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  1. 長野県議会 2019-12-11
    令和 元年11月定例会産業観光企業委員会−12月11日-01号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 元年11月定例会産業観光企業委員会−12月11日-01号令和 元年11月定例会産業観光企業委員会 産業観光企業委員会会議録(その3) ●招集年月日時刻及び場所   令和元年12月11日(水)午前10時30分、議事堂第3委員会室に招集した。 ●出席した委員の氏名   委  員  長  依 田 明 善   副 委 員 長  中 川 博 司   委     員  本 郷 一 彦      同     向 山 公 人      同     鈴 木   清      同     宮 下 克 彦      同     小 林 君 男      同     川 上 信 彦      同     花 岡 賢 一 ●欠席した委員の氏名   な     し ●説明のため出席した者の氏名  (産業労働部)
       信州ブランド推進監兼営業局長       熊 谷   晃    産業労働部長               林   宏 行    雇用・就業支援担当部長          福 田 雄 一    産業政策課長               宮 島 克 夫    産業復興支援室長             庄 村 栄 治    産業立地・経営支援課長          小 林 真 人    創業・サービス産業振興室長        丸 山 祐 子    ものづくり振興課長            西 原 快 英    日本酒・ワイン振興室長          柳 沢 由 里    人材育成課長               青 木   淳    営業局次長(販売流通促進担当)      飯 島 和 久    営業局次長(メディア・ブランド発信担当) 斎 藤 政一郎  (企業局)    公営企業管理者              小 林   透    経営推進課長               藤 森 茂 晴    電気事業課長               青 木 千 明    水道事業課長               竹 花 顕 宏  (労働委員会事務局)    労働委員会事務局長            小 口 由 美    労働委員会事務局調整総務課長       小 林 裕 之 ●付託事件   12月9日に同じ ●会議に付した事件  前半(産業労働部及び労働委員会関係)12月10日に同じ  後半(企業局関係)付託事件のうち、2及び企業局関係の所管事務一般について ●開議時刻 午前10時26分 ●依田委員長 開会を宣した。  ▲日程宣告    前半 産業労働部及び労働委員会関係の審査    後半 企業局関係の審査  ▲議題宣告(産業労働部及び労働委員会関係)   付託事件及び所管事務一般を一括して議題とし、委員の質疑等発言を許可した。 ◆小林君男 委員 初めに労働委員会のことで、お伺いしたいと思います。冒頭、事務局長から、不当労働行為の3件は命令で解決とか、いろいろ状況等を聞かせていただきました。労政事務所も含めて、今、相談などはどんな状況になっているのか。また、初歩的な質問で申しわけないですけれども、各労政事務所の主な業務といいますか、そういうことも含めて、お話しいただきたいと思います。 ◎福田雄一 雇用・就業支援担当部長 労働相談の状況、そのほか、労政事務所の業務についてのお尋ねでございます。労働相談の状況につきましては、最近の件数を申し上げますと、平成28年度1,378件、29年度1,388件、30年度1,795件ということでございまして、若干、昨年度はふえているという状況でございます。このほか、労政事務所の主な業務といたしましては、さまざまなセミナー等を通じて、労働教育、例えばメンタルヘルスの問題ですとか、あるいは働き方改革の問題、あるいは労働基準法等、さまざまなワークルールの浸透ですとか、そういったことを周知・啓発するための取り組みをしております。ほかには、例えばいわゆる労働組合関係、あるいは賃上げその他のいろいろな調査等もございまして、そういったことを主に所管しているところでございます。 ◆小林君男 委員 相談件数というのは、過去に比べて減ってきている状況とは言い切れないんですかね。 ◎福田雄一 雇用・就業支援担当部長 今、申し上げましたとおり、この3年間の動きを見ると、むしろ昨年度はふえてきているという状況であります。長いスパンで見ますと、当然、ふえたとき、あるいは減ったときなどさまざまでございますけれども、職場におけるさまざまな問題について、例えばパワハラの問題ですとか、御相談をされるというケースはふえてきている部分があろうかと思います。 ◆小林君男 委員 何回も申し上げますけれども、今、労働組合の組織率もかなり低下してきている中で、確かに使用者の皆さんも、小規模の事業者だったら従業員の皆さんの家庭の幸せをしっかり目指して私は経営をするんだという心意気でやっておられる事業者の皆さんも非常に多くおいでになりますけれども、少し大きくなってくると、やはり事業者の皆さんも、なかなか目の届かないところとかも出てきて、例えばパワハラの問題だとか、そういうことも非常に見落としがちになってきていると思います。  非正規の方がふえてきている今の状況の中で、駆け込み寺といいますか、この労政事務所なり基準監督署に駆け込むということは、もう退社を覚悟で行かなければならないぐらいの思いを持っておられる方も非常に多いのではないかと思いますから、いわゆる労働相談というところまで発展しない状況が結構まだくすぶっているのではないかと、私自身も思っています。やっぱり泣き寝入りだとかもかなりあったり、けさのニュースでも、大手コンビニチェーンで残業代が過去何年間も払われていなかった事例とか、いろいろなことがあると思います。そういう働かせ方に対して、やはり労働委員会としては、労働局が一番の主管だと思うんですけれども、どんなお考えか、所感だけお願いしたいと思います。 ◎福田雄一 雇用・就業支援担当部長 労働者に寄り添った労働相談の必要性という御趣旨かと思います。確かに労働局、労働基準監督署等でも労働相談には応じているわけでありますが、反面、やはり基準監督署は取り締まりのための機関でもございまして、そういった意味で気軽に相談ができないケースというのもままあろうかと思っております。労政事務所における労働相談というのは、そういった意味で、むしろニュートラルな形での相談対応ができるという意味合いはあろうかと思っております。  また、例えば巡回労働相談ですとか、メール相談ですとか、こうした取り組みも行っておりますので、そういう中で、気軽にいろいろなことについて御相談をいただければと考えているところでございます。いずれにしても、労働局にも、もちろんそういった権限に基づいたさまざまな行政の取り組みがあるわけでございますけれども、できる限りそういったところと連携を図りながら、きちんとそれぞれの役割を果たしてまいりたいと考えております。 ◆小林君男 委員 労政事務所でもやはり労働セミナーみたいなのに取り組んでいらっしゃると思うんですけれども、もっと気楽に入っていけるように、例えば使用者の皆さんも気軽に利用できるような形をいろいろつくっていただきたいと思いますし、働き方改革の中でも、残業をやらせるには三六協定を結ばなくちゃならないんだよというようなことも含めて、そういうことがなかなか浸透していない状況もありますので、そのようなことも含めて、労政事務所の業務に取り組んでいただきたいと思います。  冒頭述べましたように、労働組合の組織率が非常に弱くなってきている中では、そういう見落としがちな労働相談は、かなりあると思います。泣き寝入り、自主退社、嫌だったらやめていくという状況をどうしてもつくってしまう。そのことによって、貴重な人材が県外に流出してしまうとか、いろいろな部分がありますので、丁寧に対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  もう一つだけですが、労働委員会の公益委員と労働者委員と使用者委員、それぞれ5名ほどおいでになるとおもいますが、そういう方々の選出基準みたいなものがあったらお知らせください。 ◎小林裕之 労働委員会事務局調整総務課長 労働委員会の委員の選任等についての御質問をいただきました。委員のお話のとおり、委員といたしましては、公益委員と使用者委員、それから労働者委員と、各5名ずつの計15名の委員数となります。公益委員の5名につきましては、弁護士ですとか有識者から知事が選任するということになります。それから使用者委員については、経営者団体ですとか、そういった使用者サイドから任命されます。それから労働者委員ですけれども、こちらは各労働団体の推薦に基づいて選任するということで、計15名となっております。 ◆小林君男 委員 労働者委員も使用者委員も、最終的には知事が任命するということでよろしいですね。 ◎小林裕之 労働委員会事務局調整総務課長 任命につきましては、知事が最終的に任命するということになっております。 ◆小林君男 委員 昨日も宮下委員がお話を聞いたと思うんですけれども、被災で離職される方もやはりおいでになると新聞や報道があって、11月末で167名の方が被災によっての退職を余儀なくされたというようなことがあって、昨日も、労働局と協力して、その人たちの新たな就職活動をしっかりと支援していくと聞きましたが、もう少し具体的に何かありましたら、お聞かせいただきたいと思います。 ◎福田雄一 雇用・就業支援担当部長 今回の災害によりまして離職された方に対する就労の支援というお話でございます。信濃毎日新聞等でも167名の被災をされた方のハローワークへの相談があったという報道がなされたかと思います。確認をいたしますと、いわゆるあの地域にお住まいになっていて、もともと求職中のような方も含まれていますので、全ての方が今回の災害によって離職をされた方ではないようでございますけれども、やはりどうしても休業の間、収入が得られない等の理由で、一旦、離職をされてしまうケースというのはあったとかと思います。  こうした点について、当然、労働局、ハローワークでも、そうした方の相談を受けているわけでございますけれども、私どもでは、いわゆる就職困難者に対する就労支援、職業紹介事業を、各地域振興局で行っております。本来は、例えば子育て中の女性でありますとか、障害者でありますとか、あるいは中国からの帰国者でありますとか、そのような就職に非常に困難を抱えていらっしゃる方に寄り添ってしていこうということで行っている事業でございまして、11月1日から、今回の災害によって離職をされた方もその対象にさせていただいたということで、労働局の取り組みとあわせて、そういった方々を支えていくための取り組みとして行っているところでございます。 ◆小林君男 委員 事業所が被災して、いまだに毎日、泥出しをしていて、機械も壊れちゃって本来の仕事ができないけれど、10月分も11月分も、社長の意気込みで8割の賃金がちゃんと支払われたとか、そういう切実な状況も聞こえてきています。ぜひ、きのう言われたように雇用調整助成金などでしっかりと、その企業がまた再建できるようなやり方をしっかりとっていただいて、これ以上、災害によっての離職者が発生しないようによろしくお願いしたいと思います。  次の質問ですけれども、資料の中にマッチングサイトのことがあったんですけど、もう少し詳しくお聞かせいただきたいと思います。私も、例えば郊外のほうの畑などで、あれ、これは何をつくっているんだろうというようなことがあります。よく聞くと、最近、こういうものがあって、外国からこういうのを取り寄せて、こういうことでつくっているんだよとか、ではその販路はどういうふうになっているのかとか、いろいろお聞きするんです。このマッチングサイトというのは、農産物だけではないと思うんですけれども、中山間地やいろいろな場所でつくっても、有害鳥獣などでなかなかお金にならないとか、そういう中で、やっぱり新たな就農というか、そういうことを目指して、農政部とも協力しながら、新たな農産物の育成も含めて、これをやられるということですかね。 ◎飯島和久 営業局次長 マッチングサイトでの生産地の育成という御質問だと思います。昨日も御説明をさせていただいているんですけれども、珍しい野菜やオリジナルの野菜とか、そういうものについては、西洋野菜や伝統野菜みたいなものも含めまして、1,922分類、18種類ということでやらせていただきました。西洋野菜のようなものは、今、一部のレストランさんとかで求められているものもございますので、そういうものもかなり、いろいろなものがカテゴリーとして入ってございまして、そういうものを生産される方が本当にいるのか、いないのかというのはわからないんですけれども、必要とされているだろうというものをカテゴリーとしてつくらせていただいて、やっていただくということです。  伝統野菜についても、売られている46か48品目については中に入れさせていただいておりまして、現地において、量も少なかったり、あまりたくさんの人数がつくっていないという部分についても、今回のこのマッチングサイトを活用して、売れる販路を見つけていただくことによって、生産意欲が高まり、生産が継続され、中山間地域の農地が有効的に活用できるような取り組みになるものというものも期待しています。もともと伝統野菜だとか、西洋野菜みたいなものは、そういう取り組みによって、小さなグループが活動をより活発にしていくことにつながっていくものでございますので、このあたりも、このマッチングサイトによって支援できるようにと考えているところでございます。 ◆小林君男 委員 ぜひそのような方向でよろしくお願いしたいと思いますし、伝統野菜以外で18種類と言われましたけど、新たにまたふえていくという状況も当然あると思いますし、何か意外な方向性が出てくるんじゃないかと私も期待していますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、職場いきいきアドバンスカンパニー認証制度について、お伺いしたいことがいろいろあります。一般質問でも清水議員から、働き方改革の中で労働時間の短縮だとか、そういう部分で、有給休暇の取得も、いきいきアドバンスカンパニーの要件として入れたらどうかというような質問もありました。他県とか、いろいろな自治体にも、そういう有休取得の優良企業に対する表彰制度みたいなのがありますけれども、そんな取り組みについて、部長からは答弁はいただいたんですけど、もう少し深掘りしたい部分があります。そもそもそのいきいきアドバンスカンパニー認証制度の中に、時間外労働だとか、有給休暇の取得などに対する表彰制度みたいなものを入れられるかどうかを、まずお聞かせいただきたいと思います。 ◎福田雄一 雇用・就業支援担当部長 職場いきいきアドバンスカンパニーの取り組みについてのお尋ねでございます。職場いきいきアドバンスカンパニー認証制度は、御指摘のとおり、すぐれた取り組みをする企業に対する認証制度ということで行っているところでございます。そういう意味で言いますと、いろいろな項目がその対象となり得るものと考えております。この制度を始めたときに主眼を置いておりましたのが、やはり女性が職場の中で生き生きと働いていただくため、また、多様な働き方を導入するとか、そういった点も非常に重要視して制度構築しております。ただ、今、御指摘ございましたとおり、働き方改革が多様な面で進んでおります。そうしたこともきちんと評価できるようにすべきではないかという御意見もいただいているところでございまして、今後とも、こうした制度運営については、さまざまな見直しも検討していく必要があると思っております。 ◆小林君男 委員 ぜひ、働き方改革宣言に合わせた形でのそのような表彰というか、認定制度みたいなものを、この職場いきいきアドバンスカンパニーでできない状況であれば、新たな制度を創設していくとか、そういうやり方もあるのではないかと思いますし、ここから発展して新たな制度をつくりましたというものでも私はいいと思いますので、働き方改革がより実践的になる方向で取り組んでいただきたいと思います。  次に、先日の新聞報道にありましたけど、「シューカツNAGANO応援隊」というものが、25人で結成されたということで、過去からあったと思うんですけれども、具体的な進め方があったら、お聞かせいただきたいと思います。 ◎福田雄一 雇用・就業支援担当部長 「シューカツNAGANO応援隊」についてのお尋ねでございます。「シューカツNAGANO応援隊」につきましては、県内企業で働いていただいている若い人たちで構成をされておりまして、信州へのUターン就職等を促進するためのいろいろな活動をしていただくということで組織をさせていただいたものでございます。この後、東京等で、学生との懇談でありますとか、そういったようないろいろな活動をする予定でありまして、信州で働くことの魅力を伝えていただくことを主眼に活動していただく予定でございます。 ◆小林君男 委員 スケジュールとか、そういうのもしっかりとつくって、その25人の方々にいろいろ活動、例えば班をつくってやっていただくというようなことも具体的に1年間の中で進めて、県内からの優秀な人材の流出を防いで、できるだけ県外の大学にいた方々もまた戻ってきて長野県で就職していただけるような方向で取り組んでいくということでよろしいですね。 ◎福田雄一 雇用・就業支援担当部長 今、御指摘のございましたように、この間報道されましたとおり、知事も交えて、結成式ということで懇談を行ったところなんですけれども、応援隊の方の中には、いわゆるIターン組といいますか、他県でお生まれになって、そして長野県内の企業に就職をされた方もいらっしゃいます。いろいろな御縁で、長野県内で働いていただいているわけでありますけれども、そういったIターン的な取り組みも含めて、長野県で働いていただくということについてのアピールをしていただこうという趣旨でございます。もちろん、御指摘のとおり、Uターン就職率を上げていくことも、非常に大きな課題でございます。県内、大学等への進学者の大体8割近くが県外へ出ていき、その中でUターン就職をされる方が4割弱であるという状況で、若者の県外流出が続いている状況でございますので、きちんとそういった方々に、県内の企業の魅力を知っていただいて、できる限り県内で働いていただく方をふやしていく取り組みの一環として行っているものでございます。 ◆小林君男 委員 ぜひしっかりとこの成果が出ますよう、よろしくお取り組みをお願いしたいと思います。  最後になりますけれども、昨年度の決算で、商工費のうちの中小企業金融対策事業費が、47億円の減と出ているんですけれども、具体的にお聞かせいただければと思うんですが。 ◎小林真人 産業立地・経営支援課長 中小企業の制度融資の関係でございます。私どもの制度融資は、預託方式という形でやっております。どういうことかと言いますと、年度当初に467億円の当初の計上をしまして、これを市中の金融機関に預けるという形になっています。市中の金融機関は、これを運用しまして、低利で融資をしてもらいますので、その金利の差額分をそこの運用で賄ってもらうという形になります。そういう形で、当初、467億円盛っておりますし、それから保証料を県で補助しておりますので、それが6.2億円、当初予算で計上しているところでございます。  実際にそれをもとにして事業をやってもらうということになるわけですけれども、ここのところ、昨年度もそうですけれども、景気が比較的安定しておりまして、制度融資の利用は、あまり伸びていない状況でございます。そうした中で、毎年、年度末になりますと、そこで使用されなかった分に関して減額の補正をするということになります。その預託額は、一旦、預託したものですので、もう一度、年度末に引き上げる形をとっております。このような制度融資の全体の仕組みがございまして、当初の予算の規模に対して、実際に使われなかったものがありますので、決算のときに減額になるということになりますので、御了解いただければと思っております。 ◆小林君男 委員 もう一個、労働費のうちの労働福祉費の7億円というのはおわかりになりますか。 ◎福田雄一 雇用・就業支援担当部長 手元に資料がなく、誤っていたらまた訂正をさせていただきますが、勤労者福祉施設を改修して、市町村等へお譲りをするというようなことを、ここ何年かで行ってまいりましたので、おそらくそのお金ではないかと思います。事業が終了したので、その分ではないかと思っております。 ◆小林君男 委員 減額ですので、お聞きいたしました。冒頭述べましたように、労働者福祉の事業にはしっかり取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 ◆鈴木清 委員 瑣末的な細かな質問になりますが、個別具体的にお聞きしたいと思います。きょうの出席者の中にも、小林課長の御自宅が災害に遭われ、また斎藤次長も優良農地が災害に遭われ、大変お見舞いを申し上げたいと思います。実は、一昨日、市の担当部長と、被害に遭われた、説明会帰りの企業の社長がお見えになり、急遽、県の責任ある方にも出席いただいて、さあどうするかという懇談会をやりました。以前、ある会合で、私は個人的な見解で申し上げたことがあると思うんですが、今、一番困っているのは、いわゆるグループ補助金の申請書類の手続上、自分の会社に総務課あるいは経理課のきちんとしたスタッフがいる会社は対応できるけれども、いわゆる本当に営々辛苦たたき上げのオーナー経営者とか、一人親方のような会社は、この書類を見ただけで頭が病めてきたと、難しくてだめだという声が漏れます。岡山県でも、先年、災害があったときに、書類の申請が間に合わなかったという個別の事例が散見しております。  それで、小林課長、私が個人的な意見として申し上げたことをもう一度、思い起こしていただきたいんですが、労働委員会の徳竹さんも、弁護士会も、ちょうど2カ月前の話なんですが、ネットでいろいろな情報が氾濫して、弁護士会としてどう対応したらいいのですかという相談の事例が一部ありました。いわゆる行政書士会、それから税理士会等々は、それぞれ自分の顧客、クライアントがあり、県民があるから自分の事業が成り立っている一つの業界なんですよね。ですから、ぜひ税理士会なり行政書士会なり、会社の決算内容の書類の申告・申請、あるいは代行業務を、最低1人か2人ぐらいでチームを組んでボランティアで、産業復興支援センターという拠点、あるいは地域振興局ごとに、進んでこの際参画すべきだと思うんです。だって自分の担当しているクライアントの企業が行き詰まれば自分の仕事がなくなるわけですし、あるいは行政書士会も、皆さんの業界の地位向上のためにも、また県民に理解してもらうためにもなると思います。これをぜひ県として、税理士会は関東信越税理士会長野支部になりますから、支部長宛てに、あるいは行政書士会宛てに、申し入れというよりも、下相談で、皆さんこの際どうでしょうかと、いつまでという日限を切って、申し入れをしていただいたらいかがかなという気がするんですが、産業労働部長、その辺の見解はいかがでしょう。 ◎林宏行 産業労働部長 税理士会、弁護士会も含めて、連携のあり方という御質問をいただきました。このたび、800に及ぶ事業所が想定されておりまして、もう御存じのように、長野市は、先に各企業を全部訪問していただいておりますけれども、多岐多様だと伺っております。私どもは、今、商工会・商工会議所と連携して、指導員の皆さんと連携してグループづくりのほうをまずやっておりますけれども、その後には、当然、個別の企業の皆様方の補助金申請の御支援をしていかなければいけないということでございますので、税理士さん、会計士さん、あるいは行政書士さん、法務の関係の皆さん方のサポートは非常に重要になってまいると思っております。その辺を踏まえて、連携をしっかりと構築しながらいきたいと思っておりますので、対応のほう、今後、考慮に入れていきたいと思っております。 ◆鈴木清 委員 過日、土地家屋調査士会の公共嘱託の皆さんからも話があって、公共解体の部分からぜひ参画してあなた方がやったらどうだと言ったら、やりますと言っていました。地方自治体が一緒に共同事業に巻き込めば、できる事業になっていますと、法律にありましたもので、そうしたら、たまたま法務局が職権登記を進めるようなことを言っておったものですから、一旦、足踏みをして、多分、法務局からそういう権利調整の仕事が土地家屋調査士会におりてくると思いますけれどもと言うんで、ちょうど、今、中休みしているんですよ。  今、長野市は、900件全部、個別にローラーで回りました。ところが県の見解だと、数字は具体的に800件が対象事業所という数字が出ています。おととい担当部長から聞いたら、長野市だけで700件ぐらいになりそうですと言っていました。そうすると、この800件という数字は大づかみの数字なのか。今回のグループ補助金の対象の各企業・商店・事業所に対しては、中小企業団体中央会と商工会と商工会議所と、この3団体が対応するようになっていますが、それらから上がってきた数字なのか。あるいは県が独自に調べられた数字なのか。その800という事業所の数字は、まだ確定値じゃなくて、非常に変動すると思うんです。長野市自身もまだ最終的な数字をお示しできなくて申しわけないと言うから、徹夜でやれと言っておきましたけど、その800という数字に変動があるということも予測されますよね。どうですか。 ◎庄村栄治 産業復興支援室長 今回の被害の事業所数のことです。きのうも御説明申し上げましたが、当初の800社というのは、被害に遭われているかどうかなかなかわからない中での調査になりまして、基本的には私どもから市町村へ依頼を申し上げまして、調べられる範囲内で、おそらく可能性も含めてだと思いますけれども、一応、地域・エリアにどのくらいの数があるかということの中から、最初の800というものが出てきた数字でございます。その後、グループ補助金のこの活動が進むに当たって、先日もある商工会さんから、被害がないと思っていたらこのぐらいありましたというようなことも出てきていますので、その感じから言いますと800に近い数字にはなってくるのかと思いますが、その辺の数字についても、今後、またはっきりした中で御報告を申し上げていきたいと思っております。 ◆鈴木清 委員 ではこの問題は締めくくりますが、今度、具体的な運用の問題で、なかなか個別具体的な事例になってきますと、フェース・トウ・フェース、マンツーマンで対応しなければいけない部分があります。一つには、生産工場が被害に遭ってしまい、社員もいる、家族もいる。雇用調整助成金でしのぐわけにいかないから、中古の機械でもいいからすぐ搬入したい。でも自己資金がないから、県の制度資金を運用して借り入れをして中古機械を購入したと。その場合、しかるべき時期にグループ補助金が交付になり、その返済の原資としてそのグループ補助金を運用できるのかどうなのか。  またもう一つは、仕掛かり品とか、製品あるいは商品に関しては、対象外ということでいいのかどうなのか。要するに、市場へ出すもう商品化されたもの、原材料とか商品・製品は対象外なのかどうなのかということです。  それともう一つは、グループを編成する場合、当該地だけではなくて、一つの事業所が2キロメートルも3キロメートルも離れて工場を営んでおった。それもそのグループの中にあえて編入して、対象グループとしてみなすことができるのかどうなのか、その三つについて、小林課長にお願いします。 ◎小林真人 産業立地・経営支援課長 それでは、私からは制度融資の関係に関してお答えしたいと思います。おそらく、この段階で制度融資を受けるということになりますと、今般、御説明申し上げましたグループ補助金の自己負担分の融資ではないと思います。その枠ではない形で、災害対策なり、そのほかのメニューもございますけれども、それで受けるということになると思います。それはそれでございますので、入れた中古設備が補助対象になった場合、そこで補助金の対象にもなり得るということにはなると思いますし、仮に入ってきたお金で、制度融資の返済分を賄うということも、これはこれで問題なくできると思います。補助金の関係は、庄村からお答えしたいと思います。 ◎庄村栄治 産業復興支援室長 まずグループ補助金の関係で、在庫ですとか、仕掛かり品が補助対象になるかというお話ですけれども、これにつきましては、補助対象にならないということでして、今回のグループ補助の対象につきましては、施設とか設備など、固定資産に計上されているか登記されているものに限られているということで御理解をいただければと思っております。  それとグループ化のお話ですけれども、これは、離れておっても何ら問題ないということで理解をしています。きのうも御説明しましたように、どのようなグループを組むかということで、例えばサプライチェーンみたいなものですと、同じ場所にあるわけではございませんので、同じ親会社さんの中の、例えば協力企業さんが皆さんでグループを組むということになれば、長野と坂城と佐久みたいな形も可能性はあると思っております。 ◆鈴木清 委員 たまたま電話があったのは、倉庫業を営んでいます、長野市内の運送会社です。それで、長野市内の最大手の食品会社と2番目の食品会社のでき上がっている商品を預かり、それを再委託で親しい果物の出荷の農業の倉庫へ委託しておいたと。そうしたら2,000万円を超える被害に遭ってしまった。ではその補填をどうしたらいいんですかということで、グループ補助金という話を聞いていますが、これはだめだね。実はそういう事例が具体的に出てくると、なかなかハードルが高くて、弾力的な運用はできないという面はよくわかりました。やはり国経由でございますから。  その辺のところの採択基準というのは、県民税をきちんと納付している会社というのが前提になっています。市町村じゃなくて、あくまでも県がジャッジメントをして採択し、中小企業庁、国に対し申請をするという手順のフローになっていますよね。ですから、危惧しているのは、例えば当該事業所からの申請書類に対して不備があったが、県は弾力的に、県民のためにということで受理していただいた。ところが国に上げた段階で戻されてしまい、再提出を求められたということのないように、県が一元的に管理し、出された申請に関しては、全て国は受理するんだという前提で進めていただきたいと思いますが、その辺の決意と覚悟について、どうぞ。 ◎庄村栄治 産業復興支援室長 申請に対しての対応ということの御質問かと思います。先日もお話ししましたけれども、私どもの支援室設立時から3月末までの4カ月間、関東経済産業局の方を配置いただくということになっております。ですので、国との関係は非常に密にできていると思っております。私どもが聞いている話では、補助事業を県として申請した場合に、国は、多分、数日で交付決定をするというようなことも聞いております。その分につきましては、私どもに非常に責任もあります。手戻りすることになりますと、非常に企業さんの時間の無駄にもなりますし、労力の無駄にもなりますので、なるべく1回できちんとできるように、私たちもやっていきたいと思います。  そのためにも、先ほど委員からも御説明ありましたけど、フェーズがまた変わってきていると思いますので、申請書をつくるときに、地域振興局を含めて、申請書の書き方とか、その辺までも何とかフォローしていければと思っておりますので、私ども支援室を中心に、20何名の人間で何とか頑張っていきたいと思っておりますので、御理解いただければと思います。 ◆鈴木清 委員 私が再三申し上げたいのは、ワンストップで、足踏みすることなく、速やかに運用できるような流れをつくっていただきたい。それには皆さん方も大変御苦労いただいているけれども、申請書類の形式、中身等に関して、この際、税理士会なり行政書士会に、行政書士会はすぐそこに事務所があるんだから、ぜひ2人一組で御協力いただきたいと、それで皆さんの名誉も評価も上がるし、知事表彰も乱発しますからというようなことを伝えて、担当部長、やってみてください。  私が何で再三こだわっているかというと、私は人間性善説を考えているんですが、一部、悪質なコンサルタントが、西日本の災害のときに、ぜひ私どもにお任せください、そのかわりマージン何%くださいということがあったとお聞きしています。ですから、決して長野県ではこの災害に遭ったときに、人の不幸に立ち入るようなことがないように、ぜひ対処していただけたらということを申し上げておきたいと思います。  次に、産業労働部の場合、国の委託事業というのはどのくらいありますか、部長、いや、産業政策課長でもいい。 ◎宮島克夫 産業政策課長 今、産業労働部で受けている国庫委託費でございますけれども、こちらにつきましては、おおむね3億7,000万円ほどあります。 ◆鈴木清 委員 個別の事業にかかる費用、あるいは補助額という額じゃなくて、その事業そのものに関していかがなものかなということを、あえて、私は申し上げたいんです。例えば、きのう、プロフェッショナル人材のお話がありました。訪問件数が何件で、就職にどのくらいつながったということですが、冷静に判断しなければいけないのは、具体的などこの企業に、正規社員、あるいは正規の職員として採用されたことをカウントされているのか。非正規でもいいから、1週間、半年でもいいから、任期つきの社員として採用されたという事例も含めてカウントしているのか。その辺のところをよく追跡調査し、検証していただきたいということをあえて申し上げたいために、国の委託事業はどんな事業がありますかという質問をしたんです。  県という組織が中2階ですから、市町村、あるいは民間の経済団体の中に1室を設けて、年間1,000件回っていますと。回るのはいいんですが、具体的にきちんと40代・50代、さっきIターン・Uターンという話がありましたけれども、その会社の将来を担う中堅の人材、あるいは正規の社員として採用に結びついているのかどうなのか。これ、きちんと検証していただかないと、県の真水のお金じゃないだけに、数字だけがひとり歩きしてしまうということを心配しています。かつてジョブカフェ信州とかいろいろありましたけどね。では受け皿をやっているスタッフはどういう人たちかと言えば、こういう方々なのか。さっきの使用者側委員と労働者側委員の関連の話もありましたけれども、その辺、ときには検証していただく必要もあるということをあえて申し上げたいと思います。  それで、1.5何倍という有効求人倍率の話がありましたけれども、これを一つ一つ分析しますとミスマッチが多いんですよ。非常にスキルの高い人材をほしいという会社と、なかなかそれにマッチングしない人たちのミスマッチがあるために、どうしてもほしい企業の場合は、今、もうあんまりハローワークに頼っていませんね。頼ってもだめだと言うんです。ですから、数字だけひとり歩きしていて、本県は有効求人倍率が高く、景況感が漂っていますが、実体経済からいっても、労働分配率からいっても、今、二極分化が進んでおり、大変厳しい生活の方々が多いということを、ぜひ皆さんにも頭で理解しておいていただきたいと思います。  では次にまいります。信州ブランドというのは、具体的に集約すると、どんなイメージで捉えたらいいんですか。簡単に説明してください。 ◎熊谷晃 信州ブランド推進監兼営業局長 よく生産者とかからも、信州産の原料でつくったら信州ブランドなのかとか、信州でつくったら信州ブランドなのかと聞かれるんですけれども、やはりそういうことではなくて、この物に込められた生産者の思いだとか、そういったものが集まってまいりますと、この信州というものを形成してくる。特に信州の場合は県土が広いので、各地域で一人一人が一生懸命、この四季の厳しさとこの寒冷地で戦っているというところがありますので、原料が何とかだとかいう問題ではなく、今までの長い歴史の中で学び磨いてきたもの、この物に込められた精神性、これが信州ブランドであろうかと思っております。 ◆鈴木清 委員 何となく謎解きのような問答になってしまうんだけれども、具体的な個別の商品名、あるいは人材、人の場合も言いますよね、あの人は信州ブランドだと、だから几帳面だ、信州は日本のドイツだと。そういう意味から言うと、そのブランドというものに冠した冠が、一体どの程度まで普遍性を持ちながら、広範な広がりを持つことができるのかということで集約していかないといけない。中には意匠登録から特許登録して信州ブランドで名前を冠している企業や商品もあると思うんですよ。かつて田中県政のときに原産地呼称管理制度というのがあって、それに似て非なるものなのか、その延長なのかと思いつつ、信州ブランドは何ぞやと、自問自答していました。  信州ブランド、信州というと、清涼な空気、山岳県、高原野菜、果物、特にリンゴ等々のイメージが浮かんできます。あるいは精密機械。その辺のところを、ある一定の基準を設けることによって、信州ブランドを市場に広め、そして評価を高め、そして普遍性を持たせるような取り組みをしていかないと、私はなかなか広がらないと思っています。ですから、例えば木曽のすんき漬は信州ブランドでしょうか。例えば地元の七味唐辛子は信州ブランドでしょうか。あえて具体的な商品名を出しましたけど、その辺、該当しますか、しませんか、どうですか。 ◎熊谷晃 信州ブランド推進監兼営業局長 まさにそのとおりでございまして、民間ベースで「信州ブランドアワード」というものが、もう20年近くやられております。その中では当然のことながら、七味唐辛子もすんき漬も選ばれておりますので、そこら辺はあろうかと思いますし、私どもの決意としまして、やはりイメージだけではだめである。もう企業は既に、イメージとしていわゆるコーポレートブランドとプロダクトブランドを持ち、例えばサントリーで言えば、「水と生きる」サントリーというイメージを出しながら、製品名では「南アルプスの天然水」だとか、白州の清らかな水でつくったモルトウイスキーだとか、しっかりプロダクトブランドがコーポレートブランドとマッチしているので、ここら辺の実の部分ですね、そこをしっかりやっていかないといけないという御指摘だと思います。  いろいろ商談会でもバイヤーから言われるんですけれども、信州というそのアドバンテージを生かしてないじゃないか、都会の安売りとまみれていて、信州というものをもっと全面に出すべきだと言われておりまして、来年度からは、例えば高原という一つのアドバンテージ、高原はなぜ野菜をおいしくするのかとか、発酵を促進といいますか、ゆっくりそのうまみを出していくのかとか、そういったものを大学ともエビデンスを出しながらやっていきたいと思っております。あまり短絡的にこれが信州ブランドだとしたくないという面もあるんですけれども、そうなるともうイメージもとまってしまいますので、ちゃんとした歴史・伝統・文化だけじゃなくて、今度はエビデンスでもちゃんと信州ブランドを明確にしないといけないと思っています。例えば「お六櫛」、きのうも申し上げましたけれども、ああいったものがどんどんなくなっていってしまうんですね。今、「内山紙」なんかは、二人でしかつくっていませんし。そういったところの、なぜ信州の和紙がいいのかというところも、追求していかないといけないと思っております。 ◆鈴木清 委員 「内山紙」なんていう話が出てきてしまうと、栄村方面、飯山方面の「ねこつぐら」の話も出てきてしまうけれども、そういう意味で、信州ブランドというイメージをどうやって集約化するかということをきちんとしていただかないと、ただ言葉だけがさまよっている状況で終わってしまうと思います。やはり長野県の文化とか県民生活の中から生まれてきたものを全国に発信できるようにしていただきたいと思っています。
     ですから、私、「お六櫛」もそうなのかなと思いつつ、今、首をかしげながら、そういえばそうかなと聞いていました。実は、長野県の農協が合併に次ぐ合併で危惧しているのは、例えばスイカで言えば、波田町のスイカである「下原スイカ」、これは市価を高めていました。ところが、今、松本ハイランド農協になってしまったので、信州波田町と、上に信州を冠にしないと、なかなかイメージが統一性をもって浸透、深化できないと思うんです。リンゴもそうなんですが、長野県で1、2位の組合員数を誇るながの農協という大農協が誕生してしまった。斎藤次長、豊野町のリンゴは非常にうまかった。今回、災害に遭った長沼のリンゴも非常に市価が高かった。農協が一つの窓口になっていますから、豊野町農協もなくなり、長野市農協もなくなり、県境の飯山のかつてのみゆき農協から、山ノ内から、以北を全部包括しているながの農協になると、どのリンゴもながの農協のリンゴになってしまう。だから経営効率上の合併とは別にした違った切り口で、その地域・地域の特産、過去の先人が、労々辛苦、今日まで市価を高めた作物をもう一度その名前を持って市場に出せるように、逆に県の立場で取り組んでいただけたらと、そんなことをお願い申し上げまして、これで質問を終わります。 ◆中川博司 委員 まず災害の関係なんですが、グループ補助金で、東北の震災では、5億円までは全額支援をするという制度があったように聞いたんですが、今回、国でそれに該当させてない理由と、それから県としてそれを要望したほうがいいのではないかという気がするんですが、その点についてお考えをお聞かせください。 ◎庄村栄治 産業復興支援室長 グループ補助金の御質問ですけれども、今回の制度に関しまして、4分の3の補助で、またその上限額が15億円というような制度でございまして、全額という制度ではないと認識をしておりまして、その4分の1につきましては、何らかの資金調達になります。昨日、県の制度融資としては、その分の4億円は、融資として対応できるというような御説明を申し上げたところですけれども、その全額というのは、私も承知していなくて申しわけございません。 ◆中川博司 委員 ちょっと調べて、また報告してください。それから営業局のシェフズバス、「つなぐ」を見させてもらいましたけれども、特に関心があったのは、これからオリンピック・パラリンピックがある中で、欧米から来られる皆さんは、オーガニックの有機野菜だとか、そういったものに非常に関心があるというよりも、それしか食べないといった傾向が非常にあるように聞いています。今回、この有機野菜のところ、それからダボス牧場へ行かれて、皆さんの反応というか、その有機野菜に対する感触というのは、どのように受けとめていますか。 ◎斎藤政一郎 営業局次長 オーガニックという切り口も幅があるものですから、それぞれ個別に、農薬のことですとか、生産ですとか、生産者のお話をしっかり聞いて、それを料理に生かそうとしていると受けとめておるんですけれども、オーガニックというカテゴリーに分けて、それぞれに聞くという形ではなかったんですけれども、関心は大変高いと伺っています。 ◎熊谷晃 信州ブランド推進監兼営業局長 今回、首都圏の外資系のホテルのシェフや、披露宴をやるような大きな結婚式場のシェフ、それとか一流の日本料理店、特にフランス料理と日本料理をマッチさせるような優秀なシェフにかなり来ていただきましたし、あと「料理通信」というシェフが見る雑誌の方にも来ていただきました。委員御指摘のとおり、世界の標準はオーガニックとかヴィーガン、こういったものが本当に主流になっておるものですから、やはり農薬をできるだけ使わないとか、加工するに当たっても保存料だとか着色料は使わないということはもう標準的なイメージとして持っていらっしゃいましたので、回る先も意識的にそういうようなところを使わせていただきました。これから、農政部でも、全農と一緒に有機農業研究会というものが始まっておりますので、そんなところを、これから背中を押して推進していきたいと思っております。 ◆中川博司 委員 そこを言おうと思ったら、先に言われてしまったんですが、9月定例会の一般質問で、私も有機農業の推進ということで農政部に質問をした経過があります。窒素やリンが非常に多くなってきている中で、持続可能な社会をつくっていくSDGsの取り組み、世界の目標の中にも、この有機農業の推進というのは、一つの大きな課題として政府も取り組もうとしております。ただ、残念ながら、つくるための労力としては、非常に大変なところがあるものですから、なかなか生産者のところまで広がっていかない。なので、営業局のほうで、実はこういうオファーがあるんだと、だからもっと農政部としっかり連携して、有機野菜や有機米をつくるように、ちゃんと市場はあるんだというメッセージを伝えていくことが必要だと思いますので、その点、もう一度、現状の農政部との連携の状況や、営業局としての意気込みをお願いします。 ◎熊谷晃 信州ブランド推進監兼営業局長 御指摘のとおりでありまして、まだ緒についたばかりでございますけれども、農政部には私どもも参加しながら話を進めていきます。ことし8月には、ベトナム・タイ・シンガポールへ行かせていただきましたし、今回は北米も行かせていただきましたけれども、向こうに並んでいる商品には、もう確実に、オーガニックだとか、「G−GAP」だとか、「HACCP」だとか、いろいろなマークがついているのが世界標準であります。一方、県内で聞いてみると、オーガニックをつくったって、有機無農薬野菜をつくったって、高くつくだけで、収益だって、そんなに高く買ってくれるところはないから、やっても意味がないのではないかというような意見がまだまだ聞かれますし、農政のプロにおいても、全く有機無農薬でつくるなんて生産効率が悪くて、そんなのだめだという考えがまだ残っているところがあります。  委員御指摘のとおり、首都圏の、海外の皆さんが御利用するようなホテルだとかレストランにおいては、もう標準になっておりますし、これから、来年度予算に向けて、海外輸出も一つの選択肢として、輸出のストレスが下がるような、いわゆる産地証明や、防虫防害、輸送コストといったことを、今、農政部と一緒に、高級果物から着手しようと思っております。そんな中で、海外で売るための強い商品づくりは、当然、視野に入れていかないといけないと思いますので、首都圏のシェフの反応並びに海外で売るときの世界標準は示しながらやっていかないといけないと思いますし、また、県内におけるオーガニックの認定だとか、そういうものから一つずつつくっていかないと、誰がどこで認定するのか、それを財政的にバックアップできているのかという問題もありますので、そこら辺をつまびらかにしていかないといけないと思っております。 ◆中川博司 委員 新年度の動きの中で、実はそのオーガニックに関しては、第三者認定だとか、国でも、今までの難しさがなく、ちゃんと認証できるような制度なども導入しようとしているし、それから遺伝子組み換えについては、遺伝子組み換えではないものについて、認証を民間認証制度で進めていくというのが世界の動きなんですよね。そういったことも導入していかなければいけないとは思っていますので、ぜひその販売のほうというか、営業のほうでそこを支えていただければ、非常にありがたいと思います。  次に、これは応援のほうの質問なんですが、産業労働部が一生懸命やっていて、おもしろいことをやっているなと思っていても、なかなか知られていないということがあります。たまたま声をかけられて、ベンチャーコンテストを見に行ったんですけど、非常におもしろかったんですよね。ベンチャーコンテストの趣旨や企画など、それから県のかかわり方、そして今回のベンチャーコンテストで賞を受けられた皆さんの、特にこんなところが特徴的だったというようなことを紹介していただきました。「ビジネスプラン」というのも、この間の新聞を見ていたら出ていたんですが、あれも県は何か関係しているのか、そこら辺をお願いします。 ◎丸山祐子 創業・サービス産業振興室長 ベンチャーコンテストに関する質問でございます。中川副委員長さんには会場までお越しいただいてありがとうございました。ことしは、ベンチャーコンテストが6回目で、松本市のMウイングで開催させていただきました。ベンチャーコンテストは、信州大学の学内コンテスト、学生を対象にしたコンテストがスタートでして、そこに、6年前に県がかかわって、実行委員会形式で、一般の方も応募できるようにしましょうということで始まりました。現在は、県内の大学、諏訪東京理科大、清泉女学院大学等も含めた大学、県、それから地元の市町村、長野市・松本市・茅野市・上田市等ですけれども、そういった方たちや、あとは八十二銀行さんですとか、企業の方も入った実行委員会でやっております。  趣旨としましては、高校生部門を設けているのが特徴でございまして、高校生のころから起業を意識したビジネスアイデアを出す場を設けて、高校生部門、アイデア部門、起業部門と、それぞれ段階ごとにいろいろな方が応募できる形をとっております。ことしの起業部門のグランプリは、「KURABITO STAY」という小諸の酒蔵で、昔、杜氏の方が泊まられていた蔵のようなものがあるんですけれども、そこが今、使われていないので、そこにインバウンドの方に宿泊していただきながら、こうじづくり体験ですとか、そういうものを提供する旅行会社のようなものをつくるというアイデアがグランプリをとりました。そのグランプリは、ほかのところでも大分高く評価されている方で、社長は女性の方です。そういう女性の若い柔軟な考え方が、これまで割と杜氏の方とか、関係者しか入れなかったその酒蔵で、インバウンドの方に体験いただくという、新しい切り口がビジネスにつながるところが高く評価されたと思います。  毎年、そういった新しい感性がありまして、高校生部門については、ことしは長野高専の方がグランプリをとったんですけれども、そういった若い方から、実際、現場で経験した社会人の方まで、広く応募いただけるのが特徴だと思います。  後半、御質問のありました新聞に載った「ビジネスプラン」というのは、承知していなくて申しわけありません。 ◆中川博司 委員 拝見して、特に、若い高校生の皆さんがそんなことを考えているんだな、と感じました。考えていることを発表できる場があって、非常に生き生きと、圧倒されるくらいの勢いで発表しているのを見ていて、これはおもしろいと思いました。ああいうことを、県の産業労働部でも、SNSなども使って、どんどん広げることが大事だと思います。そういう発想を持っている高校生がいっぱいいるんだということを広げていくのは大事な課題だと思ったので、ぜひそんな点を取り組んでもらえればと思います。  それからもう一つは、「信大ナウ」の最新号で、向山委員の地元の話なんですが、日本初の霊長類のCAR−T・iPS細胞を用いた安全性評価研究施設を、信州大学の遺伝子・細胞治療研究開発センターと伊那にありますイナリサーチが、研究室をつくるという記事が載っていました。この産学連携の関係についての質問なんですけれども、部長も行って挨拶されていますが、県はこれにはどのような関係を持っているんですか。 ◎西原快英 ものづくり振興課長 CAR−T細胞のイナリサーチにできました新しい研究所に関しての御質問でございます。信州大学の中沢先生がこのCAR−T細胞という、がんの免疫治療に関するすごい技術を持っていらっしゃいます。それを、さらに治験ですね、動物実験を進めるために、信州大学が国から得た資金でイナリサーチの中に研究所を設けたものでございまして、私どもは直接的に事業自体には入っておりませんが、信州大学と一緒に医療機器産業の振興を進めておりますので、そういう関係でお呼びいただきまして、オープニングセレモニーに出席させていただきました。 ◆中川博司 委員 私も個別なものを全て承知しているわけじゃないですが、実は、前回の委員会でも質問しましたけれども、輸出関連の企業だけだと、どうしても景気の動向、今で言えば米中の経済摩擦の影響を非常に強く受けるのが長野県の産業の特徴で、それがまた直接的に雇用にも影響するんですよね。そういう意味で、この産学官連携の中から、長野県としての非常に特徴的な、強みだとか、そんなものを発揮できる産業を育てていくということが非常に大事なことで、これも一つの例になるのかという気がしたんです。そんな点で、県の産学官連携の現状と課題について、大ざっぱで結構ですが、少しお話をしていただければと思います。 ◎西原快英 ものづくり振興課長 長野県における産学官連携の現状と課題という御質問でございます。長野県におきましては、平成13年4月に長野県テクノ財団を設立いたしまして、ここが産学官連携研究開発の中核的な支援機関として機能しているところでございます。具体的には、企業と大学が出会う場をつくる。あるいは具体的な技術に対して企業さんを集めて研究会を設ける。あるいはその中で、実際に具体的な研究開発を行っていきたいという企業に対しましては、コンソーシアムをつくりまして、国の提案公募制度により国の資金をとりにいく。とったら、実際の研究開発活動の中核的な支援機関、管理機関になる。そういう活動をしております。  具体的に現状でございますが、30年度の実績でいきますと、研究会とかセミナーは103事業やっておりますし、コーディネート活動が2,200件ほどございます。提案公募制度への提案の支援でございますが、昨年度ですと27件、うち18件は採択されて、4億8,000万円くらい、国等からお金をもらってきている状況でございます。特に、今、盛んに使っております、いわゆるサポイン、経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業という制度におきましては、きのうも申し上げましたけれども、3年間で約1億円の研究開発資金、補助金をもらえますが、今、9件動いております。ですから、3億円弱のお金を国からもらって動いております。また、その採択におきましても、ことし、新規採択分がその9件中4件なんですが、4件採択になったというのは、全国のテクノ財団のような事業管理機関の中で、全国、83機関中第5位という成績でございます。また、関東経済産業局管内でも第2位という成績で、全国でもかなり上の状況にございます。  課題といたしましては、やはり理系の大学が限られてしまうということが一つございます。長野県内では、やはり1番目は信州大学さん、そしてあとは高専さんもございます。信州大学さんも高専さんも非常に優秀でございまして、文部科学省で、大学が、その立地している都道府県内の企業との共同研究をどのくらいやっているかという調査をやっております。そうしたところ、何と信州大学は全国13位。13位と聞くと大したことないと思われるかもしれませんが、上には、当然、旧帝大とか、早慶とか、そういうところが入っておりますから、かなりの上になります。ですから、信州大学は地域貢献度ナンバー1というところだと思います。あと高専も、確か全国の高専の中で、全国2位だったかと思います。  ここで期待しておりますのが、諏訪東京理科大です。今度、大学院の拡充が行われます。企業との共同研究をするときに、実際、研究をするのは、実は、下にいる大学院生がメインで動きます。大学院が拡充されれば、これからどんどん、諏訪東京理科大との共同研究が活発化するんじゃないかと期待しておるところでございます。 ◆中川博司 委員 最後の要望になるんですけれども、結局、その産学官の連携から実際に産業立地までつなげていく、そしてそこに雇用が生まれていくという、長野県としての独自性、優位性が県民の暮らし、幸せにつながっていくように展開していかなければいけないと思うんですよね。そこら辺について、最後に部長から、県の産業労働部としての決意をお聞かせいただいて、私の質問を終わります。 ◎林宏行 産業労働部長 私から、まず、冒頭の災害復興の5億円の話をさせていただいてから、今の産学官連携の話をさせていただきたいと思います。グループ補助金の創設に当たりましては、発災直後から、阿部知事初め県議会の議員方も、それぞれのお立場で国へ御要望いただきまして、まことにありがとうございました。まずは激甚災害の指定を受け、この補助制度等を活用して、早期の復旧・復興に努めていくということで創設してまいりました。今回の台風19号の被害というのは、宮城県・福島県・栃木県・長野県を含む地域ということで、その中に、宮城・福島という東日本大震災からの復興途上にある都道府県が含まれておりまして、そちらの企業では、先ほどの枠組みの中で言えば、自己資金も含めて相当の借り入れ等を行いながら、復興途上にあるという中で、またの災害ということです。冒頭、委員おっしゃったとおり、5億円までは、自己資金なしで10分の10の補助でいくという枠組みが示されたわけでございます。他の地域においては、通常どおりの枠組みということで、私どもは理解しております。また、制度の運用に際しましては、企業の皆様方の技術面、あるいはその経営面、雇用面、そういったところにしっかりと寄り添った形で、課題解決に向かうように支援してまいりたいと考えております。  また、産学官の産業振興ということで、県内産業は非常に輸出型といいますか、そういったところに特徴があるわけです。私も、実はテクノ財団におりまして、当時、理事長でありました市川理事長とともに、研究開発資金の提案公募によく行きました。特定の傘下に甘んじるのではなく、それぞれの企業の持つコア技術をしっかり磨いていく。そして産学官の力でオープンイノベーション、あるいはクローズの部分もありますけれども、しっかりと技術開発をして百名山づくりをしようということで、そうなればより強くなるだろうということで、県内企業の皆さんがコアの技術を磨きながら競争力を持っていけるように、しっかりとした支援に努めていきたいとに思っております。 ◎宮島克夫 産業政策課長 先ほど小林委員から決算の関係で御質問いただきまして、そちらにつきまして、私から答えさせていただきたいと思います。中小企業金融対策費の不要額の関係でございますけれども、先ほど産業立地・経営支援課長から申し上げましたように、制度融資の貸し付けが見込みを下回ったことと、貸し付けの時に、信用保証料というものがございます。そちらに対して県が補給をしているんですが、あわせましてそちらが落ちたことによる影響で不要額を出しております。  それから労働費の不要額の関係で御質問いただいておりましたが、そちらにつきましては、主に技術専門校におきまして、民間の委託事業がございますけれども、そちらの定数で予算化をしているわけなんですが、応募者が見込みを下回ったことによる不要額として出させていただいたものでございます。 ○依田明善 委員長 ほかに御発言もありませんので、以上で産業労働部及び労働委員会関係の質疑を終局いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、質疑を終局いたします。  ただいまから付託議案の採決に入ります。  第1号「令和元年度長野県一般会計補正予算(第9号)案」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中、歳出 第8款 商工費について、採決いたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、第9号「工科短期大学校条例の一部を改正する条例案」について採決いたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  ただいまから、請願及び陳情の審査を行います。当委員会に付託されております産業労働部関係の請願及び陳情を一括して議題といたします。過日、お手元に配付いたしました審査資料をごらん願います。産業労部関係の請願及び陳情は、請願の継続分1件、陳情の新規分2件であります。  次に、審査に際し、あらかじめ各委員にお願い申し上げます。継続審査とする旨の御発言をされる場合は、なるべくその理由を一緒に述べていただくようお願いいたします。また、願意が複数ある請願及び陳情で、その一部が採択できないために、継続審査と決定した場合は、請願者及び陳情者に通知する付記事項について、その都度お諮りすることといたしたいと思いますので、御了承願います。  審査手順について、あらかじめお諮りいたします。最初に、継続の請願1件を、続いて新規の陳情2件の審査を行うこととしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  それでは、継続審査となっております請願1件について、状況に変化がありましたら、理事者から説明願います。 ◎宮島克夫 産業政策課長 状況に特段の変化はございません。 ○依田明善 委員長 それでは、特に状況に変化のない請願1件を審査いたします。お諮りいたします。請第5号については、引き続き継続審査とするに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  以上で、請願の審査を終局いたします。  続いて、新規の陳情について、審査を行います。陳第129号及び陳第159号は、願意が同一ですので、一括して審査を行います。理事者の説明はいかがいたしましょうか。      〔「省略」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。      〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で、質疑を終局いたします。それでは、この陳情の取扱いはいかがいたしましょうか。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま、採択との御発言がございました。  お諮りいたします。それでは、陳第129号及び陳第159号については、採択すべきものと決するに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、採択すべきものと決定いたしました。  以上で、陳情の審査を終局いたします。  以上で、産業労働部及び労働委員会関係の審査を終局いたします。  午後1時30分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午前11時46分 ●再開時刻 午後1時25分 ○依田明善 委員長 再開を宣した。  ▲日程宣告    企業局関係の審査  ▲企業局関係の付託事件の報告    予算案1件  ▲議題宣告(企業局関係)   付託事件及び所管事務一般を一括して議題とし、議題に関連して、理事者の総括説明を求めた。 ◎小林透 公営企業管理者 別添、公営企業管理者説明要旨に基づいて説明した。 ○依田明善 委員長 第4号「令和元年度長野県電気事業会計補正予算(第2号)案」について、理事者の説明を求めた。 ◎藤森茂晴 経営推進課長 議案により説明した。 ○依田明善 委員長 理事者から発言を求められていたので、これを許可した。 ◎藤森茂晴 経営推進課長 別添資料1「「長野県公営企業経営戦略」の改定について」により説明した。 ◎青木千明 電気事業課長 別添資料2「新規の水力発電所建設計画について」により説明した。 ◎竹花顕宏 水道事業課長 別添資料3「令和元年台風第19号災害への対応等について」により説明した。 ○依田明善 委員長 委員の質疑等発言を許可した。 ◆本郷一彦 委員 台風19号については、管理者初め各課長さんに、適切に24時間体制で対応されておりまして、深く敬意を表する次第でございます。御説明にもありましたけれども、確認の意味で質問したいと思っております。お話のとおり、ある意味では惑星レベルでの根源的な弊害が起きており、同時にイノベーションの進化が加速度的に進んでいて、その調和をどうするかということが、当委員会において非常に重要なことでございます。  WMO、世界気象機関は、過日、2018年の二酸化炭素の世界平均濃度が407.8PPmに達し、過去最高を更新したと発表し、一番大事なところでございますけど、将来の世代が、気温上昇や生態系破壊など、気候変動の深刻な影響に直面することになると警鐘を鳴らしております。一方、テクノロジーというか、イノベーションの進化は、米国の有名なGoogleは、最先端のスーパーコンピューターで約1万年かかる計算を、同社の新しい技術である量子コンピューターは3分20秒で解けるということでございます。  そういう中において、こうした人間社会の進化と惑星の変化という観点から、企業局の運営は、本県、日本にとってもそうでございますけど、経済社会の持続可能な発展を基盤から支えていくために大変重要であると認識するところでありまして、そういう総括的な認識の上に立って、御質問をしたいと思います。  スペインで行われていますCOP25で、今、環境大臣も出席しておりますけれども、今世紀末にはプラス3度になるということで、脱炭素社会、再生可能エネルギー等々考えたときに、皆様方の役割、特にダムの役割は、電気・水道という現代社会の基盤でありますので、何分、一層新しい発想力をもって行政執行に当たっていただきたいと思います。  まず、今、御説明がありましたけど、要点だけで結構でございますから、台風19号による災害は、企業局の経営に本質的にどんな影響を与えるのか。また経営戦略の改定スケジュールを見直すとされておりますが、大規模災害への対策として、今後、どのような内容を盛り込んでいくのか、お聞きいたします。それがまず第1点。  第2点は、ダムと水力発電所を管理している電気事業では、今回の災害にどう対応したのか。今、御説明がございましたし、とりわけ本会議におきましても、小林管理者から御答弁がありましたけど、ダムの放流についてはどのような対応をしたのか。本会議で大体感じはわかりまして、何のミスもなかったわけでございますが、もう少しその辺をわかりやすく御説明いただければありがたいと思います。また、似たようなことが県下に起きた場合、どのような対応をしていくのか、今からその意思を確認したいと思います。  そのほか、電気事業を所管する企業局としては、大規模災害に対してどんな役割を担い、どう取り組んでいくのか。常にそこのところが、密接不可分な関係にありますし、極めて深刻な問題であります。したがって、ダムの新規の着工を含めて、とりあえずその2、3点についての御答弁をいただければありがたいと思います。 ◎藤森茂晴 経営推進課長 それでは、まず台風19号の企業局の経営への影響ということでございます。冒頭、管理者からも説明がありましたように、事業運営上の大きな被害というものはなかったということでございますが、今後の経営への影響ということで言いますと、被災者支援のために実施しております水道料金の減免によりまして、料金収入については一定程度減少することにはなってこようかと思われます。  それから、改定スケジュールの見直しに当たって、今回の大規模災害の対策について、どのようなものを盛り込んでいくのかという御質問でございます。今回の台風19号の災害については、長野県で初めて大雨特別警報が出され、未曽有の大災害だったということでございまして、そういったことで水道事業を中心にしたライフラインは広範囲で停止をしたということです。幸い、企業局ではなかったにしろ、ほかのところではそういった被害があったということで、これは、決して人ごとではないと考えております。  特に今回の災害では、ハザードマップ上に示された浸水エリアで、そのハザードマップに従って公共施設が被災しているところが多かったということでございますので、浸水エリア内の施設については、必要な浸水対策等、盛り込んでいくことが必要になっていくと考えております。それから9月の台風第15号の際の千葉県での長期停電がございましたけれども、本県でも起こり得る事態でございます。そのために、発電所の自立運転ですとか、自家発電について、しっかり対策を打っていかなければいけないと考えております。いずれにいたしましても、関係する市町村等と、丁寧な意見交換を行いながら、必要な対策を盛り込んでいきたいと考えております。 ◎青木千明 電気事業課長 電気事業の関係でございます。私どもの発電事業の施設につきましては、発電所の取水口に至る道路の損壊などもありましたけれども、おかげさまで大きな被害はなかったということでございます。ダムの放流についてなんですけれども、企業局が管理するダムは、高遠・菅平・湯の瀬の三つのダムでございます。このうち、湯の瀬ダムのところは、先ほど新規発電所建設の資料でも御説明したとおり、貯水容量が小さく、すぐ上流の県管理の裾花ダムと一体となった運用をしておりまして、裾花ダムで行う洪水調節を妨げないように同時放流をしている状況でございます。今回の台風でも裾花ダムの放流に合わせまして放流を実施したところでございます。  それから高遠ダムも、国の管理する美和ダムが大きなダムでございまして、洪水調節の役割を担っております。今回、高遠ダムにつきましても、美和ダムからの放流に合わせまして放流を行ったところでございます。  菅平ダムにつきましては、単独で私どもが管理しているダムでございます。かんがいなどを目的とした利水ダムでございまして、かんがいと上田市の上水道、そして発電という役割を持っておりまして、管理を企業局でやっているということでございます。治水を目的としたものではございませんけれども、今回の台風19号の接近前には、ダムの貯水率を10%としており、ダムに極力ためまして、最大84%まで貯水することによりまして、トータルで約200万トンをダムに貯水することができました。それとともに、ダムへの流入量は、最大で毎秒約80トンであったものを、放流のほうは、開始時は毎秒0.38トンというごく少量から、順次、調整しながら放流の増加をさせていきまして、最大でも毎秒約28トンということで、50トン以上、出水をカットしたということでございます。  これらによりまして、下流の神川の水位なんですけれども、ダム放流前の午後6時30分に3メートル5センチメートルと記録したものに対しまして、ダム放流後は、高いときでも2メートル52センチメートルということで、放流前よりも放流後のほうが下流の河川水位は下がっています。河川水位は、上田市真田の大日向地点でございます。  それから、神川が千曲川と合流したすぐ下の上田市国分地点で千曲川が越水したということもございましたけれども、この越水の時刻が、ダムからの放流開始とほぼ同時刻の午後8時ごろと聞いております。ダムからの放流水が現地のこの上田市国分付近に到達するまでには、約1時間40分程度要すると考えております。こういうことからも、影響があったとは考えられないと認識しております。  それからダムの構造なんですけれども、菅平ダムというのは、ダムの放流ゲートがダムの堤体の上部にございます。通常の発電取水によりまして、ダムの水位をコントロールするというダムになってございます。このため、放流ゲートからの事前放流などが難しい構造となっておりますが、国において、利水ダムを含めた既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討を始めているということでございまして、こうした動向などについて情報収集に努めまして、今回のようにあらかじめ発電取水によりまして、貯水率を可能な範囲で下げておくことなどによりまして、できる限り治水にも貢献できるように取り組んでいきたいと考えています。  ちなみに、菅平ダムは、上田という地域にございますので、全国的に見ても年間降水量が少ない。このため、菅平ダム運用開始以来50年たちますけれども、ダムの放流は、今回の台風を含めまして18回にとどまっております。また、流入量が毎秒30トンというのを洪水量と規定しておりますけれども、こちらに達した回数が、今回の台風を含めまして、50年間で13回ございます。このうち、ダムから放流を行ったのは4回のみでございます。13回のうち9回は、ダムに取水を全て貯留しまして放流を回避したということでございます。いずれにいたしましても、かんがいなど、ほかのダムの共同事業者の御理解をいただきながら、今後ともできる限り治水にも貢献できるように頑張っていきたいと考えております。  それから、最後に大規模災害への今後の取り組みでございます。今回の台風でも、各地で停電が発生しまして、県内の延べ停電戸数が約14万戸と聞いております。最大で5日間ほど停電したところもあったということでございます。それから病院などで、水道のポンプ施設の停電、それから携帯基地局の停電などが発生しておりまして、現在の生活というのは電気がなければ成り立たないんだと認識しております。それから9月の千葉県での停電とか、昨年の北海道でのブラックアウトなども考えれば、水力発電所の特徴として、燃料補給なしで地域に電源供給をできるというのは、大きな魅力ではないかと考えております。  企業局で運営、あるいは建設に着工している発電所は、現在、20カ所ございまして、10市町村に所在しております。その多くは、災害等で電力的に孤立する可能性がある中山間地に位置しております。こうした中で、水力発電所の特性を生かしまして、災害時に電源供給も可能な自立運転機能を有する発電所をふやしていきたいと考えておりまして、現在は、建設中も含めまして5市町村でございます。今後、建設したり、改修したりする発電所は、自立運転機能を有するようなものにいたしまして、現在、法的に、電力を直接供給することが難しいということもございますけれども、今後の動向を見据えまして、そういった自立運転機能をしっかり生かしまして、地域電源として供給していきたいと考えております。
    ◆本郷一彦 委員 大変丁寧な御説明、ありがとうございました。特に国分地点の問題は、本会議でも議論になりましたけれども、よく御説明いただきましてありがとうございました。いずれにしても、現代の僕たちの日常生活の基本は、電気と水ということでありまして、公営企業管理者のもとで、皆様方の果たすべき役割は、従来とは全く違った問題になってきておりますし、惑星レベルの問題でございますので、千年に一度とはいえ、今、台風は大体年間30近く、日本列島に来るわけでありますので、そういう意味で、今の御説明で基本的には納得いたしました。大規模災害が数年単位でもし起きた場合にはどうするかという深刻なテーマもありますので、何分御精励をいただきたいと思います。  もう時間もありませんので、あと2点だけ。広域的な用水供給事業と末端給水事業を所管する企業局では、今後、大規模災害に対して、今もお話がありましたけど、どんな役割をどう取り組んでいくのかということと、こうした大規模災害における被災状況を踏まえて、今後の長野県企業局の経営について、公営企業の管理者として、大局的な観点から未来志向での御所見をお伺いしたいと思います ◎竹花顕宏 水道事業課長 それでは水道の関係で、大規模災害に対する役割と取り組みにつきまして、水道事業者としての立場と、それから県の一員としての立場の二つの面から御説明をしたいと思います。まず水道事業者の役割と取り組みとして、安定的な水道水の供給に向けた取り組みでございますけれども、このたびの災害において、県営の水道施設に大きな被害はございませんでしたが、台風が接近した10月12日には、上田市の諏訪形上水場がある地域にも避難指示が出たこと、また環境部のまとめによれば、県の10以上の市町村の水道施設に被害が発生したことを鑑みますと、改めてこのような台風などに伴う浸水のリスクですとか、長時間にわたる停電に伴う断水のリスクなどについて、しっかりと検証する必要があると考えております。  大規模災害への対策としましては、企業局ではこれまでも、施設・管路の耐震化を計画的に進めるとともに、応急給水施設「安心の蛇口」の整備などのほか、地元市町村と災害時連携協定を締結し、定期的に合同防災訓練を実施するなど、ハードとソフトの両面から災害対策に取り組んでまいりました。これらの取り組みに加え、今年度におきましても、例えば用水供給事業では、奈良井川原水の濁度上昇や上流からの流木対策として、片平取水施設における取水機能の強化に向けた検討に着手するとともに、末端給水事業でも、災害時における受援体制の整備についても検討を始めているところでございます。このたびの災害を踏まえ、水道については、やはり地元市町村との連携が大変重要と考えることから、必要な浸水対策や電源確保策などについて、これら市町村と意見交換を行いながら検討を進め、収入と投資のバランスをとった上で、具体な取り組みを新たな経営戦略に盛り込んでまいりたいと考えております。  次に、県の一員としての立場という面からでございますが、これは被災した市町村や地域に対する取り組みになります。水道の分野では、私どもを含め各市町村などで構成しております日本水道協会という組織が、非常時において各事業体が互いに応援する仕組みを設けておりまして、近年の例でも、熊本地震ですとか、また西日本豪雨などのときも、県内外の事業体が応援給水などの支援を行うといった相互の応援体制を整えております。このような全国を網羅したバックアップ体制がとられていることは、私どもや各市町村にとりましても大変心強いものでございますが、やはり被災地に近い事業体のほうがより早く応援に駆けつけられることから、企業局といたしましては、県内で何らかの水道施設の被害が発生した場合には、県の環境部が全体の調整をとる中で、一定の人員と設備を保有している長野市や松本市など各地域の中核的な事業体とも連携しながら、迅速な応援・支援に取り組んでまいりたいと考えております。 ◎小林透 公営企業管理者 こうした大規模災害等の発生も含めて、今後の企業局経営のあり方ということで御質問いただいたと考えております。これまで説明をさせていただいたこうした取り組み、例えば新規電源開発でも、今、建設中が4あり、さらに9カ所の水力発電所について、調査を実施しております。また、水道におきましても、新たに経営区域内の市町村との連携の場を持ちましたし、あるいは経営区域外も、知事部局とともに、お出かけ相談等で対応しています。こうした取り組みというのは、実は全国的にもほとんど例のない取り組みでございまして、今後とも地域との連携・協力、あるいは知事部局との連携・協力をさらに進めて、やはり長野県企業局は県内の企業局の水道・発電のリーディングカンパニーであり、全国の公営企業でもこれだけやっているところは多分ないと認識しておりますので、そうしたもののリーディングカンパニーとして、やはり志高く取り組んでいく。それに当たっては、やはり人を生かす組織、あるいは専門性をさらに高めていく、そうした中で、この取り組みを進めていく。これが大規模災害においても力を十分に発揮できる組織であり、事業になっていくんではないかと考えております。 ◆向山公人 委員 それでは、二つ、三つほど、質問させていただきます。今、世界的に異常気候ということで、自然災害が発生したり、将来にわたってのエネルギーをどうするかということは大きな問題であります。一時の企業局の方針をかなり改革して、今、将来に向かっての再生可能エネルギーの拡大について、積極的にお取り組みをいただいていることには敬意を表するところであります。  先ほどからずっと説明がありましたけれども、やはり長野県は、こうした水力発電に地形的にも大変に恵まれておりますし、こういったことも大きく言えば、地域資源を有効に活用するという意味では、それを活用したこの自然エネルギーの取り組みは、大変いいことだと思っておりますし、こうしたことが地域の発展に大きく貢献をしていくということで、水力発電が、今、盛んに計画されて実行されておりまして、特に私どもの地域にとってみれば、さまざまな水力発電の事業が展開をされておりますことは、大変うれしいことでございます。こうした再生の可能性のあるエネルギーの拡大に向かって、今後、説明のありましたような、取り組みを進めていくことになるわけであります。  こうしたことを進めていく中では、経営的なことや、技術を要する人材の確保が大変に重要になってくるだろうし、企業局が、今後、こうしたものを運営していく中で、大変大きな条件の一つであろうと思っております。こうした経営・技術を推進する人材確保だとか育成について、どのようなお考えがあるのか、まずお伺いをいたします。 ◎藤森茂晴 経営推進課長 人材の確保ですとか、養成、研修のことかと思います。現在、企業局においては、113名の職員がおりまして、そのうち電気職が43名、それから土木職が25名というような技術職を抱えているところでございます。ただ、職員については、例えば電気事業について言うと、一時期は民間に譲渡するというようなことで進めていたということで、10年以上にわたって職員を採用してこなかったということがございます。そういったことで、職員構成がかなりいびつな状態になっており、40代後半から50代というところが非常に多く、30代がほとんどいなくて、今、20代が若干いるというようなことで、今後の将来にわたって安定的な経営をしていくためには、ここのところをどうしていくかは、非常に重要だと考えております。そうしたことから、採用についても、新規の学卒者だけではなくて、中途採用により、中堅どころの採用についてもしっかりやっていきたいと考えているところでございます。  そして、計画的にそういったことをやって構成を直していきながら、そのための働きやすい職場づくりということで、働き方改革やしごと改革を行っていたり、こういうところだというアピールをするために、インターンシップですとか、そういったことを積極的に進めていくということを行っております。  それから研修の充実ということで、職場内における研修のほかに、外に出ていく研修についても、企業局は、知事部局よりももう少し充実させた形で、研修にかかる費用については、極力、費用として認めて出すというようなことを進めていく。そういったことを通じて、企業局が魅力ある職場だということをアピールして、それが採用につながっていくと考えているところでございます。 ◆向山公人 委員 もともとは企業局を民間に売却するという方針だったのが、県が主体としてこうしたエネルギーに対して県独自で取り組んでいこうということになったわけですから、当然、私もそのことを踏まえて考えれば、人材確保と育成というのは、行政が経営をしていく上では、大変なことだろうということで、今、お聞きしているわけです。  実際には、今、こうしてどんどん水力発電所をつくったりすることになってくるわけですから、当然、技術者だとか、経営的な感覚を持っている人が必要になってくるわけです。これは、民間の企業ならいざ知らず、行政の中でそのことを満たして、きちっと技術者がついて事故のないように運営するっていうことは、私は簡単にできることではないだろうと、そこが民間と行政の違いだろうと思っております。  民間的な感覚を持って、これだけの規模を運営していくことは、大変にその人材が必要なときが来るだろうということですが、今、説明のあったように、現状の中では、進めていくのに、それを充足できるような人材の体制はまだできてないだろうと思います。これからそのことに対して、かなり積極的に並行して取り組んでいかないと、必ず難しくなって、部分的には他力本願的なことをやらざるを得ないような状況にもなってくるわけであります。しかし、それは、行政が運営する以上は、許されることと許されないことがあって、やはり運営をしていく母体としては、そういう体制をとって事業というものを展開していくというのが、まず原則になってくるだろうと思いますので、ぜひそんな面を長期的に考えて、人材確保や人材育成というものにも、並行して力を注いでいっていただきたいと思ってお聞きをしたところでございます。  そしてまた、先ほどの説明に、新規水力発電所による地域のメリットというところがございました。こうした事業をどんどん進めていくときに、当然、水力発電で売電をして収入を得るわけですが、この利益剰余金に対しては、今後、地域へのメリットとしてどのようにお考えになっているんですか。 ◎藤森茂晴 経営推進課長 先ほどお話がありましたように、地域へのメリットということで言いますと、新規電源開発をして新たな発電所をつくった市町村、あるいは現に発電所をお持ちの市町村については、今年度から創設いたしました交付金を活用しまして、先端技術も活用しながら、地域の課題に対応するということを考えているところでございます。 ◆向山公人 委員 予算的に言えば、これは一般予算への繰り入れになっていくわけですか。 ◎小林透 公営企業管理者 ただいまの質問で、地域への貢献といいますか、利益の部分をどうしていくのかという御質問だと思います。構造的に申し上げますと、二つの方法があって、例えば利益処分につきましては、議会にもお諮りをして処分をさせていただいて、例えば、今、一番大きいところで言うと、高校のICT化の推進について、貢献をさせていただいておりますし、あるいは奨学金ですとか、省エネ関係の施設、そうしたものにお使いをいただく形で地域へ還元されているという部分があります。もう一つは、企業局の事業として実施することです。これは、実際は事業として実施しますが、その事業そのもので利益を生み出さない事業については、実質的には企業局の利益を活用して事業を実施しているということかと思いまして、例えば高校の総合文化祭に対する支援ですとかは、その中でやらせていただきました。今の大きなものとすれば、利益処分の形でやらせていただいているほうが、金額的には非常に大きいわけでありますが、先ほど経営推進課長が申し上げました、水の恵みを未来へつなぐ交付金は、私どもの事業の一環としてやらせていただいているというところで、その辺のところも、今後、充実させていただきたいと考えております。 ◆向山公人 委員 大きく言えば、この再生エネルギーの事業については、長野県内というか、地球規模で大きな貢献につながってくるわけでありますから、そのことは大変ありがたいわけです。地区・地区の、小さい該当地区にしてみると、そのことによって、地域の皆さん方も、ここでこれだけの発電ができれば安心だとか、さまざまな思いや考え方があるわけですから、ぜひそういった意味での地域貢献も含めて、今後の取り組みをしていただきたいと思っております。  最後に、春近発電所が大変大きな発電事業になるわけでありますが、多分、県内の発電量の25%ぐらいがこの春近発電所で、長野県の中でも一番大きい発電をすることになると思います。この春近発電所の改修に取りかかるということですが、現状わかっている範囲内で、事業規模や、スケジュール的におおよそこんな形で進めていくということについて、おわかりになる部分で結構でございますので、お聞かせをいただきたいと思います。 ◎青木千明 電気事業課長 春近発電所につきましては、ことしの8月17日に、設計施工一体型のプロポーザル方式という形で公告をさせていただきました。9月の末の段階で応募を締め切っておりまして、現在、応募者がいらっしゃる状況でございます。今月の25日が技術提案書の提出期限となっております。この提出を受けまして、技術対話を1月に行いまして、3月には優先交渉権者の選定をし、年度末には、その優先交渉権者と契約の締結に至りたいと考えております。来年度に入りましたら、詳細な設計を進めまして、来年度中にFITの申請をして、確実に現行FITでの売電単価を確保してまいりたいと思っております。その後、工事期間としましては、工事着手を再来年くらいに考えておりまして、発電停止2年から2年半くらいを経まして、2024年、令和6年ですね、工事を完了させまして、7年度から運転を開始したいというイメージでございます。 ◆向山公人 委員 春近発電所に着手をしていく中で、春近発電所への配水管も、全部、今回のこの事業の中に入っておられるわけですね。 ◎青木千明 電気事業課長 今回、この工事の中で改修を予定しておりますのは、春近発電所のすぐ上にあります上水槽、それから鉄管路、それから発電所本体といいますか、建屋の周り、そして天竜川に注ぐ放水路になります。高遠ダムから11キロメートル近くの導水路トンネルについては、今回発注しています工事ではなく、若干、補修等をする可能性はございますけれども、別途で考えております。 ◆向山公人 委員 その工事を進める中で、全体を請け負うということは難しいかもしれませんが、できるだけ地元の業者もここでお使いをいただいて、地域に貢献できるようにしていただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わります。 ◆宮下克彦 委員 今回の災害については、それぞれの事業で地域に非常に貢献されているということを説明いただきまして、大変頼もしく思ったところです。菅平発電所も、発電用のダムということなんですけれども、治水効果を大きく発揮していただいて、大きい効果を上田の皆さんに発揮しているんだということが、改めてよくわかったところです。  この間、乗せていただいたガス自動車につきましては、こういう災害や、今回、千葉で大規模な停電があったときに、ハイブリッドの「プリウス」が大分活躍して、千葉県が説明に行くときに電源として活用したというようなこともお聞きしたんですけれども、最新のあのガス自動車も、これから場合によると大きな停電時とかに活用できるということがあるんでしょうか。 ◎青木千明 電気事業課長 水素ガスを使った燃料電池自動車のことかと思います。こちらにつきましては、県内に1台ということで、自前の水素ステーションから供給をするということでございますけれども、カタログ上の数値で言いますと、走行距離で810キロメートル、実質400〜500キロメートルは優に走りますということでございますし、外部に電気として交流の100ボルトとか200ボルトで電源を供給することができます。こちらにつきましては、満タンであれば、最大で9キロワット、一般家庭約7日分の電力を供給できるということでございますので、さすがに病院とか避難所の電源を全部賄うということは難しいかもしれませんけれども、通信機器等の電源や、照明の電源という形で活用できるとは思っております。 ◆宮下克彦 委員 千葉県でも、説明に行くときに、パワーポイントで説明する場合の電源とかで大分活躍していたので、今後は、大規模な停電時等に、ぜひそういった面での貢献も、企業局は果たせると思いますので、その辺もよろしくお願いしたいと思います。  それから水道事業について、資料3を見ますと、地域への貢献が大きかったということで、今後のためにも、もう少しPRしてもいいのではないかというぐらい貢献されているかと思います。給水活動を初めとして、川中島水道のペットボトルの配布から、市町村の皆さんへの技術支援も、川上村・佐久市に派遣していただき、さらに担当している千曲川沿川の水道料金の減免ということで、大きく貢献されていると思いました。この台風19号災害への対応というのは、企業局の職員さん100余名のうちの、本庁の職員の皆さんが主に対応されたということでしょうか。 ◎竹花顕宏 水道事業課長 今回、被災した市町村への支援につきましては、本庁職員のみならず、現地機関の職員も、実際に給水車を運転して現地で給水活動を行っております。台風が去って、企業局施設の点検をした結果、特に損傷がないことを確認しましたので、では現地の職員も、市町村への支援活動に一定程度従事できるという判断のもとに参加をしております。 ◆宮下克彦 委員 限られた職員の中で、これだけ協力してやっていただけたということで、今後にも非常に頼りにできるという感じを持ちました。そこで、資料1の公営企業経営戦略の改定につきまして、時代の環境がこれだけ変わってきて、環境問題、自然エネルギー、それから災害対応ということで、今回の災害も踏まえて、時代の要請から見ると、公営企業の価値は、今回、ますます高まってきたのではないかと思います。管理者から、リーディングカンパニーということで、全国的にもかなり積極的な位置づけをされて取り組んでいるということですが、今後の新たな取り組みとして想定していく電気事業、水道事業の共通事項というところで、これだけ地域への貢献が大きいということは、長野県企業局がこれだけ頼りになるという結果が出ている以上、その辺を市町村の皆さんも期待してくると思いますので、公営企業経営戦略の中に地域への貢献という項目で少し対応を書き込むということについてはいかがでしょうか。 ◎藤森茂晴 経営推進課長 地域への貢献ということを書き込むべきではないかというお話でございました。現在の経営戦略は、三つの視点で取り組みをしていくとなっているんですけれども、その中でも地域への貢献、それから共存・共栄というようなことで、その視点は極めて重要だということで盛り込んでおります。要は、電気事業においても、水道事業においても、そういった地域への貢献ということで、そういう視点でしっかり書き込んでおりますので、新しくこの経営戦略を改定する際にも、その辺のところについては、さらに充実させた上でアピールできるようにしていきたいと考えております。 ◆宮下克彦 委員 今回、この災害対応を踏まえて新たな面も出てきましたので、今までもあると思うんですけれども、地域の交付金とか、いろいろな形でさらに人的な部分、それから治水効果、水道事業でさまざまな貢献をしているというようなところも踏まえて、きめ細かにその辺を市町村の皆さんに伝えていただければと思います。  最後に、企業局のいろいろな今の力を集めて、フリーアドレス等の新しい職場づくりということで、管理者に力を入れていただいて、効果が出ていると思うんですが、その辺を最後にお聞きして、質問を締めくくりたいと思います。 ◎藤森茂晴 経営推進課長 しごと改革・働き方改革の一環として、オフィスのレイアウトを変えたり、テレワークを実施したりして進めておるところでございます。まだ途上ということで、まだこれからもやるべきこと、例えばペーパーレス化をどんどん進めていくためには、電子決裁をどんどん進めていかなければいけないとか、そういったことも含めてある程度成果が出てくるのではないかということで、目に見える形での成果はまだまだというところでございます。ペーパーレスについては、4割ほど下がった時期もあったということで、年間通してどうかというのはまだまだこれからですけれども、一定程度の削減効果はあったものと考えております。いずれにしましても、いろいろな条件を満たすことが必要になってくる中で、目に見える成果については、まだまだ時間がかかるのかなと考えております。  それから職員の意識についても、まだまだ途上ということで、そういったところも変わっていかないと、成果に結びついていかないと考えておりまして、そういったところについても、しっかり取り組んでいきたいと考えているところでございます。 ◆花岡賢一 委員 災害について、さまざまな議論がされている議会であるということは、議員側も、理事者の皆さんもそうだと思います。私は本会議で、情報発信のあり方についてという質問を組んでいったんですけれども、いずれ来るであろう時代に対して、先行して投資なり、政策を展開していかなきゃいけない必要性を特に感じたんです。警報というものに関しては、個人が持っている端末に直撃で届くものになっていくであろうと思っています。とすると、今度、停電も含めて電気というものは、おそらくですけれども、自動車がそれぞれ持っている電源容量にもよりますけれども、そういったもので緊急的な対応をしていかなければいけないんではないかということを、今回のことで特に思ったわけです。  新聞で見た限りで申しわけないんですが、長野県企業局の先ほどの水素ガスの車が、東京で、ロックバンドの電源として使われたということで、非常にこれは先進的な話であると思うんですけれども、その記事を見ると、東京に一番近い水素ステーションなり、そういったものを持っているのが長野県だけだったということで選定されたと読むことができました。なぜそこで選ばれたのかということと、実際は、ここから何キロメートル走った後に電源を供給するということで、そうなると、やはりこれから水素ステーションというものが広がっていく契機として捉えなければいけないんではないかと思うんですが、感じたことがありましたら、説明も含めていただけますでしょうか、お願いします。 ◎青木千明 電気事業課長 今回の、世界的ロックバンドの「U2」さんの関係につきましては、私どもの水素ステーションの提案をしたのが、多摩大学のルール形成戦略研究所の福田客員教授ということでございます。そちらから、私どもの水素ステーションを入れました長州産業さんを通じて、私どもにお話をいただいたところでございます。  確かに水素ステーションというのは、商用も含めて各地に多くありますけれども、再生可能エネルギーで純粋につくっているものがなかなかなく、太陽光発電を併用しているところもありますけれども、太陽光発電100%でもって水素をつくれるところはなかなかないという中で、私どもの企業局のものは水力発電100%という形でございました。全国的にもそういったところがほとんどないということで、新聞紙上では、東京に近かったということもございまして、私どものところを選んでいただいております。  東京までは、東京というか埼玉までは200キロメートル弱ございますけれども、今回につきましては、自走という形ではなく、自走してしまうと、その水素の量が、例えば半分になってしまうとかいうことがございますので、そこはコンサート側でいろいろな配慮をしたようでございます。 ◆花岡賢一 委員 自走したわけではないということを聞いてほっとしたんですけれども、何ていうのかな、マラソンをやった後に短距離を走らされるような、そんな状況だと疲弊してしまうのかな、エネルギー的に十分とれるのかなと思っていましたが、そういった形で、本当に電源として使われる時代の到来を示した一つの例なのかと思いました。進んで発信していくべきことだと思いますし、やはり水素ステーションというものが各所になければ、当然、燃料電池車というのは進まないわけで、さまざまなものが絡み合った中で、その設置だとか、自動車の購入だとか、そういったところに結びつけていかなければいけません。そのトップといいますか、真っ先を突っ走っていっていただきたいと思いまして、質問に取り上げさせていただきました。  次に、資料2の新規の水力発電所建設計画についてなんですが、右下のところで、公告中ということですけれども、湯川ダム地点がある御代田町は、今回の台風の災害で大規模に停電をした箇所であります。それと、この湯川ダムというものが放流しなければいけない状況ということで、誤報という形ではないそうなんですけれども、かなりセンシティブな内容について、本会議でも、私、取り上げていますが、非常に気を使わなければいけない中での今があるわけです。とすると、その電源開発も含めてですけど、地域との合意を形成していかなければいけない。台風の災害があった後ですので、より細かく説明していかないと、地元としては理解をしてもらえなくなってしまう可能性があります。  非常にいいことではあるんですが、やはりその地元の方にとっては、また電気であるということと、停電してしまったということを考えると、そういったところも含めて、きちんと話をしていかなければいけないと思います。さまざまなことが絡んできているわけです。そこで、特段、私は自分の地元という形で取り上げさせていただきますが、御代田町で、この湯川ダムの新規電源開発地点発掘プロジェクトの説明が、この先、行われるかどうか、その計画があるかどうかですけれども、あったらお示しいただけますでしょうか。 ◎青木千明 電気事業課長 この新規電源の開発に当たりましては、当然、開発の構想の段階から、町などに御説明を申し上げ、今回、事業の発注、公告もやっておりますので、町に御確認をさせていただきまして、近隣の地区の区長さん等に御説明をさせていただいております。今後も、現時点におきましては、大まかな計画の中で、設計工事一体型の提案型の発注をしておりますので、今後、その業者が決まりまして契約をしていく中で、詳細な設計が入ってまいります。そうしたところで、それぞれ、町や地元の区の皆さんに、随時、御説明をさせていただきたいと考えております。 ◆花岡賢一 委員 この湯川ダムと聞くと、御代田町の人といいますか、災害に対応された皆さんという表現になるんですが、非常にナーバスになっていらっしゃる。そこで、それだけ問題があったというか、情報が錯綜していた中で、新たにすばらしいことをしていくのに、理解されないとなると、はっきり言ってかわいそうなことでもありますし、電源というものをつくっていく中では、不幸は県民がこうむることになってしまいます。そうなると、やはりきちんと説明をして、向こう側からの御意見もあると思いますので、そこを聞いていただきたいということで、質問として取り上げました。どうぞきめの細かい進め方をしていただきますことをお願いします。  最後になりますが、資料3です。災害の対応についてなんですが、大きな2の(2)のところの支援物資の提供です。佐久穂町と佐久市にペットボトルの水ということで、各本数ないしは箱が書いてありますけれども、最大可能な備蓄数というものはありますでしょうか。 ◎竹花顕宏 水道事業課長 ペットボトルの備蓄数ということでございますけれども、私どもの給水区域内でもし万が一何かあった場合ということで、私どもの給水人口ですとか、それからいざとなった場合に設置される避難所の数というものを勘案しながら、毎年、約1万8,000本ぐらい作成をしまして、そのぐらいの数は、一定程度備蓄をしようということで、ここのところ、取り組んでおります。 ◆花岡賢一 委員 その1万8,000本が、今回のような状況で適正かどうかということを聞くわけではないんですけれども、今回、立科町も水がとまってしまったわけです。ですけれども、地勢上といいますか、蓼科山からの水と考えると、水についての備蓄という考え方は全くなかったんですね。そのときに、これを見て、企業局からペットボトルが届くということがあったら、そういった要請も含めてしていくことも可能だったのかと思ったんです。だから、おそらく今の段階で言うと、立科町からペットボトルないしは水の話はなかったと思うんですが、私の中で知識として入れておかなければいけなかったんです。本当にほしいというところがあるなら、そこに供給できるということで考えると、1万8,000本の中で、少し立科町に分けてもらえませんかということも含めて、頭の中に入れておかなければいけないことかと思いましたので、質問としてさせていただきました。  いずれにいたしましても、計画的に備蓄なんかできないと思います。使いながら備蓄というものに変えていかなければいけない中で、また全県域のところで、それを全て賄えるほどの備蓄ができるとも思っていませんが、やはり、あるところにはあって、それを少し分けてくださいということも、ほんのちょっとずつのやさしさということで、災害直後の一番危険な状態を回避できると思いますので、その点も含めて、また水道事業を進めていっていただけたらと申し上げまして、質問を終わります。 ○依田明善 委員長 午後3時10分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午後2時51分 ●再開時刻 午後3時8分 ○依田明善 委員長 再開を宣し、引き続き、委員の質疑等発言を許可した。 ◆川上信彦 委員 今回は、先ほどからあるとおり、災害に対しての対応ということですが、私は少し違うところで質問します。企業局さんの取り組みの中で、今、新規の水力発電所による地域のメリットとして、施設のことだと思うんですが、小中学生の学習の場としての活用とあり、さまざまな取り組みをしていただく中で、自分が参加させていただいたということがありました。まず1点目に、小渋ダムの50周年記念ということで、大鹿村でのアマゴの放流に参加をさせていただきました。10月23日が雨だったので延期ということで、11月8日金曜日、非常に晴天の中で行わせていただいたんですが、私もそこに参加する中で、本当にその当日、川の状況もすごい穏やかで美しくて、小学生の皆さんも本当にいい思い出になるような、こんな取り組みをしていただいて感謝しているところです。このような取り組みは、今後も検討していただいているのかどうかをまずお聞きします。 ◎青木千明 電気事業課長 私どもは、川の水を使わせていただいて発電をしているという関係上、今回のような機会を通じて実施しているということでございます。今回は、たまたま、私どもの発電所も50周年ということでございましたので、小渋ダムの50周年と合わせて一緒に開催というような形で、企業局主催でやらせていただいたものでございます。今後も、いろいろな機会あろうかと思います。そういったイベントのときに、魚の放流などもしていきたいと思っております。 ◆川上信彦 委員 続いてですけれども、また参加させていただいたもので、もみじ湖の起工式もありましたけれども、先ほど言っていただいたとおり、松川のほうでもくだものの里まつかわ発電所と小渋えんまん発電所の起工式に参加をさせていただきました。私が特に印象に残っているところでいきますと、今までもあって、もみじ湖もそうなんですけれども、地元の小学生、また保育園児の皆さんに、公募という形でネーミングをつけていただくという取り組みが、非常にすばらしい取り組みだなと思います。特に今回はアルクマも登場してということで、これは、地元のネーミングに参加した子、またそのネーミングに携わった先生方も含めて、非常にいい思い出になるのではないかと思うんです。このような発案を含めた取り組みというのは、どのように始められて、また、今後、どのように考えられているのかをお聞きできればと思います。 ◎青木千明 電気事業課長 私どもの発電所は、今までは固いイメージの名前で、行政がつけるといいますか、企業局でつけていたということがございます。そうした中で、横川蛇石からといいますか、高遠さくらとか、奥裾花・奥裾花第2につきましては、きなさ・水芭蕉というような、愛称という形で取り組みを進めてきたんですけれども、横川蛇石以降は、もっと地元の皆様の、観光とか、地域おこしみたいなことにも御活用いただけるようにということで考えたところが一つございます。  そして、何よりも発電所というのは、一旦つくれば、50年、100年、発電を続けられるということで、そういった観点からすると、次の世代の方々の思いをつなげていく必要もあるかなということで、小学生とか、中学生とか、小渋えんまんに至っては、保育園児という形になりましたけれども、地元の、次の世代の方々の思いを込めてるためにも、協力をお願いしたところでございます。 ◆川上信彦 委員 今回、私も委員にさせていただいた中で、お話は聞いていたんですが、まずは川に親しむというか、自然の恵みというものを感じる機会も与えていただいて、さらにそれぞれネーミングにもかかわる。また、今後、施設等も見学できるような学習の施設としても整えていただくということで、できればそういうような形で、それぞれの地域ごとにあると思うんですが、特に小中学生の皆さんにとって、学習というか、地域資源というような形になるように取り組んでいただく。それが、参加させていただいて、非常に好評というか、ほほ笑ましいと感じましたので、今後も、新規のところがあると思うんですが、そのようなこともプラスでやっていただければと思っております。 ◆小林君男 委員 昨日からきょうの午前中まで産業労働部の審査を行ってきた中で、技能五輪の話がありました。技能五輪で金賞を受賞したのは、どうも見た帽子だなと思いましたら、やはり須坂のオリオン機械の選手が金賞を受賞したということでした。先ほどもお話しになった水素ステーションの話ですが、冷却装置は、須坂のオリオン機械がつくったということを、この前行かせていただいて説明を受けてきたんですけれども、そういう部分も、地元にそういう冷却装置の、ある程度しっかりした企業があるからできたのかどうかという点について、お聞きしたいんですが。 ◎青木千明 電気事業課長 私どもの川中島の水素ステーションにつきましては、オリオン機械さんに肝となる部分の冷却装置について、納めていただいております。全体のコーディネートは、長州産業という山口県の会社が担っておりますけれども、聞くところによれば、他社の水素ステーションにつきましても、肝の部分はやっぱりオリオン機械さんに頼っていると聞いたことがございますので、そういった意味で活用をされているのではないかと思っております。 ◆小林君男 委員 オリオンだけじゃなくて、いろいろな企業にもいろいろやってもらって、そういう部分が技能五輪とかいろいろな部分に通じてくるのではないかと思っています。先ほどもいろいろお話がありましたけれども、やはりこれからは、企業局としても、水力発電だけではなくて、例えば地熱発電だとか、水素ステーションがかなり有力な部分もありますけれども、原発に頼らないとか、化石燃料に頼らない発電を、先ほど管理者からもリーディングカンパニーという言葉も出ましたので、そういう志を持って進めていただきたいと思いますし、SDGsの戦略とすれば、それが非常にマッチしているのではないかと考えますので、よろしくお願いしたいと思います。  二つ目ですけれども、先ほど上田の浄水場に水が入るということがありました。全く違う話なんですけど、市営の水道は緩速ろ過方式であり、県のほうは急速ろ過方式であるというようなことで、上田の人に聞くと、この緩速ろ過方式の水は大変おいしいと。では県内の水道事業を手がけている県営の部分は、みんな、この急速ろ過方式をやっておられるのかどうか、お願いしたいと思います。 ◎竹花顕宏 水道事業課長 水道水を浄水処理するに当たっては、複数の浄水処理の方法がございます。今、委員御案内のように、緩速ろ過方式、急速ろ過方式、あと膜ろ過ですとか、複数の処理方法がございます。その複数ある浄水処理の方法の中で、その水源の水質、原水の水質ですとか、地形的な部分、浄水場としてどのくらいの用地を確保できるのか、そういったような地形的な制約もある中で、それぞれの水道事業者が一番最適な浄水方法を選択して、浄水場を建設して運営をしているという状況です。  県内の水道事業者が、例えばその急速ろ過が何割ぐらいということは、私どもでは承知しておりませんけれども、基本的には、今、申し上げましたように、それぞれの水道事業者が、それぞれの自分たちの置かれている状況を鑑みて選択をした結果と承知をしております。  県営水道においては、今、浄水場は二つございますが、上田の浄水場は急速ろ過で浄水処理をしております。それからもう一つ、長野市の川中島の浄水場につきまして、こちらは地下水を原水としておりますので、急速ろ過、緩速ろ過というろ過方式ではなく、塩素消毒のみで水道水の供給をしております。 ◆小林君男 委員 いろいろなやり方があると思うんですけれども、やはり地球環境にとってどういうのがいいのか、いろいろな考え方があったりして、そこの水資源の環境によっていろいろなやり方があるとおっしゃいましたけれども、やはり、一番安価で、とか、地球にやさしいやり方を研究していただいて進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  今、「安心の蛇口」ということが、企業局でも推進されていると思うんですけれども、どのくらいの箇所でやっていて、これからどういう方向性で、この「安心の蛇口」を設置していただけるのかということをお聞きしたいんですが。 ◎竹花顕宏 水道事業課長 「安心の蛇口」でございますけれども、現行の経営戦略を策定するに当たっては、当初は11カ所を設置する予定でございましたけれども、平成28年の熊本地震を受けまして、整備の目標箇所を20カ所にふやしまして、経営戦略の計画期間中、令和7年度までに20カ所を整備目標ということで、今、取り組んでおります。令和元年度末で、累計で9カ所の整備をする予定でございます。 ◆小林君男 委員 先ほどのペットボトルや給水車とあわせて、この「安心の蛇口」というものも、非常に、皆さんにとっては要望されているところだと思いますので、いろいろな箇所にぜひよろしくお願いしたいと思います。  最後になりますけれども、資料3のこの台風災害の対応等についてという中で、被災住宅に係る減免ということで、住家が浸水等によって云々とあるんですけれども、罹災証明がないと、一切減免にならなかったということですかね。私が聞いているのは、例えば篠ノ井の地区で、ある程度床下が浸水したんだけれども、罹災証明は出なかった。そういうお宅は、減免にはならなかったということですよね。 ◎竹花顕宏 水道事業課長 今回の減免に当たりましては、罹災証明の発行を受けていただいた方を対象として行うというたてつけでやらせていただいております。 ◆小林君男 委員 10月分の8立方メートルですから、10月分だけだったので、それほど影響はなかったんですけれども、例えば水が入ったここの地域限定で、この人たちはもういいですよというようなやり方は無理で、罹災証明を持っていかないと減免にはならなかったということで理解してよろしいんですね。 ◎竹花顕宏 水道事業課長 今回、水道料金の減免に当たっては、当然、長野市さん、千曲市さんとも、やり方ですとか、いろいろと調整し協議をさせていただきました。公営企業は受益者負担という原則のある中で、使っていただいた水道量に応じて料金をお願いしているという中で、今回のこの減免は、その特例ということでやらせていただいております。その上でも、やはり事務処理とすると、被災者の方のお気持ちにも寄り添いながら、一方で事務的には厳格にやっていかなければいけないという中で、やはりこの要件として、その市町村が発行している罹災証明を一つのよりどころとして、今、やらせていただいております。 ◆鈴木清 委員 最後ですから、簡単にお聞きしたいと思います。地方公営企業法という法の制約の中で企業局の運営がされていると思うんですが、かつて不動産の分譲から始まって、ガス課もあり、いろいろな課があった中で、今は電気と水道という二つに集約されていると思います。それで、私の質問が何かおかしなことを言っているのかなと思われたら指摘してもらいたいんですが、企業局の場合は、売電の一番の上得意先、顧客先はどこですか。 ◎青木千明 電気事業課長 私ども、発電をしまして、現在、中部電力と丸紅新電力さんと契約をして卸売をさせていただいています。 ◆鈴木清 委員 卸売ということで、とりあえずわかりました。それで、長野県は、戦後、日本発送電が、七つ、八つに分割されて、中部電力は、日本で2番目に早くそこの里島の発電所と梓川電力が合併し、名古屋の東邦電力が合併し、誕生しました。ですから、電力の自由競争という観点からいって、東京電力、関西電力、中部電力に対し、価格的な面で、売電価格をつり上げることはできませんか。 ◎青木千明 電気事業課長 現時点におきましては、電力の自由化が進展しておりまして、例えば中部電力でなくても、競争性を確保した中で、入札を使って、例えば東電や関西電力、その他の新電力に売ることが可能でございます。たまたま、私どもは、まだ電力自由化の途上の段階で、事業売却というような話もあった中で、当時はまだ、10年の長期契約をしなければ卸売できませんという時代でした。それでもって、私どもは今年度までの長期契約を中部電力と結ばせていただいております。もう一つ、丸紅新電力もございますと言いましたのは、29年度から運転を開始しました高遠と奥裾花第2につきましては、その制約がないものですから、プロポーザルでございましたけれども、入札を使って、丸紅新電力を選定したという経過がございます。来年度におきましては、中部電力との制約が外れるものですから、現在、公募の最中でございます。 ◆鈴木清 委員 10年契約という固定した流れの中で見直すことができると、県民の財産でもありますし、できるだけ、きちんとした需要と供給の中で受け入れていく電力会社に、きちんと手続を経て売電をすることに、ぜひシフトしていただきたいというのが一つ。  今度は逆に裏面ですが、電力を発電する場合、当然水を使いますよね。慣行水利権との兼ね合いは、今、どういう状況に推移してきましたか。 ◎青木千明 電気事業課長 私どもの発電所につきましては、許可水利という形で、発電という部分につきましては、既存の水利権を侵さない範囲でというたてつけになっております。ですので、基本的に、例えば許可水利の考えが先にあります。それから慣行の考えもございますというようなことがございますと、それの支障とならない範囲で発電の水利権が認められるという形でございます。 ◆鈴木清 委員 法的な手続の範囲というのはわかるんですが、なぜそんなことを申し上げるかというと、要するに企業局マターではなくて、実は農政部マターになるんだけれども、農家の担い手、農業経営者は平均年齢67歳で、ある地域の土地改良区では存続が非常に厳しくなってきているんです。ですから、土地改良区が存続しようが、しまいが、ため池とか、農業用水とかの維持管理があって、初めて安心・安全な県土というのが維持できます。ですから、収益事業の中から、土地改良区に対する、交付金、あるいは還付金という言い方はおかしいけれども、取水区域内におけるため池の保全とかいうようなことも考えた場合、将来的にはそのようなものの時期が来るのではないかなということだけ、頭に入れておいてください。多分、農政部からそんな申し入れはないと思う。土地改良区の役員、役員といっても、みんな勤めておられるんですよね。ですから、山が荒れる。大体、ため池は中山間地の山の中腹にある。これは大変なことだと思っています。以上、それだけ申し上げておきます。  あと、二つだけありますが、企業局の川中島のあの水素ステーションは何のためにあそこへ設置して、将来的な運用、展望はどうなるんでしょう。 ◎青木千明 電気事業課長 水力発電につきましては、水のあるときには発電ができますけれども、水が少なくなる渇水期には発電ができないとかがあり、逆に電気というのは、使う時間帯といいますか、季節も含めて、変動が大きくございます。大きなものであれば、電力会社で持っているような揚水発電所を使って調整をしているわけですけれども、私どもとすれば、自分の電気をできるだけ高く売るためにはどうしたらいいのか。そうすると、やっぱり電気の必要なときに電気を供給するというのが一番だろうと。値段においても、時々刻々、市場価格というものは変わっております。今、卸売という形の中でそういうことはしておりませんけれども、そういうことも踏まえて、高く売るためにはどうしたらいいかということを考えました。そうした中で、大規模な揚水発電みたいなことはなかなか難しいんですけれども、水素という形で電気をためておくということが、一つ考えられるということで、企業局とすれば、水と電気を事業としてやっているわけですから、それを有効活用できないかというのが一つございます。  それからもう一点は、国を挙げて水素社会というようなことを目指しておりますけれども、長野県内には、水素ステーション、それから燃料電池車というのが一つもなかったという中で、私どもは、そういったことの実証という形で一つつくることによって、高圧の水素ガスをタンクにためなければいけないということで、その保安員的な資格も必要になり、そういった資格を持つ人を養成する施設としても使えることになるなど、いろいろな意味で、水素ステーション、燃料電池で動く自動車を導入させていただきました。 ◆鈴木清 委員 企業局としては、企業局の成果物に対し、その寄附行為はできますか、できませんか。 ◎青木千明 電気事業課長 水そのものを寄附するということですか。 ◆鈴木清 委員 今回、私が感じたのは、長野県企業局が県民と寄り添っていますというイメージを発信するには、千載一遇のチャンスだったと。川中島の水がうまいと言うのなら、川中島の水のペットボトルを1万本ぐらい、被災者のところへどんと長野県企業局から寄附したらどうだということを申し上げたかったわけ。そのために、寄附行為というものは認められているんですかということを、今、確認したかったわけ。あの川中島の水をうまい、うまいと言っているのは内々だけで、一般の県民の方々はあんまり存じ上げていないですよ。だったらうまい水を、生活に困り、飲み水に困り、水がないといって困っている方々に、長野県企業局がどんと寄附したらどうですかっていうことを、今、管理者に言いたかったわけです。その辺に対する見解はどうでしょうか。 ◎小林透 公営企業管理者 現在つくっております川中島の水を、被災地等において活用できないかという御質問だと思います。それは、形としては可能ですし、今回、量の多寡はあろうかと思いますが、私どもとしては、必要なところには供給をさせていただいたというところであります。 ◆鈴木清 委員 実際、すぐ近くの篠ノ井・松代等々で被災されたお宅があったわけですよ。すぐ近くの川中島から水がどんと来たとすれば、これは、「干天の慈雨」という言葉があるけれども、本当に恵みの援軍になりますよ。そんなことも臨機応変に対応することが必要かなということを思いましたものですから、あえて提言いたしました。 ○依田明善 委員長 ほかに御発言もありませんので、以上で、企業局関係の質疑を終局いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、企業局関係の質疑を終局いたします。  ただいまから、付託議案の採決に入ります。  第4号「令和元年度長野県電気事業会計補正予算(第2号)案」について、採決いたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
     御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上で、企業局関係の審査を終局いたします。  次に、本委員会の閉会中継続調査事件は、お手元に配付いたしましたとおりとし、なお慎重に調査を要するためとの理由を付して、議長に申し出ることといたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に、委員長報告について、何か御発言がありますか。      〔「一任」と呼ぶ者あり〕  それでは、正副委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  この際、何か御発言がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕  閉会を宣した。 ●散会時刻 午後3時36分 △採決結果一覧(産業労働部及び労働委員会関係)  (付託議案)   ▲原案のとおり可決すべきものと決定したもの(簡易採決)    第1号 令和元年度長野県一般会計補正予算(第9号)案中      第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中        歳出 第8款 商工費     第9号 工科短期大学校条例の一部を改正する条例案  (請願)   ▲継続審査と決定したもの(簡易採決)     請第5号  (陳情)   ▲採択すべきものと決定したもの(簡易採決)     陳第129号、陳第159号 △採決結果一覧(企業局関係)  (付託議案)   ▲原案のとおり可決すべきものと決定したもの(簡易採決)     第4号 令和元年度長野県電気事業会計補正予算(第2号)案...