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  1. 長野県議会 2016-12-07
    平成28年11月定例会農政林務委員会-12月07日-01号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成28年11月定例会農政林務委員会-12月07日-01号平成28年11月定例会農政林務委員会 農政林務委員会会議録(その3) ●招集年月日時刻及び場所  平成28年12月7日(水)午前10時30分、議事堂第4委員会室に招集した。 ●出席した委員の氏名    委  員  長         清 沢 英 男    副 委 員 長         花 岡 賢 一    委     員         平 野 成 基       同            佐々木 祥 二       同            丸 山 栄 一       同            髙 島 陽 子       同            和 田 明 子       同            小 林 東一郎       同            村 上   淳 ●欠席した委員の氏名    な し ●説明のため出席した者の氏名 (林 務 部)
       林務部長            池 田 秀 幸    林務技監兼信州の木活用課長   山 﨑   明    森林政策課長          小 山   聡    県産材利用推進室長       春 日 嘉 広    森林づくり推進課長       宮   宣 敏    鳥獣対策・ジビエ振興室長    佐 藤   繁    全国植樹祭推進室長       河 合   広 ●付託事件   12月5日に同じ ●会議に付した事件   付託事件のうち、1~5、9、10、15、16、19、20及び林務部関係所管事務一般について ●開議時刻 午前10時28分 ●清沢委員長 開会を宣した。  ▲ 日程宣告    林務部関係の審査  ▲ 議題宣告(林務部関係)    付託事件及び所管事務一般を一括して議題とし、委員の質疑等発言を許可した。 ◆村上淳 委員 11月17日に松本歯科大学で森林フォーラムが開催され、多くの方が御出席いただきました。これからの森林経営を考えるということで、北海道の当麻町の森林組合長さんの講演から始まり、長野県内中部森林管理局佐久地方事務所上伊那森林組合北信州森林組合、民間の業者の方から、それぞれ事例発表がありました。長野県の林業に対する期待度は非常に大きなものを感じまして、林務部に対しても大きな期待が寄せられていることがよくわかりました。  こういった中で、佐久地方事務所の林務課の方が、カラマツの更新についてのお話をされましたけど、非常に有意義なお話でございました。長野県産のカラマツが、ほかの地域と比べると非常に優秀なカラマツだということもわかりました。そして、カラマツの利用とか育成が、これから長野県の林業を大きく変えていく要素にもなるのかなということがよくわかりましたが、残念ながら、伐期が来てもなかなか切れない。どんどん成長していくんだけれども、それをうまく活用ができないというか、切れない。搬出するのが、長野県はなかなか難しい地域が多いものですから、伐期を迎えた標準伐期が95%、全体の中であるそうで、4万500ヘクタールということです。こういったものに対して、これから県としてどのような方向を示されるのか、お聞きしたいと思います。  それから、中部森林管理局からもお話がありましたが、長野県は、民有林、あるいは国有林の比率がフィフティフィフティだとは思いますけれども、やや民有林が多いわけです。そんな関係で、民有林、国有林の連携をどのようにこれから図っていくのか、お聞きしたいと思います。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 まず伐期を迎え、なかなかその実際の伐採に入っていない部分の中で、これからカラマツとどうやって向き合っていくのかというお話でございます。長野県のカラマツは、昨日の説明の中でもさせていただきましたが、カラマツそのもののふるさとの地の発で、苗木の形質も非常に優秀で、寒冷な気候に適した樹種です。加えて言えば、強度も非常にあるので、私どもとしたら、その特性を生かした利用につなげていきたいと考えております。  現在、東信地域は、例えば木材センターがありまして、今までカラマツの出荷が10万立方ぐらいのレベルだったのが、既に15万立方を超える状況で、カラマツの利用は進んできております。ただ一方で、その多くは合板などに利用されているのが実態でございます。柱でいきますと、カラマツの柱は立方で4万円とか4万5,000円というレベルですが、強度を生かして、横架材、梁材に使うことで、少なくても7万円以上の製品として出荷できる体制を整備していきたいと考えているところです。  また、伐跡について、西日本等で起きた伐跡放棄という格好になることなく、しっかり再造林していくためには、苗木の確保ということも大事ですので、苗木についてもしっかり生産体制を図っていける取り組みを進めてまいる計画でございます。  また、国有林との連携につきましては、国有林は、自分のところの土地という部分もございまして、低コスト施業という部分では、一日の長がございます。今後、私どもも再造林をしていくときに、今までどおりのやり方で再造林をしていくだけではなくて、できるだけ低コストな林業につながる形を目指してまいりたいと思っておりまして、その辺の技術的な連携を、国有林と、民、国連携のもとで進めてまいりたいと考えております。 ◆村上淳 委員 ぜひとも進めていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。そこで、昨日、長野県の木材協同組合連合会の皆さんとの懇談会がございました。その中で、かつては900社を超えていた製材業者が、現在、160社ぐらいまで減ってきたということで、木材産業の経営が大変厳しい中で、皆さんが経営を行っているということで、長野県に対する期待度も大きいわけです。  こういった中で、長野県に住む方たちが家を建てるときに、助成する制度が本県にもございます。信州健康エコ住宅推進事業が年間の予算が7,750万円、助成金が30万円から80万円。それから信州型住宅リフォーム促進事業、4,500万円、20%、30万円、50万円の助成金が出るということですけれども、大変ありがたいことです。ただ、非常に制度が複雑ですから、もう少し簡易にしてくれないかということと、書類が非常に煩雑だということもありますので、特に一人大工さんがやっているところは、大変厳しいとお聞きしましたので、もう少し使い勝手がいいものをつくっていただけないかというお願いをされました。  また、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律ができまして、公共の交番、病院、県住宅、学校、保育園等、いろいろなところに使っていただきたいということです。まだまだ浸透が図られているのかどうかがよくわからないということでして、住宅の助成金の利用状況を踏まえて、お知らせをいただきたいと思います。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 信州健康エコ住宅助成金につきましては、建設部で所管しておりますが、我々も連携を図りながら進めているところでございます。関係の書類等について、非常に煩雑だという御意見は以前からあることも聞いておりまして、建設部でも対応を検討していると聞いております。しかしながら、国の交付金も活用しているところがございますので、その規定もあるところで、検討を進めているとお伺いをしておりますので、引き続き連携を図ってやっていきたいと思っております。  あと、公共施設建築状況でございます。これにつきましては、林務部を初め各部局、幾つかの公共事業に対する補助施策がございます。これら補助施策をいろいろと活用しながら、ぜひ地域の県産材を使っていただきたいということで、働きかけをさせていただいているところでございます。現在のところ、国の予算の状況にも左右される面がございますけれども、年間で、公共建築物公共土木工事での使用状況は、年間約2万立方メートルという状況でございます。 ◆村上淳 委員 本年度、新規事業として、信州の木自給圏構築事業費が744万円ほど盛られておりますけれども、進捗状況はいかがでしょうか。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 この事業につきましては、本年度と来年度の2カ年で実施する計画としております。本年度につきましては、木曽谷流域及び松本、大北地域中部山岳地域、2地域と、あと圏域は、ことし、来年の2カ年で実施する計画となっております。また、それ以外の流域につきましては、来年度、実施を計画しております。  本年度の実施状況でございますが、木曽谷、中部山岳流域につきましては、それぞれ、そこに参加する委員の方々を選出しまして、先般、第1回目の検討会議を実施したところでございます。また、圏域につきましても、1回目の会議を実施しました。各2流域につきましては、今後、あと2回、本年度中に検討会議を実施しまして、そのほかにアンケート調査等も並行して実施しておりますので、そういう結果も踏まえまして、報告書をまとめていく計画となっております。 ◆村上淳 委員 それで国の木材の自給率が、今、ようやく30%になってまいりました。こういった中で、本県の状況がどうなのか。それから2020年を目途として、30%を50%に引き上げていきたいという目標も国として掲げているんですが、本県の状況はいかがでしょうか。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 国全体での自給率は、御指摘のとおり、30%を昨年超えた状況で、右肩上がりといいますか、増加傾向にある状況でございます。一方、長野県の状況でございますが、長野県として自給率というのは、非常に算定が難しい面がございまして、国全体ですと、税関を通して貿易統計等で自給率というのは明確になりますが、各都道府県の場合には非常に難しい面がございます。一つの指標としまして、長野県内の山からの素材生産量につきましては、昨日、御説明させていただいたとおり、平成15年を底にしまして、昨年は倍増している状況にございます。 ◆村上淳 委員 現在の素材生産量が大体年間50万立米だと思います。それからカラマツ等利用促進プロジェクトも、今、推進しているということですので、しっかりと進めていただきたいわけです。一方、森林税の関係ですが、年間約6億7,000万円ほど、個人、あるいは法人から頂戴しているわけでございます。それが、昨年度が2億円余って基金へ積み立てたということでございます。里山の整備に主として使われているわけですが、こういったものは基金に入れればいいというものではなくて、きちんと使い切るところに目標もあるわけです。それほどその事業の進捗が、進むことができないのでしょうか、いかがなんでしょうか。 ◎小山聡 森林政策課長 森林税、平成20年度からいただいているわけでございますが、里山の整備について活用してきております。里山の間伐等の遅れ等により、緊急的にやらなきゃいけない部分がございまして進めておりますが、かなりの間伐を進めてきておる中で、今現在、なかなか集約化が進まない部分がございます。また、間伐よりも搬出間伐にシフトしてきている状況もありつつ、間伐に手が回らない状況も聞いております。ただ、状況を踏まえつつ進めていかなきゃいけないと考えておりますので、委員おっしゃるように、有効に活用するべく考えていきたいと思っております。  間伐以外のところで、里山と人との絆づくりといった部分の活用もしておりますが、そちらは順調に進んでいると考えております。いかんせん間伐につきましては、根本的な理由により使い切れなかった部分がございますので、どういう形で活用していくかを検討してまいりたいと考えております。 ◆村上淳 委員 なかなかこの問題については、県民の合意を得るのに大変苦労した税でありまして、私も議会で応援演説をさせていただいたわけであります。税がきちんと使われるためには、もう一度市町村の現場の皆さんとよく話をしていただきたい。市町村は、予算が非常になくて、整備をしたいけどできないところが結構ございますので、よろしくお願いしたいと思います。  それから、森林、林業の現場で働いている方は、長野県では、現在、2,100人ほどいらっしゃいます。特に森林組合の関係で、現在の職員数が約700名、本県ではいらっしゃると聞いております。そこで、林業の担い手の育成についてでありますけれども、現在、木曽地域には長野県林業大学校というすばらしい大学校がございます。この学校を目指して、京都にも京都府立で林業大学ができたということで、長野県の林業大学を目指しての学校だということでして、大変私もうれしく思っています。  林業を育成する研究機関でもあるわけですが、今回、皆さんにいただいた委員会提出資料7の中に、産学官連携よるスマート林業の推進という事業が、3年間で7,600万円で盛られております。信州大学等の名前はあるんですけれども、こういったところに林業大学校がないわけですが、林業大学校も産学官のお仲間にひとつ入れていただくことも必要ではないのかなと思いますが、いかがでしょうか。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 林業大学校についてのお尋ねをいただきました。委員には、日ごろ林業大学校の運営協議会の委員としても大変お世話になっており、ありがとうございます。御指摘のとおり、スマート林業の中では、林業大学校が直接かかわる部分はないんですが、例えばオーストリアとのもっと大きな林業の技術交流という中では、信州大学、それから県、林業大学校を含めた協定をつくっております。ただ、御指摘いただいたように、スマート林業の視点は、今後、重要ですので、こうした部分で得られた知見、あるいは現場への参画については、今後、できる限り検討してまいりたいと考えております。 ◆村上淳 委員 ぜひともこういったものを進めていただきたいと思います。それから農業では、新規就農者の準備金とか、開始金で、年150万円、7年間で1,050万円という大変大きなお金がついております。林業に携わる皆さんは、こういうものがないものですから、林業だけやっていくのは大変厳しいかなと思いますので、人材の育成から考えても進めていただきたいと思っております。  それから、昨日、木材連合会とのお話の中で、大北森林組合の関係のお話も出ましたけれども、その影響で大変検査が厳しくなったと、森林組合からも言われております。事業をやっても、検査が厳しくて、あるいは検査が終わってもなかなか支払いが滞っているんではないかという状況があるそうです。私は、森林組合も、補助金体質をどこかで脱皮する必要があるんではないかと。森林組合法によりますと、利益を上げてはいけないとうたってありますけれども、自分たちの組合ですから、自分たちでマーケティングを広げていく努力も、今、している森林組合もありますけれども、そういった形がいいんではないかなと思います。  過日、森林組合の不正受給についての県の説明会があったということで、4時間以上にわたってさまざまな御意見も出たようでございます。こういった情報公開は、私は大変必要なことだと思っていますけど、一般質問でも出ましたけれども、今後、こういった説明会は、実際、されていくのかどうか、それをお聞きいたしたいと思います。 ◎小山聡 森林政策課長 11月15日に説明をさせていただいたわけでございますが、これまでも県においては、組合への補助金の返還請求とか、あるいは刑事告発、県職員の懲戒処分など、その都度、丁寧に説明してきたつもりでございます。ただ、物事が複雑過ぎるということで、全体像についてわかりやすい説明を考えまして、第三者の視点で、改革推進委員会の委員の皆さんに説明をいただいたところでございますが、今後、どういった時期にどういった形で、県としての考え方とか、取り組み状況を御説明していくのか、よく検討してまいりたいと考えております。 ◆村上淳 委員 恐らく来年の3月の決算期になると、森林組合も決算を迎えるわけです。恐らく赤字の森林組合が多いんじゃないかと。今までは、なかなか市町村との連携を図りながら、あるいは県との連携を図りながらやってきた事業ですけれども、そこら辺の、森林組合の育成について、どのようなお考えをお持ちなのか、お聞きしたいと思います。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 森林組合の育成についてでございます。森林組合は、組合員のために仕事をしっかりするのであれば、決してもうけてはいけないことはございません。森林組合のためにしっかり仕事をして、営業利益は上げていい団体でございます。そうした中でも、委員御指摘のとおり、いろいろな補助事業に依存している状況は事実でございます。また、そうした中で、一歩踏み出せずに、経営状況もめまぐるしい改善に至っていない組合も多い状況でございます。この点につきましては、内部、あるいは地域の中の声だけではなくて、外部の意見をしっかり入れ込みながら、経営改善に寄与していただきたいということで、県の森林組合連合会事業主体として、アドバイザーを派遣する制度を立ち上げましたので、全ての森林組合に制度を活用してもらいながら、外の目も踏まえて、できるだけ補助ありきではない中で、地域の資源と向き合って自立できる姿の構築に寄与していただければと考えてございます。 ◆村上淳 委員 ぜひとも自活できる体制をとっていただきたいということで、9月定例議会の補正予算の中でも、森林組合連合会に対して、森林組合のあるべき姿を研究してほしいという予算も入れ込みましたので、進めていただきたいと思っています。  最後になりましたけれども、一番頭の痛いところといいましょうか、皆さんにとっても大変だと思いますけれども、F・POWERプロジェクトです。過日、前の私どもの塩尻選出の県会議員の方とお話しさせていただいたんですが。当時、今は県会議員をやめて2年になりますけど、3年前の一般質問で、F・POWERプロジェクト、どこまで進捗していますかという質問をさせていただいたようですが、今、もうじきできますということが回答だったらしいです。ずっともうじき、もうじき、もうじきで来ているんですが、もうじきとはいつなのか。というのは、長野県として大きな、補助金とか助成金を出すわけです。阿部知事から言うと、これはビッグプロジェクトですよ。田中県政のときに、田中知事は、稲荷山養護学校ビッグプロジェクトにしたんです。それぞれの知事には大きな役割があります。今回の阿部知事は、環境に非常に力を入れていきたいということで立ち上げたのがF・POWERプロジェクトで、それに呼応した民間事業者がいたということで、製材とバイオマスワンセットにして、約100億円を超えるビッグプロジェクトでスタートしたんです。片方だけはできたんですが、片方だけはいまだにできない。何回質問しても、いつ質問しても、もうすぐできますという御回答をいつもいただいているんだけれども。契約というのはあるんですか、いつまでにつくるとか。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 F・POWERプロジェクトについて御質問をいただきました。製材工場は、昨年の4月に竣工して稼動しております。現在、もう一つの木質バイオマス発電施設の着工に向けて、関係者間で調整を進めているところでございます。これまでにないビッグプロジェクトでございまして、今後の長野県林業の、森林県から林業県への飛躍を目指す中核となるプロジェクトでございます。規模が大きいということで、当然、さまざまな方たちが関係者となりまして調整を進めております。いろいろな、あらゆるリスクとか、あらゆるケースを想定しまして、精緻な、非常に細かいところまで検討している中で、いろいろ課題等をつぶしている状況にございます。今、最終的な調整をしておりますけれども、現状、いつということは、申しわけありませんけれども、まだお答えできる状況にはございませんが、最終調整を進めている状況でございます。 ◆村上淳 委員 私は、こういった補助金を出す企業に対しては、いつまでに、どこのところを最低までやってもらいたいとか、やるべきであるという、こちらからお金を出すわけですから、民間同士でやるときは、必ずいつまでにこの建物をつくるとか、稼動させるという契約を普通は結ぶんですよ。ところが、今回、それがないと判断していいんでしょうか、いかがですか。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 補助金に関しましてですが、先ほど申し上げました製材施設につきましては、約22億円ほど県からの補助金が入れられております。一方、バイオマス発電施設につきましては、国の自然エネルギーによる電力の固定価格買取制度、通常、FITと申しておりますが、FIT制度がありまして、通常の電力よりも高く買い取ることを保証している制度だということで、発電プラント本体には、補助金を入れないという国の方針となっております。このため、県では発電プラント自体には補助金を入れてございません。ただ、1点だけ、電力会社との接続負担金がございます。接続負担金に対しては、通常でいう無利子融資という形で1億数千万円の支援をしております。このお金につきましては、無利子融資ということですので、最終的に黒字が出たときに返していただくものとなっております。基本的には、発電施設に対しては、通常の補助金のようなものは入っておりませんので、県として、いつまでに、補助金が入っているからこれを着工してくださいとは、なかなかならないということは御理解をいただきたいと思っております。 ◆村上淳 委員 よくわかりました。ただ、これはワンセットで、一つの工場なんです。ですから、その流れの中で廃材を使ったり、それから各地域の、先ほど言いましたように50万立米の素材生産があるわけですけれども、そういった部分の一部を使うということなので、県とのつながり、これからも結びつきが強い中で、きちんとした、プロジェクトでスタートしたわけで、県民も期待しているわけですから、期待を裏切らない進め方をしていただきたいと思っています。  林業は大変長いスパンで考えるものですから、今、結論を出すといっても難しいところもあるんです。しかしながら、本県は森林県から林業県へと、それも日本一の林業県を目指そうと。日本一の森林県であるがゆえに日本一の林業県を目指すという一つの大きな目標を皆さんは抱えられているわけですから、F・POWERプロジェクトから始まって、さまざまな課題はあると思いますが、ぜひとも一丸となってこれから進めていただきたいと思いまして、以上で質問とさせていただきます。 ◆丸山栄一 委員 それでは何点か質問させていただきます。先ほど来お話にあるとおり、森林県から林業県ということで、努力いただいているところであります。その中にあって、平成22年に木材利用促進法ができまして、24年には県下の77全ての市町村において、利用方針が策定済みと聞いておるんですが。また、県庁内においても、副知事を会長として県産材利用促進連絡会議が設置されて、全庁的な取り組みが進められていると思うんですが。その取り組み状況について、お聞かせ願いたいと思います。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 木材利用促進法に伴います、県及び市町村の利用方針を策定しました。県におきましては、毎年、県庁内全部局で構成いたします県産材利用促進連絡会議を開催し、各年度の県関係の施設、また土木工事の木材の使用量、また今後の使用計画を出していただいて、それを取りまとめて、報告させていただいております。また、今年度につきましては、県産材利用促進連絡会議が県産材を公共施設等で使っていただくために非常に重要でございまして、本年度は、先進地であります岩手県の住田町の町長さんに来ていただき、住田町の取り組みをお話いただきまして、地域振興のためには県産材を使っていくことを率先して進めていく必要があるというお話をいただいて、各部局にそういうことに関して理解していただいたところでございます。  また、市町村に対しては、我々、いろいろな機会に、県産材、地域材を使うことの働きかけをしておりますが、先般、昨日も申し上げたとおり、再度、利用方針の徹底をお願いしたところでございます。 ◆丸山栄一 委員 大変重要な部分だと思いますので、ぜひお取り組みいただきたいと思います。きのう、県木連と意見交換があったんですが、その中でお伺いしたいと思うんです。公共建築物だけでなく、土木工事とか、各種工作物への利用について、主に森林土木関連の利用にとどまっている状況だと言われております。他の公共事業においても、幅広く積極的に木材を取り入れてほしいということで、木の杭など、県産の土木用材用の角材をぜひお願いしたいという要望があったんですが、どういう状況でしょうか。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 土木事業の県産材利用につきましては、先ほど申し上げました県産材利用促進連絡会議等で働きかけをしております。また個別にも、各担当部局にいろいろな情報を出させていただきまして、利用の促進をお願いしているところでございます。そのほかに、今、合板に国産材の利用が進んできている中で、弱点となっておりますのが、建築工事に使います型枠用の合板への、国産材の利用がなかなか進まない状況がございます。そうした中で、現在、合板工場等と連携しまして、長野県産材を使った型枠合板の利用について、検討しております。近日中に、実際の現場で県産材を使った型枠合板の研修会を開いて、多くの方に見ていただきながら、公共土木工事に県産材が使われるよう、さらに一層取り組んでまいりたいと考えております。 ◆丸山栄一 委員 以前、委員会で北信州森林組合に行って、中国に杭を輸出している話がございました。そういったことも含めて、しっかり利用ができるように、お取り組みいただきたいと思います。  それと、森林整備の加速化、林業再生事業ですが、27年で終了の予定だったものが、また28年度も予算がつけられております。26年は9億7,000万円、28年は1億4,000万円ほど、大分減っているんですが。この事業について、今後、どのような状況になっていくのか、お聞かせ願いたいと思います。 ◎小山聡 森林政策課長 森林整備の加速化、林業再生基金の御質問だと思います。これについては、平成21年度から、中期的な事業計画を策定することが可能で、県の裁量範囲が大きいことで、地方分権に沿った施策として取り組んでいるところでございます。この性格とすれば、先ほど申し上げたような中期的な計画の構築、遂行が可能となることとか、地域の実情に応じて事業構築が可能だということでございます。これまでも進めてきておりますが、それぞれいろいろなメニューがございますけれども、地域協議会の運営、あるいは間伐、いろいろな事業がございますが、それぞれの要件に沿った使い方をしてきております。  また、これとは別に加速化、再生交付金もございますが、これについては、平成26年度2月補正、あるいは27年度6月補正で、経済対策分として有効に活用させていただいているところでございます。これにつきましては、28年度まで使える交付金として交付されたものでございます。基金についても、今のところ、平成28年度までということでございますので、今年度、有効に活用したいと考えております。 ◆丸山栄一 委員 では29年度はもうないということですね。 ◎小山聡 森林政策課長 平成28年度までということで、それ以上の情報は入ってきておりません。 ◆丸山栄一 委員 大変有効な事業だとお聞きしているんですが、同様な事業をさらにやっていこうという予定はないんですか。 ◎小山聡 森林政策課長 森林整備に対する国からの支援でございますが、こういった基金、あるいは交付金に限らず、毎年度、国へ予算の確保をお願いしているところでございます。森林整備の状況を踏まえつつ、国の補助金は大変重要なものでございますので、その都度、今年度も部長が国に要望したり、また知事からも国に要望しているところでございますので、今後ともいろいろな面の、あるいはいろいろな方面の国の支援をお願いしてまいりたいと考えております。 ◆丸山栄一 委員 ぜひお願いしたいと思います。次、搬出間伐に、視察に行ったりすると、高性能の林業機械が入っております。しかし、なかなか高価なものですから、導入費用も大変だということから、リースで対応しているところもあるんです。そういった購入とか、導入費用とか、リースに関して、今、どのような状況になっているのか。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 高性能林業機械は、2,000万円から、高いもので3,000万円近いものもありまして、なかなか零細な企業で保有するのは厳しい状況があることから、林業労働財団を経由してリースする仕組みはつくっておりまして、現在、認定事業体が80ぐらいおりますが、事業体になることで、機械を借りられる仕組みはできております。また、国から直接支援する仕組みも一部ございますので、そういうものをできるだけ活用しながら、現場で高性能林業機械が使われる環境に、今後、取り組んでまいりたいと考えております。 ◆丸山栄一 委員 その中で、導入費用の助成とか、リースに対しての助成みたいなのは、やっておられるんでしょうか。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 県から直接というものはないんですが、国を通して、国の支援を、間接的に財団等を通して支援する仕組みはございます。ただ、非常にわかりづらい面はございますので、そこの部分は、財団の研修等の中でしっかりわかる形でお知らせしてまいりたいと考えております。 ◆丸山栄一 委員 そうすると、助成は、なかなか周知されていなくて、あまり使われていないということでしょうか。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 なかなか周知が行き届いてない点はございますので、そこはしっかり周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆丸山栄一 委員 では周知いただいて、せっかくの助成でありますので、しっかり使っていただいて、利用いただきたいと思っております。  次に、スギ花粉でありますが、話を聞きますと、平成23年から種子の採取が可能となったというお話も聞いているんですが、その検証について、今、どのような状況になっているか、説明願いたいと思います。 ◎宮宣敏 森林づくり推進課長 スギ花粉の花粉症対策の苗木の御質問でございます。花粉の少ないスギの品種の生産に向けまして、今、須坂市の米子採種園におきまして、母樹の育成を進めておりまして、林業総合センターと連携して技術の確立を図っているところでございます。平成23年度に育成中の母樹から種子を採取できたということで、林業総合センターと連携しまして、平成24年から花粉の少ない4品種によるスギ苗木の生産を目標に、調査を行っているところでございます。これらのスギの母樹から種がとれましたら、それを第二世代として成育させて、花粉の少ない苗木を生産してまいる段取りでございます。 ◆丸山栄一 委員 それが進んで、組合に苗が配布できる状況は、何年先ぐらいになるんですか。 ◎宮宣敏 森林づくり推進課長 そうですね、そこのところを検証中でございまして、検証がうまくいけば生産できるわけでございますが、検証がどうなるかによって、若干、時期がずれますので、その点について、明確にお示しすることはできない状況です。 ◆丸山栄一 委員 では効果がまだはっきり明確にされていない状況だと思いますので、今後、期待をしていきたいと思います。  次、ジビエなんですが、平成27年ですか、イオンの店舗で信州産の鹿肉を通年販売している話を聞いたんです。今、販売はどのようになっているのか、説明願いたいと思います。 ◎佐藤繁 鳥獣対策・ジビエ振興室長 イオンにおける鹿肉の販売状況についての御質問かと思います。イオン、県下11店舗で販売しております。いつでもからっぽになるほどしっかり売れているわけではないんですが、そこそこ売れていると聞いております。ただ、時期的な波がございまして、近年、横ばいの状況ですけれども、夏が多いと。バーベキュー需要という形で、珍しい肉でぜひバーベキューをやってみたいと買われていくケースが多いと聞いております。 ◆丸山栄一 委員 消費者が手軽に、スーパーだったら買える状況があるわけであります。私も実際にまだ見たことがないんですが、順調に売れ、需要があれば、当然、鹿肉を、販売できると思いますので、私もこれからスーパーへ行ってみながら、また今後、検証してみたいと思っています。  それと、最後になりますが、森林整備の集約化に当たっては、森林所有者の境や立ち木の情報が必要なわけであります。平成31年までに市町村が整備するということで、林地台帳の整備に大変期待していることで、きのう、県木連からお話がございました。こういった情報を、一般の素材生産者が利用できる制度にしていただきたいという要望があったんですが、そこら辺はどうでしょうか。 ◎小山聡 森林政策課長 森林情報は、森林整備において大変重要な情報でございます。今、森林法の改正によって、森林台帳について整備を進めておりますが、今現在は、森林簿などの情報については、森林情報資産取扱要領に基づきまして、森林計画作成など、森林施策の集約化を行う林業事業体等に提供しております。林地台帳につきましては、平成31年の4月からの公表に向けて、今、原案の検討、あるいは市町村への調整を進めております。この公表後の閲覧、情報提供など、運用方法につきましては、今、林野庁が整備しておりまして、2月ごろに示されると思っております。こういったものを、情報を共有して有効に活用していくことは必要だと考えておりますので、林野庁の示された方針に基づいて、できる限り協力して進めていきたいと考えております。 ○清沢英男 委員長 午後1時30分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午前11時17分 ●再開時刻 午後1時28分 ○清沢英男 委員長 再開を宣し、委員の質疑等発言を許可した。 ◆髙島陽子 委員 農政でもお聞きしたんですが、28年度の定期監査の結果に関する報告書を見まして、林務の関係、該当するところについて、御説明をお願いしたいと思うんです。プレスリリースでも9月と11月に、それぞれ里山整備事業について、補助金の誤った交付の案件は補正したということで報告はいただいているんです。緊張感を持って、こういったいろいろな手続事務に取り組んでいただきたい希望もございますので、指摘された事項について、一つ一つ御説明をお願いできるでしょうか。 ◎宮宣敏 森林づくり推進課長 監査で指摘された2件の里山整備事業の誤った補助金交付の関係でございます。最初に9月21日にプレスリリースしました、松本地方事務所の管内における誤った補助金の交付でございます。平成27年度の事業でございます。これにつきましては、補助金の申請者から、間伐と搬出と、それぞれ別に補助の申請を受け取っておりましたが、一部、協定を結んだ対象の森林以外の森林からの部分が、間伐の申請がございましたので、これは申請面積から除外させたところでございます。ここまではよかったのですが、今度、搬出の申請について、その部分を除外するのを忘れてそのまま補助金を出してしまったということで。申請者も、それが対象にならないことがよくわかっていなかった。県もチェックミスで誤って出してしまったということで、故意に不正をやったものではなく、双方とも間違ってしまったということでございますので、この分につきましては補助金の返還をしていただいたという内容でございます。  それから11月1日にプレスリリースした案件でございますが、こちらは木曽地方事務所でございまして、26年の里山整備事業でございます。こちらは、搬出の支援のところで、この事業で間伐したところの搬出しか認められなかったところが、それ以外の森林について入っていたということで、こちらも申請者はそれでもいいと思い込んでしまっていたということと、地方事務所は、そういう森林が入っていたことを見逃して補助金を出してしまったということで、双方のミスで起こった補助金の誤った交付でございまして、こちらも返還していただいたところでございます。 ◆髙島陽子 委員 誤りがないようにやっていただきたいと思うんです。それから、報告のところの、33ページに、農政でも貸付金のことをお聞きしたんですけれども、林務部の対象の貸付金や違約金などの未収入、税外収入未済額一覧にそこそこ額があるんですけれども。これについての指摘の中で、特にここには記されていないんですが、恐らくですけど、常態化しているのではないかと予想されるわけです。返済というか償還、すごく大変なのか、状況について、御説明をお願いできますでしょうか。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 現在、未収になっているものは、林業、木材産業改善資金の滞納分でございます。貸付金制度は、林業者がいろいろな機械装備をするときに、無利子で一定の条件のもとで貸し付けできる制度でございます。平成15年には、当時、県から直接の貸し付けという話一本だったんですが、制度改正されて、市中銀行も絡む形で貸し付けする仕組みに少し変更になってきています。市中銀行が絡んでいただくとことで、回収も的確にしやすい状況には変わってきていると考えています。  一方で、現在、滞納になっていますのは、それ以前のものでございます。実態では、もう御病気で仕事をやめてしまったり、あるいは、遠く九州まで夜逃げ同然で移られている方もおります。しかしながら、これは回収すべきものですので、たとえ1,000円でも2,000円でも、毎年、お声かけをしながら回収をすることで、時効の中断にはなりますから、ここは、件数として見ますと9件、7人のものですけれども、計画的な回収が進むよう、ことしも取り組む予定でございます。 ◆髙島陽子 委員 未済額のそれぞれ中身がわかりにくいですけれども、できるだけ回収していただける御努力をお願いします。それで、39ページに行きますけれども、監査委員から指摘があった森林づくりアクションプランの見直しと、森林づくり県民税の有効活用は、これまでのいろいろな質問の中でも御答弁があったりして、今後、適正に取り組んでいく姿勢は少しうかがえるんですけれども。森林づくり県民税については、きょうの新聞報道などによれば、総務委員会でも質問が出ているようです。今はまだ、このあり方については、検討に入っていないと捉えていいんでしょうか、改めてお聞きします。 ◎小山聡 森林政策課長 森林税につきましては、既に第1回の県民会議を開催しまして、そのときに27年度の森林税の活用事業の状況について御説明を申し上げてございます。午前中にも質問がございましたように、間伐が進まないで2億円程度、活用できなかった部分がございます。そういった理由等も、そのときわかっていた理由を御説明し、その後、こちらでは、そういった状況がなぜ起こっていて、どういうところに起こっているのかという分析を、今、進めており、検討しているところでございます。 ◆髙島陽子 委員 超過課税のあり方は、多分、森林づくりだけではなくて、いろいろなところにまた期待されたり、それから県としてもお考え、方針があるのかもしれません。それで、森林づくり県民税の、十分に執行されてない、活用されてない報道も幾つかあったりして、事実そういうところがあるんです。今回、特出ししていただいている、林業事業の資料6になりますけれども、27年度の林業事業体の調査結果にも、十分に活用されていないベースとなる、今のマンパワーとか、事業体の今の力量というんですか、受け入れる能力があるかどうかという傾向が見てとれることだと思うんです。
     きのうの部長さんの御説明の中にも、新規の方は横ばい状況だけど、やめていく方が、御高齢でいらっしゃるというお話で、全体に、今、減少傾向にあることは、誰でも見てとれるんです。基礎データを拝見した限りでも、高性能のいろいろな機械の導入で集約化できて、人が少なくてもできる、処理能力があるという言い方もできるかもしれないんですけど、もう母体というか、母数自体が少なくなっていることについての、懸念は拭えないと思います。  きょうの信濃毎日新聞の報道によると、この調査結果は数字だけだと思って見ていたんですが、意識調査ではないですよね。分析として、従事者が減ったのは、不正受給事件も影を落としているんじゃないかというコメントがあるんです。これは県の御説明なんですか。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 これは全体の事業体調査結果について、きのう説明した後に取材を受けた中で、例えば減った理由の一つの中には、大北の問題の事案についても影響を受けたんではないですかと、そういうことも考えられませんかということでした。今回、労働財団の皆さんが各事業体の皆さんと、いろいろ個別にヒアリングしたり、御意見を聞く機会を設けているところの中では、全く否定できないという話がありましたので、要は影響が全くないとは言えませんねという話は私どもでしました。 ◆髙島陽子 委員 調査をした調査者は県ですよね。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 当然、県ですが、財団にも、当然、お聞きして調査をやっております。 ◆髙島陽子 委員 25年ぐらい、毎年行っている調査ということで、この積み上げというのはすごく生かされるべきじゃないかと感じますし、今回は2,000人を割ってしまったことが見出しにも取り上げられているぐらいで、危機っていうか、もう少し本当は人手がほしいところなんだな思うんです。きのうのお話だと、21年の、一番伸び、最近ですね、傾向として、景気がよくないときに労働力の確保ができたという関数があるという話ですけれども。県としてのビジョンでは、人手を呼び込む方針というか、見通しは持っていらっしゃるということを確認したいんですが、その点はいかがでしょうか。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 林業の現場は、これからいよいよ収穫期で、例えば東信地方では、伐採、主伐と言われるものが入ってきております。当然そういうものが入った後には、確実な再造林、さらには保育作業がついてきますので、採算性のある形の中で主伐が進むあかつきには、同時並行として軽作業で保育作業に従事する人手が非常に必要になってまいります。そうした意味で考えますと、今の高齢化してきた齢級構成を踏まえれば、十分その次のステップに移れる端境期に来ていますから、今後の部分でいくと、雇用の受け皿としては十分期待しております。ただし、今までのように人手が無尽蔵にいた時代ではなくて、人手が非常に足りない時代の中で、しかもその現場で誇りを持って働いていただける就労環境をつくっていく努力は、私ども、していく必要があると考えております。 ◆髙島陽子 委員 どこでも、今、労働人口が非常に深刻な状況になっている中で、あえて林業に従事していただく方の確保って、すごく難しいと思うんです。一方で、仕事の内容としては、今、本来、取りかからなければいけないところの部門よりは、製材というか、加工のところでは、充足しているんじゃないかという分析があったわけです。でも一番は、保育とか、この切りかえの時期に必要とされる仕事の内容だと思うんです。  その記事の中で、一番最後のところを読みますけど、「補助金交付が停止した大北地方で就業者が減ったほか、全県的にも心理的な悪影響が及んだ可能性がある」ということで、記事の中ほどにも似たことがあって、そうやって結んでいるんです。すごく残念なイメージがつきまとう中で、力強い林業の振興のためには、確かなメッセージを出していかなきゃいけないと思うんです。これについて、何か御所見いただければと思いますが、いかがでしょうか。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 林業の分野は、他産業に比べれば母数は少ないですが、まだまだ雇用の受け皿はある分野だと思っています。また、これからの就労の状況で考えれば、高度な作業もさることながら、割と手軽な作業で就労できるものもふえてくる状況の見通しがございますので、例えばIターンの人たちとか、あるいは半農半林的な取り組みの中で就業する場合もあると思っています。そうした条件をできるだけ整理しながら、あるいは地域ぐるみ受け皿を持った形のものを発信する仕組みを、しっかり考える必要があると思っております。 ◆髙島陽子 委員 記事だけ読むと残念な感じがしますけれども、それを払拭するために本当に一生懸命応援していかなければいけないと思いました。  それで、同じ特出しで資料4の「山の日」の取り組みについて、まとめられているんです。ことし、国民の祝日で、長野県がキックオフみたいな形で皆さんも大変御苦労された夏だったと思います。これをあえてまとめられたのかなと思うんです。どうしてもイベントをやると、動員型っていうか、いろいろなところの団体とか、人たちに声をかけられて、県下一斉で盛り上げなきゃいけない動きがあったと思います。ことし、取り組まれた、いろいろな実施されたイベントで、また翌年も継続したり、今後も取り組んでいけそうなものとか、予算措置について、何か今のところの見通しがございましたら、お願いできますでしょうか。 ◎小山聡 森林政策課長 御案内のとおり、ことし8月11日に、第1回の全国の「山の日」の記念大会がございました。これには、林務部は松本市とともに全力を挙げて取り組んでまいりまして、おかげさまで成功裏に終わったと考えております。そのほかに「信州 山の日」がございます。これは、平成26年度から制定したものでございますが、「信州 山の日」とともに、「信州 山の月間」もあわせてやっております。「信州 山の日」当日、ことしは原村でフェスタを行いましたが、山に興味のある方、あるいは森林に関心のある方々が集まっていただきましたし、これに関連して各種のイベントも各地域で、主催はさまざまですが、連携してやりましょうということで呼びかけています。そういった中でかなりの関連イベントを集めることができまして、それぞれ連携を持って進めてまいりました。  これも、全国「山の日」が決まって、8月11日に祝日が決まった後、これだけではなくて、来年度以降もつなげていかなきゃいけないということがございますので、ますます定着を図って、来年度以降も取り組んでまいりたいと考えておりますし、これを契機に、具体的にその森林に何らかの形でかかわってもらって参加していただく仕組みも、今後、考えていきたいと思っております。 ◆髙島陽子 委員 山はどこかから買ってきてこしらえることはできないものですから、本当に大切に保全しなきゃいけないというのは、私があえて申し上げるまでもないです。これは、林務部のマターだけじゃなくて、当然、観光部とか環境部と連携してやっていく。どちらかというと、観光部の方が、比重が高いと思っているんですが、あえて、今回、特出しされているんですけれども。それについて、「山の日」のことを振り返るというか、今回の盛りだくさんのことを整理して、次年度に連携して、観光とか環境とマトリックスをやっていく検討には、十分入られているんでしょうか。 ◎小山聡 森林政策課長 森林は、多面的な機能を持っていると言われます。健康の分野だったり、あるいは誘客の分野だったり、森林というよりも、それを活用した事例として誘客もあります。具体的には、ことし、県民文化部と、それから健康福祉部、環境部、観光部と連携してやってまいりました。どこの部で主体になってやるということではなくて、それぞれの持ち分の中でできることを最大限やっていただいていると思います。イベントそのものも、県民文化部の皆さんに来ていただいたりしていますし、それから環境分野では、全国「山の日」の関係については、環境省の絡みもございましたし、各部がそれぞれ、この機会に山と森林の魅力を発信できるように取り組んでまいったし、これからも連携を持ってやっていきたいと思っております。 ◆髙島陽子 委員 来年度は栃木県の那須でお祝い、祝賀イベントになるんですかね。日程に関しては、賛否両論があったようですけど、決まった以上、ぜひ長野県としてこの日を有効活用して、人を呼び込む資源に育ててほしい気持ちも持っています。個人的には、アウトドアスポーツに、もっと、林務部に直接関係ないかもしれないですけど、力を入れていくことがすごく、今後期待されるところだと思っております。トレイルランニングとか、山の天然資源を生かしたレースとか、スポーツのかかわったイベント、身体活動のかかわったイベントというのがすごくあちこちで開かれているものですから、そういうときに、どうしても、森のあり方とか、林道のあり方とかが調和してこそのレースになっているということで、人気がすごく高まっていると思います。「山の日」っていうくくりだけではすごく散漫になるかもしれないんですが、何かピンポイントで、長野県国際グローバル戦略もいろいろなことを盛り込んでいっているわけです。長野県の決め手とか、売りになるものは、自然の資源だと思いますので、ぜひ他部局との連携を深めていただいて、林務部が中心になるかどうかわかりませんけれども、ますます盛り上げていただきたいと、希望としてお伝えしたいと思います。  最後、一つだけですが、ジビエの関係は、少しずつファンが拡大している動きも見てとれるんです。先ほど丸山委員から、イオンでも販売が常態的に行われているということがあって、普及については、少しずつ浸透している感じもします。どちらかといえば高級食材みたいな感じで、一般の消費者には受け取られているのかなと思うんです。この広報戦略については、今、どうされているんでしょうか。もしかしたら観光部かもしれないんですけれども、お尋ねしたいと思います。 ◎佐藤繁 鳥獣対策・ジビエ振興室長 ジビエ、野生獣肉、特に長野県では鹿肉の関係の販売戦略ということかと思いますので、お答えさせていただきます。長野県下におきましては、現在、28の施設ができた状況になっております。そういった中で、昨年度も2,300頭ほどの鹿が肉になって出荷されております。以前に比べればジビエという言葉も随分耳なれる状況になってきた中で、さらにいろいろな場で味わっていただくのを、まず一つの方向性として考えておりまして、今回も「信州ジビエフェア」という形でやらせていただくのもその一つの戦略でございます。  中でも、ことし、特徴的な形としては、今、お話がありましたように、高級食材、とっつきにくいというイメージがあるところもございますので、一つは、JR東日本さんと連携しまして、小袋の鹿肉を使ったジャーキーのパック、250円ですけれども、駅の「NewDays」というコンビニで売ることによりまして、できれば長野から電車に乗って帰るお客様たちに、帰りに一杯、それをつまみに食べながら帰っていただけないかと、それを一つのジビエの入り口として考えてもらえないかみたいなことも始めております。  あとまた、昨年もやったんですけれども、長野が中心になりますが、居酒屋、料理店の方たちの御協力を得ながら、食べ歩きを、1週間、2週間、時期を決めて商店街でやらせていただく中で、いろいろなところで味わえるものだということを体験していただくということもやっております。  今回、特発でも御説明させていただきましたけれども、県下で情報誌として出しております「KURA」で、特集を組んでくださるということで、4カ月間、県下の各お店を回っていただいていろいろなところでお話を聞いて、特集を4カ月連続で打ってくださる。うちも全面協力させていただきまして、いろいろな人に知っていただくことも進めております。  あと、首都圏の方に向けては、トレインチャンネルで、電車に乗りますと画面があるんですが、そちらでもPRさせていただいておりますし、あと「トランヴェール」という雑誌にも特集を組ませていただいておりますので、見ていただき、幅広くいろいろな人に御理解いただきながら、ぜひ長野県に食べに来ていただきたいという流れをつくっていきたいと思っているところでございます。 ◆髙島陽子 委員 私も「KURA」、この前、違うところで見て、早速、さっき買ってきて、材料にしようと思ったんです。見るだけでいいなと思います。食べ歩きに関しては、私も、ワインの専門家の方からとか、何軒かからチラシを手に入れたんですけど、仕組みがわかりにくくて、幾らなのかとか、そこら辺が少し何か親切じゃないと思ったんです。第2弾が年明けにあるということなので、そちらにはまた十分期待したいと思います。手軽に、何か低価格でもワンプレートで楽しめる企画はとてもおもしろいと思いますので、ぜひ盛り上げていただきたいと思うわけです。  私どもも委員会で北海道に調査に行きまして、現地に行くと必ずコンビニに入って見るんですけど、ジャーキーもありましたし、缶詰も、エゾシカ肉の缶詰もありまして、普通にコンビニで売って、地元のソウルフードみたいになっているのかなと思いました。長野県だからこういう味なんだということも見据えたいろいろな企画を、ぜひ民間の方と協力して取り組んで、充実させていただいたり、盛り上げていただきたいと思います。 ◆和田明子 委員 最初に資料1、3ページのマツタケ人工栽培で教えていただきたいと思うんですけれども、今回、提案されている予算で、施設整備の内容で書かれているんですが、これはどこにどういうものがつくられるのか、教えていただきたいと思います。 ◎山﨑明 技監兼信州の木活用課長 この絵の中の苗木生産という部分を、林業総合センターの中でハウスをつくりまして、そこで苗木を生産していきますので、そこまでの過程にかかる経費を要求させていただいているものでございます。 ◆和田明子 委員 それで、本当に木を育てる仕事だなってつくづく思うんです。そこで苗木を生産して、マツタケ菌の評価ができるのが早くても5年から10年。その発生の実証ができるのが20年ということになると、きっちり見届けるということにはなかなかなりにくいなと、当たり前ですけれども、そういう思いです。そうであれば、開発、研究に携わる部門で、そこはきっちり引き継ぎながらやっていくことだと思いますし、お金がそういうことで生きるということであれば、マツタケにこの松の松くい虫ですか、ということも書かれているんですけれども、それとの関連というのはどういうことになるのか、教えていただきたいと思います。 ◎山﨑明 技監兼信州の木活用課長 ここで利用します苗木は、松くい虫の抵抗性のある木からとった実生を使って苗木に育成し、その過程でマツタケ菌を感染させるものでございます。5年もすれば、マツタケ菌が感染した一定の抵抗性のある苗木ができる技術がある程度できてまいりますので、民間の事業者の皆さんに技術を移転しながら、苗木を売れる体制もつくっていけるようにしていきたいと考えております。 ◆和田明子 委員 かなり長いスパンではありますけれども、一定、5年ぐらいが、その苗木の普及につながる点では、そういうスパンで見ていいということで、理解させていただきます。  午前中も村上委員からF・POWERプロジェクトのことで御質問がありまして、実は私も、F・POWERは、今、どうなっているのかと思っておりまして、若干、インターネットなどでも見せていただいたんです。資料としては、F・POWERプロジェクト事業計画という形で、平成25年の6月18日につくった計画、その後、改訂されて、平成27年3月が、インターネットで見た範囲ではあります。最初、木材の加工施設と、それから同時期に木質バイオマス発電施設が稼動するというのが、当初の計画で始まりまして、木材の加工施設は、当初の計画にほぼ匹敵するところで稼動が始まったということなんです。午前中の村上委員の質問に対しては、発電施設は、改訂版で見ても、平成29年には試験稼動、そして本格稼動と書かれていることとも違ってくるということで、これはどうなっていくのだろうか、また、早くというか、今、設計とかいろいろ詰めているところですというお話でした。そうはいっても具体的な期限が午前中は聞かれなかったんです。その点、改めて、策定した計画がどんどんずれ込んでくるので、また見直しをかけていくのかどうかについて、お聞きしたいと思います。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 F・POWERプロジェクト発電施設のお尋ねでございます。当初、発電施設につきましても、平成27年の当初に、製材施設と一緒に動く計画でございました。ただ、発電施設につきましては、新しい木質バイオマス発電という内容でございますので、当初、計画をかなり見直さないといけない部分が出てまいりました。具体的には、まずは当初予定したプラントを、ほかのプラントに変更を検討しなければいけなかったことがございました。プラントメーカーの変更でございます。2つ目としまして、事業主体の体制の変更でございます。単独の経営から、共同出資によります共同経営という形に変更するということになりました。それぞれの内容でそこの見直し、変更のところにかなり時間を要したということがございまして、着手の時期がずれ込んだことが大きくあります。  加えまして、その後に、プラントメーカー、あと出資者といいますか、共同経営者の皆様方はほぼ内定して固まってきたところでございます。その後に、木材の安定供給とか、さまざまなリスクの体制を検討することに時間を要しまして、現在は、最終として、契約に向けて、詳細な調整を行っている状況でございます。重ねていつという御質問もいただきましたが、現在のところ、いつということを安易に発言できるとことではございませんし、また、私たちが事業主体とでもございませんので、内容が整ったところで公表させていただくということでお願いしたいと思います。 ◆和田明子 委員 途中の経過がなかなか見えない中で、どうしてこんなに遅れちゃったのだろうかと、情報を出してほしいという思いがあるのが一つです。  それから、木材加工施設と、それから木質バイオマス発電施設が同時に動き出す計画のもとで、製材で出た端材がバイオマス発電施設で燃やすことで出てくる計画でしたので、今、製材施設が稼動している中で、出てくる端材についてはどう使われているのか、またそこが、今の製材というか、木材加工施設の事業運営に影響が及んでいないのかどうかについて、お聞きしたいと思います。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 製材施設から発生します端材の利用という御質問でございます。バイオマス発電施設と一緒に稼動した場合には、当然のことながら、製材施設の端材は発電の燃料として使う計画でございました。現在、そのような状況になっていない中で、製材の端材につきましては、製紙のパルプ工場に運びまして利用していることで、特に端材の処理に困るお話は聞いておりません。  加えまして、製材のときに皮をむきます。樹皮ですね、バークでございます。これにつきましても、畜産等の利用、また、バーク堆肥等への利用ということで、供給していることでありまして、特にその利用先がないことで困っているというお話は聞いていない状況にございます。 ◆和田明子 委員 発電施設に入れるものが、使えなくてもほかにうまく利用されていることで、その点では、本当に機転をきかせてやっていただいていてよかったという思いでありますし、そもそも私たちは、F・POWERの発電施設については、あれが本当に適正規模だったのかと、計画当初から言ってきたことでありまして、今さら後には戻れない計画になってしまっているので、その点は一言申し添えまして、この点は。引き続き、そうはいっても県も多額の補助金を入れている仕事でありますし、それこそ村上委員も言っていたように、知事の一つの目玉の大きな事業でありますので、それが頓挫ということではないけれども、遅れて遅れて、そしてまだ見えない部分がありますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。  それから、木材の活用についてということで、1点だけ。公共建築物等への県産材の利用は、繰り返しほかの委員の皆さんからも言われているんです。これから結構短期間の間に、県として県有施設の大型の公共施設の建設計画がめじろ押しという状況になってくるわけです。大学とか、武道館とか、美術館とか。それのよしあしをここで私は論じる気はないわけでありますけれども、できるものであれば、できるだけ予算を抑えてよいものをつくってほしいし、県産材も使ってほしい思いであります。でもそれだけの大きなものをつくるとなれば、それだけたくさんの材を供給しなければならない。これは計画的にやらなければできないことですので、他部局との話し合いは、林務部でしっかり押し込んでいくべきところだと思うんですけれども、どうなっているのでしょうか。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 新県立大学、県立武道館、県立美術館の施設整備にかかわる県産材利用のお尋ねをいただきました。担当の課と私どもは、県産材の利用を進めてほしいということは、たびたび打ち合わせをさせていただいております。そうした中で、県立武道館、県立美術館につきましては、それぞれ発表されました整備基本構想の策定において、県産材の活用などによる長野県の魅力発信といった位置づけをいただいております。また、すぐれた県産材製品が出てきておりますので、情報提供も、適宜、こちらから担当の課にさせていただいているところであります。  また、団体関係でございますけれども、同じく県立大学、武道館につきましては、木材利用を進めてほしいということで、木材関係団体で構成します長野県県産材振興対策協議会も、あわせて県産材の活用について要請されたということでございます。引き続き、先ほどの施設に使われるように、連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。 ◆和田明子 委員 絵画を見に行ったんだけれども、とてもよいものを見せてもらった施設、県産木材の活用がされるということが、私はとてもいいと思っておりますので、よろしくお願いします。  最後に、大北森林組合のことに関連しつつ、お聞きをしていきたいと思います。前の議会から今議会までの間も、裁判も行われておりますし、いろいろ、またそこで言われたことも書かれておりますし、11月15日には説明会も、県として、まだまだ県民の皆さんへの理解が進んでいないということで説明会も必要だとされて、夕方始まって、4時間にわたる説明会ということだったんです。部長からも冒頭の説明の中でありましたけれども、説明会を通して、この事案に関して、県民がどういう印象を持っているのかということについて、簡単に感想をお聞かせいただきたいと思います。 ◎池田秀幸 林務部長 委員から、今、お話がございましたように、15日に、林務部、コンプライアンス推進室、それから改革推進委員の皆さんとともに、説明会を開催させていただきました。県民の皆様、会場に来られた皆様から、厳しい御意見も多々頂戴したところでございます。我々としては、これまでの補助金の返還に至る過程であるとか、職員の処分であるとか、また大北森林組合の、今の再生の状況であるとか、それはホームページとかいろいろ、さまざまな場面で、御説明をしたり、わかりやすく説明してきたつもりでございましたが、まだわかりづらい面もあったというお話も頂戴しましたし、また、県として、今、どう取り組んでいるのかということも、もう少しわかりやすく示してほしかったという声もいただいております。丁寧に、こちらとしてもわかりやすく、引き続き説明をしていかなくちゃいけないということは、その場で感じたところでございます。 ◆和田明子 委員 本当に、部長が、今、言われたとおりだと思います。この事案が発覚してから、2年近くなってくるわけですし、実際それが起こっていたのは相当前の話になってくるんです。何かが起こった、大問題だということから始まって、部局を始め全庁的に本当にこんなにも調査したのかというほどの調査を重ねてきていただいたにもかかわらず、県民の目から見ると、一部の新聞報道ですとか、そういうところに躍っている、すごい事件性というか、何事が起こったんだというところで判断するっていう形で、真意はそうではないんだっていうところがなかなか伝わってない印象は、私も持ったところもあります。私自身もわかっているようでわかっていなかったっというところもありまして。  大体、消えた15億円とか、使途不明になった15億円とか、いろいろなことを言われていたわけですけれども、あのとき示された、大久保委員の説明資料で、支出についてはということで書かれていた部分と、それから県からも出していただいた資料ですけれども、作業道と、それから森林整備と。森林整備に約9億400万円ですか、それからその小橋興業に作業道の部分では4億数千万円という形で使われてきたということと、それから森林整備に使われてきた部分については、補助要件には合っていない、また、一部不適切だけれども、一定程度森林整備は行われたという説明があって、実際、私たち共産党県議団としても、大北森林組合に遅ればせながらお話を聞きに行く機会がこの間ありまして、説明会よりも少し前だったんですけれども、そこで森林組合から聞いたことともほぼ同じ中身でありました。結局、10億円というお金は、山に、そうはいってもかけてあるんだということで、納得がいくか、いかないかっていうことは別の問題として、どこに消えてしまったのかという部分で言えば、一定、見えたなと思ったわけです。ですから、そこのところの部分では、わかってきたというか、ぼんやりと大枠では見えたと。だけれども、そこから先がまた、いろいろな意見が分かれるところになってくるわけです。  今さら大北ルールを聞きますかって思われるかもしれないんですけれども、県側が言う大北ルールと、組合側が受けとめている大北ルールというのも、ニュアンスはかなり離れているのではないかっていうのは、私、組合に行って聞いてきて、思ったことであります。それは、県から見れば、大北ルールについて言えば、70%以上の伐採が必要とされているところを、当時の林務課の説明によれば、上層にある主林木の間伐30%程度、中層及び低層にある広葉樹云々言っているところで、緩衝帯を整備するために、大北ルールということで、少しきつめにその辺はやっていいよと、不用萌芽除去と言われていることを言って、それに基づいて大北ではやっていたということが、大北ルールと言われているところなのかどうかということを、まず最初に確認しておきたいと思います。 ◎宮宣敏 森林づくり推進課長 大北ルールについてのお尋ねでございました。大北ルールという形のものは、基本的には2種類ございまして、不用萌芽除去でございます。これについては、広葉樹の林を再生するために、有用な広葉樹を残して、要らないものを切るというのが施業でございます。それが本来の姿でございますが、地方事務所から指示していたものは、野生鳥獣対策なんで、それを残してはだめだと、みんな切っていいという指示を出していて、そのとおり組合がやってしまったというものでございます。  もう一方は、整理伐という内容でございまして、議員おっしゃったように70%程度の主林木の伐採等が伴わないとだめだというところを、目的が野生鳥獣のためだから、主林木はそんなに切らなくても、下のほうだけしっかり切ればいいという指示が出たものです。不用萌芽除去は、組合はまるで県職員のいうとおりやれば問題ないと思っていたと思うんですけれども、整理伐は、さすがにそこのところは、国の規定には違反しているということはわかりながらやっていたということで、県とすれば不用萌芽除去の部分の補助金の返還は求めていない状況でございます。 ◆和田明子 委員 整理伐の部分ですけれども、今、言ったように、70%について、もう一つ、森林組合の側では、大北の地域は雪の深い地域であるから、その70%の間伐を加えると、ところによっては切り過ぎてしまうことを、今までの経験から言って、それについても、林務課職員には理解してもらっていたと、大北組合側からの大北ルールの印象に受け取れる発言を聞く機会があったんです。だから、その点については、こちら側からは、それは全く国の補助要件を満たしていないということで、組合側もその辺は納得しているというところでいいんでしょうか。 ◎宮宣敏 森林づくり推進課長 整理伐の事業の内容とすれば、主林木を70%以上切って林層を改良する意味でございますので、それに必要な高額な補助金が出るというところでございます。もし70%ではなくて30%、40%の伐採であれば、間伐なり、もっと単価の安いお金を使ってやるべきで、そこのところの採択の考え方が間違っているということでございます。組合も、それは70%等を切らなければならないのは理解していたと思うんですが、県職員がいいと言ったのでやってしまった部分もございまして、その部分については、そういった事情があったと考えているところです。 ◆和田明子 委員 そこで、今、県職員が言ったと、その言った、言わないの世界になってくると、またややこしい話になってきます。なので、本来あるべき姿ではないことを、一部、容認していた。しかもそれが、現地確認もしていなかったものもあることの中で、長期にわたって行われてきた。まさにこれは、組合側から言えば、全く自分たちの中のルールは県も認めたルールになっていると、長年にわたって思い込んでいた部分が、私はここが自分としてはすっきりしないところです。だからそれが、返還を求めてはいけないとか、そういうことを私は言っているわけではないんです。正確にきちんと補助要件に見合ったものをやってこなかったことの指摘と、それからそれを検査してこられなかったことの現実というものについては、県も何らか考慮するべきではないかということが、私が、今、強く感じているところであります。  それで、あと作業道の話ですけれども、結局、なかなか技術のないところで小橋にみんなお願いしてきた部分です。結局、高規格作業道については、補助金だけではあけられない。補助残という部分をどこでつくり出してくるかが問題だった。もともと赤字の経営の中ではそれが捻出できない。組合員にそれを請求することもしないという中で、では架空請求という形に結びついたところにも、助言があったのではないかと、見逃されていたのではないかとなってきているわけです。そのことは、言った、言わないの世界とか、実際にあった話はともかくとして、私は森林整備に欠くことのできない作業道の補助金のあり方、制度のあり方について、進めていこうとすると、補助残をどこでどのようにほかは賄っていくのか、それから森林整備を進めていく上では、どういう形が望ましいのかについて、県としてはどうお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。 ◎宮宣敏 森林づくり推進課長 通常、作業道整備は、森林整備と一体として考えるものでございます。ここに作業道をあけることは、そこの地域の森林を、間伐等を行って、そこから材を出すために必要な道でございますので、トータルで考えますと、道をあける経費と森林整備をする経費、そこから出してきて木材を売る経費をトータルで考えてペイさせるのが普通の考え方でございます。基本的に、その中から森林所有者にお返しする部分がございますので、そういう部分も考慮した上で、作業道整備の負担金をそこの中から出していただくのが通常のやり方と考えております。 ◆和田明子 委員 今、言われたように、材を出して、その材を売ってお金をつくって、それでその中から、得た利益の中から補助残を埋めていくということなんです。そうしてほかではうまく好転しているということでしょうか。 ◎宮宣敏 森林づくり推進課長 通常では、もうかりもしないのに高規格作業道をばんばんあけることは、通常はあり得ないわけでございます。林業としてペイする範囲内で高規格の道をあけて、そこからは作業道で出すという中で、一番低コストの施業が行われるように工夫するということでございます。この組合の場合は、そういう形で不正な財源を使ってどんどん道をあける。それをすれば、ペイしなくても林業は進む。その上に不正行為も行われて着服もできるという、非常にまずい構造があったと考えておりまして、ほかではあり得ない事態が起こったところです。 ◆和田明子 委員 本当に残念でありますし、いまだに県民の皆さんも、この問題に高い関心を持ちながら、この間の説明会で、先ほど部長からも言われたとおり、全体を理解する状態には至っていない中で、今後もまだ、どうしてこんなことになってしまったのかという話は、一定の整理をつけていかなければならないし、それぞれのところで食い違った意見がさまざまある中で、説明会の最後に来て、大久保委員が、どういう経過で言われたのかわかりませんけれど、突然、背後にいる人物なる怪しいことをいう。それに対して、この間の本会議で阿部知事が、知恵をつけたという言い方をされて、これまた、えっ、知恵をつけた、これが悪知恵とか言われたんです。ではその背後の人物なる人は誰なのかも知りたいです。その人がでは誰に知恵をつけたのか、組合、中村元専務につけたのか、県の職員の誰かに知恵をつけたのかと考え始めると、また、何なんだろう、この知恵をつけたという、知恵をつけた人と知恵の中身と誰につけたのかって、こういうことがまた、知りたいというか、そこのところはどうなんだという思いがあるんですけれども、そのあたりはどうなんでしょうか。 ◎小山聡 森林政策課長 そのときの大久保委員の発言については、大久保委員が検証の過程で接した情報かと思われますが、我々にとっては知り得る情報ではございませんので、何ともコメントのしようがないんです。悪知恵と知事が言ったのは、犯罪行為に関係するよりも、組合の風土の問題だと発言しておりますので、そのように捉えているところでございます。 ◆和田明子 委員 そうはいっても、検証委員の立場で、軽々な発言ではなかったかといえば、とても説明会の中では残念だったかなと。引き続き説明する機会、丁寧にやっていただく必要があることも、私からまた求めておきたいと思っているところです。  それで、本当に、今、仕事の改革をして、いろいろな経費を縮減してお金を、ある意味つくっていかなければいけない。そういうこととまた相反する、矛盾するといいますか、補助金申請の実地検査なども複数体制にして丁寧にやっていこう。そういうことになると、職場の人員配置も必要になってくる。ここら辺は、どちらもやらなければならないので、大変重い仕事になってくる中で、林務に携わる皆さんは、関係の教育機関も出られて、林業に大変な夢を持って職場で働いておられるし、現場で働いておられる皆さんは、本当に真面目過ぎる方が圧倒的でありまして、今回のことは本当に、何でこんなことになってしまったのかと、繰り返し言ってもしようがないことになって、早く、真相解明してすっきりしてほしいという思いです。  そういう教育を受けて、希望や夢を抱いて仕事について真面目に働いた皆さんが、あまりの多忙で書類整理に追われて、現地で持てる力を、技術指導とか、森林整備の、具体的にこの施業ならこういう仕事のありようとこういう予算の立て方ということとか、本来のあるべき力をいかんなく発揮することに、あるべき姿に戻していって、長野県の、森林県から林業県へという道を切り開いていっていただきたいということで、強く思っているわけです。その一部では相矛盾する難しい形の課題を抱えながら、今後の展望について少しお聞きして終わりたいと思います。 ◎小山聡 森林政策課長 委員おっしゃるとおり、林業の森林整備の知識を持った職員がたくさんいて、知識を発揮していただきたい、これはもっともでございます。今回、林務部で取り組んでいるコンプライアンス推進行動計画においても、再発防止をするための取り組みと、風土改革の面、それから、働きやすい風通しのいい職場環境で、職員が生き生きと働ける環境づくりを進めなきゃいけないと思っています。今、まさに取り組んでいる最中でございますので、まずやらなきゃいけないことは何かを踏まえた上で進まなきゃいけない部分がございますので、取り組みについては、毎年、検証、評価した上で、次の取り組みへと進展させていく必要があろうかと思っております。現場の職員の方の声も聞きつつ、仕事のあり方も加えて、今後とも検討を続けていきたいと考えております。 ◆小林東一郎 委員 お願いいたします。初めに、今回、補正予算に計上されております3億円余でありますが、100年カラマツの利用技術開発事業から伺ってまいりたいと思います。委員会で北海道の林産試験場を視察させていただきました。大変大きな施設で、100人を超える方が試験研究されているということで、北海道の意気込みが非常に伝わってくるわけであります。  今回、林業総合センターに、カラマツの大径材を活用する研究に資する建屋の新築であるとか、あるいは機器の導入ということで、3億円余を盛られているわけであります。お聞きすれば、今までは北海道の試験場に頼んでいたけれども、北海道は自分のところの仕事がいっぱいになってきて、とても受けられないということで、今回、この整備がされるということなんですが。本当に、ここに盛られている機器等で、目標とされているものが達成できていくのか、その辺の見通しを教えていただきたいと思います。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 今回、要望します予算をお認めいただければ、今の山の状況に見合った材の活用が、林業総合センターで進んでいくということでございます。 ◆小林東一郎 委員 機器は備えていけるわけですけれども、これを扱う人の問題があると思います。しっかりと技術を持った人を試験研究に張りつけていかなければいけないんだろうと思いますが、その辺は大丈夫なんでしょうか。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 長野県のカラマツの加工技術は、日本一でございます。かつてはあそこに部長さんでいらっしゃった方、所長にもなりましたけれども、伝承的に技術を引き継いできておりまして、今、一部の人はまだお残りいただきながら技術伝承いただいておりますので、日本一の技術は確実に伝承していくように努めてまいります。 ◆小林東一郎 委員 それで、北海道の施設と、あと国で3つほど施設があるということで、そこでも既に試験研究を進められていると思うんですが、そのような施設との技術交流の見通しはいかがですか。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 森林総研との技術交流、あるいは共同研究といったことは、できる限り進める努力はしております。現在、国の施設は、CLTという新しい部材に対して、特化した研究に、今、取り組んで人手が足りない状況もありますので、長野県としたら、長野県発の接着重ね梁の技術をさらに伸ばして、競争力のある製品開発につながるようにと思っております。 ◆小林東一郎 委員 長野県で、80年を超えるカラマツ材で空洞が生じるということで、東信で少し問題になっていることがあったわけです。それを北海道でお聞きしましたところ、いや、そうなる前に切っちゃうという説明がありました。向こうは、どちらかというと、今までは、かなり利用に積極的だったろうと感じるわけです。こういう研究拠点をしっかりと整備していって、どこにも負けない技術をつくり出していただく。これは大変重要なことだろうと思いますので、大いに期待したいところです。今度のは、100年カラマツですよね。100年たっても空洞が生じないコンテナ苗にしていかなければだめなんだということを、小海町の材木屋さんからお話を聞いているわけです。  コンテナ苗のところも、この間、林業総合センターへ行って見せてもらってきたわけです。今のところ、小規模な農家が、自分の家に植える、畑に植える苗木を生産するレベルのものですよね。資料10にもあるんですけれども、8年に一度程度しか、種子が採取できないとか、かなり厳しい条件下にあると思うんです。100年カラマツ、本気になって進めるのであれば、コンテナ苗の養成を強化していかないと、資料10にある、例えば今から22年後に、今の生産本数の9倍以上にする計画があるわけですよね。その一番もとになるのは、私はコンテナ苗の技術をしっかりつくっていくことだろうと思うんです。あまりにも大したことがなくてびっくりしたぐらいです。その辺はミスト、温度調節室で、温室に当たるだろうと思いますけど、そういうところでこれから進めていかれるということですが、もうちょっと加速すべきじゃありませんか。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 コンテナ苗につきましては、既に、今現在、民間レベルでも、2万ぐらいだったと思いますが、生産は行われております。ただ、一方で、それにかかわる規格がまだ統一されてなかったり、あるいは育成の基準が明確になってなかったりする課題がございますので、非常に貧弱な部分はあると思いますが、そこのところをしっかり研究者がかかわって、技術基準を整備したり、規格をしっかり統一するところは整理しつつ、あと民間サイドでやっているところに、その技術、あるいは規格をおろして、もともと長野県の苗木業者は力がありますので、お力を利用しながら増産につなげたいと考えております。 ◆小林東一郎 委員 資料10を見ていましても、苗をつくっていくことが、低コスト造林につながっていくということでありますので、本格的に力を入れて進めていってもらいたいとお願いしておきたいと思います。  それから次のマツタケの人工栽培も見せていただきました。大変大事に、無菌状態でマツタケ菌が根っこについた松が、今、育てられております。お聞きしたら、今の職員の皆さんが創意工夫によってつくってこられた培養室では、どうしても照度が足りない。松は幼樹ですので、かなり明るいところでないと厳しいわけですけど、その光の加減が足りないから、きちんとしたものをということで、今回、予算要求されているんだろうと思います。  ただ、見せていただいたところ、これで本当にうまくいくのかというのが、偽らざる実感で、考え方とすれば、その既存の松山に、マツタケ菌を持った松の苗を定点的に植えていって、自身の松の成長を待つと同時に、周囲の松にもマツタケ菌が広がっていくことを、期待をされているだろうと思います。お聞きしたところ、マツタケ菌と松の共生関係は、必ずしも強い結びつきではなくて、どちらかというと松自身はマツタケ菌を本当はつけたくないというお話も伺ってきたところであります。本当に夢のような話ですけど、20年後ということもあって、マツタケ菌を持った松の苗だけをダァーッといっぱい植えていって、達成するっていうものではないんですよね。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 今回、取り組みますのは、まさに林業総合センターが信州大学と共同で成功した技術を、しっかり今度は現場におろしていくための基礎研究、最後の仕上げの研究でございます。ですので、必要最低限の施設の上でやった上で、現場にしっかり定着できるところを検証していく格好になります。  また、先ほどのコンテナ苗の部分でいきますと、今年度から既に事業で、民間事業者への支援は一方で進めていますので、両面で進めながら、量産できる体制は図っていくことになります。 ◆小林東一郎 委員 マツタケについては、夢のある話であります。ただ、松の苗の状態をみていると、道のりは遠いのかなとも思わせるわけであります。これは、今後、期待と同時に注意深く見ていかなければいけないと思っているところであります。  また、先ほど来、F・POWERについてのお話があるんですけれども。きのう、県木連の皆さんとの懇談の中で、去年からでしたか、富山県のバイオマス発電、5,750キロワットだと思いましたが、あれが稼動し始めたということで、そこの燃料になる木を、北信、東信に買い付けに来ている。新潟も、かなり、富山から買い付けが来ていて、非常に有利な価格なので、そちらに出している業者の話があったわけです。その辺は情報をつかんでおられますか。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 情報は聞いております。今の県内のC・D材、バイオマス発電用の木材の状況を申し上げますと、現在、県内で以前から動いておりますのが、特にお山の発電所、長野市の飯綱にございます。そこが、約1,300キロワットのバイオマス発電を2基動かしております。状況としては、バイオマス発電ということで、県内の素材生産者も非常に、期待しておりまして、今まで山の中に置いてきたものが、ある程度の金額で買っていただけるということで、積極的に搬出を始めている状況がございます。  そういう流れの中で、県内でいきますと、お山の発電所には、木材が非常に集まり過ぎてしまって、置く場所がないぐらいの状況になっていると。ただ、そこのところを、いっぱいになったから受け入れませんということになりますと、その後に、自分がほしいときに、くださいと言っても、おつき合いの中で、前にとめた経過があって信頼できないよということになってはいけないということで、新しく土場もふやして対応しておりますが、そこももう既にいっぱいになってしまっている状況の中で、若干制限しなければならない状況になっているとお聞きしております。県内でそういう受け皿が非常にない状況の中で、山からC・D材が出てきてしまうことがありますので、持って行き場としては、県外の、先ほど申されたところへの供給という実態が出てきていることは、承知しております。 ◆小林東一郎 委員 確か富山の計画は、5,750キロワットで、4万トンでしたかね。そんなような計画だったとお聞きしてきているんですけれども。それで、パームヤシのヤシ殻をさらに可燃材で燃やす話もあって、富山県内で十分賄える量だという想定がされていたはずなんですけれども、今、現実にはそういう状況になってきている。県がこれからF・POWERでバイオマス発電、1万キロですよね。それをやっていくということになると、燃料の奪い合いが生じるという事態が、簡単に想定ができるわけです。その辺の対応は、どのように考えられておられるでしょうか。 ◎春日嘉広 県産材利用推進室長 2点、御説明させていただきます。まず1点目ですけれども、F・POWERプロジェクトにつきましては、サプライチェーンセンターと言いまして、県内の木材を生産する4団体が、サプライチェーンセンターと位置づけを持ちまして需給調整を行う組織としております。製材施設につきましては、既にサプライチェーンセンターが需給調整をしながら丸太を供給している状況でございます。バイオマス発電施設につきましても、昨年、F・POWERプロジェクトバイオマス発電の準備を進めている中で、そこに対する木材の、特に山からの未利用材の供給につきまして、20年間、それぞれ担いながら供給をしていく意向書を締結していただいて、そういう仕組みの中で供給していくという、まず一つのステップを踏んでいるところでございます。  もう1点でございますが、発電施設をさまざま検討していく中で、私どももC・D材の供給について、さまざまな検討を行っております。その中で、これまでの県内の状況、あとそれと木材生産の趨勢等もあわせまして、かなり綿密なシミュレーションを行ってまいりました。シミュレーションの中には、既に動いているC・D材を使う施設で必要な量、例えばそのほかには製紙等へのチップの供給等も含めて、これだけの量が要るものに対して、実際の山からの供給能力はどうかというシミュレーションを行いました。その結果をもとに、今現在では、日本で第一人者と呼ばれております、先ほど来話が出ておりますが、国の森林総合研究所の研究者に持っていきまして、その内容について検討いただいて評価をしていただきました。その中では、いろいろなものが先生のところには持ち込まれ、このシミュレーションについては、非常に控え目な出材量ということで検討されているので、非常に手がたく見積もられている評価もいただいたところでございます。 ◆小林東一郎 委員 シミュレーションをやった結果に基づいて考えてきておられるということでありましたけれども、現実に富山の施設がそういう状況を生んでいるということでありますので、その辺のところも、長野でこれをやった場合にどうなるのかということの、再評価も私は必要ではないかと感じるところですけれども、その辺は申し上げるだけにとどめておきたいと思います。  次に、監査委員から定期監査の結果に関する報告が出されております。大北森林組合問題についてもさまざまな指摘がされているところでありますけれども、何点かお聞きしてまいります。まず、加算金の取り扱いですけれども、加算金は、債権額が全て納入された後でなければ確定しない。法令等にのっとり適切な対応を行うようにしてくださいという意見がつけられておりますが、どのようすることが法令にのっとった請求になるのか、お聞きをいたします。 ◎宮宣敏 森林づくり推進課長 県からの加算金の賦課につきましては、補助金を返還していただいた部分について、県費の部分について加算金を納付していただくという決まりになっておるところでございます。これについては、森林組合に履行期限の延長等を行ったときに、加算金がつきますことは通知させていただいております。ただし、加算金については、御指摘ありましたとおり、一つの補助金が全部納付されたときに、初めてその時点で、交付してから今までの額が計算されるということで、すみません、間違えました。履行期限延長ではなくて、返還請求のときに通知してあるということでございます。一つの返還が終わった時点で、交付したときから返還していただいたまでの期日を計算して加算金が付されるということで、補助金の納付が終わった後に納付の通知を出すことになっております。これにつきましては、その補助金が返還された時点で納付の通知を出すのが通常の手続でございます。 ◆小林東一郎 委員 3月に、その3件について1,000万円の返済があったということなんですが。となると、これは返済されているわけですから、この3件分についての加算金は確定することになるのではないでしょうか、請求はされないんですか。 ◎宮宣敏 森林づくり推進課長 補助金の返還がなされたときというのは、一つの補助金の交付決定に対して返還がされたときでございますので、1,000万円は、まだ一つの交付決定の額に達していないということでございます。部分的に返還された額はどこに充てるかという部分につきましては、通常は、債務者です。ここで言えば森林組合が、一番有利な方向でやっていい形になっておりますので、具体的に言えば、加算金が科される県費の部分に充てていくことになりますので、1,000万円の納付では1回の交付に対する返還が終わっていないことで、加算金はまだ計算できない状況です。 ◆小林東一郎 委員 それから、国と県の時効の対象範囲の相違による分ですが、県は民法上可能な限り損害賠償を行うということで、もらっていく考え方だろうと思います。ここにも監査委員の意見がついておりまして、これは方針にのっとり確実に成果を上げるようにしてくださいという意見がついているわけです。これは、今、裁判が行われていますが、損害賠償は、裁判には関係なく並行して行えると思うんですが、おやりにならないんですか。 ◎宮宣敏 森林づくり推進課長 損害賠償請求につきましては、森林組合に対しては、現在、補助金の返還を命じているところでございまして、その計画をつくっていただいているところでございます。その内容がはっきりした時点で、賠償についての段階に入っていきたいと考えているところでございます。 ◆小林東一郎 委員 それから、適切な担保ということで、大北森林組合、現在、提供されている担保が適正であるかどうか、随時判断し、必要な増担保の提供を受けるようにしてくださいという監査委員の意見がついております。ただ、この点は、知事が一般質問で、債権額に見合う担保の提供は現実的には困難な状況にあると答えておられるわけです。監査委員の指摘にはどのように対応されるでしょうか。 ◎宮宣敏 森林づくり推進課長 担保の提供については、森林組合が、有効な担保が非常に債権額に対して極めて少ないことから、規制度上は、担保の提供を免除しているところでございます。ただし、現状持っている担保は、その上で最大限出していただくことで、土地、建物等、評価額で2,500万円相当の担保をいただいているところでございます。現状では、それ以上のものはとれませんけれども、今後、組合の資産等がふえて担保がとれる物件があれば、追加して担保の提供を求めていく形になると考えております。 ◆小林東一郎 委員 組合の問題については、県も常例検査を2年に一遍行われてきております。それから、県の常例検査がない年には、県森連による検査が行われていて、県森連の検査では、大北森林組合経営状況、全く問題ないということが長い間続けられてきたわけでありまして、県森連も、組合の問題については、責任とまでは言えないのかな、問えないのかなとは思いますけれども、何らかの救済措置を県森連がとるべきではないか。それが大北森林組合の負担を軽くする意味からも、行うべきではないかと思うんですが、県森連とはどのような協議をされておるんですか。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 県の森林組合連合会は、森林組合の上部団体でございますので、指導監査、あるいは監査員さんの補助という立場での監査を続けてきたところでございます。現在、総会の中で、森林組合単組に対しての貸付制度は議決を得ておりますので、大北森林組合に貸し付け等の手続を行えるかどうかという部分は、今度は役員さんを含めて、慎重に、今、調整している状況だとお聞きしていますし、私どもとしたら早く、発現してほしいということでお願いしているところでございます。 ◆小林東一郎 委員 あとは、今井愛郎議員の一般質問の地方自治法施行令の第171条の7の規定です。当初の履行期限から10年を経過した後において、なお、債務者が無資力またはこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、当該債権及びこれに係る損害賠償金等を免除することができる。さらに、この前二項の免除する場合には、普通地方公共団体の議会の議決は、これを要しないという規定がございます。まさかこれをやりませんよねということで知事にお聞きをしたところ、そのような適用をすることは念頭にないとお答えになっておられるわけですけれども、林務部の考え方としても、それでいいということで、部長、よろしいですか。 ◎池田秀幸 林務部長 今、委員御指摘のように、本会議の場で知事もお答えしましたように、現在、地方自治法施行令第171条の7の規定の適用は、念頭にないということでございます。 ◆小林東一郎 委員 それからひふみ林業ですけれども、会社経営者及び社員が大麻取締法によって逮捕されて、この会社は存続が難しい事態になっているだろうと思います。ひふみ林業についても、取り消されました補助金が、国庫補助金の返還になった分が3,000万円余あるということであります。そのうち不用萌芽除去にかかわるものが200万円余あって、残り2,800万円ということになると思いますが、今後、県民負担になる可能性が非常に高いだろうと思います。この会社からとれる見込みがあるのかということについて、お聞きしたいと思います。 ◎宮宣敏 森林づくり推進課長 ひふみ林業についての御質問でございますが、ひふみ林業が不適正受給した補助金、6,570万円でございますが、このうち時効が成立していないもの、あるいは不用萌芽除去等の部分を除きまして、県では今まで1,502万円の返還を求めてまいったところでございます。本会議で御答弁申し上げましたとおり、早期に返すことを厳しく指導してまいったところでございますが、現在まで返還されておらず、返還計画もしっかりしたものが出てこない状況で、厳しく指導を続けているところでございました。そういった中で、今回の大麻取締法違反での逮捕という事態になったわけでございます。  この事態を受けまして、どういう対応をするかについては、弁護士とも相談しておりますけれども、基本的に事務所とか建物とか調べましたけれども、財産的なものがほとんどないという中で、これ以上、法的措置を緊急にとっても、何も具体的なメリットは出てこないだろうという部分もありまして、刑事事件の状況を見きわめた上で、どういう対応がベストかということは、弁護士さんと相談の上で決定していきたいと思っておるところでございます。
    ◆小林東一郎 委員 大変イバラの道が残されているというしか言いようがございません。この事件の結末がどのようになるか見きわめていかなければいけないというのが、大変歯がゆい思いもするわけであります。本当に何と申し上げていいのか、場合によっては、不正に受給した補助金で大麻を買っていたなどとやゆされる可能性も出てくるわけでありまして、これは事件の成り行きを見つめて、とりあえずはいかなければいけないと思っておりますし、なかなかいい知恵というのは出てこないとも思っているところであります。  それから、先ほどの加算金の取り扱いについてですけれども、佐久森林組合及び松本広域森林組合に対しては、補助金を返してもらって、さらに加算金の納入もされたということであります。あと二重向地区森林整備協議会及び白馬切久保地区森林整備協議会には、まだ加算金の請求をされておられないということであります。ここでも請求の取り扱いにおいて、公平性、公正性を欠くことのないよう、十分検討を重ねた上で、法令にのっとり適切な対応を行ってくださいと監査委員の意見がつけられているわけでありますが、どのように対応されるでしょうか。 ◎山﨑明 林務技監兼信州の木活用課長 2協議会に対するお問い合わせでございます。この2つの協議会は既に補助金の返還は終わっております。加算金は、制裁的な位置づけがあるものでございまして、基本的にはお支払いいただく方向の中で、どういう対応をするのが最も好ましいのかも含めて、今、慎重に弁護士さんと相談しながら方針を定めているところでございます。 ◆小林東一郎 委員 監査委員の意見どおり、公平性を欠くことがない対応を求めておきたいと思います。  最後に、大北森林組合補助金不正受給等検証委員会の報告書であります。知事もこれを何度も読まれて、この報告書は第三者性をしっかりと維持していただいた上での報告の取りまとめになっていると、評価されているわけであります。この54ページには、補助金を交付した側である北安曇地方事務所側の担当職員が、補助金適正化法ですね、同条(第29条)第2項に該当するか否かに関しては、個別の補助金申請が同条第1項に該当する違法な申請であると「情を知って」交付したか否かについて、申請ごとに慎重に事実認定をする必要があると考えられ、本報告書においては明言することはできないと結んでおられるわけであります。  裁判での県職員の皆さんの証人尋問における証言の内容は、新聞にも報道されておりますけれども、先月と今月の冒頭にありました中村被告に対する、尋問、被告人質問の際にも、地方事務所の職員が関与していたことを、裁判では被告が証言しています。県職員の証人尋問において出てきた尋問で証言した内容については、再確認が行われたところでありますけれども、この再確認は、コンプライアンス推進室が行ったものでありまして、第三者の改革推進委員の皆さんは、そこからの報告を聞かれて、今までの報告書のとおりだという説明を15日にはしていただいたところであります。  実は、まだそういうことが、報告書の段階ではまだ「情を知って」交付したかについては明言できないというのが、この報告書の、私は結論だと思うんです。その後、裁判の証言もあった、被告人の証言もされている。それについて、公平性を担保した再調査が、私はされるべきだろうと思いますし、知事は再調査の必要はないと何度も言っておられるわけですけれども、再調査の必要について、お聞きして終わりたいと思います。 ◎小山聡 森林政策課長 県の検証委員会の検証をいただいたわけでございますが、弁護士、あるいは公認会計士、大学の専門の教授の皆さんによって、専門的に、かつ長期にわたって、丁寧に調査していただいた結果でございます。検証委員会の報告が終わった後の事項も含めて、先日、検証委員会の委員であった改革推進委員会の委員の皆さんから、全体像についてお示しいただいたところでございます。その中でも、今回の検証については、検証委員会でやった検証については、報告について、矛盾するものではないと言っていらっしゃるので、私どもは検証委員会の委員が行った報告は、妥当なものであり、再調査の必要はないと考えております。 ○清沢英男 委員長 午後3時25分まで、休憩を宣した。 ●休憩時刻 午後3時9分 ●再開時刻 午後3時24分 ○清沢英男 委員長 再開を宣し、委員の質疑等発言を許可した。 ◆花岡賢一 委員 よろしくお願いします。資料11、鳥インフルエンザについてですけれども、追加資料です。まずは資料11の裏のところですけれども、簡易検査と遺伝子検査を行うんですが、その所要時間、かかる時間はどれぐらいでしょうか。 ◎佐藤繁 鳥獣対策・ジビエ振興室長 鳥インフルエンザの簡易検査と遺伝子検査についてのお尋ねですけれども、簡易検査そのものにつきましては、サンプルがとれればすぐ検査キットで検査できますので、所要時間はかからない検査だと聞いております。遺伝子検査につきましては、いろいろと分析することが必要ですけれども、丸一日見ておいていただければ、普通は出る検査だと聞いております。 ◆花岡賢一 委員 そのお答えの後ですけれども、今度、追加資料で、13時30分に簡易検査したときに陽性、その後に19時30分に遺伝子検査により鳥インフルエンザ、H5亜型を検出とあります。その間に16時30分という形で、プレスリリースを行っているわけですけれども、この時間は最短でしたでしょうか。 ◎佐藤繁 鳥獣対策・ジビエ振興室長 13時半に簡易検査、陽性の検査結果が出まして、16時30分、野鳥監視重点区域の設定につきましては、環境省が設定することになっておりますので、環境省との間で情報のやりとり、最終確認等をしている時間がこの程度かかったということで御理解いただきたいと思います。 ◆花岡賢一 委員 それで、環境省からのページで入っていくと、環境省広報室から報道各社御中という形で、長野県も同時発表という形のものがあります。この番号は43事例目だと思うんです。その中で見ていっていただくとわかるんですが、簡易検査、16時30分のときに、簡易検査で陽性、遺伝子検査では行っていない、斜線が引いてあります。その横に、確定検査を、今、検査中とあるんですが、検体を送ったのは23時20分ですので、この時点でこの資料は間違っていると思うんですけど、どう思いますか。 ◎佐藤繁 鳥獣対策・ジビエ振興室長 遺伝子検査、斜線につきましては、この遺伝子検査は、長野県が独自でやっているものですので、環境省のプレスリリースには、取り扱いがそういう形になってしまいます。検査中というのは、そこは環境省に確認してみないとわからない部分ではあるんですが、23時20分に検体を送付した、郵便局に送ったのがその時間ですけれども、そこに運んでいく、その前段階の処理云々等一切合財入れて、検査中という表現をしているのではないかと予想されます。 ◆花岡賢一 委員 理解できたのか、できなかったのかですけれども。資料を見ると、時系列と合わないなと思うところがあるんで、納得はしませんけれども、迅速に対応していただきたいと思います。  それで、きょうの昼、名古屋の動物園ですね、見つかった鳥インフルエンザの検体も鳥取大に送っているんですけど、鳥取大以外にはないんですか。確定検査ですけど。 ◎佐藤繁 鳥獣対策・ジビエ振興室長 東山動物園、昨晩確認されましたということで、本日の段階で50件になるんですけれども、確定検査をする場所につきましては、国内で北海道大学、鳥取大学、あと国立の動物衛生研究所の3カ所しかございませんで、全体の調査の状態を見ながら、環境省で割り振るという形で対応しているようです。 ◆花岡賢一 委員 わかりました。資料11の追加のところに、確定検査の結果が1週間程度と出ています。ですけれども、今度、資料11の2ページ目ですか、そのところを全部比較すると、最短で3日で出ているところがあるんですね、確定。最長で11日で出ているところがあるんです。これは、持ち込んだというか、今の話を聞くと送ったぞということになっておりますけど、送った検体によって出るのが遅いのか、それとも、例えば鳥取大学だったからとか、北海道だったからとか、そういうことですか。 ◎佐藤繁 鳥獣対策・ジビエ振興室長 詳細は、それぞれについて聞いてみないとわからない部分はあるんですが。確定検査をやるには、まず菌の、ウイルスの培養をすることになっておりまして、一般的に3日から5日という幅があるそうです。ですので、うまく出れば3日で出るケースもあるし、5日程度かかるケースもある。そういった中で、プラス送付にかかった時間、あと、ここへ来て件数が莫大な状態になってきておりますので、待ち時間等も合わせて、少しずつ幅が広がってきているのかなと思っております。 ◆花岡賢一 委員 では現在で、3日に見つかっていますので、4日たっていますけど、今の時点では返答は来ていませんよね。 ◎佐藤繁 鳥獣対策・ジビエ振興室長 今の段階では来ておりません。3日に送らせていただいて、5日中には着いているはずですが、現在、検査中だと思われます。まだ結果は届いておりません。 ◆花岡賢一 委員 わかりました。新潟県の対応を見させてもらうと、新潟県ではということですが、国や市町村、関係団体や自衛隊と連携という形の対応をホームページで見ることができました。長野県としては、シミュレーションは行っていますでしょうか。 ◎佐藤繁 鳥獣対策・ジビエ振興室長 新潟県の場合は、野鳥よりは家禽に出ましたということで、昨日、農政部でもお話があったかと思いますが、農政部が所管して立ち上げる連絡調整会議ですとか、長野県でも発生した場合は、対策本部に変わるんですけれども、そういう形で動いていくものと思われます。ただ、今現在は、長野県内では野鳥で、まだ確定ではないんですけれども、疑いの強いやつが見つかっているということで、松本地域においては、各市町村が集まっていただく中で、体制を整えておりますというのが現状になっております。 ◆花岡賢一 委員 わかりました。12月6日という形で記述されていますが、生坂村で野鳥2羽回収という形になっています。簡易検査は行ってないと。腐敗損傷が著しいためということなんですけど、2羽とも、そもそも種がわからないほど腐敗と損傷が見られたんでしょうか。 ◎佐藤繁 鳥獣対策・ジビエ振興室長 現状、1体は完全に白骨化していたそうです。もう1体も、内臓を全部食われて、頭も食われちゃった状況だったそうですので、ガン、カモの仲間ではないか程度までしかわからなかったということだそうです。 ◆花岡賢一 委員 わかりました。また資料11の裏、2ページ目に行っていただきたいんですけど、ナンバー4、鹿児島県出水市、これだけ環境試料なんですね、ねぐらの水ですけど。鹿児島大学が独自で調査したということです。例えば、形がわからないほど腐敗していたところの水、環境の試料として、それを簡易的な検査をする形は、とる方向はありますか。 ◎佐藤繁 鳥獣対策・ジビエ振興室長 鹿児島県の出水市につきましては、世界でも有数のナベヅルの集合地で、非常にたくさんいます。という中で、どこの水たまりの水をとってもある程度の調査ができる状況だと思われます。ただ、長野県につきましては、犀川ですから、水が流れていってしまうことから、水からの検査は無理と考えられます。 ◆花岡賢一 委員 わかりました。鳥インフルエンザについて、迅速な対応をとっていただきたいということを申し上げまして、質問を移ります。  話が委員の皆様から出ているところですけれども、きのう、県木連の皆さんとの懇談会の中で、大北森林組合の関係がどれだけ長野県の林業にブレーキをかけたのかなと思う瞬間があったんです。何の補助金だったかは詳しく聞くのを忘れてしまったんですけど、午前中、村上委員が触れられていますけれども、複数者、申請しているケースで、自分のところは通っているけれども、全て、許可といいますか、丸がつかないと、補助金としてお金がこない現状があると言われたんです。それについて、把握はされていますでしょうか。 ◎宮宣敏 森林づくり推進課長 御指摘の補助金の交付の状況でございますけれども、佐久地方事務所の管内でそういう事態があったことを承知しておるところでございます。申請された件数、47件でございます。信州の森林づくり事業、造林事業の補助金でございまして、第2回目の申請ということで、6月30日締め切りの補助金でございました。これが全部で47件ございましたが、今回の件もありまして、申請に対して厳密な審査を行っていく中で、提出書類の中に不適正なものがありまして、それを正す指導をしていたと聞いておるところでございます。それがおおむね4件くらいありまして、その資料の補正に時間がかかっておって、その結果、ほかの申請者の適正なものも、一括して補助金の交付の事務を行おうとしたために、そちらもあわせて遅れてしまったということで、申請者にとっては、適切な対応と言えない部分がございますので、その点は、不適正なものは次の申請に送るなどして、迅速に補助金が交付できる適切な対応をとるべきことを周知徹底してまいりたいと考えております。 ◆花岡賢一 委員 わかりました。きのう言われた言葉をそのままお伝えすると、真面目にやっている我々が、その余波を受ける必要はないということを強くおっしゃっていましたので、遅れることのないようにお願いしたいと思います。  信州ジビエについてです。先日、ビッグサイトで移動式の解体車完成お披露目出発式が行われています。そこで展示されていたのは、例の長野県が全国で初だった移動解体車でしたでしょうか。 ◎佐藤繁 鳥獣対策・ジビエ振興室長 出発式、信州ジビエの移動解体車についての御質問と思いますけれども、出発式として行われましたのは、お台場のトヨタさんがやっていらっしゃる大きなショールームだと思います。一応、長野県でまずお披露目をやらせていただきました。それに引き続き、お台場で出発式ということで、もう一つイベントを組んで、同じものを使って組んでおりました。それでよろしいでしょうか。 ◆花岡賢一 委員 実際使ってみて、変えていかなきゃいけないところもあるという形での返答をいただいていた時期があるんですが、そのようなことが今見つかっていますでしょうか。 ◎佐藤繁 鳥獣対策・ジビエ振興室長 長野県下では、8月から9月にかけて、富士見町で試行いたしまして、その後、全国津々浦々、いろいろなところで試している状況になって、現在、国の事業なども導入した中で、全体で検証を進めている状況でございます。いろいろ出てきているとは思いますけれども、私ども聞いている話としては、例えば小さい、本当につり上げるときの工夫ですとか、どういうところに道具を置いたらいいかみたいな工夫が、長野県の中で検討されたというお話は聞いておりますけれども、大きな、それ以外の全体としての工夫、検討内容については、今年度が終わる段階でしっかりまとめられて公表されるのではないかと思っております。 ◆花岡賢一 委員 髙島委員も触れられておりましたけれども、ジビエの需要が高まっている感じがしておりますし、私自身、食べてもおいしいと思っているところがありますので、格段の取り計らいをお願いいたします。 ○清沢英男 委員長 以上で質疑を終局いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、質疑を終局いたします。  ただいまから議案の採決に入ります。最初に、第1号「平成28年度長野県一般会計補正予算(第3号)案」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中、歳出 第7款 農林水産業費 第4項 林業費 第2条「第2表 繰越明許費」中の一部について、採決いたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、第17号「指定管理者の指定について」、採決いたします。本件、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本件は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  ただいまから陳情の審査を行います。当委員会に付託されております林務部関係の陳情を一括して議題といたします。過日、お手元に配付いたしました審査資料をごらん願います。林務部関係の陳情は、継続分1件、新規分8件であります。  なお、審査に際し、継続審査とする旨の御発言をされる場合は、なるべくその理由を一緒に述べていただくようお願いいたします。また願意が複数ある陳情で、その一部が採択できないために継続審査と決定した場合は、付記事項として陳情者に通知することについて、その都度お諮りすることといたしたいと思いますので御了承を願います。  審査手順について、あらかじめお諮りいたします。最初に継続となっております陳情1件、次の新規の陳情8件について、順次、審査したいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  まず継続分の審査を行います。継続分の審査に当たっては、9月定例会以降、状況に変化のあるものについては、取り出して審査を行うこととしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  それでは、継続審査となっております陳情について、状況に変化がありましたら、理事者から御説明願います。 ◎小山聡 森林政策課長 継続審査となっております陳第248号について、御説明申し上げます。補助金不適正受給事案につきましては、昨日の委員会において、山﨑林務技監から御説明申し上げたとおり、9月定例会以降で、追加で実施した補助金の返還請求及びその一部の履行期限の延長処分、また大北森林組合の再生に向けた指導などに、鋭意、取り組んでいるところでございます。  また、11月15日には、県庁において、林務部改革推進委員会委員の皆様から、検証委員会報告を踏まえた事案の全体像について御説明をいただいたところでございます。これまで県としては、行政措置として行うべき対応を実施してまいりましたが、引き続き諸般の情勢を注視しつつ、着実な補助金返還など、必要な対応をとっていくことといたしております。説明は以上でございます。 ○清沢英男 委員長 ただいま状況に変化があるとされました陳第248号につきましては、取り出して審査いたします。本件について、質疑等ありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「継続」と呼ぶ者あり〕  ただいま継続審査との御意見がありましたので、陳第248号については、継続審査とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  続いて新規の陳情の審査を行います。まず、陳第256号についてであります。理事者の説明はいかがいたしましょうか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第256号については、採択とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に、陳第261号についてであります。理事者の説明はいかがいたしましょうか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第261号については、採択とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に、陳第291号及び陳第320号は、同一の願意でありますので一括して審査いたします。理事者の説明はいかがいたしましょうか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等はありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第291号及び陳第320号については、採択とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。
     次に、陳第292号及び陳第321号は、同一の願意でありますので一括して審査いたします。理事者の説明はいかがいたしましょうか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等はありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第292号及び陳第321号については、採択とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に、陳第349号についてであります。理事者の説明はいかがいたしましょうか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第349号については、採択とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に、陳第350号についてであります。理事者の説明はいかがいたしましょうか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第350号については、採択とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  以上で陳情の審査を終局いたします。  以上で林務部関係の審査を終局いたします。  次に、本委員会関係の閉会中継続審査事件は、お手元に配付いたしました資料のとおりとし、なお慎重に調査を要するための理由を付して議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に、委員長報告について、何か御発言がありますか。      〔「なし」と呼ぶ者あり〕  それでは正副委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に、海外調査に係る調査者の選定についてですが、過日、各会派代表者との打ち合わせ会議及び議会運営委員会において、農産物の輸出促進を調査項目とする海外調査を実施することが合意されました。  その調査者について、議長から関係委員会である本委員会において、1名選定するよう依頼がありましたので、御協議願います。調査者の選定につきまして、御意見等がありましたら、御発言願います。 ◆佐々木祥二 委員 委員長一任でお願いいたします。 ○清沢英男 委員長 ただいま、委員長一任との御発言がありましたので、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  それでは、委員長案といたしましては、花岡賢一副委員長を調査者として選定したいと思いますが、御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  それでは、調査者について、議長宛て回答するよう取り計らいます。  この際、何か御発言がありますか。      〔「なし」と呼ぶ者あり〕  閉会を宣した。 ●閉会時刻 午後3時47分 △採決結果一覧 (付託議案)  ▲原案のとおり可決すべきものと決定したもの(簡易採決)   第1号 平成28年度長野県一般会計補正予算(第3号)案中    第1条 第1表 歳入歳出予算補正中     歳出 第7款 農林水産業費         第4項 林業費    第2条 第2表 繰越明許費中の一部   第17号 指定管理者の指定について (陳情)  ▲採択すべきものと決定したもの(簡易採決)   陳第256号、陳第261号、陳第291号、陳第292号、陳第320号、陳第321号、陳第349号   陳第350号  ▲継続審査としたもの(簡易採決)   陳第248号...