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  1. 長野県議会 2018-12-07
    平成30年11月定例会本会議-12月07日-05号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成30年11月定例会本会議-12月07日-05号平成30年11月定例会本会議 平成30年12月7日(金曜日)  出席議員(57名)   1 番 花岡賢一      27 番 備前光正   2 番 今井愛郎      28 番 両角友成   3 番 寺沢功希      29 番 吉川彰一   4 番 山口典久      30 番 清水純子   5 番 百瀬智之      31 番 小池久長   6 番 金沢敦志      32 番 諏訪光昭   7 番 小山仁志      33 番 髙橋岑俊   8 番 共田武史      34 番 今井 敦   9 番 丸山大輔      35 番 丸山栄一   10 番 荒井武志      36 番 竹内久幸   11 番 堀場秀孝      37 番 小林伸陽   12 番 依田明善      38 番 高村京子   13 番 石和 大      39 番 今井正子   14 番 埋橋茂人      40 番 村上 淳   15 番 藤岡義英      41 番 小池 清   16 番 髙島陽子      42 番 宮本衡司   17 番 小川修一      43 番 清沢英男
      18 番 中川宏昌      44 番 垣内基良   19 番 浜 章吉      45 番 鈴木 清   20 番 酒井 茂      46 番 西沢正隆   21 番 堀内孝人      47 番 風間辰一   22 番 小島康晴      48 番 佐々木祥二   23 番 小林東一郎     49 番 向山公人   24 番 下沢順一郎     50 番 高橋 宏   25 番 山岸喜昭      51 番 宮澤敏文   26 番 和田明子      52 番 平野成基   53 番 本郷一彦      57 番 望月雄内   54 番 村石正郎      58 番 古田芙士   55 番 萩原 清  欠席議員(1名)   56 番 服部宏昭         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        阿部守一    建設部長      長谷川朋弘   副知事       太田 寛    建設部リニア整   副知事       中島恵理    備推進局長     水間武樹   危機管理監兼危           会計管理者兼会   機管理部長     池田秀幸    計局長       塩谷幸隆   企画振興部長    小岩正貴    公営企業管理者   総務部長      関昇一郎    企業局長事務取扱  小林 透   県民文化部長    角田道夫    総務参事兼財政   健康福祉部長    大月良則    課長        伊藤一紀   環境部長      高田真由美   教育長       原山隆一   産業政策監兼産           教育次長      轟 寛逸   業労働部長     内田雅啓    教育次長      三輪晋一   観光部長      熊谷 晃    警察本部長     内藤浩文   農政部長      山本智章    警務部長      野﨑美仁   林務部長      山﨑 明    監査委員      田口敏子         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      吉沢 久    議事課課長補佐   議事課長      村松敏伸    兼委員会係長    小林浩行   企画幹兼議事課           議事課担当係長   神戸圭一郎   課長補佐      小松健一    総務課担当係長   伊藤啓一         ───────────────────  平成30年12月7日(金曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    陳情取り下げの件(日程追加)    議員提出議案(日程追加)      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    請願・陳情提出報告、委員会付託    陳情取り下げの件    議員提出議案         午前10時開議 ○議長(鈴木清 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(鈴木清 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、寺沢功希議員。       〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)おはようございます。質問に入らせていただきます。  平成29年度の県税収入のうち14%を占め、約318億円となっている自動車税。4月1日現在の自動車所有者が納めるものですが、以前は年度途中に名義変更が行われた場合は月割りで未経過分が還付されておりましたが、現在は一時抹消及び抹消手続が行われないと還付はされません。したがって、自動車の下取り及び売却時の名義変更の場合は、年度途中であっても還付はされません。中には、取引の際、下取り及び買い取り価格に未経過分相当額を含めて支払わないにもかかわらず、次の購入者から残りの月割り自動車税を受け取るなどする業者もあり、自動車税を利益に利用している事例もあると聞きますが、県ではこのような行為を把握されておりますでしょうか。また、そもそもこの行為に問題はないのでしょうか。  業者が下取り及び買い取り価格に未経過分の自動車税を含めていると説明したとしても、例えば排気量2.5リッターから3リッター、自動車税額5万1,000円の自動車を所有し、7月に手放した場合、本来は3万4,000円還付されるにもかかわらず、下取り、買い取り価格が1万円では疑問を持たざるを得ません。  業者から消費者に対し十分な説明が必要ですが、中には一切説明しない業者もあれば、契約書に明記してあるだけの業者もあるのが現状であります。県としては、業者に対し、今後どのように対応していくのか。例えば、条例等で説明を義務づけることも必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。  一方で、県としても、納税者に対し、自動車税の還付について仕組みを周知することが必要だと思いますが、いかがでしょうか。  以上、県民文化部長にお聞きします。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)中古車自動車取引における自動車税の取り扱いの問題点等についての御質問でございます。  自動車を下取りに出した際に自動車税相当額が月割りで返金されなかったなどの相談は、県の消費生活センターに対し年に一、二件程度寄せられている状況でございます。  自動車を年度途中で売買する場合、自動車税の取り扱いは、自動車を抹消登録する場合と名義変更登録する場合で変わってまいります。  抹消登録する場合は、登録した翌月以降の自動車税の還付金が発生し、4月1日現在の登録名義人に還付されます。この際、還付金の受け取りを旧名義人から自動車の買い取り者に委任する事例も見受けられ、この場合は買い取り者に還付されます。この還付金受領の委任行為について、旧名義人がその内容を詳しく理解しないまま委任状を作成した場合に問題が発生しているのではないかというふうに考えております。  また、名義変更登録する場合でありますけれども、税法上、新たな課税や還付金は発生いたしません。この際、買い取り人が登録した翌月以降の自動車税に相当する額を買い取り価格に含めて旧名義人に支払った上で、新名義人への販売価格に含めて請求することが一般的でございます。しかし、買い取り価格に含めるか否かは商取引上の慣習によるものでして、こうした取引の仕組みに関する消費者への説明不足がトラブルの一因となっているというふうに考えております。  次に、業者への対応、消費者に対する制度の周知についての御質問でございます。  県といたしましては、自動車を抹消登録した場合に生ずる還付金は自動車登録名義人に還付されることが委任行為を理解しないまま行われることがあるということ、そして、名義変更登録の場合、買い取り価格に自動車税を含むか否かは商取引上の慣習を踏まえた契約上の問題でもあるということから、販売業者に説明義務を課すことを条例等で定めることは難しいのではないかというふうに考えております。  しかしながら、取引の仕組みを理解した上での契約行為が当然求められますので、関係団体である一般社団法人自動車公正取引協議会を通じまして制度や手続の流れを消費者に丁寧に説明するよう求めてまいります。  また、県といたしましても、県民の皆様に自動車税の仕組みを御理解いただき、取引の内容をよく確認した上で、不明な点については販売業者にしっかり確認するよう関係各課と連携して周知に努めるとともに、消費者大学や各種出前講座などでもテーマとして取り上げるよう検討してまいります。       〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)取引の際トラブルがないよう、仕組みの周知をぜひお願いいたします。  次に、長野県を代表する農産物の一つ、ワサビ。平成29年産の水ワサビ、畑ワサビを合わせた全国主産県の状況は、栽培面積では、全国1位である静岡県の120ヘクタールに対し42ヘクタールで全国4位ではありますが、生産量は、岩手県541トン、静岡県511トンの約1.5倍、809トンで全国1位となっております。  県内生産量の多くは安曇野で栽培されており、安曇野ブランドとして産出されております。しかし、近年、安曇野ワサビは不作が続いており、その原因は特定されていませんが、さまざまな要因が考えられる中でも、湧水の減少が大きく影響していると考えられており、特にことしは過去最悪の渇水状態でありました。  安曇野ワサビは、静岡県、岩手県とは栽培環境が異なり、豊富な湧水により育まれているのが特徴です。冬はマイナス10度以下の極寒、夏は35度を超える猛暑であっても、湧水が豊富にあるためワサビは育ち、この厳しい気候により生育を抑制されるため味が濃厚になると言われています。逆に言えば、安曇野ワサビは豊富な湧水がなければ育たず、生育には10アール当たり毎秒20リッター以上の湧水が必要であり、湧水量が1割減少すれば生育不良に、2割も減少すると生育ができなくなったりするようです。ことしはひどい作柄不良で、観光客が来てくださっても売るものがない。これから年末年始で需要が高まる中、出荷するものがないなど、苗代も回収できないような状況のようであります。  そこで、以下の点についてお聞きします。  こうしたワサビの不作、湧水減少に対して、県としての見解、また対応状況はいかがでしょうか。また、特に塔ノ原地区の一部のエリアでの湧水減少が大きく、生育が不良傾向であり、信州山葵農業協同組合では犀川の河床低下の影響が大きいと考えているようです。過去に国土交通省千曲川河川事務所がこのエリアの河床が深く掘れている部分の埋め戻しを実施したところ、湧水量に改善が見られたと組合では評価をしているようであります。今回、この一部のエリアにおいて埋め戻し工事が再度行われる予定と聞いておりますが、県としては詳しい工事内容を承知しておりますでしょうか。また、埋め戻し工事による湧水量改善の効果についてどのように把握、また検証していくお考えでしょうか。  平成29年3月に、静岡県の五つの栽培地域が日本農業遺産に、そのうち二つの栽培地域が、ことし3月、世界農業遺産に「静岡水わさびの伝統栽培」として認定され、ブランド力強化事業生産振興対策事業農林技術研究所内にわさび生産技術科を設けるなど、静岡ワサビに対しての取り組みに力を入れているようです。そうした静岡県と比べると、先ほども申しましたとおり、生産量は長野県のほうが1.5倍も多いのですが、産出額は静岡県の40億円に対し長野県は8億円とわずか5分の1の額になっております。これはどういった理由からでしょうか。  安曇野で栽培されているワサビも、実際は苗を県外から購入している場合がほとんどであります。苗からいわば100%県内産とできれば理想ではありますが、長野県の環境では難しいようであります。地域を代表する農産物に対し県として支援をし、よりブランド力を高め、全国へ、そして世界へと発信していくと同時にその生産を守っていくことが必要であると思います。  県のワサビに特化した支援については、現状では、毎年開催されるわさび共進会での知事賞交付や審査員の派遣等の連携、登録農薬の安全使用への対応にとどまっております。現状では、不作原因は特定されているわけではなく、今後の生産安定、さらに生産拡大をさせるためには、静岡県のように、不作原因の究明や対策、また養苗や優良種苗の研究等を行うワサビに特化した研究機関の設置や事業費の確保が必要と思いますが、いかがでしょうか。  以上、農政部長にお聞きします。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)4点御質問をいただきました。順次お答えをいたします。  ワサビの不作、湧水減少の見解と対応状況についてでございますが、安曇野地域を中心とした本県のワサビの生産量は平成18年をピークに減少しており、最近5年間では約7%の減少となっております。  ワサビの栽培は豊富な湧水が必要不可欠でございますが、安曇野市の塔ノ原地域では、冬期間を中心に湧水が減少しており、近年では、生育期でもある夏場にも減少している状況とのことで、生産への影響が大きくなってきていると認識をしております。このため、安曇野市を初め松本地域振興局など関係団体からなる安曇野市水資源対策協議会が地下水を含めた水循環保全のための調査研究に取り組んでおります。  なお、湧水減少の原因は、関係機関に意見を伺う中では、現在のところ原因は特定されていない状況でございます。信州特産のワサビの生産振興を図る上で豊富な湧水は極めて重要ですので、この協議会と連携し、信州山葵農業協同組合安曇野市役所とワサビの生育状況や湧水状況等について引き続き情報共有を進め、必要な対応の検討を進めてまいります。  次に、千曲川河川事務所による河床埋め戻し工事の内容とその効果の把握についてでございます。  本年7月に、県と千曲川河川事務所の打ち合わせの中で、湧水量が減少している地域に近接する犀川流域の河床の深く掘れた部分へ土砂投入などの工事を実施する予定との説明をいただいております。その後の打ち合わせでは、本年は7月、10月の洪水の影響もあり、最深部で2メートル程度河床が上昇しているものの、依然として堤防付近で河床が深く掘れている部分があることから、堤防保護の観点からブロック投入などを検討していると聞いております。工事の詳細につきましては12月中に関係者への説明会が行われることとなっておりまして、その後、地元の了解が得られれば、来年1月から工事予定とのことでございます。  また、その効果につきましては、千曲川河川事務所及び安曇野市がそれぞれ管理する観測井戸の水位データを調査するとともに、信州山葵農業協同組合でも定点での水位状況を記録することとしておりますので、それらのデータを情報共有しながら把握をしていくこととなります。  続きまして、長野県と静岡県のワサビの生産量、産出額の差についてでございますが、ワサビの利用部位は、一般にすりおろして使われる根の部分と地上部の茎の部分がございます。静岡県におきましては、この根の部分を主体として生産し、出荷されておりますけれども、本県では、根に加えまして、地域特産として人気の高いワサビ漬けに利用される茎の生産出荷が多いことから、生産量では全国1位となっております。  産出額につきましては、静岡県では高級飲食店向けの太く大きな根の部分の出荷が中心で、高価格で取引をされておりますけれども、本県ではワサビの生産者みずからが漬物などに加工し、付加価値を高めるための原料生産が中心であることから、農産物としての産出額の差が生じているところでございます。  最後に、ワサビに特化した研究機関の設置等についてでございます。  本県主力の水ワサビは、多量の湧き水と冷涼な気候といった独特の地勢的環境を生かして、大正初期より現在の安曇野市地域を中心に栽培が本格化し、先人の努力により独自の栽培技術が蓄積されて今日の産地に至っております。  県では、こうした生産者みずからの技術に加えまして、野菜花き試験場が平成8年に穂高産の優良系統からウイルスフリー化した品種を育種し、現在でも長野県原種センターを経由して毎年1万数千本の苗が安曇野のワサビ農家に供給されております。
     また、近年では、栽培用パイプハウスの設置を補助事業で支援しておりますけれども、共同育苗施設などにつきましても要望に基づき補助事業での支援を検討するなど、野菜花き試験場、地域振興局、農業改良普及センター等関係機関が連携して支援をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)組合の皆さんも現状にかなりの危機感を持たれておりまして、地理的表示保護制度、GIに登録を申請するなど新たな取り組みに力を入れているところでございます。情報共有をしながら県としてもぜひ積極的な支援をこれからもよろしくお願いいたします。  最後に、長野市若里にあります県の現地機関、長野県精神保健福祉センターや長野県福祉協議会等多くの福祉団体が集まる長野県社会福祉総合センターですが、9月の下旬に、ここに入居する長野翔和学園の関係者から、建物の老朽化や耐震性能不足のため移転先を探すことを打診されているとお聞きしました。また、6月定例会健康福祉委員会でも、建物の老朽化、耐震に問題があり、今後あり方について検討していくと答弁されております。  同様に、県内唯一の機能訓練から生活訓練まで切れ目ない支援ができる総合リハビリテーションセンターもあり方の検討がされてきております。  ことし6月定例会一般質問において、県が主体となるあらゆる分野を網羅した、ワンストップで県内どこからも利用しやすい立地での県の拠点となる総合支援センターの整備の可能性についてお聞きした際、圏域ごとに地域の社会福祉法人等の施設による総合支援センターを設置し、各圏域ごとに障害者を支える体制づくりを進めていると答弁がありましたが、現状では県の主体性を余り感じることができません。  さらに、専門性が高く各圏域での提供が難しいものは総合リハビリテーションセンターで集約化して実施していると答弁がありましたが、総合リハビリテーションセンター地域別利用者数社会福祉総合センター内の長野翔和学園に通う生徒の地域を見ますと、長野市にあるという立地条件から、当然に北信地域に集中しており、決して全県からの利便性がよいとは言えません。総合リハビリテーションセンター社会福祉総合センター、両施設のあり方を検討する今、改めて県全域を考え、福祉を担う総合的な施設を整備するべきであると思います。  今回、知事選において県内旧市町村全てを訪れ、長野県の広さを実感された知事としては、今後、全体の利便性、有益性から見て、総合的な福祉及び障害者支援施設整備については十分に地域性に配慮をするお考えがあると思いますが、知事にお聞きします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)総合的な福祉及び障害者支援施設の配置のあり方についての御質問でございます。  長野県は、北海道を除けば全国3番目に県土面積が広い県であります。そういう意味では、さまざまな施設の整備に当たっては、県全体の利便性、有益性、地域性、こうしたものに配慮していくということは極めて重要だというふうに私も思っております。  ただ、広い県でありますので、逆に言うと、どこか1カ所にすばらしい施設をつくればそれで県民の皆様方に理解していただけるかというと、そうはならないというふうにも思っております。特に、福祉分野や障害者分野は、利用者の方々の利便性ということを考えると、1カ所の拠点施設が全県をカバーして何でもやりますというものはなかなか難しいだろうというふうに思っております。  御質問にもありましたけれども、長野県は、障害者支援の分野では、平成16年に全国に先駆けて圏域ごとに障害者や御家族の総合相談窓口としての障害者総合支援センターを設置して、できるだけ身近な地域で相談できる体制を整備してきました。  また、他方で、専門性が高い部分、機能訓練等については、県立の総合リハビリテーションセンターで集約化して実施してきております。  ただ、こうした専門性が高い分野においても、例えば高次脳機能障害の方への支援については、現時点では、このリハビリテーションセンターだけではなく、ほかに県内の三つの病院を支援拠点病院ということで位置づけさせていただいて、できる限り身近なところで支援、相談を行うことができるような体制をつくってきております。  今後とも、この広い長野県のできるだけ身近なところで相談、支援を受けられる体制をつくっていくということが、福祉、障害者支援の分野では極めて重要だというふうに思っております。どこに暮らされる方であっても、できる限り安心して暮らすことができるような体制となるように県として引き続き努力をしていきたいと考えております。  以上です。       〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)ただいま答弁をいただきましたが、先ほども申しましたとおり、県精神保健福祉センターを含む多くの福祉団体が集まる社会福祉総合センター県総合リハビリテーションセンター県障害者福祉センター「サンアップル」は、いずれも長野市にあります。総合リハビリテーションセンターの利用状況を見れば、障害者支援施設では、東信15.5%、南信10.7%、中信4.9%に対し、北信63.1%。病院の入院患者では、実に北信が93.4%を占めております。また、長野翔和学園に通う生徒さんも、23人中、東信3人、南信1人、中信3人、北信16人という状況であります。  先ほど、知事から、県土が広い、それゆえに1カ所で理解をしていただけるかという答弁がございました。現在のように拠点を長野市で整備するのであれば、サテライト方式で各地域の利便性を考えた施設整備をしていただきたいと思いますし、また、拠点をどこかに移すのであれば、全県どこからでもアクセスしやすい地域への施設整備を考えていただきたいというふうに思います。  中南信地域の利用者からは、長野市に集中していて利用がしにくいのでほかの地域にも利用できる施設が欲しいとの声を多くいただいております。施設の地域差も、また障害のある人が感じる生きづらさの一つであるのではないでしょうか。  一昨日の一般質問において、清水議員から、全ての人に漏れなく光が当たる長野県という発言がありましたが、まさにそのとおりだと思います。知事も、障害のある人もない人もともに生きる長野県の実現とおっしゃっております。専門家だけでなく、県民の声を聞き、障害を持つ多くの方々が利用できる環境づくりについてこの際しっかりと見直すことを提案いたしますが、再度知事にお考えを確認いたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私は、広い県内を回って、福祉関係の皆様方ともさまざまな対話をさせていただいております。例えば、先日、中信地域の施設にお伺いしたときは、ぜひ中信地域にちゃんとした施設をつくってくれないかといったような御要請も伺っています。それぞれの地域の皆様方が同じような思いを持たれているというふうに思っております。  先ほど、サテライト的な話や、建てかえるのであればもっと違う場所にという御指摘がありました。私も、基本的には今いただいたような御意見は決して否定するものではありませんし、むしろ広い県内を視野に入れたときにはそうした視点を我々も持ちながら取り組まなければいけないというふうに思っています。ただ、今は巨大な施設をどんどんつくるという時代では必ずしもない状況でありますので、できるだけ身近なところでサービスを受けられるようにという思いでおります。今後、いろいろな施設の整備を検討する際には、今申し上げたように、サテライトの設置や、県内広い地域からできるだけ利便性が高い場所を検討するとか、そうした視点は我々もしっかり持ちながら取り組んでいきたいというふうに思っております。  以上です。       〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)ぜひそのお考えをもとに施設整備を進めていただきたいというふうに思います。  ことし3月に策定された長野県障がい者プラン2018は大変すばらしい内容であると思います。しかし、ハード面、施設の立地や規模等については明記されておりません。ぜひこの充実したプランに合った施設整備を進めていただくことをお願いいたしまして、一切の質問を終わります。 ○議長(鈴木清 君)次に、備前光正議員。       〔27番備前光正君登壇〕 ◆27番(備前光正 君)日本共産党県議団、備前光正です。まず、災害時の在宅人工呼吸器医療について伺います。  9月の台風21号や24号では、暴風や大雨による県内への影響は、断水や停電、土砂崩れなどによる交通網の乱れなどが各地で発生しました。特に、暴風雨による倒木が各地で電線を断線させ、引き起こされた停電は、中部電力管内の県内分でも、21号で4万3,850戸、24号では3万2,490戸が停電し、全面復旧までは6日間と非常に長時間、広範囲に停電したと報道されております。  このような中、21号台風において、南信地方で子供さんが人工呼吸器を装着している保護者から、21時間に及ぶ停電に見舞われ、人工呼吸器の電源が切れ、偶然にも補助バッテリーの切れる寸前に居住区の支所から発電装置が貸与されたことにより一命をとりとめることができたとの相談を受けました。  在宅人工呼吸器装着者は、電力供給が途絶えると即生命にかかわることから、停電時への緊急的な対応が重要となります。このような状況は県内どこでも起こり得ると予想されます。そこで、以下についてお尋ねいたします。  9月の北海道胆振東部地震では、ブラックアウトで人工呼吸器が使えなくなるなどして少なくとも171名が救急搬送され、死亡1名、このほかにも家族の車で病院に来た人が130名はいたとの報道もありますが、停電による2次的被害は、隠れた被害としてその実態はなかなか取り上げられてきませんでした。  そこで、県は今回の台風災害の停電による在宅人工呼吸器装着者の被害状況はつかまれているのでしょうか。当該自治体では、障害者手帳を持っている人は把握しているが、在宅人工呼吸器使用者はつかんでいないということです。人工呼吸器装着者は、難病に限らず、小児や呼吸器疾患患者、高齢等による身体障害者等でも利用されております。県内の在宅人工呼吸器療法の利用者数や居住地域などの把握状況についてお尋ねいたします。  さらに、在宅人工呼吸器装着患者数等について全国調査を行った国立病院機構柳井医療センターの宮地医師や、また、県内の調査を行った江田松本協立病院医師らによる調査報告では、日本は人口に対する在宅人工呼吸器受療患者比率が高く、本県はその中でも高い地域であるという報告であります。  要支援者の多くは自力での避難が困難な方々です。関係者からは、各自治体の災害時支援計画や個別患者ごとの広域搬送計画の策定や、そのための人員養成や訓練を行うべきとの指摘がされております。さらに、療養支援や災害支援の在宅人工呼吸療法登録事業を行っている都府県もあることから、長野県としても利用者の理解を得ながら取り組むべきではないかと思いますが、健康福祉部長にお尋ねします。  また、長期の停電は直接命にかかわります。そこで、県は停電時のバックアップとしての外部補助電源の装備状況等はどうつかんでいるのでしょうか。東京都などでは、在宅難病患者に対する人工呼吸療法を実施する医療機関に対し、緊急時における在宅療養患者の安全、安心を確実なものとする目的で、患者に自家発電装置等の予備電源を無償貸与する制度があるそうです。本県は県土も広く、自然災害も多発しており、必要な制度であると思いますが、導入する考えはないか、あわせて健康福祉部長に伺います。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)災害時の在宅人工呼吸器医療につきまして3点御質問をいただきました。順次お答え申し上げます。  まず、在宅人工呼吸器利用者の災害時の状況把握、県内全体の状況把握についてでございます。  災害時には、人的被害に関する情報については警察、消防、市町村等関係機関から県へ報告されることになっております。その中で、孤立集落が発生した際に、市町村を通じ、住民の健康状態など配慮が必要な状況についても把握することとなっております。  本年9月の台風21号によって停電が発生した際の状況でございますが、私どもが把握しているものとしましては、ある市町村において、支援が必要な方の名簿に基づき役場から電話で安否状況を確認したところ、人工呼吸器を使っている方の母親が対応に困った様子であったために保健師が訪問し、予備用バッテリーへの切りかえ作業を支援したという事例の報告を保健福祉事務所から受けております。  県内の状況把握につきましては、災害対策基本法によって、市町村において避難行動要支援者名簿を作成することが義務づけられております。人工呼吸器を使っている方を含め、高齢者、障害者等支援が必要な方を広く把握することが必要であります。  そうした中で、今回の台風被害を受けて、県において市町村に人工呼吸器を使っている方の把握状況を確認しましたところ、把握はしているが名簿に掲載していない市町村があったことから、今後、該当する市町村に対しまして速やかに名簿に掲載するよう働きかけてまいります。  次に、在宅人工呼吸療法登録事業への取り組みについてでございます。  在宅人工呼吸療法登録事業につきましては、大規模地震への備えとして、本人の同意を得た上で自治体が医療機器メーカー等から人工呼吸器使用者の情報収集を行い、市町村や医療機関等と情報を共有するものと承知をしております。  県では、難病患者のうちALS患者につきましては、ALS災害時支援マニュアルを作成するとともに、各保健福祉事務所において個人ごとに災害時の支援計画の作成を行っております。また、今後、人工呼吸器を装着している医療の支援が必要な重度の障害児者の把握や在宅人工呼吸療法登録事業を含め、市町村、医療機関、電力会社等関係する者と非常時の有効な支援の方策について意見交換を行い、連携しての対応を検討してまいります。  最後に、非常時の外部電源としての自家発電機器等の設置状況、それから予備電源の無償貸与制度の導入についてでございます。  人工呼吸器を利用している方が病院から在宅に移行する際に、一定程度の予備用電源を付与することになっていると伺っております。また、一部の市町村におきましては、災害に備え、バッテリーを充電するための発電機の貸し出し、役場や避難所への自家発電機の設置、優先的に電源が確保される避難所への移送介助など電源確保にかかわる対策が講じられております。  また、電力会社におきましても、在宅で医療機器を使用している方に長時間の停電時の備えについて呼びかけを行うとともに、申し出によって登録をして、非常時の支援ということに結びつけております。また、応急対策用に発電機を保有しております。  東京都では、難病患者への発電機の無償貸与を目的として、医療機関が購入する自家発電装置や無停電電源装置に対する補助を実施しております。本県におきましても、11月に難病患者の皆さんの団体と意見交換を行い、難病患者の皆さんや障害者の団体等の意見をお聞きしながら市町村医療機関等と災害時の支援についてもしっかり検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔27番備前光正君登壇〕 ◆27番(備前光正 君)ぜひとも、登録事業も含めてバックアップの電源についても検討をよろしくお願いしたいというふうに思います。  引き続きまして、介護保険について伺います。  まず、介護人材確保について、厚労省は、7月、団塊世代が75歳以上になる2025年度に必要な全国の介護職員は約245万人の見通しで、これに対し供給できる見込み数は約211万人、約33万人が不足すると公表しました。介護現場の人材不足が深刻であることはこの議会でも明らかとなっております。推計された245万人の需要数を満たすためには、2016年度の約190万人から55万人を純増させなくてはなりません。  そこで、まず、外国人労働者の受け入れ拡大に絡み、政府は、先月、2019年から23年までに30万人の介護人材確保をする計画を示し、この中には、女性や高齢者等の無資格者20万人、介護ロボットなどで2万人を担わせ、さらに来年4月から新たな在留資格に基づく外国人を最大6万人確保する計画を示しております。  介護職への外国人の受け入れは、高い日本語能力を有する人材が必要で、その教育や受け入れのために、3年間で給与以外で1人当たり350万円もの経費をかけても人材確保をしたいという実態があります。本来なら、このような資金を日本人の介護人材の育成や処遇改善のために活用したほうが介護の質の向上につなげることができるのではないでしょうか。  現在でも、介護職の平均給与月額は約27万円と、全産業平均40万円と比べても十数万円も低賃金であり、過酷な労働環境をまず改善していくことが求められると思います。そのためには介護報酬の抜本改善であると考えますが、健康福祉部長のお考えを伺います。  また、長野県は、2025年に介護人材は4万4,747人が必要で、今後人材確保を進めても6,801名も不足することが公表されておりますが、本県の介護人材不足の解消をどのように行うのかお尋ねいたします。  また、外国人技能実習生、入管法改正問題が現国会では大変議論されておりますけれども、本来、途上国への技能移転を行うことで国際貢献を目的とする技能実習制度は日本の労働力不足を補うものではないとされていたものが、現実には単純労働の労働力とされ、人権侵害とも言うべき実態があることは、我が団の山口議員がさきにこの議会でも取り上げました。そこで、不足する介護人材における外国人の登用はどのくらいを想定しているのでしょうか。あわせて健康福祉部長に伺います。  同じく、介護問題で、訪問介護における頻回訪問のケアプランの届け出義務化について伺います。  この10月から、訪問介護の生活援助を多く盛り込んだケアプランについては、市町村への届け出が義務化されることが始まっております。生活援助は、調理や掃除、洗濯など家事の面で高齢者を支える介護保険サービスですが、財政の健全化を目指す財務省などから、一部で過剰なサービスの提供が行われていると指摘があり、ことしの介護報酬改定に伴い、居宅介護支援における運営基準が見直されたものであります。  5月には、要介護1の27回以上から要介護3で43回、要介護5の31回と具体的な回数が公表されましたが、これは、2016年10月から17年9月までの生活援助への給付実績から、各月における1カ月当たりの全国平均利用回数プラス2標準偏差の回数を機械的に算出したものであります。  これにより、10月16日に行われました長野県民医連介護運営部推進委員会と県健康福祉部との懇談でも、介護度3の男性、夫婦2人暮らしでともに認知症のある方の事例など、幾つかの事例が挙げられておりますが、生活全般に介護が必要だが、食事や服薬等の支援を受けて生活できていたものが、サービスが削られて、在宅での生活が困難になってしまうというわけであります。  ケアマネジャーは、結果的にサービスの利用を制限したケアプランをつくってしまう方向に指導され、そのため、ただでさえ事務処理が繁忙なケアマネが一層多忙になるため、この制度がプラン作成に抑制的に働いているとの指摘がされております。  そこで、この制度は、ケアプランを制限するような指導を市町村が行っているのでしょうか。サービスの抑制をしないような取り組みを行っていただきたいと思いますが、これについても健康福祉部長にお尋ねをいたします。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)介護保険につきまして4点御質問をいただきました。順次お答え申し上げます。  介護報酬の引き上げについてでございますが、議員御指摘のように、介護人材不足の大きな要因の一つとして、給与水準が低いことが考えられます。県として、介護職員処遇改善のための加算取得や介護職員のキャリアアップが図られるように介護事業所の取り組みを支援してきておりますが、それとともに、11月には、厚生労働省に対し、介護職員処遇改善加算制度の改善や拡充について要望したところであります。  次に、介護人材の不足の原因と対応策についてでございます。  介護人材の不足の原因としては、全体的な労働力不足の中、他職種からの参入が見込めないこと、県内介護職員の賃金は、一定の改善が図られているものの、いまだに全職種平均よりも低い水準となっていること、介護職について体力的、精神的にきつい仕事というイメージが先行していることなどが考えられます。  県としては、多様な人材の入職促進、資質向上、職場定着、離職防止を施策の柱に総合的に対策を講じることが必要であると考えており、特に、将来の介護現場を担う若年層等を中心とした入職促進にしっかりと取り組んでまいります。  外国人材の登用の想定についてでございますが、外国人介護人材については、現時点で、技能実習生及びEPA(経済連携協定)によりまして40名が県内で働いております。今後、外国人介護人材の増加が予想される中、県内では、これまでに外国人の受け入れ経験がないことへの不安や、日本語学習に多大なコストがかかる等の理由から受け入れに慎重な事業所が多いため、将来的な把握は困難ではありますが、本年9月に行ったアンケート調査では、来年度外国人材の活用を予定している施設は全体の1割弱、技能実習生及びEPAの受け入れは合計で約90名と見込まれております。  次に、頻回の訪問介護に係るケアプランの届け出義務化の実情把握及び必要サービスの抑制をしない取り組みについてのお尋ねでございます。  本制度につきましては、本年10月にケアマネジャーや介護福祉士などの関係者の皆さんと懇談をし、介護の最前線の現場で働かれている皆さんの生の声をお聞きいたしました。また、市町村等を通じて現場のケアマネジャーの御意見を伺っているところであります。  こうした中で、関係者や利用者の中には、生活援助に係る訪問介護の回数は告示で定められた回数を超えてはならないものという制度に係る誤解が少なからずあると感じたところであります。懇談を行った結果、県に確認でき安心したという声もいただきました。  頻回の訪問介護に係るケアプランの市町村への届け出制度は、利用者の自立支援、重度化防止にとってよりよいサービスを提供するため、ケアマネジャーの視点からだけでなく、他職種による検証を行い、その上で必要に応じてケアプランの内容の再検討を促すもので、サービスの利用制限を行うものではありません。県としましては、ケアプランが利用者の自立支援、重度化防止に資するよりよいものとなるよう引き続き制度の周知等に努め、市町村へも機会を捉えて制度の趣旨をしっかりと説明をしてまいります。  以上でございます。       〔27番備前光正君登壇〕 ◆27番(備前光正 君)ぜひサービスの抑制にならないようなお取り組みをお願いいたします。  続きまして、信州F・POWERプロジェクトについて伺います。  同事業は、同時稼働予定だった製材事業からおくれて3年半、ようやく10月末に発電施設の起工式が行われました。本格稼働は2年後とされ、5年半もおくれることになりました。  このことについて、さきの議会での我が団の山口典久議員への答弁で、県は中島副知事を先頭にしたプロジェクトチームを結成して対応しているとのことですが、本事業は25億円もの補助金や、塩尻市も約8億円もの投資で周辺道路整備を行ってきておりますから、その税金が有効活用されているのか説明責任があります。そのためにも、同プロジェクトチームの議事録や稼働している製材部門の販売量、収益等の事業者の経営状況や今後の見通しについて県民への説明責任を果たすべきであると考えますが、これは中島副知事に伺いたいと思います。  次に、燃料材の供給について伺います。  先月30日、東御市で民間による2,000キロワットの発電量の木質バイオマス発電施設の建設が始まったことが報道されました。また、この3日の県木材協同組合連合会と農政林務委員会の懇談会でも、中信地域のF・POWERプロジェクトとともに、東信、そして北信等においてもバイオマス発電施設の建設が話題となっており、関係者の間では次の発電所計画が持ち上がっておるわけです。  このような中、1万4,500キロワットの同事業が燃料とする素材生産の供給量は本当に間に合うのか、燃料材の供給について見通しをどう検討しているのか伺います。  このことについて、5日の清沢議員の質問に対する林務部長の答弁は、森林資源が豊かになり、9,000万立米存在し、さらに毎年120万立米増加する。また、4割に上る国有林の流木処分方法の検討をする中で、低質材の処分として木質バイオマス発電の燃料になる可能性、さらに、今後も間伐が必要で、切り捨て材は35万立米と見られると具体的な数字を示されました。  では、このうち、これからF・POWERプロジェクト燃料材としてどのくらいを見込んでおられるのか。半径50キロ圏内から供給するということを当てはめた具体的な数字でお示しいただきたいと思います。  また、間伐材の切り捨て量のうち、搬出コスト等の費用対効果を検討して搬出可能な燃料材はどのくらいあるのかお示しいただきたいと思います。  また、信州F・POWER着工時の新聞には、社長が、万が一燃料材が不足する場合は県外から調達するから不足はないとの発言をしたことが報道されております。この発言は、この事業は県産材を活用しての事業として議会は説明を受けていましたが、県の方針とも基本的なところで異なっており、看過できない発言であると思いますが、県外からの集材があるのか、このことについてどう捉えているのか、これは知事にお尋ねいたします。       〔副知事中島恵理君登壇〕 ◎副知事(中島恵理 君)信州F・POWERプロジェクトのプロジェクトチームについてのお尋ねでございます。  プロジェクトチームにつきましては、事業者からの報告を踏まえ、意見交換を行う場でございまして、プロジェクトチームでの議事内容、そして個別企業の経営状況について、その公開は法人の権利や利害を害する情報のため、公開を前提としておりません。  ただ、一方、本プロジェクトの進捗状況についてはできる限り情報提供に努めてまいりたいと考えておりまして、議会においても説明をしていきたいというふうに考えております。  以上でございます。
          〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)バイオマス発電施設への燃料材供給の見通しについてのお尋ねでございます。  まず、東御市におきます新たな建設が予定されているバイオマス発電所につきましては、年間3万2,000トンの燃料用木材を主に東信地域から調達する計画であると承知しているところでございます。  平成29年度は、東信地域はカラマツ林業が非常に盛んな地域ですので、間伐による切り捨て量を試算しても、切り捨て量だけで3万3,000立方ありますし、これに佐久地域で多く実施され始めた主伐で発生する林地残材を加えると、利用可能量は未利用材でも相当量に及ぶものと見込んでおりまして、かつ、地域の林業事業体等の関係者との合意形成もなされていることから、F・POWERの部分に対しての影響は少ないというふうに考えております。  具体的に、F・POWERの部分での発電施設における未利用材につきましては12万2,000トンを見込んでおりますが、このうちの10万5,000トンにつきましては既に団体を主体としたサプライチェーンセンターとの合意ができておりますし、また、そもそもこの施設においては製材工場からの端材も想定しております。また、近隣のチップ工場とのバックアップ体制もできておりまして、合計で14万トンの見込みをとっているところでございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)発電所の起工式における事業者の発言についての御質問であります。  今、備前議員の御質問の中でも万が一ということで引用されていたかというふうに思っておりますが、まさに万が一ということで、御指摘の発言は、災害等の不測の事態を想定してのものというふうに伺っております。基本的には県産材の活用により事業を進めていかれるものというふうに認識をしております。  以上です。       〔27番備前光正君登壇〕 ◆27番(備前光正 君)供給量について、農林水産政策研究所の國井主任研究員の調査で、木質バイオマス発電が先行設置されております岩手県における大規模木質バイオマス発電所を事例に、詳細な道路図と森林簿から燃料材の収集範囲を半径50キロの円で想定した場合、それと同等の収集範囲面積を得ようとすると、実際には輸送距離で75キロから100キロの範囲から木材を収集する必要があり、実に1.5倍から2倍の差が生ずると報告されております。  輸送コストや他社との材の取り合いが生じる可能性を示唆しているわけでありますが、県内でほかの計画がこのようにあることを踏まえ、緻密な集材の検討をこのF・POWERでも行うべきと思いますが、これも林務部長に再度お尋ねしたいと思います。  さらに、9月の塩尻市議会では、地元区と市、事業者の間で交わしている環境協定にある搬入材の放射線測定について、測定機器を市負担による設置との説明があったと聞いております。これは事業者が負担するのが当然で、それを監視するのが行政の役割ではないでしょうか。あわせて林務部長にお尋ねいたします。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)2点、再度御質問をいただきました。  岩手の事例の詳細についてはしっかりと把握しておりませんが、私ども、今回のF・POWERプロジェクトに当たっては、清沢議員の御質問に対してもお答えしましたが、地域の中での他の産業あるいは森林資源とのバランスが極めて重要だというお話しをさせていただいたかと思います。そういう部分でいくと、松本地域というのは、大きな拠点的な利用施設がほかになかったり、あるいは、そもそもこのプロジェクトそのものがFIT制度立ち上げで、いわば真っ白な状態の中から、ぜひ長野県の真ん中の地域に大きな拠点をつくって、丸太の輸出県ではなく、地域の中で製品を輸出したり、あるいはその中で地消地産的に使っていくような施設をつくろうということで始めたプロジェクトでございます。  先ほど申し上げました14万トンにつきましても、個別企業と具体的な調整をした上での数値でありますし、かつ、森林資源の取り組み状況からしても十分供給できるという見通しをつけてのものでございますので、御理解賜ればと思います。  また、この当プロジェクトにおきましては、平成27年2月に事業者と地元区、塩尻市との間で環境保全協定が締結されました。これは、この設置当初からセシウム問題に対する不安の声が地域にあったゆえの対応かと思っております。  そもそも低質材の部分というのは、多くは運賃コストがかかるので、できるだけコストがかからない近隣のところの木材を使うというのが原則ですので、そもそも遠い東北のほうの木材が運ばれてくるというものは採算上も想定されませんが、ただし、そういう懸念があるのであれば、環境保全協定の中でしっかり定期的に木材の放射線チェックを行おうという話として決まったものと認識しております。  その負担のあり方の詳細についてまでは現在のところ承知しておりませんので、コメントは申し上げられません。       〔27番備前光正君登壇〕 ◆27番(備前光正 君)後発の民間施設のほうが税金投入がなくとも早期に発電がされる予定であります。これから県内で幾つかの発電所施設計画が出てくると、民間との燃料材の取り合いの懸念というものがどうしても発生してきます。  私たちは小規模分散型での施設展開を求めてまいりましたが、今後もこの事業の説明責任と、そして、やはり緻密な集材計画の開示を求めて、時間になりますので、以上で質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(鈴木清 君)次に、浜章吉議員。       〔19番浜章吉君登壇〕 ◆19番(浜章吉 君)初めに、大きな項目1番、海洋プラスチック問題と河川への不法投棄防止について、課題提起を踏まえ、質問を進めてまいります。  廃プラスチックによる海洋汚染がマスコミで報じられ、今や世界的な社会問題となり、その対策が迫られております。プラスチックの機能性への評価は高いものの、県内の河川、湖の周辺にはプラスチック製の容器やペットボトル、レジ袋などのポイ捨てが至るところで散乱し、後を絶たない中、さまざまな対策にも決め手を欠いているのが実情であろうかと思います。  先月、下諏訪町におきまして、全国展開の第4回川ごみサミットin下諏訪が開催されました。今回のサミットでは、小学生が行った諏訪湖周辺での環境学習結果や、岡谷東高校生の水辺の環境改善に取り組む事例発表、全国の河川、海洋環境保全に取り組む市民団体や企業、行政、信大名誉教授や研究者など、多様な団体や個人の皆様が参加しての意見交換を、また、環境省水・大気環境局、国土交通省水管理・国土保全局からパネラーとして御参加いただき、水辺のごみ問題の根本解決に向けて考える絶好の機会となりました。  このサミットにあわせ、翌朝、会議出席者を含めた諏訪湖周辺の清掃活動で、コンビニ弁当を食べた後のごみ、ペットボトルがレジ袋とともに、また、31流入河川のいずれかから流れたと思われる農業用薬品の空き瓶、マイクロ化したプラスチック等が散乱した箇所もあったとも参加者から伺いました。  さて、今、海洋プラスチック問題の一因として、陸域で発生した廃プラスチックが河川を経由して海域に流出していることが指摘されていることは承知のとおりであります。長野県下においては、日本一長い信濃川水系の上流である犀川、千曲川が、また、日本三大急流の一つに数えられ、その源を釜無川として長野、山梨、静岡へと流れる富士川、さらに、諏訪湖を源流とし、太平洋に注ぐ天竜川などは大きく関与するところであります。  本年6月に改正海岸漂流物処理推進法、議員立法でありますが、公布、施行され、その中に、海岸を有する地域のみならず全ての地域において共通の課題であるという認識に立って、発生の効果的な抑制が図られるよう十分配慮されたものでなければならないと規定されており、海岸を有する県だけでなく、海のない県においても対策を講じる責務を有するとされています。  そこで、環境部長に3点お伺いをいたします。  1点目、本県における廃棄物の不法投棄が起因して川ごみとなって結果的に海ごみへとつながる中で、本県の実態がどのような状況であるのか。また、近年、県として不法投棄の回収や対策推進等に費やした関係予算がどのように計上されてきたのか、その考え方及びその効果についてもお伺いをいたします。  2点目、生態系や人の環境に影響を与えると言われているマイクロプラスチックのもととなるプラスチックごみについて、捨てない、出さないことが必要であり、県民への啓発や環境学習も必要かと考えますが、県ではこうした点についてどのように取り組んでおられるのかお伺いをいたします。  3点目、海洋プラスチック問題は、海のない流入河川の上流県であっても、責務として廃プラスチックを確実に回収するなど適正に処理することはもとより、環境中に排出しないことを含め、法の趣旨に鑑み、後を絶たない不法投棄防止策に敢然と取り組むことが必要と思われますが、法改正に基づき、どのように取り組んでいくのかについてお伺いをいたします。       〔環境部長高田真由美君登壇〕 ◎環境部長(高田真由美 君)3点御質問をいただきました。順次お答えいたします。  初めに、不法投棄の状況と予算の考え方についてでございます。  不法投棄につきましては、県の廃棄物監視員等による監視、事業者団体等の皆様と協働で実施しているパトロール、あるいは警察や市町村からの情報提供など、県や市町村、事業者団体等と連携をいたしまして県全体の状況を把握しております。  不法投棄の発見件数につきましては、平成22年度の7,900件をピークに年々減少し、ここ数年では3,500件前後で推移をしております。また、その発見場所の大半は河川や道路など不特定多数の方が利用される場所であり、パトロール等におきましてもプラスチック製の弁当容器やペットボトルなどが目立っている状況でございます。  不法投棄対策の予算につきましては、情報を広範囲に把握して早期に対応することが効果的であると考え、各地域の不法投棄常習箇所等のパトロールを行う不法投棄監視連絡員100人を任命するための経費といたしまして857万円を継続して計上しております。このほか、24時間県民の皆様から情報を収集するための不法投棄ホットラインの経費も、少額でございますが続けて計上しているところでございます。  昨年度の不法投棄発見件数のうち約4割がこの不法投棄監視連絡員の報告や不法投棄ホットラインへの通報によるもので、こうした取り組みが不法投棄の早期発見と迅速な対応につながっていると考えているところでございます。  次に、啓発等の取り組みについてでございます。  プラスチックごみを含む廃棄物の発生抑制など3Rの推進や不法投棄防止の啓発などにつきましては、県政出前講座や環境フェアなどのイベント、さまざまな媒体を活用した広報などを通じて行っております。また、児童生徒などを対象に、信州豊かな環境づくり県民会議と共催で環境保全に関するポスター及び標語コンクールを実施し、廃棄物を含む環境保全に対する理解や関心を深めていただく機会も設けております。  このほか、プラスチックごみにつながるレジ袋の削減につきましては、平成20年度からレジ袋削減県民スクラム運動といたしまして、マイバッグ、マイバスケットの持参を小売事業者や消費者団体、関係団体の皆様と一緒に消費者に呼びかけております。また、マイバッグづくりも環境関係のイベントなどを活用して積極的に行っているところでございます。  今後も、プラスチックごみを含め、廃棄物全体の3Rの推進や不法投棄防止の啓発などに一層取り組んでまいります。  最後に、廃プラスチックの不法投棄防止策への取り組みについてでございます。  議員御指摘のとおり、海のない上流県である本県におきましても、法改正の趣旨を踏まえ、喫緊の課題として廃プラスチックの環境中への排出を防止する取り組みをさらに進めていく必要があると認識しております。  これまでも、県民への啓発や不法投棄監視連絡員等による監視活動など不法投棄対策を進めてまいりました。今後は、不法投棄された廃プラスチックが細かく砕かれ、川の流れにより海へ流出し、海洋環境に深刻な影響を及ぼすおそれがあるといったことを県民に周知するなど、海洋プラスチック対策の視点も十分意識しながら不法投棄対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔19番浜章吉君登壇〕 ◆19番(浜章吉 君)さらなるごみを排出しない仕組みづくりについて検討を深めていかなければならないこと、全国各地でその必要性が叫ばれておるところでございます。  諏訪湖周に接する2市1町が地域振興局とともに環境保全に取り組む中、とりわけ下諏訪町諏訪湖浄化推進連絡協議会は、40年にわたり、それぞれ地域住民や企業などと連携して持続的に清掃活動を行っています。清掃活動をしても後を絶たず、何も変わらないと嘆く住民もおりますが、活動を続けることによって何かが変わります。周辺の環境保全と上流が変われば流域全体が変わるという思いで持続的に実行している皆さん方の活動は、大いに称賛するところであります。  海洋への漂着物の8割を占めるとも言われているプラスチックごみは、環境保全や生物多様性確保の観点からも大きな課題となっていることは先ほど来申し上げているとおりであります。 琵琶湖が位置する滋賀県の事例でありますが、昨年、琵琶湖保全再生法が公布、施行されたことに伴い、庁内に琵琶湖再生推進本部を立ち上げて全庁を挙げてこれに取り組み、多額の費用を充て、国庫を除く県費負担は62億円程度を費やしているということでございます。さまざまな団体や関係者の協力が得られる活動を展開しているとのことであります。本県においても、必要な資金、必要な措置を講じるよう、さらに深めた検討をしていただきますよう要望しておきます。  諏訪湖への流入河川、県内各河川の不法投棄が起因する環境保全対策について、課題は見えておりますから、そのために何をしなければならないのか。前年踏襲ではなく、さらに具現化し、国や他府県及び行政関係とも幅広くかつ深くつながりを築いて、ともに歩みを進める姿勢が大切だと思います。そこで、環境問題に造詣の深い中島副知事に御所見をお伺いいたします。       〔副知事中島恵理君登壇〕 ◎副知事(中島恵理 君)不法投棄に起因する環境保全対策への認識についての御質問をいただきました。  海洋プラスチック問題については、河川や湖沼におけるごみの不法投棄が海洋汚染の一因となるなど、上流県である長野県においても、私たち県民一人一人がこの問題を深く認識し、国、県、市町村等、また地域の関係者と連携をして環境保全に取り組むことが重要であるというふうに考えております。  現在、諏訪湖においては、アダプトプログラムや住民参加による清掃活動が行われ、また、諏訪湖創生ビジョン推進会議の中に、官民協働によるごみのない諏訪湖をテーマとするワーキンググループが9月に設置されました。ごみ問題の啓発やごみの回収を活動するイベントの開催など新たな取り組みについて検討を始めています。  また、先月、議員からも話がありましたが、下諏訪町で全国規模の川ごみサミットが開催されるなど、官民での川ごみ対策に係る機運が高まっております。  海洋プラスチック問題が国際的に重要な環境問題になっているところ、環境に係るG20の閣僚会合が来年軽井沢で開催されることを契機として、流域レベルでのプラスチックなどの河川のごみ対策推進のため、官民連携で国やほかの圏域の自治体等とも連携して取り組んでいくモデルをつくっていきたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔19番浜章吉君登壇〕 ◆19番(浜章吉 君)それぞれ御答弁をいただきました。  海洋プラスチック問題は、国際的な対応を含め、一義的には国が責任を持って取り組むべき問題であり、全国知事会においても世界的に問題となっているマイクロプラスチックごみの実態解明や発生抑制対策など国へ要望を行ったとお伺いいたしました。  こうした国への要望とともに、先ほど申し上げたとおり、私たちの命の源と言われている水環境を守っていくためには、その環境に近い位置にいる県や市町村といった自治体が、業界、NPO団体などと連携して、県民総ぐるみで取り組んでいくことが何より大切であると思います。ぜひ実効性ある県民運動を進めていくためにも、知事をトップとした推進体制の構築を要望しておきます。  来年、軽井沢町で開催される主要20カ国会議G20、持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合が開催されます。県は、本年9月、国内外1,500以上の自治体が持続可能な社会を目指す国際組織、ICLEIに加盟したこと、ポーランドで開催中のCOP24に中島副知事が出席され、県の環境エネルギーを発信されるとのことであります。本県が環境保全の先進県を目指す明確な取り組みがなされることに期待を申し上げ、次の質問に進みます。  大きな項目の2点目、長野県のものづくり産業を担う若年技術者、技能者の育成についてお伺いをいたします。  グローバルな技術革新の進展に対応するためには、AI、IoTなど新たな技術を活用できる専門人材を育成確保することは重要な課題であります。今、県内経済の回復基調が続く中、有効求人倍率は1.6倍台で推移をしております。諏訪圏域の中小企業経営者からは、人材確保に大変苦労していることに加え、採用後の即戦力となり得る人材の育成、あるいは従業員のスキルアップに係る研修に充てる人や時間がなく、企業活動に大変苦労しているということをお伺いしています。  そうした中、県の技術専門校では、若者に対する基礎的な技術、技能を習得させるとともに、在職者や離転職者に対するスキルアップ教育を行う等、地域ニーズに応じた職業訓練を実施し、ものづくりを担う多くの人材を輩出しております。その前向きな取り組みには、地元企業や自治体とともに産業界から高く評価され、さらなる今後の発展に期待を申し上げているところであります。  諏訪地域は、長野県を代表するものづくりの集積地であります。自動車関連の受注が堅調に推移していること、また、国際戦略総合特区を活用し、航空・宇宙、医療・ヘルスケア等の成長分野への参入が進むことから、今後の経済成長が期待されるところであります。  昨年7月、しあわせ信州移動知事室において、阿部知事に岡谷技術専門校に視察にみえていただきました。その折に、知事は、県においても製造業を初めとする産業分野での人材育成は重要な役割を果たすものであり、これまで以上に行政が人材育成を果たす役割は重要性を増してくると述べられたことに共感を持つものであります。  県の人材育成機関の機能を強化するとともに、県試験研究機関と企業、大学などとの連携や技術の変化に即応できる人材の育成確保は使命であり、地元企業の強い要請であります。そこで、本県のものづくり産業を支える技術専門校のさらなる機能強化が必要と考えますが、そうした状況を踏まえ、産業労働部長の御所見をお伺いいたします。       〔産業政策監兼産業労働部長内田雅啓君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(内田雅啓 君)技術専門校の機能強化について御質問をいただきました。  本県の技術専門校は、昭和13年、岡谷市に県下で最初のものづくり産業の技能養成所として設置以来、3万人を超える技能人材を輩出し、地域の産業界を支える産業人材の育成機関としての役割を果たしてまいりました。  近年、主に高校卒業者などの若者を対象としている技術専門校の普通課程は、木工など一部に人気の高い訓練科があるものの、人手不足の中、高校生に対する求人が好調なこともありまして、県下6校全体では定員充足率が7割を切っているという厳しい状況にございます。  本年度設置いたしました外部有識者からなる技術専門校機能強化検討会におきましては、委員から、各校の魅力向上や高校生とその保護者に対する認知度アップに取り組むべき、AI、IoTなどの技術の進展や産業界からの希望を踏まえた訓練内容の見直しが必要といった御意見もいただいておりまして、訓練科の見直しなどが重要な課題であると認識をしてございます。  一方、在職者訓練であるスキルアップ講座は、企業における時間と指導人材の不足という課題を反映いたしまして、平成29年度は171コースを設定し、1,543人の方が受講されました。中でも、岡谷技術専門校は、72コース、482人と県内最大となっておりまして、さらなる充実を求める声も企業の皆様からいただいてございます。  今後とも技術専門校が地域や産業界から期待される役割を十分に果たしていかれるよう、地元自治体、産業界や教育関係者の皆様と積極的に意見交換を行い、訓練科の見直しなど機能強化を図ってまいりたいと考えてございます。  以上でございます。       〔19番浜章吉君登壇〕 ◆19番(浜章吉 君)岡谷技術専門校に対する大変強い取り組みの方向性を示していただいたところでございます。  県下の技術専門校は、さきに述べた人材育成のための重要な拠点であり、特に岡谷技術専門校においては、経済界や自治体からの企業の求める人材育成に向けたスキルアップへの強い要望があります。そのために、岡谷市は、技術専門校との連携を強くするために紹介DVDを作成し、地元LCVで放映するなど支援を強化しております。  長野県総合5か年計画「しあわせ信州創造プラン2.0」では、諏訪地域の特性を踏まえ、地域重点政策として産業競争力の強化、地域を支える人材の確保育成について、次のとおり明記されております。「産業界、公立諏訪東京理科大学、信州大学諏訪圏サテライトキャンパス、岡谷技術専門校等が連携した教育・訓練・研修を推進します。」とその役割を明確に示しています。  今後、技術専門校の機能強化を図る上で、県においては、ぜひ産業界や自治体の声を最大限配慮いただきますよう心からの要望を申し上げ、全ての質問を終了といたします。 ○議長(鈴木清 君)次に、百瀬智之議員。       〔5番百瀬智之君登壇〕 ◆5番(百瀬智之 君)1970年の道路交通法の改正により認められた自転車の歩道通行ですが、これは、当時の道路環境を前提としたやむを得ない措置であったにもかかわらず、いつしか既成事実化され、歩道通行が原則であるかのごとき風潮ができ上がりました。  平成18年に至り、ようやく本格的に自転車の走行秩序を取り戻すための取り組みが始められたものの、道路の構造や幅員構成の面で対処がはかどらず、また、歩道通行になれてしまった国民の意識も強固なものがあり、今はその延長にあると言えます。  その間に何が起こったかというと、明確な検証のないまま、見かけ上危険そうに見えるという主観的な要素に依拠して、とにかく車から分離すれば事故は減るであろうという推量のもとで歩道通行を踏襲した結果、自転車事故の高水準での推移や自転車利用者の劣悪なマナーとルールの醸成をもたらし、7年前のデータではありますが、国際道路統計機関の調査によると、日本の自転車乗車中の死者数は30カ国の調査対象国で群を抜いての1位となっています。  自転車の事故の特徴は交差点事故が極めて多いことで、これをどう分析するかですが、一つには自転車利用者のルールとマナーの低下が大きくかかわっている点は否めません。すなわち、車道を通行すれば、自転車利用者は最弱者としてみずからルールとマナーを守らなければみずからの身の安全性に大きな危険が生ずるという緊張感が生まれる一方、主として自転車利用者が最強者になる歩道通行では、ルールを守らなくても自身は何も困らないという意識が芽生え、その油断や怠慢のままに交差点に進入したときに、その存在に気づかない車と衝突して事故として発露するというわけです。  ゆえに、事故対策としては、単純明快ながら、自転車の車道走行が一般的になるかどうかが一番重要であり、そのことを啓発活動と道路設計の両面からしっかりと手当てしていただきたいと思います。  そこで、まず啓発活動から、本県では、直近20年間の自転車事故発生件数の推移はどうなっているのか。また、本県における交差点事故の状況について、自転車事故はそれ以外の事故と比べてどれくらいの高水準にあるのかをお尋ねします。  法令を遵守して車道走行していた場合に後方から車にひっかけられる事故というのは割合としては実は相当低いということですし、また、ある識者によれば、歩道は意外と自転車と車の事故が多いこと、逆に、車道は左側通行していれば事故が極めて少ないことがデータで示されているらしいですから、いずれにしても、これらの客観的なデータに基づいた啓発活動を要望するとともに、ここでは車道走行の徹底に向けどのような啓発活動を行っているか、さらには、講習会などでの実技において実際の車道走行を実感してもらうことが重要だと思いますが、どのような取り組みがなされているのか。以上の点につき、警察本部長に答弁を求めます。  さらに、道路設計のあり方は啓発以上に自転車事故の抑制に直結する問題です。一般に、日本では道路が狭いので車道に自転車空間をつくるのが困難とする意見や、仮に空間があっても、その空間は部分的であり、ネットワークとして確保することは難しいという意見、さらには、幅の広い歩道空間があるのにわざわざ車道に走行空間をつくる必要はないという意見などさまざまな抵抗感があることも確かですが、客観的なデータや科学的根拠に基づけば、それらは必ずしも正しくはないようです。また、車道走行が原則であるとは言いながら、大多数が歩道上の整備になってしまった原因はそれらによるものではなく、実のところ、沿道や関係機関との調整が大半の原因であるとも聞きます。  そこで、お尋ねします。  道路交通センサスの対象となるような幹線道路は県内に何キロメートルあり、そのうち両側1.5メートル以上の余裕幅があるのは何キロメートルでしょうか。その中で、自転車専用空間は何キロメートル整備され、それは幹線道路の何%に当たるか、データを御提示いただきます。  その上で、国土交通省道路局と警察庁交通局は、平成24年11月、安全で快適な自転車利用環境創出ガイドラインを策定、公表しました。ここでは、原則的に歩道を自転車走行空間の整備対象と考えないこと、余裕空間や地元調整の容易さを中心とした路線から、計画論として必要な路線を選択するネットワークによる空間形式の取り扱いに移行したことなどが重要な点ですが、このガイドラインに基づき、新たに創出された自転車走行空間は現時点で県内に何キロメートルあるのでしょうか。  また、ガイドラインでは、車と自転車の混在空間の安全性向上のため矢羽根型の路面標示が推奨されており、他県では大きな効果が認められています。これについての県内整備状況はどうか。
     以上を建設部長にお尋ねします。  さて、今回この自転車を議題にしたのは、条例制定の動きと、もう一つ、偶然にも1カ月前、自転車レーンの塗りかえ作業をしたことがきっかけです。これは、私が所属するまちづくり団体が地域住民や松本市の理解、協力をいただきながら松本城前の大名町通りの色あせた自転車レーンを塗装し直そうという試みで、当日は家族連れなど市内外の約60人が参加しました。爽やかな秋晴れのもと、また、かすかにギンナンの香り漂う中、参加者が和気あいあいとペンキのついたローラーを使って公道を補修する光景には住民自治の原点を見た気がいたしました。  一方で、それからというもの、私自身も自転車道路に注目するようになり、幾つかの素朴な疑問を抱き始めました。例えば、市の方針に沿って私たちが作業で使ったのは弁柄色という赤みを帯びた茶色で、道路上には大きく漢字で自転車専用の白い表記もあります。この漢字表記は外国人観光客の目にはどう映るのかということもありますが、それはそれとして、片や周辺市町村でよく見かけるレーンの色はブルーカラーであり、路面標示もロゴが用いられていたり、文字であってもその態様はさまざまであります。  また、市町村の取り組みとして見てみると、例えば松本市では、1999年に始めた無料レンタルサイクルを将来的には廃止する方針であり、来春には主に市民向けの有料シェアサイクルを導入する予定です。より市民向けの施策をということでこのような運びになったと承知しておりますが、この廃止予定となる無料レンタルサイクル事業も殊に観光客には好評で、利用者は前年の2倍に伸び、利用者の9割が市外となっています。  県としては、このような需要を引き続き掘り起こしながら、例えば市内で借りた自転車を近隣市町村で返せるような仕組みを整備するなど、より広域的な好循環につなげていくことも一案ではと考えます。  そこで、サイクルツーリズムが推進される今般、市町村の境をまたいだ広域的な地域づくりにはどのような課題があるのでしょうか。とりわけ、自転車専用道路の色の統一化、道路標識や看板の統一化、レンタルサイクルの広域化についてどのような認識を持っているか、県民文化部長に伺います。  今し方、サイクルツーリズムと申し上げましたが、今や長野県を代表するサイクリングイベントとなったのがアルプスあづみのセンチュリーライドです。松本市から白馬地域までを自転車で駆けめぐるこのイベントは、年々参加者がふえ、10回目を迎えたことしは、4月、5月の2回の催しで、延べ参加者数が4,000名に迫ることとなりました。注目すべきは、参加者の約9割が県外者であることで、当然、宿泊や飲食にも顕著な経済効果があらわれているわけであります。  先日、この実行委員会の方々とお話しする中で、サイクリストはまだまだこのようなコースを求めている。それは、必ずしも中信平だけではなくて、北信、東信、南信にもそれぞれのサイクルコースとしてのよさと可能性が眠っているし、場合によっては長野県全体を自転車の輪のように一つにつなげばサイクリストにとって垂涎の的となるという言葉が大変印象的でした。 山道や峠道をものともせず、1日の周遊行動が数十キロにも及ぶハイユーザーやミドルユーザーにとっては、例えば、直感ではありますが、日本を代表するハイブランドな土地柄である軽井沢と、今欧米人に爆発的に人気が出ている馬籠、妻籠を結ぶ中山道などは大変魅力あるコースになるのではないでしょうか。  道中では、時に佐久地域に多く残る宿場町での歴史の営みを感じてみたり、時には諏訪湖畔で温泉につかってみたり、時には塩尻で地元産ワインや格式高い日本酒を味わってみたりと、サイクリストに豊富な体験を提供できるはずです。  ちなみに、千国街道や善光寺街道などとうまく結びつけることによって、サイクリストの聖地が、今、瀬戸内しまなみ海道であるならば、こちらはまさに「信州やまなみ街道」として、それと双璧をなすポテンシャルを有していると感じます。旧街道を活用したサイクリングコースの有用性について観光部長に見解を求めます。  最後に、知事にお尋ねします。  知事は、先月の台湾訪問で、ジャイアントグループの最高顧問と自転車を通じた観光振興について意見交換をされました。改めて本県の自転車活用についてどのような可能性を感じておられるでしょうか。  また、2014年、愛媛県の招きでしまなみ海道のサイクリングイベントに参加したジャイアントの創業者が、このコースをブログで絶賛、しまなみ海道は一気に認知度が上がり、この愛媛県を追って今各県がしのぎを削っているところであります。他県に負けないという意味でも、また、本日、各部署、各方面にお尋ねいたしましたが、より効率的かつ集中的に自転車政策を推進するためにも自転車担当課の設置が必要と考えますが、いかがでしょうか。この提案についての知事の見解を求め、一切の質問といたします。ありがとうございました。       〔警察本部長内藤浩文君登壇〕 ◎警察本部長(内藤浩文 君)初めに、自転車が関係する交通事故の状況等についての質問にお答えいたします。  昨年、平成29年の本県における自転車が関係する交通事故の発生件数は928件であり、20年前の平成10年の1,457件と比較しますと529件、36.3%減少、10年前の平成20年の1,515件と比較しますと587件、38.7%減少しております。平成10年からの10年間は1,400件台から1,600件台で推移しておりましたが、平成20年からは減少傾向にございます。  全交通事故に占める自転車が関係する交通事故の割合を見ますと、平成10年は10.9%、平成20年は12.7%、平成29年は11.7%であり、ここ20年間は10%台前半で横ばい傾向が続いております。  次に、自転車事故のうち交差点で発生した交通事故の発生状況等についての質問にお答えいたします。  平成29年中の自転車が関係する交通事故928件のうち、交差点において発生した交通事故は661件で、その割合は71.2%になっております。また、自転車が関係する交通事故を除いた事故の発生件数は7,024件であり、このうち交差点において発生した交通事故は2,766件で、その割合は39.4%になっております。  自転車が関係する交通事故が交差点で発生する割合と自転車が関係する交通事故を除いた事故が交差点で発生する割合を比較しますと、自転車が関係する交通事故によるものの割合は自転車が関係する交通事故を除いた事故によるものの割合の1.8倍となっております。  続きまして、自転車の車道走行の徹底に係る啓発活動等についての質問にお答えいたします。  車両の通行区分は、道路交通法で、「車両は、歩道又は路側帯と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。」と規定されております。自転車は道路交通法上車両と定義されておりますことから、自転車の運転者が児童、幼児や70歳以上の高齢者であるときなどを除き、原則として車道を通行すべきとされております。  県警察では、関係機関・団体と連携して、全ての年齢層の自転車利用者に対し、自転車安全利用五則を活用するなどして、自転車は車両であり、車道通行が原則であることなどの自転車の通行ルールの周知を図るとともに、自転車利用者の多い路線等における街頭指導、啓発活動を実施しております。  また、教育委員会等と連携して、児童生徒等に対し、実際の道路を自転車で通行する実践型の自転車安全教室や、スケアード・ストレート技法による体験型の自転車安全教室を継続的に実施しているところであります。  さらに、本年は、3月から5月にかけて、自転車が関係する交通事故の発生状況や特徴等の分析結果を公表するなどして児童生徒等の自転車事故防止対策を強化したほか、季別の交通安全運動におきましても街頭指導、啓発活動を強化しているところであります。  以上でございます。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)自転車通行空間の整備割合についてのお尋ねでございます。  直近の平成27年度に全国的に実施された道路交通センサスにおける一般交通量調査の県内対象路線の総区間延長は約5,900キロメートルとなっております。このうち、両側1.5メートル以上の路肩があるものは、自動車専用道路約330キロメートルを除き、約240キロメートルとなっています。このうち、自転車の専用空間として路肩部に歩道との分離がなされた自転車専用通行帯を整備した総延長は約5キロであり、5,900キロメートルの0.1%に当たります。  次に、ガイドラインに基づく自転車通行空間の整備状況についてのお尋ねでございます。  ガイドラインが示された平成24年以降、県内で整備された自転車通行空間は、市町村道を含め約11キロメートルです。このうち、矢羽根型の路面標示がなされた区間については、今年度県において整備した一般県道有明大町線の松川村ちひろ美術館付近を含め、約5キロメートルとなっています。  県としては、今後、市町村の自転車活用推進計画の中で位置づけられる自転車ネットワーク計画をもとに国や市町村と連携し、自転車通行空間の確保に努めてまいります。  以上でございます。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)広域的な地域づくりの課題についての御質問でございます。  まず、自転車に関係する路面標示や標識の位置については、適切な案内や安全性の確保の観点から連続的で統一的な整備が望ましいと考えておりますが、県内では必ずしも統一的でない現状がございます。  また、レンタルサイクルの広域化も、市町村域を超える相互乗り捨てサービスの提供が一部エリアにとどまっている状況でございます。  自転車の利用に関する条例(仮称)の制定検討を契機として県内の自転車利用を促進するためには、路面標示や標識の位置について、関係する市町村等とも十分協議の上、利用者にとってわかりやすいものとなるよう取り組んでまいりたいと考えております。  また、自転車の利用促進の重要な柱でありますサイクルツーリズムの推進による観光振興についても、条例に基づき策定する自転車活用推進計画に具体的な施策を位置づけ、国や市町村、関係事業者等との調整の上、着実に進めてまいりたいというふうに考えております。       〔観光部長熊谷晃君登壇〕 ◎観光部長(熊谷晃 君)旧街道を活用したサイクリングコースの設定についてのお尋ねでございます。  妻籠宿や奈良井宿など旧街道に沿って宿場町をめぐる旅は、国内外から多くの観光客を集めており、歴史や文化の薫りが感じられる旧街道は魅力あるサイクリングコースに十分なり得るものと考えております。  なお、宿場と宿場をつなぐ街道の移動に当たりましては、道路幅の狭い箇所や自動車の交通量が多い箇所があることなどから、特に安全の確保を図ることが重要であります。また、移動距離が長い場合は、サイクルトレインやサイクルバスの運行なども考えていく必要があります。  加えて、宿場内や町なかをめぐる際には、歩行者及び居住者の安全や町の風情に配慮するとともに、サイクルラックやサイクルサポートステーションの充実など、サイクリストが滞在しやすい環境を整えることも必要であり、諸外国の先進的な取り組みも学びながらサイクリストを初めとする観光客の誘客を進めてまいりたいと考えております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)自転車政策に関連して2点御質問をいただきました。  まず、観光振興における自転車活用の可能性についてという御質問であります。  御質問にもありましたが、今、日本の中では、しまなみ海道や琵琶湖がサイクリングのメッカとして認知度が高まってきております。長野県も、アルプスの雄大な景観や美しい河川や湖を眺めながらサイクリングができる場所がたくさんありますし、また、マウンテンバイクのフィールドとしてスキー場を活用してきたということも、これは山岳県ならではの取り組みとして多くの可能性があるというふうに思っております。  既に御質問にもありましたあづみのセンチュリーライドを初めとして数多くの自転車イベントが開催されております。我々は、こうしたものの統一的な発信が十分できていないところがありますけれども、サイクリストの間では注目度が高まっているという現状にあります。  台湾を訪問して、ジャイアントグループの最高顧問、羅祥安氏と懇談をさせていただきましたが、羅祥安氏からも、長野県はサイクリングの適地であるという高い御評価をいただくと同時に、幾つかの重要な御示唆もいただいてまいりました。  特に、観光ということを考えたときには、まずインバウンドのお客様を考えたときに、海外から自転車を運んできた際の国内での輸送、これは非常に重要なポイントだというふうに御指摘いただきましたし、また、観光という観点からは、誰でもいつ来ても楽しめるような環境をつくっていく。一部のサイクリストだけではなくて、お年寄りや子供、そうした方々も含めていつでも楽しめるような環境をつくっていくということが重要ではないかと。  例えば、カナダのウィスラーでは、マウンテンバイクコースが当初は非常に高度なコースだったわけですけれども、今は初心者向けのコースまで整備されているということで、やはり観光を考えたときには、より裾野の広い人たちがサイクリングを楽しんでいただけるような環境をつくっていくということが大変重要だというような御指摘もいただいております。  自転車利用に関する条例の制定を契機といたしまして、このサイクルツーリズムをぜひ本県の観光振興の大きな柱に据えていきたいというふうに思っております。サイクリングロードの整備やさまざまなサービスの充実、そして情報発信、こうしたことを総合的に行うことによって観光振興につなげていきたいと考えております。  もう1点、自転車施策を効率的に推進する担当課の設置についてという御質問でございます。  自転車の利用に関する条例案(仮称)におきましては、自転車活用推進計画を定めて進めていこうということにしております。その推進体制として、自転車活用推進本部を設置して、市町村や自転車利用に関係の深い団体の皆様方とともにこの施策を積極的に進めていくこととしているわけであります。  全体の方向づけはこの本部を中心に行ってまいりますが、具体的な施策にかかわる部局は、今、幾つかの部長が御答弁させていただきましたけれども、非常に多岐にわたっております。総合的に進めていくための実務を担う庁内体制については、今後しっかり検討していきたいというふうに思っております。  私としては、できればこうしたサイクリングを楽しんで進めることができるような職員を配置して、仕事ということだけではなくて、やはり自分の思いを込めて進めていくことができるような体制をつくっていくことができればというふうに思っております。  以上でございます。 ○議長(鈴木清 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時46分休憩          ──────────────────         午後1時1分開議 ○副議長(小林東一郎 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  小島康晴議員。       〔22番小島康晴君登壇〕 ◆22番(小島康晴 君)私ども信州・新風・みらいでは、今定例会開会に当たりまして、知事に対しまして平成31年度予算編成と当面の課題に関する提案書を提出いたしました。ぜひ予算編成や県政運営に生かしていただきたいと思いますし、これまで、私どもの会派9人のメンバーがこれに基づき順次質問をしてまいりました。私が会派では最後となりますが、同じ観点で2点に絞って理事者のお考えを伺いたいと思います。  まず、青少年のSNS等による被害あるいはトラブルへの対策について伺います。  この問題につきましては、平成27年2月定例会において取り上げまして、私の知る限りの実情をるる紹介し、理事者として現状をどう把握しているか、そして、子ども支援条例、いじめ防止条例でこれに対応可能なのか、さらに、専門的な相談・支援体制の整備の必要性を訴え、質問いたしました。  これに対しまして知事は、子ども支援センターをさまざまな子供たちの相談のハブ機能を有するようにしたい。教育委員会、警察に加えて、市町村、民間の相談機関ともネットワークを構築して子供を守る取り組みを進めていきたい。特に、相談業務については、相談員に十分な研修を行うとともに、ネットのトラブル解決などに実績がある民間の相談・支援機関にも協力を求めて、一緒になってネットによるいじめ、嫌がらせ、そうしたものの防止、あるいはそうしたことが起きてしまった後の対応が行えるように体制のあり方を考えていきたいと答弁されました。  そこで、まず、この子ども支援センターにおいては、昨年度872件の相談の実績があるとなっておりますが、このうちインターネットにかかわるものはどれくらいあり、その相談の成果はどのようか、県民文化部長にお尋ねします。  私の知る限り、この3年半の間に事態はさらに悪化し、小学校低学年にも及んでおります。子供の将来にとって容易ならざる事態と憂慮しておりますが、知事は最近の状況をどのように捉えておられるか。また、この事態に対して県は有効な対策をとってきていると判断しておられるのか、伺います。  知事の公約などにも県民起点とありますが、まさにこの問題は、当事者である子供起点でなければならないと考えます。被害者にも加害者にもなりかねず、結果として将来を閉ざしかねない子供たちを出発点にして、いわゆるワンストップでわかりやすく速やかに対応する持続可能な仕組みが絶対に必要だと考えますが、知事のお考えはいかがでしょうか。  続いて、教育長に伺います。  SNS等インターネットのトラブルについても、一般的ないじめと同様に学校で十分把握されていない、あるいは、把握をしていても学校内で解決しようとし、市町村の教育委員会や県の教育委員会には報告、相談しないのではないかといったことが気にかかります。  いじめが見つかることが担任の先生や校長先生の勤務評定、学校の評価にかかわるのでしょうか。仮にそういうことがあるとすれば、これを改めなければ抜本的な解決はないと考えますが、いかがでしょうか。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)子ども支援センターのインターネットにかかわる相談実績及び成果についての御質問でございます。  ネットトラブルに遭った子供やその保護者からの相談先としては、お尋ねのありました子ども支援センターのほか、県教委に設けられた学校生活相談センターがあり、また、最も身近な学校でも相談を受けております。  ネットトラブルを解決するためには、流出した個人の画像の削除など技術的な対応が必要なケースがありますが、これらの相談先では対応が難しいこともあるため、ネット技術に詳しい専門機関が今申し上げました相談機関をサポートする取り組みを平成29年度から委託事業として実施しております。  子ども支援センターの相談状況ですが、平成29年度に寄せられた872件の相談のうち、インターネット等に関係する相談件数は21件、相談者の内訳は、中学生、高校生からが11件、家族からが7件、その他関係者からが3件というふうになっております。  参考までに申し上げますと、学校生活相談センターは平成29年度に693件の相談を受け付け、そのうちインターネットに関係する相談は44件であり、ほかに、先ほどの専門機関が受け付けたインターネットに関係する相談は256件というふうになっております。  子ども支援センターの相談内容を見ますと、子供からは、スマホの使用方法やインターネットサイトへのアクセスによる架空請求の心配、個人情報の漏えいへの不安などが寄せられ、保護者からは、子供のスマホ依存への対応などの相談がございました。  子ども支援センターでは、例えば架空請求に関する相談に対して、自分で解決しようとしてむやみに画面の操作をしないように助言し、相談者に非がないことを伝え、安心感を持っていただきながら消費生活センターなどの機関につなぐなど、ネットトラブルに関係する機関と連携し、ネット被害防止を図っております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)青少年のSNS等による被害について何点か御質問いただきました。  まず、状況認識についてということであります。  先ほど県民文化部長から御答弁申し上げました県及び専門機関に寄せられております今年度に入ってからの子供のインターネット関係の相談件数を見ますと、いずれも昨年度を上回るペースで相談が寄せられているという状況にあります。  この相談内容を見ますと、オンラインゲームやネットショッピングでパスワードを教えたことによる金銭的な被害、あるいはSNSによります個人情報の流出、不適切な画像、動画の投稿、あるいはいじめ、またSNSで知り合った相手との出会い、こうしたものが主なものとなっております。  今年度の専門機関の相談では約19%が小学生であります。ネットトラブルは小学生にも及んでいるという状況がうかがえます。教育委員会の調査によりますと、スマートフォンを使用している小学生の割合は、平成27年度の28.4%から、今年度47.2%に上昇しているという調査結果もあり、こうした影響もあるものというふうに考えております。こうしたことから、スマートフォン等の普及によりまして、県内の青少年のネットトラブルはより複雑化、そして低年齢化しているものというふうに考えております。  こうした被害を防ぐための対策でありますが、これまでも官民協働組織であります県青少年インターネット適正利用推進協議会におけるフォーラムの開催や県民の皆様方がインターネットの適正利用等について学ぶ研修会に対する助成、あるいは子どもを性被害から守るための条例を踏まえた外部の専門的な講師を性被害防止教育キャラバン隊として派遣するなどさまざまな取り組みを行ってきております。しかしながら、今申し上げましたように、相談件数の増加といった現状を鑑みますと、さらなる対策の充実が必要ではないかというふうに考えております。  続きまして、子供を起点にしたワンストップ、わかりやすく速やかに対応する持続可能な仕組みづくりの必要性について御質問いただきました。  長野県におきましては、学校や県の相談機関をインターネットに詳しい専門機関がサポートすることによりまして、相談から支援、解決までを一貫して行う体制を平成29年度からつくらせていただいております。この体制は、完全なワンストップの仕組みとまでは言えないものの、県の相談機関と専門機関との協働の体制として子供のネットトラブルの解決を目指す一定の仕組みとなってきているというふうに考えております。  しかし、先ほど申し上げましたとおり、子供のネットトラブルの相談件数は増加してきているという状況でございます。こうした状況に対応するための専門人材の確保養成などの課題があるというふうに思っております。さらなる体制の充実を図ってまいりたいというふうに考えておりますので、そのための具体的な方策を検討していきたいと考えております。  以上です。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)いじめの認知に関する教員や学校の評価についてのお尋ねでございます。  いじめの認知がおくれていじめの初期に有効な対応がとれないまま深刻な事態に至るようなことは絶対に防がなければなりません。そのためには、児童生徒の同じ言動を目にしても、ある教員はいじめであると受けとめ、別の教員はいじめではないと受けとめるといった認識のずれがないようにすること、そして、いじめの認知をマイナスと捉えるのではなく、いじめを積極的に認知し、有効な対応をした学校、教員こそ評価されるべきだという認識が浸透することが重要だというふうに考えております。  県教育委員会として、学校や市町村教育委員会はもとより、保護者を含めた地域社会全体がいじめの認知に対するこうした認識を共有し、いじめの問題に取り組んでいけるようしっかり進めてまいりたいというふうに考えております。       〔22番小島康晴君登壇〕
    ◆22番(小島康晴 君)今、マイナス思考であるというお話がありました。いじめとかネットトラブルというものを、前向きに捉えるというのは言い方が変かもしれませんけれども、教育長には、ぜひこの事案を直視して解決、改善するように引き続き御努力をお願いしたいと思います。  それから、子ども支援センター、あるいは学校の相談センターにつきましてはそれぞれ取り組んでいただいてはおりますが、いわゆるネットトラブルについては十分な数ではないし、対応できていないのかなというふうにお聞きいたしました。原因を分析するとともに、一層の対応の強化をお願いしたいと思います。  今、知事からは、ワンストップのサービスについて一層の体制の充実を図りたいという御答弁をいただいたところでありますけれども、2017年の内閣府の調査では、小中高生の平日1日のネット利用時間は平均で159分だそうで、ほとんど3時間近いこと、それが平日毎日、しかも平均でということでございます。  2年ほど前に中国でサービス開始されたTikTokという動画サービスは瞬く間に1億5,000万人のユーザーを得るほどの人気ということでして、何の気なしに友達の動画を投稿すれば、それが全世界にさらされてしまいます。さらされたと気づいた本人が削除してもらおうとしても、これは簡単に削除できないという状況だそうであります。  このほか、時間がないので例示し切れませんが、知事からもありましたとおり、フェイスブックを乗っ取られて画像を要求されたり、誤ってパスワードを知らせたら高額な請求が子供に来たり、あるいはインターネット依存症で不登校になったり、いじめをしたり、されたり、性被害に遭ったり、犯罪一歩手前まで行ったり、さまざまなトラブルに何百人という子供が毎年巻き込まれていっております。  これに対して、ネットのトラブルに実績がある民間の相談機関というお話がありましたけれども、まさに協力を求めるどころではなくて、おんぶにだっこの状態だと私は思います。実質一人の方が、24時間365日、電話、ファクス、メール、真夜中にもメールが来る、これに対応し、県内を東奔西走、現地指導まで行っています。直接赴かなければ解決できないし、手おくれになってしまいかねないからです。  お聞きしたところでは、4月から10月までにかかわった事案は282件、費やした時間は300時間余り、飯山から飯田方面まで毎週のように駆け回っておられます。これに対して県が用意していただいた予算は、昨年度が30万円ほど、今年度は80万円ほどであります。まさに県民の有志の個人の善意に甘えているとしか言わざるを得ません。  一層の体制の充実ということであれば、24時間対応できる、それから県民の方から見て、県というのはやはり役所ということで敷居が高い、あるいは県の職員の皆さんは3年平均で交代していく、そういうことを踏まえれば、県の責任のもとで、県と一歩離れたところでワンストップの窓口をつくってこれら子供の事案に対応してほしいと思いますけれども、その点について再度知事の御見解を伺いたいと思います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)この問題は、先ほども御答弁申し上げましたが、非常に深刻な問題だというふうに受けとめて対応していかなければいけないというふうに思っております。  小島議員の御質問にもありましたが、今、我々の対応は、県が将来世代応援県民会議に補助金を支出して、そこから専門機関に委託するという形でありますし、予算額についても、平成29年度に比べると今年度は大分増加させていただいているところでありますけれども、しかしながらまだまだ十分な予算にはなっていないという御指摘だというふうに受けとめております。  先ほど申し上げましたように、このネット対応というのは、やはり専門的な知識も必要になってまいります。そういう意味では、限られた人材を皆さんにどう有効に活躍していただけるかということとあわせて、やはり対応できる人材の裾野を広げていくということも必要だというふうに思っています。この専門機関のお考えも十分お伺いしながら今後のあり方について考えていきたいというふうに思っております。  以上です。       〔22番小島康晴君登壇〕 ◆22番(小島康晴 君)若干関連がございますので、先にもう一つの課題について質問させていただきたいと思います。さきの9月定例会でもお尋ねいたしましたが、重ねて南信運転免許センターについて伺います。  警察本部にあっても、知事部局にあっても、重要課題と捉え、鋭意研究、検討していただいているところですが、運転免許センターがある北信、中信、東信の地域の皆さんは、その多くの方が日曜日も含めて免許証の更新は即日交付されることができます。一方、南信、特に伊那谷南部では、大半の方が警察署に二度足を運ぶ、1カ月待つといった状況でありまして、急ぎの場合は塩尻まで出向いていくということでございます。このような状態を知事はどのように認識しておられるのか伺います。  また、昨年の12月、ちょうど今時分に、飯田の広域連合の皆さんが打ちそろいまして、知事及び警察本部長に、せめて新年度予算に調査費を盛ってほしいという要望をいたしましたが、1年間いわばたなざらしになっております。新年度には最低でも調査費を計上していただき、前向きな姿勢を示していただきたいと思いますが、知事の御英断を伺いたいと思います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)南信地域の皆様方にとって、この運転免許センターが南信地域には存在していないという現状、これは地域の皆様方からも設置に向けた要請をいただいているところでありますし、私としても免許証交付手続の利便性の向上が課題であるということは十分認識をさせていただいております。  私の英断という御質問がありましたけれども、これは、警察本部のほうでまずはしっかり考えていただかなければいけない課題であり、警察本部においても十分問題意識を持ってお取り組みをいただいているものというふうに認識をしております。  私としても、今後とも警察本部としっかり課題を共有させていただき、考え方を十分お伺いしながら、予算調整権を有する知事の立場としても必要な対応を検討していきたいというふうに考えております。  以上です。       〔22番小島康晴君登壇〕 ◆22番(小島康晴 君)あるところとないところの差というのは、ある意味では不公平だというふうに考えるんですけれども、これをできるだけ長いこと放置しないでいただきたいというのが基本的な要望でございます。研究する、検討する、認識している、考えていますという答弁がずっと続いておりますけれども、問題は、結局はやるかやらないか、お金をつけ、人をつけるかどうかというふうなことだと思います。  予算編成が基本的にはボトムアップであることは承知しておりますし、つかさつかさを大切にすることも大事だと思いますが、今回、部局長裁量経費の創設なんていうことも結構なことだと思いますけれども、時には200万県民の負託を直接受けた知事として、予算調整権、あるいは人事権を持っている知事として、ことしはこれをやろう、例えば新しい子供を守るためのシステムに500万出そうとか、あるいは免許センターをつくるために何らかの予算計上をしようということをいわゆるトップダウンでお示しいただいてもいいのではないかと思いますが、その辺の知事の考えを伺いたいと思います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私は、知事として、これまでも相当各部局に叱咤激励させていただいております。全てボトムアップで上がってくるものを黙って待っているというような県政運営ではなくて、恐らく、各部からすると、知事からの宿題が多過ぎるというふうに受けとめている部局が多いんじゃないかというふうに思っています。  この免許センターの設置という話については警察本部の皆様方がいろいろ検討されていますが、これまでも本部長から答弁していただいているように、いろいろな課題をどう解決するかということを検討されているわけでありますので、私がつくれと言っただけで簡単につくれるというものでは当然ないわけであります。  政策の方向性としては、何度も繰り返し申し上げておりますように、県警本部長も私も問題意識を持って取り組ませていただいております。しかしながら、これはやはり飯田地域、下伊那地域、伊那谷地域、地域をどうするかということにも関係してまいりますので、そうしたことをしっかり考える中で県としての方向づけをはっきり行っていきたいというふうに思っております。  以上です。       〔22番小島康晴君登壇〕 ◆22番(小島康晴 君)その叱咤激励の中にぜひきょうお願いした2点を入れていただきたいと思うわけでございます。  信州の将来を担う子供たちを守るために、予算の枠、シーリングがあってはならないと思いますし、免許証交付という県のサービス、いわば県政の恩沢に県民が等しく浴することができるように、理事者の皆さんの御決断を重ねてお願いして、終わります。 ○副議長(小林東一郎 君)次に、吉川彰一議員。       〔29番吉川彰一君登壇〕 ◆29番(吉川彰一 君)9月3日に破産開始の手続がなされた東京都千代田区の株式会社ケフィア事業振興会は、市田柿を主力商品とした投資勧誘などを行い、負債総額は1,000億円を超し、債権者も3万人を超すことし2番目の大型倒産となりました。  翌月に入り、同社事業の中核を担っていた飯田市のかぶちゃん農園株式会社も破産を申し立て、グループ企業の倒産は全国で27社、うち長野県関係11社、負債総額は少なく見積もっても69億円に上ります。また、同社やその関連企業の経営不振から倒産に至る過程で150人近い方々が突然職を失うこととなり、一部の皆さんには給与の欠配も発生している模様です。  こうした状況と対応について、さらには連鎖倒産防止の取り組みについて内田産業労働部長、投資家保護の対応について角田県民文化部長にお尋ねします。  また、市田柿を取り巻く情勢はこのような大変厳しい情勢下に置かれています。市田柿は、南信州地域の農業、産業を支える重要な特産品の一つです。市田柿の生産振興とブランド化にどのように取り組んでいくお考えか、山本農政部長にお尋ねします。       〔産業政策監兼産業労働部長内田雅啓君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(内田雅啓 君)かぶちゃん農園の破産に関して2点御質問をいただきました。  まず、破産に伴う元従業員への対応についてでございます。  かぶちゃん農園株式会社につきましては、本年10月1日付で東京地方裁判所から破産手続開始決定を受けました。これを受けまして、ハローワーク飯田に報告のあったかぶちゃん農園とその関連企業4社の離職者数は146人でございます。ハローワークでは、9月20日付のかぶちゃん農園の整理解雇予告を受け、9月28日に雇用保険制度や求職活動方法等に関する事前説明会を開催いたしまして、その後、59の事業所から雇用の申し出のあった217人分の求人情報を離職者に提供したほか、個人の希望や事情等に応じた個別の再就職支援を随時実施をしております。  県では、南信州地域振興局が、ハローワークや労働基準監督署、飯田市、飯田商工会議所等の機関とともに構成する連絡会議のメンバーとして再就職支援に係る連携等について協議したほか、関係機関と随時情報の共有を図っているところでございます。11月20日現在、88人の求職登録者のうち24人の就職が決定しておりますが、就職決定に至っていない方々の支援のため、11月下旬の3日間、ハローワークと南信州地域振興局、飯田市が連携をして企業との面接会を開催いたしました。  また、給与の欠配につきましては、労働基準監督署から離職者に対して、未払い賃金の8割まで国が倒産企業にかわって立てかえ払いをする制度の対象となる旨の説明が行われており、今後、破産管財人の証明手続を経て立てかえ払いが行われる予定でございます。離職された皆様の再就職が決定し、一日も早く生活の安定が得られるよう、今後とも南信州地域振興局や関係機関と連携をしながら支援を行ってまいります。  次に、連鎖倒産防止の取り組みについてでございます。  かぶちゃん農園などの倒産の対応につきましては、飯田商工会議所を中心に、弁護士、金融機関、南信州地域振興局等が参加をいたしました対策会議で情報が共有されまして、取り組まれているところでございます。その中で、取引のある県内債権者の連鎖倒産の可能性は低いとの見解が示されておりますが、今後、地域の小規模小売事業者等への影響が出ることも考えられます。  連鎖倒産を防止するためには、当面の資金調達などの金融支援が有効であり、県では、地域振興局や金融機関等と連携をいたしまして、取引先の倒産等により必要となる運転資金等を低利で調達することができる経営健全化支援資金などの県中小企業融資制度を周知したところでございます。また、県内企業に広範かつ甚大な影響が生じる場合には、金融機関による融資のリスケジュール実施の検討なども必要となってございます。  引き続き、かぶちゃん農園の倒産に伴う連鎖倒産防止のため、対策会議等において関係機関と十分な協議を行い、連携して必要な支援を行ってまいります。  以上でございます。        〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)いわゆるオーナー制度に投資した方への対応についての御質問でございます。  消費者庁では、平成30年8月にケフィア事業振興会に係る注意喚起情報を公表しておりますが、県内でも、平成29年11月から平成30年8月の間に、県や市町村の相談窓口にケフィアグループに関連した相談が50件寄せられておりまして、県としてもこれらの相談に対応するとともに、県の消費生活情報ウエブサイトを通じて注意喚起を行ったところでございます。  さらに、9月3日以降、ケフィア事業振興会及びその関連会社について破産手続が開始されたことに伴いまして、消費生活センターに21件の相談が寄せられております。センターは、消費者からの苦情について、事業者との話し合いの支援等を行う役割を担っており、破産手続開始以降、相談者へ破産管財人や破産手続に関する情報提供等を行っております。  今後、被害の回復を名目とした金銭の詐取など2次的な被害の発生も懸念されますので、ウエブサイトの情報掲載等を通じて引き続き注意喚起に努めてまいります。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)市田柿の生産振興とブランド化についてのお尋ねでございます。  県では、平成19年から、南信州地域の生産者団体や市町村と一体となって市田柿ブランド推進協議会を組織し、品質の維持向上と市田柿ブランドのPRによる販路拡大に積極的に取り組んでまいりました。  その成果としまして、平成28年には海外での販路拡大と模倣品の取り締まりなどを目的としたGI(地理的表示保護制度)に登録されました。輸出額も、平成29年には前年に比べ1.8倍の1億1,000万円に拡大するなど、国内のみならず海外からも高い評価を得てきております。  市田柿は、南信州地域の産業、農業を支える重要なブランド品であり、県としましては、生産振興対策では栽培・加工技術研修会の開催や加工衛生マニュアルの作成に加え、本年度、JAみなみ信州が行う加工施設増設への支援や、市田柿の皮むき工程を高精度で自動化できるロボットの開発等によりまして一層の品質向上と生産拡大に取り組んでまいります。  また、販路拡大、ブランド化対策としましては、GIの活用による高い品質のPRや他産地との差別化、ニーズの高い台湾など東南アジア向けの輸出強化等によりまして、生産者や関係団体と連携強化を図りながら積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。       〔29番吉川彰一君登壇〕 ◆29番(吉川彰一 君)次に、政府が来年より施行したいと提案している外国人労働者受け入れ拡大のための新たな在留資格制度の創設について幾つか質問させていただきます。  新制度では、外国人を雇用する企業の生活支援を義務づけています。こうした該当企業への支援策は検討されているのか、内田産業労働部長にお尋ねします。  また、建設分野では、一例として、土工やコンクリート工の単位面積当たりの必要人数が確かに従来と変わっていません。2025年には建設技能者が全国で100万人減ると言われる中での危機感はわかります。しかしながら、最近ではスマートフォンアプリで人手を欲する現場や職種、請負金が一目でわかり、発注や請負をしたり、工事のその状況を確認できるようになったと言います。また、さらには工事代金の即日払いサービスも登場し、好評とのことです。元請で職人を抱え込む手法とは違い、下請が流動化する兆しが見られます。  このような技術革新が進む中、外国人労働者が日本人熟練技能者の就業機会を奪うことがあってはなりません。何より心配なのは、景気浮揚の側面のある公共事業の資金が海外へ流出するおそれがあることには強い懸念を感じます。こうした建設現場の流れ、公共事業への考え方について長谷川建設部長にお尋ねします。  また、建設工事の労務費積算への影響があるのか、さらに、リニア中央新幹線の本体及び関連工事の本県部分に外国人労働者が加わるのか。2025年の大阪万博開催決定により、早期建設の要請がさらに加速することが予想されます。あわせてお尋ねします。  次に、新制度では家族帯同を認める在留資格も創設されます。こうした就労目的で来日し、本県入りした人々に、どう社会と適用するよう取り組むのか、角田県民文化部長にお尋ねします。  また、新入管法の在留資格創設では、全国で34万人もの外国人の方々の来日が予想されています。既に日本国内では100万人以上の外国人の方々が暮らしています。国では、現在、法務省入国管理局で外国籍の方々に関するビザの取得や就労などの業務を行っています。これを来年4月に開設を予定する出入国在留管理庁で体制を拡充して不法滞在者らの取り締まりを厳格化する一方、外国人が安心して生活、就労できる環境の整備などを図るとされています。このところ、全国的には、ベトナム人グループによるドラッグストアにおける大量万引きなどの事件が目立っています。県内の来日外国人犯罪の現状と対策について内藤警察本部長にお尋ねいたします。       〔産業政策監兼産業労働部長内田雅啓君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(内田雅啓 君)外国人を雇用する企業への支援について御質問をいただきました。  入国管理法改正案が成立した場合には、特定技能1号の外国人材が日本での活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするため、原則として受け入れ機関である事業所に対し、外国人材の日常生活上、職業生活上、または社会生活上の支援を行うことが義務づけられております。  入国前の生活ガイダンスの提供、日本語の習得支援、相談・苦情対応、各種行政手続についての情報提供等、外国人材の生活環境を向上させるための支援は地域において安心して生活することにつながると考えてございます。  今後は、政府の動向を注視しつつ、外国人材を受け入れる事業所に対して県としてどういった支援策が必要であるのか、企業や関係する業界団体等の御意見も伺いながら検討してまいります。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)公共事業における外国人材の活用等に関するお尋ねでございます。  長野労働局の調査によりますと、長野県内において、平成29年10月末時点で建設業に従事している外国人労働者数は548人で、全外国人労働者約1万6,000人に占める割合は約3.5%と、製造業や農林業と比較して低い状況です。公共事業においては、現場の技能労働者として外国人材の活用が想定されますが、言葉の問題による労働災害のリスクが高いことなどが課題と認識しております。  議員御指摘の労務費積算への影響につきましては、経済動向などさまざまな要因が影響するため一概にお答えすることは困難と考えております。  先日の報道によりますと、国土交通省は、建設業界における外国人労働者の賃金未払いや過重労働などを監視する機関を設置する方針とのことであり、今後その動向を注視してまいりたいと考えております。  また、リニア中央新幹線工事及びその関連工事における外国人労働者の活用については、JR東海が事業主体となっており、現時点で県として把握できておりません。  将来的に深刻な担い手不足が想定される建設業において外国人材の活用は避けて通れない問題であると考えており、働く人の処遇や労働環境の改善等に取り組みつつ、活用について当面の対応方針を検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)外国人労働者が社会に適応するための取り組みについての御質問でございます。  県では、これまで、平成27年3月に策定いたしました長野県多文化共生推進指針により、国籍や文化の違いを尊重し、誰もが参加し、豊かな地域を築くことを目指して、日本語学習の支援や母国語による相談窓口の設置などに取り組んでまいりました。  特に、日本語の習得については、日本語学習の担い手を養成するため、既に6月の補正予算により研修プログラムや教材の開発を行っており、今後3年間で120名の日本語学習支援者を養成し、生活に必要な日本語学習の基盤を拡充してまいります。  また、この指針については、外国人材が円滑に地域社会に溶け込み、活躍する豊かな地域づくりをさらに推進するという観点から来年度見直すこととしておりますが、見直しに当たっては、今月中に国が取りまとめることとしている外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策も取り入れながら、外国人材を生活者として温かく受け入れ、ともに活力ある共生社会の実現を目指すための環境づくりに必要な対策を検討してまいります。       〔警察本部長内藤浩文君登壇〕 ◎警察本部長(内藤浩文 君)来日外国人犯罪の現状と対策についてお答えいたします。  来日外国人犯罪の検挙状況につきましては、検挙件数は、平成19年の1,532件をピークとしてその後減少傾向となり、昨年は159件と大きく減少しております。検挙人員についても、平成14年の369人をピークとしてその後同様に減少傾向となり、昨年は114人と大きく減少しております。  過去5年間の検挙状況を見ますと、罪種別では、刑法犯については窃盗罪、特別法犯については不法残留などの出入国管理及び難民認定法違反がそれぞれ最も多く、国籍別の検挙状況については、検挙件数、検挙人員ともに中国、ベトナム、タイが上位を占める傾向にあります。  また、刑法犯の検挙件数に占める共犯事件の割合は、過去5年間の共犯率の平均を見ますと、日本人は10.9%、来日外国人は45.2%であり、来日外国人による犯罪は日本人によるものと比べて組織的に敢行される傾向がうかがわれます。  警察では、県内情勢の的確な把握と分析に努めるとともに、事件捜査に当たっては、国内犯罪組織との関係性も見きわめつつ、背景にあるネットワークや犯罪インフラの解明、解体などの対策をより一層推進するなど、入国管理局等の関係機関と緊密な連携を図りながら各種犯罪に対して厳正に対処しているところであります。  また、外国人が多く集中する地域においては、外国人が犯罪、事故に巻き込まれることがないよう、自治体を初めとする関係機関や団体と連携を図りながら、外国人を雇用する企業等に対し、防犯・防災教室や交通安全教室等の各種啓発活動を積極的に推進しているところであります。       〔29番吉川彰一君登壇〕 ◆29番(吉川彰一 君)次に、さまざまな課題に直面し、先ほどよりお尋ねしているリニア中央新幹線について改めてお尋ねします。  関連工事について、松川町の宮ケ瀬橋のつけかえ、高森町と豊丘村を結ぶ新万年橋の架橋について計画や工事の進捗状況をお尋ねします。  さらに、飯田市と喬木村と結ぶ阿島橋のつけかえについての検討状況もあわせてお尋ねします。この阿島橋については、予算などの都合から計画が俎上にも上がっていないと漏れ伺っております。しかしながら、阿島橋はリニア長野県駅と三遠南信自動車道を結ぶ両事業の帰趨を握るといっても過言ではありません。  そこで、私の発案ですが、既にリニア工事本体に3兆円の財政投融資が行われております。これを関連整備にも広げることを政府に提案したらいかがでしょうか。リニア関連事業で予算の捻出に腐心する沿線都県と共同で申し出たらいかがでしょうか。関連整備が加速することでリニアへの利便性も高まり、リニア本体へ行っている投融資の償還確実性が高まると思います。
     また、さらに、関連整備の償還財源として沿線都県でリニア宝くじを発行したらいかがでしょうか。少額の10万円以下の当選は、当選金の支払いにかえ、例えば大鹿歌舞伎の招待券や阿智村の星空ツアー参加券など本当にリニアを利用してもらうものにするなど特色を出してみたらいかがでしょうか。  全て長谷川部長にお尋ねして、私からの一切の質問とさせていただきます。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)宮ケ瀬橋、新万年橋、阿島橋の検討状況についてのお尋ねでございます。  宮ケ瀬橋のかけかえ工事につきましては、平成27年度から事業を行っており、今年度は橋梁の下部工を完成させ、引き続き上部工の工事に着手していく予定としております。  次に、新万年橋架橋工事の進捗状況につきましては、昨年度事業化したところでありまして、今年度は橋梁詳細設計を行う予定となっております。  次に、阿島橋につきましては、現在の橋は改良済み幅員を有し、交通容量も余裕があること、また、十分に健全であることから、適切な補修工事を行うことにより今後とも通行の安全を確保してまいりたいと考えております。  橋のかけかえにつきましては、将来の周辺の交通状況や土地利用の変化を踏まえて検討すべき課題と考えておるところでございます。  続きまして、リニア中央新幹線に関連する道路整備に関する財源確保についての御質問でございます。  リニア関連道路整備事業につきましては、先日も知事から答弁させていただいておりますけれども、国の交付金による事業を進めておるところでございまして、これまでも機会を捉えて国に対して重点支援について要望を行っております。  あわせて、伊駒アルプスロードについても国の権限代行事業として実施していただくよう要望を行っているところでありまして、さらに、国道153号を重要物流道路に指定することにより特別支援を要望しているところでございます。  ただいま議員から財源についてさまざまな御提案をいただいたところでありますが、まずはこうした現在の取り組みを通じて、国の交付金や補助事業を含めた全体の予算を確保することでリニア関連道路整備を着実に進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(小林東一郎 君)次に、共田武史議員。       〔8番共田武史君登壇〕 ◆8番(共田武史 君)さまざまな全国ランキングでなかなかよいランキングにいる長野県ですが、骨髄バンクの登録率が全国最下位というお話を聞いて少し調べてみました。骨髄バンク事業の取り組みについて質問させていただきます。  白血病などの治療として骨髄末梢血幹細胞移植が行われています。この移植は、正常な血がつくられなくなってしまった患者さんの造血幹細胞を健康な方の造血幹細胞と入れかえることにより造血機能を回復させる治療法です。  移植した骨髄や末梢血幹細胞がうまく機能するためには、患者さんと提供者の白血球の型が一致しなければなりません。一致する確率は、兄弟姉妹で4人に1人、それ以外では数百人から数万人に1人です。そして、移植を希望する患者さんは全国に年間2,000人以上おられます。  公益財団法人日本骨髄バンクには現在49万人の方がドナー登録をされていますが、依然として多くの患者さんが移植を受けることができていません。登録者数がふえることで9割以上の患者さんにドナー候補者が見つかるようになりましたが、実際に移植に至る患者さんは、ドナーの仕事等の都合がつかない等の理由により約6割にとどまっています。  そこで、以下3点、健康福祉部長にお伺いします。  長野県における骨髄バンクのドナー登録状況ですが、平成30年10月末時点で4,303人、対象人口1,000人当たりにおける登録者数は4.91で、残念ながら全国最下位という低い状況です。骨髄バンク事業におけるドナー登録の必要性について所見をお伺いします。  全国的にも骨髄バンクのドナー登録者数はふえています。長野県の登録率は低く推移しているものの、ここ数年は伸びているとお聞きしています。その要因と今後の取り組みについてお伺いします。  ドナー登録者数は増加していますが、一方、依然として多くの患者さんが移植を受けられない状況です。適合者が見つかっても、ドナー側の都合により移植まで至らない場合があるようです。その理由として、骨髄等を提供するのに1週間程度の入院期間が必要です。会社を休めない、自営業のため休業が収入に直結するといったことが挙げられます。全国の幾つかの自治体でドナー助成制度などさまざまな支援が行われていますが、県として個人や職場への支援、助成などを行う考えはないのでしょうか。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)骨髄バンク事業におけるドナー登録の必要性についてのお尋ねでございます。  骨髄や末梢血幹細胞の移植は白血病や悪性リンパ腫などの疾患に対する有効な治療法でありますが、適合するドナーが見つかる確率は、血のつながっていない他人の場合、数百から数万分の1ということで、希望する患者に適合するドナーが見つかって移植を受けられるためには、より多くのドナー登録が必要であると認識をしております。  次に、ドナー登録者数増加の要因と今後の取り組みについてでございます。  県内七つの保健福祉事務所におけるドナー登録の受け付けをスタートさせました。また、ドナー登録説明員の養成を行った結果、説明員は平成27年度2名から現在19名となり、献血併行ドナー登録会の開催回数は平成27年度の9回から平成29年度には63回まで増加しております。  さらに、若い世代向けの普及啓発の取り組みとして、平成28年度からプロ野球やサッカーJリーグの試合会場でのドナー登録会を現在までに5回、プロスノーボーダーなど若年層が関心を持つ分野で活躍している骨髄移植経験者による講演会を現在までに3回開催しております。 このような取り組みの結果、新規の登録者数は、平成27年度に178人であったものが、平成29年度には513人まで増加しており、これらの取り組みの継続を発展させることで引き続きドナー登録者の確保を図ってまいります。  最後に、個人や職場に対する支援、助成制度についてでございます。  骨髄等を提供するには7から10日間程度の入院や通院が必要となるため、仕事を休めない、休業が収入に直結するなどの理由により提供を断念するドナー登録者が一定数いると考えられ、提供のための環境整備が課題であると認識しております。  休業等に伴うドナーの経済的負担を補償する制度や休暇制度を設けた事業所に奨励金を支払う制度はドナー登録者数及び提供候補者の移植率の増加にもつながると考えられることから、県としてもドナー登録者をふやす効果的な支援のあり方について検討してまいります。  以上でございます。       〔8番共田武史君登壇〕 ◆8番(共田武史 君)さまざまな努力でドナー登録者数がふえていること、ありがたいことだと思います。  また、提供を悩んでいる方は、会社を休むなどの負担を負うことができれば患者さんを救うことができます。逆に、その負担でやむを得ず提供を諦めた場合、患者さんを見捨てたと感じるかもしれません。善意でドナー登録をして適合者となり、提供できない人の気持ちは複雑だと思います。ぜひ提供できる環境づくりに御努力いただければと思います。  続きまして、職場のイメージアップについてです。  最近まで、全国の地方自治体では、雇用の創出ということで、若者流出を防ぐ方法として取り組んできておりました。個人的には、単純に働く場をつくれば人が集まるという考え方には違和感を感じていました。一番の理由は、働く場がないから都会に仕方なく行くという若者に、現実、出会ったことがありません。逆に、地元に望む職業がないから大都市へ出ていくという若者の話はたびたび耳にします。  数年前から求人側と求職者側のニーズが一致しない雇用のミスマッチが起こり、現在はほとんどの業種で働き手不足となっています。若者の流出についていろいろな分析がされていますが、若者と話をする中で、東京への流出は都会に住んで働くというライフスタイルへの憧れか、自然に東京に住むという選択をしているように感じます。人口減少からくる労働者不足、ライフスタイルの憧れからくる若者の流出を考えると、長野県で働くイメージを変えることが大切ではないでしょうか。  そこで、長野県へUターン、Iターンを促進するためにも、県内のさまざまな業種のイメージアップを図ることが必要と考えますが、産業労働部長に所見をお伺いいたします。  そして、絶対的な人手不足が企業にもたらす影響は、労働力確保ができる魅力ある企業になるか、それともAIやIoT、ロボットなどで効率化を実現するか、それ以外は自然淘汰され、倒産することになってしまいます。この人手不足の状況で、働き方改革はダブルパンチとなっていると思います。とりわけ、現在敬遠されている3Kと言われる職業には不安を感じます。  国は、外国人の受け入れで人手不足に対応しようとしていますが、敬遠され、日本人がやりたがらない職業に外国人が働くというイメージがついてしまえば、その職業のイメージダウンと、今後差別や人権問題が起きる危険を感じます。処遇改善と同時に、その職業の社会的意味、必要性の啓蒙、イメージの向上が必要だと思います。とりわけ、福祉や建設、これから必要とされる林業などのイメージアップが喫緊の課題だと思います。  そこで、まず林業についてですが、森林は、酸素をつくり、水を浄化し、災害から守る大切なものです。この当たり前のことがなかなか知られておりません。この森林を維持管理するのが林業です。林業県を目指す長野県は、林業従事者のイメージをアップし、崇高で格好いい職業へと変えていく必要があると思いますが、林務部長に所見をお伺いします。  そして、先日介護職の方と話をしました。その方はこう言っていました。一般的に、介護に対するイメージは、高齢者のおむつをかえたりお風呂に入れたりする仕事だと思われていますが、実際は、孫と遊園地に行きたいなどと願う高齢者に対してその願いをかなえるお手伝いをすること、不自由になっていく残りの生活をできるだけ望みどおりに生きるお手伝いをする仕事だと言っていました。このような考え方が大切で、広げていく必要を感じます。介護職は、誇りが持てる職業だと言われています。社会的に必要不可欠であり、周りからもっと認められるイメージをつくることが必要だと思いますが、健康福祉部長に所見をお伺いします。  建設業界も昔は人気がありました。公共工事も、住民から喜ばれ、働く人も認められ、より誇りが持てる職業だったと感じています。これから自然災害への対応、公共施設やインフラの老朽化に対応するなど必要性が増してくる中で、人手不足は深刻です。建設業界全体のイメージも含めて改善することが建設業界の人手不足を軽減するために必要だと思いますが、建設部長に所見をお伺いします。       〔産業政策監兼産業労働部長内田雅啓君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(内田雅啓 君)県内のさまざまな職業のイメージアップについて御質問をいただきました。  人手不足時代に県内のさまざまな職業において働き方改革を進め、各企業の魅力を発信することによりイメージアップを図ることは、UIJターンを初めとする人材確保の効果的な手段であると認識をしております。  具体的には、それぞれの職業における社会的意義や安全な労働環境を情報発信すること、長時間労働が恒常的な職業において働き方改革を実施し、働きづらいイメージの払拭や若者に選ばれる職場づくりなどに取り組むことが重要です。  長野県は、豊かな自然に囲まれ、通勤時間も比較的短く、物価も安いなど、仕事と趣味や家庭生活を両立するワーク・ライフ・バランスを保つ上で良好な環境にあります。こうした強みとあわせて仕事の魅力などを発信していくことが大切です。  このため、県では、県内のさまざまな企業や団体の若手社員22名から構成するシューカツNAGANO応援隊を結成いたしまして、就職活動を控える学生に対して、隊員が仕事のやりがいや充実した生活環境など自身の体験や思いを伝える取り組みを行っております。また、県と企業が協働で行っているインターンシップについても、学生の皆さんに対し、職場環境や企業等の持つ固有の技術、サービスなどをPRしながら長野県ならではの仕事体験をしていただいております。  今後も、こうした取り組みを働き方改革とともに進め、県内で働くことやさまざまな職業に対するイメージアップを図り、県内へのUIJターンなどによる人材の確保に努めてまいります。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)林業のイメージアップについてのお尋ねでございます。  議員御指摘のとおり、森林にはさまざまな恩恵がある一方で、木材価格の低迷や就労条件等改善すべき課題は多くあります。  こうした中で、一昨年、本県で全国林業後継者大会を開催した際に、本県の林業大学校生から全国に向けて、これからの林業の理想像として、新しい4K、これは英語で言えば4Sにもなるのですが、具体的には、けがをせず、セーフティー、効率的に、スムーズ、格好よく、スマート、稼ぐ、サラリー、こういう社会をつくろうというすばらしい提言がありました。このような思いを持った若者が生き生きと活躍していくことがまさにイメージの転換にもつながることから、スマート林業などの技術革新や就労改善を進めるとともに、本県の林業県への飛躍に向けて、将来を担う人材の育成の確保に努めてまいります。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)介護職のイメージアップに対するお尋ねでございます。  介護職についてはネガティブなイメージがありますが、議員御指摘のように、夢があり、そして社会的意義のある大切な仕事であると考えております。  私も、ことし10月にケアマネジャーや介護福祉士の皆さんと懇談をしました。皆さんからは、介護職は休日をしっかりとることができる。資格手当や夜勤手当を含めれば給与水準は決して低くない。高齢者の笑顔をつくるやりがいのある仕事だという実態をお聞きしました。  こうした介護職の正確な姿を県としてしっかり情報発信し、正しい理解を促進していくことが重要であると考えます。このため、中高生や保護者のための介護施設職員による出前講座の開催や、県内介護施設への職場体験受け入れなどを行ってまいります。  また、高校の進路指導担当教員が介護職への理解を深め、子供たちにその魅力を伝えていけるよう、教育委員会ともしっかりと連携をして取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)建設業のイメージアップ等についてのお尋ねでございます。  建設業につきましては、インフラの建設や維持管理のみならず、災害時には地域を守る重要な役割を担っておりますが、きつい、汚い、危険といった3Kのイメージをいまだ払拭できていないと認識しております。  このため、県としては、地域を支える建設業に対する理解を深め、イメージを高めていただくため、業界などとともに現場見学会や動画による広報、災害時に活躍する建設業のPR等に取り組んでおり、今後さらなる情報発信に努めてまいります。  また、働く人の処遇や労働環境の改善も急務であると考えており、長野県就業促進・働き方改革戦略会議の建設分野会議で、週休2日の確保など多岐にわたる施策の検討を行い、年度内に取りまとめる予定です。  給料がよく、休暇がとれ、希望が持てるという新3Kの建設業を目指して、産学官の連携強化により建設業のイメージアップを初めとした就業促進、働き方改革を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔8番共田武史君登壇〕 ◆8番(共田武史 君)人口減少社会といっても、日本全体では2015年に国勢調査で確認されてからまだ3年しかたっておりません。予測し切れない課題が出てくると思いますし、今までと同じ方法では対処し切れないかもしれません。人手不足もその一つで、今議会でも、さまざまな答弁の中で人材の確保や育成との答弁がありましたが、マクロな視点からではパイの奪い合いに見えてしまいます。  先日、国内大手の家電メーカーがそろってアップルやダイソンなどを見習い、性能よりデザインを重視するようシフトしている記事を拝見いたしました。職業のイメージを向上し、さらには長野県のライフスタイルをデザインするような考えも必要だと思います。イメージ向上に引き続き御努力をお願いいたします。  続きまして、県内のプロスポーツチームへの支援と連携についてです。  ことし11月、松本山雅がJ2リーグで優勝し、来年J1への昇格を決めました。最終日のぎりぎりまで昇格も優勝も決まらず、多くのファンがドキドキさせられたと思います。しかし、チームは優勝しました。チーム、選手だけでなく、スポンサーやサポーター、ホームタウンである市町村が一体となって実現した快挙だと思います。私も一人のサポーターとしてうれしい限りですが、今でも県内の多くのファンやサポーターが喜び合い、経済効果も生まれております。  昇格や優勝だけでなく、県内の幾つかの市町村でもホームタウン化が進み、松本山雅自体の評価に対しても盛り上がりを見せています。長野県では、スポーツによる元気な信州づくり包括連携協定をプロスポーツチームと締結しています。盛り上がりを見せている今だからこそ、プロスポーツチームへさらなる支援と連携ができると思いますが、いかがでしょうか。教育長にお伺いいたします。  先日、松本山雅の関係者の方と持ち株会の方と意見交換をいたしました。松本山雅がJ1に昇格しましたが、来年以降J1に残留し続けるには資金面や施設面などさまざまな課題をクリアしないと厳しいようです。  前回昇格した2014年には、松本市、塩尻市、安曇野市、山形村の3市1村は、県に松本山雅FCがホームスタジアムとして利用しているアルウィンの施設整備の要望を出しています。J2のチームとしてはホームグラウンドのサンプロアルウィンは十分だったかもしれませんが、J1のチームでは現在のサンプロアルウィンでは課題があるように思われますが、どのように考えているのでしょうか。また、その対応策について建設部長にお伺いいたします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)プロスポーツチームへの支援と連携についてのお尋ねでございます。  このたびの松本山雅のJ2初優勝とJ1昇格は県民に大きな喜びと感動をもたらしてくれました。スポーツの持つ力の大きさを改めて実感したところでございます。  現在、9年後の国体に向けまして、「する」、「みる」、「ささえる」などさまざまな形でスポーツに参加できる文化の創造に取り組んでいるところでございます。このうち、「みる」スポーツの普及には、県内四つのプロスポーツチームの活躍は大きな推進力となるものだと考えております。  今後、市町村とも連携し、それぞれの広報媒体等を活用してホームゲーム情報などを広く発信するなど、より多くの県民が楽しみを持って試合会場に足を運び、応援する環境づくりをさらに進めてまいりたいと考えております。  また、各チームには、平成24年に包括連携協定を締結して以来、150を超える県の事業で広報、啓発等に協力していただきました。今後、国体に向けた競技力向上など幅広い分野で連携を強化し、スポーツによる元気な心身づくりに取り組んでまいりたいというふうに考えております。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)サンプロアルウィンについてのお尋ねでございます。  サンプロアルウィンにつきましては、昨年度までの3年間に、トイレの増設、改善、大型映像装置の更新、さらには芝の全面張りかえや音響設備のリニューアルなど、Jリーグのみならず小学生から社会人に至るまでの幅広い利用に対して競技環境の向上を図ってきておるところでございます。  ここをホームグラウンドとする松本山雅FCがJ2リーグで優勝し、来季からJ1リーグに昇格することに決まりましたが、現時点でこれを受けて具体的な要望はいただいておりません。施設のさらなる機能向上については、今後必要に応じて検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔8番共田武史君登壇〕 ◆8番(共田武史 君)松本山雅がJ1だった2015年、県内の経済効果は約54億円を超えたと分析されています。施設整備について要望がないようですが、過去に屋根の補修等の要望が出ていたと思います。  このまま松本山雅がJ1に残留を続けるには、現在の松本山雅の運営資金の倍は最低必要だというお話でした。サンプロアルウィンの収容人数が少ないため、観客をこれ以上ふやすのにも限界があり、新しいスタジアムを望む声もありますが、現状、雨の日に観客が少ないようで、屋根の補修等でも観客の動員数は変わってくるようです。ぜひとも、県内の経済効果のためにも、そしてスポーツ文化のためにも、せっかくの長野県のJ1チームに対しての御支援をいただければと思います。  以上で質問を終わります。 ○副議長(小林東一郎 君)次に、今井正子議員。       〔39番今井正子君登壇〕 ◆39番(今井正子 君)脱原発、護憲、平和主義の今井正子でございます。  子供の命を大切にするしあわせ信州の観点から、全国初の出産分娩費の無償化の提案と里親制度の推進についてお尋ねします。  10年前、この11月議会で県立病院の分娩費を一気に6万5,000円も上げる条例が出され、もちろん私は反対しましたが、賛成多数で11万5,000円から18万円と全国断トツ1位になりました。少子化を危惧し、出生率を上げようとして努力している県です。出産が全て経済に左右されるわけではありませんが、影響がないとは言えません。  県では、子供の出生数は15年前から2万人を切り、10年前は1万8,000人超でした。現在は1万5,000人超ですが、その裏に6,500人超、4,500人超、そして現在3,000人前後と、毎年出生数の3割から2割に当たる命の中絶があります。生を受けた大切な命、もったいない命であります。その理由をどのように捉え、県はどのような対策をしてきたのでしょうか。健康福祉部長に伺います。  予期せぬ妊娠が中絶につながってしまうケースも多いと思いますが、県の相談体制はどうか、また、医療機関等との連携はどうか、県民文化部長に伺います。
     中絶は母体も痛みます。また費用もかかります。高校時代の中絶により一生子供ができなかった生徒や、心に傷を負い、鬱病になったり、アル中で死んでしまった生徒もいます。中絶は、経済的理由だけではなくさまざまな理由があると思いますが、大きな負担となる出産分娩費を、命を大切にする県として無償にできないでしょうか。健康福祉部長にお聞きいたします。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)順次お答え申し上げます。  人工妊娠中絶が行われる主な理由は、予期せぬ妊娠や経済的余裕がないことなどであると認識しております。予期せぬ妊娠を防止するため、思春期ピアカウンセラーによる性に関する悩み相談、「妊娠~子育てSOS信州」電話相談において、助産師が妊娠、出産、子育てに関する相談に応じてきております。また、思春期の若者に妊娠、出産に関する知識を教えるライフデザインセミナーを開催することによって対応をしてきております。  次に、出産分娩費の無償化についてでございます。  出産費用につきましては、健康保険や国民健康保険などの被保険者またはその扶養者が出産した際、42万円の出産育児一時金が支給されており、このほか、出産時に祝い金を送る市町村もございます。  現在、県内の産科医療機関における平均的な出産費用は約50万6,000円であり、出産育児一時金でかなりの部分が賄われております。こうした中、さらに県が負担し、出産費用を無償化することは難しいものと考えております。  以上でございます。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)予期せぬ妊娠に係る相談体制、医療機関等との連携についての御質問でございます。  県では、平成29年2月に長野県新生児里親委託のあり方等検討協議会を設置し、予期せぬ妊娠に悩む女性の妊娠期から出産、子育て期までの支援のあり方等について協議を行い、平成30年3月に取り組み方針を策定いたしました。現在、この取り組み方針に沿って24時間体制の専門相談窓口の設置や、医療機関、母子保健機関、児童相談所等が連携して支援する仕組みについて検討しております。信州産婦人科連合会や県助産師会等医療分野の皆様からも御意見を伺いながら、本年度中に支援体制を構築できるよう取り組んでまいります。       〔39番今井正子君登壇〕 ◆39番(今井正子 君)補助金の40万円は病院の支払いに終わってしまいます。正規な手続の出産であれば後に国から補助金がおります。そして、つわり等に苦しみながらも9カ月間おなかで育て、出産後33日まで仕事復帰の体には戻れません。そのためのお金がどのくらいかかるのか、もう少ししっかりと数を数えていったほうがいいというふうに思います。この数があれば、第2期高校再編なども必要なくなりますし、少子化のための小学校の統合などもなくなるのではないかと思います。  社会には、4組に1組と言われる不妊に悩んでいる夫婦もいます。また、命が無事に生まれても自宅で養育を受けられない子供たちもいます。自宅にいても結愛ちゃんのように命を落としてしまうかわいそうな事例もあります。  1、その子供たちの数と年代、そして乳児院、児童養護施設、里親、ファミリーホームの数と委託されている子供の数。  2、国は今、「家庭という居場所を求める子どもと、子どものために何かをしたいと望むあなたへ 「里親」いま、家庭の新しいカタチ」と呼びかけ、委託率を子供の年齢に応じ50から75%に引き上げる目標を掲げました。県の目標、計画、現時点での達成率を県民文化部長に伺います。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)自宅で養育を受けられない子供の数等についてでございます。  平成29年度末時点で、614人の子供たちが自宅で養育を受けられずに乳児院、児童養護施設、里親家庭、ファミリーホームで養育を受けています。そのうち、小学生以下の子供たちが占める割合は約54%、330人という状況でございます。  また、施設、里親、ファミリーホームの数及びこれらに委託されている子供の数については、平成29年度末時点で、乳児院は4施設で46人、児童養護施設は14施設で478人が入所、里親は191世帯で66人、ファミリーホームは5カ所で24人がそれぞれ委託されております。  次に、里親等委託率の目標、計画等についてでございます。  平成27年度を初年度とする長野県家庭的養護推進計画では、計画の最終年度である平成41年度末に里親等委託率を34.6%とする目標を設定して取り組みを進めておりますが、平成29年度末の実績は14.7%というふうになっております。  平成28年の児童福祉法の改正を受け、児童福祉施設、里親会、当事者である子供たち等から十分に御意見を伺いながら、里親等委託率を含め、来年度中に現行計画を全面的に見直すこととしており、現在検討を進めております。       〔39番今井正子君登壇〕 ◆39番(今井正子 君)研修を受け、登録された里親数が約200、それに対し委託率は50ですと、約4分の3の里親たちが待機しています。  1、児童相談所でなかなか里親に委託できない理由は何か。  2、マッチング促進はどのようにして行っているのか。  3、推進に向けて認定基準や研修をどのように受けやすくするのか。  4、必要ならばプラス研修というものもありますがどうでしょう。  5、里親推進とあわせて、現在建てかえも始まっている幾つかの施設の役割を県はどのようにお考えでしょうか。  6、今、東信地区は、東御市は佐久児童相談所、上田市と小県郡は北信の中央児童相談所と管轄が分かれています。乳児院は上田にあり、佐久の子供も委託しますが、そこは北信の児童相談所管轄となります。しかし、児童、子供たちの学校は東信教育事務所管轄となり複雑であります。佐久児童相談所の範囲を広げて東信地区としてまとめられるよう検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  最後に、ますます相談がふえる心理士等専門職で構成される児童相談所の職員をふやし、教員や保健師また看護師等も含めてはどうか。  以上7点、県民文化部長にお尋ねいたします。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)順次お答え申し上げます。  まず、里親委託できない理由、マッチングの促進等についてでございます。  児童相談所が里親委託を検討したが実現に至らなかった理由は、里親に委託することについて最終的に実親の承諾が得られなかったこと、あるいは子供の状態や行動特性等により専門的なケアや治療が必要であったことなどによるものでございます。  里親委託は、その後の子供の人生を託すことになりますので、慎重なマッチングプロセスが求められます。子供のニーズに適合する里親家庭を丁寧に探し、里親委託が最適な支援となるよう適切なマッチングを実施してまいります。  次に、研修の見直し等についてでございます。  今般の児童福祉法の改正により、養子縁組里親についても研修が義務づけられ、修了すべき科目が規定されたことから、現在、県では、里親を希望される方々に、求められる役割や養育上の配慮等を十分に理解していただけるよう里親研修の充実を検討しております。  研修カリキュラムの見直しに当たっては、社会的養護の基礎的知識として、養育里親及び養子縁組里親に共通する内容を一体的に行う一方、それぞれ担う役割や養育する上での固有の問題、内容については別の科目を設けるなど、里親の資質の向上が図られるよう十分に留意したいというふうに考えております。  続きまして、児童養護施設等の役割についてでございます。  児童福祉法に規定された家庭養育優先原則を進める中で、児童養護施設や乳児院に求められるのは、一つには、早期の家庭復帰や里親委託等に向けた専門的支援や自立のための支援、そして、小規模かつ地域分散化の推進による施設養育の高機能化、二つには、一時保護委託の受け入れや里親支援機能、さらに市町村と連携した在宅支援等の強化による多機能化、機能転換でございます。各施設において高機能化や多機能化を進めることにより、地域の社会的養育を支える専門的な拠点となることにつながるよう県として支援してまいります。  次に、東信地域における児童相談所の管轄区域等についてでございます。  佐久児童相談所については、昭和28年に南佐久社会福祉協議会などの地元団体により設置、運営されていた出張児童相談所が、昭和36年に県に移管され、佐久児童相談所として開設しましたが、開設当初から、上田市・小県郡は既に設置されていた中央児童相談所の管轄でございました。  児童福祉の分野では、市町村が果たす役割の重要性が増しており、佐久児童相談所の管轄に関してはただいま申し上げました経過もあること、そしてまた、半世紀以上にわたる現在の体制の中で積み重ねられた市町村はもとより児童福祉施設、医療、教育等に係る関係機関との緊密なネットワークが構築、機能していることを踏まえますと、管轄区域について変更を検討する段階にはないというふうに考えております。  児童相談所の職員体制の充実等についてでございます。  児童相談所の児童福祉司については、平成29年度から30年度にかけて、合わせて9名、2割の増員を実施したほか、児童相談所広域支援センターを設置し、警察官や非常勤の弁護士を配置するなど体制整備に取り組んでまいりました。今後も、児童福祉司を初めとした専門職員の増員等により児童相談所の体制強化を図ってまいります。  児童相談所への専門職の配置につきましては、本年7月に国が取りまとめた児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策において里親養育支援の充実等のための児童相談所の体制強化が示されたことも踏まえ、現時点で里親養育支援にかかわっている外部の教育及び保健、医療等の関係者との推進体制をまずは強化していくことにより、子供たちが里親とともに居住している地域で安心した生活を送ることができるように取り組んでおります。  以上でございます。       〔39番今井正子君登壇〕 ◆39番(今井正子 君)管轄区については、上田地区に国のモデルとして企業による里親研修認定が行われました。その一部が佐久市にも入り、佐久市は県と両方に登録をしている中で混乱している状態です。もう一度その点をよく考えていただきたいというふうに思います。  次に、教育について3項目質問いたします。  一つ目は、特別支援学校、県立高校の教育環境予算について、猛暑により国が乗り出した小中校クーラーに対し、全ての県立学校普通教室にと頑張っておられる教育長に、現在の設置状況と設置順位、特別支援学校を優先に、そしてまた、先行してPTAで設置した高校のランニングコストは持つということでしたが、PTAで設置できなかった気温の高い高校への新規設置をまず優先していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  それから、これからの極寒期の暖房、灯油の確保、洋式トイレの設置推進、また暖房便座への転換と電気代の確保、学校バスの更新等について轟教育次長に伺います。  廊下はひとときなので、まず教室。しかも、余り朝早くから暖めておくと午後灯油がなくなるかもしれない等々、教育現場では寒い中我慢をしている、また遠慮をしている現状もあると思います。ずっと同じ要望をしていても、ここ10年間灯油の量は変わっていません。  また、毎日送迎するバスに対しても、更新基準は登録から10年、走行距離10万キロとなっていますが、小諸養護学校のバスは、一番古いのは数年前に更新し、残り2台は他の学校からの所管がえであり、登録から10年を超え、既に20万キロと18万キロを超えていました。故障も多く、3月に整備して乗り出しましたが、また7月に何日か続けてとまってしまい、最後はレンタカーで対応。担当課も動いてくれ、購入も考えているようですが、残る1台も20数万キロであり、他校にもまだ17年、18年の登録車があります。チルドレンファーストで特別な配慮をいただけないでしょうか。  最後に、例年の財政課マターでは予算化できにくい老朽校舎の建てかえについて知事に伺います。2期、3期と学びを政策のキーワードにされた知事に御答弁を求めます。  県のファシリティマネジメント計画に基づいて21年3月までに策定すると歴代の次長は答えていますが、先行して高校の調査は終わっているので、来年度予算編成に当たり、30年代築の校舎だけでも順番を示してほしいと思いますが、いかがでしょうか。高校には小中のように国の補助はなく、ほとんどが一般財源です。教育現場のこういった現状を踏まえた上で、学校建築予算の特別編成をしていただきたいと思いますが、知事の英断を伺います。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)空調設備の設置状況と整備計画についてのお尋ねでございます。  ことし9月1日現在の県立学校の普通教室への空調設備の設置率は、高校では19.1%、特別支援学校では43.5%という状況でございます。  計画ですが、2020年夏までに整備する県立学校空調設備緊急整備事業では、空調設備の設置に当たって、体温調整が難しい等配慮すべき子供がいる特別支援学校をまず優先することとしまして、特別支援学校におきましては2019年の夏までには全ての普通教室に設置が完了する予定でございます。  高校におきましては、学校の規模にかかわらず、特別支援学校の分教室がある学校、室温が高い学校を優先し、2019年の夏までに25校、2020年の夏までに57校を2年間で順次設置する計画としているところでございます。       〔教育次長轟寛逸君登壇〕 ◎教育次長(轟寛逸 君)3点御質問をいただきました。  まず、県立学校の暖房についてでございます。  灯油の利用につきましては、学校施設の状況や天候などに配慮しながら、厳冬期や特に寒い日には追加するなど、各学校でその都度適切に対応することとしております。そのため、灯油代について必要な予算の確保に努めてまいります。  次に、トイレの整備に関してでございます。  学校のトイレの整備は、現在の生活様式を踏まえながら行ってまいりたいと考えております。そのため、洋式化を進めているところでございますけれども、県立学校のことし5月1日現在の洋式化率は、高校においては30.1%、特別支援学校におきましては76.3%でございまして、今後80%を目指して計画的に整備していく考え方でございます。  また、トイレの洋式化に当たりましては、児童生徒にとって快適で使いやすいトイレとなるよう整備を進めてまいりたいと考えております。  最後に、スクールバスの更新についてでございます。  現在、特別支援学校13校に36台のスクールバスを配備しておりまして、児童生徒の通学を保障する上で重要な役割を果たしております。  スクールバスの更新は、通学に支障が出ないよう、学校からの要望等を十分踏まえた上で、年式が古く走行距離が長いものから順次計画的に行ってまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)県立学校の教育環境整備予算について御質問いただきました。  本年度末に完了する予定の県立学校の施設点検の結果、緊急に修繕が必要な施設については速やかに修繕を進めていきたいと考えております。  また、大規模改修につきましては、県のファシリティマネジメント基本計画に基づきます県有施設の中長期修繕・改修計画を2020年度末までに策定予定であり、ほぼ同時期に策定する予定の高校改革に基づく再編整備計画も踏まえ、県立学校における教育環境の整備に計画的に取り組んでまいります。  現在、長野県として学びの県づくりを進めているわけであります。県全体の予算も考慮しながら県立学校に必要な予算をできる限り尊重していきたいと考えております。  以上です。       〔39番今井正子君登壇〕 ◆39番(今井正子 君)二つ目に、夏休み延長について三輪教育次長に伺います。  公立学校の夏休み延長は、8月7日、文科省の通達によって始まったものでした。朝部活の原則禁止や、10年かけて国が行ってきた完全週5日制、子供たちや先生方が望んだことではありませんでした。むしろ、私は、土曜日を月1でも2でも戻したくて県議会に出てきたものでしたが、国が言うからやるのではなくて、行事を大切にするなど信州らしい教育を大切にすべきと思いますが、どういうふうにお思いでしょうか。  また、ゆとり教育の名前のもとに土曜日を休みにし、教科内容を削減した。そして、土曜日半日を戻さずに学習内容を復活し、そして英語と道徳を教科化してきたので、運動会や音楽会等の行事にしわ寄せがきています。その上、夏休みが延長されたのではますます学習時間が足りなくなり、行事ができなくなります。行事の体験により、自律力、自己肯定力、そして生きる力をつけてきた信州の教育はどうなるのでしょうか。  三つ目、夏休みの延長、週5日制により休みがふえることで学校に行きづらくなり、不登校が多くなる一因にはならないのか、3点伺います。  三つ目に、一向に減らない不登校、低年齢化するいじめ、暴力行為、そして虐待、また10代の自殺全国1位などのかつての信州教育では考えられない現状が続きます。その都度、見識の高い人たちで一つ一つの審議会や検討会、プロジェクトをつくっている。それでも現場に届かない。子供の心に届かない。どこに原因があるのだろうか。考えても考えてもわからない。そこで、発想を変え、原点に戻って、先生が一人一人の生徒と向き合えることができるように考えていく。ことしはたくさんの教員を入れていただきました。教員のこの増大は大英断でありまして、本年も継続を望みますが…… ○副議長(小林東一郎 君)今井正子議員に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたので、発言を終了願います。       〔教育次長三輪晋一君登壇〕 ◎教育次長(三輪晋一 君)3点御質問をいただきました。  まず、長野県らしい教育改革についてでございますが、本県の学校では、これまで一貫して子供の主体性を育み、社会の変化に対応できる生きる力を育むことを目指してきています。夏休みのあり方も、部活のあり方も、全てこの目的のために、学校関係者、さらに専門家等を交えて本県の子供を中心に据えた検討をし、方向づけしてきたものです。  子供を取り巻く環境が大きく変化していることを踏まえ、今後も必要なことは国に要望しつつ、本県らしい教育に取り組んでまいりたいと考えています。  次に、生きる力を育むこれからの教育についてですが、学校において生きる力を育むための根幹をなすのは日々の授業です。その上で、スポーツや芸術等に親しみ、集団で取り組む楽しさを味わうために運動会や音楽会などの学校行事が幅広く行われていることが本県の特徴と考えています。  これら学校行事は、効率化を図りつつ、より効果的になるよう工夫されており、これからも社会の変化に合わせて子供の育ちを最優先するということは変わることはないと認識しています。  最後に、休みがふえることと不登校との関係ですが、不登校になる背景は、学校要因や家庭に係る要因、個人的な要因、そして多くはそれらが複合的に絡み合った要因となっており、休みがふえることと不登校児童生徒数の増加との因果関係は考えられません。  以上です。 ○副議長(小林東一郎 君)今井正子議員に申し上げます。最後の質問は申し合わせの時間が経過してからの発言ですので、これをもって質問を終了します。  この際、15分間休憩いたします。         午後2時44分休憩          ──────────────────
            午後3時開議 ○議長(鈴木清 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて発言を許します。  小林伸陽議員。       〔37番小林伸陽君登壇〕 ◆37番(小林伸陽 君)それでは、通告したとおり質問をさせていただきます。  国は、PKOの日報問題や森友学園の8億円の割引問題、加計学園の獣医学部問題など、公文書の管理のあり方のずさんさが国民の大きな批判にさらされる中、知事は9月議会の議案説明で、公文書管理条例の制定を目指すことを表明されました。  公文書管理と公開は一体のものであり、県の情報公開条例には、「地方自治の本旨にのっとり、県民の知る権利を尊重し、公文書の公開を請求する権利を明らかにするとともに、情報公開の総合的な推進に関し必要な事項を定めることにより、県民の諸活動を県民に説明する責任が全うされるようにし、もって県政に対する県民の理解と信頼を深め、県民参加による公正で開かれた県政の一層の推進に資することを目的とする。」と定められています。  政策の決定過程、検証の過程、成果の検証ができることによって極めて重要な財産です。しかし、文書作成者と管理者が同一であれば、文書の隠蔽や改ざん、恣意的な非開示などが生まれることはこれまでの経験から明らかです。管理は、専門の知識を有した職員を配置し、県民からの情報公開請求に積極的に応えられる条例にすべきと考えますが、制定を目指す条例の構想についてどのように考えているか、知事にお尋ねします。  次に、県の公文書管理はどのようになっているか、電子データなどの資料はどのように管理されているかお尋ねします。  私は県の公文書が保管されている県立歴史館にお伺いし、現状をお聞きしました。ほこりやカビ対策や湿度、気圧など厳格な管理がされておりましたが、予算不足、人員不足、管理場所の狭隘を指摘されました。現状は、教育委員会の文書のみ。県政全体の文書は県の地下室に保存されていますが、職員は配置されず、通常は無人。この事態を今後どのように改善しようとしているのか、総務部長にお尋ねします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)公文書管理条例を検討していくわけですが、どのような条例を目指すのかという基本的な考え方についての御質問でありました。  公文書管理条例(仮称)でございますが、公文書の適正管理に関する社会的要請の高まりを踏まえて、その信頼性を堅持するため、公文書の作成や管理を一層適正なものとしていくためのルールや体制について基本的事項を定めるものというふうに考えております。  条例制定に向けて、公文書管理のあり方を幅広く見直し、公文書の集中管理や電子化の推進を初め、関係する業務全般の改善を図る中で、公文書管理の制度を情報公開にも資するものとすることはもとより、オフィス環境の改善、情報の有効活用、意思決定の合理化など広く県としてのしごと改革にもつながるものとしていくことが重要だというふうに考えております。  以上です。       〔総務部長関昇一郎君登壇〕 ◎総務部長(関昇一郎 君)公文書の管理状況と今後の見通しについてのお尋ねであります。  県の公文書の管理につきましては、長野県文書規程が定めるルールに基づき、作成、分類、保存、廃棄等を行っているところであります。  公文書は、その施行等により完結した翌年度まで作成した所属で保管をした後、常用として手元に置くものを除き、原則として文書主管課に引き継ぎ、地下書庫で保存をしております。公文書の保存期間が満了した際は、文書主管課と公文書を作成した所属との協議を経て不用決定をし、公文書から除外をしております。不用決定した文書のうち保存期間が長期の重要な公文書であるものにつきましては、教育委員会と協議を行い、歴史的価値のある資料として選別されたものは県立歴史館に移管し、それ以外については廃棄処理をしているところであります。現在、条例制定に向けて必要な調査や検討を進めており、本年度中に見直しの方向性を取りまとめる予定であります。  先ほど知事から答弁を申し上げたとおり、そうした観点に立ちながら、今後公文書管理について必要な見直しを行ってまいりたいと考えております。  以上であります。       〔37番小林伸陽君登壇〕 ◆37番(小林伸陽 君)条例制定に当たっては、県民的な十分な議論をして、すばらしい条例にしていただくことを要望しておきます。  次に、情報公開についてお尋ねします。  大北森林組合の補助金等不正問題について、知事は丁寧にわかりやすい説明を行ってきたという見解を示し続けてきましたが、この問題は、7年もの長期にわたり不正が継続され、16億円余という膨大な補助金が不正に扱われ、横領事件にまで及び、さらに国からの追徴金として3億5,300万円が課せられ、長野県史上類を見ない不祥事となりました。  なぜ7年もの長期にわたって不正が繰り返されてきたのか、また、27年1月に公表されて以来、既に3年11カ月が経過しているのに、新たに中村元専務に賠償請求を求め、訴訟にまで発展する。大北森林組合の損害賠償はいまだに解決の見通しもなく、大北森林組合の補助金返還も33年で返還と言うが、その根拠は全く示されず、依然として揺れ動き、解決のめどが見えません。この事件全体を解明する上で、その動機は最大の課題です。再発防止の観点からも解明は欠くことができません。  残念ながら、これまでの県の対応は、当事者の声は全くことごとく公表せず、県の言い分だけが一方的に公表されてきました。我が党が求める職員の内部告発の文書や、県が当事者から聞き取りした文書、不正を行った動機、法的課題検討委員会や監査委員会の議事録等の資料請求に対して、黒塗りで判読不可能な資料で極めて異常な事態でした。  私どもの独自の調査の中で、職員の訴えは共通しています。本庁からの予算消化の厳しい指導、不正を前提にした予算消化の押しつけ、悲痛な証言がされています。これらの資料や調査の過程で、調査資料などは全く公表されず、開示された情報は県の一方的調査の結果のみ。事件にかかわった職員の証言などは全く黒く塗りつぶされた資料、情報の公開は極めて不十分と言わざるを得ません。  3億5,300万円の追徴金も当初は県が課せられたもので、県が新規職員の採用の抑制などさまざまな改革により捻出するとの方針を突然転換し、個人に損害賠償を請求するなど、異常な対応は県民の理解を得られず、県の目まぐるしい変化に信頼が損なわれてきました。県はこれでも丁寧に説明責任を果たしてきたと言えるでしょうか。林務部長にお尋ねします。  9月県議会の訴えが提起されたその中身は、中村元専務に1億2,948万円余の損害賠償請求をしたが不服との回答があり、訴訟に踏み切りたいとの議案の提案でありましたが、しかし、回答文書も示さず、マスコミなどでも説明不足を指摘、我が党県議団も提案の中身が不明として、私たちは反対せざるを得ませんでした。県議会のチェック機能も問われています。  回答文書は個人情報保護に必要か、改めて県民が了解する丁寧な説明を求めたいと思いますが、林務部長にお尋ねします。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)2点お尋ねいただきました。  まず1点目の大北森林組合補助金不適正受給事案に係る情報公開についてのお尋ねでございます。  情報公開条例においては、請求のあった公文書については、個人情報や公開により事務に著しく支障を及ぼす場合などの非公開情報が記録されている場合を除き、公開することが義務づけられております。  今回の事案に関しては、事案発覚以後、約2,600件もの公開請求が行われておりますが、文書を管理する担当課や現地機関において、この条例の原則公開という基本理念を踏まえて、それぞれについて、その時点時点で、例えば個人に関する情報や事務または事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあるものなど、情報公開制度にのっとり個別に検討し、公開すべきものは公開してきたところでございます。公開の決定について、私としては、全て条例に基づき、そのときの状況を踏まえて決定しているものと考えております。  次に、元専務理事に対する訴えの提起の根拠に関するお尋ねでございます。  元専務理事に対する損害賠償請求につきましては、法的課題検討委員会において、本件について主導的役割を果たしており、森林作業道、これは未施工と適用単価不適合に係るものでございますが、この不適正な申請に関してはその関与が明らかであるため、民法第709条による不法行為による損害賠償が可能であるとされたところでございます。  これを踏まえ、昨年9月、県としての対応方針を定め、関係者相互間においてできる限り求償関係が生じることがないよう対応することを基本とし、請求を進めてまいりました。  請求の内容につきましては、元専務理事の関与が明らかな森林作業道に関し、国と県の時効の対象範囲の相違により補助金返還請求ができない国庫補助金返還相当額約4,600万円と加算金相当額につきましては、県職員と重複する部分について両者の求償関係を残さないようにするため2分の1とした約8,400万円、合計1億2,900万円余の損害賠償請求を行ったところでございます。  平成29年12月19日の損害賠償請求以降、督促、催告を行ってきましたが、本年3月と7月の2回にわたり、代理人弁護士を通じて、支払いには応じられず応訴もやむなしとの書面回答がありました。このままでは元専務からの任意の回収ができないため、地方自治法に基づき議会の御議決をいただいたものでございます。       〔37番小林伸陽君登壇〕 ◆37番(小林伸陽 君)先ほど質問しましたけれども、この回答書が個人保護が必要かどうかということを聞いておりますので、答弁をお願いします。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)情報公開の中身で個人情報の解釈についてのお尋ねということでよろしいでしょうか。  今回請求が行われた事案につきましては、当事者の氏名等は既に公知の事実となっていることから公開とした一方で、当該当事者の意見につきましては、公開することにより当該個人の権利、利益を侵害するおそれ、これは公開することによって当該個人が非難を受けるおそれ等がある個人情報として非公開とすべきと判断したものでございます。       〔37番小林伸陽君登壇〕 ◆37番(小林伸陽 君)9月議会に提出された訴訟の議案は、訴訟の理由である中村元専務が県の求める損害賠償請求に応じられないとの回答を不服として訴訟を行うものとして知事より提案がありましたが、その審査は、林務委員会では、必要不可分な資料として、中村元専務の損害賠償請求に応じられないとの回答書の提出を求めたところ、提出されず、総務委員会では、委員会の資料請求を行いましたが提出されず、改めて公文書公開請求を行いましたが、個人情報保護を理由に多くの黒塗りの資料の提供でした。  訴訟の最大の根拠である中村元専務の請求に応じられないとの回答文書を、公文書公開条例の7条2号の規定に非公開とされたことを知事も了解しているのか、知事にお尋ねします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)損害賠償請求に対する元専務理事側からの回答文書についての情報公開請求に対する対応についての御質問であります。  これについては、担当課で審査、決裁をし、一部公開の決定をしたものでありますが、決定を行った旨の報告は受けているところであります。  以上です。       〔37番小林伸陽君登壇〕 ◆37番(小林伸陽 君)地方自治法第96条1項12号により議会議決を経て訴訟の手続に移行することになるという9月議会の提案説明でしたが、しかし、訴訟の原因は、中村元専務が損害賠償を拒否した、なぜ拒否したのかが争点になる議案であります。にもかかわらず、中村被告の拒否の理由が全く示されない中で審査を求めるというのは異常であり、我が党はこれでは審査ができないと反対をいたしました。  マスコミも、相手側の主張が十分開示されない状況で審査が尽くされたと言えるのか、議会の議決の姿勢も問われていると報じています。また、マスコミの取材で確認できた文書は3通あり、その中身は、前専務は補助金適正化法違反などの罪に問われた長野地裁判決文を引用し、県が組合に不正な補助金申請を始めるきっかけを与え、その後も容認し続けたことが明らかと指摘、県が組織を挙げて不正請求に積極的に関与したとの判決文であることです。  回答文書の中身が事実としたら、問われるのは、中村専務の回答書に明確な反論もせず、その中身を県議会や県民に明らかにせずに回答もせず、公表せず、訴訟に踏み切った県の姿勢ではないか。改めて元専務の回答書の提出と中身の説明を知事に求めます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)小林議員の御意見は御意見として承りますが、議会の御議決をいただいている案件だということは大前提だというふうに思います。  元専務理事への損害賠償の請求の理由については先ほど林務部長からお答えさせていただいたところであります。元専務理事は、本件については主導的役割を果たしており、森林作業道に係る不適正な申請に関してはその関与が明らかであるということから、民法に基づいて1億2,900万円余の損害賠償請求を行わせていただいたところであります。  元専務理事からの回答についての概略を申し上げますと、県が組織を挙げて関与したものであり責任は認められない。訴訟が提起された場合は応訴もやむなしと、そういう回答を受けての対応であります。  以上です。       〔37番小林伸陽君登壇〕 ◆37番(小林伸陽 君)ただいまの知事の答弁は、回答書は個人情報保護の立場から開示できないということでありますが、この回答書を、マスコミの取材では、開示しなかった部分に元専務以外の個人情報が特定されるような情報は記されていないと、情報問題の専門家からの意見を報道しています。  日大大学院の松村教授は、中村専務の個人名を明らかにしており、文書の中身を出さない理由としてこの条例を適用するのは条例の考えにそぐわないと。名城大学の庄村教授は、条例の適用方法としてはおかしいと。権限を持つ公権力による一個人への提訴は慎重な検討が必要だ等の意見が寄せられています。  私たちも中村元専務の代理人の弁護士、安藤弁護士を訪ねて懇談をしました。安藤弁護士からは、回答書は個人情報には当たらない。議会に公表されることは何ら問題ない。公表されなければ議決を求めることはできないはずだ。中身は中村裁判の判決の一部を引用し、降雪期に補助金の対象になる工事や作業が不可能であるのに、林務部から執行未了の予算の消化を割り当てられ、本来補助金の交付が許されない工事や、作業が完了していない事業について補助金を交付する闇繰り越しなどとも呼ばれた違法な手段を使って予算消化を迫ってきたとしたもので、文書の結論は、長野県が組織を挙げて補助金の不正請求に積極的に関与してきたとして損害賠償には応じられないとの回答書との見解が示されました。  こうした文書であれば、個人情報保護の理由で開示しないということは到底考えられません。東大法科を出、法に詳しい知事として、改めてこのことがどの分野で個人情報保護に当たるのか、明確な答弁をいただきたいと思います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)法律に詳しいということで尊重していただきまして、大変ありがとうございます。  この個人情報の解釈について先ほど林務部長からも少しお答えさせていただきましたけれども、当事者の氏名等については既に公知の事実という形になっております。そういう意味で公開とした一方で、当事者の御意見、これについては、公開することにより当該個人の権利、利益を侵害するおそれがあるものというふうに考えて個人情報としての非公開という判断が行われたところであります。  情報公開条例におきましては、個人に関する情報、個人の内心、身体、身分、地位、その他個人に関連する情報全般が含まれるというふうに解されておりまして、具体的な御意見、あるいは当該意見が読み取れるような部分については非公開事由に該当し得るものというふうに考えております。  情報公開の決定の際に、これは定例文としてお伝えをしておりますけれども、この情報公開の是非については、情報公開制度自体は審査請求の制度もあるわけでございます。今、議場でのやりとりということになっているわけでありますけれども、この情報公開審査会における審査という道もあるわけであります。  大北森林組合の問題とこの情報公開の是非の問題というのは少し問題の所在が違うわけであります。我々は、情報公開については、先ほど林務部長から御答弁したように適正な運用に努めているわけでありますけれども、制度全般の中でこの審査請求という制度もあるわけでありますので、そういうところで御議論をいただくということも場合によっては必要なのではないかというふうに考えております。  以上です。       〔37番小林伸陽君登壇〕 ◆37番(小林伸陽 君)私は知事に一般論として聞いているわけではありません。知事は回答文書を当然読まれていると思います。その中で、マスコミの報道や中村元専務の代理人弁護士の発言などを見れば、この回答文書は個人情報保護の規定には全く当たらないと。これまでの県の大北森林組合に対するさまざまな問題の指摘をしていることであって、個人の情報が記載されているものでは全くないことは明らかであります。にもかかわらず、個人情報ということを知事がこの文書を読まれた上で判断しているとしたら、どこが個人情報なのかを明確にお知らせをいただきたいと思います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)小林議員も情報公開についていろいろ勉強していただいているところでありますので今さら私から申し上げるまでもないと思いますけれども、情報公開条例上は、実施機関、個人に関する情報については最大限配慮すると、これは、情報公開をしっかりするということとあわせて、個人情報についてはやはり最大限配慮しながら対応するということが原則であります。  そういう意味では、先ほども申し上げましたけれども、一度個人情報を出してしまったらもう取り返しがつかないわけであります。そういう意味で、この情報公開の制度として、審査請求制度まで含めて県の制度として確立しているところであります。  私どもの担当課においては、先ほど申し上げたとおりの判断をさせていただいているわけでありますし、先ほどから御説明申し上げているように、私もそうした個人情報に当たり得るものだというふうに思っております。そこについて争いがある、考え方が違うことがあれば、そこは審査請求という形をとり、この審査会の明確な判断をいただくということも一つの方法ではないかというふうに私は考えております。  以上です。       〔37番小林伸陽君登壇〕 ◆37番(小林伸陽 君)極めて残念であります。本来、情報公開どころか議会に説明責任としての文書であります。これが公開されないことを当たり前だと、そして、もしそれが不服だったら不服審査をしなさいと、この知事の答弁は大変残念でなりません。  最後に、訴えの議案は既に9月の議会で可決されましたが、訴訟の手続はどのようになっているのか、改めて知事にお尋ねします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)先ほども林務部長から御答弁申し上げたように、かなり多くの件数の情報公開請求に対しまして一件一件誠実に対応させてきていただいております。そういう中で判断に争いがあるというところがあれば、そこは制度的にこういうものがあるということでお話をさせていただいておりますので、ぜひ御理解いただければというふうに思います。  訴訟手続についての御質問であります。  10月17日に県議会の御議決をいただき、翌週の10月25日に訴訟代理人との委任契約を締結いたしております。この委任契約に基づきまして、代理人と訴えの提起に係る準備を進めてきているところであります。  対象となる案件が多く、事案が複雑でありますことから、原告として裁判所に提出する証拠書類の整備等に時間を要しておりますが、できる限り速やかに準備を進めて、整い次第、訴えの提起を行ってまいりたいと考えております。  以上です。 ○議長(鈴木清 君)以上で行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑は終局いたしました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △知事提出議案委員会付託 ○議長(鈴木清 君)次に、知事提出議案をそれぞれ所管の委員会に付託いたします。  各委員会におかれては、慎重審議の上、速やかに議長の手元まで審査報告書を提出願います。付託一覧表は後刻お手元に配付いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △請願・陳情提出報告、委員会付託 ○議長(鈴木清 君)次に、去る9月定例会後、県議会に対して請願及び陳情の提出がありましたので、報告いたします。       〔職員朗読、議案等の部「4 請願・陳情文書表」参照〕
    ○議長(鈴木清 君)以上であります。  ただいま報告いたしました請願及び陳情を、それぞれ関係の委員会に付託いたします。  各委員会におかれては、慎重審議の上、速やかに議長の手元まで審査報告書を提出願います。請願・陳情文書表は後刻お手元に配付いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △陳情取り下げの件 ○議長(鈴木清 君)次に、お手元に配付いたしましたとおり、陳情の取下願がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。  ただいま報告いたしました陳情取り下げの件を本日の日程に追加いたします。  本件を一括して議題といたします。  お諮りいたします。本件については、それぞれ願い出のとおり取り下げを許可するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木清 君)御異議なしと認めます。よって、本件はそれぞれ願い出のとおり取り下げを許可することに決定いたしました。       〔議案等の部「5 陳情取下願」参照〕          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案の報告 ○議長(鈴木清 君)次に、議員から議案の提出がありましたので、報告いたします。       〔職員朗読〕 議第1号         スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカー         の配置に関する一層の支援を求める意見書案提出書                                平成30年12月6日      長野県議会議長 鈴 木   清 様            提 出 者              本 郷 一 彦  下 沢 順一郎            賛 成 者              村 上   淳  古 田 芙 士  萩 原   清              望 月 雄 内  村 石 正 郎  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  風 間 辰 一              西 沢 正 隆  垣 内 基 良  清 沢 英 男              宮 本 衡 司  小 池   清  丸 山 栄 一              今 井   敦  髙 橋 岑 俊  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  浜   章 吉              共 田 武 史  高 橋   宏  竹 内 久 幸              小 島 康 晴  山 岸 喜 昭  荒 井 武 志              堀 場 秀 孝  依 田 明 善  石 和   大              埋 橋 茂 人  今 井 愛 郎  寺 沢 功 希              花 岡 賢 一  宮 澤 敏 文  諏 訪 光 昭              小 池 久 長  清 水 純 子  中 川 宏 昌              小 川 修 一  小 山 仁 志  小 林 伸 陽              高 村 京 子  和 田 明 子  備 前 光 正              両 角 友 成  藤 岡 義 英  山 口 典 久              髙 島 陽 子  百 瀬 智 之  今 井 正 子              吉 川 彰 一  金 沢 敦 志  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第2号         建築物の免震装置等に係る不正事案の早期解決及び再発         防止を求める意見書案提出書                                平成30年12月6日      長野県議会議長 鈴 木   清 様            提 出 者              本 郷 一 彦            賛 成 者              下 沢 順一郎  古 田 芙 士  萩 原   清              望 月 雄 内  村 石 正 郎  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  風 間 辰 一              西 沢 正 隆  垣 内 基 良  清 沢 英 男              宮 本 衡 司  小 池   清  丸 山 栄 一              今 井   敦  髙 橋 岑 俊  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  浜   章 吉              共 田 武 史  高 橋   宏  竹 内 久 幸              小 島 康 晴  山 岸 喜 昭  荒 井 武 志              堀 場 秀 孝  依 田 明 善  石 和   大              埋 橋 茂 人  今 井 愛 郎  寺 沢 功 希              花 岡 賢 一  宮 澤 敏 文  村 上   淳              諏 訪 光 昭  小 池 久 長  清 水 純 子              中 川 宏 昌  小 川 修 一  小 山 仁 志              小 林 伸 陽  高 村 京 子  和 田 明 子              備 前 光 正  藤 岡 義 英  山 口 典 久              両 角 友 成  髙 島 陽 子  百 瀬 智 之              今 井 正 子  吉 川 彰 一  金 沢 敦 志  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第3号         TPP11及び日EU・EPAの発効並びにTAGの交渉         に向け万全の対策を求める意見書案提出書                                平成30年12月6日      長野県議会議長 鈴 木   清 様            提 出 者              本 郷 一 彦            賛 成 者              下 沢 順一郎  古 田 芙 士  萩 原   清              望 月 雄 内  村 石 正 郎  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  風 間 辰 一              西 沢 正 隆  垣 内 基 良  清 沢 英 男              宮 本 衡 司  小 池   清  丸 山 栄 一              今 井   敦  髙 橋 岑 俊  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  浜   章 吉              共 田 武 史  高 橋   宏  竹 内 久 幸              小 島 康 晴  山 岸 喜 昭  荒 井 武 志              堀 場 秀 孝  依 田 明 善  石 和   大              埋 橋 茂 人  今 井 愛 郎  寺 沢 功 希              花 岡 賢 一  宮 澤 敏 文  村 上   淳              諏 訪 光 昭  小 池 久 長  清 水 純 子              中 川 宏 昌  小 川 修 一  小 山 仁 志              髙 島 陽 子  百 瀬 智 之  今 井 正 子              吉 川 彰 一  金 沢 敦 志  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第4号         持続可能なプラスチック資源循環に向けた対策の強化を
            求める意見書案提出書                                平成30年12月6日      長野県議会議長 鈴 木   清 様            提 出 者              下 沢 順一郎            賛 成 者              本 郷 一 彦  古 田 芙 士  萩 原   清              望 月 雄 内  村 石 正 郎  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  風 間 辰 一              西 沢 正 隆  垣 内 基 良  清 沢 英 男              宮 本 衡 司  小 池   清  丸 山 栄 一              今 井   敦  髙 橋 岑 俊  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  浜   章 吉              共 田 武 史  高 橋   宏  竹 内 久 幸              小 島 康 晴  山 岸 喜 昭  荒 井 武 志              堀 場 秀 孝  依 田 明 善  石 和   大              埋 橋 茂 人  今 井 愛 郎  寺 沢 功 希              花 岡 賢 一  宮 澤 敏 文  村 上   淳              諏 訪 光 昭  小 池 久 長  清 水 純 子              中 川 宏 昌  小 川 修 一  小 山 仁 志              小 林 伸 陽  高 村 京 子  和 田 明 子              備 前 光 正  藤 岡 義 英  両 角 友 成              山 口 典 久  髙 島 陽 子  百 瀬 智 之              今 井 正 子  吉 川 彰 一  金 沢 敦 志  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第5号         無戸籍者問題の抜本的な解決を求める意見書案提出書                                平成30年12月6日      長野県議会議長 鈴 木   清 様            提 出 者              下 沢 順一郎            賛 成 者              本 郷 一 彦  古 田 芙 士  萩 原   清              望 月 雄 内  村 石 正 郎  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  風 間 辰 一              西 沢 正 隆  垣 内 基 良  清 沢 英 男              宮 本 衡 司  小 池   清  丸 山 栄 一              今 井   敦  髙 橋 岑 俊  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  浜   章 吉              共 田 武 史  高 橋   宏  竹 内 久 幸              小 島 康 晴  山 岸 喜 昭  荒 井 武 志              堀 場 秀 孝  依 田 明 善  石 和   大              埋 橋 茂 人  今 井 愛 郎  寺 沢 功 希              花 岡 賢 一  宮 澤 敏 文  村 上   淳              諏 訪 光 昭  小 池 久 長  清 水 純 子              中 川 宏 昌  小 川 修 一  小 山 仁 志              小 林 伸 陽  高 村 京 子  和 田 明 子              備 前 光 正  藤 岡 義 英  両 角 友 成              山 口 典 久  髙 島 陽 子  百 瀬 智 之              今 井 正 子  吉 川 彰 一  金 沢 敦 志  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第6号         水道事業への民間企業の参入に対する慎重な対応を求め         る意見書案提出書                                平成30年12月6日      長野県議会議長 鈴 木   清 様            提 出 者              下 沢 順一郎            賛 成 者              本 郷 一 彦  古 田 芙 士  萩 原   清              望 月 雄 内  村 石 正 郎  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  風 間 辰 一              西 沢 正 隆  垣 内 基 良  清 沢 英 男              宮 本 衡 司  小 池   清  丸 山 栄 一              今 井   敦  髙 橋 岑 俊  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  浜   章 吉              共 田 武 史  高 橋   宏  竹 内 久 幸              小 島 康 晴  山 岸 喜 昭  荒 井 武 志              堀 場 秀 孝  依 田 明 善  石 和   大              埋 橋 茂 人  今 井 愛 郎  寺 沢 功 希              花 岡 賢 一  宮 澤 敏 文  村 上   淳              諏 訪 光 昭  小 池 久 長  清 水 純 子              中 川 宏 昌  小 川 修 一  小 山 仁 志              小 林 伸 陽  高 村 京 子  和 田 明 子              備 前 光 正  藤 岡 義 英  両 角 友 成              山 口 典 久  髙 島 陽 子  百 瀬 智 之              今 井 正 子  吉 川 彰 一  金 沢 敦 志  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第7号         会計年度任用職員制度の導入に関する意見書案提出書                                平成30年12月6日      長野県議会議長 鈴 木   清 様            提 出 者              下 沢 順一郎            賛 成 者              本 郷 一 彦  古 田 芙 士  萩 原   清              望 月 雄 内  村 石 正 郎  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  風 間 辰 一              西 沢 正 隆  垣 内 基 良  清 沢 英 男              宮 本 衡 司  小 池   清  丸 山 栄 一              今 井   敦  髙 橋 岑 俊  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  浜   章 吉              共 田 武 史  高 橋   宏  竹 内 久 幸              小 島 康 晴  山 岸 喜 昭  荒 井 武 志              堀 場 秀 孝  依 田 明 善  石 和   大              埋 橋 茂 人  今 井 愛 郎  寺 沢 功 希              花 岡 賢 一  宮 澤 敏 文  村 上   淳
                 諏 訪 光 昭  小 池 久 長  清 水 純 子              中 川 宏 昌  小 川 修 一  小 山 仁 志              小 林 伸 陽  高 村 京 子  和 田 明 子              備 前 光 正  藤 岡 義 英  両 角 友 成              山 口 典 久  髙 島 陽 子  百 瀬 智 之              今 井 正 子  吉 川 彰 一  金 沢 敦 志  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第8号         義援金の差押禁止措置の恒久化を求める意見書案提出書                                平成30年12月6日      長野県議会議長 鈴 木   清 様           提 出 者              村 上   淳            賛 成 者              本 郷 一 彦  古 田 芙 士  萩 原   清              望 月 雄 内  村 石 正 郎  平 野 成 基              向 山 公 人  佐々木 祥 二  風 間 辰 一              西 沢 正 隆  垣 内 基 良  清 沢 英 男              宮 本 衡 司  小 池   清  丸 山 栄 一              今 井   敦  髙 橋 岑 俊  堀 内 孝 人              酒 井   茂  丸 山 大 輔  浜   章 吉              共 田 武 史  高 橋   宏  竹 内 久 幸              小 島 康 晴  下 沢 順一郎  山 岸 喜 昭              荒 井 武 志  堀 場 秀 孝  依 田 明 善              石 和   大  埋 橋 茂 人  今 井 愛 郎              寺 沢 功 希  花 岡 賢 一  宮 澤 敏 文              諏 訪 光 昭  小 池 久 長  清 水 純 子              中 川 宏 昌  小 川 修 一  小 山 仁 志              小 林 伸 陽  高 村 京 子  和 田 明 子              備 前 光 正  藤 岡 義 英  山 口 典 久              両 角 友 成  髙 島 陽 子  百 瀬 智 之              今 井 正 子  吉 川 彰 一  金 沢 敦 志  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第9号         外国人労働者の安易な受入拡大の見直しを求める意見書         案提出書                                平成30年12月6日      長野県議会議長 鈴 木   清 様            提 出 者              和 田 明 子            賛 成 者              小 林 伸 陽  高 村 京 子  備 前 光 正              両 角 友 成  藤 岡 義 英  山 口 典 久              今 井 正 子  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第10号         2019年10月予定の消費税増税の延期を求める意見書案提         出書                                平成30年12月6日      長野県議会議長 鈴 木   清 様            提 出 者              藤 岡 義 英            賛 成 者              小 林 伸 陽  高 村 京 子  和 田 明 子              備 前 光 正  両 角 友 成  藤 岡 義 英              山 口 典 久  今 井 正 子  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。       〔議案等の部「1 議案 (2)議員提出議案」参照〕 ○議長(鈴木清 君)以上であります。  ただいま報告いたしました議員提出議案を本日の日程に追加いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(鈴木清 君)最初に、議第1号「スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーの配置に関する一層の支援を求める意見書案」、議第2号「建築物の免震装置等に係る不正事案の早期解決及び再発防止を求める意見書案」、議第4号「持続可能なプラスチック資源循環に向けた対策の強化を求める意見書案」、議第5号「無戸籍者問題の抜本的な解決を求める意見書案」、議第6号「水道事業への民間企業の参入に対する慎重な対応を求める意見書案」、議第7号「会計年度任用職員制度の導入に関する意見書案」及び議第8号「義援金の差押禁止措置の恒久化を求める意見書案」を一括して議題といたします。  お諮りいたします。本案については、それぞれ会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木清 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案それぞれに対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。  本案それぞれ、原案どおり決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木清 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ原案どおり可決されました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(鈴木清 君)次に、議第3号「TPP11及び日EU・EPAの発効並びにTAGの交渉に向け万全の対策を求める意見書案」を議題といたします。  お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木清 君)御異議なしと認めます。よって、本案は提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。  質疑の通告がありませんので、本案につき討論をいたします。  高村京子議員から討論の通告がありましたので、発言を許可いたします。  高村京子議員。       〔38番高村京子君登壇〕 ◆38番(高村京子 君)議第3号「TPP11及び日EU・EPAの発効並びにTAGの交渉に向け万全の対策を求める意見書案」に反対の立場で討論いたします。  TPP11では、国会決議で関税撤廃の交渉から除外することを求めた米、麦など重要5品目のうち無傷のものは何もなく、批准は明白な国会決議違反です。TPP11は、TPPよりも深刻なダメージを日本農業にもたらす危険があります。カナダやニュージーランドなどが対日輸出の大幅増を見込んでいます。  日EU・EPAは、史上最悪の農業破壊協定であるTPP水準のその上を上回る譲歩、農産品の82%もの関税を撤廃するなど亡国の協定ですが、昨日の参議院防衛外交委員会で審議が尽くされない中、採択され、本日の参議院本会議で可決、承認される流れとなっています。チーズ等の関税が撤廃され、豚肉の関税が削減されるなど、EUから安い大量の輸入品が入れば、国産品の値崩れを招き、懸命に努力を重ねている全国の酪農、畜産業は大打撃を受けます。  TAGについては、アメリカとの正式協定には、物品及びサービスを含むその他の重要分野における日米協定を開始すると日本政府が説明しているTAGとの文言はなく、正式協定がFTAであることをペンス副大統領などアメリカ政府首脳が繰り返し明言しています。  本県議会では、TPPが政治問題になり始めた平成22年から平成28年まで、TPPへの参加を危惧する意見書案を10回も討議し、9回にわたる意見書を政府および国会に提出し、一貫して危惧や反対の立場を表明してきた経過を考えると、TPP11、日EU・EPA、そしてTAGと表現する協定を認めることはできません。  本意見書案は、農林業者からの不安に応えるとして、国内農林業への影響に対する対策を政府に求めています。しかし、関係法による国内農業支援策は、TPP11を初めとした関税の撤廃等に基づく厳しい価格競争の押しつけを前提としているものです。支援策は意欲ある農業者との前提で、大規模な設備投資が条件となっています。  12月5日の日本農業新聞に、第2次補正予算、TPP、EPA国内対策に農林水産関連3,000億円超を計上する方針との報道がされました。内容は、畜産や酪農、野菜、果樹などの競争力強化策が柱であり、大規模農家だけでなく、中小規模の農家を含めて産地の底上げができるかが課題となる。機械の導入や施設整備などの生産性向上の要件があり、中小の農家には活用しにくいとの声があるとしています。  中山間地域の畑や棚田など小規模農家でこそ守られてきた農家の営み、農村風景と四季折々の美しい景観を壊してはならないと思います。中小規模、家族農業を応援し、国連の家族農業10年にふさわしい対応こそ日本農業の方向とすべきです。  以上を申し上げ、本意見書案に反対の討論といたします。 ○議長(鈴木清 君)以上で討論は終局いたしました。  本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに賛成の議員の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○議長(鈴木清 君)起立多数。よって、本案は原案どおり可決されました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(鈴木清 君)次に、議第9号「外国人労働者の安易な受入拡大の見直しを求める意見書案」を議題といたします。
     お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木清 君)御異議なしと認めます。よって、本案は提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに賛成の議員の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○議長(鈴木清 君)起立少数。よって、本案は否決されました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(鈴木清 君)次に、議第10号「2019年10月予定の消費税増税の延期を求める意見書案」を議題といたします。  提出者の説明を求めます。  藤岡義英議員。       〔15番藤岡義英君登壇〕 ◎15番(藤岡義英 君)議第10号「2019年10月予定の消費税増税の延期を求める意見書案」について提案説明を行います。  今の県民の暮らしや県内経済は深刻な状況が続いております。2名以上の世帯で実質消費支出が25万円減っております。2年連続で個人消費がマイナスになっています。このような状態で10%に引き上げを行えばどうなるでしょう。5.6兆円の増税となり、軽減分を差し引いても4.6兆円、1世帯当たり8万円の増税という試算も出ています。税率が5%から8%になったときの大不況が再来してしまいます。  政府は、消費税法に、「年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てる」と書き込み、消費税収は社会保障にしか使いませんと主張しておりましたが、実際は消費税を導入し、増税を重ねても、社会保障は改悪に次ぐ改悪の連続で、安倍政権になってからの6年間だけでも社会保障費は3.9兆円も削減されました。  一方で、安倍政権は、この間、大企業に4兆円以上の減税を行っております。結局、消費税は社会保障のためではなく、法人税減税、減収の穴埋めに使われ、格差が拡大しただけでした。  さらに、食料品などの税率を8%に据え置く複数税率の導入は軽減でも何でもありません。外食は10%の税率、持ち帰りは8%になるため、飲食施設のあるスーパーやコンビニでの混乱は必至です。小売店にとっては、複数税率に対応する専用レジを準備する必要があり、その費用も深刻です。  キャッシュレス決済でのポイント還元やマイナンバーカード利用者に買い物で使える自治体ポイントを加算するなどの対策も問題であります。高齢者や子供でカードを持っていない人は使えないし、不公平。もっと低所得者の人のことも考えるべきだとの意見が至るところで出されております。また、中小零細の商店にカード決済の導入を強いることになります。機械の導入やカード会社への手数料は中小零細の商店にとっても大きな負担となります。  プレミアムつき商品券については、既に新たな消費の拡大につながらないことは政府自身も認めておりますが、対策に盛り込まれるようであります。  さらに、中小業者が一番不安を強めているのは、増税から4年後の23年10月から導入されるインボイスです。年間売り上げ1,000万円以下の免税業者はインボイスが発行できません。そうなると取引から排除されるおそれがあるため、課税業者になることを事実上強いられてしまいます。このように、政府が考えている消費税対策は中小零細業者に致命的な打撃を与えるものです。  最近の毎日新聞の世論調査でも、消費税の増税そのものに反対が47%で、ポイント還元については60%が反対としています。そもそも、消費税は所得の少ない人ほど負担が重く、貧困と格差を拡大する根本的な欠陥を持つ税制であります。消費者にとっても中小零細業者にとっても百害あって一利なしです。  県民の暮らし、県内経済を守るためにも、2019年10月の消費税10%への引き上げを延期することを求める意見書案についてぜひ賛成していただくことを議員各位にお願い申し上げさせていただきまして、提案説明といたします。 ○議長(鈴木清 君)以上であります。  お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木清 君)御異議なしと認めます。よって、本案は委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに賛成の議員の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○議長(鈴木清 君)起立少数。よって、本案は否決されました。          ────────────────── ○議長(鈴木清 君)次会は、来る12月14日午後1時に再開して、各委員長の報告案件を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって散会いたします。         午後3時49分散会...