• SDGs(/)
ツイート シェア
  1. 長野県議会 2019-07-02
    令和 元年 6月定例会産業観光企業委員会-07月02日-01号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 元年 6月定例会産業観光企業委員会-07月02日-01号令和 元年 6月定例会産業観光企業委員会 産業観光企業委員会会議録(その3) ●招集年月日時刻及び場所   令和元年7月2日(火)午前10時30分、議事堂第3委員会室に招集した。 ●出席した委員の氏名   委  員  長            依 田 明 善   副 委 員 長            中 川 博 司   委     員            本 郷 一 彦      同               向 山 公 人      同               鈴 木   清      同               宮 下 克 彦      同               小 林 君 男      同               川 上 信 彦      同               花 岡 賢 一 ●欠席した委員の氏名   な     し ●説明のため出席した者の氏名  (産業労働部
       信州ブランド推進監兼営業局長       熊 谷   晃    産業労働部長               林   宏 行    雇用・就業支援担当部長          福 田 雄 一    産業労働参事産業政策課長        渡 辺 高 秀    産業立地・経営支援課長          小 林 真 人    創業・サービス産業振興室長        丸 山 祐 子    ものづくり振興課長            西 原 快 英    日本酒・ワイン振興室長          柳 沢 由 里    人材育成課長               青 木   淳    労働雇用課長               米 沢 一 馬    営業局次長(販売流通促進担当)      飯 島 和 久    営業局次長(メディア・ブランド発信担当) 斎 藤 政一郎  (企業局)    公営企業管理者              小 林   透    経営推進課長               藤 森 茂 晴    電気事業課長               青 木 千 明    水道事業課長               竹 花 顕 宏  (労働委員会事務局)    労働委員会事務局長            小 口 由 美    労働委員会事務局調整総務課長       久 保 友 二 ●付託事件   7月1日に同じ ●会議に付した事件  前半(産業労働部及び労働委員会関係)7月1日に同じ  後半(企業局関係)付託事件及び企業局関係所管事務一般について ●開議時刻 午前10時27分 ●依田委員長 開会を宣した。  ▲日程宣告    前半 産業労働部及び労働委員会関係の審査    後半 企業局関係の審査  ▲議題宣告(産業労働部及び労働委員会関係)    所管事務一般を一括して議題とした。  委員の質疑等発言を許可した。 ◆小林君男 委員 資料1の経済情勢についてお伺いしたいと思います。昨日、日銀短観の発表がされて、景気が明らかに悪化していることがわかる数字が示されました。同じく松本支店でも、県内の短観も悪化していると発表がありました。このような中で、10月からは消費税が10%に増税されるという、景気を非常に大きく揺るがす事態が起ころうとしています。そんな中で、県内の景気情勢を今、どのように捉えて、これからどうしていくのかについて考え方がありましたらお聞かせいただきたいと思います。 ◎渡辺高秀 産業労働参事産業政策課長 県内の景気についてのお尋ねでございます。お話がありましたとおり、昨日、日銀松本支店の短観の発表がございました。私どもの景気動向調査でも、DIでいきますと、どちらかと言うと悪化しているという状況でございます。きのうの日銀松本支店長のお話を若干抜粋させていただきますと、悪化してはいるものの、米中の関係など、一時的なものと捉える。それから、5Gなどの第5世代の新しい製品が出ることによって、状況が変わってくるのではないかとのことです。そういったところをしっかり見通す必要がある状況であり、消費税等の関係についても、個人消費等の影響は出てくると思いますが、全体の状況については、今の段階でしっかり見定める必要がある時期にきているのではないかと考えてございます。  これに対しまして、実際にこれからどういった施策を打ち出していくかということですが、我々、中小企業センターやテクノ財団による生産性の向上や新商品の開発、加えて経営相談、金融相談について、しっかりと今までどおり対応してまいりたいと考えてございます。 ◆小林君男 委員 今までの緩やかな景気の回復の中で、賃金も引き上げられたり、自分たちの生活をよくするための労働条件も明らかに改善をされてきた状況もありました。しかし、消費税10%は明らかに非常に景気の動向が悪い中で働く人たちにとっては非常に大きな痛手になるのではないかと考えています。私自身も、消費税はあげるべきではないと捉えていますので、そのことについてコメントがありましたらまたお聞かせいただきたいと思います。  次に資料6の労働相談などの状況についてお伺いしたいと思います。前の数字は理解していないのですが、全体的に平成29年から平成30年にかけて、非常に数字が大きくなっている状況をどのように感じておられるかお聞かせください。 ◎米沢一馬 労働雇用課長 労働相談の状況についてお尋ねいただいております。委員御指摘のとおり、資料6でお示しさせていただきました平成30年の数字は、前年比407件の増になっておりまして、内訳をみると、大きくふえているものとしては、賃金に関するもの、労働時間に関するもの、労働者福祉に関するもの、それからパワーハラスメントに関するものといった項目が挙がっております。これは、労働者の皆様が抱えている問題の中で、これらの項目が大きな存在になってきていることを表していると考えております。特に労働時間、休日・休暇の関係は、働き方改革の関係もあり、意識を持った労働者の方々が相談に来ているのだと思います。あるいは、パワーハラスメントに関しては、そういった問題が社会問題化している中で、労働者の方が意識を高く持っているのではないかと考えております。 ◆小林君男 委員 労働相談のその他の分野には、何が含まれているのでしょうか。 ◎米沢一馬 労働雇用課長 労働条件のその他と、全体のその他がございますが、労働条件のその他につきましては、就業規則、安全衛生、派遣労働者の労働条件などが含まれております。一方、下にある全体のその他につきましては、多くは労政事務所の分担ではなく、ワンストップ窓口としていろいろな相談を受けていく中で、分類がなかなかできないものになっており、例えば、事故の損害賠償のことや、採用過程の不透明さといったものがあったようです。 ◆小林君男 委員 30年度はこの数字になり、全体的にふえてきているのではないかと捉えています。私自身考えていることは、連合も、県労連も含めて、労働組合の組織率が17や18%という低い数字になってきています。その中で、労働者のよりどころとして、労働組合はしっかりと本来の役割を果たしてほしいのですが、それがなかなかできていません。労働基準監督署に駆け込む事態がかなり起こっており、これは未組織の方々の相談窓口として監督署に行かないと解決できないという状態で、今の状況になっているのではないかと考えています。  そのような中で、労政事務所としても、企業向けの労働講座とかがあるかと思いますが、年間数件や十数件といった数字になってしまっております。もっと切り込んで、とりわけ企業の皆さんに労働条件について、あるいは労働基準法のイロハからしっかり教えていただくような機会をつくっていただくことが、いわゆる働き方改革の令和元年の宣言に基づく手法ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ◎米沢一馬 労働雇用課長 労政事務所の労働教育の関係につきましては、実施回数が少ないという御指摘はそのとおりかもしれません。一方で、それほど少なくもなく、新社会人のワーキングセミナーも含めると100回近くの回数を行っており、外部講師にもお願いしまして、専門性の高い教育もさせていただいております。また、委員に先ほど御指摘いただきました共同宣言の中には、こういった取り組みを経済団体や労働局とも連携して進めていこうということにしておりますので、労政事務所だけではなく、経済団体の経営指導員や労働局がやっている働き方改革のセンターの方々、労働基準監督署、ハローワークの方々と連携いたしまして、各職場に周知を図っていく、浸透させていくということが共同宣言の趣旨でございますので、取り組みをしっかりさせていただければと思っております。 ◆小林君男 委員 ありがとうございます。一般質問でも林部長に御丁寧な説明をいただいた働き方改革の共同宣言のことについて、いろいろお聞きしたいと思います。私が求めたことに対して、必要となる場合の御説明をいただきましたが、厚生労働省の少し古い調査結果に基づくと、協定なしは44.8%という数字があります。まさかこの数字は、うちの企業は一切残業をさせないから36協定は必要ないんだということなのか、そうではないと思います。36協定が締結されておらず、天井知らずに時間外労働をさせている企業もこの中には多く含まれていると思います。したがって、働き方改革の共同宣言の中でも、第1項目として36協定の締結をしっかりやっていくと盛り込んでいますので、お願いしたように、県内でどのような数字になっているのかを、発表をされなくても結構ですので、しっかりつかんでいただいて、7名の専門官と、商工会議所などの200名の方々に、労働基準法違反についてしっかり取り組んでいただくよう進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎福田雄一 雇用・就業支援担当部長 共同宣言の中で取り上げました36協定の締結についてのお話でございます。今、お話がございましたとおり、労働基準法上は、時間外労働あるいは休日出勤させる場合には、36協定を締結しなければいけないという前提になっております。しかし、企業の中には使用者とパート従業員くらいしかいないような零細企業もありまして、全ての企業が36協定を結ばなければならいないということではないと思っております。ですが、通常の企業において、全く時間外労働がないということがあり得るのかどうかということについては、例外的な場合も含めて、できる限り36協定を締結することが望ましく、委員御指摘のとおりだと思います。  労働雇用課長からもいろいろと御答弁申し上げましたとおり、まずは労働基準法の一丁目一番地といいますか、大変重要な話でございますので、周知徹底を図ることが必要だということでそのような項目が取り上げられたところでございます。基本的には、監督については労働局、労働基準監督署の所管ではありますが、戦略会議の構成団体とも、労働法をきちんと遵守していくのだということについては、基本的に思いを一つにしておりますので、取り組みをそれぞれの構成団体ができる範囲で進めていこうとしております。御指摘がございましたように、県としてもそのような労働教育講座等を含めて、あるいは企業訪問等も連携して行いますので、必要性についてきちんと企業にも働きかけてまいりたいと考えております。 ◆小林君男 委員 従業員が1人でもいれば、36協定は締結しなくてはいけません。36協定の締結に当たっては、経営者が、あなたが労働者代表ですとしてはいけません。従業員の中で民主的に選んだ人が労働者代表として署名をしなくてはいけないということも、普及に当たっては心がけていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。  次に有給休暇のことについて、5本というのは法令に沿った数字で、私からすればかなり消極的な数字ではないかと考えます。企業によっては、有給休暇という名前すらない企業も存在しているとうわさで聞こえてくる状況もありますし、特に振りかえ休日制度や代休などとうまく絡められて、有給休暇がほとんど消化できません。言い方は適切ではありませんが、毎年20本を流していく企業もかなりあるわけです。ですから、この宣言に盛り込まれたことは非常に有意義なことだと思いますし、そういう実態はしっかりつかんでいただきたいと思います。  職場いきいきアドバンスカンパニーという制度があると思います。その中には、具体的に有給の取得をしていこうという項目はないのですが、この制度の中でもいいので、この宣言に盛り込んだからには、従業員がしっかりと有給休暇を取得できていることをチェック項目の中に入れていただいたり、しっかりとした表彰制度を別につくるといったことを、産業労働部として考えていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 ◎米沢一馬 労働雇用課長 いきいきアドバンスカンパニーについてお尋ねをいただきました。一応、加点要素として職場環境の改善という採点項目があり、その中には、休暇制度について独自のものも含めてしっかりと導入していることが加点要素になります。そのような意味では、アドバンスカンパニーの要素として取り込んであると思います。一方で、委員御指摘のとおり、今回、共同宣言をした趣旨を踏まえて、県としてどのようなことをやっていくのかということは考えなければいけません。構成8団体の中の県として何をやっていくのかしっかり考えていきたいと思っております。 ◆小林君男 委員 阿部知事が戦略会議の中の座長を務め、この宣言の結論は4月に出たのですが、5月に宣言として発表されたと、私も内々にはお聞きしております。やはり、県が主体的にそのようなことを進めていただかないと、経済団体や労働団体も引っ込み思案になったり、しっかり足を踏み出せないという状況もあると思いますので、ぜひしっかり進めていただいて、アドバンスカンパニー制度でできなかったら新たな制度を創設するぐらいの取り組みがこれからの時代では必要だと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。  次にSDGs企業登録制度について伺いたいと思います。共同宣言とあわせて、SDGs企業登録制度についても、経済優先のもうけ至上主義の企業よりも、従業員を豊かにして家庭の生活もしっかり守っていくために頑張る社長さんをふやす意味では、この制度を大いに歓迎したいと考えております。その中でも、社員のモチベーションを高めていくためにも、SDGs企業登録制度をどのように周知していくのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎渡辺高秀 産業労働参事産業政策課長 長野県SDGs推進企業登録制度についてのお尋ねでございます。委員からお話がありましたとおり、今回、SDGsの関係を企業経営の中に取り入れていただいて、社員の福祉、なおかつ加えて、ビジネスチャンスにつながるように登録制度を設けたところでございます。気づきを得ていただくことや、具体的なアクションを進めていただくことが趣旨ではございますが、お話がありましたとおり、社員のモチベーションが上がるようにということもございます。  まずは、4月26日に大きなシンポジウムを開催させていただきました。ここには、260名を超える皆さんに来ていただいたほか、この制度をつくる際に、商工会議所や商工会、経営者協会、金融機関の皆さんに入っていただきまして、制度をつくった後も一緒に周知活動、企業等にチラシを配っていただいたり、具体的な説明をしていただいたりして進めてございます。これまでのところ、そのように進めてございますが、今後、第1次の登録企業が7月には決まってまいりますので、PRや御意見、どんなことがよかったのかを聞きながら広く周知を進めていきたいと思っております。 ◆小林君男 委員 ありがとうございました。ぜひそのようにしていただいて、とりわけ商工会議所の方々にしっかりと進めていただけるような環境をおつくりいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 最後になりますが、経済産業省の所管する地域未来投資促進法に基づいて、雇用を初めとした大きな経済効果が期待できるとして、今、大規模な商業施設や物流施設をつくっている自治体があります。今後、農振除外や農地転用の促進、開発許可などの開設に当たってのハードルがあるかと思いますが、雇用の創出や流通、地場産業の普及を図るために産業労働部にも御尽力いただきたいと思っております。具体的な話ではないのですが、よろしくお願いします。 ◎小林真人 産業立地・経営支援課長 地域未来投資促進法の関係の御質問でございます。委員のお話のとおり、地域未来投資促進法に基づいて、全県で13の計画ができているところでございます。また、企業として立地をするという希望がある場合に、地域経済牽引事業計画という計画を事業者が立てなければいけないのですが、県内でも88の計画ができているところでございます。委員のお話のとおり、今、幾つか事業が動いているところがございまして、その団体において、各種、土地の形質変更の手続きが進んでいることを私どもも承知しております。  その前段に、各担当の地域振興局牽引事業計画の承認手続がございます。この承認を得た後に、農地法や森林法、都市計画法などそれぞれの許可の手続きに入っていくということになっています。この承認の手続きはそれぞれの地域振興局でやっているところでございますが、承認の要件がございますので、各地域振興局で事業計画に照らして審査の上、適正に承認して、地域未来投資促進法が狙う企業立地を私どもとしても推進してまいりたいと考えているところでございます。 ◆小林君男 委員 ありがとうございました。そのようにぜひ御尽力をしていただきたいと思います。中盤のところで申し上げましたが、働き方改革における共同宣言については、しっかりと5項目が完全に進みますよう、産業労働部の皆さんには大きな御努力、御尽力をよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。 ◆鈴木清 委員 きのういろいろ御説明をいただきましたが、基本的な部分だけ確認させていただきたいと思います。いわゆる今日的な長野県の状況は、人口減であり、これは日本全体を含めて言えることです。やはり一つのテーマは、人口減に対してどのような対策が打てるのか、これは国も含めて各自治体も、焦眉の急で一番優先順位が高いものだと思っています。  そこで、まず景気動向から見まして、きのうのお話の中だと、内閣府あるいは日銀の短観、それから長野経済研究所、これは八十二銀行かと思いますが、それらの情報を基にしたお話を承りました。先ほど小林委員からお話がありましたように、日銀の短観は下方修正になってきている。しかし県税は順調に伸びの推移がある。一人一人が本当に豊かさを実感しているのか。可処分所得の問題、あるいは労働分配率の問題を含めて、長野県には地域により格差もあるし、業種によっても川上・川下で違いが出てきているでしょうし、その辺のところを統一的に上向いているのか、下向いているのか、景気が足踏みをしているのか、どうなのでしょうか。  また、かつてのように、昭和20年代、30年代、40年代、過去の経緯を追っていきますと、農林水産業、第1次産業での就業人口が圧倒的に多かった時代があり、それからさらに高度成長に向かって第2次産業へ。それで戦後の歴史を見ましても、重厚長大から軽薄短小、物からソフトへ、要するに、今、第3次産業のサービス業が圧倒的にふえてきています。その中でいろいろなひずみや格差が出てきている中で、県として、少子化に対してどのような有効な手を打てるのでしょうか。  そこで私がお聞きしたいことは、きのうの説明の中で、飯田で言えば、具体的に企業名を申しますと多摩川精機さんですが、多摩川精機さんをリーディングカンパニーとして、飯伊地区での関連の取引先、就業人口の推移はどのようになってきているのでしょうか。例えば上田地区の場合ですと、日信工業さん、長野計器さん、もとは丸子警報器だったのですが、丸子警報器から関連して自動車関連が集積してきた経緯があります。そういう中で、大手の県外本社・工場と、いわゆるその各地域の拠点企業、それを取り巻く産業集積がどのようになってきているのかについてお聞きしたいと思います。  また、3、4年前までは産業クラスターという言葉が使われたけれども、きのうの説明ではクラスターという言葉ではなくて、プラットフォームという言葉になっていました。その違いはどうなのでしょうか。  長野市の歴史だけを考えてみても、かつては印刷業が中心でした。あえて固有名詞を申し上げますと、第一法規さんがありました。第一法規さんでは加除書籍を扱い、国会での法律改正ごとに、全部出版します。それを一手に引き受けていたのが大日本法令印刷です。大日本法令印刷さんからのれん分けした企業が長野市の印刷工業組合で、これを主軸にしておりました。ところが、今の時代では、印刷・出版は足踏みしています。  次に、長野市は企業城下町と言われていたのですが、その企業とは富士通のことでした。長野県庁を含め官公庁は、全部、富士通の製品を使っていた時代がありました。それが昭和40年代のある時期に、長野工場の主力部隊が山形に移りました。なぜ移ったのかというと、山形には、山形新聞という、長野での信濃毎日新聞と同じような圧倒的なシェアの地元紙があります。そこの服部敬雄さんという方は、花笠音頭のときに当時の板垣知事よりも先頭を切って練り歩くぐらい力を持った人で、「おしん」というテレビ番組があったときに、山形県を陸の孤島の最貧県にしてはいけないと、輸送・交通の手段を変えるため、山形に空港をつくろうと、山形新聞で知事ともどもトップセールスでキャンペーンを行いました。そのときに富士通を誘致したのです。富士通山形工場という性格ではなく、あえて別会社で山形富士通としました。賃金格差があるためです。そんなことで長野、須坂の富士通が撤退したのですが、今、このような大規模な工場立地ができる時代なのでしょうか。  お聞きしたいのは、業種、地域別の生きた実体経済の感触、あるいか生活上の消費性向を見ても、業種・地域によって格差が非常に出てきております。まず大事なこととして皆さん方に確認していただきたいのは、一番身近な金融機関、長野経済研究所ではなく7信金が地域の零細企業・事業所を対象として毛細血管の役割をしております。ですので、その7信金の経済レポートや景気動向の資料を手にしてご覧になったことがあるのかどうかについてお聞きしたいと思います。  二つ目に、先ほど確認させていただいたように、産業クラスターという言葉がプラットフォームに変わってきたのか、全く性格が違うものなのでしょうか。  さらに私が申し上げたいのは、具体的な企業名をあえて出しましたけれども、宇宙工学について、飯伊地方の飯田ですが、多摩川精機さんも、戦後、疎開をしてきました。航空宇宙関連では、長野の羽生田鉄工所も一部関係しております。ですので、そのような個々の企業の実体をどの程度把握していらっしゃるのでしょうか。  次の質問でも触れさせていただきますが、産業集積というのは、特定の企業が県外大手の取引環境を成立させるのではなく、その地域において労働雇用、就業人口をふやしていけるのか。そのような部分の産業政策を県が打ち出していけるのか。これら全てが県の中期総合計画の中に位置づけられているのかをお聞きしたいと思います。  これは難しい問題で、定量化・数値化して説明ができないのです。私ども民間の零細企業主から言うと、いつまでに売り上げをどの程度ふやすのか、そのためには社員を何人雇用するのかという具体的で数字的なステップ・バイ・ステップの裏づけがなければ事業経営ができないのですから。きのうジョブカフェのお話がありましたが、何人雇用になったのかといった追跡調査はやっているでしょうか。どんな企業に正社員として採用されたのか。ジョブカフェの運営部隊はどのような方々なのかについてか後で聞きます。今、私がお聞きした中で答えられる部分でざっくばらんに説明してください。 ◎渡辺高秀 産業労働参事産業政策課長 3点お話しいただきました。まず1点目は、業種によっても景況が違う中で、八十二銀行や経済研究所のようなところではなくて、信金のようなところの状況をどのように把握しているのかについてでございます。金融機関等の関係につきましては、我々の産業支援ネットワークなどを通じて御意見を聞いたり、日ごろのおつき合いの中で、信金さんの出されているレポートを拝見したりしながら、比較検討しているところでございます。  二つ目ですが、地域の拠点をもってそれをクラスター形成とする。我々の進めている信州連邦構想など、やはり拠点となる企業がないと、いくら強みがあっても、出口など先の部分を考えなければならないため、クラスターを形成する必要があります。これについては、引き続き、我々としてはその拠点となる企業をつくり、もしくは誘致し、クラスターを形成して地域の強みを生かしていくという考え方に変わりはございません。よく出てくるのがプラットフォームという言葉ですが、使い分けというわけではないのですが、プラットフォームの場合では、同種の企業だけではなく、さまざまな支援機関や金融機関など、いろいろな主体が一緒にそれぞれの地域の産業を盛り上げるためにプラットフォームを形成するという考え方でございます。  それから三つ目のところで、個々の企業の実態と、いつまでにどの程度の取り組みをしていくのかというお話でございます。5か年計画でも、可処分所得や労働生産性を目標に掲げてございまして、こういったものについても、政策形成のあり方の中で検証していくことを進めているところでございます。 ◆鈴木清 委員 いわゆる行政がインセンティブを与えて、個々の企業、あるいは業種に選択と集中で後方支援体制を組むということは、現実の戦後の経済・産業の歴史の中で、どの程度機能したのかなと思います。これは極めて社会主義的な指標の一つです。ただ、今、伸びていく企業は、かつてベンチャービジネスという言葉がはやっていましたが、ベンチャーではなく主流をなすようになってきました。そのような企業が、従来の枠から自由な発想で、価値を破壊して、自分たちの創意工夫、努力で伸びてきています。長野県には、そのような企業の芽、萌芽があるのかどうか、非常に私は危惧をしているし、そのような可能性はどうのなでしょうか。  長野県の産業の歴史は、全部、戦前の製糸・シルクです。シルクから、時代に合わせて水や電気が供給され、新しい産業が興ってきたという歴史があります。私は長野商工会議所の相談役を務めさせていただいているのですが、かつて商工会議所の会頭は、いわゆるサービス業のトップが就任することはあり得ませんでした。今はシステックスの北村さんが務められており、コンピュータのソフト業はサービス業なんです。時代の中で、主役を担う会社というのは変わってきています。それらをさらに後押しして伸ばしていくことによって、企業の社員の雇用を膨らましていく。これが将来的には、地域、長野県全体の人口減に対する対策だと思っています。  長野県内の専門学校・短大・大学を出た皆さんに、県内企業に就職していただく。少子高齢化・核家族化の中で、子供を産み育てることがなかなか前へ進んでいかない中で、やはり、じいちゃん・ばあちゃんがおられて、地域の歴史や伝統・文化を学びながら、孫が地元の学校を出て、地域の高校や大学を出たら地元の企業に勤めるという社会構造のあり方が、一つの完結するものかという気がしています。  そこでもう一度確認しますが、さっき信金と言ったのは7信金のことですが、これが一番地域に密着しています。地域事情に一番精通している。ですから、7信金との生きた情報を的確に把握していただきたい。  もう一つは、先ほどの産業クラスタープラットフォームという言葉の解釈を受け止めましたが、リーディングカンパニーとして、地域に産業クラスターの房として関連業種を育てていくことができるのでしょうか。もう一度産業政策課長に確認させてください。 ◎渡辺高秀 産業労働参事産業政策課長 最初に7信金の状況を的確に把握してほしいとのことで、これにつきましては、まさに地域に密着した金融関係の情報を、これまで以上にいろいろな機会を設けて的確に把握してまいりたいと思ってございます。  それから、リーディングカンパニーの関係でございます。これまでも、それぞれの地域に強み等ございまして、例えば航空機であり、医療であったり、それぞれにリーディングカンパニーがある中で、そういった企業の皆さんと一緒になりながら進めてきたところでございます。加えて、今年度から地域中核企業育成プロジェクトとして、これから中核になり得る企業さんを入口から出口まで、経営相談から始まって支援できるように今年度予算を盛ってございます。そういったものも進めながら、中核企業育成、リーディングカンパニー育成に取り組んでまいりたいと思います。 ◆鈴木清 委員 行政の皆さんの全面的な思いや、中小零細企業に関して、後方支援の体制を組んでもらうことは非常にありがたいと思っています。松代の不二越機械工業さんも疎開してきた企業なのですが、信越化学が生産能力を評価して、フィフティ・フィフティで長野電子工業という会社をつくりました。ですから、信越のいわば孫会社という性格ですが、企業が新しい商品を開発したときに、全国展開できるような後押しをしていただくことに、行政に対して非常に私は期待しております。  また、一つの業界では圧倒的なシェアを持っていても、その地域においてはあまりなじみがなく、地域における社員の雇用率が高くない会社があります。悪い意味で言うのではありませんが、例えば不凍栓において竹村製作所は圧倒的なシェアを持っており、東京の1.5倍くらいの研究所をつくりました。もう少し後押しして、長野県の寒冷な地で、少しずつ全国的な市場を広げていき、地域でさらに生産工場を確保できれば、より広がっていくのかなと思います。  それから、坂城の竹内製作所も一般の方々にはほとんどなじみがないけれど、輸出している中の小型工作機械では、増収増益で圧倒的な存在感を持っています。竹内製作所という会社は本当に大したものだと思います。これらはいずれも地味な会社で、広告宣伝をやっているわけでなくても、伸びているものは伸びています。そのような会社が長野県にはあまたあるのだろうという気がしています。  そこで、冒頭申し上げましたように、少子高齢化の中で長野県の人口減を食い止めなければなりません。長野県に労働人口をふやしていくという意味で、これから伸びしろのある産業・業種を具体的にはどのようにイメージしていますか。 ◎渡辺高秀 産業労働参事産業政策課長 先ほど県内企業に就職いただくというお話がございました。それから少子高齢化の中でということで、現在、製造業関係のリーディングカンパニーについては、引き続きそれぞれ振興策に努めてまいりたいと思ってございます。きのう、ITバレー構想を申し上げました。ITバレー構想という形で、これまでとは違った形での産業、それを長野県内に、人材誘致であったり、企業誘致であったり、実際、これから若い方がなかなか戻ってこないという中で、やはり勤めたい企業であるとか業種、長野県にない業種をしっかり支え、または誘致等を行い、またそれが相乗効果で、既存の企業とうまくマッチングをして相乗効果が図れるようにできればと考えてございます。 ◆鈴木清 委員 日本無線という会社がありますね。日本無線もそうだし、それからかつての富士通の100%関連した新光電気もそうですが、このような大規模工場の立地ということは、今後、当面、なかなか難しい面があるという受けとめでいいんですか。 ◎渡辺高秀 産業労働参事産業政策課長 我々としては、長野県の中の雇用の場といった発想はございますが、現在、いろいろとお話を聞く中では、そのようなところについていろいろなアプローチをさせていただくとしても、現行ではなかなかすぐにとはいかないということについては確かにおっしゃるとおりかと思います。 ◆鈴木清 委員 三重県のシャープ亀山工場は、北川さんが知事のころ、本当に注目を浴びて、私も2回くらいお邪魔したことがあるのですが、今のような状況を迎えるとは全く想像がつきませんでした。ですから、かつてのように地方自治体、あるいは県が先導的な役割を果たして、工場用地を確保し、大手企業の工場を誘致するという時代は、今日的な時代には向いていないという気がします。それで、ITバレーというお話ですが、具体的にはどんな業種をイメージしていますか。 ◎渡辺高秀 産業労働参事産業政策課長 ITの関係につきましては、いわゆるプログラムの関係や、委員御承知のとおり画像やゲームなど、それからホームページ等であるとか、さまざまなものがございまして、一つの業種というよりも、いろいろな業種が集まることによってデザインみたいなものも含めてやることがITの振興につながるというお話も聞いておりますので、幅広く見ているところでございます。 ◆鈴木清 委員 今、有効求人倍率が非常に高いと言われていますが、二つ理由があります、特にIT関係で人が足りない。人が足りないというのは、その事業所が求めているスキルを持った人材の確保ができません。もう一つは、特に介護の仕事に見られますが、いわゆる3Kと言われた言葉をそのまま敷衍していくならば、かつては家庭内で対応したもの、特にサービスをお金で買う時代になってしまいましたから、特に介護関係の施設の従業員・スタッフのように、危険・汚い・きついと言われている仕事に参画する人が少ないために求人倍率が高い。だから矛盾しているのです。二分極化している。非常にスキルの高い人材を求めようと思っても、なかなか来てくれない。すぐにでも人が足りないのだけど、実際、現場で働いてくれるスタッフを募集しても手を上げてくれない。ですので、単なる数字だけで有効求人倍率が高い、だから景気が上向いているんだとはあながち言えないものがあるので、冷静に分析してもらいたいと思います。  ITということですが、今、まさしく課長がおっしゃったようにスキルをもった人が足りません。ですから、どんどん東京に一極集中で、特に情報は集まります。長野県内、特に北信地域には県庁もある、大手新聞社もあるということで、情報の発信地とすれば、情報産業の中心地は長野市だと思います。そのような意味で、北信の情報産業の集積には、大規模な工場立地が要りません。人材さえいればできます。やはり北信の場合、目に見えない情報産業、ソフト産業の発信地として、これから伸びしろがあるという感触を持っています。  そこで、人材確保のために、どのような方法で育成していくかですが、時間がありません。実は、私はコンピュータのソフト屋の端くれでございまして、かつてはコボルとかベーシックというコンピュータの開発言語がありましたが、これは40年前の話です。昔、オフコンという時代もありました。今、メモリー、記憶容量が何千、何万倍となり、コンパクトになり、時代が全く変わってしまいました。そのように時代がどんどん変わってきている中で、大事なことは、タイムリーに最先端の技術者を確保できるかどうか。  ですので、そんな時代の中で、課せられた役割が極めて大きいのは、長野高専と信大の工学部です。この卒業生がいかにこれからのIT産業の中で、長野市を中心とした産業集積の中に、寄与していただけるかどうか、あるいは進んで就職していただけるかどうか。そのための企業イメージや産業のバックアップを県が主体的にやっていただくことによって、人口減への対策と、新たな産業集積が始まっていくという感触でいます。そのあたりの所感を含めていかがでしょうか。 ◎渡辺高秀 産業労働参事産業政策課長 ITバレーの関連でお話がございました。特に高専や信大と連携して、そのような方たちに就職していただくことが、人口減への対策になるというお話でございます。現在、ITバレー構想を検討する中では、信大の皆さんに入っていただいたり、今後、いろいろな高等学校や、諏訪東京理科大でも、既にカレント教育を進めているところがございます。やはり、このようなところとしっかり連携して、新しく若い方に就職していただく環境づくりをしっかり進めていかなければいけないと思ってございます。構想の中でしっかり反映させてまいりたいと思っております。 ◆鈴木清 委員 最後に部長にお聞きしたいのは、中期総合計画がありますが、毎年毎年の計画・実行・見直しの中でどうしていくのでしょうか。具体的に数値化、定量化することはなかなか難しいと思います。かつての産業労働部は、国からの委託事業を関連団体に依頼するものがありましたが、今の国からの委託事業にはどんな主だったメニューがありますか。 ◎林宏行 産業労働部長 国の事業をできるだけ使っていくようにということかと思います。かつては、文部科学省から知的クラスターのような大きなプロジェクトをいただいたり、経済産業省からは調査委託もあったり、今回の資料の中にもございますが、サポートインダストリーということで、個々の企業の技術開発を支援していく委託事業があったりしました。今、補助事業に変わったり、いろいろと仕組みは変わっております。私どもとすれば、そういったものをしっかり活用しながら、県内の企業のサポートをしていきたいと思っております。
    ◆鈴木清 委員 委託事業、補助事業という言葉で御説明いただきましたが、その補助事業が永続的に続いていくという前提で計画を策定した場合、補助事業が縮小された、あるいはいったん打ち切りになったときを考えて、足踏みしてしまうことが心配です。ですので、身の丈にあった、長野県政の中で産業政策をどう位置づけるのか。やはり基本は、その地域で生まれ育った方々に地域の事業所にお勤めいただき、教育面や文化面など、総合的な評価の中で定住人口がふえていくと思います。ですから、産業労働部が単独で御苦労いただく部分だけじゃなく、例えば農政部や観光部と連携をとるようなことも含めた総合行政の中で、ぜひ産業労働部には、長野県のこれからの時代を担う皆さんが自信と誇りを持って長野県に定住できるように、産業政策を進めていただきたいと思っています。それには具体的な日限を切れとは言いませんが、何年ごろまでには長野県の産業構造を変えたい、変えるべきだという考えを根底に据えてお取り組みいただきたいと思います。部長にその辺の決意をお願いします。 ◎林宏行 産業労働部長 冒頭に人口減社会を前提としてどう見ていくかというお話がございました。地域の活力を維持していくための原動力になるのは、やはり人であり仕事であろうかと私どもも受けとめております。そうした中で、地方創生の地方版の戦略も残すところ1年くらいになってまいりまして次のステップを考えていかなければいけない時期だと思っております。そうしたことを見据えながら、長野県の中の人、それから今の知の拠点である大学・高専と一緒になって、産学官でどう取り組んでいくか、しっかりとビジョンを描きながら進んでいきたいと思っております。 ◆本郷一彦 委員 このたび、渡辺産業労働参事産業政策課長さんは、7月8日付で諏訪市の副市長に御就任されるとお聞きいたしました。まことにおめでとうございます。渡辺課長さんにおかれましては、平成28年度から産業立地・経営支援課長産業政策課長、今年度は産業労働参事産業政策課長として、長野県の産業振興について大変切れ味のいい御答弁をされて、御尽力をいただいております。渡辺課長さんには、この場をお借りして深く感謝を申し上げますとともに、お体を大切にしていただきながら、諏訪市副市長としてますますの御活躍と御健勝を、私ども議員としてもお祈り申し上げる次第でございます。貴重な優秀な人材がいなくなるのは当委員会としても非常に残念でありますが、最後に一言、課長からご挨拶をいただければと思いますので、よろしくお願いします。 ◎渡辺高秀 産業労働参事産業政策課長 ただいま本郷委員から、身に余るお言葉、激励のお言葉をいただき、このような発言の機会を与えていただきましたこと、本当にありがとうございます。お話がありましたとおり、私は平成28年度から産業労働部にまいりまして、初めての課長職であったり、久々の産業労働行政ということで、本当にめまぐるしくかわる産業の現況であったり、地域の直面している課題について、この委員会での質疑を通じまして、いろいろな示唆に富んだ御意見、アドバイスを頂戴し、施策構築のみならず、私自身の成長にもつながったと深く感謝をするところでございます。  今後も、しっかりと施策構築や行財政運営、さまざまな手法、テクニカルなものもございますが、先ほどお話し申し上げたとおり、委員各位を初め皆さんの意見をしっかり聞いて、そしゃくし、意見を提示して、それで多くの皆さんにまた議論をいただくという王道的なものをしっかりと進めてまいりたいと思ってございます。  委員各位には、これまでも並々ならぬ御厚情をいただいたところでございますが、引き続きの御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、私からのお礼と決意、挨拶とさせていただきます。本当にどうもありがとうございました。 ○依田明善 委員長 他に御発言もありませんので、以上で産業労働部及び労働委員会関係の質疑を終局いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、質疑を終局いたします。  それでは、危機管理建設委員会から意見を求められております、第6号「長野県手数料徴収条例及び長野県警察関係許可等手数料徴収条例の一部を改正する条例案」中、本委員会に関連のある部分について、議題といたします。  お諮りいたします。第6号「長野県手数料徴収条例及び長野県警察関係許可等手数料徴収条例の一部を改正する条例案」中、本委員会に関連のある部分については、原案のとおり可決すべきものと決するに異存のない旨、危機管理建設委員長あて回答するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」・「異議あり」と呼ぶ者あり〕  ただいま御異議がありましたので、挙手により採決いたします。討論はありますか。      〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で、討論を終局したいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、討論を終局いたします。  それでは、挙手により採決いたします。第6号「長野県手数料徴収条例及び長野県警察関係許可等手数料徴収条例の一部を改正する条例案」中、本委員会に関連のある部分については、原案のとおり可決すべきものと決するに異存のない旨、危機管理建設委員長あて回答するに賛成の委員の挙手を求めます。     〔挙手多数〕  挙手多数であります。よって、本委員会に関連のある部分については、原案のとおり可決すべきものと決するに異存のない旨、回答することに決定いたしました。  それでは、危機管理建設委員長あて回答するように取り計らいます。  以上で、産業労働部及び労働委員会関係の審査を終局します。  午後1時30分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午前11時24分 ●再開時刻 午後1時28分 ○依田明善 委員長 再開を宣した。  ▲日程宣告    企業局関係の審査  ▲企業局関係の付託事件の報告    条例案1件  ▲議題宣告(企業局関係)    付託事件及び所管事務一般を議題とし、議題に関連して、理事者の総括説明を求めた。 ◎小林透 公営企業管理者 別添、公営企業管理者総括説明要旨に基づいて説明した。 ○依田明善 委員長 第4号「県営水道条例の一部を改正する条例案」について、理事者の説明を求めた。 ◎竹花顕宏 水道事業課長 議案により説明した。 ○依田明善 委員長 報第24号「平成30年度長野県電気事業会計予算の繰越しについて報告」及び報第25号「平成30年度長野県水道事業会計予算の繰越しについて報告」について、理事者の説明を求めた。 ◎藤森茂晴 経営推進課長 議案により説明した。 ○依田明善 委員長 理事者から発言を求められていたのでこれを許可した。 ◎青木千明 電気事業課長 別添資料1「春近発電所大規模改修について」及び資料2「新規発電所建設について」により説明した。 ◎竹花顕宏 水道事業課長 別添資料3「持続可能な水道経営の確立に向けたシンポジウムの開催について」により説明した。 ○依田明善 委員長 委員の質疑等発言を許可した。 ◆本郷一彦 委員 御説明、御苦労さまでございました。IMFの試算によりますと、産業労働委員会でもありましたが、米中両国の追加関税措置による貿易摩擦が一層激化することが予定されており、2020年、来年の世界成長率は、0.5%下押しされる見通しであります。そういうものを含めて、企業局の電気・水道事業は、現代文明社会の中にあって、最も重要な基盤であると認識をしております。その関連から、AIや技術革新と雇用の問題、エネルギー、そして気候変動など、国際協調が求められる課題も山積している中における企業局の位置づけではなかろうかと思うわけでございます。  例えば究極の環境型エネルギーとして期待される水素については、きょう、委員会の後に燃料電池の自動車を見せていただけるようでございますが、2017年の1月にダボス会議において、BMWグループやロイヤルダッチシェル、それからトヨタ自動車など、世界的な企業13社によって、水素と燃料電池の開発と商業化に向けて、大がかりな投資をさらに加速させていくための水素協議会が設立されるなど、研究開発が積極的に行われている現状でございます。したがって、これらの状況を踏まえて企業局は、これまで以上に、再生可能エネルギーを活用した発電事業や、安心で安全な水の供給事業を通じて、持続可能な社会の実現に広く貢献していくことが、大変期待をされているわけであります。  現在、発表されている経営戦略では、「経営の安定と発展の礎づくり」という基本方針のもと、「経営の安定」、「地域への貢献、地域との共存・共栄」、「リスクマネジメント」という三つの視点に立って戦略を推進することとしております。まずはどの程度の改定を想定しているのか、具体的にそれら基本方針や三つの視点も改定の対象としているのでしょうか。また、改定の対象としているのであれば、現時点ではどのようなスタンスで改定しているのでしょうか。  大きく第2問目ですが、電気事業について、平成26年度から約5億円の利益剰余金を一般会計へ繰り出しして、県立高等学校のICT化など、多岐にわたって極めて大きな社会貢献をしているわけでございまして、電気事業の利益を活用した地域貢献の取り組みは、目覚ましいものと私は認識しています。2020年をもって、今後の企業局の経営もいろいろ抜本的に見直しが予定されておるようでございますが、固定価格買取制度を最大限活用することがポイントとなると私は考えます。現時点で、現行固定価格買取制度は、2021年度以降どうなっていくと考えられるのか、その点をお答え願いたいと思います。  また、それを踏まえて、電気事業において、今後、既存発電所の大規模改修を具体的にどのように推進していく方針なのか、お答えいただければありがたいと思います。  3番目の大きな問題は、水道事業では、老朽化やいろいろと人手不足等の問題があり、水道法が17年ぶりに大幅に改正されました。県内では、点在する集落を抱えて、基礎的自治体は、数少ない職員で水道事業の運営を行っているという現状から、これから市町村の水道事業の経営は大変厳しくなることが予測されるわけでございます。県としても、県内市町村の広域連携の取り組みを加速させていく必要があると認識します。その中で、現在、広域的な末端給水や用水供給事業も、実際に担っている都道府県は、全国でもほとんどないという状況であります。そういう意味でも、広域的な視点で県企業局が担う役割は大変重要なものがあると考えますので、今後、具体的にどのような取り組みをしていくのかをお教え願いたいと思います。  最後に管理者にお伺いしたいと思います。経営戦略の改定に当たり、企業局の果たすべき役割はますます高まってまいりますが、それをどう捉え、今後、事業などをどのような方針で戦略的に展開していくのか、御所見をお伺いしたいと思います。質問は以上でございますので、それぞれのセクターでよろしくお願いいたします。 ◎藤森茂晴 経営推進課長 私からは、現在の経営戦略について、どの程度の改定を想定しているのか、また、基本方針と三つの視点の改定についてのスタンスについてお答えしたいと思います。まず、どの程度の改定を想定しているかでございますが、現在の経営戦略は計画期間が2016年から2025年までの10年間という長期戦略でございまして、今回の改定は、その最初の3年が経過したところでの、比較的短いスパンでの改定となりますので、基本的には、策定後に生じた企業局を取り巻く状況の変化等に対応して、残りの7年を想定したものでございます。  続きまして、基本方針と三つの視点の改定に当たってのスタンスでございます。まず基本方針である「経営の安定と発展の礎づくり」ですが、こちらを基本方針とした当時の企業局の状況でございますが、電気事業については、2012年に民営化から事業継続へ方針を転換いたしました。それから水道事業のうち、末端給水については、2014年に分割移管を前提とした関係自治体との協議を休止しまして、あり方については、関係自治体と一緒に研究していくことへ方針転換をしました。いずれも大きな方針転換があったという中で、こういったことにきちんと対応していくためには、まず組織の足場を固める、礎をしっかりきちんと戦略の中に位置づけることが必要だったと認識しております。しかし、現在は、この方針に沿った事業運営が順調に進められておりまして、礎づくりからは一歩前進していると感じているところでございます。  また、昨年度ですが、職員公募により決定いたしました企業局のCI戦略「水の恵みを未来につなぐ」が、将来に向けた前向きなフレーズであり、職員共通のミッションとして定着しているところでございます。こうしたことから、今回の改定では、これらを踏まえた基本方針にしていきたいと考えているところでございます。  それから三つの視点である「経営の安定」、「地域への貢献、地域との共存・共栄」、「リスクマネジメント」でございますが、これについては、現戦略を尊重していきたいと考えているところでございます。先ほどから、AIやIoTなど、先端技術の進展、それから人口減少社会ということで、知事部局もそうでございますが、しごと改革・働き方改革の推進といった新たな視点も出てきているところでございまして、こうした戦略策定後に生じた大きな情勢の変化については、しっかり盛り込んでいきたいと考えているところでございます。 ◎青木千明 電気事業課長 FIT制度の今後の見込み、そして既存発電所の大規模改修を具体的にどう推進していくかという御質問に対して、お答えさせていただきます。御指摘のとおり、FIT制度を最大限活用することが、電気事業の好調な経営を今後とも支えていくための最大のポイントではないかと考えております。ただ、FIT制度につきましては、2020年度末に抜本的な見直しを行うことが規定されている中で、現在、2021年度以降の確証がないために、私ども公営電気の集まりである、公営電気事業経営者会議を通じまして、FIT制度存続の要望を国へ行っているところでございます。  実際、制度の抜本的な見直しにつきましては、国において、ことしの4月以降、再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会という審議会でFITの抜本見直しを含む、今後の再生可能エネルギーの政策のあり方について、議論されていると聞いております。審議会では、再生可能エネルギーの業界団体や有識者へのヒアリングなどを通じて議論を深めている状況でございまして、前回が6月10日で第15回の委員会なんですけれども、その時点ではまだ方向は決まっていません。次回が7月5日に予定されておりますことから、その辺の審議状況を注視していきたいと考えております。  そして発電所の大規模改修でございますが、私どもはFIT制度が2020年までだという認識のもとで計画を立てさせていただいております。春近につきましては、先ほど御説明したとおり、2020年度末までにFITの認定を確実に得るという計画を立てておりますし、春近と同時期につくりました美和発電所につきましては、春近と同一水系の上流に位置する発電所でございますから、春近とタイミングを同じに改修していきたいと思っております。  そして与田切発電所につきましては、上流での開発も見据えまして、一体で改修をしていきたいという計画をしております。この美和と与田切ですが、春近ほど改修範囲が広くありませんので、春近に引き続いて、今年度中に設計・施工一体型での発注、年度内の契約を予定しております。年度内に契約することによりまして、来年度末、2020年度末までに、確実にFITの認定を得られるだろうと想定しております。いずれにいたしましても、これらの計画に遅れが出ないように取り組んでまいりたいと思っております。  それから、引き続きFIT制度に関する国の審議状況を注視しまして、既存発電所のみならず新規発電所の開発スケジュールにも反映していきたいと考えております。 ◎竹花顕宏 水道事業課長 私からは、市町村の広域連携の推進に向けた企業局の具体的な取り組みについてお答えさせていただきます。改正水道法では、水道の基盤強化に向けて、国や都道府県、市町村など、関係機関の責務が明確化される中で、都道府県は広域連携の推進役を担うこととされております。企業局は、県内の一部の地域ではございますが、約50年以上にわたって末端給水と用水供給事業を行う中で培ってきました知見を生かしまして、実務者の視点から、環境部や企画振興部、それから地域振興局と連携して、県内水道事業の持続可能な経営に向けた支援に取り組んでまいる所存でございます。具体的には、関係部局と水道事業市町村支援チームを編成いたしまして、昨年12月より地域振興局とともに県内市町村に直接出向いて、町長さんや村長さん以下職員の方々と意見交換を行いながら、地域の実情に即した支援に取り組んでおります。  広域連携の推進に当たっては、県内の市町村が互いに顔の見える関係を構築し、課題を共有した上で、同じ方向を向いて取り組んでいくことが大変重要と考えているところでございまして、その第一歩として、今年度は、先ほど御説明いたしましたシンポジウムを開催し、中山間地を抱える本県の特性を踏まえた広域連携のあり方などについて、市町村の方々と一緒になって考えていくきっかけづくりに取り組んでまいりたいと思っております。そのほかにも、長野市や松本市など、企業局の経営区域である地元市町村と企業局で構成する県営水道関係市町村等懇談会を本年5月に設置いたしまして、地域の水道をこれからどうしていくかという具体的な議論を、今後、進めてまいりたいと考えております。 ◎小林透 公営企業管理者 経営戦略の改定に当たりまして、企業局の果たすべき役割の個々につきましては、今、各課長から申し上げたとおりでございます。全体的にということで申し上げますと、やはり一つは、企業局の培ってきたものを最大限に生かして展開していくことが非常に大事でありまして、例えば電気事業における既存発電所のFIT適用でさらに60年もつものにしていく。あるいは地域電源開発は、基本的に水力を想定しておりますが、それをとことんやるということがあります。  もう一つは、今まで水道については営業区域内を中心にやっておりましたが、県全体の水道事業を持続可能なものにしていくという視点を持ち、経営の部分ではありますが、地域貢献にとっても非常に大きいと思っておりますので、そうしたところに踏み込んでいくということだと思います。  そういったことのためには、個々の職員が能力を最大限に発揮してもらうとともに、連携して、風通しのいい職場で組織立ってみんなで一丸となってやっていくんだということが必要だと思っておりまして、その中で、できれば新しい芽も育てていきたいということを、今回の戦略の中で考えてまいりたいと思っております。 ◆向山公人 委員 私から具体的な話をお伺いさせていただきます。今、説明のありました春近の発電所は、県内で25%、4分の1を占めているということで、大変ウエイトの高いところです。もう何年か前になりますが、この春近発電所の位置しているところは急傾斜の上にあり、その下には集落が集積をしており、一時、春近発電所から漏れたのか湧水なのかよくはっきりはわからなかったのですが、水が漏れてきたことがありました。いずれにしても、急傾斜地ですので、漏水に対してあの地域の中では不安な声が多くあり、年末だったと思いますが、水を全部抜いたときに検査をして、どうも発電所の水が漏れたのではないかということで改修をした経過がございます。いずれにしても場所が場所だけに、発電所の建設に当たっては、地形的なものや、湧水の問題も含めて、ぜひ調査をして計画を進めていただきたいと思いますけど、いかがですか。 ◎青木千明 電気事業課長 上水槽の水位をはかる管が少しずれておりまして、水が漏れたという事例がございました。そのときには、すぐに水を抜いて復旧をさせていただいたところでございます。今回、春近大規模改修に当たりましては、ちょうどその上水槽から下流側を考えておりまして、御指摘のとおり、上水槽につきましては、鉄管路も含めまして、この下に集落があるということから、万が一大量の水が流れ出しては大災害を引き起こしてしまう可能性があるという中で、予見し得る最大限の地震、震度に対して施設が健全であるという想定のもと、今回、つくり直したいと考えております。水圧管路につきましては、FIT制度の関係上、全面更新が必要になります。それから上水槽につきましては、そこまで必要はなかったのですが、必要な補強を全てやっていきたいと考えております。また、湧水の問題もございますので、地質状況をしっかり調査させていただいて、今回、提案型の発注になりますので、そういった視点でも提案をいただきながら、現状のベストのものにする工事を進めさせていただきたいと思います。 ◆向山公人 委員 最近、全国で気象変動が大変激しいということがありまして、場所によっては、ダムの水が10%台にまで減ってしまい、用水路の水が全くなくなってしまうという現象まで起きている状況です。水路管も、今度、全部新しくするわけですが、高遠ダムから持ってくる水路管についての災害の危険や、また、三峰川の総合開発も上で進めておりますし、天竜川の安全を考えれば治水ダムはどうしても必要だという話が持ち上がっております。こういった意味で、水の供給やその水路管の沿線の災害への心配は、今のところどう考えているのですか。 ◎青木千明 電気事業課長 高遠ダムから10.6キロという導水路でございますが、定期的に点検をさせていただきまして、細かなクラックはございますが、大きな損傷はありません。震度に対しましても、地中に埋まっており、地面と一緒に動きますので、出入り口を除けば、基本的には大丈夫と考えております。  それから水の問題ですが、ことしは、若干、春先に雪解けがなく渇水傾向でございましたが、発電所の運転を適宜控えさせていただきまして、かんがい用水が不足するような事態には至っておりません。先日の雨によりまして、美和ダムの水位も回復しておりますので、ことしは大きな渇水にはならないのではないかと考えている状況でございます。 ◆向山公人 委員 今、説明の中にもありましたが、この工事の発注については、地域貢献や、民間のノウハウを活用したプロポーザルです。ぜひ、こうした地元の大事な、大規模な発電であるだけに、当然、こういったものにはメンテナンスがついて回るわけでありますから、できれば、ぜひ地元業者も一緒になってかかわれるような、そんな方向で工事が進められるように希望いたしておきます。  また、近々、7月18日に箕輪ダムの起工式が計画をされておりますし、県内でも落差を利用した水力発電所が計画をされているわけであります。県内のこうした発電事業を進めていく中の、最終的な発電量の目標は、立ててやっているわけですか。 ◎青木千明 電気事業課長 現時点におきまして、経営戦略の中で、既に建設をしている発電所、それから出力増強をした発電所によって、経営戦略的な目標は達成しておりまして、これから新たな発電所、今回、10地点を候補地点としておりますが、そういったものを含めて、順次、進めていきたいと考えております。 ◆向山公人 委員 一つ一つには規模的に違いがありますので、発電量は違ってくると思います。ダムを活用した発電につきましては、その管理や所有権という言い方が合っているのかどうかわかりませんが、建設部が所管しているダムを使うと思います。その辺の責任や管理の役割は、どのようになっているのでしょうか。 ◎青木千明 電気事業課長 ダム本体の管理につきましては、施設管理者として建設部になります。発電所については、当然、私どもの管理です。周辺の環境を含めて、そういったところについては、今後、発電所が運転開始をするまでに協議をさせていただきながら、得手・不得手もございますので、対応してまいりたいと思います。 ◆向山公人 委員 例えばトラブルがあったときのダムと水力発電の問題においては、連携をして管理していくと解釈してよろしいですか。 ◎青木千明 電気事業課長 ダムには管理用の監視装置もございます。私どもの発電所の情報は当然、私どもの責任において取り込むように工事をやってまいりますし、逆にダムの情報は、私どもも知らなければ当然、管理できませんので、そういった情報のやりとりを、システム的にも、人的にもやっていく形になります。 ◆向山公人 委員 春近発電所も含めてですが、管理は、所管とすれば南信発電管理事務所が全て管理をするということでよろしいですか。 ◎青木千明 電気事業課長 既存の発電所も含めまして、新しい発電所も、今、計画しておる県管理ダムにつきましては、天竜川沿いですので、南信発電管理事務所の所管という位置づけでおります。 ◆向山公人 委員 横川や松川、小渋まで含めて、南信発電の管轄する区域というのは、どこの部分まででしょうか、春近発電所はどこでしょうか。 ◎青木千明 電気事業課長 春近発電所については、南信発電でございます。南信発電の管内は、おおむね発電所まで2時間程度で行けることで想定をしております。 ◆向山公人 委員 そうすると、新しく春近発電所を建設して、南信発電が管理するということになると、体制については、現況のままか補強するのか、いずれにしろ管理体制は組むということでよろしいでしょうか。 ◎小林透 公営企業管理者 ただいま新規電源開発も含めた、今後の管理のあり方という御質問かと思います。これにつきましては、今、ごらんいただいた資料2にございますように、これまでなかった川上村や南箕輪村、富士見町、御代田町という、全く新たな地点もございまして、県内全体をどのように管理するのが一番いいのかというのは、正直言いますと、走りながら考えていかざるを得ないところがあるかと思います。FIT制度がこれからどうなるかわからない中で、どこまで開発ができるかというと、県環境部の考え方もありまして、再生可能エネルギーの普及拡大、供給拡大の一翼を担って、経営さえ成り立てば、より多くの電源開発をやっていきたいという思いはあります。それによって、委員御指摘のように、今までどおりの体制で管理ができるのかということもございます。  その辺のところは、今回、調査もさせていただいている先端技術活用の話にもなりますが、そうしたものも含めて、あるいは中央監視的なものをどうしていくかもあると思いますが、全体の中で、どうやっていくのが最適かについては、走りながら考えさせていただきたいと思っているところであります。 ◆向山公人 委員 当地域の中では、中部電力や丸紅さんがいろいろ計画をして実施しております。同業者という言い方がいいのかどうなのかわかりませんけれども、こういった丸紅や中部電力との連携は、どのようにお考えになっていますか。 ◎青木千明 電気事業課長 当然、私どもも中部電力の送電線網を使わせていただいて売電をさせていただいております。それから丸紅さんは、三峰川電力という会社ですが、私どもの美和発電所の上流にあるということで、技術的な交流を含めて、いろいろと話をさせていただきたいと思います。 ◆向山公人 委員 最後にえげつないことをお聞きしますけれども、これだけの取り組みをすると、企業局は、県の稼ぎ頭になるわけです。この売電収入については、どのような予算編成をするのですか。 ◎小林透 公営企業管理者 売電の今後の展開に二つ大きな要素がありまして、先ほど来から話題になっているFITの部分で、どこまで適用ができるのか、それによってどこまで電源開発ができるかということがあります。  それともう一つは、ノンFITの部分でございまして、これについては、本年度で契約が切れて、来年度から新しい契約を結ぶために、今、準備をさせていただいております。この電力需給バランスによって価格が変わってくるわけで、この辺の動向が、今後、どうなっていくのかという点があります。これは、私どもで調査をしている中で申し上げますと、大きな話としては、例えば原子力発電所の再稼動等がどうなっていくかというオールジャパンの話にも当然なっていく中で、見通しをどう立てていくかということは、本郷委員からの御質問にもお答えした戦略の中で、中長期的にどう見通していくかということに通じていくだろう思います。今、確たるものはないので、その辺のところは、戦略を改定する中で、しっかり見きわめてまいりたいと思っております。 ◆向山公人 委員 最後に、地域貢献ということで、先ほどの建設についてはわかりましたけれども、これだけ地域の中でいろいろな事業を展開するということで、地域へのメリットは何かありますでしょうか。 ◎小林透 公営企業管理者 先ほども申し上げましたように、地域への貢献は非常に大きなテーマとしてやらせていただいております。今回も、本年度予算で、水の恵みを未来につなぐ交付金を新たに立ち上げさせていただきました。これは、既存も含めて電源開発地域を対象として考えております。3年間で最大1,000万円の交付金であるとともに、単に交付金ということではなくて、私どもは技術屋の集団でもございますので、こうした技術力を生かして、中山間地域は専門的な方がいらっしゃらないというところが、非常に厳しい状況でありますので、ICT活用も含めた中で、我々技術屋がそのような地域の中に入って一緒になって取り組みます。そのような中で、新しい地域の創造をしていくというところに取り組んでいきたいと考えております。  それともう一つ、先ほども少し申し上げましたが、水道事業では、営業区域外も含めて何でも相談も受け付けておりますし、出張相談も知事部局とともにやっております。持続可能な水道経営を県内一円に確立するためには、営業区域内外を問わず、取り組んでまいりたいと思いまして、そのように地域貢献にも取り組んでまいりたいと考えております。 ◆宮下克彦 委員 企業局は、小林管理者のもと、大きな財源を生かしまして、昨年度来、働き方改革ということで、フリーアドレス等も含めて柔軟なオフィスの改善をしてきていまして、雰囲気もよくなってきているのではないかと、私は見ているところです。その辺について、藤森経営推進課長はほかの部局から来られて、率直な話、どのようにお感じでしょうか。 ◎藤森茂晴 経営推進課長 私は同じ7階でも北側にいたものですから、物理的にも、それから仕事のやり方も含めて大分職場の雰囲気が違うなと感じたところでございます。 ◆宮下克彦 委員 職員の生き生きした働き方ということで、ぜひ県行政をある意味でリードしていっていただきたいと期待しておりますので、ぜひ豊富な財源をバックに県全体の行政をリードしていただきたいと要望しておきたいと思います。  資料1でございますけれども、25%を占めている春近発電所の改修について、FIT期間で改修できるということですが、FITによって今までよりもどのくらい有利に収入が入ってくるのでしょうか。 ◎青木千明 電気事業課長 現在、現行の売電契約におきましては、春近発電所の売電単価が9円となっております。FITの単価ですと現行で20円なので、倍以上になります。 ◆宮下克彦 委員 25%を占める大きい発電所と、こういったFITという制度で、企業局にはさらに有利な経営を進めていってもらいたいと思います。  資料2で、新規発電所の開発地点が発掘されて、A評価であり、FITに対応するものが4件ということですが、ポストFITがまだはっきりしないということではありますが、次の6地点以降も研究を進めていくということでしょうか。
    ◎青木千明 電気事業課長 B地点につきましては、この現状で、ポストFITも見据えるということでございます。できる限り現行FITの中で多くやっていきたいと思っておりますし、ポストFITを見据えながら、長野県内には山・谷、多くございまして、水力地点としては豊富だと承知しておりますので、ここの開発をさらに進めていきたいと考えております。 ◆宮下克彦 委員 環境面も考えますと、とてもいい方向だと思いますので、今後も、ポストFITということを抜きにしましても、いい方向へどんどん開発を進めていっていただきたいと思います。  続いて資料3ですけれども、持続可能な水道経営ということで、昨今、水道経営を民間に委ねるなどの考え方も出ているところです。その辺を含めて、用水供給や末端給水をされている企業局にとって、持続可能な水道経営にはどういったところがポイントになるか、水道事業課長にお聞きしておきたいと思います。 ◎竹花顕宏 水道事業課長 昨年の水道法改正では、コンセッションが可能になるということで、これにより報道機関等で水道が民営化可能になってしまうかのような報道が一部されたところでございます。あくまで法律の改正によって、コンセッションによっても、その事業の主体、責任者は公でございます。市町村を中心とした地方自治体、公共団体が水道の責任者であることは変わりございません。その中で、持続可能な経営を進めていくに当たってのポイントでございますが、やはり水道は巨大な設備を擁しており、長期にわたって安定的に安全な水道水を供給していくことが使命でございますので、やはり長期的な視点で常に事業に向き合っていく。経営判断をするに当たって、常に中長期的な視点で物事を考えていくことが何よりも重要ではないかと思います。  その中で、具体的には、総務省が平成26年に全国の自治体に策定を要請しました経営戦略、言いかえれば、計画期間10年以上の長期の経営計画ですが、このような長期的な視点に立った経営計画を立てて、計画的にそれぞれの事業に取り組んでいくことが重要なのではないかと考えております。 ◆宮下克彦 委員 持続するためには、長期的に計画を立ててやっていくことが本当に大事だと思いますので、ぜひ、県下の小規模な自治体への支援等も含めまして、ぜひ県下の水道の担い手のリーダーとしても頑張っていただきたいと思います。  最後に、3.11の東北の震災以降、FITということで大分、発電の状況も変わってきまして、企業局という公営企業で実施する事業自体の存在意義も、大分、変わってきたと思います。環境面、また市町村の支援というような地域貢献、それから一般会計への貢献ということも含めて、企業局の存在意義が上がってきたのではないかと考えますが、その辺の企業局の意義につきまして、環境面も含めて、管理者の御所見を伺いたいと思います。 ◎小林透 公営企業管理者 企業局、公営企業の存在意義についての御質問でございます。委員御指摘のとおり、やはり地域貢献、あるいは広く環境面を視野に入れながら、むしろメインに据えながら事業を展開することは、地方公営企業の一つのあり方だろうと思います。電気事業も水道事業もそうなのですが、長野県の場合は、非常に中山間地域が多くて、地形も非常に入り組んだ地形になってございます。平坦な地も少ないです。これが逆に、電気で申しますと、水の落差、位置エネルギーによる水力発電でございますし、それに、中小であれば適したところはまだまだあるのではないかと、私どもは思っております。安定的に水を得られるのかが非常にポイントでございまして、民間企業はなかなか手が出ないところへ、私どもは入っていきます。地元の市町村の協力を得ながら、一緒になって取り組んでいくところに公営企業の一つの意義があろうと思います。  逆に水道事業でいうと、例えばお話がございました民営化にしろ、広域化にしろ、踏み込んでいくには、非常に厳しい条件だろうと思います。民間も入っていけないようなところに、しかも広域自治体である県が持っている企業局が、広い視野を持って、水道事業を実際に行っている市町村とともに取り組んでいくことは、民間企業ではなかなかできないことですし、県の企業局以外ではなかなかできないと思います。それぞれの市町村には、私どもよりも大きな水道局はございますが、自前のところをやるのでいっぱいいっぱいのところもありまして、私どもももちろん自前のところもやっておりますが、県の企業局としては全体を考えなければいけないという思いで取り組ませていただいておりますので、それがやはり県の企業局としての役割であるし、今後、さらに中山間地でいかに安心して県民が住み続けられるかを、ぜひ市町村や地域とともに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆宮下克彦 委員 職場環境も率先して改善して、さらにますますの力強いリードをお願いしたいという要望をしまして、私の質問を終わりにします。 ◆花岡賢一 委員 委員会資料ではありませんが、長野県公営企業戦略の改定についてお伺いしたいと思います。スケジュールを見ると、7月、今月ですが、審議会の委員の改選と書いてあります。具体的にそれはいつなのか、そしてどれくらいのメンバーが変わるのか、教えていただけますでしょうか。 ◎藤森茂晴 経営推進課長 審議会の委員につきましては、基本的には、現在いらっしゃる方に引き続きということで手続を進めております。お一人だけ辞退したいという方がいらっしゃいますので、その方については後任の方を考えているところでございまして、7月10日に手続を進めさせていただくところでございます。 ◆花岡賢一 委員 その後、スケジュールをなぞっていくと、県議会企業委員会の欄でいくと、11月に改定案の説明とありますが、そこまで、私たちはその改定案に触れることはできないんでしょうか。 ◎藤森茂晴 経営推進課長 改定案につきましては、10月に審議会を予定しているということで日程を進めておりますので、改定案そのものは11月議会になると思っております。その前段として何らかの形で、例えば現在の取り組みの状況ですとか、そういったものについてお示しできるようなものをつくっていきたいと考えております。 ◆花岡賢一 委員 スケジュールをさらになぞっていくと、11月にパブリックコメントと囲ってあります。となると、委員会での審査とパブリックコメントは、どっちが先になるのか、もしくは同時進行なのか、教えていただけますか。 ◎藤森茂晴 経営推進課長 パブリックコメントと委員会への説明は、同時を考えているところでございます。 ◆花岡賢一 委員 わかりました。改定についての経過ですが、当初計画との乖離が顕在化していることが理由になっていますので、常に情報を私たちにもいただきたいということをお願いしまして、私の質問を終わります。 ○依田明善 委員長 午後3時まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午後2時42分 ●再開時刻 午後2時57分 ○依田明善 委員長 再開を宣した。  引き続き、委員の質疑等発言を許可した。 ◆川上信彦 委員 資料1の春近発電所の概要の部分の4ですが、目指すべき姿のところで、次の60年に向けた再生可能エネルギーのシンボルとして長野県電気事業の拠点となる施設にとありまして、その②には、最先端技術を要し、保守の簡素化及び環境に配慮した発電所となっており、IoTやAIなど最先端技術を用いて保守管理性にすぐれ、環境にやさしい発電所とあるのですが、どのようなものに取り組まれているか教えてください。 ◎青木千明 電気事業課長 60年前の今の発電所につきましては、ただメーターがついておりまして、私ども職員が巡回をしてそのメーターを読んで、肌で発電所の状況を感じるのが今までの発電所でございました。最近、センサーの技術も発達しておりますし、AIによるセンサーを用いてデータを収集して、今の状態はこうだと明らかにできる状況になってきておりますので、そういったところでございます。  それから現状の発電所につきましては、機器の操作のために油圧を使ったりしております。水車が高速で回転しておりますので、軸受けのところで、油の軸受けとなっております。現状におきましてはそうなのですが、最新の技術によりまして、そういった操作誘導の部分も電動になったり、油の量が少なくなったり、軸受けについても、油を使わないものも出てきております。春近の発電所は規模が大きいので、なかなか難しいかもしれませんが、そういったものも含めて、御提案をいただく中で、最新のものを使っていきたいと考えております。 ◆川上信彦 委員 次に、その下に地域との共存共栄により水の恵みを未来につなぐ発電所とあり、災害に強い設備の構築とありますが、災害に強い部分について教えていただきたいと思います。 ◎青木千明 電気事業課長 昨年、北海道で地震があったときにブラックアウトが発生しております。ああいった事態は起きないことが一番なのですが、万が一起きたときに、北海道のときも同様に火力がとまってしまう中で、最初に電気を供給し始めたのが水力発電所でございます。その水力発電所から次々と発電所が連携をしていって、停電が復旧していくという形になっています。残念ながら、私どもの既設の発電所につきましては、中部電力など基幹の発電所が立ち上がってから、仲間に加わっていくという現状になっております。今回、そういった大規模な停電が起きても、春近発電所がみずから運転をして、発電所の周りは明るくなることを目指しております。しかし、残念ながら、法律上、すぐに地域の皆様に供給することが現状においてはできないこともございますので、将来の法改正などを見据えて、そのような発電所にしていきたいと考えております ◆川上信彦 委員 私はこの施設を直接見てないので、希望になるのですが、この発電所のコンセプトなどを理解させていただく中で、もう一方の地域のメリットとして、環境、また循環型社会についてわかりやすい表示や学習に適した教材、また表示の仕方等も、お子さんとか含めて地域の皆さんが見てわかるようにしていただき、学びの場としても、ぜひ地域に貢献していただけるような施設になることを希望しまして、質問を終わらせていただきます。 ◆小林君男 委員 少し大それた話になりますが、人類には、その処分方法が未知数という今の原子力発電の状況の中で、自然再生可能エネルギーを利用したやり方は、今の私たちの中では非常に得策ではないかと思います。そういう中で、このFIT期限に確実に間に合う効率的な発注の中で、初歩的な質問ではあるのですが、例えばこの春近の発電所を見た場合には、トータルコストで40年のように見ておられると思いますが、どのように見ておられるでしょうか。あるいは、先ほどありましたように、AIなど今の最先端技術を使った場合に、何年ぐらいで回収できるのか。そういうことをおわかりになったら教えていただきたいと思います。 ◎青木千明 電気事業課長 一昨年、PFI手法と、私どもの企業局の直営で更新をした場合で比較をしておりまして、FITの期間が20年間で、単価は先ほど申し上げましたけど、20円です。大体、1億キロワットアワーを年間で発電しておりますので、20年間で400億円の収入がございます。そして、支出である建設費などを差し引いて、企業局として20年間の利益としましては、220億円以上あるのではないかという試算をしているところでございます。  それから最先端の技術を使った場合にどのくらい発電所がもつかということですが、発電所そのものにつきましては、現状の発電所も60年間、少しずつ手直しをしながら運転をさせていただいておりました。FITがなければもう少し頑張らせることもあるのですが、今回、FITといういい制度もございますので、この機会にと考えております。AIとかIoTの場合については、電子機器を使っていますので、その都度更新はありますけれども、そういったものも含めて、順次、手入れをしながら発電所を60年以上使っていけるのではないかと思っています。 ◆小林君男 委員 少し別の視点でお伺いしたいのですが、1次選定、2次選定で10カ所ほど候補地が上がっています。私が住んでいるところでは、鉱毒水の水源がかなり多いところもありまして、企業局ではありませんが、そこでも既に小規模の発電所を構えてやり始めています。そういうところでは、ある程度鉱毒水でも、大規模な発電設備を構えることはできるのでしょうか。例えばタービンがすぐ劣化してしまうなど、そのようなことはあるんでしょうか。 ◎青木千明 電気事業課長 米子の地点や高山村の地点で発電所を建設されている民間の事業者があると承知しております。米子のほうは詳しく存じ上げませんけれども、高山の地点につきましては、水車の部分を普通の鉄ではなく、ステンレスで鉱毒水対策をして発電をしていると聞いております。 ◆小林君男 委員 水道事業についてお伺いしますが、先ほど公営企業管理者が御挨拶の中で、基幹管路の耐震化は、令和6年で終了するとおっしゃいました。まず、そのことについてお願いします。 ◎竹花顕宏 水道事業課長 基幹管路の耐震化の取り組みについてのお尋ねでございます。私どもは末端給水事業と用水供給事業の2つ事業を行っておりますが、それぞれ、管路の耐震化、基幹管路の耐震化を計画的に進めております。当初の計画よりもそれぞれ1年前倒しいたしまして、用水供給事業の管路につきましては令和5年度、末端給水事業につきましては令和6年度、それぞれ計画よりも1年前倒しをして、スピードアップして取り組むことを予定しております。 ◆小林君男 委員 また別の角度ですけれども、水道事業の広域化を、今、進められていると思います。自然災害を想定した場合には、水源を分散化するだとか、施設を分散化するという手法が、長野県の場合は適しているのではないかと考えています。その点、いかがでしょうか。 ◎竹花顕宏 水道事業課長 たび重なるいろいろな自然災害に対して、いろいろな手法、対策が考えられると思います。今、委員お尋ねのように、いわゆる水源を複数持って、一つがだめになったとしてもほかでバックアップをすることも大変重要でございまして、それは水源の確保しかり、電力の確保しかり、一つのものがだめだった場合、別の手法で何とか安定的に水を供給する。一時的に断水になったとしても、なるべく早く復旧する、長期間の断水をなるべくなくすための取り組みは大変重要だと思っております。そのような観点で、災害対策を進めていきたいと考えております。 ◆小林君男 委員 さらなる御奮闘をお願いしたいと思います。 ◆鈴木清 委員 初めての委員会ですので、基本的な部分を確認させてください。公営企業の設置について、根拠法令は何ですか。 ◎小林透 公営企業管理者 地方公営企業法と考えております。 ◆鈴木清 委員 地方公営企業法の中で、認められている事業、あるいは認められない事業という区分があると思います。私の記憶は、もう50年前の企業局の思い出しかないものですから、あのころは、相沢さんが中心になられて、菅平方式をまずやめて脚光を浴びた時代もありました。それからさらに企業局の中には、今、水道と電気ですが、当時はガスもありました。昨今、いろいろな論議がかしましいのですが、例えば水道事業の場合、これは皆さん方のOBであり長野市に籍を置いた方から、水道事業において、県水は源泉の供給で、末端給水は市町村だと、個人的には思っていますという意見がありました。そういう状況に対して、水道事業課長は、今、どのような考えをお持ちですか。 ◎竹花顕宏 水道事業課長 水道につきましては、水道法で、基本的に市町村が行うものという規定があります。ただ、市町村以外はできないのかと言われますと、そういうことではなく、都道府県が行っている事例として、東京都、千葉県、神奈川県でも、私どもと同じよう末端給水事業を行っております。一般的に都道府県は、どちらかというと水源、いわゆる用水供給を行っている事業体が多い状況でございます。  そんな中で、企業局は、末端給水と用水供給の両方を行う形で、末端給水につきましては、昭和39年から給水を開始しております。当時、いろいろな社会情勢のある中で、こういった枠組みで50年やってまいりました。その間、社会情勢も変わり、また市町村合併等もありまして、たまたま結果的に長野市の南部から上田市にかけまして、県が担っている状況が続いてきております。この枠組みのまま、未来永劫このままで行くのか、または変えていくのかということにつきましては、ちょうど今、法律も改正になりまして、水道経営が厳しい状況になっていく中で、広域化、広域連携という一つのテーマも与えられております。  人口の減少や施設の老朽化対策、地震対策により、基本的に水道事業の経営はこれからどんどん厳しくなる中でも、私たちの地域の水道を守っていかなければいけない。そのようなときに、この枠組みのままでいいのか、このまま続けていくのかという議論は、関係の市町村さんと深めていきたいと思います。ですので、今すぐにこれをどうしていくのかということは、まだ申し上げられる段階ではございませんけれども、関係市町村さんと合意形成を図りながら、地域水道を守っていく取り組みを進めてまいりたいと思っております。 ◆鈴木清 委員 公営企業というのは、長野県民である以上、等しく公共サービスを享受できなければならないという大前提があると思います。ですから、遠く離れたところに一軒家でお住まいの方々にも、電気・水道だけはきちんと担保しなければいけないということだと思います。これからの水道事業の中で、民営化という論議がありましたが、本県のそれに対する解釈、受けとめ、あるいは基本的な考え方はどんな状況ですか。 ◎竹花顕宏 水道事業課長 昨年、成立した改正水道法では、コンセッション、いわゆる施設の運営を民間企業、民間事業者に譲渡する、施設の運営を民間の事業者が行うことができる規定が条文に盛り込まれました。これについては、水道を外国の資本に売ってしまうのではないかという一部報道により、一般の市民の方も大変御心配をされて、そのような声が私どもの事務所にも寄せられたこともございます。ですが、法律は、あくまでもその水道の経営の責任者、経営の主体は、自治体、市町村、都道府県にあるとなっておりますので、あくまでもこの安全・安心な水を安定的に供給していく責任は、市町村、公共団体にあるものと思っております。  私どもが今、水道事業を運営している中で、全ての業務を私ども職員がやっているわけではございません。一部の業務、例えば料金の徴収や、浄水場の管理といった一部の業務につきましては、事業の効率性、それから顧客サービスの向上という観点から、民間の活力や知恵といいますか、そういうものも活用させていただきながら、全体的によりよい事業経営になるように取り組んでいるところでございまして、最終的には事業の全体のコントロールは、あくまでも私ども公共団体にあるものという認識で取り組んでおります。 ◆鈴木清 委員 民営化した場合、外国資本云々については、水道事業そのものじゃなくて、一番、安全保障上危惧されているのは、水源の森なんです。例えば北海道ニセコあたりでは、中国資本が間接的に関与し、水源の確保をしている。非常に安全保障上、今、問われている問題が多発しています。私が申し上げたいのは、民営化になった場合、例えば企業局の電気事業の売上、それから水道事業の収益は、公営企業である以上、税の対象になりませんよね。電気事業の場合、年間収益、どのぐらい上がっていましたか。 ◎青木千明 電気事業課長 約40億円ぐらいです。 ◆鈴木清 委員 単純に民間の事業者の発想からいくと、40億円はいわゆる企業収益に対する税の交付対象、あるいは消費税も含めて税の課税対象になるわけです。ですから、それらが対象にならないということになると、先ほどの論議に戻るのですが、長野県内の市町村、あるいは非常に狭隘な環境、山村僻地という言葉を使っていいのかどうかわかりませんが、そのようなところに住んでいる方々にも、あくまでも県、あるいは市町村が責任を持ってこの事業を進めていくという大前提があるということですよね。その辺について公営企業管理者はどうお考えですか。 ◎小林透 公営企業管理者 ただいま企業局の責任についてかと思います。もちろん経営を、市町村、あるいは県がしていくということで、委員御指摘のとおり、水道事業においては、やはり安全・安心な水道水を安定的に供給することを、市町村とともに取り組んで、県内一円、どこでもそうしたことを実現するために、役割分担しながらやっていくことが我々の責務でありますし、また電気につきましても、地形・地理を最大限活用して電源を立地いたしまして、しっかり電気をつくりながら供給していくことを継続してやっていくことで、私どもとして責務を果たしてまいりたいと考えております。 ◆鈴木清 委員 あくまで県の企業局関与の電気事業・水道事業という範囲はよくわかっています。たまに民間の電力会社、例えば野尻湖の水利権は、隣の上越市の土地改良区、水利組合にあり、あの水を一番利用しているのは東北電力なんです。その場合のいろいろな利害調整、湖岸に店を出したいとか、夏場にショップを出したいといった場合、調整するときに困った時期がありました。東北電力の一番のユーザーはどこか調べたら、たまたま私が関係した信越化学の直江津工場が一番のユーザーでした。ではそっちから話を持っていくかということがありました。  ですから、電力会社とは別にして、長野県の施設管理者は建設部、それから発電機能を持ったのは企業局といった場合、違った切り口で、観光客などの皆さんが見えたときに、地域の物産品や地場産品を、その周辺で販売することは、管理者の判断で許可することは可能なのでしょうか。わかりやすく言うと、何々ダムがあり、そこで発電している。そこへ子供たちや県外からの皆さんが桜の観光などで来たときに、その施設内に売店のようなもので、地域の皆さんが四季折々のものを販売するようなことは、もし申請があった場合、管理者のみの判断で認めることができますか。 ◎小林透 公営企業管理者 ただいまの御質問について、私どもの発電所の場合は、ダム下にございまして、ダムと一体ではありますが、実際に観光客がいらっしゃるのは、ダムのほうであることが実際には多いだろうと思います。そうした場合には、県が管理するダムがあれば、国で管理されているダムもございますので、それぞれの管理者の御判断になります。私どもの発電所のところへ来るようなツアーを組まれれば、そこに呼び込むことは可能かもしれないですが、ふだんは、管理上なかなか立ち入りをさせてないものですから、実際にはダムの管理者が判断するのが実態としては多いと思います。ただし、もちろん私どもが管理している区域内で、そうしたものが安全上、可能であるとすれば、そうした許可は考えていきたいと考えております。 ◆鈴木清 委員 老後の蓄えのために店を出すというときがあるかもしれませんので、お願いします。最後に、県水・市水の区分けの中で、御案内のように長野市は、いわゆる犀川から南、犀川から北と、2つの事業体が分かれて運営しています。どっちの水がうまいとかまずいとかいう論議は別として、イニシャルコストは県水のほうが高いとか、長く使ったらこっちのほうが安いとか、同じ長野市民なのに料金体系が違うことはいかがなものかということについて、市の公営企業管理者と話し合いをされたことがあるのかどうなのか。その辺、水道事業課長どうでしょうか。 ◎竹花顕宏 水道事業課長 今、犀川の南と北で、市の水道と県営水道に分かれております。料金の体系も、委員御指摘のとおり、若干異なる部分があり、使用水量によって、県水のほうが高かったり、また安かったりすることがございます。長野市との連携の関係では、私どもも実務者レベルのみならず、比較的上の立場の人間同士でも、意見交換を、特に今年度から密にやり始めたところでございます。いろいろなテーマがございまして、例えば工事のやり方や器具の仕様も違っているため、それを一緒にしたほうがいいのではないかというようなレベルのものから、御指摘のような料金の関係で、同じ一つの行政区域で異なる料金体系は、50年やってきたわけですけれども、一つの課題だというような御指摘もあります。そういったことも含めて、いわゆる県営水道関係市町村懇談会で問題提起をしつつ、共同化、広域化、広域連携など、できるところからやっていくという考え方で取り組んでまいりたいと思っております。 ◆鈴木清 委員 今、あえて県水・市水の、同じ行政区域の中の区分けの話をしたけれども、いわゆる縦割り行政の中で、かつて議会の中で質問させていただいて、一歩、解決、実現に近づいたものがある。それは県営住宅と市営住宅で窓口が別なことです。県の住宅公社で管理している県営住宅と、長野市の住宅課が管理している市営住宅が併設していました。今の少子高齢・核家族化の中で、たまたま離婚して小さな子供を抱えたパートの奥さんが、実家へ帰っても、既に実家には跡取りの嫁さんやその子供もおられるので、早くアパートへ移りたいと思っておりました。でも民間のアパートへ移れば家賃も高いし費用もかかる。では公営住宅へ行きたいということで、2時間の休みをとって行ったら、これは県営住宅ですから県の住宅公社へ行ってくださいと言われました。その逆もあります。ですので、県・市の垣根を乗り越えて、窓口運用の一元化を図るべきだということで、ようやくそうなりました。  私が申し上げたいのはそれと同じことで、新しく長野市に引っ越して来られた方々が手続きをするときに、県水も市水も、運営は別であっても、窓口は相互乗り入れできるように、ぜひ長野市と相談してみてもらいたいと思います。これは県営水道ですから企業局になります、これは市水ですから長野市の水道局ですとするのではなく、同じ長野市民である以上、同じ県民である以上、市町村・県の垣根を越えて、せめて受付の窓口ぐらいは一本化してもらいたいなということをお願いしたいと思います。長野市上下水道事業管理者である髙見澤君に私から言っておいてもいいですが。では、私の申し上げたことに対して、管理者はどうお考えですか。 ◎小林透 公営企業管理者 ただいま、いわゆる県水・市水の窓口一本化という委員の御指摘だったと感じております。先ほど水道事業課長から申し上げましたとおり、本年度から管理者レベルで、末端も用水も全ての管理者や部局長が一堂に会して第1回の懇談会をやらせていただきました。そうした中で、例えば長野もそうですし、千曲も混在していますし、あるいは上田も混在しています。特に末端をやっているところは、そういうことが多々ございまして、広域化どころか、一つの市の区域内でも別々の事業体がやっているという状況でございますので、お話のとおり、市民の皆さんの利便を向上させる方策はないのかについても、一つのテーマとして、ことし、話し合いを続けてまいりたいと思います。できるだけ利便に供するような方向で検討してまいりたいと思います。 ○依田明善 委員長 ほかに御発言もあろうかと思いますが、以上で企業局関係の質疑を終局いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、質疑を終局いたします。  ただいまから、議案の採決に入ります。  第4号「県営水道条例の一部を改正する条例案」について、採決いたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上で、企業局関係の審査を終局いたします。  本日の審査はこの程度とし、明3日は午前10時30分から委員会を開会し、観光部関係の調査を日程といたします。  散会を宣した。 ●散会時刻 午後3時27分 △採決結果一覧(企業局関係)  (付託議案)   ▲原案のとおり可決すべきものと決定したもの(簡易採決)    第4号「県営水道条例の一部を改正する条例案」...