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  1. 長野県議会 2019-12-05
    令和 元年11月定例会本会議-12月05日-04号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 元年11月定例会本会議-12月05日-04号令和 元年11月定例会本会議 令和元年12月5日(木曜日)  出席議員(57名)   1 番 熊谷元尋      27 番 両角友成   2 番 望月義寿      28 番 中川宏昌   3 番 小林君男      29 番 清水純子   4 番 清水正康      30 番 小池久長   5 番 加藤康治      31 番 酒井 茂   6 番 川上信彦      32 番 堀内孝人   7 番 山田英喜      33 番 石和 大   8 番 大井岳夫      34 番 依田明善   9 番 丸茂岳人      35 番 山岸喜昭   10 番 寺沢功希      36 番 小島康晴   11 番 花岡賢一      37 番 小林東一郎   12 番 池田 清      38 番 毛利栄子   13 番 百瀬智之      39 番 和田明子   14 番 山口典久      40 番 諏訪光昭   15 番 小山仁志      41 番 丸山栄一   16 番 竹内正美      42 番 小池 清   17 番 竹花美幸      43 番 宮本衡司
      18 番 宮下克彦      44 番 清沢英男   19 番 大畑俊隆      45 番 垣内基良   20 番 共田武史      46 番 鈴木 清   21 番 丸山大輔      47 番 高村京子   22 番 髙島陽子      48 番 宮澤敏文   23 番 荒井武志      49 番 西沢正隆   24 番 埋橋茂人      50 番 風間辰一   25 番 続木幹夫      51 番 佐々木祥二   26 番 中川博司      52 番 向山公人   53 番 平野成基      56 番 服部宏昭   54 番 本郷一彦      57 番 望月雄内   55 番 萩原 清         ─────────────────── 説明のため出席した者   知事        阿部守一    農政部長      山本智章   副知事       太田 寛    林務部長      井出英治   副知事       小岩正貴    建設部長      長谷川朋弘   危機管理監兼危   竹内善彦    建設部リニア整   坂田浩一   機管理部長             備推進局長   企画振興部長    伊藤一紀    会計管理者兼会   塩谷幸隆                     計局長   総務部長      関昇一郎                     公営企業管理者   小林 透   女性活躍推進監   酒井裕子    企業局長事務取扱   兼男女共同参画   センター所長            財政課長      矢後雅司   県民文化部長    増田隆志    教育長       原山隆一   健康福祉部長    大月良則    教育次長      轟 寛逸   環境部長      高田真由美   教育次長      三輪晋一   信州ブランド推   熊谷 晃    警察本部長     伊藤泰充   進監兼営業局長                     警務部長      野﨑美仁   産業労働部長    林 宏行                     監査委員      田口敏子   観光部長      中村正人         ─────────────────── 職務のため出席した事務局職員   事務局長      小山 聡    議事課担当係長   山田むつみ   議事課長      村松敏伸    議事課担当係長   鈴木晉一   企画幹兼議事課   西川 裕    総務課担当係長   伊藤啓一   課長補佐              総務課主事     宮坂祐輝         ───────────────────  令和元年12月5日(木曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時開議 ○議長(清沢英男 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(清沢英男 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、池田清議員。       〔12番池田清君登壇〕 ◆12番(池田清 君)おはようございます。改革・創造みらいの池田清です。初めに、台風19号災害の対応について6点お伺いします。  1点目です。10月12日から13日の未明にかけて、千曲川流域の東北信の市町村に甚大な被害をもたらした台風19号から命を守るために避難した大勢の県民の皆さんが身を寄せた体育館等、そこが避難所です。  12日の夜、かたい床に敷かれたブルーシートの上で毛布にくるまって不安で眠れない夜を過ごし、翌朝、非常食のビスケットをミネラルウォーターで流し込んだ人も多かったと推察します。ヘリコプターで救助される人、堤防の決壊により濁流で水没した住みなれた我が家、次々と映し出される悪夢のような光景は、避難所生活が長引くことを覚悟させたと思います。  最も被害が大きかった長野市の避難所には、11月30日朝時点で全16避難所、ここには短期宿泊の2次避難所4カ所も含みますけれども、まだ215世帯484人が避難していました。最終的に建設型応急仮設住宅やみなし仮設住宅などに移った人を除く34世帯87人が統合避難所へ入居したと報道されました。統合避難所は12月20日まで開設する予定であるとのことです。2カ月を超える長期にわたる避難所の開設になります。  当初の混乱を収拾し、さまざまな課題や困難を乗り切り、不眠不休で御尽力いただいた全ての皆さんに心から敬意を表するとともに、感謝申し上げます。避難所の設営、運営の主体は長野市でありますが、今回の災害における避難所運営に対し県はどのような支援を行ったのか。危機管理部長にお伺いいたします。  次に、福祉避難所についてお伺いいたします。  福祉避難所は、災害時において、高齢者、障害者、乳幼児等の要配慮者のうち、一般の避難所では生活が困難な方が安全、安心に避難生活ができるよう、必要に応じて開設する避難所です。長野市は、災害時に福祉避難所が適切に確保できるよう、長野市地域防災計画に基づき、保健センター老人福祉センターなど57カ所を福祉避難所として指定しています。今回の災害においても、多数の要配慮者が避難所においでになることを県も把握していると考えます。福祉避難所を設営した市町村数と箇所数について健康福祉部長にお伺いします。  3点目です。県は、平成27年度に要配慮者防災避難マニュアル策定指針を策定しています。この指針において、災害に備えた事前対策では、緊急通報システムの構築、避難計画の策定、避難所における事前対策、支援協力体制の整備などが、また、災害時における応急対策では、情報伝達、避難、生活支援などが項目ごとにきめ細かく記載されています。今回の災害における被災市町村の要配慮者への対応はこの指針に沿ったものと言えるのか。健康福祉部長にお伺いいたします。  4点目です。本年2月、長野県災害福祉広域支援ネットワーク協議会略称災福ネットが設置されました。この協議会は、経験と実績を持つ群馬県の災害派遣福祉チームぐんまDWATなどを参考に災害派遣福祉チームを養成するなど、災害時要配慮者への福祉支援を行うために必要となる支援体制を確保するため、県、市長会、町村会、県共同募金会の行政等4団体と県社会福祉協議会県社会福祉士会、県看護協会などの県的福祉団体など17団体の計21団体で発足しました。8月に県ふくしチーム員の養成研修を初めて開催し、10月に40名がチーム員として登録しました。そして、10月12日の発災となりました。今回の災害における長野県災害派遣福祉チームの活動状況について健康福祉部長にお伺いいたします。  5点目です。災福ネットは、先ほど述べたように、県的福祉団体など17団体が加盟しています。今回の災害における避難所は、会員2,300名を擁しています理学療法士会、このほか、未加盟の多数の県的福祉団体も組織的に避難所において活動したとお聞きします。  また、先駆的なぐんまDWATは活動の場を全国に広げていますし、本県の災福ネットも将来的には他県の災害への派遣も視野に入れているものと考えます。行政等4団体を代表して協定に署名していただいた阿部知事に、同協議会の今後の組織の充実と財政支援についてお伺いいたします。  6点目です。長野市穂保のメッキ工場シアン化ナトリウムが流出したとの報道がありました。これによる健康被害、土壌汚染はなかったか。環境部長にお伺いいたします。一義的には市保健所を設置する中核市である長野市の案件であると承知していますが、他の被災市町村には同様の事故はなかったのかを含め、県民の健康を守る観点から環境部長にお伺いいたします。       〔危機管理監兼危機管理部長竹内善彦君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(竹内善彦 君)市町村の避難所運営に対する県の支援についての御質問でございます。  今回の災害では、初めて避難所運営に携わる市町村職員が多いことから、県では、避難された方々の良好な生活環境の確保に向け、改めて、被災市町村に対し、本年5月に策定しました長野県避難所運営マニュアル策定指針に基づく避難所運営を依頼したところでございます。  また、県からの人的な支援といたしまして、保健師による健康管理、感染症やエコノミークラス症候群の予防対策、職員巡回による衛生管理やプライバシーの確保等に係る環境改善の助言、福祉の専門職で構成されます災害ふくしチームによる相談・見守り活動、スクールカウンセラーによる児童生徒や保護者等への相談支援など、国や他府県、関係団体等と連携しながら取り組んでまいりました。  このほか、被災直後にあっては、避難所運営スタッフが不足している避難所に県職員を派遣し、避難所運営の補助を行ったところでございます。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)私へは、台風19号災害への対応につきまして3点お尋ねをいただきました。  まず、福祉避難所の開設状況についてでございます。10月12日以降、20市町村において32カ所の福祉避難所が開設されました。12月4日現在では、長野市において1カ所開設されております。  次に、要配慮者の指針に沿った対応についてのお尋ねでございます。  現時点では、市町村が被災者支援に当たっている段階であり、指針に沿った適切な対応がとられたか全体的な把握はできておりませんが、参考までに、避難所の運営に関してこの指針に沿った対応の状況について申し上げますと、被災者の状況把握については、医師や看護師、保健師が健康状況を確認し、不調を訴える方や持病のある方には個別に相談に応じたり、医療機関の受診勧奨等を行っております。  相談窓口の設置については、介護福祉士等福祉の専門職で構成する災害ふくしチームによって相談窓口が設置され、福祉的なニーズを把握し、支援につなぐ対応が行われております。  生活環境の整備については、段ボールベッド、洋式トイレの導入、高齢者、障害者が歩行の障害にならないよう通路の障害物の確認と整理整頓、妊産婦のための授乳室の確保等が行われております。  今後、市町村や関係団体等と今回の取り組みについて当該指針をもとにそれぞれの課題を明らかにし、要配慮者の視点に立って改善に向けた取り組みを進めてまいります。  最後に、災害派遣福祉チームの活動状況についてでございます。  今般の災害においては、県から要請を行い、発災直後の10月14日から災害派遣福祉チームが避難所等へ派遣され、現在も活動を進めております。  チームの具体的な活動内容といたしましては、福祉的支援が必要な方のアセスメント、相談デスクを設置しての相談対応と巡回訪問による声がけ、傾聴、見守り活動、段ボールベッドの組み立てや避難所入り口の段差解消、転倒防止用手すりの設置等、避難者の状況に応じ、ケアマネ、医療関係機関等へのつなぎなど、被災者の皆さんの気持ちに寄り添った支援を実施しております。11月30日までに延べ384人が活動に参加をしていただいております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)災害福祉広域支援ネットワーク協議会の組織の充実等について御質問いただきました。  災害時の被災者支援には、さまざまな団体、専門職の皆さんに応援をいただきながら取り組んできております。これまでに、医師、理学療法士、柔道整復師等医療系の方々の御支援をいろいろな形でいただいてきたわけでありますけれども、比較的福祉関係のサポートが手薄だという問題意識を持っておりました。そして、ことしの2月に、市長会、町村会、そして県社協等福祉系の団体の皆さんと一緒になってこの災害福祉広域支援ネットワーク協議会を立ち上げ、さまざまな福祉系団体の代表としての県社協と私との間で災害時における要配慮者支援に関する協定書を結ばせていただいたところであります。  先ほど大月部長から御答弁させていただいたように、この協議会をベースに災害派遣福祉チームが今回の災害において被災者の皆様のために活動いただけたということは、大変ありがたく、こうした体制を構築してきてよかったというふうに思っております。  今後の対応でございますけれども、このチームの派遣費用につきましては、災害救助法に基づく災害救助費という形で県で負担ができるということになっております。また、協議会の運営に当たりましては、チーム員の養成研修を初めとする経費について予算措置をしているところでございます。今後とも、この災害福祉広域支援ネットワーク協議会に対して必要な支援を行っていきたいというふうに思っておりますし、また、今回の具体的な活動を踏まえて、より私どもとの連携を強化し、さらには県の地域防災計画への位置づけをしっかり検討する中で、より要支援者、要配慮者の皆様方が災害時に安心して避難所生活を送っていただけるような体制づくりに努めていきたいというふうに思っております。  以上です。       〔環境部長高田真由美君登壇〕 ◎環境部長(高田真由美 君)メッキ工場からのシアン化ナトリウムの流出事案についてでございます。  議員からもございましたが、長野市は中核市であり、土壌汚染対策法及び水質汚濁防止法に関する事務を所管していることから、今回の事案については、長野市において工場周辺の土壌調査や周辺河川の水質調査が行われました。  市の調査の結果、千曲川及び支流のいずれからもシアン化合物は検出されませんでしたが、工場の敷地内外の一部の土壌からはシアン化合物が検出されました。しかし、その値は、いずれも土壌汚染対策法土壌含有量基準を大幅に下回るものでございました。また、健康被害に関する情報はなかったとお聞きしております。  なお、県といたしましては、長野市からの連絡を受け、下流域の関係機関に情報提供を行ったほか、長野市以外の浸水エリアにおいて同様の事例がなかったか調査を行いまして、ほかにシアン等有害物質の流出事案がなかったことを確認しております。  以上でございます。       〔12番池田清君登壇〕
    ◆12番(池田清 君)御答弁いただきました。  福祉避難所を設置した市町村数と箇所数については、20市町村32カ所ということで、複数の避難所を設けた市町村もあるというふうに理解いたしました。長野市の避難所において、11月14日現在、669名のうち要配慮者が67名という数字も県の災害対策本部からの資料で承知することができます。その中で、長野市においては、唯一、北部保健センターに4世帯5人が避難したということであります。ですから、配慮が必要な方がまだまだおいでになったのではないかというふうに推察します。  そして、今回のこの災害において、福祉避難所を設置したけれども、それを公開した市町村が大変少なかったということが新聞報道されておりました。これは、一般の健常な避難者が福祉避難所に殺到することによって混乱があるのではないかという配慮からだというふうに聞いています。熊本地震の災害時にそうしたことが見受けられたということが言われているようです。  しかし、新聞報道にもありましたけれども、目の見えない人、聴覚障害者の方、さまざまな障害をお持ちの方もおいでだという報道もありました。聴覚障害者の方には手話通訳者の支援が必要となり、これは先ほどの災福ネットなどのつなぎもありこれに対応したということでありますけれども、やはりまだまだ支援の必要な方もおいでになったのではないかと。発達障害の子供さんがパニックになってしまうことを不安に思い、福祉避難所だけではなく、避難所そのものへの避難をためらったという方もおいででありますので、これからも要配慮者防災避難マニュアル策定指針がしっかり市町村の地域防災計画に生かされて、要配慮者が安心して避難生活を送れる、そうした福祉避難所というものをこれからも県の支援によって進めていっていただきたいというふうに思います。  それから、災福ネットについて答弁いただきました。延べ384人の方がこの活動に携わり、医療系、保健系とは別の今までにない福祉系のこうしたつなぎのチームというものの存在が大変大きな意義があったというふうに思います。保健所においてもその活動についてしっかり認知されることがなく、この皆さん方はオレンジ色のビブスを着用していたため、オレンジさんというふうに呼ばれたということもお聞きしております。県がこれから災福ネットの存在をしっかり周知していくことが重要だというふうに思いますので、今後とも支援をよろしくお願いしたいというふうに思います。  それでは、続いて信州まつもと空港の利用促進、利便性の向上について伺います。  信州まつもと空港はことしジェット化開港25周年を迎えました。また、定期便は、福岡、札幌に加えて3路線目となる神戸線の運行が10月27日から始まりました。利用促進を県民の皆様にアピールするには絶好のチャンスと言えます。また、第2駐車場が整備され、500台の駐車が可能となり、利便性の向上が図られたと考えます。そこで、今年度の国内線の定期便、チャーター便の利用者数について、また、利便性向上に向けた施設整備の対策はどうなっているか。企画振興部長にお伺いいたします。  2点目です。韓国ソウル便が7月に欠航となって以来国際チャーター便は運行されていません。今年度の目標は50便と設定されていますけれども、なかなかその達成は厳しいというふうに考えます。今年度の国際チャーター便の就航便数、利用者数について企画振興部長にお伺いいたします。  また、日韓関係の悪化に伴い、インバウンド観光客の落ち込みがあることは事実ですが、アウトバウンド需要は堅調であると側聞します。一部の旅行業者に任せるのではなく、県内観光業者が一丸となって県と協働して就航に向け取り組むべきと考えますが、今後の見通しを含め、企画振興部長にお伺いたします。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)信州まつもと空港についての御質問に順次お答えいたします。  まず、国内線の利用者数と施設整備の対策についてです。  国内定期便の利用者数は、今年度11月末時点で10万4,822人で、前年同期に比べまして1万3,126人増加しております。利用率は74.7%ということで対前年2.4ポイントの増となっているところです。そのうち、新規路線の松本―神戸線の利用率は84.1%ということで、多くの皆様の御協力により好調なスタートを切ることができたと考えております。  また、FDAが力を入れております国内チャーター便は、北海道の稚内や鹿児島県の種子島など全国20を超える観光地と松本空港を結ぶ線でこれまで112便が運航され、利用者は5,929人となっておりまして、いずれも前年を上回っているところであります。こうした利用者の増加に対応するため、お話の駐車場の増設をしたところですけれども、これに合わせまして、従来の正面駐車場に障害者用の優先区画やスロープも設けています。  さらに、将来の路線拡充を見据えまして、今年度から空港施設の機能強化に向けた調査検討も進めているところであります。  次に、国際チャーター便の就航状況と今後の見通しについてです。  今年度の国際チャーター便は、海外からのインバウンドを中心に、これまで最多となる42便が就航いたしました。利用者数は1,690人です。このインバウンドチャーター便は、お話にもありましたように、今回のように相手国の政治、経済の情勢の影響を受けやすいということもありますので、一国に偏らずに、就航可能な国や地域の航空会社に幅広く働きかけてまいります。  また、これまで、海外の航空会社の日本支社へセールスをしていたわけなんですけれども、今後、直接相手国の本社に出向くなど、セールスの強化も図ってまいります。  また、海外に向かうアウトバウンドチャーター便につきましては、年明けの1月2日に県内旅行会社の取り扱いによりましてグアム便が就航する予定となっております。大変好調というふうに聞いております。  アウトバウンドチャーター便は、県内の旅行会社の協力が不可欠であります。近年取引実績のない旅行会社を含めまして、県が各社のつなぎ役として情報交換を密にしつつ、ニーズの高い時期やエリア、方面をターゲットに取り組んでまいりたいと考えております。  こうした取り組みを進めることによりまして、インとアウト合わせまして、今年度の目標としております国際チャーター便50便の就航を目指してまいりたいと考えております。  以上です。       〔12番池田清君登壇〕 ◆12番(池田清 君)御答弁いただきました。国内線の利用促進について、これから冬季期間の利用者が減る時期を迎えますけれども、先日、県内の商工会議所の会員が最大8万円分の補助を行って利用促進を図るという新聞記事も出ておりました。県内のさまざまな経済団体、また、旅行業者を含め、営業活動をしっかり行っていただき、利用数の向上に努めていただきたいというふうに思います。  また、国際チャーター便についてでありますけれども、韓国へのチャーター便の欠航については、9月議会定例会の続木議員の質問に対して、航空会社とチャーター主との契約上の問題で運行停止になったという答弁をしていただいております。先ほど、部長から、新たに航空会社の本社に出向くなどの今までにない営業活動をやっていただくという答弁がありましたけれども、いわゆる民民の問題ということでなく、関係者と県がしっかり連携をとりながら、まさに当事者意識を持ってチャーター便の誘致に努めていただきたいというふうに思います。  せっかく施設整備を図り、県民の期待も大きい松本空港でありますので、これからも利用促進、そして活性化が図られますよう御尽力をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ○議長(清沢英男 君)次に、小山仁志議員。       〔15番小山仁志君登壇〕 ◆15番(小山仁志 君)台風19号災害に関連し、まず建設部長に質問します。  近年続く豪雨災害の頻発化は、気候変動の影響とその加速化を実感させ、災害の激甚化の中でいかに暮らしの安心と安全を確保していくのか、治水対策の見直しも迫られています。  佐久市の谷川、田子川、滑津川など台風19号により被災した千曲川支流の状況を見ますと、護岸が決壊している箇所が連続していたり、ある程度の間隔で点在している箇所が数多くあり、それぞれの箇所を原形に戻す復旧だけではその後の流域における安全性が確保できず、同様の被害が繰り返されるのではと思慮いたします。  なぜ水害が発生したのかの検証とともに、再発防止に向けた改良復旧への対応策が不可欠な地域があります。改良復旧制度の活用も含めた台風19号による被災河川の災害復旧に対する基本的な考え方についてまず伺います。  被災箇所の中には、河川沿いの市道から対岸の宅地に入るための私有の道橋が被災している箇所が多数あります。例えば、佐久市入澤、谷川では、7本の私有の橋が流され、加えて4本が損壊し、生活に大きな支障を来しています。復旧に当たり、さまざまな関係者が存在することが想定されます。早期の復旧が必須となる中、水害のリスクと背中合わせにある流域住民や関係者とのコンセンサスをどのように得ていくお考えなのか伺います。  急峻な地形となる河川の上流域では、何層かにわたり、砂防ダム、砂防堰堤等の施設が設置されています。築造からかなりの年月を経た砂防施設は、老朽化に伴う損傷による漏水や堆砂など経年による変化が著しく、かねてよりその機能や健全度についての不安が下流域の住民の皆様に募っていました。  その状況は、台風19号によりさらに深刻化しています。下流域での護岸整備等を行っても、上流での砂防施設の機能回復を両立しなければ同じ災害が繰り返されるという懸念があります。砂防施設の長寿命化の推進、健全性維持のため、県ではどのように対策を行っていくのか伺います。また、その安全性や維持管理の状況を下流域の住民の皆様との情報共有も行っていただきたいと考えますが、今後の県の対応方針を伺います。  甚大な被害となった1級河川流域の自治区におきましては、かねてより河床整備やしゅんせつ、護岸の整備等の要望が例年重ねられておりました。一方で、県の回答は、例年、緊急性を考慮し優先順位をつけて順次対応というものが多く、遅々として進まない状況がありました。県がこうした要望に小まめに対応してくれていれば被害が軽減できたのではという流域住民の声も多く強く寄せられています。ニーズに対し、予算のボリュームに大きなミスマッチが生じていると感じます。気候の変動も踏まえ、洪水被害の拡大防止、軽減のため、肝心かなめである小まめな河道内の堆積土や樹木の除去、しゅんせつ等につきましては、予算拡充とともにさらに強化していく必要があると考えます。現在、国の国土強靱化による緊急対策3カ年予算の期間の中にありますが、この対策により、どの程度河川整備等の予算は改善されていくのか。また、予算措置強化に対する県の考えを伺います。  未来を見据えた真の治水を実現していくには、なぜ水害が起きているのか、原因を住民と共有しながら、行政はこう考え、こうした事業を実施していく、何年後には解決、実現していきますという計画的、継続的な対応とともに、行政がその目標に向かって一歩一歩前進していく姿勢を示していくことが重要と考えます。総合的な治水対策を住民とともに行っていくための県の強力なリーダーシップを発揮していく今後の対応について、知事のお考えを伺います。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)初めに、今回の河川災害復旧の考え方についてのお尋ねです。  河川災害復旧は原形復旧が原則ですが、被災箇所の程度や被災原因を把握した上で、被災原因が流下能力不足によるものであり、河川断面の拡幅を伴う復旧が必要な場合、または、護岸欠損等の被災箇所の間に、被災はしていないが脆弱な施設が多くあり、これらを含めた区間での復旧が必要な場合には、河川管理道路の設置も含め、河川断面の拡幅や護岸の全面強化を行う改良復旧を検討することとなります。  また、いわゆる原形復旧の箇所においても、被災原因や状況により、水制工や帯工などの新設が認められる場合もありますし、規模の小さいものであれば、県単費を加えて、改良的な要素を含む復旧とすることも想定しています。今後とも、現地の被災状況等を踏まえ、よりよい復旧・復興となるよう努力してまいります。  次に、災害復旧に際してのコンセンサスについてのお尋ねです。  今回被災した箇所については、今後、災害査定を経て復旧工事へと進んでまいりますが、規模の大小にかかわらず、沿川にお住まいの方々や関係者のコンセンサスを得られなければ工事を進めることはできないものと認識しております。  議員御指摘のとおり、今回被災した箇所の中には私道橋が多く存在している箇所もあり、復旧を進めるに当たっての課題と考えております。このため、今後、市町村や関係住民の方々と、将来を見据えたまちづくりとして何が最善なのか等の観点で具体的な対応について話し合いを行いたいと考えております。  いずれにいたしましても、地域の皆様の生活を取り戻すためには、早期の復旧・復興は必須であります。できるだけ早い段階で地域の方々、関係者の御意見を伺い、計画及び工事に反映できるよう努力してまいります。  次に、砂防施設の長寿命化に関するお尋ねでございます。  インフラの老朽化対策については社会的にも大きな課題となっており、砂防施設においては、県民の命を守る観点から、施設の機能が確実に果たされるように維持更新を適切に実施することが求められています。  県では、平成24年度から25年度にかけ、約2万6,800カ所の砂防堰堤等の施設点検を実施し、老朽化等の状況把握をしてきました。この施設点検結果に基づき、平成27年度に長野県砂防関係施設長寿命化計画を策定し、公表しております。この中で、老朽化が特に著しい244施設については10年間で改築や補修を行う計画としており、順次対策を進めているところです。現在、2回目の施設点検を進めており、引き続き砂防施設の長寿命化の推進と健全性の維持に努めてまいります。  次に、砂防施設の安全性や維持管理状況の情報共有についてのお尋ねでございます。  今後、老朽化が特に著しい244施設についてホームページでの公表を検討してまいります。また、令和3年度をめどに2回目の砂防施設等の点検結果を取りまとめ、現在の長寿命化計画を見直す予定としております。新たな長寿命化計画においても、個別施設に関する情報を住民の皆様と共有できるよう、公表の方法も含め、検討してまいります。  次に、堆積土や樹木の除去等の予算措置についてのお尋ねです。  御質問をいただいた堆積土砂の撤去や立木の伐採は、従来、維持的な事業と位置づけられ、国の交付金等の対象外であったため、県単独予算により対応を行ってまいりました。そのため、全県で約4,800キロメートルの1級河川を管理している状況の中では、限られた予算の中で、現地の状況を見ながら緊急性の高い箇所について順次対応を行ってきたところです。  こうした中、近年の災害発生の状況を踏まえ、国の3カ年緊急対策では、河川内の堆積土砂や支障木除去を治水機能を確保するための改修と位置づけ、これについても交付金の対象としております。河川関係の3カ年緊急対策に係る予算は、平成30年度2月補正予算が約40億円、本年度が約37億円となっており、このうち約6割を堆積土、支障木の対策に充てておりますので、令和2年度までは大幅な増額になってございます。まずは、この3カ年緊急対策を積極的に活用して対策を推進するとともに、引き続き国の交付金を受けて事業ができるようこの制度の期間延伸や拡充を国に積極的に働きかけてまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)今後の総合的な治水対策を住民とともに行っていく上で県の強力なリーダーシップが重要だが、その考えについてという御質問でございます。  本県は、千曲川を初め、天竜川等の大きな河川がたくさんございます。また、その巨大河川に流れ込む730余りの中小河川が存在しておりまして、そうした河川の流域に多くの人たちがお住まいになられているという状況であります。そういう意味で、長野県にとりまして、この治水対策にしっかりと力を入れていくということは大変重要なテーマだというふうに思っております。特に、今後、気候変動の影響等で災害の激甚化ということも懸念されているところでありまして、私どもとしては、これまで以上に治水対策にしっかり目を向けて力を入れていかなければいけないというふうに思っております。  先ほど長谷川部長から御答弁申し上げましたように、3カ年緊急対策ということで取り組みを行っているわけでありますけれども、こうした国からの財源措置もしっかりと確保しながら県としての役割を果たしていかなければいけないというふうに思っております。  他方で、私も佐久市の被災した集落等を拝見させていただき、地域の皆さんとお話もさせていただきました。ビルド・バック・ベターということを再三申し上げてきておりますけれども、佐久の現場を拝見して、こうした状況では、やはりもとの形に戻すだけでは住民の皆様方は安心して住まうことができない地域があるのではないかという思いで、改良復旧、ビルド・バック・ベターしなければいけないというふうに考えたところであります。  今回の災害対応は、それぞれの地域によって力点を置くべき部分が少しずつ違ってくる部分もありますけれども、復興に向けては、その地域にお住まいになられている方々がこれからどういう地域にしていきたいか、どういう対策をとれば本当に安心をしていただけるのかと、そうしたことをまず中心に据えて我々行政は取り組まなければいけないというふうに思っております。  そういう観点で、これから地域の皆様方としっかりとコミュニケーションを図っていかなければいけないというふうに思っておりますし、また、特に住民の皆様方に最も身近な行政主体であります市町村の皆さんとも十分に連携をとりながら復旧・復興に邁進していかなければいけないというふうに思っております。県民の皆様方の命を守るということは、我々の大変重要な責務でありますので、そうした使命をしっかりと自覚して、安心、安全な地域づくりに向けて取り組んでいきたいと考えております。  以上です。       〔15番小山仁志君登壇〕 ◆15番(小山仁志 君)県当局の連日の努力には大変敬意を表するところでございますが、一方で、この甚大な被害となった河川流域の地域では、原形復旧の対応のみで済まされてしまうのではないかという焦りのような不安も寄せられております。国との協議などの進捗状況や今後の対応方針については、ぜひ住民との情報共有、意見交換に気を働かせていただくことを強くお願いをしたいと思います。  改良復旧を適用していく地域は、今、町自体が大きく変貌をしていく分岐点にあります。河川の猛威と生活が背中合わせにある流域住民とともに、総合的な治水対策について突き詰めて考え、対策を講じていただくことをお願いいたしまして、次に移ります。  「何度でも言います、必ず助ける!」、 長野県防災アカウントによるツイートの数々は、救助を待つ多くの皆様を勇気づけ、「ONE NAGANO」に向かって一体感を生み出していくきずなへのメッセージとなりました。長野県防災アカウントでは、台風19号に伴う救助要請が多く寄せられたことから、「#台風19号長野県被害」をつけたツイートを呼びかけることにより救助要請の情報を収集。およそ50件の投稿が実際の救助につながったということであります。  一方で、救助要請の情報収集については、利用指針において明確な位置づけはなく、想定されていませんでした。担当者の発想と柔軟な活用が奏功したわけであります。今後、救助要請への対応についても、担当職員の裁量に左右されることのないように、利用指針において明確な位置づけを行っていくべきと考えますが、今後の対応策について危機管理部長に伺います。  長野県防災ツイッターアカウントでは、台風19号災害に伴い、平仮名のみでの相談窓口の周知を行い、情報拡散の呼びかけを行いました。それは、10月1日に開設され、外国人向けに15言語に対応した相談窓口である長野県多文化共生相談センターについてであります。この平仮名による易しい日本語での投稿は共感を呼び、注目を集め、瞬く間に数万件のリツイートが行われ、その中には、韓国語、タイ語、ネパール語などの言語に翻訳されての情報拡散もありました。  多文化共生相談センター開設が間もない中での台風災害となりましたが、相談窓口についてのツイッターによる情報提供により、外国人の皆様や関係事業者の皆様からはどういった相談が寄せられ、対応されたのでしょうか。  また、今後さらに外国人の在住者や訪日外国人の増加が見込まれる中で、センターの果たす役割がますます高まると考えますが、今回の台風災害への対応を踏まえ、どのように課題を認識し、今後対応されていくお考えなのか。県民文化部長に伺います。  国では、防災・減災、国土強靱化を推進する観点から、2020年度までの3カ年の緊急対策を実施しています。あわせまして、地方に対する国土強靱化関係の補助金交付事業の重点化、要件化、見える化とともに、地方負担を軽減するため、国土強靱化地域計画の策定を自治体に求めています。  本県は、既に第2期強靱化計画の期間にありますが、地域強靱化計画は、さまざまな災害に対し多様な主体の連携による地域の対応力増進を促し、県の計画との調和を図る上でも県内各自治体への策定が求められると考えます。県内市町村の国土強靱化地域計画の策定は現時点でどのような状況であるのか。また、今後策定に向けた県の考え方と支援の取り組みについて危機管理部長に伺います。  県では、近年各地で大水害が発生していることを受け、水害などの進行型災害に対し、住民や関係機関の迅速かつ効率的な防災行動と連携の構築とともに、リスクを自覚していただく住民意識の変革により、社会全体で洪水に備えていく地域防災力強化に向けた取り組みの推進を図ってきました。  今回の甚大な災害を受け、改めて、人的被害とともに経済被害も軽減していくための多くの主体の事前の備えと連携の強化、災害時における住民の主体的な行動を支援する取り組み強化が求められていると考えます。地域防災力充実に向けたソフト面の対策につきましては、今回の災害を受け、どのように課題を捉えたのか。そして、水防災意識社会の再構築に向けた今後の取り組み強化、推進について県の考えを知事に伺います。       〔危機管理監兼危機管理部長竹内善彦登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(竹内善彦 君)私には2点御質問をいただきました。  まず、ツイッターによる救助要請の情報収集に関する位置づけについての御質問でございます。  今回の災害では、災害関連情報の発信、収集のための一つの手段としてツイッターを活用いたしましたが、その際得られた救助要請の情報について県災害対策本部内の救助関係機関と共有することで救助の一助となったと認織しております。  本来、救助の要請は、住民から直接救助関係機関に対し行われるべきものでありますが、今回の災害のように同時多発的に、また広範囲にわたり被害が発生した場合においては、効果的な救助につなげるため、救助要請の情報収集の補完的な手段が必要とされることもございます。しかしながら、現在、防災ツイッターの運用に関しては、災害時における長野県ソーシャル・ネットワーキング・サービス利用指針や災害対策本部室情報発信担当マニュアルに示してあるものの、救助要請情報の取り扱いにつきましては明確に規定されておりません。今後、今回の災害対応を踏まえまして、消防、警察、自衛隊など救助関係機関との意見交換会を行い、ツイッターによる救助要請情報収集に関し利用指針等において明確な位置づけを行ってまいりたいというふうに考えております。  次に、県内市町村の国土強靱化地域計画策定の現状と策定に向けた県の考え方、支援の取り組みにつきましての御質問でございます。  県内市町村における地域計画の策定状況でございますが、11月1日時点では策定済みが4市、策定中が1市、策定予定が17市町村となっておりまして、県内市町村に占めるこれらの割合は28.6%となっております。  頻発化、激甚化する災害がどこでも起こり得るとの認織のもと、安心、安全な地域づくりに向けた当該計画を市町村が早期に策定することは大変重要であると認識しております。このため、これまで、市町村担当部長会議等の機会を捉え、法の概要や地域計画策定に向けた国の取り組み状況などの情報提供とあわせ、地域計画策定の働きかけを行ってきたところでございます。  県といたしましては、今後、引き続き市町村に適宜情報提供等を行うとともに、国が職員を派遣する出前講座の活用により、市町村における地域計画の策定が一層進むよう支援をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔県民文化部長増田隆志君登壇〕 ◎県民文化部長(増田隆志 君)私には、今回の台風災害における長野県多文化共生相談センターの対応の実績と課題について御質問をいただきました。  多文化共生相談センターは、発災後の13日正午、休日でしたが、センターを開設いたしまして、その後しばらくの間は休日もなく相談対応を行ってまいりました。現在までに、災害廃棄物の処分方法、罹災証明書の取得方法、県営住宅への入居申請書類の記入方法など11件の相談が寄せられております。センター職員が関係機関に問い合わせ、相談者に手続等を伝えたり、書類の記入を一緒に行うなどしましたところ、全てについて御相談いただいた目的が達せられたところです。  課題といたしましては、外国人の被災の状況や避難状況等をなかなかつかむことができなかった点が挙げられます。被災された外国人の立場に立ったきめ細やかな対応をする上で、避難状況等の速やかな把握が重要でございますが、今後、災害時の情報収集のあり方について、庁内関係課、市町村、関係団体と連携してその仕組みづくりを進めてまいります。  また、今回、易しい日本語を平仮名で呼びかけをした結果、センターが広く知られることとなったわけでございますけれども、通常時からセンターの存在、相談を受け付けているということを十分に周知してまいります。  以上です。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)ソフト面の対策の課題と水防災意識社会の再構築についての御質問をいただきました。  国におきましては、たび重なる全国各地での豪雨災害を踏まえて、施設では防ぎ切れない大洪水が発生するということを前提に、社会全体で洪水に備える水防災意識社会を再構築するという取り組みを各地域において推進する方針を示しているところでございます。  現在、本県におきましても、県内10圏域におきまして大規模氾濫減災協議会を設置いたしまして、市町村等と協働して、浸水想定区域図の作成、共有、水位計や河川監視カメラの設置、タイムラインの作成や避難訓練の実施、小学生への防災教育等の取り組みを行ってきているところでございます。今回の災害を踏まえて、信濃川水系緊急治水対策会議を設置いたしました。これまで検討してきている項目以外にどういう課題があるかということについても洗い出しを行っていきたいというふうに思っております。そうした中で、今後の具体的な取り組みを講じていきたいというふうに思っております。  今後とも、洪水氾濫を未然に防ぐための対策を一層推進していくとともに、行政と住民、企業が水害リスクに関する知識と心構えを共有して、洪水が発生した場合でも被害を最小化することができるような社会を目指して取り組んでいきたいと考えております。  以上です。       〔15番小山仁志君登壇〕 ◆15番(小山仁志 君)国土強靱化の地域計画の策定の現状、県内ではまだ28.6%ということでございます。県の計画との調和、連動を図っていく上でも不可欠な計画であります。ぜひ支援へのアクセルを強く踏んでいっていただきたいというふうに思います。  危機管理の基本は、私は、リスクをしっかり予測していくこととその共有にあると思います。さらに、そのリスクの予測に対して予防をしていく。予防で防ぎ切れなかったものについては、最後に、しっかりした対応力でのカバーが必要となってきます。この防災・減災の体制づくりにはまだまだ行政が行い得るべきことが山積していますが、多額を投じなくてもできることも多いと感じています。  平時より自分事として全ての県民の皆様に災害リスクと向き合っていただき、減災の実効性を高めるための取り組みをさらに推進、強化していただきますことをお願いをさせていただきまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
    ○議長(清沢英男 君)次に、埋橋茂人議員。       〔24番埋橋茂人君登壇〕 ◆24番(埋橋茂人 君)改革・創造みらい、長野市・上水内郡区の埋橋茂人です。今回の台風災害でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。  台風19号災害を踏まえた諸課題について伺います。農林関係の詳細は委員会で質問いたしますので、この場では主な課題について伺います。  佐々木議員もおっしゃいましたが、治山治水は国を治める基本だということは古来より言いならわされてきたところでございます。今回改めて痛感いたしましたが、県歌「信濃の国」に歌われているとおり、国の鎮めであるよもにそびゆる山々と国の固めである四つの大河を擁する信州長野県においては、まさに治山治水が極めて大事なことは私が申し上げるまでもありません。また、山高きがゆえにとうとからず、木あるをもってとうとしとなすと言われるとおり、手入れした山が大事であることを先人たちは経験則として学んでいたと思います。私も、小学生時代に、昭和34年(1959年)の伊勢湾台風と昭和36年(1961年)の伊那谷を襲った梅雨前線豪雨を経験したこともあり、水の恐ろしさが今回さらに身にしみたところです。  日本の山は、太平洋戦争中の過度な伐採と戦後の多様な植生を配慮せずに植林した針葉樹の単相林により、極めて貧しい植生と保水力の低い山林となってしまいました。加えて、材木の輸入自由化で国産材の価格は低迷したままです。  ちなみに、林野庁の平成30年森林・林業白書によれば、平成年間の杉の中丸太で比較すると、平成2年に2万6,600円立米であったものが、平成12年には1万7,200円となり、平成30年に至っては1万3,600円と、平成2年比でほぼ半額になっています。また、県林務部の令和元年林業事業体調査によれば、林業従事者も、平成10年は2,948人であったものが、平成20年には2,691人となり、平成30年には1,499人とほぼ半減しています。この結果、山に手が入らなくなり、林業が急速に衰退しました。山村が限界集落となり、さらに離村という事態の中で、山とともになりわいの基礎であった棚田もなくなり、その湛水力が失われていきました。  林野庁は、森林の有する公益的機能として、一つ、表面浸食防止機能が28兆2,565億円、二つ、表層浸食防止機能が8兆4,421億円、三つ、水資源貯留、洪水緩和機能等で70兆2,638億円と計算しています。また、長野県においても、令和元年長野県林務部業務資料によれば、貨幣評価試算で、一つとして県土を保全する機能、これは土砂災害防止機能でありますけれども、1兆6,160億円、二つとして水源を涵養する機能、これは洪水防止や渇水緩和機能でありますが、1兆2,070億円、三つとして保健休養の場を提供する機能、これは森林セラピー等、1,746億円となっています。  このように、緑のダムである山林と降水時の湛水機能を持つ水田の機能低下が異常気象に対する抵抗力を低下させていることは明らかだと思います。ダムや堤防の強靱化、土砂の堆積に応じた適切なしゅんせつも大事ですが、中長期の展望に立った山の複相林化や、水田の貯水機能の活用による洪水防止機能の充実も必要だと思います。  国、県、千曲川流域関係市町村による信濃川水系緊急治水対策会議において水田の洪水調節機能や調整池の機能の向上が検討されているとのことですが、そこで、伺います。  一つ、森林が有する貯水力や流出量の緩和などいわゆる水源涵養機能の向上について、国の森林環境譲与税や県の森林税などを活用して積極的に取り組むべきだと考えます。今回の大災害を踏まえ、県では、防災・減災に有効な森林に関する施策をどのように展開していくのか。知事に伺います。  続いて、農業再建について農政部長に伺います。  一つ、県下に莫大な被害が出ていますが、その実態について、全体額は示されていますので、農業被害における作目別の被害額について伺います。  二つ、今回の農業被害のうち、主要品目であるリンゴの樹体の保全、新植等のための苗木の確保、泥やごみの除去等来年の作付に向けて時間の制約があるものもあります。今後どのような対策を講じていくのか伺います。  次に、建設部長に伺います。  多くの議員が触れられましたが、さきの緊急対策会議でも、田んぼの湛水、遊水機能を持たせることが検討課題とされているようですが、県の見解はいかがですか。また、その具体策はおありでしょうか。  続いて、総務部長に伺います。  四つ目です。農業改良普及センターを廃止し、農業農村支援センター(仮称)とする予定となっていますが、市町村の農業関係技術職は大変少なくなっています。市町村や関係JAからも、今回の台風災害を受けて、復旧・復興に向けての技術職員の必要性、大切さを訴える声が出ています。林業、農業、獣医師、上下水道等の技術職は市町村での確保や技術力の維持が困難になる中で、技術職員の採用と今後の採用方針を伺います。  これは、農政部長に質問ですが、とりわけ、発災後の農業復旧・復興に向けての改良普及員の皆さんの対応について高く評価されているところです。今回の農業農村支援センターの機能と同センターにおける技術職員の役割についてどのように考えておられるかお聞かせください。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、防災・減災に資する森林づくりについての今後の展開等の考え方について御質問いただきました。  森林の土砂災害の防止や水源涵養機能を保つため、これまで直近の10年間で、約1万6,000ヘクタールを新たに保安林に指定して公的な管理を実施してきております。  また、保安林内におきまして、災害が発生するおそれが高い箇所を対象として森林整備や治山施設整備を実施してきております。こちらも、最近の10年間で、約500集落の保全を図ってきているところでございます。  また、手入れがおくれている里山につきましては、森林づくり県民税を活用いたしまして、第2期までの10年間で約3万ヘクタールの間伐を行っております。特に、昨年度からの第3期目の取り組みにおきましては、防災・減災の観点から、優先的に整備が必要な集落周辺の森林、約4,300ヘクタールを目標に間伐を行っていこうということで取り組んできているところでございます。  御質問にありました森林環境譲与税に基づく森林管理制度は、必ずしも防災・減災を目的とするものではありませんけれども、所有者が管理する意思がない森林を市町村が主体となって管理を行うことで、これまで手が入らなかった森林の整備にもつながっていくものというふうに考えております。  こうした取り組みを長野県としてこれまでも着実に進めてきているところでございます。今回のような記録的な豪雨災害が頻発をしてくることが見込まれる中で、これからますますこうした取り組みを着実に進めていかなければいけないというふうに思っております。河川整備、治水の取り組み等とあわせて、この森林整備についてもしっかりと目を向けながら、県民の皆様の安全、安心の確保を図っていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)3点御質問をいただきました。まず、作目別の被害額についてでございます。  今回の災害によりまして、千曲川流域を中心に、11月21日時点で農作物等の被害額は16億6,000万円余となっております。  作目別の被害額につきましては、被害額の大きいものから、果樹が11億9,400万円余で、このうち、リンゴが10億100万円余で約84%を占めております。続きまして、米穀類が2億300万円余で、このうち米が1億8,600万円余でございます。以下、キノコが1億3,100万円余、野菜が1億400万円余、花卉が1,600万円余となっております。なお、野菜につきましては、長芋が最も多く、6,500万円余となっております。  次に、来年の作付に向けた対策についての御質問でございます。  現在の喫緊の課題であります農地に堆積した泥やごみにつきましては、国庫補助の災害復旧事業による早期の撤去に向け、災害査定に必要となる資料の作成など事業主体である市町村を支援するとともに、農業ボランティアの皆様の活動についても引き続き技術指導等の支援を行ってまいります。  リンゴの樹体の保全につきましては、来年の収穫量の確保に向け、国の支援事業を活用して、被害果実の摘果や樹体の洗浄などを実施できるところから進めるほか、防除作業につきましては、泥の堆積状況等を踏まえ、どのように対応するか農業改良普及センターがJAとともに検討してまいります。  改植につきましても国の支援事業を活用してまいりますが、必要となる苗木につきましては、まずは市町村やJAと連携し、必要数量の把握に努めてまいります。  県内の種苗業者への聞き取りでは、リンゴの普通樹や桃の苗木は在庫で対応できますが、新矮化、高密植栽培に必要となるリンゴのフェザー苗木につきましては、生産量が少ない状況であり、県単の苗木増産支援事業によりまして種苗業者の増産を支援してまいります。  続きまして、農業農村支援センターの機能等についての御質問でございます。  仮称農業農村支援センターは、地域振興局農政課が担ってきた農畜産物の生産振興や地消地産、農地関係等の業務と、農業改良普及センターが担ってきました農業技術の普及指導や担い手の育成などの業務を統合して担う組織として整備するものでございます。新たな組織に業務を統合することで、両組織の担ってきた業務の連携をこれまで以上に強化をしまして、多様な担い手の確保、収益性の高い産地づくり、農村の活性化など行政と普及にまたがる地域農業や中山間地域の抱える課題により迅速にかつ的確に対応できるよう機能強化を図ります。  また、新たな組織の技術職員は、農業の専門知織と農業現場での活動経験を生かした地域農業の振興のための行政施策の推進と、新品種・新技術の導入や担い手の育成などの普及活動をより有機的かつ一体的に行う役割を担うとともに、今回のような台風災害の復旧・復興においても大きな役割を担うものと考えております。  以上でございます。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)農地での遊水池機能確保についてのお尋ねでございます。  治水対策を行うに当たり、水田などの農地が有する遊水機能を保持し、またはその機能を向上させることは、河川への流入を抑制する意味から、効果的であると考えます。  一方で、地域の方々の御理解も必要となります。今回の災害を受け、国、県及び流域の市町村が連携し、総合的な治水対策について流域対策を含めて検討することとしております。今後、関係機関等と連携し、早期に、緊急治水対策プロジェクトを取りまとめてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔総務部長関昇一郎君登壇〕 ◎総務部長(関昇一郎 君)県の技術職員の採用の現状と今後の方針についてのお尋ねであります。  今回の台風第19号による災害のみならず、今年2月以降の豚コレラ対応などの危機管理事象において、高度な専門性を有する技術職員の役割や重要性が改めて認識されたところでございます。一方で、本年度の県の採用試験等においては、土木職や獣医師など当初予定した採用者数を確保できない職種も生じております。県組織としての技術力を維持していくためには、職員の計画的、継続的な採用が重要であります。  採用拡大に向けては、今年度から、採用選考の年複数回実施や東京都内での受験会場の新設といった受験生の利便性を図る取り組みを進めているほか、来年度から獣医師に初任給調整手当を支給するための条例改正を今定例会でお願いするなど、勤務条件の改善も進めているところであります。  また、職員の募集に当たりまして、県の施策や県職員としての魅力、役割をしっかりPRするなど、今後ともさまざまな取り組みを工夫し、必要な職員の確保に努めてまいりたいと考えております。       〔24番埋橋茂人君登壇〕 ◆24番(埋橋茂人 君)御答弁をいただきましたが、後で少し触れたいと思います。  続いて、災害ボランティアについて危機管理部長に伺います。  知事の提案説明では、県内外から延べ6万人超のボランティアの方々に御支援いただいたとのことですが、ボランティアの皆様に深く敬意を表します。その上で、被災された方々やボランティアの皆さんの声を聞く中で何点か伺いたいと思います。  日本でボランティアの活動が災害復旧・復興に向けて重要で不可欠な役割を果たしたのは、1995年(平成7年)1月17日の阪神・淡路大震災が初めてだと言われています。平成年間で続いた東日本大震災や熊本地震、九州北部豪雨、西日本豪雨等においても大きな力を発揮しており、今では災害からの復旧・復興には不可欠な存在となっており、海外からも高く評価されています。  一つ、支援・受援体制の構築の経過と県、市町村連携について伺います。受援という仕組みも、残念ながら大災害とともに周知され、練度が増してきていますが、今回の被災地には初めてのことであり、発災時には当然のことながらさまざまな問題が発生しました。県における今回の台風19号における支援体制の構築と受援体制の構築状況はどうであったのか伺います。  また、複数市町村に及ぶ災害で、広域受援における県の役割についてはどうか。また、市町村との機能分担はどうしたのか伺います。  多くのボランティアに来ていただいたため受付に多くの時間がかかったり、その後の動線の確保やボランティアの必要資材の確保、提供などが混乱したりなど、課題も多く提起されています。順次改善されてきているとはいえ、まだ十分ではないと思います。受け入れの経過の中で改善した主な点を伺います。  ボランティアの人数について、6万人超とのデータが示されていますが、把握していないボランティアもかなりいると思います。今回、災害ボランティアの受付をどのように行ったのか伺います。  三つとして、市町村の社会福祉協議会に受け入れ業務を担っていただいた理由は何でしょうか。対応が長期にわたり、通常業務への支障や職員の疲労が蓄積していると思われますが、実態はどうでしょうか。また、本来であれば、受け入れ業務は県や市町村が担うべきだと思いますが、いかがですか。  四つとして、復旧にはまだまだ多くの人手が必要であり、かつ、早期の対応が求められる作業がある中で、今後のボランティアの募集方法や必要人数、タイムスケジュールをどのように考えているのか伺います。  また、今回の災害は、関東、東北の広範にわたり、冬場に向かう中で、ボランティアの確保は容易ではないと思われ、今後の活動は地元の皆さん主体にシフトしていかなければならないと思いますが、そのための人員確保対策について伺います。  五つ、ボランティアの皆様の献身的な御支援には本当に感謝申し上げますが、復旧・復興計画のマネジメントの面で、ボランティアによる全面的な無償支援でよいのか疑問です。鉄道料金や高速料金の割引等が設けられていますが、移動手段の確保、支援用具、衣服の提供、宿泊、食事等、ボランティアの自己負担で賄われている経費の扱いについて考えを伺います。  最後に、大きな4番目であります。知事に伺います。  監査委員の平成30年度決算審査意見書で、債務負担行為による後年度支出予定額が増加しており、一般会計で前年度比85億円余の増となっていますが、今後、新たな設置に際しては、必要性、妥当性を十分に精査すべきとの意見が付されています。11月補正予算も含め、災害復旧関連の債務負担行為は総額で300億円を超え、今後さらに上積みが予想される中、災害復旧を優先させる意味からも、今後の債務負担行為のあり方について所見を伺います。       〔危機管理監兼危機管理部長竹内善彦君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(竹内善彦 君)私には災害ボランティアにつきまして五つ御質問をいただきました。  まず、今回の災害におけるボランティアの受援体制等についての御質問でございます。  災害時、県地域防災計画及び県広域受援計画では、市町村や県・市町村社会福祉協議会、NPOなどと連携して、ボランティアの受け入れ体制や支援体制を構築することとされており、今回の災害におきましても、県災害対策本部にボランティア班を設置し、両体制を構築したところでございます。  広域受援の県の主な役割は、県社会福祉協議会などと連携し、市町村社会福祉協議会が設置します災害ボランティアセンターの活動を支援することで、同じく市町村の災害ボランティアセンターの活動を支援する市町村とともに対応したところでございます。  今回の災害において、災害ボランティアセンターは、発災後10月14日までに全11市町村で立ち上がり、ボランティアの受付等の対応をいただきました。ボランティアの受け入れに当たりましては、活動の初期段階において、受付に時間がかかる、駐車場から現場までの距離が遠いなどの課題が生じたとのことでございますが、災害ボランティアセンター立ち上げ当初から災害対応経験の豊富なNPOなどと連携することによりまして、日々課題を改善しながら円滑な運営に取り組んでいただいたものと認識しております。  次に、今回の災害におけるボランティアの受付についての御質問でございます。  災害におけるボランティアの受付は、市町村社会福祉協議会が設置します災害ボランティアセンターが行いました。同センターでは、被災者のニーズの把握、ボランティアの受付と割り振り、ボランティアヘの支援を実施していただき、12月3日現在で6万3,000名を超える皆様に被災された住宅の片づけや災害廃棄物の搬出、床下からの泥出しなどに御活躍いただいたところでございます。  また、支援にお越しいただいた皆様の中には、被災地の知人宅などに直接入られた方もいらっしゃるとお聞きしております。そのような方につきましては同センターでの受付をされていらっしゃらないことから、その数や活動の詳細につきましては把握できておりません。  いずれにいたしましても、ボランティアにお越しいただきました皆様には、被災者のお気持ちに寄り添った活動を進めていただきました。この場をおかりしまして、改めて感謝申し上げたいと思います。  次に、ボランティアの受け入れ体制を市町村の社会福祉協議会が担った理由等についての御質問でございます。  議員お話しのとおり、阪神・淡路大震災以降、さまざまな災害を経て、市町村単位で存在し、災害時の社会的弱者を支援することから、地域の福祉を担う市町村社会福祉協議会が災害発生時に災害ボランティアセンターを設置、運営することが全国的に定着しました。本県におきましても、県あるいは市町村地域防災計画で同様に定めており、それに基づきまして市町村社会福祉協議会が災害ボランティアセンターを設置、運営をしております。特に、長野市において業務が長期にわたっており、市社会福祉協議会にあっては、通常業務への支障、職員の疲労の蓄積が御指摘のとおり心配されますが、災害対応を第一に、他の社会福祉協議会やNPO、また県職員など他の団体からの応援を受けながら頑張っておられます。  県、市町村が担うべきとの御指摘でございますが、先ほど申し上げました経過や、ボランティアは被災者の援護等のため、営利を目的とせず、自発的に活動されることを考慮した場合、民間の支援団体が担うことがふさわしいものと考えております。  次に、今後のボランティアの募集方法、人員確保策などについての御質問でございます。  多くのボランティアの皆様に御活躍いただきましたおかげをもちまして、多くの災害ボランティアセンターの活動は一段落し、堤防の決壊により甚大な被害の発生した長野市以外の市町村においてはおおむね活動を終了しております。  長野市災害ボランティアセンターによりますと、今後の必要人数の明確な数値は一概には申し上げられないとのことでございますが、12月22日日曜日まで毎日型の災害ボランティアセンターとして活動をし、その先は、ボランティア派遣のニーズの量によって、週末のみ活動する週末型や活動登録していただいた方に活動いただく登録型への移行を検討されているとのことでございます。  県・市社会福祉協議会では、ホームページやSNSにより募集をしておりますが、県といたしましては、長野市社会福祉協議会等と連携し、「ONE NAGANO」により把握されたニーズに応じた参加や登録の呼びかけを実施してまいることとしております。  最後に、ボランティアの自己負担で賄われている経費の扱いについての御質問でございます。  今回の災害において、県、長野市社会福祉協議会では、ボランティアにお越しいただいた皆様への感謝の気持ちをお伝えするとともに、経費の負担を軽減し、できるだけ多くの皆様に御参加いただけるよう、ボランティアの皆様へのさまざまな支援策を実施しております。まず、移動手段につきましては、災害ボランティアセンターから作業現場までのバスでの送迎、公共交通機関各社の御協力をいただいての電車、バスなどの運賃割引を実施しております。また、用具につきましては、同ボランティアセンターにゴーグル、マスク、踏み込み防止の中敷きを提供しているほか、スコップなどの貸し出しを行っております。また、NPOやボランティアの皆様により温かい食事の提供などを行ってもいただいております。このほか、県では、飲食店などに「#One Nagano サポーター店舗」の御協力をいただきまして、ボランティアに参加された方にさまざまなサービスを提供しております。  一方で、ボランティアの活動そのものがボランティアの皆様による全面的な無償支援でよいのかという議論もございます。そのような背景から、中央共同募金会では、今般の災害で活動を行うボランティアやNPO等を支援する災害ボランティア・NPO活動サポート募金助成事業により、5名以上のグループを対象に、活動に必要な物品、資材、消耗品や拠点の設置、旅費等の費用につきまして助成を実施しております。  また、兵庫県では、大規模災害ボランティア活動応援プロジェクトとして、被災地で復旧期の被災者支援活動を行う5人以上のグループの交通費、宿泊費について20万円を上限として助成しており、今般の災害においても、この制度を活用して長野県で活動に従事した方もいるとお聞きしております。  近年の気候変動リスクにより大規模災害の発生の危険性が高まっている中、災害ボランティアに対する支援のあり方につきまして、本県においても、兵庫県の事例等を参考にしながら検討すべき課題であると考えております。  いずれにいたしましても、引き続き多くの皆様にボランティアにおいでいただき、信州にボランティアに来てよかったと思ってお帰りいただけるよう県や市の社会福祉協議会等と連携して取り組んでまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)債務負担行為のあり方について御質問をいただきました。  平成30年度の決算審査意見書におきまして、債務負担行為については、今後新たな設定の際には必要性、妥当性を十分精査することが必要という御意見をいただいております。しっかり踏まえて対応していかなければいけないというふうに思っております。  債務負担行為は、複数年度にわたる工事契約を締結する場合などに設定するものでありまして、歳出予算化する際にも、議会で御審議をいただいているところでございます。平成30年度決算におきましては、信濃美術館の整備や防災ヘリの購入など必要な予算措置に伴って増加をしております。  これまでも、後年度の財政負担を考慮し、事業の必要性や事業規模の妥当性を検討した上で適切な額を計上してきたところであります。今後とも、債務負担行為の設定に当たりましては、健全な財政運営に配慮して行ってまいりたいと考えております。  以上です。       〔24番埋橋茂人君登壇〕 ◆24番(埋橋茂人 君)それぞれ御答弁を頂戴しました。どうも長野県は災害が少ない県だというふうに言われているようでありますが、先般ラジオを聞いていましたら、災害救助法の発令は全国で最多、4回になるそうでありまして、同様の県が4県あるようであります。花岡議員も触れましたが、このバイアスを何とか外していかないと大変なことになるのではないか。現に、梅雨前線豪雨、昭和36年でございますが、伊那谷では死者99人、行方不明者25人、負傷者1,155人、浸水面積534ヘクタール、そして全壊家屋898戸、うち流出380戸というような大被害もあります。戌の満水の話もありましたが、このことについてはぜひ県で皆さんに…… ○議長(清沢英男 君)埋橋議員に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたので発言を終了願います。 ◆24番(埋橋茂人 君)広報、周知していただくことをお願いして、質問といたします。 ○議長(清沢英男 君)次に、加藤康治議員。
          〔5番加藤康治君登壇〕 ◆5番(加藤康治 君)台風19号による記録的な豪雨により犠牲となられました皆様に衷心より哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われました皆様に心よりお見舞いを申し上げます。県におかれましても、知事を先頭に職員の皆様が不眠不休で災害対応をしていただき、また、大変多くの皆様が災害対応に御尽力をいただいております。その全ての皆様に心より敬意と感謝を申し上げます。  今回の災害については、これまでも質疑で多くの議員が取り上げておりますけれども、私のほうからも、現場でいただいた声等を踏まえ、何点か質問させていただきます。  今回の災害からの復旧・復興に向け、政府が被災者の生活やなりわい再建に向けて取りまとめた対策パッケージにおいて、被災した中小企業に対する支援として盛り込まれた中小企業等グループ補助金につきましては、これまでも質疑が行われておりますけれども、中小・小規模事業者がまとまって復興計画を作成した場合に、施設や設備の復旧等の費用の最大4分の3、1社当たり最大で15億円が補助されます。また、被災以降に事業再建に使用した経費であれば、さかのぼって補助の対象となります。  長野市では、北部工業団地を初め、浸水により工場や生産機械に甚大な被害が発生しており、補助金により一刻も早い再建がなされるよう取り組みを進めていかなければなりません。そこで、グループ補助金の相談体制、補助金の審査や認定手続の迅速化、補助金を活用するとなると年度内に事業を完了する必要がありますが、既に12月に入っており、事業が完了できるか心配されます。年度内に完了できない事業への対応についてどのように考えているか、産業労働部長に伺います。  次に、農業被害も深刻です。長野市の長沼地域は、南北に走る国道18号がアップルラインと呼ばれるなど県内でも有数のリンゴの生産地ですが、今回の災害により壊滅的な打撃を受けてしまいました。  私も、被災されたリンゴ農家の方にお話を伺う機会がありました。もう一度アップルラインを復活させ、来年は再びお客さんに喜んでもらえるリンゴをつくりたい。しかし、立て直すには、畑にたまった泥を取り除かなければならない。また、農業用機械が水没し、新たに購入しないと栽培ができないが、かなりの金額がかかり、そのための資金がないという切実な声もいただいております。  今回の補正予算案には、被災した農作物の植えかえ用の苗などの購入や農業用機械の復旧に係る費用等についても計上されております。先ほどの埋橋議員の質問に対し、果樹の被害が多いという御答弁がございましたけれども、浸水により被害を受けた果樹農家に対する支援、また、果樹は苗の植えかえから収入を得られるようになるまでには時間がかかりますが、その間の農家に対する支援についてどのように考えているか。また、毎年多くの災害が発生する中で、災害に負けない農業をつくっていくという観点が必要だと思います。そうした災害に負けない農業をつくっていくために今後どのように考えているか。農政部長に伺います。  次に、今回の災害では、千曲川の水位上昇等により、千曲川に流れ込む支流河川からの排水ができずに内水氾濫が起こってしまった地域が数多くありました。例えば、長野市南部では、岡田川や聖川が流れる篠ノ井地域、神田川や蛭川が流れる松代地域もその一つです。再発防止に向け、根本的には千曲川の改修が必要ですが、かなりの時間がかかります。近年の気候変動を踏まえると、いつ同じようなことが発生するかわからず、流域住民の皆様も不安を抱えており、洪水氾濫への早急な対応が不可欠です。  県の地域防災計画の風水害対策編では、関係者による大規模氾濫減災協議会を活用し、洪水氾濫による被害を軽減するためのハード、ソフト対策を総合的かつ一体的に推進するという項目が本年1月の修正で新たに盛り込まれましたが、今回の災害を踏まえ、この協議会を今後どのように生かしていくのか。建設部長に伺います。       〔産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業労働部長(林宏行 君)グループ補助金の相談体制と手続の迅速化等についてお答えいたします。  まず、補助金等の相談体制につきましては、全ての被災事業者に寄り添った支援ができるよう、産業復興支援室や地域振興局での対応に加え、市町村や商工会、商工会議所及び中小企業団体中央会の指導員の皆様と連携して取り組んでまいります。  また、審査の迅速化につきましては、申請者が800社に及ぶと予想されることから、申請書類の受付業務部分を専門機関に委託するほか、グループ認定申請と補助金申請が同時に行えるよう手順の合理化を図るなど、最善、最速で対応してまいります。  年度内に完了できない事業への対応でございますが、被災事業者の業種は大変多様である上、冬に向かって年度内に完了できない事業も予想されているところです。このたびの国の予備費での対応に加え、追加の補正予算を要請し、切れ目のない予算措置を講じていただくことにより着実な復興支援に努めていきたいと考えております。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)3点御質問をいただきました。  まず、畑に堆積した泥の撤去への支援についてでございます。  千曲川の氾濫によりまして、坂城町から中野市の千曲川沿いで約810ヘクタールの畑や果樹園に土砂が堆積し、多いところでは、厚さが60センチメートルほどになっております。県では、国庫補助の災害復旧事業による早期の土砂撤去に向けまして、事業主体となる市町村と連携し、土砂が堆積している範囲や厚さの調査、また、災害査定に向けた資料作成などの支援を行っており、今月2日から災害査定が始まったところであります。  市町村では、既に査定前着工の制度を活用し、農家の同意が得られた農地から撤去を開始しておりますが、大量の土砂を処分する場所の確保が難しい状況であることから、県では、公共工事の盛土などへの活用に向けた国との情報共有も含め、市町村を支援してまいります。  また、果樹の根回りなど人力による排土が必要な場所につきましては、農業ボランティアの皆様の御協力をいただいており、引き続き技術指導などの支援を行ってまいります。  次に、被災した果樹農家の皆様への支援についてでございます。  浸水被害を受けた果樹農家に対しまして、今回、国は、特別対策としまして、園地の早期復旧に向けた果実の撤去や剪定等の経費として、10アール当たり7万4,000円の定額補助のほか、病害虫の防除等にも2万円の助成を措置しております。  また、大規模な植えかえが必要な場合には、根の除去や苗木代等の経費のほか、植えかえから収穫ができるまでの4年間の未収益期間の管理費用や代替農地での営農継続、また、改植用の苗木をみずから育成する場合等の経費などを含めまして、普通樹の栽培の場合には10アール当たり最大で114万円、高密植栽培の場合には最大で170万円を助成する対策も新たに創設されたところであります。県としましては、こうした国の手厚い支援策を最大限活用し、被災した農業者の皆様の早期の営農再開と経営安定につながるよう、JAを初め関係機関と連携して支援を行ってまいります。  続きまして、災害に強い農業づくりについてでございます。  農作物の生産に必要不可欠な農業水利施設につきましては、現在、国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を活用しまして、ため池の耐震化や豪雨対策のほか、農業用水路の長寿命化を重点的に進めております。  また、農作物の被害防止対策としまして、昨年度から、降ひょうや日やけなどを防止する多目的ネットの導入を支援する県単事業の拡充を行うとともに、国の補助事業を活用し、既存の農業用ハウスの補強等を支援しております。  さらに、災害に強い農業経営を維持するためには、本年1月からスタートしました収入保険制度や、果樹、園芸施設などの農業共済制度への加入をふやしていく必要があることから、農業共済組合等関係機関と連携しまして農業者に対する働きかけを強化してまいります。今後も、こうした事業や制度を総合的に活用しまして、災害に強い農業づくりに取り組んでまいります。  以上でございます。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)大規模氾濫減災協議会に関するお尋ねです。  御質問の協議会は、水防災意識社会再構築の施策の一環として平成29年度に県内10圏域で設置したもので、これとは別に、千曲川、天竜川など直轄管理区間に関しましても国機関を事務局として設置されております。  協議会の目的は、洪水氾濫による被害軽減に資するハード、ソフト対策を総合的かつ一体的に推進するもので、関係市町村、警察、消防などから構成されています。  今回の災害を受け、信濃川水系緊急治水対策会議で取りまとめた緊急治水対策プロジェクトについては、被災圏域の各協議会の取り組み方針に位置づけられ、対策のフォローアップが行われてまいります。  また、被災圏域以外の協議会においても、今回の豪雨、出水を踏まえた課題、教訓をもとに、必要に応じて、新たな取り組みの検討を行っていきたいと考えております。  以上でございます。       〔5番加藤康治君登壇〕 ◆5番(加藤康治 君)それぞれ御答弁いただきました。  グループ補助金につきましては、年度内に事業が完了しないということも想定されますので、そのあたりについて御配慮いただきまして、被災された事業、企業への御支援をお願いしたいと思います。  また、農業被害につきましては、1年間手塩にかけて育ててきてあと少しで収穫できるというところで浸水被害に遭い、出荷することができず、廃棄しなければならない。収入がなくなる以上につらいというお話もお聞きいたしました。被災された方が営農の再開に向けて希望を持てるよう、今後も寄り添って事業を進めていただきますようお願いいたします。また、泥の撤去というお話もありました。ボランティアの皆様のお力をおかりしておりまして大変ありがたいわけでございますけれども、やはり重機を使っての撤去というところが根本的には必要ではないかと思いますので、来春の営農の再開に向けて御尽力いただきますようお願いをいたしまして、次の質問に移らさせていただきます。  災害により自宅が被害を受け、避難所生活を送っている女性から、着のみ着のままで下着や洋服等を持たずに避難したため、避難所で相談したかったけれども、女性の職員がおらず、女性特有の悩みを相談できないというお話をいただきました。また、避難所に女性の洗濯物を干す場所がなくて困っているというお声もお聞きいたしました。  国では、男女共同参画の観点からの災害対応について、地方公共団体が取り組む際の基本的事項を示した指針を平成25年に作成いたしました。県においても、過去の災害対応の課題や教訓等を踏まえ、県内市町村で避難所運営マニュアル策定の参考としていただくための長野県避難所運営マニュアル策定指針を本年5月に策定しており、その中で、女性の視点に立った避難所運営についても掲載されております。  避難所の運営に際しては、女性職員の配置や女性特有の生活物資の提供など女性の視点の反映が重要であると思いますが、こうした国や県からの指針について、各市町村にどの程度周知され、今回の災害に生かされたのか。危機管理部長に伺います。  また、県の指針については随時必要な見直しを行うこととなっております。今回の災害では、小さいお子様をお持ちの方から、お湯を用意する必要がない液体ミルクが避難所に備えられていて助かったという声もお聞きしておりますけれども、そういった観点も踏まえ見直しを行っていく必要があるのではないかと考えますが、危機管理部長に御所見を伺います。  最後に、今回の災害で被災された地域では、それぞれの御家庭の状況により、公営住宅や応急仮設住宅などへ移り住まざるを得ない状況になってしまい、地域のコミュニティーが失われてしまっているところもあります。なれない土地に単身で移り住むことになった上に、これからどのように生活を再建していけばよいか大変不安に感じている方も多くいらっしゃいます。 過去の災害では、残念ながら避難後に災害関連死という形で犠牲になってしまった方もあり、今回の災害において、そのようなことが生じないようにしなければなりません。  平成16年に発生した新潟県中越地震の際には、地域復興支援員が設置され、被災された方に寄り添う中で、諦め感からの脱出であったり、前向きに生きていくといった心の支えになる活動を行っております。この取り組みは、長野県北部地震の際にも行われましたが、今回の災害においても、被災者の心の支えになるような取り組みが必要ではないかと考えます。  今回の補正予算案では、長野県生活支援ささえあいセンター(仮称)を新設し、センターに配置されたコーディネーターが市町村による被災者への訪問に同行するなど、市町村が行う被災者の孤立防止のための見守りや日常生活上の相談対応等を支援する経費が計上されておりますが、被災された方の心の支えとしてどのような役割を果たすのか。健康福祉部長に伺います。       〔危機管理監兼危機管理部長竹内善彦君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(竹内善彦 君)避難所運営に対する女性の視点の反映につきまして2点御質問をいただきました。  まず、避難所運営に係る女性視点での国、県の指針等についての御質問でございます。  御指摘のとおり、さまざまな方が利用する避難所において良好な生活環境を確保するためには、女性を初め障害がある方など多くの方が避難所の運営にかかわる必要がございます。  議員からもお話がございました本年5月に策定しました長野県避難所運営マニュアル策定指針では、女性の視点での避難所運営としまして、女性による物資の配布、女性専用相談窓口の設置など、実効性が確保できるよう具体的な取り組み方法を記載しております。  県といたしましては、市町村に対し、この県の指針のほか、内閣府の避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針を初めとする各種ガイドライン等を会議で説明するとともに、研修会での講習、県政出前講座での避難所設置訓練などにより周知を図ってきたところでございます。また、発災直後には、被災市町村に対し、改めてこれらの指針等に基づく避難所運営を依頼をいたしました。  いまだ災害対応中であるため、国ガイドラインや県の指針がどのように活用されたかの詳細は承知しておりませんが、今後も、市町村防災担当課長会議や市町村トップフォーラムなどの機会を通じまして、これらのさらなる周知徹底を図ってまいります  次に、県指針への液体ミルクの反映についての御質問でございます。  今回の災害でも、長野市の避難所の方からの求めに応じまして約100個の乳児用液体ミルクを支援しておりますが、災害発生時、飲料水の確保が困難となった場合、小さいお子様をお持ちの方にとって、この乳児用液体ミルクは有用でございます。ただし、残った乳児用液体ミルクは破棄する必要があるなど、利用に当たっては留意すべき事項もありますので、適切な利用方法を踏まえた上で県の指針に盛り込んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)私へは、長野県生活支援ささえあいセンターの役割について御質問いただきました。  今回の災害で、仮設住宅や借り上げ住居に移られる被災者の皆さんについては生活の再建のスタートとなりますが、同時に、地域コミュニティーから分断される懸念もございます。新しい環境の中で安心した日常生活を営むことができるよう、孤立防止のための見守りや日常生活上の相談などの個別支援が必要になると認識しております。  このため、市町村においては、生活支援相談員を配置し、安否確認や各種相談の受付、専門支援機関へのつなぎ、新たなコミュニティーづくり等を行うことを検討しております。県が設置する生活支援ささえあいセンターは、こうした市町村の活動を後方で支援するため、コーディネーターを配置し、市町村の生活支援相談員からの相談対応やアドバイザー派遣、複数の市町村間の連絡会議の開催のほか、市町村の生活支援相談員の訪問に同行し、県として直接被災者ニーズの把握することにより被災者の心の支援となる必要な市町村支援を行ってまいります。  以上でございます。       〔5番加藤康治君登壇〕 ◆5番(加藤康治 君)それぞれ御答弁をいただきました。  避難所は、被災された方が快適に生活できるよう支援しなければならないというふうに思います。避難所運営につきましては、今後も女性の視点の反映といったきめ細かな配慮をお願いしたいと思いますし、これから検証も行われると思いますけれども、ぜひ今後の検証を踏まえて、そういった部分についてしっかり反映していただきますようお願いしたいと思います。  また、避難所もこれで閉鎖されて、周りに知り合いがいないという方もいらっしゃると思います。ぜひ引き続き心の支えになるような取り組みをお願いしたいと、このように思います。  被災された皆様の共通の思いは、二度と同じ災害を経験したくないということだと思います。しかし、仮にもとの生活に戻ることができたとしても、再び同じ災害が起こるのではないかと不安を感じている方も数多くいらっしゃいます。そうした皆様の不安を取り除くため、今回の災害を教訓とし、二度と同じことが起こらないよう、知事もよりよい復興とおっしゃっておりますけれども、今後も被災された皆様に寄り添いながら、災害から命や暮らしを守る安全、安心の長野県構築に向け御尽力いただきますことをお願いいたしまして、一切の質問といたします。ありがとうございました。 ○議長(清沢英男 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時52分休憩          ──────────────────         午後1時開議 ○副議長(荒井武志 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  清水正康議員。       〔4番清水正康君登壇〕 ◆4番(清水正康 君)まずは、台風19号でお亡くなりになられた皆様に衷心より哀悼の意を表します。また、被災された皆様に対し、心からお見舞い申し上げます。  今回は、大きく3点質問いたします。まずは総合的な治水についてです。  多くの方から質問や提案、要望がありましたが、台風19号は大きな災害をもたらし、県内では、特に千曲川水系の各所で甚大な被害となりました。県は、国そして市町村と連携し、被災地の対応をしておりますが、今後、今回と同レベルの台風が訪れても、災害を抑える、もしくは影響を最小限に抑える必要があります。  先週金曜日、29日に、信濃川水系緊急治水対策会議が行われ、この中で、「被害の軽減に向けた治水対策」、「地域が連携した浸水被害軽減対策の推進」、「減災に向けた更なる取り組みの推進」を3本柱に緊急治水対策プロジェクトをまとめるとの話がありました。千曲川水系の治水対策が早急に進むことを期待します。同様に、県内全ての河川においても治水対策プロジェクト、災害を未然に防ぐ、また、減災に向けた取り組みが必要と考えます。  北海道や東京都、兵庫県など他の都道府県では、総合的な治水対策を設けているところもあります。中でも、滋賀県は、滋賀県流域治水の推進に関する条例を制定し、どのような洪水でも最優先で人の命を守る、床上浸水など生活再建が難しくなる被害を避けることを目指しております。こういった他県の取り組みのよいところは取り入れ、今回の台風19号の災害を大きな教訓とすべきと考え、質問をいたします。  治水に対する県の方針、姿勢を明確にするために、県全体の総合治水に関する条例等を制定すべきと考えますが、所見について伺います。また、多くの河川の上流域に当たる当県で河川の流れをコントロールすることは、下流域にある他県に大きな影響を与えますが、このことについての見解をお答えいただきたいと思います。  以上2点、阿部知事に質問いたします。  大きく二つ目、RPA、AI等のITシステムの今後の活用についてです。  昨年度から、県は、業務の効率化で本来行うべきサービスの充実を図るために、RPA事業、事業プロセスの自動化技術やAIなどの実証実験を始めています。RPAについては、30年度、時間的に13%に圧縮された業務や21%に圧縮された業務などもあり、本年度はさらに30に対象業務をふやして取り組んでおります。また、AIについては、精度の向上が不可欠ですが、他の先進自治体の取り組みを調べると、業務の効率化の可能性は大いに期待ができると感じております。  そこで、県の今後の取り組みについて質問いたします。  1、RPAについて、県は、令和4年度までに適用業務数を150程度まで拡大する、サーバー型RPAに切りかえるといった目標を定めておりますが、目標に対しての今後の進め方と課題の認識について伺います。  2、地域振興局や建設事務所などの現地機関でも適用業務をふやす取り組みが必要と考えますが、今後の見通しについて伺います。  3、さらに、業務の効率化という部分では、市町村、特に職員数の少ない町村では大いに期待が持てると考えますが、小規模自治体では、費用面また研修面において導入のハードルが高いという実情もあります。また、RPAやAIなどのITシステムのスケールメリットを考えると、より広域的に行うべきと考えます。RPA、AI等のITシステムについて、県と市町村とで共同調達、共同利用する仕組みを検討すべきと考えますが、県の方向性を伺います。  以上3点を伊藤企画振興部長に質問します。  また、県がリーダーシップを発揮して、県と市町村でRPAの活用を推進することにより、事務処理の時間縮減など多くの効果が得られます。さらに、それだけではなく、抜本的で持続的なBPR、業務フローを見直して再設計をするということですけれども、これに発展させることが可能と考えます。また、市町村の見本となる県職員の働き方改革につなげることがRPAの活用を推進する取り組みとして重要とも考えます。県の取り組み状況と今後の展開について関総務部長に質問いたします。  大きく3点目、自然保育・教育についてです。  10月から幼児保育の無償化が始まりましたが、国の制度では、認可外の施設等に通う幼児に対しては、保育の必要性などの条件があります。そのような条件から、県は独自に認定する自然保育の認定園については、保育料の2分の1を補助し、残りの2分の1を市町村に担うよう要望しており、現在、対象の児童がいる、いないもありますけれども、7市町村が対応をしております。  県として、自然保育を、「豊かな自然環境や地域資源を積極的に活用した様々な体験活動によって、子どもの感覚が豊かに刺激され、子どもの主体性、創造性、社会性、協調性等が育まれ、心身ともに健康的に成長することを目指した保育」と定義し、「子どもの自然の恵みに対する感謝の気持ちを醸成するとともに、子どもが本来持っている自ら学び、成長しようとする力を育むこと」を基本理念に据えております。その自然保育を積極的に行っている保育施設に通う子も、認可外施設の場合は、住んでいる市町村によって保育料の無償化の対象となっていないことがあります。つまり、同じ園に通っていても、保育料が無償化されている子と有償の子がいるという状況があります。  そこで、質問をします。県として認定している自然保育について、その理念を市町村へさらに浸透させ、2分の1の負担を全市町村に広がるようにすべきと考えますが、県の認識を伺います。  また、平成29年に始まった信州型自然保育認定団体助成事業は、本年、3年目になります。このような運営の安定化などに対する補助金は3年を限度にする場合がありますが、この助成制度には、保育者、つまり先生方の処遇改善も含まれており、次年度以降も同様に継続すべきと考えますが、今後の方向性について伺います。  以上2点を増田県民文化部長に伺います。  もう1点、先ほど読み上げましたが、自然保育の基本理念は子供たちの育ちにとても重要であります。小学校でも、芋掘りや稲作などの体験を行っている学校が多いですけれども、自然保育の理念を就学以降もつなげ、幼児期から小中学校への一貫したものにすべきと考えますが、県の所見を轟教育次長に伺います。  以上、総合的な治水について、RPA、AI等のITシステムの今後の活用について、自然保育・教育について、大きく3点、答弁をお願いいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)治水について御質問いただきました。
     まず、条例についてでございます。条例は、私はあくまでも手段であって目的ではないというふうに思っております。  今、台風19号災害を受けて、全力で災害からの復旧・復興に取り組ませていただいているところでございます。また、千曲川の緊急治水対策については、国とも連携して、市町村とも一緒になって取り組んでいかなければいけないという状況であります。そういう中で、まずは今後の治水の側面でどういう対策が必要かということをしっかり考えていきたいというふうに思っております。  下流域の県に与える影響についての見解ということであります。  長野県におきましては、これまでも下流域の県等と整備の目標について調整を行ってきております。今後とも、流域全体の関係者と連携をしながら、上下流の安全度がバランスよく上がるよう取り組んでいきたいというふうに思いますし、あわせて、千曲川については、国による一元管理を求めていきたいと考えております。  以上です。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)RPA、AI等のITシステムの今後の活用について三つ御質問いただきました。順次お答えいたします。  まず、RPAの活用を進める上での課題についてですけれども、現在のRPAの適用業務の拡大を順次図っているところですけれども、これを進める上では、これを使いこなせる職員の育成と、いわゆるヘルプデスクと言われるような職員のサポート体制の整備、こういったものが課題であるというふうに思っております。  今後、より多くの職員がRPAを活用できるようにするためには、サーバー型と呼ばれる環境の構築も必要となってまいります。これにつきましても、導入コストの問題や運用ルールの整備といったものが課題となってくると思います。こういったものを民間の知見も活用しながら対応していき、RPAの活用を推進してまいりたいと考えております。  それから、現地機関におけるRPAの活用の取り組みと今後の見通しについてですけれども、RPAの操作研修につきましては、本庁職員だけではなく、現地機関の職員も参加しやすいように県内4地区で開催いたしました。全受講者のうち約3割が現地機関の職員というふうになっておりまして、これがきっかけで実際に時間外勤務入力業務への適用をスタートさせた機関もございます。  地域振興局や建設事務所では、各所属共通の業務にRPAが適用できれば、ほかの地域の事務所へも横展開が期待できるところでありまして、職員への好事例の紹介を通じまして適用業務の掘り起こしを行ってまいりたいと考えております。また、現地機関の職員がRPAを活用しやすいような環境整備についてもあわせて検討してまいります。  最後に、ITシステムの県と市町村での共同調達、共同利用する仕組みの検討についての御質問です。  ITシステムや先端技術の活用に当たりましては、共同利用者がふえればふえるほど効率性が上がるという、いわゆるスケールメリットが発揮されまして、1単位当たりのコストは下がりますし、また、そのシステムの利用価値も高まりますので、多くの市町村と連携して取り組むことが大変効果的であるというふうに考えております。  現在、市町村が利用するITシステムにつきましては、全市町村が参加する長野県市町村自治振興組合が中心となりまして、情報交換や共同調達、共同利用の推進を行っております。  例えば、高速情報通信ネットワークや電子申請届出サービスなど県と市町村が共同で活用できる汎用的なシステムにつきましては、共同調達、共同利用が進んでおります。しかし、市町村のみで利用する個別業務システムについてはなかなか進んでいないという実態がございます。  このため、県と市町村による先端技術活用推進協議会といったものを来年4月に設置しようと、今、県と市長会、町村会とで調整をしているところであります。この協議会を核としまして、県と市町村によるITシステム等の共同調達、共同利用を進めるとともに、県内全域での先端技術の利活用の促進を図ってまいりたいと考えております。  以上です。       〔総務部長関昇一郎君登壇〕 ◎総務部長(関昇一郎 君)ITシステムの導入にあわせた県職員の働き方改革の取り組み状況と今後の展開についてのお尋ねであります。  IoT等の急速な進展により、自治体職員の働き方のスタイルそのものが大きく変貌しようとしており、現在も、テレビ会議や電子決裁、テレワークの導入などに取り組んでおります。  本県では、RPA、AI等の先端技術を活用した業務拡大に加えまして、今年度から、ノート型パソコンからコンパクトで持ち運びが容易なモバイルパソコンへの移行を進めておりまして、3年間で全職員への拡大を図る予定であります。  これを契機といたしまして、遠距離からの移動コストを削減するウエブ会議の推進や、電子決裁を初めとする公文書の電子化、ペーパーレス化、出張先や自宅などでもメールチェックや事務処理を行うモバイルワークの推進など抜本的な拡大を図るほか、業務プロセスの標準化にも取り組みながら仕事の効率化を進めていきたいと考えております。  また、先端技術の導入は、あくまで働き方改革の一つの手段でありますので、これらの技術を使いこなす人が重要になります。働き方改革を真に実現するため、人材の育成、さらにはコミュニケーションの活性化や協力をし合う文化といった組織風土の改革にもあわせて取り組んでいきたいと思っております。  以上であります。       〔県民文化部長増田隆志君登壇〕 ◎県民文化部長(増田隆志 君)やまほいく認定園について2点御質問をいただきました。  まず、1点目の市町村支援への拡大についてでございますが、議員御指摘のとおり、やまほいく認定園のうち、認可外保育施設を利用する児童につきましては、保育の必要性の認定がない場合は幼児教育無償化の対象となっておらないところでございます。  県では、自然保育を推進していくために、無償化の対象とならない児童が10月1日現在で109名いらっしゃいますけれども、この児童に対して本年10月から保育料の2分の1に相当する額の助成を行いますとともに、市町村へも協力を依頼してまいったところでございます。その結果、7市町村にお住まいの76名に対して市町村からも助成をいただいている状況になっております。  一方、12市町村にお住まいの33名は県の助成のみという状況でございますので、次年度に向けて引き続き市町村へ趣旨を説明し、協力、助成をお願いしてまいります。  次に、運営費助成事業の今後の方向性についての御質問でございます。  御質問にございましたように、既存の保育・教育制度による公的助成を受けていない信州やまほいくの認定団体に対しまして、信州型自然保育認定団体助成事業を実施しております。 本年度におきましては、10団体がこの事業により助成を受けられまして、保育者の処遇向上あるいは運営の安定につながっていると認識をしておるところであります。  次年度の予算編成はこれからでございますが、当助成事業など有効かつ必要な支援を行い、質が高く県民に信頼される信州型自然保育を推進してまいりたいと考えております。  以上です。       〔教育次長轟寛逸君登壇〕 ◎教育次長(轟寛逸 君)自然保育の理念を幼児期から小中学校へつなぐ学びについてのお尋ねでございます。  本県では、自然保育を初めといたします幼児教育を、主体性や創造性、互いを認め合うコミュニケーション力などその後の学びの基礎を形成するものとして位置づけて、幼児教育段階で丈夫な根っこを育み、それを小中学校以降の太い学びの幹へと育てていきたいと考えております。  そこで、本年度設置いたしました信州幼児教育支援センターでは、信州やまほいくの認定園を含みます質の高い幼児教育の取り組みをしている園で実践的に学ぶフィールド研修を実施しておりまして、その研修には保育士とともに小学校の教員も参加して学んでおります。また、幼児期の子供の育ちを小学校での主体的、探究的な学びにつなげていけるよう、幼保小接続カリキュラムの開発を行っているところでございます。  あわせまして、既に小中学校での自然教育、野外教育の推進も始めておりまして、長野県の多くの学校が取り組んでおります米づくりやキャンプ、登山などを発達段階に応じた学びに位置づけるプログラムを作成いたしました。  今後は、幼児教育支援センターの取り組みと相まって、さらにこの取り組みを充実させて、幼児期と義務教育段階の学びをつなげて、たくましく未来を切り開いていく力や新たな価値を創造する力を育んでまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔4番清水正康君登壇〕 ◆4番(清水正康 君)それぞれお答えをいただきました。  総合的な治水については、先ほど、知事から、条例等は手段であって目的ではないというお話がありました。また、現在、千曲川水系ということでさまざまなことを検討していらっしゃるかと思いますけれども、やはりそれも、全県の全ての河川において適用できるような総合的な治水につなげていっていただきたい、そのように思います。  今回被災した地域はもちろんそうですけれども、県内で同じような被害が将来にわたって起きないよう、子供たちやその次の世代、将来の世代が悲しむことがないよう、長野県としても治水について総合的に検討をお願いしたいと思います。  現在、スペインで行われておりますCOP25で、昨日、ドイツの環境NGOは、昨年1年間に異常気象で世界で最も深刻な被害を受けたのは、記録的な豪雨や猛暑に見舞われた日本だったとする分析を発表し、同じ年に複数の極めて異例な気象災害に見舞われるのは、地球温暖化の影響を抜きには考えにくいとしました。海に囲まれた日本ですから、温暖化の影響が大きいのは当然であると感じております。一刻も早く温暖化対策が進むことを願っておりますが、残念ながらしばらくは温暖化が進んでしまうと感じる中、今回のような100年に一度と言われる災害が高頻度で起きることも考えられます。提案した総合治水条例はつくらなくても、将来にわたって県の安全、安心が増すよう、これまでの経験、さまざまな情報、先進事例を取り入れ、御検討いただくよう要望いたします。  RPA、AI等のITシステムの今後の活用についてですけれども、これにつきましては、やはり使いこなす人、また、そのサポートというような部分が課題かと思います。しかし、これに手をつけている自治体はもう既にあります。ただ、その手をつけている自治体がそれぞれ勝手なことをしていくと、最後のスケールメリットという部分で大きな意味がなくなるのではないか、そのように思います。ぜひ県がリーダーシップを発揮して、自治体間の連携や横展開、そういった部分に力を注いでいただきたいというように思います。  来年4月から共同利用に関する事業が始まるというようなお話がありました。それにつきまして大きく期待をしておりますので、ぜひ県内で大きなメリットを生むような取り組みをお願いいたします。  自然保育・教育についてですけれども、今年度からつながっている部分ということで御紹介をいただきました。信州というのは、やはりこの山、川、自然というのが大きな魅力かと思います。昔は、山や川で自然に遊ぶことは当然のようにありましたが、現在はその場を用意しなければ遊べないという状況もあります。ぜひ、信州らしい場所で遊ぶ、過ごすというような子供たちの経験をもっともっとふやしてほしい、そのように思います。  原風景として子供たちの心に残り、そして、大きくなって世界に羽ばたいてもまたこの地域に戻る、地域に還元、地域に帰ってこよう、そのような気持ちが生まれる、そういうことも考えます。ぜひ、信州の自然に触れて育つという、そういった教育を強く要望いたします。  以上で一切の質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(荒井武志 君)次に、竹花美幸議員。       〔17番竹花美幸君登壇〕 ◆17番(竹花美幸 君)竹花美幸でございます。本日の私の質問は三項目でございます。  まず初めは、浸水想定区域図、洪水ハザードマップの作成についてからです。  今回の台風19号において、千曲川で作成された洪水ハザードマップの精度が高かったことが図らずも証明されました。今までは、洪水ハザードマップを見せられても、本当かな、洪水なんて本当にくるのだろうか、こんなに洪水するのかなと疑っていた方々が多かったと思います。ですが、今後は、同規模の雨が予想された場合には、まず図面を見て、県民の皆様はどこに避難しようかと考えるでしょう。  私が実際にお聞きしたお話ですが、災害の後に、多くの方が危険な目に遭っていたということを知らされました。それは、市が指定した避難所に行くことができなかった。そういった方々や地域がございました。定められた避難所は地域内の小学校でしたが、もしそこに向かっていたならば、河川の氾濫に巻き込まれ、多くの方が命を落とされていたかもしれません。 しかも、市が作成した防災マップを見ると、その1級河川の浸水想定区域が示されていないので、その危険を想像することすらできません。市民が途中で気づき、事なきを得ましたが、これがもっと夜間だったり、地理に疎い方が指定された避難所に向かったとしたら、考えるだけでも恐ろしくなります。  1級河川全てに洪水ハザードマップが作成されれば、市町村が作成する防災マップは大きく変更されることでしょう。この地域は地域内の小学校が指定避難所という単純な設定ではなく、地震のときは地域内の小学校だけれども、洪水が予想されるときには隣の地域にあるコミュニティーセンターへというように、より安全な避難場所の設定が可能となると同時に、全ての県民の皆様が自分の身を守るための行動が把握しやすくなるでしょう。  河川は、私たちの生活に豊かな恵みをもたらしてくれますが、一方で、一度牙をむくと全てを奪う凶器と化します。現在、千曲川等の大きな河川しか浸水想定区域図、洪水ハザードマップが作成されておりません。県民の命と安全を守るため、今こそ、住宅密集地を流れる河川を優先的に、浸水想定区域図、洪水ハザードマップの作成を進めていくべきと考えます。  そこで、2点について長谷川建設部長にお伺いさせていただきたいと存じます。  まず1点目です。県内の1級河川について、現在の浸水想定区域図、洪水ハザードマップの作成状況はどうでしょうか。また、作成に係る課題があればお聞かせ願いたいと存じます。  2点目は、佐久市内には30もの1級河川がございますが、千曲川、滑津川、湯川、志賀川以外の26河川については、現在、浸水想定区域図が作成されておりません。特に、望月地域を流れる鹿曲川を初め全ての1級河川に浸水想定区域図の作成をお願いしたいと、過日、県に地域の要望を申し上げたところでございます。  市町村がハザードマップを作成するためには、浸水想定区域図が必要となります。今こそ、自分の身を、命を守るための行動を、一人一人が真剣に考えねばなりません。浸水想定区域図未完成の河川について、今後の作成方針についてお伺いさせていただきます。  続いては、県土の強靱化を支える建設産業の育成についてでございます。  私たちの国における建設投資額は、平成4年度(1992年度)の84兆円から、平成22年度(2010年度)には約43兆円まで落ち込み、現在は53兆円、ピーク時の約37%の減少という状況です。  国の公共事業関係予算は、平成10年の14.9兆円から、平成23年度は5.3兆円、これは、いずれも国費ベースですが、ピーク時の35%程度まで縮小しており、最近では国土強靱化3カ年計画等の推進により6.9兆円まで戻してきております。  一方、こうした予算の減少とともに、全国の建設業就業者数も、平成9年の685万人から平成30年の503万人と、ピーク時に比べて27.3%の減少となっています。また、産業別就業者の平均年齢の推移も、2016年時点で全産業の45.3%に比べ、建設業は47.4%と非常に高く、実に就業者の約3割が55歳以上となっており、このままでは地域の安全、安心を守る建設業の将来的な存続が危ぶまれる状態と言っても過言ではないと思います。  こうした中、地球温暖化に起因すると言われる異常気象は激化の一途をたどり、時間雨量50ミリメートルを上回る大雨の発生件数はこの30年間で約1.4倍にも増加し、平成29年度の九州北部豪雨、昨年度の西日本豪雨、そして今回の台風19号による災害と、全国的に大規模な災害が頻発しているのは周知のとおりです。  また、冬期間においても、近年、尋常ではない降雪状況が続いており、平成30年2月の豪雪では、福井県を中心とした北陸地域が孤立状態に陥り、雪が比較的少ないとされる我が佐久地域におきましても、平成26年2月には軽井沢町で約1メートルの積雪を記録し、国道18号や国道141号などの主要幹線が通行どめとなり、日常生活が麻痺したことも記憶に新しいところです。  さて、こうした状況の中で、今回の台風19号の災害のように、道路の土砂崩れ、護岸の決壊、畑や田を埋め尽くした土砂の片づけ等、何かあれば真っ先に現場に駆けつけ、重機を動かし、また、冬期においては昼夜を問わず除雪作業に繰り出してくださる建設業の存在は、まさに地域の安全、安心を守ってくれる心強い存在でございます。  建設業を取り巻く環境の変化については、担い手3法の改正について、平成26年に公共工事品確法、建設業法、入契法を一体となって改正し、建設業が適正な利潤を確保できるよう予定価格を適正に設定することやダンピング対策を徹底することなど、建設業に担い手確保の中長期的な育成確保のための基本理念や具体的措置が規定されてきたところでございます。  さらには、相次ぐ災害を受け、地域の守り手としての建設業への期待や働き方改革促進による建設業の長時間労働の是正、i-Construction推進等による生産性の向上、災害時の緊急対応強化を目指し、令和元年、本年ですが、6月には再び担い手3法の改正が行われたところでございます。  そこで、2点について長谷川建設部長にお伺いさせていただきたいと存じます。  こうした法改正のもと、建設業が今後も地域のインフラ整備、維持の担い手であると同時に、地域の安全、安心の確保を担う守り手であり続けるために、働き方改革の観点、また、生産性の向上という両方の観点から、県はどのような取り組みを行っているのでしょうか。さらに、課題と今後の取り組み方針についてもお伺いさせていただきます。  また、事業継続という観点におきましては、新規就労者をふやす取り組みということが必要であると考えます。県は、高校等と連携して現場実習等の取り組みを行っていると思いますが、その現状、あわせて課題と今後の取り組みについてもお聞きしたいと存じます。  続いては、阿部知事にお伺いいたします。  今回の台風19号は、残念ながら長野県に甚大な被害が生じてしまいました。今回の被害を受け、知事は被災地域を数多くごらんになり、被災された住民とも接してこられたと思います。佐久市にも早い段階でお足を運んでいただきました。おかげさまで、工事は進捗し、復旧に向け建設業の皆様が重機を動かす光景は、まさに地域の守り手として頼もしく、欠かせない存在であります。知事は、本格復旧について、より災害に対して強靱な地域をつくるという考え方を持ちながら取り組んでいくと招集挨拶でお話しされました。そこで、県土の強靱化を支える建設産業が今後将来にわたって持続的に発展できますよう、県の取り組みに対する決意をお聞かせ願いたいと存じます。  続いては、乳がん検診についてでございます。  近年、乳がんは、年間約7万2,500人が発病し、約1万3,000人の方が命を落とされています。女性にとって最も恐るべきがんの一つになっておりますが、女性だけの病気ではなく、乳腺組織があるため、実は男性がかかることもございます。長野県においては、近年、200人を超える方が乳がんでお亡くなりになっており、粗死亡率は10%を超えております。  日本女性の特徴は、欧米と異なり、40代後半に最も頻度が高く、20代、30代でかかることも珍しくありません。家庭や社会で働き盛りを襲う疾患です。今後しばらくは、罹患率、死亡率ともに上昇が続くと予想されています。そのような現状の中、女性にとって乳房はシンボル的なものであり、それががんでなくなることは、女性にしかわからない、はかり知れない苦痛を伴います。乳がんはほかのがんと異なり、年齢層が若いので、例えば、結婚、出産、子育てなどその後の人生にも大きく影響してまいります。  それだけに、乳がん検診の役割は重要であり、早期発見につながります。しかしながら、長野県のがん検診受診率は50%に至っておらず、また、実施内容も市町村に委ねられております。  乳がん検診には、触診、マンモグラフィー、超音波検査がありますが、これらを組み合わせることにより精度が向上すると言われています。  しかし、マンモグラフィーによる検査は、人によっては痛みを感じる方もおり、検査を受けることに抵抗感がある女性も少なくありません。その点、超音波検査は侵襲性が少なく、短時間で実施が可能なことから、検診には向いている検査ですが、一方で、担当技師の力量に左右されるともお聞きしました。  乳がんの超音波検査は、77市町村中53市町村で実施いたしておりますが、全ての市町村で望めば受けられる体制には至っておりません。この理由として、市町村の理解度や超音波検査に携わる技師不足が推測されます。乳腺超音波検査に関して、今後、一定基準を満たした検査技師の養成が必要であるとともに、乳がん検診については、実施内容はそれぞれの市町村に委ねられてはおりますけれども、長野県内どこに住んでいても、どの市町村においても、一定水準の検診ができる、受けられる体制を構築していく必要があると考えます。  県では、平成25年に長野県がん対策推進条例を制定し、がんと向き合う週間も設けられています。がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会の実現を目指して、県民の皆様及び関係機関・団体と連携して、さまざまながん対策に取り組んでおられることは周知のとおりです。  そこで、3点について大月健康福祉部長にお伺いさせていただきたいと存じます。  まず1点目です。がんの早期発見には検診が重要でありますが、乳がん検診の受診率の現状と課題についてお伺いします。  2点目として、今後、受診率向上のためにどのように取り組んでいかれるのか。さらに、がん検診の重要性を周知するイベントを定期的に開催することも必要であると考えますが、いかがでしょう。  3点目は、乳がん検診として、現在、マンモグラフィー検査と超音波検査が実施されておりますけれども、乳腺超音波検査につきましては、県内どこに居住しても望めば受けられる体制が必要と考えます。乳がんから女性を守るために、県内どの市町村においても一定水準の検診を、良質な検査を受けられる体制を構築していくことは、県の責務と考えます。特に、超音波検査の技術、精度の向上のため、検査に携わる医療従事者の養成について、県として関係機関等への支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。  以上3項目につきまして明確な答弁をよろしくお願い申し上げます。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)初めに、浸水想定区域図及び洪水ハザードマップについてのお尋ねでございます。  浸水想定区域図につきましては、172河川において100分の1確率の降雨に対応した区域図を平成20年度までに公表済みです。さらに、平成27年度の水防法の改正により義務づけられた1,000分の1確率の降雨に対応した浸水想定区域図について現在25河川で公表済みであり、残りの9河川についても本年度中の公表を予定しております。  また、市町村が作成する洪水ハザードマップについては、現在55市町村で作成、公表済みです。今回の水害を受けて、改めて浸水想定区域図等の有用性が確認されたところですが、県内では700を超える中小河川があり、多くの中小河川では未作成となっていること等が課題となっております。  次に、浸水想定区域図が策定されていない河川などへの今後の対応方針についてでございます。  台風19号災害では、浸水想定区域図が未策定の中小河川での浸水被害も発生しており、市町村から区域図の作成要望をいただいております。そこで、県といたしましては、市町村と協議をしながら、未策定である中小河川のうち流域に保全対象がある河川を中心に浸水想定区域図の追加を検討してまいりたいというふうに考えております。  次に、県土の強靱化を支える建設業の働き方改革及び生産性の向上についてのお尋ねでございます。  県では、建設業の働き方改革推進の観点から、平成30年度より週休2日工事の推進、また、生産性の向上に向けた取り組みでは、平成28年度より情報通信技術、いわゆるICT技術を活用した工事の推進に取り組んでいます。  実施の状況でございますが、平成30年度入札を行った対象工事の実績で、週休2日工事については約2割、ICT技術活用工事については約3割にとどまっております。受注者がこれらの工事を実施した場合には、必要経費を工事費に加算するとともに、工事成績の加点も行っていますが、浸透が図られておらず、実績が少ないのが課題でございます。  今後の実績をふやす取り組みとして、今年度から、県がこれら工事を指定して発注する取り組みを始めておりまして、また、来年度からは、工事を実施した技術者を評価する総合評価落札方式の導入も考えております。  県といたしましては、建設業の働き方改革の推進及び生産性の向上に向け、これらの取り組みを推進し、建設業が地域の安全、安心の担い手であり続けられるよう努めていきたいと考えております。
     次に、高校等と連携した就労促進の取り組みについてのお尋ねでございます。  建設系学科高校生等の就労促進に係る取り組みについては、産学官連携のもと、工事現場見学、測量・設計実習、重機操作研修、企業研修等を実施しており、今年度は、11月末現在で、13校延べ1,800名を超える生徒に御参加いただきました。  また、本年度、建設産業の次世代を担う人づくり推進事業に着手し、高校生等が測量、設計、工事のプロセスを自ら実践するとともに、土木・建築施工管理技士の資格を取得できるよう支援する取り組みを進めております。  課題といたしましては、高校に建設系学科が設置されていない地域での取り組みが十分でないことや、資格取得支援の対象となる資格が限定されていること等が挙げられます。今後につきましては、これまでの取り組みを継続して実施しつつ、資格取得支援については、業界から要望のある測量士の追加を検討してまいります。さらに、建設系学科が設置されていない職業科のある高校や普通科においても建設産業への理解促進を図る取り組みを検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)県内の建設産業が持続的に発展できるよう取り組む決意という御質問でございます。  建設産業の皆様方には、今回の台風19号災害におきましても、長野市穂保での土砂撤去を初め、応急復旧、災害調査等、発災直後から昼夜を問わず最前線で御尽力をいただいております。このことに対して改めて感謝申し上げたいと思います。改めて、地域の守り手として、建設産業の皆様方が担っている役割は大変重要だというふうに考えております。  これまで、県としては、建設業の経営安定と労働環境の整備を一体的に進める取り組みということで、予定価格の適正な設定や施工時期等の平準化、また、週休2日工事の推進などに取り組んできたところでございます。  また、昨年度、長野県就業促進・働き方改革戦略会議に設けた建設分野会議におきまして、担い手確保育成や、働きやすい環境づくりなどについて19の取り組みを取りまとめたところでございます。  県といたしましては、こうした施策をより一層推進していくことによりまして、地域の安全、安心を担っていただいております建設産業が将来にわたって持続的に発展していくことができますよう取り組んでいきたいと考えております。  以上です。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)私へは、乳がん検診について3点御質問いただきました。  まず、乳がん検診受診率の現状と課題についてでございます。  長野県がん検診実施状況調査において市町村が実施する住民を対象とした乳がん検診の受診率は、平成29年度29.4%で、近年ほぼ横ばいで推移しております。また、国等の数値目標の根拠として用いる国民生活基礎調査では、平成28年における本県の乳がん検診受診率は48.2%、全国第15位で、国の目標値である50%を下回っております。  がん検診を受けない理由として、平成28年度県政モニターアンケートでは、心配なときは医療機関を受診できる、定期的受診は面倒といった回答が挙げられており、がん検診に係る正確な情報を対象者に伝え、いかに検診受診の意識を高めるか、それが課題となると考えております。  次に、乳がん検診受診率向上に向けた取り組みについてでございます。  がん検診受診率の向上のため、長野県がん対策推進条例で定めるがんと向き合う週間にあわせて、がんに罹患した著名人等による講演会、保健福祉事務所での街頭啓発を行っております。特に、乳がんについては、平成30年度から長野県がん対策推進企業連携協定を締結した団体等と県の共催により、検診と治療の内容を広く知っていただくための乳がん市民公開講座を開催するなど、新たな取り組みを進めております。  市町村においては、40歳に達した場合などの節目に無料クーポン券の発行を行っているほか、他市町村の医療機関で乳がんや子宮頸がん検診が受けられる相互乗り入れ制度を実施するなど、利便性の向上に配慮しているところであります。さらに、個別通知などの好事例を市町村に提供、提案することで、乳がん検診受診率の向上に努めてまいります。  最後に、超音波検査にかかわる医療従事者の養成への支援についてでございます。  乳がん検診として国が推奨するマンモグラフィー検査は、平成29年度に県内全ての市町村で実施されております。超音波検査については、死亡率減少効果が明らかでないため、国では市町村が行う検診として位置づけておりませんが、実際には多くの市町村の乳がん検診において実施されていることから、その検査に携わる者の技術向上は重要であると認識をしております。  一方で、超音波検査に携わる者の養成には、医師会、臨床検査技師会などの協力が必要であり、関係団体の意見もお聞きしながら県としての支援のあり方について検討してまいります。  以上でございます。       〔17番竹花美幸君登壇〕 ◆17番(竹花美幸 君)御答弁賜りました。  まず、浸水想定区域図、洪水ハザードマップにつきましては、一つでも多くの河川が作成できますよう、県、市も厳しい財政状況でございますので、ぜひ国へ作成についての財政支援を強くお願い申し上げていただきたいと存じます。  それと、乳がん検診についてですけれども、超音波検査の技術、精度の向上のため医療従事者の養成に取り組もうとしている志高い団体の皆様が実際におられます。医療費削減のためにも検診の質を上げていくということはとても大事なことですので、そのための人材育成は重要なことでございます。今後ぜひ御支援をいただき、長野県内どこに住んでいても良質な検査が受けられる体制が一日も早く整うことを願うとともに、さらには、この取り組みが全国に広まり、乳がん撲滅に向かうことを御期待申し上げまして、ちょうど時間でございますので、私の一般質問は以上で終了させていただきます。ありがとう存じました。 ○副議長(荒井武志 君)この際、15分間休憩いたします。         午後1時50分休憩          ──────────────────         午後2時6分開議 ○議長(清沢英男 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  依田明善議員。       〔34番依田明善君登壇〕 ◆34番(依田明善 君)自由民主党県議団、依田明善でございます。それでは、早速質問をさせていただきます。  今回の台風19号は、特に東北信地域に甚大なる被害をもたらしました。道路に関しては、完全に寸断されてしまった箇所は復旧までまだ時間はかかりますが、それ以外については仮復旧が進み、私の地元でも片側通行できるまでには回復しております。これにつきましては、まず何といっても建設業者の力によるところが大きいことは言うまでもありません。自衛隊とともに行った昼夜を分かたずの作業はいまだに目に焼きついておりますが、自衛隊が撤収した後も、建設業者による懸命の作業は続いております。  ただ、問題は、今後の災害復旧あるいは改良復旧工事が計画どおりに進むか否かということであります。つまり、端的に言って、業者が足りない、人手が足りないということであります。おそれていた事態がいよいよ現実となってまいりました。  かつて、公共工事は悪だとレッテル張りをされた時代があります。その批判の矢面に立たされたのが土木建設業者の皆さんであります。これにより、業界そのものに夢も希望も感じることができなくなってしまった経営者の中には、失意の中で廃業していった方々もおられます。現場監督、重機のオペレーター、石積み工など腕のよい職人を全員解雇し、大型機械も土場も全て処分し、中にはサラリーマンになられた元経営者もおられます。  こうなりますと、若い人たちも業界に対して魅力を感じなくなってしまいます。今、官民挙げて懸命に業界のイメージアップを図り、待遇改善を図っているところですが、それにはまず、公共工事やインフラ整備にかかわる人々を大切にすることは自分たちの命や生活を大切にすることであるという当たり前の感覚を県民全体が取り戻す必要があります。  また、現在抱えている喫緊の課題は、どうやって業者を確保するのかということであります。県建設業協会としても、比較的被害の少なかった南信、中信の業者さんに声かけを行い、協力をお願いしているところですが、遠距離で土地カンのない地域での作業は経費倒れしてしまうおそれもあり、二の足を踏む業者さんもおられます。公共工事や業界発展のための長期的ビジョンと目の前にある喫緊の課題、県としても全力で支援していただきますよう強く要望をさせていただきたいと思います。  さて、今回の台風19号は、東海や関東を直撃したということもあり、群馬県上野村や南牧村、そして埼玉県秩父市なども大きな被害を受けました。当然ながら、隣接する南佐久側にも大量の雨が降り、特に、北相木村や佐久穂町大日向地区、余地地区においては、48時間で500ミリメートル前後と県下で最も多い雨量を記録しました。半年分の雨が一気に降ったことになります。また、千曲川の源流であります川上村も秩父市と隣接しており、大きな被害を受けました。ただし、今回、八ヶ岳方面の雨量は半分程度でありました。もしこれが同じ雨量だったとすれば、被害はさらに大きくなっていたことでありましょう。  先日、北相木村の井出村長にお聞きしましたら、被害総額は実に35億円以上とのことでありました。耳を疑うような数字であります。年間予算16億円ほどの財政規模しか持たない小さな村が2年分以上の被害をこうむってしまったということで、村長は頭を抱えておりました。 激甚災害に指定されたとはいえ、村や町単独の持ち出しも多く、人材不足も深刻化する中でこれからのかじ取りをしていかなければなりません。小規模町村における財政負担も大きい中、どのような人的、財政的な支援策を考えておられるのか。企画振興部長にお伺いいたします。  また、定年退職等により災害経験のある職員も少なくなっておりますが、ただし、この件につきましては、今回、地元町村長は異口同音に感謝の言葉を口にしております。長野県建設部から緊急災害対策派遣隊、いわゆるTEC-FORCEの紹介をいただき、現場に入っていただいた。結果、早期に災害の復旧予算の概算と復旧工法がまとまり、非常に助かった。御尽力いただいた関係者の皆様に感謝を申し上げたいとのことでありました。  私も、災害現場に行きますと、TEC-FORCEを初め、他の広域連合から派遣された専門技術職員、あるいは他県から応援に来られた職員さんらと頻繁にお会いいたしました。淡々と業務をこなす専門家集団の姿に頼もしさを感じました。  さて、今回の災害ですが、両岸の堤防の高さが低いため越水をした箇所が数多くあります。やはり、低い堤防箇所のかさ上げを早急に行う必要性を感じております。  また、定期的に河川内の河床整理を行うことにより越水を未然に防止できるわけですが、南佐久郡内においても、県が河床整理を行ったことにより、今回、越水を免れた箇所も確実に存在しております。よって、河床整理を積極的に行い、なおかつ、砂防事業で設置された堰堤などの施設のしゅんせつ工事を計画的、定期的に行うことが施設の長寿命化と防災につながると考えますが、建設部長の御見解をお聞かせください。  次に、現行の災害復旧の方法は原状回復が原則となっておりますが、急流部の河川においての護岸工復旧の場合、再び同じ箇所が被災される可能性が多いと思われます。こうした経費の無駄遣いを避けるためにも、今後は、災害の被災箇所が再び被災されないような工法の実施が重要だと思います。例えば、河川内に帯工を施工するといった改良復旧を行うことが重要だと考えますが、建設部長の御見解をお伺いいたします。  次に、人工林の植栽についてお伺いいたします。  今回の台風において、森林内の沢の部分に植えられたカラマツから山地崩壊が進んだケースが多いと感じました。人工林は天然林と比べ倒れやすいと言われておりますが、今後、災害に強い森林づくりに対してどのように取り組まれるのか。林務部長にお伺いいたします。  次に、量水標の設置についてであります。  今回の災害では、河川に駆けつけた消防団の判断により、橋や道路の通行どめを行ったり、住民避難のタイミングを見計らったケースが多かったようです。ただし、その判断につきましては個人差がありますので、河川の水位を目視で読み取るためのいわゆる標識目盛を設置するべきだと考えます。できれば、夜間でも目視できるようなものが望まれますが、建設部長の御見解をお尋ねいたします。  次に、道路情報の発信についてであります。  今回、地元住民から、国道、県道、市町村道、高速道路などにおける正確な情報をホームページなどでいち早くアップしていただきたいとの要望をいただいております。特に、消防等緊急車両の通行、救援物資の運搬、緊急避難地への避難にも使われる道路の情報発信は重要だと思いますが、建設部長の御見解をお伺いいたします。  次に、災害時の現場状況のやりとりについてお伺いいたします。  今回、小海町では、災害後に、関係者が一堂に会し、災害を改めて見直す検証会を行いました。その中で、次のような提案がなされました。  災害時に上部団体、警察等は災害市町村の担当者を決め、現場の対策本部に1名派遣し、対策本部の生の情報を得て各団体へ報告し、指示を仰ぐことが重要ではないか。市町村から各団体等へ報告したり問い合わせたりするよりも、1名担当の方が常にその場にいればとても助かるし、早く正確な情報等が発信できるということであります。被災地の情報やニーズを把握するために、このような情報連絡員は大変重要な役割を担うと考えられます。今回の災害対応を通して、その有用性についてどのように認識されておられるか。危機管理部長の御見解をお伺いいたします。  さて、今回の災害において、外国人技能実習生の置かれている立場にも注目が集まりました。例えば、川上村等においては、当初断水が続いていたわけですが、県企業局の給水車が到着するや否や、技能実習生の若者たちが受け入れ農家とともに水をくみに来ておりました。災害に巻き込まれたことは不幸でしたが、何か役に立ちたいという彼らの気持ちは十分に感じ取ることができました。  また、県内企業で働くベトナム人の技能実習生ら約30名が、県内に在住のベトナム人のSNSによる呼びかけによって長野市の被災地のリンゴ農家で泥出しなどのボランティア活動を行ったという報道もありました。被災農家の人々は、すごい勢いで作業が進んだと大喜びされたようですが、技能実習生の日本は第二のふるさとと言ったコメントには、私も心を打たれました。多文化共生時代における新たなる人的交流のあり方を垣間見たような気がいたします。  しかしながら、技能実習制度の実習については、複数の農家での実習ができない、さらには一時帰国後の再入国ができないなどの規制があるため、これらの要件緩和など、農家と実習生双方にとってさらによりよい制度となるよう切に願うところであります。  ところで、農業分野における外国人の技能実習制度などに関しましては6月定例会においてお聞きしたところですが、本年4月にスタートした新たな在留資格、特定技能外国人について、農業分野における受け入れ状況はどうなっているのか。また、現状の取り組みについて農政部長にお尋ねをいたします。  次に、CSF、いわゆる豚コレラ対策についてお尋ねいたします。  CSFについては、本県では、本年2月に宮田村の養豚場で発生し、また、本年9月には県畜産試験場と高森町の農家で相次いで感染が確認され、県内の養豚は大きな影響を受けました。私の地元の南佐久地域にも2,000頭規模の大きな養豚農家がありますが、いつか自分の農場も感染してしまうのではないかと日々不安な中で経営をされておりました。その中で、阿部知事を中心に、野生イノシシの侵入防止柵の設置など養豚農場のバイオセキュリティーレベルの向上などの迅速な対応をしていただいており、養豚農家は大変勇気づけられました。  CSFは、本県での発生以降も、埼玉県、山梨県、愛知県の養豚場で発生し、感染地帯は拡大をしております。また、野生イノシシについても、東信地域に隣接する群馬県、埼玉県などでも感染が確認されております。このような中で、CSFへの対応として現在県が行っている野生イノシシに対するワクチンベルトの実施状況や、新たに実施することになった豚に対するワクチン接種の状況につきまして農政部長にお伺いをいたします。  最後に、高速道路の重要性についてお尋ねいたします。 今回、佐久穂町では、国道141号の護岸が大きく侵食され、通行どめとなってしまいました。しかし、幸いなことに、中部横断自動車道が八千穂高原インターまで開通していたために、大きな混乱はありませんでした。これほど高速道路がありがたいと思ったことはありません。まさに命の道、経済の道としての役割を果たしたことになります。  さて、問題は、未着工区間であります八千穂高原インターから先であります。小海町から南牧村にかけては標高も高く、急峻で狭隘な地形が続きます。また、野辺山高原などは、冬場の気温が零下20度前後と、北海道に匹敵する寒冷地帯であります。よって、国道141号の路面凍結は当たり前、八ヶ岳から吹き下ろす吹雪なども加われば、プロのトラック運転手でさえ嫌がる悪路となります。つまり、中部横断自動車道においては、一番の難所が最後まで取り残された格好となってしまいました。よって、これらの区間をいち早く事業化させ、全線開通させることが重要だと思いますし、長野県経済の活性化という点においても重要であります。  現在、中部横断自動車道は、都市計画決定の手続を県が鋭意進めておりますが、その経過と進捗状況につきまして建設部長にお伺いをいたします。また、名実ともに建設促進の先頭に立たれる阿部知事からは、改めて決意のほどをお伺いいたします。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)台風第19号災害に関する小規模町村への人的、財政的支援策についてのお尋ねですけれども、今回の災害への対応につきましては、とりわけ小規模自治体にとっては、人的、財政的に極めて大きな負担となっておると考えておりまして、県としてもしっかりと支援をしていかなければならないと考えております。  人の面では、発災直後から、県職員や他県の自治体からの応援も得まして応急対応を支援してまいりました。今後、中長期的には、土木系の技術職員などニーズがありますことから、総務省スキームなども活用しまして、現在、県内及び中部ブロックの自治体から応援職員の派遣が始まっております。  南佐久地域では、既に佐久穂町に岐阜県職員6名、川上村には石川県加賀市職員1名が派遣されておりまして、役場職員と一緒に災害対応に当たっているところです。他の市町村ではまだ不足するところもありますので、今後、募集範囲を全国に広げるなど、必要職員数が充足されるよう引き続き支援をしてまいります。  また、被災市町村の財政運営に支障が生じないよう、発災後速やかに知事が直接総理大臣に要請したことを始めまして、国に対し、特別交付税の増額や補助制度の創設、拡充など、特段の財政支援を強く求めてまいりました。  今般、国の予備費または補正予算でさまざまな対策が講じられるということになりましたので、こうした国の特例措置を最大限活用できるよう、被災市町村に対し、情報提供やアドバイスをしております。また、先月、長野及び佐久の2会場におきまして、市町村向けの臨時の説明会もさせていただきました。  今後とも、アンテナを高くしまして、国の情報を的確に把握し、具体的なアドバイスをしていくなど、地域振興局や各部局が連携して、被災市町村の状況に応じたきめ細かな支援に努めてまいります。  以上です。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)私にいただきました質問に対しまして順次お答えいたします。  初めに、河川や砂防施設の計画的な維持管理に関するお尋ねでございます。  議員御質問のとおり、河床整理は河積の確保による洪水防止、また、砂防堰堤の土砂堆積除去は土砂氾濫防止につながるものであり、このような施設の維持管理はいずれも防災に有効と考えております。  これら維持管理のため、定期的に河川、砂防等の施設を点検し、土砂堆積を含め、施設の損傷や異常が確認された場合は必要な対策を講じ、施設の長寿命化も図っているところです。 今後とも、定期的な点検及び適切な対策により施設の長寿命化及び防災効果の維持に努めてまいります。  次に、災害復旧の工法に関するお尋ねです。  公共土木施設に係る災害復旧は、被災した施設を原形に復旧することを基本としております。しかしながら、河床変動などの被災原因から、原形復旧では被災前の機能を確保できないと判断される場合には、帯工を初め、根固め工、水制工等の新設が認められるほか、越水を伴い、背後に家屋がある箇所でも前後区間と同じ高さまでのかさ上げが認められるなど、さまざまな対応が可能とされております。  災害査定に際しましては、被災のメカニズムや現地の状況を十分調査した上で、適切な復旧工法を申請し、よりよい災害復旧に努めてまいります。  次に、水位の標識目盛の設置についてのお尋ねです。  水位の標識となる量水標は、現地で水防団が水防活動を行うための目安としております。また、住民が避難を判断する目安にもなり、早期の自主判断、自主避難につながることが期待されます。  現在、量水標については、水位観測局付近や橋梁の橋脚などへの設置を進めており、124カ所に設置済みです。この量水標は、夜間にも視認しやすくするため、反射しやすい素材を用いておりますが、中には経年劣化等により視認しにくいものもあろうかと思います。今後、視認しにくい量水標があれば、その張りかえ、さらには、市町村から要望のある箇所への新設を進めてまいります。  次に、道路の通行規制情報の迅速的確な情報発信に関するお尋ねでございます。  まず、避難に当たっての情報提供でございますが、台風19号災害では、県管理道路の120路線191区間において路肩や法面の崩落、路面冠水などによる通行規制が同時多発的に広範囲で発生しており、この時点で避難するための通行可能な道路を選択しても、安全に避難できるとは限らないと考えます。災害がまさに各地で発生しているさなかにその間隙を縫うような避難は危険であり、災害発生前の安全な時間帯に避難を行っていただくことが基本であると考えます。  その上でですが、国道、県道等の全面通行どめの情報については、10月12日16時30分に開催された第1回災害対策本部員会議以降、毎回、情報を取りまとめ、計34回、県ホームページで広く情報提供をしております。さらに、10月22日からは、どこが通れるのかとの問い合わせに対応するため、通行可能な道路の情報提供も開始したところです。  また、消防など関係機関との情報共有については、通行規制の実施後、直接建設事務所から消防や警察などの関係機関へFAXにより周知するとともに、災害対策本部へ集約し、緊急車両の通行、救援物資の輸送活動等に役立てられたものと考えております。今後、今回の災害を振り返り、情報提供に関する課題等があれば改善等について検討してまいりたいと考えております。  次に、中部横断自動車道山梨県境から八千穂高原インターチェンジ間における都市計画決定手続に関するお尋ねでございます。当該区間は、事業予定者である国土交通省が平成22年度より計画段階評価の手続を実施し、昨年7月に1キロメートルルート帯及びインターチェンジの概略位置を示したところです。  これを受け、山梨、長野両県では、本道路が八千穂高原インターチェンジ以北と同様に都市計画に位置づけられることが妥当と判断し、本年5月に環境影響評価の手続を都市計画の手続とあわせて県が行う旨、関係機関へ通知いたしました。その後、8月に環境影響評価方法書を縦覧し、9月にはそれに対する住民意見が、また、11月には関係市町村長からの意見が提出されたところです。  今後は、これらの意見や来月にも出される環境の見地からの知事意見を踏まえ、環境調査及び予測評価を実施するとともに、都市計画原案の作成も進めてまいります。  以上でございます。       〔林務部長井出英治君登壇〕 ◎林務部長(井出英治 君)災害に強い森林づくりについてのお尋ねでございます。  県内は、急峻な地形や複雑かつ脆弱な地質構造にあり、山地災害が発生しやすい条件下にある中、今回のような記録的豪雨が今後も見込まれることから、より健全な森林づくりが重要と認識をしております。  植林されたものの、立地環境に適さない種類の樹木や手入れが十分に実施されていない森林については、根の発達が悪いため地盤を保持する力が弱く、山地災害の発生リスクが高まっています。
     県では、災害に強い森林づくり指針の基本理念である、立地環境に適した樹木を育成する適地適木や間伐による適正管理により、根の張りのしっかりした幹の太い森林に導くことにより、森林の土砂災害防止機能を高める取り組みを行っております。こうした取り組みをさらに加速し、郷土に調和したさまざまな樹木により強く美しく豊かな森林を育成することにより、森林の強靱化を図り、県民の安心、安全の確保に努めてまいります。       〔危機管理監兼危機管理部長竹内善彦君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(竹内善彦 君)情報連絡員の派遣についての御質問でございます。  県地域防災計画において、市町村災害対策本部が設置された場合等には、市町村と県との情報共有のため、当該本部に職員を派遣することとしております。災害対応のため、情報共有がままならない被災市町村の被害状況、必要な支援項目などを県と共有することができ、当該職員の派遣は極めて有用なものと認識しております。  今回の災害では、県内の43市町村に大雨特別警報が発表されたことから、順次、各市町村に情報連絡員を派遣し、市町村との円滑な情報共有を行うことができました。また、私自身も、神城断層地震の時、白馬村に半月派遣されて活動いたしましたが、村と県との円滑な情報共有に寄与できたものと思っております。  このように、災害発生時には県職員を派遣することとなることから、市町村の皆様には、万が一に備え、円滑な受け入れ体制を整えていただくようお願いをしてまいりたいというふうに考えております。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)2問御質問をいただきました。まず、特定技能外国人の受け入れ状況と県の取り組みについてでございます。  農業分野における特定技能外国人は、法務省のまとめによりますと、9月30日現在、全国で31名が在留資格の認定を受けております。そのうち、本県では、インドネシア人6名が9月上旬から川上村で就労を開始しております。  特定技能外国人の受け入れに当たっては、申請手続が農家にとって大きな負担となることから、JAグループや県を構成機関として本年4月に設立されましたJA長野県農業労働力支援センターにおいて、農家にかわって受け入れを行う仕組みを検討してきたところであります。  現在、支援センターの構成機関で人材派遣の資格を持つJA長野開発機構が外国人受け入れ機関となり、農家へ派遣するモデル事業を来年度から実施するため、中信地方のJAと連携をして準備を進めております。引き続き、関係機関と一体となって特定技能外国人の受け入れや支援体制の構築を進めてまいります。  次に、CSF対策の状況についてでございます。  ワクチンベルトについては、野生イノシシによるCSFの感染拡大を防止するため、国や市町村等の協力をいただきながら、9月30日から11月26日にかけて、県を南北に縦断する形で、県内31市町村の山林などへ経口ワクチン約2万7,000個を散布し、ベルトを構築いたしました。 また、散布開始以降に群馬県等で新たにイノシシの感染が確認されたことから、新たなベルトとしまして、佐久地域の6市町村においても群馬県境に2,400個の散布を行っております。  飼養豚へのワクチン接種については、養豚農家の要望も踏まえ、県から国に繰り返し要望してきたところでありますが、10月15日に国の防疫指針が改正され、知事命令によるワクチン接種が可能となりました。本県では、速やかにワクチン接種プログラムを作成し、国の確認を経て10月21日に知事命令を発し、10月26日からの9日間で、哺乳豚などを除く県内全域の飼養豚約4万8,500頭に対しまして初回接種を完了いたしました。なお、子豚につきましては、生後1カ月から接種が可能となることから、順次接種を進めております。  今後も、経口ワクチンの散布や飼養豚へのワクチン接種を継続的に進めるとともに、引き続き農場におけるバイオセキュリティーレベルの向上対策や野生イノシシによる感染防止対策に戦略的に取り組んでまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)中部横断自動車道整備促進についての決意という御質問でございます。  中部横断自動車道につきましては、依田議員の御質問にもありましたが、このたびの台風19号災害において被災した国道141号の代替道路として大変大きな役割を発揮してもらったというふうに思っています。改めてこの道路の重要性を私としても認識をしたところでございます。  残る未着手区間、八千穂から長坂間約34キロメートルにつきましては、御指摘のとおり、厳しい地形と気象条件でありますため、その特性を踏まえた道路構造にしていくということが大変重要だというふうに考えております。  中部横断自動車道は、地域の皆様方の悲願であると同時に、長野県全体の道路ネットワークを構成する大変重要な道路であるというふうに考えております。引き続き、山梨県とともに都市計画手続の中で地域の合意形成を図りつつ、国や市町村はもとより、地元の経済団体、さらには地域の皆様と連携、協力を図りながら事業の進展を図っていきたいと考えております。まずは未着手区間の早期事業化、そして一日も早い全線開通に向けて今後とも積極的に取り組んでまいります。  以上です。       〔34番依田明善君登壇〕 ◆34番(依田明善 君)それぞれ御答弁を頂戴いたしました。  これからの世の中は、大災害に見舞われる可能性が非常に大きくなっていくと言われております。首都直下型地震や南海トラフ地震などもよく言われる話ですが、それでも、人類はあらゆる災害に立ち向かっていかなければなりません。  それには、何よりも、多くの若い皆さんに、建設業を初めインフラ整備にかかわるプロフェッショナルを目指していただきたいというふうに思います。きょうは未来ある高校生の皆さんも多く傍聴に来られておりますが、そのことを県政壇上より強く御期待申し上げまして、一切の質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○議長(清沢英男 君)次に、宮下克彦議員。       〔18番宮下克彦君登壇〕 ◆18番(宮下克彦 君)諏訪市区選出、自由民主党県議団、宮下克彦でございます。通告に沿って質問いたします。  まず、災害に備える国土強靱化とダムの活用につきまして伺います。  今回の台風19号による災害の直後に、穂保地区の被災地に泥のかき出しや廃棄物の処理に行き、また、豊野西小学校の避難所の炊き出しにも諏訪の有賀林野組合の皆さんとともに参加し、牛丼500食を炊き出ししましたが、被災者の皆様の心の痛みと日常生活の復活へ向けた作業の膨大さ、困難さを目の当たりにいたしました。被災された皆様に寄り添い、一日も早い復興を県、国と市町村と連携し、進めていく必要があります。「ONE NAGANO」で県民一つになって、一日も早い復興が期待されます。  さて、今回の災害で、群馬県の八ッ場ダムが、試験湛水により、結果として有効な治水効果を発揮したと聞いております。また、県の企業局の菅平ダムも、利水ダムでありますが、一定の有効な役割を果たしたところでございます。長野県のダムは、発電用を中心として建設整備されてきたものが多く、治水ダムは少ないですが、発電ダムもまた災害時には洪水調節に活用が可能であると伺っています。  かつて、諏訪地域でも、蓼科ダム、下諏訪ダムが計画され、蓼科ダムはその必要な用地の9割以上を買収したものの、途中で断念しております。今回、台風19号の降雨が八ヶ岳山麓にも多くありまして、下流の上川では、江川橋付近で、あとわずか75センチメートルで越水するところまで水位は急上昇しまして、決壊寸前の危険がありました。諏訪建設事務所の国土強靱化予算による河川断面の確保事業も効果を上げたところでございます。この時、ダムがあったら、治水効果はより多大なものがあったと考えるところでございます。  今後、地球温暖化によりまして記録的な異常気象が常態化した場合に、降雨場所によりまして、県下のどの場所でも大きな危険が存在することになります。多くの地域の住民が危険にさらされる被害を回避するため、河川のしゅんせつとともに、ダム的な機能を持つ調整池等による事前対応など総合的な治水対策の検討が必要ではないかと考えるところであります。  そこで、建設部長にお聞きします。  防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策は令和2年度までの措置でありますが、令和3年度以降の強靱化対策の見込みについて伺います。  流量確保のための河川のしゅんせつは有効と考えますが、諏訪湖流入河川の上川や新川などのほか、県内河川のしゅんせつの予定について伺います。  昨今発生している異常気象による災害発生に対しまして、治水ダムや調整池の活用は有効であると考えますが、いかがか。伺います。  次の質問に移ります。  台風19号の影響によります観光の風評被害と対策について伺います。  今回の台風19号による被害で景気の落ち込みや消費マインドの冷え込みが心配されますが、さらに2次被害が重ならないように、県が一体となって明るいマインドの土台づくりに、がんばろう信州!観光キャンペーンを初め、県を挙げて取り組む必要があると考えます。  被害を受けた被災施設への補助につきましては、産業労働部に産業復興支援室を設置し、グループ補助金を活用して支援するということでございますが、観光業につきましては、今回の台風被害でまさに秋の行楽シーズン中にキャンセルが集中しまして、大きな減収がありました。今後の長野県全体の観光の風評被害を払拭するため、PRや宣伝活動、集中的なプロモーション活動が重要であると考えます。  中南信や上諏訪温泉でも、JR中央東線の運休や中央道の通行どめでキャンセルが重なりました。上諏訪温泉でも約9,000人、前年比で約1億2,000万円の損害が生じまして、県下全体で約20億円の損害があったと報道されております。  10月28日には、中央東線の復旧により、特急あずさの東京からの皆さんを上諏訪駅で出迎えるイベントに地元の観光協会や地域振興局の皆さんとともにはっぴで参加しました。高校生から高齢者まで、地域のイベントに参加する、地域の農産物を率先して買うなど身近な参加型で、できることから参加するという「ONE NAGANO」を盛り上げる活動が大事だと考えております。  今後の長野県全体の観光の風評被害を払拭し、観光業の復興につなげるため、積極的なPR対策や工夫されたプロモーション活動などの明るいマインドづくり対策が必要であると考えます。  そこで、観光部長にお聞きいたします。  まず、宿泊のキャンセルほか交通網の寸断による影響など、台風19号による県内の観光への被害状況をどう把握されているか伺います。  次に、長野県のイメージ、観光マインドの低下が心配されておりますが、風評被害の拡大を防ぎ、落ち込んだ観光需要を早期に回復するためのプロモーションについて伺います。  最後の質問に移ります。幼児教育・保育の無償化と福祉大学校の充実について伺います。  この10月から、幼児教育・保育の無償化が全国一斉に行われ、子育て世代の支援が始まりました。認可外の保育施設についてもさまざまな対応が配慮され、県下各地でその効果について大きな期待がされているところです。  現場では、少子化の中でも、特に3歳児未満の保育需要に対して、保育士1人当たりの担当する児童数の制限もありまして保育士の供給が追いつかない状況があります。都市部を中心に、待機児童の増加も聞こえてきています。また、幼児教育・保育の無償化がさらなる保育需要を喚起し、保育士不足を増大させる事態も懸念されます。  保育士の公立私立の待遇格差や開所時間等の縛りの中で保育士の処遇改善も求められておりまして、発達障害児や未満児保育対策などへの支援、保育の質の向上とともに、保育現場の人材確保がキーポイントとして切実に求められているところでございます。  さて、こうした保育士不足の状況下で、県立の養成機関である長野県福祉大学校は、その必要性を今まで以上に増しているところでございます。今回、10月からの幼児教育・保育の無償化にあわせまして、福祉大学校の保育実習室の利用料がほかの保育園並みに無償化され、保護者の皆様初め福祉大学校関係者は大変安心いたしました。特に、利用している園児の皆さんが、保育の無償化を実現するためにばらばらに諏訪市内の各保育園に散らばって卒園するような事態が避けられたことは、園児の皆さんにとって将来にわたり幸いでありました。保護者の皆様への迅速な説明などの課題はありましたが、最終的には無償化が実現されたことは高く評価されるべきものと考えます。  福祉大学校は、県下で貴重な公立の保育士養成機関として、特に、都会への人材供給ではなくて、県内の地元市町村への保育士の供給機関としまして実績を確実に上げております。さらにその必要性を増していると思われます。  また、保育士のみならず幼稚園教諭の資格取得も可能となった福祉大学校は、地域の保育のリーダーとしての人材輩出に大きな期待をかけられているところであります。  県下の多くの高校生の皆さんが将来の職業を考えるときに、子育て支援の重要な職業である保育士を目指したい皆さんに、福祉大学校で資格取得を目指すことを検討いただき、費用も格安で寮も充実している学習環境の整った福祉大学校が非常に有望な学校の一つであることをもっと県としてPRしていくべきであると考えます。  今後必要なことは、保育士の確保とともに、福祉大学校の充実のための保育実習室の存続であり、福祉大学校の教員、事務スタッフや施設面のさらなる充実であり、地域との連携であると考えます。  そこで、子育て世代の支援対策としての幼児教育・保育無償化の状況や保育士の確保等につきまして、また、福祉大学校の充実及び今後の方向性について伺います。  まず、この10月に始まりました幼児教育・保育の無償化における認可外保育施設への県の対応状況につきまして県民文化部長に伺います。  次に、都市部を中心として、3歳未満児の保育の需要増大等に対して保育士不足の現状について県民文化部長に伺います。  続いて、福祉大学校の現況について、県下の貴重な公立保育士養成機関であります福祉大学校が果たしている役割につきまして健康福祉部長に伺います。  最後に、地域のリーダー的な保育士の養成機関として、今後の福祉大学校の方向性につきましてどう考えるかを知事にお伺いいたします。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)令和3年度以降の強靱化対策の見込みについてのお尋ねでございます。  今回の台風19号災害や近年の激甚化する災害も踏まえますと、県内には、対策を講ずるべき箇所はさらに多く存在するものと認識しており、3カ年緊急対策事業の期間延伸と拡充により、県土全体の強靱化を引き続き強力に推し進める必要があると考えております。  これまでのところ、3カ年緊急対策事業の今後の取り扱いについて政府の公式見解は示されておりませんが、期間の延伸及び拡充がなされるよう引き続き国に対しあらゆる機会を捉えて強く求めてまいりたいと考えております。  次に、河川のしゅんせつの予定についてのお尋ねでございます。  河川内に堆積する土砂は、河川の流下断面の阻害や流水の偏流による護岸の欠損を生じさせるなど、治水上の課題であると認識しております。  これに対し、これまでも、限られた予算の中で優先度の高い箇所から計画河床以上に堆積した土砂の撤去を実施してまいりました。昨年度から進めている3カ年緊急対策においては、諏訪湖流入河川を含め県内134河川で繁茂した樹木とあわせて堆積土砂の撤去を緊急的に行い、流下断面の確保を着実に進めているところでございます。  今後とも、河川巡視等により河川の状況を的確に把握した上で必要な対策を実施するとともに、あわせて、3カ年緊急対策終了後も同様の支援が受けられるよう国へ求めてまいります。  次に、治水ダムや調整池の活用についてのお尋ねでございます。  治水ダムや調整池は、洪水時の流水を1カ所に貯留し河川水位を低下させるための施設で、治水対策として有効なものと考えております。  しかしながら、これらの設置に当たっては、広範な土地の地権者等の理解が必要なこと、また、短期間の集中投資が必要であるといった課題があります。このため、ダムの利水容量を洪水調節のために活用するなど既存ダムの有効活用も考えていく必要があります。  台風19号などの被害拡大を踏まえ、先月、国において、既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会が開催されたところであり、県としましても、今後出される検討結果などを踏まえ、さまざまな方策について検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔観光部長中村正人君登壇〕 ◎観光部長(中村正人 君)台風19号に関連して2点御質問をいただきました。  最初に、県内観光への影響についてでございます。  災害発生後に県旅館ホテル組合会や各地の観光協会などに状況をお聞きしたところ、台風を警戒し、本県に接近する前から宿泊のキャンセルが発生したことに加え、鉄道や道路が不通となったこともあり、被災地だけでなく、県内全域でキャンセルが生じたと承知しております。  宿泊のキャンセルによる影響について、国内の複数の宿泊予約サイトが11月上旬に調査をいたしました10月11日から31日までの状況から推計いたしますと、県全体でのこの間の損失額は20億円を超えるものと考えております。宿泊のほかにも、旅行中の飲食や土産物の購入など現地での消費があることを考えますと、さまざまな方面に影響が広がっていると考えております。  次に、観光需要の早期回復のためのプロモーションについてでございます。  県では、発災直後から、県公式観光サイト「Go NAGANO」やSNSを通じ、道路や鉄道、観光施設の状況など国内外に向けて正確な情報発信に努めてきたところでございますけれども、観光への影響が大きいことから、観光需要の早期回復を図るため、「がんばろう信州!観光キャンペーン」を展開することといたしました。具体的には、宿泊のキャンセル分を早期に回復するため、ふっこう割を実施するほか、「Go NAGANO」に特設ページを開設いたしまして、プレゼントつき宿泊キャンペーンなどに取り組んでまいります。  また、首都圏でのテレビやラジオ番組、新聞、雑誌などメディアを活用した情報の発信を行うとともに、交通事業者と連携したCM放映や、他県との連携として、例えば、東京都に御協力をいただき、豊洲市場や東京マラソン開催時での観光プロモーション、このほか、県内外における農産物など県産品の販売とも協働した観光PRなどを行っていくこととしております。  今後、年末から1月にかけて集中的に元気な長野をさまざまな方法で発信いたしますとともに、春以降の誘客にも結びつくよう、3月まで切れ目のないプロモーションに地域と一緒に取り組み、観光需要を最大限喚起してまいります。  以上でございます。       〔県民文化部長増田隆志君登壇〕 ◎県民文化部長(増田隆志 君)幼児教育・保育に関し2点御質問をいただきました。  1点目、幼児教育・保育の無償化に際しての認可外保育施設への県の対応についてでございますけれども、県では、認可外保育施設に対しまして、無償化制度に関する情報の提供、周知、そして、その届け出の受理を行ってまいりました。また、市町村に対しましては、その届け出状況を通知いたしまして、連絡を取り合ってきたところであります。加えて、認可外保育施設の保育の質の確保を図るため、指導監査等を行い、制度の円滑なスタートに努めてまいりました。  また、県が積極的に普及を進めております信州やまほいくへの対応といたしましては、無償化の対象とならないやまほいく認定園の利用者に対し、長野県独自の助成を市町村に協力を依頼しながら行っているところでございます。  2点目の保育士不足の現状についてでございます。  長野県における本年10月時点の保育士の有効求人数は529人、有効求職者数は301人で、有効求人倍率は1.76倍となっております。昨年同月もほぼ同じでございまして、本年が0.03ポイント上回っている状況でございます。高い水準で推移しております。  背景について申し上げますと、近年、女性の就業率の増加等に伴いまして、3歳未満児の保育ニーズが増加傾向にございます。本年10月現在、保育所等の利用を希望される児童のうち3歳未満児の数は1万6,466人でございまして、平成26年と比較いたしますと、5年間で2,544人、18.3%増加しているところであります。  この保育ニーズの増加に対応するため、保育士の人数配置基準により換算いたしますと、平均で毎年約100人の保育士が新たに必要となるということになります。  一方、保育士は毎年600名程度が退職されております。こうした保育士の需要に対し、供給は保育士養成校の卒業者復職される潜在保育士の方により担われるわけでございますが、その主要な役割を担う県内の保育士養成校8校の卒業者数は500名程度でございまして、近年、減少傾向にございます。こうした状況から、県内の市町村や私立保育園では保育士の確保が困難な状況が続いているところでございます。  以上です。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)私へは、公立保育士養成機関である福祉大学校が果たしている役割につきまして御質問をいただきました。  福祉大学校は、少子・高齢社会に対応した総合的な福祉人材養成施設であり、地域福祉を担う専門的な福祉人材である保育士の養成を行っております。保育学科は、1学年の定員50名に対し、本年度91名が応募し、応募倍率は1.82倍であります。大阪芸術大学短期大学部通信教育部と提携し、幼稚園教諭免許の取得が可能であること等多くの特徴により、県内の保育士を目指す学生にとって有望な進学先の一つになっております。  また、昨年度保育学科を卒業し就職した34名のうち、30名が公立保育所等の県内の施設に就職するなど高い県内就職率を誇っております。こうしたことから、福祉大学校は、県内における地域の保育行政を担う優秀な人材を輩出する専門的な人材養成施設として役割を果たしているものと認識をしております。  以上でございます。
          〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)保育士養成機関としての福祉大学校の今後の方向性についてという御質問をいただきました。  福祉大学校は、昭和28年の開校以来、本県の地域福祉をリードする総合的福祉人材を養成する施設として役割を果たしてきたものというふうに考えております。  女性の就業率の増加等に伴い、3歳未満児の保育ニーズが増加傾向にあるなど、現在は保育士不足という状況にございます。このため、福祉大学校保育学科におきましては、こうしたニーズに応えていくということを念頭に置きながら、専門職として求められる豊かな識見を持った保育士の育成に努めていきたいと考えております。  以上です。       〔18番宮下克彦君登壇〕 ◆18番(宮下克彦 君)それぞれ御答弁をいただきました。  災害準備、観光支援、子育て支援は、連携協力が必要な分野でございます。特に、中南信地域は、水害だけでなく、東海地震の地震防災対策強化地域に指定されておりまして、備えが欠かせません。地震は、明日にも起こる危険がありまして、命を守るための準備が必要な喫緊の課題であります。地元では、自主防災活動に懸命に取り組んでいるところでございます。  観光につきましても、高校生から高齢者まで元気な長野を目指しまして、それぞれできるところから「ONE NAGANO」に取り組むことが重要だと考えます。国、市町村、また地域住民の皆さんと連携しまして、県が強力に先導され、来年度予算編成において十分な予算措置をとることを要望いたしまして、一切の質問を終わります。 ○議長(清沢英男 君)お諮りいたします。本日はこの程度で延会にいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(清沢英男 君)御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決定いたしました。  次会は、明6日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後3時3分延会...