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平成31年 2月定例会本会議-02月21日-04号

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  1. 長野県議会 2019-02-21
    平成31年 2月定例会本会議-02月21日-04号


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    平成31年 2月定例会本会議-02月21日-04号平成31年 2月定例会本会議 平成31年2月21日(木曜日)  出席議員(58名)   1 番 花岡賢一      27 番 備前光正   2 番 今井愛郎      28 番 両角友成   3 番 寺沢功希      29 番 吉川彰一   4 番 山口典久      30 番 清水純子   5 番 百瀬智之      31 番 小池久長   6 番 金沢敦志      32 番 諏訪光昭   7 番 小山仁志      33 番 髙橋岑俊   8 番 共田武史      34 番 今井 敦   9 番 丸山大輔      35 番 丸山栄一   10 番 荒井武志      36 番 竹内久幸   11 番 堀場秀孝      37 番 小林伸陽   12 番 依田明善      38 番 高村京子   13 番 石和 大      39 番 今井正子   14 番 埋橋茂人      40 番 村上 淳   15 番 藤岡義英      41 番 小池 清   16 番 髙島陽子      42 番 宮本衡司   17 番 小川修一      43 番 清沢英男
      18 番 中川宏昌      44 番 垣内基良   19 番 浜 章吉      45 番 鈴木 清   20 番 酒井 茂      46 番 西沢正隆   21 番 堀内孝人      47 番 風間辰一   22 番 小島康晴      48 番 佐々木祥二   23 番 小林東一郎     49 番 向山公人   24 番 下沢順一郎     50 番 高橋 宏   25 番 山岸喜昭      51 番 宮澤敏文   26 番 和田明子      52 番 平野成基   53 番 本郷一彦      56 番 服部宏昭   54 番 村石正郎      57 番 望月雄内   55 番 萩原 清      58 番 古田芙士         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        阿部守一    建設部長      長谷川朋弘   副知事       太田 寛    建設部リニア整   副知事       中島恵理    備推進局長     水間武樹   危機管理監兼危           会計管理者兼会   機管理部長     池田秀幸    計局長       塩谷幸隆   企画振興部長    小岩正貴    公営企業管理者   総務部長      関昇一郎    企業局長事務取扱  小林 透   県民文化部長    角田道夫    総務参事兼財政   健康福祉部長    大月良則    課長        伊藤一紀   環境部長      高田真由美   教育長       原山隆一   産業政策監兼産           教育次長      轟 寛逸   業労働部長     内田雅啓    警察本部長     伊藤泰充   観光部長      熊谷 晃    警務部長      野﨑美仁   農政部長      山本智章    監査委員      田口敏子   林務部長      山﨑 明         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      吉沢 久    議事課担当係長   神戸圭一郎   議事課長      村松敏伸    議事課主査     山崎紀子   企画幹兼議事課           総務課担当係長   伊藤啓一   課長補佐      小松健一         ───────────────────  平成31年2月21日(木曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    各委員長の報告案件      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    各委員長の報告案件         午前10時開議 ○議長(鈴木清 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑並びに各委員長の報告案件についてであります。  次に、三輪晋一教育次長から本日及び明日欠席する旨の届け出がありましたので、報告いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(鈴木清 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  お手元に配付いたしましたとおりの議員から行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑の通告がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。  順次発言を許します。  最初に、百瀬智之議員。       〔5番百瀬智之君登壇〕 ◆5番(百瀬智之 君)おはようございます。早速質問に入ります。  2015年9月に発生した関東・東北豪雨、鬼怒川の大災害を踏まえ、同年12月に社会資本整備に関する審議会より「大規模氾濫に対する減災のための治水対策のあり方について」と題する答申がなされました。それによると、気候変動によりダムや堤防などの能力を上回る洪水がますます起こると予想されることから、社会の意識を「施設の能力には限界があり、施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生するもの」へと変え、社会全体で洪水氾濫に備える必要があるとしています。今までの治水や利水といった川を治めるという考え方から、私たちの生存基盤である自然の川と共存していくという方向に考えを変えていかなければなりません。  また、ダムや高い堤防をつくることで川のすぐ近くまで生活の場を広げてきましたが、それは、鬼怒川のケースのように、一たび計画規模以上の洪水が起こると、その被害も甚大になります。氾濫による被害を受けやすい場所には生活空間をつくらず、被害を受けにくい場所に居住や都市機能を徐々に移転するなど、土地利用の状況を考慮した対策が必要です。  そこで、冒頭に、3カ年緊急対策に関連して防災について伺います。  洪水ハザードマップの公表状況については、県内では昨年9月末時点で55の市と町が公表しているものの、L2、すなわち1,000年に一度の規模と言われる想定最大規模降雨による洪水ハザードマップを公表している市町村は数えるほどしかありません。現状と今後のスケジュールをお示しください。  また、そうはいっても自分は大丈夫だろうという心理が人間には働くといいますから、国では、住民一人一人の適切な避難確保に向け、マイ・タイムラインの作成などを推進しているようです。住民に当事者意識と主体性を持ってもらうため、県ではどのようなメニューを用意しているでしょうか。  あわせて、河川の氾濫による家屋倒壊等が想定される地域住民に対しては、ふだんから警鐘を鳴らし、都市計画を勘案した居住移転等の方策を考えていかねばなりません。いかなる施策を講じているか、以上、建設部長にお伺いします。  さて、文明は川の流れとともにあり、年は水際に発達すると言います。西では、ベネチア、アムステルダムなど河川や運河が繁栄の礎となった歴史都市は多く、東では、例えば長江沿いに上海、南京、重慶などといった名だたる都市が並ぶなど、これらは挙げれば枚挙にいとまがありません。川辺の再開発を活性化の契機とした都市も多く、リバーウオークの再生によって南部有数の観光都市に転じたアメリカのサンアントニオなどは早い成功事例と言われます。  規模の大小はあるにせよ、このような事例は日本国内でも見られますが、では、信州はどうでしょうか。さきのように、1,000年に一度の備えをしっかりと行うと同時に、災害のおそれのない残り全ての時間をそれぞれの水辺のシーンに合わせて有効な施策を打ってきたかといえば、私はそうではないと思います。とりわけ地方の活性化に焦点が当たる今日、裏となった水辺を再び表に変えることは、単に都市の中に憩いの空間をつくるというだけではなく、また未利用地を有効活用するというだけでもなく、それをマグネットにして水辺と都市、あるいは農村部を結びつけながら、新しい地域を再創造する構想力を持つと思うのです。  一つ、松本市の中心部を流れる女鳥羽川を例に挙げてみたいと思います。この川は、長野県の事業として、市街地にほど近い場所については平成14年までに整備事業が完了し、その上流部についても一昨年をもって一通りの改修工事を終えています。まちづくりの観点からもさまざまな経緯をたどってきましたが、近年は、一昨年に「楽しい女鳥羽川を創ろう!」と題したワークショップが開かれるなどしたものの、次のステージに向けたビジョンはいまだ見えてきません。  この女鳥羽川を舞台に、毎年数回、水辺のマルシェというイベントが開かれています。河川敷を利用して、農産品から工芸品まで出店を出したり、作家やアートパフォーマーの企画があったりと、水辺空間のにぎわい創出に係るさまざまな催しがあります。  先日、この実行責任者の方とお話しする機会があり、2011年から始まったこのマルシェは、年々出店数がふえ、今では出店するスペースが足りないほどになっているとのことでした。マルシェに対するニーズはあるし、その意義も大きい一方で、当初のスタッフが仕事の関係や産休などで次々といなくなり、イベントに係るマンパワーが足りず、ボランティア頼みの運営にならざるを得なかったり、自然相手には、河川敷に茂る雑草に手を焼いたり、また、近隣商店街との調整に奔走したりと苦労も多いようです。  女鳥羽川は、江戸時代から船の運搬、舟運があり、明治に入ると北陸からの魚が豊富に運ばれ、女鳥羽川南岸にはたくさんの魚屋が並び、川沿いは大変にぎわっていたといいます。この舟運も、現在の国道19号やJR篠ノ井線が開通するに至って姿を消すことになりました。歴史を傍らに、地域を盛り上げようと奮闘する方々とともに再び川沿いのにぎわいを仕掛けることは、人を引きつける快適な県づくりを目指す知事の方針と合致するのではないでしょうか。長野県のより積極的なアプローチを求めます。  そこで伺います。川が紡ぎ出す自然環境は私たちの生活基盤であり、より魅力的なものにして人々の生活に潤いをもたらすとともに、地域経済の活性化に活用することが望まれます。河川法の改正後、川の改修を行う際など、あらゆる機会を通じて多自然川づくりに取り組むとされてきましたが、国管理の1級河川に比べ、自治体管理河川での浸透は進んでいません。県内各地で断続的に河川の改修工事が行われていますが、県内の多自然川づくりの方針と、それを特に意識してつくられた河川の県内事例を御紹介ください。  平成21年にはかわまちづくり支援制度が創設され、県内では、長野、上田、諏訪湖、伊那の4地区が登録したとお聞きしています。その後は、平成23年度に河川敷地占用許可準則を改正し、要件を満たす場合、営業活動を行う事業者等による河川敷地の利用を可能とした、いわゆる河川空間のオープン化が実施されました。全国的にはオープン化の活用実績が現在累積で60件ほどあるようですが、県内事例はあるのでしょうか。  また、昨今は、国交省が支援する水辺の利用者をふやし、水辺を徹底的に活用する運動、ミズベリングプロジェクトがにわかに活気を帯びています。これらかわまちづくり、河川空間のオープン化、ミズベリングなど水辺空間のにぎわい創出事例について、直近5年間では県内でどのような動きがあったのか、それらをどのように評価しているのか、以上、建設部長に見解を求めます。  この点、ことしの秋ごろをめどに開設を予定している信州地域デザインセンターには大いに期待を寄せています。昨年まで2年間建設委員会でお世話になり、特に都市・まちづくり課とこれらの課題についてさまざまなやりとりをしたことは記憶に新しいですが、創造的で快適な公共空間の形成という意味では長野県はまだまだおくれており、若者を引きつける仕掛けがハード、ソフト両面から足りないと思います。特に、水辺と人々の関係には、散歩、憩い、ビジネス、観光、歴史、文化、祭り、レクリエーション、交通、人の流れ、景観など、再構築されるべきコンテンツが多分に眠っています。水辺空間のにぎわい創出を含め、信州地域デザインセンターに期待する役割は何か、知事の御所見を伺います。  最後にもう一つ、この4年間の政務活動を通じて感じたことを伺います。  地域振興局を設置してもうすぐ2年経過しようとしています。地域で生じている課題や県民ニーズを的確に把握し、スピード感を持って主体的かつ積極的に取り組む組織へという理念に賛同する一方、このままでは依然として地域の持つポテンシャルを十分に引き出せないのではないかと感じています。  というのは、振興局ごとに今年度掲げられた横断的な課題を見てみると、隣接する振興局と重複する事項がかなり多く、激動のグローバル社会で長野県が効果的に成果を上げるにはその枠組みを再考する必要があるように感じます。  例えば、松本地域の課題として掲げられた三つの課題、松本空港の利用促進、大規模地震災害への対応、交通軸の整備による郷土づくりは、いずれも隣接する北アルプス地域や木曽地域を含めた中信地区全域で共有し、推進されるべきもので、片や、北アルプス地域の課題を見てみると、まず冒頭に「北アルプスの雄大な自然と安曇野の田園風景を活かした観光振興」という言葉が出てきます。安曇野市はこっちの振興局に入るんだっけと思う人も多いでしょうが、それはそれとしても、上高地を初め冠たる山々を有する松本、安曇野地域が、同地域とこれまた足並みをそろえて北アルプスに関連する施策を展開したほうが、そのスケールメリットを十分に生かすことができ、最大限の成果を上げられます。  長野地域と北信地域の関係もそれに共通するものがあるでしょうし、ともにリニア関連の事業を前面に押し出す上伊那と南信州の南信地域についても同様のことが言えるのではないでしょうか。  一つの司令塔と簡素かつ明確な指揮系統のもとに圏域内におけるめり張り強化を徹底し、都市部をより都市らしく、農村部をより農村らしく磨き上げ、相互の対流を促進することによって地域内循環が活発化し、複合的、重層的な地域の魅力が出てくるのだと思います。  本日扱った河川で言えば、例えば、山麓から下流に向けて河川敷沿いに整備されたサイクリングロードを自転車で颯爽と駆け抜け、幾つかの行政区をまたいで市街地に入ったら河川空間のオープン化で人々がにぎわう空間になっていたというようなデザイン、あるいは、郊外に整備されたアウトドアの拠点でカヌーやラフティングなどを楽しんだ後、町なかに戻ったら、川沿いに美術館や博物館など文化的な空間が広がっていたというようなデザイン、県内外の誰しもがこのような利益を享受するためには、今の中間圏域行政の枠組みを超えたより広域的なトータルデザインとダイナミズムの中で都市計画や環境政策を一体的に推進する必要があります。  昔の長野県民は大変洞察が深かったと思いますが、そもそも長野県は、四つの平、それぞれが肥沃の地であります。長野県に最もなじみがあり、今再び政策的にも深い連携が求められる四つの平が互いに切磋琢磨する姿こそ新時代にふさわしい長野県の姿ではないでしょうか。  以上を踏まえ、今後は、出先機関は残しながらも、中信、南信、東信、北信の4地域単位をベースに振興局を統合、再編していくべきではないか、地域振興局の今後の展開について伺い、今回の一切の質問といたします。ありがとうございました。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)市町村が作成、公表する新たな洪水ハザードマップについてのお尋ねでございます。  県では、平成27年5月の水防法改正に基づき、洪水により重大な被害発生のおそれがある洪水予報及び水位周知34河川において、順次、1,000年に一度の規模と言われる想定最大規模降雨による浸水想定区域図の作成、公表を進めています。これまでに、千曲川、裾花川等6河川で新たな浸水想定区域図を作成して関係市町村に提供しており、これに避難所等を加えて表示させる洪水ハザードマップが飯山市、坂城町で公表されています。  今後は、3カ年緊急対策の予算も活用し、新たな浸水想定区域図の作成を前倒しし、来年度には対象34河川全てで作成を完了する予定です。作成後は、速やかに関係市町村に提供し、技術的な助言を行うこと等により、新たな洪水ハザードマップの早期作成を支援してまいります。  次に、災害に対する住民一人一人の当事者意識と主体性確保についてのお尋ねでございます。  県では、昨年7月の西日本豪雨を踏まえ、ハザードマップのさらなる住民周知を図るために、市町村への説明会を10月に急遽開催したところです。そこでは、住民配布のカレンダーにハザードマップを添付する等のすぐれた取り組みやマイ・タイムラインの事例等を紹介するとともに、既存のハザードマップの再度の周知をお願いいたしました。今後の新たなハザードマップについても、住民に理解され、適切な避難等が行われるよう、作成する市町村を支援してまいります。  さらに、危機管理部、健康福祉部とも連携し、地域に密着した砂防ボランティアの皆さんを講師とした赤牛先生派遣事業により、災害時住民支え合いマップや地域防災マップの作成支援を行い、住民目線での防災教育、啓発活動を進め、住民の当事者意識を醸成してまいります。  次に、氾濫により家屋倒壊が想定される地域住民に対する施策についてのお尋ねでございます。  先ほど申し上げた新たな浸水想定区域図では、河川の氾濫により建物そのものが倒壊するおそれのある区域、いわゆる家屋倒壊危険ゾーンが表示されます。県では、この図を公表するとともに、それに避難所等を加えたハザードマップの早期作成と十分な周知について市町村を支援してまいります。  また、平成26年の都市再生特別措置法の改正により、市町村は立地適正化計画を定めることが可能となりました。その運用指針では、災害のリスク等を総合的に勘案し、居住を誘導することが適当でないと判断される区域は原則として誘導区域に含めないこととされております。 県内では、現在16の市町が計画策定を行っておりますが、ハザードマップ等も考慮し、適切な居住誘導が図られるように技術的助言を行ってまいります。  次に、県内の多自然川づくりの方針と事例についてのお尋ねでございます。  本県でも、河川が本来有している生物の生育環境や景観、親水に配慮した多自然川づくりを河川整備の基本としております。本県では、川幅が狭く、流れが速い河川が多く、多自然川づくりが困難な箇所も多数存在する中、これまでに農具川等で木や石による護岸を実施したほか、現在は遠山川等3河川で自然石を連結した帯工、土砂により緩やかにしたスロープや遊歩道等をモデル的に整備しております。  今後、遠山川等の効果を確認し、他の河川における多自然川づくりの推進に努めてまいります。  次に、水辺空間のにぎわい創出の事例についてのお尋ねでございます。  水辺空間を積極的に活用し、にぎわいの創出や地域振興を図るため、近年では、上田市の千曲川、依田川地区及び岡谷市、諏訪市、下諏訪町の諏訪湖かわまちづくり計画が作成され、国に登録されております。特に、諏訪湖では県が河川空間オープン化セミナーを開催し、実際に民間企業等がカヌー乗り場やカフェの設置等を検討しております。さらに、松本市女鳥羽川でも、県と市が主体となって官民参加のワークショップを開催し、水辺の活用方法の検討を行っております。  水辺空間のにぎわい創出には官民が一体となった取り組みが不可欠であり、こうした動きは大いに歓迎するものであります。県といたしましては、今後も先進地の事例を紹介するなど、さまざまな支援を行って水辺空間のにぎわい創出を促進してまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕
    ◎知事(阿部守一 君)私には2点御質問いただきました。  まず、信州地域デザインセンターに期待する役割という御質問でございます。  長野県は自然環境に恵まれた資源豊かな県でありますが、若い人たちとお話をすると、まちの魅力をもっと高めてほしいという期待を持っている若者が多いというふうに感じております。そういう意味で、若者を引きつけることができる創造的で快適な公共空間の形成は、県としても重要な課題として位置づけて取り組んでいきたいと思っております。  従来、いわゆるまちづくりにおける行政上の中心となるのは市町村ということで取り組まれてきておりますけれども、まちづくりの課題も専門化、高度化しております。市町村とともに県も積極的に関与して、多様かつ広域的な視点でまちを捉え直して、つくり直していくということが重要だというふうに思っております。  来年度立ち上げる予定の信州地域デザインセンターは、公民学が連携をして、それぞれの強みを生かしてまちづくりを進めていく組織にしていきたいというふうに思っております。行政のみならず多様な視点、そして広域的な視点で課題を解決し、時代に即したまちづくりの実践に取り組んでいきたいというふうに考えております。  御質問いただいております水辺空間の話でありますが、私も、例えば海外の都市再生の事例等は、河川や海などの水辺空間を核にして再生をしている事例がかなり多いというふうに認識をしております。そういう意味で、本県においても、この河川空間をどう利用するかということは、都市再生においては極めて重要なポイントではないかというふうに思っております。  私も、諏訪方面に行くたびに、諏訪湖の水辺空間のさらなる活用を検討してはどうかということを言ってきておりまして、いろいろな検討が地域においては始まっているところでございます。  信州地域デザインセンターにおいては、こうした水辺空間を含めて、信州らしい地域資源を生かした公共空間、快適で若者を引きつけることができるような公共空間づくりに取り組んでいきたいというふうに思っております。  それから、地域振興局の統合、再編をすべきではないかという御質問でございます。  地域振興局のあり方については、いろいろな議論を経た上で設置をしてから2年たったわけであります。地域ごとにさまざまな取り組みが出てきているというふうに思っておりますが、未来に向けていろいろ検討していかなければいけない、改善しなければいけない余地もあるのではないかというふうに思っております。  地域振興局の前は地方事務所というふうに呼んでいたわけでありますが、長野県の場合はどうしても小規模町村が多いということで、市町村支援を中心に考えなければいけないと。これまでは、市町村支援をするときには、ある程度エリアをきめ細かく区切って対応していくということにどちらかというと力点が置かれていたというふうに思いますが、御質問にもありましたように、広域的な観光であったり、森林林業政策であったり、今の10広域の枠組みを超えた取り組みの必要性ということも出てきているわけでありまして、そうした課題にも県として柔軟な対応をしていくということがこれから必要になってきているというふうに思っております。  昨年4月から、県税事務所の課税業務を4所に集約したり、10の広域を均等に扱うのではなく、例えば木曽と北アルプス地域振興局においては、市町村間連携が進むように課長級の職員を他とは違った配置をしたりということで、画一的な体制ではない方向も少しずつとり始めているところであります。  行政・財政改革実行本部で、持続可能な行政経営体制、そして財政構造の構築ということを目指して取り組んでいくわけでありますけれども、地域振興局のあり方も含め、行政組織のあり方についても、これまでの観点にとらわれることなく、柔軟な視点から検討していきたいというふうに考えております。  以上です。 ○議長(鈴木清 君)次に、村上淳議員。       〔40番村上淳君登壇〕 ◆40番(村上淳 君)おはようございます。木曽郡選出の村上淳でございます。新ながの・公明に属しております。  さて、長野県の経済の動向につきましてお聞きいたします。  本県は圧倒的に中小零細企業が多く、現在、有効求人倍率が1.6と高いのですが、生産労働人口の減少に伴い、人手不足感が非常に深刻であります。また、地域の商店街は大型店に押され、シャッター街が目立ち、商工会の会員も毎年減少しております。商工会は地域経済の牽引役とも言われておりますが、ここ10年間で県下の商工会の会員数は2,500名ほど減少しておりまして、地域経済を担う商工会への県のさらなる支援が必要と思われます。  信州経済や地域の発展は、今後いかに若い労働力を都会から信州へ戻すかにかかっております。毎年、本県では卒業する高校生が2万人ほどいらっしゃいますけれども、そのうち1万人が大学へ進学いたします。そのうち8割が県外へ進学し、4年後には約3,000名の大学生が本県へ戻ってきますけれども、4,000名が県外に残るわけであります。  都会での学生生活を終えまして、生まれ育った信州へ戻り、働きたいと思っている若者は多いと聞いております。都会から田舎へ戻ってくるにはそれなりの費用もかかります。本県は、若者が戻る誘導策として、県内企業の首都圏における紹介やインターンシップ等のマッチングを図っておりますけれども、成果が思うように出ていないのが現況であります。  県は、本県に若者を戻す手だてをもう少し考えるべきです。単なる企業紹介だけでなく、若者にとって魅力のある施策や地域づくりも大切です。中高生へのまさに郷学郷就の徹底も必要です。知事の所見をお願いいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)若者にとって魅力のある施策、地域づくりについてという御質問でございます。  長野県の活力を維持していくためには、若い世代の人たちが本県に定着するように、あるいは一度就学等で出ていった若者に再び戻ってきてもらえるように、さらには、長野県外で生まれ育った若い人たちにも長野県を目指して来てもらえるように、そうしたことが必要だというふうに思っております。  就業促進・働き方改革戦略会議でいろいろな検討をする中で、例えば、若者はどうして都会志向なのかというふうに聞くと、東京のほうが給料が高い、大学で学んだことが長野県で生かせるか不安、東京のほうが利便性が高そうと、こうした意見が出ているところであります。小手先の取り組みでは若者に魅力度の高い地域にしていくことはなかなか難しいというふうに思っておりますが、当面の対策と中長期の対策の両面にしっかり取り組んでいくということが重要ではないかというふうに思っております。  今、企業は人材不足で困っているわけでありますので、若い人たちに積極的に企業のアピールをしていくこと、また、インターンシップの促進等で若い人たちに長野県に就業してもらうという問題意識をしっかり持ってもらうということが重要だというふうに思いますし、その半面、信州学をさらに徹底することや、先ほども少し御答弁申し上げましたが、信州地域デザインセンターのような組織をつくって若者にとっても魅力あるまちをつくっていくということが重要だというふうに思っております。  郷学郷就という観点から来年度予算においてもさまざまな施策を盛り込ませていただいております。若い世代の人たちが信州で学びたい、そして信州で働きたいと、そういうふうに思ってもらえる県になるように各部局の力を合わせて全力で取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上です。       〔40番村上淳君登壇〕 ◆40番(村上淳 君)この問題は大変厳しい問題でありますけれども、しっかり取り組んでいただきたいと思います。  次に、医師不足対策についてお聞きいたします。  本県の医師不足は大変厳しい状況が続いております。このたび、厚労省より、2036年の全国の医師不足解消に向けての新たな指標が発表されました。これによりますと、現在の本県の医師数につきましては、驚くことに全国で38位と低く、全国で335の2次医療圏がありますけれども、木曽地域は300位と大変低く、その他、上小、上伊那、北信が下位地域に指定されております。  本県も、医師不足対策には県健康福祉部医師確保対策室が尽力されておりますけれども、現在の長野県の医師の人数は4,724人で、この10年間で565人増加しておりますけれども、私の住む木曽地域の木曽病院で医師がふえたという実感が湧いてきません。医師不足は待ったなしの状況でありますけれども、現況と対策、今後の見通しについて健康福祉部長の所見をお願いいたします。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)医師不足対策についてのお尋ねでございます。  去る2月18日に、厚生労働省の医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会が開催されました。医師偏在指標の暫定値が示され、長野県は全国38位となり、医師少数県に位置づけられるとの暫定的な資料が提示されました。県内の2次医療圏については、全国の335の2次医療圏のうち、松本、佐久、諏訪の各医療圏が医師多数区域、北信、上伊那、上小、木曽医療圏が医師少数区域に当たるとされております。  長野県では、ドクターバンク事業や医学生修学資金貸与事業などの医師確保に取り組んできており、平成18年から平成28年で565人の医師が増加してきておりますが、現状及び将来の医療需要を見据えると、いまだ必要な医師数を確保できていない状況と認識をしております。  このため、地域医療人材拠点病院支援事業を強化し、拠点病院から小規模病院等への医師派遣を促進するほか、修学資金や研究資金の貸与による医師確保、自治医科大学卒業医師の派遣等に努めるとともに、信州大学との連携の一層の強化により、木曽医療圏を初めとする医師少数区域の地域医療を守るべく努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔40番村上淳君登壇〕 ◆40番(村上淳 君)新聞報道によりますと、このままいきますと2036年には本県で776人の医師が不足するという見込みも出されております。全国一の健康長寿県を目指す本県でありますけれども、今の状況は非常に心もとない状況であります。県民が安心、安全で暮らすには医療の充実が欠かせません。早急な対応をお願い申し上げます。  次に、林業大学校についてお聞きいたします。  県林業大学校については、今後の林業大学校のあり方を含めて、平成29年の11月県議会の一般質問、昨年の9月県議会の代表質問で私がお聞きいたしましたときには、林業大学校の将来像については長野県グレードアップ推進会議、以下、推進会議、の結果を見て判断をさせていただきたいとの答えを山﨑林務部長からいただきました。  そこで、推進会議は、平成29年と30年の2年間にわたり、計10回にわたる委員会の議論を重ねられました。その結果、昨年12月に報告書が公表されまして、県知事への報告がなされたわけです。そして、本年2月5日に、木曽合同庁舎で、大学を所管する県林務部より報告書の説明会が開催されました。報告書には、林業大学校の課題、林業大学校が目指す姿として、結論といたしまして、現在の2年制を3年制化して専門短期大学へ移行する、そして、日本をリードする森林・林業の人材育成の拠点とする結論が出されておりました。結びに、重要かつ早急に取り組むべき4項目が出ておりました。  このような報告書での結論が出ておるわけですけれども、私は、知事には、報告書にあるとおり速やかに3年制化に移行していただきたいと思いますけれども、県知事の御所見をお願いいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)林業大学校の3年制移行を速やかに進めるべきではないかという御質問でございます。  林業大学校グレードアップ推進会議からは、3年制の専門職短期大学に移行という御提言をいただいております。社会のグローバル化や複雑化、高い労働災害発生率、また地域資源や社会の再構築等に対応できる多様な人材、こうしたことに鑑みると、さらに教育の強化を図ることが重要だ、必要だという御提言をいただいているところであります。  今後、県としては、この報告書を踏まえまして検討を進め、県としての方針を来年度前半を目途に決定してまいりたいというふうに考えております。  木曽地域には、林業大学校のほかにも、林業専門学科を有する伝統ある木曽青峰高校や、高い木工技術を習得できる上松技術専門校がありますし、また、隣接する伊那地域には信州大学の農学部もあります。こうした森林・林業にかかわるさまざまな教育研究機関が集中している地域でありますので、私としては、ぜひ全国から森林・林業を志す若者が集まり、日本をリードする人材やイノベーションを生み出すことができるフォレストバレーとして、木曽地域をその中心に位置づけていきたいというふうに考えております。今後、こうした全体的な構想についても具体化を図っていきたいと考えております。  以上です。       〔40番村上淳君登壇〕 ◆40番(村上淳 君)私は、木曽の林業大学校は日本一の林業大学校だと思っております。しかしながら、どうしてももう一年勉強したいという学生も非常に多いわけであります。専門短期大学への移行は林業大学校の夢でもあります。ぜひとも実現を目指していただきたいと思います。  次に、木曽の未来についてお聞きいたします。  木曽地域は6町村で構成をされておりまして、人口2万8,000人の典型的な過疎中山間地です。豊かな森林資源に恵まれ、下流域の名古屋圏との交流も盛んであります。一方、自然災害も多く、5年前の南木曽町の土石流災害、御嶽山の噴火に見舞われ、大きな被害が出ました。このため、観光産業はいまだにその影響が出ておりまして、県からの手厚い支援もいただいておりますが、復興には道半ばであります。  そこで、災害に強い道路インフラ整備が必要でありますけれども、木曽郡民の悲願であります木曽川右岸道路の整備について、現況と完成見通しについて建設部長にお聞きいたします。  また、御嶽山の関係でありますけれども、御岳県立公園を今後木曽地域の活性化にどのように生かしていくのか、木曽に造詣が深い中島副知事にお聞きいたします。  さて、木曽郡は平成の大合併に翻弄された地域です。平成17年に旧山口村が岐阜県へ越県合併を果たしましたが、当時の県議会でも連日深夜12時を回るほどの議論がなされたわけであります。県議会での山口村の越県合併の関連議案につきましては、同僚議員である宮澤敏文議員が12月定例県議会最終日の午前3時に提案されまして、当時古田芙士議長のもと議決をされたのは、その日の午後6時でありました。まさに暁の議会であったわけであります。  当時、今までの「木曽は一つ」の合言葉が越県合併で消えるのではないかと心配しましたが、行政の線は引かれましたけれども、ふだんの暮らしも経済も変わらず交流しており、きずなは強いです。ただし、越県合併が本当に必要だったかどうかについてはいまだに私の中でも割り切れない気持ちはあります。課題は多い木曽郡ですが、きっと景気も回復し、今まで以上に明るい展望も開くことができると私は信じております。  そこで、知事には木曽の将来展望について率直な意見をお聞きいたします。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)木曽川右岸道路の整備についてのお尋ねでございます。  木曽川右岸道路につきましては、木曽町以南の南部ルート45キロメートルのうち、これまで約6割の区間で供用しております。未供用区間のうち南木曽町川向工区の1.8キロは平成31年度、上松町登玉から大桑村和村工区の3.2キロは平成32年度の供用を目指し工事を進めているところです。また、一昨年から大桑村読書ダムから南木曽町戸場工区や大桑村大桑から殿工区に着手しておりまして、現在までのところ供用区間を含め7割を超える区間で事業化しています。さらに、木曽川右岸道路と国道19号を結ぶ大桑村和村橋工区につきましても来年度事業着手する予定であります。  全線完成の予定は現在のところお示しできませんが、現状、国道19号を軸としている木曽谷の交通網の信頼性向上とリニア岐阜県駅へのアクセス向上に寄与するよう引き続き事業の進捗を図ってまいります。  以上でございます。       〔副知事中島恵理君登壇〕 ◎副知事(中島恵理 君)御岳県立公園についてお尋ねいただきました。  御岳県立公園につきましては降灰した登山道の整備などを進めてきたところでございますが、木曽町、王滝村、観光関係者などで構成される御岳県立公園保護利用協議会におきまして、公園のあるべき姿を共有しながら、その実現のための方策について検討を進めているところです。  来年度からは、新たにこの協議会で、旅行アドバイザー等の外部有識者から、自然公園のポテンシャルを診断し、外から見た全国に発信できる公園の魅力をさらに高める方策について提言をいただく県立自然公園魅力発見事業を実施して、今後の利活用など具体的な方策の検討を進めていきたいと考えております。  また、御岳県立公園の観光誘客につきましては、県や木曽地域の自治体、観光協会で構成する木曽観光復興対策協議会と連携してさらなる魅力発信に努めてまいります。  御岳県立公園は、独立峰である御嶽山を中心に、木曽五木の森林や数々の湖沼や湿原を有する本県を代表する自然公園として、地域の関係者の皆様とともに自然公園の魅力発掘と発信により木曽地域の振興に寄与できるよう部局横断で取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)木曽の将来展望についてという御質問でございます。  木曽にお伺いして何度もお話をさせていただいていますけれども、私は、学生時代、将来の自分に対して非常に自信が持てない時期がありまして、どこかにふらりと出かけてみたいというふうに思ったときに訪れさせていただいたのが木曽でありました。木曽の古い町並みや美しい自然、人々の温かさ、こうしたものに触れ合わせていただくことによって癒され、元気をいただけたという思い出がございます。  木曽地域は、さまざまな特徴がある長野県全県の中でも、とりわけ歴史に裏打ちされた文化、伝統が満ちあふれた地域だというふうに思っております。そういう中で、こうした木曽らしさを、住む人にとっても訪れる人にとってもかけがえのない魅力として生かしてこの地域を発展させていくということが重要だというふうに思っております。  こうした木曽地域の将来は、もちろんいろいろな可能性がありますけれども、やはり森林・林業と観光ではないかというふうに思っております。先ほども、林業大学校の御質問をいただき、御答弁申し上げたように、県としてもぜひ森林・林業の人材育成の拠点にしていきたいというふうに思っておりますし、また、林業を生かした地域の活性化ということにもしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。  また、木曽地域は日本遺産にも認定されたわけでありまして、すぐれた観光資源がたくさんございます。こうした木曽の文化や自然、景観、こうしたものを生かして、とりわけ最近ではインバウンドのお客様も街道を行き交う姿がふえてきている現状にありますので、さらにこの観光振興を図っていくことによって木曽の発展につなげていきたいというふうに考えております。  これまで、村上淳先生におかれましては、木曽地域の発展のため、大変長い間御尽力いただきました。このことに対しまして、私からは心から敬意を表したいというふうに思います。長年にわたって御指導いただきながら進めてきております木曽川右岸道路の整備、医療や福祉サービスの確保、こうしたことにつきましては、これからも県として引き続き積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。木曽地域の発展のため、どうか今後とも大所高所から御指導いただきますよう心からお願い申し上げたいと思います。  以上です。       〔40番村上淳君登壇〕 ◆40番(村上淳 君)知事から大変心温まる回答を得ることができまして本当にありがとうございます。思い出深い木曽地域だということでありますけれども、いつでもまたおいでいただけるとありがたいと思いますので、お願いいたします。  また、木曽川右岸道路につきましては、本当に木曽谷郡民の悲願でありますので、よろしくお願いいたします。  さて、今回、私ごとでございますけれども、4期16年間の県議会議員生活を終えることとなりました。4期16年にわたり私が県議会議員として仕事ができたのは、これもひとえに鈴木議長を初め小林副議長、議員各位の皆様のおかげであります。また、阿部県知事、太田副知事、中島副知事、教育長、県警本部長、公営企業管理者を初め部局長の皆様のおかげであります。また、同僚議員でありました新ながの・公明の皆様、宮澤敏文先生、諏訪光昭先生、小池久長先生、中川宏昌先生、清水純子先生、小川修一先生、小山仁志先生、また、途中で会派を離れましたが、浜章吉先生、大変お世話になりました。また、会派の室長であります中曽根さんや清滝さんにも大変お世話になりまして、感謝の気持ちでいっぱいです。また、きょう傍聴席に来ております私の妻であります礼子も本当に心の支えでございました。ありがとうございました。  これで私も県議会から身を引きますが、これからも一県民として県政の発展のために側面から尽力をさせていただきます。今後も引き続き御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたします。  結びに、皆様の御健勝と御多幸をあわせて御祈念し、県議会、県政のますますの発展を御祈念いたします。  これで私の最後の一般質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○議長(鈴木清 君)次に、山岸喜昭議員。       〔25番山岸喜昭君登壇〕 ◆25番(山岸喜昭 君)順次質問に入ります。高校改革であります。  夢に挑戦する学び、地域の高校の将来像を描く議論は進んでいるのか。高校編成について、地元小諸市内の2校は、同窓会長を発起人として、小諸、佐久地域の関係の皆さんとともに二つの高校統合に向けた実行委員会が組織され、検討が進められております。そして、これからの学校のあり方、高校と地域が連携する人材育成のあり方についてさらに研究を深めるべく、専門家を招き、講演会を開催したところであります。両校においては、校内議論に加え、市職員の代表職員とともに小諸新校を考える会を発足し、両校の特色を生かした新時代の学校のイメージを具体化すべく研究を重ねております。  旧第6通学区内では現在42学級で、2030年度には10学級程度が減る見込みとされています。県内の通学区で、この地域の高校教育をどうしていくか、それぞれの地域の温度差が見られるが、2021年の3月には再編・整備計画を確定するとされているが、協議会など地域との議論の進捗状況についてお聞きします。  私も、これからの時代を担う子供たちや若者への投資、育成が非常に重要な未来への投資であると考えております。AIの発達など変化が激しく未来が見通せない時代にあって、県教委ではどのような理念のもと、どのような手法でどのような力を高校生につけていくのか、また、それをどのように次年度予算に反映させるのかお聞きします。  信州に根差し世界に通じる人材育成、信州つばさプロジェクトは、高校時代の早い段階での留学によって、視野を広げ、学びの目的を得ることで、自分にとって必要な未来を切り開く力を身につけられることが期待されています。「こんにちは県議会です」の中でも高校生との意見交換会で高校生から海外進出について提案されています。  地元、小諸高校音楽科では、県の支援を受け、隔年でウィーンへ音楽研修に派遣しています。実際にウィーンに行った生徒たちは、今回の経験を今後の自分の生活や演奏活動に生かしていきたい。文化の違いや言葉が通じないことを感じ、異文化理解を深めていくことの重要さを知りました。この研修に行く前にはまだ自分が将来音楽とどうかかわっていくのか見えていませんでした。しかし、この研修で音楽が自分にとってなくてはならない存在だということを改めて認識するとともに、音楽は言葉を超えて感情を伝えられるすばらしい万国共通の文化であり、その音楽の魅力をもっと多くの人に伝えることが私のできること。貴重な経験、機会を与えてくださった多くの皆さんに感謝していますといった感想を述べております。  この事業を通して、多くの高校にさまざまな海外での学びを体験することが大切と感じるとともに、その機会が与えられることを期待しております。その中で、小諸高校音楽科のような明確な目標意識を持っている特色学科に対する海外研修支援をする仕組みを一層推進していくことが必要と考えるがいかがか、教育長にお聞きします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)高校改革についてのお尋ねでございます。  まず、協議会の進捗状況についてでありますが、高校の将来像を考える地域の協議会は、本年9月までに旧12通学区ごとに順次設置することとし、広域連合長たる市町村長に設置を要請してきているところでございます。既に旧第8通学区と旧第10通学区で設置され、建設的な議論が進められているところでございます。
     議員御指摘のとおり、旧第6通学区に属する小諸市においては、さまざまな形で両校の将来像について意欲的な議論が進められているものと承知しております。旧第6通学区の協議会が設置された際にはさらに議論が深まるものというふうに期待しておるところであります。  協議会が未設置の他地区におきましても、多くが構成員の選考や設置要綱の作成等の準備を進めておりまして、立ち上げ時期を見きわめている状況であります。県教育委員会としても、全ての地区において協議会が早期に設置されるよう引き続き働きかけを行ってまいりたいというふうに考えております。  次に、これからの時代を生き抜く高校生のための取り組みについてというお尋ねでございますが、変化の激しい未来が見通せない時代にあっては、みずから未来を切り開いていく力と勇気を持つことが大切だというふうに考えております。そのためには、高校生たちが主体的に社会とかかわり合いながら、他者と協働して新たな社会を創造する力、一度しかない自分の人生をどう生きたいかを構想する力、そして、信州に根差して世界に通じる広い視野を高校の学びの中で培うことが必要だというふうに考えております。  平成31年度予算への反映でありますけれども、これらの力を育てるために、新たに未来の学校として先進的、先端的な研究、実践に取り組む実践校を指定して、卓越した探究的な学びや高度な産業教育など新しい学びの場と学びの仕組みを構築するということ、それから、ICT環境整備を着実に進めるために、これまでの38校に加えまして、さらに24校に電子黒板やタブレット端末などを整備するとともに、新しい学びの試みでありますEdTechを活用して、生徒一人一人に個別最適化された学習を開発するということ、さらには、信州つばさプロジェクトを進めまして、高校生の海外留学や海外での学びを支援することによって将来さまざまな分野で世界とつながり、活躍できる広い視野を持った人材を育成するということを考えているところであります。  高校生の海外での学びについてのお尋ねであります。  本年度、ウィーンへ音楽研修に行きました小諸高校の音楽科の生徒2名が、先日松本で開催されました信州つばさプロジェクト留学フェアで演奏を交えながら報告を行いました。報告の中で、世界的に高名な演奏家から直接指導を受け、その演奏技術はもちろんのこと、音楽を表現する言葉の豊かさや深さに驚き、感動しながらレッスンを重ねたという報告もありまして、海外研修の意義について改めて認識したところでございます。  来年度新たに実施する海外留学支援制度は、議員御指摘の特色学科を含めまして、さまざまな生徒の目標に応えられるよう、県企画プログラムと個人留学支援の二本立てとなっております。県企画プログラムでは、芸術分野を学ぶコースや海外でのインターンシップを体験するコースなど多彩なプログラムを予定しているところであります。多くの意欲ある高校生に、世界を知り、成長する学びの機会を提供してまいりたいというふうに考えております。       〔25番山岸喜昭君登壇〕 ◆25番(山岸喜昭 君)次に、受動喫煙対策についてお聞きします。  たばこは日本人の健康寿命を縮める最も大きな原因の一つとされ、現在、たばこによる死亡者総数15万人台に増加し、我が国の最大の予防可能な死亡原因の一つとなっております。たばこは、覚せい剤やアルコールよりも強い依存症をもたらす強力な薬物とされています。厚生労働省は、受動喫煙防止の強化案を発表し、受動喫煙対策に言及した健康増進法や労働安全衛生法の改正など対策に取り組んでおります。  6月にはG20関係閣僚会合が軽井沢で、来年には東京オリパラが開催されます。ここ長野県には、ホストタウンとして、トレーニング地、合宿地を求めて海外からの多くの選手や関係者の来訪が予想されています。外国のさまざまな文化や習慣を持っている人たちです。折しも、国の法律が改正され、室内での分煙や禁煙が進んでいるため、必然的に屋外でたばこを吸う人がふえる状況になることが容易に考えられます。  喫煙が悪いというわけではございません。受け入れる市町村と連携を図り、的確な情報発信が求められますが、外国人の喫煙対策、また受動喫煙対策について見解をお聞きします。  また、喫煙者の権利を尊重する必要性という意味において、多くの人の集まる場所などに周囲に受動喫煙の影響が及ばない喫煙場所をきちんと確保することは現実的な対応と考えます。全国的にJTなど民間企業と連携し、喫煙場所を整備している取り組みも進んでおります。屋外喫煙所の設置について見解をお聞きします。  訪日外国人観光客の対応のためにも、また、喫煙者、禁煙者がともに心地よく過ごしていくためにも、店頭表示の推進に取り組むことが有効と考えるが、見解をお聞きします。  一方、長野県では、飲食店や病院、宿泊所などを対象としたおいしい空気の施設を認定するなど普及啓発活動をしているが、取り組み状況と浸透度についての見解を健康福祉部長にお聞きします。  健康増進法の改正は、東京オリパラ開催を見据え、受動喫煙の防止が柱となっており、国はことしの夏までには国内の全学校で敷地内禁煙を徹底する考えですが、学校敷地内禁煙の取り組みが全国からおくれていた長野県の県立高校は、ことし4月までには全学校で敷地内禁煙が完全実施される予定になっています。  一方、市町村立の小中学校などは、昨年6月の調査では敷地内禁煙が73.8%と、小中学校における受動喫煙対策がもっと進むよう県のサポートが必要と考えますが、見解をお聞きします。  また、将来の日本を支える未来ある子供たちに対して、喫煙、受動喫煙のリスクを正しく理解させることが大切であります。喫煙可能世代に近い中学生、高校生に対する喫煙防止教育はどのようにされているのか、教育長にお聞きします。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)受動喫煙対策について4問御質問をいただきました。  まず、受動喫煙等に関する外国人の情報発信についてでございます。  本県には現在年間130万人の外国人が訪れており、これに加え、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは県内複数の自治体がホストタウンとなることから、今後、参加国の関係者などさらに多くの外国人旅行者が訪れることが予想されております。それぞれの国にはそれぞれの喫煙習慣があり、一方では、県内市町村における歩行喫煙の禁止や喫煙禁止区域など独自の規制もあることから、国内における受動喫煙防止に関するルールについて周知が必要と考えております。  県では、事前合宿地やホストタウンとなる自治体に対して、地域内で喫煙できる場所の表示と情報提供、関係者に対する受動喫煙防止の重要性や屋外における決められた場所での喫煙の徹底など、国内での喫煙に関するルールの周知を働きかけてまいります。  次に、屋外喫煙所の設置に対する見解についてでございます。  健康増進法の改正により、多くの店舗や事業所では屋内原則禁煙となることから、屋外での喫煙を選択する者の増加が懸念されます。他方、自治体ではポイ捨て禁止条例も含めて路上での喫煙を禁止しているところもあることから、受動喫煙の防止とともに、喫煙者が他人に迷惑をかけずに喫煙できる場所の確保が必要となると考えております。  主要な観光スポットや駅前など人が多く集まる場所に屋外喫煙所等を設置することは、屋外での受動喫煙防止対策として一定の効果があると考えられます。屋外喫煙所等の設置については、特別交付税措置や中小企業向けの補助金等を活用できる制度を紹介し、市町村や企業による適切な場所への屋外喫煙所等の設置を促してまいります。  次に、店頭表示の取り組みに対する見解についてでございます。  飲食、宿泊の業界紙が外国人観光客を対象に実施した調査の結果によりますと、外国人喫煙者の44.9%の方が飲食店における喫煙、分煙、禁煙等の表示を希望しております。改正健康増進法においては、喫煙専用室などの喫煙可能な場所を有する全ての施設を対象に施設と喫煙専用室等のそれぞれの出入り口に標識の掲示が義務づけられます。また、12月に厚生労働省が行った健康増進法の一部を改正する法律に係る政令案のパブリックコメントでの標識案は、日本語と英語、さらにピクトグラムで表記され、外国人にも配慮しております。  県では、施設管理者を対象に、さまざまな機会を捉えて改正健康増進法の周知に努めておりますが、標識についても内容等の詳細が示されたところで掲示の徹底をお願いしてまいります。  最後に、おいしい空気の施設認定の取り組み状況についてでございます。  県では、平成15年の健康増進法の制定に伴い、平成17年から、県民の受動喫煙防止を推進するために、屋内終日全面禁煙の施設を信州おいしい空気の施設として認定しております。認定施設数は、初年度は95施設でしたが、保健福祉事務所で認定施設増加に向けて周知を努めた結果、平成30年12月末時点で約1,500施設となっております。これらの施設には、屋内終日全面禁煙である旨を英語でも表記したステッカーを配布し、施設の出入り口等のわかりやすい場所に掲示していただくとともに、県のホームページでも認定施設を周知しております。今後も、施設の周知拡大に努めてまいります。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず、小中学校における受動喫煙対策への県のサポートというお尋ねであります。  議員御指摘のとおり、県立学校では、全ての学校におきまして、本年4月1日には敷地内全面禁煙を実施することとなっております。県教育委員会としては、市町村立の小中学校に通う児童生徒についても望まない受動喫煙による健康被害のリスクをゼロにするため、全ての学校における敷地内全面禁煙の早期実施を求めておりまして、多くの市町村が実施に前向きな対応をされているというふうに承知しております。  市町村立学校における敷地内禁煙の推進に当たりましては、各保健福祉事務所が行う禁煙出前講座でありますとか保健師による出張健康講座、また、禁煙外来を設置する医療機関情報の提供などの支援を行っているところでございます。  県教育委員会としては、子供たちの健康を守る観点から、全ての学校における敷地内全面禁煙実施のために今後もあらゆる機会を捉えて市町村教育委員会の取り組みが推進されるようサポートしてまいりたいというふうに考えております。  中高生に対する喫煙防止教育であります。  学校におきましては、喫煙と健康について、小学生から高校生までの発達段階に応じた学習を行っておりますが、具体的には、中学、高校におきまして、喫煙が人体に及ぼすせきやたん、あるいは運動時の息切れ、肌の老化などの急性的な影響でありますとか、がん、心臓病などの生活習慣病にかかりやすくなるなどの慢性的な影響のリスク、受動喫煙によっても肺がんなどの罹患率が高まるリスク、そして、医療費が増大するなどの社会的影響といったものについての学習を行っているところであります。  このような喫煙の及ぼす健康への影響や禁煙の重要性をみずからのこととして考え、判断できるよう、ブレーンストーミングやロールプレーなどの学習方法も取り入れながら引き続き喫煙防止教育の推進に取り組んでまいりたいというふうに考えております。       〔25番山岸喜昭君登壇〕 ◆25番(山岸喜昭 君)日本の受動喫煙対策はWHOの基準で現在最低ランクとされております。世界の主な国々は、有害性を認識し、その規制を強化しようとしています。日本は、世界的に見れば非常にたばこ規制の甘い国で、先進国では例外と言われています。受動喫煙の規制を強化するべきと思うが、いかがか。  国内では、受動喫煙防止に向けた取り組みとして、神奈川、東京、千葉だけでなく、兵庫、静岡、山形、大阪など地方都市でも屋外、屋内の受動喫煙防止条例の取り組みが進んでおります。東京都では、国による健康増進法改正の規制は効果が乏しいと、客席面積要件によらず規制対象とするなど、法よりも厳しい規制内容の条例を打ち出しています。  県内でも、松本市と長野市で、健康増進を前面に、受動喫煙対策強化の条例の制定や改正に取り組んでおります。特に、松本市では、4月からの施行に向けて準備を進めております。健康長寿世界一の長野をうたい、そして、G20関係閣僚会合を開催する環境先進県長野として、今こそ県民が望まない受動喫煙を根絶するための一手に積極的に取り組むべきときであります。本県は、受動喫煙をなくす厳しい規制をしく長野県と国内外に発信する絶好の好機であり、オリンピックを契機とした条例制定は東京オリンピック・パラリンピックのレガシーになると思います。長野県らしい受動喫煙対策強化のための条例を制定すべきと考えるが、知事に見解をお伺いします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)受動喫煙の規制を強化すべきではないかという御質問でございます。  我が国は、公衆が集まる場所での喫煙の規制が大変緩くなっておりまして、屋内禁煙の義務の法律がなかったということで、WHOの調査では、お話にもありましたように、受動喫煙の規制状況で最低ランクに位置づけられておりました。  2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定を契機として健康増進法が改正されました。今後、多くの店舗や事業所を対象に屋内原則禁煙という形になります。また、健康面で影響の大きい子供や患者の方々に特に配慮して、学校や病院等では法律上敷地内禁煙ということにされるわけであります。今回の法改正で受動喫煙防止対策は相当程度強化されるものというふうに考えております。  条例制定についての見解という御質問でございます。  2020年の4月に全面施行される改正健康増進法によりまして、施設管理者に対する義務、罰則等が追加されます。また、原則屋内禁煙ということで、喫煙可能な施設には表示が義務づけられます。私も、自分で場所を選ぶときに、これからは恐らく喫煙しない場所を選んでいくことになると思いますけれども、公共の場所での受動喫煙防止対策は、そういう意味では大幅に前進するという形になります。  原則屋内での受動喫煙はなくなりますし、また、たばこの煙を望まない方は喫煙可能な施設をあらかじめ避けるということができます。また、子供、患者の方々も、たばこの煙からこれまで以上に守られるということになっていくわけであります。  どういう部分でどういう条例が必要かという議論もあり、家庭内の問題や、今回対象になっていない小規模な飲食店等に対する部分をさらに厳しくするということも考えられなくはないわけでありますが、今申し上げたように、今回の法改正でも、これまでに比べるとカバーされる部分が相当程度広くなってくるという形であります。  2020年の全面施行に向けまして、私どもとしては、まずは改正法の遵守の徹底を図るべく、市町村、関係団体と連携して受動喫煙防止対策に取り組んでいきたいと考えております。  以上です。       〔25番山岸喜昭君登壇〕 ◆25番(山岸喜昭 君)小諸高校は、音楽学校であるウィーン市立ムジーク・ギムナジウムと姉妹校協定をしております。音楽の本場でじかに世界最高峰の音楽に接する機会を継続することは、音楽の技術向上とともに、長野県の高校生の音楽文化の発展の力となることであります。グローバルに世界で活躍できる演奏家を目指せるよう、この国際交流が若者の実のあるものになることを願い、質問を終わります。 ○議長(鈴木清 君)次に、望月雄内議員。       〔57番望月雄内君登壇〕 ◆57番(望月雄内 君)順次質問をいたします。  私が住む安曇野市は、いわゆる平成の大合併において、穂高町、豊科町、三郷村、堀金村、明科町の3町2村が合併して誕生してから本年で14年目を迎えます。都市と田園、北アルプスの雄姿が美しいハーモニーを奏でる長野県の中核を担う町としてさらなる発展を続けていくものと思っております。  しかしながら、今後の発展において懸案となっている点が幾つかあり、本日はそのうちの大きく4点についてお伺いをいたします。  まず、高校再編についてお伺いをいたします。  長野県の中学卒業予定者数のピークは平成2年の3万4,699人でした。これが、今から10年後の2029年には半分以下、1万5,000人台になると予想されています。大ざっぱに言えば、長野県の高校の生徒数は40年間でピーク時の半分以下になってしまうわけであります。  このような状況の中、施設整備を初めとする教育環境の整備、スポーツや文化活動などクラブ活動の充実強化など、教育の質を確保するため、学校規模の維持と適正配置を図っていくことは避けて通ることのできない重要な課題であることは今さら言うまでもありません。  少人数教育を望む声があることは承知しておりますが、生徒の関心や適性、学力に差がある状況の中で、ある程度の学校規模がないと生徒や保護者が求める質の高い教育を行うことはできないと考えています。教育の質を確保していかなければ高校の魅力が低下し、次の時代を担う若者が地域から出ていき、地域全体がゆっくりと衰退する、いわゆるじり貧のシナリオが現実のものとなることは明らかです。  この問題に関して、今まで、県内では問題の先送りをしてきた地域が残念ながらありました。総論賛成であっても各論反対となるのがこうした問題の常であります。再編の必要性については理解していても、いざ個別具体的な学校名が取り上げられ、統合案などが検討の俎上にのせられると、反対の声が上がり、結局まとまらないという状況がこれまで多かったと承知をしております。しかし、今回はもはや先送りができない状況ではないかと思っております。  かつて地域には、農林水産業、食品加工業、商業などの多様な産業がありました。地域はそうした産業発展の担い手となる人材の育成を高校に期待してきたのであります。技術革新により変化のスピードが速い今こそ、地域における教育も時代に合わせて進化させ、新たな事業を地域で実践し、たくましく生きていくことができる人材を育てることが求められているのではないでしょうか。  世界に目を向けても、産と学がしっかりとタッグを組んで人材育成や技術開発を行うことにより地域の産業振興や経済発展を支えています。これらの地域の発展にとって、産学の連携はますます重要になっていくことは明らかであります。  高校を含め、学校はまちづくりの根幹です。明治以降、日本が近代化を進めるに当たり、地域の歴史と伝統は学校とともに形づくられてきたと言っても過言ではありません。人口が減少する時代を迎え、若者の地域外への流出を食いとめ、その地域を維持し、活性化していくためには、地域に必要な人材をその地域で育成することが従来にも増して重要だと考えています。  以上を踏まえて原山教育長にお伺いをいたします。  高校の将来像を考える地域の協議会についてであります。  一つとして、協議会の運営に当たり、総論賛成、各論反対にならないような利害調整の仕組みを具体的に考えているのでしょうか。  二つ目、協議会は旧12通学区ごとに設置されることになっていますが、専門高校のあり方など通学区を越えて広域で考えなければならない課題も数多くあります。隣接する通学区との調整についてはどのような形で行うことを想定しているかお伺いいたします。  次に、公立高校と私立高校のあり方についてであります。  私の地元である旧第11通学区を見ますと、市が三つある中で、松本市と塩尻市には公立高校のほか複数の私立高校が存在しています。一方で、安曇野市には私立高校がありません。都市部存立の普通高校は豊科高校1校だけであり、その存在意義は非常に大きいものがあります。  具体的な検討は旧12通学区ごとの協議会で行うわけですが、その協議の前提として、私立高校を含めた高校の再配置に関する県教委の基本的な考え方をお伺いいたします。  次に、専門高校のあり方についてであります。  昨年9月に策定した方針によれば、旧第11通学区の専門高校について、隣接する旧第12通学区の専門高校とともに広域的、多角的に検討することとしています。専門高校は、地域の特色を生かした地域に必要とされる人材を育成する拠点となるものであります。また、産業界や大学研究機関との連携を一層推進することで研究開発の拠点ともなるものであります。  さまざまな資格の取得に当たっても、専門高校で学ぶことが有利になる場合が少なくありません。特に、私の地元の穂高商業高校は、旧第11通学区のみならず、大北地域、木曽地域を含めた中信地域における唯一の県立の商業科を設置する学校であり、その存在意義は非常に大きいものがあります。専門高校は地域の学びの拠点であり、これからの長寿社会において、阿部知事の議案説明にもありました生涯にわたる学びの充実に不可欠なものではないかと思うのであります。このように、地域にとって重要な拠点となる専門高校の再編については特に慎重に進めるべきと考えていますが、県教委の基本的な考え方をお伺いいたします。  次に、地域高規格道路松本糸魚川連絡道路についてお伺いいたします。  松本糸魚川連絡道路は、日本海と長野県の中央部を結んで首都圏や中京圏とつながり、長野自動車道や北陸自動車道と一体となって広域的な道路ネットワークを形成する地域高規格道路です。沿線地域の商工業や観光産業を発展させる地域を育む道であるとともに、災害時の命をつなぐ道であり、地域住民にとって極めて重要な道路であります。そして、安曇野市だけでなく、高速道路がない大北地域の発展にとりまして必要不可欠な道路です。  現在、小谷村雨中地区や新潟県糸魚川市西中地区では、将来の地域高規格道路の要件を満たすバイパス事業が着々と進んでいます。一方で、安曇野地域においては順調に進捗しているとは言えない状況にあります。  県は、平成23年7月に、いわゆるAルート帯とBルート帯の2案を比較し、Bルート帯が有利であるという案を公表しました。この案に対しては、地域の皆さんから、農地や集落の分断、景観や生活環境への影響を懸念するなどの意見が述べられました。その後、県は、平成28年1月に修正Bルート帯案を公表しました。この案は、これまでに地域の皆さんから出された意見に配慮し、道路を水田の真ん中から犀川や高瀬川の堤防に寄せたり、道路の高さを抑えたりしたものでした。  県は、この案の公表後、安曇野市や大北地域で説明会を延べ16回、約800人の参加者を対象に実施し、平成28年10月から12月にかけては、安曇野市における新設区間の地域の皆さんとの意見交換会を延べ8回、218人の参加者を対象に行いました。この中で、地域の皆さんの一部から強い反対意見が出され、平成29年1月には計画に対する反対期成同盟会が設立されました。それ以降、地域との対話ができなくなり、新設区間の事業を進めることが相当困難な状況となっており、事業全体の進捗にも影響が出ております。  このような状況に鑑み、平成30年11月22日、安曇野市は、市長と市議会議長の連名で、建設部長に対し、Aルートの実現性を含め、地域の理解が得られるルートの詳細な調査、再検討を行うことの要望を行いました。建設部長からは、地域の御意見を取りまとめた上での要望であり、要望書を重く受けとめ、真摯に対応しますとの回答があったところです。このとき、私も同席をしておりました。  そこで、長谷川建設部長にお伺いいたします。地域の現在の状況を踏まえ、松本糸魚川連絡道路について今後どのように進めていこうとしているのか、お聞きをいたします。  また、高瀬川右岸の現道活用区間の事業化に向け、できるところから同時並行で進めるとのことでありますが、その進捗状況についてもお伺いいたします。  次に、黒沢川の治水対策についてお伺いをいたします。  黒沢川につきましては、平成28年2月議会の一般質問において調節池と河川整備の進捗状況をお伺いし、その際には、今後用地買収を進め、早期の工事着工に努めるとの答弁をいただきました。黒沢川は、河川の末端部で水が地下浸透してなくなる、いわゆる尻無川という特異な河川でありますが、大雨が降るたびに下流部で地下へ浸透し切れない水があふれ、大きな洪水被害をもたらしてまいりました。特に、昭和58年の台風10号、平成11年6月の梅雨前線豪雨の際には、黒沢川下流域において民家の浸水や農地の冠水など大きな被害が発生いたしました。  このような災害を繰り返さないために計画された黒沢川の治水対策ですが、脱ダム宣言でダム建設が突然中止となり、その後、ダムによらない治水対策として、上流の黒沢川には調節池を整備し、下流の万水川は河川改修を行うことになりました。また、同時期に、下流の農地対策として、農水省の事業によりあづみ野排水路が整備され、黒沢川と万水川が接続されることになりました。あづみ野排水路は平成17年度に、万水川の河川改修は平成20年度にそれぞれ完成しております。いずれも黒沢川の調節池で調節した後の流量で整備されたものであります。  平成28年2月の私の質問に対する建設部長の答弁では、黒沢川の調節池を先行して整備し、その進捗を見きわめてあづみ野排水路に接続するとのことでした。しかし、あづみ野排水路は既に完成しており、黒沢川と実質的に接続されております。黒沢川の調節池による流量調整がなければ、下流の万水川の洪水の危険度は河川改修を行う以前よりも高まっているのです。このような危険な状況のまま10年以上の歳月が経過し、地域の皆さんは大きな不安を感じております。  幸いなことに、この間、安曇野地域では大きな水害は発生しておりません。しかしながら、地球規模の気候変動が進む中、昨年7月に西日本を襲ったような豪雨災害は全国どこでも発生する可能性があります。想定外では済まされません。洪水などの自然災害から県民の生命、財産を守り、安心して暮らせるようにすることは、行政の最も重要な役割の一つであり、私はこれまで早急な対応を再三にわたって求めてまいりました。  そこで、長谷川建設部長にお伺いをいたします。このような黒沢川やその下流域で予想される洪水に対し、危険な現状を解決すべく、一刻も早い調節池の整備が必要であると考えますが、現在の状況と、さらには今後の工事見込みについてお伺いをいたします。  最後に、生コンクリートの需要見込みについてお伺いをいたします。  過日、地域の生コン業者の方々と話す機会があり、生コン業界の窮状を伺いました。生コン業界は経済動向に大きく影響を受けます。失われた20年、リーマンショック、コンクリートから人への公共事業削減など、長く続く厳しい経営環境のもとで自助努力に努め、経営合理化に取り組み、建設産業を支えてまいりました。  安曇野地域の生コン業者の方々も、地域にある資源を活用する地場産業として、また、建設基礎資材産業として、暮らしを支える建設産業の一翼を担い、地域への貢献は非常に大きなものがあります。地域を支える生コン業者の方々が安定した経営基盤を確保するためには、今後の生コンの需要動向が気になるところであり、大型公共事業への期待が高まっております。  そこで、長谷川建設部長にお伺いをいたします。今後の生コンクリートの需要見込みについて県としてはどのように想定されているのでしょうか。また、地域を支える産業を支援するためにも、先ほど質問いたしました黒沢川の調節池で生コンをできるだけ多く使用する設計とすることが適当だと考えますが、見解をお伺いいたします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず、協議会の運営についてのお尋ねでございます。  第1期高校再編の経緯を踏まえまして、県民の皆様の意見を幅広く聞きながら、より丁寧に進めていくことが大切だというふうに判断いたしまして、今回の高校改革におきましては、地域懇談会等を実施するとともに、協議会を設置して地域での幅広い議論をお願いしているところでございます。
     協議会の運営に当たりましては、地域の未来や子供たちの将来を考えたしっかりした議論が行われるよう、県教育委員会も共同事務局として協議会運営に積極的にかかわってまいりたいというふうに考えております。  隣接する旧通学区との調整についての御質問でございます。  今回の高校改革に当たりましては、より丁寧な検討を進めるためということから、実質的な生活、通学圏域である旧12通学区ごとに協議会を設置することとしておりますが、議員御指摘のとおり、専門高校のあり方など旧通学区を越えて広域で考えなければならない課題も想定されているところでございます。各協議会におきまして旧通学区を越えた議論が必要だという御意見が出てくれば、それに対応する方策を考えてまいりたいというふうに思っております。  次に、公立高校と私立高校のあり方についてであります。  募集定員につきましては、県教育長を会長としまして、私立中学高等学校協会の代表を含む公私立高等学校連絡協議会で、公立、私立の協調体制のもと、毎年協議して作成しておりまして、今後も一定のルールが必要だというふうに思っております。  県立高校と私立高校の双方にとって望ましい募集定員につきまして、今後急激な少子化が見込まれる中では、長期的な視点に立った募集定員のあり方についても検討する場が必要であるということから、そのまとめが昨年の協議会においてなされましたので、現在、有識者、教育関係者及び保護者等による検討の場の設置の準備を進めているところでございます。今後も、公立、私立の協調体制を前提として再編・整備計画を考えてまいりたいというふうに思っております。  最後に、専門高校のあり方についてであります。  これまで、専門高校は地域の産業を担う人材育成に大きく貢献してきたというふうに考えております。一方、産業構造が大きく変化し、グローバル化が進行する中では、変化に柔軟に対応できる専門能力の育成が必要でありますし、また、今後、少子化により高校の小規模化が進行する中、専門高校も例外ではないというふうに考えております。  そのような中で、地域の産業を担う人材育成の点からも質の高い教育を行う必要があり、それにふさわしい高校を提示していくことが大切であると思っておりますので、これらの観点から、専門高校のあり方については、広域的、多角的な視点からしっかりした検討が必要であるというふうに考えているところでございます。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)地域高規格道路松本糸魚川連絡道路の今後の進め方と高瀬川右岸道路の現道活用区間の進捗に関するお尋ねでございます。  松本糸魚川連絡道路は、高速道路と接続する安曇野市の起点部が最優先に整備が必要と考え、検討を進めています。現在のルート帯については、景観や住環境への影響懸念を初め、多岐にわたる御意見がある中、安曇野市が地域の意見を集約し、市長及び市議会議長の連名による要望書が作成され、昨年11月に私どものほうに提出いただいたところです。  市が主体的に地域の意見を取りまとめた上での要望であることから、県としても真摯に対応していく旨お答えし、2月上旬に関係する市内3地区において今後の進め方に関する説明会を開催したところです。  今後は、犀川渡河部の地質調査を実施した上で、現案を含めた複数案を検討していく予定であり、市と密接に連携し、各段階において地域の皆様との対話を重ねながら起点部のルート決定及び事業化に向けて取り組んでまいります。  また、高瀬川右岸の現道活用区間につきましては、昨年度の交通状況調査の結果を踏まえ、立体交差化や追い越し区間の構造検討を行っているところであり、引き続き事業化に向けた調査、検討を進めてまいります。  次に、黒沢川の調節池についてのお尋ねでございます。  黒沢川の上流に計画している調節池は、黒沢川、万水川の治水対策として、平成26年度の事業開始以来、概略設計、地質調査を実施するとともに、並行して用地買収も進め、これまでに約85%の用地を取得済みです。現在は、確実な洪水調節のための水理模型実験と詳細設計を進めており、来年度からの工事着手を予定しています。完成には多額の費用が必要ですが、3カ年緊急対策の予算を活用させていただき、事業を加速させ、早期の完成を目指してまいる所存です。  次に、今後の生コンクリートの需要見込みについてのお尋ねです。  生コンは土木工事に欠かせない材料であり、それを生産する生コン業界には地域の安全な暮らしを支える重要な役割を果たしていただいていると認識しています。  生コンの出荷量につきましては、平成20年度が177万5,000立米であったのに対し、平成29年度は124万5,000立米と約30%減少しており、全体的には減少傾向となっているものの、今回の3カ年の緊急対策によりまして今後は需要が上積みされると予想されます。  黒沢川調節池につきましては、護岸や分水施設に生コンを使用する予定でありまして、詳細につきましては現在設計中でありますので、今後決定してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔57番望月雄内君登壇〕 ◆57番(望月雄内 君)建設部長、通告はしていないのですが、来年度からの着工ということで完成までには何年ぐらいかかるのですか。お聞きいたします。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)黒沢川の調節池についての完成予想時期についてのお尋ねでございます。  本事業は平成26年に着手をしておりまして、おおむね大体10年程度を予定しておりましたが、なるべく早く完成できるようにしてまいりたいというふうに考えております。       〔57番望月雄内君登壇〕 ◆57番(望月雄内 君)通告していないと答弁はあんなものですね。改めてまた聞き直します。今はやめます。  松本糸魚川連絡道路の整備についてでありますが、事業化ができるところから同時並行でということでありますので、ぜひ早期の着工、開通、そして供用を目指していただきたいというふうに要望いたします。そうしないと、この道路計画について今でも関心が低いわけでありますので、ますます地域の関心や期待感が薄れるという心配もあります。よって、強く要望いたしておきたいと思います。  生コンにつきましては、地域で期待している大型事業である松本糸魚川連絡道路の工事がまだ先であるという状況の中、生コン業者の窮状をお察しいただいて、今後の社会資本整備にあってはぜひとも生コン活用に大きく配慮をしていただくよう要望させていただきたいと思います。  今まで教育長、建設部長にそれぞれ御答弁をいただいたわけですが、以上を総括して、最後に知事にお伺いいたします。  高校再編、広域的な交通ネットワーク、県民の生命と財産を守る治水対策、地域を支える産業の育成支援、いずれも県民の生活に重大な影響のある県政の最重要課題であります。これまで、阿部知事は、県民との対話を重視し、対話を重ね、県民の意見をしっかりと受けとめながら着実に県政を運営されてきました。しかしながら、高校の再編、松本糸魚川連絡道路などは強い反対意見もあるわけであります。長野県の未来を見据えて、強いリーダーシップを発揮して決断しなければならない場面が今後数多くあるものと予想されます。  このような重要かつ困難な課題に臨むに当たり、阿部知事の所見と決意をお聞かせいただきたいと思います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)さまざまな困難な課題に向き合っていく決意についての御質問ということでございます。  高校再編、松本糸魚川連絡道路の整備促進、いずれも重要な課題であります。  教育委員会とも連携して高校改革を進めていかなければいけないわけでありますけれども、やはり教育の質の向上、そして、何より未来に向けて責任ある対応をしていかなければいけないというふうに思っております。  松本糸魚川連絡道路も、県の南北軸を構成する主要な道路でありますし、地域の皆様方にとっては必要性が極めて高い、産業の振興や観光、あるいは命の道としても重要性が高い道路だというふうに思っております。そういう意味で、私は、できるだけ多くの皆様方の理解と協力を得ながら事業が進むように、コンセンサスづくりにまずはしっかり意を用いていかなければいけないというふうに思っております。しかしながら、全ての人が100%合意するということは今の世の中なかなか難しいというふうにも思っておりますので、そうした場合には、将来に対する責任、そして全県的な見地から決断を下していかなければいけない局面もあろうというふうに思っております。困難な課題にも正面から向き合って、知事としての責任をしっかりと果たしていきたいというふうに思っております。  以上です。 ○議長(鈴木清 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時43分休憩          ──────────────────         午後1時開議 ○副議長(小林東一郎 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  備前光正議員。       〔27番備前光正君登壇〕 ◆27番(備前光正 君)JR東日本のダイヤ改正等について伺います。  JR東日本は、昨年12月14日、ことし3月16日からの中央東線の特急「あずさ」と「スーパーあずさ」により松本―新宿間で運行してきたダイヤの改正について、停車駅数の大幅な削減を突然発表しました。  これに対し、地域住民の利便性と観光等への影響は看過できないと、12月、塩尻市議会では、停車数の維持を求める意見書を採択しました。また、1月7日には、諏訪地域や塩尻、木曽地域、上伊那地域など沿線自治体首長らがJR東日本長野支社に対し撤回等を求め、要請されました。同社側は、御理解をいただきたいという一言のみとの報道でした。さらに、2月1日には副知事も加わり、同社にダイヤ改正を見直すよう要請されたとお聞きします。  塩尻や岡谷駅は、中央西線や飯田線への分岐点でもあり、木曽地方や伊那地方への関東からの玄関口でもあります。また、沿線それぞれの駅は諏訪湖や八ヶ岳周辺の観光の重要駅でもあります。  そこで、今回のダイヤ改正に対し、沿線自治体住民の交通の利便性や経済、観光等に与える影響を危惧する声が出ております。こうした面への影響をどのように捉えているのか、企画振興部長、そして観光部長にそれぞれ伺います。  県は、1月7日にJR東日本長野支社に対し要請をしたと伺いました。丁寧な説明、地元の不安解消、臨時列車の増便等を求めたことはお聞きしておりますが、同社の対応はどうであったのか、具体的な懇談内容について企画振興部長に伺います。  また、2月1日には沿線自治体首長らとともにJR東日本本社に出向き、要請を行ったとお聞きしますが、同社の対応について具体的な回答はどうであったのか、太田副知事にお聞きいたします。  私ども党県議は、1月11日、藤野衆議院議員、武田参議院議員らとともに国交省鉄道局サービス政策室の後藤総括に説明を求めました。担当者も、4から6分の時間短縮のために停車駅の回数減による沿線自治体への影響を及ぼすことについて合理性はないと言い、私たちは同社に対し再考するよう指導を求めました。  県としても、これらを踏まえ、同社に対し、鉄道事業法の目的からも鉄道利用者の利益を保護し、鉄道事業等の健全な発達を図り、公共の福祉を増進する公共交通機関としての責務を果たすよう、沿線自治体と連携しながら今回の改正を再考するよう求めていただきたいのですが、これについて知事のお考えを伺います。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)JR東日本のダイヤ改正、中でも特急「あずさ」に関する御質問にお答えを申し上げます。  まず、今回のダイヤ改正の沿線住民への影響についてでございます。  停車本数が削減されることによりまして、特急「あずさ」を利用する場合、普通列車との乗りかえが新たに必要となります。特に、乗りかえを負担と感じる高齢者や障害者の方のほか、子供連れの方や大きな荷物を持った利用者などにとっては不便を感じる場面が多くなるものと考えております。  また、中央西線や飯田線との乗りかえ駅でもある塩尻駅や岡谷駅の停車本数も削減されますことから、駅所在地のみならず、木曽地域や上伊那地域の住民の利便性も低下することになると認識しております。  次に、1月7日に行いました要請活動についてお答えを申し上げます。  当日は、本県から交通担当部長が出向きまして、JR東日本長野支社に対しまして、今回のダイヤ改正の詳細を沿線自治体等に対し丁寧に説明をすること、臨時列車の運行と停車駅について配慮することなどを県として要請したところでございます。  この要請に対しまして、長野支社長からは、速達性と地域の利便性を比較検討したもので、御理解いただきたい。要請については真摯に受けとめ、今後も地域の一員として地域活性化に取り組みたいとの回答がございました。  その後、JR東日本長野支社におきましては、普通列車との接続を含めたダイヤ改正全体等について改めて説明するため、1月中旬に沿線市町村を訪問されたものと承知をしているところでございます。  以上でございます。       〔観光部長熊谷晃君登壇〕 ◎観光部長(熊谷晃 君)観光への影響についてどのように捉えているかとのお尋ねでございます。  地元自治体の観光担当課や観光協会の皆様からは、特急が通過することで観光地としてのイメージ低下が懸念される、乗りかえ回数がふえることで木曽や飯田エリアへの利便性が下がるのではないか、また、今回を契機に今後通過本数がふえてしまうのではないかとの声をお聞きしております。  諏訪湖周辺の市町村はそれぞれに個性ある観光地であり、とりわけ岡谷、塩尻はそれぞれ伊那谷、木曽谷への玄関口でもあります。現段階では特急列車以外のダイヤが発表されておりませんが、乗りかえ等により大幅なおくれや利便性の低下が生じるようであれば観光面での影響も重大なものになると思われます。  加えて、地元観光事業者の皆様のマインドが低下することのないよう、地元の皆さんとJRを交えて停車本数削減への対応と今後の観光振興への対応を検討してまいりたいと考えております。       〔副知事太田寛君登壇〕 ◎副知事(太田寛 君)JR東日本本社への要請についてでございます。  2月1日、関係市町村長とともにJR東日本本社を訪問いたしまして、地域の要望に耳を傾け、ダイヤの不断の見直しを行うこと、今後、県民生活等に大きな影響を与える改正に当たっては、早期かつ丁寧な説明を行うこと、観光プロモーションを重点的に行うなど地域の活性化や地方創生にともに取り組むことなどを県として要請したところでございます。  この要請に対しまして、JR東日本の西野副社長からは、要請を重く受けとめ、その趣旨に沿って、今後は意思疎通を図りながら丁寧に説明していきたい。また、連携して地域の活性化に取り組みたい。ダイヤの見直しについては、改正後の利用状況を注視したいなど、その対応方針についての回答があったところでございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、ダイヤ改正の再考をJR東日本に対して求めてほしいがいかがかという御質問でございます。  特急「あずさ」の停車駅が急激かつ大幅に削減をされるということは、関係部長からも御答弁申し上げましたとおり、地域の経済や観光に影響を及ぼすことが危惧されるわけであります。  地域の声を真摯に受けとめて対応するよう、私どもとしては引き続き関係市町村とともにJR東日本に強く求めていきたいと考えております。中央東線の利便性向上のためには、JRとともに沿線地域も一体となって利用促進に取り組むことが必要だというふうに考えております。地域とJRの一層の連携、情報共有が進むよう県としても取り組んでまいります。  以上です。       〔27番備前光正君登壇〕 ◆27番(備前光正 君)特急「あずさ」は、在来線特急では八王子―相模湖間が国内で最も利用客数が多いと言われ、JR東の利益を上げていると思われます。にもかかわらず、今回、新型車両E353系への変更で、新たな着席サービスとして全席指定化による自由席と回数券廃止が同時に行われます。  松本―新宿間で全席指定化による自由席と回数券廃止が同時に行われることによりまして、指定席特急料金は現行の2,900円から2,500円と400円安くなり、運賃と合計して6,900円が6,500円に下がります。しかし、多くの乗客に重宝がられておりますあずさ回数券との比較では、1回当たり4,630円が6,500円と、1,870円、実に40%も高くなります。2週間前までにインターネットで予約購入すると30%引きの4,550円になるものもありますが、いずれにしても、ネット環境のない利用者にはひどく煩雑で著しく利便性を損なうことが予想されます。新聞にもとても不便になるなどの投稿がされておりますが、JRが説明不足や理解を求める努力を欠いているのは否めないと思います。  そこで、今回の方針の一旦撤回や延期を求めてほしいのですが、引き続き企画振興部長にお尋ねいたします。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)特急「あずさ」の新たな着席サービスについての御質問でございます。  この新たな着席サービスですが、先ほど議員からもお話ありましたように、従来の指定席、自由席という区分を廃止し、全ての座席で指定が可能となるものでございます。  これにつきまして、JR側からは、従来の自由席利用者にとっては席に座れる可能性が従来よりも高まること、従来の指定席利用者にとっては値下げとなることや事前に指定できる座席があることといったメリットがあると説明はしておられます。  一方で、あずさ回数券などの特別企画乗車券が廃止されることや、新たな割引切符購入にはインターネット環境が必要となるなどの点につきましては一部利用者から不満の声が上がっていることも県としても承知をしているところでございます。  このため、県では、JR東日本に対しまして、あずさ回数券等の廃止に伴い、利用者のニーズに合わせたサービスの提供を新たに検討するよう要請をしているところでございます。特急「あずさ」の利用者の利便性が現状より損なわれることがないよう、引き続きJR東日本に対しまして要請をしてまいります。  以上でございます。       〔27番備前光正君登壇〕 ◆27番(備前光正 君)要請されているということですけれども、このままではさらに安価な高速バスに客が流れることが一層加速され、中央線特急の存続にも影響が生じかねません。  企画振興部長に再度お尋ねしますけれども、乗客の確保、そしてこの路線の確保を今後どのように構築していこうとお考えなのか伺いたいというふうに思います。  引き続きまして、産業廃棄物最終処分場について伺います。  塩尻東山地区の産廃処分場について、事業者が1995年に規模拡大した際に、埋め立ての量の計算を誤って申請したにもかかわらず、県がこれを許可していたことが塩尻東地区環境対策委員会の県への情報公開請求によって判明しました。本来の容量に対し約5,700立方メートル過剰になっていることが昨年11月の地元対策委員会と県環境部との懇談会事前協議で指摘され、同委員会は、12月の懇談会にも県の具体的な説明を求めていましたが、その後も懇談会がありましたが、3カ月近く経ても、計算ミスは認めても、明確な対応策は示されておりません。  そこで、本事案のこうしたチェック体制の不備をどう捉え、今後いつまでにどのように対応していくのか、環境部長にお尋ねします。  また、事業者も搬入をやめ、処分場は満杯状況にあり、現地の環境対策委員会は、過大な埋め立て分について撤去を求めております。これまでも、同処分場については、周辺環境への影響として、私も電気伝導率の異常な高さやアスベスト処理や硫化水素臭問題等幾つかの環境指標についての検査項目での問題点や地下水のモニタリングを行う観測井戸の位置の問題等を指摘してまいりましたが、そこで、この際、過剰分は撤去し、同時に、何が埋められているのかがわかるように報告させることも必要であると考えますが、環境部長にお尋ねいたします。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕
    企画振興部長(小岩正貴 君)特急「あずさ」につきましての再度の御質問でございます。  利用者の確保と今後の展望という趣旨かと理解をしております。これにつきましては、中央東線の利便性向上、また利用者の確保のためには、やはりJRとともに沿線自治体も一体となった取り組みが必要であると考えております。それに際しましては、やはり具体的なデータ、ニーズをお示ししながらJR側と真摯に話し合いをしていくという姿勢が重要かと考えております。  今後、こうしたことを踏まえまして、JRと地域の一層の連携、情報共有が進みますよう県としても取り組んでまいりますし、その際、交通ネットワーク全体を見渡した検討を進めていく必要があると考えております。  以上でございます。       〔環境部長高田真由美君登壇〕 ◎環境部長(高田真由美 君)産業廃棄物最終処分場の関係で2点御質問をいただきました。  初めに、塩尻市東山地区の産業廃棄物最終処分場についての許可の関係の御質問でございます。  こちらにつきましては、平成30年11月22日の地元住民との懇談の際に、平成7年に事業者から提出された産業廃棄物処理施設変更許可申請書における埋め立て容量の計算において、覆土の一部を二重に計算する誤りがあるとの指摘がございまして、県といたしまして改めて当時の申請書類を確認したところ、指摘のとおりであることを確認したところでございます。これは、事業者が申請時に計算ミスをし、審査の過程においてその誤りに気づかずに許可したものと思われます。  廃棄物に係る許可事務につきましては、現在は審査を専門に行う係を設置いたしまして、常に複数の職員が審査しているほか、大学教授などにも御確認をいただくなどチェック漏れなどが生じないような体制を整えているところでございます。しかし、平成7年当時はこうした体制がなく、また審査専門の係もなかったために、担当者が一人で審査事務を行っていたと推測され、チェック体制が十分ではなかったものと思われるところでございます。  本事案に係る今後の対応についてでございますけれども、許可の有効性ですとか事業者指導の方針等も含めまして、現在、契約弁護士とも相談をしているところでございまして、その結果も踏まえまして適切に判断をしてまいりたいと考えております。  続きまして、埋め立てられた廃棄物による生活環境保全上の影響の件でございます。  当該処分場につきましては、これまでの立入検査や事業者からの実績報告によれば、許可品目にない産業廃棄物の埋め立ては確認されていないほか、現在の埋め立て容量も許可の範囲内であることから、過大な埋め立てとはなっていないものと認識をしております。  また、周辺住民の生活環境への影響につきましては、当該処分場は浸透水を水処理した上で放流しているほか、周辺への影響の有無を観測するための井戸を2カ所設置しており、県で毎年実施している放流水及び地下水の水質検査では、平成17年度以降、基準値を超えたことはなく、問題はないものと考えております。  以上のことから、直ちにボーリングなどにより掘り返して調査する必要はないと考えてはおりますが、今後も引き続き立入検査や水質検査を通じて現場の状況に変化がないか確認してまいります。  以上でございます。       〔27番備前光正君登壇〕 ◆27番(備前光正 君)ただいま、超過はしていないということですけれども、対策委員会内での計測でも、軽微な変更という10%を超える10.3%という数字も出しており、そうした意味においても私は問題があろうかというふうに思います。  古い事案かもしれませんが、以降の埋め立て残量や埋め立て変更の全てが今回この数字で変わってくることになりました。一体何を確認し、審査しているのでしょうかと地元からも言われております。  また、新聞報道における資源循環推進課のコメントで、本来埋め立てられる容量以上には埋め立てられない構造になっていると説明し、実態としては影響がないとの見解を示したとあります。  同処分場では、2011年にも、許可量を40%、2万6,000立方メートルも上回る過剰埋め立てが発覚し、撤去させる改善命令が出されてきた経緯があります。今回、計算ミスがあたかも問題がないかのようなコメントは、担当部としての緊張感を欠くものであり、再びこのようなことで処分場を抱える地元住民に負荷をかけることに、県の環境行政への不信感も生じかねない。もし災害、地震等による処分場の崩落、これによる健康被害などが起きたらどうするのか、余りにも住民目線が希薄ではないかとの地元住民の声であります。この声に環境部長はどう答えるのか、再度答弁を求めたいと思います。  引き続き、主要農作物等種子条例(仮称)について伺いたいと思います。  このほど、県は条例の骨子案を発表しました。この背景には、国が昨年3月末で都道府県に種子の生産を義務づけてきた種子法を廃止したことがあります。私も本議会で県条例の制定を求めてきましたが、条例により、県が関与し、良質な種子の供給体制を維持していく責任を明確にすることが重要であると思います。  また、同時に、昨年の議会でも遺伝子組み換え作物への対策を求めましたが、種子の開発、普及と安全性の担保を県が行うことで県民の安心につながるような条例の構築が必要であると思います。  そこで、以下、農政部長にお尋ねいたします。  今回示された骨子案から、長野県の条例はどのような特徴を持って目指すのでしょうか。また、今後も公的機関の関与が必要であると考えますが、試験研究を行い、品種を開発してきた農業試験場は、条例では位置づけはどうなるのでしょうか。さらに、「風さやか」などの品種はこれまでの県の研究成果であると思いますが、これまでのこうした県の成果は県内農家にひとしく享受されるような仕組みの構築が必要であると考えます。そこで、安価で良質な種子の供給を県内農家にひとしく安定的に行っていく体制をどのように構築しようとしているのか、お尋ねいたします。  また、遺伝子組み換え作物について、我が国においては、飼料用のトウモロコシ、油用の大豆、菜種など、海外で生産された遺伝子組み換え農作物が輸入されるようになっております。県内でも、かつて、特定の除草剤に対し薬剤耐性の遺伝子組み換えをした大豆の試験栽培が行われたことが報道されたことがありましたが、依然、遺伝子組み換え作物や食品は、食の安全と環境への影響が未知、未解明な部分があり、食を通じて人体や環境への影響面を考慮することが必要であると思います。近年、こうした種子が輸入されてくる港湾施設付近で、輸送時などにこぼれ落ちたと思われる遺伝子組み換え種子と在来種との交配による自生事例も報じられております。  そこで、昨年の6月議会で、条例制定に当たり、遺伝子組み換え作物への対応策を求めましたが、状況を踏まえ検討するとの答弁で、今条例骨子のQアンドAに、遺伝子組み換え作物に関するガイドラインの作成などについて検討するとなっております。  そこで、今後ガイドラインではどのような内容を検討していくのか、また、遺伝子組み換え作物に関する県民の不安を払拭するためにも種子条例に盛り込むべきと思いますが、農政部長にお尋ねをいたします。       〔環境部長高田真由美君登壇〕 ◎環境部長(高田真由美 君)最終処分場の関係の審査でございます。  審査につきましては、このようなミスがないようにということで、現在、審査の専門係を設置して複数の職員で行う上に、有識者にもきちんと確認をしていただくというような形でチェック漏れがないような体制を整えているところでございます。  今回の事例がたまたまそれ以前だったためにこういうことになりましたけれども、この件につきましては、許可の有効性も含めまして、今後どう対応するかということをきちんと弁護士とも相談をしながら、住民の方ともきちんと話をして説明をしてまいりたいと思います。  以上でございます。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)4点御質問をいただきました。順次お答えをいたします。  まず、条例骨子案の特徴についてでございますが、条例の検討に当たりましては、他県には見られない長野県原種センターを中心とした種子の生産供給の仕組みが構築されていること、また、ソバや多くの伝統野菜などが地域の食文化として受け継がれていること、これらの本県ならではの状況と多くの関係団体や県民の皆様の御意見を踏まえ、本県らしい条例となるよう骨子案の作成を進めてまいりました。  具体的な特徴といたしましては、長野県原種センターの役割を明記するとともに、対象作物にソバや信州の伝統野菜及び将来に向けて種子生産を継続する必要がある在来品種を加えたところでございます。  また、基本理念に、種子の生産が消費者への安全、安心な食料の安定的な供給に資することを盛り込むとともに、種子生産者等に対する支援や施策を推進するために必要な財政上の措置について明記したことなどが骨子案の特徴と考えております。  次に、農業関係試験場の位置づけについてでございますが、条例骨子案におきます主要農作物の種子生産に係る県の役割のうち、県内に普及すべき主要農作物の優良な品種を決定するための試験の実施及び一般の種子を生産するためのもととなる種、いわゆる原原種の生産、確保、供給につきましては、これまでどおり農業関係試験場が実施することを想定しております。  続きまして、種子の安定供給体制の構築についてでございますが、本県では、昭和62年に、県、JAグループ、市町村等の出資によりまして、種子の生産と供給を担う長野県原種センターを設立し、主要農作物や県試験場が育成しました品種の種子等の安定供給に取り組んでいるところでございます。  条例骨子案におきましても、主要農作物種子法で規定されていた項目を全て盛り込むとともに、県及び原種センター、種子生産者等の役割を明確にしており、引き続き種子の生産供給システムをしっかりと維持してまいりたいと考えております。  最後に、遺伝子組み換え作物の混入防止についてでございますが、遺伝子組み換え作物については、安全性を確保するため、国が関係する法律に基づいて科学的な評価を行い、問題のないものだけが輸入、流通、栽培される仕組みが構築されております。  現在、国内で栽培されている遺伝子組み換え作物は観賞用の花のバラ1品種のみであり、消費者の遺伝子組み換え作物を食べたくないという感情等から食用の作物は栽培されておらず、今後も栽培される可能性は非常に低いものと考えております。  しかしながら、議員御指摘のとおり、遺伝子組み換え作物との交雑に対する県民からの不安の声もあることから、条例骨子案の目的の部分に、他品種との交雑を防止することなどにより、優良な種子の安定供給を図る旨を盛り込んだところでございます。  また、遺伝子組み換え作物との交雑を防止するためのガイドラインの作成につきましては、今後、他県の状況を調査したり、関係する皆様の御意見をお伺いして検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔27番備前光正君登壇〕 ◆27番(備前光正 君)遺伝子組み換え作物については、2004年、県有機農業研究会から県知事に対し、当時、県内での遺伝子組み換え作物栽培禁止を求める要請書が出され、これに応対した当時の農政部長は、組み換え作物の栽培規制を盛り込んだ条例の制定を考えており、とりあえず早急にガイドライン的なものをつくって対応すると答えております。  再度、農政部長に、このガイドラインですけれども、既に15年も経過してきているということであります。いつまでに作成するのか、さらに、このときは条例化ということを言っているわけでありますけれども、条例化についてのお考えというのはどうなっているのか、これについてお尋ねいたします。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)遺伝子組み換え作物に関するガイドラインの作成につきましては、先ほど言いましたとおり、他県の状況や関係する皆様の御意見をお伺いしながら31年度中をめどに作成を検討してまいりたいと考えております。  それから、条例化につきましては、ガイドラインによって対応していきたいということでございます。  以上でございます。       〔27番備前光正君登壇〕 ◆27番(備前光正 君)関連する部局があると思いますので、連携しながら、ガイドライン、さらには、発展形としての条例の策定も見据えて検討をしていただきたい、このことを要望させていただきまして、以上で質問を終わりたいと思います。 ○副議長(小林東一郎 君)次に、風間辰一議員。       〔47番風間辰一君登壇〕 ◆47番(風間辰一 君)昨年6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨、9月の北海道胆振東部地震など全国的に激甚な災害が頻発し、こうした全国どこでも起こり得る最近の災害を鑑み、国は重要インフラの緊急点検を実施し、昨年12月に防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を取りまとめたところであります。  我が県においても、昨年は、5月の2度にわたる震度5の地震や7月豪雨、台風21号、24号などにより県内各地で災害が発生しており、特に急峻な地形と脆弱な地質を有する我が県において、防災を目的としたインフラ整備はもちろん、まだまだ不十分な道路ネットワークの構築は現下の大きな課題であると考えます。  この際に、県民の命と生活を守る重要インフラの整備を遂行することは、まさに時宜にかなった極めて重要な施策展開であり、迅速かつ強力に推進すべき事業であります。  そこで、まず1点目として、重要インフラの緊急点検により我が県においてどのような課題があったのか。次に、その結果として明らかになった国、県がとるべき方策と緊急に対処すべき箇所はどのようなものであったのか。また、西日本豪雨を踏まえ、大規模な浸水や土砂災害のおそれが大きい我が県において、3カ年で実施する緊急対策の具体的な内容について建設部長にお伺いをいたします。  加えて、大規模災害時に必要な広域ネットワーク確保の観点からの道路整備も必要でありますが、3カ年で実施する道路整備にかかわる緊急対策の具体的な内容についてもあわせてお尋ねいたします。  9月定例会の代表質問において災害時における燃料備蓄体制の再構築について質問をいたしました。危機管理部長からは、県としてさらなる備蓄拡大や迅速な燃料供給体制の整備が必要との認識が示され、その後、31年度当初予算編成に当たり、県独自の事業構築が行われ、災害対応用石油製品備蓄促進事業として予算案に事業費が計上されたところであります。  災害による大規模停電など他県の災害を、我が県においても起こるかもしれない喫緊の課題として早期に対策を練り直さなければならないと9月議会でも申し上げましたとおり、災害への備えとして燃料の備蓄は重要な事業であると考えますが、この事業の検討に当たり、どのような観点で事業構築をしてきたのか、危機管理部長にお伺いいたします。  また、燃料の備蓄に当たっては、ガソリンスタンドなど事業者の協力が不可欠でありますが、具体的にどのぐらいの箇所にどの程度の備蓄をする計画としているのか。また、今回の備蓄増加により、現状に比べてどの程度対応することが可能となるのか。さらには、災害はどの地域で起こるかわからないことから、県内の各地域に分散して備蓄することや、被災地域への迅速な配送についても重要と考えますが、どのような体制をとっていくのか、あわせて危機管理部長にお伺いをいたします。  2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。これに先立ち、国においては、昨年3月に第4次障害者基本計画を策定し、この中で、とりわけパラリンピック競技大会は「共生社会の実現に向けて社会の在り方を大きく変える絶好の機会となる。」と記載しております。  1998年に長野パラリンピック冬季競技大会を開催した我が県としても、開催から20年という節目に際し、開催によって得られた成果を生かし、改めて共生社会の実現に向けた機運の醸成を図り、一層の取り組みを重ねていくことが重要であると考えます。  人口減少社会と超高齢社会が同時並行で急速に進展する中で、年をとっても住みなれた地域で安心して暮らし続けることは県民の希望であり、知事も基本政策集2018において目指す社会は創造的で持続可能な共生社会と述べておりますとおり、持続可能な地域社会の創造へとつながるものであります。  共生社会の実現のためには、年齢や障害の有無を超えて、いつかは誰しも大なり小なりの障害を抱え得るという前提に立った地域づくりと、市街地であれ中山間地であれ、その地域で暮らし続けることのできる体制整備、障害のある人もない人もともに支え合う地域社会の創造が重要になると考えます。  超高齢化が進む我が県だからこそ、他県に先んじてこうした姿を実現していく必要があると強く思うものでありますが、こうした方向について県の考え方と今後の取り組みについて伺います。  まず、こうした社会を実現すべく、既に稼働している地域医療介護総合確保基金についてであります。  国は、人口減少・超高齢社会の到来により、我が国の医療、介護を取り巻く環境が大きく変化していく中、疾病構造の変化、ニーズの多様化、医療の高度化等を踏まえ、限られた医療資源の適正配置や医療機能の分化と連携を進めるため、都道府県に対し、団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据えた地域医療構想の策定を求め、我が県でも平成28年度に策定しているところであります。  さらに、国は、この地域医療構想の実現に向け、効率的かつ質の高い医療提供体制の構築と地域包括ケアシステムの構築を推進するため、消費税増収分を財源に、平成26年度から平成30年度までに累計9,007億円、内訳は、医療分野4,550億円、介護分野4,457億円の財源を配分し、各都道府県は、これをもとに地域医療介護総合確保基金を設置しております。このうち、医療分野4,550億円については、事業区分Ⅰが医療機能の分化・連携、事業区分Ⅱが在宅医療の推進、事業区分Ⅲが医療従事者確保・育成の3区分で各種事業が実施されているところであります。  国は、毎年、都道府県の計画額に応じた金額を配分しますが、事業区分ごとに予算枠が設けられており、事業区分Ⅰの医療機能の分化・連携に予算を重点配分しているため、実際の配分は各都道府県の要望に対し、事業区分Ⅰは希望どおり配分される一方で、我が県など要望の多い事業区分Ⅱ及びⅢでは要望額を割り込む状況となっております。加えて、配分された基金については事業区分間を超えた流用も認められず、柔軟な対応ができない状況になっており、この問題については、全国知事会でも基金創設当初から継続して国に対し是正を要望しております。  このような現状については、地域医療の充実に日々尽力される長野県医師会もかねてから問題意識を持たれており、私自身も課題を共有してまいりました。こうしたことから、昨年11月、自民党県議においても、必要な財源の確保と配分後の実情に応じた柔軟な対応、つまり区分間の流用を認めるよう党本部に対し要望を行ったところであります。  阿部知事も、みずから先頭に立って、平成31年度の国への予算要望で厚生労働省に対し柔軟な対応を認めるよう要望をされております。  そこで、以下、順次伺います。  まず、1点目として、医療分野について、地域医療介護総合確保基金創設以降の我が県への財源配分の状況はどうか。次に、国に対して要望してきた十分な財源確保と事業区分間の流用などの柔軟な運用に対する国の対応状況はどうか。また、人口減少・超高齢社会において、年をとっても県民が安心して医療介護サービスを受けられ、住みなれた地域で暮らし続けることのできる環境を整えていくため、地域医療介護総合確保基金を今後どのように活用して医療介護体制を整備していくのか。最後に、基金制度の残された課題は何か、また、それに対して県としてどのように対応していくのか、以上、知事にお伺いをいたします。  地域医療介護総合確保基金の介護分は、地域包括ケア体制の確立に向けて、在宅医療介護の基盤整備、福祉介護人材の確保を支援するものでありましたが、平成30年4月に施行された地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律により、今後の地域包括ケアについては、高齢者と障害者が同一の事業所でサービスを受けることができる共生型サービスが介護保険サービスと障害福祉サービスに新たに加えて位置づけられ、新展開を見せたところであります。  65歳になった障害者は、原則介護保険サービスに移行することになりますが、障害福祉サービス事業所が共生型サービスの指定を受けることで、65歳以上になった利用者も使いなれた事業所でサービスを受けることが可能になるなど、利用者にとっては大変メリットのあるサービスと考えられます。このサービスの普及は、生涯にわたり自分らしく安心して地域で暮らしていける信州という我が県が目指す地域包括ケア体制、地域共生社会の実現にも資するものであります。また、福祉に携わる人材に限りがある中で、このサービスの指定を受けることで地域の実情に合わせた人材の有効活用も期待できるところであります。  しかしながら、共生型サービスの指定を受ける事業所から見ると、これまで対象としていなかった利用者を新たに受け入れることとなり、介護技術の取得などの体制整備が必要になるといった新たな課題も浮上すると思われます。  そこで、共生型サービスの創設から1年近くが経過しておりますが、指定件数はそれほど多くないとお聞きしております。現在の指定の状況はどうか、また、地域包括ケア体制の確立に向けて、共生型サービスに期待される役割についてどのように捉えているか。あわせて、今後共生型サービスの普及に向けてどのように取り組んでいくのか。  以上、健康福祉部長にお伺いいたします。  知事は、昨年の知事選挙に際して、「誰一人取り残さない信州をつくるためには、多様性が尊重され、支え合い助け合って生活する「共生社会」を築いていかなければなりません。」と述べられております。超高齢化が進み、誰しもが広義の障害者になり得る時代を迎えた我が県、そして、地域包括ケアが医療、介護の枠を超え、障害者に対してもその範囲を広げ、在宅化を後押しするときを迎えた今、2027年の国体、全国障害者スポーツ大会を控え、また、パラリンピックを開催した我が県としても、共生社会実現に向けた理念の確立とそれに基づく施策展開が今まで以上に高まっていることを踏まえますと、我が県の目指す共生社会実現と障害者差別の解消を明記した条例が必要であり、その制定を提案いたしますが、いかがか。知事の見解と、必要とするならばどのような内容にすべきと考えるか、知事に御所見を伺います。  以上で1回目の質問といたします。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)重要インフラの緊急点検における長野県の課題についてのお尋ねでございます。  緊急点検は、防災のための重要インフラや国民経済、生活を支える重要インフラについて国の示した項目に沿って国、県を挙げて実施した点検です。  本県の点検では、堆積土砂や樹木の繁茂により治水上の支障のある河川が多数あること、土砂災害に対して避難路や避難場所が十分守られていない状況があることなどが判明いたしました。また、土砂崩れや大雪により被災、通行どめになる危険性があり、社会的影響が大きな幹線道路も確認されたところです。さらに、避難を促すための情報基盤の脆弱性ですとか、災害時の停電対策の必要性が確認されるなど、ハード、ソフト両面において多くの課題が明らかとなったところです。  次に、お尋ねいただきました国、県がとるべき方策と緊急に対処すべき箇所につきましては、大きく分けて三つございます。  一つ目の方策は、大規模な浸水、土砂災害、地震等による被害の防止、最少化でありまして、緊急に対処すべき箇所としては、昨年の西日本豪雨において多大な浸水被害のあった岡山県の高梁川や小田川等の状況を踏まえ、氾濫が想定される範囲に多くの住宅や重要施設がある河川等が対象となります。  二つ目は、県民経済、生活を支えるインフラの機能強化で、平成29年に4カ月以上にわたる通行どめと約1時間の迂回を強いられた天龍村の主要地方道のように、落石やのり面崩壊等の危険性が高く、影響の大きな幹線道路などが対象となります。  三つ目は、避難行動に必要な情報等の確保で、氾濫時に甚大な被害が予想される河川に係る観測所や道路情報を提供する施設などが対象となります。  次に、本県において3カ年で実施する大規模な浸水や土砂災害に対する緊急対策の具体的な内容についてです。  浸水対策につきましては、氾濫が想定される範囲に多くの住宅や病院などの重要施設がある大町市から安曇野市の高瀬川ほか124河川において、治水上支障となっている堆積土砂や樹木の除去を実施し、氾濫発生の危険をおおむね解消します。  また、土砂災害対策につきましては、主に地域の避難所や避難路が限られ、被災時に避難が困難となる長和町古町地区ほか156カ所において砂防施設等を前倒しで整備します。  さらに、佐久市千曲川ほか132カ所に簡易型監視カメラを設置するとともに、想定最大規模降雨浸水想定区域図について、本予算も活用しながら、来年度、全てを完了させ、市町村が作成する洪水ハザードマップに反映させること等により住民避難を促すための情報発信を強化してまいります。  次に、3カ年で実施する道路整備に係る緊急対策の具体的な内容についてです。  道路につきましては、特に落石やのり面崩壊等の危険性が高い箇所について、のり面対策やバイパス整備による危険箇所回避などを国道151号阿南町新野拡幅ほか81カ所で行います。また、特に勾配が急な箇所など大雪時に車両がスタックする可能性が高い箇所について、無散水消雪施設の設置や道路改良による縦断修正などを国道117号野沢温泉村虫生ほか71カ所で進めてまいります。さらに、停電時にも安全な交通確保が必要なトンネルについて、蓄電池等による無停電対策を国道361号木曽町―塩尻間の姥神トンネルほか103カ所で実施してまいります。  以上でございます。
          〔危機管理監兼危機管理部長池田秀幸君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(池田秀幸 君)燃料備蓄体制についての御質問をいただきました。  最初に、災害対応用石油製品備蓄促進事業の観点についての御質問でございます。  本県は内陸に位置し、製油所から遠く、燃料輸送の大半を鉄道に頼っていることから、地震などの災害時にはその輸送路が寸断され、供給が滞る可能性がございます。他県での大規模災害の事例を見ますと、停電や輸送路の復旧に時間がかかり、燃料不足に陥った事例がございます。  このような事例を踏まえて、停電の解消や県外からの燃料供給が再開するまでの間、必要な量の燃料を県内に備蓄することとし、第3次長野県地震被害想定における大規模地震発生時の被害想定をもとに、災害拠点病院などの重要施設や警察、消防の緊急車両等の燃料用として備蓄量を拡大することといたしました。さらに、国の事業を活用して、自家発電機を整備している住民拠点サービスステーションに対して、災害時に住民の皆様へ燃料を提供できるよう一定量の備蓄をする支援を行うことといたしました。  これらにより、災害対応拠点の役割を担う重要施設や緊急車両が発災後も業務を継続できることと、住民の皆様に対して燃料を提供できる体制を整備するものでございます。  次に、燃料備蓄の箇所や備蓄量に関する御質問でございます。  これまで、事業者の皆様に御協力をいただきながら、国の備蓄促進事業を活用して県内の中核給油所41カ所と小口燃料配送拠点21カ所、計62カ所に512キロリットルの備蓄をしてきたところでございます。今回、燃料備蓄を拡大するため、新たに備蓄箇所を52カ所、備蓄量を428キロリットルそれぞれふやし、合計114カ所、940キロリットルを確保する計画としております。  また、住民拠点サービスステーションについては、現在、県内に70カ所が整備されておりますが、このうち、来年度は52カ所のサービスステーションに御協力をいただいて、合計104キロリットルの備蓄を図る計画としております。  次に、備蓄増加により可能となる対応についての御質問でございます。  現在、国の備蓄促進事業を活用し備蓄している燃料512キロリットルは、県で重要施設や緊急車両として協力しているタンク容量の合計に対しまして約16%程度の備蓄量となっております。  一方、県内で想定されている糸魚川―静岡構造線断層帯の地震などの大規模地震による停電率の平均から、県内全体の約3割の地域や施設で停電が発生すると想定されていることから、備蓄量を16%から約30%まで引き上げることといたしました。この備蓄により、大規模災害が発生した場合でも、重要施設等が平時から備蓄している量と合わせて約1週間は県内の備蓄で燃料を賄うことが可能となると考えております。  また、今回の支援により、各住民拠点サービスステーションにそれぞれ2キロリットルの燃料を確保することで、例えば、被災地において、1カ所のサービスステーションで100台の車に20リットルずつ給油ができることとなり、合計で5,000台の車への給油が可能となります。  次に、備蓄の分散や被災地への迅速な配送についての御質問でございます。  現在の国の備蓄促進事業を活用した燃料備蓄は、県内10広域の地域ごとに見ますと備蓄率に大きな差が生じております。そのため、今回の拡充に当たっては、現在備蓄率が低い地域に重点的に備蓄を行うよう努め、県内の各地域のバランスを考慮し、平準化を図りつつ備蓄を拡大することとしております。  また、配送への支援といたしまして、各事業者が所有するタンクローリーなど約400台をあらかじめ緊急通行車両として登録することや、各重要施設が必要とする油種などの情報を災害時の給油に関する協定を締結しております長野県石油商業組合と共有することで、災害発生時に必要な手続や確認を省略し、迅速な配送を可能とする体制づくりを進めております。これらの対策により、どの地域で災害が発生しても必要な燃料が迅速かつ確実に確保できる体制を構築してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、共生社会の創造への取り組みについてということで何点か御質問を頂戴いたしました。  まず、地域医療介護総合確保基金医療分の配分状況についてでございます。  長野県への配分状況は、平成26年度から30年度までの5年間に、要望額69億1,000万円に対しまして配分額は56億2,000万円ということで、要望額に対する配分率は81.3%という形になっておりました。  平成28年度以降、直近の3カ年の実績で見ますと、事業区分Ⅰ、医療機能の分化・連携の推進につきましては要望額どおり全額が配分をされてきているものでありますが、御指摘がありましたように、事業区分のⅡ、在宅医療の推進及び事業区分Ⅲ、医療従事者確保・育成の配分率については約6割ということで、低い状況が続いてきたところでございます。  国に対して要望をしてきたその後の国の対応状況はどうかという御質問でございます。  御質問の中でも触れていただきましたように、この問題に関しましては私自身も問題意識を持っております。昨年11月の国への予算要望の際、直接厚生労働省に出向いて改善をお願いしたところでございます。  国は、平成31年度の当初予算案で、地域医療介護総合確保基金の医療分野、介護分野それぞれにつきまして、平成30年度比100億円増額して、総額1,858億円計上いたしております。懸案の医療分野の事業区分Ⅱ、Ⅲも30億円増という形になっております。  また、平成30年度の財源不足に対応するため、配分方針の一部を緩和して、事業区分Ⅱ、Ⅲで計画した事業につきましても、事業区分Ⅰへの位置づけが可能なものについて再整理した上で追加配分を行うという方針が示されたところでございます。これらのことによりまして、本県では1億4,000万円の追加配分が認められる見通しとなったところでございます。  こうしたことは、風間議員を初め、関係の皆様方から御支援いただいたおかげで実現できたものというふうに考えております。この場をおかりして心から感謝申し上げたいと思います。  次に、基金の活用によります医療・介護体制の整備についてという御質問でございます。  平成31年度事業につきましては、医療・介護関係者、団体の皆様方から多くの御要望をいただいております。平成31年度当初予算案では、国の増額予算を最大限活用するべく、医療分野では平成30年度比3億3,000万円増の13億7,000万円、介護分野では同9億2,000万円増の20億5,000万円を計上いたしているところでございます。  医療機関の役割分担と連携、そして地域包括ケア体制の構築に向けまして、病床機能転換のための施設整備や多職種連携によります在宅医療・介護サービスの推進、さらには、医師、看護師、介護人材などの確保育成などに効果的に活用してまいりたいと考えております。今後、国に対して十分な基金の配分を要望してまいります。  続きまして、残された課題と県の対応という御質問でございます。  来年度予算案における大幅な予算額の増、そして、今年度事業区分の調整によります再配分といったことで、国の対応はおかげさまでかなり前進してきているというふうに考えておりますが、本県が求めている必要な事業に活用できるように事業区分間での流用を可能にすることについては、いまだ認められるには至っていないという状況であります。  引き続き、厚生労働省や財務省に対しまして見直しを求めますとともに、全国知事会を通じて国に対して継続して要請してまいります。  続きまして、共生社会実現と障害者差別の解消を明記した条例が必要ではないかという御質問でございます。  御質問にもありましたように、パラリンピックを開催した本県として、東京パラリンピックも控えている時期でもありますし、また、2027年には全国障害者スポーツ大会を開催する予定にもなっております。そうした中で、障害がある方への対応や、障害がある方もない方も安心して暮らせる共生社会をつくっていくということが我々の大きな役割でもあるというふうに思っております。  障害者差別解消法は、平成28年に施行されて3年が経過しております。店舗や企業の対応が丁寧になった、障害者への合理的な配慮が前進したといった肯定的な評価がある一方で、障害者差別法の窓口への相談件数は年々増加しているという状況でございます。  障害者団体の代表者の方々と意見交換をさせていただきました。その中で、情報コミュニケーション格差、障害者に対する理解不足に起因するさまざまな差別的対応や合理的配慮に欠ける事案、また、障害による生きづらさ、こうしたことについて切実なお話を伺ったところでございます。  こうしたことを踏まえますと、御提案をいただきましたように、本県としてこの共生社会の実現に向けた条例を検討していくことが必要だというふうに考えております。条例の内容といたしましては、障害者の方たちが差別だというふうに感じていらっしゃることについて合理的な対応を促す仕組みづくりを含めて、広く本県が目指す障害がある人もない人もともに生きる共生社会づくりに資するものとしていきたいと考えております。  今後、障害当事者、障害者団体、有識者など幅広い方々の御意見をお伺いし、県民の皆様の障害者に対する理解を深めながら条例制定に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。  以上です。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)私へは共生型サービスについて御質問いただきました。  平成31年2月1日現在の共生型サービスの指定状況についてでございますが、サービス指定を受けている事業所は13事業所ございます。いずれも、介護サービス事業所が共生型の障害福祉サービスの指定を受けたものでございます。  次に、地域包括ケア体制の確立に向けての共生型サービスに期待される役割についてでございます。  共生型サービスは、介護保険、障害福祉両制度による基準が緩和され、指定が受けやすくなっていることから、福祉サービスの提供基盤が脆弱な地域における体制の確保に資するものであると考えております。また、高齢者だけではなく、障害者や子供が同一の事業所において支え合いながら生活できることから、県が目指す地域包括ケア体制の重要な要素でありますつながり、支え合いの実現に寄与するものと考えております。  共生型サービスの普及に向けての今後の取り組みについてでございますが、県では、これまで、介護サービスや障害福祉サービスを提供する事業所に対して、共生型サービスにかかわる制度や指定申請手続などについて周知してまいりました。今後は、改めて、これらの事業所に対し、共生型サービスの意義やメリットを周知してまいります。  また、事業所の体制整備については、介護サービスと障害福祉サービスは必要とされる機能が異なる場合もあることから、職員のスキルアップのための研修参加の勧奨を行うとともに、サービスの開始に当たり他の事業所から技術支援を受けられるよう、事業所間の連携を推進してまいります。  なお、定員が18人以下の地域密着型通所介護は市町村が指定権者となることから、市町村に対して随時共生型サービスの指定に必要な条例の整備について助言等を行ってまいりましたが、現時点で必要な条例が未整備の市町村が28ございます。これらの市町村に対しては、引き続き市町村担当者会議などにおいてその整備を促してまいります。  以上でございます。       〔47番風間辰一君登壇〕 ◆47番(風間辰一 君)お答えをいただきました。  地域包括ケアにつきましては、居宅医療、居宅介護を実際に進展させる具体的な方策でありまして、極めて重要な施策であると考えております。  今後、AI、ICTの活用により、遠隔医療等の導入など多くの県民が求めるさまざまな居宅ニーズに応えていく、生活を一変させる可能性を持っていると考えます。特に、今回、区分ⅡとⅢにつきましては、必要な財源獲得に向け、しっかりと国に要求することを求めておきたいと思います。また、区分間の流用につきましても国に粘り強く求めていってほしいと思います。  そのような中、共生社会の実現に向けた条例制定に向けた知事の考えを確認できたことは大変よかったと思います。ついては、どのようなスケジュールで条例を策定しようと考えているかお伺いをして、質問を終わります。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)共生社会実現と障害者の差別解消に向けた条例の制定についてのスケジュールの御質問でございます。  障害当事者、あるいは障害者団体初めさまざまな方から御意見を十分お聞きしたいというふうに思っております。丁寧な議論が必要であるというふうに考えておりますが、その一方で、できるだけ早く実現に向けた取り組みをしなければいけないというふうに思っております。私としては、次年度、平成31年度中の制定を目指して取り組んでいきたいと考えております。  以上です。 ○副議長(小林東一郎 君)次に、両角友成議員。       〔28番両角友成君登壇〕 ◆28番(両角友成 君)日本共産党県議の両角友成です。私は発言通告に沿って一般質問を行います。  まず初めの質問事項は、特別支援教育の充実についてであります。  教育委員会の予算概要にある特別支援学校改修事業費で、松本養護学校、若槻養護学校の整備基本方針検討委員会を設置するとされています。松本養護学校の大規模改修の必要性は、ここ10年でグラウンドに3棟のプレハブ校舎を建ててきたことなどを示し、この場でも何回か質問してきました。したがいまして、今回の事業展開は歓迎するものですが、どんな形で進めるのでしょうか。  以前、私のほうより提案させていただいた寿台養護学校隣接の旧国立病院中信松本病院の建屋を借り受け、学校として使用することなども検討課題に入れるのか、また、整備基本方針策定が次年度となっているが、若槻も松本養護学校も昭和46年建築です。老朽化が進み、大規模改修が喫緊の課題であり、そんなに時間をかけていられないのではないでしょうか。問題意識を持って、ここまでくれば精力的に事を進め、1年間ぐらいで結論を出すべきと思いますがいかがでしょうか。教育長に伺います。  国立を除く県内全18校のうち、松本養護学校、若槻養護学校が昭和46年の建設年度であり老朽化が著しく進んでいるから、とりあえず早急な対応が必要と2校を先行させる形をとったと思われますが、他の養護学校の整備方針はどのように進めるのか、教育委員会の見解を教育長に伺います。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)松本養護学校、若槻養護学校の整備についてのお尋ねでございます。  県内の特別支援学校はいずれも老朽化が進んでおりまして、抜本的な改善に取り組む必要があると考えておりますが、とりわけ松本養護学校、若槻養護学校は老朽化が著しく、喫緊の対応が必要であることから、来年度、検討委員会を設置し、検討に着手してまいりたいというふうに考えております。  両校の整備は、今後の長野県の特別支援学校整備のリーディングケースとなることから、児童一人一人の可能性を最大限に伸ばす質の高い教育が実現できるよう、広く関係者の皆様の御意見をお聞きして整備基本方針を作成してまいりたいというふうに考えております。  続いて、松本養護学校、若槻養護学校以外の特別支援学校の整備についてのお尋ねであります。  他の特別支援学校につきましては、松本養護学校、若槻養護学校の検討と並行して、引き続き特別支援教育連携協議会において県全体の特別支援学校整備の基本方針や施設設置基準等を検討し、中長期的な計画を策定の上、必要性の高い学校から順次抜本的な整備に取り組んでまいりたいというふうに考えております。       〔28番両角友成君登壇〕 ◆28番(両角友成 君)旧国立病院中信松本病院は、今現在窓がベニヤでマスクされている状態です。耐震もしっかりしている。院長初め病院側も、福祉、教育に使ってもらうことを期待していました。ぜひ整備基本方針委員会の検討課題の一つに挙げていただくことを重ねて要望しておきます。  次に、昨年8月の教育委員会で決定され、来年度4月に開室される諏訪養護学校高等部ふじみの森分教室について伺います。  富士見高等学校内に諏訪養護学校高等部の分教室を新設、各学年8名とのことです。諏訪養護は、同窓会会館も教室として使用するなど大変な状況だと聞いています。保護者の方にお聞きしますと、富士見高校には普通科に加え園芸科があり、以前から学校同士の交流もあり、保護者からの要望もあったようです。  私たちは、諏訪養護学校に限らず、以前より、分教室とせず、教員の配置、教頭を置くなど、その体制等を考えると、せめて分校として位置づけてくださいと提案してきましたが、なぜ今回も分教室なのか、その見解を教育長に伺います。  ことしに入って松本養護学校を訪問しました。中信地区特別支援学校再編計画にのっとり、現在247名中、来年40名が寿台養護学校に移るとのことで、教室として使用されていた会議室がもとに戻される方向とのことでした。  一方、寿台養護学校では、身体的医療ケアが必要で放課後デイの施設利用をしている児童が、学校側から今までとは違う路線のスクールバスで違う場所での降車を求められ、結果、降車場所が放課後デイ施設の送迎範囲外であり、施設利用ができなくなったとのことです。再編、移行に際しては、スクールバスの運行について、寿台養護学校再編により移行される児童に支障を来さないよう県教育委員会と話し合いをした経過があるのに、保護者に負担が生じる事態になっており、即刻是正を求めてほしい旨の訴えが私のところにありました。  再編により移行される児童、保護者は、本人の意思によるものではなく、県教育委員会の提案、計画に従ったものであり、その結果、児童の施設利用ができなくなるケースがスクールバスの運行にあるとすれば、それはいかがなものでしょうか。申しわけありませんで済む問題ではなく、スクールバスの運行が来年度も同様な対応しかできないとすれば、児童、保護者に対する救済措置を県教育委員会がとるべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、寿台養護学校からは、松本養護学校と寸分変わらない準備をしてお迎えしますとの説明があったようですが、そうではないところもあるようです。県教育委員会として、実態の把握や、各学校、特に寿台養護学校に具体的な支援等を行っていくべきと思いますが、いかがでしょうか。教育長に伺います。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず、高等部分教室の設置についてのお尋ねでございます。  県教育委員会は、これまで、特別支援学校の過大、過密化を解消し、高等部生徒の教育的ニーズに応じた教育活動を行うため、専門学科のある高等学校に五つの分教室を設置してまいりました。分教室では、高校に設置していることや、1学年8名という少人数編制であることを生かし、設置校の高校生との交流や共同学習、地域の企業等と連携した現場実習など特色ある教育課程を編成しております。こうした取り組みが生徒の対人関係力や自己肯定感を高める機会となっており、その結果、分教室では8割を超える高い一般就労率を示しているところでございます。  こうした分教室の成果を踏まえ、4月に開室します諏訪養護学校ふじみの森分教室におきましても、富士見高校、富士見町との連携により、生徒の社会的、職業的自立に向けた効果的な取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。  次に、中信地区特別支援学校再編整備についてのお尋ねでございます。  松本養護学校の過大、過密化を解消するために、中信地区特別支援学校再編・整備計画に基づき、平成30年4月1日に松本養護学校から寿台養護学校へ一部の児童生徒の移行を開始したところでございます。移行につきましては、児童生徒の負担を最小とし、無理なく円滑に進めるため、平成30年度から3年間を予定しており、保護者初め児童生徒の支援にかかわる福祉等の関係者には丁寧な説明に努めてきているところでございます。  寿台養護学校では、受け入れの拡大に伴い、設備、備品等について順次拡充していますほか、スクールバスの運行ルートにつきましては、利用者の拡大に対応するため、保護者の要望等を踏まえ、見直しをしているところでございます。  教育委員会としては、今後も各学校と緊密な連絡をとりまして、児童生徒の実態や保護者の要望等を把握し、各学校の課題に対し適切な支援を行ってまいりたいというふうに考えております。       〔28番両角友成君登壇〕 ◆28番(両角友成 君)分教室を出た方は、一体私はどこの学校を卒業したのかと。もろもろの場面で障害をお持ちの皆さんが我慢することのないような対応をお願いしたいと思います。  次の質問事項は、河川内支障木の伐採についてであります。  この件に関し、安曇野建設事務所の取り組みが新聞に取り上げられ、自分なりに調べてみました。河川内の樹木は洪水時に流れの支障となり、さらには、倒された樹木が下流の橋脚などにひっかかり洪水を堰上げるなど治水上支障となる。また、河川巡視の際の視野も遮られ、河川管理上の支障になり、ごみの不法投棄の温床となっている。このため、支障がある箇所は順次伐採を実施してきたが、予算にも限りがあり、伐採できる箇所はわずかにとどまる一方、ニセアカシアのように増殖能力の高い外来種が急速に繁茂し、十分な対応ができていない状況。そこで、河川内に繁茂する樹木について公募により希望者に伐採していただき、その伐採木を無償で提供することにより伐採コストの縮減及び木材資源の有効利用を図るとのことでした。  確かに、河川内の支障木は洪水時の流れの支障となり、さらには倒れた樹木が下流の橋脚にひっかかり、災害を大きくしている報告が全国にあります。そんな中、県が進めている公募伐採は、コスト面、住民の問題意識の向上の面からも一定程度の力を発揮する事業と思われます。軽トラの運搬用車両が河川内に入る場所等条件的には限られた場所になってしまう気もいたしますが、まきストーブの愛好家の方たちのお話では、1シーズンに軽トラ6台分のまきが必要とのこと。愛好家はまきをつくって汗をかき、まきを運んで汗をかき、まきを燃やして汗をかく。注目を集める事業かと思いますが、県内の現在の進捗状況と今後の見通しを建設部長に伺います。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)河川内支障木の公募型伐採についてのお尋ねでございます。  河川内の支障木の伐採については、河川管理者が実施するほか、まき等への活用を希望する方が支障木を伐採、搬出する公募型伐採の取り組みを進めております。実施に際しては、進入が容易であり、作業が安全に実施できること等の条件が必要で、場所が限定されますが、公募型伐採は、コスト縮減、資源の活用等から有効でありますので、今後ともこうした取り組みを積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。  なお、平成30年度の実績といたしましては、公募型伐採としては県内10カ所で実施しているところでございます。  以上です。       〔28番両角友成君登壇〕 ◆28番(両角友成 君)国内災害の多発からして、河川内の支障木撤去は重要な課題であります。建設部の予算説明では、河床の整備を含め、支障木は根こそぎ除去する現場も想定しているようですが、県内多くの住民から強い要望がある事業であると同時に、大変におくれていたことも確かであると思います。3年間の緊急対策として集中的に行うということですが、広大な県内の河川内整備をどう進めるのか、建設部長の見解を求めます。
          〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)次に、河川内の支障木撤去についてのお尋ねでございます。  さきに発表された国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策では、河川内の支障木の撤去も重要な取り組みの一つでございます。  県内には737河川ございますが、県としては、この3カ年緊急対策を活用し、氾濫が想定される範囲に多くの住宅や重要施設のある高瀬川ほか124河川において抜根を含めた支障木の除去や堆積土砂の除却を実施し、これらを原因とする氾濫発生の危険をおおむね解消してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔28番両角友成君登壇〕 ◆28番(両角友成 君)3年間でということでございます。意欲的に取り組んでくださいと申し上げておきます。  次の質問事項は、県主催の災害シンポジウム開催についてであります。11月定例会で私のほうより提案いたしました災害シンポジウムです。  県も一緒になってつくっている信州地震保険・共済加入促進協議会が2月2日に長野市内で地震防災・減災シンポジウムを開催したことを信濃毎日新聞の報道で知りました。私たち県議も、2月2日に岡谷市内で「災害から県民の命と暮らしを守るために」と銘打って開催したところ、県内各地から約100名の方が参加してくださいました。長野県の危機管理防災課からも参加していただき、「被災地で生きていくという意味~行政の立場から~」と題して提言していただきました。ほかにも、阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター主任研究員、障害者の立場、医療現場の立場、国会議員からも提言を受けました。  参加者からは、もっと聞きたい、語りたいと強い要望がありました。災害に対する県の姿勢を示すためにも、県民英知を結集するような県主催の災害シンポジウムが少なくとも地域振興局単位の10圏域で開催されることを望みますが、いかがでしょうか。危機管理部長に伺います。  加えて、消防や自治体などが地域の防災力を高めることも重要な課題です。消防職員は、消防庁の示す消防力の整備方針に照らしても、充足率77.4%で全国で約4万7,000人足りないと言われています。こんな中、長野県の現状はどうなっているのか、また、各消防本部では消防力の向上に日々どう取り組んでいくのか、危機管理部長に伺います。       〔危機管理監兼危機管理部長池田秀幸君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(池田秀幸 君)防災力向上への取り組みについて御質問いただきました。  最初に、県主催の災害シンポジウムの開催についての御質問でございます。  災害シンポジウムなどの開催は、県民の皆様とともに防災や減災対策を進める上で大変有効な方法の一つだと考えております。先ほど議員のお話にもありましたように、最近では2月2日に信州地震保険・共済加入促進協議会として地震防災・減災シンポジウムを開催いたしまして、県民の皆様約180名に御参加をいただいたところでございます。  また、各地域振興局や部局でも火山災害や土砂災害、地震災害をテーマとした講演会やシンポジウムを開催するなど、地域の実情を反映したさまざまな取り組みを行っているところでございます。  今後も、各地域振興局や市町村、関係団体と連携をいたしまして、地域の皆様と防災・減災対策を一緒に考える場を設けていくとともに、実践的な防災訓練の実施や共助による仕組みづくりを推進しまして地域防災力の向上を図ってまいりたいと考えております。  次に、消防力の整備指針に照らした長野県の状況に関する御質問でございます。  消防力の整備指針は、市町村が火災の予防や警戒、救急業務などを確実に遂行するために必要な施設及び人員について定められたものであり、市町村は、この数値を目標として整備をするものとされているところでございます。  長野県の現状につきましては、消防職員数は増加しておりますが、消防職員の充足率を見ますと平成27年4月1日現在で64.2%となっております。整備指針に定める目標数は、消防、救急などの各車両台数に応じて算定されているところでございますが、全国、長野県とも目標に達していないのは、各車両の運用において隊員が兼務する本部が多数であることが要因と考えております。  また、消防庁では、消防を取り巻く環境の変化を踏まえて、検討会において消防力の整備指針の見直しが現在進められているところでございます。  いずれにいたしましても、現在、県といたしましては、消防本部と協力をいたしまして各種イベントの開催や就職説明会を行いまして人員確保に努めているところでございます。  また、消防本部におきましては、それぞれの地域の実情を踏まえた消防装備の充実強化を図っておりまして、大規模災害時に対しては、消防本部間の相互の応援体制を構築するなど消防力の向上に向けて取り組んでいるところでございます。  以上でございます。       〔28番両角友成君登壇〕 ◆28番(両角友成 君)防災力向上への取り組みについて伺いました。  これからの日本列島は、地震を初め、台風、豪雨、竜巻、火山噴火、豪雪とさまざまな災害に関しかなり深刻な状況に入っている可能性があるとの専門家の指摘です。古くから、備えあれば憂いなしと言われています。できることから確実にと申し上げ、質問といたします。ありがとうございました。 ○副議長(小林東一郎 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時32分休憩          ──────────────────         午後2時48分開議 ○議長(鈴木清 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  寺沢功希議員。       〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)平成26年度に産業労働部の事業として、県内の創業100年以上の企業を対象とした長野県老舗(百年)企業表彰事業が実施され、平成26年10月30日に受賞企業264社が決定し、11月28日に松本市において表彰式が開催されております。  そこで、この事業について産業労働部長にお聞きします。  まず、この事業はどのような目的を持って実施され、また、実施後はどのような効果が得られたのでしょうか。当時の資料によると、県は、県内の創業100年以上の企業は801社あると対象企業を把握されていたようですが、この801社への事業の周知は個々に行われたのか、それとも別の方法で行われたのでしょうか。申請はされたものの表彰とならなかった企業もあったのでしょうか。あればその企業数とその理由をお聞かせください。  当初、表彰企業数が600社と設定されていた目標値が途中で200社と3分の1に下方修正されておりますが、これはどのような理由からでしょうか。  平成26年度に実施されて以降、この事業は実施されていません。県のホームページを見ますと、受賞企業名が市町村順に掲載されております。しかし、企業名をクリックすると、全て同じフォーマットで制作されたPDFの紹介ページが表示されるだけで、各社のホームページへのリンクがあるわけでもありません。ただ、県のホームページに受賞企業の一覧を掲載しておくだけでは、何のための事業だったのか、ただの思いつきの事業だったのかと言われても仕方がないのではないでしょうか。受賞企業への今後の対応、また取り組みについて何かお考えはありますでしょうか。  先ほど申しましたとおり、平成26年度以降事業は実施されておりません。当時、何件かの問い合わせがあったようであり、事業改善シートにも、今回表彰対象とならなかった企業からも本事業の継続について要望があったと記されております。当時、実際に問い合わせ、要望した企業の方から、5年後に実施予定の旨の回答が県からあったとお聞きしました。また、別の企業の方からは、歴史はあるのだが、途中で業種転換をしているため受賞対象要件を満たすことができず残念であったとの声もお聞きしました。  事業の性質上、毎年とは言いませんが、数年おきには実施していただきたい。もっと言えば、表彰でなくとも、認定という形でぜひ事業を継続し、県内の老舗企業のイメージアップ、情報発信、ブランド力強化に県としてもサポートをしていただきたいと思いますが、今後のお考えをお聞かせください。       〔産業政策監兼産業労働部長内田雅啓君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(内田雅啓 君)百年企業表彰について6点御質問をいただきました。順次お答えをいたします。  まず、事業の目的、効果についてでございます。  本事業は、長野県中小企業振興条例の施行を機に、長年地域社会に貢献してきた県内老舗企業の技術及び経営等の功績を検証し、活力向上等を図ることを目的として、平成26年度に実施したものでございます。  表彰は、創業100年以上の老舗企業264社に対して行いましたが、その効果としては、受賞を従業員の皆さんと共有し、モチベーションが向上した、受賞報道や自社ホームページでの受賞PRにより地元を含め知名度やイメージの向上につながったなどとお聞きしておりまして、従業員を含め、企業全体の活性化につながったものと認識してございます。  次に、事業の周知についてでございますが、本事業の周知については、個々の企業ではなく、プレスリリースや県のホームページにより広く募集を呼びかけたほか、商工会議所や商工会等の経済団体及び市町村に推薦を依頼するなどの方法により実施いたしました。  次に、表彰とならなかった企業の有無についてでございます。  本事業においては、申請のあった企業264社について、経済団体や市長会、町村会等も加わった表彰審査委員会による審査を経た上で全て表彰しております。  次に、目標数値の下方修正についてでございます。  平成26年度当初予算の要求段階では表彰企業の目標数を600社としておりましたが、その後、表彰企業の選定に当たり、従業員数が原則10名以上など雇用による地域貢献度等を加味することとしたため、最終的な予算計上では200社となったものでございます。  次に、受賞企業への対応等についてでございます。  受賞企業については、県のホームページに掲載して御紹介しているほか、県内の就職支援情報をまとめたポータルサイト「シューカツNAGANO」におきまして、該当企業を、社会経済情勢の変遷の中で100年以上にわたり事業を継続し地域社会に貢献してきた老舗企業として発信しております。  今後、就活生のみならず、プロフェッショナル人材の誘致など各種人材確保事業においても百年企業の魅力を発信するとともに、百年企業の経営者に経営理念やノウハウを紹介いただくといった取り組みについても商工団体等と連携して実施してまいりたいと考えてございます。  最後に、今後の事業継続についてでございますが、長年地域社会に貢献してきた老舗企業の技術及び経営等の功績を顕彰するという趣旨からは表彰という形がなじむものと考えてございます。今後、平成26年度の表彰以降に創業100年を迎えた企業の状況を把握するとともに、経済団体等の御意見も伺いながら、要件等も含め、実施について検討してまいります。  以上でございます。       〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)老舗企業の皆さんには引き続き長野県の経済を牽引していっていただきたい。そして、県として、創業支援と並行して老舗企業支援を行うことにより、若い企業と老舗企業がともに伸びていく、さらには相互の連携ということも見えてくるのではないでしょうか。1回で終わり、もっと言えば表彰して終わりではなく、継続、そしてさらにその先へとつながる取り組みをお願いいたします。  さて、例えば松本から朝9時までに東京へ行かなければならない場合、始発の特急「あずさ」を利用しても、新宿着9時12分と間に合いません。高速バスを利用する場合は、あるにはありますが、松本バスターミナル発4時20分とかなり早い時間になってしまいます。それでも、バスタ新宿着8時13分とそれほど余裕があるものではありません。この高速バスを利用したとしても、都内の渋滞状況などにより到着時間がおくれることも多く、バスタ新宿着が8時50分を過ぎ、結果間に合わないということもあります。これは、先日私が実際に体験した現実であります。  このように、松本地域から首都圏へのアクセスはお世辞にもよいとは言えず、陸の孤島や日本一東京から遠い地域とやゆされており、今後リニアが開通すれば、ますますこれらの例えが現実化してくると、地域では心配の声が上がっております。  一方で、アルウィンにおいて松本山雅のホームゲームがナイターで行われる場合、アウエーチームのサポーターが、ゲーム終了後、利用できる電車がないため宿泊せざるを得なく、せっかく泊まったので翌日は観光して帰っていくという話も聞いておりますが、こういった現在の松本地域の環境が観光面に対しどのように影響していると考えておりますでしょうか。観光部長にお聞きします。  我が会派の代表質問、また先ほどの備前議員からの質問にもありましたが、先日、特急「あずさ」の県内駅の停車本数が大幅に減少するダイヤ改正が発表されました。沿線自治体から強い反発があり、今月1日には県も地元自治体関係者とともにJR本社を訪れ、改定の見直しを申し入れました。  そこで、知事にお聞きします。県は、中央東線高速化促進広域期成同盟会に参加し、中央東線の高速化及び利便性向上に向け活動されておりますが、複線化、線形改良、都内の複々線化といった特急「あずさ」の根本的な高速化について、現時点で率直に今後の可能性をどうお考えでしょうか。  昨年、連休前の9月21日の夕方、新宿から特急「あずさ」を利用しました。指定席が満席で予約がとれず、自由席もデッキはもちろん通路まで目いっぱいの状況で座ることができず、ようやく座ることができたのは甲府駅に到着したときでした。皮肉なことに、甲府駅では、デッキや通路の乗客はもちろん、私のいた車両が特別ではないと思いますが、座っていた乗客の約3分の2の方が降車されてしまいました。  幾ら公共性が高いといえども、JRは民間企業であり、当然収益の上がらない事業に投資を続けることはできません。今回のダイヤ改正にあわせて行われる自由席、回数券の廃止により、各地域のより詳細な利用状況の把握が可能となります。今回の停車本数減は、今後への布石であり、リニア開通により、「あずさ」の運行本数の大幅減、さらには廃止もあり得るのではないかという意見もあります。これは決して大げさな話ではないと思います。知事もこうした危機感を持って取り組んでいくべきだと思いますが、お考えをお聞かせください。  諏訪湖サービスエリアに計画されているスマートインターチェンジ設置は、リニア関連道路整備事業に位置づけられております。ということは、県としては、諏訪地域へはリニア利用を推奨していくということなのでしょうか。  また、今後のリニア開通、都内の状況、過去のなかなか整備が進まなかった状況を踏まえれば、松本地域からの首都圏へのアクセス向上については、上田、佐久への道路整備を進め、新幹線利用へと転換していくことも必要ではないかと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。       〔観光部長熊谷晃君登壇〕 ◎観光部長(熊谷晃 君)松本地域の首都圏へのアクセス環境が観光に及ぼす影響についてのお尋ねでございます。  観光庁の宿泊旅行統計調査では、宿泊の目的は何か、どこから来訪しているかについての統計がないため、アクセスのよさと宿泊数との関係は不明でございますが、全国の例を見ると、アクセスが悪くても宿泊数が伸びている地域もある一方で、逆に、アクセスがよくなって宿泊数が減少している地域もありまして、一概に交通の利便性のみが宿泊の多寡を決める決定的な要素ではないと考えられます。  旅先を選択するには、旅の目的が何かということが重要な決め手であり、その地域の魅力が強ければ強いほど、宿泊や長期の滞在、ひいては観光消費額の増加につながるものと考えられます。  松本地域は、松本城を初め、城下町の文化、上高地や美ヶ原高原などすばらしい観光資源に恵まれており、今回の松本山雅FCのJ1昇格により、本県への来訪者の増加が想定されることから、これをチャンスと捉え、松本地域の魅力をフルに発揮して、宿泊を初めとする観光消費額をふやすことが期待されているところでございます。  地域の魅力を組み合わせてさまざまな観光商品を造成することにより、それを目的に一層来訪者がふえることで、結果として交通手段の充実とアクセスの向上にも寄与することを期待しております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)特急「あずさ」の高速化について何点か御質問をいただきました。  まず、中央東線高速化促進期成同盟会に参加をする中で、現時点で根本的な高速化の可能性についてどう考えているかという御質問であります。  これは、端的に言って、高速化を目指して全力で取り組むということであります。危機感を持っていないんじゃないかというような御質問でありますが、そんなことは全くありません。山梨県知事がずっと同盟会の会長を務めておりましたが、長野県にとっても極めて重要な問題だということで、私も昨年までの2年間会長を務めさせていただいて、JRや国に対する要請を積極的に行ってきたわけでありまして、そうした危機感をしっかり持ちながら取り組んできているところであります。  中央東線高速化は、首都圏の過密ダイヤの問題や山梨県内の急カーブ、急勾配の問題、こうした課題があるわけでありまして、これを改善していく上では多額の事業費が必要でありますし、これは、ほかの県、あるいは国レベルにおける取り組みということが重要になってくるわけであります。そういう意味では、関係の皆さんとしっかり協力しながら取り組んでいくということが極めて重要だと思っております。  平成26年には、自民党において中央東線高速化促進議員連盟を設立していただいております。国政の立場から、財源の問題、事業スキームのあり方、こうしたものを御検討いただいておりまして、大変ありがたく思っております。引き続き、山梨県、東京都初め沿線自治体ともしっかり連携しながら粘り強く取り組んでいきたいというふうに思っております。  それから、利用促進の取り組みについてでございます。  中央東線や「あずさ」は、リニアの開業後も松本、諏訪地域と東京を結ぶ重要な交通手段であり続けるものというふうに考えております。私どもも、沿線地域の関係者と一体となって、さらなる利用促進、観光誘客に取り組んでいく必要があるというふうに思っております。  今月1日に「あずさ」に関する要請を行いましたが、JR東日本からは、地域と連携して活性化に取り組みたいというふうに回答されております。地域とJRの連携が進むよう県としても取り組んでいきたいと考えております。  それから、リニア中央新幹線関連道路の整備についてでございます。  仮称諏訪湖スマートインターチェンジ、これは、リニア中央新幹線の山梨県駅を活用した交流拡大に資するものとして、リニア関連道路として位置づけているところでございます。  しかしながら、このほかにも、当該スマートインターチェンジは、諏訪地域の観光資源、産業資源へのアクセス性の向上であったり、一般道路や既存インターチェンジの渋滞の緩和、災害時、緊急時の重要輸送路の確保といったようなことにも資する事業であり、地元の皆様方の大きな期待が寄せられている事業だというふうに考えております。  松本地域から上田、佐久への道路整備という御質問でございます。  松本地域から上田、佐久地域への道路交通は、主に国道254号線、それから国道143号が担っております。本州中央部広域交流圏の結節機能強化の取り組みといたしまして、三才山トンネル有料道路については、当初の計画より早く、2020年夏ごろの一般道路化に向けた準備を進めております。また、国道254号バイパス整備、あるいは国道143号青木峠区間の事業化に向けた検討を進めているところでございます。  こうした取り組みによりまして、松本地域から上田、佐久地域への時間短縮等が図られ、中信地域から首都圏へのアクセスの選択肢がふえることで、利便性、代替性、確実性、こうしたものが向上していくものというふうに考えております。  以上です。       〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)御答弁をいただきました。  危機感を持って取り組んできているし、今後も取り組んでいくと、「あずさ」の高速化についてこれからもやっていくということでありました。ということであれば、本当に「あずさ」の利用促進について真剣に取り組んでいかなければいけないと思います。  スマートインターチェンジについてですが、別の利便性が図られるということは十分わかります。しかし、ここでリニア関連道路整備事業として位置づけている以上は、今すべきことを、あらゆる手段、あらゆる可能性を「あずさ」利用者増に生かしていく、そして、実際に利用者増という結果を出していく、それが今すべきことだと思います。  だとするならば、高速道路を使用し、車で山梨県駅に接続してのリニア利用を推奨するのではなく、まさに「あずさ」に乗って甲府駅まで行ってのリニア利用を推奨するべきであり、それは「あずさ」利用促進の取り組みと矛盾するのではないかと思いますが、いかがでしょうか。再度知事にお聞きします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)諏訪湖のスマートインターチェンジが「あずさ」の利用と矛盾するんじゃないかという御質問でありますが、その議論を突き詰めると、利便性の向上は、いろいろな交通ネットワークの整備はやめて、既存の交通網だけを重視すればという話になるので、非常に極論ではないかというふうに受けとめております。  私どもは、「あずさ」の利用者は、リニア整備とあわせてパイを取り合うという観点ではなく、パイをふやしていくという発想が大変重要だというふうに思っております。複数の交通手段を重層的に整備していくことによって観光の利便性や交流の利便性を高める。例えば、観光であれば、最初に飯田のリニア駅にリニアで来ていただき、そこから伊那谷を観光して帰りは「あずさ」で帰っていただくなど、そうした視点で持っていかないと、現状を単に守ろうということでは、私は地域の発展も中央線も守ることができないというふうに思っております。  長野県は、いろいろな高速交通体系がほかの県に比べて整備されつつある地域でありますから、そうした人の流動というものをより活発にする方向で、ぜひ攻めの方向で利用者の増を目指して取り組んでいきたいというふうに思っています。そのためには、JR東日本やJR東海とも連携しながら、また、他の県、他の地域ともしっかり連携をしながら人の流動を促進していくということが重要だと思っております。  以上です。
          〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)確かにそのとおりだとは思いますけれども、今後協議していくのは民間企業であるJRです。JRと協議していく、交渉していく上では少し弱いのではないかと思います。甲府駅から山梨県駅へのアクセスは今後何かしらの対応がとられていくと思いますし、移動費用がかかることになったとしたら、その部分に補助を出すなど、利用者増へのわずかな可能性もハングリーに拾って利用していく、でき得る限りの取り組みをして結果を出していかない限りJRに強く要望はできないと思います。  そういった意味では、利用促進に対するイベントやキャンペーンなど一過性のものではなく、継続的かつ安定的な利用者増への根本的な取り組みが必要であると思いますが、今後のお考えをお聞かせください。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)今後の利用促進への取り組みについてであります。  私どもは、観光の振興であったり、移住交流の促進であったり、そういうことで利用者増につなげていきたいというふうに思っています。  例えば、2地域居住者をふやして中央線の利用者をふやそうということを考えたときには、冒頭、御質問にもありましたように、「あずさ」のダイヤも、例えばより朝早く東京に着けるようなダイヤや、より夜遅く帰ってこられるようなダイヤをつくってもらうなど、今の鉄道基盤でもJRの取り組みで可能になるわけでありますので、そういうことにつながるような利用促進に我々が取り組むことによってJRにも訴えかけていきたいというふうに思っております。  また、根本的な部分は、先ほどの御質問にもありましたけれども、地域の公共交通というものをどう捉えるかという話であります。まさに、公共交通サービスは、実際に使用した際に享受する便益と、潜在的にそこにあるけれども利用するかもしれないという先物需要としての便益と両方あるわけでありまして、後者の便益については、それが直接利益を生むわけではないわけであります。そうすると、公共セクターと民間セクターがどう役割分担していくかということまで含めてしっかり考えていくということがこれから必要になってまいります。そうした部分については、国も巻き込んでしっかり議論しなければいけない部分だというふうに思っています。  いずれにしても、国やJR東日本に対しては引き続きさまざまな取り組みを求めていきたいというふうに思いますし、私ども地域としても、できることを最大限行っていくということが重要だというふうに思っています。  以上です。       〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)冒頭でも観光面での答弁をいただきましたが、観光客、つまり外からの感覚と、県民、内からの感覚、需要には違いがあるようであります。また、運営側と利用者側の希望と期待も必ずしも一致はしません。だからこそ県がその中間に立ち、取り組んでいかなければならないと思います。  一層の取り組みにより、JR、利用者、そして地域のそれぞれが望む結果となりますことに希望と期待を込め、私からの一切の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(鈴木清 君)次に、小池清議員。       〔41番小池清君登壇〕 ◆41番(小池清 君)自由民主党県議の小池清でございます。  初めに、南信運転免許センターについて伺いたいと思います。  県警は、2月6日、運転免許の即日交付ができる運転免許作成機1台を飯田警察署に導入する方針を明らかにしました。2019年度一般会計当初予算案に関連経費を盛り込みました。  県警によりますと、飯田警察署で即日交付できるようになるのは、5年間無事故無違反を継続する優良ドライバーと高齢者講習を受けた70歳以上のドライバーで、同署管内以外の住民も利用できるとしております。また、飯田、下伊那地域の懸案となっております南信への運転免許センターの要望については引き続き検討を続けるとしております。  現在、飯田警察署で更新手続を行うと、交付まで2週間以上かかる場合があります。飯田、下伊那地域から最寄りの中南信免許センターまでは最長3時間かかり、住民への負担となっており、一部とはいえ、今回の即日交付における地域間格差の是正に向けた取り組みはありがたいとの受けとめであります。  そこで伺いますが、一つ目に、飯田警察署での運転免許作成機の稼働時期はいつを予定しているのか、また、設置による効果はどのようであるのか、その内容を伺います。  二つ目に、飯田、下伊那地域では引き続き全面対応できる運転免許センターの設置を要望しておりますが、運転免許センターの設置の方針については変わりはないのか確認をしたいと思います。また、具体的な考えがありましたら伺います。  以上、県警本部長に伺います。       〔警察本部長伊藤泰充君登壇〕 ◎警察本部長(伊藤泰充 君)2点お尋ねがございました。  一つ目は、運転免許証作成機についてでございます。  飯田警察署への運転免許証作成機導入につきましては、受注生産である機器の設置、飯田警察署の施設改修等所要の準備を行った上、来年度末ごろにはこれを稼働させ、運転免許証の交付を開始したいと考えております。これにより、飯田警察署で運転免許の更新手続をしていただきますと、更新区分が優良運転者である方及び高齢者講習を受講された70歳以上の方が、飯田警察署管内以外の地域にお住まいの方も含め、即日交付を受けることが可能となります。  次に、運転免許センターについてでございます。  南信地域の運転免許センターの設置に向けましては、必要な職員数の確保、施設面、予算等の課題がありますので、それら課題の一つ一つを解決すべく検討するとともに、知事部局との協議を進めているところでございます。  以上でございます。       〔41番小池清君登壇〕 ◆41番(小池清 君)免許作成機の稼動をできるだけ早い時期にできるようにお願いしたいと思いますし、また、運転免許センターにつきましては地域要望も強いわけでございますので、できるだけ計画をしっかりと練っていただきまして予算確保をしていただき、全面的な対応ができるようお願いを申し上げたいと思います。  次に、リニア事業への取り組みについて伺います。  リニア建設工事が本格化しつつありますが、地域住民が最も期待していることは地域振興の将来像であり、心配しているのがリニア建設工事による発生土の問題です。長野県全体で950万立米というような膨大な量の発生土をどこにどのように処理していくのか、2027年の開業にとって重要な課題となっております。  発生土はとかく厄介者として捉えられがちですが、むしろ地域振興に資する機会としてその活用方法を検討していかなければならないと考えます。例えば、私の地元では、飯田市の下久堅農地の圃場整備への活用に向けて地元調整が進められておりますし、隣の下條村では、道の駅に隣接したところを埋め立てて、運動や食、温泉や自然体験などの観光を組み合わせたスポーツヘルスツーリズムの拠点づくりを考えておるとも聞いております。  このように、各地で検討は進んでおりますが、やはり活用先の早期の確定が喫緊の課題となっておりますし、また、飯田、下伊那の将来展望への大きな期待が寄せられております。  そこで、一つ目に伺いたいと思いますが、阿部知事はJR東海の金子社長とこの15日に会談されたと聞きます。また、先日、JR東海の副社長が地元関係市町村長と懇談を行いました。一連の会談での内容と今後の県としての取り組みについて知事のお考えを伺います。  二つ目に、県として発生土置き場確定に向けてどのような姿勢で取り組んでいるのか、水間リニア振興局長に伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)JR東海との一連の会談内容と県としての今後の取り組みという御質問でございます。  2月15日にJR東海の金子社長と会談をしたわけでありますが、1月のJR東海幹部と地元市町村長との懇談を受けまして、発生土置き場の早期確定や環境の保全、またJR東海の体制の強化に加えまして、地域振興への協力として、例えばJR飯田線を活用した観光振興等について率直な意見交換をさせていただいたところでございます。  金子社長からは、地元で懸念されているさまざまな課題についてはJR東海としても一生懸命対応していきたい、また、地域振興については、地域の観光関係者の皆さんと知恵を出しながら旅行商品をつくる取り組みをさらに進めていきたいといったお話をいただいたところでございます。  県としては、2027年の開業が実現できるよう、今後も地域のさまざまな声をJR東海にしっかり伝えていきたいと思いますし、連携を図っていきたいと思っております。  また、リニア開業を見据えて、伊那谷や木曽地域がより魅力ある地域となるように、地元の皆様方とも力を合わせて未来志向の取り組みを進めていきたいと考えております。  以上です。       〔建設部リニア整備推進局長水間武樹君登壇〕 ◎建設部リニア整備推進局長(水間武樹 君)発生土置き場確定に向けての取り組み姿勢についてお尋ねをいただきました。  発生土置き場については、県が窓口となり、市町村等からの候補地情報をJR東海に提供しており、現在、その中から3カ所が置き場として確定し、20カ所程度についてJR東海と地元との協議が進められている状況にあります。  昨年12月に改めて市町村などの関係機関に情報提供を依頼したところ、現在まで、新たに道路改良など公共事業として7カ所の候補地が挙げられ、JR東海に対し、先日のトップ会談の際にも地元との調整を進めていただくよう要請しました。  御指摘のとおり、発生土は大変有効な資源であり、道路改良や地域振興の拠点形成などに活用すれば大きな効果が期待できます。今後とも、広域的な地域振興に資する観点から、県がリード役として地元とJR東海の双方に対して具体的な助言を行い、発生土活用先の早期確定に向けて精力的に調整を進めてまいります。       〔41番小池清君登壇〕 ◆41番(小池清 君)今回のリニア事業、関連事業は、地域振興のまたとないチャンスでございますので、着実に事業が進むよう取り組みをお願いしたいと思いますし、これは、飯田、下伊那地域だけでなく、その波及効果が全県に及ぶようにあわせて取り組んでいっていただけますよう要望をしたいと思います。  次に、阿南高校、阿智高校、松川高校といった中山間地存立校について伺いたいと思います。  入学者選抜での飯田、下伊那各校の志願状況は、市街地の高校に志願者が集中し、中山間地存立校の志願者が少なくなる傾向が見られます。平成30年度の私立高校や飯田、下伊那地区外の高校への進学状況を見ますと、地元の飯田女子高校へは193名が進学しました。また、一昨年は136名、昨年は87名だった飯田、下伊那地区外高校への進学者は177名となり、流出が極めて多かったと言えます。他地域からの流入は例年並みの50名でした。  以上のことから、本通学区の卒業生の進路状況の特徴として、市街地に位置する公立高校を志向する傾向の強さが見られます。また、募集定員が前年と比べて少なくなる年には、私立高校、地区外への流出がふえる傾向にあると言えます。  これらから、本通学区においては、県南に位置する地理的な条件や交通事情などにより、進学先を飯田、下伊那に所在する高校に求める傾向が強いと言えます。また、入学者選抜において市街地に所在する高校に志願者が集中する傾向が強いこと、さらに、その後に行われる再募集で、結果的にその不合格者が定員を割り込んだ地域高校に多数合格していることなどの事情を抱えております。  平成30年度の本通学区の全日制の募集定員は、総計で856名でした。阿南高校が定員を大幅に下回り、その他の高校でも多くの学校で定員を下回る志願状況だったため、志願変更締め切り時の志願者数は、本通学区全体として募集定員を60名下回りました。  今年度は、阿南高校の定数が1クラス減らされております。地元からは、市街地の高校へ希望が集中する中、諸事情により他地域校へ進学する生徒も多い。地域の考えや実情を大切に、慎重に対応していただきたい。また、本校は飯田、下伊那でも南部の地区なので、近くに公立高校がないため、高校生からひとり暮らしをせざるを得ない場合があり、進路が限定されてしまうなどの声が寄せられております。  少子・高齢化、人口減少の中で、中山間地存立校の存在は各地域において重要な役割を担っております。中山間地存立校の今後の維持について、ことしは阿南高校の定数が一つ減らされて大変心配されておるわけでありますが、教育委員会の考えを教育長に伺います。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)「高校改革~夢に挑戦する学び~実施方針」におきましては、近距離に複数校が存在し、学びの場が確保されている都市部においては、小規模校分立の状況を回避して、教育効果・投資効果の最大化を目指すとしております。一方、学びの場の保障が必要な中山間地においては、魅力的な学びの場の創造に向けて、地域と協力した最大限の努力を行っていくとしているところであります。  これらを踏まえて、都市部存立校と中山間地存立校について再編に関して異なる基準を設けているところであります。県土が広く中山間地が多い長野県においては、都市部にも中山間地にも高校が存立し、それぞれの高校の特徴を生かした学びを行うことが望ましいと考えているところでございます。       〔41番小池清君登壇〕 ◆41番(小池清 君)教育委員会では、中山間地存立校の存在も非常に大切だというような御意見をいただいて安心したところでございますが、これからもより魅力ある高校づくりをしていただくことが大事だと思いますので、ぜひともそんな点を要望しておきたいと思います。お願いいたします。  次に、4番、5番、6番、三つ質問があるわけでありますけれども、一緒に質問させていただきますのでよろしくお願いいたします。  長野県立阿南病院の役割について伺います。  長野県立阿南病院は、昭和23年に県立病院として発足しました。現在、病院の診療圏である下伊那南部地域は老齢人口割合が40%を超え、高齢先進地域となっております。このような状況下、巡回診療、在宅訪問看護、医療、リハビリの実施、老人保健施設の運営など手厚い医療支援に重点を置く一方、小児医療、精神医療、学校保健活動まで幅広い医療を提供しております。  さらに、平成26年4月に地域医療総合支援センターを開設し、在宅医療、地域の健康管理事業、認知症への対応、さらに町村の小児健診などの支援にも取り組んでおります。現在は、下伊那南部地域唯一の中核病院として初期医療及び2次医療を担っており、365日休むことのない救急患者の受け入れや、ヘリポートを活用して救急医療の中心的な役割を担っております。  また、阿南病院では、阿南町が構築を進めております地域包括ケアシステムの情報共有ツールとして、関係機関の医療、介護の連携の公立化を図るべく、町と共同で国の基金を活用して下伊那南部医療介護連携モデルシステムを開発しております。少子・高齢化、人口減少の中、下伊那南部地域での役割はますます重要となっております。  そこで伺いたいと思いますが、一つ目に、長野県立病院機構の経営環境は厳しさを増しておると聞いておりますが、現在の経営状況と県の支援について伺いたいと思います。  二つ目に、長野県立阿南病院の役割をどのように考えているのか、また、今後の県からの支援をどのように考えているのか、健康福祉部長に伺います。  次に、下伊那北部地域での下伊那赤十字病院の役割について伺いたいと思います。  下伊那赤十字病院は、平成11年に訪問看護ステーションを開設、平成21年に健診センターの整備など、地域医療や時代のニーズに合わせて診療体制を整えながら、急性期から在宅支援まで一貫した医療、介護を提供する複合施設として地域に貢献できるよう、施設や機能の充実を重ねてきております。  この中で、産婦人科は昭和43年に開設しました。平成18年3月、2名体制で対応しておりましたが、医師の退職により分娩の取り扱いを休止いたしました。下伊那赤十字病院は、下伊那北部、上伊那南部地域唯一の公的分娩施設として、最盛期には年間600件に上る分娩を手がけており、地域に親しまれ、必要とされている存在として役割を果たしてまいりました。平成31年1月現在では、常勤医師1名、非常勤医師1名、この方は週に1回でありますが、この体制となっています。  小児科は、昭和59年開設、年間約9,000人前後の診療を行ってきましたが、平成17年10月、常勤医師が退職により、非常勤医師週3回の診療ということとなり、特定曜日や休日、夜間の診療ができなくなっております。平成31年1月現在では常勤医師1名体制であります。  このように、医療関係者や看護関係者、その他関係機関の関係者の確保が重要であり、支援の質的向上と充実を図ることが求められております。下伊那北部、上伊那南部地域唯一の公的分娩施設であった下伊那赤十字病院の役割を県はどのように考えているのか、また、今後の県からの支援をどのように考えているのか、健康福祉部長に伺いたいと思います。  六つ目に、医師の偏在指標について伺います。  医師が都市部に集中する偏在問題で、厚生労働省は、この18日、宮城県を除く東北各県、長野など16県が人口や診療需要に対して適正な医師数を確保できていない医師少数県となっていることを明らかにしました。医師の総数は31万9,000人と過去最高を記録している一方で、都市部と地方の格差が鮮明となっております。  厚生労働省は、今回、医師の充足状況を判断する目安として使われてきました人口10万人当たりの指数にかわりまして、より実態に即した医師偏在指標を策定しました。長野県全体の指標は199.6で都道府県別では全国38位となり、全国下位3分の1の医師少数県とされています。厚労省の推計では、医師確保が最も進んだ場合でも2036年に87人の不足が生じ、医師確保が進まなかった場合は計550人が不足するとされております。  厚労省は、卒業後一定期間地元で働く大学医学部の地域枠を重点配分するなどして、2036年度までに問題を解消したいとしております。これを受けて、地域の医療機関への支援をどのように考えておるのか、健康福祉部長に伺いたいと思います。  先ほどの阿南病院もそうですし、赤十字病院もそうですけれども、人口減少の中で地域の安全、安心を守る、これは先ほどの高校もそうですが、医療機関の維持というのは非常に大事になっておりますので、この点、健康福祉部長に伺いたいと思います。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)3点御質問をいただきました。  まず、県立病院機構の経営状況と県の支援についてでございます。  県立病院機構は、平成28年度、29年度と2年連続して赤字決算となり、29年度後半から経営改善プログラムに取り組んでおります。入院患者数の増加や徹底した経費節減の取り組みにより、今年度の経営状況は、12月末時点では機構全体で3億7,900万円の経常利益を計上しております。しかし、インフルエンザの流行による一部病棟での受け入れ制限の影響、電子カルテシステム更新による減価償却費の増加など、変動する要因もまだございます。阿南病院においても、同じく12月末時点で、病院を挙げての努力により、1億2,800万円の経常利益を計上しております。  県立病院機構に対しての県の支援でございますが、僻地医療を初めとした政策医療や不採算医療等に対する運営費負担金の交付、自治医科大学卒業医師の配置による医師確保対策等により引き続き支援してまいりたいと考えております。  下伊那南部地域における県立阿南病院の役割についてでございます。  県下でも特に高齢化率が高い下伊那南部地域を医療圏域とする県立阿南病院は、12の診療科を有する地域の中核病院として、病院における診療に加え、僻地医療を支える巡回診療や訪問看護、訪問診療等、住民に密着した医療サービスを提供していただいております。また、地域包括ケア体制を支える医療機関として、訪問看護、訪問リハビリの実施や認知症相談室の充実、介護老人保健施設の運営等により、地域の高齢者を医療と介護の両面で支えております。  さらに、子育て世帯の要望に応え、本年度から小児科において月1回の日曜診療を開始しております。日曜診療は非常に画期的な取り組みであり、地域の医療ニーズに柔軟かつ真摯に対応いただいているものとして、所管する部長として感謝を申し上げたいと思います。地域において阿南病院はなくてはならない病院であると認識をしております。  次に、公的分娩施設であった下伊那赤十字病院の役割、県の支援についてでございます。  下伊那赤十字病院は、平成18年3月まで地域の分娩を担う役割を果たしておりましたが、全国的な産科医師不足による分娩施設の減少、集約化の流れの中で、分娩の取り扱いを休止し、現在に至っております。  現在、飯伊医療圏の分娩は、飯田市立病院を中心に、妊婦健診や産後ケア等については、下伊那赤十字病院を含め産科共通カルテを用いた地域の医療機関による先進的な連携により実施体制がしかれております。下伊那赤十字病院は、連携したこの出産体制において重要な役割を果たしているというふうに考えております。  また、下伊那赤十字病院は、超高齢社会を迎える飯伊医療圏で、下伊那北部の救急から地域包括ケア、在宅医療支援に至るまで一貫した地域密着型医療を実施しており、県では、その重要性に鑑み、これまでも、地域医療介護総合確保基金等を活用し、医療情報ネットワークシステムの構築、退院支援員の配置などの支援を実施してまいりました。今後も、現在議論が進んでおります飯伊医療圏地域医療構想調整会議での役割分担や連携の状況を踏まえ、引き続きその役割に応じた支援を実施してまいります。  最後に、医師偏在指標に基づく地域の医療機関への支援についてでございます。  村上議員への質問にもお答えしたとおり、医師偏在指標の暫定値が示され、長野県は医師少数県に位置づけられ、県内の2次医療圏については、松本、佐久、諏訪の各医療圏は医師多数区域、北信、上伊那、上小、木曽圏域が医師少数区域に当たるとの資料が提示されました。  県におきましては、この指標をもとに、確保すべき医師数の目標値と目標を達成するための具体的な施策を定める医師確保計画を平成31年度に策定いたします。この計画をもとに、地域の医療機関へのめり張りをつけた支援を行っていくことになります。  具体的には、地域医療人材拠点病院支援事業による拠点病院から小規模病院等への医師派遣の促進、ドクターバンク事業や医学生修学資金貸与事業、地域枠の設定などによる医師確保、信州大学との連携の一層の強化等により、県内の地域医療を守るべく一層の医師確保に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔41番小池清君登壇〕 ◆41番(小池清 君)平成31年度の事業として医師偏在指標をもとにした2次医療圏ごとの医師数の目標を持った県医師確保計画をつくっていただけるというようなことだと思います。しっかりとした計画のもとに、ぜひとも地域の安全、安心、医療の確保を行っていただきたいと思います。
     少子化、また高齢化の中で人口が減っておるわけでありますけれども、高校の教育や医療の確保というのは、まさに地域の安全、安心を守り、将来に向かって持続できる地域をつくっていくのに大変重要な役割を担っておるわけでありますし、また、それを支えているのは県行政でございますので、ぜひともそんな点をお願い申し上げたいと思います。  リニア事業も本格的になるわけでございます。これらのリニア事業を通して、この地域が新たな発展ができるような時代が迎えられるよう、現在が正念場だと思いますので、地域をしっかりと県行政として支えていただけるよう要望いたしまして、質問を閉じたいと思います。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △委員会審査報告書提出報告 ○議長(鈴木清 君)次に、お手元に配付いたしましたとおり、各委員長から委員会審査報告書の提出がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。       〔議案等の部「6 委員会審査報告書」参照〕          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △各委員長の報告 ○議長(鈴木清 君)各委員長の報告案件を一括して議題といたします。  最初に、県民文化健康福祉委員長の報告を求めます。  丸山栄一委員長。       〔35番丸山栄一君登壇〕 ◆35番(丸山栄一 君)県民文化健康福祉委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長報告といたします。 ○議長(鈴木清 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木清 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(鈴木清 君)次に、環境産業観光委員長の報告を求めます。  荒井武志委員長。       〔10番荒井武志君登壇〕 ◆10番(荒井武志 君)環境産業観光委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長報告といたします。 ○議長(鈴木清 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木清 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(鈴木清 君)次に、農政林務委員長の報告を求めます。  依田明善委員長。       〔12番依田明善君登壇〕 ◆12番(依田明善 君)農政林務委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長報告といたします。 ○議長(鈴木清 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木清 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(鈴木清 君)次に、危機管理建設委員長の報告を求めます。  小池清委員長。       〔41番小池清君登壇〕 ◆41番(小池清 君)危機管理建設委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長報告といたします。 ○議長(鈴木清 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木清 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(鈴木清 君)次に、総務企画警察委員長の報告を求めます。  山岸喜昭委員長。       〔25番山岸喜昭君登壇〕 ◆25番(山岸喜昭 君)総務企画警察委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長報告といたします。 ○議長(鈴木清 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木清 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(鈴木清 君)次に、各委員長報告の第16号「平成30年度長野県一般会計補正予算(第5号)案」、第17号「平成30年度長野県流域下水道事業費特別会計補正予算(第2号)案」及び 第18号「平成30年度長野県県営林経営費特別会計補正予算(第1号)案」につき一括して討論をいたします。  討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。  本案それぞれ、各委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案それぞれ、各委員長の報告どおり決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木清 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ各委員長の報告どおり可決されました。          ────────────────── ○議長(鈴木清 君)お諮りいたします。本日はこの程度で延会にいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木清 君)御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決定いたしました。  次会は、明22日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後3時49分延会...