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平成29年 2月定例会本会議-02月27日-05号

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  1. 長野県議会 2017-02-27
    平成29年 2月定例会本会議-02月27日-05号


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    平成29年 2月定例会本会議-02月27日-05号平成29年 2月定例会本会議 平成29年2月27日(月曜日)  出席議員(58名)   1 番 花岡賢一      27 番 毛利栄子   2 番 今井愛郎      28 番 和田明子   3 番 寺沢功希      29 番 備前光正   4 番 山口典久      30 番 小池久長   5 番 百瀬智之      31 番 太田昌孝   6 番 小山仁志      32 番 諏訪光昭   7 番 小川修一      33 番 髙橋岑俊   8 番 丸山大輔      34 番 今井 敦   9 番 酒井 茂      35 番 丸山栄一   10 番 吉川彰一      36 番 竹内久幸   11 番 堀場秀孝      37 番 小林伸陽   12 番 依田明善      38 番 高村京子   13 番 石和 大      39 番 今井正子   14 番 埋橋茂人      40 番 村上 淳   15 番 両角友成      41 番 小池 清   16 番 藤岡義英      42 番 宮本衡司   17 番 髙島陽子      43 番 清沢英男
      18 番 浜 章吉      44 番 垣内基良   19 番 中川宏昌      45 番 鈴木 清   20 番 清水純子      46 番 西沢正隆   21 番 堀内孝人      47 番 風間辰一   22 番 小島康晴      48 番 佐々木祥二   23 番 小林東一郎     49 番 向山公人   24 番 下沢順一郎     50 番 高橋 宏   25 番 山岸喜昭      51 番 宮澤敏文   26 番 荒井武志      52 番 平野成基   53 番 本郷一彦      56 番 服部宏昭   54 番 村石正郎      57 番 望月雄内   55 番 萩原 清      58 番 古田芙士         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        阿部守一    林務部長      池田秀幸   副知事       太田 寛    建設部長      奥村康博   副知事       中島恵理    建設部リニア整   危機管理監兼危           備推進局長     水間武樹   機管理部長     野池明登    会計管理者兼会   企画振興部長    小岩正貴    計局長       清水 深   総務部長      小林 透    公営企業管理者   県立大学設立担           企業局長事務取扱  小林利弘   当部長       髙田幸生    財政課長      岡地俊季   県民文化部長    青木 弘    教育長       原山隆一   健康福祉部長    山本英紀    教育次長      小林資典   環境部長      関昇一郎    教育次長      菅沼 尚   産業政策監兼産           警察本部長     尾﨑 徹   業労働部長     石原秀樹    警務部長      西口 学   観光部長      吉澤 猛    監査委員      田口敏子   農政部長      北原富裕         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      大日方正明   議事課担当係長   倉石博之   議事課長      鈴木英昭    総務課担当係長   小澤利彦   企画幹兼議事課           議事課主任     山崎紀子   課長補佐      坪井俊文         ───────────────────  平成29年2月27日(月曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時開議 ○議長(向山公人 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(向山公人 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、萩原清議員。       〔55番萩原清君登壇〕 ◆55番(萩原清 君)通告に従いまして順次質問をさせていただきます。最初に、昨年韓国江原道などと締結された国際友好についてお伺いいたします。  近年、地方自治体においても海外との重要性が増してきている中で、長野県は、2015年を国際関係再構築年と位置づけ、国際交流のあり方を見直し、海外、とりわけアジア近隣諸国との関係を一層強化すべく取り組みが行われております。  その一つとして、平成27年8月、私が会長をしている長野県日韓親善促進議員連盟の議員11名、民団長野県本部役員及び民団中央本部団長の皆様とともに、阿部知事には長野県知事として初めて韓国を訪問していただきました。最も近い隣国であったにもかかわらず交流のなかった韓国との交流ができたことは大変意義深いものであったと思います。  この訪問先は、2018年冬季オリンピックが開催される江原道であり、韓国最大の都市であるソウル特別市でありました。その公式訪問によりまして、冬季オリンピックの開催県である長野県と2018年開催予定の江原道と友好都市関係が結べないか。また、ソウル特別市とも、知事、市長同士の話の中で何らかの協定が結べないかとの話し合いが行われ、昨年11月の21日にソウル特別市との間で「日本国長野県と大韓民国ソウル特別市との観光交流に関する協約書」が締結され、12月16日には裵晋煥江原道行政副知事が来県し、「日本国長野県と大韓民国江原道友好交流協約書」が相次いで締結されました。  ソウル特別市との観光交流協約書では、両県、市での定期的な観光交流の実施、相手方の観光に関する広報やマーケティング活動への協力、そして展示会及び観光フェスティバルへの積極的な参加を主な内容としております。  また、江原道との友好交流協約には、2018年平昌冬季オリンピックパラリンピック大会開催都市の協力を大きな柱とし、観光、スポーツ、文化芸術、青少年交流など可能な分野から交流をしていくこととなっております。  昨今、日韓両国の関係については政治的な問題がありますが、地方間の交流、民間交流は継続していくべきであり、このような状況下であるからこそお互いの信頼関係が一層強化されるものであると思います。  そこで、知事及び観光部長にお尋ねします。  長野県とソウル特別市及び江原道との間の協約書の締結は、歴史的な経緯のある中で、駐日本国大韓民国特命大使や民団団長など多くの皆様の協力によってなし遂げられたものであります。そういう数々の場に接してきた私としては、この協約締結に基づく国際交流施策に積極的な姿勢を知事は示していただけるものと思っておりましたが、今定例会冒頭の知事提案説明で方向性に触れられていない点においては、まことに残念であります。  ついては、それらを踏まえ、今後、新年度に向けてどのような交流を進めていかれるのか。知事の基本的な考えをお聞きします。  そして、ソウル特別市との観光交流協約は、相手方がアジアのみならず世界的な大都市であり、インバウンド市場の開拓のために大きな好機となると考えますが、人的交流を初めどのような施策を講じていくお考えか。観光部長にお尋ねします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)韓国との国際交流について御質問を頂戴しました。  長野県の行政を進めていく上で、世界の国々との関係を抜きにしては語れない時代になっております。特に、隣国、韓国との関係についても、これからしっかりとそのあり方を再構築して友好交流を進めていくということが極めて重要だというふうに思っております。  一昨年8月に韓国を訪問させていただきました。そのことを踏まえまして、昨年11月、ソウル特別市との間で観光交流に関する協約書、そして12月には江原道との間で友好交流協約書の締結を行いました。これは、長野県議会日韓親善促進議員連盟の会長であります萩原議員を初め長野県議会の皆様方、そして大韓民国大使館、あるいは民間の関係者を初め、多くの皆様方の御協力、御支援のおかげだというふうに考えております。改めて感謝を申し上げたいと思います。  今後の韓国との交流の基本的な考え方についてでございますけれども、まず、昨年10月にグローバルNAGANO戦略プランを策定いたしました。その中では、韓国を有望なマーケットとして重点的に経済交流に取り組んでいく経済的提携国の一つという形で位置づけております。  このグローバルNAGANO戦略プランに基づく施策をしっかりと進めていきたいというふうに思っておりますし、また、締結をいたしました協約に基づきまして、ソウル特別市との間では観光交流を、そして江原道との間では、来年平昌冬季オリンピックパラリンピックが開催される地域でもございますので、冬季オリンピックパラリンピック、あるいはスノーリゾートといった両県、道共通の財産を活用した連携交流に発展させていきたいというふうに考えております。  韓国との間では、新年度に向けた取り組みといたしましては、人材育成、経済交流促進という観点から、自治体国際化協会がソウルに設けておりますソウル事務所に初めて県職員を派遣していきたいということで今検討を進めておりますほか、松本空港を利用したチャーター便によります交流、あるいはインバウンドの増加等具体的な成果につなげることができるようにしっかりと取り組みを進めていきたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔観光部長吉澤猛君登壇〕 ◎観光部長(吉澤猛 君)ソウル特別市との観光交流についてお答えいたします。  昨年1月から11月までの本県の外国人延べ宿泊者数のうち韓国は2万8,500人、構成比は全体の3.4%という状況であり、韓国からの誘客は本県にとって大きな課題であると同時に、誘客面では今後の伸び代がある国であると認識しております。  県としては、昨年11月に締結した観光交流に関する協約書に基づき、世界的な大都市であるソウル特別市の協力を得ながら、韓国からのインバウンド推進を図ってまいりたいと考えております。  具体的には、まず、韓国では、登山やトレッキング、サイクリングなど、アウトドアの人気が高いことから、ことし6月にソウル特別市で開催される韓国国際観光展に出展し、本県のアウトドアのPRを行うとともに、現地の旅行会社等を対象とした観光セミナーを開催する予定でございます。  次に、観光PRに関しては、双方のホームページによる観光情報の相互発信を予定しており、また、文化観光施設等における相互優待割引キャンペーンの実施に向けて、現在、ソウル特別市と調整をしております。  さらに、今回の協約書に基づく両県市間の観光交流の具体化に関しては、来月ソウル特別市において協議を行う予定であり、今後もこうした顔の見える関係づくりを行いながら、協約書に基づくインバウンドの拡大に努めてまいります。  以上でございます。       〔55番萩原清君登壇〕 ◆55番(萩原清 君)知事、観光部長からそれぞれ答弁をいただきました。私も、最初に取りかかることは人的交流や派遣であると考えております。それには、韓国語を話せる職員が必要でありますが、まだまだ人材不足とのことでありますので、ぜひ人材確保に積極的に努めていただきたいと思います。  また、先進県の対応も参考にしながら、せっかく締結された国際交流協定が後戻りしないような施策をお願いします。ついては、江原道との協約書には、観光、スポーツ、文化芸術、青少年交流など、可能な分野で交流を推進していくこととなっておりますが、どのような分野でどのような具体的な交流を考えているのか。知事にお聞きします。  また、2018年平昌オリンピックの協力という点で長野県としてどのようなお手伝いや県のPR活動を考えているのか、あわせて知事にお伺いします。  また、協約締結に直接携わった太田副知事には、調印時の感想と県職員派遣についての具体的な取り組みについてお聞かせ願います。  また、観光交流には飛行機における国際定期便が欠かせないものであります。昨年副知事とともに大韓航空本社を訪問し、2月21日からのチャーター便の約束を取りつけてまいりましたが、何らかの事情により取り消されてしまったことは残念でなりません。  そこで、ソウル市側の観光協約をされたソウル副市長と連携をとって、アシアナ航空や大韓航空にチャーター便等の運航を一緒になって働きかけてもらう必要があると考えますが、その対応についてあわせて副知事にお伺いします。  また、今までは、どちらかというと、一方的に長野県側がぜひ松本空港へということでそれぞれアシアナ航空や大韓航空にお願いしたところでございますが、このソウルとの協定によりまして観光にはどうしても定期便、またはチャーター便が必要だということを理解した上でのお答えをお願いいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)江原道との交流について、それから平昌オリンピックへの協力について御質問いただきました。  まず、江原道との交流についての具体的な方向性でありますけれども、観光分野におきましては、来年度、両県道庁等での観光パンフレット、あるいはポスターの設置、掲示、さらには江原道がソウルに開設しているアンテナショップにおける観光PR、また逆に、私ども銀座NAGANOにおける連携イベント、こうしたものを開催する予定にしております。  また、スポーツの分野におきましては、日本体育協会が主催しております日韓青少年冬季スポーツ交流事業、これを本県で引き受けさせていただきまして、長野県と江原道を日韓両国の選手団が互いに訪問して、冬季スポーツを通じて交流を行うことも考えているところでございます。  今後、文化芸術、あるいは青少年分野等も含めて、さらなる交流推進に向けて具体的な方策を検討していきたいと考えております。  それから、平昌オリンピックについての協力でございます。今月の22日に江原道のグローバル投資通商局長が来県をいたしました。その際、平昌冬季オリンピックに向けた協力事項について内容の説明があり、関係部との協議を行ったところでございます。協議を踏まえて、江原道側が持ち帰って検討、再確認を行った上で改めて連絡をいただくという形になっておりますので、この場で具体的な内容をお示しできる状況にはございません。ただ、平昌冬季オリンピックパラリンピックの開催支援のため、長野オリンピックパラリンピックの経験、あるいはノウハウの提供、また、オリンピック開催という共通の財産を生かしての経済、文化、青少年交流を発展させられるようしっかりと検討し、具体化を図っていきたいと考えております。  以上です。       〔副知事太田寛君登壇〕 ◎副知事(太田寛 君)お答え申し上げます。  まず、ソウルとの協約締結、それに携わったときの感想、あるいは県職員派遣についての具体的な取り組みでございます。  昨年の11月21日、ソウル特別市市庁舎におきまして、萩原議員も御同席のもと、李建基副市長と私が観光交流に関する契約書を署名交換したところでございます。その際のソウル市側の極めて友好的な温かい応接が強い印象として残っております。  先ほど観光部長からも答弁しましたとおり、新年度以降、この観光交流についての具体化の話を進めてまいりますし、来月には具体化の協議を行う予定でございます。この協約に基づきまして、両県市が観光分野ではそれぞれに利益のある関係を構築してまいりたいと考えているところでございます。
     それから、職員派遣でございます。江原道の例で申し上げますと、鳥取県が毎年職員1名を相互に派遣していることは承知しておりまして、昨年12月に江原道の裵晋煥副知事が来県した際にも、その実施状況についてお聞きしております。  先ほど知事から御答弁申し上げましたとおり、新年度以降、自治体国際化協会ソウル事務所に県職員を派遣すべく今検討を進めておりまして、まずはその状況を見きわめながら韓国自治体への職員派遣について検討してまいりたいと考えております。  それから、大韓航空の関係でございます。計画されておりました大韓航空のチャーター便が運航延期ということでありまして、残念なことではございますが、しかし、大韓航空側も4月以降の運航を目指すということで伺っておりまして、県としては最大限の協力をし、進めてまいりたいと考えております。松本空港国際化のためにはチャーター便の数を増やすことが第一でございますので、そのことを含めまして進めてまいりたいと考えております。  今回のソウル特別市との観光交流の取り組みをしっかりと進めることによりまして、今後インバウンド事業の拡大が期待できまして、チャーター便運航に向けた追い風と考えております。引き続き大韓航空等との調整を進めまして、早期に運航が実現するよう取り組んでまいりたいと考えております。その過程におきまして、ソウル市副市長の必要な協力を仰ぐことも検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔55番萩原清君登壇〕 ◆55番(萩原清 君)国際空港を目指す長野県において、外国の航空会社へ働きかけを目指しながらも、長野県独自にFDAを中心とした国内航空会社に働きかけをするとともに、県も資本参加をして国際免許を持つ新会社を設立することなどを検討していく必要があると思います。  次に、国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の開催招致について知事及び教育長にお伺いいたします。  2月定例会招集日の知事提案説明の中で、阿部知事は、国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会招致の意向を表明されました。  先ごろ開催されたながの銀嶺国体も、本県選手団の活躍と多くの県民の皆様に応援や支援をいただき、スケート協議会においては男女総合成績1位、女子総合成績1位の成績をおさめ、スキー競技会においても、男女総合、女子総合ともに3位となり、冬季大会終了時点では、男女総合、女子総合ともに1位という成績で大成功に終了しました。  国体の開催は、本県スポーツの振興と競技力向上と直結するとともに、地域振興にもつながるものであります。これまで、県体育協会、県障害者スポーツ協会や市長会、町村会、経済4団体などから2巡目国体招致の要望を強く受けているスポーツ振興議員連盟会長という立場からも、知事の開催招致表明については歓迎するところであります。  本県は、昭和53年の第33回大会やまびこ国体を開催して、既にことしで39年が経過していますが、この本大会は昭和63年から2巡目となり、平成38年の宮崎県での第81回国体まで内々定されております。  そうなると、平成39年の第82回大会の招致を目指すこととなると思いますが、仮に平成39年の開催であるとすれば10年後となり、今から準備を進めても決して早くないと思います。  また、平成39年ということは、中央リニア新幹線の開通予定年度にも当たり、長野県にとって大変重要な時期であり、そこに国体開催が実現すればすばらしいことであります。ぜひ所定の手続を早目に進めていただきたいと思います。  やまびこ国体の際には、「日本の屋根に手をつなぐ」をスローガンに、松本を主会場に県下各地で競技が開催され、県民の総力を結集して大会を成功させました。  そして、国体開催の成果として県民一人一人が日常生活の中でスポーツに参加し、健康で明るく活力のある生活ができるような条件づくりに取り組み、県民のスポーツ活動が推進されました。  また、市町村などにおいても、住民福祉の向上や生涯スポーツ推進の観点などから多くのスポーツ施設が整備されてきました。これらがその後の冬季長野オリンピックパラリンピックの成功にもつながる要因であったと思います。  そうしたことを考えると、10年後の大会も、ぜひこれらのレガシーを生かした大会として、冬季大会を含めた完全国体とすべきと考えます。そこで、国体開催に対する知事の夢と思いをお聞かせ願います。  次に、今後の進め方及び課題等について教育長にお伺いします。  まず1点目として、国体招致に関して今後国や日本体育協会等への手続はどのように進められていかれるのか、お伺いいたします。  2点目として、国体のメーンとも言われる開閉会式会場についてであります。  総合開閉会式会場は、国体開催のメーン会場とも言えます。ここ数年、また、私が高校時代に出場した国体においても、ほとんどの県で陸上競技場で開催されております。  総合開閉会式会場基準は、観客席が仮設スタンドを含み約3万人が収容できる施設となっておりますが、必ずしも陸上競技場でなければならないとはなっておりません。しかし、私は、他県と同じように、メーン会場は陸上競技場での開催がよいと考えます。  そうした場合、昭和53年に開催されたやまびこ国体で使用された松本市の松本平広域公園陸上競技場が最適と私は考えます。しかし、問題があります。昭和53年に開催した今井の陸上競技場は、皆さんが御承知のとおり、常設のスタンドが6,500席で、仮設のスタンドをつくらないことには3万人を収容できない施設であり、その後のバックスタンド中央スクリーン設置改修などにより、芝生席を含め現在の収容人数は約1万4,000人前後となっております。  そのような状況であるため、陸上競技を行うにしても照明施設がなく、メーン会場とするには他県と比べて余りにもお粗末と言わざるを得ません。県内に第1種の陸上競技場は松本と長野にしかない現状を勘案しても、現在の競技場を大規模改修するか、あるいは近くに新しく建設するしかないと考えます。  また、現在の場所は空港の近くにあるため高さ制限が設定されております。仮に新設の場合に近隣の土地を探すにしても、都市計画設定などの問題があるため、建設部等の協力なくしてできないと考えますが、そのような調整を今後どのように進めていくのか。教育長の所見をお伺いいたします。  次に、3点目として、陸上競技場を除く正式競技会場についてお伺いいたします。  国体の正式競技数は現在37競技でありますが、やまびこ国体から既に39年が経過している中でさらに10年後となると、当時の施設は老朽化しており、日本体育協会が示す大会施設基準に合致しない施設も相当あると思われます。  例えば、陸上競技基準として1周400メートルのサブトラックと投てき練習場の設置となっておりますが、松本平広域公園陸上競技場には投てき練習場がなく、基準を満たしておりません。また、メーンスタンドあるいはバックスタンドに雨天走路の設置基準となっておりますが、現状のものは狭く短いため機能的ではなく、さらには走り幅跳びと棒高跳びの練習が可能となる雨天走路の設置が必要であります。  ついては、当時より競技数がふえている中で、37競技を開催することができる施設が県内に全部あるのでしょうか。ないとすれば、どんな競技の施設がないのでしょうか。また、施設があったとしても、現状では基準を満たしておらず、改善が必要となる競技は何かをお伺いいたします。  また、国体の開催を長野県民が共有することが大切であり、そのためには県内のできるだけ多くの市町村で競技を実施することが重要であると考えますが、その点についてもあわせてお伺いします。  4点目ですが、選手強化についてお伺いします。  2020年の東京オリンピックに長野県出身の選手が多く出場し、また、長野国体で選手がすばらしい活躍をすることは、県民の皆様に感動と感激を与えてくれることと思います。それもさきのリオ五輪で実証済みであります。  選手の育成強化は一朝一夕にはできません。小学校、中学校、高校、大学、実業団、そして競技団体や行政、企業などが一体となり取り組まなければ成果は出ません。また、他県の事例からも、育成強化には計画的に多額の予算を要しております。現在の本県の選手強化事業費は1億円程度でありますが、他県に負けないような計画的な予算化が必要と考えます。  天皇杯・皇后杯の獲得に向けた選手の育成強化も含め、新たな総合計画にしっかりと位置づけ、開催準備に万全を期していただきたいと思います。選手強化の取り組みについて、予算及び選手強化対策についてどのようにお考えか、お伺いいたします。  次に、県警察本部庁舎建設についてお伺いいたします。  私は、ここ数年総務企画警察委員会に所属し、情報機能の漏えい防止面などから、一般県民が出入りする同じ庁舎や階に警察本部があって大丈夫なのか。また、他県のように独立した警察本部が必要ではないかと何回となく質問をしてまいりました。  さらには、会派の県外視察、また委員会で他県の県庁舎等を見てきておりますが、そのような状況を踏まえ、本県における警察本庁舎の建設について、いろいろな視点に立ち、知事等の考えをお聞きしたいと思います。  最初に、現在の本庁舎を取り巻く現状と課題を申し上げますと、1点目として、警察本部庁舎が独立庁舎ではなく狭隘化しているため、警察機能が分散配置を余儀なくされており、また、セキュリティー対策も不十分であること。  2点目として、議員会館の老朽化が著しく、議員の執務スペースとしての機能が十分に果たされていないことなどが課題と考えられます。  まず、1点目の警察本部庁舎につきましては、県民生活の安全、安心を確保する上で非常に重要な拠点施設であり、全国的には建設中の施設も含めて39の都道府県が独立庁舎であると伺っております。  冒頭申し上げましたように、これまで幾つかの他県の独立した警察本部を視察してきましたが、どの警察本部も、その機能が効率的に集約されているとともに、セキュリティーも万全であり、治安のシンボルとして非常に頼もしく感じたところであります。  一方、本県の警察本部は、県庁舎9階、10階を中心に配置されておりますが、重大事案や大規模災害の発生時等に迅速かつ一体的な指揮を行うための重要セクションである総合指揮室や通信指令部門及び交通管制センターが分散している現状で、全国33都道府県において3部門全て同一棟に集約されているのと比較しても大きな違いがあります。  詳しく申し上げれば、通信指令室が西庁舎4階、交通管制センターが長野中央署、また鑑識課や科学捜査研究所が警察機動センター、そして情報管理課の一部が北信免許センターに分散されているほか、相当数の所属も県庁周辺や長野市内に分散されていることから、県民にとって利便性が悪い上に、特に非常時にスピード感がある対応がとれるのか、甚だ心もとないのが実情であります。  また、セキュリティーについては、今年度、県庁9階と10階に仕切り壁を設置するなど一定の対策は講じられたものの根本的な解決にはなっていない上に、一部の県民からは、閉鎖的な威圧感があるなどの声が上がっているなど、他県との格差が余りにも著しいと感じているところであります。  次に、2点目の本庁舎北側にある議員会館につきましては、県議会議員の宿泊機能を有した執務室として、昭和39年に建設されて以来50年以上が経過し、耐震化工事は行ったものの、給湯設備を初め各施設がたびたび故障を繰り返すなど老朽化が著しく、執務スペースとしても、また宿泊施設としても十分な機能を果たしていないのが実情であります。  私は、こうした現状と課題を踏まえたとき、県民のため、また県政のさらなる発展のためにも、警察本部や議員の執務スペースを一体として一刻も早い建設が望ましいのではないかと考えております。  しかし、これらを実現するに当たっては、財源問題と建設場所の確保が最大の課題であります。  まず、財源問題については、現在、4年制大学や武道館、美術館などの大型施設の建設が進行、計画され、一般財源の確保は非常に厳しい状況にあります。  しかしながら、県民の安全、安心な生活を支える庁舎の建設も優先すべきものであり、例えばPFIによる手法や、全国にも例がある企業局参加も方策の一つと考えるところであります。さまざまな手法を検討し、ぜひ財源を確保して実現させてほしいと思います。  また、建設場所については、私の考えですが、警察本部庁舎は多くの他県警察のような独立庁舎がベターであり、一方で、本庁舎の間近での建設ということを前提とした場合、現在の議員会館及び北側駐車場の場所が候補地となり得るのではないかと考えます。  以上申し上げましたが、順次お尋ねします。  まず、県警本部長は、現在の警察本庁舎について、他県の状況等を踏まえ、どのように思われているのか。率直な御意見を伺います。  そして、建設が可能と仮定した場合、多くの県と同じように独立庁舎とするのか、あるいは、議員会館などとの複合施設で可能であるとお考えか。県警本部長にあわせてお伺いいたします。  知事には、ぜひさまざまな財源確保について検討をしていただき、県民生活の安全、安心の視点から、次期5カ年計画において、警察本部庁舎建設について明確に位置づけるとともに、一歩前進となる対応をすべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私に2点御質問いただきました。まず、国体の関係でございます。  国体を完全国体とすべきと考えるか否かということでありますが、私も冬季国体も含めた完全国体を目指していきたいというふうに思っております。冬季スポーツが長野県の強みでもございます。また、四季を通じた本県の魅力を発信するという意味でも、冬季国体も含めた完全国体を目指して取り組みを進めていきたいと考えております。  また、夢と思いという御質問をいただきました。国体に参加されるトップレベルのアスリートの育成強化、こうしたことはもとよりでありますけれども、やはり広く多くの県民の皆様方がスポーツに参加をする、観戦する、親しむ、そうした環境をこの国体を契機に築いていくことが重要だというふうに思っております。  そういう意味で、この国体を開催するということはもとより一つの目的でもありますが、単に開催するということだけではなくて、やっぱりその前後を通じて、このスポーツを通じた元気な長野県づくりが進むように取り組んでいきたいと思います。  参加者の裾野を広げ、あるいは健康増進に結びつけ、さらには地域の活性化にもつなげると、こうしたことをこの国体を契機にしっかりと考えていく必要があるというふうに思っております。  そういう観点で、これから教育委員会とも連携してさまざまな取り組みを具体化していきたい。まずは招致に向けた取り組みに全力を傾注していきたいと思っております。  それから、警察本部庁舎の建設について御質問を頂戴いたしました。  県民生活の安全、安心を確保していくということは県政の重要課題であります。厳しい財政状況の中でありますが、これまでも、県民に身近な警察署あるいは交番等の警察施設の整備を着実に進めてきております。平成29年度、来年度の当初予算案におきましても、29年度竣工予定の佐久警察署の改築等施設整備に約12億円の予算を計上させていただき、現在、御審議をお願いしているところでございます。  こうした中で、新たに本部庁舎を建設するということにつきましては、まず老朽化した警察署、交番等警察施設の改修、建てかえ等が今後も見込まれております。また、警察本部を含めた県庁舎全体について約50億円かけて耐震化工事を行って平成25年度に完了した直後であるということ。また、庁舎の建設費あるいは移転新設経費に加えて、庁舎の維持管理経費についても新たな負担となってくるというようなことから、現在の厳しい財政状況を考えますと、財源確保も含め、長期的な視点で慎重に検討を行うべき課題というふうに認識しておりますが、今後、県有施設全体のあり方を検討する中で考えてまいりたいと思っております。  以上です。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)国体招致に関係しまして御質問をいただきました。  まず、国体招致の手続についてでありますが、先例を見ると、会場準備や選手育成等の関係から、開催のおおむね10年前にはいわゆる内々定となっておりまして、本県が招致に取り組むのは平成39年の大会ですが、前年の38年の大会については、既に宮崎県が内々定という状況であります。  手続につきましては、日本体育協会の国体開催基準要綱というものがありまして、それにのっとって、県議会の御議決をいただいた上で、知事、教育委員会、県体育協会会長の連名で日本体育協会会長、文部科学大臣宛てに開催要望書を提出することになっております。この要望書を提出後、日本体育協会の理事会において承認をいただければ内々定というふうになりまして、その後、大会開催5年前には、競技ごとに開催市町村、それから競技会場を決定した上で、開催申請書を提出しまして内定となるという見込みでございます。  次に、開閉会式会場の改修等における調整についての御質問でございます。  知事が代表質問で諏訪議員にお答えしましたとおり、長野県での開催が承認された場合には、県や市町村、競技団体などで構成する準備委員会を設立する予定としておりまして、開閉会式の会場等の選定は、その準備委員会において協議の上、決定をいただくというふうに考えております。この準備委員会の協議を進めるに当たっては、議員御指摘のとおり、建設部や関係機関との調整が必要になっておりますので、そうした関係機関、建設部と連携、協力しながら、どのような施設整備が必要となるか検討してまいりたいというふうに考えております。  それから、正式競技の施設の状況でありますが、本県が招致に取り組む平成39年の国体についてはどういった競技が正式競技となるかについては現在のところは未定でありますけれども、現行の本大会の正式競技37競技、これにつきまして、今年度本県で開催しました北信越国体の例で見ますと、ライフル射撃競技と山岳競技は県内に施設がありませんので、それぞれ他県の施設、あるいは仮設の施設において競技を行ったところであります。  また、施設基準を満たすために現時点で明らかに改善が必要であるという競技は、コートの人工芝化が必要なホッケー競技、227頭の馬を収容できる厩舎の設置が必要な馬術競技などでありますけれども、詳細につきましては、今後、中央競技団体の現地調査を経て明らかになるものというふうに承知しております。  次に、県内の多くの市町村での実施についてでありますが、全ての県民が一丸となって大会を盛り上げるためにも、県内全域の、より多くの市町村において開催することが望ましいというふうに考えております。  設立予定の準備委員会におきまして、市町村や競技団体の皆様の御意見をお聞きしながら会場となる市町村の決定方法などについて検討を進めてまいりたいというふうに思っております。  最後に、選手の育成強化であります。  北信越5県の選手強化費を比較いたしますと、平成30年に本国体の開催を控える福井県では本県の約5倍、他の3県についても本県の約2倍という状況であります。本国体の開催となりますと地元選手の活躍が大会成功の大きな鍵となりますので、競技力向上に向けまして、天皇杯・皇后杯獲得はもとより、大会後のスポーツ界の好循環の創出を目指して、10年後、20年後を見据えた長期的かつ計画的な選手強化に取り組んでいくことが必要だというふうに思っております。  まずは、競技力向上に向けた計画の策定に着手するとともに、次期総合5カ年計画や予算面での対応を含め取り組んでまいりたいというふうに考えております。       〔警察本部長尾﨑徹君登壇〕 ◎警察本部長(尾﨑徹 君)警察本部庁舎に関して2点御質問をいただきました。  最初に、警察本部庁舎の他県の状況を踏まえた所見についてお答えいたします。  警察本部は、全ての県民の皆様に安全、安心をひとしく実感していただくため、県下各警察署の活動を日々把握した上で必要な指揮を行う役割を担っておりますが、そのためには広範な警察事象をそれぞれ担当する部門の集約は欠かせないものであり、特に重大事案や大規模災害等発生時には、速やかな情報の集約と一元的な指揮命令系統の確立は極めて重要となります。  また、警察業務は個人情報や捜査情報等多数取り扱うほか、テロ等の攻撃対象となりかねない特殊性を有しておりますので、庁舎の厳重なセキュリティーが求められております。  しかし、現在の警察本部は、庁舎の狭隘による本部機能の分散配置とセキュリティーの脆弱性の面で大きな課題があると認識しております。若干具体的に申しますと、警察本部は昭和42年の県庁舎新築時には県庁9階及び10階の一部に警察本部機能の全てが集約されておりました。その後、治安情勢の変化などにより、職員や部署の増強が図られてきたことから分散化が進み、現在では県庁5階、西庁舎、東庁舎、県庁周辺の民間施設、さらには長野市内の警察施設で分散している状況にございます。  このため、業務の効率的運用に支障が生じているほか、特に総合指揮室、通信指令課及び交通管制センターが分散していることにより、重大事案や大規模災害等の発生時における情報の集約や指揮命令系統の一元化、突発事案の対応などの面で課題が多いと感じております。  議員御指摘のとおり、全国で33都道府県が総合指揮室などの3部門全てが同一の庁舎に集約されておりますが、さらに申し上げますと、3部門全てが別の庁舎となっているのは、本県を含めて2県という状況でございます。これらの現状を踏まえると、県民の豊かな暮らしを支え、県民の安全と安心の確保を第一義とする県警察の責任者として、警察力を最大限に発揮するために、警察本部機能の集約化と万全のセキュリティーを兼ね備えた警察本部庁舎の建設はぜひとも必要であると考えており、これは長野県警察にとっても長年の悲願でございます。  続いて、議員会館などとの複合施設でも可能かとのお尋ねについてお答えいたします。  全国の状況を見ますと、本県を含めた8県が合同庁舎となっていますが、階層の分離や警察専用エレベーターを設置するなどにより、そのほとんどは独立庁舎と同様のセキュリティーが確保されております。このため、警察本部といたしましては、独立庁舎が望ましいとは考えておりますが、一層の機能強化対策とセキュリティー対策として、分散配置されている警察本部機能が集約され、専用受付や専用エレベーターを設置するなどほかの施設と完全に分離され、独立庁舎と同程度のセキュリティーが確保できれば複合施設でも問題はないものと考えております。  以上でございます。       〔55番萩原清君登壇〕 ◆55番(萩原清 君)国体招致につきましては、知事及び教育長から前向きな答弁をいただきました。国体及び全国障害者スポーツ大会の開催は、県民に夢や希望を与え、健康増進や経済波及、雇用にも大きな効果が期待できます。今まで開催された各県の開閉会式前のアトラクションは、郷土を代表するすばらしいアトラクションが披露されております。この準備や練習においても数年を要すると聞いております。どうか少年から大人の人たちまで大勢の県民が参加できる計画を作成していただき、県民総参加の国体にしていただきたいと思います。  日本体育協会発行のスポーツジャパン2015年9・10月号によると、国体参加選手約2万人、観客動員約60万から70万人、大会開催経費約100億円から150億円、経済効果約500億円から600億円と報じられております。  また、経済波及効果として、平成26年度開催の長崎県国体では505億円、平成27年度開催の和歌山県では641億円と算出されております。さらに、雇用誘発効果として、長崎県で3,794人、和歌山県で4,450人の効果があったとされております。そういう観点から、大会終了後の本県の地域振興にとってもプラスになる効果が大いに期待できると考えられます。  冬季長野オリンピックのとき、一校一国運動が行われました。それらを例とした選手強化面についてですが、現在、私立高校のスポーツ活動にはすばらしいものがあります。そこで、県立高校においても、特色のある一校一運動部を設置し、スポーツ面で特色のある高校づくりの機会としたらと考えます。  また、新設された県立大学でも、教育カリキュラム以外の部活におけるスポーツで全国レベルの活躍ができる選手の強化の場を設置できればと思うところであります。それには指導者の確保が非常に重要であると考えられます。  県立大学の開校が近づいてまいりましたが、高田担当部長には、長年この業務に携わり、尽力され、今年度をもって退職されるとお聞きしております。これまでの勤務に敬意を表すとともに、県立大学でのスポーツ強化面、これはたくさんのスポーツでなく一つのスポーツでも結構です。県立大学の構想の思いがあればお聞かせ願いたいと思います。  また、警察本部庁舎建設については、知事及び警察本部長からそれぞれ答弁をいただきました。まだ少し慎重に検討したいという知事の答弁がございましたが、私の知人に警察本部はどこにあるのかと聞いても、ほとんどの方からよくわからないとの答えが返ってきます。そんな意味においても、県民の安心、安全を確保する警察機能が十分図られる警察本庁舎の建設が必要と考えます。  財政的な問題等もあることは承知しておりますが、一般会計からの持ち出しをすることなく、企業債での財源確保という方法も考えられますので、ぜひ実現のために御尽力をお願いいたします。       〔県立大学設立担当部長高田幸生君登壇〕
    県立大学設立担当部長(高田幸生 君)初めに、新県立大学でのスポーツ強化面についてのお尋ねでございます。  長野県立大学の学生には、幅広い教養と深い専門知識を習得していただくと同時に、コミュニケーション能力や心身のたくましさを備えた社会人となって活躍していただきたいと考えております。そのためには、学生が、勉学だけでなく、長野県ならではのシーズンスポーツやサークル活動などにより心身を鍛えられるような環境づくりをまず行っていく必要があると感じているところでございます。  また、新県立大学についての思いということでございますが、私は、平成25年4月から新大学設立準備に携わってまいりましたが、新県立大学の設立と、その内容が固まるまで長年にわたりさまざまな御意見がある中、県として道筋を見出すことができましたのは、ひとえに県議会を初めとする関係各位の御協力、御尽力のたまものと深く感謝を申し上げます。  仮に、基本構想策定までを第1期としますと、安藤、金田一両氏にそれぞれ理事長、学長をお引き受けいただき、準備体制を整えるまでが第2期、そして現在は、開学を控え、大学の運営を具体化する第3期に入ってきているものと考えております。  多くの方々の思いの詰まったこの大学が、学生からは学んでよかった、県民の皆様からはつくってよかったと言われ、全国に誇れる大学となるよう願い、また、そうなることも確信もしているところでございます。  県議会の皆様、関係の皆様には引き続き長野県立大学への御支援を賜りますようお願いを申し上げ、所感といたします。       〔55番萩原清君登壇〕 ◆55番(萩原清 君)来年度は、次期総合5カ年計画の策定に本格的に取り組む1年となるわけです。今回質問させていただきました韓国との国際交流を初め3項目については、県民に夢を与えるものと考えます。  また、国体開催に当たりましては、できるだけ簡素で効率のよい大会となることを望みます。競技施設がない場合には、近隣県に協力を仰ぎ大会運営をすることも視野に入れる必要があると考えております。  ついては、新5カ年計画の中へ…… ○議長(向山公人 君)申し合わせの時間が経過いたしましたので発言を終了願います。 ◆55番(萩原清 君)明確に位置付けをしていただき、積極的な取り組みをお願いして質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(向山公人 君)次に、望月雄内議員。       〔57番望月雄内君登壇〕 ◆57番(望月雄内 君)久しぶりでございます。懐かしいふるさとに戻ったような気がいたします。  それでは、順次質問をさせていただきます。農業技術開発にかかわる予算と人材確保について伺います。  国際情勢や国の政策などその取り巻く環境が大きく変化している今日、本県において農業を将来にわたって魅力ある産業としていくためには、農家の所得向上や付加価値の高い農産物生産などの取り組みが必要であり、その実現には、ほかにはまねができない本県独自の革新的な農業技術の開発が欠かせないと考えます。  長野県の農業関係試験場は、これまで、リンゴのシナノゴールドや、米では風さやか、さらに信州ひすいそば、信州サーモン、信州大王イワナ、信州黄金シャモなど、国内だけでなく世界にも広がりつつあるオリジナル品種を数多く育成してきております。  また、日本一のレタス産地を支える栽培技術や、栽培の省力化と収穫量をふやすことを同時に実現したリンゴの矮化栽培など、低コストで高品質な農産物を生産する栽培技術を提供することで、本県農業の技術力を高め、生産者の所得確保に大きく貢献してきていることは周知の事実であります。  一方で、農業関係試験場の研究予算については、国などの研究資金の割合がその6割を占め、予算の外部への依存度が高まっているのが現状であります。特に、国の研究資金については、近年、複数の県にまたがる農業課題の研究が採択される傾向にあり、長野県のオリジナル品目のみの研究は採択されがたいとも聞いております。  また、試験場の研究員の年齢構成も、現在50歳以上の職員が約半数を占め、ベテラン研究員による質の高い研究が期待できる反面、将来に向けた若手職員への技術の伝承が心配されるところであります。これは、本県農業にとって大きな課題と考えます。将来にわたって本県農業を支える支援機関として農業関係試験場がその役割を担っていくためには、その予算と人材確保はどちらも欠くことのできない車の両輪と考えますが、その現状について農政部長のお考えを伺います。  栃木県の試験研究を調べてみました。栃木県は、イチゴの生産量、販売金額ともに全国1位であり、平成20年にイチゴに特化した研究施設、いちご研究所を整備する力の入れようで、「いちご王国とちぎ」を不動のものとするため、新品種開発や栽培技術の開発に集中して取り組んでおります。近年は、宇都宮大学がイチゴの自動収穫ロボットやイチゴパッケージを開発し、その技術を取り入れる中で、まさにオール栃木でイチゴの産業振興に取り組んでおります。  また、近年、全国的にもIT企業など従来は農業と関係の薄かった産業界が農業分野に進出するといった報道も数多く見られます。  農業分野でのITの利活用は、例えば新規就農者が熟練農業者からノウハウを習得することを助けるものや、生産工程を見える化して農産物の信頼を高めるために役立てるものが導入されるなど、先端技術の活用は農業の成長産業化に向けて強力な推進力となることが確実視されております。  本県にも高い開発力を有する中小企業が数多く存在しており、そうした農業以外の産業や大学などと連携することで、農業分野において他が追随できない本県ならではの革新的な研究開発をさらに加速させていくべきと考えますが、他分野と連携した研究の取り組みの現状と今後の方向性について、農政部長の御所見をお伺いいたします。  次に、農業改良普及センターの役割について伺います。  戦後、米国のスミス・レーバー法を範とした普及制度をもとに農業改良助長法が成立したのが始まりとされる農業普及事業は、70年の歴史を経て、いまだ健在であります。その普及活動の実績を見るに、地域農業の振興に果たしてきた役割は枚挙にいとまがありません。農業を取り巻く環境が厳しさを増す今こそセンターの役割が必要です。現地の悩みや課題を試験場に的確に伝えるとともに、新技術を実際の現場で実証するなどの取り組みを通じて農家にその技術の特徴やメリットをわかりやすく伝えていくことなど、地域に密着した農業改良普及センターの果たす役割は、今もって、いや、ますます極めて大きいものがあると考えます。  試験研究の推進や新技術の早期普及を図る上でも、普及センターの持つ現地と試験場の橋渡しという大切な役割は維持強化しつつ、普及センターと試験場との一層の連携を進めるべきと考えますが、農政部長のお考えを伺います。  知事に伺います。  高齢化の進行による農業構造の変化や地球温暖化の影響による気象変動への対応、さらには農産物のブランド化など、本県農業が解決すべき課題は山積しており、今後もその問題解決の先頭に立つべき組織が県の農業関係試験場であり農業改良普及センターであると私は考えます。  こうした中で、知事は、昨年の行政機構審議会の議論を踏まえ、試験研究機関のあり方や方向性についてはその機能強化を図っていくべきとの考えと聞いていますが、農業関係試験場の現状と改良普及センターの役割をどのように認識し、今後どのような視点で検討を進めようとしているのか、御所見を伺います。       〔農政部長北原富裕君登壇〕 ◎農政部長(北原富裕 君)試験研究に関するお尋ねに順次お答えを申し上げます。  初めに、試験場の研究予算と人材確保の現状についてですが、研究予算は、施設整備費及び人件費を除きますと、平成27年度は4億7,320万円、28年度は5億650万円余となっておりまして、大学や国の研究機関などとの共同研究による外部資金を積極的に活用し、予算の確保に努めているところです。外部資金は、近年、研究の高度化や課題の重点化が求められておりまして、予算を確保し試験研究を円滑に進めていくためには、研究分野の重点化や異業種も含めた外部機関との連携を図っていくことが必要と考えております。  また、人材確保につきましては、議員御指摘のとおり、農業関係試験場の研究職員の高齢化が進み、年齢構成のアンバランスが生じております。社会人採用の活用による人材の確保やベテラン研究職員から若手研究職員への研究ノウハウの継承などに取り組んでいるところでございます。  次に、他分野と連携した研究の取り組みについてですが、これまでに、県内の電子機器メーカーとの連携による水稲などの病気の感染を予測する気象観測装置「クロップナビ」、農薬メーカーとの共同研究による野菜用の微生物農薬「ベジキーパー」、食品メーカーとの連携による機能性成分に富んだ青汁原料のケールの新品種、このように多くの技術を開発し、商品化につなげてまいりました。  また、平成27年度からは、次世代型の革新的技術の開発を進めるため、異業種の民間企業や大学とも連携した新たな枠組みを構築し、現在、レタス収穫機の開発など5課題の研究に取り組むほか、来年度は、市田柿の加工作業を自動化するためのロボット開発など新たな2課題に取り組んでまいりたいと考えております。  今後も、中長期的な視点に立ち、研究課題の重点化を図りつつ、国や大学などの研究機関やさまざまな分野の企業と積極的に連携し、農業者の経営安定と所得向上につながる新技術、新品種の開発を進めてまいりたいと考えております。  次に、農業改良普及センターと試験場との連携についてですが、普及センター職員は、日々農業者と直接接する中で栽培技術の助言、指導を行うとともに、生産現場の悩みや課題を聞き、その解決に向けての活動を行っております。現場の課題解決に当たっては、試験場が開発した技術などを活用し、生産現場において実証圃を設置し、農業者や関係機関・団体に対する指導会を行い、技術の普及に努めております。  最近の一例を挙げますと、諏訪農業改良普及センターにおいては、特産のパセリで著しい品質低下と収量低下を引き起こすうどんこ病に対し、野菜花き試験場が開発した紫外線を利用した防除技術を活用し、農業者の圃場でこの新技術を実証し、指導会を開催しております。多くの農業者に防除効果を実感していただくことで、現在、地域全体での技術導入が始まっているところでございます。  また一方、生産現場では解決できない技術的課題については、試験場に迅速にこの課題をつなげ、試験場では課題解決のための技術開発の研究に着手するなどの取り組みを進めております。今後、普及センターと試験場との連携を一層密にしてこれらの取り組みをさらに進めることで、地域の実情や農業者の意見を試験場の研究によりきめ細かく反映するとともに、試験場が開発した革新的な技術の迅速な普及につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)農業の試験研究に関連して、試験場の現状、普及センターの役割、今後の検討視点といった点について御質問をいただきました。  望月先生からもるる御質問がありましたように、農業関係試験場オリジナル品種の育成、あるいは生産現場の課題を解決するためのさまざまな技術開発と、本県農業の発展に大きく貢献をしてきているというふうに考えております。  また、農業改良普及センターについても、農業者と日々接する立場から、課題の試験場への橋渡しであったり、あるいは新しい技術、新品種の枠組みであったり、こうした観点でこの研究開発に大きな役割を果たしてきてもらっているというふうに思っております。  この農業に限らず、私が産業振興を考えたときに、やはり行政として何が重要かということをいつも考えているわけでありますけれども、人材の育成確保、あるいはブランド化であったり販路開拓、こうしたものと並んで、やはりこの研究開発の部分、試験研究機関を強化して長野県の強みを真に発揮できるようにしていくということが産業振興に当たっては極めて重要だと思っております。農業の分野も全く同じだというふうに思っております。そういう観点で、現地機関の見直しに当たっての試験研究機関のあり方については、私は事あるごとに機能を充実する方向で見直すということを申し上げてきているところでございます。  この農業の試験研究機関につきましては、やはり一般的な試験研究も重要でありますが、それと同時に、特定の分野においては他の追随を許さないというようなぐらいのレベルの高い研究にしていくことが重要だというふうに思っております。  そういう意味で、未来を見据えたテーマ設定あるいは研究の重点化ということも必要になってくると思いますし、また、この試験研究を担う高度な研究にチャレンジできる人材の確保育成ということも重要だと思います。  さらには、これは行政の分野だけではなくて、やはり大学を初めとする研究機関、さらには民間企業、こうした他の機関との連携協働ということもこれまで以上に充実をさせていくということが必要だと思っています。  こうした取り組みを通じて、この分野であれば長野県の農業関係試験場に聞かなきゃ、参考にしなきゃというふうに思ってもらえるような分野を一つでも多くつくっていくということが重要だというふうに思っています。  長野県の農業は、地域の振興にとっても産業の振興にとっても極めて重要でありますので、今後の検討に当たりましては、この試験研究機関の機能をより強化し、そして、その研究分野を世界に発信できるような機関となるようにしっかりと検討を行っていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔57番望月雄内君登壇〕 ◆57番(望月雄内 君)知事には高い見識のある御答弁をいただきました。大いに御期待を申し上げたいというふうに思っております。  これからは、質問というか、知事に要望を申し上げたいというふうに思っております。  農業試験場の予算の推移を見ますと、過去10年、4億円台で推移しておりまして、横ばいなんですね。平成22年とか25年とか26年に突出して6億とか9億ぐらいの予算計上がありますが、これは施設整備の上乗せ分であって、研究費や運営費には大きな変化はないということであります。  今後、国が進める成長戦略の柱の一つが農業振興です。知事、今こそ思い切った予算計上で県の熱意を示すときではないでしょうか。国の予算獲得に努力することはもちろんですが、県費の投入が重要です。農業税をお願いしたらとの声すら聞こえております。知事の英断を強く要望しておきます。  また、農業改良普及センターについてですが、発足時、センター数は74カ所ありました。普及員の数はピーク時で424名を数えました。現在は、センター数はたった10カ所、普及員数は190人、単純で比較しますと45%、半分以下であります。時代も変わり、農家戸数や農業従事者数の減少というものがありますが、それにしても激減をしております。普及員が減ったことにより何が起こるか。相談相手や支えてくれる仲間が減り、将来への不安を抱き、意欲をなくし、農業者が減った要因になったとも考えられます。果樹や野菜生産で成功した例は、ほとんど普及員との二人三脚の取り組みによるものばかりであります。より深く検討していただくことを知事に強く要望いたしておきます。  続いて、地域高規格道路松本糸魚川連絡道路について伺います。きょうは地元から多くの関係者がお見えでございます。先週、諏訪議員も触れられておりましたが、再度しっかりお聞きしたいと思います。  松本糸魚川連絡道路は、長野県の松本地域と新潟県糸魚川地域を結び、長野自動車道や北陸自動車道と一体となった広域的な高速交通ネットワークの形成を目指すものであります。この道路は、安曇野や松本、さらには大北地域にとって、利便性が向上し、観光はもとより産業の活性化や移住促進を発展させる地域を育む道であるばかりでなく、迅速な救急や災害時の復旧を支える命をつなぐ道として極めて重要な道路でもあり、過去にもさまざまな形で建設の要望がなされてまいりました。そして平成7年には、県内でも有数の大きな期成同盟会である地域高規格道路松本糸魚川連絡道路建設促進期成同盟会が設立され、建設実現に大きな期待と切実な声が上げられてまいりました。  この道路の計画につきましては、平成6年の候補路線指定後、着実な進捗が期待されましたが、県の政策転換による大型公共事業の見直しにより大きく停滞した時期がありました。その後、地域高規格道路に関する国の基準の見直しもあり、既存の道路をできる限り活用することを基本とし、コスト面からだけではなく、安曇野の景観の維持や自然環境への負荷ができるだけかからないように計画が練り直され、平成20年度から平成23年度にかけて、仮称、安曇野北インターチェンジを起点とする新設区間の概略ルート案が公表されたところであります。  計画が示された地元の皆さんは、農地や集落の分断、景観や生活環境への影響などを懸念されて、この案に強く反対意見を述べられました。県では、これらの反対意見に配慮し、道路を農地の真ん中ではなく犀川や高瀬川の堤防に寄せる、また道路の高さを下げるなどの見直しを行うとともに、高瀬川右岸道路を活用する区間を加えた、仮称、安曇野北インターチェンジから大町市街地南までの間の計画案を昨年1月に発表いたしました。  この新たな計画案について、関係する11の地域において二度にわたる説明会が行われました。説明会では、特に安曇野市内で強い反対意見が出され、報道によりますと、ことしの1月、建設反対の期成同盟会が87人の出席をもって設立されたとのことであります。地元の皆さんは、今声を上げなければ計画が進んでしまうとの危機感がありこのような対応をなされたんだと思います。地元建設事務所では、御意見にどのように配慮できるか検討し、対応を継続したい、何とか理解を得ていきたいとのことですが、ルートの計画の変更がなければ、今後、地元として説明会には応じないと強硬であります。  現在の状況を見る限り、新設区間の事業を進めることが相当困難な状況となっているのではないか。そのことが事業全体の進捗にも影響してしまうのではないかと危惧しているところであります。  先ほど来申し上げているとおり、この連絡道路は、安曇野市はもちろん、松本、大北地域にとって将来を見据えて大変重要な道路であります。その重要性については、知事、建設部長からも、議会での答弁も含めさまざまな場面で御発言いただいているところです。地元の理解と納得を得ながら関係の皆さんの英知を結集し、困難を乗り越え、実現への道を進むべきと考えます。  そこで、建設部長に伺います。  当連絡道路の安曇野北インターチェンジ(仮称)から大町市街地南区間の計画案について、地元の状況など現状をどのように認識しておられるかお聞きをいたします。  また、今後計画を進めるための方策についてどのようにお考えなのか、あわせてお伺いをいたします。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)松本糸魚川連絡道路の計画案に関する現状と今後の方策についてのお尋ねでございます。  松本糸魚川連絡道路につきましては、昨年1月に計画案を公表しましたが、全体説明会を皮切りに合計18回の説明会を開催し、約800人の方に御参加いただきました。その後、パブリックコメントも実施し、景観への影響懸念や計画の早期実現要望など164通の多岐にわたる御意見をいただきました。  さらに、昨年10月から12月にかけて、安曇野市の道路新設区間において住民の皆様の不安や懸念などを深くお聞きするための意見交換会を計8回実施し、約200人の方に御参加いただきました。  このような状況の中、新設区間において、県が提示したルート対案の再検討の要望書が2月に提出されたところでございます。地元の皆様からは、早期事業化の要望がある一方で、農地や集落への影響、環境への負荷など厳しい御意見をいただいていることは十分認識しております。  県といたしましては、松本糸魚川連絡道路の整備は、広域的な交流促進や地域産業の振興などのため、県の最重要課題の一つで、本県の発展に欠くことのできない道路であると考えております。お示ししました計画案につきましてどのような配慮ができるか検討するとともに、引き続き地域の皆様方とより一層丁寧な対話や意見交換を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔57番望月雄内君登壇〕 ◆57番(望月雄内 君)奥村部長の答弁の内容は、先週の答弁と何ら変わっておりません。県の方針はわかりましたと言わざるを得ないわけであります。  そこで、建設部長にひとつ御提案を申し上げたいというふうに思います。  建設反対の期成同盟会の会員の皆さんはほとんど地元の方々であります。皆、地元で大活躍をされている方々です。その方たちの要望書を見ますと、「Bルート案はとても受け入れがたく、絶対反対の意思を表明します。」とあります。現在のBルート案を示すのであれば二度と説明会には応じないと、こういうことも先ほど申し上げました。地元要望に配慮した納得のいくルート案を見出すには相当の時間がかかると私は考えます。それではますますこの事業が遅くなります。  そこで、地元要望の配慮ができるか検討するということを申し上げておりますので、それと並行して、現案の高瀬川右岸との接続部より大町市街地南までを先行して事業を進めるよう御提案を申し上げますが、いかがでしょうか。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)松本糸魚川連絡道路全体の整備促進に向けた考え方についてのお尋ねでございます。  松本糸魚川連絡道路は、高速道路網を補完する道路でございまして、より大きな整備効果を発現させるためには高速道路との接続が不可欠でございまして、安曇野市の新設区間の整備を優先することが重要であると考えております。  しかしながら、松本糸魚川連絡道路は、中信地域と糸魚川市を結ぶ道路でございまして、広域的な観点から、その整備効果をできるだけ早く発現させる必要がございます。このため、御提案のありました高瀬川右岸道路との接続部から大町市街地南までの現道活用区間の事業化に向けた検討もあわせて進める必要があると考えております。  来年度以降、現道活用区間のうち、高瀬橋西交差点の立体化など整備効果の高い区間の調査、計画など、事業化に向けた検討も進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔57番望月雄内君登壇〕 ◆57番(望月雄内 君)具体的な方向づけの力強い答弁をいただきまして大変ありがたく思っております。  大町市やその北の皆さんは一日も早い建設を待ち望んでおります。今、立体交差の問題も出ましたけれども、二つあるんですね、立体交差は。私の1期目のときにこの事業の話が持ち上がっていますから、約25年経過しております。不幸な時期があったとしましても、余りにも長過ぎるという感は否めません。早急に進めていただくことをお願いをして、私の質問を終わります。 ○議長(向山公人 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時23分休憩          ──────────────────         午後1時開議 ○副議長(下沢順一郎 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  風間辰一議員。       〔47番風間辰一君登壇〕 ◆47番(風間辰一 君)深刻化する人口減少問題とそれを踏まえた持続可能な地域社会構造を構築していくため、六つの基本方針と四つの基本目標を定め、県民、企業、団体とともにオール信州で対策を講じ、活路を見出す展開としての信州創生戦略がスタートしてから2年が経過しようとしております。県の総合5カ年計画の中から、人口減少問題に関する取り組みを深化し展開するものとして策定したこの戦略については、策定途中において、議会側からもさまざまな提言を申し上げてきたところであります。来年度策定する次期5カ年計画につきましては、この信州創生戦略との統合を念頭に進めるとのことでありますが、統合する場合、それぞれの計画の達成できたもの、できなかったもの、順調なもの、努力を要するものが整理され、達成できなかった項目が創生戦略に関連する場合、何が不足する点だったのか確認した上で必要な改良を重点的に加えるなど、お互いが補い合う相互補完の連結性が求められると考えます。  また、そうした合理性、整合性ある統合で、創生戦略の課題に対し各部が複合的に機能しながら全庁挙げて集中的に対応するならば、かえってこの戦略を生かすことができ、意義があることと思います。
     そこで、以下、新5カ年計画検討に当たっての方針と見解について知事にお伺いいたします。  まず、それぞれの評価結果についてでありますが、創生戦略については、昨年9月に公表された政策評価報告書によりますと、初年度である平成27年度の評価は、実績値を把握できる5指標のうち四つは「順調」、一つは「努力を要する」であるものの、KPI、重要業績評価指標の進捗状況につきましては、全指標の54.3%が「順調」、38%は「努力を要する」となっております。まだ初年度ということもあり、ことし9月にも公表されます28年度分の数値を見なければにわかには傾向を分析することはできないと思いますが、努力を要する部分については必要に応じて見直さなければならない点もあろうかと思います。  次に、総合5カ年計画の評価についてでありますが、あと1年残しているとはいえ、九つのプロジェクトの43の達成目標のうち25は達成できるものの、残りの18については未達成になる見通しと仄聞しております。  そこで、まず初めに、次期5カ年計画と信州創生戦略は統合する方針でよいか、改めて知事にお伺いいたします。統合するならば、創生戦略の初年度の評価結果をどのように受けとめ、それを今後の次期総合5カ年計画の検討に生かそうとされるのか、あわせてお伺いいたします。  次期5カ年計画は、信州創生戦略と統合するとすれば、整合性ある統合とさらなるパワーアップが必要である同時に、県民、そして今回、特に大都市を含めた県外の方々にわかりやすくかつ強力に伝わる我が県の心意気を示す内容としなければならないと考えます。  次期5カ年計画の柱となるべき課題はさまざまあるものの、特に注目すべきは、県民世論調査の中で、人口減少社会における県の重要施策について、産業振興、移住者を受け入れる環境整備、医療福祉の充実、企業誘致等を抜いて、子育て環境の整備の充実が最も多かった点にあろうと思うのであります。  これから家庭を持ち子育てに入ろうとする方、今現在子育て中の若い世代の方々が何を欲し、必要としているのか。そのことを知り、対策を講ずることは、少子化対策としても、教育県、子育て安心県を目指す姿としても、また、県外から移住するインセンティブとしても非常に効果が大きいのではないかと思うのであります。  この件については、県内に住居があるなしにかかわらず、むしろ大都市圏の若い世代の方が必要と感じているのであり、ここに我が県の人口減少と少子化に対する処方箋づくりのヒントがあると考えます。  今、国内多くの自治体で、我こそは子育て安心事業実施体であるとさまざまな工夫を凝らしておりますが、我が県こそその名にふさわしい地はないとも考えます。子育て先進県として特区の導入を国に要請する等、知事を先頭に運動を積極的に進めるとともに、子育て支援の先駆的なモデルを構築し全国に発信するよう次期5カ年計画に位置づけていくことは、信州創生戦略との統合という点からも、我が県の少子化対策において極めて有効と思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、新県立大学について伺います。  三輪キャンパスや後町キャンパスの建設が進み、大学の形が徐々に見えてきており、開学に向けての準備も着々と進んでおります。昨年10月に文部科学省へ大学設置認可を申請し、順調に進めばことし8月下旬には認可される見込みと伺っており、認可されれば速やかに第1期生の入学者選抜に向けて動き出さなければなりません。これから新大学の歴史をつくっていくためには、学長を初め教職員ばかりでなく、学生の役割も大きいと考えます。  そこで、これから行う第1回の入学者選抜に向けて意欲ある優秀な学生を確保するためにどのような取り組みをされていくのか。第1回が全てとは言わないまでも、大きな方向性は見出されるだけに、早い段階での志望校選択の一つとなされるよう、しかるべき準備と実行によって県内外の高校生にこの大学が持つ魅力を広く伝えておくことが重要であります。また、時代に見合った訴求力のある工夫を講じつつ展開しなければならないと考えますが、これらについて知事にお伺いいたします。  大学設置の主な目的は、高等教育を受ける機会の充実とともに、研究を行い、その成果を広く社会に提供することであると考えます。国立大学では、教員などの研究について外部からの資金を活用し研究費等に充てていると聞いており、国立大学との環境の違いもあるとは思いますが、新県立大学でも外部資金を活用して研究費の充実を図ってはいかがか、知事にお伺いいたします。  また、先週23日、長野市の加藤市長は、市から公立大学法人へ10億円の現金出資と後町小学校跡地一部の無償貸与を行うとの支援内容を表明いたしました。この長野市の大きな期待のあらわれをどのように受けとめ、今後どのように有効活用していくか。その活用策について、期待する開学以降の展開とあわせ知事にお伺いいたします。  次に、企業局の取り組みについてお伺いいたします。  昨年2月に、全国に先駆けて公営企業経営戦略を策定し、電気事業は純利益が3年連続で過去最高益となる見込み、水道事業は施設及び管路の耐震化が着実に進展する等、予定した目標をおおむね達成できる見込みとお聞きをしております。フィジカルな利潤を生み出す唯一の県的事業経営体として、来年度以降も新たな挑戦に期待するところであります。  昨年の代表質問において、電力の小売り完全自由化を考慮すれば、企業局の電力は信州発の自然エネルギーであるという価値観を大都市に発信し浸透させていくことが将来の展開を考えれば極めて重要であり、そのための方策を検討すべきであると提言させていただいたところであります。  その後、本年4月に稼働予定の高遠及び奥裾花第2発電所の新規発電所から大都市への売電を経営戦略に位置づけたほか、昨年12月、全国初となるプロポーザル方式により、価格のみの競争ではなく、信州発の自然エネルギーをアピールし決定したとのことであります。  プロポーザル方式による売電先の事業者の決定までの一連の経過など、企業局における取り組み並びに今回の結果をどのように評価しているのか、公営企業管理者にお伺いいたします。  また、新たな取り組みとして、水道メーターを活用したひとり暮らし高齢者の見守りシステムの構築に着手するとのことでありますが、我が県では、ひとり暮らし高齢者が増加する中、このシステムは、住みなれた地域で安心して暮らせる社会を実現する新たな手段として着目されるところであります。来年度の実証実験について具体的にどのように進めていく予定か。また、この結果を今後どのように活用していくのか、お伺いいたします。  また、有収率向上対策の推進についてでありますが、有収率の向上は漏水対策が有効であり、高度成長期に拡張した水道管が一斉に老朽化に直面する中、全国の水道事業者共通の課題となっております。水道事業経営を圧迫し、環境にも大きな負荷をかけているわけでありますが、我が県の現状も憂慮されるところでございます。これについて、ワーキンググループを設置し、戦略的な対応策を検討されるとのことでありますが、具体的な取り組み方法等についてお伺いいたします。  我が県企業局は、公営企業体として、電気、水道事業以外にも、用地開発、有料道路、観光施設等多くの経営に着手し、時代の趨勢に合わせた地域の開発や整備に貢献し、長野県の発展に大きく寄与してきております。そして、それらは、事業継承、管理移管したとはいえ、今も多くの現役の財産として各地でその役割を果たしております。  我が県発展の礎をつくった軌跡を振り返り、今の時代にあって、今後の企業局の果たすべき役割をどう考え、また、新たな展開として、今後法的適用範囲の中で他の事業に着手することへの見解と方向性について、以上、公営企業管理者にお伺いいたします。  続きまして、火山防災対策についてであります。  平成26年9月27日に御嶽山が噴火してから2年半近くが過ぎようとしております。私は、このような災害が二度と起きてはならないという思いから、当時の議長職として、また、自民党県議団として、その後も、機会を捉え、国に火山防災対策の強化を促すため、内閣府を初め関係省庁に対し必要な対策を強く要請してきたところであります。  また、昨年提案いたしましたビジターセンターの設置や火山マイスター制度の創設については、本年度火山防災のあり方検討事業において検討を行うこととなり、先般、その検討会の報告書がまとまったと伺っております。そこで、検討会の検討状況や報告書の要点について、特に地域の未来を担う子供たちへの防災教育についてどのような議論があったのかを含め、危機管理部長にお伺いいたします。  木曽地域の復興においては、ビジターセンターの設置や火山マイスター制度の創設は、その核になるものであると認識しております。御嶽山の麓の町村も検討会に参加しておりますが、いずれも財政基盤が脆弱な小規模自治体であり、ビジターセンターを建設し運営していくことは財政的に厳しいと考えるところであります。  このため、県が率先してビジターセンターの設置にかかわるべきと考えますが、ビジターセンター設置の実現に向けた見解と今後の時期的な見通し、並びに火山マイスター制度創設に向けた見解と時期的な見通しを知事にお伺いいたします。  火山防災対策においては、火山に精通した専門家との連携が重要であり、御嶽山の火山研究を行っている名古屋大学が、県及び地元町村の支援により木曽地域に研究施設を設置する方向となり大きな前進となりますが、我が県や木曽地域にとってどのようなメリットがもたらされるのか。また、期限限定ではなく、パーマネントなものになるのか。知事のお考えをお伺いいたします。  次に、間伐の推進及び大北森林組合の再生について伺います。  我が県は、平成16年には、ふるさとの森林づくり条例を制定し、森林整備や保全、県産材の有効利用などに取り組むとともに、平成20年度には森林づくり県民税を導入し、手入れがおくれていた里山の間伐を進め、県民生活の安心、安全の確保に貢献してきているところであります。  戦後植樹した木々が成長し、今まさに森林資源として利活用すべきときを迎え、林業に適した人工林では、森林組合などの事業体が搬出間伐に意欲的に取り組み、その結果、我が県の素材生産量が確実に伸び、今後の展望も開けてきております。  こうした中、大北森林組合等の補助金不適正受給問題が発覚して以降、県民の中に森林整備に対する厳しい見方が広がり、大切な森林づくりをみんなで進めていこうという県民的な合意が得にくくなっているのではないかと憂慮するものであります。  この問題については、罪の有無を明らかにすることも大事でありますが、そもそも何が発端でこの問題が生まれたか、その病根を明らかにし、そこにメスを入れていくことも重要と考えます。  私は、特に行政側の心理構造として、間伐が進まないことに対する責任の所在を問われることへの強い危機感や焦りが背景として存在し、それを生む施業面積の大型集約化に病根があり、効率的な森林整備を否定するものではありませんが、森林整備の全てをこれに求めることには無理があるのではないか。したがって、ここにメスを入れ、改善しないことには、幾ら罪を追及してみても、この問題の、また今後の我が県の森林整備を推進する上での根本的な解決にならないのではないかと思うのであります。実際、我が県の森林の境界も明確ではない個人有林においては、集約化が困難な箇所が増加しており、その整備の進め方について今まさに見直す時期を迎えているのではないかと考えます。  一方で、森林整備を行いたいという声も数多くあり、実態として整備が伸長しないのであれば、この問題を契機に、こうした一人一人の声を森林整備に結びつけられるような仕組みや市町村のかかわりを得ながら地域における合意形成を図っていく新たな仕組みの構築が必要と考えます。これについていかがお考えか、林務部長にお尋ねいたします。  また、所有者の意欲を高めるためには、間伐した木を搬出し、自分たちの育ててきた木が社会の中で役に立っているという実感が得られることが重要ではないかとも思うのであります。  加えて、間伐材を市街地でも活用して県民にも見える取り組みに結びつけられれば、木を使うことで森林整備に貢献するという新たな視点から協力を得られる可能性が開けてくると考えますがいかがか。お伺いいたします。  いずれにせよ、森林整備は重要であり、その担い手である森林組合は、組合員を初め地域全体の森林づくりに中核的にかかわり、地域の森林経営について持続的に応えていかなければなりません。特に、今後の森林整備の推進を思うにつけ、大北地域のことが憂慮されるところであります。大北森林組合の再生に向けては、補助金等返還計画と事業経営計画を絵に描いた餅とさせないためにも、民間企業の経営手法を取り入れるなど、計画を戦略的に実行に移す仕組みが必要と考えます。これについての見解をあわせ、以上、林務部長にお伺いして、1回目の質問とします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)風間議員の御質問に順次お答えを申し上げたいと思います。  まず、新しい5カ年計画の関連で、信州創生戦略と新しい計画を統合するかどうかという御質問でございます。  地方版の地方創生総合戦略として策定いたしました信州創生戦略、これは、現行のしあわせ信州創造プランのうち、人口定着等に係る部分の取り組みを深め、展開させるという観点で策定をいたしました。また、人口動態、これはさまざまな施策のベースとなる重要な指標でもあります。こうしたことから、次期総合5カ年計画につきましては、信州創生戦略を統合した形で策定をしたいというふうに考えております。  次に、信州創生戦略の初年度の評価、そして創生戦略を次期総合5カ年計画にどう生かすかという御質問でございます。  信州創生戦略の基本目標に掲げた数値目標については、平成27年度の成果として実績を把握できる5項目のうち、合計特殊出生率等4項目が目標達成ということで、おおむね順調ということにはなっております。ただ、まだスタートさせたばかりでもございますので、今後、着実に施策が進むように努力をしていきたいというふうに思っております。  また、次の5カ年計画におきましては、信州創生戦略に掲げました自然減への歯どめ、社会増への転換、仕事と収入の確保、人口減少下での地域の活力確保、こうした基本的な方向性については継続をしていかなければいけないというふうに思っております。こうした引き継ぐべき視点は引き継ぎ、そして新たな視点も加えて次の5カ年計画の策定を行っていきたいと考えております。  次に、次期5カ年計画における子育て支援の位置づけについてでございます。  人口定着に向けた取り組みとしても、そして未来に向けて子供たちが明るい夢、希望を持っていただける長野県にしていく上でも、この子育て支援の充実ということは大変重要だというふうに考えております。  これまでも、子育て安心県実現ということに向けまして、多子世帯への保育料軽減あるいは子供の福祉医療費の充実などを行うとともに、あわせて信州やまほいく認定制度の創設など長野県らしい取り組みも行ってきたところでございます。これからもこの子育て支援はまだまだ充実すべきところはあるというふうに思いますし、風間議員御指摘のとおり、例えば大都市部においてはいまだに待機児童の解消をどうするかというところが非常に重要なテーマになっているわけでありますけれども、私ども長野県は、その先を行くことができる分野であるというふうに思っております。  そういう意味で、この子育て支援につきましては、御提案がありました特区のような規制改革などさまざまな手法も含めて広範な検討を行う中で、名実ともに長野県が子育て先進県となっていくことができるように次期総合5カ年計画の中でしっかりと位置づけて検討を行っていきたいというふうに考えております。  それから、県立大学について3点ほど御質問を頂戴いたしました。  まず、意欲ある学生を確保するための取り組みについてという御質問でございます。  開学時におきまして意欲ある優秀な学生を確保するということは、御指摘のとおり、これからの大学の評価にも影響する大変重要なことだというふうに考えております。そういう意味で、開学1年前となっているこれからの広報活動に力を入れてしっかりと取り組んでいくということが重要だと思っております。  まず、高校生の皆さんにできるだけ早い段階から志望校として選択してもらえるように、5月以降、新聞広告あるいはテレビCM、ウェブ広告、こうしたことで県立大学の内容等の周知を行っていきたいと考えております。また、6月からは学科別の大学説明会を開催いたしますとともに、進学相談会への出展あるいはオープンキャンパスの開催、高校訪問等に積極的に取り組んでまいります。  あわせて、現代の高校生が利用しやすい広報媒体も利用していこうという観点で、ホームページの機能を充実して、大学の動画もユーチューブから見ることができるようにしていきたいと思いますし、また、ツイッター等SNSを活用した情報発信などについても工夫をしていきたいと考えております。  第1回の入学者選抜に向けては、こうした広報を短期間に集中的に行うことにより、志を持ち、意欲ある学生を獲得できるように取り組んでいきたいと考えております。  次に、外部資金を活用した研究費の充実についての御提案でございます。  すぐれた研究活動を行って地域に貢献していくということは、これは新しい大学としても重要な役割だというふうに考えております。研究活動を充実する観点から、優れた教員を確保し、必要な研究費も確保できるように努めてまいりたいと考えております。  金田一学長予定者は、かねてから国の科学研究費助成事業による研究費、いわゆる科研費について、全教員が毎年応募することを奨励したいという積極的なお考えをお持ちであります。大学独自の取り組みとして、科研費の獲得を初め民間企業との共同研究等によります外部資金の獲得を進めることによりまして、大学の研究水準の向上にも努めていきたいと考えております。  次に、長野市の公立大学法人に対する出資金の活用策と期待する開学以降の展開についての御質問でございます。  先般、加藤長野市長から、公立大学法人に対して10億円の現金出資と後町キャンパス敷地の無償貸付という大変ありがたい御支援の表明をいただいたところであります。設置する私ども長野県としては、この長野市の御協力に大変うれしく、ありがたいと思うと同時に、有効に活用していかなければいけないというふうに考えております。  この出資につきましては、これが実現すれば、法人の資本金として受け入れさせていただいた上で、市のお考えも踏まえ、理事長、学長など大学の皆さんと一緒に活用方法を検討していきたいと考えています。  例えばでございますけれども、県立大学の特徴であります海外プログラム、これは参加費用を学生に御負担いただくわけでありますけれども、経済的な事情からその費用を借り入れた学生の利子負担の軽減への活用、あるいは今後教育環境充実を図るために大学施設の改修、整備等が必要となった場合にその整備費用に充当すると、こういったことが考えられるところでございます。  また、大学は開学して事足りるというわけではなくて、開学後の運営を充実させていくということが大変重要だというふうに思っております。  風間議員から御指摘がありました外部資金の活用、あるいは長野市からの出資金等も十分有効に利用させていただく中で、新しい県立大学の教育研究環境の維持充実、これは継続的に図っていきたいというふうに考えておりますし、また、私ども県と大学との関係、これも開学後も密接な連携を保つことによって、知の拠点として大学が地域課題の取り組みあるいは県の政策、施策等にも役立つような役割を果たしていってもらえるように取り組んでいきたいと考えております。  それから、火山防災対策について2点御質問を頂戴いたしました。御嶽山におけますビジターセンター、そして火山マイスター制度の見解と今後の見通しといった御質問でございます。  このビジターセンター、火山マイスターとも、火山防災の視点、そして木曽地域の復興の視点、両面から大変重要な取り組みだというふうに考えております。  まず、ビジターセンターにつきましては、木曽町、王滝村それぞれが本年度中に策定予定の基本構想を踏まえまして、備えるべき機能や情報発信のあり方、設置場所等について、来年度、関係者と検討の上基本設計を行い、平成30年度以降に着手をしたい御意向というふうに伺っております。県といたしましては、火山防災のあり方検討会報告書の内容を踏まえ、十分な効果を発揮できる施設となるように検討段階からかかわり、財政的にも必要な支援を行ってまいりたいと考えております。  火山マイスターにつきましては、来年度、県と地元町村、あり方検討会の専門家、マイスター候補者、利用者等によりまして、具体的な制度設計を行ってまいります。その後、候補者の研修会等を行った上で、来年度内には第1号の資格認定を行うことができるよう、県としても積極的にかかわってまいります。  それから、名古屋大学の御嶽山研究施設についての御質問でございます。  この研究施設におきましては、大学が御嶽山の火山活動の観測、研究を行うだけでなく、県や地元町村への支援も行っていただくこととしております。具体的には、自治体や関係機関との観測データの共有、あるいはこうしたデータを理解するための学習会、また、ビジターセンター構想、火山マイスター制度設計、こうしたものに対する助言、さらには子供たちへの火山防災教育、こうしたことを想定しているところでございます。  また、この研究施設が設置される期間につきましては、寄附講座が予定される5年限りということではなくて、大学側からは、5年後以降も研究施設を活用して御嶽山の観測、研究を続けるとともに火山防災力向上のための地元への支援にも協力していく方向であるという旨のお考えをお伺いしております。県としても、研究施設が長い間続いていくことができますよう、名古屋大学とのよりよいパートナーシップの構築に努めてまいります。  以上でございます。       〔公営企業管理者小林利弘君登壇〕 ◎公営企業管理者(小林利弘 君)企業局の電気、水道、両事業の新たな取り組み等について4点お尋ねをいただきました。順次お答えを申し上げます。  最初に、企業局における新規発電所の売電方法に関するお尋ねでございますが、新規発電所の売電に当たりましては、国が原則としている価格のみによる一般競争入札では民間事業者の経営状態が明らかにされないことから、例えば、昨年4月に大手新電力の1社が倒産したように、売電先の倒産の危険性を排除できず、企業局経営の影響が心配されること。また、議員からも御提案をいただきましたが、長野県として、信州発自然エネルギーを大都市へ売電することにより大都市との未来志向の連携という新たな役割を果たしていくことという観点から、国の了解を得た上でプロポーザル方式による入札を全国で初めて実施したものでございます。  その結果、過去の電力販売の実績や資本の安定性等が示され、民間事業者の経営の確実性が確認されるとともに、売電価格については、国の固定価格買取制度が定める価格に上乗せが行われたこと。さらに、需要家が応援したい発電所を選んで契約を行うことができる、いわば私ども長野県の顔が見える電力販売が行われること。また、電力料金に加え、需要家から一定の応援資金を募り、見学ツアーや県産品プレゼントの提供に活用できることという先進的かつ新しい方向性を示す提案をいただいたところでございます。  私は、今回の取り組みを通して、単に電力を売るのではなく、電力を通じて大都市との連携を図るという役割を担えることは非常に価値のある取り組みであり、プロポーザル方式を実施したからこそ全国に先駆けた取り組みを実現できたものと考えております。  今回の取り組みにつきましては、先般、知事から環境大臣に対して御説明いただくとともに、私も全国の公営企業体に対し説明を行ったところであり、今後も全国におけるフロントランナーとして積極的に情報発信してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、いよいよ本年4月から新規発電所の本格運転が始まりますので、引き続き民間事業者ともしっかり連携し、電力の販売を通して大都市の需要家に信州の魅力も十分に伝え、そして、最終的には需要家が信州のファンとなっていただけるよう、大都市との未来志向の連携を進めてまいりたいと考えております。  次に、水道メーターを活用したひとり暮らし高齢者の見守りシステム実証実験についてのお尋ねでございますが、議員御指摘のとおり、この取り組みはひとり暮らし高齢者、また、離れて暮らす御家族の安心の暮らしを確保することはもとより、高齢者の元気を応援する新たな体制づくりにつながり、地方創生にも寄与できるものと考えております。  また、高齢者の見守りとしては、電気の使用量や人感センサーによるものなどさまざまな開発が進んでおりますが、水道メーターを活用した場合、見守られる側に心理的負担を与えることなく生活リズムを正確に把握できるという大きなメリットが見込まれる上、県内企業が独自に開発したシステムであることから、県内最先端のものづくり技術への支援にもつながるものと考えております。  そこで、産学官一体となった研究会を設置し、これまで、町、システム開発業者、県、そして利用者、それぞれの果たすべき役割を明らかにすることで、ひとり暮らし高齢者の支援体制を構築できるよう検討を重ね、本年9月から具体的にシステムの実証実験を稼働することといたしました。実証実験に当たり、町にあっては、実施主体として見守り機器の設置及び維持経費の負担並びに見守り体制の構築を、利用者にあっては通信経費の一部負担を、システム開発業者にあってはシステム全体の維持運営管理を担うこととしております。企業局におきましても、水道事業者としてこのシステムを稼働させるために必要な電子式水道メーターへの取りかえを行うこととし、今議会に予算案の御審議をお願いしております。  実証期間は約1年間を予定しておりますが、その後の結果の検証、評価につきましては、高齢者が元気で何事もなく過ごすことが最善かついわば当然という状況から、投資効果をどう評価するのかが課題と考えております。そのため、公営企業経営審議会の会長をお務めいただいております東洋大学の石井晴夫教授のお力をおかりしながら、適正な評価のあり方について引き続き検討を進めてまいります。  いずれにいたしましても、このシステムは、今後の人生100年時代の到来も見据えたとき、県内市町村はもとより全国への横展開が期待されるものと考えており、既に県内の複数の市から関心を寄せていただいております。  私は、このいわば長野モデルとも言える取り組みについて、経過及び評価のあり方等をしっかり情報発信することとともに、国に対しても市町村への適切な支援方策を新たに検討するよう要請するなど、水道事業者として先導的な役割を果たしてまいりたいと考えております。  次に、有収率向上に向けた取り組みについてでございますが、議員の御質問にもございましたが、有収率は、いわば製造した水に対し実際に給水した割合を示すもので、企業局における有収率は、平成26年度88.4%からわずかずつ上昇し、本年1月末現在で89.4%となっておりますが、経営戦略策定時に基準といたしました平成25年度の全国平均90.1%をいまだ下回っている状況にございます。  仮に、この有収率が1%上昇することで、理論値ではございますが、約5,000万円の影響があると試算をしており、安定経営の確保のためには有収率の向上は重要な取り組みと考えております。  これまでは、検針時のメーター周辺の振動音調査や人間の聴覚による調査、また、漏水の通報をいただいた箇所の修繕など、いわば対症療法とも言える取り組みを行ってまいりましたが、今年度、高感度音圧センサーを搭載した音圧ロガー漏水監視機器による漏水調査を委託により施行した結果、約1カ月半の調査期間で、昭和50年代に造成された住宅団地を中心に14カ所、合わせて1時間当たり10立方メートルを超える漏水を発見することができるなど、面的な調査が効果的であるとの結果が得られたところでございます。  そこで、新年度、この機器を新たに整備するとともに、技術職員によるワーキンググループを設置し、外部の専門家も交え、地域ごとに異なる有収率を踏まえ、より効率的、効果的な測定方法のあり方並びに施設ごとの変動の分析及び対応方法等について検討を行うとともに、漏水監視機器の効率的な活用を図ることなどもあわせ、より戦略的な取り組みを進めていく所存でございます。  なお、県内市町村においては有収率が60%に満たない地域があるなど、有収率が低い市町村も多いことから、新年度整備する音圧ロガー漏水監視機器を貸し出し、技術支援もあわせて行うことにより、市町村の有収率向上に向けた支援という全国初の取り組みについても検討してまいりたいと考えております。  最後に、企業局の果たすべき役割等についてのお尋ねでございますが、企業局の果たすべき役割は、私は大きく2点あるものと考えております。  その1点目は、現在経営している電気、水道の両事業を通して、県政の発展と地域への貢献に努めていくことだと考えております。具体的に申し上げますと、例えば一つとして、将来の科学技術人材の育成のために、こども未来支援基金への拠出や県が率先して行う省エネルギー推進への拠出など、電気事業の利益を活用した県政への支援並びに信州発自然エネルギーの大都市への売電による大都市との未来志向の連携や県管理ダムを活用した発電所建設によるエネルギーの地消地産の推進など、地方創生並びにしあわせ信州創造プランへの参画といった県政発展のための補完的役割に加え、二つ目とし、天竜村の簡易水道に係る事務の代替執行や、ただいま申し上げました市町村の有収率向上に向けた技術支援といった企業局の技術力を活用した市町村への支援、そして、三つ目として、水道メーターを活用したひとり暮らし高齢者見守りシステムの実証実験、安心の蛇口の整備並びに発電所整備へのPFI導入といった県内市町村を初め全国に向けたフロントランナーとして先導的な役割を果たしていくことと考えております。  また、大きな2点目は、議員御指摘のとおり、時代の趨勢に合わせ、新たな事業による県政発展への寄与もまた考えられるところでございますが、新たな事業を起こすためには、社会の要請に加え、企業局経営の基本である経営の安定の確保の観点から十分検討することも必要と考えております。  いずれにいたしましても、企業局の経営に当たっては、経営の安定を第一に、今後も、常に企業局として何が求められているのか、何をすべきなのかを追求し、そして果敢に挑戦し、県政発展のための一翼を担ってまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔危機管理監兼危機管理部長野池明登君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(野池明登 君)火山防災対策に関連しまして、火山防災のあり方検討会の検討状況と報告書の要点についてでございます。  この検討会は昨年6月に設置されまして、4回の開催を経て、この17日に報告書がまとめられたところでございます。火山と共生する地域づくりを大きなテーマに掲げ、具体的には、ビジターセンターのあり方と火山マイスターの仕組みづくりを検討項目としたところでございます。検討会委員は、火山防災、環境、観光の専門家で構成をし、全国のビジターセンター類似施設へのアンケート調査、先進地視察なども含め、大変深い議論がなされたところでございます。  また、12月には中間取りまとめを材料に、木曽地域の関係者、御嶽山噴火災害の御遺族の皆様とも意見交換を行ったところでございます。報告書には、大変示唆に富む数多くの提言が盛り込まれておりますけれども、要点を申し上げますと、ビジターセンターにつきましては、その有効性とともに、立ち寄りやすい場所の検討、山小屋等との連携の重要性、発信する情報は登山者と一般観光客向けとを区別しストーリー性を持たせることの重要性、地域住民の交流や学びの場ともなること。火山マイスターにつきましては、まず御嶽山地域でスタートをさせ、その成果を他火山にも普及させていくこと。人材としては、山小屋や宿泊施設、教育関係者、登山ガイド等が想定され、それぞれの本業やライフワークに火山に関する知識を上乗せする資格とし、取得者自身の活動にも付加価値がつくものとすること。マイスターは何よりも情熱、使命感が重要で、専門機関や地域、行政との連携が重要なことなどが盛り込まれております。
     特に、風間議員からこれまでも御提案のありました子供たちへの防災教育につきましては、その重要性につきまして認識が一致し、例えば、ビジターセンターは子供たちの学習の場として活用できるように、また、火山マイスターにつきましては、その活動として子供たちに火山のリスクや恵み、噴火の歴史を学んでもらう役割を担うことの重要性に言及をされているところでございます。  以上でございます。       〔林務部長池田秀幸君登壇〕 ◎林務部長(池田秀幸 君)間伐の推進と大北森林組合の再生について御質問いただきました。順次お答えを申し上げたいと思います。  初めに、森林整備の合意形成を図っていく仕組みの構築についての御質問でございます。  議員御指摘のとおり、本県の個人有林につきましては零細なものが多く、できるだけまとめて効率的な整備を進めてきたところでございますが、これまで整備が一定程度進む中で、未整備で残されている場所は境界が不明確であったりするなどの課題もあり、整備が進めにくくなっている状況でございます。こうした中で、今後、個人有林の整備を進めていく上では、御指摘のとおり、これまで以上に森林所有者の方の声を丁寧に把握し、地域で整備を希望している所有者等の情報を共有していくことが重要であると認識をしております  具体的には、市町村の皆様と連携をして、地域や森林所有者の方々の意向を酌み取りながら、山地災害防止等の観点から整備の必要性なども踏まえつつ整備箇所を特定していく取り組みなどを検討し、森林所有者お一人お一人の整備を行いたいという意向に寄り添った取り組みを進めてまいりたいと考えております。  次に、所有者の意欲を高めるための間伐材利用の取り組みについての御質問でございます。  間伐材の利用につきましては、その収益が森林所有者等に還元されることにより森林の適切な整備につながるとともに、議員御指摘のとおり、間伐材が地域で目に見えて活用されることにより森林所有者等の意欲を高める効果もあると認識をしております。  このため、これまで、公共施設や商店街の木造化、木質化など地域ぐるみで間伐材を利用するモデル的な取り組みを進めてまいりました。こうした取り組みは一定の成果を上げてきていると考えておりますが、町なかに当たり前に木があるという姿には至っておりません。こうしたことを踏まえ、市町村や森林所有者、地域住民の皆様にかかわっていただきながら、地域で生産された間伐材などを活用し身近な場所の木質化等を進めるなど、間伐材利用の取り組みを通じまして所有者の皆様が森林整備に対する意欲を持つことができるよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、大北森林組合の計画を実行に移す仕組みについての御質問でございます。  大北森林組合の再生を進めるためには、議員御指摘のとおり、民間の経営手法等を参考に新たな事業経営計画等を着実に実行できる仕組みを構築することが重要であると考えております。  このことにつきましては、林務部改革推進委員会におきましても御指摘をいただいているところでございます。このため、現在県では大北森林組合に詳細な説明を求めているところでございますが、具体的には、市場規模や販路、価格などの市場の調査はもとより、生産、流通などのコストが計算されているのか。加えて、機械や設備に対する投資計画や事業を進めるために必要な資金計画が作成されているのか。また、業務ごとの責任者や担当者が明確になり、事業実現のためのスケジュールが共有されているのか。さらには、地域の林業の中核的担い手として、信頼を回復し、森林組合としての社会的責任を果たしていく覚悟があるのかなどについて、大北森林組合が計画を着実に実行に移すことができるかしっかりと精査をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔47番風間辰一君登壇〕 ◆47番(風間辰一 君)それぞれお答えをいただきました。  新しい5カ年計画の検討に当たりましては、子育て先進県として、特区を含めて先駆的なモデル、これをぜひ構築していっていただきたいというふうに思います。  全国を見ますと、市町村レベルでは子育て先進に取り組むといったことを非常に強く前面に出す市町村が多くございますが、都道府県単位では、私の知る限り、実は見当たりません。長野県はもともと教育県であり、そしてまた、もともと子育て安心県を目指すということをうたってきているわけでありますから、このことについてはかなり中心的な柱として据えてやるべきではないかということを特に提言させていただきたいと思います。また、今後の検討会の中でもこれは主張させていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。  それから、ビジターセンター及びマイスターに関連してお答えをいただきましたが、私は、昨年の代表質問でお伺いしたときに、センター設置について知事から前向きな答弁をいただきました。その後の議論の経過を見ていますと、どうもこのビジターセンターの設置については町村が主体になっているやに受けとめられるような議論が進んでいるような気がしてならないわけであります。したがって、先ほど申し上げたような質問に結びつくわけですけれども、私はもっと県がこのセンターの建設に主体的にかかわっていただきたい、このことを強く申し上げておきたいと思います。  王滝村にしても木曽町にしても、それぞれ設置したい場所というのがあるはずです。そのことをしっかりと念頭に入れてぜひとも推進していただきたい。なお、それは県が主体を持ってぜひお願いしたいというふうに思います。  最後に、野池危機管理部長におかれましては、この3月をもちまして御退任と伺っております。社会、衛生両部の統合で誕生いたしました健康福祉部の初代主幹課長、また、観光部長など要職を歴任し、37年間にわたり県政発展に御尽力をいただきました。心から感謝を申し上げます。  平成27年4月からは危機管理監兼危機管理部長として、特に御嶽山の再捜索などで陣頭指揮をとっていただいたことは、私としては忘れ得ぬ記憶であり、災害のただ中、また、事後にあっても誠心誠意御遺族や被災者、地元町村に寄り添う姿勢には人柄が忍ばれ、心から敬服した次第であります。退職に際し、振り返って心に残ること、長野県に寄せる思いがあれば感懐を述べていただきたいと存じます。  このことを最後にお伺いし、質問を終わります。       〔危機管理監兼危機管理部長野池明登君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(野池明登 君)長野県に寄せる思いということで、身に余るお言葉も質問の中で頂戴をいたしまして、大変恐縮をしている次第でございます。  県職員となりましてさまざまな部署で勤務をさせていただきましたけれども、最後に県民の皆様の平穏な暮らしや地域の活性化に防災、危機管理という面からかかわることができましたことは、大変充実をした貴重な経験となりました。これまで大変親身にお導きをいただきました県議会議員の皆様には感謝の気持ちでいっぱいでございます。  長野県は、他県の多くの皆さんにとりましても特別な県でございます。県外の方に出身地を聞かれ、長野県ですと答えますと、それだけでお互いの心が開かれます。多くの人にとりまして、登山やスキーの情景、高原のさわやかな風、温かい人情味、朝露の残る新鮮な野菜、おいしい県産酒などが楽しい思い出とともに心に鮮明に浮かぶのだと思います。  長野県は、単に物を買っていただく県ではなく、価値を買っていただける希有な県でございます。時代は不透明でありますが、歴史を振り返ってみましても、産業構造の転換など、逆境をむしろ追い風に変えて、常に長野県は創造的に時代を切り開いてまいりました。住む人も来る人も長野県を舞台に幸せを共有する、しあわせ信州に込められた思いでございますが、このような県であり続けてほしいと願っているところでございます。  改めまして、皆様に心よりの御礼を申し上げ、御質問への答弁とさせていただきます。ありがとうございました。  以上でございます。 ○副議長(下沢順一郎 君)次に、西沢正隆議員。       〔46番西沢正隆君登壇〕 ◆46番(西沢正隆 君)自由民主党県議団、長野市選出の西沢正隆でございます。林務行政についてお聞きいたします。  森林づくり県民税は、長年にわたって先人が育ててきた森林を健全な姿で次の世代に引き継ぎ、森林の恩恵を受けている県民で森林づくりを支える仕組みとして、平成20年度から、個人と法人から年間約6億6,000万円が徴収されてきました。平成26年度まではおおむね徴収された分は活用されてきましたが、平成27年度は徴収額の3分の1の約2億2,000万円が活用されず、基金に繰り入れられ、基金残高は3億4,200万円となりました。その原因の一つは、森林の集約化が進まなかったことが挙げられ、このことは昨年11月定例会の一般質問でも指摘させていただきました。  平成28年度の森林づくり県民税の取り組み予算は5億5,000万円と減額しての予算計上でありましたが、平成28年度森林づくり県民税の執行状況の見込みはどの程度か。また、今後基金はどのように活用されていくつもりか。また、平成29年度当初予算案では約6億6,000万円が計上されています。森林づくり県民税の今年度までの執行率等を踏まえ工夫をしたことは何か。さらに、里山整備は森林の集約化が不可欠ですが、なかなか進捗しない森林の集約化を今後どのようにして推進していくのかを林務部長にお聞きいたします。  知事は、提案説明で、これまで制度創設以来約9年間の森林づくり県民税の取り組みを一定の成果を上げてきたと評価している一方、整備が進みにくい里山が残っているなどの課題も明らかとなってきており、これまでの取り組みをただ単純に続けるということでは県民の皆様の御理解はなかなか得られないものと考えていると述べました。私も同様な考えでいます。森林づくり県民税は、里山整備を基本に利用されてきましたが、柔軟に活用できる方法を模索することが必要であると考えます。  林業関係者から、地目が畑地の県道沿いに生い茂る木の伐採、有害野生鳥獣被害対策、県産材利用住宅への支援拡充、松くい虫対策等々、森林に関係する事柄に森林づくり県民税を活用できないかと提案をされました。そこで、森林づくり県民税の使途を里山整備以外で利用していくことについて林務部長の御所見をお聞きいたします。  林業就業者についてお聞きします。  森林づくり県民税による間伐、スマート林業推進による適正な森林管理、オーストリアとの林業技術交流等さまざまな施策が次年度も展開される予定でありますが、林業就業者がいなければ実践はできませんし、森林県から林業県への目標の達成にも影響します。林業就業者は、平成4年度の3,087人をピークに平成17年度から減り続け、平成27年度には1,789人となり、平成32年度に3,000人を就業させる目標から遠ざかるばかりです。そこで、ここに至った原因と今後の対策について林務部長にお聞きいたします。  有害野生鳥獣対策についてお聞きいたします。  ニホンジカの農林業被害は、2007年から2009年度の7億円をピークに2014年度には3億7,000万円と、年間4万頭を捕獲するまで増加したことにより減少してきましたが、依然多くの被害をもたらしています。第2種特定鳥獣管理計画第4期ニホンジカ管理が2016から2020年度の期間で策定され、年間4万頭の捕獲目標としています。2015年度は年間捕獲数が3万1,885頭と目標に達せず、今年度も10月までに1万4,301頭と目標達成は厳しいとされています。警戒心が強く巧みに人を避けるスレジカと呼ばれる鹿がふえ捕獲しづらくなってきていることや、捕獲を進めた成果の結果、鹿が減少したことが原因であると推測されています。ニホンジカの捕獲数が減少している原因をどう捉えているか、林務部長にお聞きします。  第2種特定鳥獣管理計画には、県の役割として、高齢化等により捕獲者が減少傾向の中、地域の捕獲活動が停滞しないよう、捕獲者の確保育成を図ることが明記されています。長野県では、ハンター養成学校を設置し、毎年ハンターを養成していますが、スレジカなどが存在する現在、より専門性が高い狩猟者をガバメントハンターとして採用することを検討してもよいと考えます。そこで、今後のハンター数の推移予想とガバメントハンターについての御所見を林務部長にお聞きします。       〔林務部長池田秀幸君登壇〕 ◎林務部長(池田秀幸 君)林務行政につきまして御質問をいただきました。順次お答えを申し上げたいと思います。  初めに、森林づくり県民税の今年度の執行見込みについての御質問でございます。  森林税活用事業の執行見込みにつきましては現在精査中でございますが、里山整備の一部につきまして、現在事業を実施しており完了が翌年度にずれ込むことから、繰り越しの手続をお願いしているものもありまして、こうしたものも含めておおむね予算額と同額の執行となる見込みとなっております。  基金の活用についての御質問でございます。  現在の課税期間が終了いたします平成29年度末時点におきまして、基金残額が一定程度生じることが見込まれております。この基金につきましては、資金積立基金条例におきまして緊急に行う必要のある間伐等の森林づくりに関する費用の財源に充てることとされており、今後の里山整備の方向性を整理する中で有効に活用させていただくことを検討してまいりたいと考えております。  次に、森林づくり県民税を里山整備以外で利用することについての考えについての御質問でございます。  森林税は超過課税として県民の皆様方に御負担をいただくという上で、まず何を目的としてどのような事業を行っていくのか。そして、そのためにどれぐらい財源が必要になってくるのか。さらには、その財源として超過課税が適切なのかといった検討が必要となってまいります。森林税を里山整備以外で利用するというお考えも確かにございますが、まずは必要な取り組みは何かということを考える中で森林税のあり方を検討していくことが適切ではないかなというふうに考えております。  現在、森林づくり県民会議や税制研究会におきましてこれまでの取り組みの検証を始めていただいておりますので、そうした議論を見据えながら、森林税の今後のあり方について検討してまいりたいと考えております。  次に、本県の林業就業者の減少と今後の対策についての御質問でございます。  議員御指摘のとおり、本県の林業就業者数は、長期的に減少傾向が続いております。この原因を見ますと、植栽や下刈りなどの保育作業の従事者は、事業量の減少を背景に、平成17年度の2,216人から平成27年度の772人へと減少が続いております。  一方で、高度な技術を必要とする素材生産作業の従事者につきましては、素材生産量の増加を背景に平成17年度の697人で下げどまり、平成27年度は1,017人となるなど、近年は増加傾向にございます。  こうした中で、10年前の平成17年度に約4割であった通年雇用の割合が約7割まで増加するとともに、平均年齢につきましては、平成17年度に50歳であったものが47歳となるなど、林業就業者の雇用環境の改善や若返りも進みつつあります。  県といたしましては、切って、植えて、育てて、また切るといった森林林業のサイクルを取り戻し、素材生産だけではなく保育作業についても事業量をふやしていくとともに、長野県林業労働財団と連携し、林業に就業希望する方への情報提供や安全で効率的な作業技術の習得への支援などにより林業就業者の確保と育成に努めてまいりたいと考えております。  次に、ニホンジカの捕獲数の減少についての御質問でございます。  本県では、平成13年度からニホンジカの特定鳥獣保護管理計画に沿った計画的な捕獲を進めた結果、年々捕獲数が増加をいたしまして、平成13年度に約6,000頭であった捕獲数が平成26年度には約4万頭に増加いたしました。しかしながら、平成27年度は約3万2,000頭にとどまり、本年度についても昨年度を下回ることが危惧されております。  捕獲数が減少している原因につきましては、県のニホンジカ専門部会におきまして、昨年度に行った生息状況調査でありますとか捕獲を推進している北海道の事例に基づき専門家に検討をいただきました。その結果、生息数が減少に転じたわけではなくて、捕獲が進んだ結果、警戒心の強まったスレジカがふえ、人目を避けて夜間に移動するなど行動が変化したことが原因である可能性が高いと判断をしているところでございます。  次に、今後のハンターの数の推移予想とガバメントハンターについての御質問でございます。  県内の狩猟登録者数は、近年6,000人程度で、現在ほぼ横ばいの状態ではございますが、そのうち60歳以上の方が占める割合は6割を超えておりまして、このままでは狩猟者が減少していくことが危惧されております。そのため、本県では、新たな狩猟者の確保のために平成26年度からハンター養成学校を開校いたしまして、これまでに200人を超える方に受講をいただいております。ガバメントハンターにつきましては、ヨーロッパ諸国などで行われている行政機関が捕獲者を直接雇用する制度でございます。国内におきましては、類似のものといたしまして、鳥獣被害防止特別措置法によりまして市町村長が非常勤職員として狩猟者を任用編成する鳥獣被害対策実施隊制度がございます。  本県におきましては、70市町村において組織をされておりまして、平成27年度におきましては、実施隊が捕獲したニホンジカは1万頭余りと、総捕獲数3万2,000頭の3分の1を占めておりまして、実施隊整備のための経費支援などを通じまして活動を支援しているところでございます。  また、現在、スレジカの捕獲に対応できるようGPS発信器によりますニホンジカの行動把握でありますとか夜間銃猟などの新たな捕獲手法の実証等を進めておりまして、これらの成果を鳥獣被害対策実施隊に提供するとともに、市町村や地域の猟友会と連携して捕獲の推進に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔46番西沢正隆君登壇〕 ◆46番(西沢正隆 君)最初に、答弁漏れがありまして、平成29年度の当初予算の工夫をしたことは何かということと森林の集約化はどのように推進していくかということ、この2点、答弁をお願いいたします。  森林づくり県民税の使途の今後の拡充という提案をさせていただきました。森林づくり県民税については、大北森林組合の不適正受給の補助金にも活用され使われずに余ったなどの経緯から、平成30年より再度徴収を続けていくならば、県民への説明責任、そして信頼回復が必要と考えます。  知事も、これまでの取り組みをただ単純に続けるということでは県民の皆様の御理解はなかなか得られないものと考えていると述べています。先ほど林務部長は、里山整備に特化していくと。もちろん里山整備も重要なのかもしれませんが、知事の提案説明と、先ほどの里山整備をあくまでもやっていく、里山整備の中でいろいろ工夫を凝らしていくという林務部長の答弁の整合性、その点をもう1回確認をさせていただきたいと思います。  以上3点、よろしくお願いいたします。       〔林務部長池田秀幸君登壇〕 ◎林務部長(池田秀幸 君)森林県民税の平成29年度当初予算案における工夫点の御質問でございます。  里山の間伐につきまして、現場からも国庫補助事業の要件に縛られない県単独事業での実施要望が多い状況を踏まえまして、29年度予算におきましては事業費を増額して対応したいというふうに考えております。  このほかにも、信州の木の利活用を推進するモデル的な取り組みに対する支援の中に松くい虫被害材の利用についても対象に加えまして、昨年度より2地域増加するなど、森林税を活用した事業における予算額は総額で6億6,000万円余と、税収額とほぼ同額とさせていただいたところでございます。  次に、集約化の推進についての御質問でございます。  議員御指摘のとおり、里山整備を進めるに当たって集約化は大変重要でありますことから、可能な場所では市町村と連携し、地域の皆様にも御協力いただく中で集約化に取り組んでまいりたいと考えております。  しかしながら、大きく集約化し国庫補助の要件を満たすことが困難な場所が増加しておりますので、こうした場所につきましては、事業費の増加をお願いしております県単独事業を活用して里山整備を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔46番西沢正隆君登壇〕 ◆46番(西沢正隆 君)今、もう1個答弁漏れなんですが、最後に質問したところなんですけれども、あくまでも里山整備を今後もやっていくと。松くい虫の関係や県産材を住宅にも活用していくなど工夫して、今後もあくまでも里山整備を続けていくという答弁が先ほどあったんですけれども、知事は、県民税をただ単純に続けていくということではなかなか県民の理解は得られないといったことを述べているということだったんです。  確認なんですけれども、里山整備の中で今後工夫をしていくということでよろしいのか。その辺を再度質問させていただきます。  それでは、次の質問に移ります。地域発元気づくり支援金についてお聞きします。  これは、平成19年度より、活力あふれる元気な長野県づくりを進めるため、市町村や公共的団体が住民とともにみずからの知恵と工夫により自主的、主体的に取り組むモデル的で発展性のある事業に対し支援金を交付してきました。平成28年度定期監査報告において、元気づくり支援金の予算の有効活用等について指摘されています。それは、平成23年から27年度で、元気づくり支援金の不用額が7,000万円から9,000万円程度で、約10%が不執行となっています。昨年度10%以上の不執行率であった地方事務所は18.1%、1,300万円の上小、13.6%、1,026万円の上伊那、11.8%、1,500万円の長野、10.2%、575万円の北安曇でありました。平成27年度788件、平成28年度710件と要望が多い事業である一方、平成27年度191件、平成28年度137件と不採択の件数も多いのが現状です。1件でも多く支援してほしいところでありますが、不用額が出てしまう状況は大変残念であります。監査委員からは、なるべく多くの事業要望に応えるため、不用額を縮減し予算を効率的に執行する取り組みの検討と、支援金の事務手続きに関する意見や要望を申請団体等から幅広く聴取した上で事務負担の軽減について検討することを指摘されています。  そこで、毎年のように多額の不用額が発生してしまう原因とその改善策について、企画振興部長にお聞きいたします。       〔林務部長池田秀幸君登壇〕 ◎林務部長(池田秀幸 君)森林づくり県民税の今後の検討の状況でございますが、これにつきましては、森林づくり県民会議などにおきましても、今後の里山整備の状況や森林税の使われ方がなかなか県民の皆様に見えづらいというような御指摘もいただいているところでございます。  当然、里山整備も必要な部分でございますので、それをどういうふうに整備していくか、そのあり方を検討していくということも重要な要素でございますが、いずれにしましても、先ほど申し上げましたように、超過課税として県民の皆様方から御負担をいただいた上で、何を目的としてどのような事業を行っていくのか。そして、そのためにどれぐらい財源が必要になってくるのかというようなこともしっかりと検討していく必要があるというふうに考えております。  以上でございます。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)元気づくり支援金の不用額発生の原因とその改善策についての御質問でございます。  本事業につきましては、各地域で採択された事業が実際に執行される段階で、内容の変更や入札差金、事業の中止等が生じることで不用額が発生いたします。元気づくり支援金を活用した事業の数が、平成27年度では県内全域で約600件あったように大変多数に及びますことから、個々の事業での不用額が積み重なり、全体として毎年一定の規模になってしまうのが実態でございます。不用額の中には、年度の終わりごろにならないと把握できないものもあることから、その全額を活用することは困難ではございますが、こうした状況を改善するため、今後は、事業の採択に当たり、その実現性や経費の積算内容をこれまで以上に十分に確認し、より適切な補助額を策定するよう徹底し、不用額の縮減に努めてまいります。  また、事業を実施する側の事務負担にも配慮しながら、できるだけ早期に不用額を把握し、それを財源に追加の募集、採択を行うことなどについても検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔46番西沢正隆君登壇〕 ◆46番(西沢正隆 君)森林づくり県民税、いわゆる森林税は、やはり県民の皆さんからいただいている、法人からもいただいている6億6,000万です。やはり、ここに使われているということがわかること、例えば、当初は里山は森林づくり県民税で整備しましたという看板などで見える化してPRをいたしました。今後、県民会議での議論だという話なんですが、ぜひ県民の皆さんにわかりやすいような形で使われるように強く要望をさせていただきたいと思います。  そして、元気づくり支援金についてはいろいろ議論はされてきたと。年の最後に、その団体の積算がなかなか合わずに不用額が出てきてしまっているということがあるということでございますが、これは、5年ぐらいずっと同じような状況が続いているんですね。そういった状況がある中で、やはり約1割が使われていない、8,500万のうち1割が使われていないというのは非常にもったいないということになります。次年度、振興局という形になりますので、振興局長のもと、これはぜひ改善していただき、先ほど言った10%の不用額もしっかり団体が使えるような工夫をしていただければなと思うところでございます。  次に、調理師の資質向上等についてお聞きいたします。  食の外部化とともに急速に高齢化が進展する社会にあっては、食の安全確保、健康に配慮した食事や介護食など、身体機能に応じた食事の提供、地域の食文化の継承など、飲食店や給食施設において調理師が果たす役割は大きくなっています。  現在、調理師法により、飲食店や給食施設などで調理業務に従事している調理師は2年ごとに調理師業務従事者届を都道府県知事に届けることが義務づけられています。今年度はこの届け出の年でありましたので、その結果について健康福祉部長にお聞きいたします。  調理師業務従事者届は、平成26年度に総務省より規制の有効性、効果が明らかでないものとして、廃止を含めそのあり方を見直すよう勧告を受け、その改善措置を行うことになっています。  そんな中、千葉県では、調理師による県民の食生活の向上に関する条例が制定され、平成28年4月1日から施行されています。この条例は、県内の飲食店や飲食施設の調理師の調理技術や知識を一層向上させることにより、県民の食生活の向上を図ることを目的にしています。主な内容は、食の外部化が進み、飲食店や給食施設における調理師が果たす役割が大きくなっている現在、飲食店営業者、給食施設設置者は、食に関する最新の調理、栄養、衛生の専門知識を持つ調理師の有資格者を店や施設に設置するよう努めなければなりません。また、県内の飲食店等や給食施設において調理業務に従事する調理師は、時代に即した調理の知識の習得、さらなる調理技術の向上のため、知事が指定する講習を5年に1度受講するよう努めなればなりません。この条例の普及を通して、飲食店や給食施設で食に関する最新の調理、栄養、衛生の専門知識を持つ調理師による食事提供が進むことを目指しています。
     長野県では、観光立県を掲げ、ジビエを含めさまざまな料理が提供されている現在、食の安全の観点等から、調理師の資質向上とともに、調理師による食事提供は不可欠であります。さらに、県内調理師関係団体より、千葉県と同趣旨の条例を長野県でも検討するよう要望もされました。  そこで、千葉県の調理師による県民の食生活の向上に関する条例を踏まえ、今後の調理師の資質向上と飲食店での調理師による食事提供の努力義務についての御所見を健康福祉部長にお聞きいたします。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)調理師の資質向上等についてのお尋ねに順次回答させていただきます。  まず、本年度の調理師業務従事者届につきましては、平成28年12月31日現在1万2,987名の調理師から届け出があり、届け出数は前回と比較すると647名減少しております。主な就業先としては、飲食店が8,076名で全体の62.2%、学校や社会福祉施設が2,687名で20.7%となっております。  また、調理や衛生に関する最新の専門知識を持つ調理師が県内の飲食店等において食事を提供することは、食品衛生の確保及び健康増進を図る上で大変望ましいことであると考えております。  したがって、県では、長野県調理師会と連携し、県内で就業している調理師を対象として、毎年保健所ごとに調理技術研修会など各種研修会を開催しております。今後は、ジビエなど県産食材の安全な調理方法や地域の食文化などを研修内容に加え、さらなる充実を図ってまいります。  以上でございます。       〔46番西沢正隆君登壇〕 ◆46番(西沢正隆 君)調理師の数がマイナス600人ということで、どんどん減ってきているという状況にございます。  そしてもう一つ、他の業種と一緒なんですけれども、高齢化が進んでいると。若い調理師がなかなか育ってこない。調理師ではなくパティシエに行ってしまうという現状もあるようでありまして、観光立県長野において、観光には食がつきものでありますので、この調理師を育成していく、調理師の資質向上をしていくということは非常に重要であるのかなと思っているところでございます。  この長野県での取り組みというのは千葉県の条例よりはかなり厳しく、千葉県は5年に1回の講習ですけれども長野県は2年に1回ということで厳しいという状況も聞いております。  調理師の皆さんは、自分の調理師免許というものに誇りを持っていきたいという方がたくさんいます。飲食店や介護施設等の施設において、調理師が食事提供する努力義務というものを今後積極的に考えていくということを提案させていただきたいと思います。  次に、長野オリンピックパラリンピック冬季大会20周年記念事業についてお聞きいたします。  1998年長野オリンピックパラリンピック冬季大会が開催され、次年度で20年目の節目の年を迎えます。多くの夢と感動を与えてくれた大会からはや20年、鮮明に記憶している年代は20歳代後半以上の年代となってしまった現在、五輪の有形無形の遺産、レガシーを継承していくことが我々の使命でもあります。  先週23日、長野市議会開会日の市長施政方針において、来年度は長野オリンピックパラリンピック冬季大会開催から20周年に当たり、また平昌のオリンピック・パラリンピックイヤーでもあります。現在、20周年記念事業の開催についてJOCなど関係機関との調整を開始しており、今後、県を初め関係者の協力を得ながら進めてまいりたいと考えておりますと記念事業を実施することを明言されました。  また、知事提案説明では、国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の招致を決意したことを受け、長野冬季オリンピックパラリンピックを開催した県として、そのレガシーを継承しつつ、新たな価値を加えることにより、スポーツの力による元気な長野県づくりにつなげていきたいと考えていると述べました。さらに、2020年に東京オリンピック・パラリンピックを控え、県民の機運を高める絶好の機会と考えます。そこで、長野オリンピックパラリンピック冬季大会20周年記念事業に対し県としてどのようにかかわっていくのか。知事にお聞きいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)長野オリンピックパラリンピック冬季大会20周年記念事業に対するかかわり方についての御質問でございます。  結論的に申し上げれば、私は積極的に対応していきたいというふうに思っております。折しも、来年から4年間、東アジアで3回連続して冬季、夏季オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されるわけであります。来年平昌、2020年東京、2022年北京ということであります。1998年にオリンピック・パラリンピックを開催した長野県としては、この東アジアで3回オリンピック・パラリンピックが開催されるということは、長野県の魅力の発信や価値向上にしっかりとつなげていくということが極めて重要であり、そのための大変大きなチャンスでもあるというふうに思っております。  20周年記念事業につきましては、現在、開催都市でありました長野市が開催に向けてJOC等関係機関と情報交換するなど検討を始めたというふうにお伺いしております。県としても、長野オリンピックパラリンピックの感動を再び呼び起こし、そのレガシーの継承により未来を担う次世代が夢や希望を抱くことができますよう、長野市とも十分相談をしながら、関係町村や団体とともにできる限り協力、対応をしていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔46番西沢正隆君登壇〕 ◆46番(西沢正隆 君)知事から積極的に関与していきたいという答弁がありました。10周年記念事業には私も参加をさせていただきましたが、長野オリンピックパラリンピックの基本理念でありました愛と参加を後世に引き継ぎ、有形無形の財産を将来に生かすとともに、スポーツを通じ、環境の保護、まちづくり、スポーツと文化芸術の融合など、未来に向けさまざまなメッセージを伝えながら、これからの時代を担う子供たちに夢と希望を与えることを目的として行われました。  国際アイスホッケー大会、コンサート、シンポジウム、スポーツ教室等さまざまな事業が開催されました。残念ながら長野県の関与というのはどうも講演だけだったということであったので、積極的に関与するということであれば、予算的にも支援をしていただきながら、長野市、またそれぞれの開催地区と協力をしてすばらしい20周年記念事業をしていただくことを要望するところでございます。  そして、この20周年記念事業においては、長野オリンピックパラリンピックのレガシーを再確認するとともに、今後開催される東京オリンピック・パラリンピック、招致を決定した国民体育大会全国障害者スポーツ大会に向けて県民の機運が高まるような事業に長野市と協力して行っていただきたいと思います。  知事が目指すスポーツの力による元気な長野県づくりを実現することを強く願い、質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(下沢順一郎 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時31分休憩          ──────────────────         午後2時47分開議 ○議長(向山公人 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  佐々木祥二議員。       〔48番佐々木祥二君登壇〕 ◆48番(佐々木祥二 君)佐々木祥二であります。平成29年2月定例会県議会における一般質問に当たりまして、阿部知事初め県執行部に対し、私見を交えながら質問させていただきますので、できるだけ前向きで明確かつ具体的な答弁を望むものであります。  まず初めに、私は本年1月12日から15日まで、阿部知事の親書を携え、駒ケ根市台湾台中市等公式訪問団に吉澤観光部長と参加をさせていただきました。いろいろな意味で成果も上がったと思いますし、手応えも感じました。また、参加者の大多数の声は、長野県が一番成果が上がったんではとの声が聞こえてまいりました。  そこで、台湾台中市との交流事業につきまして、県の戦略と支援策についてお伺いをいたします。  長野県の外国人延べ宿泊者数は、何と昨年107万人と初めて100万人を突破し、信州創生戦略で目指している200万人に向け着実に増加をしております。国別では、台湾が36.5%と3分の1以上を占めて最も多く、駒ケ根市でも特に中央アルプスを訪れる外国人観光客を中心に、台湾、東南アジア、香港、タイ、中国などさまざまな国からの来訪者が年々増加している状況にあります。  駒ケ根市では、台湾台中市との間で平成23年から交流を開始しており、この間、駒ケ岳千畳敷カールを舞台に、純白の結婚式を初め、台中市の台湾ランタン祭りへの駒ケ根太鼓子供連の参加、中華民国健行登山協会台中支部や朝陽科技大学との間で交流をし、看護大学との交流も重ねてまいりました。さまざまな分野で交流を重ねてきております。  さて、先ほども申しましたが、本年1月に杉本駒ケ根市長を団長として市議会議員、観光協会役員、商工会議所会頭を初め企業人など30名を超えるメンバーと、私、佐々木と吉澤観光部長が顧問として加わる形で、台湾台中市等公式訪問団を結成しまして、市、政府への訪問、航空会社との打ち合わせ、旅行会社との商談会、現地企業の視察、企業関係者とのミーティングなど幅広いミッションを果たしてきたところであります。  今回のハイライトは、何といいましても、12日に行われました台中市政府の林市長に対する公式訪問でございました。その席上、杉本市長からは、今後台中市との間で進めたい事業として、松本空港と台中空港間のチャーター便による交流、登山、トレッキング等のスポーツ交流促進、教育旅行による相互交流の拡大、現地物産展の開催、企業同士の相互交流拡大の5項目の提案をさせていただきました。林市長からは、駒ケ根市の純白の結婚式は台湾でも大変有名です。また、サイクリング、教育旅行などの事業を今後も進めていきたい。また、台中空港と松本空港とのチャーター便の運航が実現するように、市、政府としても協力をしたいとの回答をいただきました。台中市、人口270万人、一方、駒ケ根市は3万3,000人弱でありますが、市民一人一人が百人力を発揮することでこの相互交流関係を発展していこうと、そういうことで、この秋、松本空港からチャーター便を飛ばしたいと、今、駒ケ根は燃えております。  そこでお伺いいたしますが、公式訪問の席上で、阿部知事から林市長宛ての親書を吉澤観光部長から奉呈したことで、基礎自治体の交流事業と県がサポートする関係性が先方に大変好印象を与えたものと思い、この場をおかりいたしましてお礼申し上げる次第でございます。  知事も平成24年に台湾を訪問していると思いますが、今回の親書と今後の台湾等の国際戦略について、まず、その御所見を知事にお伺いをいたします。  次に、県では昨年6月に、信州まつもと空港の発展・国際化に向けた取組方針を策定し本格的に取り組んでおります。昨年12月に発表された韓国大韓航空のチャーター便につきましては、先ほど残念ながら少し延びると承知いたしました。駒ケ根市が進める台中市との間も含め、台湾との間でのチャーター便運航に関する基本的な考え方と実現に向けた今後の戦略について企画振興部長の御所見をお伺いいたします。  次に、訪日教育旅行に関しましては、今回の訪問の中で、台湾国際教育旅行連盟の薛会長を初めとする連盟参加の先生方との間で意見交換をさせていただきました。その中で、今後の訪日教育旅行の充実に向けて、高校レベルの交流の拡大と長期的な姉妹校提携の要望もいただいたところであります。訪日教育旅行の現状と課題、今後の方向性についてと、今回の公式訪問の御所見を観光部長にお伺いをいたします。  次に、駒ケ根市では、台中市にあります朝陽科技大学との間で、訪日教育旅行の一環として、学生たちが駒ケ根市内の老健施設や看護大学と交流を行っております。今回、駒ケ根観光協会でもインターンシップ生を受け入れる方向で話が進んでおります。学生自身の語学力の向上や文化の相互交流などに大きな効果が期待されますが、朝陽科技大学などの交流を視野に入れた南信工科短期大学校においても、まずはインターンシップ生との交流に取り組んではいかがかと考えます。産業労働部長の御所見をお伺いし、第1回目の質問といたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)台中市と駒ケ根市との交流に関連して私に御質問を頂戴しました。  まず、佐々木議員も参加されての駒ケ根市の公式訪問団、台中市を訪問され、相互交流の発展に向けて合意ができたということは大変喜ばしいことであり、かつ私ども県としてもありがたいことというふうに考えております。  各市町村における国際交流の推進は、インバウンドの促進、あるいは青少年交流を通じた相互理解、経済交流の拡大を通じた経済の活性化、こうしたことにつながっていくわけであります。私の親書を同行した吉澤観光部長から林市長に直接手渡させていただくことによって、長野県としての応援の強いメッセージ、強い意思を表明させていただいたものというふうに考えております。  台湾は、直近のデータを見ましても、昨年の1月から11月までの外国人延べ宿泊者数に占める割合が約4割ということで、インバウンドにおいて非常に重要な相手先でもありますし、また、製造業に関しても、本県から42の企業が51の事業所を設置しておりますし、また、農産物においても、シャインマスカットを中心として果物の輸出が伸びているということで、非常に経済的に強いつながりがある地域であります。こうしたことから、昨年策定いたしましたグローバルNAGANO戦略プランの中におきましては、台中市を含む台湾を有望なマーケットである経済的提携国という形で位置づけております。今後、現地の旅行会社や学校の訪問などを通じた個人旅行や教育旅行のさらなる誘致、長野フェアの開催によります農産物や加工品の輸出拡大、松本空港へのチャーター便の誘致促進なども含めまして、幅広い分野で経済交流の推進を加速化していきたいと考えております。  以上です。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)台湾との国際チャーター便についての御質問をいただきました。  台湾からは県内を訪れる旅行者が多く、また、リージョナルジェットの航続距離の範囲内にもございます。したがいまして、台湾は、信州まつもと空港にとって国際定期便の最も有効な就航先の一つと認識をしております。  県といたしましては、国際チャーター便の就航を定期路線開設に向けた重要な第一歩と位置づけ、その誘致に積極的に取り組んでいるところでございます。  国際チャーター便が就航するためには、チャーター便を利用した旅行商品が造成されることが重要でございます。そのため、旅行会社に対する働きかけをこれまで以上に強化するとともに、昨年12月からは、航空会社や旅行会社へのチャーター便就航に対する支援を大幅に拡充したところでございます。今後は、さらに、航空会社が集まる国際的な商談会に参加するなど信州まつもと空港のPRを強化するとともに、自治体間の国際交流の動きも取り込みながら国際チャーター便の就航誘致に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔観光部長吉澤猛君登壇〕 ◎観光部長(吉澤猛 君)訪日教育旅行の現状と課題、方向性、そして今回の訪問の所見についてお答えいたします。  訪日教育旅行は、学校交流や異文化体験により国際的な相互理解を深めることができるとともに、受け入れに伴う観光面での経済効果が期待できることから、県といたしましても積極的に受け入れ促進を図っているところでございます。  まず現状でございますが、今年度の受け入れ状況は、3月までの予定を含めますと142団体、4,558人となり、受け入れ団体数では過去最高、受け入れ人数は平成22年度に次いで2番目となる見込みでございます。このうち、台湾からの受け入れは59団体、2,153人で、受け入れ人数では全体の約5割を占めております。  次に、課題としましては、学校現場、行政、地域の連携による受け入れ態勢の強化や交流受け入れ校の確保、また、最近希望がふえている農家民宿の受け入れ拡大に加えまして、各県による誘致活動が活発化していることから、今まで以上にきめ細やかな対応が必要であると考えております。  今後の方向性でございますが、現地の学校訪問や説明会などを継続的に行うことにより、引き続き台湾等からの誘客促進に努めるとともに、訪日教育旅行を契機とし、相互交流の実施や姉妹校の締結など継続的な学校交流につながるよう支援を強化してまいりたいと考えております。  次に、台湾台中市等公式訪問に関する所見についてでございます。  このたび、駒ケ根市の公式訪問団に同行し、台中市政府を初め航空会社や山岳関係の旅行会社、訪日教育旅行関係者などと懇談を行い、その中で、県の立場から長野県観光のPRや信州まつもと空港へのチャーター便のセールスなどを行ってまいりました。チャーター便につきましては、今後とも引き続き企画振興部と連携しながら就航に向けた営業活動を行うとともに、特に訪日教育旅行につきましては、先ほど議員が御指摘したように拡充に向けた要望をいただいておりますので、今後、こうした要望を台湾等からのインバウンド施策に具体的に生かしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔産業政策監兼産業労働部長石原秀樹君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹 君)台湾の大学との交流についての御質問です。  南信工科短期大学校は、多くの皆様の御支援のもと、昨年4月に開校し、現在40名の学生がものづくりのスペシャリストを目指して日々研さんを積んでおります。御提案のありました台湾の朝陽科技大学のインターンシップ生との交流につきましては、学生のものづくり技術の習得に対する意欲と外国人とのコミュニケーション能力の向上、さらには異文化との交流などの面におきまして、日常の訓練からは得ることのできない効果が期待できるものと考えております。  ことし2年目を迎える南信工科短期大学校のさらなる充実を図るためには、国際交流につきましても前向きに進めてまいりたいと考えていたところでございます。今後、駒ケ根観光協会と連携をとりながら、視察だけではなく、学生との意見交換やものづくり体験など、双方に効果のある交流にしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔48番佐々木祥二君登壇〕 ◆48番(佐々木祥二 君)次に、リニアバレー構想の実現に向けた取り組みについてお伺いをいたします。  リニア中央新幹線の開業は、県内と首都圏、中京圏、近畿圏との行き来が便利になるだけではなく、産業の振興はもとより、観光、定住化による地域の活性化と少子高齢化対策など長野県の発展に大きく寄与するものと私も考えております。そのため、南北に長い長野県において、リニア中央新幹線の整備効果を広く県内各地に波及させる役割を県が果たしていく必要があると思います。  そこで、お伺いいたします。  リニアバレー構想が目指す姿の「世界とつながる」におきましては羽田とセントレアをイメージしておりますが、先ほども申しましたが、信州まつもと空港を世界とつながる空港にすべきと思います。  そこで、松本空港と高速道路とのアクセス、さらにはリニア長野県駅と北陸新幹線長野駅へのアクセス向上のための道路整備が急務と思います。いわば、長野、松本、飯田を一直線で結ぶ長野県の背骨が必要と思いますが、建設部長の御所見をお伺いいたします。  次に、リニア中央新幹線の整備効果を地域振興に生かすためには、JR飯田線の充実と活用が必要であります。2次交通としての飯田線を考えたとき、スピード化とローカル化が重要と考えます。スピード化につきましては、上伊那、下伊那、主要駅を結べばより快適なアクセスが可能になると思いますし、ローカル化は、現在の観光列車ブームも踏まえ、しなの鉄道のろくもんやえちごトキめき鉄道の雪月花のような列車を県と沿線市町村等の連携により飯田線で運行ができればさらに旅の楽しみを提案できると考えます。このスピード化とローカル化について企画振興部長の御所見をお伺いをいたします。  次に、リニアバレー構想の「目指す姿」の中に、「世界から人を呼び込む感動フィールド」という大きな柱をうたっております。駒ケ根市では、市内のJICA、駒ケ根青年海外協力隊訓練所の施設を利用し、グローバルな人材の育成や在日大使館との連携を進めております。  さらに、リニア時代を見据えて、大使村構想や国際会議場、健康の森構想、JR駒ケ根駅前利活用や市街地再開発など取り組みを計画、検討しているところでございます。  伊那谷自治体会議におきましては、未来を先取りしたリニア時代のまちづくりなど三つのプロジェクトを進めていくとしております。こうした市町村の構想を具現化していくには、市町村単独で進めていくには限界があり、どうしても県の支援も必要と考えます。リニア整備推進局長の御所見をお伺いをいたします。  次に、既に中津川市が車両基地、検査場、また、工場誘致に名乗りを上げており、1,500人の雇用創出に動き出しております。今、長野県では、リニア新幹線は本当に地域活性化に役立てられるのか、そんなことを言っているんです。そうではなくて、「リニアを何としても地域に活用する」であります。そのために必要な取り組みは何か。要は、リニア新幹線プラスアルファ効果であります。  そこで伺いますが、まずは長期的に工事期間中の地元業者の受注拡大と農産物、生コンを初めとする地場産業の活用、すなわち地域にもたらされる経済的効果の最大化を目指すべく、JR東海や元請施工業者等に働きかけるべきと考えます。リニア整備推進局長の御所見をお伺いいたします。  また知事は、昨年、みずから伊那谷自治体会議の座長に就任するなど、精力的に取り組んでいる姿は頼もしい限りであります。そこで、リニアバレー構想の実現に向けた御所見と決意のほどをお伺いし、2回目の質問とさせていただきます。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)信州まつもと空港と高速道路とのアクセス、リニア長野県駅と北陸新幹線長野駅へのアクセス向上のための道路整備についてのお尋ねでございます。  信州まつもと空港とリニア中央新幹線、さらには北陸新幹線を高速道路で一体化させることは本県の発展に大きく寄与するものであり、これらと高速道路とのアクセス向上は非常に重要と考えております。  まず、リニア長野県駅と高速道路を直結させる座光寺上郷道路につきましては、本年度事業着手し、現在、調査、測量設計を実施しております。また、幹線道路の信頼性を高めるためには、高速道路を補完する道路整備が必要でありまして、例えば伊那谷におきましては、高速道路と並行する国道153号バイパスの整備を進めております。現在事業中の伊南バイパスと伊那バイパスを結ぶ伊駒アルプスロードにつきましては、早期事業化を目指して、現在、環境影響評価の手続とルート検討を行っております。  次に、信州まつもと空港と高速道路を結ぶアクセス道路につきましては、既に整備が済んでおりますが、安全性向上を図るために、周辺道路の交差点改良や歩道整備などの交通安全事業を実施しております。  さらに、北陸新幹線長野駅と高速道路を結ぶアクセス道路につきましては、国道117号などの整備を進めてまいりましたが、長野市街地の渋滞を緩和しアクセス性を一層向上させるために環状道路の整備を進めております。今後も、高速道路とのアクセス向上のための道路整備に引き続き取り組んでまいります。  以上でございます。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)JR飯田線のスピード化とローカル化についての御質問にお答えいたします。  まず、スピード化の観点では、過日、小島康晴議員からの御質問にもお答えいたしましたとおり、長野―飯田間を運行する快速みすずの増便や豊橋―飯田間を運行する特急ワイドビュー伊那路の飯田以北への運行などについてこれまでもJRに対し要望してきているところでございます。これらに加えまして、リニア中央新幹線の開業を見据え、特急あずさの飯田線乗り入れのための技術的な課題の解消についてもJRに働きかけてまいります。  一方で、飯田線の魅力を生かし、のんびり、ゆったり旅を楽しむ、いわゆるスロートレインのような発想も重要と考えております。現在でも、秘境駅をめぐる企画列車などが観光シーズンを中心に運行されておりますが、さらなる利用促進を図るため、御指摘がありましたろくもんや雪月花のような観光列車の導入につきましても、沿線自治体や経済団体等とともにJRに提案してまいりたいと考えております。  今後、伊那谷自治体会議におけるリニア長野県駅からの2次交通の検討の中でも、こうしたスピード化やローカル化の両方の視点を持って飯田線の活用について検討を進めてまいります。  以上でございます。       〔建設部リニア整備推進局長水間武樹君登壇〕
    建設部リニア整備推進局長(水間武樹 君)リニアバレー構想に関連して、私には2点御質問をいただきました。  最初に、市町村の構想の具現化に対する県の支援についてのお尋ねでございます。  伊那谷自治体会議では、「未来を先取りしたリニア時代のまちづくり」、「伊那谷の定住・交流人口の増加」、「リニアを生かした産業振興」の三つの観点からリニアバレープロジェクトの検討を進めているところであります。  先月開催した伊那谷自治体会議では、駒ケ根市を初めとする伊那谷各市の構想と本プロジェクトとの関係を整理し、県と市町村との役割分担などについて意見交換を行い、方向性を確認しました。  市町村構想の具体化に関連する広域的な取り組みについては、伊那谷全体の振興を見据えた視点が必要なことから、伊那谷自治体会議において議論を重ねてまいりたいと考えております。  また、地域のまちづくりに関する取り組みなどにつきましては、主体となる地域の皆様から具体的な提案や御相談をいただければ、県といたしましてもともに考えてまいりたいと思います。  次に、リニアの整備が地域にもたらす経済的効果についてのお尋ねでございます。  県内のリニア工事による経済波及効果については、平成27年2月に9,991億円と算定し公表したところであります。一定の仮定に基づく目安の数値ではありますけれども、より大きな経済効果の実現のためには、地域における積極的な取り組みが必要と考えております。  これまで、県は、JR東海に対し、さまざまな機会を捉えて地元業者の優先活用や資材、機材の購入等を繰り返し要請してまいりました。その結果、JR東海が発注したリニア本線のトンネルや県道のバイパストンネル工事などに地元業者が参入することができました。  また、南アルプストンネルの工事が進められている大鹿村では、JR東海の現地職員やピーク時には300人に達する工事関係者の食材、日用品に地場産品を活用するなど、積極的に地域貢献するよう要望がなされ、米や野菜などの購入や地元の方の雇用にもつながっているところであります。リニアの整備が、工事関係のみならず、観光振興を初め地域経済の発展につながるよう引き続き関係市町村とともにJR東海に強く働きかけ、経済的効果の最大化を目指してまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)リニアバレー構想の実現に向けた所見と決意という御質問をいただきました。  このリニア中央新幹線の開通を伊那谷のみならず長野県全体の発展につなげていくということは、これは私が知事としての、あるいは長野県としての大きな責務の一つだというふうに考えております。このチャンスをしっかりと生かしていくために最大限努力をしていきたいというふうに思います。  関係の市町村の皆様方からは、このリニアバレー構想の実現に向けて、関連道路の整備について積極的な推進を図ってほしいという御要請、あるいは2次交通についても県が主導的な役割を担ってほしいという御期待をいただいております。県としては、こうした政策の推進に当たりましては、積極的にその役割を果たしていかなければいけないというふうに思っております。  他方、まちづくりあるいは駅周辺整備、こうしたものの検討については、市町村の方々が中心となって、住民の皆様方のお考え、思い、こうしたものも十分反映しながら進めていただくということが重要だと思っておりますが、県としても積極的な協力を行っていくということも重要だというふうに思っております。  このリニアバレー構想を実現していく上では、やはり関係者、市町村、あるいは経済団体、多くの関係者の皆様方と方向性を共通にして、相互に連携協力しながら進めていくということが大変重要だというふうに思います。そうした取り組みなしには成功していかないだろうというふうに思いますので、これからも地域の皆さんと積極的に意見交換を行って問題意識を共有して取り組んでいきたいと思いますし、また、伊那谷、そして長野県全体の発展につながるように責任を持って全力で取り組んでまいる決意でございます。佐々木議員初め県議会の皆様方にも、この問題に県全体で御支援、御協力をいただきますよう、この場をおかりしてお願いを申し上げたいというふうに思います。  以上でございます。       〔48番佐々木祥二君登壇〕 ◆48番(佐々木祥二 君)次に、長野県西駒郷についてお伺いをいたします。  この西駒郷は、知的障害を持った人たちが、援助を受けながら、豊かな暮らしと社会的自立を目指して、今から約50年前、全国に先駆け、知的障害者の総合援助施設として起工され、昭和43年に開所されたことは御承知のとおりでございます。  この西駒郷は、昭和63年までは490人余りが利用しておりましたが、その後、平成16年、西駒郷基本構想が策定され、5年間で250人程度の方々を地域移行方針と決定されました。また、平成18年には見直しがされ、誰もがそのぬくもりや息吹を感じるという人の姿、顔の見える社会を形づくるということを目指すと、長野県が目指す知的障害者の施策の方向を示しております。  そこで、グループホームについてお伺いをいたします。  西駒郷では、平成16年に5年間で250人くらい地域移行の方針決定から平成19年、20年までにグループホームを24カ所つくり、380人が移行いたしました。そして、300人くらいがグループホームに移行をし、生活をしております。  そこでのお話ですが、運営するのに人手が不足している、安全対策も不安だ、世話役さんも高齢化して体がきついなど不安を感じているなどお聞きをいたしました。今後、グループホームの設置から運営をどのように進めていくのか。利用者の方の高齢化対策、認知症対策などの介護に人手と設備が必要と考えます。安全対策を含め、健康福祉部長の御所見をお伺いをいたします。  また、利用者の受け入れ、そして利用者の今後の行き先、他の施設など利用できるかもあわせて健康福祉部長の御所見をお伺いをいたします。  次に、また西駒郷は50年になろうとしております。入所支援施設などは徐々に手を入れていただき感謝をしておりますが、何せ老朽化をしております。まつば寮など今後建てかえを含め、どのようにお考えか。また、昭和43年から建築した旧職員住宅、旧あすなろ、アカシアホーム、旧さつき寮、旧しらかば寮など、現在、空き部屋、利用休止になっている施設があります。これらの旧施設についても大変危険であります。安全面からも解体が必要と思いますが、まず、老朽化施設を整え西駒郷を再生することが必要と思います。  また、西駒郷でも50歳以上の方が30%近くなり、また、障害支援区分5、6の割合も、ひまわりでは97%、さくら寮でも81%となり、高齢化と重度化が急速に進んでおります。施設と装備の充実と人的介護技術などどのように考えているのか。あわせて健康福祉部長の御所見をお伺いをいたします。  次に、しあわせ信州創造プランでは、誰もが住みなれた地域でいきいきと安心して暮らせる社会を目指し、障害のある方々が地域の一員として居場所と出番を満たせる環境づくりを、県初め市町村や関係機関とが連携をして進める必要があると私も思います。  中でも、日中の活動の場としての就労支援事業は、地域の施設としての役割を非常に強く感じております。その点、西駒郷は、その役割を十分担っていると思います。西駒郷のさらなる充実と拡大を願うものであります。  そこで伺いますが、西駒郷は、これまで、入所されていた方々の意向に沿って地域生活移行に取り組み、障害者の地域での生活の実現に向けて支援してきたところでありますが、今後は、これまで培った入所支援等の機能を生かして、障害者を地域全体で支える体制づくりと全県的に進めるモデルとして長野県における障害者支援のさらなる充実を目指すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いし、3回目の質問といたします。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)西駒郷を含めた障害者施設について、私には3点御質問いただきましたので、順次回答をさせていただきます。  まず初めに、障害者の地域生活の拠点となるグループホームの運営については、利用者の生活全般の支援を行う世話人に多大な御尽力をいただいている状況にあり、今後、利用者の高齢化が進んだ場合、介護面での世話人の負担がふえることが見込まれます。こうした状況を踏まえ、グループホームに必要な人員を配置できるよう、世話人を含めた職員の配置基準の見直しや処遇の改善などについて国に対し要望をしているところでございます。  施設面については、利用者が高齢になっても安全に生活できるよう、バリアフリーに対応したグループホームの整備が必要であり、社会福祉施設等整備事業補助金において安全上の対策を講じるグループホームを優先的に整備することとしております。  また、高齢の利用者が身体機能の低下や認知症の発症などにより要介護認定を受けた場合には、特別養護老人ホームへの入所を含め、要介護度に応じた介護保険のサービスを利用することが可能となっております。  老朽化施設の建てかえと西駒郷の再生についてのお尋ねがございました。  西駒郷には、入所支援を行う居住棟のほか、日中の生活介護や就労支援等を行う建物が設置され、県内の知的障害のある方を受け入れて自立生活に向けた支援を行ってまいりました。建物については、居住棟の一部を改築または新築したほか、耐震化改修、居室の個室化等により安全確保や生活環境の改善を行ってまいりましたが、多くの建物は老朽化が進んでおり、対応が必要であると認識しております。  現在、西駒郷の今後の県立施設としての役割等について、外部の有識者を含めた検討会を設置して協議いただいているところであり、老朽化した施設については、検討会の報告を踏まえ、西駒郷が障害者の地域生活を支援するために今後果たすべき役割を明確にした上で必要な施設の整備を検討してまいります。  また、西駒郷入所者の状況を見ますと、50歳以上の利用者の割合は約30%、65歳以上の割合は約5%となっております。一方で、障害支援区分の高い重度の利用者の割合は8割に上っております。こうした状況を踏まえ、西駒郷では、重度の障害に対応する専門研修を初め、さまざまな研修制度を活用して人材育成に取り組んでいるところですが、今後の高齢化を見据え、介護面を含め、より質の高い支援を提供するため、職員のさらなる知識、技術の習得に努めてまいります。  施設面では、バリアフリー化を一定程度行ってきておりますが、あり方検討会の結果を踏まえ、今後、高齢化等に関して必要な対応を行ってまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)今後の西駒郷の役割について御質問を頂戴いたしました。  現在、有識者による検討会におきまして今後の西駒郷のあり方について御検討いただいているところでございます。検討会の中では、障害がある方が地域で安心して生活をしていくための課題として、家族の急病等緊急時の対応であったり、あるいは障害者が高齢化が進んでいる中でどう対応していくか、こうした課題が挙げられております。西駒郷は、今後、こうした課題の解決に取り組むモデル的な施設として、地域で暮らす障害者の緊急時の居場所と必要な支援の提供、さらには介護保険サービスと障害福祉サービスを組み合わせて本人の状態に即した適切なサービスの提供、こうしたことに取り組んでいくことが必要というふうにされてきております。  加えて、全県のセーフティーネット機能の強化ということも求められております。地域での生活を継続することが難しい障害者を受け入れ、地域生活の再出発を支援することが必要という議論がされているところでございまして、3月には検討結果が報告書としてまとめられる予定でございます。県としては、検討会の御議論を十分踏まえ、今後の西駒郷の役割を明確にし、長野県における障害者支援がさらに充実していくことができるように取り組んでいきたいと考えております。  以上です。       〔48番佐々木祥二君登壇〕 ◆48番(佐々木祥二 君)それぞれ御答弁をいただきました。  台湾との国際戦略につきましては、これからも全庁的、部局横断的にさらに前向きに、積極的に進めていただきたいことを、ここは要望をしておきます。  また、リニアバレー構想では、人が住んでもらう、来てもらう、楽しんでもらう明確な目的づくりでございます。要は、人がリニアに乗ってやってくる目的をつくること、明確なターゲットと思考が重要だと考えます。県と市町村が協力して進めていただきたいことも、ここは要望をしておきます。  西駒郷でございますが、ある保護者の方のお話でございます。西駒郷にお世話になり、大変感謝している。入所当時、生涯ここで生活できる約束があり、唯一信頼できる施設と思いました。ところが環境が一変し、グループホームへ行くことになった。親としてもろ手を挙げて賛成はできなかったが、日中活動の作業も通所できる範囲なので、今は見守っています。しかし、親亡き後が心配で心配でなりません。また、世の中での障害者に対する受け入れはまだまだ厳しいものがあるかと思っております。子供たちが幸せな生活ができるよう、今後の政策におけるよい福祉の方向づけを願ってやみません。西駒郷は縮小されましたが、福祉サービスの充実と施設の充実をしていただき、障害者が安心して暮らせるようにしてほしいと、目を熱くして話してくださいました。知事、よろしくお願いをいたします。  孔子先生は、「国を保ち家を保つ者はすくなきを憂えずして等しからざるを憂え、貧しきを憂えずして安らかざるを憂う」、「民は貧しきを憂えずして等しからざるを憂う」と申しました。リニアバレー構想も、実現して初めて南北格差がなくなってまいると思いますし、西駒郷を初め障害者支援もこの言葉どおりだと私は思います。知事初め執行部の方々、また、県職員の方々にこの言葉の意味をしっかりかみしめていただき、県民の幸せのために御尽力いただきますことをお願いをしておきます。  さて、最後になりましたが、石原部長にお伺いをいたします。  石原産業政策監兼産業労働部長におきましては、昭和56年4月に長野県職員となり、観光振興課長、産業政策課長、商工労働参事を歴任をし、36年間にわたり県勢発展のために御尽力をいただきました。とりわけ、今年度は、G7長野県軽井沢交通大臣会合開催に当たり御活躍いただいたことは目に新しく焼きついております。御退職に当たりまして、長野県に寄せる熱い思いをお伺いし、私の全ての質問を終了させていただきます。御静聴ありがとうございました。       〔産業政策監兼産業労働部長石原秀樹君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹 君)長野県に寄せる思いについてお尋ねをいただきました。また、身に余るお言葉ありがとうございます。  さて、今後の産業を考えますに、資源の乏しい日本におきましては、これからも原材料を輸入して付加価値をつけて輸出するというものづくりが基本になると考えております。よって、高い付加価値をつける技術力が今後も重要です。最近は、アジア新興国の追い上げもあり、技術の陳腐化がすぐに始まるとともに、安い労働力を武器に、価格競争で日本製品を圧倒する場面が見られます。しかし、低価格の土俵で戦っていては勝ち目はございません。厳しくとも、やはり日本は、最先端の技術とこれまで蓄積してきた高度な技能で日本しかできないものをつくることが重要です。そのためには、市場のニーズをしっかりつかみ、最新の技術とアイデアで魅力的な商品や新しいサービスづくりに積極果敢に挑戦する人づくりがポイントと考えます。また、この人づくりは、将来の長野県の産業イノベーションになくてはならないものと考えております。  長野県には、先人たちの努力によりまして、技術力ある人材や活力ある企業が多数集積しており、その可能性は十分あると確信しております。決して楽な道ではございませんが、ぜひとも世界から期待される長野県づくりを行うべきと考えております。  御存じのように、産業労働部では、このほか生産性の高いサービス産業づくりや働き方改革など、待ったなしの課題がございます。県議会の皆様方には、引き続きこれまでと同様の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、私の長野県への思いとさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(向山公人 君)次に、荒井武志議員。       〔26番荒井武志君登壇〕 ◆26番(荒井武志 君)信州・新風・みらいの荒井武志でございます。初めに、地域活性化への取り組みについてであります。  昨年の11月定例会では、種々議論の末に地域振興局の設置に関する条例案などを可決し、いよいよ本年4月から地方事務所を改組して地域振興局が設置されることになりました。この地域振興局は、局長に予算や人事面で幾つかの権限を付与し、管轄地域の現地機関相互の連携を強化して、地域の横断的な課題解決に向け取り組むこととしております。知事は、閉会後の記者会見で、組織をつくること以上に、局長や職員の動き方、働き方を変えていくことが大事。地域の県民、市町村と一緒になって地域振興に取り組んでいくと決意を表明されました。  県内各市町村が総じて人口減少に直面していく中、いかに地域に元気や活気をつくり出していくのかが重要なポイントになるわけで、設置される地域振興局のありようが今後の市町村活性化に大きく影響してくると言っても過言ではないでしょう。  そこで知事に、以下2点、お伺いします。  一つは、各地域振興局が各地の地域要望等をどのように把握し、受けとめ、それを整理し、どのように具体策へつなげていこうとお考えでしょうか。  二つに、各地域振興局へ幾つかの算定基準のもと、1億円が割り振られるとお聞きしておりますが、具体的な地域要望等がどのように生かされていくのでしょうか。先にお金があってではなく、要望があってこその1億円でなければならないと思うのですが、いかがでしょうか。  次に、ハード的な整備について取り組む場合、県や市町村、関係団体等と連携して整備をした施設等の帰属先はどこになっていくのでしょうか。企画振興部長に伺います。  次に、地域おこし協力隊についてであります。  総務省は、都市部から過疎地に一定期間移住して当該地域の活性化に取り組む地域おこし協力隊制度を設け、取り組んでいますが、当初目標の4,000人を4年前倒ししてこれを達成したとのことであります。  平成28年における長野県内の地域おこし協力隊員は64市町村に319人で、受け入れ自治体数、隊員数とも北海道に次いで2番目に多かったとされていますが、県のまとめでは、昨年の4月1日現在で59市町村、241人とお聞きしているところです。  これらを受けて、高市総務大臣は記者会見で、隊員の活動を円滑にするためのサポート体制強化と任期後の定住につながる起業支援に取り組みたいとする報道がありました。  一方、受け入れ自治体側の取り組み例では、採用時に何をしてもらいたいのか不明瞭で、若くて元気な人みたいなことぐらいでの対応になっていることもあるようですし、参加しようとする若者も、何ができるかわからないですというようなお話もあるなどお聞きしているところです。  そこで、以下、企画振興部長にお伺いします。  一つに、そもそも地域おこし協力隊を各市町村がなぜこれほど躍起に活用しようとしているとお考えでしょうか。  二つに、やりたいことができないと任期途中でやめてしまった隊員もあるとお聞きしていますが、県内におけるこれまでの定着状況、また活躍されている活動状況等をどのように受けとめておられるか。それらの状況についてお答えください。  三つに、県として、任期中の3年間あるいはその後のサポートをどのように取り組んできたのでしょうか。あるいは、市町村への取り組み指導をどのように行ってきたのでしょうか。また、部長の議案説明では、「隊員や市町村への相談・サポート体制を構築し」としているわけで、今後取り組むべき具体的方策をどのようにお考えですか。  次に、ふるさと信州寄付金についてであります。  近年、高齢者の増加に伴って社会保障関係費が増大している中にありながらも、投資的経費財源も着実に確保していかなければならないと思います。これらを踏まえ、新年度予算案では、歳入確保に言及し、ふるさと信州寄付金を初めとした寄附金収入の確保などに積極的に取り組むとしています。  そこで、総務部長にお伺いします。  最近、返礼品競争の過熱化が問題となっていますが、本県における返礼品の取り組みを含め、ふるさと信州寄付金収入の現状と課題はいかがでしょうか。また、ふるさとや長野県の取り組みを応援したい方々のお気持ちとして、使途希望の状況をお聞きいたします。あわせて、新年度のふるさと信州寄付金の取り組み方針についてもお伺いいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)地域活性化への取り組みに関連して、私に2点御質問をいただきました。  まず、地域振興局における地域要望の把握等をどうするのかという御質問でございます。  何よりも、地域振興局のトップであります局長が率先して地域の課題や要望をしっかり的確に把握してもらうように努めてもらうということが重要だと思っております。局長には、タウンミーティング、ランチミーティング、あるいは地域戦略会議、こうしたことを活用して、待ちの姿勢ではなく、積極的に地域に出向いて、市町村、関係団体、県民の皆さんと交流をしてもらいたいというふうに思っています。  その上で、そうした中で出てくる県民の皆様方の考え、思い、こうしたものを地域振興会議や部局長会議を通じて関係する現地機関や本庁ともしっかり情報共有をしてもらいたいというふうに思っています。地域のトライセクターリーダーとして地域振興推進費も活用して具体的な対応へとつなげてもらうということも期待をしているところでございます。  こうした考え方は、これまでも地方事務所長会議等で伝えてきておりますが、今後、地域振興局長となる職員が内定した際には、年度がわりを待つことなく、改めて私の考え方を伝えて、地域振興局がスタート当初からしっかりと県民の皆様方の考えを伺える体制になるように努めていきたいと考えております。  それから、地域振興推進費についてでございます。  地域振興推進費につきましては、現地機関の見直しの議論の過程におきまして、予算のあり方についても地方事務所長を交えて数度にわたって意見交換を行い、検討してきたものでございます。予算額につきましては、これまで行ってまいりました地方事務所長からの施策提案で提案が出された事業の規模等を踏まえて、初年度として、まずは総額1億円という形にさせていただいております。  来年度の地域振興推進費の各地域振興局への割り振りに関しましては、総額の半分を人口や面積、市町村数等の客観指標によって配分し、残りの半分は均等に配分ということで考えております。それぞれの地域振興局には、こうして算出した額をあくまでも活用可能額として内示をしていきたいというふうに思っております。地域振興のために有効に活用するという強い目的意識を持ってもらい、地域の課題や要望に的確に対応した効果的な事業実施になるように各局には求めていきたいと考えております。  以上でございます。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)いただきました御質問に順次お答え申し上げます。  まず、地域において整備されました施設等の帰属先についてでございます。  一般的には、県や市町村、関係団体等が共同で整備する場合には、支出額に応じた持ち分を設定するなど、関係者の協議により所有権を決定していくこととなります。また、地域振興推進費により県が整備した施設等につきましては、県の財産となり、県が管理していくことが一般的であると考えております。  いずれにいたしましても、地域振興推進費によりハード事業を行う場合には、事業の効果のみならず施設等の所有や管理のあり方につきましても十分に検討した上で進めるよう取り組んでいくこととなっています。  続いて、地域おこし協力隊についての御質問でございます。  まず、各市町村での隊員受け入れの積極姿勢の要因についてということでございますが、地域おこし協力隊は、人口減少や高齢化の進行により活力の減退が懸念される地域へ新たな担い手として都市住民が移住し、農林業の応援や住民の生活支援などの活動に従事しながら、地域への定住、定着を図る取り組みでございます。こうした制度の趣旨が県内市町村のニーズに合致していることから積極的な受け入れにつながっているものと受けとめているところでございます。  次に、隊員の定着及び活動状況についてでございます。
     地域おこし協力隊は、地域の特産品開発や農業支援、観光振興といった産業面における取り組みを初め、伝統文化の復興や高齢者の生活支援など、幅広い分野で地域に根差した活動をしていただいております。任期終了後の県内への定着につきましては、平成27年度末までの7年間で、任期が終了した110人のうち73人、率といたしましては66.3%ということでございまして、これは全国平均よりも高い状況でございます。農産加工施設などへの就職や農林業への従事、古民家を改修してカフェを開業するなど、それぞれの地域で活躍をいただいております。  ただ一方で、隊員が希望する活動と採用市町村での実際の業務が一致しないとの理由や地域のコミュニティーに溶け込めないなどの理由により、任期途中で退任する事例も幾つか聞いているところでございます。こうしたことから、協力隊募集時における業務の明確化や受け入れ態勢づくりが課題と考えております。  最後に、県としてのサポートの状況と今後の方策についてでございます。  県といたしましては、これまで隊員の活動年数に応じた研修会や隊員同士の交流会などを開催してまいりました。また、銀座NAGANOでの市町村合同募集説明会や市町村担当職員の研修会なども行ってきたところでございます。新年度は、新たに設置される地域振興局ごとに隊員によるネットワークを構築し、そこに隊員OBや地域振興局の職員が加わる形で、情報交換のみならず隊員や市町村からの相談にも応じられるサポート体制をつくっていきたいと考えているところでございます。  以上でございます。       〔総務部長小林透君登壇〕 ◎総務部長(小林透 君)ふるさと信州寄付金についての御質問について順次お答えをいたします。  まず、ふるさと信州寄付金の現状と課題についてでございますが、ふるさと納税制度は、ふるさとなどを応援する気持ちを形にする仕組みといたしまして平成20年度に創設されたものでございますが、本県では、平成24年度から返礼品の贈呈を始めるとともに、議会の皆様の御理解を賜り、ふるさと信州寄付金基金を創設することなどによりまして積極的に取り組みを進めてまいりました。  その結果、本県への寄附金の状況は、平成27年度に1万2,428件で1億5,400万円と過去最高額を更新し、ふるさと納税の件数における都道府県別の順位は第3位となったところでございます。本年度は、寄附受付等の一連の業務を委託し、民間事業者のノウハウを生かしたプロモーション事業の展開などによりまして、12月末の時点で、既に昨年度の2倍近い2億8,000万円に達しているところでございます。  一方で、自治体の中には、より多くの寄附金を集めるため、換金性や資産性の高い返礼品を提供するなど、全国的に返礼品による自治体間競争が加熱していることや、これに伴いまして経費も増加傾向にあることなどが課題であると考えております。  次に、使途希望の状況と今後の方針についてでございますが、寄附者の使途希望といたしましては、例えば平成27年度の実績を見ると、自然環境の保全や山岳高原観光地づくりといった当県の持つ高いポテンシャルを応援していただけるもののほか、子育てや子供への支援などが多くを占めてございます。  また、いただいた寄附金は、寄附者の思いに沿って、平成29年度当初予算においても山岳環境整備推進事業など58事業の財源として計上しているところでございます。  今後も、本来のふるさと納税制度の趣旨に沿って、返礼品には資産性や金銭類似性の高いものは取り入れずに、信州ブランド品などの県産品や信州らしさを体験していただける場を提供するなどによりまして、工夫を凝らして長野県の魅力を発信していくとともに、県外のイベント等さまざまな機会を利用し効果的なPRを行うことでさらなる寄附の拡大を図ってまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。       〔26番荒井武志君登壇〕 ◆26番(荒井武志 君)地域振興局にかかる地域活性化につきましては、県が市町村より遠いというようなお話をいろいろな場面で伺っておりますので、この際、そういうものの払拭がこういう場面を通じてできるように大いに期待をさせていただきたいと思います。  また、地域公共交通の充実策につきまして、過日の代表質問でも取り上げられ、その答弁にありましたように、県や市町村、交通事業者などで構成する「地域における移動手段の確保・補完に関する検討会」を設置し、生活交通、県内観光の二つの部会を設け、地域での日常生活を支える持続可能な移動手段の確保や観光客の流動を踏まえた公共交通ネットワークなどについて検討していく旨をお聞かせいただきました。よく、住めば都と言われるように、愛着のある地にずっと住み続けたいと願う県民が大多数ではないかと思うところです。  県交通運輸関係の皆さんからも強い要望としてお聞きしておりますので、今後設置される検討会におきまして、充実した議論のもと、しっかりとした方向性が見出せますよう要望させていただき、次の質問に移ります。  次に、文化芸術の振興についてであります。  平成27年度に文化振興元年としてスタートした文化振興への取り組みは、当初が決算剰余額の1%、昨年度は3%、本年度も3%を積み立てる予定の文化振興基金の活用を図りながら、人材育成や文化芸術に親しむ人々の拡大、文化芸術の創造性を生かした地域づくりを進めようとしていること。また、県民一人一人が人生を楽しむことができる文化県を目指し、長野県文化芸術振興ビジョン(仮称)を策定するとしており、これらは大変重要なことであると私も認識しているところであります。  そこで、県民文化部長にお伺いします。  文化芸術振興の課題にはどのようなものや事があるとお考えでしょうか。そして、それらの解決に向けてどのように取り組んでいくのでしょうか。  続いて、知事に2点お伺いします。  一つに、文化県を目指し、長野県文化芸術振興ビジョン(仮称)を策定していくわけですが、それらの具体化、実現に向けて諸施策が立案されていくものと思います。そのためには、基金財源の充実が欠かせないでしょう。決算剰余額の3%をさらに拡充する必要性についてどのようにお考えでしょうか。  二つに、全国各地で国民一般の皆さんが行っている各種の文化活動を全国的規模で発表し、競演し、交流する場を提供することにより、国民の文化活動への参加の機運を高め、新しい芸術文化の創造を促すことを狙いとして開催されている国民文化祭でありますが、来年度は第32回国民文化祭・なら2017として奈良県で開催されます。  若干概要を申し上げますと、9月1日から11月30日までの3カ月間にわたり、国民文化祭に加えて、第17回全国障害者芸術・文化祭なら大会が同時に全国で初めて一体開催されます。奈良県内39の全市町村で障害のある人もない人も一体になってイベントを盛り上げるとのことであります。すばらしい取り組みであると思います。  文化県を目指す長野県とすれば、文化芸術の底上げを図る絶好の機会となり得るこの国民文化祭の招致を、文化芸術団体の皆様とともに県を挙げてその実現に向かっていくべきと考えますが、いかがですか。  次に、教育長にお伺いします。  伝統文化の継承、活用の範疇には県の指定文化財がありますが、有形無形を問わず、これらの指定の状況と支援策の現状はいかがでしょうか。また、支援策の充実に向けたお考えはいかがでございましょうか。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)文化芸術振興の課題と解決に向けた取り組みについてお尋ねいただきました。  文化芸術振興におきましては、議員からも御指摘がございましたけれども、大きく三つの重点的に取り組むべき課題があると認識しております。  一つ目は、文化芸術による人づくりでございまして、子供たちがすぐれた文化芸術を観賞し体験できる機会の充実や、文化施設のスタッフなどの文化振興を担う専門的な人材の育成が必要だというふうに認識しております。  二つ目は、文化芸術に親しむ人々の拡大でございまして、障害や年齢にかかわらず、より多くの県民が文化芸術活動に参加できる環境の整備が必要と考えております。  三つ目は、文化芸術の創造性を生かした地域づくりであり、文化芸術と観光の融合など文化資源を生かした地域の活性化やクリエーティブ人材が活躍できる社会づくりの推進が必要と考えております。  このような課題に対応するため、来年度は、芸術監督団の企画による先駆的な音楽・演劇公演や若手美術作家展などの取り組みを本格化するとともに、新たに、議員から御指摘もございました平成30年度から5カ年の計画期間とする長野県文化芸術振興ビジョン(仮称)を策定いたしまして、その具体化を図ってまいりたいと考えております。  ビジョンの策定に当たりましては、有識者や文化芸術団体等で構成する文化芸術振興懇話会を設置し、市町村や関係団体、アーティスト等とも幅広く意見交換を行う中で、文化芸術施策の今後の方向性を初め、県文化振興の中核を担います文化振興事業団の体制整備等についても検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)文化芸術に関連いたしまして、2点御質問いただきました。  まず、文化振興基金の拡充についての考え方という御質問でございます。  心の豊かさを求める意識が県民の中に広がっている中で人生を楽しむことができる社会をつくるためには、文化芸術の振興は大変重要だというふうに思っております。  そういう観点で文化振興基金を設置したわけでありますが、御質問にもありましたように、初年度決算剰余金の1%積み立て、その後3%ということで拡充をしたところでございます。この文化振興基金の積み立てのあり方につきましては、これまでの取り組みを検証した上で、来年度新たに長野県文化芸術振興ビジョン(仮称)を策定していく予定でございます。今後の文化芸術振興施策の方向性を検討することとあわせて考えてまいりたいと思っております。  それから、国民文化祭誘致をしてはどうかという御質問でございます。  国民文化祭は、音楽、美術はもとより、生活文化まで幅広く展示、発表する国民文化の祭典でございます。昭和61年度から文化庁が開催都道府県との共催で実施をしてきており、本県の文化を全国に発信する機会ということで意義あるものというふうには考えておりますが、開催には、県だけではなくて、市町村や文化芸術団体等の御協力も不可欠でございます。現段階で開催に向け全県的な機運が醸成されているというふうには言いがたい状況でございます。誘致につきましては、市町村あるいは文化芸術団体などの御意見を幅広くお伺いする中で検討していきたいと考えております。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)県指定文化財の指定状況と支援策についてのお尋ねでございます。  県の指定文化財は、現在、長野県宝228件、長野県無形民俗文化財29件、長野県史跡70件など444件が指定されておりまして、これらの指定文化財の所有者等が行う保存、修理などの取り組みに対して助成を行っているところであります。  この補助金につきましては、平成25年度に補助率の引き上げなど制度の拡充を図るとともに必要な予算額の確保に努めているところでありますが、平成27年度までの6,000万円台から本年度は8,000万円台へと大幅に増額し、さらに平成29年度の予算案では約750万円を増額し8,973万円としているところであります。  また、文化振興元年と位置づけた平成27年度には、文化財の所有者等が行う情報発信・活用事業に対する補助制度を創設いたしましたし、また、南信州地域をモデル地域として、伝統芸能継承のための後継者確保や企業連携などの取り組みへの支援を開始したところであります。市長会等からは、補助制度のさらなる拡充を求める声もありますことから、今後、市町村の御意見をお聞きしながら補助制度の見直し等についても検討してまいりたいというふうに考えております。       〔26番荒井武志君登壇〕 ◆26番(荒井武志 君)国民文化祭についてもお話をいただきました。振興ビジョンを検討していく中で、多くの声をお聞きいただきながら検討の一つにぜひ入れていただきたいと、こんなことを要望させていただきます。  次に、障害者施策の推進についてであります。  初めに、昨年3月14日に全会一致で可決成立した手話言語条例への取り組み状況についてですが、県議会としまして、全議員が参画する手話言語普及促進議員連盟を昨年6月立ち上げ、手話を学ぶ勉強会に取り組んでいるところであります。  私も、本年元旦早々から、「皆さん、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。」、こんなようなことを一つ覚えのごとく各種会合で取り組んでまいりました。県におかれましても、種々の取り組みがなされてきているものと推察する次第であります。  そこで、健康福祉部長にお伺いします。  一つは、手話言語理解への取り組みの現状はいかがでしょうか。  二つに、一層の普及促進に向けた新たな取り組みをどのように進めていきますか。  次に、要約筆記や点字などを含めた障害のある方々への情報保障やコミュニケーション支援などの施策の充実について、平成27年9月定例会において、健康福祉部長は、当事者の方々を含めた関係者の皆様とともに、障害のある方々の情報保障やコミュニケーション支援のあり方などについても、課題を整理しつつ、早急に検討することといたしたい旨表明されました。  そこで、健康福祉部長にお伺いします。  これら情報コミュニケーション支援施策拡大への取り組み経過と今後の方向性をどのようにお考えでしょうか。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)手話の理解に向けた取り組みについてのお尋ねをいただきました。  県では、手話言語条例制定初年度となる今年度は、聾者との交流などを通じ、手話に対する理解促進と県民の手話に親しむ機会の拡大に重点を置いて事業を実施してまいりました。  具体的には、県内のプロスポーツチームを手話で応援するイベントや「信州山の日」に聾者と交流しながら登山を楽しむイベントを開催するとともに、手話サークル等が行う交流事業への支援を行い、手話に親しみながら聾者と交流する機会の提供を図ってまいりました。  また、県下10圏域ごとに開催した県民向けの手話講座には約500名の参加をいただいたほか、日常の挨拶や窓口での会話を掲載した手話ガイドブックを作成し、コンビニ、公共交通機関などに配布し、活用していただいております。  このほか、県の部局長会議で手話講座を実施するなど、知事を初め職員が手話を学ぶとともに、会議や行事において手話で挨拶するなど、県職員から率先し手話の普及に取り組んでおります。  手話の一層の普及促進に向けた新たな取り組みについては、来年度は、新たに観光関係者向けの手話講座の開催や手話や字幕をつけた観光PR動画を作成し県内外に本県の観光情報を発信するなど、障害者にも優しい観光地づくりにより一層取り組んでいくこととしております。  また、プロスポーツ団体を手話で応援する取り組みについて、本年度実施したバスケットボールチームへの応援に加え、新たに、より大きな会場となるサッカーチームへの応援を実施するほか、「信州山の日」の交流イベントの開催回数もふやすこととしております。  さらに、県民向け手話講座については、休日や公民館での開催をふやし、より多くの方々が参加できるようにするなど、今年度の成果を踏まえ、改善を図りながら効果的に取り組んでまいります。  情報・コミュニケーション支援施策については、障害者に対する情報保障や障害特性に応じたコミュニケーション支援等のあり方を研究するため、当事者団体や学識経験者等で構成する「情報保障・コミュニケーション支援研究会」を平成27年10月に設置し、これまで3回にわたり検討を行ってまいりました。障害特性の理解や特性に応じた配慮がさらになされるよう取り組みを進める必要性があるとの意見や、盲聾者の社会参加のための支援拡充や、災害時における障害特性に応じた情報提供が必要であるとの意見など、検討会で出されたさまざまな意見について課題解決に向けた検討を行ってきております。  これまでの議論を踏まえ、来年度からは盲聾者に対する通訳介助員派遣事業を拡充するなど、新たな情報・コミュニケーション支援に取り組んでまいりたいと考えております。  また、研究会における支援のあり方の検討を引き続き進め、取りまとめを行った上で、来年度策定する次期長野県障害者計画に反映し、施策の充実を図ってまいります。  以上でございます。       〔26番荒井武志君登壇〕 ◆26番(荒井武志 君)手話言語理解につきましては、本当に小さいことからでもつないで、つないでやっていかなきゃいけないと思います。それぞれの地域における取り組みが一層進みますように私からもお願いをさせていただきたいと思います。  次に、農林業の振興についてであります。  来年度は、意欲ある農業者の目標たる夢の実現と人と人との交わりによる農村の新たな活力の創出を目指した第2期長野県食と農業農村振興計画の仕上げの年と承知しておりますが、食っていける農業にしていくためにも、いかに付加価値を高めていくのかが重要であると思うところであります。その取り組みの重要な一つと言える6次産業化のさらなる推進が求められていると思うわけであります。  また、鳥獣被害対策についてですが、狩猟者への支援とともに、侵入防止柵の設置支援など、関係地域の皆様には大変ありがたいと喜びの声を耳にするところですが、松くい虫被害木や強度な風雪による倒木で施設を損壊している現状がままあるようであります。これらを修復する費用への支援など、しっかり充実、拡大していくべきと考えます。  そこで、農政部長にお伺いします。  一つに、経営状況を含め、6次産業化への取り組みの現状はいかがでしょうか。また、部長の議案説明で、6次産業化について、事業者に対する支援を効果的に進めるとしている今後の支援方策は具体的にどのようなものなのでしょうか。  二つに、侵入防止柵の修復費用への支援の現状と支援策の充実拡大に向けてはどのように考えておられるでしょうか。  次に、林務部長にお伺いします。  林業振興に関しましては、戦後植栽された木々が大きく成長し、これらの利活用が今まさに求められております。森林県から林業県への飛躍に向けて、素材生産活動の効率化や信州カラマツを中心とした県産材の需要拡大を重点に取り組みを強化していこうとされています。  一つに、なりわいとしての林業を確立していくために目指すべき方向性をどのようにお考えでしょうか。  次に、相当額が使い切れていない森林税のあり方についてお伺いします。  既に森林づくり県民会議でも議論が進められていますが、一つは、2期9年間取り組んできた森林税の課題は何であるとお考えでしょうか。  二つに、国が進めようとしている森林環境税との整合をどのように考えていくのでありましょうか。現在、地方税制研究会でも検討が始まったと聞いておりますけれども、森林をどう生かしていくのかなどの観点での検討も必要ではないかと思います。研究会での議論の現状について総務部長にお伺いいたします。       〔農政部長北原富裕君登壇〕 ◎農政部長(北原富裕 君)農業振興についての御質問に順次お答えをいたします。  初めに、6次産業化の取り組みの現状と今後の支援方策についてですが、国が認定する6次産業化総合化事業計画の認定件数は本年1月末時点で93件となっており、認定事業者に対して、商品力向上研修会による魅力ある新商品づくりなどへの支援や専門家の派遣による計画策定、商品開発、販路開拓など、一貫した支援を実施してまいりました。  一方、認定事業者のうち、販売目標額が1億円以上の事業者は15%程度にとどまり、多くが小規模で零細な経営となっております。今後、他産業との連携や資金調達方法の改善などにより、規模の大きな事業体を育成することが重要と認識しております。そのため、食品企業の製造施設等で体験実習を行う機会の提供、信州6次産業化推進協議会の6次産業化推進員と県内金融機関が連携したファンドの活用や、農業者と2次、3次事業者とのマッチングなどを効果的に進めまして、より規模の大きな事業体を育成してまいりたいと考えております。  次に、鳥獣被害対策の侵入防止柵の修復への支援についてですが、侵入防止柵の壊れた部分の修復を初め、維持管理に要する経費については、国、県、市町村が支援する中山間地域等直接支払交付金や多面的機能支払交付金の活用が可能となっております。平成27年度は県内71市町村において、中山間地域等直接支払では約370集落、多面的機能支払では約200組織で交付金を侵入防止柵の維持管理などに活用しております。  今後、これら制度を有効活用していただけるよう制度の一層の周知を図り、侵入防止柵の維持管理、修復が円滑に実施されるよう支援してまいります。  なお、豪雨、豪雪などによる大規模な損壊につきましては、被害状況に応じ、国の鳥獣被害防止総合対策交付金の活用が可能となっております。  以上でございます。       〔林務部長池田秀幸君登壇〕 ◎林務部長(池田秀幸 君)林業の振興についての御質問でございます。  初めに、なりわいとしての林業を確立していくための目指すべき方向性に関する御質問でございます。
     議員御指摘のとおり、収益性を確保し、自立型の林業構造に転換を図っていくことは、本県が森林県から林業県へ飛躍するための最重要課題と認識をしております。なりわいとしての林業を確立していくためには、県産材の需要拡大を図るとともに、生産段階での生産性を向上させコストを低減させることにより、森林所有者の所得を向上させることが必要となってまいります。このため、林地台帳の整備や伐採と造林を一体的に行う一貫作業システムの導入でありますとか、ICTを活用したスマート林業の実践などにより集約化、伐採搬出、運搬流通の各分野での生産性向上に取り組んでまいりたいと考えております。  また、県産材の需要拡大に向けましては、信州の木自給圏構築事業による地域ごとの強みを生かした付加価値の高い加工流通のモデルづくりや、林業総合センターの設備を強化し、特に品質にすぐれたカラマツの特徴を生かした新たな製品開発を進めてまいりたいと考えております。  こうした施策の着実な推進により、本県の林業生産活動を活性化し山村地域における雇用を確保するとともに、森林所有者の所得を向上させられるよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、森林づくり県民税の課題についての御質問でございます。  森林づくり県民税を活用し、平成20年度から28年度までの9年間で約2万9,000ヘクタールの手入れがおくれた里山の間伐を進めてきており、山地災害を防止するなど、県民の皆様の安心、安全な暮らしの確保に一定の成果を上げてきたと考えているところでございます。  他方で、現在未整備で残されている里山につきましては、所有が細かく、大きくまとめて整備を行うことが困難な状況となってきていること、森林税を活用した事業は多くが山の中で行われていることから、県民会議などにおきましても、負担をお願いしております県民の皆様から見ると実態がわかりづらく、取り組みの成果をもっと身近に感じていただけるようにするべきではないかといったような指摘を受けていることなどの課題が明らかになってきているところでございます。  次に、国が進めようとしております森林環境税についての御質問でございます。  昨年12月に発表されました与党の平成29年度税制改正大綱におきましては、市町村が主体となって実施する森林整備等に必要な財源に充てるため、個人住民税均等割の枠組みの活用を含め、都市、地方を通じて国民にひとしく負担を求めることを基本とする森林環境税の創設に向けまして、地方公共団体の意見を踏まえながら、具体的な仕組みなどについて総合的に検討し、平成30年度税制改正において結論を得るとされたところでございます。  県といたしましては、国における新たな仕組みの検討状況等を念頭に置きつつも、森林づくり県民税の今後のあり方につきましては、まずは何を目的としてどのような事業を行っていくのか。そのためにどれぐらい財源が必要になってくるのか。さらには、その財源を超過課税という形で御負担いただくのは適切なのかといったことをしっかり検討していく必要があると考えております。  以上でございます。       〔総務部長小林透君登壇〕 ◎総務部長(小林透 君)地方税制研究会での議論についての御質問にお答えをいたします。  先月27日に開催されました本年度第1回の地方税制研究会におきまして、大北森林組合が補助金不正受給事案の一部に森林づくり県民税が充てられていたことから、まずはこの事案における県の対応状況及び再発防止策が報告されるとともに、第2期における平成28年度までの事業の実施事業等が議論となりました。この中で、第2期の計画目標が未達成になる見通しであることや基金残高がふえ続けていること等が指摘され、次回以降、第2期での間伐計画目標の根拠などについて議論が行われる見込みとなってございます。この研究会と並行して、みんなで支える森林づくり県民会議でも検証が行われているところであり、議員御指摘の観点も含め、それぞれの議論についてその動向を把握してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔26番荒井武志君登壇〕 ◆26番(荒井武志 君)お答えをいただきました。侵入防止柵の修復関係で地域では大変に困っているという話を先ほどお話ししたところでありますが、いろいろな活用策がある、制度があるというお話でございますので、ぜひその辺の周知をさらに徹底していただきますようにお願いをさせていただきたいと思います。  次に、教育の振興についてでありますが、初めに第2次高校再編についてであります。さきの代表質問でも考え方を伺っているところでありますが、私からもお伺いをいたします。  教育委員会では、昨年10月に学びの改革基本構想案を公表され、県議会での議論やパブリックコメントの実施、高校生や若手教員との意見交換、高校の校長会や教頭会など諸団体との意見交換を行ってきたと伺っているところであります。それらを踏まえた主要な論点が先ごろ示されました。具体的には、信州学の意義や全県一律実施への疑問、少人数学級の実施の要望、高校の枠組みの定義が曖昧、中山間地校の学びについて、都市部校の規模についてなどでありました。  そこで、以下、教育長にお伺いします。  一つは、各教科の基礎的、基本的な学びは、中山間地校と都市部校にかかわらず全ての高校で共通して展開すべきものとしており、私もそのとおりと思います。そんな認識がありながらも、中山間地校と都市部校の二極に分化し取り組もうとしていることに違和感を感じているところであります。何ゆえ二極に分化するのでしょうか。改めてお尋ねさせていただきます。  二つに、学年別クラス数の考え方についてです。  これまでは、一貫して6学級が望ましいとされてきたと思うところでありますが、方向では、規模の大きさを最も生かせる8学級規模の学校の設置も目指して検討を進めるとしていることについて、生徒数が減少状況の中で、なぜと思わざるを得ません。考え方をわかりやすく御説明ください。  次に、信州学についてですが、みずから生まれ育った地域を理解し、その課題について考える学習の機会を与える信州学は、私も大切なことと承知しております。  ただ、主要な論点では、その内容について各校独自に定めていくべきものと考えるとしているわけで、それでは信州学とは一体何なのかと問い直さざるを得ません。信州学という以上、一定の基本事項のもとに各校独自の取り組みがあるべきと考えます。これが信州学であると端的に御説明をいただきたい。また、これまでの成果と課題は何であるとお考えでしょうか。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)学びの改革基本構想案に関連して御質問いただきました。  まず、中山間地校と都市部校を設けることの理由についてでありますが、学校がどこに立地していようと、全ての県立高校は学習指導要領にのっとった教育課程を展開しておりまして共通した学びの内容は保障されるわけですが、その上で、義務教育を終了した生徒に対してみずからの進路や生き方を見据えた多様な学びの選択肢を提供することが大切であり、学校規模や設置されている学科などによりましてそれぞれの学校の特色や強みを生かして新たな社会を創造する力を育むことが重要であるというふうに考えております。  これらのことを大前提とした上で、少子化にどう対応するかということでありますが、少子化のさらなる進行に対して現状の高校数のまま推移すれば全ての高校の規模が縮小することは必至の状況でありまして、学びの質の低下が危惧されているところであります。  一方で、中山間地が多く県土が広い本県の地理的特性を考えると、都市部にも中山間地にも高校が存立し、それぞれの高校においてこれまでの学びから転換した新たな学びを全ての子供たちに保障することが望ましいというふうに考えております。そこで、今回の学びの改革基本構想案では、都市部校と中山間地校という新たな枠組みを導入したところでございます。  8学級規模を最適化基準というような根拠でありますけれども、第1期の再編計画では、学校の適正規模について1学年6学級を標準とし、2から8学級の間で設定というふうにしておりますが、本県の地理的特性を踏まえた言及がなかったところであります。これについての検証を平成27年度に長野県高等学校将来像検討委員会で行い、それを踏まえて、今回の学びの改革基本構想案では、都市部校と中山間地校という新たな枠組みを導入したところであります。  都市部の普通校の学級規模につきましては、パブリックコメント等の御意見を踏まえて、2月の教育委員会定例会において、「6学級以上の規模が望ましく、規模の大きさを最も生かせる8学級規模の学校の設置も目指して検討する」としたところでありますけれども、8学級規模の学校が規模の大きさを最も生かせるというふうにした点につきましては、現行の法律に基づき教員を配置すると、例えば理科では8人から9人の教員を配置でき、物理、化学、生物、地学の全ての分野で専門性を有する教員から学ぶことができる環境が整い、そして、それぞれの分野の発展科目も100%開講が可能であると。あるいは、規模が大きくなることで、生徒が希望する多様な活動も可能となり、クラブ活動、クラスマッチ、文化祭等が一層活性化することなどをその理由としてお示ししたところでございます。  最後に、信州学の捉え方とこれまでの成果と課題についてでありますが、信州学は、地域に根差した探究的な学びの総称でありますけれども、その狙いは、生徒が自己のアイデンティティーを確立する上で重要なバックグラウンドとなる信州というものの価値を客観的な視点から捉え、新たな価値を発見したり、創造、発展させたりする、そうした探究的な学びを通じて、新たな社会を創造する力を育成しようとするものであります。  最近の具体的な事例で申し上げますと、松本県ケ丘高校の1年生がRESASを活用し、ビッグデータに基づいて本県の人口減少や耕作放棄地等についての実態を客観的に分析した上で、課題解決の方策として、信州の伝統食である昆虫食の価値を再発見し、さらにそれをサプリメントという形に発展させたビジネスモデルを提案しましたところ、内閣府主催の地方創生政策アイデアコンテストにおきまして、全国213件の応募の中から満場一致で最優秀賞を得たということがございます。県内各地の高校で、地域というフィールドを生かしたさまざまな取り組みが始まりつつあるというふうに承知しております。  一方で、こうした探究的な学びを進めていく教員の指導力をさらに高めていくことが課題でありまして、今後は、有識者や教育関係者からなる信州学推進委員会を設置するなどいたしまして研究を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上であります。       〔26番荒井武志君登壇〕 ◆26番(荒井武志 君)今、昆虫食の話がございましたが、実は私、「こんにちは県議会です」でたまたまそのグループにおりまして、本当にすばらしい発想だなと、こういうふうに思ったところであります。この地域のこれまでのよさをこれからも生かせるように、地域の中でぜひ取り組まなければいけないと、こういうふうに思ったところであります。ありがとうございました。 ○議長(向山公人 君)会議規則第13条第2項の規定により、本日はこれをもって延会いたしたいと思います。  次会は、明28日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後4時28分延会...