な し
●
説明のため出席した者の
氏名
(
林務部)
林務部長 山 﨑 明
(
会計局)
会計管理者兼
会計局長 清 水 深
会計課長 柴 田 敬一郎
(
企業局)
公営企業管理者(
企業局長事務取扱) 小 林 利 弘
企業参事兼
経営推進課長 波 羅 雅 文
●
付託事件
第17号
平成28
年度長野県
一般会計及び
特別会計の
決算の認定について
第18号
平成28
年度長野県
企業特別会計剰余金の処分及び
決算の認定について
平成28
年度長野県
一般会計及び
平成28
年度長野県
特別会計の
決算状況に関する事項
平成28
年度長野県
電気事業会計及び
平成28
年度長野県
水道事業会計の
決算状況に関する事項
●
会議に付した事件
1
会議録署名委員の決定
2
付託事件の
審査
●
開議時刻 午後1時58分
●
両角委員長 開会を宣した。
▲
日程宣告
1
会議録署名委員の決定
2 閉会中
継続審査及び
調査事件の
審査
▲
理事者の出席について
本日は、
山﨑林務部長に出席を求めた旨報告した。
▲
会議録署名委員の決定
委員長の指名により、次の
委員に決定した。
5番
丸山委員、6番
花岡委員
▲
議題宣告
閉会中
継続審査及び
調査事件を議題とし、
最初に、
林務部関係の
質疑を行い、
委員の
質疑等発言を許可した。
◆
佐々木祥二 委員 それでは
委員長のお許しをいただきましたので、私から
質問をさせていただきたいと思います。本日は
林務部長に御出席を賜り、まことに恐縮に存じます。
決算特別委員会におきましては、去る10月12日から本日まで計6日間にわたり
本庁調査を実施させていただきました。
決算調書の
歳入歳出決算額や
事業改善シート記載の
主要事業の
執行状況など、各部局からの
説明及び
質疑を通じ、
平成28
年度決算上の課題・
懸案等を把握したところであります。
本日は
林務部の調査を実施したところでありますが、
大北森林組合等の
補助金不
適正受給事案について、本年1月31日に
大北森林組合から提出されました、新たな
事業経営計画及び
補助金返還計画に基づき、同年3月23日に、県が
多額の
債権の
履行期限を
平成33年7月30日まで延長する処分を行ったこと、また本年9月12日に、
関係者に対する
損害賠償請求についての県の
方針が示されたこと、また
平成29
年度で
課税期限が終了する
森林づくり県民税について、その
執行状況や今後の見込み、
基金の
残高状況などについて、
決算審査上の
重要事案が発生しております。
これらは、28
年度の
決算認定に重大な影響を及ぼす
可能性があることから、部を総括する
林務部長の
説明が必要であると判断をいたしまして、私が
委員の
皆さんにかわりまして
総括質疑を実施することといたしましたので、よろしく
お願いをしたいと思います。そこで、以下4点につきまして
質問をさせていただきます。
最初に、
補助金等不
適正受給事案の関係につきまして、
質問をさせていただきます。
大北森林組合からの
補助金の
返還につきましては、金額が
多額に上り、
返還時期も長期にわたっております。これらの
返還額及びどのような方法で
管理を行っているかについて、お伺いをいたします。
あわせて、
大北森林組合では本年の1月に
事業経営計画を作成しておりますが、
経営の
状況はどのようになっているのか、また
多額の
債権の回収を進めるためには、
組合の
経営を安定的なものとすることが重要であると考えます。県として、このための
対応をどのように行っておるのか、まず
林務部長にお伺いをいたします。
◎
山﨑明 林務部長 大北の
事案に関しまして、まず
債権の
管理の
部分からお答え申し上げます。まず
大北森林組合の
債権につきましては、
財務規則にのっとりまして、これを本来所管している
北アルプス地域振興局長が
管理簿を作成し、その
管理を行っているところでございます。加えまして、
補助金等返還計画につきましては、非常に額が
多額にわたるということから、その
執行状況について、本庁でしっかりその
状況を確認し、またそれらの
状況につきましては、
決算書、あるいは
決算調書としてまとめ、
県議会の御審判、あるいは
監査委員の
監査を受けているところでございます。
それだけにとどまらず、県といたしましては、現状だけではなくて、
事業経営計画の適切な
執行、あるいは
補助金等年間計画の
見通し等も含めて、
県議会、とりわけ所管する
林務委員会に対しまして、
委員会の都度、資料の提出をし、
説明を行っているところでございまして、今後もそうした
対応をしっかり
継続していくと考えているところでございます。
また、
大北森林組合の
経営の
状況でございます。
事業経営計画では、
平成28
年度の
決算状況として2,100万円ほどの赤字を見込んでいたところでございましたが、28
年度中に
補助金の再開ができなかったということもあって、最終的には2,900万円の赤字となっているところでございます。
一方で、
森林組合が28
年度に履行すべき県と
市町村に対する債務につきましては、
計画どおりに
補助金の
返還を履行しているところでございます。
大北森林組合のこの
計画執行に対しましての県の指導といたしましては、まずは
森林整備を中心として
事業を軌道に乗せるために、定期的に
森林整備の
現状把握ですとか、あるいは
造林補助事業等のモニタリング等々も重ねてきておりますし、また
研修指導等も10月末までに延べ64回実施してきている
状況がございます。
これに加えまして、県と
県森林組合連合会とで、
林業経営コンサルタントをアドバイザーとして派遣する
仕組みも立ち上げておりますので、こうしたものを有効に使いながら、一日も早く自立に向けた道筋を立てるような
格好で指導してまいりたいと考えております。
◆
佐々木祥二 委員 今、答弁いただいたわけでございますけれども、いろいろなこの御
意見の中に
振興局の
局長に任せておいていいのかという問題も
指摘されております。
それとやっぱり、
経営コンサルを入れてやっているというようなお話でございましたが、その
経営コンサルと
組合と、本当に密着をしてやらないと、今、言われたように、2,100万円の赤字が2,900万円になっておると。これが、今後、
計画どおりに運ぶかということは、
県民の皆様、または
委員の皆様から
指摘されるところだと思うんですよね。
ですから、しっかり部を挙げて、そして部だけでなくて、ほかの各部も協力をしてこれを推し進めていかないと、この
多額な借金は、戻ってこないような気がするんですよね。ですから、
林務部長が先頭に立ってやっていくという心意気がないと、なかなか、
経営の
健全化なんていうことは、私は難しいと思いますが、そこの御
所見は、
部長、いかがですか。
◎
山﨑明 林務部長 今回の
事案については、まずは
森林組合が
当事者意識を持って、きちっと
地域の山のために向き合うというのがまずは大事だと。そこの自立に向けた
取り組みについては、まさに
委員御
指摘のとおり、全庁的な視点でバックアップできるような覚悟で取り組んでまいりたいと思いますので、よろしく
お願いします。
◆
佐々木祥二 委員 ここはしっかり
林務部、目を光らせていただいて、連携をとりながら一日も早い
経営の再建、
健全化ができるように、
コンサルタントとあわせてやっていっていただきたいと思いますので、ここは
お願いをしておきます。
次に
関係者への
損害賠償請求につきまして、9月12日に、
大北森林組合等補助金不
適正受給事案に係る
損害賠償請求についての
対応方針が示されてまいりました。このことについて、今後の
対応はどんなふうに行うのか、これも
部長の御
所見をお伺いいたします。
◎
山﨑明 林務部長 損害賠償請求についての
対応の
状況でございます。
損害賠償につきましては、
大北森林組合等補助金不
適正受給事案に係る
法的課題検討委員会の報告を踏まえまして、11名の
職員、
大北森林組合及び元
専務理事、
ひふみ林業に対しまして、それぞれ
方針を定めて、
対応を今、進めつつあるところでございます。
まず
職員につきましては、現在、
損害賠償責任の有無、あるいは
職員に応じた
賠償額についての
監査を
監査委員に求めているところでございます。
また、
組合の元
専務理事と
ひふみ林業に対しましては、速やかに
請求を行わせていただくということで、場合によってはその
督促等も視野に入れながら、
対応を進めているところでございます。
また、
大北森林組合につきましては、既に9億円に及ぶ
補助金等返還債務を背負っている中で、現在、
取り組みを進めているところでございます。今後、具体的な
請求を進めていく中では、この
計画に、当然、影響が出てくるケースも想定されます。そうした中で、双方の
求償関係をできるだけ残さないような
格好で、既に
組合に対しては
理事会で
説明をしておりますが、丁寧に
説明を重ねてまいりたいと考えているところでございます。
◆
佐々木祥二 委員 今、
説明があったわけでございますが、何件か、不正があったわけですよね。そして
大北、佐久、松本、
ひふみ林業等あったわけでございますが、全部返されたところとほとんど返さないところとあると、私
たちも承知しておりますし、この
決算調書の中でも明示されているわけでございますが、今、
ひふみ林業という言葉も出てきたわけでございますけれども、ここについては2万円払っただけだということで、全く誠意がないのではないかなと、私は考えるわけでございますが。そういうところは適切に、やっぱり、今、言われたような処置をしっかりやっていってもらわないと、
県民に対する
説明もできないわけでございますので、あとほっかむりして逃げてしまえばいいんだということのないように、そこは対処を
お願いしたいと思いますが、そこの御
所見はいかがですか。
◎
山﨑明 林務部長 ひふみ林業につきましては、御本人が
麻薬取締法で検挙されたりとかの話もあったりするほどに、極めて不誠実な
対応を繰り返しているというところでございまして、事務所もなかなかどこにあるのかというような、はっきりしないような
状況もある中で、しかしながら、ここはかなり毅然とした
対応もしっかり視野に入れつつも、粘り強い交渉といいますか、
返還の手続をとらせようということで、テーブルに乗せるべく日々努力しているところでございますし、今後は毅然とした態度も含めて
検討して
対応していきたいと思っております。
◆
佐々木祥二 委員 そのことにつきましても、しっかり目を光らせていただいて
対応をしていただいて、一日も早い
返還を、私
たちの立場からも
お願いをしておきます。
それでは3番目の県の
説明責任につきまして、お伺いいたします。最近の報道にありますように、
職員が
同意書を作成したり、書きかえしたりして、問題になっておるわけでございます。
補助金不
適正事案について
県民の疑念を招き、
森林整備や
林業の
活性化の
取り組みが停滞することのないようにすることが重要と思います。県としての
説明責任への
考え方について、お伺いをいたします。
◎
山﨑明 林務部長 まず、今、
委員御
指摘のあった
部分でまいりますと、正確に御承知おき願いたいのは、当時は
森林整備が極めて進んでいない中で、
野生鳥獣のまさにすみかとなっていたような、
住宅近隣にある
森林をいかに早く健全な状態に戻すかということが、非常に急務な、それも子供が事故に遭うというような看過できないような
状況であったという中で、どうしてもその
森林整備を進めるには
所有者から御
同意をいただいて、そのもとでさまざまな
事業を展開する必要があるということから、夜間、何日もかけて
職員がその
説明会をし、その
説明会の中で、基本的に、
同意に基づいた
補助金申請事務とかは、
林務課が代行させていただくという
説明をした上で行っていたものと私どもは
理解しております。
ただし、行き過ぎたり、あるいは不適切な
部分はなかったかと言えば、そういう
部分もあったわけですので、そういう
仕組みというのは既に
平成22
年度をもって全てやめ、またほかの
地域でもそういうことがないようなことはしているところでございます。
説明責任につきましては、さまざまな
事案の都度に、検証を踏まえて丁寧に
説明をしてきているつもりでおりますし、今後ともそうした
対応はしっかりとってまいりたいと考えております。
◆
佐々木祥二 委員 わかりました。そういう
地域は
緊急性を要しますので、
市町村も一緒に入れて、そして地区の区長さんとか
常会長さん、
隣組長さん
あたりまで寄っていただいて、総合的に
理解をしていただいて
説明をし、
子供たちのため、または被害が出ておるということを細かく
説明をしてから、
理解をやっぱり求めるような方向でやっていかないと、お
役所仕事で頭からこういうふうに言うのではなくて、足元から考えていかないと、こういう
誤解も招くようなことも生じてまいりますし、あっ、いいよ、やっておいてくれよと言って、判こを貸してくれてぱっと押すことも、今、いけないようになっておりますので、そういうことのないように、本人の
承諾書をいただくとかいうことを粘り強くやっていかなければ、
誤解を招くもとだと思いますよ。
ですから、そこはやっぱり
地域振興局長を中心として、地区の皆様にも協力してもらうと。それで被害に遭った
皆さんの
状況等も話をしていただいて、
理解を求めて、
同意していただいて、早急に
対応をしていくということが重要だと思いますので、そのところの御
所見もお伺いして次に移りたいと思います。
◎
山﨑明 林務部長 当時の
状況を申し上げますと、まさに地区で、
地域ぐるみでその
森林整備を進めるために、近隣の
皆さんのネットワークをフルに利用しながら
同意をとるというのが基本でございます。本来は、こういうものは、
事業体が自主的に主体的に行うものであるし、そういうものに対しての
支援措置があるわけでございます。当時はそういう
実行部隊が全くない
状況の中でやるような、まさにそのときの構成については、今、
委員御
指摘のような点を配慮した、夜間の
説明会を根気よく繰り返す中で行われてきたものと、私どもは
理解しています。
ただ一方で、こうした手続は、今の
状況からすれば極めて
誤解を受ける話だし、トラブルも起きやすい話でもございますので、こうした手続については、二度とそうした
誤解を招くような
仕組みにならないように、徹底して取り組んでまいりたいと考えております。
◆
佐々木祥二 委員 そうですね。やっぱり
職員の隅々までわかるような、マニュアルとまではいかなくても、よく
説明をして
同意をしてもらうような方向を、
部長のほうにもぜひ
お願いをしておきます。
4番目でございますが、
森林づくり県民税の
基金残高及び
次期森林税の
方針について、ここは
県民が一番聞きたい、またはどうしていくんだということが問われているところでございますので、
質問させていただきたいと思います。
森林税につきましては、今
年度までの10年間で3万2,210ヘクタールの里山の
間伐が実施される見込みであるようなことを聞いておりますし、一定の
成果があったと思っております。また、条件が困難な
森林が未
整備のまま残されているのも現状であると思いますし、
基金に
多額の
残高が積み上がっていることも
県民は承知していると思います。この
基金残高は最終的に今期末でどの程度になるのか、そしてこの
基金の
残高についてはどのように扱っていくのか、
林務部長の御
所見をお聞きします。
◎
山﨑明 林務部長 森林税に対してのお尋ねでございます。まず、
森林税の
基金残が、現在、生じていますが、この
仕組みについて申し上げますと、そもそも
森林整備というのが季節によってかなり制約を受ける要素がございます。そうしたことから、
年度間の調整が行えるように、
基金として独立した積み立てをしたもとで
事業を行ってきております。
そもそも
法人県民税は翌
年度に入ってくる収入となりますので、本
年度中に全ての収入が上がるような
仕組みにもなっておりません。そうした
年度間の調整を行うような
仕組みのもとであるということが前提ではございます。
一方で、例えば国の
制度改正などが行われたときに、機敏に今まで
対応してきたか、見直しを行ってきたかということから見ますと、行えなかったという
部分があって、
事業要件に合わずに、なかなか
執行ができなかった
部分というのもあります。また、今回の
大北事案を踏まえて、今までどおりの
格好で、単純に収入に見合った支出の予算を組んで
執行していいのかという
部分から、かなり抑制的な予算を組んだこともございました。
そうしたことから、現在、今
年度末で4.9億円の
基金残高となる予定でして、これに来
年度分入ってくる
法人県民税の1.1億円を合わせると、約6億円というような
状況になるということでございます。
◆
佐々木祥二 委員 大体もう2期やっているわけですよね。ということは10年間やっているんですよ、これ。
森林税をいただいて
森林整備をやって、10年間やっているわけでございます。
ですから、こういうことはもう事前にわかるわけですよ、去年何やったか、その前何やったかというのは。ですから、これは、
林務部がしっかりとした
経営的なものを考えて
事業執行していく体制が、10年間、何らできていないということだ、これ。
そして、この10年間の間の
森林整備というのは、どれだけが
目標だったんですか。10年間でどれだけやるんだと、
最初の
目標はいかがですか。
◎
山﨑明 林務部長 ちょっと手元に細かな数字がないんですが、3万6,000ヘクタールに対して約3万2,000ヘクタールという、今の
状況になっています。
◆
佐々木祥二 委員 全体的なものを考えると9万4,000ヘクタールというようなことも、数字を私も見たことがあるんですが、それはちょっと違っておったのか。
森林税を使っての
森林整備というのは、
目標に対して、今、3万何がしで、実際できたのは3万2,000と、こういう予定でいいんですか。
◎
山﨑明 林務部長 ちょっと細かな数字を失念しているので恐縮でございます。トータルで見たときに、
執行率が80%ぐらいであります。
◆
佐々木祥二 委員 わかりました。それでは、大体、
目標の100に対して80%ぐらいはできているという
理解でいいわけですね。
そうすると、そのできなかった理由というのは、最近、この
事業改善シートあたりを見ていますと、
森林所有者の
経営規模が小さいとか、所有している面積が少ないとか、それで里山において、細かいところでまとまりがつかないからできなかったというような、言いわけと言っては失礼でしょうけれども、できなかった理由等々、
事業改善シートに書いてあるわけでございますが。そのことについても、
森林税を出す一番
最初のときからわかっているんですよね。
私もさんざん
質問しましたよ、これ。里山であの小さい歩掛だから、これをまとめてどうやってやるんだ、そうしたらできるという話でございましたし、第1期のときには、私も
搬出間伐しなければだめだよと言って、幾らでも言ったんですが、それはもうこの
森林税に合っていないということで
切り捨て間伐で、
切り捨て間伐した結果、山を余計悪くしたようなもので、林地内なんか歩けないんだから。木が倒れているところを足でまたいで行かなければならないんで、この
森林整備をしたんだか、
森林を壊したんだかわからないような第1期の状態でしたよ。それが2期に、やっぱりこれは搬出もしなければだめだということで、
搬出間伐をした結果、今はきれいになっていますよ。
ですから、そういうことを事前に、この机上だけでなくて、やっぱり
林務部の
人たちが現地へ行って、
間伐はどうしたらいいか、
間伐の
最終目標はこういうものだというものを示して、それをみんなにやってもらうような
状況でないと、
県民の一人一人が
県民税を使って山がきれいになったかといって見に行ったときに、何にもきれいになっておらなかったら、何をしているんだということになるわけなんです。
ですから、そういった意味で、しっかり
森林整備もしていっていただきたいと思いますよ。そのことが、私は
森林税の見える化だと思うんですよ。やっぱり
森林がきれいになった、
鳥獣被害ももうある程度なくなってきた、そしてきれいな山になった、またそこへ行ってみたいというのが、私は
森林税の見える化ではないかなと思うんですが、
林務部長、そのところはいかがですか。
◎
山﨑明 林務部長 まず、今までの
森林整備の仕方という
部分の反省に立って、
平成26年から
長野県独自で、全国に先駆けてレーザーセンシング、
航空測量の
成果をできるだけ客観的に示せるような積み上げをしてまいりました。ことしに入ってようやくその
成果を、
危険箇所がどうか、そこの
森林がどういう混みぐあいかというものを客観的にお示しできるような
状況が整ってまいりました。
来年に向けて、もしこういう
森林税がお認めいただけるのであれば、ぜひ現地において、そうした情報を、今、GISで打ち出せるような
状況にまで至りましたので、そういうものを、
地域の
皆さん、あるいは
市町村の
皆さんにお示しする中で、どこを優先的に
整備をしていこうという
格好で、
地域ぐるみで
森林整備がより進むように、客観的なデータをお示ししながら進めてまいりたいと考えております。
◆
佐々木祥二 委員 それはぜひ
お願いをしたいと思いますし、そして、ちょっと先ほど
質問した中で、特に使い勝手が悪いという声に対して、
次期森林税をいただく立場の中から、どういう
検討をしてきたのかというところが、ちょっと抜けておったかなと思いますので、
次期森林税についてはどのような
検討をしてきたのかもちょっとお聞かせを願いたいと思います。
◎
山﨑明 林務部長 次期森林税に向けましては、既に
基本方針案というものをお示しし、これに基づいて、県下4カ所で
県民説明会、あるいは6カ所で
市町村説明会を行いますとともに、
パブリックコメントを10月末までかけて行ってまいりました。そうした中でさまざまな御
意見が寄せられました。本日、この
パブリックコメント等の
成果につきましては公表する手はずとなっておりますが、簡単に申し上げますと、多くの方、135人の方から
パブリックコメントに対して御
意見をいたただいて、
継続に賛成、またはその
継続を前提とし、こういうことをすべきだといった御
意見をいただいた方が117人、それから
継続には反対だという方が9人、それから御
質問や御
意見を寄せていただいただけで、賛否はわからないという方が9人というような
状況でございます。また、それぞれの方が多くにわたった項目でいろいろな御提案をされています。ですので、総件数でいくと282件に及ぶような御
意見をいただいたところでございます。
また、
県民説明会では、80人から60人の方が、夜間にかかわらず御参加いただいて、さまざまな御
意見をいただきました。そういう中では、今、議員御
指摘のような、要件をしっかり見直してほしいという話が多くございました。ここについては、今回、
パブリックコメントのこの結果の中で、県の
考え方として、例えば面積でいったら1ヘクタールではなく、0.1ヘクタールから対象にしましょうとか、そうした御
意見に沿った形の中で、できるだけ
対応できるものはお示ししたつもりでございます。
また、その
成果を踏まえて、最終的に基本
方針という
格好でまとめて、議会に向けては条例案を
お願いするような流れに至っていくかと考えているところでございます。
◆
佐々木祥二 委員 それは
パブリックコメントなんていってみたって、135人なんですよね。200万
県民の中の何%かと、ここなんですよ。ですから、この10年間の間に、常日ごろの
林務部の
森林税に対する広聴関係と広報関係が、しっかりできていないということなんですよ。
6億から7億、近所のお金を
県民から一人一人500円、そして各企業は5%をいただいて山をきれいにしている。その
皆さんたちに対する
説明責任というのができていないということなんですよ、10年間の間に。それで135人で御
意見聞いたとか、各
市町村で話に行って聞いたとか、こういうものは、
県民の方々にしてみれば微々たるものなんだよ、これ。
ですから、
林務部を挙げて、各
市町村を通じながら、
市町村の
林務課の
皆さんたちもやりながら、各区
あたり、また
森林所有者の
皆さんたちの声をしっかり聞くということがないと、次の
森林税に生かされていかないということなんですね。
ですから、もっともっとこれから
森林税を活用していくには何が必要かということを、
皆さんたちも
考え方を出して、そして
県民に一人一人の声を上げていくということが、
皆さん方の仕事なんですよ。この
事業改善シート、うまいこと書いているんですね。「みんなで支える里山
整備」と、みんなで支えるって誰が支える。そのみんなから聞いているかということなんだよね。
ですから、この
森林の多面的機能も、十分
説明をしないと、この
森林のために空気もきれいになった、緑があることによって精神的安定も起きておる、そして水も涵養をしているとかですね、そういう多目的な
森林の効用というものを、もっともっと
理解をしていただいて、そのために
整備をしていくんだ、そのために
皆さんから500円いただいたものを有効に使わせていただくんだ、もっとすばらしい自然環境をつくっていく、そして
森林から
林業へと、
林業者もこの
長野県で飯が食えるような方策をつくっていくんだと。こういうためにこれを使わせていただくという心からの
お願いというものがないんです。紙に書いて出して、アンケートに書いて出せとか、インターネットを見たかとか。ですから、そういうところへ、町へ出て、また村へ出て、このことをもっと波及させるために頑張る必要があると思いますよ。
最後にもう一度、
パブリックコメントに対する
説明等を行ったなんて言っておりますが、今後もっと、しっかりしていっていただいて、そして次の
森林税をいただくための方策を、考えていただきたいと思いますが、これをお聞きして
質問を終わりにいたします。
◎
山﨑明 林務部長 この
森林税が誰のためにという
部分をしっかり念頭に置いて取り組めということかと思います。そういう
部分で申し上げますと、単に
森林整備の
事業要件の緩和ということだけではなく、今回は、税制研究会からの厳しい御
指摘をいただいています。そうした御
指摘を踏まえながら、
林務部が、単に森のためにやるのではなくて、
森林税そのものを、全庁的な、森と人とのかかわりを再生していくさまざまなきっかけにしていこうということで、幅広い用途についても、
基本方針案の中ではお示しさせていただきました。
そうしたことがそれぞれの
地域ごとに行われていくことこそが、
森林税の見える化であるし、一番の顧客である
県民の
皆さんの要望に応えていくことかなと考えていますので、厳しい今の
委員からの御
指摘をしっかり心に秘めながら、
森林税については、単に林務という話ではなく、全庁的な視点で取り組んでまいりたいと考えています。
○両角友成
委員長 ほかに御発言もあろうかと思いますが、以上をもちまして
林務部関係の
質疑を終了いたします。それでは、
林務部長、御退席願います。
〔
林務部長退室〕
お諮りいたします。
付託事件に対する
質疑を終局したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕