長野県議会 2009-01-13
平成21年 1月臨時会本会議-01月13日-01号
平成21年 1月臨時会本会議-01月13日-01号平成21年 1月臨時会本会議
平成21年1月13日(火曜日)
応招議員の席次及び氏名
1 番 松本市 下沢順一郎
2 番 長野市 髙島陽子
3 番 小諸市 福島鶴子
4 番 長野市 和田明子
5 番 中野市 小林東一郎
6 番 長野市 太田昌孝
7 番 茅野市 今井 敦
8 番 中野市 丸山栄一
9 番 茅野市 松山孝志
10 番 飯田市 小島康晴
11 番 諏訪市 金子ゆかり
12 番 千曲市 小山 立
13 番 塩尻市 備前光正
14 番 北佐久郡立科町 今井正子
15 番 安曇野市 北山早苗
16 番 大町市 諏訪光昭
17 番 佐久市 木内 均
18 番 飯田市 小池 清
19 番 上伊那郡辰野町 垣内基良
20 番 岡谷市 野澤徹司
21 番 南佐久郡佐久穂町 髙見澤敏光
22 番 東御市 保科俶教
23 番 飯山市 宮本衡司
24 番 岡谷市 毛利栄子
25 番 須坂市 永井一雄
26 番 木曽郡上松町 村上 淳
27 番 塩尻市 小松千万蔵
28 番 東筑摩郡朝日村 清沢英男
29 番 長野市 西沢正隆
30 番 長野市 風間辰一
32 番 上田市 下村 恭
33 番 長野市 竹内久幸
34 番 駒ヶ根市 佐々木祥二
35 番 伊那市 向山公人
36 番 上田市 高村京子
37 番 上伊那郡箕輪町 小林伸陽
38 番 松本市 藤沢詮子
39 番 佐久市 柳田清二
40 番 松本市 牛山好子
41 番 北安曇郡池田町 宮澤敏文
42 番 上田市 平野成基
43 番 松本市 本郷一彦
44 番 須坂市 村石正郎
45 番 伊那市 木下茂人
46 番 下伊那郡豊丘村 森田恒雄
47 番 長野市 倉田竜彦
48 番 安曇野市 宮澤宗弘
49 番 北佐久郡立科町 寺島義幸
50 番 長野市 高橋 宏
51 番 長野市 石坂千穂
52 番 上田市 島田基正
53 番 松本市 萩原 清
54 番 上水内郡信濃町 服部宏昭
55 番 安曇野市 望月雄内
56 番 飯田市 古田芙士
57 番 千曲市 下﨑 保
58 番 長野市 石田治一郎
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出席議員(57名)
1 番 下沢順一郎 27 番 小松千万蔵
2 番 髙島陽子 28 番 清沢英男
3 番 福島鶴子 29 番 西沢正隆
4 番 和田明子 30 番 風間辰一
5 番 小林東一郎 32 番 下村 恭
6 番 太田昌孝 33 番 竹内久幸
7 番 今井 敦 34 番 佐々木祥二
8 番 丸山栄一 35 番 向山公人
9 番 松山孝志 36 番 高村京子
10 番 小島康晴 37 番 小林伸陽
11 番 金子ゆかり 38 番 藤沢詮子
12 番 小山 立 39 番 柳田清二
13 番 備前光正 40 番 牛山好子
14 番 今井正子 41 番 宮澤敏文
15 番 北山早苗 42 番 平野成基
16 番 諏訪光昭 43 番 本郷一彦
17 番 木内 均 44 番 村石正郎
18 番 小池 清 45 番 木下茂人
19 番 垣内基良 46 番 森田恒雄
20 番 野澤徹司 47 番 倉田竜彦
21 番 髙見澤敏光 48 番 宮澤宗弘
22 番 保科俶教 49 番 寺島義幸
23 番 宮本衡司 50 番 高橋 宏
24 番 毛利栄子 51 番 石坂千穂
25 番 永井一雄 52 番 島田基正
26 番 村上 淳 53 番 萩原 清
54 番 服部宏昭 57 番 下﨑 保
55 番 望月雄内 58 番 石田治一郎
56 番 古田芙士
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説明のため出席した者
知事 村井 仁 建設部長 北沢陽二郎
副知事 板倉敏和 会計管理者 大田安男
副知事 腰原愛正
公営企業管理者
危機管理部長 松本有司 職務執行者・企
企画部長 望月孝光 業局長 山田 隆
総務部長 浦野昭治 財政課長 黒田和彦
社会部長 和田恭良
教育委員会委員
衛生部長 渡辺庸子 長 矢﨑和広
衛生部病院事業 教育長 山口利幸
局長 勝山 努 教育次長 原 修二
環境部長 白井千尋 教育次長 平澤武司
商工労働部長 荒井英彦 警察本部長 小谷 渉
観光部長 久保田 篤 警務部長 堤 康次郎
農政部長 白石芳久 監査委員 髙見澤賢司
林務部長 轟 敏喜
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職務のため出席した事務局職員
事務局長 徳武和夫
議事課担当係長 三枝哲一郎
議事課長 宮下清一 総務課担当係長 村井昌久
議事課課長補佐 小山 聡
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午前11時開会
○議長(下﨑保 君)ただいまから第362回県議会を開会いたします。
知事から招集のあいさつがあります。
村井知事。
〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)本日、平成20年度
一般会計補正予算案ほか4件の補正予算案につきまして県議会臨時会を招集いたしましたところ、議員各位には年の初めで何かと御多忙中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
提出議案につきましては後刻御説明を申し上げますが、何とぞよろしく御審議の上、議決を賜りますようお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。
平成21年1月13日(火曜日)議事日程
会議録署名議員決定の件
会期決定の件
知事提出議案
議員提出議案(日程追加)
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本日の会議に付した事件等
会議録署名議員決定の件
新任理事者の紹介
諸般の報告
会期決定の件
知事提出議案
議員提出議案
午前11時1分開議
○議長(下﨑保 君)これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、
会議録署名議員決定の件、会期決定の件及び知事提出議案であります。
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△
会議録署名議員決定の件
○議長(下﨑保 君)次に、
会議録署名議員決定の件を議題といたします。
お諮りいたします。
会議録署名議員は議長指名により決定いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下﨑保 君)御異議ありませんので、永井一雄議員、村上淳議員、
小松千万蔵議員を指名いたします。
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△新任理事者の紹介
○議長(下﨑保 君)次に、新任の県理事者を紹介いたします。
松葉邦男選挙管理委員会委員長。
〔
選挙管理委員会委員長松葉邦男君登壇〕
◎
選挙管理委員会委員長(松葉邦男 君)私は、昨年12月12日に当議会において選挙をいただきました
選挙管理委員会の委員4名の互選により委員長になりました松葉邦男でございます。
選任いただきました委員を代表いたしまして、ごあいさつとお礼を申し上げたいと思います。
私たち4名は、最善の努力をもって、選挙にかかわる事務の適正な管理執行と明るい選挙の推進等、
選挙管理委員会の職責を果たしてまいりたいと考えております。どうぞよろしく御指導と御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、選任のお礼のあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。
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△諸般の報告
○議長(下﨑保 君)次に、諸般の報告は、お手元に配付したとおりであります。朗読は省略いたします。
〔議案等の部「2 諸般の報告」参照〕
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△会期決定の件
○議長(下﨑保 君)次に、会期決定の件を議題といたします。
お諮りいたします。本臨時会の会期は、
議会運営委員会の意見を徴した結果、本日1日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下﨑保 君)御異議なしと認めます。よって、会期は1日間と決定いたしました。
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△知事提出議案の報告
○議長(下﨑保 君)次に、知事から議案の提出がありましたので、報告いたします。
〔職員朗読〕
平成21年1月13日
長野県議会議長 下 﨑 保 様
長野県知事 村 井 仁
平成21年1月
長野県議会臨時会議案提出書
議案を別紙のとおり提出します。
第 1 号 平成20年度長野県
一般会計補正予算(第5号)案
第 2 号 平成20年度長野県
流域下水道事業費特別会計補正予算(第2号)案
第 3 号 平成20年度長野県
病院事業会計補正予算(第2号)案
第 4 号 平成20年度長野県
電気事業会計補正予算(第1号)案
第 5 号 平成20年度長野県
水道事業会計補正予算(第1号)案
〔議案等の部「1 議案 (1)知事提出議案」参照〕
○議長(下﨑保 君)以上であります。
次に、お手元に配付いたしましたとおり、地方自治法第122条及び
地方公営企業法第25条の規定に基づき知事から予算説明書の提出がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。
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△知事提出議案
○議長(下﨑保 君)ただいま報告いたしました知事提出議案を一括して議題といたします。
提出議案の説明を求めます。
村井仁知事。
〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)ただいま提出いたしました補正予算案の概要につきまして御説明を申し上げます。
世界的な金融危機が我が国の地方の実体経済に深刻な影響を及ぼし、長野県内においても輸出や投資の需要が減少し、雇用が目に見えて悪化するなど、今、経済は危機的と言わざるを得ない状況に陥っております。このような状況にいち早く対応するため、先月、長野県
緊急経済対策本部を立ち上げ、「くらしを守り、地域力を示そう」プロジェクトと銘打って、緊急経済対策を取りまとめました。
その中では、県民生活を守ることを第1の視点に据え、県独自の対応として来年度実施を予定している県単独事業の前倒しを積極的に行うとともに、国による補助事業についても、現在国会で審議されている国の補正予算案に関連する事業について補正予算が成立した後に速やかに着手できるようできるだけ先行して取り入れるという、前例を見ない思い切った対応をとることといたしました。これらにより切れ目なく仕事を確保し、県内の実需を喚起してまいりたいと考えております。
他方、事業資金や雇用、生活に対する不安を抱えている中小企業や県民の方々に対しては、長野県として今なし得ることを総動員し、きめ細かく対応してまいります。
この緊急経済対策を、県議会と車の両輪となりながら、一刻も早く実施していくことは極めて重要であると考え、例年の2月定例会を待つことなく、本臨時会を招集し、補正予算案を提出した次第であります。
このような長野県における対策が早期に効果を上げることができるよう、国会におきましても、補正予算案が迅速に審議され、早急に成立することを強く望むものであります。
加えて、県内の商工、農業、林業などの関係団体や市町村に対しましても緊急経済対策への理解と協力をお願いしておりまして、それぞれ実情に応じた対策が講じられ、その効果が逐次具現化してまいるものと期待しております。
長野県、市町村、関係団体が一丸となって、企業の投資マインドや県民の消費マインドの向上、ひいては消費の拡大、雇用の維持確保という緊急経済対策の目的の達成に向けて最大限力を振り絞ってまいる所存であります。
さて、提出いたしました補正予算案は、一般会計56億667万9,000円、特別会計2億5,000万円、企業特別会計1,345万1,000円であります。
一般会計補正予算案は、暮らしの安定、生活者への支援、雇用の確保の3点を内容とし、従来の公共事業を中心とした経済対策とは一線を画し、産業から県民生活まで幅広く対応することとしております。
暮らしの安定につきましては、県立高等学校や特別支援学校の耐震化や、県有施設の
地上デジタル放送への対応、道路標識などの交通安全施設の整備、道路の維持補修などを行い、県民生活の安全、安心を早期に確保してまいります。また、老朽化した県営住宅の建てかえや、道路、橋梁、河川などの計画的な整備を推進することにより、県民の生活に身近な社会資本の整備を進めてまいります。県民の皆さんの県内宿泊施設の利用を促すキャンペーンの実施、県立高等学校の産業教育設備の整備などにより、県内産業の持つ底力を呼び起こしてまいります。
生活者への支援につきましては、低利で長期の緊急融資制度を新たに設け、倒産やリストラなどにより失業した勤労者を支援してまいります。
雇用の確保につきましては、長野市及び松本市の
ジョブカフェ信州内に
緊急雇用相談窓口を設置し、カウンセリングや職業紹介を実施するなど、関係機関と連携を密にして雇用への不安を和らげてまいります。
このほか、
中小企業融資制度資金に緊急借りかえ対策枠を新設し、資金繰り対策の充実を図るなど、既決の予算も有効に活用して対策を実施してまいります。
以上申し上げました
一般会計補正予算案の財源として、県債30億7,000万円、国庫支出金14億6,428万円、その他地方交付税など10億7,239万9,000円を見込み、計上いたしました。
特別会計及び企業特別会計の補正予算案は、
流域下水道事業、病院事業、電気事業及び水道事業について、施設や設備の整備を行うものであります。
なお、これらの補正予算によって行われる事業の規模は、債務負担行為によるものも合わせると合計で71億9,845万4,000円となります。
以上、今回提出いたしました補正予算案の概要を申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○議長(下﨑保 君)以上であります。
議事の都合により午後1時まで休憩いたします。
午前11時12分休憩
──────────────────
午後1時開議
○議長(下﨑保 君)休憩前に引き続き会議を開きます。
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△知事提出議案に対する質疑
○議長(下﨑保 君)次に、お手元に配付いたしましたとおりの議員から知事提出議案に対する質疑の通告がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。
順次発言を許します。
最初に、風間辰一議員。
〔30番風間辰一君登壇〕
◆30番(風間辰一 君)
自由民主党県議団、風間辰一でございます。順次質問してまいります。
アメリカ発の金融危機に端を発する世界規模での景気後退は、我が国に100年に一度という経済危機をもたらしております。とりわけ輸出関連の製造業が大きな割合を占める我が県経済にとっては、これまで長期にわたって原油・原材料価格の高騰が企業経営にダメージを与えてきたこともあり、予想をはるかに超えた最近の円高傾向が決定打となりかねない極めて深刻な状況、まさに瀬戸際に立たされているのであります。
雇用情勢に目を転じると、派遣切り、雇いどめ等、名状しがたい不穏な言葉が連日のように報道で伝えられており、厚労省によれば、この3月までに失業する非正規労働者は全国で約8万5,000人に上る見込みであり、中でも我が県は約4,200人と愛知県に続いて全国で2番目に多いという大変衝撃的な数字が想定されているのでございます。
このような近年類を見ない、我が県経済を根底から揺るがすような非常事態の真っただ中に県民及び県内企業が置かれていることを自覚したとき、我々は少しでもこうした状況から脱出する手助けをしていかなくてはならない。それこそが今やらなくてはならない我々の責務であり、行政も、議会も党も会派も超えたところで、県民とともに、この世の中に支配している苦痛と涙を乗り越える努力と手だてをなすべきときと思うのでございます。
そのような中、国の動向を待たずとも、積極的に我が県が単独でもこの事態に対処すべきとの我が団の要請を受け、県民の期待にこたえる形で昨年末に長野県緊急経済対策を取りまとめ、早期実行のために補正予算を組んだことは、実に時宜と当を得た対応であると高く評価するところであります。
実に16年ぶりとなるこの臨時議会の審議に当たり、まず初めに、100年に一度という現下の経済危機にあって、緊急経済対策に取り組む知事の御決意をお伺いいたします。
あわせて、この予算編成の背景となりました県内経済や雇用情勢、そして県の財政状況についてどう見ておられるか。現状認識と見通しについてお伺いいたします。
今回の補正予算案の事業内容については、いわゆる3公共、3県単を中心に、防災関連や生活に密着した社会資本の整備といった投資的経費が大部分を占めており、かつ低利融資制度の創設や雇用確保のための新規事業もあり、並々ならぬ県の意気込みが感じられるところでありますが、主な事業の緊急経済対策として取り上げたそのねらいをお伺いいたします。
また、今回、約72億円という事業規模とした理由についても、あわせて知事にお伺いいたします。
また、経済対策の何よりも重要な点は、その効果であります。これらの事業は早急に効果があらわれなければなりませんが、その経済的な波及効果をどの程度と見込んでおられるのか。第1次波及効果に加え、第2次波及効果の見込み額についてどの程度期待されるか。また、雇用を誘発する効果について、何人ぐらいの新規雇用創出を想定されているのかを明らかにしていただきたく、知事にお尋ねをいたします。
部局別で見れば、建設部関連などの県民生活に身近な社会資本の整備事業が最も多いわけでありますが、予算成立後、速やかに執行、すなわち業者への発注が行われるべきと考えます。具体的に、それはいつごろになるのか。来年度当初予算として事業執行した場合と比較し、どのぐらい早めることができるのか。また、発注事業規模は発注額別にそれぞれどの程度か。建設部長にお伺いいたします。
せっかく発注をしたとしても、県外の大手業者が受注して県内業者や県民にお金が回らない事態となってしまえば意味がないのであり、緊急経済対策であればこそ、地産地消の理念に基づいた発注とすべきであります。
そこで、今回の補正予算を、長野県民及び疲弊した県内企業を底支えし活性化に資する、長野県の財産による長野県のための緊急経済対策とするなら、この予算執行を特化対象とした
地域保全型入札制度を導入することも、地域企業にとって地域の仕事を受注しやすく、かつこの予算が適正に効力を発揮する一つの手段ではないか。すなわち、各管内に本店を有する
地域貢献地元企業に対し、一定の予定価格未満の維持補修などの地域保全型工事を指名競争入札とするなど、県内各地域業者が受注しやすい入札制度を導入されることが緊急経済対策という性格上強く求められると考えますが、これについてどのようにお考えか。また、具体的にどのような工夫を講ずるお考えか。
今回は中小規模の発注となりますが、今後の経済対策や大規模発注事業への対応を考慮した入札制度のあり方を含め、あわせて建設部長にお伺いいたします。
国の第2次補正予算案には、地域活性化・
生活対策臨時交付金が計上されており、先月公表されたところによりますと、本県に対する交付限度額は59億6,000万円余と今回の補正予算の総額を上回る額が見込まれているところであります。一方、提出された補正予算案の歳入内訳を見ますと、この交付金は財源としては計上されておりませんが、国の予算が成立した暁にはこれを充当する、すなわち財源更正をするといったことが可能であるのか。
例えば、今回、歳入として30億7,000万円の県債が計上されております。もちろん、この危機的な経済状況を脱するためには一定の県債発行もやむを得ないと思うところではありますが、多額の県債残高を抱える県財政の状況をかんがみれば、この交付金の充当によって今回の30億円余の県債が将来的に削減できる見込みがあるのかという点は重要なポイントであると考えます。この考え方に対する御所見と、仮に今回の県債との財源更正を行わないとした場合の臨時交付金の使い道なども含めて、板倉副知事にお伺いいたします。
今回の補正予算案は、県単独事業の前倒しがポイントとして挙げられております。いずれ行わなければならない事業であるから無駄な事業ではない、そして、今すぐ緊急に手を打たなくてはいけない、だから前倒しをするといった点が強調されていると思うのでありますが、そもそも県の単独事業は厳しい財政状況を受けて削減されてきており、いわゆる3県単の事業費を見ると、ピークであった平成8年度の1,246億円に対し平成20年度では184億円とわずか15%の水準にまで落ち込んでおります。無駄かどうかという議論以前に、真に必要な事業までが先送りされ、なかなか実施に至らないというのが実情であります。
そこで、今回の補正予算によっての事業の前倒しに加えて、緊急対策として、県民からの要望も強く、事業の実施も比較的容易な道路の維持や補修を中心に事業量の純増を行うことによってさらなる実需の増を図ることが必要であると考えますが、いかがか。知事にお伺いいたします。
また、現下の厳しい経済状況は、今回の補正予算というカンフル剤だけで完治するとは思えないわけであります。国の第2次補正予算成立を踏まえての2月補正、そして来年度の当初予算、さらには状況に応じての来年度中の補正予算というように、第2弾、第3弾と重ねて手を打つ必要があると考えるところでありますが、今回の緊急対策、補正予算はこうした点までも想定した上でのものか。状況を見て今後別途考えていくおつもりはあるのか。今後の方針について知事の御所見をあわせてお伺いいたします。
〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)風間議員からは、緊急経済対策につきまして私の決意についてお尋ねをちょうだいしました。
御指摘のように、世界的な金融危機が地方の実体経済にまで深刻な影響を及ぼしております中で、輸出型製造業の比率が高い長野県におきましては、急激な円高により大きな打撃を受け、業績の悪化のみならず失業の発生を招くなど、とりわけて大きな影響を受けていると認識しております。
このように、まさに危機的な経済状況に直面している現在、県として何ができるのか熟慮した結果、厳しい財政状況の中ではありますけれども、まずは県民生活や地域経済の早期安定をいち早く図るということを最優先にすることにしたものであります。
このため、今回の対策では、県内での仕事量をふやし、実需を喚起し、あわせて暮らしの安定や生活者への支援、雇用の確保などにも目を配り、産業から県民生活まで幅広くその効果が及ぶように腐心したところであります。
また、厳しい年末年始を何とか越していただくために、資金や住宅、労働に関する相談につきましても、年末年始に体制を充実して対応に努めたところであります。
このように、必要な予算は確保しつつ、職員が知恵を出し汗をかくことも行いながら、今なし得ることを総動員してまいっているところであります。
さらには、県議会と車の両輪となりながら、長野県、市町村、関係団体が一丸となって、雇用の維持確保、ひいては企業の投資マインドや県民の消費マインドの向上という緊急経済対策の目的の達成に向けて最大限力を振り絞ってまいる所存でございますので、議員各位におかれましても御理解、御協力をお願いしたいところであります。
続いて、県内経済、雇用情勢と財政状況につきましての認識、見通しについてお尋ねをちょうだいしました。
世界的な金融危機が我が国の実体経済に多大な影響を及ぼしておりまして、特に製造業のウエートの高い長野県経済は、世界的な需要の低迷、円高などから危機的な経済状況下にあると認識しております。また、県内の雇用情勢は、有効求人倍率が大幅に低下し、非正規労働者の雇いどめなども発生しておりまして、厳しさを増している状況と認識しております。今後の見通しにつきましては、生産調整、雇用調整がさらに進み、設備投資や個人消費が低下する中、平成21年の経済成長はマイナスとなるのではないかとも言われておりまして、早期の景気回復は期待しにくいところであります。
このような経済・雇用情勢の悪化によりまして、今年度は県税収入が200億円に迫る規模で減収となることが見込まれ、厳しい財政状況となっております。さらに、この動きが個人の所得や消費に関する税収にまで及ぶことになれば、一層厳しい財政状況になるものと懸念するところであります。
このたびの対策の事業のねらいと事業規模につきましてお尋ねをいただきました。
県民生活を守ることを第1の視点に据えまして、県としていち早く対応できる事業を選んだつもりであります。したがいまして、対策の中でも、暮らしの安定という点で、県民生活の安全、安心を確保するために最も多くの事業費を計上したところであります。また、失業者向けの生活資金貸し付け制度の創設など、生活の不安にも細かく対応したほか、雇用につきまして、予算こそ少額でありますけれども、県として今なし得ることを目いっぱい取り入れたところであります。
事業の選定に当たりましては、地域バランス等も考慮しまして、さきに述べましたように産業から県民生活まで幅広く効果が及ぶように配慮をしたつもりであります。
総事業費の72億円につきましては、このような視点を基本に据えて、来年度の当初予算で実施を予定した事業のうち前倒しが可能と見込んだものを中心に積み上げたものでありまして、緊急的に実施するための当面の規模であるとお考えいただきたいと存じます。
経済波及効果につきましてお尋ねをちょうだいしました。
直近の長野県産業連関表に基づきまして計算をいたしますと、総事業費72億円の支出によりまして、県内で83億円余に相当する生産活動、生産誘発が行われ、1次の波及効果は1.16倍の見込みであります。さらに、2次波及効果まで加えますと約100億円に相当する生産活動が行われ、1.4倍の波及効果がある見込みであります。こういった経済効果は県内生産を0.07%程度押し上げるものでありますけれども、今後の対策も含めて、少しでも足元の景気を刺激し、できるだけ早期にこの低迷状態を脱することを大いに期待するところであります。
また、雇用の誘発効果についてお尋ねがございましたが、同様に産業連関表に基づいて計算いたしますと、この経済対策を実施することによりまして県内で増加する雇用者数(雇用者誘発数)は、理論上では2次波及効果まで含めまして年間830人程度となる見込みであります。
なお、この試算におきましては、現実の新規雇用創出者数を推定することは困難でありまして、また、この人数がすべて新規雇用につながるわけではありませんけれども、現状の雇用を守り、雇いどめを防ぐ一定の効果はあるというふうに考えているところであります。
さらに、道路の維持補修を含めた事業量の追加や、あるいは第2、第3の対策につきましてお尋ねをちょうだいしました。
緊急経済対策と、このように申しております、緊急と冠しているところから、できるだけ早期に実施することが肝要であると考えております。国の補正予算の成立を待って2月補正の対応ということになりますと、実際に執行できるのは新年度になってしまうおそれすらあります。このため、今回の補正予算は、来年度当初予算で実施を予定した事業を積極的に前倒しすることを基本として編成したものでありまして、緊急経済対策実行予算の第1弾と位置づけているところであります。
今後、足元の長野県経済の状況はもとより、国の地方財政対策の動向や県税収入の減により一層厳しくなると見込まれる一般財源の行方などを見据えてまいりまして、国の第2次補正予算に伴う雇用関連基金の設置や、場合によっては議員から御指摘のありました道路の維持補修など、必要に応じさらなる予算の補正や来年度の当初予算においても引き続きしかるべき対応を行ってまいりたいと考えております。
このように連続して予算措置を講じ、切れ目なく仕事量を確保することで県内の実需を喚起し、その結果として、雇用の維持、さらには消費の拡大につながっていくことを期待するものであります。
〔建設部長北沢陽二郎君登壇〕
◎建設部長(北沢陽二郎 君)緊急経済対策に係る工事の発注時期等に関するお尋ねでございます。
建設部では、今回の補正予算により160件を超える工事の新規発注を予定しております。現下の県内経済、雇用情勢を踏まえ、暮らしや経済活動の安全、安心、安定を確保するという今回の緊急経済対策の目的を達成するためには、できる限り早期に執行することが何よりも優先されると考えております。
このため、建設事務所及び砂防事務所において、緊急経済対策の趣旨を踏まえ、予算の確定後速やかに工事発注ができる準備を進めるように、既に12月末の段階で指示したところでございます。
本議会で議決をいただいた上は、順次発注し、国の予算措置を待つ事業を除くすべての工事について1カ月以内に発注公告を完了する予定であり、国の予算措置を待つ事業も予算確定後速やかに発注してまいります。
また、単純には比較できませんが、今回の補正により、来年度当初の予算での対応よりも3カ月程度の前倒し実施が可能となります。
次に、県内各地域の企業の受注につながる工夫をとのお尋ねでございます。
議員御指摘のとおり、今回の緊急経済対策は県内の企業が受注できることが重要と考えております。現行の入札制度においてもおおむね地元企業の受注にはつながっておりますが、今回は、さらに県下全域にできるだけ数多くの工事が発注できるよう、事業の選定に際しては地域性や事業の規模を考慮しているところでございます。
今回実施する事業は、1億円以上は2カ所、3,000万以上1億円未満は約40カ所、3,000万未満は約120カ所、平均事業費で2,000万円程度と、そのほとんどが中小規模のものであり、入札の参加は県内企業のみが対象となってまいります。加えて、今回は、特例的に、入札手続に要する時間を短縮し、早期に契約できるよう工夫を行うこととしており、緊急経済対策としての効果が最大限発揮できるように取り組んでまいります。
また、今後の入札制度のあり方につきましては、地域を支える建設業検討会議の議論も踏まえ、長野県公共工事入札等検討委員会に諮ってよりよい制度を目指したいと考えております。
〔副知事板倉敏和君登壇〕
◎副知事(板倉敏和 君)地域活性化・
生活対策臨時交付金、これを活用して県債発行を抑制すべきではないかというような御趣旨の御質問だったと思います。
県債残高を減らしていくことは、現在の県政の基本的な目標の一つというふうに認識をしております。こういうような問題意識を共有した上での御提案というふうに理解をいたしております。
ただ、御指摘の臨時交付金につきましては、景気対策として行われます地域活性化事業ですとか生活対策事業、これの地方負担分ですとか、あわせて地方が単独で実施をいたします地方単独事業の財源として交付をされるというふうに認識をしておりまして、その目的に沿った活用を図るということが第一ではないかというふうに思っております。
いずれにいたしましても、国の第2次補正予算や関連法案の審議状況、県内経済の動向、県財政の状況等、これらを見きわめながら、御提案も含めまして、どう活用すべきかよく検討してまいりたいと思っております。
〔30番風間辰一君登壇〕
◆30番(風間辰一 君)今回の前倒し事業実施によって、来年度当初予算がその分減額されるということがないかどうか。確認の意味で知事にお伺いをいたしたいと思います。
先ほどの知事の御答弁によりますと、今回の経済対策は第1弾ということでございます。刺激せよ、なお刺激せよ。今は、県民のためにいかなる苦境にあっても攻めに転じる時であります。国レベルでは、日本を初め、バラク・オバマ次期米国大統領も、過去最大の財政赤字を引き継ぎながら、70兆にも及ぶ景気刺激策を実施しようとしている今、全世界が協調してこの恐るべきリセッションからの脱却を目指しております。
地方にあっても、財政出動によりいっとき財政に緊張が走ったとしても、財政規律の確立を図り続けている以上、決して路線に相反するものではありません。今、景気刺激をしないで、財政再建のみを目指すとしたら、さらなる企業と雇用の場を失い、今以上の財政危機を招くことは必定であります。この事態を看過することのほうが、責任ある行政として、県民生活を守る上でよほど罪深いと思うのでございます。
確かなこと、それは県民への愛、友情、分かち合う心を県が今示すことであります。どうか、知事初め理事者の皆様、そして職員全員におかれましては、強い自信を持って経済対策に万全を期していただきたいことを申し上げ、自由民主党を代表して質疑といたします。
〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)大変御激励をいただいて感謝をいたしております。前倒し分の来年度予算からの減額をするのかどうかというような趣旨の御質問でございます。
今回、前倒しした分は、前倒しといいます以上は、基本的には来年度当初予算計上予定額から控除していく、こういうものだと考えておりますけれども、来年度予算で具体的にどう対応するかということにつきましては、厳しい一般財源の状況ではございますけれども、今後の長野県経済の動向など十分踏まえながら、当初予算編成の中で十分に検討してまいります。
○議長(下﨑保 君)次に、竹内久幸議員。
〔33番竹内久幸君登壇〕
◆33番(竹内久幸 君)改革・緑新を代表し、緊急経済対策につきまして質疑を行います。
世界的な金融危機等による急激な県内での景気低迷に対し、県民生活を守るため、全国に先駆けて対策本部を設置し、緊急経済対策を公表し、その具現化のため補正予算を組まれ、臨時議会を招集されたことに、まず敬意を表したいと思います。その上で、今臨時議会に提案されました補正予算について質疑を行います。
まず、補正予算案の事業内容を拝見しますと公共事業などが中心となっておりますけれども、中小企業振興資金の緊急借りかえ対策枠の新設や、最近発表されました
中小企業融資制度資金の融資目標額の拡大のほか、深刻である製造業などへの対応策はどのように行われていくのか。まず知事に伺います。
次に、補正予算による事業を速やかに実施するに当たり、既存の入札制度では地域性などきめ細かな景気や雇用対策につながらないおそれがありますが、どのような対応を考えておられるか。建設部長に伺います。
また、これに関連して、今補正予算には、道路、河川などの維持修繕など、入札によらない小規模事業費はどの程度計上されておられるのか。建設部長にあわせて伺います。
知事は臨時職員採用については消極的と受けとめておりますが、昨年末に厚生労働省が公表した労働者派遣法による事業報告書等の数値と調査結果によれば、長野県は愛知県に次いで全国2番目に派遣労働者が職を失う深刻な状況となっており、有効求人倍率が0.8%台にとどまっている厳しい現実に対して、本当に再就職に困っている方への期間を定めた緊急的な駆け込み寺として、雇用期間中、週一度は職安へ通うことを条件として、臨時職員採用枠を創設することは県民の安心感につながると思いますが、知事の御所見をお伺いをいたします。
次に、福祉人材の確保や森林整備の担い手確保のほか、農業の担い手育成のための就農相談会の開催を掲げておりますが、農業は担い手確保が厳しい分野であるだけに、どのような取り組みを行われるのか。農政部長に伺います。
次に、雇用問題は、ミスマッチの解消など、人材を必要とする業種に対応する人材育成の取り組みが不可欠であります。この点について、県として、就業訓練機会の確保など、委託事業も含め実施することが必要と思いますが、知事に伺います。
また、関連して、国は、離職者訓練を担う職業能力開発センターを都道府県の希望に応じて可能な限り移管したいとしておりますが、現在の雇用問題は労働者派遣法の製造業への拡大など国が招いてきた結果でもあり、今後も国の責任において存続し、むしろ機能を充実すべきことを国に求めるべきと思いますが、知事に御所見をお伺いをいたします。
次に、日本経団連の御手洗会長は、企業が基金をつくり、失業に伴う住宅確保や新しい仕事に就職するための職業訓練を支援する仕組みをつくるべきだ、政府や自治体と協力してもいいと提案したと報道されましたが、本県においても、企業の雇用や社会的責任も明確にし、失業した方への職業訓練を支援する仕組みづくりのためにも、経営者協会とこうした取り組みについて協議すべきと思いますが、知事に御所見をお伺いいたします。
以上で第1回目の質疑とさせていただきます。
〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)まず、製造業などへの対応策についてお尋ねをちょうだいしました。
商工労働部が昨年12月に実施しました緊急中小企業経営実態調査の結果によりますと、製造業を初め、宿泊・飲食業、卸・小売りなど、県内中小企業の広範な業種で売上高が減少するなど、景気悪化の影響が及び、深刻化している状況がうかがえるところであります。
当面の必要な支援策としては、金融支援、販路拡大支援などへの要望が強いところ、金融支援策としましては、昨年12月に短期資金緊急対策枠を設けたところでありますけれども、この調査結果を踏まえまして、新たに緊急借りかえ対策枠というものを創設しまして中小企業の苦しい資金繰りに対応していくことにしております。
また、昨年4月に設置しましたマーケティング支援センターなど四つの支援センターによる販路開拓、製品開発支援の充実強化を図るとともに、来年度に向けましても、中小企業者と農林水産業者がそれぞれの経営資源を有効に活用し、新たな商品開発やサービスを生み出す農・商・工連携の事業活動支援など、新しい支援策も検討してまいりたいと考えております。
それから、臨時職員の採用枠の創設についてのお尋ねをちょうだいしました。
臨時職員の雇用につきましては、これまでも業務の必要性に応じて県として採用してきたところであります。今般の経済・雇用情勢の急激な悪化を踏まえまして、政府においては、平成20年度第2次補正予算としまして、地域における雇用機会の創出のため、ふるさと雇用再生特別交付金事業(予算額2,500億円)及び緊急雇用創出事業(予算額1,500億円)の二つを現在国会に提案しているところであります。
いずれも、都道府県に基金を造成しまして、それを財源として県及び市町村が事業実施をすることで地域の雇用の下支えをすることとされておりまして、緊急雇用創出事業におきましては県や市町村における直接雇用も想定されているところであります。
今後も、雇用情勢をにらみつつ、国において示される基金事業の内容を見きわめながら、業務の必要性を踏まえ、県における臨時職員の雇用についても検討してまいりたいと考えます。
雇用のミスマッチ解消のための人材育成についてお尋ねをちょうだいしました。
私も議員の御議論に全く同感でありまして、ミスマッチの解消というのは雇用対策として非常に重要なことであると考えております。厳しい雇用情勢のもとで円滑な労働移動によりまして離職者の安定雇用を図るために、県の技術専門校において直営及び委託による短期の離職者訓練を実施しているところであります。
また、国では、平成21年度において、担い手不足の介護業界の人材確保を重点施策にしておりまして、県としましても、国の事業を受けて、専修学校等を活用した委託訓練の定員を大幅に拡充し、介護分野の離職者訓練を重点的に実施することにしております。
また、既に林業への新規雇用を促進するためのグリーンワーカー養成研修を実施することにしているところでありますけれども、さらに農林業分野での委託訓練の拡大につきましても検討してまいりたいと考えます。
雇用・能力開発機構の廃止に伴います職業能力開発促進センターの地方移管につきましてお尋ねをいただきました。
昨年12月24日の閣議決定におきまして、雇用・能力開発機構の職業訓練業務は独立行政法人高齢・障害者支援機構に移管することとされ、そのうち職業能力開発促進センターにつきましては御指摘のとおり地方移管の方針が示されております。
長野県には、このセンターが2施設、長野市と松本市とございまして、離職者訓練による就業促進に高い実績を上げていると承知しております。
特に、雇用情勢が厳しさを増し、今後多くの失業者が見込まれる現状におきましては、職業能力開発促進センターによる機動的な離職者訓練の必要性が一層高まっていると私は認識しておりまして、国の役割と責任においてセンターの訓練業務が継続して行われるように国に対しまして強く要望してまいりたいと考えます。
次に、雇用安定に向けた企業の取り組みにつきましてお尋ねをちょうだいしました。
雇用の安定につきましては、昨年12月24日、県経営者協会会長等との連名の緊急メッセージによりまして、県内企業の皆様に最善の努力をお願いをしたところであります。
失業者に対する職業訓練につきましては、これまでも実習訓練の受け入れ等で協力をいただいているわけでありますが、今後、急激な失業者の増加が見込まれる状況の中で雇用安定対策を迅速かつ効果的に進めるため、本年度スタートしたジョブカード制度を活用した雇用型訓練につきましても企業の皆様の積極的な取り組みをいただきたい、このように考えているところであります。
県といたしましては、一昨年、経営者協会等の関係団体の参加を得て設立した産業人材育成支援ネットワーク、これを活用しまして、失業者の職業訓練に対する企業による支援策等につきましても県下の経済団体等と協議、検討してまいりたいと、このように考えているところであります。
〔建設部長北沢陽二郎君登壇〕
◎建設部長(北沢陽二郎 君)事業実施に当たっての対応に関するお尋ねでございます。
現行の制度でも入札参加は県内企業に限定される予定であり、現在の受注希望型競争入札の実績でも、地域によって差はありますが、おおむね地元企業が受注している状況であります。
なお、効果発現を早めるために、緊急経済対策として実施する工事に関しましては、できる限り早期に契約できるよう、入札手続を通常より最大で6日間短縮して実施してまいります。
次に、補正予算に計上した小規模事業に関するお尋ねでございます。
維持修繕を含む県単独事業の選定に当たっては、限られた財源を有効に活用し、県下全域においてできるだけ数多くの工事が発注できるよう、合わせて111件の事業を計上しております。
入札によらないで発注できるいわゆる小破修繕は全額一般財源となることから、県債を活用できる事業の中でできるだけ数多くの工事が発注できるよう配慮し、事業を選定したものでございます。
〔農政部長白石芳久君登壇〕
◎農政部長(白石芳久 君)農業の担い手確保のための就農相談会の取り組みについてのお尋ねでございます。
今回の緊急経済対策の一環として農業分野における雇用の促進を図るため、従来から実施しております相談活動を拡充するとともに、農業法人等への就業支援に積極的に取り組むこととしております。具体的には、ハローワークと連携し、4地区の就職面接会に就農相談ブースの開設による就農相談会を1月下旬から2月下旬にかけまして4回実施をいたします。さらに、昨年の12月に開催した農業法人就業フェア、これは雇用計画のある農業法人と就業希望者のマッチングを行うものでありますが、こうしたフェアを追加開催するなど、県内での就農相談会を今年度予定していた8回から、5回追加いたしまして13回に拡充いたします。
なお、国が農業法人における雇用の促進を図るため第2次補正で予算要求しております農の雇用事業につきましては、全国農業会議所を通じた事業でもありますので、県といたしましても、県農業会議など関係団体と連携いたしまして、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
〔33番竹内久幸君登壇〕
◆33番(竹内久幸 君)入札制度については余り細かく答弁いただけませんでしたけれども、先ほどの風間議員の質問に対する答弁によれば、今後また技術検討委員会において検討していくみたいな話でございました。
しかし、緊急経済対策というのは、まさに実効的な効果を確実に行うためのものであるというふうに認識をいたしております。その意味で、地域の事業者が応札しやすいように事業を細分化して発注をすることと同時に、現在、4ブロックで行われている発注方式を緊急経済対策として特例的に10ブロックに細分化して発注することが有効であり、そうすべきであるというふうに考えております。そのことについて再度建設部長に伺います。
また、維持修繕など小規模事業費は、地域性とともに、小規模事業者などへの即応性があることから、新年度予算編成に当たっては現地機関の裁量で行う経済対策として十分に配慮するとともに、切れ目のない対策とするため、年度当初から実施できるよう今から準備していただきたいと思いますが、あわせて建設部長にお伺いをいたします。
次に、臨時職員の雇用についてでございますけれども、ただいま知事から、国における第2次補正で都道府県に設置する基金の話で対処していきたい、検討していきたいというお話でございました。しかし、既存でも職安に対してさまざまな形態の方々が相談に来ているという実情の中で、職安の中のメニューに県の臨時職というものを一つ枠として置いておくということも私は緊急的にやらなければならない課題だなというふうに思っております。その意味で、国の2次補正を待ってするのではなくて、一定の臨時職員としての枠をつくっていただきたいということで質問させていただきました。
全国的には、調べますと、栃木県262人、愛知県200人、新潟県100人とか、日を追うごとに実施する都道府県がふえてきております。この傾向はさらに拡大していくというふうに思っております。その意味で、今後さらに厳しい局面も予想されることから、現在、国の特別交付税措置がされるということも踏まえて再考を願いたいと思いますが、再度知事に御所見をお伺いいたします。
雇用創出では、広い本県にとって、その地域地域でより身近なところで雇用を生み出すことが問われております。その意味で、今回の補正予算に本来であれば元気づくり支援金での雇用創出枠を創設し、市町村の主体的な取り組みを促す仕組みを入れてほしかったと思いますが、今後の取り組みについて総務部長にお伺いをいたします。
今回の大変厳しい経済不況から県民生活を守り、経済を活性化させていくためには、今回の緊急経済対策の進捗状況や国の第2次補正による取り組み、新年度予算による切れ目のない取り組み、雇用創出などの取り組み等々の部局横断的取り組みを一元的に管理、担当する緊急経済・雇用対策室、これは仮称でございますけれども、を設置して行うべきと思いますが、知事の御所見をお伺いをいたします。
農業への担い手育成については、深刻な担い手不足の中で遊休農地の解消策も求められている現況も考慮しながら、厳しい経済・雇用情勢を逆に生かし、農業の担い手として誘導するため、農業担い手育成基金の農業後継者助成金の増額など思い切った措置を行うべきと思いますが、農政部長に再度お伺いをいたします。
以上で第2回目の質疑といたします。
〔建設部長北沢陽二郎君登壇〕
◎建設部長(北沢陽二郎 君)事業の細分化と発注要件の細分化に関するお尋ねでございます。
事業の細分化につきましては、限られた財源を有効に活用し、県下全域においてできるだけ数多くの工事が発注できるように、事業の選定段階から考慮しているところでございます。
緊急経済対策に対する地域要件の緩和につきましては、先ほどお答えしましたとおり、現行制度でも地元企業の受注につながっていると考えております。
維持修繕など小規模工事の執行に関するお尋ねでございます。
道路維持修繕など小規模事業は、早期の効果発現に加え、県下全域にわたって数多くの工事を行うことができることから、実需を喚起するために有効であると認識しております。これまでも、これらの事業については地域の実情に応じて年度当初から対応してきたところです。今後も、切れ目なく事業量を確保できるよう、効率的な予算執行に努めてまいります。
〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)臨時職員の雇用について重ねてお尋ねをちょうだいしました。
県として雇用の確保でできることは一体何だろうかということでいろいろ考えたわけでございますが、いかに実質的に雇用をふやしていくか、これが大事だろう、受け入れ先をふやしていくということが大事、どんな仕事をふやしていくか、それが大事だろう、このように考えまして、今回の措置におきましては仕事量をふやすというところにある意味では重きを置いたわけでありまして、その結果、これはあくまで産業連関表ベースでありますけれども、年間833人程度の雇用、これは実際12カ月でありますから計算上はということになりますが、1万人月程度の雇用をふやすという案を今御提示申し上げているわけであります。
そういうことを申し上げました上で、県の臨時職員の雇用という問題につきましては、先ほど申しましたような手だてもございますけれども、今後検討してまいりたいと思います。
それから、もう1点、緊急経済・雇用対策室という組織をつくったらどうだという御提案を議員からちょうだいいたしました。
急激な景気低迷に対しまして、
緊急経済対策本部というものを設置しまして対策を公表したということでありますが、これは、私を本部長にしまして、副知事、各部局長をメンバーにしまして、全庁を挙げて速やかに対策を講じるために設置したわけでございまして、これは各部局がみずからのところで取り組める施策を真剣に考えて、全部やるということでやっているわけでありまして、100年に一度と言われる難事でありますから、全庁の総力を挙げてやっているつもりでありまして、その力の結集とスピードというものは私は何より大事だと、こんなふうに思っております。
こういったことの事務は総務部あるいは雇用対策を所管する商工労働部などが担当しますが、これは、私は、全庁の総力を挙げて対応していく、こういう本部形式というのがある意味では一番よろしいのではないか。ある意味では、私自身がもう本気になってやる、だれかが担当するというような性格のことではないと、こんなふうに考えているところであります。
〔総務部長浦野昭治君登壇〕
◎総務部長(浦野昭治 君)地域発元気づくり支援金に関するお尋ねでございますけれども、元気づくり支援金では、間接的に雇用を創出する事例も見受けられますけれども、地域の皆さんが力を合わせる地域協働による取り組みを支援するということを主眼といたしているために、従来から人件費は助成対象としてはおらないということで直接的な雇用創出効果を期待することは困難であるということ。それから、事業の採択までの手続、募集、あるいは事業内容のヒアリング、選定委員会といった一連の手順を踏むということになっておりますので、十分な時間を確保する必要があることから緊急の対策にはなじまないということで、お尋ねのような枠を設けてはおりません。
〔農政部長白石芳久君登壇〕
◎農政部長(白石芳久 君)県農業担い手育成基金の助成事業についてのお尋ねでございます。
担い手育成基金は、県及び市町村、JAなどから出資されました基金の運用益によりまして次代を担う青年農業者の育成を図るため、助成金の交付、資金の貸し付け等を行っております。
助成金につきましては、研修費への助成や新たな就農者への支援金の交付など、総合的な助成を行っているところでございます。助成金の交付は基金の果実により運用されておりますが、昨今の世界的な金融市場の悪化の影響を受けまして運用益の十分な確保が厳しい状況にありますが、基金事業の実施に当たりましては、構成団体とともに検討いたしまして、より効果的な内容とすべく進めてまいりたいというふうに考えております。
〔33番竹内久幸君登壇〕
◆33番(竹内久幸 君)対策本部については、知事が本気でやるということですからそれで結構ですが、そして、担当は総務部それから商工労働部ということでございますけれども、私申し上げているのは、その全庁的な取り組みの全体を把握する、事務をする、責任の所在を言いたかったわけです。要するに、スムーズにこのことが確実に実行されること、また、次に打つべき対策もお互いに打ち出していくこと、そのことが機能すればそれでよろしいと。しかし、機能がどうかというときには、このことも御検討いただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。
それから、何よりも雇用創出が問われますけれども、風間議員の質疑で雇用に関しては830人程度を試算しているということでございました。今後、業種別の人数目標とか、あるいは将来に向けた新たな雇用創出プランの策定もぜひ今後検討していただきたいということは御要望で申し上げておきたいというふうに思います。
それから、入札に関連いたしまして、現状でも受注につながっているんだというお話でございましたが、くしゃみをしている方とインフルエンザになっている方、緊急経済対策というのはやはりインフルエンザにかかっている人をどう救っていくのかということが問われるんではないかというふうに思っております。
その意味で、創意工夫をしていくということの中で、こういうときこそ規制緩和、特例措置というものの知恵を絞りながら、先ほどあえて4ブロックを10ブロック、あるいは細分化ということを申し上げたわけでございまして、そこのところは再答弁は求めませんけれども、しかし十分受けとめていただいて、経済対策につながるような措置を具体的に打ち出していただきたい。そのことを最後に申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○議長(下﨑保 君)次に、髙見澤敏光議員。
〔21番髙見澤敏光君登壇〕
◆21番(髙見澤敏光 君)創志会を代表して質疑をいたします。平成21年の幕あけは、昨年からのアメリカ発金融不況による未曾有な経済環境の中、本年の先行きが不透明感で暗いニュースばかりでありました。特に、今回の経済不況は、世界各国と我が国においても、また都市と地方との地域間のずれもなく、世界同時に同様な経済に影響が出ております。県民の皆さんにとっても不安な1年の幕あけばかりか、大変深刻な状況であります。
村井知事には、このような状況の中で、国が予定した補正予算を待たず、長野県緊急経済対策、事業規模で71億9,800万円余の補正を先行して実施しようとする積極的な支援姿勢は評価に値するものと受けとめております。
今回の補正予算を見ますと、県民の安全、安心や社会基盤の整備など、さまざまな分野について対策を実施することとしております。特に、すそ野が広く、多くの業種に影響が及ぶとされる土木、建築に加え、電気通信の分野への仕事も盛り込まれており、さまざまな形での波及効果を期待しております。しかし、緊急経済対策といえども次年度以降に影響をも考えられる予算だけに、何項目か知事及び担当部長に質疑をいたします。
風間議員、竹内議員の質疑と重複する部分もありますが、それだけに重要な部分ということで御理解をいただいて、お答えを落とされた点やあるいは答弁に加えたい部分等、もう少し具体的にお答えを願えればと思っております。
今回の補正予算のほとんどが21年度の予算の前倒しとなっております。そのこと自身は、困窮している本県の経済を回復させるために否定するものではありませんが、今回の補正予算編成に当たっての優先順位及び編成基準の考え方について村井知事に御見解をお伺いをいたします。
また、21年度予算の前倒しをされているが、21年度の事業も少なくとも今年度並みの事業が予定されて初めて前倒しの効果があるものと考えます。そこで、21年度も、前倒し分に関係なく、事業の予定が約束されるのでしょうか。
さらに、翌年22年度に予定されている事業の緊急度の高いものについては、同様に、21年度に繰り上げて編成していくと受けとめてよいのか。総務部長にお伺いいたします。
また、前倒しとなる事業、予算の年度ごとの整合性を含め、お伺いをいたします。
今回の経済不況は単年度だけで解決できるとは思いませんが、今後の経済動向の推移によっても変わると思われますが、この緊急経済対策への取り組みはどのくらいの期間を想定しておられるのか。知事にお伺いをいたします。
また、来年度の事業の予定が従来どおり確保できるとしたならば、景気回復、現状打破のためには県債の償還額内を超えてもやむを得ないと判断しておりますが、今回の前倒しによって21年度に予定されていた財源の見通しはどうお考えになっておられるのか。総務部長にお伺いをいたします。
次に、今回の緊急経済対策に向けた予算全体が、末端市町村の地元にどのくらい及ぶかであります。経済対策によって市町村にとって一番効果が上がるのは、地元の業者への発注であります。その各市町村の地元で実需が回らなければ、本県全体の経済対策としての効果は小さいと言わざるを得ません。地域に密着した規模の小さい、いわゆる地元の業者も請け負うことができる道路などの維持補修などを積極的に行うことが必要であると考えております。
そこで、今回の補正予算にはこのような経費が盛り込まれているのか。盛り込まれているとするならば、どの程度盛り込まれているのかをお尋ねいたします。
今回の補正予算が可決された折に、直ちに発注できる準備ができておるとのことでございますが、現在の入札制度では入札まで約3週間必要とされております。順調に入札行為が運ばれても2月初めから中旬となってしまいます。今回の緊急経済対策は、県内事業者の喚起を促し、県内経済の回復を目標に取り組んでおることを考えれば、発注事業について早期発注の具体的な考えと、特例措置を設けても県内業者及び各市町村の地元業者に限定して発注し、支援していく必要があると考えるが、いかがでしょうか。
入札時間の短縮をするということのようでございますが、具体的にはどのような方法となるのか。また、事業については地域バランスを考慮したと先ほど答弁されましたが、その地域バランスの範囲について、4ブロック、10ブロックなど、事業費との関係を含め、どのようにお考えになるのか。あわせてお尋ねをいたします。
発注をしても年度内に工事が着手できる見通しはあるのか。業者が受注しても年度末にかかるだけに、事業量を次年度に繰り越しはやむを得ないと思いますが、そのほとんどが実質21年度に繰り越されるとするならば緊急経済対策にならないと思うが、その見通しと発注時においての入札要件及び指導をどのようにお考えになっておられるのか。
以上3点は建設部長にお伺いをいたします。
「くらしを守り、地域力を示そう」プロジェクトの早期実現のために補正予算を編成したと、予算案の方針に掲げております。確かにそのとおりだと考えておりますが、防災行政無線設備更新事業費、震度情報ネットワークシステム更新事業費、公共施設耐震対策事業費、交通安全施設整備事業費、県営住宅建設事業費の5事業費だけでも13億8,751万1,000円になります。これらにつきましても、先ほどの質疑と同様に、今回の補正予算が可決された折に直ちに発注できる準備ができておられるのか。
発注をしても年度内に工事が着手できる見通しはあるのか。落札者がそのほとんどを実質21年度に繰り越されるとなれば緊急経済対策とはならないことになりますが、その見通しと、発注時においての入札要件及び指導をどのようにお考えになっておられるのか。危機管理部長、建設部長及び警察本部長にお伺いをいたします。
知事は、さらなる対策を行うお考えがあるのか。お伺いをいたします。
また、国の2次補正予算が本日の衆議院で採決の見通しのようでありますが、参議院では与野党逆転のため混迷を深めている国会において、この先、2次補正予算が最終可決するかも不透明な状況でもあります。
考えたくもありませんが、もし国会で2次補正予算が可決されなかった事態において、知事は今回の補正予算で予定されている14億6,400万円余の事業をどうされるのか、歳入が得られないため未執行とされるのか、あるいは他の歳入を捻出しても執行されていくのか、執行されるとした場合はどのような財源なのか、その場合、21年度の財源にどのような影響となるのか。現時点での予測される御見解をお聞かせください。
県の財政が厳しいことは十分承知しておりますが、今回の緊急経済対策をまとめる段階で、現在、県下において多くの職を失った方々がおられますが、県が臨時職員を採用し、雇用の確保を図るといった考えはなかったのでしょうか。先ほど、今後検討されるとのことでありますが、雇用の確保として187万余が計上されておりますが、その説明にあるように、設置された
緊急雇用相談窓口で受けた相談により既決予算内で県による臨時職員の採用など、どのように実際の雇用につなげるとされるのか。
また、今回の補正予算による各事業を実施された場合、県内の雇用の創出が約830人程度図れるとのことでありますが、主にどのような職種なのか。知事にお伺いをいたします。
〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)まず、今回の補正予算の考え方につきまして基本的なお尋ねがございました。
今回の補正予算は、県民の暮らしの安定というものを第1の視点に据えまして、県としてできるだけ早期に対応するように、来年度予定していた事業のうち前倒しが可能なものを中心に、産業から県民生活に至るまで幅広く効果が及ぶように配慮もしつつ編成したつもりであります。具体的には、県民生活の安全、安心の確保や生活密着型社会資本の整備など、暮らしの安定に最も多くの事業費を計上しているところであります。
また、失業者向けの生活資金貸し付け制度の創設など生活者への支援にも細かく対応したほか、予算こそ少額なものの、雇用の確保につきましても目配りをしたところでありまして、県として今なし得ることを目いっぱい取り入れたというつもりであります。
緊急経済対策の期間についてお尋ねがございました。
今回の対策は、現下の厳しい経済・雇用情勢の悪化に伴う県民生活や県内経済の不安を早期に解消し、暮らしや経済活動の安全、安心、そして安定を確保することを目的として行うものであります。今回の補正予算が御議決をいただきましたら、本日中に
緊急経済対策本部会議を開催しまして、この対策を直ちに実施し、早期に効果を上げることができるように私から指示をするつもりでございます。
なお、緊急と銘打っておりますけれども、特に期間を限定しているものではございません。必要があれば第2、第3の手だてを講じてまいる所存であります。
さらなる対策や国の予算が成立しなかった場合の財源などにつきましてのお尋ねをちょうだいいたしました。
今後の追加の対策につきましては、今後、足元の長野県経済の状況はもとより、国の地方財政対策の動向や、県税収入の減により一層厳しくなると見込まれる一般財源の行方などを見据えながら、必要に応じてさらなる予算の補正や来年度の当初予算におきましても、引き続き、しかるべき対応を行ってまいらなければいけない、こういうふうに考えております。
今回の補正予算のうちで、国の第2次補正予算に関連するものが約11億円ほどございます。歳出で7.8億円、債務負担行為で3.8億円であります。国とは事前に十分に協議し、確実に国庫の手当てがされると見込んでいるものでありますけれども、仮に、政治の世界の話でありますから、予算不成立というようなことになりましたら、当然のことながらこの分については執行することができないということになります。
国におきましては、このような事態にならないように、補正予算案が速やかに審議され、成立することを強く希望するものであります。
県が臨時職員を採用し雇用の確保を図るという考えはなかったのか等々のお尋ねをちょうだいしました。
県としては、雇用の確保についてできることは、いかにその受け入れ先を確保するか、言いかえれば、どれだけ仕事をふやしていくか。これが私は一番眼目だと考えたところでありまして、したがって今回はその仕事量をふやすということに一番重点を置いたつもりであります。
臨時職員の雇用につきましては既にお答えをしましたが、国において近々示される基金事業の内容、これに沿いまして、できるだけこうした事業が早急に立ち上がるよう今後検討してまいりたいと考えます。
今回、
ジョブカフェ信州に設置する
緊急雇用相談窓口におきまして専任の就業支援アドバイザーを配置し、若者や離職を余儀なくされた方々への就業に関する相談を受けるとともに、併設ハローワークを通じて職業紹介を行ってまいります。こういった支援によりまして、実際の雇用に結びつけてまいりたいと考える次第であります。
雇用の創出の程度につきましては、産業連関表に基づいて計算した結果を御報告をしたとおりでございますけれども、部門別にということになりますと、これは計算すれば出てくるはずでございますが、大き目のところだけ見ますと、建設、それから農林水産、さらに製造業のうちの食料品、それから窯業・土石、それから金属製品、それから水道・廃棄物処理等々のところが連関表上は出てまいります。
〔総務部長浦野昭治君登壇〕
◎総務部長(浦野昭治 君)来年度事業の予定についてのお尋ねでございますが、今回、前倒しをした分は、先ほど知事が風間議員の御質問にお答えを申し上げたわけでございますけれども、前倒しという以上、基本的には来年度当初予算の計上予定額から控除していくというふうに考えますけれども、具体的にどう対応していくかということは、厳しい財政状況の見通しではございますけれども、今後の経済の動向などを十分踏まえながら当初予算編成の中で検討していくことになろうかと存じます。
それから、来年度の財源見通しというお尋ねでございます。
県内の経済・雇用情勢の悪化に伴いまして御案内のように県税収入が減少いたしまして、来年度予算において必要な一般財源が確保できるかどうかというのが憂慮されているところでございますけれども、今回、補正予算におきまして必要となりました一般財源は9億円余でございます。これについて、ある程度は国からの臨時交付金、2次補正に係るものでございますが、交付金で賄えるものというふうに見込んでおりますことから、来年度の財源への影響というものは大きくはないものというふうに考えております。
〔建設部長北沢陽二郎君登壇〕
◎建設部長(北沢陽二郎 君)補正予算に盛った地域に密着した事業に関するお尋ねでございます。
建設部では、県民の安全、安心の確保や生活密着型社会資本の整備を図るため、道路の維持補修、道路・砂防施設等の防災工事や、道路、橋梁、河川の整備など、県民生活の向上を図りながら地域経済に資する事業を今回の補正予算に計上しております。
地域に密着した事業が中心であります県単独事業では、できるだけ数多くの事業を県下全域で発注できるよう、比較的規模の大きな道路改築や街路でも2,000万円程度、規模の小さい維持補修等でも1,000万円程度の事業を合わせて111件を実施する予定としております。このうち、お尋ねのあった道路の維持補修につきましては、全体の約半分に当たる51件を予定しております。
次に、事業の発注に関するお尋ねでございます。
先ほど、風間議員、竹内議員の御質問にお答えしましたとおり、各発注機関では予算の確定後速やかに工事発注ができるよう準備を進めております。また、早期発注の具体的な取り組みとしては、入札手続の期間短縮を行うことにより、本議会で予算措置が確定した事業は1カ月以内に発注公告し、遅くとも3月中旬には契約する予定であります。
県内企業、地元企業に発注する特例をとのお尋ねでございますが、これもさきにお答えしましたとおり、今回、緊急経済対策として実施する工事は現行の制度でも入札参加は県内企業に限定され、現在の受注希望型入札の実績としてもおおむね地元企業の受注となっている状況でございます。地域性を考慮して、事業の選定の段階からバランスをとっていますので、地域の企業に受注がつながると考えております。
続いて、工事の実施見通しに関するお尋ねでございます。
工事の着手は契約後10日以内と規定されており、本議会で予算が確定する事業は2月から3月に着手してまいります。また、国の予算措置を待つ事業についても、予算が確定し次第発注し、早期契約、早期着工を目指してまいります。
一方、工事の期間につきましては、工事の内容や規模に応じて適正に定めなければなりませんので、今回、建設部関係でも、35億円余の繰越明許費をあわせて計上し、年度をまたいで工事を実施してまいります。
工事が次年度にわたることで緊急経済対策として効果があるかとの御懸念でございますが、今回の補正予算により、新年度予算での対応に比べ、工事を前倒しして実施でき、投資効果の早期発現が可能となってまいります。また、受注した企業は、契約と同時に工事の準備に入り、必要に応じて契約額の40%の範囲内で前払い金を受け取って資材や機材の調達、労働力の確保に着手することになります。すなわち、公共工事が地域経済に与える効果は契約段階から発生するものでございます。
以上のことから、緊急経済対策として期待できると考えておりますが、さらに地域の景気・雇用対策につながるよう工夫を心がけてまいりたいと考えております。
続いて、公共施設耐震対策事業費、県営住宅建設事業費に関する同様のお尋ねでございます。
建設部では、この2事業を含め対応を図っており、緊急経済対策に計上したすべての事業について早期発注、早期着工を目指してまいる所存でございます。
〔危機管理部長松本有司君登壇〕
◎危機管理部長(松本有司 君)発注準備の状況等についてのお尋ねでございますが、危機管理部で所管しております防災行政無線及び震度情報ネットワークの更新事業につきましては、いずれも2月上旬の発注の予定で準備を進めておりまして、事業者が年度内の早い時期に工事着手できるよう万全を期してまいります。
また、入札につきましては、建設工事入札参加資格要件に基づく電気通信工事の資格を有する者で、県内に本店または営業所を有することを要件としております。
〔警察本部長小谷渉君登壇〕
◎警察本部長(小谷渉 君)交通安全施設整備事業費の工事発注見通しに関するお尋ねにお答えをいたします。
警察では、今回の補正予算で、老朽化した道路標識の取りかえ工事の発注を予定しております。現在、早急に取りかえを必要とする道路標識について現地調査を行っており、予算確定後、速やかに発注し、早期に着工していただくこととしております。
また、入札要件を資格ある県内業者と定めることによりまして、迅速な契約に配意したいと考えております。
〔21番髙見澤敏光君登壇〕
◆21番(髙見澤敏光 君)前倒しをしても、次年度の事業量、予算等が減少するということは景気回復の継続とはならないわけでありまして、将来を見据えた計画を立てて、それらについての執行を実施していただきたいと、かように思うわけであります。
当初予算成立後の執行となりますと、少なくとも緊急性もなく、5月から6月ごろの発注業務と、従来ではそうなるわけでありますが、それらのことを考えれば、繰り越しがわかっていても切れ目なく仕事量を確保して実需を喚起する、そういった予算を組まれたことについては私も理解をしているところでございます。
今回の緊急経済対策が、何のために、だれのために行われるのかを考えたとき、やはりそれぞれの地域で地元企業が受注機会を確保できるよう格段な配慮をし、速やかな発注業務などの執行が重要でありますので、強く指摘をいたしておきます。
今回の緊急経済対策は素早い対応であり、本県の景気回復に大いに期待が持たれるわけでありますが、というよりも、沈みかけている県民の元気を喚起させるためにも評価できるものであります。厳しい経済環境を一日も早く脱出できて、ことしが県民の企業と生活の環境が改善され、機を逸しないきめ細かな経済対策を引き続き取り組まれ、本県の景気回復が図れる県政運営を期待いたします。
国においても、緊急経済対策の補正予算を速やかに通し、今後に対しても適切かつ迅速に経済対策を図るべき、村井知事の積極的な国への要請を望み、代表質疑を終わります。
○議長(下﨑保 君)次に、村上淳議員。
〔26番村上淳君登壇〕
◆26番(村上淳 君)県民クラブ・公明の村上淳でございます。このたび、県知事より一般会計、特別会計の補正予算の提案があり、それにかかわる緊急経済対策の説明がありました。この景気刺激策が、緊急経済対策として、県民にとって本当によかったと思われる実効性のある対策であるためにも、可及的速やかに、かつ的確にその対策を進める必要があります。
まず、今回の臨時議会の意義ですが、県内産業全般にわたり大変厳しい経済状況の中、この危機的状況を、県民と県議会と一丸となり、何とか乗り切ろうとする村井知事の熱意を我が会派県民クラブ・公明は強く感じることができます。また、この時期の臨時議会は本県と秋田県だけで開催しており、県の積極的な対応を感じることができます。
さて、今回の県の緊急経済対策の焦点は、大きく三つ上げることができます。
一つ目は、中小企業を含む企業対策です。二つ目は、雇用対策です。そして、三つ目は、市町村との連携です。
中小企業の対策ですけれども、長野県はものづくりの県であり、製造業が県産業の中心であります。製造業のうち従業員20名以下の中小企業、零細企業が8割を占めており、そのほとんどが赤字法人です。当然のことながら、中小企業が今回の不景気に一番影響を受けています。セーフティーネット5号など国も支援していこうとしておりますけれども、企業の中には返済がふえるだけで先の見通しがない制度資金は見合せている企業があります。
ただし、県は、このような多岐にわたる制度資金をまだテレビ等報道機関で周知徹底していない点があります。また、市町村によって、緊急経済対策が、金融支援、雇用、住宅などを含めて、そのやり方がおのおのあり、温度差があります。
県の徹底した助言や指導も必要でございますが、県としての対応を早急に見直す必要がありますが、商工労働部長の御所見をお願いいたします。
また、製造業に雇用されている人たちの中で非正規雇用の多い実情の中、雇用契約を打ち切られるなど厳しい状況にあります。国の調査によると、非正規雇用の皆さんで職をなくす方が全国で3月までに8万5,000人を超える中、本県は4,193人と全国ワーストツーです。本県の企業は実に非正規雇用が多いことに驚くとともに、パート、派遣社員等、非正規雇用を雇用せざるを得ない企業の実情、中小企業の宿命を感じるわけです。
実に4,000人の人が職を失うことは大変でして、長野県が現在進めている中期総合計画にも影響すると懸念するわけです。七つの挑戦プロジェクトのうち「一人当たり県民所得全国レベルへの挑戦」や、実質経済成長率の達成は特に難しいと思いますが、知事の所見をお願いいたします。
また、今回、県は県知事を対策本部長とする
緊急経済対策本部を設置しておりますけれども、どんな議論が論点として中心議題となされてきたのか。議論の内容を知事にお聞きをいたします。
さて、100年に一度の厳しい経済状況の中ですが、ただ、だめだだめだと叫んでいてもだめです。県内の中小企業の中には、今がチャンスととらえ、業績アップを目指し、この際今まで大企業でしか採れなかった人材の確保をしようとしている企業もあります。私は、この時期こそ、このような積極的な企業に対して特別支援を積極的にしていくべきと思います。本県では、現在、ものづくり産業応援助成金制度を創設して本県に来る誘致企業に特別な特典を与えようとしていますが、既存の中小企業にもっと特典を与えるべきです。商工労働部長の所見をお願いいたします。
また、雇用面では、人材の確保が、どんなに景気が悪くても確保することが企業の生き残り戦略の基本です。そこで、若い労働力の確保は企業にとって大きな課題ですが、ことしの県立高校の就職内定率はいかがでしょうか。定時制の就職内定率は特に低い報告が11月定例議会でありましたが、その後、どのように推移しているのか。教育長の所見をお願いいたします。
また、補正予算では
ジョブカフェ信州にアドバイザーを置くことになっていますが、20代、30代の若者の最近の就職状況はどうでしょうか。商工労働部長の所見をお願いいたします。
また、本県には外国籍で企業に雇用されている方が多い中、特にブラジル国籍の方が多くいます。外国籍の方は非正規雇用が多く、今回の景気動向によって解雇されるケースが多いと聞いておりますが、その実態はいかがでしょうか。商工労働部長の見解をお願いします。
また、ブラジル人学校に通っている児童生徒には、授業料の支払いができなくて日本の公立学校に通う子供たちがふえているとのことですが、その実態はどうでしょうか。その際、市町村教育委員会任せになっているのか。教育長の所見をお願いいたします。
次に、市町村との連携でありますが、雇用面や住宅面では市町村の協力なくして対策は進みませんが、市町村には、緊急経済対策には先ほど述べましたように温度差があるような気がします。市町村に対して、どんな県として連携をされていくのか、あるいは助言や指導をされていくのか。知事の御所見をお願いします。
〔商工労働部長荒井英彦君登壇〕
◎商工労働部長(荒井英彦 君)初めに、県の制度資金についての周知と市町村の指導に関するお尋ねでございます。
昨年からの県の融資制度資金の拡充に関する周知につきましては、その都度、報道機関等へのプレスリリース、そしてまた県のホームページへの掲載、商工関係団体に対する説明会の開催やチラシの配布、金融機関に対しましては個別に説明を行うなど、広く周知に努めてきたところでございます。
来週の24日には、新聞各紙に掲載をされる「広報ながのけん」の緊急経済対策の特集の中におきまして、制度資金の支援内容について紹介するよう準備をしているところでございます。
今回の国の緊急保証制度につきましては、セーフティーネットの業種の拡大がたびたび行われまして、国の発表から実際の適用までの期間が非常に短かったというようなこともございまして、実際の認定事務を行う市町村では負担が増大した面もございました。
県としましては、できるだけ速やかにこうした情報提供を行うなど、今後一層の周知の徹底と、また、市町村初め関係機関との連携に努めてまいりたいと考えております。
次に、ものづくり産業応援助成金についてのお尋ねでございます。
この助成金は、県内雇用の中心的な場を提供している製造業等の設備投資を支援することによりまして、地域経済の発展と雇用の創出を図ることを目的といたしまして、平成17年度から実施をしているところでございます。
この補助の対象は、従来から、一定規模の投資額で、かつ一定の雇用も期待できる規模として、県内企業につきましては、投資額10億円以上、新規常勤雇用者数10人以上という一定の基準を設けて実施をいたしているところでございます。
また、中小企業への特別な支援といたしましては、同一敷地内への工場の増設、これにつきましては中小企業のみに限定をして補助対象にしているという制度といたしております。これまでに助成対象企業として31件を認定しておりますけれども、このうちの16件が中小企業となっております。ここに来まして経済環境が大きく変化している中で、今後より効果が上がる制度となるように研究をしてまいりたいと考えております。
続きまして、若者の就職状況についてでございます。
ジョブカフェ信州の最近の状況でございますが、昨年9月以降、前年を上回るペースで来所される方が増加をしてきております。特に、昨年の12月に来所された方が1,036人ということで、平成19年度の12月と比べますと約1.9倍の増加となっております。
また、昨年12月26日に長野労働局から発表されました平成20年11月の雇用情勢によりますと、常用雇用の24歳以下の求人倍率は1.15倍となっております。それに対しまして、25歳から34歳の求人倍率につきましては0.55倍という状況で、大変厳しい状況でございます。職種別に見ますと、
技術・専門職は1.39倍、サービス職が1.27倍と1倍を超えておりますけれども、生産工程・労務職では0.32倍、事務職に至っては0.15倍と職種によりまして大きなばらつきがあると、こんな状況でございます。
こうした雇用情勢を踏まえまして、今回、
ジョブカフェ信州に
緊急雇用相談窓口を設置いたしまして、専任のアドバイザーを長野と松本にそれぞれ1名配置をし、機能の充実をしていきたいと考えております。このほか、ハローワークと連携いたしまして、事業所等に出向いていく移動ジョブカフェを開催するなど、離職を余儀なくされた方にきめ細かな支援を実施してまいりたいと考えております。
それから、外国人労働者の雇用の実態についての御質問でございます。
県内の外国人労働者数は、現在公表されている最新のもの、これは長野労働局調べの昨年6月末現在のものでございますが、6,909人となっております。国籍別で見ますと、ブラジルが2,615人、中国が2,496人、このような状況になっております。
昨年12月26日に厚生労働省から発表されました非正規労働者の雇いどめの状況でございますが、先ほどからお話がありますように、県内では4,193人が見込まれておりまして、このうち外国籍労働者の割合は1割強であろうというように労働局からは聞いている状況でございます。
また、県内の外国人雇用サービスコーナーを設置しております6カ所のハローワークで扱った新規求職の受理件数は20年4月から11月までの件数が1,394件ということで、前年の同期と比較して1.8倍と大幅に増加している状況にありまして、このことは雇用状況が悪化していると判断をされるところでございます。
長野労働局では、局と県内6カ所のハローワークに外国人労働者相談コーナーを設置いたしまして、通訳のできる専門の方を配置をして職業相談、雇用労働条件などの労働相談を行っているところでございます。
先般、1月9日に開催をされました、長野労働局、私ども県、それから経済団体等で構成をいたします緊急雇用対策会議におきましても、外国人労働者の就業支援対策につきましてお互い連携して取り組んでいくことを申し合わせたところでございます。
以上でございます。
〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)私に対しましては、まず、このたびの経済の危機的状況が中期総合計画の目標達成等にどのように影響するかというお尋ねをちょうだいしました。
中期総合計画におきまして大変大きな目標として掲げてございます「一人当たり県民所得全国レベルへの挑戦」ということでございますが、これは、現状より少し高い水準にまで、実額ではなくて、全国平均をということであります。日本全体として経済がある程度悪くなりますとこれは自動的にまた下がってくるわけでありますけれども、それはそれとしまして、計画の初年度にこのような予測の範囲を超えました、100年に一度とも言われるような非常に厳しい経済・雇用環境に直面しているわけでありますが、経済というものは底なし沼じゃありません。下降局面の先には、いずれ上昇局面に転ずるときも来ます。ピンチの後にチャンスは必ず訪れるわけであります。あるいは、ピンチの中にチャンスが含まれている。
長野県の主力産業というのは県内総生産の約3割を占める製造業ではありますけれども、観光業やあるいは農林業など、大変複合的な底がたい経済基盤も持っているということを私どもは考えなければならない。そういう意味では、長野県が持つ潜在力、あるいは地域力を生かして、今後訪れる上昇気流をいち早くとらえるように、将来に向けた基盤づくりを着実に進めることこそ大事だと思っております。
対策本部でどのような議論をしたかということでありますが、昨年11月県議会での御議論も踏まえまして、議会終了日の12月12日に
緊急経済対策本部を立ち上げて、構成メンバー全員が現下の厳しい経済・雇用情勢への対応の必要性につきまして認識を一つにし、県としてできる対策を可及的速やかに取りまとめるように私から全員に指示をしたところでありまして、各部におきましては、県民生活や県内経済の早期安定に向けてどのような方策が有効であるか活発な議論をそれぞれに行い、また各部署において何ができるのか十分検討した上で、これを取りまとめて、22日に対策を決定、公表するに至ったわけであります。これを一日も早く実行するために補正予算を編成して、本日、その予算の審議をお願いしているところであります。
続いて、もう一つ、雇用、住宅等の面で市町村の協力がなくては対策が進まない、市町村との関係をどうしているかというお尋ねでございます。
雇用、住宅のみならず、私は、この緊急経済対策の実効をより高めるためには、市町村、そして経済団体など関連機関との連携、協調が何より大事だと、このように認識をしまして、24日、直ちにそれぞれに申し入れをしているところであります。市町村、あるいは経済団体などからは、一体、今何をしたらいいのかよくわからなかった、こういうときに県がこういうことで対応を明示してくれたことで背中を押されたような思いがする、あるいは、何をしたらいいのかよくわかったというような声までいただいているところでありまして、市町村におきましてそれぞれの実情に応じた対策が講じられ、その効果は今後あらわれてくるものと期待しているところであります。
具体を申しますれば、県単独事業がありますと同じように市町村単独事業というのがあるわけでありまして、それを同時にみんな前倒ししてやってくれれば経済効果としては当然大きくなるということは考えられるわけであります。
また、各経済団体に対しましても要請を行ったわけでございますが、それぞれ積極的な対応をする旨の申し出をいただいたところでありまして、いずれにいたしましても、この未曾有の経済危機に対しまして関係者が一致して対応することが大事だという思いであります。
〔教育長山口利幸君登壇〕
◎教育長(山口利幸 君)まず、公立高校生の就職内定状況についてのお尋ねでございます。
12月末現在の内定率は、全日制、定時制合わせまして85.1%と昨年度同期より3.1ポイント下回っております。また、厳しい状況が続く中で、12月末現在、企業の経営悪化等による内定取り消しが5件ございました。
こうした状況を踏まえまして、県教育委員会といたしましては、学校に対しまして、内定取り消し等の報告があった場合、生徒への心のケアや新たな就職先の確保に努めるとともに、ハローワーク等と密接な連携を図りながら就職枠の開拓を進めるよう指導を行っております。
また、定時制の就職内定状況につきましては、12月末現在で39.3%と前年度同期より15.7ポイント下回っておりまして、全日制に比べて極めて厳しい状況が続いております。内定率を下げている背景には、急激な景気悪化が進む中で、今まではつくことができたサービス業などへ他の求職者が流入している現状などがあるものと思われます。昨年12月に開催されました北信地区の定時制、通信制の教頭及び進路指導担当者会議におきまして、アルバイトやインターンシップ活動に参加した生徒の就業率はよいと、こういった声も出されておりますので、今後は、求人開拓とあわせまして、在校生の就業体験の機会をふやす指導も強めていきたいと考えております。
いずれにいたしましても、一人でも多くの生徒の就職希望が実現できますよう、今後とも引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
次に、外国人児童生徒の就学支援に関するお尋ねでございます。
議員御指摘のブラジル人学校から公立学校に転入する児童生徒の状況につきまして詳細な実態は把握しておりませんが、こうした事例があることは承知しております。
日本語を話せない児童生徒につきましては、本年度、日本語指導教室を24校に配置し、通級方式によりまして指導を行うほか、外国人児童生徒が多く在籍する小学校17校に外国人児童生徒支援加配教員を17名配置し、学習指導、支援等を行っております。
また、市町村におきましては、平成19年度から地方財政措置が行われております特別支援教育支援員を小中学校に配置し、外国籍児童生徒に対しましても支援いただいておりますので、今後とも特別支援教育支援員の充実に努めていただくようお願いしてまいりたいと考えております。
なお、経済的な理由によりまして就学困難な外国籍児童生徒の保護者に対しましても、国の要保護児童生徒援助費補助金等に基づきまして、市町村が学用品費や給食費等について必要な援助を行っておりますので、御理解いただきたいと思います。
以上でございます。
〔26番村上淳君登壇〕
◆26番(村上淳 君)大変、就職状況が厳しいということですけれども、この際、長野県らしい新たな産業の創出も必要だと思います。環境対策の一環として、新エネルギーの創出も必要と思います。雇用の確保は農林業でも今検討されていますが、特に林業は人材の確保が難しい分野です。
今回、グリーンワーカー養成研修事業が盛り込まれておりますが、このような機会に大いに進めてほしいと思いますが、いかがでしょうか。林務部長の所見をお願いいたします。
また、国の第2次補正予算の中で、地域活性化・
生活対策臨時交付金があります。これは景気刺激策の一環で、市町村が独自の緊急経済対策を進める上で貴重な財源であり、長野県分は59億円、市町村分は141億円で、計201億円が予定されています。市町村には、この予算を有効に活用し、効果的な対策ができるように県の支援も肝要だと思います。県は、市町村に対してどんな支援をしていくつもりなのか。県知事の所見をお願いいたします。
〔林務部長轟敏喜君登壇〕
◎林務部長(轟敏喜 君)新エネルギーの中、特に県林務部で活用しています木質バイオエネルギーについての御質問と林業の人材確保について御質問いただきました。
新エネルギーのうち特に木質バイオエネルギーの活用につきましては、化石燃料からの脱却による地球温暖化防止の観点から非常に重要であると考えております。今回の緊急経済対策におきましても、間伐材等の木材を破砕して木質バイオマス燃料として利用するためのチッパーの導入を予定しております。これによりまして一層の木質バイオマス利用が図れるものと、そう考えております。
次に、林業の人材確保についてでございますが、全国的な雇用状況の悪化に伴い、林業分野への参入を希望する人も増加しております。しかし、林業に従事するためには一定の知識や機械操作技術の習得が必要でございます。そこで、1月8日に関係する団体にお集まりいただき、緊急林業雇用対策会議を設置し、新規参入の仕組みづくりについて検討を行い、林業の就業に必要な基礎的な知識、技術を改めて習得するためのグリーンワーカー養成研修や、林業事業体に対する就業者受け入れに関する要請などを行うことといたしました。
今後もこの会議を活用し、今回の研修終了者を含め、新たな人材の林業への円滑な就業を図れるよう、関係団体の協力をいただきながら取り組んでまいりたいと、そう考えております。
以上でございます。
〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)地域活性化・
生活対策臨時交付金の活用についてお尋ねをちょうだいしました。
この交付金は、ハード事業に限らず、ソフト事業にも幅広く活用できるなど、使い勝手がよくなるよう制度設計されておりまして、小規模団体におきましても十分活用できるものと認識しておるところであります。国において早急に関連予算が成立するよう期待しているところであります。
これにつきましては、12月の22日に国から制度案が示されたことを受けまして、同25日に市町村への説明会を開催し、交付金を有効に活用し、県と協調して地域経済の底上げを図るように要請をしたところであります。市町村におきましては、現在、交付金を活用する事業の選定作業を進めておりまして、県では市町村からの具体的な相談に対応している次第でございます。
県としては、引き続き、個々の市町村の状況に応じた相談、助言を積極的に行いまして、市町村の取り組みを支援してまいりたいと存じます。
〔26番村上淳君登壇〕
◆26番(村上淳 君)いずれにいたしましても、長野県の中期総合計画の中で雇用の促進と働きやすい労働環境づくりは大きな柱でありますから、ぜひとも具体的に進めてほしいです。
それから、今回の緊急経済対策において、長野県らしさというものを強調する意味でも、教育部門におきまして何ぴとでも平等に教育することであります。外国人が困っていればでき得る限り手助けをして、教育環境をぜひ整えてほしいと思います。
若者が未来に夢や希望を持てる社会が再び来ることを願いながら、今回の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
○議長(下﨑保 君)次に、藤沢詮子議員。
〔38番藤沢詮子君登壇〕
◆38番(藤沢詮子 君)日本共産党県議団を代表し、今臨時議会に提案されました補正予算並びに経済対策について質問をいたします。
アメリカ発の世界金融危機のもとで我が国も深刻な経済危機に見舞われる中、長野県でも、中小企業を中心に深刻な経営危機と、全国2位にランクされる派遣労働者の雇いどめなど雇用危機が日々拡大しています。県が、この危機に際し、ワンストップ相談体制の実施など機敏な対応を初め、緊急経済対策を打ち出し、補正予算を組んで一日も早い支援に踏み出そうという姿勢については、日本共産党県議団も求めてきたことであり、歓迎をするものです。
そこで、評価の上にさらなる支援への対応も踏まえ、以下4点にわたり質問をいたします。
まず1点目は、緊急経済対策としての雇用の確保について伺います。
長野県は、これまで、雇用の創出のためにも、企業誘致やものづくり産業投資応援条例による企業支援を行ってきました。そこで、これまで県費を投入し支援してきた企業の雇用の実態はどのようになっているのか。当県における派遣切りは全国2位の4,000人規模に及ぶとされていますし、今後さらなる拡大も予測をされていますが、この数値の中には支援企業は含まれているのか。商工部長にお聞きをいたします。
また、派遣切りなどリストラを極力行わないよう企業に対し強力な要請をしていただくよう求めるものですが、それでも解雇される県民を県が緊急雇用する対応も必要と考えます。この点につきましては、先ほど県としても今後検討していくという御答弁がございましたので質問をいたしませんけれども、私どもとしても早急な対応を求めておきたいと思います。
2点目といたしまして、中小企業支援について伺います。
既決予算で対応するということで補正を組んではありませんが、事業資金の円滑化ということで
中小企業融資制度資金の拡充が行われます。緊急借りかえ対策枠が新設されることになりました。このことは切実な中小業者の要望にこたえたものとして歓迎をするものです。
昨年末に実施をした緊急中小企業経営実態調査では、7割を超える事業所の売り上げが減少し、資金繰りが苦しいと訴えている事業所は6割を超えています。この現状を反映し、必要な支援策として最も多かった回答が金融支援でした。今回新設した借りかえ制度はこの声にこたえたものですが、借りかえ制度の創設とともに要望されているのは長期、低金利の融資制度であります。返済期間の延長や金利の引き下げについても検討すべきではないでしょうか。せめて、借りかえ資金や運転資金の返済期間を7年から10年に延長すべきではないかと思いますし、11月県議会でも商工部長が検討をすると答弁されている利子の引き下げについてもあわせて実施すべきと思いますが、改めて商工部長にお伺いをいたします。
3点目として、今回の補正額の9割を占める公共投資についてお伺いをいたします。
今回、補正で提案されている公共投資が、日本共産党県議団も一貫して提案してきた生活密着型の公共投資という対応であり、歓迎をするものであります。財源として30億円の県債が組まれていますが、生活密着型ということに限定したからこそこの額で済んだとも言えるでしょう。
知事は、これまで、県債は元金償還の範囲内でという県政運営をされてこられましたが、今回の経済対策を含む新年度予算全体ではこのお考えを堅持されて実施されていかれるのかどうか。お伺いいたします。
また、切れ目なく仕事を確保し、実需を喚起していくという経済対策の指針を達成する上でも、きめ細かな生活密着型の公共投資を引き続き優先して実行していくことが求められていると思います。先ほど、維持修繕の事業効果については建設部長からもお答えがありましたけれども、改めてこの2点につきまして知事にお聞きをいたします。
4点目として、生活者への支援対策について伺います。
失業者向けの生活資金100万円の緊急融資制度の創設は、全国的に見ても画期的で、評価するものでありまして、失業者に生きる希望を開く制度として活用されることを切に願うものであります。
離職を余儀なくされ、住むところを失った皆さんに対する住宅確保対策についてです。
雇用促進住宅の活用については、当初、早期の廃止対象でない住宅に限定をされていたものが、入居者や国民の大きな運動と雇用・失業情勢を踏まえた緊急の対応として、厚労省は廃止を決定した住宅も活用することにいたしました。
県として住宅困窮者の実態についてはどのように把握をされておられるのか。県営住宅の申し込みの実態と入居状況について建設部長にお聞きをいたします。
また、民間住宅の借り上げや家賃補助も検討するべきではないかと思いますが、あわせてお尋ねをし、1回目の質問とさせていただきます。
〔商工労働部長荒井英彦君登壇〕
◎商工労働部長(荒井英彦 君)最初の御質問でございますが、非正規雇用者の今回の雇いどめに関しまして、県の助成対象企業の中にこうした企業が含まれているかとのお尋ねでございます。
ものづくり産業投資応援条例に基づきまして助成金を交付済みの14の企業の中にも、今回の急激な経済変動によりまして、やむなく派遣労働者などの非正規雇用者、また常勤雇用者の雇用調整を実施したところも一部ございます。ただ、助成金の交付要件といたしましては、先ほども申し上げましたけれども、投資額10億円以上、企業が直接雇用する常勤雇用者の新規雇用者数10人以上などの要件を定めておりまして、今回の雇用調整により、この補助の要件に抵触するような企業は今のところ出ておりません。
従来からも、雇用に関しましては、助成金の交付後においても引き続き雇用の維持確保に努めていただくようお願いしてまいりましたけれども、今回の急激な経済環境の変化を踏まえまして、先般、改めて交付企業に対して雇用の確保について協力を要請したところでございます。
それから次に、県の制度資金の返済期間と金利に関するお尋ねでございます。
県の制度資金は、中小企業の皆さんの経営基盤の強化を支援するため、金融機関、それから信用保証協会の御協力を得まして、長期、固定、低利という融資を行っておるわけでございますが、このところの厳しい経済情勢の中、貸し付け条件の見直しも行ってきております。
今回の緊急経済対策に盛り込まれた借りかえ制度におきましては、中小企業の皆さんの借入金の返済負担の軽減を図るために、対象をまず中小企業者全体に拡充をいたしました。それから、今までと違いまして、別枠で借り入れることができるようにいたしました。そして、お話のように、返済期間につきましても今まで5年以内だったものを7年以内に、据え置きも6カ月から1年以内に延長することといたしたところでございます。
また、金利につきましても、昨年、日銀が政策金利を10月に0.2%、そしてまた12月にさらに0.2%引き下げました。こうしたことを受けまして、県内の金融機関におきましても貸し出し金利を再度見直すことが予想されております。したがいまして、県内の金融機関の動向を見据えた上で、県の制度資金の貸し出し金利についても見直すことが必要であるというように考えております。
今後とも、制度資金につきましては、経済情勢、あるいは金融機関の動向など総合的に勘案いたしまして、タイムリーに、また柔軟に運用してまいりたいと、このように考えております。
以上でございます。
〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)議員からは、公共事業と、それから県債残高の管理の問題につきましてお尋ねをちょうだいしたと理解しております。
平成21年度の当初予算におきましても、県有施設の耐震化、あるいは道路、河川など県民生活に身近な社会資本の整備について、必要性等を十分に検証しながら、事業を厳選して実施してまいるということを基本にいたしたいと考えております。
そこで、これらの社会資本整備というのは、国庫補助金とともに、世代間の負担の公平という観点から県債の活用を前提にしてこれまで仕組んでまいっております。これに加えて、特に来年度におきましては、国の地方財政対策を見る限り、地方交付税の肩がわりとしての臨時財政対策債を大幅に増加発行せざるを得ない見通しだと、このように考えております。
したがいまして、21年度の県債残高につきましては現段階でどうなるか断定できないことでありますけれども、これまでも答弁をいたしておりますが、将来の世代の負担を減らしていくという財政健全化のための基本的スタンスというものは変えるつもりはございません。
しかしながら、このために、今現在生活している県民の安全、安心の確保やあるいは地域の活性化という、県が本来果たさなければならない役割を損なうようなことがあってはならないと考えているところでございまして、適切かつ柔軟な対応をしてまいりたい、このように考えているところであります。
〔建設部長北沢陽二郎君登壇〕
◎建設部長(北沢陽二郎 君)最初に、離職による住宅困窮者の実態把握についてのお尋ねでございます。
厚生労働省が昨年12月26日に発表した非正規労働者の雇いどめ等の状況によれば、昨年10月からことし3月までに職を失う方が全国で約8万5,000人、県内では4,193人となっており、住居の状況については、2,374人について判明し、うち住宅喪失者は212人で割合は8.9%であります。
次に、県営住宅への申し込み及び入居状況についてのお尋ねでありますが、県では県営住宅98戸を提供する体制を整え、昨年12月24日に開設した総合相談窓口及び地方事務所建築課で受け付けを実施し、1月9日現在、19戸の入居が決定しているところであります。
なお、市町村及び長野県住宅供給公社に対しても住宅の提供等について働きかけを行い、1月9日現在、県営住宅と合わせ238戸を提供しているところです。
次に、民間住宅の借り上げ、家賃補助については、国の第2次補正予算において離職者住居支援給付金の検討がなされているところであり、その動向を注視してまいりたいと考えております。
〔38番藤沢詮子君登壇〕
◆38番(藤沢詮子 君)雇用対策に伴う長野県の信州ものづくり産業投資応援条例、これによって県の資金を受けている企業が、先ほどの御答弁ですと、常用雇用も含めて調整している企業があるという御答弁でございました。
県が応援条例によって条件をつけているわけですが、課税免除と助成金についての条件をつけているんですが、この条件には解雇というのが一致をしていないということでおっしゃったんですが、しかし、昨年の6月県議会で商工部の報告によりますと、長野県が信州ものづくり産業投資応援条例に基づいて不動産取得税の課税免除と助成金を合わせて、支援を始めてから3年間で36億円という投資をしてきています。ものづくり産業投資応援条例というのは地域経済の持続的発展と雇用確保を図るために設置をされたものでありまして、条件に合わないからということだけではなくて、条例設置の目的からしても、大切な県費投資を最大限生かす、県として雇用の確保をしていくべきだというふうに思うんです。これは県としての責務であるとも思います。
ということで、改めて、県費が投入されている企業に対しては雇用を守るよう強力な要請を直接すべきではないかと思いますが、このことに対しては知事の御見解を伺いたいと思います。
それから、身近な公共事業の実施の問題ですが、昨年、松本の建設協会でお話を伺ってまいりました。建設業としての登録件数は横ばいで、減少はしていないけれども、事業所の規模は縮小している、大規模の事業よりも生活関連の小規模事業を継続的に出してくれるほうがうれしいというお話でした。つまり、大型公共事業ではなく、今回の補正で対応した生活密着型の公共投資というのは地元の建設業者にとっても今の現状の中では大変望むところであることを踏まえて、今後のお取り組みをいただきたいというふうに求めておきたいというふうに思います。
それから、住宅確保政策についてですけれども、大分県では、解雇された派遣従業員らに、短期ではありますが月4万円の家賃補助を行うと発表をされています。自治体が民間住宅を借り上げたり家賃補助をする場合には国交省が事業費の45%を支援する地域住宅交付金制度もございますので、ぜひ活用して対応すべきではないでしょうか。改めてこのこともお伺いして、2回目の質問とさせていただきます。
〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)ものづくり産業投資応援条例に基づきまして長野県がさまざまの助成をしている企業に対しまして雇用維持をきちんと求めるべきではないかと。一つの御見識だと思います。よく検討をさせていただきたいと存じます。
〔建設部長北沢陽二郎君登壇〕
◎建設部長(北沢陽二郎 君)離職による住宅困窮者への対応でございますけれども、県営住宅の本来の目的外ということで御用意させていただいたのが98戸ということでございます。
それと、家賃も、最低家賃のさらに減額を検討しているという対応をしていますので、建設部とすれば離職による住宅困窮者への対応は十分だと考えておりますし、計算しても、238戸の戸数を用意させていただいていますので、住宅喪失者への対応の数とすれば十分足りているのではないかと考えております。
〔38番藤沢詮子君登壇〕
◆38番(藤沢詮子 君)県営住宅についてなんですが、県営住宅に入りたいという要望と現在提供されている、その需要と供給の関係というのは満たっているのか。これについては改めて建設部長に伺いたいと思います。
それから、知事の御答弁が先ほどございましたが、県債の問題ですが、これはちょっと後退ではないかというふうに思うわけですが、その点はしっかりまたよろしくお願いしたいと思います。
派遣切りの大半が製造業によるものであります。その大もとは、使い捨ての労働形態を生み出した労働法の改悪にあるわけでございまして、雇用対策は安易にリストラさせないというこういう対策を県がしっかりやっていただきたいことを申し上げて、質問を終わります。
〔建設部長北沢陽二郎君登壇〕
◎建設部長(北沢陽二郎 君)住宅困窮者の需要と供給の御質問でございますが、先ほども答弁で申し上げましたけれども、わかっている範囲で212名という数字をいただいております。私ども、先ほど長野県住宅供給公社も含めまして238戸を用意させていただいていますと。
以上でございます。
○議長(下﨑保 君)次に、永井一雄議員。
〔25番永井一雄君登壇〕
◆25番(永井一雄 君)それでは、予算案に対する質疑をさせていただきます。
まず最初に、歳入についてですが、さきの9月議会では、県税収193億円減収に伴う減収補てん債の発行についてはその詳細がわからないと、こういうふうに言われてきました。そこで、今度の緊急経済対策で提案されております県債30億7,000万円との関係、どのようになっていくのか。まずお聞きをしたいと思います。
二つ目に、私どもの会派トライアル信州は、かねてから県財政が厳しき折、昨年4月から見直しをされてきました特別職等の報酬の実質的値上げを再検討すべきではないかと、こういうふうに申し上げ、知事も、諸般の情勢を見きわめながら適時適切な判断をしたいというふうに言われてきたところであります。今まさにその時ではないかなと、こういうふうに思って予算案を見たわけでありますが、それは書かれていなかったと、こんな点でございます。
3点目には、事業規模約72億円の対策予算で、県の一般会計8,300億ですから、それから見てこれでは少ないのではないかという意見も先ほど来もあったようにお聞きをしますし、また、私も地域ではお聞きをするところであります。言うなら、経済危機を救済するには積極的な財政出動をすべきではないかと、こういうふうに言われる方もおいでになります。しかし、県財政の健全化との兼ね合いからどのようなものがいいのか。その辺について知事の御所見もお伺いしたいと思います。
また、さきの新聞報道の中では、今回の補正予算について財政課は、小さな額ではないが、屋台骨を揺るがす額ではねえんだと、こういう説明もございました。しからば、どのぐらいの額が予想されてそういう発言をされておるのか。総務部長にお聞きをしておきたいと思います。
続きまして、歳出についてお伺いをしたいと思いますが、知事のお話では、従来の公共事業と一線を画して提案されたというふうに言われておりますが、先ほどからの皆さんの御意見の中にも、大半が公共事業に頼った対策ではないかと、こういうふうに言われておると思いました。私もそのように考えるわけですが、公共事業とは何ぞやというとらえ方でまた違うのかとも思うところであります。
そこで、私たちは、今県民にとって一番必要なことは、失業者への救済策としての生活支援、あるいは住居、新たな職探しにどのように手を差し伸べていくのかと、こういうことかと思います。中小零細企業に対する金融支援対策というものは、今もお話ございましたが、それなりきの取り組みもされておると思いますが、こういうことに対して重点を置かない対策であってはいけないのではないかと。国自身も、いろいろ言われておりますように、タイミングのずれた経済対策をしているじゃねえかと、こんなような指摘もされるわけですが、私自身も、この予算案を審議しながら一抹の不安を持つものであります。
そこで、まず知事に、今日までの知事の新聞等による発言についてその真意をお聞きしますが、まず知事は、先ほどもありました公営住宅の失業者に対する貸し出しについて、家賃等料金を払ってもらえる保証がないと入ってもらうわけにいかないんだと、こういう慎重な姿勢を示されたという報道もありました。
また、失業者を臨時職員として雇用することについても、知事は、ないと。先ほどの答弁では、国の対策があるからするというふうなことを申しておったようにお聞きしたわけですが、そういう考えの中、都道府県レベルではイメージしにくいんだと、こういうふうに言われてきましたが、他県でも積極的に採用されておりますし、2003年の前県政時代にあっても大量に採用して県民から喜ばれておったというふうな記憶もございます。
私は、県民が苦しんでいたら真っ先に手を差し伸べ、苦しんでいる県民を助け、県下の市町村や民間にその範を示していくというのが県の姿勢ではないかなと。知事も、そのように取り組んでおると、こういうふうに言われておりますが、例えば、私、昨夜、知事の選挙の法定ビラを見てみました。大雨や大雪に強く、だれもが安心して暮らせる長野県をと、こういうふうに大きく書かれておりました。ここで言う「大雨や大雪」というのは自然災害のことを言っているんだと思いますが、今は政治災害、こういうことだろうかと思うんです。そういうときにこそ、ここに書いておるような基本的な姿勢でしっかりと手を差し伸べてもらうことが必要ではないのかなと、こんなふうに思いますので、2点について知事の真意をいま少しお聞かせいただきたいと思います。
次に、木の香る環境づくり総合推進事業補助金3億円、これは国の第2次補正予算に対応する分ということで木造公共施設整備を対象にしております。長野県には信州ふるさとの住まい助成金事業というものがございます。県産材を使用して住宅を建設すれば40万円補助ということですが、今のようなときにこそ、県民参加で内需の拡大を図ろうと。例えば、限定的な制度として、時限立法として100万円ぐらいの補助をして、県民の皆さんもぜひ県政活性化のために力を出してくれねえかというふうにすれば、皆さんも一層力を得て参加をされ、県内経済の波及的効果を及ぼすのではないかなと、こんなふうにない知恵を絞って考えてみたわけですが、そんな点も知事にぜひお聞かせいただけたら幸いと思います。
〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)まず第1に、減収補てん債と県債30億円との関係につきましてお尋ねをちょうだいしました。
減収補てん債につきましては、今年度、景気の急激な低迷によりまして、法人関係税を中心として県税収入が当初見込みを200億円にも迫る規模で減収となる見通しとなっておりまして、本来でございましたらこれは地方交付税で補われるわけでありますけれども、国においては既に今年度の普通交付税を全額配分してしまっているところから、地方が減収補てん債という形で起債を行いまして、後年度、この元利償還の75%を基準財政需要額に算入されるということで、制度上、また県の財政運営上、一定程度見込まざるを得ない、こういうものであります。
今回の補正予算で計上しました県債30億7,000万円というのは、通常の投資的経費に充当するものであります。
いずれにしましても、これまでも答弁してまいりましたとおり、現段階で県債残高がどうなるかというのは断定できません。たびたび申し上げておりますけれども、将来の負担を減らしていくという財政健全化の基本スタンスは維持しながらも、今現在を暮らしている県民の安全、安心の確保や地域の活性化という、県が本来行うべき役割が損なわれることのないように対応してまいることが私は当面の一番の課題だと、このように考えているものでございます。
二つ目に、特別職の報酬の再検討について重ねてお尋ねをちょうだいいたしましたが、特別職の給与、報酬の特例減額措置につきましては、昨年9月の定例県議会で永井議員にお答えをしたとおり、厳しさを増している財政状況を初め諸般の情勢を引き続き見きわめながら適時適切な判断をしてまいりたいと考えております。
続いて、私の発言につきましてお尋ねをいろいろちょうだいいたしましたが、まず、県営住宅につきましては、解雇等により住む場所がなくなるということはこれは極めて深刻な問題であることは私もよく理解しているところでありますけれども、一方で、長野県としては、現に居住している方に対して、県議会でも審議、承認していただいて家賃の滞納の処理を行うなど、厳格な管理をしているという実情もございますので、この均衡というものを考えなければならないという趣旨で私は発言したものでございます。
県としましては、県営住宅を提供する体制を整え、1月9日現在、19戸の入居が決定しているところであります。また、市町村及び住宅供給公社に対しましても住宅の提供等について働きかけを行いまして、離職される方々に対する住宅を提供しているところでございます。
もう一つ、臨時職員を県が雇用するということにつきまして、私は常々県の仕事に無駄がないか目配りをしているつもりであります。県の仕事の中で単に人を雇えば足りるという仕事がどれくらいあるのか、率直に申しまして慎重に考えなければならないであろうと、こういう趣旨で私は発言したものであります。
一方で、市町村というのは極めて現業的な部分がかなりございます。そういう意味で、ある程度具体の仕事が想定できるので、県としてこれに対してサポートをすることは可能であろうと考えておりまして、国において現在審議中の第2次補正予算の中で雇用創出のための基金の設置を提案しているので、その内容を踏まえて今後とも検討してまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。
さらに、信州ふるさとの住まいづくり支援事業についてお尋ねがございました。
住宅産業というのは確かにすそ野が広い産業でありまして、県内経済への波及効果が大きい産業であります。そういう観点から、この助成金は県産木材を用いた住宅の普及のために行っているものでありまして、現在40万円助成をするという形になっております。ただ、これは個人資産の形成という側面がございます。そういう意味で、助成額の増額というのは慎重に考えるべき問題だろうと私は思っておりまして、公営住宅に対する対応とはちょっと違うのではないか。したがいまして、私は、今回の緊急経済対策におきましては県営住宅の前倒し着工というのをお願いしている次第であります。
〔総務部長浦野昭治君登壇〕
◎総務部長(浦野昭治 君)今回の補正予算における県の一般財源の必要額でございますが、9億円ほどでございます。相当程度、今後、地域活性化・
生活対策臨時交付金で賄えるものというふうに見込んでおりますことから、財源への影響はさほど大きくはないというふうに考えております。
また、今回の補正予算に計上いたしました県債は30億円余でございます。決して小さい額ではございませんけれども、仮にこれを30年で償還するということを考えますと負担は年1億円余ということになろうかと思います。そういたしますと、県の全体の財政規模にいたしますと屋台骨が揺らぐほどではないというようなことと考えております。
いずれにいたしましても、財政の健全化を十分意識しながら必要な施策を推進してまいりたいと、このように考えております。
〔25番永井一雄君登壇〕
◆25番(永井一雄 君)知事にもう一度お聞かせいただきたいんですが、先ほども言いましたように、県民の中にはもっと積極的に金を使え、こういうときだからと、こういう意見もございます。
そこで、私自身もそうかなというふうに思うわけですが、懐が豊かでなければこれもできないと。そういう意味からして、いろいろ苦慮されて今回も練られたと思うんですが、そのような県民の声に対して、知事は、いま少し細かく、こういうふうにやるしかないというお話を、先ほども、前倒ししたんだから来年度分はさらに上積みするんだというふうにもとれますし、前倒しをしたんだからそれなりきのことだろうというふうにもとれますし、そういうようなことをいま少しお聞かせいただければ幸いと思います。
それで、私は、長野県の特色を前面に出した経済対策というものにするには、森林税を導入したということもありますし、森林県、農業県、あるいは環境県というような特色のあるものに積極的な投資をしたらどうなのかと、こんなふうにも考えておるところです。雇用の創出を図ると。地域を回って、今度県はお金をこれだけ心配したよと、こういうふうに私も言うんですけれども、いや、永井君、金じゃねえ、やはり仕事が欲しいんだというふうに言われると、私も一県会議員としてウーンと詰まることしかないんです。
そこで、先ほど言いましたように、この審査に当たっても、私自身が、ちゅうちょというですか、じくじたるものがあると、こういうことを申し上げたわけでありまして、その点いま少し御説明をいただけたら幸いと思います。
〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)十分に御納得のいくお答えになるかどうかわかりませんけれども、仕事を提供するというのは確かに大事なことであります。しかしながら、同時に、それは県の仕事として大切なこと、県がやるべきこと、そういうものでなければ基本的にはいけないんだろうと私は思っております。
そういう意味で、県の仕事というものはどういうものなのか。そういう意味で、仕事をふやす、それを通じて雇用をふやす道が何かないものかいろいろ考えまして、事業の前倒し等々のことをやらせていただいたのが今回御提案していることであります。
直接に雇用を提供する、県が直接にお金を出して雇う。しかし、それは、私は、県という組織を管理している立場からしますと、県民に対しまして、これが県として大切な仕事なのだということにつきましての説明がつくものでなければならないと思っておりますし、もう一つ加えれば、仕事に従事する人にとりましても働く意義というものを感じられるようなものでなければならないのではないか。これは極めて私の個人的な思いかもしれませんけれども、私は、やりがいのある仕事、それに携わるということが人として大変喜びを感じることではないかと思っておりますゆえに、人にそういう仕事を提供することができればいいなと、こういうふうに思っているということをあえて申し上げさせていただきます。
○議長(下﨑保 君)次に、北山早苗議員。
〔15番北山早苗君登壇〕
◆15番(北山早苗 君)あおぞらの北山早苗です。
まず、知事に伺います。
昨年8月に出された「平成20年度の財政見通しと今後の取組みについて」によれば、財源不足への対応として、「制度上やむを得ないものや緊急性が著しいもの(災害等)を除き、一般財源の増額補正はしない。」とありますが、これとの関連を伺います。
また、今回が緊急性が著しいと判断したため増額補正をするということなら、知事の考えた緊急の意味、つまり、どこが一番の緊急事態と考えているのでしょうか。
次に、既に多くの方が質問されましたが、県債が30億7,000万円発行される件で再度お聞きしますが、公債の発行額は元金償還額内にするという行財政改革プランの考え方は、適切かつ柔軟ということではなく、遵守していただけるのでしょうか。
さらに、今回計上されている事業はほとんどが平成21年度事業の前倒しなので、21年度の予算編成に当たってはその分の規模を縮小するべきと考えますが、いかがでしょう。
商工労働部長に伺います。
制度資金の借りかえ枠を設けるという今回の融資対策は、本当に資金を必要としている中小企業が利用できるものなのでしょうか。決算書が赤字でも、低利、長期の借り入れができることで資金繰りが可能となって、倒産せずに不況が乗り切れる中小企業も多いはずです。実効性ある融資対策になっているのでしょうか。
続けて商工労働部長に伺います。
雇用への効果は830人ほどとのお答えがありましたが、民間に仕事をふやし雇用をと願うのなら、県みずから仕事を生み出し直接雇用するべきではないでしょうか。長野県では、IT不況の平成14年から15年において臨時、嘱託職員を緊急的に直接雇用しています。国の第2次補正を待つのではなく、県の直接雇用など県独自の雇用対策を打ち出すべきと考えますが、いかがでしょうか。
最後に、知事に伺います。
アメリカのオバマ次期大統領が自然エネルギーへの転換で500万人のグリーン雇用の推進を打ち出しているように、環境に軸を置いた経済活動へ産業構造の転換を図るべきと考えます。今回の緊急経済対策でも、緊急とはいえ、将来の産業構造をどのようなものとしていくかを見据えた検討がなされたのでしょうか。
〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)まず第1に、緊急という意味につきましてお尋ねをちょうだいいたしました。
御指摘のございました昨年8月時点での財政見通しにおきまして、一般財源の増額補正を行う場合として災害等と。制度上やむを得ないものや緊急性が著しいものとして、災害等という例示をしております。現在の悪化が著しい経済・雇用情勢こそ、まさに災害に匹敵する緊急事態であると、このように私は認識しているものであります。
このため、財政状況が厳しい中ではございますけれども、県民の暮らしを第一と考えて、国からの臨時交付金の見通しも踏まえながら、現段階で手当てできる限りの一般財源を活用して県として今なし得る対策を速やかに実行するべく、補正予算をお出ししているわけであります。
続いて、二つ目、県債発行額を償還額の範囲内でという考え方を遵守するかどうかということでありますが、現段階では県債残高がどうなるか断定できませんので、現在の経済情勢における県債発行の特殊事情として、今回の補正予算のほか、本年度においては200億円にも迫る規模の県税収入の減に伴う大幅な減収補てん債の発行が余儀なくされていることを踏まえ、また、来年度においては、国の地方財政対策を見る限り、地方交付税の肩がわりとしての臨時財政対策債を大幅に増加発行せざるを得ない見通しであるということも踏まえまして、11月県議会でも答弁したとおり、将来の世代の負担を減らしていくという財政健全化のための基本スタンスを変えるつもりはこれは全くありませんけれども、このゆえに、今現在を生活している県民の安全、安心の確保やあるいは地域の活性化という、県が本来果たすべき役割が損なわれることがあってはならないということを考え、現在の非常時的な状況下において、この取り扱いについて適切かつ弾力的に対応するという決意をしたということであります。
それから、前倒し分を21年度予算から減らすべきであるという御指摘でありますが、今回前倒しした分は、前倒しという以上、基本的には来年度当初予算計上予定額から控除していくものと考えておりますけれども、来年度予算で具体的にどう対応していくかということにつきましては、厳しい一般財源の状況ではありますけれども、今後の長野県経済の動向などを十分踏まえながら当初予算編成の中で検討をしてまいります。
さらに、緊急経済対策における産業構造転換についての御質問でありますが、環境・エネルギー分野というのが今後全世界で高い成長が見込まれる分野の一つであるということは、認識はそのとおりだと思います。日本においても、環境省を中心に、日本版グリーン・ニューディールという構想が検討されているということも承知しております。
このような環境を軸とした産業構造への転換というのは長期的なテーマとして巨費をかけて対応しなければならないものでありまして、今回の緊急経済対策は、県民生活を緊急的に守るということを第一義として、切れ目なく仕事を確保するなど、県内の実需を喚起するために実施するものであります。長野県の将来を見据えた産業振興策は、既に産業振興戦略プランや中期総合計画に示してありまして、これを着実に進めていくべきものと考えております。
〔商工労働部長荒井英彦君登壇〕
◎商工労働部長(荒井英彦 君)まず、中小企業への融資に関するお尋ねでございます。
経済環境が急激に変化してきている中で、中小企業の皆さんの資金ニーズについても多様化をいたしてきております。昨年10月に国において緊急保証制度が創設されまして、多くの中小企業者が信用保証協会の全額保証を別枠で利用できるようになりました。この制度を貸し付け要件としております特別経営安定対策資金については、昨年12月には前年に比べて8倍余りというような利用がありまして、先週末に融資目標額をさらに拡大をいたしたところでございます。
また、企業によりましては短期間でスピーディーに借りられる融資、こういったもののニーズがございますが、中小企業振興資金のメニューの中に新たに別枠で2,000万円を限度とする短期資金緊急対策枠を創設いたしまして、昨年12月1日から取り扱いを開始をいたしました。1カ月間の利用でございますが、この資金を含む短期資金は前年より2割増加をいたしております。
昨年12月の緊急中小企業経営実態調査、あるいは商工団体の皆さんからのいろんな御意見をお聞きする中で、企業によっては今借りている資金の返済負担を軽減してほしいという強い要望がございました。そのことに対応いたしまして、今回の緊急経済対策の中で借りかえ制度を創設することといたしたところでございます。
このように、新たに創設いたしました資金につきまして、それぞれの中小企業の皆さんの実情に応じて利用をしていただければと考えているところでございます。
なお、融資に当たりまして、金融庁では、融資の審査の際には大企業に比べて赤字になりやすいといったことの中小企業の特性にも十分配慮をして判断するようにとマニュアルを作成しております。
県といたしましても、中小企業の皆さんへの円滑な融資につきまして、昨年12月11日には金融機関の代表者の皆さんに知事から直接依頼をいたしたところでございます。
それから、県の直接雇用など県独自の雇用対策を打ち出すべきではないかとの御質問でございます。
雇用対策につきましては、これまでも、県として、就職に悩みを抱える若者就労支援、これを主に扱っております
ジョブカフェ信州の設置などによりまして、ハローワークと連携して就職支援に取り組んでいるところでございます。今回の緊急経済対策の中で、
ジョブカフェ信州に就業支援アドバイザー2名を新たに配置をしまして
緊急雇用相談窓口を設置し、また事業所等へ出向いての移動ジョブカフェも開催するなど、離職を余儀なくされた方々にきめ細かな支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。
先ほど来お話が出ておりますけれども、国の2次補正の中におきまして、県に基金を設置して地域の雇用創出を図るふるさと雇用再生特別交付金事業、さらには緊急雇用特別事業を行うことになりますので、この事業につきましては迅速な事業が実施できますように市町村にも事業の周知、また連携、協力を図って、一人でも多くの雇用を生み出せるように努めてまいりたいと考えております。
そしてまた、この事業の中に直接雇用がございますので、基金の内容を踏まえまして、そうした取り組みについても検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔15番北山早苗君登壇〕
◆15番(北山早苗 君)知事に再度伺います。
平成20年2月に出された財政見通しによれば、20年度の歳入中の県債発行予定は953億円、これに対して歳出中の公債費のうち元金償還分は1,130億円ほどで、この段階では180億円ほど公債費のほうが少なく、公債の発行額は元金償還額の範囲内という約束を守っています。しかし、既に200億円の減収見込みということで、これを県債で補うとして、今回の30億円を足せば公債の発行は230億円ふえ、180億円を超えてしまいます。ある程度減収補てん債で国から措置されると言われても、経済情勢の悪化でさらなる減収も考えられ、大変厳しい財政状況であることは明らかです。
公債の発行額は元金償還額の範囲内という約束を守るために、21年度の予算編成に当たり、ダム建設や新たな道路建設等の大型公共事業は見直し、給与カットや徹底した歳出削減で公債の発行を極力抑えるべきではないでしょうか。
県独自の雇用対策について再度商工労働部長にお尋ねします。
知事は、従来の公共事業を中心とした経済対策とは一線を画しているとおっしゃいましたが、予算額からすれば圧倒的に土木・建設工事を主とする対策です。もっと雇用対策に力点を置くべきです。
佐賀県では、失職した非正規1,200人分の雇用を確保する方針です。このうち、佐賀県は200人分を臨時職員や嘱託職員などとして緊急的に直接雇用することにし、古い公文書の電子データ化や水路の護岸工事、森林の間伐作業などの仕事を想定しているそうです。また、残り1,000人分の確保は、公共事業発注による雇用創出、失業者を雇用した企業へ優遇措置の導入などのほか、農業法人や福祉施設などを対象に県が直接雇用の掘り起こしに当たるということを検討しているとのこと。また、ある市では、残業をカットし、浮いた残業代分で臨時職員を雇うことを決めたという報道もありました。
長野県でも、直接雇用をしたり、働く人材が不足している福祉分野などへ失業した方々が入れるよう、知恵とお金を回すべきではないでしょうか。
また、中小企業の支援についても再度お尋ねします。
新聞で、元国民生活金融公庫調査役の藤井康信氏が、中小企業の資金繰り支援のための信用保証枠を拡大したとしても、本当に資金を必要としている中小企業が利用できるのか、返済力の審査に盲点がある、従来の利益償還方式の偏重をやめ、資金繰り償還方式中心の審査に改めるべきと提案しています。
審査方法の改善、セーフティーネット保障の運用改善など、もっと実効性のある融資制度に見直し、そのために必要があれば予算措置をも行うべきではないでしょうか。
私の質問を終わります。
〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)率直に申しまして、今の段階では、県債をどれだけトータルとして出さなきゃならないか等々につきましてきちんとしたデータがそろっておりませんし、また、国の側でどのような財源対応をするかということも明確でございませんから、お答えを控えさせていただきます。
〔商工労働部長荒井英彦君登壇〕
◎商工労働部長(荒井英彦 君)雇用の関係につきましては、先ほど来いろんな議論がございました。私どもも、直接雇用につきましては、国の基金の説明会も15日にございまして、19日と20日には、これを持ち帰りまして、県内の市町村を集めた説明会も予定しておりまして、そういったものを速やかに立ち上げてまいりたいと思っております。
それから、中小企業の融資につきましては、先ほど申し上げましたように、国、地方含めてこれは最大の事項でございまして、あらゆる手だてを使って今取り組んでいるところでございますが、いろんな経済状況、そういうものの中でさらに工夫ができるものがあるのか。そういったことについては継続して検討してまいりたいと思っております。
○議長(下﨑保 君)以上で知事提出議案に対する質疑を終局いたしました。
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△知事提出議案委員会付託
○議長(下﨑保 君)次に、知事提出議案をそれぞれ所管の委員会に付託いたします。
各委員会におかれては、慎重審議の上、速やかに議長の手元まで審査報告書の提出を願います。付託一覧表は後刻お手元に配付いたします。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後3時44分休憩
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午後6時40分開議
○議長(下﨑保 君)休憩前に引き続き会議を開きます。
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△委員会審査報告書提出報告
○議長(下﨑保 君)次に、お手元に配付いたしましたとおり、各委員長から委員会審査報告書の提出がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。
〔議案等の部「4 委員会審査報告書」参照〕
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△各委員長の報告
○議長(下﨑保 君)各委員長の報告案件全部を本日の日程に追加いたします。
各委員長の報告案件全部を議題といたします。
最初に、社会衛生委員長の報告を求めます。
下村恭社会衛生委員長。
〔32番下村恭君登壇〕
◎32番(下村恭 君)社会衛生委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告を申し上げます。
知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、いずれも原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
以上をもちまして委員長報告といたします。
○議長(下﨑保 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下﨑保 君)質疑を終局いたします。
委員長の報告中、第1号の予算案を除き、他の案件につき討論をいたします。
討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。
本案、委員長の報告どおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下﨑保 君)御異議なしと認めます。よって、本案は委員長の報告どおり決定いたしました。
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○議長(下﨑保 君)次に、環境商工観光委員長の報告を求めます。
石坂千穂環境商工観光委員長。
〔51番石坂千穂君登壇〕
◎51番(石坂千穂 君)環境商工観光委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。
知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上をもちまして委員長報告といたします。
○議長(下﨑保 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下﨑保 君)質疑を終局いたします。
委員長の報告中、第1号の予算案を除き、他の案件につき討論をいたします。
討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。
本案、委員長の報告どおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下﨑保 君)御異議なしと認めます。よって、本案は委員長の報告どおり決定いたしました。
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○議長(下﨑保 君)次に、農政林務委員長の報告を求めます。
保科俶教農政林務委員長。
〔22番保科俶教君登壇〕
◎22番(保科俶教 君)農政林務委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。
知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上をもちまして委員長報告といたします。
○議長(下﨑保 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下﨑保 君)質疑を終局いたします。
──────────────────
○議長(下﨑保 君)次に、危機管理建設委員長の報告を求めます。
宮本衡司危機管理建設委員長。
〔23番宮本衡司君登壇〕
◎23番(宮本衡司 君)危機管理建設委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告を申し上げます。
知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上をもちまして委員長報告といたします。
○議長(下﨑保 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下﨑保 君)質疑を終局いたします。
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○議長(下﨑保 君)次に、文教企業委員長の報告を求めます。
村上淳文教企業委員長。
〔26番村上淳君登壇〕
◎26番(村上淳 君)文教企業委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。
知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。
以上をもちまして委員長報告といたします。
○議長(下﨑保 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下﨑保 君)質疑を終局いたします。
委員長の報告中、第1号の予算案を除き、他の案件につき討論をいたします。
討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。
本案それぞれ、委員長の報告どおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下﨑保 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ委員長の報告どおり決定いたしました。
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○議長(下﨑保 君)次に、総務企画警察委員長の報告を求めます。
垣内基良総務企画警察委員長。
〔19番垣内基良君登壇〕
◎19番(垣内基良 君)総務企画警察委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。
知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上をもちまして委員長の報告といたします。
○議長(下﨑保 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下﨑保 君)質疑を終局いたします。
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○議長(下﨑保 君)次に、各委員長の報告中、第1号「平成20年度長野県
一般会計補正予算案」につき討論をいたします。
北山早苗議員、柳田清二議員、毛利栄子議員、今井正子議員から討論の通告がありましたので、発言を許可いたします。
最初に、北山早苗議員。
〔15番北山早苗君登壇〕
◆15番(北山早苗 君)あおぞらの北山早苗です。平成20年度長野県
一般会計補正予算案に反対です。
最初に申し上げておきますが、緊急に経済対策を行う必要性については反対するものではありません。しかし、今回の村井知事の提案した緊急経済対策は、1、安易な県債発行が再び県の借金をふやす引き金になりかねない、2、一番困っている失業者の雇用確保と製造業等の中小企業への積極的な支援に欠け、緊急への対応になっていない、3、土木、建設に偏った公共投資で景気高揚をという古いやり方はその場限りの対策にすぎないということからして、予算案には反対します。
そして、緊急であっても将来を見通した経済対策が必要であるという観点から、知恵を絞って早急に検討し直し、提案していただくことを要望します。
もう少し詳しく説明します。
まず、財源として県債30億円を発行することについて県民からはとても厳しい意見が寄せられています。県として、借金をする前に、無駄の見直しはしているのでしょうか。極限まで無駄の見直しをして、知事を初め給料カットくらいまでして、それでも足りないので借金させてくださいと県民に言えるような検討はなされたのでしょうかという意見です。
20年度の県税収入が当初見込みより既に200億円減収になるということですが、経済情勢の悪化でさらなる減収も考えられ、大変厳しい財政状況であることは明らかで、安易な県債の発行は抑えるべきです。前倒しというのなら、21年度はその分の事業費を削るのかという質問や、公債の発行は元金償還額の範囲内の約束についても明確な答えがいただけませんでした。これでは、県民に協力いただきながら、せっかく長野県の借金を減らしてきたのは一体何だったのかということになります。
県民の皆さんからの御指摘どおり、まずは県議会も含め給与の見直しをするべきです。民間では収入が減ればボーナスも減るか、出ない。県税収入が減っているのに公務員だけそのままというのはおかしいという本当に厳しいおしかりの声、これを真摯に受けとめず、新たな借金を安易にするような緊急経済対策には賛成できません。
次に、失業者の雇用確保ですが、村井知事は、12月19日の記者会見で、臨時職員の緊急雇用について、市町村レベルなら離職者を雇うことはあり得るが、都道府県レベルではイメージしにくいとおっしゃっていますが、田中前県政下では、実際、IT不況の平成14年から15年度において、臨時職員、嘱託職員の大幅採用を実施した実績があります。また、今回、佐賀県では200人分を臨時職員や嘱託職員などとして緊急的に直接雇用します。
長野県でも、知事は、都道府県レベルではイメージしにくいという発言を撤回し、直接雇用をしたり、土木、建設に偏った公共投資ばかりではなく、雇用に力点を置き、失業した方々が働く人材が不足している福祉分野などへ入れるよう知恵とお金を回すべきです。
ハローワーク松本によれば、生産工程・労務職の求人倍率は10月の0.46から11月0.39とますます下がっているのに対して、専門・技術職の求人倍率は11月になっても2.53と高く、また、製造業の新規求人は対前年度比で10月がマイナス47.9、11月がマイナス38.5と大きく落ち込んでいるのに対して、医療、福祉の新規求人は11月の対前年度比がプラス26.8と求人が増しています。
知事も、1月5日の記者会見で、福祉の分野も結構人手が足りないということで、そういうところへ入っていただければとおっしゃっているのですから、なぜ今回の緊急経済対策でそこに踏み込まないのでしょうか。介護の仕事はきついのに給料が安過ぎて、せっかく資格や意欲を持った若い人たちが結婚も子育てもできないとやめてしまうのが現状です。国でも何らかの手だてを考えているとは思いますが、それを待つのではなく、県の緊急雇用対策として、介護保険への上乗せ支給や、要支援の方々がもっと生活介助を受けられるように補助をする、あるいは新規雇用をした事業所への直接補助等を行うべきです。
今回の経済対策の前倒し事業には学校の耐震化など住民生活に密着した土木・建設事業も数多く含まれていて、新たな道路やダム建設という大型公共事業より優先されるべき事業であることは言うまでもありません。しかし、それよりも優先すべき緊急課題は雇用の確保です。
中小企業の支援についても、今回の緊急経済対策中、
中小企業融資制度資金の拡充としての緊急借りかえ対策枠は現況のもので行えると予算措置がありません。借りかえ対策枠を設けることに異論はありません。しかし、融資の審査では、本当に資金を必要としている中小企業が利用できるよう、中小業者の経営に精通した専門家が温かい目で審査を行うことやセーフティーネット保障の運用改善などが必要で、もっと実効性のある融資制度に見直し、そのために必要があれば予算措置をも行うべきです。
最後に、緊急とはいえ、応急措置的な対策ばかりではなく、先を見越した対策も必要です。経済不況は長期になることやさらに悪化することが予想されるため、産業構造の転換を視野に入れた取り組みもどんどん始めるべきです。
オバマ次期アメリカ大統領は、我々は今二つの危機に直面していると述べています。一つは100年に一度の経済危機、もう一つは地球温暖化による環境の危機です。この二つの危機を乗り越えるためにも、オバマ氏は500万人規模のグリーン雇用の推進を掲げています。また、環境経済学者のレスター・ブラウン氏は、グローバル経済を生態系と調和するものに再構築しなければならない、持続可能な新たなる経済、エコ・エコノミーの選択こそが経済と環境の危機を乗り越えるものだと述べています。
自然環境や中小企業の技術力に恵まれた長野県こそ、その先頭に立つべきではありませんか。いいかげんに、土木・建設工事の公共事業をふやせば……
○議長(下﨑保 君)北山早苗議員に申し上げます。申し合わせの時間が経過しておりますので簡潔にお願いいたします。
◆15番(北山早苗 君)景気がよくなるという古くさい発想はやめて、ダム建設や新たな道路建設等の大型公共事業は見直し、給与カットや徹底した歳出削減で公債費の発行を極力抑え、福祉や環境部門への産業構造の転換を図り、雇用をふやす政策にあらゆる知恵を絞って、待ったなしで取り組むのが行政の役割、今一番必要な緊急の経済対策です。
それに比べたら、今回の経済対策は少しも緊急とは言えず、そのための
一般会計補正予算案には反対します。真の緊急経済対策を提案し直すことを求めて、終わります。
○議長(下﨑保 君)次に、柳田清二議員。
〔39番柳田清二君登壇〕
◆39番(柳田清二 君)第1号「平成20年度長野県
一般会計補正予算(第5号)案」につきまして賛成討論を申し上げます。
世界同時不況の真っただ中にあるのか入り口にあるのか、先の見えない深刻な経済状況の中、挙国一致してこの未曾有の窮状に対応していくことが何にもまさる優先課題であると認識をしております。
この状況において、県は、いち早く対応をするべく、長野県
緊急経済対策本部を設置して、「くらしを守り、地域力を示そう」プロジェクトと銘打って緊急経済対策をスタートさせました。年末においては、市長会、町村会、関係団体への緊急協力要請を行う等、存在感のある重要な役割を果たし、県民から求められているリーダーシップが発揮されました。その上で、県民生活を守ることを第1の視点に本臨時議会を開催、本議案を提出いたしました。村井知事の前例のない積極的な行政運営には、各方面から高い評価の声を数多く耳にするところであります。
安心、安全、生活密着型社会資本の整備、地域産業の活性化、生活者への支援、雇用の確保等々、多岐にわたる項目立てがされている本予算案は、県内の実需を喚起するための長野県として現在なし得ることを総動員したという説明のとおり、きめ細かな内容となっています。
そして、本予算案は、知事が議案質疑で示されたように、まさに経済的災害への行うべき適切な対応であり、時務であると言えます。一方で、一つの側面として、緊急経済対策により県債残高が一時的に増加してプライマリーバランスも赤字となります。しかし、県民クラブ・公明としては、昨年9月議会で既に表明しているように、県民生活を優先させることのほうが相対的により重要なことであると認識しており、改めて明確にしておきたいと思います。
個別の事業においては、勤労者生活資金緊急融資事業や
ジョブカフェ信州への追加措置などは、まさに雇用への不安が広がる中、困窮度の高い方への配慮ある措置であり、ニーズに対し迅速に対応できた例であると思います。
また、木の香る環境づくり総合推進事業や森のエネルギー推進事業などは、補助金として市町村や協同組合も巻き込んだ、望むべき社会の実現のために活用されることも評価できる施策であると思います。公共事業費、県単独事業費も、インパクトのあるボリュームを確保し、経済効果が期待されるところであります。
それを踏まえた上で、以下、2点の指摘を申し上げたいと思います。
一つ目は、下請要件の拡大であります。
現在の入札制度では、8,000万円以上の事業やダム、橋梁、トンネルなどの技術水準の高い事業には下請業者を県内とするルールがありますが、しかし、8,000万円未満の事業には下請要件が付されていません。つまり、県境を越えて下請を発注してもよいこととなっています。今回の緊急経済対策の特色を考慮した場合、8,000万円未満の工事であっても下請要件を県内に限定することが肝要であると思います。
二つ目は、前払い金制度の徹底であります。
国は、前払い金制度の積極的活用を各自治体に対して通達を出し、40%までの前払い率引き上げを呼びかけています。県は、100万円以上2億円までの事業において40%の前払い金制度としております。一方で、県の努力とは裏腹に、3市47町村、率にして62%の市町村においては、前払い金制度はありますが、30%の前払い率にとどまっています。できるだけ早く受発注を行いたいという知事の今回の緊急経済対策への考え方の延長線上には、前払い率への配慮も出てくるのではないでしょうか。つまり、前払い率の40%へのアップのさらなる努力を市町村に対して強力に再度呼びかけていただきたいと思います。
いずれにしましても、より効果の上がるような知恵を絞っていただけますよう要請を申し上げまして、第1号議案の賛成討論といたします。議員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○議長(下﨑保 君)次に、毛利栄子議員。
〔24番毛利栄子君登壇〕
◆24番(毛利栄子 君)平成20年度
一般会計補正予算(第5号)案に賛成の討論をいたします。
現在の深刻な景気悪化は、前FRB議長が言っているように100年に一度あるかないかの金融危機であり、エコノミストの水野和夫氏は、16世紀からの資本主義始まって以来の最大の危機が起きていると分析しています。
県が昨年末に行った緊急中小企業経営実態調査でも、昨年同期と比べて売り上げや受注が減少している事業所は68%、資金繰りが苦しい事業所は64.4%、人員削減を行った事業所は今後の予定を含め36.6%、賃金カットを行った事業所は予定を含め22.4%となっており、あらゆる分野で深刻な事態が広がっています。
雇用問題では、厚生労働省の調査で、この3月までに派遣契約が解除される労働者は全国で8万5,000人に上ると予想され、中でも長野県は愛知県に次いで全国2番目に多い4,000人余が首切りされるとの数字が公表されました。企業への聞き取り調査とのことで、実際にはこの何倍もの数に上るのではないかと危惧されます。派遣労働者は仕事を失うことが住居を失うことと連動しているために、日比谷公園での年越し派遣村に象徴されるように、政治災害とも言うべき事態となっています。
このような状況下で、党県議団は、事態を重く見て、昨年12月18日、県として、年越しできるかどうか悩み、こんぱいしている県民のためにワンストップで相談に応じられる体制をとってほしい、必要なら専決処分や臨時議会を開いても財政措置をしてほしいと求めてきました。
早速、24日には緊急経済対策総合相談窓口が部局横断で設置され、年末も30日まで開設して182件の相談に応じていただき、新年になっても引き続き体制をとっていただいていることは大変うれしいことであり、臨時議会の招集を決断していただいたこととあわせ、迅速で丁寧な県の取り組みを評価するものです。
提案された補正予算については、事業費ベースで71億9,845万4,000円、予算対応では56億667万9,000円ですが、ほとんどは、震度計や防災行政無線、交通安全施設などの県民生活の安全を担保するものや、高校や特別支援学校の耐震改修、県営住宅の建てかえなど、私どもがかねがね求めてきた住民生活に必要な生活密着型の公共事業を優先的に実施していること。
また、従来もセーフティーネット貸し付けの必要性を訴えてきたところですが、離職、失業などで生活の困難に直面する勤労者に対し、利率1%、融資限度額100万で据え置き1年、返済期間10年以内といった、借り手の立場に立った使いやすい生活資金緊急融資事業を創設し、生活者支援を打ち出していることなどから、賛成するものです。
雇用問題では、全国では18県、県内でも市段階で行政として緊急の臨時雇用を行う自治体などもあるので、例えば、降雪時、県道の歩道の除雪や排雪など求められている仕事などもあり、県としても努力をしてほしいこと、さらに、県民生活の動向を注視しながら、地域的な需要と供給のアンバランスもあることや、さらなる失業者も予想されるため、引き続き、住居の確保や中小企業対策の支援制度を実態に合ったものに改善、充実を図ってほしいことなどを要望いたします。
また、緊急事態だから借金をしてでも公共事業をふやせといった議論もありますが、今回の提案でも、国の2次補正との絡みで流動的な30億7,000万円の県債が盛られています。21年度事業の前倒しが組み込まれているので、新年度予算や国の2次補正との絡みで県債は調整されていくものと思いますが、基本的には国の責任において経済対策を行うべきであり、地方交付税を減らしつつ、臨時財政対策債の名のもとに借金を押しつけることは受け入れがたいものです。元金償還の範囲内での借金という知事の当初の考え方を踏み越えることなく、借金はこれ以上ふやさないために、公共事業の優先度をチェックし、検討するなど、柔軟な対応をしてほしいことを求め、討論といたします。
○議長(下﨑保 君)次に、今井正子議員。
〔14番今井正子君登壇〕
◆14番(今井正子 君)第1号「平成20年度長野県
一般会計補正予算案」について、緊急時をかんがみ、賛成の討論を行います。
長野県緊急経済対策、「くらしを守り、地域力を示そう」プロジェクトの補正予算約58億円は、県民の暮らしや経済活動の安全、安心、安定確保を目的に、21年度予算を前倒しし、15カ月の予算を編成し、地域活性化・
生活対策臨時交付金を活用し、切れ目なく仕事を確保し、実需を喚起していくものです。
もはや自社努力ではどうすることもできない企業の実態、正規社員ですら先が見えない不安の中、仕事の確保、雇用の確保、住居の確保は24時間対応で取り組まねばなりません。相談窓口を8時半から5時15分ではふだんの勤務と変わりなく、100年に一度の経済恐慌だというなら、年末年始休みなく交代で受け付け、また、窓口をつくりただ待つだけではなく、出かけていくことです。
今回の予算は、大半を公共事業に頼った対策となっていますが、今一番県民にとって必要なことは失業者への救済対策としての生活支援、住居、新たな職探し、中小零細企業への金融支援ではないでしょうか。定額給付金のような、75%の国民が望まない、支給されればもらう程度のところへ国民の血税を出すのではなく、長野県では、知事を先頭に、全職員、議員が現場に飛び、現状を見て声を聞き、真に県民の皆様の望む、県民の力が結集できる県民総動員の予算をつくるべきです。
困ったときにこそ行政が必要、今こそ、まさに行政、県の出番です。臨時雇用もまずは我が身、県庁からやりましょう。市町村なら対応できると言われたのでは、県庁は何のためにあるのか、だれのためにあるのか。市町村があれば県は要らないという理論になります。まさに、市を骨太にして県を廃止する道州制の考え方であり、八つの県に接する我が長野県が八つ裂きにならないよう、みんなで知恵を出し合って信濃の国を守る。特に、民の大変なときに、官が我が身を率先して削り、村井知事のもとで思い切った政策を全国に先駆けて行えば、以前のように信州発、長野発の改革が期待できます。
16年ぶりの臨時議会の議案は賛成でありますが、これにとどまらず、2月の補正、また21年度の当初予算でさらに継続的な対策をすべきです。願わくは、今回、県の借金、起債を30億円しましたので、緊急性を要さない180億円とも言われる浅川ダムの来年度予算17億円を見送り、全国に先駆けて県監査委員が指摘した、県が年間3,000万前後を負担する自治体衛星通信機構や自治体国際化協会など、836億円もの余剰金、財産を持ち、県民に事業の見えない16団体への年間1億6,000万にも及ぶ出資は再考を求めるべきです。
12月には、赤ちゃんが誕生する瞬間の費用、分娩費、山梨県7万円、東京都8万円余の中、11万5,000円から18万円にと6万5,000円もアップした上、夜間は2割増し、深夜は4割増し、しかも分娩費は帝王切開に至っては今までの8割増しと決議をしました。しかも、4月からではなく、前倒しして3月1日より出産するお母さんが対象となり、身重な妊婦さんまでが大きな負担を背負う県となりました。
知事、さあ今です。実質1カ月33万7,000円アップし128万円余となった給与をもとに戻し、我々議員も含めた特別職63名を、減額とは言いません、せめて昨年3月時に戻せば分娩費総額以上の歳入となります。38都道府県でも、昨年、一昨年から減額をしている時代です。1年間で億にも達しない額かもしれませんが、我慢できるところは我慢し、無駄と思われるところは思い切って省き、できるだけ借金をせず、長野県民の活力のため、歳出をふやし、事業をふやし、雇用をふやし、食や農を守るため人手をふやし、子供や高齢者を大切にするための人手をふやすなど、期待は大です。
ピンチをチャンスに、知事が本気で粘り強く一生懸命行動を起こしてくだされば、我々みんなイエス ウィ キャンです。ともに皆で信濃の県民を守るスタートと考え、この県民の暮らしを応援する予算案に賛成いたします。
○議長(下﨑保 君)以上で討論は終局いたしました。
本案を採決いたします。
本案、各委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案、各委員長の報告どおり決するに賛成の議員の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(下﨑保 君)起立多数。よって、本案は各委員長の報告どおり可決されました。
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△議員提出議案の報告
○議長(下﨑保 君)次に、議員から議案の提出がありましたので、報告いたします。
〔職員朗読〕
議第1号
くらしの安定、生活者への支援、雇用の確保のための取組に関する決議案提出書
平成21年1月13日
長野県議会議長 下 﨑 保 様
提 出 者
倉 田 竜 彦 村 上 淳 石 坂 千 穂
賛 成 者
平 野 成 基 石 田 治一郎 古 田 芙 士
萩 原 清 服 部 宏 昭 望 月 雄 内
木 下 茂 人 村 石 正 郎 本 郷 一 彦
風 間 辰 一 西 沢 正 隆 垣 内 基 良
清 沢 英 男 小 池 清 木 内 均
丸 山 栄 一 今 井 敦 森 田 恒 雄
宮 澤 宗 弘 寺 島 義 幸 野 澤 徹 司
竹 内 久 幸 下 村 恭 松 山 孝 志
小 島 康 晴 髙 島 陽 子 下 沢 順一郎
高 橋 宏 保 科 俶 教 向 山 公 人
佐々木 祥 二 髙見澤 敏 光 宮 本 衡 司
小 山 立 金 子 ゆかり 福 島 鶴 子
宮 澤 敏 文 牛 山 好 子 柳 田 清 二
小 松 千万蔵 諏 訪 光 昭 太 田 昌 孝
小 林 伸 陽 藤 沢 詮 子 高 村 京 子
備 前 光 正 和 田 明 子 毛 利 栄 子
島 田 基 正 今 井 正 子 永 井 一 雄
小 林 東一郎
長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。
──────────────────
議第2号
くらしの安定、生活者への支援、雇用の確保のための第二次補正予算の早期成立を求める意見書案提出書
平成21年1月13日
長野県議会議長 下 﨑 保 様
提 出 者
平 野 成 基 保 科 俶 教 金 子 ゆかり
柳 田 清 二 倉 田 竜 彦
賛 成 者
高 橋 宏 石 田 治一郎 古 田 芙 士
萩 原 清 服 部 宏 昭 望 月 雄 内
木 下 茂 人 村 石 正 郎 本 郷 一 彦
風 間 辰 一 西 沢 正 隆 垣 内 基 良
清 沢 英 男 小 池 清 木 内 均
丸 山 栄 一 今 井 敦 森 田 恒 雄
宮 澤 宗 弘 寺 島 義 幸 下 村 恭
竹 内 久 幸 髙 島 陽 子 野 澤 徹 司
松 山 孝 志 下 沢 順一郎 小 島 康 晴
向 山 公 人 佐々木 祥 二 髙見澤 敏 光
宮 本 衡 司 小 山 立 福 島 鶴 子
宮 澤 敏 文 牛 山 好 子 小 松 千万蔵
村 上 淳 諏 訪 光 昭 太 田 昌 孝
石 坂 千 穂 毛 利 栄 子 小 林 伸 陽
藤 沢 詮 子 高 村 京 子 備 前 光 正
和 田 明 子 島 田 基 正 今 井 正 子
永 井 一 雄 小 林 東一郎
長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。
〔議案等の部「1 議案 (2)議員提出議案」参照〕
○議長(下﨑保 君)以上であります。
ただいま報告いたしました議員提出議案は、急施事件と認め、本日の日程に追加し、直ちに審議することにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下﨑保 君)御異議なしと認めます。よって、ただいま報告いたしました議員提出議案は、急施事件と認め、本日の日程に追加し、直ちに審議することに決定いたしました。
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△議員提出議案
○議長(下﨑保 君)最初に、議第1号「くらしの安定、生活者への支援、雇用の確保のための取組に関する決議案」を議題といたします。
提出者の説明を求めます。
倉田竜彦議員。
〔47番倉田竜彦君登壇〕
◎47番(倉田竜彦 君)議第1号「くらしの安定、生活者への支援、雇用の確保のための取組に関する決議案」につきまして、提出者の立場から提案理由の説明を申し上げます。
世界的な金融危機などによる急激な県内での景気後退は、県民生活や県内経済を脅かし、とりわけ非正規労働者を中心とした失業の急増、中小企業の倒産の危機、深刻な影響を及ぼしていることは御案内のとおりであります。
これらの状況に対処すべく、県では、全国に先駆けて昨年12月22日対策本部を立ち上げ、緊急経済対策を検討し、16年ぶりに本日開会された臨時県議会に補正予算を提出し、今ほど議決されたところであります。県の素早い対応と、県民の安定、安心に軸足を置いた取り組みに対し、改めて評価いたしますとともに、敬意を表するところであります。
しかし、これから年度末を迎えるに当たり、中小企業の倒産、非正規労働者や正規労働者に対する大量解雇などが予測されるところであり、この補正予算の迅速かつ効率的な実施が強く求められる状況であります。
県の施策の柱は、公共・県単事業の前倒しや、失業者向けの生活資金緊急融資制度の創設、あるいは雇用の確保に向けた取り組みなどでありますけれども、特に公共事業につきましては、本日の議会でもさまざまな議論がされましたけれども、県内の地場の中小零細企業に速やかにさまざまな施策が浸透するよう特段の配慮が求められるところであります。建設事務所が中心となり、地域の市町村としっかりと連携をし、市町村の事業とあわせて、事業のより相乗効果を高めることが欠かせません。
さらには、緊急であることからして、きょうも議論をされましたけれども、従来の発注の仕方を転換をいたしまして、10ブロックごとの入札や分割発注、あるいは道路、河川の維持修繕など入札によらない小規模事業の掘り起こしなどに大胆に工夫を凝らす中で、あまねく多くの県内の中小零細企業へ事業効果が行き渡るように配慮することが欠かせません。従来の発想を転換し、新しい視点で取り組むことを強く求めるところであります。
次に、雇用の確保についてですが、全国でも2番目に多いと言われている我が県の派遣労働者の解雇が今後も続出し、正規労働者の解雇も出てくることが予想されます。県の非正規労働者の雇用どめや解雇に対する施策は、相談員のきめの細かい設置、失業者向けの生活資金融資制度の創設など、生活基盤確保や再就職への支援となっておりますけれども、失業者の立場に立ってきめの細かい対応をお願いをいたしたいと思います。
ただ、私は、こういう取り組みだけでは後ろ向きの取り組みであるというような認識を持っておりまして、とりわけ、今後、県内において非正規労働者や正規労働者の大量解雇が出ないようにどうしていくかということも行政の大きな責任ではないかと思います。そういう点では、県内大手企業に対して県が強い発信力を発揮をされることを強く要望するところでございますし、県の施策にも限界はあると思いますけれども、県内の経営者団体や労働団体としっかりと連携をされて、この問題が具体的に目に見えるような形で効果が出ることを強く求めるところであります。
年末から年始にかけて中小企業の経営者を回ってみますと、非常に頑張っている姿が目に焼きついて離れません。例えば、大手の企業はいいよ、紙切れ1枚で解雇をできる、しかし、私どもはもう合理化はやり尽くすところまでやった、そして、中小零細にとっては従業員は家族のようなものだ、とても切れるものではないと。社長の給与を下げるか、あるいは社長が厚生年金の受給者にかわるような形でその企業を守って頑張っている姿を目の当たりにして、非常に感慨深いものを感じたわけでございます。
そして、その中小企業の人たちが今何を一番思っているかというと、いつまで歯を食いしばって頑張ればいいのか、このまま推移をすると頑張っても頑張っても先が見えない、何とか先への展望を見つけてほしいと、こういう要望が多いわけでございまして、これに対しましても、国、県、市町村が、安心して企業がしっかり頑張れる基盤づくりといいますか、将来への展望についても特段の配慮をお願いをいたしたいと、こういうふうに思うわけでございます。
最近、KY、空気が読めないという言葉が流行しておりますけれども、もう一つ、GM、現場を見ないという隠れた流行語もあります。これはどういうことかといいますと、現場を見ないで公務員や学者が頭の中で計算してさまざまな政策を打ち出してミスマッチが多くなってくるという状況を指し示しているようでございます。
そういう点で、ぜひ県の職員の皆さんにもお願いをしたいんですが、まず現場に出ていただいて中小零細企業の皆さん方の御苦労の話をしっかり受けとめていただく、あるいは非正規で解雇された人たちの生活状態を把握し、そういう悩みの声をしっかり受けとめていただくという中から、生きた施策をぜひつくり上げていっていただきたいと思っているところであります。
当然、そういう点では、私ども県会議員も、宮澤敏文さんの話ではありませんけれども、足を冷やして地域へ入り、そして地域の声をしっかり受けとめて、県とともに安心、安定の施策をしっかりつくり上げてまいりたい。私の提案説明の中では、県会議員も当然この対策に決意を持って当たっていくということもこの決議案の中にしっかりと意思表示をしておきたいというふうに思っているところであります。
それにあわせまして間断なく対策を打っていって、文字どおり、官民一丸となって、暮らしの安定、生活者の支援、雇用の確保のために全力を尽くすことを改めてこの場で確認をいたしまして、提案説明にかえたいと思います。どうぞ議員の皆さん方の御賛同をよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
○議長(下﨑保 君)以上であります。
お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下﨑保 君)御異議なしと認めます。よって、本案は委員会審査を省略することに決定いたしました。
本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。
本案、原案どおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下﨑保 君)御異議なしと認めます。よって、本案は原案どおり可決されました。
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△議員提出議案
○議長(下﨑保 君)次に、議第2号「くらしの安定、生活者への支援、雇用の確保のための第二次補正予算の早期成立を求める意見書案」を議題といたします。
提出者の説明を求めます。
金子ゆかり議員。
〔11番金子ゆかり君登壇〕
◎11番(金子ゆかり 君)議第2号「くらしの安定、生活者への支援、雇用の確保のための第二次補正予算の早期成立を求める意見書案」について提出者の立場から理由を申し上げます。
米国に端を発した金融危機による世界的規模での景気後退の波が、特に、製造業の比率が高く、景気の波を受けやすい経済構造にある長野県内においても、過去に例を見ない経済の急降下と失業者の急増を生んでいます。
この現状にかんがみ、長野県が、このたび、暮らしの安定、生活者への支援、雇用確保のための緊急経済対策として、事業規模で71億9,000万円余の補正予算を組み、臨時議会を招集したことは時宜を得たものと評価し、議会としてもただいま議案を可決したところです。
しかしながら、この予算総額には現在国会において審議中であります2次補正予算案及び関連法案に計上されている国庫補助事業費、債務負担行為の11億6,582万円余が含まれております。当然、これらの事業費は国会の議決がなされなければ執行できないものであります。
県として、あらゆる手段を講じて生活者の基盤を防衛するとの意図から、また、国の予算成立後直ちに事業着手ができるように、国会においても速やかな成立を見込んで盛り込んだものであり、また、県議会としても、これらの事業の緊急性を重視し、これを承認したものであります。
緊急対策でありますから、時宜を得て事業実施がなされ、効果が十分に期待できることが重要です。
この意見書は、与野党の立場を超えて、長野県議会内の
自由民主党県議団、改革・緑新、県民クラブ・公明、そして私ども創志会の4会派の共同提案でありますことは、地方において今回の急激な経済の後退が深刻であり、一刻も早い対策を求めていることのあかしでもありますし、国会の議決を待たずにこの議案を可決した長野県議会の危機感と責任感のあらわれでもあります。
衆参両院におかれましては、国民生活を第一に考え、地方の実情をしっかりと把握された上で、これらの緊急経済対策にかかわる事業に関して、その波及効果が地方の隅々まで、かつ急速に行き渡るよう、2次補正予算の速やかな成立を図られるよう強く要請するものであります。
地方議会の声として、議員全員の皆さんの御賛同をお願いし、提案説明とさせていただきます。
○議長(下﨑保 君)以上であります。
お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下﨑保 君)御異議なしと認めます。よって、本案は委員会審査を省略することに決定いたしました。
本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。
本案、原案どおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下﨑保 君)御異議なしと認めます。よって、本案は原案どおり可決されました。
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○議長(下﨑保 君)以上で今臨時会における案件を全部議了いたしました。
知事からあいさつがあります。
村井知事。
〔知事村井仁君登壇〕
◎知事(村井仁 君)本臨時会に提出いたしました議案につきましては、慎重かつ集中した御審議をいただき、それぞれ議決を賜りましたことは、まことに感謝にたえない次第でございます。
議決に際し議員各位から寄せられました御意見等につきましては十分考慮いたしますとともに、緊急経済対策の効果が速やかにあらわれますよう補正予算の迅速な執行に万全を期してまいりたいと存じます。
簡単ではございますが、ごあいさつといたします。
○議長(下﨑保 君)以上で本臨時会を閉会いたします。
午後7時26分閉会...