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  1. 長野県議会 2014-12-04
    平成26年11月定例会本会議-12月04日-04号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成26年11月定例会本会議-12月04日-04号平成26年11月定例会本会議 平成26年12月4日(木曜日)  出席議員(56名)   1 番 中川博司      27 番 金子ゆかり   2 番 依田明善      28 番 和田明子   3 番 石和 大      29 番 今井正子   4 番 藤岡義英      30 番 永井一雄   5 番 中川宏昌      31 番 諏訪光昭   6 番 清水純子      32 番 小松 稔   7 番 小池久長      33 番 小池 清   8 番 桃井 進      34 番 清沢英男   9 番 髙橋岑俊      35 番 垣内基良   10 番 甕 裕一      36 番 竹内久幸   11 番 吉川彰一      37 番 佐々木祥二   12 番 山岸喜昭      38 番 向山公人   13 番 荒井武志      39 番 高村京子   14 番 堀場秀孝      40 番 小林伸陽   15 番 続木幹夫      41 番 村上 淳   16 番 両角友成      42 番 小松千万蔵   17 番 小林東一郎     43 番 西沢正隆
      18 番 清水秀三郎     44 番 風間辰一   19 番 太田昌孝      45 番 平野成基   20 番 今井 敦      46 番 本郷一彦   21 番 丸山栄一      47 番 倉田竜彦   22 番 野澤徹司      48 番 高橋 宏   23 番 小島康晴      49 番 石坂千穂   24 番 下沢順一郎     50 番 宮澤敏文   25 番 鈴木 清      51 番 村石正郎   26 番 宮本衡司      52 番 木下茂人   53 番 萩原 清      56 番 古田芙士   54 番 服部宏昭      57 番 下﨑 保  欠席議員(1名)   55 番 望月雄内         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        阿部守一    林務部長      塩原 豊   副知事       加藤さゆり   建設部長      奥村康博   危機管理監兼危           会計管理者兼会   機管理部長     青柳郁生    計局長       石田訓教   企画振興部長    原山隆一    公営企業管理者   総務部長      太田 寛    企業局長事務取扱  小林利弘   県立大学設立担           財政課長      平木万也   当部長       髙田幸生    教育委員会委員   県民文化部長    藤森靖夫    長         櫻井久江   健康福祉部長    小林 透    教育長       伊藤学司   環境部長      山本浩司    教育次長      青木 弘   産業政策監兼産           教育次長      菅沼 尚   業労働部長     石原秀樹    警察本部長     山崎晃義   観光部長      野池明登    警務部長      岡本 努   農政部長      中村倫一    監査委員      吉澤直亮            ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      北原政彦    議事課課長補佐   議事課長      小山 聡    兼委員会係長    三井 実   企画幹兼議事課           議事課担当係長   若林憲彦   課長補佐      坪井俊文    総務課担当係長   小山雅史         ───────────────────  平成26年12月4日(木曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時開議 ○議長(風間辰一 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(風間辰一 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、清沢英男議員。       〔34番清沢英男君登壇〕 ◆34番(清沢英男 君)おはようございます。初めに、新幹線新駅について伺います。  長野新幹線が北陸に延びる日は目前であります。人を、経済を、文化を運んで、やがて新幹線は金沢から大阪を目指すことになります。金沢―敦賀間は今後10年の間に、新大阪へはルートが模索されていますが、これが全て完成すれば長野―新大阪間は約2時間半で結ばれることになります。  遠い向こうの話のようですが、その日は確実にやってくることを念頭に置いた場合、我が国の2大都市圏からのさまざまな流通の影響を長野県がいかに受発信することができるのかという視点を今から持ってすべきことに着手していくことの必要を思います。その一つが新幹線新駅の設置であるというふうに考えるのです。先憂後楽という行政の要諦を、今だからこそ押さえるべきではないでしょうか。  例えば、水を必要とするところに水道が引かれたとしましょう。渇きを潤すのは蛇口です。その蛇口の数が多いほど、大地も、そこに暮らす人々も水の恩恵を享受することができます。新幹線の駅はその蛇口に匹敵するものであると考えます。  長野県に設置された駅は、美しい北信濃に飯山、善光寺の長野、真田氏の上田、浅間山の麓には佐久平と軽井沢。それぞれの駅が持つ代表的イメージにないものといえば信州の温泉という蛇口。そんな欠落感を感じると同時に、県民誰もが心配することは通過するだけの新幹線にならないだろうかということでしょう。  個性ある蛇口を、一つよりも二つ、三つよりも四つというように一つでもふやすことで人や物を引きつけ、蛇口から供給しやすくする。経済、観光、文化、その他の果実を新幹線からよりスムーズに受けとめることができるようにすることが通過交通にしない方策の重要な一つであると思います。  今、新幹線駅、以下、新駅と言いますが、の設置を求める誘致運動が期成同盟会を中心に熱を帯びて沸騰状態になろうとしています。地元の千曲市はもとより、沿線や、ほかの市町村、またその議会や経済団体関係者、東筑からも筑北、麻績、生坂が村と議会等が同盟会に積極的参加をしていますし、長野市からも篠ノ井と松代の住民自治協議会の皆さんが賛同し団体として同盟会に加わっておられます。県議会も51人の議員諸兄が顧問、相談役に就任し、新駅実現方に動き出しました。  企画振興部長に伺います。  一つに、蛇口の話をいたしましたが、新駅という蛇口がふえることは長野県にとってメリットなのかデメリットなのか。そもそも論を県はどう考えておられるのか。お聞かせいただきます。  また、新総合交通ビジョンでは新駅の可能性も含め検討するとしていますが、検討の進捗ぐあいについてもお聞きします。  二つに、新駅設置の可能性を県が積極的に示すことで関係地域住民の皆さんの意識が盛り上がり、新駅を迎えるに十分な地域づくりをしよう、観光、文化、産業等の需要を掘り起こして地域経済の浮揚を図ろう、2次交通のアクセス整備もしよう、例えばそのように人の気持ちに火がつくこと、それは貴重なことで、県としても願うべきことと考えます。新駅構想が地域づくりにもたらすであろう好影響を県としてどうお考えか。部長の御所見をお聞かせいただきます。  三つに、巷間言われている駅間距離が近いのではないかという点についてであります。上田―長野駅間の距離は、北陸新幹線東京―敦賀駅間での駅間数23のうちで長いほうから6番目、結構な距離と言えます。千曲市の構想は、その間に新駅を建設したらどうか、長野駅から14キロ、上田駅から19キロほどの場所に設けたいとしています。  そこで、この14キロメートルという距離が客観的に見て近過ぎるのかということになります。駅間キロ数を北陸新幹線で見てみると、小松―加賀温泉駅間が15、加賀温泉-芦原温泉駅間が15、白山車両基地に設置予定の仮称白山駅から金沢駅間は14を切ります。全国の新幹線を俯瞰してみれば、山陽の新尾道―三原間が10.5、東北の北上―新花巻間14.5、九州の新鳥栖―久留米間5.7。こうして見てくると、長野駅―新駅間の14キロメートルは決して常識外の距離数ではないと言えます。かかる想定駅間距離について部長はどのように感じておられるのか。お聞かせいただきます。  四つ目、石川県の加賀温泉郷、福井県の芦原温泉は有名な温泉地ですが、両県ともにそこに新幹線をとめようという強い意志が如実に示され、駅の設置が実現いたしましたが、これをして地域の人々にいかに大きな勇気を与えたかは十分想像できます。一方、長野県の新幹線沿線には戸倉上山田という信州の代表的温泉地があります。ここに新駅ができるならば、他の温泉地でも信州の温泉が日本一という面目躍如にもなるでしょう。観光県長野という売り言葉からいっても、新幹線に一つくらい温泉に接する新駅があってもいいのではないかと考えますが、部長はいかがお考えでしょうか。  五つに、利便性の問題です。千曲市の構想によれば、新駅の候補地を長野道と上信越道が交差する更埴インターに接近した場所としています。さらに、その駅前に乗用車500台が駐車可能なスペースを設けるとしています。高速道利用者やバス等、2次交通の利便を考慮したものでありますが、車を駐車して新幹線に飛び乗る、まさにパーク・アンド・ライドであり、利用者にとってはありがたい話であります。朝の殺人的渋滞と1車線バスレーンによって新幹線乗車時間に間に合わなかったり、肝を冷やした人たちにも朗報と言えましょう。  そこで、部長は、県民の皆さんにとって、大きな駐車プールを備えた新駅の利便性をどう評価なさるのか。また、かかる利便性に代替できる方法が考えられるのかどうか。御所見をお聞かせいただきます。  六つに、新総合交通ビジョンでは、県内市町村の拠点から新幹線駅に1時間以内で行くことができるようにするとしています。しかし、不可能な村が三つあるとしていましたが、新駅ができれば、そのうちの二つ、山形と朝日の2村からの1時間内アクセスが可能になります。県が新幹線駅へのアクセス時間短縮をうたうならば、義務感を持つぐらいの覚悟で新駅設置に取り組んでもらいたいと考えますが、いかがでしょうか。       〔企画振興部長原山隆一君登壇〕 ◎企画振興部長(原山隆一 君)新幹線新駅について幾つか御質問をいただきました。順次お答えを申し上げます。  まず、新駅設置がメリットなのかデメリットなのかについてでございますが、一般論として申し上げますと、新たに停車駅を設置することは、利用者の選択肢がふえるという側面があるとともに、既存の駅にとっては新幹線の最大の効果である速達性に影響が生じるというもう一つの側面がありますので、それらも考え合わせますと一刀両断的にどちらかというふうに答えるのは難しいというふうに考えております。  新総合交通ビジョンにおける検討の進捗状況についてでございます。  県が昨年策定した新総合交通ビジョンにおきましては、長野県が目指す交通の将来像として、高速交通網の整備効果を最大限に生かした本州中央部広域交流圏の構築を掲げているところでございます。現在、この構想の実現に向けまして、交流圏の結節機能強化に関する検討会議、これを立ち上げまして、御指摘の上信越自動車道更埴ジャンクション付近への新幹線新駅設置の可能性も含め、新幹線との円滑なアクセスを確保するための方策についてさまざまな観点から検討を重ねているところでございます。  次に、新駅構想が地域づくりにもたらすであろう好影響を県としてどう考えているかという御質問でございます。  千曲市においては、本年、千曲市新幹線新駅を活かしたまちづくり基本構想案を策定され、新幹線新駅を核とした町づくりの方向性を示されたということを承知しております。県としては、そもそもその前提となる新幹線新駅の可能性について検討している段階にあるというふうに認識しております。  次に、想定駅間距離についてどのように感じているかというところでございます。  新幹線における駅間距離は沿線の状況により大きく異なりますので、駅間距離のみで新駅設置が判断されるものではないというふうに思っておりますが、議員御指摘のように、千曲市が構想する新駅と同程度の駅間距離での新駅が設置された事例があるということは十分に認識しているところでございます。  次に、温泉に接する新駅があってもいいと思うがどうかという御質問です。  申し上げるまでもなく、戸倉上山田温泉は信州を代表する温泉の一つでありまして、年間100万人以上の方が訪れております。このように多くの利用者がある観光地の有無、これは新駅設置の可能性を検討する一つの要素であるというふうには考えております。  次に、新駅の利便性をどう評価するか、またそれに代替できる方法があるのかというお話でございます。  新駅設置の可能性を検討するに当たりまして、高速道路との近接性あるいは2次交通の利便性を考慮することは重要であるというふうに考えております。また、新幹線との円滑なアクセスを確保するための方策につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、交流圏の結節機能強化に関する検討会議においてさまざま検討しているところでございます。  最後に、新幹線駅へのアクセス時間短縮についてでございます。  長野県新総合交通ビジョンにおきましては、円滑な移動の実現に向けまして、多くの県民がおおむね1時間以内に新幹線を利用できる交通環境を目指すということにしております。議員御指摘のとおり、北陸新幹線と高速道路とが近接する上信越自動車道更埴ジャンクション付近への新幹線新駅設置の構想、これは、在来線鉄道の速達性向上などとともに、中信地域から新幹線新駅へのアクセス時間の短縮を図る上で検討すべき選択肢の一つになるものと認識しております。  繰り返しになりますが、先ほど申し上げました検討会議においてさまざま検討を進めているところでございます。  以上でございます。       〔34番清沢英男君登壇〕 ◆34番(清沢英男 君)デメリットとして部長が上げた速達性、要するに時間がかかり過ぎるというふうになるんではないかという話でありますが、北陸新幹線全体の中でスピードアップ、このことは可能なわけであります。よって、一つぐらい駅をつくっても時間調整の上で決してデメリットにならないということが言われています。  それから、部長がお答えにならなかったことは、500台という駐車プール、この利便性をどう思うのかということであります。  それから、もう一つ、欠けているのは新総合ビジョンを本当に実現する気が県としてあるのかどうか。再質問いたします。       〔企画振興部長原山隆一君登壇〕 ◎企画振興部長(原山隆一 君)三つ再質問をいただきました。  まず、新たに停車駅を設置することによって既存の駅にとっての速達性の影響の問題でございます。  一般論として申し上げたところでございまして、具体的な問題に関しましてはその後の検討ということになろうかと思っております。  次に、駅前に乗用車500台が駐車可能なスペース、そういった利便性をどう評価するかというお話でございます。  そういった利便性を考慮することは新駅設置の可能性を検討するに当たり重要であるということでございます。ただし、先ほど私が申し上げましたところでございますけれども、その利便性を考慮した上で今後の新駅設置の可能性の有無というものを検討するというふうに考えているところでございます。  それから、アクセス時間短縮についてのお話でございます。  議員御指摘のとおりでございますので、私どもとすれば、交流圏の結節機能強化に関する検討会議を立ち上げ、1時間という構想の実現に向けて検討を進めているということでございます。
     以上であります。       〔34番清沢英男君登壇〕 ◆34番(清沢英男 君)知事に伺います。  新駅の費用対効果については、BバイCのB、効果や便益性を、県全体の底上げ効果として、現在的計算式から将来的なそれへ置きかえて考えることも必要ではないでしょうか。  駅がふえることで新幹線が遅くなるといった心配がありますが、それは全体的なスピード調整でマイナスを吸収できるという意見もありますし、全車両の停車可否については今後の議論の俎上にのせればいいことであります。  今は長野県として新駅にどんな夢を描くことができるのか、真剣に、千曲市や期成同盟会、また広く県民の皆さんと一緒になって実現方に一歩を踏み出すべきであると考えますが、知事の姿勢をお示しいただき、御所見をお聞かせいただきたいと思います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)新幹線新駅の設置についての御質問でございます。  北陸新幹線と高速道路の結節地点となります上信越自動車道更埴ジャンクション付近への新幹線新駅設置の構想について、これは中南信地域と北陸新幹線とのアクセス機能の向上をもたらすものでありまして、本県全体の交通体系を考える上でも重要なテーマだというふうに思っております。  今、清沢議員の御質問の視点るるお伺いする中で、なるほどこういう視点もあるなというふうに思いながら伺わせていただきましたし、また、リニア新幹線駅、中央自動車道との結節を図るためにスマートインターで中央道とつなげようというふうに考えておりますけれども、リニア側と北陸新幹線側をつないでいく上でどういうルートが必要かということを考えたときに、高速に結節した新幹線駅というのは南北軸をつくっていく上でも意味があるのではないかという見方もあり得るというふうに思っています。  企画振興部長が御答弁申し上げたとおり、現在、こうした点については交流圏の結節機能強化に関する検討会議において検討しているところでございます。千曲市においても、新駅設置がもたらす効果のみならず、新駅を設置した場合の利用者数の見込み、あるいは利用動向の予測、こうしたことについてより詳細な検討を予定しているというふうにお聞きをしています。  県といたしましては、新しい総合交通ビジョン、議員も引用されましたが、その中にも、新幹線と高規格幹線道路との結節性を生かした新駅の可能性について検討するということを明記をしているところであります。千曲市の取り組みに対して必要な支援を行いますとともに、新幹線へのアクセス時間の短縮の効果が期待されます中南信地域の皆さんの御意見等も十分にお聞きをしながら、上信越自動車道更埴ジャンクション付近への新駅設置の可能性についてしっかりと検討してまいりたいと考えています。  以上です。       〔34番清沢英男君登壇〕 ◆34番(清沢英男 君)新幹線長野以北やリニアも、長野県はJRからの受け身でありました。が、ようやく県として篠ノ井線複線化問題には能動的に動き出したと感じています。  新駅についても、費用の面で千曲市はおんぶにだっこという姿勢ではなくて能動的であります。県も同じく能動的に連携して、国やJR、また県民理解に力強く駒を進める政策に打って出てほしいと思いますが、今の知事の答弁を全体にお聞きしますと、消防の号令で言うならば、整列休めから、気をつけ、そして前へ進めという号令がかかったのかなというふうに受けとめておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  次に、3本の条例について伺います。  知事が議案説明で触れた登山条例と性被害防止条例モデル、また教育委員会で検討が進むいじめ防止条例について伺います。  初めに、観光部長に伺います。  仮称登山安全条例については、御嶽山噴火災害の経緯を見るとき、当該条例制定を検討することは県政遂行上必要なこととの判断によるものと考えます。そこで、伺っておきたいのは、先行してこれを制定する群馬、富山、岐阜の3県の条例につき、登山届出書の提出は共通するも、その方法やエリア、罰則規定、運用の実際等について各県の特徴的な部分をお示しいただきます。  また、知事は山岳関係者の意見を聞くとしていますが、現時点での当該意見の集約について、西沢議員への答弁のほかに断片的にでもお示しいただけるものがあれば、なければ結構ですが、部長に御説明いただきます。  次に、県民文化部長にお聞きします。  性被害者支援ワンストップ支援センター設置、学校現場の対応力向上、県民運動の再活性化など、結果、性被害防止につながる具体策を打とうとしていることは評価できますが、その一方で、条例制定の必要性について県民議論を深めるための判断材料として条例モデルを作成するとしています。  そこで、モデルとはいかなるものかという通告は金子議員への答弁にて省きますが、そこでモデルを示すこと自体、条例化への流れをつくっているのではないかと考えますが、それにつき部長の御見解をお聞きしたい。  過日、私は松本合庁で行われた性被害防止関連タウンミーティングに出席いたしました。感じたことは、当該問題に意識化された出席者の皆さんが多い中、アンケート調査として小学校の教室のように色紙を上げさせる、旗揚げ方式というやつですが、設問もわかりにくい、なぜそうなんだろうと考え込んでしまいました。会場の意見は現場を知る方々などから鋭いものも多く出されましたが、最終的には条例制定への誘導であると思いました。性犯罪や福祉犯罪が多発する、他県条例の夜間禁止検挙数が伸びている、長野県には防止条例がない、そのように進行すれば、じゃ条例が必要だねとなるのは必然であります。  当該条例が長野県以外で制定された最後は昭和40年代です。その後いわゆる買春法が成立しましたが、長野県はその法律がない時代でさえ青少年健全育成性被害防止の成果を県民運動で乗り切ってきたことを誇りに思います。  私が高校生のころ、松本に風紀上問題なお風呂建設の話が出て、実際できたという記憶があります。しかし、結局営業には至りませんでした。県民性に裏打ちされた風土があるというふうに思います。私の選挙区の麻績村でも、場外馬券売り場が建設されようとしたことがありました。しかし、それもPTA等の皆さんの反対で消えてしまいました。  つまり、長野県民の皆さんは、県が条例に盛り込もうとする大人の責任ということをきちんとわかっていらっしゃるというふうに思います。その県民性を理解していたのが西沢権一郎さんであり、吉村午良さんであり、田中康夫さんであり、村井仁さんだというふうに思うのであります。  知事が性被害者に対して何とかしたいなというふうな優しさはよく理解はできます。しかし、その優しさを、子供たち、そして大人、県民性、そういうもの全体にぜひ向けてみていただきたいというふうに思うのであります。  問題の所在は、児童福祉法や買春法、迷惑防止条例など既存の法規制に抵触しない性被害には何があるのか、それら個別案件に対して新条例規制が適当なのか、しかも防止ができるのか、さらには対象世代の自立や教育はどうあるべきかなどについてタウンミーティング会場での話し合い、また県民意見徴取が本当は必要なことではないか。しかし、そこはいつもタブーのように触れられることなく、淫行禁止と深夜外出禁止の2項目を罰則つきで規制する条例を時代錯誤的に制定して法律のはざまを埋めようとしていることです。  そこで、伺いますが、1点目、法律で防止できない法のはざまにある性被害例について列挙していただき、今議会の答弁で出た例のほか、重複を避けて、その発生頻度、20カ月で16件19人という数字ではなく、もっと長期的スパンで見てどうか。また、それら個別に新条例制定による防止効果をお聞かせいただきます。  2点目、県民合意を得た上で条例を制定するとしています。この件については賛否両論があるのは確実であります。県民合意の有無は何をして判断されるのか。県当局の独善にならないという保障をお聞かせいただきます。  3点目、発表された「県の取組み」では、インターネット関連での規制を外すとした理由に、一つはユーザーのフィルタリング利用が進まない他県条例での実態があるとします。そこで、兵庫県の取り組みを紹介していただきます。  4点目、外す理由の二つ目は、長野県はフィルタリング装着率が全国に比して高いからといいます。平成23年の数字を挙げていますが、これは携帯電話時代のもので、スマートフォン化された現在での実態をあらわしていないのではないでしょうか。  5点目、そのことも含め、県は、既存資料の数字を多用し、みずからの実態調査を怠っている中での条例モデル発表ではないかと思いますが、どうでしょうか。  6点目、現在は性被害を誘発しないためのフィルタリング等によるインターネット利用規制こそが必要であり、時代的な求めではないかというふうに考えます。が、県庁内チームはこの課題について専門委員会の条例化提言項目から外すとしています。理解できたことは提言から外すことが可能ということで、ならば、淫行禁止や深夜外出禁止を提言項目から外し、インターネット利用条例に特化すべく再考を促したいと思いますが、いかがでしょうか。  県庁内チームもこのインターネット関連の必要性には触れています。ただ、自殺サイトとか、そういう問題などいろいろあるものですから、性被害との関連性が薄いものもあるゆえに外すとしているわけですが、一石で二鳥を追ってもいいのではないかというふうに考えます。       〔観光部長野池明登君登壇〕 ◎観光部長(野池明登 君)登山届出書に関する群馬、富山、岐阜県の条例の特徴についてのお尋ねでございます。  登山届出書に関する条例といたしましては、昭和41年に富山県が、42年に群馬県が、本年7月に岐阜県が条例を制定しております。  各県の特徴といたしまして、富山県は剣岳周辺の山岳地帯を危険地区等に指定をいたしまして、12月から翌年5月までの冬山を対象に登山届の提出を義務づけ、未届け者に対しましては5万円以下の罰金または科料を規定をしております。最近20年間は罰則を適用した事例はないと聞いております。  群馬県は、谷川岳の岩場地帯を危険地区に指定し、冬山は入山禁止の努力義務を課すとともに、3月から11月までの期間を対象に登山届の提出を義務づけ、未届け者に対しましては3万円以下の罰金を規定しております。昨年、登山届を提出せずに登山した遭難者に対し8年ぶりに罰則を適用をしております。  ことし1月から条例が施行された岐阜県でございますが、本県と県境を接している北アルプスの焼岳から樅沢岳を中心とする区域を対象に通年の登山届の提出を義務づけ、未届け者に対しては5万円以下の過料、行政罰の過料でございます。ただし、特に危険な区域以外の罰則適用は冬期間のみでございます。これを規定しております。なお、罰則につきましては条例施行日以後2年以内の施行ということで、まだ施行されてございません。  次に、条例制定についての山岳関係者の意見についてでございます。  本年4月以降、登山関係団体や救助関係者等に、安全登山のためのルールを条例に規定し、周知することにつきまして意見を聞いてまいりました。意見の内容は一昨日西沢議員の御質問に対しお答えをしたとおりでございますけれども、登山届の提出義務化、これは理解できるけれども、罰則については違和感があるということでございます。  これに加えまして、登山者の自己責任をもっと啓発し、徹底すべきである、また、条例で安全を標榜することはよいことである、登山届の提出は呼びかけるべきであるが、罰則は登山者が何か犯罪を犯したかのように扱うものでいかがか等の意見がございました。  さらに、山岳関係者の御意見やパブリックコメントを参考に、条例案の内容を検討してまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。       〔県民文化部長藤森靖夫君登壇〕 ◎県民文化部長(藤森靖夫 君)子供の性被害防止についての御質問に順次お答えをいたします。  まず、条例のモデルについて、条例化の前提ではないかというような御質問がございました。  昨日、金子議員にお答えいたしましたように、子供の性被害防止のための条例に関しましては、そのイメージが県民の皆様方の間でもさまざまでありますし、子供の性被害についての客観的な情報が不足しているなどの理由によりまして具体的な議論になっていない状況にございます。  そうしたことから、条例のモデルにつきましては、条例制定を前提としたものではなく、仮に条例化するとすればこのような形になるといった、県民の皆様にわかりやすい条例のイメージを提示をし、それをもとに具体的な議論の材料とするものでございます。  続きまして、現行法で規制できない事案の実例ということでございます。  警察本部では平成25年1月から26年10月末までの間に16件を確認しておりまして、このうち9月議会と今議会で3件の事例を本部長から具体的に御紹介いただきました。県警からは、いずれの事案も、昨日金子議員から御説明いただきましたように、金銭などのやりとりがなく、暴行、脅迫の事実もないことから、既存の法令を適用できず、行為者に対しては道徳的観点からの指導、説諭にとどめざるを得なかったということでございます。  こうした実例について、私どもとしてもまだまだ状況を十分把握しているとは思っておりませんで、警察あるいは被害者支援を行っている方々などから情報をいただき、防止効果も含め、今後、条例のモデルを検討することとあわせ、しっかり分析をするよう考えているところでございます。  続きまして、県民合意についてでございます。  条例のモデルを作成し公表した後、一般の県民の方々や関係機関などとの幅広い意見交換、あるいはパブリックコメントの募集などによりまして、できるだけ多くの機会を設け、広く県民の皆様の御意見を伺うことといたします。また、県議会におきましても十分御議論いただきたいと考えております。そういった状況を考慮した上で、条例制定の是非を県として判断することといたしております。  続きまして、フィルタリング利用に関する兵庫県の取り組みについてということでございます。  兵庫県は全国で最も早く条例でインターネット関連の規制を始めた県でございますけれども、青少年が使用するスマートフォン、携帯電話の契約に際し原則としてフィルタリングの利用を義務化しております。そして、正当な理由があってフィルタリングを利用しない場合には、契約時に携帯電話事業者に対し理由を記載した書面を提出することを保護者に義務づけております。  スマートフォンの普及に伴い青少年のフィルタリング利用率は低下しておりますけれども、その要因として、個別の操作で解除できるにもかかわらず、無料通信アプリのLINEなどの利用が制限されると誤解している保護者が多いためと言われております。このため、兵庫県では、利用者に、フィルタリングを設定しても必要なソーシャル・ネットワーク・システムは利用できるなどの情報を広く周知することでフィルタリング利用の促進を図っているとお聞きしております。こうした啓発、情報発信の取り組みは本県の啓発の取り組みの参考になるものと考えております。  続きまして、フィルタリングの実態の数字についてでございます。  議員御指摘のように、平成23年の時点と比べますと現在はスマートフォンの利用が多くなっているものと思いますが、全国と本県との対比をして本県がどのような位置にあるのかを知るための資料として警察庁が発表した最新の調査結果を用いたものでございます。  続きまして、県みずからの実態調査を怠っているのではないかということでございます。  「子どもを性被害から守るための県の取組み」の中でも、また今議会で知事が申し上げておりますように、子供の性被害の実態あるいは性に関する現状等については県民の皆様の議論の前提となるものでございますけれども、まだまだ十分に把握できているとは言えないことから、条例のモデルを検討するとともに、しっかりと実態把握に努めてまいりたいと考えております。  最後に、インターネット関連を規制の対象外としたことについての御質問でございます。  子どもを性被害等から守る専門委員会から提言のあったインターネット関連の条例規制について、庁内検討チームといたしましては、議員から御指摘いただいたとおり、インターネット関連の規制は他県の条例を見ても子供の性被害の防止より幅広い目的を持っており、例えば、わいせつや犯罪、自殺誘因のサイトのフィルタリングを対象としていることから、本県において仮に条例化するとしたら子供の性被害防止とは別条例とすべきと報告しております。  その上で、県の取組み(案)を策定するに当たりましては、高機能のスマートフォンについては条例によってもフィルタリングの利用が進まない他県の実態があること、Wi―Fiやインターネット接続可能な携帯型ゲーム機などを利用する場合は規制しがたいことなど条例の効果が限定的と見込まれること、また、先ほど申し上げましたように本県のフィルタリング装着率は全国平均より高い、また、「早急に実施する取組み」に掲げた教育や県民運動による対応が十分機能することといった理由から、条例による規制に頼らずに、まずは教育や県民運動といった施策の推進により対応することとしたものでございます。  なお、専門委員会の中でも、インターネット関連の規制について、長野県におけるフィルタリング装着率は他県と比べても高いことから段階的に行うべき、あるいは県や県民会議の教育、啓発の対応の結果を確認した次の段階で考えるべきなどの御意見があったところでございます。  以上でございます。       〔観光部長野池明登君登壇〕 ◎観光部長(野池明登 君)先ほど、岐阜県の条例の施行の関係で施行を本年1月からと申し上げましたが、今月1日からの条例の施行でございます。おわびをして訂正をさせていただきたいと存じます。       〔34番清沢英男君登壇〕 ◆34番(清沢英男 君)県民合意の部分ですが、県の取組み(案)に対するパブリックコメントを見ると、総じて条例制定賛成が圧倒的に多いかというと、そうではなくて、全体52意見中、積極的賛成は6意見のみ、条例の可否だけで限ってみても賛否は拮抗しています。よって、今県でやるべきことは、モデルなどをつくって条例へ県民意見を誘導するのではなく、被害者支援策や教育現場の充実、県民運動の再活性化など、これまでできなかったことをきちんとやって、その上で性被害発生件数の再把握をしてみるべきだと考えます。  次に、いじめ防止条例について知事に伺います。  さきに成立した子ども支援条例といじめ防止条例の関係について、知事は一般法と特別法ということもあると説明されました。特別法は一般法のより詳細な部分を規定するものと受けとめていましたが、両条例の法的な関係についてさらに御説明いただきたい。  同条例骨子案について教育長にお聞きします。  案に示されている項目は全て当たり前のことで、現在も当然履行されていることであります。教育委員会で扱う条例としては、いじめ問題の本質を改善する。すなわち、いじめられた子供、いじめた子供、またはいじめにつながる言動を吐く教職員など、それぞれの異なった立場での関係者に対する全体のケアや支援策を具体的に示し、個々の事例から帰納的にいじめに対処することこそ教育であり、条例化の価値ではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)さきに成立いたしました子ども支援条例と検討中のいじめ防止条例(仮称)との関係についての御質問でございます。  長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例は、子供が不当な差別、虐待、体罰、いじめなどに悩み苦しむことなく安心して生きていけるよう支援のための施策を総合的に推進し、子供の最善の利益を実現するということを目的としています。他方で、現在、教育委員会で検討しておりますいじめ防止に関する総合対策推進条例(仮称)は、国のいじめ防止対策推進法を踏まえて、いじめの防止、早期発見及び対処の基本となる事項を定めて、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するということを目的としています。  両者の関係は、いずれも子供たちの健やかな成長を願うというものではありますが、いじめ防止条例が学校でいじめが発生した場合など対象や行為が限定されておりますことに対しまして、子ども支援条例は、子供の生活全般にわたりまして不当な差別や虐待などの人権侵害一般から子供を守るもので、対象や行為が幅広くなっております。そういう意味で、いわゆる特別法と一般法のような関係にあるというふうに考えています。  学校で起こるいじめにつきましては、そうした観点から、一義的にはいじめ防止条例に基づいて学校や教育委員会で適切に対応するものというふうに考えています。  以上です。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)いじめ防止条例の骨子案についてのお尋ねでございます。  いじめの防止は、法律や条例の有無にかかわらず、個々の事例に応じて、学校の教職員がいじめられた子供やいじめた子供などの意見も丁寧に聞きながら、しっかり取り組まなければならない重大な課題だというふうに考えてございます。  しかしながら、いじめ問題が深刻化し、また社会問題となる中で、いじめ防止に総合的かつ効果的に取り組むためには、学校関係者のみならず保護者や県民など広く関係者が力を合わせて取り組むことが重要になってきてございます。  このため、条例を制定することによって、それぞれの責務や役割を明確にするとともに、その取り組みを支援するための県の責務や支援策を明記し、さらに、広く県民のいじめ防止に向けた機運を高めることが大事であるという観点から現在条例化の検討を進めているところでございます。  現在、パブリックコメントにより骨子案につきまして県民の皆様から御意見を頂戴しているところでございますが、条例に盛り込むべき内容をさらに吟味しながら策定に向け検討を進めてまいりたいと考えております。       〔34番清沢英男君登壇〕 ◆34番(清沢英男 君)いずれにしても、条例というのは、県民の皆さんから、自由とか、あるいは主体性、その一部分を剥ぎ取ることでありますので、どうぞ慎重の上にも慎重を期していただきたい、そう申し上げて質問を終わります。 ○議長(風間辰一 君)次に、宮本衡司議員。       〔26番宮本衡司君登壇〕 ◆26番(宮本衡司 君)まずもって、このたびの神城断層地震で被害に遭われました皆様方に対しまして心からお見舞いを申し上げますとともに、この災害対応に当たって阿部知事を先頭に昼夜を分かたず御活躍をいただいております全ての方々に感謝を申し上げ、敬意を表するところでございます。  それでは、最初に災害時の初動対応並びに復旧、復興に備える体制の強化について伺います。  長野県では、本年2月には東信、南信に思いもよらぬ大雪が降り、7月9日、南木曽町の土石流、9月27日、御嶽山噴火、11月22日、神城断層地震と自然災害が連続発生し、その都度、緊急対応に追われました。  本年2月定例会、清沢議員の質問、答弁で、大雪の際、危機管理部では通常2名の宿直体制を5名に強化し対応したとのことですが、一連の災害での初動態勢の課題について危機管理部長に伺います。  私の地元である栄村では3年8カ月前に発生した長野県北部地震により大きな被害を受け、農地整備、林務、土木の3部門で県と市町村合わせ1,000カ所余り、事業費にしておよそ70億円の災害復旧費の決定を受け、完了していただきました。また、災害復旧事業の全てが完了する以前に、震災復興計画に基づき、県では、平成25年度よりおおむね5カ年をかけ、国県道3路線の道路改良に現在も取り組んでいただいております。  長野県は他県と比べ地形が急峻、地質が脆弱という県土特性を有している上、最近の全国的な大規模災害の被災状況を考慮すると、これまでに経験がないような災害を念頭に災害復旧などに万全な備えをしなくてはならないと考えます。そのため、災害復旧に当たるための建設事務所などの体制強化が初動対応と同様に重要な課題と考えます。
     一連の災害では、初動態勢の期間が長期にわたっていたため、支援、調整に当たる職員の体制確保に苦慮したと推定されます。災害から県民の安全、安心を確保するため初動態勢の強化は必須と考えます。  今回の災害を経て、必要な人員の確保を含めての体制強化について前人事課長であった危機管理部長にお伺いをいたします。       〔危機管理監兼危機管理部長青柳郁生君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(青柳郁生 君)災害時の初動態勢について順次お答えを申し上げます。  一連の災害における初動態勢についてでございますが、県庁におきましては、危機管理部職員による警戒1次体制による宿日直勤務を基本といたしまして、災害の対応ごとに、警戒2次体制、非常体制、緊急体制及び全職員による全体体制まで5段階の非常参集体制を構築してございます。さらに、危機管理部では、職員を四つの班に編成し、気象情報など各種情報から災害の発生が懸念される場合などにおいては、通常2名の宿日直体制に班体制による増員を行うことで初動対応に必要な人員をあらかじめ確保しております。  御質問にございましたように、2月の大雪災害では大雪警報の発表に伴い宿日直体制を5名に増員し、また7月の台風8号に伴う大雨災害では8名に増員し、災害に備えた警戒体制をとっておりました。9月の御嶽山噴火災害では火山噴火が発生した段階で、また11月の長野県神城断層地震では震度6弱の地震の発生とともに全ての職員が参集し、災害の応急対応を行ったところでございます。  いずれの災害におきましても、初動対応に必要な職員体制は迅速に確保できたものと考えております。  初動態勢の課題といたしましては、災害対応が長期化した場合に、参集職員の疲労が蓄積する中で交代要員の確保が困難となることが挙げられます。今後の検討を進めてまいりたいと考えております。  続きまして、体制の強化でございます。  災害の規模が大きくなればなるほど災害対応業務が膨大にふえ、また対応期間も長期となることから、それに従事する多くの職員を必要といたします。そのため、東日本大震災後、災害対策本部の機能強化を図るため、危機管理部職員だけではなく、他部局の職員を含めた危機管理体制の構築を図ったところでございます。  先ほどお答えいたしましたように、本年度に発生した一連の災害では初動対応に必要な危機管理部の職員は迅速に確保できたものと考えておりますが、長期間にわたる体制の維持においては、交代要員を含め、より多くの人員を確保する必要があるものと考えております。このため、今回の長野県神城断層地震におきましては他部局の職員を順次災害対策本部要員として参集させ、初動対応を行ってまいりました。  今後につきましても、これら災害対応の経験を生かしながら、各部局との協力体制のもと、必要な人員の確保に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔26番宮本衡司君登壇〕 ◆26番(宮本衡司 君)災害の初動、その後の復旧、復興の体制強化について危機管理部長に御答弁をいただきました。  職員の定数管理について、平成24年3月に策定した長野県行政・財政改革方針によると、県政課題に的確に対応しためり張りのある職員配置として、一般行政部門の職員を平成24年度から平成28年度までの5年間で6%減らし、平成28年4月には5,011人を目標とすることとしています。  なお、国の制度改革や、国、県、市町村の役割分担の見直し、新たな総合5カ年計画の策定などを踏まえた組織、施策のあり方の検討に伴う職員数の増減については適時見直しを行うとのことです。  これまでに経験がないような災害を念頭に、職員の確保を初め、万全な備えをすることが県民の安全、安心を守るために必要と考えます。一方、行政・財政改革方針による職員の6%削減目標がありますが、有事においての体制強化に向け今後どういった方針をもって対応するのか。御所見を知事にお伺いをいたします。  また、2月の大雪の際、道路情報が的確に入手できず不安であった、県内全体の情報の一元化はできないものかとの要望を耳にいたしました。豪雪地帯においては毎年のことであり、除雪対応や情報伝達は万全かと思いますが、県内全域の降雪に対しては早期にシステム化が求められるのではないでしょうか。住民にとっては情報がないことは大いに不安です。  いわゆる見える情報化への取り組みについて、災害対応に本当に御苦労されている建設部長のお考えをお聞かせください。  新潟、岐阜、静岡県などでは全県を網羅しているシステムがあると伺っております。長野県は、広い県土に加え、市町村の数が多く、困難はあるかと思いますが、県の防災行政情報システムの構築を検討する際には、国の進める、地方公共団体などが発信する災害情報を1回の入力でテレビ、ラジオ、携帯電話、インターネットなどの多様なメディアを通じて伝達することを目的とした共通基盤、いわゆるLアラートに接続していくことが望ましいと考えます。  このようなシステムの導入時期について検討がなされているのか。危機管理部長に伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)災害に備えての職員体制についての御質問でございます。  行政・財政改革方針のもと、さまざまな行革努力を行う中で職員数の削減目標を掲げて取り組んでいるわけであります。長野県の総人口が減少していく中で県の職員数だけ維持し続けるということは、これは納税者の皆さんには私は説明つかないだろうというふうに思っています。そういう意味で、めり張りをつけながらも適正な定員管理に努めていかなければいけないというふうに思っております。  ただ、その一方で、宮本議員御指摘のとおり、災害発生時は通常業務と違う業務がさまざま発生してきます。ことしは本当に災害が相次ぐ年でありました。危機管理部を中心に、本当に職員には頑張ってもらっているというふうに思っておりますし、部局をまたがって応援体制を組んだりする中で対応させてきていただいています。  今後も、行政改革、定員適正化と、それから災害時の対応ということを両方しっかり認識しながら、部局間の連携の強化、あるいは職員の資質向上、そして職員配置の適正化を進めていく必要があるというふうに思っております。  また、他方で、今回の例えば神城断層地震でも、県の職員を市町村に派遣しています。また、選挙の応援でも周辺の市町村から応援をするということになっています。災害時に例えば長野県だけの体制では難しいというときには、我々も他県からの応援も含めてしっかり対応しなければいけないと思っています。現に、東日本大震災の今復旧、復興途上でありますけれども、岩手県を中心に、県からも多くの職員が応援に行っているという現状もあります。  そういう意味で、通常の体制とは異なる体制を大規模災害に当たっては行っていくということも十分念頭に置きながら対応していきたいと考えています。  以上です。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)道路の見える情報化についてのお尋ねでございます。  大雪災害への緊急対応により浮かび上がりました課題を検証し、今後の災害の応急対応の向上に反映するため、事後検証チームを設置し検証を行ってまいりました。  災害時、多くの皆様から、道路の規制情報がわからない、道路情報の一元化が必要であるとの声をいただいておりまして、検証の中で、県民が求める情報を迅速、一元的に発信することの必要性を強く感じたところでございます。  新たな情報発信として日本道路交通情報センターの災害時情報提供サービスを活用し災害情報を地図上に表示するなど、画像や地図情報の掲載による見てわかる情報提供を行うことといたしました。  また、県においては、災害・防災情報専用ツイッターの運用を開始し、気象情報、通行どめ情報、災害情報など必要な情報をきめ細かく発信することとしております。  引き続き、見える情報化に向け、わかりやすい情報の提供ができるよう努めてまいります。  以上でございます。       〔危機管理監兼危機管理部長青柳郁生君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(青柳郁生 君)防災情報システムの御質問にお答えいたします。  災害時に県、市町村、防災関係機関等が災害対応を行っていくために、災害情報の収集、集約、情報共有、そして判断を迅速かつ円滑に行うことが重要であると考えております。  また、住民等へ災害情報を複数の情報手段を活用しながら伝達していくこともまた重要であると考えております。  そのため、現在、危機管理部におきましては、先進事例を参考に防災行政情報システムの導入について検討を進めており、そのシステムの中で御指摘いただきましたLアラートを活用した情報伝達についても検討をしていきたいと考えておるところでございます。  以上でございます。       〔26番宮本衡司君登壇〕 ◆26番(宮本衡司 君)ただいまの御答弁のとおり、事務事業の見直しなどの推進により効率化を進めながら災害対応への備えを強化するということだというふうに思います。また、これからは、常に有事を想定し、防災意識を高め、日ごろから危機管理を徹底することが必要な時代になったことを認識し、県民の安心、安全を確保する必要があります。  余談でありますが、2月の大雪の際には、東信、南信地区で、大型ロータリー除雪車はあるが、これを操作できるオペレーターが不足したとのお話も伺いました。有能なオペレーターを養成するためにも、除雪作業に十分なノウハウを持つ北信地域にて大型除雪車の操作について実地講習会なども開催したらいかがでしょうか。御提案を申し上げます。  自動車の安定した走行のためには、ハンドルには適正に余裕があるほうがよいとされています。これと同じく、災害時にあっては人員に余裕を持って対応することができれば、結果的に県民の安心感に大きく寄与することができると思います。そのためには、日ごろより、過剰とも思われる書類作成の簡素化や検査体制の見直しなどをすることにより、みずから余裕をつくり出す努力も必要です。このようなことも御検討の上、災害時への備えの強化を図っていただくようお願いをし、次に参ります。  次に、第45回全国林業後継者大会について伺います。  長野県の森林は、県土の約8割を占めており、清らかな水や空気を育み、土砂災害や地球温暖化を防止し、木材などの林産物を供給するなど、県民の暮らしに欠くことのできないさまざまな恩恵を与えてくれています。しかし、木材価格の低迷や林業採算性の悪化、林業後継者不足など、森林の手入れが行き届かずに荒廃した森林も見受けられ、県民の安全、安心な生活環境への影響が懸念されています。  こうした中、昨年の8月9日、平成28年に第67回全国植樹祭の開催が本県に決定されました。本県で開催される全国植樹祭では、豊かな自然、美しい景観を有し、私たちにさまざまな恵みを与えてくれる長野県の森林に、植えて、育て、利用する森林・林業のサイクルを取り戻し、県民が共同して守り育て、未来に引き継いでいく姿を全国へ発信していく機会として捉え取り組まれており、非常に期待をしておるところです。  具体的には、全国植樹祭や地域の緑化活動に活用できる苗木を学校や企業などで育てていただく組織や、昭和39年に茅野市で行われた全国植樹祭の開催場所の森林整備など、プレイベントとして県下各地で緑化運動に対する理解を深める活動が始まっており、県民が主体的に参加する機運も盛り上がってきていると感じるところであります。  本年、新潟県長岡市で行われた第65回全国植樹祭では、その前日に、全国植樹祭の関連行事として第43回全国林業後継者大会が開催されています。これからの健全な森林づくりや林業をさらに活発にしていくためには、若い林業後継者の活躍に期待するところであります。  私の出身地であります北信地域では、平成6年に林業研究グループとして高水林業協議会を設立し、現在まで地域の林業振興にかかわる活動を行ってきており、全国的にもその活動が評価され、本年2月に東京で開催された平成25年全国林業グループコンクールにおいて林野庁長官賞を受賞しました。  その主な活動の内容は、北信産の木材を活用した住宅建築の促進や、根曲がり材などをチップ化しての低質材の需要拡大、下高井農林高校の生徒を対象に高性能林業機械研修を実施するなど林業への就業を支援する取り組みを実施、北信地域は全国有数のキノコ、山菜の産地であることから特用林産物の栽培研修会などを開催しております。  また、北信州森林組合では、森林の団地化や施業の集約化を推進したことにより安定した事業量が確保できたことから計画的な雇用に結びつき、平成25年には林業大学校の卒業生1名、平成26年には地元高校の卒業生1名、来年の4月にも地元高校の卒業生2名の採用を決定するなど、若い林業後継者の育成を図っています。  全国の林業研究グループや若い林業関係者が集う全国林業後継者大会は、林業後継者が取り組む優良な事例などを全国に発信し林業後継者などを大いに元気づけるばかりでなく、健全な森林を次の世代に引き継ぐためにも大変重要なイベントであると思います。  そこで、本県においても全国植樹祭の関連行事として全国林業後継者大会を開催することとされていますが、今後どのように取り組まれていくお考えなのか。林務部長にお伺いをいたします。       〔林務部長塩原豊君登壇〕 ◎林務部長(塩原豊 君)全国林業後継者大会についてお尋ねをいただきました。  この大会は、全国の林業後継者が一堂に会し、森林を育む担い手として果たす役割について意見を交わしながら、その姿を全国へ発信することを目的としております。  昭和45年に第1回目が福島県で開催されて以来、全国植樹祭の関連行事として数百人規模で実施されてきております。  本県では、平成28年の大会開催に向けてこの10月から準備に着手しておりまして、来週12月8日には、長野県林業研究グループ連絡協議会や林業士会など林業関係団体と、県、関係市町村を構成員といたします実行委員会が設立され、大会のテーマや開催地の決定、さらには具体的な実施計画の作成など、大会の成功に向けて準備を進めております。  本大会の開催を契機といたしまして、次の世代を担う林業後継者に夢を与え、その育成につながりますよう、県といたしましても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔26番宮本衡司君登壇〕 ◆26番(宮本衡司 君)県として、全国林業後継者大会は植樹祭と一体となった大会であるとの認識のもと、今後の林業振興、林業従事者増につながるよう、開催に向けお取り組みいただくようお願いを申し上げます。  次に、中途退学、不登校などの生徒を受け入れている学びの場への支援について伺います。  ことしの2月定例会において、私は、知事がNPO法人「ぱーむぼいす」の飯山教室において開催された県政ティーミーティングにおける意見交換の感想と、公教育を補完しているNPO法人などの学びの場への支援について質問をいたしました。  県は、これまで、長年にわたり、公の支配に属さない教育に対しては助成ができないとの姿勢を貫いてきましたが、このときの知事の答弁は、こうした居場所にどう県としてかかわるべきか、きちんと向き合うべき時期に来ているのではないかというふうに考えております、しっかり受けとめ、今後のあり方を検討していきたいと思っておりますという、時代の転換を大いに感じさせるような非常に前向きな御答弁でありました。  11月24日に、文部科学省が全国のフリースクールなどに呼びかけ、文部科学省全国フリースクール等フォーラムが開催され、北海道から沖縄まで427名が参加をしました。フリースクールなどの関係者を対象としたフォーラムの開催は文部科学省としては初めての試みであり、下村文部科学大臣は熱心に最初から最後まで出席しました。  このフォーラムは、フリースクールなどで学ぶ子供たちへの支援策を検討するに当たってのいわばキックオフフォーラムとして開催されました。  フォーラムを皮切りに、今後ともフリースクールなどの関係者の意見を広く聞きながら、子供の視点に立ってこれまでの発想を転換し、子供たちへの支援策の検討をスピーディーに進めていきたいと考えていると下村大臣は発言をしております。  知事の2月定例会での御答弁は、まさに下村大臣の先を行く、国に先んじる先進的な答弁でありました。  下村大臣は、さらに、なかなか財政的な支援をする、あるいはフリースクールに対する一定の枠組みをつくるということになると非常に難しい問題があるが、一方で、子供の立場から考えたら、例えばバウチャー制度のような形で選択できるようないろいろな組み合わせを考え、フリースクールに対するだけの支援というよりは、子供の視点に立ってより子供が選択できる支援もあるのではないかという趣旨の発言をされ、フリースクールなどで学ぶ子供たちをどう支援するかについては今後有識者会議を設置し具体的に検討していくこととしています。  この有識者会議において、来年の5月から6月ごろに中間取りまとめ、そして、来年度末、平成28年3月には最終まとめができるようスピーディーに検討を進める必要があると発言しております。  そこで、順次質問いたします。  全県の公立、私立高等学校では毎年多くの生徒が中途退学や不登校となり、学校との関係が薄れ、結果として社会との接点が切れてしまっています。こうした生徒や中途退学になりそうな生徒を受け入れ、学習支援や社会体験により生きる力を養い、もう一度学校や就労を通して社会へとつなぎ直す活動をしているNPOなどの学びの場が県内にはあります。  県内の県立高等学校の中途退学者、不登校の生徒の現状とその支援について教育長に伺います。  また、県内の私立高等学校の中途退学者、不登校の生徒の現状とその支援について県民文化部長に伺います。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)県内の県立高等学校の中途退学者、不登校の生徒の現状と支援についてのお尋ねでございます。  まず、中途退学者でございますが、平成25年度の公立高等学校中途退学者数は、学校生活・学業不適応や進路変更などの理由から648名となっております。  中途退学した生徒に対しましては、新たなスタートとなる進路選択が最適なものとなるよう、教頭や担任を中心に中途退学後の進路指導をしているところでございまして、具体的には、「新たな進路のために」というリーフレットを配布し、進学や就職に関する情報に加え、地域若者サポートステーションなど地域の相談窓口の情報も丁寧に説明をしているところでございます。  次に、不登校に関してでございますが、平成25年度の公立高等学校不登校生徒数は503名となっております。  不登校の対応といたしましては、休みがちになった段階で早期に対応することが重要と認識をし、担任を中心に声がけや家庭訪問を行い、丁寧な対応をするとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを活用し生徒や保護者の不安に寄り添う相談・支援体制の充実を図っているところでございます。  以上でございます。       〔県民文化部長藤森靖夫君登壇〕 ◎県民文化部長(藤森靖夫 君)私立高校の中途退学者、不登校の生徒の現状と支援についてのお尋ねでございます。  私立高等学校におきます平成25年度の中途退学者数は192名、不登校の生徒数は171名となっております。  私立高等学校におきましては、人間関係が上手に持てない生徒のために学習室を設けて個別指導を行ったり、あるいはスクールカウンセラーによる相談を実施するなどの取り組みを行っておりまして、中退者を出さないよう努力しているところでございます。  県におきましては、学校法人の取り組みを後押しするため、生活指導や教育相談を行うスクールカウンセラーを配置したり、あるいは、不登校の生徒、低学力の生徒等を対象とした少人数クラス編成等を行っている学校に対しまして教育振興費補助金を優先的に配分して支援をしているところでございます。  以上でございます。       〔26番宮本衡司君登壇〕 ◆26番(宮本衡司 君)ただいま、私は、高等学校の中途退学者、不登校の生徒の現状とその支援についてという同じ質問を教育長と県民文化部長にし、それぞれ御答弁をいただきました。何ゆえに、県内の高等学校の中途退学者合計何名、不登校の生徒合計何名、それに対してこうした支援を行っているという回答を1人の答弁者からいただけないのでしょうか。  県政における一つの重要な問題に対して責任者が違うというのは、県民の皆さんにとっては不思議な現象に見えると思います。知事には御理解をいただけると思いますが、この組織の縦割りの不思議な現象こそが、中途退学者などを受け入れ、社会へつなぎ直している学びの場への支援が長い間放置されてきた原因の一つであると考えます。  学びの場は、県立高校に在籍していた子供も私立高校に在籍していた子供も分け隔てなく受け入れます。こうした民間の取り組みは、まさに公教育の補完であると考えます。  私は、こうした学びの場へ公的な支援が行われるべきと考えますが、私学運営費の助成の担当課ではNPO法人を対象として私学運営費の助成制度の拡充はできないとのことです。こうしたNPO法人が行っている教育的な支援はまさに公教育の補完として行われていることであり、本来なら県が直接行うべき内容の支援です。  もし、こうしたNPO法人が不登校、中途退学や発達障害などさまざまな困難を抱えている生徒を支援しなければ、生徒たちは永久に居場所を失ってしまいます。中途退学者などを受けとめて社会へ再びつなぎ直している学びの場への支援の現状と来年度どう支援を充実するか。県民文化部長に伺います。  また、本年度は新規事業として障害者の農業就労チャレンジ事業がありますが、現在までの成果と実績、今後この分野をどのように拡大、発展させていくのか。将来的な構想があればお聞かせください。健康福祉部長に伺います。
     次に、知事に伺います。  「ぱーむぼいす」などの学びの場をどう評価しておられるのか。県立高等学校や私立高等学校で学ぶ子供たちとNPO法人などで学ぶ子供たちの学習環境の違いをどのように感じていらっしゃるのか。  知事は、誰にも居場所と出番がある社会を創造するとこれまで何回も言われてきました。県内のひきこもりの若者の数は推計値ですが3,300人と聞いております。さらに、若年無業者と呼ばれる16歳から39歳までの学校にも行かず仕事にもついていない若者の数は推計で1万100人と言われています。また、先ほど御答弁をいただいたように、毎年、公立、私立の高等学校を多くの生徒が中途退学しております。  こうした前途ある若者たちがひきこもってしまうか、社会との接点を再び持ち、就職して自立していくかは、子供たち自身や御家族にとってはもちろんのことですが、県の財政面から見ても大きな違いが出ます。民間の試算によりますと、若者がひきこもりにならず40年間働くと仮定して、正規雇用で1億円の納税、非正規雇用で4,000万円の納税を行い、反対に、ひきこもりになることで生活保護などで4,000万円の公的支援が必要になると言われております。  地域に根差し、地域の特性を十分承知している学びの場と協働して支援に当たることは、社会と直接向き合うこととなり始めた高校生世代の若者に対する有効な支援になると考えます。今、未来に向けて先行投資することで、確実に県の将来的な財政負担は軽減されます。  また、地方創生が叫ばれ、危機的な人口減少問題に国を挙げて取り組み、出生率を改善しようとしています。子育て支援に取り組むことは重要であり、もとよりこれに異を唱えるものではありません。  しかし、それと同時に、今、生を受けて困難と闘っている子供たちを支援することも大切ではないでしょうか。学びの場への支援は、子育て支援に比べたらはるかに少ない金額で済み、大きな効果を上げることができます。  こうした学びの場の学習支援は、子供たちをニートやフリーターに陥らせない、一人でも多くの納税者を育てるという取り組みであり、裏を返せば、県民の誰もが居場所と出番がある信州という知事が掲げるテーマにつながるものです。  解決すべき課題はたくさんあるかもしれませんが、こうした取り組みに正面から向き合い、公教育を補完する活動との観点から支援することが必要と考えます。  仮に、公の管理に属さない教育への支援は困難であるというこれまでの県の姿勢を変えることができないとしたら、下村大臣が発言をされたように、子供の視点に立って考え、教育という観点からではなく、ひきこもりの防止という観点から活動費の助成を検討することはできないでしょうか。  学びの場への県としての支援についてどう考えるか。知事にお伺いをいたします。       〔県民文化部長藤森靖夫君登壇〕 ◎県民文化部長(藤森靖夫 君)中途退学者等の学びの場への支援についての御質問でございます。  中途退学あるいは不登校の生徒を訪問して相談する事業、あるいは自宅以外で安心して通所できる出口戦略を持った居場所の提供、そして宿泊を伴う研修といった事業を実施しているNPO法人等を対象に、その事業費について昨年度から助成を行っておりまして、本年度は4団体を支援しているところでございます。  来年度につきましても引き続き支援を行ってまいりたいと考えております。       〔健康福祉部長小林透君登壇〕 ◎健康福祉部長(小林透 君)農業就労チャレンジ事業についての御質問でございますが、この事業は、農業分野における障害者の就労の場の創出や拡大を図るため、農園の草刈りや果樹の収穫などの農家側の作業ニーズを掘り起し、施設において働く場を求めている障害のある方と結びつけるものでございまして、健康福祉部、産業労働部、農政部の3部が部局横断により共同して本年度スタートしたところでございます。  これまでに、ワイナリー、果樹園、野菜栽培農家などにおきまして目標の10件を上回る20件をマッチングいたしまして、200名の障害者が農業就労を実践しているところでございます。  成果といたしましては、収穫などの農繁期の慢性的な人手不足に対応でき、収穫量の増加につながった農家の事例や、農作業の請負により障害のある方が得られる工賃が大幅にアップした事例など、農家と障害のある方、それぞれから一定の評価を得ておるものと思っております。  これは、これまで、働き手を求める農家があり、働く場を求める障害のある方、それぞれ求めていたにもかかわらず、それを結びつける仕組みがなく、連携が進まなかったものと考えておりまして、それを結ぶこの取り組みによる成果には確かな手応えを感じているところでございます。  県といたしましては、本年度は農福連携元年と考えまして、今後は、これまでの取り組みから明らかになった作業時期が集中することへの対応ですとか、現時点で把握している作業のニーズが地域的に偏在している中でいかにこれを全県に広げていくかなど課題に取り組むとともに、将来的には障害者就労支援施設などが地域と連携いたしましてみずから農業に取り組むことを広げていくということによりまして新たな可能性も探ってまいりたいと思っております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)誰にでも居場所と出番がある信州をつくっていくということが私の強い願いでもあり、そして県が目指すべき方向性だというふうに思っております。  宮本議員からるる若者たち、子供たちの状況についてのお話がありました。私も多く共感するものであります。  まず、学びの場の評価、学習環境の違いという点でございますが、私も「ぱーむぼいす」の皆さんと意見交換等をさせていただいたわけでありますけれども、不登校あるいは高校中退、そうした困難、課題を抱えている子供たち、若者たちを受け入れ、個別の学習支援を行って社会的自立を目指していると。大変私は社会的意義があるというふうに考えております。  他方で、いわゆるこれまでの仕組みの中に位置している高等学校等と比較すると、施設とか人材とか財政基盤とか、さまざま課題がある中で厳しい運営を行っていらっしゃるというふうに認識しております。そういう中で、どう支援していくかということであります。  昨日も、高等専修学校についての御質問、太田議員からもいただきました。また、県として、発達障害の学びの場としての長野翔和学園、施設等を提供して開校に結びつけました。また、先ほども健康福祉部長からも答弁いたしましたが、障害者の働く場の拡充ということもことしからかなり充実をさせてきています。  私の問題意識も、まさに宮本議員がおっしゃったことと同じであります。この分野、縦割りで、子供たちのニーズをそれぞれの部局がそれぞれ個別に受けとめていると。これは長野県に限らず国全体が全くそうなっているわけでありまして、こうしたところを変えていかなければいけないと思います。  前もこの場でもお話したかもしれませんが、かつて私が東京の翔和学園を訪問させていただいたときに言われたことで強く私の頭に今でも残っていることがあります。翔和学園の発達支援の取り組みはすばらしい、国会議員も来る、首長も来る、いろいろな自治体の人たちも視察に来ると。みんな、すごいね、すばらしいねと言うけれども、その後、何も進まないと。これではいけないなというふうに私は今でも感じています。  そういう意味で、「ぱーむぼいす」を初めとするNPOの皆様方が頑張っている、あるいは専修学校の皆様方が頑張っている、あるいは長野翔和学園の皆さんが頑張っている。こうしたものを、今までの行政の対応はどうしてもそれぞれの部局がそれぞれに違った角度で受けとめざるを得ないということであります。そういう意味で、長野県としては、こうしたものを総合的に見る中でしっかりと若者、子供の支援を行っていきたいというふうに考えています。  しかしながら、先ほど御質問の中にもありましたように、既存の教育システムとか既存の福祉のシステムとか、そういうものにぴったりと当てはまる部分に位置していないわけでありますので、宮本議員が期待されているところに一足飛びになかなか行き切れないところもあるかもしれませんけれども、私としては今申し上げた思いをしっかり持って、そして教育委員会も含めて県行政が縦割りにならないように、知事としての総合調整を責任を持って行う中で、こうした子供たちを受け入れる場がしっかりと長野県において根づいていくことができるように今後のあり方をしっかり考えていきたいというふうに思っています。  子供たち、若者たちが将来に向けて希望を持てる長野県にしていかなければいけないと思いますし、御質問にありましたけれども、こうした若者たちが社会との断絶を起こすということは極力避けなければいけない、回避しなければいけないと。お話ありましたように、社会へとつなぎ直していくということがこれから行政にとって求められている大きな役割だというふうに思っております。  御質問の趣旨を十分受けとめさせていただいて対応させていただきたいというふうに思っております。  以上です。       〔26番宮本衡司君登壇〕 ◆26番(宮本衡司 君)下村文部科学大臣は、知事と同じく東京の翔和学園を視察し、その教育のすばらしさを高く評価されたと関係者からお聞きをいたしました。  私も、この4月に知事が誘致をされた長野翔和学園を同僚議員と先月視察をいたしました。そして、熱心な指導に深く感銘を受けたところであります。こうした民間の先進的な取り組みを県が評価し支援することが、時代の流れに適切に対応するために必要であると考えます。  中途退学、不登校、そして発達障害などの生徒を受け入れている学びの場への支援について、下村大臣の発言を参考に、ぜひ、長野県が国の後追いにならぬよう率先してこれに取り組み、長野モデルを構築するよう阿部知事にお願いを申し上げ、一切の質問を終わります。御清聴いただき、まことにありがとうございました。 ○議長(風間辰一 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時37分休憩          ──────────────────         午後1時1分開議 ○副議長(村上淳 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  小池清議員。       〔33番小池清君登壇〕 ◆33番(小池清 君)自由民主党の小池でございます。それでは質問させていただきます。  長野県及び南信地域はリニア新幹線による新たな発展が期待されますが、その具体的な将来像として、広域経済圏(メガリージョン)形成による経済再生行動計画を作成し、地域間の相互経済協力による地方再生戦略に取り組むことを提案をしていきたいと思います。  新たな枠組みとしては、長野県南信地域広域経済圏、二つ目に、愛知県、岐阜県などとの中部広域経済圏、そして、三つ目は、リニア新幹線を活用し首都機能を担うリニア広域経済圏を重層的に活用することを提案したいと考えます。  この地域では、既に、航空・宇宙産業によるアジアナンバーワン航空宇宙産業特区による広域連携も取り組みが始まったところでございます。南信発の長野経済再生拠点化計画・メガリージョン活性化構想を策定してはと考えるわけであります。長野県経済の特徴と独自性を踏まえた地域戦略として計画してはいかがかと考えます。  この構想は、リニア新幹線により、長野県及び南信地域を日本経済再生と新たな産業創出、地方創生のモデル拠点として位置づけ、長野県経済の活性化のみならず、南信地域の元気が長野県の元気、さらには日本の元気に貢献できることを目指したいと考えます。  施策の基本的方向としては、地域の特徴を踏まえた効果的な戦略を図る観点から、地域産業の強化、新たな産業創出、環境先進地域、世界とつながる南信地域などの方向性により、産業振興、大学・研究機関の誘致、首都機能誘致などに取り組むべきと考えます。  首都機能移転につきましては、下伊那の髙橋県議も提案されると思いますけれども、県議会の中でも広域的な連携の必要性を共通の認識として確認する中、検討を始めていきたいとも考えております。  そこで、特に地域産業の強化ということで中小企業支援について伺いたいと思います。  長野県はものづくり立県であり、伝統工芸品産業も長い歴史の中で秀でたたくみの技術を有しておりますが、販路の拡充、受注確保が共通のテーマとなっております。解決に向けては中小企業組合等が中心となった連携による取り組みが効果的であり、中小企業組合等連携組織の役割は、地域経済の担い手である事業者の経営の合理化、効率化を図り、経営の安定に寄与するにとどまらず、技術開発、技能伝承の人材育成、伝統文化の継承など産業面に加えて、地域の生活面から文化面まで幅広くかかわっており、災害対策や防災面での対応まで非常に大きなものがあります。  そこで、質問いたしますが、一つ目として、同業・異業種の中小企業組合等連携組織の共同事業の活性化、後継者等の人材育成、各種情報提供などの支援事業費について補助金の維持、拡充をされたいと考えます。  次に、平成24年度、25年度と県の委託事業で地場産業活性化戦略支援事業が取り組まれました。県内の伝統工芸品産業の各産地及び信州みそ、信州そばといった地域ブランドを持つ県産品の連携により、新商品開発、販路拡大に一定の成果を上げたとされます。さらに、今年度も、地域人づくり事業として伝統工芸品産業の人材育成と販路拡大が取り組まれております。  そこで、二つ目として、小規模事業者で構成する産地組合等が連携して展示会、商談会に出展することを支援する事業の創設を考えていただきたいと思います。この点について伺います。  また、地域を担う中小企業組合の受注機会確保を促進する施策や官公需適格組合制度がつくられているものの十分な理解と活用がなされていないことから、こうした制度の利活用もあわせて検討、調査研究する事業の創設を考えていただきたいと考えます。  以上の点につきまして産業労働部長に伺います。       〔産業政策監兼産業労働部長石原秀樹君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹 君)3点御質問をいただきました。  まず、中小企業連携組織支援事業についてでございます。  今日の厳しい経済情勢下では経営規模が小さい中小企業同士が中小企業組合として連携することは、その経営基盤の強化や新たな事業分野への進出にもつながりまして、大変有効な手段と考えております。  このため、県では、中小企業組合の支援機関であります長野県中小企業団体中央会が行います組合運営をアドバイスする指導員の設置、中小企業者の経営革新や後継者育成のための取り組み、必要な情報提供のためのネットワークの整備などに支援を行い、中小企業組合への支援体制を整備してきたところでございます。  また、ことし春に制定いたしました中小企業振興条例におきましても、中央会などを中小企業関係団体と位置づけまして小規模事業者に配慮した相談や指導を行うとともに、中小企業者との連携体制を構築する役割を条文に明記させていただいたところでございます。  このような中、中央会におきましては、時代のニーズに応じた中小企業組合への支援体制の強化を図るため、現在、新たな中期計画の策定をスタートさせております。  県といたしましては、中央会が策定する中期計画の内容をしっかりと見きわめた上で引き続き必要な支援を行っていくこととしております。  次に、産地組合の展示会、商談会への出展支援についての御質問でございます。  小規模な事業者が産地組合をつくりまして協力して展示会、商談会へ出展することは、コスト面や情報発信面で大変効果があるものと考えております。そのため、県におきましては、中小企業団体中央会とともに、まずは産地の小規模事業者による協同組合などの組織化を支援するとともに、協同組合の運営に対しましても支援を行っております。  議員御指摘の展示会、商談会への出展につきましては、中小企業振興センターと連携いたしまして、展示会の開催情報の提供、出展のノウハウ、出展費用の助成など、丁寧に支援を行っているところでございます。  今後も、中央会など関係する機関と連携いたしまして、小規模事業者のニーズに応じた施策を実施してまいりたいと思います。  次に、官公需適格組合についての御質問でございます。  官公需適格組合の制度は、中小企業者の受注機会の確保、拡大を図るために大変意義ある制度と認識しております。  国におきましては、毎年、中小企業者に関する国等の契約方針、これを閣議決定いたしまして、官公需適格組合の受注確保を図ることとしております。  県といたしましては、これを受けまして、庁内の関係する部局や市町村に対しましてこの契約方針の趣旨を周知するとともに、この組合の活用を促しているところでございます。  また、毎年、国、県、中小企業団体中央会が協力いたしまして、協同組合や市町村と官公需に関する意見交換会を開催し、官公需適格組合の制度の周知とその利活用を進めておるところでございます。  県といたしましては、今後も関係機関と連携して、官公需適格組合制度の一層の利活用を図るため、活用方法について調査研究も考えてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔33番小池清君登壇〕 ◆33番(小池清 君)地域の再生、創生というような視点から、地場の産業の皆さん方の支援により一層力を入れていただきたいと思います。  次に、同じく地域産業の強化、また新しい取り組みとして訪日外国人観光客の誘致について伺います。  人口減少により地域内の需要が縮小していく中では、観光などにより地域外から訪れる人の消費額をふやしていくことは地域経済の活性化のために重要な取り組みであります。現在は日本人による国内旅行が観光消費額の大半を占めていますが、我が国の人口が減少していくことに鑑みれば今後は特に外国人観光客の誘致に力を入れるべきと考えます。実際に、国の取り組みにより、昨年、ことしと訪日外国人数は1,000万人を突破しております。  そこで、何点か質問いたしますが、外国人観光客の誘致が経済を初め本県に与える影響についてどのように認識し、今後どのように取り組んでいくか。方針を伺います。  2番目として、県として、外国人観光客の誘致に特化した戦略的なアクションプランの策定を提案いたしたいと思います。また、しっかりと議論を行い、具体的な事業につなげていくための協議の場や、市町村あるいは民間の皆様とともに組織づくりをすることをあわせて提案をいたしたいと思います。  三つ目に、外国人の目から見た本県の魅力や観光する際の不満などについて生の声を聞くために、本県に在住する外国人や留学生などを対象にしたモニターツアーを実施することを提案したいと思います。  4点目に、免税店の拡大に向け、県内の事業者向けに制度の相談窓口を開設したり、免税店であることを示すステッカーやのぼりの作成、県内の免税店を紹介する外国語版のマップの作成といった各種の支援策の実施を提案したいと思います。  これは、国の法律が変わりまして食品や菓子、酒なども対象になるというようなことでございますので、県内産の地酒や銘菓などの特産品の免税による販売も見込まれると考えます。  そして、最後に、無料Wi-Fiの設置に対する補助制度の創設や、接続できるポイントを表示した地図やホームページを作成されてはと考えます。  以上の点につきまして観光部長に伺います。       〔観光部長野池明登君登壇〕 ◎観光部長(野池明登 君)訪日外国人観光客の誘致につきまして5点お答えを申し上げます。  まず、経済を初め、本県に与える影響についての認識、取り組みの方針についてでございます。  訪日旅行は県内の観光産業発展の大きな市場となる、このことは御指摘のとおりでございます。長野県では、観光振興基本計画におきまして、平成25年約36万1,000人の外国人宿泊者数を平成29年には50万人とする目標を掲げ、対象市場を東アジア、東南アジア、オーストラリア等の九つに絞り込み、各市場の特性に応じた効果的な誘客活動を展開をしているところでございます。  観光庁によりますと、外国人観光客1人分の消費額は、国内の宿泊旅行者約3人分、日帰り旅行者の約8人分に相当するとされておりまして、地域経済へ直接的に大きな効果が期待をされますし、また、外国人の来訪により観光地の魅力が日本人に改めて見直される効果もございます。  今後、さらに、外国人旅行者の誘致にしっかりと軸足を置き、取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  2点目の、外国人観光客の誘致に特化した戦略的なアクションプランの策定、官民協議の場や組織づくりについてでございます。  長野県では、アジアを初めとする世界の活力を取り込み、官民一体となって県内経済の活性化を図るため、長野県国際戦略を作成してございます。  インバウンドにつきましては、この国際戦略に掲げられた展開方針に基づきまして、取り組むべき市場、方策等を明確にした長野県国際観光推進アクションプランを平成24年に策定し、毎年度、施策の進捗状況の把握と評価を行い、観光振興審議会で御議論をいただいております。その結果をプランの見直しに今後も反映させていきたいというふうに考えております。
     また、10月15日には、知事も参加して、交通事業者、宿泊施設、観光協会等で先進的に取り組んでいる皆さんに参加をいただきまして、長野県インバウンド施策に関する意見交換会を開催をいたしました。今後も、この意見交換会、継続をしてまいりますけれども、その中で官民協議の場や組織づくりのあり方も検討をしていきたいと考えているところでございます。  3点目の、本県に在住している外国人や留学生などを対象としたモニターツアーの実施についてでございます。  平成23年度、24年度と、外国人の目から見た魅力や課題について御意見をいただくために、県内在住の留学生に白馬や乗鞍高原のスキーの魅力を体験してもらうモニターツアーを実施をいたしました。このツアーでは、スキーや雪遊びの体験、周辺観光施設の視察、飲食店めぐりなどを実施、体験をしていただいたところでございます。  参加した留学生からは、長野県は豊かな自然の中で優しい人々が住んでいる魅力的な観光地であるという評価の一方で、ガイドの探し方がわからない、長野県の情報が少ないなどの課題も指摘されました。  今後、このような事業を継続することで外国人観光客のニーズを的確に把握し、誘致活動や受け入れ環境整備に生かしてまいりたいと考えております。  4点目の、外国人観光客の免税店拡大に向けた取り組みについてでございます。  統計では、外国人観光客の買い物代は全消費額の約3分の1を占め、平均5万3,000円となっておりまして、この経済効果を県内でも取り込むとともに、県産品の販売拡大につなげることが求められております。  県では、県内の免税店登録数をふやすため、県内の土産物店などの観光事業者を対象に、7月25日に諏訪市で、9月18日には白馬村で県主催の説明会を開催をいたしました。これによりまして、県内の免税店登録数、平成26年4月の51軒から半年で88軒へ1.7倍に増加をしておりまして、今後も制度の周知拡大に努めてまいりたいと考えております。  免税店であることを示すシンボルマークにつきましては、国の統一のデザインがありますのでこれを使うよう普及に努めております。また、御提案のありました外国語版のマップの作成につきましても、免税店の認可権を持っている国税庁と協議をし、検討してまいりたいと考えております。  最後の、無料Wi-Fiの設置に対する補助制度や接続できるスポットを示した地図などの作成についてでございます。  今後、外国人観光客の誘致を進める上で受け入れ環境整備は大変重要な課題でございます。その中でも、Wi-Fi環境は、アンケートの結果を見ましても不満を感じる外国人観光客が多く、改善の余地が大きいものであるというふうに考えております。  現在、世界水準の山岳高原観光地づくりの重点支援地域におきましては、補助制度を設け、集中的、計画的に整備を進めておりますけれども、他の地域に対する支援制度も来年度予算に向けて検討をしてまいりたいと考えております。  また、公衆無線LANのスポットの地図やホームページにつきましては現在通信事業者ごとに行われておりますため、どういったものが使いやすいか、事業者の状況なども確認をさせていただきながら、よりよい方策を検討してまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。       〔33番小池清君登壇〕 ◆33番(小池清 君)ぜひとも、絶好のチャンスということではないかなと思います。改めて地方の再生、創生に大きな目が向けられておりますし、また、リニアというような全国規模の事業が長野県に導入されるわけですから、地方の中心的な拠点の町づくりをリニアを中心にした、先ほど申し上げました南信地域、あるいは中部圏、あるいは首都機能を担えるような地域をつくっていっていただきたい。それぞれに広域経済圏というような捉え方でお願いをしておるわけでございますけれども、日本経済の再生と新たな産業創出、地方創生のモデル拠点をぜひともこの地域につくるというようなことを御検討をいただきたいと思います。  まさに新たな地方形成ができるんではないかなと、こんなふうに考えるわけでございますので、こういった広域経済圏の形成に取り組み、また地域の拠点都市をつくっていく新たな取り組みに関しまして知事のお考えを伺いたいと思います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)新しい広域経済圏の形成についての御質問、御提案をいただきました。  今回、県として取りまとめておりますリニア活用基本構想の中におきましても、リニア新幹線の整備を契機とした次世代産業の創出を目指して、航空・宇宙産業の振興、あるいはICTを活用した産業の創出に取り組んでいくということにしています。  リニア中央新幹線の開業によって伊那谷と大都市圏が一体化される広域的な地域が形成されることになるわけでありますので、この地域の発展、地域の皆さんとこれからしっかり話す中で方向づけをしていきたいと思っておりますが、御提案のありました新たな経済圏あるいは拠点都市、こうしたことにつきましては今後研究をさせていただきたいというふうに考えております。  以上です。       〔33番小池清君登壇〕 ◆33番(小池清 君)新たな経済圏構想、経済圏形成ということになりますが、国、県、市がそれぞれの役割をしっかりと担っていただいて取り組んでいただきたいと思いますが、特に長野県として、今申し上げました三つの広域経済圏のまさに中心的な役割を果たしていただきたい、そういった大きな期待がございますので、知事にはそんな点をしっかりと取り組みいただくことを改めてお願いをいたしたいと思いますし、この地域に首都機能が移転されるようなことにもなれば全く新しい経済的な発展も見込めるんではないかなと思いますので、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。  次に、3番目として避難勧告、指示等の発令基準について伺います。  近年、全国各地でこれまでに記録したことのない量の雨が短期間に、しかも限定的な地域に降る集中豪雨や、竜巻、夏場のひょうやあられといったいわゆる異常気象が頻発しております。  ことしも、7月から大型台風が来襲し、各地で被害が発生しておりますが、長野県におきましても、ことし初めから東信、南信の大雪、木曽の土石流、御嶽山の噴火、神城断層地震などと災害が発生しておりまして、被害に遭われました皆様方、また関係した皆様方には心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  そういった災害時にまず守らなければならないのは県民の生命であります。  去る4月、国は、災害時に市町村が避難勧告や指示等を出す際の基準などを示した新たな指針、避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン案がまとめられました。この国の新たな指針では、避難に関する考え方が改めて整理されております。例えば、避難とは災害から命を守るための行動であることが改めて定義されました。特に、市町村が発令する避難勧告や指示等は空振りを恐れず早目に出すことが基本とされております。また、この国の新たな指針に基づき、市町村に対しては、関係機関との調整を進め、避難勧告等の発令基準を平成27年度中をめどに見直すように求められています。  そこで、伺いますが、県内の市町村における避難勧告、指示等の発令基準の策定状況や関連する防災体制の見直し、あるいは、未策定の場合であれば策定の予定はどのようになっているのでしょうか。災害の種別ごとに発令基準の状況や特徴的な内容などを伺います。  また、県内の状況についての御認識もあわせて伺いたいと思います。  国の新たな指針では、避難勧告等の判断基準をわかりやすく示し、判断するために参照する情報も具体的に示されています。例えば、水害の場合、氾濫危険水位への到達を基準として設定するとか、気象情報は気象庁の防災情報提供システムを参照するといったものです。  国の指針だけでは、それぞれの地域の特性や、課題を踏まえたきめ細かい対応や情報提供は難しいものがあると考えます。そういった点からも県独自の基準の策定は意味のあることと考えます。  そこで、本県においても、地域の特性や課題を踏まえ、独自の基準や関連する情報などを盛り込んだガイドラインを策定してはいかがでしょうか。この点について伺いたいと思います。  以上、危機管理部長に伺います。       〔危機管理監兼危機管理部長青柳郁生君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(青柳郁生 君)お答えいたします。  避難勧告、指示等の発令基準についてでございます。  議員の御発言にございましたように、国におきましては、平成26年4月に避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインの改定を行いまして、市町村に、土砂災害、水害に伴う避難勧告等の発令基準の整備を求めております。  県といたしましても、6月に10広域でそれぞれ説明会を行うとともに、個別に助言するなどの支援を行っているところでございます。  県内市町村におきます避難勧告等の発令の基準の策定状況でございますが、11月30日現在で、土砂災害につきましては77市町村のうち策定済みが69市町村となっておりまして、水害は対象河川のない4市町村を除く73市町村のうち策定済みは63市町村となっております。  策定されております避難勧告等の発令基準の多くは、土砂災害におきましては、大雨警報で避難準備情報、土砂災害警戒情報で避難勧告等が具体的に明記されておりまして、また、水害におきましては、河川水位が避難判断水位に到達した時点で避難準備情報、氾濫危険水位に達した時点で避難勧告と記載されております。  こうした中で、南木曽町では通常より少ない降雨量においても避難準備、勧告発令する基準を定めて運用している等の例もございます。  なお、土砂災害の未策定8市町村につきましては、現在策定作業に着手しており、年度内に策定する予定と聞いております。また、水害の未策定10市町村につきましても、早急な策定を助言してまいるつもりでございます。  このほか、南木曽町や広島市の土砂災害を踏まえまして、災害発生の危険性が高まった際の避難勧告等の発令を的確に市町村長に行っていただきますよう、知事から市町村長に対し書簡にて依頼を行ったところでもございます。  今後も、県民の生命、財産を守るため、市町村と連携して的確な対応に努めてまいります。  続きまして、ガイドラインの策定でございます。  避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインは、東日本大震災の発生、土砂災害警戒情報及び特別警報の運用開始等の災害の教訓や新たな制度を踏まえまして国において策定しており、県内の市町村ではそのガイドラインを活用して避難勧告等の発令基準を策定しております。  県内の市町村はそれぞれ地勢等が大きく異なっておりますことから、その地域特性を踏まえて避難勧告等の発令基準を策定すべきものと認識しております。  なお、策定に当たりましては市町村に個別に助言もいたしているところであり、今後も地域の実情に応じた発令基準の策定を支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔33番小池清君登壇〕 ◆33番(小池清 君)頻発する災害に遭うたびに、改めて行政の使命は県民の皆様方の生命と財産を守ることということを認識をさせられるところでございます。  県内は、地域特性も多様でありますし、災害等も先ほど申し上げたようにいろいろなものがあるわけでございますので、ぜひとも引き続き県としての取り組みをさらに充実をしていっていただきたい、そんな点をお願いを申し上げる次第でございます。  次に、4番目として地域における医療、介護の総合的な確保について伺いたいと思います。  本年6月、医療・介護制度を一体的に改革する地域医療介護総合確保推進法が成立しました。人口減少と高齢化が進行し、医療や介護サービスの需要が大きい高齢者が増加する一方で、それを支える負担の主な担い手である現役世代は減少しております。さらに、国も地方も厳しい財政状況のもとでは医療・介護制度の改革は不可欠であり、このたびの法制度改正は持続可能な社会保障制度の再構築のための取り組みであると認識されるところであります。  これは、あるべき本県の地域医療の姿を実現するための大きな改革と言えますが、一方で、医療提供体制の再編について医療機関や地域住民の理解を得るのは容易なことではないと想像されます。丁寧な説明や十分な理解を得るために、人口推計などに基づく地域ごとの医療ニーズや医療費、医療機関の経営などに関する客観的でわかりやすいデータなども示していくことが必要となると思われます。  そこで、伺いますけれども、一つ目に、地域医療ビジョンの策定に当たってはどのような基本的な考え方で進めていくのか。本県の地域医療の課題と目指すべき方向性や、それらの地域ごとの特徴、違いなどについて伺います。  医療提供体制に関するもう一つの大きな改革が、新たな基金の創設と、医療と介護の連携強化のための総合的な計画策定です。具体的には、都道府県が策定する医療計画と介護保険事業支援計画を一体的で強い整合性を持った形で策定することが求められ、また、消費税増税分を活用した新たな基金が各都道府県に設置されます。  そこで、二つ目として、地域医療介護総合確保基金を活用し、医療体制、在宅医療、介護体制の充実を図るため、県が提出した事業計画の概要、重点を置いた分野、特に在宅医療の推進に関する考え方や事業について伺います。  今回の改革のもう一つの注目点は、要支援1と2の人に対する訪問介護、通所介護を市町村の地域支援事業に移行したところです。しかし、市町村ごとにサービスが多様化する中で、地域格差にならないかといった懸念もあります。地域格差については特に小規模な自治体から不安の声が上がっていると聞きますが、そこで、市町村事業への移行対象者の数は県内でどのぐらいになっているのか。県内の市町村の移行時期の状況についても伺います。  また、県内の市町村が移行に関してどのようなことを課題と感じているのかを把握しておられるでしょうか。市町村が抱える課題の内容とあわせて、それらに対し県としてどのように支援を行っていくのか。伺いたいと思います。  以上、健康福祉部長に伺います。       〔健康福祉部長小林透君登壇〕 ◎健康福祉部長(小林透 君)地域における医療、介護の総合的な確保についての御質問に順次お答えをいたします。  まず、地域医療ビジョンの策定等についてですが、地域医療ビジョンは、団塊の世代が75歳以上となる2025年の機能別の必要病床数など将来の目指すべき姿を示すものとして平成27年度から28年度の間に各都道府県が策定するものでございまして、現在、国においてその具体的な内容や策定プロセス等につきまして検討がなされているところでございます。  本県といたしましては、今後示される国の検討結果を踏まえまして、医療需要の将来推計や、本年10月から始まりました病床機能報告制度によって得られた情報等を活用し、目指すべき病床数やその構成について広範な関係者の合意形成を図るなど、慎重に策定作業を進めてまいりたいと思っております。  次に、本県の地域医療の課題については、全国に先駆けて行った電子レセプトデータ分析等によりまして2次医療圏別に脆弱性を明らかにしたところであり、各圏域の体制強化が課題となっていると考えてございます。  具体的には、木曽や大町・北安曇医療圏で脳卒中への24時間対応が急務であるほか、がん対策や小児・周産期医療が課題として挙げられます。その他、北信医療圏では脳卒中やがん対策、上小医療圏ではがん対策が課題であるほか、上伊那、木曽、上小医療圏を初め県全体として医師、看護師等のさらなる確保が必要でございます。また、下伊那医療圏を初め中山間地域を抱える医療圏においては僻地医療の提供体制の強化が課題となってございます。  県としては、こうした課題の解消に向けて正面から取り組むことにより、全ての県民がひとしく標準的な医療が受けられる体制の確保を目指して取り組んでいく所存でございます。  次に、地域医療介護総合確保基金の事業計画についてでございますが、議員御指摘の地域医療介護総合確保基金の県計画は、まず病床の機能分化と連携、次に在宅医療の推進、3番目として医療従事者の確保養成の3分野を柱といたしまして、総事業費42億8,000万円、基金計画額15億3,000万円に及ぶものであり、これに関する補正予算案を本定例会に提出申し上げているところでございます。  本県の計画においては、この3本柱とともに、特にさきに申し上げました脆弱な2次医療圏の体制を強化するための設備整備のほか、医療機関の病床機能転換や在宅医療の充実のための事業を重点としたところでございます。このうち在宅医療の推進に関しては、入院患者が病院から自宅や施設などの地域に安心して復帰できるように退院調整を行う専任職員を病院へ配置することに対して支援をいたします。  また、24時間365日体制での往診や訪問看護、みとりを行うことができる体制を確保するため、在宅医療を担う医療機関の運営や訪問看護師の育成を支援してまいります。さらに、在宅患者の病状が急変した場合、入院の受け入れを円滑に行うことができる地域包括ケア病棟の整備などを支援することといたしておるところでございます。  次に、市町村の地域支援事業への移行についてですが、県内の要支援1、2の認定者数は本年1月現在約2万5,000人であり、このうち3分の1の約9,000人が介護予防訪問介護、通所介護のサービスを受給しておりますので、これらの方々が地域支援事業へ移行する対象となることが想定されております。  市町村における移行時期については、現在、平成27年度中としておりますのが2町村、28年度中としておりますのが12市町村、29年4月からとしておりますのが63市町村となってございます。  課題でございますが、今回の制度改正では要支援者の状況に応じた配食サービスや地域サロンなどの住民主体の生活支援サービスの充実が求められておりますが、市町村においては、こうしたサービスの提供体制が必ずしも整備されていないことや、要支援者のニーズとサービス提供者を結びつける生活支援コーディネーターの確保が十分でないなどの課題があるものと承知してございます。  そこで、県といたしましては、地域において福祉活動を行っているNPOや社協の職員等を生活支援コーディネーターとして養成いたしまして、生活支援サービス提供者の掘り起こしや要支援者との結びつけを行うこと、また、新しい地域支援事業への円滑な移行に向けて市町村職員や介護支援専門員に対する研修会を開催することなどによりまして、地域における人材育成を図りつつ、市町村を支援してまいる所存でございます。  以上であります。       〔33番小池清君登壇〕 ◆33番(小池清 君)こういった制度改革等も、地域の医療、介護を維持していくということは非常に大変な時代になっておるということを改めて感じるわけでございますけれども、いずれにいたしましても持続的な社会保障制度を維持していく、これが非常に大事なわけでございます。そんな点、当局におきましても引き続きお取り組みをいただきたいと思うわけでございます。  今回も何点かにわたりまして県民の皆様方の生活を支える各事業について伺ったわけでございますけれども、さらに充実したお取り組みをいただきますことを申し上げまして、質問とさせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(村上淳 君)次に、石和大議員。       〔3番石和大君登壇〕 ◆3番(石和大 君)長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例に基づき、平成27年4月に仮称子ども支援センターを開設する事前の準備が進められているようですが、センターでの子供の総合相談窓口は、相談の窓口としての機能はどのような体制で、どこで受け付けるのか。  子供や保護者の相談窓口は民間も含めて幾つかありますが、総合相談窓口というからには子ども支援センターの役割は連絡調整機能も担うのか。  調整機能を果たすためにはセンターの役割の定義づけ、位置づけが必要とも感じますが、いかがか。県民文化部長にお聞きをいたします。  次に、信州あいさつ運動普及啓発事業についてお聞きをいたします。  挨拶はコミュニケーションの基本、初めの一歩であります。朝、家族とまずおはようと挨拶を交わし、1日が始まります。しかし、挨拶運動があるということは多くの皆さんが挨拶をしていないからということになります。挨拶運動のチラシにも、子供たちに挨拶で声をかけようと呼びかけています。  しかし、全国学力・学習状況調査によりますと、近所の人に会ったときは挨拶をしていますかという問いに対して、当てはまる、どちらかといえば当てはまるという答えは、平成25年度、長野県の小学生で94.2%、中学生では88.2%であります。子供たちは、ふだん、近所の人と挨拶を交わしているということであります。実は、挨拶をしていないのは大人ではないかということであります。  そこで、お聞きをいたします。  4月からスタートした信州あいさつ運動はどのように展開をしているのか。賛同団体の応募状況はどうか。また、賛同団体にどんな役割を担ってもらうのか。県民文化部長にお聞きをいたします。  ことし6月の長野県青少年育成県民会議の理事会において毎月11日を信州あいさつの日とすることになったというふうにされていますが、余り県民には浸透していないのではないか。少なくとも県会議員は余り知らないと言っておりますが、いかがでしょうか。  各市町村単位で行われている挨拶運動、いろいろなものがあるようでありますが、実施状況をどう把握して、どのように分析をしているのか。あわせて県民文化部長にお聞きをいたします。  小中学校での取り組みで、挨拶をしようは何年かにわたりテーマになっていますが、成果を把握しているかどうか。また、県教育委員会の取り組みはどのようなものか。教育長にお聞きをいたします。  さらには、小学校からの運動はあるわけですが、コミュニケーションの基本、挨拶を幼少期にどう習慣にするかということが大事だと感じていますが、幼少期の子供に対する県のアプローチがあるのか。県民文化部長にお聞きをいたします。       〔県民文化部長藤森靖夫君登壇〕 ◎県民文化部長(藤森靖夫 君)子ども支援センターと信州あいさつ運動について御質問いただきました。順次お答え申し上げます。  まず、子ども支援センターの相談窓口の体制についてでございますけれども、センターに対する相談はそのほとんどが電話またはメールによるものというふうに考えておりますけれども、相談への対応のため電話相談員を3名配置する予定でございます。9月定例会において開所に向けた準備のための経費について補正予算をお願いしたところでございますが、今後、相談員への研修を行うなど、きめ細かい対応のできる体制を整えてまいりたいと考えております。  また、来所による相談にも対応してまいりますけれども、センターの場所につきましては現在鋭意検討を行っているところでございまして、現段階では、所管課であるこども・家庭課が運営の支援を行うことができますよう、県庁内に設置することが適切と考えているところでございます。  続きまして、センターの連絡調整機能について、役割とか位置づけに関するお尋ねでございます。
     長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例の第16条において、県は、関係者による子供支援に関する情報の交換の場における助言等の支援など、関係者相互の連携協力を推進するために必要な措置を講ずると定めているところでございます。子ども支援センターは、この規定の趣旨に沿って、さまざまな子供に関する相談機関の中心として、相互の連携協力を推進するための取り組みといったものを行うこととしておりまして、これがセンターの大きな役割であるというふうに考えております。  県内には、チャイルドラインでありますとかCAPなど民間の組織もございますし、児童相談所や教育委員会のこどもの権利支援センター、県警のヤングテレホンなど相談機関がございます。この9月には、こうした方々にお集まりいただき、子どもの相談機関等連携会議を開催しております。  今後とも、開所に向けてさまざまな機関との連携に努めるとともに、できるだけ多くの子供の育ちを支える関係者が協力できる体制を構築していくため、センターが担うべき連携協力の推進に係る役割について広く関係者や県民に周知を図ってまいりたいと考えております。  続きまして、信州あいさつ運動の展開についてでございます。  ことし4月から、大人から子供に挨拶をすることで子供たちを元気づけ、地域ぐるみで子供の育ちを応援することを目的に、信州あいさつ運動がスタートいたしました。のぼり旗やたすきの作成、ホームページを作成して、「あいさつちょっといい話」の募集でありますとか、各地域、団体による取り組みの紹介を行ったり、一緒に挨拶活動に取り組んでみたいと思っている方に挨拶活動の日時や場所などの情報提供を行っているところでございます。  また、毎月11日の信州あいさつの日を中心に、学校や駅などにおいて、PTA、育成会、婦人会、ライオンズクラブなどさまざまな団体によって挨拶活動を実施しておりまして、今後も息の長い県民運動として展開してまいりたいと考えております。  続きまして、賛同団体についてでございます。  この運動につきましては、企業や青少年育成関係団体など、11月末現在で118団体が賛同団体として登録いただいているところでございます。賛同団体の方々には、例えば学校や駅前で行う挨拶活動への参加でありますとか、それぞれの事業所内での挨拶の励行、それから11月から実施しております新聞などのメディアを活用した広報キャンペーンへの協賛などに御協力をいただいているところでございます。  それから、信州あいさつの日が浸透されていないんじゃないかということでございます。  挨拶運動そのものにつきましては、当初から、チラシ40万部を作成をいたしまして、学校を通じて全小中高校生に配布をしたほか、市町村や企業、関係機関、賛同団体に配布をし広報に御利用いただいているところでございます。  また、4月21日に、知事や、あいさつサポーターであります武田徹さん、小平奈緒さんに御参加をいただきキックオフイベントを行い、大きく報道していただいたほか、各地の街頭活動も紹介していただいております。  そして、挨拶運動をもっと知っていただきたいということで、9月議会で補正予算としてお認めいただきました長野県遊技業協同組合様からの寄附金を活用し、11月には新聞広告に挨拶運動の広報を行ったところでございます。これにつきましては、今後、来年3月までに毎月11日の信州あいさつの日にあわせて、メディアを利用し、広報キャンペーンを引き続き実施し、全県的な展開を進めてまいりたいというふうに考えているところでございまして、あいさつの日につきましても、これにあわせてしっかりと広報、啓発を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから、市町村単位での取り組み状況ということでございます。  ことし8月に各市町村の実施状況について調査を行いまして、その後は、随時、情報の提供を依頼して状況の把握に努めているところでございます。  4月の運動発足時には32市町村で実施を確認しておりますけれども、現在、45の市町村でさまざまな形態での挨拶運動を実施していただいているところでございます。  市町村の取り組み例といたしましては、例えば児童生徒の登下校にあわせた挨拶活動でありますとか、標語、作文、ポスターの募集、あるいは表彰、そして市町村広報誌や広報用の公用車による啓発、そして、のぼり旗、ステッカーの作成、配布などを行っていただいているところでございます。  最後に、幼少期の子供に対するアプローチということでございます。  幼少期におきましても、議員御指摘のとおり、挨拶を習慣づけることは大切なことだというふうに考えております。保育園におきましても挨拶活動を行ったところでございますけれども、これまでは、啓発用のチラシの配布でありますとか、登下校時の挨拶運動は小中高の子供たちを中心に行ってきたところでございまして、今後、小さい子供さんたち、あるいはその保護者の方々にももっと啓発できるように工夫をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)挨拶運動の成果の把握と教育委員会の取り組みについてのお尋ねでございます。  県教育委員会では、平成14年度より共育クローバープランを提唱し、その中で、大人も子供もともに挨拶をするよう学校などに対し啓発活動を継続してきているところでございます。  本県の小中学生の挨拶の状況につきましては、先ほど議員が御指摘をいただきましたように、平成25年度の全国学力・学習状況調査の児童生徒質問紙において、近所の人に会ったときに挨拶をしていると答えた児童生徒の割合が大変高い状況でございまして、この結果は、小中学校ともに全国平均を上回るとともに、調査を始めた平成19年度に比べて3から5ポイント上昇をしてきており、これまでの取り組みの成果があらわれてきているものと認識をしております。       〔3番石和大君登壇〕 ◆3番(石和大 君)子ども支援センターについては、幾つもの相談先があり、それぞれが別々に活動していてかえってわかりづらいとか、そして、連携がとれていないので対応がまちまちであったりするということがないように準備を入念にと望みます。  挨拶運動につきましては、先ほども申し上げたとおり、毎月11日が信州あいさつの日だということを知っている人は余りいないんじゃないか。この辺にはいませんので、ぜひそれをしっかりと浸透させていただきたいことと、県庁内でも皆さんにもしっかりと挨拶をするという習慣をしたいと思います。お腹が痛いんじゃないかという人も毎朝よく見かけますけれども、そういうことがないようにしっかりと挨拶をしていきたい思います。よろしくお願いします。  次に、ニート、ひきこもり等のサポートについてお聞きをいたします。  さきに宮本議員も触れられましたが、若年無業者、いわゆるニートは県内では推計値で1万100人、ひきこもりは推計値で3,300人とされています。この県内の状況をどう分析しているか。  それらの困難を有する子供、若者に対する事業展開として、子ども・若者支援地域協議会事業、困難を有する子ども・若者の社会的自立支援事業がありますが、成果と今後の課題について県民文化部長にお聞きをいたします。  また、次世代サポート課の人員配置については、事業の継続性と民間の事業者や団体との連携等を担う人材が必要だと感じています。その割には県の職員の一般的な定期異動の期間で人事異動が行われているように感じています。困難を有する多くの若者が自立するために粘り強く取り組むためには、もう少し長いスパンで取り組むことと人材配置が次世代サポート課には必要ではないかと感じていますが、考えはどうか。現状の分析と今後の展望について知事にお聞きをいたします。       〔県民文化部長藤森靖夫君登壇〕 ◎県民文化部長(藤森靖夫 君)ニート、ひきこもりのサポートについて御質問いただきました。  まず、ニート、ひきこもりの現況についての分析ということでございます。  ニートやひきこもりの問題が深刻化している社会的背景には、情報化など近年の子供、若者を取り巻く環境の大きな変化、あるいは長引く雇用情勢の悪化、孤立しがちな人間関係等が挙げられると思っております。また、個人的要因としては、職場になじめなかった、病気、あるいは就職活動がうまくいかなかった、不登校などがあるものと思っております。  こうした社会的背景、個人的要因がある中、次代の社会を支える長野県の貴重な人材となる可能性のある多くの若者が困難な状況にあるということを重く受けとめておりまして、このため、平成25年3月に策定いたしました次世代サポートプランに基づき幅広い支援を行っているところでございます。  続きまして、困難を有する子供、若者に対する支援の成果と課題についてでございます。  お話がございましたように、平成24年10月に、子ども・若者育成支援推進法に基づきまして、子ども・若者支援地域協議会を東信地域に設置をいたしまして、修学や就業のいずれもしていない、社会生活を円滑に営む上での困難を有する子供、若者を関係機関が連携して支援をしているところでございまして、平成26年には25人を支援しているところでございます。  また、平成25年度からは、ニート、ひきこもりなどの子供、若者に対しまして、さきほど宮本議員にもお答えいたしましたけれども、訪問相談、あるいは出口戦略を持った居場所の提供、そして宿泊を伴う研修を実施しているNPO法人等に対し助成を行っているところでございます。  訪問相談については今年度は25人、出口戦略を持った居場所の提供については今年度16人、宿泊を伴う研修について、今年度はこれからでございますが、昨年度は10人ということになっております。  今年度は昨年度に比べましていずれも多くの若者を支援していただいているところでございますけれども、一人一人に向き合い、より多くの若者に丁寧な支援をしていくことが必要であり、課題であると考えております。今後も地道な取り組みを進めながら、支援のあり方について検討を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)次世代サポート課の人員配置についての御質問でございます。  平成23年4月に設置をして以来4年目に入っているわけでありますけれども、御指摘もありましたように、困難を抱える子供、若者を支援するNPO法人等との連携をしっかり行っていくこと、先ほども宮本議員の御質問にもありましたけれども、子供、若者の支援は部局横断で取り組んでいかなければいけないこと等、そうした特色をしっかり踏まえて組織のあり方、人員のあり方を考えていく必要があるというふうに思っています。  今年度からは、関係部局と連携をしっかり進めようということで、こども・若者担当部長を新しく設置をして体制を強化いたしたところであります。  また、職員配置につきましては、次世代サポート課を含めて、専門性が高い業務等については異動サイクルの長期化等に現在取り組んできているところであります。まだ過渡期ではありますけれども、そうした問題意識は持っております。また、ニート、ひきこもり等のサポート、任期付職員も課に配置をして4年にわたってネットワークづくりをしてもらっているところでもございます。今後とも県職員の人材育成をしっかり図りながら、組織として、子供、若者を応援するNPO、地域の皆様方とも十分な連携ができる体制をつくっていきたいと考えております。  以上です。       〔3番石和大君登壇〕 ◆3番(石和大 君)次に、メディアリテラシーについてお聞きをいたします。  先ほどの質問でも触れたひきこもりとネット使用の関連性については、平成22年度の内閣府の調査によると、ひきこもりの傾向がある人のうち5割から6割の人がネットを使っていたということがわかります。しかし、このデータは22年のものですからスマートフォンが普及する前のもので、今はかなり事情が違います。  児童生徒の不登校やひきこもりとメディアやネットへの依存状況との関連について県教育委員会は調査し把握しているか。また、ひきこもりに通じるネット環境をどう捉えているか。教育長にお聞きをいたします。  現代社会の特徴として、子供や若者のネット依存という症状が問題化しつつあります。韓国ではネット依存からの脱出を目指すキャンプが盛んに行われているとのことであります。それだけ危機感が強いし、問題も深刻化しているということです。急速なIT化の進化の弊害ともいえます。  日本でも文科省が対策に乗り出しているようです。その一環として、国立信州高遠青少年自然の家で行われた「ネットやゲームとのつきあい方を考える自然体験キャンプ」があります。これは独立行政法人国立青少年教育振興機構の主催ですが、県はどうかかわったのか。また、内容についての所感を教育長にお聞きをいたします。  また、ネット依存に陥らないこと、未然に防ぐことが大切です。どう対策を講じるかということです。さきにも触れたとおり、ネット関連で国の公表する数値等は日進月歩の世界に対して相当おくれていると感じています。県としてよりスピーディーに対応することを考えているかどうか。  また、ネットトラブルや課題解決のためには専門性の高い人材を要所に配置する必要性を感じるが、いかがでしょうか。本当は各小中学校に相当に精通した教員が配置されているべきだと思いますが、すぐにはできないことでしょう。そこで、先生にも教えられる専門性を持った人材を教育事務所単位に配置する必要があると感じますが、考えはいかがでしょうか。教育長にお聞きをいたします。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)メディアリテラシーに関しまして4点御質問をいただきました。順次お答えを申し上げます。  まず、不登校などとネット依存との関連についてのお尋ねでございます。  不登校やひきこもりとメディアやネットへの依存状況との相関関係につきましては、県でこれを直接調べたことはございませんが、不登校の調査を分析いたしますと、長時間のインターネット利用がネット依存的な状況を引き起こしたり、ひいてはそれが誘因となって不登校になっている事例もあると認識をしてございます。  県教育委員会が本年7月に行いましたインターネットの利用についての調査におきましても、1日に4時間以上インターネットを行っていると回答した生徒が中学生で11.3%、高校生で23.4%もおり、ネット利用の長時間化が危惧されている状況になってございます。  このため、学校における情報モラル教育の中で、長時間のネット利用により生じるさまざまな問題について生徒に示し、適切な利用について指導するとともに、ネットの利用の多くは家庭で行われていることから、PTA団体と連携し、保護者への啓発活動に取り組んでいるところでございます。  次に、「ネットやゲームとのつきあい方を考える自然体験キャンプ」についてのお尋ねでございます。  先月、国立信州高遠青少年自然の家で行われました「ネットやゲームとのつきあい方を考える自然体験キャンプ」は、オリエンテーリング、星座観察、野外観察等のネット以外の実体験を重視するとともに、日ごろのネットの利用について児童生徒と保護者が一緒に参加し考える事業であり、県教育委員会からも職員を派遣し、キャンプの運営に協力したところでございます。  参加した児童生徒は、自然体験や創作活動、ワークショップ、宿泊体験プログラムの実施を通じまして、ネットやゲームの自分自身の利用や生活習慣について考えたり、自己肯定感を高める機会となったと認識をしているところでございます。  次に、スピーディーなネット関連数値の把握についてでございます。  議員御指摘のように、子供たちのインターネットの利用の仕方の変化は非常に早いものがございまして、県教育委員会といたしましても、国の公表するデータだけではなく、より実態に近い子供たちのインターネット利用状況を把握することが重要と考えてございます。このため、携帯電話やインターネットの利用に関するアンケートを毎年約3,000名の子供たちに独自に実施をしているところでございます。加えて、今年度は特にその調査に保護者も対象に加え、実態の把握に努めているところでございます。  次に、ネットトラブルに対応できる人材配置についてのお尋ねでございます。  ネット上のトラブルやその課題解決のために、それに対応できる最新の知識を持った人材が必要であり、現在、情報通信事業者等が主催する研修に参加し、現況についての情報や知識を持つ教育委員会の心の支援室の担当指導主事が中心となりながら、総合教育センターの情報教育担当者や各教育事務所に置いている生徒指導専門指導員らと連携をしながら、学校でのネット上のトラブルへの助言や問題の解決に対応しているところでございます。  ネット上のトラブルは、その変化も早く、常に専門性の高い知識が求められることから、県教育委員会の職員や学校の教員のみならず、警察本部のサイバー犯罪対策室、また民間団体、情報通信事業者との連携を図りながら、子供たちのネットトラブルに適切な助言、支援ができるような体制の充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔3番石和大君登壇〕 ◆3番(石和大 君)次に、子育ての地域連携についてお聞きします。  先ほどの質問でも触れましたが、挨拶ができない人がふえているように、現代人のコミュニケーション能力の不足ということが問題になっています。子供よりも親のほうが挨拶ができないというように、課題も多いのかもしれません。学校においてもそんなところから問題が起きています。  現在の保護者は子供を学校任せにしてはいません。学校で子供がどんなふうに学習し生活しているか関心を持っています。ですから、学校は担任の教員を中心に情報提供を求められます。そして、その情報について的確な説明までも求められることもあります。教員の負担も限界を超えることもあるかもしれません。また、もしかしたら適切なコミュニケーションを保護者ととることができない教員もいるかもしれません。親も、一方的な視点、つまり我が子かわいさからの一方的な要求を学校に求めることもあるでしょう。お互いのコミュニケーション能力にも課題があるわけであります。  そういった中で、学校と子供と保護者という関係だけではなく、第三者の視点、地域の力をそこに入れて、さまざまな形で力を活用したいということが子育ての地域連携の一つの形です。  しあわせ信州創造プランでは信州型コミュニティスクールを全小中学校で実施することを目標に掲げていますが、見通しはどうか。また、特に力を発揮するコーディネーターの養成状況等はいかがか。学校と子供、保護者、そして地域をつなぐコーディネーターという人材をそんなに多く育成できるのか。教育長にお聞きをいたします。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)信州型コミュニティスクールについてのお尋ねでございます。  信州型コミュニティスクールは、地域住民による学校支援、学校運営への参画、学校評価の三つの機能を一体的に実施する仕組みがある学校であり、地域に開かれた信頼される学校づくりの推進のため昨年度より取り組み始めているところでございます。  県内では信州型コミュニティスクールの要件を満たす小中学校はことしの5月1日現在で76校であり、全体の13.6%となっているところでございます。市町村や校長の理解も徐々に進んできておりまして、今後さらに取り組む学校が広がっていくと考えてございます。  県教育委員会といたしましては、引き続き教育委員会一体となってこの事業を推進し、平成29年度までに全ての小中学校で実施されるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。  また、学校と地域をつなぐコーディネーターの養成につきましては、コーディネーターとその候補者に対し基本的な役割や重要性を学んでいただくための研修を実施しており、今年度は130名の参加をいただいたところでございます。今後は、幅広く人材を養成していくために、本県の有力なソーシャルキャピタルでもございます公民館やボランティアなど学校支援にかかわっている多くの地域住民の方にも御参加をいただけるよう、コーディネーター及び学校支援ボランティア研修のより一層の充実に努めてまいりたいと考えております。       〔3番石和大君登壇〕 ◆3番(石和大 君)次に、幼少期に感性を磨くということについてお聞きをいたします。  信州型自然保育認定・登録制度創設の準備が進んでいるようです。これは、信州の自然環境と地域資源を積極的に活用する保育、幼児教育の県内全域への普及促進を目指すというものです。  この制度をつくる必要性を感じる背景については、屋外で遊ぶ子供が減っている、子供の体力や運動能力の低下、対人関係や地域社会とつながりが薄れている、そして、年齢が上がるにつれ自尊心や自己肯定感が低下している、さらに、ニートやひきこもりなど孤立する若者が増加しているなどがあります。  まさに、今回の質問で取り上げたニート、ひきこもり、ネット依存等の課題の根っこは、この幼少期の過ごし方にあるともいえるわけであります。幼児期の豊かな体験が人生の根っことなって子供の成長と将来の社会的自立を支えることになるわけです。  現在、森のようちえんを初め、このような自然保育を実施しているのは県内で16団体ということですが、自然への畏敬の念と信州への愛着を深めるためにも、この信州型自然保育の普及に大いに期待するところですが、知事の目指すところと意気込みをお聞きをしたいと思います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)信州型自然保育の目指すところということでございます。  現在、自然保育の認定・登録制度、制度検討を進めてきているところでありますけれども、御質問にありましたように、子供の基礎体力、運動能力が低下してきている、あるいはコミュニケーションや対人関係といった社会性が低下している等々課題がある中で、長野県の有するすばらしい自然環境の中で子供が伸びやかに育っていくということがさまざまな面で重要だというふうに考えています。  学校教育のみならず、就学前の幼児期の過ごし方が重要であるという点も御指摘のとおりだというふうに思っています。そうした観点で、子供たちが思い切り自然の中で体を動かし、心身の健全な発達を図っていく、あるいは自発性や社会性を育んでいく、そうした効果を期待しているところであります。  先ほどもインターネットの話がございましたが、インターネットの世界というのはバーチャルな世界であります。しかしながら、人間の五感を発達させていく上ではリアルな世界が必要不可欠だというふうに思っておりますし、また、私自身の子供のころも振り返って考えれば、おもちゃがなくても、森の中で木の枝とか葉っぱがあれば幾らでもいろんな遊び方ができたなというふうに思っています。  そういう意味で、これはなかなか都会ではそうした環境にない場所が多いわけでありますけれども、長野県内のこうした自然に恵まれた強みというものをしっかりと生かしていく上でも、この自然保育の認定・登録制度、重要なものというふうに考えております。  また、最近では、こうした子供たちの子育てのすばらしさということを重点に置いて移住をされていらっしゃる方も出てきているわけでありまして、そういう意味で、長野県の特色、強みということでこれを発信をしていきたいというふうに思っております。  他県の先頭に立って、長野県の豊かな自然環境を生かした自然保育の認定・登録制度、しっかりとした制度として構築をして、子供たち、そして保護者の皆様方の期待に応えられるいい制度にしていきたいというふうに考えています。  以上です。       〔3番石和大君登壇〕 ◆3番(石和大 君)さきにも述べたことがあるように、また今知事の答弁にもありましたとおり、現代の子供たちは、女子高校生のスマートフォンの使用時間が1日6時間というふうなデータが示すように、幼少期からテレビ、ゲーム、携帯、インターネット、スマートフォンといった平面画面のメディアに長時間接触し、生活しています。現実ではない仮想現実、バーチャルな世界に浸っている時間が長いわけです。仮想と現実の区別がつかないという状況もあるわけであります。  昔から、だだをこねる子供に鬼が来るぞとおどかしたことはあるわけですが、現代では、鬼に電話するよといって本当にスマートフォンで通信をして、その画面で鬼が出てきて悪い子はどこだという通信機能があるんです。それを使っている親もいるわけであります。
     幼少期からの外遊びを中心とした直接体験が感性を磨き、感受性を高め、物の本質を見抜く目や心を育てるもとになります。それがないと、平面画面というメディアからの情報を批判的に読み解く力、いわゆるメディアリテラシー能力は身につきません。そして、自然や社会の中で自分が生きている、生かし生かされているという実感がないと人間性が育たないと感じています。  信州という自然に恵まれた環境での自然保育を平成の信州教育の第一歩としてほしいと願い、質問を終わります。 ○副議長(村上淳 君)次に、小池久長議員。       〔7番小池久長君登壇〕 ◆7番(小池久長 君)大学と地域が連携した人材育成の取り組みにつきましてまずお尋ねをいたします。  日本私立学校振興・共済事業団によりますと、今春の入学者が定員割れした4年制私立大学は全国で265校、全体の46%に達するわけです。同事業団は、18歳以下の人口減少に伴い、学生確保はさらに厳しさを生むとしています。  諏訪東京理科大は地域に寄り添う形で農業工学系の学科を新たに導入し、長野県により合った大学を目指すという新聞報道がされました。大いに歓迎するところであります。  諏訪東京理科大は、IT農業を中心に地域振興に取り組みたいとしていますし、既に有機薄膜太陽電池を活用した営農型ソーラーの実用化に取り組んでいます。このことは、省力化を進め、競争力の高い農業や高齢化が進む本県の農業の労働の軽減につながり、若い人たちの就農を促すなど、大学と連携して農業の生産性向上や高付加価値化や、あわせて農業に新たなる観点で従事する人材を育成することとなります。  また、県内の工業、農業高校との連携にもつながると思われ、私の地元の農業高校でも、地域に密着した共同研究やプロジェクトができればと大きな期待を寄せております。  質問をいたしますが、このような取り組みを今後どう支援していくのか。県民文化部長に伺います。  続きまして、高性能な降雨観測システムの設置についてお伺いいたします。  台風8号の影響で土石流災害が起きた長野県南木曽町は、国土交通省が全国に設置する高精度の雨量レーダーの観測範囲外でありました。  太田国土交通大臣は、記者会見で、どのように設置場所を拡大していくのか、予算も伴うので今後議論したいとの発言もありました。  国土交通省は、2010年以降、XRAINと呼ばれるレーダーを全国に37基設置し、全国の自治体からゲリラ豪雨予測に役立ったとの声が寄せられていると聞きます。直近でも、長野県市長会から県へ要望があり、本県でも設置を希望しているわけであります。  東北の震災のとき宮城県で最大の死者を出しました田子地区では、さきに起きたチリ沖地震発生時に警報があり、避難したものの被害がなく、今回の震災時においても同様と思い込んだために大きな被害となりました。また、南木曽での土砂崩落視察の折、建設事務所でも、ハード面、ソフト面並行していかなくては本当の意味での安全は確保できないとして早目の避難を呼びかけるとしています。  避難するためにはより詳細な情報を提供しなくては、田子地区で経験したような事例を発生しかねないわけです。そのためには詳細な情報を提供することが重要であります。そのためにも、XRAINの設置までの間、どのように対応、補完するのか。建設部長にお伺いをいたします。  重ねて建設部長にお伺いします。  人口減に対応するための空き家対策についてお伺いをいたします。  長寿化、高齢化が進むにつれて、シニア期にそれまでの自宅に住み続けることが必ずしも幸せとはいえない状況となっています。核家族化が進む中で、マイホームとして4人から6人程度の部屋数を備えたものが多いわけですが、退職や子育てが終わった家庭は夫婦のみの生活となり、子供部屋はあいているか物置になっているケースが多いためミスマッチとなっています。  シニア期前半は、ゆとりを持って生き生きと暮らすために新たなる場所へ住みかえる人たちもふえています。シニア期の後半になると、程度の差はあるにしろ、何らかの生活支援や介護、看護が必要となる一方、ファミリー住宅はむしろ不便で、維持管理が大変となります。  また、60歳以上の世帯の財産は、日々の生活のための金融資産の割合は35%で、残りの財産はほとんど住宅や宅地であります。庶民にとって住宅は住んでいる限り資産として活用できないわけであります。  国土交通省では、都市郊外の一戸建て空き家を地方自治体が借り受けて、子育て中の世帯が住みやすいように改修して貸し出す取り組みを促す方針を固めたとお聞きしました。本県においても、人口の減少や少子化は喫緊の課題であり、リバースモーゲージ型住宅ローン等の活用を含め、検討していくことはできないでしょうか。  重ねて、社会基盤施設の整備費や維持管理費の削減のためや、交通弱者へ対応した市街地活性化や環境負荷の低減のための自動車依存抑制などの必要性から、山形県のように市町村と協力してコンパクト交流文化都市構想の作成を進める県もあります。身近では長野市がパーク・アンド・ライドを利用し交通抑制を進めています。  そこで、人口減少社会に対応するためにも、自治体のコンパクトシティーなどの計画策定を今から支援をしていくべきだと思いますが、以上、2点、建設部長にお伺いをいたします。       〔県民文化部長藤森靖夫君登壇〕 ◎県民文化部長(藤森靖夫 君)大学と地域が連携した人材育成の取り組みに対する支援についてのお尋ねでございます。  県では昨年9月に産学官協働人財育成円卓会議というものを設置をいたしまして、新たな付加価値の創出を担うことができる人材の育成について議論をしているところでございます。  これまでの議論の中で、大学と企業のみならず、大学と地域を結ぶコーディネート機能を持つプラットホームを産学官協働で構築をいたしまして、人材育成に関する地域と大学の連携を強化していくという方向性が示されております。その中には、農業の生産性向上でありますとか高付加価値化のための人材育成も含まれることになると思います。  県といたしましては、このプラットホームの構築を支援し、県内の大学と産業、それから地域が連携した人材育成を促進してまいりたいと考えております。  また、県内の高校との連携についてでございますけれども、県内の大学と県とで高等教育の振興について議論をしておるところでございますけれども、その中でも高校と大学の連携を強化する必要性が指摘されております。  これまでも、県内の高等学校と大学はさまざまな連携事業に取り組んできておりますけれども、今後、工業高校あるいは農業高校を含む県内の高等学校に大学の高大連携プログラムの情報をより積極的に提供するなど、両者の連携が一層促進されるよう支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔建設部長奥村康博君登壇〕 ◎建設部長(奥村康博 君)御質問に対しまして順次お答え申し上げます。  まず、高性能な降雨観測システムについてのお尋ねでございます。  議員御指摘のXRAINは、降雨の状況を高精度に観測し、リアルタイムに配信するシステムで、急速に発生、発達するゲリラ豪雨の監視に有効とされております。  しかしながら、その観測用電波の波長が短いため、山岳等において遮蔽されやすい特徴がございます。そのため、現在は平野部を中心に配備されておりまして、山地の多い長野県においてはその効果を発揮しにくいことから配備されていないのが現状でございます。  県におきましては、迅速かつ高精度な情報発信には降雨観測情報システムの高度化、拡充は重要なことと認識しているところでございます。  現在、国土交通省では、XRAINと同程度に高精度で、かつ、ほぼリアルタイムでの観測が可能となるよう、従来の降雨観測システムでありますCバンドレーダを高性能化するための平成27年度予算概算要求を行っていると聞いております。  こうした県内の地形にも対応できる高度な観測システムの早期配備を引き続き国に要望してまいります。  また、現在、県では、気象庁が本年8月から配信している、降雨分布を高解像度で解析、予測する高解像度降水ナウキャストや河川砂防情報ステーションを活用し、的確な降雨状況の把握に努めているところでございまして、引き続き市町村へ必要な情報を早期に提供するなど、防災対策のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。  次に、人口減少に対応するための空き家対策について2点御質問をいただいております。  まず、人口減少や少子・高齢化への対応についてでございます。  議員御指摘のとおり、国土交通省住宅局の平成27年度予算概算要求に、人口減少や少子・高齢化に対応するため、子育て世代や高齢者世帯を支援する各種施策が掲げられております。このうち子育て支援として、自治体が戸建ての空き家等を子育て仕様に改修して優良な賃貸住宅として供給する事業は、少子化や人口減少への対応とともに、空き家等の有効活用に資するものと考えておりまして、予算成立を期待しているところでございます。  また、高齢者が居住住宅のリフォームや高齢者向け住宅へ住みかえに必要な資金について、居住不動産を担保に融資を受け、借入者の死亡後、不動産の売却等により一括返済するリバースモーゲージ型住宅ローンは、ライフサイクルに応じた住まいの確保、中古住宅市場の活性化、また空き家対策としても一定の効果をもたらすものと考えております。  県といたしましては、これらの施策の動向に注視し、必要に応じて、市町村を初め広く県民の皆様に対しその活用について周知を図ってまいります。  次に、コンパクトシティーの計画策定についてでございます。  本年8月に、改正都市再生特別措置法、いわゆるコンパクトシティー法が施行され、公共交通を充実させるとともに、歩いて暮らせるコンパクトな町づくりへの方向性が示されたところでございます。  この法律では、市町村が、医療、福祉、商業など都市機能を配置する区域と居住を促す区域を立地適正化計画として定めることができるようになりまして、重点的な施設整備やコンパクトシティー実現に向けた施策の展開が可能となります。  計画策定に当たっては、これら都市機能の集約化に加えまして、歩行者優先型の道路整備や公共交通への転換による交通量抑制の視点などが重要でありまして、小諸市や千曲市を初め、幾つかの自治体が取り組みを始めているところでございます。  県といたしましては、人口減少社会における町づくりを進めるため、広域的視点から市町村の計画策定に参画するとともに、技術的助言や情報提供を行うなど積極的にかかわってまいります。  以上でございます。       〔7番小池久長君登壇〕 ◆7番(小池久長 君)私も、このリバースモーゲージ、非常にこれは有効だというふうに思っています。なぜかといいますと、私も一番多いときには7人の家族がいたわけですが、今は母親と2人っきりで、家が広くて広くて困っておると。皆さん、笑っていますけれども、そのうち御自身も実感する日が来ますので、ぜひ国のほうへしっかりと働きかけをして、私、これが一つの長野県の人口減の起爆剤になるんじゃないかと非常に期待をしているところでございますので、よろしくお願いをしたいと思います。  それでは、次のハラルの県内普及について質問をさせていただきます。  観光ビザ緩和で東南アジアからの観光客が増加し、観光庁においても東南アジア・訪日100万人プランなどで来日の増加を図っています。日本政府観光局によりますと、2013年のマレーシアからの訪日客は前年度比35.6%増の17万人余、インドネシアからは34.8%増の13万人余に及んでいます。  イスラム教徒は全世界の人口の4分の1で、市場規模は年間300兆円の規模となります。しかし、日本は、長年、イスラム圏の人々に、行きたくても行かれない国と言われてきました。来日するムスリムには、映画やアニメで見たラーメンや焼き鳥を食べてみたいのに、ハラルで試せないという人も多いわけです。  本県においては、白馬五竜観光協会の取り組みや、下諏訪町のひかり味噌でもハラル認証を受けたみそ商品を発売するなど、ムスリム対応のサービスや商品の提供がなされています。  このムスリム対応は今後の外国人の誘客の有効な手段と考えられますが、本県としての取り組みについて観光部長にお伺いをいたします。       〔観光部長野池明登君登壇〕 ◎観光部長(野池明登 君)観光ビザの緩和等によりまして増加しているイスラム教徒、ムスリム対応の今後の取り組みについてでございます。  平成25年の県内における宿泊者数でございますが、マレーシアが約2,300人、インドネシアが約4,800人となっておりまして、訪日旅行者数のさらなる増加が見込まれることから、県では、今年度から両国を重点市場に位置づけ、誘客に取り組んでいるところでございます。  県内でも、ムスリム向けの食事や礼拝スペースの提供を行っている、ただいまお話にございました白馬五竜観光協会の取り組みを初め、市町村単位で受け入れに必要な知識と心構えを学ぶ勉強会の開催ですとか飲食店におけるムスリム向けメニューの提供などの動きが活発になっております。  県では、今年度、外部の専門家を講師に招いたコミュニケーションに関する宿泊・飲食事業者向けの研修会や、ムスリム対応可能な施設に関する情報の収集を行いながら受け入れ態勢整備を進めているところでございます。  今後も、関係の皆さんと連携をしながら、一層、安心、快適に旅行できる環境づくりと、国際旅行フェアへの出展等によりまして大勢のムスリム旅行者に長野県に来訪いただけるように努めてまいりたいと考えているところでございます。       〔7番小池久長君登壇〕 ◆7番(小池久長 君)昨日、垣内議員への答弁にもあったように、人口減少の時代にいかに対応するか、もう待ったなしでございます。先ほどリバースモーゲージの話をさせていただきましたが、本当に大胆な施策を打っていかないと間に合わない時代、それぞれの意識も変わらなければいけない時代が来ているということを申し上げます。  本県においても、人口減少、少子化は県の重要課題であり、出生率、出生数を目標を立て実行しようとしています。また、全国知事会でも非常事態宣言をまとめたところであり、国と地方が総力を挙げて思い切った政策を展開すべきだとしています。  大胆な政策で県民の安心を担保することを要望しまして、一切の質問を終わりとさせていただきます。 ○副議長(村上淳 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時40分休憩          ──────────────────         午後2時56分開議 ○議長(風間辰一 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  小松稔議員。       〔32番小松稔君登壇〕 ◆32番(小松稔 君)それでは通告に沿って質問をさせていただきます。最初に、中小企業関係団体との連携強化についてであります。  私が6月に質問した中小企業支援対策の強化の中での議論は、中小企業関係団体等の役割を強化することで問題を抱える中小企業の企業診断や真の経営改善につながるコンサルティング機能体制を整えたいとの趣旨を申し上げました。関係団体との連携、支援策について、県の今日的な視点で果たすべき方向性を尋ねたものであります。  改めて注視したいのは、小規模事業者支援法の改正で明確にされたことであります。それは、半世紀以上にわたって小規模事業者の経営相談を担当してきた商工会議所等を今後の支援組織団体のその中心的な存在と位置づけた点であります。事業者の抱える課題を解決するために商工会議所が経営発達支援計画を策定するなど、小規模事業者を全面的に支えていく姿であります。この実効をかなえる質の高い確実な支援を持続可能なものとして、その任を務められる体制整備を地域の中で整えていくことが求められているものと思います。  今回の関係する法制定や法改正、さらに県が制定した中小企業振興条例を施行したこと、そして、そこに示されていることや期待されるのは団体と連携してどう振興策を具現化していくか、この次元での県の果たす役割は明らかであり、それは、これまで以上に小規模事業経営支援を担っていく商工会議所との連携、あるいは事業分担、あるいは事業委託などに係る体制や経費の積算からの予算分配はどうあるべきかなど、あすへの方向性を示すことではないでしょうか。  過去に一定の経緯があるにせよ、事実上の予算カットでいきますよだけでは、申し上げた小規模企業と地域の今を視野に入れていないも同然だとの指摘をせざるを得ません。  そこで、改めて、平成27年度以降への小規模事業経営支援事業と新たな支援の方向性について阿部知事にお答えをいただきたいと思います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)中小企業関係団体との連携強化、今後の小規模事業経営支援事業と新たな支援策のあり方、方向性という御質問であります。  商工会議所等の商工団体は、商工業の総合的な振興を図り、とりわけ小規模事業者の経営改善を支援しているという点で中小企業振興のかなめであるというふうに考えておりますし、地域経済発展のために不可欠な存在だと認識しております。  小規模事業者支援のあり方につきましては、平成14年度にあり方検討会を設置して、1市町村1商工団体となるよう方向性を示し、改革を進めたところであります。しかしながら、早急な改革に対して商工団体の方々からさまざまな御意見を頂戴したところから、平成21年度に再度検討会を設置して地域の実情に応じた商工団体のあり方を尊重する方向で補助基準の見直しを行って、平成22年度から26年度までは移行調整期間という形で位置づけているところであります。  この間、商工会議所等商工団体におきましては、改正小規模支援法や中小企業振興条例の趣旨も踏まえる形で広域的な連携による課題解決を進めますとともに、高度に専門的な指導員を配置する方向で新たな体制整備を進めていただいているところというふうに承知しています。  県としては、このような商工会議所等の指導体制の強化に対して必要な支援策を講じることによりまして、小規模事業者の経営支援を積極的に推し進めてまいりたいと考えています。  以上です。       〔32番小松稔君登壇〕 ◆32番(小松稔 君)地域のそれぞれの商工会議所のこうした時代における会議所の運営やあり方についても、それぞれ独自の思いを持っている、あるいはその思いで取り組んでいるものも中にはあるわけでありまして、連合会がそれをまとめて要望もされているわけでありますけれども、私は、地域の中にある支援団体が商工会議所と連携をして、これからものづくり振興をしていく、あるいは産業振興をしていくというその方向性にせっかく一丸になっているときに、そこに県がもっと積極的に加わってその方向性をさらに前進させるよう導いていく、そのことが今求められているのではないかというふうに思っております。  連合会が求める範囲と、県が今交渉に臨んでいるそこにも大きな差異があるというふうに捉えています。ぜひ、新年度に向けて、地域の現状についてさらに考察をいただく中で、あるべき連携、求められる支援体制を構築をしていくということを要望をして、次に移ります。  ものづくり産業振興についてであります。これについては産業労働部長にお願いをいたしたいと思います。  かつて東洋のスイスと呼ばれた諏訪地方のものづくりも、大手企業を中心に生産拠点の海外移転が進み、製造業の空洞化が進んできています。2005年に年間8,000億円を超えていた諏訪地方の製造品出荷額は、08年秋のリーマンショックを機に激減、13年速報値では前年比2%減の5,550億円と伸び悩んでおります。  08年まで1,000カ所を超えていた事業所数も13年では805カ所と減少、この製造業の空洞化は諏訪地方だけの問題ではないと思われ、県内のものづくり産業を盛り立てるには、地域企業が持つ技術を付加価値に変え、外部に発信していく取り組みが急務であり、市町村の枠組みを超え、地域ブランドをどう構築し、どのように発信できるかが課題であると思います。  これまで行政による工業振興策は、補助金の支給、制度資金による融資、そして工場誘致等々が中心でありました。産業構造が大きく変わろうとしています。大手企業が製造拠点を次々と海外に移したことにより、大手を頂点に下請企業が連なる従来のネットワークは崩れつつあるのではないか。  ここまでの県内の製造業は、その主力が部品加工やOEM、いわゆる相手先ブランドによる生産供給的なもので、直接消費者に販売するルートを持たない中小企業が多いはずであります。  地域内の市場は小さくなる一方であり、持続的な成長には地域内で物を生み出し地域外に売る仕組みが欠かせないわけであります。そして、地域から付加価値の高い商品を生み出すために行政や支援機関に求められるのが企業の強みを結びつけるコーディネート機能であると思います。  まずは、このことへの県の役割と取り組みの現状と課題についてお尋ねをいたします。
     実は、諏訪圏域でも、中堅企業を軸に地域内の企業が結びつく新たなネットワークづくりに意欲的な企業連携の試みも出てきています。これを加速させたいものです。  そこで、産業構造が大きく変化しようとしている中で、より広域的な取り組みの拡大が不可欠であると思うのです。さらに、ポイントと思われるのは、これからのネットワークづくりは地域内での連携と外部とのつながりを混在させるような取り組みが欲しい、そして、ここへのサポートが必要であります。そのことにより新たな情報やビジネスチャンスをつかみやすくなり、ネットワーク全体を活性化することにもつながるものと思います。  内外のバランスのとれたネットワーク構築には市町村の枠を超えた力が必要となり、関係自治体と協調をした支援体制の構築が求められているものと思います。産業構造が大きく変わろうとしている県下にあって、あすのものづくり産業振興の現状と課題を的確に捉えた県の支援が欲しいところです。  県及び支援機関には、地域で企業、団体と一体となって取り組んでいる地域支援機関との連携強化を含めた支援が必要であります。新年度に向け、どのような支援強化プランを描いておられるのか。その方向性、方針を示していただきたいと思います。  次に、3番目の企業の事業再生、事業承継についてであります。産業労働部長に伺います。  1点目は、6月の一般質問で、再生、再挑戦を可能とする支援策の強化を求めたわけでありますが、石原部長は、ながの産業支援ネットが経営相談等を行ってきている、新たな連携支援策として長野県よろず支援拠点を6月2日に開設した、これらによってサポート体制を一層強化していくとのことでありました。  そこで、具体的に、再生計画の策定あるいは金融機関との調整など、支援の中身とその実績、さらなる今後の方向性、方針についてお聞きをしておきたいと思います。  2点目は、事業承継についてであります。  この9月に、県自動車整備振興会の役員の皆さんと意見交換をさせていただく機会がありました。その折に、後継者不足が常に顕在化している業界となり、組織としても打つ手を模索しているとの意見が出されました。確かに後継者の問題だけの理由で廃業してしまうと、地域でも安全確保の担い手を失い、大きな痛手であります。懇談の中で、私は、県の事業引継ぎ支援センターの存在を紹介し、事業承継に関する相談からの対応を始めている旨を発信をさせていただいたところです。  会には県本部の幹部を含め20名程度の参加者がいましたが、この事業を共有できていない実態をかいま見た。また、その一方で、市場の実態は、調査機関が実施した調査によると、県内企業の64%が後継者不在であったとの発信がされております。  県では後継者バンクも開設したようですが、待ったなしの業界、企業も表面化しているときに、この事業承継支援の実態、実績はどうなのか。  また、県が実施したアンケート調査の業種別、規模別の傾向と、事業引継ぎ支援センターの認知度がそのアンケートの中に設問として位置づけられておりました。その点についてお尋ねをし、さらに周知の徹底は今後どのように考えているのか。  以上、産業労働部長にお伺いをいたします。       〔産業政策監兼産業労働部長石原秀樹君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹 君)五つ御質問をいただきました。順次お答えいたします。  まず、コーディネートの役割、現状と課題についての御質問でございます。  企業活動を円滑に進めるためには1社だけでは解決できない課題も多く、企業同士または企業と大学などを結びつけるコーディネート活動は行政や商工会議所などの中小企業支援機関の重要な役割と認識しております。  県の中核的産学官連携拠点でありますテクノ財団では、昨年度、30名のコーディネーターにより約3,000件のコーディネート活動を展開してまいりました。その活動の中では、マッチングだけではなく、具体的な企画立案から事業スタートまで支援し、国から大きな研究開発支援資金を得るなど、県内企業の研究開発の促進に大きな役割を果たしております。  県内には、このようなコーディネーターが市町村や各地域の支援機関、大学などで活躍しておりますが、それぞれのコーディネーターのさらなる資質の向上とコーディネーター間の一層の連携強化が不可欠であると認識しております。今後は、コーディネーター同士の情報交換の場づくりを進めるなど、引き続きコーディネート機能がしっかりとその役割が果たせるよう、環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、県や地域支援機関との連携強化についての御質問でございます。  地域のものづくり産業の振興のためには、地方事務所、市町村、地域の支援機関などが連携し、地域の特性や企業ニーズに対応した課題解決、または新しい事業に取り組むことが重要であると考えております。  そこで、県では、今年度、新たに地域の企業グループによる技術高度化の研究会や新製品の試作品開発を支援する補助制度を創設したところでございます。この制度では企業グループが地方事務所や工業技術総合センターと連携することを条件としておりまして、地域内での連携強化を図る仕組みとなっております。  例えば、塩尻市におきましては、ものづくり企業のグループの動きでございますけれども、塩尻市振興公社、松本地方事務所、県の工業技術総合センターと連携し、中山間地向けの安価な小型電気自動車の試作品づくりを進めております。今年度は、このような取り組み、4グループの連携事業を支援してまいりたいと考えております。  県といたしましては、この制度の有効活用によりまして、引き続き地域の企業グループと県や支援機関が連携する取り組みを支援してまいりたいと考えております。  次に、再生支援の実績についての御質問でございます。  長野県では、平成15年に中小企業振興センターの中に中小企業再生支援協議会を設置いたしまして、県内の金融機関、商工会議所、商工会などと連携して中小企業の再生計画の策定を支援するとともに、金融機関を初めとする関係者との調整を行ってまいりました。  この協議会における実績でございますけれども、設置からこの10月末までの相談企業件数は734件となっております。また、再生支援計画の策定完了件数は235件となっております。現在、それぞれの企業がその事業再生に取り組んできたところでございます。  なお、この支援実績につきましては、昨年度、そして一昨年度の目標達成率が全国トップであったことから、中小企業庁長官が直接長野を訪れ、この協会を表彰するなど、高い評価を得ているところでございます。  また、ことし6月に、あらゆる課題に対して専門家と共同して解決を図る長野県よろず支援拠点を開設いたしました。現在、商工会議所などが開催する金融相談会や、金融機関や弁護士会の専門セミナーへの参加など、関係機関との連携を密に取り組んでいるところでございます。今後は、金融機関、商工会議所、商工会、そして認定支援機関などとの連携をさらに強化し、支援企業数をふやすとともに、企業再生ファンドを用いた債務放棄など、その専門的知識を活用した高度な支援も実施してまいりたいと考えております。  次に、事業引継ぎ支援センターと後継者バンクについての御質問でございます。  議員御指摘のとおり、近年、県内の中小企業の後継者の不存在や経営者の高齢化を背景に、中小企業が有する技術や人的ネットワークなど貴重な経営資源の喪失が懸念されております。また、地域の雇用確保のためにも、事業承継は地域経済の重要な課題の一つと認識しております。  県では、事業の将来性、発展性などが見込まれる中小企業の事業承継を総合的に支援するため、ことし2月に事業引継ぎ支援センターを開設いたしました。この事業引継ぎ支援センターでは、事業承継の専門的知識を有するスタッフが幅広く相談に対応するとともに、地域の金融機関や商工団体で構成する金融機関等連絡会などでこのセンターの活動を周知してまいりました。さらに、11月には長野県後継者バンクを開設し、後継者を探す事業者と創業を希望する方をマッチングする事業引き継ぎの支援にも取り組んでいるところでございます。  これまでの実績でございますけれども、事業引継ぎセンターでは、ことし2月の開設から先月末まで延べ159件の相談があり、1件の成約がございました。なお、後継者バンクは、開設間もないため、現在、登録者の掘り起こしに鋭意努めているところでございます。  最後に、事業承継に関するアンケート調査の結果についての御質問です。  ことし6月から7月にかけまして、商工会議所、商工会の会員企業様約3万社を対象にこの調査を実施いたしました。その結果、事業承継をまだ決めていない、後継者を決めかねているなど、約6割の企業が事業承継に課題を抱えていることがわかりました。業種別に見ますと、課題を抱えているのは飲食業が66%と最も高く、次いで運輸業が61%となっております。また、規模別では、個人事業者が62%、資本金1,000万円以下の法人が58%、1,000万円を超える法人が53%と、規模の小さな企業ほど不安を抱えております。  また、事業引継ぎ支援センターの認知度でございますけれども、知っている方が7%でございました。しかし、今回、約3万社に及ぶアンケート調査でかなりセンターの存在を周知できたものと考えております。実際、この調査後、相談件数も大幅に増加しております。今後は、セミナーの開催やホームページによる情報提供のほか、具体的な成約案件など活動内容を紹介する広報活動を強化してまいりたいと考えております。また、引き続き金融機関や商工団体とも案件の掘り起こしを図りつつ、一つでも多くの事業承継を実現してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔32番小松稔君登壇〕 ◆32番(小松稔 君)今の答弁の中にも、地域の企業を支えるいろいろな団体名が具体的に示されたように、そこに商工会議所等のお力が大きく動いているということも事実でありますので、ぜひ含んでいただきたいと思います。  地域の企業、団体が信頼を寄せ期待している、地域の実情を知り尽くした地域支援機関との連携をさらに深めて振興策を前進をさせてほしいというふうに思うわけであります。要望をさせていただきたいと思います。  そして、県がいろいろな対策のために設置をしたその機関がなかなか県下に十分な認知がされていない等々の課題につきましては、私以上に担当部署が御承知をされているというふうに思いますので善処を願いたいと思うわけであります。  そして、地域力を保ち強化をしていく、これには産業力の強化が欠かせないわけでありまして、企業の再生、あるいは承継、創業、起業、この支援策の拡充と対応についてスピードも事を成し遂げるには大切な条件の一つ、勝負に大きな影響を与えます。ぜひ、求めるそうした企業、団体と呼吸をあわせて迅速かつ的確な対応を要望し、加えて、後継者が不採算部門から撤退し、新分野に挑戦する等のいわゆる第二創業を行う際の支援策についても整えていただきたいと願うところであります。ぜひ研究をいただき、ここでは総合的な支援を求めておきたいと思います。  次に、高齢者ケアと地域の介護力についてであります。  高齢化問題は、長寿化の進展、人口高齢化の進行、世帯規模の縮小や女性の就労拡大、共働き世帯の一般化、扶養意識の変化による家族での介護能力の低下、社会全体の経済状況の変化などにより、その複雑さを増してきています。  平成25年版の「高齢社会白書」によれば、総人口は前年度より28万人減少にもかかわらず、65歳以上の高齢者は104万人増加して3,079万人になったと公表されたのであります。この高齢化現象は今後もさらに続き、団塊の世代が全て65歳以上になる2015年、来年なんですが、3,395万人になり、ピークは2042年には3,878万人になると試算されたと記されておりました。  超高齢化社会の重要課題として、ここでは認知症対策の施策体系について健康福祉部長にお尋ねをいたします。  御承知のとおり、認知症という疾患は現在のところ根治治療はないと言われているわけでありまして、医療は、後方支援やあるいは周辺症状が増悪した場合の緊急支援が主である、また予防医療であると言われているわけであります。  身近に実証例でもなければさほど不安もなく過ごしていますけれども、今の対応の基本を担うのは看護と介護であり生活支援である、これもまた事実の姿です。地域の中でどんどん高齢化が進むにつれ、県民には高齢化対策の中でも特に認知症対策を望む声がひときわ大きくなってきています。  介護保険制度が平成12年に実施され、当初、認知症がここまで大きな社会問題になることは想定されておりませんでした。これまで介護ケアを中心に取り組みが進められてきたのは、それが要因であると思われます。  しかし、認知症は、まずは正しい診断がなされ、その上に立って治療と介護が行われる必要があり、周辺症状が進行した場合、身近な地域で的確な医療的サポートがなされるよう医療の体制と質を向上させることが急務であると思われます。介護する家族はもとより、介護現場からも専門医療の充実を求める声は大きいものがあります。  厚生労働省も、平成20年度から認知症疾患医療センターを整備していくとする補助事業をスタートをさせています。  そこで、県内における整備の現状と課題についてお示しをいただきたいと思います。  また、医療体制、介護体制、地域支援体制などが連携して県内認知症医療水準の向上を図るための施策の体系と強化策について先進事例が示しているのを見ますと、厚生労働省が進める認知症疾患医療センターを、県全体を統括する基幹型センターと地域拠点型センターの2層構造としている、こうした配置が事例の中にあり、目を引くところであります。これに、かかりつけ医や医療や介護の資源と連携しながら、認知症専門医療を県民に提供していこうとする独自の試みもあちこちで実践されております。  この地域拠点型病院の配置と整備については地域包括支援センターで想定する対象人数が一つの目安になるのではないかと思われますが、対象がふえ続ける要素を持つだけにきめ細かな対応をしていく体制が求められているものと思います。  そこで、県内全域を何カ所のセンターでカバーできると考えているのか。健康福祉部長にお尋ねをいたします。       〔健康福祉部長小林透君登壇〕 ◎健康福祉部長(小林透 君)高齢者ケアと地域の介護力につきましての御質問に順次お答えをいたします。  まず、認知症疾患医療センターの現状と課題についてでございますが、このセンターは、地域における認知症医療の拠点として、認知症に関する専門的な相談や診断、治療方針の選定を行うとともに、身体合併症のある患者の緊急入院を受け入れるなど、専門性の高い医療を提供する役割を担ってございます。  本県では、平成21年度から、国の補助事業を活用いたしまして、必要な医療スタッフや、検査や入院などの医療体制が整っている医療機関を認知症疾患医療センターとして順次指定してきており、現在、東信、中信、南信に設置したところでございます。  平成25年度にスタートいたしました信州保健医療計画では、県内の医療水準の均一化を図るため、東北中南の4ブロック、4信全てに1カ所ずつ設置することを目標として掲げてございます。このうち北信ブロックへの設置につきましては、これまで医療機関や関係者との調整に努めてきたところでございますが、引き続きこの設置に向けて取り組んでまいりたいと思っております。  次に、県内全域での認知症医療の提供に対する考え方についてでございます。  認知症患者への医療につきましては早期発見、早期治療が重要ですので、まずは身近な地域において受診できる体制を整えることが必要と考えてございます。  そこで、県としては、地域のかかりつけ医に対しまして認知症の基本的な知識、技術に関する研修を実施し、それを修了した方を認知症相談医として県内各地域に533名配置してございます。さらに、かかりつけ医に対する指導助言を行う認知症サポート医を置くことにいたしまして、専門的な知識、技術を習得していただくよう国の研修に県として派遣をいたしまして養成し、62名配置をしておるところでございます。  このように、地域に配置したかかりつけ医や認知症サポート医の診察により、より専門的な診断や治療が必要と判断された方については、地域型センターとして現在設置されてございます認知症疾患医療センターと連携することで患者の状態に応じた適切な医療を提供してまいりたいと考えております。  また、そうした医療体制とともに、在宅で認知症が疑われる高齢者に対しましては、市町村が設置、派遣いたします認知症初期集中支援チームにおいて早期に医療機関とともに地域包括支援センターなどの介護セクションが連携した支援に結びつけていくということが必要であるため、県としましては、その設置を促進し、職員の資質向上について支援をしてまいりたいと思います。  これらによりまして、県内のどの地域に住んでいても認知症の早期診断から専門医療、介護まで切れ目のない医療が、あるいは介護が提供される体制を整備いたしまして、認知症の方が住みなれた地域で安心して暮らし続けられるように取り組んでまいりたいと思います。  以上であります。       〔32番小松稔君登壇〕 ◆32番(小松稔 君)現場を支える人材の確保があすの大きな課題であると、そんなふうに思っていましたら、想定外の相談員533名、サポート医62名という答弁をいただいて、これから整備が求められる現場の対応を考えた取り組みが進められているということを確認できました。  少し安心をしながら、各地で若手の認知症の専門医というものの確保や体制を整えること、またそうした養成をしていく場づくりに努力も図られているわけでありまして、引き続きそうした点にも力を入れていただきながら、そして、施設につきましては国の補助事業を生かしながらも県民が安心できる長野県独自の体制の整備を求めまして、質問を終わります。 ○議長(風間辰一 君)次に、髙橋岑俊議員。       〔9番髙橋岑俊君登壇〕 ◆9番(髙橋岑俊 君)それでは早速質問に入らさせていただきます。  まず、国の政策の活用についてでございますが、国土強靱化基本法によれば、その基本理念は、「東日本大震災から得られた教訓を踏まえ、必要な事前防災及び減災その他迅速な復旧復興に資する施策を総合的かつ計画的に実施することが重要である」とうたい、その基本方針には、国家及び社会の重要な機能が致命的な障害を受けず、維持され、我が国の政治、経済及び社会の活動が持続可能なものとなるようにすること、また、もう一つ、施設等の整備に関しない施策と施設等の整備に関する施策、つまりソフト施策とハード施策を組み合わせた国土強靱化を推進するための体制を早急に整備することが掲げられております。  また、施策の実施につきましては、国は国土強靱化計画により、都道府県、市町村は国土強靱化地域計画により行うこととされております。  また、もう一つ違う法律でございますが、地方創生関連法を見ますと、これは先月成立しましたものでございますが、その目的は、東京一極集中を是正し、地方人口の減少の歯どめにあります。そして、その実施においては、従来の施策の延長線上のようなものではなく、思い切った発想の転換、大胆な施策、インパクトのある施策を求めております。  そこで、飯田、下伊那の地域を考察いたしますと、50年前、いわゆる三六災害こそありましたが、降雪や、あるいは地震、台風、こういうものが極めて少なく、当然山国でありますので津波もございません。大規模自然災害の発生がほとんどない安全な地域であります。  また、リニア中央新幹線の開通により、東京、名古屋、大阪の大都市圏とは1時間以内で結ばれ、時間的距離が一挙に縮まり、便利な地域となります。  一方、人口動態について見るに、長野新幹線開通後の佐久平駅周辺は東京方面へ通勤する移住者等を中心に着実に増加しておるようでございます。  リニア中央新幹線の県内駅は、東京方面に限らず、名古屋、大阪方面への通勤を可能とし、移住者を含め、駅周辺の人口は確実に増加するものと見込まれます。また、地元出身者は、転勤することなく、通勤により人口減少に歯どめをかけることができます。  ところで、リニア中央新幹線車両基地の飯田、下伊那地方への誘致が実現しておれば、2,500人ともあるいは3,000人とも言われる雇用とその家族を含めた人口増加を図ることが可能であったと考えられますが、その機会を逸したことはまことに残念でございます。地域ではこの誘致を熱望しておりましたが、結果的には実らず、仮に県が先見性と指導力を発揮していただいておれば実現していたのではないかとも考えるところであります。  そこで、これに匹敵する施策はないかと模索しておりましたところ、国土強靱化と地方創生の政策が浮上し、そこで、まさにリニア中央新幹線を最大の強みとして、国土強靱化の施策と地方創生の施策を同時に満たす国の行政機能バックアップ拠点の誘致をすることがいいんではないか。もしこれが誘致できれば、飯田、下伊那地域の振興及び活性化はもちろんでございますが、ひいては長野県の発展にもつながると考えられます。この誘致策について阿部知事に御所見を伺います。  次に、リニア中央新幹線関連活用についてでございますが、まず観光客の誘致と県内駅の活用でございますが、長野県リニア活用基本構想が作成され、リニア駅周辺整備に係る機能と規模についての第1回検討会議が開かれ、その検討結果を見ますと、商業関係では信州の産品を扱う商業施設と利用者の利便性に配慮したサービス施設、カフェスペース、あるいはコンビニエンスストア等を念頭に置いて書いておられたようでございますが、これでは今までの在来線の駅とイメージ的には大差がないというふうに感ずるわけでございます。  飛行機に匹敵する画期的な交通手段で、しかも年間1億人とも言われる通過客が見込まれる中、この中には国内旅行者を含め外国人旅行者も含まれるわけでございますが、この通過客を当駅へおりていただくというようないわゆる誘客対策が見えてこないのでございます。特に、外国人を誘客するには、今までと考えを変えまして、免税品の販売、あるいは外貨の交換場所、あるいはブランド品販売等のスペースを確保する等、既存駅の発想から脱却して積極的に誘客する手だてを講じておかねばならないのではないかと考えます。  また、将来を見据えたとき、漠然とした商業スペースでなく、私は、公共性の高い自治体等を優先した、例えば下伊那広域連合14市町村がそれぞれ直接管理するような商業スペース、また隣接の上伊那広域連合が管理する商業スペース、また今回始まりました銀座NAGANOに見られるような県が管理するスペース等を確保しておくことが重要と考えております。恐らく、半世紀、1世紀後を見据えますと、その必要性は御理解いただけるのではないかと思うわけです。  これらのスペースは恐らく駅舎の外づけとなり、当然用地の確保等も必要となりますが、検討結果書では交通関係の整備に重点が置かれておりまして、こうした自治体参加や観光客誘致等のいわゆるソフトやハードを具体的に織り込んだ十分な用地面積の確保等については述べておられませんが、こういう施策につきまして知事はどのようにお考えをお持ちか。御所見を伺います。  次に、駅周辺施設でございますが、国の内外の人と物が集う場を核とした集積がイノベーションを起こし、世界の人、物、金、情報を引きつけることになります。それには、この核となる場、つまり会議場や展示場、イベント会場等、複合的機能を有するコンベンションセンターが最も効果的と考えられます。  50年に一度の交通革命として登場するリニア中央新幹線は、県南部をリニア中央新幹線ベルト地帯に組み入れ、名古屋圏の構成員として、東京、大阪、名古屋、3大都市圏6,015万人の世界一のスーパーメガリージョンの仲間入りをさせてくれることになります。加えて、長野県駅は、中央新幹線ベルトのほぼ中間に位置し、所要1時間以内と絶好のポジションを獲得することになります。  また、南アルプスと中央アルプスに囲まれ、豊かな自然に恵まれたリニア県駅周辺は、スーパーメガリージョン入りすることによりコンベンションセンターを軸として複合的な機能を持つ事業が可能となり、地方創生の成長戦略手段として、また伊那谷を含む将来の長野県全体の発展を招くに最も適した施設になると信じております。  先月、神戸市にある一般財団法人神戸国際観光コンベンション協会を委員会調査いたしましたが、施設は自治体が建設、そして所有し、協会は指定管理者として業務受託する傍ら独自に10事業を運営し、受託料を含め全体収入は30億円を超えるものでありました。  国家的プロジェクトであるリニア中央新幹線を最大限利活用するには県内駅に直結するコンベンションセンターの設置が有力と考えますが、阿部知事の御所見を伺います。  次に、航空関連産業についてでございますが、いわゆる小型飛行機の産業でございますが、リージョナルジェット、RJと言いますが、これは2012年値で、ブラジルのエンブラエル社が世界の43%、カナダのボンバルディア社が30%、その他27%となっており、この27%の中にはアメリカのボーイング社やあるいはロシアのスホーイ社、中国の中国商用飛機社等がございます。ここへ日本の三菱重工業の子会社である三菱航空機社が、MRJでございますが、小型ジェット機メーカーとして参入してきたところでございます。  先般、知事におかれましては、ブラジル訪問の際、アメリカのボーイング社にも寄ってこられたということで、大いにその知識を深められたんではないかなと思うわけでございます。  そんな中、飯田、下伊那地区は、言うまでもなく、アジアナンバーワン航空宇宙産業クラスター形成特区として、航空機産業分野において中部5県の連携の中で大きな発展が見込まれるところでございます。  ところで、ブラジル・エンブラエル社は世界シェア43%と圧倒的な地位にありますが、この原動力となっているのがブラジル国立工科大学ITA(航空技術研究所)でございますが、国内では難関大学として知られ、優秀な人材を送り出してきております。  日本では今までアメリカ・ボーイング社へ部品の供給をしてまいりましたが、米国の政策もあり、エンジンを初め心臓部分ともいうべき重要な部分の部品については受注獲得ができなかったところでございます。  これから日本国内において、航空機産業、特に小型機の部品から製造、メンテナンス等、将来需要の大幅な伸びを考えたとき、航空機産業は大きな成長が望める分野でございますが、一方、業界における技術革新や材料革新等の研究開発の面におきまして国際競争が激しくなることが予想され、今から優秀な人材の育成と発掘が必要となると思われます。  時代の要請により、いずれどこかで航空機産業全般にわたる総合教育機関誘致の声が上がると思いますが、リニア基本構想の伊那谷交流圏のリニアを生かした産業振興の取り組みの具現化の一つとして、アジアナンバーワン航空宇宙産業クラスター形成特区を後ろ盾に、他県に先駆けてアジアナンバーワンの国立の航空技術研究の工科大学を今から誘致されてはいかがかと感ずるところでございます。阿部知事の御所見をお伺いいたします。  次に、県営信州まつもと空港がございますが、ここを飛行試験場としてメーカーの利用を誘致したり、あるいはメンテナンス場としてメーカーあるいは地元企業の新たな参加を求め活性化することは可能と考えておりますが、いかがでございましょうか。石原産業労働部長にお伺いします。       〔知事阿部守一君登壇〕
    ◎知事(阿部守一 君)リニア新幹線に関連しての御質問にお答えしたいと思います。  まず、国の政策の活用ということでございます。  もとより、国土強靱化あるいは地方創生の動きの中で、御指摘のあったようなリスク分散あるいは東京一極集中の是正というのは、これは国全体でしっかり進めてもらわなければいけない話だというふうに思っております。  今回のリニア活用基本構想の中におきましても、首都直下型地震などの災害からのリスク分散を求める企業の新たな拠点づくりが可能な地域という形で位置づけさせていただいているところであります。  リニア駅、中間駅が幾つかできるわけでありますので、そうした地域と差別化して選ばれる地域にしていく上では、地域の将来像というのを地元の皆さんの思いとしっかりすり合わせをして明確にしていくということが必要だというふうに思っています。そういう観点で、今、行政のバックアップ機能も含めてお話がありましたけれども、飯田、下伊那地域の振興策、伊那谷自治体会議を活用して地域の皆さんと一緒に固めていきたいというふうに考えています。  それから、リニア駅の周辺整備でありますけれども、駅周辺整備の検討に関しまして、外国人旅行者誘致のための施設、あるいは自治体が管理をするスペース、そうしたものを織り込んではどうかという御提案でございます。  これも、基本構想の中で、駅及び駅周辺には、交通機能に加えまして、観光、商業、交流の機能も兼ね備える必要があるというふうに記載をさせていただいているところであります。  現在、飯田市において、この基本構想を踏まえた上で、私ども長野県も加わって駅周辺整備構想の策定に向けた検討を行っています。御提案の趣旨も踏まえて、リニア駅が地域の核として望ましい機能を有することができるように地域の皆様方と一緒に考えてまいりたいと思っております。  それから、リニア駅に直結するコンベンションセンターの設置という御質問でございます。  伊那谷、リニア新幹線の整備を契機として、首都圏、中京圏はもとより、世界とつながる地域に変貌させなければいけないだろうというふうに思っています。リニア活用基本構想の中でも、目指す姿として「グローバルな知の集積と交流の拠点」ということを掲げています。  国内外からの来訪者の受け入れについても考えていく必要があるわけでありますが、御指摘ありましたコンベンション施設についても、駅周辺整備の検討と同様に、県の参加している検討会議あるいは伊那谷自治体会議の中でも議論をしていきたいというふうに思っています。  公共が取り組むという観点だけではなくて、やはり民間資本が積極的に投資を行ってもらえるような地域をつくっていくということも重要だというふうに思っています。今後の検討の中で望ましい地域像を描いていきたいと考えています。  それから、航空関連産業についての御質問でございます。  国立の航空技術研究の工科大学誘致についてであります。  御質問にもありましたが、今回、ボーイング社の工場見学をしてまいりました。非常に航空機産業の将来的な発展性というものを強く実感をさせていただいたところでございます。長野県も、本年6月に、アジアナンバーワン航空宇宙産業クラスター形成特区に参画をしたわけであります。税制、金融上の支援措置、ものづくり産業応援助成金の優遇、クラスター拠点となります貸し工場整備への補助等を通じまして地域の航空機産業を支援をしております。  特区では、本県のほか、愛知県、岐阜県、三重県、静岡県、この5県の連携でアジアナンバーワンクラスターの形成を目指しているわけでありますが、現状では、航空工学科を持つ名古屋大学あるいはJAXA(宇宙航空研究開発機構)の研究所などの研究機能や高度人材育成機能は愛知県に立地をしているところでございます。こうしたことから、当面はこうした既存施設の利活用を進めていくべきものというふうに考えておりますが、今後の状況を見ながら技術支援や人材育成などのあり方について検討していきたいと考えています。  航空機産業は、長年にわたり部品を供給できる安定した経営基盤あるいは厳しい品質保証が求められるところでございます。  今後とも、資金面あるいは技術面について、関係機関とも連携して、息の長い支援に県としても取り組んでまいりたいと考えています。  以上です。       〔産業政策監兼産業労働部長石原秀樹君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹 君)信州まつもと空港への航空機の試験場の誘致、またはメンテナンス場としての利用についての御質問でございます。  航空機の試験は、通常、機体の組み立て工場に隣接した飛行場で行われております。国産初のジェット旅客機でございますMRJも、飛行試験は組み立て工場に隣接しました名古屋空港をメーンに行われる予定でございます。また、メンテナンスも、作業効率の観点から、就航便の多い羽田や成田など大きな空港で行われているのが実情でございます。  お尋ねの信州まつもと空港は、山に囲まれ空域が狭いこと、メンテナンスを行うための大規模な格納庫などの設備がないことなど幾つかの課題がございます。これらのことから、現状では信州まつもと空港の試験場やメンテナンス場としての活用は大変厳しい状況にあると考えております。  しかし、将来有望な航空機産業とのかかわりは重要であると考えますので、産業振興の面からも広く信州まつもと空港の活用の可能性を探ってまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔9番髙橋岑俊君登壇〕 ◆9番(髙橋岑俊 君)知事より今お答えいただいた中で、自治体だけでなくて民間業者というようなお話がありましたが、実は、自治体がある程度優先した場所を持つという話の中には、駅周辺の近隣の市町村だけが利を得るんでなくて、離れていても、特産品からいろいろあったりして自分たちの町村の特徴を生かすスペースを確保したいということで、何町村かの首長さんに状況を聞いたら、それはありがたい、そうすれば俺たちも平等に参加しておるという参加意識が持てる、こういうお話をいただいたからこういうことを申し上げました。  また、飯田、下伊那だけがよくなればいいんじゃなくて、隣接する上伊那連合の皆さんたちも同じでございますし、当然、長野県に一つしかない駅ということになれば長野県全体にわたる広域的なものの考えの中からやっていかなきゃいけないんじゃないかということから知事にお話申し上げましたので、ぜひ、多くの自治体の人たちも、それから、長野県全体の皆さんたちが関心を持てる、あるいは自分が直接間接でも関係しておるなという思いを持っていただけるような駅になっていただきたいと、こういうことからお願い申し上げた次第でございます。  それから、駅周辺のコンベンションセンターにつきましては、これは恐らく六、七千万人から1億人の人たちが通過するわけでございまして、今までにない状況で、私どもも予測がまだ立たないと。だけれども、東京、名古屋、大阪という大動脈の中を脈々と熱い血が流れるわけでございまして、飯田、下伊那地方、あるいは県の南部の人たちが初めてそういうところに参画できるということで夢なり希望がようやく今度は実現の方向になったと。確たる将来を予測できるわけではございませんが、必ずや発展していくものというふうに考えておるわけでございます。  また、先ほど航空機関係の技術につきましては愛知県のほうの大学やいろいろが既に予定されているようでございますが、これは、今まで私どもの伊那谷に高速交通網が全くなかったというまことに僻地に置かれていたことから生まれている現象でございまして、これからリニア新幹線というものを捉えたときには大都市と時間的には全く変わらないと。そういうものを自信を持って、また今までにない強みとして頑張っていただきたいと、こういうふうに思うわけでございます。  時間もなくなってまいりましたが、最後に三遠南信道開通を見据えた拠点設置についてでございますが、静岡県浜松市と伊那谷は100キロで結ばれることになります。比較的疎遠であった静岡県との経済、観光、文化等の交流が活発化すると予想されます。  政令指定都市である浜松市には、スズキ自動車、ヤマハ楽器を初め製品製造会社が多く存在し、道路開通を機に当地方での部品受注機会が発生すると見込まれ、伊那谷の製造加工企業は大きな期待を寄せているところでございます。  また、観光面においても、今まで道路事情が悪い中でもある程度のマイカー客の入り込みがございましたが、道路開通を機にマイカー客の増加とともに新たに観光バスの大幅な流入が見込まれるところでございます。  したがって、道路開通前から受注リサーチあるいは観光施策の現地拠点が必要となってくると考えられますが、その拠点を浜松市あるいは静岡県内に設置してはどうかと考えておるところでございます。仮に名古屋事務所で対応するにいたしましても、スタッフの充実、費用、時間的ロス等解決しなければならない課題があると思いますが、石原産業労働部長にお伺いします。       〔産業政策監兼産業労働部長石原秀樹君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(石原秀樹 君)浜松市または静岡県内への現地拠点の設置についての御質問でございます。  三遠南信地域は、今後、三遠南信道の開通に伴い、ものづくりや観光などさまざまな分野において大きな可能性を秘めた地域であると認識しております。  県では、静岡県、愛知県、岐阜県、三重県を含む中部圏を所管する事務所として名古屋事務所を設置しております。現在、名古屋事務所では、議員御指摘の東三河や遠州地域を含む愛知県、静岡県両県にかかわる企業誘致や観光PR、また、長野県産の農産物の販路拡大を図るとともに、中小企業振興センターの発注開拓推進員による市場開拓にも積極的に取り組んでいるところでございます。  浜松市または静岡県内への現地拠点の設置についての御提案ですけれども、新たな事務所の設置はさまざまな制約がある中で慎重な検討が必要かと考えます。よって、当面は中部圏を所管する名古屋事務所を拠点としまして、県内事業者や関係市町村などと一層の連携を図りながら、引き続きこの地域での市場開拓や観光PRに取り組んでまいりたいと考えております。  なお、中部圏の将来的な支援体制のあり方につきましては、三遠南信道の開通後の交流の状況などを見きわめながら検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔9番髙橋岑俊君登壇〕 ◆9番(髙橋岑俊 君)リニア中央新幹線を通しましたいろいろの課題につきましては、大変問題もありますけれども非常に可能性を秘めているということから、私どももこれから積極的にまた提案をして悔いのない実施になるように頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上をもちまして全ての質問を終わりとさせていただきます。 ○議長(風間辰一 君)次に、両角友成議員。       〔16番両角友成君登壇〕 ◆16番(両角友成 君)日本共産党県議団の両角友成です。私は発言通告に沿って一般質問を行います。  質問に先立ち、11月22日夜10時8分に発生した長野県神城断層地震によって被災された皆様に心よりのお見舞いを申し上げます。  それでは質問に入ります。地震による災害に関係し、長野県の防災対策について伺います。  私は、地震発生の翌日23日朝に、白馬村神城堀之内地区と小谷村中土に入りました。テレビが飛び、たんすが倒れ、家が潰れ、暗闇の中どうやってはい出したか覚えていない。瓦れきのすき間から助け出された2歳の男の子。崩れた家屋の下から救出された高齢者。十数棟が倒壊、重傷者を出しながらも犠牲者はゼロ。一時、娘とともに倒壊した自宅の中に取り残された男性は救出されたことが奇跡のようだと感謝の言葉があったとの報道もあります。  この地域は、古くから住民同士のつながり、助け合いがされ、今回の地震では救急隊とともに力を合わせ、必死の救出劇が。納屋にあったジャッキですき間をつくり救出したとの話も伺いました。あの惨状、奇跡とも思える犠牲者が出なかったこと。暖房を使う時期なのに火災の発生がなかったことも幸いでした。  すぐ雪が来る季節、雪深い地域であり、仮設住宅の建設に先駆け、村営住宅、保養センター、旅館、民宿等、住環境を整える必要性を23日時点で感じてきました。  小谷村の避難所では、備蓄分の食料は底をつき、カロリーメイトが朝食であった、昼は持ち寄りの米でおにぎり、配水池に亀裂が生じたためか水道は断水、水がなく、水洗トイレは近くの池からバケツで、皆さんがこの避難所に来られたんだから迂回路はあるんだろうと思いますが、ここ避難所にいると、国道148号線が通行どめだけがテレビニュースでわかるだけで詳しくわからない、きょうは休みだが、果たして職場に行かれるのか心配です等、地震、雷、火事等、古くから怖い順の一番先に上げられた地震災害に遭ってしまった皆さんであり、大変な状況が見てとれました。  そこにもろもろの情報が伝わらず、いら立っておられました。無理からぬことだというふうに受けとめられました。紙ベースでの情報伝達が必要とも感じました。ファクスが避難所に必要とも。他の方からは、村のケーブルテレビがあるが、被災に関係する内容に早い段階で切りかえてほしいとの要望も。小さい子供もいましたし、若い女性も一緒の部屋でした。  この状況を自治体職員が避難所に来ていないため正確に把握されておらず、自治体や関係機関に伝わっていない現状がありました。発災直後であり、地元被災者からいろいろな心配事や要求が出てくることは当たり前であります。職員がいたらどんなに心強いか。県として、被災住民に寄り添った支援を、地元自治体と一緒になって、専門職がいる県がメーンに中心に座って行ってほしいと願うものです。どこの自治体も職員数がぎりぎり、合併地区は支所となり、職員は激減しています。職員の皆さんも被災者であります。  長野県内、どこの地域で災害が発生しても、県として物心両面の緊急の支援の必要性を強く感じています。栄村などの災害を踏まえて物資の提供については敏速な対応ができていると思いますが、県として災害時の人的支援についてどう考えているか。  本日午前の宮本議員の質問、答弁で交代要員の体制の重要性が言われていましたが、このことも含め、今後どういう形で支援していくか。総務部長に伺います。  あわせて、今回の神城断層地震においてはどのような支援体制をとっているか。伺います。       〔総務部長太田寛君登壇〕 ◎総務部長(太田寛 君)被災市町村への人的な支援についての御質問でございます。  大規模な災害発生時におきまして、被災市町村ではさまざまな面でマンパワーが必要となることから、一刻も早い復旧に向けた必要な人的支援を行うことが重要であると認識しております。このため、県では、県の地域防災計画に基づきまして、市町村等と連携を図りながら速やかに職員を派遣しているところでございます。  今回の神城断層地震における人的支援としては、例えば、災害発生当初の段階で設置された避難所に保健師を派遣し、健康状態の把握あるいは健康相談などを実施したり、さらに、技術職員によります現場調査や設計の積算を通じまして道路や水道などの復旧に向けた支援を行っております。また、罹災証明書の発行支援あるいは住宅総合窓口の開設によりまして住民の皆様の生活再建を支援しているところでございます。これらは、今お話のございました交代要員も含めたローテーションによる派遣も行っているところでございます。  このような支援につきましては、状況や段階の変化に応じまして、本庁、現地機関を問わず、各部局が連携して支援しているところでございまして、今後も被災市町村の要望を伺いながら支援をしてまいりたいと考えておるところでございます。       〔16番両角友成君登壇〕 ◆16番(両角友成 君)現場では大変な状況が続いていますが、県として頑張っていただきたいと思います。  次に、近い将来、長野県内で高い確率で大地震が起こる予測もあります。3.11以降、県北部地震、6月30日の松本での県中部地震、御嶽の噴火、今回の神城断層地震等、長野県内の活断層を詳しく知り、住民に知らせ、備えを怠らないことが重要と考えます。  津南松本構造線、糸魚川―静岡構造線、伊那谷断層帯、阿寺断層、3.11以降、日本列島全体にひずみが高まっていると言われている以上、県の防災計画を現状に合ったものに必要な部分を手直しし補強する時期かとも思われます。高齢者も多くなっている県内です。災害に強い町づくり、地域づくりに取り組む必要があります。  今回の地震の教訓からも、ふだんの住民同士のつながり、助け合いの重要性が確認されましたし、避難所の耐震化、食料の備蓄、上下水道、防火水槽の耐震化、生活道路の整備、橋梁の補修整備等生活インフラを含め早急に手をつけていくことが必要と考えますが、いかがでしょうか。  今回の地震を受け、今後、県全体の減災対策、備えとして具体的に何をどう進めていくお考えか。広範囲に及びますが、総括的に危機管理部長に伺います。  次に、知事に伺います。  被災者生活再建支援制度ですが、全壊、半壊の方に支援金が支払われる制度と承知しています。長野市内でも、半壊まではいかなくても、家屋にかなりの被害が出ています。危機管理建設委員会で、12月1日、白馬、小谷村を中心に災害現場を調査した折、大町市旧美麻村川手地区の被災地域に入りました。知事も先ごろ地元の諏訪県議と調査に入ったと聞いています。  合併地区であり、職員数も激減し、手が回っていないことも感じましたが、そこで、大町市長の現状説明の中に、大町市には全壊の家屋はないが、半壊から一部損壊まで多数ある、県の制度に倣い、市独自で半壊は県と同じ50万円を県の制度に上乗せし支給する、財政力がないうちではあるが、家屋の5%以上に損壊があれば、20万、30万、40万、50万円と損壊の程度によって支援をしたいとのお話でした。  見舞金については、西沢議員の質問の中にもありましたが、長野市でも、善光寺一帯、箱清水地域など、半壊とはいかなくても広範囲に被害が出ています。  この際、長野県として、見舞金、支援金制度を一部損壊も含めて拡大することが必要と考えますが、いかがでしょうか。知事に伺います。       〔危機管理監兼危機管理部長青柳郁生君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(青柳郁生 君)減災対策についての県の考え方について答弁申し上げます。  減災対策につきましては、県民、家庭、地域、企業、そして行政など、さまざまな主体が一体となって対策を進めていく必要があるというふうに考えております。県民一人一人の自分の命は自分で守るという自覚に根差した自助や、身近な地域で助け合う共助が重要であると認識しております。特に、今回の長野県神城断層地震では、発災直後から地域の助け合いによって被災者の救助が行われるなど、改めて地域の持つきずなの力を再認識したところでございます。  地震による被害を減らすためには、建物の耐震化、防災知識の普及、地震防災訓練の実施といったさまざまな対策を引き続き実施していく必要がございます。県では、これまでも、出前講座の実施や自主防災アドバイザーの設置等により地域の自主防災活動の支援を行ってまいりました。現在策定しております新たな地震被害想定を活用した活断層や地震に対する正しい知識の普及など、今後、地震に対する減災対策について周知、支援を行ってまいりたいと考えております。  今後とも、自助、共助、公助の分野でそれぞれに減災対策を進め、全体として本県の防災力の向上を図れるよう努めてまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)災害見舞金についての御質問でございます。  このことも、昨日藤岡議員にもお話しましたとおり、国、県、市町村、どう分担するかということが基本だというふうに思っています。  今回、私も県としての方針を出させていただきましたが、今回の方針は、被災者生活再建支援法、これの対象にならない市町村の被災者にもまずは同法と同額の支援を行っていこうと。そして、加えて、法律上は半壊の被災者に対しては対象になっていないわけでありますけれども、栄村の地震と同じ額の支援を行っていこうと。そういうことを被災者の皆様には迅速に伝えるということで、早急に方針を出させていただいたところであります。  これを受けて、大町市では半壊、一部損壊の被災者の皆様方に対して独自の支援を行うということを決めていただいたものというふうに考えておりますので、さらにまたそれを受けて県が何かやるというのは、これはぐるぐる回りになるわけであります。  もとより、今回の一部損壊については軽微な被害を含めて状況が多様であります。こうした部分については市町村がきめ細かく対応いただくことが重要だというふうに思っておりますし、市町村の財政負担については、これは、必要なものについては特別交付税等の措置等を国にも求めてまいりますし、県においても町村分の負担については特交の配分等で勘案していかなければいけないというふうに思っております。  そういう意味で、国の制度を踏まえて、県としてやるべきこと、市町村として行うべきこと、そうしたものをしっかり考える中でそれぞれが一体となって被災者の皆様方の暮らしを支えていくということが重要だというふうに考えております。  以上です。       〔16番両角友成君登壇〕 ◆16番(両角友成 君)12月1日に白馬、小谷、大町、旧美麻村に入りましたが、復旧のために特に強く感じたのは国道148号の土砂崩落による通行どめの箇所でありました。白馬村神城通地区、職員同士の話でありましたが、よくあれだけの土砂を短時間に片づけたねと話されていましたが、大変な状況がございました。しかも、そそり立つ崖が大変もろい地層ということで、1回削り落とし、そこにコンクリの吹きつけ作業を夜を徹して行っていると。これからも続けるという現場のお話でございました。早くしないと雪が来ると。ただただ工事関係者に頭が下がる思いと安全を祈るのみでありました。  知事に伺った見舞金の拡充でございますが、ぐるぐる回ろうが、やはり被災地というのは少し落ちついてくるといろいろ新たな箇所も出てくるようですし、せっかく全国に先駆けて県が始めたこと、そのことが経過として大町市に波及したと。それをまた捉まえて県がやる。一つも悪いことではないというふうに思います。ぜひとも早急な検討をお願いいたしまして、次の質問に移ります。  特別支援学級について伺います。  少子化が進んでいますが、障害児はふえており、県内の特別支援学校には定員の倍の人数が学習している学校もあります。その対応として校庭の一部を潰してプレハブの校舎で対応している。何とか教室は確保しているようですが、部活や学年、課題別グループで学習する教育確保ができていない。特に体育館や音楽室は従来のまま。教職員の駐車場確保もままならない状況があります。校舎の移転、新築、あるいは用地を確保して増築の対応をすべきであると考えますが、教育長に考えをお聞きします。  次に、障害を持つお子さんが満車状態の送迎スクールバスに1時間以上も乗っている現状は憂慮すべき事態です。大雪のとき3時間も乗車していた話も。これを受け、例えば安曇野市では市が補助してでも生徒の通学の環境を改善すべきだとの声もあります。早急な改善を求めますが、考えを教育長に伺います。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)特別支援学校につきまして2点御質問をいただきました。順次お答えを申し上げます。  まず、校舎の新築、移転等についてのお尋ねでございます。  児童生徒の増加により教室が不足をしてございます特別支援学校の校舎については耐用年数を経過したものはないことから、児童生徒の増加に伴う教室不足には新築ではなく校舎の増築により対応してきたところでございます。校舎の増築に当たりましては、学校と相談しながら、できるだけ児童生徒や教職員の教育活動に支障が出ない場所に設置するよう努めてきたところでございます。  また、学校ごとの教室増設のほかに、特別支援学校の過大化、過密化への対応においては、長野地区では児童生徒数の減少した学校の敷地内に分教室を設置するなどの取り組みを進めてきたところでございます。また、中信地区につきましても、本年度、有識者による協議会において特別支援学校のあり方を御検討いただいているところでございます。  今後、児童生徒数全体の減少が見込まれる中で、特別な支援を必要とする児童生徒数の見込みやそれぞれの地域の状況を勘案しながら、特別支援学校の学習環境の改善に引き続き努めてまいりたいと考えてございます。
     次に、通学環境の改善についてのお尋ねでございます。  スクールバスにつきましては、利用者の増加に伴い順次増車や大型化を進めるなど送迎環境の改善を図り、現在、12校に34台を配置しているところでございます。  バスの運行に当たっては、利用を希望する児童生徒の居住地や地域全体の交通事情等を踏まえ、各学校において運行経路と停車場所を定めているところでございます。通学区域が広範囲に及ぶ学校では乗車時間が長くなる場合もございますが、1日の乗車時間が極力長くならないよう往路と復路で乗降順を逆にするなど運行経路を工夫するとともに、全てのスクールバスに学校の職員が同乗して児童生徒のケアを初めとした安全確保に当たっているところでございます。  今後とも、児童生徒の状況や保護者の要望等を十分把握しながら、スクールバスの適切な配置と運行における児童生徒の安全確保に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔16番両角友成君登壇〕 ◆16番(両角友成 君)大事な問題であり、再質問いたします。  安曇養護学校の開校時の定員は約90名、それが今は180名、松本養護は150名の定員が今は300名と。これでは勢い過密になってしまうのは当たり前で、プレハブ対応、満車のバスの送迎、職員室とは言えないぎっしり机が詰まった、そこに連絡用のものであるのか箱が置いてある程度と。職員会議は食堂を代用する。朝の会議は会議室で立って行う。どちらの学校も同じような状況であります。教育力が下がるということではないでしょうか。  過密解消のために実際に行われている、今教育長から分教室の答弁がありましたが、分教室は保健室もなく、けがをしても即対応できない。分教室にて学習している子供さんは、学校行事そのものには当日参加するが、例えば文化祭、音楽会、最初から最後まで皆でつくり上げる経験ができない。そして、そのまま卒業。卒業後、いろいろなことがあって分教室に相談に行っても、職員体制からいっても十分対応できない。自分の母校はどこなのかと。  やはり各学校とも最初の定員に戻す。足りない学校はつくる。特に、特徴的には高等部の生徒がふえているわけですから新しい高等部の学校の新設、また、今、支援学校を地域のセンターにするとの動きもあるわけですが、であるならば、地域に根差した小規模分散型の学校、あるいは分教室ではなく、分校を新設するような方針にしないと過密解消にはならないように思いますが、いかがでしょうか。もう一度教育長に伺います。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)特別支援学校の児童生徒の増加に伴う対応について再度の御質問をいただきました。  特別支援学校、地域によってそれぞれの子供の状況、数が違うわけでございまして、その数、実際にふえているところに対して可及的速やかに対応しなければいけない、こういう観点から、これまで例えば校舎内におけます教室の増設等につきましても、学校の要望をよく聞きながら、子供たちの動線等も加味しながら適切な場所に教室を新たにつくると、こういう対応をしてきているところでございますし、また、より広範な地域においてそれぞれの地域の中に分教室等をつくってもらいたいと、こういう地元の御要請なども伺いながら分教室をつくると。その際には、今御指摘いただきましたような点も含めて、本校との関係、また分教室を設置した学校における教職員との関係の中で十分連携を図りながら、児童生徒の安全を図り、できる限りの教育環境を整えると、こういった観点で取り組んできているところでございます。  しかしながら、先ほど申しましたように長野地区、また中信地区等で非常に過大化、過密化が大きいところもございまして、それらについてはそれぞれの地域に関係者から成る懇談会、会議を設けて、御要望を伺いながら順次改善を図っているところでございまして、中信地区についても現在まさに検討を進めているところでございまして、その検討結果を踏まえ対応していきたいというふうに考えております。       〔16番両角友成君登壇〕 ◆16番(両角友成 君)現実を直視し、早急な対応をお願いし、次に移ります。  第2期阿部県政の始まりで掲げたスタートダッシュ・アクション7では、一つに、年内に総合的な子育て支援政策を策定するとしています。この中身でありますが、どのようなものかを伺います。  前回、高村議員が取り上げた子育て同盟加盟の鳥取県のようなものなのか、こういうものが入っているのか、そして、子供の医療費窓口無料化が、報道によりますと、長野県と同じように受給者に税金で支援している制度の趣旨を理解してもらう必要があるとして償還払い方式をとっていた石川県が、窓口での支払いがなくなる現物支給にして来年度にも実施するとあります。長野県と同じように、医療現場、市町村事務担当者からは手続の煩雑さなどから現物給付の声が強かったこと、県議会にも住民の声として請願が出された運動もあったようで、谷本正憲知事も決断されたようです。  長野県の、国がやるべき制度だから、国がやらないから仕方がないだけではなく、国がやらないから県がやる、この姿勢が大切と考えます。  また、今年度開始された給付型奨学金、入学金に限ってでありますが、さらなる拡充に取り組む必要があると考えますが、この戦略にはどう位置づけられているか。知事に伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)子育て支援戦略についての御質問でありますが、これは現在検討しているところであります。市町村の皆さん、実施主体は子育てについてはかなりの部分が市町村になりますので、さきの選挙では知事がやれば何でもできるみたいなことを言われたこともありますが、やはり市町村の皆さんとしっかり話し合いをする中で同じ方向を向いた施策をつくっていくということが私は重要だというふうに思っています。  そういう意味で、今市町村と協議をしているところでありますので、まとまり次第お示ししていきたいと考えています。       〔16番両角友成君登壇〕 ◆16番(両角友成 君)スタートダッシュ・アクションという名前がついておりましたんで、8、9、10、11、12とたちましたから、当然何かあるのかなと、そういう思いで質問させていただきましたが、先ほど言った保育料の無料化に向けての取り組み、あるいは窓口無料化に向けての取り組み、あるいは給付型奨学金の拡充、こういうものをぜひその中に入れていただきたいというふうに思います。  次に、国の方針により前倒し設置された総合教育会議ですが、本年度の会議は大綱までは定めず意見交換にとどめるとのことでありますが、県の大綱が策定される年に来年はなろうかと思います。  今回の法改正により教育委員会の代表者は教育長となり、知事が直接任命する。教育に対する知事の権限が増す中で、大綱に知事の思いが入り過ぎると懸念しますが、いかがでしょうか。伊藤教育長に伺います。       〔教育長伊藤学司君登壇〕 ◎教育長(伊藤学司 君)大綱の策定についてのお尋ねでございます。  改正された地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、大綱は、国の教育振興基本計画を参酌し、地方公共団体の長が地域の実情に応じ定めることとされてございます。本県におきましては、既に、国の計画を踏まえ、昨年3月、本県の教育施策の方向性を示す第2次長野県教育振興基本計画を知事と教育委員会が一緒に策定をしてきているところでございます。  総合教育会議は、知事と教育委員会が円滑に意思疎通を図り、同じ方向性のもと連携して教育行政を推進していくために設置をされたものと承知をしてございまして、大綱につきましても、知事が総合教育会議において教育委員会と十分協議、調整した上で策定をされるものと考えてございます。       〔16番両角友成君登壇〕 ◆16番(両角友成 君)今の教育長の答弁を受けて、知事としてどう受けとめているか。知事に伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)総合教育会議、先行して設置をさせていただく中で、教育委員の皆様方とは思いをしっかり共有して進めていきたいというふうに思っております。  先ほども、中途退学、不登校、そうした子供たち、若者たちにどう向き合うかという議論もありましたけれども、子供たちに対してやはり我々が縦割りであってはいけないというふうに思っています。そういう意味で、教育委員会は教育委員会、知事は知事ということを厳格に分けていくというほうが私はおかしいというふうにいつも申し上げているとおりでありますので、しっかりと若者たち、子供たちのために力を合わせて取り組んでいきたいと考えています。  以上です。       〔16番両角友成君登壇〕 ◆16番(両角友成 君)昨日の甕議員が、高校の扇風機を同窓会が購入し電気料まで支払っている事実を、このようなことを一刻も早く改善するために予算権限のある知事が積極的に乗り出してほしいし、教育環境整備のため予算確保のために御尽力いただくよう私からも知事に強く要望させていただき、質問といたします。 ○議長(風間辰一 君)会議規則第13条第2項の規定により、本日はこれをもって延会いたしたいと思います。  次会は、明5日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後4時33分延会...