●説明のため出席した者の氏名
(環境部)
環境部長 山 本 浩 司
環境政策課長 塩 谷 幸 隆
環境エネルギー課長 長 田 敏 彦
水大気環境課長 村 田 博
生活排水課長 清 澤 眞
自然保護課長 山 﨑 明
資源循環推進課長 宮 村 泰 之
●付託事件
別紙のとおり
●会議に付した事件
付託事件のうち、1~4、7~11及び13~18
及並びに環境部関係の所管事務一般について
●開議時刻 午前10時29分
●金子委員長 開会を宣した。
▲ 審査日程の決定
環境部関係 6月30日(月)
産業労働部及び
労働委員会関係 7月1日(火)
観光部関係 7月2日(水)
▲ 日程宣告
環境部関係の審査
▲ 審査順序の決定
1 付託議案等について理事者の説明
2 質疑等
3 付託議案の採決
4 請願・陳情の審査
▲
環境産業観光委員会の付託事件の報告
予算案1件、請願3件、陳情15件
▲ 環境部関係の付託事件の報告
予算案1件、請願3件、陳情11件
▲ 議題宣告(環境部関係)
付託事件及び所管事務一般を一括して議題とし、理事者の説明を求めた。
◎山本浩司 環境部長 別添、
環境部長説明要旨により説明した。
○金子ゆかり 委員長 第1号「平成26年度長野県
一般会計補正予算(第1号)案」中、第1条「第1表
歳入歳出予算補正」中、歳出 第6款 環境費について理事者の説明を求めた。
◎村田博
水大気環境課長 議案、予算説明書及び別添資料1により説明した。
○金子ゆかり 委員長 報第14号「平成25年度長野県一般会計予算の繰越しについて報告」中、環境部関係について理事者の説明を求めた。
◎塩谷幸隆 環境政策課長 議案により説明した。
○金子ゆかり 委員長 報第15号「平成25年度長野県
流域下水道事業費特別会計予算の繰越しについて報告」について理事者の説明を求めた。
◎清澤眞 生活排水課長 議案により説明した。
○金子ゆかり 委員長 理事者から発言を求められていたのでこれを許可した。
◎塩谷幸隆 環境政策課長 別添資料2「「
信州環境フェア2014」の開催について」及び資料3「
リニア中央新幹線の
環境影響評価手続に係る状況について」により説明した。
◎長田敏彦
環境エネルギー課長 別添資料4「「
さわやか信州省エネ大作戦・2014夏」について」及び資料5「
全国小水力発電サミットについて」により説明した。
◎村田博
水大気環境課長 別添資料6「
水資源保全地域の指定申出について」及び資料7「平成25年度水質、大気及び化学物質測定結果について」により説明した。
◎山﨑明 自然保護課長 別添資料8「ユネスコエコパークの新規登録及び拡張登録について」及び資料9「上信越国立公園の再編成(妙高・戸隠地域の分離独立)について」により説明した。
◎宮村泰之
資源循環推進課長 別添資料10「
マイバッグ等持参率調査結果について」及び資料11「廃棄物不法投棄及び野外焼却の発見状況について」により説明した。
○金子ゆかり 委員長 午後1時30分まで休憩を宣した。
●休憩時間 午前11時37分
●再開時間 午後1時30分
○金子ゆかり 委員長 再開を宣し、委員の質疑等発言を許可した。なお、議論を深めるため、委員の発言に対しほかの委員から意見等がある場合についても、あわせて御発言を願った。
◆本郷一彦 委員 先ほどは当局から、部長を初め丁寧な御説明、ありがとうございました。環境問題は、今、政治の中でも最も重要な問題であります。有名な、世界で一番の宇宙物理学者のホーキングがおりますけど、彼が講演で、銀河系を越えた全宇宙の中で、地球のような文明がどのくらい存在するかという質疑がありましたら、即座に200~300あると。どうしてその星がないんでしょうかって、はしょって言いますと、文明社会が成熟していくと自然にその星が消滅していくと。非常に衝撃的な、あるいはある意味では的確な発言があったわけで。現在の地球の問題も、特に新興国が今のペースで消費文明をやっていった場合、ホーキングの指摘もあながち無視はできないと。地球は、もしかしたら100年か200年でという方もいらっしゃいます。そういう観点から、環境問題は、非常に重要な視点でございまして、県当局が環境部長を中心に御努力をいただいていることに深く敬意を表したいと思っています。きょうは、地球温暖化のマクロ的な部分だけの質問に絞らせていただきます。
過去、千年以上の歴史の中で、現在の気温は最も高い状態にあることは申すまでもございませんし、特に1990年代以降が数値が顕著になっているわけです。18世紀半ばの産業革命以来、石油・石炭を中心とした化石燃料の大量消費が主なる原因であることは皆さん御承知でございますので、地球の気候変動は東京都の例も見るまでもなく、人類の生存基盤や社会経済の存立基盤を揺るがす非常に大きな脅威でありますので、環境と経済の調和、両立を担保していくことが、今日の政治の最大の課題だと私は認識をしているところでございます。
最近、世界銀行が2030年までにエネルギーの利用率の効率化を進めれば、世界のGDPは260兆円プラスになると発表しています。個々には申しませんが、そうした中において長野県はどうすべきかでございます。有名なIPCCの警告がございますけれども、本年3月、国連のIPCC、政府間パネルの第38回総会が横浜市で開催されたことは御承知のとおりでございますが。その中で第5次評価報告書の第2
作業部会報告書が受諾されました。本総会が日本で開催されたのは初めてでありまして、大変大きく報道されたことは皆さん記憶に新しいところだと思います。
特に第2作業部会は、気候変動がもたらす悪影響、あるいは気候変動への適応のオプション、並びに気候変動に対する社会経済及び自然システムへの脆弱性等について、評価作業をしておりまして。
地球温暖化防止に向けた対策は、いろいろな観点がございますが、大気中の温室ガスの濃度を安定させる緩和策と、気候の変動やそれに伴う気温、海水面の上昇などに対して、人や社会や経済システムを調整することで影響を軽減する適応策という2つの概念に分かれるとレポートは指摘をしているわけでございます。
緩和策は、根本的な解決に向けた対策を行うことは皆さん御承知でございますが、エネルギーの効率的利用や省エネ、CO2の問題、その回収、蓄積等々、実際にその対応策を実施しなければならない。一方、適応策は、根本策に対して対処療法的な取り組みでありますので、沿岸防護のための堤防や防波堤の構築や水利用の効率化、あと言えば切りがございません。大きな概念の中で、IPCCの第4次評価報告書では、緩和策と適応策のどちらも必要不可欠であると位置づけ合って、お互いに補完し合うことで、気候変動によるリスクの低減を図ることが最も必要だと、それが結論的なことでございます。
今回、第5回でございますので、第5次評価報告書は、現在、既に温暖化の影響が広範囲に観測されていることが記されているとともに、気候の変動性に対する生態系や人間システムの著しい脆弱性を明らかにしております。将来に関して温暖化の進行がより早く大きくなると、ここが一番重要でございますが、適応の限界を超える可能性がある。先ほどのホーキングの話と同じでございます。政治的、社会的、経済的、技術的システムの変革により効果的な適応策を講じ、緩和策とあわせて促進することにより、国が言っている強靱な社会の実現と持続可能な社会ができるという視点があります。IPCCの警告について、大局的な観点から長野県としてはどのように受けとめておりますか、山本環境部長から御所見を伺いたいと思います。
◎山本浩司 環境部長 IPCCの警告について、どのように受けとめているかという御質問でございます。委員からお話がございましたように、本年の3月、気候変動に関する政府間パネル、IPCCの第38回総会が横浜において開催されまして、部会報告がなされたところでございます。横浜で受諾された中身ですが、温暖化の影響と適応に関する報告であったと認識をしております。大きく要約すると次の3点になろうかと思います。まず1点が、今後の気温上昇は避けられない、適応の準備をしなければならないこと。2つ目が、21世紀の気温上昇が4度になる場合と2度に抑えられる場合では、予測される影響にも大きな差があること。3点目として、適応を行えば影響は少なからず軽減できる。ただし、4度も気温上昇すると適応も困難となるケースが多くなることであります。大きな点としますと、気温上昇は避けられないと、場合によっては適応が困難になる場合もあるという、大変大きな警告と、一方では、適応すれば影響は少なからず軽減できるんだと。4度から2度、わずか2度ではありますけれども、予測される影響は大きな差があるということで、警告だけではなくて、希望も残していただいている報告じゃないかなと認識をしております。
県におきましては、昨年2月に策定いたしました
環境エネルギー戦略、
地球温暖化防止県民計画でございますけれども、
省エネルギー化、
自然エネルギーの普及と言いました温室効果ガスの排出抑制の取り組み、加えまして被害を軽減していく適応策の取り組みを進めているところでございます。環境省におきましては、地球温暖化の進行に対して、従来の温室効果ガスの排出抑制の取り組みに加えまして、来年度夏を目途に、政府全体の総合的・計画的な適応にかかる取り組みを取りまとめた適応計画を策定するための準備をしているということでございます。県としましては、国の新しい動きも注視しながら、また一方では、IPCCの警告、温暖化対策に取り組む者への、一面、叱咤激励でもあろうかなと受けとめまして、今後、さらに積極的かつ着実な対策を進めていく必要があると考えております。
地球温暖化に限らず、地球全体、海外の問題が長野県に影響を及ぼすのが環境問題だと認識をしておりますし、一方、長野県の取り組みが、少なからず地球全体に及ぶことも、環境問題だと考えております。県民の貴重な財産である本県の美しい豊かな環境を確実に未来へ残していく認識のもと、今後とも積極的に環境行政を進めてまいりたいと考えております。
◆本郷一彦 委員 山本部長、リーダーシップを発揮して、一層御精励をいただきたいと思います。英国のチャーチル元首相の語録に、皆さん知っているとおり、「歴史から教訓を学ばぬ者は、過ちを繰り返して滅びる」というものがあります。地球の気候は、寒冷期と温暖期が周期的に繰り返されておりますが、私どもの歴史の教科書の範囲で見れば、気象変動を原因とする民族移動により国が滅びた事例として、ゲルマン民族の大移動による西ローマ帝国の滅亡等があるわけであります。日本も今日の状況の中にあって、深い認識を持たなければいろいろな問題が起きてくると考えております。
環境省は、文部科学省や気象庁と協力して、スーパーコンピュータによる
地球シミュレーションを行いました。日本のハイテクノロジーの証左でございます。既にお話なりメディアで出ておりますけど、今のままのペースで温室効果ガスが出ますと、今世紀末に年平均、全国で4.4度上昇するということです。既に亜熱帯型の形になっておりまして、連日、気象予測では、長野県に限らず全国とも、いずれ35度から40度になれば、バンコクやシンガポールのような状況になってくることが身近な問題になってきておりますので、一方、全く雨の降らない日が22.3日ふえるとか、1日当たりの降水量が3割から5割ふえる、二極化していくということでございます。
長野県北部は、
東日本日本海側のカテゴリーに属するようでございまして、年平均気温が4.3度上昇するようでございます。最高気温が30度を上回る真夏日が、現在の30日から50日ふえて80日くらいになるということでありますから、40度の日が80日ということは想像を絶する世界であります。長野県の南部は、東京に含まれた
東日本太平洋側でございますけど、4.2度上昇ですから、現在の50日から60日増加して100日以上になるデータが出ております。先ほど言った緩和策にきちんと取り組めば、2020年から2030年においては、全国の平均上昇は1.1度くらいに抑えられて、真夏日の増加も12.3日に抑えられると環境省は発表しております。
単なるデスクワークのお話ではなくて、実際の経済社会の中で今の問題を厳粛に受けとめて、実効性あるものにしていかなければならない。今、大変なパラダイムシフトが起きていることを、私どもは当事者意識を相当持たなければいけないんじゃないかと思っています。長野県も
環境保全研究所において、国と協力して地球温暖化にかかわる研究をしているとお聞きしておりますが、これまでどのような研究活動をされてきたのか、環境政策課長にお尋ねをいたします。
◎塩谷幸隆 環境政策課長
環境保全研究所におけます地球温暖化に対する、これまでどのような研究活動をしてきたかというお尋ねでございます。
環境保全研究所ですけれども、環境と言いましても生活環境と自然環境、両方でございますけれども、環境の保全と保健衛生の向上に寄与することを目的といたしました試験研究機関でございます。
地球温暖化にかかる研究につきましては、平成18年に担当職員を置きまして、平成19年から温暖化対策班を設置する体制で研究を進めてきているところでございます。
環境保全研究所ですけれども、温暖化対策の研究の主担当になる職員は、自然地理といいますか、そういったことを研究分野にしている職員が中心になっておるわけですけれども。動物、植物、生態系全体の研究をしている職員もおりますので、地球温暖化の影響で生態系への影響等も出てまいりますので、
環境保全研究所が研究を担うことは非常に意義があることかと思っております。
現在、自然環境部の温暖化対策班で、地球温暖化に係る研究をしているところでございます。現在、平成22年度から26年度までの研究といたしまして、
信州クールアース推進調査研究事業に取り組んでおるところであります。もともと環境省の委託研究ですけれども、県ほかさまざまな研究機関が共同して委託研究を受けているものでございます。長野県の
環境保全研究所の役割ですけれども、地域社会における温暖化の影響の総合的評価と適応する施策に関する研究を担当しておりまして、本県のほか、東京都、埼玉県などの環境関係の研究機関と共同して研究をしているところでございます。
◆本郷一彦 委員 文明論的には、経済成長と成熟社会に対して、私どもは、21世紀に対する新しい哲学や理念を持たなければいけない。そういう問題が、部長や課長からの御答弁の中から痛感をしているところであります。環境省は別の研究チームを本年3月発足させまして、国内で、先ほどの流れの中でどのような被害が生じるかを発表しております。長野県の
環境保全研究所も研究チームに参画したと聞いております。二酸化炭素などの温室効果ガスの排出が今のペースで続くと、今世紀末には洪水被害額が現在の3倍以上です。約6,800億円と環境省は出しております。砂浜は最大85%が消滅する。全く違う概念でありますけど、消滅可能都市の問題も出ています。それから熱中症による死亡者の被害額が現在より5,200億円増加する、こういう影響が出ております。1兆数千億円でありますので、これは部分的な問題であります。
環境保全研究所の見解としては、こういったものを背景に長野県の被害について、現在、どのように予測をされているでしょうか、お答え願いたいと思います。
◎塩谷幸隆 環境政策課長 私のほうから
環境保全研究所で委託研究に参画していることは申し上げました。最新の
環境影響評価モデルを取り入れまして、環境の長野県への影響の評価の研究を進めているところでございます。大変申しわけないんですが、現段階の予測の中身につきましては、研究の中身に直接かかわっております
環境エネルギー課長から説明ということで、すみません、よろしくお願いします。
◎長田敏彦
環境エネルギー課長 長野県の
環境保全研究所で、長野県の温暖化による被害について、どのように予測しているのかという御質問でございます。県内の気温の上昇の傾向でございますけれども、気温は上昇傾向にございます。長野県内において、ここ30年間で気温上昇のスピードはかなり高まっておりまして、10年当たりの気温の上昇幅で言いますと、0.35度から0.52度、10年間で上昇したと研究所で分析をしております。ここ100年間における本県の気温上昇のスピードに比べても、今申し上げました上昇の幅は、約3倍から5倍で、上昇が加速していると分析結果が出ております。このまま長野県で適切な対応策がとられなかったとしたら、先ほど本郷委員から全国についての予測値は言及されたわけですけど、長野県におきましては、本世紀末までに約5度、気温が上昇すると研究所で予測をしております。
県内への影響はどうなのかという予測でございますけれども、研究所では一部の分野について予測をしております。具体的には森林生態系におきまして、ブナの分布の地域が大幅に減少すると予測しております。また、松枯れの危険のあるエリアが急激に拡大していくんではないかと懸念をしております。産業の関係につきましては、平地におけるリンゴの生育の適地が失われていくと懸念もしているところでございます。
◆本郷一彦 委員 5度というのは、全国的と同じですけど、大変な事態でございます。小松委員の御専門のワインが、緯度が上がってまいりまして、甲府が一番のブランド力だったんですけど、塩尻ワインを中心として長野県の
ワイン用ブドウの出荷高は、第1位でございまして、日本酒で言えば桶売りということで向こうにお売りになって、金賞をとっている例もあるようでございます。あらゆる生態系に大きな影響が出ている状況でございますし、北極海ルートができましてヨーロッパに直接入れる状況になって、また北極や南極の、テレビで見る氷河の液状化現象は想像を絶する状況でありますし、地球のマクロの生態系に、オゾン層やその他磁場の問題等も含めて、地球生命体がどういう対応をこれからしていくか、人間の力は微々たるものであります。近代合理主義が特にヨーロッパから発生したんですけど、人間第一主義であって、自然を破壊する中における人間の幸せを享受する、哲学的には間違った考え方が先進国だけ進んで、新興国が今追いかけている状況ですから、政治が大きく制御したり自制をしないと、100年、200年単位で大きな経済的な崩壊、あるいは社会的崩壊が起きると思われます。
あと1点だけお願いいたします。今、お話がありましたけど、長野県は、農林業や観光など、自然環境の重要な資源を産業基盤としているわけでございますので、長野県の発展のための適応策という観点が非常に重要だと考えております。また、適応策を進めるためには、新しい高度な技術や製品の開発等対応策を考え、全く違う次元の、高次元のテクノロジー、
イノベーションが必要ではないかと思われ、国内外で求められるところでございます。長野県は、積極的に対応策に取り組み、大きく変化する自然環境に対して、人間の持っている健全な技術によって、生活環境を含めて全てクリアして地球に負荷をかけていかない理念が必要ではないかと思いますが、長野県は適応策をどのように進めているのか、再度、
環境エネルギー課長に御見解をお伺いしたいと思います。
◎長田敏彦
環境エネルギー課長 長野県で適応策をどのように進めていくかという御質問でございます。長野県は、自然環境に恵まれているがゆえに温暖化の影響を受けやすいことが言えるかと思っております。長野県内での温暖化の被害を抑制することについては重要な施策だと考えておりまして、長野県の
環境エネルギー戦略におきましても、
温暖化適応策パッケージという施策をお示ししております。温暖化の影響を把握・予測するシステムをつくること。それとともに影響への適応策を進めていくと。2つをあわせて行うことにしております。知事が本部長を務めております、長野県の
産業イノベーション推進本部での取り組みにも、適応策を位置づけております。
適応策に位置づけた理由といたしましては、温暖化被害の抑制に先んじて取り組むことによりまして、被害を減らすために必要となる技術ですとか製品・サービスを長野県が開発をし、長野県内の被害を抑制するだけではなくて、県外、あるいは海外で技術やサービスが必要とされることで、長野県の産業の
イノベーションにもつながる観点からでございます。
広範かつ具体的な温暖化の影響予測をすることが重要と考えておりまして、県内で行政、私どもの県の試験研究機関ですとか、国の試験研究機関、また大学等が、いろいろな気象データですとか、気候変動の影響に関するデータを持っているわけです。こういった機関が集まりまして、データを持ち寄り、評価、予測をしていくためのネットワーク、
気候変動モニタリングネットワークと仮称で呼んでおりますけれども、仕組みを本年中に立ち上げたいと考えておりまして、ことしの3月に関係機関に声をかけまして準備会を開催して、今、準備を進めているところでございます。
もう一つの仕組みといたしましては、データを分析してどのような影響が長野県内で起きてくるのかが予測がされたところ、そのためにはどのような適応策を講じていけばいいのか、企業ですとか大学、あるいは行政の試験研究機関の研究開発部門に対しまして、タイムリーに被害の予測についての情報を提供いたしまして、研究開発を促していく。仕組みとして
気候変動適応プラットフォームと呼んでおりますけれども、こういったものを、先ほど説明いたしました
モニタリングネットワークの立ち上げにめどがついたところで、こちらの
プラットフォームも立ち上げてまいりたいと考えているところでございます。こうした取り組みを通じまして、温暖化に対しましても強靱な体制を整えることとしたいと考えております。
◆小松千万蔵 委員 きょうは午前中にも
再生可能エネルギー、あるいは
自然エネルギーで、小水力発電のサミットの開催の説明がありました。長野県は、分水嶺の県であり、水源の県と言われている。自然を利用した発電という部分と、日照時間が非常に長いことで太陽光発電が非常に普及してきておるところでございます。一般家庭、公共施設等々、太陽光発電も非常に普及をしてきている現状がありますし、
固定価格買取制度の成果が、長野県の
自然エネルギーの再生利用では、非常にいい効果が出ているんじゃないかと思っているところでございます。
長野県の
自然エネルギー、太陽光発電、あるいはまた小水力発電の現状ですね、どのくらいの発電量があり、何カ所くらい発電をしていて、年次的な計画があるのか、それをお聞きしたいと思いますが。年次計画に沿って
自然エネルギーの導入を進めているのか。
長野県地球温暖化対策の戦略検討会の提言書、2012年によりますと長野県の潜在的な利用可能な資源では、太陽光発電が一番大きくなっておるわけでございますし、その次に小水力発電になっておりまして、2012年ですから、今回のF・POWERプロジェクトのバイオマス発電については、長野県の
再生可能エネルギーの中では低い数字になっているわけでございます。現状と、年次的計画に従ってどのような進捗状況にあるのか、お伺いしたいと思います。
◎長田敏彦
環境エネルギー課長 本県における
自然エネルギーの普及の状況がどのようなことかでございます。しあわせ信州創造プランの環境・エネルギー自立地域創造プロジェクトにおきましても、エネルギーの自給率を数値目標にしております。県内の年間の最大電力需要に対して、長野県内で
再生可能エネルギーの発電による発電設備容量がどれくらいを占めているのか、能力があるのかという割合でございます。平成24年度の数字が直近の数字でございまして、
再生可能エネルギーの県内における発電設備容量は、183万キロワットとなっております。自給率で計算をしますと、既存の水力発電、中部電力ですとか東京電力もベースに含まれてはいるものの、66.4%になってきております。今回のしあわせ信州創造プランの中で基準年度としております22年度には58.6%でありましたので、かなり早いペースで自給率が上昇をしてきています。
内訳としましては、太陽光発電が多く見込まれております。そのほかに小水力発電、バイオマス発電等々となっております。私どもの
環境エネルギー戦略の中で、
自然エネルギーの発電設備容量の拡大目標を掲げておりまして、委員から言及のございました、戦略に基づく県内のポテンシャルをもとに、県としていろいろな施策を打つ中でどれくらい伸びていくだろうということを目標としたものでございます。自給率につきましては、先ほど66%を超えてきていると申し上げましたけれども、中期的には2020年度、平成32年度には、76.6%まで高めていきたいと考えております。
F・POWERを中心にした今後のバイオマス発電の見通しでございますけれども、私どもも戦略の中で、ポテンシャルに基づいて高めていく目標を立てております。F・POWERプロジェクトにつきましては、県内の森林を活用した、林業の再生とともに
自然エネルギーの普及を図っていこうという取り組みでございまして、モデル的になるものでございますので、この取り組みをまた全県に広めていきたいということで、林務部とともに連携をしながら力を入れているところでございます。
◆小松千万蔵 委員 一般質問でもありましたけど、私ども、現地調査の中で、地方事務所でお話も出てきたわけでございます。最近は、より幅広く太陽光発電導入で、遊休農地を使う、あるいは農業をしながら太陽光発電の施設を設置する。あるいは森林を大規模に伐採して太陽光発電施設をつくる。そういった中で、森林法だとか農地法等々、個別の法律ではあるんですけれども、総合的に設置することによって幾つかの障害が出てくる面が多くあるわけでございます。森林法では、大規模な設置をした場合には、太陽光発電のパネルから出る水ですね、一度に水が出てくる。森林法の中で規制できると伺っていますが。農地法の中には、その水処理の問題は規定されてないということでございまして、許可をしても水処理の問題が、近隣の住宅、あるいは農地等々にも影響を及ぼすとかですね。パネル設置することによって、光の反射で大変迷惑するとか。あるいは景観を損なうとか、幾つかの、個別法でなくて、総合的な部分での障害が出てくると。県として設置に関して、指針というか、そういったものをできないかという御意見も伺っているところでございます。
これから市町村も、私の地元の塩尻市でも困っているんですよと。県へ問い合わせたりしているんだが、いい御返事もないということでございますので、その辺についての考えをお伺いをしたいと思います。
◎長田敏彦
環境エネルギー課長 太陽光発電設備、大規模なものを初めとした
自然エネルギー設備と、自然環境、景観等々の調和の問題でございます。現行法令では、大規模な
自然エネルギーの開発行為に対して、十分な規制ができないんではないかというお話でございましたけれども。現行法でも、森林法、農地法等々に基づいて、担当部局で適切な規制の運用等をしているわけでございます。ただ、委員御指摘のとおり、各法令は目指している公益がございまして、森林法で言えば森林機能の確保で、伐採による災害への影響とかは森林法の中で規制がかけられております。農地法では、安定した食料基盤の確保で、基本的には農地を転用することは禁止されている中で、農地として転用が許される部分での判断になりますので、排水の問題等については、農地法の中では特に審査対象にしてないのは、おっしゃるとおりでございまして。市町村におきましては、私どもも市町村研究会という中で、情報交換、意見交換、事例の紹介等々、密に連携をとっているんですけれども、その中でも、いろいろな情報がございます。関係法令だけの対応が、それだけでは不十分な面があるということから、市町村で条例を制定したり、要綱を設けたり、あるいは今までの条例の運用を明確化することで、そういった動きがかなり出てきております。これについては、山本部長から今井敦議員に対する答弁でお答えしたとおりでございます。
当課は
自然エネルギーを推進している部局ですから、規制する部分につきましては、関係法令を所管している関係課との連携が非常に重要で、庁内連絡会議を設けて、状況の把握ですとか、問題点の整理、対応の検討等をしているところでございますけれども、いろいろな意見が出ております。地域における開発規制ですとか、地域における景観をどうするかという問題でございますので、県内一律の規制、基準は難しいんではないかという意見もございますし、広域的な対応が必要ではないかという意見も出ております。太陽光発電だから規制ありきではなくて、かつては想定をされていなかった大規模な太陽光発電パネル等の設置が、現実に
固定価格買取制度の追い風の中で開発行為が出てきている現状を踏まえて、どのような対応の仕方が適切なのかを、広い観点で、現在、庁内連絡会議、市町村研究会などで検討をしているところでございます。
◆小松千万蔵 委員 現実には相談を受ける側の市町村でも困っている。設置する業者、計画した土地の所有者の皆さんも、一つの基準という面では悩んでいる。
自然エネルギーの推進という一つの大きな部分からいろいろと相談を受けている市町村の皆さんが、農地の場合には農地法だから農業委員会に任せてしまうとかですね。そういう部分も出てきておりまして。農政部も農地を農業的に使いながら太陽光発電をすると、二段階で発電する場合には、意見書を農政部のほうで審査するときに出すようになっているんですが、これを出さないことで決定して、今度は農業会議に委ねている状況もあります。農業会議は、市町村の農業委員会と協議をしなきゃ大変だという、もう幾つかの、おっしゃられるように、地域性とか違いはありますけれども、何らかの形の中で一つの指針がないと、お互い悩んでいるだけで進展しない部分があるものですから、環境部長のほうで、もう少し深く踏み込んで、情報をつかんで御判断をいただくとか、前向きな姿勢とか、お伺いしたいと思います。
◎山本浩司 環境部長 太陽光発電を推進しているわけですけれども、現実に市町村によっては、大きな課題も現実にあることは十分認識をしております。今までの経過を見ますと、市町村は現行の法令の中で対応していく場面もありますし、今、委員がお話しされたように、もともと盛っている法律が保護するものと、太陽光によって出る課題が一致しない場合には、法令で規制ができない、対応ができないのもございます。そういう中で市町村のほうといろいろ意見交換、情報交換する中で、市町村も独自の考えですね、地域によった対応をしていくことで、半分近い市町村が何らかの形で、条例なり、要綱なりで対応していこうという動きがございます。
県として一つの方針を出したらどうだというお話ではございます。ただ、市町村の中の対応を見ましても、基準にしても全て一律ではなくて、地域の実情に応じた基準等を考えているところもございます。どのような基準を市町村が望んでいるかについても、現実に起こっていないところもたくさんあるものですから、これから市町村もよく検討していただいて、うちのほうも、どのような基準がほしいのか、必要なのかから始まって、よく市町村とも連携しながら、どういう形が一番望ましいのか、果たして県が一律でやるのが望ましいのか、その辺も含めて、十分御意見をお聞きしながら対応していきたいと思っております。
◆小松千万蔵 委員 解決というか、一つの考え方として方向性が出るように、先ほど言いましたように、地方事務所でも困っている部分がありますから、それぞれの地域、市町村の情報、どういうところがネックになっているのか、調査していただいて、一緒になって考えていただきたいなと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
先ほどF・POWERプロジェクトの話が出たわけでございますが。単なる発電だけでなくて、地球温暖化のCO2削減という部分で、どのような施設に対しての評価をされているのか、まずその辺について、総合的なF・POWERプロジェクトの評価をお聞きしたいと思います。
◎長田敏彦
環境エネルギー課長 F・POWERプロジェクトについてのお尋ねでございますけれども、私どもは、
再生可能エネルギーの普及拡大を担当しているわけでありますので、その部分を中心に評価について御説明をしたいと思います。林業振興に非常に大きな意味があるのは当然でございますけれども、県内初になります大型製材所で製材が行われますので、材として使えない低質な木材、端材が出るわけでございます。残さず有効利用して、あわせてバイオマス発電設備を整備し、実行していくことについては、木材の有効利用とともに
自然エネルギーの、地域の、長野県の木質バイオマスという非常に大きな資源を抱えているわけですけれども、
自然エネルギーの資源の有効活用でも、非常に意義のある事業だと思っております。
自然エネルギーにつきましては、地域での好循環、経済の好循環、それによって地域経済の活性化につながる面を重視しております。計画どおりにうまく進めていく前提ではございますけれども、今回のプロジェクトにつきましては、地域の方の雇用が創出され、今まで電気・灯油代で、化石燃料に対する輸入コストとして支払っていた資金が地域内にとどまる意味でも、地域の好循環につながるものと、非常に高い評価をされるべき事業と思っております。
◆小松千万蔵 委員 具体的に数字でお伺いしたいと思いますが、発電能力は、標準世帯の2万戸の電力使用量でありますし、森林整備計画はF・POWERプロジェクトが計画される前の森林整備計画で、F・POWERプロジェクトができたことによって、森林整備も2年くらい前倒しして進めていかないと、発電、製材に供給が追いついていかない。森林整備に対するCO2の削減量、2万戸と言われているCO2の、標準世帯でいくとCO2はどのくらいの削減になるのか。もう一つは、製材所から出る木質ペレットのCO2の削減量を総合的に、環境の面からこれだけの効果が出ますという数字で示していただくことが、県民の皆さん方からも理解していただけるんじゃないかと思うわけですが、その辺について、お伺いします。
◎長田敏彦
環境エネルギー課長 F・POWERプロジェクトでは、木質バイオマス発電に移行することでCO2の削減につながる面もございますし、熱供給の話も出ておりますので、温室効果ガスの削減に最終的には貢献する効果があると考えているところでございます。県民の方々に、プロジェクトの効果をきちんと説明していくためにも、CO2削減量の計算を全体として出して、説明していくべきではないかという御指摘をいただきました。現在、環境部としては、現時点では計算をしてないところでございますので、ただいまの御提案を受けまして検討してまいりたいと思っております。
◆小松千万蔵 委員 製材施設には県の補助金もついているわけですから、森林整備によるCO2の削減がカウントできるようになりましたから、プロジェクト全体での削減量を出しておいていただきたいなと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
ことしの4月1日から、長野県
自然エネルギー地域基金ができましたけれども、
自然エネルギーによる発電で、全量を売電する事業に対し補助金を交付するとなっておりまして、これは企業局の総利益の3分の1を充てて5億円の基金となっておりますけれども。始まったばかりで、実績はないと思いますけれども、今、どのような動きをしていて、特に水力発電から得られる企業局の利益金でありますから、補助金の該当する事業がありましたら、運用と含めて御説明をいただきたいと思います。
◎長田敏彦
環境エネルギー課長 本年度から新たに設けました
自然エネルギー地域発電推進事業の御質問でございます。委員、言及のとおり、基金を新たに造成して、財源として進めてまいります。
固定価格買取制度による
自然エネルギーの発電事業に対して支援をしていく制度として新しくつくったものでございます。本年度は、小水力発電の流量調査など、あるいは設計等々、ソフト事業についてのみの事業対象としております。来年度からはハードまで対象を広げて、事業によって県内の
固定価格買取制度を活用した
自然エネルギー発電事業をさらに広げてまいりたいと考えております。
現在の事業の推進状況でございますけれども、現在、募集をしている最中でございまして、現地機関を通じてこちらに全てそろっていませんので、何事業というのは出ておりません。
来年度にハードを対象に拡大していくと申し上げましたけれども、今回の事業が、
自然エネルギーの発電事業を行うときに、事業の開始当初の資金調達に課題がある、大きなハードルとなっている現状を見たときに、制度を開始したものでございまして。金融機関の融資と十分連携した制度にしなければならないということで、県内の金融機関の皆様と金融研究会をつくりまして、何回か研究会を開催しまして、来年のハード拡充に向けた制度設計にかかわる意見交換をしているところでございます。
◆小松千万蔵 委員 最後に要望しておきたいと思いますが、この制度が、本来、
固定価格買取制度にかかわる事業については、補助金はないということでしたけれども、今回、基金制度を設けていただいて、長野県の
自然エネルギーの普及拡大が図れるように、基金事業を効果的にやっていただきますように要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆小池清 委員
リニア中央新幹線の環境影響評価の手続に係る状況で御説明をいただきました。リニア事業ですけれども、環境部で取り扱っておるのは、ここに出てきたような環境に対する影響です。南信地域とすれば、リニア事業は地域の経済振興に資する形でやってもらいたいというのが主眼で事業に取り組んでおるところです。工事にかかわる環境に対する負荷という部分で、お取り組みをしていただいておりまして。私どもが見ておるに報道といいますか、新聞で取り上げられたりとか、いろいろな方が発言される部分が、現状をしっかりと精査してやられておるものばかりではないものですから、配慮はしなきゃいけないんですけれども、住民の方々の不安がさらに拡大をしている状況もあるわけであります。どのように事業を進めていかなければいけないかと、心配される方々も大勢おるわけであります。
県といたしましては、地元から出てきました環境影響評価準備書等に関する要望事項等を、国へ上げたりされておるんですけれども、現在、地元から出されております要望策に対しまして、具体的に県として、何か対応策をお持ちであるのか、特に大きな部分につきまして、どのようなスタンスで意見書に取り組まれておるのかを説明いただきたいと思います。
◎塩谷幸隆 環境政策課長 環境アセスメントの手続上、どのような形で市町村からの御意見をお伺いしたかですけれども、本年の1月9日・10日の時点で、環境影響評価の準備書に対しまして、関係の市町村長から御意見をいただいております。県でまとめまして3月20日にJRに提出いたしました知事意見の中では、1月の時点でいただきました関係市町村長の意見を十分勘案をして知事意見をまとめた状況でございます。
現在、市町村長からどんなお話を頂戴しているかと言いますと、先ほど申し上げました懸案というか、残っている項目が3項目ありますと申し上げた、その3項目とほぼイコールになるわけです。南木曽町からは、南木曽町にあける予定の非常口、トンネルを掘るための斜坑の数を減らしてほしいという要望を何回にもわたって頂戴しておりまして、その件につきましては、環境省に対する要望、国土交通省に対する要望の中でも取り上げているところでございます。
大鹿村からは、小渋川にかけます橋梁を何とかトンネル化してもらえないだろうかと、技術的に可能であればお願いしたいという御要望をいただいておりまして、その件につきましても、環境省、特に国土交通省に対しましては、技術的に可能なのかどうかという専門的な見地からの御検討をお願いしているところでございます。
もう1点、残っておりますのが、工事用車両の通行に伴います生活環境への影響の低減で、工事用車両の通行台数につきまして、地元ときちんと約束をしてほしいということで、環境保全協定を結んでほしいという話を、同じように環境省、国土交通省にお願いをしているところでございまして。環境影響評価に直接関係のある項目といたしましては、以上の項目が、現段階、私どもで国にお願いをしている中身になるわけでございます。
◆小池清 委員 そういうことだと思うんですけれども、県が地元の意見をどのように捉えて判断をしているとか、地元の皆さん方の意見について、もっと踏み込んだ県としての検討とか、やられておるのかを聞いておるんです。
◎塩谷幸隆 環境政策課長 冒頭申し上げました環境影響評価に対する知事意見を出します際に、私ども、環境影響評価技術委員会を置いていまして、都合5回にわたります審議を行ったわけでございます。審議の際に、関係市町村長からいただきました意見も十分勘案しまして、技術委員会の意見でまとめて、それをさらにまとめて知事意見ということで、3月20日に提出をしたものでございます。この知事意見がいろいろな物事のベースになっている状況でございます。
◆小池清 委員 聞いておるのは、具体的な検討はどういうものか。地元から出てきたから県として上げるか、上げないかということですか。県として地元の意見に対するもっと踏み込んだ検討はあるんですか。そのとおりということですか。評価はどこかでされておるんですか。
◎塩谷幸隆 環境政策課長 先ほど申し上げました大鹿村の小渋川の橋梁を技術的に可能であればトンネル化してほしいというのが村の要望でもございましたし、私どもの技術委員会の中でも橋梁を計画している場所については掘ったときに崩れてきたときの対応はどうするかとか、地形・地質上のリスクが大きい状況でございます。JR東海、事業者側は、事業を行う際の技術的なさまざまな課題を検討する中で、トンネルよりも橋梁のほうが適当だということで、回答してきたわけですけれども。私どもの県の技術委員会の中でも、この場所については、技術的に可能なのであればトンネル化を検討していただきたいと、知事意見にその中身を盛り込んだということでございます。
私どもの県として、環境のサイドから考えたときには、この場所については、できるだけ地上構造物を避けていただく必要があると。技術的に可能であるのかどうなのかという点については、県の技術委員会では判断しかねる中身だったものですから、それについて、現在は国土交通省に、技術的、専門的な観点での検討をしてくださいということをお願いしている状況でございます。
◆小池清 委員 聞いておるのは、交通量についてもそうですけれども、検討した資料、ただ技術委員会で話し合いをしたことではなくて、具体的な資料に基づいてこれだけの意見書にまとめられたのか、地元から上がってきたから技術委員会でみんなで話して、これは上げましょうということで話したのか。県として具体的にこういう資料があって、だから環境に影響があるから、この程度のことはやってもらわなければならないというものがあるのか。ただ国にお任せするということなのか。そこら辺がどうも幅が広いように思われるんです。それぞれの検討事項につきまして、具体的な判断に資するような資料のもとにこういった形になっておるのかをお聞きしたいんですけれども。
◎塩谷幸隆 環境政策課長 小池委員の御指摘の資料につきましては、環境影響評価技術委員会の中で、JR東海からさまざまな資料が提出をされております。トンネルですと、トンネルをどの方向から掘削をするのか。幾つかトンネルの掘削をするための非常口があるわけですけれども、どの方向から、非常口についてはどっち向きに掘っていきますと。その手の資料が、一番初めの環境影響評価準備書の段階では何もJR東海は示していなかったんですけれども、JR東海が環境影響評価技術委員会の中で資料として提出をいたしまして、技術委員会の中では、こちらの方向から掘るんじゃなくて、両側に掘ることはできないのかという議論ですとか、技術委員会にJR東海が事業者として常に出席をしておりましたので、JR東海の見解を全て聞きながら技術委員会としての考え方をまとめていったと。
小渋川の橋梁についてトンネル化できないのかという点につきましても、JR東海から、現状と、逆にトンネル化したときに生じるリスクにつきましても、JR東海からペーパーを出して説明がありました。ただ、説明を聞いた中でも、本当にその説明のとおりでないとトンネルが掘れないのかについては、私どもの技術委員会では、結論といいますか、できないとまでは言い切れない状況だったものですから、最終的に私どもの知事意見の中では、もう一遍検討してくださいとJR東海にお願いしたわけですし、評価書が出てきた後といたしましては、技術的に本当にできないのかどうか、国土交通省に検討してくださいというお願いをしてきた状況でございます。
◆小池清 委員 出てきた資料とか検討内容は、オープンになっているということでいいわけですね。
◎塩谷幸隆 環境政策課長 オープンになっております。私どものホームページで技術委員会資料は公表しておりますし、資料として提出されたものは、ほとんどが4月23日にJR東海が提出をしております評価書の中に、本文、あるいは評価書の資料として記載をされているものでございます。
◆小池清 委員 もう1点聞きたいんですけれども、資料は入手できるということだと思うんですが。ダンプの運搬台数が、人によってこれ違うんですけれども。17秒に1台、ダンプが通るとか言われておるんですけれども。こういったことも資料に出ておるんですか。
◎塩谷幸隆 環境政策課長 環境影響評価の制度上、予測をしておりますのは、工事をやっている期間の中で最大になるときの台数の予測をいたしまして、予測に基づいて生活環境にどのぐらいの影響があるのか、大気の状況、騒音・振動の状況にどれだけ影響があるのかを予測しております。台数につきましては、4月23日に公表しております評価書の中に明記してあります。1日当たりの大型車の増加台数が、大鹿村の国道152号の予測地点では、1,736台増加する予測結果になっております。1日当たりの台数が1,736台増加するという予測結果です。
◆小池清 委員 どのぐらいの期間、続くんですか。
◎塩谷幸隆 環境政策課長 一月ごとの増加台数の最大値を、工事期間中、全部とった最大値ですので、最大の月の数字ということで御理解いただきたいと思います。
◆小池清 委員 これから工事が10年間続くんですけれども、一般的に受け取られておるのが、相当長い時間続くイメージで出ておりますよね。もう少し正確に言っていただく必要があるんではないかなと思いますし、環境の提言をするには、現実に対応していかないと、地域の皆さん方の御要望を実現するに当たって、要望するほうもそうですけれども、受けとめるほうも、正確な要望ではないと十分には対応してくれないんではないかなと。10年間に一時的な話だけで全部を話しても、話がきちんとかみ合っていかない部分があるように見受けられるんです。県も要望を上げておる立場として、もう少し詳しく説明をする必要があるんではないかなと思うんですけれども。現実、特に飯田・下伊那地域で、非常に懸念されておるんですけれども、県の説明の仕方をもう少し正確にやっていただきたいと思うんですが、そこら辺はどうでしょうか。
◎塩谷幸隆 環境政策課長 若干、補足をさせていただきたいと思いますが、1,736台と申しますのは、工事が開始してから4年目の最大の月の予想でございます。工事が始まりまして5年目ですと1,646台、工事が始まりまして3年目、あるいは6年目ですと1,200台で、委員おっしゃるように、ずっと1,736台という台数が続くというわけではございません。その辺の説明を、私どもといたしましては、委員の御指摘ですと正確じゃないじゃないかという御指摘、あろうかと思いますけれども、最大で1,736台というように今までお話をしてきたところでございます。委員の御指摘、それは最大値だろうというのは、そのとおりでございますので、委員のお話も十分肝に銘じていきたいと思います。
◆小池清 委員 工事に当たりましては、住民の皆様方の御心配がないようにしっかり取り組んでいただくことと、地域とすれば地域の発展につなげたい部分がございますので、配慮の仕方をもう少し検討していただいて、しっかりと住民生活を守れる対応をしていただくことをお願いしたいと思います。
先ほど申しましたほかの部分につきましても、どの程度のことができるのか、県の技術委員会でも判断ができない部分があるということで、要望書ということですけれども。これらにつきましても、しっかりとした形になるための対話、角が立った形にばかりなってしまっていますから、JRにもきちんと対応してもらいたいと私どもも思っておりますし、うまく回る形に持っていっていただくのが、地域に住む皆様方としてもありがたいんではないかなと思いますので、しっかりとしたお取り組みをしていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げる次第でございます。
県も小水力発電で、今度、
全国小水力発電サミットということでお取り組みいただけるということですけれども、難しいですよね、小水力もそうですし、なかなかできない。全般的に、先ほど本郷委員のほうからお話がありましたように、地球温暖化とエネルギー問題で、非常に難しいんですけれども、私どもも感じておるのは、できるだけ小水力とか太陽光発電を使ってやりましょうという方向は結構だと思うんですけれども、県の発電設備容量という数字にもあらわれますように、現実にどのぐらい対応できるのか、わかりにくい表示の仕方をされている。電力問題に寄与するのは難しいと思う一方で、先ほど言った地球温暖化の影響も非常に大きいですよね。
県から県民の皆さん方へお知らせする中に、地球温暖化に対する説明が少ないと思うんですよね。小水力とか、太陽光とか、バイオマスエネルギーというお話も結構ですけれども、もう一方では、先ほどお話に出ていた部分を県民の皆さん方に御理解をいただく取り組みはしっかりやるべきだと思うんです。エネルギーに対する全体を捉えることができないんではないかなと思いますし、国もやっておりますけれども、県としてもエネルギー政策がどうあるべきだということを、今が不正確というわけじゃないですけれども、もう少し正確に、しっかりとやらなければいけないところがあるのではないかなと思うんです。そこら辺の全体の施策は、どのようなものでしょうか。
◎長田敏彦
環境エネルギー課長 私どもの策定した計画、
環境エネルギー戦略は、今までの計画と違うというか、特徴としましては、従来の地球温暖化対策に、環境エネルギー政策と言われている省エネとか
自然エネルギーとか、そういった政策も統合して進めていこうとしております。県民の方に
自然エネルギーの普及促進ばかりで、偏ったといいますか、十分な全体像として示さない部分があるんではないかという御指摘でございます。私どもとすれば、今、申し上げた温暖化対策、CO2の削減、また本郷委員が御指摘されました緩和策と適応策そのためにはどうしていくかという中での省エネと
自然エネルギーの普及、全体として県民の皆様に、正確に現状を踏まえた中でお伝えできる努力をしてまいりたいと思っております。
◆小池清 委員 努力をしていただくことで、しっかりとやっていただきたいと思います。小水力もずっと心配しておるんですけれども、機運を高めることは大事ですけれども、なぜ普及しないのか。県、行政とすれば普及させたいと思うんです。お取り組みいただいているんだから、なぜ普及しないのか。民間で長期にわたるこれだけの事業をやるのはハードルが高いと思うんですよね。私どもの近くでも計画は聞きますけれども。担保も難しいですし、維持管理も難しいんですけれども。土地改良組合とか、ある程度公共で長年にわたって存在する組織であればできるでしょうけれども、任意団体とか、自治組織で長期間にわたってやっていくのは、ハードルが高いと思うんですけれども、そこら辺はどのようにお考えになっておるんですか。
◎長田敏彦
環境エネルギー課長 小水力発電につきましては、ほかの太陽光とかに比べてなかなか事業化が進んでないということについては、私どもも分析をしておりまして。一つは、水利権の問題がございます。あとは小水力発電の場合には、まだまだ先行事例が少ない中で、流量調査をして、その中で事業計画を立てて、銀行で融資をしていただいてという中では、銀行、金融機関としましても融資経験がないものですから、手探り状態で、資金調達についても御苦労をされている。維持管理、整備を含めて、全国的に、特に県内は先行事例がそんなにないものですから、技術的なノウハウとか、事業運営のノウハウが、地域の方たちに十分備わってないと。いろいろなネックといいますか、ハードルがあるわけでございます。
私どもとすれば、ソフト・ハードに対する助成制度は設けたものの、事業化を進めようとしている人たちの悩みに対して、きめ細やかに助言をしていく必要があるだろうということで、小水力発電キャラバン隊を昨年つくりまして、現在、活動しております。先ほど申し上げました水利権の問題もございますので、水利権の関係の総合窓口になっていただいている建設部の河川課も同行しながら、現地で相談会等を開催しております。
技術的なノウハウにつきましては、企業局が実際に発電事業を行っていることから、技術的な知見を持っている電気関係の技術者がキャラバン隊に入っていただいて、技術的なアドバイスもしております。また、企業局としましては、発電の計画づくりのマニュアルをまとめて、今、ホームページで公開をしております。私も見ておりますけど、大変参考になるものでございます。
また、本県は、土地改良施設、農業用水施設への小水力発電のポテンシャルが高いと言われておりまして、私どものキャラバン隊に土地改良事業団体連合会の皆様も加わっていただきまして、農業用水路における施設整備についてのいろいろなアドバイス、また運営の、維持管理のアドバイス等々もしていただく取り組みをしているところでございます。事業化が進んでない状況でありますので、関係課、関係団体と、キャラバン隊の活動等も通じて進めてまいりたいと考えております。
○金子ゆかり 委員長 午後3時15分まで休憩を宣した。
●休憩時間 午後2時59分
●再開時間 午後3時14分
○金子ゆかり 委員長 再開を宣し、委員の質疑等発言を許可した。
◆野澤徹司 委員 一つだけ、簡単にやらせていただきます。諏訪湖の話でございまして、おかげさまで、資料の第1号で示すように、また予算をつけていただいて、年々よくなるということでございますけれども。今年度は500万円そこそこですけれども、来年、再来年の中身をまず教えていただきたいんですけれども。
◎村田博
水大気環境課長 諏訪湖の環境改善、特に湖底の貧酸素が問題になっていることで、環境省も湖底の酸素濃度の環境基準をつくろうと、今、検討をしていただいています。環境省の委託事業も、ことし、来年、再来年と3年間の事業ですし、それが終わると、長野県も、今は第6期の水質保全計画ですけど、第7期の水質保全計画の策定に向かって動いていくことで、長野県も3年間で、貧酸素の調査研究事業を予定しております。
国の委託事業は700万円で、限度額いっぱいいただいています。来年以降も、県の単独でもやっていきたいんですけれども、国にも要望しながらやっていきたいと考えているところです。
◆野澤徹司 委員 特に取るのはヒシですね、周りの住民の皆さんも手を出して一生懸命やっているわけですよね。民間の婦人団体の皆さんも、わざわざボートに乗って、一生懸命やっていることで、たまたま私は出られないものだから、我が会派の堀場議員、荒井議員の2人がわざわざ来てくれて、応援に来てもらった経過でございます。本当にありがたいことで。
25年度の活動の検証で、あれだけいた魚が何にもいないということで、前にもお話をしたかもしれませんけれども。シジミは幾らでもいたんですよ。諏訪湖のシジミが、琵琶湖からわざわざ来たシジミより高かった。だから私らなかなか地元の者も食べられなかった時代があった。今は貝はいないわ、エビも全然いないわとで、大変な力を出していただいて、やってもらって本当にありがたい話だと思います。
今年度の保全の中で幾つかあるわけですけれども、今、貝などの放流があります。その中の一番下にカワアイサの追い払い、野鳥の会だとか、ああいう会の皆さんとの連携は何かとれているのかどうか、常にその辺が話題になっておりまして、心配になるんですけれども、いかがでございましょう。
○金子ゆかり 委員長 野澤委員、環境に関する質問で関連してということですか。
〔野澤委員から「たまたまこの中に入っていることだからね」という声あり〕
カワアイサの追い払いは、農政関係かと。趣旨が少し、よろしいですか、課長、答えていただけますか。
◎村田博
水大気環境課長 カワアイサの追い払いは、諏訪湖の環境保全の行動会議の中で位置づけをしておりまして、委員長からお話がありましたように、農政部が行動会議と協力しながら、主には漁協と協力しながらやっていることです。行動会議の中には野鳥の会とか、白鳥の会も入って、計画の中で認められていることですので、その辺の整合、連携はとれていることでございます。
◆野澤徹司 委員 わかりました。総合的にやってもらいたいということと、湖が昔のように戻って、何とかしていきたいなと思います。
◆小林東一郎 委員 「省エネ大作戦・2014夏」について伺っていきたいと思います。
経済産業省の推計では、家庭の消費電力、特にピークカットの対象となる午後2時ごろの電力需要ですが、家庭の部分ではエアコンが58%を占めている。東北から九州地域を平らにならして6割ぐらいという数字が出されております。本県でも同様の状況なのか。それから家庭用の電力需要と産業系の事業所であるとか、多少の差異はあるかと思いますけれども、事業系の部分でエアコンの需要はどのぐらいになっているのか、統計がありましたら教えていただきたいと思います。
◎長田敏彦
環境エネルギー課長 すぐ数字が出てこないものですから、後ほど、数字が出ればお答えいたします。すぐにはお答えができないということで、申しわけございません。
◆小林東一郎 委員 後ほど教えていただきたいと思います。家庭の部分は、確かにこれからまだ絞っていけば絞れるところもある、そういう御家庭もあるかと思いますが、絞り切れないでいる、乾いた雑巾はさらに絞ることができないことはよく言われるわけでありますが。家庭の部分は、本当に効果がきちんと発揮していっていただくには、2011年の夏ですか、エアコンの温度設定を28度にとか、26度から28度にすることによって、10%ぐらいの節電が可能ですよという具体的なものが出ていたと思うわけですが。今回は、その辺のところは、県民の各家庭の皆さんはもう既に学習済みと、そんな考え方でしょうか。
◎長田敏彦
環境エネルギー課長 家庭の節電の効果につきまして、資料で添付してございますチラシの裏が、それぞれ家庭版、事業者版、県機関版ということで、分野ごとにアクションメニューをお示ししてございます。家庭の場合にエアコンを28度に設定すると、2度上げた場合にはどれくらいの電気代の節約になるかをお示ししてございます。家庭の皆様に節電行動をとってもらうためには、お得になる、家計にもやさしいことをPRするためでございます。
◆小林東一郎 委員 ことしの新しい取り組みだと思うんですが、信州クールシェアであります。図書館とか美術館で知的にクールシェアしましょうということになっています。私も市の図書館は月に2回ぐらいは行くわけですが、夏場は、特に夏休み中は、大変混雑をしているわけですね。こういう取り組みは、市町村の側と協議をされて行われているのかどうか。
山や高原で自然のクールシェアも大変結構だとは思うんですが。片道50キロぐらいをかけて一家で車に乗っていくことになると、使うエネルギーもかなり大きな、ガソリン何リットルという形で、総合的な温暖化対策政策の中で、山や高原に行っていただきたいのはわからない気もしないんですが、エネルギー消費と実際の行動の部分でそういうものをどのぐらい使っていくか、緻密な計算がなされなければ、やみくもに言えないのではないかと思うわけですが、いかがでしょうか。
◎長田敏彦
環境エネルギー課長 クールシェアの関係でございますけれども、市町村との連携につきましては、市長会、町村会等々と連絡会議を設けている中で、プロジェクトを説明し、市町村からも、公共施設を有効活用していただく面もありますので、賛同いただきまして、積極的に取り組んでいただいているところでございます。
車の移動とエネルギー消費全体の問題でございますが、私どもとすれば、御家庭で皆さんがエアコンを使う流れから、その方のライフスタイルにもございますけれども、外に出る予定があれば、お友達と待ち合わせをしていただいて、皆さんでもともと涼しい場所に行っていただくと。また観光部と連携をしておりまして、観光振興にもつなげようと取り組みをしているところでございます。ガソリン代の消費という問題提起が今ございましたので、そこら辺については、今後の参考にはさせていただきますけれども、趣旨としてはそんなところでございます。
◆小林東一郎 委員 趣旨としてはわかるんですけれどもね。総合的なエネルギー消費という部分でどうなっているのかもお示しをいただかないと、私は全体的な温暖化防止の対策になっていかないのではないかなと思いますので、緻密な計算をお願いしたいなと思います。自家用車ではなくて、公共交通、特にバス路線の廃止が、今、言われているところですので、公共交通でお出かけくださいという文もつけ足していただく必要があると思うんですが、その辺、いかがでしょう。
◎長田敏彦
環境エネルギー課長 小林委員御指摘の点を踏まえてまいりたいと思います。先ほどピーク時間帯のエアコンの使用量等についての御質問がございましたけれども、家庭部門、事業部門、それぞれエアコンの使用量での統計は把握しておりません。私どもの把握しているのは、電力使用の部門別の使用比率は、県内の状況として把握してございます。22年度で震災の前の数値でございますけれども、一番多いのが産業部門で42%、次が家庭部門で33%、商業・宿泊施設部門12%等々となっておりまして、産業部門、家庭部門が多い割合を占めている状況でございます。
◆小林東一郎 委員 県は長期的な計画に基づいて、毎年のように削減の数値目標を示されております。国では省エネに対する意識が、2011年の震災のあった夏には省エネ意識が高くて、全体でも10%を超えるピーク電力のカットが実現をしたわけです。景気の回復に伴いまして、その辺のマインドが徐々に低下をしているんではないか、これは国も憂慮をしているらしいわけですが、ことしの夏は、国では企業や家庭の自主的な取り組みにお任せをすると。アベノミクスの足を引っ張る数値目標は出せないのではないかということで、見送りになったということのようであります。きょうの新聞報道にもありましたが、西日本では非常に大変だと言われているわけですよね。そういう事態になっているにもかかわらず、国は、数値目標は示せない。けれども県は、目標年度である2020年に向けて毎年のように削減目標に取り組んでおられることのギャップが、私は心配になる点ですね。長野県はきちんと目標を定めて、それをクリアできる取り組みを毎年繰り返していることを、国にもしっかり伝えていただく必要があるんではないかと思うわけです。地方から国のあり方をよく考えてもらいたいということに対して、部長はどのようなお考えでお取り組みでしょうか。
◎山本浩司 環境部長 数値目標の関係ですが、委員御指摘のとおり、国においては景気の動向もあって統一の目標は定めないということです。基本的にうちも、産業界にもいろいろお話をする中で、産業界も目標をつくることはいいじゃないかということで、相協力をしてやっております。そういう面では全国的には珍しい県でして、昨年はうちのほかにも神奈川県、奈良県ぐらいで、ずっと目標をつけてやっているのはあまり例がないということでございます。数値目標を設定する理由は多々ございますけれども、マインドですとか、モチベーションですとか、落とさないためにも必要だと思っております。こういう考え方を、地方から国のほうにもお示しをしていきたいなと思っております。
◆小林東一郎 委員 長野県が今まで続けてきた取り組みは、国において評価をしてもらわなければいけない取り組みだと私も思いますし、今後、2020年度で15%っていう削減目標の達成は、大変大きな、環境行政の上でインパクトを与えるものだろうなと思いますので、しっかりしたお取り組みをお願いをしたいと思います。
先ほどエアコン等の話をいたしましたが、産業労働部で、省エネ施設の制度融資の枠というのがございまして、なかなか広がっていかない状況があるんですね。環境部でも取り組まれていて、このような形で新しい機器、エアコンで言いますと、今、途中で勝手に送風に切りかわるとか、切りかわって省エネになるエアコンの装置が開発をされております。照明のLED化等によってかなり大きな削減が期待できて、何年かのうちに投資した資金は回収できるのではないかということが言われているわけです。その辺、実際に制度融資を使って取り組まれている企業の内容をしっかり把握をしていただいて、こういう形で省エネに取り組んでいただいて、10年以内に電気代の削減で元が取れるんではないかというPRに努めていただくことも、これからの
地球温暖化防止の政策の上では非常に重要な点ではないかと思うんですが、その辺のお考えはいかがでしょうか。
◎長田敏彦
環境エネルギー課長 企業のいろいろな機器を省エネタイプのものに設備更新していくことは、省エネにとって非常に重要と考えております。私どもも事業活動温暖化計画書制度を、条例を改正し、この4月から運用しております。その中では、設備更新の計画についても提出していただき、私どもの専門チームがアドバイスをしていくことになっております。設備更新には資金が必要ですので、その点については、産業労働部と連携をとってまいりたいと思います。
◆小林東一郎 委員 連携を強化していただいて、あの資金が多くの企業が御利用いただける形にならないと、省エネの効果は、今後、なかなか進みにくくなるのではないかなと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
南アルプスのユネスコエコパークの登録について、何点か伺っていきたいと思います。この南アルプス国立公園に指定されている部分が、南アルプスユネスコエコパークの核心部分になるんだろうなと思うんです。今のところ、国立公園部分が、特に南アルプスの北部はそれなりの広がりを持っているわけですけれども、南部は稜線に限られている。環境省においても、2020年度をめどに、国立公園の地域を拡張する方針を打ち出しているということですが、今、どんな形で進められているんでしょうか。
◎山﨑明 自然保護課長 南アルプスのエコパークを含めた、核心地域のさらなる拡大につきましては、国も非常に問題意識としては持っているんですが、県境をまたいでいく事案でもございますので、今、慎重に検討を進めている状況でございます。
◆小林東一郎 委員 ユネスコエコパークの登録で、今回は、国立公園地域の拡大ではないわけですけれども。ユネスコエコパークが、多くの方に知られている内容ではなくて、意味合いがいま一つ捉えられていないということだろうなと思うんです。エコパークのそもそもの意味は、持続可能な自然環境と生物資源の利用能力を高めることが重要であることが国際的に認識をされ、それを実現するための国際的自然保護地域がエコパークということでいいんでしょうか。
◎山﨑明 自然保護課長 おっしゃるとおりでございます。
◆小林東一郎 委員 先ほどもエコパークが、多くの皆さんに認識をされていないのは、実は登録することによって、志賀高原地区も随分前からエコパークですが、私もあそこがエコパークだと知ったのは、ほんの1年ほど前でございまして、地元でもなかなか活用しようという機運がなかったわけですね。エコパークに登録になると、住民や自然環境保全にとって、どのようなメリットがあって、実現すると生活や自然環境にどのような影響が予測されるのでしょうか。その辺、わかっている部分でお答えをいただきたいと思います。
◎山﨑明 自然保護課長 先ほどの資料の中でもメリットの話は触れましたが、一つは、地域がブランド化、例えば志賀高原ブランドという名前ができたことによって、具体的には、農作物に志賀高原ブランドのラベルを張りながら、産業振興を図っていこうという取り組みがございます。教育的な利用に力を入れながら、あの地域が今ある資源を持続的に生かしていく方策を子供たちの中に伝えていく取り組みをやっていることで、地域の発信もしていきましょうということを目指した動きもございますので、その辺の取り組みが成熟していくことが何よりのメリットにつながると思っております。
◆小林東一郎 委員 今、その地域の農産物、林産物であるとか、あるいは環境教育がアピールできることになるから、活用というお話だったんですが、今ある環境をしっかり持続可能なものにしていって、そういう取り組みをその域内でやっていることが、一つ、大きなアピールをするポイントになるんだろうなと思うんですよね。地域の振興であるとか、自然環境に調和した発展に関する計画を有していることが、エコパークの登録の部分で必要ですが、南アルプスについては、その辺の計画というのはあるんですか。
◎山﨑明 自然保護課長 南アルプスにおきましても、エコツアーですとか、あるいは学校の中での教育の中で取り上げるプログラムはつくられておりまして、志賀高原ほど先行しておりませんから、成熟度ではまだまだの部分があろうかと思いますが、取り組みは既に進められております。
◆小林東一郎 委員 これからですよね。今回のエコパーク登録は非常にいいことであって、南アルプスの自然をよく考える上で、きちんと活用していかなければいけないと思っているわけですが、一番心配な点はリニアの工事でございます。JR東海は、工事は移行地域、核心と緩衝と移行地域と3つに分かれているうちの移行地域で、一番外側の地域で工事が行われるから、全く問題ないという説明を繰り返しているようです。自然環境の保全と調和した持続可能な発展のためのモデルとなる取り組みを推進する場所が移行地域ですが、今のリニアの計画が、特にJR東海が示している、残土処理であるとか、そういったものをどのようにしていくかがよくわからない計画と、持続可能な発展のためのモデルと相入れるのかが、私は非常によくわからない部分がありまして、その辺の御見解をお聞きしたいと思います。
◎山﨑明 自然保護課長 リニアに対する情報の中で、環境省が既に見解を述べている中では、トンネルである、あるいは核心地域には触れられてない部分から、影響はないだろうという見解を示しております。今後、示されている部分の中で持続的に影響がないかは、しっかり私どもとしてもチェックをしてまいりたいと思っております。
◆小林東一郎 委員 そのトンネル、先ほども出てきましたが、調査坑を掘っていったり、本坑を掘ったりする場合ですね。長野県側のトンネルを掘る位置が、大鹿村の釜沢という集落でありますが、私も一回行ったことがあります。大変急峻な地形で、残土をどこに置けばいいのかとか、問題も山積をしている地区であります。そこはすっぽり移行地域の中に入っているわけですよね。リニアの計画が、今回の南アルプスのユネスコエコパークの登録との兼ね合いが、いろいろな見方があるわけで、地域の発展のために必要だという見方もありますし、かけがえのない自然環境を守る上ではおかしいんではないかと、いろいろな見方があるわけです。
ただ、エコパークに登録になったことは、その地域の中で持続可能な開発には、しっかりと配慮をしていただかなければならない問題だと思うんです。その辺のところが、今回、国土交通省に県から要請をされている部分には含まれているんでしょうか。
◎塩谷幸隆 環境政策課長 順を追って申し上げますと、エコパークにつきましては、私どもの知事から事業者に出しました知事意見の中で、登録になる前の段階ですけれども、関係する市町村の意向を踏まえ、本事業の実施がユネスコエコパークの登録に影響がないよう十分留意することと、私どもの知事意見の中では述べております。それに対する事業者の見解ですけれども、核心地域や緩衝地域は全てトンネル構造とすることで、移行地域は確かに下限部分が該当するんですけれども、核心地域や緩衝地域は全てトンネル構造とするのが、評価書の段階での事業者の見解です。
6月5日に環境大臣が国土交通大臣に意見を出しておりまして、ユネスコエコパークについても、わざわざある程度の行を使って意見を述べているんですけれども。まとめのところを申し上げますと、本事業の実施がユネスコエコパーク申請地としての資質を損なうことがないよう、事業実施に際しては、関係地方公共団体と十分調整し、その意見を尊重することと。環境大臣が国土交通大臣に述べた意見の中では、このようになっているところでございます。
これを受けて、国土交通大臣が最終的にJRにどう意見を述べるかが次の段階になるわけです。関係地方公共団体と十分調整し、その意向を尊重するという表現は、十分尊重した形になるのではないかと考えているところでございます。
◆小林東一郎 委員 環境影響評価技術委員会の委員長をされていた亀山章先生、自然保護協会の理事長でもいらっしゃるわけですけれども、自然保護協会から、南アルプスエコパーク登録に対するコメントが、6月12日付で出ておりまして。その中に、南アルプスユネスコエコパーク登録地域では、
リニア中央新幹線が地域を縦貫する計画となっており、自然の価値を下げ、人と自然のかかわりを妨げることが危惧をされることを述べておられます。先ほどのJR東海の見解では、核心地域、緩衝地域は全てトンネルでございますけれども、当然、トンネルをあければ、地下水が変わるであるとか、森林生態系に対しても、小さくない影響が懸念をされているところであります。亀山先生が理事長をやっておられる、公益社団法人でありますけれども、いろいろな環境の団体から懸念が表明されているわけでありまして。今、塩谷課長がおっしゃられた意見が、国土交通大臣からJR東海に出されることを期待はいたしているところであります。この辺の考え方は、環境と開発に対する、非常にナイーブな部分もあるのかなと思うんですけれども、長野県、環境を守っていく部分では譲れないものは譲れないんだと強い態度を常に持っていていただきたいなと感じるわけでありますが、部長の見解をお聞きして終わります。
◎山本浩司 環境部長 リニアの関係でございます。私ども環境部の関係では、リニアをつくる場合の環境保全を主体に考えておるわけです。県全体を考えますと、それだけではないということです。リニアを推進するに当たっても、環境保全は、推進はするからこっちはどうでもいいんじゃなくて、環境の保全を十分やってもらいながら、的確に推進をしてもらうのが県の姿勢であろうかと思いますので、うちのほうとすればそういうことも勘案しながら、言うべきことは今後とも言っていく姿勢でいきたいと思います。
◆和田明子 委員 お願いします。先ごろ松本サリン事件から20年で、あのときの研究機関として、衛生公害研究所としていち早く、まかれた薬品がサリンであったことがわかったわけです。取り扱いについては、いろいろ捜査段階ではあったようですけれども、非常に高い専門性を擁した研究機関でありまして、県としてもそこに頼って、過去にも重要な問題を取り扱ってきていただいたわけです。安茂里庁舎が非常に老朽化しており、狭隘な施設であり、地域の住宅密集地であったり、また中学校とも近距離にあることで、私もかねがねあそこは、できればもっとよい環境でいい施設を整えたり、住宅密集地じゃないところに施設があればいいと私の問題意識としては思っていたところです。
環境保全研究所安茂里庁舎について、今後、移転とか、見通しがあるのかどうか、お聞きしたいと思います。
◎塩谷幸隆 環境政策課長 委員御質問の
環境保全研究所の安茂里庁舎ですけれども、耐震性が不足している問題、老朽化かつ狭隘な状況である点につきましては、御指摘のとおりであります。若干、今後どうするかで幾つか課題がありまして、移転をする場合には、建設コスト、適地の確保をどうするかという問題があります。仮に現地で建てかえになりますと、施設の規模を小さくしないと建てかえができない状況もありまして、なかなか難しい。そういった幾つかの課題がございます。私どもとしては、県全体のファシリティマネジメントといいますか、県全体のその施設の有効利用を研究する中で、
環境保全研究所につきましてもどういうふうにしていくのか、その中で研究をしていきたいと考えております。
◆和田明子 委員
環境保全研究所については、最近のことではなくて、課題は大分前から抱えていた課題だと思いますけれども。結論、もう少し早目に検討していただいて出していただいて、あそこは次々新しい機材も、また今は放射能の関係ではゲルマニウムの精密検査ができる機材も入れてもらったりして、いつも重要度が高いものがたくさん置かれていますので、あまりにも手狭過ぎると思いますので、全体をいじらなくても、一部分、分散する形でもできないのかどうかも含めて、環境の改善、できるだけ早く結論を出していただくようにお願いしたいと思いますが、いかかでしょうか。
◎塩谷幸隆 環境政策課長 県全体の施設を見たときには、老朽化している施設は、
環境保全研究所に限らない事情もございますので、私どもとしても、全体の中に
環境保全研究所に関する問題意識を常に持って取り組んでいきたいと考えております。
◆和田明子 委員 検討を強めていただきたいと要望しておきたいと思います。
廃棄物に関して幾つかお聞きしたいんです。一つは、一般廃棄物の問題ですけれども、今回、出されている陳情とは直接的にはかかわらない面もあるんですけれども、広域処理について、県としても、一般廃棄物の処理についても広域化を推進する立場で指導や助言もしてきた経過があるわけです。一般廃棄物についても、ごみが減量されてきて、当初の計画よりも処分場が、焼却施設等が過大になっているところも見受けられるのではないかと思うところもあるんです。当初からの計画どおりでなくて、今のごみの減量化に伴って計画の見直しも必要なところがあるという認識があるかどうか、お聞きしたいと思います。
◎宮村泰之
資源循環推進課長 廃棄物の一般廃棄物の関係についての御質問ですが、広域処理につきましては、平成10年ごろですか、ダイオキシンが問題になったころに、小規模の焼却炉においてはダイオキシンが発生する中で、広域化を進めていこうと進めてきた経過がございます。広域化は必要な内容だろうと考えているところでございます。
ごみの減量につきましては、委員さん御指摘のように減量化がだんだん進んできている部分ではございますが。ただ、東日本大震災のころから、災害とかそういった問題もありまして、ある程度、焼却炉につきましても、通常のごみ処理能力だけではなくて、若干の上乗せ部分は必要だと考えておりますので、一般廃棄物が減量化していくのは現実として捉えておりますけれども、すぐに焼却施設が過大であるといった話とは若干違うのかなという認識を持っているところです。
◆和田明子 委員 計画によっては、今言ったように災害廃棄物についても多少受け入れることで、通常の業務では、必要のない部分も一定の上乗せをして、その規模の施設を建設する必要があるというお答えでした。これからもますます、廃棄物というか、ごみについては減量化を促進してもらうわけですし、焼却するごみの内容ですけれども、今、特に生ごみ系をもう少し循環させる形で分ければ、飛躍的に焼却するものが減るという見地からも、県としては技術的な指導という点でも進めていっていただいて、ただ燃やす時代ではないことも承知の上で、皆さん、行政をされているわけですから、今のところは過大でないという結論かもしれませんけれども、過大なものをつくって、結局、ごみを燃し続けるために燃やさなくていいものまで燃やすことがないように検討していただく形で、見直しも含めて、市町村の広域的な処理施設の検討をされているところもあるわけですから、県としても指導していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎宮村泰之
資源循環推進課長 最初に生ごみの関係も出てまいりましたけれども、生ごみの減量化が、各市町村ともかなり苦心をしているところでございます。その辺につきましては、一般廃棄物に関しては市町村が総括的に責務を負うことではあるんですけれども、県としても各市町村の取り組みを取りまとめてほかの市町村に参考にしていただくとか、どんなことが県としてやっていけるのかに関して、検討していきたいと考えておりますし、それに伴う焼却炉の関係につきましては、減量化の推進状況等も見ながら対応させていただきたいと考えております。