ツイート シェア
  1. 長野県議会 2016-03-01
    平成28年 2月定例会本会議-03月01日-07号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成28年 2月定例会本会議-03月01日-07号平成28年 2月定例会本会議 平成28年3月1日(火曜日)  出席議員(58名)   1 番 花岡賢一      27 番 毛利栄子   2 番 今井愛郎      28 番 和田明子   3 番 寺沢功希      29 番 備前光正   4 番 山口典久      30 番 小池久長   5 番 百瀬智之      31 番 太田昌孝   6 番 小山仁志      32 番 諏訪光昭   7 番 小川修一      33 番 髙橋岑俊   8 番 丸山大輔      34 番 今井 敦   9 番 酒井 茂      35 番 丸山栄一   10 番 吉川彰一      36 番 竹内久幸   11 番 堀場秀孝      37 番 小林伸陽   12 番 依田明善      38 番 高村京子   13 番 石和 大      39 番 今井正子   14 番 埋橋茂人      40 番 村上 淳   15 番 両角友成      41 番 小池 清   16 番 藤岡義英      42 番 宮本衡司   17 番 髙島陽子      43 番 清沢英男
      18 番 浜 章吉      44 番 垣内基良   19 番 中川宏昌      45 番 鈴木 清   20 番 清水純子      46 番 西沢正隆   21 番 堀内孝人      47 番 風間辰一   22 番 小島康晴      48 番 佐々木祥二   23 番 小林東一郎     49 番 向山公人   24 番 下沢順一郎     50 番 高橋 宏   25 番 山岸喜昭      51 番 宮澤敏文   26 番 荒井武志      52 番 平野成基   53 番 本郷一彦      56 番 服部宏昭   54 番 村石正郎      57 番 望月雄内   55 番 萩原 清      58 番 古田芙士         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        阿部守一    林務部長      塩原 豊   副知事       太田 寛    建設部長      奥村康博   副知事       中島恵理    会計管理者兼会   危機管理監兼危           計局長       石田訓教   機管理部長     野池明登    公営企業管理者   企画振興部長    小岩正貴    企業局長事務取扱  小林利弘   総務部長      原山隆一    財政課長      岡地俊季   県立大学設立担           教育委員会委員   当部長       髙田幸生    長         伊藤学司   県民文化部長    青木 弘    教育次長      小林資典   健康福祉部長    小林 透    教育次長      菅沼 尚   環境部長      青柳郁生    警察本部長     尾﨑 徹   産業政策監兼産           警務部長      西口 学   業労働部長     石原秀樹    監査委員      田口敏子   観光部長      吉澤 猛   農政部長      北原富裕         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      大日方正明   議事課担当係長   倉石博之   議事課長      小山 聡    総務課担当係長   小山雅史   企画幹兼議事課           議事課担当係長   吉沢秀義   課長補佐      坪井俊文         ───────────────────  平成28年3月1日(火曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時開議 ○議長(西沢正隆 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(西沢正隆 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、小池久長議員。       〔30番小池久長君登壇〕 ◆30番(小池久長 君)皆さん、おはようございます。  世界のGDPの4割、3,100兆円というかつてない規模の経済圏をカバーした経済連携、人口8億人という巨大市場が創設され、長野県JAグループは、昨年、TPP大筋合意を受けた緊急集会を松本市内で開き、独自に行った調査結果として、本県の農業生産が年392億円程度減少するとの試算を公表し、県内産業に及ぼす打撃に危機感をあらわにしました。その中で、県大会に来賓として出席されました阿部知事は、挨拶の中で、JAが取り組んでいる農業所得の増大や地域活性化は行政にとって重要なテーマだ、TPP大筋合意を受けた国への働きかけや農業者との協力など、県としてもしっかりと動いていきたいと述べられました。本年度に入り、本県では長野県TPP農業分野等対策本部を立ち上げ、ホームページの開設や相談窓口の設置などの対応をとる中で、国が公表した「農林水産物の生産額への影響について」に準じて試算を行った結果、本県農林産物の生産額への影響には24億円余の減少が見込まれると発表したわけです。  農水省でも、これを機に、農政新時代と位置づけ、生産者の持つ可能性と潜在力を遺憾なく発揮できる環境を整えることで、次の世代に対しても日本の豊かな食や美しく活力ある地域を引き渡していくとしています。しかし、実際に規制緩和が始まれば、それぞれの分野ではどう推移していくのか、全く未知の世界でありますし、米への影響がゼロ円であるという試算であるが、政府は農林水産業・地域の活力創造本部を開き、2018年産をめどに主食用米の生産調整を見直し、行政による生産数量目標の配分に頼らずとも生産者がみずからの経営判断、販売戦略に基づいて需要に応じた生産ができることを決定しました。また、26年産から米の直接支払い交付金を半減し、29年をもって廃止することとしたわけです。  国内では、水稲産地間競争も激化し、他県の動きを見ると、青森県が10年をかけて開発した「青天の霹靂」が食味ランキングで最高の特Aランキングを獲得、新潟県は、コシヒカリに次ぐブランド米として新品種「新之助」を発表し平成29年度から一般販売を目指すなど、動きが活発であります。  その中で、本県は内陸性で盆地が多くて夏の朝夕が涼しく、昼と夜の寒暖の差が大きいため、光合成により米のおいしさを決めるでん粉が効率よく蓄積されるため、一等米の比率が90%を保持するなど全国でもトップレベルであります。それがゆえ、ブランド米を持たなくてもコシヒカリをつくれば高い品質のものができていたわけですが、それに甘んじていては競争に取り残されてしまいます。本県では、平成25年に種苗登録して市場に送り出した米のオリジナル品種「風さやか」をコシヒカリに次ぐ主力品種に育て上げ、園芸王国の信州が初めて乗り出す米のブランド化が軌道に乗るかは大変注目するところであります。  反面、本県の54%を占める中山間地域での、特に高冷地での水稲生産は、直接支払いがあるがゆえに成り立ってきた経過があり、私が住む八ヶ岳山麓は高冷地でもありますが、味はともかく単位収量が多い品種を生産し、単位当たりの収量が日本一の農家も存在しつつ技術力でカバーしてきたわけですが、今後、とても競争力のある水稲ができると思えませんし、随分と品種改良が進んだり、炊飯器も性能がよくなり、高冷地のお米もそれなりにおいしくなりましたが、私は高校に通って、初めておにぎりは食べるまで丸いものであることを発見しました。それまでは、握ったときは丸いけれども、食べるときはバラバラになり、箸で食べるものだと思っていました。  そのような高冷地で、今後、水田をどう活用し適地適作とするかが本県の農業の大変大きな課題だと思っております。水田は排水が悪く、土が湿潤だと野菜、麦、大豆等はよく育ちません。近年、野菜の産地化、契約栽培野菜等、葉物野菜に注目が集まる中、水田より畑地と、農業者にとって農地の価値が変わりつつあります。  長野県における傾斜地の圃場整備において、水路を整備する際は、使った水を用水路に戻す用排水兼用水路が地形勾配上可能であったことから、この手法で多くの水路網を整備し、少ない水を有効活用できる構造としました。急峻な地形が多く存在する本県では、県内全域で耕土が不足した水田が多く、これまで実施してきた区画整理事業では、現状耕土厚のみを復旧することを前提にしており、汎用化のための耕土厚まで整備されている圃場は少ないわけです。部分的な湧水処理工等の地下水対策は実施されたものの、圃場全体で行う暗渠排水工を実施した圃場は少ないことから、水田の畑地利用の際の雨水排水及び地下水対策は耕作者に委ねられており、転作が進まないのが現状であります。また、転作を進める上では、用水の省力化が必要であり、これらに対する本県の対策はいかがか。農政部長にお尋ねをいたします。  本県の農業施策は、第2期長野県食と農業農村振興計画に基づき、平成29年度を目標年度として着々と進められています。計画では、基本目標を「夢をかなえ人を結ぶ信州の農業・農村」としており、基本方針は、夢に挑戦する農業、皆が暮らしたい農村と2点あり、さらに細かく6つのプロジェクトがあります。本県の平成29年の農業農村総生産額の目標値を3,050億円としています。本県農業は、生産量が全国3位以内の農産物が30品目以上あり、幅広く生産されていますが、今後、多様な消費者のニーズに応えていくためには、農産物のブランド力強化と販路拡大が求められているわけです。  本県独自のブランドでありますおいしい信州ふーど(風土)には、長野県原産地呼称管理制度信州プレミアム牛肉認定制度などのプレミアム、シナノスイート、シナノゴールド、ナガノパープルなどのオリジナル、信州の伝統野菜、県選定無形民俗文化財であるすんき漬けなどのヘリテイジの3つの区分があります。おいしい信州ふーど(風土)の認知度を向上させることで本県農産物のブランド力につながると考えますが、その認知度は、平成24年には24.3%となっています。第2期長野県食と農業農村振興計画では、平成29年度に認知度を75%とすることとされていますが、認知度向上にどのような努力をされているのか。重ねて農政部長にお尋ねをいたします。  また、販路拡大の取り組みとしては、銀座NAGANOを中心とした首都圏のマーケティングもより一層重要となってくると考えておりますが、現在の取り組みの内容と成果、また今後の展開はいかがでしょうか。農政部長にお尋ねをいたします。  農政部で取り組む畦畔の除草管理機を初め信州農業を革新する技術開発は、本県の農業の課題を知るからこそできる取り組みであり、大手企業が目を向けにくい中山間地の農業を中小企業の技術で革新したいと、地元企業も新たなる市場開拓に意欲的でありますし、まさにメイドイン信州、今後大いに期待するところであります。  あわせて、自然エネルギーの導入も本県の施策の中でも重要課題でありますが、農業にも利用可能になれば、本県の農業の付加価値の向上や選択肢の拡大につながるわけです。先般の報道で、長野県には電力の供給されていない山間地も多いし、近年、売電を目的としたパネル式太陽光発電が各地へ導入されていますが、農作物栽培と発電が両立できない状況の中で、諏訪東京理科大との共同研究により、シート型有機薄膜太陽電池の開発に着手する旨が発表されました。この開発でのメリットはいかがか。また、前述したとおり、県内の業種を超えた産業振興はそれぞれの相乗効果を生みますが、実際の製品提供は地元企業が担うのか。あわせて農政部長にお尋ねをいたします。       〔農政部長北原富裕君登壇〕 ◎農政部長(北原富裕 君)農業振興についての御質問に順次お答えをいたします。  初めに、水田の汎用化等についてでございますが、水田農業の体質強化を図るためには、生産コストの削減とともに野菜など収益性の高い作物への転作を進めることが重要ですので、湿害対策や農業用水の省力化対策が課題となっております。  水田の湿害対策への取り組み事例として、来年度から、諏訪地域において、農業法人が野菜生産に取り組むために行う圃場整備につきまして、区画の大型化とあわせ暗渠排水や耕土のかさ上げを行う客土を実施することとしております。  また、用水の省力化対策につきましては、パイプライン化が有効な手法ですが、費用が高額になるなどの課題もあるため、現在、低コストなパイプライン整備について研究を進めているところでございます。今後とも、地域の要望を踏まえ、水田の汎用化、また省力化に向け基盤整備事業を推進してまいりたいと考えております。  次に、おいしい信州ふーど(風土)の認知度向上についてですが、平成27年度の県民認知度は65.6%と前年度より13.4%増加し、年度目標の65%を上回っております。おいしい信州ふーど(風土)の認知度向上に向けましては、企業と連携した毎月の新聞紙面でのPR、シンポジウムの開催や量販店などにおけるおいしい信州ふーど(風土)フェアの開催の支援、また、おいしい信州ふーど(風土)ショップの登録拡大、信州ACEプロジェクトと連携したPRなど、県民の目に直接触れる取り組みを進めてきたところでございます。来年度は、旅館、飲食店等において、おいしい信州ふーど(風土)を初めとする信州産オリジナル食材の利活用促進を図る事業に新たに取り組むなど、一層の認知度向上に努めてまいります。  次に、首都圏でのマーケティングについてですけれども、本年度は産業労働部と連携し、東京や名古屋において、おいしい信州ふーど(風土)発掘商談会や全国規模のスーパーマーケットトレードショーへの出展に取り組み、延べ185社に参加をいただきました。また、銀座NAGANOでは、原産地呼称管理制度認定品のお披露目会や市町村と連携したおいしい信州ふーど(風土)のPRなど、40回以上にわたり取り組んでまいりました。これらの取り組みによりまして、首都圏の百貨店等からの信州フェア企画の提案や出店事業者の新たな販路開拓に結びついているところです。来年度においても、首都圏における商談会や銀座NAGANOを活用した取り組みを充実させまして、県産農畜産物のブランド力向上と販路拡大に取り組んでまいります。  次に、諏訪東京理科大学と共同研究に着手する太陽光発電装置についてですが、開発予定の装置は、一般的なパネルの太陽光発電装置とは異なり、薄いシート状でパイプハウスなどに直接被覆でき、農作物の生育に必要な波長の光は透過し、その他の波長で発電するというものでございまして、農作物生産と発電の両立が可能となるものです。農作物の通常の生産量、品質を確保した上で、発電した電力をハウスの冷暖房やかん水装置、生育調節のための夜間照明などに活用することにより、電力コストの削減や、電力供給が難しい場所での施設栽培が可能になるなど、農家所得の向上に大きく寄与するものと考えております。  現在、民間企業も加えて共同研究の準備を進めており、実用化が可能となりましたら県内企業への技術提供ができるよう検討してまいります。  以上でございます。       〔30番小池久長君登壇〕 ◆30番(小池久長 君)昨日、依田議員からも質問がありましたとおり、中山間地の農業は大転換期を迎えているわけでございます。本県農政部におかれましては、畦畔用の草刈り機も開発をしているわけです。いよいよきょうから3月1日ということで春めいてまいりまして、私どももいよいよ草刈りの準備をしなければいけない日が来ておりますので、非常に恐怖でございますので、ぜひ早目の開発をお願いをしたいと思います。  続きまして、全県で本格的な積雪となりました1月18日、2014年2月の豪雪を教訓に、国、 県が昨年までに設定した除雪を優先的に行う道路の一部で、この冬初めて通行どめを伴う除雪が行われました。一昨年の豪雪では、茅野市から富士見町への国道20号線では立ち往生する車両の多発で除雪が難航し、65時間にわたって通行どめになった経過がありますが、今回国道事務所が適用した早期通行どめは、こうした事態が起こる前に除雪をして長期化を回避するのがねらいであります。国道20号線の迂回路となる県道には約80台の除雪車を集中的に投入し、緊急確保路線に指定した路線を優先し、富士見町役場には、除雪を請け負う町建設業協同組合の役員と県職員が詰めて情報を共有し、除雪作業の指示を一本化し、およそ4時間で通行どめは回避され、過去の経験が生かされた結果となりました。  そこで、本県は、過去の教訓を生かし、高速道路会社との協力体制が構築されたが、今回、連携が図られたのかどうか。建設部長にお尋ねをいたします。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)大雪時の除雪に関する高速道路会社との連携についてのお尋ねでございます。  去る1月18日は、未明からの短時間で大量の降雪により事故が多発するおそれがありましたことから、中央道、長野道が通行どめとなり、また、国道20号も韮崎市から茅野市にかけては集中除雪作業のため通行どめとなりました。平成26年2月の豪雪の教訓を生かして構築した連絡体制によりまして、高速道路会社や国からは通行どめの情報が早い段階から提供され、県では、こうした情報を市町村と共有し、代替路線を優先的に除雪するとともに、県境については山梨県と連携を図って対応いたしました。これにより、従来に比べて円滑な交通確保ができたと認識しておりまして、今後とも各道路管理者との連携を図り協力してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔30番小池久長君登壇〕 ◆30番(小池久長 君)本県は隣接する県も非常に多いわけでございます。情報の共有、また日ごろの信頼関係を構築をしていただくことを要望をしまして、私の一切の質問を終わりとさせていただきたいと思います。皆さんどうもありがとうございました。 ○議長(西沢正隆 君)次に、髙橋岑俊議員。       〔33番髙橋岑俊君登壇〕 ◆33番(髙橋岑俊 君)それでは、私、3問ほど質問がございますが、先に2問質問いたしまして最後に1問と、そういう形で進めさせていただきたいと思います。  まず、歯科衛生士不足対策についてでございますが、歯や口腔の健康は、自分の歯でおいしく食べる、あるいは楽しく会話するという健康生活の基本でございますが、近年、歯、口腔の健康と全身の健康に密接な関係があることが明白となってまいりました。  現在、全国の歯科医院は6万8,000軒を超えております。一方、2050年には患者予備軍とも言えます65歳以上の高齢者は人口の実に2.5人に1人、4割を占める社会になると予測されている状況でございます。  ところで、歯科衛生士は、歯科診療所や病院におきまして歯科医師の診療の補助や治療の一部を担当するとともに、歯科予防処置、これはフッ化物の塗布や口腔内の汚れ除去等のいわゆる機械的歯面の清掃でございますが、これらを行っております。  また、歯科医院内とは別に、歯の健康づくりや歯磨き指導、あるいは歯石除去等といった口腔ケアを含む歯科保健指導の支援活動を保育園、幼稚園、学校、市町村健康センター、あるいは企業、介護老人施設、居宅等において行っております。全国歯科衛生士教育協議会の資料によりますと、就職の求人倍率は10倍以上ともうたわれております。  超高齢化社会における入れ歯、インプラント、在宅診療等、治療分野における需要が著しく増加すること、加えて増大する医療費の対処法といたしまして、治療から予防へという今後の歯科保健指導の支援活動を考えると、全県的に歯科衛生士が不足すると予測されるわけでございますが、まず歯科衛生士数潜在資格者数のデータを踏まえた上で、現状と将来に対し県はどういう見通しを持っておられるか。伺います。また、不足する歯科衛生士の充足はどう対応されるか。お伺いいたします。  ところで、身近な問題でございますが、昨年、飯田下伊那地域では、歯科医院正面のガラス窓に歯科衛生士募集という横断幕サイズの張り紙が出され、思いもよらない光景を目の当たりにした次第でございます。また、飯田下伊那歯科医師会では、会員向けアンケートを行った結果、歯科衛生士不足40名という実態が浮き彫りになり、医師1人、そこに衛生士2名から3名という一医院のスタッフ構成が一般的であることから見ると、明らかに不足していると感じられるところでございます。  飯田下伊那地方では、不足しているのが明白でございますが、その要因は、新規資格者が周辺にいないことであり、また、そのいない原因といたしましては、専門学校が近くの通学可能地域内にないため、どうしても県外の専門学校に入りまして、そして現地に就職してしまうと、こういうことが一番の要因になっているわけでございます。  そこで、飯田下伊那歯科医師会では、養成機関の設立に向けまして取り組んでおりますが、県はどのような支援、アドバイスができるのか。健康福祉部長にお伺いいたします。  次に、企業局による過疎自治体の水道施設整備への支援についてお尋ねいたします。  さきの風間議員の代表質問への答弁にありましたとおり、企業局は、経営戦略に基づいた地域貢献の取り組みである過疎自治体の水道施設の整備について、天龍村を第1号として支援いただけるとのことで、地元下伊那郡の過疎の実情を知る私といたしましては非常にありがたいことと思っております。天龍村に限らず、下伊那郡の町村はいずれも山間地が多く、施設配置が非効率の上に老朽化が進むなど、同様の悩みを抱えていることから、この取り組みが過疎自治体における水道施設整備の促進につながることを大いに期待するところでございます。
     そこでまず、この事業を実施することとなった経過について、天龍村を第1号としていただいたことも含め、公営企業管理者に伺います。  また、この事業は、地方自治法に基づき、代替執行制度を活用して実施するとのことでございますが、具体的な支援内容とその効果について、あわせてお伺いいたします。       〔健康福祉部長小林透君登壇〕 ◎健康福祉部長(小林透 君)歯科衛生士不足対策についての御質問に順次お答えをいたします。  まず、歯科衛生士数の現状と将来の見通しについてでございます。  平成26年の県内の就業歯科衛生士数は、衛生行政報告例によりますと2,352人となり、平成18年から平成26年の8年間で438人増加してございます。この就業者の約9割は歯科診療所に就業してございますが、本年度、県歯科医師会が会員に対して行ったアンケート調査結果によれば、206の診療所で歯科衛生士が不足していると伺っています。潜在資格者につきましては、昭和53年から平成8年の18年間に県公衆衛生専門学校及び松本歯科大衛生学院を卒業した約1,000人を対象に平成24年に県歯科衛生士会とともに実施した調査によりますと、就業していない潜在資格者の割合は約37%と推計されており、潜在資格者全体の正確な把握はされていないものの相当数いるものと考えております。また、将来への見通しといたしましては、ここ数年、県公衆衛生専門学校への求人状況は卒業生を大幅に上回っているなど、近年では、御指摘のとおり、予防歯科や在宅歯科における歯科衛生士の需要が増加している状況を考えますと、今後も歯科衛生士が不足する状況が続くものと考えております。  次に、不足する歯科衛生士数の対応についてでございます。  県のさきに申し上げました調査では、潜在資格者の多くが再就職を望んでおり、こうした人材の活用に向け、平成28年度は地域医療介護総合確保基金を活用し、県歯科医師会県歯科衛生士会が実施する離職した歯科衛生士に対し最新の歯科医療、歯科保健状況について、必要な研修、相談、実地指導等を行う事業に補助することで、歯科衛生士の復職を支援してまいります。また、県内に4校ある歯科衛生士養成校の定員充足率は8割程度であることから、高校生に対する職業紹介、相談会の開催などを通じて、歯科衛生士養成校への進学率を高めてまいりたいと思います。  県の調査では、勤務したことのある歯科衛生士の平均勤務年数は11.3年で、退職理由の多くが結婚、出産、育児であり、日本歯科衛生士会の調査によると、現在の職場に改善してほしいこととして、勤務歯科衛生士の約半数が待遇面に改善を求めていることなどから、歯科衛生士の復職や職場への定着には処遇面を含めた魅力ある職場づくりも大切であるので、そうした観点も含め、関係団体とも情報交換を図りながら歯科衛生士の確保に取り組んでまいりたいと思います。  次に、養成機関設立に向けた取り組みへの県の支援、アドバイスについてでございます。  平成27年度の県歯科医師会の調査によれば、飯田下伊那地域では10の診療所において歯科衛生士が不足していると伺っているところであり、その現状と課題とともに、解消へ向けてどのような方策が考えられるか、地域で広く御議論をいただきたいと考えております。その上で、養成機関の設立に関しては、まず地域における必要性の議論や設置、運営主体の検討などが十分に行われる必要があると考えており、県といたしましては、こうした関係者による費用対効果や事業の継続性なども含めた検討において具体的な相談をいただければ、ともに考えてまいりたいと思います。  以上でございます。       〔公営企業管理者小林利弘君登壇〕 ◎公営企業管理者(小林利弘 君)過疎自治体の水道施設整備への支援について順次お答えを申し上げます。  最初に、この事業を実施することとなった経過等についてでございますが、御承知のとおり、本県は小規模な水道事業者が多く、また、技術者の不足、不在等により、水道施設の整備や維持管理に悩んでおられる過疎自治体が多く存在している一方で、水道が日常生活に不可欠なライフラインであることから、引き続き安心して暮らすためにも水道施設の整備が喫緊の課題となっております。  そこで、企業局といたしましては、これまで50年余にわたる水道事業経営で培った技術力を活用し地域に貢献していくことで地域住民の暮らしの確保につなげたいとの思いから、今般策定した経営戦略において、過疎自治体における水道施設整備支援に取り組んでいくこととしたものでございます。支援の第1号となります下伊那郡天龍村につきましては、高齢化率が60%と県内で最も高く、集落が山合いに点在していることに加え、管路の更新がほとんど行われていないことなどから、村との協議を進める中で、地方自治法の規定に基づく代替執行制度を活用することで基本的合意に達したものでございます。  次に、支援の具体的内容等についてでございますが、今回活用する代替執行制度の内容につきましては、工事発注に向けた設計積算及び工事実施中における管理監督の実施といった事務を企業局が担ってまいりたいと考えております。この制度を活用するには、県議会及び村議会双方の議決を得て、県と村との間で事務の範囲等を定めた規約を締結する必要がありますことから、今後、国の協力を得ながら、事務の範囲や事務経費の負担のあり方等の課題について村と一緒に整理し、平成29年度からスタートできるように取り組んでまいります。  また、こうした取り組みの経過を明らかにすることで、過疎自治体におきましては、技術職員の不足を補いながら水道施設整備が促進されること、また、私ども企業局にとりましても、技術力を活用した地域貢献や技術職員の一層のスキルアップにつながるといった、双方にとってメリットがあるものと考えております。  いずれにいたしましても、この取り組みは、総務省におきます公営企業の経営のあり方等に関する調査研究会や厚生労働省の水道事業基盤強化方策検討会でも先進的な広域化の取り組み事例の一つとして取り上げられておりますことから、効果が見込まれると考えております。県内他の過疎自治体につきましても、水道施設整備促進につながるよう鋭意取り組んでまいります。  以上でございます。       〔33番髙橋岑俊君登壇〕 ◆33番(髙橋岑俊 君)最初にお答えいただきました歯科衛生士の問題でございますけれども、先ほどの実情、そのとおりだというふうに認識しておりますが、いずれにいたしましても、今後は、治療という面は当然でございますけれども、衛生指導、保健指導の拡充、こういうことから見ますと、なお今後とも歯科衛生士が不足してくるのではないかということが予測されますので、先ほどの待遇という面によりましても、また潜在的な資格者が復帰していただけると、こういうことも考えられますので、ぜひそこら辺を念頭に置いた中で充足対策をしていっていただきたいと、こんなふうに思うわけでございます。  それから、水道施設整備でございますけれども、本当に先ほどお話がありましたように過疎地域こそ、山間地だとか、いろいろな面での非効率だということから、費用はかかる割に効果との兼ね合いから二の足を踏んできたと、こういう自治体が非常に多いかと思いますので、ぜひ県、公営企業者のほうで、今後とも、第1号でございますが、今後さらに充実した手厚い支援をしていただくことをお願いする次第でございます。  それでは、次に移りますが、新産業と産学連携についてということでございますが、ちょっと前置きでお話しさせていただきますと、18世紀後半でございましたが、このときに産業革命が起きまして、以来、ほぼ50年から60年ごとに全く新しい技術、つまり革新技術が誕生してきたわけでございます。19世紀の半ばにおきましては、鉄道だとか鉄鋼、20世紀の初頭には電気、化学、自動車、それから20世紀半ば、第二次世界大戦前後の10年間でございますが、これらはエレクトロニクス分野でコンピューターだとかトランジスタあるいはテレビジョン、こういうようなものが出てまいりました。  それから、前にも申し上げたことがあると思いますが、化学分野では、石油化学との結合による高分子化学の開拓ということでナイロンが最初に出現し、それからポリエステル、アクリル等の合成繊維産業に波及していったわけでございます。  また、医学分野におきましては、抗生物質分野のペニシリンを初めといたしまして、以後、ストレプトマイシンというようなものに展開していったわけでございます。  また、エネルギー分野におきましても、既に発明されておりました原子力でございますが、これは原子爆弾の平和利用という形で今日に至っている原子力発電につながっているわけでございます。  また、交通機関関係では、ジェットエンジンの開発によりまして、プロペラの飛行機からジェット旅客機、こういうものに変わってきたわけでございまして、こういうものが戦後10年間の間にもう既に革新技術として誕生していたわけでございまして、以後、これらは大量生産あるいは高品質化、あるいはロボット化等の生産技術の革新を行いまして、これらが戦後の経済成長に大きく寄与してきたことは皆様御承知のとおりでございます。  ところで、20世紀の後半でございますが、新たな革新技術が21世紀に向けてなかなか生まれてこないということで、将来の産業が危惧されておりました。ところが、21世紀に入りまして、皆様方御承知のように医学分野におきましてIPS細胞という革新技術が誕生してまいりました。そこへまた、新たな新産業というものが出てきそうでございます。それについて、新産業と産学官の重要性がございますので、この連携について御質問いたします。  日本は、資源の乏しい国として製造・加工品の原材料等はそのほとんどを輸入に依存してきたことは申すまでもないところでございますが、最近、南鳥島周辺海域の地底に有望なレアメタルが発見されたと報道されております。また、廃品となりました既存の各種製品から再生できる潜在的レアメタルの保有量も日本は非常に豊富で、一躍レアメタルの資源有数国の仲間入りをしてまいりました。  ところで、耳なれない言葉かと思いますが、セルロースナノファイバー、CNF、これは新しい原材料に関するものでございますが、この研究が1998年、京都大学の生存圏研究所矢野研究室で着手され、原材料製造技術のめども立ちまして2004年に試作品がつくられ、2007年には総合科学技術会議におきまして、イノベーション25会議ロードマップにセルロースナノファイバー供給基盤整備の加速度的推進が明記されました。また、2012年には農林水産省、経済産業省、環境省など7府省のバイオマス利用技術ロードマップにもバイオマテリアルとしてセルロースナノファイバーが認知されてまいりました。  木材はもとより農業、草、海藻等植物全般を素原料といたしまして、直接繊維を取り出すのでなく、パルプ、繊維の集合体でございますが、このパルプを解繊して、ほぐしていくという意味でございますが、植物の細胞壁内にありますセルロースナノファイバーを取り出す製造法でございますが、この取り出したものをナノ繊維と申しますが、産業界各分野の原材料となるもので、この資源は植物資源でございますので、日本には豊富にございます。また、このCNFは鋼鉄並みの強さ、鉄の強度に比べましてその5倍、また当然ながら重量は5分の1、さらに透明性、柔軟性にも優れている大変な大きな特性を有しているものでございます。  長年にわたって利用されてきました鉄にとってかわる画期的な革新技術でございます。鉄は申すまでもなく鉱物資源、有限でございますが、このCNFは植物から精製するということから見れば無限でございます。現在、フィルム・シート、家電品、包装梱包、各種容器、機械部品、自動車部材、IT部品、建築、建設の建材等あらゆる分野を網羅するもので、新産業と言われる航空機産業でさえその一部に追いやるほどのものでございます。まさに日本の産業革命になると注目されているところでございます。  この研究開発は、京都大学で行われているものにつきましては、産学官連携ではございません。産学連携で行って、官は入っておりません。また、参加している産業界は、パイオニア、あるいは三菱化学、住友ゴム工業といった大手企業が入っておるわけでございます。まだこのほかにも革新技術の研究過程のものが多数ございますが、このセルロースナノファイバーに限って申せば、先ほどの2012年の7省庁のロードマップに記載、つまり行政機関で取り上げられている中で、県当局としては詳細な情報をもう既に知っていたかどうかをお尋ねいたします。  また、今後インターネット等を駆使して常に最新情報を収集、共有する必要があると考えるがいかがか。産業労働部長に伺います。  次に、CNFの研究について信州大学も実はおくればせながら参画していることも承知しております。産学で進めている府県、特に京都なんかは今の産学でございますが、長野県は、産学官連携の趣旨から見れば、今回の場合、信州大学から情報提供と以後の連携がなされていなかったのではないかと考えられるわけでございます。こうしたことから、連携大学に全て甘んじて任せることなく、収集した情報を産業界や企業に情報発信し、連携以外の大学にも研究、あるいは試作品受注などの協力要請をしたらどうかと考える次第でございますが、これも産業労働部長に伺います。  次に、このセルロースファイバーは、無尽蔵とも言える長野県森林資源、この活用を念頭に参画して、実用化研究を支援し、先端産業の創出と足腰の強い企業への転換支援をすべきと考えるがいかがですか。産業労働部長にお伺いいたします。       〔産業政策監兼産業労働部長石原秀樹君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹 君)3点、順次お答えいたします。  まず、セルロースナノファイバーの情報についての御質問でございます。  セルロースナノファイバーにつきましては、日本再興戦略の中でも触れられており、現在、国レベルでその研究開発や産業応用が進められていると承知しております。そのため、産業労働部といたしましては、長野県産業の高度化を導く技術の一つとして、その可能性を含めて関係部局と連携して情報収集を行っているところでございます。  次に、大学などへの協力要請についての御質問です。  セルロースナノファイバーにつきましては、まずは国レベルの産学官連携で研究を進めている組織と連携したらどうかと考えまして、国の産業技術総合研究所を事務局として、昨年設置されましたナノセルロースフォーラムに先月参加を申し込んだところでございます。このフォーラムには、大手製紙会社を初め東京大学や京都大学などの研究機関のほか自治体などが参加しており、オールジャパンで情報の共有、意見交換、研究開発連携を進めております。県といたしましては、こうした団体を通じて得られる企業や研究機関の情報をもとに、今後、長野県として連携できる研究機関や連携の方法などを探ってまいりたいと考えております。  次に、先端産業の創出と足腰の強い産業への転換支援についての御質問です。  セルロースナノファイバーを産業化していくためには、このファイバーを素材化する技術や材料を複合化する技術など多くの周辺技術の課題があり、具体的な実用化への可能性を細かく検討していく必要があると考えております。  そこで、全国の公設試験研究機関が参加しております産業技術連携推進会議の中に昨年6月に設置されましたナノセルロース研究会に長野県の工業技術総合センターも参加し、技術面での最新情報の収集を行っております。また、信州大学のこの分野の研究を進めている先生方とも連携を深め、今後、開発状況などの情報収集にも努めてまいりたいと考えております。  いずれにしましても、実用化の可能性の高い先端素材を積極的に活用することは、足腰の強い産業への転換につながることから、今後、セルロースナノファイバーを初め新しい材料の情報収集、その実用化の可能性につきましても積極的に調査し、検討を加えてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔33番髙橋岑俊君登壇〕 ◆33番(髙橋岑俊 君)多くの皆様方はこのセルロースナノファイバーという言葉を初めてじゃないかなと思うわけでございまして、これは、裏返してみれば、情報の発信あるいはいろいろ連携がなされていなかったというようなことで、特にこのことは私どもに限らず、産業界の皆さんにとっては本当に身近な問題、新しい産業をいろいろ模索している中で、企業の皆さんにとっては大変朗報でございますし、大きな希望と元気を与えてくれる研究だというふうに私は感じておるわけでございます。  産業労働部のほうでも、今、そういうところに参加をされているというようなお話でございますけれども、本当に日本の物づくりの原料を根底から覆すほどの画期的なものでございます。これは、日本にとりましても、また我が県にとりましても、大変大きな革新技術、第一次産業革命以来の大ヒットになるものではないかと強く信じておるわけでございます。ぜひ産業労働部の皆さん方、さらに連携も、大学との連携、特に一生懸命あらゆるジャンルで研究している新産業というのがございますが、当面はこのナノファイバーというものは大変な実現性を帯びております。試作品も、3年後には自動車の大きなボディーそのものから実用化に入りたいというところまで進んでおりまして、非常に手の届くところへ来ていると、こんなふうに感じておる次第でございます。ぜひ皆様方と一緒になりまして、この新産業が大いに発展する、実現することを御祈念申し上げまして、一切の質問を終わりとさせていただきます。 ○議長(西沢正隆 君)次に、堀内孝人議員。       〔21番堀内孝人君登壇〕 ◆21番(堀内孝人 君)順調に進みまして、11時前にできました。ありがとうございます。  3点お聞きしたいと思います。  最初に、長野市若穂地域へのスマートインターチェンジの新設についてお願いしたいと思います。  3月に入りましたが、2月18日にスマートインターチェンジ設置を目指す長野市若穂地域に長野市議岡田荘史会長を中心に期成同盟会が発足しました。衰退する地域への対抗策の一つとして、交通の利便性の向上や一帯の企業、また、一般道路の交通混雑緩和はもとより犀川、千曲川の合流地点、落合橋と大規模災害時に避難支援への活用など、防災面を含めた大長野市の都市機能の強化充実が図られると思っております。平成20年より設置要望を検討してきたところであり、若穂地域へのスマートインターチェンジ事業化に向け、早期建設の期待も大変大きく、企業の業務拡大や新規企業誘致等、雇用の創出が期待できます。また、定住人口の増加、また観光振興ほか、効果は長野市及び周辺地域にとっても非常に大きいものと考えております。  国土交通省では、既存の高速道路に新たなスマートインターチェンジを設置し、一層の高速道路の有効活用を図るべく積極的に導入することとしております。  スマートインターチェンジとは、高速道路の本線やサービスエリア、パーキングエリア、バスストップから乗りおりができるように設置されるインターチェンジであり、地域経済の活性化や地域生活の安定に多大に貢献する施設整備であります。長野県内では、上信越自動車道に2カ所、小布施スマートインターチェンジ、佐久平スマートインターチェンジ、長野自動車道に2カ所、姨捨スマートインターチェンジ、梓川スマートインターチェンジ、計4カ所のスマートインターチェンジが設置済みであります。現在は、中央自動車道に2カ所で事業中とお聞きしております。県都長野市で利用しているインターチェンジは、上信越自動車道長野インターチェンジと須坂長野東インターチェンジの2カ所であります。この間の距離と時間は結構長く、特に、須坂長野東インターチェンジは須坂市地籍を経由して利用されております。長野市で大きなイベントがありますと、長野インターチェンジと須坂長野東インターチェンジ、大変込み合っております。  そこで、この間の中間の若穂地域へのスマートインターチェンジの設置に県も積極的に支援していくことを考えているのか。建設部長にお伺いいたします。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)長野市の若穂地域へのスマートインターチェンジ新設についてのお尋ねでございます。  県では、高速道路を一層活用し地域活性化を図るため、スマートインターチェンジの設置を検討する市町村に対し、技術的な助言や関係機関との調整など積極的に支援をしてまいりました。設置までの手続としましては、事業主体の市町村が県及び関係機関と事前検討を行った後、国、県、高速道路会社等が参画する地区協議会でのさらなる検討を経て、実施計画書を策定いたします。その後、国から高速道路への連結許可を得て事業着手となっております。  また、本年度からは、地区協議会を開催する前の段階でスマートインターチェンジの設置の必要性が確認できる箇所等について、国が準備段階調査を実施することとされました。現在、長野市では、若穂地域へのスマートインターチェンジの新設に向け、庁内で整備効果等の検討を行っているところでございまして、来年度、この調査箇所に選定されることを目指しております。県では、市の意向を踏まえまして、技術的な助言など引き続き積極的な支援をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔21番堀内孝人君登壇〕 ◆21番(堀内孝人 君)小布施スマートインターチェンジでは、1日平均約3,000台、昨年秋、行楽シーズンには1日7,000台、1万4,000人、小布施町人口1万1,000人を超える観光客ほかがありまして、駐車場確保に大変苦労したと聞いております。  新たに雇用を生み出し、定住人口、交流人口の増加の見込み、また洪水時等の高台の避難場所とするなど、防災拠点としての機能をあわせ持つスマートインターチェンジをぜひとも28年度の国の準備段階調査の構想箇所になりますように県の支援をお願いし、次の質問にいきます。  農業の労働力不足についてお伺いいたします。  労働力不足も農業問わず全国共通の課題となっています。日本の農業、長野県の農業でも今後さらに深刻な問題になるのではないかと思っております。また、環太平洋パートナーシップ以上に深刻な問題になってきているのではないでしょうか。人手不足、売り先はあるのに作業をする人がいない、また離農者がふえて土地はある、売り先もある、足りないのは人、全国的に、また長野県の各市町村でも農村農家に暮らす高齢者や女性が貴重な戦力になっていると思います。また、加齢とともに体を使う仕事から遠ざかりつつありますが、労働力不足を補うために、担い手たちは機械化や規模拡大など手を尽くしてはおりますが、問題解決にはなっていないと思っております。  農政部長にお伺いします。今後このような労働力不足に対してどのように対応していくのか。お伺いいたします。  一例を申し上げます。ミカンの大産地、愛媛県八幡浜市真穴地区では、収穫ピークに合わせ、全国からみかんアルバイターを募集しております。集まった若者は、農家に泊まりながら、1カ月程度、収穫、運搬作業等を手伝っているとお聞きしております。真穴みかんの里雇用促進協議会が22年前から始めているそうです。初年度はたった20人ほどでしたが、2014年は154人、昨年は184人が集まったそうで、事業開始22年として延べ1,600人余りの人が人生の思い出づくりを体験したりしております。半分はリピーターで、長野県でレタス等の収穫をしてきた人、また真穴での作業をしてからほかの地区に行く人、労力を必要とする全国の産地と連携し、若者に働きながら移動してもらうゴールデンロードとおっしゃっておりますが、検討中だと言っております。地元を元気にしてくれたり、またいろんな体験が待っております。貿易自由化に対抗する前に、人手不足を理由に日本、長野県の農業が衰退してしまうのではと危惧しております。自営でこつこつやっている個人農家は、後継ぎはいなく、定年を待っての農家の後継ぎになり、本格的に農業に取り組んでいるのが現状だと思います。長野県の高齢者の就労者人口が全国のトップクラスと言われております原因は、若者の農業就労する人が少なく、頑張り過ぎている高齢者が77市町村にはたくさんいるということだと思っております。また、若者はそれぞれ勤めに出て稼いでいる農家が大変多く、担い手の少ない原因とも言われております。本県では、専業、兼業問わず多様な農業者が一生懸命農家経営をしているのが現状だと思っております。  このような本県で、農家を支えている皆さんをどのように支援していくのか。お伺いしたいと思います。       〔農政部長北原富裕君登壇〕 ◎農政部長(北原富裕 君)御質問に順次お答えをいたします。  初めに、農業の労働力不足への対応ですが、長野県においては、市町村、JA、農業改良普及センター等で構成する営農支援センターなどが中心となりまして、地域全体で労働力を補完する仕組みづくりを進めております。一例を挙げますと、飯綱町では退職者や子育て中の母親などが援農組織に参加し、リンゴの摘果作業等の支援をしている事例、飯島町ではシルバー人材センターを活用して水田畦畔の草刈り支援を行っている事例などがございます。  また、本県では、果樹、野菜を初め多様な品目が栽培され、労力が不足する時期や作業量が産地によって異なっておりますので、地域を超えた労働力の補完体制を整えていくことが今後重要と考えております。このため、県では、JA長野県営農センターとともにワーキングチームを立ち上げまして、県内の労働力確保の状況や県外の事例の収集を始めておりまして、先般、市町村やJAの担当者を集め情報共有を図ったところです。今後、ワーキングチームを中心に、市町村や関係団体と連携し、具体的な対応に向け検討してまいります。  次に、多様な農業者への支援ですけれども、規模の大きな農業者については、農地中間管理事業を活用した経営規模の拡大、生産性向上につながる新品種、新技術の導入、6次産業化や輸出への取り組みなどを支援し、企業的農業経営体として稼ぐ力を伸ばしてまいります。兼業農家など小規模農家には、農業改良普及センターによるJAと連携した技術指導とともに、農作業を相互に支える集落営農組織の育成や中山間地域直接支払制度の活用などにより営農を支援してまいります。また、定年帰農者やIターン者に対しましては、農ある暮らし入門研修による栽培技術指導などを引き続き実施するほか、来年度は営農に必要な機械、施設の導入を支援する利子補給事業を新たに実施いたします。  今後とも、本県農業の競争力の強化と農村の維持活性化のため、経営規模の大小にかかわらず多様な農業者を支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔21番堀内孝人君登壇〕 ◆21番(堀内孝人 君)よろしくお願いしたいと思います。  それでは、最後の質問に入ります。  今後の長野県スポーツ振興についてお聞きします。  さきの希望郷いわて国体冬季大会におきましては、長野県選手団が大活躍し、新聞紙上においておわかりだと思いますが、スケート競技会におきましては11年ぶりに男女総合、女子総合とも1位の好結果に、また、スキー競技会におきましても2年連続女子総合1位とすばらしい結果に対して、それぞれの役員の皆様、コーチの皆様、選手強化の地道な日ごろの指導のたまものが好結果を得られたものと思っております。大変御苦労さまでした。  毎年3月に、公益財団法人長野県体育協会では、27年度中に活躍した選手、また各スポーツ団体や個人にスポーツ栄光賞、またスポーツ有功賞が贈られます。昭和53年に本県で開催されましたやまびこ国体は、天皇杯、皇后杯の獲得で終了したことは記憶にありますが、当時は、7年から8年前より選手育成強化等をして大会までに計画的に進めてきたと思っておりますが、現在、長野県はSWANプロジェクトというジュニア選手を対象にしました冬季アスリートの発掘、育成強化が実施されています。長野県にもスポーツ推進計画はありますが、今後開催が見込まれる長野県での国体、本大会の開催も視野に、これからの長野県スポーツの競技力向上に向けた取り組みについて教育長にお考えをお伺いします。  以上で質問を終わります。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)今後の長野県のスポーツ振興についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  やまびこ国体では、議員御指摘のとおり、早期の段階から選手の育成強化に取り組んだことにより、大会ですばらしい成績を上げることができ、活力ある地域づくりにも大きく寄与したことから、ジュニアの競技力向上を図っていくことは大変重要な課題と認識をしてございます。このため、冬季競技のタレント発掘育成事業であるSWANプロジェクトに取り組むとともに、実績を出すなど今後の活躍が期待できる学校、クラブを強化指定校・クラブとして指定し支援するなど、ジュニア競技力の向上に取り組んでいるところでございます。また、県では、長野県版運動プログラムの普及や学校における保健体育授業の改善により、運動好きな子供をふやす取り組みを進めているところでございます。  選手の育成には長期間の時間を要するものでございますので、ジュニア段階から中長期的視点に立って、早い時期から計画的に取り組んでいくことが必要と考えてございます。本県の選手が国体を含め全国的な大会等で活躍することは県民に元気や勇気を与えることから、引き続き県体育協会を初め競技団体や中学、高校の体育連盟などの関係団体と連携し、本県の競技力向上に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(西沢正隆 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時07分休憩          ──────────────────         午後1時1分開議 ○副議長(小島康晴 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  酒井茂議員。       〔9番酒井茂君登壇〕 ◆9番(酒井茂 君)自由民主党県議団、酒井茂でございます。
     私は、昨年議席をいただきましてから、全ての定例会におきまして地方創生等に関する質問をさせていただいたわけでありますが、今回もまた地方創生に関する質問をさせていただきたいというふうに考えております。  地方創生を成功させるためには、女性が県内に定住すること、これが最も重要なことであります。若年女性が県外に流出しております中におきましては、特殊出生率の目標値をいかに高く設定しようとも、結果的には出生数は減少し、人口減少にストップをかけることはできないと考えます。そして、女性が定住するためには、女性が住みよい、住んでみたいと思える地域づくりをしなければならないというふうに考えているわけでございます。そのためには、女性が尊重される社会を実現しなければならないというふうに考えるわけであります。  そこで、私は、女性の尊重、活躍に関する質問をさせていただきたいと思います。  県の地方創生の総合戦略を見てみますと、女性の活躍に関しましては、どちらかというと女性の社会、経済への参画などに重点が置かれているわけであります。  また、県の5カ年の総合計画を見ましてもほぼ同様の内容となっておりまして、女性の尊重に関する表現はわずかとなっております。大変残念なことだというふうに考えているわけであります。  女性の社会、経済への参画は重要なことではありますが、女性を尊重する社会の実現の観点から、女性の尊厳や個人の考え方が尊重されるとともに、女性が生きがいや誇りを持ちながらも安心して生活ができる地域づくりを行うための必要な施策を講じることが重要と考えております。  私は、女性の尊重や活躍を考えるとき、子育てや介護などにおける女性の負担が軽減されることが重要な視点だと考えております。負担の軽減のためには、子育てや介護などにおいて、女性が安心して日々の生活が送れるよう、福祉制度が確立されていることが不可欠であります。  また、これと並行しまして、子育て、介護は当然女性が行うものという固定的な意識を変えていかなければならないと考えております。私は、子育てと介護、妻に丸投げをしてきました。妻には大変申しわけなく思っておりますし、感謝もしているところであります。  一方、地域における冠婚葬祭や法事、義理など、女性がさまざまな負担を強いられている現状があります。しかし、習慣や慣行などにおける生活改善は、遅々として進んでおりません。  長野県が実施しました男女共同参画社会に関する意識調査の中で、「あなたが考える男女共同参画とはどのような社会ですか」との質問に対し、実に5割を超える女性が、固定的な社会通念、習慣、しきたりなどが解消された社会と答えているわけであります。  また、高校生を対象にしました調査の中で、「あなたが実現したい社会とはどれですか」との質問に対し、4割の女子が、昔からの決まり、習慣、しきたりなどが解消された社会と答えております。この二つの調査を見ましても、習慣や慣行の見直しをしていかなければならないことは明らかであります。  また、これと同時に、女性を尊重する意識の醸成も重要であると考えます。社会意識や習慣を変えていくことはなかなか困難なことではあります。しかし、勇気を持って取り組まなければ前進はありません。成果が出るまでには長い期間を要します。であるからこそ、これは行政が主導をして取り組まなければならないと考えるわけであります。  県の総合政策課が作成しました長野県の人口の現状分析によりますと、若年女性の県外流出が加速化している状況が見てとれます。もう悠長に構えている場合ではありません。ここでは質問をいたしませんが、あらゆる手を尽くして若年女性が県内に定着する方策を早急に講じるよう要望するところでございます。  私は、習慣、慣行の見直しと、女性を尊重する意識の醸成を進めるためには、全県的な啓発、学習活動が最も有効な方法であると考えております。長野県には、全国一を誇る公民館活動があります。公民館活動を生かした学習活動を進めることが非常に有効であると考えているところでございます。  一方、県内の市町村の男女共同参画に関する条例の制定状況を見てみますと、制定済みの市町村はいまだに29団体にとどまっており、取り組みに温度差があることがわかります。こうした状況からも、活動を進めるに当たっては、県や市町村がばらばらに取り組むのではなく、県がリーダーシップをとって県民運動として積極的に取り組む必要があるというふうに考えるわけでございます。  そこで、以下4点について質問をいたします。  まず、県内の若年女性の県外流出が加速化しておりますが、地方創生のためには女性が定住することが重要であり、女性が尊重される社会を実現すべきと考えます。女性の尊重に関して、どのような認識をお持ちか。知事にお聞きをいたします。  女性が活躍する社会を実現するためにも、女性に関する固定的な意識や習慣を変えなければなりませんが、固定的な意識や習慣についてどのように捉えておられるのか。男女共同参画の担当でもあります中島副知事に認識をお聞きします。その上で、女性に関する固定的な意識や習慣を変えていくために、具体的に何をなすべきと考えるのか。中島副知事にお聞きします。  さらに、固定的な意識や習慣を変えていく方法として、私が提案する公民館活動の活用につきましてどう考えるのか。中島副知事及び文科省時代に社会教育課長を歴任されました伊藤教育長にお聞きをしたいと思います。  次の質問に移ります。  女性が尊重され、活躍する社会の実現には、医療、介護などにおける女性の負担が軽減されることが重要な視点だと考えております。  ここで、地域包括ケア体制と女性の負担について考えてみたいと思います。  地域包括ケア体制は、簡単に言うと、医療、介護の中心を病院や施設から在宅に移行しようとするシステムであります。平成22年の国民生活基礎調査によりますと、同居して主に介護をしている人は、実に女性が7割を占めているわけでございます。したがって、このシステムに移行すると、結果的には家族の負担がふえ、これにより女性の負担がふえるのではないかと懸念されているところでございます。  ある日突然、介護が必要な老人を抱えて、自宅で介護したくてもできず、病院や施設を必死になって探しても受け皿がなく、途方に暮れてしまう家庭は多いと思われます。  こうしたことから、在宅介護以外に施設介護の選択肢が常に保障されていなければ、家族は安心して生活を送ることができないのであります。地域包括ケア体制を軌道に乗せるためには、施設や病院などの要介護者の受け皿づくりが不可欠であります。  また、入所要望が多い特別養護老人ホームへの待機者は、県内では4,000人余りと依然として高い水準であり、現状では受け皿としては不十分と考えるわけであります。  さらに、現在、医療と介護が必要な高齢者が入院する療養施設として、医療型と介護型の2種類がありますが、このうち介護型の施設につきましては、平成29年度末に廃止されることになっており、医療現場におきましては大きな問題となっております。  介護型施設の廃止により、要介護者は、老健施設や在宅の医療、介護へと移されることになります。そして、老健施設へ移ることができなければ家庭が受け皿になります。しかし、医療や介護の現場に目をやると、介護型施設は、病院や老健施設に入ることができない人の重要な受け皿となっているのであります。本当に頼りになる存在であります。  また、現状の介護型施設を廃止して他の機能に転換するとしても、どう転換すべきか困惑している医療施設も存在しているのであります。介護型施設が廃止されれば、これが家庭の負担増につながるのではないかと心配をされているのであります。  一方、現在県では、平成28年度中を目標に地域医療構想の策定作業を進めております。構想区域ごとの必要病床数が決められることになっているわけであります。  2次医療圏であります上伊那地域は、県下でも最も病床数が少ない地域の一つであります。上伊那地域は、国、県、厚生連、赤十字などの大病院がない特殊な地域であり、これが病床数の少ない原因ともなっているのであります。上伊那地域は、病床数が少ないため、隣接する圏域の病院に入院を余儀なくされている患者が多くあります。患者も患者の家族も、できれば近くの病院に入院することを希望しているのであります。仮に病床数が現状から削減された場合、患者の行き先としては、家庭が想定をされます。  そこで、以下4点について質問をいたします。  地域包括ケア体制を導入する場合に、今後の施設介護のあり方をどう考えているのか。さらに、今後の特別養護老人ホームなどの施設の整備についてどのように対応するのか。健康福祉部長にお聞きします。  地域医療構想の作成作業における圏域ごとの必要病床数の策定作業におきまして、上伊那地域のように病床数が少ないなど、特殊な圏域における病床数の決定に当たって、どのように特殊事情を考慮し、反映するのか。健康福祉部長にお聞きをいたしたいと思います。  介護療養型医療施設の廃止や、地域医療構想策定による病床数の削減が懸念される中におきまして、高齢者がスムーズに施設や病院から地域や家庭に移行ができるのか。また、家庭、とりわけ女性の負担増が懸念されますが、どう対応するのか。健康福祉部長にお聞きします。  また、これに関して、女性の負担軽減の観点からどう対応するのか。県民文化部長にお聞きします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私に対しては、女性の尊重についての認識という御質問をいただきました。  しあわせ信州を実現していく上では、男性も女性も、性別にかかわらず一人一人が尊重され、そして安心して暮らせる社会をつくっていくということが大変重要だというふうに思っております。  そういう中で、長野県は、今、地方創生に取り組んでいるわけでありますけれども、人口の社会増減の動向を見てみますと、10代後半から20代前半層の転出超過が顕著でありますが、特に女性がこの年代での転出超過が拡大しているという状況で、極めて大きな問題だというふうに受けとめております。  また、正規・非正規雇用の議論もされているわけでありますが、女性の非正規雇用の割合は、長野県は全国平均を上回っているというような状況もあります。  こうしたことから、男性も女性も活躍できる社会にしなければいけないわけでありますけれども、特にやはり女性の活躍をしっかり応援していくということが、これは一人一人の県民の皆様方にとっても有効なことだと思いますし、またこれは、行政、県として地方創生を進めていく上でも大変重要な観点だというふうに思っております。  そういう観点で、学びの場づくり、あるいは就業機会の確保、こうしたことを通じて、女性が活躍できる社会に向けてしっかり取り組みを進めていきたいと思いますし、また、地域社会等におきましても、女性が活躍できる社会をつくるために、男女共同参画をさらに進めていきたいというふうに思っております。  現在、農業分野では、女性が大分活躍していただいておりますので、若い女性農業者のネットワーク化を図る中で、都会に住む女性に対しましても、長野県の農業や農村の魅力を発信しておりますし、また、県としても、職員登用、県の中でも女性の管理職をふやしていこうと思っておりますし、これまでも、行政委員あるいは福祉委員といった特別職、私が任命権を持っているところについては、できるだけ女性の活用を検討してまいりました。  こうしたことを通じて、女性がこれまで以上に活躍できる長野県づくりに向けてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。       〔副知事中島恵理君登壇〕 ◎副知事(中島恵理 君)女性尊重の地域づくりについて、3点御質問をいただきました。  まず、女性に関する固定的な意識や習慣についての認識及び具体策についてでございます。  男女共同参画社会に対する理解は深まりつつありますが、県内の女性の自治会長の割合が0.8%、PTA会長の割合が4.8%にすぎないなど、いまだに性別に基づく固定的な役割分担意識や慣行が根強く残っている状況があり、男女の平等感を実感できるまでには至っておりません。  これを踏まえまして、第4次長野県男女共同参画計画の基本目標を、固定的な考え方にとらわれない「多様なライフスタイルが実現できる信州」としております。  女性に関する固定的な意識や習慣を変えていくためには、女性の意識改革、そして男性や地域側を変えていくことが重要だというふうに考えております。女性を変えていくためには、積極的に地域社会の活動に参画できるようエンパワメントをし、女性の活躍を支え合う仕組みが必要でございます。  そういった観点から、県としても、自治体と協働しながら、女性の学びの場づくり、交流ネットワーク組織づくりを、県、地域レベル双方で行っていきたいというふうに考えております。  また、男性、地域側に対しては、家事、育児、介護等を積極的に行う男性のロールモデルを普及していきたいというふうに考えておりますし、自治会等における女性の参画を促す役割、選出手法、女性の活躍により活性化した事例等の普及、発信を行っていくとともに、私自身も地域に出かけて関係者と対話していきたいというふうに考えております。  また、公民館活動の活用について御質問いただきました。  市町村のレベルでは、男女共同参画推進が教育委員会の生涯学習の分野で取り組まれているところもございまして、今年度、その一環として行われた男女共同参画の学びの場にも、私も講演という形でお招きいただきまして、地域の人たちと貴重な意見交換をさせていただいております。  県内の公民館では、地域課題を学習し、その解決方策を地域住民で学習するなどの地域づくり活動が積極的に行われており、このような公民館活動においては、女性が積極的に参加しており、女性が地域づくりに参加していく入り口になっているというふうに思っております。  地域課題を解決する地域づくり活動に女性も男性も主体的に参加し、女性の地域社会の中での活躍を促していくことが、固定的な性別役割分担の解消につながっていくと考えております。  したがいまして、知事部局で推進しております地域づくり活動と公民館活動を連携させていくことが重要でございまして、教育委員会と連携しながら、男女共同参画につながる地域づくり、男女共同参画の学びの場づくりを積極的に推進していきたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)固定的な意識や習慣を変える方法としての公民館活動の活用についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  公民館では、昭和30年代以降、婦人学級の活動により、女性の地位向上や女性リーダーの育成に取り組んできた歴史がございまして、現在も日本一と言われる本県の公民館では、人権学習会や講座の中で、男女共同参画の推進や女性の生き方をテーマとした学習が活発に行われているところでございます。  女性が地域で生き生きと暮らしていくためには、子育てや介護を家庭の女性が中心的に担うという固定的な意識や習慣を変え、社会のさまざまな場面で活躍できる機会を広げていくことが大切であり、そのためには、まさに公民館の学習と実践が重要だというふうに考えております。  このため、県としましても、これまで県生涯学習推進センターが実施してございます男女共同参画セミナーに加え、生涯学習推進センターに新たに配置する公民館支援専門アドバイザーを活用し、知事部局と連携し、男女共同参画社会の位置づけに向けた啓発など、地域の公民館における学習活動を支えてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔健康福祉部長小林透君登壇〕 ◎健康福祉部長(小林透 君)医療、介護と女性負担軽減についての御質問に順次お答えをいたします。  まず、施設介護のあり方と施設整備についてでございますが、県では、平成37年、すなわち2025年を見据えまして、介護が必要となった場合でも、住みなれた地域で最後まで自分らしく暮らすことができる地域包括ケア体制の構築を目指してございますが、そのためには、在宅サービスの充実に加えまして、入所できる施設の計画的な整備が必要であると考えております。  とりわけ、入所希望の多い特別養護老人ホームにつきましては、介護者がいないなど、早急に入所が必要な方が速やかに入所できるよう、地域密着型の特別養護老人ホームなども含めまして、地域の実情に応じた整備を進めてまいりたいと思います。  具体的には、現在の第6期高齢者プランにおきまして、平成26年度末に県内で1万2,221床あった特別養護老人ホームを、新たに1,421床整備し、平成29年度末には1万3,642床とする計画でございまして、これに向けて、市町村と協力し、着実に整備を進めてまいりたいと思います。  次に、地域医療構想の策定についてでございます。  御指摘のとおり、県内10の2次医療圏においては、医療資源の偏在などがあり、例えば、上伊那圏域では人口10万人当たりの病床数が県内で最少であり、同じく医師数も県内で2番目に少ないなどの状況にあるというところは、承知しているところでございます。  また、現状においては、がん診療連携拠点病院が整備されていないなど、各圏域の医療提供体制に課題があることや、他圏域の医療機関のほうが近いことなどによりまして、住民が2次医療圏を超えて受診している場合もあるため、構想の策定に当たっては、圏域ごとの人口当たりの医療従事者数や病床数、また医療機関の分布状況、あるいは疾患ごとの入院患者の流出入状況などのデータを、県の構想策定委員会や2次医療圏ごとに設置した調整会議に提供して議論を始めたところでございます。  さらに、県では、医療機関に対して、これまでの医療機能の充実に向けた取り組みや、2025年までの取り組み予定についても調査しておりまして、今後、この調査結果について提示することなどにより、地域の実情を十分に勘案した上で、関係者の皆様と調整しながら、必要病床数の推計を行ってまいりたいと思います。  次に、介護の地域や家庭への移行と、それに伴う女性の負担増についてでございます。  介護療養型医療施設は、平成29年度末までに廃止、転換されるものとされてございますが、現在、国では、転換する施設について、医療機能を内包した施設系サービスや、医療を外から提供する居住スペースと医療機関の併設などの検討がなされているところであり、今後、この動向について情報収集に努めてまいります。  さらに、こうした施設とともに、介護保険施設によるサービスも含めて、入院されている高齢者の皆様が、病院から退院しても、地域で安心して医療、介護を受けられる体制づくりに取り組んでまいります。  これに加え、病院の入退院時における医療、介護の連携による病院と施設、あるいは在宅を結んでの円滑な移行に向けまして、2次医療圏ごとに行政と医療・介護関係者による協議の場などで検討が始まっているところであり、今後、平成29年度までに、全ての2次医療圏での在宅ケアに向けた退院調整ルールの策定を目指して取り組んでまいります。  また、国の平成25年度の国民生活基礎調査では、要介護者と同居している介護者のうち、女性の占める割合は68.7%となっており、介護する家族の負担軽減がまず必要であると考えております。  そのため、県といたしましては、在宅でのみとりまで対応する訪問介護・看護サービスの充実を図るとともに、訪問看護ステーションの看護師を養成、確保するなどによりまして、医療・介護人材の確保に取り組むことに加えまして、在宅サービスをカバーする通院、買い物支援、配食などの生活支援サービスの充実に向けて取り組み、家族の負担軽減に努めてまいりたいと思います。  以上でございます。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)医療、介護の地域、家庭への移行に伴う女性の負担軽減への対応についてのお尋ねでございます。  御質問にもございましたが、同居している要介護者の主な介護者を性別で見ますと、女性が約7割となっておりますし、また、介護等を理由とする離職者は、女性が男性を大きく上回っている状況にございます。  男性も女性も互いに責任を分かち合いながら、仕事と家庭生活との調和が図られた、男女がともに暮らしやすい社会の実現が求められておりますことから、第4次男女共同参画計画では、男性を対象といたしました相談やセミナー、参加体験型の講座を開催し、男性の家事や介護への参加を進めるとともに、部下の子育てや介護等に配慮できる上司、イクボス・温かボスの普及に向けまして、女性団体等と連携し、協働しまして取り組んでまいります。  こうしたことによりまして、全県的な機運の醸成に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。       〔9番酒井茂君登壇〕 ◆9番(酒井茂 君)それぞれお答えをいただいたところでございますが、私はやはり女性の尊重という面にもうちょっと踏み込んだ形で取り組み、あるいは検討について、さらに進めていただければありがたいと思いますし、やはり県のリーダーシップというものがないと、各市町村ではなかなか取り組みが弱いというのが現実でございますので、そうした面に配慮していただきたいと思います。  やはり女性が住んでみたい、住みたい日本一の県と、こういうことを胸を張って言えるような県にしていただきたいというふうに考えているわけでございます。  地方創生を進めるためには、何としても女性を尊重する社会を実現しなければなりません。これまでの県の施策の延長線上ではなく、思い切った施策を進めるよう要望するところでございます。  また、地域包括ケア体制に移行することに異を唱えるものではございませんが、本当に県下の市町村でスムーズにこの体制に移行できるのか、私は非常に心配をしているところでございます。と申しますのは、各市町村においては、関係する機関での移行に向けての実質的な話し合いというものはほとんど進んでおりません。ここはしっかり県がリーダーシップを発揮するよう要望いたします。  特別養護老人ホームなどの施設整備や地域医療構想における病床数の削減、さらには介護療養型の医療施設の廃止の問題につきましては、家庭や女性の負担の軽減を前提として適切に対応するよう改めて要望するところでございます。  さらに、介護療養型施設の廃止に伴いまして、現在の施設、機能を他の機能に転換する場合の必要経費につきましては、県としましても、必要かつ十分な支援を行うよう要望するところでございます。  今回、女性の尊重、活躍の観点から、女性の負担軽減にかかわる質問をいたしました。しかし、男性の負担がふえていいということではありません。介護離職ゼロ社会の実現のためにも、男性を含む家庭全体の負担が軽減されなければならないと考えるわけであります。介護に伴う無理心中や殺人など、悲惨な事態は避けなければならないと考えるわけであります。  加えて、要介護者の人権や尊厳が守られることも極めて大切であります。さらには、施設で働く方が誇りと意欲を持って働き続けられるよう、県としても環境の整備に努めるよう要望いたします。このため、制度改善に向けた国への要望活動、提案活動の実施や、長野県ならではの県単独の有効な施策も、積極的に講じていただくよう要望いたします。  伊藤教育長にもお答えをいただきましたが、伊藤教育長は3月末に退任されるわけでございますが、これまでの長野県の教育行政への多大な貢献に対し感謝申し上げますとともに、今後の御活躍を御祈念申し上げるところでございます。  大きい2番目の建設業の振興について質問をいたします。  地方創生を実現するため、産業の振興が重要でありますが、産業のうちでも、ものづくり産業の振興が重要と考えます。
     ものづくり産業の振興を議論する場合、これまで、ややもすると、建設業の振興については余り語られてきませんでした。建設業は、従業者数で見ると、県内全産業の8%を占め、ものづくりの基幹産業と言うことができると思います。建設投資は、その投資額の倍近くの他産業への生産誘発効果があり、広範な分野にその投資効果が波及しております。建設業は裾野の広い産業であり、また国民生活に深くかかわる都市基盤の整備にはなくてはならない存在であります。  さらに、建設業は、災害時には最も頼りになる存在であり、応急対応、減災対応から災害復旧・復興までを担うことになります。災害発生時のことを考えますと、一定程度の建設業者数やパワーを維持しなければ、私たちは安心して暮らすことができません。  国内総生産に占める建設投資の比率は、昭和50年代ごろには20%以上ありましたが、最近におきましては、10%程度に低下をしているところでございます。建設投資が少なくなるにつれ、建設業では、受注量を確保するため、行き過ぎた価格競争やダンピング受注が行われてまいりました。このため、経営環境や就労環境が悪化し、従業者の高齢化や若年入職者の減少などにより人材不足が顕著になるなど、建設業を取り巻く環境は厳しくなってまいりました。  さらに、建設業に対するイメージは、必ずしもよいものとは言えない状況にあります。これは、公共事業は無駄とする議論も影響してきたと考えられます。  建設業は、みずからの努力では需要を創出できない産業であるため、他の産業と異なる視点で安定的に経営できる環境の整備や育成策を講じる必要があります。建設業は特殊な産業構造となっていることを考慮いたしますと、建設業の振興には、官民が連携をして対応していかなければなりません。  こうした中で、公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわゆる品確法が平成26年5月に改正をされたところでございます。この法律の施行によりまして、建設業における適正利潤を確保するとともに、持続可能な建設業としていくことが期待をされているわけでございます。  私は、この法律改正の趣旨は、建設業を再生し活性化していくことにあると捉えているところでございます。国土強靱化計画、県土強靱化計画や国土のグランドデザイン2050、さらにはリニア中央新幹線関連等の投資を初め、大きなプロジェクトが控えておりますが、これらを担うのは建設業であります。  過日、リニア中央新幹線関連道路であります国道153号伊駒アルプスロードのルート帯が決定いたしました。これまでの県や国の努力を高く評価するものであります。  この路線は、リニア開業時までに全線が開通することが求められますので、国の権限代行により計画的な事業実施がなされるよう国に要望すべきと考えております。  そこで、以下4点について質問いたします。  他のものづくり産業と異なる建設業への支援が必要であると考えますが、建設業に係る基本的な認識と、建設業の振興についての県の基本的な取り組み姿勢について、知事にお聞きをいたします。  また、建設業の安定的な経営を確立していくためには、県における安定的な建設事業予算の確保や、長期的な視野に立った建設投資計画が必要となりますが、どう対応するのか。知事にお聞きします。  品確法の趣旨を実現するため、関連する各種施策、事業を着実に実行していく必要がありますが、以下の個々具体的な項目について、建設部長にお聞きしたいと思います。  まず1といたしまして、建設業の育成のためには、工事の施工における適正利潤の確保が重要であり、今後さらなる落札率の向上を図るべきと考えますが、どう対応するのか。  2といたしまして、建設業の人材確保や世代交代の促進のためには、若年者の就職促進や離職の防止が重要であり、このための従業者の賃金水準の向上や、休日の確保を初めとする雇用条件の改善が必要と考えますが、どう取り組むのか。  3といたしまして、建設業の活性化のためには、建設業に対する県民の正しい理解を進める必要がありますが、県民への広報や子供たちへの教育をどう進めるのか。例えば、153号伊駒アルプスロードは、国に権限代行を要望しているところでありますが、このような県内での国の事業においても、工事の発注に当たっては、県内業者の育成に配慮されるよう、県から国に要望すべきと考えますが、どうか。建設部長にお聞きします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)建設業の振興に関連しまして、2問御質問いただきました。  まず、建設業に係る認識と振興に向けた取り組み姿勢ということでございます。  建設産業は、申し上げるまでもなく、道路、河川、あるいは町づくりなど、さまざまな社会資本の整備、維持管理等を通じて、県民の暮らしの快適性、利便性の向上に資する活動をしていただいているわけでありますし、また、いざ災害というときには、県民の安全、安心の確保のため、真っ先に対応していただいているわけでありまして、地域社会に欠くことができない重要な存在であり、建設業の振興は大変重要なことだというふうに考えております。  しかしながら、その現状、酒井議員の御質問の中にもありましたが、過去の公共投資の急激な圧縮、あるいは景気動向に左右される民間投資等によりまして、厳しい経営状況に迫られているという企業もございます。  また、私も建設産業に従事している若手社員の方とか女性社員の方ともいろいろ話を聞かせていただいたりしてきておりますけれども、やりがいがさまざまある反面、課題もあるなというふうに思っております。少ない休日、あるいは厳しい労働環境などから、若い入職者が減少していることによって、社員全体が高齢化している、また技術の伝承等が難しいと、そういった課題もあるわけであります。こうしたことにも、私ども、しっかり目を向けていかなければいけないというふうに思っております。  引き続き、建設業界の皆様方とも十分意見交換、問題意識を共有しながら、契約に関する条例も踏まえた対策を講ずるなど、建設業の経営の安定につながる環境の整備、そして担い手の確保に向けた労働環境の改善に取り組んでいきたいと考えております。  それから、建設事業予算の確保、あるいは長期的視野に立った建設投資計画についての御質問でございます。  ただいま申し上げましたような認識のもと、これまでも必要な建設事業を着実に進める観点で、当初予算におけます事業費の確保に加えまして、県内景気の動向等も踏まえた補正予算の編成、あるいは国の経済対策に対応する補正予算など、建設事業予算の確保に努めてまいりました。平成28年度当初予算案におきましては、補助公共事業につきましては、国の予算の動向を見きわめつつ、国庫補助事業を最大限活用して取り組むこと、また県単の公共事業につきましても、厳しい財政状況の中ではありますが、一般財源ベースで対前年100%確保いたしました。こうしたことによりまして、今年度当初予算比で55億円増となります1,264億円の建設事業予算を計上させていただいているところでございます。  中期的な計画、国の動向に大きく左右されるわけでありますので、県単独で見通しづらい部分がありますが、しかしながら、しあわせ信州創造プラン等で私どもとしての中長期の目標を掲げさせていただいております。こうしたものの実現を目指し、持続可能な財政運営にも配慮しながら、計画的な社会資本の整備に取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上です。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)いただきました御質問に対しまして順次お答え申し上げます。  まず、建設工事における落札率についてのお尋ねでございます。  建設工事につきましては、昨年4月に失格基準価格の改定を行いまして、ことし1月までの本県の平均落札率は92.8%となりまして、平成26年度の全国平均と同水準となっております。  落札率は、企業の適正な利潤の確保にも密接に関係する指標であるとともに、受注状況や発注時期などに影響を受けている現状も踏まえまして、今後ともこの落札率の推移と業況や賃金動向等に注視しつつ、発注のさらなる平準化対策など必要な取り組みを行い、その効果について検証してまいります。  次に、建設業従業者の雇用条件の改善の取り組みについてのお尋ねでございます。  昨年4月に失格基準価格の改定を行いましたほか、この2月には労務費の実勢価格を速やかに工事予定価格に反映させるため、4.3%の設計労務単価の引き上げを行いました。  また、労働環境の整備に向け、週休2日を確保するモデル工事を、本年度、37の現場において試行しております。  さらに、今後、新たに適正な労働賃金の支払を評価する総合評価落札方式を試行することとしておりまして、これらの取り組みの効果や課題を検証し、次の取り組みにつなげてまいります。今後とも、こうした取り組みを建設業界とも連携して推進し、若手技術者の人材確保や離職防止を図ってまいります。  次に、建設業の活性化に向けた広報などの取り組みについてのお尋ねでございます。  県では、建設業界とも連携して、工事に携わった人とそのわざに焦点を当てた情報発信や、建設系学科高校生等を対象とした就業体験、小中学生とその保護者を対象とした現場見学会や防災学習など、建設業の役割と魅力を伝える取り組みを進めております。  長野労働局が1月29日に発表した平成28年3月高校新卒者の求人・就職内定状況によりますと、高校新卒者の建設業への内定者数が、昨年と比べて20.9%の増加と明るい兆しが見られているところでございまして、こうした取り組みをさらに進めてまいります。  次に、国が発注する工事についての県内業者への配慮についてというところでございますが、まず伊駒アルプスロードにつきましては、環境影響評価やルートの決定は、県が責任を持って行うこととしておりまして、整備については、権限代行事業での実施を国に要望しているところでございます。  お尋ねの、国が発注する工事における県内業者への配慮につきましては、工事の内容や規模、難易度等に応じまして、入札に参加する者の本社等所在地の地域要件等が設定されておりまして、県内に本店または営業所を有する者や、上伊那、下伊那地域に本店または営業所を有する者など、一定の配慮がなされているところでございます。今後とも、機会あるごとに県内業者の受注機会の確保について、要請してまいります。  以上でございます。       〔9番酒井茂君登壇〕 ◆9番(酒井茂 君)お答えをいただいたところでございますが、私も休日、時々散歩をいたしますと、工事現場によく出くわしますが、土日の作業をしているケースが非常に多いというふうに私は感じているところでございます。いろいろな事情があるのかとは思いますが、やはり土日全て使って作業をするということになりますと、家族の触れ合い、子供との触れ合いもとれないではないかというふうに考えておりまして、そうした面での工期設定の問題、あるいは年度末におきましては、繰り越しの手続をとる等々の工夫をさらに進めていただきたいというふうに思うわけであります。  いずれにしましても、地域の建設業は地域を担う基幹産業でございまして、これからも安定的な経営を継続していかなければならないわけであります。そのためには、建設業の自助努力はもちろん必要でありますけれども、建設業の置かれている状況と特殊性を考慮の上、適切な支援策が講じられるよう要望いたします。  次に、3番目の質問、若者の定住促進についての質問に移りたいと思います。  地方創生の実現のためには、若者の定住促進が重要であり、特に新規就業者の定住促進を進めなければなりません。そのためには、大学生等が就職する場合に、就職先として長野県を選んでもらえるような施策を積極的に進めなければならないと思います。  一方、長野県は大学収容力が全国で最下位であり、県外大学への流出率が全国でもトップクラスであるという課題を抱えております。このため、県外に住む大学生等が就職する場合には、どうしても県外を選ぶ傾向にありまして、これに何としてもストップをかけなければならないと考えるわけであります。  長野県が新規就業者の定住促進を進めようとしている中にありまして、県内の若年労働力が転出し、しかもこの傾向が拡大している状況を深刻に受けとめなければなりません。  さらに、県内の事業所の従業者数の推移を見てみますと、過去20年間の比較では、特に製造業におきましては、マイナス31%と大きく減少しているところでございます。  現在、県では、雇用機会の創出等のために企業誘致を推進しておるところでございますが、企業誘致を進めるための最も基本的かつ重要な条件といたしましては、安定的な労働力が地域に存在していることであります。進出企業にとりましては、優秀な人材をいかに容易に確保できるかが進出を判断する際の大きなポイントとなっているものでございます。このためにも、特に新規就業者の県内への定住を進めなければならないと考えるわけであります。  私は、そのための効果的な施策として、大学生等の奨学金借入者で県内企業等に就職する人に対する奨学金返還時の支援制度を創設することが極めて有効であると考え、これを制度化することを提案をいたすものでございます。  国におきましては、地方創生のため、大学生等の地方定着の促進に関する施策といたしまして、地元企業等へ就職した人に対する奨学金返還を支援するための基金を造成する場合に、地方に財政支援をする制度を創設しているところでございます。基金造成には、県と産業界との共同出資が必要ではありますが、財政的に非常に有利な制度であり、就職誘発効果も大きいと考えることから、検討に値するというふうに考えているところでございます。  そこで、以下2点について質問をさせていただきたいと思います。  長野県が大学収容力で全国最下位、県外大学への流出率が全国でもトップクラスであること、さらには県内の事業所の従業者数が、過去20年間の比較で、特に製造業においてはマイナス31%であるという深刻な現実をどう捉えているのか。  そして、この深刻な状況の中で、特に若年労働者の定住促進をどう推進しようと考えているのか。知事にお聞きしたいと思います。  また、大学生等の新規就職者の県内就職促進のために、奨学金返還を支援するための人口対策・就職支援基金を造成し、奨学金の返還時における支援制度を早急につくるべきと考えますが、どうか。県民文化部長にお聞きします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)若者の定住促進に関連しまして、どう現状を受けとめているのか、そして定住促進をどう進めるのかという御質問でございます。  酒井議員からもるる問題点の指摘がございまして、県外大学への若者の流出が大きいというのが長野県の大きな課題でもありますし、また製造業を初め県内産業の従業者数がどんどん減少してきているという現状、しっかり受けとめていかなければいけないというふうに思っております。  そういう問題意識の中で、新年度の予算案、信州創生の新展開を大きな柱に据えて、その三つの柱の中の一番最初に、郷学郷就県づくり、信州で学ぼう、信州で働こうということを位置づけさせていただいたところでございます。部局横断的に、この信州で学ぼう、信州で働こうという取り組みをしっかり進めていきたいというふうに思っております。  特に、高等教育、高校を卒業すると長野県外に出ていくのが当たり前という状況の中で、高等教育の支援ということが大変重要だと思っております。県立大学を新しく設置すると同時に、信州高等教育支援センターを新たに設けまして、長野県全体の大学等が行う取り組みを強力に支援していきたいというふうに思っております。  また、財政的な事情で県内大学に進みたくてもなかなか進めないという若者たちに対しては、奨学金制度を新たに創設して、こうした若者をしっかり応援をしてまいります。  また、県外に進学した学生をもう一回長野県に呼び戻すということも、大変重要だというふうに思っております。  そういう観点で、県内企業におけるインターンシップの促進でありますとか、あるいは全国の大学とUターン就職の協定を結んでおります。こうした県外大学と連携した、企業に関する情報等の効果的な発信、こうしたものについても全力で取り組んでいきたいというふうに思っております。  また、若者たちが戻ってくる上では、やはり雇用の場がしっかり確保されているということが大変重要だというふうに思います。そういう意味では、産業の振興が重要なわけでありますけれども、引き続き県内経済の牽引役であります製造業の競争力強化に取り組んでまいりますし、また、今後雇用の増大が見込まれますのはサービス産業等の分野でございます。こうした新たな成長分野の振興を図ると同時に、医療であったり福祉であったり、現在でも人手が足りない、そして将来的にも人材ニーズが増大していくということが見込まれる分野における人材の育成確保をしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。  次世代産業の育成、サービス産業の振興、さらには介護分野でのキャリアパスの構築等具体的な取り組み、今回の予算の中でも、かなりいろいろ盛り込ませていただいております。こうしたことを全庁挙げて総合的に推進することによりまして、若い人たちの定住、そして若い人たちが長野県で働いてもらえる環境づくりに取り組んでまいりたいと思っております。  以上です。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)大学生等の県内就職促進のための奨学金返還時における支援制度のついてのお尋ねでございます。  学生の県内定着に向けた支援のあり方につきましては、本年度発足いたしました信州産学官ひとづくりコンソーシアムでは、産学官の実務者における専門部会を置きまして検討してまいりました。その中で、御指摘の県内企業に就職する学生に対する奨学金返還時の支援制度についても検討を行わせていただいたところでございます。  その結果、産業界と県が連携いたしまして支援を実施するに当たりましては、個々の企業にとりましても人材定着の効果が大きい施策とすべきとの意見が多かったことから、大学生海外インターンシップ支援事業を実施することといたしまして、平成28年度当初予算案に計上させていただきました。  具体的には、県内企業の海外事業所でのインターンシップに参加する学生に対しまして、1人当たり20万円まで補助する制度を来年度創設したいと考えているところでございます。この事業の実施によりまして、海外へ積極的に展開している企業の魅力を学生に知ってもらうことで、県内企業への就職が促進されることを期待しております。  なお、今後引き続き信州産学官ひとづくりコンソーシアムの取り組みを進める中で、産業界の御意見をお聞きし、大学生等の県内定着に向けた支援方策について検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔9番酒井茂君登壇〕 ◆9番(酒井茂 君)それぞれお答えをいただきました。  私も、Uターンといいますか、大学のときには外へ出ておりましたが、こちらに帰って就職したわけでありますが、一番大きい決め手は、やはり信州が好きであったということではないかというふうに思っております。  子供のころからの教育というものは非常に重要でありまして、郷土に愛着を持つ、そんな教育を進めていく必要があるというふうに考えております。県でも、高校教育におきまして、信州学を学ぶということも取り組んでおりますけれども、やはり保育園、幼稚園のころから、しっかりとそうしたことを教えていく、信州のよさを伝えていくということをしっかり取り組んでいかなければならないというふうに考えております。  今の奨学金については、なかなか難しいという話でありましたけれども、これ以外にも適切な施策というのは存在するというふうに考えられますので、県におきましては、創意工夫の上で、適切な施策が講じられるよう要望するところでございます。  地方創生のためにはいろいろなことをしなければなりませんが、特に若年女性の県外流出にストップをかけるということが重要で、そのためには、女性の尊重、女性の負担の軽減、県民意識の改革などをしっかり進めるよう改めて要望するところでございます。  女性や若者が住んでいたいと思う地域でなければ、どんなに立派な施策を講じても、地方創生には成功しないというふうに考えているわけであります。明治から昭和にかけての女性運動のリーダーでありました平塚らいてう氏は「元始、女性は太陽であった」というふうに名言を残しております。まさに女性が太陽のように輝く社会を実現したいものであります。そして、女性も男性もともに輝き、人々が安心して幸せに暮らし続けられる長野県とするため、適切かつ効果的な施策を着実に実施しなければならないというふうに考えるわけであります。  今回の私の質問や提案をぜひ前向きに捉えていただきまして、今後の地方創生に係る総合戦略の見直し作業や、各種施策の推進に生かしていただくよう要望いたしまして、以上で全ての質問を終了とさせていただきます。 ○副議長(小島康晴 君)次に、和田明子議員。       〔28番和田明子君登壇〕 ◆28番(和田明子 君)初めに、須坂市における郊外型大型商業施設建設について伺います。  昨年6月、須坂長野東インターチェンジ北側に計画面積14.3ヘクタール、県下最大規模のイオンモールの出店計画が、須坂市議会全員協議会で説明されました。既に地権者への説明もされているようであります。県も承知していると思いますが、計画はどこまで具体的になっているか。把握している状況をお聞きいたします。  また、計画地は須坂市ですが、長野市と1キロです。須坂市を初め北信地域、長野市、さらにインターチェンジを利用して、集客範囲は相当広域に及ぶとイオン側は見込んでいると思いますが、超巨大商業施設の影響がどこまで及ぶと思われているのか。伺います。  県は、地産地消を進めていますが、地元商店がテナントに入ることはほとんど望めません。雇用については、大型総合スーパーでは正社員、職員が減少し、パート、アルバイトなど非正規雇用が増加する傾向が強まっています。統計的には、小売業全体に占めるパート、アルバイトが4割から5割という状態が、大型スーパーでは、アルバイト、パートが8割に上ると言われております。この点から見て、地域の雇用に貢献すると考えておられるのか。以上を産業労働部長にお聞きします。  計画地は農業振興地域で、多くの優良農地が失われることになると危惧されますが、農業の活性化と相反すると思います。農業振興地域の開発について、農政部長にお伺いいたします。       〔産業政策監兼産業労働部長石原秀樹君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹 君)3点、順次お答えいたします。  まず、大型商業施設出店計画の把握についての御質問です。  株式会社イオンモールによります須坂市の須坂長野東インターチェンジ北側への大型商業施設の出店計画につきましては、昨年来、報道により伝えられているところでございます。  産業労働部は、この出店計画につきまして、これまで直接関係者から具体的な計画や特別な相談は伺っておりません。しかし、土地利用の調整に関する部局では、計画の概要について須坂市から情報提供を受けていると承知しております。  次に、影響が及ぶ商店についての御質問でございます。  計画の詳細につきまして承知していないことから、関係者がこの商業施設の集客範囲をどの程度まで見込んでいるかは不明でございます。  なお、仮に当該店舗の集客範囲を長野広域9市町村及び北信広域6市町村の計15市町村と見込んだ場合、その人口規模は、居住人口を単純に足し上げますと、合計で63万人余りとなります。  いずれにいたしましても、大型商業施設の建設に関しましては、まずは地元市町村が町づくりの観点から御検討いただくというのが大切と考えております。  次に、大型スーパーの出店による地域の雇用への影響についての御質問でございます。
     一般論ではございますけれども、大型商業施設の出店によりまして新たに求人が出されるということは、地域における雇用の場が広がると考えられます。計画の詳細が不明な現段階におきましては、具体的にお答えすることは困難でございます。  以上でございます。       〔農政部長北原富裕君登壇〕 ◎農政部長(北原富裕 君)須坂市における郊外型大型商業施設の開発についてですが、計画地は須坂市において農用地区域に指定されている集団的農地、いわゆる農振農用地であり、農地の開発に当たっては、県に対し、農振除外の協議と転用許可申請が必要であり、また、県は国との農林調整が必要な事案であると認識をしております。  農政部といたしましては、今後、須坂市から詳細な開発計画の説明を聞く中で、関係法令に基づき対応してまいります。  なお、一般的にはでございますが、集団的で生産性が高く、農振農用地に指定されている農地については、守るべき農地として保全、活用すべきものとされております。  以上でございます。       〔28番和田明子君登壇〕 ◆28番(和田明子 君)今、守るべき農地というお話もありました。14ヘクタールの大型店がもし撤退した場合、再び農地に戻すことは困難と思います。開発は慎重にすべきと思います。  大型商業施設によって既存の商店街がシャッター通りになり、買い物難民という生活弱者を生み出してきました。町のにぎわいを失いきずなも弱まるという中で地方創生が言われているということを申し上げておきたいと思います。  次に、農業問題について伺います。  麻生太郎財務大臣がまたやった、2月25日の衆院財務金融委員会で、農家は税金を一回も払ったことがない人もいるのだろう、地元で3人ぐらいから聞いたと発言したとのマスコミ報道がありました。この暴言は、またやったで済まされることではありません。  日曜日はお米2割引など、お米を安売りの目玉商品として扱っているスーパー、新米が出回ると、古米より新米のほうが安い特売品となるなど、消費者としてはうれしい反面、生産者には厳しい米価になっていることが危惧されます。  2015年産米は、2014年産米に比べ持ち直したと聞きますが、1俵1万2,000円から1万3,000円では、生産費に見合う1俵1万6,000円には遠く及びません。  県農政部では、国の農業所得倍増のかけ声を受けて、農業所得向上支援事業として、稲作農家の経営規模拡大や生産コストの削減、県オリジナル品種の生産拡大、革新的農業技術の開発など、戦略的に推進するとしています。稲作農家の経営規模拡大で所得向上ができるという水田農業所得向上支援事業の成果の見通しはいかがか。お伺いいたします。  また、米の銘柄によって違いはありますが、米価の下落で生産費も補填できない状況で、規模拡大をして生産性を上げれば所得向上になるのか。お聞きいたします。  また、安倍政権の農業政策では、経営規模の拡大や農産物の輸出促進などを通じて、農業をもうかる産業に育てることを目指していると言われております。であれば、もうからない農業は切り捨てるということなのでしょうか。地域で家族農業を中心に、特に、中山間地の農業は、規模拡大などできない条件不利地で頑張っております。長野県農業に安倍政権の農業政策を当てはめてうまくいくのでしょうか。まさに机上の空論ではないでしょうか。小規模の家族経営の農業に対する十分な支援こそが求められているのではないでしょうか。  以上3点、農政部長にお聞きいたします。       〔農政部長北原富裕君登壇〕 ◎農政部長(北原富裕 君)農業問題について順次お答えをいたします。  初めに、水田農業所得向上緊急支援事業の取り組み成果についてでございますが、ICTを活用した効率的な生産体系確立への取り組みは、民間企業の技術を導入して、県下8経営体でモデル実証を進めているところでございまして、圃場条件やオペレーターによる作業性の差などが、データとして見える化されてきております。来年度は、データの蓄積、解析を進めまして、作業の改善、生産コスト低減のためのマニュアル化に向けて取り組んでまいります。  また、25経営体が作業受託の拡大に取り組むほか、経営の多角化に向け、上伊那、安曇、長野の3地域で、業務用キャベツやタマネギの導入が進んでおります。来年度は、取り組み農家を拡大し、事業の普及推進をさらに図ってまいります。  次に、規模拡大によって所得向上が図られるのかというお尋ねでございますが、米価が下落しました平成26年の長野県産コシヒカリの販売価格は、10アールに換算いたしますと12万9,000円程度でございました。  一方、家族労働費を除いた生産費でございますが、直近のデータであります平成25年の国の公表数値によりますと、都府県の農家平均では10アール当たり10万1,000円ですが、5ヘクタールから10ヘクタール規模では8万4,000円、10ヘクタール以上の規模では8万円となっておりまして、規模拡大は、機械の効率的な利用などによる生産コストの低減により、所得の確保、向上が図られるものと考えております。  県といたしましては、さらなる生産コストの低減や、園芸作物の導入などによる経営の多角化を推進しまして、水田農業に取り組む農業者の所得向上を支援してまいります。  また、中山間地域などの小規模農家に対する支援についてですけれども、集落に暮らす兼業農家や小規模農家など、さまざまな農業者が相互に支え合い、地域の農業や農村を維持していただくことが、地方創生を進める上でも大変重要と考えております。  そのため、県では、集落営農組織の育成ですとか、農家が共同で利用する農業機械の導入への助成、また中山間地域農業直接支払事業によります農地の維持などに取り組んでいるところでございます。加えて、来年度は、農地中間管理事業を活用して、集落営農組織への農地集積ですとか農業基盤整備を進めるなど、営農条件の改善を支援してまいります。  さらに、農ある暮らしによる新しいライフスタイルを求める定年帰農者やIターン者の就農を支援します利子補給事業を創設しまして、多様な農業者が地域を支える農村づくりを進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔28番和田明子君登壇〕 ◆28番(和田明子 君)信濃町の稲作農家のお話では、自家所有農地3ヘクタール、町内の農業従事者の高齢化でお借りしている耕作地25ヘクタール、合わせて28ヘクタールの耕作地に、米を15ヘクタール、あと大豆、ソバで13ヘクタールを作付しているとお聞きしました。米は産直で1俵1万5,000円、さらに奨励金等も含めて、年間の販売金額は2,000万円を超えると聞きました。そこから家族と夏場の2人の雇用者の賃金、肥料、農薬、地代賃借料等々、それから機械の減価償却などで計算をしますと、申告をすると完全に赤字でございます。  また、長野市大岡では、10アールお米をつくっている方は、米の付加価値を上げるため農薬や除草剤を使わない米づくりをして、10キロ5,000円と、通常の倍近い価格で販売しております。けれども、この10アールで生産をして、つくっているお米の販売価格は17万5,000円でございます。これではいろいろな資材を差し引けばお金が残らない、年金がなければ暮らせない、こういう状況です。小規模でも大規模でも、所得保障、価格補償がなければやれない実態だと思われます。  TPPは、対策を行えばお米の影響額はゼロだという国の言うがままに県も試算しています。しかし、実態とかけ離れて、誤った対策であれば、農業も食料も守れないと申し上げておきます。  次に、県のオリジナル品種について伺います。  水稲の「風さやか」は、うまみと甘みがあり、粘り、味、香りのバランスがよい、冷めてももっちりした食感とおいしさ、おにぎりやお弁当にも適しているということで、長野県を代表するお米の新ブランドとして期待されております。  この新ブランドの「風さやか」をここまで育て上げるには、平成12年の人工交配から種苗登録申請まで10年余の歳月を要しております。試験研究機関の地道な御努力が結実したことに敬意を表するものです。また、ようやく新品種が生まれましたが、次のオリジナル品種への試験研究が既に始まっていると思います。常に品種を更新しなければ負けると、農業試験研究に携わった職員の方が言われた言葉を、私は忘れることができません。長野県の農業の発展のためには、試験研究部門の維持、拡充が重要だと思います。この点の農政部の取り組みを部長にお伺いいたします。       〔農政部長北原富裕君登壇〕 ◎農政部長(北原富裕 君)試験研究についてのお尋ねでございますが、農業関係試験場につきましては、米の「風さやか」、またリンゴのシナノスイートなど、多くのオリジナル品種の育成やリンゴの矮化栽培、野菜の全面マルチ栽培など、省力化や高品質化に貢献する栽培技術を数多く開発し、本県農業の発展に寄与してきたというふうに認識をしております。  新品種、新技術の開発は、今後の攻めの農業を展開していく上での基礎であるというふうに考えております。今後とも、農業者が求める、また農業者に使われるブランドとなり得るような果樹や酒米などの新品種の育成ですとか、コスト削減につながる新たな水田畦畔除草機等の革新的技術の開発など、農家の所得の向上につながります研究開発に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  また、このためには、人材の育成がまずもって重要ですので、国の研究機関へ長期研修に派遣するなど、職員のスキルアップも図っているところでございます。今後とも、研究員の資質向上のための対応、しっかりとやってまいりたいというふうに考えているところでございます。  なお、試験研究機関の今後のあり方につきましては、現在、行政機構審議会において検討されているところでございます。  以上でございます。       〔28番和田明子君登壇〕 ◆28番(和田明子 君)ぜひ人材育成の、また試験研究機関の拡充を求めておきたいと思います。  次に、浅川ダムの試験湛水についてお伺いいたします。  11月県議会でも、山口県議から、ダムの試験湛水によって、奈良県大滝ダムなど大規模な地すべりが起こった事例も示して、試験湛水前に調査、対策を求めましたが、知事からは、試験湛水はダム事業において必要不可欠であり、安全性を確認するという上からも、計画どおり実施してまいりたいと御答弁がありました。  しかし、浅川ダムの試験湛水の実施計画案について、浅川ダム施工技術委員会の委員から、より時間をかけた調査を求める意見が出され、県としては、実施時期を再検討するとされております。ダム施工技術委員会からどのような意見が出されているのか、さまざまな水位で一定期間水位を保ち、その影響を調査すべきという意見があるようです。施工技術委員会の意見を反映してどのような試験湛水の検討がされているのか。建設部長にお伺いいたします。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)浅川ダム施工技術委員会での御意見についてのお尋ねでございます。  2月16日に開催しました第10回の委員会では、現地での施工状況の確認、地すべり対策工事の品質管理結果や試験湛水計画案についての説明を行いました。  委員から、試験湛水計画案について、漏水量等の観測データをより的確に測定するために、ダム貯水位の上昇及び下降時のさまざまな水位において何日間か保持することが必要との御意見をいただきました。  この御意見を踏まえ、貯水位と観測データの相関をより的確に把握できるような試験湛水計画案を策定し、平成28年度末までのダムの完成を目指してまいります。  以上でございます。       〔28番和田明子君登壇〕 ◆28番(和田明子 君)今、試験湛水時に漏水量をはかるため、また下降時の水量保持など、さまざまな検討を加えるようにというお話でありました。それよりも以前にですが、平成26年8月の第7回の施工技術委員会では、小合澤委員から、この方はダム技術センターの元主席参事でありますけれども、この浅川の試験湛水、いつから始めても、サーチャージ水位までやれと国土交通省からも言われるだろうということで、渇水期に試験湛水をして、きちんとサーチャージ水位まで水が来るのかどうかという心配をしております。そして、降水期になってしまったら水位をおろさなければならない。また次の年の秋から始めたとして、翌年の春までにまた洪水期が来れば、また下げてしまうわけですから、いつまでたっても事業が終わらなくなってしまうのではないかという危惧を示されて、発言をしておられます。  そして、県の事務局に対して、今から何か特別の知恵を出さないと、普通のやり方では試験湛水が永久に終わらないダムになってしまう可能性があるということも指摘されております。これは平成26年のことであります。  こういうふうに早い段階から試験湛水の本質的な問題を指摘する委員の意見がありましたが、これは検討されたのでしょうか。県は、浅川の水量に応じて、2カ月から3カ月半程度で実施できると試算を示しておりますが、これが本当にできるのでしょうか。もう一度お伺いいたします。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)試験湛水が終わらないのではないかという御質問についてでございます。  浅川ダム地点の過去10年間の流入データによりましてシミュレーションを行いましたところ、最短では15日間でダムが満水になるというような結果となっております。この結果をお示ししまして、委員からの御意見は、貯水と漏水量との相関をより的確に把握するためには、水位上昇にゆっくりと時間をかけるべきという、このような趣旨でございまして、ダムの危険性を危惧したものではございません。  試験湛水におきまして、一定期間水位を保持することによりまして、ダム本体、基礎地盤、貯水池周辺斜面などの安定性をより正確に把握できるものと考えております。  以上でございます。       〔28番和田明子君登壇〕 ◆28番(和田明子 君)今、過去10年間の流入データで、最短で15日間で満水になるというお話でありまして、そうすると、漏水の状況など正確に把握するために、もう少しゆっくり時間をかけて流入量を調整しろというようなお話があったということでありました。  この浅川ダムについては、周辺が大変危険な地盤であり、地すべり地ということで、この急激な水位の上昇というものがいかに危険かということからこのような意見が出されているのではないかというふうに私は危惧するわけでありますが、その点については、建設部長はどういう見解をお持ちなのか。お伺いいたします。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)浅川ダム地点での急激な水位の増減が地すべりに対して影響があるのではないかというような御指摘でございます。  ダムの地すべりブロックにつきましては、詳細な地質調査で既に確認されておりまして、ダムの上流400メートル以上のところに存在することになっております。それで、ダムの上流にございますので、ダム水位が変化しましても、実際の水位の変動は6メートル程度というところでございまして、地すべりブロックに対する影響は、水位の変動はその程度でございます。  それで、さまざまな地すべり対策は既に実施しておりますので、水位の変動による地すべりへの影響はほぼないのではないかというふうに考えております。  以上でございます。       〔28番和田明子君登壇〕 ◆28番(和田明子 君)地すべりブロックに対する影響はその程度ということで、余り大きな危険はないというふうに建設部長は思っておられるようでありますが、私はその点は大変疑問を抱いております。  また、通常の試験湛水では、一日24時間置いた後に一日1メートルを下げるということでありますけれども、この水位の下げ方についてはどのように委員から指摘がされているのか。一定程度のところで水位を保って、その様子を調査するようにというようなことが求められていると思いますが、その点についてお伺いいたします。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)ダムの水位を下げるスピードについての御意見でございますが、私、今、手元にそのことについての資料はございませんが、このダム施工技術委員会につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございますが、一定期間水位を保持するような試験湛水計画によりまして、ダム本体、基礎地盤、貯水池周辺斜面などの安定性をより的確に把握できるというふうに考えております。       〔28番和田明子君登壇〕 ◆28番(和田明子 君)私たち共産党県議団やダム建設に反対運動をしてきた皆さんからは、浅川ダムは上流部の水量は、そうそう水がたまらないのではないか、試験湛水は難しいのではないか、こういう指摘もさせていただいてきました。また、水をためれば地すべりを誘発するおそれがあるということも繰り返し指摘をしてきました。  施工技術委員会での委員の意見でも、この皆さんは、相当早い段階から、コンクリート打設の途中から、試験湛水についてはくれぐれも注意深く、そしてさまざまなパターンを考えてやるようにということを県の事務局に求めてきているところであります。  この浅川ダムについては、県民の貴重な税金を投入してつくってきたダムであります。試験湛水、これが、このダムにとっては、作業工程の中でやらなければならない一番危険なこと、こういうことであります。  私は、改めて、この試験湛水を諦めるということも選択肢にしてはいかがかというふうに思っております。この段階で試験湛水を行い、地すべりを誘発する、そしてその対策工事を行うなど、これ以上の税金投入よりも、安全性を最優先にする、ここで日本で一番大きい砂防堰堤として工事完了させる、こういうことも選択肢に入れてはどうかと思いますが、この点について、建設部長にお伺いいたします。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)浅川ダムの試験湛水及びダム自体の建設を取りやめるべきではないかというような御意見でございます。  浅川ダムにつきましては、これまで地質、断層、地すべりについて文献調査、現地踏査、地質調査などさまざまな調査を行いまして、安全性を確認して進めてきております。また、工事におきましては、浅川ダム施工技術委員会から専門的な御助言をいただきながら、念には念を入れてダムの本体工事や貯水池内の地すべり対策工事を進めておりまして、随時、安全性を確認しているところでございます。その上で、試験湛水は、ダムの通常の管理に移行する前に、ダム本体、基礎地盤、貯水池周辺斜面などの安定性を確認するものでございまして、ダム事業におきましても、必要不可欠なものと考えております。基準に従い、しっかりと実施し、平成28年度のダムの完成を目指したいというふうに考えております。  以上でございます。       〔28番和田明子君登壇〕 ◆28番(和田明子 君)改めて、ダムの完成には、試験湛水は避けて通れないということで、試験湛水を行って28年度中のダムの完成を目指すとお答えがありました。  浅川ダムは、通常水をためるダムではありません。こういうことで、この1回限りの試験湛水が大変重要なことになってまいります。  そこで、ここからは質問ではありませんが、阿部知事に申し上げます。  阿部知事、浅川ダムは幾度も建設中止を決断する機会がありました。にもかかわらず、ダム建設を進めた結果、最後の難関が試験湛水です。試験湛水ができるかどうか、施工技術委員会からも繰り返し疑問視する意見も出されております。  そして、試験湛水によってダム周辺の安全性を確認する、こういうことでありましたけれども、奈良県大滝ダムのように、試験湛水が周辺に地すべりを引き起こす可能性は否定できません。ダム建設中にも、建設地周辺の山肌はたびたび崩落を起こしております。また、ダム本体の下は、カーテングラウジングで補強せざるを得ませんでした。工事中に常用洪水吐にクラックが発生した、こういう重要な情報も関係者のみ知るところという状況に、私は大変遺憾だと言わざるを得ません。  コンプライアンス重視の県政を目指すというのであれば、やはり職員の皆さんが現場で起こっている危険を知事もつぶさに承知をして判断をするということを求めて、以上で質問を終わります。 ○副議長(小島康晴 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時31分休憩          ──────────────────         午後2時46分開議 ○議長(西沢正隆 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  両角友成議員。       〔15番両角友成君登壇〕 ◆15番(両角友成 君)日本共産党県議団の両角友成です。
     私は、発言通告に沿って一般質問を行います。  まず初めの質問事項は、長野県の特別支援教育についてであります。  県下の養護学校は、年々入学者がふえ続け、建設当時の定員がほとんどの学校で培以上に膨れ上がる状況、劣悪な教育環境放置は一刻の猶予もなりません。信州創生戦略では、安心して子育てすることができる、みんなで支える子育て安心県がうたわれていますが、養護学校の現状を放置してこれを実現できると考えておられるんでしょうか。教育長にお尋ねします。  こんな中身の小林伸陽団長代表質問に対する教育長答弁に、信州創生戦略、安心して子育てができる、みんなで支える子育て安心県は、養護の現状を放置して実現できると考えておるのかとの質問には答弁がありませんでした。このことに対する答弁をいただきたいと同時に、中信地区特別支援学校再編整備計画に示された内容について、教育長に伺います。  松本養護学校の過密解消策の一つとして、緊急避難的に盲学校に分教室を設置することになりましたが、根本的な解決にならず現場は混乱しています。  昨日の寺沢議員からも質問がありましたが、隣接する交流校とはいえ、松本市立今井小学校の図工室を借りて高等部の作業室として使わせていただく県下初めてのケース、単年度とはいえ、プレハブ工法などのその場しのぎの、抜本的な解決策である新増設を怠っていた結果だと指摘せざるを得ません。松本市教育委員会教育部担当者は、今内部的に進めている、本来的ではないが子供たちのためにと言われると、本来は県が対応すべきと話されました。  松本視覚障害者福祉協会会長の松井逸雄さんは、27年度事業報告の中で、6月26日に、松本盲学校、松本養護学校、長野県教育委員会職員との懇談があり、養護学校の生徒さんは280名、満員で困っており、生徒の少ない盲学校の一部を利用させていただきたい、いただけないかとの県教委から要望がありましたが、私は養護学校を新増設しなければ解決にならないと思いました。こども病院では、いずれ養護学校へ通学しなければならない重度の障害を持った患者さんが多く、養護学校の子供は増加すると思われますと報告され、養護学校の新増設を訴えられておりました。  もう一つの松本ろう学校、寿台養護学校への再配置についても、私は昨年9月議会で、聾学校での心の中だけで展開される言語、内言語を獲得するために大変な学習がされていることをここで紹介しました。学校関係者からは、同じ屋根の下と言われても分ける、玄関も分ける、学校名も残すと言い切られたことも紹介しました。  今回、寿台養護学校へ人工呼吸器を使用している子供さんを通学させておられる親御さんの思いをお聞きしました。寿台養護学校は、中信地区の特別支援学校の再編計画において大きく変わるのではないかと思われる。その理由は、県内初の知病併置校になることが計画されているからです。今は、病弱児童である通学生、隣接の中信松本病院からの入院生、肢体不自由の通学生、訪問生が学習しているんですが、ここに松本養護学校の60名から90名の知的障害児の受け入れが検討されています。これは、子供たちの個々の問題を考えることなく、枠組みの整理のみで、それぞれの保護者がさまざまな不安を抱えています。話し合いの場も少なく、教育委員会からの説明を受け、短時間の間にその場での質疑応答を求められ、アンケートが配られる、質疑応答での回答は明確でなく、今伝える段階ではないなど、納得のいかないままで話が進んでいくのではないかと不安を感じます。  長野地区の再編がされましたが、分教室があちこちに設置されたことで、学校体制が複雑になり大きな負担が生じている。異なる障害者の子供たち、どうしても教育活動において制約を受けざるを得ない状況などの反省もないまま中信地区の再編が始まりました。中信松本病院の移転と同時期に再編が始まるということは、保護者としてはとても多くの不安を抱えることになります。できる限り時間をかけて話し合い、一つでも多くの不安を解消していただきたい。一部ですが、こんな内容でありました。  拙速に結論を出さずに、中信地区の他の公的施設を活用することも視野に入れるなど、当事者とよく協議し、明るい見通しを立てていただきたいが、いかがでしょうか。教育長の答弁を求めます。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)特別支援学校の整備についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  まず初めに、先般の小林伸陽議員からの代表質問で、みんなで育てる子育て安心県がうたわれているが、こうした現状を放置して実現できるかという御質問にお答えしていないのではないかということでございますが、私が申し上げたのは、特別支援学校の教育環境の整備に向け、さまざまな形で取り組んでいる内容を御答弁させていただいたところであり、今後とも障害のある児童生徒が安全、安心に学ぶことのできる教育環境の確保に努めてまいりたいと、このように御答弁を申し上げたところでございまして、こうした現状を放置して実現できるかということでございますが、放置せずに、その改善に取り組んでまいりたいと、このように答弁をさせていただいたところでございます。  次に、中信地区特別支援学校の再編についてのお尋ねでございます。  昨年8月に策定しました再編整備計画では、喫緊の課題でございます松本養護学校の過大化、過密化の解消はもとより、児童生徒の多様な教育的ニーズに応える再編整備を進め、あわせて各校の基礎的な教育環境の向上も図ることとしているところでございます。  盲学校に設置します分教室は、4月の開室に向け順調に準備を進めており、市街地にある環境を生かした近隣の実習先も既に確保できたほか、重度重複部門については、緊急時における隣接病院との連携が進んでおり、計画で見込んでいた就労支援の充実や安全、安心な体制整備などの教育環境が整えつつあるところでございます。  第二段階となります松本ろう学校、寿台養護学校への知的障害児童生徒の学びの場の配置につきましては、中信松本病院移転の状況も踏まえ、保護者を初め学校関係者と丁寧に懇談を重ね、具体案について検討しているところでございますので、再編後の教育内容がより充実したものとなるよう、当事者の児童生徒や保護者にも見通しをお示ししながら具体化を図ってまいりたいと考えております。       〔15番両角友成君登壇〕 ◆15番(両角友成 君)再質問いたします。  盲学校の関係者からは、生徒が減ったと言っても部屋が余っているわけではない。専用のトイレも足りない、松本養護の現状を見れば、8名のクラスが3クラス盲学校に移行しても焼け石に水ではないか、解決にはならない、生徒同士が校舎内でぶつからないか心配ですと。新増設するのが自然であり、今の松本養護の現状は人権問題ではないか、市内の通常の学校があんなようだったら親御さんたちは怒り出すはずだ、子供さんに障害があるというだけで我慢しているのではないかと話されました。市内にある空き施設をお借りするなど、皆さんが納得する形での特別支援学校の再編を行うべきと考えますが、教育長、いま一度答弁を願います。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)再度のお尋ねをいただきました。  今回の中信地区の特別支援学校の再編整備に伴いまして、松本盲学校につきましても、既存の施設のみで対応するわけではなくて、この再編整備に伴い、分教室の受け入れによって必要となる一部教室等については整備をする。また、今御指摘いただきましたように、生徒の動き等も踏まえながら、学校や保護者の声も聞き、また、盲学校では理療科の生徒さんの声なども聞きながら必要な整備もしているところでございまして、こうした対応もしながら中信地区全体で松本養護学校の過大化、過密化の解消と、こういうことを早急に図るべく、できる限りの支援をしていきたい、このように考えているところでございます。       〔15番両角友成君登壇〕 ◆15番(両角友成 君)過密、過大化している特別支援学校の状況をこれ以上放置できないことは知事の認識になっているところです。28年度予算を見ても、再三言われる修繕費、環境改善費のために、県立高校を含め、27年度より6億6,000万円多い9億5,000万円にしていただいたことは大いに評価をいたします。  しかし、根本的な課題解消のためには、先進県に学び、9月議会で私がお示しいたしましたが、埼玉県では、ゼロからではなく、使えるものは使うとしながらも、1校に20億から30億円かけて養護学校につくりかえる。このように、廃校となる小中高の校舎の活用を含め、全県的な特別支援学校のあり方を検討し、整備計画を策定し、そして、その計画に基づいて学校の新設も含め対策を講じていただきたいが、いかがでしょうか。これは知事に伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)特別支援学校の教育環境の整備は、私も重要な課題だというふうに認識をしております。教員の増員を継続的に進めてまいりますし、また、ハード面でも計画的な対応をしております。何よりも、教育委員会の考え方、こうしたものを十分承りながら、私の立場としてはしっかりと財政的な対応をしていくということで対応してきております。  再編整備計画に基づいて、長野地区においては、最新の設備が整った長野ろう学校の全面改築が今年度完了いたしました。また、中信地区におきましても、松本盲学校の増築でありますとか、エレベーターの設置等、再編整備に係る予算を計上いたしますとともに、今後、各校の教育環境向上のため、設備整備にも取り組んでいきたいと考えております。  こうした計画的な再編整備に加えまして、各学校におきましては、設備や内装を中心に経年劣化も進んでいるところであります。改修や学習環境改善のための予算を3培以上に増額をさせていただいたところでございます。  御指摘のありました男女共用のトイレの改修も含め、今後3年間で計画的、集中的に対応を進めてまいります。今後とも、教育委員会と十分相談をしながら、各学校の教育的ニーズや地域の状況に応じた教育環境の整備充実のため必要な予算措置を講じるように努力をしていきたいというふうに思っております。  以上です。       〔15番両角友成君登壇〕 ◆15番(両角友成 君)ことし4月から障害者差別解消法が施行されます。もともとこの法律は、障害者の権利に関する条約を批准するためにつくられた法律であります。  2014年1月20日、我が国は障害者権利条約を批准しました。したがって、差別解消法が施行されますと、この条約が刮目されるのは当然です。2月26日、備前県議からの指摘がありましたが、衆議院予算委員会分科会で、馳文部科学大臣の前向きな姿勢を見ても、また、条約7条にある「障害のある児童が他の児童との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を完全に享有することを確保するための全ての必要な措置をとる」、「障害のある児童に関する全ての措置をとるに当たっては、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする」に照らしても、現状では長野県内の特別支援学校は違反するおそれがあると思いますが、今までのような答弁では、4月からの障害者差別解消法に合わなくなるのではないでしょうか。直ちに手を打つべきではないでしょうか。教育長に伺います。       〔教育委員会教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊藤学司 君)障害者差別解消法と特別支援学校の学習環境についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  障害者差別解消法は、ただいま議員御指摘のとおり、障害者の権利に関する条約の批准に向け国内法を整備するために制定をされたところでございます。この法律に基づき、教育分野では、障害があることを理由に等しく教育を受ける機会が妨げられることがないよう求められているところでございます。  特別支援学校におきましては、児童生徒の特性に応じたきめ細かな教育を実施しており、過密化や設備の老朽化にも計画的な対応を進めているところでございますので、法や条約に合わない状態であるとは考えてございませんが、法の施行や条約の趣旨を踏まえ、特別支援学校において児童生徒の能力を最大限発揮できる教育が実現できるよう、教育内容の充実とともに、再編整備による過密化、過大化の解消や改修予算の大幅増額による学習環境の改善に取り組んでまいりたいと考えております。       〔15番両角友成君登壇〕 ◆15番(両角友成 君)馳文部科学大臣が、ひどい現場にはみずから直接出かけ物を申すと言っています。知らなかったでは済まされない時代になったと申し添えて、次の質問に移ります。  次は、林業行政について伺います。  今定例会、小林団長の代表質問の折、林業の衰退はどこに原因があったのかの質問に、塩原林務部長は、木材の輸入自由化が主な原因ではないともとれる答弁があり、小林団長からは、輸入自由化が決定的だとの認識の必要性が強調されました。県木連のある役員の方からは、国が木材の輸入自由化を推し進め日本の林業をだめにしたんだから補助金をもらってしかるべき、当然と言われました。このことをもとにしての質問になりますが、森林は、国土を守るにとどまらず、産業としてすばらしい潜在力を持っていると考えます。木材の輸入依存を改め、国産材の需要をふやし、山村の守り手を支援する施策が必要と考えますが、いかがでしょうか。  森林県から林業県を目指している本県林業、木材としての製品を生み出すのはもちろんですが、森林資源の活用で、これまで用いられてこなかった人工林での残材や製材所の木くずなどの残渣に加えて、建材としてほとんど利用されていない広葉樹、かつては炭焼きの原料として重宝がられ、一度伐採しても切り株から芽を出し、数十年後には成木となり、また使えるサイクルとなっていました。この広葉樹も燃料として使う、林業に関係ない一般市民が軽トラなどで剪定された枝や不要な材を燃料として持ち込む、これらを木質バイオマス発電所、燃料製造工場で活用する、資源を循環させる枯れない油田的発想を持って事業展開する必要があるのではないでしょうか。林務部長に伺います。       〔林務部長塩原豊君登壇〕 ◎林務部長(塩原豊 君)林業政策について御質問いただきました。  森林資源を循環させる事業展開についてのお尋ねです。  本県の森林は、25年生以下の森林面積がわずか3%、50年生以上の森林が60%と偏在しておりまして、持続的に森林からの恩恵を得るには、県産材の利用により、山元にお金が返り、植えて、育て、利用し、再び植えるという森林、林業のサイクルがしっかり循環する必要があると認識しております。  このサイクルを回すキーポイントは県産材の利用にありますことから、これまで、素材生産コストの削減や加工流通施設の整備、利用開発など、生産から利用までのさまざまな取り組みを展開した結果、素材生産量は、平成15年の24万5,000立方メートルから、平成26年には43万7,000立方メートルまで回復してきている状況にあります。  また、再び植えるという観点から、森林の確実な更新を図るために必要な優良な種や苗木の安定供給対策を初め、低コスト造林技術の確立などについて、関係団体と連携をとり進めてきております。今後とも、森林資源の循環利用が図られるよう、持続可能な森林づくりに取り組んでまいります。  以上でございます。       〔15番両角友成君登壇〕 ◆15番(両角友成 君)知事に伺います。  森林県から林業県に、木材需給率を50%以上にいかに順序立てて事業を進めるかが課題ではないでしょうか。  しかし、県が20億、30億円の多額の補助金を予算化して始めたのが、信州F・POWERプロジェクトでした。1万2,500キロワットアワー、大規模木質バイオマス発電、計画より着工、発電開所は2年ほどおくれているようですが、大型発電所先にありきではなく、木材産業を盛んにする、林業の裾野を広げる、森林から製品化まで地域で完遂できるようにする、その結果、人工林の残材、加工工場からの背板、残渣、未利用材の枝葉に至るまで利用可能となり、それを燃料として発電に結びつける、この順序が正攻法と思われますが、いかがでしょうか。  岡山県真庭市に二度ほど訪れました。市内に原木市場が3カ所、扱い量年間12万立米、製材所が30社、木材入量が20万立米、製品市場もあり、バイオマス産業の土台がありました。そして、一番厄介者とされるバーク(樹皮)までも、枝葉までも使って、1万キロワットアワーの発電所が地域では最後に建設、稼働されておりました。先に建設された発電所にチップを供給するバイオマス集積基地は、半端ない広さ、破砕機、粉砕機、1万キロワットアワーに必要とされる年間14万8,000トンのチップ燃料を1カ所でも十分供給できると感じてきました。発電開始の1年も前からチップをつくり出し、乾燥させ、燃料効率をよくすることまでされたそうです。  長野県内での集積基地を、その機能をどうするか、発電まで結びつける正攻法を確立する必要を感じていますが、いかがでしょうか。知事に伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)林業の再生に向けた取り組み方についての御質問でございます。  長野県は豊かな森林資源を有しているわけでありますけれども、残念ながら、まだ森林資源は最大限生かし切れているとは言えない現状にあるというふうに思っております。  オーストリアにも学びながら、あるいは他県の取り組みも学びながら、本当に林業県としてしっかり産業として森林、林業が確立できるように取り組んでいきたいというふうに思っております。  そのためには、先日百瀬議員の御質問にもお答え申し上げましたが、やはり、この林務部を初め、林業関係者の皆様方と経営的な視点をしっかり共有していくということが重要だと思っています。単に補助金を出して、そして木を守る、森林を守る、育てるということだけではなくて、やはりその活用、需要というところまでしっかり視野に入れた取り組みを進めていくということが重要だと思っております。  そういう観点で、やはり一番重要なのは人材の育成だということで、フォレストコンダクターの育成、あるいは林業大学校の充実、こうしたものを図ってまいりますし、また、やはり生産性を向上していくということが重要でありますので、高性能林業機械の導入を初めとしたこうした生産性向上のための取り組みをしっかり進めていくことが重要です。  また、木くず材をフルに活用していくための流通、加工体制の整備、さらには、この供給側の視点だけではなくて需要側からの視点ということで、建築での活用、あるいはエネルギーとしての活用、こうしたものを林務部以外の観点からも検討していくということが重要だと思っています。  そういう意味で、こうしたことを一体として取り組む中で、林業県として長野県が前に向いて進んでいくことができるように取り組んでいるところでございます。  以上です。       〔15番両角友成君登壇〕 ◆15番(両角友成 君)次に、長野県の林業発展の一環として質問させていただきます。  林業女子会というのが京都を発信地に全国で結成され、長野県内でも芽が出ていると感じています。なぜか県議の中にも女子会に入会希望者がおります。  また、厄介者として捕獲、駆除した鹿の皮も角も資源と考えますと、今はほとんど埋設処分されていますが、鹿の革を外国から輸入していることを考えますと、もったいないという話でございます。ジビエだけでなく、無駄にせず商品化しようとする動きがあります。これなどを林業発展の一環として県が活動を支援するための方策を企画立案することはいかがでしょうか。林務部長に伺います。       〔林務部長塩原豊君登壇〕 ◎林務部長(塩原豊 君)林業女子会の活動や鹿の皮、角の活用についてのお尋ねです。  本県の林業女子会は、県内の林業や木材産業に就業する女性16名が中心となり、来年度から里山整備や木製のおもちゃづくりによる木育活動等に本格的に取り組む予定だと聞いております。  県といたしましても、女性の視点を生かした活動が広がることは林業の活性化につながることと期待しておりまして、林業女子会の御意見や御要望を踏まえつつ、林業普及指導員による活動支援を検討してまいります。  また、捕獲したニホンジカにつきましては、信州ジビエとしての活用だけでなく、皮や角まで活用することが課題となっております。  そこで、来年度事業では、皮や角の供給から販売までが一つの流れとなるように、関係者とともに利用と流通の方法等について検討し、鹿1頭全体を丸ごと資源として利用するモデルを構築してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔15番両角友成君登壇〕 ◆15番(両角友成 君)知事からはオーストリアの話もございましたが、高知県で聞いてきたお話ですと、イギリスでは世界各国の燃料になるものを集めているそうですが、日本のカヤが燃料として非常に有効と、こんな話も聞いてきました。林業県の高知県で枯れない油田と聞かされたときには何かを感じました。また、岡山県の真庭市職員からは、アラブの王様にではなく地元の山にお金をかけるべきとも言われました。長野県の林業を考えたとき大いなるヒントをいただいたと感じました。  補助金なしでは成り立たない林業、問題を抱えた長野県の林業ですが、潜在力を秘めた森林が林業として長野県の産業となるために力を尽くしましょうと申し上げ、私の質問といたします。 ○議長(西沢正隆 君)次に、丸山大輔議員。       〔8番丸山大輔君登壇〕 ◆8番(丸山大輔 君)農業政策について伺います。  TPP大筋合意は、農業者や日本の食料安全保障に不安をもたらしましたが、本定例会の質問でも農業問題が非常に多く議論されているように、これを契機として農業の将来について国民的な関心が高まり、国や地域を挙げて日本の農業を守り、攻めの農業に転じていこうという機運が醸成されてきたことには非常に大きな意味があったと感じています。  TPPの問題が出てこなかったとしても、長い期間にわたって農業生産額の減少傾向が続いていて、地域の農業の担い手の高齢化も進んでいる、なかなか未来が見通せない状況の中において、期限を切って対策をとる必要性が生まれ、国も県も予算を注ぎ込めるということも農業にとってプラスの要素だと思います。  TPPがあろうとなかろうと、何としても地域の農業が生き残るようにしていかなければなりません。そのために行政は手を尽くす必要がありますが、何よりも最大の効果があるのは、消費者の消費行動にほかなりません。消費者が安いからといって海外の製品を安易に手にとるのではなく、品質や安全性、郷土愛や環境への配慮、地域の農業を守ろうという思いなどから、価格は高くても地域の食材を買おうという消費行動をとりさえすれば、本来TPPなど問題になりません。もちろん、容易なことではありませんが、レジ袋がエコバッグにかわったがごとく、問題提起をし、社会的なムーブメントを引き起こすことが必要ではないでしょうか。  おいしい信州ふーど(風土)や、しあわせバイ信州運動への取り組みはありますが、どちらかというと政策的に聞こえてしまいます。それをさらに超えて、それが普通のことなんだともっと県民に身近な問題として捉えられるようなPRを、長期的には教育の問題にもなってきますが、まず、知事が先頭に立ってPRを行っていく必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  TPPが県内農業生産に与える影響については、県は国の試算方法をもとに試算し、それに対応した効果的な施策を検討されているとのことでありますが、県の対応は、どちらかといえば、コスト削減による経営規模拡大、農産物のブランド化と輸出促進、地産地消の推進など、既存施策の拡充が中心となっているように思われます。  コスト削減については、国でも県でも過去よりこの命題に取り組んできており、既にほとんどの農家が削れるところまで削っている状況ではないでしょうか。  昨年度から開始された農地中間管理事業が思うように進んでいない現状から見られるように、農地の流動化はなかなか進まない上、既に限られた優良な農地を活用した経営の規模拡大も限界が近い状況と言えます。  さらに言えば、昨年東北農業センターを視察した際、大規模化と乾田直播によって米の生産コストは3分の1程度まで縮減できるが、海外の生産コストはさらに桁が違うという状況を伺い、コスト削減の効果の限界をここでも感じたところであります。  また、ブランド化と輸出拡大については、長野県はその要素に恵まれているとはいえ、地域間競争が今後も激化していくことや、ブランド化ということは非常に高度な能力が要求されることから、長野県農業を支える規模に拡大するまでには困難が予想されます。  今後、海外から価格の安い農産物が大量に国内に流通することに対応した高度な生産関係施設の整備などは必要でありますが、何といっても、みずからの新しい発想により乗り切ることのできる担い手、いわゆる農業の人材力の確保が減少の続く県農業の打開策として重要だと考えます。  塩尻市には、本県の畜産経営を支える技術の発信拠点として長野県畜産試験場があり、TPP対策に取り組む中で、畜産技術のとりでとして心強く感じているところであります。試験場内には、農業大学校の実科、研究科という畜産課程も併設されており、毎年実践力を持った担い手を輩出していると伺い、まさしく試験場として技術の発信拠点と人材力確保の教育拠点の役割をあわせ持っています。  昨今、農業経営者になろうという夢を持つ若者や、退職を機に農業経営を始める方々が注目を浴びており、一方、農業現場などからは、担い手の確保と同時に、現場で農家へ農業技術を指導する指導者の確保も急務となっているとも伺っています。農業の担い手の確保と農業の指導者の確保は、人材力による農業推進の両輪であり、並行して進めていかなければなりません。  また、私は家業を引き継ぎ、生業の担い手でもありますが、初めは知識や技術を習得することが先行し、経営者としての経営力確保というのは一定の時期を過ぎなければ難しいと感じております。農業経営についても同様に考えるところであり、経営に参画した担い手については、技術等を習得した一定のタイミングで、さらに販路開拓方法やマーケティング、ブランド化といった経営感覚を磨くためのスキルアップが必要だと考えます。  そこで、農政部長に伺います。  輸出拡大の目標値が過少ではないかという点は、風間議員の代表質問でも指摘がありましたが、目標値は高く掲げて、そこに向かって奮闘し、結果を検証するべきであると考えます。現在の4倍に拡大と言っても、もとの金額が少なく、県農業を支えられない規模では目標として不十分と考えますが、御所見はいかがでしょうか。  また、先日、荒井議員への答弁で、輸出国ごとのマーケティングの上、戦略的に輸出を拡大していくとありましたが、今後、戦略的に拡大していくために、輸出用農産物の生産をどのように推進していくのでしょうか。
     ブランド化という目標はなかなか意図してできるものではありませんが、少なくとも、そのためには同じフレーズを何度も何度も嫌というほど繰り返すことが必要です。「長寿世界一NAGANOの食」のPOPを全ての県産食品につけ、全ての県産食品にシールを張るくらいの取り組みが必要と考えますが、こういった取り組みについて御所見を伺います。  農業経営を目指す若者たちの農業の未来への夢の実現を県ではどのようにサポートし実現させているのか。農業技術の指導者の育成にどのように取り組んでいるのか。お伺いいたします。  また、県として、農業の担い手の成長のタイミングに合わせて継続的に経営能力のスキルアップを支援する必要があると思われますが、どのようにお考えか。お伺いいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)農業政策の中で、農産物の県内消費について、知事が先頭に立って取り組めという御質問でございます。  今回の予算の中でも、地消地産の推進、そしてしあわせバイ信州運動ということで、この農産物を含むさまざまな物について、地域内で経済循環を促していこうという方針を打ち出させていただいているところでございます。こうした取り組みは、オール信州で進めていかなければいけないわけでありますので、関係部局連携して、私自身が先頭に立って取り組んでいきたいというふうに思っております。  産業イノベーション推進本部の中に、新たに地消地産推進タスクフォースの設置をいたしますし、特に、農業分野におきましては、県産の農畜産物あるいは加工食品の地消地産を拡大するという観点で、ホテル、旅館などの宿泊事業者の皆さん、あるいは飲食業者の皆さん、こうした方々に対しても、県外の物から長野県産の物へ置きかえを促進するような取り組みを進めてまいります。  丸山議員のお話の中にもありましたように、こうした取り組みの意義というものを広く県民の皆さんと共有していくということがやはり重要だと思っています。身近な、顔の見える、安心、安全な農作物という観点であったり、あるいは遠くから輸送してくる場合には、当然輸送コストもかかるだけではなくて環境負荷もかかってくるわけであります。何よりも、地域内の経済循環をさらに活発にすることが長野県経済にとってもプラスであると、こうしたことを多くの県民の皆さんと共有をしながら、この県内農産物の県内消費の拡大に努めていきたいというふうに思っております。  以上です。       〔農政部長北原富裕君登壇〕 ◎農政部長(北原富裕 君)農業政策について順次お答えをいたします。  初めに、農産物等の輸出目標額についてでございますが、風間議員にお答えしましたとおり、現在の5億円の目標額は、昨年1月に、第2期長野県食と農業農村振興計画において、平成29年度を目標に新たに設定したものでございます。  この間、平成26年度の輸出額は2億600万円、本年度は3億円以上を見込んでおりまして、目標を上回る実績が早期に上げられますよう、しっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。  目標の上積みにつきましては、今後の食品全体の輸出目標額の設定や平成30年からの次期食と農業農村振興計画の策定の中で意欲的な目標額を設定してまいりたいというふうに考えております。  次に、輸出用農産物の生産拡大についてですが、農産物の輸出拡大を推進するためには、生産者が生産の当初から輸出先の規制や消費動向を踏まえた生産体制で取り組むことが重要と考えております。そのため、国によって異なる残留農薬基準ですとか、植物検疫制度など各種規制に適合した栽培方法の確立に取り組んでいるところです。  さらに、マーケティング調査で得られました情報、例えばリンゴの品種ですとか大きさですとか価格など、こういうものを産地にフィードバックしまして、相手国のニーズに応じた品種の導入や省力栽培技術、また、長期貯蔵方法の検討、実証を行うなど、輸出に向けた農産物の生産を戦略的に進めてまいります。これらの取り組みを輸出に意欲的な産地や生産者、さらには流通業者と一体となって進めてまいりたいと考えております。  次に、県産食品のブランド化についてですが、「長寿世界一NAGANOの食」、これは農産物と加工食品を一体的に海外へ売り込むための輸出向けキャッチフレーズとして今年度から始めたものでございまして、今後、部局連携の中で、オール信州として海外に積極的に発信してまいりたいと考えております。  また、国内においては、平成23年度からおいしい信州ふーど(風土)の統一ロゴによりまして、ポスター、リーフレット、また、新聞紙面によるPRのほか、銀座NAGANOでのイベント等を通じて、信州産農産物のブランド化を図ってきております。本年度は、長寿日本一などをPR資材に記載するなど、信州ACEプロジェクトと連携した取り組みも進めているところでございます。今後とも、これらキャッチフレーズを徹底的に使用し、定着させることによりまして、国内外における県産農産物のブランド化に向け、部局連携で積極的に取り組んでまいります。  次に、農業の担い手の確保と農業技術の指導者育成についてですが、県では、就農希望者に対し、就農相談から就農後の経営発展まで関係機関と連携して体系的に実施してきております。研修におきましては、新規就農里親支援制度や農業大学校の実践経営者コースなどにより、実践的な栽培技術や経営管理手法を身につける体制を整えております。また、就農後は、経営発展のための制度融資や補助事業の活用、経営者としての資質向上のための信州農業MBA研修の実施などによりまして支援しているところです。  また、農業の指導を担う県の普及指導員の育成につきましては、経験年数に応じた技術や知識の習得のため、体系的な研修体制を整備するとともに、マーケティングに関する知識習得のための市場ですとかスーパーなど民間企業での研修を行うなど、普及指導員の現場での指導力向上に努めております。  次に、経営者の経営能力のスキルアップについてですが、県では、経営感覚にすぐれた担い手を育成するため、先ほど申しました信州農業MBA研修を平成24年度から実施してきております。これは、若手農業者がより高いレベルの経営マネジメントやマーケティング戦略等を習得するため、農業経営コンサルタントを総合コーディネーターとしまして、日本の農業界をリードする農業経営者や食品の流通販売に精通した専門家を講師に、延べ50時間に及ぶ研修となっております。これまでに約80名が受講し、多くの修了生が新品目の導入、新たな販路開拓、また、6次産業化などの経営発展に取り組みまして、これからの本県農業の担い手として成長していただいております。今後は、修了生のフォローアップを行うなど、より研修効果を高めるよう取り組んでまいります。  以上でございます。       〔8番丸山大輔君登壇〕 ◆8番(丸山大輔 君)ぜひ知事には一般の消費者の皆さん、ムーブメントが巻き起こるように、オール信州での取り組みということでPRの継続をよろしくお願いしたいと思います。  また、輸出を長野県農業の一つの柱になる規模まで拡大していくためには、その規模がどのくらい必要かということをしっかりと想定した上で、長期的な戦略を立てていくことが必要になってくると思います。計画策定に当たっては、長期の視点、将来を見据えたグランドデザインを描いていただくようにお願いしたいと思います。  また、人材育成、やはり最後のとりでは人材であります。ぜひますます御注力いただきたいとお願い申し上げまして、次の質問に移ります。  F・POWERプロジェクトの進捗と森林整備について伺います。  信州の恵まれた森林資源を生かし、林業の活性化と森林機能の維持、再生可能エネルギーを利用した新たな環境モデルの創出、地域内エネルギーの循環社会への貢献などを目指し、産学官連携により取り組む森林バイオマス資源活用事業であるF・POWERプロジェクトについて、製材工場は昨年竣工し、現在順調に操業を行っているとのことですが、発電施設の建設が予定よりも2年以上おくれており、受け入れた地域からも先行きを不安に思う声が多く寄せられているところであります。  そこで、林務部長にお伺いします。  資本構成を地域内中心に組み直す積極的な意味合いからのおくれと伺ってはいますが、遅延の原因や現在の進捗状況、今後の予定はどうなっていますでしょうか。改めてお示しください。また、おくれに伴って製材工場との連携等で問題は生じていないでしょうか。お伺いいたします。  また、近隣の林道片丘南部線の整備についても開設がおくれているという話がありました。この点について、発電施設のおくれと関係があるのかなど実情をお教えいただくとともに、県下の林内の路網整備の状況についてもお教えください。  発電施設のおくれは、間伐等当初の森林整備計画にも影響があったかどうか。F・POWER周辺地域や全県の森林整備の状況や今後の進め方についてお伺いいたします。  続いて、雨氷の被害について伺います。  先日、中信地域を襲った雨氷による倒木等の被害は、10市町村、約600ヘクタールと広範なものであると先日の御答弁にもありましたが、一部報道でもあったように、塩尻市奈良井の雨氷被害は、沢に多くの倒木が見られ、治山施設はあるものの、大雨が降った場合に土石流と一体となって流木が2次的な災害を起こしかねない状況が見受けられます。被害林全体の復旧には時間がかかるとは思いますが、緊急性の高い箇所に関しては、部分的にでも一日も早い対応が地域の要望であります。現在は災害という状況ではありませんが、災害を引き起しかねない状況の回復のため、機動的な対応が必要と考えます。  そこでお伺いします。  本日現在把握できている段階で構いませんので、対応が急がれる緊急性が高い箇所は県下何カ所程度あって、その場所はどこでしょうか。また、緊急性の度合いについて、どう判断されているでしょうか。また、これらへの対応はいつごろが見込めるでしょうか。  以上、林務部長にお伺いいたします。       〔林務部長塩原豊君登壇〕 ◎林務部長(塩原豊 君)信州F・POWERプロジェクトの進捗と森林整備について御質問いただきました。  初めに、発電施設についてのお尋ねです。  同プロジェクトの木質バイオマス発電施設は、これまで事業の収益性や木材調達の確実性等の精査のほか、プラントメーカーの変更や出資を行う企業の調整に時間を要したことから建設スケジュールにおくれが生じている状況ですが、現在、出資予定者や金融機関、プラントメーカーにおいて、事業計画の最終調整が行われているところでございます。  既に稼働している製材工場から出ます端材等は、発電施設ができるまでの間、他の受け入れ先に販売されており、大きな問題は生じておりませんが、発電施設の稼働後は、当初の計画に沿って当該施設に供給される予定でございます。  次に、林内路網の整備状況についてですが、林道片丘南部線は、塩尻市が事業主体となって、平成26年度から30年度までに約3キロメートルを開設する計画であり、本年度の事業完了時には約730メートルが完成する予定です。これまでの事業箇所は、地形が急峻で標高が高く、現場の施工条件が厳しいこと、国の公共事業予算が要望どおり交付されなかったことなどの要因で当該路線の整備はおくれておりますが、発電施設建設との関係はなく、計画期間中には開通する見込みでございます。今後とも早期完成に向けて必要な予算の確保と技術的な支援に努めてまいります。  また、県下の民有林の路網整備の状況ですが、整備率の指標となります林内路網密度で、平成26年度末現在、1ヘクタール当たり19.6メートルとなっており、平成32年度の目標であります21.2メートルに向けて順調に推移しておりまして、引き続き着実な路網整備に努めてまいります。  次に、発電施設建設のおくれによる森林整備計画への影響等についてのお尋ねです。  発電施設の稼働のおくれにつきましては、周辺地域を含め、県内の林業事業体では、事前におくれを見込んで森林整備を計画しておりますことから、その影響は小さいものと考えております。  一方、特に周辺地域の林業事業体からは、間伐材等の供給先として、この発電施設の稼働に対する期待が大きいものと聞いております。このため、県といたしましては、今後とも発電施設建設稼働後の間伐材等の安定供給に向けまして、森林経営計画の策定や路網整備等を支援してまいります。  次に、雨氷による倒木被害についての御質問をいただきました。  雨氷による森林被害や調査の状況については、代表質問において下沢議員にお答えしたとおりでございますが、被害全体の把握には本格的な地上調査が可能な雪解けを待つ必要がございます。被害を受けた森林のうち、急傾斜地において樹木がまとまって根ごと倒れ、かつ下流に集落や道路が存在する場合は、大雨の際に流れ木を含めた土砂災害が発生するおそれがあるため、緊急性が高い箇所と認識しております。今後行う調査の結果、このような箇所が確認された場合は、関係市町村と連携の上、公共治山事業により倒木整理や治山施設の整備などが行えるよう国に申請してまいります。  集落が近接する特に緊急の対応が必要な場合は、来年度早々から県単治山事業により応急的な倒木の除去などを行ってまいります。  以上でございます。       〔8番丸山大輔君登壇〕 ◆8番(丸山大輔 君)調査の結果を待ってとのことでありますが、緊急性高いと見込まれるところに関しては、基礎的な対応をお願いして、次の質問に移ります。  次に、電力の自由化について伺います。  これまで、電気は中部電力など各地域の電力会社だけが販売しており、電気をどの会社から買うか選ぶことはできませんでしたが、ことしの4月以降は、電気の小売業への参入が全面自由化されることにより、家庭や商店も含む全ての消費者が電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになります。  電力の小売自由化は、工場などの大口消費者については既に実現しています。最初の小売自由化は平成12年3月に始まり、特別高圧区分の大規模工場やデパート、オフィスビルが電力会社を自由に選ぶことができるようになり、新規参入した電気会社からも電気を購入することが可能になりました。その後、小売自由化の対象が徐々に拡大していき、ことしの4月からは家庭や商店などにおいても電力会社が選べるようになります。  この電力の小売全面自由化により、さまざまな事業者が電気の小売市場に参入してくることで、新規参入の会社を含めた電力会社の選択が可能になり、電気の小売事業への参入者がふえることで競争が活性化し、さまざまな料金メニュー、サービスが登場することが期待されます。太陽光、風力、水力、地熱などの再生可能エネルギーを中心に電気を供給する事業者から電気を買うことも可能となります。  長野県は多くの施設を有していることから、相当程度の電力を消費していると思いますが、電力の自由化に伴い、低廉な電力に切りかえることにより、電気料金の削減を図ることができるのではないかと考えます。  電力の自由化による歳出削減については、今定例会における代表質問において、我が自由民主党県議団幹事長風間議員から積極的な提言がなされたところであり、私も極めて重要な課題であると考えています。  そこで、総務部長にお伺いします。  電力が自由化されて以降、県はどのように取り組んできたのか、県の施設におけるこれまでの取り組み状況について伺います。また、ことしの4月の電力の小売全面自由化を踏まえ、県の取り組みを拡大した場合、どの程度の歳出削減効果が見込まれるのか。そして、今後どのように取り組んでいくのか。伺います。       〔総務部長原山隆一君登壇〕 ◎総務部長(原山隆一 君)電力の自由化におけるこれまでの取り組み状況と今後の取り組みについてのお尋ねでございます。  風間議員の代表質問の中で御指摘いただいたとおり、電力の自由化に伴い、契約方法や相手方を見直して電力調達に係るコストを削減することは大変重要な課題であると認識しております。県では、これまで、電力の自由化の拡大に伴い、県庁については平成13年から、10の合同庁舎の一括契約については平成17年から、流域下水道の3施設については平成15年から順次一般競争入札により締結しておりまして、これらを合わせて年間で約4,000万円の経費削減効果を見込んでいるところでございます。  長野県の施設で使用している電力量の総量は、平成26年度実績で約1億1,420万キロワットアワー、金額に換算すると約20億円になります。高等学校、試験場、警察施設など、県有施設は約500施設あります。今回の全面自由化を受けて取り組みを拡大した場合の削減効果については、仮に県庁と同様に電気料金の10%の削減率で試算した場合は、県全体で約2億円と大きな削減効果が見込まれますが、さらに合同庁舎で10の庁舎をまとめて契約した結果、20%の削減を達成しているといったことを踏まえますと、さらなる節減効果も期待されるところでございます。  本年4月から始まる全面自由化への対応も含め、庁内のワーキンググループや事業見直しの中で、電力会社が示す具体的な料金プランや経費の削減効果を把握しつつ、一括契約方式への変更など調達方法も含めて検討を行いまして、電気受給契約の見直しを随時進めてまいりたいというふうに考えております。       〔8番丸山大輔君登壇〕 ◆8番(丸山大輔 君)御答弁のように、非常に大幅な縮減が可能ということでありますので、ぜひ早期に検討していただいて取り組み、県政発展の原資としてお使いいただきたいというようにお願い申し上げまして、一切の質問を終わらせていただきます。 ○議長(西沢正隆 君)お諮りいたします。本日はこの程度で延会にいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(西沢正隆 君)御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決定いたしました。  次回は、明2日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後3時49分延会...