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平成30年 2月定例会本会議-02月27日-05号

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  1. 長野県議会 2018-02-27
    平成30年 2月定例会本会議-02月27日-05号


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    平成30年 2月定例会本会議-02月27日-05号平成30年 2月定例会本会議 平成30年2月27日(火曜日)  出席議員(56名)   1 番 花岡賢一      28 番 備前光正   2 番 今井愛郎      29 番 吉川彰一   3 番 寺沢功希      30 番 小池久長   4 番 山口典久      32 番 諏訪光昭   5 番 百瀬智之      33 番 髙橋岑俊   6 番 小山仁志      34 番 今井 敦   7 番 小川修一      35 番 丸山栄一   8 番 丸山大輔      36 番 竹内久幸   9 番 酒井 茂      37 番 小林伸陽   10 番 荒井武志      38 番 高村京子   11 番 堀場秀孝      39 番 今井正子   12 番 依田明善      40 番 村上 淳   13 番 石和 大      41 番 小池 清   14 番 埋橋茂人      42 番 宮本衡司   15 番 両角友成      43 番 清沢英男   16 番 藤岡義英      44 番 垣内基良   17 番 髙島陽子      45 番 鈴木 清
      18 番 浜 章吉      46 番 西沢正隆   19 番 中川宏昌      47 番 風間辰一   20 番 清水純子      48 番 佐々木祥二   21 番 堀内孝人      49 番 向山公人   22 番 小島康晴      50 番 高橋 宏   23 番 小林東一郎     51 番 宮澤敏文   24 番 下沢順一郎     52 番 平野成基   25 番 山岸喜昭      53 番 本郷一彦   27 番 和田明子      54 番 村石正郎   55 番 萩原 清      57 番 望月雄内   56 番 服部宏昭      58 番 古田芙士         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        阿部守一    林務部長      山﨑 明   副知事       太田 寛    建設部長      油井 均   副知事       中島恵理    建設部リニア整   危機管理監兼危           備推進局長     水間武樹   機管理部長     池田秀幸    会計管理者兼会   企画振興部長    小岩正貴    計局長       清水 深   総務部長      小林 透    公営企業管理者   短期大学事務局           企業局長事務取扱  小林利弘   長兼県立大学設   玉井裕司    財政課長      岡地俊季   立担当部長             教育長       原山隆一   県民文化部長    青木 弘    教育次長      角田道夫   健康福祉部長    山本英紀    教育次長      菅沼 尚   環境部長      関昇一郎    警察本部長     内藤浩文   産業政策監兼産           警務部長      横田直幸   業労働部長     土屋智則    監査委員      田口敏子   観光部長      熊谷 晃   農政部長      北原富裕         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      吉沢 久    議事課担当係長   倉石博之   議事課長      村松敏伸    議事課主査     山崎紀子   企画幹兼議事課           総務課担当係長   小澤利彦   課長補佐      小松健一         ───────────────────  平成30年2月27日(火曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時開議 ○議長(垣内基良 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(垣内基良 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、佐々木祥二議員。       〔48番佐々木祥二君登壇〕 ◆48番(佐々木祥二 君)おはようございます。駒ヶ根市選出、佐々木祥二でございます。平成30年2月定例県議会における一般質問9番目を務めさせていただきます。今回は、スポーツ少年団、国体、林業、白馬会議、5カ年、国際交流について、阿部知事を初め県執行部に対し私見を交えながら質問させていただきますので、できる限り前向きで、明快かつ具体的な答弁を期待するものであります。  「子は国の宝」との言葉は、本年のNHK大河ドラマ「西郷どん」での名場面であります。また、本年は明治維新150年の年でもあります。その明治維新をなし遂げた薩摩藩の教育は、郷を単位とした青少年の自治の修養組織を編成し、相互に切磋琢磨させたことにあると私は思います。この教育の比重は、学を磨き、武を練り、心のさわやかさをも求めた、この点が他藩の青少年教育とは理念において大きな差異があったと思います。言いかえれば、清らかさ、勇敢さ、弱者へのいたわり、この3点が何よりもとうとばれ、その中に、護身練胆と精神修養と勇猛心を修行し、少年時代から一心に心身を鍛えた驚嘆すべき教育であったと思います。  一方、お粗末であったのは、天下の直参旗本、御家人の教育で、形式重視、権威主義で、遊興にのみふけって、おのれの侍魂を顧みなかった結果、幕末の動乱期において自滅していったと言えなくもありません。  そこでお伺いいたしますが、長野県も以前より暮らしが豊かになり、家庭の役割が変化し、核家族化や地域社会の連帯意識の希薄化の中で、青少年のいじめ、不登校、校内暴力、薬物乱用、性をめぐる犯罪など、青少年を取り巻く問題は極めて深刻であります。これらの現象面のみに目を奪われることなく、青少年のために何をどうすればよいのか、今、真剣に考え、行動しなければなりません。  そこで、私は、この薩摩藩の郷中教育の中にたくさんヒントがあるのではないかなと、長野県教育にも参考にすべき点が多々あるのかなと、こんなふうに思いますので、まずはこの教育システムについて教育長の忌憚のない御所見をお伺いをいたします。  次に、スポーツ少年団についてお伺いをいたします。  このスポーツ少年団は、スポーツを通じて青少年の心と体を育てる、また、一人でも多くの青少年にスポーツの喜びを、をスローガンに昭和37年に創設され、以来、55年がたちました。目的は、スポーツを通じて青少年の体と心を育み、組織をつくり、地域社会の中に、を願い創設され、2年後の東京オリンピックに向け大きな期待が寄せられたものでございました。  創設時わずか750名であった団員も、30年後には100万人を突破し、我が国最大の青少年組織となりましたが、現在は団員数70万人と聞いております。長野県でも、この10年間、スポーツ少年団の状況は2割減の1万5,287人となっております。登録団数も545で、43も減っております。また、何と登録市町村数も51から42となっております。この状況をどのように認識され、どのような捉え方をしているのか、教育長の御所見をお伺いをいたします。  また、スポーツ少年団の活動は、単位団と直結した市町村スポーツ少年団の活動が根幹でありますが、近年、行政からの直接的なサポートが少なくなりつつあり、組織の弱体化から消滅している団もあります。長野県のスポーツ少年団の登録市町村の状況を見ると、東信は86.7%と高いですが、南信は小規模な町村も多いことから32.1%となり、極めて低い設置率となっております。  今後、スポーツ少年団の活性化のためには、未加入の子供たちが加入をしたくなる工夫と地域社会に向けて受け皿を広くしていく必要があるかと思います。そのためには、スポーツ少年団の広域化と合併、新しい総合型スポーツクラブなど、市町村のスポーツ推進体制の再構築と指導者の確保もこれまた重要と考えます。そこで、今後のスポーツ少年団の活性化に向けた方策について教育長の御所見をお伺いをいたします。  次に、2027年の国体に向けて、競技施設支援について、ここは知事にお伺いをいたします。  今、平昌でオリンピックが開催され、終了いたしました。長野県勢は5種目で金3、銀2、メダルを獲得いたしました。まことにおめでとうございます。  2年後には東京で、また4年後には北京へと続き、2027年には長野でも第2回目の国体が開催される予定でございます。成功するためには、青少年のスポーツ活動を軸として、場所の確保と施設環境の充実が不可欠であります。本県の地で選手が育ち、活躍するためには、ハードの充実なくしてソフトの成長なし、そうしなければ魅力的な少年団やクラブは生まれません。  先日の本郷議員の代表質問で、知事は、各競技会場地の選定については、専門委員会を来月立ち上げて、本格的な選定作業に着手すると答弁されましたが、市町村にとって競技施設の整備に要する財政負担は大きな課題となっております。今後、2027年の国体に向け、またスポーツ立県長野を確立するためにも、市町村が行う施設整備についてはぜひ県の支援をお願いしたいと思いますが、知事の御所見をお伺いし、第1回目の質問といたします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず、薩摩藩の郷中教育についての所見という御質問でございます。  郷中教育は、郷という地域ごとに、子供たちの集団の中で先輩が後輩を指導するものでありまして、薩摩藩という歴史の中で育まれてきたものであるというふうに承知しております。年齢の異なる子供たちが教え合い、学び合うことは、自主性、社会性の育成にもつながります。  本県でも、学年の異なる子供たちが地域の公民館等で寝泊まりして学校に通う通学合宿の普及などを行っておりまして、郷中教育には現代にも通ずる大事な観点があるというふうに考えております。  続きまして、スポーツ少年団についてでございます。  まず、団員数等の減少についての認識でありますけれども、スポーツ少年団は本県最大の青少年スポーツ団体でありまして、スポーツを通じた青少年の健全育成に大きな役割を果たしてきております。ただ、近年の傾向を見ますと、設置市町村数や団員数など長期的に減少傾向が続いております。これは、団員の約8割を占める小学生の数の減少を初め、指導者の高齢化、あるいはほかの同様のスポーツクラブの増加などのほか、事務局を担う市町村等の負担も要因となっておりまして、持続可能な基盤確保の面からも課題であるというふうに認識しております。  そして、このスポーツ少年団の活性化に向けた方策ということでありますが、現在、本県の児童生徒のスポーツ環境をめぐっては、運動をする子としない子の二極化や少子化を背景に存続が困難な運動部がふえているなど、ニーズに応じた子供のスポーツ機会の確保が課題となっております。また、2027年の国体の開催に向けては、9年後に主力となるジュニア選手の発掘、育成の取り組みも求められているところであります。  こうした課題に対しまして、スポーツ少年団の果たす役割は大きいものがありますので、来年度設置する競技力向上対策本部が取り組む競技力向上基本計画の策定の議論の中で、議員から御提案をいただいた方策も含め、組織の活性化や今後のあり方について検討してまいりたいというふうに考えております。  なお、現在、県体協の県スポーツ少年団本部におきまして、全ての市町村に対し、現状の課題や廃止または未設置の理由などについての実態調査を行っておりますので、この分析結果も検討の中に反映してまいりたいというふうに考えております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)国体に向けた市町村が行う競技施設整備への支援についての御質問をいただきました。  国体を成功させ、またスポーツを通じた元気な長野県づくりを進めていく上では、競技力の向上ということと合わせて、御質問にありました競技施設の確保充実が大変重要な課題だというふうに思っております。このため、2027年の国体及び全国障害者スポーツ大会開催基本方針の中では、少子・高齢化社会を迎え需要が変化していく中にあって、将来にわたり安全で適正なスポーツ施設環境を提供するということを実施目標の一つに位置づけさせていただいているところでございます。  両大会の競技会場地につきましては、今後、市町村や競技団体から希望調査を行った上で、現地調査、ヒアリングを行うこととしております。こうした一連の選定作業の中で、施設整備に関する課題を共有させていただき、先進県の状況も調査しながら県としての取り組みの方向性を検討していきたいと考えております。  以上です。       〔48番佐々木祥二君登壇〕 ◆48番(佐々木祥二 君)次に、もうかる林業について林務部長にお伺いをいたします。  日本の林業は、1980年ころには1兆円を超える規模であったと思いますが、最近では4,000億円程度に減少し、その内容も、木材産業は半分くらいになり、シイタケなど林業副産物産出額と同程度になっていると聞いております。また、林業就業者数は、40万人以上いた人々が2015年には5万人くらいとなり、高齢化も進展し、今や林業は衰退産業となっております。  これを反映して、就業条件も良好でなく、季節や天候にも左右され、年収も全産業平均より3割も安く、しかも仕事は危険な作業であり、新規就業者は年間3,000人程度しかいないのが現状と聞いております。そういうときこそ、私は、打つ手は無限、もうかる林業はおもしろい、こう思います。  国も、2016年に、森林・林業基本計画で、10年後の国産材供給量を現行の1.7倍に当たる4,000万立米に引き上げることを目標に設定をし、多面的機能の発揮や林業の健全な発展、山村の活性化、雇用の創出など行動しているところであります。  そのような中で、今、林業はもうかるのではないかと全国で声が上がっております。それは、施業の集約化による大規模化が進められる一方で、小規模の所有者がみずから手入れをする自伐林業の普及に向けたフォーラムも注目されております。そこで、もうかる林業を目指して、経費を余りかけずに、軽トラックとチェーンソーで誰でも参加できる仕組みをつくり、地域の農家、サラリーマン、定年退職者、都市部の交流者など、積極的に副業型自伐林業に参入させ、荒れ果てた山をよみがえらせようと活動をしておりますし、林業女子などは、山で楽しく遊んで森を再生しようと頑張っております。  そこで、林務部長にお伺いいたします。  里山や中山間地の山をナラやクヌギを植えて広葉樹に転換すれば、植えつけ後15年で初回収穫ができ、その後は8年から10年で回転をしていけば、10アール当たり、1反歩でございますが、40万円くらいの収入になり、米よりは高収入になると思われます。私の地元駒ヶ根でも、原木林やシイタケ栽培が盛んに行われており、自家労働や地域住民の雇用の場にもなっております。今やシイタケなど林業副産物が半分以上の林業産出額であるならば、それを伸ばすことももうかる林業になると思います。  地元の生産者の話を聞く中、東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、シイタケ栽培用の原木の調達に苦労していると聞いております。そこで、県内のシイタケ用原木の生産、流通の状況はどのようになっているのか。また、原木シイタケの振興策はどのような取り組みを行っているのか、林務部長にお伺いをいたします。  また、森林組合などが行う針葉樹を中心とした集約型林業もしっかり進めていただく一方で、このように広葉樹を活用し、シイタケなどの原木供給により林業副産物をふやし、自分の山の自伐型林業の普及も進め、小規模でももうけることができる林業経営のモデルをもっと普及し、森林所有者にいま一度山に関心を持っていただくことが里山利用につながり、ひいては、里山再生や森林管理の空洞化対策にもなると考えますが、林務部長の御所見をお伺いいたします。  さらに、駒ヶ根市では、こうした雑木林や広葉樹林にスポーツ少年団とかクラブの子供たちを連れだって、カブトムシの採集やキノコ狩り、遊び場を含め、自然観察などをやっております。そうすれば、役立つ森林になり、ちょっとした休憩施設などあれば一般市民の憩いの場にもなると思います。  そこでお伺いいたしますが、森林の中にモデル林をつくったり、今はやりの山の駅とか森の駅とか森の基地など、森林を総合的に活用することでしあわせ信州創造プラン2.0の学びと自治の力のシンボルになると思いますが、知事の御所見をお伺いし、2回目の質問といたします。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)もうかる林業につきまして2点お尋ねいただきました。  初めに、シイタケ用原木の生産、流通の状況、原木シイタケの振興策についてのお尋ねでございます。  平成28年のシイタケ原木の県内生産量は約40万本で、県内のシイタケ生産者に13万本、県外の生産者に27万本を供給しております。東京電力福島原子力発電所の事故前の平成22年と比較しますと生産量は26万本から14万本増加しておりますが、県内向けは9万本減少し、茨城県や福島県など県外への供給が増加している状況でございます。  また、県内の生産者が購入する平均的な原木の価格は、平成22年の1本212円から、平成28年は253円に41円上昇している反面、シイタケの販売価格が余り変わらない状況であることから、生産者の経営環境は厳しいものがあると考えております。  県といたしましては、原木価格が上昇している中で安定したシイタケ生産を図るため、原木など生産資材の購入に対し補助や融資により支援を行っております。また、林業総合センター研究員林業普及指導員による栽培指導、研修会を通じ、生産者の技術向上を図っております。  こうした支援に加え、次期森林づくり県民税事業において、地域住民による里山の広葉樹などを利活用する取り組みに支援を行うこととしておりまして、これらの支援により、原木シイタケなどの特用林産物の一層の生産振興を図り、農山村ビジネスの活性化を図ってまいりたいと考えております。
     次に、小規模でももうけることのできる林業経営のモデルの普及についてのお尋ねでございます。  議員御指摘のとおり、小規模でも地域との関係性を重視する自伐型林業は、里山再生を進める上で大変重要であると認識しております。県内では、森林所有者がみずから伐採した木材を搬出し、まき材などに活用する取り組みや、林業後継者などのグループが地域の木材を伐採し、キノコ栽培や炭づくりなどを行う自伐型林業の取り組みが幾つかの地域で活発に行われるようになってきております。  このような取り組みは、小規模な森林を対象に行うことができるとともに、森林所有者や農山村地域の住民などが里山とのかかわりをふやすことにもつながる極めて重要な取り組みと考えており、次期森林づくり県民税事業案では、こうした取り組みをさらに広げ、里山の利活用を推進し、森林と人、森林と地域との関係性の再構築を図ってまいる考えでございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)森林の総合的な活用、学びと自治の力のシンボルにしてはどうかという御質問でございます。  平成30年度以降の森林づくり県民税におきましては、里山整備利用地域制度を活用いたしまして、住民協働で里山の利活用を進めていってもらいたい、また、そういう取り組みを支援していきたいというふうに考えております。  こうした取り組みを通じまして、例えば、里山を自然豊かな教室として整備して、学びやさまざまな体験を通じて子供たちの創造性を育む学びの場としていくこと、あるいは、自然を生かした遊歩道などを整備して誰もが森に入って集えるようなコミュニティーの場づくりなど、こうしたことを行っていきたいというふうに考えております。こうした地域の個性、特性を生かしつつ、自主的に取り組むモデルをぜひ各地域でつくっていきたいと思っております。  また、こうしたモデル、よい事例は表彰するなど、そうした手法、取り組み内容を広く普及していきたいというふうにも考えております。こうしたことによりまして、佐々木議員御指摘のとおり、学びと自治の力を具現化する象徴ともなるように取り組んでいきたいと考えております。  以上です。       〔48番佐々木祥二君登壇〕 ◆48番(佐々木祥二 君)次に、国際会議の誘致についてお伺いをいたします。  今回で第10回目を迎えた白馬会議が、昨年11月25日、26日に白馬村で開催されました。全国各地から財界人、大学の教授、知事、地方議会、行政関係者など84名が集まり、2日間にわたり白馬村のホテルに泊まり込みながら、「超人口減少社会ニッポンの衝撃―急速かつ大規模な人口縮小・高齢化にどう立ち向かうか?」をテーマに熱い討議を重ねました。県庁からは熊谷観光部長が、県議会からは私のほかに小池清県議、宮本衡司県議、諏訪光昭各県議が参加をされました。  西のダボス、東の白馬との勇ましいかけ声で2008年に立ち上がった当会議には、本郷一彦運営委員初め、私も運営委員として設立当初から参画をしておりますが、本場ダボスに負けない北アルプスを仰ぎながら世界における日本の針路について意見を闘わせる、こういう形の知的な集まりが着実に続けられているケースは県内を見渡しても余り見られないのではないかなと、こんなふうに思います。本県の宝として、今後も多くの県民の理解と参加を得て続けていくことが大切だと思います。  そこで、観光部長にお伺いいたしますが、このような全国的な会議や国際的会議を定期的に行えば、観光誘致など県内への経済波及効果は大きいものと思われます。これら人、情報、知識を広く県内に呼び込み、交流する会議等について、観光面からどのように評価するのか、また、今後これをどのように誘致していくのか、前回参加された観光部長に御所見をお伺いいたします。  次に、次期総合5カ年計画の進捗管理についてお伺いをいたします。  この定例会に、次期総合5カ年計画が提案をされております。学びと自治という新しい概念を導入し、未来に向けて新しい長野県を構築していく計画であるとの認識をしております。しかし、計画は、計画され、実行されて初めて実効性を持つものであります。また、学びを学びで終わらせないで、計画と自分を信じてこの期間の中で達成することが私は政治だと思っております。  そこで伺いますが、社会経済情勢が刻々と変わる中で、その変化を無視して計画どおり実施しても、これは意味がないと思います。そこで、取り巻く社会経済情勢を常に把握し、分析をして、未来の県や世界の日本のあり方を研究し、それをもとに次期総合5カ年計画の進捗を管理していく仕組みがここは必要だと考えます。とことん追求し、継続的に管理するこのシステムも必要と思います。企画振興部長の御所見をお伺いをいたします。  次に、知事は、今月9日から平昌オリンピック開会式出席のため韓国を訪問され、地元江原道知事、次の北京冬季オリンピックの開催地の一つである河北省の副省長とそれぞれ会談をし、三者が未来志向での交流に取り組む方向性を確認したとのことですが、スポーツを通じて世界平和を訴えるとともに交流を深めることは、連携と平和な世界を地域から創造する第一歩となるすばらしい取り組みだと受けとめております。このように、国際交流は県がリードしていただき、市町村はそれぞれ独自に海外自治体と友好交流を進めていけば、長野県全体として理想的なものになっていくのではないかなと私は思います。  我がふるさと駒ヶ根市も、台湾の台中市とこれまで地道な交流を続けてきております。今月9日には、観光友好交流締結に関する協定書を締結して、観光交流をさらに推進していくとともに、今後は観光以外にも多方面での交流を深めていくこととしております。また、2018年11月3日から世界フローラ花博が台中市で開催されます。駒ヶ根からも台中国際空港へ県営まつもと空港からのチャーター便を利用して切り花部門に出展する予定と聞いております。この花博をよい機会と捉え、花卉栽培関係者との交流とか、来年花フェスタもあることですから、農産物、特産物などの物産展を開催し、積極的に交流すべきと考えますが、農政部長の御所見をお伺いいたします。  また、駒ヶ根市3万人、台中市278万人と、人口規模からももう一歩踏み込んだ交流に進むことができないことも事実であります。このように、人口が少ない県内市町村はどうしても交流に制約が出てきてしまいます。そうした中で、オリンピックで連携する白馬バレーと張家口市、国際リゾートの山ノ内町とベイルの友好交流の覚書締結を県が積極的に支援をして締結に至り、知事が立会人を務めたことは、従来にない対応として、ここは高く評価したいと思います。  そこで、知事にお伺いいたしますが、県が覚書締結に立ち会ったり共同で覚書を締結するなどして市町村の交流の後押しをするとか、県も一緒になって交流することも必要と考えますが、知事の御所見をお伺いし、3回目の質問とさせていただきます。       〔観光部長熊谷晃君登壇〕 ◎観光部長(熊谷晃 君)国際会議の誘致についてのお尋ねでございます。  観光において大切なことは、旅行者にとっても受け入れる側の地域にとっても、そこを訪れる目的が明確であることでございます。大規模な会議やイベントなどは来訪の目的が明確であることに加え、白馬会議のように定期的に開催される可能性があること、また、会議等への出席を契機に個人的な旅行先としてリピートしていただける可能性もあることから、極めて重要な誘客の柱として推進する必要がございます。  これまで、本県のMICE誘致活動は、県の各部局、各市町村がそれぞれに展開してまいりましたが、本年1月には、県と関係市町村、経済団体、宿泊事業者や観光団体等からなります長野県MICE誘致推進協議会を設置いたしました。本協議会では、オール信州で情報を共有、また発信し、連携して強力にMICE誘致推進活動を展開するとともに、市町村ごとの受け入れ可能規模等の把握、広域での受け入れフレームの構築、また、大規模な国際会議等の受け入れ市町村の調整等を行ってまいります。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)次期総合5カ年計画の進捗を継続的に管理する仕組みについての御質問にお答えをいたします。  県行政の推進に当たりましては、計画に基づき政策を着実に進めていくということも大事ではございますが、その一方で、その時々の情勢の変化を敏感に捉え、柔軟、的確に対応していくことも重要でございます。  次期総合5カ年計画では、チャレンジプロジェクトに象徴されますように、単に取りまとめたことをもって完成とはせず、実行しながら考え、また考えながら実行するというように常に深め続けるものにしていきたいと考えております。今後、県立大学を初めとする高等教育機関や民間の専門機関など外部の知見も幅広く取り入れるなど、工夫を図りながら政策の構築、実行に努めてまいります。  以上でございます。       〔農政部長北原富裕君登壇〕 ◎農政部長(北原富裕 君)お答えいたします。  2018台中フローラ世界博覧会に合わせた交流についてですが、駒ヶ根市の花卉生産者のフローラ世界博覧会の参加に当たっては、県としても必要な技術的支援を行うとともに、台中市の花卉栽培関係者との交流については、駒ヶ根市の意向もお聞きしながら検討してまいりたいと考えております。  物産展につきましては、県では、毎年12月に台中市等の高級スーパーにおいて県産果実や加工食品による長野フェアを開催しております。平成30年度につきましては、御提案を踏まえ、出展者等関係者の意向を把握しつつ、産業労働部や観光部など関係部局と連携し、どのような対応が可能か検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)県と市町村とで一緒に国際交流を進めることが重要ではないかという御質問でございます。  御質問にもありましたように、白馬バレーと張家口市、そして山ノ内町とベイル町の友好交流協定は、いずれも県も応援をさせていただいて、私も立会人として署名をさせていただきました。  県政も市町村行政もそうでありますけれども、例えばインバウンドの推進、あるいは農産物の輸出、あるいはまつもと空港の国際化、こうした課題をとってみても、海外との連携協力はこれまで以上に重要になってきているというふうに考えております。そういう観点で私ども県としても国際交流に積極的に取り組んでいきたいと思いますが、市町村が行う国際交流についても県として積極的に応援をしていきたいというふうに思います。  これからも、グローバルNAGANO戦略プランを踏まえて、県が持つ経験やノウハウ、ネットワーク、こうしたものを活用して市町村の取り組みを応援していきたいと思っておりますし、また、市町村と共同で覚書を締結するということにつきましても、市町村の主体的な取り組みを前提としつつ、交流内容が明確で、県全体により大きな効果が期待できるといったような場合には前向きに検討していきたいと考えております。  以上です。       〔48番佐々木祥二君登壇〕 ◆48番(佐々木祥二 君)それぞれ答弁をいただきました。  スポーツ少年団ですが、私も昭和58年から少林寺拳法の駒ヶ根スポーツ少年団の団長を30年間務めさせていただき、本部長もやらせていただきました。今も一団員として孫と一緒にたまに道場に通っております。三世代の生涯スポーツにもなりますので、どうかこのようなスポーツ少年団を伸ばしていっていただきたい、こんなふうに要望をしておきます。  教育長、長野県の子供たちの体力、気力を維持増進するには、このスポーツ少年団のような活動を充実強化し、学校、行政、地域指導者の三位一体での活動が必要だと思いますので、再構築につきましては強く要望をしておきます。  国体の競技施設でございますが、ここも県と市町村の協力体制が大変大事でございますので、知事、よろしくお願いをいたします。  次に、もうかる林業でございますが、林業でもうかれば県民は豊かになり、増収になり、山は美しくなり、そして移住者も会社もふえて、一石三鳥、四鳥でございます。ここは林務部長の腕にかかっておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。  白馬会議でございますが、こういう会議をもっともっと積極的に利用、開催すべきと考えます。白馬会議の運営委員会の皆様も、ここ白馬でまだまだやるぞと、こう言ってくださっております。そういう方々の心のともしびをぜひ消さないでください。また、白馬会議は県としても学びと自治の力のシンボル会議にもなると思います。思い切って協力をし、参加をし、ともに発展すべきと考えます。次回から御後援もお願いをいたします。  5カ年計画でございますが、中長期的視点で取り組むと言っておりますので、進化、成長のプロセスを管理する仕組みをぜひつくっていただきたいと思いますし、県庁の中でも外でもいいのですが、シンクタンク的なものだとか研究室なども、企画振興部長、ここは一考を要望をしておきます。  国際交流でございますが、駒ヶ根市の子供太鼓連の方々が、今月23日から台中市の招待で交流に行ってきました。今回は、観光友好交流の協定書でございましたが、今後はスポーツ、登山、健康福祉、教育から経済に至るまで、友好交流に向けて駒ヶ根市も頑張っていきますので、ここは県も一緒になって交流促進をお願いしたいと思います。県民や地域住民の幸せのために政治や県庁や職員が存在するものでございますから、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。  いずれにいたしましても、子は国の宝、県の宝でございます。何をするにしても人が育たなければ衰退をするんです。常に意識をして反省をし、磨かなければ、没落し、退廃するのみでございます。ですから、人づくりを無視した改革や計画は決して成功しないのであります。例えば、灰のような職場でも、一人一人の胸の中の小さな種火に火をつける火種運動を起こし、こつこつこつこつ実行し、活性化するしかないのであります。  「西郷どん」の西郷隆盛は、敬天愛人を座右の銘にいたしました。天は人も我も同一に愛したもうゆえ、我を愛する心をもって人を愛するなりと申しております。その心を持って、しあわせ信州創造プラン2.0、学びと自治の力で拓く長野県新時代を、知事を先頭に県職員一丸となって目標達成に邁進していただきますことを強く要望いたしまして、ちょうど時間となりました。私の全ての質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。 ○議長(垣内基良 君)次に、吉川彰一議員。       〔29番吉川彰一君登壇〕 ◆29番(吉川彰一 君)初めに、健康づくりについてお尋ねします。  本定例会の冒頭で、知事は、国保データベースなどを活用して、生活習慣や健診受診の状況など市町村ごとの健康課題の見える化を図るとの議案説明がありました。これに関連して、厚生労働省は、レセプト情報などを分析し、予防施策などにつなげるデータヘルス分析について、健保、国保、後期高齢者及び介護各保険のレセプトデータを収集、連結し、保険者などへの提供について2020年度から実施を目指す方針を示されました。健康づくりの推進には、国保加入者と同様に職域保険の加入者を対象とした健康づくりの充実強化策も必要と思われますが、今後、県民全体の健康づくりをどのように進めていくのか、以下、山本健康福祉部長にお尋ねします。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)今後の健康づくりの取り組みについてのお尋ねであります。  県では、これまで、運動、健診、食事を柱とした信州ACEプロジェクトの推進により県民の健康づくりに取り組んでまいりました。平成30年度には、県も国民健康保険の保険者となることから、特定健康診査やレセプトデータを分析することにより県民の健康課題を見える化し、市町村と共有して、市町村が行う保健事業を支援するとともに、県と市町村が一体となって県民の健康づくりに取り組むための体制を構築するなど取り組みを進化させてまいります。  その取り組みに当たっては、議員御指摘のとおり、協会けんぽなど職域保険加入者の健康づくりの充実強化も重要でありますので、国保加入者だけでなく、被用者保険の被保険者についても健康課題を見える化し、保険者や企業経営者と共有して、保険者が行う保健事業や企業の健康経営を支援してまいります。  また、協会けんぽが働き盛り世代の運動習慣定着を目的に予定しているスマートフォンのアプリを活用した参加型ウオーキングに関する取り組みを支援するなど、意欲ある関係者と連携し、ターゲットを明確にした取り組みを強力に推進してまいります。  以上であります。       〔29番吉川彰一君登壇〕 ◆29番(吉川彰一 君)新年度、いわゆる国保の広域化が計画され、健康づくりや国保財政の健全化のインセンティブとして保険者努力支援制度が設計されています。2018年度の配分額は、全国平均で1人当たりが3,287円です。これを本県は下回っています。健康づくりのアウトカム指標とも言える配分額が平均点以下であることも踏まえ、今後の施策を検討していただきたいと思います。  また、データヘルスについては、国際医療福祉大学大学院の埴岡健一教授が脳卒中データについてまとめ、中央公論2017年2月号に脳卒中死亡率全国2次医療圏別全リストを発表しました。それによると、女性の脳梗塞の死亡が全国値より高い順に、上伊那、北信、飯伊、上小、長野の各2次医療圏を挙げ、埴岡教授が、健康長寿県とよく言えたものだとコメントしておられたことが思い返されます。今後のデータ解析に期待をいたします。  次の質問に移らせていただきます。  2025年、いわゆる団塊の世代が全員後期高齢者の仲間入りを果たします。これに続いて、中国、韓国なども高齢化社会を迎えます。人類未踏の老人大国の先陣を切る我が国は世界から注目を集めています。その我が国は、2018年度、惑星直列と言われる2年に一度の診療報酬と3年に一度の介護報酬の改定の年となり、次の惑星直列は2024年となります。2025年を目前にしての改定は効果や影響をはかりかねると言われ、ことし4月の診療報酬と介護報酬の同時改定は、2025年を迎える我が国にとって土台とも言われ、これまで以上に深い意義を持ったものと言えます。  これに関連して、6年に一度の障害者福祉サービスの報酬改定も行われます。このトリプル改定についてお尋ねをします。  この同時改定の主要な論点の一つに働き方改革があります。その方策の一つとして、医師の遠隔診療を認めています。今後、通院が難しいお年寄りの存在が課題となってくるであろうと思われます。ICT機器を通じての医療提供は本県にとって今後重要性が増してくると考えられますが、これを補強する考えはお持ちですか。お持ちであれば具体策をお示しください。  次に、看護職員の配置基準が、例えば一般病床で15対1とされました。看護職員の養成は、医療や介護の面ばかりか重度心身障害児者の医療的ケアなど障害者福祉の面も含まれます。今回の改定が看護職員の県内の配置にどのような影響を与えるとお考えになっているのか。特に、心配される看護職員の勤務に無理が生じることがないのかお尋ねします。  また、これに関連して、訪問看護ステーションについては大規模化が促されております。この方向性は、山間地を多く抱える本県の地理的特性と考え合わせると不向きであると考えます。どうお感じか、御所見をお聞かせください。  また、既に方向性が定まってしまった以上、対応策を考えなければなりません。本県の特別な対応策を検討しておられますか。具体的に検討しておられるなら具体策をお示しください。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)診療報酬、介護報酬の改定に関連した御質問に順次お答えさせていただきます。  まず初めに、遠隔診療で使用するICT機器等に対する県の支援については、今回の診療報酬改定により、医療機関が遠隔診療を行った場合、新たにオンライン診療料とオンライン医学管理料を一定の要件下で算定できることとなっております。あわせて、今年度中に遠隔診療の実施に関するガイドラインが国において策定される予定と伺っております。  御質問の遠隔診療を実施する医療機関に対する補助等の支援については、遠隔医療設備整備事業、あるいは地域医療介護総合確保基金を活用した在宅医療設備整備事業により、テレビ電話システムや患者情報を共有する端末、在宅療養の患者の血圧等を把握するバイタルセンサー等の購入に対し支援を行っております。県といたしましては、今後とも、補助事業の内容や活用方法等を医療機関へ周知するなど、遠隔医療に必要な端末や医療機器等の整備を促進してまいります。  看護職員の配置基準の変更による勤務への影響についてのお尋ねがございました。  平成30年度の診療報酬改定により、患者の状態に応じた効率的、効果的で質の高いサービスが提供できるよう、看護師の配置基準が、一般病棟入院基本料の7対1と10対1、13対1、15対1が新たに急性期医療を担う急性期一般入院基本料と急性期から長期療養を担う地域一般入院基本料に再編、統合されたものと認識しています。  また、看護補助者の配置による看護師との業務分担の推進や、病棟の夜間の看護職員配置の充実への診療報酬の加算により、チーム医療の推進や夜間の看護業務の負担が軽減され、看護職員の勤務環境の改善が図られるための改正も行われております。医療機関においては、入院患者の状態に応じた看護配置の見直しや勤務環境の改善に向けた取り組みが行われるものと認識しております。  県といたしましては、院内保育所の設備整備、運営への支援のほか、長野県医療勤務環境改善支援センターにおいてセミナーの開催やアドバイザーによる医療機関への個別訪問を行い、医療機関が主体的に勤務環境改善に取り組んでいけるよう支援してまいります。  訪問看護ステーションの大規模化の促進に関するお尋ねがありました。  住民が住みなれた地域で安心して暮らすことができる地域包括ケア体制を整備する上では、地域ごとに人口規模や医療、介護に関する施設の状況が異なるため、地域の実情に応じた体制とすることが重要であると考えています。訪問看護ステーションの大規模化については、多くの利用者を抱える都市部では、在宅医療・介護を推進する上での一つの方策であると考えておりますが、利用者が少なく、点在している中山間地域では、体制の整備や事業運営が困難な面があると認識しております。  大規模化のメリットは、24時間365日体制をとりやすくすることや安定的なサービス提供体制の確保でありますが、本県においては、小規模事業所を含め、ほとんどの訪問看護ステーションにおいて24時間の訪問看護体制が整えられております。そうした中、中山間地域においては、サービス提供の維持が困難であることから、中山間地域介護サービス提供体制確保モデル事業などにより支援を行っているところであります。今後とも、長野県の実情を踏まえた在宅医療・介護提供体制の整備に努めてまいります。  以上であります。       〔29番吉川彰一君登壇〕 ◆29番(吉川彰一 君)介護保険の分野では、今回の改定の話題の一つに介護医療院の創設があります。療養病床や介護療養型老人保健施設、いわゆる転換老健からの移行が2021年3月までの特例措置つきで促進されます。本県の各二次医療圏での移行、新設は何床と見込まれておられるでしょうか。  さらに、今後の介護保険サービスの評価をネット公開することを視野に、質の評価収集事業、いわゆるVISITが始まります。本県における今後のVISITへの関与についてあわせてお尋ねをいたします。  また、自立支援として、リハビリをこれまで以上に重視し、中でも、いわゆるOT、作業療法士の需要が一気に高まりました。同様に、障害者福祉の分野でも就労移行支援事業所の福祉専門職員に作業療法士が追加になる方向です。全国で作業療法士の需要が急増することが見込まれます。本県における従事者数と今後の資格者の過不足についてお尋ねします。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)まず初めに、介護医療院への転換見込みについてのお尋ねがございました。  2020年度までの介護療養病床等からの介護医療院への転換等の見込みについては、上小圏域における介護療養病床からの転換4床、長野圏域における新設40床を今年度策定する第7期長野県高齢者プランに盛り込む予定であります。  今後、介護療養病床が廃止となる2023年度に向けて各施設において転換先についての検討が加速していくものと考えております。県としては、円滑に移行できるよう、転換に伴う施設整備費を助成するなど必要な支援を行ってまいります。  VISITへの県の関与についてのお尋ねであります。  VISITは、全国のリハビリテーション事業所のデータを収集、分析して、先進的な取り組み等を各事業所にフィードバックするもので、リハビリテーションのさらなる質の向上に資するものであると考えております。  平成30年度の介護報酬の改定において、通所リハビリテーション及び訪問リハビリテーションの事業所を対象としてVISITを用いてリハビリテーション計画書等の内容を国に提出することを評価する新たな加算が設けられました。県としては、事業者に対して制度の内容を周知し、その活用を促すなど、質の高いリハビリテーションの提供の取り組みを推進してまいります。  次に、作業療法士の従事者数の現状と今後の見通しについては、厚生労働省の調査によると、平成26年末の県内の病院、診療所及び介護サービス施設に従事する作業療法士の従事者数は1,226人となっており、人口10万人当たりでは58.1人と、全国平均の45.3人を3割程度上回っております。また、中核市である長野市が指定した事業所を除く県が指定した生活介護などの障害福祉サービス事業所等においては、平成30年2月1日現在で、211事業所中7事業所に7人の作業療法士が配置されております。  県内の作業療法士の養成施設は2施設、定員数計58名であり、従業者数は毎年60名程度増加しております。今後の需給については、現在、国の医療従事者の需給に関する検討会理学療法士・作業療法士需給分科会において検討されておりますので、その結果を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。  以上であります。       〔29番吉川彰一君登壇〕 ◆29番(吉川彰一 君)作家の櫻井よしこさんは、自身のお母さんが90歳を超えても元気だったある日、突然くも膜下出血で倒れ、体に不自由が残りました。さらに翌年、髄膜炎を患い、最も重い要介護5の認定を受けたときのことを、介護という現実が私の前に突然あらわれた瞬間でしたと述懐しています。櫻井さんだから突然あらわれたわけではありません。誰にも突然あらわれ、先の見えない真っ暗闇のトンネルに入るのです。そっと手を差し伸べられる態勢をこれまで以上に整えていただきたいとお願いしておきます。
     最後に、阿部知事にお尋ねをします。  医療介護の現場で今後ますます対応が迫られ、議論になると予想されるのはみとりです。お一人お一人が天寿を全うされることも本県の誇りですが、人それぞれの苦労、幸せ等々があった生涯の出来事の締めくくりを迎え、全ての人が長野県で生まれ、生きてきてよかった、長野県で生涯を閉じてよかったと思える大事な一瞬です。思いは人それぞれかと思いますが、どうあるのが理想とお考えでしょうか。これをお尋ねさせていただき、以上で私からの質問とさせていただきます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)全ての皆様方が長野県で生きて、暮らしてよかったというふうに思えるみとりについての御質問でございます。  近年の調査を見ますと、多くの皆様方が人生の最後を住みなれた自宅や施設で迎えたいというふうに望んでおられます。その一方で、病院や診療所で亡くなられる方が約7割ということで、県民の皆様方の希望と現実には乖離があるというのが現状であります。  人生の最後を県民の皆様方の希望どおりに過ごしていただくことができるようにするためには、在宅医療介護サービスの充実であったり、あるいは県民の皆様方のみとりに関する理解の促進ということに力を入れていくということが重要だというふうに考えております。  しあわせ信州創造プラン2.0の重点政策におきましては、いのちを守り育む県づくりということを掲げております。その中で、具体的に、例えばターミナルケア、みとりに対応できる訪問介護等の人材育成であったり、あるいは、現在、上田市をモデルとして取り組んでおりますが、24時間在宅ケアサービスの仕組みづくりの普及であったり、また、在宅医療サービス、自宅での療養における経済的負担等について理解を深めていただく県民向けの講演会の開催、さらには、終末期における本人の意思を尊重するための事前指示書の活用、こうしたことを記載しておりまして、県としてしっかり取り組んでいきたいと考えております。  人生100年時代が到来する中で、県民の誰もが人生の最後まで自分らしい生き方を追求することができる長野県となるよう取り組んでまいります。  以上です。 ○議長(垣内基良 君)次に、寺沢功希議員。       〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)県では、平成20年度不登校調査において、小学校で全国最高位、中学校で全国5位となったことをきっかけに、不登校対策を県の最重要課題とし、平成21年9月に長野県不登校対策検討委員会を設置し、平成22年3月、不登校対策の行動指針を策定、平成24年10月、同指針を改定するなどさまざまな取り組みを推進し、この間、県教育委員会も全ての児童生徒の笑顔で登校を目指した不登校対策に取り組まれた結果、不登校児童生徒数は減少傾向にありましたが、残念ながら平成25年度調査より増加に転じております。  全国的にも不登校児童生徒数が高水準で推移している状況を受け、国においては、平成28年9月14日付で、文部科学省より、不登校児童生徒への支援のあり方についてという通知により、今後の不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方等が示されたとともに、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律及び基本指針では、不登校児童生徒への支援は、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童生徒がみずからの進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指す必要があることが明記されました。  子供たちは、さまざまな要因、背景により不登校になっており、それを問題行動と判断することなく、また、不登校児童生徒が悪いという根強い偏見を払拭し、子供たちや保護者を追い詰めるようなことがないようにしなくてはなりません。決して強引に登校させるということはせずに、要因、背景等を把握した上で、適時適切に状況に応じて対応し、学校、家庭、社会が子供たちに寄り添いながら社会復帰、自立へとつなげていくことが重要であります。  こうした不登校児童生徒の多くが、市町村教育委員会により設置されている中間教室、教育支援センターや民間団体によるフリースクール等を利用しているようであります。そこで、教育長にお聞きします。平成28年度県内不登校児童生徒数は、小学校で530人、中学校で1,689人となっておりますが、このうちどのくらいの割合の子供たちがフリースクールを利用しているのでしょうか。  フリースクールには、義務教育期間は、もともと通っていた、または通うことになっていた学校に籍を置いたまま通うことになっております。そのため、フリースクールでは卒業資格が得られないため、籍を置く小中学校の学校長が判断をし、許可を出した場合、在籍校を卒業することになります。中には、一度も登校したことがない、担任や学校長が一度も会うことができない児童生徒もいると聞きますが、学校長はどのような基準で卒業の許可を判断しているのでしょうか。  また、義務教育段階においても原級留置制度がありますが、この制度が適用され、卒業許可がおりなかった例はありますでしょうか。同様に、フリースクールに通うことを在籍校で出席扱いとするか否かも学校長の判断によるものですが、県内の状況はいかがでしょうか。また、判断基準はありますでしょうか。例えば、出席扱いされなかった場合、その後の人生において考えられる影響は何かありますでしょうか。  インターナショナルスクールのような特定の教科に特化した学校も、各種学校としての認可のハードルが高いこともあり、その多くが無認可校であり、フリースクール同様、義務教育段階においてはそことは別に在籍校が存在します。この場合の学校長の卒業許可、出席扱いの判断基準はフリースクールと同じでしょうか。また、無認可校に対しては授業内容や施設整備について指導権限はないのでしょうか。  本来、フリースクールは、不登校児童生徒の居場所として存在するものであり、学校への復帰や児童生徒の自立を助ける場所であると思います。しかし、中には毎日遊んで過ごせると履き違えた自由をうたい、小学校入学時から一度も学校に行くことなく通わせたり、自立支援を考えることなく児童生徒の囲い込みをしている施設も存在します。しっかり活動している施設の陰でのこのような施設の存在や、もともと学習指導要領に拘束されない何でもありの無認可校が出てきてしまっては公教育の否定になりかねませんが、御所見をお聞かせください。  本年3月策定予定の不登校未然防止および不登校児童生徒への支援のための行動指針案の中にもフリースクールが随所に明記されており、支援施設として重要な位置づけをされていると理解できます。しかし、現在、県にはフリースクールを明確に所管する部署がないと聞いております。県内の施設、利用者数の把握はもちろん、施設整備、支援方法等への指導、施設との連携が必要であり、ぜひ既存部署内での担当決定も含め、所管部署の設置をお願いしたいと思いますが、知事のお考えをお聞きします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)フリースクールについてのお尋ねでございます。  まず、利用状況についてでありますが、そもそもフリースクールとは何かということについて明確な定義がございません。ただ、文科省が設置したフリースクール等に関する検討会議では、その検討対象となる民間団体につきましてこのように規定しています。不登校児童生徒を受け入れ、相談や学習機会の提供等を行っている民間の団体施設というふうにしているところです。  県においても、そういった不登校の児童生徒が学校以外で指導、助言を受けている事例があることから、文科省の児童生徒の問題行動・不登校諸課題に関する調査に附帯して、不登校児童生徒の不適応等に対する相談、指導を行うことを主目的として設置された民間の団体施設に関して調査を行ったところであります。この調査によりますと、平成28年度においては、県内の公立小中学校の不登校児童生徒のうち、そうした民間の団体、施設に通っている小学生は15名、不登校児童に対する割合は2.8%、また中学生は21名、不登校生徒に占める割合は1.2%という状況でございます。  小中学校の卒業の認定についてでありますが、そうした小中学校の各学年の課程の修了、あるいは卒業の認定は、学校教育法施行規則によりまして、児童生徒の平素の成績を評価して行うというふうにされていますが、その判断は教育的判断であるとされ、学校長の裁量に委ねられているところであります。  義務教育におきましては、単純な学業成績の評価や出席日数の多少だけでなく、児童生徒本人の性格、資質、能力、健康状態、生活態度、今後の発展性を考慮した教育的配慮のもとで総合的判断によらなければならないとされているところでございます。  次に、原級留置制度についてでありますが、義務教育では、心身の発達に応じて教育を施すことを目的としております。年齢により精神年齢、運動能力、体格等心身の発達に顕著な開きがあることから、年齢別の教育が最も適するとされてきているところであります。その上で、外国籍児童生徒等教育的な配慮の上で原級留置となっている例もありますが、その際も、児童生徒、保護者に対して不利益とならないよう、十分な説明をすることが求められているところでございます。  民間施設に通う不登校児童生徒の出席扱いの県内の状況及び判断基準についてであります。平成28年度県内の公立小中学校では、小学校7名、中学校16名で出席扱いとされております。出席扱いの判断基準につきましては、文科省の28年度通知、「不登校児童生徒への支援のあり方について」に基づいて校長が判断いたします。具体的な判断基準は、その通知によりますと、当該施設への通所または入所が学校への復帰を前提としていること。不登校児童生徒の自立を助ける上で有効、適切であると判断されること。公的機関での指導の機会が得られないあるいは公的機関に通うことが困難であること。保護者や学校との間に十分な連携、協力関係が保たれていることなどの要件が全て満たされている場合に、校長は指導要録上出席扱いにすることができるとされているところであります。  出席扱いされる、されないにかかわらず、学校外の施設において十分な支援が受けられない状況が継続することがあれば、本人の自己肯定感の低下を招くなど影響があるというふうに思われます。したがいまして、そういう状況に至らないよう、各学校において不登校児童生徒及びその保護者に対する必要な情報の提供、助言、その他の支援を行うよう県教委としても指導、助言してまいりたいというふうに思っております。  次に、インターナショナルスクール等の取り扱いについてでありますが、こうした無認可の学校についての卒業許可や出席扱いの判断基準は、フリースクールと同様でございます。  無認可校に対する指導権限でございます。地方教育行政の組織及び運営に関する法律によりまして、公立の小中学校、高等学校等は教育委員会が所管し、大学及び私立学校等は知事が所管することになっておりますが、いずれも、学校教育法に定める学校が対象であります。したがって、学校教育法に定める学校以外のものに対しては、教育委員会、知事とも法的な権限は有しておりません。  次に、不登校児童生徒の社会的自立につながらないような運営を行う民間の団体施設があるという御指摘でございますが、そうした民間の団体施設が行う不登校児童生徒に対する相談や学習機会の提供などの活動につきましては、申し上げましたとおり、公的な権限が及ばないところでございます。  一方、昨年施行されました義務教育の段階における普通教育における教育の機会の確保等に関する法律におきましては、地方公共団体に対して、不登校児童生徒の状況を継続的に把握するとともに、不登校児童生徒及びその保護者に対して必要な情報の提供を助言、その他の支援を行うというように求めておるところから、不登校児童生徒の個々の状況によりまして、児童生徒やその保護者に対して必要な支援がなされるよう努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)フリースクールを所管する部署についての御質問でございます。  教育長が御答弁申し上げましたとおり、そもそもフリースクールについては法的に明確な定義がないということで、所管が曖昧な現状でありました。不登校児童生徒に対して学校以外の場において多様で適切な学習活動が行われるということは、私も大変重要なことだというふうに思っております。  しあわせ信州創造プラン2.0案におきましては、不登校を含む困難を有する子供、若者を支えるため、民間団体との連携による支援のあり方を検討するということにさせていただいておりまして、今後は県民文化部次世代サポート課が中心に、フリースクールとの連携を図ってまいりたいと考えています。  不登校の児童生徒は小中学校に籍を置いていることから、学校との連携ということも重要になってまいります。したがいまして、教育委員会とも十分連携を図りながら取り組んでいきたいと考えております。  以上です。       〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)それぞれ御答弁をいただきました。  フリースクールに通う子供たちもいずれは社会に出るときがきます。そのときに、一度さまざまな要因により傷ついた子供たちに再び傷を負わすわけにはいきません。県としてもぜひ自立に向けて寄り添った支援を引き続きお願いをいたします。  次に、学びという観点から質問させていただきます。  当時小学校長を務めておられた竹下和男先生が提唱し、2001年、香川県の滝宮小学校でスタートした「弁当の日」という取り組みがあります。この日だけは子供が自分でお弁当をつくって学校に持ってくるという取り組みで、何をつくるか決めることも、買い出しも、もちろん調理、弁当箱に詰めるのも、そして最後、片づけまで全て子供が行い、親も先生もそのできぐあいを批評も評価もしない約束です。  この取り組みを実施している中学校の校長先生は、竹下和男先生の講演会に参加したとき、お話を聞きながら涙がとまらず、周りの聞いている方々も皆さん涙を流されており、これからの子供たちにはこれが必要だと深く感じ入ったことを覚えています。台所に立つということがどんな意味を持ち、子供たちにとって何を与えてくれるのかを感じたとおっしゃっておりました。  子供たちは、この取り組みにより、生きる力を学びます。そして、生きる力の要素である感謝する心を育成し、命の大切さを感じ、「与えてもらう」から、「ほかに与える」生き方のできる人間へ成長し、家族のきずなを強めることができるのではないでしょうか。  そこで、教育長にお聞きします。  この「弁当の日」の取り組み校は、全国で昨年度時点2,000校を超えており、これだけでも教育的な価値を持っているという証明になっていると思います。県内では34校ほどで、伊那市、駒ヶ根市で多くの学校が取り組まれておりますが、中信地区では公立小学校、中学校、高校でそれぞれ1校ずつのみと聞いております。この取り組みを知り、実施したいと思っている校長先生、先生方、PTAの皆さんは多くいらっしゃるようであります。しかし、どんなよい取り組みでも、10人が10人、100人が100人賛成というわけにはいかないのが現実で、さまざまな点で懸念する意見を唱える方もおられ、先ほどの校長先生のように、涙を流すほど感銘を受け、熱い思いを持っておられれば別ですが、なかなか実施に踏み切れない学校も多いようです。  そこで、この取り組みについて県教育委員会で推奨していただくことはできないでしょうか。それにより一歩踏み出せる学校も少なくないと思いますが、いかがでしょうか。  また、この「弁当の日」のようなよい取り組みが全国にはまだまだたくさんあると思いますが、教育現場ではなかなか情報収集が難しいようです。県教育委員会で全国の実践事例の調査、紹介、情報発信をしていただけないでしょうか。御所見をお聞かせください。  次に、ことしもお正月が明け、県内各地で三九郎、どんど焼きが行われたと思いますが、こうした伝統行事も時代とともに変わってきております。例えば、1月7日より前に行われ、松の内にもかかわらず正月飾りを集めてしまったり、昔は子供たちが一輪車を押して近所を回り、地域の皆さんに挨拶をし、会話をし、時にはお年玉をいただきながらだるまや正月飾りを集めたものですが、少子化を理由に集めることが難しいということで、各家庭で近くのごみ集積所へ出し、それを役員さんが集めたりと、行事の歴史や本来の意味が忘れられ、またこうした地域が少なくないという現実に驚くと同時に、非常に残念でなりません。  そこで、教育長にお聞きします。  県立高校では、昨年度より信州学が授業で取り入れられており、地域の歴史や行事、文化を詳しく掲載したテキスト「わたしたちの信州学」が配付されておりますが、授業での利用状況はいかがでしょうか。  また、現在行われている信州学は、生徒自身が関心のある地域課題を見つけて解決策を探る探究的な学びの一つで、すばらしい取り組みだと思います。しかし、これはワンランク上の学びで、その基礎には地域の歴史、伝統行事、文化を学ぶことが必要不可欠だと思いますが、現在の小中学校での地域についての学習状況や学習内容はどのようになっておりますでしょうか。お聞かせください。  現在策定中の長野県文化芸術振興計画の原案の中にもありますが、長野県は多様な民族芸能、祭事、食文化と自治の基盤となる地域ごとに育まれた多様な文化を有しております。しかし、残念ながらその地域に住む者にとってはそれが当たり前になってしまっており、その価値や重要性に気づくことができないということがあります。  そこで、改めて、県内の多様な伝統行事、文化についてどのようにお感じか、そして、次期総合5カ年計画で学びと自治の力を推進エンジンとする中で、この文化を学び、守り、継承していくためにはどう取り組んでいくお考えか、知事にお聞きをします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず、「弁当の日」の取り組み等についてのお尋ねでございますが、「弁当の日」の一連の取り組みは、子供たちが食の大切さを学ぶとともに、家庭や地域とも連携したさまざまな取り組みを継続的に実施することによって生きる力を身につけることができる食育の重要な取り組みの一つであるというふうに思っております。  県教育委員会では、平成22年度に、駒ヶ根市をモデル推進地域として文科省の委託事業を受託して「弁当の日」事業に取り組んで以降、毎年、研修会等を通じまして、その成果を伝えながら、具体的な実践方法の研究やアドバイスを行っているところであります。  学校では、社会科や家庭科などの教科や総合的な学習の時間、給食などを通じまして、それぞれの地域や学校の実情に応じて工夫し、食育の推進に取り組んでいるところでありますが、今後も引き続き「弁当の日」の取り組みも含めて支援してまいりたいというふうに思っております。  また、全国の実践事例につきましては、教職員の研究協議会などの機会を捉えて随時県教育委員会が収集した情報を県内に発信していますが、さらに、毎年、現場の教員を文科省などが主催しているさまざまな全国研修会に派遣するなどいたしまして、全国の取り組み事例を学ぶ機会もつくっているところであります。今後も、引き続きまして情報収集や情報発信に努め、学校や地域の取り組みを支援してまいりたいというふうに考えております。  「わたしたちの信州学」の利用状況についてであります。  このテキストは、長野県の成り立ちや産業文化など、県全体のことを概観するとともに、探究的な学びを進める上で必要となる課題設定の仕方や追求の手法などを示し、各校で行う信州学の参考となることを意図して作成いたしておりまして、平成28年度と29年度、県内高校の1年生全員に配付いたしました。  具体的な活用例としては、テキストの内容につきまして各自がレポートにまとめる、あるいは課題の設定や調査活動で利用する、県内の他地区へのフィールドワークの事前学習に使用するなどの報告が寄せられているところであります。  このテキストは、各校での実践事例を取り入れ充実していくことが重要だというふうに思っていまして、29年度版では新たに5校の取り組みを掲載したところであります。さらに、今年度は、信州学のポータルサイトを開設し、テキストの電子版を掲載するとともに、3校の取り組みを追加しております。来年度は合計16校の取り組みを掲載する予定でありまして、これを活用いたしまして、各校の信州学がより充実したものとなるよう推進してまいりたいというふうに思っております。  小中学校での地域についての学習状況や学習内容であります。  学習指導要領に基づきまして、小学校1、2年生の生活科で地域の行事にかかわる活動、それから3、4年生の社会科で自分たちの住んでいる地域の文化財や年中行事などについて調べること、そして、中学校の社会科では、自分たちの住んでいる地域の諸課題について調査することなど、発達段階に応じまして地域について学んでいるところであります。  さらに、県内全ての公立小中学校において、総合的な学習の時間で地域にかかわる題材について追求しているところでありまして、全国学力・学習状況調査によりますと、地域の行事に参加している県内の児童生徒の割合は、小学生は88%、中学生は63%で、小中とも全国より20ポイント以上高い、そういう状況であります。  県内各地域には、伝統行事を初め固有の歴史や文化がありまして、こうした資産を生かして地域と深くかかわる学びができること、これは信州教育の強みの一つであるというふうに思っております。小中学校におきまして体験を通して身近な地域を知る学習を積み重ねていくことで、高校で行う信州学の素地を培ってまいりたいというふうに考えております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)伝統行事や文化をどう認識し、どう継承のために取り組んでいくのかという御質問でございます。  本県は、県内各地域にそれぞれが誇るべき伝統行事、文化を持っている、こうした地域の伝統芸能、文化が非常に多彩な県だというふうに思っております。こうした伝統行事や文化は、それぞれの地域の皆さんが誇りを持って引き継いでこられた、まさに地域の宝だというふうに思っておりますし、また、地域のみならず県民全体の財産でもあるというふうに思っております。  また、私もさまざまな文化を継承されている皆さんとお話をさせていただくと、なかなか担い手がいなくて大変だという課題がある反面、こうした行事があるから若者が戻ってくるとか、また、若者の中には、地域のお祭りを継続したいがゆえに地域に戻ってきたというような若者もいるわけでありまして、そういう意味では、地域を元気にしていく上で大変重要な要素だというふうに思っております。  また、加えて、グローバル社会、私たち自身のアイデンティティーというものが問われてくる世の中になってくる中で、こうした伝統行事や文化というものは、それぞれの地域の歴史であったり、これまでの産業であったり、あるいは気候であったり、こうしたものを体現しているわけでありますので、こうした伝統行事や文化を守っていくということが私たち自身のアイデンティティーを守っていくということにもつながってくるというふうに思っております。そういう意味で、県としても、この伝統行事や文化の積極的な支援に努めていかなければいけないというふうに思っております。  県としては、今の時点で、祭りや神楽など29件を無形民俗文化財として指定させていただいております。今年度、平成29年度文化財保護事業補助金によりまして、松本市の里山辺お船祭りのお船の修理を支援させていただいておりますほか、元気づくり支援金についてもそれぞれの地域の伝統芸能の支援に活用させていただいているところでございます。  また、これまで、南信州地域におきましては、地域で守る伝統行事継承モデル事業というものを行ってきております。地域や企業の協力を得て担い手を確保する取り組み等を行ってきているわけでありまして、今後、各地域振興局においてこの成果や課題を共有させていただき、地域ごとに伝統、文化を多くの皆様方の支えの中で守り育てていきたいというふうに考えております。  こうしたことを通じて、県としても、このさまざまな伝統、文化が次世代に継承されるように取り組んでまいりたいというふうに思っておりますし、また、多くの皆様方の御協力が得られるようにこれからも努力をしていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)伝統行事、文化が地域の宝だという知事からの御答弁がありました。ぜひその宝を守り、継承していく、まさに地域の宝である子供たちにそういった教育を引き続き行っていっていただきたいというふうにお願いいたします。  「弁当の日」についてお話をお聞きした学校では、お弁当を持ってこなかった生徒は今までにたった一人だったそうです。その生徒は、朝弁当をつくっている途中、母親と大げんかになってしまい、完成できなかったようで、弁当がないから昼食の時間は保健室にいたいと訴えたそうです。しかし、お昼前に、母親が、生徒がつくったおかずに母親がつくったおかずを足したお弁当を届けてくれ、親子仲直りもでき、笑顔でクラスのみんなとお弁当を食べたそうです。この取り組みの裏で、学校が想定しないようなさまざまなドラマが生まれ、子供たちは想定していなかった学びを得ているようです。  農林水産省では、職員の中で「弁当の日」を実施しているそうです。ぜひこの取り組みがここ県庁内でも取り入れられ、知事を初め部長の皆さんが台所に立たれることを想像し、期待をいたしまして、一切の質問を終わります。 ○議長(垣内基良 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時27分休憩          ──────────────────         午後1時開議 ○副議長(諏訪光昭 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  浜章吉議員。       〔18番浜章吉君登壇〕 ◆18番(浜章吉 君)平昌五輪がさまざまな話題を生み、終了いたしました。最終種目のスピードスケート女子、スピードマススタートにおいて優勝し、団体追い抜きに続く金メダルを獲得した下諏訪町町内企業に勤務する高木菜那選手、日本の女子選手が同一大会で金2個を手にするという夏季を含め史上初の快挙を遂げた功績、映像を通して活躍する彼女らに大きな感動をいただきました。  先番議員さんが挙げられた本県選手に加えて、迎えるパラリンピックを含め、金メダル獲得者には県民栄誉賞を即刻授与すべきと思いますが、知事の御判断をお伺いいたします。  次に、森林づくり県民税の活用についてお伺いいたします。  新年度から継続が決定し、森林、林業政策を推進していくためには、県及び市町村がこれまで以上の創意工夫により積極的な役割を果たすことが期待されています。  そこで、3点お伺いいたします。  1点目、森林づくり県民税を活用した事業のうち、市町村への森林づくり推進支援金については、さまざまな課題に応じた森林整備等の取り組みが可能であることから、市町村の評価も高く、減額しないでほしいとの意見もあった中で、市町村への支援金が、現行1億3,000万円であったものが、新年度予算額9,000万円で前年度比4,000万円の減額となっております。そこで、森林づくり県民税継続に当たり、県下の市町村に対し、現行の事業の評価や課題を集約されたのでしょうか。また、新年度から継続の森林税の取り組みでは、どのように市町村の要望に応えていくお考えなのでしょうか。  2点目、防災・減災のための里山の整備について、航空レーザー測量の科学的知見を用いて優先箇所を特定しながら間伐を実行していくとの説明がありました。県土の強靱化対策としても大変重要な取り組みと考えておりますが、具体的にどのような事業を実施していくのでしょうか。  3点目、国においても新たな森林管理に対する制度を創設することが示され、平成31年度税制改正において、市町村が実施する森林整備等に必要な財源に充てるため、森林環境税(仮称)及び森林環境譲与税(仮称)が創設されることが明記されました。そこで、平成31年度から市町村及び県へ譲与される森林環境譲与税(仮称)について、国から示されている方向性や現状の動きについてお伺いをいたします。また、森林づくり県民税との役割についてはどう区別されるのか、それぞれ林務部長にお伺いをいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕
    ◎知事(阿部守一 君)高木菜那選手へ県民栄誉賞を授与すべきではないかという御質問でございます。  御質問にもありましたように、女子団体の追い抜きで金メダル獲得に続いて、今大会から正式種目になった女子マススタートでも金メダル獲得ということで、オリンピック同一大会で2つの金メダルというのは、これは女子選手においては夏冬通じて初めてという快挙であり、私たちに大きな勇気、希望を与えてくれたというふうに考えております。  今回の平昌オリンピックは、本当に県関係選手が大活躍をしていただいているわけでありまして、今議会でも、どう表彰するんだという御質問が相次いでいるわけであります。私どもとすれば、今大会で多くの方々が活躍をされているということをしっかり踏まえながら、そうした選手に対してどのような形で祝意、敬意をあらわすのがふさわしいのかということについて現在検討させていただいているという状況でございます。  以上です。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)森林づくり県民税の活用について3点お尋ねをいただきました。  初めに、森林づくり推進支援金など市町村への支援についてのお尋ねでございます。  森林づくり推進支援金につきましては、これまで税収の約2割に相当する1億3,000万円を市町村に配分し、地域の課題解決に向けたさまざまな取り組みに活用されているところであり、市町村からも高い評価をいただいたところでございます。  その一方で、超過課税として県民の皆様に御負担をお願いする際に具体的な使途をお示しすることが難しいことから、県の説明責任が問われておりました。このため、次期の森林づくり推進支援金は、こうした御指摘を踏まえ、予算規模を縮小した上で、財政調整的な役割を明確化し、使途に関する説明責任は市町村に担っていただくことといたしました。  また、森林づくり推進支援金とは別に、河畔林の整備や学校林、観光地周辺の森林整備など、市町村からの強い御要望を踏まえ、使途を限定して特定補助金化した市町村向けの事業を創設、または拡充し、これらを組み合わせることで地域固有の重要課題、御要望に対応してまいることとした次第でございます。  次に、防災・減災のための里山整備の実施についてのお尋ねでございます。  この事業は、未整備の里山のうち、県が行った航空レーザー測量などの科学的知見に基づき危険性の高い森林を絞り込み、優先的に間伐等の森林整備を進めるものでございます。整備の進め方につきましては、県の測量成果を市町村等へ提供し、その成果をもとに市町村等が現地の状況や地域の意向等を確認しながら整備箇所を図化する里山整備方針を作成いたします。これにより、計画的に整備箇所の見える化を進め、地域への説明や合意形成等を図りながら順次整備に取り組むこととしております。  また、間伐材の利用が可能な場合には、搬出に必要な路網の整備をあわせて支援し、防災・減災対策としての里山整備を進めてまいります。  続きまして、森林環境譲与税、これはまだ名称は仮称でございますが、国から示されている現状についてお答え申し上げます。  国の森林環境譲与税につきましては、私有林、人工林面積、林業従事者数、人口に応じまして市町村と県にそれぞれ配分され、市町村が行う森林整備及びその促進に関する費用と、県による市町村の森林整備への支援に充てることとされており、森林環境税としての課税は平成36年度からですが、地方への譲与は平成31年度から先行して予定されております。  具体的には、現在国において検討が進められている新たな森林管理システムの中で、主に森林所有者による管理が困難な森林のうち、経済的に成り立たない森林について森林所有者から経営管理権が市町村に委ねられ、その上で市町村が森林を管理する費用等に充当する考えが示されているところでございます。  このため、森林所有者の負担を前提とし、地域や森林所有者の自立的、持続的な森林管理を促す本県の森林づくり県民税とは基本的に区別できるものと考えておりますが、詳細については、本年度中を目途に林野庁においてガイドラインが示される予定であり、今後の新たな森林管理システムやガイドライン等の国の動向を注視するとともに、混乱が生じないよう市町村との協議、調整を進めてまいります。  以上でございます。       〔18番浜章吉君登壇〕 ◆18番(浜章吉 君)森林づくり推進支援金は、県下の地域固有の課題解決を図り、里山を健全な姿に維持していくためにはどうしても必要な事業と考えます。地元からは、里山整備事業への支援の見直しの中で、従来の切り捨て間伐や切り捨てした素材の搬出に限られていたものが、搬出間伐が可能となったこと、県と森林所有者との協定が20年間必要であったものが10年に短縮されたこと、整備面積が1ヘクタール以上から0.1ヘクタール以上に緩和されるなど活用しやすくなった等の評価も伺っています。  一方、森林整備が進まない要因の一つとして、所有者の特定や同意が困難なことが考えられます。諏訪地域では、小面積の所有者が多く、対象者も多いことから、県下一律の条件では整備が進まない現状でもあります。このような状況に対して、対策は考えておられるのでしょうか。  また、市町村主体の森林整備を進めるために必要となる所有者の同意を得るためには、森林の地番図作成が必要であり、そのための支援策が必要と考えますが、この点についてお伺いをいたします。  森林づくり県民税と新たな国の森林環境税の導入については、財政力の弱い市町村が継続して事業に取り組むためには安定財源が必要でありますが、県民の理解を得るためにも、なお一層相違点を明確にしていく必要があると考えます。  以上の点につきまして、再度林務部長にお伺いをいたします。  続けて、阿部知事にお伺いをいたします。  継続が決まった平成30年度以降の森林づくり県民税については、教育、観光、環境など多様な県民ニーズに応えるために対象が拡大しており、こうした取り組みが市町村や地域に浸透し、有効に活用されるためにも、林務部だけでなく、さまざまな部局が緊密に連携して事業を推進することが重要と考えますが、継続に当たって改めて知事のお考えをお伺いいたします。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)所有者の特定、同意取得を推進するための方策についてのお尋ねをいただきました。  議員御指摘のように、諏訪地域のような小規模の所有者が多い地域でも対応ができるように、平成30年度以降の森林づくり県民税事業案では、議員からも御指摘がございましたが、里山整備に関連する事業要件等を見直して、例えば間伐は1カ所当たりの整備面積を0.1ヘクタールにする、集約化事業は面積要件をなくすなどの改善を加えております。  また、議員御指摘の地番図にかわるものといたしまして、森林整備を進めるために必要な所有者の同意取得への支援については、平成31年4月の運用開始を目指し、市町村が森林所有者や林地の境界に関する情報などを林地台帳として公表することになりますので、県としても、その基礎となる情報や管理システムを市町村に提供するための準備を現在進めているところでございます。  加えて、今回の国の森林環境譲与税が市町村主体の森林整備の財源として活用されることが見込まれますことから、森林整備の実効性をより高めるために、林地台帳の効果的な活用や境界情報のさらなる向上について市町村と連携して取り組んでまいりたいと考えております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)森林づくり県民税を活用するに当たっては部局連携で取り組むことが重要という御指摘でございます。  新しい森林づくり県民税では、林務部がこれまで中心になって進めてきたものとは少し使途等を拡大させていただき、学校林の整備、信州やまほいくのフィールド整備、観光地の景観整備、自然教育、野外教育の推進などの観点も含めて使途を拡大することとさせていただいております。  また、里山整備利用地域制度を活用して里山の整備に当たっていこうというふうに考えておりますが、このためには、観光、教育、福祉とさまざまな分野の皆様方にも参画していただき、活動を展開していくということが重要だというふうに思っております。このため、関係部局、地域振興局が十分連携して積極的な支援を行ってまいります。  また、こうしたことを進めていくためにも、庁内体制を充実するということが必要であります。去る2月6日に副知事を会長とする庁内の推進会議を設置して、全庁を挙げてしっかりとした取り組みを進めていこうという体制もつくらせていただきました。今後とも、各部局の知恵を結集して、森林づくり県民税の効果的な活用を図ることによりまして多くの県民の皆様方に成果を実感いただくことができるよう事業に取り組んでいきたいと考えております。  以上です。       〔18番浜章吉君登壇〕 ◆18番(浜章吉 君)それぞれのお取り組みをいただくこと、よろしくお願いいたしたいと思います。  しあわせ信州創造プラン2.0では、産業の生産性が高い県づくりを柱の一つとしております。本県産業のうち、製造業は県内総生産の4分の1、県内従事者数の5分の1を占め、県外からも最も多くの収入を得ている産業であり、地域活性化には製造業の振興が不可欠と考えています。  日銀松本支店の調査によれば、企業の生産設備においても、ITバブル崩壊以降、設備投資の抑制により老朽化が進んでいるとの結果が出ており、高付加価値産業への転換は喫緊の課題と考えます。  こうした中、諏訪地域においては、得意技術である精密加工技術を活用し、医療・ヘルスケア機器分野へ進出しようとする取り組みが進められており、多くの企業がこの分野に参入していますが、事業化には課題も多いと伺っています。中小企業の中には、アイデアをもとに医療・ヘルスケア分野の試作品を開発したものの、思うように売れないといった声も聞かれます。国においても、生産性革命の柱の一つとして、国立研究開発法人日本医療研究開発機構に300億円を出資し、産学官連携による日本初の新たな医薬品、医療機器等の創出に向けた研究開発等の推進を進めようとしています。  そこで、製造業が医療・ヘルスケア機器分野へ参入する取り組みを支援するに当たり、どのようなネックがあるのか、また、そのネックを解決するために今後どう取り組むのか、産業労働部長にお伺いいたします。       〔産業政策監兼産業労働部長土屋智則君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(土屋智則 君)医療・ヘルスケア機器分野への参入についてのお尋ねでございます。  本年度実施いたしました工業技術動向調査によりますと、県内企業が今後参入したい分野のトップが健康医療分野でございまして、諏訪地域では、既に手術用具や注射針などの医療機器、車椅子や殺菌装置などのヘルスケア機器を開発している事例など、54社が健康医療分野に参入しているところでございます。  本県製造業の高度な加工技術はこの分野で十分に活用できると考えられるところでございますが、その一方で、課題といたしましては、一つに、技術を優先したプロダクトアウトではなかなか参入につながらず、マーケットインのための市場ニーズの具体的な把握が必要であること。二つに、この分野は法律による規制や業界の独特な商慣習など中小企業単独では参入が難しい分野であること。三つとして、医療機器特有の材料の使用や特殊な加工が必要なため、新たな技術の導入が必要になることが挙げられるところでございます。  そこで、これらの課題を解決するための取り組みについてでございますが、まず、技術開発と市場ニーズのミスマッチを解消するため、技術と市場動向の調査分析ができるコンサルティングファーム、いわゆる目きき集団によりまして技術を見きわめ、世界市場への展開も見据えた研究開発や事業化につなげる取り組みが有効であると考えられますことから、そのための予算を来年度当初予算に計上しているところでございます。  また、諏訪地域において、支援機関や大学の参加を得て、医療・ヘルスケア機器の開発、生産の拠点形成プロジェクトを推進し、産業の集積を図るとともに、複数の企業群が共同して取り組むことで参入機会の増大を図ってまいりたいと考えてございます。さらに、工業技術総合センターの機器整備や技術支援、テクノ財団の産学官連携研究開発による新たな技術導入や技術高度化を推進してまいります。これらは、現在策定中の次期ものづくり産業振興戦略プランにおいてその方向性をお示ししているところでございまして、今後、産学官の連携により、医療・ヘルスケア関連のイノベーションを創出してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔18番浜章吉君登壇〕 ◆18番(浜章吉 君)部長さんに御答弁いただきました。ものづくり産業振興プランに大変前向きなお取り組みをしていただいているということで受けとめさせていただきます。  諏訪湖創生ビジョン策定について2点お伺いいたします。  1点目、県は、今年度、諏訪地域振興局を中心に諏訪湖創生ビジョンの策定に取り組まれてきました。昨年末に諏訪湖創生ビジョン案を公表し、その後、本年1月までの約1カ月間、パブリックコメントやアンケートを実施し、地域の声を拾い上げ、丁重に検討を重ねて、本年度末の策定を控えているところであります。その諏訪湖創生ビジョン案に掲げた「今後5年の取組」では、地域懇談会などを通じ、今後の取り組みに臨むとした新たな取り組みとはどのような内容なのか、環境部長にお伺いをいたします。  2点目、ビジョン策定後、長期ビジョン20年後の目指す姿の実現に向けては、掲げている取り組みを着実に実施していくことが求められます。案には、推進体制として、長期ビジョンを実現するためには、これからの諏訪湖のあるべき姿を見据えて団体間連携を強化するとともに、諏訪湖周のみならず流域の全ての住民の意識を向上させ、積極的に参加できる仕組みをつくる。加えて、湖周の美術館、博物館や旅館、ホテルなど地域の様々な企業、団体等と連携、協働して、諏訪湖の魅力を生かした観光振興や健康増進などの取り組みを進めるため、県は、活動する市民、企業、団体等が、他の団体と連携協働しつつ、それぞれが自主的、主体的に取り組みを進めていくことができる体制の構築を目指すとしています。  また、1月に開催された地域懇談会においては、ビジョン実現に向けた体制として、諏訪湖創生ビジョン推進会議を設置するとの案も示されました。ビジョンに取り組む成果への期待は大きく、目指すべき将来像の実現に向けた取り組みの中身をより明確に示すべきと考える次第です。つきましては、同ビジョンに掲げた長期ビジョン20年後の目指す姿の実現に向けて、記載された取り組みを着実に実施していくことが求められます。  そこで、新年度から、どのような仕組みや体制を、また、いつどのように構築していくのかを含め、ビジョン推進の全体像について中島副知事にお伺いをいたします。       〔環境部長関昇一郎君登壇〕 ◎環境部長(関昇一郎 君)諏訪湖創生ビジョン案における地域の声を反映した新たな取り組みについてのお尋ねであります。  諏訪湖創生ビジョン案の策定に当たりましては、諏訪地域や下流の天竜川流域の皆様との意見交換会を延べ12回開催し、意見を伺ったほか、アンケートやパブリックコメントを行い、多くの方々から御意見をいただきました。こうした場でいただいた御意見を踏まえ、重点的に貧酸素を解消するエリアの設定ですとか湖畔の動植物のモニタリング調査、防災船着き場の整備、子供向けの諏訪湖読本の作成など、水質保全、生態系保全、まちづくり、調査研究、学びの観点で新たな取り組みを諏訪湖創生ビジョン案に盛り込んでおります。       〔副知事中島恵理君登壇〕 ◎副知事(中島恵理 君)長期ビジョン実現に向けた仕組みや体制について御質問いただきました。  11月議会で、浜議員より、諏訪湖創生ビジョンの実現には地域の皆様の参画が不可欠との御指摘をいただいております。こういったことを踏まえ、行政の施策に加え、官民協働による事業を立ち上げ、実施していくプラットフォームとして諏訪湖創生ビジョン推進会議をことし3月中に立ち上げることにいたしました。  この推進会議は、県、市町村、諏訪湖にかかわる取り組みをしている団体や企業のほか、希望する個人も参加できることとし、諏訪地域振興局と地域の環境活動団体による官民連携の事務局としたいというふうに考えております。  また、推進会議には、水環境保全部会と湖辺面活用・まちづくり部会の2つの部門を設けてテーマごとに議論をするとともに、具体的な事業については個別にワーキンググループを立ち上げて機動的に具体的な活動を実行していきたいというふうに考えています。  この諏訪湖創生ビジョン推進会議に、地域の多くの皆様の参画を得て、諏訪湖創生ビジョンの長期ビジョンである、人と生き物が共存し、誰もが訪れたくなる諏訪湖の実現に向け取り組みを推進してまいりたいというふうに考えています。  以上でございます。       〔18番浜章吉君登壇〕 ◆18番(浜章吉 君)諏訪湖創生ビジョン策定後の取り組みについて大変前向きに取り組むとの御答弁をいただきました。  目指す姿を実現するために、きちんとした進行管理を図り、達成に向けた適切な指標の設定を行うこと、そうしたことを行う体制づくりは重要な視点と考えます。諏訪湖に係る環境整備については以前から繰り返し行われてきたところでありますが、本年度から地域振興局が設置され、今回、諏訪湖創生ビジョンの策定から、これらを実行する新年度予算、近年にはない、数字的には2億7,800万円の計上に至るまで、地域と本庁が連携して一体となって取り組んできた結果と言えるのではないかと評価するものであります。有識者からは、こうした予算的な対応も継続してこそ実効性が見えてくるとの意見も伺っておりますので、よろしくお願いをしておきます。  今後の取り組みの中で、地域のことは地域でという声が大きくなりがちだと思いますが、地域のことは地域で解決していくためにも、本庁の持つ情報や力をどう生かしたら地域の課題解決につなげていけるのかを意識した取り組みを進めていただくことを切にお願いし、一切の質問を終わりといたします。 ○副議長(諏訪光昭 君)次に、西沢正隆議員。       〔46番西沢正隆君登壇〕 ◆46番(西沢正隆 君)自由民主党県議団、長野市選出の西沢正隆でございます。人口減少対策の取り組みについてお聞きいたします。  長野県の人口は、2000年の222万人をピークに毎年減り続け、本年1月1日現在、207万3,169人であります。そんな中、2017年の県外から県内への転入者数が転出者数を247人上回り、17年ぶりに転入超過、いわゆる社会増となりました。移住促進対策の効果や外国人の転入増加などが要因であると言われています。反面、出生者数が死亡者数を下回る自然減が1万人を初めて超えました。  17年ぶりに社会増になった結果については、移住促進対策に取り組んできた各市町村の努力のたまものであります。移住したい都道府県として田舎暮らしに関する情報誌のランキングで12年連続の総合1位ということもあり、本年度までの総合5カ年計画での目標であった移住者数2,000人を超えたことから、社会増へ転換されたことと考えます。  移住促進対策などの政策を講じなければ2100年の県人口は75万人、講じた場合、2080年ごろから150万人で定常化との試算が出されています。政策を講じるか講じないかで約2倍の差がありますので、さまざまな取り組みが重要であり、さらに実行していかなければなりません。  そこで、移住者2,000人を超え、社会増と転じたことから、近年の移住促進対策等の市町村と県の取り組みについてどのように評価するか、また、移住者数の他県との比較と県内の移住地域の傾向について企画振興部長にお聞きします。  人口減少対策の取り組みとして若者に対する施策が重要視されていますが、県内では、18歳の進学時に80%以上が県外へ流出する現状があります。県外流出を抑制する起爆剤として、本年4月、長野県立大学が開校します。また、2019年には、長野清泉女学院大学と長野保健医療大学に看護学部が新設されますので、多少なりとも県外流出に歯どめがかかると考えられます。  国において、地方創生に資する大学改革として、「地方における若者の修学・就業の促進に向けて」が有識者会議より平成29年12月に公表されました。その中で、地方の特色ある創生のための地方大学の振興、東京の大学の定員抑制、地方移転、地方における若者の雇用の創出が掲げられています。その中で、東京23区においては原則として大学の定員増を認めないことや、首都圏の大学による地方のサテライトキャンパスの設置などが注目をされています。  サテライトキャンパスの設置は、首都圏、地方圏の学生の対流や学生の地元定着の促進、新たな地域の拠点の役割などの効果が期待されます。ともに1年次は山梨県、北海道で学ぶ昭和大学富士吉田キャンパス、東京理科大学長万部キャンパスが具体的な事例として挙げられます。県内でも、安曇野市がサテライトキャンパス誘致を模索しているようでありますが、首都圏から近い長野県としては優位性のある施策と考えます。そこで、国で次年度より研究をしていくとのことですが、サテライトキャンパスについての御所見を県民文化部長にお聞きいたします。  全国で有効求人倍率が高どまりし、人手不足が顕在化しているにもかかわらず、就職時には今なお首都圏への大幅な転入超過が続いています。特に、県内の15から64歳の生産年齢人口が減少し続けている現在、地方における若者の雇用の創出が喫緊の課題であります。信州創生戦略において、従来の製造業中心の誘致に加え、今後重要性が高まる企業の本社機能、研究所等の誘致に取り組むことが掲げられていましたが、今日までの取り組み状況、またその結果について産業労働部長にお聞きいたします。  次に、テレワークについてお聞きします。  テレワークとは、勤労形態の一種で、情報通信機器等を活用し、時間や場所の制約を受けずに柔軟に働くことであります。平成28年6月定例会において、今後のテレワークのあり方について企画振興部長に質問をし、塩尻市、富士見町、王滝村での実証実験を紹介され、3市町村の取り組み成果を他の市町村とも共有し、県内でのテレワークの普及を図っていくとの答弁でありました。首都圏からのアクセスのよさから、県内でのテレワーク普及は移住促進対策にも寄与し、積極的に推進していくべきと考えます。そこで、県内でのテレワークの普及状況について企画振興部長にお聞きします。  また、県としてもテレワークを推進し、サテライトオフィス等を設置し、取り組んでいますが、その実施状況について総務部長にお聞きします。  次に、古民家再生についてお聞きします。  政府では、古民家等歴史的建築物を活用して地域の本来の町並みを取り戻し、町そのものを観光資源化することにより観光客を誘致して雇用創出につなげ、地域経済の活性化を推進し、2020年までに全国200地域で取り組みを目指しています。また、国土交通省は、古民家など歴史的な建物を観光資源として活用しやすくするため、建築基準法の適用対象から外す条例の制定を自治体に促す動きがあります。  古民家再生は、観光資源化、空き家対策等につながり、また、小谷村の古民家リゾート計画や王滝村の古民家を改修して仕事場と住まいを一体とする事業など、県内においても古民家再生の動きがあり、移住促進対策の一助になると考えます。そこで、古民家再生に対する御所見を建設部長にお聞きします。  しあわせ信州創造プラン2.0、第1章「政策推進の基本方針とめざす姿」において、最初に「人口減少社会に立ち向かう」と示されています。これは、今後もさらに人口減少対策の取り組みを積極的に講じていくあらわれと思いますが、その意気込みについて知事にお聞きいたします。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)人口減少対策の取り組みについて私には2点御質問いただきました。順次お答えをいたします。  まず、移住促進対策の評価と移住地域の傾向についてでございます。  移住促進に向けて、県は、3大都市圏への専任相談員配置や他県と連携したフェアの開催など広域的な取り組みを行っております。また、市町村は、移住コンシェルジュによる相談体制の充実や空き家改修などの補助制度の創設、お試し住宅の整備など、きめ細やかな対応を行っていただいております。加えて、県、市町村、民間団体で構成する田舎暮らし「楽園信州」推進協議会でも、情報発信やセミナーの開催など協働で取り組んでおります。このように、県と市町村が役割分担と連携のもとで取り組んでいることが移住者の増加につながっているものと評価をしております。  移住者数につきましては、全国統一のデータがないため他県との比較はできませんが、県として把握をしております移住者数2,084人という数字は、県内の中規模な村、1村分の人口に匹敵するものであり、大変多くの方に移住していただいているものと捉えております。移住地域の傾向としましては、佐久、諏訪、松本、長野地域がやや多いものの、全体として見ますと、ほぼ県全域に移住していただいているという状況でございます。  次に、県内でのテレワークの普及状況についてでございます。  本県では、テレワークの取り組みを広く横展開するため、県と22の市町村、12の団体、企業で構成する信州ふるさとテレワーク推進協議会を設置し、セミナーの開催などで成果を共有し、事業の普及啓発を行っております。  このような県と市町村、関係団体が一緒になった推進体制は全国でも本県のみと伺っておりまして、この3年間の国事業の採択件数は全国最多、これまで22社が参画し、テレワーカー数は約150人に上る見込みでございます。  地域の資源や特性を生かした活動拠点として多様な取り組みが展開される中には、一般社団法人日本テレワーク協会から表彰されるなど全国的に高い評価を得ているものもございます。今後も、引き続き、県や市町村、関係団体と連携し、テレワークの一層の普及拡大を図ってまいります。  以上でございます。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕
    県民文化部長(青木弘 君)サテライトキャンパスについてのお尋ねでございます。  県内大学の収容力が全国的にも大変低いという状況の中、東京圏の大学のサテライトキャンパスを県内へ誘致することは、県内の既存の大学への影響も考慮する必要があることを前提としつつも、県内高校生の大学進学の選択肢の拡大や地元への定着などにつながる有効な施策であると考えているところでございます。  来年度、国において実施予定の自治体、大学双方のニーズ調査や課題、支援策の整備などの調査研究に当たりましては、県としても積極的にかかわらせていただきたいと思っておりますし、また、必要な提案もさせていただきたいと考えているところでございます。  また、加えまして、誘致の足がかりとなりますよう、東京圏の大学の県内でのフィールドワークの促進でございますとか県内自治体の取り組みなどの情報収集も行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。       〔産業政策監兼産業労働部長土屋智則君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(土屋智則 君)本社機能、研究所等の誘致についてのお尋ねでございます。  本社機能、研究所の移転は、経営の中枢を担う人材の転入や高度な技術、知識を生かせる雇用の場の創出につながり、県としても積極的な取り組みを進めてきたところでございます。  具体的には、これまで国の優遇制度と連動し、移転企業に対する事業税、不動産取得税の減税率を全国トップの95%とするとともに、国の制度の対象とならない小規模な本社等の移転に対しても、施設整備や雇用に対する助成制度を創設し、市町村や金融機関とも連携しながら誘致候補企業に対する売り込みを展開してきたところでございます。  実績といたしましては、こうした取り組みを始めました平成27年11月から今年度末までに、首都圏を初めとする13社が本社機能、研究所の移転拡充をしていただいたところでございまして、それに伴う転入者等は約140人となっているところでございます。  今後、シンクタンク等も活用しながら、新たに首都圏での大規模な企業誘致フォーラム等を開催いたしまして、よりアンテナを高くし、広く情報を集めながら、本社、研究所を初めとする企業の掘り起しやトップセールスによります誘致の取り組みを加速させていきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。       〔総務部長小林透君登壇〕 ◎総務部長(小林透 君)県におけますテレワークの実施状況についてでございます。  県職員のテレワークにつきましては、平成28年6月から本格的に実施しているところでございまして、本年度はサテライトオフィスを11カ所から13カ所に増設し、在宅勤務用のパソコンも5台から15台に増設するとともに、昨年7月におきましては、全国一斉に実施されたテレワークデーに全国の自治体の中でも先駆けて参加し、110名が体験するなど、積極的に利用拡大に取り組んでまいりました。こうした取り組みによりまして、本年度の利用実績は、この1月末現在で、実施者数が167人、実施回数が延べ442回で、昨年度実績の約2倍に達してございます。これに加えまして、先ほどのテレワークデーを含めて280人を超える人が体験会に参加しているところでございます。  テレワークの利用者は、子育てを行っている職員や長距離通勤をしている職員、また出張先での利用などさまざまでございますが、育児の時間や地域の行事に参加する時間ができたですとか、出張時の時間を有効に利用し業務効率が上がったなど、肯定的な声を多くいただいてございます。  これまでの取り組みに加えまして、新年度におきましては、出張先などで利用できるモバイルパソコンを試行的に導入することなどによりまして環境整備をさらに進め、テレワークが県職員の多様で柔軟な働き方の一つとして定着するよう取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。       〔建設部長油井均君登壇〕 ◎建設部長(油井均 君)古民家再生に関するお尋ねでございます。  古民家など歴史的資源の豊富な本県にとりまして、古民家再生は、地域の活性化や観光振興、さらには移住定住促進につながる大きな可能性を秘めていると考えております。  県内では、古民家を解体した際の古材の価値に着目し、空間創造の素材として活用する業界の動きや、建物等の歴史的な価値を活用したリノベーションの動きも芽生え始めています。県では、古民家を活用するなどすぐれた木造建築物を表彰する信州の木建築賞において、今年度、古民家をリニューアルして宿泊施設や飲食店及び店舗として利用している作品を表彰し、広く県民に発信したところです。  また、県内の市町村においては、移住促進策の一つとして、空き家となった古民家を改修し、移住体験施設やシェアオフィスとして活用するなどに取り組んでおり、県では、国の補助制度等の情報提供や技術的支援を行っているところです。  しあわせ信州創造プラン2.0におきましても、古民家の再生、活用は観光やまちづくりの主な施策の一つに位置づけており、引き続き取り組みのさらなる推進策を検討してまいります。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)人口減少対策に対する取り組みについての意気込みについてという御質問でございます。  一昨年度、人口減少に立ち向かうということを掲げて信州創生戦略を取りまとめました。全庁を挙げてその推進に取り組んできているわけでありますが、合計特殊出生率、あるいは人口の社会増減は、御質問にもありましたように、着実に改善し、成果が出てきているというふうに考えております。  ただ、まだまだ息の長い取り組みをしっかり行っていくということが人口減少に向かっていく上では大変重要だというふうに考えております。したがいまして、この信州創生戦略の方向性については、新しい5カ年計画の中にも引き継がせていただいたところでございます。  具体的には、2025年に県民希望出生率1.84を実現すること、あるいは人口の社会増を実現すること、こうしたことを重点目標に掲げておりますし、また、政策といたしましても、結婚、出産、子育ての支援、官民一体での移住の推進、郷学郷就の観点での産業人材の育成確保など、人口減少社会に向き合うための政策をしっかりと盛り込ませていただいたところでございます。  人口減少対策につきましては、新しい5カ年計画のもとにおきましても引き続き力を入れて部局を挙げて全力で取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上です。       〔46番西沢正隆君登壇〕 ◆46番(西沢正隆 君)ただいま、答弁の中でさまざまな取り組みについて説明がありました。特に、テレワークについては、新幹線通勤が可能な長野県にとっては非常に優位なのかなと思っているところでございます。テレワーク推進県と言っても過言ではなく、長野県のみの取り組みだという、そういった説明もありました。そんな形で、テレワークを初め本社機能等も積極的に誘致をしながら、人口の増加、また社会増に向けて取り組んでいっていただければなと思うところでございます。  また、首都圏一極集中の是正をするためには、長野県の魅力を発揮し、首都圏からのアクセスのよさの優位性を生かして一人でも多くの移住者を受け入れるよう、今後も、次期総合5カ年計画のもと、さまざまな取り組みを講じるよう強く要望をいたします。  次に、防災対策についてお聞きいたします。最初に、消防防災航空体制の再構築についてです。  昨年3月5日の消防防災ヘリコプター「アルプス」の事故から1年、改めて殉職された隊員の皆様の御冥福をお祈りいたします。  この1年間、消防防災航空体制のあり方検討会で検討をし、民間航空会社からの機体借り上げ、操縦士、整備士派遣なども決めました。また、安全運航管理幹の着任、消防吏員の前倒し派遣など、県消防防災航空センターの体制を充実させてきました。2月28日から山梨県の消防防災運航業務を受託している民間航空会社から機体を借り上げ、操縦士、整備士が派遣されます。  新たなヘリコプター購入については、知事が昨年11月に購入することを表明しているところですが、クラウドファンディングを利用して新ヘリコプターを購入したらどうかと複数の県民から提案されました。登山が好きな方は、いつヘリコプターにお世話になるかわからないので寄附を惜しまないとのことでした。ヘリコプター購入について県民からさまざまな意見が出るのは、早く新たなヘリコプターを購入してほしい願望のあらわれであります。発注してから2年ほど納入までかかることから、一日も早く機種を決め、購入することを要望します。  そこで、新ヘリコプター購入に向けて、新たな機体の導入に係る検討委員会で検討するようですが、どのくらいの期間を見越して検討委員会を立ち上げるのか、知事にお聞きします。  さらに、新たなヘリコプター購入後、現在の操縦士、整備士の体制でよいのか、また、消防防災航空隊について、借り上げ機体により3月、4月訓練を行い、十分な訓練を実施した後に活動を再開すると聞いていますが、安全対策について危機管理部長にお聞きします。  次に、消防団充実強化支援事業についてお聞きします。  ことしは、自治体消防制度70周年を迎え、消防使命の重要性の再認識をする機会となります。県による消防団の支援として、応援減税や応援ショップの拡充など長野県独自の支援は大変好評です。他県に比べ、消防団に対し手厚い支援の長野県の現状は、平均年齢が34.8歳で全国一若く、団員数3万4,830人で全国3位、さまざまな事柄で全国のトップクラスであります。しかし、10年間で団員数は2,261人減少と課題もあります。  そんな中、消防団充実強化支援事業に、女性、学生、県職員の入団促進が事業化されています。以前より県職員の消防団への加入促進は取り組まれていましたが、次年度はさらに強調されているように感じます。そこで、現在の県職員の消防団への加入状況と、新たに県職員を集めての加入呼びかけの場づくりとありますが、その手法について危機管理部長にお聞きします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)新たな消防防災ヘリコプターの購入についての御質問にお答えを申し上げます。  継続的に安定した運航にはみずから所有する機体が必要であるという消防防災航空体制のあり方検討会で示されました方向性を踏まえて、新たなヘリコプターの購入に向けた準備を進めているところでございます。  他県での購入事例を見ますと、入札公告から新しい機体の納入まで1年半以上を要しております。できる限り早期に仕様の検討に着手する必要があるというふうに考えています。このため、新年度の4月から新たな機体の導入に係る検討委員会を立ち上げ、外部の専門家の意見等も踏まえて機体の仕様を早期に決定し、入札手続に入っていきたいと考えています。  以上です。       〔危機管理監兼危機管理部長池田秀幸君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(池田秀幸 君)防災対策につきまして3問御質問いただきました。  最初に、新たなヘリコプター購入後の操縦士、整備士の体制についての御質問でございます。  現在の体制につきましては、県職員の操縦士1名と整備士2名が在籍しておりまして、あす28日からは民間航空会社から操縦士と整備士が配置され、全体で操縦士3名と整備士3名の体制となります。  今後、新たなヘリコプターの機体導入によりまして現在の機体とは異なる機種になった場合には、操縦士と整備士について新機種の資格が新たに必要となるなど状況も変化をしてまいります。このため、現在の体制を維持しつつも、消防防災航空体制のあり方検討会で示されました操縦士の自主養成を基軸に、民間航空会社と連携した長野モデルを構築するとの方向性を基本とし、より安定的な運航体制の確立に努めてまいりたいと考えております。  次に、消防防災ヘリコプターによる活動再開に向けた安全対策についての御質問でございます。  活動再開に当たりましては、何よりも重要なことは、二度と事故を起こさないための安全対策を講じていくことであると認識をしております。具体的な安全対策につきましては、昨年12月に着任いたしました安全運航管理幹による隊員の教育訓練を実施するとともに、ダブルパイロット制の導入や安全運航規定の整備、チーム力の強化研修やフライトシミュレーターによる研修などに取り組んでまいりたいと考えております。  また、本年1月から、毎月、消防防災航空センター内で安全運航会議を開催するとともに、来年度から第三者による評価・助言制度を導入いたしまして、安全対策が常に改善される仕組みを構築していきたいと考えております。今月24日にはリース機体の納入も完了いたしまして、今後の活動再開に向け、改めて安全運航に万全を期してまいりたいと考えております。  次に、県職員の消防団への加入状況についての御質問でございます。  地方公務員が地域の防災活動にかかわることは活力ある地域づくりに大きく貢献できるものであり、県といたしましても職員の消防団への入団促進を図っているところでございます。  県職員の消防団への加入状況でございますが、消防団組織概要調査により、平成29年4月1日現在159名となっております。  次に、加入促進の場づくりの手法でございますが、これまでも県職員の初任者研修の場において加入の呼びかけを行ってまいりましたが、今年度は、その時間を拡大いたしまして、消防団活動の重要性などさらに理解を深められるよう取り組んでまいりました。加えまして、平成30年度は、現役の消防団長などに直接消防団活動について語ってもらい、活動を身近に感じてもらえるよう内容の拡充を図ってまいります。あわせまして、職員ポータルサイトや庁内放送などを活用いたしまして継続して加入を呼びかけてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔46番西沢正隆君登壇〕 ◆46番(西沢正隆 君)新たなヘリコプター購入については、他県では1年半以上という検討時間があったという答弁でありましたが、やはり期限を区切って、例えば半年とか1年、そういった形で議論をしていただいて、早く長野県の新たなヘリコプターを購入をしてほしいというところでございます。  今は機種がいろいろ変わってきておりまして、かつてはベルというのが非常にはやっていたのですが、今はいろいろな機種があるということで、そうなるとまた免許が変わってくるということもあり、操縦士や整備士の皆さんの養成も並行してやっていかなければいけないということでありますので、いち早く機種を決めて、そして購入をしていただく、そんな体制を知事のリーダーシップのもとでとっていただければなと思うところでございます。  また、消防団について、159名という話でありました。かつてはたしか60名ぐらいの県職員の皆さんが消防団に加入していたということで、かなり多くなってきているのかなということを感じさせていただいております。  実は私も入団して7年目ということで、消防団員としていろいろな火事現場に行ってさまざまな形で勉強させていただきました。職員の皆さんも、長野県の仕事とは別にいろいろな形で勉強になると思いますので、ぜひ加入促進をして、そして、この県庁が持っている分団もありますので、この県庁や各地の地域振興局、そこに自主防災の皆さんもいらっしゃる。地元の消防団とその自主防災の消防団の皆さんとの連携も今後考えていただくよう要望させていただきたいと思います。  次に、スポーツ振興についてお聞きいたします。  長野オリンピック・パラリンピック冬季大会から20年、記念式典に出席し、世界の祭典を目の当たりにしたあの感動を改めて思い起こしました。この大会の記憶がある世代は20歳代後半以降の年齢でありますので、我々世代が有形無形のレガシーを後世に語り継いでいくことが使命であります。  2月9日から25日まで行われた平昌オリンピックで、県出身者ではスピードスケートの小平奈緒選手が金、銀メダルを、女子パシュート団体で菊池彩花選手が金メダル、ノルディック複合の渡部暁斗選手が銀メダルを獲得するなど大活躍が伝えられました。特に、小平選手におかれましては、長野県出身者では初の個人金メダルの獲得であり、大変喜ばしいことであります。日本勢も過去最高の13個のメダルを獲得し、日本中が感動にあふれ、夢と希望、そして元気を与えていただいた全ての選手に感謝を申し上げます。今回の平昌オリンピックでの選手の大活躍は、選手強化に成功したあかしであるとともに、東京オリンピック、北京オリンピックに向けて弾みがつき、さらなる活躍が期待できます。  2027年開催予定の国民体育大会と障害者スポーツ大会の開催が長野県に内々定して、昨年末、準備委員会が発足し、国体準備室が4月から設置されるなど準備が着々と進んでいます。長野県としても、オリンピック同様、2027年の国体、障害者スポーツ大会には、選手強化、施設整備等を万全に行っていくことが重要と考えます。  本定例会に第82回国体に向けた競技力向上特別対策事業が教育委員会から計上され、事業内容は、競技力向上対策本部設置事業とジュニア選手発掘・育成事業であります。9年後の国体の勝利にはジュニア選手の発掘と育成は必須であります。近年の国体の順位は、冬期は上位でありますが、本大会は30位台か40位台と低迷しています。冬季大会は、オリンピック選手の活躍を初めSWANプロジェクトの効果があらわれ、上位に進出していると思われますが、本大会の競技力向上はかなりの努力が必要と考えます。そこで、本大会の成績の低迷の原因はどのように捉えているか、また、第82回国体に向けた競技力向上特別対策事業について、国体開催まで継続し、増額も視野に入れているのか。教育長にお聞きします。  国は、平昌オリンピック東京オリンピックに向けて、選手強化費として3年前の倍増以上の724億円をかけてきました。結果は、平昌オリンピックで過去最高のメダル獲得という成果でありました。このように、選手強化には資金が必要であります。県の競技力向上の予算は年々増額されていますが、残念ながら北信越各県に比べ大幅に少ないと言われています。それが北信越国体でも下位に低迷している原因と言われていますが、北信越各県と比べ、現状はどのようになっているのか、教育長にお聞きします。  アスリートが県内で就職ができず、県外に就職する事例が結構あるそうです。有望な県内選手が県外へ流出するのを防止するためにアスリート就職支援事業が平成28年度に創設されました。金メダリストの小平奈緒選手の相沢病院への就職については、物語として語り継がれていますが、大変参考になると思います。  そこで、アスリート就職支援事業の成果について教育長にお聞きいたします。  国体本大会では低迷を続けていますが、全国高校男子駅伝で佐久長聖高校が優勝、全国高校女子駅伝で長野東高校が準優勝、全国高校サッカー選手権大会で上田西高校がベスト4と県内高校生の活躍が目立ちます。特に、長野東高校は、県立高校で、長野県出身者のみでの準優勝は快挙であります。長野東高校女子駅伝チーム監督は13年かけて指導をし、全国2位まで成長させたことは大きな成果であります。  9年後の国体を控え、選手強化を図るには、指導者の育成も必要不可欠であります。また、平成27年の和歌山国体を控え、御嶽海が和歌山県に内定していたという事例があります。そこで、学生や社会人で活躍したアスリートを教員等として採用することを提案しますが、教育長の御所見をお聞きいたします。  以前から、スポーツ行政を現在のように教育委員会が担当するか、それとも知事部局で担当するのかが議論されてきました。既に約半分ほどの都道府県で知事部局が担当しているのが現状です。国では、スポーツ庁が設置され、障害者スポーツも担当することになり、パラリンピアンがナショナルトレーニングセンターで練習ができるようになるなどよい方向に転じてきています。そこで、2027年の国体は、障害者スポーツ大会もあわせて開催することから、知事部局でスポーツ行政を担当することを見据え、組織改正を検討してもよい時期と考えますが、知事の御所見をお聞きいたします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)スポーツ振興についてのお尋ねでございます。  まず、国体の本大会の成績低迷、競技力向上特別対策事業についてのお尋ねであります。  近年の国体の本大会での成績の低迷は、高得点が期待できる、あるいは期待されるチームスポーツの北信越予選での敗退が続きましたり、あるいは、そもそも得点が獲得できない競技種目が本県は多いなどが要因だというふうに考えられております。この背景には、組織基盤が脆弱な競技団体が多かったり、選手や指導者の育成確保の問題のほか、選手等を支える環境づくりが不足しているといったところがあると思っております。  こうした課題に対応するため、来年度、新たに競技力向上特別対策事業としてジュニア選手の発掘、育成に取り組むとともに、中長期的な競技力向上基本計画を策定することとしております。今後、この計画に基づきまして、財政措置を含め、総合的、計画的に競技力の向上に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  競技力向上の予算について、北信越各県との比較でありますが、平成29年度の本県の予算は約1億であります。他の北信越各県は、来年度国体を控える福井県では約6億円、他の3県ではそれぞれ約2億円という状況でございます。  アスリート就職支援事業の成果についてであります。  平成28年度から実施しておりますアスリート就職支援事業は、これまでに本県出身者を中心に12名の大学生とアスリートが本事業による県内企業への就職を希望し、現在までに10名の就職が決定または内定している状況です。  なお、本事業は、企業側の理解と支援が不可欠でありますことから、本年度は、長野労働局の協力を得て県内各地の企業説明会の場に出向きまして、150を超える企業の皆様に個別に事業の趣旨を説明し、採用に向けた検討をお願いしているところでございます。  アスリートの教員等への採用についてのお尋ねであります。  2027年の国体開催を見据えたアスリートの採用につきましては、大会での活躍のみならず、その後、指導者となって次世代の選手を育成するなど、将来にわたり本県のスポーツ振興を支える好循環の形成にもつながるものというふうに考えられます。  現在、スポーツや芸術分野での技能や実績による教員の特別選考というものが32都道府県で行われておりますが、本県では来年度策定しますこの競技力向上基本計画の中で、そうした他県の状況も研究しながら方向性を検討してまいりたいというふうに考えております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)スポーツ振興の所管部局についての御質問にお答えを申し上げます。  国におきましては、平成27年にスポーツ庁が設置され、また、27の都道府県で競技力向上あるいは障害者スポーツの分野については知事部局が所管しているというふうに承知をしております。スポーツ振興におきましては、学校教員が大きな役割を担っていること、あるいはほとんどの県内市町村で教育委員会が所管しているということなどから、本県ではこれまで教育委員会が所管をしてきているわけであります。  しかしながら、スポーツは、学校教育の枠組みにとどまらず、観光や健康づくり、国際交流や地域活性化等さまざまな行政分野と密接に関係をしておりますし、また、2027年の国体と全国障害者スポーツ大会の本県での開催がほぼ決定しているという状況の中で、本県のスポーツ振興の歴史は大きな転機を迎えているというふうに考えております。スポーツを通じた元気な長野県づくりをどういう体制で推進していくのか真剣に考えるべき時期に来ているというふうに考えています。今後、最もふさわしい組織のあり方について改めて検討を行っていきたいと考えております。  以上です。       〔46番西沢正隆君登壇〕 ◆46番(西沢正隆 君)本大会での低迷、チームの競技がなかなか勝ち上がれないというのもあります。北信越各県と比べて、次年度、福井県が国体を控えているので6億というのはわかるんですけれども、ほかの3県が2億ということであります。ということは、倍違うということでありまして、やはりある程度スポーツにはお金をかけていかないと強くならない。そして、9年後には国体があるということでございますので、大変厳しい予算編成ではありますが、スポーツは夢と感動を与えていただける。そして、スポーツで長野県を元気にしていきたい、そういったことも知事は言っておりますので、今後、なお一層知恵を出し合って競技力向上の予算をつけていただきながら長野県のアスリートを育成していただければなと思うところでございます。  そして、他県にはあるけれども長野県にはないというアスリート枠の教員、例えば、小平奈緒選手は教員免許を持っているという話もありますので、もしかしたら小平奈緒さんが教員として長野県に来るという夢のような話もあるということでございますので、他県を参考にということでしたが、早急に研究をしていただきまして、アスリート枠での教員採用、また、行く行くは県職員としてもそういったアスリートを1人ぐらいは雇って、そしてアスリートを育成していくということも重要なのかなということを改めて要望させていただきたいと思います。  デュアルスキーについてお聞きします。  観光部の新事業としてユニバーサルツーリズム推進事業が計上されています。ユニバーサルツーリズムとは、全ての人が楽しめるようつくられた旅行で、障害や高齢者の有無にかかわらず、誰もが気兼ねなく参加できることを目指しています。  知事提案説明で、デュアルスキーの導入によりユニバーサルツーリズムを本格的に普及していくと明言しています。それだけユニバーサルツーリズムにデュアルスキーが重要視されていると感じました。
     デュアルスキーは、2015年にフランスから上陸し、肢体不自由の方や高齢者が乗車し、背もたれがあるシートの下に衝撃を吸収するばねと2本のスキーを取りつけ、有資格者の操縦士が後方のハンドルで操作して滑り、価格は100万円程度とのことです。  昨年に引き続き、今月19日、ユニバーサルサポーターズ主催のデュアルスキー体験会に参加し、デュアルスキーに乗車体験してきました。スキーを滑っているのと同じ感覚で、座ったまま風やスピードなどを感じてとても満喫することができました。ユニバーサルツーリズムを推進していく上で、デュアルスキーは必要不可欠なツールであると考えます。そこで、デュアルスキー導入支援は具体的にどのように行っていくのか、さらに、ユニバーサルツーリズムを推進させるためにデュアルスキーをどのように生かしていくのか、観光部長にお聞きします。  今月25日、長野オリンピック20周年記念事業として、全国初、「冬のユニバーサルフェスin白馬八方尾根スキー場」が開催されました。そこに花田養護学校の生徒が参加してデュアルスキーを体験し、大変好評であったと聞いています。小中学校のスキー教室等にデュアルスキーを導入すれば、障害がある児童生徒がともにスキーを楽しむことができます。まさに教育委員会が目指すインクルーシブ教育の推進に寄与すると考えます。そこで、デュアルスキーを教育現場に導入することについて教育長にお聞きいたします。       〔観光部長熊谷晃君登壇〕 ◎観光部長(熊谷晃 君)デュアルスキーの導入支援策とその活用についてお尋ねをいただきました。  この事業は、ユニバーサルツーリズムの導入を検討するスキー場を対象に、デュアルスキーの購入補助のほか、操縦者養成のための講習料についても支援を行うものでありまして、導入後は、学習旅行の積極的な受け入れや施設のバリアフリー化を進めていただくほか、地域の推進役として周辺スキー場への知識の普及やデュアルスキーの貸し出しをお願いする予定でおります。  議員御指摘のとおり、デュアルスキーは平成27年に日本で初めて富士見高原リゾートで導入されまして、現在でも国内には長野県内の4台しかございません。この強みをさらに県内に拡大することによりまして、障害がある児童生徒さんも学校も安心して全員でスキー学習旅行にお越しになることができますし、障害のある方や高齢の方も信州の冬を楽しんでいただくことが可能となります。現在策定中の長野県観光戦略2018に基づきまして信州型ユニバーサルツーリズムの進展を図ることで、本県観光のブランド力が一層高まるものと確信しております。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)デュアルスキーの教育現場への導入についてのお尋ねであります。  議員のお話にありました体験会には、特別支援学校から10名の児童生徒が参加しておりまして、初めてスキーを体験した生徒も、初めは怖かったけれどもスピードを出して滑ることができてすごくよかったというふうに喜んでいたというふうに聞いております。  本県では、学校行事としてスキー教室が広く行われております。小中学校にも肢体に障害のある児童生徒も在籍しておりまして、デュアルスキーはこうした児童生徒のスキー教室への参加や、仲間とともに冬のスポーツを楽しむよい機会となるというふうに考えております。ユニバーサルツーリズムが推進され、デュアルスキーを扱う県内スキー場の拡大を機に、教育現場における導入についても研究してまいりたいというふうに考えております。       〔46番西沢正隆君登壇〕 ◆46番(西沢正隆 君)デュアルスキーは県内に4台ということでございまして、これは本当に長野県の優位性でございますので、修学旅行等でも活用できますし、また、学校現場では研究という話だったんですが、ぜひ取り入れていただきまして、障害のある子供たちも一緒にスキーを楽しむことをやっていただければと、ユニバーサルツーリズムの中で長野県で推進していただくことを強く要望させていただきます。  平昌オリンピックは、日本選手の大活躍により、日本に夢と感動を与え続けながら閉幕しました。2020年東京オリンピック、2022年北京五輪へと弾みがついたと思います。さらに、3月9日から開幕する平昌パラリンピック選手団の活躍にも期待をしています。  私は、長野オリンピックの各競技を観戦した子供たちが、長野オリンピックを見て将来の夢を抱いて、将来のオリンピックに出場したときこそ長野オリンピックが成功したと言えると言い続けてきました。今回の平昌五輪で大活躍した小平、渡部両選手を初め多くの選手が長野五輪を目の当たりにし、それに刺激を受け競技に打ち込んできたことで夢を現実にしました。このことから、長野オリンピック・パラリンピック冬季大会は真に成功したと断言できます。私はもう一度この長野で冬季オリンピック・パラリンピックが開催される夢を抱きながら質問を終了させていただきます。  ありがとうございました。 ○副議長(諏訪光昭 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時21分休憩          ──────────────────         午後2時37分開議 ○議長(垣内基良 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  鈴木清議員。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)質問に入ります。  知事は、過去に、行政に横串を刺すと発言をしたやに記憶しておりますが、これは、課あって部なく、部あって県政が機能せず、的確に県民要望に対応できかねる面を危惧されたものであり、私も全く同感であります。  ようやく春を迎えましたが、除雪を例にとりましても、市町村道と県道、国道がそれぞれ道路管理者が違うということで対応が分かれてしまう。交通量の多い地域や箇所を垣根を越えて面的な作業に取り組むことも必要と考えております。  そこで、県出資等外郭団体の今後のあり方についてまずお伺いをしたいと思います。  経営面から存続が危ぶまれる団体や団体そのものの必要性が問われる団体が散見されるなど、団体の整理統合が必要と考えられますが、現状認識と今後のあり方についてお伺いいたします。  2点目として、県から団体へ委託している事業について、その費用対効果をどのように検証しているのか。  以上2点、まず小林総務部長にお伺いをいたします。       〔総務部長小林透君登壇〕 ◎総務部長(小林透 君)県出資等外郭団体の今後のあり方についての御質問に順次お答えをいたします。  まず、団体の整理統合に係る現状認識と今後についてでございますが、県では、外郭団体改革基本方針に基づき、その評価制度を定め、業務の必要性や効率性、当該団体で実施することの妥当性を評価する「団体の目的・使命」、あるいは財務状況を評価する「事業の実施状況」など5項目からなる団体の運営状況等につきまして、団体の自己評価とともに県による評価を行い、その結果をあわせて毎年度公表してきたところでございます。  平成28年度の評価結果では、39団体のうち36団体が全ての評価項目においてA評価となりまして、これらの団体におきましては、基本方針に沿った健全な団体運営がなされているものと考えております。  それ以外の3団体におきましては、「事業の実施状況」の項目で改善を要するB評価となりましたが、それぞれの団体におきましては、今後の対策として、中期的な収支計画の策定あるいは収益事業の拡充、また経営改革プランに基づく事業改革の推進を掲げており、県といたしましても、関係部局を中心に、こうした改善に向けた団体の取り組みに対しまして必要な助言を行うなどの支援をしてまいりたいと考えているところでございます。  次に、団体への委託事業の検証についてでございますが、平成28年度は、改革基本方針の対象団体である39団体のうち、13団体に対しまして県から事業を委託してございますが、それらにつきましては、県の事業点検制度に基づく検証を行い、その結果を平成29年9月に公表いたしました。  それに加えまして、さきに申し上げた改革基本方針に基づく評価制度において、県からの委託事業を含めた事業の実施状況について団体の自己評価と県による評価をあわせて行っているところでございます。  県、団体の双方から検証、評価を行うことで事業の必要性を精査するとともに、より効果的で効率的な事業となるよう今後とも見直し等に努めてまいりたいと思っております。  以上でございます。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)おおむね内部評価においてはそれぞれ存続を評価しておりますが、やはり全体像を見ながらきちんとした事業が行われたかどうかということが問われているわけであります。  ここで、必要性は認めますが、具体例として私が提示しますが、例えば、長野県文化振興事業団と長野県国際化協会、長野県長寿社会開発センターと社会福祉協議会並びに社会福祉事業団、長野県アイバンク・臓器移植推進協会と長野県健康づくり事業団、長野県中小企業振興センターと長野県テクノ財団、長野県農業開発公社と原種センター、林業公社と林業コンサルタント協会並びに林業用苗木安定基金協会と緑の基金等々、同じような事業を営んでおりますので、窓口の集約化あるいは整理統合の一つの素地に上げてもいいんじゃないかと思いますが、小林総務部長、改めて御見解をお伺いいたします。       〔総務部長小林透君登壇〕 ◎総務部長(小林透 君)県出資等外郭団体の今後のあり方についての再度の御質問でございます。  御指摘の団体の整理統合についてでございますが、県といたしましては、平成16年に改革基本方針を策定して以来、これまで、団体の自立性を高めるとともに、11団体を廃止し、5団体を県の人的、財政的関与の廃止等に伴い外郭団体の定義から除外するなど、整理統合に努めてきたところでございます。  今後とも、社会環境の急速な変化や県民ニーズの多様化などを踏まえ、団体のあり方やそれに対する県のかかわり方などについて、団体それぞれにつきましては、改革基本方針によりまして、現在は県の関与を減らし、団体の自主的運営を求めてございますので、そうした状況も踏まえまして、所管する部局と連携して不断の見直しを行ってまいりたいと思います。  以上でございます。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)関連いたしまして、いわゆる日進月歩という言葉がありますが、めまぐるしく変わる社会情勢の中で、長期的に見据えなければならないもの、状況の変化に素早く機動的に対応しなければならないもの、加えて、責任の所在の明確化を求めるものがあると思われますが、ここで審議会等のあり方についてお伺いをしたいと思います。  まず、法令に基づいて設置されている審議会はどのくらいあり、要綱等により設置されている協議会あるいは検討会議等はどれくらいあるのか。  2点目として、これらの審議会、協議会等の委員に対し平成29年度に支払った報酬や費用弁償はどのくらいになるのか。  3点目として、法令設置の審議会が数多くあることはやむを得ない面もあると認識しておりますが、要綱設置の協議会等が多い状況は、県政のスピード感をそぐような、行政運営にとって弊害があるものと考えますが、これらの協議会等が有効に機能しているのかどうかの認識もあわせて総務部長にお伺いしたいと思います。       〔総務部長小林透君登壇〕 ◎総務部長(小林透 君)審議会のあり方についての御質問に順次お答えをいたします。  審議会及び協議会等の設置数についてでございますが、平成29年4月1日現在、知事部局におきましては、法律または条例に基づき設置された審議会の数は63、関係部局において要綱等に基づき設置された協議会等の数は27となってございます。  次に、審議会、協議会等の委員に対する報酬等の支払い額についてでございますが、平成29年4月から平成30年1月までに支払われました知事部局における審議会、協議会等への委員への報酬、費用弁償等の額につきましては、審議会が2,794万4,000円で協議会が737万4,000円となり、その総額は3,531万8,000円となってございます。  次に、要綱設置の協議会等が有効に機能しているかについてでございますが、県が要綱等により協議会を設置する理由といたしましては、急速な技術革新など社会環境が大きく変化する中で、最先端の知識や経験を有する有識者の知見を活用することや、県民や各種団体などの立場の異なる多様な主体からの意見を積極的に県政に生かすことは必要不可欠であり、その意味で、協議会の設置は、県民基点の県政を推進するために有効な手段の一つだと考えております。  こうした協議会等が、議員御指摘のとおり、スピード感を損なうことのないようにすべきでございますので、県といたしましては、審議会等の設置及び運営に関する指針におきまして、特定の期間に意見聴取等を行うために設置するものといたしまして、常設の期間とせず、また、原則として要綱等に設置期間を明記するということ、あるいは、所期の目的を達成したものは廃止するとともに、関係者からの意見聴取で目的が達成可能な場合は協議会等を設置しないことなどを定めているところでございます。  現在あります協議会等につきましては、この指針に基づき、事前審査を実施した上で設置したものでございますが、さらに、その上で、年度当初に総務部においてそれぞれの状況を調査することなどにより、指針に沿って適正な運営が行われているかどうかを確認しているところでございますので、それらが有効に機能しているものという認識がございますが、今後とも、協議会等が設置目的に沿って有効に機能し、スピード感を持った県政の推進に資するように努めてまいりたいと思います。  以上でございます。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)次に入ります。  冬季五輪長野大会を経験した一人として、本県ゆかりの選手が金メダルを胸にし、関係者に感謝の言葉を述べ、表彰台にへんぽんと翻る日の丸を背に国歌が演奏された際には、思わず涙腺が緩む場面もありました。  ところで、巨額の放送権料を支払う欧米諸国の都合で午前や夜間に競技が行われるなど、選手第一が置き去りという報道もありました。各国の政治的な思惑が交差するなど、極めて政治色の濃い大会となったことは否めない事実であります。  そこで、平昌オリンピック開会式への知事の出席についてお伺いいたしますが、朝鮮半島については、北朝鮮が、核、ミサイル開発を進めて世界の脅威となっており、日本人拉致問題も解決に至っておりません。韓国についても、同国大統領による慰安婦問題をめぐる日韓合意の見直し発言やオリンピックへの合同チーム参加による北朝鮮との対話の促進等、さまざまな動きがかいま見えました。このような背景から、この時期の知事の訪韓に対し、一部心配する声もあったやにお聞きしております。  そのような状況を踏まえた上で、開会式に参加された知事の率直な感想と訪韓の成果についてお伺いをしたいと思います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)平昌オリンピックの開会式に参加した感想と訪韓の成果という御質問でございます。  本県は、江原道とは友好交流関係にあるわけでありまして、崔文洵知事から平昌オリンピックの開会式に御招待をいただき、2月9日から11日まで訪問させていただきました。開会式にも出席をさせていただき、本県はちょうど20年前にオリンピック・パラリンピックを開催したわけでありますが、改めてスポーツと平和の祭典であるオリンピックの意義を実感したところでございます。  また、今回の訪問を通じて、本県が20年前に開催したオリンピックの無形の財産が今でも息づき、ナガノという名前が世界に通用する名前であるということを改めて実感しているところであります。  訪問の成果といたしましては、レセプション等の公式行事や観光PR等におきまして、江原道知事、各国の要人を初め、河北省の副省長、ソウル市の副市長ともお会いさせていただき、友好交流を確認させていただきました。あわせまして、長野県の魅力、あるいは冬季オリンピック・パラリンピックを開催した地域であるということをアピールさせていただいたところであります。  最大の収穫といたしましては、江原道の崔知事、そして友好提携をしている河北省の徐副省長とそれぞれ個別に懇談を行わせていただき、冬季オリンピック開催という共通のレガシーを既に持ち、あるいはこれから持つこととなる三者が連携して地域の発展を目指す未来志向の交流に取り組んでいこうという方向性を確認できたことだというふうに考えております。  今後、具体的にこの3地域が連携して冬季スポーツの振興や観光振興等を行い、地域の発展につなげるべく努力をしていきたいと考えております。  以上です。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)次に、青木県民文化部長にお伺いいたしますが、朝鮮初中級学校に対する県からの補助金の交付についてお伺いいたします。  補助金を交付している都道府県は全国どの程度の自治体があるのか。  2点目として、本県はどのような根拠に基づいて補助金を交付しているのか。また、国の通知に対する整合性はとれているのかどうなのか。  3点目として、朝鮮総連が運営を担っている朝鮮学校においてどのような教育が行われているのか、その実態について御所見をお伺いいたします。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)朝鮮初中級学校に対する補助金交付の関係について3点御質問をいただきました。  まず、全国の状況でございます。  全国におきまして、朝鮮初中級学校は28の都道府県に設置されておりますが、このうち、28年度におきましては、本県を含め13道府県において学校の運営費等に対し補助金を交付している状況でございます。  続きまして、補助金交付の根拠等についてでございます。  長野朝鮮初中級学校は、私立学校法の規定に基づき認可された学校法人長野朝鮮学園が設置した各種学校でございまして、同法及び私立学校振興助成法の規定に基づき、県といたしましても、私立外国人学校補助金交付要綱に基づきまして補助金を支出しているものでございます。  なお、法令により、知事には各種の監督権限が与えられており、同法人は憲法89条にいう公の支配に属しているところでもございます。  国の通知との整合性についてでございます。  28年3月の文部科学大臣通知で示されました朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点を踏まえまして、毎年度、法に基づく現地調査を実施させていただき、補助金の使途や学校運営に関する状況を確認しているところでございます。それによりますと、本補助金は、教職員の人件費として、学校法人会計基準に基づき適正に支出されているところでございます。  また、通知にございます朝鮮総連の影響につきましては、人事、財政面において確認されていないところでございます。同じく通知にございます朝鮮学校に通う子供たちに与える影響も踏まえる中で補助金を交付しているところでございまして、国の通知との整合性はとれているものと認識をしております。  最後に、教育の実態というお尋ねでございます。  昨年度及び今年度行いました現地調査では、同校で使用している教科書の内容を確認するとともに、校長から教育内容の聴取を行っております。それによりますと、日本語や英語の教科書では一般的な文学作品が掲載されており、小中学校の教科書との違いは特に見られなかったところでございます。また、校長によりますと、中級部卒業生の約3割が県内の高校へ進学していることからも、理科や数学では公式等を日本語と朝鮮語の両方で教えるなど、進学や生活するために必要な内容を網羅的に教えているとのことでございました。  一方で、同校の授業は主に朝鮮語を用いて行われておりまして、朝鮮史の教科書に朝鮮総連の活動内容や役割についての記述があるなど、日本の教科書との違いも見られたところでございます。  以上、現地調査結果によりますと、教育内容全体といたしましては、おおむね日本の小中学校に準じた教育内容となっているものと認識しているところでございます。  いずれにしましても、今後も、私学助成の趣旨に鑑み、補助金の適正使用につきまして毎年度厳正な調査を行う中で、その結果に基づき、交付について適切に判断してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)朝鮮初中級学校は、いわゆる総連が運営主体でありまして、総連と北朝鮮とは不即不離、一体であります。主体思想を掲げ、恐らく敷地内には金日成、金正日氏の肖像が掲げられているのではないかと私は拝察しております。  ところで、北朝鮮といえば拉致問題が頭に浮かんでまいりますが、それだけではありません。1950年から1984年にかけて、在日朝鮮人とその家族による日本から北朝鮮への集団的な永住帰国、いわゆる在日朝鮮人の帰還事業が実施されました。これにより北朝鮮へ渡ったのは約9万3,000人、このうち、少なくとも約6,800人は日本人妻やその子弟であったとされております。この中には、長野県民も含まれているかもしれませんが、この統計的な数字をどの機関も把握しておらないのはまことに残念であります。これらの日本人妻や子がその後どうなったか、杳として行方不明であり、地上の楽園と言われ、送り出された皆さんが日本に帰れなくなったかもしれない事実もありますし、塗炭の苦しみを味わっているのではないかというような報道もややもすれば耳にします。  さらには、現在日本政府が認めている拉致被害者のほかに、いわゆる特定失踪者問題調査会が独自に調査対象としている特定失踪者、北朝鮮による拉致の可能性が排除できない行方不明者がいると言われておりますが、その方々の県内の状況について内藤警察本部長に率直な御所見をお伺いしたいと思います。
          〔警察本部長内藤浩文君登壇〕 ◎警察本部長(内藤浩文 君)北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者についてお答えいたします。  警察におきましては、これまで拉致被害者として判断している方以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない方が存在しているとの認識のもと、捜査、調査を進めております。  県警察におきましては、現在、主として9人の方について、拉致の可能性を含め、事件、事故等あらゆる可能性を念頭に、予断を持つことなく、鋭意所要の捜査や調査を進めております。  今後とも、御家族のお気持ちを十分に受けとめ、事案の全容解明に向け、関係機関と緊密に連携を図りつつ、関連情報の収集、捜査、調査に全力を挙げてまいります。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)そのような国際情勢の中で、視点を変えて、国連のあり方についてお伺いしたいと思います。  国連は、ふくそうする国家間の利害調整や紛争解決の役割を担っているとされ、いわば国連至上主義のような認識が一部にあるのは事実であります。ところが、過日閉幕された平昌オリンピックに際し、北朝鮮の芸術団や応援団の滞在旅費などとして2億8,500万円の支出を韓国政府が決定いたしました。北朝鮮への便宜供与は国連安全保障理事会の制裁決議に抵触するおそれがあるとされておりますが、韓国政府は違反に当たらないとして押し切るようであります。したがって、国連そのものの決議が機能不全であることの証左であると言えます。  ここで、国際連合についての教育、国連というものがどのように認識されているのか、原山教育長にお伺いいたします。  事実関係が客観的資料で証明されていない、いわゆる南京大虐殺関連資料を記憶遺産にしたり、国連憲章の旧敵国条項の削除が1995年の総会で採決されたにもかかわらずいまだにそのままになっているなど、我が国から見て納得できない点が多々あります。  このような状況を踏まえ、学校教育の公教育の場で国際連合についてどのような教育をされているのか、率直な御見解をお伺いいたします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)学校教育で国際連合をどのように教えているかという御質問でございます。  国際連合につきましては、小中学校、高等学校、いずれも教科用図書を使用して、学習指導要領にのっとって指導しているところでございます。  小学校におきましては、6学年の社会で、平和な国際社会の実現に努力している国際連合の働きについて、例えばユニセフやユネスコが行っている身近な活動を取り上げて、具体的に調べるようにしております。  中学校におきましては、社会の公民的分野で、国際連合の仕組みや活動と関連づけて、環境問題、人権保障などのさまざまな課題について話し合うなどして、国際連合や国際社会における日本の役割について考えるようにしているところであります。  また、高等学校におきましては、現代社会、政治・経済で、国際連合が国際平和、資源・エネルギー問題、南北問題など、国際社会の諸課題の解決に向けて貢献していることを理解するとともに、国際社会が直面する課題を取り上げ、その原因や解決方法などについて調査、討論するなどの学習を行っているところでございます。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)今、教育長から御答弁いただきましたけれども、この場で公論を束縛するつもりはありません。あくまでも今の現実の国際連合のあり方が機能しているかどうかという点を捉えて私は質問したのであって、教科書に書いてあるような答弁をいただくつもりはありませんでした。  次に、2022年度から実施される高等学校学習指導要領改訂についてお伺いいたします。  新しい学習指導要領では、2022年度から、高校で新たな必修科目として、日本と世界の近現代史を中心に学ぶ「歴史総合」や、選挙権年齢引き下げを踏まえた社会参画に必要な力を育てる「公共」などを設けることとされております。これをどのように評価し、どのように取り組んでいかれるのか。  2点目として、英語教育の低学年化が進行しておりますが、私は、国語教育こそ徹底して行われるべきと考えます。国語教育の重要性についての所見をお伺いしたいと思います。  3点目として、小中学校の図書館の利用状況や読書量の現状はどのようになっているのか、また、それをどのように捉えているのか。  以上3点、教育長にお伺いをいたします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)教育に関しまして3点御質問いただきました。  まず、高校の新しい学習指導要領、歴史総合、公共などの科目の新設についてのお尋ねであります。  「歴史総合」は、世界とその中における日本を広く相互的な視野から捉え、近現代の歴史を考察する科目でございまして、また、「公共」は、現代社会の諸課題を捉え、考察し、選択、判断するための概念や理論を習得する科目でございます。  両科目とも、社会とのかかわりを意識して課題を追求したり解決したりする活動を重視しておりまして、グローバル化する国際社会に主体的に生きる、平和で民主的な国家及び社会の有為な形成者に必要な資質、能力を育成しようというのがこの学習指導要領改訂の趣旨であります。  両科目の目指す方向は、探究的な学びを通して新たな社会を創造する力の育成を目指すという本県の高校教育が目指す方向性とも一致することから、新設科目におきましても、課題を設定してその解決を目指す探究的な学びを取り入れた授業づくりについて研究してまいりたいというふうに考えております。  次に、国語教育の重要性についてであります。  国語科教育の狙いは、国語で正確に理解し、適切に表現する能力を育成することや、伝え合う力を高めることで、思考力や想像力、言語感覚を養うことであります。情報化社会の進展に伴いまして、情報を活用し、根拠に基づいて自分の考えを論理的に伝えていくという言語能力を育成する必要性はますます高まっております。  劇作家、演出家である平田オリザ氏の著書によりますと、明治の初め、西洋の最新の知識や技術を学ぶに当たって、旧帝国大学は、最初の10年ほどはほとんどの授業を英語やドイツ語、フランス語で行わざるを得なかったが、その後は多くの授業を日本語で行えるようにしたということであります。日本が、この後、近代国家の道を歩み、発展した基盤には、論理的な事柄を自国語で話せたこと、それを伝える豊富な語彙をつくり出し、身につけたことがあることを改めてかみしめる必要があるというふうに思っております。  さらに、国語教育には、我が国の言語文化に親しみ、愛情を持って享受し、その担い手として継承、発展させる態度を育てていくという面もございます。  このように、全ての学習の基盤として国語教育の果たす役割は大きいことから、教科としての国語科のみならず、全ての教科における言語活動を充実していくことが重要であるというふうに考えております。  三つ目の小中学校図書館の利用状況や読書量の現状についてであります。  今年度の全国学力・学習状況調査によりますと、週1回以上図書館に行く県内の児童生徒の割合につきましては、小学生は26.2%、中学生は15.1%であります。また、1日当たり30分以上読書をする割合につきましては、小学生は37.3%、中学生は32.8%でありまして、利用状況、読書量ともに全国と比べては高いものの、十分とは言えない状況だと思っています。  情報機器の使用による生活スタイルの変化等によりまして読書の形態も多様化しておりますが、読書は知的活動の源であり、言葉を学んだり想像力や表現力を高めたり、感性を磨いたりするなど、読書そのものの大切さは変わらないというふうに思っております。  また、これからの学校図書館は、調べ学習や新聞を活用した学習など、教科のさまざまな授業で活用する機会がふえることから、情報センターとしての機能の充実が求められているというふうにも考えております。  本県は、人口当たりの図書館数が全国の中でも多く、こうした資源を活用し、本に親しむことができる環境づくりを地域挙げて推進していくことが重要ですし、県教育委員会としても、県立長野図書館を中核に、県内の図書館、公民館、大学などをオンラインでつなぐ信州・学び創造ラボを立ち上げ、大人も子供もともに学び、図書館に親しむ環境を整備してまいる所存でございます。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)次の質問に入ります。  先般、報道によりますと、世田谷区の区庁舎内で、職員個人に対して政党機関紙の勧誘、配達、集金が行われている実態が明らかになり、世田谷区民が、このほど区議会に対し、配達などの禁止を求めて陳情を提出したとのことであります。  そこでお伺いをいたしますが、地方公務員法第36条の解釈についてどのように受けとめておられるのか。  2点目として、昨年の暮れ、全国都道府県の公費による政党機関紙の購入状況に関する調査結果が民間機関において公表されました。長野県においては、どのような政党機関紙をどの部課で公費で購入しているのか。知事部局、教育委員会それぞれ、総務部長、教育長にお伺いをいたします。  3点目として、地方公務員が憲法や地方公務員法により政治的中立を求められていることを踏まえた上で、いわゆる公費で政党機関紙を購入することをどのように捉えておられるのか。  4点目として、政党機関紙を購入し購読することで本県の教育行政にどのように反映されようとしているのか。この点について原山教育長にお伺いいたします。  また、県庁舎では、いわゆる管理職以上の職員に対し政党機関紙の営業行為が行われていることを耳にしましたが、これは庁舎管理上問題があるのかないのか、総務部長に御見解をお伺いいたします。       〔総務部長小林透君登壇〕 ◎総務部長(小林透 君)政党機関紙の公費による購入等につきましての御質問について順次お答えをいたします。  まず、地方公務員法第36条についてでございますが、本条は、職員の政治的行為に一定の制限を課してございますが、これは、公務員の政治的中立性を確保することを目的としてございます。この公務員の政治的中立は、第1として、全体の奉仕者としての性格に基づくものでございます。第2として、行政の中立性と安定性を確立し、その公正な運営を確保するということでございます。それとともに、第3として、職員を政治的影響から保護すること等を目的としているというふうに解釈されているところでございます。  次に、知事部局における購入状況についてでございます。  県が公的に購読している政党機関紙につきましては、昨年、公文書公開請求がございまして、県として調査を行いました。その結果によりますと、知事部局においては、日本共産党機関紙のしんぶん赤旗を四つの部の6課において、合計7部を公費で購入している状況でございます。  次に、公費による政党機関紙の購入についてでございますが、政党機関紙などを含めました新聞、定期刊行物や参考文献等につきましては、所属において、それぞれの業務に鑑み、情報収集のために必要と判断し、購入しているものと考えております。  次に、県庁舎内の営業行為についてでございます。  県庁舎の執務室等における職員への政党機関紙の購読の勧誘等の営業行為につきましては、現在、承知してございませんが、県庁舎においては、県庁舎管理に必要な事項を庁舎使用上の留意事項として定めてございまして、その中で、庁舎内における行商、宣伝、勧誘等の行為は財産活用課の許可が必要であり、このうち、勤務時間内におけるものは、執務に支障があるため、原則として禁止しているところでございます。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず、教育委員会における購入状況についてでございます。  教育委員会におきましては、公明新聞1部、しんぶん赤旗1部を購入しております。  教育行政への反映についてでございますが、情報を幅広く収集、参考とするための情報収集の一つとしているところでございます。さまざまな情報を得て社会の動きをつかむことは、あらゆる分野に及ぶ教育行政にとって必要なことだというふうに考えております。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)それぞれ一人一人信教の自由もありますし、個人の資格、個人の立場でいかなる印刷物を購入するということを私はあながち否定しませんが、情報収集云々ということで公費をもって購入することはいかがなのかなということを私は感じております。今後とも、冷静に判断し、対応していただければということを申し上げ、これ以上は申し上げません。  次に、時間がありませんから、災害時の自衛隊要請の仕組みについて順次お伺いをいたします。  まず、第1点は、派遣の要件について、どのような要件が必要なのか。  2点目として、派遣要請のいわゆるルートについてお伺いいたします。  通常のルートとしては、市町村から知事へ、知事から長野県における第13普通科連隊長へ連絡するということでよいのかどうなのか。  次に、市町村長からは直接派遣要請はできるのかどうなのか。  3点目として、二つの県に被害がまたがる場合のルートはどのような状況になるのか。  続いて、いろいろ報道されておりますが、首都直下型地震や南海トラフなどの大規模災害についての関連であります。  被害想定はどのようになっておられるのか。  2点目として、県内市町村同士の連携はどのようになっているか。また、協定の名称や対象となる事象は決まっているのかどうか。  また、県同士の連携についてはどのような状況か。  4点目として、この辺が一番肝心なんですが、首都圏が甚大な被害を受けた場合、13普通科連隊は首都圏に出動してしまい、本県への支援が希薄になるのではないかということが非常に危惧されております。  続いて、自衛隊の関連の活動についてお伺いをいたします。  災害時でも、自衛隊車両は、他の車両と同じで道路交通法どおりにしか運行できないと聞いたがいかがでしょうか。例えば、大雪で車両が滞留してしまい、自衛隊車両が現場に到達できない場合、強制的にその事故車両を移動させて現場へ急行することはできるのかどうなのか。  以上、危機管理部長にお伺いいたします。  続いて、いわゆる松本サリン事件のように化学兵器が使用されるような事態で、警察、消防、自衛隊はどのような能力、役割分担になっているのか、危機管理部長及び警察本部長にお伺いいたします。  次に、直近の火災として糸魚川市の例がございますが、糸魚川市での火災をどのように受けとめておられるのか。  2点目として、県内にいわゆる密集地区は何カ所、何世帯くらい想定しているのか。  3点目として、いろいろお聞きしますと、網入りガラス戸と普通のガラス戸により被害が違ったとお聞きしておりますが、構造物上、これらの差異がきちんと検証できるのかどうなのか。  以上、危機管理部長にお伺いいたします。       〔危機管理監兼危機管理部長池田秀幸君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(池田秀幸 君)災害時の自衛隊派遣について、それから大規模災害の対応について御質問いただきました。順次お答えを申し上げたいと思います。  最初に、自衛隊に派遣要請を行う場合の要件に関する御質問でございます。  都道府県知事は、自衛隊法第83条第1項に基づきまして、天災地変その他の災害に際しまして、人命または財産の保護のため必要があると認める場合には、防衛大臣または駐屯地司令の職にある部隊の長など、その指定する者に自衛隊の派遣要請をすることができるとなっております。要請を受けました防衛大臣等は、同条第2項に基づきまして、いわゆる三つの要件、公共性、公共の秩序を維持するため、人命または財産を社会的に保護しなければならない必要性があること、そして緊急性、そして非代替性、自衛隊の部隊が派遣される以外に適切な手段がないこと、この三つの要件の観点から災害派遣を行うか判断することとなっております。  次に、自衛隊に災害時の派遣要請を行うルートについての御質問でございます。  災害対策基本法第68条の2第1項におきまして、市町村長は知事に対して災害派遣の要請を求め、これを受け、知事は必要と認める場合は防衛大臣等に自衛隊の派遣要請を行います。県内の市町村長が災害派遣の要請を行う場合、長野県地域防災計画に基づきまして、地域振興局長、危機管理部長を通じて知事に要求がなされ、知事は松本駐屯地第13普通科連隊長へ要請を行います。  市町村長の直接派遣要請についての御質問でございます。  自衛隊への派遣要請は知事が行うものですが、災害対策基本法第68条の2第2項において、市町村長は知事に対する災害派遣の要求ができない場合には、その旨及び当該市町村の地域に係る災害の状況を防衛大臣等に通知することができるとなっております。防衛大臣等は、この市町村長からの通知を踏まえ、部隊の派遣を行うことができます。  2県に被害がまたがる場合のルートについての御質問でございますが、被害が2県にまたがる場合は、それぞれの知事が自衛隊への災害派遣要請を行うこととなっております。  次に、大規模災害の被害想定についての御質問でございます。  国におきましては、大規模災害の対策の一環として、中央防災会議のワーキンググループにおいて首都直下型地震と南海トラフ地震の被害想定を行っております。それによりますと、首都直下地震につきましては、主な被害といたしまして、全国では最大で死者約2万3,000人、全壊、消失建物約61万棟、経済的被害約95兆3,000億円となっておりまして、長野県内では死者の想定はないという状況でございます。  また、南海トラフ地震につきましては、全国では最大で死者約32万3,000人、全壊建物約238万6,000棟、経済的被害約214兆2,000億円となっており、長野県内では死者50人の想定となっております。  大規模災害時の県内市町村同士の連携協定についての御質問でございます。  長野県内の市町村は、平成8年に長野県市町村災害時相互応援協定を締結いたしまして、被災市町村独自では十分に被災者の救援等の応急措置が実施できない場合、市町村間による相互応援を行うこととしております。この協定では、地震や豪雨など、災害対策基本法第2条第1項に規定される災害を対象としておりまして、物資などの提供や人員の派遣を行うこととしております。県内を10のブロックに分け、それぞれに代表市町村を設け、その代表市町村が救援活動に関する調整や県との連絡調整を行うこととなっております。  県同士の連携に関する御質問でございます。  被災した県だけでは対応が困難な大規模災害時に備えまして、都道府県間で応援協定を締結しており、被災した県からの要請に基づきまして、食料や医薬品などの物資提供や救護、応急復旧に必要な人員派遣などを行うことを定めております。  当県では、全国知事会の枠組みによる協定など四つの災害時応援協定を締結いたしまして、大規模災害が発生した場合に、各都道府県が被災した県の被害状況に応じた応援内容を調整した上で必要な支援を行うこととしております。  県では、大規模災害が発生した際の応援が効果的に機能するため、日ごろから連携を図ることが重要と考え、協定を結ぶ県等とは、担当者会議の開催、防災訓練の相互参加、災害発生時を想定した情報伝達訓練の実施などに取り組んでおります。
     次に、首都直下地震時の陸上自衛隊第13普通科連隊の役割についての御質問でございます。  松本に駐屯する陸上自衛隊第13普通科連隊が首都直下地震に対応するため出動した場合であっても、長野県の被災状況に応じて、県外の自衛隊部隊も含め、長野県へ支援を行う体制をとることとなっていると伺っておりまして、当県への支援ができなくなるということはないというふうに考えております。  災害時の自衛隊車両の運行についての御質問でございます。  自衛隊車両も一般車両と同様、道路交通法に基づく通行が求められ、また、災害発生地域などにおいては、災害対策基本法第76条第1項による通行禁止や制限に原則従うこととなります。しかし、災害派遣を命じられて出動した自衛隊車両につきましては、道路交通法施行令第13条の規定による緊急自動車となることができるため、災害対策基本法第76条第1項に定められた緊急通行車両として、規制区域内であっても通行することが可能となります。  車両滞留時の対応についての御質問でございます。  災害対策基本法第76条の3第1項及び第2項では、車両その他の物件が緊急通行車両の通行の妨害となっている場合に警察官が必要な措置をとることができると定められております。また、同条第3項には、警察官がその場にいない場合に限り、災害派遣を命じられた部隊等の自衛官の職務の執行について準用すると定められており、自衛官による通行の妨害になっている車両の移動は可能となっております。  次に、生物剤、化学剤を使用した事態に関する消防及び自衛隊の能力と役割についての御質問でございます。  消防におきましては、陽圧式化学防護服を着用いたしまして被害者の救助活動を行うとともに、現場で活動した隊員や被害者の除染などを行うこととなります。自衛隊におきましては、災害派遣や国民保護等派遣の要請を受け、陸上自衛隊の化学科部隊や各自衛隊の衛生部隊を中心に、検知、除染、傷病者の搬送、医療活動などを行うこととなっております。  万が一生物剤や化学剤を使用した事態が発生した場合には、国の防災基本計画や長野県地域防災計画に基づき、警察、消防、自衛隊等が連携をいたしまして、救助や救急活動などそれぞれの能力を生かし、状況に応じた役割分担により対応することとなっております。  次に、糸魚川市での火災をどのように受けとめるかという御質問でございます。  平成28年12月22日に発生いたしました新潟県糸魚川市の大規模火災は、焼損棟数147棟、焼失面積は約4万平方メートルに及ぶ大規模な火災となりましたが、人的被害は負傷者が17名にとどまり、幸い死者は発生いたしませんでした。  火災原因は、飲食店における大型こんろの消し忘れでございますが、強風や古い木造建物が密集した市街地の構造などが大規模な火災につながった原因と言われており、同様の火災は本県においても発生し得るものと考えております。  総務省消防庁が行いました今回の火災を踏まえた消防のあり方の検討結果では、あらかじめ木造の建築物が密集した地域の火災防御計画を消防本部が策定することや、それに基づく訓練の実施、さらには消防水利の整備促進の必要性を指摘しておりますので、県といたしましては、消防本部や市町村に対しまして、国の財政措置の活用など必要な助言を行ってまいりたいと考えております。  県内に密集地区は何カ所、何世帯あるのかという御質問でございます。  今回の火災を受けまして、木造の建築物が密集するなど、大規模な火災につながる危険性の高い地域につきましては、その指定要領が総務省消防庁より示されましたので、現在、各消防本部において年度末を目途に確認作業を進めております。その作業が終わり次第、県内の箇所数等が把握できるものと考えております。  最後に、網入りガラス戸と普通のガラス戸の被害の違いをどう分析されているのかという御質問でございます。  火災の後、国土交通省国土技術政策総合研究所などによる現地調査が行われまして、平成29年1月13日付で調査報告が出されております。この報告によりますと、消失を逃れた複数の戸建て住宅は、外壁等が燃えにくい材質であったほか、開口部に使用した網入りガラスはひび割れを生じても脱落することがなかったために内部への延焼を逃れたとの調査結果が出されているところでございます。  県といたしましても、このような調査結果等を市町村や消防本部と共有いたしまして、地域住民の御理解を深めることにより、今後一層の住宅防火対策に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔警察本部長内藤浩文君登壇〕 ◎警察本部長(内藤浩文 君)生物化学兵器への対応についてお答えいたします。  県警察におきましては、生物剤、化学剤等を用いたテロに対処する対策班を設置し、松本サリン事件のような事態に対応可能な防護服、検知器等の装備資機材を整備しております。万が一こうしたテロまたはテロ容疑事案が発生した場合には、必要な装備資機材を着装した対策班を速やかに現場に派遣し、消防、自衛隊や医療機関等の関係機関と連携の上、負傷者の救護、住民の避難誘導、立入禁止区域の設定及び交通規制、原因物質の検知、除去、除染、捜査活動などを実施し、被害の拡大防止や県民の安全確保に努めてまいります。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)危機管理部長に再度確認で要請しておきますが、住宅密集地域、いわゆる木造住宅の密集地域に対する調査を今年度末をもって完了するということでございますが、今、非常に独居老人がふえております。高齢者世帯が多いわけでございますから、その辺の安全対策ということを含めて、調査の結果を速やかに当該消防局あるいは自治体等に周知徹底していくような手続をしていただくことをまずこの場でお願いだけしておきます。  今、駆け足で自衛隊の災害派遣に対する要件あるいは活動実績等々について答弁をいただきました。自衛隊の通常の主な災害派遣だけでも、平成23年の東日本大震災、同25年の台風26号の伊豆大島豪雨災害、同26年の広島土砂災害、あるいは当県の御嶽山噴火、同27年の関東・東北豪雨災害、同28年の熊本地震、同29年九州北部豪雨災害と続き、自衛隊は創立以来4万回を超える派遣を数え、その一方、隊員の殉職は創立以来60年で1,900人を超えているわけであります。  今まで、主に災害派遣に対する自衛隊の実績、役割、評価について述べてまいりましたけれども、国民の9割が自衛隊を評価しております。ここで、締めくくりとして知事にお伺いいたしますが、私は、自衛隊の本義というものは、自然災害に対する役割、評価は誰でも認めると思いますが、本来のあり方は、我が国の領土及び国民の安全を守ることに尽きると思います。日本の独立と主権を守り、日本人の生命、財産を確保することであると思っております。私たちはいつまでたっても砂漠のダチョウであってはならないと思います。  自衛隊の今日までの活動に対する評価及び自衛隊の本来のあり方について率直な所見を阿部守一長野県知事にお伺いいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)自衛隊の活動に対する評価、そして本来のあり方についての率直な所見という御質問でございます。  自衛隊の任務は、自衛隊法第3条で決められているわけであります。我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ公共の秩序の維持に当たるものとするというふうに位置づけられているわけであります。  このために、自衛隊員の皆様方は、日夜困難な任務に携わり、また、厳しい訓練をされてきているというふうに認識しておりますし、また、長い間我が国の平和と安全が守られているのも、自衛隊の皆様方の活動のたまものというふうに考えています。  一方、知事の立場としては、るる御質問いただきました災害派遣で御支援いただくということが非常にありがたい活動であります。私も、知事になってから、地震あるいは豪雪、林野火災、そして噴火、さまざまな災害に当たりまして自衛隊の皆様方の御支援をいただいてきたわけであります。このことに対しましては、改めて深く感謝を申し上げたいというふうに思いますし、特に、御嶽山の噴火災害時は、再捜索も含めて2度にわたり標高が高い地域での非常に厳しい活動でありました。警察、消防の皆様方の活躍もこれは極めて重要であったわけでありますが、それに加えて、やはり自衛隊の皆様方の存在なしにはあれだけの大規模な捜索、救助活動を円滑にすることはなかなか難しかったんじゃないかというふうに率直に感じております。  私ども長野県としては、県民の皆様方の安全、安心を守るということが重要な役割でございます。こうしたことから、自衛隊の皆様方とは、日ごろの訓練等を通じて、今後ともしっかりとした信頼関係を構築しながら、いざというときには迅速、的確な連携が行えるように取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上です。       〔45番鈴木清君登壇〕 ◆45番(鈴木清 君)今の知事の御答弁をお聞きいたしまして、災害派遣に対する自衛隊の実績、活動評価というものに終始しておりましたけれども、それ以上の答弁ということになりますと、国会の論議を踏まえた国の方向によってという答弁が多分返ってくると思いますので、自衛隊に対する実績評価ということでとりあえず私は受けとめておきたいと思います。  締めくくりに当たりまして、教育長に、質問通告してありませんからあえて答弁は求めませんけれども、学校で教えられる自衛隊について、中学の社会、「公民」の教育出版の教科書の中に両論併記のような記述があるんですね。自衛隊は憲法に違反するという主張もありますと。このように記載している教科書が使われるということに対しては、慎重に、教える教師がきちんと冷静に判断し、客観的に公平に判断できるような授業を行っていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  それから、読書量に関しましては、最近、いわゆる記紀、万葉から始まり、風土記、それからいろいろな近現代の漱石、鴎外から芥川、太宰等々の文学作品を含め、読書量が非常に落ちてきているという傾向があります。その時代時代の息吹、あるいは時代の社会背景等を踏まえる意味で、いろいろな作品等を、教育現場のみならず、図書館を利用し、読書量をふやしていただくような努力をぜひ教育長に市町村教委を通じて促していただけたらなと思います。  終わりに、映画の話を二つしたいと思います。  一つは「キューポラのある街」であります。吉永小百合さんと浜田光夫さん。この映画は、北朝鮮への帰還運動を取り上げた映画でありまして、万景峰号の中で涙で別れ、非常に多くの賞をとった映画でありました。なぜこんなことを申し上げるかというと、当時の大手新聞社全てがすばらしい作品だったという拍手を送りました。その結果、地上の楽園ということで、送還された皆さんが非常に塗炭の苦しみを味わったと。いわゆる時代の空気、その雰囲気だけでこういう運動が行われたということを、私どもは過去の歴史の教訓として反省をしなければならないんじゃないかなと思っています。  それともう一つ、拉致問題に関しまして、「風とライオン」という映画がございました。これは、日本を戦争に導いたルーズベルト大統領の前のセオドア・ルーズベルトの時代でありますが、アメリカ人が拉致されたときに、アメリカは、自国の国民のためならということで海兵隊を動員させて、その場ですぐ自国民を奪還したというモロッコが舞台になった映画で、これは実際にあった話であります。  私どもの同胞が拉致されても取り返すことができない。私も、平成13年から15年にかけて、善光寺玄証院の福島貴和住職を代表として、署名運動や拉致問題の運動をした経緯がありますが、非常に無力感を感じております。どうかこれを風化させることなく、関係者の御両親、御家族が健在なうちに、ぜひ我が国に私どもの同胞、国民を奪還したい、取り返したい、そんな思いであえてこの議会の場で発言をさせていただきました。  また、警察本部長には、長野県に関係ある杳として行方がわからない皆さんの消息を続けて追っていただきたい。そして、ともに運動に取り組んでいただきたい。そんなことを申し上げまして、質問を終了させていただきます。  ありがとうございました。 ○議長(垣内基良 君)次に、清沢英男議員。       〔43番清沢英男君登壇〕 ◆43番(清沢英男 君)初めに、2027国体及びスポーツ支援減税について伺います。  10年後に迫ってきた第82回国民体育大会と全国障害者スポーツ大会、以下27国体と総称しますが、その体制整備について、次期総合計画では、大会運営準備、選手や指導者の育成、また競技会場の整備などに計画的に取り組むとしています。県教委にも国体準備室が設置されました。1978年のやまびこ国体開催以来、49年ぶりの大イベントであります。競技会場は県下一円に散りばめられるでしょうが、メーンの開閉会式は、他県開催国体でも陸上競技場で決まり事のように行われています。  長野県県営陸上競技場は、かつて松本市浅間温泉にあり、今のキッセイ文化ホールや松本市体育館の場所でありました。高校時代、私もそこで練習に励んでおりましたが、やがて競技場は現在の広域公園に移っていきました。あれから50年、その陸上競技場も、時代の流れに抗することはできずに各所に故障が出始め、新しくすべきときを迎えていると考えます。ましてや、27国体で全国から選手団を迎えるとなれば、きちんとした姿形に整えることが県のおもてなしでもありましょう。  知事に伺います。  準備10年の歳月は、インフラ整備を考え合わせればそう長くはないと思います。国体会場は既に長野県の後の群馬県まで決まっています。まさに国民スポーツの祭典、体育振興の原点でありますから、知事が表明されたように県民挙げてしっかりと取り組んでいきたいと思うのであります。  そこでお聞きしたいことは、やまびこ国体のように、開閉式会場として松本平広域公園の県営陸上競技場を使用すると決定し、なおかつ、競技場の改築整備もしくは新設に着手すべきではないかということであります。会場決定は、会議等を経ることなく、知事主導でやまびこ国体を踏襲して決めても異論を挟む余地はないと考えますし、その上で整備上の段取りを議論すればいいと思うのであります。何にせよ、これは27国体に向けてまず第一番に決める事柄だと思いますが、知事の御所見を伺います。  次に、平昌五輪では、県出身の選手が大活躍され、これからのパラリンピックでも期待されるわけですが、こういう選手が各競技で第一線を維持するには、企業や団体の経済的支援を欠かすことができないと思うのです。企業にとって、アスリート支援は、イメージ向上の効果はあるかもしれませんが、その何倍もの歓喜、感動を時に私たちは手にすることができます。  そこで、今後の東京五輪はもちろん、27国体に向けての選手強化初めスポーツ全般で選手を支える企業等に対し、県税の優遇減税策等を検討したらどうかと思いますが、いかがでしょうか。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)国体、スポーツに関連して2点御質問いただきました。  まず、2027年の国体の総合開閉会式会場についてでございます。  総合開閉会式会場の選定につきましては、来月、準備委員会の中に専門委員会を立ち上げて本格的な選定作業に着手をしていきたいというふうに思います。いろいろな視点で考えなければいけませんので、私の独断で決めるというのはなかなか難しいかなというふうに思っておりますが、準備委員会での選定に当たりましては、求められます施設基準、あるいは先催県の例のほか、昨年12月にこの選定の基本方針というものを定めさせていただいております。この方針に基づいて、例えば会場周辺の用地の状況や輸送、交通手段の状況など、こうしたことを総合的に判断していく必要があるというふうに思います。その上で、できるだけ早期に選定をしていきたいと考えております。  次に、スポーツ選手を支える企業等への優遇減税等についての考え方という御質問でございます。  2027年の国体に向けた競技力向上のためには、選手が安心して競技を続けることができる環境づくりも重要だというふうに思っております。この観点では、御指摘のとおり、企業あるいは団体の皆様方からできるだけ支援、御協力いただくということが重要だというふうに思っております。  来年度、競技力向上対策本部を設置いたしますが、その中で、中長期的な競技力向上基本計画を策定していきたいというふうに思っております。選手が県内に定着して活躍していただけるような仕組み、これは、多くの皆様方の知恵を出していただき、一緒になって考えていかなければいけないというふうに考えております。  清沢議員から御提案がありました減税といったようなことも含めて幅広く検討を行う中で選手を支える環境づくりを行っていきたいというふうに思っております。  以上です。       〔43番清沢英男君登壇〕 ◆43番(清沢英男 君)今の県政で、東信、北信、中信、南信4地域への県予算投下状況を俯瞰するに、東信の武道館や中部横断道、北信の県立や私立大学支援、美術館、新幹線、在来線支援があり、南信にもリニア関連、三遠南信道等に大きな資本投資がなされています。いけないとは言っていません。4地域を投資的なバランスで見たとき、せめて中信に国体開閉式会場としての陸上競技場への投資をぜひとも決断していただきたいと、こう申し上げたいわけであります。  次に、新総合5カ年計画と中山間地域について伺います。  しあわせ信州創造プランのバージョン2では、第4編3-6で、「中山間地域での暮らしの価値の再発見」として人づくりと基盤づくりを掲げ、施策を挙げていますが、少し抽象的でありますので、具体的な問題を幾つかお聞きしてまいります。  人づくりについて、その基本は教育でしょう。当該地域が抱える今後の5年先、10年先の問題は、今よりさらに子供が少なくなることであります。しかし、自治体もただ座視をしているわけではありません。子育て世代をターゲットにした若者定住住宅や安価な住宅団地造成など、人口減少にあらがう政策努力を続け、少人数であっても子供たちが将来的に自主自立できるように学校教育にはしっかり力を入れて取り組んでおります。  教育長に伺います。  一つに、少人数小中学校での教員確保についてでありますが、これからも過不足を生じさせないという学び最優先の姿勢をお聞かせいただきます。また、専科の教員不足は県内の学校全般に深刻な問題ですが、この確保策、とりわけ、中山間地域学校への配置についてどのように考えておられるでしょうか。かかる問題解決に退職専科職員の再任用をすべきと考えますが、いかがでしょうか。さらに、教員不足にITを活用した教育方法を取り入れることができないかも含めてお聞かせをいただきます。  二つに、過疎中山間地域にある自治体では、地勢上、単独で保育所や小中学校を運営していかなければなりません。そこで、保育所を入れた保、小、中での一貫教育について、その可能性と県の支援等を伺いたいと思います。  次に、基盤づくりについて環境部長に伺います。  次期総合計画は、持続可能な開発目標SDGsという全17目標の世界標準に沿うべく作成されています。SDGsタイル6番目標に、「安全な水とトイレを世界中に」という項目があって、「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。」と説明しております。  その安全な水についての簡易水道でありますが、簡易といっても利用人口による仕分けだけで、質も何ら都市部のそれと変わりありません。生坂村は、水源を犀川に求めてきました。しかし、近代の経済成長で、犀川の水質が上流の生活や工業排水により質の悪化を続け、消毒用塩素臭が極めて強くなったため、隣の明科や八坂から水源用水を購入してきましたが、管路が長距離であり、老朽化や昨今の地震での被災も想定され、村独自水源を求めて探査に入りました。しかし、村内外を第1次から第5次まで調査するも結果は芳しくなく、災害発生時に現行の長い基幹管路がどこかで遮断すれば、ライフラインの欠損という危機に陥ってしまうことが心配される現況です。  そんな中、国では、最近、水道法の一部を改正し、広域連携の推進を含む水道の基盤を強化する方針を固め、都道府県は、その方針に基づき、関係市町村や水道事業者の同意を得て水道基盤強化計画を定め、協議会などを設けて、水道事業者は、この場合は村ですけれども、水道施設を良好な状態に保つために維持修繕を義務化し、また更新等に努めるとし、その上で大臣許可を受け、官民連携もできるとしています。すなわち、長野県は水道事業者の広域化や一体化を主導して水道基盤の強化をすることを求められています。  そこで幾つか伺いますが、県は、現在、国の方針にどのように対応できているでしょうか。殊に、そのスピード感につきどう考えておられるか。また、生坂村の窮状と広域化、その支援についてどう捉えておられるか。さらには、村が仮に犀川を水源とした場合に、完全浄化が可能な設備の設置ができるかどうか、その支援はあるかどうか、それらをお聞かせいただきます。  次に、SDGsでいうトイレを含む生活雑排水の最終処分場関係であります。  農集排や合併浄化槽、特環事業などで下水道整備を行ってきましたが、既に設備の老朽化や人口減少による施設能力の余剰などから、各最終処分設備を公共下水道へ一本化し、効率的な運営に変えていく、また同時に老朽化対策にも役立てようとしています。  そこで、県は、「水循環・資源循環のみち2015」構想を推進する中で、かかる下水道事業の再整備に向けて、国の社会資本整備総合交付金を活用し、市町村を主体とする整備計画を推進しています。東筑の村を含め中山間地域の自治体がこの中に入っています。そこで、事業実施期間を短期にできるよう国への働きかけを積極的に行い、交付金をふやして計画全体を前倒しすべきという要望が強くなっています。この進捗を図るべきと考えますが、県の姿勢についてお聞かせいただきます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)中山間地の教育に関しまして御質問いただきました。中山間地における教員の確保についてのお尋ねであります。  小中学校の教員数は、義務標準法により学級数を基準として決まることになっておりますので、学校が小規模化していくことにより配置できる教員数が少なくなります。したがって、小学校においては複数の学年を一人の教員が担当したり、中学校においては10教科全てで専任の教科担任をそろえることが困難になったりする状況が生まれるということであります。  そこで、まず小学校につきましては、国の加配等を活用し、小学校の複式学級を解消する教員を配置するなどで教員の確保に努めております。また、中学校では、複数免許を持つ教員を配置することで専門性を確保したり、授業時間数が少ない美術や家庭科などの技能教科を担当する教員に関しましては、複数の中学校や、中学校と高等学校で兼務するなどして中山間地における教育の充実に努めているところでございます。  退職教員の活用についてでありますが、この退職教員の再任用も定数内での雇用というふうになりますけれども、そのような専門性のある教員を配置することによって問題解決に当たってまいりたいというふうにも思っております。  それから、教員不足解消へのITを活用した教育方法でありますけれども、そうした限られた人数の教員で豊かな学びを実現するためには、ICT等の先端技術の活用が有効であるというふうに考えております。ICTを活用した教育を導入すると、例えば授業で学んだ知識や技能の定着を図る場面で、一人一人の子供の実態に応じたより適切な学習活動を行ったり、遠隔授業により専門性を有する教員の授業を受けたりすることが可能となります。  県教委では、来年度、中山間地域の新たな学びの創造事業を立ち上げまして、中山間地域リーディングスクールを設けて、ICTを最大限に活用した新たな学びについても実証研究を進めてまいりたいというふうに思っております。  保小中一貫教育の可能性についてであります。  保、小、中が連携して教育活動を行うことは、より多くの人たちが子供の成長を長期間継続的に見ることができることに加えまして、地域の特色ある教育を推進しやすくなるなどの可能性があるというふうに考えております。  例えば、野沢温泉村では、平成25年度から保小中一貫教育をスタートいたしまして、地域の特色を生かしたスキー学習やふるさと学習、英語学習等で一貫したカリキュラムを工夫しておりまして、中山間地域における先進的な学びのスタイルとして注目されているところであります。  県教委では、こうした先進事例等を踏まえつつ、市町村ごとの状況をしっかり把握いたしまして、そうした検討を行う市町村への支援、助言に努めてまいりたいというふうに考えております。       〔環境部長関昇一郎君登壇〕 ◎環境部長(関昇一郎 君)まず、SDGsの視点を踏まえ、水道事業の広域化への対応等、生坂村への支援についてのお尋ねであります。  1点目の国の方針への対応についてでありますが、国では、人口減少に伴う水需要の減少、水道施設の老朽化等水道の直面する課題に対応し、水道の基盤の強化を図るため、今国会へ広域連携の推進や適切な資産管理の推進などを内容とする水道法の改正案の提出を予定しております。  県では、国の動きに先立ち、昨年3月、長野県水道ビジョンを策定いたしました。その中では、計画的な施設更新や水道施設の耐震化の推進等、水道事業者の取り組みの方向性や目標を定めたほか、県が議論の牽引役を担い、広域連携の推進に取り組むこととしております。  2点目のそのスピードについてでありますが、人口減少が進む中で、広域化への対応を速やかに進める必要があると考えております。このため、県では、今年度、既に地域振興局ごとに10広域で県と市町村等による検討の場を設置をし、検討を始めたところであります。  3点目の生坂村の現状についてでありますが、生坂村では、周辺自治体から浄水を受水しているため、災害時に備えて独自水源の確保に向けた調査を行っていることは承知をしております。これからの人口減少社会を迎える中では、他の自治体からの受水も広域連携の一つの指標でありますので、さらにどういった連携が可能か、松本地域の検討の場で議論を進めていきたいと考えております。  4点目の犀川を水源とした場合についてでありますが、経費の問題はございますが、水道水として供給可能な設備の設置は技術的には可能と考えております。国庫補助の活用につきましては、既存の施設に国庫補助を活用しているため、村からの相談に応じて、補助要件の確認等必要な助言を行ってまいりたいと考えております。  次に、下水道施設更新のための交付金の確保についてのお尋ねであります。  県内の下水道施設は、平成10年前後をピークに整備が進み、供用開始から20年以上が経過した処理場も多いことから、老朽施設の改築、更新が課題となっております。各市町村においても、できるだけ事業費の年度間変動を少なくするため長寿命化計画を策定し、事業を進めておりますが、計画的な改築、更新を行うためには、国の社会資本整備総合交付金の確保は必要不可欠となっております。  県といたしましても、下水道事業にかかわる交付金の予算確保のため、昨年春と秋、そしてことしの2月にも国土交通省に対して要望活動を行ったところであります。今後も、機会を捉えて国に対して要望を行うとともに、国の補正予算も含めて必要な予算の確保に努めてまいります。
     以上であります。       〔43番清沢英男君登壇〕 ◆43番(清沢英男 君)水道事業にとって、人口減少は、利用者の減少と料金収入の減少ということになりますが、水道設備、浄化槽や管路等の維持修繕の固定費はほとんど減りません。収入は減りますが固定費は減らない。そこで、勢い水道料金を上げざるを得なくなってまいります。下水道料金も水道料金にリンクしてアップされるということになると思います。このことは、隠れた大問題と言われているようでありますが、これを見越して水道法や下水道法の一部改正で対策していくということで、その対策を主導していくのは県であります。県内自治体のライフラインである水関係が困った事態にならないようにしっかり仕切っていっていただきたいと申し上げたいと思います。  松本空港とFDAについて伺います。  今から10年ほど前、当時巨額の負債にあえいでいたJALは、再建計画の一環で国内6空港からの撤退を言い出しました。6空港は、沖縄粟国、神戸、札幌丘珠、奥尻、広島西、静岡、そして松本であります。この中で、粟国や奥尻は小規模、神戸、丘珠、広島西は近くに大きな空港があって路線の代替も可能、また、静岡はJALのほかにも就航会社があるという好事情に反し、松本空港は近隣に代替空港や路線もなく、札幌、福岡、大阪という路線に70席クラスが就航し、搭乗率も全国平均を上回る路線があったにもかかわらず、JALが撤退すれば長野県唯一の空港が廃港になるかもしれないという危機に見舞われました。  それを救ったという言い方をしても過言ではないでしょうが、静岡空港を本拠地とするFDAが、会社自体立ち上げて間もないという事情を押して、札幌、福岡への就航を決断してくれました。FDAは、平成21年7月に初めて静岡で就航、その2カ月後の9月議会で、私は、一般質問で、JALが撤退するならばフジ・ドリーム・エアラインズを含め他の会社と松本空港就航を交渉すべきだと申し上げたところ、当時の企画部長は、廃止問題の事実関係が明らかでない現時点では、これまでどおり市町村、経済団体と連携し、なお一層JALの利用促進に取り組んでまいりたいと答弁されましたが、私は、答弁は答弁として、多角的な研究はやはり必要と返したことを思い出します。この後先はわかりませんが、水面下で小林現公営企業管理者が当時課長の立場でFDAと懸命に交渉をされていた事実も当時のFDA担当者から耳にいたしました。翌年6月、JAL撤退と同時にFDAが松本空港に就航、幸いにも廃港危機は立ち消えになったのであります。  以来、FDAは、JALが就航路線をふやしたり減らしたり、また札幌線も廃止しようとしたり、不安定さで県政をやきもきさせていた時代に比べれば、札幌、福岡と安定的に就航させ、しかも地元自治体や経済団体、長野県と協働の力で、年を追うごとに利用者数、搭乗率ともに向上させている実績は高い評価に値すると考えます。  その一方、思うことは、松本空港もFDAもまだまだ伸び代は存分にあり、現行での満足に終わることなく、可能性の一つ一つを検分し、実行し、県営空港の存在意義を確実なものにしていくべきだということであります。  その観点で、企画振興部長に伺ってまいります。  現行路線のさらなる可能性拡大についてですが、1点目、現在、空港地元の利用客数は伸びていることは当然のことかもしれませんが、県内他の都市や地域からも大いに利用していただくことが大切だと思います。そこで、他の県内三大都市の長野市、上田市からの利用実態、また東北南信のブロック別の利用実態と最近の経年変化をお聞きすると同時に、現行航路における利用促進を県としてどのように県内全体に波及させていくか、方針と具体策をお聞かせいただきます。  2点目は、隣県からの利用、殊に山梨県からの松本空港利用については、羽田空港利用よりも有利であるか否かが焦点だと思います。その点について、県の考え方と、仮に優越性があるとすれば、そのPRをどのように山梨の皆さんにしていくのか、実際と目標をお聞きします。  3点目、松本空港を利用する上で、経済団体や地元自治体が利用の呼びかけや利用者への経済的支援をしています。かかる方策を県内全体の経済界や市町村に拡大することもポイントだろうと考えますが、県の運動状況と拡大見込みについて伺います。  4点目、国内のチャーター便は、夏は東北、北海道、冬は鹿児島や沖縄の離島など、年間100便前後出ていると思いますが、これの伸び代はどう考えておられるかお尋ねいたします。  5点目、利用客をさらに獲得する上で、旅行代理店等が募集する商品は大きな要因になります。商品数を札幌線、福岡線ともに松本発と現地発本数を比較した上で、その問題点を浮き彫りにさせ、今後に必要となる対策をお答えいただきます。  また、FDAは、夏場の北海道へ丘珠空港路線を新規就航するとしています。これの目指すべき成果目標と県の支援についてお聞かせいただきます。また、札幌便は復路からの誘客が伸び悩んでいると思います。キャンペーンを打つなどの工夫が必要と考えますが、対応策があるでしょうか。  6点目、新総合計画では、松本空港年間利用者数、16年度、17年度が約12万人に対し、5年後には16万8,000人、4割増を目標に掲げています。年ごとに8,000人超の増として、単純に毎年100便近くを増便していく計算になります。その見込み根拠として、国内路線の夏期増便、国際路線の定期便開設としていますが、これをクリア可能な計画とするPDCAについてお聞かせいただきます。  7点目、松本空港からの2次交通について、県内観光拠点へ直接移動できる商品や、JR、私鉄、タクシー業界とのタイアップなど、考え得る手段を構築していくことも必要と思いますが、いかがでしょうか。  続いて、知事に伺います。  1点目、観光白書から、平成28年の都道府県別外国人延べ宿泊者数の構成でどんな国の人が長野県に宿泊しているかを見ると、多い順に、パーセントで、台湾35、中国13、香港11、オーストラリア9、タイ5、ほかとなっています。これで長野県がどの国をターゲットにすべきかがわかります。台湾が他の国に抜きん出ているわけです。そこで、台湾とのチャーター便はもちろんですが、定期便としても台湾から福岡へ、そしてトランジットで松本へ向かうというルートを個人客や団体向けのビジネスチャンスとして設定すべきであります。さらに、このルートに対し格安料金設定ができれば、確実ににぎわうルートになると思うのですが、県の支援について知事のお考えをお聞かせいただきます。  2点目、大阪へは、現在、夏場だけJALによって伊丹の国際空港へ就航しています。かつて大阪便は通年運航していました。東北中南信4ブロックで、大阪へは松本空港利用が現在的に時間的ロス最少となるわけですが、観光に傾きがちな北海道、福岡と違い、経済的側面を大阪便は強調できると思います。現行、FDAの離着陸の枠はとれないようですが、昨今、伊丹、関空、神戸と3空港一体運営の動きの中で、この環境変化を機敏に捉え、大阪便への対応を検討していくべきと考えますが、いかがでしょう。  建設部長に伺います。  松本空港の国際化や利便性向上の一環として、空港周辺の道路改良が求められています。この事業は、空港のみならず、山雅のサッカー会場へのアクセスや渋滞緩和、27国体にも大いに役立つものであり、さらに、高速インターから空港へのアクセスが平易になれば、県内や山梨県からの新規空港利用者獲得には極めて高い効果を及ぼすと考えます。まして、国際化を標榜するとすれば言わずもがなではないでしょうか。部長の積極的答弁をお聞かせいただきます。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)信州まつもと空港とFDAにつきまして、私には大きく7点御質問いただきました。順次お答えを申し上げます。  まず、県内ブロック別の利用実態と県内全体の利用促進についてでございます。  県では、毎年春と夏の2回、搭乗者アンケートを実施しております。これによりますと、全体の50%余りが中信からとなっておりますが、残りは、北信が約20%、東信が約6%、南信が約20%でございます。多少のばらつきはございますが、毎年ほぼ同様の傾向でございます。なお、長野市、上田市といった市町村別のデータまでは把握はしていないところでございます。  こうした中、国内路線の利用を今後さらに促進していくためには、中信地域以外の地域への普及が重要でございます。今年度からは、テレビCMを全県下で放映したほか、県内の遠距離地域からの利用者を対象としたキャンペーンも実施いたしました。これらの事業の効果を検証しつつ、全県からのさらなる使用促進を図ってまいります。  次に、山梨県からの利用促進についてでございます。利用者が空港を選ぶ大きな要素は、距離、移動時間、費用でございます。この観点から羽田空港と比較した場合、山梨県内では、おおむね甲府市より西にお住まいの方に松本空港の優位性があると認識をしております。こうしたデータを踏まえ、山梨県内のメディアを活用した広報宣伝により松本空港の認知度アップを図るとともに、本県と松本市、山梨県、静岡県、そしてFDAで構成します広域観光連携会議の場を活用し、山梨県との周遊ルートを考えてまいりたいと考えております。  続いて、地元経済界や自治体を巻き込んだ利用促進策についてでございます。現在、松本商工会議所や地元自治体などがそれぞれ運賃の一部を助成する制度を実施していただいているものと承知をしております。昨年9月には、長野市と松本市の両商工会議所の間でこうした取り組みを全県に拡大していこうという提案があったと伺っております。  県といたしましても、県下全市町村や経済団体が参画しております信州まつもと空港利用促進協議会におきまして、こうした先導的な事例を紹介し、県内各地に利用者支援の制度の拡大を図ってまいります。  4点目、FDAの国内チャーター便の伸び代についてでございます。  FDAからお伺いしているところによりますと、ことしの3月に12号機を導入予定と。これにあわせて、1機をチャーター専用機とし、チャーター便事業を拡大していくとのことでございました。こうした動きを利用者拡大の大きなチャンスと捉え、積極的にFDAから情報収集してまいりたいと考えております。  次に、札幌、福岡線利用拡大の課題と対策でございます。  本年度、4月から1月末までの旅行商品を比較しますと、福岡線は札幌線に比べまして旅行商品が少ない状況でございます。松本発、福岡発とも旅行商品をふやせる余地がありますので、県内及び福岡の旅行会社に対し路線の周知、PRと商品造成をより一層働きかけてまいりたいと考えております。  一方、札幌線につきましては、松本発の旅行商品に偏重しておりまして、札幌発のものが極端に少ない状況でございます。これは、札幌方面からの発着時間が14時15分札幌発、16時松本着であり、松本着後の観光、ビジネスに使える時間がないことが原因の一つと捉えております。今後も、FDAに対しましてダイヤの改善を要望しつつ、観光部や地元市町村とも協力し、誘客に力を入れてまいります。  こうした中、今回、2週間という短期間ではございますが、札幌丘珠線の新規開設というFDAの決断には深く感謝をしたいと考えております。就航決定からまだ間もなく、具体的な事業の検討にまさに取りかかったところではございますが、FDAや地元市町村と連携しながら、来年はより長い期間で運航していただくことを目指して利用促進に取り組んでまいります。  あわせて、先ほども申し上げましたが、札幌からの誘客には特に力を入れる必要があると認識しており、札幌便復路向けのキャンペーンにつきましても工夫をしてまいりたいと考えております。  次期5カ年計画におきます松本空港利用者数の目標と取り組みでございます。  次期5カ年計画では、2016年の12万4,000人から、札幌便の夏期増便で8,500人、福岡線の利用者増で1万1,900人、大阪便の期間延長で1万4,700人、季節便でございますが、新規路線の開設で3,000人、国際チャーター便の就航で2,800人、国際定期便の開設で2,600人と増加をさせ、2022年の利用者が16万8,000人を目標としております。  こうしたそれぞれの取り組みをそれぞれ着実に実現させることで目標を達成したいと考えておりまして、地元自治体、航空会社などで設置をしておりますプロジェクトチームの場を活用しながらそれぞれ具体的に進めてまいります。  最後になりますが、空港からの2次交通についてでございます。  2次交通の充実は空港利用者の利便性の向上のために必須の要素であり、多様なニーズに応える手段の構築と、それらを利用者にしっかりとPRすることが大事と考えております。  現在、松本駅までのシャトルバスと白馬方面へのデマンドタクシーが運行しておりますが、今後の取り組みといたしましては、航空機と2次交通、特にタクシーとセットとした旅行商品の開発、航空機のウエブ予約画面でのタクシーやレンタカー予約などのシステムの構築などが考えられるところでございます。  また、今年度から開催しております地域における移動手段の確保・補完に関する検討会の観光交通部会におきましても、観光地への2次交通について、バスやタクシー事業者とともに議論を行っているところでございます。ここで出されましたアイデア等も生かしながら取り組んでまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)松本空港に関連して2点御質問いただきました。  まず、福岡からのトランジットでのインバウンド誘客の取り組みと、そうした路線の設定という御質問であります。  FDAからお話を伺いますと、国内線を利用される外国人の方がふえてきているというふうに伺っております。御質問の福岡空港をハブとした乗り継ぎ、トランジットによりますインバウンド需要を拡大させていく可能性を示すものというふうに考えております。乗り継ぎ路線の設定につきましては、欧米も含め、世界の国々と松本空港を結びつけるものでありまして、松本空港の国際化に向け、東アジア地域との直行便とあわせて今後幅広く取り組んでいかなければいけないというふうに考えています。  乗り継ぎ路線に対する支援策につきましては、今後、どのような方法が有効であるのか、航空料金のみならず、宿泊あるいは2次交通費といったことも含めて、誘客支援策全体を視野に入れつつ、航空会社や旅行会社の御意見もお伺いしながら検討していきたいと考えております。  次に、大阪便の対応についてでございます。  関西圏とのつながりを強化するということは、御質問にもありましたように、経済活動の活性化であったり、あるいはインバウンド客を含めた観光客の呼び込みといったような観点で非常に重要だというふうに考えております。空路で松本空港と関西等が結びついているということは、本県にとっても大きなメリットがあるというふうに考えております。そのため、一昨年取りまとめました信州まつもと空港の発展・国際化に向けた取組方針におきましても、伊丹線の通年運航復活のほか、国際ハブ空港として海外との乗り継ぎ利用が見込める関西国際空港路線の開設を検討するということにしているところでございます。  御質問にありましたように、伊丹、関空、そして神戸、この3空港は、ことしの4月から一体的に管理されるという形になります。この一体管理を行います関西エアポート株式会社社長の年頭のインタビューにおきましても、関空は国際線の中核で変わらないだろうというふうにしつつも、4月以降、経済団体や自治体などが集まって3空港の将来像や規制について議論し、枠組みを決めるというふうに発言をされています。まさに、この関西の3空港のあり方が大きく変化していく年になるだろうというふうに思います。  こうした機会をしっかり我々も捉えて、今後の各空港の発着枠の調整等の状況を見ながら関西圏との空路の強化につなげていきたいと考えております。  以上です。       〔建設部長油井均君登壇〕 ◎建設部長(油井均 君)信州まつもと空港周辺の道路整備について御質問いただきました。  議員御指摘のとおり、空港周辺道路の整備は、空港のみならず、松本平広域公園や周辺の工業団地への利便性を向上させるものと認識をしております。特に、地域の要望の強い県道松本空港線の松本市町神工区と県道土合松本線の松本市南耕地工区については、近隣の菅野小学校の通学路でもあることから、安全かつ円滑な交通の確保が重要であると考えております。  これまでも、この2工区の道路整備に取り組んできたところですが、中でも、整備効果の大きい県道松本空港線の松本市町神工区については、事業区間を延伸し、来年度以降、より一層重点的に取り組んでまいりたいと考えております。       〔43番清沢英男君登壇〕 ◆43番(清沢英男 君)以上で質問を終わります。 ○議長(垣内基良 君)会議規則第13条第2項の規定により、本日はこれをもって延会いたしたいと思います。  次会は、明28日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後4時24分延会...