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平成13年 2月定例会本会議-03月09日-09号

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  1. 長野県議会 2001-03-09
    平成13年 2月定例会本会議-03月09日-09号


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    平成13年 2月定例会本会議-03月09日-09号平成13年 2月定例会本会議 平成13年3月9日(金曜日)  出席議員(62名)   1 番    竹内久幸    23 番    佐野功武   2 番    柳田清二    24 番    花村薫平   3 番    西沢正隆    25 番    村石正郎   4 番    金子ゆかり   26 番    奥村 剛   5 番    浜 康幸    27 番    久保田元夫   6 番    垣内基良    28 番    木下茂人   7 番    鈴木 清    29 番    塚田 一   8 番    向山公人    30 番    望月雄内   9 番    下村 恭    31 番    高橋 宏   10 番    堀内 瑛    32 番    寺島義幸   11 番    丸山 茂    33 番    母袋創一   12 番    藤沢詮子    34 番    萩原 清   13 番    宮澤敏文    35 番    宮澤宗弘   14 番    牛山好子    36 番    柳沢政安   15 番    百瀬喜八郎   37 番    大和代八   16 番    佐々木祥二   38 番    倉田竜彦   17 番    風間辰一    39 番    島田基正
      18 番    山元秀泰    40 番    服部宏昭   19 番    平野成基    41 番    今井勝幸   20 番    本郷一彦    42 番    中村善行   21 番    小林伸陽    43 番    井出公陽   22 番    石坂千穂    44 番    太田道信   45 番    池田益男    54 番    古田芙士   46 番    塩沢 昭    55 番    下﨑 保   47 番    佐藤良男    56 番    小林 実   48 番    小林忠司    57 番    宮沢勇一   49 番    森 司朗    58 番    吉田博美   50 番    森田恒雄    59 番    中島輝夫   51 番    浜 万亀彦   60 番    石田治一郎   52 番    中島昭一    61 番    篠原文三   53 番    小田切行雄   62 番    西山平四郎         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        田中康夫    企画局長      阿部守一   出納長       花岡勝明    副出納長兼会計局長 田中邦治   総務部長      青木輝政    公営企業管理者   飯澤 清   社会部長      上原芳晴    企業局長      藤井世高   衛生部長      小林文宗    財政課長      浦野昭治   生活環境部長    中平龍興    教育委員会委員長  宮﨑和順   商工部長      木船智二    教育長       斉藤金司   農政部長      中村武文    教育次長      井出祐司   林務部長      古林弘充    警察本部長     松田広光   土木部長      光家康夫    警務部長      西川直哉   土木部高速道局長  尾坂壽夫    監査委員      丸山 勇   住宅部長      柳澤一則         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      清水幸治    総務課企画員    佐藤公俊   参事兼議事課長   林 一夫    議事課記録専門員  若井一仁   議事課課長補佐   宮下清一    議事課主事     穐澤礼子   議事課委員会係長  平林 信         ───────────────────  平成13年3月9日(金曜日)議事日程    午前10時30分開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    陳情取り下げ(日程追加)    議員提出議案(日程追加)         ───────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    請願・陳情提出報告、委員会付託    陳情取り下げ    議員提出議案         午前10時31分開議 ○議長(吉田博美 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。         ─────────────────── △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(吉田博美 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、百瀬喜八郎君。       〔15番百瀬喜八郎君登壇〕 ◆15番(百瀬喜八郎 君)県政会の百瀬でございます。  一般質問を始めさせていただきます。  けさも新聞に出ましたが、波田町でもって高濃度のダイオキシンが掘り出されたということで、ここ掘れワンワンといって宝物が出るならいいが、どうもああいうものが出ると大変困ります。これは三郷村で大騒ぎがあったころから、波田でも、おれはあそこのところへ埋めたと言う倒産した会社の社員がおりまして、どうしてもその人の意見を聞かなければということで、町でも掘ったわけでございます。それで、地元の人たちは、弁護士を頼んでどうでもこうでもやるということでございましたけれども、やっぱり町も入って、本当に埋まっているかどうかということでもって掘ったわけで、県の方にも報告して、県でもいろいろ調査したそうでございますが、その経過。  それから、もう一つ、倒産した会社の後を譲り受けた埼玉県の業者でございますけれども、これが今では、譲り受けたから一応地上に見えているものだけは片づけるが、地下に埋設されたものは譲り受けるときに全然知らなかったし、責任がないから、これは片づけられないと言っております。地元で一番心配するのは、それを片づけてもらわないことにはその高濃度のダイオキシンがどこにも片づかないので、ぜひその点について県の強い指導力でやってもらうことができるかどうかということを生環部長にお聞きいたします。  それから、2番目は山と道路の問題で、やっぱり地元でも、知事さんの言う車座集会というか、地元に見に来てくれという希望が相当あります。今度の間伐問題は非常に関心がありますし、波田町は昔から苗木生産者が非常に多くて、川上村と競争して満州や朝鮮へ輸出した時代がございました、これは戦争前ですけれども。今はそれほど大きな問題ではないけれども、これからの将来どうなるのかということで、やっぱり心配になっている生産者もおります。その人たちも、ただ間伐ばかりやって山をつくるじゃねえ、おれたちのこれからの将来はどうなるだということでございますので、どうかそんな面も頭の中に入れていただいて、知事さん、あるいはまた林務部長さんも来られて納得のいくような話をしてもらいたい。  この間も、そこの勤労者福祉センターでそんな会議があったときに20人ほど波田町からも来たそうでございますけれども、幾ら手を挙げて発言しようと思ってもちっとも指名してくんねえ。これじゃ何にもならないということで、非常に憤慨したというか残念がって帰ったので、ぜひそんな点でもお願いしたいと思います。  それから、もう一つ、それと関連しますが、道路問題であります。国道158バイパスの問題もありますし、波田インターの問題、あるいはまた糸魚川高速道路もありますが、知事さん、時たまおもしろいことを言いまして、川上村に200メートルばかりの道をつくるのに60億も税をかけてもってえねえもんだ、あれは平成の遺物として残しておかねえかなんていうような発言がありますが、道路を何でつくるのか、何でお金をかけるかということは、これはやはり必要だからかけるわけで、道路は何でつくるずらなんてことを言うこと自体がちょっとおかしいで、200メートルの道路で60億かかっても20億かかってもです。安房トンネルをあけるときには、430メートルあけるだけで1,000億もかけた。1,000億円と40年の歳月をかけて安房トンネルがあいたわけでございます。やっぱりこれだって必要だからあけたわけで、それで、あけた道路を使うようにするにはさらに延長していろいろな面で使いよくしなきゃいけない、これが道路の使命です。ですから、あそこへでっかい橋をかけて、見せ物にするじゃないか、名品にするじゃないかなんて、冗談にもそういうことは言わなんでひとつお願いしたいと思います。  特に、波田は道路問題と山林問題がありますが、この間、地元でも、陳情はどうやるな、いつになるだやと言うから、おれも新米の県会議員で力ねえからどうなるかわからねえ、また、県の方の都合でどういう順番がとれるかわからないけれども、なるべく早い機会に、ことしの末か4年後だかわからないが、やっぱり、どういう段取りで、どこの町の問題が、どこの村の問題が大事だから、そっちの方へ都合つけていくというようなそういう基準というものをある程度つくっていただいて、秘書課長さんが、それじゃ、あんたたちのところは大体20番目とか25番目あたりには行けるというふうに、ぜひそういう基準もお願いしたい。  それから、やっぱり次はダムの問題で、私は脱ダム宣言なんて一番いけねえことだし、長野県にとっては致命傷になるような大きな問題で、日本の国でもやはりダム行政というか砂防行政というものは国家の事業の一番重要なものにしております。戦争があれば自衛隊が守ってくれる、あるいは世の中が不安になれば警察が守ってくれるというようなもんで、国の行政の重大事業としてこの砂防というものをやっているわけです。東京へ行ったら、砂防会館の前に、何という先生か私ちょっと忘れちゃったけれども、日本じゅう歩いて、60年の生涯をまるっきり砂防にかけちまったというような先生の銅像もあります。それだけ砂防というものは大事だということをどうか知事さんもよく頭の中に入れていただいて、砂防事業というものは日本の国の大きな事業、しかも長野県でも大きな事業だ。このでっかい県を守るには、やっぱり砂防から確立していかなければ、人は安心して暮らせないということをしっかり持っていただきたい。  そんな面で、まあ、逃がした魚は大きいといいますけれども、やっぱり浅川ダムもやめちまわなんで、もしやっていたとしたら、どのくらいの予算があって、ことし定礎式ができたか、予算がこういうふうになってきて、国から金が来るわけだったけれど来なんだとか、いろいろありますが、そこらは土木部長から数字的にも、あるいはまた事業の内容、もし順調に話が進んでいたら、今ごろ立ち上がったか、定礎式が済んだか、どの程度になるのか、そこらのところも聞かせてほしい。  それで、下諏訪ダムの問題もありますが、これはまた後にします。  第1回の質問を終わります。       〔生活環境部長中平龍興君登壇〕 ◎生活環境部長(中平龍興 君)波田町内における産業廃棄物の不適正処理についてのお尋ねでございますが、この不適正処理事案に係る地上部分の撤去につきましては、県といたしましても再三にわたり撤去指導あるいは改善命令を行ってまいってきたところでございます。  この不適正処理をした業者が休眠状態といったことで、資金不足を理由になかなか自主的な撤去には至らなかったわけでございます。しかしながら、地域の住民の方々の粘り強い取り組みと御協力もございまして、先月、関連会社の資金援助を得まして自主撤去が開始をされたところでございます。地域住民の方々の取り組みに対しましては、感謝と敬意を申し上げさせていただきたいと思います。  お尋ねの地中に埋められました産業廃棄物の撤去についてでありますが、この処理施設は、昭和61年以降、複数の経営者を経て現在に至っているというような経過がございます。不適正処理を行った者の責任の範囲というものが明確でないというようなことを理由にして、地中部の撤去はしなくてもよいのじゃないかといった関連会社の見解が出まして、撤去の見通しが立っていないというふうな状況にございます。  そうは言いましても、御承知のとおり、不法投棄あるいは不適正処理された産業廃棄物の撤去処分については、あくまでも原因者において行うということが原則になっているわけでございまして、引き続き複数の経営者からの聞き取り調査など十分に行いまして、責任の範囲というものを明確にいたしていかなければならない。そして、撤去に向けまして地元の皆さんと一緒に粘り強く取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。  以上であります。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいまの百瀬喜八郎議員の大変に機知に富む御質問に対してお答えを申し上げます。  波田町への山林や林業あるいは道路の現地視察をという御意見でございます。  現地視察に関しましては、いずれも県政の柱として位置づけております森林整備や木曽川右岸道路についての現状を把握するために、去る1月17、18日の両日、木曽地域に私は赴き、豊かな森林のすばらしさ、また林業の大切さ、その困難な点、また木曽地域の交通事情の厳しさに関しても実感をして、視察することの価値を改めて感じたわけでございます。  また、森林や林業について多くの方々と意見交換をするために、2月13日に長野市内で21世紀の森林・林業を考える車座集会を開催いたしました。私どもの林務部を初めとする事務局では当初300名程度の参加者を予定していたわけでございますけれども、実際には県内の各地からおよそ800名の方々の御参加がありまして、また、開催時間を常の車座集会と同じように私の判断で延長させていただきましたが、それでも発言を求める挙手がやみませんで、森林整備に対する県民の熱い気持ちと期待というものを改めて感じ、林務部ともども一丸となってさらに邁進したいと実感したわけでございます。  波田町には中部縦貫自動車道や島々と三溝新田の間の渋滞対策道路等の事業があることは、私も、土木部から説明を複数回にわたって受け、承知をいたしております。  私の現地視察等のスケジュールについてでございますけれども、今後もできるだけ要望の重要度に応じて、県内各地さまざまな御要望があり、また私が訪れるべき場所も多々あるわけでございますが、計画的にスケジュールを組んで行ってまいりたいと思っております。ですので、御指摘のような現地の調査や懇談会については、今後も、関係部局と協議をした上で実行に移してまいりたいと、このように考えております。       〔土木部長光家康夫君登壇〕 ◎土木部長(光家康夫 君)浅川ダムの予算につきまして御説明を申し上げます。  浅川ダムの12年度の予算につきましては、9月現計時点で9億3,000万円余を計上しておりました。本体工事の契約は、11月22日に一時中止がかかりました関係で、今回2月補正では7億8,500万円余を減額いたしまして、現時点の2月現計では1億4,450万ということとなっております。これを含めまして、12年度まで執行済みの事業費の総計は200億7,400万円余ということとなっております。  なお、平成13年度の要求につきましては、当初の計画でいきますと本体工事が本格化することとなっておりましたので、夏の概算要求時点では24億円を要求しておりましたが、昨年12月の大蔵原案の段階では、一時中止を受けまして2,300万円ということに減額をしております。それに合わせまして、今回の13年度予算には2,300万円を計上しているということです。  仮にダム本体工事を継続していたらという話でございますが、継続しておりましたら、先ほど申しました夏の概算要求の24億円が、恐らくそれに近い額あるいは同額が大蔵内示されたと想定されまして、その場合には、上水道に係る利水者負担金を除きまして、その額の2分の1、11億6,600万円余が国庫補助事業として内示をされる。さらには、起債、ダムの県負担につきましては95%が起債の発行が認められますので、それを除きますと、実質必要な県費は24億円に対しまして5,800万円余ということになったと想定されております。  以上であります。       〔15番百瀬喜八郎君登壇〕 ◆15番(百瀬喜八郎 君)浅川ダムの問題もそうだが、金がせっかく来るようなことを無理やりにやらなくするというような形は非常に県としても惜しいと思うし、幾ら東京の業者が請け負っても、やっぱり働く人は長野県ですので、そういうことを考えると、やはり長野県の不景気ということを知事さんもちょっと考えてほしいと私は思います。  知事さんと言うか、本当は知事と言わなきゃいけねえということを言われていますけれども、康夫ちゃんとでも言いたくなるぐらい親しめる人ですから、そこらのところはこっちの口の都合で、ほかの議員さんはやっぱり知事なら知事でぴしゃっとやってほしいと思います。  次に、これは実際問題として、東筑摩郡の中心部、いわゆる四賀村から北、昭和三十六、七年ごろですが、伊勢湾台風から始まって二つぐらいでもって人が29人死んでいる、53名が重軽傷者、家が七十何戸流れている。2回の災害でもそういうことですから、話にならないし、そういう災害というものは知事さんは恐らく想像できないと思う。それから後、反対はほとんど一人もなく、ダムをつくれ、ダムをつくってくれと国に働きかけて、15メートルから20メートル以上のダムが15個もできている現実を見てもらいたいし、四賀村は花村議員さんの住まいの村ですけれども、鯨の骨がある。鯨の骨があるということは、昔は海の底だということで、フォッサマグナあるいは糸魚川静岡構造線なんというようなことを昔から言われておりますけれども、実際、松本を中心に地球が東西に割れちまったってだれも怒るわけにいかないようなそういう危険地帯でございます。  その向こうに牛伏寺断層もあります。牛伏寺断層へ行けば、寿村という村がありますが、東筑摩郡寿村なんていえば、昔から、おめでたい村だ、毎日毎日婚礼がありはしねえか、結婚式がありはしねえか、毎日赤ちゃんが生まれはしねえか、あるいは天からお金が降ってきはしねえかというくらいな、聞いただけではそういう村だったけれども、本当は牛伏寺川という暴れ川があって、そこの人は始終苦労しておった。それで、村の人たちは、とにかくこの牛伏寺川の砂防事業を完成させなければおれたちの村はよくならない。100年越しですよ。  当時、唐沢俊二郎先生のお父さんが唐沢俊樹さんという人だったけれども、この人は奈良県知事をやったり内務省の高級官僚で警保局長までいった人ですけれども、あのころは建設事業はほとんど内務省でやっておりました。それで、国でも本格的に力を入れてきて、昭和45年ごろ大きなダムをつくった。今、そのダムの下に何百戸という家があるが、あのダムは崩れはしねえか、あのダムは壊れはしねえかなんて思っていればだれもそこに住まないけれども、それほどあの牛伏寺断層というおっかねえ断層が、地震がいつ起きてもおどけないというような断層があるところへつくったダムでさえしっかりと守っていて、そのおかげで天井川であった、寿村を全部荒らしたようなそんな川が今きれいに片づけられている。今の東筑摩郡の15のダムを見たり、あるいはまた松本の隣の今のダムを見たり、実際、知事さんにそういうところを見てもらわないことには、砂防ダムを廃止したいなんてことは言い切れないわけで、非常にこれは将来に悔いを残すわけですから、まず第一番に私は知事に対する希望として言います、現場を見てくれと。  それから、下諏訪ダムをやめちまったが、水利権なんていうのはみんなに話をすればできるなんていうふうな簡単な考えを持っていますけれども、私の隣村に山形村があって、水利権1個の問題で大げんかをしたというか、非常に泣かされたことがある。波田の村の20戸ばかりの部落ですけれども、これは波田の山から出ている水だけれども、権利は山形村の竹田というところにある。どうしてもこうしても水利権が欲しい、飲む水だけでもいいから欲しいと言うけれども、絶対くんねえ。山の上からちょっとパイプを引っ張ってくれば簡単に水が引けるところだけれども、水を飲むぐらいは引けるところだけれども、その水をくれない。それで、200メートルも300メートルも波田町側の方の谷へ行って水をくんできたことを現実に見ておりますし、さんざ泣かされた子供たちがまだ波田にも住んでおります。  実際、水利権というものはおっかねえもんだいな、昔の権利というのは強いもんだいなというようなことで、そこへちょうど唐沢川へダムをつくれやという話が持ち上がって、ダムができて初めて、それじゃダムの中に水が何万トンあるからそれをどういうふうに分けるかということで、初めて部落の人たちが納得した。実際、昔の水利権というものは、徳川時代からどういうふうになっているか知らないけれども、明治でも相当けんかしたし、梓川改良区の昔の先輩たちなんかは江戸まで歩いて何回も何回も幕府の裁定に伺ったなんて話も聞いております。実際、それほど水利権というものはみんなが固執し始めると全然つかない。どうしてもダムをつくって、そのダムへたまった水を飲む。ダムへたまった水はまずいなんてぜいたく言っちゃいけねえんだよ、本当は。  そういうことも頭に入れておいて、これから下諏訪ダムでも簡単に水利権もできますよなんて言うと、昔から使っている人たちは怒る。たとえ自分は田んぼに稲をつくらなんでも、空田んぼに水をかけただけでもおれの権利だということになっちまって、それはもう非常に難しいことですから、どうか知事も、簡単に水利権というものはできますから皆さんに了解してもらってなんてことは考えないように、これは自分の村の経験を生かして今申し上げるわけでございます。  それから、いろいろ言いたいことはあるが、この間、松本の人から手紙が来て、こんなことが書いてある。知事たるものがこんなことをしていいでしょうか、パブリックサーバントの長野モデルということはこういうことでしょうか、県民としては考えるほど情けなくなってしまいますと。どういうお顔をした婦人だか知りませんけれども、立派な女性に囲まれて知事さんが写真に映っている。女性といったって半分以上裸だけれども、そういうことはやっぱり知事になったら遠慮してもらいたい。  私も、村会議員を昭和30年にやったですが、30年ころの村会議員というものは非常にお色気話が好きで、集まるとそんなような話をしておったんですが、それでも言うことに、りっしんべんのセイジもまつりごとのセイジも同じセイジと言うけれども、やっぱりまつりごとのセイジは公に発表して堂々とやるべきだが、りっしんべんのセイジはなるべく内緒にしてやるもんだということを私の先輩の村会議員はよく言ったですが、ごた言う中にも本当のことを教えられたような気がしますし、やっぱり長野県の知事さんになったら、その辺のところも幾らかずつ考えてもらって、そして、おれは知事だぞ、長野県民220万の最高頂点に立っているだぞという気持ちを持って、これから特に教育問題が大事ですから、おら方の知事さんはこんな写真撮ったぞなんていうことを子供たちに言われないようにひとつお願いしたいと思います。  私は、小学校6年ころに教わった先生で、島崎藤村がその先生も好きだったか知らないが、私も長野県でやっぱり作家といえば島崎藤村だと。お母さんを亡くなって思う詩とか、あるいはまた初恋でいい娘からリンゴをもらったとかというような詩からいろいろあったし、ほとんどあのころの女学生というのは、戦前だけれども、「小諸なる古城のほとり雲白く遊子悲しむ」、そんな歌をよく口ずさんで歌っていたことを覚えております。きのうも共産党の議員さんが長野県はもう同和教育は進み過ぎているということがありましたが、ああいうふうに島崎藤村が同和教育を訴える、人の差別はいけないぞということを訴える小説を書いた。あるいはまた、木曽の人たちが、おれたちは徳川から明治になっても夜が明けない、いつまでたっても夜明け前だと。今度、知事さんも木曽の道はえらい、これは池田先生も大活躍したですが、立派な道をあけて夜明けが来るわけだが、そういう面で、島崎藤村というものを長野県としては作家として大事にしてきた、教育でも子供たちに、こういう世の中にしろということを知らず知らずに教えてきたことがありますので、どうか知事さんもこれから作家としてもそういう面で、ただりっしんべんのお色気ばかりじゃなくて、もう少し島崎藤村のまねするというんじゃないけれども、見習うような形でやってほしいと。私は、こんなところで言うほど、私はどん百姓で人にお説教するような資格はないけれども、これも県会議員になった務めですので、知事さんに希望を申し上げたいと思います。
     こんなことをなぜ言うかというと、私は人間的に育ちが、差別語になっていけねえが、かたわという言葉を何ていえばいいか知らないが、不具者というか、かたわの片意地ということになっちゃって、どうしても戦争中の育ちというものは、女にほれこむようなばかはだめだ、女を好きになるようなやつはだめだ…… ○議長(吉田博美 君)百瀬議員に申し上げます。  できるだけ議場での発言は紳士的にしていただけますか。 ◆15番(百瀬喜八郎 君)(続)はい。そういうことで、非常に言い方は難しいけれども、戦争中に育った者は、みんな満州に従軍に行け、14歳ぐらいの小僧をどんどん満州まで追いまくった。この間も、同級生が特攻隊へ飛び込んでいった、民間航空機の乗員養成所を出て、私も一緒にやった子だけれども、頭は優秀で、昔の飯沼飛行士、朝日新聞社でロンドンまで飛んでいった飛行士にほれこんで、おれもあんなふうになりてえなというような人だったけれども、それが、せっかく民間航空機乗員養成所といういいところを出ながら、兵隊に入って、そのまま特攻隊で飛び込んでいっちまった。これも考えてみると、本当に育てられ方がそういうふうになった。  私も、今ちょっと言葉が、いろいろ知りませんので言葉の汚いことはお許し願いたいと思いますが、気持ちだけは戦争育ち、どこか人間が変わっているところがあるということ。変わっている人間のところも参考になるところがあったら参考にしてほしいと思う。そんな面で演壇に立っているわけでございますけれども、どうか気持ちを少しでもわかってほしいと思います。  今、ダムを廃止すると言うけれども、これは国の政治にとっても、あるいは長野県の県政にとっても非常に困った問題だということをよくわかってほしいと思います。私、この間、神戸へ夜行列車で行って風邪を引いちまったけれども、神戸で知事さんが親方でボランティアで大活躍した。それでまた神戸の市長のリコール問題や、あるいは飛行場をつくる反対をしたというけれども、本当に考えてみると、神戸の衆もそんなにお世話になった田中康夫さんの言うことだったら聞かなきゃいけないわけだけれども、聞かないだ。どんどん飛行場をつくって、そして今は鯨の背中のようにちょっとばかり丘へ上がってきた。私も市民に聞いたですけれども、どうでもそんなことをつくらなきゃいけねえだかいと言ったら、いや神戸というところの宿命だと。山を崩してきて海を埋めた、先輩が何年、何百年とそうやってきたことが結局、今のポートアイランドもそのためにつくった。だって、いつかまた南極の氷が解けて埋まっちまうぞと言ったら、そんな200年も100年も先のことはおらにはわからねえ、おらはそのときは死んでるでいいだというようなことを、一緒にポートアイランドの電車に乗った人が私に話してくれたけれども、やっぱり神戸ではとにかく山を削って海を埋める。それは神戸の一つの宿命だったと。長野県は砂防というものをとったらもうだめですから、ぜひ砂防だけは長野県のやらなきゃいけない宿命だと思って頑張ってほしいと思います。  以上です。 ○議長(吉田博美 君)次に、浜万亀彦君。       〔51番浜万亀彦君登壇〕 ◆51番(浜万亀彦 君)まず、脱ダム宣言について1点だけ知事にお尋ねをしたいと存じます。  知事が発した脱ダム宣言、環境や水源上流県としての責任などを提起した理念は、今後、県民共有のものとしてはぐくまれるようにしていかなければいかぬというふうに思っておりますけれども、これには相当の努力が求められているというふうに思っているわけでございます。それが崇高な理念でありましても、具現化を図るに当たって性急過ぎたり、県民の不安を増大させたり、合意形成にそごを来すような面を内包するならば、その理念はゆがんだいびつなものになってしまうと思うのであります。  知事の今回の脱ダム宣言や下諏訪ダム中止発言は、宣言に至った判断の根拠、ダムにかわる具体策、県庁内の意思疎通、流域住民及び関係市町村対応のそれぞれ不十分さなどが指摘できるというふうに思うのでありまして、私は、ぜひ知事にその点の反省を求めたいというふうに思っているわけでございます。  知事は、宣言は議論の終局でなく始まりと言われておりますけれども、民主主義のプロセスにおいて問題があったと思うのでありますが、これだけはきちっと承っておきたいというふうに思っているのでございます。  過ぐる1月25日付で知事みずからが出された選挙違反に係る調査問題について、これをみずから発信された知事にお尋ねいたします。  昨年10月の知事選挙をめぐる県土木部の選挙違反事件は、去る2月21日、前土木技監に有罪判決が言い渡され、土木行政の旧態依然の体質が浮き彫りにされるなど、多くの県民の皆さんは県庁ぐるみの事件としてとらえていることを厳粛に受けとめるとともに、公務員の地位利用による選挙違反は厳しく律されなければならないと思うのであります。  今日、県民の信頼回復のためには、パブリックサーバントとして与えられた職務に全力を尽くしてほしいと願っているところであります。就任前のことだからとか、容疑者も被害者などと言っておりました知事は、この事件で全庁的に徹底した調査の方針を打ち出し、係長級以上の職員約2,300名を対象に「選挙違反に係る調査について」の調査票を配布し、2月15日までに提出を求めたとのことであります。  「職員の皆さんへ」と呼びかけるこの知事の調査票には、「包み隠さず吐露する誠意と勇気こそが今、パブリック・サーヴァントたる私たち一人ひとりに求められている」とか「私に対して、告解責任を果たされますように。」など、独特の言い回しで呼びかける文章内容であります。  ちなみに、辞書を引いてまいりますと、告解とは、カトリック教会で洗礼を受けた後に犯した罪の赦しを与える秘跡と訳されております。  この文章の中には、「自身の行為を冷静に振り返り、臆せず素直に記して下さい。それぞれの行為それ自体のみを以て、咎めようとは思いません。」と記しているものの、「どの候補者のために、いつ、どこで、何を、どのように行ったのか、ありのままを具体的に記載してください。」と具体的に書くことや、氏名、職名、そしてさらに捺印までも求めているのでありますが、知事がメディアや集会で県幹部を批判していることもあって、職員は事実を記せば処分されるのではないかとの不安など、戦々恐々の様子も容易に想定できるのであります。  そして、この調査票は、知事みずからが開封し、知事のみが知り得ることとして取り扱うので個人名は外部に漏れないと断っていますが、記入する職員にとって、知事は人事権を持つ絶対的な存在ともいえるのであります。  この調査票が公務員の地位利用についての内容であるならば事件の性格からして認められるものの、それを著しく逸脱しており、職員の基本的人権である思想、信条を調査するという重大問題であります。  そこで、具体的にお聞きします。  調査内容は、職員個人の言動にかかわるもので、地方公務員といえども思想、信条の自由は保障されており、政治的意思決定の自由はだれも侵すことのできない基本的人権でもあります。したがって、自由な意思に基づいて一定範囲の政治的行動をする権利も有しているのでありまして、調査内容は、どの候補のために、いつ、どこで、何を、どのように行ったのかありのまま具体的に記載せよという政治的行為全般にわたっており、明らかに憲法第15条第4項と19条に違反と言えると思うのでありますが、いかがでしょうか。  調査は、何ら疑いもかけられていない職員に対して自発的告白を求めるものであり、極端に言えば、職員に対するやみくもな自白強要と言えると思うのでありますが、どうでしょうか。お伺いしたいと思います。  三つ目には、労働組合が各種の選挙で候補者を自主的に推薦することはできるし、その周知徹底活動も自由であります。この調査は、労働組合のそのような活動にかかわる部分も含んでおり、その点では、労働基本権、労働組合の政治的活動の自由を侵しているというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。お聞きしたいと思います。  四つ目は、知事は、調査票の開封はみずからが行い、個人の思想や信条を調査するものではないとしておりますけれども、知事という公権力の立場にある者が行う行為としては民主主義に反すると言わざるを得ないし、また、知事一人だけが知り得る手法でまとめた結果の公表は、民主主義の手法に照らし甚だ疑問と思うのでありますが、いかがでしょうか。  五つ目は、知事は、この調査結果をまとめ、公表するとのことでありますが、本来ならば私は撤回、回収することが正しい措置だというふうに思っております。しかし、既に集約されている実情にかんがみて、調査のまとめと公表に当たっては、公職選挙法、地方公務員法に抵触する事項と今後の対策に関する意見のみとして、これ以外の内容はこの調査から除外すべきと思うのでありますが、いかがでしょうか。お尋ねをしたいと思うのであります。  次に、原子力防災対策について知事、関係部長にお尋ねします。  一昨年9月の茨城県東海村の核燃料加工施設、ジェー・シー・オーの放射能漏れの事故は、いまだ記憶にまざまざ残っている過去最悪の原子力事故でもありました。  過去、総理府が行った原子力発電に関する世論調査傾向は、不安感を持つ人は7割に上り、不安の理由は事故の可能性が最も多く、情報公開の不十分さや虚偽報告やデータ改ざんなどへの不安が根強くあるのであります。  本県には、原子力発電所はもとより、原子力災害対策特別措置法の対象となる加工・貯蔵・廃棄施設はありませんけれども、県境を越えると原子力発電所は幾つも動いておりまして、万が一の場合、情報提供、避難など円滑な体制がとれるのかとの不安は残っているのであります。  最近、原子力発電所の立地地域では、関係自治体が万一の事故に備えて、住民への緊急周知体制の整備、避難訓練などの防災計画を立案している折でもあります。  本県に最も近い新潟県の柏崎刈羽原子力発電所は総出力世界一といわれ、長野県境まではわずか40キロしかございませんし、一たん大事故が発生すれば、その被害は長野県まで及ぶことは明白であります。過去、核施設に住民から不安の声が上がると、国や業界は重大事故はあり得ないと否定し続けてきたのでありますが、マーフィーの法則でいう失敗する可能性があるものは失敗するのでありまして、とりわけ、現在、柏崎刈羽原子力発電所では、ウランにプルトニウムを混合したMOX燃料を用いるプルサーマル計画導入をめぐりまして大きな問題となっているのであります。この場合に事故が生じますと、ウラン燃料だけを使用する場合と比較して、より広範囲に被害が及ぶ危険性が各方面から指摘されているのであります。あのチェルノブイリ原発級の事故が起きた場合、プルサーマル計画実施後の被害範囲はこれまでの2倍に拡大するなどの放射線被害想定を指摘する専門機関もあるのであります。  政府は、あのジェー・シー・オーの臨界事故を受けて、原子力災害特別措置法の制定、防災基本計画の「原子力災害対策編」も修正し、それに伴い各都道府県に地域防災計画の改定を求め、今回、政府の改定策では、核物質の貯蔵・加工・廃棄施設や輸送過程も防災対策に追加されたのであります。例えば、埼玉県では、原子力関連施設は存在しないにもかかわらず、独自に放射性物質事故災害対策を県の地域防災計画に盛り込んでいるのであります。  長野県内におきましても、今後、高速道の完全4車線化の実現などに伴いまして、原発の核燃料の輸送対象になるかもしれない危険もあるのであります。  今、議会の質疑の中でも、知事の危機管理意識が問われてもいるわけでございます。そういう意味で、県民の生命を守ると力説されております知事は、天災、人災を問わず不測の事態に対処するべく、災害危機管理指令室の早期立ち上げと充実することを表明しているのでありますが、地域防災計画の中に原子力災害対策や将来の核燃料県内輸送に対応する放射性物質事故災害対策を盛り込むべきだと考えているのであります。  あわせて、知事のプルサーマル計画についてのお考えをお聞きしたいのであります。  原発事故に対応する県の責任窓口は生活環境部消防防災課とされているのでありますが、このことを関係者や県民に周知徹底するとともに、常に周辺地域の原発の動向に注視し、情報・データ収集などを行うべきと考えますが、また、原発に関する専門的な知識を持つ職員配置も必要な時期ではないかというふうに考えますが、お聞きしたいと思います。  原発を運転する電力会社などと協議の上、事故発生時には、県担当部局への緊急連絡体制の確立や、新潟県、静岡県など近隣の地方自治体とも緊急の連絡体制の確立、そして、事故時には少なくとも100キロ圏内の至近市町村と住民への緊急連絡体制を確立することも必要と思うのでありますが、どうでしょうか。  そして、長野市にある県衛生公害研究所だけでなく、県内数カ所に放射線測定器を設置し、日常的な監視体制をとることも考えるべきと思うのでありますが、対応をお聞きしたいと存じます。  次に、アイム・ジャパンの外国人研修生、実習生の労働実態とその改善対策についてであります。  ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団、皆さんも御承知のように、現在、このKSDをめぐる受託収賄容疑で村上正邦元労働大臣などが逮捕された事件は、金で特定団体の利益を図る政治腐敗の象徴でもありまして、この事件が明るみにならなければいまだ知られなかった問題を指摘し、改善を求めたいと存じます。  中小企業国際人材育成事業団、いわゆるアイム・ジャパンは、外国人研修生受け入れ機関として1991年に設立、93年に政府の創立した技能実習制度に基づいてインドネシア政府が選抜、派遣する研修生の受け入れを開始、97年、研修・技能実習期間が、これも逮捕されましたあの小山孝雄前参議院議員が国会で取り上げて、この期間が2年から3年に延長されたといわれるKSDの関連財団であります。この研修生、実習生の労働実態が、今、国会でも取り上げられ、問題となっているのであります。  現在、日本に滞在している研修生や実習生は全国で約7,000人、そのうち約1,000人が長野県内の250社くらいで実務研修をしており、本県は言ってみれば全国最大の受け入れ先となっているのであります。  今回、たまたま1人のインドネシアの青年の告発によりまして、私たちの党KSD事件特別委員会の国会議員の皆さんらが、去る2月26日、本県の実態調査を行いました。このアイム・ジャパン長野支局は松本市にありまして、現在957人の研修生を受け入れ、会員企業247社に対し派遣をしております。受け入れ企業は製造業が7割、建設業が3割の状況にあります。しかし、そういう中で、パスポートの保管、残業をさせてならない研修生に研修の延長という名目で残業の強要や時間外手当の未支給、技能実習生に対しても、時間外手当、休日出勤賃金の未払い、苦情を漏らす研修生は強制帰国など、不利益な扱いを受けるなどの問題が指摘されるのであります。  外国人の研修・技能実習制度は、技術、技能の移転による国際貢献から見ても、そしてまた外国人労働力の活用方法から見ても極めて不備な制度であり、多くの人権侵害を伴うものであり、抜本的な制度改革が求められているというふうに思うのであります。  また、会員企業側にもある程度の負担があるものの、日本人を雇用するより数段賃金が安く、安定した労働力が確保できるため、需要はふえる一方で、最低賃金を上回る賃金を支払っている企業も少なくないのでありますが、ピンはねや賃金抑制などがあることも事実のようであります。  加えて、常態化している労働基準法違反事例を直接指導すべき労働基準監督署は、KSD事件に絡んでこれだけ問題が指摘されているにもかかわらず、いまだ実態把握もできていない状況にあるのであります。  そこで、県としては、国際化時代にあって、人権侵害ともいえるこの問題をどう認識し、対応されるのか、まず知事にお聞きをしたいと思います。  その上で、県としては、アイム・ジャパン経由のインドネシア研修生、技能実習生の全国では最大の受け入れ県となっている現状から、外国人の研修生、技能実習生の人権を守る立場から実態調査の実施、国の機関と連携して受け入れ先企業等への勧告、指導の徹底、労働基準監督署における適切な対応を図るため、これらの機関への働きかけを図るべきと考えるのでありますが、この対応について社会部長にお尋ねをしたいと存じます。  以上で第1回の質問とさせていただきます。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいまの浜議員の御質問に順を追ってお答え申し上げます。  まず、1番目の脱ダム宣言に関してでございます。  私は、知事就任以来、車座集会やさまざまな現場での対話集会など、さまざまなチャネルを通じてみずからの考えについて皆様とともに検証をし、また、関係部局と打ち合わせを重ねる中で宣言の方向性を固めてまいりました。  脱ダム宣言につきましては、このように、県民と理念の共有化を図りつつ、知事であります私自身が、みずからのスタンスを明確にしつつ、市民感覚に基づいて考え、知事としての責任と権限の範囲内において決断を行い、県民の皆様にお伝えしたものでございます。  しかしながら、脱ダム宣言については、私どもの職員への説明が直前であったこと、また下諏訪ダム中止決定について岡谷市長、下諏訪町長への御説明が記者会見の後となったこと、公共事業評価監視委員会への説明がいまだであること等御批判があったことは反省をし、今後注意をし、県政運営に当たってまいりたいと考えております。  続いて、職員に関する選挙違反にかかわる調査についての御質問でございますが、これらは相互に関連いたしますので、あわせて御答弁をお許しいただきたく思います。  今回の調査は、県民の信頼を回復するために選挙違反のありのままの姿を明らかとすることが目的であります。選挙違反の真実を明らかにする上では、選挙違反等の行為について具体的に記述をしていただく必要がありますので、御指摘のような設問を調査票に求めたものであります。しかしながら、だれがどの候補者に投票したのか、ましてや個人の思想や信条について調査したものでは全くございません。また、そのつもりもございません。調査票及び調査依頼通知の「職員の皆さんへ」と題する私のメッセージをいま一度お読みいただければ、このことは御理解いただけるものと思います。したがいまして、憲法第15条の第4項の投票の秘密の保障、また第19条の思想、信条の自由に違反するとは考えておりません。  先ほど申し上げましたとおり、さきの知事選における公職選挙法違反により県職員に対する県民の皆様からの失望感が増大しているということは否定できないことでございまして、こうした選挙違反のありのままの姿を明らかにする責務が公僕であります私たち県職員にはございまして、そのために職員の皆さんに、まさに苦い告解を、告解は私のメッセージの中では、いわゆるひげちょんと呼びます印をつけて「"告解"」という形で書いてございますが、お願いしたものでございまして、お尋ねのような性格のものではないと考えております。  労働基本権あるいは労働組合の政治的活動の自由を侵しているのではないかという御質問に関してでございますが、この点は、調査の趣旨や内容を御理解いただければおよそそうしたものではないということがおわかりいただけるかと存じます。  そして、調査の手法についての部分の御質問でございます。  今回の調査は、先ほど申し上げた私のメッセージにもございますように、職員の皆さんと知事である私との信頼関係を前提に、自身の行為を冷静に振り返って記載していただくようお願いしたものであります。また、調査票の冒頭にも、「この調査票が入った封筒を開封し、調査集計するのは知事本人のみです。」と明示してございまして、このことを前提に職員から既に御提出をいただいております。  このように、今回の調査は、県民の信頼を回復するために、通常の調査とはあえて異なる手法を選択したものでありまして、この点への御理解をいただきたく思います。  そして、調査結果のまとめと公表についてでございますが、この点は、県の職員のプライバシーに配慮をして対応していきたいと、このように考えております。  原子力防災計画に関しまして、プルサーマル計画を含めての御質問でございます。  株式会社ジェー・シー・オー東海事業所の事故を踏まえて、原子力災害対策特別措置法が国においても制定され、さらに、国の防災基本計画であります「原子力災害対策編」、原子力安全委員会の指針であります「原子力施設等の防災対策について」も修正されたわけでございます。その中では、原子力発電所及び再処理施設、加工施設、貯蔵施設、廃棄施設、核燃料物質等の運搬等がその対象となっております。  しかしながら、長野県内には今申し上げましたような対象施設は存在いたしておりません。さらには、原子力安全委員会の指針で定める原子力発電所から約8から10キロの防災対策を重点的に充実すべき地域にも該当しないわけであります。  核燃料物質等の輸送時の防災対策については、原子力安全委員会が定める指針によりますと、核燃料を輸送する際の容器は、落下試験、耐火試験等の厳しい条件が課されておりまして、輸送中に事故が発生しましても容器等が破損することは基本的にはないものとされております。  しかしながら、放射性物質の漏えいの可能性も絶対ないとは言い切れないわけでございまして、原子力安全委員会の指針が示され、国の防災基本計画にもこの点が位置づけられたところであります。その中では、運搬中の事故の場合には、事故の際に対応すべき範囲が極めて狭い範囲に限定されていること、また、輸送が行われる都度に経路が特定され、原子力施設のように事故発生場所があらかじめ特定されないこと等の輸送の特殊性から、原子力事業者と国が主体的に防災対策を行うことが実効的であるとされております。具体的には、原子力事業者等により救出、消火、立ち入り制限区域の設定等緊急時の措置が行われ、国の職員及び専門家が現地に派遣されることとなっております。  本県におきましては、防災対策を重点的に充実すべき地域に該当しないこと、また運搬中の事故の場合には原子力事業者と国が主体的に防災対策を行うことが実効的であるとされておりますことから、県としては、初期対応について、県の地域防災計画の「危険物施設等応急活動」に準じて対応してきたところでございますが、今後、事業者、国、隣県などとの連絡体制を確認しながら、地域住民への情報伝達や安全確保等についてさらなる充実を検討してまいりたく思います。  プルサーマル計画の部分に関しての御質問でございますが、プルサーマル計画については、国民の間にさまざまな議論があるため、国の責任において、安全性及び進め方について十分国民のコンセンサスを得るとともに、立地地域の理解、同意を前提として対処することが重要であると認識をいたしております。  続きまして、中小企業国際人材育成事業団、いわゆるアイム・ジャパンの問題についてでございます。  外国人研修・技能実習制度は、アジアなどから研修生を受け入れ、企業における研修、実習により日本の進んだ技術を身につけていただく制度であります。しかし、一部の受け入れ先企業における研修名目での残業の強要等の問題が国会などでも取り上げられ、法務省、厚生労働省において対応を進めていることは、私も新聞報道等により承知いたしております。  研修生、実習生は、帰国後に、まさに自分の国の経済発展や産業振興の担い手となることが期待されている方々でありまして、この事業は、まさに人づくりを通して国際貢献を果たす大事なもので本来はあるわけでございます。にもかかわらず、一部の好ましくない事例が、研修制度や、ひいては日本に対する失望を与えているとするならば非常に残念なことでありまして、この事業を所管する厚生労働省が1月下旬に立入調査を行っております。また、2月23日に改善勧告を出しておりますので、この動向を見守りたいと考えております。  以上、浜議員の御質問に順を追ってお答え申し上げました。       〔生活環境部長中平龍興君登壇〕 ◎生活環境部長(中平龍興 君)原子力発電所の事故の際における県の窓口についてでありますが、大規模事故災害に関する被害に伴います総合的な窓口は消防防災課でございます。関係機関に対しましては、大規模事故発生時に混乱が生じないよう、窓口であるということは十分に伝えてあるところであります。  それから、原子力に係る防災情報の収集等につきましては、これまでも行ってきているわけでありますけれども、関係機関と連携をしまして、引き続き収集に努めてまいりたいと、こんなふうに考えております。  それから、専門的な知識を持つ職員の配置についてどうかというお尋ねでありますが、原子力事業所所在地には、国において原子力防災の拠点であるオフサイトセンターが設置されておりまして、そこには原子力防災専門官が配置されております。また、原子力施設所在地にかかわらず原子力災害発生時には、県、市町村の要請によりまして国は専門的知識を持つ職員を派遣することとなっておりますし、運搬中の事故の場合には、原子力事業者と国が主体的に防災対策を行うこととされておるわけであります。  県といたしましては、こうした専門家の意見を聞きながら原子力防災に対応してまいることとし、独自で専門的知識を持つ職員を配置しておりませんけれども、研修等への参加を通じて知識を得て対応してまいりたいと、このように考えております。  次に、事故発生時の緊急連絡体制についてでありますが、ジェー・シー・オー事故などを踏まえまして、国において見直されました原子力防災の指針において、長野県は、万が一事故が発生したとしても、屋内避難などの防護措置が必要ない地域とされておるところでございますが、仮に原子力発電所の事故が発生した場合には、原子力災害特別措置法等によりまして、電力会社などの事業者は直ちに関係する都道府県、市町村、関係道府県の警察本部等に通報することが義務づけられておりますし、国からも屋内退避などとるべき方策について即座に指示が来ることとなっております。さらに、災害時の相互応援協定によりまして、近隣の県からも連絡が入ることとなっております。  こうした情報を関係市町村、住民にいち早く、県の地域防災計画による情報の伝達経路によりまして、防災行政無線等を通じて連絡することとしておるところでございます。  以上であります。       〔衛生部長小林文宗君登壇〕 ◎衛生部長(小林文宗 君)お答えいたします。  県内数カ所で放射線の日常的な監視体制をとってはどうかとのお尋ねでございます。  本県では、文部科学省の委託を受け、衛生公害研究所において、常時、大気中の放射線量や放射性物質などを観測しております。この調査は、他県の原子力関連施設の付近で測定しているデータと比較検討するために行っているもので、本県では年間を通じて自然界の通常レベルで推移しております。  原子力安全委員会によりますと、原子力関連施設がない本県においては防災対策を重点的に充実すべき地域はありませんので、日常的な監視体制につきましては現在の観測を継続してまいりたいと考えております。  なお、辰野町と長野市で発見されたモナザイト鉱石のような放射線による健康被害が懸念される事態が発生した場合には、衛生公害研究所のほか、消防本部や県警本部などにも配備されている持ち運びが可能なサーベイメーターで測定することができますので、関係機関と連携し、県民の健康不安が解消されるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔社会部長上原芳晴君登壇〕 ◎社会部長(上原芳晴 君)お答えいたします。  外国人研修生及び実習生に係る問題につきましては、先ほど知事の答弁がございましたが、直接的には国の機関や受け入れ団体が対応するものでございます。  県内におきましては、労働基準監督署において法定労働条件に問題があれば個別に対応していると聞いておりますので、具体的な案件について実情を把握する中で適切な労働条件の改善指導が行われるものと考えております。  県といたしましては、労政事務所の労働相談等を通じて問題を把握した場合には、長野労働局と連携の上、適切に対処してまいりたいと考えております。  なお、厚生労働省において受け入れ団体である中小企業国際人材育成事業団に対する改善勧告等の指導が行われておりますが、今後、受け入れ団体の責任として、受け入れ企業に対する適切な指導が行われ、外国人研修・技能実習生の研修及び労働環境の改善が図られることを期待したいと存じます。  以上でございます。       〔51番浜万亀彦君登壇〕 ◆51番(浜万亀彦 君)それぞれお答えをいただいたわけでございますが、まず、脱ダム宣言の関係は、今日まで代表質問、一般質問を通じていろいろな角度から御質問がありました。今議会の最大の問題は脱ダム問題だというふうに思っておりますが、議会における具体的な対応は、後刻皆さんにお諮りを申し上げたいというふうに思っております。
     そこで、特に、県職員の選挙違反の調査票の件につきまして、これでは知事の答弁は納得いかないのであります。  まず申し上げてまいりますが、憲法15条4項は「すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。」、第19条「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」、公職選挙法の52条「何人も、選挙人の投票した被選挙人の氏名又は政党その他の政治団体の名称若しくは略称を陳述する義務はない。」、それと同時に、知事は先ほどの答弁の中に、信頼を回復するためであるとか、あくまでも個人の思想、信条を調査するものではないというふうに言われているわけでございます。しかし、今申し上げますように、これは完全にそういう意味では憲法を中心としたその領域を侵しているというふうに私は思っているわけであります。  例えば、この問題が出たときに専門家の皆さん方が論評をいたしておりまして、刑法学の専門家の日大の板倉教授は、投票の秘密を侵害するおそれがある、選挙活動の有無を聞くことでさえ思想、信条の自由を侵害していると、こういうふうに言われているわけです。知事は、読んでもらうとわかるんだと言っているので、私も幾度も読んでみましたけれども、この点はだめでございます。  いずれにしても…… ○議長(吉田博美 君)浜万亀彦君に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたので発言を終了願います。 ◆51番(浜万亀彦 君)(続)あくまでも憲法上の基本的人権に触れるということで、法律を守るべき知事が、憲法観、私は評価をしているんでございますが、そういう知事が法律を守らないということで、その点について改めてまた御答弁いただき、県の職員の皆さんの処遇、先ほどの取り扱いの問題についてもよろしくお願いします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)お答え申し上げます。  さきに申し上げましたように、憲法第15条第4項、また第19条に今回の調査が違反するとは私は考えておりません。 ○議長(吉田博美 君)昼食のため午後1時まで休憩いたします。         午前11時45分休憩         ───────────────────         午後1時1分開議 ○副議長(小林忠司 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  木下茂人君。       〔28番木下茂人君登壇〕 ◆28番(木下茂人 君)私は、予定した質問に先立ちまして、きのう、きょうの動きの中で、2点につきまして知事に質問を申し上げます。  第1点は、光家土木部長の人事にかかわる問題でございます。  光家土木部長におかれましては、土木技術者としての高い識見と明快な判断力をもちまして、長野県のために大変な御尽力を賜りました。これからも重要な局面に向かいますだけに、引き続いて長野県のために働いていただきたいというふうに願っていた一人でございますけれども、この問題につきましては知事の人事権にかかわる問題でございますので、我々としては静観するしかないわけでございます。  ただ、きょうの新聞を拝見いたしまして、国土交通省と長野県の将来の関係について悪い影響を及ぼすようなことになってはいけないというふうに心配をいたしますので、この件について質問をいたします。  新聞記事によりますと、国土交通省の事務屋のトップでございます小野邦久事務次官が定例記者会見で、長野県土木部長の後任人事についてなぜ拒否をしたかということについて述べておりますことは、一つとして、県の方から要請された人事であったのに、一方的に返すというふうに言ってきたということを挙げております。それから、人事には事務的な準備が必要である、中央省庁の人事は夏と4月に行っており、時期も合わないというふうに言っております。それで、このときに、適任者がいないのかというふうな質問に対しては、適任者はいっぱいいると、こういうふうに言っているのでございます。  この間の知事のお話と食い違いを感じますので、3点についてお伺いをいたします。  まず第1点は、この話のように、国土交通省に県が要請した人事であるにもかかわらず、あらかじめ打診をするとか相談をするということなしに、田中知事が一方的に帰すことを申し入れをしたものであるかどうか。  第2点につきましては、人事というのは途中でこちらへ回してくれというふうにお願いをしても、一人穴をあけて人事をするということはできないわけでございまして、全体の人事の中で動かしていくということは人事の常識であるわけでございます。そういうことで、国は夏と4月の2回しか人事はやらないということは御承知であったのかどうか。御承知であったとは思うんですけれども、そういうことを知っていながら、先方の都合も無視をして後任人事についても話をしたのか。  第3点でございますけれども、この見出しにも、なぜ後任人事を拒否したかという理由について、知事が一方的だからと。それから、次官は不満をあらわにしていたというようなことが書いてあるわけでございます。この新聞の行間からも、国土交通省の次官が、事務屋としてはトップの人になるわけでございますけれども、この人が大変不快感を持っているということが感じられるわけでございますけれども、こういう状態の中で、国土交通省との対応はこのままでよいと考えているかどうか、この3点についてまずお伺いをいたします。  次に、昨日、金子議員が、公共事業の予算に関連いたしまして、事業の先送りをされました94カ所につきまして現場へ行っているかどうかというふうに質問をしたわけでございますけれども、答弁は、職員から説明を受けていたというようなことを説明しておりまして明確ではありませんでした。質問の趣旨は、現場へ行っていたかどうかということを聞いているわけですから、行っていたかいないか、これを明確に御答弁をお願いいたします。  1回目の質問を終わります。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいまの木下議員の御質問にお答えを申し上げます。  さきに私が、これは人事にかかわることでございますが、求められましてお答え申し上げましたように、一たんは4月以降に関しての部分も応じてくださるということの中で、その後、人がいないということだったわけでございます。そして、打診をしたのかという点に関しましては、これもさきに私と総務部長がお答えしているように、相談、打診の上でございます。  そして、3月の末から4月と夏に人事を行うということを知っていたのかという御質問でございますが、この点に関しては存じ上げておりました。  そして、今後の国土交通省との関係ということですが、これもさきに技術畑のトップにあります技監とのことをお話し申し上げましたように、今後もよりよい県土をはぐくむということにおいて、密接に、そして対応するつき合いでありたいと、このように考えております。  続きまして、金子議員の御質問に関係しての木下議員の御質問でございます。  94カ所に関して、現場でみずから見たのかという御質問でございますが、現場で職員から事業説明を受ける形では見ておりません。この点に関しましては、さきにお答えいたしましたように、ポンチ絵等予算の資料等で見ているわけでございます。  そして、見送り箇所は、私の視点、方向性を職員と話し合う中で、その観点に立って関係部局が緊急性等を考慮して判断したわけでございまして、私としては部下としてのその判断を信頼をしているわけでございます。  また、県内各地を今後も車座集会や他の現場の視察も含めて、さらにくまなく回り把握に努めたいと、このように考えております。       〔28番木下茂人君登壇〕 ◆28番(木下茂人 君)ただいま御答弁をいただきましたけれども、国土交通省との関係につきましては、知事は問題ないような言い方をされておりますけれども、心配でございますから、これからも修復に努めていただきまして関係が悪化しないように御努力をお願いしたいと思います。  なお、94の先延ばしされました現場について、現場主義を唱えている知事が1カ所も行っていない。それで、地域が本当に懇願している問題をすっぱり切ってしまった。このことについては、知事の日常の言動と不一致するところでございますし、血も涙もないという感じがするわけでございまして、この辺については今後よく御検討──やってしまったわけですが、ただ、我々はこれをまだ認めているわけではないわけですけれども、そういう形でやられたという実態はわかりました。  次に進めてまいります。  最初に、子ども未来センターにつきまして質問をいたします。  この未来センターにつきましては、南箕輪村の出した許可について、一昨日、向山議員の質問にも知事が答弁をしておりますけれども、一部のみでしたので、改めてお聞きをいたします。  県の申請を受けて村長から出されている許可書の写しがここにございます。この主なところだけちょっと申し上げます。設置の目的は、体験学習施設の設置・管理のためということになっておりまして、このことについてはこの間も知事が認めておりました。それから、設置・管理施設の種類及び数量というのがあります。ここが大変重要だと思います。詳細に書いてあります。全部は読み切れませんけれども、代表的なところだけ申し上げます。未来センター本館、延べ床面積9,787.88平米、建築面積7,079.67平米、純建築部分建築面積5,645.14平米、サイエンスデッキ1685.40平米、このほかいろいろなことが書いてあります。例えば、じゃぶじゃぶ池174.20平米、ぺたぺた池964.42平米、こういうふうに設置する施設の種類及び数量の明細が記載されております。なお、設置施設の工事着手・完了の時期、着手が平成12年8月1日、完了が平成15年6月30日と明記されているわけでございます。このほかにもいろいろありますが、読み上げるのは省略いたします。  知事は、この許可書を遵守していくということでよいでしょうか、お答えを願います。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)お答え申し上げます。  さきに向山議員の御質問の際にもお答え申し上げておりますけれども、平成12年7月6日付で南箕輪村に対して都市公園施設の設置・管理許可申請を行っております。今回の見直しに当たりまして、従来の許可申請について変更手続が新たに必要になった場合には、その都度、所要の手続を行ってまいりたいと考えております。       〔28番木下茂人君登壇〕 ◆28番(木下茂人 君)私が今お聞きしたのは、この許可の内容のとおりやるかやらないかということを聞いたわけでございまして、変更する場合の措置を聞いたわけではなくて、今の時点でこのとおりやるかやらないか、そのことをお聞きしたわけでございます。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)お伝えしてまいっておりますように、この南箕輪村における仮称としての子ども未来センターに関しては検討委員会というものを設けることになっておりまして、この人選は既に行っております。さらに、地元や県内各地の方々と一緒の拡大検討委員会を設けることになっておりまして、それぞれの委員会の中においてこの場所における方向というものを打ち出すわけでございまして、その方向が打ち出される中において私どもはこの作業を行っていくわけでございます。ですので、その作業の進捗に応じまして新たに変更手続が必要になった場合には、所要の手続を行うということになると思っております。  現在といたしましては、検討委員会、そして拡大検討委員会での活発なる前向きな議論を望み待つというところでございます。       〔28番木下茂人君登壇〕 ◆28番(木下茂人 君)議長においてお取り計らいをいただきたいと思いますけれども、私の質問は、今の時点でこの許可のとおりやるかやらないか、それを聞いているんでありまして、やり方を聞いているわけじゃないんですよ。例えば、工期についてはそのとおりやるつもりでいるか、それから施設についてはここに記されているような施設についてやるつもりでいるかどうか、そのことを聞いているんです。そのことについてやるかやらないか、その御答弁をお願いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)検討委員会及び拡大検討委員会において、子ども未来センターと仮称として申し上げてきましたこの計画に関しての見直しと新たな方向を出すわけでございます。ですので、その委員会が発足し、そこでの検討また意見が出る前に、かかる御質問に関してのお答えを申し上げることは、その委員会での活発な議論をあるいは妨げる方向になるのではないかと懸念いたしておりますので、さきにお答えしたとおりでございます。       〔28番木下茂人君登壇〕 ◆28番(木下茂人 君)何回お聞きしても、素直な──素直なといいますか、質問に対する答弁になっていないわけでございます。  というのは、工期どおりにやるとすれば、委員会にかけて審議してもらうにも、スケジュールをちゃんとつくって、15年までに完成するように検討してくれということをしないと、だれが考えても、今から委員会にかけて15年に間に合うかどうか、これは大変心配になるわけでございます。ですから、本当にこの許可のとおりにやるつもりがあるとすれば、委員会に頼むときに、そういうことを含めて言わないとだめなんです。  しかも、今まで知事が進めてきた様子を聞いていますと──直接は聞いておりません、新聞報道等で聞いていますと、白紙に戻して検討してもらうようなことを言っている。ゼロに戻して検討するようなことを言っているわけでございますけれども、この許可書を遵守するという気持ちがあるとすれば、施設の内容はこういうことですよ、こういうものを踏まえて検討してくださいと。委員会に任すにも、委員会に頼む頼み方があるわけでございます。ですから、今の時点で──それは、検討した結果これと違うものが出てくるかどうか、それは検討の結果が出なければ確かにわかりません。しかし、本当に知事がこの許可を守っていくんだという姿勢があるならば、それなりの委員会への委嘱の仕方があるわけでございます。  ですから、今、知事はどういう考え方でこの許可に対して臨んでいるか、そのことをお聞きしたいわけでございます。もう一度お願いします。 ○副議長(小林忠司 君)田中知事に申し上げます。  質問の趣旨を踏まえ、明確な御答弁をお願いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)検討委員会のチーフを務めます柏木博教授に対しては、基本構想の策定はでき得れば年内をめどにお考えいただきたいということは既に口頭でお伝え申し上げております。ですので、そのめどを踏まえて検討委員会から基本構想に関しての方向が出るものというふうに判断をいたしております。       〔28番木下茂人君登壇〕 ◆28番(木下茂人 君)何回聞いても答えてくれません。  柏木先生には期限をつけたということでございますけれども、その期限からいきまして15年までに工事が完成しますか、そういう計画でやっておりますか。そして、施設の内容についても、委員には、こういうもので許可を取っているんだから、そういうものだけは動かさないようにしてくれと、こういうようなことを頼んでいくんですか、このことについて最初に答えていただきたいと思うんです。  今まで知事は、原点に返って見直すとか、白紙に戻すとか、そういうことを言っているようでございますけれども、実際にそういうことをやるのかどうか、原点に返って、白紙に戻してやるのかどうか、そのことをお聞きしたいと思います。  それで、そういうことになると許可の条件を守らないということになるわけです。私は12月のときにも指摘をしてあります、南箕輪村との関係について。守らないとすれば、パートナーである南箕輪村の村長に、これは守れない、それでもいいかということの了解をとってあるかどうか。村長は了解できないというふうに私は聞いておりますけれども、そういうことを村ときちんと話もしないで勝手に──これは長野県が申請をしてもらった許可ですよ。その許可を勝手に破って、そして原点からやると、こんなことを言っても通らないですよ。  私は、今回のこの子ども未来センターの見直しについては、県民の声を聞いてよりよいものをつくるということで賛成する人もいるわけですから、本当にいいものができるんならばそういうこともいいと思うんです。ただし、その場合には前提条件があるわけです。村の許可とか、それから今まで行政がやってきた継続性の原則、こういうようなことをきちんと踏まえて、その上で県民の声を聞いてうなずくところがあるんならば、そういうことをやっていくことはいいと思うんです。しかし、そういうものを踏まえないで、やるべきこともやらないで、手順も踏まないで、手続もしないで、勝手に白紙に戻す、こんなことを言っても、知事、本当に白紙に戻すことができますか。  今、南箕輪の現場へ行ってみますと、100年の年輪を刻んだ木は切り倒されております。公園は造成工事が大体終わりまして赤裸になっております。知事、この状態を見て、もとへ戻すと言っても、あの100年の木、あの林を戻すことができますか。これは到底無理な話だと思うんです。この事業は、こういうところまでもう出発してしまっているわけでございます。この事実を踏まえて、その上に立って改善できるところがあるんなら改善する、こういうことは私も否定するものではないわけでございますけれども、そういうものを踏まえてやるかどうかという意味でこの許可について遵守するかどうかを聞いているわけでございますので、そういうことも含めて御答弁をお願いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)お答え申し上げます。  私は、南箕輪のあの大芝高原の子ども未来センターというものを予定していた場所に、地域の方のみならず県内、またそのほか多くのお子さんを初めとする皆さんがおいでになる、子供のための、そしてまた自然の中で学べるそうした空間をつくるということは、終始一貫、最初からお約束しているわけでございます。ですから、その意味においての白紙という御発言には当たらなく思っております。  そして、南箕輪村の清水村長には、昨年11月11日の現地視察の際及び、12月20日の意見交換会の終了後にもお会いいたしまして、事業見直しにかかわる私の考えを聞いていただきました。今後も、必要があれば、事業見直しに至った経緯や今後の進め方などについて御説明を申し上げたいと、このように思っております。       〔28番木下茂人君登壇〕 ◆28番(木下茂人 君)あそこへ何かつくるから問題ないと、こういう趣旨のことだったと思うんですけれども、何かつくればいいということではなくて、先ほど読みましたように、許可の内容はきちんと決まっているわけでございます。ですから、そういうものをつくるならば許可どおりということになるわけですけれども、それと違う何かでは許可の内容と一致しないわけですから、許可どおりのものをつくるのかつくらないのかということを聞いているわけです。  それで、もしこの内容と違うものをやるということならば、許可をした村長とよく話をして、村長がいいと、許可を変更するということで話し合いがつけば、これはまたそれで一つの道はあると思うんですけれども、知事が勝手に許可を受けたものを──これじゃだだっ子みたいなものじゃないですか。自分で出して、その許可を受けていながら、その許可を守るか守らないか全然話もできない、言明はできない、これでは事は進まないわけでございます。  くどいようですけれども、もう木は切ってしまったわけなんです。覆水盆に戻らず、落花枝に返らずと言うではないですか。もうこれは戻らないんですよ。そういうものを踏まえてこれからどうするかということをやっていかなきゃいけないわけですから、今までやってきたことを踏まえて、そしてその上に立ってやってもらう、この姿勢をぜひお願いしたいと思います。  次に進めます。  田中知事は、中村政調会長の代表質問の中で、検討委員会に地元県民を入れない理由として、こういうふうなことを言っております。さほど人も入らず、さほど話題にもならない施設をお望みならともかく、私の友人を含めた検討委員会がもたらすセンターは全国から高い評価を得ると考えていると、こういうふうに説明をしました。  この言葉の意味するところを掘り下げてみると、長野県知事が県民に対して、それこそ看過し得ぬ大変なことを言っていることになるんではないですか。つまり、県民を委員にしたのでは、人も入らない、話題にもならない、地元の県民の能力はそんな程度のものだ、こういうことを言っていることになるんではありませんか。知事のこの言葉はそのようにしかとれないように思うんですけれども、この言葉について知事は名誉のためにも取り消した方がいいんではないですか、どうですか。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)さきにもお伝え申し上げておりますように、柏木氏を中心とする検討委員会は、子ども未来センターという仮称でありました大芝高原における企画のブレーンストーミング的な内容を話し合っていただくわけでございます。そして、繰り返し申し上げておりますように、地元の方々、また県民の方々にも御参加いただいての拡大検討委員会も開催し、また、この検討委員会また拡大検討委員会の内容も市民の方々に広く公開をし、多くの開かれた議論の中で方向を定めるわけでございまして、御指摘のようなことには当たらないというふうに考えております。       〔28番木下茂人君登壇〕 ◆28番(木下茂人 君)議事進行について議長にお願いしたいと思うんですけれども、先ほどからずっと私の質問に対して知事は答えてくれていない。  今の答弁は、私の聞いたことではありません。先ほどの言葉について、これでいいのかどうか、知事はどういうふうに考えますか、今の言葉を。私は、いかにも県民を愚弄しているといいますか、県民の能力を…… ○副議長(小林忠司 君)木下茂人君に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたので発言を終了願います。 ◆28番(木下茂人 君)(続)要は、地元の県民も委員会へ入れていただきたい、このことをお願いしておきます。これについて御答弁をお願いいたします。 ○副議長(小林忠司 君)木下茂人君、議事進行ですか。(28番木下茂人君「そうです」と呼ぶ)  それでは登壇して御発言願います。       〔28番木下茂人君登壇〕 ◆28番(木下茂人 君)議事進行発言は、私の質問に答弁してないので答弁してくださいということを言っているわけでございまして、最後のは質問でございますので、御答弁をいただきたいと思います。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)さきにも申し上げておりますように、拡大検討委員会には多くの地元県民の方がお入りになられるわけでございます。そして、検討委員会はブレーンストーミングを行い、拡大検討委員会とも密接な関係でこの計画に関して検討し推し進めていくわけでございますから、繰り返し申し上げておりますように、議員が御指摘の県民を愚弄しているというようなことには当たらないと私は考えております。       〔28番木下茂人君「議長、議事進行」と呼ぶ〕 ○副議長(小林忠司 君)木下茂人君、登壇して発言願います。       〔28番木下茂人君登壇〕
    ◆28番(木下茂人 君)私が議事進行で発言したのは、地元の県民を検討委員会に入れないということについての知事の発言、これは県民の能力を見下げた言い方ではないか、これを取り消しをしなくてもいいかと。知事がこういうことを発言していていいですか、このまま。そのことを聞いているのが一つ。  それから、拡大委員会へ入れるとか入れないとかいうことを聞いているわけではありません。私の質問を正確に聞いていただきたい。検討委員会へ地元の県民を代表する人を入れるか入れないか、このことについて正確に御答弁をお願いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)繰り返し申し上げておりますように、県民に対しての愚弄には当たらないと考えております。  そして、検討委員会に関しましては、拡大検討委員会を設けるわけでございまして、検討委員会のメンバーに関してはさきに発表したとおりでございます。 ○副議長(小林忠司 君)次に、塚田一君。       〔29番塚田一君登壇〕 ◆29番(塚田一 君)議長より発言のお許しを得ましたので、順次一般質問をいたします。  ただ、皆さんの方へ大まかな項目で五つ通告が行っておりますが、順序を若干変更させていただきます。  通告の4番から入らせていただきます。  人々の価値観が物の豊かさから心の豊かさへと向かう中で、観光への志向も高まっております。  我が国観光産業の年間売上高は約20兆円、就業者数は190万人と算定されています。関連産業を含めると、それぞれ50兆円、410万人に及ぶと推定され、その経済波及効果は極めて大きいものがあります。  昨年12月に出された国の観光政策審議会の答申でも、観光の振興は21世紀においてますますその重要性を増してくるものと位置づけられています。  県の統計によれば、平成11年に本県を訪れた観光客数はおよそ9,500万人、観光消費額は3,772億円で、観光はまさに本県の基幹産業としての地位を占めております。ホテル、旅館などの宿泊施設数は約8,000軒で、全国一です。また、民間旅行会社の調査によれば、本県は国内における宿泊観光旅行の最大の旅行先となっております。  観光産業は、ホテル、旅館などの宿泊産業、鉄道、バス、タクシーなどの輸送産業、各種レジャー産業、飲食業、旅行業など、多種多様な産業分野を包括する複合的な総合産業であります。その振興に当たっては、相互の連携を図りつつ、地域の力を結集し、顧客である訪問者が真に快適な時間を過ごせるよう、温かなもてなしやサービスの提供に努めることが何よりも大切であります。  人々の価値観の多様化を背景に、観光ニーズも多様化しております。また、高速交通網の進展に伴う新たな観光地の出現は、観光地間競争の激化に拍車をかけています。観光産業が来るべき新しい時代の期待にこたえていくためには、絶えず顧客が求めているものに気を配り、時代に即応した質の高いサービスを提供することが重要であります。このためには、経営者を初め観光産業関係者全体についてすぐれた人材の育成が不可欠であると考えます。  国においても、平成11年3月に、観光産業における人材育成等に関する研究会の報告をまとめ、より有効な人材育成を目指していく必要性を強調しています。また、本県においても、信州経済同友会が昨年6月に出した「観光振興は差別化戦略の時代」と題する報告書で、観光行政の専門家の養成及び観光大学の設置について提言しています。  私自身も、平成7年9月議会において、観光における人材育成の重要性を踏まえ、運輸省所管の観光大学校の誘致について質問した経緯がございます。このときはどの理事者においても一顧だにされなかったわけですが、運輸省によれば、現在、観光学部もしくは観光学科を設置している大学は22あり、計画中のものも幾つかあります。また、専門学校もたくさんあります。少子化により生徒数が減少する傾向の中にあって、観光学科、観光系の学部を目指す生徒はどんどんふえている状況にあります。知事も、かねてより観光学校に関する構想をお持ちのようですが、その理念、形態、教育内容、今後の進め方等についてどのようにお考えか、具体的にお伺いいたしたいと思います。  第1回目の質問を終わります。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいまの塚田議員の御質問にお答え申し上げます。  私たちの長野県は、大変に美しい自然を初めとした数多くの豊かな観光資源、コンテンツに恵まれております。そして、今、御指摘のように、大変に多くの方々がお越しになり、また、私たちには大変に多くのそうした県外からの皆様を迎え入れる施設もあるわけでございます。こうした双方の資源を生かす、そこでの人的なサービスあるいはおもてなしという意味合いのポスピタリティーの提供が大きな課題となっているわけでございます。  こうした豊かな自然というコンテンツ、そしてまた多くの宿泊施設というコンテンツを持つ全国でも有数の観光県であります本県は、環境的にも観光に関する専門家を養成する学校を設けるのにふさわしい立地であると考えております。  しかしながら、最初に箱ありきではなくて、学校の形態や設置場所のそうしたハードの前に、まず中身の検討を行うのが先決でございます。そうした観点から、次年度は広くホスピタリティーのあり方を検討する研究会を設けまして、真のサービスとは何かを、まずは第一線に立つ経営者やサービス事業者を招いて検討をしてまいります。こうした中で、この学校の基本構想や今後のスケジュールなどを固めてまいりたいと、このように考えております。       〔29番塚田一君登壇〕 ◆29番(塚田一 君)次に、道路問題についてお尋ねします。  最近、木曽川右岸道路が話題となっておりますが、私は、上田市から坂城町を経て更埴市に至る千曲川左岸道路の整備について御質問申し上げます。  上田市から更埴市の間における千曲川左岸を連絡する道路は、主要地方道長野上田線が1路線であります。その交通量は、新幹線の開通以来、上田駅温泉口を利用して戸倉上山田温泉に来られる観光客の増加、また、右岸の国道18号が各地で渋滞しており、それを避けて左岸へ回る交通も加わり、現在は一日1万台もの交通量となっております。  一方、上田市から更埴市までの千曲川左岸においては、国土交通省において国道18号の上田─更埴間のバイパスが計画されております。この中で、上田坂城バイパス、延長4.9キロが平成3年度に事業着手され、昨年2月には千曲川を渡る上田大橋が立派に完成しました。この結果、周辺の慢性的な渋滞が大いに解消され、地域住民からは感謝の声が届いていると聞いております。今後、引き続き、上田市から坂城町に向かってのトンネル工事が早期に着工できますよう期待するところであります。  また、坂城更埴バイパスのうち、更埴市稲荷山から八幡にかけては平成9年度に事業化され、現在、用地買収を進めていただいております。一日も早い完成を願っておるところであります。  この両バイパスに挟まれました戸倉町、上山田町、坂城町につきましては、当分の間、主要地方道長野上田線を利用せざるを得ない状況にあります。このうち、上山田町力石地籍は、人家が連たんし、集落の中央では県道が直角に曲がり、さらに道路幅は極端に狭いことから交通の隘路となっており、地域として安全な道路の改良を強く要望していたところであります。  昨年、県におきまして、この区間をバイパスで迂回する力石バイパスの計画が示され、地元協議が進められておりますが、その進捗状況と今後の見通しについて土木部長にお尋ねいたします。  なお、土木部長は今月いっぱいで国土交通省へ復帰されるようでありますが、まことに名残惜しき限りであります。後に至り、かつて長野県土木部に光家部長ありと長く人々の記憶にとどまることでありましょう。お答えを願います。       〔土木部長光家康夫君登壇〕 ◎土木部長(光家康夫 君)千曲川左岸道路につきましてお答え申し上げます。  今、いろいろ御説明いただきましたように、18号バイパスが部分部分で事業化されておりますが、大変長いバイパスですので、残念ながら、上山田町の付近はまだ具体化していないという段階でございます。  そういう意味で、議員御指摘のように、主要地方道長野上田線は左岸を縦断いたしまして長野と上田を接続するわけでございますが、御指摘の力石地区は人家連たんの上、道路は屈曲しておりまして、大変御迷惑をおかけしております。そういう意味で、18号バイパスができるまでの間、部分的にでも改良いたしまして、その対応を図るべく、平成11年度から地元との設計協議、用地調査を進めておりまして、今年度から用地買収に一部着手をさせていただきました。特に、上山田側の交差点部分の用地買収をことしやらせていただいたんですが、現状、県単独事業でやっておりますが、来年度からは緊急地方道路整備事業という形で採択をしていただけそうですので、かなり事業の促進が図られるのではないかというふうに思っております。  なお、このバイパスにつきましては、将来の18号バイパスと整合のとれた形でルートを計画させていただいております。  以上でございます。       〔29番塚田一君登壇〕 ◆29番(塚田一 君)知事の発言についてお伺いいたします。  今議会における我々議会との語らいは楽しかったでしょうか、まずお伺いいたしたいと思います。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)お答え申し上げます。  まさに真の県民益に向けて皆様と活発な議論ができますことは、私の喜びとするところでございます。       〔29番塚田一君登壇〕 ◆29番(塚田一 君)予想外のお答えをいただきましたので、次に進みたいと思います。  新聞の「知事24時」あるいは「ダイアリー」等において、知事はマスコミに対してさまざまな発言をしております。言論の自由は保障されていますし、何を言っても規制はないかもしれません。しかし、相手があるような発言は慎重にしてほしい、これが私の切実なお願いです。  例示しますと、最近のものだけでも次のとおり好ましくない事例が列挙できます。県議らは極めて保守的な集まり、県議に宇宙人と言われている。中心商店街からそごう、ダイエーの撤退に関しては、二つの店がなくなったのはショックでも何でもない。それから、報道陣に対しては、おれの同業者ばかりじゃねえか。それから、携帯電話の難聴地帯解消に関しては、電話会社にペナルティーを。議会の開会1時間45分前には、楽しい議会の皆さんとの語らいの時間が。そして、議場が静かだったがという記者の問いには、県議らの学習の成果でしょうか、嵐の前の静けさでしょうか。小沢一郎氏との対談、県議会が議決したことでも云々。どうしてこんなに多く議会人の神経を逆なでするような発言をなさるんでしょうか。挑戦的ともとれるような発言をなさるのでしょうか。まことに残念であります。ただただ残念であります。  以上が、仮にプライベートな場面における発言と解釈しても好ましくないと感ずるのは私一人でしょうか。  また、オフィシャルな、公式な面でももう少し慎重さが欲しかったと思われる御発言が多々あります。副知事2人制の問題、県内の私立大学への補助金の問題、県立の須坂病院の脳神経外科新設に関する問題、全農、経済連合併の反対声明の問題、各種検討委員会の人選、そしてその設置の連続的な遅延、閉ざされた料亭政治云々。これらの発言のために多くの人々が少なからず迷惑しております。また、多くの人々がエネルギーをいたずらに消費させられています。知事は、長野県における最高権力者です。執行権と総合調整権を握っている立派な存在です。その発言は重いと思います。そして、同時に、発言には責任を伴うものと解します。どうか、もう余りに軽率と思えるような発言を控えていただきたい。何のプラスも生んでおりません。  改めるおつもりはございませんか。特に、議会とはよりよい関係、好ましい緊張関係の構築を目指しませんか。お伺いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)塚田議員の御質問にお答え申し上げます。  昨年10月末に私が知事に就任以来、私の言動に関しては、県内のみならず全国からも大きな注目が集まっていると認識いたしております。  ぶら下がりとマスメディアの間では称しております、首相等についてその発言の一挙手一投足を報じるという形が、私と長野県での報道関係者との間にも日常的に行われているような状況でございます。そうした中での会話が報じられているわけでございます。  私は、携帯電話に関しましては、先ほど御指摘の点は、若者にとってはそうした携帯電話網の整備は急務でございまして、また、議員諸氏におかれましても携帯電話を日常的に御利用であられますので、そうした部分の発言等に関しては、今後も知事の発言の重みを心に刻んで、また、相手にわかりやすく、礼儀を踏まえた言葉で発言を行うように一層留意をしてまいりたいと、このように考えております。       〔29番塚田一君登壇〕 ◆29番(塚田一 君)次に、広聴の手法について伺います。  県民の声を県政に反映させるための広聴手法について、いわゆる脱ダム宣言に関する反響について、知事は、約200通のメールが来たが、反対は2通ぐらいと言われました。あたかも、圧倒的多数が賛成なのだと言っているようでありました。  一般質問初日に、県政会の浜議員の質問の傍聴に約250人の下諏訪町と岡谷市の皆さんがお見えになりました。これらの皆さんの意思はどうお感じになりますか。顔の見えないメール、ファクス、電話より、まさに氏名を明らかにし、明確な意思表示をする方々の御意見の方がより信頼できるとはお思いになりませんか。従来のスタイル、陳情、現在のスタイル、提言、要望も、メール、ファクスよりも下位に位置づけておられるのでしょうか、お伺いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいまの御質問は、さきにも御質問がありましたように、いわゆるデジタルディバイドという電子上での情報の格差ということを御指摘かと思いますが、一般的に、一部の顔の見える方々のみの御意見をちょうだいするということによって生じがちなアナログディバイドというような現象もあるわけでございます。私といたしましては、広聴の手法に関して、まさに直接お目にかかる車座集会、ようこそ知事室へ、また個別の事業現場における対話集会、そしてまた、対話以外でも手紙や知事直通のファクス、電子メール等がございます。さらには、県民全体の意向や要望等幅広く把握する県政世論調査もございます。さらに加えますならば、4月以降は県内各地の庁舎等に出かけて市町村長や地域の県民の皆様の御意見を伺うことも予定いたしております。  したがいまして、決して、デジタルディバイドと呼ばれるような、Eメールやファクス等に重きを置いているわけではございませんで、むしろアナログディバイドを解消するべく私は広聴活動を行っているわけでございます。  今後も、広く県民参加型の県政をこうした中で推し進めてまいりたいと考えております。       〔29番塚田一君登壇〕 ◆29番(塚田一 君)次に、人事管理についてお伺いいたします。  昨年10月30日、知事は、職員に、知事への提案を募集することと通知されたようであります。係長級以上の職員約2,700人に対してでありました。テーマは、長野県の現状をどう認識し、長野県に対して何ができるかであり、発想自体はよいことだと思います。  県庁内に戸惑いがあると伝えられていますが、まず、何人から回答が寄せられたものか、お伺いします。  新聞報道によりますと、自主的な提案が相次いで、知事は内容に満足げと報じております。今後どのように取り扱っていくか、お伺いをいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)県政の基本理念が大きく変わる中で、多くの職員の皆さんが、これまでの長野県の行政を真摯に振り返り、そして県民益のさらなる観点から今後パブリックサーバントとしてどう対処すべきか、みずからお考えいただくことを具体的に御提案いただいたわけでございまして、これに関しましては、約3,600余名の職員の方から具体的な御提案をいただき、これは、年末年始を初め、私も短い時間の中でも可能な限り読ませていただいております。  こうした御提案の内容は、まさに一人の県民としての目線からの教育や医療や福祉、もちろん農業や林業、さらには環境問題や財政再建に至るまで、また、御自分が現在の部署で日々県民のために尽く行っていることに関しての感想等多岐にわたっております。  こうした提言の後にも、私に直接の手紙やあるいは知事直通のファクスにも、またEメールでも、日常的に私に対して、提言のみならず要望や批判といったものも多くの職員から寄せられるようになっております。  私は、こうしたすべての提言を踏まえて、新年度の予算編成にも反映すべく、そうした概念の部分でも、また実際の事業の部分においても指示を行うことができましたことを、職員にもこの場をかりて改めて感謝をいたしたいと思っております。  今後も、まさに県の職員も県民であるという観点から、先ほど申し上げたように、広く県民の声を聞き、一緒に語るという一環として、彼らの具体的な提案を受け、そしてさらなる県政の向上に邁進したいと、このように考えております。       〔29番塚田一君登壇〕 ◆29番(塚田一 君)次に、選挙違反の調査について。  先ほど、午前中、社県連の浜議員から同様な質問がありまして、ほとんど私がお尋ねしたいことを尋ねられておりますが、ちょっと気になるのは、公表はプライバシーを守ってやると言うけれども、具体的にはどうお取り扱いになるのかお聞きをしておきたいと思います。  それから、この調査を実施する前に、知事の言われる同志たる部下、総務部長に御相談なされたのか、そこらをお伺いしておきたいと思います。  それから、やはりこの問題は自治労県本部あたりが当事者になって対処することが望まれるんじゃないかと思います。我々が言ってみても、我々は裁判官でも検事でもありませんし、一応、問題提起だけで終わりたい、そんなふうに思います。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)先ほども申し上げましたように、この調査に関しましては、私みずからが封を切り、私のみが読み、認識をするということでございます。そして、これは憲法19条にも違反しないことはさきに述べたとおりでございまして、また、この調査を行うに際しましては、総務部長あるいは人事課長を初めとする担当者とも綿密な打ち合わせを行った上でこの調査を行ったものでございます。  繰り返し、県の職員のさらによい方向での士気を高められるようなプライバシーの配慮は十分に行うつもりでございます。       〔29番塚田一君登壇〕 ◆29番(塚田一 君)総じて、結果として職員間の信頼関係や上司と部下の関係に微妙な影響を与えないよう御留意をいただければというふうに思います。密告制に転嫁したり、いわゆる魔女狩りにならないよう、そして職員が向上心の中で安心して公務に専念できる環境を一刻も早く取り戻すようお願い申し上げるわけでございます。  次に、懲戒処分の公表のあり方について。  知事選の選挙違反について判決がありまして、県の幹部は懲戒処分になりました。しかし、報道は処分の2日前に極めて断定的に懲戒免職と書かれております。どうして正式処分の前に報道が先行したか、私は疑問に思わざるを得ません。どういうことでありましょうか、総務部長からお答えをいただきます。       〔総務部長青木輝政君登壇〕 ◎総務部長(青木輝政 君)お答えいたします。  公表前に報道関係者に情報が漏れていたのではないかというお尋ねでございますが、処分の発表は、処分当日の2月23日午後3時に、私が記者クラブにおいて行いました。  なお、その前々日の2月21日に長野地方裁判所で前土木技監に対する判決が言い渡され、当日、午後3時から知事定例記者会見において記者からの質問に答える中で、私から、処分については、きょうの判決文をもう一度読んで、早ければ明後日ごろ処分を発表するようになると答えておりまして、これを受けてマスコミの方で書いたというふうに思います。       〔29番塚田一君登壇〕 ◆29番(塚田一 君)もう時間がありませんので締めくくります。  かつての東京都の美濃部知事時代に、末期において、美濃部ドーナツ現象といわれるものがあったといわれております。美濃部氏が中心に存在し、外側には異常と思えるぐらい知事の支持が存在する、しかし、中心と外側の輪との中間にはだれもいない現象を指したものだったそうでございます。  田中知事、あなたは220万県民から選ばれたお方です。卓越した才能をお持ちのようです。すぐれた感覚をお持ちのようです。強固なる信念をお持ちのようです。ディベートも巧みなようであります。加えて、一定の人気もおありなようです。しかしながら…… ○副議長(小林忠司 君)塚田一君に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたので発言を終了願います。 ◆29番(塚田一 君)(続)私は、あなたに一つだけ欠けているものがあるように思えてなりません。それは何か。それは人望です。人気と人望とは異なります。人望は、信用と人を傷つけない優しさから生じてくると私は考えます。私のような年寄りの意見にも耳を傾けてください。田中ドーナツ現象にならないように憂いています。  終わります。 ○副議長(小林忠司 君)この際、15分間休憩いたします。
            午後2時10分休憩         ───────────────────         午後2時26分開議 ○議長(吉田博美 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて発言を許します。  佐藤良男君。       〔47番佐藤良男君登壇〕 ◆47番(佐藤良男 君)私は、一般質問の最後であり、29人目であります。  昨年の12月県議会で5項目の質問を行ったわけであります。とりわけ、その中で最も簡潔でわかりやすい答弁は、議会制民主主義についての答弁でございました。その内容は、重要な施策の変更、新規重要施策案件については、その政策策定過程においてさまざまなチャンネルから意見を伺い、また議員皆様から忌憚のない意見を承る中で形成をしてまいりたいと厳粛に考えております、こういう答弁でございました。  先ほど、塚田県議の方からこれらの内容につきましては質問がございまして、御答弁がございましたので、質問を省略いたします。  次に、知事の役割についてお尋ねをしたいと思います。  12月県会で、知事は、「行政とは、220万県民の命を守り、真の県民益をもたらすべく、継ぎ目のないサービスを提供する機関である」との政治理念を示されました。経済評論家の安田二郎氏は、ある書の中で、税金とは、本来、安全で快適な生活を買うための支出であるといわれております。私は、知事の役目とは220万県民の安全と福祉と物心ともに豊かな生活の場を提供することである。そして、現代のような複雑多岐にわたる社会においてその目的を達成するには、県庁という機能集団をいかに機能させるかが知事としての大きな役目ではないかと思うわけであります。知事は、公約に、県職員の皆さんの意欲と発想を引き出す触媒となって21世紀の新しい長野県を築きたいと言っておるのでありますが、知事にその御所見をまずお伺いしたいと思います。  次に、知事は、県と市町村とは対等の関係であると先日来何人もの議員の皆様方の質問に対して申されておりますが、市町村長の意見あるいは要望などはどのような形で聞いておられるのか。先日も、各地方事務所に出向いて3日ないし4日いて地域の市町村長と話し合いをして要望を聞きたいと、こう言っておりますが、一月に3日、4日やっておりますと、10の地方事務所を回りますとかなり長くなるわけであります。どのようになされるのか、まずお尋ねをいたします。  次に、副知事と検討委員会の設置についてお尋ねをいたします。  知事は、当選直後、副知事は2人制とし、1人は県庁内から起用し、他の1人は幅広く庁外から求めたいとしてきましたが、12月県会にも副知事の人事案件は提出されませんでした。また、この2月県会においても出されそうもありません。地方自治法第161条に「都道府県に副知事一人を置く。」と、これは必置制であります。ただし、「条例でこれを置かないことができる。」と規定をされております。知事を補佐し、その補助機関たる職員の担任する事務を監督し、長の職務を代理するという大事な職責を持つ副知事をなぜ早くに選任しないのか、私は気がかりであります。  市町村においては助役と収入役を兼務させることができますが、県はそれができません。膨大な書類の決裁は、知事不在の場合どなたが行うのか、まずお聞きいたします。  仮に副知事が不要であるならば、条例で置かないことに決めたらどうでしょうか。この方がすっきりすると思います。  また、浅川ダムの工事中止に関係して検討委員会を1月に発足するともいわれておりますし、子ども未来センターに関する検討委員会も設置すると明言をされております。また、先ほども検討委員会をつくるというようなお話がございます。御承知のとおり、知事もドッグイヤーと言われておりますが、今まさにスピード時代であります。県政執行にも迅速性が求められていることは御承知のことと存じますが、どのような人選を考え、いつまでに選出し、検討委員会が発足するのか、明確な御答弁をお願いいたします。  もし決まっているような委員会がありましたら、文書で住所、氏名等を発表していただきたいと思います。  次に、景気回復についてでありますが、昨年10月、全国世論調査の結果によりますと、1番は景気の回復で66.8%、2番目は財政再建で27.8%、次いで金融の安定が23.0%となり、早期に景気の回復を望む国民が最も多かったのであります。失業率は4.9%、320万人もありまして、このうち企業のリストラによるものが約30%の99万人となっており、農家の親たちが、子供が大学へ行きたいというので借金をして子供を東京の大学に入れたのでありますが、4年たって卒業していざ就職となると就職先がない。また、建設業関係の事業所でも、公共事業減少のあおりを受けて仕事は半分しか見込めない。この調子が来年まで続きますと、中小建設業者は半減するのではないかとさえいわれているのであります。  景気の回復には、個人消費の拡大、国、県の公共事業の発注、企業の設備投資といわれておりますが、一日も早い景気の回復は県民がひとしく望むところでありますが、知事に、県内の景気浮揚策についてはどのようにお考えになっておられますか、その決意のほどを伺います。  次に、知事への陳情であります。  これは総務部長にお聞きをいたしますが、仄聞するところによりますと、県内市町村長や議長等が田中知事に対して陳情したいという申し込みがあっても、秘書課では一切受け付けていないということのようでありますが、これは事実でありましょうか。  どうしても知事に陳情したいのなら、早朝7時ごろ、県庁1階の知事室前で待ち受けて、知事の出勤、入室時に突撃しなければ知事に会うことはできないんですよと語ってくれた方がありました。もしこれが本当のこととしたら、大変なことであります。そして、知事選挙のとき先に立って一生懸命応援してくれた人が紹介をすれば別ですよと言っていた人もおります。  当たり前のことを当たり前に話せる県に、そしてまた等身大とか同じ目線などと極めて民主的であるかの印象を県民に与えている知事として、私はとんでもない独裁型の知事と言わざるを得ません。総務部長の率直な御答弁をお願いいたしまして、以上で第1回目の質問といたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいまの佐藤議員の御質問に順を追ってお答えしてまいります。  県民の意見を聞くチャネルに関しては、塚田議員にも既にお答えしたとおりでございます。  そして、御指摘のとおり、知事の役割は、まさに公僕として県民の皆様に仕え、より多くの方々に幸せをもたらすことでございます。そのため、私とともに、県庁のみならず、県民のために働く県の職員のすべてがこうした理念を共有化して、組織全体が真の県民益をもたらすためのサービス機関として機能することが大切でございます。  さきに森田議員に対してもお答え申し上げましたように、今後は、部局長等の幹部職員のみならず多くの職員と直接対話する時間を職員の車座集会のみならずできるだけ設け、コミュニケーションを彼らや彼女らと図ることにより職員の発想や意欲をさらに引き出し、県民益の実現を図ってまいりたく思っております。  市町村の皆様との関係に関しましては、社会県民連合の代表質問や小林実議員の御質問にもお答えしたとおりでございまして、市町村長の皆様とは、長野もうでと称する県庁への陳情といった形ではなく、まさに対等な形で具体的な御提案をいただく機会をできるだけ設けるようにいたしております。また、県庁へ直接足を運んでいただかなくとも、逆に私や県の職員が現地へ赴いての話し合いも行っております。  就任以来、御指摘がありましたので改めて数えてみましたところ、これまでに50回、市町村長や市町村議会の皆様と、あるいは個別にもお目にかかって具体的な御提案をいただいております。これは、各地域に出かけたときのみならず、1階の知事室においても行っているわけでございます。  さらには、市町村長の方々の中にも直接私にファクスやEメール、また電話もお寄せいただく方がふえておりまして、あらゆるチャネルで対等に話し合うように心がけております。  今後は、既に申し上げたように、4月以降、私が県内の各地で執務を行う際にも市町村長の皆様とも積極的に話し合ってまいりたいと思っております。  いずれにいたしましても、具体的な御提案をいただき、そしてそれを市町村の皆様と一緒に考え、それぞれの責任を具体的に果たすことによってこれらの提言が実現できるように努力してまいります。  副知事の選任に関しての御質問でございます。  副知事につきましては、その職務の重要性から選任が必要と考えております。県政会の中村議員の代表質問にもお答えいたしましたが、できるだけ早い機会に公募方式で選任をしてまいりたいと、このように考えております。  浅川及び子ども未来センターの検討委員会についての御質問にお答え申し上げます。  浅川の多角的な治水を考える検討委員会は、委員長のもとに、河川、水文学、気象学、自然環境、さらに森林や農地、都市といった分野の有識者の方々を予定いたしておりまして、第1回の検討委員会を新年度の早い段階で開催できるよう人選を行っているところでございます。  仮称といたしましての子ども未来センターにつきましては、さきにお伝えしておりますように、武蔵野美術大学教授の柏木博氏を初め6名の方々を有識者会議の検討委員会のメンバーに起用することとして、既に御同意をいただいております。また、この会議で出されました構想原案を検討するとしている拡大検討委員会については、この6名の方々に、地元を含めた一般の県民の方、また環境や教育や科学技術等の専門分野の方々を加える予定でございまして、新年度の早い時期に選出をしたいと思っております。  景気回復に関してでございます。  さきの日本銀行松本支店の発表によりますと、県内景気の現状は、輸出減速の影響等から回復テンポがやや鈍化してきており、足踏み状態となりつつあるとしております。このような情勢を踏まえ、公共事業につきましては当初予算で年間の必要額を一括計上いたしておりますので、景気の動向も勘案しながら、計画的な執行に努めてまいります。  また、発注に当たりましては、工事の内容、規模、地域性等を考慮いたしまして、でき得る限り分離・分割発注を推進するとともに、トンネルなど技術的難易度が高い工事につきましては特定建設共同企業体を活用するなど、引き続き県内建設業者の皆さんの受注機会の確保に努めてまいります。  また、中小企業の振興策等については、本県経済を活性化するためには、県内企業の99.8%を占めております中小企業を支援するとともに、新規創業を促進することが重要でございます。このため、中小企業支援センターの業務を今まで以上に強化するとともにチャレンジ起業相談室を拡充するなど、総合的な支援体制を整備してまいるわけでございます。  県制度資金の貸し付け枠を拡大して中小企業の資金需要に対応するとともに、製品の販路開拓なども支援してまいります。  いずれにいたしましても、種々の施策を総合的に実施することによって長野県内における景気の浮揚をさらに図ってまいりたいと、このように考えております。  御質問にお答え申し上げました。       〔総務部長青木輝政君登壇〕 ◎総務部長(青木輝政 君)お答えいたします。  最初に、知事が不在の場合の決裁についてでございます。  知事の決裁を要する事項は、事務処理規則によりまして、議会の審議に直接関係があること、二つ目には条例の公布及び規則の制定、3番目には課長級以上の職員の任命など重要なものに限定されておりまして、これ以外のものについては、副知事、部長、課長などがその職務に応じて決裁を行うことになっております。  二つ目の知事への陳情についてでございます。  先ほど知事からもお答えいたしましたとおり、知事は、市町村の皆様とは対等なパートナーとして具体的な御提案をいただく機会を可能な限り設けるようにしておりますので、佐藤議員に御心配いただいているような事実はないと信じております。  県の事業は市町村の協力、連携がなければ遂行できないため、市町村の皆様とは、知事はもちろん、私たち県の職員も積極的にお会いし、創造的な議論を交わす中で県民益を実現してまいりたいと考えております。  以上です。       〔47番佐藤良男君登壇〕 ◆47番(佐藤良男 君)さまざまなチャンネルというお話でありますが、市町村長及び議会の議員の皆さんとは50回会っていると、こういうお話でございます。  それでは、お尋ねいたしたいと思いますが、車座集会は県下何カ所で実施をし、全体で何人が出席をして、何人が発言をしておりますか。細かくお答えいただきたいと思います。  次に、声なき声ということで、アメリカのニクソン大統領が大分使われましたサイレントマジョリティーという言葉がありますが、この関係についてはどのようにお考えでしょうか、お尋ねをしたいと思います。  また、Eメール、ファクス、手紙は、県内と県外との場合はどうなっておるのでしょうか、お尋ねをしたいと思います。  次に、副知事の選任についてはできるだけ早い時期に行いたいと、こういうお話がありました。いずれにしても議会の議決を得ないと効力が発しませんので、早くても6月というふうに考えますが、そういうことでよろしいでしょうか、再度お答えをいただきたいと思います。  次に、知事の役割についてお尋ねをいたします。  昨年の10月の知事選挙に対して、田中知事の選挙公報によりますと、県外からの産業廃棄物の持ち込みの禁止を徹底しますといわれておりますが、三郷村等に大量の廃棄物の不法投棄がありましたが、知事はどのようにお考えになっているでしょうか。  次に、現在、豊科町に県が計画した場所について一部反対があるようですが、検討委員会を発足して進めたいと言われておりますが、検討委員会はいつ発足するのでしょうか。例えば、検討委員会が難しいというような判断をした場合に、知事はこの場所を中止してしまいますか。  私は、県のトップたるものは、これが県民益につながるものと確信をしたならば、多少の反対があろうとも、先頭に立って反対をしている皆様方とひざを交えた話し合いを行い、実行に移すのが、サーバントリーダーと言っている知事の姿勢ではないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。田中知事にその意気込みがあるでしょうか、お伺いをしておきたいと思います。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)お答え申し上げます。  まず、車座集会に関してということでございますが、今まで車座集会という形では5回開催いたしておりまして、1回目が11月25日に川上村で、南相木村、北相木村の方々も含めて御参集いただいておりまして、約400名程度の方が御参加なさっております。12月3日の日には小布施町の方で開催いたしておりまして、約750名の方が御参加いただいております。1月21日には阿南町で行っておりまして、これは阿南町に含めまして下条村、泰阜村の皆様にもお声がけをいたしまして、約700名の方がお越しいただいております。2月4日の日には鬼無里村で行っておりまして、約500名の方がおいででございます。2月11日には栄村の方で行いまして、約350名の方がお越しでございます。以上5回行っておりまして、これらに関しましては、合計で約2,700名の方々がお越しでございます。  また、上田、大町、木曽の合同庁舎でも職員を対象といたしましての車座集会を開催いたしましたが、この場にも数多くの県民の皆様がお越しでございます。さらには、南箕輪村、豊科町、下諏訪町、松本市、長野市でもそれぞれ、公共事業、公共投資に関しての具体的な住民との対話の集会を開催いたしました。辰野町においても、モナザイトに関して行っております。  そして、2月には、私どもの林務を中心といたしまして、21世紀の森林・林業を考える車座集会も開催をいたしておるところでございます。  また、Eメールやファクスに関しましては、これらが県内、県外どのような数かということは、日々膨大に参りますので、ただいま手元には資料はございませんが、県内からは、私の記憶では、小さいお子さんではパソコンをいじられる小学生の方から、初めてパソコンをお孫さんと一緒に打って送信くださった80を優に超えた方々まで、数多くの方からいただいております。ファクスに関しましても、同様でございます。  続きまして、サイレントマジョリティーに関してどのように考えるかということでございますが、まさに私は、日常の生活を続けながらも世の中がよりよくなってほしいと考えている多くの市民の方々と語り、そうした方々の御意見をお聞きするという場を設けて、また私自身も心しているわけでございまして、その意味で言いますと、仮に今の長野県というものが、多くの県民の方が県政に御関心を抱いてくださっているということは、まさにそれこそが、サイレントマジョリティーと従来呼ばれていたような方々こそが、県政を身近に感じ、御一緒にできる範囲でできることをと思っていただけているものと信じております。  副知事に関しましては、さきにも県政会の中村議員にお答えしたように、できるだけ早い機会に公募方式で選任したいということでございます。  また、豊科町の廃棄物に関してのことでございますが、これもさきにお答えを申し上げておりますように、安曇野におきます検討委員会というものを立ち上げることになっておりまして、現在、そのリーダー格の人物を含め、委員の最終の選考段階にあるわけでございます。  いずれにいたしましても、このようなさまざまな多くの県民の方々と語り、そして多くの県民の方に県政に関心を持っていただく中で、私は、御指摘もありましたような具体的な判断を行うサーバントリーダーとしてこれからも邁進したいと、このように考えるところでございます。 ○議長(吉田博美 君)田中知事に申し上げます。  三郷村の産廃の件について答弁漏れがございます。 ◎知事(田中康夫 君)(続)失礼いたしました。三郷村の産廃の件に関しましては、私どもの生活環境部の方から幾たびとなく聞いておりまして、私どもも、これは民間の業者が行ったことでありますが、さらに地元の方々とも御相談を申し上げながら、県としてできることをつつがなく行ってまいりたいと、このように考えております。       〔47番佐藤良男君登壇〕 ◆47番(佐藤良男 君)先ほどお尋ねをいたしました車座集会については、5カ所で2,700名が参加しているというお話でありますが、何人くらい発言をしているのでしょうか。そして、同じ人があちこちに移動しているといううわさもありますが、何人ぐらいが一緒に動いているでしょうか。  それから、副知事の選任の問題でありますが、明確な御答弁ございません。私は6月の議会でないと間に合わないんじゃないかというお話をしたんですが、6月ですか、9月ですか、12月でしょうか。それとも、条例で置かないことに決めるのでしょうか。その辺の御返事がございません。明確な御答弁をいただきたいと思います。  次に、職員との信頼関係についてお伺いをいたします。  県庁の職員をいかに有効に機能させるかが知事の大きな役目であると申し上げました。知事も御承知のようであります。今、多くの県の職員にいろいろな話を聞いてみますと、意外な返事が返ってまいります。知事の言行不一致による行動について大きな不信感を抱いている者が多いのであります。例えば、退庁時間の問題、予算編成の重要な時期を無視して私的な欧州旅行に行った、しかも、あなたが書いた日記にたびたび出てくる女性同伴で出かけるなど、それらのため予算レクは明朝1時まで続けられたとか、予算編成時なればいたし方ないとしても、職員としてはなかなか割り切れないものがあるように感じられるのであります。  さらに、昨年の知事選挙に際して公選法違反事件により土木部課長等が略式命令による罰金刑などの処分を受けた後、一応の決着を見たものと職員は考えていたようでありますが、そのやさき、知事から、再び係長以上の職員に対して、約2,300人ですか、選挙違反調査にかかわる申し入れを行い、どの候補者のために、いつ、どこで、何を、どのように行ったのかの報告を求めた。このようなことからも、同じ職場内においても互いに疑心暗鬼になり、朗らかな気分で毎日の仕事ができにくくなったとか、今さらなぜこのようなことを行うのかといった疑問が続出し、知事に対する不信感がさらに高まったのではないかと思うのであります。  先日の一般質問で、鈴木県議から選挙違反ではないかと警察本部長並びに中村選管委員長に質問がありましたが、私どもの答える範囲ではございませんというような御返事があったようであります。私としても、選挙の秘密は何人も侵すことができない、たとえ法的に許されたとしても、道義的には決して許されるものではないと思うのでありますが、知事の御所見を伺いたいと思います。この件については浜先生の方からもお話があったわけでありますが、重複する場面もあるかと思いますが、御答弁をいただきたいと思います。  さらに、知事の役目について伺うわけでありますが、先日、ある町の広報紙に、県とその町の人件費率が掲載をされていました。その町の人件費は、一般会計予算の12.7%でありました。長野県の場合は実に26.7%ということで、11年度決算でございますが、金額にして2,841億2,000万円余となっており、この金額は13年度県予算の土木費と農林水産費予算の合計額に匹敵する額であります。同時に、一般会計予算の4分の1強でありますから、大変な金額であります。  1月4日の県庁での仕事始めの知事のあいさつの様子が、ある新聞に写真入りで大きく報道されました。これを見た私は、これは職員に対する知事の訓示とは違うのかなと思ったほどでした。なぜなら、職員が居並ぶ正面にマスコミのカメラが十数台並び、職員から知事の顔さえ見えなかったようであります。県下どこの市町村においても正月の仕事始めには首長の訓示を聞いて、職員は身も心も引き締めて全体の奉仕者たる自覚をする、いわばセレモニーでもあるわけでありますが、この写真のとおりだとすれば、職員でなく、報道関係者に対する新年のあいさつとしか見えないのであります。  知事の本音は職員にあるのか、あるいはマスコミにあるのか、まずお伺いをしたいと思います。  真に職員を信頼して、県民の福祉の向上のため努力をされてこそ、先ほど申し上げた26.7%の人件費の効果が出てくるものと思うのでありますが、御所見を伺います。  徳川家康公の遺訓の中に、戦場に出て一番やりをする部下よりも、主人に諌言する部下こそ大事にすべきであるという言葉がございます。やはり、職員を大事にして初めて信頼を得られるのではないでしょうか。  さらに、お伺いをいたします。  脱ダム宣言についてでありますが、今回の議会は脱ダム議会とでも申しましょうか、ダム関係の質問をしない議員は一人もいなかったと言っても過言ではないと思います。知事が、2月20日の朝早く、土木部の職員に何ら相談もせずに、唐突に脱ダム宣言をしなくてはならなかった原因はどこにあったのでしょうか。この質問は多くの議員から出されましたが、明快な回答はありませんでした。選挙公報を見る限り、どこにもダムを中止するとか脱ダム宣言などは一切見られませんでした。  そこで考えられるのは、母袋県議の質問の中にありました、公共事業を国民の手に取り戻す委員会発行の「緑のダム構想」と不倒神話は崩れ去ったという岩波書店が2月20日発売した2冊の本に影響があるのではないかと思うのであります。この本が出されてから自分で言ったのでは遅くなりますので、この本の出る前に、だれにも相談なしにみずから宣言をしたのではないかというふうに言われてもいたし方ないと思うのでありますが、いかがでしょうか。  担当部長にもだれにも相談せずに、いきなりマスコミに発表したこの脱ダム宣言なるものは、日本で第一人者という名声を博したかったからではないでしょうか、お伺いをいたしたいと思います。  また、豊科の産業廃棄物処理場についても、一日も早い竣工を関係者は期待をしているのでありますが、検討委員会を設置してその結論を見てからと言われております。脱ダムについても、有識者による検討委員会をつくり、半年あるいは1年ぐらいかけて結論を出すべきではなかったでしょうか。知事の明快な答弁をいただきたいと思います。  次に、コンクリートダムは看過し得ぬ環境への負荷を与えているとして、大きなデメリットがあるというふうに強調されておりますが、ダムはまた、治水、利水等の効果は極めて大きなメリットが考えられており、多くの人が望むものでありますが、このメリット対デメリットは数字に置きかえた場合どのような数字になるか。これは土木部長からお聞かせをいただきたいと思います。  知事への陳情についてでございます。  先ほど総務部長の方から、知事への陳情は、そう無理しなくも、どなたでもアポイントをとって来ることができるというお話でございますが、昨年10月の知事選で、行政は一部の人々のためでなく、県民全体の真の豊かさのために存在する、その当たり前のことを私は皆さんとともに体現してまいりたいと公約をして当選されたのは、あなたであります。憲法第15条2項は、「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」というふうにいわれているのでありますが、知事が、選挙の際に自分を応援してくれた人と反対の人を担いだ人たちとを区別して、知事という大きな権限を持つ人が差別扱いをしたということになれば、私は、全く知事たる資格はない人間であると判断せざるを得ないのであります。  以上、明確な御答弁をお願いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕
    ◎知事(田中康夫 君)順を追ってお答え申し上げます。  まず、車座集会における発言、先ほど申し上げた5カ所に関しての発言の記録によりますと、86人の方が御発言をいただいております。これは、5カ所は場所が離れておりますし、私も、以前にどこかで御発言いただいた方に記憶がある方は、そのほかの方に御発言いただいておりますので、この86人の方というのは、ほぼ80人を優に超える方が5カ所において御発言をいただいているというふうに御判断いただきたく思います。  副知事に関しましては、さきに申し上げましたように、できるだけ早い機会に公募方式で選任してまいりたいと考えているわけでございます。  そして、職員に関しての御質問の部分でございますが、職員ともさまざまな機会やチャネルを通じて理念の共有化に努めてまいりまして、さらにこの関係を4月以降に高めることによって、県の部局長等のみならず中堅職員や若手職員、また長野からは遠く離れた場所で県民のために働いている職員とも直接対話をする時間を深め、コミュニケーションを密にして、彼らの、彼女らの意欲や発想を引き出して県民益に結びつけてまいりたいと、このように考えているわけでございます。  そして、選挙の調査に関しての再度の御質問でございますが、これは2月22日の日に、総務省の嶋津事務次官が記者会見で以下のように御発言いただいております。長野県知事選をめぐって、公職選挙法違反の関係で田中知事が職員を対象にした記名調査をされたことでプライバシー侵害とかいろいろ抗議が来ているらしいんですけれども、これについてはどのような感想をお持ちでしょうかというふうに総務省の記者クラブの記者が聞いております。これに対して事務次官は、任命権者というのは服務規律を正さなくてはならない立場ですから、そういう立場からいろいろな処置をとられるということはそれぞれの県庁の具体的な取り組みの一つと受けとめておりますと、このように御発言をいただいております。  新年あいさつの際に職員との間にマスコミのカメラの放列があったという点の御指摘でございますが、幸いにしてと言いますか、数多くの県内外のマスコミの方が新年のあいさつに関しても取材をしたいということでございまして、私どもの広報文書課の方で対応いたしましたが、でき得る限り私の間近な表情もとらえたいという御要望もあったように聞いております。こうした中で、マスメディアの方々に職員との方の間である一定のルールのもとに御取材をいただいたわけでございますが、もし御指摘のような御意見があられますならば、今後は、この点は県政記者クラブを初めとするマスメディアの方々にも御理解をいただいて、取材の新しい方向というものを見出さねばならない場合も出てこようかというふうに感じております。  マスメディアの皆様は、県政に関しても積極的に御報道いただいているわけでございますが、いささか客観的事実を取り違えたような署名記事も散見するようにも思われております。マスメディアの方とは今後もよりよい関係で、県民の方々、また私どもの職員にとっても職務に支障のない形での御取材というものをお願い申し上げていきたいというふうに思っております。  脱ダムに関しての御質問の部分でございますが、私は、就任以来、三つのダムに関しましては、公約として、一たんゼロから見直すということを申し上げてきたわけでございます。そして、就任以来、関係部局から資料をもらい、説明を受け、質問をし、また、申し上げておりますように、現地に出かけて多くの方々とお目にかかってお話をする中でかくなる考えに至ったわけでございますので、さきに申し上げておりますとおりでございます。  そして、その考えが2冊の本に影響されたのではないかということでございますが、私も多くの資料を繰っておりますし、私の考えが一人の特定の人物や数冊の本に影響されるというようなことは今までもないわけでございまして、私は、あらゆるアンテナを張りめぐらして、あらゆるチャネルからの御意見を聞きながら考えていくわけでございます。  ちなみに、御指摘のありました岩波書店とは、私は数多くの出版社と今までおつき合いをさせていただいておりますが、意外なことに岩波とは2回の対談を行ったことがあるだけで、私の20年にわたる著述活動の中では極めて疎遠な出版社でございます。  ですので、脱ダム宣言というものは、先ほど申し上げたような中で私はそうした考えを抱くに至ったわけでございます。ですので、浅川の流域に関しては多角的な検討の委員会を設けるというふうに申し上げているわけでございます。  そして、最後の問題でございますが、御指摘があられましたようなかかる差別の意識あるいは発言というようなものは、私としてはないというふうに考えております。  以上でございます。       〔土木部長光家康夫君登壇〕 ◎土木部長(光家康夫 君)ダムのメリット、デメリット等について御説明をさせていただきます。  まず、治水という面でございますが、洪水が長野県のような非常に急峻なところでは起こりやすいわけでございまして、そういう場合にいろいろな工法があるわけですが、堤防の改修とか調整池とかありますが、そういう中で山岳地域ではダムというのは有効な方法であるということでございます。例えば、浅川ダムの計画ですと、130トンの出水のうち100トンをダムでカットして下流に30トンしか流さないと、そういうピークカットの効果があるということでございます。  2番目に、利水という面でございますが、人口がふえている中で21世紀の大きな問題の一つは水資源の問題だというふうにもいわれておりますが、日本のような、降雨期には雨が降るけれども、降らなくなると渇水が非常に厳しいという自然条件のもとでは、降ったときに水をためておいて渇水期に使うということが非常に重要でございます。そういう意味で、上水道、あるいは農業・工業用水、あるいは発電等、利水という意味で非常に有効な効果を発揮しているということですが、デメリットとして、水をためますと場合によっては水質が悪化するというようなものも出るということでございます。  それから、ダムより下流の河川に対しまして流量の維持という効果がございます。これは、今言いました渇水期のときに必要最小限の水を流しますと、地下水の水位が確保できるとか、あるいは水生生物が保護できる、あるいは水の清潔さの確保が図れるということで、非常に効果があるものでございます。  それから、先日、裾花川の洪水の例を挙げましたが、上流からの土石流というものをダムが防御してくれる、下流域の土石流の災害をカットしてくれる、さらには流木なんかもとめてくれる、そういうような効果がございます。  しかし、それが逆に出ましてデメリットとしましては、ダムより下流の河川への土砂の供給がとまりますので、場合によっては河床の低下という場合も出るというようなこと、あるいはダムに異常な状況で土砂が堆積いたしますと、供用予定年数、100年よりも早くたまってしまうというような場合にはしゅんせつ等しなければいけない、そういうデメリットもございます。  最後に、環境問題につきましては、やはり、ダムをつくる場合は、つくらないより環境へ影響があるのは当然のことでございます。それから、上下流が分断されまして動物の移動が妨げられる、生態系に変化をもたらす、あるいはダムの工事による環境への負荷というものもございますが、一つの水辺空間が新しく創出されるわけでございますので、野鳥等の生息地あるいは地域の活性化等々、新しい環境の創出という意味ではメリットもあるということでございます。  数値に置きかえるということは、なかなか数値化が難しい面があるわけでございますが、結果といたしましてメリットがデメリットを上回るからこそ、県は14のダムを建設して今管理をしているというふうに考えております。  もともと、人間の存在そのものが環境に対しては負荷でございまして、そういうものが共存していかなければいけないわけでございます。長野のような厳しい自然条件のもとでは、安全で快適な生活を営むために生み出された手法の一つがダムでございまして、いろんな手法と比べながら、一番ダムがいいという場合には環境に配慮しながら進めていくということが必要かと思っています。  以上です。       〔47番佐藤良男君登壇〕 ◆47番(佐藤良男 君)職員との信頼関係についてでありますが、私ども現地視察をするわけでありますが、土木あるいは山林等の視察には必ずカーキ色の上下の服を着て帽子をかぶっていくわけでありますが、知事は、作業服を着ることは偽善だと言われたそうでありますが、果たして偽善でしょうか。知事は、革のジャンパーに革のズボン、これをすばらしい格好だと言う方もいますが、私は非常に不都合だと思います。作業服はたくさんポケットもついているし洗濯もできるし、いいと思いますが、この御見解をいただきたいと思います。  そして、職員と同じ衣服をつけているところに仲間意識を感じ、同じものを食べて親近感を覚え、ともに語り合うところに互いの信頼関係が生まれるものと考えるのであります。 ○議長(吉田博美 君)佐藤良男君に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたので発言を終了願います。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)御質問にお答え申し上げます。  御指摘の点でございますが、例えば、多くの小学校においては、児童も制服がなく、また教職員の方の多くも制服がなくとも同じ学問をはぐくむという一体の気持ちの中でおります。私は、服装にとどまるわけではなく、やはり意識として、今後さらに、私の至らなかった点があるならば、県の職員とまさに私から心を開いて語り合っていくということを改めてここで申し上げさせていただきます。 ○議長(吉田博美 君)以上で行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を終局いたしました。         ─────────────────── △知事提出議案委員会付託 ○議長(吉田博美 君)次に、知事提出議案をそれぞれ所管の委員会に付託いたします。  各委員会におかれては、慎重審議の上、速やかに議長の手元まで審査報告書の提出を願います。付託一覧表は後刻お手元に配付いたします。         ─────────────────── △請願・陳情提出報告、委員会付託 ○議長(吉田博美 君)次に、去る12月定例会後、県議会に対して請願及び陳情の提出がありましたので、報告いたします。       〔職員朗読、議案等の部「5 請願・陳情文書表」参照〕 ○議長(吉田博美 君)以上であります。  ただいま報告いたしました請願及び陳情を、それぞれ関係の委員会に付託いたします。  各委員会におかれては、慎重審議の上、速やかに議長の手元まで審査報告書の提出を願います。請願・陳情文書表は後刻お手元に配付いたします。         ─────────────────── △陳情取り下げ ○議長(吉田博美 君)次に、お手元に配付いたしましたとおり、陳情の取下願がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。  ただいま報告いたしました陳情取り下げの件を本日の日程に追加いたします。  本件を一括して議題といたします。  お諮りいたします。本件については、それぞれ願い出のとおり取り下げを許可するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(吉田博美 君)御異議なしと認めます。よって、本件はそれぞれ願い出のとおり取り下げを許可することに決定いたしました。       〔議案等の部「6 陳情取下願」参照〕         ─────────────────── △議員提出議案の報告 ○議長(吉田博美 君)次に、議員から議案の提出がありましたので、報告いたします。       〔職員朗読〕 議第1号      間伐促進関連施策の充実に関する意見書案提出書                           平成13年3月8日   長野県議会議長 吉 田 博 美 殿         提 出 者           下 﨑   保  浜   万亀彦         賛 成 者           森   司 朗  西 山 平四郎  篠 原 文 三           石 田 治一郎  中 島 輝 夫  宮 沢 勇 一           小 林   実  古 田 芙 士  佐 藤 良 男           塩 沢   昭  池 田 益 男  太 田 道 信           井 出 公 陽  中 村 善 行  今 井 勝 幸           服 部 宏 昭  島 田 基 正  萩 原   清           母 袋 創 一  寺 島 義 幸  高 橋   宏           望 月 雄 内  塚 田   一  木 下 茂 人           久保田 元 夫  奥 村   剛  村 石 正 郎           本 郷 一 彦  平 野 成 基  山 元 秀 泰           風 間 辰 一  佐々木 祥 二  百 瀬 喜八郎           下 村   恭  向 山 公 人  鈴 木   清           垣 内 基 良  浜   康 幸  金 子 ゆかり           西 沢 正 隆  小田切 行 雄  倉 田 竜 彦           大 和 代 八  花 村 薫 平  佐 野 功 武           柳 田 清 二  牛 山 好 子  宮 澤 敏 文          中 島 昭 一  森 田 恒 雄  柳 沢 政 安           宮 沢 宗 弘  竹 内 久 幸  石 坂 千 穂           小 林 伸 陽  藤 沢 詮 子  堀 内   瑛           丸 山   茂  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。         ─────────────────── 議第2号      土地収用法の改正を求める意見書案提出書                           平成13年3月8日   長野県議会議長 吉 田 博 美 殿         提 出 者           下 﨑   保  浜   万亀彦         賛 成 者           小田切 行 雄  西 山 平四郎  篠 原 文 三           石 田 治一郎  中 島 輝 夫  宮 沢 勇 一           小 林   実  古 田 芙 士  佐 藤 良 男           塩 沢   昭  池 田 益 男  太 田 道 信           井 出 公 陽  中 村 善 行  今 井 勝 幸           服 部 宏 昭  島 田 基 正  萩 原   清           母 袋 創 一  寺 島 義 幸  高 橋   宏           望 月 雄 内  塚 田   一  木 下 茂 人           久保田 元 夫  奥 村   剛  村 石 正 郎
              本 郷 一 彦  平 野 成 基  山 元 秀 泰           風 間 辰 一  佐々木 祥 二  百 瀬 喜八郎           下 村   恭  向 山 公 人  鈴 木   清           垣 内 基 良  浜   康 幸  金 子 ゆかり           西 沢 正 隆  倉 田 竜 彦  大 和 代 八          花 村 薫 平  佐 野 功 武  柳 田 清 二           牛 山 好 子  宮 澤 敏 文  中 島 昭 一           森 田 恒 雄  森   司 朗  柳 沢 政 安           宮 沢 宗 弘  竹 内 久 幸  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。         ─────────────────── 議第3号      県内業者の育成及び地元産品の利用促進を求める決議案      提出書                           平成13年3月8日   長野県議会議長 吉 田 博 美 殿         提 出 者           下 﨑   保  浜   万亀彦         賛 成 者           小田切 行 雄  西 山 平四郎  篠 原 文 三           石 田 治一郎  中 島 輝 夫  宮 沢 勇 一           小 林   実  古 田 芙 士  佐 藤 良 男           塩 沢   昭  池 田 益 男  太 田 道 信           井 出 公 陽  中 村 善 行  今 井 勝 幸           服 部 宏 昭  島 田 基 正  萩 原   清           母 袋 創 一  寺 島 義 幸  高 橋   宏           望 月 雄 内  塚 田   一  木 下 茂 人           久保田 元 夫  奥 村   剛  村 石 正 郎           本 郷 一 彦  平 野 成 基  山 元 秀 泰           風 間 辰 一  佐々木 祥 二  百 瀬 喜八郎           下 村   恭  向 山 公 人  鈴 木   清           垣 内 基 良  浜   康 幸  金 子 ゆかり          西 沢 正 隆  倉 田 竜 彦  柳 田 清 二           花 村 薫 平  佐 野 功 武  大 和 代 八           牛 山 好 子  宮 澤 敏 文  中 島 昭 一           森 田 恒 雄  森   司 朗  柳 沢 政 安           宮 沢 宗 弘  竹 内 久 幸  石 坂 千 穂           小 林 伸 陽  藤 沢 詮 子  堀 内   瑛           丸 山   茂  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。         ─────────────────── 議第4号      実習船「えひめ丸」の沈没事故に関する意見書案提出書                           平成13年3月8日   長野県議会議長 吉 田 博 美 殿         提 出 者           下 﨑   保         賛 成 者           浜   万亀彦  西 山 平四郎  篠 原 文 三           石 田 治一郎  中 島 輝 夫  宮 沢 勇 一           小 林   実  古 田 芙 士  佐 藤 良 男           塩 沢   昭  池 田 益 男  太 田 道 信           井 出 公 陽  中 村 善 行  今 井 勝 幸           服 部 宏 昭  島 田 基 正  萩 原   清           母 袋 創 一  寺 島 義 幸  高 橋   宏           望 月 雄 内  塚 田   一  木 下 茂 人           久保田 元 夫  奥 村   剛  村 石 正 郎           本 郷 一 彦  平 野 成 基  山 元 秀 泰           風 間 辰 一  佐々木 祥 二  百 瀬 喜八郎          下 村   恭  向 山 公 人  鈴 木   清           垣 内 基 良  浜   康 幸  金 子 ゆかり           西 沢 正 隆  小田切 行 雄  倉 田 竜 彦           柳 田 清 二  花 村 薫 平  佐 野 功 武           大 和 代 八  牛 山 好 子  宮 澤 敏 文           中 島 昭 一  森 田 恒 雄  森   司 朗           柳 沢 政 安  宮 沢 宗 弘  竹 内 久 幸           石 坂 千 穂  小 林 伸 陽  藤 沢 詮 子           丸 山   茂  堀 内   瑛  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。         ─────────────────── 議第5号      政治倫理の確立と行政運営の透明化を求める意見書案提      出書                           平成13年3月8日   長野県議会議長 吉 田 博 美 殿         提 出 者           浜   万亀彦         賛 成 者           下 﨑   保  篠 原 文 三  石 田 治一郎           中 島 輝 夫  宮 沢 勇 一  小 林   実           古 田 芙 士  佐 藤 良 男  塩 沢   昭           池 田 益 男  太 田 道 信  井 出 公 陽           中 村 善 行  今 井 勝 幸  服 部 宏 昭           萩 原   清  島 田 基 正  寺 島 義 幸           望 月 雄 内  塚 田   一  木 下 茂 人           久保田 元 夫  奥 村   剛  村 石 正 郎          本 郷 一 彦  平 野 成 基  山 元 秀 泰           風 間 辰 一  佐々木 祥 二  百 瀬 喜八郎           下 村   恭  向 山 公 人  鈴 木   清           垣 内 基 良  浜   康 幸  西 沢 正 隆           小田切 行 雄  倉 田 竜 彦  佐 野 功 武           花 村 薫 平  大 和 代 八  柳 田 清 二           牛 山 好 子  宮 澤 敏 文  中 島 昭 一           森 田 恒 雄  森   司 朗  柳 沢 政 安           宮 沢 宗 弘  竹 内 久 幸  石 坂 千 穂           小 林 伸 陽  藤 沢 詮 子  丸 山   茂           堀 内   瑛  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。         ─────────────────── 議第6号      長野県治水・利水ダム等検討委員会条例案提出書                           平成13年3月9日   長野県議会議長 吉 田 博 美 殿         提 出 者
              浜   万亀彦  下 﨑   保  大 和 代 八           竹 内 久 幸         賛 成 者           宮 澤 敏 文  小 林   実  森   司 朗           本 郷 一 彦  花 村 薫 平  地方自治法第112条及び長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。         ─────────────────── 議第7号      長野県治水・利水ダム等検討委員会条例施行に関する決      議案提出書                           平成13年3月9日   長野県議会議長 吉 田 博 美 殿         提 出 者           下 﨑   保  浜   万亀彦  大 和 代 八           竹 内 久 幸         賛 成 者           森   司 朗  小 林   実  宮 澤 敏 文           本 郷 一 彦  花 村 薫 平  長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。       〔議案等の部「1 議案 (2)議員提出議案」参照〕 ○議長(吉田博美 君)以上であります。  ただいま報告いたしました議員提出議案を本日の日程に追加いたします。         ─────────────────── △議員提出議案 ○議長(吉田博美 君)最初に、議第1号「間伐促進関連施策の充実に関する意見書案」、議第3号「県内業者の育成及び地元産品の利用促進を求める決議案」、議第4号「実習船「えひめ丸」の沈没事故に関する意見書案」及び議第5号「政治倫理の確立と行政運営の透明化を求める意見書案」を一括して議題といたします。  お諮りいたします。本案については、それぞれ会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(吉田博美 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。  本案それぞれに対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。  本案それぞれ、原案どおり決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(吉田博美 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ原案どおり可決されました。         ─────────────────── △議員提出議案 ○議長(吉田博美 君)次に、議第2号「土地収用法の改正を求める意見書案」を議題といたします。  お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(吉田博美 君)御異議なしと認めます。よって、本案は提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。  質疑の通告がありませんので、本案につき討論をいたします。  小林伸陽君から討論の通告がありましたので、発言を許可いたします。  小林伸陽君。       〔21番小林伸陽君登壇〕 ◆21番(小林伸陽 君)議第2号「土地収用法の改正を求める意見書案」に反対の討論を行います。  この法改正は、公共事業の円滑、効率的な事業の実施をうたいながら、廃棄物処理施設などを新たに収用適格事業に加えると同時に、事業の効率化と敏速化を図るとしたものでありますが、敏速化の名のもとに、住民に施設の安全性や情報の公開を大きくゆがめる内容になっているわけであります。  この法律改正のきっかけは、東京日の出町のごみ処分場をめぐる住民運動にあります。日の出町の処分場で、遮水ゴムシートの破損による汚水漏れ疑惑が1992年3月に発覚をしたのがきっかけであります。専門家の調査の結果、周辺土壌や水から高濃度の有害な重金属物質が検出された。住民は不安の解消のために、処分組合に地下水の水質検査データの開示を求めましたが、組合はこれを拒否いたしました。東京地裁のデータの開示命令も拒否し続け、2億円もの罰金を払っても住民の要求を拒否してまいりました。この暴挙に住民は怒り、処分場の拡張に大きな反対運動が広がったことは、多くの皆さんが御承知のことと思います。  こうした中で、今回の改正案は、事業の敏速化が求められるとして、次のような点が明らかにされているわけであります。  事業者が裁決申請時に作成する土地・物件調書の手続を地権者の立ち会いや署名捺印が得られなくても公告縦覧で済ませる。もう一つは、審理の際に、多数の地権者を3人までの代表者を選定させる、そして交渉をする。三つ目には、本人に直接手渡しをする必要があった補償金を現金書留で郵送すれば済ませる。四つ目には、土地収用委員会での住民の意見の制限が加えられたものであります。  こうしたやり方には、多くのマスコミ各社も次のような社説を掲げております。住民への説明が不十分なまま収用手続を効率化すると、さらに問題が大きくなる。朝日新聞や読売新聞などでも社説で次々に問題を指摘しているわけであります。  本来、事業の円滑、効率化を図るには、徹底した安全性の確保と情報の公開であります。関係住民との合意と納得が不可欠であります。力づくで住民を抑えつけても、決して解決はしないと思うわけであります。矛盾を拡大するだけで、この法の改正は、改正どころか改悪であり、怒りをもって反対をするものであります。  以上であります。 ○議長(吉田博美 君)以上で討論は終局いたしました。  本案を採決いたします。  本案、原案どおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。       〔賛成者起立〕 ○議長(吉田博美 君)起立多数。よって、本案は原案どおり可決されました。         ─────────────────── △議員提出議案 ○議長(吉田博美 君)次に、議第6号「長野県治水・利水ダム等検討委員会条例案」及び議第7号「長野県治水・利水ダム等検討委員会条例施行に関する決議案」を一括して議題といたします。  提出者の説明を求めます。  浜万亀彦君。       〔51番浜万亀彦君登壇〕 ◎51番(浜万亀彦 君)議第6号「長野県治水・利水ダム等検討委員会条例案」及び議第7号「長野県治水・利水ダム等検討委員会条例施行に関する決議案」につきまして、県政会、県民クラブ、社会県民連合の3会派の提案者を代表いたしまして、提案理由の説明をいたします。  環境の世紀ともいわれる今世紀を持続的に発展可能な社会とするため、環境との共存は重要な課題となっております。  こうした中、地球環境に与える負荷を重視し、ダムによらない総合的な治水対策を進めるとした知事の脱ダム宣言の根底にある理念を、頭から否定するものではありません。しかしながら、どんなに崇高な理念に基づく宣言であっても、公表までに合意形成がなされていなければ、ひとりよがりのものと言われてもいたし方ありません。この宣言が、十分な議論を尽くした上で合意に至り発表されたものでないことは、今定例会における論議の中で明らかとなっております。  今回の脱ダム宣言は県民の命と財産を守るという重要な役割を持っている治水・利水事業に関するものであり、より一層慎重な対応が求められるものであります。この宣言のもと、知事は下諏訪ダムの中止を突然決定されましたが、この決定までの経過や今定例会の答弁から判断いたしますと、そのような配慮のもとに行われたとは到底認めがたいのであります。  災害の悲惨さは、阪神・淡路大地震の直後、被災地にいち早く駆けつけ、ボランティアとして活動した経験のある知事自身が一番よく御存じのことと思います。私どもは、流域住民をそうした悲惨な災害から守り、また、利水面についても、住民はもとより関係行政機関等の意見を聞く中でダムを選択し、住民が安心して安全な生活ができるよう、その建設を進めてきたものであります。  知事が、過日、突然ダムの中止を表明したことにより、地域住民は再び不安な生活を強いられることとなっております。  今回中止とされた下諏訪ダムやその他見直しが行われているダム計画は、流域を初めとする大勢の関係住民の強い切実な願いなのであります。知事がダムの代替案として示した内容は、地域住民の不安や切実な願いにこたえ得るものでなく、また現実的な対策とも考えられないものであります。  3,000メートル級の山を抱え、日本の屋根とも称される本県は、県土も広く、たくさんの河川を擁する複雑な地形であります。こうした本県において、治水、利水の対策上極めて重要な役割を果たしているといえるダムをその選択肢から除くことが果たして賢明な選択と言えるのでしょうか、甚だ疑問であると言わざるを得ません。  私どもは、ただいま申し上げましたように、厳しい自然条件、地形条件等にある本県において、治水・利水対策は、そこで生活する住民の声に耳を傾け、その地域の実情に精通する皆さんが、環境や生態系、河川愛護などを含め、治水、利水への住民参加や責務を話し合うなど関与する中で進めることが肝要であると考えるのであります。  今回の代表質問、一般質問を通じ議論を重ねる中で、見直しの対象となったダムのある水系については、開かれた形での論議を行うための仕組みを整備する必要があるとの考えに至ったのでございます。  また、ダム事業が中止または見直しの対象とされている流域の治水・利水対策については、ダムもその選択肢の一つとして位置づけた調査、審議に速やかに着手し、さらに工事契約締結済みの浅川ダム及び代替地を手配済みの地権者もいる下諏訪ダムに係る流域については早急に調査、審議結果が出されることを強く願うものであります。  以上申し上げました理由から、長野県治水・利水ダム等検討委員会条例案及び同条例施行に関する決議案を提出した次第であります。  同僚議員の皆様の御賛同をいただきますようお願い申し上げまして、提案説明といたします。 ○議長(吉田博美 君)以上であります。  本案それぞれに対して質疑をいたします。  石坂千穂君から質疑の通告がありましたので、発言を許可いたします。  石坂千穂君。       〔22番石坂千穂君登壇〕 ◆22番(石坂千穂 君)前段、土地収用法の改正に関する議論におきまして、住民参加や情報公開が狭められるという改正に対して賛成をした皆さんが、今回は住民参加と情報公開をうたって新たな検討委員会の条例案を提案されるということに大変大きな矛盾を感じます。  ただいま提案をされました議第6号、議第7号につきまして、3点にわたって提案者にお尋ねをしたいと思います。提案理由にかかわる質疑ですので、よろしくお願いいたします。  1点目の問題は、既に今議会での論議、議員の皆さんからの御質問に対する知事の答弁でも明らかになっておりますように、近く、一時中止が決定されております浅川ダムに関して、知事が検討委員会を設置する準備をしております。この検討委員会の性格につきましては、浅川に関する多角的、総合的な治水のあり方を専門家と住民参加で行っていくにとどまらず、今議会での知事の答弁を引用しますと、長野県全体の治水、公共事業のあり方についても広く検討する委員会と述べられております。この検討委員会で皆さんが提案される検討委員会の中身が十分果たせるのではないでしょうか。  お伺いしたいのは、知事が設置を準備している浅川の検討委員会との整合性はどうなるのか。もう少し具体的にお伺いしますと、知事が設置される検討委員会とは別建ての検討委員会の設置を望むものなのか、それとも、知事の設置する検討委員会を認めず、知事の設置しようとしている検討委員会をのみ込んだ形での検討委員会を提案されているのか。その整合性について第1点目としてお伺いしたいと思います。  2番目として、設置手順と時期についてお伺いしたいと思います。  提案されました条例案を拝見いたしますと、流域ごとに部会を置くことができる、その委員は20名以内で組織するとされております。9流域にそれぞれ部会を置くことができるわけですし、さらに、その他知事が必要と認めた河川の流域にも部会をつくることができるわけですので、例えば10の部会を置くとしまして、20名以内、200名前後の委員の皆さんを委嘱していくわけです。しかし、決議案では、最後のところで、浅川ダムと下諏訪ダムについては早急に結論を出すことを要望するとされております。そうしますと、この委員会の設置の手順と時期につきましては、委員会を設置し、部会については浅川ダム、下諏訪ダムを先にスタートさせていくのか、それとも、9流域あるいは10流域の必要と認めるすべての流域の部会を設置して、それから正式にスタートするのか。その辺の手順、時期についてお伺いをしたいと思います。  このことにかかわりまして、3点目にお伺いしたいのは、第4条で委員の任期2年と定めております。しかし、2年たった委員のその後の再任、留任扱いについては何一つ触れられておりません。としますと、2年という期限つきの委員会の設置を求める条例なのでしょうか、それとも、未来永劫にわたって総合的、多角的な治水を検討する性格を持った委員会として設置される御予定でしょうか。  もう一度繰り返します。  1点目として、知事が準備をされている浅川ダム検討委員会との整合性はどう考えればよいのか。  2番目として、部会における必要な委員を全部置いてからスタートさせるのか、順次スタートしていくのか。  3点目として、任期は2年とされているが、2年の期限つきの条例案の提案であるのか。  以上、3点についてお伺いいたします。       〔51番浜万亀彦君登壇〕 ◎51番(浜万亀彦 君)それでは、石坂議員から御質問のありました3点について御答弁を申し上げます。  一つは、浅川ダム検討委員会との整合性のお話でございますが、私どもの提出したこの条例というものは、本来は知事から提出されてもおかしくないものというふうに考えておりまして、つまり、知事が条例を提出し、条例に基づく検討機関を設け、そこで住民の声を聞いて治水・利水対策に反映していくというシステムをつくり、民主的な運営を進めるというものであります。しかし、知事が就任して4カ月半経過したにもかかわりませず、いまだそうした動きがございませんので、いつ検討が始まるかわからない状況にあるわけでございます。このため、早期に検討に着手いただき、さまざまな角度から検討いただくことができるよう条例案を提出したものであります。  2番目の部会の発足の問題などについてお話がありましたけれども、本来、条例にかかわる委員というのは、審議会の委員もそうなんですが、これは知事が決めることになっておりまして、どうしてもほかの者が決めることができないわけでございます。したがって、そういう意味合いでは知事が決めるわけでございますが、これは、9流域、具体的に言うと九つになるわけですが、それをすべて一緒に発足させるということよりは、できるところから着手していっていただきたいと。とりわけ、今申し上げましたような浅川とか期限の迫っているものもあるものですから、下諏訪ダムなどもそうだと思います。そういうところは緊急な課題もございまして、そういう立場で取り組んでいただきたいと思っているわけです。  それから、任期2年ということなんですが、どんな条例を見ても、法的な根拠があるかどうか知りませんけれども、みんな2年になっているわけでございます。そういう意味では、早い時期に結論をつけていただくのが一番いいんでございますが、そういう通例にならいまして2年ということで御提示を申し上げておりますし、場合によっては留任も妨げないわけでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと存じます。       〔22番石坂千穂君登壇〕 ◆22番(石坂千穂 君)御答弁、ありがとうございました。  2番目につきましてはよくわかりましたが、1点目と3点目についてもう一度お伺いしたいと思います。  1点目の知事が準備している検討委員会とこの条例案が提案している検討委員会は別のものか、それとも知事の検討委員会はなしにして新しい検討委員会をつくるという御提案なのかということをお答えいただきたいと思います。
     それから、3点目なんですけど、留任は妨げないということはわかりました。そうしますと、この条例案は期限つき条例案ではないととらえてよいでしょうか。  この2点についてお伺いいたします。       〔51番浜万亀彦君登壇〕 ◎51番(浜万亀彦 君)1点目は、浅川の問題に関連してなんですが、今、石坂議員が指摘された知事のというのは、河川法上に言う委員というのは学識経験者が中心なんでございます。そういう意味では、この中で学識経験者が公聴会などを通して住民の意見を聞くことができるというふうになっているんですが、私どもの言っているのは住民参加というのが一番の大前提であるわけです。だから、その点が大きな違いということでございます。  2点目は、期限つきではないかということなんですが、別にそういうことではございません。       〔22番石坂千穂君登壇〕 ◆22番(石坂千穂 君)御答弁、ありがとうございました。  3点目についてはよくわかったんですけど、1点目についてもう一度お伺いしたいと思います。  知事が準備されている検討委員会につきましても、我が日本共産党県議団の藤沢議員が一般質問でお尋ねしましたところ、住民参加、情報公開、幅広い皆さんの参加を求めていく委員会にしたいという御答弁でした。  それで、提案者の方にお伺いしたいのは、知事が準備している検討委員会とこの条例案が提案する検討委員会を別々につくるのか、知事の提案する検討委員会はなしにして一つを置こうとしているのか、それをお伺いしたいと思います。       〔51番浜万亀彦君登壇〕 ◎51番(浜万亀彦 君)私どもとしては別々のものであるというふうに考えております。 ○議長(吉田博美 君)以上で質疑は終局いたしました。  本案それぞれ、所管の委員会に付託いたします。  所管の委員会におかれては、慎重審議の上、速やかに議長の手元まで審査報告書の提出を願います。付託一覧表は後刻お手元に配付いたします。         ─────────────────── ○議長(吉田博美 君)次会は、来る3月19日午後1時に再開して、各委員長の報告案件全部を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって散会いたします。         午後3時49分散会...