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  1. 長野県議会 2018-12-06
    平成30年11月定例会本会議-12月06日-04号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成30年11月定例会本会議-12月06日-04号平成30年11月定例会本会議 平成30年12月6日(木曜日)  出席議員(57名)   1 番 花岡賢一      27 番 備前光正   2 番 今井愛郎      28 番 両角友成   3 番 寺沢功希      29 番 吉川彰一   4 番 山口典久      30 番 清水純子   5 番 百瀬智之      31 番 小池久長   6 番 金沢敦志      32 番 諏訪光昭   7 番 小山仁志      33 番 髙橋岑俊   8 番 共田武史      34 番 今井 敦   9 番 丸山大輔      35 番 丸山栄一   10 番 荒井武志      36 番 竹内久幸   11 番 堀場秀孝      37 番 小林伸陽   12 番 依田明善      38 番 高村京子   13 番 石和 大      39 番 今井正子   14 番 埋橋茂人      40 番 村上 淳   15 番 藤岡義英      41 番 小池 清   16 番 髙島陽子      42 番 宮本衡司   17 番 小川修一      43 番 清沢英男
      18 番 中川宏昌      44 番 垣内基良   19 番 浜 章吉      45 番 鈴木 清   20 番 酒井 茂      46 番 西沢正隆   21 番 堀内孝人      47 番 風間辰一   22 番 小島康晴      48 番 佐々木祥二   23 番 小林東一郎     49 番 向山公人   24 番 下沢順一郎     50 番 高橋 宏   25 番 山岸喜昭      51 番 宮澤敏文   26 番 和田明子      52 番 平野成基   53 番 本郷一彦      57 番 望月雄内   54 番 村石正郎      58 番 古田芙士   55 番 萩原 清  欠席議員(1名)   56 番 服部宏昭         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        阿部守一    建設部長      長谷川朋弘   副知事       太田 寛    建設部リニア整   副知事       中島恵理    備推進局長     水間武樹   危機管理監兼危           会計管理者兼会   機管理部長     池田秀幸    計局長       塩谷幸隆   企画振興部長    小岩正貴    公営企業管理者   総務部長      関昇一郎    企業局長事務取扱  小林 透   県民文化部長    角田道夫    総務参事兼財政   健康福祉部長    大月良則    課長        伊藤一紀   環境部長      高田真由美   教育長       原山隆一   産業政策監兼産           教育次長      轟 寛逸   業労働部長     内田雅啓    教育次長      三輪晋一   観光部長      熊谷 晃    警察本部長     内藤浩文   農政部長      山本智章    警務部長      野﨑美仁   林務部長      山﨑 明    監査委員      田口敏子                     選挙管理委員会                     委員長       永井 裕         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      吉沢 久    議事課担当係長   神戸圭一郎   議事課長      村松敏伸    議事課担当係長   鈴木晉一   企画幹兼議事課           総務課担当係長   伊藤啓一   課長補佐      小松健一         ───────────────────  平成30年12月6日(木曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時開議 ○議長(鈴木清 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(鈴木清 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初は髙島陽子議員でありますが、同議員の質問事項中、選挙管理委員会の所管に属する事項が通告されておりますので、これに対する答弁のため永井順裕選挙管理委員会委員長の出席を求めましたので、報告いたします。  髙島陽子議員。       〔16番髙島陽子君登壇〕 ◆16番(髙島陽子 君)おはようございます。  長野県議会の広報委員会で開催する「こんにちは県議会です」が、ことし、初の試みとして大学生との意見交換のテーブルを設けました。本会議一般質問の傍聴をしてから、その感想を述べてもらったり、五つのテーマに沿ってグループ討議をしてもらったりするイベントで、10月10日の午後2時から午後5時半の予定を超過するほど盛況。長野県短期大学17名、清泉女学院大学4名、公立諏訪東京理科大学2名の参加があり、持続可能な社会に向けた高齢者と若者が果たすべき役割、女性があらゆる場でより一層活躍するには何が必要か、県内出身の若者に長野県に定着してもらうために、災害に備え、住民の防災意識を保ち続ける方策・対策、個人の生き方を尊重し、多様な家族形態を受容していくことの必要性についてといった内容で、これらは、あらかじめ大学生側から課題提起され、議員も安易に直感的に受け答えできない高度なテーマ設定でした。若者から生の声や求め、疑問などを直接お聞きする貴重で有意義な機会となり、そのまま議会の意見となるようなレベルの発言も多く、参加者、協力者と関係者一同、満足度の高い広聴活動となりました。  このイベントに先立ち、広報委員会は、先進地の群馬県議会へシチズンシップ教育の取り組みを現地視察させていただき、運営方法に生かしました。  また、一昨日も、県下各地から高校生59人が県議会へと集まり、10月の大学生のときと同様の方式で、テーマごと、白熱した意見交換会となりました。県高等学校長会の主体性を育む専門委員会の取り組み、いわゆる主権者教育の実践の一つとして、高校生が地域課題あるいは社会の課題を自分たちでどこにあるかを考え、仲間とともに課題の解決方法を探っていくスタイルです。今回は、食糧問題についての提案、高校生の海外進出についての提案、学校設備、環境について、住民自治と地域おこし、条例の提言、そして、これからの学校への提言についてと、身近な切り口から、公共的、社会的あるいは国際的な視野へと広げて、興味深いプレゼンテーションも拝聴しました。正副議長を初め、議員や先生、教育委員会、メディアといった傍聴者、そして会場準備など運営に協力してくれた議会調査課の皆さんと合わせて120名ほどで、議会棟4階の会議室は床が抜けるのではないかと心配するほどぎっしりと詰まって、内容の濃いディスカッションが2時間繰り広げられました。手前みそではありますが、議会活動の改革に弾みがついたと思います。推進力を与えてくれた若者との交流に大きな力をかしてくださった関係各位に心から感謝申し上げます。  冒頭より長々と紹介しましたが、これより質問に入ります。  初めに、若者の政治参加について、選挙管理委員長と知事にそれぞれお尋ねします。  県選挙管理委員会では、県内の高等学校や特別支援学校高等部への選挙や政治についての理解を深めることを目的に出前授業を行っています。導入実施から3年目となりますが、18歳に選挙権年齢を引き下げてから初めての統一地方選を来年4月に迎えるに当たり、政治をより身近に感じるような事業として取り組まれてきているものと思われます。現状と課題、今後の展望として、関係機関との連携強化や講座内容、方法の充実など、取り組みの拡大を図ることについての見解を永井選挙管理委員長に伺います。  続いて、若者の県政への参加に対する意識の醸成についてどのように考えているのか、阿部知事にお聞きします。       〔選挙管理委員会委員長永井順裕君登壇〕 ◎選挙管理委員会委員長(永井順裕 君)私には選挙出前授業についての御質問でございます。  県選挙管理委員会では、選挙権年齢引き下げに向けた動きを踏まえて、平成27年度から、教育委員会の理解と協力のもと、申し込みのあった高等学校などにおいて選挙出前授業を実施しております。今年度は、これまで17校で実施してきておりますが、既に年間で15校だった昨年度を上回るペースとなっております。  授業内容は、選挙制度や投票方法などを説明する選挙講座や、架空の選挙を想定し実際の選挙機材を用いて行う模擬投票のほか、地域や生活における課題などについて生徒同士で話し合うグループワークを各学校からの希望に応じて実施をしているところであります。  次に、課題と今後の展望についてでございますが、選挙権年齢引き下げ後、初の選挙から2年半近くが経過し、学校における主権者教育に関連する動きや若者の投票率の状況などを踏まえ、効果的な授業を行うための内容や手法についてさらに工夫が必要と考えております。  県選挙管理委員会といたしましては、教育委員会市町村選挙管理委員会若者啓発グループなど関係機関との連携をさらに深め、単に選挙の仕組みを理解してもらうだけでなく、主権者としての意識を高める機会となるよう選挙出前講座の充実に努めてまいります。  以上です。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)若者の県政への参加意識の醸成について御質問をいただきました。  将来の長野県や日本をしょって立つ若者たちが政治に関心を持ち、積極的に参加してもらえる環境をつくるということは極めて重要な課題だというふうに思います。若い人たちにできるだけ県政に参画してもらいたいというふうに私も思っております。  これまで、長野県としては、高校生、大学生を初めとする若い世代との協働を積極的に進めてきているところであります。例えば、政策の企画立案段階におきましては、しあわせ信州創造プラン2.0の策定に当たり、若者との対話の機会を数多く設けてまいりました。また、審議会への若い世代の積極的な登用も進めてきております。さらに、施策、事業の実行段階においても若い世代との協働を進めてきております。  総文祭実行委員会は高校生自身に担ってもらいました。また、エシカルプロダクツにかかわる事業者の現状調査、MAPの作成等について長野県立大学の学生にお願いをしています。また、松本大学の学生には、地域の食育ボランティアとの交流を通じて若者の食生活の課題を学んで、解決に向けた取り組みの検討、発信を行ってもらっております。  私の皮膚感覚でありますけれども、若い世代の皆さんは社会的な課題に非常に関心を持ちつつあるんじゃないかというふうに思っておりますし、現に県内でもさまざまな社会課題の解決や地域づくりの取り組みなどに若い人たちが牽引する事例も多くなってきておりまして、大変心強く感じております。  ただ、そうした社会課題の解決が、政治というものとまだ直接結びついてきていないというところがあるのではないかというふうに思います。そういう意味で、私自身も、これは知事としても、また、一人の政治家としても、若い世代との対話、コミュニケーションをしっかり行わせていただくことを通じて、皆さんが抱えている課題や問題は皆さん自身が解決すべきものもあるけれども、政治というプロセスを通じても解決することが必要だということをぜひ強く訴えていきたいというふうに思いますし、また、若者の県政、県行政への参加についても引き続き意を用いていきたいというふうに思っております。県議会におかれましても、髙島議員の御質問にもありましたように、さまざまな取り組みを通じて、若い世代への県政への参加意欲を高める取り組みを講じられているところであります。そうした取り組みに対して心から敬意を表する次第であります。  これからも、若者の県政への参加や政治への関心の増大に向けまして、車の両輪として私もともに取り組ませていただきたいというふうに考えております。  以上です。       〔16番髙島陽子君登壇〕 ◆16番(髙島陽子 君)ただいまそれぞれ御答弁いただきまして、議会としても、意を強くして、さらにブラッシュアップをして若い人たちとの対話を通じて県政参画を高めていければというふうに心を強くしました。  次の質問に移ります。障害者優先調達推進法について大月健康福祉部長にお尋ねします。  施行から5年経過し、この法に基づく施策の経過や障害者就労施設等が供給する物品等の調達実績と現状をお聞きします。  また、障害者就労施設等が供給する物品等の調達の拡充をすべきと考えるがいかがか。施設が考える悩みなどに応える支援策を整えるべきではないか。  以上の2点をお願いします。  育児中の母親たちの働き方支援についての質問です。  育児中のママたちが子育てをしながら在宅で仕事ができ、個人事業主として自立できるようにするための具体的な支援策は何か、内田産業労働部長にお尋ねします。  IT活用による新たな働き方普及事業、業務を公募型プロポーザル方式で募集し、委託して行っている件に関してです。お尋ねしたいことは時間の制約上限られますし、この事業が現在進行中であり、年度途中のことから、今実績を直ちに求めるものではありません。  9月議会でテレワークに関する質問があり、特に、フリーランスで在宅型ワークをする場合に気をつけなければならないことがあり、ママや母親当事者は覚悟の上で仕事をする必要があるなと感じていたやさき、実際にそのようなスタイルで働く方々からお話をお聞きすることができました。時宜を得て、11月4日には、飯綱町牟礼にある町民会館で開催された県男女共同参画推進県民大会において、飯綱町子育てと両立する働き方改革事業等取り組み紹介として、飯綱町ワークセンターの紹介と飯綱町のママさんによる体験発表がありまして、私も大変興味深くお聞きしました。拠点となるセンターがあり、子育て中のお母さんが求職あるいは何らかの技術を身につけようとする応援をしてくれる講座もあるということでした。テレワークなどIT活用の仕事に、私にできるかも、挑戦してみたいと自分なりの働き方やライフスタイルのデザインの出発点となる、そういう可能性が伝わってきました。事業の目的とされていることを再確認して、真にママ、お母さんたちがイメージする在宅仕事につながっていくことを願いながら、内田部長にお聞きします。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)障害者優先調達推進法について順次お答え申し上げます。  まず、施策の経過、調達実績と現状についてでございます。  県では、法律が施行されました平成25年度から、毎年、県全体の調達目標額や推進するための取り組み等を内容とする調達推進方針を策定するとともに、全ての所属において目標額の設定と物品等の発注先として障害者就労施設等を必ず検討するなどの行動指針を策定しました。また、毎年度の実績額の公表も行っております。  調達実績の推移でございますが、調達額は平成25年度が約4,201万円でございます。これを最高に、大口契約の減少等もあり、平成29年度は3,176万円となっております。一方、調達件数は、制度の周知が進むことで393件から563件まで伸びてきております。  次に、障害者就労施設等が供給する物品等の調達拡充、施設の悩みに応える支援についてでございます。  障害者就労施設等の受注機会を確保し、物品及び役務に対する需要の増進を図ることは、障害者の働く機会を拡大させ、社会の一員として働くことを実感する中で障害者の自立の促進につながるため、優先調達は拡充していきたいと考えております。  物品、役務の調達拡充及び施設が抱える悩みなどに応える支援を行うためには、まず物品等の調達がなぜ平成25年度以降減少しているのか等の現状、課題をしっかり把握し、解決へ向けた支援を行うことが必要と考えております。
     確認をしたところ、課題としましては、施設が扱う物品等の情報がきちんと県の各組織に届いていないという状況がございます。県が必要とする物品等と施設が扱う物品等のミスマッチ、施設が短期間の納期や大量供給へ対応できないこと、施設が扱う物品等の質、技術力の不足などが課題として挙げられております。  こうした現状を改善するため、今後、施設が扱う物品等の情報をわかりやすく提供するとともに、複数の事業所による共同受注体制の整備、技術力向上及び商品開発に対する支援を行ってまいります。また、障害者優先調達推進法を活用し、随意契約による障害者就労施設等への発注を進めるように取り組んでまいります。  以上でございます。       〔産業政策監兼産業労働部長内田雅啓君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(内田雅啓 君)子育てをしながら個人事業主として自立できる支援策について御質問をいただきました。  女性が個人事業主として自立できるようにするため、創業相談窓口ながの創業サポートオフィスに女性相談員を配置いたしまして女性が相談しやすい環境を整えるとともに、必要に応じて創業前から社会保険労務士等の専門家を無料で派遣するなど、自立に向けたアドバイスや課題解決を支援しております。  今年度は、「ママのチャレンジを応援」をテーマとして、ママの体験談、ランチを食べながらの交流など、気軽に参加できる工夫をしながら、子育て中の女性が自分に合った仕事を考える創業セミナーを開催いたしました。定員20名のところ、27名に参加をいただきました。  また、子育て中の女性が場所や時間にとらわれず仕事ができる柔軟な働き方として、自宅等でICTを活用して仕事をする自営型テレワークの普及を進めてまいります。昨日も、自営型テレワークの適正な実施のための情報を県ホームページに記載したところでございます。今後も、さまざまな情報提供などに留意をしてまいります。  県といたしましては、引き続き創業支援やテレワーク普及などに取り組むことで、子育て中の女性が生活を大切にしながら自分らしい働き方ができる環境づくりを推進してまいります。  以上でございます。       〔16番髙島陽子君登壇〕 ◆16番(髙島陽子 君)それぞれ御答弁をいただきました。関連しまして、障害者の法定雇用率について、きのうまでに質問がありましたし、知事もこれについては重く受けとめられ、改善策を打ち出されようとの姿勢が感じられますが、障害者優先調達推進法に通底するのは、障害者就労施設で働く障害者、また、在宅就労障害者等の自立を促進するためにということです。また、同時に賃金アップへの期待も高まっています。  障害者の働き方もさまざまであり、ITによるテレワーク推進の関連事業にも県として着手したところとお聞きします。障害があっても生き生きと働け、輝ける。そのために障害者優先調達推進法のさらなる普及に取り組んでいただきたい。私たちも、ともに働き、また、購入することで応援していきます。  産業労働部長の御答弁にありましたけれども、長野県ウエブサイト上で、「「平成30年度IT活用による新たな働き方(自営型テレワーク)普及事業」の業務受託者を募集」のページを確認しました。「平成30年度IT活用による新たな働き方普及事業業務公募型プロポーザルに係る質問及び回答」の中にこう書かれています。質問、「「自営型」としているのは、個人事業者を自立できるだけのスキルを目指すということと考えられるが、どこまでを「自営」(収入・副業)とするかの指針はありますか。」。回答、「指針はありませんが、事業を通して就業可能となるスキルを身に付けさせてください。」、このような記述がありまして、まだこれは発展途上というか、これからいろいろな方が研修を受ける中でさらに精度を高めて確実なスキルを身につけるようになっていくのだとは思いますけれども、まだまだ懸念されることもございますので、注意深く進めていただきたいと思います。  最後に、テレワークで10年余の経験を積んで、現在は自立し、一定の収入を得ている方からの言葉を紹介します。  セミナーやりっ放しで仕事に一向に結びつかず、結局は仕事の仲介に入られ、仕事を安くする人材を育成することになっているおそれはないでしょうか。セミナーを受講しているママたちは、スキルを身につけ、スキルアップをして、自宅で母、妻をやりながら一人の在宅ワーカーとして輝きたいと思っているんです。それをサポートするのが目的ではないんですか。  事業が設計当初の目的を果たされるのか見守り、お母さんたちが手を伸ばした先にありがたみを感じられる、そんな講座やセミナーに育っていってほしい、このように強く願い、私の質問一切を終わります。 ○議長(鈴木清 君)次に、堀場秀孝議員。       〔11番堀場秀孝君登壇〕 ◆11番(堀場秀孝 君)順次質問します。  仮称森林環境税森林環境譲与税の創設は、昨年末の税制改正大綱で決まり、森林経営管理法は本年5月に成立しましたが、市町村林務担当者が不足の中、具体的な取り組みに当たり、対象森林の洗い出しと計画の策定、また、森林所有者への意向確認、所有者不明森林の所有者探索、さらには境界の明確化や市町村を支援する地域林政アドバイザーの人材確保など課題も多いと認識しています。  そこで、新制度施行へ向けて新たな森林管理システム森林環境譲与税への対応について林務部長に伺います。  まず、林務担当者不足等、市町村が体制面で多くの課題を抱えている状況から、市町村の体制整備として広域的な体制の構築が検討されているとお聞きしているが、県の役割も含めてどのように運用していくお考えでしょうか。  また、県内には間伐がおくれている森林や松くい虫による被害を受けた森林など、課題を抱えた森林が各地域に存在します。今回の新たな森林管理システムではどのような森林が対象となるのかお聞きします。  次に、新たな森林管理システムによる森林整備が本格的に行われるのはいつごろを予定しているのでしょうか。また、新たな森林管理システムの導入によって想定される効果としてはどのようなものがあると考えているのでしょうか。  次に、新たな森林管理システムの導入が一つの契機となり、今後、主伐、再造林が増加していくことが予想されますが、将来的な事業展開を考えた場合、県内各地域の林業事業体数や林業労働力の見通しはいかがでしょうか。特に、林業の現場では一定の機械化が進んでいますが、今後増加が見込まれる植林、保育など人力による作業に従事する労働者を安定的に確保するためには、林業労働者の処遇改善もあわせ、全体的な底上げを図る必要があると考えますが、いかがでしょうか。  最後に、この新たな森林管理システムを進めるための財源として、森林環境税及び森林環境譲与税が創設されることになるわけですが、森林づくり県民税も含めた県民への理解の醸成や使途のすみ分けの透明性、実績の公表についてどのように考えているのか。  以上、林務部長にお聞きします。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)6点御質問をいただきました。  初めに、新たな森林管理システムの運用についてのお尋ねでございます。  議員御指摘のとおり、小規模な市町村が多く、約7割の市町村が他の業務と兼務で林務担当をしているという本県の特性を踏まえ、必要な業務を確実に行えるよう、県や市町村が共同で広域連携体制を構築し、この事務を担う方向で検討しているところでございます。  県としては、この体制に参画するとともに、対象森林の選定や森林の管理等に係る技術的な助言、安全で効率的な林業経営を担う人材の育成などを通じ、市町村の支援と地域の森林整備の推進という県の役割を果たしつつ、新たな森林管理システムが円滑かつ自立的に運用できるよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、新たな森林管理システムの対象となる森林についてのお尋ねでございます。  新たな森林管理システムでは、市町村が森林所有者の意向を調査し、森林所有者みずからが経営管理を実行できない森林が対象となります。ただし、この場合、対象森林となりますと、森林所有者にとっては自由に森林を利用することができなくなるため、みずからの意思で木材収入を目的とした伐採ができなくなるなど一定の制約が生じることとなります。  続いて、新たな森林管理システムによる森林整備の実施時期と想定される効果についてのお尋ねでございます。  システムが導入される来年度から、地域の意向等も踏まえ、県や市町村による広域連携体制の構築を進めつつ、まずは森林所有者の特定や意向調査、あるいは境界の明確化等の条件整備を行う必要があると考えております。現在、森林所有者の世代交代や不在村化が著しく進んでいることから、森林環境税の国民への課税が始まる2024年ごろまではこうした条件整備を徹底的に行うことが望ましいと考えており、それらの条件整備が行われ、一定のまとまりが確保されたところから森林整備が本格的に実施されることとなります。  システムの導入による効果ですが、現状では、今まで所有者不明で手をつけられなかった森林があちこちに点在している中で、こうした取り組みを通じ、面としてまとまりができるので、林業に適した森林では生産性の向上が、また、それ以外の森林では多様な利活用が期待できます。これに加え、公的管理による伐期の分散化やさまざまなイノベーションのフィールドとなるなどの効果も期待しております。  次に、林業労働力の見通しについてのお尋ねでございます。  平成29年度の林業事業体数及び林業就業者数は171事業体、1,594人となっており、近年減少傾向が続いております。背景としましては、森林の保育に係る事業量減少に伴う従事者の減少が要因の一つと考えています。なお、そうした中でも、毎年100人程度の新規就業者の受け皿となっております。  資源の状況と今回の新たな森林管理システムにより、計画的な伐採、再造林が可能となりますので、素材生産量は伸びると見込んでおり、結果として初期の保育作業現場もふえてくると見込んでおります。  一方、人口減少化で確実な労働力の確保は課題となります。このため、新たな5カ年計画では、ICT等の活用による省力化、合理化もあわせて進めることにより、必要な林業就業者数を平成34年度において2,200人と計画しているところであり、この確保に向けて、関連団体、部局と連携して取り組んでまいります。  続いて、林業労働者の処遇改善と全体的な底上げの必要性についてのお尋ねでございます。  林業労働者の確保に向けましては、長野県林業労働財団と連携し、Iターン、Uターン者も含めた県内外の就業希望者を対象とする就職説明会、相談会の開催やトライアル雇用への支援、能力向上に向けた研修の実施、事業体に対する育成経費への補助等の支援を行っております。  また、他産業に比べ平均所得が低い現状を改善するためには、林業事業体の経営全体の底上げが必要であるため、ドローン等ICT技術の活用、あるいは伐採と造林の一貫作業システムの導入等による林業事業体の生産性や収益性の向上、あるいは労働環境の改善に向けた支援を現在進めているところでございます。  さらに、新たな森林管理システムにおいて中心的な役割を担う意欲と能力のある林業経営者につきまして、生産性や事業実行体制に加えまして、雇用管理の改善や労働安全対策の取り組みが認定基準の一つとなるところでありまして、今後、経営者の適切な育成、認定を通じて林業事業者のさらなる処遇改善が図られるよう、制度導入に向けた検討準備に取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、森林環境税、森林環境譲与税、いずれも仮称ですが、これらの県民への理解の醸成等についてのお尋ねでございます。  森林環境譲与税の主な使途につきましては、森林経営管理法に基づく新たな森林管理システムの実施に要する費用に充当するという考えが国から示されております。この制度が森林所有者による管理が困難な森林を対象とする取り組みであることから、森林所有者の費用負担を前提とした森林づくり県民税とは基本的に区別できるものと考えておりますが、取り組み内容等の周知を図り、両税による適正な森林管理と整備が県民の皆様の御理解のもとで相乗的に進むよう努めてまいる所存です。  なお、森林環境譲与税の実績の公表等の説明責任は、市町村における取り組みは市町村の役割となりますが、広域連携体制においてもその確保が図られるような仕組みについて検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔11番堀場秀孝君登壇〕 ◆11番(堀場秀孝 君)答弁いただきました。林業に従事する人々が、林業を続けていてよかったと実感できるような、また、新規に林業をやってみようというような人々があらわれるような対応を要望いたします。  次に、教育長、建設部長に伺います。  平成28年11月議会の答弁で、知事は、県営野球場につきましては県の行政・財政改革方針、県のファシリティマネジメント推進会議で策定いたしました施設の有効活用・転用集約化計画に基づきまして、所在する市への移管に向け協議を行っているところでありますと答弁され、野球場が必ずしも県営である必要はないと考えておりますとも答弁をいただきました。それを受けてでしょう。本年2月議会での答弁で、教育長は、長野市、上田市に移管に向けた協議を進めているところですと答弁され、建設部長も、飯田運動公園野球場の移管につきましても他球場と同様に飯田市との協議を行っています。合意に至っていないので、引き続き協議を進めてまいりたいと答弁いただきました。  そこで質問します。  伊那市にあった県営野球場は移管できましたが、長野市、上田市、飯田市との協議はいつから開始して現在はどのような状況になっているのか、教育長、建設部長に伺います。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)県営野球場の移管についてのお尋ねでございます。  教育委員会が所管しておりました伊那運動公園野球場を含め、長野運動公園野球場と県営上田野球場は、長野県行政・財政改革方針等に基づきまして、平成25年度からそれぞれの野球場が所在する市に対して移管協議を進めてまいりました。  このうち、伊那運動公園野球場は、伊那市から提出された条件を検討する中で大規模改修を実施し、平成29年4月に移管を行ったところでありますが、その他の野球場についてはこれまで合意には至っていない状況であります。今後も引き続き協議を進めてまいりますが、特に、長野運動公園野球場は9年後の国体の硬式野球の競技会場地として内定を受けたところであります。今後具体的な施設整備の方針を検討していく中で移管協議が進展できるよう努めてまいりたいというふうに考えております。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)綿半飯田野球場の移管協議についてのお尋ねでございます。  建設部が所管しております綿半飯田野球場を含む飯田運動公園につきましては、県の財政改革推進プログラムに基づき、平成16年度以降、飯田市への移管協議を進めてきておりますが、本年2月定例会の一般質問でお答えしましたとおり、移管について飯田市との合意には至っておりません。  飯田運動公園は比較的規模の大きな施設であり、また、飯田市内には移管対象となっている他の県有施設が複数あることから、これらの移管協議を優先している状況です。その状況を踏まえて、飯田運動公園につきましては、改めて移管に向けた協議を本格化させたいと考えております。  以上でございます。       〔11番堀場秀孝君登壇〕 ◆11番(堀場秀孝 君)答弁いただきました。長野市、上田市の野球場については平成25年から、飯田市の野球場に関しては平成16年からと答弁がありました。協議をしているということでございますが、その協議というのは、どのようなものを協議と言うのか。具体的なお話ができればお聞きいたします。教育長と建設部長にお願いいたします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)御質問がありました協議の中身といいますか、どういうものを協議と言うのかというお話でございます。  先ほど御答弁申し上げましたとおり、例えば、伊那運動公園野球場は、伊那市から提出された条件を検討する中で、改修等を踏まえた形で合意に至ったというような経過もございます。それぞれの市のほうからの条件もあろうかと思いますし、私どものほうの考え方もあろうと思います。そういったものを詰めていく中で協議が進んでいくというふうに考えているところでございます。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)協議の内容ということについてでございますが、協議の経過ということで御説明をさせていただきますと、平成16年11月に飯田市と打ち合わせを行いまして、移管に向けての申し入れを行っております。その後、17年に飯田市から回答がございまして、新たな負担が発生する提案には応じられないということであります。その後、平成19年、20年、22年、23年、それから28年にわたって飯田市との間で移管に向けての協議を進めさせていただいているところであります。28年の際には、飯田運動公園のみならず他の県有施設も含めまして飯田市に対して移管をお願いをしているということであります。  以上です。       〔11番堀場秀孝君登壇〕 ◆11番(堀場秀孝 君)答弁いただきました。協議という言葉の何とも言えない日本語の難しさを感じました。  長野市の県営野球場は、2巡目の国体の競技施設に内定している施設でございます。競技施設整備には今からの対応が必要と考えます。国体が成功して、国体開催以降も県民が有効活用できるような施設整備を要望します。  教育長にお聞きします。  先月、2027年開催予定の国体の競技会場地の1次選定分として14競技の会場地が11市町に内定されました。49年ぶり、2回目の国体では、県内各地で競技が開催され、全県で県民も盛り上がる大会になってほしいと考えるのは私だけではないはずです。公開競技やデモンストレーションスポーツという国体開催県での競技があると聞いています。特にデモンストレーションスポーツについて教育長に伺います。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)国体の実施競技についての御質問でございます。  正式競技以外の競技のうち公開競技につきましては、日本スポーツ協会の加盟競技団体の競技であり、かつ24以上の都道府県において体育協会に加盟していることが条件となっておりまして、競技種目は、綱引き、パワーリフティング、ゲートボールなどがあるところでございます。  一方、デモンストレーションスポーツにつきましては、これまでの例を見ますと、競技種目はマレットゴルフやウオーキング、ダンスなどの地域に根差した気軽に親しめるスポーツが中心となっているところでございます。このデモンストレーションスポーツの対象競技につきましは、原則として県体育協会加盟団体の競技のほか、本県の特性を生かした競技等を県体育協会で推薦し、準備委員会が決定することとなっているところであります。デモンストレーションスポーツの実施は、県内各地でより多くの県民が国体に参加できる機会であるとともに、県民が国体を身近に感じ、大会終了後の地域スポーツの普及、定着にも大きく寄与していくものというふうに考えているところでございます。       〔11番堀場秀孝君登壇〕 ◆11番(堀場秀孝 君)答弁いただきました。小布施で行われているスラックライン、本年インドネシアで行われたアジア競技大会で正式種目として実施されたコントラクトブリッジ、デモ競技として実施されたeスポーツ等、デモンストレーションスポーツが9年後の国体で県民が楽しみ、県民の健康長寿につながるような対応を要望します。  先ほどの県営球場の件ですが、私の地元の県営上田野球場は、2020年までリトルシニアの全国大会が開催される予定になっております。県内外から多くの人々が来県して野球を楽しんでいますが、雨漏りが発生しており、壁紙等にしみが残っている状態であります。県から調査に来たが、その後何もないとは球場の係の方の声です。県であれ、市であれ、利用者の利便性を考える必要があります。野球場ですのでグラウンドがよければいいじゃないかという声もあると思いますけれども、中で会議をやったり着がえたり、いろんなことをする施設が野球場であります。スポーツ合宿の対象施設でもありますし、それがまた観光客誘致につながると思います。  県民にわかるような協議になるよう要望いたしまして、質問を終わります。 ○議長(鈴木清 君)次に、小池清議員。       〔41番小池清君登壇〕 ◆41番(小池清 君)自由民主党県議団の小池清です。それでは質問させていただきたいと思います。  最初に、南信運転免許センターについてですが、南信運転免許センターの設置につきましては、県並び県警本部に対し、南信州広域連合から、南信州・飯田産業センター跡施設に免許センターの開設を求める要望が提出されております。また、この9月26日には、下伊那郡北部ブロック町村議会からも、運転免許センター設置に向けて所轄、関係機関において積極的な遂行を要望する旨の要望書が提出されておるところであります。  このように、南信地域の住民の方々の免許更新手続の利便性向上を図ることは、地域の住民にとりまして重要な課題となっております。新たな運転免許センター開設につきましては、必要な職員数、施設面、予算等の課題があり、特に職員の捻出に大きな課題があるとの回答をされておるところでありますけれども、南信地域の皆様方の利便性の向上を図られる方策と設置についての具体的な計画が見通せない状況は、住民の皆さんに不安を与えておる状況であります。  このような中で、県並び警察本部として責任ある対応が求められておると考えます。そこで、運転免許センターの開設の時期はいつごろを示すことができるのか、予定を県警本部長に伺います。また、運転免許センター計画についての考えを知事に伺います。  次に、リニア開通に向けた3県の連携について伺います。  リニア中央新幹線の新駅が設置される長野、岐阜、山梨の3県知事による懇談が、10月15日、岐阜県で開催されました。2027年のリニア開業に向け、3県で広域的な地域交流や観光振興策等を検討する共同研究会を設置することで合意したと聞きます。また、新駅や交通網整備で3県が連携し、国やJR東海への要望活動に取り組んでいくことでも意見が一致したとのことです。この3県知事による会談は5年ぶりの開催であり、大変意義深いものと考えます。阿部知事からは共同研究会の提案がされたと聞きますが、知事の事業への構想を伺います。  また、3県知事におきましては、国やJR東海への要望活動を行う予定と聞いておりますが、コンベンションセンター、スポーツアリーナの設置、関連道路などリニア関連事業での特別枠の予算確保等は地域、また、私どもも今まで要望させていただいておるところでございます。これらに関しましても阿部知事のお考えと今後の取り組みを伺います。       〔警察本部長内藤浩文君登壇〕 ◎警察本部長(内藤浩文 君)南信運転免許センターの設置に係る質問についてお答えいたします。  南信地域の住民の方々の免許手続の利便性の向上を図ることは、県警察といたしましても重要課題の一つとして認識しており、また、9月県議会におきましては、下伊那郡北部ブロック町村議会からの陳情が採択されております。こうした経緯を踏まえまして、現在、必要な職員数の確保、施設面、予算等の課題について、一つ一つの解決に向けての検討及び知事部局との協議を強力に進めているところでありますので、現時点、設置の時期について申し上げることは難しいと考えております。  いずれにいたしましても、南信運転免許センターの設置につきましては重要課題の一つとして認識しており、先ほど申し上げたとおり、一つ一つの課題の解決に向けて知事部局と連携しながら取り組んでまいります。       〔知事阿部守一君登壇〕
    ◎知事(阿部守一 君)3点御質問いただきました。  まず、南信運転免許センターについてであります。  南信運転免許センターの開設につきましては、これは地域の方々の願いであり、重要な課題であるというふうに認識をしております。現在、設置主体である警察本部において、問題意識をしっかり持たれて具体的な検討が行われているというふうに承知しています。今後、警察本部と課題を共有し、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。  続きまして、リニア開業に向けた3県の共同研究についての御質問でございます。  リニア中央新幹線の長野県駅に加えまして、山梨、岐阜両県の駅、これは、本県の県民あるいは本県に来訪する方々が多く利用されることが見込まれる駅であります。こうした3駅がそれぞれ魅力的な駅になるということは本県にとって有意義であり、また、これは各県共通の利益でもあるというふうに考えております。こうしたことから、3県、山梨県、岐阜県そして私ども長野県で共同の研究会を設置して、課題を持ち寄って、未来志向で前向きな検討を行うことを御提案させていただいたところであります。  私からは、当面の研究テーマとして、リニア駅の利便性向上の観点から、一つは高速バス路線の開設等県境をまたいだリニア駅へのアクセスの充実、そして、3県の駅とさまざまな観光地を結ぶ周遊観光ルートの造成等、こうした2点を提案させていただいたところであります。今月中に研究会の発足に向けた事務レベルでの打ち合わせ会合を長野県内で行う予定としております。山梨、岐阜両県の御意見も踏まえ、研究テーマなど詳細を詰めて具体的な取り組みにつなげていきたいと考えております。  続きまして、3県による国やJR東海への要望についてということであります。  リニア整備に関する各県共通の課題を解決し、中間駅地域の振興を図ることを目的に、国及びJR東海に対して、山梨県、岐阜県、長野県、3県共同で要望していくということで合意をいたしました。  国に対しては、リニア関連事業及び中間駅を核とした地域づくりの取り組みをぜひ国土政策として位置づけて展開をしてもらいたいということ、そして、リニア駅周辺整備については補助制度の創設や弾力的な運用なども含めた十分な予算措置を講じること、また、地方負担に対する適切な財政支援等を講じること、こうしたことを要望していくことを予定しております。  また、JR東海に対しましては、地域特性に応じた中間駅の整備やリニア本体工事や関連工事に地元企業の受注機会を拡大するよう配慮すること、こうしたことを要望していく予定であります。  今後も、中間駅を抱える3県が魅力ある地域づくりを行っていくことができるよう共同して研究を進めるとともに、さまざまな機会を通じて沿線各県と連携し、国及びJR東海に対する働きかけを行ってまいります。  以上です。       〔41番小池清君登壇〕 ◆41番(小池清 君)免許センターにつきましては、事業計画、開設がいつになるかということも含めまして、予定を示していただくことが大事となっておるのではないかと思いますが、予定を示していただけるお考えがあるのか。その点につきましてはどうでしょう。県警本部長に伺います。       〔警察本部長内藤浩文君登壇〕 ◎警察本部長(内藤浩文 君)お答えいたします。  先ほども答弁したとおりでございますけれども、現在、必要な職員数の確保、施設面、予算等の課題について一つ一つの解決に向けて検討を進めるとともに、知事部局との協議を強力に進めているところでございますので、現時点、設置の時期について申し上げることは難しいと考えているところでございます。  以上でございます。       〔41番小池清君登壇〕 ◆41番(小池清 君)できるだけ早い時期の対応をお願いしておきたいと思います。  次に、農地法の規制緩和について伺います。  農地法につきましては、集団農地及び土地改良事業対象農地等第1種農地は、不許可の例外に当てはまらない場合、原則転用できないと規定されております。飯田・下伊那地域では、遊休農地が拡大する中、リニア中央新幹線及び関連事業を通して、土地の有効活用のため企業誘致等を各市町村並びに自治会等で検討しておりますが、ある程度まとまりのある農地は第1種農地に該当してしまい、規制が厳しく、事業が進まないのが現状であります。このままでは、地域振興の推進を図ることができず、土地利用について自治体の判断が可能となるよう、農地法上の規制緩和が必要であるとの要望があります。また、関連する法律につきましては、農村産業法における計画策定、地域未来投資促進法における土地利用の調整に関しても県の判断が関係しております。これらの案件において、現状における認識と今後の取り組みに関しまして産業労働部長、農政部長並びにリニア整備推進局長に伺います。  次に、過疎地域自立促進特別措置法の延長について伺います。  過疎地域の持つ自然は、都市に対する食料、水、エネルギーの供給、国土、自然環境の保全、災害防止、森林による地球温暖化防止など多大な貢献をしており、国民の共有する財産であります。また、日本古来のさまざまな文化資源が今でも脈々と受け継がれており、これらの財産を次世代に引き継ぐことの価値は大変重要なものがあると考えます。  そこで、過疎地域自立促進特別措置法の延長について伺うわけでありますけれども、まず、過疎対策事業債につきましては、一つとして、市町村をまたいだ広域的な施設を過疎地域に立地する場合、立地市町村が過疎債を活用して整備しておりますが、その分、当該市町村の過疎債の配分額が減少してしまいます。また、市町村の人口が減少する中で今後の地域運営を考えますと、単独の市町村がそれぞれの施設を整備、運営するだけではなく、利用実態と財源のバランスを考慮して広域的に施設を整備、運営することが想定されます。このことから、過疎市町村を含む定住自立圏全体の自立促進に向けた施設整備の広域枠の創設が必要と考えます。  二つ目といたしまして、過疎地域の自立促進、安心、安全に住み続けられる環境整備を進めるためには、市町村の枠を超えて広域的な公共交通やICT環境整備が必要となることから、過疎地域自立促進特別事業のソフトの面での広域枠の創設が必要と考えます。  また、過疎地域自立促進特別措置法の延長と、合併による一部地域指定の制度についても継続する必要があると考えます。  以上3点につきまして、県の認識と国への対応を企画振興部長に伺います。       〔産業政策監兼産業労働部長内田雅啓君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(内田雅啓 君)地域未来投資促進法における土地利用調整等について御質問をいただきました。  地域未来投資促進法は、地域が自立的に発展していくために、強みを生かしながら、将来成長が期待できる分野の需要を取り込むことで成長発展の基盤を整えることを目指すものでございまして、同法に基づき、昨年、県内各地域で県と市町村が共同して基本計画を作成したところでございます。  南信州地域では、多様な農畜産物、水引等の伝統的産業、精密加工組み立て技術を持つ企業、航空宇宙産業関連産業の集積、リニア中央新幹線の開通などの強みを生かす地域経済を牽引する事業、すなわち地域経済牽引事業を支援していくこととしております。  同法では、市町村が設定いたしました土地利用調整区域内で地域経済牽引事業を実施するために農地転用許可等を求められたときは、都道府県知事は施設の整備が円滑に行われるよう適切な配慮をするものとされております。地域経済の振興に資する事業が円滑に進められますよう、同法に基づく規制や課税の特例措置などを活用し、市町村、関係部局、現地機関と連携をして、地域経済牽引事業を実施する企業を支援してまいります。  以上でございます。       〔農政部長山本智章君登壇〕 ◎農政部長(山本智章 君)農地法の規制緩和についてのお尋ねでございます。  地域の基幹産業でもある農業の振興を図り生産性の高い農業を展開していくためには、集団的な優良農地を確保していくことが重要であります。その一方で、企業誘致等により地域の振興を図ることも必要であり、均衡ある地域の発展に配慮をした適切な土地利用調整が行われることが求められているものと考えております。  こうした社会的要請に応えるため、農村産業法及び地域未来投資促進法の規定に基づき市町村計画に位置づけられた工業団地を造成する場合等には、優良農地の確保を前提に県と市町村が丁寧な土地利用調整を行うことによって、第1種農地における農地転用が可能となっております。また、平成28年4月から、農林水産大臣が農地転用権限を付与した指定市町村がみずから工業団地を造成する場合等には農地転用許可が不要とされておりまして、南信州地域では飯田市及び高森町が指定されております。  県といたしましては、市町村からの相談に対しまして、これらの制度の活用を含め、関係部局と連携しながら適切な助言を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔建設部リニア整備推進局長水間武樹君登壇〕 ◎建設部リニア整備推進局長(水間武樹 君)リニア関連の土地利用調整に関してお尋ねをいただきました。  リニアバレー構想では、伊那谷が目指す姿として、産業振興によるグローバルな活動拠点、移住定住や2地域居住の推進などによる対流促進圏域、また、アグリビジネスの推進による食料の供給拠点などを掲げています。こうした目指す姿を実現していくに当たっては、新たなまちづくりや産業拠点の形成を図るための土地の確保や有効活用、また、農産物を初めとした地域資源の生産基盤の確保など、バランスのとれた土地利用や地域づくりが必要と考えています。  リニア長野県駅を核とした地域振興を進めるに当たっては、飯田市だけではなく、周辺の町村も含めた広域的なまちづくりの視点が必要と考えており、県としては、市町村や地域の皆さんとの連携はもとより、農政部や産業労働部を初めとした県関係部局とも十分調整を図りながらリニア時代にふさわしい地域づくりに取り組んでまいります。  以上でございます。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)過疎地域自立促進特別措置法、いわゆる過疎法に関しての御質問でございます。施設の整備やソフト事業に係る過疎対策事業債、過疎債の広域枠の創設、また、過疎法の延長について3点いただきました。一括してお答えさせていだきます。  過疎対策に係る法制度は、昭和45年以来、4次にわたりまして議員立法として制定されてまいりました。現行の法律が2021年3月に期限を迎えることを見据えまして、先月、自民党過疎対策特別委員会の委員の皆様と県内の過疎市町村の首長との意見交換会が飯田市において開催されたところでございます。この意見交換会には、県からも、地域振興局長を初め、担当課長も出席をさせていただきました。その場では、参加した首長から、議員御指摘の3点についても国に対し具体的に要望する発言がございました。県からも、人口減少下における地域コミュニティーの維持という観点から、必要な事項について意見を述べさせていただいたところでございます。今後、国におきまして、新たな過疎対策のあり方について議論が本格化していくものと承知をしております。県といたしましては、一部過疎という仕組みの継続など、現行制度の維持を国に対して求めていきたいと考えております。  一方で、広域的な取り組みに対する支援というものは必要と考えておりますが、過疎債そのものを広域的に活用するということにつきましては、財源や事業主体などの論点も含め、国における検討は慎重に行われるものというふうに予想しているところでございます。引き続き国の動向を注視していくとともに、機会を捉えまして県内の過疎地域の実情や市町村の声をしっかりと国に伝えてまいります。  以上でございます。       〔41番小池清君登壇〕 ◆41番(小池清 君)リニアを通しまして、地域においては新たな発展を期待する声が大きいわけでありますので、今の枠組みではなかなか対応できない部分も多いかと思いますが、各部局が連携して対応をしっかりとしていただくことをお願い申し上げたいと思います。  また、過疎法につきましても、現在の行政の枠組みではなかなか対応できないような状況となっております。また、過疎債も含めまして、県としてこういった状況にどのように対応していくかも大きな課題となってきておるところでございますので、引き続き担当部局としての検討を行っていただきたいと思います。  それでは、次の質問を行いたいと思います。保健医療施策の充実について伺います。  長野県は、全国を上回る水準で高齢化が進展しており、医療、介護、福祉の充実は県民の強い願いでありますが、疾病構造の変化、医療技術の高度化、ニーズの多様化など医療環境は変化し、厳しさを増しております。  そこで、県にかかわる施策について、以下、伺いたいと思います。  地域医療介護総合確保基金の有効活用についてでありますけれども、この基金は、必要な医療提供体制を構築するための地域医療構想を進めるための基金です。かかりつけ医を中心とする医療介護連携、在宅医療の推進や医療従事者の確保養成など、県医師会、郡市医師会及び医療機関が計画している事業が実行できるよう、平成30年度以上の基金の確保が31年度には求められております。  また、事業区分Ⅰ、病床の機能分化・連携、区分Ⅱ、在宅医療の推進、区分Ⅲ、医療従事者の確保養成により配分されておりますが、地域の特性に応じた事業を推進するための事業区分にとらわれない運用が医師会から求められております。このように、現在の事業区分ではなかなか地域の要望に応えることができない部分もあるわけでございますけれども、この点に関しての県の認識と今後の県の対応を健康福祉部長に伺いたいと思います。  次に、子供医療費の完全無料化について伺います。  福祉医療費の給付事業のうち子供医療費につきましては、平成30年8月診療分から現物給付方式が導入され、また、受給者負担金は最大500円とされました。一方、受給者負担金につきましては、本県に隣接する群馬、山梨、岐阜、愛知の各県で完全無料化を実施しているところから、子育て支援の一環として本県においても完全無料化が求められております。  また、現行の制度においては市町村ごとに対象年齢や受給者負担金に差異があるため、医療の現場では大きな負担になっているとのことであります。全県統一のルールづくりの必要があると考えますが、この点についての御答弁を伺いたいと思います。  次に、これまで、福祉医療費給付事業では、柔道整復師も医療機関等と同様、自動給付方式で対応してきました。本年8月1日に子供医療費について医療機関等は現物給付となりましたが、当県における柔道整復の施術に係る療養費は現物給付の対象外となっております。他県においては、医療機関等と同様、現物給付に移行した県もあるわけでありますが、長野県での現状の認識と対応を健康福祉部長に伺います。  次に、糖尿病性腎症重症化予防について伺いたいと思います。  保険者努力支援制度では、県による保険者協議会への積極的な関与による医療費適正化の取り組みを評価項目に位置づけ、インセンティブによる評価、支援をしていくこととされております。国保、社保を問わず、特定健診と保健指導により健康寿命の延伸と医療費適正化が必要ですが、糖尿病性腎症重症化予防が注目されております。これにつきましては、医療費の削減、糖尿病性腎症による透析導入は努力で減らせる先進事例が報告されてきている。自覚症状のない病気なので特定健診で発見する。継続治療が重要である。透析導入になりそうなハイリスク患者を見つけて、医療と行政、保健師と一緒になった重点的な治療により透析導入をおくらせ、あるいは回避できるようになってきた等が理由として挙げられております。  長野県の新規透析導入は年間に540人で、このうち糖尿病からは約220人がおるというような報告があるわけでございまして、これらは、透析の治療費としては、この間5年から10年といたしますと、年間10億から30億の負担となっておるような状況であります。このような状況を踏まえ、飯田医師会では、糖尿病性腎症重症化予防対策として包括医療協議会内に特定健診等専門委員会をつくり、取り組みを始めております。  糖尿病性腎症重症化予防プログラムの効率を上げるためには次の点が必要であるとされております。予防効果を上げるために、県、市町村、医療機関、健診機関、保険者などの間の情報交換、協力関係。また、予防プログラムの効率を上げるための積極的支援。次に、県民がどの地域でも同じようにサポートを受けられるよう、市町村、医療機関、健診機関、保険者への指導、連携づくりが重要とされておりますが、これらの点に関しての県の見解と今後の取り組みを健康福祉部長に伺いたいと思います。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)保健医療施策の充実及び糖尿病性腎症重症化予防につきまして順次お答え申し上げます。  まず、保健医療施策の充実について、平成30年度以上の基金の確保についてというお尋ねでございます。  地域医療介護総合確保基金につきましては、現在、来年度予算編成作業を行っているところでありますが、医師会や医療機関などの皆様から今年度を上回る事業要望をいただいております。これらの事業実施に支障がないよう必要な基金の確保に努めてまいりたいと考えております。  事業区分にとらわれない運用についてでございますが、地域医療介護総合確保基金の医療分野につきましては、事業の目的により三つの事業区分が設けられております。それぞれについて、都道府県の計画に応じ、厚生労働省から財源が交付される状況であります。  長野県では、機能分化・連携を推進する区分Ⅰは要望額どおり交付されておりますが、在宅医療推進のための区分Ⅱ及び医療従事者確保のための区分Ⅲについては交付額が要望額を下回る状況が続いております。県では、かねてからこれらの状況に問題意識を持ち、国に改善を求めてきたところでありますが、今年度は、阿部知事が直接厚生労働省に出向き、十分な予算確保と事業区分間での配分調整を弾力的に認めるよう要望したところでございます。今後も、機会を捉えて国にこうした要望をしっかりしてまいります。  次に、子供医療費の完全無料化と全県統一のルールづくりについてでございます。  受給者負担金につきましては、平成14年度に県と市町村で設置しました福祉医療制度のあり方検討委員会において、福祉サービスの受益と負担の関係を明確にし、ともに制度を支え合う一員であることを受給者に認識していただくため、医療費の一部については受給者の負担とすることが適当であるとの提言を受け、導入されたものであります。  子供を対象とした医療費助成における対象年齢や受給者負担金につきましては、事業の実施主体である市町村が、財政状況などを勘案した上で、それぞれ独自の判断で設定されております。県としましては、そうした市町村の判断を尊重しているところでございます。  その中で、今回各方面から強い要望をいただいた現物給付方式を導入し、この8月から中学校卒業までは全市町村で統一して実施することで窓口負担が軽減され、安心して必要な医療を受けられる仕組みができたと、このように考えております。県といたしましては、まずは8月から導入した子供医療費の現物給付方式の定着と円滑な運営に努めてまいりたいと考えております。  また、県では、子供医療費について、社会保障政策の中に位置づけた国の責任による助成制度の創設を要望してきたところでありますので、引き続き国に対して要望してまいります。  次に、柔道整復の施術に係る療養費の現物給付化についてでございます。  柔道整復施術療養費の現物給付方式導入につきましては、さきに西沢議員にお答えをしましたとおり、レセプトの審査方法が医療費等と異なることから、直ちに現物給付方式を導入することは困難であるため、現在、導入した他県の状況を調査しておりますので、今後、市町村の意見を聞き、導入の可否について研究してまいりたいと考えております。  次に、糖尿病性腎症重症化予防についてでございます。  予防プログラムへの県の積極的支援についてのお尋ねでございますが、糖尿病の患者は、現在約4万6,000人と推計されており、そのうち人工透析をしている患者の数は、平成18年では約2,300人と推計されております。  議員御指摘のように、毎年約200人を超える者が新たに人工透析となっているという状況を重く受けとめ、県としましては、重症化予防の取り組みは、平成28年に県医師会や長野県糖尿病対策推進会議に加え、長野県保険者協議会と連携して糖尿病性腎症重症化予防プログラムを策定したところであります。市町村や医療機関等との連携が進んでいる圏域においては、このプログラムに基づき、重症化予防の取り組みが進められておりますが、県では、地域における取り組みの差をなくし、全市町村での取り組みが進むよう、圏域ごとに地域の実情に応じた推進体制の構築に関する検討を行うとともに、各圏域の取り組みの情報共有や課題解決のための検討を行っております。さらに、今年度からは、国民健康保険の広域化により県も保険者となったことから、市町村の現状把握やデータ分析など保健事業の推進に関して積極的な支援に現在取り組んでおります。  最後に、どの地域でも同じようにサポートが受けられる連携づくりについてのお尋ねでございます。  糖尿病性腎症重症化予防について、県民がどの地域でも同じようにサポートを受けられることは重要であると認識しております。県民が同じ支援を受けるために、県では、糖尿病性腎症重症化予防プログラムにより統一した基準や手順を設定し、市町村や医療機関等の関係者への見える化と情報共有を現在行っております。地域ごとに医療資源が違うことから、それぞれに合ったプラットフォームが必要となるため、先駆的に取り組んでいる飯田包括医療協議会や佐久平糖尿病ネットワークなどの事例を参考に、各圏域での連携体制を強化し、各保険者の取り組みが推進されるように支援してまいりたいと考えております。  加えて、保健師や管理栄養士等に対する研修など専門職の保健指導のスキルアップに向けた支援も行うことにより、県民の皆様がどの地域でも同じサポートを受けられるようにしっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 ○議長(鈴木清 君)次に、小川修一議員。       〔17番小川修一君登壇〕 ◆17番(小川修一 君)まず、児童養護施設退所後の支援についてお尋ねします。  県は、次代を担う子供、若者を、結婚、妊娠、出産、幼少期から青年期まで切れ目なく社会全体で支え、応援するための取り組みを総合的にまとめた長野県子ども・若者支援総合計画を策定しておりますが、この計画では、子供、若者の未来の応援のための戦略を立て、2030年の社会を担う子供、若者のために今なすべきことを明記しています。  そのうちの一つが、「置かれた環境にかかわらず自分の未来を切り拓ける社会づくり」であり、困難を有する子供と家庭に対する支援の強化であります。きのうまでの一般質問でも、子供への貧困対策、いじめへの対応、不登校児童生徒の支援、ひきこもりの支援など、多くの議員が県の取り組みについてただしています。以前、知事は、国も含めた社会全体で子供たちが夢や希望を持って暮らせる社会に向け、県として責任を持って施策を進めると同時に、国に対しても必要な提案を行う中で、子供たちが未来に向けて前向きに進んでいくことができる県づくりに取り組んでいきたい旨の御発言をされています。私も、子供たちが未来に向けて前向きに進んでいくことができる県づくりにともに取り組みたいと考えております。  ところで、虐待や経済的困窮などを背景に、親元を離れ、児童養護施設で暮らす子供たちは、県内に約470人いるそうです。子供たちは、原則として18歳を迎えると施設を退所する必要があります。施設退所後、頼れる親がなく、住む家もない子供たちにとって、仕事も家事も全て一人で行わなければなりません。生活がうまくいかなくなった場合にも、施設退所者には帰る場所はありません。家族という重要なセーフティーネットがなく、また、公的なセーフティーネットである生活保護などの知識もなく、誰に相談すればよいかわからないという人も多く、施設退所後の居場所が欲しいという思いも非常に強いそうです。  このように、保護者の支援を得られない退所後の子供たちは、経済的にも厳しくなり、住居などにも困るという指摘がされています。3年前の一般質問で、私は、児童養護施設の入所児童の自立について、子供にしっかりとした基礎学力を身につけさせ、また、自信を持って本人の希望する進路を進めるようにし、将来の自立をサポートしていくことが肝要であるとの見地から、児童養護施設で育つ子供たちが、ネガティブ思考ではなく、自分に自信を持って社会に巣立ち、社会の一員として自立していくために県としてどのような施策を講じているか質問をさせていただきました。進学希望者への給付型奨学金だけでなく、さまざまな支援を必要としている児童養護施設退所者の生活や就労についての相談体制、そして気軽に集える居場所づくりが必要であると考えておりますが、これらについて県の現在の取り組み状況はどうなっているでしょうか。県民文化部長に伺います。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)児童養護施設退所者の生活・就労相談体制、居場所づくり等についての御質問でございます。  県内14の児童養護施設では、高校卒業などによる退所後の自立生活を見据え、入所児童の状況を踏まえた就職・学習支援等が行われており、昨年度末は、32人の退所児童のうち24人が就職、8人が進学により自立いたしました。しかしながら、過去4年間で見ますと、進学、就職した退所者計129人のうち、退学した者が5人、退職した者が22人、また、問題を抱えながらも在学、就労を継続している者は33人という状況で、退所後の生活においても何らかのサポートが必要な状況にございます。  現在、こうした方々からの相談については、個々の退所者が抱える複雑な事情や背景を十分に認識し、信頼関係が既に構築されている施設職員が対応しておりますが、入所中の計画的な自立支援から退所後の継続的なアフターケアに至るまでの一貫した相談・支援体制の構築が求められております。  居場所づくりに関しては、町の中に気軽に集える場所があることも必要であると考えますけれども、退所者の困難を抱えている状況や生育環境等を総合的に考えますと、むしろ養護施設そのものが退所後も居場所や相談の場所であり続けることこそが大切ではないかというふうに考えております。  こうした観点から、施設による退所者の自立支援やアフターケアのための体制充実強化を図るべく、施設関係者との間で意見交換、調整を進めているところでございまして、退所者が退所後の居所、地域において安定した自立生活を送れるよう支援策を検討してまいります。       〔17番小川修一君登壇〕
    ◆17番(小川修一 君)佐賀県では、今年度から、18歳を迎え、児童養護施設を退所した若者の生活や就労を継続的に支援する事業を始めているそうです。この支援事業は、18歳の巣立ち応援事業として実施され、児童養護施設を退所する人や既に退所して支援を必要とする若者を対象に、コーディネーターが支援計画をつくり、退所後も継続して若者の生活や就労を支えるものであり、交通の利便性が高い場所に拠点を設け、若者たちが集まれるようにしています。施設の設置費や人件費を含む事業費は790万円で、半分を国庫補助で賄っているそうです。初年度は十数人規模の対象者を想定しており、事業では、里親やファミリーホームを巣立つ若者も対象にするとのことです。  先ほどの御答弁で、養護施設関係者としっかりとアフターケアをされていくというようなお話でありました。施設から自立していく若者ができる限り一般家庭出身の若者と公平にスタートラインに立って社会に出て自立していけるよう自立支援の充実を図ることは、置かれた環境にかかわらず自分の未来を切り開ける社会づくりのために必要なことであります。よりきめ細やかな取り組みを要望いたしまして、次の質問に移ります。  次に、地域課題への対応についてお尋ねします。  県は、昨年度、10の地方事務所を地域振興局に変更し、地域振興局長に今まで以上に権限と予算をつけ、いわゆる横断的な課題に取り組んでいます。県の説明によれば、横断的な課題とは、地域特有の事情や経緯により複合的に問題が絡み合うなど、一つの現地機関における個別の対応では容易に解決できないものであり、地域振興局長の統括、調整を必要とするものとしています。地域振興局長が他の現地機関を統括、調整して解決に当たる課題を複数の現地機関に関係する横断的な課題としているとのことです。  私の住む千曲市は長野地域ということになりますが、今年度の横断的な課題として、農商工観連携した果物を軸とする地域活性化「ながの果物語り」の推進と、観光地域づくりとして体験と交流を軸とした地域の特徴を生かした広域観光の推進が挙げられています。  そこで、地域振興局ごとに横断的な課題に取り組んでいるということは承知しておりますが、取り組みを始めて改めて気づいた点なども多々あるかと思います。地域振興局の横断的な課題について、これまでの取り組みの現状、課題と今後の見通しを企画振興部長に伺います。  また、地域振興局の横断的な課題といったものは産業振興や観光地域づくりが主なものではありますが、地域の課題と言われるものには、産業、労働、観光分野と医療・福祉分野というようにはっきり区別できないものもふえているのではないでしょうか。  最初に質問いたしました児童養護施設退所者の支援や障害のある子供の支援、ひきこもり等の支援には就労支援が重要であります。そして、企業等の人材不足解消と就労支援とは密接にかかわるものでしょう。また、障害者等の農業分野での活躍を通じて自信や生きがいを創出し、社会参画を促す取り組みである農福連携については、農業農村における課題、福祉、障害者等における課題、双方の課題解決とメリットがあるウイン・ウインの取り組みとして推進されているということは言うまでもありません。  そこで、地域振興局で言うところの横断的な課題以外の障害者の就労支援や農福連携など医療・福祉分野にもまたがる地域の課題については各保健福祉事務所が取り組んでいるという理解でよろしいでしょうか。そして、そこではどういう課題があり、また、保健福祉事務所と地域振興局との連携はどうなっているでしょうか。健康福祉部長に伺います。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)地域振興局ごとに取り組んでおります横断的課題に関しまして、現状、課題、今後の見通しについて御質問をいただきました。  今年度設定されております横断的課題でございますが、議員に御紹介いただきました長野地域以外のものも幾つか具体的に御紹介をいたしますと、諏訪地域で設定されております諏訪湖を活かしたまちづくり、南信州地域のリニア新時代に向けた移住・定住の促進、木曽地域の地域防災力・減災力の強化などでございます。各地域におきまして、現地機関の長で構成します地域振興会議や住民の方々の声を踏まえる中で、地域振興推進費も活用して課題解決のための取り組みを行っております。  今後の課題でございますが、地域振興局同士の連携、また、県境を越えた連携がさらに積極的に行われていくよう進めていくことであると考えております。そのような指示は既に知事から各局長にも出されているところでございます。  横断的な課題は、地域において特に重要な課題であり、中長期的に進める必要がありますので、今後もある程度継続的な取り組みが必要になってまいります。引き続き現地機関と本庁が一体となりまして地域課題の解決に取り組むことができるような環境を整えてまいります。  以上でございます。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)医療・福祉分野にまたがる地域課題への対応についてでございます。  健康福祉部が所管します医療・福祉分野に係る地域の課題につきましては、地域特有の事情や経緯はもとより、交通や住居といった地域の暮らし全体に関する課題が複雑に絡み合っておりますことから、保健福祉事務所が地域振興局を含めた関係機関と密接に連携することにより、現在、課題の解決に努めております。  具体的な例でございますが、北信圏域においては、保健福祉事務所が事務局となって、地域振興局、障害福祉サービス事業所、関係市、農業関係者等から成る推進会議を設置し、障害者の就労支援、農業の活性化等を目的とした農福連携事業を推進しております。また、木曽圏域においては、地域振興局が中心となって、木曽郡南部4町村を経由し県立木曽病院へつなぐ広域運行路線について路線バスと乗り合いタクシーによる試験運行と検証を行う取り組みが実施されました。  今後とも、県民の皆様の暮らしを支える地域課題の解決に、地域振興局、市町村とともに連携を密にして取り組んでまいります。  以上でございます。       〔17番小川修一君登壇〕 ◆17番(小川修一 君)先ほど、地域振興局同士、そして県境を越えた連携に取り組む、そして、特に重要な横断的な課題については中長期的に引き続き取り組まれるということでした。そして、福祉・医療分野との連携もしっかりされるという御答弁でした。福祉分野に限って見ても、児童福祉、障害者福祉、自立支援等にかかわる複雑な困難事例も想定されるところであります。  県には、当事者のニーズをしっかりと把握しつつ、制度のはざまを埋めることができるよう、施策の展開の際には常にそれぞれの取り組みをアップデートしながら、次代を担う子供、若者の未来の応援のため、より適切で効果的な取り組みにアップグレードできるよう要望いたしまして、私からの質問を終わります。 ○議長(鈴木清 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時42分休憩          ──────────────────         午後1時開議 ○副議長(小林東一郎 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  酒井茂議員。       〔20番酒井茂君登壇〕 ◆20番(酒井茂 君)自民党県議団、伊那市選出、酒井茂でございます。私は、一昨年の2月定例会で女性の尊重について質問いたしました。女性に関しては今回が2回目の質問となります。  さて、長野県におきましては、若い女性の県外への転出超過が続いており、これが少子化、人口減少の主な原因になっていることから、若い女性に地域に定着していただくことが重要と考えます。そのためには、女性が住んでいたい、住みよいと感じる地域にしていかなければなりません。今回は、子育て、介護などにおける女性の負担を軽減し、そして女性に優しいまちづくりを実現するための幾つかの施策について質問いたします。  一つ目は、妊娠、出産に関する支援であります。  まず、産後ケアについて質問をいたします。  産後ケアは、出産後の母親の心身に対するケアや育児のサポートを行うもので、産後鬱の予防や新生児への虐待を防ぐために重要な支援であります。国の調査によりますと、妊産婦の死亡原因のトップは自殺で、全体の3割も占めているのであります。出産の後は、ストレスや孤立感が重なり、産後鬱の状態になりやすくなります。妊産婦の自殺の防止には、産後鬱の予防や治療が大切であります。産後鬱の対策といたしましては産後ケアが有効でありますが、長野県では60の市町村で実施しており、ここ数年取り組みが進んでいることは評価すべきと考えます。  産後ケアは、助産師の訪問によるもの、施設への宿泊やデイサービスによるものなどがあります。長野県助産師会では、産前、産後の切れ目のない支援に取り組んでおり、産後ケアを県下の全市町村で実施することを目標にしておりますが、市町村の対応に温度差があるため、助産師会のパワーを生かし切れていないのが現状であります。  山梨県では、ことし5月に、産前産後ケアセンターの運営が始まりました。これは、県が健康科学大学に委託して宿泊型のサービスを行っているものでありますけれども、県の補助があるため、2泊3日で個人負担は1万4,200円、長野県の平均的な場合の2万2,500円と比べて非常に少ない金額であります。県では、産後ケアを県下全市町村で実施するためにも、サービスを受ける場合の個人負担に対する県の支援制度の創設を初め有効な施策を実施すべきと考えます。  次に、不妊治療についての質問であります。  近年、晩婚化等を背景に、不妊治療を受ける夫婦が増加しており、不妊治療や検査を受けた夫婦は全夫婦の18%にも達しております。また、不妊治療で生まれた子供は全ての出生児の5%にも達しております。働きながら不妊治療を受ける人が増加しておりますが、不妊治療と仕事の両立ができずに離職する人の割合が16%もあります。仕事と出産、育児を両立するためには、不妊治療に関して行政や企業などの理解と支援が必要であります。最近では、徐々に支援策が充実しているところでありますが、不妊治療のために必要な休暇の取得が課題となっております。  不妊治療をした、または予定している人へのアンケートによりますと、実に95%の人が治療のための休暇などの制度化を希望しているのであります。日本航空や富士ゼロックスでは、不妊治療に専念するため、最長1年の休職制度を設けているところであります。このような先進的な取り組みではないにしても、柔軟に休暇をとれる制度を整備すれば仕事との両立は進みやすくなります。  そこで、以下2点について健康福祉部長にお聞きをいたします。  1、県では、これまで、産後ケア事業に取り組もうとしている市町村に対してどのような支援を行ってきましたか。また、全ての市町村で産後ケア事業が実施される上での課題をどう捉え、その課題解決のために県ではどのような支援を行っていく予定ですか。  2、産後ケアを受けるには多額の個人負担が伴いますが、必要な人に広く事業を活用してもらうために市町村の補助制度に県が上乗せして補助すべきと考えますが、どうでしょうか。  次に、知事にお聞きいたします。  不妊治療に関する現在の県の支援策をどう評価していますか。また、不妊治療に関する休暇の制度化を初め県の支援策の充実が必要と考えますが、県として不妊治療に関して基本的にどのような姿勢で支援を行っていきますか。  二つ目に、子育て支援について質問いたします。  まず、保育所の待機児童についてであります。  政府は、2020年度末における保育所の待機児童ゼロを目標に掲げておりますが、ことし4月時点で待機児童数は全国で2万人程度あると言われております。  これとは別に、潜在的な待機児童がいることも大きな問題となっております。潜在的な待機児童とは、1、自宅から遠過ぎて通えないので近くの保育所のあきを待っている。2、やむを得ず無認可の施設を利用している。3、育児休業を延長して保育所のあきを待っているなどの場合があります。この潜在的な待機児童の数が一体どの程度なのか、明らかな数値は公表されておりません。  松本市では、ことし4月時点の待機児童が43人あり、これとは別に潜在的な待機児童が74人あることを明らかにしました。安曇野市では、待機児童が7人、潜在的な待機児童数は77人となっております。これに加え、長野市でも待機児童が発生する見込みであることが報道されました。他の自治体では具体的数値を明らかにしていないことから、全県レベルの待機児童の実態が明確ではなく、有効な対策もとられていないのではないかと考えます。私の地元でも、保護者としては納得のできない理由により入所が認められず、実態として潜在的な待機児童となっている例もあります。県では、実態を把握し、待機児童解消のための対策を積極的に行うことが求められております。  次に、病児・病後児保育についてであります。  病気の子供や病気が治っても調子がよくない子供は保育所では預かってくれないため、預かってくれる保育施設があれば親は大変助かるものでございます。県内では、広域的な施設や市町村の施設はあるものの、まだまだ不足している状況であります。病児や病後児保育を実施するには施設の設置費用や施設の運営費が必要であり、特に、財政規模が小さい町村では、施設の開設、運営はハードルが高いと考えられます。県内のどこに住んでいても病児や病後児保育を受けられることが求められている中で、県は、市町村と連携して支援策を充実する必要があると考えます。  次に、育児休業についてであります。  国の調査によりますと、出産後、就業継続に必要なことを問うアンケートに対して、休暇がとりやすい職場を挙げる回答が多くなっております。法律上は、育児休業の申請があれば会社は拒否をすることはできませんが、育児休業をとりやすい職場環境がなければ休業の申請をしにくいというのが現状ではないでしょうか。中小企業が多い長野県では、人材の確保のためにも、女性の負担軽減のためにも、女性が出産後も就業継続しやすい環境づくりを進めなければなりません。  そこで、知事及び県民文化部長にお聞きいたします。  1、長野県内の保育所における待機児童数と潜在的待機児童数を具体的な数字によってお示しください。また、この現状をどう分析しているのか、県民文化部長にお聞きをいたします。  2、その上で、待機児童及び潜在的待機児童を解決するために今後県として具体的にどう取り組みますか。また、待機児童を解消するために課題となっているのが保育士の確保であります。今後県として保育士の確保に向けて具体的にどのように取り組んでいくのか、知事にお聞きをいたします。  3、県内で病児や病後児保育を実施している市町村または広域圏がどれだけあり、県内において病児・病後児保育を受けられる乳幼児の全県に対する比率はどの程度になっておりますか。その上で、県下の病児や病後児保育の実施状況や課題をどう捉え、県として市町村に対し今後具体的にどのような支援策を行っていくのか、県民文化部長にお聞きいたします。  4、県内の企業等における育児休業の取得状況と課題をどう分析し、今後育児休業をとりやすくするため、具体的にどのような施策を進めますか。知事にお聞きをいたします。  三つ目に、介護における支援について質問いたします。  まず、介護人材の確保についてであります。  政府による介護離職ゼロの目標が掲げられてから久しいわけでありますが、実際には介護のために離職を余儀なくされている人が多い現状にあります。平成29年の就業構造基本調査の結果によりますと、長野県内で介護、看護のために離職した女性の割合は、平成24年が2.3%であったのに対し平成29年には3.9%と、実に7割も増加をしております。また、離職者に占める女性の割合は7割と、女性の比率が高い状況にあります。離職ゼロどころか離職増であり、このままでは介護離職ゼロは夢のまた夢であります。今後ますます要介護者がふえる中で介護人材をふやさなければならない状況でありますが、将来が非常に不安であります。  施設や在宅での介護サービスが十分に受けられない場合、結果として家庭で介護する人の負担軽減を図ることはできません。現在、家庭で介護している人は、女性が7割、男性が3割となっており、最近は男性が介護するケースはふえているものの、主な介護の担い手は女性であります。  次に、地域包括ケアシステムについてであります。  県では、地域包括ケアシステムの定着のためにさまざまな施策を推進してきましたが、県内の各圏域にはさまざまな課題があり、また、市町村の取り組みに温度差があるため、県全体としてはシステムが定着しているとは言いがたい状況にあります。  包括ケアシステムは基本的には各市町村が行っておりますが、専門職員の不足などにより、システムがうまく機能している市町村は少ないと思われます。また、関係機関の連携が重要でありますが、連携の調整役を市町村が担い切れない状況があります。そうした中で、包括ケアシステムのコーディネーター役を保健福祉事務所が積極的に担うことが求められているのであります。  次に、在宅医療についてであります。  地域包括ケアシステムのうち在宅医療の担う役割はますます高まっております。在宅医療における女性の負担は大きいため、在宅医療のシステムが有効に機能することが重要であります。そのためには、訪問看護事業における質の高いサービスの提供が求められるのであります。訪問看護事業の実施において重要なポイントは、サービスを担う看護師の確保と育成であります。  そこで、以下2点について知事にお聞きをいたします。  1、介護人材の確保について、今後ますます介護に必要なサービスの提供量をふやさなければならない中で、長野県において要介護者がピークを迎える2025年の介護人材の必要数と確保見込み数をどう予測しておりますか。その上で、介護人材の必要数と確保見込み数との乖離を埋めるため、県として今後具体的にどのような施策を実施していきますか。  2、県下の包括ケアシステムの構築や運用状況の課題をどう捉え、課題解決のために県として具体的にどのような対策をとっていきますか。  以下、2点について健康福祉部長にお聞きをいたします。  1、地域包括ケアシステムの構築や運用に当たって県の保健福祉事務所が積極的に関与していくことが期待されておりますが、今後具体的にどのようなかかわり方をしていく方針でしょうか。また、地域包括ケアシステムの推進のため、保健福祉事務所の保健師の配置数を充実する必要があると考えますが、今後の保健師の配置についてどう考えておりますか。  2、在宅医療について、県下において訪問看護事業を行う看護師は確保されておりますか。また、今後県として看護人材の確保と育成について具体的にどのように進めていきますか。  以上で子育てなどにおける女性の負担軽減に関する質問といたします。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)順次お答え申し上げます。産後ケア事業の課題、課題解決の支援についてでございます。  現在、産後ケア事業は60市町村で取り組まれております。県では、平成28年度、29年度、産後ケアアドバイザー派遣事業を実施し、51人の登録助産師が11市町村で産後ケアの実施及び市町村保健師に対する本事業の開始に向けた助言を行ってまいりました。また、信州母子保健推進センターで各圏域に配置している母子保健推進員4名も、市町村からの求めに応じ、産後ケア事業を運営する上での課題解決に向けた助言や先進事例の情報提供等を行ってまいりました。  市町村が産後ケア事業を進める上での課題として、出産後間もない母子に対して心身のケアや育児サポートを行う重要な役割を担う助産師の確保、産後鬱等に悩む母親に対する支援体制の構築等があります。今後、全ての市町村で産後ケア事業が円滑に取り組まれるよう、助産師会を初め関係者と連携してしっかり支援をしてまいります。  次に、産後ケア事業の市町村補助制度への上乗せ支援についてでございます。  産後ケア事業は、国と市町村で2分の1ずつを負担して行う国庫補助事業でありますが、市町村は、宿泊型、デイサービス型、アウトリーチ型の3種類の中から選択して実施しております。市町村がこの補助事業を行う場合、利用者負担を徴することが要件とされております。例えば、宿泊型を利用する場合、市町村により異なりますが、国の研究班の調査によりますと、1日当たりおおむね4,000円から1万円程度の個人負担が必要となっております。多くの市町村は、所得に応じて負担割合を軽減しております。個人負担額については、事業の実施方法を含め、市町村の主体的な判断で決定されるものであり、この事業の重要性は十分理解しておりますが、県としては、上乗せ支援という形ではなく、ただいま申し上げました各支援を充実することを通して、県内市町村の産後ケア事業の取り組みをしっかり支援してまいりたいと考えております。  次に、地域包括ケアシステムに対する保健福祉事務所の関与についてでございます。  地域の実情を熟知し、ネットワークを持つ保健福祉事務所が地域包括ケア体制構築に向けた支援にかかわることは必要であると認識しております。保健福祉事務所は、これまで、各地域の医師会等関係団体との調整や圏域単位の医療・介護連携のルールづくり等積極的に関与しており、市町村の介護保険事業計画策定支援や研修の実施を含めた介護保険サービス事業者支援を行っております。市町村地域包括ケア体制につきまして、市町村へ保健師等の専門職によるチームを派遣したいと考えておりまして、その参画を含め、保健福祉事務所の専門職が管内の市町村支援でその専門性を発揮し、地域包括ケア体制構築に向けて積極的に関与できるよう取り組んでまいります。  また、保健師の配置についてでございます。  現在、本県における保健師数は102名、そのうち約7割の70名を保健福祉事務所に配置しております。私は、ことし9月に健康福祉部長に就任し、保健福祉事務所を訪問し、保健師、管理栄養士等専門職の皆さんと意見交換をいたしました。県庁で感じていた以上に保健師の担う業務は幅広く、市町村保健師との協働による地域包括ケアシステムの構築はもとより、健康づくり、介護予防、精神保健、感染症対策等多岐にわたり、その役割はますます重要になっていくと感じたところであります。  保健師の配置については、保健福祉事務所での勤務とともに、保健師が保健福祉事務所で培った経験、ノウハウをもとに本庁において企画立案業務を行うことにより適切な施策の推進とキャリアアップを図られるよう配慮しております。近年、県全体の保健師の数は増加しているものの、保健福祉事務所に配置されている保健師の数は横ばいとなっておりますが、引き続き人員の確保に努め、限りある人員を効果的に配置することにより体制の充実を図ってまいりたいと思っております。  次に、訪問看護人材の確保と育成についてでございます。  地域包括ケア体制を推進していくために、在宅医療の屋台骨を担う訪問看護師の役割は非常に重要と考えております。長野県内の175カ所の訪問看護ステーションに勤務する看護職員は、平成29年度末で第6期長野県高齢者プランの目標数950人を上回る1,017人となっております。  訪問看護師の確保のため、平成28年度から訪問看護支援事業として訪問看護入門研修、専門研修を実施するとともに、今年度からは、さらなる人材確保を図るため、25年以上の豊かな看護経験を持つプラチナナースを対象に、これまで培った経験を訪問看護分野で生かすため、セカンドキャリア研修やマッチング支援などの取り組みを開始しております。  あわせて、質の高いサービスを提供することが重要であり、訪問看護師の専門的なスキルを習得するための研修に加え、脱水時の点滴実施などの診療の補助ができる特定行為看護師養成研修の受講に対する支援を開始いたしました。2025年に向けた地域包括ケア体制構築のためには、訪問看護の需要がますます高まるものと見込まれており、訪問看護を行う看護職の確保と資質の向上がより一層図られるようしっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)女性に優しいまちづくりについて、私には大きく5点御質問をいただきました。  まず、不妊治療に関する現在の支援策の評価と今後どのような姿勢で支援を行うのかという御質問でございます。  県では、不妊治療に対する支援として、平成13年度に長野県不妊専門相談センターを設置いたしました。これまで延べ3,480件の相談を受けてきたところであります。また、平成16年度からは体外受精等の特定不妊治療を行う方への治療費助成を行っておりまして、これまで延べ1万7,584件実施してきております。不妊に悩む方々の精神的な負担と経済的な負担の軽減に一定の役割を果たしてきたものというふうに考えております。  今後の取り組みということでございますが、民間企業の約7割で不妊治療に対する休暇制度を含む従業員への支援が未実施というデータもございます。こうしたことから、県の職場環境改善促進アドバイザーの取り組みの充実等を通じて、不妊治療を行いやすい職場環境づくりを企業の皆様方の御理解も得ながら進めていきたいというふうに思っております。  また、不妊専門相談センターにおける休日相談の実施、男性の不妊治療に関する普及啓発の実施、さらには就職、結婚、出産、育児等ライフイベントを踏まえた将来設計を若い世代が総合的にみずから行うことができるよう、高校生を対象としたライフデザインセミナーの充実等も今後行っていきたいというふうに考えております。  子供を産み、育てたいという希望が多くの方々にとって現実のものとなるよう、県としては引き続き相談支援、治療費の助成、仕事と治療の両立支援などの必要な支援に取り組み、安心して妊娠、出産をしていただける体制の充実を図っていきたいと考えております。
     続きまして、子育てに関連しまして、待機児童の解消、保育士確保の取り組みについての御質問でございます。  待機児童及び潜在的待機児童の問題を解決するためには、二つの大きな対策が必要と考えております。  一つは、施設の整備であります。将来の少子化傾向を踏まえますと、大規模な保育施設の新設や増築はなかなか困難な部分がございます。したがって、保育ニーズが高い地域などに地域型保育の普及を図るなど、市町村と連携して多様な保育サービスへの支援を検討していきたいと考えております。  二つ目は、保育士の確保でございます。9月補正におきまして、保育士人材バンク登録者の促進の取り組みなど緊急対策に着手しております。これまで、人材バンクの登録者数は平成29年度末で156人でありましたが、ことしの12月現在、240人まで増加してきております。また、中南信地区を対象に、保育士再就職支援コーディネーターを11月に1名増員いたしました。配置後2週間の間で2名の保育士の就職が決まったところでございます。今後は、保育士養成校と連携をした県内保育施設への就職を促すガイダンスの開催であったり、また、大都市圏の養成校における長野県保育施設のPRなどを行うことによりまして、県としても、保育士の確保に最大限努力をしていきたいと考えております。  女性の活躍にとりまして保育環境の整備は極めて重要な課題であるというふうに思っております。保育士の処遇改善等引き続き国に対しても制度の充実を求めますとともに、市町村と連携して積極的な取り組みを進めてまいります。  続きまして、育児休業の取得状況と課題等についてという御質問でございます。  平成29年度の労働環境等実態調査によりますと、本県の回答のあった事業所における育児休業の取得率は、女性が98.1%、男性が5.4%ということであります。男性の育児休業取得はなかなか急激に増加しているという状況ではありませんが、男性、女性ともに育児休業の取得率は増加傾向にあります。育児休業の取得は徐々に進んできているものというふうに考えております。この要因としては、県内の企業の皆様方の働き方改革に対する機運が高まっていること、あるいは、これまで県として取り組んでまいりました企業の経営者等によります社員の子育て応援宣言、こうしたものをふやす取り組みなども一定程度寄与してきているのではないかというふうに考えております。  他方で、さきの調査の中で育児休業を取得しなかった従業員の方にその理由を聞いたところ、制度がなかったという回答が子育て世代の30歳代で25.4%ございます。会社における育児休業規程がなくても法により取得できることの周知が不足しているものというふうに考えております。  あわせまして、中小企業においては代替職員の確保が難しいこと、あるいは企業によっては育児休業を取得しづらい職場の雰囲気があることなども課題ではないかというふうに考えております。  こうした状況を踏まえまして、県としては、職場いきいきアドバンスカンパニー認証や県の職場環境改善促進アドバイザーの企業訪問等によりまして、育児休業規程の整備や従業員へのこうした制度の周知の働きかけに力を入れてきたところでございます。  加えまして、中小零細企業に対しましては、育児休業の代替要員の確保などを支援するため、国の育児休業支援関係助成金という制度がございますので、こうしたものの一層の活用支援を長野労働局や経済団体、労働団体とも連携をしながら働きかけていきたいと考えております。  続きまして、介護の関係で、2025年の介護人材必要数と確保見込み、そして人材確保策についての御質問でございます。  ことしの5月に厚生労働省が公表いたしました第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数によりますと、2025年度末には本県では約4万5,000人の介護人材が必要とされております。それに対する確保見込みは約3万8,000人、需給ギャップは約6,800人というふうに推計しております。この需要と供給のギャップを解消し、より多くの質の高い介護人材を確保するため、多様な人材の入職の促進、資質の向上、そして職場定着、離職の防止、こうしたことを施策の柱として総合的に対策を講じてきているところでございます。  多様な人材の入職促進の取り組みとしては、適性に合った職場とのマッチング及び介護の資格取得費用の助成に加えまして、新たに中高年齢者や女性等介護未経験者に対する介護の入門的研修を実施することにより人材の裾野を拡大していきたいと考えております。  また、資質向上の取り組みといたしましては、長野県版キャリアパス・モデルに基づきます福祉職員生涯研修の実施とともに、新たな資格取得促進のための支援を行ってまいりたいと考えております。  また、離職防止、定着支援の取り組みといたしましては、介護施設の人材育成や職場環境改善の取り組みを県として評価、認証をさせていただきます信州福祉事業所認証・評価制度の普及に取り組みますとともに、新たに多様な勤務形態の導入支援を強化していきたいと考えております。  また、今後は、外国人材の受け入れ環境の整備についても重要な課題であると考えており、こうした施策を総合的に推進することにより介護人材の確保に取り組んでいきたいと考えております。  最後でございますが、地域包括ケアシステムの課題とその対策についてということでございます。  県におきましては、これまで、市町村と連携して地域包括ケア体制の構築に取り組んでまいりました。訪問看護サービスの利用率が全国トップであること、また、年齢、性別等を調整した要介護認定率が全国で2番目に低いことなど、そうした取り組みの成果があらわれてきているものというふうに考えております。  しかしながら、昨年度県が実施いたしました地域包括ケア体制構築状況の可視化調査によりますと、県内市町村の取り組み状況には大きな差があることも明らかになっております。こうしたことから、今年度実施する調査におきましては、要介護認定率や健康寿命等と地域包括ケアの取り組み状況の相関関係を分析し、効果が上がっている市町村の取り組みを全県的に共有し、市町村における取り組みの充実を促してまいりたいと考えております。  また、県内には小規模市町村が多いわけであります。そうした自治体に対しまして、個別、重点的な支援をしていく必要があると考えております。そのため、保健師、社会福祉士等の専門職や先進自治体の職員等から成る支援チームを新たに組織して、取り組みがおくれている市町村に派遣して、地域の課題分析や事業の実施を伴走型で支援していきたいというふうに考えております。  私に対する質問は以上でございます。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)子育て支援に関する御質問のうち、まず県内保育所における待機児童数と潜在的待機児童数についてでございます。  平成30年4月現在の県内の待機児童数は、2市で合わせて50人という状況でございます。また、潜在的待機児童については、国が待機児童数を把握する際の考え方によれば、主として三つのケースに該当するときはいわゆる潜在的待機児童とみなされております。一つには、特定の保育所等を希望し待機している場合、二つには、調査日時点で求職活動を行っていないため保育の必要性が認められない場合、そして三つ目として、育児休業中の保護者について保育所等に入所できたときに復職することが確認できない場合です。  その児童数は、平成30年4月現在、県内6市で231人となっており、内訳は、先ほどのケースで分けますと、特定の保育所等を希望する者が191人、就職活動休止中の者が38人、育児休業中の者が2人という状況でございます。大半を占めます希望の保育所等に入れない方への対応として、市町村は保護者に他に利用可能な保育所等の情報を提供したり一時預かりの利用を提案するなど、個々のケースに応じた調整を行っております。  今後も、堅調に推移している雇用情勢の中で女性の就業率の上昇が見込まれること、さらに、来年予定される幼児教育の無償化により3歳未満児の保育ニーズが高まることも予想されますので、一時的には特に都市部を中心に待機児童数の増加があるものというふうに考えております。  次に、病児・病後児保育を受けられる乳幼児の比率、実施状況、課題、支援策についてでございます。  県内では、病児・病後児保育を病院や保育所等で実施している市町村は26あり、その他、保護者の相互援助組織であるファミリーサポートセンターでの実施や近隣市町村との利用協定等に基づく広域での利用を含めますと、利用可能な市町村は64市町村でございます。この64市町村の乳幼児数の県全体の乳幼児数に占める割合は97.6%と高い比率となっております。  しかしながら、例えば定住自立圏の中心市に周辺町村部の病児・病後児を預けることは実際には難しく、病児・病後児への対応充足率はまだ現実的には低いものと見ております。過疎地域などを中心に病児・病後児保育未実施の町村があることに加え、1カ所のみの市町村も多く、施設までの距離や利用時間の制約などから現実には利用できないのが実態ではないかというふうに捉えております。  こうした課題に対して、より利用しやすい環境を整備することが重要でございます。市町村には、地域の保育ニーズを把握し、子ども・子育て支援事業計画を定めることが義務づけられておりますが、来年度はこの計画改定の時期に当たります。県といたしましては、計画期間中の保育環境整備計画でもあるこの計画を市町村が策定する際に、地域のニーズや広域的な対応の可能性等について市町村の考えをしっかりと伺い、施設整備や専門人材の確保に必要な経費に対する補助制度の活用を提案するなどして市町村の取り組みを支援してまいります。  以上でございます。       〔20番酒井茂君登壇〕 ◆20番(酒井茂 君)それぞれお答えをいただきました。  その中で、産後ケアの事業については、今後においても助産師会としっかり連携をして行うという答弁をいただきましたので、さらなる連携をよろしくお願いしたいと思います。  また、待機児童、潜在的待機児童に関する数値については今初めて明らかにされたというふうに私は考えております。6市で230名余りの者が確認されたということであります。それぞれ状況は違うにしても、やはり何らかの対策が必要であるというふうに考えるものでございますので、市町村と連携をする中でその対応をとっていただきたいというふうに考えております。  そして、いずれにしましても、今のお答えの中で、子育てや介護については特に小規模な町村における対応というのは非常に難しいということでありますので、県がリーダーシップをとる中で、町村への支援、町村への連携をしっかりととっていただきたいというふうに考えております。長野県は子育て支援の先進県を目指しているわけでありますが、待機児童の解消を初め、問題解決に向けて一層の努力をされるよう期待をするものであります。  女性の定住促進のためには、介護における女性の負担軽減、子育てに対する支援は非常に重要であります。今後も創意工夫の中で施策を充実するように要望をしたいと思います。  次に、四つ目といたしまして、女性の人権擁護に関連して性被害の防止について質問をいたします。  長野県子どもを性被害から守るための条例が平成28年7月に公布されました。長い議論の末に制定されたものでございます。女性が安心して暮らせる地域の実現のためには、女性を性被害から守ることが非常に重要であります。性被害から守るため県が重点的に取り組むものといたしまして性教育の実施を挙げておりますし、条例の中におきましても、学校における性教育の実施について規定されているところでございます。  しかし、実際に小中学生や高校生に対して具体的にどのような学習が行われているのか明確にはなっておりません。長野県助産師会では、性教育の実施を主要な事業に位置づけておりますが、市町村や学校間で取り組みに温度差があるため、性教育の実施に関して助産師会の支援要請が少ないと聞いております。性教育に係る県や市町村の予算も少なく、市町村においては実施の判断は校長に任されていることから、実際に効果的な性教育がなされているかどうかは疑問であります。  一方、長野県教育委員会が本年度行った調査によりますと、ネットで知り合った人と実際に会ったことがあると答えた小学生は0.3%、中学生は0.8%、高校生は5.5%となっております。これは大変驚くべき数字であると考えます。このことは、子供たちが性被害に巻き込まれやすい環境にあることを示しており、学校や家庭におけるインターネットの適正利用に関する指導を充実していかなければならないと考えます。  そこで、教育長と知事にお聞きいたします。  1、小中学生や高校生に対する性教育の実施状況や性教育に係る県及び市町村の予算計上額が具体的にどのようになっているのか、教育長にお聞きをいたします。  2、性教育の実施状況や予算計上額の実態をどう分析し、今後、小中学生や高校生に対する性教育を充実するために県として具体的にどのように取り組む方針なのか、知事にお聞きをいたします。  3、小中学生や高校生に対する情報モラル教育を充実すべきと考えますが、具体的にどのような取り組みを行っていく方針か、教育長にお聞きをいたします。  以下2点について知事にお聞きいたします。  1、性被害防止のための長野県子どもを性被害から守るための条例の制定はどのような効果があったと分析されておりますか。  2、子供を性被害から守るため、これまでの県の施策をどう評価し、今後具体的にどう取り組む方針ですか。  以上で質問といたします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず、性教育の実施状況、予算計上額についてのお尋ねでございます。  県教育委員会では、子供たちを取り巻く性に関する多様な問題に対応するために、具体的な事例を想定したグループワークやNPO等の協力を得て実践的に学ぶ手法など、指導内容、指導方法を大幅に見直した性に関する指導の手引きや実践事例集を作成、配付し、学校現場での指導に活用されているところでございます。その上で、教員がさらなる実践的な指導方法等を学ぶために、感染症や若年妊娠等の現代的な課題に応じた専門性の高い有識者を講師とする職員の研修会、ネットを契機とする性被害防止のための指導方法等の研修会や、性的マイノリティーの当事者等を講師としての性に関する指導研修会等を開催してきたところでございます。さらに、中高生を対象とした性被害防止と情報モラル教育を行う子どもの性被害防止教育キャラバン隊を行っておるところであります。以上、こうした性に関する指導充実のための経費として、本年度、約500万円を計上しているところでございます。  市町村におきましては、全ての市町村立小中学校で指導の手引き、実践事例集を活用し、また、研修会へ参加しているところでありますが、これに加えまして、医師や助産師等を外部講師とした子供たちへの性教育講演会の実施や、外部講師が担任の教員とともにチームティーチング方式で性に関する授業を実施するなど、外部講師を活用し、具体的な事例をもとに実践的な指導を行っている学校は、現在把握しているところによりますと378校に及んでおります。これにかかる経費として、市町村教育委員会が約300万円を計上しているところでございます。  2点目でありますが、性被害の防止に向けた情報モラル教育の推進についてであります。  ただいま申し上げましたとおり、性被害の防止に向けまして、平成27年度から子どもの性被害防止教育キャラバン隊を中学校や高等学校、特別支援学校に派遣しております。また、今年度からは、ネットを契機とする性被害防止のための指導方法等研修会を開催し、県内全ての中学校、高等学校及び特別支援学校の性被害防止担当教員を集めてネットを契機とする性被害の防止を徹底しておりまして、中高生に対しては引き続きこれらの取り組みを推進してまいりたいと考えております。  一方、今年度、インターネットについてのアンケートの調査結果を見ますと、小学生のスマホの使用率が5割に近づくなど、子供を取り巻くICT環境の低年齢化が進展しております。このため、ネットを契機とする性被害防止のための指導方法等研修会への小学校教員の出席でありますとか、子どもの性被害防止教育キャラバン隊の小学生向けプログラムの開発などICT環境の低年齢化に対応した早い段階からの教育を進めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)子どもを性被害から守るための条例に関して、私には3点御質問をいただきました。  まずは、性教育の実施状況の分析、充実に向けた今後の取り組みという御質問でございます。  性教育につきましては、今回の条例の策定過程においてもいろいろ御意見がある中で、条例中にしっかりと規定を置かせていただいたところであります。そういう意味で、予防のための教育という観点から非常に重要なテーマだというふうに思っております。  学校における性教育の実施状況については、今教育長が御答弁申し上げたとおりであります。  また、知事部局においても取り組みを行っておりまして、県教委で約500万、知事部局で約370万ということで、これは、条例制定前に比するとかなり性教育についても予算計上をさせてきていただいているものというふうに認識しております。  児童生徒への性教育の充実はもとより、学校での取り組みが重要でありますが、それとあわせて、保護者など地域の大人に対する教育も不可欠だというふうに考えております。こうしたことから、助産師や退職された養護教諭の皆様に講師となっていただいて、PTAなど地域の方々が参観日等において性教育について学ぶ研修会への助成を平成28年度から実施してきております。また、元養護教諭の方が性教育あるいは子供の悩みを聞いたりする場として、いわゆるまちの保健室の活動を支援する取り組みもあわせて進めてきております。こうした取り組みをさらに進めて、性教育に携わっていただいている助産師会等関係の皆様方と私ども行政、そして学校が一体となって、地域において子供と大人が性について学ぶ機会が広がるよう力を入れて取り組んでいきたいと考えております。  続きまして、子どもを性被害から守るための条例の制定、運用による効果という御質問でございます。  この条例は、子供を性被害から守るため、性教育や人権教育の充実、青少年のインターネットの適正利用の推進、県民運動の活性化、罰則つきの一定の行為の禁止等を規定しているものであります。  これに基づき、さまざまな取り組みを関係の皆様とともに進めてきております。児童生徒に対する取り組みとしては、子供を含めた性被害に遭った方の相談支援を行います長野県性暴力被害者支援センター「りんどうハートながの」を開設いたしました。また、外部の専門的な講師を性被害防止教育キャラバン隊として県内の全ての高校や拠点中学校に派遣をしてきております。  県民運動の取り組みとしては、青少年サポーター制度の構築、拡充によります挨拶運動や子供の見守り活動の活性化、さらにはスマートフォンのフィルタリング利用促進を図るため、携帯電話販売店での啓発物品の配布等も行ってきております。また、保護者等が性教育や人権教育、インターネットの適正利用について自主的に学ぶ研修会等への助成や、性について気軽に相談することができるまちの保健室への支援、さらには、一定の行為の禁止に関しまして、3件の事案に対して深夜外出制限違反の規定が適用されたところでございます。こうした条例を踏まえたさまざまな取り組みはかなり充実してきているものというふうに考えております。  条例制定前、県民運動を中心に取り組んできた長野県でありますけれども、県民運動は大切にしながら、条例に基づくさまざまな取り組みを進めることによって、子供を性被害から守る取り組みについては本県においては一定の進歩をしてきているものというふうに考えております。  続きまして、子供を性被害から守るため、これまでの県施策をどう評価し、今後具体的にどう取り組む方針かという御質問でございます。  子供の性被害関係の犯罪を統計的に見ますと、犯罪の検挙人数では、全国においては増加傾向にあるものの、本県では平成25年の94人をピークとして平成29年は64人に減少してきております。また、SNSに起因する事犯の被害児童数では、全国的には増加傾向にあるものの、本県では平成26年の35人から平成29年は22人に減少してきております。条例の成果によるものとそうでないものとあると思いますけれども、一定の効果はあらわれつつあるというふうに思います。しかしながら、こうした性関係犯罪はまだまだ多いわけでありますので、今後ともこの条例を踏まえた取り組みを一層強化していかなければいけないというふうに思っております。  毎年6月に青少年問題協議会を開催して、この条例に基づく施策の実施状況やりんどうハートながのの取り組みを報告させていただき、政策の充実の観点からの議論もいただいております。そうした意見を今後の取り組みにできる限り反映していきたいと思っております。例えば、具体的に申し上げますと、先ほどの御質問にもありましたが、スマートフォンの利用が小学生においても急速にふえているということから、小学生に対する対応を強化していくことも必要だというふうに思っております。また、性教育の問題であったり、ネット利用であったり、こうしたことを子供たち自身がみずからの問題として考えていく場をつくっていくことが必要ではないかというふうに思います。こうしたことも含めて、この条例の目的が達成されるように引き続き努力をしていきたいと考えております。  以上です。       〔20番酒井茂君登壇〕 ◆20番(酒井茂 君)今、知事からは丁寧な御答弁をいただきました。  教育長からの答弁の中で、市町村における性教育、378校、300万円という校数と財政規模は非常に小さいというふうに感じます。これで性教育が十分にできるのか、私は大変疑問であります。そうしたことを捉えますと、やはり性教育に関しては県と市町村の認識に大変大きな差があるのではないかと感じております。共通の認識を持って性教育を進めるべきだというふうに考えております。  今後におきましても、性被害を防止するために市町村と緊密な連携をとる中で、あらゆる施策を積極的に実施するよう要望いたしますし、性犯罪のない安全な県づくりをすることによって女性の定住、定着ということにもつながるわけでありますから、引き続き努力をお願いをしたいと思います。  私は、女性が活躍するための支援策も重要でありますが、それよりもまず、女性が安心して住み続けられるような、また、女性が尊重されるような社会を実現することこそ優先すべきと考えております。そのために有効な施策が実行されることを要望いたしまして、以上で全ての質問を終わりといたします。 ○副議長(小林東一郎 君)次に、小池久長議員。       〔31番小池久長君登壇〕 ◆31番(小池久長 君)中国、唐の時代の詩人、杜甫の詩の曲江の中で、「酒債尋常行く処に有り。人生七十古希稀なり」、酒代のツケは普通で、私が行くところにはどこにでもある。しかし、70年生きる人は古くからまれであるとうたっている。まさに古希の語源であります。  先般、高齢者の定義を65歳以上から75歳以上に見直すよう共同提言をしております長野市の加藤市長と松本市の菅谷市長は、阿部知事と懇談をし、提言を全国に広めることへの協力を求めました。阿部知事は、趣旨には賛同するとしたとの報道がありました。  昨年、日本老年医学会の高齢者に関する定義検討ワーキンググループから提言が出されました。少子・高齢化で社会制度の転換期真っただ中の日本のみならず、寿命の延伸でその対策に追われている現代社会への重要な課題への一石と考えられます。  我が国での老人の定義は、大宝令(701年)の定めが最初であります。課税のための戸籍の制定時に数え年61歳以上を老丁、66歳以上を耆老として、以来千余年、私たちは、60歳の還暦から77歳の喜寿の期間を経ながら真の老人になると思ってきたわけです。  もともと、65歳以上の人を高齢者として取り扱う通例は、確かな定義の由来は定かではないものの、1959年の国連の報告書、「人口高齢化とその経済的・社会的意味」において、65歳以上の人々を高齢者として扱ったことがその由来とされております。  当時、1960年の世界主要国の高齢化率は、日本を含む18カ国の先進国の平均は9.7%、当時日本は5.4%でありましたが、約10人に1人が65歳以上に区分されて、その後半世紀以上にわたって世界共通の認識とされてきたわけです。  しかし、世界はあらゆる国で高齢化が進み、その先頭を歩む日本は、既に4人に1人が65歳以上となっていて、長寿県長野県からはフロントランナーとして新たなる情報発信が望まれます。また、学会が提言で述べているとおり、日本の高齢者の皆さんは身体機能の若返りが確認される。個人差はあるものの、特に65歳以上の人の中でも比較的若く活動的な人に対して高齢者扱いすること、また、されることに違和感を抱いている人は少なくないと想像するわけです。  高齢化率は、1985年には10.3%でありましたが、2036年には33.3%、2065年には38.4%になると見込まれています。人生の老後がどんどん長くなり、高齢者の健康状態や筋力等がこの10年でかなり改善しました。内閣府の平成26年の世論調査の結果を見ても、高齢者だと思う年齢は70歳以上が圧倒的であるわけであります。  阿部知事は、両市長との会見の中で趣旨には賛同するとし、一方、国が高齢者にかかわる予算を減らす理由に使われないようにすることが大事だとも述べています。65歳以上を高齢者という通念は、社会保障や雇用という社会制度に由来するものでありますが、平均寿命、健康寿命とも伸長している現在、制度設計そのものを見直す議論もありますが、社会に定着している雇用制度や年金のような長期の社会保障の仕組みは、白地のキャンパスに絵を描くように修正されてはならないことも事実であり、知事の意見はもっともな御意見であろうかと思います。  例えば、行政のセンスの代表格として、高齢運転者等標章があります。2007年の改正で、75歳以上の高齢者ドライバーが普通自動車を運転する際、表示するように義務づけが決まりました。1997年に導入されたもみじマーク、枯れ葉などと評判が芳しくなく、2011年2月に四つ葉のクローバーをモチーフにした新デザインになりました。高齢者の安全に対する配慮がなされたデザインなんだろうと思いますが、さして進んでつけたいデザインでもありません。初心者マークはさまざまな職場で新人のトレードマークに使用され、仮に失敗しても寛容になれるほほ笑ましさがあります。四つ葉のクローバーも、そういった意味で、社会的尊敬も込めて、ベテランの意味で別の使い道もあってしかるべきなのに、いまいちであります。また、老人や高齢者等の文言が入ったお知らせ等が自分宛てに届いたともなれば、その日は一日ブルーとなってしまうし、モチベーションがそれからずっと下がってしまいます。  博報堂のDYメディアパートナーズの東京の70代の皆さんへの調査によりますと、約9割がいつまでも夢や目標を持っていたい。日常生活に関する希望と現状を聞いたところ、精神的に満ち足りた生活を送りたい、92.8%、夢や目標を持った日常生活を送りたい、87.0%など、生活充実意欲は高いわけです。また、家族や親戚以外からおじいさん、おばあさんと呼ばれることに違和感を感じる人は49.5%、高齢者、お年寄り、老人など直接的に年齢を感じさせる言葉には抵抗がある、実年齢より若く見られると答えた人は約8割近く、自分が若いと感じている人は6割となっています。実年齢と比べてどれくらいかについては、10歳くらいと答えた人がかなり多いとの結果もあります。誰しも、老いることを楽しみながら、おしゃれに年を重ねたい、若くもいたいわけです。  さて、長寿県のフロントランナーとして、長野、松本両市長の高齢者の定義見直しの提言についてどのように受けとめて今後取り組んでいかれるのか、知事に御所見を賜りたいと思います。  本県では、これまで、人生二毛作社会づくり事業などを推進してきておりますが、高齢者の皆さんの社会参加を促す取り組みをどのように進めていくのか、健康福祉部長にお聞きをいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)長野、松本両市長からの高齢者の定義見直しの提言についてどう受けとめてどう取り組むかという御質問でございます。  本県におきましては、65歳以上の方の約3分の1が現役で働いていらっしゃいます。また、74歳までは要介護認定を受けられている方もわずかの割合でございます。こうしたことから、65歳以上を高齢者とするという一般的な定義は本県の実態には必ずしも合致していないというふうに考えております。そういう意味で、75歳以上を高齢者と呼びましょうという両市長からの提言の趣旨には賛同するものでございます。  県としても、これまで、同様の考え方から、生産年齢を20から74歳とする人口推計について信州創生戦略やしあわせ信州創造プラン2.0に提示させていただいてきております。また、人生二毛作社会づくりの取り組み等を進めることにより、いわゆる高齢者と言われる方の社会参加を進めてきたところであります。  今後、この提言をどう受けとめて取り組んでいくのかということでありますけれども、私としては、65歳から74歳の間の呼称、呼び方をどうするかという問題があると思っておりますし、また、先ほど申し上げたように、県としての統計は20から74歳というとり方もしておりますけれども、さまざまな統計調査において年齢区分をもう少し社会の実態に合った見直しを行っていくことが必要だと思っております。  また、65歳を超えた方々も極力元気でいていただけるように、フレイル予防を含めた健康づくりの推進であったり、あるいは働く意欲がある方には就業支援や社会参加の支援、こうしたことを行っていく必要があるというふうに思います。こうした取り組みは、市町村と連携して取り組むことが重要でありますので、まずはこうした点について長野市、松本市と相談をしていきたいというふうに思います。その上で、市長会、町村会にも御協力をいただき、県全体に取り組みを広げて、県民の皆様方の御理解、御賛同をいただきながら、年齢にかかわらず活躍できる社会の実現に向けた取り組みを行っていきたいというふうに考えております。
     以上です。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)高齢者の社会参加の促進についてのお尋ねでございます。  人生100年時代の到来が言われる中、高齢者の社会参加は、自身の社会的な孤立の防止やフレイル予防を通した健康の維持にとどまらず、地域社会を支える力として期待され、健康と活躍の好循環につながるものと考えております。  県では、シニア大学を、教養講座を中心としたカリキュラムから高齢者の社会参加に向けて社会参加の実践者の養成を目的としたカリキュラムへと転換するとともに、シニア活動推進コーディネーターを配置して、高齢者の意欲を地域での活動につなげております。また、昨年度から、シニア大学に新たに開設した専門コースにおきまして、地域課題の解決に必要な手法やスキルを持ったプロデューサー的な役割を果たす高齢者の人材養成を始めたところであり、参加者がそれぞれの地域で子供や高齢者の居場所づくり、遊休農地の活用など、地域課題の解決に現在取り組んでおります。  今後は、市町村や関係団体との連携をこれまで以上に深めることで県全体で高齢者の社会参加を一層促進してまいります。  以上でございます。       〔31番小池久長君登壇〕 ◆31番(小池久長 君)先ほどの答弁にもございましたとおり、今、テレビをつけますと、24時間、健康やきれいになるようなコマーシャルがずっと放映されております。時代はそんな時代ではないかと思いますので、特に65歳から74歳までの呼称等は、長寿県の長野県、フロントランナーとしてしっかりと全国に情報発信していただきたいと思います。  相続手続が行われないまま放置され、共有者が多数に上り、その実態の把握が困難であるなど所有者不明の土地が事業の実施を妨げ、あるいは、所有者の探索が行政当局に多大な負担をもたらし、復興事業のおくれの一つの原因となっていることが、東日本大震災の復興事業に関連し、社会的に関心を集めるようになると、少子・高齢化による人口減少によって、さらに深刻になることが予測されます。しかし、所有者の所在不明の土地利用について、所有者の所在不明というだけで行政が関与することは、憲法の財産権保護の観点から限界があるわけです。  さて、今回の台風21号、24号等により、生活道路等のライフライン沿いの森林で多くの倒木が発生し、特に、諏訪地域では電線の切断により停電が長引くなど、住民生活に多大な影響があり、県外から移住を望む人たちから不安の声が多く寄せられております。  報道によると、中部電力は、台風21号、24号で発生した管内の大規模停電について、事前に十分な要員を配置できずに初動対応に手間取ったと、検証結果と改善策を発表しました。本県では、諏訪地方を中心に、倒木による断線などが原因の停電が相次いだことを踏まえ、停電を引き起こす可能性がある樹木の計画伐採を広げるため、自治体との協議を進めることを盛り込みました。  計画伐採につきましては、中部電力は、昨年小川村と協定を締結するなど、一部団体と既に取り組みを始めています。枝が電線に触れそうだったり、危険性のある情報の提供を受け、地権者の了承を受けて計画伐採を始めています。しかし、伐採には地権者の理解が必要で、地権者が所在不明だったりすると、同意を得るまで時間がかかる等課題も多いわけです。  今回の大規模停電被害を受け、諏訪地域振興局では、中部電力との今後の連携について協議を開始したようでありますが、その内容と、中部電力はどこまでが責任範囲であるのか、県や市町村との具体的な連携や中部電力がどのような情報を自治体に提供してくれるのか、お聞きをいたします。  また、地権者の同意が課題でありますが、自治体、電力会社は効率よく同意を求めるための作業をどのように進めていくのか、林務部長にお伺いをいたします。  また、主に中信地区では、松くい虫の被害などによる枯損木が放置され、道路や人家に近接した森林では倒木など2次的被害を生むおそれもあり、早急の対応が求められます。現状の災害を考察するに、未然に防止できたものも数多くあり、この教訓を踏まえ、森林税を活用してこれらの対策を検討する必要があると思います。県民の皆さんの多くがなぜ森林税に賛同したのか、まずは原点に立ち、安全が最優先でなくては意味がないことから、こうした対策に森林税を活用することはできないのか、林務部長に重ねてお伺いをいたします。  また、世界有数の山岳リゾートを目指す本県では、森林づくり県民税で観光地の景観向上のための森林整備等が行われるようになりましたが、税の有効利用の観点から、かねてからビーナスラインの景観整備もあわせて計画伐採が求められています。また、既に鉢巻道路沿線の財産区は沿線整備を自前で実施しておりますが、県民協働の観点から、こういった取り組みが活発に展開されることが望まれます。加えて、県内外の多くの人が異口同音に長野自動車道周辺の松くい虫の枯損木を見て残念だと口をそろえることも事実であります。松くい虫の被害の対応も含め、景観対策の同事業への予算配分増額をし、美しく豊かな自然環境こそが本県のおもてなしだと考えますが、林務部長に所見をお伺いいたします。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)倒木対策に係る諏訪地域振興局の取り組み等につきましてお尋ねをいただきました。順次お答えいたします。  9月の台風により、諏訪地域では、3市町村にわたり広範囲に連続して倒木が発生し、地域に大きな停電被害が生じたことから、現在、ライフラインの確保等を目的に、諏訪地域振興局が関係市町村や中部電力に呼びかけ、今後に向けた役割分担等の協議を始めているところと承知しております。  具体的には、中部電力は、電気事業法により電線等の一定の維持管理をすることとされており、電線に影響を与えるおそれのある支障木などの情報を市町村及び県に提供し、みずからその周辺をどの範囲まで整備するか、あるいは、こうした取り組みへの支援内容等をどうするか等について協議をした上で計画的な森林整備につなげていくよう検討を進めているところと承知しております。  県では、こうした取り組みの相談に乗りつつ、諏訪地域の地域ぐるみの取り組みをモデルとして新たな森林管理につなげるよう考えていくとともに、今後、倒木対策等について関係部局、市町村、電力会社等による協議の場を設けることも検討してまいりたいと考えております。  続いて、計画伐採における地権者の同意取得についてのお尋ねです。  被害が大きかった諏訪地域におきましては、森林整備に向けての理解と協力を得るために、関係市町村が主体となり、地元自治体や森林所有者など関係者への説明会を開催すると聞いております。また、地元説明会には地域振興局や中部電力も参加し、県の森林整備支援制度や中部電力の支障木伐採に係る説明、一般に中部電力の保安伐採上では3メートルの範囲と言われているようですが、こうしたことの説明を行い、地元の皆さんの協力のもとで市町村が窓口となって伐採などの同意を得るものと聞いております。  次に、今後に向けた森林整備による災害の未然防止と景観対策への森林税の活用について2点お尋ねをいただきました。  議員御指摘のとおり、台風により甚大な倒木被害が発生したこと、危険木となり得る樹木がライフライン沿線に多く存在していること等を踏まえると、被害を未然に防ぐための生活道路等のライフライン沿いの森林整備は重要な課題であると認識しております。  また、本年度より実施している観光地等魅力向上森林景観整備事業については、県下各地域により多くの要望があり、さらには、近年拡大している松くい虫被害による枯損木について、景観の観点でも対策を求める意見が多く寄せられているところでございます。  これらの課題に対しましては、森林づくり県民税の既存事業で対応できる場合はこれらを有効に活用するとともに、それ以外については、第3期の森林づくり県民税に当たって、状況に応じて制度、事業の見直しを行えるよう運用の改善を図ったところですので、既存の制度で対応できないような新たな課題に対しましては、地域のニーズや県民会議の御意見等を踏まえ、来年度に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。       〔31番小池久長君登壇〕 ◆31番(小池久長 君)世界有数の山岳リゾートを目指す本県におきまして、それぞれの課題はあるわけでございますが、本当のおもてなしは、前述させていただきましたように、美しい豊かな自然を後世に残すということが、県外から、世界から来ていただく方の大きな関心事になろうかと思いますし、一番の資源だというふうに思っております。いろいろ課題はあるわけでございますが、それぞれしっかりと県民のために頑張っていかなくてはいけないということを申し上げまして、一切の質問を終わりとさせていただきます。 ○副議長(小林東一郎 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時16分休憩          ──────────────────         午後2時32分開議 ○議長(鈴木清 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  丸山大輔議員。       〔9番丸山大輔君登壇〕 ◆9番(丸山大輔 君)全国発酵食品サミットについてお伺いいたします。  去る11月16日から18日にかけて、「全国発酵食品サミット in NAGANO」が開催されました。この催しは、全国発酵のまちづくりネットワーク協議会を構成する自治体を中心に、発酵文化に関する講演会やパネルディスカッション、発酵食品等の展示販売などを実施するイベントで、長野県では第3回開催の木曽町に続く2回目の開催でした。  2008年に秋田県横手市で第1回が開催され、11回目となる今回は、発酵食品について学べる「発酵の学校」や全国初となる甘酒鑑評会、みそづくり体験などが行われ、長野県の豊かな発酵文化、長寿との関係などをPRする機会として大いに期待されるものでありました。  また、5月6日に上田、9月8日、9日には木曽町でプレ大会も開催されており、発酵を基軸にした取り組みの広がりも見られたところであります。  発酵といって思いつくのは、日本酒、ワイン、みそ、しょうゆ、酢、漬物、納豆、チーズ、ヨーグルト、パンなどさまざまでありますが、それぞれにさまざまな微生物が関係しています。酒造りでは、甘酒のもとにもなっているこうじづくりにこうじ菌が、アルコール発酵させるためには酵母の働きが必要です。微生物の働きを制御するのは温度や栄養ですが、信州の厳しい冬の気温が発酵を緩やかにして、うまし酒を醸し出します。杜氏は、発酵の進みぐあいを五感で確かめながら仕込みタンクのふたをあけ閉めしたり、胴巻きをしたり、氷を入れたり、あるいは雪で囲ったりして発酵を導いていきます。  また、発酵食品には、体にいい、健康につながるというイメージがあります。日本酒の健康効果については以前本会議で取り上げましたが、全ての効果がわかっているわけではなく、どんな機能があるのかわからないもののほうが多いのが現状です。そこを切り開くためのエビデンス研究、証拠探しが始められています。食品製造業振興ビジョンに示された「食」と「健康」ラボによる研究です。時間はかかると思いますが、成果を楽しみにしたいと思います。  このように、発酵は生物学であり、環境学であり、健康食品であり、伝統技術であり、産業でもあり、なかなかに奥が深く、楽しみの多い世界でありますので、今回のイベントを契機に、機運を高め、発酵を基軸とした長野県の発展につなげていく方策を分野を超えてさまざまな切り口で考えていくべきであろうと考えます。  そこで、産業労働部長に伺います。  今回の全国発酵食品サミットの来場者や発酵の学校などの状況はどうであったか、また、長野県で開催した意義についてどのように考えているか、お伺いいたします。  発酵に関して、健康との関連で長野県が秀でた点はどのようなもので、今後どういった方向性で発展させていこうというお考えでしょうか。  また、食品製造業振興ビジョンに示されている「食」と「健康」ラボの推進状況と、分野間連携による今後の施策についてどのようにお考えでしょうか。       〔産業政策監兼産業労働部長内田雅啓君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(内田雅啓 君)全国発酵食品サミットに関して3点御質問をいただきました。  まず、サミットの結果と開催の意義についてでございます。  「全国発酵食品サミット in NAGANO」には、目標の3万人を上回る3万2,000人の来場者があり、多くの皆様に本県の発酵食品をPRすることができました。メーンイベントの一つである発酵の学校では、信州の名工による日本酒・ワイン講座、みそ食べ比べ教室などが行われ、大人から子供まで1,500人の皆様に御参加をいただきまして、本県の発酵食品のうまみや健康との関係などについて学んでいただくことができました。参加者からは、発酵食品が生まれた理由や歴史を学ぶことができてとても有意義だったなどの声が寄せられております。 また、発酵食品の展示販売を行います信州発酵・長寿マルシェでは、新潟、山梨、静岡、長野の中央日本4県が食の魅力を共同発信したほか、熊本県や沖縄県石垣島など遠方からも地域の特色ある発酵食品を出展いただきまして、完売となる食品も出るなど、大変好評でございました。  全国トップクラスの長寿県である本県での開催は、健康長寿とのかかわりで注目を集めている発酵食品の魅力を発酵・長寿県長野から全国に発信したことで、今後の発酵食品産業の振興につなげることができたのではないかと考えてございます。  次に、発酵と健康に関する本県の優位性と発展の方向性についてでございます。  本県を代表する発酵食品には、みそ、漬物、こうじなどがあり、これらの食品は、生活習慣病のリスク低減や老化防止といったことに関して研究論文が多数報告をされてございます。このような効能が期待される発酵食品を県民が摂取することは県民の健康に寄与するものだと考えてございます。  また、腸内環境を改善すると言われている甘酒については、全国で初めてとなる甘酒鑑評会を開催いたしました。県内外の48点の中から長野県産の甘酒がグランプリを獲得し、品質の点でも本県の技術力の高さを証明する結果となりました。昨今の甘酒ブームと相まって、本県の甘酒ブランドの知名度を高め、甘酒の売り上げ増につながることが期待されますので、今後も甘酒鑑評会を毎年開催することといたしました。  これらの発酵食品を消費者に購入していただくためには、おいしさを高めるとともに、安心、安全の確保や健康への効能の周知などが不可欠でございまして、今後、消費者ニーズに沿った商品の創出、提供への支援を行ってまいります。  最後に、「食」と「健康」ラボ進捗状況と今後の施策についてでございます。  ことし8月には、産学官による「食」と「健康」ラボ研究会を立ち上げまして、新たな機能性食品等の開発プロジェクトをスタートしたところでございます。あわせまして、信州大学と協働で発酵食品の機能性エビデンスについての研究に取り組んでおりまして、本年度は、みそや野沢菜漬けの健康増進効果や甘酒の機能性成分の開発に関する研究を行っております。  また、分野間連携による今後の施策についてでございますが、農林漁業関係とは機能性成分の含有率を高めた農林水産物の生産、健康関係とは食生活改善活動など健康長寿推進のための施策との連携、観光関係とはみそづくり体験や酒蔵めぐりなどの発酵ツアーの造成などを進めてまいりたいと考えてございます。  以上でございます。       〔9番丸山大輔君登壇〕 ◆9番(丸山大輔 君)イベントが大変成功裏に終わったということで、また、甘酒鑑評会という新たな価値を築けて、非常にいい成果を上げられたというふうに思います。  発酵については、非常におもしろく、今後まだまだ発展性のある分野であります。全国でもさまざまな研究や取り組みがされていると思いますので、長野県の持てる特性や優位性をしっかりと研究して生かしていっていただきたいと思いますし、また、健康長寿にしっかりとつなげていっていただきたいというふうに思います。  また、今回のような全国的なイベントでなくても、長野県独自の県内の地域イベントというようなことが県内各地で定期的に開催されれば、またそれはおもしろいかと思いますので、そうった点もぜひ御協力いただければというように思います。  次に、信州ナビについて伺います。  観光施設の魅力や、そこにたどり着くためのルートなどの情報を入手する手段として、今日では、ガイドブックだけでなく、スマートフォンなどの情報端末を使って検索することが一般的となっています。これに向けて、旅行者が欲しい情報をスムーズに入手できるための環境が必要ですし、県としても効果的に観光地の魅力を伝え、観光客を誘導する方法を追求する必要があります。  2017年4月に長野県観光・交通案内アプリケーション「信州ナビ」の運用が始まって1年半がたちました。本会議や委員会でも取り上げられ、ダウンロード数は多いというお話や、バスロケーションシステムとの連携というようなお話は伺ってまいりました。  私も、公開されてすぐにダウンロードし、定期的に使い勝手や内容の充実を見てきました。このアプリの機能の一つとして、観光施設の情報を見ることができ、そこに至る経路を検索することができるというものがあります。先日、改めて県内のワイナリーを検索したところ、まだ掲載されていないものが多くありました。掲載の基準がどうなのかわかりませんし、あらゆる観光地を調べたわけではありませんが、掲載施設は足りていないのではないかというように思いました。また、経路を検索するのに、この登録された施設しか目的地にできないことも不便に思えました。  さまざまな観光モデルコースを紹介するコーナーもあります。これは、ほかには余りない、おもしろい取り組みだと思います。「Samurai trail」、「城+芸者+刀」、「スノーモンキー&スキー」など、表題だけでも興味が引かれます。サイクリングコースの提案もあって、ぜひこういった部分は充実させていってほしいと思います。  そして、数ある情報ツールの中で、信州ナビが、旅行者が欲しい情報をスムーズに入手できる観光者目線に立ったアプリとして多くの方に利用されるものになってくれればというふうに思います。  そこで、観光部長に伺います。  信州ナビで表示される観光施設を充実させるに当たって、現状でどのような課題があると認識しているでしょうか。  信州ナビの課題解決に向けた取り組みをどのように進めていくのでしょうか。  また、信州ナビを含め、県としての観光情報の効果的な発信について今後どのように取り組んでいくつもりでしょうか。       〔観光部長熊谷晃君登壇〕 ◎観光部長(熊谷晃 君)3点御質問をいただきました。  まず、信州ナビの課題についてでございます。  御指摘の信州ナビは、民間のアプリでは実現が難しい、コミュニティーバスやタクシーなど県内全ての公共交通機関のルート検索ができることが特徴でございますが、その一方で、御指摘のとおり、旅の目的となる肝心の観光施設の登録がなかなか進まないという課題を抱えております。  この信州ナビに表示される観光情報は、県公式観光サイト「さわやか信州旅.net」内の観光情報データベースを用いており、データベースへの登録は市町村や観光協会に行っていただいております。現在のデータベースは10年以上前に構築されたもので、登録に当たっては、観光施設の名称、所在地、連絡先といった基本項目のほかに、例えば営業時間、定休日、入場料、PR項目など詳細な項目も含めフルセットで入力するようになっており、営業時間など入力内容の一部に変更が生じた場合はその都度修正が必要となるなど、登録いただく皆さんには手間がかかるものとなっております。また、登録された観光施設がどれだけ検索されたのかといった今後誘客に活用できる情報が定期的に登録者にフィードバックされていないことから、データベースに登録するメリットを感じにくいという課題もございます。  次に、課題解決に向けた取り組みについてでございます。  さきの9月補正予算でお認めいただきました観光情報の戦略的発信強化事業において、先ほど申し上げました課題の解決も含め、現在新たな県公式観光サイトの設計を進めているところでございます。  観光情報データベースの改善方法としましては、県観光機構が一元的に観光施設の名称、所在地など基本的な項目や観光客の関心のある属性のみを登録することといたしまして、具体的な内容はリンクした各事業者等のサイトを参照するなどして、まずは観光地点の登録件数がふえるような仕組みとしてまいりたいと考えております。これにより、ルート検索においては観光地点の漏れが少なくなるとともに、ホームページ上では観光客の関心に応じた検索がしやすくなることを期待しております。加えて、検索結果を分析し、定期的にフィードバックする仕組みも導入する予定でございます。こうした改善を進めることで信州ナビの有効性を高めてまいりたいと考えております。  最後に、観光情報の効果的な発信についてのお尋ねでございます。  信州ナビを含め、新公式観光サイトは、次の三つの柱をもとに設計し、観光情報の効果的な発信に努めることとしております。  一つ目は、現地を熟知したローカルライター等を活用して、思わずクリックしたくなる旬な特集コンテンツを常に掲載、更新し、即時性を向上させます。また、魅力的な写真やドローンを活用した映像などを用いて効果的に演出を行ってまいります。  二つ目は、これまで不十分であった温泉や星空、スポーツなどの本県のすぐれた観光資源の一覧化を図り、圧倒的なブランド力を発揮させてまいります。  三つ目は、最新のテクノロジーを活用し、顧客の閲覧データを常に分析することによりましてお客様一人一人の嗜好や関心に寄り添った情報を個々に提供し、予約まで誘導するシステムとしてまいります。  これらによりまして、何度も訪れたくなる信州の魅力総合サイトを構築してまいりたいと考えております。  さらに、インスタグラムなどのSNSと連動し、一人でも多くの信州ファンをふやし、口コミにより拡散していただくことで効果的なプロモーションにもつなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔9番丸山大輔君登壇〕 ◆9番(丸山大輔 君)今お伺いしました方法であれば、アクセス登録については一気に進むであろうというように期待をさせていただきます。  ホームページではなくてアプリで情報検索をするということは、アプリを見つける、そしてまたダウンロードするという一手間が多いわけですので、それに見合った中身を持っていなければならないというように思います。今使っている方は、もしかすると信州に対するヘビーユーザーであったり、もしくは信州に住んでいる人が多いのではないかなというようにも思ったりするわけであります。そういった人にとって利便性があるということも十分価値はあると思いますが、どういった人がどういう場面で使うのかということも想定した上で改良をしていっていただきたいというふうに思います。ぜひ何かわくわくするような機能も盛り込んでいっていただきたいと思いますし、また、使い込みも足りないような感じがしております。多くの職員さんに使い込んでもらって、使い勝手を研究して向上させていくようなことも必要だというように思います。  信州ナビに限った話ではありませんが、あらゆる分野でこれからも新しい技術や仕組みは次々と生まれてくると思います。こうした新しいもの、先進的なものにはぜひ果敢にチャレンジをしていってほしいと思っています。ただ、新しいものであるがゆえに、また、技術は常に変わっていくわけですから、その中には成果の上がらないものや消えざるを得ないもの、時代の変化についていけないものも必然的に出てくると思います。そのときにだめだったからといって悪い評価をするのでは新たなチャレンジは生まれません。我々議会も、その評価は気をつけなければならないと思います。勇気ある撤退という決断もできる柔軟な県組織であり、また、そのことが適切に評価されることを期待して、質問を終わります。 ○議長(鈴木清 君)次に、金沢敦志議員。       〔6番金沢敦志君登壇〕 ◆6番(金沢敦志 君)無所属、金沢敦志でございます。リニア中央新幹線建設において発生する土石の置き場について質問いたします。  所属いたします危機管理建設委員会で、8月と9月に計6日間を使い、県内の各地において市町村首長より陳情書受理と意見交換、各建設事務所、砂防事務所、地域振興局より概況説明を受け、現地調査をしてまいりました。今回の調査では、リニア中央新幹線の長野県駅の予定地と地上部の全容も視察いたしました。長野県内の路線は全長約53キロメートルで、地上部はたった4.4キロメートルで8%、トンネル部は48.5キロメートルで約92%と、ほとんど地下であります。飯田市、伊那谷は、天竜川を挟んで典型的な河岸段丘地形であり、リニア中央新幹線はその河岸段丘の東西を突き抜けて地上部に出て、飯田市内で駅となっております。トンネル部の内径が約13メートルですから、掛けるトンネル全長48.5キロメートル分が排出されますので、トンネルを掘った土石の量、体積は実に膨大で、国内でも歴史的な工事であります。
     県内の工事における最大の課題は、地下水をどうするか、技術的な問題もありますが、掘った土石をどう処分するかという政策的、政治的な課題がより問題であると言えるのではないでしょうか。  土石、残土の置き場については、報道等によりますと、大鹿村で5カ所、飯田市で2カ所、下条村で1カ所、中川村で1カ所、松川町で4カ所、喬木村で1カ所、豊丘村2カ所等沿線近隣市町村が候補で名前が挙がっております。候補地となる場所の地目ごとに適用される法律があり、許認可等が必要ですので、事業の進行には、まず候補地を最終置き場として確定する必要があります。  また、発生土置き場と言われておりますが、この呼称ですと、何か処分地、迷惑事業のイメージが強く、周辺住民にとって不安と思われる可能性もあります。そもそも、置き場は何らかの形で開発される場所であり、発生土は開発に使われることを明確にすべきであります。住民の皆様に賛同していただくため、例えば、防災として堤防のかさ上げや拡幅、農地として改良してブドウ等の果実栽培、公園化して桜や他の植物を植えて観光客誘致、マレットゴルフ場のようなスポーツ広場にする等が考えられます。  そこで、現状で県が把握されております発生土置き場候補地とその状況、また、一部では不安と思われる住民がおられるようですが、その状況もお教えいただきたい。  二つ目の質問として、発生土置き場に何を開発するかも法定上進めるため事前に決めなければなりませんが、候補地で市町村や周辺住民から開発の要請があれば、その状況についてお伺いしたいと思います。       〔建設部リニア整備推進局長水間武樹君登壇〕 ◎建設部リニア整備推進局長(水間武樹 君)リニア建設で発生する土石について2点御質問いただきました。  最初に、発生土置き場候補地と住民の状況についてのお尋ねでございます。  トンネル工事に伴う発生土については、県がリニア沿線を中心とした14市町村などから候補地の情報を受け、それを取りまとめてJR東海へ提供してきました。JR東海では、その中から優先的に検討する箇所として、現在20カ所程度について地元への説明会や関係法令の手続などを順次進めていると承知しております。  工事が先行している大鹿村では、村営グラウンドなど2カ所で既に発生土の搬入が始められ、他の1カ所についても準備工事が進められています。また、飯田市を初め他の町村の候補地についても、早期確定に向け地元調整や必要な手続が進められています。  住民の皆様からは、過去の災害の経験や近年の異常気象などを踏まえ、特に大規模な盛り土の安全性について不安を抱く皆様がいらっしゃいます。地域の皆様の御理解と御協力をいただくためには、こうした懸念、不安に対して、十分かつ丁寧に対応していくことが必要であり、関係法令の手続の中で安全性の検証がしっかり行われるようJR東海に引き続き強く要請してまいります。  次に、市町村や住民からの開発の要請とその状況についてのお尋ねでございます。  発生土については、議員から御提案をいただいた事例のほか、道路改良などの公共事業で活用すれば大変有効な資源となることから、各地域において置き場の有効利用が検討されています。具体例としましては、先ほど申し上げました大鹿村の村営グラウンドのほか、県道の改良事業や河川沿いの環境整備事業、また、道の駅に隣接する拠点整備事業などの計画が進められています。その他の候補地におきましても、農地の整備、森林の造成等、地元の意向や要望を踏まえて調整が行われています。県としましては、引き続きJR東海、関係市町村と連携し、発生土の有効活用が図られるよう取り組んでまいります。  以上でございます。       〔6番金沢敦志君登壇〕 ◆6番(金沢敦志 君)発生する土石の処分は、そもそも建設主体であるJR東海が責任を負うべきものですが、事業主体のJRは、かつて公社ですが、現在は株式会社で、ともすれば株主利益を優先する可能性もありますので、県としてもしっかりと県民サイドに立って支援し、巨大企業でありますJRに対して物申していただきたいと思います。  次の質問に入ります。大北森林組合の補助金返還について質問させていただきます。  本年より始まりました第3期の森林づくり県民税と事業ですが、全容を見てみますと、広く県民の皆様から御意見をお聞きして策定されましたので、森林関連事業として、防災、水源、間伐材利用、バイオマス発電燃料、里山整備、観光資源等々、ほぼ関連される事業が全て盛り込まれているようであります。県民の皆様に森林資源と事業の重要性、補助金の必要性等を理解していただくには漏れのない内容かと思います。  一方、大北森林組合の事業についてですが、本年9月11日に開催されました林務部改革推進委員会において、さらに書面で委員から事業に対して一様に大変辛口な発言をされております。特に、事業計画における数値目標、管理、事業進捗の把握、報告において厳しい意見が出ております。県としては、返還していただかなくてはならない大北森林組合への補助金ですが、組合は、昨年が赤字、ことしも現状で赤字であります。かつ、経営のあり方で厳しい意見がある中、今後は返還が可能であるか疑問であります。  事業そのものの責任は組合にありますが、返還請求を行った県は組合の経営状況等を把握する必要があるはずです。現状におきます組合からの返還に対する見込みをお願いいたします。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)大北森林組合の補助金返還の見込みについてのお尋ねでございます。  大北森林組合からの補助金返還については、現在までのところ、平成29年1月に組合が策定した補助金返還計画どおり返還がなされてきているところでございます。  一方、現在の組合の経営上の主な課題として、体制の弱体化に伴い森林経営計画の作成が進まないことなどにより本来組合が行うべき森林整備事業の進捗が停滞しており、大幅な事業経営の改善につながっていない状況があります。このため、組合においては、新たな理事の選任や理事会の強化等による経営体制の改善、地域の組合員との関係回復により森林整備の推進を図る基盤をつくっていただくとともに、職員については、組織体制強化のため、先般、民間企業経験者を新たに採用したほか、今後、県内外の人材を対象とする就職説明会に参加し、職員採用を積極的に行うことを計画するなど、役員、職員が一丸となって組合の再生に向けて取り組んでいるところでございます。  また、県としましては、関係団体と連携し、森林組合の本業である地域の森林整備の推進に必要な技術面やさらなる体制面の強化に向けた支援、経営改善に向けた指導、助言等を重点的に継続するとともに、組合と市町村との関係強化も各市町村長にお願いしているところでございます。  今後とも、組合の事業や経営の状況等についてより適切に把握した上で、組合の課題等に対し、関係機関や地域と連携しながら的確な指導や迅速な支援策の検討、実施に努め、組合が地域の森林整備の担い手としての役割を果たすとともに、補助金返還計画どおりの確実な返還がなされていくよう指導、支援の両面からしっかり取り組んでまいります。       〔6番金沢敦志君登壇〕 ◆6番(金沢敦志 君)返済期間ですが、33年間であります。この長さだと、返済後期には当事者も引退し、組合の次世代にわたって返すことになります。当事者でなく過失がない世代にとって、公平かつ正当性のある返済義務であると思われるかどうか、大変疑問であります。  私見ではありますが、仮に返済が困難な場合、新大北森林組合を設立し、過失のない組合員に異動してもらい、新組織で事業を開始。残った当事者が旧組合の中で残務処理を行う等、返済義務、責任を明確にし、現業と分離して行うべきではないかと思います。  次の質問に入らさせていただきます。落合橋の改修、拡幅について質問させていただきます。  長野市とその周辺市町村におきましては、朝夕の通勤・通学時間になりますと、非常に道路が混雑いたします。特に、犀川、千曲川を渡ります橋梁は渋滞のボトルネックとなっており、渋滞の解決を頻繁に求められます。解決策としては、丹波島橋の拡幅、仮称千曲大橋の新設、落合橋の拡幅、改修と五輪大橋の無料化等が具体的に議論されております。  その中で、特に落合橋に関しましては、渋滞の問題に加え、築50年以上がたっており、長寿命化して一部改修しているようですが、耐震上問題ないのか住民から心配の声が上がっております。確かに、橋の上で一時停止しますと、橋が上下に振動しております。この上下振動は構造上起きるようになっているため問題ないとのことでありますが、揺れが大きいので不安に思うのは当然かと思います。改修、かけかえには巨額の予算が必要であるため、本年2月には長野市長を会長として落合橋架替建設期成同盟会も設立され、国や県にかけかえの支援の要請も始まっております。落合橋の老朽化に伴う改修あるいはかけかえに関しましては、単独の課題ではなく、長野東バイパス開通、県道三才大豆島中御所線の整備、料金徴収期間が2026年に終了する五輪大橋がセットであろうかと思います。また、直近では、若穂地区にスマートインターチェンジの新設の検討もされており、橋の重要性もさらに高まると予想されております。  以上を踏まえまして、落合橋のかけかえの要望に対し、周辺事業を含めた現段階における県側の対応策やスケジュールについてお伺いしたいと思います。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)落合橋のかけかえと周辺事業のスケジュールに関するお尋ねでございます。  落合橋は、昭和41年の架橋後、利用する車両の増加に対応するため、順次拡幅により右折レーンや歩道の設置を行ってきたところです。現在、架橋から50年以上が経過し、支承板や伸縮装置などに劣化が見られることから、橋梁長寿命化修繕計画に基づき、平成27年度以降、順次橋梁補修を実施しているところです。落合橋のかけかえについては、これまでも期成同盟会等から要望をいただいておりますが、多額の事業費が想定されること、また、河川管理者との調整や堤防道路の取り扱いなど多くの課題があります。このため、まずは関係機関と協議を進め、課題を整理しているところでございます。  次に、落合橋周辺の事業といたしましては、国直轄事業である国道18号長野東バイパスが平成23年度に着手され、今年度は改良工事などを進めていくと聞いております。また、長野東バイパスに接続する県道三才大豆島中御所線のエムウェーブから五輪大橋間につきましては、県が平成26年度に落合橋入り口交差点の整備を事業化し、さらに平成29年度には4車線化の整備を事業化したところであります。これらの事業は密接に関連することから、引き続き関係機関との連携を図り、事業の推進に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔6番金沢敦志君登壇〕 ◆6番(金沢敦志 君)先日、長野市選挙区の県議と長野市長との意見交換会においても、落合橋、五輪大橋、丹波島橋拡幅等のさまざまな要望が出ました。いずれにせよ、個々の案件でも多額で、全てとなると膨大な予算が必要であります。全てを一括というのは現実的に困難でありますので、優先順位を決めざるを得ないのではないかと思います。広域的に県民から意見を聞き、事業計画の調整を行っていただきたいと要望しまして、質問を終わらせていただきます。 ○議長(鈴木清 君)次に、今井愛郎議員。       〔2番今井愛郎君登壇〕 ◆2番(今井愛郎 君)信州・新風・みらいの今井愛郎です。順次質問してまいりたいと思います。  初めに、過去に行った一般質問に関連して、3項目質問してまいります。  一つ目、私が昨年9月、本年2月と2回にわたって一般質問してきた飲食を伴う会合に出席する職員への公費負担について、過日の西沢議員の一般質問の答弁では、必要性は感じつつも、まだ検討中とのことでした。私が行った2月一般質問からの進展がないようで、知事がよく言われるスピード感が感じられず、残念でなりません。この問題は予算を伴うものなので期中導入は好ましくないと考えますが、知事はいつまでに結論を出すお考えですか。  また、組織人というのはやはり上司の動向が気になるものです。過去3年間の知事交際費の支出を見ても、会費という項目はあるものの支出はゼロで、生花、香典、名刺印刷が中心となっています。知事がポケットマネーで会合に出席しているといえば聞こえはいいのですが、トップの方針が変わらなければ幾ら制度をつくってみても下の者は利用しにくいと思います。まずは知事御自身が県政運営に必要だと思われる飲食を伴う会費等について支出基準等を作成、知事交際費として予算執行すべきと考えますが、いかがお考えですか。  二つ目、諏訪圏工業メッセ継続への支援についてお尋ねします。  ことしも知事御自身が開会式へ出席してくださり、その後、タイと長野県との覚書を交わしていただきました。最大の工業展示会で一定の評価をいただいている工業メッセに知事御自身が毎年足を運んでくださっていることに感謝申し上げます。  知事は副知事時代から諏訪圏工業メッセに参加いただいているので、今さら展示内容を申し上げる必要はないと思いますが、今や諏訪圏工業メッセ継続開催に向けた最大のネックは施設であります。そのような背景を察していただいたのか、9月に行われた総務企画警察委員会の諏訪地域振興局での現地調査では、調査いただいた委員より、諏訪圏工業メッセを継続開催するためにももう少し県が積極的に施設整備を含めた支援の姿勢を示していくべきではないかとの感謝の意見をいただきました。一義的には、諏訪圏工業メッセが継続、発展してきたのは諏訪圏の力が大きいかと思いますが、県の御支援なくしてここまでの継続、発展はなかったのも事実です。県が一緒になって育ててくれた諏訪圏工業メッセを今後も継続していくためにも、地元の意向が大切であり、地元から声を上げてほしいという知事のお考えも理解するところでありますが、やはり施設整備に向けた県のメッセージも必要と考えます。知事のお考えをお尋ねしておきます。  三つ目、がん診療連携拠点病院等への支援体制の拡充についてお尋ねいたします。  以前も一般質問で取り上げましたが、がん治療機器、特に放射線治療関係の機器は高額になります。がん診療連携拠点病院であっても他の医療機関が購入する医療機器と同一の基準で補助を決定していることに違和感があります。がん治療は日進月歩で、外科手術、放射線治療、薬物療法が3本柱であるわけですが、とりわけ放射線治療は機器導入に多額の費用がかかります。がん治療対策を積極的に進めている本県として、がん治療の環境整備のためにも、がん診療連携拠点病院向けの補助メニューが必要と考えますが、現行制度の見直し等について健康福祉部長はいかがお考えですか。  また、平成28年11月定例会の私の一般質問で、放射線治療機器は高額だが、診療報酬はそうした費用も勘案している旨の答弁がありました。しかし、高度放射線治療の診療報酬を算定する際には、常勤の2人以上の放射線治療担当医師が必要になっているものがあると聞きます。設備に向けた支援ができないのであれば、放射線治療担当医師を2人以上常勤させるための医師確保を支援する必要があると考えますが、あわせて健康福祉部長にお尋ねいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私に対しては、交際費と諏訪圏工業メッセに対する支援、大きく2点の御質問をいただきました。  まず、交際費等の支出についてであります。  県政運営上必要な懇談会あるいはレセプションに職員が自己負担で出席しているという現状については私も問題意識を持っているところでございます。県政課題によりましては、御指摘のとおり速やかな対応を必要とするものもございますが、私を含む職員の交際費のあり方という部分については、これは県民の皆様方の税金を使わせていただくものであります。そうした観点から、県民の皆様の御理解を得られるようしっかりとした検討が必要だというふうに考えております。  知事として先行して実施すべきという御提言をいただいたわけでありますが、これはトップが率先垂範するといったような類いのものではないというふうに考えますので、県全体の問題として捉えて取り組んでいきたいというふうに考えております。  続きまして、諏訪圏工業メッセ会場の施設整備に向けた支援という御質問をいただきました。  諏訪圏工業メッセは、今井議員の御質問にもありましたように、私ども県としても応援をさせていただき、関係者の皆様方のお力で地方最大級の工業系展示会へと年々成長してきているわけであります。私もほぼ毎年参加をさせていただいておりますけれども、関係者の皆様方の御尽力に深く敬意を表する次第でありますし、また、将来に向けても一層発展をしていただくことを強く願っているところであります。  このメッセ会場につきましては、現在、所有者であります諏訪市が、諏訪市駅周辺市街地あり方検討会におきまして、旧東洋バルヴ工場跡地活用基本構想の検討を行われている最中というふうに伺っております。その場における議論を見守っていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔健康福祉部長大月良則君登壇〕 ◎健康福祉部長(大月良則 君)がん診療連携拠点病院等への支援につきまして2点御質問いただきました。  まず、治療機器補助制度の見直しについてでございます。  医療機関は、診療報酬による収入の中で中長期的な計画を立て、施設や設備の整備を行っております。そうした中で、がん診療連携拠点病院等は質の高いがん医療に必要な診療機能を備えていることから、診療報酬上の加算が措置されているところであります。一方、がん相談支援事業など診療報酬として算定されない各種事業の経費については、がん診療連携拠点病院等整備事業補助金として国と県で助成を行っております。  がん治療における高額機器への対応については、地域医療介護総合確保基金を活用したがん医療提供体制施設設備整備事業補助金においてがん診療連携拠点病院等への基準額の加算要件を設けております。限られた財源の中で、医療機関の意向も踏まえつつ、可能な支援を検討してまいります。  次に、放射線治療医の確保についてでございます。  県では、長野県ドクターバンク事業や医師研究資金貸与事業による即戦力医師の確保により県内医療機関を支援しております。放射線科医師につきましては、ドクターバンク事業により、これまで2名の放射線科医に県内の医療機関に就業いただき、そのうち1名が放射線治療医であると承知をしております。  がん治療の業務に従事する放射線科の専門医につきましては、平成24年度から特別に医師研究環境整備資金の対象として、これまで2名の放射線治療専門医に研究資金を貸与し、県内の医療機関に就業していただいております。県といたしましては、がん治療の業務に従事する放射線科の専門医等確保につきましても、各医療機関と連携してしっかり支援をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔2番今井愛郎君登壇〕 ◆2番(今井愛郎 君)交際費については、ぜひ早期の取り組みをお願いしたいと思います。  そしてまた、メッセについては、市が考えたらということであれば、ぜひその要望がありました折にはしっかり応えていただきたいと思います。  また、がんについては、治療病院の補助、人が先か、物が先かという議論はありますけれども、人がいないことによって2,000万、3,000万の収益が失われているという話も聞きます。ぜひとも人をしっかり支援していただきたいとお願い申し上げたいと思います。  次に、新年度に向けての取り組みについてお尋ねいたします。  まず、学童保育、いわゆる放課後児童クラブの制度改正についてお尋ねいたします。  放課後児童クラブの運営に当たっては、2015年から1教室に2名以上の職員を置き、かつ、うち1名は保育士、社会福祉士等の資格を持っていて、都道府県が行う研修を受講した放課後児童支援員を配置することとされていましたが、全国知事会等の要望もあり、2019年度より基準が参酌基準となり、職員数、資格等は自治体裁量とする方向が明らかになりました。確かに、児童の数や特性、教室の広さが違うわけですから全国一律の基準を適用すべきでないという主張はわかるわけですが、参酌基準になったことにより、自治体裁量になったら放課後児童クラブの体制が悪くなったと保護者から言われるようでは本末転倒と考えます。今まで県は研修会等の主催をしてきたと思いますが、参酌基準となる来年度以降、県として放課後児童クラブにどのように携わっていくか、お考えを県民文化部長にお尋ねいたします。  次に、太陽光発電に関連して、以下3項目、環境部長にお尋ねいたします。  一つ目、来年から住宅用太陽光発電の固定価格買い取り期間、FITが順次満了し、単価が大きく引き下げられます。全国では、2019年にFIT期間が満了する住宅は53万件と言われていますが、県内に2019年でFIT契約が終了する住宅件数、発電設備容量がどれくらいになるか把握されていますか。また、この引き下げは、余剰電力を使ったビジネスチャンスとなる一方で、単価引き下げに乗じた消費者被害を生じさせる可能性があります。太陽光発電を推進してきた本県として何らかの対応をお考えでしょうか。  二つ目、来年度から経産省は、2012年から2014年の3カ年にFIT契約されている約5万3,700メガワット中、未稼働となっている約2万3,500メガワットについて契約単価を見直す方向で調整しています。県内にある未稼働数、発電設備容量とともに未稼働割合はどれくらいか把握されていますでしょうか。また、今回の計画が決まりますと、一部業者は太陽光発電計画を中止するとも言われています。長野県環境エネルギー施策への影響はあるのでしょうか。  三つ目、経産省がFIT契約の見直しを決定したことに関連して、11月24日の朝日新聞に、他県のことではありますが、太陽光発電設備の建設のために県の環境アセスメントに3年以上かかり、やっと事業着手したという事例が紹介されていました。昨日の日経電子版でも、大規模案件には猶予期間を設ける等の報道もありましたが、いずれにせよ、FIT価格の見直しが明らかになったことで、未稼働施設では駆け込み着工が予測されます。このような駆け込みにより、事業実施に伴う県の許認可等がFITの変更期日までに協議が調わず、結果的にFIT単価が切り下げられた場合、業者から損害賠償請求されるようなことはないのか、県の見解をお尋ねしておきます。  また、FIT単価が下がる前に県の許可を求めて早期の許認可を求める業者も出てくると思いますが、県の対応を重ねてお伺いしたいと思います。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)放課後児童クラブにおける国の基準の見直しについての御質問でございます。  放課後児童クラブにつきまして、国は、平成26年に省令で放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定めております。これは、それまで運営等の明確な基準がなかった放課後児童クラブにおいて、全国的に一定の質を確保することを目的に定めたものでありまして、放課後児童支援員の配置数や資格要件について、市町村が条例で定める際の従うべき基準として規定しております。  一方、本県を含む全国の市町村では、人材不足により、基準に定められた放課後児童支援員の確保に苦慮しているところも出てきております。こうしたことから、全国知事会、全国市長会及び全国町村会が3者共同で基準の見直しを国の地方分権改革有識者会議に要望し、議論の結果、従うべき基準については、子供の安全性の確保等一定の質を担保しつつ、地域の実情を踏まえ、参酌すべき基準とする旨の方向性が本年11月に示されたところです。こうした方向性は、市町村がみずから定める条例により放課後児童クラブの質を確保しつつ、みずからの責任と判断によって地域の実情を踏まえた運営を可能とするものでございます。  現在、厚労省では、見直し後も質を確保するため、利用者の目線から放課後児童クラブの活動や運営について評価を推進するといった方策を検討するとの方針が先ごろ示されております。県といたしましては、今後、国が示す具体策を踏まえ、国庫補助による放課後児童支援員の処遇改善や放課後児童支援員の認定資格等の研修等を通じ、県内の放課後児童クラブにおける質の確保を支援してまいりたいというふうに考えております。       〔環境部長高田真由美君登壇〕 ◎環境部長(高田真由美 君)太陽光発電につきまして3点御質問をいただいております。  初めに、住宅用太陽光発電の買い取り期間満了についてでございます。  2019年に買い取り期間が満了となります県内の件数と発電設備容量につきましては、国において都道府県別の数字が公表されていないため、把握しておりません。  次に、県の対応でございますが、まずは住宅用太陽光発電をしている県民の皆様に10年間という買い取り期間が設定されていることや、期間満了後は、自家消費や、従来どおり小売電気事業者へ売電するといった選択肢があるということを正しく伝えていくということが重要と考えております。国でも、「どうする?ソーラー」という専用の情報サイトを設けて対応を始めております。県といたしましても、こうした情報をホームページに掲載し、市町村にも情報提供して広報、啓発を行うとともに、太陽光発電に関係する県内の団体に協力を依頼するなどして県民の皆様に正確な情報が伝わるよう努めてまいります。  次に、未稼働の事業用太陽光発電の状況と県の環境エネルギー施策への影響についてでございます。  国からは、今回の制度の見直しで直接影響を受ける2012年度から2014年度の3年分の未稼働の都道府県別の内訳については公表されておらず、把握しておりません。公表されているのが2017年度末現在の固定価格買い取り制度、FITに係ります認定と稼働の総合計でございます。これから未稼働分の計算をいたしますと、件数にいたしまして約5,300件、発電設備容量で約71万5,000キロワットとなりまして、これを割合にしますと、件数ベースでは21%、発電設備容量ベースでは45%となっております。  今回の制度見直しによる施策の影響につきましては、それを推しはかることは困難でございますが、県といたしましては、環境エネルギー戦略に掲げる目標の達成に向けまして、建築物の屋根での太陽光発電の普及など、再生可能エネルギーの普及、拡大に取り組んでまいります。  最後に、県との協議に時間を要した場合の求償の可能性と許認可手続期間の短縮を求める事業者への対応についてでございます。  県に求償するか否かについては県としてはお答えする立場にございません。また、許認可等の手続につきましては、期限ありきではなく、関係法令等に基づき適切に対応してまいります。  以上でございます。       〔2番今井愛郎君登壇〕 ◆2番(今井愛郎 君)太陽エネルギー政策は大きな転換点となると思いますので、引き続き注視していただきたいと思います。
     最後に、救急安心センター事業、いわゆるシャープ7119の本県への導入についてお尋ねいたします。  平成28年3月31日に消防庁が全都道府県に通知した「救急安心センター事業の更なる取組の推進について」では、救急搬送がほぼ一貫して増加している中で、救急車の適正利用の推進及び緊急度判定体系の普及の観点から極めて有効であり、導入に積極的に取り組むよう求めるとともに、関係者との合意形成に時間を要することから、速やかな検討を求めております。  長野県の出動に関して見ますと、平成22年に下沢代表が質問に取り上げたときから比べますと、22年は8万2,337回だったのが、28年は9万5,329回で約1.15倍、1万3,000件ほど増加しています。とりわけ、理由別不搬送件数の「緊急性なし」は709回から984回と1.4倍増加しており、通知で記載されている傾向は本県でも同じではないでしょうか。緊急性のない救急出動は、救えるはずだったほかの命を救えなくなる可能性を生じさせるばかりか、消防隊員の意欲の低下や働き方にも悪影響を及ぼすものと考えられます。  また、消防庁がまとめたシャープ7119導入実績報告によれば、救急車の軽傷病搬送の減少や不急の救急出動の抑制など救急車の適正利用、医療機関の受診適正化や相談電話の減少に伴う業務効率の向上、住民への安心、安全の提供などの導入効果だけでなく、横浜市では、事業費1億6,500万円で6億6,800万円の医療費適正化効果が報告されるなど、シャープ7119はさまざまな面から投資効果のある事業と考えます。  さらに申し上げるならば、国は本事業を積極的に進めるために、事業導入のためのアドバイザー派遣や導入時の補助、運営経費の交付税措置など、幅広い支援でシャープ7119の導入を促しております。下沢代表が導入提言されて8年以上が経過しました。当時は導入予定はないとの答弁もありましたが、救急搬送を取り巻く環境は大きく変化し、当時は想定していなかった救急搬送や医療に携わる方々の働き方改革につなげるためにも、救急相談ダイヤル、シャープ7119を長野県にも導入すべきと考えますが、阿部知事はいかがお考えでしょうか。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)シャープ7119の導入についての御質問であります。  適正かつ円滑な救急活動を担保していくためには、不要不急な救急出動を抑えて、救急隊員の方々の負担軽減や真に必要な出動を確保していくということが重要だというふうに考えております。県としては、既に子供を対象とする救急電話相談、シャープ8000を開設しておりますが、こうしたことに加えて、昨年度策定しました第2期信州保健医療総合計画におきまして、全世代が対象の救急相談ダイヤル、シャープ7119の導入の可否について検討を行うこととしているところでございます。  導入に当たりましては、既に導入済みの9都府県、4地域の状況などを踏まえた上で、出動したものの搬送に至らない事案が全国に比べて少ない本県における導入効果の検証、24時間体制での医師、看護師、消防関係者など相談員の確保、医療、消防関係者間の合意形成などが必要になってくるというふうに考えております。こうした観点から、消防や医療機関の皆様とともに検討を行っていきたいと考えております。  以上です。       〔2番今井愛郎君登壇〕 ◆2番(今井愛郎 君)知事から御紹介があった9都府県、4地域、これは、国民の人口でいうと40.6%がもう既にこのサービスを受けられる体制でいます。これから広島県の近隣でも入るようであります。長野県は、移住あるいは観光、あるいは高齢化の中で、こういったことに取り組むことが住民サービスにつながるし、いい数字しか言わないのかもしれませんけれども、報告書に出てくる数字は非常に費用対効果がある。いわゆる行政として投資する価値があるものだと私は思っております。本県が最後にならないように、先ほど知事も言いましたが、導入調整するのに相当時間がかかります。早期の検討をお願い申し上げまして、一切の質問を終わりにいたします。ありがとうございました。 ○議長(鈴木清 君)お諮りいたします。本日はこの程度で延会にいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木清 君)御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決定いたしました。  次会は、明7日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後3時34分延会...