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平成13年 2月定例会本会議-03月02日-04号

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  1. 長野県議会 2001-03-02
    平成13年 2月定例会本会議-03月02日-04号


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    平成13年 2月定例会本会議-03月02日-04号平成13年 2月定例会本会議 平成13年3月2日(木曜日)  出席議員(62名)   1 番    竹内久幸    23 番    佐野功武   2 番    柳田清二    24 番    花村薫平   3 番    西沢正隆    25 番    村石正郎   4 番    金子ゆかり   26 番    奥村 剛   5 番    浜 康幸    27 番    久保田元夫   6 番    垣内基良    28 番    木下茂人   7 番    鈴木 清    29 番    塚田 一   8 番    向山公人    30 番    望月雄内   9 番    下村 恭    31 番    高橋 宏   10 番    堀内 瑛    32 番    寺島義幸   11 番    丸山 茂    33 番    母袋創一   12 番    藤沢詮子    34 番    萩原 清   13 番    宮澤敏文    35 番    宮澤宗弘   14 番    牛山好子    36 番    柳沢政安   15 番    百瀬喜八郎   37 番    大和代八   16 番    佐々木祥二   38 番    倉田竜彦   17 番    風間辰一    39 番    島田基正
      18 番    山元秀泰    40 番    服部宏昭   19 番    平野成基    41 番    今井勝幸   20 番    本郷一彦    42 番    中村善行   21 番    小林伸陽    43 番    井出公陽   22 番    石坂千穂    44 番    太田道信   45 番    池田益男    54 番    古田芙士   46 番    塩沢 昭    55 番    下﨑 保   47 番    佐藤良男    56 番    小林 実   48 番    小林忠司    57 番    宮沢勇一   49 番    森 司朗    58 番    吉田博美   50 番    森田恒雄    59 番    中島輝夫   51 番    浜 万亀彦   60 番    石田治一郎   52 番    中島昭一    61 番    篠原文三   53 番    小田切行雄   62 番    西山平四郎         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        田中康夫    企画局長      阿部守一   出納長       花岡勝明    副出納長兼会計局長 田中邦治   総務部長      青木輝政    公営企業管理者   飯澤 清   社会部長      上原芳晴    企業局長      藤井世高   衛生部長      小林文宗    財政課長      浦野昭治   生活環境部長    中平龍興    教育委員会委員長  宮﨑和順   商工部長      木船智二    教育長       斉藤金司   農政部長      中村武文    教育次長      井出祐司   林務部長      古林弘充    警察本部長     松田広光   土木部長      光家康夫    警務部長      西川直哉   土木部高速道局長  尾坂壽夫    監査委員      丸山 勇   住宅部長      柳澤一則         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      清水幸治    総務課企画員    佐藤公俊   参事兼議事課長   林 一夫    議事課記録専門員  若井一仁   議事課課長補佐   宮下清一    議事課主事     穐澤礼子   議事課委員会係長  平林 信         ───────────────────  平成13年3月2日(金曜日)議事日程    午後1時開議    各党派代表質問及び知事提出議案に対する質疑         ───────────────────  本日の会議に付した事件等    各党派代表質問及び知事提出議案に対する質疑         午後1時開議 ○議長(吉田博美 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き各党派代表質問及び知事提出議案に対する質疑であります。         ─────────────────── △各党派代表質問及び知事提出議案 ○議長(吉田博美 君)次に、各党派代表質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  社会県民連合代表宮澤宗弘君。       〔35番宮澤宗弘君登壇〕 ◆35番(宮澤宗弘 君)代表質問3日目になりましたけれども、私は、社会県民連合県議団を代表いたし、質問を申し上げさせていただきたいと思います。  田中県政誕生以来4カ月でございますが、この間、精力的に現地に赴き、県民の声を吸い上げようとする姿勢、あるいは今回提案された情報公開、また憲法観、現場主義など、それから21世紀を見据えた環境問題等、県民が今まで以上に身近に県政を感ずると。このことは評価しつつも、私どもは是々非々の立場で臨むことを申し上げながら、質問をさせていただきたいと思います。  さて、まず、一昨日の県政会代表の中村議員の質問における知事答弁についてであります。「私田中康夫は、向上心に満ちあふれた220万県民の皆様とともに、根回しに象徴される密室の料亭政治型からしなやかに脱却を図り、長野モデルの構築と発信を行ってまいります。」と答弁をされております。  昨今の永田町政治を見るにつけ、自民党を中心とする中央における政・官・財一体の腐敗ぶりは目を覆いたくなるようなありさまであり、密室の根回し政治、料亭政治からの脱却は、政治に信頼を取り戻すための喫緊の課題であります。私たちは、この限りにおいて異論を挟むものではありませんが、しかしながら、知事答弁の脈絡から言いまして、発言が私たち長野県議会に向けられた指弾であるとするならば全く心外であり、これは看過できない問題でございます。知事の言う創造的な緊張関係を阻害する発言となり、県議会のみならず、私たちを選んで送ってくださいました県民の皆様に対する侮辱でもあります。知事の真意を問うとともに、県内外を通じ放送されましたこの誤解を生む発言は撤回されるよう強く求めるものでございます。  脱ダム宣言と治水・利水対策について伺います。  既に各会派代表質問のあったところでもあります。重複の点も多々ございますが、順次質問してまいります。  2月20日、突如として発せられた脱ダム宣言は、まさに寝耳に水とはこのことであります。2月16日には新年度予算案も発表され、22日の議会に備え予算書も整っていた段階、わずか4日間の間に、何がどのように変化したのでしょうか。全く、知事のよく言うプロセスが不透明であります。同志であり部下であります庁内関係部局はおろか、今日まで信頼関係を築いてきた市町村、そして相談すると約束した議会にも一切の相談もなく、何らの事後対策、対案も示さないまま、一方的にマスコミを通じ全国へ発信されました。  私たち社県連県議団は、決して脱ダムの理念に反対するものではございません。むしろ、責任ある説明責任と具体的対策を示した上で、理想、理念の具現化に向けて、市町村や県民合意の上に立ち、慎重に進めるべき極めて重要な問題であります。だれもが、好きこのんでダムを建設しているわけでは決してありません。今日までの経過を大切に、現実をしっかり見詰め、理想に向かい一歩一歩着実に進むのが政治であります。  知事は、12月県議会の代表質問におきまして、執行機関と議会は県民益を進める上で車の両輪であり、健全な形で機能せねば県民の皆様に多大な御迷惑をかけることになる旨発言されております。今日のこの行動は、言動と行動に大きな乖離があります。宣言に至ったプロセス、市町村等への対応、内部調整など、よりわかりやすく説明を願います。  下諏訪ダムも他の未着工ダムも、長い年月の中、あらゆる検討をし決定をされてきております。知事は、12月議会において、行政経験が幾分未熟でありましたために、対話のとり方に関して至らぬ点があったということは率直に反省していくとも、また、決してマスメディアでの発言を優先しているわけでなく、平場でタブーなく県民の皆様や県職員と屈託のない対話を目指しているとも発言をされています。だとするならば、今回の爆弾発言こそ、知事みずからの言に背き、民主主義のプロセスを踏みにじる暴挙と言わざるを得ません。  市町村長も、知事同様、直接民主主義で選ばれており、規模の大小はあれ、自治体の長であります。県と市町村は対等の立場にありながら、なぜ市町村をないがしろにしたのですか。知事が方向を示してから後日現場視察をするのでは、順序が全く逆であります。真意のほどを伺います。  知事は、みずからの権限であるから、みずからの職権と責任において行ったと言うかもしれませんが、権限、権力の座におごることなく、なぜもっと冷静沈着な判断をなされなかったのでしょうか。理念を共有すべき職員を信頼せず、余りにも一方的な手法は、県民の生命と財産を守る立場の知事としては、軽率、独善ではなかったか。知事の所見を伺います。  「国からの手厚い金銭的補助が保証されているから、との安易な理由でダム建設を選択すべきではない。」と宣言文にあります。だれが安易にダムを望むものがありましょう。種々専門的見地から考察され、関係自治体と協議の上、利水・治水上の選択わざとしてそれぞれの手続を踏み、計画決定されたものであります。あたかも、本県におけるすべてのダム事業が安易に建設されてきたかのごとく印象を与えます。これは全く事実誤認ではないでしょうか。  国庫補助事業は、ダム以外にも、最終的に国の負担が80%を超える事業が数多くあります。また、補助率の違いこそあれ、どこの自治体においてもあらゆる国の制度を活用しています。現に、今議会においても、ダムに限らず、多くの国庫補助に頼らなければならない事業が予算化されています。ダム事業のみが特別手厚い保証をされているという宣言内容も、これも事実誤認であります。見解を伺います。  また、ダム以外の3公共事業や、大都市に見られる何十階あるいは何百階を超えるビル群、延々と続く堰堤護岸も、私たちが生活を営む上で少なからず、コンクリートを利用し、周辺環境に影響を与え、地球に負荷を与えています。要は、今後いかに自然と共生を図るかであります。宣言でいう「看過し得ぬ負荷を地球環境へと与えてしまう。」、このことはダムに限ったことではありません。ダムだけが負荷を与えるという具体的な根拠をお示し願いたいと思います。  例えば、今回の議案では、リニア新幹線について引き続き早期建設を求めて国などに働きかけていくと提案がされました。ダムのみが地球環境へ負荷を与え、このような大型事業は環境への負荷なしと言えるのでしょうか。矛盾した提案と言わざるを得ません。整合性について納得できる説明を願います。  ただし、申し添えておきますが、私は、決してリニア新幹線に反対する立場ではありません。促進賛成の立場であることを、念のため申し上げます。  宣言にある「縦しんば、河川改修費用がダム建設より多額になろうとも、100年、200年先の我々の子孫に残す資産としての河川・湖沼の価値を重視したい。」との理念は、気持ちの上では理解できますが、限られた財源と現場の立地条件の中で、今後どのように進めていかれるのか。公共事業費大幅削減の状況、財政も含め、具体的見通しを伺います。  知事は、今議会冒頭において、今までにも増して数多くの現場を視察し、数多くの職員や県民と議論を深める知事でありたいと述べています。さきに申し上げましたように、突如発せられた宣言は、決して職員や県民と議論を深めた上のものでなく、知事個人が発したものであり、その手続はまさにトップダウンの常套手段であります。民主主義のプロセスを逸脱したものと断ぜざるを得ません。宣言は、十分に議論を尽くされず、ダム計画を抱える地元市町村の意向も無視したものであり、議会や関係市町村、県民がその理念を共有できなければ価値がありません。所見を伺います。  本体着工前の見直し対象となっているダムは、現場に出かけ、視察の上、宣言の基本理念に基づく形で判断を行うとしているが、これでは、まさに先に結論ありきで、プロセスを踏むためのプロセスの視察と言わざるを得ません。知事が過去を批判してきた、まさに前提ありきであってはならないとの理念にみずからが反するものです。また、1回のみの視察で判断できるものでしょうか。所見を伺います。  あわせて、視察の時期と各ダムの具体的対案はいつごろを目標とされているのかも、お示しを願います。  次に、下諏訪ダムについて伺います。  特に、下諏訪ダムについては、1回の視察では結論が出せないと言いながら、利水参加する下諏訪や岡谷市に対して、工事中止をマスコミに発表した後に電話連絡をされたとのことでございます。なぜ、共同事業者であり対等な立場の市町村との協議も行わず、一方的に中止を判断されたのでしょうか。記者会見後の対応では、余りにも上意下達であり、知事の言う対等な立場は矛盾し、信頼関係が崩れることとなります。その場逃れの言葉のみの反省であるならば、信義に反するものです。見解を求めます。  宣言では、「利水の点は、県が岡谷市と協力し、河川や地下水に新たな水源が求められるかどうか、更には需給計画や水利権の見直しを含めてあらゆる可能性を調査したい。」とあるが、具体的代替案があると言いながらそれも示さず、一方的に事業を中止することは無責任行政であり、住民に政治不信を与えかねません。知事は、みずからの言葉で、関係自治体と県民に対し、だれもが納得できる具体的な代替案を早急に示すべきであります。今後の対応について伺います。  県政会中村議員の代表質問の答弁から察するに、ダム宣言を発した20日には、あると言った代替案は持ち合わせていなかったのではないでしょうか。もし持ち合わせていれば、同時発表が常識であります。その後土木部に指示をしたのと違いますか。真意のほどを伺います。  宣言の中では、「治水、利水共に、ダムに拠らなくても対応は可能である」とし、「治水は堤防の嵩上げや川底の浚渫を組み合わせて対応する。」と述べていますが、ダムを中止した中、210戸に及ぶ家屋移転、仮に、知事が言われているように、一方にのみ寄せるとしても相当数の家屋への影響、諏訪湖水位との関連、しゅんせつによる地下水の影響、それぞれ調査や工法に大変な時間と財源が必要となります。建設へのプロセスについて伺います。  一方的に発せられた今回の代替案なるものは、テレビでも報道されておりましたが、直接対象となる住民の皆さんは大変大きなショックを受けておるようでございます。県として、用地買収を行うとしていた地権者に対して、県独自で予定どおり買収をして保全する方向で進めたいとの方針も出されているようですが、目的外買収であり、どのように保全をしていくのか。今後続くであろう管理体制はどうあるべきかも、お示しをいただきたいと思います。  また、「今後は県議会を始めとして、地元自治体、住民に可及的速やかに直接、今回の方針を伝える。」とありますが、可及的速やかとは、いつごろ、どのような方法で臨まれるのか。今後、住民対話集会的なものを持ち、知事の対案、考え方を伝えるのか、お伺いをいたします。  大仏ダムについて伺います。  まず、大仏ダムにかわる治水対策でありますが、知事は、事前に担当部局から複数回の説明を踏まえ、現地調査に赴き、対話集会で意見を聞いた上で、知事の権限で中止決定したと答弁されています。中止したダム計画にかわる治水対策を検討するため、植林など含めた多角的な対策について部局横断的な組織を早急に立ち上げて、具体的な施策として立案し、速やかに住民の皆様に示してまいりたい、こう述べております。現在、庁内横断組織は、どのように構成され、どのように機能し、どんな検討がなされているのか。具体的な見通しをお聞かせください。  大仏ダムにかわる薄川の治水対策の一方法として、造林を主体に考えているとの方針のようですが、今後の構想を伺います。  遊水池により大仏ダムと同じ洪水調節容量の342万立方の貯留量を確保するには、水深を5メートルとした場合でも、約70ヘクタールの土地を上流部に確保する必要があるといわれております。圃場整備も完了している地籍に、そのようなことが可能とお考えでしょうか、あわせて所見を伺います。  浅川ダムに関連してお伺いをします。  本体工事を一時中止した中で、浅川ダム問題にかかわる検討委員会を1月いっぱいに立ち上げると公言していたにもかかわらず、いまだ人選が進んでいない理由は何か、まずお伺いをします。  知事は、土木部から素案として委員の名前をリストアップしてもらったけれども、土木の範疇と異なる法律の専門家、林業の専門家、経済的専門家も挙げてもらっているが、その中に私の知っている人はいなかったと報じられました。今後、委員会や各種審議会、プロジェクトチームなどの人選に当たり、知事の知らない人は除くということですか。であるならば、最初から偏った人選となり、公平な論議が期待できなくなるおそれがあります。人選の基準をお伺いします。  また、知事が諮問する委員会なので土木部が委任するものではないと述べられ、委員の最終的な人選は知事が行う旨報道されました。このことは最高責任者として当然でありますが、土木部に命じてリストを提出させたのか、土木部長がみずから自発的に知事に提出したものなのか。命じて提出させたとすれば、知事の知らない人たちという理由でこれは参考にせず、知事は独断で選任されるおつもりですか。  選任に当たっては、どのような分野から何人くらいの方にお願いをされるのか、委員会の構成メンバーの規模はどのように考えているのか、お伺いをいたします。  土木部長は、今後、事業継続が示された場合、2002年以降に復活する余地はあるが、本年夏の概算要求までには新たな検討委員会で方向を出して、10月までに結論を出さなければならないとの考え方を示し、検討委員会の審査が長引けば影響は来年度にとどまらない懸念を示しておるわけでございます。一方、知事は、国の側から金額が出るタイムリミットによって、あらかじめかせをはめる形で委員会を設けることになれば、県民のための議論に一定の制約や予見を与えることになる、ダムも選択肢だが、ダムを中心としたり前提とした考えではないと述べています。  県民の生命と生活を守るべき立場の知事は、具体的対策と結論を早急に示すべきであります。いつまでも延長するわけにはまいりません。今のまま引き延ばすことが、県民益につながることになるんでしょうか。逆に、不安と損失、混乱を招くこととなります。知事の言われる最小の経費で最大の効果を生み出すことにはなりませんが、見解を伺います。  一時中止に伴う業者への損害賠償費用は県単独費の予算化が必要となり、今でさえ県単事業費や公共事業費が圧縮される中、全く血税のむだ遣いであります。既に、河川改修工事も80%進んでおります。浅川ダムをとめ、新たな改修工事を行う場合は、全面的な計画の立て直しが必要とされます。この場合、概算工事費用はどのくらいになるか、お伺いをします。  240軒を超える家屋移転は、そう簡単に受け入れられるものとは考えられませんし、新たな河川改修など不可能に近いものと考えます。知事は、問題を先延ばしすべきではありません。予算要求の期限とされる10月前までには検討委員会の結論が得られるよう、可及的速やかに取り組むべき課題であります。見解を伺います。  これからの治水、利水のあり方についてでありますが、あくまで脱ダムということでなく、またダムさえつくればすべて解決ということでもなく、人と自然との共生を目指しつつ、投資効果の検討も含め、実現可能な施策を最大限に講ずる中、あらゆる角度から検証、ダム排除ありきでない、ダムを組み込みながら、条件の許す場所から造林、しゅんせつ、かさ上げ、遊水池など、上流域から下流域まで総合的施策を検討し、住民参加とその理解を得る努力が求められます。見解を伺います。  公共事業のあり方について伺ってまいります。  全国的に公共事業費のあり方が批判をされ、見直しの流れにありますけれども、医療、福祉、教育など要望は多岐にわたり、生活重視への方向へ移りつつあります。しかし、本県における社会資本の整備は、都市部のそれに比べ、まだまだおくれています。広範で、県土の73%が中山間地と、山林面積も広く、高齢化率も高く、過疎化が進む中、生活道路の整備を初め下水道の普及、砂防、河川などの災害対策、今後よりきめ細かな対応が求められています。今後の取り組む姿勢、見解をお尋ねします。  新年度当初予算案における公共事業先送り箇所は、94カ所であります。住民要望が高い生活関連道路予算であり、交通安全対策や防災対策、砂防事業の先送り、造林を柱に据えながら林道工事の先送り、厳しい農業振興を図るためのかんがい排水や水環境整備、中山間地総合整備事業などが見送られています。これらは地域住民の期待を裏切るものであり、強い憤りを感じます。先送りの理由と、今後復活の見通しを伺います。  継続分は途中でとめておけないし、新規分についても、長年の経過を踏まえ、ようやく実現というときであり、早期に着工すべきであります。14年度以降はどのような見通しとなるのか、お伺いをいたします。  急激な公共事業の予算カットは、建設業界のみならず一般の県民にも多大な影響が心配をされ、社会不安をもたらします。中小零細企業は倒産のおそれもあり、造林や福祉面にはすぐ対応できず、職種転換も困難であります。知事の言う造林などの充実や福祉など新規事業と、3公共事業削減による雇用環境はどのような変化が予想されるのでしょうか。  100年先、50年先を見据えた県政であっても、企業倒産や失業者が増大するようであれば景気回復も後退し、県民の生活を守ることができません。本年度予算における具体的雇用動向の増減と今後の雇用見込みはどのように変化をするのか、見通しについて伺います。
     次に、入札制度の改革でありますが、県関係の公共事業や県単事業をめぐる談合情報が絶えないため、透明性のある公明正大な制度を早急に検討しなければならない、公共事業に携わる業者が採算割れしないよう適正価格で入札を行うのが大原則だ、公共事業と直接関係のない部署で改革案を検討したい旨発言をされております。具体的方針を伺います。  一方、知事は、入札とか談合は必ずしもいけないと思っていない、談合はいい意味で機能していれば、みんなが食っていける社会主義なんですよ、いい意味で本当にみんなが納得できる談合の形ならいいということですとの趣旨の発言をされております。真意のほどを伺います。  景気と雇用問題について伺います。  政府の月例経済報告によると、景気は全体として緩やかな改善が続いているとしているものの、県内の企業倒産は依然として高水準で推移し、個人消費は伸び悩んでいます。リストラによる失業者の増加、臨時やパートタイム労働者の増大は不安定労働と低賃金、外国人労働者の進出による雇用環境の変化は新規学卒者や中高年齢者にとって大変厳しい状況にあります。今後の県内景気の見通しについて、まず伺います。  安定的な雇用の確保、雇用機会の創出、新しい産業の育成、中小企業への積極的な支援策を講ずることは、県政の重要課題であります。引き続き、公共・県単事業の推進や、優良企業の誘致、工業試験場などの施設設備の充実、民間企業との技術・人的連携を図るなど、景気対策を県政の重点的課題として取り組まれたいわけですが、今後の対応について伺います。  また、福祉、環境、教育分野など、21世紀を展望した雇用の創出は極めて重要であります。新年度の重点施策、将来展望なども踏まえ、基本的な考え方をお伺いをします。  景気低迷により、各企業とも徹底した合理化の推進で雇用調整を行い、賃金、労働条件の切り下げが相次いでおります。リストラが進むほど個別的労使紛争も多発し、平成11年で見るならば1,504件がその対象となっており、また、県内においてもますますそんな傾向が見受けられるわけでございます。  そこで、諸問題解決に当たり、県労政事務所における労働相談機能の充実を図るとともに、国の地方労働局とも連携し、一方的な企業の論理による安易なリストラを防止し雇用を維持するため、また勤労者の切実な相談に的確に対応できるよう法律家など専門職を配し、労政事務所を中心に労働相談事業の拡充を図るべきと考えますが、この点については社会部長に答弁を求めます。  次に、循環型社会の形成について伺います。  まず、廃棄物問題は議会ごとに論議をされ、その対策に苦慮をしている実態であります。循環型社会の基本は、いかにしたらごみを最少限にとどめるのかであり、使い捨ての大量消費社会から使える限り繰り返し使う、そしてリサイクル運動を推進し、どうしても再利用できないものをごみとして適正に処分することが基本であり、限られた資源の有効活用と環境への負荷を最低限に抑える社会であります。21世紀は、物質的豊かさのみを追い続けてきた大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会構造の根本的見直しが迫られております。  昨年の5月、循環型社会形成推進基本法が成立をいたしました。法律が整備されたからといって、安易に循環型社会が実現するわけではありません。生産者も消費者も地方公共団体も、一人一人の県民が自覚を持ち、県民運動として日常生活の中に立ち上げなければ成果は期待できません。県は法の基本的理念に沿って指導的な役割を果たされ、より積極的な取り組みが必要であります。決意と今後の方針について知事にお伺いをします。  12月定例会に引き続きまして、産業廃棄物処理に関する質問をいたします。  私たちは、最終的に廃棄されるごみはどこかで処理をしなければならないことは理解しつつも、一方では、技術の進歩から、より安全で安心な施設であり、ダイオキシン類も溶融によってそのほとんどが抑えられるといっても、迷惑施設であるというイメージは消えず、自分の地域にだけは要らないから反対という声がどうしても大きくなりがちであります。  知事は、民間による廃棄物処理施設の設置が困難となっている中、県廃棄物処理事業団による公共関与の施設整備は、廃棄物の自区内処理を進める上で必要不可欠のものであること、南北に長く、面積も広い本県において4ブロックに分け処理を目指し整備すること、施設整備に当たっては、防災上の万全な措置及び最新の技術で公害対策を講ずること、計画段階から住民参加の計画づくりを進め、施設運営に当たっては地元市町村や地元代表が参加できるシステムとすることなど、答弁をされています。  一方、豊科町に計画をされている施設整備に関しては、説明の仕方、プロセスの踏み方など反省すべき点があったとして、多角的な検討委員会を新たに組織し、開かれた苦い話し合いを通じ、新しいプロセスの踏み方による住民のコンセンサスを得ていきたい旨答えています。そして、委員会立ち上げは1月いっぱいをめどに取り組まれると約束をしたわけですが、いまだ具体的に見えてきません。地域では、地元の代表や近隣町村もぜひメンバーに入れてほしいとの要望も強く、知事がみずから先頭に立たれて地元説明会に出向いてほしいとの要望もございます。見解をお伺いします。  具体的に、委員会が立ち上がる時期、構成メンバー、検討内容と検討期間などについても明確にお示しをいただきたいと思います。  他の事業に優先してスピードを速めていただかないと、いつまでも先送りできない問題であり、具体的スケジュールについて明らかにすべきであります。  知事は、阿智村の社会環境アセスメントの試みを好例として、委員の選出方法や委員会の運営方法など参考になるとされておりますが、阿智村方式を、豊科の予定地も含め、今後、東信、北信に施設計画をされるわけですが、参考にされて結論を出されていくおつもりなのか、お聞きをします。  さて、私たち社会県民連合県議団は、過日、兵庫県赤穂郡上郡町の一般廃棄物最終処分場と愛媛県新居浜市にある財団法人愛媛県廃棄物処理センター、エコニックスの視察をしてまいりました。いずれも、土地利用上や経費面から山合いの地形を利用されていましたが、人家や工場は施設から二、三百メートルのところに位置し、搬入路などは、比較的静かで、一般道路としても利用をされておりました。反対もなく、住民理解のもと建設が進んだということであります。兵庫県の上郡町の施設は、受益者負担としてトン当たり5,000円を徴収し、うち2分の1を毎年地元地区へ還元しているとのことであり、15年の埋め立て期限が過ぎれば自区内六つの受け入れ地区の順番が決まっているので、お互いに納得し理解がされているためトラブルが起きないとの説明を聞き、大変感心をいたしたところでございます。  本県においては、平成5年に財団法人長野県廃棄物処理事業団を立ち上げましたが、いまだ一つの着工も進んでいません。4ブロックの自区内処理を目指すには、上郡町方式で各ブロックごとに何カ所か地区割りし、住民参加による開かれたプロセスの中であらかじめ順位づけを決めていただく、そして地域の実情に即し、地域の皆さんが場所の選定やその心構えを前もってしておくことは、環境対策として極めて大切なことであり、一案だというように思うわけであります。場所の選定までに数年、環境アセスで約2年、用地交渉で数年、施設建設で約2年とすれば、10年くらいの歳月はすぐに経過をしてしまい、不法投棄や環境汚染はますます深刻になることが予測できます。この方式は、地域住民からも受け入れられやすく、理解されやすいのではないかと考えますが、知事の御所見と今後のあるべき方向についてお伺いをします。  また、ごみの不法投棄に対する監視・指導体制の一層の強化、特に市町村や警察、保健所などと密接な連携を図っていかなければなりません。そして、焼却炉からのダイオキシン類などの監視及び排出抑制策など環境を守るための施策を積極的に進めていただきたいわけですが、今後の取り組みについては生活環境部長にお伺いをします。  農業政策の推進について伺います。  瑞穂の国といわれた我が国は、稲作文化を中心に発展してきた歴史があります。今や40%を超す減反政策は、意欲を持って自力本願的に頑張ってきた農家にとって、もはや限界であります。規模拡大を初め、園芸、キノコなど、資金投入し施設、機械等を充実してきたものの、年々増大する輸入食品により我が国農業は直撃を受け、担い手不足、耕作放棄地の増加、高齢化などで、専業農家の一部を除き、大変苦しい経営状態が続いております。  新しい食料・農業・農村基本法が策定をされ、自給率の向上を含む21世紀への希望を示しましたが、現実は、農業離れが進み、農家の持つ多面的機能が失われつつあります。かつて本県は農業生産県として4,000億円台の生産を上げていましたが、今や3,300億円台と下降に推移をしております。今後、食糧の安全生産と農村景観、多面的機能を維持しながら、信州農業の発展により一層取り組まなければなりません。  以下、何点か質問をしてまいります。  まず、急増する輸入生鮮農産物に対するセーフガードの発動が強く求められております。知事は、先頭に立ち、国に向かって行動を起こすべきであります。決意のほどを伺います。  また、農業・農村の置かれている現状を知事はどのように認識をされておられますか、所見を伺います。  引き続き、農政部長に伺ってまいります。  担い手育成対策として、新規就農者に対する支援策をどのように取り入れられるのか。また、耕作放棄地が平地でも目立つようになり、水管理面や景観、環境面でも看過できない状況となってきております。中山間地所得方式を農地全体に拡大をし、先進国の例にならい、農地保全を図るべきと考えますが、県の支援策も含め、国への要請など、その対策について伺っておきたいと思います。  まさに水田は、山林とともに地下水を涵養し、治水、利水の機能をあわせ持つ人工の貯水池であります。本県では、昭和25年、土地改良施設を管理する団体として改良区を設立、水を守ってきました。今日、県下137の土地改良区がさまざまな施設の管理運営に当たり、万物の命を守るに欠かすことのできない水を守っています。しかし、農村の衰退、都市化現象が進む中、賦課金徴収は減少傾向にあり、運営は深刻であります。平成11年7月制定の新農基法においても、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展などを理念としております。また、改正が予定をされている土地改良法でも、農業利水施設の管理、更新の重要性、地域との連携の必要性、新しい時代に合った管理体制を確立する方向と聞いております。国へ働きかけ、より制度の充実を図るとともに、県としても積極的な支援策を土地改良区に講ずべきではないでしょうか。この点については知事に伺います。  また、新たなプロジェクトチームを設置して、マーケティング戦略を推進する新規事業が提案をされました。花卉、キノコ、乳製品、食肉、ワインの5品目のブランドイメージを高めるとのことでありますが、なぜこの5品目のみに限定をしたのかを伺います。  本県農業は、米への依存度がまだ高く、もっともっと信州ブランド米づくりに力を入れるべきであります。そして、本来日本人の体質に合った日本食の普及と米消費拡大に力を入れるべきであります。具体的な取り組みにつき農政部長にお伺いをします。  さらに、リンゴも本県の特産品であります。国においてもようやく価格安定対策がとられ、県も支援制度を創設したところでございますが、ワインはブドウのみでしょうか。リンゴが含まれていないとすれば、今後の市場の開拓はどのように考えておられるのかも、伺います。  食肉のブランド化には畜産振興が欠かせません。食肉センターは当面県下4カ所に残すものの、畜産農家は減少傾向にあります。畜産振興のために、畜産農家の育成と畜舎など施設に係る環境衛生対策についてどのように対処されるのか、今後の対策についてお伺いをいたしておきます。  また、主要5品目の生産振興と、赤字経営とならないための安定的な販路の拡大については、具体的にどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  さらに、環境に優しい栽培技術の開発と家畜排せつ物等堆肥の利用支援策の充実にも意を注いでいくべきであり、今後の取り組みにつき農政部長にお伺いいたします。  今、キノコ農家は価格低迷で大きな赤字を抱え倒産し、夜逃げの例もございます。全国一の生産体制にある本県キノコ農家の救済対策として利子負担軽減事業を創設し、負債農家の経営改善対策として無利子融資等支援策は講じられないものでしょうか。  知事は、キノコ農家に対しどのような認識を持っておいででしょうか、お伺いをします。  今の状況は、一部の農家を除き、全滅の危機にあります。今後の対策につきお伺いをしておきたいと思います。  一方、冷凍野菜の輸入の急増は我が県野菜産地を直撃をし、大打撃を受けております。これらに対する取り組みについても農政部長にお伺いをしておきます。  次に、介護保険制度について伺います。  昨年4月より介護保険制度が施行され、約1年が経過をいたしました。現場では今、さまざまな問題が指摘されています。ぜひ、制度の円滑な運営に取り組まれるとともに、介護水準の向上と基盤整備の充実を図られ、年々高齢化が進行し核家族化が進む中、安心して老後が送れるよう積極的な施策の推進が求められています。基本的な姿勢及び方針について知事に伺います。  次に、介護保険制度の円滑な運営のために、県として重視していくべき施策という観点から伺います。  介護保険制度が円滑に運営されるためには、十分に介護サービス基盤が整備され、介護を必要とする方がその希望に応じてサービスを受けられる状況になっていることが重要であります。このためには、地域の要望が高い特別養護老人ホームや在宅サービスを提供する施設を今後一層積極的に整備するとともに、介護保険の運営に欠かせない人材育成も進める必要があると考えます。  また、これとあわせ、低所得者の方でも十分に介護サービスを利用していただけるよう、低所得者対策が重要であると思いますが、以上の2点につき社会部長に伺います。  次に、リハビリテーションに関して伺います。  介護保険制度においてはさまざまな在宅サービスが提供されているわけですが、自宅での介護を希望する方にできる限り在宅での生活を続けていただくためには、要介護状態を悪化させず、改善していくことが重要であります。また、介護を社会全体で支えるという観点から、介護サービスに要する費用の一部を保険料という形で高齢者全員が負担することとされているため、できるだけ要介護状態を重度化させない取り組みが負担軽減の観点からも必要であります。そのためには、リハビリのサービスを受けられるようにすることが重要であると考えます。リハビリを提供する施設の整備について、県はどのような取り組みを行っていくのか、伺います。  また、一方で、介護報酬単価が実情に即さず、サービスの低下につながりかねないとの声もよく現場から聞きます。身体介護と家事援助の単価を引き上げ、格差を解消してほしいとのものであります。ケアプラン作成の報酬も含め、今後の見通し及び対策について社会部長に伺います。  さて、世界の大イベント、オリンピック・パラリンピックにより、我が県は、北陸新幹線、上信越自動車道、国県道を初めとする道路網の整備、諸施設の建設など、社会資本の整備が一気になされてまいりました。その結果、県内の中南信と東北信の格差問題がいろいろの場面で指摘をされております。知事も、そのことは認める発言をされました。県土の均衡ある発展のためには、今後、計画的な事業実施を図り、格差是正に向けた施策の展開が望まれます。基本的な方針、姿勢について伺います。  中南信の県民はいよいよ、ポスト五輪は我が方の時代と、その期待感も大きく持っております。一層の努力を望むものであります。知事の御所見と基本的な考えをお聞かせ願います。  次に、松本糸魚川間の地域高規格道路について伺います。  本路線は、平成10年に候補路線から計画路線に格上げされ、平成11年には堀金―大町間の約15キロ区間が整備手法などを検討する調査区間に指定されました。沿道からの出入り口が市町村ごとに最低1カ所以上が設置されるので、生活道路の特性と高速化、災害にも強く、安全で使いやすい構造であります。地域の期待も大きく、経済の活性化、交通渋滞の解消、環日本海側との交流促進広域観光に欠かすことのできない重要路線であるとして、建設促進運動が今日まで進められてまいりました。  一方、自然環境を守る立場から、あるいは通過交通のみになってしまい地域の観光が落ち込む心配や、県外客のアンケート調査等から、反対運動も起きております。  知事は、昨年11月17日、意見の違いのあるのは承知をしている、12月県会前には現地に伺いたいと記者団に述べられていることが報じられました。できるだけ早い時期に現場を視察すると言いながら、いまだに実現をしておりません。今後の具体的日程をお聞かせください。  そして、現地調査後、この道路をどのように位置づけ、どういう方法で、どのようなプロセスを踏んで、みずからの判断を下されるのか、あわせてお伺いをいたします。  続いて、教育問題について伺います。  知事は、松本合同庁舎の車座集会において、教育委員会の所管である通学区制問題について、通学区制が信州教育をおかしくしている大きな要因だと思う、近い将来大通学区制に戻したい旨発言をしました。  さらに、11月17日、自治会館における市長懇談会では、偏差値でなく、行きたい学校に行けるのが長野県の教育の底力だったと語り、前矢島教育長との会合では、現在の制度は現場に新たな格差をつくり、混乱させている、4通学区以上については念頭にないが、通学区の変更の権限は教育委員会にあることから、判断は任せるとしています。  明けて1月4日、年頭記者会見では、教育改革のあり方を幅広く議論する知事直属の検討委員会を早期に発足させる、県内外の学者ら五、六名で構成、知事が既に問題提起している県立高校の12通学区制見直しのほか、学力、幼児教育、不登校の問題など論議し、県教委に提言をしていく旨発言をされております。  12月3日、小布施町の車座集会では、通学区制について2年、3年もかかると今の小中学生を生殺しにすることになる旨の発言をされています。  知事直属の検討委員会は、県教委の独立性を侵し、教育の政治的中立性をも侵すことにならないんでしょうか。なぜ直属の委員会が必要なのか。検討に当たってのプロセスをどう考えているのか。県教委もまた、通学区制問題のみならず教育のあり方全般にわたり常に検討を加えていかなければならない職務があります。知事直属の委員会と県教委の委員会との整合性も含め、基本的見解を伺います。  また、教育委員会として、知事発言や知事直属の委員会等につき、独立した機関としてどのような見解をお持ちなのか、教育委員長にお伺いをいたします。  なお、教育問題全般にわたりまして柳沢政安議員が関連質問を行います。  次に、人権問題について伺います。  御承知のとおり、昨年12月6日、第150臨時国会において人権教育及び人権啓発の推進に関する法律が成立をいたしました。今後、重要な課題は、法第5条に規定されている地方公共団体の責務に、「人権教育及び人権啓発に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。」と規定をされております。人権問題に対する基本的認識につき、知事にお伺いをします。  なお、人権問題に対する関連質問も柳沢議員が行います。  次に、長野朝鮮初中級学校の新築に対する特別助成について伺います。  松本市にある長野朝鮮初中級学校には、県内各地の在日朝鮮人の子弟約90人が通学しております。日本で生まれ育った朝鮮人が、自分たちの民族文化を学び、朝鮮民族としての自覚を高め、日本国民との親善を図ろうと、学校が運営をされております。蟻ケ崎の校舎が老朽化したために、約17億円をかけ松本インター近くへ移転、新築し、一昨年11月に竣工しました。私どもは、県に対して一昨年以前から、新築前より県の助成に対し強力な要請を行ってまいりました。国や県の補助がなく、現在、自力で資金捻出に努力を重ねていると伺います。納税の義務がありながら権利を享受できない在日朝鮮人との共生が、今求められております。朝鮮学校への施設設備費補助は年間約60万円にとどまっていたものが、長い運動の中で、本年ようやく、新年度予算に私立専修学校に準じた経常費補助の措置がなされたところであります。昨年12月の代表質問でも、我が県議団浜団長が取り上げたところでございますが、学校新築補助について、ぜひ県の英断を下されますよう強く求めるものであります。  松本市は2,000万円を補助することが報じられたところであります。知事の前向きな答弁をお願いいたします。  本県観光の振興について伺います。  経済優先から生活の豊かさへと人々の関心が移る中、観光への志向も高まってきています。労働時間減少に伴う余暇時間の増加や祝日法改正に伴う3連休の増加などで、人々の旅行機会が増大をしております。他方、価値観の多様化を反映し、観光ニーズも多様化、個性化が進んでいます。また、観光の形態も、これまでの見る観光から、参加し体験する観光へと変化をしてきています。  美しく豊かな自然に恵まれた信州は、年間を通じ約1億人の人々が訪れ、全国屈指の観光県としてその地位を保っております。観光消費額も3,772億円に上り、観光産業は本県の基幹産業の一つでもあります。  21世紀を迎え、観光基盤の一層の強化とその重要性はますます高まり、産業としての成長性も極めて有望な分野であると思いますが、観光の志向や形態が大きく変化し、海外も含め地域間競争はますます激化する中、一層、滞在型観光と地域連携型広域観光の取り組みを強化しなければなりません。本県観光のかじ取りをどうするのか、実効性ある基本方針について知事の考え方をお伺いいたします。  しなの鉄道について伺ってまいります。  しなの鉄道の本年末累積赤字は21億円を超過する見込みであることから、来年度中に債務超過に陥る見通しであります。本年度当初予算に、損失補償として17億1,900万円が計上されました。去る2月21日には、有識者を交え、抜本的経営改革案を策定する検討委員会の初会合が開かれたところであります。対策を策定するに当たっては、地域利用者にも現状の経営内容を明らかにするとともに、関係自治体も含め、住民にあらゆる面で協力を求めるべきであります。今後の経営見通しと取り組む決意のほどを知事にお伺いをいたします。  なお、柳沢議員がこの件についても関連質問を行います。  知事の危機管理意識と対策についてお伺いをいたします。  昨年12月、劇物指定の亜硝酸ナトリウムがトラックから落下、紛失した問題は、幸いにして事故にならずに済みましたが、県は連絡を受けながら住民に危険を呼びかける対応をとらなかったことが報じられました。これに対し知事は、公約の災害危機管理室がもし機能していたらもっと県民に説明できたかと思う、もし健康被害が出ていれば、予定を中止してでも私がすべて検証して、県民に報告しなければいけないとコメントをされています。これは、健康被害が出ていればとか出ていなかったからという問題でなく、その危険性をはらんでいる問題であります。要は、劇物に指定されている物体であり、知事の危機管理の意識は余りにも甘いと言わざるを得ません。亜硝酸ナトリウムの落下、紛失問題に対する知事の認識と見解を改めてお伺いをいたします。  次に、この問題も多くの皆さんが取り上げてまいりましたが、中南部を中心に1月27日から降り続けた記録的な大雪は、住民生活を直撃しました。翌28日も、生活道は雪で埋まり、交通網は麻痺し、物流もとまり、日常生活への影響は深刻でありました。中央道と長野道は除雪のおくれから終日通行どめとなり、約40時間に及び、JR中央線なども運休が相次ぎ、下伊那地方では停電が続き、県下31市町村が雪害対策本部を設置し、対応してきたことが事実でございます。  東北信に比べ、中南信の除雪体制のおくれが浮き彫りとなった現実ですが、改めて豪雪対策の強化が望まれます。今後の対策を伺います。  新聞の見出しの活字をちょっと見ただけでも、「雪害続く 交通網混乱」、「県内31市町村対策本部」、「集落孤立状態」、「上村6割なお停電」、「木曽国道 車で一夜」、「雪に車埋まり 丸子で男性死亡」、「塩尻峠 迂回渋滞」、「長野道不通―また弱さ」、「道路が電気が連日マヒ」、「中央東線16時間遅れ 松本駅へ」、「除雪進まず 飯田線復旧遅れ」、「除雪で転倒 県内17人重軽傷」などなど、活字が踊っていました。  県は、生活環境、土木、農政それぞれ各部の担当職員が出動し対応したが、全庁的な災害対策本部の設置はなされませんでした。県として本部を設置するのは、複数の市町村が孤立した場合や食糧が届かないなど、深刻な影響がある場合と説明をされているようですが、災害対策基本法上の対策本部でなく、31市町村が事前警戒の意味で設置されたにもかかわらず、220万の県民の命を守るという知事は不在、司令塔なしでは余りにも危機管理に欠けた対応と言わざるを得ません。知事の所見を伺います。  知事は、27日、松本市において、熊井啓監督の松本サリン事件を扱った映画の試写会に出席、その後、東京千代田区長選に立候補した出版社社長の選挙応援に駆けつけております。当初、中央線で東京へ向かう予定でありましたが、雪のために利用できず、長野回りの新幹線で東京へ向かわれております。大雪は前の日から天気予報により予測をされており、ダイヤが乱れる中、しかも新幹線に予定を変更されてまで東京へ行かれるこの無神経さは、理解できません。知事、あなたは長野県の最高責任者としての立場にあり、部下を批判する前に、知事として県庁にとどまり、陣頭指揮をとるべきでありました。知事は、東京都民でもなく、ましてや千代田区民でもありません。長野県の知事であります。大町の戦没者慰霊祭において涙し、熊井啓監督の映画試写会で涙する知事が、なぜ千代田区長選を優先させ、220万県民の命と暮らしを守ろうとしなかったのでしょうか。  また、知事が言うEメールもファクスも携帯電話もあるはずです。東京を優先させずに、東京には電話かメールかファクスで連絡をとればいいわけです。220万県民生活に支障を来した豪雪対策より、千代田区長選の方が大切だったのでしょうか。知事自身の危機管理意識と今後の具体的対策についてお伺いをいたします。  知事は、経済連の統合問題、松本大学や理科大の補助金問題、須坂病院の脳神経外科問題、職員の異動、転勤の時期に対する問題等々、みずから否定しながら、ごく短時間の間に前言を修正せざるを得ない手法、すべてマスコミを優先させる手法は、220万県民のトップとして余りにも軽々であり、いささか慎重さに欠けるのではないでしょうか。知事の発する言葉は、一県民のそれと違い、権力を伴い、重みと責任が生じます。みずからの言動に対しもっと慎重であるべきと思いますが、所見を伺います。  さらに、市町村との関係については、市町村の地域の実情をお聞きし、具体的な提言や要望を伺うことは、220万県民の命を守る知事として不可欠な行為であり、実務であると考えており、具体的な提言や要望であるなら、県庁においても、それぞれの市町村にみずから赴いても、執務時間外においても、県庁以外の場所においてもお目にかかることはやぶさかでない、県と市町村は対等な関係であって、むしろ県は市町村の活力をはぐくむためにお手伝いをする立場であると答えられています。開かれた県政、身近な県政、そして、何よりも県と市町村は対等な立場でよきパートナーシップの構築を図っていきたいと願う点は、私どもも共鳴をし、評価をするところであります。  とはいえ、現実、現場ではある種の戸惑いがあります。市町村の抱える諸問題や悩みをどのように知事に伝えたらよいものか、訪問しても会ってもらえないのではないか、突然訪ねて知事室の前でつかまえた方がよいのか。従来だったら、地方事務所や建設事務所等の県の出先機関や県庁の担当部局長あるいは課長のところである程度の見通しがつかめ、市町村行政の方向性、県の考え方がわかったけれども、知事がかわってからは、何を言い出すかわからない、すべて知事の判断を仰がないと結論が出せないといった雰囲気があり、外に向いては開かれた県政と映るものの、内にあっては閉塞感が漂っていると感じている方も多くあり、いささか対応に苦慮している状況であります。  知事は、17市長との懇談会や町村会役員との懇談会において、意思疎通を図っているとおっしゃいましたが、県下120市町村、それぞれ120通りの違った悩みや要望があるわけでございます。知事はメールやファクスがお好きなようですが、だれもがメールを使えるとは限りません。また、メールやファクス、電話のみでは、お互いに顔の表情も見えず、心の触れ合う血の通った、知事の言われる体温の感じられる論議はできないのであります。  例えば、新聞に報じられたように、中南信地区の市長が秘書課を通じお願いしたにもかかわらず、予算査定、議会などで忙しく、4月にならないと会えないようでは、決して対等な立場とは言いがたいものです。理由はともあれ、各市町村長とは積極的にお話しいただき、各市町村の実態を十分に知っていただくことは極めて重要であります。  県庁へ足を運んでいただかなくても、県職員、あるいは知事がすべての現場へ赴くなどということは、日常的にも多忙をきわめ、時間的にも余り約束を守らない知事が、とても物理的に無理なことであります。現に、波田―糸魚川間の地域高規格道路の現地調査、阿智村の廃棄物処分場の現地調査、蓼科ダム等、早期に時期を見て視察をしたいと公言をしながら、いまだに約束が守られておりません。また、先ほど発表になった未着工ダムの現地調査もこれからであります。知事の所見を伺います。  4月から各地方事務所に二、三日赴くということでございますが、10カ所ということになれば、二、三日でもその間に公務が入れば2カ月くらいはかかるわけです。120市町村が知事の都合に合わせて行政を動かしているわけではないわけでありますから、ぜひ市町村の意見をつぶさにお聞きをいただきたいと思います。  知事は、政策の企画・立案や広報・広聴の機能を充実させるために政策秘書室を新たに設置するとして、昨年12月末、青山秘書課長以下4名が準備要員としてその業務についています。従前から、企画局が中心となり、県政の総合的な企画、中長期計画の調整などに当たっていました。いわゆる県行政の主要政策立案にかかわってきたわけでありますが、政策秘書室と企画局のかかわりをどのように位置づけられるのかを伺います。  さらに、知事は、新年度予算の中に、知事の意向で新規に創設されたものの一つに、政策調整事業857万円が計上されております。この中の一つに、知事に対する総合的な政策アドバイザーとして、5人程度の特別顧問を委嘱するとのことのようでありますが、どのような理由から特別顧問が必要なのでしょうか。  知事は、県政には連続性と安定性が不可欠であり、基本的には、長期構想、第2次中期総合計画で示された方向性を十分に尊重していくと答弁をされております。とすれば、県政は、極端にぶれることなく、民意を的確にとらえながら一定の軌道を走らなければ脱線をしてしまい、民生の安定は図れないわけでございます。  一方、常に成果や課題を振り返り、改善を行い、新たな政策にも果敢、積極的にチャレンジすることは当然であります。  そこで、より政策の充実を図るために政策秘書室を設けて、スタッフを増員、強化をされて、企画局には自治省から阿部局長を起用されました。また、特別秘書官も張りついています。さらに、知事の同志である、また部下である有能な職員がついています。県政に対する、そして地域を熟知した120市町村の首長や議会、住民の方々が具体的提案や要望を持ち、知恵も力もあります。  私は、知事が、同志である職員を生かし、市町村とともに考え、行動するならば、あえて特別顧問を置かなければならない必然性、理由は見当たりません。知事が言う県民益になるという明確な説明を求めます。  現に、いまだに副知事がなく、副知事2人制は迅速な判断が滞るということで断念をしております。屋上屋を重ねることは、迅速な判断、行動がますます滞ることになります。知事発言と矛盾すると言わざるを得ないのであります。  以上をもちまして第1回目の質問を終わります。       〔知事田中康夫君登壇〕
    ◎知事(田中康夫 君)ただいまの宮沢議員の御質問に対して順を追ってお答え申し上げます。  まず、冒頭に御指摘のございました点でございますが、既に議員が御指摘でもありますように、日本の永田町では、根回しに象徴される密室の料亭政治型が、納税者としての多くの市民の願いをあざ笑うがごとく、いまだ隆盛であります。向上心に富む220万県民とともに歩む私は、日本の背骨に位置するこの長野県にあっては、そうした前近代的な政策決定のプロセスがあってはならないというかたい決意として申し上げたわけでございます。  脱ダム宣言に至ったプロセス等についての御質問に関して順を追って回答いたします。  脱ダム宣言に至ったプロセスでございますが、これは既に県政会並びに県民クラブの代表質問でもお答え申し上げましたように、知事就任以来、土木部等から各ダム事業について極めて詳細な説明を幾度となく受け、その上で現地を視察し、さらに地域の住民の皆さんの御意見を伺うプロセスの中で、今後の治水対策は地球環境へ与える影響が大きいコンクリートのダムを前提に進められるべきではないとの理念に至ったものであります。  市町村との関係でございますが、既に中止したダム事業に関しては、速やかに地元へ伺い、詳しくさらに御説明を申し上げ、御理解をお願いする考えであります。  また、6カ所の未着工ダム事業の地元市町村においても、宣言の理念を私の言葉で丁寧に御説明するとともに、現場を実際に視察し、住民の皆様の声に真摯に耳を傾け、理念に基づいて判断を行っていくことをお約束いたします。決して地元をないがしろにしているわけではないということを、改めて御理解願いたいと思います。  内部調整の問題に関してでございますが、今回の宣言は知事であります私のリーダーとしての決定でございますが、事前に予算査定や各種の打ち合わせ等を通じて、また宣言発表前にも忌憚なき話し合いを行い、こうした中で、私のコンクリートのダムに対する考え方あるいは治水のこれからのあり方というものは職員へも伝えており、職員を信頼している点は就任以来変わらないことでございます。  ダム事業のみが特別手厚い保証という御質問に関してでございますが、多目的ダム以外にも、広域基幹河川改修事業など国庫負担が80%を超える事業がございます。宣言は、ダムという選択肢の存在を前提に河川行政を進めるべきではないとしたものでございまして、「国からの手厚い金銭的補助が保証されているから、との安易な理由でダム建設を選択すべきではない。」という記述は、本県におけるすべてのダムが安易に建設されたという趣旨では毛頭ございません。  続いて、リニア新幹線等に関しての御質問の部分でございますが、我々人類の営みというもの、それ自体が多かれ少なかれ地球環境への負荷を避けられない以上、私たちは真摯な気持ちで公共事業についても地球環境への負荷を最小限にする努力が求められているわけでございます。  また、それぞれの事業の実施に当たっては、長期的な視点からの環境への影響、環境負荷の少ない代替手段の可能性、地域振興の視点からの必要性等を十分に検討し、県民益の観点から総合的に実施を判断されるべきだと考えております。  地方の税財政基盤が脆弱な中で地方自治の自立を図っていく上では、国における税財政システムの再構築が可及的速やかに行われねばならないと私は考え、こうした点に関しては、4月以降、既に申し上げておりますように、あらゆる機会を通じて、また具体的事例に基づいて国に働きかけ、また県民を初めとする多くの方々にもそうした実情を御説明、御理解を賜われる機会を設けてまいりたいと考えております。  また、脱ダム宣言は、結論ありきではなく、文面にもございますように、今後広範なる論議を求めて一石を投じたものであります。現に、今議会においてもさまざまな角度から皆様からの御意見をちょうだいいたしております。  市町村長とも機会あるごとに忌憚のない意見を交換したいと考えておりますし、また、今回の宣言により、これまでダムというものに関してさしての関心はお示しにならなかった方々も、御家庭や職場で、ダムというもののあり方について、治水のあり方について意見を交わすきっかけとなり、そしてその声がさまざまなチャネルを通じて私ども県庁のもとへも届いております。  脱ダム宣言、これは理念としてのダム代替案でもございますが、私自身も胸を開き、市民一人一人の、あるいはジャーナリストの方々からの忌憚のない御意見をお聞きし、論議を深めてまいりたいと考えております。  本体未着工ダムの視察についての二つの御質問に、あわせてお答え申し上げます。  いまだ本体着工に至らぬダムにつきましても、今回の脱ダム宣言の理念に基づき、そして現場主義に基づき現地へ出かけ、多くの意見を聞き、多くの資料を繰り、判断してまいります。でき得る限り早い段階に出かけたいと考えておりまして、そうした目的を果たしたいと考えております。  仮に中止すべきと判断する場合にあっては、同時に代替となる治水や利水の考え方をお示しする必要があると考えております。  岡谷市、下諏訪町との協議に関してでございますが、下諏訪ダムの中止に関しましては電話での御説明にとどまっており、可及的速やかに伺い、詳しい御説明を申し上げ、御理解をお願いする考えであります。  代替水源の調査、検討と並行して、湖北行政事務組合との基本協定を解除させていただく手続も行いたいと思っております。  続いて、利水代替案の提示についての御質問でございますが、砥川水系からの水道用水の取水に関して昭和45年に下諏訪町長、岡谷市長、水利権者との間で交わされた覚書には、「岡谷市は水道用水として、日量10,000立方メートルを砥川水系から取水」との箇所がございます。が、その大もとに立ち戻る前に、まずは現在の、そして未来の水道水の需給見通しを再検証する必要があると考えております。  具体的に申し上げますと、現利水計画は、平成4年から平成23年までに、岡谷市、下諏訪町合わせて約5,500人の給水人口の増加を見込んだものでございますが、実際には過去10年間で岡谷市で3,400人、下諏訪町で1,600人、合わせて約5,000人の減少となっており、増加を見込んでおりました計画と人口が減少いたしております現実が乖離している状況でございます。ただし、岡谷市の水道水源は、汚染、枯渇が顕在化してきております。  平成19年には全国総人口もピークを迎え、減少に転ずるといわれる現在、大幅な人口増加を見込んだ計画ではなく、安全で安定した水の確保という現実に即した計画へと見直す必要があると考えております。  代替案としましては、河川や地下水に新たな水源を求めることとしておりますが、特に水利権の見直しを中心に検討をしてまいります。  明治29年、1896年段階で既に利用していた方が水利権を有し続けるあり方を、長野県のみならず日本全体でいま一度考える必要があろうかと思います。土地収用法の改定に見られますように、公益のために私権というものを、土地あるいは家屋の所有ということに対しても弾力的に見直そうとする動きが国である中で、明治29年という100年以上も前の段階で定められたものが、長野県のみならず日本全体、また市民全員の所有物でもあります河川やそこを流れる水に関して検討が加えられないというのは、論理的にいささかならぬそごが生じているのではないかと私は考えます。あわせて、水田の作付面積は現在約170万ヘクタールを切る状況でございまして、これは昭和40年代の最盛期の約半分に当たっております。  こうした現状をかんがみて、改めて農業用水のあり方に関しても忌憚なき議論を皆様と一緒に行っていくこともまた、今回の脱ダム宣言を発表いたしました私に課せられた責務であると考えております。  いずれにいたしましても、水利権の見直しを中心に検討し、申し上げるべきことは国へも御提案をし、そして広く多くの市民の議論を望むところであります。  続きまして、代替案の件に関しての御質問にお答え申し上げます。  日本の背骨に位置し、あまたの水源を擁する長野県においては、でき得る限りコンクリートのダムをつくるべきではない。誤解を恐れず申し上げれば、脱ダム宣言で申し述べた治水の理念こそは、21世紀の新しいテーゼ、私たち市民社会のミッションとも呼ぶべき究極の代替案であります。その上で、計画段階からの住民参加により、かさ上げ等で河川を改修し、あわせてきめ細かいしゅんせつを常日ごろから治水の原点として以前にも増して行うという私の案に基づき、技術的なバックボーンを持つ土木部で費用的検討も加え、大きく五つの手法、引き堤案、かさ上げ案、掘り下げ案、遊水池案、放水路案が考えられております。  下諏訪ダムを建設する場合においても、市街地部分に限っても1.2キロメートルにわたって河川の拡幅改修を必要としていた経過にかんがみ、拡張案が有力ではありますが、複合的に組み合わせ、検討も進めてまいります。  教育というものが家庭、地域、公教育の三者で支え合うように、治水においても、お一人お一人の日ごろからの備え、水防活動など地域の取り組み、そしてきめ細かいしゅんせつや護岸整備を基本とする行政が行う治水があり、三者が一体となって取り組む必要があります。さらに、この行政が行う治水、例えば護岸の改修やしゅんせつは、その大もとには環境への配慮も求められております。  以上申し上げた住民参加、環境への配慮は、平成9年の河川法改正の精神に即した考え方でもあります。すべて河道に封じ込め、できるだけ早く海に流し込む河道主義治水からの脱却、すなわち河川構造物が大規模化、高度化したため、その建設や維持管理を専門家に依存せざるを得ず、その建造費や維持管理費も巨額に上り、それまで地域住民で長い間にわたって支えられていた伝統的な技術が失われ、国民の共有財産たるべき川と市民が乖離してしまったという反省に基づいてであろうと考えております。  一昨日お示しいたしました下諏訪ダムの治水代替案も、河川改修を基本とした多角的、複合的な対策であります。  ちなみに、下諏訪地区にとどまらず、脱ダム宣言に基づいてのこれからの治水のあり方の方向を指し示せば、97年の河川法の改正では、伝統的治水策でありました流域の水害防備林が樹林帯として河川施設を規定する第3条に条文化され、樹林帯と堤防のシステムで、仮に越流しても破堤させない方式の導入が可能となってきております。しゅんせつ、護岸の改修といった常日ごろから実行可能な計画とともに、河道処理能力を超える洪水に対しましては樹林帯を中心として超過洪水対策を行い、越流、はんらんに対して人命救助を第一に被害を最小化する治水方式、すなわちはんらん受容型の治水が行われる流れとなってきております。  なお、仮に私が出しました案がその場ですぐさまゴーサインが出るような形があるのであれば、それこそがまさに住民が参加をして合意形成を行うとした改正河川法に盛り込まれた民主主義の精神から逸脱をする性急な形でもあろうかと危惧いたします。  今後とも、議員各位、県職員のみならず多くの市民やジャーナリズムの現場でも、治水の原点に基づいた具体的提案を含む広範なる論議が行われることこそは、田中県政の歩むべき道かと存じます。  ただいまも申し上げましたように、ダムによらない治水対策としては、引き堤案、かさ上げ案、掘り下げ案、遊水池案、放水路案を検討いたしました。引き堤案は、多くの家屋移転、用地買収、橋梁のかけかえ、農業用水施設のつけかえが生じますが、諏訪湖の水位との関連、地下水への影響も考慮すると、現実的な案の一つであろうとは考えております。  先ほども申し上げたように、しゅんせつや日ごろの護岸の改修を小まめに行いながら、これらを複合的に組み合わせた治水対策案も含めて、住民参加のもとで合意形成を図ってまいりたいと考えております。  用地買収に関してでございますが、用地を取得するという地権者との約束は、県として最大限配慮すべき事項であると考えております。ただし、これらの約束はダム建設を前提に了解を得たものであるため、再度皆さんの御意向を確認する必要がございます。  用地は公共的な目的なくして取得し得るものではございません。森林化は治水上の観点から選択肢の一つではございます。長期譲渡所得控除等も考慮が必要であろうかと考えております。  御説明の時期に関しては先ほど来申し上げておりますように、岡谷市長、下諏訪町長への御説明は可及的速やかに実際に伺うということでございます。住民への説明も、集会形式で行いたいと考えております。  大仏ダムに関してお答え申し上げます。  企画局、生活環境部、農政部、林務部、土木部及び住宅部で、薄川流域における大仏ダムにかわる治水対策を検討してまいります。平成13年度当初予算では2,000万円を計上し、専門的な会社に詳細な調査を委託し、それを受けて多角的な治水対策を取りまとめることといたしておりますが、当面の治水対策としては、下流域の田川合流点付近の防災ステーションの整備及び栄橋付近のしゅんせつを行ってまいります。この点は、砥川におけるきめ細かいしゅんせつと護岸の改修ということが治水の大もとであるという点に基づいております。  また、造林の今後でございますが、薄川の総合的な治水対策の検討に先立ち、薄川上流を、つまりは大仏ダムを予定しておりました流域を事例として、治水対策の一環としての森林整備による洪水防止機能の発揮について、その技術的、施策的課題を明らかにし今後の森林整備の方向性を探るため、林務部を中心に、中部森林管理局、国の森林総合研究所などのメンバーの参加による検討チームを設け、現在、実際に検討を進めておるところでございます。  当該流域は、森林率、森林構成、災害発生の履歴などから判断して、河川整備の進捗と合わせ、現在の森林が洪水防止機能の発揮に果たしている役割は大きいものと考えられております。それゆえ、森林整備が停滞すればその機能の低下が懸念されます。したがって、森林の洪水防止機能を維持し、あわせてその増進を図ることを検討の基本的視点として、現地の森林の状況に応じた森林整備の指針づくりを目指して鋭意検討を進めているところで、年度内に中間的な結論を出すよう取り組んでおります。  また、その結果を総合的な治水対策を検討する部局横断的なプロジェクトチームの検討に生かしていくとともに、保安林整備事業や造林補助事業を重点的に実施するなど、13年度から先行的に当該流域の森林整備を実施してまいりたいと考えております。 また、遊水池についても、多角的な治水対策を検討する中で、その適地や規模等を検討してまいれればと考えております。  浅川ダムに関してでございます。  浅川ダムに関してまとめてお答えを申し上げます。  委員会に関しては、公正、中立な立場で議論いただくことが必要でございます。また、このために人選は特に慎重を期しており、いささか時間を要しております。委員会全体の独立性、中立性が確保されるように配慮をして人選を進めてまいります。土木部に依頼し提出を受けた案をもとに検討してまいっておりまして、私個人が直接面識のない方でも、その著作等に目を通すことでそれぞれのお考え、お人柄等も把握するように努めております。  いずれにいたしましても、検討委員会は、委員長のもと、河川、水文学、気象学、自然環境、森林、農地、都市の有識者等を予定しており、各分野若干名でスタートを進めてまいりたいと思います。  ダムにかわる河川改修に関しての御質問の部分でございますが、現時点で、浅川ダムをやめ、河川改修のみで治水対策を行う場合には、次のような工事、すなわち、13.5キロメートルの護岸工事、28の橋梁かけかえ、11万平方メートルの用地買収、241戸の家屋補償、概算の工事費としては490億円が見込まれておりますが、そのほかの対策として、排水機場の整備、森林やため池、水田の保全、校庭や公園での雨水貯留、建築指導による流出抑制、開発に伴う雨水調整池の設置などが想定されております。  浅川の多角的、総合的な治水対策は、検討委員会の結論を受けて判断、実施いたしますが、いたずらに先延ばしする考えはございません。しかし、あらかじめ設定期間を定めますと、検討委員会への不要な圧力となり、議論が束縛されるおそれがございます。100年先を見据えた最善の治水対策を求めることこそが県民益であり、予算要望の時期や業者への補償責任を理由にあらかじめ検討期間を定めることはできないと考えております。  なお、県民の財産、生命を守るのは県知事の責務でございまして、検討委員会の議論を待つ間もできる対策を、先ほど来申し上げております治水の基本に基づいて実施をしてまいります。  続いて、これからの治水、利水のあり方の御質問でございますが、脱ダム宣言は基本的な理念でございまして、日本の背骨に位置し、あまたの水源を擁する長野県においては、でき得る限りコンクリートのダムをつくるべきではないという見解は、いささかの変更もございません。平成9年の河川法改正によって、新しい河川整備計画の策定時に地域の意見を聞くことが定められておりますことからも、今後も住民参加のもとに合意形成されていくべきと考えております。  公共事業のあり方についての御質問にお答え申し上げます。  道路や下水道などの社会資本は、県民生活や社会経済活動に欠くことのできない社会基盤でありますが、その整備水準は、例えば国道、県道の改良率では59.7%と全国第33位に位置するなど、いまだ低い状況にございます。また、本県は、地形が急峻で地質が脆弱なことから、一昨年の佐久、伊那地方や昨年の下伊那地方で起きた災害のように、毎年、自然災害が発生いたしております。そのため、県民の皆様からも、道路や災害対策など、具体的事業の促進について多くの要望が寄せられております。今後も、限られた財源の中で、県民生活を質的に増進する事業や県民の生命や財産を守る事業などについて、より一層重点化や効率化を図りながら、県民益に照らし必要な事業を精査し、進めてまいりたく思います。  先送りの理由に関してお答え申し上げます。  まず、土木部におきましては、厳しい財政状況の中、限られた財源で早期完成が図れる事業、災害関係など県民の生命や安全にかかわる事業、県民生活の質的向上が図れる事業を推進する観点から、事業箇所を厳選するなど、より一層の重点化と効率化の徹底を図りました。  林務部の林道事業の先送り箇所は維持管理や機能向上を目的とする改良・舗装事業を予定していたものでございますが、厳しい財政状況を踏まえ、危険度の高い箇所や通行に当たり支障の大きい箇所を優先いたしました。治山事業の先送り箇所は、保全対象が市民生活に比較的影響の少ない箇所でございます。  農政部は、厳しい財政状況を踏まえ、限られた財源を、平成13年度完了予定地区、農家の営農に直接大きく影響する圃場整備等の基盤整備及び災害を防止するための防災事業に重点的に配分いたしました。また、市町村、土地改良区が事業主体となる団体営事業については、影響が生じないように配慮をいたしております。  14年度以降の見通しという点に関してお答え申し上げます。  土木事業においては、今後、それぞれの事業について事業効果、緊急性等を十分勘案の上、実施について検討してまいります。林道事業においては、今後、現地の状況変化により危険性の増大や通行の確保に支障を来す箇所については対応を検討してまいり、治山事業についても、今後、状況の変化により放置すれば拡大崩壊して影響を及ぼすおそれが生じた場合には対応を鋭意検討してまいります。農政公共事業は、地域からの申請に基づき実施するものでございまして、また市町村及び農家の負担も伴うものでございますので、これら負担団体との信頼関係を保つという観点から十分に連絡調整を図ってまいりたいと考えております。  公共事業費削減と雇用環境変化についてでございますが、これは一昨日中村議員の御質問にもお答え申し上げたところでございます。公共事業の削減により雇用面でどのくらいの影響があるかを的確に推計することは困難でありますが、一定程度の雇用者の減少が見込まれるものであります。これに対しまして、森林整備の大幅な拡充や、福祉、医療、教育、生活環境といった分野の公共投資への転換などにより、これらの事業に携わる皆様への生活の安定を対処してまいりたいと考えております。  また、国におきましては、平成8年度に、将来、民間において雇用や市場規模の拡大が期待される新規成長15分野を発表いたしております。これは、医療・福祉関連分野、生活文化関連分野、情報通信関連分野、新製造技術関連、流通・物流関連、環境関連、ビジネス支援関連等々ございますが、こうした今後需要増が見込まれる新たな分野への公共投資へと転換を進め、こうした分野におきます長野県民の意欲ある方々の雇用が生み出されるように努めてまいります。  入札制度に関してでございます。  現在、県では、ゼネコン汚職を契機に出されました平成5年12月の中央建設業審議会建議に基づき、一般競争入札や公募型指名競争入札などを導入し、入札・契約の透明性、競争性の確保に努めております。今後、より一層公明正大で透明性のある入札制度を検討してまいります。  公共事業も、一般事業と同様に、つくり手と売り手と買い手が三位一体となり、それぞれが適正な利潤を上げる必要があると考えます。競争力の高い一部の大手企業のみが生き残るダンピング競争であっては、真の意味での県民益にはつながらないと考えます。同時に、不透明な入札や価格決定があっても断じてならないと考えます。具体的には、コンピューターを活用した入札なども検討する必要があろうと思います。  いずれにいたしましても、中山間地域を含めて、長野県内で真っ当に土木・建設業を営んでいる方々が適切な利潤が得られるような公共事業とするための制度を積極的に検討いたします。  なお、具体的な検討は、中立性を保つために、公共事業と直接関係のない部署で行ってまいりたいと思います。  先ほどございましたいい意味での談合発言の真意という部分でございますが、私は、現在、否定的な意味合いで、また批判の対象としていわれております談合という存在を決して肯定しているわけではなく、むしろそうしたあり方は改革されねばならないと考えております。  談合という言葉には、まさに密室の世界で仕事の配分が一部の人間によって決められているのではないかという、一般の多くの市民からはどうしてもぬぐい去ることができない否定的な側面と、社会民主主義的な理念に基づいての共存共栄、イギリスのブレア首相の言葉をかりればステークホールダー・エコノミーという側面がございます。  私の申し上げましたいい意味での談合とは、かつてポーランドのワレサ氏が日本のシステムに学ぶべきだと東西の対立がなくなったときにおっしゃったように、密室というネガティブな側面を透明なシステムに改めた上で、繰り返し申し上げる社民主義的な共存共栄が多くの人々にチャンスが与えられるということで保たれる制度のことを指しております。  また、同時に、透明化によって、単なる価格競争により大企業だけが生き残るシステムではなく、長野県の中で厳しいながらも真っ当に営んでいらっしゃる意欲ある中小企業の方々でも仕事が得られるチャンスを与える、こうした公明正大な仕組みを確立するということでございます。  これは、先ほど申し上げましたように、中立的な立場の部局とともに検討を重ね、入札制度の改革においてさらに私の理念を実現したいと考えております。  続いて、県内景気の今後の見通しについてお答え申し上げます。  最近の県内の経済情勢を見ますと、個人消費は全体として回復感に乏しい状態が残念ながらいまだ続いてはおります。企業の生産活動も、アメリカ経済の減速の影響などにより、増加してまいりましたテンポがより緩やかになってきている傾向にはございます。今後の見通しにつきましては、アメリカ経済の一層の減速が懸念されるとともに、最近の株価の動きなどを見ますと景気の先行きに不透明感が増しております。このような情勢を踏まえ、引き続き経済動向に十分なる注意を払っていかねばならないと考えております。  公共・県単事業の推進についてでございます。  公共・県単事業は、地域経済の活性化や雇用促進にもつながり、景気対策としての効果がありますので、今後も、緊急性の高い、効果的な箇所から重点的に進めてまいります。  新産業育成と中小企業への支援策でございますが、本県経済の活性化のためには、県内企業の99.8%を占める中小企業の育成が極めて重要でございます。このため、中小企業支援センター及びチャレンジ起業相談室を拡充強化し、経営改善、販路開拓、人材育成等の事業を推進するとともに、長野創業支援センターを本年4月にオープンし、経営・技術指導などを通じてベンチャー企業の育成を図ってまいります。また、技術面においては、工業関係試験場に最先端の分析機器を整備するとともに、産・学・官の連携による研究プロジェクトを推進いたします。このほか、優良企業の誘致については企業訪問や立地説明会を積極的に展開するとともに、金融面においては県制度資金の貸し付け枠を拡大し、中小企業の資金需要に対応してまいります。  いずれにいたしましても、これらの施策を総合的に実施し、新産業の育成を図るとともに中小企業を積極的に支援し、地域経済の活性化に努めてまいります。  雇用創出の基本的考え方についてでございますが、雇用の創出あるいはその維持というものは、企業の設備投資や個人消費など民間需要を喚起するとともに、公的投資が効果的に行われることによって図れると考えております。  長野県におきましても、従来の公共事業費が減少し、さらに、近い将来日本の建設市場のマーケットが半分ほどに縮小するともいわれる中で、新年度からは、森林の整備や、将来需要増が見込まれる先ほど来申し上げました新しい分野の公共投資への転換を進め、新たな雇用が医療や福祉の現場においても、またそれらの建物、設備等を整備する過程においても雇用が生み出されるよう努めてまいります。  循環型社会に関してでございます。  循環型社会形成に向けては、今後、多くの困難が伴うものと考えられておりますが、消費者、事業者、市町村、そして県、それぞれが責任と役割を果たし、相互に協力することで必ずや達成できるものと確信しております。  県としては、果たすべき役割を十分踏まえて、循環型社会形成推進協議会の設置、廃棄物処理計画の策定等――皆の力で取り組む。県ごみ処理広域化計画促進、事業団による施設整備促進等――安心の技術で創る。循環型企業育成、支援プロジェクトチームの設置等――新しい技術で支える。監視連絡員の増員、不法投棄110番新設等――確かな力で守る。ごみ減量、リサイクル教育推進事業等――あらゆる世代で学ぶという五つの基本視点に立って、循環型社会形成に向けた施策を総合的に推進してまいりたいと思います。  また、新年度においては、皆の力で達成すべき廃棄物の減量化目標やリサイクル目標を初め、それぞれの主体ごとに取り組むべき指針となる廃棄物処理計画を策定することから、計画策定の最初の段階から私も積極的にかかわり、循環型社会形成に向けた土台となる計画としてまいりたいと思います。  産業廃棄物の処理についての御質問でございます。  検討委員会の設置時期等の御質問でございますが、検討委員会については、安曇野の住民とともに考える豊科町廃棄物処理施設検討委員会とし、既にきのうも申し上げましたように、まずは包み隠さぬ、今までのプロセスのすべての情報の公開と、その上での住民参加による開かれた検討を行うこととしております。今後は、新年度当初の設置に向けて、委員会の中心となる方を早急に決定し、委員会の構成や検討方法などを検討してまいります。  また、私は、現地に出かけ、住民の方々の御意見を伺ったり、自由濶達な議論を交わすことを信条としておりますことからも、今後も必要に応じて現場に出かけてまいります。  阿智村の社会環境アセスメントについては、住民理解を得ていく上でのプロセスの参考事例の一つとして認識いたしております。  また、先ほど御指摘がございました兵庫県上郡町における施設整備に向けた取り組みを踏まえ御提案をいただきましたが、同町の取り組みは、町という単体の行政区域内であること、また町民みずからが排出する一般廃棄物であることから、町民みずからが取り組む課題として理解が得られやすい手法であろうと考えております。  他方で、複数の市町村にまたがり広域的に現在は処理が行われております産業廃棄物について、直ちに御提案の手法をそのまま活用できるかという点は難しい面も考えられますことから、検討してまいりたいと思います。  いずれにいたしましても、県としては、徹底した情報公開と開かれた苦い話し合いを通して住民の方々の御理解をいただく努力をしてまいります。  輸入生鮮農産物に対するセーフガード発動への御質問でございます。  輸入生鮮農産物急増の状況下において国内農業生産の安定を図るため、政府は、セーフガードに係る実態調査をネギ、生シイタケ、イグサについて昨年12月より開始いたしております。本県は、レタス、白菜等の生鮮野菜の有数の生産県であることから、セーフガードの発動については重大な関心を持っております。  また、本県が認定農業者500人を対象に昨年9月に実施したアンケート結果でも、不安定な農産物価格や輸入農産物の増加を緊急課題としてとらえているという回答が極めて多く、輸入生鮮農産物急増対策は本県農業の重大な課題の一つと受けとめております。  以上のような考えから、セーフガードの迅速で短期間の発動ができるような体制づくりについて、去る2月21日にも農政部長より農林水産省へ要請を行っております。今後も、国の動向も見据えた上で、輸入生鮮農産物の急増に対するセーフガードの発動について引き続き国に要望していくとともに、競争力の強い長野県農業の創造に向けてまずは私たちからも取り組むということが肝要であろうと考えております。  農業の現状認識でございます。  昨日も花村議員にお答え申し上げましたが、本県の農業は、ハンディキャップを物ともしない農業者の高い技術力とたゆまぬ努力により、全国有数の農業県として発展してまいりました。また、変化に富んだ自然条件と大都市に比較的近いという立地条件を生かし、園芸作物を中心に、米、畜産などバラエティーに富んだ農業生産が営まれてきております。しかし、残念ながら、全国的な傾向でもございますが、景気の低迷や産地間競争の激化、農産物の輸入増大などにより農産物価格が全般に低下しておりまして、農業経営に深刻な影響を与えていることは皆様も御存じのとおりでございます。  他方で、本県の立地条件の優位性を生かしながら、創意工夫を行い、企業的な農業経営を行う先進的な農業者も県内各地域におりますので、農業・農村の将来に大きな期待をしております。また、国土や環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承など、農業・農村の持つ多面的な機能は極めて重要であると認識いたしております。
     続いて、土地改良法の一部改正案についての御質問でございます。  今国会で審議予定の土地改良法の一部改正案では、生活用水、自然環境の保全、良好な景観の保全等の多面的機能を有する農業水利施設を、農業者のみならず地域住民で支えていく管理体制の整備等を内容としております。  農業用水は、食糧の安定供給に欠くことのできないものであるとともに、多面的機能を有する国民的な財産であるため、農業水利施設の維持管理は極めて重要であると考えております。現在、維持管理に対する国の補助制度はあるものの手薄な状況にあるので、管理体制をはぐくむという観点から、土地改良法の一部改正にあわせて、より一層の制度充実が図られるように国に対しては働きかけてまいりたく思います。また、県としては、今後、農業水利施設を農業者と地域住民が一体となって支えていく管理体制づくりに積極的に取り組んでいきたいと考えております。  プロジェクトチームに関しての御質問でございます。  信州農産物マーケティング戦略推進プロジェクトについては、従来から実施してきております生産振興中心の農業施策だけではなく、信州農産物の高付加価値化の推進や、消費市場にターゲットを定めた独自のマーケティング戦略によるブランド確立が必要と考え、設置することといたしました。  品目の選定に当たっての視点は二つございますが、その一つは、かつて本県が全国的にも確固たる地位を占めていたものの、現在は産地間競争の激化等により相対的な地位が低下するなど難しい状況に置かれている品目ということでございます。その意味で、花卉、キノコ、食肉を代表的に選定したものでございます。また、キノコの検討に際しては、同時に、林産物である山菜も対象としたところであります。  もう一つについては、特に地域の総合的な活力を高めるための視点から、本県を訪れる多くの観光客にアピールでき、県外の都市住民にも受け入れられ、地域イメージを高める素材ということで、ワイン、乳製品を代表的に選定したものでございます。乳製品はチーズ、ヨーグルト等を含み、またワインの検討に際しては、各地域に特色ある製造元があまた存在する日本酒も対象としております。  いずれにいたしましても、今回の5品目についてはあくまでも当面の対象と考えているところでございまして、今後は、さらに、これらの検討の広がりや深まりに応じて、対象品目の拡大も随時検討してまいりたく思います。  キノコ農家の現状に対してでございます。  長野県のキノコ産業は、全国的にも、エノキタケ58%、ブナシメジ55%と高い市場シェアを占めております。また、多くの雇用の場を提供するなど、本県農業と地域経済を担う重要な産業になっております。しかしながら、全国的な供給量の増加や品目間競合及び輸入キノコの急増等により平成10年以降大幅な価格下落が続き、昨年秋以降やや回復傾向となったものの、経営不安が解消できる価格水準にはいまだ至っておりません。多額な投資を行っているキノコ経営者にとっては、引き続き厳しい状況にあると認識いたしております。  今後の経営安定対策としては、引き続きキノコ価格安定事業や経営診断・指導事業を実施するほか、平成13年度においては、既往負債の借りかえ資金の融資枠を3億円から5億円に増額したほか、既借り入れ制度資金の償還期間及び据え置き期間の延長を検討してまいります。  また、キノコ経営問題の基本的解決のためには、キノコ消費の季節的変動や地域間格差の解消が重要でもあることから、今後は、サラダ感覚で食べる夏場のキノコ料理や、新たな加工品の開発、信州発のキノコ食文化の情報発信などに取り組むとともに、信州農産物マーケティング戦略プロジェクトのきのこチームの中で早急にキノコ基本戦略の検討を行ってまいります。  介護保険制度に関する御質問でございます。  介護保険制度がスタートし、1年が経過しようとしておりますが、この間、大きな混乱もなく、おおむね順調に実施できたと考えております。この介護保険制度は、保険料を負担する被保険者、保険者である市町村、サービスを提供する事業者など、多くの方々に支えられて初めて成り立つ制度でございます。この制度を円滑に運営していくためには、県民の皆様の御意見をお聞きし、十分な御理解と御協力を得ながら、市町村とともに努力していく必要があると考えております。  県といたしましては、介護を必要とする方々がその選択と必要性に応じて質の高いサービスを御利用でき、御本人やその家族の方が安心して生活を送れるよう、居宅、また施設の両面のバランスのとれたサービス基盤の整備、介護支援専門員などの人材の育成、事業者指導を通じたサービスの質の向上などを図ってまいりたいと考えております。  県土の均衡ある発展についての御質問でございます。  各地域のリーダーや県民の皆様の間に南北格差の意識があるという御意見については私も承知いたしており、また、そうした言葉が存在すること自体がゆゆしき長野県の問題であると認識いたしております。この問題については、公共事業の投資額のレベルを合わせる、あるいは箱物をひとしくつくるという発想を超えて、地域をトータルにいかにデザインをしていくかという原点の視点から意識の解消を図っていかねばならないと考えております。  公共事業においても、例えば木曽川右岸道路のように、真に必要な事業は地域バランスという視点からだけではなく実行してまいる必要がございます。また、これからは、歴史や文化、人材などソフト面の資源を十分に生かして、特色ある取り組みを進めていくことこそが重要であると考えております。  また、県庁への距離が近い、遠いということが格差意識の一因と考えられるという御指摘からも、私は、長野もうでという形で市町村の皆様とお目にかかるのではなく、私の方から課題のある現場に出向いて、実際に皆様の声に接するよう心がけております。また、来年度からは、月のうち連続して3日、4日を県内各地の私どもの合同庁舎等を初めとするところに出向いて執務をし、さらにつぶさに現場を見て、さらに多くの皆様の声をお聞きしたいと思っております。  このような基本的な姿勢で、地域によるさまざまな違いというものを、格差ではなく特色として感じられるような県づくりに取り組んでいきたいと考えておりますし、同時に、こうした私の理念のもとに、多くの県民の皆様が今までにも増して県政のあり方というものを自分の日常の生活の中の一つのものとしてとらえ、多くの方が県政の動向にマスメディア等を通じて注目をし、そして日ごろの会話の中でもお話をいただき、また、できることから自分たちも参加し考え行動していこうという動きが各地で芽生えておりますことは、短期間ながらも、就任いたしましてからの私の大きな喜びとするところで、そこに甘えることなく、これからも、多くの県民の皆様と御一緒に、全国に発信できる長野モデルとしての地方自治を進めてまいりたいと考えております。  松本糸魚川連絡道路についてでございます。  平成12年度は9市町村において住民説明会を開催いたしましたが、この道路の計画に関しましては、賛成、反対を含めてさまざまな意見がございます。また、白馬以北と大町市以南、あるいは高瀬川の右岸、左岸においても意見の違いがあろうかと思われます。さらには、既存道路との整合性を含め、だれのためにどのような道路が必要なのか、もう一度組立て直さねばいけないのではなかろうかとも思っております。  今後、でき得る限り早く私が現地に、これは、1日にして糸魚川から松本まですべての場所で皆様とお目にかかり現地を見ることは物理的にもかなわぬことではありますが、私は、この計画の現地に足を運び、状況を把握するとともP.274 に、皆様と平場で話し合いを重ねる中で一定の方向を見出していかねばならないと考えております。  教育問題に関してお答え申し上げます。  教育問題に関する検討会議の必要性は、長野県の将来像を描いた上で長野県の教育を語り、この会議で得られた意見、提言を私たち一人一人が実現に向けて取り組むことこそが、教育県長野が真の意味で再生されると考えるからでございます。  教育を語ることは私たちの社会のあり方を語ることでもあり、また、私たちの社会の今後を見据えての議論の中には、教育の問題というのは一つの大きなファクターとしてとらえられなければならないと考えております。  続いて、教育委員会の独立性等との関係でございますが、教育委員会は、地方自治法に基づき、政治的中立性を確保するために設置された行政委員会の一つで、職務権限については独立性が認められていることは十分私も認識いたしております。  知事直轄の会議が発信する意見、提言をどのように考え、どのように教育行政に生かしていくのかは県教育委員会自身が判断することではあり、決して独立性や中立性を知事直属の教育問題の検討会議の設置自体が脅かすことにはならないと考えております。  人選については、私を含め、県政のアドバイザー役を務めていっていただく、県内外から選任する特別顧問等を中心メンバーとして進めてまいります。  人権問題についてでございます。  同和地区出身者への差別や、子供への虐待、また夫から妻への暴力など、いまだ、物質的には豊かな日本においても、心を痛める人権問題が起こっておりますが、人権は、社会において皆ひとしく一人の人間として尊重され、生活を営むことを保障されている権利でございまして、この権利はだれにも等しく与えられなければならないわけでございます。  まずは、私は、ありのままの歴史と現実を見詰め、社会の中で弱者と呼ばれる人々の気持ちを行政が感じとり、きめ細やかに手を差し伸べ、確かな形として人々があらゆる場合に同じようにチャンスを与えられる、こうした意味での差別のない明るい長野県を築いてまいりたいと思っております。  人権尊重は、他者への優しさ、思いやりが根底に必要であり、社会の中だけでなく、日常の生活の中にある小さな差別にも常に目を向け、一人一人が心を開いて人権問題を話し合い、目に見える形でも、あるいは目に見えない形でも、この社会にいまだ存在する差別をなくす行動を実践する社会の実現に向けて努力していくことが必要でございます。  続いて、長野朝鮮初中級学校の移転、新築に関しての御質問でございます。  従来から、長野朝鮮初中級学校は学校教育法上の各種学校として位置づけられており、同校の移転、新築に特別な助成を行うことは、他の私立各種学校との均衡上難しい面がございます。けれども、長野朝鮮初中級学校には県内の小中学校と同じ年齢の児童生徒が通学しており、それらの父母の方々の負担も大きくありますので、運営費に対する補助制度を創設し、長期的な視点での支援を行うことを決めさせていただきました。  観光振興についてでございます。  観光ニーズの多様化や、高速交通網整備に伴う地域間競争の激化、長野県観光地が大都市圏からの日帰り圏に入ったこと等により、本県観光は大きな転機に立たされております。こうした状況に対応するため、現在、21世紀初頭の観光振興のあり方を展望する新しい観光ビジョンの策定が進められております。  これからの観光を考えるに当たっては、観光客の皆様に満足していただくとともに、これを迎える地域住民や観光事業者もともに満たされるような形を目指すことが大切であります。  こうした理念のもとに、地域特性を生かした参加・体験型観光の推進、観光産業従事者の人材育成、観光地のバリアフリー化、観光情報提供におけるIT化の推進、長野の国際的知名度を生かした国際観光の振興、豊かな自然を生かした滞在型観光の推進、観光地をつなぐ広域連携の促進などの諸施策を総合的に展開してまいります。  御存じのように、長野県には、美しい自然を初め、豊かなコンテンツとしての観光資源が多々ございます。同時に、これからは、温かいお食事やあるいはさまざまなニーズに応じた価格設定を行うことにより、これらの資源を真の意味で生かすサービスやホスピタリティーのあり方について、新年度からホスピタリティ研究会を設け、第一線で活躍しているプロフェッショナルの皆様等を招いて、具体的検討を県民の方々とともに進めてまいります。  しなの鉄道の問題でございます。  しなの鉄道の経営改革案は、しなの鉄道経営改革検討委員会において、本年10月をめどに取りまとめることとしております。2月21日に開催されました第1回の検討委員会では、初顔合わせにもかかわらず、各委員の皆様から積極的、かつ前向きな意見が出されたという報告を受けております。多角的な観点から実効性のある経営改革案を取りまとめていただけるものと期待いたしております。  しなの鉄道は、通勤、通学はもとより、地域経済にも多大な貢献をしておりますことから、地域に愛され親しまれる鉄道として経営の健全化が図られるよう、沿線市町村等の協力を得ながら、県としても引き続き最大限の努力をしてまいりたいと考えております。  亜硝酸ナトリウムの落下事故についての御質問でございますが、亜硝酸ナトリウムの落下事故については、県民の皆様に大変御迷惑と御心配をおかけいたしました。職員からの報告を受けた時点で既に落下物は回収され、幸いにして人的被害も出ていないことが判明いたしておりましたが、かかる事故の重大性、危険性にかんがみて、直ちに事故の経過、対応の問題点の検証を指示をし、それを受けて、後日、詳細にマスメディアを通じて県民の皆様にも発表させていただいたところでございます。  この事故に対する危機管理の問題点として、劇物である亜硝酸ナトリウムが落下した場合に生ずる健康被害にかかわるさまざまな危険性について創造力が足りなかったこと、本庁と保健所等関係機関相互の連絡体制が十分に機能していなかったこと、住民への適切な情報提供が速やかに行われなかったこと、事故当事者から関係機関に速やかな通達がなされなかったこと等が挙げられます。これらの反省に基づいて、直ちに、保健所に対して毒物・劇物事故発生時における本庁への速やかな報告、警察、消防機関等関係機関との連携等について徹底を図るよう指示を行うとともに、職員研修会を開催し職員の危機管理意識の醸成に努めてまいりました。  また、県内の毒物・劇物製造業者及び運送業者に対して毒物劇物事故対策研修会を実施し、事故の未然防止と万が一の事故発生時における関係機関への速やかな通報等について徹底を図っております。  今後は、こうした事故も含め、危機発生時の初動対応を誤りなく迅速に行うため、過日から申し上げている仮称としての災害危機管理指令室を設置し、県民の命と健康を守るべく努めてまいりたいと思います。  豪雪時における道路除雪体制の強化についての御質問でございます。  北信地域とは異なり、雪に余りなれていない中南信地域において記録的な大雪が集中的に降ったため、高速道路を初め幹線道路等で通行どめとなりました。現地では懸命に、皆様の御協力も得て除雪作業を行っておりましたが、ノーチェーンの大型車等のスリップ車両の処理や渋滞により、結果として除雪に多大なる時間がかかりました。  また、このたびの大雪は、道路除雪を担当する高速道路、一般国道、県道、市町村道それぞれの管理者間の連携、また道路を利用される方々への情報の提供について多くの課題を残しました。こうした教訓をもとに、県の土木部、日本道路公団、国土交通省、市町村や県警本部等が連携して長野県雪対策道路連絡会議を2月27日に設立し、道路除雪や道路渋滞に対応するとともに、道路情報の収集、提供等の具体的改善を行うための取り組みを開始しました。  私自身の危機管理意識と対策について、あわせてお答え申し上げます。  天災、人災を問わず、県民の生命、財産を脅かす不測の事態に対処し、速やかに情報収集すると同時に危機の状況に応じて的確に判断し、知事である私から直接あるいは間接に関係部局に、県民の皆様への情報提供や具体的対応について必要な指示を出すことが、サーバントリーダーたる私の責務と考えております。  土木部、農政部、林務部、建設事務所、地方事務所、保健所、消防防災課、秘書課など関係部局の職員が、それぞれの持ち場において、関係者と連携をとりながら、被害状況の収集や対応に当たりました。これらの各職員の奮闘には、私も大変に感謝をいたしております。私自身は、生活環境部や土木部などからの情報をもとに、秘書課長また秘書課職員と被害状況等について逐次電話やメールで連絡をとり合い、通行どめや停電への対応などについて指示を行ってまいりました。  また、予定を1日繰り上げ、県庁に戻って陣頭指揮をとり、日本道路公団に除雪について協力をお願いするなどしたところでございます。  が、既に申し上げましたように、結果として御批判があるのは事実であり、今回の大雪を教訓として、さらに220万県民の生命と財産を守るサーバントリーダーとしての役目を果たしてまいりたいと考えております。  先ほど述べました危機管理に対します私の考え方を具体化するためにも、道路管理者間の連携強化、大雪警報発表時の道路情報、鉄道情報、松本空港情報の県のホームページへの掲載など、一部新しい対応を早速実行に移しているところでございますが、今後は、仮称としての災害危機管理指令室の早期立ち上げ、情報収集と県民への情報提供のあり方の検討、また携帯電話によるインターネットアクセスのホームページの作成、自衛隊など県以外の関係機関との連携方法の検討、地震等の大災害に遭遇した県内外の市民の生きた知恵としての具体的対処法を編さんしたハンドブックの作成など、危機管理対応の充実に一層努めてまいります。  続いて、私は、これまで、県民益の観点からいまだ議論のある県の事業や、公共性が強くまた県民の皆様の関心も高い事項について、忌憚のない論議を提起してまいりました。私の発言を契機に、今まで県民の皆様が、既にプロセスを踏みリセットはもはやできないと考えていたことでも、十分な民主主義のプロセスが尽くされていない場合には、県民益、公共性の観点から再度の検証が可能であることを認識し、思考覚せい状態の中で、広く、また年齢、地域の差なく、自由濶達な議論をいただいております。このようなプロセスを通して、最終的により県民益に沿う形で県の事業の執行、関係機関への要望等を行っております。  また、こうした検証の過程や結果等について、つまびらかに広く県民の皆様に知っていただくため、毎週、記者会見を開く等、マスメディアを通じた情報提供も積極的に行っております。  みずからの発言に対しもっと慎重であるべきとの御意見ですが、私は、サーバントリーダーとしての矜持を持ってこれまで発言をしてきており、今後も、みずからの信念に従って発言をしてまいりたいと考えております。  議員も御指摘であられましたように、各市町村長の方々と積極的に話し合い、地域の実情を十分に知ることは、県民益を実現する上でも極めて重要であると認識しております。4月からは、県下各地の事務所に出向き、執務を行うこととしております。その際には、各市町村長とも話し合い、理解を深め合うとともに、現場主義を掲げる私としては積極的に各市町村の現場に出かけ、地域の実情を勉強してまいりたいと思います。  私の就任後に閉塞感が仮に県職員の間に生じているのであれば、それは率直に反省し、さらに心を砕いて、また、透明性に欠けた政策決定や議論がいささか欠けた箇所づけが、あるいは県庁内の中堅や若手職員、また合同庁舎等で働く職員の間に自由濶達な議論や提言が行いにくい空気が万が一にも私の就任前にも漂っていたのであれば、こうした目に見えぬバリアを一つ一つ溶かしていくことこそが市町村の皆様とのパートナーシップにつながることであると考えております。  政策秘書室と企画局に関してでございます。  新たに設置する政策秘書室は、主として知事と各部局の連絡調整を行い、必要に応じて個別の課題について問題点の整理や政策立案の基本的な方向性を明らかにし、検討体制の立ち上げなどをリードする役割を担ってまいります。他方、企画局におきましては、県政運営の指針となる総合的な計画の策定など、県政の総合的な企画及び調整に関することを引き続き担当してまいります。  このように、政策秘書室と企画局の役割分担を明確にする中で、多様化する県民ニーズに的確に対応するため、個々の行政課題に対し、部局の枠を超えた総合的、一体的な施策の実施を図ることにより県民益の実現を図ってまいりたいと考えております。  特別顧問に関しての最後の御質問でございますが、ITの飛躍的な発展は、世界の枠組みを急激に変え、私たちの生活に大きな変化と影響をもたらしております。また、旧来型の社会経済システムが機能不全に陥る等、日本はまさしく明治維新に次ぐ転換点を迎えているわけでございます。このような先の見えない、また今までのマニュアルが通じにくい時代にあっては、政策決定においても、私一人の判断ではなく、あらゆる立場の皆様の御意見を集約していくことが大切でございます。車座集会、ようこそ知事室へ、インターネットやファクス等さまざまなチャネルを通じて県民の皆様一人一人の御意見をお聞きすることはもちろん、職員や議会の皆様、さらには市町村長の方々とも創造的な議論を行っていくことが必要でございます。  さらに、今日のようなドッグイヤーと呼ばれる変化の激しい時代においては、県内、県外という形にとらわれず、まさに長野県をよりよくする上でも、また長野県から新しい社会のあり方を長野モデルとして発信する上でも、そうしたアイデアを参集するべく、各分野の碩学と呼ばれる諸氏の専門的な見識も同様に必要となり、県境や国境を越えたグローバルな視点からの提言は必ずや真に豊かさを実感できる県民生活の実現に寄与するものと私は確信いたしております。  名称は特別顧問ではありますが、任命行為の伴うような立場ではなく、長野モデルを構築するためのアドバイザーとして依頼することから、行政組織の屋上屋となることは決してないと、このように考えております。  以上、宮沢議員の御質問に対して順を追ってお答え申し上げました。       〔社会部長上原芳晴君登壇〕 ◎社会部長(上原芳晴 君)お答えをいたします。  最初に、景気対策、雇用促進のうち、労働相談事業の拡充についてでございます。  県におきましては、現在、県下の各労政事務所におきまして中小企業の労使双方からの労働問題に関する相談に応じているところでございます。平成11年度の相談件数は、お話にもありましたように、1,504件でございまして、今年度におきましても、1月末までに既に1,077件の相談が持ち込まれております。相談内容につきましては、近年の厳しい経済情勢を反映いたしまして、賃金の未払いや解雇といった労働条件に関するものが最も多くなっております。  このような状況の中で、極めて専門的な知識が必要とされる相談に対しましては、相談者に適切なアドバイスが行えるよう、平成11年度から弁護士2名による特別労働相談を実施しているところでございますが、来年度からはさらにこの特別労働相談員を増員するなど、労働相談事業の一層の充実に努めてまいりたいと存じます。  また、昨年、国と県の労働施策の連携を確保するために、長野労働局と県により長野労働関係連絡会議が設置されましたので、引き続き、労働問題につきまして、長野労働局と密接な連携を図り、取り組んでまいりたいと考えております。  次に、介護保険について順次お答えをいたします。  まず、介護サービス基盤の整備でございますが、介護サービス基盤の整備につきましては、信州ゴールドプラン21に基づいて、今後とも積極的に進めてまいりたいと考えております。  このため、新年度当初予算案では、特別養護老人ホーム14施設618人分を初め、利用者の方々の身近な在宅サービスを提供するための施設であります痴呆性老人グループホーム、ショートステイ、デイサービスセンターなどの施設整備費をお願いしているところでございます。さらに、介護保険のサービス提供において大きな役割を果たす介護支援専門員やホームヘルパーの養成のための研修等を実施いたしまして、人材の養成に努めていきたいと考えております。  また、低所得者対策につきましては、介護保険制度の円滑な運営のために非常に重要であり、県としても国にその充実を要望してまいりましたが、今回、社会福祉法人による利用料の減免要件が緩和されまして、対象が拡大されたところでございます。  県といたしましては、この制度を十分に活用していただくよう、積極的な実施を市町村及び社会福祉法人に働きかけているところでございまして、今後とも低所得者に対する十分な配慮に努めてまいりたいと考えております。  次に、リハビリテーションを提供する施設の整備でございます。  本県は全国有数の健康長寿県として注目を集めておりますが、今後、高齢化が進展し、要介護、要支援になる可能性の高い75歳以上の後期高齢者の方々の割合が高くなってまいりますことから、介護を必要とする方の増加が予想されているところでございます。  本県の健康長寿県としての特徴を引き継ぐとともに、できる限り御本人の御希望に基づいて在宅での生活を続けていただくためには、在宅の高齢者の方がリハビリテーションを受けられる環境の整備が非常に重要であると認識しております。このため、新年度当初予算案でも、リハビリを行うことによって在宅での生活の支援を行うための施設として、通所リハビリテーションなど日帰りや短期入所でリハビリが受けられる施設をあわせ持ちます老人保健施設について、5施設分の整備費を計上したところでございまして、今後とも、地域の需要を勘案しながら整備を促進してまいりたいと考えております。  最後に、介護報酬単価の引き上げ等に関する見通しと対策でございますが、介護報酬の単価につきましては、国において、基本的に3年ごとに、各事業所の実態を調査の上、単価を見直すことになっております。  現場の方々に伺いますと、確かにホームヘルプの家事援助やお話にもございましたケアプラン作成等の報酬が低いとの御意見、御指摘がございます。単価の設定はサービスの円滑な提供に密接にかかわるものでありますので、県では、事業所に直接出向いて行う指導の機会等を通じまして、さらに現場の皆さんの御要望、生の声をお聞きしながら、この介護報酬が実態に見合った適切な額になるよう国に対し必要な働きかけをしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔生活環境部長中平龍興君登壇〕 ◎生活環境部長(中平龍興 君)不法投棄やダイオキシン類に対する監視指導等に対するお尋ねでありますけれども、不法投棄あるいは不適正処理防止対策につきましては、一昨日、昨日、県政会、県民クラブの代表質問にもお答え申し上げておるわけであります。  これらの事象が増加している現状から、監視・指導体制の強化につきましては、環境施策の中でも最重点課題として取り組んでまいっているところでございまして、新年度におきましても、不法投棄監視連絡員の増員や不法投棄110番の新設など、一層の体制の強化、充実を図ったところでございます。  しかしながら、実効ある取り組みのためには、県民や連絡員からの情報に対して迅速かつ的確に対応することが何より必要でございます。監視、指導に携わる職員に対して、より実践的で実務的な研修を実施していかなければならない、そして、職員一人一人の意識を高めて早期対応に努めていかなければならない、こんなふうに考えております。さらに、排出事業者それから処理業者に対しましても、今まで以上に厳正できめ細かな監視、指導に努めてまいりたいと、こんなふうに考えております。  また、ダイオキシン類の排出抑制対策につきましては、焼却施設の適正な維持管理だけではなくして、燃やすものを減らす、いわゆる廃棄物の減量化あるいはリサイクルの促進がダイオキシン類の削減に向けた根本的な対策でございますことから、多量に排出する事業者に義務づけられました減量化計画に対して積極的に助言をいたしますとともに、その計画あるいは実績を公表いたしまして、着実な取り組みをしてまいりたい、こんなふうに考えております。  環境保全の面、あるいはまた廃棄物処理に対する県民の信頼確保のためにも、不法投棄の防止あるいはダイオキシン類の削減に向けた監視、指導は大変重要な責務でございます。今まで以上に、市町村や県警と連携を図りながら、積極的な取り組みをしてまいりたいと、こんなふうに考えておりますので、よろしくお願いします。  以上であります。       〔農政部長中村武文君登壇〕 ◎農政部長(中村武文 君)農政関係のお尋ねについて順次お答え申し上げます。  最初に、農業の担い手育成対策と新規就農者に対する支援策でございますが、担い手育成対策については、農業改良普及センターにおける各種研修、国内外の先進的農家における実務研修や、農業青年クラブの活動支援を行っております。新規就農者支援策につきましては、他産業からの就農希望者を対象として、県が行う短期農業研修のほか、市町村段階で行う就農トレーニング農場による実践的農業研修や、畜舎、農業機械、施設のリース及び農地の貸し付けに対し支援を行っております。  さらに、無利子の就農支援資金において、新たに、無担保、無保証人でも借り入れ可能な資金を設けております。  2点目の直接支払いを農地全体に拡大することについてでございますが、中山間地域農業直接支払事業は、国が学識経験者から成る中山間地域等直接支払制度検討会を設置して検討した結果、急傾斜など生産条件が不利な農地を対象として実施することとしたものでございますので、現段階では農地全体に拡大することは困難であると考えております。  しかしながら、5年後には制度全体の見直しを行うこととされておりますので、県といたしましては、御指摘の点も踏まえ、要件緩和等必要な事項について国へ要請してまいります。  3点目のブランド米づくりや日本食の普及、米の消費拡大についてでございますが、米の安全性、おいしさ、簡便性、機能性などについての消費者ニーズの変化や外食産業での利用動向などを踏まえて、平成13年度から、生産者団体とともに、品質本位でニーズにこたえる長野米ブランドづくりに向けて、米の品位、成分、食味のさらなる向上対策や、若者や高齢者などのニーズを踏まえた炊飯、調理の簡便化などの検討を進めてまいります。
     さらに、食生活指針の啓発イベントや料理講習会の開催などにより、米を中心とする日本型食生活の重要性や有用性について県民の理解を深めてまいります。  4点目のプロジェクトで取り組むワインの範囲、リンゴを含むか否かでございますが、リンゴなどブドウ以外の農産物を原料にしたワインについても対象といたしまして、あぐり指南役の御指導、御意見をちょうだいしながら幅広く検討してまいります。  5点目の畜産農家の育成と環境衛生対策でございますが、畜産農家の育成対策については、家畜の能力や生産技術の向上、自給飼料の増産などを推進し、ゆとりと魅力ある畜産経営の育成に取り組んでまいります。  環境衛生対策については、家畜排せつ物適正処理支援チームによる農家の巡回を通じて家畜排せつ物の適正処理について支援をするとともに、堆肥舎等の処理施設、処理体制の整備などに対し引き続き助成してまいります。  6点目のプロジェクトチームで検討される5品目の生産振興と販路拡大でございますが、花卉については、標高差を利用した長期安定出荷と施設化による周年栽培の推進、需要を先取りした産地オリジナル品種・品目の開発を進めます。キノコについては、生産者の経営確立を主眼として、品質及びコスト管理の徹底や、法人化などによる企業的な経営の推進を図ってまいります。乳製品と食肉については、県産の安全で高品質な畜産物を安定的に供給できるよう流通体制の整備や高付加価値化を図るとともに、ゆとりと魅力ある畜産経営の育成に努めてまいります。ワインについては、その太宗を占めるブドウでは原料ブドウの品質が大きく影響することから、既存のブドウ産地だけでなく、新たな栽培適地の検討や新品種の開発などについてワインメーカーと一体となって進めてまいります。  また、販路拡大については、品目別のプロジェクトチームにおいて効果的なマーケティング方法を検討し、新たな信州農産物のブランド化、高付加価値化を図ってまいります。  7点目の環境に優しい栽培技術の開発と堆肥の利用支援策でございますが、県は、2010年長野県農業長期ビジョンに基づき、環境に優しい農業を重点施策として推進しておりまして、耐病性品種の育成、天敵昆虫等を利用した病害虫防除、作物の株元への施肥による肥料の削減技術など多くの技術を開発し、普及に移してまいりました。今後とも、技術開発とその体系化に努めてまいります。  堆肥の利用支援策については、堆肥の円滑な生産、流通の促進を図るため、長野県堆肥生産利用促進協議会によりインターネットで堆肥生産者リストの提供をしておりますが、今後は需給調整機能を備えるなど、その充実に努めてまいります。  さらに、高品質な堆肥の生産施設の整備や運搬、散布などに対しても、各種助成事業により引き続き積極的に支援してまいります。  最後に、冷凍野菜の輸入急増に対する県の取り組みでございますが、近年、国内野菜消費の約5割を占める加工・外食産業が輸入冷凍野菜へのシフトを強めているため、生鮮野菜の輸入急増と相まって、国内農業へ重大な影響を及ぼしております。このため、一般セーフガード、緊急輸入制限措置の的確な発動を国へ要請しております。  また、JAS法に基づく原産地表示の徹底による差別化を図りながら、新鮮、安全な県産野菜の安定供給に努めるとともに、加工・外食産業などの実需者ニーズにこたえる高品質野菜の安定的供給体制の強化に努めてまいります。  以上でございます。       〔教育委員会委員長宮﨑和順君登壇〕 ◎教育委員会委員長(宮﨑和順 君)お答えいたします。  知事発言や知事直属の委員会等についての見解とのお尋ねでございますが、ただいま知事から答弁がありましたとおり、教育委員会は政治的中立性を確保するために設置された行政機関であります。法に基づき職務権限と定められている教育に関することは教育委員会が判断することになっておりますので、本県教育の改善につながる提言については、知事と連携を図りながら、教育委員会の会議に諮って決定してまいりたいと考えております。       〔35番宮澤宗弘君登壇〕 ◆35番(宮澤宗弘 君)それぞれ答弁をいただきましたが、何点かにわたり再質問を申し上げたいと思います。  まず、根回しに象徴される密室の料亭政治型という文言については、我が県会議員の質問に対し、この議場からの発言でございます。したがいまして、長野県議会を指しているかに受けとめられかねません。議事録は永久保存になっておりますし、これをお聞きになっている国民、県民の皆さんに大きな疑惑を生じさせることになります。したがって、この発言は撤回を求めます。  次に、下諏訪ダムの件についてでございます。そして、脱ダム宣言についても触れさせていただきたいと思います。  私ども、脱ダム宣言に対する理念そのものは尊重し、共鳴をするものでございますが、実際、行政を営み、住民に対して責任を持つということは、理念は持ちながらも、足元をしっかり見詰め、より現実的な対応をすべき問題だというように考えます。したがいまして、今回の脱ダム宣言が知事の言われるように崇高な理念であっても、知事一人が判断し発したということでございまして、まだ住民合意も庁内合意も議会合意もできておりません。ある面ではいびつな脱ダム宣言であるというようにとれますし、せっかくいい理念でも、一方通行で、これはいびつになってしまいます。したがって、知事の見解を改めてお伺いをいたします。  そういった中で、全く突然といわれるような手法で発せられた脱ダム宣言、2月20日でございますが、このときには、もう一回お聞きしますが、対案を持ち合わせているかに記者の皆さんには報道しながら、対案は持ち合わせていなかったという判断をさせていただいてよろしいわけですね。  それから、治水の安全性について、今回、下諏訪ダムについての治水対策は50分の1というようなことで発言をされております。浅川ダムは100分の1、100年に1回の洪水ということでございますが。とすれば、220万県民に対して知事は差別をする。命の大切さは同じだと思いますが、片方は50年、片方は100年ということになれば、下諏訪地域の皆さんの命は浅川流域の皆さんの半分のとうとさ、こんなことになってしまいますけれども、これだと今までの計画から大きく後退をすることになり、住民理解が得られないのではないかと、このように私は感じます。御見解をお示しください。  また、住民参加の河川対策ということを言われますが、この住民参加の範囲はどのような範囲を想定されているんでしょうか。メールやファクスや携帯電話、もろもろの関係で全国の自然保護団体が大挙押し寄せ発言をしたものも住民参加と言われるのか。住民参加と手法について、その範囲を明確にお示しをいただきたいと思います。  それから、200戸に及ぶ家屋が移転ということになりますれば、今までダムに反対をしていた皆さんが仮にその中に大勢いたとしても、突如として河川拡幅の話が出、堤防かさ上げの話が出たよということになった場合、私どもの選んだ知事さんだから間違いない、知事さんの言うことを聞いて素直に我が家は移転しましょうなんてことになれば大変結構なことでございますが、恐らくそのことは不可能に近いんではないか、こんなふうに感じまして、机上の論理がそのまま現実に当てはまるということは考えられません。実現するには、恐らくオリンピック道路をあけた以上に困難が伴うものと私は感じます。見通しについて明確にお示しをいただきたいと思います。  それから、特に今回は、地元の市町や住民の皆さんとの合意形成がなくて、急遽、かさ上げ、しゅんせつ等が打ち出されたわけでございまして、地元の戸惑いが大変あるということはテレビ等でも昨夜放映されておりましたが、住民の気持ちを大切にするといわれる知事のこの手法が果たして正しいものであるのかどうか。  例えば、私どものところでも、かつては高速道路の問題で大変反対をした経過もございます。私自身も反対をする先頭に立ったこともございます。これは、当時、農地が大変大切でございました。農民の土地を奪うことは労働者の職場を奪うことにつながり、さらに公害と地域分断をもたらすのみだということでございましたが、南北に長い我が県土においてはどうしても必要だということでございますので、私は最後は中央道推進特別委員長に就任し促進をしたという経過がございます。私の家から300メートルほどでございますので大変騒々しいわけですが、県民益から見れば、一部騒々しさはあっても、大いに貢献をしているということでございます。  したがいまして、今回の脱ダム宣言は、絶対にダムはだめだということでなくして、むしろダムも認めつつ、そして下諏訪ダムは中止ということでなくして、ダム方式については一時凍結をするというようなことの中から、中止ということは撤回をされて、住民とともに、関係者とともにダムも含めた新たな方策を模索するのが筋じゃないか。ダム中止ということになれば、先が断たれてしまって、なかなか解決する糸口が見えてこない、また、住民に混乱を起こすことになるというように思います。  それと、コンクリートダムという定義について、知事はコンクリートダムはすべて悪いというように思われておいでなのかどうか。昨日の佐野議員の代表質問に対してもしっかりした答えが出ておりませんが、長野県は大変急峻な地形が多うございまして、どうしても砂防ダム等は必要でございます。ダムを一切──緑のダムというのは、ダムの呼称としてはしっかり存在していなくて、まだ科学的な根拠もしっかり出ていないということでございます。構造物としてのダムを私は指したいと思いますが、構造物としてのダムを一切否定されるということではないというように受けとめてよろしいわけでしょうか、お伺いしたいと思います。  あと、不足の場合は3回目の質問をさせていただきますが、ただ、ダムを中止とした場合、まだ新たな方向づけがしっかりできていない段階で、不幸にしてことしは大変大雪が降りました。きのうも言っておりますように、災害がいつ生ずるかわかりません。雪崩が出たり、大雨が降ったり、台風が来て大洪水が出て災害が発生し、住民に対する被害が生じたときには、国家賠償法の第2条により県の補償責任が生じないのかどうか。法的な問題でございますけれども、私は、ダムをやめて仮に災害があった場合は、国家賠償法に基づき長野県がその責任を負うということになろうかと思いますが、見解をお示しいただきたいと思います。知事が発した脱ダム宣言ですから知事に損害賠償請求がいけばいいわけですが、多分長野県がしょうことになってしまうんではないでしょうか。  それから、一昨日の代表質問において、造林関係ではたしか新聞報道では9万5,000人というように報道されたと思いますが、これは年間200日くらいに換算すれば480人程度の雇用が増加すると。中村議員の方からも質問をされ、再三にわたり説明を受けたところでございます。480人くらいというと1市町村に3名くらいだと、こういう話もございました。ところが、公共事業、平成12年9月現計に比較して253億、14.3%という減額になったわけです。253億余といえば大変な金であるわけでして、この件によって、そういうことがなければいいんですが、中小零細企業は大打撃を受け、ある程度倒産をされるんではないか、そして、中高年齢層の皆さんは失業し、家庭も含め路頭に迷うんではないか、こんな気がしてなりません。  そこで、産業連関表などを用いることによって減少する雇用数を机上で計算することは可能であるけれども、ここでは発表できないということでございますが、造林の方は発表されて、公共事業の減じた方は数値が出ないということはいささか疑問に思うわけでございまして、そうでなければ、この予算はどのように組み立てて計算をされ提案されたのか、その根拠が具体的にないことになりまして、裏づけがないわけでありますから全くでたらめな予算提案というようなことにとられかねません。したがいまして、造林業の方で示されましたように、ダムも机上の計算でございますから、机上の計算で結構ですから明確に数字をお示しいただきたいと思います。  それから、知事は有能でございますから、言葉を大変上手にお使いになります。その発せられた言葉に対して責任を持つということを言われておりますが、果たしてすべてがそのようにいえるでしょうか。私は全部を否定はしませんけれども、一部検証してみたいと思います。  まず、昨年12月の議会でも指摘を受けました。土木部長、会社でいえば部長級は重役の一員でございます。最も意思を共有し県政を運営しなければいけない重要な立場にあるわけでございますが、土木部長を雑誌上で批判し、指揮命令系統が二通りあるやに言われておりました。ところが、その後、性懲りもなく、木曽の車座集会においてこういうことを発表されております。例えば、県立病院の経営問題に触れて、須坂病院のあり方を含めて、須坂病院は脳神経外科が要るのか、衛生部を全面的に見直さないといけないやの発言、さらに、それに加えて、生環部長はもうすぐ定年、自動的に生環部はよくなる。これは、各部の不満を大衆の面前で明らかにされているわけでございますが、このようなことは、職員、同志を心から思い、温かな気持ちで接している知事が発する言葉とは私は信じがたいわけでございますが、新聞に報道されていることをもって知事の意思であり命令であるということを言われておりますから、これは事実だと私は判断いたします。であるならば、知事がここで発する言葉と職員に接する態度が一致しているのかどうか、甚だ疑問でございます。ぜひこれからも職員を信用していただいて、ともに歩む長野県政をつくっていただくことを切に望むものでございます。  もう一つ、知事の言動について不一致な点がございます。知事は、就任の前10月24日、尊敬されている高知県の橋本大二郎知事との対談で、5歳未満の子供を持つ女性職員が夕方5時までに帰れるような職場にしたいと語っており、さらに、11月21日、中部圏知事会議の席上で、女性職員が午後5時に終業できることを考えている旨発言された。現実はどうでしょうか。  また、12月議会においても指摘されましたように、知事は時間的に大変ルーズで、約束の時間を守らないということで記者団からも申し入れをされた経過があるようですね。特に、予算査定は深夜から朝方までにも及んでいると。知事が外へ向けて発する言葉、この中のことは県民に見えないわけですが、そんな実態が県庁の中にあるわけです。  特別職はすべて仕事をしている時間である、自分の時間でもある、こういうことを言って、充実し、楽しく日々を過ごしているということでございますが、さらに、知事は常に、おてんとうさまに恥ずかしくないように、みずからの言動と行動に責任を持つ、こういうことも明言されておりまして、私も大変このことは結構なことだというように感じております。しかし、現実は大変ずれておりまして、職員の皆さん方が本当に5時に帰れるような職場に早くなっていただければいいなというように思いますが、これは当分無理じゃないかと、こんな気がしております。  この辺の不一致については知事自身どのようにお考えになっているんでしょうか、明らかにしていただきたいと思います。  それからもう一つ、特別顧問について……(「もうわかりました」と呼ぶ者あり)何がわかりましたか、もう質問がわかったんですか。私語を慎んでください。特別顧問について、知事は常に自力本願的でなければならないということを言っているわけです。人に頼む、頼むことは結構でございますが、例えば、特別顧問を頼むんでしたら、県内にも優秀な皆さんがいますし、プロジェクトチームでも検討委員会でも、こういうのをつくることも大変好きなわけですが、まず県内を重視して、長野県の人材を活用すべきだと思いますし、余り検討委員会、検討委員会ということで検討委員会をつくることは、ある面では知事の言う自力本願的でなくして他力本願的な思考になるんではないでしょうか。この辺をお聞きして、次に3回目の質問をさせていただきたいと思います。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいまの宮沢議員の御質問に関しましてお答えを申し上げます。  まず、最初の密室的な料亭政治というくだりのところでございますが、これは先ほども申し上げましたように、日本の政治のあり方に関して一般論として申し上げたことでございまして、撤回を申し上げる必要はないと考えております。まさにこの点に関しても、よりよい政治のあり方を皆様と御一緒に冷静に話し合える関係でありたいと考えております。  脱ダム宣言に関しましては、代表質問の場でこの宣言の理念に関してはお認めいただけるとの大変にありがたい援軍を得ましたことを、改めて私は県民とともに喜びたいと思っております。その上で、これは、まさに大きなパラダイムの展開という将来を見据えた新しい光がこの長野県から発せられるという、県民とともに歩むべき大きな喜びでありまして、これは、例えば他の国におきましても、日本が大きな明治維新という転換を乗り切りましたように、フィリピンにおけるマルコス独裁政権やルーマニアのチャウシェスク政権の終えんを挙げるまでもなく、真の民主的な社会を見据えての判断が必要で、これからも私は220万県民の皆様とともに判断を行っていく知事でありたいと考えております。  そして、でき得る限りという脱ダム宣言の言葉にもありましたように、でき得る限りコンクリートのダムを前提としない治水対策の第一歩を築くことが、私にとっての理念であり責務であると考えております。  そして、対案に関しての御質問でございますけれども、それは先ほども文章で読み上げましたとおりでございます。そして、この点に関して申し上げれば、御指摘の代替案、とりわけ家屋の移転という部分に拘泥なされている点があるかと思いますので、必要とあらば先ほどの文面をもう一度お読み直し申し上げることもできますが、私が申し上げてまいりましたことは、先ほども申し上げましたように、河道主義治水からの脱却、そのことによって地域の住民の皆様とともに支えられてきた伝統的な失われた技術というものをいま一度見出すということでございます。そして、いわゆるはんらん受容型の治水を行うということが、現在、中間答申が出された内容にもあるわけでございまして、その具体的な対策としては、流域の開発を総合的に管理して山林を適正に育成するとともに、都市部においては雨水の地下浸透や貯留によって流出の抑制を行い、また、先ほど申し上げた水害防備林、樹林帯を主体として、越流したとしても破堤させない構造の堤防にする。また、越流、はんらんした水は速やかに河道に還元できる工夫を講じ、はんらん域の家屋などは高床式の水屋にして、地下室などは耐水化し、また、はんらん域の農業被害に対しては補償があり、また、自動車の浸水被害に関しても自動車の耐水化を図り、そして、五つの案の中にもありましたような遊水池あるいはバイパスということも検討されるべき内容であります。  そして、先ほどの住民に対しての説明でございますが、本年1月23日の現地視察、住民の皆様との対話集会以来、関係部局から複数回にわたり説明や資料の提出を受けております。そして、サーバントリーダーである私自身が一人の市民として、みずからのスタンスを明確にしつつ、その市民の感覚に基づいて考え、知事としての責任と権限の範囲内において決断をしたものでございます。  地域住民の皆様へは今後できるだけ早い機会に直接説明に出向くとともに、岡谷市長と下諏訪町長に対しても、発表の後、私が電話で連絡を申し上げておりますが、可及的速やかに直接お目にかかってさらにお話を申し上げます。  県の補償責任についての御質問の部分に関しては、これは具体的な事案でなければ判断できないものでありますし、また、造林の雇用については先ほどお答えしたとおりで、また、具体的な数値を申し上げるのは困難であろうと考えております。  いずれにいたしましても、先ほども申し上げましたように、脱ダム宣言で述べた治水の理念こそが21世紀の新しいテーゼ、私たちの市民社会のミッションとも呼ぶべき究極の代替案でありまして、その上で私たちは、日ごろ行政が行うべききめ細やかなしゅんせつや護岸の改修を進め、平成9年の河川法改正の精神にのっとって地域の皆様とお話をしながら進めていくわけでございます。  ですから、砥川のダムによらない治水対策としては、引き堤案も含め、複合的に組み合わせた治水対策について検討をし、住民参加のもとに合意形成を図るわけでございます。  そして、砥川の治水安全度については、洪水被害の発生状況や人口、資産の集積度等を勘案し、建設省──現在は国土交通省でありますが、建設省の河川砂防技術基準案に基づいて定めております。この基準の中で、砥川は都市河川でありますC級に相当し、治水安全度は50分の1から100分の1が標準であると記されてございます。砥川についても、これまで100分の1という治水安全度で御説明させていただいておりまして、当初に提示する案はこれを前提にいたしております。そして、治水安全度の持つ意味等についてはさらに詳しく御説明申し上げ、その上で流域住民の皆様と御一緒に考えていくということでございます。  また、住民の範囲についてでございますが、治水対策には河川の流域の自治体の住民の方々と、利水対策に関しては利水計画を持つ自治体の住民の方々と真摯な話し合いを行ってまいります。したがって、下諏訪ダムの代替案に関しては、岡谷市、下諏訪町の住民の方々が住民としての範囲となります。  県外やあるいは海外のコンクリートのダムに疑問を抱く皆様の意見に左右されるとしたら、それは県民益にそぐわないのではないかとの御指摘でございますが、私が脱ダム宣言の理念に至ったのは、決してこのような反対派の御意見に左右されたからではなく、現地を見、多くの資料と、また論議を重ねる中で、脱ダム宣言の理念に基づいての私たちの新しい県の方向が県民益にかなった理念であると考えたからであります。  また、県庁内の組織に関する御意見でございますけれども、この点に関しましては、発言に関していささかならず不穏当な部分があったかとは思いますが、これからはこの点に関して十分に注意して臨むとともに、また、県の職員が、女子職員を含め遅くなりがちであるという点に関しては、私は、既に部局長の皆様に対しても、私に説明する通常レクと呼ばれておりますものが、完璧な、つまり私が尋ねた質問に対してすべてその場で部長が答えられなくても、これは私は決してとがめるものではないと。むしろ、その場に居合わせた、後部列に座っている中堅・若手クラスあるいは専門的な職員が説明を行うこともできるし、あるいは、それらの方々もお答えになれない場合においては、その日の夕方あるいは翌日に改めてお調べいただいたものを御説明いただく形でよいと申し上げております。つまり、知事と折衝や説明を行うときに、すべてを説明し切れるという形の前提でレクのペーパーをつくるために多くの職員が遅くまで働くという形は、私の望むところではございません。  当初の予算編成等があり、また、私が10月26日に就任してから4カ月弱の中で、新しい方策を見出すために多くの現場の職員や部局長を初めとする多くの職員に勤務の問題に関して多大なる労苦をかけたということは大変に心苦しく思っており、私は、その労苦が新しいこれからの皆様とともに歩む県政において報われるような判断と施策の実行をしていかねばならないと考えております。  また、今後は、部局長クラスのみならず若手や中堅職員との交流も、従来から開いております職員車座集会や各合同庁舎を初めとする場所へ私が出向いての執務のみならず、関係課・係に時間的余裕がある際には私がみずから出向いて説明を受け、また、執務が終わった後にも語らい合えるような、そうした開かれた県政でありたいと考えております。  特別顧問についての御質問でございますが、これは、自力本願的という意味合いをいささか、僣越ではございますが、宮沢議員と私の見解にあるいはそごがあるかのように思われますが、あくまでも、他人に初めから頼る形ではなく、県民の方がみずからの言葉で考え行動し、そして私たち県の職員がサービス機関の人間としてお手伝いをしていく、ともに歩んでいくという意味合いでございます。  顧問という言葉の意味合いが、あるいはいささか誤解を招いているように思われるかもしれませんが、私は、今のようにIT社会で県境や国境をはるかに越えて情報が伝達される場合においては、県内の居住者であるかそうではないかという意味合いではなく、まさにこの長野県から新しい光を発信するという意味でも、県内外の多くのすぐれた考えや経験をお持ちの方々に御協力をいただくことこそがまさに新しい県政の歩みでございまして、アドバイザーとしての顧問というものを選任することが、それは宗教的意味合いとは異なる意味合いで他力本願的であるというとらえ方は適切ではないというふうに判断をいたしております。  以上でございます。       〔35番宮澤宗弘君登壇〕 ◆35番(宮澤宗弘 君)3回目の質問をいたします。  余り長くやるなという話や、しつこくやるなという話、あるいは知事をいじめるなというような御忠告も大変いただいておりますが、知事が言われますように、せっかくの機会でございますから、創造的な論議を闘わせてまいりたいというように思います。  知事は、根回しに象徴される密室の料亭政治型からしなやかに脱却を図りというのは撤回しない、これは永田町政治を指すんだという意思表示をされました。したがって、どうしても撤回、取り消しをされないということならば、大変有能で多弁な知事が言葉足らずであったわけです。そういうふうにとらさせていただきます。だとするならば、文脈をこの議会開会中に修正をしていただき、議事録に発言の訂正をしていただきたいということを求めますが、いかがでしょうか。  それから、住民の対象は、下諏訪、岡谷の皆さんを住民として対象にするということが先ほど明確に示されました。いろいろな論議の中で仮にダム賛成派が多かった場合は、知事がいつも言われているような苦い話し合いの中から、ダムは中止せず復活をせざるを得ない、こういう状況も生ずる可能性はあるわけですね。そうすれば、下諏訪ダムを中止するというのは、今回は凍結あるいは一時中止というようなことで、中止ということは撤回をすべきだ。可能性がまだ住民対話集会の中で残されているものに対して最初から断つということは、知事が言われております、お互いのプロセスを踏み、平場でしっかり話し合うというのを断つということになりますから、民主主義的手続ではないというように私は理解をさせていただきたいというふうに思います。その辺をお聞かせください。明確にお願いをします。なかなか知事の言い回し、私のとらえ方が悪いのか理解度が不足をしているのか、わかりかねますから、私にわかるように答弁をしていただきたいというように思います。  それから、雇用の関係について、なぜ数値が出てこないんでしょうか。産業連関表などを用いることによって減少する雇用者数を机上で計算することは可能でありますけれども、予算編成に当たって、こうした雇用者数のみならずさまざまな要素を考慮しているわけでございまして、政策責任者の私としては、こうした単なる理論値をここで申し上げることは極めて困難だと。いろいろとやっているときに理論、理念を先行させている知事が、この点について、初日の代表質問で3回質問をし、さらに私が今求めている、4回目でございますが、代表質問に対して答えられない。何がそこに隠されているんでしょうか。表へ出る、調子のいいといいますか、耳ざわりのいい部分だけを公表し、都合の悪いものは公表できない。しかも、253億余に上る14.3%という大きな削減にもかかわらず、県民に向かって開かれた県政、果たしてそういうことが自信を持って言えるんでしょうか、私は甚だ疑問でございます。当然、予算を組むときには積み上げ数字があるわけでございます。知事がわからなければ、企画局長ですか、あるいは総務部長ですか、事務方で結構でございますので、しっかり担当部局のお答えを求めます。  さらに、危機管理意識に対して、これは私が聞いていることと若干方向が違った答えになっております。私は、そのときに路線を変えてまで本当に東京千代田区の選挙の応援に行く必然性があったのか。それこそ、Eメール、携帯電話、ファクスを通じてメッセージでも、あるいは知事の言葉を添えて相手方に渡しておけば十分事足りた。あるいは、このような状況にあるから私は長野県知事として現地を離れることができませんと、なぜ相手方に伝えることができなかったんでしょうか。最高責任者であると言いながら、ここを離れてメールや携帯電話で連絡をとることが果たして適切であったのかどうか、いささか私は疑問でございます。知事みずからがここに足をとどめ陣頭指揮をとるべきが、長野県知事としての責任ある態度ではないでしょうか。県民に対して申し開きのできる言葉で再度答弁を求めたいというように思います。  なお、3回目の質問で終わりでございますので……(「そんなことないよ」と呼ぶ者あり)それでは、議長の許可があれば……(「許可なんか要らないんだよ」と呼ぶ者あり)許可がなければ質問できませんので、一応3回目の質問はこれで終わります。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)最初の御質問から追って御説明申し上げます。  根回し密室政治についてのくだりの件でございますが、これは、永田町を初めとして日本全体にいまだ色濃く残る部分がある、そうしたものからの脱却ということで申し上げたわけで、これは本県会議員の皆様に申し上げたわけではなく、日本の政治の新しい方向を示したものでございます。  下諏訪ダムの件でございますが、これは既に、ただいま手元にはございませんが、12月の議会でも申し上げてきておりますように、皆様と広く話し合い、現場にも出かけ、さまざまな資料を繰り、その上で多くの御意見があるときにリーダーとしての判断で行うということを申し上げてございます。下諏訪ダムの中止に関しましても、私がそうした知事としての権限の範囲で判断を下したものでございまして、また、仮にその私の判断に対して県民の皆様から御意見がありますならば、今までにも増して多くの形で県民の皆様は、私のみならず県の組織へも、また職員へも、またマスメディアを通じても御発言いただけるわけでございます。私は、これからも皆様とともに歩む治水のあり方を砥川流域においても進めるということでございます。  また、雇用についてのお話でございますが、私は、公共事業だけでなく、公共投資という場においても土木・建設業の方々は携わっているわけでございまして、こうした養護学校の改築等を初めとする公共投資に関しても増額を図っております。さらには、比較的大きな公共事業の場合には中央資本の建設の企業に私たちの用いる税金がもたらされるという形があるわけでして、河川においても常日ごろからのしゅんせつや護岸の改修ということこそは、地元で地道に活動なさる方々への還元されるべき公共事業であり公共投資であります。  これらのものを勘案いたしますと理論値と現実の数値が必ずしも一致しないからでありまして、その上で私は具体的数値が申し上げられないわけでございます。  災害危機管理の意識についての御質問でございますが、既に繰り返し御答弁させていただいておりますように、今回の課題を生かして、今後、まさにパブリックサーバントとして県民に対して十分に対応していける知事でありたいと、このように考えております。  以上でございます。       〔35番宮澤宗弘君登壇〕 ◆35番(宮澤宗弘 君)私は、頭が悪いせいか、なかなか知事の言葉がよく理解できないわけでございます。余りしつこく聞くということでなくして、やはり具体的にわかりやすくお答えをいただきたいわけです。  予算を積み上げるには、基礎資料がありまして、それを積み上げていかなければ合計数字にならないわけです。例えば、積算資料でも、あるいは物価版でも、それぞれ参考にしながら公共事業をやる上での基準があるわけで、それに基づいて各部が積み上げ、財政課が精査し、知事が査定した予算でございますから、知事が答えられないということになれば企画局長からお答えいただきたいわけですが、253億、14.3%というものが減額されておりまして、それが雇用に及ぼす影響がわからないという論拠が、私はわかりません。  造林の関係は約480人ということで出ているにもかかわらず、なぜ公共事業の方は出ないわけでしょうか。当然、人件費は見積もられるわけで、積算価格の中に計上されているわけです。それを足していけば数字は出るわけですから、与える影響がどうであるかということを県民の前に明らかにするのが、より開かれた県政だというように思います。再度、答弁を求めます。  それから、危機管理、これは、知事が東京へ行ったことは間違いであった、とどまるべきであったということでございますが、これに対する責任、反省の弁がどうも見えてきません。私は、行ったことは間違いでなかったかなというように思います。その辺をお聞かせいただきたいと思います。  時間が過ぎてしまいますので、これでやめたいと思いますが、知事も、多くの県会議員の皆さんもごらんになったかもしれませんが、ある新聞の2月18日付の記事に「ぼやき」と題する一文が掲載をされていました。ちょっと一読させていただきたいと思います。  「田中知事が就任して四カ月近くたった。当初ほどではないものの、知事への取材」ファイバー「はいまだ健在。県民の関心も高く、ガラス越しに知事室をのぞく人は後を絶たない。ある日、県庁を訪れた女子中学生二人が知事を見つけ「キャー、かっこいい」。注目度、話題性はまだまだ十分だ。  一方で、県職員の知事評価は大きく分かれつつある。最初のころは、閉そく感漂う県庁に新風を吹かせる救世主として期待する向きが強かったが、実務を通して接するうちに、少なからず落胆を感じる人も徐々に増えてきている。  理念には共感しても、仕事熱心なあまりか時間を守らない性格や、次々と打ち出すプロジェクトチームなどへの外部ディレクターの招へい、特別顧問の設置など、「もっと職員を使ってくれてもいいのに。おれたちはいったい何なのかなあ」というぼやきが聞こえてくる。  吉村県政とは別な「物言えぬ県政」が、県庁内に静かに、そして確実に広がっている。知事はどのくらいそれを認識しているのだろうか。全力疾走もいいが、一度立ち止まってゆっくり周りを眺める余裕がほしい。」という一文であります。知事は、これをどのように感じられますか。  我が県の同志である職員は、極めて勤勉、優秀であると私は確信をしております。知事は220万県民のトップであります。部下である、そして同志である職員のやる気と能力を引き出すのは、知事、あなた自身ではないんでしょうか。決して外部から招聘された一部の方々でなく、職員とチームプレーのもと、知事自身の責任において円滑な県政運営をされるよう望み、私の質問を終わります。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)私は、就任以来、公共事業のみならず公共投資等の見直しも行う中で、今、議員から御指摘のありました基礎資料の面では、少なからず欠けているまま実行へと移された案件や箇所づけというものもあった点は、今後こうした形がないように、そして、先ほどから申し上げておりますように、今回の公共事業の減額のみならず、公共投資の増額、また、今後、入札等の制度を抜本的に見直す中で、地元の有為な業者の皆さんに仕事を担っていただけるような形をとる中で、雇用の安定をさらに図ってまいりたいと思います。  ですので、そうした現下において、今、具体的な数字として、理論値のみならず実数値としても予測をすることは私は困難だと考えておりまして、これが長野県としての統一の見解でございます。  そして、先ほど来申し上げておりますように、私は、先般の大雪の際の対応に関しては数々の課題を残したと思っておりまして、このことを心に刻んで今後対応していきたいというふうに考えております。  最後の点の新聞記事に基づいての御質問でございますが、長野県は長くの間繊維産業がございましたので、ファイバーの件ではございますが、御指摘はフィーバーのことかと存じ上げますが、まさに私は、新聞記事の中にもありましたような前任者の時代の物言えぬ空気とは異なる物言えぬ空気というものが醸成されないように、4月以降、私が各部局から説明を受ける際も、繰り返しますが、その場に出かけて私が質問をする、そして5時15分の執務時間を終えた後に、双方が比較的余裕があるときには現場の若手や中堅の職員ともその職場で語らうという形をふやしていくことによって、さらに私自身が大きく心を開いて、そして県の職員が働きやすい環境の設定を図っていくことが重要な責務であると、このように考えております。  この点に関しては、今、議場の皆様に申し上げておりますが、今この時間も県民のために働いている私たちの職員に対しても、私がそういう心がけを持って接していくということをお誓い申し上げたいと思っております。  以上でございます。       〔35番宮澤宗弘君「議長、議事進行」と呼ぶ〕 ○議長(吉田博美 君)宮澤宗弘君、登壇願います。       〔35番宮澤宗弘君登壇〕 ◆35番(宮澤宗弘 君)質問を終わろうといたしましたが、十分に答えをいただいてございませんので、もう一回。  私は、知事が答えられなければ担当部局長に計数的なことは答えていただきたいということを申し上げました。ぜひ、私の質問に対して企画局長の方から、雇用問題、お答えをいただきたいと思います。数字で具体的にお願いを申し上げまして、終わります。 ○議長(吉田博美 君)宮澤宗弘君に申し上げます。この件につきましては、企画局長も知事と御相談されまして、意見の不一致がある場合もございますから、よく相談して後刻報告していただければよろしゅうございますか。       〔35番宮澤宗弘君登壇〕 ◆35番(宮澤宗弘 君)ここの場ですぐに答弁できないということになれば、議長にお願いを申し上げますが、暫時休憩を宣告していただき、時間をいただいて、再開後に御説明を願うようお取り計らいをお願い申し上げます。
    ○議長(吉田博美 君)暫時休憩いたします。         午後4時46分休憩         ───────────────────         午後5時27分開議 ○議長(吉田博美 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  休憩前の宮澤宗弘君の質問に対する答弁を許します。       〔企画局長阿部守一君登壇〕 ◎企画局長(阿部守一 君)公共事業費の減に伴う雇用者数についてのお尋ねがございました。  長野県産業連関表を用いまして計算する場合、波及効果に関係しない用地費などを精査して控除する必要があり、253億円の減額に伴う雇用者数の数字につきましては持っておりません。       〔35番宮澤宗弘君登壇〕 ◆35番(宮澤宗弘 君)今、阿部企画局長から答弁をいただきましたが、私は、国の中枢においでになった局長が数字をはじき出せないということにいささかの驚きを感じたものでございますし、また、予算書の積み上げ数字というものはそんなに軽いものかなあという感じを受けざるを得ないわけでございます。  当然これは、しっかり積み上げの中から精査をし出されるものであり、建設費、材料費、諸経費を差し引き、もろもろの経費の中から人件費というものは算出される基礎が当然あるべきものでございまして、それを抽出し足していくことは小学校の子供でもできる、あるいは保育園の子供でもできるかもしれません。  長野県の予算案がこんなにもずさんなものであるということは、私は全国の皆さんに恥ずかしく思います。開かれた県政をこれから進めると言うなら、253億円の減に対する根拠、それから雇用関係がどうなるかということは、たとえ政治的に県政の中に若干の混乱を起こそうとも、田中知事が言うように、明らかにしながら県民みんなが意識を共有し、次なる対策を講じていかなければならないものだというように考えております。  それから、まだ答弁漏れがございます。ダムということに対して、コンクリートダムと称するものは一切だめなのか。長野県のような急峻な地形の中ではどうしても砂防ダム等が必要なわけですが、知事は砂防ダム等も否定をされるのでしょうか。場所によってはダムは認めていくという方向で解釈をしてもよろしいでしょうか。  それから、もう一つ重要な点が抜けております。下諏訪、岡谷の住民の皆様方がいろいろ検討をされ、最終的な決断でダム賛成ということに達した場合、それも認めず、知事はあくまで中止という立場であるのか。地域住民の声を尊重し、ダム賛成派が多かったという場合を仮定した場合に、ダムは建設もあり得るということで考えてよろしいんでしょうか。  また、料亭密室政治の問題、あるいは危機管理に対する問題、私は答弁が不満でございますが、きょうこの場で修正をし前進をするというようなことは考えられませんので、一般質問を通じて議員の皆さん方から矛盾点を明らかにしていただければ幸いだというように思います。  終わります。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)お答え申し上げます。  脱ダム宣言の中にもありますように、長期的な視点に立てば、日本の背骨に位置し、あまたの水源を擁する長野県においては、でき得る限りコンクリートのダムをつくるべきではないというのが基本でございます。  そして、下諏訪のダムは、私が県知事としての権限の範囲の中で判断をし、中止をしたわけでございます。  そして、今後、砥川流域の治水のあり方については、繰り返し申し上げますが、河川法の精神にのっとって地域の皆さんと話し合いをしていく中で合意づくりをしていくことによって判断すべきで、今ここで判断できるものではないと考えております。  以上でございます。 ○議長(吉田博美 君)田中知事に申し上げます。砂防ダムの件についてお答えいただけますでしょうか。 ◎知事(田中康夫 君)(続)ですから、それに関しては、ここの精神にもありますように、でき得る限りコンクリートのダムをつくるべきではないと。でき得る限りというふうに申し上げているわけでございます。 ◆36番(柳沢政安 君)議長、関連質問。 ○議長(吉田博美 君)柳沢政安君。       〔議長退席、副議長着席〕       〔36番柳沢政安君登壇〕 ◆36番(柳沢政安 君)お疲れのところですけれども、社会県民連合代表質問に関連してお伺いをいたします。  最初に、教育問題について田中知事は、就任以来、通学区制の廃止、中高一貫教育への否定的発言、さらに本議会へ長野県教育のあり方について知事直轄の検討会議を発足させることを提案されました。県民的議論は結構ですが、知事の考える教育行政が県民的議論の積み上げた方向と乖離し、混乱することを危惧する立場から、改めてお伺いをします。  本県教育については、問題行動に加え、学力向上、教員の資質の向上、家庭・社会教育を含め、教育県再現に向けさまざまな議論が行われてきました。  通学区制問題については、生徒の選択の機会をふやし学校間競争を促すため2003年度に通学区制を撤廃する東京都の例の一方、徳島県では、学歴重視による普通高校における序列化、遠距離通学と総合選抜制による周辺校の新たな序列化、普通高校における特色づくりが難しく、楽しい高校生活を妨げている、さらに、できる子の選択の自由は広がるが、そうでない子は逆に選択幅がなくなるなどの理由から、3通学区を9通学区に拡大しています。  本県においても、4通学区を1974年に12通学区に変更したのも、徳島県と同じ、受験競争の激化や遠距離通学などの弊害をなくすものでした。以降、パーセント条項の導入、特色学科の設置、普通科における推薦入学などの施策が実施されています。  過疎、少子化に悩む農村部を抱える本県と受験競争の低年齢化が進む都市部とは事情が大きく異なり、それぞれ置かれている現状の中で選択すべきものと思います。私の地元でも、生徒減から学級数の確保が難しく、学級削減から統合、廃止を心配し、町長を先頭に、同窓会、PTAを含め、必死に生徒確保のため、中学校訪問、チラシによる住民宣伝、周辺町村への協力要請をしている二つの高校があります。県内には、同様の高校が数多くあります。  長野県教育が、教育を尊重する県民性と地域から起きた中等教育に支えられ、全国に信州教育の声価を高めてきたことは周知の事実です。それだけに、地域高校は地域の教育と文化の中心であり、長い歴史をともに歩んできています。このような歴史的、地域的な背景を無視した通学区廃止は、極めて唐突です。改めて知事の御見解をお伺いします。  また、中高一貫教育についても、県教委をして新年度は地域の意向を集約していくと大きく後退しているが、知事の意思が大きく影響しているやに推測しますが、なぜなのか、御見解をお伺いします。  さらに、知事直轄の検討会議の全貌が明らかになっていませんが、県教委の通学区検討委員会の結論はお認めになるという理解でよろしいか、知事にお伺いをいたします。  小渕前総理の私的諮問機関として発足した教育改革国民会議に対し、森総理は教育基本法の見直しを正式に提案し、昨年12月、答申が出されました。教育の抱える課題は深刻であり、戦後教育が、平和と物質的豊かさの中で、子供たちが、創造力を失い、自発性や勇気、また苦しみに耐える力や他人への思いやりを失ってきたことは事実であるが、これらの現象面だけをとらえるでなく、なぜこのような状況になったのか、今日までの教育行政に対する検証が求められなければなりません。  答申は、人間性豊かな日本人を育成するとして、教育の原点は家庭、道徳教育の強化、奉仕活動の義務化、問題を起こした子供への対応など17項目による最終報告が出されました。この中で、奉仕活動の義務化と教育基本法改正について教育委員長の御見解をお伺いします。  県教委は、国の第7次定数改善計画を受け、義務教育における少人数学習集団の編成と、高校教育では習熟度別学習や総合学科の運営改善など、5年間で教員定数の改善を行い、生徒の学力向上、個性の伸長を図る施策が提案されました。  少人数学級、あるいは30人学級など、本議会でも繰り返しその実現が求められてきているが、財政的理由から実現は見送られています。抜本的改善は国の施策を待たざるを得ないが、30人学級に対する県民要望が高まる中では、県教委として、県単独でも可能な方策を求める時期に来ていると考えます。知事も教育行政を重視しているときですので、県民益に沿う少人数学級実現に向けた教育長のお考えをお伺いします。  次に、公立高校、私立高校について伺います。  かつては公立高校の補完的な役割に甘んじた私立高校が、確実な進路保証と各種クラブ活動の充実を通じ、目覚ましい躍進を続けています。大学進学率もかつては公立高校が高かったが、平成5年に逆転し、大学進学も、公立で4人に1人に対し、私立では3人に1人が進学しています。また、クラブ活動の充実によりインターハイ、国体などの活躍はもとより、文化活動でもすばらしい成績を上げています。教える者、教わる者の意識の問題ではないでしょうか。公立高校の奮起を期待するところです。教育長のお考えをお伺いします。  しなの鉄道についてお伺いします。  平成9年、三セク経営で発足したしなの鉄道は、開業4年目にして早くも債務超過に陥り、今回、17億1,900万円助成と支援策が提案されました。  私たちは、去る12月議会も含め、長野電鉄木島線廃止問題について県の支援を要請し、沿線市町村もみずからの支援策を決めた上で県への協力を要請しましたが、知事の私企業は支援しないということで、結果として木島線は廃止を余儀なくされました。一方、しなの鉄道に対しては、損失補償を初め県が支援策を先導し、沿線市町村への協力を求めています。  県民の目線で見れば、同じ公共交通に対しなぜこのような違いが出るのか、大変疑問に思うところです。県民の足を守る公共交通に対する知事の理念について、まずお伺いします。  しなの鉄道発足時、私たちはしなの鉄道より条件の悪い九州松浦鉄道を調査し、利用者をふやすため会社役員が直接営業活動に参加している実態などと比較し、県出資金が全体の75%は親方日の丸であり、経営意欲をそぎはしないか、また、鉄道事業が公益的要素を持ちながらも利用者により成り立っており、利用者確保が経営の中心だと申し上げてきたが、まさにこの視点が全く欠落し、今回の改革案も、今様の働く者のリストラ合理化と運賃値上げ、関係機関の支援にとどまっています。  会社は、駅周辺の駐車場確保を含め、利用者をふやす積極的対応をしてきたか、このままでは、困れば県への繰り返しが予測されるが、経営責任についてどう考えているか、企画局長にお伺いします。  また、三セク発足時、施設の無償譲渡が有償に変わり、103億円を県が肩がわりしており、今後の経営に大きな負担となっています。この際、国に対し支援策を求めるべきと考えるが、お伺いします。  また、JRに対しても、今後の長野以北問題も含め、この際、篠ノ井─長野間の経営移譲を求めるべきだと思うが、お伺いします。  さらに、冬季五輪後、新駅建設が、次年度分を含め、3駅にそれぞれ9,000余万円の助成をしているが、新駅建設が沿線住民にとっての利便性に寄与しているが、厳しい経営の現状と伸びない乗客動向から、県民負担を求める新駅建設助成は慎重であるべきと考えるが、企画局長にお伺いします。  部落差別と人権確立について伺います。  1969年の同和対策特別措置法制定以来31年間、この問題解決に向けて、国及び地方公共団体の責務、そして国民的課題として、県としても積極的に同和行政、同和教育を推進してきました。しかし、この法律は、物的なハード事業を中心とした特別措置であり、本県の少数点在の被差別部落では適用条件が限定または全く適用されないなど、差別の根本的解決には決して十分でなく、多くの課題を抱えています。  現在、本県においても、今まで全く施策が行われてこなかった事業未実施地区や未指定地区が存在したり、被差別地区の実態は生活、福祉、就労、教育などのソフト面で依然厳しい実態があります。  特に、差別事件については、本年度、本県においても、結婚差別や就職における身元調査、学校現場の差別、インターネットを使った差別、公的立場にいる人の差別発言、相次ぐ差別落書き、差別文書など、後を絶ちません。被差別部落へ何回か足を運び話を聞くと、こうした表面化した差別は氷山の一角であり、表面化されない、またはしたくてもできない差別が多く存在することに、改めて部落差別の厳しさを感じずにはいられません。  こうした被差別部落の実態や差別の現実、そして声を上げたくても上げられない差別の厳しい現状について知事はどのように認識しているか、お伺いします。  また、現場主義を掲げる知事みずから被差別部落に入り当事者の話を聞くことが、何をおいても必要だと考えます。総務庁調査では、県内に254地区が存在しています。できるだけ早く実施していただくよう要請し、お答えをいただきたいと思います。  社会部長にお伺いします。  地対財特法が平成13年度をもって期限切れになるが、以降の同和対策については原則的には一般対策に移行されるが、長野県における同和対策は、歴史的経緯の中で同和対策5カ年計画など先進的に取り組んできたが、差別事件の減らない現況から、期限切れ後の本県同和対策についてどう推進していくか、お伺いします。  4月1日より同和対策課が人権・同和政策課に衣がえしますが、人権教育国連10年を受け、同和対策を中心として、人権の時代といわれる21世紀の人権問題を総合的にとらえるため、現在3部7課で所掌する事務分担を総合的に統括する組織改革が求められるが、お考えをお伺いします。  また、副知事を会長とする県同和対策協議会について、副知事欠員の状況で支障が出ていないかもお伺いし、第1回の質問を終わります。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいまの柳沢議員の御質問に順を追ってお答え申し上げます。  まず最初に、県立高校の通学区に関してでございます。  県立高校の通学区に関しては、長い県民的な議論の末に現在の形になったものと聞いておりますが、私は前々から、一人一人の生徒の個性をよりよく伸ばすためには、多様な興味や関心に応じて教育を受けられることが必要であるという観点から、通学区を拡大することは重要であると考えてまいりました。  この点は、文部省においても、さきに全県一通学区とすべきとの見解を表明いたしておりますが、長野県においては教育委員会の専管事項でございます。教育委員会が設置する県立高等学校通学区検討委員会における議論を見守りたく思います。  中高一貫教育については、昨日、佐野議員にお答えいたしましたように、ゆとりある学校生活や地域高校の活性化など多くの利点があるとともに、受験年齢の低年齢化などの課題もあると感じております。  このことについては、本年度末にまとまると聞いております教育委員会の導入計画の方向を見守るとともに、あわせて、義務教育と高校教育の連携が大切でございますので、市町村教育委員会や地域の方々の要望に耳を傾けることも必要であると考えております。  さらに、教育問題でございますが、各会派の代表質問でもお答えいたしましたように、知事直轄の教育問題の検討会議は、県教育委員会の通学区検討委員会の結論を認めるとか認めないとか、あるいは修正を求めるといった性格を持った会議ではございません。通学区制の検討は、あくまで県教育委員会が所管する事項でございます。県教委における議論を引き続き見守っていきたいと考えます。  木島線としなの鉄道に関する御質問にお答え申し上げます。  長野電鉄木島線は、厳しい経営状況にある長野電鉄がやむなく廃止を決定したものでございます。県としては、木島線の現状や、鉄道事業廃止の際には鉄道事業者の自主性、主体性を尊重するとした鉄道事業法改正の要旨等を踏まえた上で、県並びに沿線市町村の財政支援を前提として木島線の維持、存続を求めていくことは困難であると判断したわけでございます。  他方、しなの鉄道は、新幹線建設の際の条件としてJRから経営分離されたという経緯から、将来にわたり路線を存続させることを目的として、県が主体となって設立したいわゆる第三セクター鉄道でございます。県は、しなの鉄道設立の経緯や最大株主であることにかんがみ、今後も、路線存続のため最大限の努力をする責務があると考えております。  このように、長野電鉄木島線としなの鉄道ではその実態や背景が異なることから、両者を一律に論ずることは適当ではないと考えております。  また、公共交通に対する理念に関しての御質問でございますが、バス、電車などの公共交通機関は、住民の日常生活における最も身近な交通手段であるとともに、地域相互間の交流と連携を支え、地域の自立と振興を図る上でも極めて重要な役割を果たしているととらえております。  地域の特性に応じた交通政策を進めることにより、子供や高齢者、障害者の方々をも含めた県民のだれもが、住みやすく、また行動しやすく、ともに地域で生活できる社会環境を創出してまいりたいと思います。  続きまして、人権・同和問題についてでございます。  私は、阪神・淡路大震災が起きました際に、被災地へ入りまして被災者へのお手伝いをしてまいりましたが、その中で、神戸市内の同和地区にも伺い、長期間にわたってお手伝いをさせていただき、そうした中で地域のさまざまな方々と多くのお話をさせていただきました。また、関西には私も多くの友人が昔からおりまして、同和問題、人権問題については以前から承知をし、私は、長野県におきましても、結婚や就職、近所づき合いなどで今でも差別があることを認識いたしております。こうしたことは、一日も早く解決しなければならない問題でございます。  同和行政を今後行う際において、まず、ありのままの歴史と現実を見据え、そして、多くの一人一人の、言葉として大きくは出せないけれども、社会の中でいたたまれない気持ちをお持ちの皆様の御要望をいち早く行政が感じ取り、そしてその皆様に手を差し伸べるということを行ってまいりたいと思っております。これは、従来からの私の人権に対するとらえ方でございます。  そして、現場主義に基づいて私は今まで各地に伺い、多くの皆様のさまざまな御意見や、またその現状を見てまいりました。長野県は、関西のような大きな同和地区を有する地域とは異なり、小規模の地区が点在していると、このように承知いたしておりますが、私といたしましても、なるべく早い機会に現地を訪れ、一人でも多くの皆様のさまざまな御意見をお伺いしたいと考えております。  以上でございます。       〔教育委員会委員長宮﨑和順君登壇〕 ◎教育委員会委員長(宮﨑和順 君)お答えいたします。  奉仕活動の義務化と教育基本法改正についてのお尋ねでございますが、現在、文部科学省におきまして、教育改革国民会議の最終報告を受けて、21世紀教育新生プランが立案され、御指摘の問題など、関連法案等が国会に提出される見込みであります。  子供たちが示す御指摘のような傾向につきましては、現象面だけを論ずるのではなく、子供を取り巻く社会の変化などを視野に入れることが大切だと思います。  現在の社会を見ますと、物質的に豊かになり、学校などの教育環境も整備されてきているにもかかわらず、真の自己実現が伴いにくく、人々の心は必ずしも満たされているとはいえません。こういった現実の中で、子供たちは、他人の苦しみや悲しみを思いやることが薄れ、人、物、事に心を砕くことが難しくなってきています。  こうした社会状況を考えたとき、奉仕活動は、主体的立場に立っての社会体験を通して、子供たちが、相手の立場や気持ちになること、自分が役に立つことができたという満足感や感激を得るなど、豊かな人間性を培っていく上で極めて重要な体験活動であると考えております。21世紀教育新生プランにおいて奉仕活動の促進、充実の方策が示されているのは、こうした価値を奉仕活動が持っているからであると認識しております。  新学習指導要領では、ゆとりの中で、豊かな人間性や、みずから学び、みずから考える力をはぐくむことを目指しておりますので、子供たちがみずから進んで取り組んでいけるよう、主体性を大事に、地域の人々も参加する創意工夫のある奉仕活動のあり方を社会全体で考えていくことが大切であると思っています。  また、教育基本法の改正についてでありますが、御承知のように、教育基本法は、憲法26条の教育を受ける権利の保障など、憲法の精神の実現を述べたものであります。そして、戦後、教育の近代化に向けて大きな役割を果たしてきたものと受けとめております。  これまでも教育基本法についてさまざまな論議がなされてきたわけですが、今回、教育改革国民会議の報告をきっかけに、その見直しが中央教育審議会に検討課題として提示されました。審議するに当たっては、国民のコンセンサスが得られるよう、十分な論議を尽くしていくことが大切であると思います。  いずれにいたしましても、21世紀教育新生プランに掲げられた施策等についての国会などの論議をきっかけとして、子供を主人公に据えて、みんなで子供を育てていくという意識が社会全体に築き上げられていくことが大切であると考えております。       〔教育長斉藤金司君登壇〕 ◎教育長(斉藤金司 君)お答えいたします。  30人学級等の少人数学級についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、30人学級につきましては各方面から御要望をいただいているところでございますが、来年度から実施されます国の新たな教職員定数改善計画は、1学級の児童生徒数を40人とした上で、基本教科について少人数の授業を行うものでありまして、少人数学級の実施に伴う人件費は県単独の財政負担となることから、30人学級の実施は難しいと考えるところでございます。  教育委員会といたしましては、国の改善計画を受けて、来年度から小・中学校少人数学習集団編成事業を実施し、一部の教科におきまして30人以下の少人数の学習集団による授業ができるような教員配置を進めてまいりたいと考えております。  この事業の積極的な推進により、30人学級の願いに見合った基礎学力の向上ときめ細かな指導ができるとともに、児童生徒が複数の教員から指導を受けることが可能になるなど、生徒指導面でも大きな成果が期待できると考えておりまして、当面5カ年で進めることとしておりますこの事業の完成に向けて鋭意努力してまいりたいと考えております。  次に、公立高校への期待についてのお尋ねでございますが、学校は、子供たちの学習への目的意識を高揚し、意欲的な学習を促しながら基礎・基本の定着を図り、伸びる力をより伸ばす中で一人一人の進路実現を目指すことが肝要であります。  教育委員会では、これまでにも、魅力ある学校づくりを目指して、理数科を初め体育科や国際教養科など特色学科の設置、多様な生徒に応じた単位制の定時制や総合学科の導入、あるいはコース制の設定など、指導内容や方法の改善を図ってきたところでございます。こうした中で、教職員の努力もありまして、進学率も向上してきており、またスポーツや文化芸術活動の面においても活躍する生徒たちが見られるなど、一定の成果が上がってきております。  しかし、これらをさらに充実させるため何よりも大切なことは、御指摘のとおり、一人一人の教師の熱意であり、生徒の学ぶ意欲であります。
     まさに教育は人と人との出会いでありますので、教師自身がみずからを厳しく律しつつ、互いに研さんし、同僚性を発揮する中で、人間性や専門性の向上に向けて日々努力することが大切であると考えます。そのため、学校長のリーダーシップのもとで教職員が心を一つにした学校運営ができるよう支援するとともに、教員研修を充実させ、適材適所の配置を図ってまいります。  また、保護者や地域の方々の声に耳を傾けながら、創意工夫を生かして向学の気風あふれる学校づくりをするよう、各学校を具体的に指導してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、生徒たちが目的を持って充実した学校生活を送り、自己実現ができるよう、公立高校と私立高校とが互いに学び合い、互いに切磋琢磨していく中で、長野県の高校教育をさらに充実したものにしたい、こう考えております。  以上でございます。       〔企画局長阿部守一君登壇〕 ◎企画局長(阿部守一 君)しなの鉄道についての御質問につきまして順次お答え申し上げます。  しなの鉄道につきましては、今回提出されております平成13年度当初予算案でも損失補償のための債務負担行為をお願いしておりますとおり、非常に厳しい経営状況にございます。  初めに、経営責任についてのお尋ねがございましたが、しなの鉄道は開業からまだ3年しかたっておらず、その間、会社としてもさまざまな増収策を模索してきており、また、こうした状況に至った要因といたしましては社会経済情勢の変化等によるところもあると思われることから、当面、経営改革案を早急に取りまとめることを最優先すべきであると考えております。  しなの鉄道の経営陣におきましては、しなの鉄道の置かれている現状を改めて認識し、県とは独立した事業を経営されているという立場で最大限の御努力をいただきたいと考えております。  なお、改革案を策定するに当たって、利用者の増加策など積極的な対応についての視点が欠けているのではないかという御指摘がございましたが、去る2月21日に開催いたしましたしなの鉄道経営改革検討委員会でも同様の御意見を賜っているところであり、県といたしましても、単なる経営の縮小による合理化という視点にとどまらず、幅広い観点から検討いたしてまいりたいというふうに考えております。  次に、国に対し支援策を求めるべきとのお尋ねにお答えいたします。  今後、整備新幹線の開業に伴い、全国的にいわゆる並行在来線の経営分離が順次進んでまいることになりますが、その経営は、しなの鉄道と同様、厳しいものが予想されるところと伺っております。このため、並行在来線に対する公的支援のあり方について御検討いただくよう、今後、あらゆる機会をとらえて国に対して要請してまいりたいというふうに考えております。  また、単に要請するだけではなく、検討委員会の場におきましても公的支援のあり方を具体的な形で国に提案していくことができるよう御審議いただき、効果的な支援策がまとまれば、関係県とも連携を図りながら、国に対してその実現を働きかけてまいりたいというふうに考えております。  次に、篠ノ井─長野間の経営移譲についてのお尋ねにお答えいたします。  この区間の経営主体につきましては、開業前に県とJR東日本との間で協議を行いました結果、特急「しなの」やJR貨物等の運行管理の関係もあり、JR東日本が一元的に管理を行うということにされたわけでございます。  この区間には相当の利用者数がありますことから、仮にしなの鉄道に経営移譲した場合、増収が期待できるものの、その一方で、鉄道資産の購入でありますとか保守管理については相当な経費がかかるのではないかということも予想されます。  したがいまして、同区間の取り扱いにつきましては、しなの鉄道の増収策の一つとして、今後、検討委員会の場で十分に検討してまいりたいというふうに考えております。  最後に、新駅設置に対する県の助成についてのお尋ねにお答え申し上げます。  県では、しなの鉄道の新駅設置に対して市町村が負担する経費の一部を助成しているところでございますが、新駅の設置につきましては、必ずしも利便性の向上が図られるという側面だけではなく、列車の運行時間が長くなる、駅施設の運営経費等が増加するなどといったマイナス面も存在するところでございます。  県といたしましては、これまでもこうした点も十分に考慮しつつ、利用者の利便性の向上や沿線地域の交通渋滞の緩和を図るため、しなの鉄道の負担が生じないことなどを前提として、地元の市、町とも協議した上で助成を決定してきたところでございます。  今後とも、新駅設置によるさまざまな影響を総合的に勘案しながら、慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔社会部長上原芳晴君登壇〕 ◎社会部長(上原芳晴 君)人権・同和問題について順次お答えをいたします。  まず、法期限後の本県の同和対策についてでございます。  お話にございましたように、地対財特法は平成13年度をもって期限切れとなりますが、県におきましては、部落解放審議会あるいは県議会の御意見を伺う中で5カ年計画を策定し、事業を進めてまいったところでございます。部落差別につきましては、先ほど知事の答弁がございましたが、結婚や就職に際し差別事象が発生している状況があり、人権侵害はなお存在しておりますので、この解決は県民の命や安定した生活を守る上から重要な課題であり、施策は必要であると考えております。  平成14年度以降につきましては、これまでの事業結果を検証するとともに、現状と課題を把握する中で、県部落解放審議会や県議会など広く御意見をお聞きいたしまして、今後の同和対策のあり方を考えてまいりたいと思います。  次に、本県の人権に関する行政でございますが、現在、同和対策課が中心となり、総務部、社会部、衛生部の人権にかかわりの深い業務を担当している6課の係長を兼務職員とするとともに、知事を本部長とし各部局長を本部員とする長野県人権教育のための国連10年推進本部において全庁的に取り組んでいるところであります。  国においては、平成12年12月6日に人権教育及び人権啓発の推進に関する法律が公布、施行されましたが、この法律は、3年以内に、人権侵害の被害者の救済に関する人権擁護推進審議会の調査、審議の結果を踏まえ見直すこととされておりまして、このときには国の組織の体制整備等も予想されますので、国の動向を注視しながら、県の組織がどうあるべきかについて今後検討してまいりたいと考えております。  また、御質問の県同和対策協議会は、同和対策に係る長期計画または総合的な企画及び調整に関する事務を所掌しておりますが、この協議会に諮りました平成13年度までの5カ年計画に基づいて、現在、同和対策事業を執行しているところであります。  この5カ年計画の事業の実施に当たりましては、必要に応じ関係課による幹事会を開催いたしまして連絡調整を図りながら進めておりますので、現在のところ特に支障は出ておりません。  以上でございます。       〔36番柳沢政安君登壇〕 ◆36番(柳沢政安 君)時間がございませんので、知事に要請だけ申し上げておきたいと思います。  中高一貫教育については、県教委の動向を見守るということですが、教育を重視する知事ですので、県教委の専権事項を財政面から干渉するようなことはフェアでありませんので、オープンに行うようにお願いをしておきたいと思います。  また、地域高校については、地域の声に耳を傾け充実を図るということですので、ぜひそうしていただきたいと思います。  通学区問題は、こうした問題をしっかり議論した上での問題であり、混乱を起こすようなことにつきましては慎重に発言をしていただきたいと思います。  同和対策は、まず関係者とお会いし、実態を把握した上で、しっかりと温かい政策をお願いをしておきたいと思います。  しなの鉄道は私も利用者の一人ですので、支援はありがたいわけですけれども、全県的支援を求めるにはやはり経営責任を明確化し、県民が納得できる支援策を求めておきたいと思います。  また、公共交通のあり方については、私鉄、私バスを含めた総合的な対策が求められますので、御検討をお願いをして質問を終わりたいと思います。 ○副議長(小林忠司 君)以上で各党派代表質問を終了いたしました。         ─────────────────── ○副議長(小林忠司 君)会議規則第13条第2項の規定により、本日はこれをもって延会いたしたいと思います。  次会は、来る3月5日午前11時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後6時15分散会...