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平成29年 2月定例会本会議-03月02日-08号

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  1. 長野県議会 2017-03-02
    平成29年 2月定例会本会議-03月02日-08号


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    平成29年 2月定例会本会議-03月02日-08号平成29年 2月定例会本会議 平成29年3月2日(木曜日)  出席議員(58名)   1 番 花岡賢一      27 番 毛利栄子   2 番 今井愛郎      28 番 和田明子   3 番 寺沢功希      29 番 備前光正   4 番 山口典久      30 番 小池久長   5 番 百瀬智之      31 番 太田昌孝   6 番 小山仁志      32 番 諏訪光昭   7 番 小川修一      33 番 髙橋岑俊   8 番 丸山大輔      34 番 今井 敦   9 番 酒井 茂      35 番 丸山栄一   10 番 吉川彰一      36 番 竹内久幸   11 番 堀場秀孝      37 番 小林伸陽   12 番 依田明善      38 番 高村京子   13 番 石和 大      39 番 今井正子   14 番 埋橋茂人      40 番 村上 淳   15 番 両角友成      41 番 小池 清   16 番 藤岡義英      42 番 宮本衡司   17 番 髙島陽子      43 番 清沢英男
      18 番 浜 章吉      44 番 垣内基良   19 番 中川宏昌      45 番 鈴木 清   20 番 清水純子      47 番 風間辰一   21 番 堀内孝人      48 番 佐々木祥二   22 番 小島康晴      49 番 向山公人   23 番 小林東一郎     50 番 高橋 宏   24 番 下沢順一郎     51 番 宮澤敏文   25 番 山岸喜昭      52 番 平野成基   26 番 荒井武志      53 番 本郷一彦   54 番 村石正郎      57 番 望月雄内   55 番 萩原 清      58 番 古田芙士   56 番 服部宏昭  欠席議員(1名)   46 番 西沢正隆         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        阿部守一    林務部長      池田秀幸   副知事       太田 寛    建設部長      奥村康博   副知事       中島恵理    建設部リニア整   危機管理監兼危           備推進局長     水間武樹   機管理部長     野池明登    会計管理者兼会   企画振興部長    小岩正貴    計局長       清水 深   総務部長      小林 透    公営企業管理者   県立大学設立担           企業局長事務取扱  小林利弘   当部長       髙田幸生    財政課長      岡地俊季   県民文化部長    青木 弘    教育長       原山隆一   健康福祉部長    山本英紀    教育次長      小林資典   環境部長      関昇一郎    教育次長      菅沼 尚   産業政策監兼産           警察本部長     尾﨑 徹   業労働部長     石原秀樹    警務部長      西口 学   観光部長      吉澤 猛    監査委員      田口敏子   農政部長      北原富裕         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      大日方正明   議事課課長補佐   議事課長      鈴木英昭    兼委員会係長    降籏  淳   企画幹兼議事課           議事課担当係長   倉石博之   課長補佐      坪井俊文    総務課担当係長   小澤利彦         ───────────────────  平成29年3月2日(木曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    請願・陳情取り下げの件(日程追加)    議員提出議案(日程追加)      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    請願・陳情提出報告、委員会付託    請願・陳情取り下げの件    議員提出議案         午前10時1分開議 ○議長(向山公人 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。  次に、西沢正隆議員から本日欠席する旨の届け出がありましたので、報告いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(向山公人 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、小川修一議員。       〔7番小川修一君登壇〕 ◆7番(小川修一 君)初めに、発達支援について伺います。  平成16年12月、超党派の議員立法により成立し、平成17年4月に施行された発達障害者支援法では、知的障害を伴わないことから必要な支援が届きにくい状態になっていた発達障害を、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義し、発達障害が支援の対象とされました。  この法律は、発達障害のある人が、生まれてから年をとるまでそれぞれのライフステージに合った適切な支援を受けられる体制を整備するとともに、この障害が広く国民全体に理解されることを目指しています。発達障害の診断、判定を受けている子供たちの数は年々増加しており、特に支援が不十分な高校生や大学生に相当する年齢の若者たちの学びの場を確保し、特性に応じた個別の発達支援を行い、社会的自立につなげていくことが求められています。  そのような状況の中、発達支援に先進的な取り組みをしている教育機関を本県が誘致し、平成26年4月に開設したのが長野翔和学園であります。若者たちの生きていく気力を育てることを教育目的とし、本人の能力の秀でている部分、得意分野を集中的に伸ばすギフテッド教育の実践を通じ、子供や若者の自尊心を高め、社会的自立、就労への支援につなげる効果が期待されております。  この長野翔和学園は、今年度初めて卒業生を送り出すことになりますが、発達支援を専門的に行う当学園の先進的な取り組みはどのような成果をもたらしたと思われますか。  また、県では、平成26年度、発達障害のある生徒に対する教育相談窓口を開設いたしましたが、現在の状況と課題、今後の方針についてお聞かせください。  以上2点について県民文化部長にお聞きします。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)長野翔和学園の取り組みに関連しまして2点お尋ねを頂戴いたしました。  まず、その成果についてでございます。  平成26年4月に開校いたしました長野翔和学園は、開設から3年が経過いたしまして、現在、10代から30代までの35人の若者が高校生コースや大学部で学んでおります。長野翔和学園には、発達障害や不登校等の困難を抱える若者が入学しておりますけれども、今月25日には3年間の課程を修了した大学部の6名が卒業する予定でございます。  この学園の教育の特徴でございますが、学生の得意な分野に着目し、それを伸ばすことによりまして自己肯定感や能力を高めることにございます。学生たちは、学力向上やパソコン操作などの基礎的なスキルの体得に取り組みますとともに、それぞれの才能や個性を伸ばすため、農業や料理の研究のほか、パソコンを用いた高度な映像制作や手芸などに取り組んだり、学園の文化祭で発表するバンドやダンスなどにも意欲的に挑戦してまいりました。  今月卒業します6名は、入学当初は人とのコミュニケーションに苦手さを持っておりましたが、学園における学びを通しまして、人間関係を築く力やくじけずに取り組む力を身につけております。  卒業後の進路といたしましては、就職や就労のスキルをさらに身につけるため、長野翔和学園が4月に設置を予定しております一般就労に向けた支援を行うための施設など次のステップへ意欲を持って進んでいく予定であると承知をしているところでございます。  続きまして、発達障害教育相談の窓口についてでございます。  県では、発達障害のある生徒が増加する中、教育相談窓口の一つといたしまして、平成26年度から発達障害者支援のノウハウを持つ翔和学園に運営を委託しまして、支援体制が十分でない私立学校の教員の皆さんや、発達障害が原因で中途退学した若者などに対します相談支援を行ってまいりました。  初年度でございます平成26年度の相談支援者は189名でございましたが、対外的な認知度の高まり等によりまして、27年度は227名、本年度は1月末現在で298名と増加傾向にございます。中学生からの進学や不登校に関する相談も寄せられているところでございます。相談支援を行っている私立学校では、中途退学が減りましたり、卒業後の進路に向けての支援体制ができるなどの成果があらわれてきております。  発達障害になる子供、若者に関します相談は専門的な支援を長期にわたっていくことが必要であり、また課題でもございます。県といたしましては、今後も相談窓口を継続しますとともに、ここで得られた成果を踏まえまして、健康福祉部や教育委員会など各部局が連携し、発達障害にある子供、若者や保護者の悩みに応え、社会的自立に向けた支援の充実に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。       〔7番小川修一君登壇〕 ◆7番(小川修一 君)発達障害の定義が確立したことにより、障害者に関する法制度に発達障害の位置づけが定着し、昨年5月には発達障害者支援法の改正が行われました。発達障害者の支援は、社会的障壁を除去するためであり、乳幼児期から高齢期まで切れ目のない支援を行うことが求められています。発達障害の子供、若者たちへの社会的理解はまだまだ十分とは言えない状況にありますが、一人一人に合った丁寧な支援により子供や若者たちが成長し、社会的自立ができるよう願っております。  次の質問に移ります。観光地域づくりについてお尋ねします。  県観光戦略推進本部による「観光地域づくり」推進方針2017が取りまとめられ、またJRの大型観光キャンペーンである信州デスティネーションキャンペーン、信州DCもスタートします。イベントイヤーだった昨年に引き続き、本年も県内観光にとって追い風が吹くことになりますが、一昨日の小山議員の質問に対する知事や部長の答弁からも、県観光戦略推進本部による各部局一体となった取り組みを通じて、県内観光産業のブランド化、高収益化を図り、本県を観光大県にしていくんだという強い意気込みが感じられました。  独自の価値である山岳高原を生かした「住んでよし訪れてよしの交流観光県づくり」を進める当面の方針として策定されました「観光地域づくり」推進方針2017では、推進体制の強化、発信力の強化、観光投資の促進、人材の育成確保、インフラ・受入環境の整備という五つの方針が示されております。最近取りまとめられたばかりの方針であり、詳細な具体的内容の検討はこれから始まると思いますが、五つの方針のうち、とりわけ方針3の観光投資の促進の説明が、私には少し抽象的で漠然としており、イメージできませんでした。ワンストップの相談窓口として観光振興規制改革相談デスクを観光部に設置し、新設した県の規制改革推進会議において観光地域づくりに関する規制改革の提案を国内外から募集するとともに、市町村と協調して観光関連施設の誘致促進を図るなど、民間活力による観光投資を促進していくとのことですが、要するに、これから皆さんアイデアをくださいという意味に理解いたしました。  しかし、そうはいっても、県観光戦略推進本部における検討過程で、他県の先進事例など何か念頭に置いているものがきっとあるはずだと思われます。そこで、民間活力による観光投資、観光関連施設とはどのようなものを念頭に置いているのでしょうか。観光部長にお聞きします。  そして、本年7月から9月までの間、県とJRグループ、関係自治体、観光団体などが連携して全県で展開される信州DC、平成29年度の取り組みは国内誘客活動の強化という観点で、信州DCを中心に効果的な誘客活動を実施し、国内観光地として長野県を選んでもらえるようにマーケティングに基づいたプロモーションを展開していくとのことでありますが、そのキャッチフレーズは、「世界級リゾートへ、ようこそ。山の信州」であります。ロゴマークには、「THE WORLDCLASS RESORT SHINSHU」の文字があります。信州DCを起点とした観光地域づくりを、本庁、地域振興局、県観光機構がそれぞれの役割のもと、県観光戦略推進本部において県全体で一体となって推進するとのことですので、全国からの集中的な誘客や地域経済の活性化、観光振興の推進に大いに期待しているところであります。  暑い夏に出かける先はさわやかな信州、山岳高原リゾートへ行き、信州の自然、食、アウトドアアクティビティーなどを満喫して楽しむ。旅行者の笑顔が浮かんできます。信州DCや今後の観光大県のブランドイメージを世界水準の山岳高原リゾートとすることで、以前にも増して信州イコール静かな別荘地、避暑地、アウトドアレジャー、美しいアルプスの景色などが訴求イメージとなるはずであります。  しかしながら、世界水準の山岳高原リゾートとして全国から集中的な誘客や地域経済の活性化を目指す場合、山岳高原リゾートのイメージとはなじまない、例えば平地の温泉街である千曲市の戸倉上山田のような地域へのPR効果についてはどのようにお考えでしょうか。  戸倉上山田温泉は、源泉も多く、泉質もよいと言われておりますが、静かな山奥の秘湯ではなく、旅館、飲食店が立ち並ぶ県内屈指の温泉街を形成しており、夏には花火大会や夏祭り、冬には忘新年会でにぎわう、いわゆる遊興的な温泉街であります。時代の変遷、旅行スタイルの変化に対応しようと、地元観光事業者、観光団体があの手この手の創意工夫で努力をされておりますが、かつてのにぎわいを取り戻せない状態にあります。こうした県内における山岳高原リゾート以外の地域の誘客について、観光部長の御所見をお聞きいたします。       〔観光部長吉澤猛君登壇〕 ◎観光部長(吉澤猛 君)観光地域づくりにつきまして二つ御質問をいただいております。  まず、民間活力による観光投資、観光関連施設についてでございます。  県としましては、先月取りまとめました「観光地域づくり」推進方針2017のもと、独自の価値である山岳高原を生かし、山岳高原がもたらす癒やし、アウトドア、歴史・文化、食の四つをテーマとして、県の総合力で観光地域づくりを進めることとしております。  観光地域づくりは、どのような地域にしていきたいのかという地域の将来ビジョンを地域の多様な関係者間で共有し、そのビジョンの実現に向けて、地域資源の磨き上げや受け入れ環境の整備を進めていくことが重要であり、民間活力による必要な投資や施設についてもそのビジョンづくりの中で明らかになってくるものと考えております。  現時点で施設等の例を挙げるとすれば、まず旅行者がゆったりと長期滞在ができ、地域にとっても新たな誘客につながるリゾートホテル、次に雄大な自然を間近で満喫できるレストランやカフェ、さらに田園空間など美しい景観を眺めながら安全、新鮮でおいしい地域食材を楽しめる農家レストランなどが想定されるところであります。  こうした本県の魅力を十分に満喫できる施設整備を促進するため、県としては、観光関係事業者等からの相談に応じる体制の強化や先日設置した規制改革推進会議を活用することで、世界から選ばれる観光地域づくりを進めてまいる所存でございます。  次に、信州DCにおける温泉街等のPR効果や誘客についてでございます。  本県は、四方を3,000メートル級の山々に囲まれ、美しく雄大な自然や縄文から受け継がれた歴史と伝統文化、また日本一の長寿を育んだおいしくて安全な食などに恵まれており、これらはいずれも本県独自の価値である山岳高原からもたらされた観光資源と言えるものでございます。温泉も、日帰り温泉施設数が671カ所で日本一、また温泉地の数でも全国第2位と本県の重要な観光資源の一つであり、これもまた山岳高原からもたらされたものでございます。  先ほど、推進方針2017に関して申し上げましたように、山岳高原を源泉とした強みを生かした観光地域づくりを進めるため、今回の信州DCでは、大自然がもたらす癒やしを中心に、アウトドア、歴史・文化、食の四つをテーマとして本県の魅力とその楽しみ方を提案していくこととしております。具体的には、温泉やヨガなど日常とは異なる癒やしを体感できる旅や、多彩なコースを体験できるサイクリング、縄文時代の貴重な遺跡めぐりや街道歩き、そしておいしい信州ふーど(風土)やジビエを地酒やワインと一緒に楽しむ食の旅など、テーマに沿って県内各地域の観光資源をつなぎ合わせ、効果的なプロモーションを行うことによって観光誘客を図ってまいります。
     以上でございます。       〔7番小川修一君登壇〕 ◆7番(小川修一 君)山岳高原リゾート以外の地域の誘客について直接的な御答弁という印象を受けませんでした。温泉は山岳高原から湧き出るものということで理解いたしますが、もう少し御配慮をお願いしたいと思っております。  私は、先週自宅に届いたある雑誌の表紙写真に目を奪われました。スイス、マッターホルン観光の拠点となるツェルマットの町の様子という表紙写真ですが、表紙にある見出しは、スイスの極上山岳リゾートということであります。記事の中身にも目を通しながら、県がキャッチフレーズとしている世界水準の山岳高原リゾートのイメージが浮かんできました。もっとも、ヨーロッパとはまた一味違う日本の文化、歴史、伝統がありますので、本県の持つ強み、独自の価値を発信していくということでありますから、少しまた違ったイメージになるかもしれません。その意味では、先ほどの温泉などはまさに強み、独自の価値に入るかと思われます。  数日前、たまたま見たテレビのニュース番組で、白馬村にあるホテルが、世界的なインターネット口コミサイトのトリップアドバイザーにおきまして、東京や大阪の有名な超高級ホテルに並んで国内ランキングベストテンに入っているという話題が放送されておりました。スタッフの方々のお客様に楽しんでいただきたいという思いで、例えば五右衛門風呂の設置など創意工夫をされているようです。宿泊客の心をつかみ、国の内外へ口コミが広まっているとのことであります。大いに今後の県の取り組みを期待するところであります。  次の質問に移ります。道路の整備等による交通事故防止対策についてお尋ねします。  高齢者の運転による交通事故が相次いでいることを受け、さまざまな高齢者の交通安全対策が進んでおります。道路交通法の一部改正では、高齢者講習の合理化・高度化、臨時認知機能検査及び臨時高齢者講習制度が新設されました。県警も、運転免許証返納窓口の開設や高齢者を対象とした交通安全活動、改正道交法の施行にあわせ高齢ドライバーの適性相談に当たる高齢運転者対策係を新設するなどの取り組みをしております。  また、自動車メーカーもドライバーをサポートする先進安全技術の開発を進め、衝突被害軽減ブレーキ、駐車支援、誤発進抑制、車線逸脱防止支援システムなど多岐にわたっております。国交省は、交通事故防止対策として、2020年までにほぼ全ての新車で乗用車の自動ブレーキと急発進防止装置機能を備えた安全運転サポート車を普及させるとの新聞報道がありました。  こうして、高齢者の運転免許返納や自動車安全技術の進化など、官民挙げて交通事故防止へ向けた取り組みが進められております。しかしながら、自主的免許返納や将来の先進技術の普及を待つだけではなく、それらに加え、他の交通事故防止対策として、例えば道路における標示板やカラー舗装、路面標示、ライン塗料等の整備をしていくことも必要だと考えます。横断歩道や信号のない交差点の手前での舗装に工夫をし減速せざるを得ない路面にするとか、センターラインのラインを踏んだときに発生する音や振動でドライバーの注意を喚起する塗料を使用するなど、総合的な事故防止対策をしていくべきであると考えます。  そこで、道路等の防災対策、長寿命化と並行して、交通安全対策、交通事故防止対策も行っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。交通事故防止という観点から、道路、交差点等の整備方針について建設部長にお聞きいたします。  また、国や市町村、県警等と連携した取り組みについてもあわせて建設部長にお聞きいたします。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)交通事故防止対策の取り組みについてのお尋ねでございます。  県では、しあわせ信州創造プランにおいて、快適で暮らしやすいまちづくりを主要施策に位置づけ、交通事故防止の観点から道路整備等を進めております。  まず、死傷事故率など客観的なデータに基づいて対策が必要な箇所を整備する道路見える化事業では、国や道路利用者と連携し、安全性要対策箇所96カ所を抽出し、道路改良、歩道整備及び交差点改良などの対策を進めています。平成28年度までに66カ所の対策が完了し、平成29年度も10カ所で対策を実施する予定でございます。  また、通学路の安全対策事業につきましては、警察、市町村教育委員会や地元の皆様と連携し、平成24年度に実施した通学路の緊急合同点検結果に基づき対策を進めております。要対策箇所546カ所に対する安全対策着手率は、来年度中には100%となる見込みでございます。  県といたしましては、交通事故の減少による安全で快適な道路環境を目指して、引き続き関係機関と連携して必要な対策を実施してまいります。  以上でございます。       〔7番小川修一君登壇〕 ◆7番(小川修一 君)通学路緊急対策ですとか道路の見える化ということで取り組まれているようですが、実際、県道を走っていてもラインが薄くなっていて改良が必要だという声が寄せられているところであります。引き続き緊急対策、見える化を徹底していただいて、交通事故防止ということで、道路、交差点等の整備をしっかりお願いしたいと思います。  得意分野や強みを伸ばしていくこと、そして足元を見つめ直すことは、それぞれ今回の質問の項目に当てはまるものだなと、ふとそのようなことを考えておりました。今後の取り組みに大いに期待をさせていただきながら、質問を終わりにいたします。 ○議長(向山公人 君)次に、丸山大輔議員。       〔8番丸山大輔君登壇〕 ◆8番(丸山大輔 君)初めに、しあわせ信州創造プランの効果の検証と次期総合計画の策定についてお伺いいたします。  次年度は、しあわせ信州創造プランの最終年度であり、また次期総合計画の策定を行う年度であります。計画の策定に当たっては、現在の計画がどの程度効果を上げ、どれだけ県民の幸せにつながったかを評価しながら、さらなる県民の幸せの増進のために生かしていくことが必要であります。  最終年度ということで、まだ途上ではありますが、新しい計画を立てるためには適切な分析を行っていく必要があります。現計画については、さまざまな指標について目標値が設定されており、達成する見通しのものもあれば達成が困難であるという見通しのものもありますが、私としては、目標は全てが達成されなければならないという性質のものではないと考えております。目標は高く設定し、その目標に向かって全力で奮闘努力した結果、達成できなかったとしても、その原因をしっかりと究明し、次のよりよい成果に結びつけることこそが目標を設定することの価値であり必要性と考えます。達成できそうな目標を掲げることは、仕事のエラーを管理するという意味しか持ちません。高い目標を掲げることには意味があると思いますが、その目標を実現するための道筋を描けていけなければ、単にスローガンを掲げただけになり、これも意味がありません。  ここで、現計画の達成の見通しを見ると、特に重要な指標と考えられる1人当たり県民所得について、順位を上げることが達成困難となっています。これについては幾つかの論点があろうかと思います。一つには、指標としてふさわしかったかという問題です。すなわち、計画策定時にも平成21年のデータをもとに考えられていましたし、現在得られるデータも平成25年のもの、目標である平成29年のデータが得られるのは平成32年か33年ということになります。これでは、後になってよかったね、悪かったねというような話にしかなってまいりません。指標として適切であるという認識か、またこれにかわる県民の経済的な豊かさを総合的に示すような指標や速報のようなデータがないか。企画振興部長にお伺いします。  また、現在得られるデータを見る限りでは、他県に比して長野県の所得がより伸びたという状況にはなっていないと思われます。その他の個々の施策については目標を達成できているものも多く、そうであれば、本来大目標である県民所得の目標も達成していてしかるべきと考えられるのですが、これが結びついていないことについて、各施策の質、量が不足していたのか。計画立案において整合性がとれていなかったのか。その結果に対しての認識はどうか。原因についてどのように理解、整理されているのか。産業労働部長に伺います。  目指すべきは県民所得の上昇や出生率の上昇というような実質的な指標であり、これを計画の目標とすることは今後も必要であると考えますが、これをもたらす各施策との整合性、実現のための道筋を示せるかどうかが重要であり、さらにこれを担保する方策も必要と考えます。このことについての知事の所見をお伺いいたします。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)丸山大輔議員からいただきました総合計画の数値目標についての御質問にお答えをいたします。  現行計画の数値目標といたしました1人当たりの県民所得は、2年ないし3年のタイムラグが生じるものの、経済活動全般の傾向を各県と比較しながら毎年把握する上で最適な指標と考えて設定したものでございます。ただ、企業所得を含む県全体の所得水準を示すがゆえに、かえって具体的なイメージを持ちづらいこと、全国順位を目標としたため、他県の状況にも左右され、本県の取り組みが必ずしも反映されないことなどといった問題点もわかってきたところでございます。  次期総合5カ年計画では、例えば、産業分野について労働生産性、また個人の所得については1人当たりの家計可処分所得を用いるなど、施策との関連性がより明確になるような適切な指標を設定できるよう検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔産業政策監兼産業労働部長石原秀樹君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹 君)プランの目標、県民所得の未達成の原因についての御質問でございます。  現在のプランの中では、全国13位であった1人当たりの県民所得を10位以内にすることを目標に県内産業の振興に取り組んでまいりました。その結果、1人当たりの県民所得額はプラン策定以降増加し、全国平均の国民所得との差も縮小してきております。また、企業の誘致件数や観光消費額、農業農村総生産額など、各産業分野における主な目標もほぼ達成が可能となっております。このように、さまざまな実数値が向上している現状を見ますと、大目標と各施策の間に明らかな不整合はなかったと考えております。  しかしながら、平成25年度の県民所得は30位と目標にほど遠い状況でございます。この原因といたしましては、本県は輸出依存型企業が多いため他県よりもリーマンショックからの回復に時間がかかったこと、平成25年度に統計の計算方法が変更され、プラン策定時13位とされていた順位が27位に遡及改定されたことなどが考えられます。  来年度は、プラン総仕上げの年であることから、新年度予算では、産業イノベーションの推進、グローバル経済への対応、地消地産を3本柱に各種施策を総合的に展開し、長野県の稼ぐ力を高め、今後も県民所得の向上に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)次期総合計画に関連して、指標達成を目指し、各施策との整合性、実現のための道筋、担保する方策、こうしたことを示すことが必要と考えるが所見をという御質問でございます。  これは、計画をつくっていく上でまさに本質的な御質問だというふうに思います。先ほど企画振興部長からも答弁申し上げましたとおり、まず、私どもとしては、目標の立て方からしっかり、これまでしあわせ信州創造プランで目標設定してきたことも踏まえて、そのあり方の適否ということも勘案しながら目標を立てていかなきゃいけないというふうに思っています。  また、提案説明で申し上げましたように、SDGs、国連の持続可能な開発目標等グローバルな目標であったり、あるいは日本国、政府レベルでもいろいろな目標設定をされているわけでありますので、全くそういうものと無縁であってはいけないと、むしろそうしたものもしっかり視点に持ちながら目標を考えていかなきゃいけないというふうに思っています。  その目標の立て方としては、極めて現実的な目標もあり得ると思いますけれども、他方で、私は県民の皆様方と夢を語り合いたいということを申し上げてきております。そういう意味では、将来こういう県でありたいというところからバックキャスティング的な手法で目標設定していくということも必要な政策があるだろうというふうに思っています。  まさに、このしあわせ信州創造プランの次の計画をつくっていくということは、これまでのプランのいろいろな取り組み状況、目標のあり方、こうしたものをしっかり検証した上で次に進んでいかなければいけないというふうに思いますし、また、この計画策定というのは、単にこの計画書をつくるということが目的ではないわけでありまして、まさに重点目標を定めて、それに向けて我々県組織がどうそれを実現するかという、まさに政策力をしっかり発揮していかなければいけないプロセスだというふうに考えております。そういうことを全庁的にしっかりと共有をしながら県民の皆様方の期待に応えられるような計画づくりに邁進をしていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔8番丸山大輔君登壇〕 ◆8番(丸山大輔 君)御答弁をお伺いしますと、しっかりとお考えいただいているんだなというふうに感じております。夢を描かれるというふうにおっしゃいましたが、夢を描いて、将来像を描いていただいて、そしてまた高い目標を掲げていただいて、これを実現するための道筋をしっかりと描いていっていただきたいというように思っております。  また、指標については、速報的なものの情報は今得られなかったわけでありますが、こういったことも管理上ではどうしても必要になってくることだと思いますので、ぜひリアルタイムで得られる情報から求められる推計値などを利用することもお考えいただければと思います。  続いて、次世代に向けた道路整備についてお伺いいたします。  来年20周年を迎えようとしている長野冬季オリンピック、本県議会でもたびたび話題になっておりますが、これを契機に、本県では高速交通網、特に高速道路の整備が進み、県土を縦貫する高速道路のネットワーク、高速道路へのアクセス道路が建設されました。高速道路によって、私も塩尻から1時間半もあれば県庁に着くことができまして、疲労感もなく県政に取り組むことができます。こうした我々の日常生活の利便性の面のみならず、完成した道路のストック効果によって非常に大きな経済的、社会的な発展を遂げてきたということは言うまでもないことであります。  今、人口減少が当面避けられず、昨日発表された完全生命表による平均寿命も過去最高を更新するなど、高齢化が高度に進展する社会を迎える中においても、むしろその中でこそ道路整備の果たす役割は非常に大きいものと考えます。地方創生の観点からも、今後さらなる発展を築き、社会の活力を維持していくため、次世代へ向けた道路整備が重要になってくると考えますが、このことについての建設部長の御所見をお伺いいたします。  知事が議案説明で述べられた中部縦貫・横断自動車道や三遠南信自動車道、各質問の御答弁にもありました松糸道路や青木峠など主要な道路整備もありますが、そのほかに交通量の多い生活道路の安全対策なども非常に大きな必要性があります。地元塩尻でも、片丘線や153号線の小野地区などで、地元住民や通学する子供たちと大型車両が狭隘な環境下ですれ違う状況に大きな不安が抱かれております。  さまざまなニーズの観点からの地域政策との整合性を図りながら限られた財源の中で効率的に進めていくためには、各地域の課題解決を行うことを目的とした道路整備を計画的に行っていく必要があると考えますが、どのように臨まれるか、御所見をお伺いいたします。  また、その際には、県の次期総合5カ年計画との整合性や、部局間等の連携も密にして計画を策定する必要があると考えますが、これをどのように実現していくのか。御所見を、以上建設部長にお伺いいたします。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)いただきました質問3問につきまして順次お答え申し上げます。  まず、次世代に向けた道路整備についてのお尋ねでございます。  本格的な人口減少、超高齢化社会を迎え、地方創生という課題もある中で、道路施設の適切な維持管理と社会のニーズに合った道路整備をともに進めていく必要があります。  道路整備に当たりましては、生産性向上や民間投資の誘発、観光交流、雇用などの増加、長期にわたる経済成長といったストック効果を発現させることが重要であると考えております。このため、持続可能な経済の好循環をもたらす県内外の拠点間を結ぶネットワークなどをしっかりと整備していく必要があると考えております。また、自然災害が多い本県において、緊急輸送路の防災対策強化や高速道路を補完する道路整備など、県土の強靱化も引き続き進めていく必要がございます。さらに、地方創生の観点から、高速道路を活用するスマートインターチェンジの設置や無電柱化の推進など、地域を活性化する道路整備も求められると考えております。限られた財源の中において、真に必要な事業を選択して集中投資を行い、あわせて既存ストックの有効活用を図ることで、効率的、効果的に道路整備を進めてまいりたいと考えております。  次に、各地域の課題解決に向けた計画的な道路整備についてのお尋ねでございます。  県では、今年度、地域の課題解決を目指す地域戦略推進型公共事業を始動し、地域の特色を生かし、強みを最大限に引き出す取り組みとなるよう、地域と連携協働しながら戦略的に進めているところでございます。一方で、道路における課題は多様化しているため、時代の要請に応じた道路の整備活用など10年後の道づくりの方向性を示す、仮称でございますが、信州道ビジョンを来年度新たに作成して、県の次期総合5カ年計画に生かしていきたいと考えております。こうした取り組みによりまして、計画的に道路整備を進めてまいります。  次に、計画策定に当たっての次期総合5カ年計画との整合性や部局間の連携についてのお尋ねでございます。  仮称信州道ビジョンの策定に当たりましては、次期総合5カ年計画に生かすため、交流圏の拡大や観光地域づくり、産業振興など、多面的な分野において部局間で綿密に連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔8番丸山大輔君登壇〕 ◆8番(丸山大輔 君)ぜひ高いストック効果をもたらし、地域の活性化につながるよう取り組んでいただきたいと思います。道路整備の必要性は依然として高いということを共通認識として持っていきたいというふうに思います。今後の計画的な整備に鋭意取り組んでいただくことを御期待申し上げます。  続いて、地消地産の推進についてお伺いいたします。  知事は、地域経済の活性化の大きな柱として、地消地産の推進に取り組まれています。昨年2月定例会で、しあわせバイ信州運動について質問いたしましたが、知事からは、オール信州で進めていかなければならないわけでありますので、関係部局連携して、私自身が先頭に立って取り組んでいきたいとの御答弁をいただきました。それから1年たちましたので、このことについて知事の思いのとおりに進めてこられたかということを改めてお伺いしたいと思っておりましたが、今定例会の知事の議案説明では、県産品利用状況調査や消費者へのテストマーケティングを行うなど、しあわせバイ信州運動を本格的に推進してまいりますとありました。しかし、このような調査やテストマーケティングがしあわせバイ信州運動の本格化とするならば、力強さに欠けるのではないかと思わざるを得ません。  そこで、知事にお伺いいたします。  この1年間を振り返り、地消地産の推進やしあわせバイ信州運動の周知についてどのように取り組んでこられたでしょうか。また、しあわせバイ信州運動の推進に当たって、県産品利用状況の調査やテストマーケティングだけでは本格化とは言いがたいと思いますが、今後どのように運動を展開してくのか。知事にお伺いいたします。  また、学校給食での県産食材の利用率を上げていこうという計画も実施されていますが、教育の現場でこそバイ信州運動は効果があると考えます。給食に使うことだけでなく、信州の食材のすばらしさを伝え、また県内産品を使うことの経済的、環境的な利点などを伝えていく必要があると考えますが、食育の現場においてこうしたことを確実に伝えられているでしょうか。教育長にお伺いいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)地消地産の推進、それからしあわせバイ信州運動について御質問を頂戴いたしました。  まず、地消地産の推進につきましては、これは私もさまざまな会合の席上等でオール信州で地消地産を取り組んでいきましょうということで呼びかけ等を行い、またメディアや情報誌の取材等においても周知をさせていただいております。また、県の後期の統一広報テーマとしても取り上げております。さらに、長野県産業イノベーション推進本部の中に地消地産推進タスクフォースを昨年設置をいたしまして、農畜産物、木材、エネルギー、この三つを重点分野として部局横断で取り組んできております。その結果、例えば旅館や飲食店における県内産食材への置きかえ、あるいは信州ワインブレッドのような地域資源に着目した商品の開発なども進んでおりますし、また自然エネルギーの普及拡大については引き続き自給率100%を目指して拡大をさせてきているところでございます。  しかしながら、他方で、しあわせバイ信州運動のほうにつきましては、これは率直に申し上げて、御指摘のように確かに現段階で目に見える取り組みにはなっていないというふうに私も思っています。これは、決して私どもが何もしてこなかったということではなくて、やはり広く経済団体初めさまざまな皆様方にかかわっていただきたいと。そのためには意識の共有をする必要があるということで対応してきているわけでありますけれども、そうした過程の中で、例えばゴールをもうちょっとイメージできるようにしたほうがいいんじゃないか、あるいは過去の県産品運動とどこが違うかということを明確にする必要があるんじゃないか等々いろいろ御意見が出てきた中で、県民を巻き込んでの運動にはなかなかならなかったという状況であります。そうした中で、来年度からはこのしあわせバイ信州運動に本格的に着手をしていきたいというふうに思っております。  2点目の御質問でありますが、このテストマーケティングや県産品利用状況調査だけでは本格化にならないんじゃないかという御質問で、私も全くそのとおりだというふうに思います。予算上これを計上させていただいておりますけれども、それのみでこのしあわせバイ信州運動を進めようというものではないというふうに思っております。まずは、先ほど申し上げましたように、県民の皆様方あるいは関係団体の皆様方と問題意識を共有しながら、県民の皆さんを巻き込んだ運動にしていかなければいけないというふうに思っております。  そういう観点で、これまでも、例えば信州地酒で乾杯の日というものも設けさせていただいておりますし、今後の取り組みとしては、さらに県民の皆さんを巻き込まなきゃいけませんので、例えば家計費を何%多く県産品を買ってもらうといった具体的な目標を提示をすること、あるいはシンボルマークの策定をしていくようなこと、さらには流通事業者の皆様方との連携による県産品を購入しやすい環境づくりを進めることなど、県民参加あるいは関係団体の皆様方の御協力のもと、広くこのしあわせバイ信州運動が広がるように取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上です。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)教育現場における取り組みについての御質問でございますが、学校では、給食の時間はもちろんでございますけれども、それのみならず、特別活動の時間などに生産者をお招きして、また実際に農場や直売所などを訪れまして、直接食材に触れ、目の当たりにしながらお話をお聞きしたり、あるいは自分たちで地元野菜を育てるなど、地域で生産される食材のすばらしさを体感する機会を設けているところでございます。また、社会科や家庭科といった教科の中においても、食材の流通や循環について学習する。そして、地元の食材を使うことでもたらされる地域経済への効果や環境保全との関連性も学んでおるところであります。  今後も、農政部等関係する部局と連携しながら、信州産食材のすばらしさや地元で使用することなどの意義につきまして、子供たちが学校教育活動全体を通じて学び、理解できるよう推進してまいりたいというふうに考えております。       〔8番丸山大輔君登壇〕 ◆8番(丸山大輔 君)県民の皆様と意識共有を図っていかれたいということで、早くといってもそう簡単になかなかできることではないかとは思いますが、ぜひしっかりと取り組んでいただいて、一日も早く成果を出せるような政策につなげていっていただければというふうに思います。まさに部局連携で取り組んでいっていただかなければならない問題だというふうに思っております。いろいろな部局でやっているということだけではなくて、他の部局にも意見をしていっていただいて、まさにきのう太田副知事がおっしゃっておられたように部局間の壁を取り払えるような運動にもしていっていただきたいとお願い申し上げまして、一切の質問を終わります。 ○議長(向山公人 君)次に、今井愛郎議員。       〔2番今井愛郎君登壇〕 ◆2番(今井愛郎 君)信州・新風・みらいの今井です。通告に従いまして順次質問させていただきたいと思います。  一つ目に、昨年8月に松本市で開催された中央東線高速化推進広域期成同盟会の定期総会において、阿部知事が会長に就任されました。沿線に住む1人として、知事が、リニア、北陸新幹線だけでなく、諏訪、松本地域の鉄道網も考えてくれているんだと喜んだものでした。しかし、残念なことに、新年度の知事や部長の議案説明で、リニアや北陸新幹線の延伸は触れられていたものの、中央東線高速化については一言もありませんでした。諏訪、松本地域の県民にしてみますと、リニア接続駅まで1時間、リニア乗車時間30分の合計1時間半で東京まで行けたとしても、費用対効果を考えれば特急あずさを利用したいというのが本音だと思います。  中央東線の高速化に長野県ができることは少ないと聞きますが、単線区間、2桁国道の平面交差、線路内の死亡事故、自然災害によるおくれなどの課題もあり、中央東線の高速化とともに、沿線の安心、安全に単線地域の複線化や高架化も有効な手だてと考えます。昭和50年代にも複線高架の計画が持ち上がったと聞きますが、北陸新幹線の開通、リニア着工など長野県内の鉄道網も当時と大きくさま変わりしている中で、中央東線高速化に対する知事の御所見をお伺いするとともに、単線区域の複線化あるいは高架化に対する御所見もあわせてお尋ねいたします。  二つ目、新年度予算に諏訪湖の環境改善に向けた予算を計上いただいていることに大変感謝申し上げるところであります。第6期諏訪湖水質保全計画の一環として、上川河口流域に沈殿ピットを設置し、窒素、リン等の流入低減を実験しておりますが、諏訪湖浄化にはしゅんせつが必要という根強い声もまだまだあります。諏訪湖は大小31の河川が流入しているわけですが、諏訪湖内のしゅんせつを廃止して間もなく15年、諏訪湖に流れ込む多くの河口域でしゅんせつの要望が寄せられてきています。今さらしゅんせつ船を復活させるわけにはいかないかもしれませんが、諏訪湖内でのしゅんせつを再開するかわりに、河川における掘削をすることはできないでしょうか。おおむね20年に一度のサイクルで発生している諏訪湖の氾濫を低減させるためにも有効な手段と考えますが、建設部長の御所見をお尋ねいたします。  三つ目に、地域振興局予算と元気づくり支援金についてお尋ねいたします。  今回、地域振興推進費として総額1億円余が計上されております。議案説明等で、地域振興局長がその地域の課題に合った使途を考えているとしていますが、県民からすると、元気づくり支援金との違いがよくわかりません。配分のスキームを見ましても、割合は違うものの、コモンズ支援金から始まった元気づくりと同じスキームが使われています。小規模の地域振興局に一定の配慮をするということは理解できます。しかし、地域振興推進費は地域振興局に権限を委ねていきたいとする趣旨をかんがみれば、元気づくり支援金と同じスキームでいいのでしょうか。  細かくなりますが、今回の地域予算を人口で割り返すと、長野の約25円から木曽地域の300円と10倍を超える格差があります。多少人口を配慮して長野、松本を除いたとしても、43円の諏訪地域と木曽では7倍の違いがあります。さらに申し上げますと、今回の予算配分の結果、人口20万人弱の諏訪、上田地域と約3万人の木曽地域では、人口差が15万人以上あるのに予算が逆転しております。今までの質疑で、予算の執行状況により他局から流用していく旨の説明もありましたが、そもそも地域振興局長は予算枠を考慮して事業を計画するわけですから、最初に予算総額を示されてしまえば、それ以上の要求をちゅうちょするばかりか、場合によっては予算消化に奔走してしまうことも心配されます。地域振興局を立ち上げた知事の思いから鑑みると、私は、元気づくり支援金のような差をつけず同額にしたほうが県民の理解は得られると考えます。また、予算の序列が地域振興局長の序列につながりかねないことも危惧しております。阿部知事の御所見を伺います。  また、元気づくり支援金についてですが、平成の大合併のピークから10年が経過し、合併特例債などの優遇措置もなくなってきております。平成27年度の国勢調査の結果を見ても、松本市、御代田町、南箕輪村を除けば、人口流出に歯どめがかからない状況はどこの市町村も大差ないと思います。元気づくり支援金についても、配分方法の均等割の部分をふやすなどの見直しも必要と考えますが、あわせて知事に御所見を伺います。  四つ目に、ジビエ振興費を含めた鹿対策の予算についてお尋ねいたします。  本年度の鹿の捕獲状況は、昨年10月時点で前年比マイナス17.4%です。2012年度以来5期ぶりに目標捕獲数を達成できないばかりか、今年度は3万頭にも及ばないと思われております。要因に、人を避けるスレジカが増加したという見解もあるようですが、県の取り組み方法に問題はなかったのでしょうか。  業者による捕獲を9月に1地域、12月に2地域追加したものの、一部地域ではいまだに業者が決まっていないとも聞きます。ニホンジカ捕獲の県単分を比較してみても、29年度は28年度比で半分以下の3,200万、27年度比に至っては4分の1しか計上されておりません。今年度から始まっている第4期計画を見ますと、適正生息数に誘導するためには4万頭の捕獲を5年続けるべきだとしておるのにかかわらず、実施初年度で1万頭近いマイナスが見込まれるのであれば、新年度予算にその対応策を計上すべきだと考えます。また、緒についたばかりのジビエ振興費を推進するには、補助金交付事業の有無ではなく、せめて前年度程度の予算を確保し、取り組む必要があると考えますが、鹿の捕獲とジビエ振興に対する林務部長の予算要求の真意をお尋ねしておきたいと思います。  五つ目に、公益社団法人長野県林業公社への貸付金についてお尋ねいたします。  監査委員から提出された平成28年度財政的援助団体等監査報告書によれば、事業最終年度の平成88年度には107億円余が回収不能になると記載されております。知事が目指す森林県から林業県、あるいは平成29年度中に存続の可否が決まる森林税への対応など森林に対する県民の理解を得ていくためにはこの問題は避けて通れないと考えますが、監査報告書を踏まえた上での今後の対応について阿部知事にお尋ねいたします。
          〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)順次お答えを申し上げます。まず、中央東線高速化についてでございます。  中央東線は、中南信地域と首都圏とを結ぶ大変重要な幹線鉄道だというふうに考えております。そういう観点で、これまでこの広域期成同盟会の会長は山梨県知事が務めておりましたが、私としては、中央東線の高速化、利便性向上に向けより積極的に取り組むべく、昨年8月に会長に就任をさせていただいたところでございます。そうしたことを受けて、昨年11月には、JR東日本本社に深澤副社長を訪ねて、中央東線の高速化、あるいは利便性の向上についても強く要請をさせていただいたところであります。  こうした活動を通じ、最近の動きとしては、まず新型特急車両の導入を決定いただきました。また、東京駅始発の特急あずさを新設してもらいました。また、Suicaエリアの拡大、クルーズトレインの周遊ルートの決定、こうしたことが実現をしてきているところでございます。  中央東線の高速化の実現にとりまして大きな課題は、首都圏の東京都内の過密ダイヤ、それから山梨県内の急曲線、あるいは急勾配でございます。現在、自民党中央東線高速化促進議員連盟、本県の後藤茂之衆議院議員が会長でございますが、ここにおきまして、財源確保あるいは事業スキームのあり方について、国の見地から御検討いただいているところでございます。また、唯一の単線区間であります岡谷―普門寺信号場、これは諏訪市でございますが、この間につきましては、現在、諏訪市とともに高架化、複線化、あるいは駅の橋上化をまちづくりの観点から検討しているところでございます。山梨県や沿線市町村、経済団体など関係の皆様とともに、中央東線の高速化、利便性の向上に向け、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  それから、地域振興推進費についてでございます。  予算総額を示されると予算消化になってしまうんじゃないかという御指摘でございますが、今回、地域振興局ごとに活用可能額をお示しをさせていただくことにいたしました。これは、各地域振興局が局長の責任において主体的に活用してもらいたいと、そういう思いでございます。地域の要望、課題がさまざまあるわけでありますので、そうした地域ニーズをしっかり踏まえて責任を持った運営をしてもらいたいというふうに思っています。仮に、これが可能額を示さなければ、いろいろ要求があって、結果的には本庁が差配するという形になりかねないので、そういう意味では局ごとにしっかり責任を持っていただくためにこういう方式をとっております。予算消化などという発想はあり得ないというふうに思っておりますが、今申し上げたような点をしっかり地域振興局長には伝えて、有効に活用をさせていきたいというふうに思っております。  それから、地域振興推進費の配分についてでございます。  これは、それぞれの地域の人口規模、あるいは面積、市町村数、こうしたものが大きく異なっているわけであります。それによって生じる地域課題や事業量も異なってまいりますので、私とすれば複数の指標に基づいて配分していくことがやはり適当ではないかというふうに考えております。  今回、地域課題解決のための事業量を想定するに当たりましては、住民の数あるいは県土の広さ、こうしたものをベースとしながらも、過疎の状況あるいは基礎自治体の数、こうしたものも加味する一方で、各地域が一定の事業量を確保できますように、均等割を総額の半分ということで厚くしているところでございます。これは、あくまで地域振興推進費の配分の考え方でありますので、これが地域振興局の序列につながるというふうには全く考えていません。  それから、地域発元気づくり支援金の配分基準の見直しについてということでございます。  これについては、事業の実施主体が市町村あるいは公共的団体であるということに着目をして、市町村数や人口に基づく配分を厚くさせていただいております。各地方事務所における実際の要望状況は、配分額のおおむね1.5倍を中心として大きな開きは生じておりません。こうしたことから、現在の配分の考え方はおおむね妥当なものではないかというふうに考えております。  それから、林業公社について、監査報告書を踏まえた今後の対応という御質問でございます。  この林業公社は、御承知のとおり、厳しい経営状況の中でこれまで相当踏み込んだ検討を長年にわたって行ってきています。平成16年、平成19年、平成24年、行政機構審議会等におきまして、団体の存続、廃止を含めて検討いただき、方向づけをしてきました。その都度、県民の皆様方にも考え方を公表し、県議会にも御説明を行ってきているところであります。  最近の検討は、平成24年度、県の外郭団体等検討委員会の最終報告に基づきまして、平成25年に新たに外部委員4名による林業公社経営専門委員会を設置して、存続した場合と廃止した場合について詳細な検討を行っていただいたところでございます。その結果、存続した場合、廃止した場合の差はわずかであって、金利上昇等の不確定要素あるいは公社の経営改革を考慮すると存続するほうが有利、そして、分収林を将来にわたり適正に管理していくには、現地の状況等を把握したプロパー職員が引き続き経営を担うことがより効果的、こうしたことから、存続することが望ましいという最終報告が示されたところであります。  これを受けまして、平成25年の11月の県議会定例会に経営専門委員会の最終報告の内容を報告させていただいた上で、県出資等外郭団体改革基本方針を改訂し、林業公社の方向づけをさせていただいたところでございます。これは、26年5月に林業公社がこうしたことを踏まえて経営改革プランの策定をいたしているところでございます。  組織的な対応としては、例えば職員の給与の削減等による人件費の削減であるとか、あるいは事業改革によります収支の改善ということで、例えば不採算林の契約解除でありますとか、あるいは分収率の見直しでありますとか、こうしたことを通じて県民負担の軽減に向けて徹底した経営改革を始めているところでございます。引き続き公社においてこうした取り組みを進めていただくということが必要でありますし、県としても必要な指導、支援を行っていきたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)諏訪湖流入河川の河床掘削に関するお尋ねでございます。  諏訪湖へ流入する河川におきまして、異常降雨等により河川内や河口付近に著しい堆積が見られた場合には、氾濫を防止するため、これまでにも堆積土砂の撤去等を行ってきたところでございます。上川を除く平成28年度の実績では、砥川ほか6河川で約1万8,000立方メートルの堆積土砂を撤去したところでございます。今後とも、流入河川や河口域の堆積状況に応じ、適切な維持管理に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔林務部長池田秀幸君登壇〕 ◎林務部長(池田秀幸 君)ジビエ振興を含めた鹿対策の予算についての御質問でございます。  議員御指摘のとおり、平成27年度など、従前は捕獲の推進のために県みずからも捕獲に取り組むこととし、そのための予算を計上してまいりました。一方、従来の方法では捕獲が困難となっている状況が見えてきたことから、平成28年度からはより効果的な捕獲手法の検討のために、GPS発信機によるニホンジカの行動把握や新たな捕獲手法の実証のための予算計上をすることといたしました。平成29年度につきましても、引き続き行動把握や新たな捕獲手法の実証を行うこととしておりまして、前年度の成果が活用できることを踏まえ、必要な予算を計上したものでございます。  なお、捕獲の主力であります市町村や地域の猟友会が捕獲を推進するための予算につきましては、市町村等からの要望を聞き、それに応じた金額を計上しているところでございます。また、ジビエ振興につきましても、信州デスティネーションキャンペーンにあわせたJR東日本と連携しての信州ジビエフェアの展開や、首都圏へのアクセスのよさを生かしたブランド力の強化に対する予算を計上させていただいているところでございます。いずれにいたしましても、その年度の状況に応じまして、鹿対策等に必要な予算を計上させていただいているところでございます。  以上でございます。       〔2番今井愛郎君登壇〕 ◆2番(今井愛郎 君)ありがとうございました。  そういった中で、地域振興推進費の割り振りについてちょっとお伺いしたいと思います。  先ほど総面積が入っていると言いましたが、こちらの総面積を見ますと山林が入っております。長野県の面積の約4分の3は山林と言われていまして、私は可住面積で見るべきではないかと考えます。山林のための保護には森林税という新たな税も導入されているわけですから、そこを考慮する必要はないと思いますし、開発されているところの中でどういうことができるかというのを問うことがこういう目的になるんじゃないかと思います。その辺についての知事のお考えをいただくとともに、先ほど来、同額にして、例えばその先の余った部分をもっと皆さんでできるようにして、例えば500万くらいにしておいて、あと残りは皆さん提案してくださいと。そんなことを考えていかなければこの地域振興推進費は理解いただけないと思うんですが、御答弁をいただきたいと思います。  続いて、大北森林組合の補助金不正受給等に関連して、去る1月27日、大北森林組合から提出された事業経営計画、補助金返還計画について、今後の対応についてお尋ねしたいと思います。  昨年6月、大北森林組合が提出した事業経営計画書及び補助金等返還計画書は、県民理解を得られる内容ではなかったので、計画そのものの抜本的な見直しが必要との観点から再提出を求めたと私は理解しております。今回、再提出されたものが県の求めていた抜本的な見直しがされたものと評価しているのかどうか。阿部知事に伺いたいと思います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)地域振興推進費の配分基準の考え方についてさらに御質問を頂戴しました。  いろいろな考え方があり得ると私も思いますけれども、御指摘のように、例えば可住地面積とした場合には、これは森林、あるいは湖沼ですね、諏訪であれば諏訪湖の面積は除くという形になるわけであります。しかしながら、私は、長野県の場合、この森林であったり湖であったり、こうした部分についても地域振興の資産であるというふうに思っております。可住地面積とするということが全く理屈にかなわないというふうには必ずしも思いませんけれども、しかしながら、私どもが現在やっている方法が逆に極めて不合理だということでもないんではないかなというふうに思っています。地域振興推進費の配分の考え方については、先ほど申し上げたとおりの考え方で取り組んでいきたいというふうに思っております。  それから、大北森林組合から出された補助金等返還計画書について、これをどう評価しているのかということでございます。  これは、1月31日付で提出をされているわけでありますけれども、これはまずは林務部改革推進委員会の中でも御議論いただいております。そうした中で、計画の新たな発想による事業展開あるいは管理費削減等一定の進展が見られるけれども、さらに踏み込んで事業を進めるための資金計画、あるいは事業実現のためにスケジュール等を確認すべきという御意見も頂戴しているところでございます。  こうした委員の皆様方の御意見を踏まえ、計画の詳細について精査をしているところであります。今月末までにはその妥当性を判断していきたいと考えております。  以上です。       〔2番今井愛郎君登壇〕 ◆2番(今井愛郎 君)地域振興推進費については考え方がいろいろあるというのは御存じのとおりだと思うんですが、先ほど言った森林税も含めて考えるというのは私はどうかと思いますので、その辺もぜひ検討の余地にしていただいて、事前の検討課題にしていただきたいと思います。  次に、提出された二つの計画書の詳細について順次質問してまいりますが、項目がたくさんありますので、3回に分けて林務部長にお尋ねいたします。  県が補助金不正受給中の役員の責任の明確化について求めるとしていたのにもかかわらず、再提出されたものには、弁護士と相談中で判断は改めて示すと記載されております。この程度の回答で県民理解は得られるのでしょうか。また、森林組合法第49条では、役員の賠償責任を免除する最低限の規定がございますが、この規定を準用した場合の代表理事等の負担すべき賠償金額は幾らになると推察されますか。  二つ目、増資等の経営基盤の安定について、こちらにつきましても、まずは役員が取り組みますと記載されているだけで、時期も金額も明記されておりません。また、組合員に対しても、努力する程度の記載しかありません。出資が難しければ、現在は徴収していない賦課金等を徴収させるべきとも考えますが、いかがでしょうか。  三つ目、徹底したコスト削減についてですが、28年度の組合の事業利益が3,000万円なのに対し、事業管理費の人件費は総額で5,373万円で、28年度は人件費だけで2,000万円の赤字になる。にもかかわらず、次年度には1,000万円の増を見込んでおります。県の検証委員会の調査報告書では、組合専従の職員給与については、平成22年は県平均と同水準だったが、23年と25年に賃上げがされており、組合の不適正受給にあわせて職員給与も厚遇されたと指摘されております。補助金不正受給中にふえた分をもとに戻すのはもちろんですが、過日風間議員が御指摘されたように、民間の感覚を組合経営に反映させるならば、まずは大幅な人員削減と長期間の給与カットはやむを得ないなと考えますが、そうしなければ債権者と言っていい県民の理解は得られないと考えますが、御所見をお尋ねいたします。       〔林務部長池田秀幸君登壇〕 ◎林務部長(池田秀幸 君)大北森林組合の補助金不正受給問題について順次お答えを申し上げたいと思います。  大北森林組合の役員の責任の明確化についての御質問でございます。  役員の責任の明確化につきましては、昨年5月に策定された事業経営計画におきましては全く記載されていなかったところでございます。新たな計画におきましては、役員の責任の明確化について対応を行う前提で検討が進められ、まず元専務理事に対して1月に損害賠償請求の訴訟を行っているところでございます。また、元組合長、非常勤の役員については、責任を問う方針で弁護士と相談中の状況と聞いております。具体的な金額につきましては、現在弁護士と検討中ということを聞いているところでございます。  次に、組合の増資等によります経営基盤安定についての御質問でございます。  大北森林組合では、一口当たりの出資金額の増額による増資や組合員一律に課すこととなる賦課金につきましては、組合員に一律に影響を与えるため、組合員の理解を得る時間が必要であることから、まず役員から率先して出資口数を増加させる増資に取り組むとともに、組合員に対しまして今後粘り強く増資への理解を求めていくと聞いております。議員御指摘のとおり、賦課金の徴収も今後の経営において財政基盤強化のためにとり得る方法の一つであると考えておりますので、今後の指導に生かしてまいりたいと考えております。  次に、組合のコスト削減についての御質問でございます。  現在、大北森林組合では、常勤職員12名によりまして再生に向けて取り組んでいると聞いておりますが、1人当たりの人件費は約450万円となっておりまして、補助金不適正受給期間前に平成16年度から平成18年度までの3年間の1人当たりの平均人件費であります約740万円と比べましても約4割減の水準となっているとの説明を受けているところでございます。いずれにしましても、コスト削減について精査をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔2番今井愛郎君登壇〕 ◆2番(今井愛郎 君)一つ、役員の賠償金額について、今の給料で結構ですからどの程度になるかと質問してあると思うんですが、できるできないじゃなくて、この金額について賠償金額のお答えをいただきたいと思います。  それから、人件費についていろいろありましたが、補助金不正受給が始まる前は9人だったと思います。そうすれば、やっぱりそこまで落とすという必要性もあるのではないでしょうか。人数を減らして少し頑張っていただく、そういうことを求めなければ県民理解は得られないと思います。そんなことについての御見解もいただきたいと思います。  続けて3項目、林務部長にお尋ねいたします。  今回再提出された計画書は、昨年5月に総代会で承認を得た事業経営計画を基本としていると記載されています。その計画がだめだったからこそ今回再提出させたのではないでしょうか。今回もベースが同じであれば基本的なスタンスは変わらない、そう思うんですが、いかがでしょうか。  また、補正予算で計上した経営改善指導がどのように反映されているのか。そもそも論として、外部の方が作成した計画書を組合に認めていただく、そのような手法が必要かと思いますが、いかがでしょうか。  二つ目、計画書には、時効の違いによる損害賠償金や県補助金に対する加算金の記載が一切ありません。以前の説明からすると、少なく見積もっても県が請求できる加算金は1億円を超えていると思います。こうした点について全く記載のない返還計画では県民理解は得られないと思いますが、いかがお考えでしょうか。  三つ目、計画書に役員の自主返納が2,611万円とありますが、県への返還が1,000万円、市町村への返還が500万円で、残り約1,100万円は運転資金に回っていると説明を受けました。これで県民理解が得られるのでしょうか。仮に、今後専務理事から賠償金が返還されたとしても、全額が返還に回されない可能性があると危惧するわけですが、いかがお考えでしょうか。  以上、林務部長にお尋ねいたします。       〔林務部長池田秀幸君登壇〕 ◎林務部長(池田秀幸 君)再質問をいただきました。  一人当たりの人件費でございますが、組合からお聞きしているのは、先ほど申し上げたとおり、現在、約450万円になっているということでございます。また、人数につきましては、現在常勤職員12名でございますが、かつて15名から3名減員しているという状況でございます。  次に、組合の事業経営計画についての御質問でございます。  大北森林組合が昨年5月に策定いたしました事業経営計画につきましては、実現性、確実性の観点から精査が必要であったことから、経営改善を抜本的に進め、新たな発想による事業展開など4項目の観点から計画の見直しを行うよう通知したものでございます。これを受けまして、大北森林組合におきましては、計画の見直しに当たって、公認会計士などの外部の有識者の意見が必要であると判断をいたしまして、昨年9月、外部の有識者を委員とした組合再生本部を立ち上げて、意見聴取をしつつ新たな計画を策定したと聞いております。  昨年9月に補正予算をお認めいただきました森林組合経営改善支援事業につきましては、長野県森林組合連合会が、県内18組合の自立的な経営に向けまして、課題のある組合から業務実施体制の再構築などの指導を行う事業でございまして、大北森林組合に対しまして経営改善に向けた経営診断やアドバイスを行ったところでございます。  次に、返還計画におきます損害賠償金と加算金についての御質問でございます。  返還計画におきましては、組合の債務としての額が確定している補助金、元金等が計上されておりまして、加算金は、補助金等交付規則に基づき原則として課すものでありまして、組合にも通知をしておりますが、加算金の額は、補助金返還の実際の実施状況に応じて算定されるため、現時点ではその額は確定しておりません。  また、県からの損害賠償につきましても、弁護士等によります委員会を設置し、法的に複雑なさまざまな論点に対しまして複数の専門家の視点で方向づけを行っていただくこととしておりまして、請求額等は未定の状況でございます。  こうした中で、まずは不適正受給した補助金について組合から計画的かつ早期に返還されることが県の財政負担の最小化につながるため、そうした観点から新たな補助金等返還計画の内容を精査をしているところでございます。  次に、役員報酬の返納及び損害賠償金と補助金返還についての御質問でございます。  補助金不適正受給期間中の役員から組合へ返納された報酬につきましては、やむを得ず税金の納付や金融機関へ借入金返済に充てざるを得なかったものを除く全額を補助金返還に充てたと聞いております。また、1月に訴訟を提起いたしました元専務理事への損害賠償金等につきましては、新たな返還計画において回収できた金額は追加の返還財源とすることとされております。県といたしましては、もと専務理事から回収された賠償金等については、全額を補助金等の返還に充てるよう引き続き組合を指導してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔2番今井愛郎君登壇〕 ◆2番(今井愛郎 君)もう一度お尋ねしますが、私は、理事役員に対しての組合法第49条に基づく賠償金額が幾らあるか、それをお伺いしているわけで、その金額についてお答えいただきたいと思います。  続いて、4項目、また林務部長にお尋ねいたします。  計画書に年度別返還計画は記載されておりますが、これには金融機関への返還額も含まれており、補助金の返還計画が見えておりません。県民にわかりにくいものになっていませんか。補助金の返還を分けて記載すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。  次に、2年次の計画、平成29年度ですが、森林整備が1.5億円増となっております。その上で3,250万円の利益を見込んでいます。これは新年度での補助金再開を見越してのことだと思いますが、結果的に補助金で補助金を返すというスキームになっていませんか。いかがお考えでしょうか。  三つ目、組合の総代会資料に貸借対照表に関する記載があります。補助金返還等については、BS、PLとも未計上で、返還金を前期損益修正損とし、簿外負債として処理しているとあります。返還請求額が簿外負債のままでは、組合脱退者に出資金を返還しなければならなくなり、組合法で定めている出資責任を問えないことになりませんか。いかがお考えでしょうか。  四つ目、補助金返還計画にはまだまだ整合性がとれていない部分もあり、県民理解が得られるものとはほど遠いと思います。補助事業再開を望む声があることは承知しておりますが、この計画書をもって補助事業を再開しても県民理解は得られないと考えますが、補助事業再開の時期についてお尋ねいたします。  以上、林務部長にお尋ねいたします。       〔林務部長池田秀幸君登壇〕 ◎林務部長(池田秀幸 君)再質問いただきました。組合法第49条の3の4項での最低限の賠償金額の関係でございますが、先ほど申し上げましたとおり、具体的な金額につきましては現在弁護士と検討中というふうに組合から聞いているところでございます。  次に、返還計画において、補助金の返還分を分けて記載すべきじゃないかという御質問でございますが、債権者であります県、市町村及び金融機関の返還等につきましては、返還計画におきまして毎年度債権者によります協議の場を設け、組合の経営状況や資金繰りの状況等を説明し、その都度債権者間の返還額等の調整を図ることとされておりまして、組合からは事前に各年度の債権者ごとの返還計画額を記載することは難しいというふうに説明を受けているところでございます。  次に、補助金で補助金を返還することになるのではないかという御質問でございますが、造林補助は、森林法等の規定に基づきまして、森林の持つ公益的機能等の維持増進を図るため、間伐等の森林整備に要する費用の一部を補助するものでございまして、大北森林組合に対し補助金の交付を再開した場合でも補助金返還の財源として交付するものではございません。  補助事業の再開につきましては、組合が適切に補助事業を行い得る事業主体と認められるのか否か、現在、会計規定等の整備や内部牽制体制など必要な事項を一つ一つ精査しているところでありまして、林務部改革推進委員会の御意見等も踏まえ、適切に判断していく考えでございます。  次に、平成28年5月の大北森林組合の総代会の資料に係る組合員の出資責任についての御質問でございます。  森林組合法第38条第1項の規定によりまして、森林組合からの脱退者は定款で定めるところにより出資金の払い戻しを請求することができるとされております。また、同第2項の規定によりまして、脱退者の払い戻しの持ち分は、脱退した事業年度末におけるその出資組合の財産によって定めるとされております。大北森林組合の定款では、払い込み済み出資金の総額に相当する財産については各組合員の払い込み出資額とする。ただし、その財産が払い込み済み出資金の総額より減少したときには、各組合員の出資額に応じて減額して算定するとの規定を標準に定めるとされております。  大北森林組合は、現在、この議員御指摘の方法で経理処理をしているところでございますが、これは専門家としっかり相談した上で処理しているところというふうに聞いております。現在、組合は、まずは組合再生に向けて、組合員の理解を求めつつ取り組んでまいりたいとしているところでございます。  次に、補助事業の再開時期についての御質問でございますが、森林整備を進めることは、地域林業の推進のためだけではなくて、山地災害発生防止を初め森林の公益的機能の発揮の観点からも重要でございまして、大北地域においても補助事業等による適切な整備を推進していくことが必要であると認識をしております。大北森林組合が今後それらを担っていけるかどうか、事業経営計画、補助金等返還計画をしっかりと精査をしているところでもございます。  一方、補助事業の再開につきましては、極めて重大な補助金不適正受給を引き起こした組合が、先ほど申し上げましたが、適正に補助事業を行い得る事業体に改善されている必要がありますので、昨年12月から組合が職制規程や会計規程を整備し、内部牽制や法令遵守を行うことができるのか、補助事業の執行をマニュアル化して、適切な事務処理や現場管理を行うことができるかどうかなどについて一つずつ丁寧に確認をしているところでございます。今後、これらの精査をできる限り早期に行いまして、林務部改革推進委員会等の御意見等も踏まえ、補助事業を再開することができるかどうか適切に判断をしていきたいと考えております。  以上でございます。       〔2番今井愛郎君登壇〕 ◆2番(今井愛郎 君)賠償額については算定していないということですが、これは在籍期間と給料がわかればすぐ出せる話だと私は思います。別に請求するしないじゃなくて、幾らあるかということを聞いているわけですから、ぜひ委員会ではその資料を提供していただきたいということをお願いしておきたいと思います。  それから、総代会のところの資料にありましたが、去年実は退会されている方がいらっしゃいまして、20万円ほど出資金が返されているんですね。そうすると、出資者に対して返しているわけですから、出資責任は問えていないということになるわけですね。損害はあるのにやめたい人には返しているということでは、これはやはり県民の理解は得られない。それを聞いているわけです。それについて大北森林組合がどう対応していくかということは大事だと思いますが、そこについてお伺いしたいと思います。  ここまで、私が疑問に思った部分について何点か質問させていただきましたが、時間の関係もありますので、それ以外についてはまた委員会に委ねたいと思います。
     私は、今回提出された計画書は、まだまだ実現性や整合性のとれていない部分が多いと思いますので、長野県がこのまま受け入れるということにはとても同意できないです。また、12月の一般質問で、求償していくことが県民益につながり、組合が返還すると言っているのだから全額返還を求めていくという知事の姿勢は理解できないわけではないですが、やはり現実的ではなく、この問題を長期化させている一因だと私は思います。幾ら県職員の私的流用はなく、県が主導したわけではないと訴えてみても、国の加算金の対応を見れば、県に責任の一端があったことは明らかです。責任の所在やその背景を明確にし、二度と同じ過ちをしないようにと懸命に取り組んでおられる知事の姿勢は評価いたしますが、そもそもこの問題は阿部知事就任以前からのものです。停滞気味な森林行政に息を吹きかけ、知事がよく言われる森林県から林業県にしていくためにも、そろそろこの問題にけりをつける英断が必要でないかと思います。  そのためには、以前の質問で、県としては書類等がなく精査できないと言っていた不適正受給となった未施工、一部施工の補助金の精査を組合に行わせ、県に提出を求め、それを第三者機関等で精査した上で、未施工部分の補助金のみを返還対象とし、それ以外は条件つきで返還を免除するといったスキームをつくり、県民に理解を求めていくことこそが必要ではないでしょうか。最初のうちはかなりの批判を受けると思いますが、必ず将来の県民益になる、そんな思いからの決断が必要と考えますが、阿部知事の御所見をお尋ねいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)この大北森林組合の補助金不適正受給問題、これは非常に大きな問題でありますので、私としては一つ一つ課題、論点を丁寧に整理をしていくことが重要だというふうに考え、これまで取り組んできております。そういう中で、この補助金の返還の部分につきましては、これは今井議員も再三御質問の中でも触れられておりますように、県民の皆様方の御理解ということが私は極めて重要だというふうに思っています。そうしたことを考えたときには、やはり法令に従い、厳正に対応するということが基本だというふうに思っております。そうした観点で、補助金等交付規則に基づき補助金交付決定を取り消し、返還請求を行っているところであります。組合は、県から請求している補助金について返還するという意思を示しているわけでありますので、この補助金返還を着実に履行していただくことができるように取り組んでいくということが重要だというふうに考えております。  以上です。       〔2番今井愛郎君登壇〕 ◆2番(今井愛郎 君)御答弁ありがとうございました。  林務行政が長いというのはよくわかります。先ほどの公社の件も、平成88年、ここの議場にいる方は誰も生きていないだろうと思われるときに108億円の損失が発生するということなんです。そういうことの中で、大北森林組合も同じように30年、40年と、やっぱりそれはターンが長いんです。だから、やはり知事にしっかりと決断をしていただいて、次のステージに進めるようお願い申し上げまして、一切の質問を終了させていただきます。 ○議長(向山公人 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時37分休憩          ──────────────────         午後1時開議 ○副議長(下沢順一郎 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  村上淳議員。       〔40番村上淳君登壇〕 ◆40番(村上淳 君)新ながの・公明、木曽郡選出の村上淳でございます。  それでは、本県の医療体制についてお聞きをいたします。  現在、第6次長野県保健医療計画が進められておりますが、この計画は来年度で終了いたします。そこで、2018年度から第7次の県保健医療計画がスタートいたしますが、本年2月10日には、既に県医療審議会保健医療計画策定委員会が開催されました。多様化する社会のニーズに応えることのできる、地域に根差した高度な医療体制の構築が今求められていると思います。  そこで、現況の第6次計画の検証が必要でありますけれども、本県は、現在、医療・福祉現場でさまざまな課題があります。例えば、医師不足、看護師不足等の課題が上げられます。一方、またこの第6次計画には大きな実績もございました。特に、最近では、がん対策は順調、認知症対策はおおむね順調とほぼ目標の達成ができた分野もあります。  そこで、がん対策についてお聞きをいたします。  がんの分野に関しては、現状、がん治療の飛躍的な進歩やがん検診の向上でがん対策は進んでおります。がんに罹患された方の国全体の平均が、5年生存率が69%、10年生存率が58%と最近国立がんセンターより発表されましたが、果たして本県のがんの事情はいかがでしょうか。本県は、がんの罹患率が低い県でありますけれども、病気においてがんでお亡くなりになる方が年間6,000人に及んでおります。果たして本県ではがんでお亡くなりになる方は減少しているのでしょうか。本県のがん事情、がん対策の現況を健康福祉部長にお聞きいたします。  次に、医師確保についてお聞きをいたします。  現在、本県の医師確保策は信州医師確保総合支援センターで行われておりますが、ドクターバンク事業を含めて、必要なときに必要な医師の確保をできる状況をつくることが今求められております。鋭意努力をされているわけです。医師については、信州大学医学部附属病院、自治医大を中心に医師の確保がなされていますが、現在、医師確保には、ほかの医大等のネットワークを広げる工夫が必要だと思いますが、求められている医師の状況と要望に果たして応えられているのかどうか。今後の見通しについて健康福祉部長の御所見をお願いいたします。  ところで、私が住んでいます木曽地域にあります県立木曽病院ですが、年間13万5,000人の外来患者と年間5万人の入院患者がおります。木曽で唯一の186床の有床病院です。昨年4月から循環器系の医師がおりません。木曽病院の循環器系は、入院、外来含めまして平成27年度実績が1万969人です。現在、信州大学より医師が臨時で来ておりますけれども、全ての対応は無理です。脳神経外科の医師も、最近何年かいません。本当に今困っている状況にあるわけです。  循環器系は、心臓疾患、脳疾患と多岐にわたり、待ったなしの診療科です。昨年、木曽病院で、4月から10月までに7名の患者が心臓疾患で伊那中央病院、松本市の相澤病院、協立病院に緊急転送されております。いつになったら循環器の医師に来ていただけるのでしょうか。待ったなしのこの状況を鑑みて、木曽の皆さんは安心して生活することができません。このような状況を健康福祉部長としてどのように思われているのでしょうか。御所見をお願いいたします。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)がん対策、医師確保など、医療体制についてのお尋ねに順次回答させていただきます。  国立がん研究センターが公表した5年生存率及び10年生存率では、都道府県別の生存率は算出されておりませんが、全国的な状況としては、5年生存率は徐々に向上、10年生存率はわずかに向上していると認識しております。  がんによる死亡者数、死亡率は、人口の高齢化とともに全国的に増加傾向にありますが、計画の指標に掲げている75歳未満の年齢調整死亡率は、長野県は全国一低い値で、かつ減少傾向にあり、目標の達成に向けて順調に推移しております。がん対策に係る指標は、8割を超える項目で「順調」または「おおむね順調」となっております。  がん医療の分野では、これまで拠点病院が指定されていなかった上小、木曽、北信圏域において3病院が平成26年に制度化された地域がん診療病院に指定されるなど、がん診療体制の充実が図られていると考えております。がん検診の受診率はおおむね順調に向上しておりますが、精密検査受診率など一部の指標に努力を要する項目があり、より一層の取り組みが必要であると考えております。  医師確保の取り組みと課題についてのお尋ねがありました。  県では、平成19年度からこれまでの間、信州医師確保総合支援センターにおいて、ドクターバンク事業と医師研究資金貸与事業により140人、医学生修学資金貸与事業により61人、研修医への資金貸与事業により17人、合計で218人の医師を確保してまいりました。しかしながら、ドクターバンク事業の求人情報では、現在、県内の112の医療機関で常勤、非常勤合わせて636人の登録があるように、医療現場では依然として医師不足の状況にあると認識しております。  県では、信州大学や自治医科大学のみならず、東京医科歯科大学に長野県の地域枠を設けるほか、全国の医学生を対象に修学資金を貸与しております。こうした他の大学とのつながりを広めていく取り組みも含め、県内の医療機関からの求めに対して1人でも多くの医師が確保できるよう努めてまいります。  木曽病院の医師確保については、県では自治医科大学卒業医師を配置するほか、県立病院機構と連携し、信州大学への派遣をお願いするなどの取り組みを行ってまいりました。循環器内科の常勤医師についても昨年から取り組んでまいりましたが、いまだに確保できていない状況でございます。今後とも、引き続きドクターバンク事業や地域医療介護総合確保基金の活用のほか、信州大学や県立病院機構などと連携して循環器内科の医師の確保に取り組んでまいります。  以上でございます。       〔40番村上淳君登壇〕 ◆40番(村上淳 君)がん対策につきましては、それぞれ医療技術も大分進歩しておりますけれども、私は徹底的にがんの罹患率を下げる方法は二つあると思います。まず教育現場で徹底したがん教育をしていただくということです。それから、国立がんセンターの報告の中では、早期発見のがんは、ほとんど90%治っているがんが多いわけです。早期発見のためのがん検診率の向上が鍵と思えます。それから、緩和ケアもぜひとも進めてほしいと思いますのでよろしくお願いいたします。  木曽病院に循環器系の医師がいないということは大変憂慮するところでありますけれども、これ以上の医療の低下は許されないわけであります。医師の派遣会社も東京に存在すると聞いております。そういったところもしっかりと当たっていただきたいと思います。  次に、地域医療構想についてお聞きをいたします。  本県の10の医療圏の2025年の時点の医療構想を鋭意検討され、このたびその方向が出されたわけですが、医療・福祉は地域の実情もあり、基本的には地域のことは地域で決定されることが盛り込まれていると思います。  このたび発表されました地域医療構想では、県全体で実に1,680床の削減が参考値ではありますけれども決定されました。現況は、全県で1万8,519床あるわけですが、そこから約1割減の1万6,839床にするわけです。  私は、この1,680床の削減は大変厳しい数字だと思っております。また、現実とかけ離れた数字だと思っております。と申しますのは、県は今から8年後の2025年の本県の入院患者の見込み数を現在より6%増加すると見込んでおります。むしろ病床数をふやすことが求められるのが現実ではないでしょうか。1日に平均1万4,129床と予想をされているわけです。一方、在宅医療も20%増加いたします。8年後の医療現場は恐らく非常に厳しい事態が予想されます。在宅医療、訪問看護、訪問介護、在宅リハビリ等、対応が大変です。健康福祉部長として、このような厳しい地域医療の確保をどのように進められるのでしょうか。御所見をお願いいたします。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)地域医療構想と今後の地域医療の確保についてのお尋ねがございました。  誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられる医療・介護提供体制の構築に向け、地域医療構想はそのための議論の出発点になるものと認識しております。今後は、これまでの地域の関係者による議論を踏まえ、患者の病状に応じた病床の確保、地域の病院の役割分担などについて、地域の実情に即した医療体制の検討を進めていく必要があると考えております。  また、病院以外でも療養生活を継続できるよう、医療と介護の連携による地域包括ケア体制の構築を先行して検討していくことが重要であると考えております。このため、県としては、構想策定後も2次医療圏ごとに設置した地域医療構想調整会議を引き続き開催し、地域医療構想で示された病床や在宅医療の推計値も念頭に置きながら、地域の実情に応じた医療・介護提供体制構築のため、関係者とともに検討を進めていくこととしております。  以上でございます。       〔40番村上淳君登壇〕 ◆40番(村上淳 君)私はですね、山本部長、もう少し地域を見ていただきたいと思います。今おっしゃられたように大変厳しい医療現況ではありますけれども、厚労省は当初、1,700床ぐらいを長野県全体で減らせと、地域医療構想につきましてはそのような方向を示したわけです。それに向かって各地域の病院がそれぞれの積み重ねで1,680床減らしたわけです。木曽病院も25%減らされました。こういった中で、厚労省に対しまして、これから入院患者が本県でふえるのにどうして1,680床減らすというお答えを出すことができたのか。2年間にわたる策定委員会はかなり厳しい議論もされたと思います。また、参考値ということでの数字でそれほど気にすることはないという御答弁がそれぞれの質問の中にもありましたけれども、やはり1,680という数字は、これはきちんと厚労省に報告された数字だと思いますので、数字がひとり歩きしないようにお願いしたいと思います。山本部長には、やはりもう少し地域をしっかりと見据えた行動をしていただきたかったなということを願って次の質問に移ります。  御嶽山の噴火災害の復興についてお聞きをいたします。  戦後最悪の火山災害と報道されました御嶽山の噴火災害から既に2年と5カ月がたちました。お亡くなりになった方、行方不明の方が63名いらっしゃいますけれども、改めてここで哀悼の誠を捧げます。  現在、御嶽山は噴火レベルが2の状況で、火口から1キロメートルの入山規制がされております。今は御嶽山はスキーシーズンを迎えており、王滝村、木曽町は噴火前の入り込み客にはほど遠い状況で観光、宿泊が進められており、地域の経済は8割方ようやく戻りましたが、相変わらず元気のない状況が続いております。  昨年10月に行われた県商工会連合会の行った木曽地域の景況調査では、将来に明るい見通しができないという商業者が5割以上います。驚きの数字です。そこで、まず観光を進める前に、御嶽山に安心、安全で登山ができる環境をつくることが先決です。まず、御嶽山噴火災害を後世に伝え、登山者や観光客などに教訓としていただくために、メモリアル的な建築物を県として考えたらいかがでしょうか。また、そのようなものを建築するに当たり、御遺族の思いを酌み取る必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。あわせて危機管理部長にお聞かせをいただきます。  観光面では、昨年はいい木曽見つかるキャンペーンに取り組むなど、インバウンドや中京圏に対する売り込み、2次交通対策などに取り組んでおり、木曽町や王滝村が独自で行っている観光誘客事業もあり、県からの特段の御支援を賜っている状況です。木曽観光復興協議会にも県の参画を得ており、阿部知事には何度も木曽に足を運んでいただきました。昨年は、木曽地域が日本遺産に県内で唯一指定されるなど、今後の復興に弾みがつく出来事もありましたが、観光部長には今後の木曽地域の観光、御嶽山の観光についてお聞きをいたします。  また、県知事には、木曽地域の発展の礎である世界水準の山岳観光を目指している中、今後、御嶽山をどのように再生、復活されるのでしょうか。知事の決意をお聞かせください。       〔危機管理監兼危機管理部長野池明登君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(野池明登 君)御嶽山噴火災害に関しまして、災害を後世に伝えるメモリアル的な施設などについてでございます。  御嶽山噴火災害を後世に伝えていくことの重要性につきましては、本年度設置した火山防災のあり方検討会でも重要なテーマとされたところでございます。  ビジターセンターの検討の中では、多くの人に情報を届ける、これが重要であり、そのためには、災害のリスクに特化した施設の場合には登山者や一般観光客が立ち寄りにくいとされ、地域の魅力や火山の恵みに触れる中で、噴火の歴史やリスク、備えに関心を誘導する方法が有効とされたところでございます。また、ビジターセンターで発信する情報を3段階に分け、まず活火山であることを知る理解の促進、次に活火山の危険性の認識、そして防災上の具体的な行動に結びつけると、この3段階に整理した上で、各段階で活火山の特徴や歴史、火山活動で生じる現象等の情報発信が重要とされたところでもございます。  このような検討結果を踏まえますと、ビジターセンターにおきまして、御質問の趣旨の御嶽山噴火災害を後世に伝え教訓とするという機能を備えることが有効ではないかと考えておりまして、現在、木曽町及び王滝村で策定中の基本構想の具体化につきまして、検討段階から一緒にかかわってまいりたいと考えているところでございます。  また、御嶽山噴火災害の御遺族の皆様とは昨年12月に意見交換を行っておりまして、その際に、深い悲しみのお気持ちとともに、これを風化させることなく火山防災に生かしてほしいという強い思いをお聞きをしたところでございます。その思いをしっかりと胸に刻み、関係機関と連携をしまして火山防災対策をさらに前に進めてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。       〔観光部長吉澤猛君登壇〕 ◎観光部長(吉澤猛 君)今後の木曽地域観光と御嶽山観光についてお答えいたします。  県では、平成26年の噴火災害直後から木曽観光復興対策協議会に参画し、木曽地域の町村、観光協会等とともに、回復対策と振興対策に取り組んでおります。本年度は、回復対策としては、宿泊者への施設利用優待券やスキー場来場者へリフト券を提供するキャンペーンを実施し、また振興対策としては、インバウンド向けのコンテンツ開発、観光タクシープランの造成による2次交通対策などを行ってまいりました。  木曽地域の入り込みは、今年度に入り回復傾向が見られるものの、御嶽山周辺エリアにおいては依然として厳しい状況が続いております。そこで、来年度も引き続き木曽観光復興対策協議会に対して財政支援を継続するとともに、本年7月から9月にかけて実施する信州デスティネーションキャンペーンにおいても、癒やし、歴史・文化、食などの分野において豊富な観光資源を有する木曽地域についてもしっかりとPRを行い、誘客強化を図ってまいります。さらに、現在、木曽町、王滝村の関係者が地域DMOとして設立を目指している木曽御嶽観光局などが進める観光地域づくりを、地域振興局を初め関係部局が一丸となって中長期的な視点も加えてサポートしてまいります。  また、御嶽山につきましては、議員御指摘のとおり現在噴火警戒レベルが2で、火口周辺からおおむね1キロメートルは立ち入り禁止の状況が続いておりますので、山小屋の噴石に対する補強工事を支援するなど、登山者の安全対策もあわせて進めてまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)木曽地域、御嶽山の噴火災害からの復興に向けた私の決意という御質問を頂戴いたしました。  木曽地域は、御嶽山噴火災害以降、観光客の減少を初めとする大変なさまざまな影響を受けてきているわけであります。御嶽山とともに生きてきた木曽地域が本来の姿を取り戻していただき、そしてこれまで以上に元気な地域として発展していただけるようにサポートする、一緒になって取り組んでいく、それが私ども県としての重要な役割だというふうに考えております。  こうした思いから、火山防災対策あるいは観光産業の復興に取り組んでまいりました。それぞれの担当部長からもお話し申し上げましたけれども、私は、まず火山防災対策については、やはり御嶽山周辺地域が火山防災のモデル的な地域になるように県としてもしっかり取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。そういう意味で、ビジターセンターへの支援あるいは火山マイスターの養成、こうしたことに取り組みながら、御嶽山の安全、安心の確保ということをしっかり行っていくことが重要というふうに思っております。  また、観光振興につきましては、先ほど来お話が出ておりますように、いまだ御嶽山はレベル2、火口から1キロ立ち入り禁止という状況であります。これは、ある意味災害継続中と言ってもいい状況だというふうに思っております。そういう観点でこの観光支援に取り組まなければいけないということで観光部にも指示をしてきているところでございます。  これまでも、さまざまな誘客キャンペーン等を行ってきているわけでありますけれども、木曽地域は、やはり御嶽山であったりあるいは日本遺産に指定された旧中山道宿場町、こうした地域固有の資産が豊富な場所でもあります。こうしたものをしっかりと活用しながら観光客の増加に結びつけていきたいというふうに思っております。  今回、夏に予定しております信州DC、これは癒やしということを基本的なコンセプトに置いて取り組んでいこうというふうに思っておりますが、この議場でも何度も申し上げますが、私、木曽に行っていつも感じるのは、この癒やしでございます。そうした木曽の強みを生かしながら観光振興につながるように県としても全力で取り組んで行きたいと思っております。  また、木曽地域振興局を4月から設置いたします。地域固有の課題については、地域振興局を中心に、市町村、関係機関と連携しながら取り組んでいくということもしっかりと進めていきたいというふうに思っております。今後とも木曽地域が復興、そしてさらに発展するように、関係部局一丸となってしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上です。       〔40番村上淳君登壇〕 ◆40番(村上淳 君)知事からは、デスティネーションキャンペーンは癒やしというものを中心に持っていきたい、あるいは災害継続中であるということで、知事の決意を酌み取ることができました。  御嶽山の噴火災害で亡くなった皆さん、あるいは行方不明の皆さんの御遺族の皆さんがいらっしゃいます。また、けがをした人たちもいる。そして無事に帰ってきた人もいる。あの日から前を見て生きている方もいらっしゃるし、いまだに立ちどまり、立ち直ることができない人もいらっしゃる。そういった中で、県として何をすればいいのか。県知事は、少なくとも御遺族の皆さんに今まで以上に寄り添っていただきたいと思います。  次に、本県のものづくり産業の振興と企業現場が求める人材育成についてお聞きをいたします。  ものづくり産業は本県の誇りであります。近年、半導体を含む電機産業は苦戦しておりますけれども、自動車関連は活況を呈しております。ものづくり分野では、現場ニーズに合った若い人たちの確保が必要であります。企業現場で働く若い人たちのあり方について本県が何をなすべきか、大きな課題です。そこで、長年本県の産業労働の育成に中小企業の目線で尽力されリードされてまいりました、このたび御退職されます石原産業労働部長に、本県の今後のものづくり産業の振興と企業現場での人材育成についてお聞きをいたします。       〔産業政策監兼産業労働部長石原秀樹君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹 君)ものづくり産業の振興と人材育成についての御質問でございます。  昨年8月に実施しました長野経済研究所の調査によりますと、製造業の最大の課題は人材育成となっております。そのため、県では、現在改定を進めておりますものづくり産業振興戦略プランでも人材育成や技術力の向上を重点的項目とし、今後その具体的な支援策を検討していくことにしております。  また、現場が求める人材といたしましては、県内企業の約5割が若手の技能者を挙げており、さらに6割を超える企業が採用後に社員に多くの技能を持った工員、多能工としての能力を期待しております。こうした要望を踏まえまして、県では、工科短期大学校や技術専門校で適宜カリキュラムの改定を行うとともに、速戦的な人材育成といたしましては、スキルアップ講座を活用して若い人の能力開発に取り組んでおります。  人づくりは、産業振興におきましても大きな課題でございます。また、人づくりは、企業や行政の都合だけではなく、若者の希望も十分かなえなければならないと考えております。とても難しい問題かなと考えています。そのためには、まずは若者が努力することはもちろんですけれども、若者が希望を持ってそれぞれの自己実現を目指すことができるよう、さまざまな人づくりの道をつくるべきと考えております。例えば、工業高校のデュアルシステムは、地域で人材を育成する地域主体の先駆的な取り組みと考えます。このような地域の主体的な取り組みをしっかりサポートしてみんなが生き生きと暮らせる、生き生きと働ける長野県をつくり上げていくべきと考えております。  以上でございます。       〔40番村上淳君登壇〕 ◆40番(村上淳 君)都会に出た若者が本県へ戻ってくるかは、本県のものづくり産業に大きな影響力を及ぼします。県並びに県知事にはもっと積極的な施策をお願いいたしまして、一切の質問とさせていただきます。 ○副議長(下沢順一郎 君)次に、小林東一郎議員。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)順次質問をしてまいります。  最初に、県組織のコンプライアンス確立について伺います。  大北森林組合事件は、3月28日に組合及び組合の元専務理事に対する刑事裁判の一審判決が予定をされており、本件についての一つの区切りを迎えようとしています。その判決を前に、知事は、補助金の国庫返還にかかわり国から課された加算金について、これまでに表明していた県債権の時効成立により返還請求ができなかったものや県単独事業費の不正流用分に加え、関係した県職員への損害賠償請求を検討するとの新たな方針を今定例会開会日に明らかにされました。  昨年12月22日に提出された組合事件等にかかわる県職員等に対する損害補填に必要な措置を求める住民監査請求の監査結果は、去る2月22日に知事への勧告という形で示されたところですが、監査の際に1月25日付で監査委員に提出された総務部長及び林務部長名による陳述書においては、従前からのしごと改革の断行により相当額以上の人件費を2018年度までに削減し対応すると説明されていました。その後、半月余りの間に県職員への損害賠償を法的に検討する方向に踏み出すことが示されましたが、これはいかなる判断に基づくものなのか。知事にお聞きします。  総務部長にもお聞きしますが、しごと改革による人件費削減の本年度現時点での達成状況と、来年度の項目別目標はどうなっていますか。また、2018年度については未定とされていますが、それは県が9月12日までに策定するとしている損害賠償請求の方針を待って考えるとのことでしょうか。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)大北森林組合に関連して、私には法的課題の検討について、監査委員事務局、監査委員に対する陳述書の中身とこれまでの対応との関係という観点での御質問だと思います。
     まず、大北森林組合、役員、県職員を含めた関係者は広く存在するわけでありますけれども、関係者に対する損害賠償請求については、これまでも弁護士とも相談しながら検討を行ってきているところでございます。大北森林組合の新たな補助金等返還計画が提出され、また刑事裁判の判決も3月下旬に予定されているという状況の中で、関係者に対する損害賠償について検討を加速する段階に来ているというふうに考えております。こうした観点から、弁護士等の法律の専門家による委員会を設置して、法的な考え方の整理を行っていこうというふうに考えております。  この加算金への対応については、先ほど御質問にもありました監査委員に対する私どもの陳述書に加えて、昨年の6月の段階で国庫補助金返還等への対応というペーパーもお出しをさせていただいておりますが、基本的にその際の内容と監査委員に出したものは同じであります。加算金については、人件費の削減で対応しようということで記載をしているわけでありますけれども、これは関係者に対する損害賠償責任というものとは別の次元のものだというふうに考えているところであります。  以上です。       〔総務部長小林透君登壇〕 ◎総務部長(小林透 君)しごと改革による削減の取り組みについての御質問にお答えをいたします。  大北森林組合に係る加算金に関しましては、組織全体で事態を重く受けとめ、平成30年度までに超過勤務の縮減や採用の抑制といった人件費で当該加算金相当額以上に対応する方針のもと、取り組んでいるところでございます。  本年度の現時点までの取り組み状況についてでございますが、超過勤務に関しましては、しごと改革の推進により平成27年度の実績時間から8.4%削減を目標に取り組んでございますが、1月までの実績では前年度比5%程度の縮減となっているところでございます。また、平成29年度春に向けた採用に関しましては、28年度採用者数と比べ、大卒、高卒、社会人などを合わせまして20名程度の減少となる見込みとしてございますが、これによる財政的な効果は平成29年度以降に生じると考えているところでございます。  平成29年度の超過勤務手当につきましては、現時点では本年度と同程度の縮減を目標とする方向で考えております。さらに、平成30年度の超過勤務及び平成30年度採用者に関する目標につきましては、本年度の決算等が判明した段階で把握する達成状況を踏まえ検討するとしているところでございまして、平成29年9月12日までに検討結果を説明することとされている損害賠償請求にかかわる検討の結果を待つということは考えてございません。  以上でございます。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)知事は、今議会の議案説明で、大北森林組合事件の関係者に対する損害賠償請求については、本件が長期間にわたり膨大な件数の補助金交付がなされている案件であるため、弁護士とも相談しながら1件1件の案件について事実確認を行ってきているところとされましたが、それはどこが所管してどのように行っているのでしょうか。  組合に補助金を交付した側の北安曇地方事務所担当職員が補助金適正化法第29条第2項に該当するか否かについて、すなわち、組合の違法な申請に対し、情を知って交付したか否かについての県検証委員会の結論は何だったのでしょうか。また、県はこれまでにこの結論に沿った事実確認を行ってきたのでしょうか。以上、知事に伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)まず、事実確認について、どこが所管してどう行っているのかということであります。  この事案につきましては、御質問にもありましたように、大変多くの件数の補助金交付がなされているわけであります。そういう意味で、私どもとしては、事実関係の整理については林務部が、そして職員の責任がどうあるべきかということについては総務部が行ってきているという状況でございます。1件1件個別に確認をしながら進めてきたところであります。  それから、適化法違反についての検証委員会の結論と、その結論に沿った事実確認をどうしてきたかという御質問でございます。  平成27年7月の検証委員会の報告書におきましては、補助金の受給のうち少なくとも全くの架空申請に当たる補助金受給については補助金適正化法第29条第1項に該当するとの評価を免れない。そして、北安曇地方事務所の担当職員が同条第2項に該当するか否かに関しては、個別の補助金申請が同条第1項に該当する違法な申請であると情を知って交付したか否かについて、申請ごとに慎重に事実認定をする必要があると考えられ、本報告書では明言することができないという形になっております。  検証委員会の最終報告後も、職員に対する聞き取り、返還に係る1件ごとの調査、こうした事実確認を行ってきたところでございます。そうした中で、この議場でも申し上げているように、全く事業を行わないというふうに考えていた、認識をしていた職員はいなかったというようなことと確認をしてきているところでございます。  以上でございます。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)監査委員は、住民監査請求について監査を行った結果、県はこれまで着実に検討を進めてきたとしながらも、現段階においていまだ県としての結論が得られていない状況にあり、多くの県民がその動向を注視しているとし、その上で、補助金の国庫返還にかかわり国が県に課した3億5,300万円の加算金を納付したことによる損害の県職員への損害賠償請求について、9月12日までに法令にのっとって検討し、賠償責任が認められる職員に対しては厳正に対処し、結果を県民に説明することとし、この勧告を知事に対して行っています。今回の勧告に至った経緯とその判断の考え方、勧告が履行されることへの思いを監査委員にお聞きします。  監査委員は、知事への勧告の中で、一つ、期限制限により監査対象としなかった事項についても損害賠償等の検討をすること、二つ、長期間にわたり財務関係法令を逸脱した行為がなされていたこと、この行為が組織の中で見過ごされてきたこと、現時点において多額の県民負担が生じていることなどを踏まえると、法的責任にとどまらず、道義的責任も含めて県民負担を軽減する取り組みを進めるとともに、その説明責任を果たすべきとの意見を述べています。この意見をいかに受けとめ、どのように対処していかれるのか。知事に伺います。       〔監査委員田口敏子君登壇〕 ◎監査委員(田口敏子 君)お答えします。  本件の住民監査請求につきましては、私ども監査委員として公正不偏の立場をもちまして監査を行ったところでございます。監査における事実関係の確認の中で、県では県職員の賠償責任について検討を進めてきたこと、また、今後弁護士等による委員会を設置する予定であることについて確認をいたしました。しかしながら、いまだ県としての結論が得られていないという現状について重く受けとめざるを得ないということから、本件につきましては期限を区切って職員への賠償請求の検討を求める旨の勧告が相当であるという判断に至ったものでございます。  知事におかれましては、今回の勧告を真摯に受けとめていただくとともに、監査結果の中にも意見としてお示し申し上げてありますが、県組織全体が一丸となって、県民本位の本来の県政のためのその改革をスピード感を持って進め、県民の信頼回復、向上に努めていただくことを期待しております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)監査委員からの勧告、あるいは御意見についてどう受けとめ、どう対処するかという御質問でございます。  当然、勧告についてはしっかり受けとめて対応していきたいというふうに思っております。今回の事案について、私は県民の皆様方の御負担を最小にするという観点で取り組んでまいりました。昨年6月に公表した本事案に係る国庫補助金返還等への対応についてにおきましても、国庫補助金返還についての方針を県民の皆様方にお示しすることとあわせて、大北森林組合に対する抜本的な経営改善、早期補助金返還を求めるとともに、人件費の削減等を通じた県としての経費の削減、あるいは職員の努力による収入の確保、こうしたことを取り組んでいくということを明らかに方針として掲げさせていただいているところでございます。これは法的な対応の部分では必ずしもないわけであります。県として今回の事態を重く受けとめてそうした対応を行っていこうというものでございます。  また、監査委員から今回いただいた勧告、そしてその中で出されている御意見、こうしたものにつきまして改めてしっかり受けとめていきたいというふうに思っております。今回の事案を県組織全体の問題としてしっかりと捉え直し、また県民のための県政を行っているという原点に立ち返って職員一丸となっての意識改革、組織風土改革、しごと改革、こうしたものにしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上です。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)地方自治法が定める賠償命令の規定では、予算執行職員等が故意または重大な過失により法令に違反して当該行為を行ったり、怠ったことで自治体に損害を与えたとき、損害を賠償しなければならないとしています。重大過失とは、甚だしく注意義務を欠くことを言い、わずかな注意さえすれば結果を予測し、未然に防止するための措置を講ずることができるにもかかわらず、これを怠った状態を指すとの最高裁の判例解釈があります。  組合事件において懲戒処分を受けた県職員の処分理由には、交付申請時までに完了していないことを知りながら補助金を交付し、適正な検査業務を行わなかった。交付申請時までに完了していないことを知り得る立場にありながら、その事実を認識しないまま補助金を交付していたとの認定がされております。重過失との関連がうかがわれる事態となっているわけであります。県民負担の軽減のためには、損害と故意または重過失との関係について厳正な法的判断が必要と感じますし、コンプライアンスを確立するためにも県民にわかりやすい結論を出すことが欠かせないと考えます。厳正な対処と県民への説明責任を果たすことへの知事の決意をお聞きいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)お答えします。  小林議員からも重大な過失等についてしっかり判断しろという御指摘をいただいているわけでありますけれども、この問題は非常に論点が多いなと率直に感じております。そういう中で、御指摘がありましたように、県民の皆様に対する説明責任そして信頼回復と、これは私どもの大きな責任だというふうに思っております。そういう意味で、厳正な対応をこれまでもしてきておりますし、この損害賠償請求の検討に当たりましても、私は組織の代表であると同時に県民の代表でもありますので、そうした観点でまず厳正な判断、厳正な対応をしっかり行っていきたいというふうに思っております。  また、説明責任につきましても、これは非常に法的に複雑な論点があるというふうに思っておりますので、今回、弁護士の皆様方を中心に委員会をつくっていただいて、その中で法的な方向づけをしっかり行っていただきたいと。そうした検討を踏まえて県民の皆様方に説明をしていくことが御理解をいただく道でもあるというふうに思っております。そういう意味で、御指摘いただいた厳正な判断、そしてしっかり説明責任を果たせということについては、私としても当然行うべきことというふうに考えておりますので、しっかりと責任を持って進めていきたいと考えております。  以上です。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)2月13日に公表された財政的援助団体等監査報告書では、観光誘客課内に事務局のある信州キャンペーン実行委員会の物品調達等において不適切な事務処理があったことが指摘されています。その指摘に基づいた改善も求められているところですが、これは観光部内でのコンプライアンス推進に何が欠けていた結果なのでしょうか。今後の防止策徹底への決意もあわせて観光部長にお聞きします。  私は、大北森林組合事件においても、観光部の一連の不適切な事務処理においても、教員の非違行為においても、それぞれが公務員としての本分をおろそかにしてきたこと、あるいは定められた手順を無視してきたことが根底にあるように思えます。監査委員も、知事への勧告で、職員一人一人が公務員としての原点に立ち返り、全体の奉仕者としての使命を深く自覚し、県民本位の行政推進に向けて真摯に取り組むことを求める意見を述べています。行政経営改革で示されているキーワードは共感であり対話ですが、公務員としての自覚こそが第一義であり、それなくして共感や対話はあり得ないのではありませんか。知事の御見解をお聞かせください。  一昨年の11月定例会で、知事は、私の質問への答弁で、監査事務体制の充実強化を図る方向で考えていきたいとされましたが、来年度いかなる体制充実が図られる予定なのか。知事にお聞きします。       〔観光部長吉澤猛君登壇〕 ◎観光部長(吉澤猛 君)信州キャンペーン実行委員会の不適切な事務処理についてお答えいたします。  平成27年度事業に関して、監査委員からの指摘事項は2点ございました。まず1点目は、イベントで使用する物品調達に関して、納品が平成28年の4月と6月であったにもかかわらず同年3月31日に納品があったとして給付完了検査を行い、同年5月に契約金額全額を支払ったというものです。2点目は、信州デスティネーションキャンペーン事業に関して、事業計画及び予算が総会において承認される前にキャッチフレーズやロゴマークの制作などの事業に着手したというものです。  全庁的にコンプライアンスの推進に取り組んでいる中、今回の事案が発生した原因としては、観光部内でコンプライアンスを自分のこととして考える意識改革が不十分であったために事業の適正な執行に関する意識の徹底ができていなかった結果と言わざるを得ず、非常に重く受けとめておりますとともに、まことに申しわけなく思っています。  観光部としては、今回の事案を部内で共有するとともに、部内コンプライアンス委員会において部内の団体会計事務の適正化方針を新たに定めて実施しているところでございます。その主な内容は、まず事業執行については、総会で承認された事業計画及び収支予算に基づいて適正に行うとともに事業内容の変更、追加、あるいは予算の補正や流用等については必要な承認を得ること。次に、チェック体制の強化という点では、収入支出を伴う会計処理については主管課である山岳高原観光課企画経理係に合議を行うこと。また、物品の調達については、原則として次年度の予算編成時に調達計画を立て、適切な時期に調達することとし、やむを得ない理由で年度後半に物品を発注する場合は、事前に納期を確認の上、年度内納品を徹底することなどでございます。  観光部としては、ただいま申し上げたルールを日ごろの業務の中で徹底していくことで、二度と今回のような不適正な事案を起こすことがないよう、再発防止に部で一丸となって取り組んでまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)こうした一連の不適切事案は、公務員としての本分をおろそかにしてきたことが根底にあるのではないかという御指摘は、私も真摯に、謙虚に受けとめさせていただきたいというふうに思います。  コンプライアンスの推進ということでこの間取り組みを進めてきているわけでありますが、私どもは、単なる法令遵守にとどまらず、市民、社会の要請に応えるということをコンプライアンスの取り組みに位置づけているわけでありますが、こうしたことが起きるということは、その基本の法令遵守すらできていないんじゃないかという御指摘を受けてもいたし方ないというふうに率直に感じております。そういう意味で、県組織全体の危機感をもっとしっかり持っていかなければいけないというふうに思います。  私初め関係各部局長、そして管理職がまずこうした状況をしっかりと認識をするということから改めて進めなければいけないなというふうに思っております。そうした上で、他部局の問題とはいえ、やはり自分事化することが足りていないというふうに思っています。社会の組織、県も社会の大きな組織でありますけれども、そうした組織が信頼や信用を失うということがどれだけ大きな問題であるかということをやっぱり我々はしっかりと自覚していかなければいけないというふうに思います。こうした点について具体的にどう取り組みを進めるかということについて、今後改めて各部局長としっかり検討して、取り組みをさらに進めていきたいというふうに思っております。  それから、監査事務体制の充実強化についての御質問でございます。  来年度から、専門的知見を活用することによって監査力を向上していこうという観点で、新たに公認会計士の方を非常勤で採用させていただくということにしております。所要の予算案を今議会に提出をしているわけでありますけれども、具体的には、監査委員、監査委員事務局が行う定期監査、あるいは財政的援助団体等に対する監査に当たりまして、対象機関が作成した監査調書に基づき、あらかじめ着眼点などの指導や助言を行っていただく、あるいは事務局職員に同行して関係書類や財務諸表等から問題点を抽出する、こうした業務を担っていただく予定でございます。今後とも監査委員の御意見もお伺いしながら、事務局体制のあり方について検討していきたいと考えております。  以上です。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)次に、森林づくり県民税について知事に伺います。  知事は、来年度、2期目の最終年を迎える森林づくり県民税のその後について、森林づくり県民会議や地方税制研究会での議論を見据えながら判断したいと繰り返し説明されています。  1月27日に開催された地方税制研究会では、冒頭、大北森林組合による森林税の不正使用や、税を集めても事業消化できていない状況に批判が集中し、その後、税事業の組み立て方への疑問が示され、税の妥当性に議論の方向が向かったと私は傍聴していて感じました。その方向は、知事の意図と同じ向きなのでしょうか。森林整備を加速させ、林業県への転換を図る前提で、税の必要性や課題克服のための活用法を議論してもらうことこそが本筋と思いますが、知事の御見解を伺います。  次に、地球温暖化防止のための事業のさらなる加速について伺います。  来年度当初予算案に示されている環境部の県有施設の照明LED化推進事業や流域下水道スマートエネルギー事業、建設部の道路照明LED化事業、あるいは企業局の県管理ダムを活用した発電所建設といった環境対策事業は、地球温暖化防止効果の発現と財政負担の軽減が同時に見込まれることから、来年度以降示されている事業計画の前倒しによるさらなる加速が図られるべきです。県内の省エネ対策の機運やエネルギーの地消地産への意識を高めることへの期待もあります。事業加速への意気込みを環境部長、建設部長、公営企業管理者にそれぞれお聞きをいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)税制研究会における森林づくり県民税の議論のあり方についての御質問を頂戴いたしました。  地方税制研究会におきましては、自主財源としての地方税のあり方を検討するということを目的に設置をしているわけであります。この森林づくり県民税のあり方というものについても主体的に御検討を行っていただくということが基本だと思っております。私としては、森林づくり県民税、これは、普通の他の法定税に加えて県独自に超過課税という形で県民に御負担をいただいているものでありますので、そうした観点では、再三林務部長からも御答弁させていただいておりますように、まず何を目的としてどういう事業を行っていく必要があるのか。そしてそのためにどれぐらい財源が必要なのか。さらにはその財源を超過課税という形で御負担いただくということが適切なのか。こうした検討が必要だというふうに思っております。こうした点も踏まえてしっかり御議論いただくということを期待しているところでございます。  以上です。       〔環境部長関昇一郎君登壇〕 ◎環境部長(関昇一郎 君)地球温暖化防止のための事業のうち、環境部関係2事業について前倒し実施ができないかというお尋ねでございます。  議員御指摘のとおり、温暖化防止効果の発現と財政負担の軽減が同時に見込まれる事業につきましては、可及的速やかに事業を実施することが財政面からも、そして施策推進面からも必要なものと考えております。  1点目の県有施設の照明LED化推進事業は、全ての県有施設を対象としてLED化を展開するものでありまして、これは全国的にも初めてのケースとなり、事前の準備作業も膨大なものとなることから、4期に分けて実施することといたしております。2期目以降の事業実施のスケジュールにつきましては、1期目の事業の実施状況を検証しながら、前倒しが可能かどうか検討してまいりたいと思っております。  2点目の流域下水道スマートエネルギー事業は、下水汚泥から発生する消化ガスや下水熱の利用など最新のエネルギー創出技術や省エネ技術の調査を行うとともに、利用可能な潜在エネルギーの量と削減可能なエネルギーの量の試算を行い、これらの技術導入の工程表を策定するものであります。  いずれの事業も、県民の省エネ対策の機運醸成にも寄与するものと考えられることから、スピード感を持って取り組んでまいりたいと思っております。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)道路照明等LED化事業の計画の前倒しについてのお尋ねでございます。  LED灯は、従来道路照明に利用しております水銀灯やナトリウム灯に比べて消費電力が少なく交換周期も長いため、維持管理経費が抑えられるとともに、二酸化炭素排出量の削減による環境負荷の削減が図られます。  建設部では、今年度からLED化事業に着手し、まず松本地域の約1,200灯を先行してLED化し、道路面の明るさや積雪等の気象条件による影響等を検証しているところでございます。現時点では特に問題は把握されていないことから、来年度はさらに佐久、上田、千曲地域の約2,500灯のLED化に取り組むこととし、そのための予算を来年度予算に計上しております。  県内全ての道路照明灯は約1万3,000灯ございますが、これがLED化された場合は、年間7,900トン分の温室効果ガスと7,300万円の維持管理経費の削減を見込んでおります。計画では、平成31年度までに全県に導入することを予定しておりますが、引き続き検証を行う中で、円滑な導入が可能と判断された場合には取り組みの加速化を検討してまいります。  以上でございます。       〔公営企業管理者小林利弘君登壇〕 ◎公営企業管理者(小林利弘 君)私には、県管理ダムを活用した新たな発電所建設に関するお尋ねをいただきました。  この事業につきましては、経営の安定の確保の観点から、十分な利益が得られることに加え、何よりも地域住民の皆様の御理解が前提となりますことから、昨年2月に策定をいたしました長野県公営企業経営戦略におきましては、新規開発の可能性を調査研究するとの位置づけにとどめていたところでございます。しかしながら、昨年来、横川、箕輪及び片桐の各ダムごとにそれぞれ数回にわたり説明会を開催いたしまして、このたび、全ての町の御理解をいただくことができましたことから、企業局といたしましても自然エネルギーの地消地産の確保に積極的に取り組むため、経営戦略の位置づけを前倒しし、新年度から発電所の建設に着手することとしたものでございます。  発電所の完成につきましては、発電機が特注品であり製作に約2年を要しますことから、建屋の建設も含めますと、横川ダムについては平成31年度末を、箕輪及び片桐ダムについては平成32年度中を予定をしておりますが、今後とも地域住民の皆様の御理解を得ながら一日も早い完成を目指し、建設を進めてまいる所存でございます。  以上でございます。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)事業加速をすべきと申し上げました。いわば一挙両得と言える事業の資金調達については、現在、日銀の金融緩和政策による超低金利が続いているため、自治体の資金調達には追い風が吹いている状況ではありますが、昨年東京都が売り出し話題となった東京環境サポーター債のように、環境や社会貢献を重視する投資家や市民に向けたアピールも今後必要になってくると考えられます。  ロンドンに拠点を置く国際NPO気候ボンドイニシアチブによると、昨年発行された企業や自治体が地球温暖化防止などの環境対策のための資金を集める債権、グリーンボンドは、810億ドル、約9兆円と前年から倍増、急速に拡大しています。環境省もグリーンボンドの日本版指針を年度内に策定するとしています。グリーンボンド等による環境対策資金の調達導入へのお考えを環境部長に伺います。  次に、残土条例について伺います。  全国の多くの自治体が、一定面積以上の土砂の埋め立て行為を規制する土砂条例、別名残土条例を制定しています。国に土砂の埋め立て等を包括的に規制する法律がない中、建設現場等から発生する残土が適切に処分されず、災害や環境汚染を引き起こす事故が全国各地で起きています。例えば、2014年10月、関東地方で残土が崩落し、住居に浸入、住民が死亡した例を初め、山林に大量の土砂を不法投棄する。解体廃材を土砂にまぜ、残土として処分する。トンネル残土から環境基準値を超える重金属が検出されるなど、2001年から14年までに30件の事故が報告されています。  残土条例は、残土が引き起こす事故を未然に防ぎ、住民生活を守るため、自治体が自主的かつ積極的に制定しているものです。多くの山林を有し、過去産廃問題にたびたび悩まされてきた本県でも残土条例を制定すべきと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。  残土問題の大きな課題は、処分地に置かれた膨大な量の土砂の維持管理にあります。先ごろ、県民の皆様から直接御意見をお受けし県が回答する県民ホットラインで、リニアの残土問題に対処するため残土条例の制定を求める意見が寄せられました。県は、これに対し、条例という画一的な規制ではなく個別に対策を講ずるべきであり、JR東海と地元で十分に協議を行うことが適当と回答しています。そこには、県民生活を守るという県の主体的な姿勢が感じられません。条例をつくらないというならば、残土に対する県の監督責任はどうなるのでしょうか。また、処分場の維持管理はどこが責任を持って行うのが適当とお考えですか。知事に伺います。       〔環境部長関昇一郎君登壇〕 ◎環境部長(関昇一郎 君)グリーンボンド等による環境対策資金の調達についてのお尋ねでございます。  グリーンボンドについては、海外では民間を中心に普及が進んでおりますけれども、日本では今後普及が見込まれる段階でございます。御指摘のとおり、現在環境省では、企業や地方自治体におけるグリーンボンドの普及のために有識者による検討会を設置し、今年度中のガイドラインの策定を予定しております。  県の資金調達という点から考えますと、環境関連事業に限定した県債の発行は、現在の低金利局面においては手数料などのコストが相対的に大きくなることが想定をされ、必ずしも有利な条件とならないことも考えられます。一方で、グリーンボンドの発行により環境施策の積極的な展開をアピールできるという効果もございますので、その活用の可能性について研究を行ってまいりたいと考えております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)残土に関連して2点御質問を頂戴いたしました。  まず、残土条例についてでございます。  残土条例、これは建設工事等で発生する土砂の適正な処理あるいは埋め立てに伴う災害の発生防止等を目的にして、一定規模以上の土砂の埋め立て、堆積を許可等の対象とする制度であります。これは、現在24の都府県で制定されてきているわけでありますけれども、一方で、近年余り制定されなくなっています。平成21年に国が大量の土砂の放置により環境保全上の支障が生じている事案に対応するため、土壌汚染対策法を改正して規制の対象にしたということも一つの要因ではないかというふうに思っております。そういう意味で、隣接する山梨県、岐阜県、これらはいずれも平成22年度以前に制定をしてきているわけでありますけれども、これは改正土壌汚染対策法の施行前であり個別の課題が生じて、それを契機に制定されてきたものが多いというふうに考えております。
     こうした法整備等が進んでいる中でかつてほど必要性はなくなってきつつあるのではないかというふうには考えておりますが、他県の状況等も十分調べた上で、長野県として条例が必要かどうか考えていきたいというふうに思っております。  それから、リニアの関係でございます。残土に対する監督責任、それから処分場の維持管理ということであります。  これは、条例のあるなしにかかわらず、住民の皆様方の安全性を確保していくということは重要な課題だというふうに考えております。残土条例を御引用いただいたわけでありますけれども、リニア沿線、例えば神奈川県、山梨県、岐阜県、各県残土条例を制定しているわけでありますけれども、リニア事業については国の許認可を受けた公的な事業という位置づけになっている関係上、条例に基づく認可の対象外とする方向で進めているというふうに伺っているところであります。  長野県としては、この発生土の置き場の安全性の確保については、関係法令を厳格に適用しつつ対応していくということを基本に考えております。具体的には、森林法に基づく林地開発あるいは保安林解除の手続、砂防法に基づく指定地内行為の手続、環境影響評価法に基づく技術審査などの許認可、こうしたことによりまして発生土置き場の安全性は十分確保できるというふうに考えております。  なお、現在候補地となっている場所については、全てこうした法令いずれかの対象となる地域だというふうに考えております。  また、維持管理についてでありますが、1月23日には、柘植社長と会談をする中で、残土置き場については完成後の維持管理も念頭にJR東海として検討していくという表明がなされたわけであります。この方針を前提として、地権者の意向等に配慮しつつ、発生土置場の将来にわたる適切な維持管理が行われるよう、県としてJR東海に求めてまいります。  また、置き場の将来的な維持管理や安全性の確保をしていく上では、JR東海と関係者が文書による責任、管理のあり方、こうしたものを明確化していくということも必要だというふうに思っております。そうした観点での役割、県としての調整役を果たしていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)ただいまの知事の答弁の中で、JR東海の柘植社長との会談のことが述べられたわけでありますけれども、そのJR東海の柘植社長なんですが、会談の後に、まあ新聞報道でありますけれども、土地は地権者に返し、有効活用してもらい、管理してもらう原則に変わりはないんだというふうに述べておられます。知事は、今定例会の議案説明で、JRが埋め立て後の管理責任について従来の方針を転換したと言われましたが、JRの認識とのずれがあるように私には思えてなりません。知事の御見解をお聞きします。  建設発生土は、循環型社会形成推進基本法に言う循環資源と位置づけ、リデュース、リユース、リサイクルの3Rを適用し、循環できない発生土については事業者がみずからの責任において適正に処分する排出者責任を求めるべきではないでしょうか。  山梨県笛吹市では、山梨リニア実験線の工事で排出された約160万立方メートルもの残土がもとは谷であった場所に処分され、平たんな土地に変わりました。1990年、山梨県土地開発公社は、民間の金融機関から借り受けた39億円を投じて21.9ヘクタールの土地を購入、宅地造成をし、分譲する事業を始めましたが、購入者がほとんどあらわれず、年7,000万円の利払いに苦慮したあげく、最終的に山梨県に土地を売却、その後、宅地造成計画は白紙に戻されましたが、現在もこの土地の利用計画は進んでいない状態だそうです。  豊丘村本山にリニアの残土処分地が計画されていますが、JR東海は、埋め立てによってできる約8ヘクタールの土地について、使う前提で次のステップに入らせていただきたいと述べています。これは、JR東海が木を植え、20年から30年間管理し、森に戻すという意味だと私は捉えていますが、他の候補地についてもその都度個別に埋め立て後の土地を誰がどのような目的で利用、活用していくのか明確にしていく必要があると思いますが、リニア整備推進局長に伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)残土の置き場について、JR東海と認識が異なっているんではないかという御指摘であります。  先ほども御答弁申し上げたように、JR東海の柘植社長からは、残土置き場は処理後の維持管理を念頭に検討するというお話があったわけでありまして、未来永劫維持管理するとか、そこまでの明確な表現ではありません。そういう中で、ケース・バイ・ケースの対応になってくるだろうと。土地所有者の皆さんが、将来的に返していただいてそれを自分たちで有効活用したいというケースもあるわけでありますので、そういう意味では、ケース・バイ・ケースという形にはなってくるわけでありますけれども、私ども長野県としては、これは地元の皆様方の御意向というものも十分伺いながら、JR東海に求めるものはしっかり求めていくというスタンスで対応していきたいと考えております。  以上です。       〔建設部リニア整備推進局長水間武樹君登壇〕 ◎建設部リニア整備推進局長(水間武樹 君)残土処分候補地の利用目的などの明確化に関するお尋ねでございます。  議員のお話にありました豊丘村の本山は先行事例となるものでありまして、将来的にも地権者が森林として保有管理したいという意向を踏まえまして、JR東海では森林機能回復までの20年から30年の間、維持管理を行っていくというふうにしているところであります。  ほかの候補地につきましては、地権者が農地あるいは山林としての利用をする場合、また公共事業として道路の築造やグラウンドのかさ上げなど幾つかのケースが考えられますが、いずれの場合におきましても利用目的や管理責任などを明確にしていくことが必要と考えます。県としまして、JR東海と関係者との間で適切な協議が行われるよう助言をしてまいります。  以上でございます。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)校長としての再任用について教育長に伺います。  学力、体力の向上や保護者、地域との連携など、学校を取り巻くさまざまな課題への対応を迫られ、かつ学習指導要領の改訂によって学校全体の教育力向上のための条件整備も必要とされる中、校長のリーダーシップ、マネジメント力が一層求められています。その一方で、本県では校長職の大量退職時代を迎え、義務教育の校長530人のうち毎年100人以上の退職が続く状況にあり、本県教育の継続、安定を目指す目的で、来年度から校長職としての再任用の試行を行うとのことですが、本格実施の場合、再任用の規模をどの程度と見込んでいますか。  また、大量退職時代の到来は降って湧いた事態ではないはずです。管理職の養成にどのような手段をこれまで講じ、備えてこられましたか。大量退職時代だからこそ管理職の養成に力を尽くすべきです。であれば、校長職としての再任用よりも、主幹指導主事、あるいは副校長で再任用し、新任校長や教頭のOJT指導に当たってもらうほうが望ましいのではありませんか。  教員の非違行為が続いており、管理職、特に校長の力量が問われています。にもかかわらず、会議等による学校不在が多いことにより、教職員の不安や悩みに寄り添うための一番の基本となる校長と教職員が向き合う時間が奪われていないでしょうか。職務の整理によって学校運営に専念できるようにすることも管理職養成に欠かせない視点ではないでしょうか。以上、教育長に伺います。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)校長職としての再任用について3問いただきました。  まず、再任用の規模と管理職の養成のための方策についてでございますが、試行で始める校長職としての再任用につきましては、来年度は県内4ブロックで各1名を再任用いたします。今後の規模については、2年間の試行の結果を踏まえて研究してまいりたいというふうに考えております。  県教育委員会では、教員の大量退職時代を見越しまして、管理職への若手登用を促進するなどの取り組みを進めておりまして、例えば昨年度、教頭は44歳から昇任、校長も49歳から昇任するなど、早い段階からマネジメント力を養成してきたところでございます。しかし、学校現場においては、教員の大量退職等の影響によりまして年齢構成や経験年数の不均衡が生じ、従来の学校組織において行われてきた先輩教員から若手教員への知識、技術等の伝達が困難となるなど、学校の環境が大きく変化しております。さまざまな手段を講じていく必要があるというふうに考えております。校長職としての再任用もその手段の一つでありまして、教員としての高い能力や校長としての高いマネジメント力を発揮してもらい、直接的、間接的に若手管理職やミドルリーダーに伝承できるようにしてまいりたいというふうに考えております。  それから2点目、主幹指導主事や副校長として再任用したらどうかというお話でございます。  管理職の養成は一層重要となっております。大量退職時代を迎える中、人事と研修の両面からさまざまな方策に取り組む必要があるというふうに考えております。議員御提案、御指摘の点も念頭に置きながら引き続き研究してまいりたいというふうに考えております。  そして、校長の職務の整理についてでございますが、現在、学校を取り巻く課題は複雑化、多様化しております。さらに、新しい時代の教育に対応するためにも、校内、校外の人的、物的資源を生かした特色ある教育課程づくりや組織体制の整備等、校長の学校マネジメントはより一層重要になっているというふうに考えております。そのために、多岐にわたる学校の業務を、学校が本来行うべきものと学校以外の機関と連携して行うものなどに整理するなど、業務改善を進めていくことは重要な課題だと思っております。これまでも校外の会議の精選等に取り組んできたところでありますけれども、従来行ってきた当たり前であるとか例年どおりであるとかそういったことも再検討して、校長が学校経営に専念できる体制をつくるよう市町村教育委員会と連携して取り組んでまいりたいというふうに考えております。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)ただいまの教育長の答弁によれば、校長としての再任用が一番現実的な対応なんだというような御説明であったかというふうに思うんですけれども、本格実施の際にちょっと担当課から聞いたところでは、1割ぐらいを充てていきたいというような話もあったわけで、そういうようなことが現実になった場合に、現役で管理職を目指される教員の皆さんの意欲をそぐという懸念についてはどのようにお考えになっておられますか。教育長に伺いたいと思います。  最後に、特別支援教育について伺います。  一向に解決に向かう気配のない特別支援学校の過大化、過密化の状況や、施設の老朽化による環境の悪化は本県特別支援教育の大きな課題であり、課題解決を図りながら支援の仕組みの基盤強化を進めることが共生社会形成に向けたインクルーシブ教育の推進には欠かせません。そこで、喫緊の課題である以下5点について、その解決に向けいかに取り組まれるか、教育長にお聞きします。  築後45年を経過していてかねてから保護者からの強い建てかえ要望のある松本養護学校の体育館と寄宿舎について、現在の中信地区特別支援学校再編計画の中で位置づけをし、建てかえを進めていかれるお考えはありますか。  高等部卒業生の就職率を引き上げるため、「働きたい」支援事業の強化を図るとのことですが、実習先の開拓とともに、自立の可能性を伸ばすための学習活動充実が欠かせないとお聞きしています。学習活動改善の取り組みのおくれが課題とされていますが、就労コーディネーター配置2年間の成果と、高等部生徒が学習成果を実感できる機会の拡大をいかに図っていかれるかを伺います。  第2次長野県教育振興計画には、特別支援学校に在籍する児童生徒が小中学校に副次的な学籍を置いて、同時代の友と学ぶことのできる体制づくりを進めるとありますが、地元の小中学校との交流が深まるにつれ、教職員や保護者の引率負担が膨らんできています。そのために交流を諦めるとなれば、地域化推進に逆行することになりますが、状況をどのように認識されておられますか。また、いかに支援し、課題解決を図っていかれますか。  特別支援学校のスクールバスの乗車時間に関し、教育長は昨年の9月定例会で、距離的に困難な場合等やむを得ない場合を除き、通学時間は限りなく短くすべきだと答弁されていますが、目を向けなければならないのは距離的な困難さではないでしょうか。例えば、大町市内に安曇養護学校の分教室を設置することで児童生徒の負担は大きく改善されるはずです。須坂特別支援学校を参考に、市町村との連携を模索しながら分教室の展開を考えるべきではありませんか。  飯田養護学校と飯山養護学校の小学部トイレは男女共用のままですが、県内の小中高で男女共用のトイレが使用されている学校はあるのでしょうか。このような状況を放置してきたのはなぜなのか問われている時代です。重度重複障害者用のトイレ設置も急がれるのですが、教育上問題のある共用トイレの改修も早急に進めるべきではないかというふうに思いますが、教育長のお考えをお聞きしたいと思います。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず、校長職としての再任用に関する再質問でございますけれども、今後の規模については、2年間の試行の結果を踏まえて研究してまいりたいと考えておりますので、規模の問題と、それが後任の者に与える意識はどうかということに関しては、それらも含めて研究してまいりたいというふうに考えております。  それから、特別支援教育についてでございますけれども、松本養護学校の体育館と寄宿舎の建てかえについてでありますが、松本養護学校におきましては、平成15年度から17年度に校舎の大規模改修を行い、体育館につきましては19年度から24年度の間に屋根や外壁の全面補修等、耐震補強、床の改修等を実施したところであります。また、寄宿舎については20年度に屋根の改修を行ったほか、23年度以降、外壁といった施設とボイラーやエアコン等の設備の改修更新を行ってきたところであります。  現在、松本養護学校については、中信地区特別支援学校再編整備計画によりまして、まずは過大化、過密化の解消に取り組んでいるところでございまして、再編後の学校の状況を踏まえつつ、引き続き教育環境の整備改善に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  特別支援学校高等部の就労支援についてでありますが、就労コーディネーターは、受け入れ企業の開拓、生徒の希望と企業とのマッチング、企業への生徒受け入れに関する助言を主な役割として、企業に積極的に働きかけております。実習受け入れ企業の増加や、実習をした生徒のうち就職した生徒の割合の増加など着実に成果を上げておりまして、卒業生の就職率は昨年度19.8%でありましたけれども、本年度は見込みではございますが約24%に上昇するということであります。  さらに、就職率向上を目指す上では、あわせて生徒の就労への意欲を育てて、働く力と自信を高める学習活動の充実が課題であるというふうに認識しておりまして、生徒自身が目標を明確に持ち、課題や成果を確認しながら積極的に学習活動に取り組めるようにするために、新たに技能検定をモデル校で研究するとともに、企業の皆様にも御協力をいただきながら、作業学習など高等部の学習活動のあり方についても検討し、職業教育の充実に努めていきたいというふうに思っております。  それから、副次的な学籍についてでありますけれども、本県では副次的な学籍を導入する自治体がふえておりまして、特別支援学校に通う子供が居住する63市町村のうち21の市町村で実施され、今後も広がっていく見込みであります。特別支援学校の保護者からは、子供も親も地元の学校の一員と感じたという喜びの声も聞いております。副次的な学籍による交流は、インクルーシブな教育を進めていく上でも重要な取り組みだというふうに考えています。  先行して取り組んでいる市町村におきましては、学校や保護者が年度当初に交流回数や内容の調整を行いまして、年4回程度、お楽しみ会などの学級活動や運動会での交流が可能な範囲で計画的に行われているところであります。県といたしましては、副次的な学籍による交流が無理なく継続的に進められることが重要であるというふうに考えておりますので、そのためにも、こうした先行事例を紹介するなどして、保護者や教職員にとって過度な負担とならないように取り組んでまいりたいというふうに考えております。  それから、遠距離通学者の負担改善のための分教室の設置ということでございます。  分教室の設置につきましては、一定規模の学習集団が継続的に形成される見通しがあるかどうか、設置場所や地域ごとの連携などに関して地元自治会の理解や協力が得られるかどうかなど、丁寧な検討が必要であると思っております。  現在、小中学校内の分教室は佐久穂町と駒ケ根市に設置しているところですが、それ以外にも、過去、大北地域を含め幾つかの自治体からの要望を受けて検討してきた経過がありますけれども、最終的には分教室を希望する人数が少なかったなどによりまして設置につながるケースはありませんでした。また、現時点では市町村からの新たな要望は聞いていないというという状況です。  他方、須坂支援学校は、須坂市の強い意向に基づきまして、市みずからが学校設置者として環境整備、運営を行う市立の学校として創設されたところであります。特別支援学校の遠距離通学者に対する支援につきましては、分教室以外の方策も含め、個々の状況や地域の実情を把握しながら検討してまいりたいというふうに考えております。  それから、男女共用トイレの改善についてでありますが、男女共用トイレについては、ごく一部の小学校で低学年用トイレの中に残っているようでありますけれども、いずれも解消する方向で取り組まれております。それ以外の小中高校ではありません。  御指摘のあった飯田養護学校につきましては、車椅子を利用する複数の児童の在籍が見込まれたことから、可能な範囲でトイレスペースを広くとった廊下と段差がない現在のトイレが整備されております。このトイレについては来年度中に改修し、男女別のトイレとする予定であります。  また、飯山養護学校については、小学部低学年の児童を見守りやすいという現場の要望に応える形で共用のトイレが設置されております。来年度は、高等部における多目的トイレの設置とともに、男女別トイレ化につきましても、地下配管等の工事も行うことから現在精査しておりますけれども、早急な対応に努めてまいりたいというふうに考えております。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)障害者差別と言われることのないよう、対策を急いでいただくことをお願いをいたしまして、質問といたします。 ○副議長(下沢順一郎 君)次に、小池久長議員。       〔30番小池久長君登壇〕 ◆30番(小池久長 君)報道によりますと、昨年、県内での旅館の倒産は8件であり、全国で最多でありました。過去、2011年、12年でも同様でございます。  長野県では、観光振興を地方創生のプロジェクトの柱の一つとして位置づけ、観光大県を目指して部局間連携により全庁的に観光産業の成長戦略促進に取り組むこととしております。観光の魅力は、温泉、旧跡名勝、体験などとともに、その地域ならではの食材、郷土食があり、本県においても、長野県ならではの食材を活用しておもてなしをすることは、観光振興や県が進める地消地産の観点から重要なことと考えています。  一例を挙げると、諏訪地方の旅館で信州こだわりの野菜のみを使った料理が評判を呼び多くの観光客が訪れるなど、付加価値をつけた食材活用が魅力につながるケースも生まれてきております。  その中で、農政部では、本年度から食の地消地産を推進する事業を創設し、ホテル、旅館などにおいて観光客をもてなす料理食材について県外産から県内産に置きかえる取り組みを開始したと伺いますが、取り上げたテーマは、農業振興はもとより、観光振興にも通ずる重要な視点だと考えています。  そこで、本年7月から9月にJRでは信州デスティネーションキャンペーンも計画されており、信州の豊かな風土に育まれた食材などを背景とした長寿日本一、このアドバンテージも生かす中で、観光部を初め他部局と連携し、本県のおいしく魅力ある農産物を活用していかに食の地消地産を進めるのか。農政部長にお尋ねをいたします。  本県の食品産業は、製造品出荷額の約1割を占め、安定した出荷額で推移している基盤産業となっています。また、農業資源の有効利用、農業、観光、飲食等への経済効果の点でも重要と考えております。  知事の平成29年度当初予算案の説明において、しあわせ信州食品開発センターを活用し、県産食品の高付加価値化とブランド化のためおいしい指標の見える化に取り組むとありますが、どのような取り組みを行い食品産業の全体の振興を図っていくのか。具体的な取り組みや期待する効果について産業労働部長にお尋ねをいたします。  続きまして、魅力ある農産物の生産に当たっては、地域の特性を生かしてもうかる農業を展開していくことも必要であります。農林水産省の調査によると、所有者から依頼された農地耕作を断った農業者の7割は、農地の未整備を理由の一つに上げております。一方、貸し出しを希望する所有者が費用を負担してまでも農地を整備する意欲は乏しく、双方の事情が農地利用を阻む要因となっていると分析をしております。農地整備を進めることで、農地の集積、集約化や収益性の高い作物を導入することが求められています。  しかし、基盤整備の実施に当たっては、農水省の調査のとおり、農業者の地元負担が足かせとなり、取り組みはなかなか進まないという実情があります。そこで、今後どのように農業者負担を軽減しながら基盤整備を進めていくのか。あわせて農政部長にお尋ねを申し上げます。  学びの改革の基本理念の中で、少子化が急激に進行する中で、本県においても、平成41年3月に中学校を卒業する生徒数は平成28年の2万1,000人程度から約5,000人減少し1万6,000人程度となり、その後も長期的に減少傾向は続く見通しであるとしております。新しい形の学びの場の創造や再編・統合等、現在の高等学校規模や配置の見直しを含む高校が必要だとしております。  高校の多くは、その地域の伝統を引き継ぎ、住民とも深いきずなでつながり、地域振興にも大きな役割を果たしているわけですが、再編により学校がなくなることは深刻な問題であります。学びの改革基本構想案では、都市部校と中山間地校という新たなる枠組みを導入し、都市部校はスケールメリットを生かした学びを行うと記されています。それに対して、中山間地校の学びとはどのようにして行おうとしているのか。特に、大学への進学、多様な進路等どのように応えていくのか。教育長にお尋ねをいたします。  地方創生の観点に立って考えると、地方の高校生が地域で学び、将来はその地域を支える人材として活躍することが期待をされておりますが、地域を支えるためには、骨太のリーダーや斬新な発想ができるアイデアマン、地域の産業を担う卓越した技術者や職人など、さまざまな力を持った多様な人材が必要です。高校では、そうした力の基礎となる確かな学力を身につけなくてはなりませんが、現実的には高校生の学力も多様になっております。じっくりと確実に基礎的な学力を身につけること、発展的に伸びる力を十分に伸ばすこと、これからの長野県にとっても重要な課題であり、学校はそれぞれ鋭意努力し、工夫を凝らして学力の底上げや伸長に取り組んでいることと承知はしております。  そこで、教育委員会としては、高校生の学力を向上させるために具体的にどのような施策を講じているのか。教育長にお尋ねをいたします。       〔農政部長北原富裕君登壇〕 ◎農政部長(北原富裕 君)2点の御質問に順次お答えをいたします。  初めに、食の地消地産の推進についてですが、旅館、ホテル、飲食店等で使用している食材を、お米の風さやかですとか信州サーモン、伝統野菜、またジビエ、地酒、ワインなど県内産の食材に置きかえる取り組みを、本年度から、観光部、林務部、産業労働部と連携して推進しているところでございます。  来年度は、観光部と連携しまして、信州デスティネーションキャンペーンにあわせ、県産農産物を活用し、健康に配慮した料理を「信州山ごはん」と名づけて、旅館、ホテル等において提供していただく取り組みによりまして、長寿日本一を支える本県の食の魅力を発信してまいりたいと考えております。  また、地域DMOや旅行エージェントと連携しまして、旅館、ホテル等における県産食材の利用実態や課題を把握し、地域の特徴を生かした推進方策を検討する中で、県産食材を活用した料理を地域独自の魅力として観光誘客につなげる取り組みを新たに進めてまいりたいと考えております。今後も、部局間で連携し、食の地消地産を一層進めてまいります。  次に、農地の基盤整備における農業者負担の軽減についてですが、農地の多くが傾斜地に存在する本県においては、平たん地に比べ整備費用が割高になるなど、基盤整備を進める上では農業者負担の軽減が重要な課題となっております。  県営事業におきましては、担い手への農地集積率に応じ農業者の負担が軽減される国の事業が措置されておりまして、現在富士見町で実施中の事業においては、トマトやブロッコリーなどの高収益作物を導入するために農地区画を拡大し、農業法人に農地を集積することで農業者負担が実質ゼロとなる計画になっております。また、土地改良区などが事業主体となる小規模な整備に対しましては、農地中間管理機構を活用し、農地の集積、集約化を進める場合に県費補助率を引き上げる力強い農業を支える基盤整備事業を本年度創設いたしまして、農業者負担の軽減を図っております。  今後とも、これら事業を積極的に活用しまして、担い手への農地集積、集約化を進めながら農業者負担を軽減した基盤整備事業を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔産業政策監兼産業労働部長石原秀樹君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹 君)来年度事業のおいしさの指標の見える化の具体的な取り組みと期待する効果についての御質問でございます。  「NAGANOの食」おいしさ評価モデル構築事業は、風味を評価する機械を使ったおいしさのデータ化と人の評価によりまして食品のおいしさを見える化するというこれまでにない新しい取り組みでございます。  この事業では、まず日本酒などを初めとする県内の伝統食品や地域の特色ある食品を分析評価し、複数の項目から成るおいしさ分析シートを作成いたします。このシートは、商談会のプレゼンの切り札として活用したり、観光客への情報発信や6次産業化を目指す事業者への情報として多くの分野で活用が期待されております。  また、こうしたおいしさの見える化は、例えば外国人向けの食品では、出身国ごとの味の微調整やお酒とおつまみの新しいおいしい組み合わせなども提案できるようになると考えております。県といたしましては、この事業により、科学的手法に基づいたおいしさの向上、県産食品の高付加価値化、ブランド化、さらには県産品のさらなる市場拡大を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず、中山間地校での学びについてでございます。  中山間地校では、教員の目が生徒一人一人に行き届き生徒に寄り添った細やかな指導ができる。また、立地を生かした特色ある学び、例えば諏訪地区では、地域の特産であるルバーブを使ったカレーの商品化や、駅最寄りの遊休施設を中高生みずから運営する活動等があり、地域の諸課題の解決に積極的に取り組んでいるということを聞いております。  中山間地校では、このように立地を生かしたさまざまな主体的、対話的で深い学び、これが展開でき、また、生徒の多様な進路希望に合わせた少人数のきめ細やかな指導が可能であります。こうした中山間地校の学びの環境が強みとなり、多様な大学入学者選抜にも対応可能だというふうに考えております。  今後も、地域の支援や教育資源等を積極的に活用しながら、中山間地校の特色を生かした学びを推進してまいりたいというふうに考えております。  それから、高校生の学力向上のための具体的な施策についてでありますが、まず、基礎的な学力を身につけさせる施策としては、特定科目の授業を少人数で展開するための講師やきめ細やかな対応に必要な学習支援員を配置するなどして、基礎的、基本的な学習内容の定着や学び直しを進め、個に応じた指導の充実を図っているところでございます。  また、発展的に伸びる力を伸ばす施策としては、目指す進学先に応じて学校を超えて集まった生徒たちが目標の実現に向かって学び合う学校間連携事業を行ったり、入学当初や3年生の夏休みなど時期に応じた学習合宿の実施などを支援しているところでございます。  今後とも、高校生の多様な学力や進路希望に応じるためにも、また、学びの改革基本構想案で示したとおり新たな社会を創造する力をつけるためにも、さまざまな工夫を凝らして各学校の学力向上の取り組みを支援してまいりたいというふうに考えております。       〔30番小池久長君登壇〕 ◆30番(小池久長 君)昨日の山口議員の質問の中で通学距離等々の質問がありました。そういった理由によって通学を諦めるとか、いろいろな方がいるということも事実であります。その中で、当然、この基本構想をつくるに当たって、第1次高校再編の計画の反省点、また議論等が当然なされているというふうに思っています。特に、この第1次高校再編に関しましては、削減ということが先行しまして、非常に県民の皆さんに不安を与える。特に、中山間地校と少数の高校を地元に持っているところは非常に不安視をしていたわけでございます。その中で、ぜひ「減らす」から「育み、守り、つなげる」というような再編にしていただきたいわけですが、どのような反省、また協議があったのか。重ねてもう一度教育長にお尋ねをいたします。
          〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)第1期高校再編計画の検証がどのように生かされたのかというお尋ねでございます。  長野県高等学校将来像検討委員会で第1期再編の検証が行われましたけれども、その中では、少子化と過疎化のさらなる進行により、従来の基準のままでは将来的に中山間地域のほとんどの高校が単独では存在し得なくなる可能性が高いというふうに指摘されたところでございます。これを受けまして、学びの改革基本構想案では、中山間地が多く県土が広い本県の地理的特性を踏まえ、都市部にも中山間地にも高校が存立し、それぞれの高校の特徴を生かして、これまでの学びから転換した新たな学びを全ての子供たちに保障することが望ましいというふうに示したところでございます。       〔30番小池久長君登壇〕 ◆30番(小池久長 君)ぜひとも均衡ある県土の発展、また公平な教育という部分におきましても、そういったところに目を当てていただきたいというふうに要望します。  続きまして、内閣府の資料によれば、男性の約3割が育児休業を取得したいと希望している一方、実際の取得率はわずか2%にとどまっています。さらに、男性が子育てや家事に費やす時間も、先進国中最低の水準であります。  男性の育児休業取得を推進することは、積極的に子育てをしたいという男性の希望を実現するだけでなく、パートナーである女性に偏りがちな育児や家事の負担を夫婦で分かち合うことで軽減し、仕事と子育ての両立を実現し、女性活躍の推進に大きく資するものであります。  本県では、男性職員の育児参画を促し、配偶者をサポートするため、育児休業や出産補助休暇、男性職員の育児休暇取得の推進に向けて、パパの子育て計画書の提出義務化や所属長との面談実施などの取り組みを行っているところであります。知事部局の男性職員に係る平成27年度の取得実績は、育児休業6.3%、出産補助休業84.2%、育児休暇66.3%の取得率であります。  先日、同僚議員の清水純子議員の質問に対する答弁によれば、昨年末に阿部知事みずから長野県女性活躍推進会議の構成団体とともにイクボス・温かボス推進宣言をするなど、長野県内の女性の活躍を推進するために関係団体と連携してさまざまな取り組みを推進されていることは承知しています。しかし、女性活躍推進に向けた取り組みを民間に幅広く浸透させるためには、旗振り役である県みずから範を示すところが効果的と考えられ、とりわけ男性の育児休業取得については、仕事や家事、育児に対する意識改革を必要とする分野であることから、男女共同参画の観点からも県の率先した取り組みが期待されるところであります。  先日政府が取り組んだスーパーフライデーでも、地元女性団体の皆さんとの意見交換の中でお父さんがそんなに早く帰ってきても困るねという意見も聞かれ、家庭内での男性の存在価値が危ぶまれていることもかいま見えるわけであります。  平成28年3月に策定した長野県女性職員活躍推進計画では、達成目標について、平成32年度の出産補助休暇及び男性の育児休暇の取得率を100%と設定しているところでありますが、県の男性職員の育児休業取得の状況、また育休を推進するためにどのような取り組みをされているのか。また、より加速させるために達成目標を掲げ、推進する必要があるのではないか。総務部長にお尋ねをいたします。       〔総務部長小林透君登壇〕 ◎総務部長(小林透 君)男性職員の育休の取得推進についての御質問にお答えをいたします。  この取得についての具体的な取り組みといたしましては、各種支援制度をまとめたハンドブックを作成するとともに、実際に育休を取得した男性職員の体験談や意見を取り入れた子育て職員支援研修などに取り組んできたところでございます。そうしたことも含めまして、平成26年度には1.6%であった男性職員の取得率が、本年度、知事部局においては初めて10%を超える見込みとなっているところでございます。  目標といたしましては、昨年3月に作成いたしました長野県女性職員活躍推進計画において、平成32年度には20%とするという目標を定めているところでございます。この取得率の20%という目標につきましては、国家公務員や第4次長野県男女共同参画計画の目標である13%と比較しても高い設定でございますが、これは県としても率先して取り組む姿勢を示す意欲的なものと考えているところでございます。  男性職員の育休の取得につきましては、子や配偶者のためのみならず、男性職員にとっては、子供が乳幼児であるという人生の中で極めて限られた期間において子供や配偶者を含めた家庭にみずから向き合うということで、みずからの人生も豊かにする絶好のチャンスであるというふうに考えているところでございます。今後とも、男女を問わず全ての職員が、仕事に、暮らしに、生き生きと活躍できる県組織を目指しまして、意識改革、組織風土改革、しごと改革とともに働きやすい働き方改革に取り組む中で男性職員の育休取得を推進してまいりたいと考えているところでございます。  以上であります。       〔30番小池久長君登壇〕 ◆30番(小池久長 君)先ほど質問の中で、私、スーパーフライデーと言いましたですかね。プレミアムフライデーのようでございますので、謹んで訂正を申し上げさせていただきます。  それぞれの働き方、働き方改革ということで、人生の価値観が変わってまいります。きのうも、NHKの番組で、無縁の時代から創縁の時代が来るということをやっておりました。  本定例会は、明治12年の1回から始まって、記念すべき400回ということでございます。また新たなる一歩を踏み出して、県民のための幸せを御期待申し上げまして、私の一切の質問とさせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(下沢順一郎 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時59分休憩          ──────────────────         午後3時15分開議 ○議長(向山公人 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  花岡賢一議員。       〔1番花岡賢一君登壇〕 ◆1番(花岡賢一 君)中国に行き、無事に戻ってまいりました花岡でございます。皆様におかれましてはお疲れとは思いますが、いましばらくおつき合いいただきます。  多くの方々の御参加をいただき、先日22日に長野県議会海外調査報告会を行うことができました。内容については県議会ホームページに掲載されておりますが、非常に濃い内容と変わりゆく中国経済の実態、高度なITインフラに触れ、今後の日本、長野県の可能性を新たに考えるきっかけとなりました。先進地に習うことは多いわけですが、10年ほど前に行った上海と比べ激変し続ける状況を目の当たりにした中で、政治、行政のかじの切り方、その早さを感じてまいりました。やはり、政治、行政は時にダイナミックでなくてはならないと考えさせるような機会をいただいたことに感謝し、今後の長野県の発展につながる手がかりを持ってまいりましたことを踏まえながら、順次質問を申し上げます。  第4次産業革命と全世界的に進む次世代産業の波に本県も決しておくれをとってはならない中、おとといの清沢議員の質問の答弁で、全国的にも進んでいるほうだとの内容の答えがありました。日進月歩の次世代産業の進展に対して、常に攻めの姿勢で臨んでいかなくてはなりません。  私は、IT先進国の中国における次世代産業、IoT化の例で、モバイクなるものに触れ、小島代表の質問でも取り上げたシェアリングエコノミーの先駆的事例を感じてまいりました。これは、施錠された自転車にQRコードがついており、スマートフォンでそのQRコードを読み込み簡単な手続を踏むと、自然に鍵が開き、乗り出すことができるものですが、驚くことに、現在どこにあいている自転車があるのかをスマートフォンの地図画面で確認することができるのです。すなわち、自転車自身がみずからの位置をユーザーに知らせて、そこに人が向かうシステムなのです。もちろん、乗り捨てが可能で、施錠をすると1回の使用は終了します。支払いも電子決済で、履歴も残り、移動距離でマイルのようなサービスも受けられます。東京の一部などでも導入されているようですが、このような物のインターネットは確実に我々人間の生活に変化をもたらしています。  そこで、提案いたしますが、来年開学予定の長野県立大学の後町キャンパスから三輪キャンパス間の足として導入してみたらいかがでしょうか。中核市である長野市での試験が整えば観光地におけるシェアサイクルのモデルとなることを考えますが、その御所見を県立大学設立担当部長にお伺いいたします。  また、本県における次世代産業の中核となるべく予算計上がされている航空宇宙産業集積促進事業について、産業労働部長にお伺いいたします。  当初予算に寄せられた御意見、御提案に対する見解及び対応に関して、長野県テクノ財団とのやりとりについては一応の決着が見られたようですが、内容を考察すると、今まで取り組まれてきた方々と具体的な議論が行われていないように見受けられます。事業として集積させるのか、それとも拡散させるのかがわかりづらいことと、まだ集積されていない状況で拡散、全県への波及は、地理的な範囲を考えると余りにも風呂敷を広げ過ぎているように感じるのですが、どのように進めていくのか。お伺いいたします。  また、全県への波及を目指すのであるのならば、中核的な機関が当然必要になります。県として推進していく中でそれぞれの産業を支援するのならば、調整組織として設置された長野県航空機産業推進会議は重要性を増すと思われますが、率先して牽引していくのならば運営機関が必要ではないのでしょうか。お答えください。  続いて、文化遺産についてお伺いいたします。  昨年末、ユネスコ無形文化遺産に「山・鉾・屋台行事」が認定を受けました。もともと、京都祇園の山鉾行事と日立風流物が認定を受けていた中、同じ分野として新たに31件が加えられ、合計18府県、33件での認定を受けました。ユネスコが既に登録済みの案件と同じ分野として新たに追加したということは、日本全国に広まる文化としての理解が深まったことと捉えますが、残念なことに長野県の認定はありません。今回新たに認定を受けた31件は、いずれも国の重要無形文化財の指定を受けています。長野県においても国の指定を受けているものもありますが、登録に向けての動きはありましたでしょうか。また、今後の登録の追加もあるようですが、長野県においてその予定はありますでしょうか。そして、先人たちが残された数々の遺産やその後も脈々と継承されてきた文化を財産として、県はどのようにそのすばらしきものとして発信していくのか。以上2点、教育長にお伺いいたします。       〔県立大学設立担当部長高田幸生君登壇〕 ◎県立大学設立担当部長(高田幸生 君)長野県立大学の後町キャンパスと三輪キャンパスとの間の通学手段に関してのお尋ねでございます。  1年次の学生が居住する寮のある後町キャンパスと三輪キャンパスとの間の通学手段は、徒歩のほか、路線バス、自転車などが考えられます。そのうち、利用が多いと思われる自転車による通学に備えて、両キャンパスには寮生全員分の駐輪場を整備する予定でございます。しかしながら、2年次には原則として寮を出て自宅あるいはアパート等からの通学となるため、1年次に利用した自転車が不要になるといったケースもある程度出てくるものと思われます。こうした状況を踏まえますと、寮生同士、あるいは上級生、下級生の間でシェアできる供用の自転車があれば、学生の利便性も高まり、自転車の有効活用にもつながるものと考えております。  議員御提案のIoTを活用した自転車の共有につきましてただいま御説明をいただきましたが、大変便利なシステムであると思いますが、例えばアプリケーションの開発、自転車や機器の調達、管理を公立大学法人が行うとすれば、投資の是非や、利用対象者が限られる中で事業の採算性をどう確保するかなど課題も多いのではないかと思われます。学生の自転車利用に関しましては、国内の六つの大学で既に導入されているシステムがあり、必要な電子機器や自転車本体を大学側で用意することにより学生が無料で利用できるという事例がございます。ただ、こちらの方式では、自転車が行方不明になったり機器のふぐあいが発生するなどといった課題もあると聞いております。  県立大学といたしましては、こうした課題や費用負担の問題、あるいは安全性といった点も踏まえまして、利便性の高い通学手段を検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔産業政策監兼産業労働部長石原秀樹君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹 君)2点、順次お答えいたします。  まず、航空機産業の集積と今後の対応についての御質問でございます。  航空機システムの分野は、国のビジョンにおきましても、機体やエンジンに比べこれまでの取り組みが限定的であったという認識であり、今後重点的に取り組む分野として国が支援強化を明言しております。この機会を捉えまして、航空機システム産業への参入の方向性を示したものが長野県の航空機産業振興ビジョンであり、意欲の高い県内の企業群が共通の目的に向かって取り組むことは、県内の新しい産業の集積につながるものと考えております。  現在、航空機産業は、国境を越えてグローバルな部品調達が行われていることや多彩な技術が求められていることを考えますと、集積エリアを余り狭めないことが得策と考えております。また、テクノ財団のNAGANO航空宇宙プロジェクトの参画企業も全県に及んでおりますし、今回特区の拡大が認められた上伊那、諏訪地域の企業を中心に、新たに航空機産業への取り組みをスタートさせた県内企業もございます。全県展開を狙った今回の県のビジョンは、国からも高く評価されております。この機会を逃すことなく、国の専門研究機関などとの連携を一層強化して、新たな産業づくりに全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次に、航空機産業の中核機関についての御質問です。  航空機産業の振興に当たりましては、人材育成、研究開発、販路開拓、環境試験など多くの支援が必要です。そこで、この4月からは、信州大学航空機システム共同研究講座の開講、県の工業技術総合センター機能の設置、南信州・飯田産業センターの環境試験機の運用などがスタートすることになっております。  これには、多くの機関の協力が不可欠であり、一丸となって推進する組織として、昨年、長野県航空機産業推進会議を設置いたしました。この推進会議には、テクノ財団など県の機関のほか、経済産業省、宇宙航空研究開発機構、JAXA、産業技術総合研究所など、日本を代表する研究機関、専門機関が参画しております。また、この推進会議には、JAXA出身の柳原正明氏を事業推進の中心に据え、運営機能を担うとともに、それぞれの機関がその専門性を生かして得意とする役割を担当することになっております。現在、国内外に本県の航空機産業への取り組みに高い関心を示している企業や研究機関がありますので、これらの企業も加えながら長野県の航空機ビジョンの実現に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」についてでありますが、この「山・鉾・屋台行事」というのは、華やかに飾りつけられた山車の巡行を中心とした祭礼行事のことを指しておりまして、国の重要無形民俗文化財に指定されている33の「山・鉾・屋台行事」が、昨年末、ユネスコ無形文化遺産として登録されたところであります。  そもそも、ユネスコ無形文化遺産は、国の文化財として指定されている伝統芸能や民俗行事を対象として推薦登録がされているところでありますけれども、本県には「山・鉾・屋台行事」として国の重要無形民俗文化財に指定されているものがないということから、このユネスコの遺産登録に向けての動きでありますとか今後の追加の予定といったことはないという状況でございます。  それから、文化遺産の発信についてでありますが、本県には多くの文化遺産が残されておりまして、それらを未来に継承する上でも、それを発信、活用していくことが大切であるというふうに考えておりまして、さまざまな形で情報発信に取り組んでいるところであります。  伝統芸能継承のモデル地区として支援している南信州地域では、今年度事業で南信州の伝統芸能をPRするホームページを制作し、近く公開する予定となっております。また、日本遺産の認定を受けた木曽地域では、関係市町村や関係地方事務所を中心に、テレビ番組の制作など日本遺産による情報発信の取り組みを進めております。  県教育委員会としても、2件目の日本遺産認定を目指しまして市町村と共同で準備を進め、先月、縄文遺産や教育遺産などを日本遺産に申請したところでございます。さらに、平成29年度以降は、県立歴史館におきまして、縄文関連の企画展開催などにより、縄文王国信州を積極的に情報発信していくこととしております。  今後も、市町村や4月から設置される地域振興局などと連携しながら文化遺産の魅力を情報発信してまいりたいというふうに考えております。       〔1番花岡賢一君登壇〕 ◆1番(花岡賢一 君)シェアサイクルについて申し上げますと、幸運にして、来年度、上海の駐在員が戻ってきます。当然先駆的事例のノウハウを持って帰ってくるはずです。この機会に、大胆なかじを切ってみることも視野に入れていただければ、県勢発展の足がかりとなる次世代産業の創出につながると思いますので、また前向きに御検討いただければと思います。  また、先ほど村上議員が触れられておりましたけれども、世界かんがい施設遺産というものがあります。昨年、茅野市の滝之湯堰・大河原堰、安曇野市、松本市の拾ヶ堰の2件が世界かんがい施設遺産として登録されています。登録を逃してしまいましたけれども、私の地元の五郎兵衛用水も先人が残した遺産として地元では大変重要なものと言われております。そのすばらしきもの、そういったものにより光が当たるように引き続き取り組んでいただきますことをお願いしながら、質問を移ります。  産前産後の不安解消について御質問申し上げます。  先日、産前のパパ・ママ教育に参加する機会がありました。実体験から産前産後の不安解消に取り組まれている方々の意見を聞く中で、佐久医師会が発刊している「教えて!ドクター」のことを聞きました。非常にわかりやすく、当事者目線で作成されたよいものと感じたのですけれども、作成までのコンセプトもすばらしいものでありました。それは、3歳までの子供を持つ家族に焦点を絞った子育ての不安の軽減と、不用意に医療機関を受診することを抑制することによる救急医療の負担軽減、経済的負担抑制を三つの柱として掲げ、より多くの保護者の方の意見も酌むべく、医師が病院の外に出て保育園などへの出前講座も行っている現状もありました。傾向を分析して無料アプリの配信も行うなど、利用者目線のすばらしい内容と考えますが、御所見を健康福祉部長にお伺いいたします。  また、コンセプトの中の子供の健康を守る主役は医療者ではなく保護者であることはとても共感が持てたことと、救急医療の負担軽減は医療関係の急務と思われます。その両方に対して確実なアプローチを行える活動と思ったことと、冊子もしくはアプリを手元に持っていることで、まず冷静に子供と向き合い、状況の判断を保護者が行うことができるファーストコンタクト、もしくは初めの一歩としてとてもよいものと考えますが、このような活動を県内に広めてはいけないものでしょうか。健康福祉部長にお伺いいたします。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)産前産後の不安解消に向けた取り組みについて御質問をいただきました。  お尋ねの「教えて!ドクター」につきましては、平成27年度に佐久市が佐久医師会に委託して作成した育児を行っている家庭向けのマニュアルであり、スマートフォンで閲覧可能となっていると承知をしております。子供の病気やけがなどについて症状に応じて医療機関を受診すべきか否かの見きわめや、自宅でできるケアのポイントを理解することにより、親御さんの不安の解消や医療機関の適正な受診につながるといった効果が期待できるものと考えております。  各市町村が創意工夫をして母子保健や保育に関する取り組みを進める中で、好事例について幅広く情報共有することは重要であると考えており、佐久市の取り組みを含めて、母子保健の担当者研究会等の機会を捉えて情報提供してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔1番花岡賢一君登壇〕 ◆1番(花岡賢一 君)人口減少社会と言われる中で、お産は恐らく人生で最大の変化のあるときであるはずです。そのときの不安を少しでも和らげ、子育てに専念できる努力を行政が連携を強めて進めていただけるよう、知事にはともに推進していただけるパートナーとしての御理解をお願いいたします。  続いて、若者の発表の場についてお伺いいたします。  全国高等学校総合文化祭が長野県において平成30年に開催されます。ことしは宮城県で開催され、規定19部門、協賛4部門で行われる中、協賛部門の軽音楽において、私の地元の野沢南高等学校が県を代表して出場します。  先日、同窓会主催のワークショップに参加させていただき生の演奏を聞かせていただいた際に、とてもエネルギッシュで活力をいただいてきたわけですが、総合文化祭のことしの軽音楽は協賛部門であり、この部門は開催県で決定ができるとありますが、平成30年開催の全国高等学校総合文化祭の協賛部門は何部門が行われるのでしょうか。また、新たに加えられた部門もあるようですが、決定の経緯をお聞かせください。  その後、出場メンバーに伺ったところ、部員が多く、練習室がなかなか使えない現状があるようです。先ほど申し上げた生演奏の感想で、地元の区長さんが、軽音楽とはいいますが私の心には重く響いてきましたとの意見がありました。大きい音が生じることから、近隣の理解と練習場所の確保はほかの部活と異なるものがあります。一般文化部と比べてその措置が必要ではないかと考えますが、対策などありましたらお聞かせください。  また、年3回程度の高校文化連盟の大会で発表しているとのことも伺いましたが、発表会は定期的に行われているのでしょうか。そして、どの程度でどのぐらいの参加があるのか。  以上、教育長にお伺いいたします。  以前ニュースになりましたが、ミュージシャンの坂本龍一氏のクラブはサブカルチャーのるつぼとの発言がありました。クラブは、その営業形態から風営法の遵守が求められるのは当然でありますが、現在至るところで行われるようになってきておりますプロジェクションマッピングのはしりのようなものを20年近く前に目にしたことがあることと、今は紅白歌合戦に出場するまでになったボーカルダンスユニットのリーダーが、過去の栄光を捨ててクラブを回り、プロモーションしていたことなどを考えると、今日当たり前のように目にしている文化の下支えとなっていることは間違いないと思います。  ほかにも、県内にあるライブハウス的なものは重立ったものでも30軒程度であり、しかもチケットショップで扱っているところは2軒程度しかないそうです。また、高校生にとっては、出演料がかかるためなかなか出場はできない現状もあるようです。若者に何度でも出番を持たせてあげられる状況が理想ではありますが、現状、理解は進みません。経営側の努力も当然必要ですが、行政がすべきことは、若者の芸術文化に対する興味、関心を喚起することにあると思います。また、アーティストの芽を伸ばしてあげることが重要と考えますが、県の考えや現状の取り組みはどのようであるのか。県民文化部長にお伺いいたします。  また、地元佐久では、毎年、佐久ミュージカルが開催されております。昨年は、郷土の偉人、市川五郎兵衛真親伝奇として、「黄金之郷」と題して、時代考察のもと、子供たちとともにつくり上げられていました。このような活動も発表の場があればこそであり、こうした発表の場の確保を進めていくことが重要と考えますが、県民文化部長はどのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせください。  ここまで、発表することについて、またその活動を大人が理解し推し進めてあげることで次世代を創造する下支えの可能性についてお伺いしてきましたが、ここで、私が常に疑問に思っていることについて質問をいたします。  ことしの1月9日、NHKで「ONE OK ROCK18祭(フェス)」という番組が放送され、反響を呼びました。内容は、ONE OK ROCKというロックバンドが全国から応募された1,000人の18歳と共演するものなのですが、出演した18歳は、音楽を得意とする人ばかりではありませんでした。中には、母親のために自分のお店を持ちたい料理人を目指す人や自己表現のために書道に打ち込む人、サッカーのリフティングを得意とする人や絵画で自分をアピールする人、中にはけがによりみずからの夢を諦めた人もいました。そんなさまざまな人たちが自分をPRする動画をロックバンドに送り、審査することで、1,000人が集まった中、イベントは始まります。オープニングは和太鼓を演奏する高校生、その後、書道パフォーマンスでタイトルを書き出し、演奏へと移行していきます。見ていただければわかるのですが、そのパワーたるやすさまじいものがありました。  何を言いたいかというと、最近の若者は自己肯定感に乏しいとよく言われますが、先ほどのミュージカルに出演していた人やこのイベントに参加した人を見る中で、自己肯定感が低いと感じられる人はほとんど見られませんでした。もちろんドキュメンタリー番組ですので自信がなさそうな人も映ってはいましたが、この企画に参加して何かが変わったという出演者の声もあります。  また、企画に参加したスタッフの声を紹介します。アーティストの能力も当然ありますが、観客がアーティストを育てることもあります。若者のパワーを引き出したアーティストもすばらしかったですが、観客のパワーがアーティストの能力以上のものを生み出すこともあります。そのよい例だったのではないでしょうか。やはり若い世代をよくしていくのは大人の力があってこそと思いますとのことでした。  そこで、平成24年3月に長野県で行われた青少年生活意識調査では、さまざまな事例が浮き彫りになったことと思います。調査の中で、自分のことが好きですかとの設問がありました。これからさまざまなことに挑戦して、当然挫折もあるでしょうし、絶対にかなえたい夢を抱く子供もいる中で、いきなり大人から、あなた自分のこと好きと聞かれて、はい、大好きですと言える子がそれほど多くいるとは思えません。むしろ、自分のことはそんなに好きじゃないよねと聞いているようにも感じられます。さまざまな意識調査の中、若者は自己肯定感が低いものだと決めつけているのはむしろ大人なのではないでしょうか。逆に、大人に自分のこと好きですかと聞いたほうがもっと衝撃的な結果になるかもしれません。かなうとかなうまいと、夢というものは恋い焦がれるものであります。夢に支えられ、夢に苦しみ、夢に裏切られることもありながら夢に生かされる。そんな一生を抱いたことはないでしょうか。  そんな思いの中、長野県青少年問題協議会の資料には自己肯定感が低いと記載されていますが、長野県次世代サポートプランでは、若者の自己肯定感についてどのように捉えているのでしょうか。県民文化部長にお伺いいたします。  そして、次世代サポートプランの冒頭で、知事の「彼らの自信を回復させ」との言葉があります。そもそも若者は自信がないのでしょうか。自信がない、自己肯定感が乏しい、そういった課題が明確になっているのであるならばそれを伸ばしてあげることが重要なはずですが、多くの若者と接する中で、若者の自己肯定感についてどのように感じているのでしょうか。また、自己肯定感を高めるために長野県としてどのような取り組みを行ってきたのでしょうか。阿部知事にお伺いいたします。  最後に、平成30年開催予定の全国高等学校総合文化祭について聞き取りをした高校生からは、長野県のよさをアピールしてほしいことと、長野県の高校生にもっと活力が出るような企画をしてほしいとの意見を聞きました。どのようなお考えがあるのか、阿部知事にお伺いいたします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)全国高等学校総合文化祭の協賛部門についてでございますけれども、協賛部門は、開催地の事情により独自に決定できるものでありまして、長野県では、特別支援学校、ボランティア、軽音楽、ダンス、産業、人形劇の6部門を開催することとしております。  この決定の経緯でありますが、特別支援学校は、特別支援学校の高等部の生徒に活躍の機会を与えるため近年の先催県では必ず開催しておりまして、長野県でも開催することといたしました。ボランティア、軽音楽、ダンスにつきましては、県高等学校文化連盟に加盟しているこれらの部門の生徒数が本県では多く、県内での大会や活動も盛況であることから協賛部門として設定いたしました。また、専門高校の生徒にも日ごろの活動の成果を発表してもらうため産業部門を設定し、人形劇につきましては、平成30年が飯田市で開催される人形劇フェスティバル世界大会と重なることからそれにあわせて開催することとしたところでございます。  次に、軽音楽部の練習場所の確保についてでありますが、高校の軽音楽部は、一般的に部室やクラブ練習室で練習していることが多く、練習環境は学校によってさまざまでございますが、部員数が多い高校では校内での施設の確保に工夫を凝らしていると思います。軽音楽部に限らず、高校で大きな音を発する部活動については、近隣住民の理解を得る努力が重要だと思います。例えば松本深志高校では、生徒が主体となって「深志から出る音」意見交換会実行委員会というものを組織して、生徒と近隣住民との意見交換会を実施しておりまして、こうした活動が必要であると思っておりますし、また、多くの高校では、校外の公共施設を練習場所として借用したり高原で合宿したりする工夫などもしています。こうした練習場所の確保についても、生徒がみずから取り組み、社会とかかわることが、生徒の主体性や社会性、協調性等を育む大切な学びにつながるものだというふうに思っております。  それから、軽音楽部の発表の場についてでありますが、県高等学校文化連盟では、軽音楽の大会として、全県の生徒が参加する軽音楽系クラブ合同演奏会、軽音楽専門部県フェスティバルのほか、野沢南高校が属する東信地区の生徒が参加する東信支部芸術フェスティバル軽音楽専門部交流会、この三つの大会を開催しております。このうち、最も規模が大きく全県の生徒が参加する合同演奏会の今年度の地区大会の参加校数は42校、エントリーバンド数は157バンドという状況であります。また、各高校では、文化祭や部内ライブ、地域の音楽祭への参加など、各校の実情に応じて発表の場を設けているというふうに承知しております。  以上でございます。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)若者の芸術文化に対する興味関心の喚起についてからまずお答えを申し上げたいと思います。  子供や若者が文化芸術を通じまして豊かな感性や想像力を育んでいくことは大変重要と認識しております。県といたしましては、まずは子供たちに質の高い文化芸術に触れてもらう機会を提供するため、セイジ・オザワ松本フェスティバルにおきまして全県下の小学6年生を対象とした音楽会でございますとか中学1年生を対象としたオペラを毎年開催し、本年度は1万5,000人余の児童生徒が鑑賞したところでございます。
     また、昨年度の県民芸術祭から、次世代に向けた啓発事業といたしまして、県美術展において高校生に一日学芸員を委嘱したり、県書道展におきまして親子書道教室や初心者向けのギャラリートークを行うなど、新たな試みも始めたところでございます。さらに、今年度は、夏休み期間中、県内の美術館、博物館106館に御参加をいただきまして小中学生の料金無料化を実施するなど、若い世代が文化芸術に親しむ環境づくりに努めているところでございます。  また、若手芸術家への支援につきましては、県ゆかりの若手芸術家の活動を支援していくため、長野県若手芸術家支援事業を実施しているところでございます。さまざまなジャンルのプロまたはプロを目指す30代までの芸術家を募りまして、昨年11月時点で197名が登録をされているわけでございますけれども、こうした皆さんの活動をウエブサイトを通してアピールいたしますほか、各種イベント等にこうした若手芸術家を紹介させていただきまして、発表の場の開拓に努めているところでもございます。  また、来年度は、芸術監督団による県内ゆかりの若手美術作家展の開催を予定しておるなど、引き続き県として若手芸術家の活動を支援してまいりたいというふうに考えております。  2点目の地域における文化活動の発表の場の確保についてでございます。  本県には、地域ごとに多様かつ独自の文化が存在してございまして、議員御指摘のとおり、住民主体によります地域に根差した文化芸術活動の発表の場を確保していくことは重要であると認識してございます。県内には、地域の文化拠点といたしまして、約60の文化会館、ホールが設置されており、若者を含みます文化芸術活動の発表の場となっているところでございます。県といたしましては、県内の文化施設の企画運営を担うスタッフの研修を実施するなど、地域の文化振興を担う人材の育成を通じまして、文化会館、ホールの活性化を進めてまいりたいと考えております。  また、地域の文化活動への取り組みにつきましては、地域発元気づくり支援金の助成対象となってございまして、お話のございました佐久ミュージカルにつきましても、平成22年度から3年間にわたり事業の定着を県として支援もさせていただいたところでございます。今後とも、これらの取り組みを通じまして、地域における文化活動の発表の場の確保を図ってまいりたいと考えております。  3点目でございます。次世代サポートプランにおきます若者の自己肯定感についてのお尋ねでございます。  本県では、子供・若者支援施策の指針といたしまして、平成25年3月に長野県次世代サポートプランを策定いたしました。このプランでは、その基本理念を「全ての子どもと若者たちに“出番と居場所”を、そして“自信と夢”を」と定めております。  プラン策定に当たりましては、県内の青少年の生活意識を把握し、計画策定に向けた基礎資料とするため、平成23年度に小中高校生を対象に青少年生活意識調査を行っております。この調査の調査項目は9項目74問で構成したものでございまして、生活習慣や学校生活、家庭生活、規範意識などのほか自己肯定感についても回答をいただいたところでございます。  お尋ねの自己肯定感につきましては、年齢に応じてどのような変化があるかを分析したところでございまして、その結果、小中高校と学校段階が上がるに従いまして自己肯定感は低くなってきていると捉えておりまして、プランでもその旨を記載させていただいたところでございます。なお、こうした傾向につきましては、国立青少年教育振興機構が行いました青少年の体験活動等に関する実態調査結果でも同様の傾向が見られるところでございます。  この県の調査につきまして信州大学教育学部の越智教授にお願いした考察によりますと、自己肯定感、家庭生活、学校生活の間には相互に深い関係があるとされ、自己肯定感が低くなる高校生に関しまして、高校生といえば好奇心旺盛で活動的な年齢である。彼、彼女らの多くは何がしかの活躍の場を求めているといった指摘もされたところでございます。こうした考察も踏まえまして、プランでは、子供、若者の活躍の場への支援やさまざまな課題を抱える若者の支援の両面から、夢に向かって自立した社会生活を営めるよう、総合的に施策を推進するとしたところでございます。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私に対しましては、若者の自己肯定感をどう受けとめている、どう感じているかということについて御質問をいただきました。  私もいろいろなところで長野県内の若者と出会い、そして語り合う機会があるわけでありますけれども、例えば若者1000人会議とか、あるいは高校生のプレゼン大会のふろぷろとか、そうした活動をしている若い世代の皆さんとお話をすると、皆さん非常に前向き、ポジティブ、非常に積極的な取り組みをしており、自己肯定感が弱いという印象は私も受けません。  他方で、内閣府が行った調査を見ると、例えば海外と比較すると、日本の若者の自己肯定感、私は自分自身に満足しているという問いに対して、これは平成25年の調査ですが、日本の若者は45.8%が肯定的ですけれども、例えばアメリカ86%、イギリス83%、フランス82%ということで相当程度違いがあります。これは、それぞれ国の文化の違いというものもあり得るかと思いますが、私が個人的に感じているのは、どうしても日本は子供たちにできないことを強く意識させることが多いんじゃないかというふうに思います。他者との違いというものを余り肯定的に考えない、どちらかというと違っていることが余りよくないことというふうに感じる場面が私自身の子供の時代を振り返ると多かったような気がします。  こうした意識だけではなくて、ニート、発達障害、さまざまな困難を有する若者たちがいるということもこれは事実でありますので、そうした子供たちがしっかりと自立できるように県としても応援をしていくということは大変重要だと思いますし、そうしたことを通じて、より自分自身を大切に思う、また自分自身を大切に思う心が他者を大切にする心にもつながっていくというふうに私は思っています。  そういう意味で、例えば職業的自立のためのジョブカフェ信州の運営であったり、あるいは社会的自立に結びつける取り組みを行っている団体の皆さんと協働しての若者支援の取り組みであったり、あるいは先般も一般質問の中で御質問がありました翔和学園、いわゆるギフテッド教育ということで、これはでこぼこの能力の特に優れた能力を伸ばしていこうと。悪いところを引き上げるというより、むしろいいところを伸ばしていく、こうした取り組みをしている長野翔和学園の取り組みに対する支援、こうしたことを行ってきているわけであります。  これからも、全ての若い人たちが前向きに、そして自分自身を大切に思い、そして他者も大切に思う心を持ってもらえるように県としても取り組みを行っていきたいと思っています。  それから、全国高等学校総合文化祭について、花岡議員が聞き取られた高校生の声についてどう考えるかという御質問でございます。  花岡議員に御意見を出された高校生は2年生ということで、この総文祭開催のときには既に高校生ではなくなっていることから、後輩に対するエールでもあるというふうに受けとめております。大会成功に向けては、やはり当事者である子供たち、高校生の声を大切にして、高校生みずからが企画をしていくということが重要だというふうに思っております。  現在、生徒実行委員会の生徒が、大会コンセプトあるいは大会テーマをもとにして、みずから積極的にこの大会に参画するためのあり方、そして全国への発信、大会の企画、こうした検討を行っているわけであります。長野県としての特色を出そうと、県歌「信濃の国」を使ったイメージソングであったり、あるいは松本城を背景にステージを設け演奏してはどうか、こうしたいろいろなアイデアが出てきているというふうに聞いております。長野県のよさをアピールしてもらいたい、そして長野県の高校生にもっと活力が出る企画をしてほしい、こうした点については私も全く同じ思いであります。教育委員会を通じてこの実行委員会の生徒の皆さんにもこうした思いを伝えて、ぜひこの生徒の思い、そして私の思いでもありますけれども、やっぱり長野県らしい、そしてこの総文祭を通じて長野県の高校生全体がより元気に、活力が出るような文化祭にしていってもらうことを期待をし、そうした方向で私どもも取り組んでいきたいというふうに思っています。  以上です。       〔1番花岡賢一君登壇〕 ◆1番(花岡賢一 君)御答弁いただきましたけれども、自己肯定感が低いと大人が言い続けてしまえば、やはり自己肯定感が低いのかなと子供が思ってしまう可能性もあります。その中で、私の思いと阿部知事の思いは一緒だなというふうに思わせていただきましたので、この先もますます子供たちの可能性を伸ばしていける県になっていってほしいと思います。  この項目のタイトルに「若者の発表の場」とつけてありますけれども、全国高等学校総合文化祭を中心に質問いたしましたが、高校に進学していない若者も含めた全ての若者に居場所と挑戦の場を与えられるのは大人の理解であると考えます。柔軟な発想から生まれる想像力に大きな期待を寄せる次第であります。  先ほど申し上げた1,000人の大合唱の中で一番言われたフレーズがカラー・イン・ザ・ダークという言葉です。暗闇の中にあってもあなたは一つの輝きを持っていますよ、全ての色の可能性を否定しないでということだったそうです。私もその可能性を伸ばせる、そんな大人の1人になりたいと思っています。  今回の第400回長野県議会定例会において、充実した一般質問により、来る来年度のさらなる発展を期待いたしますとともに、新年度の発展が礎となり、次世代に大きな実りをもたらしますことを願い、トリとしての一切の質問を終了いたします。 ○議長(向山公人 君)以上で行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑は終局いたしました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △知事提出議案委員会付託 ○議長(向山公人 君)次に、知事提出議案をそれぞれ所管の委員会に付託いたします。  各委員会におかれては、慎重審議の上、速やかに議長の手元まで審査報告書の提出を願います。付託一覧表は後刻お手元に配付いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △請願・陳情提出報告、委員会付託 ○議長(向山公人 君)次に、去る11月定例会後、県議会に対して請願及び陳情の提出がありましたので、報告いたします。       〔職員朗読、議案等の部「5 請願・陳情文書表」参照〕 ○議長(向山公人 君)以上であります。  ただいま報告いたしました請願及び陳情を、それぞれ関係の委員会に付託いたします。  各委員会におかれては、慎重審議の上、速やかに議長の手元まで審査報告書の提出を願います。請願・陳情文書表は後刻お手元に配付いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △請願・陳情取り下げの件 ○議長(向山公人 君)次に、お手元に配付いたしましたとおり、請願及び陳情の取下願がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。  ただいま報告いたしました請願及び陳情取り下げの件を本日の日程に追加いたします。  本件を一括して議題といたします。  お諮りいたします。本件については、それぞれ願い出のとおり取り下げを許可するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(向山公人 君)御異議なしと認めます。よって、本件はそれぞれ願い出のとおり取り下げを許可することに決定いたしました。       〔議案等の部「6 請願・陳情取下願」参照〕          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案の報告 ○議長(向山公人 君)次に、議員から議案の提出がありましたので、報告いたします。       〔職員朗読〕 議第1号         第82回国民体育大会及び第27回全国障害者スポーツ大会         の招致に関する決議案提出書                                平成29年3月1日      長野県議会議長 向 山 公 人 様            提 出 者              萩 原   清  小 林 東一郎  諏 訪 光 昭              小 林 伸 陽            賛 成 者              小 島 康 晴  古 田 芙 士  望 月 雄 内              服 部 宏 昭  村 石 正 郎  本 郷 一 彦              平 野 成 基  佐々木 祥 二  風 間 辰 一              西 沢 正 隆  鈴 木   清  垣 内 基 良              清 沢 英 男  宮 本 衡 司  小 池   清              丸 山 栄 一  今 井   敦  髙 橋 岑 俊              堀 内 孝 人  酒 井   茂  丸 山 大 輔              高 橋   宏  竹 内 久 幸  吉 川 彰 一              山 岸 喜 昭  荒 井 武 志  堀 場 秀 孝              依 田 明 善  石 和   大  埋 橋 茂 人              今 井 愛 郎  寺 沢 功 希  花 岡 賢 一              宮 澤 敏 文  村 上   淳  太 田 昌 孝              小 池 久 長  清 水 純 子  中 川 宏 昌              浜   章 吉  小 川 修 一  小 山 仁 志              毛 利 栄 子  高 村 京 子  和 田 明 子              備 前 光 正  両 角 友 成  藤 岡 義 英              山 口 典 久  今 井 正 子  髙 島 陽 子              百 瀬 智 之  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第2号         森林吸収源対策の更なる推進を求める意見書案提出書                                平成29年3月1日      長野県議会議長 向 山 公 人 様            提 出 者              本 郷 一 彦            賛 成 者              小 島 康 晴  古 田 芙 士  萩 原   清              望 月 雄 内  服 部 宏 昭  村 石 正 郎              平 野 成 基  佐々木 祥 二  風 間 辰 一              西 沢 正 隆  鈴 木   清  垣 内 基 良              清 沢 英 男  宮 本 衡 司  小 池   清              丸 山 栄 一  今 井   敦  髙 橋 岑 俊              堀 内 孝 人  酒 井   茂  丸 山 大 輔              高 橋   宏  竹 内 久 幸  小 林 東一郎              吉 川 彰 一  山 岸 喜 昭  荒 井 武 志              堀 場 秀 孝  依 田 明 善  石 和   大              埋 橋 茂 人  今 井 愛 郎  寺 沢 功 希
                 花 岡 賢 一  宮 澤 敏 文  村 上   淳              諏 訪 光 昭  太 田 昌 孝  小 池 久 長              清 水 純 子  中 川 宏 昌  浜   章 吉              小 川 修 一  小 山 仁 志  小 林 伸 陽              高 村 京 子  毛 利 栄 子  和 田 明 子              備 前 光 正  両 角 友 成  藤 岡 義 英              山 口 典 久  今 井 正 子  髙 島 陽 子              百 瀬 智 之  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第3号         子どもの医療費助成に係る国民健康保険の国庫負担減額         措置に関する意見書案提出書                                平成29年3月1日      長野県議会議長 向 山 公 人 様            提 出 者              小 島 康 晴  村 上   淳  小 林 伸 陽            賛 成 者              太 田 昌 孝  高 橋   宏  竹 内 久 幸              小 林 東一郎  吉 川 彰 一  山 岸 喜 昭              荒 井 武 志  堀 場 秀 孝  依 田 明 善              石 和   大  埋 橋 茂 人  今 井 愛 郎              寺 沢 功 希  花 岡 賢 一  宮 澤 敏 文              諏 訪 光 昭  小 池 久 長  清 水 純 子              中 川 宏 昌  浜   章 吉  小 川 修 一              小 山 仁 志  高 村 京 子  和 田 明 子              毛 利 栄 子  備 前 光 正  両 角 友 成              藤 岡 義 英  山 口 典 久  今 井 正 子              髙 島 陽 子  百 瀬 智 之  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第4号         国民健康保険への財政支援の確実な実施を求める意見書         案提出書                                平成29年3月1日      長野県議会議長 向 山 公 人 様            提 出 者              小 島 康 晴            賛 成 者              本 郷 一 彦  古 田 芙 士  萩 原   清              望 月 雄 内  服 部 宏 昭  村 石 正 郎              平 野 成 基  佐々木 祥 二  風 間 辰 一              西 沢 正 隆  鈴 木   清  垣 内 基 良              清 沢 英 男  宮 本 衡 司  小 池   清              丸 山 栄 一  今 井   敦  髙 橋 岑 俊              堀 内 孝 人  酒 井   茂  丸 山 大 輔              高 橋   宏  竹 内 久 幸  小 林 東一郎              吉 川 彰 一  山 岸 喜 昭  荒 井 武 志              堀 場 秀 孝  依 田 明 善  石 和   大              埋 橋 茂 人  今 井 愛 郎  寺 沢 功 希              花 岡 賢 一  宮 澤 敏 文  村 上   淳              諏 訪 光 昭  太 田 昌 孝  小 池 久 長              清 水 純 子  中 川 宏 昌  浜   章 吉              小 川 修 一  小 山 仁 志  小 林 伸 陽              高 村 京 子  毛 利 栄 子  和 田 明 子              備 前 光 正  両 角 友 成  藤 岡 義 英              山 口 典 久  今 井 正 子  髙 島 陽 子              百 瀬 智 之  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第5号         過労死・過労自殺の根絶を求める意見書案提出書                                平成29年3月1日      長野県議会議長 向 山 公 人 様            提 出 者              小 島 康 晴            賛 成 者              本 郷 一 彦  古 田 芙 士  萩 原   清              望 月 雄 内  服 部 宏 昭  村 石 正 郎              平 野 成 基  佐々木 祥 二  風 間 辰 一              西 沢 正 隆  鈴 木   清  垣 内 基 良              清 沢 英 男  宮 本 衡 司  小 池   清              丸 山 栄 一  今 井   敦  髙 橋 岑 俊              堀 内 孝 人  酒 井   茂  丸 山 大 輔              高 橋   宏  竹 内 久 幸  小 林 東一郎              吉 川 彰 一  山 岸 喜 昭  荒 井 武 志              堀 場 秀 孝  依 田 明 善  石 和   大              埋 橋 茂 人  今 井 愛 郎  寺 沢 功 希              花 岡 賢 一  宮 澤 敏 文  村 上   淳              諏 訪 光 昭  太 田 昌 孝  小 池 久 長              清 水 純 子  中 川 宏 昌  浜   章 吉              小 川 修 一  小 山 仁 志  小 林 伸 陽              高 村 京 子  毛 利 栄 子  和 田 明 子              備 前 光 正  両 角 友 成  藤 岡 義 英              山 口 典 久  今 井 正 子  髙 島 陽 子              百 瀬 智 之  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第6号         高齢運転者の交通事故防止対策の充実を求める意見書         案提出書                                平成29年3月1日      長野県議会議長 向 山 公 人 様            提 出 者              村 上   淳            賛 成 者              本 郷 一 彦  古 田 芙 士  萩 原   清              望 月 雄 内  服 部 宏 昭  村 石 正 郎              平 野 成 基  佐々木 祥 二  風 間 辰 一              西 沢 正 隆  鈴 木   清  垣 内 基 良
                 清 沢 英 男  宮 本 衡 司  小 池   清              丸 山 栄 一  今 井   敦  髙 橋 岑 俊              堀 内 孝 人  酒 井   茂  丸 山 大 輔              高 橋   宏  竹 内 久 幸  小 島 康 晴              小 林 東一郎  吉 川 彰 一  山 岸 喜 昭              荒 井 武 志  堀 場 秀 孝  依 田 明 善              石 和   大  埋 橋 茂 人  今 井 愛 郎              寺 沢 功 希  花 岡 賢 一  宮 澤 敏 文              諏 訪 光 昭  太 田 昌 孝  小 池 久 長              清 水 純 子  中 川 宏 昌  浜   章 吉              小 川 修 一  小 山 仁 志  小 林 伸 陽              高 村 京 子  和 田 明 子  毛 利 栄 子              備 前 光 正  両 角 友 成  藤 岡 義 英              山 口 典 久  今 井 正 子  髙 島 陽 子              百 瀬 智 之  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第7号         障害者が地域で安心して暮らせる環境整備を推進するた         めの財政支援を求める意見書案提出書                                平成29年3月1日      長野県議会議長 向 山 公 人 様            提 出 者              村 上   淳            賛 成 者              本 郷 一 彦  古 田 芙 士  萩 原   清              望 月 雄 内  服 部 宏 昭  村 石 正 郎              平 野 成 基  佐々木 祥 二  風 間 辰 一              西 沢 正 隆  鈴 木   清  垣 内 基 良              清 沢 英 男  宮 本 衡 司  小 池   清              丸 山 栄 一  今 井   敦  髙 橋 岑 俊              堀 内 孝 人  酒 井   茂  丸 山 大 輔              高 橋   宏  竹 内 久 幸  小 島 康 晴              小 林 東一郎  吉 川 彰 一  山 岸 喜 昭              荒 井 武 志  堀 場 秀 孝  依 田 明 善              石 和   大  埋 橋 茂 人  今 井 愛 郎              寺 沢 功 希  花 岡 賢 一  宮 澤 敏 文              諏 訪 光 昭  太 田 昌 孝  小 池 久 長              清 水 純 子  中 川 宏 昌  浜   章 吉              小 川 修 一  小 山 仁 志  小 林 伸 陽              高 村 京 子  毛 利 栄 子  和 田 明 子              備 前 光 正  両 角 友 成  藤 岡 義 英              山 口 典 久  今 井 正 子  髙 島 陽 子              百 瀬 智 之  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第8号         共謀罪の創設に反対する意見書案提出書                                平成29年3月1日      長野県議会議長 向 山 公 人 様            提 出 者              小 林 伸 陽            賛 成 者              小 林 伸 陽  高 村 京 子  和 田 明 子              毛 利 栄 子  備 前 光 正  両 角 友 成              山 口 典 久  藤 岡 義 英  今 井 正 子              髙 島 陽 子  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第9号         南スーダンにおけるPKO活動からの自衛隊派遣部隊の         撤退を求める意見書案提出書                                平成29年3月1日      長野県議会議長 向 山 公 人 様            提 出 者              両 角 友 成            賛 成 者              小 林 伸 陽  高 村 京 子  和 田 明 子              毛 利 栄 子  備 前 光 正  山 口 典 久              藤 岡 義 英  今 井 正 子  髙 島 陽 子  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。          ────────────────── 議第10号         特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律の廃止         を求める意見書案提出書                                平成29年3月1日      長野県議会議長 向 山 公 人 様            提 出 者              藤 岡 義 英            賛 成 者              小 林 伸 陽  高 村 京 子  和 田 明 子              毛 利 栄 子  備 前 光 正  両 角 友 成              山 口 典 久  今 井 正 子  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。       〔議案等の部「1 議案 (2)議員提出議案」参照〕 ○議長(向山公人 君)以上であります。  ただいま報告いたしました議員提出議案を本日の日程に追加いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(向山公人 君)最初に、議第1号「第82回国民体育大会及び第27回全国障害者スポーツ大会の招致に関する決議案」、議第2号「森林吸収源対策の更なる推進を求める意見書案」、議第4号「国民健康保険への財政支援の確実な実施を求める意見書案」、議第5号「過労死・過労自殺の根絶を求める意見書案」及び議第6号「高齢運転者の交通事故防止対策の充実を求める意見書案」を一括して議題といたします。  お諮りいたします。本案については、それぞれ会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(向山公人 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案それぞれに対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。  本案それぞれ、原案どおり決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(向山公人 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ原案どおり可決されました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(向山公人 君)次に、議第3号「子どもの医療費助成に係る国民健康保険の国庫負担減額措置に関する意見書案」を議題といたします。
     お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(向山公人 君)御異議なしと認めます。よって、本案は提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに賛成の議員の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○議長(向山公人 君)起立多数。よって、本案は原案どおり可決されました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(向山公人 君)次に、議第7号「障害者が地域で安心して暮らせる環境整備を推進するための財政支援を求める意見書案」を議題といたします。  お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(向山公人 君)御異議なしと認めます。よって、本案は提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。  質疑の通告がありませんので、本案につき討論をいたします。  髙島陽子議員から討論の通告がありましたので、発言を許可いたします。  髙島陽子議員。       〔17番髙島陽子君登壇〕 ◆17番(髙島陽子 君)議第7号「障害者が地域で安心して暮らせる環境整備を推進するための財政支援を求める意見書案」に賛成の立場で述べます。  この意見書案は、障害者の増加や施設入所者の地域への移行促進がとられつつある現状に対し、グループホーム等の地域における受け皿や福祉人材が依然として不足しているから財政支援を要請するという趣旨だが、それは、とりもなおさず、障害のある人も健常者もさまざまなハンディキャップを超えて違いを認め、自立を支えながら共生する環境整備のことでもあると考えます。  29年度厚生労働省予算は、「包摂と多様性による持続的成長と分配の好循環」を目指し、そのための基盤整備の主な三つのうちの一つ、「安心につながる社会保障」の中に地域共生社会の実現を位置づけています。この方向で障害者支援の総合的な推進が計画され、障害者、障害児の社会参加の機会の確保と地域社会における共生の関連諸施策が盛られています  しかし、残念ながら、それらを進めるのに困難で厳しい現実も横たわっています。障害者の福祉施設は、新たな建設計画のために提案や申し入れをする際に地元のコミュニティーや地域住民に受け入れられないことがあると御相談を受けることがあります。障害者が地域に日常的にいると、周辺の住宅や土地への評価に影響があり、価値が下がると施設計画受け入れを拒むといった例もお聞きし、誤解や偏見がまとわりついているという実態に愕然とさせられ、憤りを感じます。  ノーマライゼーションを掲げ、差別禁止の法制度が決められても、ともに生きる社会環境の整備は平たんでないと思い知らされます。ユニバーサルデザイン、多様性、地域移行を政治は正しいとするが、国が大きな予算や方針を決定しても、最終的には地方、そして地域の中で相互理解へと導く力が発揮され、丁寧に合意を集め、了解を得ていく一歩一歩の道のりです。  昨年、神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた同施設元職員による大量殺傷事件は大きな衝撃を与え、現代における差別、優生思想、隔離、分断、排除、そして無関心といった社会的に重く深刻な危機を突きつけました。以後、政治はこれに向き合う努力をしているのかと問われれば、世の中の一つの現象で容疑者に属する問題にとどまっている気がします。我々の身近に目を向ける想像力がますます欠かせないと思います。  障害が今はなくても、誰もがそうなる可能性があること、そうした社会通念を国民が共通に持ち、真の共生社会実現を目指し取り組んでいくことが、繰り返しではありますが、この意見書案にある財政支援の要請に含まれ、提出者の思いに沿うことを確認する意味で、以上で私の討論といたします。 ○議長(向山公人 君)以上で討論は終局いたしました。  本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(向山公人 君)御異議なしと認めます。よって、本案は原案どおり可決されました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(向山公人 君)次に、議第8号「共謀罪の創設に反対する意見書案」を議題といたします。  提出者の説明を求めます。  小林伸陽議員。       〔37番小林伸陽君登壇〕 ◎37番(小林伸陽 君)議第8号「共謀罪の創設に反対する意見書案」の提案説明を行います。  政府は、2003年、2004年、2005年の3回にわたり廃案となった共謀罪を、テロ等組織犯罪準備罪と名称を変えて今国会での成立を目指しています。そして、その説明は、東京オリンピックに向けたテロ対策を前面に掲げ、その必要性をアピールしています。しかし、日本は国連の全てのテロ対策防止条約を批准し、国内法も制定し、銃や爆発物などを世界で最も厳しく規制をしております。テロ対策法は既に整備されているわけであります。  今回のテロ等組織犯罪準備罪は、テロ対策の名にも値せず、その中身は近代の刑法、実際に法律に違反する行為を実行しない限り処罰されないとした大原則を覆し、実行が伴わない意思を処罰するという共謀罪の新設であり、この法律が成立すれば日常の会話から犯罪になり得る。自首減免条項によってスパイや盗聴が日常的に行われると県弁護士会や法律家の7割近くが反対を表明しています。東京オリンピックは、この法律をつくらなければ開催できないがごとき説明は、国民の不安をあおり、共謀罪の成立を目指す手法で、安倍総理の国会答弁によく使われるレッテル張りそのものではないでしょうか。  この法案は、未遂罪や予備罪を飛び越して、ほとんどの罪につき犯罪の合意だけで処罰できるというものです。金田法相は、国会答弁で、一般人は対象にならないと説明していますが、人が集まり顔を合わせる場面に限らず、電話、メールやLINE上のやりとりでも共謀が成立することを認めていますし、組織的犯罪集団として政府の掲げるテロ組織と麻薬密売組織に定義はなく、対象が広がることは明らかです。内心の自由、正当な言論、表現を侵害する危険が極めて高く、憲法にも違反するものであり、あの戦前の恐怖政治の元凶とも言われた治安維持法そのものです。自由と民主主義を守る議員各位の御理解をいただけるものと確信をし、提案説明といたします。 ○議長(向山公人 君)以上であります。  お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(向山公人 君)御異議なしと認めます。よって、本案は委員会審査を省略することに決定いたしました。  質疑の通告がありませんので、本案につき討論をいたします。  今井正子議員から討論の通告がありましたので、発言を許可いたします。  今井正子議員。       〔39番今井正子君登壇〕 ◆39番(今井正子 君)議第8号「共謀罪の創設に反対する意見書案」に賛成討論を行います。  安倍内閣は、今国会に、過去に3度廃案となった曖昧で危険な一般国民が欲しているとは思えない共謀罪を創設しようと、組織犯罪処罰法を改正しようとしています。従来、政府は、マフィアなど国際組織犯罪対策を行うTOC条約締結のために共謀罪の創設が必要と説明していました。(発言する者あり)昔の自民党さんも反対している人が多いんですから、黙って聞いてください。  内心、政府が推進したカジノという大賭博場を国内につくること自体、一般国民にはマフィアなど国際組織犯罪を引き起こすのにつながるんではないかと、ギャンブル依存症の問題と同時に頭をよぎりました。2020年東京五輪・パラリンピックを見据えたテロ対策強化と銘打ち、共謀罪の構成要素を厳格化したテロ等準備罪を新設と説明もありましたが、一昨日示した条文案にはテロという表記もありませんでした。  この法案は、趣旨、目的、そして立法事実が二転三転し、逆にさまざまな懸念を、また不安を抱かせることになりました。首相や法務大臣は、過去の共謀罪との違いを強調し、一般の人は対象にならないとか準備行為がなければ逮捕されないといった説明を繰り返しました。それでは、準備行為がいかなるもので、準備行為が構成要件、犯罪が成立するための最初の条件、要件として明記されているのかということも疑問であります。  そもそも、我々国民が理解できるよう正面から説明できるような法ではなく、逆に曖昧で、我々を、人を管理する監視社会になるのでは。事前に申し出れば罪にならないなど密告社会になるのでは。法的には人の内心に踏み込む自白強要にならないのか。冤罪も起こりやすいのではないかと不安にさせます。  かつての治安維持法のように内心を裁けるということは、やってもいない人でも自白させればよい、また思っただけでも裁けることになります。本人が思ったかどうかはわからないが、逮捕後、本人の自白というのが最も簡単で確実な証拠になるという例は、悲しいかな我が日本人はたくさん経験していると思います。ジョージ・オーウェルの「1984年」のような社会に日本がならないとも限りません。(発言する者あり)読んで。  メディアによりますと、きのう参議院議員会館で開かれた集会では、一般市民は対象にならないどころか、対象は極めて広範囲になる。対象の中には、テロと関係がない罪が多く含まれているとの批判の声があり、また元NHKプロデューサーの永田教授は、戦時下で言論弾圧に猛威を振るった治安維持法を引き合いに、社会の矛盾に声を上げる人の輪を共謀と呼ぶ時代は決して過去のことではない。共謀罪はメディアの弾圧にもつながると指摘しています。  政府は、共謀罪の対象を、テロの実行110、毒物29、人身に関する搾取28、その他資金源101、司法妨害9、計277としました。我々国民のために、それから、これから生まれてくる子供たちのためにしっかり議論する国会であればよいのですが、上程日が決まり、大事な法律も立法事実がしっかり議論せずして成立してしまうのはあってはならないことです。このような刑法は、戦争と同様、始めた人、つくった人ではなく、最終的には無知で真面目に生きてきた我々国民が罰せられることになりかねません。無知というのは、知らされずという意味です。  Government of the people,by the people,for the people,shall not perish from the earth. 人民の人民による人民のための政治という原点に返ってもらいたいと思います。Government of the people,by the people,for the people,shall not perish from the earth. トランプさんにも言いたいところです。つまり、犯罪は法律では裁けないということでもあると思います。  先日、国会の共謀罪の質疑で、我が地元の議員が刑法の謙抑性ということについて、つまり、現行法の執行猶予、不起訴、刑罰を科すことにできるだけ慎重であるとする現行刑法の原則の意義を訴えました。つまり、犯罪は法律では絶滅できない、犯罪を減らす現実的な対策が必要ということです。テロ対策なら、既に、アメリカが絶対できない銃規制や爆発物規制などは日本は世界でも最先端の取り組みをしています。  最後に、新聞の投稿を読ませていただき討論を終わりにしたいと思います。   平和への貢献が最大のテロ対策 「テロ等準備罪」の新設で国会がもめています。安倍首 相はこの法案を成立させ国際組織犯罪防止条約を締結できなければ東京五輪は開催できない と言い切りました。でも…… ○議長(向山公人 君)今井正子議員に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたのでやじに反応せずに簡潔にお願いいたします。 ◆39番(今井正子 君)専門家などは、現在の法律でも十分だと言っています。   新しい法律を作るより、日本は難民の救済と受け入れ、道路、水道、トイレなどの修復と 建設、食糧援助などの平和貢献に力を入れるべきだと思います。日本は世界に戦争はしない、 困っている国や弱っている人を進んで救う優しい国であることを…… ○議長(向山公人 君)やめてください。 ◆39番(今井正子 君)認めてもらうことが、最大のテロの対策になるのでしょうか。終わります。 ○議長(向山公人 君)以上で討論は終局いたしました。  本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに賛成の議員の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○議長(向山公人 君)起立少数。よって、本案は否決されました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(向山公人 君)次に、議第9号「南スーダンにおけるPKO活動からの自衛隊派遣部隊の撤退を求める意見書案」を議題といたします。  提出者の説明を求めます。  両角友成議員。       〔15番両角友成君登壇〕 ◎15番(両角友成 君)日本共産党県議団を代表して、議第9号「南スーダンにおけるPKO活動からの自衛隊派遣部隊の撤退を求める意見書案」の提案理由の説明を行います。  政府は、昨年11月、南スーダンでの国連平和活動に派遣する自衛隊部隊の任務に駆けつけ警護と宿営地の共同防護を追加しました。当時の状況を伝える日報。政府は、現地の自衛官が正確な報告を上げていたのにもかかわらず、日報を破棄したとしました。政府は、情勢の厳しさを認識していたはずです。戦闘が起きていたら、PKO参加5原則が崩れた状態で、新たに派遣するどころか現地の自衛隊を撤退させなければなりません。そうならないように、政府は「戦闘」を「衝突」としました。国会では、稲田防衛大臣が、「戦闘」の記述について、法的な意味での戦闘行為ではない。憲法9条上の問題となる言葉を使うべきではないなどと答弁し、開き直りとも言える態度をとりました。  実は、南スーダンにおけるPKO活動は自衛隊員の命にかかわる状況であり、日本国の行為として憲法に違反します。自衛隊員に犠牲者が出ないうちに一刻も早く自衛隊を撤退させるよう国に強く要請する意見書案であります。戦闘で狙われるのは防弾チョッキ、防弾ベストで守れない手足。その手足を失われず無事に帰りたいとする派遣自衛官。我が子が戦闘にさらされるのは憲法違反とする派遣自衛隊員のお母さん。  昨年11月に国連が公表した特別調査報告書は、同7月に南スーダンで起きた事態を「激しい戦闘」と表現。大統領派と前副大統領派との和平合意は崩壊したと断定しています。撤退するには今しかありません。日本の自衛隊員から犠牲者を1人も出すわけにはいきません。まさに今です。自衛隊を撤退させようではありませんか。  議員各位の賛同をお願いいたしまして、議第9号の提案理由の説明とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○議長(向山公人 君)以上であります。  お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(向山公人 君)御異議なしと認めます。よって、本案は委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに賛成の議員の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○議長(向山公人 君)起立少数。よって、本案は否決されました。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △議員提出議案 ○議長(向山公人 君)次に、議第10号「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律の廃止を求める意見書案」を議題といたします。  提出者の説明を求めます。  藤岡義英議員。       〔16番藤岡義英君登壇〕 ◎16番(藤岡義英 君)日本共産党県議団の藤岡義英です。  議第10号「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律の廃止を求める意見書案」について提案説明いたします。  いわゆるカジノ解禁推進法とは、国際観光、地域振興、税収増などを図るとして、カジノ賭博場を中核にした総合型リゾート、IRの整備を進める法律です。刑法の賭博禁止の規定を外し、民間事業者が営利目的で賭博場を開帳する民営賭博を国内で初めて認めるものであります。IR施設で家族がそろって楽しめると宣伝されていますが、世界的には収益の8割以上がカジノで占められております。  このカジノ法に対し、大手主要4紙が、衆議院で可決された日、昨年12月2日にこぞって反対の社説を掲載いたしました。日本で賭博行為は刑法で禁止されています。その理由について、法務省は、勤労の美風を害するばかりでなく副次的な犯罪を誘発し、さらに国民経済の機能に重大な障害を与えるおそれすらあるという政府の正式見解を述べています。なぜ今解禁なのか、国民への説明はありません。  カジノによって経済がよくなるとの意見も間違いです。諸外国の例を見ても、その地域の衰退につながっているのは明らかです。そもそも、国民からお金を巻き上げ、不幸にするやり方で経済成長をやろうという発想自体が貧困です。そして、法案の成立のさせ方も乱暴をきわめました。この法律は廃止するしかありません。  既に人口の5%、500万人以上がギャンブル依存症と言われている日本は、国際的にも深刻な状況だと指摘されています。カジノ解禁が社会に与えるマイナスの影響は極めて甚大なものになるでしょう。長年ギャンブル依存症に向き合ってこられた精神科医で作家の帚木蓬生氏はこうおっしゃっておられます。ギャンブル依存症の特徴は借金とうそです。お金のためにどんなうそでもつくし、サラ金からの借金も平気ですと。さらに、病気には原因があると考えがちですが、ギャンブル依存症に原因はありません。意志が弱いとか性格の問題ではありません。問題は環境です。ギャンブルへのアクセスのよさが大きく影響します。パチンコ店がどこにでもあり、誰でも行け、競馬の馬券、競輪の車券もネットや電話で買えるという日本の現状を問題視されております。
     カジノ収入からギャンブル依存症の治療費を賄うとしておられますが、カジノを解禁すればさらに悲惨な事態が広がるでしょう。依存症が出ることを前提にばくちのテラ銭でその費用を賄おうというのは本末転倒です。  国民世論の6割、7割がカジノ設置に反対しています。県議会としても、カジノに頼らない経済発展を長野県からと、その立場でぜひ意見書案への賛同をお願いし、提案説明といたします。 ○議長(向山公人 君)以上であります。  お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(向山公人 君)御異議なしと認めます。よって、本案は委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに賛成の議員の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○議長(向山公人 君)起立少数。よって、本案は否決されました。          ────────────────── ○議長(向山公人 君)次会は、来る3月14日午後1時に再開して、各委員長の報告案件を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって散会いたします。         午後4時28分散会...