長野県議会 > 2019-02-19 >
平成31年 2月定例会本会議-02月19日-02号

ツイート シェア
  1. 長野県議会 2019-02-19
    平成31年 2月定例会本会議-02月19日-02号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成31年 2月定例会本会議-02月19日-02号平成31年 2月定例会本会議 平成31年2月19日(火曜日)  出席議員(57名)   1 番 花岡賢一      27 番 備前光正   2 番 今井愛郎      28 番 両角友成   3 番 寺沢功希      29 番 吉川彰一   4 番 山口典久      30 番 清水純子   5 番 百瀬智之      31 番 小池久長   6 番 金沢敦志      32 番 諏訪光昭   7 番 小山仁志      33 番 髙橋岑俊   8 番 共田武史      34 番 今井 敦   9 番 丸山大輔      35 番 丸山栄一   10 番 荒井武志      36 番 竹内久幸   11 番 堀場秀孝      37 番 小林伸陽   12 番 依田明善      38 番 高村京子   13 番 石和 大      39 番 今井正子   14 番 埋橋茂人      40 番 村上 淳   15 番 藤岡義英      41 番 小池 清   16 番 髙島陽子      42 番 宮本衡司   17 番 小川修一      43 番 清沢英男
      18 番 中川宏昌      44 番 垣内基良   19 番 浜 章吉      45 番 鈴木 清   20 番 酒井 茂      46 番 西沢正隆   21 番 堀内孝人      47 番 風間辰一   22 番 小島康晴      48 番 佐々木祥二   23 番 小林東一郎     49 番 向山公人   24 番 下沢順一郎     50 番 高橋 宏   25 番 山岸喜昭      51 番 宮澤敏文   26 番 和田明子      52 番 平野成基   53 番 本郷一彦      56 番 服部宏昭   54 番 村石正郎      58 番 古田芙士   55 番 萩原 清  欠席議員(1名)   57 番 望月雄内         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        阿部守一    建設部長      長谷川朋弘   副知事       太田 寛    建設部リニア整   副知事       中島恵理    備推進局長     水間武樹   危機管理監兼危           会計管理者兼会   機管理部長     池田秀幸    計局長       塩谷幸隆   企画振興部長    小岩正貴    公営企業管理者   総務部長      関昇一郎    企業局長事務取扱  小林 透   県民文化部長    角田道夫    総務参事兼財政   健康福祉部長    大月良則    課長        伊藤一紀   環境部長      高田真由美   教育長       原山隆一   産業政策監兼産           教育次長      轟 寛逸   業労働部長     内田雅啓    教育次長      三輪晋一   観光部長      熊谷 晃    警察本部長     伊藤泰充   農政部長      山本智章    警務部長      野﨑美仁   林務部長      山﨑 明    監査委員      田口敏子         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      吉沢 久    議事課担当係長   神戸圭一郎   議事課長      村松敏伸    議事課担当係長   鈴木晉一   企画幹兼議事課           総務課担当係長   伊藤啓一   課長補佐      小松健一    総務課担当係長   矢沢美由紀         ───────────────────  平成31年2月19日(火曜日)議事日程    午前10時開議    各党派代表質問及び知事提出議案に対する質疑    知事提出議案(日程追加)      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    新任理事者の紹介    諸般の報告    知事提出議案    各党派代表質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時開議 ○議長(鈴木清 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、各党派代表質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━新任理事者の紹介 ○議長(鈴木清 君)次に、新任の県理事者を紹介いたします。  太田寛副知事。       〔副知事太田寛君登壇〕 ◎副知事(太田寛 君)本日2月19日付をもちまして副知事を拝命いたしました太田寛でございます。よろしくお願い申し上げます。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △諸般の報告 ○議長(鈴木清 君)次に、諸般の報告は、お手元に配付したとおりであります。朗読は省略いたします。       〔議案等の部「2 諸般の報告」参照〕          ────────────────── ○議長(鈴木清 君)次に、望月雄内議員から本日欠席する旨の届け出がありましたので、報告いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━知事提出議案の報告 ○議長(鈴木清 君)次に、知事から議案の提出がありましたので、報告いたします。       〔職員朗読〕                                平成31年2月19日   長野県議会議長 鈴 木   清 様                           長野県知事 阿 部 守 一         平成31年2月長野県議会定例会議案提出書  議案を別紙のとおり提出します。 第 57 号 平成30年度長野県一般会計補正予算(第6号)案 第 58 号 平成30年度長野県公債費特別会計補正予算(第1号)案 第 59 号 平成30年度長野県国民健康保険特別会計補正予算(第1号)案 第 60 号 平成30年度長野県流域下水道事業費特別会計補正予算(第3号)案 第 61 号 平成30年度長野県小規模企業者等設備導入資金特別会計補正予算(第2号)案 第 62 号 平成30年度長野県県営林経営費特別会計補正予算(第2号)案 第 63 号 平成30年度長野県林業改善資金特別会計補正予算(第1号)案 第 64 号 平成30年度長野県高等学校等奨学資金貸付金特別会計補正予算(第1号)案 第 65 号 平成30年度長野県電気事業会計補正予算(第3号)案 第 66 号 平成30年度長野県水道事業会計補正予算(第1号)案 第 67 号 監査委員の選任について       〔議案等の部「1 議案 (1)知事提出議案」参照〕 ○議長(鈴木清 君)以上であります。  次に、お手元に配付いたしましたとおり、地方自治法第122条及び地方公営企業法第25条の規定に基づき知事から予算説明書の提出がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━知事提出議案 ○議長(鈴木清 君)ただいま報告いたしました知事提出議案を本日の日程に追加し、その順序を変更いたします。  本案を一括して議題といたします。  提出議案の説明を求めます。  阿部守一知事。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)ただいま提出いたしました追加議案につきまして御説明を申し上げます。  提出いたしました議案は、平成30年度一般会計補正予算案など予算案10件、事件案1件です。  一般会計の補正予算案は、356億4,730万1,000円の減額であります。増額する主なものは、道路除雪費や実施設計を踏まえた県立学校空調設備の整備費、豚コレラの緊急対策に要する経費などであります。減額となりますのは、国庫支出金の決定及び事業の確定などに伴うものであります。  歳入につきましては、地方交付税27億819万4,000円、地方消費税清算金15億9,500万円を増額する一方、諸収入223億3,719万7,000円、繰入金64億8,197万5,000円、国庫支出金63億1,213万6,000円を減額するなど、所要額を計上しております。  財政調整のための基金につきましては、歳入の確保や予算の効率的な執行などに努めた結果、取り崩し額を50億円減額して42億円といたしました。  本年度の一般会計予算は、今回の補正を加えますと8,519億3,101万円となります。
     特別会計補正予算案公債費特別会計など7会計、企業特別会計補正予算案電気事業会計など2会計であり、事業計画の変更などに伴う補正であります。  事件案は、監査委員の選任についてであります。  以上、追加提出いたしました議案につきまして、その概要を申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○議長(鈴木清 君)以上であります。  これらの議案は、本日から行う質疑の対象に供します。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━各党派代表質問及び知事提出議案 ○議長(鈴木清 君)次に、各党派代表質問及び知事提出議案を議題といたします。  お手元に配付いたしましたとおりの議員から各党派代表質問及び知事提出議案に対する質疑の通告がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。  順次発言を許します。  自由民主党県議団代表清沢英男議員。       〔43番清沢英男君登壇〕 ◆43番(清沢英男 君)自由民主党県議団政調会長の清沢英男であります。団を代表いたしまして質問をさせていただきます。  冒頭、平成最後の県議会に当たり、知事にお聞きしたいのですが、知事が長野県と関係した平成とは、部長、副知事時代を含め、知事にとってどんな時代だったのか、また、その中で最も印象に残る出来事とは何だったのか、お聞かせいただきたいと思います。  さて、過日ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑さんは、六つのCが研究には必要と言います。ABCのCであります。先生のCから始まる六つの英単語を訳すと、好奇心、勇気、挑戦、確信、集中、継続であります。ユニクロを開店した柳井正さんは、AI、人工知能の進化が経営にどんな影響を及ぼすかとの問いに、本庶さんの言葉を引用して、経営には本庶先生の6Cが重要。また、教科書を信じるな、教科書以上の答えを出せとおっしゃいます。  知事は、新しい時代に向かう長野県について、時代の流れに乗りおくれないだけではだめで、時代を先取りしなくてはならないとの姿勢を強調しています。それは、本庶先生や柳井さんの話にも共通項があるように思います。過去の事業形態の踏襲や成功体験という教科書を乗り越えて、その先にあるものを、例えば技術革新や県民の皆さんの意識や生活のあり方を6Cの気持ちで探求し、実践し、より幸せな長野県を構築していこうということではないかと思うのです。  新しい時代が動き出す、そんな予感は誰もが感じているのではないでしょうか。そういう感覚はあっても、具体的に映像やビジョンとして手にとるように描くのは難しいと思うのです。そのもどかしさを少しでも解消できることを願って、4月からの組織改正や来年度予算中心に長野県の未来についてお聞きいたします。  まずは、県の未来を託す組織再編について知事に伺います。  1点目、先端技術活用推進課の新設についてですが、小型無人機ドローンや自動運転、人工知能AIなどの先端技術を県民生活や企業活動に生かす施策を本格展開すると報道されました。  大北森林組合の事件で、間伐作業や林道事業の検収に全作業現場を見ることができないことを原因として不正が積み上げられていったあのときに、もしもドローンを飛ばして自律飛行をさせられれば、AIが現場を詳細に測量し、映像でも仕事の成否を確認できただろうし、山奥まで入ることなく検収ができれば働き方改革にもなっただろう。そうすれば、人口減少に耐え得る少人数でも仕事ができていくだろう、そんなAIの未来を想像するのであります。  そこで、知事に、当該課の新設で先端技術にどんな希望を抱いておられ、それによって県民の皆さんの生活がどのように幸福度を向上させることができるか、期待するところをお聞かせいただきます。  2点目、知事みずからが本部長になって県内産業の振興を推進しようとする産業イノベーション推進本部の強化についてでありますが、有識者の皆さんの知恵を結集して、医療機器産業振興ビジョンとAIやIoT産業の戦略づくりを年度内にするとしています。余り時間がありませんが、専門家の皆さんがどんなビジョンや戦略を練り上げていただけるのか、その現況と知事の目指そうとしている到達点を具体的にお聞きしたいと思います。  3点目、楽園信州・移住推進室を格上げしての信州暮らし推進課の新設についてですが、まず、室から課に格上げした本意をお聞かせいただきます。昨年、2年連続で長野県は転入が転出を上回ったのですが、その機を見てこの分野の重要性をさらに深堀りするためでしょうか。  また、新設課では、どのように新しい時代に対応した質的、量的な事業促進が図れるのか、狙うところをお聞かせいただきます。  また、移住、定住のインセンティブを後押しする具体的な取り組みを県が仕掛けることも大事ではないかと考えます。待ちの姿勢ではなく、こちらから仕掛けていくことを新設する組織には望みたいと考えますが、いかがでしょうか。  4点目、こども・家庭課の中に、児童相談・養育支援室を置いて児童虐待の防止を担わせるとしています。  児童に対する虐待行為は、船戸結愛さんのこと、また、今次の栗原心愛さんの事件などに触れるにつけ、どこかの時点で、どこかの組織が介入していれば子供たちの命を救えたのではないか、そういう悲憤が込み上げてまいります。新設する新しい組織も、例えば、児童虐待防止支援室と明確にうたい上げたほうがいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。  県の子ども支援条例では、子供のさまざまな相談に応じ、体罰等による人権問題から子供を救済する子ども支援委員会が設けられています。救済申し出のあった事項について、調査審議し、必要に応じて知事または教育委員会に意見勧告する重大案件については、特別委員を任命するようになっています。この権限を持つ委員会は長野県条例の特徴にもなっています。よって、子ども支援委員会と虐待防止の新設室が一体となっての相乗効果を期待するものです。また、県組織に横串を刺して虐待防止に迅速に動けるよう情報共有を万全にしてほしいと考えます。  また、最近は虐待行為が増加していると言いますが、その実態はどうなのでしょうか。その増加原因が、調査を詳しくしたことによるのか、それとも親による虐待数が実際に増加しているのかをお聞かせいただきます。  仮に親が原因だとすれば、子供への対策だけでは一方的になってしまうわけで、親に対する内面への支援も必要になると考えますが、どうでしょうか。  また、そのような一連の対策となれば、児童相談所の負担はさらに重くなります。児相の人的組織を数や質の上で向上させるべきと考えますが、それらに対しお考えをお聞きしたいと思います。  江戸時代末期、日本を訪れた外国人が驚いたことに、日本の子供たちは生き生きと暮らしていて、貧しさなど感じさせないとの記述を残していたのを思い出します。人口減少のあるなしにかかわらず、子供は社会の宝でありますから、いかなる環境下に置かれた子供でも、親や大人の都合ではなく、子供が描く夢や希望のとおり、社会がしっかり育て抜く覚悟が必要です。新設する組織がその主体たる意識を持つことが肝要となると考えますが、いかがお考えでしょうか。  5点目、産業労働部に営業局を置いて県産物のマーケティングや販路開拓を担うとしています。知事は、これまでも営業本部を設置して営業活動を具体的に進める実動部隊としたい、すぐれた県産品の販路開拓、マーケティングは不十分な部分があるので、農作物、加工食品、伝統工芸品の販路拡大だけでなく、売れる商品づくりの支援をしたいとの議会答弁をしています。  私は、4年ほど前、愛媛県を調査したことがあります。多くの県が農産物の販路を外国に求めるとき、東南アジア市場を狙っている中で、愛媛はアメリカに販路を持っていることに興味を抱きました。中身は、かつて宇和島水産高校練習船えひめ丸が浮上してきたアメリカ海軍の原潜に衝突された不幸な事件をきっかけとしてハワイとの交流が始まったことやアメリカのある州に愛媛県出身の小売業者がいることなどを起因としていました。そんな説明をしてくれた愛媛県職員の名刺には、株式会社愛媛営業部と書かれていました。その名刺に驚きましたが、比較的自由に利益を上げるべく営業活動を展開しているとの話もありました。現在も愛媛県の組織図を見ると、各部局の先頭に、独立して、営業部、愛のくにえひめ営業本部が置かれ、四半期ごとに知事がその成果を報告しています。現在でも成約額は約120億円を目標としているということをおっしゃっていました。  そこで、お聞かせいただきます。  長野県が、形の上では観光部に営業本部を置き、その実動部隊の営業局は産業労働部に置く、そういった組織で具体的にどんな成果を上げようとしているのでしょうか。また、初年度としてどういう目標を立てているのでしょうか。  営業本部も、実動部隊の局も、本部長の知事直属としてフリーハンドの活動をしたほうが自然ではないでしょうか。営業成果を本部は観光部長に、局は産業労働部長に報告し、さらに知事にも報告する、そんな図式の組織が実績を上げることができるのでしょうか。企業の営業とはほど遠い気がいたします。  さらにまた、知事はその成果につき、本部長として、ある意味株主である県民の皆さんに定期的に説明することも必要でしょう。そのことで本部や局の本気度もアップするのではないかと思います。それら組織の活動や位置づけの実像がわかるように御説明いただきたいと思います。  次に、人口減少にめげることなく、少子・高齢社会を活気に満ちた長野県としてあり続ける未来の姿について知事に伺ってまいります。  長野県の人口は、最近1年ごとに1万人ほどの減少を続け、ひところ220万県民と言っていましたが、現在は206万人余であります。信州創生戦略では、今から60年後には150万人まで減少し、生産年齢人口割合も下降するが、仮に生産年齢を20歳から74歳とすれば60%を超えて定常化すると予測しています。  そこで、一つに、労働力不足を補うことを主眼に4月から発効する入管難民法の改正が行われました。賛否両論が混在する中ですが、外国人の働き手が地域に今以上にふえてくる予測があります。  建設関係の2次製品を製造している経営者の方は、やっと法律が成立した、遅かったぐらいだと話を始められました。コンクリートが悪だという風潮の時代があって、働き手がなかなか集まらなかった。それは今も続いていて、建設業界では現場が困っている。外国人を安い賃金で雇用しているイメージなどはもってのほかで、日本人の働き手と全く同じ条件であるし、残業代不払いなどあり得ない。10分単位で支払っている。彼らは本当に真面目に熱心に働いてくれて、高く評価している。単純労働という言葉は使ってほしくない。職業差別につながる。報道を見ると、外国人研修生が逃げるというものがあるが、それは3年近くなったら帰されるという恐怖からだ。  さらに続きます。運送業界も人手不足で大変だが、受け入れ可能な14業種に入っていない。出荷を依頼しようとしても、トラックはあるが運転手がいないことを理由に4社から断られた。物流は経済の血液であり、この状況だと数年でパニックが起こるなどの切実な声を聞きました。  政府は、34万人を上限とする外国人労働者の受け入れについて、大都市への集中を回避すべく、地方自治体が主体となって多言語習得などに先導的取り組みをする場合、地方交付金を活用して財政支援をするとしています。言葉の問題では、スマホによるAIなども活用できるでしょう。  一方で、外国人労働者や難民を受け入れた欧州を初め各国では、さまざまな悩みを抱えており、成功したという声は余り聞こえてきません。外国人が日本人といかに共生できるかは、市町村単位での現場の実務に大きくかかわってくると思います。  そこで知事に伺いますが、外国人が県経済の未来に及ぼす影響や、彼らが地域と共生して生活を送れるようにいかに県が支援できるか、また、それを支える現場となる市町村への支援や連携について、今後どのように考えていかれるかをお聞かせいただきます。  二つに、高齢者の皆さんの活躍によって働き手の不足を補おうとすることも人口減少の政策に大きく関係してきます。高齢者の皆さんが人生100年時代を迎えようとしている現在、年齢に関係なく社会の役に立ちたいとされるお考えをしっかりと受けとめて、人生二毛作、生涯現役につながる生きがいを十分に感じていただく長野県にしていくべきと考えます。  そこで、働くことでも趣味でもボランティアでも、エイジフリーで活躍できる長野県であることを何らかの宣言として表明したらいかがでしょうか。健康長寿もその結果として得られる場合もあるわけで、宣言することにより、高齢者の皆さんが自分らしく快適に過ごそうという意欲は、ある意味公認になり、活力ある社会を構築できると考えますが、知事のお考えをお聞かせいただきます。  高齢者の皆さんの活躍について述べましたが、女性の活躍や障害者の方々の活躍も現代社会では大きな期待の中で大切な役割を占めていただいています。  また、人口減少に伴う限界集落が心配されましたが、今はT型集落、家系図が両親から子、孫とT字型をしていることからの名前です。集落から出ていった家族を構成員として、新たに集落を捉え直そう、住居は違っても、近隣自治体に生活している子や孫が親や家族の世話をしている、そんな集落はなくならないという発想からT型集落が言われています。きずな集落も同じ考え方でしょう。別に何かが変化したわけではないのです。発想を変えるだけで元気になれる一つの例だと思います。人口減少、少子・高齢、そんな社会を考え方一つで明るい未来にしていくことができるのではないでしょうか。  続いて、豚コレラについて知事に伺います。  一連の状況は知事の議案説明で示されたとおりですが、直接的な被害を受けた宮田村の養豚場では、2,444頭の豚を殺処分し、埋設。殺処分や埋設に当たっては、県の要請による自衛隊、県や村職員、関係団体の御苦労で、結果的に機敏な対応で県内への感染を防ぐ処置ができたことは心から感謝したいと思います。  関係団体と一口に言いましたが、報道されなかった団体に、直接埋設の業務に当たられた長野県建設業協会伊那支部の御苦労がありました。  協会に埋設について第一報が入ったのは6日の朝8時半ごろ、すぐに支部長から現地の黒河内建設に依頼、重機2台を確保している旨の返答が上伊那地域振興局農政課にあったのは9時。約30分の間に幾つもの電話のやりとりがありつつも、初動がいかに早かったかがうかがえます。午後3時過ぎ、重機2台で掘削中、心配した巨石類はないとの報告。この間も、本庁農政部や現地農政課と協会の間で重機の種類等につき電話交換が頻繁にされました。  翌7日、8時作業開始。この日から南田建設も率先協力。効率を上げる重機類関係について意見が交わされ、それらも導入して、午後5時過ぎには全体の50%程度埋設は終了と黒河内建設から報告。  翌8日、引き続き作業が行われ、11時には黒河内建設から本日中に後片づけを残して作業は終了できると思う旨報告が入りました。こうして感染防止の努力がなされましたが、お聞きしたいことは、原因者ではなく、直接的に被害を受けた養豚場や間接的に被害をこうむった食肉事業者等への補償はなされるのでしょうか。  また、埋設に御苦労いただいた建設業協会への事業費はどうなるのでしょうか。財源等を含めてお聞かせいただきたいと思います。  昨年9月9日、岐阜市の養豚場で豚コレラ発生が公表され、14日、イノシシへの感染が発見された後、たびたび豚やイノシシへの感染が報告され、そして、今回、豊田市養豚場から子豚が長野県ほかに出荷され、感染が広がりました。  そこで、今後の課題についてですが、残る不安は、イノシシからの感染であります。動物に県境はありませんから、最悪は多くの県に豚コレラの発生が想定されます。農水省はもっと真剣に国としての責任や伝染阻止に動くべきだと考えますが、知事は今後国に対して何を要請していかれるのか、お聞かせをいただきます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)清沢議員の代表質問に順次お答えを申し上げたいと思います。  まず初めに、部長、副知事時代も含めて平成はどんな時代だったのかという御質問でございます。  提案説明で申し上げましたように、この平成の約30年の間、世界は大きくさま変わりしたというふうに思います。また、本県にとっても大きく変化した激動、激変の30年間だったというふうに考えております。高速交通網の整備や長野オリンピック・パラリンピック冬季競技大会の開催など、社会に大きなインパクトを与える出来事がたくさんございました。  私が知事になりましたのは平成22年でありますが、ちょうどその平成22年の平均寿命は、長野県は男女とも全国1位になったということで、今や健康長寿は長野県の代名詞にもなっておりますが、これは本当に長い間の医療、保健関係者、また地域の健康ボランティアの皆様方の取り組みが結実して健康長寿県にもなり得たというふうに思っています。  また、私は2001年から長野県職員になりましたが、長野県の人口は2000年をピークに減少に転じたということで、ずっと右肩上がりで増加してきた人口が、ちょうど私が長野県に赴任をさせていただいてからは人口減少が毎年続いていると、今までとは社会のあり方が大きく変わってきているというふうに思っています。そういう意味で、世界、日本、そして本県にとっても激変の時代だったというふうに私は考えております。  また、さまざまなパラダイムシフトな物の見方、発想、着眼点を大きく変えていくことによって長野県を発展させていかなければいけない時代になってきているというふうに考えております。  印象に残る出来事は何かということでありますが、一番心に深く刻まれておりますのは、やはり災害への対応でございます。知事に就任して間もなく、東日本大震災があり、翌日、栄村を中心とした大きな地震がございました。  また、平成26年には、2月の豪雪、6月には南木曽町の土石流災害、9月の御嶽山噴火、11月の神城断層地震ということで、1年を通じてさまざまな災害に見舞われてしまいました。改めてお亡くなりになられた方の御冥福を心からお祈りするとともに、こうした災害の教訓をしっかりと次の時代にもつないでいかなければいけないというふうに思っております。  他方で、明るい話題もたくさんありました。全国植樹祭を初めとするいろいろなイベントも本県で開催しましたが、特に、山の県長野県として、「信州山の日」を制定し、そして国民の祝日も山の日が誕生し、さらには、記念の全国大会も第1回目を本県で開催することができました。  また、教育県として発展してきた長野県でありますけれども、1992年(平成4年)に、県議会において県立短期大学の4年制化の請願が採択されて以来、長い間にわたる議論、検討、準備を経て、県立大学が昨年ようやく開学にこぎつけることができました。  長野県政の一時点だけを切り取って論じることができなくて、やはり長い間の積み重ねが今日に至っているなというふうに思っています。これからも、これまでの平成の30年間の時代というものをしっかり振り返りながら、先人たちが築いてこられた足跡を踏まえて、さらに長野県が発展できるように学びと自治の力を生かしながら取り組んでいきたいというふうに思っております。  それから、組織再編について幾つか御質問いただきました。  まず、先端技術活用推進課の新設に関連して、先端技術への期待という御質問でございます。  AIやIoT、ロボット、ビッグデータ、こうした日々進化している先端技術は、さまざまな可能性を持っていると思っています。産業の発展や暮らしの質を高める上でしっかり活用しなければいけないと思っております。産業の生産性の向上に役立つということは、もとより、暮らしの側面でも、例えばビッグデータを活用することによって効果的な保健指導、介護予防が可能になってくると思います。また、地域交通の確保は重要な課題でありますが、自動運転が実用化すれば、こうした課題の解決にもつながっていくというふうに思います。さらには、移動通信技術の向上によりまして、遠隔診療、遠隔学習、さらには農場の管理や建設作業を遠隔地から管理する、こうしたことも可能になってまいります。先端技術活用推進課を先頭として、県民の暮らしの利便性向上、地域課題の解決に向けて新しい可能性にぜひチャレンジをしていきたいというふうに思っております。  次に、産業イノベーション推進本部の強化についてでございます。  提案説明でも申し上げましたとおり、産業イノベーション推進本部のあり方を抜本的に見直して機能強化してまいります。ちょうど昨日、見直し後初めての本部会議をスタートいたしました。AI・IoT、ロボット等利活用戦略、あるいは医療機器産業振興ビジョン、こうした部分について御議論いただいたわけでありますけれども、産業別プラットフォーム構築の必要性であったり、各機関の取り組みの情報共有等の御意見をいただきました。  県立大学の安藤理事長からは、ITバレー構想についての御提言をいただいたところでありまして、産業支援機関の英知を結集して、新しい時代に向けた産業構造、そして産業のイノベーションをしっかり起こしていくことができる本部にしていきたいというふうに考えております。  これまでの県の産業政策は現場を中心に頑張ってきましたけれども、県全体として産業政策の旗印を明確にし、県と産業支援機関が一体となって機動的に産業支援策を進めていきたいというふうに考えております。  続きまして、信州暮らし推進課の設置に関連しての御質問でございます。  平成24年、移住・交流課をつくって、この移住交流に積極的に取り組み初めて以降、三大都市圏における専任の移住相談員の配置や各種セミナーの開催等、移住者をふやす取り組み、交流人口をふやす取り組みを積極的に本県として取り組んでまいりました。その結果もあり、本県は、移住したい県としては常に上位に位置する形になっておりますし、また、移住者数も着実に増加をしてきているところでございます。  今回、信州暮らし推進課を設置したいというふうに考えておりますが、これまでとは異なるアプローチも含めて、さらに、この質的、量的な事業の促進を図っていきたいというふうに思っております。  まず、あらゆる産業で人材不足の状況にございますので、仕事と暮らしをセットにした移住促進ということに努めていきたいと思っております。また、移住、完全に移り住むということはなかなかハードルが高い部分もございますので、つながり人口を拡大するということにも焦点を当てて取り組んでいきたいというふうに考えております。田舎暮らし「楽園信州」推進協議会のもと、関係団体、市町村とも連携しながら成果が上がるように取り組んでまいります。  続きまして、まず児童相談・養育支援室の名称についてでございます。  この室の設置目的は、御質問にありました児童虐待防止ということも含まれているわけでございますけれども、児童が家庭において適切な養育を受けること、また、家庭における養育が適当でない場合には、里親委託など家庭と同様の環境のもとでの養育を推進していくこと、こうしたことも所掌としております。そういう意味で児童相談・養育支援室という名称とさせていただきたいと考えております。  続きまして、児童虐待の実態、増加要因についての御質問でございます。  まず、児童相談所における児童虐待の相談対応件数は、平成29年度で2,048件というふうになっております。これは、前年度比139件の増加でありますし、また、平成24年度以降、6年連続で増加をしているということで、年々ふえ続けてきているという状況でございます。特に、親による暴言や子供の面前での家族間暴力といった心理的虐待が全体の6割を占めておりまして、前年度に比べますと146件増加という状況でございます。  相談対応件数が増加している理由でございますが、一つは、児童虐待に関する社会全体の認識が高まり、関係機関、県民が虐待を受けたと思われる児童を発見した場合に速やかに通告をするという意識が高まってきているという側面がございます。その一方で、家族の経済的な状況や社会的孤立によりまして家庭の養育力が低下をしておりまして、虐待が発生しやすくなっているということ、この両面があるというふうに考えております。  虐待をしている親への支援が必要ではないかという御質問でございます。  親による虐待が増加している要因といたしましては、親自身の生育歴や精神の不安定といった心身の問題のほか、経済的な困窮、社会的な孤立、こうした課題がございます。そういう意味で、親に対する支援も必要だという御指摘はまさにそのとおりだというふうに思います。  児童相談所におきましては、こうした親へのアプローチといたしまして、職員によりますペアレントトレーニングや面接による心理教育指導、こうしたことを行って養育スキルの向上を図っております。  また、精神的な問題等につきましては、医療機関の受診につなぐなど、子供との安定した関係性の回復にも努めているところでございます。  また、経済的な側面では、市町村が中心となって、生活保護などその方に合った公的支援制度を活用して、家庭における養育力の維持にも努めているところでございます。  ペアレントトレーニングを初めとする児童相談所で行っております親に対する支援、これは専門的な技術を必要とするものでございますが、人材をさらに養成確保していくことが重要だというふうに思っております。市町村、関係機関においても、こうした取り組みが実施できるよう研修等を通じて人材育成を図っていきたいと考えております。  児童相談所の人的組織を数や質の上で向上させるべきと考えるがいかがかという御質問でございます。  児童相談所の児童福祉司は平成28年度以降増員をしてきておりまして、現在51名に至っております。また、児童相談所の広域支援センターに警察職員や非常勤の弁護士を配置するなど、相談体制の充実、そして児童相談所機能の強化を図ってきたところでございます。平成31年度、来年度におきましても、児童福祉司を6名増員いたしたいというふうに考えております。今後とも、児童相談所としての機能を十分発揮することができるよう人員体制の充実強化に意を用いていきたいというふうに思っております。  また、相談に当たる職員の専門性の向上については、これまでも児童福祉司に任用された職員に対しまして、経験年数等段階に応じた研修や警察との合同訓練等を実施をしてきております。今後、さらに保護者による威圧的な要求や暴力の行使等を想定した実践的な研修を強化するなど、職員の対応能力の向上にも取り組んでまいります。  児童相談・養育支援室が主体性を持ってしっかり子供たちのために取り組むべきであるという御質問でございます。  お話がありましたように、子供は一人一人がかけがえのない存在であります。子供たちが夢や希望を持って暮らすことができる長野県づくりのために全力で取り組んでいきたいというふうに思っております。新しく児童相談・養育支援室を設置するわけでございます。児童虐待を防止するということはもとより、子供たちが未来に向けてしっかりと歩んでいくことができるように責任を持って取り組みを進めていきたいというふうに考えております。  営業局について御質問をいただきました。  まず、どういう成果を上げようとしているのか、初年度どう目標を立てていくのかという御質問でございます。
     さまざまな物産がございます。私としては、まずしっかりと課題を見きわめてその解決を図っていかなければいけないと思っております。情報発信が不足している場合、あるいは流通がうまくいっていない場合、さらには品質的にさらに向上させなければいけない場合、さらには品質は十分だけれども市場のニーズに合っていない場合などさまざまな場合がございます。こうした課題をしっかり見きわめて解決をしていかなければいけないというふうに考えております。  そうしたことを踏まえて、販路開拓であったり、高付加価値で販売できるようなターゲットの設定であったり、さらには市場ニーズの生産者等へのフィードバック、こうしたことに取り組んでいきたいと考えております。  また、長野県自体の魅力を物産の振興とあわせて高めていくということも重要であります。情報発信、プロモーションを行うことによって信州ブランドの価値自体も向上させていきたいというふうに考えております。  取り組みの目標についてでございますが、まずは事業者に対する支援によって直接生じる取引増加額を想定しつつ、その後の波及効果、メディア発信等による効果の把握方法や範囲を検討した上で、営業戦略の策定にあわせてお示しをしていきたいと考えております。  また、営業局の形について、少し組織的に動きが緩慢な組織になりそうではないかという御指摘だったと思いますけれども、営業活動は、御指摘のようにスピード感が大事だというふうに考えております。  そういう意味で、営業局の組織としては産業労働部に設置するという形をとりますが、営業本部としては、本部長である私が営業局長、そして営業局に直接指示をし、報告を受ける形にしていきたいと、そのことによって迅速かつ機動的な業務展開を図っていきたいと考えております。  また、県民への説明でございますが、これまで、例えば銀座NAGANOの成果に関しましても、市町村、県内事業者、県民の方々に対して売れ筋商品の動向やイベントスペースの活用事例、テストマーケティングの状況、こうしたことを御説明をさせていただいてきております。営業本部の成果について、やはり御指摘のように定期的に県民の皆様にお伝えしていくということが私も重要だというふうに考えております。事業者向けへのPR、フィードバックと、そして一般の県民の皆様方に対する営業本部の活動内容、成果の発信、こうしたことをわかりやすく行っていきたいというふうに考えております。  続きまして、外国人の受け入れについてでございます。  外国人材の受け入れ、既に長野県内において多くの外国人の方々が就労され、また暮らされていらっしゃいます。そして、将来的には人口減少社会の中で外国人の活躍ということが期待をされている分野もふえてきている中で、外国人材の受け入れは、長野県としては避けて通れないものだというふうに考えております。  特に、昨日も、イノベーション推進本部では、IT人材、例えばバングラデシュからのIT人材の受け入れといったようなことも議論をされているわけでありまして、高度人材は世界中から優秀な人材を集めるというような方向性もむしろ必要になってきているというふうに考えております。  そういう意味で、私としては、この外国人材の受け入れを本県経済にとってプラスにしていかなければいけないというふうに思っておりますし、また、そうなるような政策展開を図っていくということが重要だというふうに思っています。  また、他方で、人材と呼んでおりますけれども、外国人の方も人間でありますので、地域社会にしっかりと根づいて生活をしていただくということが重要だというふうに思います。そういう意味で、外国人の方々を温かく受け入れ、真の共生社会を築いていくという強い決意が私どもにとっても必要になってきているというふうに考えております。  県としては、今後、日本語学習支援を強化いたしますとともに、多言語による生活就労相談窓口の設置に向けた準備を進めていきたいと考えております。  また、外国人材の受け入れに関する対応方針、あるいは多文化共生推進指針の改定を行うこととしております。こうした中で、具体的な施策を明らかにすることによりまして、関係機関とともに、この外国人の方に選んでいただける地域になるように、そして外国人の方々が地域の中で共生していただけるような社会をつくるために取り組んでいきたいと考えております。  続きまして、エイジフリーで活躍できる長野県であることを表明するべきではないかという御質問でございます。  昨年9月、長野市の加藤市長と松本市の菅谷市長から、高齢者の定義を75歳以上に見直し、年齢にかかわらず活躍できる社会の実現を目指す旨の共同提言が発表されました。そして、両市長から私に対して提言に基づいた取り組みについての協力要請がございました。この提言は、年齢にかかわらず希望と意欲が湧き、自分らしく活躍することができる社会の実現を目指すというふうにされておりまして、私は、まさにこうした方向で取り組みを進めていくことが重要だというふうに考えております。  県として、これまで、シニア大学等を通じたシニア世代の学びの推進、あるいは人生二毛作社会の推進、こうしたことに取り組んできておりますが、エイジフリーというふうに言える社会にするためには、取り組むべきことはまだまだたくさんあるというふうに考えておりますので、そうした取り組みをまずはしっかり行った上で、必要があれば宣言をしていくという形で考えております。  続きまして、豚コレラについて御質問いただきました。  まず、被害を受けた養豚場等への補償等についての御質問でございます。  今回の豚コレラへの対応につきましては、自衛隊を初め、市町村、JA、獣医師会等多くの方々に夜を徹して御協力いただき、迅速に防疫措置を完了することができました。この場をおかりして心から厚く御礼を申し上げたいと思います。  今回の殺処分等につきましては、家畜伝染病予防法に基づき行われております。そのため、発生農場で殺処分された豚や汚染物品の補償につきましては、全額国から手当金が交付されるという形になっております。また、13の監視対象農場につきましては移動制限を行ってきております。飼料費のかかり増し経費等の補償につきましては、国と協議の上、国と県とで2分の1ずつ負担し、交付をしていきたいと考えております。  また、屠畜場に営業自粛をお願いした経過もございますことから、食肉事業者等につきましては、どのような影響があったかということを十分に確認させていただいた上で、国とも協議の上、対応を検討してまいります。  さらに、埋却に御協力をいただきました建設業協会の重機を使った経費等は国と県とが2分の1ずつ負担することとなります。今回の補正予算で御提案をさせていただいているところでございます。今後も、豚コレラによります農家等への影響を最小限に抑えるため、きめ細やかな対応に努めてまいりたいと考えております。  豚コレラのもう1点、野生イノシシによる豚コレラの伝染阻止についてでございます。  本県における死亡野生イノシシの豚コレラ感染事例はまだございませんが、岐阜県、愛知県では死亡、あるいは捕獲の野生イノシシから多数豚コレラが確認をされておりまして、予断を許さない状況だというふうに認識しております。こうした中で、感染リスクのある野生イノシシの生息域を広げないための広域的かつ効果的な対策が求められております。国においてもしっかり取り組んでいただきたいと思っておりまして、国に対しては、感染リスクの高い野生イノシシ対策といたしまして、野生イノシシからの感染経路の究明、広域的な捕獲、検査体制の強化、個別農場に対する防護柵設置への支援、こうしたことの対策強化を求めていきたいと考えております。  私に対する御質問は以上でございます。       〔43番清沢英男君登壇〕 ◆43番(清沢英男 君)続いて、「「未来への投資」と「人口減少社会への対応」」とサブタイトルがつく国の緊急対策補正予算を含む来年度予算について各部長に伺ってまいりますので、端的にお答えをいただければありがたいというふうに思います。  1点目、総務部長に伺います。  今年度の2月補正予算は、国がことし10月から実施する消費税率引き上げによる経済への影響を最小限に抑えようとする一環だと思います。消費税率の引き上げによって、国と地方で5.7兆円プラス昨年のたばこ税等で6.3兆円の国民負担増、それを軽減税率で1.1兆円を差し引くと5.2兆円程度の負担増が見込まれますが、幼児教育の無償化等で3.2兆円の受益増、それに税率引き上げで対応した対策、ポイント還元や国土強靱化並びに住宅ローンや自動車取得の減税分で2.3兆円程度の受益措置をプラスすると5.5兆円になり、負担5.2兆円、受益5.5兆円で、結果は経済への影響を乗り越えることができると国は試算しています。  かかる試算と同様に、消費税率引き上げによる県の試算の概略と、その長野県経済への影響予測についてお示しをいただきたいと思います。  また、国は、重要インフラの緊急点検等を踏まえた防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策として、2020年度までの3カ年でおおむね7兆円程度の事業を投資する予定として経済対策を徹底するようであります。これに呼応して、県の歳出も前年当初比で400億円大きく伸びるわけですが、建設事業債を初めとする県債残高は、一時的に増加するも、2021年度からは着実に減少し、財政の健全性は確保できるとしています。  そこで、今後数年間における県財政の運営については、駆け込み需要、その反動による経済の落ち込み、それを防ごうとする緊急経済対策、県債残高の増加、緊急経済対策終了後の景気冷え込み等、長野県経済は目まぐるしく動くと思いますが、景気の変動を上向いたままで平準化することが求められます。中長期的なその方策についてお考えをお聞かせいただきます。  2点目、危機管理部長に伺います。  災害発生時に必要な燃料を確保しておくことは、昨年の災害時における地域での困窮を考えると必要なことで、来年度予算で対応するとしていますが、SSが極端に少なくなってしまった自治体が過疎中山間地域には存在します。まさに危機管理上の人口減少対策ですが、こういう地域への手当てはどうしていくのでしょうか。  また、長野県の観光地は、山岳リゾートの言葉どおり、山中での宿泊施設が多くあります。燃料備蓄はもとより、発電機の常備等が災害時には求められますが、危機管理上、当該事業に含まれているのかどうか、含まれていない場合はどのように考えておられるか、お聞かせいただきます。  3点目、企画振興部長にお聞きします。  一つには、スマート県庁についてであります。  パソコンのモバイル化、ロボットによる業務自動化、AIの活用、ペーパーレス会議の推進等により、仕事の簡素化と効率化などが図られ、さらには思い切ったテレワークも可能になります。働き手不足やしごと改革が課題になっている現在、スマート県庁の構築はそれにより得られた果実を県民の皆さんに還元していくことだろうと考えます。この事業で得られたスマートの成果やノウハウを県内の企業や団体にどのように渡すことができるのか、経費の削減や職員の労働負担の軽減など県庁の未来像と県民の皆さんへの貢献についてわかりやすく御説明いただきたいと思います。  二つには、地域公共交通の最適化サポート事業についてですが、シニアの皆さんや通学という交通弱者の方々にとっては早期に取り組んでほしい事業だと考えます。広域化、基幹的公共交通の最適化について検討し、路線ごとのデータを集め、カルテを作成するとしています。  そこで、バス路線についての対象地域は、北信、南信州、木曽の3地区内としていますが、なぜ全県で当該事業を進められないのか。データについては市町村にも存在すると思いますので、それを活用させていただくなど、より多くの地区でカルテを作成し、善後策を講じていただくことができないでしょうか。  また、鉄路による地域公共交通の確保も考えるべきです。篠ノ井線の複線化や中央線の停車駅減少など、地域の意見を反映したJRとの交渉に県の参加が望まれています。これからの県の姿勢について、また、誰もが快適に移動手段を確保できる長野県の未来について御説明いただきます。  4点目、県民文化部長に伺います。  一つに、地域に根づく多文化共生推進事業についてであります。  法改正によって、より多くの外国人労働者の皆さんが地域で暮らすようになりますが、日本語教師等を市町村が実施する地域日本語教室へ派遣し、地域の人たちとの交流を支援するとしています。この事業を初めとして多文化共生を図り、外国人労働者の一地域への集中、例えば、一つの団地を外国人が占拠するなどの集中を回避しなければならないと考えますが、その点も想定して事業発信をしていくのかどうかお聞かせいただきます。  二つに、やまほいくへの保育料負担軽減予算についてであります。  国により無償化制度への参入が未定によるものとしますが、国の主張をお聞かせいただきたいと思います。また、補助経費は県と市町村が各2分の1としていますが、市町村の了承は得られているのでしょうか。さらに、移住施策にも波及効果が維持されるとしていますが、卒園後も定住効果は持続できるのかについてもお聞かせいただきます。  5点目、産業労働部長に伺います。  一つに、AIやIoTなど先端技術の活用、開発についての予算が昨年比3倍に増加しています。中小企業支援センターに専門人材を配置し、県内中小企業にAIやIoT等先端技術の普及促進を図り、ソフトウエア企業の育成などに充てるとしています。また、成長期待分野への展開として、信州ITバレー、産業集積連邦(峰)構想を推進する事業も予算化しました。さらには、AI、IoT、ロボティクス等先端技術利活用の支援拠点整備も新規に事業化するなど、かかる分野への投資が多岐にわたり積極的になされました。  そこで、AIやIoTの利活用を促進することで、長野県の産業がどのように変化し、どのような世界が近未来的に創造されるのか、わかりやすく御説明いただきたいと思います。  いずれにしても、かかる先端技術の分野を研究し、開発して成功に導くことが長野県の未来を決定する大きな要素となり得ると考えます。そこで、現在的に長野県の先端技術をめぐるレベルはどのように自己評価しておられるのか、今後の意欲を含めてお聞かせいただきます。  二つに、制度資金についてであります。  さる工業団地の一角で団塊の世代でもある社長さんとお話ししたときに、この辺の多くの企業は後継ぎがなくて会社をやめてしまうという話がもっぱらだとおっしゃいます。これから5年の間に中小事業者の事業承継を進めないと地域経済は破綻する、そんな危惧はこれまでも叫ばれてきました。そこで、来年度、事業承継向けの制度資金を新規に準備したと思います。そのこと自体は良とするも、しかし、この資金を活用しようという人は承継にめどがついている皆さんだと思うのです。会社をやめてしまおうと考えている人が継続意思に転換できるインセンティブになるでしょうか。借金をつくろうと思うでしょうか。  県がすべきは、やめるというマイナス思考に一旦ストップをかけて、こうすれば継続ができますというように第三者の紹介やMアンドAの方法などの全体を事業化して、事業承継の仲立ちをすることではないかと考えます。事業承継の制度資金を用意するという待ちの姿勢ではなく、積極的にかかわることが必要な場面を迎えていると思いますが、お考えをお聞かせいただきます。  6点目、建設部長にお尋ねいたします。  一つに、予算関係ですが、今年度補正と来年度当初予算の合計は約980億円で、今年度に比して360億円近い伸びで、率は6割近い増加であります。また、今後を見通すと、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策が今年度を入れて3カ年続きます。ぜひとも予算消化に全力を挙げていただきたいと思います。  現在、人手不足が建設業を含む多くの業種で言われていますが、発注元である県の体制はその予算に対応できているでしょうか。また、受け手である建設業界がスムーズに仕事を進められるように労働力の確保は不可欠です。その点を落札率や賃金に反映すべきと思いますが、お考えをお聞かせいただきます。  二つに、無電柱化予算は昨年比倍増しています。これからの長野県の景観づくりや災害時の2次災害回避のためにも必要な事業と言えます。よって、この緊急対策事業が終了したとしても継続的に進めていただきたいと思いますが、御所見を伺います。  三つに、子供たちの未来を交通事故等から守り抜くために、通学路の歩行空間確保のための施策は大切であり、5割に近い予算の伸びを歓迎するものです。そこで、今後しあわせ信州創造プランで実施している22年までの通学路安全対策事業終了後も、狭小・波打ち歩道等のリメイクについて市町村と協議の上で続けていってほしいと考えますが、いかがでしょうか。  四つに、建設産業の次代を担う人づくりに関して、若手比率が低下し高齢化が進行している中で、建設産業への就業促進を高校生対象に図ろうという事業ですが、県の強靱化の基礎をなすのはやはり人であり、県土の未来に大いに関係してきます。200万円余の予算額で目的を果たすことができるのでしょうか。  そこで、昨今、県に建設技術学園復活を望む声が聞こえてまいります。かかる一時的な事業も必要な場面はあるのかもしれませんが、専門的、体系的な学習を一定期間の中ででき、就業に結びつけることができる修学の拠点整備を考えるべきではないでしょうか。御見解を伺います。  五つに、安心、安全な県土づくりの基本は、最近の気候変動や台風、地震などの災害から県民の皆さんの生命財産を守ることというのは言うまでもありません。砂防や河川事業、また、被災した場合の物資輸送に必要な道路事業等、災害に徹底して抵抗する強靱な県土づくりについて部長のこれからの決意を表明していただきます。  六つに、住宅建築に関し、最近は、在来工法の減少で、大工、左官、屋根、塗装など専門の職人さんが高齢化も手伝って少なくなり、技術の伝承も難しくなってきました。ハウスメーカーの製品が新築住宅を席巻し、家並みも日本調という個性が遠くなりつつある気がします。  その一方で、これからの長野県には伐期を迎えた優良材が増加してくるのは明らかです。そこで、職人さんたちの技術を駆使した在来工法の魅力を復活させることで材の消費量を拡大し、県産材の価格をユーザーが手ごろだと感じる程度までに引き下げられるように、信州の山の木で信州の家をつくろう、そういった政策誘導が求められると考えますが、いかがでしょうか。  7点目、農政部長に伺います。  一つには、TPP11や日欧EPAの発効についてであります。  長野県農業への影響額は、TPPで14億円余、EPAで10億円余と試算していますが、その算出根拠をお示しいただきます。品目別には、果樹と畜産への影響が大きく、特に日欧EPAでは畜産だけがその影響を受けるとの試算がされていますが、その対応についてお聞きします。  二つに、先端技術利用を加速するべくスマート農業に昨年比7倍近くの予算づけをしました。80経営体に導入しようとするスマート農業ですが、農業大学校でも、農業を目指す若い人にAI、ICTやロボット技術、ドローンを使った実習など新しい農業の形について学ぶ機会を多くします。  そこで、これからの長野県農業の姿がどう変わるのか、スマート農業の実践によって収益の上がる農業にできるのか、新時代の機械化によって労働力は現在に比べて省力化できるのか、外国人労働力がこの分野でも必要性があるのか、それらをお聞かせいただきます。  三つに、農産物の輸出拡大の中で、信州花卉の新需要を創出する予算が盛られました。長野県が得意とする花卉生産で、他県をリードしつつ世界市場に打って出て成果を上げていただきたいと考えますが、農政部の意図するところをお話しいただきます。  8点目、林務部長にお聞きします。  一つに、スマート林業の構築普及事業についてですが、ことしは針葉樹、来年度は広葉樹の植生区域等を特定するために、航空レーザー測量やドローンレーザーなどICT技術を活用するとしています。また、これら技術の利活用ができる人材の育成も入っています。  今年度もICT技術を活用してきた事業ですが、スマート林業を活用することで林業のあり方がどう変わるのか、変わったのか、その経験と将来予測についてお聞かせいただきます。また、事業実施期間は2020年までの3年としていますが、3年目にはどの程度の事業効果を積み上げることができると想定しているのかもあわせお聞かせいただきます。  二つには、ついに予算化、やっと予算化と感慨深いのは、観光地等魅力向上森林景観整備事業であります。  観光景観を阻害する松くい虫被害の枯損木を撤去する事業に、前年比4.6倍の予算化です。長野道の嶺間筑北地域に緑がふえる時期になると、灰色の枯損木が目立って、長野県に観光で訪れた人たちの興ざめ原因になっていましたので、事業の迅速化を望みたいと思いますが、この予算で全て撤去できるのでしょうか。また、撤去した枯損木の処理をどうするのでしょうか。さらに、その後の植樹についても補助事業を入れてほしいと考えますが、それらにつきいかがでしょうか。  三つに、木質バイオマスの循環利用の普及促進についてであります。  ペレットストーブ等の補助や木質バイオマス読本の作成など3カ年の事業ですが、読本の配布やストーブ補助の広報はどのようにするかお聞かせいただきます。  9点目、環境部長に伺います。  防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策予算の中に、具体的な取り組みとして、水道施設の耐震化対策等という項目があります。地震による給水停止、または断水のおそれがある水道施設の耐震整備に対する支援と説明されています。  そこで、県内の市町村にこの要望の有無を調査し、聴取して予算化してほしいと考えます。  ある村は、隣の自治体から水道用水の供給を受けていますが、その管路が老朽してきて、仮に糸静構造線地震が発生した場合、ライフラインの一番である水道水が断たれてしまう、そんな心配がされています。このようなケースが県内にもあると思いますが、水道法改正もあり、何らかの手当てをすべきと考えますが、いかがでしょうか。  10点目、健康福祉部長に伺います。  一つに、地域包括ケア構築事業について、市町村の取り組みを支援する中で、医療、介護、生活支援等、切れ目なく提供されるように、地域包括ケア体制を構築推進するとしています。メニューの中に、中山間地域介護サービス提供体制確保のモデル事業として、中でも一番大きい予算が盛られています。かかる地域では、包括ケアに対する期待が大きいわけですが、来年度予算は280万円程度減額で、数字の上では包括ケア体制の構築状況調査分析に回されている感があります。モデル事業を拡大すると事業費は伸びるべきだと考えますが、減額理由についてお聞かせいただきます。  また、新規メニューに加えられた市町村伴走型支援事業は、新しく国補事業を取り入れて市町村の当該事業を個別に支援するための有識者派遣をするとの由でありますが、事業目的と成果目標をお聞かせいただきます。  二つに、薬剤師の確保育成についてであります。  県内薬局勤務の薬剤師は全国平均を下回り、病院や薬局では不足感があり、また、在宅医療やかかりつけ薬局の推進にも薬剤師の確保が必要として、復職支援や就職支援の広報、高校生向けには座学、未就業・復職薬剤師向けの研修など展開するとしています。  県民の皆さんの疾病克服には、よく三師という言葉が使われます。医師、歯科医師と薬剤師であります。長野県の未来を健康長寿の県として維持するために大切な人材群であり、医師確保などには大きな予算も出捐されています。  薬剤師不足の根本には、県内に薬学部を擁する高等教育機関がないことにあるとの指摘があります。この点、中長期的に見て薬学部の誘致に県が動くべきではないでしょうか。県内の関係団体と協議の上、薬剤師不足に対応できる具体的で実効ある施策の展開について御見解をお聞かせいただきます。  三つに、県が補助金を出しているさまざまな障害者施設があると思いますが、部としてこれらの監査は十分に行われているのでしょうか。現況をお聞かせいただきます。  11点目、観光部長に伺います。  一つに、ユニバーサルツーリズムやMICE、インバウンド等、ターゲットを明確にしての事業展開に期待したいと思います。新たに加わる自転車のサイクルロードや、これまでの温泉、山岳、アウトドア等を結集して、観光白書における宿泊者数などの指標順位を上げていってほしいと考えますが、いかがでしょうか。  二つには、市町村では、メジャーではないが、観光協会などを設置して誘客に努力しています。外国から訪れる方の中には、SNSを利用駆使して、比較的マイナーではあるが、自分たちで発見した小さな観光地や観光の仕方を楽しむケースが散見されます。小さな村の訪れる人も多くないスポットが突然外国人にブレークすることもあるわけです。その小さな観光スポットには必ず物語がありますから、市町村にある観光協会をネットワーク化して、国内外に現地のストーリーをつけて発信することも誘客の方法であると思いますが、いかがでしょうか。  12点目、教育長に伺います。  一つに、ICT環境整備事業についてですが、2022年度からの新学習指導要領では、従来の知識習得型から課題解決、論理的思考力を育む探究的な学びを中心にした探求型学習に転換することが求められている中での事業展開としています。その場合、高校教育の現場でのICTは、知識習得型、探求型、それぞれにおいて活用を図っていくということなのかどうか、お考えをお聞かせいただきます。  また、高校のICT教育導入について、小中学校時代からその教育方法になれ親しんでいて、シームレスに高校でもその学習環境に自然に入っていける力を育んでいることが大事だと思うのですが、小中学校、高校と連続性のあるICT学力の習得について、今後どのように対処していくか、御所見を伺います。  13点目、警察本部長に伺います。  犯罪抑止・検挙力強化事業での予測型犯罪抑止システムの導入について、債務負担を含め10億円を超える予算が計上されています。最近は、登下校中や虐待など子供が被害者になるような犯罪に憤りを覚えます。さらに、高齢者の皆さんを相手に大きな金銭を詐取するなど、立場の弱い人をターゲットにする犯罪が横行しています。よって、それらを予測して抑止できるシステムができるとすれば大いに期待したいところです。このシステムにつき説明できる部分があればお願いしたいと考えます。       〔総務部長関昇一郎君登壇〕 ◎総務部長(関昇一郎 君)消費税率引き上げによる県経済への影響と中長期的な財政運営についてのお尋ねであります。  県の予算には、国の試算で対象としている年金や市町村の幼児教育無償化の経費等が含まれていないことから、消費税率引き上げによる本県経済への影響を全て算出することは困難であります。
     現時点で把握できる県予算への主な影響で申し上げますと、地方消費税は、都道府県間での清算や市町村への交付を加味した実質的なベースで、平年度では約100億円の増収となる一方、歳出では私立の認定こども園の無償化や介護人材の処遇改善の経費等が増加することが見込まれております。  また、今回の引き上げに対応するために編成された国の2次補正予算や31年度予算での臨時・特別の措置を活用し、県の2月補正予算案と当初予算案で防災・減災対策にそれぞれ約272億円と386億円の事業費を計上したほか、自動車税の環境性能割の税率を需要平準化対策として10月1日から1年間引き下げることにより、約10億円の税負担の軽減となる臨時的措置を講じております。国においては、あらゆる施策を総動員し、経済の回復基調に影響を及ぼさないよう全力で対応することとしており、県においても、それに呼応して本県経済への影響にも十分配慮をし、予算編成を行ったところであります。  今後とも、持続可能な行政経営体制と財政構造の構築に向けて改革を実行しつつ、消費税率の引き上げに伴う県内経済の状況や国の動向をしっかりと注視をしながら財政運営を行ってまいりたいと考えております。  以上であります。       〔危機管理監兼危機管理部長池田秀幸君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(池田秀幸 君)災害対応用石油製品備蓄促進事業についての御質問をいただきました。  この事業は、人命救助や災害対応拠点としての役割を担います災害拠点病院や警察署、消防署などの施設や緊急車両のための燃料備蓄と住民向けの燃料備蓄の促進を目的としたものでございます。  今回の備蓄量の拡大に当たりましては、例えば、木曽地域などこれまで国の備蓄促進事業では燃料備蓄がされていなかった地域にも広げるなど、地域バランスを考慮し、必要な備蓄量を確保する計画としております。  また、SS過疎地におきましても、自家発電機を備えた住民拠点サービスステーションの整備が進められており、こちらにも住民向けの燃料備蓄を図ることとしております。  宿泊施設につきましては本事業の対象には含まれておりませんが、平成28年に松本地域を中心に発生した雨氷被害を受けて、県では宿泊施設に対しまして非常用発電機の配備などを依頼しており、今後も機会を捉えて啓発をしてまいりたいと考えております。  さらには、災害による停電で宿泊施設などへの支援が必要となった場合には、長野県石油商業組合や中部電力株式会社に燃料供給や電源車の配備などを要請することとしており、これら関係機関とは平時から訓練を通じ連携を図っているところでございます。今後も、引き続き関係部局、関係機関としっかり連携して災害に対する備えに取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)企画振興部関係で3点御質問をいただきました。  まず、スマート県庁構築事業による成果等についてでございます。  このスマート県庁構築事業は、平成27年度から取り組みを開始いたしまして、これまでに、ペーパーレス会議やテレビ会議、テレワークなど、有形無形の効果を生んでまいりました。例えば、平成30年度の実績、ここまでの実績でございますが、テレビ会議やウエブ会議につきましては約330回開催しておりまして、それによる旅費ですとか、あるいは人件費の削減の効果額は約2,300万円と見積もっております。また、移動時間の推計削減時間も約4,700時間、これが削減されたというふうに見積もっているところでございます。  また、テレワークにつきましては、これまで延べ800回を超える利用がされておりますが、ワーク・ライフ・バランスの充実や働き方改革が社会全体の課題となっておりますので、そういう中で、職員の労働負担の軽減のみならず、県として施策を打ち出す際の経験として重要なものとなっております。また、都市部からテレワーカーを呼び込む際にも、県のこうした姿勢が大きなアピールポイントになるというふうに考えております。  また、ペーパーレス会議につきましては、約400回以上開催しておりますが、紙で言いますと約30万枚の紙が削減効果として計上されております。額といたしますと90万円と少数ではございますけれども、これはCO2の削減量で換算しますと、40年ものの杉の約200本分以上という吸収量に相当します。社会全体でCO2削減の取り組みを進める中で、県の姿勢の一つとしても意味があるものと考えております。  本年度は、AI、RPAの活用に向けた実証実験を通じまして業務の効率化に向けた取り組みも始めたところでございます。本年度は、総務部と教育委員会の3業務につきまして取り組みをいたしました。その結果、約325時間の労働時間を3割に削減することができた、約7割の削減効果があったというふうに見積もっております。来年度からは、このAI、RPAの適用業務の拡大やモバイルパソコンの段階的な導入を通じまして、取り組みをさらに進めてまいります。それによって生み出されました時間や労力を県民や企業の方々とのコミュニケーションや先進事例、新しい知見の研究、吸収などへ振り向けることで、日々変化する地域課題により的確に対応できる体制を目指してまいります。  2点目、地域公共交通最適化サポート事業についての御質問でございます。  この事業は、域内の交通に関するデータの収集、分析を行い、その分析の結果を踏まえて、バス路線やダイヤ編成の見直しですとか公共交通の利用促進など地域の特性に応じた対応策をまとめていくものでございます。事業の実施に当たりましては、県が旗振り役となり、市町村や交通事業者と連携をし、意見交換や検討を行ってまいります。  議員御指摘のとおり、最終的には全ての地域での実施を考えてございますが、来年度につきましては、今年度までの取り組みの中で、県と市町村、事業者が連携して広域での交通最適化に取り組む体制の構築が済んでおります3地域、北信、南信州、木曽について先行して実施をする分を予算に計上しております。その他の地域につきましては、まずはこうした検討を行うための体制構築を行った上で順次取り組みを進めていく予定でおります。  3点目、地域の意見を反映したJRとの交渉への県の姿勢ということでございます。  鉄道は多くの県民が利用する地域公共交通の基幹でありまして、速達性や利便性などについてさまざまな御要望や御意見をいただいているところでございます。こうした意見などを事業者であるJRにしっかりと伝え、改善に向けて地域とともに取り組むことは県の役割であると認識をしております。このため、県では、以前から長野県JR連絡調整会議を設置し、JR3社と地域の活性化などにつきまして必要な協議を行ってまいりました。今後とも、地域と連携を図りながら、この連絡調整会議を活用してJRと協議をするとともに、国に対しましても必要な支援を求めるなど、鉄道が地域にとって利便性の高い移動手段となるよう努めてまいります。  以上でございます。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)まず、多文化共生推進事業に関する御質問でございます。  外国人の居住の状況につきましては、働く場所や生活の利便性により集中する傾向も見られますけれども、多文化共生の視点から見ますと、こういった地域こそ住民と外国人とが積極的にコミュニケーションを重ね、相互理解を深めていくことが大切であるというふうに考えております。  このため、県としては、市町村やNPOなどが実施する日本語教室にコーディネーター等を派遣し、学習体制を充実させてまいりたいと考えております。  また、外国人からの要望や悩み事を把握し、行政につないだり、生活全般にわたって助言をする多文化共生推進員の配置や、外国人にも積極的に参加いただける防災訓練の実施などに取り組むこととしております。このうち、特に生活する上で最も大切な日本語の習得については、日本語教室に住民も参加し、ともに歴史、文化も学べる機会とするとともに、他の市町村や企業、教育関係者などにもこれを公開することを通して他の地域への発信、波及を図ってまいりたいというふうに考えております。  こうした取り組みを通じまして、多様な文化を尊重し合える共生社会の実現を目指してまいります。  次に、信州やまほいくに関して3点の御質問でございます。  まず、国の主張についてでありますけれども、自然保育は、豊かな自然の中で子供たち一人一人がみずから考え、活動する力を伸ばす教育であり、現在、合わせて185園が信州やまほいくの認定を受けております。特に、やまほいくの先駆的な実践である特化型の多くは認可外保育施設であります。このため、幼児教育の無償化に当たっては、やまほいくの認定を受けた認可外保育施設を国無償化の対象とするよう5たびにわたり要望してまいりました。その際、少子化担当大臣にもやまほいくを視察いただくなどし、その教育内容については高い評価をいただいているところでございます。  次に、市町村の2分の1負担についてでございます。  信州やまほいくの教育的な魅力に引かれ、自然豊かな環境で子育てしたい、あるいは働きたいと移住する方が多くいらっしゃいます。現在やまほいくとしての認定を受けた認可外保育施設を利用いただいている195世帯中、半数以上の105世帯が県外から移住されたというふうに伺っております。さらに、従事する保育者60名中、7割に当たる42名が移住された方であり、移住効果は高いものがあるというふうに考えております。  こうしたことから、本県としては、やまほいくを一層推進するため、独自の軽減措置を講じることとしたものでございます。この軽減措置は、市町村負担を義務づけするものではなく、やまほいくの教育効果や移住効果などを丁寧に説明し、協調をお願いするものでございます。今月の市長会あるいは町村会の総会、全市町村向けの説明会の中でも御説明したところ、早速協調する意向を示していただいた市町村もありますが、多くはこれから対応を検討するということでございました。  最後に、卒園後の定住効果についてでございます。  その後の追跡調査までは行っておりませんが、やまほいくの関係者からのお話によると、移住してきた卒園児のほとんどは地元の小学校、中学校に進学しているというふうに伺っており、持続的な定住効果もあるというふうに考えております。  以上でございます。       〔産業政策監兼産業労働部長内田雅啓君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(内田雅啓 君)まず、AI、IoT等先端技術による本県産業の変化の見込みなどについての御質問でございます。  内閣府が示しているデジタル化の将来像であるSociety5.0等によりますと、AI、IoT等先端技術の利活用推進の促進によって、さまざまな知識や情報が共有され、必要な情報が必要なときに提供されることから、地域や年齢、性別、言語等を問わず多様なニーズに対してきめ細やかな対応が可能となる社会が想定をされております。これによりまして、従来の産業分野の枠組みを超えた構造転換が見込まれ、本県産業におきましても、例えば、完全自動化・無人化されたスマート工場の出現ですとか、介護現場でのロボット導入による介護従事者の労働負担が大幅に軽減されるなど、生産性の向上や担い手の確保、働き方改革が進展することが期待されます。  しかしながら、県内事業者を対象とした調査では、AI、IoT等の導入済み事業者は9.4%でございまして、活用が進んでいない状況がございますので、中小企業振興センターにAI、IoT等先端技術利活用支援拠点を設置いたしまして、専門家による相談・助言体制を充実するなど利活用を推進してまいります。  さらに、産業ごとの先進事例や支援措置をまとめた利活用マニュアルの作成、配布、商工会議所や商工会との協力による経営指導員の企業訪問、セミナーやワークショップの開催、活用する際の金融財政面からの支援強化等のほか、工業技術センターで県内企業の優位性あるセンサーを最大限に生かしたIoTデバイスの開発を推進するなど、あらゆる産業分野における徹底した省力化の推進と新たな付加価値の創出等を目指してまいります。  次に、事業承継への積極的なかかわり合いについてでございます。  県内中小企業の廃業増加により地域経済の活力が奪われるおそれがあることから、事業承継の課題に積極的に取り組む必要があると認識をしております。  議員御指摘のとおり、事業承継においてはマッチング支援が非常に重要でございまして、平成26年に事業引継ぎ支援センターと後継者バンクを設置して、主に承継候補となる企業等とのマッチング支援に取り組んでまいりました。しかし、事業承継の必要性について経営者に早期の気づきを促すことが不十分であったこともあり、昨年6月に県主導のもとで、金融機関や商工団体等が構成機関となる事業承継ネットワークを立ち上げました。このネットワークでは、現在までに1,664社の事業承継診断を実施しておりまして、承継コーディネーターが診断結果に応じて事業者を訪問し、専門機関等と連携をして、早期の気づきや経営改善など事業承継に向けた積極的な取り組みを進めているところでございます。  あわせまして、承継時の資金面からの支援も重要なことから、来年度予算で事業承継の際に必要となる株式や事業用資産の買い取りなどの資金需要に対応するため、貸し付け対象者を拡充した事業承継向け資金メニューを新設する予定です。引き続き事業承継ネットワークを中心に関係機関と連携をして、準備段階から承継後まで切れ目のない支援を行ってまいります。  以上でございます。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)防災・減災、国土強靱化のための緊急対策を初めとする今年度補正予算と来年度予算の執行体制についてのお尋ねでございます。  県では、重要インフラの緊急点検の結果を踏まえ、近年頻発、激甚化している災害から県民の生命と財産を守るための防災・減災対策を今年度から3カ年で緊急的に実施してまいります。  実施に当たっては、事業の円滑な執行が重要と認識しております。建設部では、建設事務所及び砂防事務所と本庁の間で、執行に当たっての地域ごとの課題を共有し、発注方式や事務手続の簡素化について検討するなど、効率的な執行、円滑な手続に向け既に準備を進めているところであります。建設部を挙げてしっかり取り組んでまいりたいと思っております。  次に、受け手である建設業界の労働力の確保についてのお尋ねでございます。  建設業協会が会員に対して実施したアンケートや現地機関との意見交換会では、施工余力が十分にあり、緊急対策もしっかりやっていただけると伺っているところでございます。しかしながら、一時的に工事が集中すると、特定の業種において労働力の確保が困難になることも想定されます。このため、発注並びに施工時期の平準化に努めつつ、地域の実情に応じた適切な規模での発注計画を立て、その見通しを早目に公表することにより、受注者が人員配置を計画的に行える環境づくりを進めてまいります。  また、落札率や賃金へ反映すべきとの御指摘につきましては、発注者としては、より一層予定価格や工期の適正な設定、低入札対策の実施、現場の実情に応じた適切な設計変更に努めることにより受注環境の改善を図ってまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、防災・減災、国土強靱化を加速させるために、受発注者ともに円滑に事業が執行できるような環境づくりに力を入れていきたいと考えております。  次に、無電柱化の継続的な実施についてのお尋ねでございます。  無電柱化については、防災や景観、快適な歩行空間の確保などの観点を踏まえ、駅周辺などを優先して電線類の地中化を図っているところです。このたびの重要インフラ緊急点検を踏まえた緊急対策の補正予算などを活用し、災害時の交通機能を確保するため、事業実施中の箇所における整備進捗を図るほか、国道403号の小布施市街地など新たに2カ所を事業着手する予定です。  また、来年度から、地方公共団体における無電柱化の整備を計画的かつ重点的に支援する無電柱化推進計画支援事業が国により創設されました。県としては、この新たな交付金事業を活用し、来年度予算の大幅な増額を計上しているところであり、今後も積極的に無電柱化の推進を図ってまいります。  次に、歩道のリメイクについてのお尋ねでございます。  歩道面に段差のあるいわゆる波打ち歩道については、過去に市街地等で短期間に歩道を整備するため、側溝等の改修などとあわせて用いられてきた手法で、近年、利用者から勾配があって歩きづらい、凍結時に滑るなどの御意見をいただいているところです。この段差解消を目的とした歩道のフラット化を歩道リメイク事業として平成15年度より実施しております。当事業につきましては、議員御指摘の通学路の歩行空間の確保はもとより、高齢者や障害者等の安全性向上の観点からも重要と認識しており、市町村や地域の利用者の御要望を伺いながら必要なリメイク事業を継続して進めてまいりたいと考えております。  次に、建設産業の次世代を担う人づくりについてのお尋ねでございます。  建設産業の担い手確保育成につきましては、長野県就業促進・働き方改革戦略会議で設けた建設分野会議において、本年度、19の取り組みをまとめたところであり、これらを着実に実行することにより人材確保やスキルアップ等を図っていきたいと考えております。  200万円余の予算を提案させていただいている建設産業の次世代を担う人づくり推進事業は、これらの取り組みの一つで、建設系学科高校生等が測量設計工事のプロセスをみずから実践するとともに、資格取得を支援するものです。本事業では、県で講師への謝金を負担し、これに加えて、建設産業では講師派遣、資機材提供、会場準備などを、高校では授業のカリキュラムの編成などを行い、産学官が連携して取り組むことで高校生の建設分野への就業を促進する内容となっております。  また、就業に結びつけることができる修学の拠点整備につきましては、平成14年度に閉園した建設技術学園の復活を望む声があることは承知しておりますが、県といたしましては、19の取り組みの中で、これにかわるものとして、県外の専門学校との連携や技術専門校における建設分野の講座開設を位置づけたところであり、引き続き建設技術者が学ぶ機会の充実に努めてまいります。  次に、強靱な県土づくりに対する決意についてのお尋ねでございます。  昨年は、大阪北部地震や西日本豪雨、北海道胆振東部地震など、全国的に甚大な災害が頻発しました。長野県におきましても、二度にわたる震度5の地震や、豪雨、台風などにより、県内各地で災害が発生しております。今回の重要インフラの緊急点検では、これらの災害を踏まえ、点検を行った結果、長野県の河川や砂防、道路など、それぞれの分野においてさまざまな課題が明らかになり、災害時の情報伝達も含めて、ハード、ソフト一体となった取り組み強化の必要性を痛感したところです。このため、点検を受けて実施する3カ年緊急対策では、特に社会的な影響が大きく、緊急を要する箇所の対策をおおむね完了するように計画させていただいているところです。将来にわたって県民の安全、安心が確保される「いのちを守り育む県づくり」を目指して、今まさに県土の強靱化を強力に進めてまいりたいと考えております。  次に、木造在来工法と県産材の消費拡大についてのお尋ねです。  県内の平成29年度の新設住宅着工戸数のうち、持ち家に占める木造在来工法の割合は約75%であり、県民の木造在来工法への志向は高いものとなっております。  御指摘のとおり、県内の多くの人工林が伐期を迎え、これら優良材による木組みの美しさやたくみのわざなど在来工法が本来持つ魅力を積極的にPRすることは、県産材の訴求力をより高めるものと考えます。  このため、県産材の利用を要件としている環境配慮型住宅助成金では、完成時に施主に一般向け見学会の開催を義務づけており、平成29年度は3,300人余が参加しているなど、県産材活用の普及啓発に取り組んでいるところでございます。また、優秀な木造建築物を表彰する信州の木建築賞について、来年度は住宅をテーマに開催を予定しており、こういった機会を捉え、県産材活用等の優良事例のPRに努めてまいります。今後も、関係部局や関係団体との連携を図り、より効果的にPRに取り組み、県産材の消費拡大につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)3点御質問をいただきました。  1点目のTPP11及び日EU・EPAの発効による本県への影響額の算出根拠と、畜産、果樹への対応策についてでありますが、影響額は、県独自の品目も加えた上で、国の試算方法に準じて算出しており、TPP11は13品目、日EU・EPAは10品目を対象に、輸入品との競合による価格低下を想定し、影響が最大と見込まれる額を算出しております。県といたしましては、TPP協定等に係る農林業分野対応方針に基づき、国の対策を積極的に活用するとともに、県独自の対策も推進し、本県農業への影響を最小限とするための施策を展開しているところでございます。特に、影響を受けることが懸念される畜産においては、酪農での規模拡大に必要な施設の増強や牛の発情発見装置等先端機器の導入による畜産のスマート化、信州プレミアム牛肉の首都圏での販路拡大など、生産性の向上とブランド力の強化に取り組んでまいります。  また、果樹については、ブドウのクイーンルージュなど県オリジナル品種の生産拡大を進めるとともに、リンゴでは短期間で高収量が見込まれる高密植、新矮化栽培を推進するなどして稼ぐ力の強化を図ってまいります。  2点目のスマート農業についてでありますが、経験や勘に頼り、多くの人手を必要とする農業に対し、ICT等を活用して大幅な労力の削減や作業の効率化を進めるスマート農業は、女性や高齢者、新規就農者でも取り組みやすい農業を実現するとともに、生産性の向上や高品質化を図るものでございます。県では、31年度から稲作経営体に自動走行田植機やドローンなど複数の先端技術を体系的に導入するモデル農場の設置を支援するとともに、牛の出産を監視するシステムやアシストスーツなどの先端機器を農家に貸し出すお試し導入を実施をし、スマート農業の導入を加速してまいりたいと考えております。  これらの取り組みにより、例えば、稲作モデル農場では米の生産コストの17%削減を、30頭規模の肉牛農家では所得の11%増加と労働時間の16%の削減を目指してまいります。  なお、スマート農業の取り組みにより労働力の大幅な削減が期待されるものの、現時点では機械化が難しい作業につきましては、引き続き外国人を含めた労働力の確保が必要となるものと考えております。  続いて、3点目の信州花き新需要創出事業についてでありますが、この事業は、国内での花卉消費量が減少する中、若年層に対して花のある暮らしを提案することや、海外へのプロモーション活動の強化により国内外の花卉の需要拡大を図ることを目的としております。  海外市場におきましては、平成24年にオランダで開催された国際園芸博覧会で県産トルコギキョウがバイヤーに高く評価されたことを契機に、輸出が本格的に始まり、輸出額は平成29年産で約4,700万円と平成26年産の約6倍と増加をし、全国の生鮮切花輸出額の12.4%を占めております。さらなる輸出の拡大に当たり、有力バイヤーが集まる本年開催の北京国際園芸博覧会への出展や信州花フェスタにあわせて行います国際フラワーフォーラム2019の開催などによりまして、海外に向け信州の花の魅力を効果的にPRし、取引拡大を図ってまいります。  また、輸出ニーズが高いラナンキュラス、トルコギキョウなど個性のある花卉を中心に、主な輸出先である北米や香港に加え、中国市場等新たな市場の開拓により、2022年に輸出額を1億円とすることを目標に輸出の拡大に取り組んでまいります。  以上でございます。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)3点お尋ねいただきました。  初めに、スマート林業活用による林業のあり方の変化、将来予測及び事業実施の効果等についてのお尋ねでございます。  森林は広大であり、その情報把握には人手間が必要です。さらに、林業の現場は急傾斜地が多く、危険で作業も大変な現場が多いのが実態です。  こうした中で、スマート林業は、森林の詳細な情報把握や労務環境の改善、生産性の向上に大きく寄与できるので、信州大学、北信州森林組合、民間企業等と連携し、国のモデル事業の採択を受け、システム開発を実証的に進めつつ、その普及を行っているものでございます。木材を伐採する場合、人手で行う調査では、10ヘクタールの毎木調査で25人の労務が必要となりますが、ドローン調査の場合、実質15分のフライトで調査が可能となります。  また、作業現場における木材の生産情報をインターネットを活用し、事務所等で常時把握することで労務管理や輸送の効率化が図られます。さらに、この情報は川下の需要者とリアルタイムで共有する仕組みの構築を目指しております。ICT分野の技術革新は日進月歩で、このほかにも、無人の集材機の開発や四足歩行の下刈りロボット、あるいはアシストスーツ等の開発も進められており、将来的には安全と生産性の高い林業活動が具現化できるものと考えております。  今回の事業では、まずは県内の林業事業体に対し、詳細な森林資源把握に必要なICT機材の導入支援や操作方法の研修を行い、2020年度には森林調査・計画に係る労務の2割以上の縮減を進めたいというものでございます。また、その上で、木材の生産情報を共有する運用方法を構築し、木材運送コストの縮減を図ってまいりたいと考えています。これらの仕組みや今後開発される技術を全国の先頭に立って県内各地の林業事業体に普及し、安全で生産性の高い林業県を目指してまいります。  次に、観光地の景観対策としての松くい虫枯損木の処理についてのお尋ねでございます。  この取り組みは、県内の松くい虫枯損木のうち、多くの観光客が利用する高速道路沿線の、特に目にとまりやすい森林の枯損木を対象とし、森林づくり県民税実施期間中におよそ30ヘクタールを速やかに処理するものでございます。このほかの箇所でも、森林づくり県民税を活用して、ライフライン等の保全を目的とした枯損木を含む危険木の処理に新たに取り組むこととしており、既存事業を活用しつつ、計画的な解消を進めてまいりたいと考えております。  枯損木の処理については、基本的には、伐倒後、落下等のおそれがないよう林内に整理するほか、現場条件により、可能なものは現場外へ搬出できるよう支援し、木質ボイラー等での活用を促進してまいります。多くの現場は、枯損木の下層に高木性樹種が生育しておりますため、天然更新が期待できますが、植栽が必要な箇所は造林補助事業で支援してまいる所存でございます。  最後に、木質バイオマスの循環利用の普及促進に関する広報等についてのお尋ねでございます。  県では、木質バイオマスの循環利用の取り組みを通じ、再生可能エネルギーの地消地産を推進するため、市町村が実施する個人向けペレットストーブ等の導入支援を継続して行っていくこととしたところでございます。今後、環境負荷の少ない社会づくりを一層推進していくためには、議員御指摘の普及促進が肝要となります。このため、木質バイオマスに関するさまざまな情報、ペレットやまきの使い方、実際にストーブを使っている方の声、ストーブの補助制度などを載せたわかりやすい読本を作成し、市町村への配付のほか、消費者向けセミナーや各種イベントでの活用、広報誌でのPRなどを通じ、より幅広い層への浸透、定着を図っていく考えでございます。  以上でございます。       〔環境部長高田真由美君登壇〕 ◎環境部長(高田真由美 君)水道施設の耐震整備についての御質問でございます。  今回の国の補正予算は、地震や豪雨災害時の停電や土砂災害等により、上水道が長期間にわたり供給停止する事態を回避するため、水道水源開発施設整備費のメニューに基幹となる浄水場における非常用発電設備や土砂流入防止壁等の整備を新たに位置づけ、緊急対策を実施するものでございます。この整備費は、国から市町村へ直接補助されるもので、本年1月18日付で緊急対策に係る要望書の提出依頼があり、現在、対象施設となり得る全ての市町村に対して照会を行っているところでございます。
     県といたしましては、市町村に対して、補正予算の活用も含め、計画的かつ早期に水道施設の耐震整備など災害対策が推進されるように促してまいります。  以上でございます。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)3点御質問をいただきました。  まず、中山間地域介護サービス提供体制確保モデル事業の減額理由についてでございます。  この事業は、中山間地域においても高齢者が住みなれた地域で安心して住み続けられるよう、訪問系介護サービス提供体制の確保に必要な報酬体系等を検証し、その結果を国へ提言することにより報酬体系の充実等を目指すものであります。モデル市町村等と連携し、課題を検証してきておりますが、平成31年度の予算案の編成に当たりまして、モデル市町村等となっている7市町村等から事業実施見込みを聴取し、予算要求したところ、減額となっておりますが、全ての市町村の要望に十分に沿った額を計上しております。  次に、地域包括ケア市町村伴走型支援事業の目的と成果目標についてでございます。  地域包括ケア体制確立に向けては、市町村が主体となって取り組んでおりますが、昨年度県で実施した地域包括ケア体制構築状況可視化調査においても、その構築状況に差があることが明らかになっております。また、地域によって有する資源や住民意識等の背景にも違いがありますことから、全市町村を対象にした一律の支援とともに、特定の市町村に対する地域の実情に応じた個別具体的な支援が求められております。この事業の目的は、保健師、管理栄養士等の専門職や有識者とで支援チームを編成し、市町村と地域包括ケア体制構築の課題等を共有した上で、個々の状況に応じた支援を行い、課題解決を図るものであります。  また、成果目標は個々の市町村の課題によって異なってまいりますが、例えば、他地域と比較して要介護認定率の上昇が見られる市町村であれば、介護予防で効果を上げている先進自治体職員や有識者とともに、効果的な介護予防事業の構築から評価までを継続的に実施できる体制整備を成果目標に支援を実施してまいります。  次に、薬学部の誘致についてでございます。  平成28年に策定した長野県高等教育振興基本方針では、既存の県内大学にない学部等を設置し、人材定着につながる取り組みを行う大学を支援するとしております。薬学部もその一つと認識をしております。  薬剤師不足に対応できる具体的で実効ある施策の展開についてでございますが、県は、離職薬剤師を対象とした復職支援研修会や、Uターン、Iターン希望者等をターゲットにした就職・復職説明会を開催するとともに、新たに中高校生を対象とした薬剤師職能PRイベントを薬剤師会と連携して開催し、薬剤師確保に努めてまいります。さらに、薬局における薬剤師不足数やその理由を把握するための薬剤師需要状況調査を、平成31年度、初めて実施するとともに、薬剤師会等関係団体と推進会議を設置し、薬剤師確保に向けた今後の方策の検討を行い、連携して効果的な施策を推進してまいります。  最後に、障害者施設に対する監査の現状についてでございます。  県では、障害者施設について、施設の新築や改築などの施設整備に対する補助や点字図書館、盲人ホームの運営費に対する補助などを行っており、法令及び補助金等交付規則に基づき、事業実績報告書等の審査や現地調査により適正に執行されているか検査をしております。また、補助金に限らず、障害者施設や事業所の運営には、国、県、市町村が負担する自立支援給付費が支給されておりますことから、必要な人員や設備などの基準を満たしているかについて、おおむね二、三年ごとに現地に赴いて実地指導をしております。  こうした審査、確認に加えて、障害者施設などを運営する社会福祉法人については、法人運営、事業の実施状況、人事管理、資産管理、会計管理などについて定期的に指導監査を実施し、法人の適正な運営の確保を図っております。  以上でございます。       〔観光部長熊谷晃君登壇〕 ◎観光部長(熊谷晃 君)2点お尋ねをいただきました。  まず、宿泊者数などの増加に向けた取り組みについてでございます。  日本人、外国人を問わず、旅行のスタイルが個人旅行を中心へと大きく変化する中で、旅する人々の関心が多様化しているため、これまでの山、雪、花といった素材のPRだけではなく、アウトドアや温泉、グルメなど具体的な体験や事消費などを含め、さまざまな素材を組み合わせた旅行商品が開発されることが大切であると認識をしております。そのため、昨年は、誰もが安心して楽しめる観光地域づくりを進めるユニバーサルツーリズム推進会議や、大規模イベント、国際会議等の誘致に取り組むMICE推進協議会を設置したほか、今月末には、インバウンドに意欲ある事業者の皆さんとインバウンド推進協議会を立ち上げ、それぞれにターゲットを明確にした商品づくりなどの取り組みを展開してまいります。  また、造成された商品を生かすためにも、戦略的な情報発信の強化、二次交通の整備、キャッシュレス決済や無料Wi-Fiなどの受け入れ環境の整備にも取り組んでまいります。  今後とも、観光戦略に掲げる目標の達成を目指し、我が国における本県のプレゼンスを高めてまいりたいと考えております。  次に、市町村をネットワーク化した発信と誘客についてでございます。  御指摘のとおり、一つの観光スポットだけでなく、近隣市町村の見どころや体験、食などの魅力を結びつけて発信することで、旅人には行ってみたいという気持ちが高まり、長期滞在やリピートにもつながってまいります。そのためにも、複数市町村にまたがる地域全体を一つの広域観光圏として、魅力的なストーリーに沿って稼ぐ観光地域づくりをリードする広域型DMOの形成を進めているところでございます。来年度には、現在三つに分散されている公式観光サイトを統合し、戦略的な情報発信を強化することとしており、各市町村にある観光スポットを相互に関連づけるとともに、現在形成が進んでいる広域型DMOのエリアごとに地域の魅力やストーリーを面的に発信してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず、高校の授業におけるICT機器の活用についてでございます。  知識習得型の授業場面として、例えば、数学では、三角錐などの立体的な図形を電子黒板上で回転させ、さまざまな角度から見ることで空間的なイメージを捉えやすくでき、また、地理では、地図アプリを利用して、都市や地形の様子を航空写真でピンポイントに提示して説明するなどしているところであります。また、英語の授業では、日本で起きたことを紹介している海外のニュースなどを動画で流し、教材として取り入れているといった活用をしています。このように、ICT機器を活用することで、画像や音声など今まで利用できなかった豊富な教材を使って生徒の興味関心を引き出し、よりわかりやすい授業が展開できているところであります。  また、探求型の授業場面では、生徒各自がタブレット端末でまとめた内容を電子黒板に並べて提示することで、互いの考え方が比較でき、他者の考え方から気づきを得るなどして、クラス全体での協働的な学習を深めているところでございます。課題の発見、解決に向け、情報を主体的に収集、分析、表現するといった活動を行う探求型の学習では、ICT機器の効果的な活用が欠かせないものであるというふうに考えております。  今後、これまでに機器整備を行った高校によるICT活用のすぐれた実践事例を県内高校で共有するなど、知識習得型、探求型の両面でさらに活用を推進してまいりたいというふうに考えております。  二つ目、小中高校と連続性のあるICT活用能力の育成についてでございます。  ただいま答弁しましたとおり、高校の授業についてはICTの活用が進み始めておりますが、これは、29年度から本格的にICT機器を導入し、教師、生徒が積極的に利用できる環境が整備されたことが大きいというふうに考えております。  こうしたICTを活用した授業は、小中高校と連続性を持つことが望ましいことから、29年5月に開催した県と市町村との総合教育懇談会におきまして、小中学校においても同一歩調で機器整備を進めていくことを提案し、共同調達の枠組みをつくり、取り組みを進めているところでもございます。  同時に、教員のICT指導力についても向上させていくことが重要でありますことから、小中高校の教員が互いの授業を見合い、活用方法を学ぶ研修の取り組みも始めておりますし、あわせて、29年度には、県下の全ての小中学校教員に教科ごとの活用方法を例示したICTハンドブックを配付し、指導力の向上に努めているところでございます。引き続き、ICTを活用して、児童生徒が協働で課題を解決していく探究的な学びの充実に小中高校を通じて積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。       〔警察本部長伊藤泰充君登壇〕 ◎警察本部長(伊藤泰充 君)予測型犯罪抑止システムについてお尋ねがございました。  近年の犯罪情勢は、刑法犯認知件数が平成14年以降17年連続で減少している一方で、特殊詐欺や児童虐待、ストーカー、DV等の人身安全関連事案は高水準で推移しており、県内の治安は依然として予断を許さない状況にございます。  そうした中で、犯罪に対して有効かつ効率的な対策を講ずるには、絶えず変化する犯罪情勢の分析を高度化し、その分析に基づいた取り組みをしていく必要がございます。  今回導入を考えております予測型犯罪抑止システムは、過去に発生した犯罪の時間的、場所的要因を分析し、将来の犯罪発生リスクの高い地域や時間帯の予測を可能とするものであります。当該システムを捜査に活用することにより、連続発生する窃盗や性犯罪等に対する検挙力の強化を図ることができます。また、犯罪発生リスクの高い場所を地図上に表示させ、効果的なパトロールルートを作成することが可能であり、これを警察官のパトロールに活用するほか、表示された結果を地域住民に対する情報提供や防犯ボランティアとの協働活動などにも活用し、犯罪の抑止活動を効果的に行うことが期待できるものであります。  以上でございます。       〔43番清沢英男君登壇〕 ◆43番(清沢英男 君)続いて、県の三つの条例についてお聞きします。  一つ目は、略称自転車条例案についてでありますが、県民文化部長に伺います。  1点目、条例は法の遵守を前提としていますが、損害賠償保険が義務化されます。その加入により、自転車事故へのおそれが心理的に緩慢になり、自転車の危険運転の横行が日常化しないかという危惧を抱きますが、この点をどうお考えか。保険加入は、自転車利用者の利益を想定していると思いますが、歩行者や自動車運転者が対自転車で冷やりとする体験は今も日常であります。  2点目、自転車利用者の立場に立ってみたとき、いまだ自転車専用道が設けられている道路はわずかであり、路側帯や路肩が狭かったりすれば、勢い自転車は、車道の端や、狭い歩道であっても危険な状態の中で走ることになります。本条例の理念である健康増進、環境への負荷低減、観光振興は、それ自体大いに賛同するものですが、理念を現実化すべき自転車向けのインフラ整備は同時に行われなければなりません。その点を条例で県の責務として明確化すべきではないでしょうか。  3点目、自転車愛好家が県外から訪れて県内の道路を走行する、また、イベントに参加するなどの場合、本条例の損害賠償保険加入の義務には不案内というケースが想定できます。また、他の損害保険に加入していて、当該条例の保険加入は重複となってしまう場合など、県内外の皆さんへの広報が大切になります。市町村や関係団体、学校、企業などとの協働による広報も必要でしょう。条例制定をどのように県民の皆さんに認知していただくか、お考えをお聞きします。  条例の二つ目として、いわゆる種子条例について農政部長に伺います。  1点目、いわゆる種子法の廃止が条例制定のきっかけとなりました。種子法が昭和27年に成立した当時、国は戦後の食料不足を継続していました。そこで、国民に大切な食料である米、麦、大豆の増産を図るべく、国は都道府県にその土地で最適に増産できる米等の奨励品種の試験や原種の生産を義務づけ、それを各農家や農協に安く配分して作付してもらうようにしたのが種子法です。シナノコガネやナガノホマレなど信州に根差した米の品種等が記憶にはありますが、やがてコシヒカリなどの全国品種に圧倒され、しかも過剰生産になって生産調整が始まりました。こうして食料増産を主たる目的とする種子法の役割は終えんしたようにも見えるのですが、そのほかにも、米等の主要農作物が種子法を制定した当時に比して何が変わったのか、その事情と種子法廃止に至った経緯について農政部の御見解をお聞きします。  2点目、種苗法についてですが、この法律により、米、麦、大豆の種子の品質基準が定められており、種子法廃止以後も種子の品質低下は避けられることが種苗法で担保されているとの意見がありますが、農政部の御見解はいかがでしょうか。  3点目、長野県の種子条例で、生産技術的に民間と県の連携は可能なのかどうか。また、民間が外国籍であった場合の連携は想定しているのかどうか。さらに、長野県の種子が外国企業に流れて逆輸入の可否で県民の皆さんが困窮する事態が起こらないという保証はあるのかどうか、それらにお答えいただきたい。  4点目、種子法のもとで行われてきた原種センターや種子生産等のスキームは今後も維持されるのかどうか。また、それについての課題は何かお聞かせいただきます。  5点目、主要農作物を対象にした種子法では交付税が措置されてきましたが、今後はどうなるのか。継続されるとしたら、その根拠法は何か。また、条例骨子案はソバや伝統野菜も対象としますが、新たに加わる種子についても交付税措置がされ、条例案に言う財政上の措置に足る財源が確保できるかどうか、お尋ねいたします。  条例の三つ目は、性被害防止条例に関して警察本部長に伺います。  県警は、条例成立後、4件の違反行為を摘発しています。前の2件については違反容疑や処分について公表していますが、その後の2件については任意捜査を理由に内容を公表していません。捜査方法には強制捜査と任意捜査があり、任意の場合は捜査対象者の承諾のもとに行われ、裁判所の令状も不要で、人権侵害のおそれも少ないとされています。  そこで、内容を一般的に公表しないとする昨年の2件につき、犯罪の抑止力という観点で妥当性があるのだろうかという率直な感想を持ちます。当該条例違反が内心にかかわる部分があるのかどうか、告発者が捜査対象関係者かどうかなど、事件について公表できる可能な概略を示していただいて再発抑止につなげることが大切ではないかと考えますが、本部長の御所見をお聞かせいただきたいと思います。  子育てとインフルエンザについて健康福祉部長に伺います。  1点目は、今冬のインフルエンザの流行に対して、県の予防啓発やインフルエンザの爆発的な感染拡大への対応等についてどう捉えておるのか伺います。  2点目、北信地方の児童がインフルエンザ感染後に脳症を発症して死に至ってしまいました。大変残念なことでお悔やみを申し上げるものです。  インフルエンザに罹患しないようにワクチンの予防接種を受けることが勧められています。13歳以上は1回の接種で必要な免疫力が上昇する一方、13歳未満の子供の場合は2回接種しないと十分な抗体が得られない。大人に比べると、それほど免疫力が高くないためです。2回接種は、厚生省のガイドラインにも示されていますが、問題は接種費用についてであります。  インフルエンザワクチンは、任意接種で自由診療扱いです。保険金適用も医療費控除もありません。1回の接種費用が、医療機関によって相違がありますが、3,500円から5,000円で、これを2回受けなければなりません。子供が3人いれば、安いほうでも2万円以上、高いほうなら3万円の負担を必要とします。保護者にとってみれば、流行が確実視されていない段階での予防接種の負担額は大きなもので、接種を避けてしまう場合もあるのです。そんな未接種の子供が次々に感染し、やがては授業閉鎖まで追い込まれるケースもあります。  人口減少の時代、子供を1人でも多く産んでほしいという社会の思いが真剣な中、一方で、インフルエンザワクチン接種費用を捻出できなかったために仮に子供を病に倒れせしめたとすれば、まことに残念なことで、かけ声倒れの子育て政策になってしまわないでしょうか。  高齢者の方々には助成されているのが一般的で、それはそれで大事なことですが、子供に対しても助成措置があってもいいのではないか。全世代型福祉を唱える国にも、保護者が罹病した子供の看病で休まなければならなくなる事情を回避するためにも、この点、一考を促したいと思うのです。  一方、子供のインフルエンザワクチン接種費用の助成制度を実行している市町村もあります。  そこで伺いますが、かかる助成制度につき都道府県単位で行われているケースがあるかどうか、また、県内の市町村ではどうなのか、現況をお聞かせいただきます。  その上で、今般のような罹患数が驚異的な広がりを見せた状況に鑑み、子育て政策の一環として、県が独自の方法で子供のインフルエンザワクチン接種に経済的支援を打ち出せないか、御見解をお聞かせいただきます。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)自転車の安全で快適な利用に関する条例案について3点の御質問でございます。  まず、保険加入による危険運転増加への懸念についてでございます。  本県に先行して自転車の保険加入を義務化した六つの府県の状況を見ますと、条例制定の前後で、自転車事故の年間発生件数が約7%減少しております。保険への加入義務化にあわせて行われる安全教育の強化とともに、自転車の安全利用への意識が高まっているものというふうに捉えております。  県としては、まず関係機関と協働し、事故を起こさないための対策の充実に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  例えば、中学生から高校生に対しては、スタントマンによる自転車事故の状況を目の前で再現する視覚的な安全教育や、自動車教習所の教習コースで実技的な自転車教室を開催することなどを通じまして、法令遵守とマナーの向上を図ってまいります。  また、交通ルールを守らない自転車運転者に対しては、警察を初めとした関係機関・団体と連携した街頭指導や啓発活動を行い、自転車の安全利用を促してまいりたいというふうに考えております。  次に、県の責務としてのインフラ整備の明確化についてでございます。  条例案を検討する過程で、県民の皆様からは、自転車の利用促進の大前提としてインフラ整備が重要であるという御意見を多くいただいております。条例案では、基本理念にのっとり、自転車の利用に関する総合的で計画的な施策を推進するため、自転車活用推進計画を県が策定し推進することを定めておりますが、この計画には、路面標示や市街地での無電柱化とあわせ、自転車が走行しやすい通行環境の整備や、既存のあづみ野やまびこ自転車道や千曲川サイクリングロードの改修、そして諏訪湖周サイクリングロードの整備、さらに県管理の道の駅のサイクルステーション化など、インフラの整備計画を盛り込んでいきたいというふうに考えております。  こうしたインフラ整備の実施に当たっては、国や市町村等との調整が重要でありますので、関係する機関と連携して基本理念の実現に向けて取り組んでまいります。  次に、条例の周知についてでございます。  本県の自転車利用に関する条例案は、自転車事故のない安全、安心な県民生活の確保を目指すとともに、健康増進や環境の負荷低減、観光振興までを視野に入れた幅広い内容としております。これらを広く周知し、御理解いただいて、初めて条例の趣旨が生きてまいりますので、県ではあらゆる媒体を活用して保険加入促進を含めた広報を展開してまいります。  自転車販売店のポスターやチラシの配布に始まり、PTA連合会と協働して、児童生徒、保護者向けに周知を図るほか、小学生低学年向けに親子で学べる自転車安全利用ルールブックを作成し、教育委員会、関係する機関と協働して、安全利用を促進してまいります。  また、観光客等に対しては、サイクルツーリズムの専用ウエブサイトにより、国内、海外向けに強力な情報発信を行うとともに、海外からのサイクリストの方々には、長野駅、松本駅といった鉄道やバスから自転車に乗りかえるゲートステーションにおいて多言語パンフレットによる周知も行ってまいります。  さらに、交通安全団体や損害保険会社等と連携し、保険加入義務化のみならず、自転車の交通ルール、マナー向上も含めて広報啓発に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)種子条例骨子案の関連で5点御質問をいただきました。  まず、1点目の主要農作物を取り巻く状況の変化と種子法廃止の経緯への見解についてでありますが、取り巻く状況につきましては、種子法制定当時から現在まで二つの大きな変化があったと考えております。  一つ目は、議員御指摘のとおり、国を挙げた増産体制から需要に見合った計画生産への移行であります。  二つ目は、多様な品種への期待であります。食味や加工適性など実需者、消費者のニーズに対応した特性や、猛暑などの過酷な気象条件に対応した新品種が求められてきております。このような状況の中、国は、農業の戦略物資である種子について、多様なニーズに対応するため品種開発を進める上で、都道府県と民間企業の競争条件を対等にするために種子法を廃止したと説明をしております。  県といたしましては、種子法廃止後も主要農作物種子の生産、安定供給は、本県の水田農業の振興や県民への食料供給の礎となる重要なものと考えております。  2点目の種子法廃止後の種子の品質の担保についてであります。  種子法に基づき規定をされていた種子の品質基準につきましては、同法の廃止に伴い、全て種苗法に基づく指定種苗の生産等に関する基準に新たに規定をされたところでございます。現在、この基準に基づき、生産現場において種子生産圃場の設置や審査が行われていることから、稲、麦類、大豆の種子の品質は種子法の廃止前と同様に担保されているものと考えております。  3点目の種子に関する民間企業との技術的な連携などについてでございます。  種子法のもとでも民間企業との連携は可能な状況でございましたが、現在検討している条例のもとでも、国内外を問わず、民間企業との連携は可能と考えております。  一方で、民間企業との連携に当たっては、長野県の生産者、消費者にメリットがあるのか、また、新品種開発に係る技術ノウハウなど県の持つ知的財産がしっかりと守られるのか、さらに、安定的な種子の生産供給につながるものかなどを慎重に判断してまいりたいと考えております。  また、県が育成した主要農作物の種子の海外許諾は考えておりませんが、万一本県にとって具体的なメリットがあり、許諾を行う場合であっても、許諾契約書に我が国への輸出禁止を明記するなど、本県農業への影響が生じないようしっかりと対応してまいります。  4点目の原種センターや種子生産等に係るスキームの維持についてでありますが、将来に向けて主要農作物の種子の安定供給の仕組みをより確実なものとするため、条例骨子案に種子生産等に係る原種センターの役割を明確に位置づけるとともに、種子法で規定されていた種子生産のスキームを全て盛り込んだところでございます。  また、課題といたしましては、種子生産農家の高齢化や産地の維持、種子を調整する施設の老朽化などがあると考えております。これらの課題に対しましては、条例骨子案の中に種子生産者等への支援を盛り込んでいるところでございます。  5点目の種子法廃止後の交付税措置と新たに対象に加わる種子に係る財源の確保についてでございます。  主要農作物の種子生産に係る地方交付税につきましては、種子法の廃止後も、種苗法等に基づき、引き続き措置されることが国から通知をされているところでございます。今回の条例骨子案においては、施策の推進のための財政上の措置について明記したところでございますが、ソバの種子生産や伝統野菜の最新技術の指導、遺伝資源としての種子の保管については、これまでも県や原種センターの既存の予算の中で対応しておりまして、今後も対応できるものと考えております。  なお、信州の伝統野菜への支援につきましては、平成31年度に予算を増額し、新たな取り組みとして種のとり方の指導会の開催などを行ってまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。       〔警察本部長伊藤泰充君登壇〕
    ◎警察本部長(伊藤泰充 君)子どもを性被害から守るための条例違反事件の検挙についての公表についてお尋ねがございました。  県警察では、検挙した事件に係る報道発表につきましては、関係者のプライバシー等の権利、利益、公表することによって得られる公益、公表が捜査に与える影響等を個別具体の事件ごとに総合的に勘案してその是非等を判断しているところであります。  平成29年に送致した2事件につきましては、当該条例が制定された後、罰則を適用した初の事例でありましたので、同種事案の再発防止等、公表することの利益が期待できることから、その他の諸要素も含めて総合的に勘案した上で公表したところであります。  一方、平成30年に送致した2事件につきましても、同様に諸要素を総合的に勘案した上で公表を差し控えたものであります。県警察としては、引き続き適切な広報に努めるとともに、子供を性被害から守るため、学校、教育委員会等の関係機関と連携し、情報モラル教育等の非行防止活動、保護者に対する啓発活動等の取り組みを行ってまいります。  以上でございます。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)インフルエンザについて2点御質問をいただきました。  まず、インフルエンザ予防啓発や感染拡大への対応策についてでございます。  インフルエンザ流行前の11月に、医療機関や社会福祉施設等に対し施設内感染の予防について周知を実施いたしました。今シーズンの流行の急拡大を受け、1月23日に集団感染が懸念されます学校、社会福祉施設、医療機関等約8,400の施設に対し、感染拡大防止に向けた再度の注意喚起を行いました。  また、高齢者等が集団生活を行っている社会福祉施設に対しては、施設内感染予防対策の自己点検を行うためのチェックリストを新たに作成し、配付をしたところでございます。  さらに、感染が拡大したため、1月31日に県民や事業主の皆様に感染拡大防止の協力をお願いする県からのメッセージを発出いたしました。  次に、子供のインフルエンザワクチン接種に対する助成制度を設けている都道府県についてでございますが、確認した範囲では助成制度を設けている都道府県はございません。県内では、44の市町村において費用の一部を助成しております。  子育て支援策の一環とする県独自の経済的支援についてのお尋ねでございますが、予防接種制度においては、インフルエンザの予防接種は、重篤な合併症の予防等の観点から、特に重症化が懸念される65歳以上の高齢者等は法に基づく予防接種として位置づけられております。  一方、子供に対するインフルエンザの予防接種は任意の接種として位置づけられております。県としては、子供のインフルエンザ予防接種に助成を行うことについては、こうした予防接種制度の趣旨を踏まえ、慎重に検討していく必要があると考えておりますが、本年10月からの幼児教育無償化以降の新たな子育て支援策について、県と市町村の子育て支援合同検討チームで検討を開始したところでございますので、議員御指摘の経済的観点からの支援につきましては、このような場において関係者の御意見をお聞きしていきたいと考えております。  以上でございます。       〔43番清沢英男君登壇〕 ◆43番(清沢英男 君)新しい時代が幕を開くと同時に県土の強靱化や技術革新の大型予算が盛られました。新元号元年が、長野県が変わった元年として記憶されますことを願って、質問を終わります。 ○議長(鈴木清 君)この際、午後1時30分まで休憩いたします。         午後0時24分休憩          ──────────────────         午後1時30分開議 ○副議長(小林東一郎 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて発言を許します。  信州・新風・みらい代表下沢順一郎議員。       〔24番下沢順一郎君登壇〕 ◆24番(下沢順一郎 君)下沢順一郎です。信州・新風・みらいを代表して順次質問してまいります。よろしくお願いします。  G20関係閣僚会合の開催について伺います。  本年は、4月に今上陛下が退位され、5月に皇太子殿下が天皇に即位され、平成が終わり、新たな時代の幕あけとなります。そのほかにも、4月の統一地方選挙、7月の参議院選挙、9月のラグビーワールドカップ、来年度には東京オリンピック、そしてパラリンピックなどの大規模な行事が予定されています。  本県では、本年6月15日、16日に、軽井沢においてG20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合が開催されます。テーマとなる環境問題に関して世界の動きに目を向けますと、地球温暖化による影響、とりわけ海面上昇、自然災害の頻発と大型化、感染症の拡大、食料問題などさまざまな問題が危機感を持って取り上げられています。  そのような中、2015年にフランス・パリで開催されたCOP21において採択されたパリ協定は、地球温暖化の原因である温室効果ガスの削減に向けた大きな転換点になったと言えるでしょう。そのパリ協定では、科学的な知見を踏まえた上で、世界的な平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2度より十分下方に抑えるとともに1.5度に抑える努力を追求すると掲げられ、今世紀における脱炭素社会の構築に向けた長期目標が世界共通の合意事項として位置づけられました。  昨年12月にポーランドのカトヴィツェで開催されたCOP24においては、パリ協定の実施方針について詳細なルールが採択されました。これにより、世界の温暖化対策が2020年から本格的に運用される準備が整ったとされています。  世界では、既にビジネスの分野において、電気自動車に搭載する電池など脱炭素に関する技術開発が熱を帯びています。また、企業が取り組む二酸化炭素排出量削減の取り組みなどを重視して踏襲を行うESG投資が約2,500兆円規模に膨らむなど、環境問題をむしろチャンスと捉えた活動が広がっており、国連の定めるSDGsの領域にどのように取り組むかが重要な経営戦略の一つになりつつあります。  長野県においては、平成25年に地球温暖化対策と環境エネルギー政策を統合して推進するため、長野県環境エネルギー戦略を策定し、昨年度には国内外の経済社会情勢の変化に対応するための中間見直しが行われました。この戦略は、経済は成長しつつ、温室効果ガス総排出量とエネルギー消費量を削減させる、いわゆるデカップリングにより、持続可能で低炭素な環境エネルギー社会の実現を目指すという世界の潮流と照らし合わせても先進的なものであり、各方面からの評価も高いと聞いています。  さらに、一昨年9月には、地域再生可能エネルギー国際会議2017を開催し、国内外の11の首長による意見交換などをもとにして、再生可能エネルギー100%地域を目指した新たな取り組みと連携の行動開始が長野宣言として取りまとめられています。  このように、国際社会が地球環境の保全と持続可能な社会の実現に向けて大きく動き出している中でG20関係閣僚会合が長野県で開催されることはまことに意義深いものだと感じております。また、G20首脳会議において、政府は、環境エネルギー問題だけでなく、深刻化する海洋プラスチックごみの削減についても合意を目指すとしています。  世界のプラスチックごみの発生量は2015年に3億トンを超えており、1980年の約5,000万トンから35年間で約6倍にふえているという統計があり、海に流れ出たプラスチックごみは、観光や漁業に悪影響を与えるばかりでなく、マイクロプラスチックとなり、生態系への影響が懸念されています。海洋プラスチックごみも世界が直面している大きな課題の一つであり、長野県は海に面していないとはいえ、河川は最終的には海に流れ込むことから、上流県として果たすべき役割は大きいのではないでしょうか。  そこで、環境部長にお聞きします。  G20関係閣僚会合の開催を契機として、上流県である長野県では、海洋プラスチック問題に対してどのような取り組みを進めていこうと考えているのでしょうか。  また、中島副知事は、昨年国際会議に出席され、長野県の環境エネルギー分野等において先駆的な取り組みを紹介されたと聞いていますが、その経験をどのように31年度予算に反映されたのか。そして、今後の長野県の環境エネルギー政策をどのように展開されるのかお聞きします。  また、今回のG20関係閣僚会合は、環境分野、エネルギー分野の大臣を初め、事務方も含めると多くの方々が海外から集まる大規模なものであり、本県の環境エネルギー政策のみならず、豊かな自然や食材、文化、最先端産業など、長野県の魅力を世界に向けて広くPRする絶好の機会となると考えます。  そこで、このG20という大きな国際会議を通じて我が県の魅力をどのように世界に向けて発信していくのか。また、G20の開催を今後の長野県の発展にどのように生かしていくのか、知事にお聞きします。  さて、1月10日付で新県警本部長に伊藤泰充氏が着任されました。本部長は、6月に開催されるG20関係閣僚会合に臨まれることになります。平成28年にも同じく軽井沢町においてG7交通大臣会合が開催されましたが、今回予定されている閣僚会合はそのときを上回る規模の警備となることが予想されます。長野県でのG20閣僚会合を成功させるためにも、県警察においてはぜひ警備に万全を期していただきたいと思います。  そこで、この国際会議の開催に伴い、3点ほどの事案についてお聞きします。  まず、要人に対するテロ対策であります。  今回、各国から環境、エネルギー各担当の大臣などの要人が来県されます。世界各国では、いまだ要人を狙ったテロが発生しており、要人の安全確保は最重要課題となるでしょう。また、環境保護団体への対応も生じます。  昨年12月、日本は国際捕鯨委員会、IWCからの脱退を表明しました。私は、この決定には異論がありますが、政府が発表したからには、グリーンピースなどの強硬な反捕鯨団体などの活動が活発化する可能性は否定できません。そして、交通渋滞対策があります。開催地の軽井沢町には年間を通じての観光客流入があり、慢性的な交通渋滞が発生しています。この国際会議の開催に当たり、交通規制も行われるでしょうが、地域住民や観光客への影響を最小限にしなければなりません。  そこで、お聞きします。  こうした課題を踏まえつつ、持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合にかかわる県警察の警備対策及びそれに対する意気込みについて県警本部長にお聞きします。  ゴールデンウィーク10連休対策についてお聞きします。  政府は、2018年11月13日、新天皇が即位する19年5月1日と即位礼正殿の儀がとり行われる19年10月22日を祝日とする特別法案を閣議決定しました。ただし、5月1日と10月22日の祝日は来年限り、祝日法の規定により、祝日に挟まれた4月30日と5月2日も休日となるため、19年は4月27日から5月6日までの10連休となります。  そこで、10連休による県民生活への対応についてお聞きします。  産業界の月末払い対策についてであります。  多くの企業、商店では、月末払いが多くなっています。契約によりますが、月末が銀行の休日であれば、翌営業日になります。2019年のゴールデンウィークにおいて、4月末払いの場合は5月7日になります。ただし、前払いであれば4月26日です。月末の支払いが翌月の7日の場合、従業員の給与の支払いが7日になる会社も出てきそうです。銀行の業務が充実するとはいえ、働き方改革の影響により資金繰りに困る商店、企業も予想されます。そこで、そうした事業者の資金繰りに対する県の支援策について産業労働部長にお聞きします。  観光への促進策についてお聞きします。  観光業界からは今回の10連休の需要への期待は大きいものがあります。海外旅行が例年にない売れ行きを見せる中、県内観光地への入り込みの増加も見込まれます。この10連休の誘客の促進に取り組んでいくことも重要ですが、一方で、この連休に観光が集中して、連休後の落ち込みや観光客が少なくなる6月にかけての誘客が心配されるところです。県として、ゴールデンウィークも含め、春の誘客対策をどのように考えるか、観光部長にお聞きします。  地方財政対策についてお聞きします。  ラガルドIMF専務理事は、記者団に、世界経済は2年間着実に拡大したが、足元は想定よりも成長が鈍化しており、リスクは増大していると指摘。世界的な景気後退が目の前に迫っているという意味かと言えば、そうではない、ただ、世界的な経済成長がより急速に減速するリスクは増大したとの認識を示し、深刻な景気鈍化に備えるよう政策当局者に呼びかけたとされています。  ロイターが市場関係者を対象に行ったアンケート調査によると、日本経済が2019年度中に景気後退入りする可能性が高まっているとの見方が7割を超えたとのことであります。そのような中、政府は12月31日、平成31年度予算案を閣議決定しました。一般会計総額は101兆4,564億円と7年連続で過去最大となり、当初予算として100兆円の大台を初めて超えています。来年10月に予定される消費税増税に備えた経済対策費の2兆280億円を押し上げ、社会保障費や防衛費も過去最大となりましたが、歳入面では、景気回復に伴う税収増により、新規国債発行額は32兆6,598億円と9年連続の減額です。ただし、厚生労働省による勤労者実態調査の統計法違反の影響で予算の組み替えが行われる予定もあり、今年度の先行きには不安感が拭えません。  そこで、お聞きします。  一般財源総額の確保と質の改善についてお聞きします。  地方税が増収となる中で、地方交付税総額について、前年度を0.2兆円上回り16.2兆円を確保するとともに、臨時財政対策債を前年度から0.7兆円を抑制したとして、政府は地方財政の健全化に貢献しているとされていますが、臨時財政対策債について廃止を主張する知事の見解をお聞きします。  幼児教育の無償化にかかわる財源の確保についてお聞きします。  平成31年10月から実施する幼児教育の無償化にかかわる経費について、消費税率の引き上げに伴う地方の増収がわずかであることから、地方負担分を措置する臨時交付金を創設し、全額国庫により対応するとしていますが、長野県への影響と課題について県民文化部長にお聞きします。  環境性能割の臨時的軽減にかかわる財源確保についてお聞きします。  消費税率引き上げに伴う需要の平準化のための自動車税環境性能割及び軽自動車税環境性能割の臨時的軽減による減収について、地方特例交付金により全額補填するとされていますが、長野県への影響を総務部長にお聞きします。  防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策への対応についてお聞きします。  緊急対策にかかわる事業費1.2兆円を計上するとともに、これと連携しつつ地方が単独事業として実施する防災インフラの整備を推進するため、新たに緊急自然災害防止対策事業費0.3兆円を計上していますが、長野県における事業計画について建設部長にお聞きします。  行財政改革推進本部についてお聞きします。  県の平成31年度当初予算案について、人口減少・高齢化が進行する中、行政・財政改革実行本部を設置して持続可能な行政経営体制と財政構造を構築するとされています。しかし、平成23年に、社会情勢の変化や新たな課題に対応した簡素で効率的、効果的な行政運営を確立し、持続可能な財政構造の構築を図るため、行政・財政改革推進本部が設置されています。行政・財政改革実行本部は行政・財政改革推進本部とどのように違うのか、知事にお聞きします。  わくわく地方生活実現政策パッケージについてお聞きします。  まち・ひと・しごと創生総合戦略について、「第1期の総仕上げと次のステージに向けて」と称して、昨年12月に改訂版が出されました。  そこで、地方生活実現政策パッケージについてお聞きします。  まず、UIJターンによる起業・就業者創出についてですが、東京23区在住者、または千葉県、埼玉県、神奈川県から23区への通勤者を対象に、地方へのUIJターンによる就業促進に向けて官民連携による移住者の視点で情報を提供する。県が行うマッチング支援事業として、地方の中小企業等の求人広告を提供するマッチングサイトの開設などの取り組みを支援。求人情報に加え、住まいの情報を含む生活情報を参照可能にする。そして、都道府県による求人情報を、民間事業者とも連携して、東京圏の求職者や移住希望者が一元的に検索できる仕組みを構築するとあります。今回の目玉は、地方へ移住し、就業した場合、最大で100万円、地域課題解決事業を起業した場合に最大300万円補助するというものです。県としての考え方についてお聞きします。  続いて、現在職についていない女性、高齢者の新規就業の促進及び人手不足に直面する地域の中小企業等の人材確保に資することを目的として都道府県が実施する女性、高齢者等の新規就業支援のための取り組みを、国は、地方創生推進交付金により支援するとしています。県は、官民連携のプラットフォームを形成し、地域の実情に応じて掘り起こし、職場環境改善支援、マッチング等の一連の取り組みを、ハローワークや公的職業訓練など既存の制度も最大限活用しながら民間企業のノウハウを取り入れ、一体的かつ包括的に実施するスキームを構築するとありますが、以上2点、県の方針を産業労働部長にお聞きします。  地方の魅力を高めるまちづくりについてお聞きします。  中枢中核都市の機能強化についてですが、東京圏への転出超過数の多い地方公共団体は、政令指定都市や中核市などの中枢中核都市が多数。しかし、中枢中核都市は活力ある地域社会を維持するための中心、拠点として近隣市町村を含めた圏域全体の経済、生活を支え、圏域から東京圏への人口流出を抑制する機能を発揮することを期待するとしています。  そこで、この問題に対応しようとしている中枢中核都市の課題にハンズオン支援を国がするとしていますが、県としての考え方を企画振興部長にお聞きします。  人口減少に対応するため、コンパクトプラスネットワークのまちづくりが重要で、特に、高度経済成長期を中心に開発された住宅団地を含めた取り組みを強化するとしています。高齢化した居住者が住み続けられ、若者や子育て世代にとって魅力のある町への再生を、住宅団地を含む一定の地域において、エリア限定的にワンストップで用途規制にかかわる手続の柔軟化等を実現する制度の構築を検討するとしていますが、県としての対応について建設部長にお聞きします。  自治体戦略2040構想についてお聞きします。  人口減少下において満足度の高い人生と人間を尊重する社会をどう構築するかとして、2040年ごろをターゲットに人口構造の変化に対応した自治体行政のあり方の検討がされています。  自治体戦略2040構想研究会の第2次報告が平成30年7月3日に公表され、地方制度調査会も12月18日に第2回総会が行われています。総会において、現地調査や民間からのヒアリング、平成合併の検証、定住自立圏構想の検証なども今後行われていくことになりました。  そこで、知事として今後の自治体の協力関係のあり方並びに調査会に期待することについてお聞きします。  第2次報告として、特に若年労働力の絶対量が不足するという観点から人口減少時代のパラダイムへの転換が必要だとし、「スマート自治体への転換」、「公共私によるくらしの維持」の課題解決への施策を示しています。  「スマート自治体への転換」では、経営資源が大きく制約されることを前提に、従来の半分の職員でも自治体が本来担うべき機能を発揮できる仕組みが必要であり、全ての自治体で、AI、ロボティクスが処理できる事務作業は全てAI、ロボティクスによって自動処理する破壊的技術を使いこなすスマート自治体へ転換する必要があるとしています。県の考え方について企画振興部長にお聞きします。  また、標準化された共通基盤を用いた効率的なサービス提供体制をしくこと、自治体ごとの情報システムへの重複投資をやめる仕組みが必要で、円滑に統合できるように期限を切って標準化、共通化を実施する必要があり、その実効性を高めるためには新たな法律が必要となるのではないかとしています。県の考え方について企画振興部長にお聞きします。  「公共私によるくらしの維持」では、人口減少と高齢化により公共私それぞれの暮らしを支える機能が低下していることから、自治体は新しい公共私相互間の協力関係を構築するプラットフォーム・ビルダーへの転換が必要だとしています。そのためには、共、私が必要な人材、財源を確保できるように、公による支援や環境整備が必要です。また、新しい協力関係を構築するためには、シェアリングエコノミーの環境を整備し、全国一律とする規制を見直すとして、ソーシャルワーカーなど技能を習得したスタッフが随時対応する組織的な仲介機能も必要です。そして、暮らしを支える担い手の確保をするために、定年退職者や就職氷河期世代の活躍の場を求める人が人々の暮らしを支えるために働ける新たな仕組みをつくり、それを支える地域を基盤とする法人が必要で、地方部の地縁組織は法人化による組織的基盤強化を行うとしていますが、それぞれについて県の考え方を企画振興部長にお聞きします。  良質な雇用の創出と人材の確保育成についてお聞きします。  平成30年版労働経済白書によりますと、全国の15歳以上人口が減少している中、平成29年の就業者と完全失業者を合わせた労働力人口は、前年から47万人増加し6,711万人になっているところであり、女性を中心に労働参加が進んでいるにもかかわらず、それ以上に企業の求人意欲が高い状況にあることがわかります。  長野県内の有効求人倍率も、平成29年7月以降、昨年12月まで18カ月連続で1.6倍以上の状況にあり、全国を上回る人手不足の状況が続いています。  平成27年国勢調査によると、県内の女性就業率は50.6%と都道府県の中では2番目に高く、65歳以上の高齢者の就業率も28.7%と全国で最も高い状況ではありますが、男性も若者も含めてさらなる労働参加が必要な状況です。県内産業の活力維持のためには、若者、女性、高齢者、障害者など多様な人材を、ミスマッチの解消や潜在的な労働力の掘り起こしなどにより確保し、育成していくことが重要な課題ではないでしょうか。  さらに、2008年以降、新規求人全体に占める正社員の割合は全国平均を下回っています。長野労働局によると、ことし1月における新規求人数全体に占める正社員の割合は40.9%であり、全国平均の44.4%に比べて大きく乖離しています。長野労働局でも、人手不足が喫緊の課題として、企業が求人条件を見直す必要性とともに、求職者はよりよい労働条件を求めていると分析しています。まさに魅力ある賃金と労働条件の確保が必要です。  昨年7月6日に公布された働き方改革関連法の多くがこの4月1日に施行されることもあり、県内企業の働き方改革を加速させる必要があります。県では、昨年4月、県経営者協会など経済4団体、労働団体である連合長野、学識経験者、長野労働局などとともに長野県就業促進・働き方改革戦略会議を立ち上げ、福祉・介護やものづくり・サービスといった六つの産業別会議のほか、地域振興局を中心とした10の地域別会議も順次設置するなど、産学官労のオール信州で就業促進や働き方改革の実施に向けて検討を進め、2月7日にはその当面の方針案が提示されています。  そこで、この当面の方針を含め、今後どういった点に力を入れて取り組んでいくのかお聞きします。  また、県のしあわせ信州創造プラン2.0に掲げられている地域振興局を核とした地域づくりにあるように、課題解決のためには、画一的な解決策ばかりでなく、各産業、各地域に応じた課題への対策が必要です。  さらに、産業分野別会議、地域別会議に出てきた課題のうち産業共通や全県で取り組むべき課題については、就業促進・働き方改革戦略会議の課題として捉え、対策を立てるべきだと思いますが、以上2点、知事にお聞きします。  また、人材定着のためにも、働き続けられる環境の整備、魅力ある企業の創造が欠かせません。県としてどのような対策をとられるのかお聞きします。  そして、未来を担う若者の県内企業への就業は、産業振興、地域活性化にも寄与します。そこで、若者に対し県内企業の魅力を発信するとともに、長野県で働きたいという動機づけをするためどのような施策を推進していくのか。  以上2点、産業労働部長にお聞きします。       〔環境部長高田真由美君登壇〕 ◎環境部長(高田真由美 君)海洋プラスチック問題への取り組みについてでございます。
     国際的な課題となっている海洋プラスチックにつきましては、山から川、そして海へとつながる水の流れを通じて生じるものであり、上流県である本県においても取り組むべき課題と認識しております。  県では、これまで、プラスチックごみ削減のため、レジ袋削減や不法投棄防止対策に取り組んでまいりました。また、本年1月には、こうした取り組みを、国が海洋プラスチック削減を進めるために設けた「プラスチック・スマート」キャンペーンに登録し、全国に向けて情報発信をしているところでございます。今後は、本年6月のG20関係閣僚会合の開催を契機として、プラスチックごみの発生抑制や適正処理について県民意識の醸成を図ってまいりたいと考えております。具体的には、県内流域ごとに市町村やボランティア等と連携した河川一斉清掃の実施、新聞等広報媒体を活用した啓発、環境教育の充実などを進めてまいります。  海洋プラスチック問題は、一人一人の生活スタイルにかかわる幅広い分野の課題と認識しております。プラスチックと賢くつき合う、いわゆるプラスチック・スマートの視点から、関係部局と十分連携を図り、取り組みを進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔副知事中島恵理君登壇〕 ◎副知事(中島恵理 君)国際会議の出席を踏まえた今後の環境エネルギーの政策の転換について御質問をいただきました。  昨年12月のCOP24では、国内外の自治体や民間団体が脱炭素社会づくりに向けた野心的な取り組みや決意を発信することを通じて、政府の交渉への後押しが間接的になされておりまして、国際交渉の場における意欲的な自治体の役割の重要性を痛感したところでございます。  私は、2日間で計五つのサイドイベント等に参加し、長野県の環境エネルギー戦略やSDGs未来都市の取り組み、昨年度開催した地域再生可能エネルギー国際会議における長野宣言など、100%再生可能エネルギーの地域づくりに向けた長野県の意欲的な取り組みを発信しました。  また、G20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する閣僚会合がパリ協定が始まる前年の会合であり、G20諸国のリーダーシップが国際社会に大きな影響を与えることから、本会合及び開催地の長野県に対する非常に高い注目が集まっていることも実感しました。  来年度予算案におきましては、脱炭素社会づくりに向けた次期環境エネルギー戦略の重点施策を検討するための経費を計上させていただいております。G20の閣僚会合を契機に、国の取り組みも後押しできるような長期的なビジョンづくり、SDGs推進企業登録制度等も活用した企業の意欲的な取り組みへの支援、中小企業や既存住宅など、これまで十分施策ができていなかった分野についても裾野を広げ、より省エネ、再エネに経済的に取り組みやすくする仕組みなど、脱炭素社会づくりに向けたさらなる再構築を進めていきたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)下沢議員の代表質問に順次お答え申し上げたいと思います。  まず、G20関係閣僚会合における魅力発信と今後の展開という御質問でございます。  G20閣僚会合には、多くの国から代表団、メディア等がお越しになるわけでありますので、本県の魅力を世界に発信する重要な機会だというふうに思っております。  今月の7日、8日には駐日大使館員を対象とした県内の視察ツアーを開催いたしました。アクアイノベーション拠点で革新的な水質浄化技術を紹介したり、あるいは木曽漆器づくりの体験をしていただいたりということで、長野県の魅力をかなり体感していただけたんじゃないかというふうに思っています。  このG20の会合期間中には、私ども地元が主催する歓迎レセプションやエクスカーション、また、環境エネルギー関連の展示、こうしたものが予定されております。こうした機会を最大限活用して、県産食材、日本酒やワイン、自然環境、伝統文化、県内の企業の技術力を発信していきたいというふうに思っております。国とも十分協議をしながら準備をしていきたいと思っています。  また、長野県としては、中島副知事にCOP24に行ってもらいましたけれども、環境エネルギー政策について国際社会と連携してしっかり取り組みをレベルアップしていくということも重要だというふうに思っております。  昨年9月に加盟をいたしましたが、持続可能な社会の実現を目指す世界の1,500以上の自治体で構成する国際ネットワーク、ICLEIを初めとして、さまざまな国際的な会合等にも参画をして、我々自身も取り組みを発信し、また、世界の知見を長野県としての取り組みに生かしていきたいというふうに思っています。  また、こうした世界の知見を踏まえて次の環境エネルギー戦略の策定を進めていきたいというふうに思っておりまして、このG20閣僚会合の開催を契機に、世界の中で環境エネルギー政策でしっかり存在感を発揮できる長野県をつくるために取り組んでいきたいというふうに思っています。  それから、国の平成31年度の予算案、地財対策の関係について御質問をいただきました。  31年度の地方財政計画は、本年度を上回る交付税総額を確保しつつ、臨時財政対策債を大幅に抑制しているということで、地方財政の健全化に向けた一歩として高く評価をしているところでございます。  しかしながら、地方財政は、過去に発行した臨時財政対策債の元利償還を行うためにまた臨時財政対策債を発行せざるを得ないという状況にありまして、持続可能性の観点からはまだまだ大きな課題があるというふうに考えております。  国に対しては、臨財債の廃止、地方交付税の法定率の引き上げ、こうした取り組みを求めてきております。引き続き知事会等とも連携して、地方財政の充実、そして臨時財政対策債の廃止に向けて強く働きかけを行っていきたいと思っています。  それから、行政・財政改革実行本部とかつての推進本部の違いについてという御質問でございます。  行政・財政改革推進本部は、行政・財政改革方針を策定しようということで、策定のために設置をした本部になっています。今回の行政・財政改革実行本部は、方針をつくるというよりは、具体的な取り組みを実行していくと、そういう本部にしたいということで設置を検討しております。私が本部長となって全体を統括しながら各部局、地域振興局にも改革実行チームをつくっていきたいというふうに思っております。  視点としては、まず、国と県と市町村、この相互の役割分担、未来に向けてどうあるべきかということを検討していきたいと思いますし、企業やNPO、こうした皆さんとの協働のあり方ということもこれまで以上にしっかり進めていかなければいけないと思っております。  また、事務、事業の取捨選択、選択と集中を徹底したいと思っておりますが、これもできれば担当者レベルで具体的な検討を行ってもらいたいと思っていますし、また、AIあるいはRPAといった先端技術を活用した業務効率化についても相当踏み込んで取り組んでいきたいというふうに思っております。  また、今回の予算編成も分権型の編成を心がけましたけれども、この改革の推進実行に当たりましても、一人一人の職員の主体性を引き出しながら取り組んでいけるようにしていきたいと考えております。こうした取り組みを通じて持続可能な行政経営体制と財政構造の構築に努めてまいります。  それから、今後の自治体の協力関係のあり方、地方制度調査会に期待することという御質問であります。  急激な人口減少の中で、また、私ども地方行政においても専門性が重要視されてきている中で、県のあり方、市町村のあり方、自治体の協力、連携のあり方ということもこれから未来に向けどうするかしっかり考える必要があると、先ほど実行本部のところで申し上げたように問題意識を持っております。  とりわけ、本県は小規模町村が多いわけでありますので、ほかの県以上に市町村支援と市町村との協働をしっかり進めていかなければいけないというふうに思っています。適切な役割分担と協力関係をどう構築していくかということが重要だと思っております。  第32次地方制度調査会におきましては、地方行政体制のあり方について、圏域における地方公共団体の協力関係などのテーマで調査審議が行われているところであります。現地調査等が行われるというふうに伺っておりますので、地方制度調査会におかれましては、くれぐれも机上の議論ではなく、現場の状況を十分把握をしていただいた上で、本県のように全国一律の制度、全国的な視点だけでは捉え切れない課題や実情もありますので、こうしたことも踏まえて議論を進めていただきたいというふうに思っております。  それから、就業促進、働き方改革についてであります。当面の方針を含め、今後どういう点に力を入れて取り組むかという御質問でございます。  2月7日に第3回の就業促進・働き方改革戦略会議を開催して、まだ案でございますが当面の取り組み方針をお示ししたところであります。当面の対策ということで、喫緊の取り組みとして、若者、移住者、女性、障害者、こうした働き手の属性別に具体的な施策と数値目標を明示して、関係の皆さんと一緒に取り組んでいきたいということでお話をし、お示しをさせていただいております。  まず、若者については、学生が県内企業をもっと知っていただく機会をふやしていくとともにインターンシップの充実強化に力を入れていきたいというふうに思っております。  また、女性は、働く意欲があっても勤務形態等が合わずになかなか就業できないという方もいらっしゃいますので、短時間正社員制度の導入促進を初めとして働き方改革の側面からしっかり後押しをしていきたいというふうに思っています。  また、障害者については、障害にもさまざまな障害があるわけでありまして、企業の方と障害者の方が出会う機会も必ずしも多くないということで、こうした出会いの場の充実等を図っていきたいというふうに思っております。  また、移住に関連いたしましては、信州暮らし推進課を設けて移住政策をレベルアップしていきたいと思っておりますが、先ほども申し上げましたように、就労とセットで、働くことをセットでの移住ということに力を入れて取り組んでいきたいというふうに思っております。  また、働き方改革につきましては、この4月から長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、こうしたことが順次制度化、義務化されてくるわけでありますので、労働局や関係団体と連携して取り組みを支援していきたいと思っております。  当面の取り組み方針については年度内に成案として取りまとめていきたいというふうに思っておりますが、就業促進のためには、短期的な支援だけではなく、教育、人づくりやまちづくりなど中長期的な取り組みが必要であるというふうに考えておりますので、こうした広範な課題について来年度さらに検討を行った上で本格的な方針を取りまとめていきたいというふうに考えております。  就業促進・働き方改革戦略会議の全体会議と分野別会議、地域別会議の連携についてという御質問でございます。  この会議は、全体会議に加えまして、六つの産業分野別会議と10の地域会議を設けております。それぞれの産業分野や地域の実情に応じた議論を重ねてきているところでございますが、御指摘のとおり、私もこうした会議体の連携をさらに充実しなければいけないというふうに思っております。全体会議の委員からもそうした御意見をいただいておりますので、今後、各地域別会議、産業分野別会議、こうしたところへ出されている課題の中で、全県で取り組むべき課題については全体会議の場において共有させていただいて、一体として解決策を検討していきたいというふうに考えています。  以上でございます。       〔警察本部長伊藤泰充君登壇〕 ◎警察本部長(伊藤泰充 君)G20関係閣僚会合の警備態勢についてお尋ねがございました。  軽井沢町におけるG20関係閣僚会合は、世界各国から関係閣僚が多数参加する国際的に注目度が高い会合であり、我が国に対する国際テロの脅威が現実のものとなっている情勢の中、県警察では、昨年10月に警察本部の警備第二課にG20サミット警備対策室を設置し、所要の体制を確立して警備諸対策に取り組んでおります。  警備対策として、国際テロ情勢を初め、閣僚会合に係る情報収集・分析を強化しているほか、関係機関、民間事業者等と連携した不審物発見時の初動対応訓練やサイバー攻撃対処セミナーの開催など、テロ等違法事案の未然防止に向け、官民一体となった取り組みを計画的に推進しております。  加えまして、昨年11月、補正予算において、警備に万全を期するために必要なカメラシステムの設置や会場周辺の渋滞解消を図る信号機改良のための予算措置を行うなど、資機材等の整備充実も図っております。  また、現在、本会合の警備に向けて、平成28年のG7交通大臣会合の警備対策の経験を生かしつつ、関係省庁、県及び軽井沢町と緊密に連携しながら警備計画の策定を進めているところであります。  県警察では、引き続き関係機関、事業者等と緊密に連携し、県民の皆様の御理解と御協力も得ながら官民一体となった諸対策を鋭意推進して警備に万全を期してまいります。  以上でございます。       〔産業政策監兼産業労働部長内田雅啓君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(内田雅啓 君)まず、連休による事業者の資金繰りに対する県の対応についてのお尋ねでございます。  県が10連休の資金繰りに関して金融機関や商工団体に聞き取り調査を行ったところ、現時点で事業者から相談を寄せられてはおりませんが、資金繰りに困る事例として、一般的には、連休も営業する小売店や飲食店等のつり銭や当座資金の確保、月末の入金を月初めの支払いに充てている事業者のつなぎ資金の確保などが想定されております。  県といたしましては、計画的な資金繰りの準備を行うよう年度末等の会議の際に関係者に協力を仰ぐほか、商工会議所、商工会等と連携をいたしまして、経営指導員等を通じて事業者に呼びかけるなどさらなる周知を図ってまいります。  また、つなぎ資金に係る借り入れ等につきましては、県中小企業融資制度の活用を促すなど、速やかかつ円滑に資金調達がなされるよう地域振興局や金融機関等と連携して取り組んでまいります。  次に、わくわく地方生活実現政策パッケージのうち助成制度についてでございます。  人口流出や少子・高齢化などにより県内の人手不足が顕著であることから、県ではUIJターンの促進は重要であるという認識から、県出身学生の多い大学等55校とUターン就職促進協定を締結しているほか、中小企業が県外の専門人材を受け入れる際の費用の一部助成などを行ってきたところでございます。  議員御指摘のように、国でも、東京一極集中を是正し地方の担い手不足に対処するため、UIJターン対策を強化し6年間で6万人を移住させる目標を掲げ、移住者の経済的負担軽減のために支援金を支給する制度を打ち出したところでございます。  県では、豊かな自然の中で子育てをしたい、地方で起業したいといった移住者のニーズに応えるとともに、人手不足に直面する中小企業等が即戦力となる人材を確保できるよう、この国の制度を有効なものとして活用し、移住者や起業者への助成制度を新たに創設することといたしました。  県の助成制度では、国が支援対象としている東京圏に加えまして、本県への移住実績を踏まえて愛知県と大阪府に在住していた者も対象とするなど、県独自の支援も行ってまいります。  あわせて、豊かな自然環境に囲まれ、物価も安く、高い技術力を持つ企業が多いなど、本県の魅力を一体的に情報発信し、全国の中から移住先として選んでもらえるよう、受け入れ窓口となる市町村や経済団体等とも協力しながら取り組んでまいります。  次に、女性、高齢者等の新規就業支援についてでございます。  人口減少社会における人手不足の解消には、女性や高齢者など多様な人材の就業促進や中小企業の人材確保の支援などが重要でございまして、産学官労が連携してプラットフォームを形成し、取り組むことが有効であると考えておりまして、昨年、就業促進・働き方改革戦略会議を立ち上げたところでございます。この会議では、構成員である労働局や経済団体などと連携して、一体的、包括的に就業促進する施策を検討してきたところでございまして、ここでの議論をもとに、県は、来年度、地方創生交付金を活用して取り組む施策などを予算案に計上したところでございます。  具体的には、女性の就業促進についてはハローワークと連携した再就職セミナーや合同企業説明会の開催などを、高齢者についてはハローワークやシルバー人材センター等と協働した求人企業の開拓を実施してまいります。  また、中小企業の人材確保では、働きやすい職場づくりのセミナー開催や県技術専門校で在職者向け職業訓練であるスキルアップ講座などを実施し、より効果のある施策としてまいります。  次に、良質な雇用の創出と人材確保育成のうち、働き続けられる環境の整備等についてでございます。  人材の定着のためには、長時間労働の是正など仕事と生活を両立できる職場環境の整備とともに、仕事にやりがいを感じ、自己の能力を高めることができる魅力ある企業をふやしていくことが重要と認識しております。  県では、人材定着や職場環境改善に向けた企業の取り組みを支援するため、県のアドバイザーが県内企業を年間3,000社訪問し、短時間正社員など多様で柔軟な働き方ができる社内制度の導入に向けた働きかけや助言を行っております。  また、工科短期大学校や技術専門校において開催いたしております在職者向けのスキルアップ講座を企業に積極的に利用していただくなど、社員の能力アップのための取り組みを促すことにより企業の人材定着を後押ししてまいります。  来年度におきましては、多様な働き方ができ職場環境改善に取り組む企業を県が認証する職場いきいきアドバンスカンパニー認証の上位認証を新たに創設するなど、人材の定着に向けた職場環境の整備に取り組んでまいります。  次に、若者に対する県内企業の魅力発信や県内就職への動機づけについてでございます。  地域の活性化や産業を支える若者の確保のためには、県内企業の魅力を広く情報発信することや長野県で働くことの動機づけは重要であると考えます。  県内企業の魅力発信につきましては、就活情報のポータルサイト「シューカツNAGANO」で、昨年3月の公開開始からことし1月末までに約270社の情報を発信してきたところでございますが、1,000社を目標に、引き続き経済団体等の協力を得て登録企業をふやしてまいります。  民間調査によれば、大学生の職業観では「個人の生活と仕事を両立させたい」が上位にございまして、企業の選択に当たっては、自分がやりたい仕事、職種ができる会社を選ぶと回答した学生が多くなっており、ワーク・ライフ・バランスや能力を生かした働き方を重視する傾向がうかがわれます。  そこで、豊かな自然に囲まれ、都市部に比べて物価が安く、通勤時間も短いなど、ワーク・ライフ・バランスを保つ上で良好な環境にある本県の魅力を企業情報とあわせて発信して県内就職を動機づけるとともに、県内企業の働き方改革を促進し、企業の魅力アップにつなげてまいります。  また、インターンシップ事業は、県内企業の状況を知り、希望に沿って能力を生かした働きができるかを見きわめるいい機会でございまして、県内就職を動機づける絶好の機会となることから、引き続きその充実を図ってまいります。  今後も、これらの取り組みを通じて、若者に長野県で暮らし、働くことの魅力を伝えまして、より多くの若者に県内で働いていただけるよう努めてまいります。  以上でございます。       〔観光部長熊谷晃君登壇〕 ◎観光部長(熊谷晃 君)ゴールデンウィークを含めた春の誘客対策についてのお尋ねでございます。  ことしの春の予約状況を大手旅行会社3社に伺ったところ、全国的に海外旅行の人気が例年にない伸びを示す中、本県への宿泊も、10連休がある5月は、昨年同時期の予約状況と比べると1.4倍から3.6倍の伸びを示すなど出足が好調となっております。しかしながら、6月の予約はいまだ出足が鈍く、ゴールデンウィーク明けからの落ち込みが懸念をされております。  このような状況に対処するため、信州キャンペーン実行委員会では、4月25日から開催される信州花フェスタ2019を中心に春の誘客キャンペーンを実施することとし、長野県旅館ホテル組合会と連携して特別宿泊プランの販売に取り組むほか、同時期に開催される県内各地の花イベントを組み込んだモデルコースの提案など、信州の春の旅の魅力を発信してまいります。  特に、落ち込みが懸念される10連休明けの対策としましては、花フェスタと絡めたバスツアーへの助成を行い、バスツアーの増発を図るとともに、NEXCO各社と連携した周遊企画についても検討しております。  このほか、テレビ、ラジオでの信州の春の見どころ紹介、JRと連携した旅行商品の造成や中京圏でのキャラバンによるPRなどを行い、強力に春の誘客を進めてまいりたいと考えております。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)幼児教育の無償化に係る本県への影響と課題についての御質問でございます。  本年10月から実施される幼児教育無償化におきましては、私立幼稚園、保育所等の無償化に係る費用の4分の1を県が負担するということになりまして、平成31年度、県当初予算案に関係経費8億5,000万円余を計上しております。無償化に伴う県や市町村の負担分については、平成31年度は、御指摘のように、新たに創設される子ども・子育て支援臨時交付金により、原則国の全額負担となります。このほかに、平成31年度予算案においては、市町村のシステム改修費や事務費への補助として14億円余を計上しておりますが、これは、交付金とは別に措置される国庫補助金により全額国から措置されるものでございます。  幼児教育の無償化につきましては、引き続き国と地方で協議を続けることになっておりまして、その協議の場のもとに設けられるワーキンググループに長野県もメンバーとして参加することになっておりまして、2020年度以降の地方負担についても、必要な財源の確保を初めとして、県としての意見を国に申し述べてまいりたいというふうに考えております。  以上です。       〔総務部長関昇一郎君登壇〕 ◎総務部長(関昇一郎 君)自動車税環境性能割等の臨時的軽減措置による本県への影響についてのお尋ねであります。  本年10月1日に予定されている消費税率の引き上げにあわせ、駆け込み購入や買い控え等を抑制するために、自動車税環境性能割と軽自動車税環境性能割の税率を軽減する措置が講じられることとなっております。  具体的には、本年10月1日から来年9月30日までの間に自家用乗用車を取得した場合は、新車、中古車を問わず、税率を1%軽減する措置が講じられております。この軽減措置によりまして、平成31年度は税額で4億9,000万円、市町村への交付金支出後の県の実質的な歳入で2億7,500万円の減収となる見込みであります。この県の実質的な減収分については全額地方特例交付金で補填されることとなるため、本県財政への実質的な影響はないものと認識をしております。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)私への質問2問についてお答えいたします。  まず、緊急自然災害防止対策事業債についてのお尋ねでございます。  緊急自然災害防止対策事業債は、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策と連携し、地方自治体が計画を策定した上で行う河川、砂防などの単独事業を後押しするために創設されたものです。現時点では、計画を含め事業の詳細が示されていませんが、国庫補助の対象とならない小規模な河川の護岸改修等への活用を想定しているところです。今後、詳細が判明したところで、防災・減災事業の財源として積極的に活用し、県土の強靱化を進めてまいる所存です。  次に、人口減少社会に対応するまちづくりについてのお尋ねでございます。
     昨年12月に閣議決定されたまち・ひと・しごと創生総合戦略2018改訂版では、人口減少社会に対応した町への再生のために、これまでの中心市街地活性化関係施策に加え、郊外に多い住宅団地のまちづくりの取り組みを強化する必要があるとされました。このような住宅団地では、同時期に子育て世代が入居した結果、年齢構成に偏りが生じ、高齢化が一気に進むおそれがあることや、住宅用途単一の土地利用となり、医療、福祉、生活利便施設などの多様な機能の導入が難しいことが課題であると認識しております。  議員御指摘の用途規制に係る手続の柔軟化につきましては、こうした住宅団地における高齢者の生活に必要な店舗等について建築許可の手続の円滑化が想定されるところです。県としても国の動向を注視してまいります。  あわせて、県といたしましては、コンパクトプラスネットワークのまちづくりを進めるために、市町村による立地適正化計画の策定を支援するとともに、信州地域デザインセンターを来年度立ち上げ、若者にとっても魅力的なまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)まず、中枢中核都市への支援についてでございます。  中枢中核都市の機能強化、これにつきましては、昨年12月に閣議決定されましたまち・ひと・しごと創生戦略2018改訂版に盛り込まれました。これは、中枢中核都市が近隣市町村を含めた地域全体の経済、生活を支え、東京圏への人口流出を抑止する機能を発揮するよう都市力の向上を促進するものであると理解をしております。全国では82の市が対象とされまして、本県では長野市と松本市の2市が対象でございます。  現在、国におきまして、省庁横断的な支援の詳細について具体的な政策テーマを選定するために、対象都市へのアンケート調査を行うなど検討作業が具体的に進められているものと承知をしております。  県としましては、こうした国の動きについてしっかりと情報収集をしまして、長野、松本両市がその支援を活用したまちづくりに取り組めるよう必要な情報提供や助言等を行ってまいります。  続いて、自治体戦略2040構想に関連しまして順次お答えをいたします。  1点目、スマート自治体への転換についてでございます。  今後、自治体の経営資源が制約されていく中、AI、あるいはロボティクス、RPAを初めとするICT技術を積極的に活用していくことは不可欠と認識しております。午前中の清沢英男議員からの御質問にも一部お答えをいたしましたが、県では、平成27年度から、ICTを活用してしごと改革に取り組むスマート県庁を推進してまいりました。本年度は、RPAやAIを活用した業務改善の実証実験に3業務を対象として取り組んでまいりました。  来年度は、このRPAなどの活用目標をさらに30業務まで拡大したいと考えております。 現時点で具体例として考えられておりますのは、例えば財務上の集計や入出力の業務、また、コンビニ支払い等のデータと既存の税務電算システムへの連携を行う業務、また、県機関のエネルギー使用料調査に係る集計を行う業務、こうしたものが案として出ているところでございます。  こうした取り組みに加えまして、来年度以降、順次更新を迎えますパソコンにつきまして、これをモバイル型に移行しまして出張先や会議での利用を可能とするなど、市町村の参考にもなるような取り組みを県としても推進してまいりたいと考えております。  次に、情報システムの標準化、共通化についてでございます。  県では、これまで、市町村自治振興組合と連携しながら電子申請サービスやセキュリティークラウドなどで市町村とのシステムの共同構築に取り組んでまいりました。  一方で、自治体ごとの業務の進め方や業者ごとのシステムの違いなどから、人事給与や財務会計等のいわゆる内部情報系のシステムなどでは共同化が十分に進んでいない分野も存在しております。人口減少時代におきまして、行政資源が限られる中、システムの標準化、共通化は不可欠でございます。国では、システムの標準化、共通化を実効的に進めるため新たに研究会を設けたと承知をしております。こうした場での検討状況なども注視しつつ、県としましても市町村への働きかけや必要な助言、支援等を行ってまいります。  続いて、暮らしの維持のための公共私の協力関係の構築と地方自治体の役割に関しまして、新しい公共私相互間の協力関係を構築する、いわゆるプラットフォーム・ビルダーへの転換、また、組織的仲介機能の構築、暮らしを支援する担い手の確保、この3点につきまして順次お答えをいたします。  まず、いわゆるプラットフォーム・ビルダーへの展開についてでございます。  各地域振興局では、企業、市民、行政を結びつけるトライセクターリーダーの役割として局長が働きまして、この役割のもとで取り組みを行っております。例えば、木曽では、眺望景観の整備につきまして、県、市町村のほか、電力会社や地元企業等を巻き込んだ活動を実施しております。また、佐久では、医療関係者や大学、企業等と連携して、住民の運動習慣の定着や意識啓発、ヘルスツーリズムや健康関連製品の活用を通じた産業の活性化にも取り組んでいるところでございます。  また、本庁におきましても、NPO法人等との協働や民間企業等との包括連携協定に基づく協働を推進しております。一例を申し上げますと、NPO法人のフードバンク信州、生活就労支援センター「まいさぽ」と連携いたしまして食品ロスの削減と生活困窮者への食料支援を行っているところでございます。また、ソフトバンク株式会社とも連携をいたしまして、教育、文化、スポーツの振興に関する取り組みも行っているところでございます。  二つ目の組織的仲介機能の構築につきましては、労働力をシェアする取り組みを構築することで地域課題の解決を目指すものであり、これまでありました共助の考え方の受け皿として重要なものと考えております。県内では、川上村におきまして、子育て中の女性の家事等を地域住民が分担します労働力のシェアの実証的な取り組みも実施されております。今後は、こうした事例を初めとしたシェアリングエコノミーの仕組みが他の地域にも広がるよう県としても取り組んでまいります。  暮らしを支援する担い手の確保についてでございますが、そのための方策としましては、自治体戦略2040構想の中で言われていますように、地縁組織を法人化することで基盤強化を図り、継続的な活動に必要な人材や資金を確保していくことも有効な手段の一つと考えられます。  また、担い手確保のための仕組みづくりにつきましては、国において議員立法による法制化の動きもございますので、国におけるこれらの議論の状況を引き続きフォローしますとともに、これらの制度が本県においてどう活用することができるのか今のうちから研究、検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔24番下沢順一郎君登壇〕 ◆24番(下沢順一郎 君)JR東日本のダイヤ改正についてお聞きします。  3月16日のダイヤ改正で特急あずさの停車本数が減る市町村が、改正の見送りを求めています。中央東線を通って新宿と松本を結ぶあずさをめぐり、自治体側は、地元駅の停車本数が減ることの影響の大きさを心配しています。諏訪地域を初め、多くの市町村などからダイヤ改正の見送りを求める要請書をJR東日本に対して行っていますが、県としての今後の対応について知事にお聞きいたします。  松本空港の国際化に向けた取り組みとインバウンド誘客戦略についてお聞きします。  昨年の訪日外国人旅行者は初めて3,000万人の大台を超え、国が目標としている2020年、4,000万人という数字もいよいよ視野に入ってきました。しかし、その反面、昨年の外国人旅行消費額は2017年に比べわずか2%増の4兆5,064億円にとどまり、2020年、8兆円という目標達成のためには、さらなる対策が必要となります。  本県においても、外国人延べ宿泊者数は増加を続けているとのことですが、その恩恵は一部地域や事業者にとどまっているのではないでしょうか。ことしはラグビーのワールドカップが秋に開催され、来年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されるなど、世界の目はいやが応でも日本に向けられ、多くの外国人旅行者が日本にやってくることは間違いありません。この絶好の機会を捉えて県内各地に外国人観光客を呼び込み、一日でも長く県内に滞在してもらい、県内での消費をふやすためにどのような戦略を立てているのか、知事にお聞きします。  また、私は、インバウンド戦略の中に松本空港の利用をそろそろ位置づけてもよいのではないかと思っています。国際化をしようとしている松本空港は、今でも海外とつながる福岡空港、千歳空港を持っています。平成28年6月に策定された信州松本空港の発展・国際化に向けた取組方針のロードマップでは、2016年より「テイクオフ」、2019年より「上昇」、2022年より「巡航」となっており、この計画でいくと平成30年度でテイクオフが終わることになっています。そこで、テイクオフ期間の総括を求めます。  また、来年度から上昇期間に入るに当たり、その総括を踏まえ、さらなる国際化への取り組み姿勢について、以上2点、知事にお聞きします。  平成30年2月の一般質問で、国際化に向けてハード面の整備を一日も早く施策展開されるように要望いたしました。そこで、現時点で国際化に向けての課題をどのように捉えているのか、また、具体的な施策についてお聞きします。  また、国内線の充実と空港の利便性の向上について課題と今後の施策方針についてはいかがか、以上2点、企画振興部長にお聞きします。  2月議会において、松本空港と同様に育成支援型の認定を受けた沖縄県の下地島空港の話を出しました。その下地島空港も、この春の開港に向けて急ピッチで準備が進んでいます。3,000メートルの滑走路を持つこの空港は、アジア向けに三菱地所の経営のもとで3月には広く門戸をあけようとしています。下地島空港から沖縄空港に行くのと台湾に行くのと同じ時間で、しかも羽田に行くより上海のほうが近いという場所にあります。世界級の海のリゾートを持つ沖縄県と世界級の山のリゾートを持つ長野県が連携し、松本空港をその窓口と位置づけることによって相互の交流を図れば、多くの観光客の皆さんに幅広い選択肢を提供できることになり、両県にとってもウイン・ウインの関係を提供できることになると思われますが、そのような構想について知事のお考えをお聞きします。  一方、観光客を迎える側ですが、観光業界においても人手不足は深刻な状況です。インバウンドをさらに推進していく上でも、観光業で働く人を確保するとともに、多くの外国人観光客を呼び込む体制づくりも必要です。また、その受け入れのためには外国語対応環境の整備も重要な要素となっています。  そのような中、さまざまな業界、事業者サイドからの外国人労働者受け入れに強い要請があり、国はこのたび出入国管理難民認定法を改正し、宿泊業においても外国人労働者の受け入れを認めました。そこで、県として外国人労働者の観光業界への就業の支援体制をどのようにしていくのか、観光部長にお聞きします。  共生社会の実現と子供の貧困対策についてお聞きします。  愛知県では、進学時に係る費用など子供の貧困対策で公的な支援が手薄な課題の解決につながるよう、市民からの寄附を財源にした愛知子どもが輝く未来基金を3月までに創設するようです。基金事業としては、児童養護施設などの子供の支援に関する事業とこども食堂の支援に関する事業の二本柱だと言います。平成30年に1,000万円の寄附を受領後、500万円については入学準備金を支給する制度に回し、500万円を31年度予算に条例案とともに計上するものです。  また、京都府では、きょうとこどもの城づくり事業として、ひとり親家庭の子供に対する居場所の提供やこども食堂を実施するNPO法人などに運営助成をしています。こども食堂にかかわる補助は負担事業で、開設費用として20万円、運営費用として150万円です。  さて、長野県では、向学心を有しながら経済的な理由により大学への進学が困難な者を支援するため、長野県県内大学進学・就学奨学金の給付を実施しています。そこで、これまでの実績、今後の改良点について、また、子ども基金の創設についての県の考え方はいかがか、知事にお聞きいたします。  児童相談所の体制整備についてお聞きします。  千葉県野田市で虐待された10歳の女児が死亡した事件で、女児を一時保護していた柏児童相談所の対応に批判の声が集まっています。  厚生労働省によると、2017年の児童福祉司の配置数が3,240人なのに対し児童相談所における虐待の相談件数は13万3,778件に上っています。児童福祉司1人当たりの児童虐待の相談対応件数は、全国平均で40件と言います。地域差はあるものの、児童福祉司の数は足りないということで、政府は、昨年7月、児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策を関係閣僚会議で決定し、2022年度までに児童福祉司を約2,000人ふやすことなどを決定しました。さらに、今月8日の関係閣僚会議においては、児童福祉司の増員について全国で1,070人程度を2019年に前倒しして実施をし、1カ月以内の虐待事案の緊急安全確認をするといった方針が決定されています。この方針により、児童福祉司の増員や緊急点検による子供の安全を確保する観点で虐待防止につながる成果を上げることが望まれるわけですが、一方で、心身ともに疲労している職員がふえているとの声を聞くことが多くなっている現状を鑑みると、専門職員の増員とあわせて児童相談所職員のスキルアップ等も必要となっています。  そこで、県内の虐待の相談状況とともに、専門職員の配置や職員の専門性の向上、市町村、学校など関係機関との連携について長野県としてどのように取り組んでいくのかにつきまして県民文化部長にお聞きします。  住宅確保と保証人問題についてお聞きします。  家族や親族の減少や地域のきずなも希薄化する中で、医療や福祉サービスの利用、アパートの入居、就職の際の身元保証人が確保できないためサービスを利用できないなどの悩みを聞くことがあります。特に、医療・福祉施設の入院、入居については、厚生労働省から、保証人が確保できないことを理由に契約を拒んではならないとの通知も平成30年4月27日付で日本医療法人協会長宛てに出ていますが、依然として多くの病院や福祉施設の入院、入居の際に保証人が必要とされているようです。  さて、賃貸住宅の保証人について県の社会福祉協議会が取り組む独自事業である長野県あんしん創造ねっと事業に対して、県が支援体制をとることによって、住まいの確保に苦しむ県民に対する支援の充実を進めるためには、福祉と住宅との連携が欠かせません。  そこで、高齢者世帯、障害者世帯など住宅の確保に配慮を要する方に対するセーフティーネットとしての居住支援の今後の方向性について建設部長にお伺いします。  また、新たに取り組まれる「長野県あんしん未来創造」サポート事業は、制度のはざまの課題解決に取り組む第一歩であると評価しておりますが、将来的にこの事業をどう発展させるつもりか、健康福祉部長にお聞きします。  長野県社会福祉協議会が取り組んでいる入居支援事業は、社会福祉法改正に伴い社会福祉法人の責務とされた地域における公益的な取り組みの一つであり、今後、社会福祉法人においては、制度のはざまにある福祉、生活課題の解決を図っていくため、さまざまな創意工夫の取り組みも期待されるところです。県として、このような公益性の高い社会福祉法人の取り組みとの連携が必要だと考えますが、今後の方針について健康福祉部長にお聞きします。  災害時の福祉支援体制の整備についてお聞きします。  近年、水害や地震災害等が相次ぐ中で、ハード面の防災・減災対策については新年度予算で手厚く措置されているようですが、実際に災害が発生した場合の人的被害を防ぐためには、地域に暮らす要配慮者の生命と生活を守る災害福祉支援の充実が必要です。国においては、東日本大震災の教訓を踏まえ、発生直後から福祉・介護職の派遣等を行う広域的な支援ネットワークを都道府県単位で構築するように協力要請をしています。  本県においても、2月6日に長野県災害福祉広域支援ネットワーク協議会が設立され、災害時の社会福祉施設等の利用者や近隣住民の避難を支援するために必要な地域住民と施設間の相互応援の仕組みづくりが始まったばかりとお聞きしています。災害発生時にこのネットワークが果たす役割と、そのために今後県として取り組むべき施策展開等について健康福祉部長にお聞きします。  農業・農村問題についてお聞きします。豚コレラについてであります。  豚コレラが、2月6日、愛知県の養豚場で発生し、その農場から子豚を出荷していた長野県、岐阜県、滋賀県、大阪府の農場でも検査の結果陽性が確認されました。1府4県に拡大したことになります。しかも、それぞれの養豚場での殺処分数は計約1万5,000頭に上ると言われています。県内でも、宮田村の養豚場と松本市の屠畜場において確認され、計2,480頭全てが殺処分及び埋却されました。子豚を介しての発生と原因が特定できているとはいえ、長野県内での発生は実に残念であり、養豚農家ではこれまでやってきた防疫体制だけでは防止できなかったことに対して心配の種がさらにふえ、やり切れないことと察するに余りあります。県として政府に対してしっかりとした原因究明を要請するとともに、野生のイノシシの感染調査もする必要が出てきました。  政府は、今後の対応として、迅速で徹底した防疫措置の実施、関係自治体との連携強化、消費者への積極的な情報発信を示しましたが、長野県としての対応状況と今後の対応策について知事にお聞きします。  TPP11、EPAの国際連携協定に対する県の畜産施策についてお聞きします。  環太平洋パートナーシップ、TPP協定が平成29年11月に米国を除く11カ国で大筋合意をし、そのうち6カ国が昨年10月31日までに国内手続を完了し、12月30日に発効されました。この1月には、発効後初めてとなる閣僚級会談、第1回TPP委員会が日本で開催され、保護主義的な傾向への懸念が高まる中、新規加入を通じてTPPを拡大すると明記した共同声明を採択し、参加国をふやして自由貿易圏を拡大することとされました。さらに、EU(欧州連合)との経済連携協定、EPAも昨年7月に協定の署名が行われ、その後、日本、EUの双方で国内手続が完了し、この2月1日に発効されています。  これら経済連携協定での主な農畜産物の関税は、野菜、果物などで関税の即時撤廃、もしくは、段階的に引き下げた後、数年後に撤廃される一方で、牛肉は、関税撤廃を回避したものの、政府ガードつきで関税を段階的に削減していくこととなっています。  TPP発効後の1月中旬までの牛肉輸入量を財務省の統計で見ると、前年1月の1カ月分を既に1割ほど上回っており、TPP発効に伴い、発効前の税率38.5%から27.5%に引き下げられたことを受けて輸入業者が輸入量を増加したものと思われ、今後国産牛肉の販売にも影響が懸念されます。  国は、TPP関連対策として平成30年度2次補正予算で3,188億円を計上し、畜産の収益性向上に向けた機械、施設の整備等を支援するとしています。県としても対策を講ずる必要があります。  そこで、TPP等の国際連携協定の影響を最も受けるとされている畜産部門について、今後どのような施策で畜産の生産力やブランド力の強化を図っていくのか、農政部長に伺います。  農村を活性化させるための施策についてお伺いします。  人口減少社会の到来などにより農家人口の減少と農業従事者の高齢化が進む中、本県の農業を担う人材の確保は、他産業と同様に喫緊の課題となっております。県が本年度からスタートした第3期長野県食と農業農村振興計画によると、毎年新規就農者を250人確保し、一定の所得を上げる認定農業者などの中核的経営体を5年間に約1,000経営体ふやし1万経営体として、耕地面積の約半分を耕作し、農産物算出額の約8割を稼ぐという計画になっています。  一方で、中山間地では、地形などの条件から農地の集積、集約による大規模化は難しいという現実もあり、担い手は加速度的に減少しています。中山間地の多い本県の農業・農村を活性化させるためには、地域を支える小規模農家やUIターン者、定年帰農者、都市住民などの多様な人々の期待に応える施策が必要です。農に魅力を感じ、かかわりを持った生活をしたいと希望している人々を本県の農村地域へ呼び込み、農村の活性化を図る施策を新年度予算の中でどのように進めていくつもりなのか、農政部長に伺います。  松くい虫対策についてお聞きします。  県は、平成25年度が松枯れのピークだと言い、各市町村に、被害の拡大防止のため、被害対策基本方針を策定させて対策をとっていると言っていますが、長野自動車道ばかりでなく、篠ノ井線に乗って車窓から見る山の情景は目を覆うばかりであります。市町村からは、松くい虫対策を効果的に進めるため、単一自治体にとどまらず、隣接する地域との連携が必要であり、守るべき森林においては、薬剤散布を初めとする各種対策が不可欠で、あわせて、周辺松林では、更新伐を推進するなど総合的な対策が必要だと声を上げています。  一方、その薬剤散布について、県は、空中散布が効果的なのは未被害から微害程度としており、被害木の伐倒駆除とセットで行うなど効果が上がる方法で行うべきであると県と市町村の協議の場において話しているわけですが、これまでの施策と考えを変更したのでしょうか。  平成28年2月の林野庁の「松くい虫被害対策について」では、「公益的機能の高い松林を「保全すべき松林」、その周辺に位置する松林を「周辺松林」として都道府県知事等が定め、これらの松林を対象として重点的かつ総合的に実施。」、「被害の状況を踏まえ、保全すべき松林において、薬剤等による「予防対策」や被害木の伐倒くん蒸等の「駆除対策」等を実施するとともに周辺松林では樹種転換を推進。」と記載されています。  我々が視察した佐賀県の虹の松原で行っている松枯れ対策では、予防効果としての薬剤散布、伐倒駆除、樹幹注入などの松くい虫防除事業とともに、官民共同の事業展開をすることで被害を激減させ、松林の維持を成功させています。  そこで、国が農薬登録をしている薬剤散布の効果について、どのように県は考えているのか、林務部長にお聞きします。  松くい虫被害で枯れ死した松の経年変化により、道路や住宅周辺での倒木の危険性に不安を覚える県民の相談が市町村窓口ではふえています。感染拡大防止以外の対策が必要ではないでしょうか。伐倒薫蒸処理木や被害木の有効な活用策はどうなっているのかもあわせて林務部長にお聞きします。  また、激害地における治山事業や長野県森林づくり県民税を松くい虫対策に振り向けるべきだと思いますが、知事にお聞きします。  長野県教育についてお聞きします。  2040年の長野県を構想するとき、社会の担い手となるのは今の子供たちであり、教育の果たす役割は極めて大きいと考えます。平成30年度の新任教育職員任用式における教育長の挨拶で、原山教育長は、共通認識として確実な変化と不確実な未来を上げられていました。予測困難な時代を迎えるに当たり、現場の教員が実践してきた信州教育をどのように認識しているのか、また、その上で、今後教員一人一人に求めるあり方はどのようなものか、三輪教育次長にお聞きします。  ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、「サピエンス全史」で人類誕生から現在までをあらわし、「ホモ・デウス」という書籍の中で人類の未来を描いています。何カ月という単位で考えるなら、中東紛争やヨーロッパの難民問題や中国の経済の減速といった目の前の問題に焦点を当てるべきであろう。何十年という単位で考えるなら、地球温暖化や不平等の拡大や求人市場の混乱が大きく立ちはだかる。ところが、生命という本当に壮大な視点で見ると、他のあらゆる問題や展開も次の三つの相互に関連した動きの前に影が薄くなるとして、1、科学は一つの包括的な教養、教義に収れんしつつある。それは、生き物はアルゴリズムであり、生命はデータ処理であるという教義だ。2、知能は意識から分離しつつある。3、意識を持たないものの高度な知能を備えたアルゴリズムが、間もなく、私たちが自分自身を知るよりも私たちのことを知るようになるかもしれない。そして、生物工学と情報工学の発達によって資本主義や民主主義、自由主義が崩壊していくと書かれています。実際、AIやバイオテクノロジーによって起きている第4次産業革命は現在進行中であり、その後に大きく変わるであろう世界は、もうすぐそこに来ているかもしれません。  ホモ・デウスの描く将来が第4次産業革命とともに現実のものとなりつつあることを考えると、平成31年度予算に盛られているスマート県庁予算は今後の大改革への序章に過ぎないことになります。果たして、第4次産業革命によって到来し得るデータ至上主義社会に対応できる人々を長野県はどのように育てていくのでしょうか。  そして、今こそ将来を生き抜く子供たちに必要なことは何だとお考えか。知事は、未来の日本を背負う子供たちに対してどのようにわかりやすく語りかけるのか、お聞きします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)順次お答え申し上げます。  まず、JR東日本ダイヤ改正、特急あずさの関連でございます。  特急あずさの停車本数の急激かつ大幅な削減は、沿線住民の利便性を低下させるだけでなく、地域の経済、観光に大きな影響を及ぼすのでないかということで懸念をしているところでございます。  先般、県としても、関係市町村等とともに、地域の要望に耳を傾けダイヤの不断の見直しを行うこと、観光プロモーションの重点実施など地域の活性化、地方創生にともに取り組むこと、こうしたことをJR東日本に要請をしたところであります。  JR東日本からは、重く受けとめ、要請の趣旨に沿って地域と連携して活性化に取り組みたい。ダイヤの見直しについては改正後の利用状況を注視したいという回答がありました。地域の声を真摯に受けとめて対応するよう引き続き関係市町村とともにJR東日本に強く求めていきたいと思います。  また、私たちが求めております中央東線の利便性向上を実現していくためには、JRとともに、沿線地域も一体となってさらなる利用促進に取り組んでいくということが必要であると考えております。そのため、地域とJRとの情報共有と、連携強化に向けまして県としても取り組んでいきたいと考えております。  インバウンド誘客についてでございます。  インバウンド客は今右肩上がりでふえているところでありますけれども、さらに長野県として頑張っていかなければいけないというふうに思っています。  本県は、自然景観、歴史文化、こうした海外のお客様にアピールできる素材はしっかり持っているところだと思いますので、こうしたことを生かして、情報発信の強化、受け入れ環境の整備、さらには体制の充実、こうした観点で取り組んでいきたいというふうに思っております。  発信につきましては、観光地域づくりに取り組んでいる皆さんと一緒に多種多様な魅力ある旅行商品づくりを進めていきたいと思っておりますし、また、公式観光サイトを全面的に見直しを行った上で、AIを活用して、外国人観光客の多様なニーズにマッチした情報の戦略的な発信に努めていきたいと考えております。  また、受け入れ環境の整備でありますが、わかりやすい案内標識の整備、民間事業者と連携した無料Wi-Fi、キャッシュレス決済の普及、さらにはJRと県内私鉄、沿線自治体とタイアップして県内周遊フリーパスの販売などに取り組んでいきたいと考えております。  また、こうした事業を進めるに当たっては、今月末に長野県インバウンド推進協議会を設立予定でございます。県内の関係者の力を結集してこのインバウンドの促進に向けた取り組みを進めていきたいと考えております。  それから、松本空港の国際化に向けた姿勢についてでございます。  まず、この取り組み方針のテイクオフ期間中の総括でございます。  約3年でありますが、松本市を初めとする地元自治体、経済団体や関係の皆様方の御理解と御協力のもとでさまざまな成果を上げることができたというふうに思っております。特に、空港の国際化につきましては、平成29年の4月に約2年ぶりに国際チャーター便が就航になりまして、本日まで46便が運航をしております。今年度は、単年度としては過去最高の35便という形になる見通しでございます。  空港の年間利用者は、平成27年度の11万6,000人から昨年度は13万4,000人ということで15%以上増加してきておりまして、14年ぶりに13万人を超えております。今年度も、1月末現在で、昨年度同期に比べまして2,795人の増加という形になっております。このように、発展、国際化の取り組みはほぼ当初の目標どおり進捗しているというふうに考えております。  上昇期間の国際化への取り組み姿勢ということで、来年度からの上昇期間におきましては、より高い目標に向けてこれまでの取り組みをさらに加速化させて、次元の違う取り組みを展開していかなければならないというふうに考えております。  国際チャーター便のさらなる誘致活動に加えまして、国際線利用者のスムーズな動線の確保、また、新たな国際基準に対応した安全区域の整備など、施設面の課題にも取り組んでいく必要が出てきております。  こうした課題への対応を幅広く検討するため、来年度予算に施設機能強化に向けた調査費を計上させていただいたところでございます。飛行機を利用される方以外の方にも足を運んでいただけるようにぎわい拠点としていくことも含めて、他の空港の運営方法も参考にしながら具体的な検討を行っていきたいと考えております。
     沖縄県の下地島空港との連携についてでございます。  空港をネットワークとして機能しなければいけないわけでありますので、国内外一つでも多くの地域とつながっていくということが重要だというふうに考えております。  とりわけ、沖縄は海のリゾートでございますので、本県の山のリゾートと海のリゾートが空路でつながることは、インバウンド客の誘致を含めてさまざまなアピールにもつながるようなものというふうに考えております。  現在、下地島空港も国際化に向けた取り組みを進めていらっしゃるところであります。間もなく国際線ターミナルビルが完成するというふうに伺っております。県としては、訪日誘客支援空港、下地島空港、松本空港は同じ育成支援型ということで認定を受けておりますので、下地島空港を管理する沖縄県、あるいはターミナルビルを整備運営する民間企業の担当者の方とやりとりをさせていただいているところでありまして、今後、双方からの誘客などさらに具体的な連携方策を検討していきたいと考えております。  また、松本―下地島間のチャーター便の運行についても地域の皆さんが進めようという動きがあるというふうに伺っております。運航航空会社や主催旅行会社との調整を行うなどしてこうした取り組みとも連携をしていきたいと考えております。  共生社会の実現と子供貧困対策に関連して、奨学金制度の実績と改良点についての御質問でございます。  本県では、住民税非課税世帯の子供が県内大学等に進学する際の入学金等を支援するために、給付型の奨学金制度を全国に先駆けて平成26年度に創設いたしました。これまでの実績として113名の方に給付をしています。また、平成28年度からは、大学在学中の学費等を支援するための修学奨学金の制度を創設しまして、これまで延べ142名の方に給付をしております。従来、この奨学金の募集時期は9月までということにしておりましたので、1学年当たりの受給者は30人程度にとどまっておりました。本年度は、9月であるとなかなか進路の見通しが立たない方もいらっしゃるだろうということで、1月から2月にかけて追加募集を行うことといたしましたところ、本年4月の入学予定者49名から応募をいただきました。奨学金の給付を受けたいという希望者が拡大したわけでございます。今後とも、こうした制度のあり方を常に見直すことによって、より多くの皆様方に御利用いただきやすいような制度にしていきたいというふうに思っております。  また、貧困対策のためのこども基金の創設について御質問いただきました。本県では、平成28年度から、企業局からの繰入金5,000万円を活用してこどもの未来支援基金として積み立てて貧困対策に取り組んでおります。他方で、市町村との協議の場におきまして、子供を支援する基金を設置してはどうかという御提案もいただいたので、今、県と市町村で、この子供を応援する基金のあり方について検討してきているところでございます。検討の観点としては、県と市町村で共同でやりますので、基金をどこで設置するか、財源をどうするか、あるいは使途をどうするか、こうしたことについて全ての市町村と合意ができるスキームを目指して検討してきているところでございます。できるだけ早く具体的な方向づけができるように取り組んでいきたいというふうに考えております。  それから、豚コレラに対する県の対応状況と今後の対応策についてという御質問でございます。  2月6日に県内の農場と屠畜場で豚コレラの疑似患畜が確認されました。同日、長野県特定家畜伝染病防疫対策本部を設置いたしました。家畜伝染病予防法に基づきます防疫措置として、発生農場内の豚と、この農場から屠畜場に出荷された豚の全頭の殺処分などを実施したところでございます。  あわせまして、感染拡大防止のために、県内全養豚農家等の敷地消毒の要請、また、発生農場から3キロ圏内に消毒ポイントの設置、13の監視対象農場での抽出による精密検査、こうしたことを実施いたしますとともに、野生イノシシにつきましては、昨年9月から実施している死亡野生イノシシの感染調査に加えまして、発生農場周辺の捕獲イノシシの調査を行いますとともに、新たに監視強化区域を設けるなど監視体制を強化しているところでございます。  また、養豚農家の経営安定と防疫の徹底を図るために、啓発チラシの配布、普及センター、家畜保健衛生所に相談窓口の設置、こうしたことによりまして養豚農家からの相談に対応しております。加えて、風評被害を防止するため、県民の皆様方に対しまして、県のホームページや報道機関の御協力によりまして情報の周知にも努めてきているところでございます。今後、養豚農家や流通業者に対しまして衛生管理の徹底を指導するとともに、野生イノシシ等の農場への進入防止対策の強化を図るなど防疫対策をさらに進めていきたいと考えております。  また、国に対しましては、今後の状況も踏まえながら、感染経路の早期究明、蔓延防止措置に係る人的、財政的な支援、さらには正確な情報提供等風評被害の防止、こうしたことについて要請してまいりたいと考えております。  続きまして、松くい虫被害対策に関連しまして、治山事業の実施や森林税の活用という御質問でございます。  松くい虫防除対策につきましては、効果的な被害対策を進めるため、本年度から、被害の見える化とあわせまして、「守るべき松林」など被害の程度にあわせた対策事業の組み合わせを整理いたしました松くい虫パッケージ対策を進めているところでございます。  また、人家や道路に近接した重要な保安林内では、従来より治山事業を導入して樹種転換等の対策を進めてきております。今後も、引き続き災害の危険度等を考慮した上で、必要なところには治山事業を活用した対策に取り組んでまいります。  また、長野県森林づくり県民税による対応につきましては、来年度から新たにライフライン等の保全や景観対策の観点で松くい虫枯損木の処理に取り組んでまいります。  最後に、教育の関係でございます。  データ至上主義社会に対応できる人材をどう育てるか、また、子供たちに必要なことは何か、子供たちにどう語りかけるかという御質問でございます。  私も、サピエンス全史とホモ・デウスの両方を読ませていただきましたが、このデータ至上主義社会に行かないように人間至上主義で食いとめなければいけないというふうに私は受けとめております。放っておくとデータ至上主義社会にどんどん行ってしまうわけでありますけれども、著者も巻末で呼びかけているとおり、生き物は本当にアルゴリズムに過ぎないのか、生命は本当にデータ処理に過ぎないのか、こうした問いかけに我々は真摯に考えなければいけないだろうというふうに思っております。  そうした中で、子供たちの教育のあり方でありますけれども、20世紀の成長社会から21世紀の成熟社会に転換する中で、私は多様な教育というものが重要になってきているというふうに思っておりますし、また、新たなテクノロジー等にもしっかり子供たちが対応していくことができるような教育環境をつくっていくということが重要だというふうに思っています。  ただ、こうしたいわゆる旧来型の学力だけではなくて、もう少し違う観点の能力も求められてきているというふうに思っております。  泰阜村にあるグリーンウッド自然体験教育センターの辻英之代表理事と先般お話をしたときに少し学力について話題になりましたが、辻代表理事は、個人の所有する学力、漢字の読み書きとか計算、こうしたことも重要だけれども、それと同様に、他者との関係を豊かにする学力、仲間のことを思う長期的な視点を伴う学力、そうしたものが必要になっているのではないかというふうにおっしゃっていらっしゃいました。  また、杉並区の和田中学校で民間人校長を務めて、今、教育改革実践家として取り組まれている藤原和博さんは、必要な力は、これまでは情報処理力、いわゆる正解を当てる力だったけれども、これからは情報編集力、つなげる力、そして自分自身納得して人も納得させる、そうした力が重要になってきているというふうにおっしゃっています。  また、この場でも何度も申し上げているように、世界的には、いわゆるIQではかれる認知能力から非認知能力に対する関心度というのが高まっているわけであります。人間の能力というのは一体何のためにあるのかと、何のために使うかということを考えたときに、これは、サピエンス全史、ホモ・デウス、どちらだか忘れましたけれども、人間は、一人であればチンパンジーやライオンより弱い存在であります。やはり集団で行動できる社会をつくれる、これが人間の強みであります。そうしたことを考える我々の能力というのは、やはり社会をつくる、他者とつながる、このために使っていかなければいけないんだろうというふうに私は思います。  そういう意味で、子供たちに対しましては、ぜひ他者との関係性を紡ぐ力、こうしたものをこれから身につけてもらいたいと思いますし、この信州型自然保育も含めてそうした環境を進めていきたいというふうに思っております。  もう一つ、先ほどの人間至上主義かデータ至上主義かで、私は、人間至上主義のままとどまったほうがいいんじゃないかというふうに申し上げましたが、未来は私たちがつくるわけであります。特に子供たちがつくっていくわけでありますので、未来は自分たちがつくるんだということを理解をしてもらった上で、未来を自分たちにとってより暮らしやすい社会にするためにぜひ行動してもらいたいと、そういうことを子供たちには働きかけていきたいというふうに思っております。  以上でございます。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)松本空港に関しまして2点御質問をいただきました。  まず、国際化の課題と具体的な施策でございます。  この3年間の取り組みの進展で、国内線の増便、国際チャーター便の受け入れ、空港利用者の増加という成果とともに国際化に向けた課題が明らかになってまいりました。  国際線の利用者は、空港におきまして、いわゆるCIQ、税関、入管、検疫の手続を経るため、国内線利用者とは混在させず、別の動線を確保する必要がございます。しかしながら、現在のターミナルビルでは施設が狭く、国内線と国際線のお客様の動線を分けられないため、交互に受け入れざるを得ないというのが実情でございます。その上、CIQにつきましては、その都度、仮設の審査場を用意する必要がございまして、その準備にも時間を要しているほか、昨今では審査時間そのものが長時間化しているという傾向がございます。  こうした状況の中で、国内線の便数もふえてきていることから、国際線の受け入れ可能な時間帯がさらに限定されてきているという問題が起きております。引き続き国際チャーター便の誘致を推進しつつ、これと並行して、来年度は、これらの課題を解決するため、松本空港にとって適切な施設規模や機能について専門家の意見も取り入れながら検討してまいります。  次に、国内線の充実と空港利便性向上の課題、今後の施策についてでございます。  国内線は、新規路線の開設もあり、利用者も順調に伸びてきております。しかしながら、大阪伊丹線の期間延長、定期便の冬期の利用者の獲得、また、福岡線ダイヤが午前中に偏っていることなど、まだまだ取り組むべき課題はあると認識をしております。  施設や運用面におきましても、航空会社からニーズが強いRNP-AR進入方式の早期の導入、新たに国の指針で定められました滑走路端安全区域を確保するための方策の選定、ビジネスジェット向け格納庫など将来的な施設配置も含めた空港施設の機能強化、空港運用時間を有効に活用できる定期便ダイヤの実現などにつきまして、国や航空会社と協力しつつ課題解決に取り組んでまいります。  平成31年度は、ジェット化25周年に当たります。また、4月から6月にかけまして信州花フェスタも開催されます。より多くの方が気軽に空港にお寄りいただけるような空港の魅力づくりにも力を入れてまいります。  以上でございます。       〔観光部長熊谷晃君登壇〕 ◎観光部長(熊谷晃 君)外国人労働者の観光業界への就業支援体制についてのお尋ねでございます。  観光部において、昨年、観光事業者に対しアンケートを実施したところ、回答のあった622事業者のうち、人手不足が生じているという事業者は実に全体の46.1%に達するとともに、外国人材の積極的活用について「実施中」または「実施したい」とする回答が29.3%ありました。  本県の外国人労働者数を見ると、他業種に比べ労働ができる職種と期間が限られている宿泊・飲食サービス業では全体の6.1%にとどまっており、今回の入管法改正により、宿泊業において特定技能1号の受け入れが認められたことはその活用に大きな期待が寄せられているところでございます。  これらを踏まえ、県では、新年度、小規模事業者が多い宿泊業において、接客や調理補助など幅広い業務で外国人労働者の受け入れを支援することを目的として、海外現地における採用面接会を開催したいと考えております。来月には観光業就業促進・生産性向上協議会を立ち上げ、ターゲットとする国の選定やよりよい受け入れ環境の整備等について検討を進め、事業者の皆様と一体となって外国人労働者の就業促進を図ってまいります。  このほか、日本で学ぶ外国人留学生に対しては、産業労働部と連携して企業説明会を開催し、観光業への就業へつなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)児童虐待に関連しまして3点御質問いただきました。  まず、県内の児童虐待の相談状況についてでございます。  児童相談所への新規の相談対応件数は、平成29年度は2,048件で前年度に比べまして139件増加し、平成24年度以降6年連続で増加し、平成2年度に統計をとり始めて以来過去最高となりました。児童福祉司1人当たりで見た場合、新規の相談件数だけでも全国を上回る44件となっており、また、近年、法的に難しい対応を要する事案や、本県におきましても、千葉県野田市の事件に見られるように、児童相談所や学校に対し虐待の事実を強く否定し関係機関に高圧的に迫る保護者もいるなど、職員の負担感も増している状況にございます。  次に、専門職員の配置等についてでございます。  具体的な専門職員の配置といたしましては、平成28年度以降、児童福祉司を10名増員してきており、平成31年度においてもさらに6名の増員を予定しているところでございます。  あわせて、ただいま申し上げました難しい事案に対応するために、本県では、職員が一人で孤立することがないよう、児童相談所広域支援センターに配置している警察職員や非常勤の弁護士の支援を受けたり、複数職員で面接や訪問を行うなどチームで対応することを徹底しております。  続いて、専門性の向上と関係機関との連携についてでございます。  相談に当たる職員の専門性の向上を図るため、児童福祉司に任用された職員に対して経験年数など段階に応じた研修を実施し、資質向上、研さんに引き続き努めてまいります。  また、虐待の発生予防、早期発見では、市町村との連携、役割分担が不可欠でございます。具体的には、市町村が設置する要保護児童対策地域協議会において児童相談所、学校や警察を初めとする関係機関が虐待事案に関する情報を共有し、個別のケースごとに対応を協議するなどの緊密な連携が重要でございます。このため、既に共有している児童虐待防止に係る県と市町村の連携指針等の運用を徹底するとともに、要保護児童対策地域協議会の調整担当者などを対象とする研修会を通して、資質の向上、専門性の確保に取り組んでまいります。  子供たちの安全確保を最優先に、児童相談所がその機能を確実に果たすことができるよう、引き続き業務の質と量に見合った体制の強化と職員の専門性の確保に努めるとともに、関係機関との連携をしっかり図ってまいりたいというふうに考えています。  以上でございます。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)住宅確保要配慮者に対する居住支援の今後の方向性についてのお尋ねです。  県では、いわゆる住宅セーフティーネット法に基づき、行政、福祉関係団体及び不動産関係団体からなる居住支援協議会を平成28年3月に設置し、賃貸住宅への円滑な入居の促進等について意見交換や協議を重ねてきたところです。この中で、実効性ある居住支援を進めるためには賃貸住宅を借りる際の保証人の確保や入居後の各種支援が課題であり、賃貸住宅の所有者、入居者、そして居住を支援する者との関係構築が重要であるとされました。このため、生活困窮者の入居保証や生活支援事業などを行っている長野県社会福祉協議会、県社協を住宅セーフティーネット法に基づく居住支援法人として1月25日付で指定したところです。  県といたしましては、今後、県社協が行う入居保証や入居後の見守り、安否確認などの具体的な支援活動を通じて、さらなる行政、福祉関係団体及び不動産関係団体等の連携を深め、取り組みを強化してまいりたいと考えております。  以上です。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)3点御質問をいただきました。  まず、「長野県あんしん未来創造」サポート事業をどのように発展させていくのかについてでございますが、当該事業は、これまで、制度のはざまで保証人が確保できず、住宅確保や就労ができなかった生活困窮者等を支援するため、生活困窮者自立支援制度の補完的な事業として長野県社会福祉協議会が平成29年度から独自に取り組み始めた制度でございます。事業実施を通じて、救済、自立支援につながる等の効果が認められましたことから、平成31年度から県として入居、保証の原資補助等に取り組み、長野県社会福祉協議会、市町村社会福祉協議会とともに連携しながら全県の自立支援のセーフティーネットを強化するものです。現時点では、当該事業に参画する市町村社協は16社協にとどまっておりますが、将来的には全ての市町村社協の理解を得て参画をいただき、長野県社協、市町村社協、県が一体となった持続可能な体制へと発展をさせてまいります。  次に、社会福祉法人の地域における公益的な取り組みに対する今後の方針についてでございます。  共生社会の実現のためには、県内約350の社会福祉法人が地域の社会福祉の中心的な役割を果たし、制度のはざまの課題解決等公益的な取り組みにも積極的に貢献いただくことが重要と考えております。  県としましても、好事例等の収集、発信等を通じて、社会福祉法人の地域の公益的な取り組みを広げるよう支援していくとともに、県が来年度から連携して取り組む「長野県あんしん未来創造」事業のような先駆的で全県的に展開することが望ましい社会福祉法人の公益的な取り組みについては、県においても事業化も含めた支援策について検討してまいります。  最後に、災害福祉広域支援ネットワーク協議会が果たす役割と今後の施策展開についてでございます。  近年多発している大規模災害において、高齢者や障害者、子供等災害時要配慮者が避難所等における長期間の避難生活を余儀なくされ、生活機能の低下や要介護度の重度化などの2次災害が生じる事例が報告されております。  こうした避難生活中の生活機能の低下等を防止するため、社会福祉士等の福祉の専門家からなる災害派遣福祉チームの派遣が必要となっております。このため、チーム派遣の基盤となる官民協働によるネットワークとして、長野県災害福祉広域支援ネットワーク協議会を県社協ほか19団体と県で本年2月6日に設立したところであります。いつ起きるかわからない大規模災害等の発生に備えて、今後県内に4圏域ごとに2チーム、全県で8チームの災害派遣福祉チームを編成し、養成研修や訓練の実施、福祉避難所における訓練等への支援を行い、災害時要配慮者への支援体制の整備に努めてまいります。  以上でございます。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)TPP11や日EU、EPA発効に伴う畜産業への対策についてのお尋ねでございます。  県では、昨年2月に定めた長野県TPP協定等に係る農林業分野対応方針に基づき、本県農業への影響を最小限とするための施策に取り組んでいるところでありまして、生産力の強化では、国の補正予算を活用した酪農経営の規模拡大の支援とともに、牛の分娩間隔を短縮できるICT監視装置などの導入によるスマート畜産を進めてまいります。養豚では、子豚を多く産む繁殖雌豚の導入や体調管理技術により子豚の育成率を高めるなど、生産性の向上に取り組んでまいります。  また、ブランド力の強化では、特に関西圏でブランドとして確立している信州プレミアム牛肉について受精卵移植技術の導入などにより生産拡大に努めるとともに、首都圏でのブランド確立に向け、定期的に東京食肉市場に出荷するなど新たな取り組みを進めてまいります。  続きまして、農村への県外者の呼び込みや活性化施策についてのお尋ねでございます。  中山間地が多く担い手の減少が大きな課題である農村地域に人材を呼び込み農村を活性化する施策は、非常に重要と認識をしております。  また、移住セミナーにおけるアンケートでは、農ある暮らしを楽しみたいというニーズが2割程度あることから、農ある暮らしを希望する多様な人材を長野県に呼び込み、農業を学び、体験、実践できる環境を整える事業に取り組むこととしているところでございます。  この事業では、農業の未経験者向けのガイドブックや動画を活用した講座で農業を学んでいただくほか、農業に関する情報を総合的に発信するウエブサイトによりまして、農ある暮らし希望者を県内外から呼び込みます。  また、新たに設置をいたします農ある暮らし相談センターに農業の知識を有する専門アドバイザーを配置をし、市町村等が行っている農業体験や研修の受け入れへの支援などによりまして、農ある暮らしを希望する方々を定年帰農や半農半Xなどの形で農村に呼び込み、活性化につなげてまいります。  以上でございます。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)2点お尋ねをいただきました。  まずは松くい虫対策における薬剤散布の効果等についてのお尋ねでございます。  薬剤散布は、松を枯らす原因となるセンチュウを運ぶマツノマダラカミキリの成虫を殺虫するもので、初期の被害松林に対しては被害予防対策として有効な方法と考えております。ただし、薬剤は枯れ木の内部にいるカミキリの卵や幼虫、あるいはセンチュウそのものに対しては効果が及ばないため、伐倒駆除と組みあわせて実施するようお願いしているもので、従来の方針を変更したものではございません。山は起伏に富み、被害状況を把握しづらかったので、衛星画像や航空レーザー測量データを利用した松枯れ状況マップ、見える化マップを新たに作成いたしましたので、その配布とあわせて改めて対策を徹底したものでございます。  次に、道路や住宅周辺での危険木の処理、被害木の有効活用についてのお尋ねでございます。  議員御指摘のとおり、伐倒駆除が追いつかない状況となった松林においては、年数の経過とともに倒木の危険が生じており、集落や主要なライフラインに接する森林において新たに枯損木を含む危険木の伐採を支援してまいりたいと考えております。  また、伐倒薫蒸処理木等については、これまでの実証から、3年程度経過したものであれば木質ボイラー用のチップとして有効に活用できることが確認できておりますので、松くい虫被害木の活用等の支援もあわせて進めてまいります。  以上でございます。       〔教育次長三輪晋一君登壇〕 ◎教育次長(三輪晋一 君)信州教育に対する認識と今後教員に求めるあり方についてのお尋ねでございます。  信州教育は、いわゆる全人教育の理念のもと、子供は本来主体的、能動的な存在であり、子供の育ちは外から与えられるものではなく、子供のうちに立てられるものであるという、そういう教育観に立って教育実践に努めてきていると認識しています。  予測困難性が増すこれからの時代の中で学校に求められるのは、子供一人一人の興味関心や学びのペース等が異なっていることを前提に、一斉一律型ではない緩やかな協働性に支えられた個の学びへの転換であり、自分なりの問いを立て、他者と協働しながら自分なりの答えを見出す自立した学習者の育成であると考えています。  そのため、教員は、子供一人一人の学びを支える伴走者、支援者となること、そして、知的好奇心を刺激して主体的な学びを引き出すファシリテーターとなることが必要であり、教員自身もみずから学び続ける自律的な学習者であることが大切であると考えています。  以上でございます。       〔24番下沢順一郎君登壇〕 ◆24番(下沢順一郎 君)21世紀が、ハンティントン教授の論文である「文明の衝突」のとおり、冷戦後の世界では文明と文明との衝突が主要な対立軸となり、特に文明と文明が接する断層線で紛争が激しくなると指摘されたとおりの様相であります。本郷先生がいつも言っているとおりでありますが、まさに世界のグローバル化によって現在では宗教や民族の対立が逆に際立っています。中嶋嶺雄先生が言う、このグローバル化が引き起こしたローカル化とも言うべき事態をどのように解決していくのか、我々に課された課題でもあります。多様性を認めるという重要性を再認識する必要があるのではないでしょうか。  私は、より成熟した日本の未来を背負って立つ子供たちが、教養教育の充実のもと、異文化理解を深め、世界に羽ばたいていくことを願うものであります。
     また、生物工学と情報工学の発達は確実に進行しています。激動の時代を生き抜く我々は、100年単位で起こっている事象の中で10年単位の問題を解決しようとしています。将来のデータ至上主義社会と現在の人口減少社会と人手不足など、今回は、より大きな波紋となる一石を投じることで新しい時代への一助となることを願って、代表質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(小林東一郎 君)お諮りいたします。本日はこの程度で延会にいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(小林東一郎 君)御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決定いたしました。  次会は、明20日午前10時に再開して、各党派代表質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後3時39分延会...