRと試食を合わせた第1回目の売込み提案会を実施してまいりました。肉類では信州黄金シャモ信州サーモン、酒類は全般に高い関心をいただく中で、特にシードルに人気がありました。その他の商品としては、しょうゆ豆の調味料としての活用や、パティシエからは市田柿をスイーツヘ利用したいなどの意見が出されるなど、全般的に予想以上の大きな手応えを感じた次第でございます。  現場では、アンケート調査も行い、御要望をお聞きしましたので、直ちに御要望のありました25品目について、出荷時期や販売条件、サンプル提供などについてお打合せを進めております。  なお、沖縄県では流通が少ないシードルや市田柿、ワサビなどの特徴的な信州食材は、直ちに取引に移行する予定でございます。今後は、よりよい調理法の説明や本県の生産者との交流も行い、付加価値を高めるとともに、取引関係を強固なものにしてまいります。  最後に、両県のウィン・ウィンの関係構築についてのお尋ねでございます。  ただいま申し上げましたように、沖縄県とは物産販売や観光から手始めに交流に着手したばかりですが、両県が息の長い交流を続けるためには、双方に利益と交流による新たな価値の創造が求められるところでございます。  そもそも両県の交流は、双方の大きな補完性を生かすことや、共に美しい風土、文化を大切にしている思いが共有できることなどをきっかけに始まったものでありますので、今後も、物産販売、観光以外の幅広い分野における交流の可能性を検討する中で、長野県、沖縄県双方の利益が高まるよう探ってまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔観光部長中村正人君登壇〕 ◎観光部長(中村正人 君)沖縄県との交流拡大の現状、課題と取組について御質問をいただきました。  観光庁の宿泊旅行統計調査や高校の修学旅行の実施状況によりますと、本県から沖縄県への訪問と比べ、沖縄県から本県へのお客様が少ないという現状となっており、沖縄県との交流拡大によって本県への誘客を大きく伸ばせる可能性があると考えております。このため、県観光機構において、沖縄県の教育・観光関係者の皆様の協力を得ながら、現地での営業活動等による教育旅行誘致の強化を図ってまいります。  また、今月には、沖縄県の旅行会社の担当者に観光列車やかまくらといった冬の観光を実際に体験していただきまして、沖縄県にはない魅力を旅行商品にしていただけるよう検討をいただいているところでございます。  両県の交流拡大に当たりましては、訪問の利便性向上が欠かせないことから、信州まつもと空港の利活用も検討してまいります。本年10月に沖縄県で初めて開催される世界最大級の旅のイベント、ツーリズムEXPOジャパンに本県も出展するなど、様々な機会を利用してプロモーションを展開いたしまして、今後、両県の一層の交流拡大を図っていきたいと考えております。  以上でございます。       〔35番山岸喜昭君登壇〕 ◆35番(山岸喜昭 君)次に、長野県小諸養護学校についてお聞きします。  先般、小諸養護学校に明るい知らせが入りました。和太鼓やダンスに活発に取り組むなど体を動かすことが大好きな小諸養護学校中学部3年女子が、聖火ランナーに選ばれました。特別支援学校に通う生徒が頑張って走る姿を多くの人に見てもらおうと、母親が代筆して応募したものであります。ダウン症で言葉をうまく話せないが、聖火ランナーに選ばれ、Vサインを交えた身ぶり手ぶりで喜ぶ姿が報道されました。家族は、障害のある子供を抱え、悩みながら、そして小さな喜びを感じながら見守っています。  共生社会の実現に向けた誰にでも居場所と出番がある信州、しあわせ信州創造プラン2.0であります。障害のある人もない人も、誰もがお互いに支え合い、本当に自分らしく生きていくことができる長野県を目指すことが重要であると捉えています。  子供から大人へと成長する過程で、様々な壁にぶつかり、将来に不安を感じたり、周囲の人たちとの関係に悩んだりすることは、私たち誰もが経験し、不安定なときを乗り越えてこそ子供から大人へと成長していきます。  知的障害のある子供たちを取り巻く環境は多岐にわたっています。子供たちの心や体に係る問題は、対応を一つ間違えると不登校や虐待、ひきこもりなどにもつながることがあり、社会生活ができなくなることも考えられます。  平成元年4月に開校し、あれから31年目を迎えました。小諸養護学校は、小学部、中学部、高等部と、佐久地域11市町村の特別支援教育のセンターとして、地域と共に、地元の方が参加する避難訓練、区民の公民館活動への参加、市民祭り、農業委員会が主催する果樹収穫体験への参加など、地元の住民と子供たちが共に歩む、地域に根差した養護学校でもあります。  小諸養護学校は、児童生徒数101人規模で開校し、現在は児童生徒数が223名、先生、職員153名と大規模になっており、当初の2倍以上の学校になっています。現在、車椅子を利用している生徒が25名、肢体、知的の障害を併せ有する生徒が42名、重度肢体不自由児が14名、寄宿舎生活生徒が29名。生徒が大幅に増えた学校敷地内では、増設されたプレハブ棟が所狭しと校舎の横に併設されています。施設と施設をつなぐ渡り廊下がとても寒々しく感じます。  生徒数が増え、施設環境に様々な課題が出てきています。例えば、生徒、教職員が320名に対し、厨房設備は調理のラインができていません。また、最近では、食のアレルギーの生徒が多く、対応などに手間と時間を要し、280食分しか提供できず、40名の教職員の昼食は持参。生徒と同じテーブルで食事が一緒に取れない、給食施設では一堂に会して食堂を利用できないなど課題が挙げられています。  また、バリアフリー化、トイレ環境の整備、150名の職員の駐車場整備などがありますが、早急に取組を願うのは、重度重複学級わかば教室の整備です。また、4月から高等部が1クラス増える予定とお聞きします。教室が足りません。こうした様々な施設整備の課題について早急に何らかの施策が必要と考えますが、いかがでしょうか。  障害のある子供たちも生きがいを持って充実した学校生活を送ることが重要であります。そのためにも、教育環境のさらなる充実や、就労の促進、スポーツ、文化活動、地域との触れ合いなど、こうしたことに積極的に参加できるような環境をつくることで子供たちがこれからの人生の中で人間形成ができることと感じます。  また、今、保護者や父兄は、障害のある子供のことを隠さない、むしろ行政の特別支援に対する期待が大きくなっています。県内には県立特別支援学校が18校あり、それぞれ課題がある中で、現代のニーズに応じた学びの質の向上や施設設備の改善、通学の利便性の向上などについて要望が多い中、どのように取り組まれているのか。小諸養護学校は、特別支援教育のセンターとして、関係する佐久地域にとってどのような役割を果たしていくべきなのか。教育長にお聞きします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず、小諸養護学校の整備についてのお尋ねでございます。  御指摘のとおり、小諸養護学校については、児童生徒数の増加、障害の多様化、重複化により、厨房設備の能力や調理スペース、トイレをはじめとする生活環境のバリアフリー化など施設設備の課題があるということは認識しております。  特に、わかば教室につきましては、普通教室を転用し、重度重複障害の児童生徒の学習の場としたことから、床面の衛生環境の確保や出入口の改善、学習スペースの確保など、早急な対応が必要であるというふうに考えております。  そこで、来年度、わかば教室につきましては、学習の場の衛生対策や教室の拡充を行うほか、出入口のバリアフリー化についても検討を進め、児童生徒にとって安全、安心な学習環境を順次整えていくこととしております。  また、高等部生徒数の増加に伴う高等部の教室につきましては、会議室の多目的利用により空いた教室を活用する予定でございます。  このほかの課題につきましても、学校との連携を密にし、状況を丁寧に把握しながら、緊急性、必要性の高いものから計画的に環境改善を進めてまいりたいというふうに考えております。   次に、県内特別支援学校の課題への対応についてであります。  県内の多くの特別支援学校は老朽化が進んでおりまして、加えて、多様なニーズに応じた学びの改革や抜本的な学習環境の改善が必要なことから、今年度から特別支援学校改革事業に着手しているところであります。現在、専門家の助言をいただきながら、特別支援教育連携協議会などで今後の特別支援学校の学びの在り方や施設整備の方向性を検討しているところでありまして、中長期的な視野を持って課題解決に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えております。  小諸養護学校の地域で果たす役割についてのお尋ねであります。  小諸養護学校は、佐久地域における特別支援教育のセンターとして、各種相談への対応や、専門性の高い職員が小中学校等に出向き、児童生徒への支援や学習環境改善への助言、関係機関との連絡調整等地域における特別支援教育を推進する役割を担っております。  一方、小中学校等からは、支援の方法や教材の作り方など、小諸養護学校に出向いて直接参観して学びたいという希望もあります。今後は、地域における特別支援教育に係る学びの場としての機能も強化したいと考えております。  さらには、地域や企業の皆様との交流を発展させ、障害に対する理解や社員教育の場として特別支援学校を活用していただくなど、双方向で学び合えるプラットフォームの役割も果たしていきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。       〔35番山岸喜昭君登壇〕 ◆35番(山岸喜昭 君)今年は東京オリンピック・パラリンピックの年であります。パラリンピックもいろいろな競技があります。ぜひ、それぞれの施設にスポーツ指導員を派遣し、長野県からも多くの選手を送り出し、障害者も活躍する明るいニュースを期待し、質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(清沢英男 君)次に、酒井茂議員。       〔31番酒井茂君登壇〕 ◆31番(酒井茂 君)自民党県議団、伊那市選出、酒井茂でございます。私は、今回は、信州ブランドと地域医療構想の2項目について質問をいたします。  さて、昨年、長野県は、東日本台風によりまして広範囲にわたり甚大な被害を受けたところでございます。また、これに加えて、最近におきましては新型肺炎による対応が急務となっているところでございます。  行政に課せられた最も重要な課題、役割は、一朝有事の際や非常時において迅速かつ的確な行動を取ることであります。県においては、これらの課題に引き続き全力で対応するとともに、令和2年を台風災害からの復興の年にしなければならないと考えるものでございます。  さて、私は、昨年の9月議会定例会一般質問におきまして、水道事業と常備消防の2項目について質問をしたところでございます。これに関しまして、大規模災害のことを考慮いたしますと市町村の水道事業については広域連携を進めるべきであること、そして、常備消防につきましては広域化を進めるべきことを提案したところでございます。そして、この議会に提案されております令和2年度の当初予算を見ますと、この二つの課題に対する経費が計上されているところでございまして、大いに評価するところでございます。  質問に入ります。大きい一つ目は、信州ブランドについてであります。  長野県では、台風などによりまして、産業や観光などにも大きな影響が出ているところでございます。しかし、こうしたピンチのときにこそ、これをチャンスに変え、大いに長野県を発信していかなければなりません。  さて、グローバル化、急激な人口減少、消費者の意識や行動の多様化など、時代は大きな転換期にあります。地域間競争が激しさを増す中で、地域の個性を発揮していくことがこれまで以上に求められているところでございます。  地域間競争を勝ち抜き、地域の産業が稼ぐ力を高めることができれば、これが地域の発展につながると考えるものでございます。そのためには、国内外の消費者に対して信州ブランドを選んでいただく必要があります。また、信州ファンを増やしていくことも重要であります。  ブランドに関しまして、先進的な例を二つ挙げてみたいと思います。  まず、都市ブランドといたしましては、京都を挙げなければなりません。私も京都ファンの一人であります。都道府県の魅力度ランキングでは堂々の2位をキープしております。  京都の強みといたしまして、4項目を挙げることができます。一つといたしまして、歴史や文化の集積があります。二つ目には、ものづくり産業の集積があり、伝統的な地場産業が盛んであります。三つ目に、大学や研究機関などの集積があり、学園都市として京都は圧倒的な人気があります。四つ目に、豊かな自然環境に恵まれております。  抜群のブランド力を持つ京都でありますが、ブランド力の向上や定着には大変熱心であります。ちなみに、京都府のブランド向上関連事業を見ますと、本年度の予算額は37億円で、海の京都事業、森の京都事業、お茶の京都事業を三本柱といたしまして、積極的に施策を展開しているところでございます。  一方、企業の例といたしまして、私の地元にあります伊那食品工業を挙げたいと思います。寒天製品の国内シェア8割を誇るトップメーカーでありまして、製品は「かんてんぱぱ」というブランドであります。会社の社是は「いい会社をつくりましょう」であります。企業イメージを高めるために、芸術文化活動や社会貢献活動などに積極的に取り組んでおります。  持続可能な経営の実現のために年輪経営を実践しております。この年輪経営は、世界のトヨタも注目しており、豊田社長も自ら伊那食品を訪問して勉強をしているほどであります。会社と製品が高い評価を受けており、伊那食品ブランドの定着に成功しているところでございます。長野県といたしましても、京都と伊那食品工業のブランド戦略は大いに参考にすべきものと考えるものでございます。  県では、平成25年に策定いたしました信州ブランド戦略により、ブランド力の向上と発信力の強化に取り組んでいるところでございます。そこで、信州ブランド戦略に関して、信州ブランド推進監に2点お聞きいたします。  1、信州ブランド戦略では、ブランド形成の手法として、イメージからの発信と品質からの発信、この二つの柱を掲げておりますが、イメージより品質という確かなものを優先して取り組むべきと考えますが、県の方針をお聞きいたします。  2、信州ブランド戦略では、ブランド発信において、長野と信州、この二つの呼称を使い分けることとしておりますが、長野県の呼び方として適しているものを問う県のアンケート調査によりますと、県外在住者では信州が6割と多いものの、20歳代では長野が過半数であり、将来を見据えると、長野を重点的に用いるほうが適当と考えますが、いかがでしょうか。  次に、知事に3点お聞きします。  1、信州ブランド戦略に掲げる信州ブランドとは何か。また、長野県ならではの強みを生かしていくことがブランド力を高めることにつながりますが、長野県ならではの強みとは何か、お聞きいたします。  2といたしまして、県内にお越しになる人への温かいおもてなしや発信も信州ファンを増やすためには重要でありますが、今後県としてどのように対応していきますか。  3といたしまして、その上で、信州ブランドを発信するための戦略をどのように展開していくのか、基本的な方針をお聞きいたします。  次に、銀座NAGANOについてお聞きします。  私が所属いたしております総務企画警察委員会では、昨年10月に、東京銀座にあります信州首都圏総合活動拠点「銀座NAGANO」を調査いたしました。銀座NAGANOは、首都圏におきます信州ブランドやマーケティングの前線基地として平成26年10月に開設され、昨年10月には5周年を迎えたところであります。  当初は、うまくやっていけるのか心配されたところでありますが、来場者数、売上げ金額ともに増加傾向にありまして成果を上げており、国内外へ信州ブランドを発信するために大きな成果を上げているところであります。  今日の地位を築くことができましたのも、職員や関係者の大変な苦労や努力があったからであり、高く評価するところであります。現在では、他県のアンテナショップからも注目されるまでになっているところであります。  銀座NAGANOでは、賃貸借契約により10年間は現在の建物で業務を行うことができますが、契約期間満了後の在り方が大変重要であります。今後における信州ブランドの継続的な発信のためには、契約期間満了後は契約を更新して、継続して運営することが必要と考えます。  そこで、知事にお聞きいたします。  信州ブランドを発信するために銀座NAGANOが担ってきた役割と業務の成果をどう評価し、今後どのように展開していくのか、基本的な方針をお聞きいたします。  次に、銀座NAGANOの運営の責任を持つ信州ブランド推進監にお聞きいたします。  建物の賃貸借契約が終了する10年経過以降も運営を継続すべきと考えます。現時点での基本的な方向性をどう考えていますか。  次に、牛肉ブランドの強化についてお聞きいたします。  信州ブランドの発信のうち、農畜産物のブランドの向上は大変重要であります。県では、食と農業農村振興計画の中で信州ブランドの確立について記述をしており、中でも、信州プレミアム牛肉の生産の拡大と販売促進を進めることとしております。  自民党県議団は、昨年10月に、京都市の中央食肉市場を調査いたしました。近代的な施設で、牛の入荷から解体、処理、そして競りまで全ての工程を行っております。  この市場におきます牛の入荷量を見ますと、長野県産は京都府産に次いで全国で2番目に多い状況にあります。その中で、信州プレミアム牛肉の評価が非常に高いことが分かりました。プレミアム牛肉として認定された牛肉のうち、約3割が京都市場に出荷されているわけであります。市場関係者は、肉質の良い信州プレミアム牛肉の入荷量を増やしたいとしていることから、さらなる出荷の促進を図ることが重要であります。  そこで、農政部長に2点お聞きいたします。  1、信州ブランドの向上のため、信州プレミアム牛肉に係る情報発信と販売促進を図るべきと考えますが、今後の信州プレミアム牛肉のブランド力向上に向けた施策の推進方針をお聞きいたします。  2、信州プレミアム牛肉は、関西を中心に一定の評価を得ているところでありますが、大消費地であります首都圏への販売促進も図るべきと考えます。今後の具体的な対策をどう考えていますか。  以上で大きい一つ目の質問といたします。       〔信州ブランド推進監兼営業局長熊谷晃君登壇〕 ◎信州ブランド推進監兼営業局長(熊谷晃 君)3点お尋ねをいただきました。  まず、イメージと品質のいずれを優先するのか、県の方針についてでございます。
     ブランドは、顧客との約束とも言われておりますが、議員御指摘のとおり、信州ブランドを形成するためには、顧客の信州への期待を裏切らない、または期待を上回る品質を提供し続けることが重要であり、そのためにも、商品やサービスの品質には信州のよさや強みが生かされることが必要であります。  その一方で、県外商談会でのバイヤー向けのアンケートでは、信州という付加価値が商品に生かされていないとの指摘もいただいております。営業局としましては、本年度より、研修会を通して、信州のよさとは何か、それを商品づくりにいかに生かすかをテーマに学んだり、新たなブランド商品を企画するための講座を開設いたしました。新年度からは、本県の魅力である高原の優位性のエビデンスなどを明らかにする取組も開始いたします。  今後は、本県に寄せられる期待やイメージを的確に把握しながら、信州の強みを県民の皆様と磨き上げ、ものづくりやサービスの品質を高めていくとともに、魅力的で効果的な発信を一体的に行い、信州ブランドの価値向上を進めてまいります。  次に、将来を見据えた長野と信州の呼称の使い方についてでございます。  地域ブランドにおいて、地名の定義は非常に重要であることから、信州ブランド戦略では、御案内のとおり、県内外でのアンケート調査信州ブランド研究会での議論を経て、主に国内向けのブランド発信では信州を、海外戦略では長野を用いることとしました。  通常のブランド戦略からすれば二つの地名の併用は珍しいのですが、信州については、長い歴史の中で県民から愛され、県内外に豊かな本県のイメージを育んできたことから、特別に用いることとしたものであります。その一方で、近年はグローバル化の進展もあり、長野の使用を見受ける機会が増えてきております。いずれにしましても、しあわせ信州のキャッチフレーズを含め、信州ブランド戦略はまだまだ普及の途上でありますので、当面は定着とその拡大に取り組ませていただきまして、状況の変化について常に把握しながら調査や検討の必要性を判断してまいりたいと考えております。  最後に、銀座NAGANOの賃貸借終了後の継続についてでございます。  現在、銀座NAGANOでは、メンバーズカード会員が2万2,000人に達するなど、信州ファンを確実に増やす一方で、県内市町村、企業、県民の皆様からは、首都圏での県民共通の信州ブランド発信の場として大きな御期待をいただいておることから、10年後もその期待に応えていかなければとの使命に燃え、日々取り組んでいるところでございます。  とはいえ、県議会をはじめ県民の皆様に御理解をいただき、10年を一つのお約束の期間としておりますので、それまでの間は、皆様の御期待に応えられますよう成果の検証を重ねつつしっかりと取り組み、多くの皆さんにとってなくてはならない拠点となりますよう頑張ってまいる所存でございます。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)信州ブランドに関して4点御質問を頂戴いたしました。  まず、信州ブランドとは何か、長野県ならではの強みは何かという御質問であります。  いわゆる地域ブランドとは、単なるイメージではなく、その地域の持つ価値にしっかりと裏打ちをされたものでなければならないというふうに私は考えております。また、ブランドの力が人を引きつけ、そこで生み出されるものやサービスのイメージが向上し、付加価値の向上にも資するものであるというふうに考えております。  信州ブランド戦略におきましては、信州ブランドの基本となる価値として、「健康長寿」、「勤勉で教育熱心な県民性」、「自然の美しさ・環境との共生」、この三つを掲げております。これこそが信州らしさを形づくる基本となる要素であり、長野県としての強みだというふうに考えております。  続きまして、おもてなしの今後の対応という御質問でございます。  おもてなしの向上については、これは長野県としての大きな課題だというふうに考えておりまして、「ずく出し!知恵出し!おもてなしプロジェクト」ということで、平成25年からいろいろな取組を進めてまいりました。信州おもてなし未来塾を開催して、これまでに150名を超える方をおもてなしマイスターとして認定させていただいておりますし、また、企業、団体等の活動の中で他の模範となるようなおもてなしの活動を「信州おもてなし大賞」という形で表彰して、そうした取組を広く普及させていただいております。また、おもてなし宣言を多くの皆様方に行っていただいておりまして、これまでに3,700件、6万5,000人以上の皆さんにこの宣言を行ってきていただいているところでございます。  こうしたことを通じて、平成27年以降、四半期ごとにおもてなし満足度調査を行っておりますが、昨年1年間の平均で大変満足という方が3割ということで、これまで、毎年の平均はおおむね20%程度でありましたけれども、昨年向上することができたというふうに思っております。  ただ、まだまだ改善すべきこともたくさんあるものというふうに考えております。引き続き、観光関係者はじめ多くの関係者の皆様方と力を合わせて、様々な接遇研修やおもてなし研修会を開催しておもてなしの向上に努めていきたいというふうに思っております。また、例えば、ユニバーサルツーリズムのように、その政策自体がおもてなしの具体化となるような政策についてもしっかりと進めていきたいと考えております。  続きまして、信州ブランドを発信するための戦略をどう展開していくのか、基本的な方針についてという御質問でございます。  信州ブランドを発信していく上では、先ほど申し上げました長野県ならではの三つの強み、ものづくりやサービス、様々なブランド力の向上にしっかりとつなげていかなければいけないというふうに考えております。そのためには、例えば、勤勉な長野県の製品なので高品質だ、あるいは美しい水に育まれた農産物なので安心だといったように、エビデンスやストーリーと一緒に発信をしていくということが重要だというふうに考えております。  また、単に発信するだけではなく、発信を通じてお客様方からフィードバックをいただき、それをもとにさらなる価値の向上を図っていく、そしてそれをまた発信するといったブランド力を継続的に向上させるためのサイクルを回していくということも必要と考えております。こうした取組を通じて信州のブランド力をさらに高めていきたいと考えております。  続きまして、銀座NAGANOの役割と評価、今後の方針という御質問でございます。  銀座NAGANOは、コアな信州ファンづくりを目的に、信州の幸せを県外あるいは海外の皆様方ともシェアする、分かち合うことによりまして信州のブランド発信を行う拠点として整備いたしました。おかげさまで、昨年10月に5周年を迎えましたが、大変多くの皆様方に御利用をいただき、好評をいただいてきております。昨年度の来場者数は、設立当初の目標の3倍の約100万人、売上げは2億4,000万円に達しますとともに、イベントには5年間で8万人を超える方に参加いただいております。これも、設立当初から、多くの事業者、県民の皆様方にオール信州で御協力、御支援をいただいたおかげであり、心から感謝申し上げたいと思います。  当初から、単なる物産館にはしないという思いで立ち上げたわけでありますけれども、イベントスペースをはじめ銀座NAGANO全体で信州の魅力やストーリーを伝え、信州ファンの創造にも大きな役割を果たしてきたものというふうに考えております。  台風19号の発災直後から、多くのファンの声や義援金、物品の購入などを通した支援が寄せられておりますが、今後、この銀座NAGANOの展開としては、さらに踏み込んで、信州の課題を共に考え、行動する、共感、協働、共創の場として、また、つながり人口を創り上げていくゲートウェイとして、さらには、首都圏、海外への営業拠点として、他県のアンテナショップには類を見ることのないブランド価値創造拠点としての活動をさらに展開していきたいと考えております。  以上です。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)信州プレミアム牛肉について御質問をいただきました。  まず、ブランド力向上に向けた推進方針についてお答えをいたします。  信州プレミアム牛肉は、全国に先駆け、県が独自に定めたおいしさ基準を満たす安全、安心な牛肉であります。おいしい信州ふーどの中でも、プレミアムに位置づけた本県の基幹ブランドであり、そのブランド力向上のため、生産、販売の両面で対策を強化する必要がございます。  生産面では、施設整備や繁殖雌牛の導入支援などにより生産頭数を拡大するとともに、農場HACCPや畜産GAPの認証取得、体外受精卵移植などの先端技術の活用によりさらなる品質の向上を図ってまいります。  また、販売面においては、県内では、多くの県民や観光客等に食べていただけるよう、ホテルや飲食店での利用促進を図るとともに、県外では、主な流通先である関西圏における評価をさらに高めるため、県が主体となった共進会や食肉フェアの開催等による発信力を強化し、首都圏も新たなターゲットとして流通業者へのPR等による認知度の向上を図ってまいります。これらの取組につきましては、県とJAグループ、食肉流通業者等が一体となり、推進をしてまいります。  続きまして、首都圏での販売促進についてお答えいたします。  首都圏における販売促進に向けては、まずは最大の流通拠点である東京食肉市場において卸売業者等の流通業者の認知度向上を図るとともに、流通量を確保し、取り扱っていただく店舗の拡大につなげていく必要があります。  東京食肉市場へは、昨年度から民間業者との連携により枝肉での出荷が開始されるとともに、本年度は、県の新規事業を立ち上げ、卸売業者からのニーズが高い生体での出荷を7月及び11月に合計20頭、試験的に実施をしたところであります。  流通業者からは、品質は非常に良いとの評価をいただいており、来年度は、本年度の倍以上の生体出荷量の確保に向け、生産者等による東京向け出荷団体の設立を支援し、出荷の拡大、継続をしてまいります。  また、あわせて、信州プレミアム牛肉のおいしさと魅力を実感して利用いただくため、銀座NAGANO等において流通事業者の皆さんを対象としたイベントを開催するなど、PR活動を積極的に行ってまいります。  以上でございます。       〔31番酒井茂君登壇〕 ◆31番(酒井茂 君)それぞれ前向きな御答弁をいただきました。  おもてなしについては、とかく閉鎖的と言われる信州人の県民性に課題があると思いますので、課題を解決していかなければならないというふうに思っております。  銀座NAGANOにつきましては、知事から前向きな答弁をいただきましたが、5年後であります。しかし、ぼつぼつ前を見据えながら検討をする必要があるのかなというふうに思っているところでございます。  牛肉につきましても、関西では特に牛肉の消費量が多いということで、私は馬肉ですき焼きを食べる食生活であったので、まさか牛肉ですき焼きを食べるということが関西であるとは知りませんでした。今は普通に牛肉を食べておりますけれども、これから大いに消費を拡大しなければならないと思うところでございます。  今年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される年でありまして、長野県を世界や国内にも大いにPRできる絶好の機会でもあります。信州ブランドが広く定着し、それが産業の活性化につながり、長野県に住む私たちが誇りを持ちながら暮らし続けられる県となることを期待いたしまして、次の質問に移りたいと思います。  大きい二つ目の質問は、地域医療構想についてであります。  現在の医療を取り巻く環境を見ますと、少子化、急激な高齢化というかつてない厳しい状況の中で、いかに地域の医療を維持していくかということが大きな課題となっております。  そうした中で、厚労省は、各都道府県が2025年の医療体制を想定した地域医療構想を策定する方針を決定し、これを受けて、都道府県では、地域の実情に応じて構想を策定したところでございます。この構想に基づきまして、将来の医療需要に応じた医療供給体制の構築に向けて取組を進めるとされているところでございます。  取組を進めるに当たりましては、各広域圏に設置されております地域医療構想調整会議におきまして協議をされているところでございます。  地域医療構想を策定後、厚労省では、医療機関の再編統合などの検討を都道府県に要請してまいりましたが、この議論がなかなか進んでいないという状況があるわけであります。再編統合とは、機能の転換、病床数の削減、統廃合などを指しているわけでございますが、各医療機関にとりましてはなかなかハードルが高い課題となっております。  さて、地域での議論を促すため、厚労省は、昨年9月、診療実績が乏しく再編統合の検証が必要な病院のリストを突然公表いたしました。このリストは、厚労省が設置したワーキンググループにおきまして作成されたものでございます。  公表されましたのは、全国の約1,600の公立・公的病院のうち、424病院となっております。対象病院の選定作業は、がん、心疾患などの九つの項目につきまして、「診療実績が特に少ない」または「所在地が近接している」の二つの項目につきまして数値化して分析し、一定の水準に満たない数値の病院が公表の対象とされたところであります。  近接の判断につきましては、全国一律に自動車での移動時間が20分以内の距離であるかどうかにより行われたところでございますが、積雪地や山間地などの事情は全く考慮されておらず、不適当ではないかと考えるものでございます。  公表された病院は、地方にある自治体経営の中小病院が多いのが特徴であります。また、公立や公的な病院が唯一という地域も多く、地域から病院がなくなってしまうのではないかという不安が広がっているところでございます。  昨年の厚労省の公表につきまして、自治体や医療機関からは様々な批判や疑問の声が上がっているところでございます。共同通信が昨年11月から今年1月にかけまして都道府県や市町村に対して行ったアンケート調査の結果が過日報道されたところであります。それによりますと、具体的な病院名を公表したことについて、全国では63%の自治体が不満と答えており、長野県内では73%が不満と答えております。さらに、病院を評価する分析方法については、全国で57%が不満と答え、長野県内ではこれを上回る実に72%が不満だと答えているところでございます。  厚労省のワーキンググループの資料によりますと、再編統合について議論が必要な医療機関は、遅くとも今年の9月末までに結論を得ることとされております。公表から結論を得るまでの猶予期間を1年としているところでございますが、極めて短い期間であり、なぜこうも急ぐのか、私は理解をすることができません。公立病院の再編統合ともなれば、該当自治体の首長や議会の理解が不可欠であり、1年で結論を出すことは到底無理と考えます。  読売新聞が昨年10月から11月にかけて全国の都道府県に行ったアンケート調査によりますと、期限内に対応策を示せる見通しが立っている都道府県は全体の3割にとどまっているところでございます。  リストの公表後、地方から大きな反発が出たため、総務省が仲介する形で、10月に国と地方の協議の場が設定され、全国知事会等3団体は、国は地方の意見を十分に踏まえ、協議を進めるべきである旨の意見を厚労省に提出したところでございます。長野県議会におきましても、10月7日に本会議で地域の実情を十分に踏まえた地域医療構想の推進を求める意見書を可決したところであります。  今年に入り、1月17日付で、厚労省医政局長から各都道府県知事宛てに、公立・公的医療機関等の具体的対応方針の再検証等についてという文書が発せられたところでございます。この文書は、再編統合に向けた議論を進めるよう地方に求めるものでございます。その中で、これまで今年9月までとされていた期限については当面先送りされ、改めて通知することとされたところでございます。  この通知の中で、再編統合に関する議論の進捗状況を勘案して、国の地域医療介護総合確保基金の地方への配分に反映させるとしておるところでございます。つまり、議論の進捗状況が遅い地域にはペナルティーを課すというものでございます。本来、この基金は、地域医療構想の実現のために、病床機能の転換に伴う施設や設備の整備などを支援する際の財源として創設されたものでありますが、再編統合に係る議論の進捗状況によってペナルティーを課すことは本来あってはならないことだと考えるものでございます。  私は、地域医療構想や医療機関の再編統合に向けた議論は、地方の主体的な協議を経て行うべきものであり、国主導で行うべきものではないと考えます。また、一方的に国が再編統合の対象医療機関を示すのではなく、地方の自主性を尊重して、地方から再編統合の案を出してもらう方法のほうがかえってスムーズに事が進むのではないかと考えるものでございます。  再編統合に関する方針については、各圏域の調整会議で協議することとされておりますが、公立病院の統廃合を行う場合、その決定権は調整会議にはなく、設置者である自治体にあることを忘れてはなりません。自治体の議会の判断なしでは統廃合は議論できないのであり、調整会議と自治体との調整をどう行うかが極めて重要となります。こうしたことから、再編統合に係る協議や合意形成に関しては、私は、県が強いリーダーシップを発揮しなければならないと考えるものでございます。地域の実情が反映されないまま国主導で再編統合が強引に進められるようなことがあれば、地域に大きな混乱が生じたり、再編統合の反対運動が起きないとも限りません。  そこで、以下2点について健康福祉部長にお聞きいたします。  1、長野県地域医療構想を策定後、3年近く経過しましたが、県では、これまで、構想の実現に向けて、各地域に対する指導助言を含めて具体的にどのような取組を行ってきましたか。また、現在の進捗状況はどの程度となっているでしょうか。さらに、進捗状況が順調でないとしたら、その原因がどこにあり、県として今後どう対応していきますか。  2といたしまして、昨年9月26日に厚労省から再編統合等の再検証が必要な424の公立・公的医療機関等が公表され、本県では15の医療機関が含まれております。さらに、1月17日には、厚労省は424とされた対象機関の数を見直して440程度に増やしましたが、新たに対象となった機関名は公表せず、都道府県の協議においてのみ公表するとされているところでございます。県内に対象機関が含まれていれば県として機関名を公開すべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、以下4点について知事にお聞きをいたします。  1、昨年の厚労省の公表については、全国一律の基準により分析したデータのみで議論するのは適切でない等の意見が多く出されておりますが、厚労省の公表した内容について県としてどう捉えておりますでしょうか。  2といたしまして、県は、各広域圏の地域医療構想調整会議において、国が再編統合の対象とした医療機関の具体的対応方針が県の地域医療構想の実現に沿ったものとなるようどのように対応していかれるでしょうか。  3といたしまして、医療機関の再編統合等に関して、地域の実情を踏まえた協議と合意形成を図るには県の強いリーダーシップが求められますが、今後県としてどう対応していかれるでしょうか。  4といたしまして、医療機関の再編統合等に関しては、慎重かつ十分な議論を確保するために、具体的な対応方針に関して性急な結論を求めないこと、さらには、地方における再編統合に関する議論の進捗状況により、地域医療介護総合確保基金の地方への配分額を減額しないことを国に対して要望すべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、地域医療構想の推進について質問いたします。  2017年に県は地域医療構想を策定いたしましたが、その中で、将来の医療供給体制を実現するための施策として、1として、病床機能の分化・連携、2といたしまして、在宅医療等の体制整備、3といたしまして、医療従事者・介護人材の確保・養成の3項目を掲げております。  また、医療機関などに期待される役割といたしましては、人口減少や高齢化等に伴う疾病構造の変化に対応した過不足のない医療供給体制の構築に努める。このことが記述されているわけであります。  病床数につきまして県下の10の2次医療圏の状況を見ますと、人口10万人当たりでは、少ないほうから順に、大北、上伊那、北信地域となっております。構想では、2025年における病床数の必要量を推計しているところでございますが、病床の必要量の推計値はあくまで参考値であって、病床数の削減目標といった性格を持つものではないと記述されているところであります。  一方、人口10万人当たりの医師数について見ますと、全国平均の医師数が247名であるのに対して、県内の2次医療圏では、松本地域が全国平均を上回っているのみであり、他の全ての地域で全国平均を下回っているわけであります。特に、医師数の少ない地域は、少ない順に、木曽139人、上伊那160人、上小163人。また、国が示した医師偏在指標というものがございますが、これについて見ますと、少ない順に、上小131人、木曽131人、上伊那141人となっており、これらの地域は特に深刻な状況であり、県内においては医師の確保が極めて重要な課題であります。  そこで、以下2点について健康福祉部長にお聞きいたします。  1、地域医療構想の推進に当たっては、地域で不足が生じていく回復期や慢性期の病床機能の充実が重要な課題となっておりますが、これらの病床数が少ない地域における病床数の確保対策については今後どのように進めていく方針でしょうか。  2といたしまして、地域医療構想の推進に当たっては、医師の確保も重要な課題となっていますが、医師偏在指標に基づく医師少数区域における医師確保対策については今後どのように進めていく方針でしょうか。  次に、県総合リハビリテーションセンターについてお聞きをしたいと思います。  東日本台風によります千曲川の氾濫によりまして、長野市にある総合リハビリテーションセンターも浸水により大きな被害を受けたところであります。  総合リハビリテーションセンターは昭和49年に開設され、これまで、障害者支援の拠点として大きな役割を担ってきたところでございます。しかし、社会経済情勢等の変化に伴い、適切な運営形態の検討や老朽化した施設の整備などにどう対応していくかが課題となっているところであります。  一方、長野市に設置されているために、南信地域に住む人々にとっては利用に不便であり、南信地域へのサテライト的な施設の設置を求める声が以前から寄せられているところであります。  私は、平成27年9月定例会の県民文化健康福祉委員会でこの件に関して質問を行ったところでありますが、これに対し、当時の障がい者支援課長は、平成26年に施設のあり方検討会を設置し、様々な面から検討している。サテライト的な施設についても検討項目に入っているので検討していきたい旨の答弁がありました。  こうした中で、昨年厚労省が公表した再編統合対象の医療機関にこのセンターも含まれているわけでありまして、県としては大変難しい判断を迫られているわけであります。このセンターに関しましては、代表質問で風間議員から質問があり、一部重複いたしますが、質問させていただきたいと思います。  まず、健康福祉部長にお聞きいたします。  総合リハビリテーションセンターの医療サービスに関して、近隣の他の医療機関で代替機能を果たせる機関はあるでしょうか。他の機関で代替できる機能がある場合、センターに残すべき機能をどう捉えているでしょうか。  次に、以下3点について知事にお聞きいたします。  1といたしまして、平成28年3月に総合リハビリテーションセンターの在り方に関する検討結果報告書が出されましたが、その後の検討状況はどうなっているでしょうか。  2といたしまして、厚労省が要請する再編統合等に関する議論と総合リハビリテーションセンターに関する在り方の議論についてどう調整しながら進めるのでしょうか。また、近い将来、厚労省は再編統合等に関する結論を出すよう要請することが想定されますが、今後のスケジュールをどう考えておられるでしょうか。  3といたしまして、高齢化社会を踏まえ、在宅の高齢者や障害者に対する地域の医療機関や施設のリハビリテーション機能を充実していくことが求められる中で、総合リハビリテーションセンターは、南信地域の住民も含めて広く県民に対して今後どのようにサービスを提供していく方針でしょうか。  以上で大きい二つ目の質問といたします。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)地域医療構想についてお尋ねをいただきました。順次お答えしていきたいというふうに思います。  最初に、これまでの取組についてでございます。  地域医療構想の推進のため、これまで地域医療構想調整会議を年2回開催してきております。また、調整会議に県から職員が出席し、各地域の医療の現況や医師の勤務状況などについて説明するなど、関係者間の議論を深めるよう取り組んでまいりました。また、個別の病院に対しましては、地域において担うべき役割などについての助言や、病院の改修などの施設整備への地域医療介護総合確保基金などを活用した支援を行ってきたところでございます。  こうしたことによりまして、それぞれの地域では、医療ニーズに沿った形で医療機関の病床機能の転換や統合、ダウンサイジングなどの取組が行われてきたところでございます。しかしながら、将来の医療ニーズを見極めることが困難であることから、2025年に向けての医療機関の役割分担や連携の進め方が十分であるとまでは言えない状況だというふうに認識をしているところでございます。  そこで、県では、これまでのデータに加えまして、地域の人口や高齢化率の予測といった将来の医療需要の見込みに役立つデータの提供をいたしますとともに、地域医療構想アドバイザーの派遣などによりまして地域医療構想の推進を図ってまいりたいというふうに考えております。  次に、対象医療機関の公表についてでございます。  昨年、厚生労働省が再編統合等の再検証が必要な公立・公的医療機関を公表したことによりまして、県内の各地域において県民や関係者に大きな不安と混乱が起こりました。地域医療構想を進めていく上で、県民や関係者が不安や混乱を抱くということは、かえって議論の停滞につながるものであり、こうした理由から、県内の医療機関が含まれているか否かを含め、公表することは適切ではないというふうに認識をしているところでございます。  次に、病床機能の確保対策についてでございます。
     県内では、五つの2次医療圏で、現在の病床数が第7次長野県保健医療計画で定める基準病床数を下回っている状況でございます。一方で、こうした地域におきましても、将来の医療ニーズの変化に伴い、病床数の減少が見込まれているといった状況でもございます。  地域医療構想を進めていく上で、病床数の増減についてのみとらわれたような議論ではなくて、地域の医療ニーズやセーフティーネットの在り方など実情をしっかり踏まえた議論を行っていくことが重要であるというふうに考えております。こういった議論を行っていく中で、その結果として、各地域で必要とされる病床機能が確保されるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。  次に、医師少数区域における医師確保対策についてでございます。  医師の不足や偏在を表す指標として国から示された医師偏在指標によりますと、本県は、全国47都道府県中、下位3分の1に当たります37位の医師少数県に、また、上小、上伊那、飯伊、木曽、北信の五つの2次医療圏は、全国335の2次医療圏中、下位3分の1に当たる医師少数区域に位置づけられているところでございます。  この医師少数区域についての対応でございますが、現在策定中の医師確保計画の中で目標医師数を掲げ、早期に下位3分の1の医師少数区域から脱し、可能な限り全国2次医療圏の平均レベルまで達することができますよう医師数の増加方針を盛り込んでいく予定としております。  こうした方針に基づきまして、今後は、医学生修学資金の新規貸付者数を17人から25人に拡充することで将来に向けた県内勤務の医師数を確保していくこと。また、一定期間県内勤務を義務づけた修学資金貸与医師の医師少数区域等への優先的配置を行っていくこと。さらには、高齢化や人口減少に伴う多様なニーズに対応する総合的な医療を行う医師を養成していくこと。こういった取組によりまして、医師の確保や偏在是正に向けて積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  最後に、総合リハビリテーションセンターの機能についてでございます。  センターの医療機能は、大きく分けて二つございまして、一つは、高次脳機能障害や重度の脊髄損傷などの患者、また、脳血管疾患の後遺症などにより切れ目のない長期のリハビリを必要とする患者に対するリハビリテーション機能でございます。もう一つは、豊富な実績を有し、県民からの信頼も厚い、関節や脊椎の疾患に関する整形外科手術の機能でございます。  このうち、リハビリテーション機能は、県内で受入れ医療機関が限られている患者を対象としておりますこと、また、高次脳機能障害の北信地域での拠点となっておりますこと、こういったことから、他の医療機関での代替は難しいというふうに考えているところでございます。  一方、整形外科手術は、他の医療機関でも実施をしており、この機能を代替できる医療機関は圏域内には一定数あるものというふうに思っております。  センターでございますが、相談から医療、福祉、社会復帰訓練に至る一体的支援を行っておりまして、その中心を担う医師を確保することが大変重要でございます。他の機関との機能分担に加え、医師確保の視点も考慮しながら残すべき機能を考えていく必要があるものというふうに認識をしております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)地域医療構想に関連して7点御質問いただきました。  まず、昨年9月の医療機関の公表、厚生労働省の発表についての捉え方という話であります。  厚生労働省に対しては、地域の実情を踏まえた地域医療構想を進めるようにということで私からも要望しております。酒井議員の御質問にも先ほどありましたけれども、例えば、地図上で近くても、豪雪地帯は冬にはそう簡単に行き来できないといったような地域の実情を本当に踏まえているのかどうかと。踏まえられていないと思っていますし、また、公立・公的医療機関の担うべき役割を、がん、心疾患、脳卒中といった高度で専門性のある分野、あるいは救急、僻地のような不採算部門に限定して分析しているといったようなことなど、必ずしも地域の状況が十分踏まえられていない、地域で頑張っている医療機関の活動が必ずしも適切に評価されていないというふうに考えております。  続きまして、具体的方針についての県の対応という御質問であります。  今回、具体的対応方針を再検証するに当たりましては、地域医療構想に沿って二つの観点から進めていく必要があるというふうに考えています。一つは、対象医療機関が、分析対象とされている分野のみならず、高血圧や糖尿病といった身近な疾患から入院が必要とされる方まで幅広い患者を受け入れるなど、地域の医療のセーフティーネットを支えているということについてしっかり評価していくということが重要だと思います。  もう一点は、今回対象とならなかった医療機関も含めて、地域全体で将来を見据えた医療機関の役割分担や連携についての議論をしていくということが重要だと思っております。こういったことを通じて、地域の実情に合った医療提供体制が構築されるように取組をしたいと考えております。  続きまして、地域医療構想推進に当たっての県のリーダーシップについてということでございます。  安心して暮らせる長野県をつくっていく上では、まさに地域における医療提供体制は極めて重要な課題だというふうに思います。持続可能な医療提供体制を構築することができるかどうかということが長野県全体の将来に関わってくる大きなテーマだというふうに思っております。  そうした観点で、県としてもこの議論をしっかりと加わって課題を共有しつつ、技術的、財政的にも支援を行い、各地域が最適な医療提供体制を構築することができるように取り組んでいきたいというふうに思っております。  こうしたことを進めるため、来年度、医療施策の部局横断的な展開や関係機関との調整等を行う地域医療担当部長を置くなど、県としての組織体制も強化をしてしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。県全体でこの問題にきめ細かく取り組んでいきたいと考えております。  続きまして、国への要望と、具体的対応方針に関して性急な結論を求めないこと、また、地域医療介護総合確保基金の配分を議論の進捗状況で減額しないように国に要望すべきという御質問でございます。  厚生労働省においては、具体的対応方針の再検証の期限について改めて通知するということとしていますけれども、私どもとしても、酒井議員の御質問にもありましたように、期限に縛られるあまりに結論ありきというような形になるのはよくないことだというふうに思っております。また、この議論の進捗状況で基金の配分が左右されると、厚生労働省はそういう考え方のようでありますけれども、お金で地域をコントロールするという昔ながらの発想ではないかと率直に私は感じております。  そういう意味では、こうした考え方を国に対してもしっかり伝えていく必要があるというふうに考えておりますので、我々としての問題意識を国に対して明確に伝えていきたいというふうに思います。  それから、総合リハビリテーションセンターについてでございます。  まず、検討結果報告書を提出後の検討状況はどうなっているのかという御質問でございます。  平成28年の3月に総合リハビリテーションセンターの今後のあり方に関する報告書が提出された後、リハビリテーションセンターそのものをはじめ、県立病院機構などの病院関係者と意見交換を行いながら庁内での検討を進めてきているところでございます。  検討する中で、昨年10月に台風第19号による被害を受け、現在、応急復旧対応しているところでございまして、今年の1月には、公立・公的医療機関等の具体的対応方針の再検証を求める通知が厚労省から出されるなど、状況も大分変化しております。こうしたことから、災害への備え、あるいは他の医療機関との連携強化、機能分担も検討要素に加えて、現在、鋭意検討を行っている状況でございます。  続きまして、厚労省の要請する再編統合の議論とリハビリテーションセンターの在り方の議論、調整についてという御質問であります。  今般厚労省が要請している再編統合は、医療の効率化の観点から、ダウンサイジング、機能の分化、連携、集約化、また、医療を不足なく提供する観点からは機能転換、連携と、こういったことが要請されております。  他方、総合リハビリテーションセンターの在り方検討におきましては、圏域及び県全体の医療需要やセンターの強みを分析した上で、今後果たすべき役割と医療機能の方向性、他機関との連携、機能分担などの検討を行ってきているところであります。  御指摘のように、まずは県として主体的に在り方を考えるということが重要だというふうに思っております。その上で、地域における医療機関同士の適切な連携や機能分担を図ることについても念頭に置きながら、関係方面と調整を行っていきたいというふうに考えております。  今後のスケジュールについてということでございますが、本年度中を目途に県としての方向性を定め、新年度には、地域医療構想調整会議におきまして具体的な医療機能の連携、分担などの調整を進めていきたいと考えています。  最後に、地域のリハビリテーション機能の充実強化についてという御質問でございます。  今回、総合リハビリテーションセンターの建て替えを検討していく上で、私どもとしても、単なる建物の更新ではなく、センターの強みも生かしながら、広く県全体のリハビリテーション機能をどう向上させていくかということを併せて考えていくことが重要だというふうに考えております。  今後、医師会をはじめとする関係者の御協力をいただく中で、県全体のリハビリテーション機能の強化方針を定めていきたいというふうに思っております。そうした中で、私としては、圏域ごとにリハビリに関して中核となる医療機関を指定し、その医療機関が地域の高齢者や障害者が通所する施設に対して技術指導や支援を行うことができるような体制を構築してきたいというふうに考えております。  また、そうした中で、総合リハビリテーションセンターは、この体制の中心的な存在として各圏域の医療機関のコーディネート役を果たすとともに、全県の理学療法士や作業療法士などのネットワーク化や資質の向上の役割、こうしたことも担っていくことが望ましいのではないかというふうに考えております。  こうした仕組みを通じて、センターが長年培ってきた技術やノウハウを全県に広めていくことで、地域のリハビリテーション機能の充実強化を支援していきたいというふうに考えております。  以上です。       〔31番酒井茂君登壇〕 ◆31番(酒井茂 君)それぞれ前向きな御答弁をいただきました。  知事からは、地域医療構想及び病院の再編についての考え方を述べていただきましたが、正しく認識されていると安心したわけであります。  医師確保につきましては、実は長野県内の高校から医学部に進学する高校生の数が最近減少傾向にあります。医師を確保しなければならないのに、医学部に進学する高校生が減っているというのが現実なんです。ですから、やはり県内から医学部に進学する高校生を増やしていくということをまず考えなければならない。  それから、他の圏域から長野県内に医師を獲得しようということを考えても、例えば結婚している場合、奥さんが長野県には医学部に行ける学校が少ないから嫌だとおっしゃる方もいるというふうに聞いておりますので、そうした面でも改善していかないとなかなか転入してもらえないというふうに考えているところでございます。  いずれにしましても、この地域医療構想及び病院の再編については、国からの要請を漫然と受け入れるのではなく、知事が言われたように、県が主体性を持って地域の医療を守るための議論を進めることを改めて要望しておきたいと思います。  それから、医療法では、県が医療計画を策定する義務がありますが、市町村にはこの義務がありません。急速に少子高齢化が進む中で、市町村では、医療と介護の連携や、医師、看護師などの医療・介護人材の確保養成が重要な課題であることから、私は、市町村においても医療計画を定めることを提案するものであります。  今後、県がリーダーシップを発揮する中で、県下各市町村が医療計画を策定し、子や孫の世代も安心して医療を受けられる、安心して暮らせる社会となることを期待いたしまして、以上で全ての質問を終わりといたします。 ○議長(清沢英男 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時38分休憩          ──────────────────         午後1時開議 ○副議長(荒井武志 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  熊谷元尋議員。       〔1番熊谷元尋君登壇〕 ◆1番(熊谷元尋 君)熊谷元尋です。若年性認知症に対する取組について質問いたします。  認知症の方は、2012年の数値で約462万人、65歳以上の高齢者の7人に1人だそうです。今後、高齢化がさらに進み、団塊の世代が75歳以上となる2025年には700万人。実に高齢者の5人に1人が認知症になると見込まれています。  国では、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会の実現を目指して、2012年にオレンジプランを、そして2015年に新オレンジプランを策定しました。新オレンジプランでは、認知症の本人とその家族の視点を重視し、認知症への理解を深めるための普及啓発の推進や若年性認知症施策の強化など七つの柱を掲げています。  また、長野県では、第7期長野県高齢者プランにおいて、医療、介護等の連携による支援、認知症の理解の促進と地域支援の強化、若年性認知症施策の推進を掲げています。これまでに認知症疾患医療センターの整備や若年性認知症支援コーディネーターの配置などを進め、認知症の人が相談や受診ができる環境を整えてこられたと認識しています。  そこで、第7期長野県高齢者プランの目標に対する達成状況と最終年度及び第8期プラン作成に向けた今後の取組について、健康福祉部長にお伺いいたします。  次に、同じ認知症であっても、65歳未満で認知症が発症した場合を若年性認知症と呼びます。若年性認知症は、高齢者の認知症と違い、発症年齢が若い、男性に多い、異常であると気がついても認知症とは思わず受診が遅れるなどの特徴があります。また、特に働き盛りの世代が発症することで、就労の問題、経済的な問題、子供の教育問題等、高齢者の認知症とは違った問題が発生するとともに、家庭や社会で重要な仕事や役割を担っていることで、本人や家族だけでなく、社会的にも影響が大きいと言われます。そこで、若年性認知症についてどのように認識されているのでしょうか。阿部知事にお伺いいたします。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)認知症に係るプランの達成状況と今後の取組についてのお尋ねでございます。  第7期高齢者プランにおける認知症関連の10項目の目標のうち、例えば、認知症疾患医療センターを10か所設置する目標に対しまして今年度までに7か所を設置済みであること、また、若年性認知症の理解向上のための研修会については、年1回以上開催するとの目標に対し、今年度は3回開催していることなど、順調に進んでいるものもございますけれども、その一方で、さらなる取組が必要となっている項目もございます。計画終了年度である来年度に達成できますよう、これまでの取組で見えてきた課題を踏まえ、取り組んでまいります。  また、来年度策定する第8期長野県高齢者プランにおける本県の認知症施策につきましては、現行プランの実施状況を踏まえますとともに、昨年6月に国が策定いたしました認知症施策推進大綱に基づきまして施策の方向性を検討してまいりたいというふうに考えてございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には若年性認知症に対する認識について御質問をいただきました。  65歳未満で発症する認知症を指します若年性認知症につきましては、現役世代として一家の生計を支えている方が発症した場合、休職や退職により収入がなくなって経済的な問題が生じる可能性もあります。  また、御本人のみならず、配偶者、子供など御家族にとっても、介護の問題をはじめ、身体的、精神的、経済的に大変大きな負担を強いられる場合もあるということで、大変様々な課題があるものというふうに認識をいたしております。  このため、若年性認知症であるがゆえの課題にも十分配慮をし、本人や御家族に寄り添って、就労、社会参加なども含めた支援を総合的に講じていくことが必要だというふうに考えております。  以上です。       〔1番熊谷元尋君登壇〕 ◆1番(熊谷元尋 君)質問を続けます。  1、現在、県内には若年性認知症の人は何人いて、若年性認知症の人や家族への支援はどのように行われているのでしょうか。  2、県が平成25年3月に作成した若年性認知症の人と家族を支援する社会資源ハンドブックは、年数もたち、内容が実情と合わない記述があります。改訂が必要と考えますが、いかがでしょうか。  3、若年性認知症に関する相談窓口として、若年性認知症コールセンターをNPO法人長野県宅老所・グループホーム連絡会に委託していますが、相談件数などの状況や課題について健康福祉部長にお伺いいたします。  次に、若年性認知症の相談窓口の一つに、市町村に設置されている地域包括支援センターや認知症初期集中支援チームがあります。しかし、地域包括支援センターは高齢者の相談窓口という意識が強いことや、町村では専門家の確保が難しいなどの課題もあります。そこで、地域包括支援センター及び認知症初期集中支援チーム並びに認知症地域支援推進員との連携、また、医療機関との連携などが効果的に機能しているとお考えでしょうか。健康福祉部長にお伺いいたします。  先日、飯田市にある飯田病院を訪問して、長野県若年性認知症支援コーディネーターの方から「空白の期間」ということを教えていただきました。これは、若年性認知症の人が違和感を感じてから受診に至るまでの間、あるいは、診断後に何らかの相談機関につながるまでの間は、本人、家族共に居場所がなく、孤立したまま経過してしまいやすく、その間に症状の進行や家族関係が悪化するといった悪循環が起こるというもので、空白の期間は約3年だそうです。  若年性認知症は、早期発見、早期診断、早期治療が重要だと言われますが、それには、県や市町村などの行政機関に加え、医療機関や職場の協力が欠かせません。特に、鬱病や更年期障害と見分けが難しいこともあり、先生方の最初の気づきが大切と言われます。そこで、かかりつけ医並びに産業医と、認知症相談医、サポート医、認知症疾患医療センター等との連携について、現状と課題を健康福祉部長にお伺いいたします。  次に、若年性認知症の人は、働き盛りの世代が多いということもあり、認知症を発症することで就労の継続が難しくなり、生活上の問題や家族関係にまで影響を及ぼすことが心配され、高齢者の認知症とは違う多面的な支援が必要です。  先日、愛知県大府市にある全国若年性認知症支援センターを訪問し、若年性認知症支援コーディネーターの方に取組状況をお聞きました。その中で、会社に勤務されている方が認知症になったとき、支援センターに相談される方の約3分の2は、支援センターに相談する以前に既に会社を退職されているそうです。また、大企業ほど会社の中で解決しようとする傾向が強く、もっと早く支援センターに相談してくれればとおっしゃっていました。  そこで、長野県では、若年性認知症の方への就労支援にどのように取り組み、企業の理解を深めるためにどう取り組んでいるのでしょうか。埼玉県では、認知症サポート企業を募集し、認知症サポーターの養成や若年性認知症を患う社員の早期発見など、認知症への理解と普及を企業と協働して推進しています。参考になると思いますが、いかがでしょうか。また、企業向けリーフレットの作成やセミナーの開催も必要ではないでしょうか。健康福祉部長にお伺いいたします。  次に、若年性認知症は、高齢者の認知症と同様、医療機関だけではなく、職場や地域住民の正確な理解が必要で、若年性認知症の方を社会全体で支えていく仕組みが必要です。国では、認知症への理解を深めるために、認知症サポーターを養成し、人数は全国で1,100万人を超えているそうです。  これまで、認知症サポーターは、認知症に対する正しい知識と理解で、地域の認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けする活動を行ってきましたが、これからは、任意性を維持しながら、より活動の幅を広げ活躍していただくことが期待され、行政には、認知症サポーターが活躍できる場の提供や活動しやすい環境をつくることが求められています。そこで、県内の認知症サポーターの人数と、県職員で認知症サポーターの講座を受講した方は何人いるのでしょうか。また、認知症サポーターの活動状況と、チームオレンジ等今後期待する活動及び県の役割について健康福祉部長にお伺いいたします。  次に、若年性認知症の当事者が集まり、自らの体験や希望等を話し合う本人ミーティングという企画があります。これまでに長野市や岡谷市で開催し、今後飯田市でも開催したいそうですが、実際何人の方が参加してくれるのか分からない。案内を出したくても、なかなか個人を特定できないといった悩みをお聞きしました。つまり、個人を把握することができれば直接参加を呼びかけることができるということです。  いくつかの自治体では、若年性認知症の人や家族の支援ニーズを把握し、具体的な支援方法の検討を進めるために実態調査を実施していますが、長野県では、若年性認知症の人やその家族への支援ニーズをどのような方法で把握されているのでしょうか。  長野県でも実態調査を実施し、長野県の実情に沿った具体的な支援につなげることが必要ではないでしょうか。支援コーディネーターの方も実態調査を実施していただければ大変ありがたいとおっしゃっています。実態調査を実施するお考えがあるか、健康福祉部長にお伺いいたします。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)順次お答えを申し上げます。  若年性認知症の人数と本人及び家族への支援についてでございます。  平成21年に公表された厚生労働省科学研究によれば、全国の若年性認知症の人数は約3万7,800人と推定されてございます。第7期長野県高齢者プランにおいては、この推計値を県内人口に換算し、およそ570人と推計をしているところでございます。  若年性認知症の方や御家族への支援といたしましては、医療福祉サービスから生活全般にわたる電話相談窓口を開設しておりますほか、今年度は、本人や家族が若年性認知症について学ぶ研修会や、お互いの悩みを共有したり情報交換を行う交流会を開催するなど、当事者に寄り添った支援を行っているところでございます。  次に、社会資源ハンドブックについてでございます。  議員御指摘のとおり、平成25年に作成した後、内容の更新が必要となっている部分もあることから、今後、県のウェブサイトにホームページを立ち上げ、順次最新情報を掲載してまいります。  次に、コールセンターへの相談状況や課題についてでございます。  昨年度の電話相談件数は、高齢者の認知症の方からのものも含めて34件であり、そのうち若年性の方からの相談は5件となってございます。相談件数が少なく、必ずしも有効に活用されていない状況がありますが、その一因として、コールセンターの存在が知られていないことが課題というふうに認識してございます。今後、市町村や関係機関と連携をして、周知に努めてまいりたいというふうに考えてございます。  次に、関係機関の連携についてでございます。  市町村では、若年性認知症の方からの相談があった場合には、打合せ会議等を行うなどして支援機関や医療機関との情報共有を図るとともに、役割分担や支援の進め方などについて調整し、対応しているとお聞きをしているところでございます。
     しかしながら、必ずしも全ての市町村でスムーズな連携体制が構築されているとは限らないことから、県といたしましては、市町村の認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員の担当者会議におきまして、連携事例の発表等により情報共有を図るなどの支援を行っているところでございます。  次に、医療関係者、医療機関の連携についてでございます。  若年性認知症につきましては、初期症状が認知症特有のものではなく、診断しにくい。異常であることには気づくが、受診が遅れる等のため、認知症の診断、治療開始が遅れてしまう問題が指摘されているところでございます。  現在、各圏域では、県の設置する認知症疾患医療センターを中心とした医療連携体制の構築が進められております。その中で、若年性認知症の方については、議員御指摘のとおり、早期に専門医療を受けていただくことが重要であり、かかりつけ医やサポート医等の皆さんを対象に、県が実施している早期発見、早期診断に向けた研修を受講していただき、改めて若年性認知症についての知識や理解を深めていただくように取り組んでいるところでございます。県といたしましては、今後も各地域の連携体制について確認するとともに、その徹底強化を図ってまいりたいというふうに考えております。  次に、就労支援に向けた取組についてでございます。  県では、NPO法人長野県宅老所・グループホーム連絡会に委託をし、若年性認知症の方への就労継続支援等を行っております。同連絡会では、コーディネーターを配置いたしまして就労等に関する相談に対応しており、例えば、就労継続を希望する若年性認知症の方からの相談を受け、職場との話し合いに同席して助言や調整を行っております。  また、同連絡会では、若年性認知症に関する一般向けの研修会を開催し、企業に対しても周知し、参加を募っているところでございますが、実際に参加する企業が少なく、若年性認知症についての理解を深めてもらうために企業側にどう働きかけていくのかといったことが課題となっているというふうに認識してございます。  こうした中で、議員御指摘の埼玉県の認知症サポート企業制度は、現在44の企業や団体が登録をしており、企業が認知症サポーター養成講座を積極的に開催するようになったということ、また、定期健康診断等での検査項目結果によりまして、若年性認知症を患う社員の早期発見に努めているといった活動をしているというふうにお聞きしているところでございます。県では、こうした取組も参考にしながら、引き続き企業の理解を深めるための取組を進めてまいりたいというふうに考えてございます。  次に、認知症サポーターの人数及び活動状況等についてでございます。  本県の認知症サポーターの人数は、令和元年12月末時点で22万3,479人であり、第7期長野県高齢者プランの目標でございます22万人以上を達成しているところでございます。県職員も、地域の中で個人的に養成講座に参加している者もおりますが、何人いるのかといったことについては把握をしていない状況でございます。以前には、阿部知事をはじめ二十数名の職員が養成講座を受講したという経過もあると承知をしているところでございます。  養成講座を受けた認知症サポーターの皆さんの多くは、認知症について正しく理解し、認知症の人やその家族を温かく見守る応援者として、身近でできる範囲の活動をされているというふうに承知をしてございます。  また、市町村等にお聞きする中では、さらに活動の幅を広げ、地域の認知症カフェでボランティアをする人、また、地域を守り、高齢者の見守り活動などをされている方もいるというふうに伺っております。  こうした中で、各地域において、本人や家族の困り事などの支援ニーズと認知症サポーターを結びつける仕組みとして、チームオレンジの整備が進められているところでございます。 チームオレンジには、外出支援や見守り、声かけ、話し合い、認知症の人の家に出向く出前支援などの活動を通しまして、認知症の方が住み慣れた場所で自分らしく暮らせる地域づくりのために活動していただくことを期待しているところでございます。  県では、今後、市町村がチーム整備のための人材を育成確保できますよう、研修会の開催等による支援を検討してまいりたいと考えてございます。  最後に、支援ニーズ把握の実態調査についてでございます。  県では、若年性認知症の方やその家族へ直接支援を行っているコーディネーターに実際の対応事例をお聞きすることにより、支援ニーズの把握を行っております。しかしながら、全県を対象とした実態調査は現在のところ行ってはございません。議員の御質問にもあるように、他の自治体において実態調査を実施している例もあることから、市町村とも相談をいたしまして、これらの事例を参考に実施について検討してまいりたいというふうに考えてございます。  以上でございます。       〔1番熊谷元尋君登壇〕 ◆1番(熊谷元尋 君)コールセンターの関係につきましては、若年性認知症の相談が5件ということで、相談件数からすれば少ないという答弁がありました。確かに、NPO法人の方もこの件数は少ないと言っておられますし、その少ない原因は認知度が低いためというようなことをおっしゃっておりました。  NPO法人の方もこれからしっかりと努力をして認知度を上げていきたいとおっしゃっておりますけれども、その一方で、県や市町村でもしっかりと応援していただきたいということも言っておりました。NPO法人のコールセンターがあることを一人でも多くの方に知っていただくための応援を県としてぜひお願いしたいというふうに思います。  認知症サポーターの人数でありますけれども、県の職員の人数はなかなか分からないというような答弁がありました。実際、県くらいの規模の行政になりますと、人数も多いし、実態を把握するのはなかなか難しいかもしれません。  ただ、県内の市町村、特に町村においては、役場に勤めている職員全員が認知症サポーターになるということを目指しながら取り組んでいる自治体もあります。それは、町村職員の人数が少ないからだと言ってしまえばそれまでなんですけれども、その気があるかないかの違いだというふうに私は思います。今お聞きすれば、阿部知事が受講されたということで、知事まで受講しているのだから後に続く人たちはいないのかということで、市町村が頑張っている、そして県も応援していく、その姿勢を見せることがやはりとても大事なことなのではないかというふうに思います。  誰一人取り残さない、その目標に向かってしっかり取り組んでいきたいというふうに思いますので、知事におかれましてはぜひお願いしたいと思います。以上で質問を終わります。 ○副議長(荒井武志 君)次に、中川博司議員。       〔26番中川博司君登壇〕 ◆26番(中川博司 君)改革・創造みらいの中川博司です。最初に、歩車分離式交差点の歩行者用押しボタンの改良について警察本部長にお伺いします。  地元の視覚障害者福祉協会の会合で、ボタンを押さないと歩行者用信号に変わらない歩車分離式の交差点で、ボタンの位置が分からず、車の音が聞こえなくなったので渡ろうと思った途端にクラクションを鳴らされ、非常に危ない思いをしたというお話を聞きました。  静岡県警では、スマートフォンを通じ、音声や振動で歩行者用信号機の情報を伝える歩行者支援装置を整備しているとお聞きしています。歩車分離式交差点の歩行者用押しボタンの所在が視覚障害者にも分かるように改良してはいかがでしょうか。  次に、若年性パーキンソン病への県の支援について健康福祉部長にお伺いいたします。  難病指定となっているパーキンソン病を若いうちに発症する人がいますが、薬と適切な運動で進行を遅くすることができるということです。現在、限られた地域で、パーキンソン病を患っている皆さんが集まって体操教室を行っています。今後、どの地域についても体操教室に参加ができる、そんな仕組みをつくってほしいという要望があります。若年性パーキンソン病について、県はどのような支援を行っているでしょうか。また、患者で構成する団体の独自の取組などへどのように支援していくのか、お伺いいたします。  次に、アスベスト対策についてお伺いいたします。  台風19号災害における振り返りが行われていますが、11月定例会で、髙島議員から、災害時における被災建築物のアスベスト調査に関する協定に基づく調査やアスベストへの対応に関する周知について質問があり、環境部長は、飛散性アスベストが使われている建物がなかったことから協定による調査の対象としなかった。また、県として、事業者だけではなく幅広い周知が必要と考え、発生直後からの県のホームページやSNSなどを活用して行ったと答弁されておりますが、ホームページは環境部の水大気環境課のホームページであり、被災された皆さんやボランティアの皆さんに周知するためには災害対策本部のトップページにアスベストに対する注意喚起や専用のマスクの着用を促す必要があったと思います。台風19号災害におけるアスベスト対策については県として対策は十分であったのか、これまでの対応に課題はなかったのか、お聞きします。  12月に、私は、アスベストの専門家と被災現地のアスベスト調査を行いました。専門家から見て、軒天井や壁材にアスベストを含む材料が使われている可能性が高いという指摘がありました。  また、クリーンピア千曲の瓦礫置場にはスレート板などが運び込まれ、熊本の地震や岡山での災害瓦礫処理に携わった業者がブルーシートに包装して隔離管理していました。つまり、誰かがアスベストが含まれている可能性のある瓦礫を運び込んだということです。長野県はその事実を把握していますか。災害時における軒天井や押出成形板、スレート板などへのアスベスト対策をさらに拡大すべきではないでしょうか。  今後、公費解体が始まります。長野市では、解体事業者やボランティアの皆さんなどにアスベスト対策を周知していくとしていますが、他の自治体に対して長野県としても、アスベスト対策を促したりアスベスト対策の専門家を派遣することが必要であると考えますが、いかがでしょうか。  一般的に、県内でアスベストを含む建築物の改修や解体工事における長野県としての対策はどのように行われていますか。  仮に問題が発生した場合、状況証拠を保管することなどが必要であると考えますが、県が保管するてんまつ書、指示書、復命書などアスベストに関連する文書の保存年限は何年ですか。  以上、環境部長にお伺いします。  アスベストは、静かな時限爆弾と呼ばれていて、吸い込んでから中皮腫や肺がんとして発症するまでに20年以上かかります。現に、阪神淡路大震災から今年で25年が経過しましたが、当時瓦礫の片づけなどに携わった方が中皮腫などで亡くなっていることが報道されています。また、旧国鉄の長野工場で働いていた労働者が中皮腫に罹患しましたが、30年前にアスベストを使った仕事をしていたことを証明することに苦労したというお話を聞きました。  県が保管する文書が訴訟や事件、事故の証拠として扱われることが予想される文書の扱いについて、公文書管理条例に規定すべきと考えますが、いかがですか。総務部長にお伺いします。       〔警察本部長伊藤泰充君登壇〕 ◎警察本部長(伊藤泰充 君)歩車分離式交差点の歩行者用押しボタンの視覚障害者のための改良についてお尋ねがございました。  信号交差点等における視覚障害者の安全対策といたしましては、歩行者用信号が青色になった際にその旨を電子音や音声により知らせる視覚障害者用付加装置や、音響式歩行者誘導付加装置の設置を進めております。  これらに加えまして、その信号機が押しボタン式の場合は、押しボタンを押すことにより歩行者用信号の青色時間が延長されるほか、ボタンの位置を知らせるために、常時押しボタン箱から電子音を流す高齢者等感応式押しボタン装置の設置も進めております。  歩車分離式交差点におきましても、視覚障害者用の安全対策として、視覚障害者用付加装置または音響式歩行者誘導付加装置の設置を進めておりますが、その中で、押しボタン式の信号機は332か所ございます。しかしながら、押しボタン箱から電子音を流す高齢者等感応式押しボタン装置の設置は11か所にとどまっているのが現状でございます。  視覚障害者の安全と利便性の向上を図る上で、高齢者等感応式押しボタン装置は効果的であると考えておりますので、今後も関係団体や近隣の住民の皆様の御意見を踏まえながら整備を図ってまいります。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)パーキンソン病の患者等に対する支援についてのお尋ねでございます。  現在、県内におけるパーキンソン病患者数は約2,200人となっております。県では、難病患者の支援といたしまして、良質かつ適切な医療の確保と患者の自己負担の軽減を目的とした特定医療費助成や、難病患者の療養生活の質の維持向上のため、難病相談支援センターにおいて就労等の相談に応じますほか、各保健所において、毎月、重症難病患者の家庭訪問を行っているところでございます。  また、難病患者会等への支援についてでございますが、県全体、県内4地区、保健所単位で、年間合わせて約60回、相談会や交流の場を設ける中で、例えば、特定医療費助成制度の手続について御要望をいただき、提出書類の簡素化などにつなげたところでございます。  引き続き、このような懇談の機会を通じて、患者会等が独自に行う取組などに関する要望などもしっかりとお聞きをし、必要な支援を行ってまいります。       〔環境部長高田真由美君登壇〕 ◎環境部長(高田真由美 君)アスベストの関係で5点御質問をいただきました。  初めに、アスベストの災害時の対応に課題はなかったかという御質問でございます。  御指摘のとおり、台風第19号災害におきましては、発災直後に協定に基づく調査が必要な建築物の有無について確認を行ったほか、災害時のアスベスト飛散防止対策につきまして県のホームページやSNS等を活用して周知を図ってまいりました。  振り返ってみてでございますけれども、災害時にはたくさんの情報が様々なところから提供されますので、必要な情報を必要な方々に確実に届けるということはなかなか難しいと感じたところでございます。  アスベストの飛散防止の関係につきましては、今後、市町村等の御意見もお聞きしながら、行政としてお知らせしたい対象の方々に必要な情報をしっかりと届けるためのさらなる効果的な周知方法を検討してまいりたいと考えております。  続きまして、飛散性の低いアスベスト含有建材の対策についてでございます。  今回の台風第19号に伴い設置されました災害廃棄物仮置場に石膏ボードやスレート板が搬入されていたことは承知しております。県では、災害廃棄物にアスベストが含まれている可能性があることを踏まえ、あらかじめ仮置場の管理者である市町村に対しましてアスベスト等の飛散防止対策や適正処理について周知をいたしました。  災害時におきますアスベスト対策拡充の御提案でございますけれども、現在、国におきまして、飛散性の低いアスベスト含有建材につきまして、災害時の対応を含め、法改正が議論されていることから、その動向を注視しながら県としての対応を検討してまいりたいと思います。  次に、公費解体に当たってのアスベスト対策についてでございます。  大気汚染防止法では、解体工事の受注者が飛散性アスベストの有無を事前に確認し、その結果を工事の発注者に対して書面で説明することが義務づけられております。  今回、公費解体が始まるに当たって、公費解体の発注者である自治体と受注者である建設関係団体に対しまして、それぞれの法的義務や解体工事発注時の留意事項について改めて通知をしたところでございます。  また、現在大気汚染防止法の対象となっていない飛散性の低いアスベスト含有建材についても、飛散防止措置を徹底するよう併せて周知したところでございます。  次に、建築物解体工事等における県のアスベスト対策についてでございます。  建築物の改修や解体工事において飛散性アスベストの除去等が行われる場合には、大気汚染防止法の届出に基づき、地域振興局の職員が、必ず作業前、作業後の立入りを行い、作業基準の遵守状況や取り残しの有無などの確認を行っております。  また、年に2回、建設事務所と合同で、建築物の解体工事における適切な分別解体や再資源化及びアスベスト飛散防止対策の実施状況の確認のため、パトロールを行っております。そのほか、建設業、解体業の技術者に向けた研修会などの機会を通じてアスベスト飛散対策の周知徹底を図っております。  最後に、アスベスト関係の文書の保存期間についてでございます。  大気汚染防止法に係る届出書や立入り検査等に関する文書につきましては、長野県文書規程に基づき、その内容の重要度に応じて所属長が保存期間を設定しております。保存期間は3年から5年になっておりますが、問題が生じている事案につきましては保存期間を延長し、長期にわたり保存しているケースもございます。  以上でございます。       〔総務部長関昇一郎君登壇〕 ◎総務部長(関昇一郎 君)公文書管理条例の保存期間の規定についてのお尋ねになります。  今議会で御審議をお願いしております公文書等の管理に関する条例案は、公文書等の管理に関する基本的事項を定めるものであります。分類をした個々の文書の保存期間など公文書の具体的な取扱いの基準については、条例案において、各実施機関が公文書審議会の意見を聴いた上で公文書管理規程で定めることとしております。  あらかじめ特別な事情が想定される公文書につきましては、そうしたことも考慮して、適切な保存期間が設定されるよう公文書管理規程の内容を検討してまいりたいと考えております。  これに加えて、条例案では、保存期間満了時には公文書管理規程に基づき保存期間を延長できる旨を、また、廃棄に当たっては公文書審議会の意見を聴かなければならない旨を規定しており、公文書が適切な期間保存されるよう制度を運用してまいりたいと考えております。       〔26番中川博司君登壇〕 ◆26番(中川博司 君)アスベストの公費解体について、アスベスト対策の専門家を派遣することが必要であるという質問について答弁漏れがあったようなので、再度質問をしておきます。  台風19号災害におけるアスベスト対策について、私は、逐次災害対策本部や環境部に対して注意を促してきたつもりです。吹きつけアスベストは1975年に製造販売が中止となっていますが、2005年には、クボタショックと言われ、アスベスト製造に関わっていた労働者だけではなく、アスベスト製造工場の周辺住民の中にも中皮腫や肺がんで亡くなっている人がいたことが明らかになり、国は、2006年、石綿による健康被害の救済に関する法律と被害防止のため石綿の除去を進める関連法をつくり、対策を進めてきました。  平成30年度分のアスベスト労災保険給付の請求件数は1,169件、支給決定件数は997件です。アスベストを含む建築物の耐用年数から、今後さらに増えていくと言われています。アスベスト問題はこれからの問題と言ってもいいのです。県においては、ぜひとも、災害時はもとより、アスベストへの対策に万全を期していただきたい。特に、県民、そして建設解体事業者への周知を日常的に行っていただくよう要請をいたします。  次に、卸売市場法改正についてお伺いします。  卸売市場法の一部改正に伴い、11月定例会で地方卸売市場等に関する条例が廃止されました。卸売市場は、生鮮食料品などの安定的な供給と食の安心、安全を確保してきました。場外取引が増えて、県の資料によると、県内卸売市場の取引額は、平成27年度で1,607億円、10年前と比べて31億円減少しています。とはいっても、国産青果物の9割が卸売市場を経由し、これは、量販店や中食・外食産業が産地を明示した特色ある品ぞろえや安定的な取引を求め、市場機能を活用した生産地との契約取引を指向するためと分析されています。卸売市場法の改正の狙いと、県が引き続き果たすべき課題についてどのように考え、取り組んでいくのか。農政部長にお伺いいたします。  次に、有機農業の推進についてお伺いします。  9月定例議会で、知事から有機農業の推進に向け積極的に取り組んでいくという答弁をいただきました。今、世界では、有機農産物は大きな市場になりつつあります。アメリカでは5兆5,000億円、EUでは4兆1,000億円、中国でも9,000億円の取引があると報道されています。  この2月17日、農林水産省は、「SDGs×生物多様性シンポジウム「未来を創る食農ビジネス」」を開催し、長野県立大学がサテライト会場となっていて、私も参加をしてきましたが、学生も含めて100人ほどの方が聴講しました。ちょっと音声が悪くて聞き取れないところもありましたが、花粉媒介昆虫等や土壌生物など食料と農業における生物多様性は、食料安全保障だけでなく、持続可能な開発目標の達成において不可欠であるが、生物多様性は遺伝子、種、生態系のいずれのレベルでも減少を続けており、食料安全保障と持続可能な社会の実現が危ぶまれていることや、有機農業は化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないことや、有機物の施用による土づくりを行うことから、生物多様性を保全するとともに、農地などへの炭素貯留を促進することなどが報告されていました。生物多様性の観点からも有機農業の推進が必要だと思われます。  また、2月4日に、県議会議員や市町村議員50名以上が参加して信州オーガニック議員連盟が結成されました。規約では、世界的な課題であるSDGs、持続可能な開発目標の達成と市民の健康長寿及び子供たちの健やかな成長を願い、豊かな長野県の自然環境の下で育てられ、遺伝子操作技術や化学物質などを用いない安全な農産物と食品を安心して食べることができる環境の実現を目指して緩やかなネットワークを構成し、政策提言と社会的な活動を推進することをもって市民の生活向上と地域の持続的な発展に寄与することを目的とすることなどが確認されました。  マスコミ各社でも取り上げられ、日本農業新聞で当日講演された愛媛県今治市の取組についても報道されていました。今治市においては、食と農のまちづくり条例がつくられ、地産地消の推進、食育の推進、有機農業の推進を行ってきました。現在、給食の米は全て地元の特別栽培米を使っています。パン用小麦も米国産から地元産に切替えを進め、小麦の作付は現在23ヘクタールとなり、給食用パンで今治産小麦の使用割合は80%に達しているということです。豆腐も、米国産から今治市産特別栽培大豆に切り替えました。地産地消と食の安全の意識が地域に浸透し、地場産食材の給食を食べて育った世代は地元産を重視して購入するように変わってきているということです。スーパーで今治産の特別栽培、有機栽培の野菜コーナーができたり、地産地消をアピールするホテルや食堂が増えたりするなど、生産と消費の経済的な好循環を生んでいるというお話でした。  そこで、農政部長に有機農業推進に関連して質問をいたします。まず、新年度予算における有機農業推進の取組方針をお伺いいたします。  農林水産省は、今国会に種苗法の一部を改正する法律案を提出すると伺っています。種苗法の改正は、種や苗の育成者の権利を定め、登録品種の海外流出を防ぐことが目的とされています。一方で、これまで行われてきた自家採種や自家増殖が制限されるのではないかという農家の皆さんの不安をお聞きいたしました。農政部として種苗法の改正についての見解をお聞かせください。  次に、種子条例を作る際に県民の皆さんから寄せられた意見の中にあった遺伝子組換え作物への不安に対して、県は、遺伝子組換え作物に関するガイドラインをつくるとしてきました。現在の作業の進捗状況がどうなっているのかお聞きします。  また、県民の皆さんからは、遺伝子組換えとともに、ゲノム編集についても不安の声がありました。国は、ゲノム編集は有機JASに含めないとしています。したがって、遺伝子組換え作物に関するガイドラインにゲノム編集についても記載すべきと思うが、いかがでしょうか。  ゲノム編集された食品の安全審査とゲノム編集の表示を国に求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。これは健康福祉部長にお伺いいたします。  次に、環境保全型農業直接支払交付金の対象に自然農法が含まれていない理由はなぜでしょうか。環境に最も負荷を与えず持続可能な自然農法を県はどのように支援する考えを持っていますか。農政部長にお伺いいたします。  最後に、知事にお伺いいたします。  有機農業には様々な可能性があります。高齢者や妊産婦の食生活改善、ホットステイなど有機農業体験ツアー、有機志向の強い外国人観光客への提供などが考えられます。特に、学校給食に有機農作物を取り入れることは、今治市の例のように、地消地産と給食に係る費用の経済的な地域循環や食育を進めることにつながると考えられます。  有機学校給食の推進に向け、県が旗を振り、学校給食有機の日に取り組んではいかがでしょうか。また、5月に開催されるSDGs全国フォーラムin長野において、分科会か特別企画でSDGs有機農業フォーラムを開催したらどうかと思いますが、有機農業推進に向けて今後の政策展開について知事の御所見をお伺いいたします。       〔環境部長高田真由美君登壇〕 ◎環境部長(高田真由美 君)大変失礼いたしました。公費解体に当たりましての専門家の派遣の関係でございますけれども、先ほど説明申し上げましたように、大気汚染防止法では、解体工事の受注者に飛散性のアスベストの有無を事前に確認していただきまして、その結果を、工事の発注者、今回であれば市町村に対しましてしっかりと書面で説明をすることが義務づけられております。その後、それぞれ対策をしていただいて工事をしていただくということになりますので、現在の段階では専門家の派遣は考えておりません。  以上でございます。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)順次お答えをいたします。
     初めに、卸売市場法の改正の狙いと県の役割についてのお尋ねでございます。  卸売市場法の改正は、食品等の流通が多様化するとともに、交通網の整備と鮮度保持技術の向上により流通が広域化する中、各卸売市場の実態に応じて創意工夫を生かした取組を推進するため、平成30年6月に一部改正され、本年6月に施行されることとなっております。これに伴い、市場における流通規制が緩和されるとともに、市場の開設手続が許認可制から認定制に変更となるなど、行政の関与も規制緩和の観点から見直されたところであります。  県としましては、卸売市場が生鮮食料品等の安定供給等に重要な役割を担っていると認識をしておりまして、取引の適正化と流通の円滑化を図ることが重要と考えております。そのため、県は、各卸売市場の開設者に対して、関係法令等に沿って適正かつ健全な市場運営が行われるよう引き続き指導、監督してまいります。  次に、有機農業の推進について4点御質問をいただきました。  まず、新年度予算における有機農業の取組方針についてでございます。  有機農業の推進につきましては、生産拡大、関係者のネットワークの強化、有機農業への理解醸成の大きく3本の柱で取組を進めているところであります。このため、新年度予算におきましては、生産拡大に向けては新規就農者の定着や技術向上のための講座の開催、ネットワークの強化に向けては、有機農業専任担当者による生産、流通、消費などの関係者同士のマッチング活動、理解醸成に向けては全県的な研修会やホームページなどでの情報発信を強化してまいります。  さらに、様々な分野の多くの皆様と連携し、有機農業を推進していくため、昨年設置しました県有機農業推進プラットフォームを核とした取組を本格化させ、有機農業の定着、推進を図ってまいります。  次に、種苗法の改正についてでございます。  農林水産省は、優良品種の海外流出を防止するため、品種登録の出願時に栽培地を国内等に限定できることや、登録品種の自家増殖を許諾制とすること、また、在来種や品種登録されたことがない品種など、いわゆる一般品種については従来どおり農家の自家増殖を制限しない方針と報道されております。  このうち、品種登録出願時に栽培地域を限定できるよう見直すということにつきましては、本県が育成したオリジナル品種の海外流出を防止し、知的財産権の強化につながるものと考えております。  また、登録品種の自家増殖を許諾制とすることにつきましては、種苗の入手が困難になるなど農業者の営農に支障が生じない内容とすることが必要と考えておりまして、法改正に向けた国の動向を注視し、情報収集に努めてまいります。  続きまして、遺伝子組換え作物に関するガイドラインについてでございます。  ガイドラインの作成につきましては、昨年11月からこの2月にかけまして、農業者の代表、農業関係団体、消費者団体等の皆様に、ガイドラインのたたき台についてその内容を御説明し、御意見をいただきました。現在、これらの御意見をもとにガイドライン案の内容を検討しているところであります。  ゲノム編集技術につきましては、従来の育種技術と同様の技術であり、活用を進めるべきとの意見がある一方、消費者の理解や不安解消が不十分との意見もあり、県内におけるガイドラインのたたき台の説明時におきましても、同様に両方の意見があったところであります。  今回策定するガイドラインは、長野県主要農作物及び伝統野菜等の種子に関する条例の4月施行に合わせて、遺伝子組換え作物と一般作物との交雑、混入を防止することが目的であり、現時点ではゲノム編集について記載しない方向で検討しているところであります。  なお、ゲノム編集技術について今後も議論の動向を注視しまして、状況の変化が生じた場合には、必要に応じてガイドラインへの反映を検討してまいります。  最後に、環境保全型農業直接支払交付金と自然農法についてでございます。  国の環境保全型農業直接支払交付金は、環境保全に効果の高い営農活動を支援する制度で、具体的には、地球温暖化防止のため、土壌中に堆肥や緑肥をすき込み、大気中の二酸化炭素を吸収する取組を行うことが交付の基本条件とされております。  一方、自然農法は、堆肥や緑肥を含め、肥料、農薬などを一切使用しない方法であるため、国は、同農法の取組を交付金の対象とすることは困難としております。  有機農業には様々な農法がありますが、県では、有機農業推進計画の基本方針の中で、有機農業実践者の取組が多様であることから、農業者の自主性を尊重するとしておりまして、農法にかかわらず、多様な有機農業の取組を支援しているところであります。  今後も、様々な農法の有機農業の推進、定着に向けまして、有機農業を志す幅広い皆様を対象として技術、知識を習得するための講習会の開催や研修先の紹介、アドバイザーによる技術的助言、農業者のネットワークづくり、販路拡大等を積極的に支援してまいります。  以上でございます。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)ゲノム編集技術応用食品の安全性審査と表示についてでございます。  まず、安全性審査についてでございますが、厚生労働省では、ゲノム編集技術応用食品は従来から用いられてきた育種技術と同様の手法で作られる食品であることから、食品衛生法に基づく安全性審査は不要としつつ、開発した事業者に対しましては当該食品の情報等を国に届け出るよう求めているところでございます。  また、表示につきましては、消費者庁では、当該食品はゲノム編集技術により得られた変異と従来の育種技術により得られた変異とを科学的に判別するのが困難であること等から、食品表示法に基づく表示を義務づけるのは妥当ではないというふうにしております。  しかしながら、県民の中には、ゲノム編集技術応用食品に対する不安の声があることから、国に対しまして意見交換会等の場を活用して不安解消に努めるよう求めてまいりたいと考えております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)有機農業の推進に関して御質問いただきました。  有機農業は、環境と調和した持続可能な農業の推進やSDGsの目標達成の観点からも重要な取組だというふうに考えています。  有機農業を進めるに当たっては、新規就農者の確保、技術の向上、販路の拡大等々様々な課題もありますけれども、ぜひ推進をしていかなければいけないというふうに思います。来年度は、昨年8月に設立した県の有機農業推進プラットフォームの活動を本格化させ、生産、流通、消費、行政など様々な分野の皆様と連携して施策を展開していきたいと考えています。  学校給食への有機農産物の活用につきましては、現時点では一部の市町村で取組が始まっているという段階であります。生産量の確保など課題はございますが、私も大切な取組であるというふうに考えておりますので、課題解決に向け、まずは市町村と連携してモデル的な取組を広げていきたいと考えています。  また、SDGs全国フォーラム2020in長野につきましては、全国から多数の来場者が見込まれることから、本県の有機農業の取組を全国に向け発信する場を設けるよう検討していきたいと考えています。  以上です。       〔26番中川博司君登壇〕 ◆26番(中川博司 君)まず、卸売市場法について県が引き続き果たすべき課題ですが、個別市場については指導をしていくということでしたが、この間、卸売市場法に基づいて、市場整備計画というものがありました。これに基づいて県内の市場の調整機能が果たされてきたというふうに思いますので、その点についてもぜひ取組を進めていただきたいということを要望しておきたいと思います。  さて、種苗法の改正については、国会審議はこれからです。国は、種子法を廃止し、農業競争力強化支援法により都道府県が有する種子生産に関する知見の民間事業者への提供を促進、さらに、種苗法改正で育成者権を強化するということですから、この話の流れは種子のビジネス化促進ということになるんだろうと思います。ここに海外事業者が入ってくることも十分考えられ、遺伝子組換え種子が入ってくるおそれがあるわけです。国に対して種苗法の改正については慎重な審議を求めるべきだというふうに思います。  また、ゲノム編集について、有機認証からは排除をされているわけですけれども、表示も規制もしないということになればどうやって排除することができるのかという疑問が残ります。やはり、国に対してゲノム編集の安全性審査と表示を求めるべきだということを重ねて要請いたしまして、一切の質問を終わります。 ○副議長(荒井武志 君)次に、清水正康議員。       〔4番清水正康君登壇〕 ◆4番(清水正康 君)県民クラブ・公明、清水正康でございます。今回は、大きく3点質問いたします。  まず、今後の地域防災の在り方について。  消防団は地域防災の要であると考えますが、人口減少、少子化社会の中、また、様々な価値観から、団員の確保が難しい現状もあり、団員確保の施策を行っても消防団の力は少しずつ失われることも考えられます。  現状、通勤や勤務形態などの理由から常時の活動ができない団員も一定数あり、災害が起きる時間帯によっては防災力の差もあると考えます。現在、各消防団が、それぞれ、また広域で様々な検討を行っており、時代に合わせて変革に対応しようとするその動きは、県としても大いに支援すべきと考えます。また、様々な災害が起き、さらには地震と水害といったように災害が重なる最悪の事態も考えると、地域防災の形は、将来を見据えて再構築する必要があると考えます。  これから、県は、昨年の台風災害、令和元年東日本台風を受け、地域防災計画等の見直しを行うとしております。そこで、質問します。地域防災計画を見直すとのことですが、小規模の自治体では防災担当が1人もしくは2人しかおらず、しかも、他の業務も兼任しているということも多く、計画を見直すといっても人員的に大きな負担となります。県ではどういった形で市町村へ助言を行いますか。  また、人口減少が進む中においても、地域防災の要として、消防団の役割は変わりません。ついては、消防団が今後も持続的に活動できるように支援すべきと考えますが、県の考えを伺います。  もう1点、道路交通法の改正で準中型免許ができ、普通免許を新規に取る場合、運転できないポンプ車、積載車があります。小型の車両もありますが、広い長野県では力のある大きな車両も必要です。国も、市町村が行う免許取得に伴う助成に対し、特別交付税措置をしておりますが、県は現状把握と今後についてどう考えますか。以上3点を竹内危機管理部長に伺います。  続いて、特別支援学校の今後の在り方について質問いたします。  学びの質、施設面については、午前中の山岸議員の質問、答弁で指摘があったとおり、課題があると認識しております。それ以外にも何点か課題を提起し、質問をしたいと思います。  1点目、子供たちの受入れ時間についてですが、鳥取県では、早朝・放課後子ども教室という形で受入れ時間を拡大しております。また、県内でも、南箕輪村では場所を提供して早朝受入れを行い、開校時間に送迎をするという形で対応をしております。正職員、フルタイム、パートタイムで働く、また、早番、遅番で働くなどの働き方や共働き家庭といった事情もあり、受入れ時間の拡大を望む声がありますが、県はどのように認識しておりますか。  また、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、標準法等に定められた教職員定数に対し、県の特別支援学校の教職員数は少ないとのことですが、その改善策について質問します。  もう1点、高等部の卒業生の一般就労率が全国平均と比べて低いとのことですが、高等特別支援学校や職業科の設置などの考えはありますか。以上3点、原山教育長に伺います。       〔危機管理監兼危機管理部長竹内善彦君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(竹内善彦 君)私には3点御質問をいただきました。  まず、市町村の地域防災計画の見直しについての御質問でございます。  地域防災計画は、災害対策基本法において、毎年検討を加え、必要があると認めるときはこれを修正しなければならないこととされております。また、計画の修正に当たっては、それぞれの地域特性を反映し、さらに実効性を伴う計画とするため、市町村職員による点検、見直しが極めて重要であると考えております。  県では、市町村に対し、国や県の修正内容を市町村危機管理防災担当課長会議や担当者会議において詳細に説明するなど、市町村地域防災計画へ速やかに反映できるように取り組んでおります。また、計画の修正作業には人員を必要とすることから、小規模市町村では負担を感じることもあるため、危機管理部において事前に市町村が作成した修正案を検討し、必要な助言を行っているところでございます。引き続きこのような支援を行うとともに、他の自治体の効率的な作業事例を紹介するなど、市町村地域防災計画の修正に当たっては、今後ともできる限りの支援を行ってまいります。  次に、消防団の持続的な活動への支援についての御質問でございます。  人口減少が進むなど社会環境が変化する中、今後も消防団が持続的に活動を続けていくためには、消防団員の活動環境の整備や消防団の活動内容の見直しが必要だと考えます。  県では、団員の活動環境を整えるため、消防団活動に理解がある事業所に対し、消防団活動協力事業所応援減税や入札参加資格での加点などの優遇措置を講じてまいります。  また、消防庁では、令和2年度予算において、将来の人口見通し等を踏まえ、消防団の体制に関し、消防団員数等の数値目標を含んだ中期的な計画を策定するモデル事業を予定していることから、その結果を注視してまいります。  一方、県消防協会では、女性消防団員活性化大会において、団員が活動しやすい環境づくりへの取組について意見交換を行うとともに、消防行事の実施方法などの見直しを検討されているとお聞きしております。県としましては、こうした取組とともに、県消防協会とも連携しまして、消防団が今後も持続的に活動できるよう必要な支援を検討してまいります。  次に、道路交通法改正に伴う消防車両の運転に係る現状と県の考え方についての御質問でございます。  道路交通法の改正により、平成29年3月から、普通免許証のみを有する団員では車両総重量3.5トン以上の車両が運転できないことから、国では、市町村において団員が必要な免許を取得するための公費助成制度を創設するよう進めております。本県では、昨年4月1日時点で、公費助成制度を2村が導入しているほか、16市町村が公費助成制度の導入や普通免許で運転できる車両への切替えといった対応を検討しているところでございます。  県としましては、消防団活動に支障が生じることがないよう、団員が必要な免許を取得することは大変重要なことであるというふうに考えておりまして、市町村担当課長会議など様々な機会を捉え、市町村に対し公費助成制度の創設を働きかけてまいりたいというふうに考えております。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)特別支援学校の受入れ時間の拡大についてというお尋ねであります。  特別支援学校では、児童生徒を安全、安心に受け入れる準備や、教職員の勤務時間等を考慮し、各学校で登下校時間を定めております。  現在、下校時間後の受入れにつきましては、放課後等デイサービスなど福祉機関等が保護者の受入れ要望に応えておりますが、早朝については活用できる福祉サービスなどが整っていないことから、そのような要望が生じているものというふうに考えております。  議員御指摘の他県や市町村の取組等を参考にしながら、今後、関係機関と連携し、研究してまいりたいというふうに考えております。  次に、標準法で定められた教職員定数との乖離についてであります。  特別支援学校教職員の標準法定数との乖離については重要な課題だというふうに考え、乖離解消に向け、これまでも取り組んできたところであります。具体的には、標準法との乖離が大きい自立活動担当教員を中心に乖離解消に取り組み、特に、平成26年度からの6年間で125人を増員し、乖離の解消を進めてきたところであります。来年度も、引き続き、乖離解消とともに質の高い教育を提供するため、25人の自立活動担当教員の増員をお願いしているところでありまして、今後も乖離解消に努めてまいりたいというふうに思っております。  次に、高等特別支援学校や職業科の設置についてというお尋ねであります。  本県の特別支援学校高等部卒業生の就労率は全国平均と比較して低い状況ではありますが、平成27年度の19.8%から、平成30年度は26.1%ということで上昇しております。本県では、高等特別支援学校や職業科の設置は行っておりませんが、地域資源等を活用した特色ある作業学習を行える高等部分教室の設置を進めてきておりまして、ここ数年の分教室卒業生の就労率は8割程度の高い数値で推移しているところであります。  また、平成27年度から配置しました就労コーディネーターは、精力的に企業訪問を行っておりまして、生徒の実習を受け入れる企業の拡大につながっております。  さらに、生徒の働く意欲とスキルの一層の向上を目的として平成29年度から始めた特別支援学校技能検定では、参加者も当初から5倍に増加しているところであります。今後も、こうした取組によりまして、生徒の個々の特性に応じた就労や社会的自立を総合的に支援し、就労率向上に努めてまいりたいというふうに考えております。       〔4番清水正康君登壇〕 ◆4番(清水正康 君)お答えいただきました。  まず、地域防災計画についてですけれども、毎年更新を行うことになっているというお話がありました。しかし、毎年行えていない町村があるという事実もあります。指導をした、そのように指示をしたということで終わるのではなく、できていないところに関してはしっかりとその後のフォローもしていただきたい。そのように思います。  1月に会派で知事に要望をした際には、小規模の町村においては、フォーマットなどを含め負担にならないよう考えたいといった趣旨の答弁もいただいております。ぜひこちらを尊重していただいて指導をしていただきたいと思います。  また、先ほども答弁がありましたが、地域防災計画を作成することで地域の課題などが明確になり、そして、文字どおり防災・減災につながると考えます。それぞれの市町村で早期に見直しができるように、小規模自治体、小規模町村への県の支援をしっかりとお願いいたします。  また、消防団は、防災・減災といった防災力はもちろん、そこで培われた絆やチームワーク、それは地域の継続した活力にもなると考えております。今も県で行っておりますが、そういった形で団員確保を強く支援していただきたい。引き続きお願いいたします。  しかし、人口減少は避けられません。消防団が今後も持続的に活動するためにも、中長期的な視点は今後必要ではないでしょうか。御答弁の中で、国の消防団の体制に関する中長期的な計画策定のモデル事業の紹介もありましたが、地域防災力の維持のため、消防団の継続した活動について検討する市町村をぜひバックアップしていただきたい、そのように思います。  免許制度につきましては、国の支援を2村で導入していて、16市町村で対応を考えているという現状把握についてお話をいただきました。それぞれの地域で、将来を見越した組織や活動に合った形態で、小型化、免許取得など幾つかの手段があるかと思いますが、そういったものに対し柔軟に支援をお願いしたいと思います。  特別支援学校の受入れの件についてですけれども、ニーズは把握していただいており、他の事例も含めて研究をしていきたい、そのような答弁がありました。ぜひお願いをしたいと思います。また、医療的なケアを必要とする子の親からも要望があります。こちらのほうも調査をする中でぜひ検討をしていただきたいと思います。  また、教職員の人数に関しては、乖離の幅が大きい自立活動担当教員を中心に乖離の解消に努めているとの答弁がありました。午前中の山岸議員の学びの質の向上や施設設備の改善の話と併せ、特別支援学校に対してはまだまだ行き届いていないと言わざるを得ません。本年度も、来年度も、乖離の解消のために大きく予算を入れていただいているということは評価できますが、それでもまだ定数には足りていません。引き続き全力で取り組むことを強くお願い申し上げます。  一般就労率に関しては、ここ近年上がっているというお答えでした。一般就労を選択できる生徒が増えるように引き続き子供たちの指導をお願いしたいと思います。それぞれ強く要望しまして、次の質問に移ります。  三つ目です。SDGsの実現について。  SDGsは、グローバルな社会課題を解決し、持続可能な世界を実現するための17の国際目標で、例えば、貧困や飢餓の根絶、再生可能エネルギーを、気候変動に具体的な対策をなどの目標に向かって取り組もうということです。  SDGs未来都市にも選定された長野県は、2030年までに17の目標を達成しようと取り組んでおります。また、気候非常事態宣言に伴う2050ゼロカーボン宣言などもSDGsの延長線上にあるのではないかと考えます。SDGsの実現は、中期目標と考えることができるかもしれません。  これらの目標の達成には、県民の皆様、企業の御理解、御協力が不可欠ですが、なかなか浸透していないのが現状です。そこで、今年度行う予定のグリーンボンドなどに注目し、SDGsの実現に向けて質問をしたいと思います。  一昨日の風間議員の代表質問の知事答弁にもありましたが、SDGs、持続可能な開発目標の概念は、近江商人の三方よしの考え方や、100年以上続いている企業が日本には多い、また、渋沢栄一氏の道徳経済合一説などにもあるように、古くから日本の企業の経営理念などにより脈々と受け継がれており、公益資本主義などと言われ、再注目も浴びております。  現在、県のSDGs推進企業登録制度には232社が登録しております。1年足らずでこの数字はとても優秀だと思いますが、もっと多くの企業が、いや県内のほとんどの企業が登録できると考えます。企業が現在行っている取組が、SDGsのどの目標、またはターゲットの達成に関係しているかを示すなどして、企業にも、お勤めの県民の方にも、さらに理解が広がるようお願いをしたいと思います。  そこで、質問です。現在、企業や県民の皆様のSDGsの認知度はどの程度と考えますか。 また、SDGsの目標を実現するには、知っているだけではなく、理解も必要です。SDGsについて地域住民や企業との協働や学びは進んでおりますか。以上2点、伊藤企画振興部長に質問します。  もう1点、グリーンボンドやクラウドファンディング型ふるさと信州寄付金など、事業を進める上で、新しい資金集めを次年度行うようになっております。グリーンボンドのようなESG投資はまだまだ日本では広がっておりませんが、SDGsの実現に寄与しますし、行政が行っても大義があります。とてもすばらしいと考えます。環境改善のために大いに宣伝し、活用していただきたいと思います。  また、本年も行ったつばさプロジェクトは、企業版のふるさと納税で、宣伝不足か、少々広がりに欠けたようですが、ふるさと納税も、社会や環境改善に目的を置けばSDGsの実現につながります。ライチョウ保護を行うクラウドファンディング型は個人としても参加しやすいので、SDGsの大きなPRにもなり、期待します。ぜひ多くの人から注目をされるよう仕掛けていただきたいと思います。  さて、質問ですが、SDGsの実現に向け、ESG投資は大いに活用すべきですが、そのほかにも、県の資金調達や資金運用に当たり、ESG投資促進のためにどのように取り組んでいくのか。関総務部長に質問します。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)SDGsの実現について二つ質問をいただきました。  まず、SDGsの認知度についてです。
     昨年、調査機関が県内在住の18歳以上の男女800名を対象に行った調査によりますと、SDGsという言葉を知っていると回答した方が7.7%でありました。このうち、18歳から20歳までの層で26.7%ということで、若い層の関心が比較的高いのではないかというふうに考えております。  また、企業につきましては、先ほど御紹介がありましたように、長野県SDGs推進企業としての登録が、制度創設から半年余りで232社となるなど、関心は高まっているものと考えております。  現在、学校の授業ですとか新聞等で様々取り上げられていることもありますので、徐々に認知度は向上しているものと思われますけれども、まだ浸透していると言える状況には至っていないと思っております。  それから、SDGsに関する地域住民や企業との協働や学びの進捗状況についてということですけれども、SDGsを学び、理解を深める機会といたしまして、昨年12月、信州SDGsフォーラムを開催しました。また、学校や団体等からの要望に基づきまして出前講座を17回実施していますほか、信州環境カレッジではSDGsを学べる講座を開設いたしました。  それから、長野県立大学など教育現場との連携を通じまして、将来のSDGsを担う人材の育成にも取り組んでいるところです。  官民協働の取組としましては、先進的な取組を行いますマスコミ、企業、団体等と連携しまして、イベントブースへの出展ですとかフォーラムの開催などを行いましたほか、教材提供などを通じて学校現場での取組を支援するプロジェクトを今進めているところです。  それから、SDGsを実践しようとする様々な主体を結びつけ、パートナーシップにより新たな行動を生み出していく、そういった仕掛けもやっていこうと今考えているところです。 公民館、住民自治組織による地域活動、それからCSRやCSVをはじめとする企業活動、個人におきましては、例えばマイバックを持参しての買物ですとか、県産の食材を購入するといった地産地消、こういった普段から地域や社会をよりよくするため自ら考え実践されている行動というのは、実は学びと自治の力であり、SDGsにつながっているんだということに気づいていただき、意識のハードルを下げていく、こういうアプローチの仕方も工夫をしていかなければいけないというふうに考えているところであります。  SDGsの目標年であります2030年まであと10年となりました。取組を加速させる段階に入っております。初代SDGs未来都市として、5月31日、6月1日に全国フォーラムを開催いたします。今後とも、県民の皆様が学びと自治の力を発揮し、社会共通の物差しであるSDGsを意識し、その達成に向けて行動していただけるよう、経済界をはじめ様々な主体と連携協力をしながら取り組んでまいります。  以上です。       〔総務部長関昇一郎君登壇〕 ◎総務部長(関昇一郎 君)ESG投資を促進するための県の資金調達や運用についてのお尋ねであります。  気候非常事態宣言を踏まえ、2050年のゼロカーボンに向けて県が率先実行する一環として、環境改善効果のある事業を進めるため、令和2年度からグリーンボンドを発行することとしております。これは、県の資金調達のための手段にとどまらず、SDGs推進の観点から、環境や社会の課題解決にもつながるESG投資の促進にも寄与するものと考えております。  また、資金運用に当たりましては、現在、県の基金については、安全性に配慮しつつ、長期的な資金計画に基づいた効率的な運用を基本としておりまして、預金や国債、地方債等により運用しているところであります。  今後は、こうした運用方針の下で、ESGの観点にも配慮をして、政府関係機関等が発行する環境への取組を進めるためのグリーンボンドや社会的課題の解決に貢献するソーシャルボンド等も運用先に加えることができないか検討を進めてまいりたいと考えております。       〔4番清水正康君登壇〕 ◆4番(清水正康 君)SDGsにつきましては、認知度、理解度はまだ高いとは言い難いのではないか。しかし、県で様々な取組をする中で理解が高まるようにというようなお話だったと思います。  また、ESG投資につきましては、単なる資金調達だけではなく、今後の県の基金等の運用に関しても考えていきたい、そのようなお話でありました。ESG投資につきましては、実は昨年の10月の環境委員会で大畑議員や私も質疑をしたのですが、あれから二、三か月で事業にしているということで、驚きとともに敬意を表しております。  今回のように、SDGsといった目標に向かって、世界の潮流を見ながら新しい内容を研究し、未来のためにチャレンジするという姿勢はとてもすばらしい、そのように感じております。 今後、事業を展開する中で、先ほどお話がありましたが、金融機関や民間との共同プロジェクトもあるかと思います。その際には、ESG投資の概念も導入していただきたい、そのように提案を申し上げます。  お話にありましたとおり、SDGsは、よく分からないものではなく、普段から行っていることである、そのように私も感じております。例えば、もったいないという心は、SDGsの12番目のゴール「つくる責任 つかう責任」につながりますし、お互いさまという心は、11番目の「住み続けられるまちづくりを」につながります。普段の何気ない生活、普段の何気ない言葉がSDGsの目標に入り込んでいるということに気づいていただくことがSDGsの実現に向けて大きく前進することにつながるのではないか、そのように感じております。その先にあります2050年のゼロカーボン社会の実現に向けて大きな一歩となると考えます。  次年度行うグリーンボンド、ライチョウのふるさと信州寄付金など、また、全国フォーラムも含めまして、さらに多くの県民の皆様を巻き込み、一丸となってSDGsを推進するようお願いをしまして、質問を閉じたいと思います。 ○副議長(荒井武志 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時30分休憩          ──────────────────         午後2時46分開議 ○議長(清沢英男 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  髙島陽子議員。       〔22番髙島陽子君登壇〕 ◆22番(髙島陽子 君)2027年に我が県で開催される国民体育大会に向けて、競技会場が内定した競技団体がある一方、1次、2次の選定を経てなお未定となっているそれぞれの競技団体は、どのようにしたら最適な競技環境が決まっていくのかと困惑しているとお聞きしています。  冬季、夏季、秋季の完全国体を標榜し、開催へ向けた大きな一歩として、開閉会式場が松本市で整備されることになり、設計、建設と先行して準備が進められようとしています。どの競技種目も足並みをそろえた動きをするには、取り残されずに開催地を内定する、それが手始めの仕事であると考えます。  1978年にやまびこ国体を開催し、40年余の時を経て巡ってくる本大会には、大きな成果を期待するものだが、まずは県が各競技会場を市町村にお願いする立場で全ての会場が早期に選定されること、この一点について確かな足取りを強く願うものです。  未定の競技種目は、競技人口が少ないことをはじめとして、受け入れてもらうための条件や制約があるのかもしれませんが、これを克服するために、県は会場候補地となる市町村への依頼を行うべきではないでしょうか。原山教育長にお聞きします。  国体終了後、当地で行われます全国障害者スポーツ大会について土屋健康福祉部長にお聞きします。  かつて別々に開催されていた全国身体障害者スポーツ大会と全国知的障害者スポーツ大会が統合されて20年近くを経て、障害のある選手がスポーツの楽しさを体験するとともに、障害のある人の社会参加を推進するといった目的で、規定の競技種目に加え、オープン競技も行われるとされています。  長野県が冬季オリンピック、スペシャルオリンピックスを過去に経験した実績を大いに生かせる絶好のチャンスと捉え、多くの県民を巻き込むイベントに盛り立てていける、そんな可能性も秘めていると思います。  このように、我が県での開催経験を生かした会場選定や運営を行ってほしいと思いますが、現在の準備状況はどうなっているのか。また、目指す姿について伺います。  次に、女性が輝く社会づくりについて、酒井女性活躍推進監に2点お聞きします。いずれも、男女共同参画推進に関してで、その一つは、公的広報や公的刊行物における性にとらわれない表現の促進について、それから、我が県の男女共同参画の取組の発展について順次質問します。  私ども会派、改革・創造みらい一同で新年度の事業や予算について担当部局より説明を受けた際に、事業の設計書とも言える資料の「ママさん」という表記が目につきまして、気になりました。隣には若者という言葉が並んでいたので、さてこれはどういう人を意味するのかな。何歳ぐらい。「パパさん」と併記すれば子育て世代と分かるのだがなとふと考えました。しかし、私の違和感は少し和らぎました。県の文書、資料ともなれば、すぐ下の部分に図があって、そこには「子育て世代の女性」と言い換えられたワードがありました。  言葉の置かれた文脈や、限定的に使っている場合もあるなど、直ちにNGワードと目くじらを立ててはいけないなと思う反面、公として日常的に接する情報には適切ではないものもあるということを改めて考えさせられました。  内閣府男女共同参画局が2003年に男女共同参画の視点からの公的広報の手引を策定しており、その内容としましては、1、男女いずれかに偏った表現になっていませんか。2、性別によってイメージを固定化した表現になっていませんか。3、男女を対等な関係で描いていますか。 4、男女で異なった表現を使っていませんか。5、女性をむやみにアイキャッチャーにしていませんか。以上です。  また、全国都道府県のうち、北海道や青森、福島、鳥取、島根など計8道県、また幾つかの市や町でも、広報物表現ガイドライン、手引が定められています。大阪市では、人権の視点からの情報発信というタイトルになっているようです。これらに目を通してみて感じたのは、もはや男女という枠組みを超えて、もっとユニバーサルな感覚や視点での表記や表現が求められるのではということです。  本県の公的文書に目をやれば、現状はどうなっているのでしょうか。女性活躍推進監の所見をお聞きします。  長野県でも、こうした手引やマニュアルを独自につくったらいいな。女性や高齢者、年少者、障害者、外国人など多様な受け手を意識したガイドがあり、広報表現パンフレットなどがあれば政策や取組への理解や協力を取り付けやすいかもしれないと考えます。  ところで、カラフルなバッジにもなって身近な言葉になりつつあるSDGs、サステーナブル・ディベロップメント・ゴールズは、持続可能な開発目標として、17の大きな目標があります。先ほどの議論にもありましたけれども、まだ浸透の途上なので、全て御存じという方はそれほど多くはないと思います。  中身を見ますと、「5 ジェンダー平等を実現しよう」というものがあります。ジェンダーの平等を達成し、全ての女性と女児のエンパワーメントを図るとされています。SDGsは、2015年の国際サミットで採択され、2030年までの15年間に達成しようと193か国で掲げた目標ですが、2030年まで既にあと10年となりました。2018年12月の世界経済フォーラムで発表された我が国のジェンダー平等の世界的地位は、149か国のうち110位と、徹底したやりがいを感じさせる数字となっています。  そこで、お尋ねします。  現在、長野県第5次男女共同参画計画を策定していますが、SDGsを積極的に推進しようと取り組む信州長野県の目指すところに、まず、SDGsの趣旨に沿った国際的な表記、表現にも配慮した指針を策定することを盛り込んではいかがでしょうか。酒井女性活躍推進監に御答弁をお願いします。  併せて、SDGsが国際的に共有されたジェンダー平等を目指して取り組んでいる今、我が県のこれまでの男女共同参画の取組がどのような経過で進められてきたのか振り返られつつ、今後の同計画や施策の在り方についての御見解をお伺いします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)国体の競技会場地市町村の選定についてのお尋ねであります。  国体の競技会場地の選定は、市町村及び競技団体と調整していく中で、これまで第2次選定まで終わり、全部で約40ある競技のうち7割ほどの30競技が選定されたところであります。加えて、第3次選定に向けて順調に調整が進んでいる競技もございます。  一方で、競技施設や競技会の運営に関しさらに調整が必要な競技がありまして、課題としては、県内に国体で使える常設の施設がないことや、候補となる市町村が既に他の競技会の開催を予定しているため運営面などの不安があることなどが挙げられます。  こうした状況を踏まえ、競技団体と連携しながら引き続き調整を進めて、来年度末を目途に正式競技の会場地選定が終了するよう着実に準備を進めてまいりたいというふうに考えております。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)全国障害者スポーツ大会の準備状況と目指す姿についてのお尋ねでございます。  2027年に国体と共に本県で開催する予定の全国障害者スポーツ大会には、約3,500名の障害のある選手が全国から集い、個人競技7、団体競技7、合計14の正式競技を予定してございます。競技会場は、原則として国体で使用する会場とするという県準備委員会が定めた選定基準に基づき、これまでに計10競技の競技会場地市町村を内定している状況でございます。  本県には、1998年の長野パラリンピック、2005年のスペシャルオリンピックス世界大会を開催した経験があり、多くの県民がおもてなしの心を持って障害者スポーツの祭典をボランティアとして支えていただいたというレガシーがございます。今後、会場地となる市町村とも協力をしながら、これまでの経験や培ってきたノウハウを生かし、障害のある選手が全力を尽くして競技を行うことができる大会を目指して準備を進めてまいります。  また、開催を契機に、障害者の社会参加が促進され、障害に対する理解が深まることで、多様性を尊重する共生社会づくりに資する大会となるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔女性活躍推進監男女共同参画センター所長酒井裕子君登壇〕 ◎女性活躍推進監男女共同参画センター所長(酒井裕子 君)2点御質問をいただきました。 まず、男女共同参画の視点からの表現に関する本県の公的文書の現状と指針についてでございます。  本県では、全ての所属で、毎年、男女共同参画チェックリストを活用して、職場環境や業務の実施に関すること、また、公的文書の表現についても、男女共同参画に配慮した取組がなされるかについて確認、点検を行っているところです。  具体的には、男性、女性いずれかに偏った表現になっていないか、性別によってイメージを固定化した表現になっていないかなど、議員の質問にありました内閣府で定められたマニュアルに沿ったチェック項目となっており、表現に配慮しているところでございます。  現在のところ、統一した表記、表現のガイドラインはございませんが、御提案をいただきました国際的な視野に立った表記、表現にも配慮した指針につきましては、現在の取組状況を再度点検した上で必要性や位置づけを検討してまいります。  次に、県の男女共同参画の取組の経過と今後の計画や施策の在り方についてでございます。  県では、1975年に設けられた国際婦人年の2年後、当時の社会部労政課に福祉婦人係が設置されて以来40年余り、女性の地位向上や男女共同参画社会の実現に向けて官民が連携しながら取り組んでまいりました。  この間、平成11年には男女共同参画社会基本法が、また、県におきましては、平成14年に議員提案による長野県男女共同参画社会づくり条例が制定されるなど、男女共同参画社会づくりを進めていくための社会環境も整えられてきております。  条例の趣旨であります男女が互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会を目指して取り組んできた結果、県の審議会等の委員に占める女性の割合が45%程度まで上昇するなど、一定の成果があった一方で、企業等における女性管理職がなかなか増えないなど多くの課題が残っており、道半ばの状況というふうに認識しているところでございます。  課題解決に向けまして、国際的に共通の目的であるSDGsは強力な後押しになると考えております。5番目のゴールである「ジェンダー平等を実現しよう」を構成するターゲットや指標の視点を今後の計画や施策に反映させて、さらに取組を推進してまいります。  以上でございます。       〔22番髙島陽子君登壇〕 ◆22番(髙島陽子 君)ところで、皆さんはSDGsの1番目に何が掲げられているか御存じでしょうか。それは、「貧困をなくそう」です。あらゆる場所であらゆる形態の貧困に終止符を打つ。2番目に、「飢餓をゼロに」。飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成する。そして、3番、「すべての人に健康と福祉を」。4番、「質の高い教育をみんなに」。これらを踏まえて、以上の全てに通じ、包含するとも言える独り親家庭への支援について最後の質問とします。  2015年に実施された長野県ひとり親家庭実態調査は、従来、定期的に行われてきた母子家庭・父子家庭実態調査とは規模も内容も異なるもので、子供からも直接調査に対して回答してもらう欄もあるなど、児童生徒のいる世帯の状況、親と子供が直面している困難な状況を浮かび上がらせるものでした。  進学したいけれど教育にはお金がかかる。親が仕事に追われて子供の面倒が見られない。一緒に過ごす時間がないといった問題の数々。そして、貧困に陥っている現実も明らかになり、県の子どもの貧困対策推進計画に盛り込まれるためのニーズをつかむ上で大変貴重な調査となりました。  具体的な支援策を3か年で取り組み、実施も最終年度を迎えるとのことで、今後、このような調査を改めて行う計画があるのか、増田県民文化部長にお聞きします。  国において、2013年に子どもの貧困対策の推進に関する法律が成立。翌年、子供の貧困対策に関する大綱策定により子供の貧困対策を総合的に推進する中で、施策の実施状況や対策の効果などの検証、評価を行うなど、5年目途に見直しを検討するとされてきました。  国際的に見ても、独り親世帯の貧困率の高さは、OECD加盟国35か国中ワースト1位という統計結果にあるように、我が国は深刻な貧困に直面しているとの報告があるようです。現実を直視しますと、貧困から抜け出すこと、解消、改善にはまだ道半ばであります。身近にあって喫緊な課題である独り親家庭の暮らしや経済的支援は、SDGs第一目標の「貧困から脱出する」であり、欠かさざる取組と位置づけられるのではないでしょうか。  そこで、お聞きします。  養育費の問題など、独り親は子供を養育する上で経済的に困難な状況に置かれがちであるが、県はどのように経済的な状況の改善に取り組んでいるのか、県民文化部長にお尋ねします。       〔県民文化部長増田隆志君登壇〕 ◎県民文化部長(増田隆志 君)独り親家庭への支援について2点御質問をいただきました。  1点目の独り親家庭に対する調査の予定ということでございますが、御質問にもございましたが、県では、平成28年度から29年度を計画期間といたします長野県子どもの貧困対策推進計画の策定に併せまして、平成27年度にひとり親家庭実態調査を行っております。  また、第二期子どもの貧困対策推進計画を中に含む形で、平成30年度から令和4年度を計画期間といたします、長野県子ども・若者支援総合計画を策定しております。これに併せまして、平成29年度に子どもと子育て家庭の生活実態調査を行っているところでございます。  適切な計画の策定、また対策の充実、実施に当たりましては、独り親家庭の実態やニーズを定期に調査し、把握していくことが必要であると考えております。現在、確定した予定を持っているわけではございませんが、状況において変化があった場合等の必要性は別といたしまして、次期計画の策定に当たりましては調査が必要になると考えております。  次に、独り親家庭の経済状況改善に対する県の取組状況についてでございます。  直接的な経済支援といたしましては、児童扶養手当の支給や生活や住宅確保、子供の就学等のための母子父子寡婦福祉資金の貸付を行っているところでございます。  また、経済基盤の安定のために、就業支援員による就業相談や就職の紹介、就職に有利なパソコンなどの技能習得、保育士や看護師等の資格取得のための給付金の支給を行うなどの就業支援を行ってきております。  さらに、さきの2回の調査結果を踏まえ、家庭養育を補完いたしますために信州こどもカフェなどの子供の居場所づくりの促進にも取り組んでいるところでございます。  なお、養育費については、全国ひとり親世帯等調査によりますと、離婚に際して取決めをしている母子家庭は約4割、また、調査時点で養育費を受け取っている母子家庭は4分の1程度となっております。こうした状況からも、養育費の問題は、母子家庭の経済基盤が不安定な場合が多い要因の一つと捉えられることから、今後検討してまいりたいと考えております。  以上です。       〔22番髙島陽子君登壇〕 ◆22番(髙島陽子 君)本日の朝刊記事に、独り親家庭当事者高校生が、学校での課題探究を通じ、行政機関に直接支援要望を自ら行ったことが報じられています。子供の声や求めに耳を傾け、子供の姿が見える、また、独り親家庭への理解が広がる、そんな調査、計画をお願いします。 ○議長(清沢英男 君)次に、加藤康治議員。       〔5番加藤康治君登壇〕 ◆5番(加藤康治 君)初めに、高齢ドライバーの運転事故防止と対応策について伺います。  高齢ドライバーの事故が全国的に問題になっており、事故の報道に接するたびにいたたまれない思いになります。社会全体で早急に取り組まなければならない課題の一つです。  本県では、交通事故件数は減少傾向にあるものの、65歳以上のドライバーが第1当事者となっている交通事故の割合は年々増加しており、長野県警が発表している交通統計によりますと、平成30年は25.8%となっております。単に年齢だけをもって特別視することはできませんが、4分の1を超える方が第1当事者となっている状況を踏まえると、対策を講じていかなくてはなりません。  国においては、昨年6月に、未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策を決定し、高齢者の安全運転を支える対策のさらなる推進に取り組んでおります。  本県においても、昨年9月定例会における知事の議案説明の中で、交通安全サポート車の普及など安全運転に対する支援や、タクシー等を活用した移動への支援、運転免許証返納後の日常生活支援などについて具体的な施策を幅広く検討し、可能なものから速やかに実行してまいりますと発言されるとともに、長野県高齢ドライバー運転事故防止関連対策懇談会を立ち上げ、対策を検討しているところです。
     そこで、懇談会におけるこれまでの議論を踏まえ、当初予算案に対策がどの程度反映されているか、また、可能なものから速やかに実行していくと議案説明で知事がおっしゃっておりますが、当初予算案で反映されていないものについて今後どのようなスケジュールで対応していく予定か伺います。  さらに、事故防止に向けては、県だけの取組ではなく、市町村や関係団体とも連携し、対策を講じていく必要がありますが、状況はどのようになっているか伺います。  先月成立した国の補正予算では、高齢ドライバーの事故防止に向けた安全運転サポート車の普及に向け購入費の補助金が盛り込まれており、来月上旬から申請受付が始まる予定です。  本県においては、当初予算案において、安全運転サポート車の導入促進につながる周知啓発に関する費用について計上されておりますが、1人でも多くの方が補助を受けられるようにすることが重要であり、そのための効果的な周知についてどのように考えているか。また、本県における安全運転サポート車導入に向け、具体的な数値目標を掲げて取り組むことも必要ではないかと考えますが、いかがか。以上を県民文化部長に伺います。  国の交通安全緊急対策においても、高齢者の移動を伴う日常生活を支える施策の充実が掲げられているとおり、不安を抱えながらも、必要に迫られ、運転せざるを得ない高齢者が運転免許証を返納できない主な理由は、買物や病院への通院等であり、今後、高齢者のこれらの不安を埋めていく施策の展開が急務です。  病院への通院という部分では、先月、オンライン診療に取り組んでいる企業の方と意見交換を行う機会がありました。その企業では、スマートフォンを活用して診療を行うので、高額な整備を行う必要がなく診療が可能であること、一方で、オンライン診療と対面診療では診療報酬に差があるなどの課題があるとも伺いました。  現状、医師が診療を行う際には、対面による診療が原則となっております。診断に誤りがあってはいけませんので、対面診療はもちろん必要ですが、一方で、定期検診や薬をもらうためだけに診療を受けるため車を運転して通院しなければならない方もいらっしゃる現状があります。特に、中山間地など医師が不足している地域にお住まいの方にとっては、オンライン診療を活用するメリットがあるのではないかと感じました。  そこで、オンライン診療の普及について、県としてどのように捉え、今後どのように進めていくか。また、オンライン診療の普及に向けては、医師会や医療機関の理解が欠かせないと考えますが、今後どのように取り組んでいくか、健康福祉部長に伺います。  買物を含めた交通手段の確保については、電車やバス、タクシーなどマイカー以外の交通手段を組み合わせて一つのサービスとして捉える、新しい移動の仕組みであるMaaSの実現に向けた動きが活発化しております。国では、有識者会議を開催し、日本版MaaSの在り方について検討され、全国で先行モデル事業を選定し、各地で実証実験が行われております。  県では、昨年6月の補正予算で、住民の移動や物流の確保に困難を抱える中山間地域の課題を解決するため、人と貨物の移動をAIにより最適化するデマンドシステムの構築に取り組むとともに、当初予算案においても、高齢者などの日常生活を支える移動手段の一つとして、タクシー運賃の定額化モデル構築に向けた実証実験に関する予算も計上しておりますが、高齢者などの移動手段の確保は喫緊の課題であり、MaaSなどの交通ネットワーク構築に向けた具体的な目標時期を定めて取り組むべきではないかと考えますが、企画振興部長の御所見を伺います。       〔県民文化部長増田隆志君登壇〕 ◎県民文化部長(増田隆志 君)私には3点御質問をいただきました。  まず、高齢ドライバー運転事故防止対策の予算反映状況及び今後の予定ということでございます。  各部局にわたる内容でございますが、高齢ドライバー運転事故防止関連対策懇談会の事務局としてもお答えをさせていただきます。  この懇談会では、大きく分けて二つ、高齢ドライバーへの支援及び免許返納者への支援の観点から議論が行われました。このうち、高齢ドライバーへの支援につきましては、運転に必要な機能の低下への気づきを促すこと及び安全運転支援装置等の導入、いわゆるサポカーの導入促進が必要との意見をいただいたところでございます。これらの意見を踏まえまして、当面早急に必要な支援対策等について関係部局において当初予算案に計上してございます。  県警本部におきましては、ドライブレコーダーを活用した安全教育の充実、認知機能検査員の配置による高齢者講習等の円滑化、県民文化部においては、運転機能の衰えの気づきを促す講習会の開催支援などでございます。今後、状況を踏まえまして、必要があればさらに充実を図っていくものでございます。  また、安全運転サポート車や安全運転支援装置の購入支援につきましては、国において補助制度が創設されたところでございます。  2点目の免許を返納された方への支援につきましては、移動手段の確保が必要との意見が出されました。当初予算案には、地域公共交通対策の一環として、企画振興部においてタクシー運賃の定額化モデル構築のための実証実験の経費等が計上されておりますほか、県民文化部において助け合いによる輸送サービスに係る調査を行うこととしております。  移動支援、生活支援は、中長期的な視点も含めまして、継続して対応する必要がある課題でございまして、今後とも、関係部局が連携して、地域や関係機関とも連携、検討をし、所要の対策を講じてまいります。  2点目の市町村や関係団体との連携状況についてでございます。  高齢ドライバーの運転事故防止を含めまして、交通安全運動全体を推進するため、長野県交通安全運動推進本部がございます。各地域におきましても、県、県警、市町村や関係機関が一体となって地域の交通安全に関する協議を行ったり街頭啓発等に取り組んでいるところでございます。  来年度におきましても、高齢ドライバーの運転事故防止を重点に掲げ、市町村や関係団体と連携をして進めてまいります。  また、市町村や関係団体で独自に行われております免許返納者への支援策などにつきましても、県も連携いたしまして情報共有や周知に努めてきたところであります。  加えて、来年度には、先ほど申しました運転機能低下に係る気づきを促す講習会の開催やその講師の養成を市町村や関係団体と協働して行ってまいります。また、今年度設置した懇談会におきまして取組の評価、検証を行うなど、引き続き連携をして進めてまいりたいと考えております。  最後に、安全運転サポート車の導入促進についてでございます。  この周知に当たりましては、懇談会での意見も踏まえまして、高齢ドライバー御本人、それから御家族など関係者の方に対しましてできるだけ身近で多様な機会を捉えて周知を図っていくこととしております。  具体的には、市町村の交通安全指導員などによる講習の実施、民生委員によるチラシの各戸配布、年金支給日の街頭啓発などのほか、地域のいろいろな集まりの場ですとか御本人の孫世代に当たる各企業の若手社員を通じての啓発など、先ほど申し上げました推進運動本部の地方部の活動、また、市町村や関係機関と連携いたしまして様々な機会を活用して実施してまいる予定です。  安全運転サポート車導入の数値目標につきましては、現在、衝突被害軽減ブレーキの標準化が進み、令和3年11月には新型車に装備が義務づけられるという予定でございます。また、ペダル踏み間違い急発進抑制装置は、本年度中に性能認定制度が創設される予定というような状況でございます。  こうした国の動向及び市場における供給状況等を勘案しながら検討してまいりたいと考えております。  以上です。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)オンライン診療の普及についてのお尋ねでございます。  中山間地域を多く抱える本県においては、最寄りの医療機関へのアクセスが不便な地域があり、オンライン診療は住民への医療サービス向上の観点から有効であるというふうに考えております。  一方で、対面診療が原則である中で、オンライン診療は、対象が生活習慣病などの慢性疾患に限定され、併せて定期的な対面診療が義務づけられるなど、要件が厳格であり、医療安全の観点から補完的な位置づけとされているところでございます。  現在、県内では、診療報酬上オンライン診療を受けられる医療機関は10施設にとどまっているといった状況でございます。こうしたことから、オンライン診療の県内への普及に向けて、県では、来年度、長野県立病院機構と連携して、僻地への巡回診療にオンライン診療を導入し、課題の抽出や効果についての検証を行ってまいりたいというふうに考えてございます。  オンライン診療に対する理解を深めるため、そこで抽出された課題や検証結果について医師会や医療機関など関係者と情報共有や意見交換を行い、県内の医療機関への普及を検討してまいります。  以上でございます。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)移動手段の確保のための交通ネットワークの構築に向け具体的な目標時期を定めて取り組むべきではないかということでございます。  交通ネットワークの構築につきましては、長期的には、2027年を目標年次とします新総合交通ビジョンにおきまして、目指すべき将来像として、例えば安全、安心で持続可能な交通サービスの実現とうたっておりますし、また、中期的には、3年目の中間年度を迎えますしあわせ信州創造プラン2.0において具体的な目標値を掲げ、取り組んでいるところであります。  現在、県においては、議員から御紹介のありました事業のほかにも、広域レベルで幹線バス路線等の基礎データを分析して公共交通の最適化に向けた検討ですとか、ユニバーサルデザインタクシーの導入支援、また、観光交通案内アプリ「信州ナビ」で路線検索やタクシー予約アプリ等と連携するなどの取組も進めております。  また、県内の市町村では、コミュニティーバスやデマンド交通といった従来の取組に加えまして、複数の地域で行われておりますけれども、自動運転技術の実証実験ですとか、伊那市でケーブルテレビと連携した移動診療車の実証実験など新しい動きも進められております。  こうした取組とも連携しまして、MaaSという概念も十分踏まえながら、高齢者の皆さんにとっても利便性の高い交通ネットワークの構築を進めてまいります。  以上です。       〔5番加藤康治君登壇〕 ◆5番(加藤康治 君)それぞれ御答弁をいただきました。  高齢者の事故防止につきましては、県も多部局にわたりますし、また、市町村、関係団体との連携が重要になってきますので、引き続き取組をお願いしたいと思います。  不安を抱えながら運転せざるを得ない高齢者がいらっしゃる現状を解消するためにも、先端技術を活用しながら、オンライン診療や日常を支える交通手段の確保に向けての取組の加速をお願いしたいというふうに思いますけれども、先ほど御答弁がありましたように、すぐに実現できるものではないかというふうに思います。国で安全運転サポート車の補助金が創設されましたので、県におきましても、一人でも、一つでも多くの車が取り付けられるようぜひ普及の促進をお願いしたいというふうに思います。また、何よりも、事故を防ぐための交通安全教育につきまして引き続き積極的に取り組んでいただきますことをお願いいたしまして、次の質問に移りたいと思います。  次に、防災・減災対策について伺います。  台風19号災害から4か月が経過いたしました。応急復旧、復興に御尽力いただいております全ての皆様に心より感謝を申し上げます。  先月、会派の現地調査で、一昨年の記録的な豪雨により甚大な被害が発生した岡山県に伺いました。県の担当者から豪雨災害の対応状況について聴取する中で感じたことを踏まえ、何点か質問をさせていただきます。  まず、岡山県では、災害の翌月に有識者による検証委員会を設置し、災害における県の対応について応急対策を中心に検証を行い、その結果を地域防災計画に反映するなど、今後の防災対策に生かすことにより、県民の防災意識の高揚と防災力の向上を目指す取組を行っており、翌年の3月には検証報告書として取りまとめております。  今回の災害を教訓にしていくためには、災害の状況を的確に捉え、それに対する検証を行い、今後の対応について明確にすることが重要であると考えます。そこで、本県においても、当初予算案に災害対応の振り返りの予算が計上されておりますが、振り返りに向けた具体的なスケジュール、振り返りをもとに、今後の長野県の防災力をどのように向上させていくか伺います。  今回の災害では、1,500名を超える県民が逃げ遅れてしまった現状があり、災害に関する情報発信の在り方が大きな課題の一つとなっております。そのことを踏まえ、当初予算案では、行政やテレビ、ラジオなどの事業者と連携し、住民の適切な避難につながる情報発信の方法などを検討する予算が計上されております。  情報発信を行う事業者等との連携は非常に大事であると考えますが、逃げ遅れてしまった方は、情報が伝わらなかったのか、あるいは情報は伝わったがいつ避難してよいか分からなかったのか、または、自分の意思であえて避難しなかったのか、状況は様々であると考えます。  そこで、事業を行うに当たっては、当時の状況もしっかりと分析した上で行ったほうが効果的ではないかと考えますが、この点についても伺います。  昨年5月に行われた県政モニターアンケート調査では、テレビやラジオから災害に関する情報を入手する方が多くいらっしゃることが調査結果から分かりました。テレビについては、停電になると情報を得ることができなくなってしまいます。国の補正予算では、戸別受信機の導入促進事業が計上されておりますし、民間においてもテレビの電波を活用した情報伝達の仕組みが研究されているなど、停電になっても情報提供が可能な機器もありますので、そのような状況も踏まえ、停電を想定した情報提供の方法についても検討する必要があるのではないかと考えますが、御所見を伺います。  また、情報を得る手段として携帯電話やスマートフォンを活用される方が多くいらっしゃいます。一昨年の北海道胆振東部地震では、行政等から災害に関する重要な情報を発信しても、停電が長期にわたったことにより、受け取る側の住民の携帯電話等の充電切れのため伝わらない状況が発生いたしました。  今回の災害では、私も避難所に何度か伺いました。充電場所も設けられておりましたが、数多くの携帯電話が並べられており、避難者の数に比べ充電機器が足りなかったのではないかと思われます。  そこで、情報提供に関連し、今後、大規模災害が発生した際のことを踏まえ、モバイルバッテリーの整備など県民が情報遮断に陥らない対策が重要であると考えますが、いかがか。以上を危機管理部長に伺います。  また、岡山県では、災害からの復旧・復興に向けた県の取組事項やその見通しを総合的に示す復旧・復興ロードマップを災害発生の翌月に策定し、その後、事業の進捗状況に応じ、随時改訂を行っております。  本県においては、発災してから2週間後の昨年10月31日に、今回の災害に対する復旧・復興方針を発表いたしました。その素早い対応に感謝申し上げるところですが、災害からの復旧・復興に向け、いつまでに何をするのか、また、復旧・復興に向けた事業の進捗状況を明らかにすることが県民の安心につながると考えます。  そこで、現在発表している復旧・復興方針をさらに発展させ、台風19号災害からの復旧・復興に向けたロードマップのようなものを作成する必要があるのではないかと考えますが、企画振興部長の御所見を伺います。  今回の災害で大きな課題になったことの一つが、感染症対策です。長期の避難所生活や屋外で災害対応を行うことにより、感染症に対するリスクが高まります。  国立感染症研究所では、災害などが発生した時点で、避難所生活での感染症リスクをリスクアセスメント表として発表しております。4年前の熊本地震や一昨年の西日本豪雨の際にも発表されましたが、その中では、避難所での過密状態が継続すれば肺炎リスクが高まることが指摘されており、災害時の感染予防の観点からも、接種していない方への対策は重要であります。  肺炎予防に有効なワクチンの接種率を高めるためには、日頃からの丁寧な周知が必要です。一人でも多くの対象者がワクチン接種をしていただくことで、災害時における肺炎の蔓延防止や医療費の削減にもつながると考えます。  そこで、今回の災害に際し、肺炎球菌肺炎も含めた感染症の防止に向け、県としてどのように対応したのか。また、肺炎球菌ワクチンの接種率を高めるため、今後県としてどのように取り組んでいくか。健康福祉部長に伺います。  また、感染症に関連し、現在、新型コロナウイルスへの対応が行われておりますが、感染症に関する検査は、本県では環境保全研究所で行っております。かつて、感染症に関する検査は、旧衛生部が所管する衛生公害研究所で行っておりましたが、平成16年4月の組織改編により自然保護研究所と統合して環境保全研究所になり、現在に至っております。今回の新型コロナウイルスへの対応など感染症に対し早急な対応が求められる際に機動的な対応を行うためには、環境保全研究所のような環境部の所管ではなく、かつての衛生公害研究所のように健康福祉部が所管するほうが望ましいのではないかと考えますが、知事に御所見を伺います。       〔危機管理監兼危機管理部長竹内善彦君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(竹内善彦 君)私には4点御質問をいただきました。  まず、災害対応の振り返りと今後の防災力の向上についての御質問でございます。  今回の災害は、これまで経験したことのない大規模な風水害であったことから、災害対応で得られた数多くの経験は、今後の災害対策を検討、向上する上で非常に貴重なものであります。そのため、災害発生前からおおむね3か月間の災害対応を中心に、県組織だけではなく、国や市町村、防災関係機関やNPO等被災者支援団体とも協議を行いながら振り返りを行うこととしております。  具体的には、市町村や関係機関との連絡会議、災害対応に詳しい学識経験者との協議、情報発信・伝達のあり方検討会の開催、大規模停電対策検討のための会議の開催などによりそれぞれ振り返りを進め、出水期前の5月末を目途に全体的な取りまとめを行ってまいります。県としましては、この取りまとめを踏まえ、県地域防災計画の修正、必要な事業の予算化、国、市町村、防災関係機関との連携、必要な協定の締結、見直しなどを具体化することで、地域防災力の向上を図ってまいります。  次に、情報提供の在り方につきまして3点御質問でございます。  今回の災害において住民がどのような避難行動を行ったかを把握することは、今後、災害対応の振り返りを行う上で、非常に重要であると認識しております。  現在、長野市、須坂市、小布施町など既に複数の市町村において住民の避難行動が調査されていることから、この調査結果を共有し、住民の避難行動を把握してまいります。  なお、これらの調査結果は、来年度設置する避難行動を促す情報発信・伝達のあり方検討会においても共有し、国、市町村、報道機関とも協議を行いながら、避難勧告など命を守る情報が確実に住民へ届き、適切な避難行動へとつながるよう検討をしてまいります。  次に、停電を想定した情報提供の方法につきましては、主としてテレビやラジオから災害情報を入手されている方が相当数おられることから、御指摘のような新しい情報伝達の仕組みも含め、複数の手段により情報を伝えていく方法をこの検討会で協議してまいります。  最後に、4点目ですが、一昨年の北海道胆振東部地震を踏まえ、本県においても大規模停電対策への検討を行い、平成30年度の県地域防災計画の修正におきまして、1、住民自らが携帯電話用モバイルバッテリー等を備えておくこと。2、携帯電話等の充電サービスが提供できるよう空港や駅のターミナルビルの企業等による非常用発電機の整備に努めることといった対策を明記したところでございます。  また、今回の災害では、倒木による停電の発生が懸念されたことから、県ホームページなどによりモバイルバッテリーの準備を促す情報を発信するとともに、大手通信事業者からは避難所等への携帯充電器を御提供いただいたところでございます。  今後も、これら様々な検討や協議、対策の実施によりまして、災害時の情報提供の取組を進めてまいります。  以上でございます。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)復旧・復興に向けたロードマップの作成についてというお尋ねです。  この復旧・復興方針は、被災された方々に一日でも早く復旧・復興の道筋をお示しするために策定したものでありまして、策定以降、新たな取組を追加したり、進捗状況に応じた記述内容とするなど、5次にわたる改訂をこれまで行ってまいりました。  この方針の策定に当たりましては、岡山県や広島県など比較的最近被災された地域の先例も参考としたわけですけれども、その際、工程表をどうするかということも実際検討しました。しかし、方針に掲げようとすると、どうしても大まかなものにならざるを得ないために、まずは県としてできる限りのことをできるだけ早くやっていこうと、こういうこととさせていただいたところです。  河川や農地の復旧など、同種の事業でも地域によりまして内容や工期が異なります。したがいまして、個別の工事のスケジュールなどにつきましては、地域ごとにきめ細かく情報提供していくことが必要であると考えております。  被災したインフラ等の災害査定がおおむね終了するなど、暮らしとなりわいの再建に本格的に取り組む段階に向かいつつあります。今後とも、暮らし・生業再建本部などで取組の進捗を管理し、本部会議で公表するとともに、市町村等と十分連携し、被災された地域、住民の皆様に必要な情報を適時適切にお届けし、御理解をいただけるよう努めながら、スケジュール感を持って最善、最速での復旧・復興に取り組んでまいります。  以上です。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)災害時の感染症防止対策と肺炎球菌肺炎への対応についてのお尋ねでございます。  被災後、県では、他県からの応援も得て保健師を避難所等に派遣し、市町村の保健師と共に手洗い励行等感染症対策の呼びかけ、避難所の衛生環境の確認と改善の実施といった取組を行ったところでございます。  また、インフルエンザの本格的な流行シーズンに入る時期であったことから、65歳以上の高齢者等を対象に予防接種を実施した市町村に対してその費用の助成を行ったところでもございます。こうしたことから、結果といたしまして、感染症や食中毒の集団発生はなかったものと認識してございます。  また、肺炎球菌ワクチンの接種についてでございますが、本県の実施率は約45%となっており、国が公表しております全国平均の約35%と比較して高い状況とはなっております。しかしながら、実施率が半数に満たない状況にありますことから、県といたしましては、接種の対象者や効果等について市町村広報誌などを通じて周知を図るなど、実施率の向上に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、環境保全研究所の所管について御質問をいただきました。  現在、環境保全研究所は、環境と保健衛生の両分野に関する試験検査、調査研究、普及活動等を行っているところでありますし、全庁的に県として推進する施策とも連携をしながら事業を進めています。  組織上環境部の所管という形になっておりますけれども、感染症、食品・生活衛生等健康福祉部が所管する業務については、健康福祉部の指揮命令の下、検査機器、試薬などを整備、確保し、感染症検査や食中毒の検査、食品検査の業務を行っているところであります。  今般の新型コロナウイルス感染症に関しましても、感染症法に基づき、環境保全研究所にウイルスの検査体制を速やかに構築してきているところでございます。現状において、所管が異なることによって特段の課題が生じているわけではないというふうに認識しております。引き続き県民の皆様の安全、安心を守るため、迅速、的確な対応に努めていきたいと考えています。
     以上です。       〔5番加藤康治君登壇〕 ◆5番(加藤康治 君)それぞれ御答弁をいただきました。  今回の災害は何が原因だったのか、また、今後どうなっていくのか。見通しをはっきりするということは県民の皆様の安心につながるんじゃないかというふうに思います。スケジュール感を持ってという御答弁もありましたけれども、引き続き県民の皆様に先の見える安心を与える、そんな対応をお願いしたいと思います。  また、災害に関する住民の皆さんへの的確な情報提供は、タイムラインの普及と共に大変重要だと考えます。皆さん、それぞれ一人一人置かれている状況が違いますので、先ほど停電への対応という話もありましたけれども、様々な角度からの御検討をお願いしたいと思います。  また、今回の災害を踏まえ、逃げ遅れゼロに向けた取組が進んでいきますと、避難所の環境整備が重要になってきます。今回の災害を検証する中で、モバイルバッテリーを含め、避難所の環境整備についての取組をお願いしたいと思いますし、災害から逃れるために何とか避難してきたにもかかわらず感染症にかかってしまうということは何としても避けなければなりませんので、肺炎のワクチン接種の取組もお願いをしたいというふうに思います。  また、環境保全研究所につきましては、過去、様々な議論があり、現在の状況になっていると思いますけれども、時代は変化をしております。今回、オンライン診療、また、MaaSについて取り上げましたけれども、変化に対しても柔軟に対応していただくという観点で今後も取り組んでいただきますようお願いを申し上げ、一切の質問といたします。ありがとうございました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △委員会審査報告書提出報告 ○議長(清沢英男 君)次に、お手元に配付いたしましたとおり、各委員長から委員会審査報告書の提出がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。       〔議案等の部「8 委員会審査報告書」参照〕          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △各委員長の報告 ○議長(清沢英男 君)各委員長の報告案件を一括して議題といたします。  最初に、県民文化健康福祉委員長の報告を求めます。  清水純子委員長。       〔29番清水純子君登壇〕 ◆29番(清水純子 君)県民文化健康福祉委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長の報告といたします。 ○議長(清沢英男 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(清沢英男 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(清沢英男 君)次に、産業観光企業委員長の報告を求めます。  依田明善委員長。       〔34番依田明善君登壇〕 ◆34番(依田明善 君)産業観光企業委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長の報告といたします。 ○議長(清沢英男 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(清沢英男 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(清沢英男 君)次に、農政林務委員長の報告を求めます。  石和大委員長。       〔33番石和大君登壇〕 ◆33番(石和大 君)農政林務委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長の報告といたします。 ○議長(清沢英男 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(清沢英男 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(清沢英男 君)次に、危機管理建設委員長の報告を求めます。  丸山栄一委員長。       〔41番丸山栄一君登壇〕 ◆41番(丸山栄一 君)危機管理建設委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長の報告といたします。 ○議長(清沢英男 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(清沢英男 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(清沢英男 君)次に、環境文教委員長の報告を求めます。  中川宏昌委員長。       〔28番中川宏昌君登壇〕 ◆28番(中川宏昌 君)環境文教委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長の報告といたします。 ○議長(清沢英男 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(清沢英男 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(清沢英男 君)次に、総務企画警察委員長の報告を求めます。  酒井茂副委員長。       〔31番酒井茂君登壇〕 ◆31番(酒井茂 君)総務企画警察委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長の報告といたします。 ○議長(清沢英男 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(清沢英男 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(清沢英男 君)次に、各委員長報告の第16号「令和元年度長野県一般会計補正予算(第10号)案」及び第17号「令和元年度長野県流域下水道事業会計補正予算(第3号)案」につき一括して討論をいたします。  討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。  本案それぞれ、各委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案それぞれ、各委員長の報告どおり決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(清沢英男 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ各委員長の報告どおり可決されました。          ────────────────── ○議長(清沢英男 君)お諮りいたします。本日はこの程度で延会にいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(清沢英男 君)御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決定いたしました。  次会は、来る2月25日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後3時50分延会...