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  1. 長野県議会 2018-12-11
    平成30年11月定例会環境産業観光委員会−12月11日-01号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成30年11月定例会環境産業観光委員会−12月11日-01号平成30年11月定例会環境産業観光委員会 環境産業観光委員会会議録(その2) ●招集年月日時刻及び場所  平成30年12月11日(火)午前10時30分、議事堂第3委員会室に招集した。 ●出席した委員の氏名   委  員  長           荒 井 武 志   副 委 員 長           酒 井   茂   委     員           本 郷 一 彦      同              向 山 公 人      同              今 井   敦      同              中 川 宏 昌      同              百 瀬 智 之      同              堀 場 秀 孝      同              今 井 正 子      同              高 村 京 子 ●欠席した委員の氏名   な     し ●説明のため出席した者の氏名
    産業労働部)    産業政策監兼産業労働部長      内 田 雅 啓    雇用・就業支援担当部長       長 田 敏 彦    産業政策課長            渡 辺 高 秀    産業戦略室長            宮 坂 克 良    産業立地・経営支援課長       矢 後 雅 司    創業・サービス産業振興室長     大 槻   覚    ものづくり振興課長         沖 村 正 博    日本酒・ワイン振興室長       今 井 達 哉    人材育成課長            青 木   淳    労働雇用課長            青 木   隆  (労働委員会事務局)    労働委員会事務局長         小 口 由 美    労働委員会事務局調整総務課長    久 保 友 二 ●付託事件   12月10日に同じ。 ●会議に付した事件  付託事件のうち、1、2、5、12、15、17、19、21並びに産業労働部及び労働委員会関係所管事務一般について ●開議時刻 午前10時28分 ●荒井委員長 開会を宣した。  ▲日程宣告    産業労働部及び労働委員会関係の審査  ▲産業労働部及び労働委員会関係の付託事件の報告    条例案1件、陳情7件  ▲議題宣告(産業労働部及び労働委員会関係)    付託事件及び所管事務一般を一括して議題とし、議題に関連して、理事者の説明を求めた。 ◎内田雅啓 産業政策監兼産業労働部長 別添、産業労働部長説明要旨に基づいて説明した。 〇小口労働委員会事務局長 別添、労働委員会事務局長説明要旨に基づいて説明した。 ○荒井武志 委員長 第8号「勤労者福祉施設条例の一部を改正する条例案」について、理事者の説明を求めた。 ◎青木隆 労働雇用課長 議案及び別添資料1により説明した。 ○荒井武志 委員長 理事者から発言を求められていたのでこれを許可した。 ◎渡辺高秀 産業政策課長 別添資料2「最近の経済情勢について」、資料3「NAGANOものづくりエクセレンス2018について」及び別添資料4「名古屋事務所等の移転について」により説明した。 ◎宮坂克良 産業戦略室長 別添資料5「長野県関係製造企業海外進出状況について」により説明した。 ◎矢後雅司 産業立地・経営支援課長 別添資料6「平成30年度中小企業融資制度資金あっせん状況について」及び別添資料7「信州ビジネスフォーラムin東京について」により説明した。 〇大槻創業・サービス産業振興室長 別添資料8「信州アクセラレーションプログラム事業について」により説明した。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 別添資料9「工業技術総合センターの支援状況について」及び別添資料10「全国発酵食品サミットinNAGANOの結果について」により説明した。 ◎今井達哉 日本酒・ワイン振興室長 別添資料11「信州地酒で乾杯の日の推進について」により説明した。 ◎青木淳 人材育成課長 別添資料12「平成30年度技能五輪全国大会等の結果について」により説明した。 ◎青木隆 労働雇用課長 別添資料13「最近の雇用情勢について」により説明した。 ○荒井武志 委員長 委員の質疑等発言を許可した。 ◆本郷一彦 委員 内田産業労働部長初め各課長さんにおかれては、長野県の地域経済活性化のために、長野県の特性を生かして大変御努力いただいていることに、まず敬意を表するところでございます。内田産業労働部長が世界経済の問題もお話しされておりましたので、多少、私の私見も交えてお話しさせていただきます。非常に加速化するグローバリズムの中におきまして、最近のフランスのマクロン大統領へのデモ等を見ましても、新しい経済社会への発想力というものが、非常に求められている。経済全体が各国とも流動化して、移民問題を含めて内在する問題が非常に多岐にわたっていると思っております。  さらに次元を上げますと、国際金融資本は、世界全体に大きな投網をかけているわけでありまして、アメリカで言えば、皆さん御承知のロックフェラー財団を初め、言えばきりがございませんが、ゴールドマンサックスや、グーグルやアップルやマイクロソフトを含めて、巨大企業が大きな影響力を持っている。ヨーロッパ系は、よく言われるロシア系の企業が全体を覆っているわけでございます。問題は、その利益の再配分ということにおいて、専門用語で言えば労働分配率が適正に行われているかどうかという問題が、最近の日本の超一流企業のいろいろな諸課題を含めまして、新しい時代に対する構造論的な再構築が必要ではないかという議論も、識者の中ではいろいろ言われているわけです。特にアメリカは、ウォールストリートの1パーセント対99パーセントということで、大変大きな社会問題になり、これがまたフランスにも飛び火をして、2つの税金だけの問題でもう4度にわたって何万人というデモが起きているということは、社会全体のシステムの中において、新しい時代を築くような方向性を持っていかないと、ということです。労働分配率一つ見ましても、一つの仮説ですけど、世界全体を動かしている経済人は約700名だといいます。その方々が国際社会全体に対してコントロールをしているという一つの論理がありまして、先ほど内田産業労働部長から説明がございましたけど、これから経済情勢は、こういった視点を常に入れながら、日本の、そしてまた地方のローカルな問題とも、直接、連関をしている時代が急速に迫りつつある、またそういうことが現実化しているわけでありますので、その辺から御質問したいと思っているところでございます。  世界経済、それをさらに絞りますと、いわゆる米中貿易戦争の悪影響が出始めておることは、御承知のとおりでございます。これは、長野県も例外ではございません。今月1日、米中両国で追加関税の発動猶予による一時停戦が合意されましたが、依然、先行きは不透明であり、極めて政治的にも流動性が高い。そしたまたトランプ大統領という大変異質な方と、片や永久政権を持った習近平さんの、2つの大国の動向によって、大変、経済面においてはリスクの高い状況になってきております。  この貿易戦争の痛みが広がり始め、中国では、輸出企業の生産が落ち込み、設備投資には減速が見られております。正確に申しますと、GDPの伸びが鈍化しておりまして、景況感も低下をしております。2018年の1−3月が6.8%でしたが、4−6月は6.7%、7−9月は6.5%と、衰微傾向にあるということはデータでもはっきりしているわけでございまして、13億人とも言われておる巨大国家が、近年になく、高度成長からの衰微傾向が顕在化してきたわけです。こうした状況は、中国に拠点を持つ、また取引先がある県内企業にとっても影響が出始めておりまして、先ほど県の景気動向調査の説明もありましたが、業況が低下した大きな要因であると認識しております。  そこでお伺いをいたしますが、まず県内企業の業況をどのように捉えているのか。それから2点目は、こうした状況の中、県産業労働部として、県内企業に対してどのような対応をしていくのか。マクロ的な視点でございますけど、内田産業労働部長にお伺いいたします。 ◎内田雅啓 産業政策監兼産業労働部長 米中貿易摩擦の関係で、県内企業の業況をどのように捉えているかという御質問でございました。米中の貿易摩擦は、当事国だけでなく、世界的にもう影響が出ている。グローバルなサプライチェーンを通じまして、本県産業にも悪い影響が出始めているように感じております。先ほども御説明をさせていただきました県の景気動向調査では、製造業で言えば7期ぶりにマイナスになってしまったということでございまして、企業に何社かお邪魔してお話をお聞きしておるわけでございますけれども、貿易摩擦、中国の投資減少などによって、海外向けの受注が減少傾向にあるという声をお聞きしております。  私も、昨日、スマートフォンLEDバックライトをつくっている企業さんを訪問いたしましてお話を伺いました。ここ数年、中国向けのLEDバックライトの輸出が相当多くて、非常に利益を上げているということでございましたが、米中の貿易摩擦が暗い影を落としておりまして、ここへ来て受注が減っているということ。それがなければ、本年、過去最高益を上げていたというお話でございましたが、そこまで行きそうにもないということでございました。複数の企業さんとのお話では、総じてすぐに大きな影響が出るということではないけれども、マインドに悪影響があるし、将来的にどうなるか、先行き不透明であるということでありまして、私も、当面、懸念する大きな問題であるという認識を持っております。  一方で、国内回帰による受注があるとか、中国以外では、投資力の大きいヨーロッパ向けのものが結構ありますよと言っている企業さんもございますので、プラスの影響も一部にはございます。また、先ほども申し上げましたが、非製造業では、わずかではありますが、19期ぶりに2期連続の改善となるというよい材料もございます。  中国だけでなくてアメリカのほうにも影響が出ておりまして、長期回復の経済状況はよかったわけですけれども、どうも、今後、アメリカでもテンポが鈍化していくんじゃないかと言っておられる識者もございます。今後も企業の声をお聞きするとともに、経済情勢を十分注視し分析しながら、対応を考えてまいりたいと思ってございます。  次に、県内企業へどのような対応をしているのかという御質問でございました。これまで米中貿易摩擦問題を県内企業の皆さんに御理解をいただくために、中小企業振興センターと連携をしながら、セミナーなどについて開催をしてきたところでございますし、私どもも、上海とシンガポールに駐在員もおりますので、そちらから情報収集を行って、的確な情報提供や具体的な相談に対応させていただいているところでございます。また、中小企業振興センターマーケティング支援センターですとか、よろず支援拠点等におきましても、企業からの貿易・経営相談に対応して、いろいろとお話を受けているほか、新たな販路拡大につきましても、展示会への出展ですとか、受注開拓推進員等による新規の受注確保を行っております。  加えまして、航空機や食品、医療などにつきましては、ヨーロッパやアジア諸国など、中国以外のサプライチェーンへのアプローチも進めまして、販路開拓にも力を入れておるところでございます。加えまして、信用保証協会とも連携しながら金融支援などの体制も整えております。今後も、依然大きな課題であるところの人材不足なども含め、企業を取り巻く課題にあらゆる面から分析をかけて迅速に対応してまいりたいと考えてございます。 ◆本郷一彦 委員 内田産業労働部長が多面的に的確なる分析をされております。政権与党にとりましては地方創生が最も重要なテーマとなっておりますが、まだテイクオフしていない状況であります。1,718ある全国の市町村を取りまとめていくのは47都道府県でありますが、ある視点から見れば、これから都道府県間競争は相当の激化をしてくると思います。長野県においては77市町村があるわけでございますが、それらを統括していくのは県行政であります。市町村の財政力は極めて脆弱でありますから、当初予算約8,500億円等々の規模を見ましても、県の総合行政としての責務は極めて重いものがあるわけでございます。とりわけ稼ぐ立場の産業労働部といたしましては、そういった御認識のもとで、経済がよくならなければ財政がよくならない、財政がよくならなければ市町村に対するサポートもしにくいとこういう循環になりますので、引き続き御精励をいただきたい。今、好循環になりつつあるわけで、また今まで歴史的にも長野県政はプライドを持ってやってきたわけでございます。内田産業労働部長の御発言で全てが尽きておりますが、この間もお話しいたしましたけど、あるシンクタンクのデータでは長野県が総合力で全国第3位という位置にいるわけでございますので、今後、都道府県間競争が激化していく中で、経済が健全にいい方向性に行くことは、人間で申せば背骨でございますので、引き続き御精励をいただきたいと思うところでございます。  経済の中でいろいろなカテゴリーがあって、いろいろな議論がエコノミストの中で進められておりますが、生産性の向上ということが一番課題になっております。世界の中でも日本のGDPは第3位でございますけれども、生産性については、OECDの中で10位以下になっていることは、既に皆さん御承知のとおりでございます。人手不足やAI・IoTなど第4次産業革命と言われている今日の時代にあって、県内企業において、産業の生産性の向上は最大の課題であると思っております。これは国家的なレベルでも同じですし、地方行政においても同様でございます。  長野県の平成27年における労働生産性は、760万円と全国で23位という低い状況にあるわけです。また、平成28年の経済センサスでは、県内産業における製造業出荷額の順位は、分野別でいきますと、情報通信機械器具製造業が1兆573億円で第1位であります。電子部品・デバイス等の製造業が第2位、生産用機械器具製造業が第3位と続いております。一方、業種における付加価値額を従業員数で割った労働生産性の順位は、先ほどの情報通信機械器具製造業は2,057万6,000円で第3位、電子部品・デバイス等の製造業が第6位、生産用機械器具製造業が第7位で、ともに1,100万円となっております。他産業に比べますと、出荷額が大きいこうした先進・先端企業は、生産性は高いものの、AI・IoTの時代にあってまだまだ生産性を高めることができるポテンシャル、つまり潜在的能力は十分にあると考えられます。  そこで、一部分のデータだけ申し上げましたけれども、産業全体を見回しての生産性向上に向けての今後の方向性や必要と考えている政策などについて、再度、俯瞰的な視点から内田産業労働部長にお伺いいたします。 ◎内田雅啓 産業政策監兼産業労働部長 産業の生産性の向上に向けての今後の方向性と施策についてということで御質問をいただいております。産業の生産性の向上につきましては、しあわせ信州創造プラン2.0でも、重要な施策の一つとして掲げておりまして、産業政策を進める上で、最優先で取り組まなければいけない課題だと認識をしてございます。生産性の向上を実現するためには、本郷委員がおっしゃったように、付加価値を向上させるということと、企業の省力化とか自動化をどんどん進めていかなければいけないという、2つの観点から進めていかなければいけないと考えてございます。  付加価値の向上に当たりましては、これまでも、研究開発型企業への転換ですとか、航空機システム、食品、また医療機器、IoT・デバイスといったものから技術力を高めて、競争力のある製品をつくっていかなければいけないという観点から、県としても支援、取り組みをしてきたところでございます。AI・IoTを非常に利活用しなければいけない時代でございますから、今後につきましては、利活用を徹底的に進めていく必要があるんだろうなと考えてございまして、利活用のための戦略も、ものづくり産業振興戦略プランにも出ておりますので、これもつくっていかなければいけないと考えているところでございます。  本県の状況がどうかというところでございますが、中小企業ではまだまだ導入が進んでおりませんので、これを県内広範囲に広めていかなければいけない。県だけではできませんので、商工会、商工会議所中小企業振興センターなどとも連携しながら、具体的な導入事例を広く普及するとともに、実際に県内にもICT産業を進めておるベンダーがおりますので、そういうベンダーと具体的にマッチングをすることによって支援していくことが必要だと考えてございます。  また、AI・IoTについては、ハードの部分もございますけれども、ではそれを利用して何をするのかといったソフトの部分が非常に重要でございまして、新しいサービスの創出も必要であり、考えていきたい。それから新年度には、アプリケーションや蓄積されたデータを使いながら、付加価値の向上につながる新商品、サービスを生み出せる具体的な政策も、考えていかなければいけないと考えてございます。これらを進めるに当たりましては、人手不足時代でございますから、IT人材とか、企業内人材を育成・確保していくということにも力を入れてまいりたいと考えてございます。  生産性の向上と人手不足は、申し上げましたとおり、セットで考えていかなければいけない重要な課題でございますので、現在進めているところの就業促進・働き方改革戦略会議産業イノベーション推進本部も活用しながら、効果的に取り組んでまいりたいと考えてございます。 ◆本郷一彦 委員 長野県は、歴史的に振り返れば、明治の近代化以降、世界一の養蚕業、そして精密機械、電子と来て、この次、どうするかということがあります。内田産業労働部長からお話があったとおり、数分野、あるいはそれ以上にわたって、可能性のあるものが幾つか出てきているわけで、いかに花を咲かせて、かつての養蚕業のような形にどのようにしていくのかということ。松本にイオンがありますけど、かつて、あそこは富岡工場より大きくて、資本的には片倉が持っていたわけであります。あそこに3,000〜4,000人の社員がいて、世界一の工場であったわけであります。つまり長野県は世界一の養蚕業としての実績もありまして、そういうものの基礎的、基盤的な技術が精密から電子へとつながって、これからいよいよ航空機や醸造も含め、あらゆるものに、多極化をしていくわけでございます。ぜひ、世界をリードする長野県産業という高い志を持って、一層頑張っていただきたいとこのように思うところでございます。  次に、人材の確保と働き方改革は両方話題になっておりますが、現在、県内企業に共通する重要な問題は人材不足であります。長野県を代表する企業のオーナーと話をしますと、この問題については、かなり心配をしております。大学卒業生のほとんどが首都圏にとられてしまうということであります。今、いる方がどうだとか、そういう意味ではありませんで、構造的にかなり問題が顕在化してきているということ。首都圏に比べ本県の中小企業等における人材不足は、極めて深刻な状況であると僕も認識をしているところでございます。  県では、経済団体や長野労働局、連合長野とともに、長野県就業促進・働き方改革戦略会議で検討を進めております。そこで、産業分野別に、あるいは若者や女性、短期的・長期的な視点など、さまざまあると思います。いろいろ御苦労されていると思いますが、これまでの検討状況や今後の方向性について、長田支援担当部長から御見解をお伺いいたします。 ◎長田敏彦 雇用・就業支援担当部長 戦略会議の検討状況と今後の方向性について、御質問いただきました。先ほどの御質問の生産性の向上とともに、労働力率といいますか、労働者の参加率の向上が重要だと考えている中で、戦略会議では、知事をトップにいたしました全体会議のみならず、ワーキンググループ、それから幹事会、さらには地域会議、産業分野別会議で、多くのさまざまな意見を頂戴したところでございます。  人材不足は、本郷委員御指摘のとおり、喫緊の課題でありますことから、短期間で効果があらわれる対策を講じなければいけないと思っております。このため、例えば本郷委員からも御発言がありましたけれども、若者が首都圏に流出してしまうという構造的な課題もある中で、U・I・Jターンを含む若者の県内就職の促進を強化していく。あるいは、余地が大きいと思っております女性・高齢者・障害者の就業促進を一層支援していく。こういったことが短期的に効果のあらわれる取り組みということで、ここに焦点を当てまして、戦略会議としての当面の取り組み方針を、本年度内に策定していきたいと考えております。  この方針には、学び直しなど人材育成の関係、就業促進に直結する人材育成、それから就業促進にも不可欠である働き方改革の推進もあわせて取りまとめていくこととしております。戦略会議の目的は、産・学・官・労が同じ方向に向かって取り組んでいくということでありますので、この取り組み方針をもとに、関係団体と一緒になって実行に移してまいりたいと考えております。 ◆本郷一彦 委員 いずれにしても、大学を出られた方、あるいは高校を出られた方は、今後、21世紀の経済界のあらゆる分野の主役になる方でございます。ぜひ一段と知恵を出していただきまして、人材不足に対する対応策について、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  最後、1問だけいたします。事業承継の問題はこれもまた人材不足と非常に連関をしております。きょう、中小企業団体中央会の皆さんと意見交換いたしますので、中小企業の課題として触れたいと思います。後継者不在が非常に深刻な話になっておりまして、私ども、商店街の友人なんかに聞いても、長男も次男もいるけれども、受け継いでくれないということを、僕ら聞いて大変びっくりしております。後継者不在率は、60%を超えておりまして、県内社長の平均年齢も年々上がり、現在、60歳とお聞きしております。農業なんかは、もう70歳に近くなっておりますけれども、平均年齢の上昇が並行的に進んでいるわけです。事業承継は地元企業、地域経済の活性化や雇用のみならず、地域住民の生活を支えるもの、地域のブランド的な価値を有するものでありまして、地域全体の基本的な資源とも認識しなければなりません。県においては、事業承継について、事業引継ぎ支援センター設置など、さまざまな措置を講じていることは私も承知しております。  そこで、事業承継のマッチング状況や内容などについて、コンパクトでいいですから、御回答願いたいと思います。現状はどのようになっているのか。また、先ほどお話もありましたけど、商工会や商工会議所、金融機関など、さまざまな団体と連携しながら進めていると思いますが、現況と今後の進め方について、セットで結構でございますので、矢後産業立地・経営支援課長からお答えいただければありがたいと思います。 ◎矢後雅司 産業立地・経営支援課長 私から事業承継について、マッチング状況、現状と、今後、どう取り組んでいくのかということについてお答えをしたいと思います。県で、ワンストップで総合的に事業承継を支援する組織としまして、平成26年2月に長野県事業引継ぎ支援センターを設置いたしまして、平成30年11月末時点で、成約は56件、内訳としては、第三者承継、M&Aが42件と最も多い状況でございます。少し古いデータではあるんですけれども、9月末現在で、全国で7位という成約の状況でございます。  事業引継ぎ支援センターについては、どちらかというとM&Aなどの第三者承継の専門支援機関の側面が強いということがございまして、金融機関などからの照会案件も、どちらかというと第三者承継に偏るという傾向がございます。先ほど本郷委員から御指摘がありました商店街の後継者不足というのも親族内承継ですが、事業承継の問題は、第三者承継だけじゃなくて親族内承継が一つ大きい問題かと思います。そのような問題に対して、なかなか対応するのが困難という状況がございました。  そこで、本年6月に、県が主導いたしまして、経営者に事業承継の必要性に早く気づいてもらうという観点から、商工団体、金融機関、税理士、弁護士などの士業の方々と協力しまして、長野県事業承継ネットワークを立ち上げまして、9月から、事業承継の着手状況など確認する事業承継診断を実施してございます。事業承継診断を実施することにより、親族内承継を初めとした事業承継の課題を広く掘り起こしまして、11月末現在で、商工団体ですとか金融機関の皆さんに協力をいただき、1,411件の事業承継診断を行いました。それを、先ほど御説明いたしました事業引継ぎ支援センターですとか、税理士などの専門機関につないでいきたいと考えてございます。  事業承継の問題は、地域経済の状況を映す鏡でもあると思います。これまでの中小企業の支援のあり方をもう一度見直すきっかけにもなると思いますので、課題が顕在化する前に、早い段階で経営者の方に事業承継の問題について、早く取り組まなければならないということに気づいていただいて、県としても課題に対して、しっかりと対応して支援を行っていきたいと考えてございます。 ○荒井武志 委員長 午後1時30分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午前11時49分 ●再開時刻 午後1時27分 ○荒井武志 委員長 再開を宣し、引き続き、委員の質疑等発言を許可した。 ◆向山公人 委員 期待をされております信州アクセラレーションプログラム事業について、お伺いをさせていただきます。先ほどの説明で、支援対象事業者について説明がありまして、応募が9事業者、選択されたのが4業者ということですが、支援対象事業者は、もともとどのくらいの数というか、規模というか、対象があるわけですか。 ◎大槻覚 創業・サービス産業振興室長 アクセラレーションプログラム事業の対象事業者についいてでございます。これは、創業してから5年以内程度の会社ということで、具体的な数は、把握はしてないんですけれども、事業の新規性ですとか、独自性があるビジネスモデルであるかとか、成長可能性がある事業であるかとか、会社のビジョンとか、そういうもので事業者を選定させていただいております。全体の具体的な数字は把握してございません。 ◆向山公人 委員 ということは、これは、対象がどのくらいとか、どこが対象だということじゃなくて、あくまでもオープンに公募して、申し込んだのが9業者ということですか。応募するには、何か縛りも何もないわけですか。 ◎大槻覚 創業・サービス産業振興室長 今回、1年目ということで、たぶん、数が少ないのかなという印象を持たれたかもしれませんけれども、私ども、もう少しいろいろな分野から応募があるのかなと考えておりました。特に、先ほど言ったように、創業5年以内程度ということですので、6年であっても認められるということもありまして、かっちりとした縛りはなくて、先ほどの繰り返しになりますけれども、事業の成長性とか、経営者の熱意などで、委託先のトーマツさんと私どもで書類審査、また面談審査で選ばせていただいたという状況でございます。 ◆向山公人 委員 資料8に支援内容の具体例がありますが、要するに事業としては、公募して、こういったことに対して支援をしていくという上に立っての応募という受けとめ方でいいわけですか。 ◎大槻覚 創業・サービス産業振興室長 そういうことで事前に公募をかけまして、事業の中身、今後の会社の経営体制ですとか、マーケティングですとか、そういうものを学んでいきたいという事業者を選んでおります。 ◆向山公人 委員 具体的に、どういう基準で選定業者を決めるようになっているんですか。 ◎大槻覚 創業・サービス産業振興室長 先ほどの繰り返しにもなりますけれども、第1次審査としまして書類審査を行いました。第2次としては経営者の面談を行いました。メンバーにつきましては、今回の委託先であります有限責任監査法人のトーマツさんと私どもで、審査員として審査をさせていただきました。基準につきましては、先ほど言ったように、細かな財務状況とかも見ながら、あとは経営者のやる気ですとか、ビジョンですとかの審査基準がありまして、判断をさせていただいたところです。それで、合計点によって決めさせていただきました。 ◆向山公人 委員 工業技術総合センターの支援状況について、先ほど報告がありました。10月の利用事業所数は1,815ということです。業務別実績では、一般だとか、現場だとか、いろいろのものがありますけれども、この1,815所の利用事業所数の中に、どのくらいの規模の利用者がいるわけですか。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 私ども、中小企業支援が主体でございますので、規模的には300人以下というところなんですが、多いのは、中堅から、中堅から少し下ぐらいの、50人とか、100人規模の企業が多いのかなと。一番多いのが、例えば29年の施設利用の実績でいきますと、19人以下の小さい企業が、相談件数で16%ぐらいですね。50人以下の企業が12%、それから100人以下が14%、100人〜299人の企業が19%ですね。300人以下の企業に結構使われておりまして、施設利用とか、依頼試験だと40%ぐらいの件数であります。 ◆向山公人 委員 そういう中で、的確に分類してあるかどうかは知りませんけど、例えば県内の地場産業とか、誘致企業などの比率というか、バランスというか、そこら辺もわかりますか。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 そういう区分分けは統計をとっておりませんので、わかりません。 ◆向山公人 委員 古い話になりますけど、技術センターなどについて、いろいろな企業が行っていろいろ実験したり、利用したときに、小規模の企業が、私ども、使いたいけど行きづらいなどの声が、以前、あったんです。別に企業の規模の大小にかかわらず、こういったものは、そこで有効に活用してグレードアップを図るということはいいことだと思うんです。長野県の場合、ものづくりということに力を入れているわけですが、長野県内で、特に小規模の企業の中で特許を取ったはいいけれども、その特許の使い方がわからないということの把握はされておりますか。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 特許の支援につきましては、発明協会を中心にやっているところでございます。当然、工業技術総合センターも、特許を取る前の開発の段階では関与いたしまして、例えば試作したものの試験で、果たしてこれに特許性があるかどうかというところまでは、工業技術総合センターでしっかり見させていただいております。ただ、特許を取った後、製品化の段階になったときに、特許の活用というのは、今度は発明協会に移しまして支援をしているところでございます。特許というのは周辺特許も大分大事な要素になっておりまして、そこをしっかり押さえないと、最終的に製品化したときに、ほかの企業との特許のバッティングが生じてしまうということがあります。特許の取り方についても、小規模企業の場合は、根幹のところは特許を取れるんですけど、周辺特許をしっかり取るというのは、大分難しいというか、規模的な問題で、それだけの能力というか、社員もいないものですから、そこは発明協会が、非常に一生懸命支援しているところでございますが、大手に比べては弱いと感じております。 ◆向山公人 委員 工業技術総合センターで特許を取る指導をして、特許を取れば、当然、今度はその特許を取った小規模の企業が、そのことを使って事業拡大だとか、受発注のところへ結びつけていく必要があると思います。小規模の企業は、大体、情報をほとんど持っていないでしょうけれども、県の場合は県内全体を把握しているという中で、特許を取ったものを受発注に結びつけること、また異業種とのセッティングによって、新たに長野県から新しい商品なりが生まれるという可能性も出てくるわけです。なかなか企業同士というのは、それぞれの企業が自分のところの大事な部分は表に出さないものですから、行政とか、そういったところが間に入ってその辺をうまくマッチングすることによって、思わぬ商品が、新しいものが生まれるという可能性があると思うんですが、マッチング的なことだとか、そういったことに対する対応というのは、どんなことがあるんですか。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 特許だけでマッチングをやるという形ではなくて、特許を使った試作品ですとかを製品とか部品とかそういう段階で、例えば諏訪圏工業メッセですとか、また国レベルでやっております機械要素技術展だとか、そういったところへ展示して、これで売り込むという形をとっているのが実態かなと思っております。  また、発明協会では、特許関連でいきますと、例えば休日パテントセミナーだとか、知財広め隊などがございますので、特許の取り方、それからその特許の使い方、こういったものも含めてセミナー等を開催しているところでございます。 ◆向山公人 委員 そういうものの中で、成果が上がったとか、そういうものによって思わぬヒットが生まれたとか、何か事例はあるんですか。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 記憶が薄いもんですからもしかすると違っているかもしれないんですが、例えば、昨年ぐらいに、産業委員会でも報告させていただいたと思うんですけど、南信の企業が、荷崩れ防止のためのワイヤーというかバンドを開発して売り込んでおりまして、そこのところに知財広め隊が若干関与して、それが運送業界で評判になっているという話はあったと思います。
    ◆向山公人 委員 先ほど「ものづくりエクセレンス2018」について、説明がありました。県内で企業活動を続ける製造業者のすぐれた技術・製品を認定するという説明がありましたけれども、ものづくりのレベルアップにつながっていくことで、すばらしいことだと思います。当然、認定を受けた事業者が、さらなる事業展開を促進していくためにやるということだと思いますけれども、認定後の成果というのは、県では把握をしているんですか。 ◎渡辺高秀 産業政策課長 ものづくりエクセレンスにおける成果ということでございます。こういった製品については、販路開拓等について、また開発の段階から、工業技術総合センター等かかわっているところがございます。またその後、こういったことをやったものについて一つのパンフレットにしております。それを、例えば企業が販促をするときに使っていただくとか、具体的な成果数というんでしょうか、受発注がどのくらいあったというところまでは把握しておりませんけれども、そういう形で企業と一緒に進めております。 ◆向山公人 委員 商店街の活性化について、お伺いをさせていただきます。各商店街でかなり空き店舗が多くなったり、大型店が専門店を出してくるということも、商店街の大変大きな弊害になっていると思います。今でさえインターネット販売だとかテレビショッピングが、かなり普及というか、活用が多くなってきているんですが、IoTだとかがさらに進んでいく状況にある。この辺と商店街の活性化に対しての対応は、県としてはどのようにお考えになっているんですか。 ◎大槻覚 創業・サービス産業振興室長 御質問のとおり、空き店舗がふえていて、昨年度の実態調査でも、かなり空き店舗がふえているという状況が数字としてあらわれました。その中で、私どもも、ネットショップのセミナーをやっておるんですけれども、その市場も、本当に倍々ゲームでふえております。今、大手さんでも、ネットショッププラス地場でやっているショップもありまして、商店街の中には、なかなかお客さんが来ないということで、ネットを使った販売を展開しているような個店さんもありまして、そのような事例を、商店街振興組合ですとか、商店街連合会のセミナーの中で紹介させていただいて、ITとか、そこら辺を使った商売もできますよというPRをさせていただいております。 ◆向山公人 委員 内田産業労働部長にもお伺いさせてもらいます。私どもの地域の問題が絡んできますけれども。私どもは、2027年のリニアの開通に向けて、計画をだんだん具体化するための取り組みをさせていただいています。たまたま2027年というのは、長野で国体が開催されるということがありまして、長野県にとってみれば、多分、大きな変化が起きるだろうと。産業面でも、長野県の伊那谷は、当然、関東経済圏、中京経済圏、東海経済圏の中で、経済活動をしていくことになるんですが、今の地場産業というか、既存産業が、こうしたものを念頭に置いた危機感というのはまだまだあまり持っていない。  私ども、伊那谷の中で、産業界と行政と一緒になって、かなりのいろいろなデータの上に立って、リニアの開通に向けた計画を詰めてきているんですが、地元で、産業界も、関心というか、危機感というものが少ないです。だけど、これはもう好むと好まざるとにかかわらず、開通すれば、当然影響が間違いなく出ることでありますから、特に中小企業に、プラスの材料も出るでしょうけれども、マイナスの材料もかなり出てくるおそれがあるんです。  県として、でき得る対策については、かなり時間がかかるものですから、今から方向性を目指した対応が必要だろうと思います。また2027年のリニア開通に向けて、県としての経済対策の方向というか、目標みたいなものがあると、それに合わせて地域の産業界でも、それなりにそれぞれの企業が関心を持って考えていくということもあるものですから。総合5か年計画のように、現状で全部そのときを見通せるというわけじゃないでしょうけれども、影響が想定されるような段階の中で、長野県の地場産業について間違いのない足腰の強化をしていくために、こんなことが必要だ、こんな情報もあるし、こんなことも念頭に置いて経営方針を考えたほうがいいんじゃないかという情報提供だとか、県でできる対策をしていくことが、該当地区の産業界の関心の高まりにもなるし、危機感にもつながると思います。その辺については、内田産業労働部長としてどのようにお考えになっていますか。 ◎内田雅啓 産業政策監兼産業労働部長 将来の産業の振興に向けて、県ができること、特に情報提供の観点からということだと思います。リニアモーターカーについて2027年に長野県駅が飯田圏域にできるということでございます。そこで、一番何が変わるかということを見通した場合に、高速交通網ですから、そんなにいっぱい荷物が運べるとかということでもないですから、人の流れ、人の観点からいって、どんな人材をその地域に集めてくれば、地域の産業が振興していくのかというところが一番大事だと思っているんですね。  11月の初めぐらいに、飯田圏域で製造業の2社をお訪ねしました。そこの企業さんは、すごく切磋琢磨をしておられまして、人材が大事ですし、将来を見据えて、こんな観点から、この業種、この分野を極めていったほうがいいんじゃないかというようなこともありました。半導体の世界もやっていますけれども、航空宇宙のほうを少しやっていると。アメリカのNASAにも技術を売り込んでいるということでございますから、持っておられる技術力を、どの方面に使っていけば将来的にどうなのかということも含めて、私どもから情報提供する。もしくはテクノ財団とか、また工業技術総合センターと、その技術がどんなものに使われていくのかということを、お互いにお話をしながら情報提供して、将来の産業に役立てていくということが、一つ、大事かと思います。  それと、人の動きが盛んになってくると、そこにサービス産業も少し何か考えていかなければいけないのかなと。2027年に国体もありますので、全国からいろいろな方がお見えになるといったとき、長野県内を見た場合に、サービスを提供する産業があんまり見劣りするようなものであれば、長野県、ちょっと遅れているねと思われてしまうので、サービス産業系を盛んにしていくと。将来的にどういうサービス産業が盛んになっていくのかということを、我々もいろいろな情報をとりながら地域に提供していくことが大事ではないかと思います。 ◆向山公人 委員 私も、計画を進めていく中で、一緒にやらせていただいておるんですが、もう全く今の状態では考えられないというか、発想がかなり変わってきています。ドローンだとか今、実験をしている自動運転についても、リニアの計画の中において、こういう部分は自動運転でやったら二次交通の対策になるんじゃないかとか、そのくらいまで話が進んできています。私も、2027年になると、自動運転というのは、一部分では可能になるだろうと思います。どこで使えるかということにはなるでしょうけれども、当然、計画の中には自動運転ももう入れ始めているんですね。  大きく変わろうとするときに、今、話のありましたように、産業界も、自力で開発部門や開発能力を持っているところは、当然、会社として対応をしていると思います。話を聞いていると、逆に格差が大きくなるおそれが非常に高いんです。ですから、できるだけ格差のない形にするために、県でいろいろなデータなどを情報提供してもらって、2、3年前になってあたふたすることのないような中小企業に対する支援策を、ぜひ地域の中にぜひ落としてもらいたい。  私ども、きょうも中小企業団体中央会との懇談会がありますし、この間も経営者協会との懇談会とか、いろいろやっていますけれども、かなりそういった先行する話も、やりとりの中に出てきているものですから、県でそういったことも見越して、事業として何か予算を大きく盛れという話ではありませんけれども、ぜひ足腰の強い支援策をお願いしたいと思いますし、そういう方向も提示をさせていただきたいと思っております。  リニアが開通すると、今度は、東京まで通勤圏内にもなってしまうということもありまして、大きく地域の変化、経済変化も出ると思います。誘致の中でも、研究所なり事業所の本社を誘致しろとか、研究所を誘致したらどうだという話も出てきておりますが、その辺については、矢後産業立地・経営支援課長はどう受けとめられておられるのか。また誘致が現実化するためには何をすべきかということをお聞きをしたい。 ◎矢後雅司 産業立地・経営支援課長 リニア新幹線の開通を見越して、東京圏まで通勤圏内になるというお話でありました。先ほど内田産業労働部長からも答弁させていただきましたが、リニア新幹線が通ることによって、人の動きが変わるというところでは、人材を広く、例えば東京圏ですとか、中京圏から来てもらうということもあります。サービス産業振興室でやっていますリゾートテレワークのように、常時、そこで働くわけではなくて、ライフスタイルの中で、仕事をする場所、プライベートを過ごす場所という、使い分けもあると思います。そういう中で、リニア新幹線という、速く拠点をつなぐものが2027年に開通しますので、そういうのを見越すべきだろうと思っています。  また、研究所については、高度な知識とか経験を持っている方に来ていただくというところでは、リニア新幹線が開通することによって、移動性も高まってくると思います。研究所に来てもらうときには、当然、そこに、一緒に共同研究できる企業ですとかも必要になります。例えば南信州であれば航空機産業について力を入れておりますので、しっかりと市町村との連携、特に飯田市さんと連携をとりながら、研究所だけでなくて、企業についても誘致をしっかりやって、集積を図っていきたいと考えています。 ◆向山公人 委員 リニアの件に関しては、東京だとか名古屋に対しては、産業政策課長にもお力添えをいただいて、企業誘致に際して面接のアンケート等々も提供いただいておるわけでありますので、先行できるような方針というか、目標を、ぜひ産業労働部でも立てていただいて、私どもにも指針を与えてもらえればありがたいなと思いますので、ぜひよろしくお願いをいたしまして終わりにします。 ◆高村京子 委員 それでは、私からもお願いいたします。一つは、資料1でございますけれども、飯田勤労者福祉センターの移管について、飯田市さんで受け入れていただくということで話が調っております。御報告いただきましたけれども、この後、平成32年から改修を行っていくということで、それについては、県の補助金を交付するということであります。このことについて、県が負担する改修費等の見込みなどは、何か打ち合わせているものはございますでしょうか。今まで移管してきた経過の中では、大体何%補助するとか、そういうものはあるんでしょうか、そこら辺、教えてください。 ◎青木隆 労働雇用課長 飯田勤労者福祉センターの移管に当たっての御質問でございます。飯田勤労者福祉センターの移管に当たりましては、これから具体的にどこを改修するかということも飯田市さんで詰めていただきますので、それに向けて、改修費用について、具体的な話が詰まっていくかと思いますけれども、おおむね、目安としては、施設を取り壊して更地にする費用が一応基準になっております。要は、飯田市さんにこの施設をもう要らないと言われた場合に、県がその施設を取り壊して更地化した場合が一応の目安にはなっております。過去に資料でもお示ししましたが、近年では松本勤労者福祉センターがありましたし、その前には佐久、伊那、木曽と移管をしておりますけれども、先ほど申し上げた基準が一応の目安ではございます。けれども、若干額的には基準より多い金額を交付させていただいているところでございます。具体的には、すぐ出てこなくて申しわけございません。 ◆高村京子 委員 青木労働雇用課長には、後で御報告願えればと思います。次の質問に行きますけれども、資料4でお示しいただきました名古屋事務所の移転ということについてです。スペース上は変化はあるのかどうかということ。あと、新しく入居するということなので移転後の費用と、あと賃料は毎月々に支払うのでしょうか、年間契約でしょうか、そこら辺の契約内容を、今までとどのように違うのかという観点で伺いたいです。同じなら同じでいいんですけれども、お願いいたします。 ◎渡辺高秀 産業政策課長 名古屋事務所のあり方の検討についてのお尋ねでございます。面積の関係ですとか、それから費用の関係、今までとの違いということでございますけれども、資料を持ち合わせてございませんので、後刻、御回答させていただきたいと思います。すみません。 ◆高村京子 委員 次の質問をさせていただきます。資料で海外進出状況について、資料5をお示しいただいております。今までの総数が1,140事業所となっておりまして、平成27年は17事業所、平成28年は14事業所が、県内から海外に進出をされたということです。平成27年で御説明いただいても平成28年でもいいですけれども、事業所の従業員の数と、海外へ行かれた労働者の方の状況等がおわりになっているでしょうか、ぜひ教えていただきたいと思うんですが。 ◎宮坂克良 産業戦略室長 この調査につきましては、アンケート式で3,226事業所、10人以上の事業所を対象にしておりまして、調査の様式の中で、そこまで詳細には調査をしておりませんので、把握しておらない状況でございます。 ◆高村京子 委員 私はびっくりです。この委員会は、雇用の創出ということもきちっとみんなで考えていく委員会だと思っておりますので、県内企業の海外進出に関して、数字の裏にある働いている皆さんへの影響がどうだったのかということは、私は知っていていただきたいと思うんですけれども、長田雇用・就業支援担当部長、その点は何かございますでしょうか、ぜひこのことについて伺いたいですけれども。 ◎長田敏彦 雇用・就業支援担当部長 県内企業の海外進出と労働者の確保の問題との関連だと思うんですけれども。一般論になりますけれども、海外進出する場合に、新しく海外展開をするというパターンと、製造部門の海外への移転ということで、工場がなくなって移転する場合と、両方あるかと思います。後者については、特にグローバルな状況の中では、工場がなくなって新しく向こうで工場ができることに伴う労働力の移動というものが、企業の経営上は、それはそれであることだろうと思うわけでございます。  県内産業で、かつては人材が余った時代がございまして、雇用の場を確保するというのが大きな命題でございましたが、近年は、人口減少社会に向かう中で、逆に人材不足になっておりますので、そういう意味では、時代によって、我々に課せられた課題が変わってきていると理解しております。現時点で申し上げますと、私どもの責任、役割といたしまして、海外進出を抜きにしましても、人材不足という喫緊の課題に対応するために、国内人材になるべく働いてもらう、働きたい人が働けるようにするという政策を重視している状況でございます。 ◆高村京子 委員 上小地域でも幾つかの企業が、東北へ行くとか、海外へ行くとかということで、本当にそこで苦しむ労働者の方の姿を見てきました。私はそのことに思いをいたさないといけないと、こういう委員会でいいのかなと、御答弁をいただいた中で率直に思う次第であります。  除夜の鐘のゴーン、ゴーンならいいんですけれども、カルロス・ゴーンさんのことで、私は問題提起させていただきたいと思っております。引き続き逮捕ということで、12月末まで、カルロス・ゴーンさんと、それからもう一人の役員のグレゴリー・ケリー容疑者も、再逮捕されました。不正の記載だった額は、合計91億円と新聞でも述べられております。ゴーンさんは、私もお顔があまり好きではなかったんですが、コストカッターという異名で評価をされているということでした。まさにコストカッターでありましてね、経営トップについてから、リストラ計画、日産リバイバルプランというのをやりました。それで国内の5工場を閉鎖しました。村山工場とか、ありますけど、2万1,000人に上る人員を削減しました。国民的人気があったスカイラインを製造していたのは村山工場でしたが、2001年の3月末で生産ラインを停止したと。3,000人近い労働者のうち、その半分近くが退職に追い込まれるという状況で、下請企業も廃業せざるを得なかったと。こういう中で、武蔵村山市にある町が、本当に大変な状況になって、お店はどんどんなくなっていく、人口も減ると、こういう状況の町になっているわけですよね。  海外進出していただくということは企業の自由です。もちろん企業がグローバルに活動するということは、これはもうこの時代、そういうことはあると思います。でも、だからこそ、力のある方の思いどおりの経営ではなくて、この委員会とすれば、働いている皆さん、下請事業者の皆さん、そして地域でお暮らしの皆さん、こういう皆さんにどういう影響があるのかということを把握しないということは、カルロス・ゴーンさんの逮捕の経過からいっても、きちっと見ていく必要があると思っております。その点で、内田産業労働部長、何か御意見、御所見があれば伺いたいと思います。 ◎内田雅啓 産業政策監兼産業労働部長 高村委員からもお話がありましたように、経済がグローバル化いたしまして、製造業等は、一番最適な形での製造工場を持つということで、国内にあったものが国外に出ていく。これはほかの国でも同じことでございまして、例えばアメリカでは、デトロイトは、昔、自動車の町だったわけですけれども、そこもだんだん日本車に進出されて、廃退していったというところがございます。そこで従業員として働く皆さんの処遇とか、離職後の対応は非常に重要でございまして、私ども、産業労働部で労働を所管してございますので、皆さんのその先の雇用などについては、いろいろと考えていかなければいけないと。  例えば、今般、飯田地域でかぶちゃん農園等が破産をされました。150人近い方が離職されるということで、どんな対応をしたかと言いますと、地域の労働局、飯田市、それから南信州地域振興局、やはりこの関係は地域振興局がそこに加わることによって、いろいろな産業の情報とかも捉えておりますので、御相談をいただいたときに、次はこういう会社がありますよとか、あなたのこの資格はここに生かせますよという形できめ細かい対応をさせていただいています。皆さんの離職後の雇用は重視しなければいけないと思います。ただ、経済というのは生き物でございますから、景気のいいときもありますし、景気の悪いときもありますので、その辺は、私ども、十分考慮しながら、雇用関係は対策を打っていきたいと考えてございます。 ◆高村京子 委員 そこで暮らす人があっての経済だと思うんですよね。かぶちゃん農園のことでは、大変御尽力いただいていると思って、そこは感謝申し上げたいと思うし、深刻な問題だったと思っております。カルロス・ゴーンさんにまた戻りますけれども、企業家の方も、自分の利益とか、会社の生き残りとか、会社の利益をどうつくっていくかとか、そういうことだけで、自分の、経営陣だけの報酬をアップするということの中で、労働者と、あと下請企業の方は、本当に物品扱いといいますか、そういう経営のやり方はどうなのかなと。その人を大事にする、下請企業と共存して力を合わせていい物をつくっていくと。そういう企業倫理と言うんですか、長野県としては求めていただきたいと思います。これは意見として言わせていただきます。  先ほどの御答弁はまだですか、お願いします。 ◎青木隆 労働雇用課長 大変遅くなりまして申しわけございません。施設を移譲するに当たって、その地元市町村が改修工事を行って県が補助金を出す、今回の飯田市への移譲もそういう方式でございます。一方で、施設を持っている長野県が施設改修を行った上で、市町村に移譲するという方法もございまして、松本市については、後者の方法です。長野県が施設を改修して、その後に、ことしの4月1日付で松本市に移譲したところでございます。松本市の松本勤労者福祉センターにつきましては、昭和47年に開設以来、40年以上、大規模な改修を行っていなかったということもあり、改修費はかなり多額に上りまして、6億円余かけて県で改修工事を行って移譲しております。  それから上松町にあります木曽の勤労者福祉センターでございますけれども、事業費が1億4,000万円余ございまして、おおむね折半ということで、県で7,000万円ほど負担したという状況でございます。それから伊那の勤労者福祉センターも伊那市へ移譲いたしました。事業費が1億3,800万円余かかっておりますけれども、市分については県がほとんど全額負担して移譲している状況でございます。 ◎渡辺高秀 産業政策課長 名古屋事務所の面積の関係でございます。まず現行の中日ビルでございますけれども、面積が116平米、それから新しい久屋中日ビルが107平米と、若干少なくなってございます。これは、中日ビルには別フロアに倉庫がございまして、経費節減のためその倉庫の中身等を整理することにより若干面積は減っておりますが、オフィス部分についてはほとんど変わってございません。  それから金額でございますけれども、現行の中日ビルが年額で賃料、共益費等で約710万円ほどになってございます。新しい久屋中日ビルは、先ほどの面積の関係もございまして、約630万円ほどの年額となってございます。 ◆高村京子 委員 できればそういったこともお示しいただければうれしかったかなと思いますし、飯田勤労者福祉センターのことにつきましても、どういう経過があって、どのような方向で合意しているとか、こんな方向を検討しているとかもお示しいただければありがたいかなと思うんですが、そこはまだ決まっていない、これからっていうことですね。試算は、まだこれからということですね。  次に資料7の「信州ビジネスフォーラム in 東京」です。資料をお示しいただいて、いいことをやっていただいているなと思います。私、委員として知っておきたいんですけれども、国内唯一の環境試験設備である防爆試験機、あと燃焼耐火性試験機等を整備しているということですが、このことを教えていただきたいんです。もう一つは、国の優遇制度、県税の減税と、それから県独自の助成制度について、大まかに説明をお願いします。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 最初に試験機の関係については、私、ものづくり振興課長からお答えいたします。航空機の部品につきましては、安全性を保つという観点から、しっかりした試験を行わないと飛行機に搭載できないという決まりがございまして、防爆試験機などにつきましては、今、国内で検査が不可能で、アメリカまで行かないと検査できないという試験機でございます。国の地方創生推進交付金を使いまして、飯田地域に全国初の形で導入をいたしまして、全国各地からこちらに検査に来ていただくといったことを狙いました。最終的には企業誘致につながっていくという観点で導入を図っているものでございます。 ◎矢後雅司 産業立地・経営支援課長 信州ビジネスフォーラム in 東京のチラシの中に、国の優遇制度、県税の減税に加えて、県独自の助成制度を用意しているというところについて御質問がございました。これにつきましては、国の地方創生の取り組みの一環で、本社機能、これは、研究所ですとか、研修所、事務所などのことですけれども、それを誘致する際に、地域再生法に基づく内閣府の計画の認定を受けることにより、税制上の優遇があるというものになります。  県税の減税というところですけれども、ここに関しては、先日の議会で御承認いただきました移転型の場合、具体的には、東京23区から移転をする場合については、100%の減税、減免という形になります。ここについては、75%が地方交付税で補填をされるという形になります。それ以外の拡充型と言われるものについては、95%の減税ということになります。  国の制度以外に県独自の制度としまして、本社等移転促進助成金を用意しております。目的としましては、国が想定している企業よりも小規模の企業、従業員の人数が少ない事業者に対して支援をしっかりしていこうということで、県独自の制度として本社等移転促進助成金を設けております。基本的には県外からの転入者ですとか、新規雇用に当たりまして、今現在で言いますと、上限はございますが、1人当たり80万円の助成をしている形になります。 ◆高村京子 委員 全国唯一の環境試験設備ということなんですけれども、予算はどのぐらいかかったのか、国の補助もあったんでしょうか。その規模について、お教えいただければと思います。  それから、ただいま矢後産業立地・経営支援課長から御説明いただきました助成の関係です。資料7の裏側にありますサントリー食品インターナショナル株式会社さんの沖中直人さんのプレゼンテーションについて、「サントリー天然水 人間性の回復に貢献するブランド戦略」とありまして、お話を伺いたかったかなと思いますが、お話は伺えませんでした。ここでその中身を伺っているわけにいかないんですけれども、例えば、矢後産業立地・経営支援課長から御説明いただいた部分で、サントリーさんの進出に関して、差し支えなければどのくらいの助成額になるのか、御説明いただければありがたいと思うんですが、どんなものでしょうか。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 初めに航空機関係の実証試験機の価格でございますけれども、まず28年度に導入いたしました着氷試験機については1億円でございます。これにつきましては、南信州広域連合が100%の地方創生加速化交付金を使って導入をしております。29年度でございますけど、防爆試験機が1億9,300万円でございます。これは長野県が公益財団法人南信州飯田産業センターに対して補助をしておりまして、半分は地方創生推進交付金という国の金を使って導入してございます。本年度導入しております燃焼耐火性試験機でございますけれども、額が1億7,320万円で、これも防爆試験機と同様に県が補助しているものでございますが、半分は地方創生推進交付金を活用してございます。 ◎矢後雅司 産業立地・経営支援課長 サントリーさんが大町市に進出するに当たって、どのぐらい助成があるのか御質問がございました。ここについては、サントリーさんのほうから、どのぐらいの事業規模か、どのぐらい例えば従業員の方を雇用するかというところについて、大まかなところは聞いているところでありますが、実際に、具体的に事業計画が県に提出されて、その中でということになります。  先ほど私がお話ししたのが本社機能の移転ですとか拡充に対する支援の話でしたが、今回の場合には新たな工場をつくるということなので、本社機能の移転の話とは別に、県で言いますと、信州ものづくり産業応援助成金の助成対象になるかというところです。生産設備の取得価格ですとか、新規常勤雇用者数などの条件に基づいて、助成限度額が設定されるということになりますので、サントリーさんから出てくる事業計画を精査させていただいて、助成させていただく形になります。 ◆高村京子 委員 進出していただくに際しては、生産設備の取得とか、新規採用人員とかがあって、来ていただいてありがたいとなると思うんですけれども。ベースというか、大まかなものはもちろんあるわけですよね。 ◎矢後雅司 産業立地・経営支援課長 サントリーさんの進出につきまして、雇用者数については、100人ですとか150人という数字はありますが、具体的な生産設備の取得価格については、9月7日に大町市で記者会見がありましたが、その際にもサントリーさんからの発表がなかったということがあり、個別具体的なことになりますので、ここではお答えは控えさせていただきます。大町市の立地におきまして、かなりの規模の雇用者が見込まれるというところで、県としては、雇用をしっかりと確保すると。先ほども御質問がありましたが、雇用を確保するという観点からは大きな投資だと考えております。 ◆高村京子 委員 きのうは環境委員会をやったんですけれども、その中で、長野県のこれから5年間の環境基本計画の中に、地下水の減少を危惧するという中身もあるわけなんですよね。これについては、地下水のくみ上げの規模とかに規制がないということです。だけど、そこら辺も視野に入れていただきたいなという思いがあります。恵まれた資源は、サントリーさんだけでひとり占めするんじゃなくて、人間回復というテーマもありますので、自然と共存していい企業経営をしていくというところでも、視野を持っていただきたい。地下水をくみ上げられて心配だという方もいますのでね、ぜひそんなことをお願いしたいと思います。  最後なんですけれども、今回、国会運営がかなり強引だということで、私も頭にきて、9日は上田市内で、マイクを持って騒いできました。働き方改革で、高度プロフェッショナル制度の創設とか、労働基準法の改正案とか、国民の60%が反対しておりました。あと外国人労働者の受け入れについては、12月8日の未明にああいう形で採択されました。国民の皆さんは64%が反対という数字が紹介されております。消費税増税については、反対が50%と。消費税10%に賛成という人もいるんですよ。だけど、不況に対して、家計への影響に対して、また御商売に対して、政策があまりにもやっつけというか、整合性がないではないかという御意見の方もいたわけなんですね。  日本経団連が、2017年に政権に対する要望をしておりまして、安倍首相初め政権の皆さんが、頑張るよということで、国会運営もなされてきています。それは国の問題でありますけれども、長野県の県民の皆さんの暮らしについて、経済は堅調に推移しているという状況よりは、いろいろきょうもお示しいただきましたけれども、将来的には、製造業にしても、非製造業にしても、3カ月後について、DIがマイナス、しかもマイナス13.2、マイナス23.2と企業がお答えになっていますので、大変不安だと思うわけです。もう一度、内田部長に伺いますが、働く皆さんや暮らす地域を守っていくということを基準にしながら、産業振興を図っていただきたいと思うんですけれども、御所見を伺えればと思います。 ◎内田雅啓 産業政策監兼産業労働部長 働く皆さんの労働環境等を重視していくことが非常に大事なことでございます。就業促進・働き方改革推進会議をちょうどやっておるところでございまして、そこでは、私どもだけではなくて、経済界の皆さん、労働界の皆さん、さまざまな業種の皆さんから広くお話を伺っております。一つの方向を決めるときには、多くの関係の皆さんからお話を伺いながら、地域で一体となって進めていくということが大事でございますので、今後も施策を進めるに当たっては、その基本姿勢に基づいてやっていきたいと考えてございます。 ◆今井正子 委員 それではお願いいたします。資料10の「全国発酵食品サミット in NAGANO」は、私も行かせていただきました。この日は勉強会があった日でしたので、私だけ抜けて行かせてもらって、ほかの県からも集まってくるところですのでちょっと様子を見させてもらったら、国会から1人、県から1人という感じでした。長野県だけではなく大勢の方たちが、加工食品とかしっかりとしたそれぞれの食品をいろいろ持ってきて売ってくださるブースや、県外のブースも少しありました。長野県内はたくさんのブースが出ていて、本当によかったと思っています。  3日間ずっとは行けなかったんですが、マルコメさんが一番入り口の辺にいましたけれども、みそとか、その辺から始まって、お酒があって。私は、今回立科もあったので、甘酒とかも期待していました。たまたま佐久のブースはなくて、一つラーメンのところがあるかという感じでした。全体に呼びかけた中で、ブースを持った方たちが3日の間に変わっていったんでしょうか、それとも希望のといいますか、手を上げたところがそれぞれ来てやっていたという形だったんでしょうか、お願いします。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 信州発酵・長寿マルシェのブースにつきましては、若里公園で開催した関係上、数が当初から61ブースしか設定できないということに決まっておりまして、それをもとに、開催前に募集をかけまして、応募があったところに出ていただいたということでございまして、3日間、固定のブースでございます。 ◆今井正子 委員 来場者3万余名ということで、本当に大きな開催ができてよかったのではないかと思っていました。状況としては、県外のブースが少し少ないなと思いました。表は、マルコメさんから始まってずっと入りやすいところだったと思いますが。県外からおいでいただいた方たちのブースは後ろ側のほうでしたけど、県外から来た方たちも、表舞台にというかね、一番スタートの辺にいてくれたら、またそれもよかったかなという感じがしました。少し数も少なかったですし。全体数が61ということで、わかりました。  それで、このサミットによって、商談ではないんですけど、いろいろな形が進んできたという部分は、何か感触を、ものづくり振興課長はお持ちになっていますか。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 サミットは、2、3週間前に終わったばっかりですので、今すぐこういう成果がということを、あまりお示しできないのは残念なところなんですけれども、ただ、出展者同士が比較的交流を行ったということがございまして、その交流の中で、私ども、しあわせ信州食品開発センターの中に、食と健康ラボという新製品を開発する研究会を設けてございますので、ある産地とある産地のものを組み合わせて新たな商品開発をするということも期待ができるんじゃないかと思っております。  また、売上につきましても、お客様に買っていただいたのは当然なんですけど、出展者同士で買い合って、品質を見比べるということもやられたようでございます。中には完売となった商品も出るという状況でございまして、大変にぎわったかなと。今井委員にもお買い上げいただきまして、大変ありがとうございます。 ◆今井正子 委員 そういういい面もたくさん出てくればいいなと思っています。「市長の味噌」なんていうのも出ていましたしね、それぞれの地区の珍しいのがありましたので、またこれが広がっていけばいいなと、大宣伝に使っていただけたらと思っています。  それから資料12の技能五輪について、私たちは、長野でも開催ということで、第50回のときに非常に身近に来てくれたので、すごくそのすごさを感じました。22歳までですか、若い人たちが競技に向かっていくところとか、アビリンピックも含めて、身近に来てもらったことから、すごい関心を持つことができました。今回の大会は沖縄でしたけれども、40人中17人、それからアビリンピックは9人中7人も入賞ということで、本当にいい成果が出てきたのではないかと思います。新しい分野とか、種目が変わっていくということはあったでしょうか。 ◎青木淳 人材育成課長 技能五輪とアビリンピックに関する御質問でございます。競技自体が、競技団体との相談があって変わっていく部分というのはあります。あとデモンストレーションとして、正規競技ではないんだけれどもやられるとかですね。というように、地域性とかも含めてそういう変化はございますが、大きな流れとしては、そうどんどん変わるというものではない状況です。 ◆今井正子 委員 県内でも出ていただく人たちは、佐久地域とかでもいろいろ本当に何年も目指してやっているので、できれば急に種目がなくなるということがない形でやっていただければと。いつもヨーロッパのところでいろいろやっていたと思いますが、これから世界大会とかに向かっていくと思います。若い人たちに、どのくらいの補助が出ているのかわからないんですけれども、企業からその方たちがそれぞれお金をもらいながら、または自分たちで積み立てながら行くと思います。ぜひこの入賞者たちには、次の大会、ヨーロッパとか行かれるときに、長野県の場合には少し補助をしていただきたい。企業については、先ほどの信州ビジネスフォーラムのところのように、1億円、1億9,300万円とか、1億7,300万円とか、ぼんぼんと大きいのがあるんですけど、子供たちというか、若い人たちの技術については、本当に渡航費なんかでも大変なので、そういうところを少し長野県は温かく見ていただく、教育という意味でも温かく見ていただく形で、ふやしていただけたらありがたいなと。そこへ行くまでには、どの種目も、実験の材料費がものすごいんですよね。うちのほうは、例えば塗装とか、または左官とか、それから花とかでやっていますけど、ものすごい材料、ものすごい訓練だと思いますので、できるだけそうしていただけたらとお願いいたします。  いいことも続きましたので、次に資料6と9について、お願いしたいと思います。中小企業の融資制度は、あっせん状況がだんだん下がってきてしまう部分があると思うんです。新しくしあわせ信州創造枠なんかではふえていますけれども、ほかのところは前年に比べると下がっている。53%というところもありますけれども、全体に下がっているところも多い。外から来る企業も大事ですけれども、今ある企業をしっかりと大事にして、後で承継の問題も出させてもらいたいと思いますけど、何とかつないでいってもらいたいという中で、この状況についてはどうでしょうか。 ◎矢後雅司 産業立地・経営支援課長 先ほど冒頭で説明をいたしましたが、中小企業の皆さんに使っていただく融資制度の資金のあっせん状況につきましては、若干、下がっていると。金額では横ばいだということでお話しさせていただきましたが、数値を見ると全体的に下がっている。そこについては、民間金融機関からのプロパーの資金を借りていただいて、そちらのほうで資金需要は満たされているということがあるのかなと思います。また、経済も、そこまで悪くはないというところもありますので、民間の金融機関からの資金需要で、そこはもう需要は満たしているというところはあります。  信州創生推進資金については、県として政策的に力を入れていきたいところということで、今回は、創業ですとか、次世代産業ですとか、小規模向けの制度資金も用意させていただきました。そういう県としてしっかりと政策的に後押しをしたいというところについては伸びている。創業支援については大きく伸びているというのは、先ほど今井委員からもございましたが、外から来る企業ではなくて、地場にある企業をしっかりと支援をしていくということ。長野から新しい企業が生まれていくというところを支援できているというのは、方向としては同じくしているのかなと思います。 ◆今井正子 委員 矢後産業立地・経営支援課長の言われたとおりだと思います。なかなか承継の問題と、それから、よく農業でも、長い間、同じものの種類を承継していくには、補助金とか、研修費とか全く出ないということが続きました。リンゴ農家がリンゴを継ぐには、何の補助金も、またいろいろな承継に関するものも出ない。新しい方が来てリンゴをつくるにはいろいろなものが出てきます。そう考えていきますと、これも同じように、承継したくても、今までやっていたものと同じでは創出にならないので、創出していくには変わったものにしていかなければならないと。でも、事業を広げていくには、例えば息子さんでしたらそのままできるけれども、ということで。うちのほうでも大きなところで悩んでいるのは、地元に密着した中小企業ですけれども、娘さんの婿さんにやらせたいということがあっても、そのまま承継するのではなく、まず一旦、同じような職種であっても、新規というか、事業を創出して出してあげる。同じ業種であるとそういうことがなかなか難しいということでした。出してやって、そちらはそちらでやっていて、うまくいくようだったら、大きなほうもそのうちに継がせていくことができればいいと、支店分けではなくて、そういう方法をとってみたいという人たちが結構います。でも、それが今の制度でいくとうまくいかない感じなんです。こういう点については、継ぎそうな人がいるという中ではもったいないし、全く他人だと承継の仕方もありますし、先ほどのM&Aのようにやることもできると思います。そういう細かなことで悩んでいる方たちも、結構、中小企業の中にあるんです。同業種を継いでいったり、同業種をする場合に、一旦、親とか身内とか離れてから一つのものをしていくときには、創出と考えてもらうことはできないのかどうか。資金の出し方ですけど、いかがでしょうか。 ◎矢後雅司 産業立地・経営支援課長 事業承継について、資金需要にどう応えていくのかというところについての御質問かなと思います。県としましては、商工団体ですとか、経済団体、金融機関に加えて、税理士ですとか、弁護士さんとも協力して、事業承継のネットワークをことしの6月に立ち上げました。課題については、しっかりと、そのネットワークの中で共有させていただいて、事業承継の問題は、時間がかかる取り組みになりますので、できるだけ早い段階から支援をしていきたいと思っています。  その中の一つとして制度資金の話があると思います。基本的には、事業を引き継ぐ際に、元手がないのでその資金需要に応えるですとか、また、ただ単に今の事業を引き継ぐだけではなくて、新たな取り組み、チャレンジに対してしっかりと支援していくというのも必要になります。それについては、国で、創業ですとか、事業承継に対する支援をする助成金などもあります。一つの要件としまして、事業承継する際に、新たな取り組み、新たな事業展開をしていくに当たって助成をするというのがありますので、そういうものも活用しながら、事業承継を一つの契機として新たな取り組みを行うと。最低限、資金需要に応えなければならないところについては制度資金も活用しながら、一つの政策ツールだけで解決できるものではないと思いますので、しっかりとネットワークの中でいろいろと相談には丁寧に答えながら、現在のスキームですとかについて、どう利活用できるのかということを、しっかりと相談を受けながら支援をしてまいりたいと思っています。 ◆今井正子 委員 そうですね。中小企業の融資制度の中の、例えば特別経営安定対策とか、経営安定対策というのは、これも50%台のものがあったりと、数字を見ると少なくなっています。それと承継とミックスしたものですね、そういう支援ができれば。承継ですねというと承継グループに入っちゃうし、新しいものを開こうと思っているけど、今やっているところのチェーン店とか分業とどこが違うんですかとなってくると、どちらも使えなくなってきて、結構、そういうところで閉ざされてしまう若者たちもいます。農業なんかも同業種ではいけないということで、それでうんと苦しんだんです。リンゴだったら、今度、柿をやればいいのかわかりませんが、ちょっと違う形で、ブドウをやるとか、ワインブドウをやるとか、何かちょっと変えないと、ということが長い間続きました。同じような職種でも新規にやっていくんだということで、創出と考えていただけるような、もう少し取り組みやすくしてくれたらどうか。事業承継も含めながら、中小企業融資あっせん制度をもう少しうまく使ってもらったらどうかなと思いました。  それから、昼のニュースでやっていましたが、経済産業省のこれからの補助金に対して、予定していたものがカットされたものがありましたね。あの補助金によって予定していたところで、倒産してくるのやいろいろな人があるのではないかなと思って見ておりました。先ほどのニュースでしたので、どうなんでしょうか。テレビより皆さんのほうがニュースのキャッチが早いと思いますが。 ○荒井武志 委員長 今井委員に申し上げます。どのようなことをやっていたということを言わないと、わかりませんよ。 ◆今井正子 委員 企業の支援ですけれども、国からの支援で予定されていたのが、経済産業省で、先ほど、ストップをするというニュースが出ましたね。サービス産業とか、いろいろにあると思いますけれども、ただオンリーサービス産業ではないと思いますけれども。 ◎渡辺高秀 産業政策課長 昨今でいきますと、例えば、経済産業省の所管するファンドの産業革新機構というのがございまして、ベンチャー投資が頓挫したというお話は聞いてございます。そういったことにつきましても、うちとしては、情報収集しながら、活用しているところがあるのかどうかも含めて、目を配っているところでございます。 ◆今井正子 委員 幾つかね、県内もかかわってきているとすると大変だなと思いました。至急、調査をして助けてやっていただきたいと思います。  それから先ほどの続きの、しあわせ信州食品開発センターの支援状況も、本当に急減して、利用者数、機器利用、それから相談件数も減っているということ。職種によっても、ふえているところはないですね。そういう状況ですけど、主な活用事例なんかは、とてもいい事例を幾つか説明していただいたんですが。沖村ものづくり振興課長、どうして減ってしまっているのか、この分析はどうでしょうか。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 説明の中でも申し上げましたけれども、3年目になったということで、一番は、お試しとか、見学とか、そういった、まずしあわせ信州食品開発センターとは何という人たちが少なくなってきたと。逆に、ではこれを使ってやろうという人たちが、ふえてきておりますので、実際に研究開発ですとか、試作品開発ですとか、またはできたものを試食評価してくれとか、こんな案件が今は中心になっているという状況でございます。 ◆今井正子 委員 最後に、外国人の労働者とか、それから雇用の関係、また障害者の雇用も、今、注目されているところです。部署はそれぞれかもしれませんが、この間、障害者の方が新聞に大きくいろいろ載っていまして、途中から障害者になられた方でしたが、水泳なんかで健常者と戦って1位、2位というように頑張っている方がいらっしゃいました。そういう方たちも、ハローワークに行ってみると、自分たちに適した障害者用の雇用がないということでした。  また外国人の方たちは、日本の労働委員会とか、調整のところに入れる人たちは少ないと思います。たくさんの問題を抱えていたり、低賃金の問題、それからいろいろなところですぐいなくなってしまうということもありましたが、そのほかに死亡が69人、危ない現場で亡くなっていく人を自分も病院で見ましたけれども、危険率というようなところに外国人労働者の方を入れているところもあります。農業にかかわらず、これからは福祉・医療もあると思いますが、うちのほうでは土木も結構多くなってきました。そういう中で、何かトラブルとかあっても、この皆さんのような正規なところへは言っていかれない人たちばかりだと思います。外国人労働者の関係で、前に何かあったということで、このところ、全然ないということですけれども。  それから障害者も含めながら、福祉という視点と別に、障害はあってもみんな労働、そういう人たちも雇用してもらいたい。雇用率も決まっていて、長野県でも2回試験をやってくれたんですが、まだ15.5ということも数値が出ていると思います。教育委員会も82人足りないということがあると思います。実際に、働く者としてどうなのか、労働としてどのように考えているかというのは、大きくこの委員会しかないと思いますので、どのようにお考えなのか、またはどのような問題も起きているのか、お願いをしたいと思います。 ◎青木隆 労働雇用課長 すみません、ちょっと質問の趣旨がよくわからなかったんですが。 ◆今井正子 委員 今、社会の中で言われている外国人の労働者がどのような扱いをされているか、そしてどのくらい大勢の人たちが入ってくるのか、国で決定されたことがしっかりできてないところがいっぱいあります。雇用についても、人権のこともしっかりまだしていません。そういう中でも、長野県は多くの方たちが入ってきて、農業分野以外にもいろいろ、実際には小諸にはもう既に福祉関係、介護の関係の人たちも来ています。土木の関係の中でも大勢の人たちが入ってきています。そういう中で、この長野県において、問題がないということはないわけで。  障害者のことも、国全体として言われている中で、長野県としても、県庁内だけ数が出たりしていますけれども、ほかの企業は、数を使わなければ1人に対して5万円を支払わなければならないということもありました。  外国人と障害者と両面について、これほど騒がれているので、皆さんは、労働とか、雇用とか、そこをいろいろ考えている方たちですので、私たちには何の紹介もなかったとかではなく、どのようにお考えになっているか、事務局長にしっかりお聞きし、それから事例については、課長さんと、それから労働雇用課長さんにもお聞きしたいと思います。事務局長さんは、労働委員会の代表として、いろいろなお考えも持っていると思いますので、お3人にそれぞれお願いをしたいと思います。 ◎青木隆 労働雇用課長 知事部局でお答えいたします。障害者の雇用につきましては、地域振興局で、現在、5人求人開拓員を配置しておりまして、障害者の雇用については、その方に合った職場ということで、ハローワークよりも手厚い形で、障害者の雇用に結びつけるべく頑張っているところでございます。  外国人につきましては、直接、外国人向けの支援というのをやっているわけではございませんけれども、前にも今井委員から外国人について、労働相談があったかどうかというお問い合わせがございましたが、今年度につきましては、10月末現在で、外国人の方から直接の御相談というのは、1件ございました。内容については、職場での嫌がらせを受けているというような御相談でございましたので、それについては対応しているところでございます。 ◎久保友二 労働委員会事務局調整総務課長 ただいまの御質問の中で、労働者と、それから事業主との間のトラブルの関係があったかと思います。私どもでは、労働者と使用者との間のトラブルを自主的に解決していただくために仲立ちをして、あっせんということをやっております。そちらの中で、記録の残っている限り、過去10年の中で、プライバシー等の関係がございますので詳しくは申し上げられませんけれども、外国の関係の労働者の方が当事者となったトラブルというのが4件ほどございます。外国人の加入されている労働組合と、それから事業主との間のトラブルの仲立ちをしたというのが1件。それから残る3件は、個々の労働者の方と事業主との間のトラブルの仲立ちをしたという案件がございます。 ○荒井武志 委員長 午後3時5分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午後2時51分 ●再開時刻 午後3時4分 ○荒井武志 委員長 再開を宣した。陳第730号及び陳第763号について、理事者から発言を求められていたのでこれを許可した。 〇青木労働雇用課長 陳第730号と陳第763号の陳情審査資料中、要旨と将来の見通しのところで、雇用対策の推進について抜け落ちておりまして、大変申しわけございません。要旨の中に、「働き方改革を推進するとともに、多種多様な働き方・暮らし方の創造・定着を図ること」と記載すべきでございました。  また、将来の見通しにつきましては、県としましても、経済団体・労働団体等とともに就業促進・働き方改革推進会議で議論しておりますので、その議論も踏まえて、速やかにこれに沿った施策を進めてまいりたいと考えております。 ○荒井武志 委員長 委員の質疑等発言を許可した。 ◆中川宏昌 委員 お願いします。委員会の冒頭から、IoTについてもさまざまな話が出ているところでございます。IoTデバイスの開発を推進するため、とりわけ県内企業の強みを最大限に生かした開発をしていくということで、現在、デバイスの研究拠点を松本市に新設するべく準備が進められていると思います。まずこの拠点整備に向けた状況について、お伺いしたいと思います。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 IoTデバイス事業化・開発センターでございますが、国の拠点整備交付金を活用して整備しているものでございまして、拠点整備交付金自体は昨年度の補正予算で獲得したものでございます。全額繰り越しの形で使わせていただいているところでございますけれども、基本設計、実施設計を9月ごろまでに終えまして、9月14日に建設工事が落札されて、今現在、3月の竣工に向けて建物を建てている最中でございます。
    ◆中川宏昌 委員 来春からこれは進められていくと思うんですけれども、ここで一番重要になってくるのが、どういった人材を招聘してくるかということだと思うんですね。その中で、サブリーダーについては、公募するということでお伺いをしているところなんですけれども、その現況について、お伺いをしたいと思います。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 まず事業化プロデューサーについては、電車の切符のかわりのICカードがあるんですけど、その基礎を築いたFeliCaというシステムがありまして、そのFeliCaを開発した、ソニー御出身の相馬さんという方にお願いしているところでございます。その相馬プロデューサーとともに、副プロデューサーはどんな方がいいかということで探しているところでございます。公募もかけているところでございますけれども、この人材不足の折、適当な人材がまだ見つかっておりませんので、鋭意、探している最中でございます。 ◆中川宏昌 委員 全国で一斉にこういった事業をやっていると思う中で、人材を見つけていくというのは、非常に難しい課題だと思います。私が思うのは、こういった事業に対しては、人脈を備えた方が、非常に大事になってくるかと思いますので、そういったところも押さえながら、さらに見つけていっていただきたいなと要望をさせていただきたいと思います。  そんな中で、IoTの開発に向けては、地産地消の観点もきちんと兼ね備えた研究もしていかなければいけないなと思っています。例ですけれども、長野県が管理する橋梁について点検も非常に大変だということでお伺いをしておりまして、そういった橋梁にセンサーをつけることによって、より点検の回数が減ってくる、人数も少なくて済むといった観点とか、管理体制の省力化に向けた開発ですとか、部局横断で聞き取りをしながら、開発を進めていくべきだと思いますけれども、その点についての見解をお伺いしたいと思います。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 確かに新たにつくり出すデバイスでございますので、県内のいろいろな産業の発展のために活用できればいいかなと私どもも考えております。おっしゃられた橋梁の関係については、いろいろな問題もありまして、現在、そのプロジェクトは、構想の中にはあるんですが、まだ立ち上がっているところではございません。例えば圧力変化でコンクリートのぐあいがどうなっているかというのを確認できそうだというところで、今、とまっているところでございます。  このほか、例えば農業関係でいきますと、土壌の関係で、農場の中に含まれている肥料の成分がどうなっているかを分析できる装置が開発できそうだということで、プロジェクトはスタートをしております。いろいろな形で、製造業のみならず、ほかの産業にも影響を与えるようなデバイスを開発してまいりたいと考えております。 ◆中川宏昌 委員 では引き続きその点については、お願いしたいと思います。それからIoTの導入については、県内の既存企業がいかに導入をしていくのか。企業の高付加価値化、また省力化に努めていくという視点も必要な中で、IoTの導入についてはなかなかイメージが湧かないものですから、企業に在籍している方たちへ、IoTを使うとこうなっていくんだよという、アプローチも非常に必要じゃないかと思っております。県内企業へのアプローチ方法について、また、教育機関と連携しながらしっかり広めていくという活動も必要かと思いますけれどもその点について、いかがでしょうか。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 IoTにつきましては、少しものづくり産業のほうが先行してございます。平成30年7月26日には研究会を発足させておりまして、ものづくり生産現場におけるIoT活用による省力化ということをスタートさせております。その中では、北信にあります飯山精器という会社にIoTの構築事例を発表していただきまして、県内の企業の生産現場に携わっている皆様を対象に、こういうことをやればこんな成果があらわれるという実例を示しながら、研修会等をやったところでございます。この中で、率先して取り組むという企業を3社選定いたしまして、そこでは、工業技術総合センターが1万円程度で、開発した生産設備の稼働状況を測定できる装置を使いまして、その3社にお配りをして、データをとって、どうしたら機械が効率的に運転できるかということを進めているところでございます。  来年度にかけましては、私どもというより産業立地・経営支援課とジョイントしまして、製造業のみならず、例えば商業とか、観光業とか、そういったところへ普及展開するべく、新たな施策を検討中でございます。 ◎矢後雅司 産業立地・経営支援課長 ただいまものづくり振興課長からもありましたが、IoT・AIについて、先進技術を活用してデバイスを開発するという側面だけではなくて、中川委員からも御指摘がございましたが、企業の皆さんに、既存のIoTもしっかり活用いただくというところで、利活用について、経営支援の観点から産業立地・経営支援課で、来年度新たに事業を構築してやっていきたいと考えています。  その中では、例えば研究会などを発足させまして、今あるIoTを実際に生産現場ですとかに入れてみて、具体的にそこからデータをとって、そのデータを活用してどう自分たちの業務を改善するかなどについて、しっかりと見える化していくということです。取っかかりがわからないという企業の方も多く、そのような御意見をいただいていますので、先進事例の情報共有ですとか、またモデル事業をやって、例えば自分の身近なところの企業で、実際にAI・IoTを具体的に使ってみて、その利活用は、これだけ業績というか業務の改善につながるというところをしっかりと共有して、長野県内全域でAI・IoTの利活用を進めていきたいと考えています。 ◆中川宏昌 委員 ぜひそのように展開をお願いしたいと思います。次の質問に移りますけれども、きょうの資料で、長野県関係製造業企業の海外進出状況について、お示しいただいたところでございます。この資料を拝見すると、製造業についての工場進出は、成熟期を迎えているんじゃないかなと思う中で、進出している国の所得の水準の向上によって、物をつくるという観点から、物を売り込む、マーケットとしての認識を持ったところであります。また、海外の消費者に対するサービスの提供ですとか、進出企業へのアプローチは海外展開のこれからのトレンドになってくるかなと思ったところでございます。  県内企業の進出状況を見ても、製造業から非製造業にシフトしてきている中で、これらの状況を見きわめ、これから県の海外における産業戦略をしっかりと打ち立てていかなければならないと思ったところでございます。  昨年、堀場委員と私も機会をいただきまして、タイ、台湾に海外調査団として訪問させていただきました。進出している企業にお伺いしたときに、まずサプライチェーンが確立していないので、受注が多く発注が不足している状況であり、マッチングへの支援をしてほしいですとか、相乗効果を見込んで県内進出企業同士の連携を図るための支援を行ってほしいですとか、また、これから海外へ進出する企業でいきますと、コストとか経営リスクが生じることから、日本から輸出ベースで現地展示会を行うなどの取引支援をしてほしいという声が上がったところであります。そういった観点で、県内の進出企業に対してどのような支援を行っているかについて、お聞きしたいと思います。 ◎宮坂克良 産業戦略室長 既存の進出企業に対しての支援というお尋ねでございます。私どもでは、海外駐在員を2名配置しております。中国、それからシンガポールに配置しておりまして、それぞれ、進出企業さんのところを回りまして、いろいろな悩み事、相談等につきまして、対応しているところでございます。そのほか、先ほど中川委員から御指摘がありましたマッチングの関係につきましては、本年ですと、タイの工業省とMOUを結びまして、それにより、タイ国内の現地企業とのマッチングも、工業省で積極的に取り組んでいただくといったことにこれからなります。取引の環境を整えるといったことも、長野県とMOUを結ぶという形で、取り組んでいるところでございます。 ◆中川宏昌 委員 私どもも本当にお世話になったんですが、2名の駐在員の人は非常に頑張っています。取引というか、やることも大変多いんですね。そういった中で、ニーズをつかんでくださるということは大変ありがたいんですけれども、さらに深掘りをしながら、既存企業が、今、何を望んでいるかということについて、しっかりと聞き取りをしていただいた上で、さらなる支援をお願いしたいと思っております。  県内企業の進出国を見てみますと、日本と同じ少子高齢化が進んでいる国ということは言うまでもないんですけれども、今後の人口減を、労働力の減少ですとか、市場の縮小と捉えるんではなくて、特に先に少子高齢化を迎えている長野県にとっては、蓄積した知識とかノウハウがあるものですから、ここら辺をしっかり売り込んでいく。例えば介護とか、バリアフリーとか、健康産業とか、機能性食品などの分野について、他県よりすぐれているものですから、その辺をしっかり売り込んでいくことが重要かなと思っております。この観点から、今後の企業進出においては、長野県の強みを生かした県の戦略をしっかりと打ち出していくべきだと思いますが、その辺についての見解をお願いいたします。 ◎宮坂克良 産業戦略室長 中川委員御指摘のように、進出する場合は、製造コストが安いというところがきっかけとなり、進出したところも多い形でございましたけれども、最近は大分ニーズが広まってまいりました。製造業の周りを支えるサービス業であったり、あるいは少し前ですと金融業も、県内の八十二銀行などが地元の海外金融機関と連携して融資もしやすくするなど、サプライチェーンも含めて、製造業を支えるサービス業などもしっかりと対応しているところでございます。これから状況の把握を深めて、JETRO、それから海外駐在員から情報を集めて、製造業に加えてどんなところにニーズがあるかといったものも、情報収集をしてまいりたいと考えております。 ◆中川宏昌 委員 先ほどからもお話があるとおり、県内産業については、人材不足、人手不足という課題があります。これからの市場ということを考えていくと、より海外に向けてもマーケットをしっかり開いていって、売り込んでいける先をしっかり多くしていくという対策も必要でありますので、ぜひ海外のニーズも捉えながら、これからの海外戦略もしっかりやっていっていただきたいとこのようにお願いをしまして、終わりにしたいと思います。 ◆百瀬智之 委員 よろしくお願いいたします。中川委員から海外進出に関してということでお話がありましたが、私もそれをやります。すみません、重複することは多々あって恐縮かなと思いますけど、なるべく重複しない限りでやりたいと思いますので、お願いしたいと思います。  前回までにおいて、私は、地元においては、まちづくりとセットでの経済発展というのは、大変重要な観点じゃないかということを申し述べさせていただいたわけであります。都市計画や再開発、あるいは各市町村における成長戦略をそれぞれに持っていると思いますけれども、そういったものを生かしながらということ。その中で、前回、申し上げたことは、地域の循環モデルをつくりながらであるとか、またクラスター形成であるとか、また、さまざまなイベントがあるけれども、それをただのイベントにとどまらせないように積極的に入ってきていただきたいですということを、主に申し上げさせていただいたところであります。  今回、それに続いて申し上げようと思ったのが、長野県的に言うと、自然を生かした農林業であったり、クリーン産業もそうかもしれませんし、また医療の産業、食品の産業もそうかもしれませんし、また最近大変盛んだということであります航空機産業、こういった強みを、域内だけで大きくしていくというよりも、海外に積極的に展開していただきたいという文脈でお話しさせていただければと思うわけであります。  いただきました資料5なんですけれども、海外事業所の推移でありますけれども、近年、いろいろな波がある中で、これが多いのか、少ないのかというところは一つ評価していただいて、また全国的に見た場合に、もちろん首都圏は大変多いんでしょうけれども、長野県がどの辺の位置にいるのかということを、おわかりでしたらいただきたいと思います。 ◎宮坂克良 産業戦略室長 海外進出に関する御質問でございます。まず傾向につきましては、グラフのところで見ますと如実にあらわれておるんですが、最近、進出は少なくなっていると見られています。円レートにほぼ即している形で推移しているところから、輸出するよりも現地でつくったほうが大変いいという判断を企業がされて、出ているかと思います。特に24年をピークにして下がっていますが、このときが79円で大変な円高というところから、一気に、円安傾向に移っているところでございますので、そういった傾向が見受けられるところでございます。  それから全国レベルとの比較ということでございますけれども、全国で調査したものがない状況ですし、各県においても、調査しているところとしていない県がございます。ただ、長野県は加工・組み立て型産業が多くなっておりますので、比較的、海外進出の割合は多いものと推察をするところでございます。 ◆百瀬智之 委員 進出のぐあいは為替レートが大変大きな要因になっているということをいただきました。何か為替レート以外のほかの要因とかもあれば教えていただきたいと思います。また、今し方、製造業以外でのお話も中川委員からあったところですけれども、そういったところは、比較的、レートにかかわらず伸びているのかとか、もしおわかりになれば教えていただきたいと思います。 ◎宮坂克良 産業戦略室長 為替レート以外の要因としましては、その進出国の対応ということで、どうしても現地生産を求める国であったりとか、地域内、例えば北米地域で求めたものの、自動車がアメリカに輸出できないとかがありまして、どうしても国と国との関係で製造する場所というものが決まってくるという影響がございます。  それからものづくり以外ということですけれども、私どもが聞いている範囲では、例えばサービス業の中で、日本の中では、塾とか、教育関係でしょうか、そういったものも、最近は、東南アジアに進出しているという企業さんの情報は聞いたことがございます。 ◆百瀬智之 委員 長野県、開業率ナンバーワンを目指す中でということで、頑張っていただいています。私としましては、どんどん、特に若い世代の人に頑張って入ってきてもらって、クリエイティブなこともやっていただきたい。そういう意味では、製造業はもちろんなんですけれども、もう少し広げて、長野県で活躍する場を、私自身もつくっていきたいと思っているわけであります。  そういったときに、現状では、安価な労働力をということで、それが主な要因で海外へ進出していく企業も多いということもあるようでありますけれども、これからは、どんどんと世界で勝負していくんだという気持ちを持って海外に進出していく企業であったり、個人もそうかもしれませんけれども、そういった方のサポート体制をしっかりとつくっていくことが重要じゃないかと思っているところであります。現時点で、海外へ進出したいということ、中小企業向けにどういったサポート制度があるのかということについて、概略を説明していただきたいと思います。 ◎宮坂克良 産業戦略室長 海外への進出のサポートについてでございます。海外への進出のサポートにつきましては、先ほど御説明しました駐在員に加えて、JETRO長野と私どもで事業を組みまして、セミナーを開催すること、それからJETRO長野に専門の相談員等を置いていただきまして、個別の国の相談に細かく対応する形で国内の対応をしているところでございます。それから実際に国が決まって、国の調査とか、あるいは現地での支援ということになりますと、JETROの海外進出のサポート事業がございますので、私どもが間に入って積極的に活用しているところでございます。そのほか、中小企業振興センターで、いろいろな海外の展示会、成長産業の展示会等も通じながら、進出、あるいは販路開拓を推進しているところでございます。 ◆百瀬智之 委員 私もこの件で、先日、お話を伺っていく中で、いろいろと難しい問題があるんだなと思いました。進出したいと言っている企業の方が、相手国でどれだけのコネクションがあるのかとか、文化だとか、言語だとかの問題をクリアできるのかとか。また、その進出先でやりたいと思った市場があるのか、プロジェクトの機会などがあるのかとか、いろいろな複合的な要素について、しっかりとサポート体制をつくっていかないと。やりたいから行ってみようだけでは、大きな痛い目を見るということもあるようで、その点、大事なのかなと思ったところであります。  それで、一点ふと思ったのが、人と人とのつながりや、また都市と都市のつながりについて、例えば姉妹都市とかありますけれども、経済交流とかまで結びついている例というのは、私、見てない中で、今回、タイの工業省との覚書が結ばれたというのがありまして、大変期待しているところであります。タイの工業省との経済協定の覚書に至った経緯というのは、何かしらタイでできる見込みがあって調べられて、やってこられたことなのか、その辺の経緯について、まずいただきたいと思います。 ◎宮坂克良 産業戦略室長 タイ王国の工業省との覚書の経緯でございますけど、資料5にもございますとおり、本県の進出企業先としては、中国・アメリカに次いでタイ王国が第3位ということで、非常に多くの企業が昔から進出しているところでございます。それから長野県のグローバルNAGANO戦略プランにおいても、経済的提携国という形で位置づけております。それから、タイの企業さんから駐在員を通じてお話を聞きますと、先ほども御指摘がありましたが、現地企業との取引拡大を希望されているということで、それにはタイの政府に間に入っていただいたほうがいいんではないかという調整もしたところでございます。いずれにしても、タイというのは、重要な経済的なパートナーということで認識して今まで進めているところでございます。  あともう一つ加えて言いますと、どこもこれは似ているところはあるんですけど、タイの戦略の分野が非常に似ております。航空宇宙であったりとか、工作機械・ロボットをやるとか、あるいは機能性食品とかを、これからタイも発展の礎の産業としていきたいと考えているところから、一致するところが多いということで進めているところでございます。そういったところが一致して、今回のMOUの締結に至ったところでございます。 ◆百瀬智之 委員 世界銀行のビジネス環境ランキングというのがありまして、私もさっきぱっと見たんですけれども、タイは日本より上にいて、27位ということでびっくりしました。中国が意外と46位、これは政治的に安定しないとか、法律・規則の不透明性等々あるようですけれども。我々が思っているのと、世界銀行のランキングは、実感としてはなかなか違うところがあって、今、タイとか、東南アジアが、比較的上位に多いんだなということを改めて思ったところであります。  それでやや不安に思うことは、この覚書の中で、2カ月に1回、話し合いの場を持ちますよということなんですけれども、こちらとしては、ある程度こちらの企業とで、何か向こうでプロジェクトができるんじゃないかとか、そういった腹案をある程度抱えていただいていることを願っているわけです。手探り状態じゃないということを、改めて伺いたいなと思います。 ◎宮坂克良 産業戦略室長 2カ月に一度の工業省への訪問というのは駐在員が対応しますし、タイの大使館との交流というのも、私どもで、同じぐらいやっています。実は今週も大使館に行って、これからの動き方を相談してくるわけでございます。その中でも、先ほどありました企業とのマッチングが非常に求められておりますので、こちら側から企業の展示会等を本年も予定しておりまして、そういった機会に地元の企業さんにたくさん来ていただく、あるいは県内の企業さんにもマッチングの展示会を活用していただく形で、進めてまいりたいと考えております。 ◆百瀬智之 委員 少し角度は違いますけれども、資料3のものづくりエクセレンスはたくさんいい企業があるんだなと思いますし、表彰もしていただいておりまして、環境性能だとか、医療関係の幾つかの事業が見られますが、こういったものも、戦略的に海外とのつながりを深めていくという中で、活用していってほしいなと思うわけであります。  私、これからは、行政もアグレッシブに営業していく時代になっていくんじゃないかなと思っているところであります。伺った話ですと、行政が主体的に動いていることによって、相手の企業さんであったりが大変安心すると、最終的な決裁権を持つ人までたどりつきやすくなるということもお聞きしましたので、これからは、主体性、あるいは戦略性というものをより持ってやっていただくことがいいのかなと思うところであります。  最後になりますけれども、本日は海外進出ということでお聞きしましたけれども、内田産業労働部長さんに、現時点でどのような考えを持っていらっしゃるか、総括的にいただいて終わりたいと思います。 ◎内田雅啓 産業政策監兼産業労働部長 県内企業の海外進出について、お伺いいただきました。海外への展開は、先ほど宮坂産業戦略室長からも申し上げましたように、ものづくりであればどこでつくるのが最適であるかという観点でつくって、労働力であったり、市場であったり、そういうものをにらみながら動いているところがございます。それと、一昔前は、海外展開という話になると、国内の働く場所がなくなるのでそれはよろしくないと、行政がそういうものを後押しするのはどういうものかということで批判があったわけでございますが、今、そういう批判はなくなってまいりました。県内企業にどのように海外に進出いただいて、海外でどのような展開をして、県内企業の本社がいかに利益を上げるかというところにもかかわってきておりますので、私どもが考えるということは、企業さんがいかに稼ぐ力を強めていかれるか、グローバル展開によって稼ぐ力を強めていかれるかということに着目をして支援をしていかなければいけない。支援の内容は、これまでやってきたものもございますし、今後、また新たな展開があれば、それに即していろいろ考えていかなければならないと思っております。 ○荒井武志 委員長 ほかに御発言もあろうかと思いますが、以上で産業労働部及び労働委員会関係の質疑を終局いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、質疑を終局いたします。  ただいまから議案の採決に入ります。第8号「勤労者福祉施設条例の一部を改正する条例案」について、採決いたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  ただいまから陳情の審査を行います。当委員会に付託されております産業労働部及び労働委員会関係の陳情を一括して議題といたします。過日、お手元に配付いたしました審査資料をごらん願います。産業労働部及び労働委員会関係の陳情は、継続分3件、新規分4件であります。  なお、審査に際し、継続審査とする旨の御発言をされる場合は、なるべくその理由を一緒に述べていただくようお願いいたします。また、願意が複数ある陳情で、その一部が採択できないために、継続審査と決定した場合は、付記事項として陳情者に通知することについて、その都度お諮りしたいと思いますので御了承願います。  それでは、継続分の陳情の審査を行います。継続分の審査に当たっては、9月定例会以降、状況に変化のないものについては一括して審査を行い、状況に変化のあるものについては取り出して審査を行うことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  さよう決定いたしました。  それでは、継続審査となっております陳情3件について、状況に変化がありましたら、理事者から説明願います。 ◎渡辺高秀 産業政策課長 状況に特段の変化はありません。 ○荒井武志 委員長 それでは、特に状況に変化のない陳情3件を一括して審査いたします。  お諮りいたします。陳第4号、陳第71号及び陳第439号については、引き続き「継続審査」とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  さよう決定いたしました。  続いて、新規の陳情の審査を行います。まず、陳第730号と陳第763号は、願意が同一ですので、一括して審査を行います。理事者の説明はいかがいたしますか。      〔「不要」と呼ぶ者あり〕  質疑等はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御発言がありましたので、陳第730号及び陳763号については、採択とするに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に、陳第745号と陳第778号は、願意が同一ですので、一括して審査を行います。理事者の説明はいかがいたしますか。      〔「不要」と呼ぶ者あり〕  質疑等はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御発言がありましたので、陳第745号及び陳778号については、採択とするに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  以上をもちまして、陳情の審査を終局いたします。  以上で、産業労働部及び労働委員会関係の審査を終局いたします。  本日の審査はこの程度とし、明12日は午前10時30分から委員会を開会し、観光部関係の審査を日程といたします。  散会を宣した。 ●散会時刻 午後3時40分 △採決結果一覧(産業労働部及び労働委員会関係)  (付託議案)   ▲原案のとおり可決すべきものと決定したもの(簡易採決)    第8号 勤労者福祉施設条例の一部を改正する条例案  (陳情)   ▲採択すべきものと決定したもの(簡易採決)     陳第730号、陳第745号、陳第763条、陳778条   ▲継続審査と決定したもの(簡易採決)     陳第4号、陳第71号及び陳第439号...