「長野県議会 2003-12-12 平成１５年１２月定例会本会議－12月12日-05号」の議事録内容

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長野県議会 2003-12-12
平成１５年１２月定例会本会議－12月12日-05号

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最終取得日: 2023-06-16

平成１５年１２月定例会本会議－12月12日-05号平成１５年１２月定例会本会議平成15年12月12日（金曜日）　出席議員（57名）　　１　番　村上　淳　　　　　　　24　番　柳田清二　　２　番　田口哲男　　　　　　　25　番　竹内久幸　　３　番　木内　均　　　　　　　26　番　高村京子　　５　番　清水　洋　　　　　　　27　番　小林伸陽　　６　番　清水保幸　　　　　　　28　番　藤沢詮子　　７　番　丸山賢二　　　　　　　29　番　鈴木　清　　８　番　北山早苗　　　　　　　30　番　西沢正隆　　９　番　小原　勇　　　　　　　31　番　保科俶教　　10　番　小林利一　　　　　　　32　番　小林宗生　　11　番　永井一雄　　　　　　　33　番　小松　稔　　12　番　田中清一　　　　　　　34　番　佐藤友昭　　13　番　今井正子　　　　　　　35　番　宮澤敏文　　14　番　宮川速雄　　　　　　　36　番　牛山好子　　15　番　毛利栄子　　　　　　　37　番　佐野功武　　16　番　柳平千代一　　　　　　38　番　本郷一彦　　17　番　宮本衡司　　　　　　　39　番　村石正郎　　18　番　髙見澤敏光　　　　　　40　番　木下茂人

　　19　番　林　奉文　　　　　　　41　番　向山公人　　20　番　清沢英男　　　　　　　42　番　望月雄内　　21　番　小池　清　　　　　　　43　番　下村　恭　　22　番　高木蘭子　　　　　　　44　番　塚田　一　　23　番　小松千万蔵　　　　　　45　番　高橋　宏　　46　番　平野成基　　　　　　　53　番　寺島義幸　　47　番　倉田竜彦　　　　　　　54　番　下﨑　保　　48　番　宮澤宗弘　　　　　　　55　番　萩原　清　　49　番　森田恒雄　　　　　　　56　番　古田芙士　　50　番　島田基正　　　　　　　57　番　小林　実　　51　番　石坂千穂　　　　　　　58　番　石田治一郎　　52　番　服部宏昭　欠席議員（１名）　　４　番　備前光正　　　　　　　　─────────────────── 　説明のため出席した者　　知事　　　　　　　　田中康夫　　　　企画局長　　　　　　田山重晴　　副知事　　　　　　　阿部守一　　　　参事（財政改革担当）兼　　出納長　　　　　　　青山篤司　　　　　　　　財政改革チームリーダー　　総務部長兼経営戦略局長　　　　　　　　　　　　　　　　　志村勝也　　　　　　　　　　　　宮尾弘行　　　　産業活性化・雇用創出推進局長　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丸山康幸　　社会部長　　　　　　堀内清司　　　　副出納長兼会計局長　宮尾博幸　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　公営企業管理者　　　古林弘充　　衛生部長　　　　　　菅谷　昭　　　　企業局長　　　　　　小林俊規　　生活環境部長　　　　大塚武雄　　　　教育委員会委員長　　佐々木則夫　　商工部長　　　　　　井上忠恵　　　　教育長　　　　　　　瀬良和征　　農政部長　　　　　　鮎沢光昭　　　　教育次長　　　　　　杉本幸治　　林務部長　　　　　　鷹野　治　　　　教育次長　　　　　　小林正佳　　土木部長　　　　　　小市正英　　　　警察本部長　　　　　岡　弘文　　住宅部長　　　　　　中村芳久　　　　警務部長　　　　　　山田幸孝　　危機管理室長　　　　長尾一郎　　　　監査委員　　　　　　丸山勝司　　参事（広報広聴・政策・　　　　　　　参事（公共事業改革担当）　　　　　行政システム改革担当）　　　　　　　　　　　　　　長尾　勲　　　　　　　　　　　　松林憲司　　　　　　　　─────────────────── 　職務のため出席した事務局職員　　事務局長　　　　　　峯山　強　　　　議事課課長補佐兼議事係長　　議事課長　　　　　　小林弘一　　　　　　　　　　　　　　宮尾清一　　議事課調整幹兼課長補佐　　　　　　　議事課委員会係長　　跡部正章　　　　　　　　　　　　宮腰博文　　　　総務課企画員　　　　内山充栄　平成15年12月12日（金曜日）議事日程　　　午前10時開議　　　行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑　　　決算特別委員会の設置等　　　請願・陳情取り下げ（日程追加）　　　議員提出議案（日程追加）　　　　　　　　─────────────────── 　本日の会議に付した事件等　　　行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑　　　決算特別委員会の設置等　　　請願・陳情提出報告、委員会付託　　　請願・陳情取り下げ　　　議員提出議案　　　　　　　　午前10時２分開議 ○議長（小林実　君）これより本日の会議を開きます。　本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑並びに決算特別委員会の設置等であります。　　　　　　　　─────────────────── △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長（小林実　君）次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。　順次発言を許します。　最初に、今井正子議員。　　　　　　〔13番今井正子君登壇〕 ◆13番（今井正子　君）グッド　モーニング　エブリワン。ハウ　アー　ユー　ジス　モーニング。アイ　ドント　ウォント　ジャパン　セルフディフェンス　フォーシーズ　ツー　インベイド　アザー　フォーリン　カントリーズ。アイ　ドント　ウォント　マイ　サンズ　マイ　チルドレン　マイ　ハズバンド　マイ　スチューデンツ　アンド　マイ　フレンズ　ツー　センド　ツー　ザ　バトル　フィールズ。　「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」。　憲法の前文を抜粋させていただきました。　一昨日、戦争で生き残ることより憲法９条を守りたいと言って質問を始めました宮川県議と同じ憲法観を持つトライアルしなのの今井正子でございます。　かつて、熱心な教師たちが多くの若者を鼓舞し、満蒙開拓団へと送り出しました。日中国交、やっと25周年。戦後58年たった本年も、10名の皆様が肉親探しに見えました。戦争の傷跡は深いと思います。　そこで、自衛隊のイラク派遣について、まず、知事に、どのように考えていらっしゃるかお尋ねしたいと思います。　それから、平和教育についてどのようにお考えになっているのか、教育長に。　最後に、治安維持として警察の対応について、もし要請がありましたら、前回のＰＫＯ、カンボジアの方に派遣されたように、長野県警もどのように対応されるかについてお話を伺いたいと思います。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）既に議場でも述べ、またそのほかの場所でも述べているところではございますが、12月10日の水曜日の毎日新聞に、欧州総局長を務める岸本卓也氏という、以前から私は、この方、お目にかかったことはありませんが、原稿をうなずきながらいつも読んでいるわけでございますけれども、こういうことを言っております。　「ブッシュ米政権は「米国をテロから守る」という国益に向けて実利主義的に突っ走り、イラクや中東の民主化という理想主義は後からくっつけているだけだと思う。ブッシュ政権は国際法の理想主義に背こうが、国益になると判断すれば軍事力を行使する。しかも、もともと実利主義だから政策変更を恥じない。その証拠にイラク人への主権の早期移譲をあれほど拒否していたのに、反米勢力の抵抗で米兵の死者が増えたとたんに、主権移譲を早めることに方針転換した。米国の実利外交を知っている欧州のメディアは英国でも仏独でも「米政権は米軍撤退に傾斜か」という論調が目立った。米軍撤退を歓迎するどころか、米軍が混乱するイラクを放り出して欧州に尻ぬぐいをさせるのではないかという不信感が漂っている。ブッシュ政権は「同盟国に冷たい」という印象も広がっている。支援しても見返りがないし、あったとしても遅い。」というふうに言っております。　私は、世界の平和、あるいは日米の関係というものを壊そうなどと言っているわけではございません。すなわち、反米、親米というふうに言っておりますが、親米保守主義という方々は、ある意味では日本の主権や日本の独自性というものを滅ぼしていく亡国主義者ではなかろうかと私は思っているわけでございます。この点が、まさに反米保守主義の方々というものが生まれてきているということです。　アメリカのもとにあればアメリカが日本を助けてくれるというのは、一国平和主義を幻想論だとおっしゃっていた方々こそが、実は極めてオポチュニスティックな性善説の方であろうというふうに思います。　１点、私は思いますのは、アメリカという国は、例えば欧州に関しましては、ＮＡＴＯであったりＥＵであったり、他国間のスキームというものを支持するわけでございます。他方で、アジアのみならず中近東というところにおいても、米中、米韓、米日、米朝とか、２国間の関係は重視するわけでございますが、アジアの中に他国間の協調や連携の仕組みができることには、慎重、あるいは懐疑的、あるいは反発をするんですね。このことが、例えばマハティール氏がいわゆるＥＡＥＣ構想というようなものを出したり、あるいは榊原英資氏がアジア版のＩＭＦ構想というものを出したときに反発をする。　私は、前から申し上げておりますように、日本は、この戦争に派兵する、派兵しないということにとどまらず、やはりインドや中国やあるいはブラジルとともに、円でも元でもない第３の基軸通貨というものを一緒につくっていくことによって、ヨーロッパのユーロを浮上させ、アメリカのドル経済というものの暴走を防ぐという形をしなくてはいけないと思っております。　石油を中近東に依存していると言われておりますが、今回の戦争というものは、世界第２位の産油国であるイラクを自分のコントロール下に置くことで、第１位の産油国であり、長き歴史の王政というものが揺らぎつつもあるサウジアラビアをもみずからのコントロール下に置こうというアメリカの政治であります。　このような政治に立ち向かうときに、日本は余りにもナイーブ過ぎるということを岸本卓也氏も言っているわけでこざいます。　なるほど、フランスは軍需産業もございます。けれども、フランスは、アメリカの突出ということを防ぐことこそが世界協調であるということであります。　その意味で言えば、私は、友人でもあります寺島実郎氏がかねてから言っているように、このユーラシアにも、ＣＩＳの国々の中には石油資源というものもあるわけでございます。そして、ここもまた、今までの派兵を決定する前の中近東と同じく親日的ではあるわけでございます。ここで日本が覇者となるということではなく、それらの国々を尊重し、それらの国々のクオリティー・オブ・ライフを高めるということによって、石油資源を日本も、アメリカに反発するのではなくて、きちんと協調しながら確保していくということこそが、真の日本の独立を求められる保守派の方々が目覚めるべき点であると私は思っております。　真の日本の独立とおっしゃる方々は、北山議員のホームページにもありましたが、自衛隊員を敬意を持って送り出そうなどと言っていますが、敬意を最も抱いていない小泉純一郎氏がそのようなセリフを口先だけで述べるということは、私はこれは自衛隊員の方々に対しての基本的人権の侵害でもあると思っております。　常々申し上げておりますが、戦争というものは、常に最前線の制服組が起こすのではなく、常に安全地帯にいる背広組によって起こされているということです。　国連の中で、Ｇ５専用の部屋がございます。外務省の友人たちは、皆、Ｇ５の会議を行うときに、日本は廊下の外に立っていなければならない、このような瑣末なメンツの中でＧ６になろうというために官房機密費、外交機密費を膨大に使って、マスメディア、政治家を籠絡しているわけであります。しかしながら、そのような形で日本がＧ６になっても、恐らく、多くの国々はアメリカの票が２票になるだけではないかと思っているのではないかということです。であるからして、Ｇ６目はドイツの方がまだよいではないかという発想が出てきているということです。　まさに、日本は51番目のハワイの属州になる必要は毛頭ないと私は思っております。私のような者が、まさに西部邁氏と同じような意見をこの点において述べるようになってきているというところに、真の日本の保守といきがっていた方々が、いかに国というもの、国民というものを考えていない亡国論者であるかということであろうと私は思っております。　今回の問題というものは、まさに日本の戦争始まるでありまして、戦争始まるということを、日本というものを語りながらそれに加担をしているメディアであったり、あるいは外交官であったり、政治家も、こうした方々こそが、私は日本の地にいることを深く恥じられるべきではないかと思っております。　以上です。　　　　　　〔教育長瀬良和征君登壇〕 ◎教育長（瀬良和征　君）お答えいたします。　平和教育のお尋ねでございます。　ちょっと話は変わりますけれども、けさ、朝のＮＨＫニュースを見ておりましたところ、いわゆる普通のどこにでもある家庭を中心とした人情を描き続けた小津安二郎の生誕100周年を記念して、現在の日本の家庭を中心とした人情を描いた「珈琲時光」を制作した監督の侯孝賢氏が、この間の日本には家庭における倫理観も大きく崩れ、人と人との情が薄くなっていると述べておりますけれども、来年私も還暦を迎えますけれども、この間、身をもって体験した者といたしましては、全くそのとおりだなと実感せざるを得ませんでした。　ところで、教育基本法の前文には、世界の平和と人類の福祉に貢献しようと決意した日本国憲法の理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものであるとしております。この理念のもとに戦後の教育は始まったのでありますけれども、この間、その理念が十分に生かされてきたとは思えないところでございます。　それは、戦後の日本が、いわゆるロシアであったように、タタールのくびきならぬ、日本はアメリカのくびきの中で、日本の国益を目先の政治的あるいは経済的利益に求め、日本の文化、あるいは日本人としての誇り、そして国際的信用という真の国益をないがしろにし、ひたすら経済的発展を求め続けた結果として今日の人間不信が広がる社会をもたらし、教育もそれから逃れることができず、対応してまいったのだと思っているところでございます。　このことは、今回のイラクの派兵という戦後最大の我が国の転換点においてもなお、日本国民の間に十分な議論がなされていないという状況に如実にあらわれていると思っております。　このことをかんがみれば、戦後教育が、学校の現場の教師の意図とは別に、民主的で平和的な国家、社会を、国内的にはともかくとして、国際的に進んで形成する日本人としての自覚を養うことにおいて十分に機能してきたとは思えないところでございます。　もとより、現在も、学校現場においては、国際化、情報化が進む社会に対応して、各教科や総合学習を通して世界の平和と日本の果たす役割についての学びを行っております。　例えば、喬木中学校の松澤和憲教諭は、総合学習において、長野冬季オリンピックの片足の聖火ランナー、クリス・ムーンさんとの出会いを通して、担当するクラスにおきまして、１年から３年生までの３年間、地雷撤去にかかわる学習を展開いたしました。

　また、ベトナム戦争において罪もないあまたの人を殺りくした経験を持つベトナム帰還兵でありますアレン・ネルソン氏を招き、まさにその生々しい体験を聞き、また、交流することを通した学習をもって学ぶということを、須坂園芸高校を初め多くの高校で今行っているところでございます。　また、本県の全日制高校の修学旅行を実施しております82校中76校は、沖縄、広島、長崎を目的地として、戦争の悲惨な状況の間接体験を行っているところでございます。　このように、直接戦争の体験をした語り部から話を聞いたり、戦争の恐ろしさを体感し、平和について考える力を身につける学習を行っているところでございます。　今後の本県教育において、平和教育については三つの視点で考えているところでございます。　一つは、今述べましたような体験学習を踏まえ、国際社会におけるみずからの生き方を見詰め、世界における日本人の果たす役割について主体的に考えていこうとする態度を養っていくこと。　それから、二つ目としましては、昨年度から行っておりますけれども、アジアの高校留学生の受け入れなどさまざまな国際交流を通して、すべての人間は、民族、宗教、言語、習慣、外貌等が異なっても、本質的には理解し、共感し、連帯できるという体験を積み重ねていくこと。　それから、社会学者の門脇厚司さんが言っておりますけれども、それらの根底となる子供の社会力をはぐくむために、自尊感情とともに、他者を思いやる気持ちを学校、家庭、地域社会との連携において築いていくことと思っておりまして、以上、世界の平和のため、日本の平和を主体的に築くたくましい次代を担う子供たちをはぐくむことは、総合的な見地から行わなければならないと考えているところでございます。　　　　　　〔警察本部長岡弘文君登壇〕 ◎警察本部長（岡弘文　君）私には、長野県警察にイラクへ警察官を派遣するよう要請があれば、どう対応するのかという御質問をいただきました。　今回のイラクでの人道復興支援及び安全確保支援活動は、先日、閣議で決定されました基本計画に基づいて行われるものでございますけれども、その中には、いわゆる文民警察官の派遣については盛り込まれていないというふうに承知しております。　　　　　　〔13番今井正子君登壇〕 ◆13番（今井正子　君）ありがとうございました。　続きまして、地方自治の本旨と合併問題についてお尋ねしたいと思います。　先日、会派で、合併しない宣言をしました福島県矢祭町に行ってまいりました。ちょうど、全国11団体80人ぐらいの方が視察に見えていまして、その中で、根本町長は、温かい福島弁で、皆さんはこうやって視察したり勉強したりしますが、私たちは、どこへも勉強に行かず、だれからも教えられず、自分たちで自律を決めましたというようなお話をしてくれました。　宣言後、7,200人の町が、本当に温かい方で、この町長ならついていこうというような感じの町長さんでしたけれども、町が自律するための財政改革、そして、職員、議会、住民がみずからの意識改革について語ってくださいました。　全職員による税の滞納整理、それから、係長制度を廃止しグループ制にしたり、役場は平日７時半から６時45分まで、土日、祭日は８時半から５時15分、その上、山間地やひとり暮らしの高齢者の皆さんも安心して暮らせるようにと、各地区の役場職員宅をすべて出張役場にするなど、たくさんの職員みずから改革をし、また、議会も18名から10名へとみずから定数減を決めていました。　驚いたことには、7,200人で小学校が五つありました。一つも統廃合せずに、すべて木製の新しい校舎に改築されて、最後のがことしできるところでした。そして、何と、中学校の修学旅行は、ことしはニュージーランドでしたが、全員海外という修学旅行でございました。　インフラ整備がこつこつとできてきた町は、子育て、教育、高齢化福祉の３本柱を掲げ、真の地方自治を実践していました。日本国憲法第92条に規定する地方自治の本旨の実現とは、本来このようなものではないかと思いました。　そこで、知事にお尋ねします。　現在、国が進めている市町村合併の推進の法制、施策について、また、これは何度も質問が出ましたけれども、地方分権推進委員会の勧告に見る分権型社会の創造、それから第27次地方制度調査会の答申について、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。　また、任意や法定の合併協議会がつくられ検討される中で、意思決定に住民投票をするところがふえてまいりました。しかし、現状は住民投票すらできない町も村もございます。このような現状をいかがお考えでしょうか。　また、３点目、広域連合を進め、ごみ、消防、福祉等についてやってまいりましたけれども、その見直しがないまま合併に入ってしまいました。合併しない町村では、今後ますます地域連合、町村連合が必要ではないかと思いますが、総務省出身の副知事のお考えをお聞きしたいと思います。　また、千曲市のように実際に合併したところがございますが、合併、自律後の県の支援事業について、まちづくり支援室を持つ総務部長にお伺いしたいと思います。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）矢祭町での根本良一町長の御発言を引用なさいましたけれども、私もよく存じ上げている方でございます。まさに、だれもが、その場所に出かけることは時間とお金があればできるわけでございます。御自分のお金でなくても、税金を使ってもお出かけになることができるわけでございます。　しかしながら、大事なことは何を感じるかでございます。頭の中だけでは想像し得ないこともありますから、そうした場所に出かけることは大事でございます。　それは、同時に、制度が変われば何か創造できるというものでもないわけでございまして、きのうも申し上げましたが、そうした小規模の市町村の自律するための金額の多寡によって、自律を選ぶか他律を選ぶかということではないわけでございます。　これは、ひとえに、そのときにどのような首長をその地域が抱かれているかということにも関係いたします。これは運不運のようにも思われるかもしれませんが、しかしながら、民主主義が多数決によって決まるものであるならば、どのような自律を選ばれるのか、他律を選ばれるのか、その首長をそのときどういう住民がお選びになっていたのかということも、その町のよくも悪くも民度でございます。その民度というのは、おとしめて言っているわけではなく、尊重した上で、やはりそれぞれの地域の方々が、それぞれの地域の方々の民度、すなわち矜持と諦観によってすべてはお選びになることであります。　他方で、私は繰り返し申し上げておりますのは、そのリーダーたる者がきちんと指針を示さずして、皆様の意見を聞くという、先ほどの小泉純一郎氏と同じような口だけのお言葉をおっしゃりながら、大きな国が用意した土俵の上に乗っているということはひきょうであるということであります、リーダーとして。　そして、そのようなリーダーをお選びになった方々の中に、もし個人として立脚している者が悩まれているのであるならば、私は、国が大きく用意した土俵の上に乗るか乗らないのかということも、住民がきちんと述べ、またリーダーがきちんと宣言をしてから行うべきだということで申し上げているにすぎません。　いずれにしても、すべてのことは自律的にお選びになるわけでありますし、合併を選ぶか選ばないかにしてもそれは自律的に選ぶことです、無自覚であろうが自覚的であろうが。　その意味で言いますと、どうも見ておりますと、比較的長野市周辺のところは合併をお選びになったり、長野市から遠く離れたところは、山ノ内町も含めて自律をお選びになるということは、やはりこの罪深き県の本庁舎であったり長野市中心ということから常に自覚的であられた方々は、その分、自律をお選びになっているのかなという気もいたします。それもまた、長野県が共和国であるがゆえの、それぞれの地域のよくも悪くも民度の反映が今回の合併問題に関してもあらわれているというふうにも私は思っております。　いずれにしても、それぞれの方々がお選びになることです。　ただ、私たちは、バスに乗りおくれるな論的な形での派兵であったりというものを憂慮するのと同様に、この合併問題に関しても、いま一度、それぞれの住民が立ちどまって考える機会を与えるべく、私は、合併しないで自律していけるならばそれにしくはなしということを申し上げているわけでございます。その上で考えるのは、それぞれの住民であります。　　　　　　〔副知事阿部守一君登壇〕 ◎副知事（阿部守一　君）広域連合と合併の関係、あるいは町村連合につきましてのお尋ねにお答えしたいと思います。　平成６年の地方自治法の改正によりまして、広域連合制度が導入されたわけであります。当初は、地方分権の受け皿になる広域行政制度として、構成団体が連携して広域行政を進めていく有効な手法ということで考えられていたところでありますが、長野県の場合は非常にこの制度の活用が進んだわけでありまして、10広域連合できているわけでありますが、全国的に見ると、この広域連合制度、ほとんどの都道府県が３とか１とかですね。長野県、三重県が10でありますけれども、岐阜、北海道が９、あと熊本県以下が４ないしそれ以下というような形で、実際にはなかなか全国的に見ると活用されてこなかったという現状があるというふうに考えております。　そうした中で、合併特例法というもとで市町村合併の議論が出てきているわけでありますけれども、長野県におきましては、合併につきましては、あくまでもこれからの地域を考えていくための一つの手段ということで考えているわけでありまして、これから、自律を選ばれる、あるいは合併される、いろいろな市町村が出てこようかと思います。そうした際に、やはり、これからも地域の実情に応じた広域的な地域連携というものは必要になってくるだろうというふうに思っております。　まず、現在の枠組みが多少変わってくる場合があろうかというふうに思います。そうした点の調整につきましては、やはり一義的には地域での話し合いということになろうかと思いますけれども、そうした中で県の手助けというものが仮に要請される場合があれば、そうしたものについての協力はしていく必要があろうというふうに思っております。　また、町村連合、これは、全国町村会等においても、町村連合という方式をもう少し制度上の位置づけをしてもらう必要があるんじゃないかというような御要請が国に対してなされているように伺っておりますけれども、今の広域連合制度と基本的には余り変わりがない制度かなというふうに私としては認識しております。　より進んだ形で課税権を持たせるとか、そういう形になってきますと新たな立法措置ということが必要になってくる場合があろうと思いますが、私が拝見している限りでは、町村会の方で御要請されている形というのは、今の広域連合制度の運用、充実という中でもある程度は対応できる部分があるのではないかというふうに思っております。　しかしながら、長野県内の町村において、自主的に町村連合、今までの制度の枠を場合によっては打破するとか、あるいは今の広域連合制度よりもより充実したものを考えたいというような御相談、あるいはそういった御要請、議論が出てくれば、県としてもしっかりと支援をしていく必要があるというふうに考えております。　以上です。　　　　　　〔総務部長兼経営戦略局長宮尾弘行君登壇〕 ◎総務部長兼経営戦略局長（宮尾弘行　君）お答えいたします。　千曲市についてのお尋ねでございます。　千曲市の合併につきましては、３市町が、大変長い時間と、そして住民の皆さんの活発な御論議を経て、多くの課題を乗り越えて合併に至ったわけでございます。そして、合併に至ったわけではございますが、これがゴールではなくて、これからが新しい市の町づくりにとってまた多くの課題を抱えて御苦労がある状況だと、このように思っております。　そして、基本的には、新しい市誕生に当たりまして市の建設計画というものが策定されております。この建設計画の中にはさまざまな都市づくり、町づくりの計画が具体的に盛り込まれておりますので、この計画の実行、実施について、県としてもできる限りこれに御支援を申し上げていくということになっております。　この議会にお願いしてございます予算でございますが、市町村合併特例交付金についても、早速、この新しい市の方から御要望がございまして、積極的にまたこうした合併特例交付金によって町づくりに御支援を申し上げることができれば大変うれしいことだと、このように考えております。　いずれにいたしましても、これから、地域の隅々まで血の通った、また生き生きとした集落が達成されますように、私ども大きな期待を持って御支援を申し上げていきたいと存じます。　　　　　　〔13番今井正子君登壇〕 ◆13番（今井正子　君）合併したところも、それから自律という形で小さく支え合っていただくところも、また両面でサポートしていただきたいと思います。　続いて、福祉施策の充実についてということですが、児童福祉については永井議員がたくさん質問してくださいましたけれども、またきのうの本郷議員の方からもありましたが、私の方では宅幼老所について。　今、街角福祉ということで、大きな施設ではなく、そしてまた、自宅で介護ができなくなった、または障害を持つ方たち、そういう中で、街角福祉というのが、今、県の中でたくさんとできてきております。　障害の有無にかかわらず、だれにも開かれた社会というのは、人と人が支え合い、暮らしていくことこそが、今現在、長野県が目指している社会であり、コモンズの再生につながってくることだと思います。　その中で、自分が生まれ育った暮らしの中で、地域の中でという中に、幾つかの制度的に矛盾を抱えるところもございます。例えば、国庫制度を利用しますと、障害者の送り迎えに使いますバスは高齢者の方は使えますが、障害者には使えないとか、また、宅幼老所の場合には、支援費事業で行われるもの、それから介護保険制度で行われるもの、そのように２種類ございまして、同じ階でも、別々に、システムとしてはいろいろな形にトイレ等その他をつくっていかなければいけない、確保していかなければいけないというような矛盾がございます。　その中で、現在の長野県の状況、それから目指す方向について社会部長から。　また、今回、社会部と衛生部の統合ということが言われておりますけれども、その点、３障害が、身体、それから知的、特に衛生部の方にございます精神障害が一緒になることはとてもいいことだと思いますけれども、その点について課題がございましたら述べていただきたいと思います。それは社会部長、衛生部長に。　そして、知事に、障害のある者ない者を問わず、地域が支え合って生きていくということが一番の原点でございますので、地域生活支援局、仮称ですけれども、または支援室のようなものの設置はどうかと考えております。人間が人間としてそれぞれ、人間の循環型社会というのができたらいいなと、こんなふうに思っておりますけれども、その点についてそれぞれお答えいただきたいと思います。　　　　　　〔社会部長堀内清司君登壇〕 ◎社会部長（堀内清司　君）お答えいたします。　宅幼老所の現状と目指すべき方向についてのお尋ねでございます。　長野県では、議員御指摘のように、高齢者や障害者、幼児、一人一人が寄り添う共生の地域づくり、町づくり、これを目指して進めております。地域の民家を活用しまして、介護を必要とする方が住みなれたところで自分らしく暮らしたいという思いをかなえるために、宅幼老所の開設を支援しているところでございます。　この開設支援によりまして、在宅介護支援センターとか居宅サービス事業所などと連携しまして、地域福祉を担っていく拠点となる宅幼老所の活動が各地で芽生えているところでございます。　14年度末までの整備状況につきましては、県内では86カ所整備されてきました。今年度は42カ所を整備する見込みでございます。県の高齢者プランの目標でございます19年度末までに290カ所ということで、今年度15年度から19年度まで毎年40カ所、これを整備目標として進めているところでございます。　なお、将来的には、小学校区とか、さらに小さな生活圏単位で整備することが必要だと考えています。これは、まさにコモンズの再生につながる事業だというふうに思っています。　高齢者、障害者が自律した生活をするためには、利用者の多様なニーズにこたえていくとともに、宅幼老所を福祉コミュニティーの拠点として位置づけ、地域における支え合いの福祉、これを築いていかなければならないと。そのためにも、地域住民の皆さんの理解を得ながら着実に進めることが必要かと思っております。　続きまして、社会部と衛生部の統合についてのお尋ねでございます。　介護保険制度の導入等によりまして、保健、医療、福祉の連携というものはますます大切になってきております。　例えば障害者施策につきましても、３障害と言われましても、私ども社会部では身体障害と知的障害、そしてまた衛生部では精神障害、こういう管轄に分かれているわけでございますが、共通した施策といたしましては、共同作業所、グループホーム、これはそれぞれ別々にやっていると。また、健康づくりの関係につきましては衛生部で所管しておりますが、私ども社会部では介護予防など、同じような施策が展開される。　いずれにしましても、利用者主体のサービスを提供することが求められておりますので、関連する施策、それからまた担当する部、県民の目線によって再構築することが大切かと。それによって、より適切なサービスを県民の皆さんに提供していくための組織はどうあるべきか、こういう観点で統合について検討しているところでございます。　現在は連携をとりながら施策を行っているところですが、統合することによりまして効率的な連携が図られまして、県民サービスの向上につながるものと思っております。　ちなみに、47都道府県中、社会部と衛生部局が統合されていないのは、東京都、神奈川県と長野県、３都県のみでございます。　統合に当たっての課題についてのお尋ねでございますが、今後検討する中で問題の解決に当たっていければと、こういうふうに考えております。　以上です。　　　　　　〔衛生部長菅谷昭君登壇〕 ◎衛生部長（菅谷昭　君）衛生部と社会部の統合につきましては、今社会部長がほとんどおしゃべりになりましたものですから重なる部分が多うございます。　現在の体制におきましても、業務におきましても、精神障害者対策、あるいはまた母子保健対策、在宅医療などにつきましては社会部との連携に努めておるところでございますが、しかしながら、議員御指摘のごとく、例えば精神障害者対策におきましては、知的、身体障害者への支援と比べ、精神障害者対策の方がおくれている面がございまして、そういう意味では連携が足りない点もあると考えております。　また、社会部と衛生部のはざまにある課題もございまして、こういうものは両部が統合することによって効率的な解決を図ることができるということで、私としましては、県民の皆様の視点からも、わかりやすい、また利用しやすい組織になるものと考えております。　今後、具体化に向けた検討が進められることから、組織のスリム化も含めて、衛生部としても協力してまいりたいと考えております。　以上でございます。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）恐らく、今井県議は、宮城県等で行っておりますような地域生活支援室というようなものを設けて、障害者と高齢者がともに暮らせるような施設というようなことも想定していらっしゃるのかと思います。　私は、今井県議は大変教育に関しても見識が深うございますので、学校が開かれたものでなくちゃいけないということは昨日申し上げたわけでございますけれども、ただ、こうした地域生活支援室というようなものを設けることによって変わるわけではないと思うんですね。　私どもの職員が本来持っている能力というのは高いわけでございます。しかしながら、その意識は、あえて申し上げれば、その能力とは違って、まだ覚せいされていないわけでございます。この意識を変えて能力を引き出すということにつながるならばそれもありますが、組織を変えるという以前に、私がコンシェルジュというような、施設をそれぞれ、社会部の本庁舎職員や社会部を主体とする各現地機関の職員も担当しているわけでございまして、そこに行くことはできるわけでございます。行って何を感じ、何を行動するかでございまして、この部分の意識が変わり、本来持っている能力が引き出されるような行動に結びついていかねば、地域生活支援室を設けたり、あるいはそうした施設を設けるということが先に立つことは必ずしも結果を生み出さないと私は思っております。　御指摘のような社会を目指すということに関しては、私は大変に望ましいと思っているわけでございます。しかしながら、それを掲げますと、本来の能力がまだ覚せいされていない、意識もまた閉じたままである職員は、その制度をつくること、仕組みを変えることだけに集中することになりますので、ここは冷静に考えねばならない点だと私は思っております。　　　　　　〔13番今井正子君登壇〕 ◆13番（今井正子　君）御答弁、ありがとうございました。　茨城県のように保健福祉部というようなことで一つになりましたけれども、逆に、課がたくさんふえて大変になってきたというようなところも聞いておりますので、またよく考えて、いい方法でやっていただきたいと思います。　続きまして、教育についてですけれども、高等学校の定時制及び多部制単位制高校の今後の方向性についてお伺いしたいと思います。　特に、２校が、今回、来年度からの停止になったわけですけれども、その経過、そして今後の方向について、多部制単位制、定時制も含めましてでございますけれども、教育長にお伺いしたいと思います。　それから、そこまでの経過に至る中で、教育委員会、教育長として十分に話し合いができたのか。　そしてまた、来年度に向けてさまざまな心配が出されておりました。地域の議会、それから教育関係、そして生徒、父兄、先生方、たくさんの質問、疑問が出ておりましたけれども、それについてどのように対処していくのかも含めながら、また、新しく教育委員長さんがかわりましたので、長野県の教育の理念についてということで教育委員長さんに伺いたいと思います。　それから、発表されました教育庁構想というのがあるわけですけれども、まだできたところだと思いますけれども、教育委員会ではなくて教育庁という部署についての構想について教育長にお伺いしたいと思います。　また、教育庁については、副知事も教育関係についてお話ししていただく機会がございませんでしたので、ぜひ副知事のお考えも聞きたいと思っております。　そして、教育庁構想につきまして、学校等教育現場側からいらっしゃっております小林教育次長にも、今、教育委員会の中で現場から来ている、教育現場を踏んでいる職員といいますか、役員さんがいなくなってしまいました。課長さん、それから教育長さん。その中で、現場を踏んでいる者として、ぜひ小林教育次長の方からも構想を伺いたいと思います。　以上、よろしくお願いいたします。　　　　　　〔教育長瀬良和征君登壇〕 ◎教育長（瀬良和征　君）お答えいたします。　まず、定時制の件でございますけれども、今井議員には、定時制の問題については日ごろ大変御熱心にお考えいただいておりまして、感謝を申し上げるところでございます。

　須坂の定時制、岡谷工業高校の定時制の問題につきましては、昨年来、学校の現場、また、ことしの７月ごろからは、教育委員会を挙げて、一緒に、地域の皆さん方、そして子供さん、保護者、学校の先生方、それから関連する中学校の皆さん、それから市町村の首長さん、それから地教委、いろんな方々と御議論を重ねた中で、この前の９月の定例会で募集停止ということになったところでございます。　議会からの強い御要請もあったりして、実は、９月の定例会で決まった後も、今後の対応につきまして十分になされるべきだということで、前回の11月の定例会におきまして今後の対応につきましてるる議論し、そして、教育委員５人がそれで十分対応できるという結論に達したところでございます。　具体的な対応につきましては、るる申し上げませんけれども、現在の定時制のさまざまな状況を踏まえて、また、定時制に通われている多様なお子さんのニーズにいかに対応していけばいいかということを基本にして、さまざまな改善策を催すということを決めてあるところでございます。　今後のあり方につきましては、やはりその延長線でもって、今定時制に通われているお子さんの半分が不登校を経験されているお子さん、また定時制に通っておられるお子さんは何らかの形で心に傷を持った経験もあるお子さんも多い、また学力においても非常に差がある、また進路についても希望が多様であるということ。そういうことをさまざま勘案して、その適正なあり方についてこの２校の定時制の募集停止ということの経過を踏まえて、充実策に努めてまいりたいと考えているところでございます。　次に、教育庁構想のお尋ねでございますが、これは一教育委員会だけの問題でなく、県全体の組織にかかわる問題でございますので、これにつきましては、それを中心として取りまとめておられます阿部副知事の方からお答えをしていただきたいと存じます。　以上でございます。　　　　　　〔教育委員会委員長佐々木則夫君登壇〕 ◎教育委員会委員長（佐々木則夫　君）長野県教育の理念についてという御質問ですので、お答えいたします。　戦後、我が国の教育は、社会や経済の発展を支える人材の育成といった点では成果を上げたように思いますが、その一方で、社会の変化や経済的に豊かになったことに伴って個人の自由や責任についての考え方が多様化し、個人のレベルでは自己抑制力の衰退をもたらすとともに、社会のレベルにおいても連帯感や共同性の喪失をもたらしてきたように思われます。その結果生じてきたひずみが子供たちの心にも影を落とし、いじめや不登校、さらには、子供たちが引き起こす非社会的な事件などとしてあらわれている状況も見られます。　こうした現状を踏まえ、私は、21世紀を担う長野県の子供たちが意欲的でたくましく生きる力と、確かな知性と豊かな心を持ち、本県の未来を担い、地域で、あるいはグローバルに活躍できる人間に育ってほしいと願っています。　このような子供たちを育てるには、私は、何よりも、学校、家庭、地域社会がそれぞれの役割を改めて自覚し、その役割を自律的に果たしていくことが不可欠であろうと考えております。　学校、家庭、地域社会での教育を考えるとき、まず第１に、教育の原点を家庭に置きたいと考えます。人としての温かさや信頼感は、家庭において親がじっくりと子供と向き合うことを通して形成されるものであります。　日本の子供は自尊感情に乏しいと指摘する声が聞かれますが、幼児期に自分が認められ、称賛されるような体験を積んでこそ、他人に対する思いやりもはぐくまれるものであります。さらに、基本的な生活習慣、善悪の判断など、社会生活を営む上での基礎的な能力を培い、資質を磨くことも家庭の重要な役割であります。そのことの認識がより深められますように、さらに働きかけていきたいと存じます。　次に、２点目の、地域においては大人や年齢の異なる仲間と交流し、さまざまな生活体験、社会体験、自然体験を豊富に積み重ねることが大切でございます。豊かな情操や社会性、たくましい心の子供をはぐくむには、体験活動を進めることが重要であります。幸い、県下各地でこのような動きが出てきていることはまことにありがたいことであります。　さらに、３点目の、学校においては、家庭、地域でのさまざまな体験などを生かした学習活動の中で、子供と子供、子供と教師の人間的なつながりを深め、確かな学力と豊かな人間性を育成することが期待されております。　教育は互いの信頼の上に成り立つものでございます。子供たちの願いや県民の負託にこたえるためには、何より教師の資質向上こそが重要であると考えております。専門職としての自覚を持ち、教育への情熱のもと、たゆまぬ精進と教師同士が互いに切磋琢磨し、より高きものを求め合う教師、教師集団の学校、このような場にこそ、子供、家庭、地域との深い信頼関係が生じ、伸びたいという子供たちの切なる願いと、育てようとする教師の情熱が一つになり、人としてお互いに学び、育ち合う世界が生まれるものでございます。　学校教育の成否は、何よりも教師のあり方にかかっております。さまざまな教育改革が進められる中、教職員の資質向上には県民の強い関心と期待が寄せられているわけですが、長野県の先生方には、子供たちに真摯に向かい合い、おのれの力量を高めようとする取り組みを大事にして、自信を持って教育実践を進めていただきたいと考えます。　さて、これまでは、学校は外部に対して閉鎖的、学校運営が保護者や地域住民に公開されないなどの指摘をいただくこともございました。こうした課題を克服し、開かれた学校づくりを進めるためにも、学校が積極的に家庭や地域に情報を提供し、その一方で、学校への御意見をお寄せいただく中で課題の共有化を図るとともに、授業公開や学校の施設の開放はもちろんのこと、地域の方々の学校運営への参画についても積極的に進めてまいりたいと思います。　子供は人類共通の希望であります。日本と世界の未来を担う子供たちを育てるためには、学校、家庭、地域がそれぞれの使命、役割を十分に果たすとともに、お互いに密接な連携を取り合っていかなければなりません。学校や家庭が孤立して存在するのではなく、地域の中でともにある存在として、学校、家庭、地域が一体となり、たくましく生きる力を持ち、人間性豊かな子供たちをはぐくむことに全力を挙げて取り組んでいきたいと存じます。　以上であります。　　　　　　〔副知事阿部守一君登壇〕 ◎副知事（阿部守一　君）教育庁構想、仮称でございますけれども、についてのお尋ねでございます。　まず、この問題につきましては、今、庁内で検討中ということでございますので、まだしっかりとした方向は固まっていないということで御理解いただきたいと思います。　この件についての私なりの問題意識を申し上げたいというふうに思います。　子供に関する施策につきましては、これも御承知のとおり、今、学校教育、社会福祉、それぞれの分野に所管が分かれているわけでありますが、一方、施策の受け手の側、県民の方あるいはお子さんの側、あくまでも一人の人格であるわけでありまして、一人のお子さんあるいは家庭に対して、県の施策としてはいろんな角度からいろんな施策を講じているという状況であります。そうしたことが、結局、県の仕事のわかりにくさを生んだり、あるいは県民の皆様から見たときに、県の施策が必ずしも十分連携がとれていないんじゃないかというような御疑問、御懸念が出てきている要因になっているのではないかというふうに思っております。　また、今日のように、地域社会あるいは家庭において子供を守り育てるような力が低下していると言われている中で、しっかりとした行政サービスをこれからさらに提供していかなければならないと。そうしたときに、各分野の連携を強化するということにとどまらず、さらなる統合化、一元化というものを検討する必要があるんじゃないかということで、こうした検討を行っているところでございます。　私の具体的な体験で言いますと、例えば特区の関係で、さまざまな市民の方がみずから学校をつくりたいというようなお話等もあります。そうした際に、今現在、私学の関係の業務というのは総務部の方で行っているわけでありますが、具体的な教育の内容等については教育委員会が行っているという状況でありまして、いろいろな御相談を承ったりする場合にも、複数の部局、複数の担当者が出てこないとなかなかしっかり対応できないといったような現状もあるわけでありまして、そうしたことに対応するためにも、組織というものについても検討していかなければいけないというふうに思っております。　もとより、組織の変革というのは、それ自体が目的であってはならないわけでありまして、あくまでも、私どもとしては、県民本位の施策と一体のものでなければならないというふうに思っておりますし、また、組織だけではなくて、それを実際に担う職員の意識、感覚、そういったものも変えながら取り組んでいく必要があろうというふうに考えております。　以上でございます。　　　　　　〔教育次長小林正佳君登壇〕 ◎教育次長（小林正佳　君）お答えいたします。　教員経験者から見た教育委員会のあり方についてのお尋ねでありますが、教育問題が国民的課題となる中で、長野県内の多くの先生方は、多様な教育ニーズを持つ子供たち、心に大きな傷を負った子供たちとの対応に心を砕きながら、子供の可能性を引き出すために誠心誠意教育に打ち込んでくれていると考えております。　そこへ、学校自己評価、高校入試改善など、さまざまな教育改革に伴う施策が打ち出されることに大きな戸惑いを感じている先生方も少なくないと認識しております。　しかしながら、どの子供も目を輝かせ、友とともに学ぶ中で真理の発見と自己存在感を確立できる学校を構築するためには、今の学校は教育の仕組みを大きく変えていかなければならないと考えております。　学校は、真に子供たちのためのものになっているか、形骸化、形式化、硬直していることはないか、新しい社会の動きに応じる体制になっているか。教育の仕組みを見直し、一人一人の教師が、子供たちが目を輝かせて学ぶ学校を目指して、大胆な発想を持って学校づくりを進めていってほしいと考えております。　その際、子供の教育を学校だけで抱え込むのではなく、できることとできないことを明確にし、学校を地域に開き、いろいろな方々と連携することによって課題の共有化を図ることが重要だと思います。　教育改革は、学校の教師一人一人が我が事として受けとめ、主体的に参画しない限り、真の改革にはなりません。　そつ啄同時という言葉がありますが、ひながかえるとき親鳥とひなが内から外からと同時に卵の殻をつついて破るような、協働の営みが必要です。そのため、教育委員会は、管理し指導する教育委員会から、子供たちの可能性を引き出すために奮闘する学校を励まし支える教育委員会に、学校とともに汗をかく教育委員会にと、さらなる脱皮を続けていかなければならないと考えているところでございます。　以上でございます。　　　　　　〔13番今井正子君登壇〕 ◆13番（今井正子　君）変革の際に、偏った人々ではなく、先ほど教師がというお話がありましたけれども、さまざまな現場の声、それから親、生徒、教員たちの声も十分に入るような改革にしていただきたい。教育委員会も、５名の教育委員の方がおられますが、十分に議論ができるような教育委員会づくりをしていただけたらというふうに思います。　最後に、廃棄物についてお尋ねいたします。　条例をつくるようなことについて何人かから御質問ございましたけれども、新しい条例は、なるべく廃棄物を出さない、なるべく燃やさないということを目指していると思いますけれども、「コモンズからはじまる、長野県ルネッサンス」に参加するすべての長野県民が理解し同意するものではないかと思っております。　新しい条例は、この理念を実現するために大変重要なものであると思います。この条例の理念を踏まえて、市町村行政とのかかわりも含め、長野県ではどのような方向で施策を行っていこうとしているのか。知事にお伺いしたいと思います。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）昨日も御質問が林県議等からあった際にお答えをしているところでございます。生活環境部長の大塚からもお答えをいたしましたが、いわゆる県外から入ってきているものの10倍以上の部分というのは自区内処理をしているのが産業廃棄物でございます。200万トンに対してですね。県外に20万トンくらい、県外からさらに15万トンくらいも入ってきているというような数字であったかと思います。　また、環境自然県であります長野県が、意欲のある業者の方々というものがきちんと評価をされて、御一緒に協力していけるような体制というものをつくらなくちゃいけないと思っているわけでございます。　そして、きのう林県議からも御質問ありましたように、司直、裁判所の場で業者側の過失というものが認められても、私たちがそれに対して住民の視点に立ってともに行うようなことが、健康調査あるいは実態調査というようなこと、それを踏まえての指導というようなこともなかなかできないという現実がございます。これは、私たちがむしろ逆に、そうした中でもきちんとよい意味で体を張って、住民のために尽くさねばならないことは改めて申し上げるまでもございません。　こうしたきちんとした意欲のある業者の方々、あるいはそうした市町村民の方々、さらにはそうしたはざまでお悩みの市町村の行政の方々というものと一緒に手を携えられるような廃棄物の条例というものがつくられていかないといけないのではないかということでございます。これは、まさに中信地区の廃棄物処理施設の検討委員会で議論される中で出てきた減量化や排出抑制、そして、その上で、住民に納得していただけるような廃棄物の処理の方法、場所ということを現実化する上でも極めて大事なことではなかろうかと思っています。　そして、これは、同時に、国内外から１億人の方が年間いらっしゃる長野県というものの魅力をより高め、ひいては長野県産の農作物というものが、原産地呼称管理にとどまらずに、また地産地消にとどまらず、多くの消費者の方々に安心していただけるようなものになると。このことは、多くの観光客が訪れるだけでなくて、そうした農作物が高い評価を得られるようになるということは、長野県の主軸産業であります農業の未来というものも築くということになるわけでございます。　森林の条例や廃棄物の条例ということを、同時に、長野県の景観に関する条例ということと一緒にあわせて進めていきたいという思いはこういう点にあるわけでございまして、この点は、私と個々さまざまな御見解の違いはあるにしても、総体としての真の県民益を創出し、長野県を誇らしい場所にするということの１点で、恐らくは、議論を進めさせていただいております県議会や、そのほか市町村長の方々にも御理解をいただけるものになろうと、またそのようなものにいたしたいと考えているわけでございます。 ○議長（小林実　君）次に、高橋宏議員。　　　　　　〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番（高橋宏　君）御苦労さまでございます。高橋宏でございます。順次質問をいたします。　さて、知事も御承知のとおり、長野市は、36万市民が暮らす県都であり、知事の言うおてんとうさまのもとで一生懸命働き、悪いことはしない、また、善光寺一山の仏都でもありますし、門前町でもあります。大本願の宗派浄土宗の宗祖法然上人は歌の中で、「月かげのいたらぬ里はなけれども眺むる人の心にぞすむ」の教えをいただいて、長野市民、日夜懸命に働き、昼夜問わず、人から後ろ指の指されるようなことのないよう、真っ当な長野市であります。　そこで、知事にお伺いいたします。　先般、小林利一議員の質問もありましたが、長野市議会の一般質問の中に、知事の住民票を長野市に移してはどうかとの質問があり、長野市長は、個人的見解として、知事は社会に対する警鐘の役目を果たしたので、あえて法違反はやめると言って静かに再度長野市に住民票を移してはどうかと、こういうふうに述べたそうでございます。　知事が住民票の移動を中央集権への反逆と説明していることを踏まえ、長野市長は、知事の行動を放置すれば選挙制度が混乱する、住民税もさまざまな施策の原資、受益者である市民に負担をお願いするもので、実態に合った届けをするのが基本だと、こういうふうに言われております。　先般のお答えでもありますように、知事は、信念で、簡単に、ああ、そうですかというようなわけにはいかないと思いますが、年末年始には事情で長野市に滞在しているわけでございますので、知事の良心にお伺いを申し上げます。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）私は、信念という言葉も使いましたが、議員、今、良心とおっしゃいましたので、私の信念も良心もこの問題に関して考えは変わっていないところでございます。　　　　　　〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番（高橋宏　君）それでは、次に質問を移させていただきます。　知事は信念を曲げないということでございますので、あとは長野市民、あるいは県民の判断が待ち遠しいところでございますが、次に、稲荷山養護学校の改築事業についてお尋ねをいたします。　９月補正予算に、稲荷山養護学校改築事業費債務負担行為として2,896万5,000円を計上されております。そして、説明は、木材を利用した良好な学習環境を整備するとともに、県産材の振興を図るため、改築に必要な県産材の一部を県が事前調達し、平成18年度の開校に向けて準備を進めますとあります。　そこで、県産材の一部とはどのくらいの量を調達するのか。また、何に使用する材料なのか。例えば柱材とか壁材とか、そういうことがあるだろうと思います。一部と言っているけれども、全体はどのくらい用意をするのか。一体、全体の量のどのくらいをここで事前調達するのか。まず、教育長にお伺いします。　　　　　　〔教育長瀬良和征君登壇〕 ◎教育長（瀬良和征　君）お答え申し上げます。　９月補正といいますか、今回提案いたします木材調達の事前調達の関係でございますが、この稲荷山養護学校は全国でもまれなほど大規模な木造を使用する校舎でございまして、全体では3,200立米を使用する予定でございまして、今回調達いたします木材量はうち273立米でございまして、それは主に南棟と、それから特別教室棟の構造材が中心でございます。　なぜ、事前調達しなきゃならないかということでございますけれども、いわゆる木材は製品になるまで、伐採とか乾燥、仕上げ、いろんな工程が必要でございまして、約６カ月かかるところでございます。実を言いますと、実施設計が終わり、稲荷山養護学校の本体着工にかかりますのは来年の７月ごろを予定しているわけでございまして、４月以降この木材調達を図ったのでは実は間に合わないということで今回お願いするということでございます。　これは、業者に委託するということではなくて、県が直接予算執行して事前調達するということでございます。　　　　　　〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番（高橋宏　君）それでは、今273立方メートルと、こういうことです。3,200立米、これ石数というのかな、が必要だということでございますが、実は、委員会の説明の中では、45坪分の１軒の家を建てるとして、150石分というから3,200立米。それでは、設計図はできたのですか。　　　　　　〔教育長瀬良和征君登壇〕 ◎教育長（瀬良和征　君）お答えいたします。　施工主は教育委員会でございますけれども、実際の発注業務、設計、監督につきましては住宅部の方で担当しておりますので、住宅部長の方からお答えさせていただきたいと思います。　　　　　　〔住宅部長中村芳久君登壇〕 ◎住宅部長（中村芳久　君）ただいまの件についてお答えをいたします。　当初は15年の９月30日、期限を区切って実施設計をお願いしていたところでございますけれども、この10月20日に契約を変更いたしまして、来年の１月30日まで設計期間を延ばしております。その段階で確定することになります。　　　　　　〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番（高橋宏　君）まず、教育長に申し上げます。　なぜ、設計図もなくて、柱材だか床材なのかわからないで、どうやってこの予算を盛ったのか。まず、それが１点。これは後でお答えいただきたい。　それから、住宅部長にお尋ねいたします。　実は、この件はちょっと長い経過がございまして、最初はＲＣでつくるといって平成13年からスタートした事業でございます。そして、昨年の９月１日の選挙で知事が当選されて、それは材木がいいよとなったら材木に変わったわけでございまして、教育委員会の中でお聞きしたら、知事から御相談があったということでございます。その期日は、おおむね10月10日ごろと。　そして、もう一つ大事なことは、住宅部長に後でお答えいただきますが、実は設計するときに、プロポーザルというところで変更になっていったわけですが、そのときにもう校地の用地は、上から図面でここは変えますよと。そして、ことしの６月完了しているわけです。それにもかかわらず、設計図が、最初、プロポーザルのときには一応６月30日という期日で、12社から５社になって、そしてプロポーザルをして、プロポーザルを受けるときは６月30日、今住宅部長は９月30日と言ったけれども、ということだった。　それで、北川原さんのところが決まって、契約のときに９月30日だと。そのときもう既に、十分な設計期間が欲しいと言われ、実態ももうちょっとよく調査をしてといって、３カ月延びて９月30日。　そして、私どもが９月の委員会で、９月30日だから、設計図できたんですかとお尋ねしたところが、まだできていませんと。そして、予算は多分5,500何がしで、そして９月は2,500くらいで、おおむね8,000余万円になりました。約束の期間も守らない設計者を、なぜそういう者を選んだのか。　もう一つは、例えば現場で測量しなければ、天気が悪かったから延びたとか、お家の中でできる設計図でございます。夜でも昼でもできるわけですよ。知事は夜まで働いているんですから、そのつもりでやれば、信用度としては最大限は９月30日にできていなければいけないんではないかと私は思うわけであります。その辺のところについて住宅部長と、先ほどの質問を教育長にお願いいたします。　　　　　　〔教育長瀬良和征君登壇〕 ◎教育長（瀬良和征　君）お答えいたします。　包み隠しなくお話を申し上げますところでございますけれども、いわゆる設計図は、ある段階を経ながら進められておりまして、現時点におきましてはほとんどの段階でできておりまして、細部につきましていわゆるまだ手直しがなされているわけでございまして、先ほど申し上げましたように、今回事前調達申し上げます273立米というのは構造材でございまして、そのことにつきまして既に設計事務所の方から必要な木材量というのがきちっと出てきているわけでございます。　それに基づきまして事前調達するということでございまして、先ほど申し上げましたように、当初予算をもってしては来年の７月に使う構造材が間に合わないということで、今回お願いするところでございます。　ですから、これは、今申し上げましたように、県が直接調達するわけで、しかも現金を持っている債務負担ということで、調達する時点において予算が表返しになる、執行されるということの内容でございます。　　　　　　〔住宅部長中村芳久君登壇〕 ◎住宅部長（中村芳久　君）お答えをいたします。　よりよい学校を目指そうということでプロポーザル方式を採用したところでございます。当初の契約は、２月の14日から９月の30日までということで契約をいたしました。その際も、プロポーザルというようなことの中で、プロポーザル審査委員会を存置させて、この後、この契約に基づく履行状態について審査をしていただくということで残っていただきました。　そうこうするうちに、木造化に伴う各種計画の見直しだとか、環境に配慮した見直し、あるいは建てかえ計画の見直し等について北川原温建築都市研究所の方から提案がございました。それを受けまして、プロポーザル審査委員会を再度開催をいたし、その中で期間延長についてやむを得ないという判断をいただきまして、１月30日までの期間延長をしたところでございます。　　　　　　〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番（高橋宏　君）確かに、プロポーザル委員会が８月11日公開で開かれております。私の資料によりますと、９月の30日、そして10月の初めに委員会はあったわけでございますが、そのときも私は教育委員会に何回か質問しました。先ほど、９月の議会が終わって、10月にやって、先ほど住宅部長からお話ございましたように１月30日になりました。実は、８月11日過ぎに、もう１回、10月31日までという契約更新をしているわけです、設計の。このことは委員会にも報告はなかった。　あのときも、私一人だけ予算を保留してありましたけれども、委員会としては、それどころではない、子供たちのためにということで予算は通ったわけでございますが、しかしながら、そんな契約までしておきながら、委員会に審議が上がっているところにもかかわらず、期間延長の話は一切なかった。ということは、９月30日から新しい１月の間に契約が切れて、設計できない時間があったというふうに私は思う。期間が切れちゃって、お金がないから、あるいは補正予算がつかないから設計ができなかったと、こういうふうに言われているのかどうかわかりませんけれども、いずれにしてもそういうことがあって、そして、まあ、そういう契約でした。委員会になぜ報告しなかったのか。私は、本当にそういう点ではこの件については許しがたい部分だと。教育長を初め教育委員会、先ほど立派な教育委員長があの理念を述べられている中で、そして、こういうことが委員会で平気でやられるということは私は残念で仕方がありません。

　そこで、林務部長はこのことについて、先ほど教育長は、設計の柱が何本だかわかりませんけれども、一部来ておると。この県産材の使用については、契約のときに、林務部とよく相談をしながら県産材を使うというふうに報告されているわけです。林務部長、そのことについては、お話があって、そのような手配をしたのかどうか。お伺いいたします。　　　　　　〔林務部長鷹野治君登壇〕 ◎林務部長（鷹野治　君）お答え申し上げます。　かねてより、私ども、稲荷山養護学校の改築への県産材の供給、部の最重要プロジェクトというふうに位置づけて対応しておるところでございまして、当然のことながら、住宅部、それから教育委員会と密接な連携をとって県産材供給関係の対応を進めさせていただいているところでございまして、本件につきましても当然御相談を受けているところでございます。　以上でございます。　　　　　　〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番（高橋宏　君）今、お話を聞いていたと。県産材を使うんですよ。話はあった、話は聞いたと。積極的に県産材をどこにどうやるか。　私は、実は、この県産材のことについて、こんなことがいいのかなというふうに思いまして、実は調べた。私はたくさん山がなかったから、自分の家の材木とは言いませんけれども、県有林、これが何とこの近く、しかも千曲市の管内に、八幡桑原県有林314.78ヘクタール、倉科、同じ千曲市です、116.1ヘクタール。そして、この中には、カラマツが約３割、そしてアカマツ、ヒノキが22％。全部40年以上だそうでございます。それから、少し遠くなりますと、大岡村にございます。これが207ヘクタール。これが、杉、サワラ、ヒノキだそうでございます。カラマツ40％の材木があるわけです。　たくさん県有林はあるわけでございますけれども、そういうものを使って、林務部がこういう材木があるからどうだと言うなら話はまだわかるが、これから部材は骨材だと言うけれども、どのぐらいの量は、そういうことだと。そうしたら、設計図の一部がもう既に来ていて、事前にそういうものをやる。私は、もっとしっかりするならば、設計図が出てきて、そして、こういうものを建てるから、さあ、みんなやってくださいと、こういう入札をしてやるのが普通だと。それでは間に合わないと、こう言った。しかし、例えば私なら、今から木を切ってもらって、そうしてやっておけば間に合うなと。これは県のを切るんだから。　そこで、もう一つあるんです。林務部の中に森世紀ニューディール政策事業、その中に県有林ブナの森づくり大作戦事業というのがある。これは５カ年計画でやります。そして、国庫補助金までついているんですよ。国庫補助金といっても、自分の木を切るんですからね。　私は、そういう中で、ことしは60ヘクタール、そして全体で合わせますと、針葉樹の強度間伐ということで40％から50％切るんだそうでございます。それで、おおむね45年以上の成熟期の段階の木を切ると、こういう事業がある。何でこれを利用して、あるいは、県有林だからそこを先に切って準備したって間に合うんじゃないですか。林務部は話を聞いているだけで、何も考えていない。教育にかかわって、そしてこの事業は大切だと言って、最初から契約の中にも林務部との調整があるから時間をくださいと言っておきながら、何の考えもなしに話は聞きましたということになれば、どういうことだかなと、こういうことに私は思うわけです。　しかも、この事業が全部完成すれば5,935人日の雇用創出もできると、こう言っている。こういう事業をもってして、そして県産材の早期購入なら話はわかる。骨材だから、どこのをどういうふうに、もっと平たく言うと、柱材はどのくらいの大きさので何本用意するかわかりませんけれども、そういう設計図がもう既に一部流れていると。これは、どういうことなのかなと。　それから、もう一つ、住宅部長にお伺いしますけれども、実は、９月30日までの契約のときに、こういうふうにうたってありますね。９月議会のときに、プロポーザル審査委員から、利用者コミュニケーションを図るため十分な設計期間を確保してほしいとの提言があった。それから、義務づけられた防火性能あるいは雪害対策等の検討期間が必要である。そしてまた、ここにも書いてある、林務部と連携して県産材の供給体制を確保するための期間が必要である。こう言って、９月に補正予算で１月を決めたわけです。　もう一つ言うならば、敷地も、それから拡張する位置も、全部、プロポーザルの入札のときに既に５社には説明してあるわけです。そこで、９月の委員会の中で、基本計画に立ち入るような変更があったから期間が必要です、お金が必要ですと。ところが、グラウンドを南から北へ動かしたくらい、あるいは桜の木があったからと。用地を買うときに、もう桜の木があることは承知。そういうようなことの中で、大幅な変更だから期間が欲しいと言う。これも私は納得がいかない。　しかし、プロポーザルのとき、１級建築士は７人以上いなきゃ入札できないという条件がついている。その人たちは、我々が常識で考えることがわからない。なぜかというと、北側に住宅があるから当然のことと思っている。私にしてみれば、桜の木を大事にする、自然を大切にするなら、知事の理念に合わないようなことをやっているじゃないですか。だから、これを当然残すべきだと、こういうふうに思うわけです。そういう調整が必要だと、こういうふうに言っている。　もう一度、その経過について住宅部長、そして県産材の確保については林務部長に御答弁をお願いいたします。　　　　　　〔住宅部長中村芳久君登壇〕 ◎住宅部長（中村芳久　君）先ほども申し上げましたように、よりよい学校をということでプロポーザル方式をとらさせていただきました。その後、今、議員の話にもございましたように、防災とか雪害とか、その辺に関して若干疑問が残るということでもございまして、プロポーザル審査委員会も存続させていただきました。　木造化ということで、私どもが当初つくっておった基本計画というのはＲＣをもとにしたものでありますもので、それに対して、木造化も含めてということでプロポーザルを募集いたしました。　その中で、北川原温建築都市研究所の案が採用されたわけでありますけれども、それが、設計に入った中でやっていくうちに、どうしても平面計画を大幅に変えなければいけない問題、あるいは、仮校舎を建ててやることでおったわけでありますけれども、そうではなくて、もっと違ったやり方でやれば仮校舎をつくらなくてもできる方法があるんではないかというようなことも提案をされました。　そういうようなことを含めて、８月の11日の日に再度プロポーザル審査委員会を開催させていただきまして、その中で北川原温建築都市研究所からそういった計画変更等々につきまして提案をしていただき、それを審査委員会に諮り、それは万やむを得ないだろうということで期間延長をお願いしたものでございます。　　　　　　〔林務部長鷹野治君登壇〕 ◎林務部長（鷹野治　君）お答えを申し上げます。　県有林をなぜ使わぬか、切らないかというお話かと思います。　私ども、この稲荷山養護学校の改築に対して、どういうスタンスからアプローチしているかということがまずあろうかと思います。私ども、まず、ことしの２月に県産材利用指針をつくったということでございまして、公共建築物における県産材利用を積極的に進めていくという立場がございます。こういう立場から、今回、稲荷山養護学校の改築にも積極的にかかわらせていただいているところでございます。　と同時に、県内の木材供給の状況がございます。県内の森林関連産業は非常に元気がないわけでございます。それに伴って、森林整備も十分進んでいないという状況がございます。　なぜそうなっているかと申しますと、その背景にあるのはやはり木材がうまく流れていないという構造がございます。私ども自身は、今回の稲荷山養護学校の改築に対する県産材供給というのは、そういう状況に活力をもたらすというふうなこと、それから新たな県産材供給のモデルとなる最重要プロジェクトというふうな角度からとらえさせていただいております。　こういうふうな立場から考えますと、やはり今、間伐材の利用というのは私有林が抱えております大変大きな課題であるわけでございまして、私ども、この稲荷山養護学校への木材の利用というのは、新たな木材調達の方法によりまして間伐材の利用を政策的に進めていくものであるというふうに考えているわけでございます。そういうふうな立場からいたしますと、この調達というのは、基本的には、幅広く私有林から調達するという方が政策的にはかなっているのではないかという一つの判断をしているところでございます。それと同時に、私ども林務部といたしまして、県産材振興を図る立場からそういうふうに考えているということでございます。　と同時に、県有林の木材のいわば資源の状況というのがございます。実は、県有林に関して申し上げますと、確かに広大な面積はあるわけでございますが、この県庁舎をつくるに当たりまして県有林の木を実は大量に、昭和40年代の初期に伐採しております。約1,200ヘクタール伐採しておりまして、そのときに切れるものはほとんど切ってしまっているという状況がございます。県有林の状況は、そういう意味では現在生育途上のものでございまして、ほとんどの木はそういう意味では未成熟な状態にあるわけでございます。あっても非常に条件的に特殊なところにあったり、守ってかなければならぬというふうな場所にあるわけでございます。　そんなふうな状況から、私ども自身は、県有林から、特に今回求められるものは構造材でございます。しかも、構造材の中で通常流通にはない５メーター、６メーターといった特殊なものもあるわけでございまして、私ども自身としては、今回の調達は、県有林というよりは、むしろそういうふうな立場から私有林の方から調達いただく方がベターではないかというふうな判断をして、今回お答えを申し上げてきたということでございます。　以上でございます。　　　　　　〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番（高橋宏　君）実は、学校であるから、そういう木を使って、切った後へは学校の生徒が行って植林をして、そうして教育の場に、よく知事は現場と言うが、現場の教育の一つではないか。そして、きょうは、県有林の木を切るよ、みんなで行って見学して、木はどうやって切るのか、どういうところに立っているのか、どんなのが杉なのか、カラマツなのか、これを教えるのも教育なんですよ。そういうふうに県有林を使ってもらわないで、今、振興も確かに財政的にはそうかもしれない。財政が不如意だと言っておきながら、自分の木を使わない。そうすると、今度は、その方が高くなると言う。そんな話はないと思うんですよ。　自分のうちの木を使って、そして、おじいさん、おばあさんが植えた木がこういうふうになって、我々の学校のところに来たんだよと、こういうことが必要ではないですか。（「それがコモンズなんだよ」と呼ぶ者あり）そういうふうに言っている。コモンズというのは余り使わないようにしようと思っていたんだけれども、つい乗せられたが、環境にもいいし、教育にもいいし、そういうことをやるのが知事の役目だと。知事に聞く質問はなかったんだけれども、知事はそういう発想の中でこれを大幅に変える考えはあるかどうか。お伺いします。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）過日も申し上げましたが、私はレオナルド・ダ・ビンチでも聖徳太子でもございませんし、また、かねてより、県職員を信用し、専門的な職員の知識、そうした判断というものを尊重せよという皆様から御助言もいただいております。ただいま、そうした専門的な教育及び林務及び住宅というところの職員がそうした判断をしてきているわけでございまして、また、先生もおっしゃられましたように、一日も早く子供たちによい教育環境の校舎が竣工するということもこれは私どもの願いでございます。　したがいまして、きょう、さまざまな御助言をいただいたところではございますが、それぞれの部局において判断し実行していることを私は尊重するところでございます。　　　　　　〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番（高橋宏　君）知事は、職員に任せたと。こういうときだけは職員に任せるんですね。いつもなら、おれの方が正しいから、そういうふうにやれやというのが知事だと思ったら、やはり現場の声を大切にするということなんでしょう。しかしながら一刻も早くと。しかしながら、今の部材、あるいは設計図ができてからでも調達できるんではないかという話もある。　そこで、まず、住宅部長に、設計図が早くできるような方法はあるのかないのか。そういう督促をすべきではないかと私は思いますが、御所見をお願いいたします。　　　　　　〔住宅部長中村芳久君登壇〕 ◎住宅部長（中村芳久　君）私ども建築を請け負っている中で、２月の14日に９月30日までの契約をした段階から、できるだけその期間内に実施設計を上げてくれるよう業者にお願いをしてまいってきたところでございます。　しかし、先ほど来申し上げておりますように、よりよい学校をつくるという基本的な、根本的な問題に戻ったときに、さまざまな提案をされてきたときに、それをプロポーザル審査委員会に諮って、いかがなものでしょうかということでやっていかざるを得ない部分がございました。そうはいいましても、18年の４月１日開校ということがございますもので、私どもも、設計業者の皆さんと鋭意詰める中で、できるだけ早い段階で設計を示していただきたいということでやってまいりました。　その中で、木材をできるだけ県産材にしたいということがございますもので、それをするにはどうしたらいいかということで、先ほど来申し上げましたように、全体で使う木造のうち、初めの段階で使うようなものについて必要な部分、いわゆる構造材等々でございますけれども、そういった部分について示せるような部分についてはできるだけ早く示してほしいということでやっているところでございます。　　　　　　〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番（高橋宏　君）そんなに時間がかかるような会社に頼んだことが間違ったのかなと、今は思っています。しかしながら、18年開校、43億円の事業費の中で全部調達し、そして、生き生き輝いた子供たちの目を見、そしてあすへ向かっていく力強い創造をするときに、この工期内、そして金額は間違いなく43億円以内、18年４月開校、これに向けてできるのかどうか。知事に御所見をお伺いいたします。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）その実現に向けて引き続き努力をするところでございます。　　　　　　〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番（高橋宏　君）次に、青少年問題に少し触れさせていただきます。　実は、もう少し時間があると思って原稿をたくさん書いてあったんですが、要点のみ質問いたします。　私が９月の議会の中で青少年育成条例をやったらどうかという提案の中で、社会部長は、スリーパワーでやっていきます、そして、今までもやってきました、これからもやっていきたいと、こう答弁をいただきました。そして、いよいよ来年度の予算になったら、いわゆる青少年の関係の事業を３件削る、あるいは人員を削減するというふうになってきたわけです。　実は、教育というものは余りせっかちでやっちゃいけないという、「せっかちな思想」というのを石川啄木が今から90年前に言っているわけです。余りせっかちにやってはいけませんよと。だから、しっかりやりなさいというようなことを言っているんだけれども、それを読む時間がなくなりました。　そういうことで、やはり人を育てるのは森の木を育てるのと一緒だと。百年の大計は必要だと。あるいは、三つ子の魂百までとある人に言ったら、それは神話だと言われましたが、能力はなるほど１歳以内にできるんだそうですが、家庭のしつけというのは大変、先ほど委員長が得々と、長野県の中で家庭教育の大切さを訴えておるわけです。あるいは、地域の中での社会教育が大切だ、地域連携で青少年はしっかりやってほしいと、こういうことを言っているわけです。片一方では、予算は削りますと。　それでは、今まで予算も削ってもいいような仕事だったんですか。今まで、そんな程度の仕事を一生懸命やってきたんですか。これは大事ですから、いわゆる地域の教育としては絶対大事だから、これはだめだとなぜ言わないんですか。そのくらいの仕事をやってこなかったから言えなかったのかどうか。社会部長に御所見をお伺いいたします。　　　　　　〔社会部長堀内清司君登壇〕 ◎社会部長（堀内清司　君）お答えをいたします。　青少年関係事業の廃止についてでございます。　私ども県行政につきましては、最小の経費で最大の効果を上げて、また、県民益を生み出すために、毎年、事務事業の見直しというものは全庁的に行っているところでございます。　御指摘の今回の見直しの対象になりました青少年関係の事業は３点ございます。昭和54年度から行っておりました家庭のしつけ講座の事業でございまして、これは市町村が実施する家庭のしつけ講座受講者に対して配布するものでございました。そしてまた、平成６年度からジュニアリーダー研修会ということで、長野県子ども会育成連絡協議会へ委託を行って、１泊２日の研修事業を行ってきた。それから、平成８年度から実施しておりますレッツちゃれん児21という事業がございます。長野県子ども会育成連絡協議会へ委託しまして、県下10地区で行っていただいたというような中身です。　これらの事業につきましては、一定の期間実施してきたと、また、その次に、自分たちがやっていけるというものもあるということで、事業の目的を達したものもあるし、また、教育委員会でこのような類似事業も行っていることもあるじゃないかということで、事務事業の見直しを図ってきたという状況でございます。　そしてまた、人の削減と言われた件でございますが、青少年健全育成にかかわる事業を行うために、青少年指導員、信州洋上セミナーの廃止に伴いまして事務量が減少したということもありまして、順次削減をしたところでございます。　現在は、自主性なり、創造性、社会性を伸ばすための事業として、より効果が上がる青少年健全育成事業につきまして検討しているところでございます。　これからも、知事部局、教育委員会、警察本部ともに、スリーパワーを中心に青少年健全育成に取り組んでまいりたいと考えています。　　　　　　〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番（高橋宏　君）御答弁をいただきましたけれども、それでは、この次のことについても含めてですが、社会部長は、どうしてもこれだけは必要だと。例えば青少年推進員、あれは地域で言えばコーディネーター。これにかかわっているいろんなたくさんの団体があるんですよ。その調整をする人まで削るというんですよ。先ほどスリーパワーと言葉では言っているけれども、実質の伴わない事業、そういうものを削っていくということですよ。だから、青少年対策は大切だと口では言っておきながら、さっき教育委員長様が言いましたね、そういうことを片一方ではどんどん切っていくということは私は納得いかない。　それで、知事に少しお伺いいたします。　先般、知事は、長野市の病院に行くときに、お母さんとお父さんが一緒に行ったそうですね。これは、どんなに偉い知事であっても、子供は子供、親は親としての心配から、あるいは配慮から、きっと同行をされたと思います。これが、小さなというか大きいというか、家庭教育の原点なんですよ。　先ほど教育委員長も申し上げましたように、家庭教育は大切だと言っておるわけですから、その辺のところ、青少年の健全育成を含める中で、知事は会長も務めておられる。そして、この間、上田の大会に知事さんが来てくれればいいなと子供たちが言っていた。どうしても都合で見えなかったわけですけれども、残念でした。そういう知事の思いやり、あるいは行動することを子供たちに示して、そして頑張っていただきたいなと私は子供たちに激励をしてきました。　そして、このことの中で、今簡単にスリーパワーでこれからやっていきますと言ったが、45年以来、30有余年が過ぎたこの組織を改めて検討し、そして組織体制をしっかり固め、そして子供たちが自発的に参加できるような、あるいはまた、それぞれのリーダーが、もし事故があった場合責任がリーダーにいくんじゃなくて、社会全体でできる保険制度の充実なり、そういうものをやってこそ十分な応援ができるんじゃないでしょうか、青少年をしっかり育てることができるんではないかと私は思うわけでございまして、ぜひ知事の御所見をお伺いいたします。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）病院に行きましたのは、私、県内ではなるべく車を運転するなと言われていまして、県内ではしたことがなくて、タクシーではなく、父親の運転する車で行ったわけでございます。　今、議員おっしゃられましたように、まさにそれぞれの、コモンズの原点は個人でございますが、その個人が集う家族といいますか家庭というものがあるわけでして、青少年のしつけとおっしゃられたと思いますけれども、というものもコモンズの原点である家族によって行われていくことでございます。それぞれの家族は、他方、それぞれ所帯を構えている家族に関しては皆尊重しなくてはいけないわけでございまして、ただ、それが社会全体として見たときに、そこの家族の原点でのしつけがどうかということは多く議論するべきだとは思います。そうした中で全体の組織ということも見直していかなくちゃならないんじゃないか、あり方ということも見直さなくてはいけないんじゃないかと。　県は、啓蒙、啓発ということだけでは、なかなか社会の、まだ気づかぬ人たちが覚せいし行動するわけではないということを言っておりまして、これが新たなコモンズからの改革でございまして、この観点で青少年の問題というものもとらえるべきだと思います。　もちろん、もとより私たちは、教育ということ、社会部というところの範疇にとどまらず、これからの時代を担う青少年がより人間的であるという社会をつくるということは重要だと思っておりますし、そのことは私たちの役目でもあると考えております。　　　　　　〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番（高橋宏　君）今、知事からお答えをいただきましたけれども、これは担当委員会でしっかりまた議論をいただきたいというふうに思います。　次に進めさせていただきます。　来年度の予算に関連してお尋ねをいたします。　現在、県庁を挙げて、職員の皆さん方は平成16年度の当初予算編成に向けられて作業を進めており、田中知事には陣頭指揮で当たられていることと思います。　さて、県では、11月に平成16年度当初予算編成方針を策定され、公表されましたが、14年度当初予算の編成から、予算編成の基本的な考え方を全庁的に徹底しながら予算編成を行うために、副知事をキャップとする予算編成会議を設置し、予算編成に当たられております。15年度からは、財政改革推進プログラムの策定に伴い、予算編成会議を財政会議に改組しておられます。　そこで、平成14年度、15年度、そして16年度と、予算編成会議及び財政会議の開催状況と、そこでの検討内容について副知事にお伺いいたします。　次に、平成16年度当初予算編成を見ると、これまでの予算編成とさほど変更はなく、余り工夫されなかったのか。田中知事就任以来、予算編成方法が固まってきたということなのかわかりませんが、14年度以来掲げられている予算編成の基本理念であります戦略的資源配分、県民への説明責任、各部局の主体性と責任の強化という３点について、この３カ年で実際どのように徹底されてきたのか。副知事にお伺いいたします。　　　　　　〔副知事阿部守一君登壇〕 ◎副知事（阿部守一　君）予算編成に関連したお尋ねにお答え申し上げます。　まず、財政会議の開催状況等についてでございますけれども、財政会議あるいはその前段の予算編成会議につきましては、財政改革を進める上で関係部局長の認識を統一することが必要ということで設置いたしたわけであります。　財政改革推進プログラム、この２月に策定したわけでありますが、プログラムの策定に向けましては、一つは、基本的な考え方を統一すると。先ほど予算編成方針にも触れられておりましたけれども、そうした中に掲げられております真に必要な分野への戦略的な資源配分でありますとか、県民への説明責任の遂行でありますとか、そういう考え方を徹底するという観点から、あるいは現在の厳しい県の財政状況を各部局長が共通認識を持っていただくというような観点から、数回にわたって開催してきたわけであります。　今回、来年度に向けての取り組みといたしましては、今お話の中にもございましたが、私ども、今、財政改革に向けて鋭意プログラムを踏まえた取り組みをしておりますので、大幅な考え方の変更はいたしてきておらないというようなこともありまして、基本的に、予算編成方針の策定等に当たりまして財政会議を行いまして、財政状況の現状の再確認、あるいは編成方針の基本的な考え方の確認等を行ったところであります。　それに関連いたしまして、予算編成に工夫をしてきていないのではないかというようなお話がございました。　今申し上げましたように、基本的な考え方、これは、財政改革基本方針あるいはプログラム、あるいはそうしたものに基づいて予算編成方針をつくっておりますので、これは、私ども、今の時点で基本的な考え方を動かす必要はないだろうというふうには思っております。ただ、しかしながら、もう少し具体的な話になりますと、現場の職員からもどうも現場の声が予算編成に反映されていないのではないか、あるいは現地機関の声が十分届いていないんじゃないかというようなお話もございましたので、来年度の予算に向けては、職員あるいは現地機関から直接その提案を受ける制度というようなものもつくっているところでありますし、かなり提案も今の時点で出てきているところというふうに聞いております。　それから、県民参加での政策形成というようなことも企画を中心に行ってきておりまして、県民と私ども職員がともに政策を練り上げるというようなことも、厳しい財政状況でありますが、予算編成の中に盛り込んでまいりたいというふうに考えております。そうした中で、基本的な方針はそのままではありますけれども、さまざまな形で工夫を凝らしながら、より県民のニーズ、あるいは現地機関のニーズを踏まえた予算編成に努めているところでございます。　以上でございます。　　　　　　〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番（高橋宏　君）ただいま副知事からもお話がございました。直接事業の提案制度と伺って、今度の予算編成をしているということでございます。予定では、既に経営戦略局のヒアリングが終了しているころだと思いますが、この提案事業の状況と査定状況、進捗状況について経営戦略局長にお伺いしますとともに、現在進行中の来年度の予算編成をどのように評価されているか知事にお伺いいたします。　　　　　　〔総務部長兼経営戦略局長宮尾弘行君登壇〕 ◎総務部長兼経営戦略局長（宮尾弘行　君）新規事業等の直接提案の件についてお尋ねでございます。　提案につきましては、11月18日までの募集期間ということで、大変たくさんの応募がございました。募集結果を申し上げますと、職員の個人あるいはグループから111件、そして現地機関の長からも46件、合わせて157件の提案がございました。　これを、今、財政改革チームの方で整理をし取りまとめておりまして、これをもちまして、早速、提案意見の一覧表、提案、これを整理したものを知事の方へ申し上げ、御相談し、さらに、早速12月、この県会最中にもかかりますけれども、提案事業の知事ヒアリングを順次実施していくスケジュールとなっております。それを踏まえて、また各部局で予算要求、あるいは見積書の調整と、今こういうスケジュールで取り組んでおるところでございます。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）先ほど阿部からも申し上げましたように、財政改革プログラムが既にでき上がっておりまして、この枠組みは平成16年度に関しましても堅持していく形でございます。

　今、総務部長の宮尾、経営戦略局長も兼務いたしております宮尾から申し上げましたように、主要事業のヒアリングを行い、この枠組みがあるわけでございまして、その中で長野モデルとしてどのように効率的に実現していくかということだと思います。　と同時に、従来から私どもが目指していた社会の一つの文章化した体制としてコモンズという形を掲げておりますから、そのすべての事業も、コモンズというものによって微調整をするというようなことではなくて、すべての事業の発想の原点、あるいは予算の形をコモンズというところからどうとらえるかということを、各部局長にも改めて考え直すようにということは伝えております。　こうした中では、枠組みを堅持し、長野モデルをどのように効率的に実現していくかということはあるにしても、より県民の皆さんに、今後の予算によって、あるいは事業の内容によって、コモンズがこういう形をつくり上げていくのだということが目に見えるような予算策定を心がけたいと思っております。　　　　　　〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番（高橋宏　君）最後に、土木部長にお尋ねいたします。　ダムは…… ○議長（小林実　君）高橋宏議員に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたので発言を終了願います。 ◆45番（高橋宏　君）ダムの中止を含めた中で今までの計画を実行したらどうか。お伺いいたします。　　　　　　〔土木部長小市正英君登壇〕 ◎土木部長（小市正英　君）お答えをいたします。　今、ちょっと質問が最後で、ダムを中止したら、今までの計画でというお話、多分、浅川の河川改修についてという御質問でございまして、従来、ダムと河川改修を組み合わせたときの河川改修の計画をそのまま実施したらどうだというような意味合いの御質問かと思いますが、今回、定量的ないわゆる治水対策としましては、きのうも申し上げましたが、ため池と河道内外の遊水地、それから河川改修というものをそれぞれ位置づけをいたしまして、それぞれで分担をするということにしております。今、それぞれの分担の能力をどういう形で位置づけができるのか、その流出解析等を実施をしているところでございます。　そういう中で、河川改修で持つ分につきまして、現状では、基本的に50分の１確率程度を確保できるべく河川改修で対応したいということで一つの流量を出してございますが、それだと以前の計画より少し大きい状況になってございます。それ以外の対策等のいわゆる調整能力等も含めまして、今後検討していきたいというふうに思っております。 ○議長（小林実　君）昼食のため午後１時20分まで休憩いたします。　　　　　　　　午後０時20分休憩　　　　　　　　─────────────────── 　　　　　　　　午後１時22分開議 ○副議長（倉田竜彦　君）休憩前に引き続き会議を開きます。　続いて順次発言を許します。　西沢正隆議員。　　　　　　〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番（西沢正隆　君）廃棄物対策について質問をいたします。　南安曇郡豊科町の廃棄物処理施設計画を見直し、中信地区・廃棄物処理検討委員会が発足し、施設の立地場所の絞り込みのルールを盛った最終報告書を知事に提出し、その後継組織として、候補地選定作業を行う中信地区廃棄物検討委員会がことし４月に立ち上がりました。　そして、６月には県の廃棄物に関する条例案づくりのアドバイザーに３名を委嘱し、会合を重ねてきました。　11月の検討委員会で、新条例との整合を図るため猶予が必要という知事名の文書により、廃棄物処理候補地の選定のための戦略的環境アセスメントの議論が中断している状況であります。　知事のことしの２月県議会の答弁で、ゴミ弁連の会長を務める弁護士で理学博士の梶山正三氏、また環境総合研究所の青山貞一氏、また現在、中信地区の委員会をお務めいただいております東京工業大学の大学院教授の原科幸彦氏らとともに、県民意見も聞きながら、産業廃棄物処理にかかわる条例を早期に制定をしてまいりたいと思っております、条例内容としては、県民との協働による廃棄物の適正処理、紛争解決の仕組み、また、これまで行政指導としてきた手続の条例化、自社廃棄物に対します規制の強化、また立ち入り権限の強化、新たな課題への対応、こうしたことを盛り込む方向で、既に３名の方からは委員就任に御内諾をいただいておりますと、こういう答弁があったわけでございます。　このように、条例制定の委員、現在、アドバイザーが３月に内諾を得ているにもかかわらず、６月には、そのうち２名を委嘱し、原科委員長のかわりに北村喜宣上智大学教授を委嘱されました。原科委員長が内諾されたのに、なぜ、６月まで延ばして、かわりの北村氏を委嘱したのか。その理由を知事にお聞きします。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）御存じのように、原科幸彦氏は横浜在住なんでございますが、中信地区の委員会のために月２回ほどもお越しになったり、その準備ということがございます。この点も、長野県の今まで１回１万3,500円という金額のもと、お越しになられ、原科氏は非常に環境面において高く評価されておりますので、全国の多くの機関や自治体からも仕事の依頼があり、こうした中で、かなり手いっぱいであり、そして戦略的アセスというところにも力を注ぎたいという中において、勘案をして、北村氏を新たに選んだものであります。　　　　　　〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番（西沢正隆　君）現在とまっている検討委員会の皆さんの言葉でございますが、条例アドバイザーとの議論のすり合わせがない、県の政策部局とのかかわりがよくわからない、アドバイザーグループという存在の位置づけがわからない、アドバイザーに検討委員会結論を理解してもらう、条例に２年間議論してきたことを考慮してほしい、早い時期での合意形成があってもよかった、住民参加の視点がないということで、検討委員会の皆さん、最後の検討委員会の議事録を見ると、このような言葉を言っております。　また、原科委員長はアドバイザー側と意見交換を求めておると、そういうことも報道をされております。　アドバイザーの梶山弁護士は、検討委員会との整合性をとる必要はないと言っております。しかし、生活環境部長の答弁では、整合を図るため委員会審議を中断していますとのことです。　そこで、この双方の意見交換をする場所は今後あるのか。生活環境部長にお聞きします。　　　　　　〔生活環境部長大塚武雄君登壇〕 ◎生活環境部長（大塚武雄　君）お答えをいたします。　今議会で何回かお答えをいたしましたように、条例につきましては、県民にとって非常に大切な条例であるということでございまして、この条例を策定するためには、議員が今お話がございましたように、ほかの検討委員会とのすり合わせということが部分的に必要な部分が出てまいっております。　したがいまして、中信地区については、その整合を図るために今アセス部会の方は休止をしているという状況でございますので、私としましては、この中ですり合わせが必要な部分があるだろうというふうに考えているところでございます。　　　　　　〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番（西沢正隆　君）今、今後は必要であるという御答弁なんですけれども、アドバイザーの皆さんはそう求めていないんですが、あれだけ、１年10カ月、検討委員会をやってこられた委員長は、やはり自分の思い等を言いたい。そういう場を設けて、それで条例につなげていっていきたいという思いが伝わってくると私は思います。ぜひ、これは生活環境部長が調整をして、その場をつくっていただきたいと思います。　廃棄物処理施設検討委員会の最終報告の戦略的環境アセスメントの進め方のとおり、条例が今とまっているんですけれども、今後、条例が成立する、これも議会承認なんですが、仮に成立した後に、その報告書どおりアセスメントの進め方を行っていくのか。この件について生活環境部長にお聞きしたいと思います。　　　　　　〔生活環境部長大塚武雄君登壇〕 ◎生活環境部長（大塚武雄　君）お答えいたします。　今、議員からお話がありましたけれども、仮に条例が通ったということのお話でございます。　その条例等をにらみながら必要な部分についてはやっていく必要があると、こんなふうに考えているところでございます。　　　　　　〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番（西沢正隆　君）条例の内容いかんではこの進め方というものが大きく変更するのか。その辺に関しまして知事にお伺いしたいと思います。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）もちろん、条例に関して御議論をいただくわけでございます。その内容に関しては、まだこれは詰まっているところではございません。その内容いかんによってはその進め方が変わるということは、これは可能性としてはあり得るということでございます。　恐らく、先ほどの梶山委員等がおっしゃっている整合性を図る必要はないというのは、唯我独尊ということではなくて、最初から何か落としどころありきのような議論をしようということではないという意味で、それぞれ確立した専門家でございますし、それぞれがきちんと自分の思うところを述べて議論をしてまとめていきたいという意思表示であるというふうに私は把握しております。　ですから、整合性という言葉が、恐らくとらえ方がそれぞれあるのかなという気がいたします。少なくとも、梶山委員のおっしゃっていることはそのような意味だと私はとらえております。　　　　　　〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番（西沢正隆　君）内容によっては変わる可能性があると。いろいろ県政も二転三転してくるわけなんですけれども、やはり私は、つい最近、条例ができるという中でできたアドバイザーより、１年10カ月、特に住民参加で行われたこの検討委員会の進め方、これは約２億円という予算もかかっておりますし、また、内容も最終的には候補地をアセスメントによって評価し、また県民アンケートをとって、そして最後は知事が立地最終候補地の決定をすると、そういうことでございますので、ぜひ検討委員会の方も尊重していただきまして、そして、知事が音頭をとって、原科さん、また梶山さん、アドバイザーと検討委員会の代表の方の意見交換会をぜひ持っていただきたいと思いますが、その辺のお考えはどのように考えておるでしょうか。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）それは、先ほど言いましたように、各３名のアドバイザーの方も聞く耳を持たずなどという偏狭な方ではないわけでございまして、その必要性に応じてそうした場を設けるということはやぶさかではもちろんないわけでございます。　　　　　　〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番（西沢正隆　君）今、県内の産業廃棄物の状況、県内流入量は、平成11年から、16万トン、18.6万トン、13年は15万トンと減ってきているわけでございます。県外流出は、きのう答弁あったように、11年が14万トン、12年が30万トン、そして13年が29万トンと、そんなに減ってきていないという県外流出の段階でございます。　あと最終処分場の残余年数が2.4年、県内流入は減少傾向にあるんですけれども、流出は伸びています。個人や企業の努力でリサイクル率を上げて廃棄物減量することは大切ですが、限界があります。やはり、知事が目指す、持ち込まず、持ち込めず、いわゆる自区内処理を推し進めていくには、安心、安全な廃棄物処理場が必要不可欠であると思います。　そういう中で、きのう、知事は処分場をつくるかつくらないか言及しなかったんですけれども、それを含めて、今の知事の思っている、まだ廃棄物が多いが、残余年数がもう少ないという中で、今、長野県内で、条例をつくるわけでございますけれども、どういう形で今後廃棄物行政をやっていけばいいか。知事のお考えを述べていただきたいと思います。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）産業廃棄物に関しましては、200万トンを超える自区内処理ということを行ってなお追いつかぬところがあるわけでございます。したがいまして、一般廃棄物も含めて、やはり排出抑制ということ、あるいはリサイクルということを基軸に置きながら、その上で、やはり条例も踏まえて、より住民の方から御納得いただき、安心いただけ、そして環境県長野というものが誇れる処理の仕方、設備ということを見据えていきたいと、このように思っているわけでございます。　　　　　　〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番（西沢正隆　君）この「廃棄物処理計画の概要」、これは長野県で出しているわけでございますが、この計画は変更はないでしょうか。知事にお聞きいたします。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）現在、それにのっとって行ってきたわけでございます。また、その中で、今申し上げたように、自区内処理をしてもなお多くの部分があるわけでございまして、ですから、排出抑制を行いながら条例も設けるわけでございます。この条例、また、それのもとで戦略的アセスも行っていくわけでございまして、こうした中で、最終的に、手続を踏む中で計画が変わってくるということはこれは可能性としてはあるわけでございます。　　　　　　〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番（西沢正隆　君）去年の話なんですが、11月24日、ゴミと地方自治シンポジウムに知事が出席したと。ゴミ弁連の主催でございます。今、アドバイザーのお二方、梶山さん、青山さんも御出席でございますが、脱焼却プラス脱埋め立てという中長期ビジョンを提言したと。また、できる限り燃やさない、埋めない、安易な処理施設を認めないを基本に、全国に先駆けた例のない条例をつくろうということだが、きのうからの答弁を聞いていると、今も計画が変わってくるという可能性があるという話でございますが、処分場をきのうはつくらない、絶対つくるということは言わなかったんですが、その言わなかった理由というのは何であるかということ、そしてこの提言、先ほど言ったお二人、このゴミ弁連から言われた提言についてお聞かせ願いたいと思います。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）私が苦い話し合いと当初から申し上げているのも、恐らくこの議場におられる方も含めて、ごみのそういう施設が数多くできる、あるいは御自分の近隣にできるということをはなからお認めになったり、お望みになる方というのはいらっしゃらないと思うんですね。　そうした中で、やはり私たちは、施設をつくることがまず目的になったり、それができれば足りるということではなくて、先ほど青少年の問題のときでもお話があったように、皆さんと一緒に意識を変えていくという中で、排出抑制をしたり、分別をしたり、リサイクルをしたりということが大事なわけでございます。　そしてまた、そうしたことを行ってもなお、まさに完璧なゼロエミッションということはなかなか難しいわけでございまして、その中において、きちんと意欲のある適正な業者の方を社会的にきちんと認めて、ともに歩んでいけるために今度の条例をつくろうとしているわけでございます。まさにそれも、条例をつくるありきじゃございませんし、施設をつくるありきではないということでございます。　そのシンポジウムで私が述べましたのも、やはりそういう原点に戻って、排出抑制やリサイクルや分別、そうしたことを行おうということを述べているわけでございます。　したがいまして、私たちのそうした意味での方針というものに揺らぎはないわけでございます。　　　　　　〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番（西沢正隆　君）今の解釈ですと、何か、つくらない、つくらないありきではないですけれども、そんな感じが受けとめられます。　先ほど言った検討委員会、１年10カ月、この皆さんの報告書というのはどうなるんでしょうか。知事が諮問してやられた委員会でございます。本当に今、その報告書を得て、その後継の検討委員会で話し合っているわけでございます。そういう中で、この検討委員会をむだにするか、むだにしないか。その辺のことをお聞かせ願いたいと思います。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）きのうも申し上げたと思いますが、そうした住民の方々も参加しての委員会という中で、まさに中信地区において大規模な施設ということではなくて、もっと地域分散型ということを目指そうという形になり、そして、そこに戦略的アセスという考察を加えるべきではないかという議論になってきているわけでございます。　つまり、委員会を行う中で考え方がそのようによい意味で進化してきているわけでございまして、また、さらに、戦略的アセスを行おうという委員会を行う中で、私自身も、きちんと業者と協力し合って、あるいは住民と協力し合える廃棄物の処理、抑制ということのために、やはり全国に先駆けての条例というものを設置していくべきだという考えに至ってきて、これは原科教授からも御理解をいただいているわけでございます。　ですから、今議員がおっしゃられましたように、私たちのそうした委員会での議論というものが今日に至っているわけでございまして、私が諮問した委員会を軽んじているのではないかとか、そういうことには当てはまらないと思っております。　　　　　　〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番（西沢正隆　君）2.4年、残余年数でありまして、もう待ったなしでございます。それで、毎日毎日、廃棄物が出てくる状況でございます。その中で、条例、２月なんですが、でも、それと同時に、その対策も兼ねていかなければいけないと私は思うわけでございます。ですから、検討委員会の報告書、答申というものは、明確というか、それに沿ってやって、今後も廃棄物計画にのっとって計画をしていっていただきたいと思います。条例も、長野モデルのものにするよう期待をしております。　次に、先ほど高橋議員から、泰阜村に住民票を移した件について質問があり、また答弁があったので、長野市長の新聞報道については割愛させていただきます。　知事の行動を放置すれば、例えば税金の安いところや選挙支援のため、行動というのは泰阜村に移動したということですが、生活の実態がないのに住民票を移す住民があらわれる可能性もあります。小林利一議員の質問に、私の信念に基づいてやっている、国会議員の方々、単身赴任の方々もそう、いずれにしても住民票の移動は泰阜村の心意気を高く評価してのことだと答弁をされています。だれだれが同じだからよいという論法は責任転嫁であり、長野県のトップである知事があえて混乱を起こす行動をしないでほしいと思います。　そこで、知事レポートにもありますが、生活の根拠というのはどういうことか。お聞かせ願いたいと思います。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）まさに、自分がコモンズの一員として住民であるよりどころの場所ということであります。　　　　　　〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番（西沢正隆　君）３カ月で３日の滞在という、コモンズとは別で、生活の根拠というのは泰阜村にあるとは言えないと思います。　今後、長野市と泰阜村と課税権を協議するが、協議が調わないときは、住民基本台帳法第33条により、都道府県に対しこの決定を求める旨を申し出なければならないのであります。　そこで、今回、協議が調わないときはどのように対処するのでしょうか。田中知事にお聞きいたします。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）表現者を含めた周囲の方々が、その件に関していわゆる何といいますか、部分的にかまびすしくお話になっていらっしゃる気もいたします。　具体的にそのような協議というか話し合いが行われているということも聞いておりませんし、仮定のお話にお答えする立場になかろうと思います。　　　　　　〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番（西沢正隆　君）そのときのためによく考えておいていただければと思います。　泰阜に移住することは自由であります。しかし、県庁へ通うことは不可能ですし、土日だけ帰ることも現在の知事の日程からは困難でしょう。知事在任期間中で泰阜村に生活実態をつくることはできないと思います。私が考えるに、泰阜村を愛し、村民になるならば、居候ではなく、家を買うか、もしくは賃貸住民で住むか、そうでなければ本当の泰阜村民じゃないと思います。いつもの思いつきで住民票を移動したとしか思えません。　コミュニティーは、そこに住む者がお互い助け合い、そしてお金を出し合って社会基盤の整備を行い、構築をしていきます。その集合体が市町村であります。やはり、生活基盤のあるところに住民税を納め、ごみ収集を初めとした施策の恩恵を受けることが自然の流れであります。それを指導する立場であるのも、長野県を統括し代表する知事の役目であるとも考えます。今後の協議に注目いたします。　現在、長野県各保健所、長野市保健所に届け出をしているあんま、マッサージ、指圧、はり、きゅうの施術所は1,193カ所、施術者は404名登録されております。これら施術者は、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律により、マッサージを初めとするこれらの行為を第三者に施して施術料を受けるには、当然、国家資格が必要となります。　昨今、このような国で認めた医療資格を持たない無資格者による治療行為が行われています。もちろん、これは医師法違反であります。例えば足裏マッサージ、アロマセラピー、カイロプラクティック、整体エステなどは、国から医療行為を認められてはおりません。これらの医療行為の学校は、国から医療行為を認められてはいないため、修了しても国家資格の取得はできません。　また、あはき法により医療資格であるはり、きゅう、マッサージなどには広告などの宣伝の制限をされていますが、足裏マッサージなど無資格医療には広告などの制限などはありません。よって、派手な広報戦術を行っているところもあるようです。

　そこで、県として、資格取得者と無資格者を区別するような対策はあるか。衛生部長に御所見をお聞かせ願いたいと思います。　　　　　　〔衛生部長菅谷昭君登壇〕 ◎衛生部長（菅谷昭　君）議員御指摘のとおり、近年、あんま、マッサージ、指圧師、それからはり師、きゅう師のほかにも、カイロプラクティックや整体、また足裏マッサージなど、業務の内容が混在しているものが増加してきておるところでございます。これは、法律におきましてマッサージなどの医業類似行為業務の範囲が明確化されていないことが大きな要因と考えておりますが、国に対しまして法律の解釈を伺いましても必ずしも明確な回答がないのが現状でございます。　このような状況から、あんま、マッサージ、指圧、はり、きゅう等に携わっておられる方の中には、多分、議員も御指摘されると思いますけれども、生計的にも圧迫されていると伺っており、そのような意味で明確化する対策が必要と考えております。　この対策につきましては、まず、あんま、マッサージ、指圧師等の業界の方々が、有資格者であることを証明する会員証等の発行などを御検討いただくことが必要じゃないかと考えております。県では、業界から相談がなされた場合には御助言をさせていただくなど一緒に考えていくほか、施術所、あるいはまた治療院の開設の届け出をした方に、県民の皆様にわかりやすいように届け出済み証明書の発行など、そのようなことを県が考えていきたいと思っております。　以上でございます。　　　　　　〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番（西沢正隆　君）次に、長野県警は長野県警察緊急治安対策プログラムを発表しました。その中には、犯罪発生件数は平成３年から11年連続で著しく増加し、平成13年には約３万4,000件と戦後最悪を記録したとあります。このプログラムは、今後３年間を目途に犯罪の増加傾向に歯どめをかけ、長野県が誇った良好な治安を回復すると述べております。　先日、平成13年犯罪件数32万の全国ワーストワンで、１年で8.2％犯罪が減少した大阪府へ、犯罪防止対策について視察に行ってまいりました。一つの例でありますが、大阪府和泉市での市民との協働で犯罪防止対策を行っている例を御紹介します。　防犯キャッチャーとして700名の市民に登録を行ってもらい、事件が起きた際、その登録者の携帯電話のメールへ情報を提供するというシステムです。もちろん、市民との信頼関係のもとに行っているようでありますが、例えば銀行強盗が起きて、犯人の風貌や逃げた方向、車種、ナンバー等、できる範囲の情報を提供し、目撃者は即情報を返信するというものです。このようなシステムの目的は、犯罪を犯しづらい環境をつくることが一番の目的であるようです。あの犯罪の多かったニューヨークでも、落書きのような軽犯罪から摘発することで、軽犯罪とともに大きな犯罪が減少していったとも言われております。　そこで、和泉市の例のような、長野県でも防犯キャッチャーのようなシステムを試験的に導入することを提案するが、警察本部長の御所見をお伺いいたします。　　　　　　〔警察本部長岡弘文君登壇〕 ◎警察本部長（岡弘文　君）ただいま、議員から大阪和泉市の例を挙げていただきまして、携帯電話などを活用いたしました住民への犯罪情報提供について御提言をいただきました。　それぞれの地域で発生しました犯罪の具体的な情報をそこに住む皆さんに適時適切にお伝えするということは、住民の皆さんが犯罪に強い町づくりをしていく上で大変お役に立つものであると私どもも考えております。　本県警察におきましても、既に本年４月から、従来の一般的な防犯広報に加えまして、県警のホームページ上に、市町村別に、それぞれの市町村で発生いたしました犯罪の情報を掲載し始めました。住民の皆さんの身近なところで発生している車上ねらい、ひったくり、空き巣などの情報を中心に、できるだけ早く提供するとともに、これに対する防犯対策についてもお知らせしているところであります。　４月以来、11月までに５万件以上のアクセスがございました。ただ、まだ始めたことに意義があるという段階でございますし、先ほど御紹介いただきましたような形ほどに早くはなっておりません。今後、できるだけ迅速に、また詳しく提供できるよう充実に努めてまいります。　また、現在では携帯電話からのアクセスはできない状況でございますので、これにつきましても、携帯電話からのアクセスも可能となるよう検討していきたいというふうに考えております。　　　　　　〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番（西沢正隆　君）平成16年度予算編成もかなりおくれているとの新聞報道がありました。県民参加はおろか、職員との意見交換不足も指摘されているとも言われております。何でこんなにずれ込んだか、知事自身が十分承知されていると思います。期限は決まっておりますので、予算案を決定し、我々に教えてください。そして、夢と希望が持てる、元気が出るような予算編成を望みながら、質問を終わりたいと思います。 ○副議長（倉田竜彦　君）次に、塚田一議員。　　　　　　〔44番塚田一君登壇〕 ◆44番（塚田一　君）私は、ある高名な方に全国流通の小雑誌「噂の真相」でお手厚い侮辱的な御紹介をいただきました塚田一なる旧県政会、前創新会、現緑新会所属の県会議員でございます。15分間いただきましたので、これからお願いを申し上げます。　まず、スペシャルオリンピックス、すなわち知的障害者のスポーツの祭典について伺います。　この県内で開催されるというのに、私だけでしょうか、何もわかっておりません。どう解釈したらよろしいのでしょうか。　昨日、スペシャルオリンピックスの実行委員会の理事長盛田英夫氏がごあいさつに見えました。それはそれで結構ですが、内容については何もわかっておりません。　そこで、改めて伺います。これは社会部長に伺った方がいいかと思います。　スペシャルオリンピックスの主催者はだれですか。共催者はだれですか。協賛団体はだれですか。そして、県はどのようにかかわるのでしょうか。そして、理念、構想、体制、規模、競技内容、参加予想人員、受け入れ態勢はどうなっておるか。さらには、開催の経費、あるいは財源はどうなっておるか。お知らせをいただきたいと思います。　さらには、余計なことになるかしれませんが、必要なボランティアの確保はできる見込みですか。ボランティアについては、きのうの報道では大幅に不足と報じられております。そして、来月15日まで募集期間を延長するとなっております。ボランティアの任務は、選手の宿泊補助、競技場内における誘導。本番の大会では一体何人必要になるか。そこらのあたりもお聞かせいただければと思います。　次に、県の組織及び人事について伺います。　これらについては、きのうまでに、平野議員、木内議員、木下議員、髙見澤議員から質問されたところでありますので、私の聞きたかったことはお聞きしていただいた面もありますので、なるべく重複を避けたいと思います。多少の重複は御寛恕願いたいと思います。もう、余計な形容詞は省略し、端的に伺います。　まず、組織について。　総務部長と経営戦略局長との兼務は物理的にも心理的にも無理ではないか否か。お伺いしたいと思います。　従来の県政においては、所掌的には旧総務部の範囲の仕事ではありますので、決して無理とは言えない職掌範囲かもしれませんが、田中県政の状況下においては過重と断定せざるを得ません。人の能力や体力にはおのずから限界があると思います。前経営戦略局長の二の舞をさせないためにも、兼職せずに分離して、おのおのの職務に専念していただくということがベターかと判断しますが、いかがでしょうか。　人材は豊富にいるはずです。人間の酷使、使い捨ては困ります。経営戦略局内のチームも６チームに上っております。特に、公共事業改革チームは、今、過重な負担を強いられていると言わざるを得ません。　次に、経営戦略局という呼称について、呼び方について。　戦略とは、戦うための方法、策略を意味すると思います。一体、県政はだれと戦うのですか。だれにチャレンジし、だれを仮想敵として想定しておるのですか。もし戦うということが本当なら、戦いの中からは平和は生まれてきません、と私は思います。　別に、私が懸念していることは、県職員の皆さんの士気の停滞であります。一連の動きを見ますと、官は悪であり、民は善的な単純なきわめつけであります。国、県、市町村の職員はおくれている、意識改革をしなければと、どなたかが口ぐせのように言われておりますが、全否定をされては意気は上がりません。官にも悪さはありますが、同時に民にも悪さはあります。決めつけは避けるべきだと思います。もちろん、過ちは正していかなければなりませんが、全否定的な対応は困ります。士気の停滞は公務執行に大きく影響して、県益ももたらさないと考えますが、いかがでしょうか。　また、人事異動が激し過ぎないか。　地に足のついた仕事ができないような状況をつくり出しておる。その上に荒っぽ過ぎると思います。主たる事例を申し上げますと、前経営戦略局長は体調を崩し１カ月以上も欠勤が続いておるのに、復帰のめどさえ立っておりません。前市町村課長は、総務省から出向された者でございますが、栄村へ飛ばされました。数カ月前には、本庁のラインの部長がわずか３カ月で地方事務所に配転されました。このようなことは枚挙にいとまがありません。　ただいま、三つのケースをたまたま挙げましたが、一つ一つのケースについて、その背景、理由等を御説明いただければと思います。ちょっとよくわかりかねますので、親切にお願いをしたいと思います。　まず、第１回目の質問を終わります。 ○副議長（倉田竜彦　君）塚田議員、答弁者はだれですか。 ◆44番（塚田一　君）失礼しました。今の人事、組織については副知事ないしは総務部長からお願いをいたします。　　　　　　〔社会部長堀内清司君登壇〕 ◎社会部長（堀内清司　君）お答えをいたします。　まず１点目ですが、だれが主催するのかというお尋ねだと思います。　2005年のスペシャルオリンピックスの関係については、主催はスペシャルオリンピックス国際本部というところでございます。主管はＮＰＯ法人2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会実行委員会というところがやっています。　この理事・会長は細川さん、理事長が盛田英夫さんということでございます。　それから、経費は1,700万ＵＳドルとなっています。　それから、来年の２月に行いますプレ大会の関係でございます。主催はＮＰＯ法人ＳＯ日本、共催はＮＰＯ法人2005年ＳＯ冬季世界大会実行委員会でございます。主管はＳＯ日本・長野ということでございます。　それで、この大会の趣旨でございますが、知的障害者の自立と社会参加をも目指しまして、日常的なスポーツプログラムとその成果を発表する場である競技会を提供する国際スポーツ組織ということでスペシャルオリンピックスがございます。日常的なトレーニングから世界大会に至るまでに、いつでも、どこかでこの活動が行われているためにスペシャルオリンピックスという複数で用いられています。　今回の大会について御紹介を申し上げます。　まず、2004年の２月27日から２月の29日の３日間、競技会場は長野市、山ノ内町、白馬村、牟礼村、参加人員が14カ国1,500人、ボランティアスタッフ1,800人で行います。　実施競技及び会場でございますが、アルペンスキーは山ノ内の一ノ瀬ファミリースキー場、クロスカントリーとスノーシューイングにつきましては白馬村のスノーハープ、アイスホッケーは長野市のホワイトリング、フィギュアスケートはビッグハット、スピードスケートにつきましてはエムウェーブ、スノーボードについては牟礼村のいいづなリゾートスキー場。　開会式が長野市のエムウェーブ、閉会式はホワイトリング。　選手村は、長野市の松代ロイヤルホテル等で予定されております。　続きまして、その１年後の2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会・長野の概要でございますが、2005年、平成17年の２月の26日土曜日から３月５日、８日間行います。　競技会場は先ほど申し上げたとおりでございます。参加人員につきましては、約80カ国から選手団3,150人、ボランティア１万人、メディア1,000人。競技会場等につきましては、先ほどとかぶります。開閉会式ともにエムウェーブ。選手村は須坂と高山にあります日滝原産業団地。このときの開催経費、先ほどドルで言いましたが、約28億円というふうに公表されています。　あと（「財源構成」と呼ぶ者あり）済みません、今、手元に資料ございません。　そのほか（「ボランティア」と呼ぶ者あり）ボランティア、御指摘のように、スペシャルオリンピックスという大会につきましては、知的障害者の大会ということで、国民といいますか、県民の皆さんに大変承知していただけないというかＰＲが不足しておりますことは事実だと思います。それで、現在、ボランティア、2004年のプレ大会については先ほど言いましたように1,800人必要なんですが、応募状況が今現在1,100人ということでございまして、これらのボランティア募集の目標数に達していない。これが課題になっているということで、鋭意取り組んでいると。県の支援としましても、12月１日に１人、それから22日付で４名派遣をして、体制整備といいますか支援といいますか、その辺をしていくこととしております。　いずれにしましても、実行委員会では、現在、その大会の具体的な実施内容等について策定しております。今後、その具体的、総合的な支援要請がどういうものであるかということを固めた上で県に要請があれば、それは県としてどうすべきかということを検討していかなければならないと。今の状況はそういう状況です。　以上です。　　　　　　〔副知事阿部守一君登壇〕 ◎副知事（阿部守一　君）組織及び人事に関するお尋ねにお答えしていきたいと思います。　経営戦略局長と総務部長の兼務、非常に大変ではないかというお話でございます。　確かに、二つ組織があるわけでございますので、それを兼ねて務めるということは、当然、単独の部長よりは任が重いという部分はあろうかというふうに思います。しかしながら、現在も、経営戦略局、それぞれの部門ごとに参事を置いて対応しているという部分もございますので、そうした観点から、また年度途中の人事ということもございますので、今回は兼務での対応という形で人事を行ったところでございます。　それから、経営戦略局の戦略、だれと戦うのかというお話でございますが、これは、一般的に、経営を進めたり、仕事を進めたりしていく際の戦略なり戦術といった意味での戦略ということで使っているわけでございますので、特定の相手方といわゆる戦争するとか戦うとか、そういう観点で用いているものではないということで御理解いただきたいと思います。　それから、職員の士気低下が懸念されるという御趣旨のお話がございました。　私ども、組織あるいは人事を考える際には、そうした点についても十分考えていく必要があろうというふうに思っております。　今年、年の初め、４月の異動の際にも、現地機関等との異動、あるいは市町村への派遣といった形で、従前とはやや異なるような人事異動をやっております。それを職員の方々にしっかりと考え方をお伝えしようというような観点から、田中知事からのメッセージ等も送って十分配慮をさせていただいているわけでありまして、また、今現在も人事制度のあり方というものも検討しているところでございますので、引き続き、そうした検討を踏まえて、しっかりとした組織、人事のあり方をつくってまいりたいというふうに考えております。　それから、人事異動が激し過ぎないかというお尋ねでございますけれども、私ども常にいろんな環境の変化等があるわけでございまして、そうしたものに的確に対応すべく、年度途中でありましても必要な人事異動は行っているということでございます。　以上でございます。　　　　　　〔総務部長兼経営戦略局長宮尾弘行君登壇〕 ◎総務部長兼経営戦略局長（宮尾弘行　君）お答えいたします。　最初のお尋ねの点につきましては、私からはなかなかお答えしにくい部分でございます。　そして、２番目、３番目、４番目につきましては、ただいま阿部副知事の方からお答えしたとおりでございますので、よろしくお願いいたします。　　　　　　〔44番塚田一君登壇〕 ◆44番（塚田一　君）スペシャルオリンピックスについては、おおよその財源構成ですね、それがまだお答えないんですが、それは後でいただくとして、副知事にお尋ねしますが、今、長野県で行われているような人事のあり方、これは副知事のいわゆる本家である中央省庁の方では、現実に、このような姿あるいは考え方で行われているものでしょうか。実態をお伺いしたいと思います。　　　　　　〔副知事阿部守一君登壇〕 ◎副知事（阿部守一　君）長野県で行われているような人事、中央省庁でも行われているのかというお尋ねでございます。　幾つか比較すべき点があろうかと思いますが、例えば先ほど申し上げました年度途中での人事、これは、国の場合は基本的に国会終了後に大規模な人事異動等が行われるのが通例ではございますが、例えば私のかつて属しておりました自治省、今総務省になっておりますが、総務省になってからは私籍を置いていませんので自治省ということでお話させていただきますが、年度途中におきましても地方自治体との交流人事が極めて頻繁にございますので、毎月のように、あるいは毎月のうちでも複数回にわたって人事異動が行われるというような状況がございました。　また、先ほど十分説明いたしませんでしたが、長野県は現地機関あるいは市町村へかなり職員を出しております。今まで本庁にずっといたような職員も現地機関に出すというような形でやっておりますが、やはり現場で市町村なり県民の方々と直接触れ合うことを通じて、地方自治の現場といいますか、県政の現場を体験していただいて、それを県政に役立てていただきたいというふうに考えておりますが、私の属しておりました自治省の場合は、私の例で申し上げますと、自治省に採用された、昭和59年４月に私採用でございますが、３カ月だけ自治省に籍を置きまして、その後、直ちに山口県庁に行っております。なおかつ、私の場合は、今まで約20年間公務員生活をやっておりますが、自治省に採用されましたが、その半分以上、自治省以外のところで、地方自治の現場で仕事をさせていただいているということでございまして、私の経験から申し上げますと、そういった地方公共団体で勤務をさせていただきまして、国民の方、県民の方とじかに接する機会、あるいは市町村の方と非常に親しくおつき合いをさせていただく機会を得ることによりまして、国の仕事においても、各省庁との具体的な折衝等に非常に役に立っているというふうに考えております。　そういう意味で、長野県で今進めておりますような方向性の人事異動、国においても行われていると申し上げて差し支えないのではないかというふうに考えております。　以上でございます。　　　　　　〔社会部長堀内清司君登壇〕 ◎社会部長（堀内清司　君）お答えいたします。　2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会収支計画試算でございます。収入が28億円で、内訳としましては、日本国内で企業寄附等で10億、海外で同じく企業寄附等で18億。支出は28億の範囲でやると。　先ほど、最初1,700万ＵＳドルと言いましたが、済みません、後の28億、これが正しいものですので、訂正させていただきます。　それと、この大会に対する長野県のかかわりについてお話を申し上げたいと思うんですが、長野県を初め関係する市町村も2005年ＳＯ冬季世界大会実行委員会には入っておりません。しかし、ＳＯの趣旨が、一人一人の個人が自然にあるがままに受け入れられ、認められるような社会を目指していることから、障害者の自立と社会参加が進み、県民の障害者への理解が深まることが期待されますので、また、県民の皆様がやってよかったという大会にするためにも、長野県としてこの大会を支援する、これが方針でございます。　　　　　　〔44番塚田一君登壇〕 ◆44番（塚田一　君）スペシャルオリンピックスのような大きな大会が、プレ大会にしても来年もう始まるということですが、何か静かで、そんな大きいイベントがこの長野県内において行われるのかというような感じが、私素人ですが感じます。本当に間に合うのか懸念されます。間に合わないで混乱をするとすれば、長野県の恥になるのみならず、過去における冬季オリンピックの成功、あるいはパラリンピックの大成功の栄光を汚す結果になりますので、関係される社会部は特に本腰を入れてお願いをしたいと、そんなふうに思います。これは、要望と申しますか希望と申しますか、申し上げておきたいと思います。　ちょっと蛇足を申し上げますが、これは通告にない面がありますが、いわゆるガチンコ相撲ということでお願いしたいんですが、田中知事は、さきの高知県知事の選挙において、橋本大二郎氏の応援に赴きました。橋本氏は当選４回目であります。田中知事は知事の３選自粛条例の制定を企図されましたが、そういうお考えの方が４選を目指した方を応援するということは大きく矛盾していると感じられますが、いかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。　また、本日の報道によりますと、民主党の内閣の閣僚名簿から田中知事の名前が消えております。選挙の際は使って、選挙が終われば名前が消える、このような菅直人氏の手法についてどうお感じになりますか。お伺いいたします。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）もう既に一番最初の件は御質問にお答えをしていることではございます。再度、念のために申し上げれば、多選自粛条例というものを提案させていただきましたが、議会の過半数を超える方々が、そのような任期で、数字で区切るべきではないという御判断をなさったわけでございます。私は、県民から信託を受け続ける限り、県政改革に邁進をいたしたいと思っておりますし、橋本大二郎氏も高知県にとって必要欠くべからざる人物ということで県民の方々がお選びになったと、このように思っております。　それから（「閣僚名簿」と呼ぶ者あり）民主党の昨日発表になりました役員の人事あるいはシャドーキャビネットと申すものは、まさにそれこそ人事権を有する菅直人氏が持っているわけでございます。いずれの自治体も、企業も、あるいは中央省庁においても、人事権を持っている者がそのことを決めるわけでございまして、その人事権者がそれによって成果をもたらすことが強く求められているわけでございます。　菅直人氏に関しましては、例えば国会の場で、私、過日も資料を読んでいたんでございますが、何とおっしゃいましたっけ、公明党選出の厚生労働大臣は。名前を失念いたしました。この方が、中国のいわゆる残留帰国者の年金の額というものがその間勘案されていないわけでございます。国は３分の１しか見ておりませんので、大変に低い金額でございます。これはやはり、国家的な送り出し、決してよい送り出しではなかったと思いますが、したので、きちんと見るべきではないかと菅直人氏が質問をしたときに、安倍晋三当時は官房副長官でございましょうか、とその厚生労働大臣もですね、北朝鮮に拉致された、お帰りになったという方々に関しては、その間の年金の掛金をしていなかった分を全額国が負担をして、ずっと日本に居住していたのと同じ形にすると。菅氏が、国家的な意図で送り出したような方々に関してもそうしたことを国は行うべきじゃないかと言ったときに、平時と戦時は違うと、平時において拉致されたものは行うが、戦時においてのものは複雑な理由があると言いますけれども、戦時においてこれこそ国家が行ったことではないか、国家が行ったことに国家が責任をとらぬということはいかがかということを言っております。　長野県にも多く中国からの残留帰国者という方がいて、私はやはり、これらの方々は、当時貧しかったということで、県も市町村もあるいは国も、あるいは国が貧しかったということではなくて、国策という美名のもとに送り出したわけでございます。まさに今回の自衛隊に対する敬意と尊敬を払ってと送り出そうなどという言葉がおためごかしなのと同じでありまして、私は、こういったことを国会において、政府側の委員が言うことに納得せず、きちんと反論し提言をしていくという菅直人氏の姿勢に関しては大変熱いものを感じているものであります。　なお、先ほど、お言葉でございますが、栄村に飛ばすというような御表現をお使いになりましたが、私は、これは、逆に言えば県庁に飛ばすというような言葉も日常的に行われるようになれば相互通行でございます。やはりこれは、まさに自治の原点の方々に対する大変失礼なことではなかろうかと。　ちなみに、私の泰阜村でもですね、泰阜村は地震の地だから、そこに知事がいていかがかという御質問が前回あったと思いますが、逆に言えば、この議事堂と県庁舎の真下には活断層が通っているわけでございまして、そのような危険な場所でも県民のために皆様と一緒に奉仕をしているわけでございまして、飛ばすという言葉はちょっと私悲しく思ったところであります。

　以上です。　　　　　　〔44番塚田一君登壇〕 ◆44番（塚田一　君）今お答えいただきましたが、飛ばすという言葉は日常的に官庁でも会社でも使われている言葉ですから使ったまででございます。それについては、もうそれ以上申し上げませんが、日常会話の中にあります。　さて、私も、この前、「噂の真相」でちょっとこばかにされた、そのままで引き下がるわけにいきません。昔の万葉集で言えば返歌、お返しの歌をしなきゃいけないと思います。　さて、昨夜のことでありました。残業のためこうこうと明かりのついた県庁の正面玄関付近を通りかかりました。１枚の丸めた紙切れを拾いました。多分、残業の途中で、禁じられたたばこを吸いに戸外に出た職員がぽい捨てしてしまったのかもしれません。丸められたしわを伸ばして判読してみますと、何やら高名の詩人の詩に似ているような、似ていないような内容のものでありました。まことに興味深い内容のものでしたので、以下、そのメモの誤字、脱字、センテンスの誤りを補正しながら、抄出して御披露申し上げます。　雨ニモマケズ　風ニモマケズ　ヨーロッパカラノ時差ニモマケズ　丈夫ナ心臓ヲモチ　人一倍欲ハカクシ　決シテ怒ラズ　時ニハ弱々シイ声デハナシ　イツモ人ヲワラッテイル　長野市ニハウマイモノガナイトイイ　吉野家ノ牛丼ガ欲シイトイイ　アラユルコトヲ　ジブンヲカンジョウニ入レナイ風ヲヨソオイ　ヨクミキキシワカリ　タレコミノメールヲ重ンジ　ソシテワスレズ　月３回位ハ南信州ヘ遊ビニ行キ　実態ハ豪華マンションニ住ミ　東ニ新幹線ガアレバ　便利ダト乗リ　西ニ辛口常識派ノ市長ガオレバ　ツマラナイコトヲイウナトイイ　南ニアサハカナ村オサガイレバ　一緒ニ住ンデヤルト喜バシ　北ニ相手ニサレナイ村ガアレバ　自立ヲ恐ガラナクトモヨイト慰メ　ヒデリノトキハ基本高水位ヲ超エナイカラ安心セヨトイイ　サムサノナツハオロオロアルキ　ミンナニ将軍様トヨバレ　危機管理ハケイタイガアルカラ心配スルナトイイ　ホメラレモセズ　少シハクニサレ　サウイフモノニ　ワタシハ　ナリタイ　イヤ、ナリタクナイと結んでおります。　これが県の職員のある一定数の方々の正直な感想かななんて思って読まさせていただきました。　時間がありませんので、これ以上もう言及することは避けますが、この件については御答弁は要りません。 ○副議長（倉田竜彦　君）次に、石坂千穂議員。　　　　　　〔51番石坂千穂君登壇〕 ◆51番（石坂千穂　君）まず最初に、公共事業の見直しについて知事並びに土木部長にお伺いします。　第１点は、ローカルルールの充実ですが、私は、昨年９月議会で、身の丈に合った公共事業、長野県規格の公共事業について提案をさせていただき、ことしの２月県議会の代表質問ではローカルルールの具体的な実施と促進について質問をさせていただきました。　今年度までの取り組みとして、1.5車線道路の実施や県産カラマツ材などの利用による自然や環境に配慮した工法の実施や長野県としてのマニュアルづくり、土地改良事業などへの住民参加などが前進し始めていることを評価し、今後一層のローカルルールの充実、促進を図っていくべきだと考えるものですが、今後の具体的な取り組みについて土木部長にお伺いします。　また、日本共産党県議団として、長野県の社会資本整備の中ではまだまだおくれている生活道路の整備促進について、従来型の発想や整備手法を変えて、土木部がイニシアチブをとりながら部局横断的な生活道路整備の抜本的な検討体制について繰り返し要望してきたところですが、この点に関連し、二つ、お伺いします。　一つは、２月県議会の代表質問で、私は都市部での自転車道の整備促進の検討をお願いし、土木部長からは、環境に優しく、渋滞対策としても効果のある自転車を都市部の有効な交通手段とするための自転車道の整備については、駐車スペースの確保や他の交通手段との組み合わせも必要であり、総合的な都市内交通のあり方について市町村とも連携を図って検討していきたいとの答弁をいただきました。その後の検討はいかがでしょうか。改めて土木部長にお伺いいたします。　二つ目は、林道栄線として整備が進められてきました豪雪地帯栄村の、特に極野―五宝木地区をつなぐ冬期間の生活道路、村内交通手段確保の問題です。　秋山郷から五宝木、極野へと続く生活道路は、冬には雪崩常襲地帯となり、春まで通行不能となってしまいます。お隣の新潟県津南町を約１時間走ってやっと栄村へ戻る道路も決して安全とは言えず、冬になれば該当地区の村民の皆さんは、村営住宅へ移住したり、雪上車で生活物資を手に入れたり、中学生が下宿せざるを得なかったりと、村内交通が遮断されてしまいます。　一般質問初日に、小林伸陽県議が上水内北部広域農道整備の全体計画見直しについて提案をいたしましたが、来年度いっぱいで開通、供用開始になる予定の蟹沢トンネル先線の信濃幹線にしましても、既設の国道、県道、今整備中の広域農道が合流をするわけで、冬になれば村内交通そのものを断たれてしまう、生活道路がなくなってしまう栄村から見れば、まさに道があふれているという状態です。　私は、決して農道は要らないと言っているのではありません。しかし、例えば上水内広域農道を今後さらに70億円もかけてＪＲの線路の上を高架で走り、リンゴ畑を横断して荒瀬原線につなげる立派な道路を農業予算でつくることと、栄村の村民の皆さんが、雪が降っても村の中を行き来ができ、自分の家に住んでいられるための最低限の道路の確保と、どちらが緊急、優先の課題かを考えていただきたいのです。　栄村の五宝木―極野地区をつなぐ冬期の生活道路確保の問題をどのように解決していくのか。また、今後の長野県の生活道路整備のための部局横断的な検討体制をどうしていくのか。知事及び土木部長の見解をお伺いします。　続いて、入札制度の改善についてお伺いします。　この間、私たち日本共産党県議団も、県下各地の建設業者、若手経営者や建設業協会役員の皆さんとの懇談の機会があり、業者の実態や生の声を聞いてきました。心ある多くの建設業者の皆さんは、時代の変化の中での一定の事業量の減少や、公共事業を取り巻く環境が従来型から改革されなければならないことには共通して理解を示してくれています。また、入札制度の改革に当たっては、透明性、公平性、競争性が必要であることにも賛同しています。　この間の長野県での入札制度の改革が談合防止などに効果を上げている点を評価しつつ、今後より適正な改革になることを私も心から願っています。そのためには、何よりも、入札制度適正化委員会や発注技術検討委員会等のさまざまな検討結果は、県自身が主体的に生かす立場で、この間残念ながら一部で起こっている異常な低価格入札に終止符を打ち、ダンピングが阻止できる適正基準をつくることが必要だと思いますが、副知事にお伺いします。　　　　　　〔土木部長小市正英君登壇〕 ◎土木部長（小市正英　君）順次お答えをいたします。　最初に、ローカルルールについてのお尋ねでございますが、昨今、公共事業におきましても、従来から進めております画一的な整備ではなくて、地域の実情に合ったローカルルールといいますか、そういう整備が求められております。それらの事業につきましては、順次各種事業でも取り入れられておりますが、今お話にございましたように特に道路におきましては1.5車線道路、従来から２車線でずっと整備してきたものを地域にあわせまして、やはり効果的、効率的な整備には1.5車線道路というものを活用してやっていこうということで、その整備につきましては既に取り入れてやっているところでございます。　そのほか、ローカルルールといいますか、例えばガードレール、信州型木製ガードレールもその一つだというふうに思っておりますし、また、有料道路のいわゆる料金値下げ、環境ロードプライシング、これも長野県独自で始めた社会実験でございますし、そのほか河川におきましても、いわゆる流域対策、岡谷の大川におきましては、従来の河川改修だけではなくて、いわゆる調整池であるとかいろいろなものを組み合わせてやるということで既に調査をし、スタートを切っております。　いろいろな観点から、今後も、地域に合ったローカルルールというものをきちんとした視点に入れまして進めていきたいというふうに思っております。　次に、自転車道というお話でございますが、前回もそういうお話を聞きましたが、確かに自転車を活用するということは、特に都市部におきましても非常に有効だというふうに思っております。駅から町の中心に向かっての自転車道の整備等は有効でございますが、あわせて駐輪場といいますか、そういうものもあわせて整備をしないと、総合的な対策が必要なわけでございますが、これにつきましては、県だけではなく、特に市町村といいますか、そういう人たちとの協力というものが不可欠でございます。　今、長野市におきましては、長野都市圏交通計画調査というものをやっております。この中でも、町づくりとかいろんな観点の中から、そういう自転車道というものの活用も視野に入れながら検討していきたいと思っておりますが、これは即目に見えて云々というような形になりませんけれども、例えば、今ある状況がどういう状況にあるのかというようなこともきちんと調査する中で、そういうものが有効に活用されるようなソフト対策といいますか、そういうものも必要じゃないかと思っています。せっかく自転車道があるんですけれども、なかなか使っていただけないというのもありますので、そういう面につきましても、今後、市町村と連携をとって、具体的に検討していきたいというふうに思っております。　栄村の件につきましては、確かに林務部で五宝木のトンネルを開設をいたしました。その先、栄村の方に向けましては、県のいわゆる代行事業で道路を整備しておりまして、屋敷温泉までかなり整備が進んでおります。残されたのは、五宝木トンネルから手前の、いわゆる栄村中心部寄りの区間がございますが、現在の道路があるわけでございますが、特に冬期間ぜひ通れるようにしてほしいと。要は、長野県の中で栄村に行きたいという従来からの願望があるわけでございますが、かなり以前の林務部の調査でも、長いトンネルとかそういうようなものを計画の中に入れ込まないとなかなかできないというような状況がありまして、そういう構想がございましたが、かなり長いトンネルでございます、非常に多額な事業費がかかるということで、もう少しコスト的に安くなるような工法がないのかということで、私も何回も現地を見たところでございますが、やはり雪の深いところでございますので、ある程度そういうトンネルとかそういうものを駆使しないとなかなかそういうところへつながらないというような状況もございますが、今後、引き続きいろいろな知恵を出して、少しお時間をかりて研究はしたいと思っております。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）重複する回答になろうかとも思いますが、自転車道というところ、従来、自転車道を安曇野につくりましたものも途中で中断をする形をやむなきになっておりますが、議員がおっしゃられたようなこと、あるいは以前から北山議員がおっしゃっているような、真の意味で社会が大量消費、まあアメリカ型の社会でないということの一つの象徴が自転車に乗ると、デンマークもそうでございますし、他の都市もそうでございます。そうした観点で、つまりまさにコモンズの再生という観点から自転車道を設けるということではなくて、恐らくあれも、形から入って自動車道路をつくることには批判があるので、自転車道ならばよいんじゃないかというふるさと創生的な形で出たので地域の方々が御利用ならないような形で自転車道ができて、無用の長物と申せば利用されている方もいらっしゃるでしょうが、ちょっと宝の持ちぐされになっているわけでございます。　小市が申し上げましたのとは違う意味で、ただ、私たちが、今回、自転車で通勤する職員に対して通勤手当というものをよい意味でインセンティブを与えたということからもわかるように、これは、中期的に見ればこのことを整えていかねばならないと思っています。自転車道を整えるのが目的ではなくて、そのような形で人々がコモンズで商店にも立ち寄っていけるような生活形態を取り戻すという観点から考えねばならないと思っています。　私は、既に、しなの鉄道や松本電鉄の方にはお話をしておりますが、例えば自転車を乗せられる車両というものを連結できないかということを申しております。これがすなわち、例えば波田町から通う子供が、波田の駅前に自転車を置いて、松本の駅前にまた自転車を置いてあって学校へ通うという形ではなくてできる形。そのために停車時間が１分延びるということを、逆にそれは豊かさだと思うような私たちの大きな意識変革をもたらすことがコモンズからの変革でございます。こうした観点で自転車ということをとらえていきたいと思っておりますし、そのことがやはり、自転車道という考え方じゃなくて、まさに私たちはバリアフリーで混住するわけですから、自転車が通れる道ということを考えねばならないと思っております。　この点は、ぜひ、私たちだけでなくて、道路の交通法規をつかさどられる県警本部の方々にもこうした私たちのコモンズの考え方を御理解いただけるように機会を設けたいとも思っております。　もう１点は、先ほど申し上げましたが、コモンズということで言うと、1.5車線道路というこの一つの言葉だけでなくて、私たちの予算を、これは公共事業にとどまらず、公共投資も福祉もすべてコモンズの観点から大きく予算構造を変えねばならないということであります。二、三十度変わるものでなくて、これは大きく変わるものです。　したがいまして、例えば公共の治山に関しましても、砂防に関しましても、私たちはこれにきちんと、単に反対するのでなくて、その予算というものを本当に皆さんから、都会部に住んでいる方々や環境に配慮しようと言っていた方々も御理解いただけるような真の森林整備の治山であったり、居住地域の安全であったり、そのための移転であったりに用いられるように、私たちはさまざまな補助金の制約をよい意味でかいくぐり、設けねばと思っております。　島々谷川の６号砂防ダムの予定というところも私訪れましたが、あのような形ということが長野県において、一方で、牛伏川に関しまして土木部も努力をして行っている新しい砂防のあり方、治水のあり方がある中で、私は計画がそのまま進められるということはなかなか住民の理解は得られないと思っております。そのことをまだ気づかぬ方々にも伝えていく中で、私たちの真の1.5車線道路、あるいは公共事業の改革にとどまらない、新しいすべてのコモンズ再生の予算構造にしていかねばと思っております。　上水内の御指摘の農道というところも、これは、昨年度、またことしの途中まで公共事業の改革を担当しておりました高橋徹が、繰り返し、この事業に関しては大変に疑念があるということを強く申していたものであります。この点も、途中までという、経済効果があるまでという発想で今まできておりますれども、やはりこれも、いま一度、長野県は見直さねばならないと思っておりますし、また、幸いにして、以前から、国からもらえるものはもらいなさいという御指導も議会から得ておりますから、これらの地域は合併特例債という形も期待できる地域とも聞いておりますから、もし地元要望があるならば、どのようにするのかということはやはり地元が自律的にお考えいただくことも、合併を行ってもなお自律というものは存在し得るというあかしになろうかという気もいたします。　栄村の部分に関しましては、これは、客観的に言って、隧道を設けねば冬期の雪崩崩落ということの危険性を回避できないわけでございます。これには数十億円というお金がかかるわけでございまして、私も、端的に申し上げれば、それらの地域にもっと、まさにふるさと農道等が多く全国につくられていたころに、むしろこうした場所にそれを採択するというようなことがなぜできなかったのかなという思いは大変にございます。　今、小市の方からも御説明いたしましたように、極野あるいは五宝木のさまざまな改良を今行っておりますので、また秋山郷地区のところはとりわけ改良を行っておりますので、また、そうしたことを踏まえた上で、将来的にはやはり林道でなく県道というような形にいたしましてさらに地域の住民の利便性を図るということを行わねばという気がいたしております。　考えますると、もう少し潤沢にお金があったようなころに私がこうした決裁権者であったならばなというないものねだりを思ったりもするわけでございます。しかしながら、こういう時期だからこそ、逆にコモンズからの再生ということが議員の方々も含めて多くの方に御理解いただけ、御支持いただける時代なのかもしれませんから、こうした中で、まさに小市のみならず多くの心ある土木部の職員、あるいは公共事業担当の職員と見直しを行えることを喜びと思っております。　以上でございます。　　　　　　〔副知事阿部守一君登壇〕 ◎副知事（阿部守一　君）入札制度の改善、改革についてのお尋ねにお答えいたします。　基本的な考え方につきましては、これは、公共工事入札等適正化委員会の提言を踏まえまして、透明性、競争性、客観性、公平性が満たされる入札制度、鋭意仕事をする業者が報われる制度、それから、私ども公務員の意識改革を促す入札制度ということで進めておりまして、意欲あるいは技術力がある業者の方々が地域で自立できる入札制度の確立ということを目指しているわけでありまして、いたずらに建設業者の方に厳しい制度を目指しているということではないということは、これはまず御理解いただきたいというふうに思います。　低価格入札についてでございますけれども、私どもといたしまして、低入札価格が続いているということに対応しまして、適正な見積もりを行わない業者等がいるんじゃないかというような御指摘を踏まえて、予定価格の事後公表というものを９月１日から試行させていただいているところでございます。　また、低入札価格調査制度をやっているわけでございますけれども、これにつきまして、低価格でこれまで落札された工事等のコスト調査、それからそれらの分析、さらに建設業者の皆様方に対するアンケートというものをやっております。こうしたものを踏まえて、現実にかかっている必要なコストはどの程度であるかというようなことを分析いたしまして、その結果を踏まえまして、この12月の10日の公告分から低入札価格調査制度の見直しを行ったところでございます。　これは12月10日の公告分から改革をしたわけでありまして、その結果がどういう形になるかというのはこれからということにはなるわけでありますけれども、私どもとしては、必要な経費をしっかり把握した上での改革というふうに考えておりますので、その試行の状況をしっかり見ていきたいというふうに思っておりますし、また、入札制度の改革に関連いたしまして、例えば、私、請負人選定委員会という内部での会議の座長もさせていただいておりますけれども、そこの場においても、県民の皆様方に対しては競争性の確保ということが必要でありますが、それと同時に、やはり県内で一生懸命真剣に建設業を営まれている方に対しての気持ちといいますか、配慮というものもしっかりしていかなければいけないということで、今、制度といたしましては参加希望型指名競争入札ということで取り組んできているわけでありまして、これは、従前の長野県の工事であれば直接なかなか工事に参加できなかった、いわゆるＤ、Ｅランクということで称されていた方々に対しましても広く受注の機会を開いてきているわけでありまして、これは今年度10月までの実績では、平成13年、この制度を開始したときは31件しかなかったわけですが、175件までふえておりますし、金額もかなり増加してきているところでありまして、そのほかにも、県内、県外業者が参入できる事業の仕分けの見直し等を行いまして、できる限り、競争性を確保しつつもしっかりと意欲のある業者の方に公共工事をしていただくというような形の改革を進めておりますので、御理解いただければというふうに思います。　以上でございます。　　　　　　〔51番石坂千穂君登壇〕 ◆51番（石坂千穂　君）おおむね前向きな答弁をいただいたと受けとめましたけれども、入札制度以外の問題は２月県議会で基本的には検討を答弁していただいている問題ですので、ぜひ積極的な検討と実施をお願いしておきたいと思います。　入札制度の件ですけれども、私は、９月県議会の総務委員会で、ある工事の落札業者が、県の積算額に対して、一般管理費、たった２％と、これで落としたという資料の説明を聞きまして、本当に驚きました。小さな工事だから管理費は低く抑えられるとか、この工事で多少の無理しても他の工事でやり繰りできればと簡単に片づけていい問題とは思えません。　会計局検査室のそのときの御説明では、業者はできると答えている、工事完了まで県が責任を持ってチェックするということでしたけれども、責任ある業者なら、技術者の育成とか職員の身分保障、機械設備の維持などを初めとする日常的な最低限の経費というのは必要であるわけです。ですから、県の予定価格の積算が適正なものであるという確信があれば、ダンピングを阻止するためには固定制の最低制限価格、御要望強いんですけれども、この設定が有効ではないでしょうか。　私たちが懇談した建設業者の皆さんは、県が責任ある予定価格を積算して説明責任を果たしてもらえるのであれば予定価格は事後公表でよいと、そういう意見でした。昨日、そして一昨日の答弁で、固定制の最低制限価格を設定するとその付近に入札が集中してくじ引きになるから適当でないと、そういうことでしたけれども、電子入札とか予定価格の事後公表などでそれは歯どめがかかるんじゃないでしょうか。ぜひ御検討をお願いしたいと思いますので、もう一度副知事に御答弁をお願いします。　入札制度の改善で注意しなければならないのは、競争性や透明性ということと引きかえに、安かろう、悪かろうの不良、不適格業者の参入を許すことだと思います。　私たちに寄せられた情報では、長野県内にも、いわゆる多重債務者を労務者としてプールして抱えて低価格で仕事をするという悪質な業者がいるということです。その一方で、除雪の仕事一つとりましても、朝暗いうちから起きて、どこにガードレールがあって、どこに側溝があるかなどを知り尽くした地元の道路を一般の人たちが起きる前に除雪してくれるという建設業者のありがたさはお金にはかえられないものです。　長野市の地附山地すべり災害のときにも、土砂でつぶされた老人ホーム松寿荘に真っ先に重機を持って掘り起こしに駆けつけたのも、また、警察官とともに湯谷団地の倒壊家屋に駆けつけて家財の運び出しを行ったのも、地元の建設業の皆さんでした。平成７年の災害時には、市町村役場から建設業協会の事務所へ直接の電話が来て、建設業者が倒木や土砂の除去に組織的に動いたと言われています。地域との信頼関係の上に成り立っているこれらの建設業者の地元貢献をもっと評価して、技術者や資格者の養成に努め、ＩＳＯの認証取得などもしている優良業者があるわけですから、それを育成し支援することが県として重要な仕事ではないでしょうか。県としての位置づけ、支援策はどうなっているのか。土木部長にお伺いします。　埋蔵文化財の調査の入札改善については教育長にお伺いします。　埋蔵文化財の調査ができる業者は、残念ながら全国でも数少ないということですが、最近、他県の業者からお訴えがありました。長野県では、埋蔵文化財の調査の仕事の入札に、現地まで、つまり長野県まで来なければならず、他県からわざわざ来て入札しても必ずしも仕事がとれるというわけではなく、大変不合理だというのです。時代にふさわしく、電子入札か郵便入札に改善することは可能ではないかと思いますが、改善できないのかどうか。教育長にお伺いします。　　　　　　〔副知事阿部守一君登壇〕 ◎副知事（阿部守一　君）最低制限価格の導入についてのお尋ねにお答え申し上げます。　これは、昨日、土木部長の方からもお答え申し上げているかと思いますけれども、最低制限価格制度をストレートに導入することについては幾つか課題があるのではないかというふうに思っております。　例えば、あらかじめ設けた制限価格を１円でも下回れば自動的に失格になる制度ということで、必ずしも入札される方の意向を反映しにくい部分があるのではないかというふうに思います。また、最低制限価格を設定しますと、実態としてその価格帯に集中してくるような傾向がうかがわれるということで、いい意味での競争性であるとか企業努力が反映されない懸念があるのではないかというふうにも思います。　また、国においては、これは国の法律上、最低制限価格は採用できないということはありますので、低入札価格調査制度のみを採用しているということは御承知のとおりかと思いますし、また、公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針、平成13年の閣議決定でございますが、国が決めることがすべていいわけでは必ずしもないとは思っておりますけれども、最低制限価格制度から低入札価格調査制度への移行といったような流れ、方向が示されているところでありまして、そういった点を勘案しますと慎重に考える必要があるんではないかというふうに思っております。　先ほど申し上げましたように、低入札価格調査制度の試行をしておりますので、その動向について注視してまいりたいというふうに考えております。　以上です。

　　　　　　〔土木部長小市正英君登壇〕 ◎土木部長（小市正英　君）お答えいたします。　私ども土木を初め、公共事業、これらの事業はすべて建設産業の皆さんでやっていただくわけでございまして、まさに車の両輪でございます。そういう意味では、県内の建設産業の皆さん方が健全にその会社が成り立っていくということが一番望ましいわけでございまして、それがいい仕事につながるわけでございます。　今、新しい入札制度の改革を行っておりますが、先日も申し上げましたが、新しい改革と同時に、意欲のある、技術力のある社が生き残るといいますか伸びていくといいますか、そういうところにやはりつなげていくというようなことを重要な視点としてやっているわけでございます。　そういう中で、災害、除雪等、確かに、そういうことが発生いたしますと、いち早く地元の皆さん方が駆けつけていただいてそういう対応をしていただいて、本当に私ども感謝をしておりますし、そういう常日ごろのきずなといいますか、そういうものを大事にしていかなきゃいけないというふうに思っております。　ここに来まして、新しい入札制度等、さらに事業費が少し少なくなるというようなことがありまして建設業界の皆さん方も大変ではございますけれども、常日ごろやはりそういうような接点を持ちまして、私どもも、技術力向上をお互いに高めるべく努力をしてきておるところでございます。現場技術セミナー等も毎年行っておりますし、このところ、若干、仕事のかかわりを持ったときだけしか接点がないというふうなお話も聞きますけれども、そうではなくて、やはりそういう意味での技術交流をしながらその技術力を高めることにつなげていきたいというふうに思っております。　入札制度につきまして、今、最低制限価格ということにつきまして阿部副知事の方から申し上げましたが、先般私も申し上げましたが、今回の改定によりましてかなり技術力が評価されるようなチェックになっております、直接工事費に対する率、さらには間接的な経費も、一つ一つの項目についてきちんと積算してあるかどうかということもチェックして、その上で判断をするというふうになっておりますので、そういうことがやはりきちんとした技術力のある社の応札に、また入札、落札につながるというふうに思っておりますので、ぜひ温かい目で見守っていただきたいというふうに思っています。　　　　　　〔教育長瀬良和征君登壇〕 ◎教育長（瀬良和征　君）お答えいたします。　埋蔵文化財センターの工事の入札の関係でございますけれども、現在、議員御指摘のとおりの状況だと思います。これは、長野県文化振興事業団財務規定に基づきまして入札を行っているわけでございますけれども、早急に実態を調査し、必要と認められれば改善を検討するよう指導してまいりたいと考えております。　　　　　　〔51番石坂千穂君登壇〕 ◆51番（石坂千穂　君）入札制度のことですけれども、先ほど提案もいたしましたけれども、低価格調査制度、事後公表、電子入札、さまざまな有効的な組み合わせで長野モデル、本当に納得のいく適正な入札制度をぜひ責任を持って検討していただきたいということで、強く要望しておきたいと思います。　次に、ダム中止後の治水対策についてお伺いします。　今、長野県では、中止になった浅川ダム、下諏訪ダムの治水対策を、基本高水の８割を河川改修、２割を流域対策で行う枠組み案により、住民参加の流域協議会の意見を尊重し、河川整備計画を変更する取り組みを進めています。全国で計画されてきたダムは、96年以降、89カ所で建設中止が決定し、今月の８日には埼玉県が事業中の戸倉ダムからの撤退を表明しました。　全国のダム中止となった河川の河川整備計画の策定状況はどうなっているのでしょうか。土木部長にお伺いします。　　　　　　〔土木部長小市正英君登壇〕 ◎土木部長（小市正英　君）お答えいたします。　中止になった河川での河川整備計画の状況ということですが、正直言いましてまだ詳しくは承知をしておりません。先般、石坂議員さんから例の連合審査会でお話がありました岡山県のダムにつきましては中止をいたしましたが、まだ整備計画の承認といいますか、策定について検討という段階というふうに聞いておりまして、それ以外につきましても詳しくは承知しておりません。　ただ、河川整備計画というのは、新しい河川法の中で位置づけをされまして、今後の事業につきましては河川整備計画を策定してやるというようなことで、その河川整備計画も各県、ブロックごとに作成するというふうになっておりまして、長野県の場合には12ブロックになっております。そういうことで、各県の整備計画の状況が、新しい制度なものですから、まだそんなに多く整備計画が策定されてそのもとにというような状況にはないように把握をしておりますが、ダムにかかわる件につきましてはちょっと承知をしておりませんので、よろしくお願いします。　　　　　　〔51番石坂千穂君登壇〕 ◆51番（石坂千穂　君）今、土木部長からお答えいただいたとおりなんですけれども、100近いダムが中止になっていますけれども、ダムによる治水・利水対策から違う方法でやると決定したところで、河川整備計画を変更してこういうふうにつくりましたというところはないんですよ。国が中止したところもすべてそうです。　岡山県の、長野県で浅川と下諏訪のダムを中止しますと決めたときに一緒に中止を表明した去年の６月議会ですよね、中止した大原川ダム、ここもまだ河川整備計画は何もいじっていないし、検討にも入っていないというお話なんですね。　長野県の今の議論の中で、河川改修の予算を獲得していくためには河川整備計画をも全面的に切りかえなきゃならない、しかも、さまざまな幅があって、とるモデルによって数字が大きく変動するその基本高水をびた一文まけてはいけない、５トンの水田貯留があるかないかと大騒ぎと。私、この長野県の議論というのは非常に異常だと思うんですね。　実は、今月の８日の日に、淀川水系の淀川流域協議会が、国土交通省の近畿地方整備局の河川整備計画に対する検討の取りまとめをしまして、意見書を出しました。基本的には、淀川水系の五つのダムはもうつくらない、利水目的の新たな水源開発も中止をする、そういう中身の答申なんですけれども、この近畿地方整備局がつくった河川整備計画、ここにあります、国がつくった河川整備計画です。この分厚い河川整備計画を最初から終わりまで全部見ましても、基本高水何トンとかどうするとかというのは書いてないんです。むしろ、新しい河川法の精神に沿って、環境をどう大事にするか、川とどうつき合うのか、護岸整備をどうするか、こういうところに重点を置いた事細かな検討を国自身が河川整備計画で示して、これでやっていきましょうと。しかも、第１ページにはこう書いてあるんですね。20年から30年のスタンスで少しずつ追加、補充をしていけば河川整備計画はいいんだと、こういう河川整備計画そのものの基本的な考え方の上に立って、住民が安心できる治水安全度を高めるという取り組みを具体的にお願いしていきたいなと私は思っております。　したがって、質問ですが、浅川の河川改修についてですが、新しい河川整備計画の変更はそれはそれとして頑張って進めながら、それが完全にでき上がらなくては何もできない、河川改修の予算も一円もつけないという考え方ではなく、これは国にも言っているんですけれども、ある意味では河川整備計画の策定とは切り離して、当面すぐにできるしゅんせつや護岸整備を初めとした現実的な対応でできることから取り組みを進め、少しでも治水安全度を高めていく、これが必要ではないでしょうか。土木部長の見解をお伺いをいたします。　また、あわせて、ある意味では100年確率の洪水被害以上に日常的な都市型水害、そして内水水害に見舞われる可能性の高い浅川流域では、きめ細かな流域対策こそ県の支援も必要だと思います。　長野市では、急激な市街化の進展による流出量の増大と近年の異常気象に伴う局地的な水害、いわゆる都市型水害の対策の一つとして、貯留や浸透による流出抑制は有効な手法であると位置づけて、市自身が歩道や駐車場等可能な箇所についての透水性舗装を実施したり、開発行為等においても指導を進めてきています。　さらに、長野市では、新たな事業として、雨水貯留タンクや浸透施設を公共施設に設置する計画も検討中です。また、不要になった合併浄化槽を雨水貯留施設に転用するための費用に対する市の助成制度も計画中です。　昨年10月から実施されてきた個人住宅などへの雨水貯留施設助成制度の利用は、平成14年度申請が84件、98基、15年度は８月末現在で申請が224件、257基の利用になっています。　これらの雨水貯留等への県の補助制度はありません。しかし、国の下水道施策の中に、良好な水環境の維持、回復などを目的とした新世代下水道支援事業が平成13年度に制度化されて、長野市の雨水貯留施設助成制度をこの支援事業の対象とするように県を通じて国に働きかけたところ、16年度に水循環創造事業として新規採択されることになりまして、この12月17日には長野市が国土交通省での認証式に出席する運びになったということが、開会中の長野市議会で、日本共産党の永井巳恵子市会議員への長野市の中山建設部長の答弁を通じて明らかになりました。長野市では、今後、国のこの支援制度を積極的に活用して流出抑制策に取り組んでいく方針です。　さらに、平成５年度に貯留量6,000立方メートルで第１期工事が完成した運動公園地下の雨水調整池についても、上下流の雨水幹線排水路の未整備区間の整備にあわせて、段階的に貯留量の拡大を計画していきたいと表明しています。　また、学校の敷地に降った雨水による下流部での浸水等を防ぐため、昭和59年から始めた校庭貯留の建設で現在までに39校に設置済み。総貯留量１万4,200立方メートルとなっているわけですが、今後も新設校や他の公的機関が所管するグラウンド等に設置を進めていく方針です。　これらの取り組みに県の具体的な支援策が必要だと思いますけれども、企画局長のお考えをお伺いたします。　　　　　　〔土木部長小市正英君登壇〕 ◎土木部長（小市正英　君）お答えをいたします。　河川整備計画の現状につきましては、今石坂議員からお聞きをいたしまして、そういう状況なのかなというふうに思ったところでございますが、とはいえ、私ども、今回、新しい浅川の治水対策というものの基本的な方向づけをいたしまして国と協議を開始したところでございますが、国の見解につきましては、既に連合審査会でもお示ししましたように、今回のそれぞれの対策につきまして、それぞれの施設が、どれだけの負担をして、どういう形でいわゆる基本高水というものに対して対応するのかということがきちんと位置づけをされた河川整備計画を作成してほしい、その上で事業と、こういうような見解でございます。　そういうことからしましても、私どもも今それに向けまして鋭意努力をしているわけでございまして、メニューにつきましては、先ほど来申し上げていますように、それぞれ今鋭意検討の中で位置づけをするべく検討を進めております。　国の整備計画等の紹介もございましたが、先ほど言いましたように、河川整備計画自身がまだそういう状況にございまして、画一的にこういうものであるというようなのができていないというような状況も私どもには伺えるんですね、そういう意味で相談に行った経過もあるんですけれども、とはいえ、やはり内容としてはそういうものをきちんと位置づけたものをつくって、それが認可になるんだということでございますので、まずはそれを定めた上でまた協議を重ねて、整備計画の認可をとって、まず河川改修からの事業につなげたいというふうに努力をしていくということでございます。　　　　　　〔企画局長田山重晴君登壇〕 ◎企画局長（田山重晴　君）お答えをいたします。　流域対策についてのお尋ねでございます。　流域対策、入り口にちょっと話したいんですけれども、企画局では、中長期ビジョンの中間答申が出たわけでありますけれども、その中で、非常に壮大な歴史観、社会哲学のもとにこの流域対策そのものがきちっと位置づけられたんじゃないかなというような認識を持っておりまして、この事業というのは長野モデルとして極めて大事なものではなかろうか、さらに新たな見地から位置づけをされたんじゃないかな、そういう認識を持っております。　そういう意味からしますと、流域対策というのは、従来の枠を超えて川を治める手法を考えていかなきゃいけないということで、さまざまなメニューを用意をして現在進めようとしておるところでありますけれども、議員の御指摘のように、浅川の場合には市街地を還流している浅川でありますので、都市から来る水の量というのは非常に大きなものがありまして、現実に私どもつくった原案の中でも貯留浸透についての幾つかのメニューが用意されております。　ややもすれば基本高水の対応がどうだこうだという議論に一つの関心が集中しがちでありますけれども、私の方は絶えず言っておるわけでありますけれども、あの原案に掲げられた森林整備を初めとしていささかも軽重の差のない大事な施策であると、そのように位置づけておりまして、議員の御指摘のようないわゆる公的な施設、あるいは個人の貯留槽につきましてもこれからの施策として大きな課題でなかろうかと、そのような思いを強くしておるところでありまして、私ども、今のようなお話、指摘を受けて、さらに具体的な施策化について努力をしていきたいと思っているわけであります。　この間の連合審査会でも議員の方から御指摘ありまして、長野市内に公的ないわゆる貯留施設あるいは調整池的な機能を持つものが36カ所、16万トンの容量を持っておるわけでありますから、議員の方から御指摘いただきまして、これについては私ども再度点検、チェックをしながら、新たな可能性があるのかどうかさらに再度検討していきたいと思っております。　さらには、この流域内に県有施設が幾つかございます。それにつきましても、雨水タンクの設置の可能性の可否につきまして既に住宅部の方で検討をしておりますので、そういう意味で、ため池とか水田とかに加えて、都市そのものから来るさまざまな示唆について内実を深めるような施策をこれから検討していきたいと思っておりますので、これからも御支援、御協力をお願いしたいと思います。　以上です。　　　　　　〔51番石坂千穂君登壇〕 ◆51番（石坂千穂　君）検討していただいていることは承知していますし、ぜひ頑張っていただきたいんですが、質問いたしましたのは、先ほどいろいろメニューを挙げまして、いずれにしましても、長野市も実際に助成制度を独自につくったり国の制度も利用したりして、流域対策、流出抑制で頑張っているわけですよ。というような取り組みに県が具体的な支援を検討してくださるんですかとお聞きしましたので、お答えをお願いします。企画局長。　　　　　　〔企画局長田山重晴君登壇〕 ◎企画局長（田山重晴　君）単なる言葉のみの検討じゃなくて、具体的に検討の中で実践に向けての具体的な検討、研究を進めていきたいと思っております。　　　　　　〔51番石坂千穂君登壇〕 ◆51番（石坂千穂　君）検討の中身として支援するということもあるんですねということなんですけれども、後からまたお願いします。　事務事業の見直しについて副知事にお伺いします。　事務事業の見直しについては、昨年度見直しに織り込み済みのものが約10億円、今年度分新たに５億円の削減予定との御説明を受けました。長野県の厳しい財政状況のもとで、県民の目線での節約は当然です。しかし、予算規模で億単位が当たり前の公共事業に比べて、数十万円から数百万円、数千万円という規模のものが多い事務事業の見直し、廃止は、削減目標を達成すること自体なかなか困難ですし、関係者には痛みを伴うものもあるだけに、先に削減ありきのつじつま合わせであってはならないと思います。　見直しに当たっての基本的な考え方について副知事にお伺いしたいと思います。　また、16年度の見直し対象となっているウイルス肝炎医療費給付事業についてですが、昨年の検討の結果、国の助成が打ち切られる中でも長野県では全国的にも数少ないＢ型、Ｃ型肝炎患者の医療費公費負担を実施してきたわけです。今回は、国が難病患者を対象とした事業に所得に応じた段階的な一部負担制度を導入したことから、難病患者との負担の均衡を図るため、平成16年度10月から所得に応じた段階的な一部負担制度を導入する方針とされています。　見直しに当たっては、肝炎患者の生活実態や関係者の要望からも、対象とする所得は家族全員の合計とするのではなくて、生計生活中心者を患者本人とするべきだと思いますが、いかがでしょうか。　子育て支援の幾つかの課題については知事にお伺いします。　１点目は、児童相談所の問題です。　虐待などを受けた子供を一時保護できる児童相談所で、土日の対応も含めた通年保護が、長い間の要望がようやく実って長野県でも実現したことは私も大変うれしく思っています。しかし、逆に、これまで土日の対応は民間の児童養護施設に回していた状態から児童相談所で通年対応することによって、新たな問題が生じています。　例えば、長野市のビッグハットの向かい側にある社会福祉総合センターの大きなビルの中にある中央児童相談所は、ビルの一角という環境で、残念ながら、職員の献身的な努力にもかかわらず、物理的には、周囲の立地条件も含めておよそ家庭的な雰囲気には欠け、窓もない相談室など、精神的に傷ついた子供たちの保護の場所、生活の場所としては不適当な環境です。他県では、体育館や、子供たちが走り回れる庭、お花畑もある児童相談所も珍しくなく、私は、長野県のセンター的役割も持つ中央児童相談所なのですから、今の場所からの移転を含めての改修と機能充実を図るべきだと考えています。知事の見解をお伺いします。　２点目は、児童虐待がふえることに伴って入所者が急増している児童養護施設へ心理相談員の配置の充実などの支援が急がれていることです。　長野県児童福祉施設連盟によれば、現在、県内15施設の入所率は97.5％で、入所定員690人に対して入所している子供たちは２歳から18歳までの673人。入所理由は、虐待が全体の31％でトップ、1995年の14人に対して219人と急増し、次いで不登校、親の育児に対する不安、長引く不況による経済困難や離婚で養育困難のケースとなっています。　国は、99年の４月から、被虐待児が10人以上いる施設に対して、子供たちの精神的ケアに当たる心理療育指導員の配置を進めています。現在、県内の15施設すべてに10人以上の被虐待児がいますが、心理指導員が配置されているのは８施設だけで、ほとんどが週に二、三日の非常勤です。　県内でも、心理指導員の丁寧なカウンセリングを重ねる中で、精神的な落ちつきを取り戻す子供や、初めて大人に甘えることを覚え始めた子供の実例などの効果が報告されていますが、非常勤職員としての心理指導員の勤務実態は、例えば１カ月に14日間の勤務で、一人で15人もの子供を抱え、一人につき毎月２回、約１時間ずつのカウンセリングを実施するのが精いっぱいという状態です。その指導員さえ、15施設中７施設には配置されていないのですから、配置を充実させるための県の支援を検討できないでしょうか。　３点目は、自閉症、発達障害児の支援についてです。　最近の複雑な社会状況を反映して、全国的にも、不適応行動、パニック症状を示す子供や、自閉症を初めさまざまな発達障害の子供がふえています。長野県の場合、自閉症対策は社会福祉総合センターにある県の精神保健福祉センターが対応し、センター内での診断、療育とともに、飯田、松本、大北、木曽、佐久地区などで巡回療育を実施し、早期発見、適正療育のために保健師、保育士などの研修を行っています。スタッフは、自閉症の専任３名、兼務２名、非常勤の医師１名です。　先日、日本共産党県議団は、昨年12月に発足した熊本県自閉症・発達障害支援センターを視察をいたしました。このセンターの建物は、新設ではなくて、既存の施設を約40万円かけて改修したものです。職員は４名で、社会福祉士、介護士、保育士などの資格を持っています。自閉症、ＬＤ、ＡＤＨＤ、アスペルガー症候群を初め、診断名がない発達障害の子供たちの相談にも乗っています。月平均130件、１日当たり５件の相談に乗り、療育支援では学校の先生や施設の職員の研修を行い、地域の核となる全県的センター機能が発揮できるように努めているということです。　自閉症支援センターは、全国で、2002年に12カ所、2003年に７カ所設置をされていますが、国からの人件費の補助があります。長野県の職員の中には、自閉症に詳しかったり、情熱を持ってかかわってきた職員も多いと聞いていますので、長野県の現状を踏まえた上で支援策を充実していただきたいと思いますが、自閉症、発達障害児の支援のための県のセンター機能の充実をどのように進めていくのか。お伺いしたいと思います。　最後に、障害を持った子供たちの教育環境が年々充実して、新たに、高等部のなかった若槻養護学校にも高等部設置の見通しということですので、関係者とともに大変うれしく思っています。　このような中で、かねてから要望し続けてきた、養護学校高等部の入学資格を20歳未満としている人権侵害ともいえる年齢制限は一日も早く撤廃していただきたいと改めて強く願うものですが、御検討いただけるのかどうか。教育長にお伺いをいたします。　　　　　　〔企画局長田山重晴君登壇〕 ◎企画局長（田山重晴　君）先ほどの件につきましてお答えします。　浅川流域対策の原案の中に、今の議員の御指摘の事項につきましてはきちっと位置づけられておりまして、貯留浸透施設の設置における流出抑制としまして、特に具体的な都市下水、雨水の関係で整備が、ここにも記載されておりますけれども、長野、豊野いずれもまだ完璧な状態ではありませんので、この事業をやはり中心にしながら物事を進めてまいりたいと。　さらには、個人の貯留施設につきましてはかなり制度的には整備がされてきておるわけですけれども、長野市がある意味では個人貯留槽の普及率が県下で一番高いんですが、しかし、数字を見ますとまだ84ということで非常に少ない状況でありますから、制度の導入と同時に、やはり普及、啓発にも力を入れていかなきゃいけないんじゃないかと。そういう視点からもやはり施策を進めてまいりたいと、このように考えておりますので、よろしくお願いします。　　　　　　〔副知事阿部守一君登壇〕 ◎副知事（阿部守一　君）事務事業の見直しに関するお尋ねにお答えいたしたいと思います。　事務事業の見直しに関しましては、これは、既に策定しております財政改革推進プログラムの基本的な考え方を踏まえまして、社会・経済情勢の変化、あるいは県の役割分担等を踏まえまして行っているところでございます。　例えば、当初の目的が達成された、あるいは終わったようなものでありますとか、あるいは県と市町村の役割分担上、本来市町村において全面的に財源負担をしていただいてやっていただくようなもの、そういったものについては県の事業としては見直していくということで進めているところでございます。　具体的にお話ございましたウイルス肝炎に関係いたしましては、これは御質問の中にもございましたが、県単独事業ということで昭和56年から難病対策の一環として事業を進めてまいっているところでございます。　これにつきましては、現在、見直しの対象ということで鋭意検討しているところでございますけれども、10月24日から11月21日にかけましてパブリックコメント等をいたしまして県民の皆様からも御意見をいただいておりますので、そうしたことを踏まえて今後具体的な方針を決定してまいりたいというふうに思っておりますが、現時点での考え方といたしましては、他の難病患者の方々との公平性ということを勘案いたしますと、特定疾患治療研究事業と同様な形をとってはどうかというふうには考えております。　この検討に当たりましては、この事業は長野県のほか４都県のみで実施されているという状況でありまして、現時点におきましては長野県が最も手厚い制度と言ってもいいのではないかというふうに考えておりますが、そういった現状でありますとか、あるいは今後の受給者の見込みの数、かなり急激に増加していくのではないかというふうに思われておりますが、そうした点、あるいはこうした医療対策、難病対策、本来的には一時的には国において対応していくべきものではないかと私は考えておりますけれども、そうした点を総合的に勘案しながら対応を決めてまいりたいというふうに考えております。　以上でございます。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）児童相談所、あるいは心理指導員、また自閉症の問題ということであります。いずれも大変大事な問題でございます。　中央児童相談所の設置場所の問題ということも、私たちは、諏訪湖健康学園に関しても、現在の場所に必ずしもこだわらず、よい環境でということを言っております。中央とついております児童相談所でありますから、県内の全体をよい意味で統括するわけでございまして、よい環境に移したいという意向は持っております。　また、この指導員の配置増というようなことも鋭意考えるところでありますが、同時にまた、そのスタッフが働きやすいのみならず、よいスタッフであることが大事であろうと思っております。こうしたものの研修とか研究会へ参加するというようなことも全国的には行われているわけでございまして、このあたりも考えねばと思います。　熊本の例もぜひ早急に把握をいたして、これらが県内いずれの場所にお住まいの方にとっても機能するような形にしてまいりたいと。とりわけ、これは社会部、衛生部にかかわるところでございます。社会部と衛生部をよい意味でどのように組み合わせるかということも内部で検討しておりますから、この中でよりよい形にいたしたいと思っております。　　　　　　〔教育長瀬良和征君登壇〕 ◎教育長（瀬良和征　君）お答え申し上げます。　議員の御質問は、養護学校の高等部の入学については年齢制限はないのに、いわゆる訪問教育における年齢制限があるのは著しく人権侵害じゃないかというお尋ねであろうかと思います。　高等部の訪問教育の開始は平成９年からということで７年ほどたっておりまして、開始時点で高等部の訪問教育を受けられなかった者が500名ほどございました。ことしの４月１日の調査ではそれが458名になっておりまして、初めは前年度中学校卒業者に限っていたところを、平成10年から年齢制限を二十までに引き上げたところでございます。　全国の状況では、約半分ぐらいが中学校卒業見込み者に限っておる一方、10県が年齢制限を撤廃しております。　学齢期を過ぎた重複障害者の方々の約65％が社会福祉施設に入所されておられまして、指導法のノウハウとか医療・福祉分野についてはそのような現状の中で対応しておるところでございます。　今後につきましては、まず、現在、これらの方が、今458名おられますけれども、どのような生活をされているのか、また、現在の医療・福祉教育にどのように期待されているのか等の実態を早急に調査して、その分析のもとに、今後の訪問教育のあり方について前向きに検討、研究してまいりたいと考えております。　　　　　　〔51番石坂千穂君登壇〕 ◆51番（石坂千穂　君）知事からは大変前向きな答弁をいただいたと受けとめまして、私申し上げたいのも、何億円という立派な建物をそろえてほしいということは一切申し上げておりません。中央児童相談所の移転も含めまして、やはりお金はすぐれた人材の育成にかけてほしいと。そういう形で、子育て支援や、障害のある子供たち、児童相談所、虐待、自閉症の子供たちの支援を抜本的に強めてほしいという思いですので、ぜひお願いをしたいと思います。　最後の教育長の御答弁なんですけれども、私はずっと不思議に思っていますのは、なぜ20歳未満と年齢制限をつけなければならないのかということは、今の御答弁を聞きましても非常に納得できません。教育委員会の側で探し出して、あなたは年齢にかかわらずぜひ受けてくださいと、家捜しをして長野県じゅうの重度、重複の子供さんに高等部の訪問教育を受けさせなさいということではなくて、教育を受けたいと希望する人であれば、年齢にかかわらず、健康な子供と同じように受け入れるという当たり前のことが、なぜ重複の重い障害だということで受け入れられないのかという、この全く素朴な疑問です。　児童の権利条約でも、特別支援を必要する子供、つまり障害のある子供、重い子供にはとりわけ普通の子供以上の支援をしなさいと言っているんですから、そういう子供だけに20歳未満じゃなければだめですよというのは逆差別といいますか、年齢制限を取っ払ったから長野県じゅうから何十人、何百人の子供さんが、私は25歳だけれども受けたいとか、30歳だから受けたいとか、50歳だから受けたいとか、そんなことはありません。それは御家族や御本人が、先ほどお話あった、福祉、療育の場所が適当か、教育の場所が適当かということは自分で選ぶわけですよ。そのとき、教育の場所を選んだ人を差別をしないで受け入れてほしい、こんな当たり前のことは簡単にできると思うんですけれども、もう一度、教育長のお考えをお伺いしたいと思います。

　　　　　　〔教育長瀬良和征君登壇〕 ◎教育長（瀬良和征　君）今の石坂議員の話も含めて、参考にしながら前向きに研究してまいります。　　　　　　〔51番石坂千穂君登壇〕 ◆51番（石坂千穂　君）ぜひ前向きな御検討を、撤廃ということでお願いをしたいと思いますので、よろしくお願いします。　それから、企画局長にははっきり言っていただかなくてちょっと残念なんですけれども、検討の中身として支援するということでお願いしたいと思います。　以上で質問を終わらせていただきます。 ○副議長（倉田竜彦　君）この際、15分間休憩いたします。　　　　　　　　午後３時40分休憩　　　　　　　　─────────────────── 　　　　　　　　午後３時57分開議 ○議長（小林実　君）休憩前に引き続き会議を開きます。　続いて発言を許します。　宮澤敏文議員。　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）12月県会一般質問の最後になりました。私は、常々、議会と理事者の皆さんが県民のために新しい創造をすべきだということを訴えてまいりました。そういう立場から質問をさせていただきます。　まず最初に、警察本部長にお伺いいたします。　私の保護司の友人が、罪を犯した加害者に対しては実に日本の社会は完全な政策が立っているのに対して、被害に遭った被害者の皆さんに対する対策が非常におくれていると、こういうことを漏らされたのを思い出します。　平成７年、全国で10番目でありましたか、被害者、また家族も含めて、支援センターがスタートしたわけでありますが、この今の現状、問題点、今後の方向等々をお話いただきたいと思います。　次に、がん対策について衛生部長にお伺いをいたします。　平成13年、それぞれの第２次医療圏ごとに、国は、がんの基幹病院をつくろうというような方針を出したわけであります。これについて長野県としてどういう方向で対応していくのか。お伺いをいたします。　三つ目として、生環部長にお伺いいたします。　ちょうど１年前でございました。私がここで、ライチョウの生息が非常に悪環境の中にあるよ、これを早急に調査してライチョウに対する対応策を講ずるべきだと、こういうことをお話を申し上げました。１年たちました。どのようになったかお答えをいただきたいと思います。　　　　　　〔警察本部長岡弘文君登壇〕 ◎警察本部長（岡弘文　君）犯罪被害者の対策の関係について御質問がございました。　犯罪の被害者やその御家族は、身体的、経済的な直接的な被害のほか、大きな精神的なダメージを受け、その上、捜査活動とか報道、世間の風評等により深刻な２次的被害を受けるケースもあり、その後の日常生活に大きな負担を抱えているというのが実情でございます。　そして、今、議員御指摘になられましたように、加害者の人権につきましては、刑事訴訟法を初め、また、保護観察、保護司の制度といったような形で社会に復帰するためのケアが相当手厚く講じられているのが実情でございます。それに対しまして、被害者に対しましては行政の手がなかなか差し伸べられないという現状にあるのも確かでございます。　そういったことから、本県におきましても、平成10年には、警察、知事部局、検察庁の関係機関や、また民間の臨床心理士会、医師会、弁護士会等の関係団体が相互に連携して総合的な被害者支援を行うための長野県犯罪被害者支援連絡協議会を設立いたしました。　そうした流れの中で、先ほどお触れになりました長野犯罪被害者支援センターというものが、準民間の被害者支援団体として、平成11年に、県内の臨床心理士の皆さんや弁護士の皆さんといった専門家だとかボランティアの相談員の方々により設立されました。そして、このセンターは、活動を重ねまして、本年、ＮＰＯ法人として認証されまして、相談活動だとか被害に遭われた方への付き添いだとかといった支援活動に力を注がれております。　しかし、まだ長野市中心ということもございまして、今後は県下全域に活動区域を広げるとか、従来の電話相談主体の活動に加えまして、さらに積極的に、警察への事情聴取があるようなときの付き添いだとか法廷への付き添いだとかといった具体的な支援活動もやろうということで取り組んでいただいております。　ただ、活動の基盤となります財政面において、この経済情勢の中で、一般の方々からの寄附だとか会費収入が伸び悩むなど、厳しい状況にあるとも聞いております。　こうした状況にございますので、我々といたしましても、地域の中で犯罪被害に遭われた方々が地域の方々の支えによって立ち直っていく、そうしたことを行政としても力いっぱいできることをやってまいりたいというふうに考えております。　　　　　　〔衛生部長菅谷昭君登壇〕 ◎衛生部長（菅谷昭　君）ただいま、宮澤議員より、国のがん対策の方針を受け、今後の本県の対策の具体的な考え方を述べよということでございまして、私ごとで大変恐縮でございますけれども、私も、長年、がんの外科医として働いてまいりましたので、私自身の私見も交えてお話しさせてもらいます。　食道、あるいはまた胃、大腸等の消化器系のがんや、あるいは肺がん、乳がんなどの固形がんの治療成績の向上というものは、何と申しましても早期発見、早期治療、この一言に尽きると私は思っております。そのためには、検診体制の充実整備から始まり、医療提供体制の専門性の高度化までを含めた総合的な対策が必要と考えております。そのため、第４次長野県保健医療計画の策定に当たりましては、がん総合対策を重点プロジェクトの一つとして位置づけまして、医療関係者、また受療者、そして検診に携わる方なども含めましてがん総合対策分科会を設置しまして、国の方針も踏まえながら、幅広く御検討いただいたところでございます。　私は、がん診療体制の整備は、特に二つの方向から構築すべきものと考えております。　一つは、受療者であります県民が日常の生活圏で受診しやすい体制を整備する必要があり、そのためには、第２次保健医療圏ごとに、がん診療を担う病院間や診療所との連携を図り、医療情報を県民に提供するがん診療ネットワーク化事業を推進していくべきものと考えております。　今年度は、飯伊保健医療圏におきましてがん診療ネットワーク化事業に着手し、現在、医療機関の連携や情報提供のあり方の検討を行っており、具体的なプランが作成されつつございます。来年度からは、さらに他の保健医療圏においても検討していただき、それぞれの圏域ごとにネットワーク化が進展することを期待しております。　そして、もう一つの極めて重要な方向は、外科医、これは手術、あるいは内科医、これは化学療法、また放射線科医などを含めた主要専門医の質的向上をさらに強化することであると考えております。具体的には、各種のがん専門医師から成る研究会などを通じて診断、治療の水準を向上させることが不可欠であると思います。　既に、現在、信州大学を中心に、食道がん、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん等の主要ながんの専門領域ごとに研究会が設けられておりまして、それぞれ会の活動がなされておりますが、私自身を含めまして、県としては、これらの研究会に、診断や治療など医療技術の一層の向上を図っていただくよう、今後、私自身積極的に働きかけてまいりたいと考えております。　以上でございます。　　　　　　〔生活環境部長大塚武雄君登壇〕 ◎生活環境部長（大塚武雄　君）お答えいたします。　ライチョウの保護ということで御質問でございます。　御案内のとおり、ライチョウは、北アルプスあるいは南アルプスを中心にいたしまして、約3,000羽と言われております。ただ、このライチョウにつきましては、その生態がほとんど研究されておりませんで、非常に厳しいところにすんでおるというようなこともございまして、人間が近づきがたい場所にすんでいるというようなこともございまして、非常にその生態というのがわかりにくい状況のようでございます。　今年度に入りまして、まず、室堂でございますので立山ですか、富山県側の方で現地調査というものを実施をいたしております。そこには長野県側の方からも出席をいたしております。　それから、本県の方では、乗鞍岳のマイカー規制ということの中で、乗鞍岳山頂付近のライチョウの調査も今年度実施をいたしております。この調査結果につきましては現在取りまとめ中でございます。この結論が出たところで、研究機関あるいは専門家等と相談をする中で、その対応を図っていきたいと、こんなふうに考えているところでございます。　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）ライチョウの問題は少しも変わっておりません。環境は、地球温暖化のためにライチョウを取り囲む情勢は非常に厳しくなっているんです。そこのところを十二分に御理解していただきながら、しっかりとした対応策をお願いいたします。　今、衛生部長からお話ありました。私もそのとおりだと思います。　それで、私も、過日、衛生部長とお話をさせていただきました。そして、衛生部長、早速それを取り入れて検討委員会をつくっていただけると、こういうお話をしました。これが、私は、議会の議員とそれから理事者が一つの結果を出した一つの姿だと思います。つまり、検診、そしてまた治療、これに対してのレベルを上げるために例えば施設のガイダンスをつくる、そういうようなものを一緒につくりながらがん治療のレベルアップをしていく、こういうことはぜひともお願いしたいと思うところであります。　菅谷部長のリーダーシップをもって、どうか、長野県のがんの治療、検診のレベルアップをぜひとも願うところであります。早期にお願いしたいところであります。　また、今、警察本部長からお話がございました。12月４月、初日でございますが、私の会派の高木さん、そして小松さん、小林さんと４人で犯罪被害者支援センターにお邪魔しました。こういう存在を知らない、こういうことでございます。　私は、あえてここで訴えさせていただきたいと思います。今県会から、インターネットを通じて全国に放映されているわけであります。全国の皆さんに、この犯罪被害者支援センターの存在と、そして、これを民間の皆さんがバックアップしていく体制をどうかつくっていただきたい。一人一人の問題としてこの問題をとらえていただきたい。本当にわずかばかりの、この冊子だってみんなのわずかな浄財でつくったわけであります。ここに加入用紙があります。私も会員として申し込みをさせていただいたわけでございますけれども、本当に大事だと思っているところであります。　そこで、知事、この被害者の支援センターに対する財政的援助、それから精神的援助、これをどういうふうに持っていくか。お伺いをいたします。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）県警察本部関係の予算の提案は私がするわけではございますが、改めて県警察本部のお考えというものをお聞きした上で勘案していくことであろうと。今、この段階で私が申し上げるべきものではないと思っております。　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）知事、平成12年に70万、平成13年に50万、そして平成14年に30万、それぞれ支援が出ているんですよ。ところが、知事は去年からお切りになった。ゼロであります。どうか、御検討をお願いしたいと思います。　次に、地震対策であります。　私ども議員58人が全員で、この７月に研修を受けました。その中で、消防庁の防災課長は、これから10年の間に東海地震は必ず起こる、また、静岡―糸魚川構造線地震の状況は非常に厳しい、このことが発表されました。　まず、東海地震への対応策はどのようになっているか。どのように進んでいるのか。また、糸魚川―静岡構造線地震の被害予想と今後の備えはどうなっているのか。危機管理室長にお伺いいたします。　　　　　　〔危機管理室長長尾一郎君登壇〕 ◎危機管理室長（長尾一郎　君）まず、御質問の第１点でございますけれども、東海地震対策ということでございますけれども、既に議員御案内かと思いますが、昭和56年以降から、東海地震対策につきましては、東海地震に関する大規模地震対策特別措置法という法律に基づきまして、基本的には防災関係施設の充実強化というものが図られているというふうに認識しています。　具体的な数字で申し上げますと、いろいろな県有施設も含めました公共建築物の耐震改修でございますとか耐震性の貯水槽の整備でございますとかというような事業がございまして、現在の進捗状況につきまして、私の認識では、東海地震につきまして長野県については60％程度が進んでいるというふうに認識してございます。　それから、第２点目の糸魚川―静岡構造線関係の被害についてでございますけれども、まず、糸魚川構造線の北部と中部というふうに実は分かれてございます。　まず、北部関係でございますけれども、建物関係でいいますと全壊家屋数10万棟。中部関係でございましてやっぱり10万棟。それから、東海地震関係でございますが、長野県内につきましては倒壊家屋数約100棟という数字が出てございます。　それから、人的被害でございますが、これも同じように北部と中部と東海に分けてございます。　まず、北部につきましては、これはシーズンによって変わりますが、おおむね2,000名から3,000名。それから、中部につきましてもやはり2,000名程度の規模の死者の方が出られると。それから、東海地震につきましては、長野県そのものはちょっと距離が遠いこともございますけれども、数名程度の被害になるという認識を持ってございます。　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）2,000人の方が亡くなる、また、10万5,000軒の家屋、これは松本から北だけであります。松本から南だけでも、2,000名、10万を超える全壊家屋。大変な被害であります。これに対して、どういう対応をしているのかということもあわせてお聞きをいたします。　住宅部長は、公共事業、公共物を束ねるところであります。学校、病院、県の施設、この５月に出された警笛に対してどういうふうに対応をしたのか。お伺いをいたします。土木部長にも同じ質問を申し上げます。　　　　　　〔住宅部長中村芳久君登壇〕 ◎住宅部長（中村芳久　君）お答えいたします。　東海地震等に関する耐震対策でございます。　一般住宅につきましては、御案内のように、とうかい防止対策事業の中で、強化対策地域を対象として、診断と、それに伴う住宅改修について県として対応しております。　公共の建物等につきましては危機管理室の方ですべて管理しておりますので、よろしくお願いいたします。　　　　　　〔土木部長小市正英君登壇〕 ◎土木部長（小市正英　君）お答えいたします。　東海地震対策等につきましては、緊急輸送路につきまして、その路線上にあります特に橋梁の耐震対策等を実施をしております。　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）今、土木部長が言われたのは、国の方針でもって調べろということでもって調べたことですね。つまり、長野県では、知事、これだけの人たちが、シナリオという大変な警告を５月に出してから今日に至るまで、一度たりともそのことについて会議を持っていない。対策を講ずるような予定を持っていない。これは大変なことであります。　宮城県地震の群発地震がこの９月に行われました。私、宮城県の危機管理室長とお会いしてまいりました。大変な熱意のある方でございました。この教訓から、本県行政は何を学び、そしてどう対処をして来年度から予算づけしていこうと考えていくのか。危機管理室長にお伺いします。　もう一つ、民間消防団は大変なパワーであります。これをどのように位置づけ、どう育成していこうと思っているのか。この点についてもお伺いいたします。　　　　　　〔危機管理室長長尾一郎君登壇〕 ◎危機管理室長（長尾一郎　君）お答え申し上げます。　東海地震関係、それから、当然のことながら県内にございます各種のいろいろな断層につきましての５月に出されました警鐘については、私どものアクションと言ってよいかと思いますが、実は、私ども一番重点的に考えなくてはいけないなと思っておりますのは、先ほど住宅部長も言われました一般の個人住宅の耐震改修をやっていただくということも当然でございますけれども、私どもの県有施設そのものの耐震性の確保というものも重要な課題であろうと認識をしてございます。　簡単に数字を御説明したいと思いますが、実は、県有施設全部で現在3,445棟ございます。そのうち、現行の基準法に合わない、旧建築基準法と言われています建築物が1,959棟、約2,000棟あります。パーセンテージで言いますと57％に上るわけでございます。これらにつきまして、当然のことながら県の責任におきまして耐震改修を進めていきたいと考えておりますが、余りにも膨大な規模の数でございますし、予算の縛りもございますものですから、まず重点的に耐震改修をやっていくもの、正確に言いますと、耐震診断をして、かつ、必要に応じて耐震改修も進めるべきものというのをきちっと洗い出しをして、かつ、予算の範囲内でございますので、きちっと計画的にやっていく必要があるというふうに考えてございます。　それで、既に私ども県庁の中でワーキンググループを設けまして、例えば避難所としての学校、医療としての病院、社会福祉施設、それから、このような県庁舎につきましての計画的な耐震診断と耐震改修ということにつきまして来年度の予算から計画的にやっていく旨、財政当局にお願いをしているという現状にまず１点ございます。　それから、２点目、消防団の方々のことでございます。　今現在、全国で94万人、県内でも約４万人の方が消防団として御活躍をいただいております。これは、全国的な規模から言いますと、長野県は人口規模から申しますと消防団の数は多い方に部類はされております。これはこれである意味じゃ当然、小さな村あるいは常備消防が持てないということから消防団の方々に御参画をいただいて、自分たちの町は自分たちで守るという気概を持っていただいているというふうに認識してございますし、私自身、消防団の重要性というのは極めて高いと思っております。　阪神・淡路大震災のときでも、淡路島で死者が出なかったのは、消防団の方々が、ここにおばあちゃんが住んでいる、おばあちゃんはここに寝ているんだということをふだんからコミュニケーションしておられる方々でございますので、いち早く駆けつけて掘り起こしていただいて救命率が上がったという、これは事実でございます。　私どもも、これらの消防団の方々、私も、月に一遍、消防団の方々と理事会や何かでお会いをしていろいろな御相談を承っているというふうに考えております。単にお金だけの話ではなくて、常に消防団の方々とのコミュニケーションをとり続けることによって、県行政も含めて、市町村行政も含めて御協力をいただくということ。これは、なかなかお金でどうこうということではないのですが、やり続けていきたいなと思っております。（35番宮澤敏文君「宮城県の関係は」と呼ぶ）　宮城県の地震対策につきましての教訓は何かという御下問だったと思います。　宮城県もそうでございますが、北海道もそうでございますが、まず、住宅の被害についての認識でございますが、これは思ったより少ないという認識を持っています。これは技術的な説明で申しわけございませんが、宮城県もそうでございますし、北海道もそうでございまして、これは雪国ということもございまして、幸い、建物そのものが雪に強いという構造は、すなわちこれは地震に強いという構造であったというふうに認識しています。　ただ、いかんせん、オペレーションの問題はそれほど迅速にできたというふうには考えてございません。例えば、職員の方々の情報収集能力でございますとか、最初の１時間の対応能力ということにつきましては、決して、いいということは多分全国的には言われないであろうと思っています。　ここで、長野県はどうするのということでございますけれども、当然のことながら、我々職員の応急対応能力の向上というものは確かに求められてくるというふうに考えてございます。　発災直後から最初の24時間は、はっきり言いまして勝負であろうと思っています。そのためには、参集されました職員の方々は、一体、どういう情報に基づきどういうアクションをするかということ、これはふだんからの平常業務ではなかなか培われない能力であろうと思っております。それで、私ども、つい最近でございますけれども、図上訓練という新たな訓練方式を導入いたしまして、まさに実践さながらの、屋外展示型の訓練とは違う、本当にリアリティーのある訓練を研さんするということをもって職員の方々の能力向上を図っていきたいと思っております。これは、当然、今後も続けていきたいと思っておりますし、これは、私ども県庁だけではなくて、各市町村も同じでございますので、各市町村の方々も実はセミナーをやってやり方についても勉強会を設けておりますので、幾つかの市町村でも自分たちでやりたいと言っていただいているというありがたい話もございますので、このような職員の方々のスキルアップというものも図っていきたいと思っております。　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）昨日、警察本部長から警察の危機意識に対するお話がございました。いざというときの対応、それから全国から対応するような対応力の強さ、これをしっかりとお聞きして本当に心に安心感を持ちました。　残念でありますが、長野県の場合、本当にそうなんだろうか。これだけ厳しい状況にあるときの危機意識は本当に大丈夫なのか。

　今、危機管理室長からございましたですけれども、宮城県の浅野知事は南アフリカに公務で出張しておられまして、県議会では、このときにいなかったということが大きな問題になっておるわけであります。２日間おくれたと。最初の24時間だと、私はそのように思いました。　なぜ、知事は、これから出かけていくときに、職務代行を置かないのか。内閣総理大臣でさえも、海外旅行をするときには職務代行を置いております。私は、海外へ行っちゃいけないと言っていません。トップリーダーたるもの、私ども県会議員も含めて、海外に研修することなくして新しい風を感ずることはできません。私は少しもそれに対する疑問を投げるものではありませんが、危機管理に対しての考え方はしっかりとした方がいいんじゃないだろうかなと。　それから、内部に対して、これからきちんと、この地震、長野県の中でも少なくとも5,000人の人たちが一瞬にして命を落とすというふうに言われている、これに対してしっかりと対応するということが必要だと思いますが、知事の御決意をお願いします。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）御質問の件でございますが、これは、その都度書面を出す、決裁をするというようなことではなく、まさに三役というもの、副知事及び出納長が私を補佐し、また、私が就任後、危機管理室というものを設け、今２代目の室長がいるわけでございます。そのことが、いずれの者かがですね、例えば県本庁舎にいるとも限らないわけでございます。県内の各地にいる場合もございます。それぞれがその職務を補完する代行者であると、このように認識しております。　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）知事、海外に出かけるときは、海外は衛星電話でなきゃ通じないんですよ。衛星電話というのはこのぐらい大きいんですね。知事の自動車についているのです。あれを持って出かけるということは不可能なんですよ。ですから、知事が、携帯電話でということを西沢君にこの前お話をしておりましたが、衛星電話というのはそんなに小さなもんじゃないんですよ。そこのところも含めて、知事、何かあったときには一番最初、知事が本部長なんだから、その判断をしっかりとさせておかなければだめなんですよ。これが災害というものなんです。怖さなんです。これを含めて、もう１回御答弁いただきます。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）ちょっと御質問の趣旨がよくわからないんでございますが、旅行の際に、副知事が海外に出かける場合等もそれぞれ携帯電話があり、また宿泊先等がすべてわかっております。また、飛行機に関しましても、私は機内電話がある便というものを選ぶようにしているわけでございます。　したがいまして、それぞれスケジュールも連絡もとれる形と。また、議員御懸念の長野県内の電話網が崩壊したといたしましても、長野県には東京事務所もあり、そこから海外に連絡をとるということもできるわけでございます。　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）知事、災害のことを御存じない。災害では、もう携帯電話を発信することはできないんですよ。受けることもできない。そういう状況なんですよ。だから、東京事務所までまず電波が通じないんですよ。　それから、もう一つ、最高責任者は指示をしなきゃいけないんです、何をやれと。その指示を、きのうの警察本部長は、それぞれの立場でやると。だれだれの個人じゃない。こういう立場の人はこういう仕事をしろということでマニュアル化して、それをやることが地震に対する備えなんですよ。それだけ申し上げます。　2000年に、私は高校通学区検討委員会の一員となりました。そこで、これからの高校はどうあるべきかということを御論議をさせていただいたわけであります。　そこで、中学生、高校生の生徒の皆さんからアンケートをとりました。一番大きなアンケートは、教員の資質の向上という問題でございました。それを含めて、これから教育長にお伺いをいたします。　現在、教師の資質の向上は具体的にどのように取り組んでおられるか。　２番目、そのときに一番大事なのは、要するに地域高校、職業高校はどうしても定員が少なくなる。何としてでも魅力をつけなきゃならない。そのためには、財源も人材も投入するということをお約束していただいたわけであります。その後、どうなっているのか。　そして、３点目であります。高校通学区制評議委員会がその後できました。その後、どのようになっているのか。これについてお伺いをいたします。　　　　　　〔教育長瀬良和征君登壇〕 ◎教育長（瀬良和征　君）お答え申し上げます。　13年４月23日に設立された検討委員会に宮澤委員も御参加いただきまして、通学区制の改革の答申をいただいたところでございます。その中で、通学区制の拡大に伴いまして配慮すべき課題というものが７項目示されました。その中の項目の３項目でございます。　教員の資質の向上に対しましては、教育の課題の中でも最重要な課題でございます。一昨日も申し上げましたけれども、授業は、従来の伝達し、説明し、評価する授業から、触発し、交流し、共有する授業へというふうな流れに変わってきつつありまして、その中で、個々の教員は意欲的に自己を啓発し、みずから改善に取り組まなければならないと考えております。　具体的な取り組みとしては、例えば、本年度からすべての高等学校で学校自己評価に取り組んでおりまして、授業改善のために生徒による授業評価を行ったりしております。また、各学校に、昨年度からでありますけれども、本年度100％の高校で授業公開を実施いたしまして、住民の皆さん、保護者の皆さんの評価をいただきながら授業の改善を目指しておりますし、また、教員の研修につきましても、本年度から新たに10年経験者研修あるいは英語教員研修というようなものを入れております。また、本年度から学校評議委員会というものを立ち上げまして、新しい教員評価のあり方についても具体的な設計に向けて審議しているところでございます。　何よりも、教員みずからが、上から指示されたということじゃなくて、学校内でふだんの授業をお互い見せ合うという中で意見交換をし、子供さんや保護者の意見にも耳を傾けながら授業の改善を進めるということが大切だと思っておりまして、そのような環境づくりをしてまいりたいと思っているところでございます。　それから、地域高校あるいは職業高校の魅力づくりということでございますが、地域高校、職業高校への教員の配置につきましては、魅力ある教育課程編成ということで、例えば飯山照丘、犀峡とか富士見におきましては、地域とか地域史の科目設定等によりまして、または生徒指導支援のためというような形で教員の加配をしております。　今後もさらに支援してまいりたいと思っておりますし、また、白馬ではアルプスコース等ということでコース制を導入しておりまして、現在、地域高校の19校中15校がコース制を導入しておりまして、これに対しても、生徒の実態に即した授業ができるように非常勤講師を配置しているところでございます。　また、本年度、人事異動方針を見直しまして、都市部高校と地域高校、あるいは普通高校と職業高校との交互交流を一層活発化し、互いの充実を進めてまいりたいと思っておりますし、新しい時代の産業ニーズに対応するための職業高校の学科改編、新設というものを、例えば諏訪実業高校におきましては会計情報科の新設、新設、改編に伴いますコンピューター関連の施設の充実等を諏訪実業高校が行ったりしておるところでございます。　それから、最後の御質問でございますが、学校評議員制度の活用でございます。　現在、県立高校におきましては、学校評議員については、昨年度より、89校全部に設置しておりまして、保護者、地元自治会、中学校や地元企業、同窓会等の関係者が631人評議員として委嘱されておりまして、いろいろ率直な御意見をいただいているところでございます。　具体的な効果といたしましては、本年度初めて工業科の生徒たちが職業体験を行うインターンシップを実現した飯田工業高校の取り組みなど、学校の教育計画と地域との連携が実現する事例もあり、職員の意識改革も徐々に進んでいるところでございます。今後は、さらにこの制度の充実を図り、地域と連携しながら魅力ある学校づくりを進めてまいりたいと考えております。　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）少しも進んでいない。それで、最も楽な高校入試の制度を構う。魅力をつけることを大前提にして、そして入試改革を構うというのが検討委員会の結論でありました。それをやる前に、残念でありますが、入試改革が行われてしまったわけであります。来年からであります。私は、教育委員長に、私が提案する教員の資質の向上の対策案をお渡ししました。読みます。　10年を一つの区切りとして、教員を育てるスタンスで教員を配置しながら、要するに回していくこと、つまり、この先生にどういうふうに、これは比較的義務教育はできているんですよ、ところが高校教育の場合はできていない。この先生を将来どういうふうに育てるんだ。そういうような資質を向上する立場ができていない。　第２番目として、ことし、東京都で行われておりますが、生徒の授業評価、これを導入していくべきだ。生徒の満足度調査もございます。これには校長先生に権限を持たせなければできません。そこら辺をどうするか。　３点目、評議員制度であります。これも形骸化しています。ですから、学校から50％、それから地域の人たち、ＰＴＡも含めて50％、そしてそれをつくっていく。こういうやり方を持っていって、同じテーブルで学校のことを考えていくという、この方法が私はいいと思うわけであります。　それから、１年間、先生方も必死でもってことしのテーマを持ってやるわけであります。そうしたら、１年こうだった、成果はどうだ、来年度はどうだ。校長を初め管理職の皆さんがそれに対して対応してあげる。そして、来年度はどうだ。こういうことによって教師を育てていく。　この４点を提案するのでありますが、これについての御意見はどうでしょうか。　　　　　　〔教育委員会委員長佐々木則夫君登壇〕 ◎教育委員会委員長（佐々木則夫　君）お答えいたします。　学校経営計画の策定10年、これは大変結構なことであると、このように思います。　それから、児童生徒の授業評価、これも結構なことだろうと思います。　それから、学校評議員制度、これも現在やっておる最中であります。どんどん育てていかなきゃいけないことだろうと思います。　それから、もう１点は何でしたか（35番宮澤敏文君「もう結構です」と呼ぶ）はい。どうもありがとうございました。　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）教育委員長、ありがとうございました。資質の向上、ぜひともよろしくお願いするわけであります。　私は、教室に教育ボランティアをということを提案しております。その提案はどういうことかといいますと、アメリカでは少数学級というのは大体17名から16名だというふうに言われております。それが一番いいのかどうか、日本にそれが当てはまるのか、農耕民族と狩猟民族と違いますから、これは一概には言えないことだと思っております。そういう中で、私は、教室の中に、池田小学校の例じゃありませんけれども、要するに外部の人たちが入ってこれない。高い壁になっています。これを破るためにも、一定の資格を与えたならば、教師の皆さんのヘルパーを使ったらどうだろうと、こういう提案をしてきております。これについての御意見がありましたら、よろしくお願いいたします。　　　　　　〔教育長瀬良和征君登壇〕 ◎教育長（瀬良和征　君）大変結構な提案であると思いまして、前向きに検討してまいりたいと思います。　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）ありがとうございます。ぜひともお願いいたします。　次に、ＩＬＯの132号条約の批准についてであります。　これについて、国内は労基法39条が関係しているわけでございますけれども、一体何で批准ができないのか。社会部長、個人的なことで結構でございますから、何で批准できないんだろうか。このことについてお答えをお願いします。　　　　　　〔社会部長堀内清司君登壇〕 ◎社会部長（堀内清司　君）お答えをいたします。　なぜ批准をできないかということでございますが、まず、ＩＬＯ132号条約というのは年次有給休暇に関する条約でございます。年次有給休暇は、原則として、条約では、原則として継続したもので、分割された場合でも、分割された部分の一つは少なくとも中断されない２労働週から成るものとすると。つまり、２週間連続で休暇をとると。　ところが、国内法であります労働基準法39条には、「使用者は、その雇入れの日から起算して６箇月間継続勤務し全労働日の８割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。」という規定がありますが、労働基準法では年次有給休暇の継続した取得を義務づける特別の規定は設けてございません。　このような状況でございまして、年次有給休暇につきまして、各国の雇用慣行、それから生活習慣に適合したものとならざるを得ないと考えられることから、いわゆる日本で適用するわけにいかない、合っていないと。労働基準法の規定と相違するという観点からこの条約は批准していないと、こういうことだと思います。　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）観光を担当するポジションがわかりませんので、その方の責任者の方で結構でございますが、国土交通省総合政策局観光部から平成14年６月７日に、年次有給休暇を完全にとった場合、どのくらいの経済効果と雇用の効果があるかということをおつかみですか。　　　　　　〔商工部長井上忠恵君登壇〕 ◎商工部長（井上忠恵　君）現在、私の手元にそのデータはございません。　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）今の人たちが完全休暇をとった場合、経済効果11億8,000万、そして雇用創出効果が148万人、新規雇用者が56万人ということでございます。コロンブスの卵であります。私、何を言ったかというと、観光に全部結びつけている。要するに、観光局だと言って、いろいろな施策をきのうからお話ございました。基本的に視点を変えなければだめだ。休みを長くとらせて、要するに長期休暇、それから休みをとれるときの多様化を図るべきだと。これが私の持論であります。このことについてどう思われますか。商工部長にお願いします。　　　　　　〔商工部長井上忠恵君登壇〕 ◎商工部長（井上忠恵　君）観光という視点から考えますと、確かにそうしたことによって観光需要はふえてくるというふうに私は思います。　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）全くそのとおりでありまして、14年の６月25日に政府は第２次骨太方針を発表いたしました。この中に明確に出ているんです。文部省も学校もそれに協力しよう、そういう国の大きな流れが出ているんです。知事、知事の発言力をもって、どうか中央でも大いにこの主張をしていただきたい。私は願うところであります。　最後に、「コモンズからはじまる、長野県ルネッサンス」を読まさせていただきました。非常に私とフィットする考え方だなと、こういうふうに思いました。個人的な考え方です。その中で、大変な矛盾が幾つもあるので、フィットはしたけれども、実現は非常に難しいなと、こういうふうに考えたわけであります。　まず、行政の役割でございますが、19ページに載っております。この中で、日本という一つの独立国家の中で、行政システムを違う制度でもってやることができるのかどうか。これについて自治省出身の副知事にお伺いいたします。　　　　　　〔副知事阿部守一君登壇〕 ◎副知事（阿部守一　君）総合計画審議会の中間答申についてのお尋ねでございますが、19ページ、「行政の役割」というところ今読んでいるわけでございますが、ここは概念図で示されている部分かと思います。「これまで」、「これから」という形で、ピラミッド型の国を頂点として地域に対して一定方向の矢印が来ている流れを、円形の形で、地域、それをさらに市町村が補完して、それを県が補完して、国が補完するという形に変えていこうという概念図が示されているわけで、これについてのお尋ねかと思いますが、確かに今の地方自治制度、さまざまな法律の制度、中央集権的になっている部分が率直に言って非常にあろうかというふうに思います。　しかしながら、ここで提言されておりますことは、私なりに考えますに、最後のところ、実は、ここの提言の中で私自身が率直に申し上げて着目しておりますのは、51ページのところに「おわりに　「信州革命」を求めて」というふうに書いてございます。その中で、イギリスの支配、これはアメリカの独立のときの話でございますけれども、トマス・ペインの「コモン・センス」を引きまして、「イギリスの支配は「非常識」であって、独立こそ「常識」であることを、トマス・ペインは「コモンセンス」のなかで、繰り返し、強調したのである。日本の現代社会を鑑みるとき、多くの市民は、中央政府による制度的・政策的諸条件にもとづく画一的なコントロールが、地域の多様性を軽んじ、損なう「人間不在」の社会をつくり出してきたことに、不安と不満を抱きつつも、それは「やむを得ないもの」として、改革のための行動をおこせずにいる。」という文章がございます。　私、ずっと地方自治に携わってきたわけでございますけれども、どうしても、今までの地域社会でありますとか地方公共団体、国の制度の枠から発想が抜け出せていない部分が率直に言ってあるのではないのかなというふうに思っております。　先ほど、教育庁構想のときにも若干申し上げましたけれども、今まで、例えば教育行政の仕組みというのは、教育委員会があって、知事部局があって、さらには地方教育行政法があって、それから教員の定数法があって、そうした中で、わずかなすき間のところを地域の創意工夫でやってきていたという部分があろうかと思いますが、むしろ、これからは地域を主体に考えていく方向で発想を、あるいは行動を変えていくべきではないかというのが、この提言の趣旨ではないかというふうに私は理解しております。　例えば、県の中で予算の議論等をしておりましても、特定の部局名を言うとあれですけれども、私からいろいろ指摘をする中にも、よく言っておりますのは、国の制度のすき間を埋めるというような発想は変えてほしいということを申し上げています。率直に申し上げて、中央政府のつくっている仕組みというのはかゆいところに手が届くように国のレベルでは一生懸命考えていると、私もかつて国家公務員でしたからそうは思っておりますが、しかしながら、地域の実情とか、あるいは一人一人の県民、住民の思いというものとはいささか乖離している部分が生じてきているということも、また率直に申し上げて否めない部分じゃないかというふうに思います。　したがいまして、そうした発想なり行動、今まで国の呪縛のもとで地域社会あるいは地方自治体というものが狭い範疇の中で考えていたことを逆転していこうと。むしろ、地域から発想して、この図で言えば市町村なり県なり国が補完していこうという発想というのが、この提言の趣旨であろうというふうに考えております。　したがいまして、御質問の趣旨は、一国の中で幾つか違う制度がどうこうという御趣旨のお尋ねでございましたけれども、ここで言われておりますのは、そうした狭い観点ではないのではないかというふうにも思っておりますし、むしろ、今現在でも、特区制度等で、国においても地域の特殊性に基づいて国の規制も緩和するというような動きも出ておりますし、また、さらには、国と地方は対等協力の関係ということで、私ども、国に対して、かつてのように要望という形ではなくて、しっかり提案という対等な立場で物を申しているということになっております。これは、全国知事会の場でも、闘う知事会というスタンスで全国の都道府県も取り組み始めておりますし、長野県もそうした形で率先して取り組んでいくべきものだろうというふうに考えております。　以上でございます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）知事、この中に生活がないんですよ。そこに住んでいるコモンズの人たちがどういうふうに暮らすかという生活感がないんですよ。小さな村だって合併なんかしたくない。地域の文化も残したい。だけど、つながりも残したい。しかし、お金がないような状況になってきてしまうから、どうしても合併を繰り返さなければならない、こういうことであります。その思いを知事はきのう言われました。コモンズを支えるということを原点に、来年度の予算編成はこれに基づいてやっていきますとおっしゃられた。これは、非常に地域の人たちを元気づけることだと思っております。きっと、大幅なコモンズを支えるということが出てくるんだろうと考えて、私はこれを聞いておりました。楽しみにしておるところでございます。　私は、長野県の行政システムを思うと、まず、一つの計画をつくる。今までは、町村からいただいて、それからなってきた。これは住民の声を聞く、これは非常にいいことであります。それを実施する。何を実施するかというところで知事の一つのふるいがかかる。それを評価する。評価するところも、これもまた知事の個人的な感覚が入られる。そこのところでちっとも民主的に回っていかない。このサイクルができ上がらないんです。　このことに答えていただければ結構でございますが、知事は、その基準、県民益というみんながわかりやすい具体的なマニュアル、万人がわかるようなマニュアルをもう示すべきだと思うんです。知事の感覚じゃなくて。その場その場じゃなくて。そういうふうに思いますけれども、このことについてどう思われますか。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）お褒めをいただくと同時に叱咤激励をいただいている感じでございますけれども、私たちは、まさに県政改革ビジョンというものをつくり、そして、今回、コモンズから始まる「未来への提言」というもの、まさにこれが長野県の歩むべき方向ということで、さらに議員がおっしゃるような、これをマニュアル化しろということになりますと、それぞれの職員の発想であったり提言であったり行動であったりというものをも鋳型に押し込めることになるということでございます。　私は、職員個々の能力があるわけでございまして、ただ、その能力というものに弁証法的にまだ十分にそれぞれ私も含めて把握し切れていなかったりする。そうしたものがこの「未来への提言」というものを読むことでそれぞれが覚せいされることで、眠っていた能力が引き出され、そして意欲がさらに生まれ、行動にいくわけでございまして、さらにマニュアルをつくるということはそれを減退させることでございます。　いずれにいたしましても、長野県のここに記されているような将来像というものを実現していったときに県民益が生まれ、それが全国の他の地域も取り入れることで長野モデルになるわけでございます。　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）一つ質問を落としてしまいましたが、高校通学区が広がって、その中でもって電車やバスを使う距離がうんと長くなるわけです。その接続。きょう、３月のダイヤ改正が発表されるわけでありますが、知事、これはみんなでもって取り組まなきゃいけませんよね。ところが、企画局長、このことについてＪＲと一度も話をしていない。先ほど私全部確かめました。20年、30年に一度の高校改革で、子供たちのことを本当に考えていたら、当然、このことが行われる来年３月からこうしようと、こういうことを企画局長はやっていいはずであります。何もやっていない。一度もやっていない。　もっと申します。私、知事は非常に礼儀正しい方だと、すばらしい方だと。礼儀正しいと思っております。ところが、４年たった後、知事を取り囲む県の職員はほとんどあいさつをしなくなった。どういうことですか。知事がこれだけ礼儀正しいのに、知事を取り囲む人たちが朝会ってもあいさつ一つしない。寒々としている長野県庁。これですよ、田中知事の改革の現状は。知事、ここのところをよく考えてもらいたい。　最後に、私、このことは今回12月しかないと思っておりました。財政が非常に厳しいときであります。全国でも高額だと言われてきた知事の退職金、特別職の退職金、知事はこの見直しを職員に命じたというふうに一部お聞きをしておりました。その結果はいつ発表して、いつ大胆な改革をされるのか。お答えいただきたいと思います。　　　　　　〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事（田中康夫　君）報酬も含めて、審議会をつくって抜本的に見直すというところでございます。　松本市のように、職員の能力、適性というものを給与に反映するというような、そうした考査も入れるというようなところも県内の自治体に出てきているわけでございます。長野県は、一般職員に関しても、特別職に関しても、あるいは部長級に関しても、そのような松本市ほどの大胆な信賞必罰はまだ導入していないわけでございまして、報酬、そして退職金も含めて第三者による委員会をつくるという形になっております。　　　　　　〔35番宮澤敏文君登壇〕 ◆35番（宮澤敏文　君）見直しのための会議をつくるということでございます。これはやっぱり早目に県民に知らせないと、痛みをみんなで伴わなきゃいけない。退職金、私は、一般の人たちはともかくとして、特別職はしっかりと考えるべきだと、こんなふうに思っております。　以上をもちまして質問のすべてを終わらせていただきます。 ○議長（小林実　君）以上で行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を終局いたしました。　　　　　　　　─────────────────── △知事提出議案委員会付託 ○議長（小林実　君）次に、知事提出議案中、第15号「平成14年度長野県一般会計及び特別会計の決算の認定について」を除き、知事提出議案をそれぞれ所管の委員会に付託いたします。　各委員会におかれては、慎重審議の上、速やかに議長の手元まで審査報告書の提出を願います。付託一覧表は後刻お手元に配付いたします。

　　　　　　　　─────────────────── △決算特別委員会の設置及び同委員会に第15号議案付託 ○議長（小林実　君）次に、決算特別委員会の設置及び同委員会に第15号議案付託の件を議題といたします。　お諮りいたします。第15号議案については、12人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長（小林実　君）御異議なしと認めます。よって本件は、12人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決定いたしました。　　　　　　　　─────────────────── △決算特別委員会委員、同委員長及び同副委員長の選任 ○議長（小林実　君）次に、ただいま設置されました決算特別委員会の委員、同委員長及び同副委員長選任の件を議題といたします。　お諮りいたします。決算特別委員会の委員に、お手元に配付いたしました名簿のとおりの議員を指名するに御異議ありませんか。　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長（小林実　君）御異議なしと認めます。よって、決算特別委員会の委員に、お手元に配付いたしました名簿のとおりの議員を選任することに決定いたしました。　　　　　　〔議案等の部「４　決算特別委員会委員名簿」参照〕　　　　　　　　─────────────────── ○議長（小林実　君）次に、お諮りいたします。ただいま選任されました決算特別委員会の委員中、委員長に竹内久幸議員を、副委員長に佐藤友昭議員を指名するに御異議ありませんか。　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長（小林実　君）御異議なしと認めます。よって、決算特別委員会の委員長に竹内久幸議員を、副委員長に佐藤友昭議員を選任することに決定いたしました。　　　　　　　　─────────────────── △請願・陳情提出報告、委員会付託 ○議長（小林実　君）次に、去る９月定例会後、県議会に対して請願及び陳情の提出がありましたので、報告いたします。　　　　　　〔職員朗読、議案等の部「５　請願・陳情文書表」参照〕 ○議長（小林実　君）以上であります。　ただいま報告いたしました請願及び陳情を、それぞれ関係の委員会に付託いたします。　各委員会におかれては、慎重審議の上、速やかに議長の手元まで審査報告書の提出を願います。請願・陳情文書表は後刻お手元に配付いたします。　　　　　　　　─────────────────── △請願・陳情取り下げ ○議長（小林実　君）次に、お手元に配付いたしましたとおり、請願及び陳情の取下願がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。　ただいま報告いたしました請願及び陳情取り下げの件を本日の日程に追加いたします。　本件を一括して議題といたします。　お諮りいたします。本件については、それぞれ願い出のとおり取り下げを許可するに御異議ありませんか。　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長（小林実　君）御異議なしと認めます。よって、本件はそれぞれ願い出のとおり取り下げを許可することに決定いたしました。　　　　　　〔議案等の部「６　請願・陳情取下願」参照〕　　　　　　　　─────────────────── ○議長（小林実　君）次に、現在文教企業委員会において継続審査中の請第19号「特殊学級開設に当たっての該当児数の規定を無くすこと等について」の請願については、その後、この請願の趣旨に賛成する者4,062名の署名簿の提出がありましたので、所管委員会の意見を徴した結果、これを受領し、当該委員会へ送付することといたしましたので、御了承願います。　　　　　　　　─────────────────── △議員提出議案の報告 ○議長（小林実　君）次に、議員から議案の提出がありましたので、報告いたします。　　　　　　〔職員朗読〕議第１号　　　　　国民の祝日「山の日」の制定を求める意見書案提出書　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成15年12月11日　　長野県議会議長　小　林　　　実　様　　　　　　　　提　出　者　　　　　　　　　　高　木　蘭　子　　　　　　　　賛　成　者　　　　　　　　　　萩　原　　　清　　石　田　治一郎　　小　林　　　実　　　　　　　　　　古　田　芙　士　　平　野　成　基　　佐　藤　友　昭　　　　　　　　　　小　松　　　稔　　小　林　宗　生　　小　池　　　清　　　　　　　　　　宮　澤　敏　文　　倉　田　竜　彦　　柳　田　清　二　　　　　　　　　　小　松　千万蔵　　村　上　　　淳　　小　林　利　一　　　　　　　　　　保　科　俶　教　　髙見澤　敏　光　　柳　平　千代一　　　　　　　　　　清　水　　　洋　　清　水　保　幸　　石　坂　千　穂　　　　　　　　　　毛　利　栄　子　　小　林　伸　陽　　高　村　京　子　　　　　　　　　　藤　沢　詮　子　　森　田　恒　雄　　宮　澤　宗　弘　　　　　　　　　　竹　内　久　幸　　田　口　哲　男　　永　井　一　雄　　　　　　　　　　下　﨑　　　保　　寺　島　義　幸　　高　橋　　　宏　　　　　　　　　　塚　田　　　一　　下　村　　　恭　　島　田　基　正　　　　　　　　　　宮　川　速　雄　　木　内　　　均　　今　井　正　子　　　　　　　　　　田　中　清　一　　望　月　雄　内　　向　山　公　人　　　　　　　　　　鈴　木　　　清　　西　沢　正　隆　　服　部　宏　昭　　　　　　　　　　木　下　茂　人　　村　石　正　郎　　本　郷　一　彦　　　　　　　　　　佐　野　功　武　　牛　山　好　子　　林　　　奉　文　　　　　　　　　　丸　山　賢　二　　清　沢　英　男　　北　山　早　苗　長野県議会会議規則第23条第１項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。　　　　　　　　─────────────────── 議第２号　　　　　ＪＲ不採用問題のＩＬＯ勧告に基づく早急な解決を求め　　　　　る意見書案提出書　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成15年12月11日　　長野県議会議長　小　林　　　実　様　　　　　　　　提　出　者　　　　　　　　　　田　口　哲　男　　　　　　　　賛　成　者　　　　　　　　　　宮　澤　敏　文　　倉　田　竜　彦　　柳　田　清　二　　　　　　　　　　小　松　千万蔵　　小　林　利　一　　高　木　蘭　子　　　　　　　　　　村　上　　　淳　　石　坂　千　穂　　小　林　伸　陽　　　　　　　　　　藤　沢　詮　子　　高　村　京　子　　毛　利　栄　子　　　　　　　　　　森　田　恒　雄　　宮　澤　宗　弘　　竹　内　久　幸　　　　　　　　　　永　井　一　雄　　島　田　基　正　　宮　川　速　雄　　　　　　　　　　今　井　正　子　　田　中　清　一　　木　内　　　均　　　　　　　　　　林　　　奉　文　　丸　山　賢　二　　北　山　早　苗　長野県議会会議規則第23条第１項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。　　　　　　　　─────────────────── 議第３号　　　　　イラクへの自衛隊派遣中止を求める意見書案提出書　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成15年12月11日　　長野県議会議長　小　林　　　実　様　　　　　　　　提　出　者　　　　　　　　　　宮　澤　敏　文　　宮　澤　宗　弘　　毛　利　栄　子　　　　　　　　　　柳　田　清　二　　　　　　　　賛　成　者　　　　　　　　　　島　田　基　正　　倉　田　竜　彦　　柳　田　清　二　　　　　　　　　　小　松　千万蔵　　小　林　利　一　　高　木　蘭　子　　　　　　　　　　村　上　　　淳　　石　坂　千　穂　　小　林　伸　陽　　　　　　　　　　藤　沢　詮　子　　高　村　京　子　　森　田　恒　雄　　　　　　　　　　竹　内　久　幸　　田　口　哲　男　　永　井　一　雄　　　　　　　　　　宮　川　速　雄　　今　井　正　子　　田　中　清　一　　　　　　　　　　北　山　早　苗　　丸　山　賢　二　　林　　　奉　文　長野県議会会議規則第23条第１項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。

　　　　　　　　─────────────────── 議第４号　　　　　イラクでの人道復興支援等のための自衛隊派遣に関する　　　　　意見書案提出書　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成15年12月11日　　長野県議会議長　小　林　　　実　様　　　　　　　　提　出　者　　　　　　　　　　萩　原　　　清　　　　　　　　賛　成　者　　　　　　　　　　佐　野　功　武　　石　田　治一郎　　古　田　芙　士　　　　　　　　　　平　野　成　基　　佐　藤　友　昭　　小　松　　　稔　　　　　　　　　　小　林　宗　生　　小　池　　　清　　保　科　俶　教　　　　　　　　　　髙見澤　敏　光　　宮　本　衡　司　　柳　平　千代一　　　　　　　　　　清　水　保　幸　　清　水　　　洋　　下　﨑　　　保　　　　　　　　　　寺　島　義　幸　　高　橋　　　宏　　塚　田　　　一　　　　　　　　　　下　村　　　恭　　木　内　　　均　　望　月　雄　内　　　　　　　　　　向　山　公　人　　鈴　木　　　清　　西　沢　正　隆　　　　　　　　　　服　部　宏　昭　　村　石　正　郎　　木　下　茂　人　　　　　　　　　　本　郷　一　彦　　牛　山　好　子　　清　沢　英　男　長野県議会会議規則第23条第１項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。　　　　　　〔議案等の部「１　議案　(2)議員提出議案」参照〕 ○議長（小林実　君）以上であります。　ただいま報告いたしました議員提出議案を本日の日程に追加いたします。　　　　　　　　─────────────────── △議員提出議案 ○議長（小林実　君）最初に、議第１号「国民の祝日「山の日」の制定を求める意見書案」を議題といたします。　提出者の説明を求めます。　高木蘭子議員。　　　　　　〔22番高木蘭子君登壇〕 ◎22番（高木蘭子　君）「国民の祝日「山の日」の制定を求める意見書」提出について提案趣旨を御説明申し上げます。　意見書の案文はお配りしてあるとおりでございます。　御存じのとおり、７月の第３月曜日は海の日として国民の祝日となっています。この祝日制定以前の平成５年、長野県議会は、７月20日を海の日・山の日として国民の祝日にするよう求める意見書を可決しています。これは、あまたの山に囲まれた長野県に暮らし、水源を含めて多くの山の恵みを受けていることへの認識を新たにしようという県民の意思形成を目指してのことと思います。　今回、多くの皆さんの御賛同をいただき、山の日制定を求める意見書を提出しますのは、長野県が海のない県であり、山の日こそふさわしいということのほかに、水源として、森林資源として、大気の浄化の源として広い森林をはぐくむ山の価値が改めて見直され、再認識されているときだからこそ、このような祝日を設けて国民の中に広く共感と認識を得ていきたいという願いからであり、新たに休日を設けるのではなく、海の日を同時に山の日としたいと提案するわけです。　長野県では、４月下旬の上高地開山祭を初めとして、５月には私の地元の浅間山の山開きのほか、美ケ原、戸隠山、中央アルプス、白馬岳などの開山祭や安全祈願祭がございます。６月には、阿屋山、八ケ岳、黒姫山、南アルプスなどの山開き、７月には木曽御岳、小谷雨飾山の山開きがあり、塩田平の夫神岳の岳の幟も行われます。登山靴で登る高山から里山に近い易しい山まで、季節の移ろいに従って、残雪の中、あるいは花に囲まれて豊かな信州の自然を満喫しながらの山開きが、この時期、一通り終わることになります。　私も地元の小さな山の例祭に参加いたしますが、これは水の恵みと五穀豊穣を祈る、まさにコモンズの例年の行事として行われているものでございます。　改めて、この豊かな自然を守り、環境を保全していくことに思いをいたして、山の日制定を求める意見書の提案の説明といたします。　どうぞ、全員の議員の皆様の御賛同をお願いいたします。 ○議長（小林実　君）以上であります。　お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長（小林実　君）御異議なしと認めます。よって、本案は委員会審査を省略することに決定いたしました。　本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。　本案、原案どおり決するに賛成の議員の起立を求めます。　　　　　　〔賛成者起立〕 ○議長（小林実　君）起立多数。よって、本案は原案どおり可決されました。　　　　　　　　─────────────────── △議員提出議案 ○議長（小林実　君）次に、議第２号「ＪＲ不採用問題のＩＬＯ勧告に基づく早急な解決を求める意見書案」を議題といたします。　お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長（小林実　君）御異議なしと認めます。よって、本案は提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。　本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。　本案、原案どおり決するに賛成の議員の起立を求めます。　　　　　　〔賛成者起立〕 ○議長（小林実　君）起立少数。よって、本案は否決されました。　　　　　　　　─────────────────── △議員提出議案 ○議長（小林実　君）次に、議第３号「イラクへの自衛隊派遣中止を求める意見書案」を議題といたします。　提出者の説明を求めます。　柳田清二議員。　　　　　　〔24番柳田清二君登壇〕 ◎24番（柳田清二　君）議第３号「イラクへの自衛隊派遣中止を求める意見書案」における提案理由を申し述べさせていただきます。　政府は、12月９日、安全保障会議と臨時閣議を開き、イラク復興支援特別措置法に基づく自衛隊派遣基本計画を決定いたしました。派遣可能な期間は、12月15日から１年間であります。この派遣は、人道支援に加え、安全確保支援のため米軍の後方支援にも当たることを任務としています。　陸上自衛隊は機関銃、無反応砲、個人携帯対戦車弾を装備し、600人以内、200台以内の車両を、航空自衛隊はＣ130輸送機など８機以内を、海上自衛隊は輸送艦、護衛艦２隻ずつを派遣することとし、陸上自衛隊の活動区域はサマワを含むイラク南東部としています。　1991年のペルシャ湾の掃海艇派遣に端を発した自衛隊の海外活動は、カンボジア、東ティモールなどにおいても、常に国連主導とする派遣でありました。これは、日本の外交の中心を国連に置いてきたことにほかなりません。にもかかわらず、国連中心主義を置き去りに今計画が強行されるのであれば、当時、国連常任理事国入り運動を繰り広げていた外務省の近未来的な実利主義、場当たり外交と言わなくてはなりません。　今回の自衛隊派遣に関しては、確固たる国連決議を得ずに行われるものであり、日本の国是ともいえる専守防衛をも侵しかねない状況があります。憲法の前文を引用し、国際社会において名誉ある地位を占めたいがための行動と説明する政府首脳でありますが、この自衛隊派遣を歓迎、支持するのは果たして国際社会でありましょうか。米英というごく限られた国においてのみ、その評価が得られることになるでしょう。　また、復興支援特別措置法において、現に戦闘が行われておらず、活動期間を通じ戦闘が行われないと認められる地域の限定に関しても、たび重なるテロ攻撃を見るまでもなく、整合性は図られていません。　加えて、多くの世論調査でも、今回の自衛隊派遣に関しては国民理解が得られていません。共同通信の調べでは、派遣反対が33.7％、条件つき慎重論が56.3％、早期派遣賛成はわずか7.5％であります。自衛隊派遣基本計画が閣議決定された直後の今月10日、11日に行われた朝日新聞の調査では、派遣反対が55％、賛成は34％であります。　国民世論が支持しない自衛隊派遣は、国民ばかりでなく、実際に派遣する自衛隊員にとっても不幸な事態であります。また、国民理解のための政府の説明責任が十分に行われていないことも重大な問題として指摘せざるを得ません。　国家は国益のために行動すべきであります。イラクの原油に依存する我が国において、当該地域の戦闘終結、治安維持について努力していくことは極めて重要なことであり、テロリズムの前に屈することは断じてあってはならないことであります。　我が国は、幸いにして、これまで中東アラブ諸国との間に国家紛争の歴史がありません。この日本固有の利点を生かし、国連を中心とした治安維持枠組みへの努力を行うべきであろうかと思います。この行動こそが、国際社会の名誉ある地位を占めるにふさわしい行動であろうかと考えるところであります。　日本の今回の計画に基づく自衛隊派遣は、当事国であるイラク国民にはどう映っているのか冷静に考えてみる必要があります。物資、食料、医療への援助活動に対し期待もあることも事実である一方、米英連合軍への加担にほかならず、長い歴史の中でのアラブ人の闘争への関与は、今後、日本とアラブ諸国との間に重大な溝をつくり、仮想敵国になり得る可能性は高いのであります。これは、イラクにとどまらず、原油国を多く持つ中東アラブ諸国との関係を見るとき、日本の国益が著しく損なわれる可能性があることをも含むわけであります。　我が国は、近未来の利益確保のために行動するのではなく、また、国際社会の中でみずからの地位を守るために大国主義に追随するのではなく、虚勢を張ることなく、長期展望のもとに行動しなくてはなりません。　最後に、同僚議員各位の御賛同を賜りますようお願いを申し上げ、以上、議第３号「イラクへの自衛隊派遣中止を求める意見書案」における提案理由といたします。 ○議長（小林実　君）以上であります。　お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長（小林実　君）御異議なしと認めます。よって、本案は委員会審査を省略することに決定いたしました。　質疑の通告がありませんので、本案につき討論をいたします。　森田恒雄議員及び毛利栄子議員から討論の通告がありましたので、発言を許可いたします。　最初に、森田恒雄議員。　　　　　　〔49番森田恒雄君登壇〕 ◆49番（森田恒雄　君）議第３号「イラクへの自衛隊派遣中止を求める意見書」に、県民協働ネット県議団を代表して、賛成の討論をいたします。　21世紀は平和の世紀にという願いの声は、21世紀直前の国民の大きな声でありました。私も、心からそう思い、願っておりました。しかし、新世紀はその初年から、アフガン戦争に始まり、イラク戦争へと、我々の願いとは全く逆で、戦争の世紀の様相を呈してきてしまいました。極めて遺憾と言わざるを得ません。　そして、イラクでは、戦争状態が今も続き、毎日死者を出す大変危険な状況であります。この機に及んで、政府は、イラク人道復興支援の名のもと、特別措置法を制定して自衛隊派遣を決定いたしましたが、毎日のニュースで流れますように、アメリカの後方支援など、ともに行動する国は、それが人道復興支援であろうと攻撃の的となることをゲリラ的行動をとるイラク人は公言しているのであります。現に、日本人外交官２名初め、イタリア、スペイン兵にも犠牲者が出ております。　イラク近隣のフランス、ドイツ、ロシア等ですら出兵を慎み、国連のアナン事務総長もまた、アメリカの行動に遺憾の意を表明しております。不戦を誓い、平和憲法を国是とする我が国は、特に心しなくてはと思うのであります。　ここで、私はちょっと話をつけ添えたいと思います。　３年前ころから、実は、満蒙開拓団の遺骨が、中国のハルピン周辺建設ラッシュのもとで散乱しておるという風評がありました。私の知り合いの、家族を失った開拓団引揚者が、ちょうど私と同じ70歳です、どうしてもそんな状況を見過ごすことはできない、何とか森田さん一緒に行ってくれぬかということでしたから、二つ返事で同行を決めました。９月県会が終わるのを待って、13日から17日まで５日間、２人でハルピンへ飛びました。　向こうの案内はありませんから、ハルピン大学の４年生を通訳に雇いまして、あちこち探し回りましてその現場をキャッチをして、その現場というのはかつて日本軍の収容所があって、病院もある。そこでは約3,000人の皆さんが犠牲になりました。そして、その犠牲者は、どういう処理をされたかわかりませんですけれども、浅くいけられた。あるいは、凍っていて掘って埋葬することができませんから、橋の上から松花江へ投げて流葬をしたと、そういうことでありました。　やっと、通訳を通じて探し当てまして、行って探したわけでありますが、探すというよりは、私たちは渡航については現状確認ということで行ったわけです。草むらの中、約20分のうちに23個の大腿骨を初めとする遺骨、掘ったわけじゃありません、散らばっているんです。拾わざるを得ない状況で23個を拾いまして、こちらから持っていったリンゴ、飲み物をささげて、ろうそくを立て、線香を上げて慰霊してきました。本当に涙が出ました。　そして、その後は、一番ハルピンの中で古い橋を案内してくれということで、さんざ探したあげく、三つ目の橋がこれではないかと。ふもとにトーチカがある大きな橋です。その橋を見つけて、この川の底に遺骨がたくさんあるに違いないという、ほとんどよどんだ湖のような松花江です。その河原へ２人でおりてきまして、そこでも、その中にある遺骨に向かって、供え物をして、線香を上げて慰霊をしてきました。　その後、方々をさんざ探しまして、探し当てたところには何と残念ながら日本人の名前が掘れない、削られてしまう。ですから、全く個人の名前のところがありまして、まさにこれに日本人の２人の遺体が埋葬されている。それも探して慰霊をしてきました。　そういう状況がありまして、本当に悲しい思いをしてきました。長野県から行かれた開拓団員だけでも、１万5,000名が犠牲になっておるわけです。それが、今も、戦後60年近い中に散乱しているという状況を見逃すわけにはならない。しかし、日本国の首相を初めとして、戦犯合祀をしている靖国神社参拝が毎年繰り返されますから、中国政府が許可をしてくれない。そういう状況で建設が進む、掘られる、出る、投げられる、こういう状況であったことを確認してきました。本当に涙を出してきたわけです。　そしてまた、つい先日、田中知事が下伊那郡喬木村に７日の日に来られました。そのときに、引き揚げてきた永住帰国者に集まってもらって懇談をしてもらったわけです。30人の引揚者ほか役員の皆さんと懇談を１時間ほどしまして、その中で、年金が２万から３万しか月にもらえない。これは、掛け金をかけられなかったからくれないわけです。こんなばかなことがあるかという状況の中でありまして、そうしたものを要請して、来年度から知事が何とか対応したいという言葉はもらったんです、けさの新聞にも報道されていますが。そういう状況で、依然として戦後は終わっておらないのです。　こんな状況の中で、憲法があるのに、イラクに自衛隊を派遣するということはあってはならないと、こう思う次第であります。　以上述べましたけれども、平和の使者的に派遣されようと、軍用機や銃器を携えていくことは戦場へ武器を持っていくということに変わりなく、戦争参加であります。　戦後58年を経過した今、何百万という命の犠牲をもって制定された日本国憲法に穴をあけられるようなイラク派兵は中止すべきと考えます。　私は、イラクから米英が引き揚げて、平和が戻り、国連の決定方針に基づいて武器なき人道支援を果たすべきと考えます。　この後の議案に賛同署名をされました議員の皆様におかれましても、ぜひとも御賛同されますようにお願いをいたしまして、賛成討論といたします。どうか、よろしくお願いいたします。 ○議長（小林実　君）次に、毛利栄子議員。

　　　　　　〔15番毛利栄子君登壇〕 ◆15番（毛利栄子　君）日本共産党県議団の毛利栄子です。　連日、自衛隊のイラク派遣の報道が行われる中で、多くの国民、県民は、派兵はぜひやめてほしいと祈るような思いでいます。このような皆さんの気持ちを代弁する決意を込めて、議第３号「イラクへの自衛隊派遣中止を求める意見書案」に賛成の立場から意見を述べます。　政府は、イラクの状況が悪化し、日に日に泥沼化の様相を深めている中で、自衛隊をイラクに派兵する基本計画を決めました。イラクの状況は、米英軍当局自身が全土が戦争状態と認めざるを得ないほど深刻化の一途をたどっており、テロの標的とされた国連も赤十字も、復興支援の前提が崩れたとして既に撤退してしまっています。　11月29日には、日本人外交官２人が殺害されるという痛ましい事件も起こっており、米英軍以外の駐留軍も、イタリア、スペインなどに多くの犠牲者が出ています。国連決議によらない無法で大義のない米英軍によるイラク戦争とその後の占領支配が続けられているこのようなところへ完全武装、銃武装した自衛隊を送ることは、憲法にも、政府・与党がよりどころとしているイラク特措法にも違反するものであり、到底認めるわけにはいきません。　そもそも、自衛隊は、国民を守るためにあるのであって、戦争と占領支配を続ける米英軍の支援をするためにあるのではありません。加茂市長が言っているように、自衛隊員にとってみても著しい契約違反であります。　共同通信社が過日行った全国緊急世論調査の内容につきましては、先ほど提案説明の中でも御説明がありましたが、慎重、反対が９割に及び、早期に派遣すべきだは7.5％で、圧倒的多数の国民は派遣を望んではおらず、大変な不安や心配にさらされています。　このまま派兵を強行するなら、日本の自衛隊が戦後初めて他国の領土で他国民を殺害するという恐ろしい道に日本を引き込むことになり、自衛官の中から死者を出すという事態に道を開くことになります。　自衛官を家族や恋人に持つ関係者の心中はいかばかりかと、察するに余りあるものがあります。先日も、交際相手が自衛隊のイラク派遣要員に選ばれたという札幌の23歳の女性が、どうしたら派遣をやめさせることができるのかと苦悩の末に署名活動を思いつき、たった一人で、零下2.5度の雪の舞う商店街で、恋人を奪わないでと手書きした板を首にさげて一生懸命訴えている記事が写真入りで紹介されていましたが、胸の詰まる思いです。　イラク問題の道理ある解決の方向は明瞭ではないでしょうか。一日も早く米英軍の占領支配をやめ、国連中心の人道支援に切りかえること、その枠組みのもとでイラク国民に主権を返還し、米英軍を速やかに撤退させることだと思います。日本はそのための自主的な外交努力をするべきであって、自衛隊を派遣すべきではありません。　先日、岩手県議会では、県段階で初めて派遣に反対する意見書を可決いたしました。満蒙開拓団を日本一送り、戦争の悲惨さを他のどの県よりも肌身に感じている長野県だからこそ、この県民の皆さんの思いにぜひ県議会として率先してこたえていこうではありませんか。地方議会も、県議会の動向を注目しています。　議員の皆さんの御賛同を心から訴え、派遣反対の意見書が可決できますことを切に願いながら、賛成の討論といたします。 ○議長（小林実　君）以上で討論は終局いたしました。　本案を採決いたします。　　　　　　〔27番小林伸陽君「議長」と呼ぶ〕 ○議長（小林実　君）小林伸陽議員。 ◆27番（小林伸陽　君）投票方法を記名投票にすべきとお取り計らいをいただきたい。 ○議長（小林実　君）ただいま、小林伸陽議員から本案の採決は記名投票により行うよう要求がありました。　この場合の要求は、会議規則第59条の規定により10人以上を必要といたします。よって、記名投票により採決を行うことを要求する議員の起立を求めます。　　　　　　〔要求者起立〕 ○議長（小林実　君）起立10人以上でありますので、記名投票により採決を行うこととする要求は成立いたしました。　よって、本案については記名投票をもって採決いたします。　議場の閉鎖を命じます。　ただいまの出席議員数は、議長を含めて57人であります。　念のため申し上げます。本案を可とする議員は白票を、これを否とする議員は青票を、点呼に応じて順次投票願います。　点呼を命じます。　　　　　　〔職員氏名点呼・投票〕 ○議長（小林実　君）投票漏れはありませんか。　　　　　　〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長（小林実　君）投票漏れなしと認めます。　投票を終了いたします。　開票を行います。　　　　　　〔開　票〕 ○議長（小林実　君）投票の結果を報告いたします。　　投票総数　　　56票　　白　　票　　　25票　　青　　票　　　31票　以上のとおり青票が多数であります。　よって、本案は否決されました。　議場の閉鎖を解きます。　　　　　　〔参　照〕　　原案可決を可とする者の氏名　村　上　　　淳　　田　口　哲　男　　丸　山　賢　二　　北　山　早　苗　小　原　　　勇　　小　林　利　一　　永　井　一　雄　　田　中　清　一　今　井　正　子　　宮　川　速　雄　　毛　利　栄　子　　林　　　奉　文　高　木　蘭　子　　小　松　千万蔵　　柳　田　清　二　　竹　内　久　幸　高　村　京　子　　小　林　伸　陽　　藤　沢　詮　子　　宮　澤　敏　文　倉　田　竜　彦　　宮　澤　宗　弘　　森　田　恒　雄　　島　田　基　正　石　坂　千　穂　　原案可決を否とする者の氏名　木　内　　　均　　清　水　　　洋　　清　水　保　幸　　柳　平　千代一　宮　本　衡　司　　髙見澤　敏　光　　清　沢　英　男　　小　池　　　清　鈴　木　　　清　　西　沢　正　隆　　保　科　俶　教　　小　林　宗　生　小　松　　　稔　　佐　藤　友　昭　　牛　山　好　子　　佐　野　功　武　本　郷　一　彦　　村　石　正　郎　　木　下　茂　人　　向　山　公　人　望　月　雄　内　　下　村　　　恭　　塚　田　　　一　　高　橋　　　宏　平　野　成　基　　服　部　宏　昭　　寺　島　義　幸　　下　﨑　　　保　萩　原　　　清　　古　田　芙　士　　石　田　治一郎　　　　　　　　─────────────────── △議員提出議案 ○議長（小林実　君）次に、議第４号「イラクでの人道復興支援等のための自衛隊派遣に関する意見書案」を議題といたします。　お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長（小林実　君）御異議なしと認めます。よって、本案は提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。　質疑の通告がありませんので、本案につき討論をいたします。　高村京子議員及び佐野功武議員から討論の通告がありましたので、発言を許可いたします。　最初に、高村京子議員。　　　　　　〔26番高村京子君登壇〕 ◆26番（高村京子　君）議第４号「イラクでの人道復興支援等のための自衛隊派遣に関する意見書案」について、共産党県議団を代表して、反対の討論をいたします。　午前中、今井県議の御答弁に、瀬良教育長は、ベトナム戦争に派遣され、今平和活動に頑張っておられるニューヨーク在住の平和活動家アレン・ネルソンさんのことを触れられました。私は、アレン・ネルソンさんの、日本の高校生たちに平和憲法の大切さ、また、平和のとうとさを訴えて活動しておられる、この活動に友人として心からの支援を送っているものです。　ちょっとお話をさせていただきたいと思います。　アレン・ネルソンさんは、ベトナムの戦争に海兵隊として最前線に派遣されました。その筆舌に尽くしがたい戦闘、壮絶な殺りくの大変によって帰還した後、心身ともに傷つき、生きる力を失っていました。あるとき、小学校の先生から戦争体験を話してほしいと話が持ちかけられました。彼は、傷心な中にも、事実を小学校の子供たちに話しました。そして、一人の女の子がネルソンさんをじっと見詰めて言ったのです。それで、ネルソンさん、あなたは人を殺したのですか、こう聞いてきたのです。その問いに、ネルソンさんは言葉を失っていました。しばらくして、震える体でイエスと答えたのです。女の子の目から涙がこぼれました。ネルソンさんの目からも涙があふれました。女の子は大きなネルソンさんをしっかりと抱擁したのです。この体験から、ネルソンさんは、平和活動家としてみずから生きる、そういう活力を生み出し、今、日本の子供たちに、また世界に、日本国憲法の大切さを訴えて活動しておられます。　さて、本題に戻ります。　今意見書案の派兵の前提となっているイラク特別措置法は、もともと武力行使を認めない憲法第９条に違反するものであり、さらに、平和を願い、戦争を望まない県民の願いとかけ離れた法律であります。　アメリカは、国連決議もなく、一方的にイラク攻撃を行い、テロに屈しないと占領政策を続け、イラクの人々と米英軍兵士との緊張状況の中で、既に、罪のないイラクの人々が数万、また、アメリカ、イギリス連合軍兵士にも甚大な犠牲が日々出ています。とうとい命が奪われています。　いわゆる非戦闘地域は今のイラクにはどこにもなく、まさに、戦後ではなく、戦地であります。自衛隊の復興支援の条件は成り立たない状況です。無防備の外交官お二人が言われなき殺害を受けた事実が、そのことを証明しています。　また、５月22日に採択された国連安保理事会決議1483は、イラクの大量破壊兵器を武装解除し、国連が人道援助、諸機関復興に不可欠の役割を果たす決意を述べ、統治権限者を占領国アメリカ、イギリス軍にあることを承認しと記されているように、事実上アメリカによる占領政策を認めるという問題があります。　この占領政策に対する反感がテロをさらに激化させ、５月１日、大規模戦闘の終結を宣言した後にも、アメリカ当局は戦闘状態が続いていると認め、６月以降も大規模な掃討作戦を行い、各地で空爆も再開しています。一般市民がアメリカ占領軍への反感を強く抱くようになり、抗議行動も活発化しています。アメリカ兵の一般市民への発砲事件も頻発しています。　国連のアナン事務総長は、10日、イラクでの反乱者の攻撃の危険は現実的であり、占領軍による軍事的な手段だけでは解決できないと指摘し、その上で、国連の役割を強調し、政治的な解決によって米英の占領を早期に終わらせるべきと述べています。　自衛隊の派兵計画閣議決定に対し、アメリカのマイヤーズ統合参謀本部議長は、９日、アメリカ主導の連合軍に日本も参加したと発表しました。このままずるずると平和憲法を持つ我が国が、国際的な批判が大きくなっているアメリカによるイラクの占領政策に協力、参戦することは許されません。既に、日本が自衛隊を派兵することの根拠は崩れています。　武力では平和的、人道的復興支援は行えません。このことを指摘し、イラクでの人道復興支援の権限を早急に国連に移して、日本は非軍事の平和的解決に向けて国連加盟各国に働きかけることを強く求めるものです。　このことによってこそ、かつて日本が起こした太平洋戦争でとうとい命を奪われた2,000万人を超えるアジアの人々、国内300万人以上の方々の犠牲の上に立って、再び戦争を起こさない国、恒久平和を世界に呼びかける国としての名誉ある役割を担えるものであることを確信します。　以上で反対の討論を終わります。 ○議長（小林実　君）次に、佐野功武議員。　　　　　　〔37番佐野功武君登壇〕 ◆37番（佐野功武　君）議第４号「イラクでの人道復興支援等のための自衛隊派遣に関する意見書案」に賛成の立場から討論いたします。　その前に、イラク復興に情熱を傾け、その志半ばで凶弾に倒れ、そのとうとい御生涯をささげられた奥克彦大使、井ノ上正盛１等書記官のお二方に対し、衷心より哀悼の意を表します。　あの悲惨な戦争の苦しみを味わった我が日本国民は、再びあのような戦争を起こしてはならないと固く誓い、平和憲法のもと、繁栄を築いてまいりました。敗戦の塗炭の苦しみであえいでいる我が国へ、主義主張を乗り越えて世界各国から温かい人道復興支援があったことも、私ども日本国民は決して忘れてはならないのでございます。　今、このように議論しているときも、イラク国民は、あのときの日本国民と同様に、苦しみ、あえいでいることは、連日の報道によりだれ一人として異論を挟むことはできないと思います。　田中知事は、再三、公明党は平和の党と評価してくださっておいでになるように、その平和・人権の党、公明党が、さきの総選挙において自民党との連立政権を国民の皆様から信任され、平和憲法を遵守し、最大限に尊重して、イラク国民のために人道復興支援をしなければならないと決断しているものでありうます。　サダム・フセインが悪い、アメリカが一方的に戦争をしかけたなどの議論とは別に、人道的にも温かい手を差し伸べるのは人として当然の行為ではないでしょうか。このたびのイラク復興支援は国連安保理決議に基づく国際社会の総意であり、現在、37カ国が復興支援に取り組んでおり、我が国もでき得る限りの協力をするのが責務であります。　自衛隊派兵と表現し、あたかも自衛隊が他国に戦争をしかけに行くかのごとく不安をあおる無責任な一部のマスコミや一部の人々がおりますが、仮にそんなことがあるとするならば憲法上許されるはずもなく、あくまでも人道復興支援活動が目的であります。　今回の派遣場所、派遣環境は違いがありますが、自衛隊が海外に派遣されるのは初めてではありません。国際平和協力法が92年に制定された同年に、カンボジアへの復興支援を皮切りに、モザンビークＰＫＯ、ルワンダＰＫＯ、ゴラン高原などなど、これまで12回も派遣されているのであります。今回は、ＰＫＯ法と同じ目的であると私は考えます。すなわち、医療、給水、学校等公共施設の復旧、整備及び人道復興関連物資などの輸送を主たる任務としているのであります。　なぜ自衛隊でなければならないのか。危険が伴う任務に、武器さえ持たない民間人に行ってくださいとだれが言えるのでしょうか。自衛隊は、砂漠でも自分たちだけでも生活ができ、活動ができる自己完結型の訓練を積んだ組織であります。その任務も、自衛隊にしか務まらないのであります。　戦争に行くのでもなければ、武力による治安維持のためでもない。あくまでも復興、人道支援という非軍事活動のためであり、国連安保理決議の要請を踏まえ、イラクのイラク人による速やかな国家再建と人道復興を支援するものであります。　しかしながら、現在のイラク情勢は、過日閣議決定された政府答弁書において、主要な戦闘は終結したものの、同国内における戦闘は完全に終結したとは認められない状態にあるとされているとともに、冒頭に申し上げましたように、日本の大使館員のお二方が襲撃され死亡するという痛ましい事件が発生しております。　よって、政府においては、こうした状況をかんがみ、イラクへの自衛隊派遣に当たっては現地の治安情勢を慎重の上にも慎重に見きわめた上で結論を出すよう強く要請するとともに、イラク復興支援法の立法の趣旨について、また、支援法に基づく自衛隊派遣について国民の理解が得られるよう、小泉首相初め政府は説明責任を果たすことを強く要請して、議第４号「イラクでの人道復興支援等のための自衛隊派遣に関する意見書案」に賛成の討論といたします。 ○議長（小林実　君）以上で討論は終局いたしました。　本案を採決いたします。　　　　　　〔27番小林伸陽君「議長」と呼ぶ〕

○議長（小林実　君）小林伸陽議員。 ◆27番（小林伸陽　君）投票方法を記名投票にすることをよろしくお願いしたいと思います。 ○議長（小林実　君）ただいま、小林伸陽議員から本案の採決は記名投票により行うよう要求がありました。　この場合の要求は、会議規則第59条の規定により10人以上を必要といたします。よって、記名投票により採決を行うことを要求する議員の起立を求めます。　　　　　　〔要求者起立〕 ○議長（小林実　君）起立10人以上でありますので、記名投票により採決を行うこととする要求は成立いたしました。　よって、本案については記名投票をもって採決いたします。　議場の閉鎖を命じます。　ただいまの出席議員数は、議長を含めて57人であります。　念のため申し上げます。本案を可とする議員は白票を、これを否とする議員は青票を、点呼に応じて順次投票願います。　点呼を命じます。　　　　　　〔職員氏名点呼・投票〕 ○議長（小林実　君）投票漏れはありませんか。　　　　　　〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長（小林実　君）投票漏れなしと認めます。　投票を終了いたします。　開票を行います。　　　　　　〔開　票〕 ○議長（小林実　君）投票の結果を報告いたします。　　投票総数　　　56票　　白　　票　　　31票　　青　　票　　　25票　以上のとおり白票が多数であります。　よって、本案は原案のとおり可決されました。　議場の閉鎖を解きます。　　　　　　〔参　照〕　　原案可決を可とする者の氏名　木　内　　　均　　清　水　　　洋　　清　水　保　幸　　柳　平　千代一　宮　本　衡　司　　髙見澤　敏　光　　清　沢　英　男　　小　池　　　清　鈴　木　　　清　　西　沢　正　隆　　保　科　俶　教　　小　林　宗　生　小　松　　　稔　　佐　藤　友　昭　　牛　山　好　子　　佐　野　功　武　本　郷　一　彦　　村　石　正　郎　　木　下　茂　人　　向　山　公　人　望　月　雄　内　　下　村　　　恭　　塚　田　　　一　　高　橋　　　宏　平　野　成　基　　服　部　宏　昭　　寺　島　義　幸　　下　﨑　　　保　萩　原　　　清　　古　田　芙　士　　石　田　治一郎　　原案可決を否とする者の氏名　村　上　　　淳　　田　口　哲　男　　丸　山　賢　二　　北　山　早　苗　小　原　　　勇　　小　林　利　一　　永　井　一　雄　　田　中　清　一　今　井　正　子　　宮　川　速　雄　　毛　利　栄　子　　林　　　奉　文　高　木　蘭　子　　小　松　千万蔵　　柳　田　清　二　　竹　内　久　幸　高　村　京　子　　小　林　伸　陽　　藤　沢　詮　子　　宮　澤　敏　文　倉　田　竜　彦　　宮　澤　宗　弘　　森　田　恒　雄　　島　田　基　正　石　坂　千　穂　　　　　　　　─────────────────── ○議長（小林実　君）次会は、来る12月19日午後１時に再開して、各委員長の報告案件全部を日程といたします。書面通知は省略いたします。　本日は、これをもって散会いたします。　　　　　　　　午後６時５分散会...

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長野県議会 2003-12-12 平成１５年１２月定例会本会議－12月12日-05号

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平成１５年１２月定例会本会議－12月12日-05号