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  1. 長野県議会 2018-12-11
    平成30年11月定例会農政林務委員会−12月11日-01号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成30年11月定例会農政林務委員会−12月11日-01号平成30年11月定例会農政林務委員会 農政林務委員会会議録(その2) ●招集年月日時刻及び場所  平成30年12月11日(火)午前10時30分、議事堂第4委員会室に招集した。 ●出席した委員の氏名    委  員  長       依 田 明 善    副 委 員 長       丸 山 大 輔    委     員       西 沢 正 隆       同          垣 内 基 良       同          共 田 武 史       同          清 水 純 子       同          吉 川 彰 一       同          和 田 明 子       同          小 島 康 晴 ●欠席した委員の氏名    な し ●説明のため出席した者の氏名 (農 政 部)
       農政部長           山 本 智 章    農政技監兼農業技術課長    伊 藤 洋 人    農業政策課長         草 間 康 晴    農産物マーケティング室長   中 山 武 幸    園芸畜産課長         丸 山 秀 樹    農地整備課長         所   弘 志    農村振興課長         小 林 安 男 ●付託事件   12月10日に同じ ●会議に付した事件   12月10日に同じ ●開議時刻 午前10時28分 ●依田委員長  開会を宣した。  ▲ 日程宣告    農政部関係の審査  ▲ 議題宣告農政部関係)    付託事件及び所管事務一般を一括して議題とし、委員の質疑等発言を許可した。 ◆清水純子 委員 お願いいたします。最初に資料の中から2点ほどお聞きします。資料1のTPP11等に関する関連事業の実施というところの4番で、畜産・酪農収益力強化事業産地パワーアップ事業が載っております。攻めの農業に対する環境整備というのは、本年始まったわけではなく、ずっとという形になるのでしょうけれども、ここに2つの事業を載せていただきました。大変大きなお金が必要であり、協議会等々でこれを事業として進めていくというところが載っております。農業の生産性や、攻めの農業という環境整備の中で、県内でどのぐらいの必要性があり、これをやるところの、例えば国の補助事業というか、国のお金が出ておりますけれども、このあたりが、やりたいというか、整備が必要だというところと、国の補助をもらって、国の予算が確保されている長野県としてこれを進めていく計画のところの調整というか、必要性があるというところと、事業ができるというところが、どのぐらいの計画で進んでいくのかという観点から少し教えていただけますか。 ◎丸山秀樹 園芸畜産課長 事業をやるターゲット、または予算との関連でございます。こちらに事業で上げておりますように、畜産の関係ということで事業があります。例えば相対的に見ると、担い手がいる、もしくは確保される形で、一定の経営規模が現在あってこの技術力がある。その上で、さらに次の展開として収益を高めていきたいという生産者の方が対象になってまいります。例えばこちらの酪農の規模でございますと、ほぼほぼ300頭規模まで増頭していく形になりますので、これは県内でもトップレベル経営規模になります。全国的には1,000頭くらいのメガファームもあるのですが、長野県は、それは適さないので、300頭規模が現状では最大規模になります。売上がこれだけでも3億円以上あるという形になりますので、地域の中核的な経営体になっていく。  今までも、こうした畜産の関係の事業は、補正予算で措置されておりまして、またこれからも措置される形になりますけれども、こうした資金を使いまして、経営の規模の拡大と効率化を同時に図るという点については、希望されるところと、それから予算については、一応マッチングできてきているということだと思っております。これからもまだ、経営者が、後継者がいらっしゃいまして、さらなる規模の拡大を図りたいという経営体は、すぐできるわけではなく、準備が必要になりますので、そうした方に対しても、また、希望を随時当たりながら、大規模経営が可能な経営については、誘導していくという形になります。  それから幅広い裾野という点でいきますと、産地パワーアップ事業を広く活用していただくことを提案しております。具体的な例としましては、ブドウの冷蔵庫、それからブドウの果樹の棚です。これの補助を、こうしたパワーアップ事業で入れまして、畜産の場合は点になるんですけれども、果樹の場合には面として、その産地全体の中で希望される方を数十名単位の中で導入していく。ブドウの冷蔵庫については数百台規模で入っている形になりまして、早く出荷するところから、旬の出荷をするところ、それから年末年始に向けて価格の高いところまでの出荷、これは、輸出も想定して、その販売の戦略と生産振興をマッチさせるということですし、これから「クイーンルージュ」も、この春から苗の配布が始まってまいりますので、そうした需要も含めて、種なし皮ごとのようなブドウの増反の計画をされていく産地については、産地パワーアップ事業を活用しまして、産地全体で面積をふやしていく形が対象となってまいります。  具体的に、希望に対して事業のニーズについては、畜産のクラスター事業関係や、産地パワーアップ事業、強い農業づくり交付金などを駆使しながら、全体としては、ほぼほぼ、現状は採択できる形で進めておりますし、今後もその対応で進めてまいりたいと思います。 ◆清水純子 委員 よくわかりました。産地パワーアップ事業に関しては、ほぼほぼ、必要とするところと、それに対して補助というところが合っていますね。要するに県単独で、今後、しっかりとTPP等々を含めたところの対策と、あとは国の補助事業というところと、また県の単独で、ぐっとやっていかなくてはいけない方向性なんかも含めた見解はどうですか。 ◎丸山秀樹 園芸畜産課長 例えば新品種のDNA開発の中で、「ナガノパープル」以降、「クイーンルージュ」を初めとして、売れる品目の技術開発がありますので、そういう品種の提供と、オリジナル品種をしっかりつくりこなして、それをマーケットに出して、長野県の優位性をもって販売していく。これがつくって売るという基本的な戦略になるかと思います。  その一方で、県単独でという形になりますと、施設もののハードは国の事業をしっかり使う。それ以外の部分で、例えば畜産ですとDNAのゲノミック評価をしていい系統のものを残せるようにする。それから体外受精卵IVF卵を作出しまして優良系統の雌牛をふやす。資料の中にも入れてありますけれども、豚の背脂肪厚をはかる技術を普及させて、その中で生産性を上げていく。こうしたものを県単独で行いまして、国で支援していただけるものを最大限に活用しながら、そこの中で直接補えないものは、県で工夫して技術開発・提供等を含めて支援していく。こういったバランスをとりながら進めてまいりたいと考えております。 ◆清水純子 委員 ありがとうございました。今回の資料を見ていて、本当に豚の背脂肪等々の具体的な資料を出していただいて、生産性の向上も含めて、長野県の農業はすごく力を入れて進んでいるというところが、すごく具体的によくわかりました。毎年、この時期になりますと、国の予算の勉強会に会派で行ってまいります。農業関係の国の来年度予算の概算も勉強させていただくのですが、なかなか長野県独自の課題に対応した国の予算というと、少し温度差があるなと、毎回、感じながら帰ってくるんです。そうすると、長野県農業に関しては、農政部がしっかりとやっていくことが、何より一番だということをつくづく感じながら、毎年、帰ってまいります。ぜひ県単独予算も確保していただきながら、力強い長野県の農業をつくっていただくように心からお願いを申し上げます。  続いて、国際フラワーフォーラムのことで少しお聞きしていきたいと思います。前回の議会での資料の御提示だったと思うんですけれども、来年度の4月から6月にかけて開催されるとお聞きしております。6月・7月には、「国際フラワーフォーラム2019」という形で開催されるということで聞いておりますけれども、本県の花きの魅力をしっかりと発信していこうというテーマになっていると思うんですけれども、来年に向けたフォーラムに関する準備状況は、この時点でどうなっているか、お示しいただきたいと思います。 ◎丸山秀樹 園芸畜産課長 「国際フラワーフォーラム2019」の準備状況でございます。「信州花フェスタ2019」が4月から6月にかけて松本平広域公園で行われます。それに合わせて「国際フラワーフォーラム2019」ということで、2部構成で、6月14日・15日、それから7月11日・12日で行います。9月に設立総会を行いまして、それ以降、幹事会を2回重ねておりまして、具体的な企画の練りを進めております。具体的には、メインでございます講演の候補を選定しまして、今、交渉を進めているということでありまして、ヨーロッパでの花を取り入れるという視点での講演とか、輸入の花のバイヤーさんの中で、海外の需要という点についての講演をいただいたりする予定でございます。  それから花の消費拡大については、これから若年層をターゲットにしていくことが重要になってまいりますので、フラワーファッションショーという新企画を専門学校と計画を詰めているところでございまして、具体的に実施が可能となってまいりました。また、花いけバトルということで、高校生大会を、具体的に呼んでくることが可能ということで調整できましたので、そうした具体的な催事の内容の企画を、今、練って詰めているところでございます。  それから全体の運営としましては、PRしていく広報、パンフレット・ポスター等でございますけれども、現在、プロポーザルが終わり業者選定が進み、今月中にポスター案が出てきて、1月から、具体的にPR活動に使える配布活動に入ってまいります。それから運営については、3月ぐらいにプロポーザルを行いまして、それに向けた運営を行っていくということで、計画に沿いまして進めているというところでございまして、おおむね順調に進んできているというところです。 ◆清水純子 委員 ありがとうございます。フラワーファッションショー、いいですね。ポスターもしっかりと、どなたが選ぶのでしょうかね、ぱっと目に入るいいポスターをつくっていただければと思います。  そして長野県、青木村にもすばらしいお花をつくっていただいている生産者がたくさんいらっしゃいます。長野県の花きは、品質もよい、そして国内のみならず海外でも大変評判がよく評価が高いと聞いております。このフォーラムをきっかけに、海外展開をどのように進めていくのか、現時点の状況と、また今後の先々の計画がきちんとされているのか、その点、お願いします。 ◎丸山秀樹 園芸畜産課長 フォーラムを契機とした今後の展開、輸出への対応ということでございます。花のこれからの消費の拡大の一つのベクトルの中では、輸出が課題になってまいります。近年、4,500万円ぐらいの輸出額、県産はありますけれども、それを平成31年には5,500万円くらいまで上げていきたいと考えておりまして、そうした中では、花を海外で買っていただける方のベースとなるところが大事でございまして、それが何かと言うとバイヤーさんでございます。バイヤーさんに対しての情報発信を現在でも重ねてきておりまして、輸出額の増大にもつなげてきておるわけでございますが、これからにつきましても、輸出先のバイヤーさんとの関係性の強化をまず進めてまいりたいと思います。  具体的には、SNS等を通じまして、県産のよい花の情報や品質を重ねて情報発信していくという視点で、日常的にもそうしたコミュニケーションをとっていきたいということが一つでございますし、もう一つは、来年に、ちょうど花フェスタと同じ時期になるのですけれども、中国で国際花博覧会がございます。花の博覧会というものは、国際水準の中ではクラス分けがございまして、特に最大級のAクラス博覧会がございまして、それが中国になります。そのときに、政府が政府館として出展することになっていまして、その中で希望する産地も出せるタイミングが少しございます。私どもとしては、これからのターゲットの中では、中国は、これから富裕層も多いということになりますので、次なるターゲットにはなるということを考えておりまして、ぜひこちらの北京の国際園芸博覧会に出展していきたいと考えております。  期間は、7月ぐらいを想定して調整を進めていきたいということでございまして、出展する花については、トルコギキョウを中心に、ダリアですとか、そういった幾つかの県産の花の品質のよさをPRする。そこに、相当数の一般客のほかに、バイヤーさんが世界中からAクラスの場合には参りますので、その皆さんに対して訴求しまして、その後のPRにつなげていって、またそういった皆さんにも、SNSでの発信等もしていきながら、長野県全体としての花のよさの国際的なPRの拡大をし、輸出の増加につなげてまいりたいと考えています。 ◆清水純子 委員 わかりました。ありがとうございます。今後の方向性も見えてきたというところで、私の周りにも花きの生産者がいらっしゃいます。すばらしい、思いもしっかりともって頑張っていただいている方との懇談の時間も設けていただいて、お花もいただいたりするんです。トルコギキョウを11月24日に花束でいただきました。きょうは、11日ですが、そのまま変わらないんです。これはどういうことかと、きのう電話したら、1カ月はそのまま、しっかり水をかえておいていただければ、きれいなトルコギキョウで、花束で維持ができるということを力強く言っていただきました。  これほどすばらしい生産者が地域に顕在していて、どこにそのお花は動いているのか聞くと、東京や大阪や京都だと言うんです。では地元でそのお花は出ていますかと聞くと、どこに行けば買えるかと言うと、出てないと言うんですよ。多くの方々がみんな東京に行っている、自分たちの地元ですばらしいお花をつくっていただいて、目にすることなく東京に行ってしまう。どうしてかと言ったら、1本、すごく大きいんですね、400円だと言うんですよ。1本400円で買ってもらうのに、地元に出すと、多分、無理であろうということらしいんです。そうすると、地元でつくった立派なすばらしいお花が、自分たちの前を通らないという形が、今の花きの販売ルートの状態だということがよくよくわかりました。  でも長野県で今回のフォーラムをやり、効果の一つの中に、このフォーラムで、認知度の向上と、また日常における花によるライフスタイルということで、生活の中で花があるというところを、長野県民も含めてお花というところを、フォーラムの一つの目的、効果というものにつなげていく項目がありますので、地元の流通はどの程度になっているか、その角度からすると、地元の生産者がつくったお花を地元で使う部分の流れは、農政部としてどういうふうに考えていますか。 ◎丸山秀樹 園芸畜産課長 花について、首都圏等に流れてしまって、なかなか地元では目にし、活用することができないという話かと思います。産地によっては多少違うと思うのですけれども、特に主産地の花の地域になりますと、ビジネスとして相手にするのは業務用系になりますので、それはおのずと消費地に出荷します。ですから、農家の経済的な動きとしては、それが通常の動き方になるので、それは稼ぐための基本ですので、それが普通です。一方で、地元でもそのよさをもっと知りたいし、楽しみたいというニーズも確かにあります。その戸数がかなり多い主産地の場合には、業務用のレベルのところから少し外れたものが地域内流通に回って直売所等に回るという機会が多く出ますので、400円ではないにしても、1束で400円、500円という形での流通が、普通、直売所だとあります。直売所の場合、1本400円で売っている直売所は存じ上げないのですけれども、なかなか、普通、ないと思います。  あと、その産地が主産地ではなくて、個別の生産者が中心に頑張っている地帯の場合が、今のようなお話に該当してまいりますので、そうした場合についても、特定の出荷先と結びついた出荷が基本になります。ただ、その中でも、100%、400円の花ができるわけではありません。丈が短いとか、少し小ぶりだというものがありますので、実は、そこが地域流通に持っていくための、チャンスかなと思います。  そういった方とお話をして、御満足いただける提示になるかどうかわからないのですが、いただけるものは直売所に出していただくとか、もしくは贈答用のギフトで、例えば3,000円、4,000円のものがつくれるということをアナウンスして、逆に400円の花のギフトの花を直売所でつくれますというアナウンスをしていただくと、首都圏に行くものが、単価が3倍くらいになっていくものが、非常に格安でプレゼントとしてお使いできるということがあります。それを生産者にやることは基本的には無理ですので、それを、例えば直売所でもってそこを示していくというものは、これからも課題になると思いますので、そういった工夫を重ねていく。  それからあと、こちらの中でも、家庭内の消費の流通を伸ばしたいということになりますので、さっきの花育活動をしっかりやった上で、できるだけ、月ごとに使っていただける機会をふやしていくことになると思います。ちなみに先ほどの1カ月もつというお話ですが、もちろん、これから春先までに、ほとんどの信州の生け花を、水をかえていただきますと1カ月ぐらいもちますので、そういう楽しみ方もお花屋さんでも提案していって、需要の拡大につなげてまいりたいなと思います。 ◆清水純子 委員 ありがとうございます。海外進出という、輸出というか、外に出していく、見せていくことは、きちんとした戦略があって、どっちかというと、この地元の中でというところが、もう一押しやっていただきたいと、お話を聞く中で思いました。  ランクがあると言っていました。やはり求められるところに、例えばテレビ放送のニュースか何かの後ろにある花がうちの花なんだよというような、そんなところのランクを出している生産者も多くいらっしゃるんです。それでも、ABCなのかどうなのかわからないのですけれども、ランクがあって、私がいただいたのはその下のランクなので、それでも立派に1カ月しっかりもつぐらいの満足のいくすばらしいお花です。そうすると、例えば地域ごとに、道の駅や直売所で、地元でつくったお花を目にする機会を、もう少し農政部で上手に仕組みをつくっていただいて、東京に出せないようなものを、今、どうしているかわからないですけれども、一個下がったランクを、地元の中で流通していく仕組みづくりであったりするところを、もう一歩、力を入れていただいたら、随分流れが変わってくると思ったり。  長野県議会議員連盟として、「クイーンルージュ」を食べさせていただいた会があったじゃないですか。ああいうところで、例えば長野県産の花きの品種かなんかの発表会でも花きに関するバックアップを農政部で力を入れてやっていただきたいと思っております。フラワーフォーラムも来年度あります。来年は特に力を入れていただければありがたいと思っております。  そして最後にもう一つ、きのうから、各委員からお話があります中高生のためのガイドというところで、少し私も感想を言わせていただきます。その前に、長野県の農業と、その情報のつなぎというテーマに、私もずっとスマホをいじりながら、長野県のホームページから農政部のいろいろな施策等々の情報、長野県で農業をしませんかという情報であったりというところをずっと探してやっています。農業に興味がある人が情報をどうやってとるのかというのが一つ。そして長野県の農業にあまり興味がないけれどもというところの人たちにつなぐ情報は、どうやってつながれるのかなという観点の2点から、ずっとホームページ等々含めて、いろいろなキーワードを入れながら検索をここ最近やってきました。  一つには、農業に興味がある人に関しては、結構な情報が入ってくるんですよ。ホームページから、長野県農業という言葉をぽっと入れると、だだだだっと、結構たくさん出てきます。そこから選んで、展開される情報がすごく深いんですね、広いし、すごく頑張っていただいているんだなってすごく思っています。ただ、興味のない人が長野県の農業に触れる機会は、実はないなと反対に思って、つながるという観点からすると。例えば消費者の目線で長野県のおいしい物って何だろう、そういうところの観点からつながる情報はどこなのか、安心・安全で無農薬で頑張っている農家の人たちが、どこで出してどうやって自分の口に入るのか、そのようなところが、つながるのがなかなか、実は検索を深めていかないとなかなかつながってこないという感想です。  これからは、SNS等々を含めた情報合戦、しっかりとそこにアピールしていくことが大事になる中で、長野県の情報のつなぎに関しては、どの程度でどういう成果が出ているのか、ざっくりと教えていただければ。 ◎小林安男 農村振興課長 農業に関する情報の提供のあり方ということで御質問いただきました。お配りしております就農ガイドブックの22ページにも記載してございますけれども、「デジタル農活信州」というページを、長野県農政部としてコンテンツを提供しているところでございます。このコンテンツにつきましては、市町村やJAの情報も含め、県の情報を合わせて、一括して長野県の農業に関する情報が得られるようにということで、提供しているウェブサイトでございます。このウェブサイトにつきましては、実際に1万4,000人を超える方たちがアクセスをしている。これは、アクセスする回数ではなくて、人数という形で整理させておりますけれども、多くの方たちに見られているということで、一定の成果が上がっているということで承知しているところでございます。  一方で、御指摘のあった、農業に興味のない方たちにどういった情報をしていくかというところでございますけれども、なかなか難しい問題です。ただ、委員から御指摘がありましたとおり、長野県の中では、「おいしい信州ふーど(風土)」に関するウェブサイトとか、移住交流に関するウェブサイトとか、いろいろな部分のところで情報提供を行っておりますので、こういったものをリンクしてつなげていくこともしながら、興味のない方たちに対しても、長野県の農業の情報が発信できる取り組みは、今後、していく必要があると考えております。 ◆清水純子 委員 とにかく情報をつなげることが大事です。「デジタル農活信州」は本当にすごいです。このまとめ方は、どなたがやったかわからないんですけれども、とてもありとあらゆるものに対して、自分が農業をやる上でというところで、どんな制度があり、自分に向いている、そしてリスクがどういうふうにある。相談をしなきゃいけないところはどうなのかというところを、全部、網羅しているすばらしいものをつくっていただいているということもわかりました。  ただ、いっぱいはあります。でも一元化されてない感じがするんです。おいしい物が食べたいな、長野県の今の時期って何がおいしいのと、「ふじリンゴ」が出たというところの一般消費者の観点から、農業を始めてみたい、長野県でやってみたいという人だったり、いろいろな方が、農業というキーワードの中で、一元化、そしてほかのところを見たときにこっちにつながってくることが、全部つながる情報の仕組みをつくっていかないと、なかなか、コアな人しか興味がある人しか見ないものになってくる感じがしております。  長野県にとって農業ってすごく大事じゃないですか、ホームページのトップページに、普通の人がぱっと見たときに、長野県農業のアピールが全然出てこないんですよね。やっぱり自分で必要と思ったときに、長野県農業というキーワードを入れて検索して情報をとるというところですけれども、一コマもらって、トップページに長野県の農業をどんと出して、そこに網羅する。おいしい食べ物から、働きたい人から、いろいろなところに、ここに網羅されているというコマを一つつくることは、可能ではないでしょうか。 ◎中山武幸 農産物マーケティング室長 一般の皆様の農業へのアクセスから農業全般のところに深掘りしていくというスタイルの情報の窓口ということかと思うんですけれども、県のトップページに載せるのは、人気がありますので、なかなか厳しい中で、時々載せたりとか、いろいろな形で載せる努力はしたいと思います。それとは別に、一般の皆様が農業にというのは、委員御指摘のように、おいしい物、食べたい物、今、旬は何とか、そういう切り口だと思いまして、それに関しては、「おいしい信州ふーど(風土)」という専用のネットを立ち上げておりまして、そこのアクセス数は、おかげさまで年々ふえていまして、今、年間80万件になっております。そこは、それぞれ旬の情報、おいしい物、産地、それからお店といった切り口から入ってこられるものになっております。そういう中で、ブログ、SNSの発信をしながら、そういうところから入ってこられる形は、今、とっておりますので、今、委員御指摘のように、そこから長野県のいろいろな農業の担い手の問題であるとか、生産振興の話であるとか、そういうところにもつながることは、さらに一層工夫していきたいと考えております。 ◆清水純子 委員 トップページが人気であるというところで、でも農政部の強い熱意があれば、一コマ確保できるんじゃないかと思っておりますので、ぜひ頑張っていただいて、応援団の一人として、頑張っていただきたいと思います。今、室長がおっしゃったつなげることが大事で、すごく人気がある「おいしい信州ふーど(風土)」が80万件です。ここを見ている、ここに興味があるって、つながっている人が確実にそこにはいるわけです。その「おいしい信州ふーど(風土)」から、例えば「シャインマスカット」、きらきらしてきれい、これをつくってみたい、仕事にしてみたいという人が、中から出てくることもないわけじゃないじゃないですか。だから、ここから、生産者につなげていく。では生産者になるためにはどこに相談先があるのかというところを、全部きちんとつなげていくことが、絶対、これからは大事だと思う、そういう見方で見ると、まだまだですよね。  きのうも、西沢委員からもありましたが、絶対10部じゃ足りないし、10部しか配れないのであれば、どうやって効果を出していくのかというところが、もう一歩なのかなと見ておりました。これ、見ていると、何人、生徒が見るかわからない、どういう使われ方、校長会でも、校長先生が真剣に農業を子供たちにやらせたいと思っている校長じゃなければ、学校で、多分、展開はできないと思います。もっといい仕事があるだろうと校長先生が思えば、これを校長会でしっかり訴えても、なかなか活用は多分されないと、正直、思ってしまうんです。でも目にした生徒が、興味ある生徒が、ではこの長野県の農業どうなっているのかなというところの、取っかかりにはなると思います。  先ほどこの冊子で一番は、雇用というか、サラリーマンのように農業法人のところで働くという一つの選択肢もあるんだというのは、私も目からうろこでした。そういう中で、そこから深く入っていくためのツールとして、QRコードを含めたインターネット、子供たち、今、スマホで全部調べますので、ここの部分の興味がある子はどこにつなげていけばいいのかというところを、一つ下にQRコード、そしてフェイスブック・ツイッター等々、ここに情報はあるよということをそれぞれのページにつなげていただければ、興味のある子は絶対に見るんです。10部であっても、大勢じゃなくても、そこにつなげていこうという意欲があれば、絶対に今の時代、必要なものです。そういう観点で、ぜひ、1万部でしたか、使っていただきたいなと思います。  あとは、農業女子が載っております。ありがたいなというふうに、長野県の農業の女子というところの観点でありますけれども。農業女子も、フェイスブック等々でしっかりとグループで使って発信しているんです。そういうところも、ぜひ、こういうところを見ていただくと、農業女子がどのように活動し、どういうふうに頑張っているというところも、つなげていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎小林安男 農村振興課長 就農ガイドブックの活用方法等々について、御質問いただきました。確かに学校に配っているのは10部ということで、非常に少ないという御印象もあったかもしれませんけれども、例えばこれを100冊、200冊、学校に全て配布して、そこで計1万部を配布しましたということで、私どもも終わりにしたくはないと思っています。サンプルとして10部はお配りさせていただきましたけれども、実際に生徒の皆さんに手にとって見ていただかなければ意味がないと考えておるところでございまして、学校には10部ということで配布しましたけれども、きのう、資料12で説明をさせていただきましたとおり、学校を訪問して、農業の魅力を発信することの取り組みをしていく中で、例えば更級農業高校の文化祭に出向いたりとか、飯田OIDE長姫高校にも、就職の説明会の際に出向いたりもして、私どもの課の職員が、実際に生徒の皆さんに手渡しでお渡しして、こういったものがあるんですよという形で、手にとって見てもらえる取り組みを進めているところでございます。ただ配布して終わりという形ではなく、手にとってという形の中で、そういった使い方をしていくのが生きた使い方だろうということで考えているところであります。きのう、西沢委員からも御指摘をいただきましたけれども、つくっただけでは何の意味もないということは、私どもも同じ思いで考えておりますので、これからも引き続き、どういった活用方法をすると効果が上がっていくのかということに視点を置きながら対応していきたいと思っています。  それからQRコードやほかのウェブサイトへのつながりといった部分につきましても、これからさらに改良を加えることも必要だと考えております。私どもの先ほどの「デジタル農活信州」についても、内容について、さらにほかのところにもつながったり、最近では、端末自体は、パソコンで見ているというよりは、大半の方がスマートフォンで見ている状況にもなってきていますので、そういった対応等も含めて、ウェブサイトの改良も視野に入れながら、全体がつながる取り組みを、今後、検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆清水純子 委員 ありがとうございます。もちろん頑張っていただいているのはよくわかっております。その上で、出すものに関しては、多くの情報がしっかりとつながっていくというテーマで頑張っていただきたいと、思っているところでございます。しっかり合っていくことが一つ。そしてその後、気になるのであれば、その情報につなげる、そのためのツールみたいなものもしっかりとしていくことが大事で、例えばカードみたいな、小さい、昔のテレフォンカード的なものを、データでこれがきちんと残っているのであれば、そのデータにつなぐためのちょっとした何かお財布に入れるような、そういうカード式のものをなるべく多くの人に。ここで始めたい人、こんな情報、いろいろな動画もいっぱい撮っていますよね。その頑張っている人たちの動画を見せたいというようなQRコードが載った部分とか、ここにつながれば長野県の農業がわかるよというところをカード式で子供たちに配ってみるとか、いろいろなことがあると思いますけれども、ぜひ頑張っていただいて、時間ですので終わりにしたいと思います。ありがとうございました。 ◆吉川彰一 委員 それでは私からも質問させていただきたいと思います。今、清水委員さんからも担い手の話があったと思いますけれども、読んだ本の話で、うろ覚えで恐縮ですけれども、今、担い手で伸びているというのは、サラリーマンというか、毎月、給料をもらえるタイプと外国人の方が伸びている。それで相対的に伸びたように見えるんだというようなことを何かの本で読んだ覚えがあるのですけれども、新規就農の方の属性というか、何かそういうのを調べたことがありますかね。 ◎小林安男 農村振興課長 担い手ということでございますけれども、新規就農者の人口といいますか、就農者数でございますけれども、平成29年度は、211名ということでございます。ほぼ半分は農家の子供たちが自分の経営についたという形になっていますし、100名程度が外部から新規参入をされている方という状況でございます。先ほどの外国人とか、そういった方が担い手という形で就農しているということはございません。 ◆吉川彰一 委員 わかりました。うろ覚えの話なので、参考にお聞きしたまでです。あと青木村も花きが盛んだということですが、JAみなみ信州も、内閣総理大臣賞をもらったりしてとても盛んな地域です。食料・農業・農村基本法で、食料自給率が45%という目標があるみたいですけれども、昨年度、カロリー基準で38%ということで、過去2番目の低さという新聞記事があったのですけれども、長野県では、貢献しているのか、それとも足を引っ張っているのか、どっちかわかれば教えてください。 ◎草間康晴 農業政策課長 食料自給率の御質問でございますけれども、今、委員のお話のとおり、全国、平成29年、38%でございます。都道府県別につきましては、農林水産省で試算してございまして、都道府県別は1年前になりますけれども、平成28年、長野県においては、カロリーベースで53%ということで、全国を15ポイント上回っており、全国の中では第19番目ということになっています。 ◆吉川彰一 委員 貢献しているということは、今、御説明でわかったのですけれども、カロリー基準で言えば、例えば蔬菜とか、今、お話ししている花きは全く考慮されないわけですよね。 ◎草間康晴 農業政策課長 国の試算の中では、花は、実際に食料という形ではないものですから、入ってない状況になります。 ◆吉川彰一 委員 花を食うのかという御意見をいただいたんで、食用の花も確かあったと思うのですけれども、県内でどれぐらい栽培されているか、わかりますか。 ◎丸山秀樹 園芸畜産課長 食用花という視点でございますけれども、山形の菊とかが非常に有名ですし、食べる花でバラという形もあると思います。県内での、私の記憶ですと、産地化しているところではないんですけれども、ホテル・レストランのオーダーに応じてつくられている地帯がございまして、それは、例えば池田町のグループが白馬村のホテルに納入するということがございますし、逆に白馬の皆さんは、今の花を食べるという形の中で料理展開をしています。先ほどの「国際フラワーフォーラム2019」も、実はその中の体験の中で、エディブルフラワーのブースもちょっと設けたいと思っておりまして、白馬の皆様とコラボして、そういった提案もしていきたいと思っているところです。情報としては、産地化まではないのですが、大体、個々の小さい単位の中では、一部、行われているところでございます。 ◆吉川彰一 委員 本題に戻ろうと思うのですけれども、目の前に前南信州地域振興局長さんがいらっしゃるので、お聞きしたいと思うんですけれども、私は、リニア中央新幹線は、国家プロジェクトというか、国策だと信じているわけですけれども、リニア整備推進局の水間さんも、多分、同じ思いだと思いますけれども、前局長さんは、どういうお考えか、お聞きしたいと思います。 ◎山本智章 農政部長 リニアについての御質問です。私が答えていいのかどうかわかりませんけれども、今、委員からお話のあったとおり、これは本当に国家的プロジェクトでありますし、南信州地域にとっては、かつてないチャンスといいますか、地域発展の大きなチャンスになるものだと認識しております。 ◆吉川彰一 委員 前回もちょっとお聞きしたのですけれども、松川町の上片桐で、リンゴ畑を一部、農振の除外をして、ガイドウェイをつくろうという話、また巻き返しを松川町でしているみたいですけれども、状況は御存じでしょうか。 ◎草間康晴 農業政策課長 前回の委員会でも委員から御質問がございました松川町の上片桐の関係でございます。こちらで承知している件については、10月に町としては、ガイドウェイ製作とか、ストックヤードの候補地として、断念したということは聞いておりますが、その後、どういう検討をされているか、今のところは把握してない状況でございます。 ◆吉川彰一 委員 私も新聞を読んだだけですけれども、その後、協議会ができたということですが。それは、まだ御存じないということですか。 ◎草間康晴 農業政策課長 情報不足で大変申しわけございません。協議会の部分については承知しておりませんが、実際に担当しております南信州地域振興局とも連絡をとり合いまして、情報収集に努めてまいりたいと思います。 ◆吉川彰一 委員 前回、農振の除外ができなかったのは、例えば農村産業法とか、地域未来投資促進法に該当が厳しいということで、確か一回つぶれたといういきさつがあったと思いますけれども、それでよかったでしょうか。 ◎草間康晴 農業政策課長 まず、該当箇所については、第一種農地ということで、原則は、農地転用等はできない農地でございます。その例外的といいますか、別の用途としましては、農村産業法とか、未来投資促進法という形での活用になるかと思いますが、その場合でも、具体的にその地域で、例えば工業団地を造成するに当たっても、具体的な企業等、誘致をするというお話が、現状のところは、まだ松川町さんから具体的な話として出ていないということでございますので、また、具体的なお話が出てくれば、農村産業法等の活用という形でも、いろいろと県としても御相談に乗らせていただけると思っております。 ◆吉川彰一 委員 一種農地だからというお話ですけれども、一種農地であっても、農地法施行令第4条第1項・第2項で、一種農地における農地転用不許可の例外というのがあって、例えばそれの7番目に、公益性が高いと認められる事業の用に供するものなどということで、これは、先ほど来お話ししているように、国家プロジェクトということに該当しないんですかね。 ◎草間康晴 農業政策課長 今、お話しのとおり、一種農地であっても、原則が不許可ということでありますが、今の不許可の例外という項目がございます。そういう中で、公益性が高いということでございますが、そういうことも含めて検討させていただく中で、ここの該当地については、現状のところは、なかなか農地転用は難しいという判断をさせていただいてございます。 ◆吉川彰一 委員 やはり同じ条項ですけれども、1番目に、もろそのままだと思うのですけれども、仮設工作物の設置その他の一時的な利用に供するために行うものなどということで、これなんかまさしくガイドウェイのことだと思うんですけれども、違いますか。 ◎草間康晴 農業政策課長 一時転用というお話になりますと、また話が別のことになりまして、確かに今のお話のとおり、仮設の作業用地とか、資材置き場ということで、一時転用をするというお話であれば、それについては、県としてもまた対応を検討させていただきたいと思っておりますけれども、あくまでも一時転用ですので、また何年か先に、それを農地として耕作できる状態に戻すということが前提としてあれば、一時転用は可能だと考えてございます。 ◆吉川彰一 委員 一時転用でなくても、工業団地ということで最終的に考えていらっしゃるとすれば、例えば8番目に、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律という法律で、松川町が確か該当していると思うんですけれども、そういうことも考慮しなかったわけですか。 ◎草間康晴 農業政策課長 そこの法律のところまでは、すみません、私も承知していない部分ではございますが。基本的に、まずガイドウェイ、ストックヤードのための農地として活用し、その後、工業団地等として造成されるというのが町でのお考えだったかと思います。そこのところの工業団地等で造成するに当たりましても、こちらとしては現状ではまだその具体的な計画というところまでのお話がないという段階でございます。 ◆吉川彰一 委員 どういう話になるかわかりませんけれども、また大変お世話になりますが、この法律によると松川町は該当しているので、お願いいたします。  次に、漁業法が改正になったということで、今まで優先で漁協に付与されていた漁業権を、優先順位を廃止して、改正法では、施行後に、各県知事が漁場を適切かつ有効に活用していると判断すれば、漁協が継続的に漁業権を付与されるけれども、それ以外の場合は、企業などを含む、地域の水産業発展に最も寄与すると認められる者に付与するということで、つけかえも可能だということですけれども。県内にこの影響はあるんでしょうか。 ◎丸山秀樹 園芸畜産課長 今回の漁業法の改正に関しましては、基本的には海面に関するものが中心となっておりまして、長野県内への特段の影響はございません。ちなみに今のお話の中でいきますと、網生簀のようなものを想定している区画漁業権がございまして、それを海面でやっている場合の養殖業を行う場合、有効に使われていない場合がもしあるとすると、それは、今までの方針の中では漁業組合に優先的に許可をしていたのを、使わないということであれば民間参入も検討していくことが可能になると、そういう改正と承知しているところでございます。 ◆吉川彰一 委員 そうすると、リニア絡みで、改めてお聞きするのですけれども、下伊那漁協で、今、JR東海と漁業権の保障でいろいろ交渉しているわけですけれども、特に影響ないということですかね。 ◎丸山秀樹 園芸畜産課長 影響ございません。 ◆吉川彰一 委員 わかりました。それでは、次に、岐阜県に一番近い地域ということでお尋ねしたいと思うのですけれども、豚コレラについてもしこの場で何か対応を考えていらっしゃるようなら、教えていただきたいと思います。 ◎丸山秀樹 園芸畜産課長 ついきのうの段階で、飼育のイノシシが発症しまして、第4例の事例ということで、依然、おさまらない状況です。また、野生のイノシシの調査も、岐阜県の中では500頭余り行いまして、それは死亡イノシシ、それから捕獲イノシシもそうですけれども、その中で70頭ほど陽性が出ているという状況でございます。豚コレラの対応については、県内でもスクリーニング調査をして、陰性を確認しているところでありますけれども、防疫に関しての取り組みがまず一番重要でございます。  特に豚コレラの場合には、感染力が非常に強いということになりますので、まず車両や、資材、人も含めて、できるだけ入らない防疫の措置をする。それから、今、野生イノシシがありますので、野生イノシシができるだけ近づかない対応をしていくことも考えられます。さらにその上で消毒をしていく。鶏の場合にはずっと石灰で周辺を消毒するんですけれども。私たちの考え方の中で、3例目が出た段階で、上下伊那の養豚場に対しては、石灰を配布させていただいて、周辺の消毒をしていただくようにお願いをしたところでございます。  幾つかの方法を重ねていくという形でありまして、あと電気牧柵についても、今、利用の希望をとっておりますけれども。物理的な手法をとるのも、その一環だけでありまして、それがあればいいというわけではありませんので、常日ごろの防疫の意識、それから具体的な、農場に入る出入りの衛生レベルのコントロール。あとそういった物理的な侵入防止も含めて、トータルで防疫をコントロールしていくことが大事でございますので、私どもとしては、1例目が出た段階から注意報を、随時、ファックス等で発送しておりまして、きのうの段階においても、その例に応じた注意喚起のものを送っております。  なお、直近の中でも、豚を飼育している各農場の異常性について調査をしているのですが、異常は認められていない状態でありますけれども。近県での発生ということでありますので、常に意識を高めて防疫体制の強化をしていくということを、引き続き指導してまいりたいと考えております。 ◆吉川彰一 委員 いずれにしても万全を期していただきたいと思います。3回目になりますけれども、かぶちゃん農園の話をお願いしたいと思います。9月議会のときも質問させていただきましたけれども、かぶちゃんファーム、確か倒産するその日だったので、まだ倒産していないという、手前でいろいろお話を失礼させていただいたかと思いますけれども、実際に倒産してしまいましたけれども、そのかぶちゃんファームが所有というか、借りていた柿は、結局どうなったか、顛末がわかるようだったら教えていただけますか。 ◎小林安男 農村振興課長 かぶちゃんファームの関係についてでございます。かぶちゃんファームにつきましては、ファーム自体の経営面積は、約48ヘクタールの柿の経営をされていたということで、このうち8.7ヘクタールが成木園ということで、収穫できる園地ということでございました。このうち、農地中間管理機構関連では、14ヘクタールほどが貸し付けされていたという状況になってございます。先ほど委員からも話がありましたけれども、10月11日には、かぶちゃんファーム自体も破産の手続が開始されているという状況になっているところでございます。  柿の部分につきましては、成木であった8.7ヘクタールのうち8.4ヘクタール、ほぼほぼの部分の柿が収穫されたということが新聞報道されておりますけれども、一定の部分のところの収穫はされたと理解しているところでございます。 ◆吉川彰一 委員 一応、ことしは何とかなったという話ですけれども、例えばかぶちゃん農園、解雇されちゃった従業員の方がボランティアで柿とりをしたとか、あるいは飯田の鼎の中根さんが、何かキロ50円で買い取ったとかいう話がちょっと出ていましたけれども。従業員の方だって生活があるわけですし、― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 来年以降はどうされるかということはちょっとわからないと思いますけれども、めどが立っているようだったら教えてください。 ◎小林安男 農村振興課長 農地中間管理機構で貸し付けを行っています14ヘクタールについては、現在、破産管財人と交渉する中で、合意解約に向けた手続を進めているところでございまして、その後、新たな担い手を探して、その担い手に中間管理機構を通じて、また改めて貸し付けを行っていくという取り組みを進めていきたいと考えておるところでございます。  ただ、なかなかすぐに別の担い手が見つかるかというと、そう簡単にはいかないという部分もございますので、本年度末までに次の担い手が見つからない場合については、農地中間管理機構において、農地管理事業という事業がございまして、2年間、農地中間管理機構がそこの農地を借り受けて、管理をほかの方に委託する中で樹園地を管理していくという取り組みがございますので、その2年の間に新たな担い手を探し出し、そこに貸し付けていくという取り組みを進めてまいりたいと考えております。
    ◆吉川彰一 委員 お願いします。年度末までにめどを立てたいということですけれども、できれば年内にめどを立てていただいて、年明け、剪定や皮をむいたりとか、そこら辺からは、必ず新しい耕作の方ができるようにしてほしいと思いますけれども、どうでしょうか。 ◎小林安男 農村振興課長 農地中間管理機構、農業開発公社では、12月2日・3日にかけて、地権者の皆様方に対して説明会を開催しているところでございます。そういった中で、市町村やJAとも協力しながら、できるだけ速やかな対応を進めていきたいと考えているところでございます。 ◆吉川彰一 委員 今、JAというお話がありましたけれども、例えば「市田柿本舗ぷらう」とかはどういった対応ですか。 ◎小林安男 農村振興課長 私ども、農地中間管理機構から、JAに対して、具体的にどういう動きをしていくかというところまでは、情報を仕入れていない状況でございます。 ◆吉川彰一 委員 市田柿の話になると尽きないわけでありますので、あともう一つ、資料でいただいたGIの話をして、市田柿の話は終わりにしたいと思います。ここでは農業知財ということで、お聞きしたいと思いますけれども。農業知財で、最近、新聞で、例えば和牛の精子を中国へ持ち込もうとしたらだめだったとか、平昌オリンピックで、カーリング女子の皆さんが、韓国にあるはずのないイチゴを韓国で食べているところがテレビで映ったと話題ですけれども、農業知財の管理や活用は、うちの県はどんなふうになっているのですか。 ◎伊藤洋人 農政技監兼農業技術課長 農業知財についての御質問でございます。農業での知的財産、いろいろございますけれども、例えばわかりやすいものでは、先ほどイチゴの例がございましたが、植物の新品種の育成者権というようなのが一つ代表的なものでございます。それからあと、例えば商標のことで、今回、ブドウに「クイーンルージュ」という名前をつけさせていただきましたが、これも商標権という権利になっております。こういった権利につきましては、法律に基づいて守られているということでございますけれども、近年、無断で海外にこれらが持ち出される等の事例も起きているところでございます。  県としましては、県育成の品種等につきましての権利は、常に、特に国内で生産されているものについては、いろいろな媒体を使いまして、不当にそれが生産されていないか等を、インターネット等も使って、常にリサーチをしているところでございまして、一部、そういったものが発見されたケースが過去にございます。それらについては、そういったものを伐採処理する手続をしているところでございまして、今後もそういった知的財産のことにつきましては、県としてしっかり取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆吉川彰一 委員 今、一番注目を集めていますので、いろいろこれから展開があると思いますので、教えていただければと思います。これで最後にしたいと思いますけれども、私も委員さんと一緒に、東北に視察に行ってきたのですけれども、一等米の比率が全国で長野県は1位ということですけれども、どういう基準で、一等米とか二等米というのは格付ができるのか、教えていただければと思います。 ◎伊藤洋人 農政技監兼農業技術課長 米の品位につきましては、農産物検査法に基づきまして、外観とか、あるいは異物が混入していないか、あるいは白未熟粒といった、形状の中で白くなっているところがないかという外観品質を持ちまして、国の基準に基づいて鑑定し、一等米、二等米という区分をしているところでございます。 ◆吉川彰一 委員 もしわかればでいいのですけれども、長野県は1位というお話ですが、青森はどれくらいか、お願いします。 ◎伊藤洋人 農政技監兼農業技術課長 3位でございます。 ◆吉川彰一 委員 調べていただいて、ありがとうございました。一等米もですけれども、「青天の霹靂」の栽培を見てきたんですけれども、食味値というのが、一つ、お米のよしあし、指標で出てくるみたいです。「青天の霹靂」と「風さやか」は、食味値、どれぐらい違うか、わかれば、教えてください。 ◎伊藤洋人 農政技監兼農業技術課長 食味値は、御案内のとおり、アミロース・たんぱく質・水分・脂肪酸度等の成分を機械で判定して、味がどうか、数字的に示すものでございます。この数字というのが、必ずしも人間が食べたときにおいしいというものと、完全に一致するものではございません。また、測定するものによっても、数字が、産地ですとか、あるいはその年の状況によっても異なってくるということがございますので、一つの参考値として使っているものと理解しているところでございます。  当然、「青天の霹靂」と「風さやか」を比べれば、違った数字がおそらく出てくるだろうと思いますが、出てきた数字について、それでどちらがおいしいかということが決定的に言えるかどうかということにつきましても、なかなか難しいと思っております。それはなぜかと申しますと、米にはそれぞれ特性がございまして、例えば新潟の魚沼の「コシヒカリ」は、粘りが強くてガッツリしたお米でございます。例えば「あきたこまち」は、どちらかというとさらっとしていて、あまり粘りがなく、ぱさぱさというほどではありませんが、粒離れがいいというのが特徴です。それぞれお米としてはおいしいわけでございまして。ただ食味値を比べますと、データ的なものの違いが出ますので、その差というものがあらわれると考えています。ですので、食味値上、「青天の霹靂」と「風さやか」、どちらかという比較はしてございませんけれども、その数字につきましては、一つの参考というものでございまして、特性と捉えたほうがいいかと考えているところでございます。 ◆吉川彰一 委員 わかりました。お米もですけれども、ぜひ市田柿も振興のほうお世話になりますが、よろしくお願いします。 ○依田明善 委員長 午後1時30分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午前11時39分 ●再開時刻 午後1時29分 ○依田明善 委員長 再開を宣し、引き続き委員の質疑等発言を許可した。 ◆和田明子 委員 お願いします。最初に、9月議会でもお聞きしましたが、台風24号の被害額は、農産物等災害緊急対策事業の発動基準には該当しないということで、これは、そのときには予算にも盛り込まれなかったわけですけれども、その後、臨時国会等で災害対応がされてきましたが、改めて24号台風によるパイプハウスの倒壊に対して、対策はなされたのかどうか、お伺いしたいと思います。 ◎草間康晴 農業政策課長 台風24号の農作物等の被害に対する対応という御質問かと思います。今、委員からもお話がございましたが、台風21号につきましては、9月議会におきまして、県の緊急対策事業ということで、872万5,000円の補正予算を組ませていただき、承認をいただいたところでございまして、こちらについては、既に事業を実施させていただいているところでございます。  台風24号につきましては、県の基準には該当しませんでしたので、その中で、国で補助対象となるという情報を得まして、それで県内の各市町村に聞き取りをさせていただきました。24号については、主に諏訪や佐久を中心に、パイプハウス等の施設災害が多くあったところでございますが、そういう中で、県内市町村からの聞き取り調査の状況の中で、約4,800万円ほどの補助が必要だということが現状わかっておりまして、これについては、今月中に国に補助申請という形で上げさせていただき、事業を実施してまいりたいと考えてございます。 ◆和田明子 委員 今回、国の補助の対象になるという情報を速やかにキャッチしていただいて、対策も打っていただけるというお話でした。来年度の作業に向けて遅れをとらないように対策をしていただけるように、国に対して引き続き県からも強く要望していただきたいと思います。  それで、この被災者、お聞きしたところによれば、被災農業者向けの経営体育成支援事業などということも、国では使えるというお話があったようですけれども、今回、それで対応なされるのかどうか。それから被災農業者向け経営体育成支援事業については、国にも発動に明確な基準がないということもお聞きしております。被災状況を踏まえて、その都度、判断されるということですと、被災された皆さんもそうですし、取りまとめを行う市町村・JA、それから県においても、その都度その都度、これが対策を打てるかどうかということで、現場は大変になりますので、国に対しては、恒常的な制度として、一定の明確な基準も示していただくということができないのかどうか、そのあたりはいかがでしょうか。 ◎小林安男 農村振興課長 国の経営体育成支援事業に関する御質問でございますけれども。まず、今回のこの24号対応については、経営体育成支援事業を活用して対策を講じるということで考えているところでございます。また、委員から御指摘がございましたとおり、この事業の発動につきましては、その都度、国で判断して、被災の要件を決めていくという形になっております。確かに恒常的に常に発動ができるということになっていれば使いやすいということはあるのでしょうけれども、国も、一定の規模の被害額が全国的にどう出ているかという部分のところを判断しながら、事業の体系を組んでいる状況もございますので、県としましても、できるだけ使いやすくしていただきたいという思いは同じでございますので、必要に応じて国に要望をさせていただきたいと思います。 ◆和田明子 委員 できるだけ使いやすいといいますか、災害が起こっても、こういう支援のメニューが使えるというふうに、それぞれのところでそのときに判断できる明確な基準を国にぜひ求めていただきたいと要望しておきたいと思います。  次に、種子法廃止に伴う種子条例制定で、今、長野県としても、それぞれお取り組みを強めていただいているところでございます。お聞きしたところによれば、種子条例制定に向けて、農業関係者等から御意見を聞くという御努力もされているとお聞きしておりますが、そのあたりの状況はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。 ◎伊藤洋人 農政技監兼農業技術課長 種子条例制定に向けての意見聴取の状況についてのお尋ねでございます。11月以降、現在、個別に、農業団体、あるいは農業者の代表の方等から御意見をお聞きしているところでございます。例えば主なところでは、長野県原種センターさん、JAグループさん、長野県農業会議さん、長野県農業法人協会、長野県経営者協会、農業士協会、あるいは有機農業研究会、それからあと民間の消費者やいろいろな方が入っている団体等からも意見をお伺いしたところでございまして、引き続きほかの団体等からも御意見をお聞きするとともに、JA・市町村、それから農業委員会等については、より細かく御意見を伺うためにアンケート調査等も実施をしているところでございます。 ◆和田明子 委員 さまざまな方々、団体等から御意見を聞く努力をしていただいているところですけれども、その中でも、種子条例に直接かかわるものではないこととか、そもそも種子法の廃止から種子条例になる段階で、それとは本当に、種子法そのものをあまり理解してなく、違う意見が出てきているという状況もあるのでしょうか。 ◎伊藤洋人 農政技監兼農業技術課長 御案内のとおり、種子法につきましては、米・麦・大豆の種子を安定供給するために、都道府県にそれぞれの役割を与える法律ということでございます。これに対して、どういう法律か御存じない方も実際には結構おいでになるということでございまして、よくありますのが、種苗法と少し混同されている方ですとか、あるいは、在来の品種みたいなものの自家採取ができなくなってしまうのではないかということを危惧される方ですとか、若干、本来の法律の趣旨とは違う御意見も頂戴をしているところでございます。 ◆和田明子 委員 そもそもの法の理解、それから、今度、制定しようとする条例との間で、少し、今、言ったような、混同していたり、ほかの法律のことであったりということで、誤解があるところを、ここでもきちんと整理して伝えていくということも、県としても大事な役割になると思います。そして、そういうことを整理しながら、本来、今後のこの条例に盛り込んでいくと。長野県らしさということも盛り込んでいくという思いもあると思いますので、そのあたりのところを少し丁寧に、これからもやっていかれると思うのですけれども、お願いしたいと思います。  あわせて、そうはいっても、確保しなければならない種子の確保について、少しお伺いしたいと思います。圃場の確保ですとか、それから、今現在、種子を確保するために生産に携わっておられる皆さんとか、そういう現状をこれからも維持していかなければ、条例でもそれを担保していかなければならないと思うのですけれども、その状況についてはいかがでしょうか。 ◎伊藤洋人 農政技監兼農業技術課長 種子を生産される方という御質問かと思います。種子の圃場につきましては、原種センターが農協等に委託をしまして、その農協の組合員さんの中で種子をつくってもいいよという方が、その方の圃場を使って種子生産が行われるというのが一般的でございます。現在、種子の分野に限らず、農業者の高齢化が進んでおりまして、こういった種子の生産圃場、いわゆる種場と呼んでおりますけれども、これらの作業に従事していただく方も高齢化が進んでいる状況でございます。現状におきまして、直ちにこの種場が確保できないとか、生産者がいなくなってしまうということはないわけでございますけれども、今後、長期的な視点に立ったときには、これらを安定的に確保して種の生産を続けていただく取り組みも、非常に重要かと考えているところでございます。 ◆和田明子 委員 種をとるというのは、ほかの生産とは少し違って、ほかの物と混ざらないという努力もしなければいけないし、その管理も、ほかの生産とは異なる難しさもあり、単純に誰かに任せられるということでなくて、経験を幾つか重ねていかなければならないことだと思います。長期的視点ということですけれども、もうそのときが来ていると思いますので、そういう皆さんに、高齢になっている皆さんにかわってやっていただくということは、圃場も含めて確保する、若い世代のところにバトンタッチしていくことは、かなり難しいといいますか、そのことに絞って努力をしなければいけないと思うのですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。 ◎伊藤洋人 農政技監兼農業技術課長 将来に向けての種の生産者の確保ということでございます。委員さん、ただいま御指摘いただいたように、種の生産については、一般の米をつくるのとは違いまして、注意すべき点等が多々あるところでございます。先ほどお話がありましたように、違う品種が混入しないことや、あるいはできるだけ充実した種をつくるために、収量を少し落としぎみにするとか、あるいは水管理等、いろいろな気を使いながら、熟練のわざでやっているところも事実でございます。ただいま委員からお話がありましたように、近い将来に向けても、そういった技術をどう継承していくのか、あるいはその種を生産していく方をどう計画的に確保していくのかは、非常に重要な課題だと考えております。今回、条例の策定と合わせまして、そういった今後の種場の振興とか、あるいは維持確保につきましても、しっかりと検討してまいりたいと考えております。 ◆和田明子 委員 引き続きいい条例が出されるように期待していますので、よろしくお願いします。それでは、委員会資料に基づいて、何点かお伺いしていきたいと思います。委員会資料の10でございます。農地の浸水被害を防ぐ排水対策についてということで、きのうもプロジェクターでお示しをいただきました。排水の仕組みなどもお示しをいただきました。具体的な事例の中に、長野市の排水機場もお示しいただいたところでございます。あそこの長沼排水機場、ここは浅川の下流で、まさに浅川ダムのときには幾度か訪ねさせていただき、ここは、農水の管轄と、建設と、隣り合わせで幾つか機場があるのですけれども、この機場の管理について、きのうは、今度、それぞれ幾つかを合流させて管理するようなこともお話がありましたが、その場合、農水で設置している機場と、隣り合わせているからといって、建設で管理しているものとは別物だと思うのです。現状、どうなっているのか、お聞きしたいと思います。 ◎所弘志 農地整備課長 排水機場の、特に浅川周辺の状況についての御質問でございます。浅川の河口で、ことし、建設部で1機、14トン・毎秒ですか、新設しました。それより以前に、浅川の右岸側に浅川機場と、浅川第二機場がございまして、浅川機場は毎秒14トン、それが昭和40年代に農林水産省がつくったと。浅川第二機場につきましては、県営で、昭和50年代に毎秒30トンということで設置したものでございます。建設サイドでつくったものにつきましては、現在、建設事務所、浅川改良事務所で管理されていると。農林水産省及び県の農地整備課、昔の土地改良課でつくったものにつきましては、その財産については、長野平土地改良区という土地改良区へ譲与しまして、管理につきましても土地改良区が行っているところでございます。また、土地改良区だけということでもなくて、土地改良区の事務所は長野市役所の中にございまして、長野市役所の農林部と一緒になりまして、適切な維持管理をしているところでございます。よって、連携していく際には、市の農林部、建設部、それから県の浅川改良事務所といったところが連携して管理していくようになると思います。 ◆和田明子 委員 ここで課題として、老朽化している機場が多いので、これから計画的に更新して整備を進めていくという計画をお示しいただきました。2030年までということで、平準化させていかなければならない面と、老朽化が激しいものはできるだけ早くということで、2019年とか2022年は少し多めにやりたいというような今後の取り組みの中になっているわけですけれども、浅川のことで、これはちょっと論外と言われてしまいそうですけれども、浅川は、中長期的に言えば、内水対策としては、まだ7トン、これが、排水能力が不足しているという状況ですね。新たに14トン足して、今までの21トンと14トンで、さらにまだ7トン不足しているということですけれども、だからといって、今度、農政でやろうとしている14トン分については、引き続き14トンということでよろしいか、確認しておきたいと思います。 ◎所弘志 農地整備課長 まず農林水産省側の補助金で排水機場をつくる場合の基準の水位というものがございまして、農林水産省側では農地を守るということを主眼に置きますので、水田でございましたら、許容湛水深というのがございまして、それが30センチになります。そこまでは許容していいだろうと。畑につきましては、湛水はしないようにということでございますが、どうしても雨が降って湛水しますと、その許容の水深を超える分がございます。農林水産省側の基準は、その超えた分につきましては、24時間で排除できるポンプを設置しましょうということになっております。よって、宅地等がございますれば、許容湛水深等につきまして、農地と同じということには多分ならないだろうと、床下・床上浸水がございますので。ですので、そこまでは農林水産省の計画ではできないということでございます。それで、国土交通省関係の機場につきまして、長野市等が、私どもの機場を補完しながら、お互い連携して設置しながら湛水を防除しているところでございます。 ◆和田明子 委員 想定どおりの御答弁でございまして、そういう意味では、無理もないといいますか、それは、それもこれもでみんなごったにしていいという話ではないので、そういうことですけれども。それにしても、かなり今までも活躍していただいた機場ですし、これからも役割があると思っていますので、この計画を、計画どおりに進捗させていくという点では、お願いをしたいところであります。  これにかかる予算について、少しお伺いしたいのですけれども、建設のサイドでつくった14トンについては、約30億円ということでしたけれども、こちらについては、どのくらいの予算を見込んでいるのでしょうか。 ◎所弘志 農地整備課長 機場によりまして、設備に大中小とございまして、一番大きいのが浅川第二機場、これはポンプの口径が2,000ミリですから、約2メートルの口径のものが3台入っているというものから、小さいものですと、千曲市に設置してある800ミリ1台というところまでございますが、ちょっと小ぶりのもので、最近終わったもの、800ミリ、それから1,000ミリ程度のもので、機場本体からポンプまで入れて5億、6億円ぐらいかかっている状況でございます。  先ほど申し上げましたとおり、いろいろ大きさによって違いますし、それから補修の程度によって、ポンプの中身だけ交換すればいいだとか、制御にかかわる電気部品だけ交換すればいいとか、いろいろな場合がございますので、一概にどのくらいというのはないのですけれども、それぞれ適した金額であまりお金をかけずに、安価な事業費できちんと機能を維持していくということを心がけて事業をやっていきたいと思っております。 ◆和田明子 委員 そうしますと、資料10の5ページの今後の取り組みということを、やらなければならない箇所数は示されていますけれども、着実にこれをやるには予算を確保していかなければならないということになってきますので、それぞれのところで大小さまざま、また傷みぐあいにも違いがあるということで、これから予算を確保するに向けても、どのくらいの予算が必要なのか、そして平準化していけば、もう少し前倒しできるとか、もうちょっと遅れてしまうとかいう見通しを立てるためにも、今、言ったように、それぞれのところで、それぞれ姿も違う、大きさも違うということですから、きちんと予算を確保するという点からは、しっかりこの点の見通しも、もう既におありかもしれませんけれども、私たちにもお示しいただければと思います。  それで、管理のあり方についてです。排水機場の管理については、今、雨の降り方も、今まで経験のない降り方もしていますから、それこそ経験がある管理者によって対応をしていただくことが本当に大事だと思っているのですけれども、これを、効率化ということではどのようにお考えになっていくのか、一定の人の確保も、していかなければいけないんですけれども、その点についてはどうお考えなのか、お聞きしたいと思います。 ◎所弘志 農地整備課長 管理についての人の確保についてでございます。先ほど申し上げましたが、私どもで建設した排水機場につきましては、土地改良区並びに長野市、あるいは千曲市、行政へ、市町村へ譲与いたしまして、市町村で管理しております。よって、長野県が直接、農政部が管理するということはございませんが、お聞きするところによりますと、古いポンプでございますと、稼動の際に30分かかるとか、機械の調子を見ながら稼動しなくてはならないポンプもあるそうです。今まで専門にそれに携わっていた方が御高齢になってきておりまして、どこのポンプ場もそういう悩みを抱えているそうです。そのような状況を踏まえまして、雨の降り方、それから水位、湛水の仕方等につきまして、いろいろな機器を使ってその情報を集めて、市役所が中心になってきちんと操作ができる体制を組んでいくことが、将来は望ましいことだと思っております。 ◆和田明子 委員 経験が物を言う世界でもあって、特に一定の水位が上がってこないと、この機械を回すと空回りになってしまいますし、遅れると水害、そして本線の水位がさらに先に上がってしまえば、幾らポンプを動かしたくても、それがストップしてしまうという、このタイミングのはかり方は本当に難しく、今、言った数値を、データだけ送っても、これは、すぐには対応できないという面もありますので、それぞれ自治体に管理を頼んでいる部分ではありますが、自治体からのそういう声も聞いて、本当に人の確保に向けては、県としても一緒に取り組んでいただきたいと思うところです。どうぞよろしくお願いします。  それで、少しTPPについて、お伺いしておきたいと思います。いよいよTPP11も発効すると、そして臨時国会では、EPAについても、これも承認されてしまいましたということで、動き出していくわけです。国の対応と県の対応と資料ではお示しをいただきました。いずれもやっていかなければいけないことであり、さらにきめ細かくやっていただかなければいけないことが多々あると思います。とりわけ、長野県のように、中山間地で、それこそ小規模な農地や農業者が何とか頑張っている、そういう人たちに対しても、今回、こういうことで影響が、今のところ、あまり及ばないと国などは言っているわけですけれども、及ばないということは、私たちはちょっとなかなかすぐには納得できないところでありまして。委員会資料の今後の対応のところに、必要な対策は県独自事業を含めてきめ細かく対応していくと書かれておりますが、このきめ細かく県独自の事業を含めというところの、具体的なお考えがあればお聞きしたいと思います。 ◎草間康晴 農業政策課長 昨日の共田委員の御質問についてもお答えをさせていただいたところでございますけれども、具体的には、国の補助事業以外に県としてやるべきことということはしっかり対応していく中で、きのうもお話を若干させていただいた中では、トヨタ式カイゼン手法ということを、今、県でもしっかり対応させていただく中で、各農家の経営改善の支援をさせていただくということや、また、きょうの午前中にもお話しさせていただきましたが、県としてのオリジナル品種の新たな開発を、今も現状させていただいておりますが、そういうものの開発をしっかりさせていただき、各農家への生産振興という観点でのいろいろ支援ということもしっかり対応してまいりたいと考えているところでございます。 ◆和田明子 委員 トヨタ式のカイゼンというお話は、以前、委員会でもお話を伺う機会がありました。今、具体的にどのようなことになっているのでしょうか、お伺いしたいと思います。 ◎伊藤洋人 農政技監兼農業技術課長 トヨタ式カイゼンについてのお尋ねでございます。現在、中信地区の2戸の稲作農家において、トヨタ自動車から専門のトレーナーというか、指導員を派遣していただいて、年間5回程度、その指導を直接受けながら、経営改善に取り組んでいるところでございます。そのほか、農業改良普及員を対象に、10名ちょっとですけれども講義形式でトヨタ式カイゼン手法のノウハウにつきまして、伝授をしていただきながら、スキルアップを図っている状況でございます。  現在、2戸の法人につきましては、それぞれ、電子データを入力して、それにより圃場ごと、あるいはそれぞれの作業ごとの時間等を把握することによりまして、空いた時間を有効に活用するということで、経営の効率化を図ったり、あるいは作付面積の拡大を図るといった取り組みによりまして、所得拡大の効果も徐々に出てきているところでございます。本事業は3年間実施するという予定でございまして、来年度、最終年度に向けまして、さらに取り組みを進めてまいりたいと考えております。  また、本年度は、これらの取り組みの中間報告ということで、トレーナー等をお招きして、カイゼンフォーラムを開催させていただき、現在までの成果等につきまして、説明をする機会を設けさせていただいているところでございます。 ◆和田明子 委員 モデル的に中信で2戸実施してきて、一定の効果があらわれているというお話でございました。これを、今、農業改良普及員等にもこのノウハウを研修していただいてスキルアップして、そういう力を県下に広げていくという方向ですけれども、これで当てはまるところも経営体としてはあると。その他の経営体については、どういうふうに、今後、していくのでしょうか。 ◎伊藤洋人 農政技監兼農業技術課長 トヨタ式カイゼン方式は、農業生産の行程をより効率化するという一つの仕組みでございます。一方におきまして、従業員さんというか、働いている方の意識を変えて、自発的にいろいろなアイデアを積極的に出していただく仕組みづくりにも役立つと言っております。ですので、当然、大規模な法人で、従業員さんがたくさんいらっしゃるというところでも役に立ちますし、一方で、例えば小さな経営だけれども、ある時期にはパートさんがいっぱい来るんですというようなところでも使える方式だと思っております。  具体的には、一般的には、経営者の方が作業を指示して、パートさんは言われたことをやるだけというパターンが多いのですけれども、トヨタ式の農業の法人さんでは、パートさんも入れて、今の問題は何だとか、ここをどうやったらもっと効率化できるだろうかみたいな話し合いをして、パートの女性が積極的な提案をすることで、効率がよくなっていくということも出てきております。ですので、トヨタ式の方針につきましては、先ほど申し上げましたような大規模な経営体だけではなくて、小規模なところでも活用ができると思っております。  また、経営改善については、当然、トヨタ式が全てではございませんので、それぞれの経営体に合った形で、農業改良普及センター等が個別に御相談に応じるということもございますし、また新しい技術とセットにして経営改善をする形も、これまでもやっておりますし、今後も積極的に進めてまいりたいと考えております。 ◆和田明子 委員 一方でこういうふうにして作業の効率を上げて、そしてそこにかかるお金を何とかほかにもっと生かして、大きく、さらに違う事業に展開していくという、大筋ではそういうことだと思いますけれども、長野県の主流を占めていく家族農業のような形態のところでも、ここのノウハウの中でも生かせるものは生かしてもらえばいいですし、それをしてもなお、今、追いつかない部分は多々出てきますから、さっき言われたように、県の独自の事業、きめ細かく対応していくという面では、さらにきめ細かい対応ができる方策を今後も検討していただきたいと思っているところです。  国が、TPPやEPAなど、自由貿易協定の中で、当初は聖域にすると言っていた部分も、聖域なきものになってしまった中で、影響は、国が試算しているよりも大きなものがあらわれるのではないかという思いがありますし、そのことによって、確かに一定の経営体については、攻めの農業や、また輸出などに振り向けていけるかもしれませんけれども、そこに乗れない、置いていかれるということがあってはなりません。またそういう中で、農業から離れていく、さらには、そもそも日本の食料自給率が危機的なところをさらに引き下がるようなことになっては、本末転倒ですから、食料自給率も、国も上げるという目標を持っているのであれば、自由貿易協定を通じて、本当に最後の農業者まで支援が行き届く対策をしなければ、目先の対策と言っては失礼かもしれませんけれども、今の対応だけではまだまだ不十分ではないかということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。 ◆小島康晴 委員 私からも何点かお尋ねしたいのですが、質問の前に、先ほど不適切な御発言がありましたので、あえて申し上げておきたいと思いますけれども、お名前が出ました飯田市の中根さんにおかれては、農業生産法人丸中中根園というところの代表を務めておられて、こちら、農産物の生産・加工・販売に主として取り組んでいて、御本人も時々作業着を着て畑へ出て汗をかいている。そういうことで、まさに農業人でございますので、誤解のないようにお願いしたいということと、本人の名誉のために申し上げますけれども、議事録の作成等に当たっても、適切な御対応をお願いしたいと思います。  初めに議案にかかわってお尋ねしますけれども、この繰り越しですね、7事業、約11億円について、理由等は御説明があったのですけれども、今年度もまだ3カ月あったりしますので、決算特別委員会でもその都度お尋ねしましたが、新年度、どの程度に完了予定というか、そういうのを持ちながら繰り越されるか、わかっている範囲でお答えいただきたいと思います。 ◎所弘志 農地整備課長 今回の繰越明許費についてのお尋ねでございます。今回、お願いしますのは、25地区で13億6,900万円余でございまして、25地区のうち17地区が、水路だとか、畑地かんがいに関係する事業でございます。よって、来春、水を必要とする時期までに、具体的には4月・5月までに、この17地区については完成をしていかなければならないと考えております。また、ほかの地区につきましても、遅くても7月程度ということで、現在、発注に向けて作業を進めているところでございます。 ◆小島康晴 委員 わかりました。建設業協会等からも、いわゆる4・5・6月の端境期に向けて、平均的な発注とか、早期発注という要望をいただいておりますので、今のお話では、年度前半でできるということですので、引き続きそうなるように頑張っていただきたいと思います。  それから資料にかかわってお尋ねしますけれども、前回の委員会でもお尋ねしましたが、直接支払の関係でございます。これでいきますと、1期・2期・3期ではだんだん減ってきたけれども、今回の4期では、協定数・面積ともにふえている傾向があるということでございます。ここで逆転して、それはいいことだと思うのですけれども、この4期のどういう原因でよくなったのかといった部分を総括されているかということと、その次の計画もあるということで、5期に向かってはどんな課題があるか、その辺について、お尋ねしたいと思います。 ◎小林安男 農村振興課長 中山間地域直接支払の関係でございますけれども、確かに第4期に入りまして、わずかではありますけれども協定の面積が増加傾向にありまして、現在、9,424ヘクタールということでなってございます。これにつきましては、国の制度改正がございまして、要件緩和、超急傾斜地加算という加算をされる取り組みの要件が緩和されたこと。また、一定の要件を満たした場合には、活動期間中に生産活動が中止しますとさかのぼって補助金を返還しなければならないという要件があったのですけれども、その部分についても一部見直しがされたということで、そういった要件もございまして、わずかでございますけれども、増加につながっていると分析しているところでございます。  また、第5期の対策に向けてということでございますけれども、優良事例で御説明しましたが、確かに直接支払事業を活用して、多くの中山間地域でさまざまな取り組みが実施されて効果を上げているところでございます。ただ一方で、全体の中山間地域の高齢化率が非常に進んでいる中で、この事業を実施していくに当たって、その取りまとめを行うリーダーとなる人、また実際に申請書とか、お金の管理をしていくという実務面を担っていただく方が、高齢化により担い手がだんだん減ってきているという大きな問題もございます。そういう中で、他の団体が委託を受けて、こういった部分の事務を代行するという取り組みもございますので、そういった優良事例の横展開も進めるとともに、次期対策に向けて、国に対して、要件の緩和や事務処理の簡素化、こういった部分について、また要望をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆小島康晴 委員 わかりました。前回とあわせてお話を伺ったので、以上にしたいと思います。それから、国連で、小農の権利宣言が採択されたということでございます。私が大ざっぱに考えている中では、長野県の農業としては、集約化して大規模化して強い農業、海外にも行ける農業を一方でつくると同時に、中山間地を中心に家族経営とか、そういったいわゆる小さな農業というか、農家を大切にして、この中山間地、今の直接支払もそうだと思いますけれども、農地・農業を守っていくということだと思いますけれども、この辺のこの国連のこう、食の主権とか、種子の権利を明記したとか、世界の家族農業にとって画期的なものとなるような評価もあるわけですけれども、農政部としては、どのようにお考えになっているか。また、日本は、これを棄権したという、採決で棄権したということですけれども、これらについて、何かお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。 ◎山本智章 農政部長 国連の小農宣言についてのお尋ねでございます。まず、今、お話がありましたとおり、この内容につきましては、正式に言うと「小農と農村で働く人びとの権利に関する宣言」ということで、家族経営や小規模農家の価値と権利を明言するという内容とあわせまして、今、お話のありました種子の安定的な供給、あるいは生物の多様性、農作業の安全といったさまざまなものが盛り込まれていると承知しております。  これにつきまして、国連におきまして、日本は棄権をしたということでございまして、私の承知している限りでは、固有の権利の存在があるかについては、国際社会の議論が未成熟だということで棄権したと聞いております。ただ、その後、吉川農林水産大臣が、家族農業経営の健全な発展が重要というコメントも出しておりますので、政府とすれば、小規模農業経営とか、あるいは家族農業について、重要視をしているという点はあるのではないかなと思っております。  本県の考え方ですけれども、先ほど委員からお話がありましたけれども、中核的な担い手が長野県農業の、産業としての農業の大宗を担う農業等を展開していくということを目指しているわけです。その一方におきましては、第3期の食と農業農村振興計画の中にも書いてございますが、それ以外の小規模農家や家族農業の割合は、目標年の2022年におきましても、9割を占めているとか、あるいは産出額におきましては2割を占めているという想定をしておりまして、重要な存在であると認識しております。  何よりも農村コミュニティの維持とか、あるいは農村の活性化にとっては、欠かせない存在だと認識しております。そういうことで、第3期の計画におきましても、3つの柱のうちの1つに、人と人がつながる信州の農村ということで、暮らしの場としての農村の活性化を柱にしているわけですけれども。それにとっても、小規模農業とか、あるいは家族農業は欠かせないものと認識しております。  そういったこともございまして、今年度から農業改良普及センターにおきまして、地域の課題、農村の課題にさまざま対応する地域連携担当を置いているところでございます。それからまた来年度予算に向けましても、定年帰農者を含めた小規模農業者に対して、今まで以上の支援の充実ができないかということを検討しているところでございます。 ◆小島康晴 委員 御丁寧な答弁、ありがとうございました。私も同じ考えでございますし、本当に中山間地、だんだん高齢化し、子供もいなくなって大変だと思いますけれども、その皆さんが農地や山林、あるいは農村風景を守っておられるということで、ぜひこういった国連の決議が役に立つのであれば、追い風に使っていただいて、引き続き、中山間地農業を維持・発展させるために御努力をお願いしたいと思います。  それから、政府で、先日、気候変動適応計画というのを閣議決定されたということで、高温化対策を農業の分野でもしていこうというお話のようでありますけれども、どこかの試験場を見学させてもらったときに、一つのハウスだけ、無理に高い温度に設定して、将来、温暖化したときの備えで研究しておるというのを視察させてもらったのですけれども。こんなことを含めて、政府の決定を踏まえ、温暖化対策で、現在、御説明できることがあったらお願いしたいと思います。 ◎伊藤洋人 農政技監兼農業技術課長 温暖化対策についてのお尋ねでございます。政府は、11月27日に、委員御指摘の温暖化の関係の新たな計画を策定したところでございます。これに基づいて、特に農業分野におきましては、具体的に水稲の高温に対応できる品種の開発、リンゴの色づきがいい系統の開発、また畜産では畜舎の暑熱対策などを具体的に列記しまして、こういったことを、温暖化対応として開発を進めていくということを言っております。  県におきましては、平成22年に、試験場におきまして温暖化対策のプロジェクトチームをつくりまして、研究を進めてまいったところでございます。ただいま委員からお話がございました施設につきましては、リンゴの施設かと思います。須坂の果樹試験場にございますけれども、平成25年に設置しまして、この中で、外部環境とプラス2度C温度を上げた温室をつくりまして、この2度Cというのは、今後、見込まれる温暖化のときの温度の上昇でございますけれども、それで実際どういうふうにリンゴがなるかという試験を、今、行っているところでございます。  平成29年の実績で見ますと、発芽期や開花期が前進したと、生育が早くなったということが一つございました。また果実は、横に大きくなる傾向があったということで、果実自体の重さも重くなったということでございます。一方で、皮の色づきや、糖度とか、酸の入りぐあい、それから蜜入りなどが低下するということがあったということで、新たな知見がいろいろ得られたところでございます。こういった、何が起きるかということがわかりますと、これにどう対応するかということが次の対応として出てきますので、まずはどのような影響があるかという影響評価をしっかり進めて、その後、その対応技術をつくってまいりたいと考えているところでございます。  リンゴ以外でも、平成29年に予算をつけていただきまして、ブドウ、稲、それからレタスにつきましても、同様の、高温下を再現できる施設を各試験場に設置し、ことしからこれが稼動しているところでございます。それらにつきましても、高温の状況につきまして、まず影響評価を行い、今後の対策につなげてまいりたいと考えているところでございます。 ◆小島康晴 委員 ありがとうございました。私も見せてもらったのでよくわかりましたけれども。飯田も、温暖化で、そのうちリンゴができなくなってしまって、ミカンをつくらなきゃだめじゃないかという冗談も出まして、何年先にそういうふうになるかわかりませんけれども、将来を見てお取り組みいただいているというのがよくわかりましたが、ぜひ引き続きいろいろな研究をして、そういうことに備えていただきたいと思います。  それから、県民の方に言われて、あっ、そうかなと気がついてお尋ねするんですけれども、特に農政部でつくっておられる物の、ブランドの名前の統一性です。「信州サーモン」、「信州プレミアム牛肉」、「シナノユキマス」、「ナガノパープル」と、信州、長野、信濃、それぞれあるのですけれども、どれもいいのだけれども、統一性がないじゃないかという御意見をいただいたものですから、その辺、もし農政部としてお考えがあれば、お聞かせ願いたいと思います。 ◎伊藤洋人 農政技監兼農業技術課長 品種、あるいは商標の名称についてのお尋ねかと思います。まず結論から申しますと、今、委員御指摘のとおり、信州、信濃、長野、そういうものがいろいろ使われている状況ですが、どういう場合に何を使うということが決まっているわけではございません。これまでの傾向としますと、新品種、例えば「シナノリップ」とか、「シナノゴールド」については、果樹は、最近、特に信濃が多いのですけれども、稲とか、全部入れた中では、これまでは信濃という名称が比較的多かった状況でございました。一部、長野・信州というものもついているというのが品種の状況でございます。果樹のリンゴは特に全国的に広がっておりますので、非常に信濃の印象が強いのですけれども、実際の品種の名づけからすると、信濃の割合も結構高いという状況でございます。  実際にどのように名前をつけるかということでございますけれども、品種につきましては、まず品種のイメージみたいなものを、例えば酸味が少なくて甘くて色づきがいい物ですということを提示して、公募させていただいているケースが最近は非常に多い状況でございます。その中で今までの品種の名前を皆さんイメージされるので、信濃とか、長野という名前が出てまいります。最終的には、総合的に、その名前のバランスとか、例えば「ナガノパープル」がいいのか、「シナノパープル」がいいのか、「信州パープル」がいいのかと、語呂の感じとかがありますので、そういったものを踏まえて選定させていただいているところでございます。  一方で、近年は、商標戦略も行っておりまして、今回、ブドウの「クイーンルージュ」が、これは商標名でございます。それで商標の場合には、つけるときにいろいろと制約がございまして、例えば「ナガノルージュ」というのを商標登録した場合に、これを北海道でつくった場合には、「ナガノルージュ」だというのに北海道というのは変だよねというような、商標上の優良誤認みたいなものにつながってしまうおそれもあるということで、いろいろ制限を受けたりするケースもございます。ですので、商標を使っていく上では、地名を入れないというのも一つのやり方。あるいは、長野だけでずっとつくり続けてほかには出さないという物については、長野とか信州をつけるといったことも一つの方向性ではないかなと考えているところでございます。 ◆小島康晴 委員 わかりました。今までついたものを今さら変えるのも変ですけれども、もし、農政部だけではなくて長野県全体で、今度、何か営業本部とかってできるそうですし、そういう中で、中心にやっていくのは、信州がいいのか、あるいは長野がいいのか、長野も片仮名か、ローマ字がいいかということも含めて、少し戦略的に検討していくといいなと思いましたので、あえてお尋ねしました。  それから、きのうからずっとお話があったように、私ども、直近では、委員会で秋田・青森、特に青森の産業技術センターですか、すばらしい取り組みを見させていただいたのですけれども、ぜひ、我々議員ももちろん勉強しなければいけないんですけれども、職員の皆さんも、先進県、あるいはお隣の県でもいいですけれども、そういうところを交互に視察してみるとか、あるいは、例えばさっき試験場のお話が出て、私も、この間、南信、その前は会派で須坂を見せていただいたりするのですけれども。例えば農政部の職員の皆さんが、交代で県の試験場とか農業施設、こういうものがあるんだよということを、現場を見ていただいてということも含めて、職員研修で、管内・管外の視察とか研修をするということがいいんじゃないかなと思うんですけれども、その辺、何かお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。 ◎伊藤洋人 農政技監兼農業技術課長 職員の視察・研修等の御質問と思います。まず、委員おっしゃったとおり、いろいろな場所に行って、実際、生のものを見て感じてくることは、極めて貴重な機会であると考えているところでございます。実際には、予算もございますので、みんなが遠くへ行けるということにもならないのですけれども、例えば試験場でしたら、学会ですとか、研究会とか、さまざまな催しが全国でございます。試験場の研究員につきましては、大体、年間、300人ぐらい、延べでですけれども、県外へ、そういった研修、会議とかで出張する機会がございます。会場は、ホテルみたいなところもありますけれども、向こうの試験場とか、現地で行われる場合もありますので、そういう機会に幅広くいろいろ見聞を広げていただくのも一つかなと思っております。  また、試験場の研究員につきましては、国の研究制度もありまして、長期では3カ月、向こうの研究施設に滞在して研究を、特定のテーマで行うという仕組みもありますし、また短期で、その課題を深掘りするということで、それぞれ、国の試験場に行ってということの機会もありますので、これらも活用したいと考えております。  また、農業改良普及センターにつきましては、なかなか、現地の仕事、日々のものが多いので、そういう機会も少ないのですけれども、例えば現地で行われる技術者連絡会議とかいう、地域の団体さんのその視察・研修といったところに一緒に同行させていただいて、その産地をこれからどうするかみたいなことについて、ともに研修をするということも、参加させていただいている事例がございます。いずれにいたしましても、機会を見つけて、できる限りいろいろな見聞を広げるような取り組みを進めてまいりたいと思います。 ◆小島康晴 委員 予算というお話がありましたけれども、お金をかけない方法もあろうかと思いますので、交流とか、研修を積極的にやっていただいて、農政を発展させていただきたいと思います。  それから、前回もお聞きしましたけれども、リンゴ黒星病、一般質問でも出たかもしれませんけれども、直近の状況について、簡単に教えていただきたいと思います。 ◎伊藤洋人 農政技監兼農業技術課長 リンゴ黒星病についてのお尋ねでございます。御案内のとおり、本年の6月、松本地域でまず発生したわけでございますが、その後、県段階での対策チーム、それから圏域段階の対策チームをつくりまして、それで対応について検討を進めてまいったところでございます。その後、具体的には、これからどのような形で薬剤を使っていったらいいかと。DMI剤というものとQoI剤という2つの特効薬がどうも効かない耐性菌であるということなので、これらを使わないで防除をする防除方法を、暦をつくりまして、それを、今、普及しているところでございます。各JAさんの暦とも合わせて、極力そういったものを使わないで、防衛的なものから最終的に越冬するまで、一連の防除体系をつくって、これを広げるというふうに、今、しているところでございます。  また、10月を中心に、現地の調査も、一斉に、県下10カ所で、それぞれの広域ごとに行ったところでございます。その結果、現状では発生がないとされておりますのが、佐久・上伊那・南信州・北アルプス・長野ということで、それからもともと6月からなかったのが諏訪・木曽ということでございまして、残ります上田・松本・北信については、必ずしもDMI剤耐性と言い切れないものもございますけれども、黒星病の発生が見られる状況を把握しているところでございます。特に発生した圃場につきまして、あるいはその関連の圃場につきましては、継続的に調査を行って、これらの菌が残っていないかといったことや、防除の効果が上がっているかということについて、引き続き検証してまいりたいと考えております。  また、落ちた葉っぱにその菌の胞子が残っているということもありますので、これらの処理をしっかりしていただきたいと、焼却するとかということになりますけれども。そういったことの徹底や、あるいは発生した圃場が県外から購入した苗木を植えた圃場だったケースがほとんどであることから、県外からの苗木の導入を慎重に検討してくださいという投げかけ等を、ポスターやチラシ等を使いまして行っているところでございます。いずれにいたしましても、引き続き来年に向けまして、体制を維持しながら、取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆小島康晴 委員 リンゴは主要農作物でありますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。それでそのリンゴの「リンゴツボミタマバエ」というのが、何十年ぶりかで見つかったというお話で、この辺の分析とその対応について、お知らせいただきたいと思います。 ◎伊藤洋人 農政技監兼農業技術課長 「リンゴツボミタマバエ」についてのお尋ねでございます。これは、歴史をひもときますと、1920年代後半から昭和10年ぐらいにかけて、県の北部で局地的に発生していたという記録があるそうでございます。それから80年を経過したわけでございますが、今回、南信地域の一部の山間のリンゴ圃場でこれが確認されたというところです。このハエにつきましては、非常に小さなハエで、体長2ミリから3ミリぐらいということで、ほとんど見ても見えないような感じのものですけれども。幼虫は白いウジのようなもので、これも2ミリぐらいのものでございます。これが、リンゴの発芽直後から花の満開期の間だけ地上で活動するということで、この期間だけ、花にくっついてつぼみの中を食べていくということで、食べられたつぼみは、花の花弁が厚くなって色が濃くなったり、またひどい場合には開花しないで枯れてしまうということで、非常に大きくこれが出た場合には、品質や収量にも影響があるということでございます。ただ、現状では、これが大発生しているとことはないということでございまして、これの対応につきましては、基本的に、そういったものを見かけた場合には、つぼみを摘み取って処分するのが、現在、できる対応ということでございます。  なお、先ほど申し上げましたように、これは、出てくるのが、つぼみとかがある花の発芽直後から満開期だけでございますので、果実についたりとかということの心配は一切ないという状況でございます。いずれにいたしましても、発生地域につきましては、注意深く様子を見守りながら、発生があった場合には、適宜、とって対応するという方向で経過を見たいとい考えているところでございます。 ◆小島康晴 委員 不思議なことがあるものだなというか、何があるかわからないなと思いますけれども、しっかり御対応いただきたいと思います。終わります。ありがとうございました。 ○依田明善 委員長 午後2時50分まで休憩を宣した。
    ●休憩時刻 午後2時33分 ●再開時刻 午後2時49分 ○依田明善 委員長 再開を宣し、委員の質疑等発言を許可した。 ◆垣内基良 委員 一点、獣医師の待遇についての質問をします。今、獣医師が足りているとか、余っているとか、足りないとか、いろいろありますが、獣医学部を出てきて、圧倒的な数で大動物じゃない小動物のほうへ、人気があって行っているということも聞く。そこで、今の、県の中での獣医師の数は足りているのかどうか。それともう一点、5年、10年先はどういう予測をしているか、教えてください。 ◎草間康晴 農業政策課長 県におきます獣医師の数等につきましての御質問でございます。初めに、現在、平成30年の獣医師の数ですが、県全体で148名、そのうち農政部が65名、健康福祉部が81名、あと環境部で環境保全研究所が2名ということになっておりまして、その中で、今年度につきましては、農政部は2名欠員状況にあります。この2名につきましては、家畜保健衛生所で1名、畜産試験場で1名ですが、それぞれ臨時的任用で対応させていただいています。ちなみに健康福祉部については、5名欠員だという状況でございます。  それで、今後の見込みということでございますけれども、今後、特に農政部の関係ですけれども、50歳以上が65名のうち19名おります。今、再任用制度等ということで、65歳まで勤務できる状況ではありますが、50代以降の職員が多い比率を占めておりますので、今後、この職員の方々が退職し、県に残らないということがあるとすると、獣医師の数は不足していくと見込まれております。  現状、今年度も採用15名ということで、選考で、今、採用させていただいておりますけれども、今回、当初、1回目をやったときには、15名の募集に対して、最終的に今のところ1名の合格といいますか、県に来たいと。それだけでは足りないものですから、追加の2回目をやりました。今のところ、3名の合格者が出ているということで、来年度、今の状況でいきますと、欠員が出る状況は免れないと考えてございます。 ◆垣内基良 委員 なぜ応募してこないのかというのは、一つの疑問であります。そこにはおそらく、卒業されて、今、開業するのは、なかなか難しい時代に入ってしまったので、開業ではなくて、大きな犬猫病院のところへ就職する獣医師がふえているのではないかと思います。その原因の一つとして、卒業というか、定年になった人たちを除けば、6年制の大学を出てきているんだと思います。そのときの給料が安いというのは、獣医師だけの給料表というのはあるんですか。それと、もしわかったらでいいですけれども、薬剤師の皆さんも今度は6年になりますよね。その方々との比較で給料はどうでしょうか。 ◎草間康晴 農業政策課長 給与の関係の御質問でございますけれども。初めに獣医師と、あと薬剤師もそうですが、私たち行政職は、一般の行政職の給料表でありますが、獣医師も薬剤師も、医療職の2表というものの給料表を使ってございます。薬剤師との比較は、今、手元にはございませんが、今、長野県におきましての、6年を卒業し獣医師の免許を取得した方、経験年数等もありますけれども、基本的にはストレートで来られた方の給料については、現在、初任給が21万4,700円という状況でございます。そこに、長野県の場合、地域手当というもので、これは2%ついておりますけれども、基本的には初任給の額ですとその額になるかと思います。 ◆垣内基良 委員 一般職の皆さんも同じですか。 ◎草間康晴 農業政策課長 一般職の給与よりは高い金額となっております。 ◆垣内基良 委員 薬剤師の給料表も、昔、理事者をやっているときに見たのですが、最初はいいんですよね、薬剤師の皆さんは。50歳近くなっていくと、アッパーになって上がっていかないという、給料表そのものに問題があったのかしれませんけれども。特に獣医師については、非常に安いという思いがあるんです。そこで、他県では、給料に上乗せして、初任給調整手当というような、一番多いところでも3万円ぐらいだったと思いますが、そういったものは長野県にはないですし、またさまざまな手当についても長野県はない。特に関東圏がない。埼玉・群馬・茨城・神奈川から始まってね。でも北陸信越地区で、新潟・石川・富山・福井、岐阜も入りますけれども、そこにはあるんですよね。何で長野県だけない、なぜ長野県は関東エリアになってくるかわからないんですけれども。 ◎草間康晴 農業政策課長 初任給調整手当の御質問かと思います。各都道府県の状況を確認させていただく中では、全国で33の道県で支給されております。委員の御指摘のとおり、その中で関東近県については、確かに支給実績はないという状況でございまして、長野県は、どこに入るかというのがありますけれども、関東甲信越等という中では、それと同じような形になっているかと思います。今、お話の北陸については支給がされているということで、各都道府県の初任給調整手当の状況を見ますと、一番多く出ているところでいきますと5万円、初年度ですけれども。低いところでは1万円というところもありまして、33の平均でいきますと、3万5,000円ほどの支給となっております。  確かに、職業を選択するに当たっては、一つの選択の条件としては、給与という面はあるかと思いますけれども、そういう中では、初任給調整手当が長野県は出ていないという状況がありますので、こちらについては、部として決められるということではありませんけれども、そういう採用がなかなかとれない状況の中では、改善というのは必要だという認識は持っております。 ◆垣内基良 委員 間違っていたらごめんなさいですけれども、獣医学部は、ほとんど大動物を対象に勉強されてくるんですよね。犬猫を対象にして獣医学部でやっているという記憶はないんですけれども。なぜみんな大動物ではなくて小動物へ行くかと言えば、条件だと思うんですよね。それが、県へ就職するよりも病院へ勤めたほうが、環境がいいということになれば、県へ勤めるという選択はないと思うんですよね。今、その検討する余地はあると言いましたけれども、検討する余地があるかどうか、部長さんとしてどうなの。 ◎山本智章 農政部長 ただいま草間課長からもお答えしましたけれども、農政部としますと、獣医師の確保に、最近、非常に苦労しているという実態がございまして、いろいろの家畜の伝染病がございまして、きょうも委員会でも豚コレラの話がありましたし、鳥インフルエンザについてもお話ししております。また口蹄疫等もございますし、獣医師の確保は非常に農政部にとって重要でございます。なかなか定員が確保できないというのは、非常に問題であるという認識を持っておりますし、また、組合交渉もやりますと、必ず獣医師の給与水準について、他県との比較に基づいて何とかしてほしいという話は必ず毎年ございます。そういったことで、農政部としましても、その給与水準について、改善が必要ではないかと思っておりまして、私自身も、人事当局とか、あるいは人事委員会に対して、何らかの検討をしてほしいということは、申し上げているところでございます。 ◆垣内基良 委員 最後に所課長に、前回の議会の、補正でもらったあれは、順調に進んでいるんですか。 ◎所弘志 農地整備課長 前回の補正、地籍調査の補正の御質問ということでお答え申し上げます。地籍調査につきましては、2つの補正がございまして、一つは、市町村に対する作業の補助というものでございます。もう一つは、マニュアルをつくって、その作業をスムーズに進めるということでございます。マニュアルにつきましては、現在、外部へ外注するということで、その契約手続に入ったところでございます。市町村への補助につきましては、今、補助申請と、それから交付決定に向けて、作業を進めているところでございます。 ◆垣内基良 委員 来年度予算のことだけれども、国の概算要求は120何億円だか忘れちゃったが、約1割の上乗せを期待して概算要求しているんですけれども。長野県もそのぐらい、4億円を超えてくるような期待があるんですが、いかがでしょうか。 ◎所弘志 農地整備課長 国の概算要求は、確か108%程度だと思っております。これにつきましては、また概算決定がこの12月の末にございますので、その動向を見ながら、県の予算も対応していきたいと考えております。 ○依田明善 委員長 ほかに御発言もありませんので、以上で質疑を終局いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、質疑を終局いたします。  ただいまから議案の採決に入ります。最初に、第1号「平成30年度長野県一般会計補正予算(第4号)案」中、第2条 繰越明許費の補正中の一部について、採決いたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  ただいまから請願及び陳情の審査を行います。当委員会に付託されております農政部関係の請願・陳情を一括して議題といたします。過日、お手元に配付いたしました審査資料をごらん願います。農政部関係の請願・陳情は、請願の継続分1件、陳情の継続分2件、新規分9件であります。  なお、審査に際し、継続審査とする旨の御発言をされる場合は、なるべくその理由を一緒に述べていただくようお願いいたします。また願意が複数ある請願及び陳情で、その一部が採択できないために継続審査と決定した場合は、付記事項として請願者及び陳情者に通知することについて、その都度お諮りすることといたしたいと思いますので御了承願います。  審査手順についてあらかじめお諮りいたします。最初に継続となっております請願1件、続いて継続の陳情2件、続いて新規の陳情9件について、順次、審査したいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  まず継続分の審査を行います。継続分の審査に当たっては、9月定例会以降、状況に変化のないものについては一括して審査を行い、状況に変化のあるものについては取り出して審査を行うことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  それでは継続審査となっております請願について、状況に変化がありましたら、理事者から御説明願います。 ◎草間康晴 農業政策課長 状況に変化はございません。 ○依田明善 委員長 それでは、特に状況に変化のない請願を審査いたします。お諮りいたします。請第53号については、引き続き継続審査とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  続いて、継続審査となっております陳情2件について、状況に変化がありましたら、理事者から御説明願います。 ◎草間康晴 農業政策課長 陳情2件につきましても、状況に変化はございません。 ○依田明善 委員長 それでは、特に状況に変化のない陳情2件を一括して審査いたします。お諮りいたします。陳第661号及び陳第662号については、引き続き継続審査とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定をいたしました。  続いて新規の陳情の審査を行います。まず陳第716号についてであります。理事者の説明はいかがいたしましょうか。      〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第716号については、採択とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定をいたしました。  次に、陳第741号及び陳第774号は、同一の願意でありますので一括して審査いたします。理事者の説明はいかがいたしましょうか。      〔「なし」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。     〔「採択」「不採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま委員各位からさまざまな御意見がありましたので、この取り扱いについて、順次、挙手により決することといたします。これより本件について採決いたします。本件について討論はありますか。      〔「なし」と呼ぶ者あり〕  ありませんので、討論を終局いたします。  これより陳第741号及び陳第774号について、挙手により採決いたします。挙手しない方は不採択とみなします。陳第741号及び陳第774号を採択すべきものと決するに賛成の委員の挙手を求めます。      〔挙手多数〕  挙手多数であります。よって、陳第741号及び陳第774号については、採択すべきものと決定をいたしました。  次に、陳第742号及び陳第775号は、同一の願意でありますので一括して審査いたします。理事者の説明はいかがいたしましょうか。      〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第742号及び陳第775号については、採択とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に、陳第746号及び陳第779号は、同一の願意でありますので一括して審査いたします。理事者の説明はいかがいたしましょうか。      〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第746号及び陳第779号については、採択とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に、陳第757号及び陳第790号は、同一の願意でありますので一括して審査いたします。理事者の説明はいかがいたしましょうか。      〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。     〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第757号及び陳第790号については、採択とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定をいたしました。  以上で請願及び陳情の審査を終局いたします。
     以上で農政部関係の審査を終局いたします。  本日の審査はこの程度とし、明12日は午前10時30分から委員会を開会し、林務部関係の審査を日程といたします。   散会を宣した。 ●散会時刻 午後3時7分 △採決結果一覧 (付託議案)  ▲原案のとおり可決すべきものと決定したもの(簡易採決)    第1号  平成30年度 長野県一般会計補正予算(第4号)案中     第2条 繰越明許費の補正中の一部 (請願)  ▲継続審査としたもの(簡易採決)   請第53号 (陳情)  ▲採択すべきものと決定したもの(簡易採決)   陳第716号、陳第742号、陳第746号、陳第757号、陳第775号、陳第779号、陳第790号  ▲採択すべきものと決定したもの(挙手採決)   陳第741号、陳第774号  ▲継続審査としたもの(簡易採決)   陳第661号 陳第662号...