長野県議会 2001-03-19
平成13年 2月定例会本会議-03月19日-10号
平成13年 2月定例会本会議-03月19日-10号平成13年 2月定例会本会議
平成13年3月19日(月曜日)
出席議員(62名)
1 番 竹内久幸 23 番 佐野功武
2 番 柳田清二 24 番 花村薫平
3 番 西沢正隆 25 番 村石正郎
4 番 金子ゆかり 26 番 奥村 剛
5 番 浜 康幸 27 番 久保田元夫
6 番 垣内基良 28 番 木下茂人
7 番 鈴木 清 29 番 塚田 一
8 番 向山公人 30 番 望月雄内
9 番 下村 恭 31 番 高橋 宏
10 番 堀内 瑛 32 番 寺島義幸
11 番 丸山 茂 33 番 母袋創一
12 番 藤沢詮子 34 番 萩原 清
13 番 宮澤敏文 35 番 宮澤宗弘
14 番 牛山好子 36 番 柳沢政安
15 番 百瀬喜八郎 37 番 大和代八
16 番 佐々木祥二 38 番 倉田竜彦
17 番 風間辰一 39 番 島田基正
18 番 山元秀泰 40 番 服部宏昭
19 番 平野成基 41 番 今井勝幸
20 番 本郷一彦 42 番 中村善行
21 番 小林伸陽 43 番 井出公陽
22 番 石坂千穂 44 番 太田道信
45 番 池田益男 54 番 古田芙士
46 番 塩沢 昭 55 番 下﨑 保
47 番 佐藤良男 56 番 小林 実
48 番 小林忠司 57 番 宮沢勇一
49 番 森 司朗 58 番 吉田博美
50 番 森田恒雄 59 番 中島輝夫
51 番 浜 万亀彦 60 番 石田治一郎
52 番 中島昭一 61 番 篠原文三
53 番 小田切行雄 62 番 西山平四郎
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説明のため出席した者
知事 田中康夫 企画局長 阿部守一
出納長 花岡勝明 副出納長兼会計局長 田中邦治
総務部長 青木輝政
公営企業管理者 飯澤 清
社会部長 上原芳晴 企業局長 藤井世高
衛生部長 小林文宗 財政課長 浦野昭治
生活環境部長 中平龍興 教育委員会委員長
宮﨑和順
商工部長 木船智二 教育長 斉藤金司
農政部長 中村武文 教育次長 井出祐司
林務部長 古林弘充 警察本部長 松田広光
土木部長 光家康夫 警務部長 西川直哉
土木部高速道局長 尾坂壽夫 監査委員 丸山 勇
住宅部長 柳澤一則
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職務のため出席した事務局職員
事務局長 清水幸治
議事課委員会係長 平林 信
参事兼議事課長 林 一夫
総務課企画員 佐藤公俊
議事課課長補佐 宮下清一
議事課記録専門員 若井一仁
議事課課長補佐兼議事係長 議事課主事 穐澤礼子
大日方正明
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平成13年3月19日(月曜日)議事日程
午後1時開議
各委員長の報告案件
議員提出議案(日程追加)
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本日の会議に付した事件等
新任理事者の紹介
各委員長の報告案件
議員提出議案
午後7時40分開議
○議長(吉田博美 君)これより本日の会議を開きます。
本日の会議は、各委員長の報告案件についてであります。
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△
新任理事者の紹介
○議長(吉田博美 君)次に、新任の県理事者を紹介いたします。
最初に、
生活安全部長丸山四郎君。
〔
生活安全部長丸山四郎君登壇〕
◎
生活安全部長(丸山四郎 君)3月15日付をもちまして
生活安全部長を命ぜられました丸山四郎でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○議長(吉田博美 君)次に、
刑事部長小池英雄君。
〔
刑事部長小池英雄君登壇〕
◎刑事部長(小池英雄 君)3月15日付をもちまして刑事部長を命ぜられました小池英雄でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(吉田博美 君)次に、
交通部長大池利和君。
〔
交通部長大池利和君登壇〕
◎交通部長(大池利和 君)3月15日付をもちまして交通部長を命ぜられました大池利和でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(吉田博美 君)次に、
警備部長小林嘉征君。
〔
警備部長小林嘉征君登壇〕
◎警備部長(小林嘉征 君)3月15日付をもちまして警備部長を命ぜられました小林嘉征でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
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△
委員会審査報告書提出報告
○議長(吉田博美 君)次に、お手元に配付いたしましたとおり、各委員長から
委員会審査報告書の提出がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。
〔議案等の部「7
委員会審査報告書」参照〕
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△各委員長の報告
○議長(吉田博美 君)各委員長の報告案件全部を議題といたします。
最初に、
決算特別委員長の報告を求めます。
決算特別委員長塚田一君。
〔29番塚田一君登壇〕
◎29番(塚田一 君)
決算特別委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。
当委員会に付託されました議案は、昨年12月定例会において付託されました第26号「平成11年度長野県一般会計及び特別会計の決算の認定について」であります。
平成11年度の一般会計の決算状況につきましては、歳入総額1兆1,313億6,031万余円、歳出総額1兆1,164億7,875万余円でありまして、翌年度へ繰り越すべき財源を控除した実質収支は14億8,583万余円の黒字であります。これにより減債基金への繰入額は7億4,300万円となりました。
また、
公債費特別会計以下11特別会計の決算状況につきましては、歳入総額485億7,178万余円、歳出総額440億5,077万余円でありまして、差引額45億2,100万余円は翌年度へ繰り越しております。
これらの決算につきまして、当委員会は、議案を付託されて以来、本庁及び出先機関について調査を行い、歳入確保の状況、行政水準の達成状況及び財政構造等に着眼し、慎重に審査をしてまいりました。その結果、平成11年度長野県一般会計及び特別会計の決算につきましては、書面で御報告申し上げましたとおり、認定すべきものと決定した次第であります。
なお、審査の過程におきまして、財政状況が厳しいことにかんがみ、より一層の経費の節減と未収金の解消などに努力されるよう要望した次第であります。
以上をもちまして委員長の報告といたします。
○議長(吉田博美 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)質疑を終局いたします。
本件につき討論をいたします。
堀内瑛君から討論の通告がありましたので、発言を許可いたします。
堀内瑛君。
〔10番堀内瑛君登壇〕
◆10番(堀内瑛 君)第26号、1999年度長野県一般会計及び特別会計の決算の認定について反対の討論を行います。
県財政が県民の切実な要求実現にいかにこたえているか、この観点から見れば、公共事業に4,000億円、社会保障に1,200億円といういわゆる
逆立ち決算であることが第1の問題点であります。
例えば、住民合意のない浅川ダム、下諏訪ダムなどの建設に89億円余とその推進を図りました。その一方で、民生費は前年度より3億円余の減額です。ホームヘルパーは常勤で前年度の1,002人から93人も減っており、65歳以上の老年人口1万人当たりの
ヘルパー設置数では全国平均以下となっています。
特別養護老人ホームの建設は、
介護保険制度の導入を前にして、創設が5件でした。99年3月末の入所定員は6,163人となりましたが、入所待機者の解消は図られませんでした。
一般会計の不用額は34億円余りですが、その中でトップになっているのが27.3%で民生費の9億3,000万円余となっています。一つの例として申し上げているのですが、執行のあり方に配慮が求められているのではないでしょうか。
また、教育費と土木費の関係も、本県では
逆立ち決算の象徴的なものになっています。99年度の決算額は、土木費が2,572億円余で構成比23%、第1位です。教育費は2,119億円余で19%、第2位です。教育費が土木費を下回るといった逆転現象になったのは、92年からです。この逆転以来、8年連続して教育費は土木費を下回ってきましたし、決算額は4年連続してダウンし続けています。これでは、教育県長野が泣いているのではないでしょうか。
県立高校でありながら、これが学校の施設なのと思わず声が出るような傷んで修理もままならない学校、定時制の養護教諭が他校を兼務していても1校1名の配置に一向に改められない現実、教育費がダウンし続けている結果ではないでしょうか。県民の税金の使い方が逆立ちしているからで、このゆがみを正すことを私たちはかねてから主張してきたところであります。
第2の問題点は、
同和特別対策事業であります。
99年度
同和特別対策事業費の総額は35億円余であります。東日本の中で特に優遇された位置にあります。
具体的な例で申し上げます。
同和教育推進教員94名、
同和教育指導教員42名、計136名が配置されています。特に、
同和推進教員は、配置数も多く、同和地区の児童生徒にだけかかわるという限定された任務となっています。しかし、文部科学省は、配置は同和地区の子供に限定しているわけではないと言っているので、2002年3月を前に、
同和推進教員が授業を持ち、各学校の教育課程にかかわっていくよう英断が求められています。
また、
部落解放同盟長野県連合会への補助金では、5,133万円、87年よりこの額になってから実に13年間同じ額が続いています。団体への補助金でこのような特別の扱いをしているところがほかにあるでしょうか。2002年3月末の
同和特別対策の終結を前に、見直すべき課題であります。
第3の問題点は、県債に依存する財政のあり方が問われていることです。
県債は95年がピークで、2,316億円、構成比20.2%でした。これから98年度までは発行額を減額してきましたが、99年度は4年ぶりに増加に転じました。その結果、普通会計の県債残高は1兆6,300億円に達しました。これは、一般財源5,498億円の約3倍にもなり、
標準財政規模に対する比率では3.1となり、
全国ワースト2位となります。
公債費負担比率は、97年から危険ラインの20%を突破し、97年度、98年度と
全国ワーストスリーと続き、99年度では
全国ワースト2位となっています。まさに、
借金財政そのものになっていることを示しています。
こうした事態が、99年度には6件21種類の公共料金を値上げした要因となっています。高校授業料を月8,700円から9,000円にするなどの値上げは、県民に負担を課すものです。
また、
県行政改革大綱に基づく人員削減の最初の年であった99年度は、県職員で147人が、教職員では187人が削減されています。この年には、小中学校の初学年、卒学年の加配が廃止されました。5,800万円あれば継続できたものであり、今なお復活を望む声は強いものがあります。
県の借金がふえても
地方交付税で見てくれる、有利な起債があるからという言い方もされています。99年度の
地方交付税は2,614億円で、前年度から287億円ふえていますが、交付税の基礎となる
基準財政需要額に算入された公債費は658億円になります。交付税でめんどうを見てもらえるというのが本当であるなら、交付税は658億円とされるのではないでしょうか。しかし、実際にはそうなっていません。
基準財政需要額に公債費を算入するということは、その分だけ
基準財政需要額の他の費目を圧迫することになるのではないでしょうか
。
借金に依存する財政の健全化を図るためには、4,000億円の公共事業、1,200億円の社会保障という財政構造、すなわち逆立ちした税金の使い方が正されなければなりません。この負の遺産をどう解決していくか、大変な課題でありますが、県債をふやすダムなどの
大型公共事業は抜本的に見直して、福祉、医療、教育、環境など生活密着型の公共事業へと転換を図ることが決定的に重要になっています。それなしに、財政健全化への道、また県民の切実な願い実現の道は開けないことを強調いたしまして、1999年度決算の認定に反対する討論といたします。
○議長(吉田博美 君)以上で討論は終局いたしました。
本件を採決いたします。
本件、委員長の報告は原案認定であります。本件、委員長の報告どおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(吉田博美 君)起立多数。よって、本件は委員長の報告どおり認定することに決定いたしました。
───────────────────
○議長(吉田博美 君)次に、
文教企業委員長の報告を求めます。
文教企業委員長柳沢政安君。
〔36番柳沢政安君登壇〕
◎36番(柳沢政安 君)
文教企業委員会に付託されました議案及び請願、陳情に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。
知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定し、請願、陳情につきましては書面で御報告申し上げましたとおり決定いたしました。
なお、審査の過程におきまして、
県立高等学校の通学区のあり方等の検討に当たっては、新たに設置する
長野県立高等学校通学区
検討委員会において広く県民の意見を聞くなど、十分な論議を尽くすよう要望した次第であります。
以上をもちまして委員長の報告といたします。
○議長(吉田博美 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)質疑を終局いたします。
委員長の報告中、第1号及び第63号の予算案並びに閉会中継続審査及び
調査申し出の件を除き、他の案件につき討論をいたします。
討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。
本案それぞれ、委員長の報告どおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ委員長の報告どおり決定いたしました。
───────────────────
○議長(吉田博美 君)次に、
商工生活環境委員長の報告を求めます。
商工生活環境委員長望月雄内君。
〔30番望月雄内君登壇〕
◎30番(望月雄内 君)
商工生活環境委員会に付託されました議案及び陳情に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。
知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定し、陳情につきましては書面で御報告申し上げましたとおり決定いたしました。
なお、審査の過程におきまして、個人消費が依然として盛り上がりに欠けることや、
アメリカ経済の減速などの影響による受注減少の動きに加え、大型店の郊外進出や
資金調達環境等、商工業者の経営環境は極めて厳しい状況にあることにかんがみ、雇用や経済を支える重要性からも、創業者支援や中心市街地の活性化など、より具体的で即効性のある中小企業への支援策の一層の充実を強く要望した次第であります。
また、中信地区における産業廃棄物の
管理型最終処分場が逼迫した状況にあることから、安曇野の住民とともに考える豊科町
廃棄物処理施設検討委員会を早期に設置し、住民参加による開かれた検討を速やかに進めるよう強く要望した次第であります。
以上をもちまして委員長の報告といたします。
○議長(吉田博美 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)質疑を終局いたします。
委員長の報告中、第1号及び第63号の予算案、第34号の
条例案並びに閉会中継続審査及び
調査申し出の件を除き、他の案件につき討論をいたします。
討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。
本案それぞれ、委員長の報告どおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ委員長の報告どおり決定いたしました。
───────────────────
○議長(吉田博美 君)次に、
土木住宅委員長の報告を求めます。
土木住宅委員長母袋創一君。
〔33番母袋創一君登壇〕
◎33番(母袋創一 君)
土木住宅委員会に付託されました議案及び請願、陳情に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。
知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、第1号を除く議案につきましてはいずれも原案のとおり可決すべきものと決定し、請願、陳情につきましては書面で御報告申し上げましたとおり決定いたしました。
なお、審査の過程におきまして、
下諏訪ダム建設事業については、地元住民の賛成、反対の立場の方々に出席をいただき、それぞれの意見をお聞きいたしました。また、当委員会に知事の出席を求め、ダム事業及び公共事業に関する考え方についての説明を求めた中で、長野県治水・
利水ダム等検討委員会条例案及び予算案の修正については、知事より、いずれも可決されれば尊重したいとの答弁がありました。
第1号「平成13年度長野県
一般会計予算案」については、本体着工前の他の県営6ダム計画同様に、総合的な治水対策を講じるための
下諏訪ダム建設費として2億2,900万円の増額修正案が提出され、当委員会としましては、ダムの選択肢をなくすことには問題があるとのことから、修正案を可決した次第であります。
なお、予算案への計上が見送られた94公共事業のうち、土木部関連47カ所を初めとする事業の緊急性、地元の要望を踏まえ、補正において必要な経費を計上するようにとの強い要望がありました。
また、第63号「平成12年度長野県
一般会計補正予算案」に関連して、議決された予算は執行すべきではないかという意見もありました。
議員から提出された議第6号「長野県治水・
利水ダム等検討委員会条例案」及び同条例案の施行に関する決議案議第7号につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定した次第であります。
以上をもちまして委員長の報告といたします。
○議長(吉田博美 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)質疑を終局いたします。
委員長の報告中、第1号及び第63号の予算案、第1号の議案に対する修正案、議第6号の条例案、議第7号の決議案、請第57号、陳第510号、陳第511号、陳第512号及び陳第521号並びに閉会中継続審査及び
調査申し出の件を除き、他の案件につき討論をいたします。
討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。
本案それぞれ、委員長の報告どおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ委員長の報告どおり決定いたしました。
───────────────────
○議長(吉田博美 君)次に、
社会衛生委員長の報告を求めます。
社会衛生委員長大和代八君。
〔37番大和代八君登壇〕
◎37番(大和代八 君)
社会衛生委員会に付託されました議案及び請願、陳情に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。
知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定し、請願、陳情につきましては書面で御報告申し上げましたとおり決定いたしました。
なお、審査の過程におきまして、
子ども未来センター整備事業に関しては、既に多額の費用が投入されていること、また
広域公園設置・管理の許可に関する問題があるのではないかとの意見が出されましたので、基本構想をまとめた当時の
検討委員会会長と南箕輪村長のお二人を参考人として委員会への出席を依頼し、意見をお聞きしました。
参考人の御意見としては、前の
検討委員会は教育に長年携わった方を初め、子供や科学をテーマに検討するには最適な方々が県内外から参画し、当初予定していた検討期間、回数を延ばしてまで、あらゆる方面から十分な検討を重ね、その結果についてはほぼ完璧なものであると自負している、子供、科学をテーマに構想を検討するのであれば、私たちの報告書が必ず役立つものと確信しているとの御意見をいただきました。
また、もう一方からは、できるだけ樹木の伐採を少なくしようと、既に広場などがある場所を建設予定地に選び、伐採した木も有効に活用する予定にしているなど十分に自然に配慮しながら計画を進めてきており、村の一等地を県のために無償で提供しようと村民に諮り、快く了承してもらった経過を踏まえて慎重に判断してほしかった、県のプロジェクトとして立派な施設を建設していただきたいと要望申し上げたい、どのような施設になるか県の方針が固まった時点で関係機関に諮り、対応を決めていきたいとの御意見をいただきました。
委員会において慎重審査した結果、既存の基本構想の趣旨を十分生かすべきである、また南箕輪村の地理的、自然的条件を十分踏まえた構想とすべきであるなどの意見が出されました。
これらの意見を踏まえ、
仮称子ども未来センターの整備事業については附帯決議を付してはどうかとの提案があり、内容を検討した結果、一つとして、
検討委員会のうち
仮称有識者会議については県内関係者を加えること、二つとして、新しい構想を検討するに当たっては今までの検討の経過や内容を十分踏まえて行うことと決定した次第であります。
以上をもちまして委員長の報告といたします。
○議長(吉田博美 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)質疑を終局いたします。
委員長の報告中、第1号及び第63号の予算案、第22号及び第25号から第31号までの
条例案並びに閉会中継続審査及び
調査申し出の件を除き、他の案件につき討論をいたします。
討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。
本案それぞれ、委員長の報告どおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ委員長の報告どおり決定いたしました。
───────────────────
○議長(吉田博美 君)次に、農政林務委員長の報告を求めます。
農政林務委員長高橋宏君。
〔31番高橋宏君登壇〕
◎31番(高橋宏 君)農政林務委員会に付託されました議案及び請願、陳情の審査の経過と結果について御報告申し上げます。
知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定し、請願、陳情につきましては書面で御報告申し上げましたとおり決定いたしました。
なお、審査の過程におきまして、平成13年度
一般会計予算案への計上が見送られた農政部関係の県営かんがい排水事業など9地区及び林務部関係の補助林道26路線、治山事業12カ所の公共事業については、事業の緊急性、地元の要望を踏まえ、6月補正あるいは9月補正において必要な経費を計上し、事業が実施できるよう、また、総合的な森林整備を推進するために必要な谷どめ工等については積極的に実施するよう強く要望した次第であります。
以上をもちまして委員長の報告といたします。
○議長(吉田博美 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)質疑を終局いたします。
委員長の報告中、第1号及び第63号の予算案、第36号、第38号及び第39号の条例案、陳第484号並びに閉会中継続審査及び
調査申し出の件を除き、他の案件につき討論をいたします。
討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。
本案それぞれ、委員長の報告どおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ委員長の報告どおり決定いたしました。
───────────────────
○議長(吉田博美 君)次に、総務警察委員長の報告を求めます。
総務警察委員長寺島義幸君。
〔32番寺島義幸君登壇〕
◎32番(寺島義幸 君)総務警察委員会に付託されました議案及び請願、陳情に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。
知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、第1号議案を除く他の議案は原案どおり可決すべきものと決定し、請願、陳情につきましては書面で御報告申し上げましたとおり決定いたしました。
第1号「平成13年度長野県
一般会計予算案」については、一部を修正いたしました。修正部分は、歳出については総務費であります。これは、特別顧問の設置に要する経費として250万円が計上されていたものでありますが、現在空席の副知事を早急に置くべきであること、既存の体制を十分に活用すべきこと及び政策面での組織充実が図られるとの理由から、その必要性はないものと判断し、250万円全額を削除した次第であります。
また、歳入については、ただいま申し上げました総務費中の特別顧問の設置に要する経費の削除と
土木住宅委員会で増額修正を可決したことから、これに見合う修正をしたものであります。
なお、審査の過程におきまして、土木、農政、林務の3公共事業の減額に伴う県内経済、県民生活、雇用等への影響、今後の予算に対する考え方、特別顧問の設置の必要性、県職員に対する選挙違反に係る調査等7項目にわたる説明を求めるため、当委員会に知事の出席を要求いたしました。
質疑の中で、特に、今年度予算における公共事業の大幅削減について見解を求めたところ、知事は、公共事業のあり方を見直すことを掲げて当選したことから、平成13年度予算から言行一致に心がけているとの答弁をされましたが、当委員会としては、現状の県内経済の状況をかんがみれば、この時期に公共事業の大幅な削減は、県内景気に与える影響は大きく、また大きな雇用不安にもつながることが強く懸念されることから、公共事業の削減は時期尚早であると申し上げた次第であります。これに関して知事からは明確な答弁がなされず、もし14年度予算についても同様の考え方を踏襲されるとしたならば、議会としても容認できかねないと強く申し上げたところであります。
また、今後予想される国の経済対策については、呼応した補正予算を組むなど、適宜適切な対応をされるよう強く要請したところであります。
なお、今回先送りされた94カ所の公共事業の中には、緊急性があるものもあり、事業採択もされていたものであります。これらの事業は県民生活にとって極めて重要な事業であることから、まず国庫補助金等の財源確保を図り、早急に実施するよう強く要請するとともに、「本県経済の再生と活性化に向けた生活関連事業の適切な実施に関する決議案」を発議した次第であります。
次に、今回の職員に対する知事選挙違反に係る調査については、投票の秘密や個人の思想、信条にかかわる極めて微妙な問題を含んでいることから、その公表等の取り扱いについては特に慎重に対応されるよう強く要請した次第であります。
次に、長期にわたり空席となっている副知事については、県政運営に支障を来さないよう早急に取り組むよう特に強く要請した次第であります。
以上をもちまして委員長の報告といたします。
○議長(吉田博美 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。
〔21番小林伸陽君「議長」と呼ぶ〕
○議長(吉田博美 君)小林伸陽君。
〔21番小林伸陽君登壇〕
◆21番(小林伸陽 君)それでは、第1号議案の修正案について2点ほどお尋ねをいたします。
第1点は、修正案で歳入の部2億2,650万円の増額になっておりますけれども、その中で、事業税、負担金の増額が示されております。この具体的な中身、根拠について詳細にお尋ねをいたします。
次に、地方自治法によれば、知事に予算編成権があるわけであります。これを侵さない範囲とされておりますが、この修正案はその範囲となっているのか、範囲とするならばどのような理由で範囲にとどまっているのか。
この2点をお尋ねいたします。
〔32番寺島義幸君登壇〕
◎32番(寺島義幸 君)お答え申し上げます。
1番の歳入についてでございますけれども、ただいま申し上げたとおり、総務費中の特別顧問の設置に要する経費の削除と
土木住宅委員会で増額修正を可決したことから、これに見合う修正ということで、財源確保につきましては、理事者から特段の支障がない旨答弁がございましたので、それに見合う修正が可能だと、こういうふうに判断したわけでございます。
2番目の質問につきましては、先ほど委員長報告で御報告を申し上げたとおりでございます。
〔21番小林伸陽君登壇〕
◆21番(小林伸陽 君)先ほど私がお尋ねしたのは、事業税と負担金の増額が示されているわけですから、その中身がどのようなものなのかをお尋ねしているわけでありますし、もう一つは、地方自治法に示されている知事の予算編成権をどう考えておられるのかという質問でありますので、明確な御答弁をいただきたいと思います。
〔32番寺島義幸君登壇〕
◎32番(寺島義幸 君)お答え申し上げます。
御指摘の件に関しましては、侵していないと判断をいたしておるわけでございます。
〔21番小林伸陽君登壇〕
◆21番(小林伸陽 君)侵していないから当然提案をされていると思うわけですが、その根拠についてお尋ねをしているのと、事業税それから負担金の中身についてお尋ねしておるので、明確に御答弁いただきたいと思います。
〔32番寺島義幸君登壇〕
◎32番(寺島義幸 君)委員長報告等で先ほど御報告申し上げましたとおりでございます。
○議長(吉田博美 君)質疑を終局いたします。
委員長の報告中、第1号及び第63号の予算案、第1号の議案に対する修正案、第42号の事件案並びに閉会中継続審査及び
調査申し出の件を除き、他の案件につき討論をいたします。
討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。
本案それぞれ、委員長の報告どおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ委員長の報告どおり決定いたしました。
───────────────────
○議長(吉田博美 君)次に、各委員長の報告中、第1号「平成13年度長野県
一般会計予算案」、総務警察委員長及び
土木住宅委員長の報告中、第1号議案に対する修正案につき討論をいたします。
石坂千穂君及び森田恒雄君から討論の通告がありましたので、発言を許可いたします。
最初に、石坂千穂君。
〔22番石坂千穂君登壇〕
◆22番(石坂千穂 君)平成13年度長野県
一般会計予算案に賛成並びに修正予算案に反対の討論を行います。
今、日本経済の行き詰まりが深刻な事態となっています。麻生経済財政担当相も、GDPの約6割を占める個人消費に火がつかないことが一番の問題と認めていますが、家計の消費支出は92年から8年連続で減少し続け、特に97年4月に消費税を3%から5%に引き上げて以降の落ち込みが激しくなっています。可処分所得も、97年を100とすると2000年には96に減っています。完全失業率も、90年代後半に急増し、98年に4%を突破、5%を目前にした最悪水準となっています。
現在の消費不況は、97年の消費税増税や医療費の負担増など9兆円の国民負担増が引き金を引いたことは明らかです。その後も連続する社会保障の給付カット、負担増や、企業リストラ、人減らしなどで購買力を奪うとともに、将来不安をかき立てて、さらに消費を冷え込ませています。
今必要なのは、雇用の安定と、社会保障の面での安心と、将来の展望をきちんと示すこと、そして国民の家計をしっかり応援することです。
また、90年代の10年間に加速度的に進んだ国と地方の財政破綻を解決するために避けて通れないのが公共事業の見直しです。公共事業の見直しを国民の立場に立って実行することができるかどうか、このことが国政でも地方政治でも今大きな焦点となっています。
田中知事は、新年度予算編成に当たっての施策の10のポイントの第1に公共事業の抜本的改革に着手を挙げ、旧来のいわゆる3公共を中心とした公共投資から、福祉、教育、環境など県民生活を重視した公共投資へと予算を重点配分していく方針を打ち出しました。限られた財源の中で、方針に沿って公共事業費は昨年9月現計比では14.3%、252億円の減額ですが、その中でも、木曽右岸道路の整備を初め生活関連道路は重視され、道路環境整備費は前年度38億円から新年度66億円に、安全で円滑な交通確保のための予算は158億円から202億円にそれぞれ増額されています。
一方、福祉関係の公共投資は前年比177.3%、医療関係112.6%、教育関係106.9%、生活環境194.3%と、福祉、生活関連の公共投資が大幅に増額されました。
特別養護老人ホーム14カ所、老人保健施設5カ所、ショートステイ居室整備10カ所を初めとする社会福祉施設の整備費を倍増させ、当初予算では過去最高の額を計上し、市町村が県に要望した施設にはすべて予算がつきました。老人福祉施設37カ所、障害者福祉施設5カ所、児童福祉施設9カ所、その他の施設7カ所で合計58カ所の社会福祉施設に68億5,000万円の予算配分です。北信地方のある市の福祉部長は、思ってもいなかった予算措置だ、打ち上げ花火を上げてお祝いしたいくらいだ、もろ手を挙げて大歓迎だと述べています。
このほか、老朽校舎の改善やバリアフリーに向けた78カ所の施設改善、県立こども病院への長期入院患者家族宿泊施設の整備、稲荷山養護学校の改築に伴う長野市南部の知的障害児の受け入れなどは、切実な県民要望が実現したものです。長野市南部に知的障害児の養護学校をと署名を集めて請願した関係者の皆さんは、こんなに早く実現するとは思わなかった、本当に私たちの願いが実るのか信じられない、今でもだまされているのではないかと思ってしまうと、その喜びを語っています。
重要なことは、この結果、県債発行額は実質183億円削減され、県債依存度は前年度の11%から9.8%に低下、県債残高が33年ぶりに減少する見込みとなったことです。県民生活に密着した公共投資に切りかえ、財政再建も図っていく、この方向にこそ未来があり、切実な県民要望を実現していく可能性が前進していくことを私たちは確信しています。
本県議会の議論の中で、公共事業の252億円の削減により、国からの補助金が来なくなり、その分が他の都道府県で使われてしまい、長野県の社会資本整備がその分おくれてしまうとか、雇用がその分減ってしまい、景気が悪くなる、公共事業削減は都会の論理だ等の御意見が出されましたが、本当にそうでしょうか。
公共事業の補助金が国から来ても、その補助金とほぼ同額の予算を限られた県の財源から用意しなければならず、そのほとんどは県債という名の借金です。後から交付税に算入される有利な起債であると、あたかも結果として借金は帳消しになるかのように言われてきましたが、事実はそうではないことを証明しています。
基準財政需要額に算入された公債費の額がふえても、
地方交付税がそれに見合ってふえないためです。
例えば、97年度は、
基準財政需要額に算入された公債費は466億円でしたが、
地方交付税は前年に比べて25億円の減額となり、その差は約500億円。有利、有利といわれながら、来るべきお金が500億円も国から来ませんでした。98年度は、算入された公債費546億円に対し
地方交付税は153億円ふえただけで、約400億円の差。99年度も、
基準財政需要額に算入された公債費673億円に対して
地方交付税は287億円しかふえず、やはり約400億円の開きがあり、国からの補助金がふえても県の借金もその分またふえるという深刻な事態がわかります。
全国ワーストツーの長野県の財政を、これ以上危機に陥れることはできないのではないでしょうか。
また、生活道路の整備率のおくれを初め長野県の社会資本整備のおくれも指摘され、これ自体は重要な課題です。しかし、90年代を通じて毎年毎年3,000億円前後の土木費、県予算の4分の1から3分の1を使い、普通建設事業費では毎年毎年これまた4,000億円前後、県予算の4割から3割を使い続けても、なお身近な社会資本整備がおくれ続けているのはなぜでしょうか。
一般質問で藤沢議員が触れましたように、私どもの調査によれば、90年から97年までの県議会に報告された5億円以上の公共事業総額3,625億円のうち、県内に本社を置く企業の受注総額は全体のたった3割でしかありませんでした。大手ゼネコン向けのダム建設など
大型公共事業は、補助金はついても、事業費の7割は県外のゼネコンに吸い上げられてしまい、県内業者の雇用や仕事に回る割合は少なく、結果として景気はよくなりません。
ちなみに、あれだけ
大型公共事業の集中したオリンピック関連工事でさえ、県内業者は、下請、孫請、中には7次、8次孫請にやっとありつけ、赤字覚悟の業者も多かったのが実態です。投入された莫大な事業費のうち、一体どれだけが地元業者の利益につながったのかを考えますと、問題は、事業費の総額そのものよりも、むしろ中身ではないでしょうか。福祉・生活重視の公共事業は県内業者に直接発注でき、この事業がふえることこそ県内の景気をよくすることに確実につながります。東京都の狛江市では、公共事業を3割削減しましたが、地元建設業者の仕事は逆に2割ふえて、大変喜ばれています。
私たち日本共産党は、かねてから、公共事業の中身を大型事業優先から福祉・生活密着型に切りかえて、地元業者に優先発注し、景気をよくすることを主張してきましたが、この立場から公共事業の抜本的な見直しに踏み出した田中知事の姿勢を歓迎するものです。
また、知事提案の新しい雇用創出の場としての造林事業にあわせて、公共投資の重点配分を福祉、教育、環境へ移したことにより、老人福祉施設や病院、障害児学校等での職員採用による雇用もふえることになります。
これも藤沢議員が一般質問で触れたことですが、98年の県総務部情報統計課の試算によれば、1,000億円の投資の波及効果、雇用効果は、公共事業部門が約8,300人に対し、社会保障、医療・保健部門が3万5,000人と、福祉、医療への投資が約4倍の雇用効果をもたらすという結果が既に出ています。不況打開のあるべき姿として、この方向にも私たちは確信を持つものです。
次に、新年度の重点事業の一つである造林事業です。
環境・治水対策とともに、雇用創出も展望した新年度の森林整備面積は前年度比140.6%、間伐実施面積は前年度比187.4%にふやされます。
日本共産党県議団として、中止になった大仏ダム予定地だった薄川上流域の現地調査を松本地方事務所林務課の案内で行い、戦後の復興の中で一斉に植えられたカラマツ林がなかなか手が入れられずにそうめん立ちとなっており、このままではこの森林の存在そのものが災害の原因になる危険性をあわせ持っていた状況の中で、新年度、薄川上流の間伐面積は約3倍となり、間伐の手が入ることで保水力も増し、森に命がよみがえる仕事が具体的にスタートすることを知って、私たちは感動しました。
昨日、信州大学教育学部において信大自然災害環境保全研究会の講演会がありました。信大農学部の野口教授は、講演の中で、森林の水源涵養、土砂流出防止、保健休養、野生鳥獣保護などの公益的機能の経済効果は日本全体で約75兆円となって年間国家予算に匹敵すること、そのうち長野県の森林は3兆2,000億円の経済効果を持っており、そのうち水源涵養や土砂流出防止などのいわゆるダム的機能分は2兆7,000億円に匹敵すると報告されました。
この森林がさらに命を吹き返し、豊かな機能と恵みをもたらす県民のかけがえのない財産となるように、重点事業としての造林事業の一層の前進に強く期待するものです。
知事は、提案説明の中で、脱ダム宣言に触れて、「よしんば河川改修費用がダム建設より多額になろうとも、100年先、200年先の子孫に残す資産としての河川・湖沼の価値を我々は重視すべきなのです。わけても、日本の背骨に位置し、あまたの水源を擁する長野県には、県境を越えた下流域に暮らす市民に対する真の意味での治水と利水の責任も存在すると考えます。」と述べています。治水、利水や環境保全、公共事業のあり方や行政の果たす役割、長野県政のあるべき姿を考える上での示唆に富んだ一文ではないでしょうか。
県民の立場に立った公共事業の見直しに向けて今踏み出されようとする長野県の第一歩を、私たちも、力強く推し進めるための努力を尽くしたいと思います。
その他の施策では、小中学校の少人数学習集団への対応や、障害児学校の教員24人の増員、養護学校スクールバスの増車、長野、松本児童相談所の一時保護の通年化、乳児保育、延長保育の充実、障害者共同作業所の設置、運営や障害児タイムケアの充実、西駒郷の改築に向けた
検討委員会の設置、全地方事務所への手話通訳者の配置、初の聴導犬の給付など、全体としてきめ細やかな施策を評価したいと思います。リンゴの価格保証制度の創設、不法投棄監視連絡員の50人から100人への増員、商店街活性化資金の貸し付け対象者を大型店の撤退により影響を受ける者にも拡大したこと等も評価できます。
私たちは、田中知事のもとでスタートした新しい流れを全体としては歓迎しながら、今後の一層の前進のために、予算案にあらわれた幾つかの問題点についても指摘をさせていただきます。
第1は、福祉の充実の課題です。新年度、確かに公共投資の重点配分により民生費は昨年9月現計比104.7%、歳出面での伸び率は生活環境費に続いて2番目となり、歳出全体に占める構成比7.0%でようやく全国平均に近づきつつありますが、県民の県政要望のトップは常に福祉の充実であることからも、全国40位台に低迷している民生費を県民要望にこたえて一層充実させることを望むものです。
第2は、行政改革の問題です。
県行政改革大綱に基づく5カ年計画の職員定数の削減は今年度で2年目を迎え、一般行政職で101名の削減が計画されています。少ない職員で効率的な仕事をすることはもちろん私たちも賛成であり、行政改革一般に反対するものではありません。しかし、長野県では、今でも予算に占める職員給与の比率は全国最低レベルであり、例えば、せっかく一時保護が通年化される児童相談所でも長野と松本と隔週実施では、急増する児童虐待に本当に対応できるのかとの心配もわいてくるように、県民ニーズとの関係でまだまだ職員の増員が必要な部署もあります。行政改革イコール職員削減という短絡的でない丁寧な再検討を望むものです。
さらに、聖域なき行政改革と言いながら、同和行政、同和教育はまだ事実上の聖域となっており、年間約30億円を超える予算が投入されています。新年度は1事業廃止、4事業の縮小で総額2,454万8,000円の削減となっていますが、部落解放同盟県連合会への補助金が5,133万円で15年間継続されているなど破格の扱いになっています。教員配置や商工業者への融資を初め事実上の逆差別状態は、差別をなくすことにむしろ逆行しています。国の特別対策が2002年3月で終結する時期となった今こそ、解消に向かって根本的に是正されなければならないと思います。
最後に、公共交通網を確保し、県民の生活の足を守る課題です。新年度予算には、北陸新幹線鉄道整備事業費負担金39億4,600万円、しなの鉄道新駅設置事業補助金9,066万3,000円と、しなの鉄道経営健全化対策事業費が債務負担で約17億円計上されました。
現在、整備新幹線事業は、国政レベルの公共事業ばらまき見直しの対象事業です。このままひた走れば、地元負担の重さや、国でも地方でも財政力から見て、借金の増大が目に見えており、何よりも政府・与党の申し合わせに基づいての並行在来線のJRからの経営分離が既に大きな矛盾を生んでいます。
長野以北の並行在来線に比べれば輸送人員がはるかに多く、幹線であった信越本線でさえ、第三セクターのしなの鉄道となって予想以上に厳しい経営を強いられており、新駅設置や徹底した合理化、適正な運賃改定が実施されても、果たして開業時に掲げた10年後からの黒字転換が図れるかどうか、現状では見通しが暗いと思います。
2億円の赤字を理由に廃線が余儀なくされようとしている長野電鉄木島線に、私たち日本共産党県議団は、始発の木島駅から高校生や中学生、病院通いや買い物のお年寄りの皆さんと一緒に乗ってみました。朝のラッシュ時だけとれば50人乗りのバス7台が必要な人数を、代替バスになればバス2台で運行する考えといい、運賃が近い将来上がることは目に見えている上に時間は長くかかります。新幹線・交通対策課長も試乗されたという代替バスは、中野から木島まで電車なら20分のところを70分もかかったそうです。飯山養護学校にスクールバスが配置されても、公共交通を使っての自立のための学習はもうできなくなる、スクールバスは木島線の電車の役割は果たせないと校長先生は語ってくれました。代替バスが走るであろう県道は余りにも狭く、拡幅、改修にはこれまた多額の県費支出を必要とすることでしょう。
国から多額の補助金が来るからと、在来線切り捨ての政府・与党の申し合わせをそのままにした安易な整備新幹線の建設や、私鉄とはいえ長年の住民の生活の足であった木島線の廃止が、一方で億単位のお金を投入しながら、第2、第3の木島線やしなの鉄道をつくり出し、結果として交通弱者の足を奪うことになりかねないことに私は心痛む思いです。国への働きかけも含め、今後の真剣な検討を望みたいと思います。
以上、若干の問題提起を申し上げましたが、私たち日本共産党県議団が県の
一般会計予算案に賛成するのは初めてのことです。新しい世紀、21世紀のスタートに当たり、予算は政治の顔といわれますが、長野県政の新しい変化の流れを感じる平成13年度長野県
一般会計予算案の賛成討論といたします。
次に、修正予算案に反対の討論を行います。
脱ダム宣言は、長期的な視点に立てば、長野県においてはでき得る限りコンクリートのダムをつくるべきではないと述べ、あわせて田中知事は、就任以来、ダムを中止した場合の対案として、上流部への造林や遊水地、河川改修やしゅんせつなど総合的、多角的な組み合わせで対処していく基本方針を示しています。この方針が、どんなに英知を尽くしても、ダム以外の方法が見つからない場合においてのダム建設まで100%否定するものではないことも、既に明らかです。でき得る限りつくるべきではないのですから。
修正案は、この宣言に基いての知事の下諏訪ダム中止決定をあくまで認めず、新たに設置しようとする
検討委員会での検討を経て、住民がダムを望んだらという理由でダムをつくらせようとするものです。
私は、県会議員となった10年前から下諏訪ダムの問題を取り上げ、その都度、ダムにかわる治水、利水の問題も提案してきましたが、地元では当時から根強い住民の反対運動がありました。しかし、その声は無視され続け、県政に届かなかったのです。住民は、ずっと下諏訪ダム反対を望み続け、そして現在も望んでいます。
県議会開会中の3月8日、信濃毎日新聞が下諏訪町の町民100人を調査し、回答者70人のうち、ダム建設に賛成は9人で13%、反対が43人で61%、どちらともいえないは18人で26%でした。そのうち、砥川下流両岸の民家が対象の調査で、ダム賛成は5人、反対が12人、どちらともいえないが4人だったとされています。
さらに、あれだけの激しい議論が県議会でも交わされた後の3月15日夜、テレビ信州が下諏訪町町民800人に調査したところ、回答者721人中、ダム建設賛成は17.3%、建設反対が57.1%、どちらともいえないが25.5%となっています。
下諏訪ダムは要らない、ダムにかわる総合的、多角的治水対策に知恵を結集してほしいと、住民の意思は既に明確です。県民の中では、地元住民の中では決着済みです。
知事が中止を決定し、住民が望んでいない下諏訪ダムを、なぜ県議会が予算まで修正してつくらせようとするのでしょうか。住民の意思と県議会の大きなずれを感じ、この修正予算案には反対します。
また、特別顧問の設置に係る経費の削減につきましても、行政経験のない知事が一番県政運営をやりやすい形で副知事や県職員に頼るとともに、広く英知を集めて県政運営に当たりたいとの考えは当然ではないでしょうか。その当然の提案を受けとめ、削減の必要はないと考え、反対します。
以上で、平成13年度長野県
一般会計予算案に賛成並びに修正予算案に反対の討論といたします。
○議長(吉田博美 君)次に、森田恒雄君。
〔50番森田恒雄君登壇〕
◆50番(森田恒雄 君)社会県民連合県議団を代表して、修正案について賛成の立場から討論いたします。
まず、下諏訪ダムに関する2億2,900万円の増額につきましては、議会側から提案いたしました治水・
利水ダム等検討委員会条例案により、砥川流域の総合治水を流域住民、市町村、関係行政機関、学識経験者などにより検討することとなっております。
私どもは、脱ダム宣言の理念を理解しつつも、検討する前から予算を削減することは公平な検討という観点から問題があり、今後、早急に
検討委員会を設置いただき、砥川流域の皆さんの部会によって将来に禍根を残さない方向が出されることが必要との認識からであります。
なお、詳細につきましては、条例案に対する中島議員の賛成討論で申し上げます。
次に、特別顧問予算250万円の減額修正について申し上げます。
この件につきましては、総務委員会におきまして質疑が行われたところであります。その中で明らかになったことは、特別顧問とはアドバイザー的なものであり、答弁からして、特別顧問の性格が不明確であること、あわせて特別に予算化がなくとも学識者を招いての講演も可能とのことでもありました。また、知事からも特別顧問想定者として4氏の名前が示されましたが、現時点では不確定なものであることも明らかになりました。私たちは、このように、特別顧問制度の内容と位置づけが明確になっておらず、しかも、以上の答弁からして、当初予算に250万円を盛るべきでないと考えます。
そこで、我が県議団としては、総務委員会において知事みずからが減額修正すべきと強く求めたところであります。知事が改めてその制度の内容や位置づけを明確にされ、人選も確定した上で、今後、補正予算を通じて提案されるならば、検討もやぶさかではありません。
現在の県政運営を見るとき、県外の学者を推戴するよりも、しっかり知事の足元である職員の皆さんとの連携を重視することが今なすべき緊急の課題であることを申し添えておきます。
以上をもちまして修正案に賛成の討論といたします。
○議長(吉田博美 君)以上で討論は終局いたしました。
これより採決に入ります。
まず、総務警察委員長及び
土木住宅委員長から報告のありました修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(吉田博美 君)起立多数。よって、総務警察委員長及び
土木住宅委員長から報告のありました修正案は可決されました。
───────────────────
○議長(吉田博美 君)次に、ただいま修正議決した部分を除く原案について採決いたします。
修正部分を除く部分については原案どおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)御異議なしと認めます。よって、修正議決した部分を除く部分は原案のとおり可決されました。
───────────────────
○議長(吉田博美 君)次に、各委員長の報告中、第63号「平成12年度長野県
一般会計補正予算案」につき討論をいたします。
討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。
本案、各委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案、各委員長の報告どおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)御異議なしと認めます。よって、本案は各委員長の報告どおり可決されました。
───────────────────
○議長(吉田博美 君)次に、各委員長の報告中、第22号「長野県福祉大学校条例の一部を改正する条例案」、第25号「技術専門校条例の一部を改正する条例案」、第26号「長野県工科短期大学校条例の一部を改正する条例案」、第27号「長野県手数料徴収条例の一部を改正する条例案」、第28号「長野県看護専門学校条例の一部を改正する条例案」、第29号「長野県公衆衛生専門学校条例の一部を改正する条例案」、第30号「長野県看護大学条例の一部を改正する条例案」、第31号「長野県立病院条例の一部を改正する条例案」、第34号「長野県文化会館条例の一部を改正する条例案」、第36号「長野県農業大学校条例の一部を改正する条例案」、第38号「長野県家畜保健衛生所手数料徴収条例の一部を改正する条例案」、第39号「長野県林業大学校条例の一部を改正する条例案」及び第42号「北陸新幹線建設事業の県負担金に対する市の負担について」につき一括して討論をいたします。
討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。
本案それぞれ、各委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案それぞれ、各委員長の報告どおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(吉田博美 君)起立多数。よって、本案はそれぞれ各委員長の報告どおり可決されました。
───────────────────
○議長(吉田博美 君)次に、
土木住宅委員長の報告中、議第6号「長野県治水・
利水ダム等検討委員会条例案」及び議第7号「長野県治水・利水ダム等
検討委員会条例施行に関する決議案」につき一括して討論をいたします。
小林伸陽君、本郷一彦君、柳田清二君及び中島昭一君から討論の通告がありましたので、発言を許可いたします。
最初に、小林伸陽君。
〔21番小林伸陽君登壇〕
◆21番(小林伸陽 君)議第6号「長野県治水・利水ダム等
検討委員会条例」及び議第7号、同条例施行に関する決議について反対の討論を行います。
私たちを取り巻く環境は、大量生産、大量消費の経済の仕組みの中で、地球環境は深刻な危機との認識は既に世界共通となり、21世紀は環境の世紀と位置づける行政機関は多数を占めております。
熱帯雨林の乱開発や二酸化炭素の大量排出、ダム建設や大型リゾート開発などにより自然環境は著しく破壊され、砂漠化や地球温暖化による自然災害の誘発に警鐘が乱打されていることも皆さん御承知のとおりであります。
我が県の環境白書の巻頭でも、吉村前知事は、「豊かなみどりと清らかな水に恵まれたかけがえのない信州の環境を守り、来世紀を輝ける「環境の世紀」とすることができるかどうかは、私たち一人ひとりの行動にかかっております。」と述べております。
また、農民運動全国連合会顧問の小林節夫さんは、普通の林地でも1時間に100ミリ程度、優良な林地なら250ミリもの降水を浸透させる機能があるという、優良林地は連続400ミリの降水を保水するという、これを緑のダムと言わずして何と言うか、この山林を、この数十年間、国と県はどう扱ってきたのか、また、洪水調整の役割を持つ膨大な水田を3割も4割も減反させて、水田というダムの巨大な役割を壊してきた、こういう洪水を引き起こす政策を進めてきた政治家が、何の反省もなく、大企業やゼネコンと声高々に防災のためと叫んでダムの建設を迫るのはこっけいですらあると語っております。
県下最大の自然のダムともいうべき諏訪湖の下流、天竜川は、大規模な改修工事が進められ、本年からは400トン放流が始まります。これは、諏訪湖集水地域の八ヶ岳山ろく、霧ヶ峰山ろくの大型リゾート開発が進み、降雨時に諏訪湖への流入水量が一気に増水し、湖岸地域の水害を引き起こしております。この水害の解消のために、諏訪湖から天竜川に一気に大量の放流が目的であります。釜口水門の放水量は、これまでの最大が190トンでしたが、これを600トンにまで拡大するためであります。まさにダムだけでは洪水の解消はできないことを物語っております。上流部の緑のダムなど、多角的治水対策の大切さを歴史が証明しているのではないでしょうか。
しかるに、田中知事の浅川ダム現地調査の場面が新聞やテレビなどで全国に発信されました。その場面で、一時中止を表明した知事に、県の幹部職員がダムを中止すれば業者や国に損害賠償が発生すると猛然と抗議された場面は多くの県民の脳裏に焼きつけられました。これを見た多くの皆さんが、なぜ県民の命が守られないと抗議しなかったのか、やっぱりゼネコンの仕事がなくなることが最大の心配事だったんだねとの言葉に、私は胸を詰まらせる思いでありました。これは、私だけではないと思うわけであります。
さらに、国と地方の借金は666兆円、我が県の借金も、一般会計、特別会計合わせれば2兆円にも達し、国も地方も財政破綻の危機に陥っております。毎日新聞の社説でも、「「脱ダム宣言」に私たちが注目するのは、公共事業の「負担」という側面を議論の俎上に載せた点にある。地方に限らず、中央政治もまた「受益」という側面ばかり強調して、その裏側にある負担という問題を正面から取り上げなくなっていたからである。
いま公共事業が批判にさらされているのは、負担という自治体への大きな負荷が財政面で現実になってきたことでもある。」として、議会と関係住民の真摯な対話を求めております。
財政構造の転換を図るか、現行制度を継続して消費税の大幅引き上げ等国民負担の拡大で対応するか、岐路に立っていることも既に明らかであります。
脱ダム宣言は、こうした公共事業のあり方、補助金制度のあり方が財政の危機をもたらしていることを真摯に受けとめて議論を深める絶好の機会です。我が党はこの宣言には賛同するものであり、脱ダム宣言を、公共事業一般を無謀に切り捨てるかのごとき議論に議会が終始したことはまことに残念です。県民の切実な社会資本の整備の願いを、脱ダム宣言で切り捨てられるかのようにすりかえる議論は許されるものではありません。
提案された決議案の冒頭でも、コンクリートダムは看過し得ぬ負荷を地球環境へと与えてしまう、100年、200年先の我々の子孫に残す資産としての河川、湖沼の価値を重視したいとの趣旨については一定の理解を表明されており、脱ダム宣言の理念の上に真剣な政策論議を県民が期待して注目しております。
しかるに、そのさなか、町村議会議長会長の山口一男氏により県下各町村議長に対して、「脱ダム宣言並びに公共事業に関する意見書等の提出について」という依頼書が送付されました。その送付書類には、県議会における脱ダム宣言取り消し決議案なる文書が含まれております。しかし、取り消し決議などは、本県議会で提案もなければ議論さえありません。あたかも長野県議会がこうした決議を用意しているかのごとく装い、架空の資料を配布して町村議会に脱ダム宣言取り消し決議を迫りました。しかし、この趣旨にこたえた町村議会は、県下14議会、山口氏の地元南箕輪村議会では議会に上程もされなかった。また、浅科村では、村の議会なのに「本県議会では」云々とした決議案が議会に提案され、我が党の議員の指摘によって慌てて修正する珍事まで生まれております。
しかし、このような町村議長会長の暴挙を珍事として黙過することはできません。議会制民主主義の根幹にかかわることであり、今後、議長にこの事態の解明を求めるとともに、長野県議会の名において糾弾されなければならないと思うわけであります。
ここに、市町村に出されたその依頼書がありますが、さらに不可解なことは、この脱ダム宣言取り消し決議案なる文書と提案された議案と比較してみますとうり二つ、このような不可解なものを良識が求められる議会が賛成できるものではありません。
条例案については、私たちはこの間、一貫して、地元住民の意見や専門家の意見が公平に反映される委員会と民主的運営を求め続けてまいりました。こうした中で、田中知事は、既に条例案の求めている趣旨に沿った新たな治水、利水、環境、森林、都市開発などさまざまな分野を網羅した総合的な委員会の発足を明らかにしており、議会でもこの委員会の早期発足を求める意見が集中した経過からしても、この条例案は矛盾するものであります。
私たちは、長年、公平な委員会を求めてきたものとして、委員会の設置に全く反対するものではありませんが、提案者に、条例案については決議と切り離し、真摯に検討すべきと求めましたが、受け入れられませんでした。さらに、
土木住宅委員会で、石坂議員が、第1条に脱ダム宣言の尊重をうたうべきといたしました。さらに、第3条の委員の構成では、県的
検討委員会に特定の県会議員や市町村の長の代表、市町村議会の代表などを選任するとあるが、特定の地域の代表を県的検討委員に選任することは極めて困難で、公平性も欠くことになる。特定の地域を代表する者は流域部会の委員にすべきとの建設的提案も受け入れられませんでした。
こうした経緯からも、この第6号議案で民主的な手法を装い、第7号議案でダムまずありきを押しつけようとするもので、極めて矛盾した中身であり、我が党は反対するものであります。
すばらしい自然環境を守り、財政の健全化を願うすべての議員の皆さん方の御賛同を心からお願いを申し上げて、討論を終わります。
○議長(吉田博美 君)次に、本郷一彦君。
〔20番本郷一彦君登壇〕
◆20番(本郷一彦 君)県政会を代表して、議第6号「長野県治水・
利水ダム等検討委員会条例案」及び議第7号「長野県治水・利水ダム等
検討委員会条例施行に関する決議案」に対し、賛成の立場から討論をいたします。
高度に成熟した我が国の経済社会は、急速に進むテクノロジーの進展により、豊かな生活を享受するに至りました。しかしながら、近年の歴史的にも異例な地球環境の急激な変化は、予期せぬ多くの災害の発生が危惧される現況であります。
今後とも、本県は、社会資本整備の充実を主要課題としつつ、とりわけ真に住民の生命、財産を守るために、ダム等を含む総合的な治水・利水対策の敏速な対応は極めて重要な今日的課題であります。そうした観点から県下の河川の現況とその危機の本質を深く考察するとき、今回提出された条例案、決議案は、まことに時宜を得た適切な措置であると考えます。
知事の脱ダム宣言は、100年後、200年後を見据えた理想的な努力目標、理念と受けとめながらも、山積する河川行政の中で真に県民の命と暮らしを守れるのか、疑念の生じるところであります。
本県の急峻な地形は渇水と集中豪雨災害の発生という両面の難問を抱えており、ダムの必要性は今後むしろ高まるものと推察されます。また、今日までのダム計画は、専門性を有する各種
検討委員会や住民参加の中、極めて民主的な手法を経ての対応の結果であります。
21世紀の求められるべき真の民主主義は、より広い視野とリベラルな立場に立ち、公平、公正な視座のもと、透明度の高い手続と議論の中、適切な時期までに結論を出すべきであります。そうした意味から、この条例案は、各般からの良識ある委員構成、調査、審議のための関係住民も含めた河川流域ごとの部会設置、公聴会の開催等、極めて普遍性の高いものであります。
したがって、本条例の施行に当たっては、過日、土木委員会におきまして知事より回答をいただいた中止または見直しになっているダム事業については、ダムもその選択肢として含め、多面的視点から治水・利水対策について速やかなる検討を行い、工事契約締結済みの浅川ダム及び一部代替地を手配済みの下諏訪ダムについては一刻も早い適切なる結論が急がれるところであります。
新しい時代の文明社会は、自然との共生を基本哲学としながらも、本県は比類なき厳しい自然・地形条件と予測を超えた都市化の中で、今日、政治、行政に求められるものは多岐にわたる住民要望へのスピードある対応であります。
よって、その実現のため、流域ごとに河川整備の検討を行う委員会の設置を目的とした本条例案及びその施行に伴う決議案は、必ずや有効な動機づけを与えるものであり、我が県政会の主体性ある総意であります。
以上申し上げました理由により、県政会は本条例案及び同条例施行に関する決議案に賛成するものであります。
○議長(吉田博美 君)次に、柳田清二君。
〔2番柳田清二君登壇〕
◆2番(柳田清二 君)ただいま議題となりました長野県治水・
利水ダム等検討委員会条例案並びに同条例施行に関する決議案につきまして賛成の討論を端的にいたします。
我が県民クラブは、これまで、長野県の治水、利水に関して、慎重かつ真剣に、現地調査のみならず、賛否を問わず住民の皆さんとの対話、県当局、関係市町村、関係市町村議会との意見交換、また議員相互の討議を重ねてまいりました。
我が県民クラブは、本県の治水、利水の対策に当たっては、流域住民の選択権を最も重視しなくてはならず、あらゆる選択肢を提供していくことが県政の使命であることにかんがみ、本条例立案に関して議論に参画してきたところであります。
知事の示された脱ダム宣言には、時代の趨勢として一定の理解をするに至ったものの、長野県の長きにわたる将来への影響を考えるとき、県民の広範な議論が不可欠であると考えます。
巧詐は拙誠にしかずとは、韓非子からの出典であります。巧みなはかりごとであっても、つたなくとも誠意を尽くすことには及ばないという意味であります。
時代の閉塞期にある我が国において、長野県から志高き大きな改革の旗を掲げることは、県民ばかりでなく、議会、行政も意を一つにするものと考えます。しかし、そこには誠意を持った創造的議論が礎になくてはなりません。
本条例の大きな意味は、流域住民の意思を十分に吸い上げること、専門家も加わった実践的な議論を行うこと、治水、利水に関して可能な限り多くの可能性を探ること、それぞれが担保された点にあります。
殊に、本条例案は、あらゆる可能性を探ることを確かなものとしており、ダムをも選択肢に入れた総合的治水・利水にかかわる議論を行うことに大きな意義があることを強調しておきたいと思います。これは、急峻な地形という特性を持った長野県の流域住民における選択肢の確保であるのです。同時に、行政の誠意ある住民参加型の合意形成のスタイルであり、長野モデルになり得るものと考えます。
以上を本
条例案並びに施行決議案の賛成の理由とし、賛成の討論といたします。
○議長(吉田博美 君)次に、中島昭一君。
〔52番中島昭一君登壇〕
◆52番(中島昭一 君)議第6号「長野県治水・
利水ダム等検討委員会条例案」は、治水、利水の総合的な対策において、住民の意見の違いを克服し、住民の治水への責務と参加を含め、納得と合意に基づく施策の決定につながることを願い、社会県民連合県議団を代表して賛成の討論を行います。
近年、大型プロジェクトとなるダム建設事業がむだな公共事業の象徴とされる中にあって、地球環境に与える負荷を重視し、できる限りダムによらない総合的治水対策を進めるとした脱ダム宣言の理念は、数多くの水源を有し、日本の屋根に当たる長野県においては、かけがえのない地球環境と人類との共生を進める未来への設計図であることは言をまたないところであります。
ダムは、河川をせきとめ、水循環を阻害し、環境に大きな負荷を与えてきたことも事実であります。自然への負荷をできる限り除去し、長野県の恵まれた環境を次世代に残すことは、私たちの大きな使命であります。しかし、ダムの建設事業は、県下において、河川流域に移住する住民を幾多の水害から守り、県民の生活を保障し利するという大きな役割を担ってまいりました。
どんなにすばらしい理念であっても、その具現化を図るプロセスにおいて、性急過ぎたり、住民の合意形成にそごを生み、県民の不安を増大させるような面を内包するならば、その理想、理念がゆがんだものになってしまいかねないことを強く懸念し、我々は知事にその真意を再三ただしてきたところであります。
したがいまして、でき得る限りダムによらない総合的な治水対策実行のかぎは、住民の納得と責務の自覚そして参加にあります。行政の責任及びその執行を監視すべき議会の責務は、県民の生命と安全を保障する立場に立って、理念と現実のギャップを埋めながら、県民生活を改革し向上させていくところにあり、水害の危険や不安を抱く流域住民の安全な治水・利水環境を求める十分な合意形成を図り、こたえていくものでなければならないのであります。
国においては、新河川法により、住民参加による総合治水対策が盛り込まれ、また樹林帯等の活用による治水も打ち出されております。
急傾斜地を多く持つ我が県土においては、個別水系ごとに治水等に果たす森林の役割、自然生態系、流域住民への影響、住民の治水等に対する役割と河川愛護の具体的施策、後世への対応などが検討されなければならないと考えます。現実的な施策として、治水、利水のありようを県民生活を守る観点からフレキシブルに対応していくことも重視しなければなりません。
検討委員会条例制定により設置される本委員会の部会が、住民参加と情報開示によって、今まで検討あるいは実施されてきた治水対策の検証、あるいはダムによる治水、利水のメリット、デメリット、あるいはダムによらない治水、利水のメリット、デメリットを水系、流域ごとに多角的に検討し、まさに住民自治による治水・利水対策の推進役を果たしていくことを願ってやまないものであります。とりわけ結論が急がれる浅川ダム、下諏訪ダム等につきましては、多角的、総合的な検討が速やかに行われ、施策の展開が図られることを強く要請するものであります。
地域文化をはぐくみ人類に恵みをもたらす森林、そして河川との共存、自然環境と流域住民の安全が両立できる総合的な治水・利水対策を県民とともに知恵を出し合い、実行していく、このことが環境の21世紀にふさわしい治水、利水のあり方の基本を創造し、100年、200年先の我々の子孫に残す長野モデルとして全国に発信されていくことを確信し、また、県民の生命と財産を守っていく議会人としての責務を果たさなければならない決意をここに表明をいたしまして、以上をもって賛成討論といたします。
○議長(吉田博美 君)以上で討論は終局いたしました。
最初に、議第6号「長野県治水・
利水ダム等検討委員会条例案」を採決いたします。
この採決は、議長が必要と認めますので記名投票をもって行います。
議場の閉鎖を命じます。
ただいまの出席議員数は、議長を含めて62人であります。
念のため申し上げます。本案を可とする諸君は白票を、これを否とする諸君は青票を、点呼に応じて順次投票願います。
点呼を命じます。
〔職員氏名点呼・投票〕
○議長(吉田博美 君)投票漏れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)投票漏れなしと認めます。
投票を終了いたします。
開票を行います。
〔開 票〕
○議長(吉田博美 君)投票の結果を報告いたします。
投票総数 61 票
白 票 56 票
青 票 5 票
以上のとおり白票が多数であります。
よって、本案は原案のとおり可決されました。
議場の閉鎖を解きます。
〔参 照〕
原案可決を可とする者の氏名
竹 内 久 幸 柳 田 清 二 西 沢 正 隆 金 子 ゆかり
浜 康 幸 垣 内 基 良 鈴 木 清 向 山 公 人
下 村 恭 宮 澤 敏 文 牛 山 好 子 百 瀬 喜八郎
佐々木 祥 二 風 間 辰 一 山 元 秀 泰 平 野 成 基
本 郷 一 彦 佐 野 功 武 花 村 薫 平 村 石 正 郎
奥 村 剛 久保田 元 夫 木 下 茂 人 塚 田 一
望 月 雄 内 高 橋 宏 寺 島 義 幸 母 袋 創 一
萩 原 清 宮 沢 宗 弘 柳 沢 政 安 大 和 代 八
倉 田 竜 彦 島 田 基 正 服 部 宏 昭 今 井 勝 幸
中 村 善 行 井 出 公 陽 太 田 道 信 池 田 益 男
塩 沢 昭 佐 藤 良 男 小 林 忠 司 森 司 朗
森 田 恒 雄 浜 万亀彦 中 島 昭 一 小田切 行 雄
古 田 芙 士 下 﨑 保 小 林 実 宮 沢 勇 一
中 島 輝 夫 石 田 治一郎 篠 原 文 三 西 山 平四郎
原案可決を否とする者の氏名
堀 内 瑛 丸 山 茂 藤 沢 詮 子 小 林 伸 陽
石 坂 千 穂
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○議長(吉田博美 君)次に、議第7号「長野県治水・利水ダム等
検討委員会条例施行に関する決議案」を採決いたします。
本案、委員長の報告は原案可決であります。本案、委員長の報告どおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(吉田博美 君)起立多数。よって、本案は委員長の報告どおり可決されました。
───────────────────
○議長(吉田博美 君)次に、
土木住宅委員長の報告中、請第57号「地域高規格道路松本糸魚川連絡道路の早期建設について」及び農政林務委員長の報告中、陳第484号「広域営農団地農道整備事業八ヶ岳西麓地区等の事業促進について」につき一括して討論をいたします。
討論の通告がありませんので、本件を一括して採決いたします。
本件それぞれ、各委員長の報告はいずれも採択であります。本件それぞれ、各委員長の報告どおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(吉田博美 君)起立多数。よって、本件はそれぞれ採択することに決定いたしました。
───────────────────
○議長(吉田博美 君)次に、
土木住宅委員長の報告中、陳第510号「下諏訪ダムに係る用地買収を早急に再開し、事業を進めることについて」、陳第511号「下諏訪ダム建設促進について」につき一括して討論をいたします。
討論の通告がありませんので、本件を一括して採決いたします。
本件それぞれ、委員長の報告はいずれも採択であります。本件それぞれ、委員長の報告どおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(吉田博美 君)起立多数。よって、本件はそれぞれ採択することに決定いたしました。
───────────────────
○議長(吉田博美 君)次に、
土木住宅委員長の報告中、陳第512号「地域高規格道路松本糸魚川連絡道路の計画の見直し等について」、陳第521号「国道158号渋滞対策道路(一般県道波田北大妻豊科線・主要地方道松本環状高家線バイパス)計画見直しについて」につき一括して討論をいたします。
討論の通告がありませんので、本件を一括して採決いたします。
本件それぞれ、委員長の報告はいずれも不採択とすべきものでありますので、本件について改めて採決いたします。本件それぞれ、採択するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(吉田博美 君)起立少数。よって、本件はそれぞれ不採択とすることに決定いたしました。
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△閉会中継続審査及び調査の申し出
○議長(吉田博美 君)次に、各委員長から、目下委員会において審査及び調査中の事件につき、会議規則第100条の規定により閉会中の継続審査及び調査の申し出があります。
お諮りいたします。各委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査及び調査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)御異議なしと認めます。よって、各委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査及び調査に付することに決定いたしました。
───────────────────
△
議員提出議案の報告
○議長(吉田博美 君)次に、議員から議案の提出がありましたので、報告いたします。
〔職員朗読〕
議第8号
政務調査費の交付に関する条例案提出書
平成13年3月13日
長野県議会議長 吉 田 博 美 殿
提 出 者
服 部 宏 昭
賛 成 者
佐々木 祥 二 石 田 治一郎 小 林 実
下 﨑 保 古 田 芙 士 萩 原 清
奥 村 剛 小 林 伸 陽 倉 田 竜 彦 森 司 朗
地方自治法第112条及び長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。
───────────────────
議第9号
本県経済の再生と活性化に向けた生活関連事業の適切な
実施に関する決議案提出書
平成13年3月19日
長野県議会議長 吉 田 博 美 殿
提 出 者
寺 島 義 幸
賛 成 者
木 下 茂 人 西 山 平四郎 篠 原 文 三
石 田 治一郎 下 﨑 保 萩 原 清
森 田 恒 雄 中 島 昭 一 小田切 行 雄
長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。
〔議案等の部「1 議案 (2)
議員提出議案」参照〕
○議長(吉田博美 君)以上であります。
ただいま報告いたしました
議員提出議案を本日の日程に追加いたします。
───────────────────
△
議員提出議案
○議長(吉田博美 君)最初に、議第8号「政務調査費の交付に関する条例案」を議題といたします。
お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)御異議なしと認めます。よって、本案は提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。
本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。
本案、原案どおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)御異議なしと認めます。よって、本案は原案どおり可決されました。
───────────────────
△
議員提出議案
○議長(吉田博美 君)次に、議第9号「本県経済の再生と活性化に向けた生活関連事業の適切な実施に関する決議案」を議題といたします。
お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(吉田博美 君)御異議なしと認めます。よって、本案は提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。
質疑の通告がありませんので、本案につき討論をいたします。
丸山茂君から討論の通告がありましたので、発言を許可いたします。
丸山茂君。
〔11番丸山茂君登壇〕
◆11番(丸山茂 君)議第9号「本県経済の再生と活性化に向けた生活関連事業の適切な実施に関する決議案」に反対の立場で討論をいたします。
我が国の経済は、10年以上にわたって11次にわたる景気対策を行い、100兆円規模の財政出動を行ってきました。そのうち、公共事業には71兆円使われましたが、日本経済は悪化の一途をたどっています。その理由は、消費税率の引き上げや70兆円に及ぶ銀行支援、介護保険や医療費の引き上げ、年金改悪等、国民の将来にわたる生活不安を招く施策によるものと考えます。
さらに、国の予算は、公共事業に50兆円、社会保障に20兆円という枠組みを、国民の大きな批判の中でも崩そうとしていません。
これらの財政出動は、いずれも壮大な浪費でした。それが景気対策にならなかったことは、日本経済の現実が示しています。こんな車の通らない道路をつくって負担だけ住民に押しつけるのか、維持管理費だけでも赤字が出る道路や橋をつくってどうするつもりかという怨嗟の声は、全国に満ち満ちています。
国は、地方に対しても経済対策として多大の公共事業を押しつけ、そのために地方財政が圧迫されていることは、本県の借金状況を見ても明らかであります。そうして、これらの公共事業が雇用を安定させたかといえば、戦後最大の失業率、失業者を出していることは御承知のとおりであります。破綻が明確な国の経済対策と一体となった取り組みを求める決議案に賛成できないのは当然であります。
さて、県政会の代表質問に対して知事は次のように答えています。「こうした聖域なき事業の見直しにより外科手術を行う一方、さまざまな機会を通して寄せられた県民要望にこたえるべく、福祉、医療、教育、環境といった生活重視の公共投資、環境、治水など総合的な視点に立った森林整備、木曽川右岸道路の建設促進、県民とともに新しい県づくりを考える県民参加型の行政システムの構築に向けた取り組み、細やかな心配りのもと、福祉・医療サービスの展開、新たな時代を担う子供たちの教育などに財源を重点配分し、県民の皆さんが精神的な豊かさを実感できるような社会に向けた外科手術に取り組んでおります。」と答えています。この答弁の立場こそ、県民が長年にわたって求めてきたことではないでしょうか。
県世論調査協会の調査結果は、88%の皆さんが公共事業の見直しを求めているということであります。先送りをされたといわれる事業に対して、地域から、先送りしても構わないという声や、必要以上の道路幅のため事業の見直し、地権者も反対しているところもあるとの声も寄せられています。どうしても緊急、必要なものがあれば、具体的、個別的に対応すべきであります。公共投資の重点を福祉、医療に移したことによる経済波及効果等は、石坂議員が先ほど詳しく述べましたので、私は繰り返しません。
以上で今回の決議案への反対討論を終わります。
○議長(吉田博美 君)以上で討論は終局いたしました。
本案を採決いたします。
本案、原案どおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(吉田博美 君)起立多数。よって、本案は原案どおり可決されました。
───────────────────
○議長(吉田博美 君)次会は、来る3月23日午後1時に再開して、役員の選任等の件を日程といたします。書面通知は省略いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後9時40分散会...