農政部長 中 村 倫 一
農業政策課長 山 本 智 章
農業技術課長 北 原 富 裕
園芸畜産課長 本 井 治
参事兼
農地整備課長 赤 羽 昭 彦
農村振興課長 上 杉 壽 和
農産物マーケティング室長 中 島 賢 生
●
付託事件
3月5日に同じ
●会議に付した事件
3月5日に同じ
●
開議時刻 午前10時29分
●
諏訪委員長 開会を宣した。
▲
日程宣告
農政部関係の審査
▲
議題宣告(
農政部関係)
付託事件及び
所管事務一般を一括して議題とし、委員の
質疑等発言を許可した。
◆
望月雄内 委員 順次、質問をさせていただきます。時間は何分になるかわかりませんけれども、なるべく早く引き上げます。それでは最初に、今、国が進めております
農政改革について、ちょっと質問をしたいと思います。今、
安倍内閣が過去2年にわたって進めております、最大の目玉の政策というのは
景気対策ということですが、三本の矢と言われている三本目の矢の中で最大の位置づけをしたのが農政の
大改革だということを申しておりますよね。昨年のちょうど今ごろですかね、突然、政府の
諮問会議であります
規制改革会議から、将来の日本の強い農業、もうかる農業、農家の所得を倍増すると銘打った
農政改革案が示されました。
所得倍増ってどこかで聞いたような言葉で、何十年ぶりかに聞いたんですが。その
大改革の一つとして、突然、その
規制改革会議から
農政改革という案が示されたわけであります。私も関係している関係上、びっくり仰天したわけであります。
その改革が、あれよあれよという間に
閣議決定されました。私は、随分拙速な話だなと、何でそんなに急ぐんだと、文句の一つも言えない間に
閣議決定がなされたとこういうことですね。これはもう
皆さん御案内のとおりでありますよね。多分、大方、100%と言ってもいいと思うんですが、ほとんどの方が何でこういう
大改革を急いで
閣議決定まで持っていくんだというふうに疑問に思ったんじゃないかと思っております。
その後、いろいろ折衝があったんでしょうけれども、その
閣議決定に基づいて、つい先ごろ、いわゆる
骨子案が決まったということであります。この
骨子案をもとにして、多分、今、法律を書いておるんではないかと思いますが、それが今月の末か、来月の初旬に出てくると。そしてそれが国会の審議にかかるとこういうことでありますが、どういうふうに書かれてくるかはこれからであります。しかし、
骨子案ができたんで、それに沿ってということではあるだろうということは予測できます。そういうことを受けて、今回のこの農業の大振興という銘を打った改革のこの1年の経過を見ていまして、
農政部長としてはどのような感想を持たれているのか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。
◎
中村倫一
農政部長 おはようございます。
農協改革、
農業委員会改革、
農業法人制度改革と3つのポイントがあるわけでございますけれども、
望月委員がおっしゃるように、まさしく急遽持ち上がってきた
政府決定に向けての検討が国段階で行われたわけでございまして、関係する団体や機関の
皆さんにとっては、ある意味、青天の霹靂的な要素は確かにあったかなと思っております。私どもも、最初の議論がなされた中身を聞いたときに、結構いろいろなところへ根底のところに触れた議論をしたなという感覚がございました。
中身そのものもそうでございましたけれども、そうした
方向性を出されたり、それから主査としてまとめられた方が
農業関係者ではなくて、どちらかというと
経済界の皆様方が中心になったということもあって、農政に携わったり、
農業分野の団体においでになる方々にとっては、非常に理解をする前の段階でかなり抵抗感があったというふうには思っております。
これで
骨子案が固まって、現在、法案が
最終提出前というところになっているところでございますが、農協の
改革案や
農業委員会の
改革案にいたしましても、基本的な団体、
行政執行機関としての主要な使命、
農業自体のあるべき姿ということについては、それぞれの団体や機関が従前から目指してきた姿を根底から覆す中身にはなっていないわけでございます。一方で、農協の場合ですと、
地域農協から
全国段階まで3段階があるわけでございますけれども、
上部団体と
地域農協との関係にあつれきがありましたし、議論になってきたと。
財務構造上もかなり農協はいろいろな課題を抱えていますので、影響がないということではありませんけれども、
地域農協にとっても一定のリスクを抱えてこれから
自主改革、
自己改革に進んでいかなければならないという
方向性が出されたわけでございます。実際の法案や省令などが変わってまいりますと、具体的な影響というのはこれから見えてくるわけでございますので、それには的確に対応していかなくてはいけませんし、農協はこれまでの
生産フィールドにおける
組合員に対する
サービス機能というのが一番重要でございますので、そうしたことにそごが生じないように、県としても応援をしたり支援をしていく
必要性があると、大局的には感じているところでございます。
一方で、
農業委員会、
農業会議の関係につきましては、法が昭和26年にできましたけれども、
農地委員会、
農地調整委員会、
農業改良委員会という3つの
委員会がありましたものが統合された形になっております。したがって機能的には、農地の関係と農業の改良を進めることで、農民の地位の向上ということを目指して、現在までもさまざまな活動をしてきていただいております。これについては、基本的な理解をする前提として、
農業協同組合のように民間の団体ではないという理解が必要です。
農地法等の
執行機関としての一翼を担っている県及び
市町村の
行政機関でございます。したがって、
行政委員会ということになるわけでございますけれども。そうした枠組みの中で、これまで果たしてきた機能が、本当に今回の
改革案やそれに基づく法律の施行に伴って、機能が損なわれていくようですと、これはかなりの大きな影響があるかと思います。
農業委員会の場合につきましては、これまでに、
農業生産や
農業経営の向上というところにもかなり大きな意見を出していったりしていたことがありましたけれども、
改革案の全体としては、
農村地域であったり、国の一番大事な資源の一つである農地を価値を生み出す農地としてどう利用調整していくかということに絞った格好になってきておりますので、この部分は、従前よりもかなりしっかり仕事の中身も進めていただくことになると思います。
一方で、
農業生産の関係につきましては、農協が
組合員や準
組合員に対して、どれだけの
経済的メリットを及ぼす団体に
自己改革をしていけるかということが言われているわけでございます。機能を整理をしたという見方も一つの見方としてあっていいのではないかと私は受けとめております。両方の改革が、
農業者の所得の向上という大目的と、
農村地域の再生・創生といった大きな
政策目標を果たしていく上で、職員や委員の方々のモチベーションの問題ですとか、いろいろなことはありますけれども、両
機関ともに、
現場ベースで、非常に重要な役割を担っていくことは間違いないわけでございます。さらに明確化された重い使命を背負った両方の団体が、これからしっかり機能していただけるように、私
ども農政部としても必要なところはバックアップをしていくというスタンスを持っていかなくてはいけないなと思っております。
◆
望月雄内 委員 今回の改革を進める中で、いわゆる極秘裏で検討されていたことは事実なんですね。要するに決まったことが出てくると。決める過程のことは一切秘密だということで、何でそういう
取り組みをしなきゃいけないのかということは、非常にクエスチョンだったんです。後でその議事録を抜粋して見ていると、いわゆる戦後の農政の中で農協の果たした役割の利点、それから
農業委員会等の果たした利点というのはあまり出てこない。むしろ改革ありきであるがごとく、戦後、農協がやってきた今までの経過の中での弊害みたいものだけを
浮き彫りにして、だから改革するんだと。
農業委員会の弊害を
浮き彫りにして、だから改革しなきゃいけないんだというようなことに私には非常に見えたんですよ、私にはね。部長は、今、その程度しか言えないというのはわかっていますから、それ以上いろいろ言いませんが。
そういう中で、では農協の組織を変えれば、あるいは
農業委員会の内容を変えれば、農業がどう振興するんだと、そこの部分は全然ないんですよ。
農業振興だと、そのための
大改革だと思って、私は期待したんですが。まさかああいう形で
農協つぶしや
農業委員会つぶしみたいなことが、ぽっと
規制改革会議から突然出てくるなんてことは夢にも思っていなかった。むしろ私は期待していたんですよ。抜本的に、こういうことを国が進めてくれるなら農家は喜ぶなと、そういう案もあったんだなと、そういうことを期待していたんですよ。しかしそれは一つもない。
それで、私はこの改革が進んで、
骨子案ができた。これで、
農業振興になるのか。
所得倍増だって言うんだけど、農協の改革をしたり、
農業委員会の改革をすれば、所得の倍増にどうつながるのかという、その
結びつきがさっぱりわからない。そういうところはどのように考えているんですかね。
◎
中村倫一
農政部長 今般の団体を相手にした
農政改革をした場合に、実際の
農業現場はどういうふうに変わっていくかの
関連性について、国がどういうスキームを描いているかということだと思いますけど。
先ほど御質問いただいた、団体・機関を相手にする改革より少し先行する形になりますけれども、
農林水産業・地域の
活力創造プランというのが先行して固まってきております。その中で、4つの大きな柱が既に政策決定されていたわけですね。例えば
農業委員会の業務が、
先ほど申し上げたように農地の集積・
集約化とか、
優良農地の保全というところに大きく集中化されたということについては、一方の、
農林水産業のプランの中では、
農業経営規模を拡大し、農地を使いやすい状態に集積をした上で、
コストを下げたり
所得性を求めていくんだという政策につながると国としては言っているということだと思います。
それから
農協改革につきましては、
経営感覚を持った
農業者が、実際に6次産業化や輸出をしたり、それからいろいろなその
コストの
低減活動をするという中で、実際に
組合員を相手にしている
地域農協が、
農業経営を営んでいく上での
合理性や
有利性というのをサポートする機関になっているかどうかということと相見合いの格好で検討した結果というふうに、
政策形成上はつながった形にしている。ただ、国民・県民の
皆さんには、タイミングがずれて公表されたりいろいろしてきておりますので、その関係が政策論的につながっているんだということを御理解いただくには、政府のアピールも、時間的にも十分足りていないという状況があるかと思います。
これと別に、伏線的にささやかれるいろいろなことを、私も耳にはしておりますけれども、お尋ねのその
関係性ということについては、一応その2つの柱の中でのリンクが、とられているという形に政府はしていると思っております。
◆
望月雄内 委員 部長の答弁はいろいろな整理をしてくれたということだと思います。今回のこの改革が、
企業感覚、要するにもうかる農業ということになると、当然、それは経営ということなんだから大切だと。それが今までなかった。もっと
企業感覚を取り入れろと。そのために何をすべきかということも含めて、今回の改革の一つになっているということは、よくわかる。ただ、企業をどんどんこの農業に参入をさせるということが、農業の振興に大きく貢献するんだということが、あまりにもちょっと強過ぎるんではないかと。だからうがった見方をすると、企業を参入させるためには、邪魔な規制をなくしたり、障害物はなるべく外せということで、
農業委員会に手を入れたんではないかと。それからもう一つ、農協には、努力した農家が利益を得るべきなのに、その利益を組織が持っていっちゃうからそれを持っていかないようにするために、何とか権限をもう少し減らせというように見えるんですけれども。
その辺は、部長、もう今回、御勇退だということで残念なんだけど、その辺を含めてもうちょっと思いのたけを踏み込んで言ってもらいたいと。
先ほどまではもう名答弁ですよ。非の打ちどころがない、整理もしてくれたと。そういうふうに私も見ているんですが、ここは私との議論なんだけど、そのようには感じませんか。私の思い違いですかね。
◎
中村倫一
農政部長 大分深いところへ掘り下げられてしまいましたが、
望月委員がおっしゃるような見方は、私も多くの方々と同じように、見方として
一つ現実にあると思っております。もう一つの見方も実はあるわけでございます。何年かにわたりまして、どうやって
農業生産現場を合理的なすばらしい、しかも人の声や物の音が通い合う農村にしていくかということをやらせていただきましたけど。
耕作放棄地とか遊休農地問題ですとか、農家の
高齢化が進んだ現場を見ながら、一方で規模を拡大されたり、いろいろなことに取り組む方を応援させていただいてきたんですけど、そちらのほうで見ていけば、それは
農業経営もやはり企業的になってきているということだと思うんですね。
利用されない農地のエリアや
高齢者がかろうじて草だけが生えないように管理しているという部分のところを見ますと、これは
食料生産や
多面的機能を持っている農地という資源を、本当に有効に活用できない部分に実態としてなっているわけでございまして、そうした部分の資源の活用という部分で見ますと、これは
経済界の財力とか、
技術力ですとか、そうしたものを持って入ってくるということ自体に、あながち、100%のプロテクトをしてしまうということ自体は、なかなかできないことだろうと思うし、それはあまりしないほうがいいことなのかもしれないという見方が、両方あると思います。
ただ、15年・20年前に、
企業参入が一部行われたことがあって、その結果として何が起こったかということを経験的に知っている
農業者や我々
農業関係の職員にとっては、あからさまに
フルオープンにしてしまうこと自体は、過去の実態から踏まえて難しいことがあるよということで、
農地法の世界も、それから
農業法人の要件につきましても、事実上、まだプロテクトしているという状況になっているところがあるわけでございます。そうしたものを着実に判断していくというシステムも、これからはしっかりつくっていくということも必要だなという時期になっていると思います。
ですから、両方の見方があって、従前と全く同じようにという農地の扱い、あるいはそういう感覚ということでいきますと、大変失礼ではございますけれども、そういうふうにやってきた結果が、やむなく
右肩下がりの、あるいは
利用実態としても遊休化していくものがふえてきているという実態も、私
ども行政は現実としてよく胸に置いて、どういう変化をもたらしていくためにどういう制度をつくっていくのかということ自体を、両翼からよく検討して、慎重に進めていかなくてはいけない時期に来ているなと思います。
◆
望月雄内 委員 そこで、これからなんですが、私は今回のこの改革を見ていて、要するに
農業振興というよりも、2つの法律でできている組織に手を突っ込むということが改革なんだというふうにしか思えないんですね。というのは、さっき言ったように具体的な施策がないわけですよね。
骨子案を見ると、結局、全中にだけ手を入れて、それで準
組合員はOKしてしゃんしゃんしゃんでしょう。結局、さっき部長が言っていたように、各県の
中央会、それから単組がものすごく責任が重くなった。そのとおりですよ。その重圧に耐えられるかどうか。それからその企画力やいろいろなものも、今まで以上に求められる。それができるのかどうかということが全然議論されなくて、一番上だけ変えればいいんだというふうにとれる。
それから
農業委員会も、結局、代表制だけを変えるだけで、あとは残るわけですよ。法案を見なきゃわからないけど、
骨子案はそうなっている。では何のためにやったんだと。しかも、いろいろ聞いてみると、
農業委員会だって、文句一つ出てないんですよね。各
市町村の
農業委員会、しっかり地域の住民の意見を聞いて、そして上げてくるものですから。その
上部組織があれしろ、これしろっていうことで、
不平不満なんか一つもない。むしろ統制されていて非常にいいということのほうが多いんですね。では一体何のための改革なんだということで、ますます見えないんですよね。きのう、自民党の党大会で
安倍首相がやっていましたよ。これで日本の農業は世界一になるんだってやっていました。全然わからない。それに拍手を送っている人を横で見ていて、ばかな者が多いなと。特に若者はみんな拍手していましたよ、わからないから。そういうことであるわけですが、いろいろ申し上げてもいけません。私は別に
政府批判だとか、
自民党批判をしているわけじゃなくて、心配だから物を申しているわけであってね。
それで、話を戻しますけれども、要するに今度は、こういう今の
大改革が、いつできるか知りませんけれども、4月から
国会審議が始まりますよね。
集団的自衛権やなんかもいろいろあるんで、夏ごろになるんじゃないかという、随分遅くなるんじゃないかと。その前に予算がありますよね。だから遅くなるんじゃないかとは言うけれども、いずれにしても夏ころまでにはしっかりできるというふうになったときに、今度は
政策課長にお聞きしたいんですけれども。こういう
農村振興計画をしっかり立てているわけですよね。こういうものを手直しをしなければいけないとか、これは削ってこれをつけ足すとか、そういうことというのは、出てくる
可能性があるんですか。
◎
山本智章 農業政策課長 今回の
農業改革の内容につきましては、今、部長と
望月委員との間でお話があったとおりでございますが、委員からお話がありましたとおり、今回の
骨子案だけを見ますと、農協、
農業委員会、
農業会議についての組織の見直しというようなことが主な内容になっております。
先ほどから委員がおっしゃっているように、その組織を変えることがどのように
農業振興に結びついていくのかという具体的な道筋は示されておりません。それもおっしゃるとおりでございます。今後、検討が進む中で、まだ私どもも
法律案、
改正案を見てございませんので、具体的な細かいところまでは承知しておりませんけれども、具体的な
法律案と
改正案が示されて、国会の中で審議がされていく中で、組織の改革がどのように地域の
農業振興、あるいは地域の農協や農家の
皆さんのますますの活性化につながっていくのかというようなことが見えてこないと、今回、第2期の計画を改訂させていただきましたけれども、それをさらにまた改訂する必要があるのかどうかというところまでは、なかなか見えてこないというのが現状だと思っております。
◆
望月雄内 委員 仮定の話で申しわけないと思うんですが、いずれにしても、遅くとも8月ころまでに、出たとして、その段階で県が進めている施策に急遽手を入れなければいけないということは、物理的に難しいわけでありますので、それは今後のことだということですね。その辺がどうなってくるのかというところも非常に興味のあるところなんですけれども。今の
骨子案から見れば、えらい期待をしてもいけないかなという感じはいたします。
そこで、農地を集約する、大規模化していく、そういう
方向性というのは示されているわけですし、もう既に
中間管理機構がどんどん進めているわけですので、それはそれとして進めていいと思いますが、一方、兼業の
小規模農家の
人たちは、例えば7反歩だとか、あるいは1町歩だとか、それでも農業をやっていきたいという人はいっぱいいるわけですよ。こういう
人たちを、小規模あるいは小さな農業と言っていいのかどうかということは異論がありますけれども、私は、集約して大規模化していけば、そういうふうに言っていいと思いますが、そういう
人たちの地域で果たす役割というのはものすごく大きいわけですよね。
農業振興だけじゃなくて、いろいろな意味で大事だと。こういう
人たちを守るという立場の施策というのが、全然、議論されないわけなんですけれども。ただ集約して大
規模農家をつくって、それで強い農業だということがあまりにも全面に出ているんですけれども。そうではなくて、そういう農家の
人たちをどうやって守っていくかということについて、もっともっと議論する必要があるんではないかと思っております。
国は、水路を直したりいろいろなことをやって、少しでもバックアップしているという、そういう姿勢は見えますけれども、なかなかそれは、ソフト的な事業であって、大なたを振るった
骨子案じゃないと私は思うんですね。そういう意味で、長野県として、例えば
兼業農家を育てるということになると、昔、
農工一体論ってあったですよね。要するに企業に勤めながら、自分の農地を守って農業もやっていくということで果たしてきた役割というのは非常に大きかったわけでありますけれども。そういう意味で、
小規模農家を守る施策の具体的な
取り組みということになるとどのようなことができるのかなと思うんですけれども、その辺は、これは
農業振興課長なのか、
農業技術課長なのか、どちらでも結構ですけれども。
◎
北原富裕 農業技術課長 大変難しい御質問をいただきまして、ありがとうございます。
農工一体論というお話ですけれども、お考えとしては同様な御質問が
代表質問で
向山議員からもされたと私ども受けとめております。ただ、昔の
農工一体論、私も詳しくは存じ上げませんけれども、多分、
農村工業導入事業という中で
農村地域にいわゆる工業を誘致し、そこに雇用をつくり、雇用をつくる中で兼業もしながら、さらには一部、農地を集約して専業的な
農業者を育てていくという発想の中で、
農村工業導入事業というのもされておりましたし、そういう発想というのはあったと認識をしております。
ただ、多分、
向山議員のお考えもそうだと思いますし、
望月委員の基本的なお考えでは、今の時代、いわゆる地元の企業に勤めながら農業もある程度やり、仕事もシェアしながらということが将来的には必要なんではないかなと思っております。そのときにやはり、パートでいいのか、
常勤雇用でいいのか、そういう雇用上の問題も多々あろうかと思います。そういうことについては、これからもう少し十分な研究なり勉強していかないと難しいかと思います。一方では企業からのアプローチがあれば、またそれもこれから検討という形になろうかと思っております。
もう一つ、
兼業農家を守る施策ということでは、農業に携わっていらっしゃる方が、生活の糧としての
農業生産をきちんとやりたいのか、それとも農作業なり農業というのを一定程度やりながら、ほかのものとの合算の中で生活を維持していくのかというところ、それぞれの方々にとってのお考えがあろうかと思います。それから地域によってもそれぞれ違う。そういう中では、一つには集落営農の中で役割を担っていただく。またそのときには、当然、日本型直接支払、
多面的機能支払等も一緒に組み合わせながらということになろうかと思いますし、規模が小さくても集約的な農業に特化していただく中で、生活としての農業を支援していくという、いろいろな現場によっての違いというのはあろうかと思いますので、農政部の施策的には、ある程度の施策を出させていただいていると思っておりますけれども、委員御指摘のようにまだまだ足りないところもあろうかと思いますので、今後もしっかりと考えなければいけない課題だと思っております。
◆
望月雄内 委員 なかなか農業だけでは、思うような所得にならないんですよ。ですから、集落的なことで共同経営をやったって、なかなか難しいのはもう御存じのとおりで。そういう意味で、
農工一体論みたいなことをまた再び言い出すわけですけれども。
向山議員と私は随分そのことで議論したから、今回、やるということは知らなかったんだけど、やっていました。というのは、
向山議員のお父さんの向山一人さんがみずからそれを実践したんですよね。これからの農業というのは農業だけでは難しいと。でも農業に執着する人はたくさんいる、農業をやりたい人はたくさんいるんだと。あるいは農地は先祖伝来のものだから絶対守っていく、俺の代でなくしたくない。そういう
人たちをどうやって守っていくかには、やっぱり農業だけでは無理なので、工業も入れて
農工一体論でやると。それでみずから企業を興して、あちこちに工場をつくって、そこで働きながら農業をやってくれということをやったんですね。だからお父さんの考えを受け継いでいるんで、今のこの難しい時代に何とかしたいという思いだったと思います。
うちも少ない1町歩ぐらいなんだけれども、確かに私どもも地域を歩けば、先祖伝来の農地だと。今、息子が名古屋にいて、帰ってきてうちをやってもいいと言っているけれども、来ても1町歩の農家ではやれないと。だといって、これを売るわけにはいかないと、守っていかなきゃいけないと、そういう思いは強いですね。そうなると、結局、兼業なんですよね。兼業ということになると、やっぱり今言ったように働く場所、これは別に企業だけじゃないんですけどね。
そういう意味で、今後、農業は農政部だけで取り組むということじゃなくて、例えば産業労働部と農政部が一つのプロジェクトを組んで、それで
兼業農家をしっかり守るためにどうするかっていうようなことの
取り組みも、私は必要じゃないかと思うんです。あるいは長野県の中にそうところがあるのかどうか、例えば
市町村の理解を求めて手を上げてくれるところと手を組んで、一つの特区みたいなものをつくってモデル事業的なものをやってみるとか、それがよければそれをつなげていける。そういうような新たな
取り組みをする必要があるだろうと。そういう意味で、縦割り的な発想だけじゃなくて、農政部といって農業それ一本じゃなくてね。やっぱりそういう幅広い見方の中でタイアップする。ほかの部署ともやっぱり連携していくということが必要ではないかと思うので、ぜひそんな
取り組みもしていただいて、既存の農業に執着する小さな
農業者を守れる、そんな仕組みを、今からでもいいのでぜひひとつお
取り組みをいただきたいと、これは要望にしておきます。
さて、次の話にまいります。今、新規就農ばっかりに話がシフトされているけれども。実はかつて、農家の人手が足りないということで、外国人の農家労働者が非常に話題になったですよね。
委員会でもその話で持ち切りだった時代もあります。ここ最近、全然、誰も取り上げないし、どうなっちゃっているのかなということなんですけれども。長野県の中で、外国人の方々、大分働いてはおると思うんですけれども、今の実情はどういうふうになっているんですか、ちょっと教えてください。
◎上杉壽和
農村振興課長 長野県で技能実習制度という制度がございますけれども、それによって外国人の方で
農業現場で働いている方は、平成25年で申しますと約1,800人の方が働いております。本年度はちょっと少なくなったと聞いておりますけれども、ここ数年は、大体1,500人から1,800人ほどが働いていらっしゃいます。実習をされていらっしゃいます。
◆
望月雄内 委員 これ、国でいくとどういう状況ですか。
◎上杉壽和
農村振興課長 全体の統計というのはなかなかないんですけれども、長野県は、非常に多いほうだということでございます。一番は茨城県が多いと聞いております。以下、熊本県、愛知県、いわゆる1年中できる園芸産地で実習されている方が多いと聞いております。
◆
望月雄内 委員 国はどこが多いんですか。
◎上杉壽和
農村振興課長 外国の国という意味ですね。
先ほど1,800人というお話をさせていただきましたが、長野県で言いますと、中国の方が圧倒的に多いということで、約8割です。そのほか、フィリピン、インドネシアなどで、平成25年で申しますと、11カ国の方がいらっしゃっております。
◆
望月雄内 委員 この外国人の方々が、就職で来ていただくわけですけど、それはどういう仕組みで
皆さん来られるんですか。業者がいるのかどうか知りませんけれども、その辺の実情はどうなっていますか。
◎上杉壽和
農村振興課長 農家の
皆さんが実習生を受け入れたいということになったときに、それをまとめるという言い方はありませんけど、その要望をとる一次受け入れ団体と申しておりますけれども、管理団体という言い方をしております。その団体が、今度は外国のあっせん業者といいますか、送り出しをする団体の
皆さんに、実習生を集めていただきまして、そこでまとまった段階で入国管理局に申請をしまして、許可が得られましたら日本に来ていただいて、それから希望する農家へ入っていただくという制度になっております。
◆
望月雄内 委員 その管理団体というのはどういう団体なんですか。
◎上杉壽和
農村振興課長 ほとんどは事業組合という形でして、希望する
皆さんが、事業協同組合ですね、寄り添って一定の組織をつくって、それで農家の希望をとって、募集して集まった人を受け入れるという形です。県内で言いますと、約30ほどの管理団体が、全国組織の管理団体もございますのであれですが、農協も半数の農協等が自分たちでその受け入れ団体というものを組織しまして、受け入れを行っております。
◆
望月雄内 委員 実際に受け入れている農家の方はいいんだけど、これから受け入れようとかっていう人が、受け入れた場合にどういう問題があるのかなということを理解した上で受け入れたいというときに、相談をするところがないというんですよね。その管理団体が農協とかそういうところにちゃんと窓口があれば、そこで聞けるはずなんだけれども。それがないので、判断ができないと。受け入れていいものなのかどうなのか、受け入れたときに、どういう体制づくりをしなきゃいけないのかということを、ちゃんと聞いた上で判断したいという人が随分いるみたいなんだけれども。今、話を聞いていると、そういう管理団体がちゃんとあってきちっとやっているというのであれば、あるいは農協もかんでいるとすれば、ちょっと不思議だなと思うんですけれども。そういう声を受けてどうすればいいかということを、今までにどこかからそういう要望があったとかということはないんですか。
◎上杉壽和
農村振興課長 この制度、外国人の方を受け入れるということで、例えば入国管理局の許可が要るとか、難民法とかの法律上の問題がかなり大きいものですから、実際に相談を受けるのは、国の現地機関であります地方労働局にお聞きをするのがいいと思います。この管理団体は、今のところ全国で管理団体を、指導といいますか、支援する組織が、公益財団法人がございます。名前は、国際研修協力機構という団体がございます。そういうところに聞いていただくということもいいかなと思います。
それから、なかなか自分たちで管理団体を立ち上げるというのは大変だということがございます。ただ、その場合に、農家がどういう書類をそろえたらいいかというようなこともございます。そういうことは、その労働局なりにお聞きをいただくのが一番いいかと思います。
◆
望月雄内 委員 そういうことなんだろうけど、一般の人が労働局へ行くのは、なかなか難しいし、入管の手続とか、そういうことをするわけじゃないんで。要するに受け入れをしたいというような農家の
人たちが、私がさっき言ったようなことを判断したい場合に、相談窓口がないというんですよ。農協へ行けばいいんですかね。農協へ行けば、ここへ行ってくれとか、何とかっていうことで相談に乗れるわけ。
◎上杉壽和
農村振興課長 農協が管理団体を一応持っているところは、それでいいと思います。農協が管理団体を持ってないところにつきましては、一応、管理団体を紹介するということは、
市町村や県とすればちょっとなかなかできにくい部分がございます。ただ、どういう書類が必要なのかということは、ホームページ等にも載っていますし、それを一生懸命支援していただいております社会保険労務士とかがいらっしゃいますので、そういうところを御紹介することはできます。
◆
望月雄内 委員 難しい問題を内在しているんではないかと思いますので、私もこれ以上のことを申しませんが、参考にしたいという農家の方も随分いるんで、そういう
人たちの相談に乗れるような仕組みが本当はあればありがたいかなと。今、木下委員が、普及センターあたりではそういうことができるのか、できないのかって言っているんだけれども、今言った、いわゆる人権的な問題とか、いろいろなことが絡めば、簡単に行政としてできないということなのでそういう管理団体をつくってやっているんだと思うんですけれども。わかりました。事情はよくわかりましたので、それぐらいにしておきます。
ではもう1点、中島
農産物マーケティング室長にちょっと一言だけね。実は、私、銀座NAGANO、2度ほど行きましたかね。2回目に行ったときに、たまたま入れないほど人がおりまして、足の踏み場もないほど人がいて、きょうは何だねと言ったら、いや、きょうは2階だか3階でトークショーをやるんだと言っていましたよ。誰がやるのって言ったら、北原
農業技術課長が来てやるんだと、大した人気があるんだな、この人は、すばらしいなと。では少し会っていかなければいけないかなと思って上がっていったんです。かき分けかき分け上がっていったんですが。そのときはたまたま玉村さんが来ておりまして、お二人のトーク、これは、例の「ひすいそば」の発表会ということで、みんなに食べてもらうと、振舞っている。その「ひすいそば」を食べながら、その「ひすいそば」のいわれとか、歴史とか、それにまつわるいろいろな話を一つのモチーフにしてトークをするということで、大変な人気だったですよ。そういうところへ、私、出くわしたんですが。
とても食べられる状況じゃない、人が多くて。それで、職員の
皆さんはぜひ食べていけ、食べていけというもので、私も時間がないわけじゃなかったんで、ではぜひ食べていこうということで、少しピークを避けてと思って下へ行ったり何かして。それでそのピークが終わったんでちょっと行った。それで「ひすいそば」を食べたんですが。宣伝をしているほど、私にはうまくなかった。これだけ銘打ってやっているのに、うんと辛らつなことを言えば、こんなまずいそばを食わして何のPRになるんだと、逆効果じゃないのかと。そういうふうに自分は感じたんですよ。お祭りはお祭りでいいけれども、多分、あそこへ来た
人たちが、どのくらい、うまいな、もう一遍食べよう、ぜひ信州へ行って、あの「ひすいそば」を目指して信州へ行くって思った人がどのくらいいるのかなと私は感じたんですよ。あれは、後でアンケートをとったりそんなことはしてないと思うんだけれども、その「ひすいそば」というのは、どういうそばか、説明してください。あれだけの宣伝はすごい宣伝ですよ。
◎
北原富裕 農業技術課長 たまたま「ひすいそば」のお披露目を銀座NAGANOで開かせていただきましたときに
望月委員にお越しいただきまして、しっかりと食べていただいたんですが、何かちょっとあだになっちゃったかなということで申しわけありませんでした。「ひすいそば」、収穫後、年を越しても緑色がきちんと残るということと、もう一つには、意外と喉越しのいい食感のそばでして。逆に言いますと、昔からの信州のいわゆる田舎そば風といいますか、ああいう黒が強くて少しそばがかためといいますか、食べたときの食感が残る、そういうのではなくて、やはりプロに言わせますと「ひすいそば」は、もう少し喉越しのいい形のほうがいいんではないかということです。実はあのときにも、素人なんですけれども、塩尻の赤羽さんという、そばでは、もう一般のおそば屋さんにはもうまさるとも劣らない腕の方に来ていただきまして、させていただきました。
それであのときには、トークショーで一緒に座って食べていただく方には、いわゆるざるそば風のつけ汁でお出しをして、お集まりいただいた皆様方からは非常に好評でした。それ以外の皆様方には、若干量の問題もございましたので、いわゆる汁を入れたつけそばでさらっとさせていただいたということもありますので、また
望月委員に、別の場面でしっかりと、そばの打ち方から、食べ方から、御指導いただければと思います。
「ひすいそば」そのものは、非常にいろいろなところで評判もよく、いわゆる普通の田舎そばとは違う形での出し方が、それぞれおそば屋さんでも出てきております。もう一つは、東京は、どちらかというと、更科から始まりまして、あまりそばの風味のないそばのほうが好まれるところでもありますので、そういう点では、あのイベントの中で「ひすいそば」に対して、あまり悪いお話はなかったということだけさせていただければと思います。
それと、実はあのときにイベントをやったんですけれども、実は東京に出すほどの量はなくて、ことしは東京で「ひすいそば」を食べられるのは、ここ1回だけでございますので、あとは信州へ来て食べてくださいというPRもさせていただきました。来年度はやっと、130ヘクタールくらいまでは栽培がふえそうかなということで、鋭意、栽培面積の拡大を図らせていただいております。ただ、そばは単収が低いので、種の手配もそれだけの種場の面積を確保しながらやらなきゃいけないということで、なかなか一気にということにはなりませんが、ここ3年で10倍まで面積がふえるだろうということでしておりますので、またいろいろな面で御指導をいただきながら、「ひすいそば」、長野県のオリジナルのおそばということでPRをさせていただきたいと思っております。
◆
望月雄内 委員
農業技術課長ね、少し甘いんですよ。面と向ってどうですかって言ったら、まずいねとは誰も言わない。100%、うまいね、おいしいねって言うんですよね。私はおいしくなかった。だから、人集めパンダみたいなことでやるのはいいかもしれませんが、あだにならなきゃいいなということを御心配申し上げて終わります。
○諏訪光昭 委員長 午後1時30分まで休憩を宣した。
●休憩時刻 午前11時27分
●再開時刻 午後1時29分
○諏訪光昭 委員長 再開を宣し、引き続き委員の
質疑等発言を許可した。
◆古田芙士 委員 この前、説明を聞いたので、私、聞きたいことがあるんですが。予算説明書の12-11の園芸振興総合対策事業費の中に、需要に応える園芸産地育成事業補助金とあるけど、どんなものに補助するのか。
◎本井治
園芸畜産課長 需要に応える園芸産地育成事業につきましては、県単の補助事業でありまして、オリジナル品種の導入、共同育苗施設、作型を変更して新たな物に挑戦しようとする生産者組織、あるいはグループの方に対するハード面での補助事業でございます。加えて、これまで3年間取り組んできておりますけれども、食と農業
農村振興計画のプロジェクト事業の位置づけにありますアスパラの苗の増産体制ということで、年間4ヘクタールくらいの苗を生産して各農家に配布する全農長野に対する補助金も含まれております。
◆古田芙士 委員 この名称、需要に応えるって、ちょっとオーバーな表現じゃないかということと、それからこれ、不公平にはならないの、知った人はいいけど、そうでない人がっていうような面はどうなの。
◎本井治
園芸畜産課長 事業名で言いますと、昔の園芸産地育成事業とか、県単の園芸特産の事業の続きのものでありますので、事業名は変わりましても、農家の生産者の方には園芸の県単事業だなということで御理解をいただけると思っております。
◆古田芙士 委員 わかりました。名称とその説明とは合わないような気がするけどね。需要に応えるなんて、特産をどうするというような話ならそれはわかるけどね。将来は研究したほうがいいかもしれないですね。需要に応えるって、何でそれが需要があるんだっていう。ちょっと合わないなと思ったものでお聞きをしてみた。
それから、何人かの
皆さんからも質問がございましたけれども、県の農産物も海外輸出をすると。特にリンゴなんかは、長寿長野のリンゴだというようなことで、今も1億幾らの実績があるようで、リンゴとか、あるいは米なんかも輸出しておるようだけど。これ、採算はどうなの、合うから輸出ができるのか、それとも、輸出ということになると、ものすごい経費がかかると思うんですよ、いろいろ。それから厳しい検査もあったり。それからもう一つは、売れ残ったらどうするのかというようなこともあるし、一括して商社か何かに買ってもらって、それで売れないでも売れてもそこから金をもらえるんのか、この採算面で、5億円に伸ばすなんていう話があるけど、今までどんな感じで来ておるんですかね。
◎中島賢生
農産物マーケティング室長 輸出についてのお尋ねですけれども、採算面につきましては、現地で、あらかじめ商談的なことをやりまして、そこで一定の価格の交渉を経て、商社等を通じて出していくということで、基本的には国内価格とほぼ同程度の価格で輸出できるということで行っております。ですから、現地へ行きますと、国によっても違いますけれども、国内価格よりも2.5倍から3倍の価格になりますけれども、国外出荷価格については、ほぼ国内のマーケットに出荷する価格と同程度ということでやっております。
検疫等のリスクも、特にリンゴ等なんかあるわけですが、今、ターゲットとしておりますシンガポール・香港、そういったところは、比較的、輸入消費といいますか、そういうのがあまり高くないというふうなことで、これから輸出を手がけよう、初めてやろうという方については、輸出しやすい国です。加えてそういった国々については、日本食の人気も大変高いということでございまして、富裕層もふえているというふうなことで、有望なマーケットということで、シンガポール・香港・タイ・台湾を重点国に、リンゴ、米を中心に拡大していこうということで、輸出にしっかり取り組もうといった方々とともに、拡大について努力していきたいということでございます。
◆古田芙士 委員 それはわかるんだけれども、経費がすごくかかるでしょう。本当に合うんですかね、国内で売ったほうが、いろいろな経費がかからないから。同程度じゃない、幾らか国内のほうが安いかもしれないけれども。その実際に出した人が、いや、もうかったとか、あるいは国内よりよかったというような、そういうあれはあるんですか。
◎中島賢生
農産物マーケティング室長 リンゴについて、ことし、新たなマーケットとしてシンガポールとの取引がございまして、そちらのほうでは、品種、玉数、品質、規格によっても値段は違いますけれども、おおむね、国内の贈答品よりもちょっと落ちるという規格でも、10キロで3,500円から4,000円という価格で支払いがされているということです。そのときには最初の取引ということで、海外にみずから行って、それでプロモーションも行うということでございますけれども、そういった経費も引いても、赤字にはなっていないということです。本当は国内の中でしっかり価格がとれればそれもいいわけですけれども。これからの新たな有望なマーケットということで取り組んでいくことによって、海外でも有望な販路が開けて、多様な販路が確保できるということで、将来に向っても農家の方々の意欲が高まるということも、輸出の効果ではあるんではないかと思っております。
◆古田芙士 委員 輸出の目的というものは、それはボランティアで出すわけじゃないので、やっぱりもうかるということが大事だと思うんですよ。だからそういう指導をしてやらないと、出してみたけれども、いろいろな経費で引かれたら幾らも手元に残らないで、損したななんていう、こんな話じゃまずいのでね。3倍も4倍もこれから伸ばして5億円にするなんていうことなんだから、しっかりと指導してもらわないと、やっぱり外国というのはリスクがあるからね。どんどん進めたけど、結果はよくなかったというような話になるとまずいと思うんで、そこらはしっかりやってもらいたいと思いますので、よろしくお願いします。
それからみんながいろいろ質問していらした新規就農者の件なんですけど。これは、どなたかの質問にもございましたが、250人前後でここのところ推移をしておると。これ、統計をとって何年、ちょっと、過去からしてみるとどんな感じで来ておりますか。
◎上杉壽和
農村振興課長 新規就農者の就農者数の関係ですが、さかのぼりますと、平成25年度が245人、平成24年度が246人、平成23年度は211人、平成22年度が190人ということで、平成24・25年度が250人近くになっているということでございます。
◆古田芙士 委員 そうすると、この制度そのものを一番さかのぼると、平成22年度から始まっておるということですか。
◎上杉壽和
農村振興課長 失礼いたしました。その前を言うと、今、平成23年度まで申しましたが、平成22年度が190人、平成21年度が178人、平成20年度が175人、平成19年度が135人、平成18年度が154人ということで、統計を見ますと、平成10年度ぐらいから、130人から140人ぐらいでございました。
◆古田芙士 委員 今、お話を聞きますと、この新規就農者、結構ずっと前から数は把握していらっしゃるようなんだけど。最近は250人前後、ここまでは回復してきてはおるようですが。これは、一つは補助金みたいな制度ができて、それを活用しているというようことがあると思うんですけど。10年ぐらいさかのぼって数もわかるようなんですが、ずっと続けておる人がほとんどですか。それともリタイアする衆も結構おるんじゃないかと思うんですが、そこらの辺の把握はしておりますか。
◎上杉壽和
農村振興課長 先ほど10年ぐらいを言いましたけど、新規就農里親制度を長野県で始めたのが平成15年度からでございます。平成15年度から平成25年度の間に新規参入で就農した人が、一部県内出身者を含みますけれども、531名おりました。全員は調べてございませんが、そのうち新規就農里親制度を利用した方が261名で、平成26年度においても就農している方がそのうち244人ということで、議会でも答弁させていただきましたが、定着率は一応93%と数字では把握をしておるところでございます。
◆古田芙士 委員 今、農業従事者が68歳とか危機的な状況にある中で、新規の人を入れていかないととてもだめだと思うんですけれども。250人でいいのか悪いのかということはありますが、最低でもこの数は確保していかなければならないと思うんですけれども。この追求というか、例えば補助金をもらったり、あるいは興味を持って農業を始めて、やっとのことでやっておるという、このころはいろいろな補助金から義理もあってやるんじゃないかと思う。続けていくことが、やっぱり大事なことだと思うんですが。今まで、統計的には平成15年度ころからずっと数字はわかっておるようなんですが、追求はしておりますか。例えば新規就農里親制度で新規就農についた方が、その後、ずっと立派な農業をやって頑張っておるのかというような、そういう追求は農政部としては今までしておりますか。
◎上杉壽和
農村振興課長 特に新規就農里親支援制度につきましては、前回、11月議会でも特発として、経営の状況とか、収入を、資料として出させていただきました。今、244人ということで93%というお話をさせていただきましたが、新規就農者につきましては、ちょっと古い方は、全て追うことはできませんけれども、ここ5年間を重点期間としてフォローアップという制度で就農状況を把握しております。
◆古田芙士 委員 最近は農政部で幾つも事例をつくって、大体年収350万円とか、それからこういう組み合わせをすればそんな程度の収入が得られるよというようなのはあるんですが。何のかんの言っても、家族で生きていくには、やっぱり一定の収入がなければできないんですけれども。そういうものに対して、追求しながら指導していくということも、大事で。ただ、制度ができて何とか新しい人が農業についてほしいよ、その何年かは補助金を出すよ、その後は知りませんよではね、これでは定住してもらえないし。そういう面で、私は指導というものを、例えばスタートしたときには350万円でもいいけど、幾らか熟練になったり、あるいは
集約化の事業によって面積をふやしたりとかいろいろあると思うけど、そういうものに対する指導、追求ということが大事だと思うんですけれども、そこらのことは、今はどういうような考えでやっておるんですかね。
◎上杉壽和
農村振興課長 就農された方の経営安定、それから経営発展という観点から、若い就農者を対象に、およそ5年を目途に就農計画というものを立ててございます。毎年、そういう方につきましては、普及センター等において、目標が達成できたか、例えば収入が予定より少なかったのはどういう原因かというような指導なりを行っております。経営改善に向けた指導を行っております。それから経営が比較的安定していて、規模拡大とか、新規品目にトライをしてみたいという方につきましても、普及センターごとにセミナーとか講習会、研修会等を開きながら、要望に応えられるように、指導等を行っているところでございます。
◆古田芙士 委員 それが本当に大事だと思うんです。農業を農政部として維持していく上においては、やっぱり新規就農者が入ってもらわなければ、68歳だ、70歳の衆なんて、もう何年も農業をできるわけじゃないんで、こういう
皆さんが定着をして、また新しい人を加えていくということが大事だと思うんですけれども。やっぱり今のこの農業の家族経営的なこの仕組みからしてみると、やっぱり行政の
皆さんにも協力してもらって、あなたがやっておるところは労働配分からしてもうちょっとこういうものを加えてやらないと、収入はそれでは気の毒だぞとか、そういう指導を続けてやって、新しい
農業者を加えていく。それによって、この農業がまたよみがえるということになると思うんですけれども。そういう、今のような相談をしてやるということはいいことだと思うんです。相談に乗ってやるということはね。だから、そういう営農的な指導というものは、農政部では大変大事だと思うんですけれども。もうちょっとこう幅を広げて、やっぱり新しい農業をやる
皆さん、従事者が、ふえていく、あるいは定着していく。こういう考え方、今のことよりもう少し踏み込むことが、私は大事じゃないかと思うんですが、そこらはいかがですかね。
◎上杉壽和
農村振興課長 お手元の資料10で説明を若干させていただきます。農業で夢をかなえる支援事業という中に、縦軸の一番最後に経営安定という項目が左側にあろうかと思います。そこで、農業リーダー育成事業というものがございます。この中には、
先ほどお話をしました就農1年目、2年目の経営の安定しない
皆さんに対する技術的指導、それから経営的指導、相談等に乗っているところでございます。そこから、もうちょっとたちまして、経営はなから安定してきた、これから規模拡大を狙っていくという人に対しましては、ここにありますように、リーダー育成事業ということで、地域の核となって農業を推進していただく方に対して、経営力をもう少し磨いていただくということで、経営能力の向上や経営発展を支援するための農業リーダー育成事業というものを、一部拡充をしまして、非常に重要なことだと私ども思っておりますので、来年は、右側に丸新、青年
農業者等育成セミナーとございますが、経営者としての意識醸成や能力の向上を支援するためのセミナーを開催していくということに取り組んでまいりたいと考えております。
◆古田芙士 委員 ここにも確かに、夢をかなえる支援事業について、経営安定の幾つかの項目があったりいろいろしておるんですけれども。今まで、農政部から、例えばいろいろな事例を出したりしたけれども、農業を始めて何年目に年収このくらいになってしっかりやっておるよという、そういう事例がほとんどない。あるいは出してくれた例をみると、年収350万円で夫婦で子供もいて、夢を持ってやれるなんていうことはあり得ない。もっと立派な例というかね。例えば夫婦で、1,000万円までとれるかどうかわからないけど、800万円とか、そういうような事例をしっかりたくさんつくるということも大事だと思うんですが。自信がないんじゃないかな、これ、そんな衆はおらないんじゃないんですかね。
◎上杉壽和
農村振興課長 11月のときに、新規参入者の経営事例紹介ということで3人の方の経営を紹介をさせていただいたところでございます。その中で、売上が400万円、500万円ということでは、所得を計算すると、家族3人が暮らしていって、例えば子供を大学に出すにはちょっとまだ厳しいんじゃないかというような御指摘も伺ったところでございます。年収が1,000万円を超える方につきましても、中にはいらっしゃいます。そうした事例を新規就農者の
皆さんに、こういう経営をして、こういう品目で、このようなことをやれば、このくらいは稼げるというような、数多くの事例集みたいなものをつくるということが大事かと思います。
来年度につきましては、
先ほどお話が出ましたように、新規就農者がその後どうなっていったかということを、平成24年度に一部調査した経過がございますけれども、来年度につきましては、その調査を新たにしまして、優良な事例等がございましたら、冊子等にして紹介するようなことができればなと考えております。
◆古田芙士 委員 ぜひ新規就農者になりたい人というのは大勢いらっしゃるもので、その
人たちが半端にいくんじゃなくて、自信を持って、何年かすればこういうこの地域なら、物を織り交ぜて経営をしていけばという。年収と年商と違うからね。年収というのは実入りのことなんですよ。総額が1,000万円だなんていったって、機械を買ったり、肥料を買ったり、いろいろすれば、そんなのは幾らも入るわけじゃないんで。要するに身につく年収ですよね。こういうものが、少なくても700、800万円、あるいは1,000万円とか、そのくらいにならなければ、誰も農業なんてそんなに魅力を持って来てもらえないと思うんですよ。ここにもあるような、情報発信だ、相談だ、いろいろな研修だとかあるけど、そういうものを通じてしっかりした事例をつくる。
私はやっぱり農政部の大事なことというのは、新規就農者をふやしていく。地方創生なんていったって、山間地なんか工場なんか来っこないんで、農業がやっぱり元気になってもらって、そこに若い人が定着しなければ、学校もだめになっちゃう。それこそ若い
皆さんが何もなくなっちゃう、農業しかない。この農業をやるには、特色を持ってこういう組み合わせでやれば、自然を相手にして楽しく農業ができるんだよと。自信を持って、そして何年かするとこうなるよ、あるいはそれまでは、改良普及センターを中心にして相談に乗って、そして安定した経営をするようにするよという仕組みをしっかりとつくらない限り、農業が本当に消えちゃいますよ。部長、どうですかね、最後にはいろいろ聞きたいこともあるんだけど、今のようなことで、感じることをちょっと。
◎
中村倫一
農政部長 これからの長野県の農業を考えるときにも、それからまた地域でそれぞれの農業地帯を維持していく上でも、古田委員がおっしゃるように、新たに農業を志してやっていく方を育てていくということについての重要性は、未来永劫続く大きな重要政策の一つになっていくと思っております。いろいろな産業を相手にしている部局が当県にもありますけれども、
農業現場にストレートに入り込んで、一人一人の
農業経営や農業技術をともに分析して、ともに改善方策を見つけていくというスタンスをとって仕事をしていくことができる組織が、農政部には特有の組織として農業改良普及センターがあるわけでございます。そうした組織力をこれからもフルに活用して、できるだけ多くの方々においでいただき、そしてまたその中で全ての方々に、当初御自身が目指した
農業経営の姿を実現していただけるように、技術的にも、それから概念的にもバックアップを続けていきたいと思っているところでございます。
◆古田芙士 委員 ぜひよろしくお願いします。それともう一つは、県の農業改良普及センターだけじゃなくて、やっぱり
市町村にも農政部の農政課がありますが、そんな気持ちを持って取り組んでおるところなんかないんですよ。だから、やっぱり県がもっと指導して、自分の村や町の農業をやっていく人を、しっかりとサポートするような、そういう一つの連携というものも、本当に大事だと思うんです。今、人ごとのような気がしておるのでね。県の改良普及センターでやってくれるんじゃないかというくらいな話だから。そこらのことについても、組織的にもしっかり重視していくことが大事だと思いますので。
やっぱり長野県の農業を守るのは、若い
農業者についてもらわない限りは、年寄りの
皆さんに幾らいろいろな新しい技術を導入したって、やり始めたらもう農業はできないということになってしまいます。果樹なんかそう。あれ、どうしたの、もうとてもやっていけないから木を切って、もうやめるんだなんて、こんな人ばっかりになってしまう。だからこういうことをしっかりと、若手の
皆さんが希望を持てるような指導というものは、やっぱり町村とかと連携して頑張ってもらいたいと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
そんな中で、長野でかがやく農業女子応援事業だとか、若手女性
農業者グループの活動支援というのがあるんですが、この新規就農者の中に、女性が申し込んだのは何例かあるんですかね。
◎上杉壽和
農村振興課長 女性の就農者数でよろしいですか。新規就農者の女性ですが、例えば昨年度、245名と
先ほどお話をしましたが、そのうちの38名が女性の方でございます。この中には夫婦の方もいらっしゃいますが、20代、30代の若い女性で地域に入って1人で就農されている方がいらっしゃいます。
◆古田芙士 委員 何人ぐらいおるの、その女性だけで就農したという人は。
◎上杉壽和
農村振興課長 すみません、ちょっと夫婦の方の数を差し引きますので、ちょっと調べさせていただきたいと思います。
◆古田芙士 委員 38人ばかりの人数の中で、さっと数字が出ないというのも、これ、
取り組みが悪いということですよ。では、それは調べてください。知事が女性を重視して、女性が輝くようにいろいろな仕事に登用するって言っておる中で、夫婦でたった38人。夫婦というか、主だと思うんですが。その数もわからない。女性に農業の魅力を持ってもらう、グループで結婚した人が楽しくするということも、大事だけれども。女性の人に就農してもらうような工夫というのは、それはしておらないということですね。
◎上杉壽和
農村振興課長 就農に当たりまして、女性の方、男性の方、どこでどういう品目で、どういう研修をやりたいという中身については、相談内容については男性も女性も変わりません。女性の中で、泊まって研修する場合もございますので、里親になる方、つまり研修先が女性の方がいい、そういう面では、里親さんを紹介するようなことはしております。
◆古田芙士 委員 今、農家へ嫁に来る女性が少なくて、そういういろいろな事業があるようなんですけれども。女性の人にも指導をして農業に魅力を持ってもらって、農業をやるということになると、おそらく相手の人を探してもらって結婚もしやすくなると思うんです。今、農家の男性にお嫁さんが来る手が少ないから、いろいろな婚活活動だとか、いろいろやっておるようなんですけれども。女性の方に農業についていただくなんて言えば、相手を探して一緒にやれるという最高の条件がそろうんじゃないかと思うんで。結婚した人にいろいろな悩みを聞いたり指導するということじゃなくて、その手前で、女性にどうやってその農業に魅力を持ってもらうかという事業というのは考えておらないということですね。今、人数もわからないくらいだから。
◎上杉壽和
農村振興課長 資料12で、長野でかがやく農業女子応援事業ということを来年度からやらせていただこうと思っています。その中で、特に結婚をしていない都会の若い女性に対しまして、農業の魅力を発信していくということでございます。県として農業の魅力を発信するというよりは、女性でみずから農業をやっていらっしゃる方が、私はこういうふうにやっているよ、私はこういうきっかけで農業に入って、今、一生懸命やっているよというようなことを、紹介をしていただいて、そういう中で、これから移住就農を考えている若い女性の
皆さんの質問とか、相談に乗っていただけるようなシステムになればいいなと考えているところでございます。
◆古田芙士 委員 旦那様が農業をやりたいから奥さんは一緒に来るという、こういうケースが多いと思うんです。今はまだ女性が農業にはあまりついていただいておらないようだけれども、女性1人で最初にというようなことは、ハンディーもあったりいろいろするんで難しい面もあるかもしれませんけれども。夫婦で私がやるよと言ったら奥さんが来るというケースはいっぱいあると思うんです。ただ、男性の場合は、今度は逆に1人で農業を始めて、そこから定着して嫁さんをもらうというケースがある。それが大事であって、結婚した女性に農業の魅力を持ってもらうというのは、ちょっと一歩後手だと思うんですよ。それよりも、農業についた男性に、農業に魅力を持った嫁に来てもらうという、婚活活動というんですかね。そういうものに力を入れなければ。資料の10番だか12番だかにあるような、結婚した女性が、農業についてみんなでいろいろ悩みを聞いたり、それから自分でやっておること、体験したりというようなことだけれども。その前の活動というものをもうちょっと真剣にやる必要があると思うが、それはどうですかね。
◎上杉壽和
農村振興課長 私の説明が、足りずに申しわけございません。その資料12の裏側にございます、長野県で活躍している
皆さんなんですけれども、この
皆さんに、農業女子いきいき会議というもののコアメンバーになっていただいております。現在、10人ほどに集まっていただいて、いろいろなお話をしていただいておりますけれども、これは結婚している女性だけではございません。農業後継者の女性とか、それから新規に来ていただいて、まだ結婚せずに法人等で働いている人、こういう
人たちもいらっしゃいます。こういう
人たちがネットワーク化をして、農村の暮らしよさ、すばらしさを発信していただくんですけれども。
一番下で、(3)わくわくプロジェクトの中にございますけれども、例えば④につきまして、わくわくバスツアーとございます。これは、既婚・未婚は問いませんけれども、一応、中心となって考えているのは、20代・30代の未婚の女性にバスツアーに参加していただいて、もちろんみずから農業をやっていただくことも必要ですし、農村の魅力を感じていただいて、その中で長野県の男性の伴侶を見つけていただいて、一緒に農業に携わっていただくと。こういう女性の
皆さんも含めまして、移住就農を希望していただきたいとこのように考えているところでございます。
◆古田芙士 委員 今、独身の女性が、新規で農業につくというのは、ほとんどないということだと思うんですけど。やっぱり仕事のハンディー的な面もあるのかなという気はしますが。ただ、やっぱり夫婦で農業をする場合に理解をしてもらうということも大事だし、今のお話がありましたような、農家の長女で後継者として家を継がなきゃならないという人を大事にしなきゃいけないとか、あるいは
農業関係の仕事について農業に関心を持ってもらうという、こういうことは大事なので、悪い事業とは言いませんけど。やっぱり一番大事なのは、新規就農についていただく。どの仕事にも男性に負けないようについてもらいたいけれども、若干のハンディーがあるもので、女性をしっかりサポートして、やっぱり農家に嫁が来る、都会の若い
皆さんに、自然を相手にして気楽に農業をやるということは、これはいいことだよという雰囲気と、農業についた男性の
皆さんにうまく接点をつくって結婚してもらうという点に私は重点を置くべきだと思うんで、ぜひそんなことも重視してやってもらいたいと思いますので、よろしくお願いします。
それから、さっき
望月委員からもいろいろなお話がございましたし、今、農業、大変大事になってはおりますけれども。難しい今の状況で若い
皆さんがついてくれない。それは一つは収入がないので、収入さえふえれば、誰も放りはしないし、農業をやってくれる人は大勢いらっしゃると思うんだけど、収入にならないからなかなかついてもらえないと思うんです。そんな中で、さっきのお話のように、農家所得の向上を国で打ち出してくれたんですが。その一つの方策がJA改革で、全中を廃止する。廃止はしなかったけれども、監査だけを自由化するような話があって、それを追求していくと出てくる答えは、農家を元気にするんだと。JAの監査を自由化したくらいで何で農家が元気になるのか、さっぱりわからないんだけれども。そこらを、さっきお話があったけど、率直に、農家を元気にするにはどうしたらいいのか、あるいはこんな全中をちょっといじった程度で農家が元気になるわけはないと私は思うんだけど。さっき部長はいろいろ答えておったけど、ちょっとまだ納得できない面があるんで、ちょっとそこらも込めて。農家が農家所得を上げるために、今の農協の改革というのはその程度でいいんですかね。あるいはほかに方法はないのか。
◎
中村倫一
農政部長 大変難しい御質問ですが、お答えしたいと思います。確かに農家に直接接している
地域農協の活躍、事業の展開の問題と、
全国段階の組織とのつながりの問題とは、直接的に関与するという事象はあまり多くない。財源の確保という部分では、信用事業や共済事業の収益が、今、単協の段階で赤字になっている部門を総体的にフォローしているということがありますので、そうしたことがあまり、過激に行われてしまうと、それは単協、いわゆる
地域農協の経済事業を初め、そうしたものに影響が出てくるということになりますから、それはこれから法案やいろいろな規則が決まってくる中で、円滑にスライドしていくように国に求めていく必要があると思います。
組織論としてはそういうことになりますけれども、農協の組織論がああいった形で落ちついた段階で、実際に農家の方々の所得がどういうふうな形で向上に結びつくのかということについての
関係性をあえて申し上げれば、長野県だけでなくて全国津々浦々にあります
地域農協のほとんどの基礎的な農協事業のあり方・
方向性というのは、
上部団体から一定の
方向性が示されて、それに従った形で事業運営がなされていた。そういうことが実際にありましたので、マイナスである事業経費についても
上部団体を経由して回遊してきたという形で、今まで地域に密着した農協の事業というのは運営されてきたということであります。それが、いわゆる会計監査権と業務監査という2つの筋合いの中で、そうした流れが60年間の間にでき上がってきた。いわば全国、どこの農協をとっても、切ってみるとほぼ同じ形の指導体系が入ってという形になってきたということも言われています。
そうした中で、これから本当に、その地域にある資源ですとか、地域にある文化ですとか、地域にある人材を活用した農協事業として
自己改革が進むかということを見ていきますと、全国的で一律的な
方向性だけでないものをフリーにするよという意味で、政府は言っている意味もあるということだと思います。
ただ私は、最も大事なのは、農協の
組合員さんであろうが、農協を利用されない農家さんであろうが、
農業経営の原則は、原点は、やっぱり内に生産の努力をして、外に販売の努力をする。その兼ね合いをどうやって分析して改善をするかという
経営感覚を持つという
農業者を基本的にちゃんと育てていくことが、
農業経営を実践する人にとって必要な農協サービスを生み出すことになってくるんだろうと思います。
組合員の御要請を受けて、農協事業がさらに変革をして工夫をしていけることが、これから農協の
組合員である農家さんの所得をふやし、経営を拡大し、経営の中身を充実させることになり、立脚基盤であります
組合員から負託を受ける、信託を得られる組織として永続していく方向になるんではないかというふうに考えております。
◆古田芙士 委員 県も指導的な立場、あるいは助言する立場にもあるんで、今のお話のような農協のあり方というものは、やっぱり考えてもらう必要があるのかなと、こんなふうに思いますけど。今、ある意味では農業の構造的な転換期にもなっておって、この家族農業というのは、これが果たしていいのか、悪いのかという、こういうことも、いいのじゃなくて、やっぱり労働配分とか、つくる物によっては全然休みがなくなるようなこともあって、なかなか若い
皆さんがそこにはついてもらえないというような、こういう悩みもあるし。それから農協そのもののいろいろな事業、これは大事な事業もたくさんあるけど、やっぱり忘れてもらっては困るのは、営農活動、これをもうちょっとしっかりして、さっきの私の話のように、新規の就農者にしっかりと県であっても指導をして、そして追求して、そしてその衆がやっていけるようなそういう仕組みにしていけば、農家所得は向上するし、問題点を把握してやっていただけるもので。やっぱり県と、農業団体の最大の組織であるJAというのは協力しながら、農家のためにもうちょっとこの営農活動というか、そういうものをやる。それが
農業改革であり、農協の改革につながるんじゃないかなと。夢に向って挑戦する農家とか、皆が暮らしたい農村って、次期の計画にはあるんだけど、これは、お題目はもう本当にそのとおりで、すばらしいことだと思うんです。これへ実を入れていくということが大事だと思うんで、ぜひよろしくお願いしたいと思うところであります。
◎上杉壽和
農村振興課長 大変申しわけございませんでした。
先ほど38名の女性というお話をさせていただきましたけれども、夫婦で入られた方がそのうち9人、1人の方が29人、合わせて38人ということでございます。大変申しわけございませんでした。
◆古田芙士 委員 さっきいろいろ言いましたけど、この質問は、ぜひ女性の
皆さんにも農業にしっかり取り組んでいただくという、そういう魅力、あるいはそういういろいろな発信をぜひしてもらいたいと思います。
みんな質問が終わったようで、私が最後ということでございますけれども。御案内のように、この2月議会は、年度の区切りの最後の
委員会となってまいりました。役所の
皆さんというのは、この3月は、年度末と申しますか、一つの区切りになって、この時期におやめになる方、いらっしゃるわけでありますけれども。お答えをいただいております代表の
皆さんで、中村部長、赤羽参事兼
農地整備課長、本井
園芸畜産課長、この3人の方がこのたび定年でおやめになるというお話でございます。
中村部長におかれましては、私も長いこと農政委員としておつき合いをさせていただきました。長野県の農政、私も振り返ってみましても、ある時期では大変元気なときもございました。基幹産業としての誇りというものもあった時代もあったんですけど、今は新規就農者もなかなかついてくれない。あるいはお年寄りの
皆さんが大半になったというような変革があって、難しい時期にあるわけでございますけれども。そんな中で、終始一貫して農政の関係、お三方には御努力をいただきました。どうにか長野県のこの農政も、沈んで、今度は再び攻めに入る、こんな計画もされておるようでございまして、心強いことだと思っておるわけでございます。それも、何のかんの言いましても、県の農政部、今、おやめになるお三方を初め、みんなで努力をしていただいたおかげだと思いますし、これからも後輩の指導をしていただいたり、あるいはきょう御出席の農政部の
皆さんも努力をいただきたい、こんなふうに思うところでございます。
最後に当たりまして、このお三方、中村部長を初めいろいろな思いもあると思いますし、また私どもにも御指導いただきたいこともございますので、一言ずつ御発言をいただいて、私のこの質問の最後にさせていただきます。よろしくお願いします。
◎
中村倫一
農政部長 古田委員に大変御配慮をいただきまして、ありがとうございます。委員長のお許しをいただきまして、一言、発言をさせていただきたいと思います。
先ほど御紹介がございましたように、昭和53年度から37年間にわたりまして、私の場合はまさしく農政分野一本だけで仕事をさせていただきました。当時からお世話になっておりました諸先輩、大変すばらしい先輩に恵まれ、そしてまた同僚も、そしてまたここにおいでになります県議会の皆様方にもさまざまな御指導をいただいて、今日まで、
農業生産現場の裏方として農政を進めさせていただいたわけでございます。
私は、昭和53年に獣医職として奉職をいたしましたので、佐久の家畜保健衛生所から出発をいたしまして、37年間のうち10年間は畜産業の経営の環境を向上させるための施策の推進や施策の形成に当たらせていただいてまいりました。昭和63年以降27年間につきましては、農政部が携わっておりますかなり広い分野でも配置をいただきまして、勉強をさせていただきながら進めさせてまいったところでございます。
今日までこうやって、こういう立場もいただきました中で、2つだけ、私のこの、幅ったいことを申し上げますが、仕事の信念として持ってまいりましたのが、
先ほど古田委員からも御質問がありましたけれども、平成5年前後にGATT・ウルグアイラウンドが妥結をいたしまして、その後、6兆円を越えるような事業体系を組んで、国もリカバリーをするというふうな対策があったわけですけれども。ちょうどのその平成5年に当たるときに、農林水産省が新政策と言われた施策体系を時として打ち出しました。そのときに、総合的なところにおりましたので、私の案で、「今、なぜ新政策か」というパンフレットをつくらせていただきました。
当時、農政部の統一カラーが紫でございましたので、大変目立つ冊子にはなりましたけれども、それをつくるときに、畜産の世界から移った人間として、これから先、地域の中で
農業経営のユニットというか、単位をどういう形でどのくらいの量をどういう質で、長野県の農業を維持するように持っていったらいいのかなということを、大変勉強させられました。また、こういうことを、まさしく農業構造政策の根幹だなと気づきまして、今日まで、集落営農もございます。それから規模を大きくして1人で立派にやっていかれる方もおいでになります。そしてまた
農業法人という形で組織の法人化をされる方もおいでになります。地域によっては、
市町村の農業公社が中心になって、介在をしてやっていくという方式もとられてまいりました。こういったことを、いろいろな地域に応じた形でしっかりと、将来にわたって発展していただけるような
農業経営体というのを、やっぱりつくっていく必要があるんだなという思いをかなり強くいつも持ち続けて仕事をさせていただきました。
もう一つは、
園芸畜産課長になる直前、前後ぐらいでございましたけれども、平成15年、20年ころに、やっぱり国民の食生活がかなり変わりまして、外食、中食、惣菜産業というものがかなりクローズアップしてきました。長野県は、生鮮農産物を中央卸売市場にほとんど供給して生産をしてまいりましたけれども、あれだけ顕著に食の形というのが変わっていくと、これは生鮮農産物を単に供給するだけでは、関東近在の都県においでになる食品業者さんに、付加価値を生み出したり、そしてまた雇用を生み出すための材料を送り込むことだけになってしまう部分がかなりあると。むしろこれだけの生産量を持っていて、これだけの質があって、文化を持っている県としても、やはり加工を含めて副次的な農業県、生産を行う農業県としてやっぱり発展していく方向をとるべきだなと考えてまいりまして。まさに、消費者の志向や食産業のこれからの経営方針にまさしく合う形でのマーケットインの生産にしていかなければならないという意味で、いろいろな拡販の施策もおつくりいただきましたし、職員に対してもそうしたことをかなり強く直接的に話をする機会を設けて、少しではありましたけれども、角度をつけさせていただくことができたかなと思っております。これからもこうした施策は、どうしても重要な施策でありますので、後進の皆様方には、また一生懸命頑張っていただきたいというふうに思っております。
両方の施策を進めるに当たりまして、やっぱり長野県、中山間地域という特質がございましたので、農林水産省がつくってくる一般的な平場を相手にした施策との葛藤も常にございましたし、私自身の技術屋という見識の狭さというのもありまして、自己嫌悪に陥ることもかなりあったわけでございますけれども。そうした中でも、職員の
皆さん、そしてまたここにおいでになります県議会議員の皆様方にも、各般の施策を推進するに当たりまして、非常に温かく、そしてまた重要な政策として後押しをしていただいたわけでございます。食と農業農村の振興条例をおつくりいただき、これに基づいてまさしく計画的に力を注いでいきと、一つ一つ反省しながらPCDAサイクルを回していくという道筋をおつくりいただいたのも、農政部を大事にしていただいている長野県議会の皆様方の最高の御配慮であったと思っております。大分前にはなりますけれども、古田委員が農政林務
委員会においでになりましたときに、これからの農業、農産物のPRが足りないという、かなり強い御指摘と御示唆があって、何年か前からマーケティング室という組織改編も行いまして、長野県の農産物も少なくとも他県に負けることのない情報発信をすることができるようになったなと思っているところでございます。おかげさまで農業総合生産額ほかの若干の指標では、これまでずっと下がり続けてまいりました数値も、少し下げどまったり、若干上向く兆しが見えてきたところでございます。
私は、農業ですとか、
農村地域というのは、そのとき見ただけでは発見できない、限りない
可能性がいつもあるんだろうと思っております。
農業生産の現場の主役は私どもではありませんで、これは
農業者の
皆さんであるわけでございますけれども。これから来年度以降、農政部で
農業関係の施策を進めていく
皆さんに対しても、ぜひ、表に出る主役ではありませんが、そのことをしっかり支えていく、陰の立役者として士気高く頑張っていただきたいと思っているところでございます。
これまで県議会の皆様方にも、そしてまた後輩の皆様方にも、私のこういう性格でございますので、かなり御面倒をおかけしたり御迷惑をおかけしてまいりましたけれども、こうやって本日を迎えることができましたことに対しまして、心から御礼を申し上げたいと思いますし、これからまた後進の
皆さんも、長野県の農業を大事にする思いで頑張っていくということになろうかと思います。委員の皆様方にはぜひこの4月以降も温かいお気持ちで御支援と御鞭撻を賜りますようにお願い申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
◎赤羽昭彦 参事兼
農地整備課長 貴重な時間をいただきまして、まことにありがとうございます。私からは、農業農村整備事業の成果と課題等について、少しお話をさせていただきたいと思います。御紹介いただきましたけど、私、昭和53年、中村
農政部長と同期ですけれども、農業土木の職員ということで採用されまして、現地機関に20年、それから県庁に17年、勤めさせていただきました。私どもの農地整備課ですけれども、以前は土地改良課、それから現地では土地改良事務所ということで、いわゆるハード面での基盤整備を使命として仕事をしてまいりました。
我々の仕事、いわゆる原則として受益者負担というのがありますので、農家の方が使いやすいもの、なるべく丈夫で長もちするもの、そういったものをつくるのが基本でございますけれども、私たちの仕事も初めに比べるといろいろな形で変遷してまいりました。最初のころは、いわゆる
農業生産基盤ということで、かんがい排水事業や圃場整備事業を中心に実施しておりましたけれども、その後は農村環境整備ということで、集落排水や中山間の総合整備事業、そして最近では公益的機能の発揮ということで、
多面的機能支払などもやっております。広域農道や農面農道、それから
農村地域の防災・減災ということで災害復旧事業にも取り組んでまいりました。こうした事業でつくった構造物は、今でも当たり前のように地域の農村の風景の中に溶け込んでおりますけれども、前を知る者にとっては、よくこういった形ででき上がり、そして長野県の
農業振興に役立っているのを見ますと、感慨深いものがあります。
私は、平成22年から3年間、土地改良を離れまして農産物マーケティング室に勤務させていただきました。そして第2期の長野県農産物マーケティング戦略プランにもかかわらせていただきました。そのときのマーケティング戦略プランの副題が、プロダクトアウトからマーケットインへの転換、できた物を売るから需要に応じた物をつくるということで、これは農地整備の世界でも同じでございます。後輩たちには、これからも農政の課題に沿って、どんなニーズにでも応えられるオールマイティな技術集団であれ、土地改良であれというふうに話をしております。
それから今後の課題ということでは、農業水利施設の保全管理の問題があります。全国には40万キロ、そして長野県には2万キロメートルの農業用排水路があるというふうに言われていますけれども、今、これらを管理する土地改良区や、いわゆる水利組合の
皆さんが老齢化して、
農業者だけでは管理が難しくなっているという現状がございます。農業農村には、食料を安定供給する役割に加えまして、国土や水源涵養の
多面的機能がございます。今を生きる私たちはこれらを適切に管理し、次世代に確実に渡していかなくてはならない使命があると考えております。
農地整備課の職員にはこんな話をしています。長野県の農業水利施設全体を俯瞰できる立場に置いていただいているのは私たちだけなのだから、河川の取り入れから末端の毛細血管の水路に至るまでよく見て、施設管理者である
市町村や土地改良区の
皆さんが信頼して相談してくれるように、しっかりと勉強していけという話をしております。そういった意味で、我々農地整備課の職員、これからも長野県農政の発展のために頑張ってまいりますので、委員各位におかれましても、今後とも長野県農政、農業農村整備への御支援、御協力をお願いして、私の御挨拶とさせていただきます。本当に長いこと、ありがとうございました。
◎本井治
園芸畜産課長 大変貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます。私は、昭和52年から38年間、農政に携わらせていただきました。とりわけ園芸振興、そして卸売市場整備などにかかわらせていただきました。また、この間、現地機関を、北安曇、南佐久、松本など、17年間、経験させていただきました。中でも古田委員には大変お世話になりましたけれども、飯田・下伊那地域で10月の末ころ、川霧が立ち込める中、市田柿の皮むきが始まるころ、農家の
皆さんの熱気と、また緊張感を私も肌で感じることができました。今でも思い出となっております。
今でこそ園芸作物は夏秋期における全国屈指の産地となっておりますけれども、本県の中山間地域における狭い耕地で、また気象災害も多い自然立地条件は、決して恵まれた条件下ではないと思います。その中で、先人の皆様が克服して卓越した
技術力を持つ中で、果樹あるいは野菜、花きなど、多彩な園芸作物に挑戦をされまして、実需者、消費者からの信頼を得る中で商品力を高めてきた賜物であると思っております。
そしてこれからですけれども、次の世代にこの基盤を引き継いでいかなければいけないということの中で、私どももその
農業経営の中で、その厚みを増していく
取り組みをしていかなければいけないなと思っております。例えば試験場のオリジナル品種を品目に加えるとか、そして付加価値を高めていく
取り組み、あるいは土地利用型の農業プラス園芸作物のような集約型の作物を取り入れていくこと、また農作物の流通加工に取り組んでいくといったことを、生産者やこれから農業を目指す方に、
先ほど古田委員からも御提案がありましたけれども、提案していくことを県としても求められていることだと思います。わくわくさせる施策、あるいはやる気を起こさせる施策、そういったものを引き続き園芸畜産課におきましても取り組んでまいりたいと思います。また後輩に託していきたいと思っております。
一方、流通面を見ますと、出荷規格を統一して品質を高めながら販路を開拓してきた、卸売市場と一体となって消費地からの信用を得てきた、これまでのJAなどの組織力の
取り組み、これにつきましては、園芸産地の発展に大きく貢献してきたことと思います。しかしながら、
先ほど中村部長も申しました、今日の流通消費を見ますと、外食、中食がふえて、また業務用の需要がふえているという実態の中で、卸売市場の経由率も花きでは8割を今保ってはおりますけれども、野菜で7割、そして果樹では4割という、野菜と果樹を合わせると6割くらいになりますけれども、平成元年ごろと比べますと2割ほど減ってきております。卸売市場を通さない多様な流通も生まれてきているという現状の中におきまして、おそらくこれからも卸売市場という市場機能は、大量流通あるいは代金決済機能といった中では、欠かせない機能だと思いますし、存続していくものだと思います。加えて時代とともに変化していく実需者のニーズに沿った形の取引形態にも柔軟に対応していくことが必要ではないかと思っております。生産者におきましても、市場へ出荷して終わりということで価格は人任せということでなく、実需者と消費者が一緒になってお互いに価値を認め合う、両者合意の中での価格形成というものも、これからふえていってほしいと思いますし、そういったことも実現が近いのではないかというふうに思います。
最後になりますけれども、第2期食と農業
農村振興計画では、マーケットインに対応できる商品力のあるすぐれた農産物生産を目指していくことを目標に掲げております。行政といたしましても、その後押しをさせていただきながら、農業所得の向上を目指す中で、持続性のある園芸産地づくりを引き続き推進していってほしいと思っております。簡単でありますけれども、大変貴重な時間をいただきまして、まことにありがとうございました。
諏訪委員長初め委員の皆様には、温かな御支援、御指導を賜りまして、本当にありがとうございました。
◆小林伸陽 委員 すみません、ちょっと質問、1点だけすみません。所轄になってはいないと思うんですけれども、地域消費喚起事業というもので21億円の部分があるんですが。その中でふるさと旅行券による観光誘客とか、ふるさと名物商品、長野県産品振興というようなことで、券を発行して消費を喚起しようということが提案されているわけですが。その中のふるさと名物品という部分や県産品とあるんですが、その中には、例えば農産物、例えばリンゴだとか、そういうものも入っているのか、入っているとしたら、どういうものが入るのか、その辺がわかったらちょっとお聞きしたいんですが。
◎
中村倫一
農政部長 お尋ねの制度につきましては、今、具体的な手続が、予算の御承認の御審議と合わせて進んでいるところでございます。お尋ねの商品券につきましては、長野県観光協会と受委託関係を結んで、実際には仕事を進めるという基本ラインになっているわけでございます。したがいまして、私どものような農産物を所管している部から、直接こうやるというようなことにはなりませんで、観光協会で選定するもの、そしてまたうちのマーケティング室などのほうから、こういったものはどうですかということで提案の機会がこれからありまして、その中で皆様方にお使いいただけるものをこれから選定をするという格好になっておりまして、現時点においてこれとこれがというふうな段階にはまだなっていないという状況でございます。
◆小林伸陽 委員 そこで、県外から長野県に来られる
皆さんに安い商品券を出すということもいいと思うんだけれども。長野県の特産物、とりわけ農産物を大いに買っていただくということは、地域の振興にとっても、長野県の商品を全体に広げていく上でも有効な施策かなという思いもあるものですから、ぜひ積極的に農政部からも、これだけのお金を使うわけですから、積極的な提案をしていただければと思っております。どうぞよろしくお願いします。
◎
中村倫一
農政部長 先ごろ部内の部課長会議におきましても、特にマーケティング室に、こうした制度の出発が予定されていることを鑑みまして、農産物の関係についても積極的に協力しアピールをするようにということで話をしてございますので、またこれからマーケティング室を中心に、申し出をしたりという格好をさせていただきたいと考えております。
○諏訪光昭 委員長 以上で質疑を終局したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議ありませんので、質疑を終局いたします。
ただいまから議案の採決に入ります。最初に第1号「平成27年度長野県一般会計予算案」中、第1条「第1表歳入歳出」予算中、歳出 第7款
農林水産業費、第1項 農業費、第2項 畜産業費、第3項 農地費の一部、第5項 水産業費、第12款 災害復旧費、第1項 農林水産施設災害復旧費の一部、第2条「第2表 債務負担行為」中の一部について、採決をいたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。
次に第9号「平成27年度長野県農業改良資金特別会計予算案」について、採決をいたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。
次に第10号「平成27年度長野県漁業改善資金特別会計予算案」について、採決をいたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。
次に第51号「県営土地改良事業施行に伴う
市町村の負担について」採決をいたします。本件、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議ありませんので、本件は原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。
次に第52号「国営土地改良事業の県負担金に対する
市町村の負担について」採決いたします。本件、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議ありませんので、本件は原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。
次に第69号「平成26年度長野県一般会計補正予算(第8号)案」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中、歳出 第7款
農林水産業費、第1項 農業費、第2項 畜産業費、第3項 農地費の一部、第5項 水産業費、第12款 災害復旧費、第1項 農林水産施設災害復旧費の一部、第2条「第2表 繰越明許費補正」中の一部について、採決をいたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。
次に第75号「平成26年度長野県農業改良資金特別会計補正予算(第1号)案」について、採決をいたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。
ただいまから請願及び陳情の審査を行います。当
委員会に付託されております
農政部関係の請願・陳情を一括して議題といたします。過日お手元に配付いたしました審査資料をごらん願います。
農政部関係の請願・陳情は、請願の新規分3件及び陳情の継続分12件であります。
審査に際し、あらかじめ私から各委員にお願いを申し上げます。当
委員会に付託された請願・陳情のうち、今定例会において結論の出なかったものについては、去る2月4日の議会運営
委員会において、先例のとおり審議未了とすることとなりました。したがいまして、継続審査とすべき請願・陳情につきましては、今回に限り、審査未了の取り扱いとして、閉会中継続審査の申し出をしないこととしたいと思いますので御了承をお願いいたします。
最初に新規の請願の審査を行います。請第71号についてであります。本請願は意見書の提出を求めるものであります。本意見書案については、先例に基づき委員全員の賛成により発議することとなっておりますので申し添えます。理事者の説明はいかがいたしましょうか。
〔「不要」と呼ぶ者あり〕
本件について、質疑等ありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
以上で質疑を終局いたします。
それではこの請願の取り扱いはいかがいたしましょうか。
〔「未了」「採択」と呼ぶ者あり〕
ただいま委員各位からさまざまな御意見がありましたので、この取り扱いについて、順次挙手によりまして決することといたします。最初に本件について、まず審査未了の取り扱いとすることについて、挙手により採決をいたします。念のため申し上げます。挙手しない方は審査未了の取り扱いとするに反対とみなします。本件につきまして、審査未了の取り扱いと決定するに賛成の委員の挙手を求めます。
〔挙手多数〕
挙手多数であります。よって、請第71号は審査未了の取り扱いとすることに決定をいたしました。
次に請第72号についてであります。本請願は意見書の提出を求めるものであります。本意見書案については、先例に基づき委員全員の賛成により発議することとなっておりますので申し添えます。理事者の説明はいかがいたしましょうか。
〔「不要」と呼ぶ者あり〕
本件について、質疑等ありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
以上で質疑を終局いたします。
この請願の取り扱いはいかがいたしましょうか。
〔「未了」「採択」と呼ぶ者あり〕
ただいま委員各位からさまざまな御意見がありましたので、この取り扱いについて、順次挙手により決することといたします。最初に本件について、まず審査未了の取り扱いとすることについて、挙手により採決をいたします。念のため申し上げます。挙手しない方は審査未了の取り扱いとするに反対とみなします。本件について、審査未了の取り扱いと決定するに賛成の委員の挙手を求めます。