長野県議会 1998-03-20
平成10年 2月定例会本会議-03月20日-05号
平成10年 2月定例会本会議-03月20日-05号平成10年 2月定例会本会議
平成10年3月20日(金曜日)
出席議員(59名)
1 番 佐野功武 24 番 柳沢政安
2 番 牛山好子 25 番 三上孝一郎
3 番 宮澤敏文 26 番 大和代八
4 番 花村薫平 28 番 島田基正
5 番 降旗茂孝 29 番 今井勝幸
6 番 佐々木祥二 30 番 中村善行
7 番 奥村 剛 31 番 井出公陽
8 番 風間辰一 32 番 太田道信
9 番 山元秀泰 33 番 池田益男
10 番 平野成基 34 番 塩沢 昭
12 番 石坂千穂 35 番 佐藤良男
13 番 宇留賀行雄 36 番 倉田竜彦
14 番 木下茂人 37 番 金井浩正
15 番 服部宏昭 38 番 森 司朗
16 番 本郷一彦 39 番 森田恒雄
17 番 村石正郎 40 番 小林忠司
18 番 久保田元夫 41 番 古田芙士
19 番 塚田 一 42 番 下﨑 保
20 番 高橋 宏 43 番 小林 実
21 番 寺島義幸 44 番 宮沢勇一
22 番 母袋創一 45 番 金子松樹
23 番 宮沢宗弘 46 番 吉田博美
47 番 中島輝夫 55 番 小林千秀
48 番 関谷高雄 56 番 西沢盛永
49 番 宮澤次雄 57 番 佐藤利次
50 番 浜 万亀彦 58 番 篠原文三
51 番 成澤栄一 59 番 清水重幸
52 番 中島昭一 60 番 西山平四郎
53 番 小田切行雄 61 番 柳沢 勲
54 番 石田治一郎
欠席議員(2名)
27 番 萩原 清 62 番 登内英夫
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説明のため出席した者
知事 吉村午良 住宅部長 山浦衛久
副知事 池田典隆 企画局長 伊藤 寛
出納長 古越典雄 副出納長 内田雄治
総務部長 飯沢 清
公営企業管理者職務執行者・企業局長
小池康雄
社会部長 花岡勝明 財政課長 栗林俊春
衛生部長 畑山善行
教育委員会委員長 宮﨑和順
生活環境部長 矢島広道 教育長 戸田正明
商工部長 渡辺雅文 教育次長 藤井世高
農政部長 宮崎新一郎 教育次長 宮澤德富
林務部長 小林寿内 警察本部長 瀬川勝久
土木部長 太田柳一 警務部長 島根 悟
土木部高速道局長 所 輝雄 監査委員 丸山 勇
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職務のため出席した事務局職員
事務局長 湯沢角雄 総務課企画員 平林 信
議事課長 林 一夫 副参事兼
議事課課長補佐兼記録係長
太田 浩
議事課課長補佐 谷坂成人
議事課記録専門員 若井一仁
委員会係長 小林資典 議事課主事 穐澤礼子
───────────────────
平成10年3月20日(金曜日)議事日程
午前10時開議
行政事務一般に関する質問及び
知事提出議案に対する質疑
請願・
陳情取り下げ(日程追加)
議員提出議案(日程追加)
───────────────────
本日の会議に付した事件等
行政事務一般に関する質問及び
知事提出議案に対する質疑
請願・
陳情提出報告、委員会付託
請願・
陳情取り下げ
議員提出議案
午前10時1分開議
○議長(西沢盛永 君)これより本日の会議を開きます。
本日の会議は、昨日に引き続き
行政事務一般に関する質問及び
知事提出議案に対する質疑であります。
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△
行政事務一般に関する質問及び
知事提出議案
○議長(西沢盛永 君)次に、
行政事務一般に関する質問及び
知事提出議案を議題といたします。
順次発言を許します。
最初に、奥村剛君。
〔7番奥村剛君登壇〕
◆7番(奥村剛 君)皆さん、おはようございます。大町市選出・県政会の奥村でございます。よろしくお願いします。
世紀のスポーツの祭典・
長野冬季オリンピック・
パラリンピックが吉村知事を初め大勢の県民に支えられて大成功に終わったことは、長野県民に大きな誇りと自信を与えました。大会準備と運営に携わったNAOC・NAPOCの皆さん、大会運営に献身的努力を払ってこられたボランティアの皆さん、縁の下の力持ちとなって親しみのある姿で万全な警備をした警察の皆様、そして大会を華やかに盛り上げてくださった選手の皆様に深く敬意と感謝を申し上げます。
オリンピックは、私たちに多くの感動をもたらしました。特に私は、雪が乱舞する中で行われた
団体ラージヒルジャンプの日本選手の活躍に感動のクライマックスを見たような気がいたしました。この感動を長く後世に伝えていくために、知名度が上がったすばらしい
北アルプス山ろくを訪れる年間約1,000万人の観光客の方々や長野県民を対象として、
大型スクリーンや
ハイビジョン映像、あるいは
バーチャルリアリティーやコンピューターグラフィックスなどの最新の映像技術等を駆使して、あの感動をよみがえらせるような
オリンピック・
パラリンピック音響映像館を県施設として整備するお考えはないでしょうか。
「北アルプスに躍動する山岳とスポーツのリゾート圏域」として長期構想「地球時代の知恵のくにをめざして」に位置づけられており、かつまた県的施設がほとんどないといわれている大北地域にこの施設を整備することは、県土の均衡ある発展の上からもぜひ必要であります。地域開発を担当する企業局長の前向きの御答弁をお願いいたします。
さて、
長野冬季オリンピックは、長野県においても大きなエポックメーキング――画期的なことであり、21世紀に向けて飛しょうの大きな足がかりを築いたことは間違いありません。このときこそ、歴史的な視点に立って、日本と長野県の将来について真剣な議論を尽くしていかなければなりません。
日本は今、変革の時代を迎えようとしております。この変革は、明治維新、第二次世界大戦終結後の改革に次ぐ大きな改革であります。しかしながら、一つの体制が崩壊して新しい体制が生まれるまでには、およそ10年かかります。明治維新のときは、大政奉還から西南戦争までの10年間でした。また第二次世界大戦の終戦後も、昭和20年の終戦から55年体制が生まれた昭和30年までの10年間でした。
翻って、今の時代に目を向けると、1990年に東西の冷戦が終結、同時に日本経済のバブルが崩壊しました。それから6年後の1996年の衆議院選挙で自由民主党が伸び、橋本内閣は、行政、財政、社会保障、金融システム、経済構造及び教育の改革と首都機能移転という六
大改革プラスワンを提唱したわけであります。一つの体制が崩壊して新しい体制が生まれるまで、これから3年余りの間に効果的な改革が実現するかどうか、あすの日本の命運がかかっているといっても過言ではありません。
行政改革について、多くの人が、これまでの行革と同じように、かけ声と見せかけに終わると見ているかもしれません。しかし、今日の日本はそんな生易しい時代ではありません。この国では未曾有の大変化が進んでおります。それは、先日の代表質問で大和議員も指摘しておりますように、少子化、
ボーダーレス化、ソフト化であります。
少子化は高齢化とは違います。高齢化は、高齢者がふえ、高齢者用の需要がふえる現象ですが、少子化は、若者が減り、若者用・次世代用の需要が減る現象であります。日本人は、徳川吉宗の享保の時代以来250年間、そんな現象は経験したことがありません。
ボーダーレス化も国際化とは異なります。国際化は、国境という塀をめぐらせて門戸を開いた状態でありますが、
ボーダーレス化とは国境の塀そのものがなくなる状態であります。またソフト化は、
ソフトそのものに支払われる代金が経済の成長と企業利益の主要な源泉となる時代、知恵に価値を置く知価社会の到来であります。このような時代には、既成の枠組みにとらわれず、鋭敏な予測能力、迅速な決断、そして大胆な独創性が求められます。
少子化、
ボーダーレス化、ソフト化という大変化の時代に対応するために、長野県においても、2010年を目標にして長野県長期構想「地球時代の知恵のくにをめざして」が策定されたのではないでしょうか。
そこで、
地方行政改革について質問してまいりたいと思います。
昨年12月、橋本首相を会長とする政府の
行政改革会議は、2001年を出発点に現在の22省庁を1府12省庁に半減させる再編案を確定いたしました。これほどの大規模な省庁削減というのは、明治18年、1885年の内閣が発足して以来初めてのことであります。もちろん、この国の行革については県とも密接な関連があり、今後、県の行革を進める上でも大きな影響が出てくるものと考えられます。
そこで、まず、
庁内行政管理検討委員会の委員長である池田副知事にお尋ねしたいと思います。
政府の行政改革は、我が長野県に対してどのような影響をもたらすものとお考えでしょうか、お答えいただきたいと思います。
吉村知事は、今定例会の議案説明において、「県政の推進に当たりましては、こうした時代の変化の風をしっかりとらえ、適時、柔軟に対応できるよう自らの体質を強化するとともに、改革に取り組むことの重要性を強く認識し、時代を先取りする意欲をもって今後の県政運営に当たり、県民の信頼に誠実にこたえてまいりたいと考えております」と述べられました。このような知事のお考えに私も全く同感いたしますが、時代の変化の風をしっかりとらえ、適時、柔軟に対応できるようにするために、総務部長の県行革に対する
取り組み姿勢と決意をお示しいただきたいと思います。
新聞報道によりますと、昨年11月21日に開催された県内17市と地方事務所の
行政改革担当者を対象にした
行政改革推進会議において、
飯澤総務部長は「行政改革は議論の段階から実行する段階になってきている。住民の期待も高く、真剣に取り組んでいるかが自治体の評価につながる。他のすぐれた事例を積極的に取り入れてほしい」と述べ、職員数削減や補助金整理などの目標の数値化、
取り組み状況を住民に公表することを強く求めた、とあります。
県として市町村に対し、各自治体の行政改革を求めることは重要なことであります。「隗より始めよ」ということわざがあります。これは、人にあれこれ言うよりも、まず言い出した人から実行せよという教えであります。県として市町村に対しその行政改革の実施を求める以上、各市町村の模範となる上でも、県行政みずからが職員数削減や補助金整理などの目標の数値化や
取り組み状況を県民に公表する必要があると考えます。
この数値目標の設定に関連して、県においては平成7年11月に「行政改革に関する
基本的考え方」をまとめました。これは文字どおり基本的な考え方であって、おおむね平成12年を目途に改革・改善を行うものについて、その
基本的考え方をまとめたものであります。
ポストオリンピックという新しい時代の中で、また、県行政と密接に関連してくる国の行政機構が大きく変革していく中で、時代の変化に柔軟に対応できる県の行政機構の見直しを初めとした県行革が必要であり、数値目標の設定や
取り組み状況の公表など、「行政改革に関する
基本的考え方」の見直しとともに、より具体的な行政改革の計画が必要であると考えますが、このことについて総務部長はどのようにお考えでしょうか。
また、県行革を実施する上で、補助金や職員数の削減について数値目標を掲げ、その目標に向けて努力することは大切なことでありますが、私は、行政改革において最も重要なことは職員の意識改革であると考えます。公僕としてのサービス精神や経営感覚を初め、既成概念にとらわれずに時代の変化に柔軟に対応していく職員の意識改革が必要でありますが、このことについて今後どのように取り組んでいかれるのか、総務部長にお尋ねいたします。
また、総務部長が
行政改革推進会議で「他のすぐれた事例を積極的に取り入れてほしい」と述べたそうですが、ここで県行革に関する先進地の事例について紹介させていただきます。
平成10年度に3,050億円の財政赤字に陥ると試算されている大阪府では、平成9年度から10年間で6,550人の職員、教員を削減することなどを軸とした財政再建計画を今年2月2日にまとめました。
また、平成7年に北川正恭氏が知事となった三重県では、予算主義にかえて決算主義を取り入れ、「
事務事業評価システム」を導入し、かつて3,200件あった事業を自己評価し、平成8年度は352件、平成9年度は410件の事業のスクラップができました。
北海道では、長期にわたって効果を上げていない事業を見直す「時のアセスメント」を実施しております。
このように、他の道府県ではさまざまな行革についての取り組みが行われていると聞いておりますが、県行革を実施するに当たって、私は「
政策評価システム」の導入を提案いたしたいと思います。
「
政策評価システム」とは、先ほどの三重県の「
事務事業評価システム」や北海道の「時のアセスメント」とも関連してくることですが、政策の点検・見直しに当たって、
社会経済情勢の変化の中でも妥当性があるか、目標の達成にどれだけ貢献しているか、費用対効果は満たされているかなど、できるだけ客観的・科学的に分析して施策に反映させるものであります。特に、アカウンタビリティー、すなわち説明責任が重要であり、評価の方法、内容を公表し、政策にどう反映させたかを説明して住民の理解を得る努力をする手法であります。
この政策評価は欧米では既に確立された手法ですが、我が国においても、今国会に提出された
中央省庁等改革基本法案において政策評価という用語が登場し、
政策評価機能の充実強化がうたわれております。また、この基本法案の成否にかかわらず、建設省や通産省など国の各省庁において政策評価への対応を模索している状況であります。
長野県の行政改革において、この「
政策評価システム」を積極的に導入することが必要であると考えますが、このことについて総務部長はどのようにお考えでしょうか、お尋ねしたいと思います。
次に、地域の顔ともいえる中心市街地を活性化させるため、空洞化が進行する既成市街地の人口定住化・増加策について住宅部長にお尋ねいたします。
近年、モータリゼーションの発達により、中心市街地の駐車場不足、大規模店舗の郊外への転出が進んでおります。このことは、高齢化、少子化の進行などと相まって、
市街地居住者の減少をもたらし、市街地の活力を衰退させております。
このような状況を解消して市街地ににぎわいを取り戻すためには、総合的な支援体制の構築や大店法にかわる新たな枠組みにより中心商店街の活性化を図ることが必要であります。
それと同時に、重要なことは既成市街地の居住者人口を回復させることであり、多くの人々が中心市街地に住み働く職住一体の生き生きとした街づくりにあると考えます。
例えば大町市の場合、その人口の減少は、市全体では昭和45年当時約3万1,900人であったものが平成7年には約3万1,000人と人口減少率が約3%であるのに対して、中心市街地では昭和45年当時約9,600人であったものが平成7年には約7,200人と約25%減少しており、中心市街地の人口減少率は市全体のそれを大きく上回っております。
中心市街地の人口定住化のためには、市街地環境の整備と、低廉で良質な住宅や高齢者が生活する上で利便性の高い
市街地住宅等を供給することが重要であると考えます。そのためには、公的住宅の供給を初め、民間の開発においても積極的に住宅を供給していくような行政による支援措置や誘導が必要と考えます。
既成市街地の人口定住化・増加策について県としてはどのような方策を考えておられるのか、住宅部長にお尋ねいたしまして第1回の質問を終わらせていただきます。
〔
公営企業管理者職務執行者・
企業局長小池康雄君登壇〕
◎
公営企業管理者職務執行者・企業局長(小池康雄 君)
オリンピック・
パラリンピック映像館の整備についてお答えいたします。
選手と観客が一体となって熱き戦いが繰り広げられた競技会場を目の当たりにしながら、大きな感動を呼んだ名場面を迫力のある映像によって後世の人たちにも鑑賞することができる施設が整備されることは、大変意義あるものと思います。
御提案のありましたような施設を企業局において整備するには、さまざまな視点から検討する必要がありますが、特に経営の健全性を確保できるかどうかが重要な検討課題と思います。建設や運営に要する経費を入館料等の収入で賄うことができる見通しが立つものでなければ、公営企業の事業としては困難であると思っております。
今後、地元でもいろいろな検討がなされると思いますので、具体的に進展する中で、企業局として事業化が可能であるか、慎重に見定めてまいりたいと考えております。
〔副
知事池田典隆君登壇〕
◎副知事(池田典隆 君)お答えをいたします。
政府の方で出しました
行政改革会議の最終報告に関するお尋ねでございますが、御案内のように、最終報告では、中央省庁の再編、それから郵政事業、それから独立行政法人、それから組織の整理・簡素化、そして定員の削減と、大きく五つの柱が出されております。この中で、組織の整理・簡素化あるいは定数の削減、こんなことが中央との中で影響が出てくるだろうと、こんなふうに考えております。
当然、政府のこうした最終報告を待つまでもなく、従来から県といたしましては定数の削減あるいは組織の整理・簡素化に努力をいたしてきたわけでございます。今回の最終報告によりましてさらに意を強くいたしまして、組織の整理・簡素化、そしてまた定数の管理、この辺に重点を置いていきたいというふうに考えております。
具体的には、先般も知事から申し上げましたように、平成10年度に入りまして平成7年につくりましたいわゆる行革大綱を見直し、特に定数管理あるいは職員の給与水準の適正化という点に重点を置いていきたい、こんなふうに申し上げたところでございます。
それから、中央省庁の再編は、今、法案が出されている段階でございます。今後、法案が成立いたしまして、どういう形で新しい省庁に再編されるか、この辺が明確ではございません。地方分権と申しましても、やはりまだまだ中央とのつながりの中で行っていく仕事はたくさんありますので、中央省庁ととんちんかんな組織ではいけないわけであります。そういう意味では、中央省庁と県の行政組織はある程度整合性を持っていかなければいけない。そうなりますと、新しい省庁が再編された暁には、当然、県の行政組織も検討する必要があるだろうと、こんなふうに思っております。
いずれにいたしましても、現在、国の法案が出されている段階でございます。それぞれの所管事項がこれから固まってまいりますので、それらを見きわめながら検討をしていく必要があるだろうと、こんなふうに考えているわけであります。
以上であります。
〔
総務部長飯澤清君登壇〕
◎総務部長(飯澤清 君)順次お答えをいたします。
まず、県行革に対する
取り組み姿勢と決意についてのお尋ねでございますが、これまで知事、副知事からも答弁申し上げましたとおり、本県ではこれまで、出先機関の統廃合など組織の簡素化や定員管理の適正化、事務事業の見直しに積極的に取り組んできたところでございまして、これは今後とも不断に行っていかなければならないと考えております。
特に、現在、財政状況が非常に厳しい中、介護保険など新たな業務にも積極的に取り組んでいく必要もあり、既存の組織や事務事業など
行財政運営全般にわたって、これまで以上に厳しい目で見直しを行っていく所存でございます。
また、より具体的な行政改革の計画が必要ではないかというお尋ねでございますが、県として行政改革を一層進めていくため、ただいま副知事からもお話がございましたように、新年度において、組織や事務事業の見直し、定員管理の適正化などについて幅広く検討し、平成7年度に策定した「行政改革に関する
基本的考え方」を見直すことといたしております。
この見直しに当たりましては、従来以上に厳しい対応が必要であると考えておりますので、定員管理の数値目標を設定するなど実効が上がるような工夫をするとともに、県民にも取り組みの状況が御理解いただけるよう配慮してまいりたいと考えております。
次に、職員の意識改革ということでございますが、言うまでもなく、県職員として、県民に対するサービスの担い手であるという心構えと、効率的な行政運営を行っていくための経営感覚を常に持っていることが求められており、人材育成が今後とも重要であると考えております。したがいまして、新年度におきまして人材育成のための基本方針を策定し、これに基づき一層積極的に取り組んでまいる所存でございます。
次に、「
政策評価システム」に関するお尋ねでございますが、予算編成における施策づくりに当たっては、毎年予算編成方針を定め、これに沿って、スクラップ・アンド・ビルドを原則として、県民要望や
社会経済情勢の変化に即応し、事業、施策のあり方、優先順位についての選択・評価を常に行ってきたところであります。
平成10年度当初予算の編成におきましても、廃止した事業33件、財源を他の事業の充実強化に振りかえた事業14件、統合・メニュー化した事業33件、合計80件の事務事業の見直しを行う一方、新規事業の創設等により施策の充実を図っているところであります。
現下の厳しい財政状況の中にあって、さまざまな財政需要に対応していくためには、
評価システムのような制度も一つの方法ではありますけれども、事務事業について不断にそのあり方、効果等について実質的に見直しを行うことこそが必要であり、この具体的内容などは新年度における行革大綱の策定作業の中で検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔
住宅部長山浦衞久君登壇〕
◎住宅部長(山浦衞久 君)お答えいたします。
既成市街地では、居住者の減少と高齢化、商店街の活力の減退などさまざまな問題が生じており、中心市街地の人口定住化は重要な課題と受けとめております。
御質問の既成市街地における人口定住化・増加策につきましては、県の
住宅マスタープランにおきましても、商業施設や公益施設と複合した中高層住宅の誘導等により人口の定住促進を図ることとしております。
また、現在国において審議されているいわゆる中心市街地活性化法案におきましても、商業等の活性化と市街地の整備改善の一体的推進を掲げており、中心市街地の居住人口の回復のための住環境整備を推進することとしております。
そこで、中心市街地における具体的な住宅供給対策としましては、市街地再開発事業や中堅層向けゆとり賃貸住宅供給促進事業などへの支援・誘導策のほか、公営住宅の建設がございます。
まず、市街地再開発事業では、既成市街地の人口の定住化を促進するため、住宅や社会福祉施設を取り入れた複合ビルについて、特に補助を拡充して支援しているところでございます。また、あわせて、道路や駐車場の一体的な整備や広場の設置など、車社会への対応とゆとりある空間づくりにより、居住環境の向上も図っているところでございます。
事例といたしましては、昨年、長野市の北長野に完成いたしました再開発ビルは、デイサービスセンター、児童センター、保健センターなどの公益施設を備えるとともに、分譲住宅128戸が入居する複合施設でございます。
この事業により既成市街地に住宅を供給した戸数は、県内で今までに650戸、ただいま建設中のものも含めますと762戸になる予定でございます。
さらに、民間などが建設する中堅所得者向けの良質な賃貸住宅の建設費などにも支援をしております。
また、公営住宅の建てかえの際には、高層化によりまして住宅戸数をふやすとともに、高齢者や障害者の方々にも対応した住宅供給を推進しているところでございます。
いずれにいたしましても、商業等の活性化と住環境の整備は中心市街地の活性化のための車の両輪でありますので、関係部局と連携を一層密にし、従来からの商業を主とした再開発のほか、住宅や公益施設等を組み入れた複合型の再開発の促進、個性的な町並みづくり、長寿社会に対応した住宅整備などにより、中心市街地の人口の定住促進に一層努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔7番奥村剛君登壇〕
◆7番(奥村剛 君)それぞれきめ細かい御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
企業局長さんの答弁、大変微妙な表現の中に、言葉は見えるんですが意味が不明だというものもあったかと思います。代表質問、それから一般質問におきましても、
オリンピック・
パラリンピックの感動というものは皆さんから表現されたわけでございますし、県民の皆様も、本当に
オリンピック・
パラリンピックはよかったと、心の中にまだ映像が残っていると思います。しかし、だんだん薄れてまいりますので、あるところにそういうものをつくって、いつでも見れるというものが必要だと私は思うわけでございます。そういう意味からも、ぜひひとつ企業局という立場で――入場料の問題、施設の問題、経営の問題等いろいろあろうかと思いますが、ぜひひとつこれをつくっていただきますように心よりお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○議長(西沢盛永 君)次に、森田恒雄君。
〔39番森田恒雄君登壇〕
◆39番(森田恒雄 君)私は、これから5項目につきまして質問いたしますが、質問に入る前に一言申し上げます。
「キャリアとは悪人のこと」と子供が言うように、エリートとかキャリアという名は今やどぶに捨てたい言葉であります。先日、運転していた自動車のラジオから、「行政は、首長がやる気を出し、口うるさい市民がいて、キャリアとかノンキャリアとかでなく、勉強する熱心な職員がいればその自治体は伸びる」という話が流れました。私は全く同感と思いました。
私たちは、市民を代表する口うるさい紳士な議員であることを念頭に県土づくりに参画しているつもりでありますし、そうありたいと思っておりますが、理事者、職員におかれましても一層そうした気持ちで取り組まれますようお願いを申し上げまして、質問に入ります。
まず初めに、県内での朝鮮の民主的平和統一に向けての機運の盛り上げについてであります。
今回の
オリンピック・
パラリンピックの成功、まことにおめでとうございました。平和の祭典とはこういうものか、という印象が随所に見られました。特に私には、あのクリス・ムーンさんが子供たちに囲まれて聖火を手に開会式場に入ってきたときの情景、そして、ショートトラックで日本、韓国、朝鮮民主主義人民共和国の3選手がそろって競った姿など、鮮明によみがえります。
ちょうどそうした平和の祭典が繰り広げられておりますとき、アメリカ対イラクで危機一髪という戦慄がありました。世界がアメリカの武力行使に賛同せず、そして、くしくも
オリンピック開会中というときもとき。中日の欧州駐在客員という熊田さんが新聞で論評された文章の末尾に「
オリンピック後半の7日間がアメリカにかれらの「発情」をさます猶予の時間をあたえたのは、長野の祭典のひとつの勝利であった」とありますように、それだけでも平和の祭典は大きな価値をもたらしました。
さて、話を戻しますが、金大中氏が四度目の韓国大統領選挙で当選し、去る25日、大統領就任演説をいたしました。かつて、当選の可能性高かった中で、日本滞在中、何者かに拉致された事件、真相をやみに葬ったままでその事件にふたをされてしまいましたが、我が国として反省すべきことだったと思います。
投獄、拉致、亡命と苦難だったその金大中大統領の就任演説は、だれもの心を打つものだったと私は思います。特に心を打たれましたのは、一つ、いかなる政治報復もしないが、差別や特恵は許さず、地域差別をなくす、二つ、人間が尊敬され、正義が最高の価値を持つ社会建設のための精神革命が必要で、疎外された人々に勇気を与える大統領になる、三つ、北朝鮮が望めば首脳会談に応じる用意がある、四つ、北朝鮮にいかなる武力挑発も認めない、北朝鮮を攻めたり吸収統一する考えはない、和解と協力を可能な分野から積極的に推進する、五つ、南北交流が進んだ場合、北朝鮮が米国、日本など韓国の友好国や国際機構と交流を推進していくことを支援する用意がある、そして合理的な方法で食糧支援することをためらわないなど、実に高邁な演説であったと私は思います。
南北分断の歴史的悲劇は、長く尾を引いて今日に至りました。今、金大中大統領のもと、朝鮮の平和統一に向けて大きく歩みが始まったと思うのであります。そして、閣僚に新しく朝鮮統一大臣として康仁徳氏を任命され、南北対話を促進する大統領補佐を命じられたわけであります。
このように、今、朝鮮の平和統一に向けて大きなチャンスが生まれているのであります。
我が長野県は、すばらしい平和・友好の祭典を世界にアピールいたしました。このことを重くとらえ、本県に在住する崔在植氏を委員長とする在日本朝鮮人総連合会長野県本部と鄭進氏を団長とする在日本大韓民国居留民団長野県地方本部の二つの在日組織――平成9年12月末日現在で4,477人が在住しておりますが――の朝鮮の民主的平和統一に向けての機運盛り上げを県として双方に呼びかけ、具体的行動を促すことができればと思うのでありますが、知事の所見を承りたいと思います。
次に、地球温暖化対策につきまして生環部長にお伺いいたします。
去年の暮れに日本が議長国となって温暖化防止京都会議が開かれ、12月10日に議定書案が示されました。その内容は、先進国である日本は2008年から2012年の5カ年の目標期間に、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素等の6種の温室効果ガスの排出を1990年に比べて6%削減するというものでありました。6%という数値は、詳しくはわかりませんが大変大きな数値と思われます。
地球温暖化は、私が子供のころを思い浮かべて現在と比較したとき実感できるものであります。年とともにふえる自動車運送交通の排気や、きらびやかなネオンサイン、高層ビルの明かり、さらには、なぜあんなにまでと思えるパチンコ店の明かりや、生活の質の向上からくる電力・ガス消費の増大等々、あわせて、世界人口の増大、発展途上国の生活の質の向上が進む必然の中で、将来本当にどうなるのだろうという不安は、だれもが感じているところと思います。
地球が人類の共有財産であることは論をまちません。本県は、長野五輪を環境五輪と名づけました。そのことは、地球環境全般の保全について、今後、意を持って取り組んでいかなくてはならないということを意味すると思います。県の長期構想で、自然と人との共生が柱にうたわれ、環境に配慮した県政もうたわれております。
以下お伺いいたしますが、一つとして、そこでまず、京都会議が示した6%という数値は一体どれくらいのものなのか、県民にわかるよう説明いただきたいと思いますが、どうでしょうか。
二つに、県として6%削減への指針を考えておられるかどうか、お伺いいたします。
そして三つに、今後の具体的取り組みにつきましての考えをお尋ねいたします。
次に、障害者施策の推進について社会部長にお伺いいたします。
先日、「
パラリンピックを見に行かまい会」の皆さんと一緒にアクアウイングにアイススレッジホッケーを見に参りましたが、たまたま私の乗ったバスは障害者施設入所者の人たちの乗った車でありました。補助いすに座って隣の人たちと話しながらの往復、わずか一日のつき合いでありましたが、いろいろ教えられるものがありました。
車いすの人に手をかし過ぎてはいけないこと、トイレにも必ずしもついていくばかりではいけないこと等々、まあそれはそれとして私の勉強になったのでありますが、特に驚きましたのは、知的障害者と思われる隣の席の二人が往復の車内で「おじさん、あれは何」とか「長野までトンネルが幾つあるの」とか話し続けました。私が「トンネルは13くらいかな」と言うと、数えてまいりまして結果は17ありました。すると、「ああ、17だった」と喜々としており、すぐにまた「帰りも通るから全部で34だ」と手をたたき、なお驚いたことに、難しいと思われるトンネルの名前をすぐ何々トンネルだと話し、「3,600メートルもある、ああ今度は360メートルだ」とか「もう何キロで○○インターだ」とか、私より早くそれらをキャッチして喜んでいる姿を見て、私は、この子がどうして障害者なんだろうと、改めてその子の目を見直したほどであったわけです。
そんなこともありまして、私どもの地域で、知的障害のある子を持つ親が、この子らの将来のために今のままでは何としても先に死んでいくことができないとして、一生懸命に新たな施策の展開のため研究している方の考えが一層わかった思いがしたわけであります。
養護学校で輝いている子供が、卒業して一般就労するや、なぜその職場において最低の働き人として過ごせられなければならないのか、しかも、共同作業所で一日200円、300円という稼ぎも、それが一生続く果てのない持久戦となるという理不尽さを肯定できない、というわけであります。だから、何とか知恵を出してその打開をしようと必死の取り組みがされております。そうした思いは、障害を持つ子供の親たちに共通した思いであるでありましょう。
それでは以下お伺いいたしますが、一つとして、21世紀初頭に達成すべき障害者施策の目標を示した県障害者計画が、平成9年度を初年度としての5カ年計画として策定されて2年目を迎えます。5カ年計画は非常にボリュームのある計画であります。新年度予算で積極性が確かに見られますが、それは5カ年計画を完遂可能な2年度目予算を盛られたかどうか、お伺いいたします。
二つに、10の圏域の中で5カ所の自立生活支援センターは計画どおり進められるかどうか、お伺いいたします。
三つに、市町村の障害者プラン策定の状況と取り組みは120市町村で見てどんな状況であるか、県としてどのような指導をされておりますか、お伺いいたします。
四つに、前段申し上げましたように、この子がなぜ障害者かと思うほどの人が、どうしてごくわずかな収入の作業所での仕事にしかつけないのか、「障害が重くても地域で当たり前の生活ができる社会をつくる」とする基本理念にそぐいません。どうお考えになられておられましょうか。
五つに、施設から派遣で、近くの事業所・企業あるいは農家や庭師の剪定枝片づけとか、公園の除草、清掃など、保護者や施設スタッフとともに働く援護就労等ならば、一日200円、300円でない一定の収入が得られると思われます。平成8年に長野市でオープンいたしました4年制共同作業所「ビーキャンパス」、興味深くその結果を私は待っておりますが、現状どんな結果か、考察をお伺いいたしたいと思います。
次に、今年1月、凍結雨雪害によって起きた飯伊地域の非常な森林被害対策につきまして林務部長にお伺いいたします。
今年1月15、16日、飯伊では珍しい大雪、雪の後の雨が雪とともに凍結して大木の根こそぎ倒伏、先折れ、曲伏と、飯伊全般で大変な被害をもたらしました。被害の大きい地域では、倒伏で国道をとめ、停電、暗やみの中であたりで木の折れる音、生きた心地がなかった状況だったようであります。
雪の積もったところへ水をかけて凍結させますと、その重さは20倍にもなると現地で聞きましたが、40年、50年生の山林が見るも無残な状況でありました。倒伏で道をふさいだ樹木を取り除く緊急作業者が、山主のおじいさんから切らないようにと差しとめられて困ったというほどに、長年かかって育てた苦労を無にする残酷なものでありました。
被害額は調査が進んで奥地までわかるにつれ増大いたしましたが、天龍村、南信濃村、上村を初め甚大でありました。ここで、被害調査など林務課の対応も非常に敏速だったとの評価も申し添えておきます。
そこで以下お伺いいたしますが、一つとして、まとめられた最終被害額は幾らとなるのか。森林組合などにお願いもいたしましたけれども、被害木利用は考えられるかどうか。
二つに、根こそぎ倒伏は、今後、雨による崩壊の原因をつくる要素があります。その対応につきまして。
三つ、問題は、木材の経済状況の不振が続く今日、被害山林の今後の施業対応であります。補助支援を含めどのような対応が可能か、お伺いいたします。
次に、南信農業試験場を充実整備して伊那谷を中心とした洋ランの産地育成について農政部長にお伺いいたします。
国民の日々の生活の中に花が添えられ、今では一年じゅう家庭に花が絶えないという、花が生活に潤いを与えてくれる昨今となりました。何年か前に視察した九州のある町が、どの家庭の墓地にも一年じゅう一日として花を絶やさないという風習がありまして、なるほど見事に花が供えられておりました。そして、その町が花の生産では日本一ということでありまして、経済を大きく潤しておりました。国民生活の中へ今後一層花が添えられるものと思われます。
そんな折、下伊那豊丘村出身で洋ラン研究では日本で第一人者、世界的にも権威のある唐沢耕司さん、氏は理学博士でありますが、昨年、沖縄からふるさとへ帰省され、高森町へ住宅と洋ラン温室2棟を建設、ふるさとへラン植物園をつくり育種と保存に生涯をささげたいとし、情熱を示されておられます。
改めて先生を紹介いたしますと、飯田高校から教育大植物科へ進み、大阪芸大の講師を務める傍らランの研究と育種に励まれ、その後、広島市の植物園建設委員長から植物園長を14年務め、その間、沖縄海洋博覧会の熱帯ドリームセンターの開設委員、そして1989年に沖縄県に熱帯植物研究所を開設して初代所長に、さらに1991年に沖縄ラン研究所を開設して初代代表・会長に就任して研究、遺伝子資源の収集や分析をされてこられた方であります。95年にラン研究では日本で初めての科学技術庁長官賞を受賞、沖縄海洋博で世界の野生ランの踏査・収集や原生ランの分布状況の調査で博覧会大賞の受賞と、名実ともにランの世界的権威者であります。
そして、世界じゅうから集めたラン2,000種を沖縄から運んで自宅温室におさめ、咲き乱れるランの温室内で先生から熱意あるお話を承ってまいったところであります。
先生はまた、今までに収集された8,000種2万5,000株のラン保存と文献展示などの植物園構想を夢見ておられ、同時に期待をしたい、伊那谷をランの里にしたい、という頼もしい情熱を示されました。そのために力をかしたいとも言っておられました。先生が見る伊那谷は、昼と夜との温度差が大きく、冬は降雨の少ない、ラン栽培にとって適地であり、だから私もこのふるさとに帰ってきたと申されております。
伊那谷をランの里にしたいという意思をぜひ結実されるよう願って質問いたしますが、高森町には南信農業試験場があります。その南信農業試験場の洋ラン研究施設を充実整備し、唐沢博士と共同研究により洋ラン栽培の新技術の開発あるいは新品種の育成を行い、そのことによって伊那谷を中心とした洋ランの産地育成を図り、県で推進いたしております園芸王国づくりに寄与したらどうかと考えますが、農政部長の所見をお伺いいたしたいと思います。
以上をもちまして第1回の質問を終わります。
〔知事吉村午良君登壇〕
◎知事(吉村午良 君)お答えいたします。
朝鮮の平和統一につきましての御質問でございますが、日本に一番近い朝鮮半島が平和統一されることは、日本にとりましても、また国民にとりましても大変好ましいことであり、歓迎すべきことであると、このように思っております。
しかし、従来から両国間の平和につきましては種々の話し合いが行われましたが、なかなか解決に至らなかった事情もございます。ただ、最近の金大中氏の就任に伴いまして、積極的に両国の和解・交流を進めるという姿勢を明らかにされておりますので、これが一層進むものというふうに期待をいたしております。
しかし、県として呼びかけるということにつきましては、主権の問題もあり、また外交上の問題もございますので、いかがなものかと思っております。まあ、気持ちとしてはわかりますけれども、県として公の行動に出ることはいかがなものかと、こう思っております。
いずれにしましても、方向としては期待すべきことでございますので、県内にもそれぞれの団体がございますので、まず団体間の融和、そして同時に県民運動の盛り上がりといったものに期待いたしたいと、このように考えております。
〔生活環境部長矢島広道君登壇〕
◎生活環境部長(矢島広道 君)地球温暖化についてのお尋ねでございます。
御指摘のとおり、地球温暖化防止京都会議におきましては、二酸化炭素を初めとする6種類の温室効果ガスの排出量を、1990年を基準といたしまして、目標期間である2008年から2012年の間に、先進国全体で少なくとも5%削減、我が国の場合では6%削減するという議定書がまとまったところでございます。
この6%という数値目標につきましては、6種類のガスの量を二酸化炭素に換算した上で、森林等の二酸化炭素吸収量を差し引きましたり、他国における削減量を譲り受けてみずからの削減量に繰り入れることのできる国際的な排出権取引という考え方を導入するなど、複雑な過程を経て計算されますが、実感としてはなかなか受けとめにくいものがあろうかというふうに思います。
6%という数字がどのくらいのものかを、温室効果ガスの90%以上を占める二酸化炭素について、燃焼したときに二酸化炭素を発生させる原油の量に換算して大まかな試算をしてみますと、削減の基準となる1990年度の年間の一人当たりの原油の量がドラム缶17本に当たり、その6%ということはおおむね1本に相当するということができます。つまり、一人当たり1本分の削減に相当する量ということになるわけでございます。
なお、先ほども申し上げましたけれども、森林の吸収量あるいは排出権取引などの考慮が必要でございますので、実際の削減量そのものはこれよりも少なくなると考えられます。
しかしながら、国の試算によりますと、1990年度以降1997年度までに二酸化炭素の排出量は10.5%もふえているとされておりますので、先ほどの6%にこの10.5%を加えました16.5%の削減が必要になる計算となってまいります。ですから、先ほどのドラム缶1本というのは、さらに2本にも3本にもなる数値となってまいるわけでございます。
また、削減目標を達成した後の二酸化炭素の排出量は、単純な試算ではほぼ1988年度(昭和63年度)と同量になり、今からおおむね10年前の排出レベルということになります。
このようなことから、目標の達成はなかなか容易なものではなく、早急に取り組んでいかなければならない重要な課題であると考えているわけでございます。
2点目は、6%削減への指針についてのお尋ねでございます。
国におきましては、地球温暖化防止京都会議で採択された目標を達成するための総合的な制度のあり方につきまして中央環境審議会に諮問し、去る3月6日に中間答申が取りまとめられたところでございまして、現在、これを受けて法制度化に向けた検討が進められているところでございます。
県といたしましては、エネルギーの利用に大きくかかわる産業構造や消費の実態が都道府県によって大きく異なりますため、都道府県単位に二酸化炭素の排出量削減目標数値を定めることは困難であると考えており、地球温暖化防止のためには、まず地域から自主的に行動していくことが重要であると考えております。
本県では、環境基本計画におきまして地球環境問題への対応を施策の重要な柱として位置づけて各種の施策を推進いたしますとともに、160項目の行動指針を提案し、計画の推進母体であり、事業者団体、消費者団体など94の各種団体で構成いたします「信州豊かな環境づくり県民会議」と連携して実践活動に取り組んでいるところでございます。
今後も、国の動向を注視していきますとともに、環境基本計画に基づく施策を推進していくことにより、地球温暖化の防止に努めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、3点目の具体的な取り組みについてでございますが、「本県における二酸化炭素の排出量は、民生部門の割合が全国平均に比べて高い」という平成4年の調査結果がありますことから、まず県民一人一人に身近な実践活動を促すことにより、二酸化炭素の排出量を削減することが重要であると考えております。
そのため、家庭における日常生活をチェックするための「環境家計簿」といったものを活用し、家計費の節約を実感しながら、行動指針に定めるアイドリング・ストップ、適正な冷房温度の設定、小まめな消灯、不要な包装の辞退などによるごみの減量などの取り組みを普及するとともに、実践を促進してまいりたいと考えております。
また、県も一つの事業者であるという立場から、県庁舎における省エネルギー対策などを内容といたします率先実行計画、こういったものを策定することとしております。この計画の実践によりまして、県みずからも二酸化炭素の排出量削減に努めますと同時に、その内容を民間事業者による実践活動事例とあわせて市町村や事業者などに普及してまいりたいと考えております。
そのほか、平成10年度予算におきましては、省資源・省エネルギーなどの施策を進めますとともに、地球温暖化防止に有効な新エネルギーの活用可能性の調査に着手いたしますなど、関係部局と連携をとりながら対策を実施してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
〔社会部長花岡勝明君登壇〕
◎社会部長(花岡勝明 君)お答えをいたします。
最初に、障害者プランに係る予算についてでございます。
10年度予算では、計画に掲げました新規事業、そしてまた継続事業を実施するに必要な予算を計上させていただいたものと理解しておりまして、今後ともプラン達成に向けまして努力をしてまいります。
次に、自立生活支援センターについてでございますけれども、プランでは13年度までに5カ所という目標を立てております。本年度の上田市に続きまして、来年度は長野市に開設を予定いたしております。
次に、市町村の障害者プランの策定状況でございます。
市町村の障害者プランにつきましては、本年度末までに27市町村で策定できるという状況でございます。来年度は20市町村くらいが策定したいというふうにしておりますけれども、未策定の市町村も大分残されているわけでございまして、国の策定指針が出ておりますので、これによりましてできるだけ早く策定していただくようにお願いをしていきたいと、こんなふうに思っているところでございます。
次に、共同作業所についてでございます。
御案内のとおり、共同作業所は、障害のある皆さんが作業訓練などを通じて技能を習得していただいて、社会生活への適応性を高めるための施設でございます。
ノーマライゼーションの理念が定着する中で、次第に共同作業所へのニーズも高まっておるわけでございまして、県といたしましても、施設整備や運営費につきまして支援しているところでございまして、今後とも充実に向けて努力をしていきたいと、こんなふうに思っている次第でございます。
共同作業所に通われている皆さん方で適応性が高まった方につきましては、公共職業安定所と連携をとりながら、それぞれ障害者の適性に見合った職業指導というふうなことで個別の指導をいたしております。特に新年度は、知的障害者の就職支援というふうなことで松本に障害者雇用支援センターが開設されることになっておりますので、これに対する支援をしていきたいと、このように考えているところでございます。
最後に、共同作業所「ビーキャンパス」の状況ということでございます。
お話にもございましたけれども、この施設は、長野市の手をつなぐ親の会が、知的障害者を対象にいたしまして、利用期限をおおむね4年程度というふうなことにして、個々の利用者に合った活動内容を設定して、自立的な社会生活への意欲を養うという目的で運営されております。利用者の中で一部の方について、地域の事業所の理解を得て、指導員の方がつき添って週3日とか5日就労するというふうなことが行われておりまして、この新しい取り組みにつきましては、出発したところでございますけれども、私どもとしても関心を持って見てまいりたいと、こんなふうに思っている次第でございます。
〔林務部長小林寿内君登壇〕
◎林務部長(小林寿内 君)順次お答えいたします。
まず、1点目の被害額と被害木利用についてでございますが、今回の大雪によります森林被害は、上伊那、下伊那、木曽管内の28市町村で発生いたしまして、立木の被害額は2月末時点で11億7,000万円に達しております。
これらの被害木利用につきましては、現在、地域の関係者によりまして協議を進めているところでございますが、用途といたしましては、チップ用材のほか、被害の程度によりましては土木用材や建築用材へもできる限り活用を図る方向で検討しているところでございます。
2点目の林地の崩壊への対策でございますが、人家や道路等へ被害を与えるおそれがある箇所については、災害関連緊急治山事業等の新年度早期着手に向けて国との協議を進めているところでございます。
3点目の被害山林の今後の施業対応でございますが、まず被害木の整理と被害跡地への植林が急がれるところでございます。このため、復旧を要する被害区域のうち、保安林約220ヘクタールについては保安林改良事業などの治山事業により、残りの約750ヘクタールについては公共造林事業や県単事業等により、平成10年度から計画的な復旧を図ってまいりたいと考えております。
このほか、県下の林業士や林研グループを中心といたしましてボランティア活動を行う動きもございますので、活動がスムーズに行える体制の整備を検討しているところでございます。
いずれにいたしましても、森林所有者の林業への意欲が失われないよう、また、二次災害や公益的機能の低下を来さないよう、市町村など関係者と連携を密にしながら、森林の一日も早い復旧について対処してまいりたいと考えております。
〔農政部長宮崎新一郎君登壇〕
◎農政部長(宮崎新一郎 君)お答えいたします。
あの美しい洋ランは、日射量が多く、比較的多湿で冷涼な気候を好むとされており、伊那谷は栽培の適地であると承知をいたしております。
南信農業試験場などにおける洋ランの試験研究は、シンビジウムやミルトニア種の栽培法の確立や開花特性についての研究を実施してきております。
近年、中南信地方において洋ランの生産が増加する傾向にありますので、今後は、生産者などの試験要望を踏まえつつ、有望新品種の栽培特性等に関する試験研究を進めるとともに、お話のありました唐沢博士のような著名な民間研究者との共同研究につきましても、その可能性や課題を相互に話し合い、検討を重ねてまいりたいと考えております。
〔39番森田恒雄君登壇〕
◆39番(森田恒雄 君)質問というよりは要望が多くなりますが、申し上げます。
最初に、知事の方からお答えがありました課題でありますが、チャンスというものは、それを逃すとなかなか到来しないことが多いわけであります。五輪憲章の一節には、「より良い、より平和な世界の建設に協力すること」とあります。このチャンスを生かされまして、さらにいろいろと方法を考えていただきまして、私が思いましても両団体一緒にということは至難だと思いますので、そうした長野県としての思いが朝鮮の民主的平和統一に向けての動きになっていきますように御指導いただければありがたいと、こう思います。
それから、障害者対策は先進国の中で日本は非常におくれているといわれるわけでありまして、今、そうした声を払拭することに努力している最中であります。これは、国もそうですが、本県もそうだと思います。「障害が重くても地域で当たり前の生活ができる社会をつくる」という基本理念に向けまして、一層の方途を御検討いただきたいと思います。
その中で、今、「ビーキャンパス」の内容の考察のお話がありました。私は、こういう部分を期待しておるわけです。その中で、共同作業所の中から一部の人が指導員につき添われて地域に出る、企業に出る、こういうことが考察として示されましたが、それをでかくしてもらいたい。これが、現在、共同作業所で働く皆さん方の父兄の声であります。私が申し上げましたように、これだけの頭脳を持った人がどうして一日200円、300円の共同作業所でずっと長く働かなければならないか。この「ビーキャンパス」を一歩延長いたしますと、非常に大きな福祉対策、障害者対策の展開が図られそうな気がするわけです。今、いろいろと模索しているという立場で「ビーキャンパス」がスタートしました。ぜひ一層前進ができますように心から要望申し上げたいと思います。
ランの里づくり、これもチャンスでありまして、こうした先生が健康なうちにそのノウハウ等々をいただいて、南信農業試験場を核にして頑張っていただきたい。過日、東京ドームで全国のランの博覧会があり、1週間でありましたけれども45万人という人が入られたようであります。今日、農業が46%減反を強いられるという中におきまして、新たな農業の展開と若者の定着、後継者づくりにも花というものは期待が持たれる産業だと思うわけでありまして、ぜひともこの機会を逃さないように、今お答えいただきましたように、共同研究、その先の展開を求めたいと思います。
それから、林務部長から、ああした災害に対してボランティアが入ってやるという動きがあるとお話がありましたが、これは非常に注目すべきことだとお聞きをいたしました。こうしたものはどういうふうな展開がされますか、いずれまたお聞きをしたいと思いますが、ぜひそんな点をこれから考察をいただきたい。そして、これからの林業災害等々に生かしていけるものになれば幸いだと思うわけであります。
以上、幾つかの御要望を申し上げました。以上をもちまして私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(西沢盛永 君)次に、島田基正君。
〔28番島田基正君登壇〕
◆28番(島田基正 君)自称エコロジー議員の先駆者であり、今や一員であります県政会・島田基正であります。
昨年の2月議会では、着物を着て質問させていただきました。その際、すべてが危機にある今日、県民一人一人がみずから立ち上がり行動を起こし、知恵と創造にあふれた環境と文化の新時代を開かねばならないことを訴え質問して、御答弁いただきました。そして、昨年の昨日3月19日に県議会より商工生活環境委員長の御指名をいただき、また、昨年のきょう、私自身に夜半より次々と降りかかってきた不測の事態に対して皆様からいただきましたお励まし、御支援は、深く心に刻みつけております。私にとりまして、本日は生涯忘れ得ぬ日でございます。そんに日に1年ぶりに質問させていただく機会を与えていただいたことは感慨無量のものがございます。
今日まで無事にこられましたのは、すべて私はふるさとに助けられたと強く思っております。それだけに、ふるさとの木、自然、地域に恩返しをするつもりで、
オリンピック・
パラリンピックを成功させた長野県の知事初め関係の皆様、そして恵まれた自然やふるさとすべてに感謝し、我が県が21世紀に向かい大事な施策である教育と土木・住宅施策について順次質問させていただきます。
教育委員長の議案説明にありました、知識偏重から考える教育へと指導方針が転換されようとしているという教育界の方向づけにつきましては異論のないところでありますが、知識の内容について考えてみますとき、従来の中央から押しつけられた知識を詰め込む教育から、その地域に関する知識を学ぶ教育への転換がまず必要なのではないでしょうか。
議案説明の中に「家庭・地域社会からの声に耳を傾け」とありますが、この地域社会をどのように認識され、そこからの声をどのような形で受けとめようとされておられるかをお伺いいたします。
私は、現在の教育の中から地域というものがほとんど忘れられ、家庭と学校だけ、家庭教育と学校教育があって地域教育のないことに少なからぬ危惧を抱くものであります。
かつては、学校でいじめられて泣いて帰ってくると、近所のおばさんが「そんな顔で帰ると親が心配するから」と涙をふいてくれてあめ玉の一つもくれる、また、学校でいじめられても近所の強い子がかばってくれる、その中で弱い子も自分を助けてくれる人がいるのだという自信を持ち、この地域は自分を温かく見守ってくれているのだという感謝の心を持ち、それがやがて自分もこの地域に役立とうという自覚を生み、そのためには地域のどの部分に自分の才能が生かせるかというみずから考えた個性を生むのでした。そして、やがてその地域が成長とともに大きく広がっていき、たとえ国の政治を動かすようになっても、自分を育ててくれた地域に恥をかかせるようなことをしてはいけないという大事なブレーキになっていたと思われます。
現在、中央では信じられないような恥ずかしい事件が次々と明るみに出ておりますが、こうした事件の当事者、官僚、金融関係のトップたちは、地域というものに全く触れない教育環境の中で育ってきたのではないでしょうか。
地域について塾では教えてくれません。従来の学校教育の中では、相応の時間をとることは不可能でした。かつて子供たちが地域へのつながりを深める機会であった仲間との遊びの時間も場所もほとんどなくなっております。
ゆとりを重視する教育を展開されていく中で、地域とのかかわり合いを取り戻すためにどのように対処されていかれるか、お考えを承ります。
かつて地域が日常生活に重要な位置を占めていた時代、その地域のイベント、年中行事、郷土芸能、祭りの中では、少年少女、幼い子供たちまでがスターであり得ました。現在、子供たちが脚光を浴びスターであり得るのは、テレビ等を通じてのほんの一握りのタレントと、並外れた力を持つトップクラスのスポーツ選手に限られてしまいました。ごく普通の大多数の子供たちは、わき上がってくる青春時代の自己顕示欲を抑えに抑えて成長せざるを得ないのです。そして、それが何に怒りをぶつけていいのかわからない「むかつく」状態を生み、ついには「キレる」という悲劇的結末を迎える場合も出てくるのです。
オリンピック・
パラリンピックの開会式、閉会式では、県内の地域的芸能、祭り、行事等が効果的に取り入れられ、しかも多くの子供たちが輝かしい脚光の中、楽しく感動を持って歌い踊っていたのは、本当に喜ばしいことでした。あの成功を一度だけで終わらせてはなりません。参加した子供たちだけに限ってはなりません。もっと広く、もっと長く将来に向けて地域の行事を振興させていかなければなりません。
霜月祭り、雪祭り、農村歌舞伎や人形浄瑠璃、民俗芸能の宝庫といわれる南信では学校教育の場での取り組みが効果を上げている例があります。
本来、地域教育は家庭教育の延長上にあったはずですが、現在の社会的状況はこれを難しくしています。とすれば、学校教育の中から地域教育を育てていくべきではないでしょうか。
地域行事、地域ボランティアといった地域へのかかわり合いを授業の一環と位置づけて単位を与えるといった取り組みはできないものか、教育長にお伺いいたします。
昭和53年、木の床を磨くことを学校の伝統として受け継いでいると話題になった飯田東中学を訪問し、当事の校長福島先生から「学校の建物に木を多く取り入れることは教育的にも心身の健康上からも大切であると信じている」と伺いました。先生の在任中に校舎の改築が行われ、全体はコンクリートづくりになったのですが、この折に、PTA、地域住民とともに関係各方面に働きかけて、設計段階ですべての廊下と教室の床を板敷きにしてもらったとのことでした。床は足元にあるため余り目につくものではありませんが、すべてを支える大切な存在であり、まずここに木を使うことが必要と認識されたわけです。床の下には柱を多く立てて弾力を持たせ、通風もよくしたと伺いました。さらに、教室は大き目にして、壁面は板の部分を多くしたとのことです。
木は清掃すればするほど美しくなり、すがすがしい環境をつくり上げてくれます。木を磨き、みずからの手で美しい環境を育てていこうという努力は、伝統として受け継がれることによって校舎への愛着となり、やがて愛校心、ふるさと愛へと成長していきます。
「床の輝いている学校は、なすことによって学びつくるという教育の根本理念を真剣に考え、その実現に努力している学校である」と申されました。またさらに、「子供に環境を選択することはできない。木を使った自然と生活が手を握り合った環境を与え、その中で教科書や教師からだけでは学べない豊かな感性を子供自身の力で育てていく。そして、地域の自然、歴史、文化に常に見守られているという安心感は、このふるさとをよりよくして次の時代へ引き継いでいこうといった使命感に目覚めさせ、大きな夢と希望に向かって進む勇気と力を生徒全員に与えてくれる。それが本当の勉強の目標である」と福島先生は熱意を持って語られました。
ここで、このようなPTAなど関係者の方々の声をどのように学校づくりに反映しているか、教育長にお伺いします。
建設省、林野庁共同の調査機関・住宅木材技術センターの調査では、学校施設設備への木材利用については、教育現場、学校管理者の校長や先生たちは木材や木製品の利用を望んでいるが、教育委員会が他の材料を選択する傾向が強い、と報告しています。現場での選択基準が、掃除による効果、自然の感じがする、安全、健康、温かみ、落ちつき、情緒、安定効果、弾力性がある、防湿性、防音、断熱性など木材の特性や価値を評価し教育効果を期待しているのに対し、教育委員会の選択は、耐久性、価格、維持管理のしやすさ、機能性など管理面に基準があると考える、と報告しています。
内装については、床はほぼ100%木が使われ、今や壁や腰板も全国的に自然回帰、健康ブームで木がふえてきています。また設備も、靴箱、掲示板、本箱は従来どおり木材が多く、学習机、いす、黒板、戸棚なども木製化する傾向にあります。
全般的に、都市部より木材のなじみの深い山村部の教育委員会で木や木製品の利用に厳しい姿勢をとる傾向が見られます。田舎ほどコンクリートや科学工業製品が近代化だと思っているせいではないでしょうか。工業化社会の遺物で、30年前の価値観です。今や地球時代、エコロジーにあふれた木や木製品が使ってあれば世界から尊敬・信頼されるが、森林県である本県の学校がコンクリートづくり、科学工業材料では軽べつされてしまいます。
ここで、長野県の県立学校建設においての木の使用基準はどうなっておりますか、教育長にお伺いします。
私は、飯田東中学の取り組みに心打たれ、未来の子供たちのため、全国の学校を字のとおり木に交わって学ぶ木の学校にしようと決意し、木の世界の自称政治活動隊長として、「豊かな教育環境、それは木の心から」をスローガンに、飯田東中学の写真をパンフレットにして文部省初め全国へ行動を起こし、訴えてきました。それまで学校施設は、何はともあれ不燃堅牢とすべしとする管理面からの主張により、木造校舎は皆無の状況でありました。しかし、行動することで、昭和60年、文部省より「学校施設に木材の利用のすすめ」が出されたことや、コンクリートづくりの基準単価の半分しかなかった補助基準単価の同じレベルまでの引き上げ――木は平米当たり七万数千円、コンクリートあるいは鉄骨は12万から14万円と倍ぐらいの差があったわけですが、それが是正されたことによって、木質化への環境は整いました。
学校施設が、単なる児童生徒を安全に収容する空間ではなく、心身ともに健康に育つ豊かな空間であることが要求されてから、静岡大学、東京大学を初め各学術研究機関で実験、調査研究をしてもらいました。木や生物系素材でつくった空間は、コンクリートや化学物質等無機質の材料でつくった空間より、犬やモルモットの動物実験では、子供の生存率、成長率、健康度、精神状態、生殖率等生体感覚ははるかにすぐれていることがわかり、特に、コンクリートの空間では体が弱り死亡率も高く、共食いやヒステリック状態がひどくなる傾向にあり、昨今の子供の情緒不安定な状況も、こうした閉じ込められた自然的解放感のない空間での自己中心的な防衛本能が起こす結果ともいえるかもしれません。
ここで、学校の建物環境が子供たちに与える肉体的・精神的・情緒的な影響など具体的に研究されるよう、知事初め教育委員会に要望させていただきます。
こんなことから、学校教育施設は、自然や歴史、未来と心が通い、子供たちが生活をし学ぶ生きた教材を使った空間づくりを教育の原点に置くべきではないでしょうか。詰め込み主義の教師、画一化された教科書、生命のない建物は決してよい教育効果を上げ得ないと思います。欧米では、教育・スポーツ・文化施設は木でつくるべしと法律で決められている国もあります。我が国でも、全国で木造・木質化が多くなりました。隣の群馬県でも全県で実行されています。
信州教育の基本は木に交わり学ぶ本当の学校づくりにあるという理念を今こそ全県に広げ実行に移すべきと思われますが、長野県下の学校の木造・木質化の現況と今後の対策を教育長にお伺いします。
次に、環境保全を考えた工事発注についてお尋ねします。
阪神大震災のときもそうだったといわれていましたが、昨年、私どもの火災の際は、実際に私自身が身をもって地域の人々や木や自然の力によって助けられたことは前述のとおりですが、その体験を通して――木は、炭化しても表面が焦げるだけで、それ以上火を通さないという性質を持っているということです。その体験を通して、地域の人々、歴史、文化、気候風土に根差したいろいろな力、知恵や技術を生かして政策を遂行することこそが最高の景気対策であり、地域づくり、長野県づくりだということを再度強く思い知らされました。
過日、私が会長を務めさせていただいている、木で橋や外溝施設をつくることを目的とした日本木橋協会の全国研修会を新潟で開催したところ、全国の土木関係者が驚くほどたくさん参加し、大変盛況でありました。
これは、建設省が、改正河川法で河川管理の目的に環境の整備と保全を追加し、地場建設産業育成、雇用の維持、環境工法の導入、コストダウン、工期短縮などの観点から、来年度から自然災害による河川関係の復旧工事にも環境保全への配慮を義務づけ、原則としてコンクリートむき出しの護岸を認めないことを決定したからです。既に通常の改修工事では木材や石などの自然材料を利用するなどを基本とされていますが、来年度からはすべての河川改修工事で環境保全に配慮した多自然型川づくりを目指すことになったのです。
ここで、河川工事における本県の現況と今後の取り組みについて土木部長にお尋ねします。
次に、建設工事の地元民間の知恵の活用についてお尋ねします。
公共工事の大幅な工事量の減少、コスト縮減が始まっており、一般競争入札方式の拡大がいわれている中で、これまで何人かの県議さんが質問されたように、
オリンピック、高速道、新幹線などが終わった長野県の建設業界は他県以上に深刻な状態にあります。こんなときだけに、年度別のコスト縮減計画、一般競争入札と指名競争入札の発注基準及び年度別割合をできるだけ具体的にお聞かせください。
また、工事金額は減っても、工事の質を落とさず、工事量や雇用を減らさないためにも、新工法、新技術、新しい提案が必須です。これまでは、土木建設の新技術や新工法というと、大半が大手ゼネコン、メーカー、商社からでしたが、最近は環境保全、自然工法が重視されてきており、今後は、地域の自然風土、人々の暮らしを一番よく知っている地元の現場から発信される技術、工法こそ、適切で信頼できる知恵として重要視していくべきではないでしょうか。もちろん、大手ゼネコンやメーカーの新技術や新工法も、よいものはよいものとして積極的に取り入れ活用していかなければなりませんが、全国画一的な工事、工法だけでは、その土地土地の個性に合った美しい風土をつくり、保ち、地域の人々を有効に雇用したり地域経済を活性化することはできません。
この点、これまでのようにアウトラインができ上がってから形式的に民間の意見を聞くのではなく、なるべく早い時期に全般的に地元の人々の経験や声や知恵に耳を傾け、それらを積極的に取り入れ活用していくのも一案ではないでしょうか。土木部長の御所見をお聞かせください。
また、幾ら経済万能の社会、自由競争の社会だからといって、自分たちの祖父母や両親が年老いてひとりで暮らし死んでいかねばならないような地域づくり、社会システムにしてしまって本当によいのでしょうか。地域に経済がなければ若者は住めません。地域の活性化のためには、やはり地元工事は地元業者へが大原則ではないでしょうか。しかし、地元業者がそうした発注側の配慮に甘えてばかりいて、自分たちみずからが技術や工法の革新、合理化、効率化、コストダウンを怠っていては、今日、生き残りをかけて会社の大改革、リストラ、コストダウン、技術や工法の開発に努力している大手ゼネコンや大手企業との競争力格差はますます開いてしまう結果になってしまい、最終的には地元業者が自滅する結果になりかねません。
この点、地元の人々こそが土地や自然を思う気持ちが強く、地域の気候風土、自然や生き物の生態系、田植えや農産物の種まき、収穫、忙しい時期、暇な時期、行祭事、若者がいないので重労働は難しいなどの生活、ここに水が欲しい、この川をこう利用したいなどの要求や希望を一番よく知っています。
そこで、地元の建設業者にもっと積極的に必要な工事、工法や技術、発注した業者には次に特命で工事提案をさせたり、提案によって工事費が削減された分の何割かの奨励金を払うなど、官民協調型の新しい発注法を取り入れていくことはできないものでしょうか。そうすれば、地域の中小建設業者もおのずと、単なる請負型から、技術や工法の提案、効率化、コスト縮減などのための研究・提案・努力型に変わっていき、大手ゼネコンとの競争に耐えられる独自の知恵や体力を身につけていくのではないでしょうか。
そこで、民間の技術を取り入れて公共土木施設の整備を進めていく必要があると考えますが、土木部長の御所見をお伺いします。
戦後50年が経過した今日、我が国の住宅産業の構造は大きく変化してきました。終戦直後はほとんどの住宅が在来工法の木造住宅であり、地域の大工、工務店の皆さんがその供給を担ってまいりました。現在では、新設住宅の年間着工が倍以上となる中で、木造以外の住宅が半数近くを占めるようになり、木造住宅の占める割合が年々低下する傾向にあります。さらに、新設住宅着工全体が長期的には減少すると見込まれ、プレハブ工法など工法・供給形態の多様化、輸入住宅の急増等、今後の市場競争は一層激化していくことが予想されます。
このように住宅市場を取り巻く情勢が急激に変化していく中で、在来木造住宅の供給を支える中小零細工務店を中心とした地域住宅産業は、現場生産性の向上、経営の近代化等多くの課題を抱え、早急に市場競争力の強化を図ることが必要になってまいります。
反面、県民の7割近くが家を建てるなら在来木造住宅を希望しているという県政世論調査の結果が示すとおり、木造住宅へのニーズは依然高いものがあります。
そこで、こうした県民の強い木造住宅へのニーズにこたえ、木造住宅の重要な担い手である地元の住宅産業を今後どのように育てていくのか、住宅部長にお伺いします。
昨年秋より本年にかけ、私は、住宅関連中小業界の皆様と、景気浮揚緊急対策として、住宅、生活環境改善への所得税減税、不動産や住宅建築環境整備への税金や規制の撤廃と大幅緩和、地震対策、省エネ・省資源対策、高齢化対策等の住宅改良投資は減税対象とする、を骨子とする住宅環境投資減税導入を5年ぐらいの時限立法でと訴え、大蔵省を初め政府関係機関、衆参800人の国会議員に陳情いたしました。今こそ、国民の持っている1,200兆円の預金を使い世界に誇れる住環境文化を起こし、国民主導の消費行動に結びつけ、日本の危機を救おうという訴えであります。
次の時代によい財産を残すために投資する、それが大量生産・大量消費・配給型の投資ではなく、地域の人々の知恵と技術力でつくられた日本文化創成整備といったものを目指した、例えば住宅と環境が緑を媒体として共生していく木造建築といったものに向けて減税を行う、それが本当の文化を生み出す施策だと思います。この施策は、地場産業の振興を初め各方面で経済を活性化し、ひいては減税額の何倍もの税収増となるはずです。
しかし、腐敗し切っている東京中央はいまだに何もこたえてくれません。もはや、アメリカ経済が住宅投資を中心とする国民一人一人の行動によって立ち直ったように、日本も地方から、国民一人一人から知恵と力を結集して現状の厚い壁を打ち破る行動を起こすしかありません。
県当局は、県でできる景気対策を、国のように小出しにせず、ここで知恵を結集して一気に出していただくことを要望し、そんな意識で御答弁と今後の対応をお願いしまして、1回目の質問を終わらせていただきます。
〔教育長戸田正明君登壇〕
◎教育長(戸田正明 君)順次お答えいたします。
まず、地域社会の認識と地域の声の受けとめについてのお尋ねでございます。
オリンピックの閉会式において、本県出身の高野辰之作詞の「ふるさと」が歌われ、日本人だけでなく世界の人々の心に響き渡りました。地域、ふるさとは人間の精神の原点ともいえるのではないかという感に強く打たれました。
地域社会は、人々がお互いに支え合って生活する場であり、自分の子供も他人の子供も地域ぐるみで育てるという気持ちが地域の教育の原動力になっているのではないかと考えます。
学校は、子供たちが育つ地域社会とのつながりなくしては成り立たないものであり、地域の願いや期待を十分に受けとめ、開かれた学校づくりの中に生かしていくことが大切であると考えております。
次に、ゆとりある教育と地域とのかかわりについてのお尋ねでございます。
家庭、学校、地域社会がそれぞれの役割を見直し、ゆとりある教育環境を整えていく中で、子供たちが地域のよさを実感していくために、地域の持つ豊かな自然や文化を生かした教育を進め、地域との結びつきを深めていくことが大切であります。
現在、高等学校では、「地域」という教科を設けて史跡調査などを通して地域の歴史を理解したり、郷土料理等の実習を取り入れて昔の人の生活の知恵に学んだりする学習を行っている学校もあります。
また、小中学校では、地域の環境や願いを生かした「蛍の里づくり」や、地域と一体となった大鹿歌舞伎、黒田人形など、伝統芸能を継承する取り組みがなされております。
多様化する子供たちの現状や間近に迫った学校週5日制の完全実施に対応していく上で、学校・家庭教育とともに地域の教育力は大変重要になってきております。
今後、地域とのかかわりを一層深め、各学校が地域と連携してさまざまに創意工夫した取り組みがなされるよう、市町村教育委員会と連携を図りながら努めてまいりたいと存じます。
次に、地域行事、ボランティア等の授業への位置づけと単位認定についてのお尋ねでございます。
現在、高等学校では、「地理歴史」や「家庭科」、「地域」、「福祉」等の教科の学習活動の一領域として、郷土の歴史研究やボランティア活動などを取り入れております。
御指摘の高校生の学校外で行うボランティア活動などの単位認定につきましては、現在、国において平成10年度から実施できるように準備が進められておりますので、その動向に注目しながら研究してまいりたいと考えております。
次に、学校建設に当たり、関係者の意見を反映させることや木材の使用基準についてのお尋ねでございます。
学校建設に当たって、関係者の意見を反映させることにつきましては、できる限り要望に即したものにするために、設計の段階で学校と協議を重ねており、学校を通して関係者の方々から意見もお聞きするよう努めているところでございます。
また、県立学校の木材使用基準につきましては、校舎建築に際して、豊かで潤いのある教育環境づくりのためや、木材が本県の風土や地場産業に即したものであることから、教室や廊下の腰壁、廊下の床、天井などの内装材として木材を積極的に使用することとしております。
次に、県下の学校の木造・木質化の現況と今後の対策についてのお尋ねでございます。
昭和60年度以降の新増改築が行われた公立学校205校のうち、木造は9校で、いずれも公立小中学校でございます。
御指摘のとおり、木材は、美観や感触、吸湿性などにすぐれ、児童生徒に安らぎを与えて教室の雰囲気を豊かにするものでございますので、県教育委員会といたしましては、今後も改築や改修の際には内装材などとして積極的に使用を図ってまいりたいと考えております。
なお、市町村に対しましては、その使用を助言してまいります。
以上でございます。
〔土木部長太田柳一君登壇〕
◎土木部長(太田柳一 君)順次お答えいたします。
環境保全に配慮した川づくりについてでございますが、河川改修では、平成2年に建設省から環境や景観に配慮した多自然型川づくりの方針が示されております。
県といたしましては、この方針と県で策定した「環境・景観設計の手引」に基づき、芝などの植生や自然石による護岸、木を用いた杭柵など、水辺環境に配慮した河川改修を実施してきており、今まで実施した総延長は72キロメートルとなっております。
また、平成10年2月に建設省から「美しい山河を守る災害復旧基本方針(案)」が示され、平成10年に発生した災害の復旧工事から、環境保全に配慮し、木や石などの自然の素材も活用したコンクリートのない川やコンクリートの見えない川を目指すこととされております。
今後も、水辺環境の保全に十分配慮しながら、自然を生かした川づくりを積極的に推進してまいります。
次に、コスト縮減の計画についてでございますが、県では、厳しい財政状況のもと、限られた財源を有効に活用し効率的な事業執行を図るため、公共工事コスト縮減対策に関する行動計画を昨年11月に策定したところでございます。
その主な内容としましては、工事の計画・設計等の見直し、工事発注の効率化等により6%以上の縮減を図ること、並びに、工事実施段階での合理化や規制緩和等により4%以上の縮減を努力目標としており、合わせて10%以上のコスト縮減を平成11年度末までの3年間に実施することを目標にしております。
各年度ごとの縮減率につきましては、国の基準の改定を待たなければ実施できない項目もございますので、設定しておりません。
次に、一般競争入札と指名競争入札の発注基準でございますが、土木一式工事や電気・機械工事では設計金額が10億円以上、また、建築一式工事では20億円以上の工事を一般競争入札とし、この金額未満の工事は指名競争入札を行うこととしております。
また、県が発注した工事に占める一般競争入札の件数、請負金額及びその割合は、平成7年度は16件、309億円、9.3%、平成8年度は5件、90億円、4.1%でございます。
次に、早い時期から地元の意見を積極的に取り入れたらどうかということでございますが、公共事業を実施する際には、計画の段階から地元住民の意見を反映させることが重要と考え、現在も実施しているところであります。
例えば、
オリンピック競技会場へ通じる志賀ルートにつきましては、環境保全を図る表土復元の工法とか、けもの道などについて、地域の皆さんの御意見、御提案を積極的に取り入れて実施してきたところであります。
今後とも、計画段階から地元の方々と十分話し合いを行い、活用できるものについては取り入れてまいりたいと考えております。
次に、民間の技術を取り入れた公共土木施設の整備についてでございますが、県のコスト縮減行動計画の中では、具体的施策として、間伐材や現場から発生する自然石などを利用する工法なども掲げられております。これらを実施するためには、地元の建設業者が持っているすぐれた技術や経験を生かすことが必要でありますので、技術提案を受け入れるVE方式なども含め、その活用を検討してまいります。
今後とも、地域に根差した工法や新技術も取り入れた公共土木施設の整備を進めてまいりたいと考えております。
〔
住宅部長山浦衞久君登壇〕
◎住宅部長(山浦衞久 君)お答えいたします。
本県の住宅施策の基本方針である長野県
住宅マスタープランにおきましては、県民の強い木造持ち家志向にこたえるとともに、地域の木材産業や住宅産業の振興を図ることを重要な施策の一つとして位置づけております。
特に、良質な木造住宅の供給を促進するためには、地域に密着した住宅のつくり手である大工、中小工務店の経営合理化や、後継者、技能者の育成を早急に進める必要がございます。このため、従来から経営や技術向上に関する講習会等を実施して支援してきたところでございますが、プレハブ住宅のシェア拡大など、昨今の地域住宅産業をめぐる厳しい状況にかんがみ、来年度から新たに地域住宅産業支援事業を創設したところでございます。
本事業におきましては、地元の工務店等のコストや工程管理などの実態調査を行いまして、地域住宅産業の課題を明らかにし、どのような合理化が可能か検討を行うとともに、その成果を広く普及啓発することにより、地域住宅産業の構造改革を支援することとしております。
また、木造住宅の建築現場の見学会や講演会の開催により地域住宅産業の魅力を強くアピールいたしまして、後継者、技術者の育成を支援してまいりたいと考えております。
以上であります。
〔28番島田基正君登壇〕
◆28番(島田基正 君)それぞれに木や自然や地域の期待にこたえて踏み込んだ御答弁をいただき、ありがとうございました。
ここで、知事初め教育委員会、県当局に要望させていただきます。
かつては、長野県全域の小・中・高校で学有林があり、地ごしらえ、下草刈り、枝打ち、間伐などの作業を通じて、生徒が自分の体で山や森の、そしてふるさとの大切さを自然の学校の中で学びました。今、長野県じゅうの山が手入れ不足で悲鳴を上げています。もう一度、学有林の制度を取り入れ、ボランティア意識を育てて、子供たちに本物を見きわめる目と心を養う機会を与えてください。PTAや地域の私たちも、その機会に一緒に参加いたします。
このように自然の豊かな中で生きている長野県民は、皆、すばらしい風土に生きた知恵と力を、そして文化を持っています。県は今こそ、すべての施策の中にこうした民間活力を積極的に導入し、県民の血と心を大いに注いで、官民一体となってこの厳しい環境を乗り越える努力を積極的に展開していくことを要望しまして、私の質問のすべてを終わりにします。
○議長(西沢盛永 君)昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時56分休憩
───────────────────
午後1時1分開議
○副議長(関谷高雄 君)休憩前に引き続き会議を開きます。
続いて順次発言を許します。
山元秀泰君。
〔9番山元秀泰君登壇〕
◆9番(山元秀泰 君)長野県松本市区選出・県政会・山元秀泰です。通告に従い2点について質問いたします。
今世紀最後の
長野冬季オリンピックも、世界トップアスリートの活躍により大きな感動の中で閉幕されました。また、引き続き開催されました長野冬季
パラリンピックも、
オリンピックとはまた違った限界に挑む姿を私たちに見せ、これまた日本じゅうに大きな感動を残しました。二つの大会に御尽力いただきました関係者各位に、私からもまず心より感謝を申し上げたいと存じます。そして、これらの大会から得た有形無形の教訓を、理解だけでなく、我が長野県の将来の施策にしっかりと生かしていかねばならないと感じておりますし、そのことが私たちの責務でもあると思っております。
冬季
パラリンピックは、新たな可能性を見出し、私たちは、競技者から勇気をもらい、ボランティアの皆さんからは人のために尽くすとうとさを学びました。また、障害を持っておられる選手の皆さんの日ごろの練習を頭の中で連想し各競技を観戦する中で、観客一人一人が自分や家族の現況とオーバーラップさせながら一喜一憂し、大きな感動の中から「やればできる」ということを教えられたのではないかと推察するところですが、一方では、まだ関心が低いといわれる障害者や障害者スポーツへの課題、そして健常者との意識のギャップなど教訓を与えてくれました。
例えば、開会式のテレビ放映にしても、我が長野県においては地上波で生中継を放映されたのは1局だけで、それも途中で終わってしまいました。衛星放送ではすべてを中継されたようですが、衛星放送を見ることができない県民は多く、残念がる声とともに「公共の電波なのに、あれは差別では」といった声や、競技においても「小中学校のせっかくの
パラリンピック休みがあるし、できるだけ競技を見せたいが、見に行けないしテレビでの中継もない。何のための休みかわからない」といった声さえありました。いずれにせよ、
オリンピックとの差は明らかでした。
そして、開会式翌日早々に金メダルを取り日本じゅうを歓喜させた、バイアスロンに出場した小林深雪さんとガイドの中村由紀さんの優勝でのインタビューで、クロスカントリーの競技中、観客の応援を感謝すると同時に、「カーブでのホーンや声援でガイドの中村さんの声が聞き取りづらかった」と答えていました。観客は、もちろん競技の邪魔をするつもりもなく、ひたすら選手の健闘に大きな声援を送るべく大きな声と鳴り物で応援していたと思うのですが、耳だけが頼りの小林選手からすると、観客の必死の応援がかえって障害になってしまったのです。私は、観客を責めるつもりはありませんし、それらの応援で励まされての結果だとも思うのですが、障害を持っている人の立場になって行動することの難しさを感じた場面でした。その後の競技では観客も気配りをしながらの応援に変わったことを知り、ともに生きる社会の構築に向け、大きな可能性を示してくれたひとときでもありました。
それら数々の教訓と感動を与えてくれた大会でしたし、まだまだ言いたいこともあるわけですが、それら感動がさめないうちに福祉の街づくりの一端に話題を進めさせていただきたいと思います。
日ごろ私たちは、車いすを利用されている下肢に障害を持たれておられる皆さんを目にします。車いすは言うまでもなく障害を持つ方たちの足であるのですが、車いすに乗っての通行にはまだまだ多くの支障があります。障害者の皆さんに対する施策の推進により改善されつつあり、なお一層の対策を期待するところでありますが、それらの施策によって、障害を持っておられる方でも車の運転も可能になり、行動範囲も広がり、みずからの力で行動を完結できるようにもなってまいりました。
しかしながら、昨今、目につくことがあります。それは、あちこちで設置されている身体障害者用の駐車スペースに、明らかに障害者ではない一部の人が平然と駐車していく光景を目の当たりにします。時によっては、そのスペースすべてに駐車されていることも珍しいことではありません。「全体の駐車スペースが狭く駐車できないがために」という人や「建物の出入り口に近いことから」など、個人の利便性へのエゴを抑えられない理由はさまざまだと推察いたすところです。
県は、平成7年、「障害者等が安心して行動でき、社会に参加できる福祉のまちづくりに関し、県、市町村、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、福祉のまちづくりのための施策及び障害者等が安全かつ容易に利用できる施設の整備について必要な事項を定めることにより、福祉のまちづくりの総合的な推進を図り、もってすべての県民が共に生きる豊かな福祉社会の実現に資すること」を目的に長野県福祉のまちづくり条例が制定され、施行されました。
そして、条例において、官公庁施設、社会福祉施設、医療施設を初め、公共の交通機関の施設、店舗などの不特定かつ多数の者の利用する施設及びこれらに準ずる施設を特定施設と定めました。そして、これらの施設を安全かつ容易に利用できるようにするために必要な基準として整備基準を設け、特定施設の所有者または管理者に義務づけられたのは御承知のとおりです。また、ハートビル法の誘導的基準とも整合しているとお聞きしております。
そして、その効あって、これら特定施設においては改善が進んでまいりましたが、いまだ改善されない場所や、障害者との目線の違いからか設置がちぐはぐな場所も見受けられます。
中でも、障害者用駐車施設のように、基準どおり設置してはあるものの、障害者以外の人が利用し、障害者が利用したいときには条例で定められている場所を使用できないこともあります。また、福祉のまちづくり条例には、所有者または管理者に対し整備基準に適合するよう指導、助言、勧告などを行えますが、県民に対しては、責務と称してはありますが、努力目標的な事項のみの記載があるだけです。条例で定められているから障害者用駐車場は設置はするが、障害者が駐車したいときには他の車でいっぱいなどというのでは、何のための条例なのでしょうか。
私は、昨年渡米した際に、アメリカにおける身体障害者用駐車施設の状況を見てまいりました。アメリカでは、合衆国議会により1990年に、身体障害者がより参加しやすい社会づくりを目標として、アメリカンズ ウィズ ディサビリティーズ アクト、略してADA法が制定されました。この決議は、雇用、公共事業、公共施設、通信、その他障害者に対する行為の禁止など五つのタイトルに分けられており、このADA法を実現するための具体的な規定やそれらにかかわる違反行為に対する罰則等の規定は、州や市、郡政府が定めています。中でも罰金については、駐車スペース前方に罰金の金額を明記してあり、約100ドルから1,000ドルという高額な罰金でありました。ちなみに、ロサンゼルスでは330ドル、サンフランシスコでは475ドルでありました。また、公共施設でも民間施設でも罰金に変わりはないとのことでした。
このADA法により、込んでいる駐車施設であっても、障害者用駐車スペースに健常者の車を駐車するのを見ることはありませんでした。また、障害者の使用している車には、はっきりと区別ができるような証明書がダッシュボードの上に置かれておりました。
これらを踏まえて社会部長に質問いたします。
一つとして、障害の程度にかかわらず、下肢に障害を持たれておられる方でみずから運転をされている方の数や車いす使用者でみずから運転される方の数については把握は難しいと思いますが、身体障害者の自動車運転免許の取得に要する経費や自動車改造に要する経費に助成をされておられると伺っておりますが、現在までにどのくらいの件数に助成されたのかをお伺いいたします。
二つとして、障害者用駐車場に健常者が駐車するのを控えさせるための啓蒙活動はどのようにされておられるのでしょうか、また、障害者用駐車場は車いす使用者でみずから自動車を運転する者に限るのでしょうか、そして、下肢が非常に弱い方でも車いす使用者ではないと障害者用駐車場に駐車できないのでしょうか、また、車いす使用者であっても健常者が運転している場合は駐車できないのでしょうか。
いずれにせよ、県民の中で障害者用駐車場に駐車できる人の基準を知る人はごく少数と思われるのですが、どのように周知徹底されておられるのでしょうか、そして、障害者用駐車場へ駐車することができる方をすぐに区別できる対策はどうされておられるのでしょうか。
三つとして、日本では、健常者が障害者用駐車場へ駐車したとしても罰則はありません。私は、みだりに罰則を導入すべきものだとも思いませんし、ともに生きる社会のマナーとしてそのスペースが確保されることが最良だと思うのですが、現況をかんがみると、規制なきところに改善はないと思われます。
パラリンピックを契機に、全国に先駆けて、障害者用駐車場への駐車について、障害者の権利を保障し、場合によっては罰則制度を導入するような条例の改正をするお考えはないのでしょうか、御所見をお伺いいたします。
また、「さわやか信州障害者プラン」後期計画の2年目を迎えますが、財政も厳しい中、「これからは福祉予算が厳しくなるのでは」といった不安な声や、街の中で車いすで利用できるのは50%ともいわれますが、福祉の街づくりの進捗状況とこれからの決意をお伺いいたします。
以上、ソフト面での福祉の街づくりへの取り組みについて伺ってまいりましたが、これらのソフトを実行するにもハード面での整備が伴わなければ本来の意味での福祉の街は実現できないわけでありますし、ハンディキャップを持っている人が街に出やすい環境づくりをなお一層推進すべきだと思うのです。
また、公共機関におけるエレベーターの設置などについては、まだ対応がおくれているようにも見受けられます。松本市では、高齢者、障害者に配慮し、JR松本駅に事業費の3分の2を補助しエレベーターを設置することになりました。また、県においても、長野市若里の日赤病院前の歩道橋にエレベーターを設置されております。今後も歩道橋へのエレベーター設置を積極的に進める必要があると思いますが、この点については土木部長にお伺いいたします。
次に、建築物の耐震診断についてお伺いいたします。
平成7年1月に起きた阪神・淡路大震災から3年が過ぎ、被災地ではあの無残な姿もほとんど消え、復興の力強さを感じるとともに、いまだ仮設住宅に暮らす方々や建物が建っていない空き地などを見ますと万感胸に詰まるものがあり、改めて亡くなられた方々の御冥福を祈りますとともに、一刻も早くもとのような生活に戻ってほしいと願うものであります。
また、多くの建築物が倒壊した大震災でもありましたが、老朽化していたものまたは耐震構造になっていないものなどが主であり、改めて地震に対する耐震度を高めることが大惨事を起こさないための条件だと思うのです。
国は、阪神・淡路大震災の教訓から、新耐震設計基準に適合しない既存建築物の耐震改修を促進することが必要になったため、建築物の耐震改修の促進に関する法律を立法し、平成7年12月に施行されました。そして、3階以上、1,000平方メートル以上、かつ昭和56年6月1日以前に確認を受けて建築された建築物及びピロティー構造等で現行の構造基準に適合しない建築物の中で、学校、病院、スーパーマーケット等を初めとする多数の人が利用したり公益上必要な建築物を特定建築物と位置づけ、その所有者は、みずからの建築物について耐震診断を行い、必要に応じて耐震改修を行うように努めなければならないとされました。そして、都道府県知事等の所管行政庁は、特定建築物の耐震診断及び耐震改修について、必要な指導及び助言並びに指示等をすることができるようになりました。また、住宅初めすべての建築物について耐震改修をしようとする者は、耐震改修の計画について認定を申請でき、その計画が耐震関係規定等に適合している場合は認定を受けることができると同時に、この法律の認定を受けることにより、既存不適格建築物の制限の緩和や耐火建築物の制限の緩和などの適用を受けることができるようになりました。さらに、計画の認定をもって建築確認があったものとみなし、建築基準法の手続を簡素化でき、かつ住宅金融公庫初め政府系金融機関の長期低利の融資を受けることが可能になりました。また、多数の人々が利用する建築物の耐震改修を行う場合、一定の基準を満たすと、法人税、所得税に関する税制上の特例を受けることができるようになったのは御承知のとおりであります。
この法律の施行後、近県の耐震診断の実施状況を見ますと、学校、病院、県住などを中心に設計事務所などに業務委託をしておりますが、平成7年から9年の3年間の実施状況では、施行後すぐに実施を始めたが翌年から件数が大分落ちた県、年々件数がふえていく県、ほとんど取り組んでいないのではないかと思われる県などまちまちであり、その統計の仕方も件数や棟数など統一されておりません。また、どの都県を見ても、耐震診断実施数はわずかな数字ではないかと思われます。また、耐震改修を実施した数は、特定建築物数に対し1%にしか達しないような県もあるようです。我が長野県では、県の施設において、平成7年度19件、8年度5件、9年度1件の計25件と仄聞しております。
これらを踏まえ住宅部長に質問いたします。
一つとして、県下の特定建築物数はどのくらいあるのでしょうか、公共施設・民間施設別にお聞かせいただきたいと思います。また、現在までの耐震診断実施状況と耐震改修実施状況をあわせてお伺いいたします。また、これらの数字をどのように分析し評価されておられるのでしょうか、御所見をお伺いいたします。
二つとして、県有施設につきましては、住宅部、県警本部、企業局などそれぞれで耐震診断をされておられると思います。また、改修工事等にあわせ実施されておられますが、官民を問わずどのような建築物を優先して耐震診断をすべきか、基本的な考え方をお伺いいたします。また、県民の生活に直接的に影響のある県営住宅につきましては、これからどのような計画で耐震診断を実施されていかれるのでしょうか、予定と目標最終年度をお伺いいたします。
三つとして、市町村の施設または民間施設に対し、どのように指導及び助言並びに指示等しておられるのでしょうか。
四つとして、建築士事務所協会などへ耐震診断を業務委託している県もあるとお聞きしておりますが、公益法人たる建築士事務所協会には受注資格がないとし、別組織の組合をつくりそこへ委託する県、協会の定款を改正し、調査研究業務として協会がすべての物件を受注する県等、さまざまとお聞きしております。そして、近県10県の状況を見ますと、協会へ委託されていない県は長野県と山梨県とお聞きしております。これら耐震診断業務は建築士事務所協会と大いに関係すると思いますし、入札という手段だけでなく、協会に委託することによって意識の高揚や耐震診断のより深い研究にもつながると思うのですが、御所見をお聞かせいただきたいと思います。
以上、視点は小さいですが大きな課題だと思いますので、前向きな御答弁を期待しまして第1回目の質問を終わります。
〔社会部長花岡勝明君登壇〕
◎社会部長(花岡勝明 君)お答えいたします。
福祉の街づくりについてでございます。
最初に、身体障害者の免許取得助成などについてでございますけれども、この5年間の実績で、自動車免許取得助成は36件、それから自動車の改造助成は222件となっております。
次に、障害者用駐車場の関係でございます。
まちづくり条例では、車いす使用者用駐車場は車いす使用者が乗車している自動車の駐車のために設けているものでございまして、乗降に十分なスペースを確保し、建物の入り口から近いところに設置するよう整備基準を定めているところでございます。
なお、車いす使用者用駐車場に駐車することができる車への表示は、現在、いたしておりません。
この駐車場に、お話にございましたように健常者が駐車しているというふうなことでございまして、まことに残念なことでございます。
県といたしましては、これまで、条例の内容を紹介するパンフレットの作成や説明会などを通じまして趣旨について周知してきたところでございますが、今後とも一層の周知を図ってまいりたいと思います。特に、福祉のまちづくり推進協議会ということで地域での話し合いの場を設けておりますので、それらを通じまして一層の理解とモラルの向上に努めてまいります。
次に、罰則制度の導入ということでございますが、お話にもありましたように、罰則制度の導入ということではなくて、ほかの人は車いす使用者用駐車場には駐車しないという県民マナー、これを確立していくことが必要ではないかと考えているところでございます。
次に、福祉の街づくりの進捗状況ということでございます。
福祉のまちづくり条例制定後3年を経過しようとしておりますけれども、この間の特定施設の届け出件数は900件を超えておりまして、福祉の街づくりに対する事業者や県民の理解は一段と高まってきているというふうに思っております。
障害者プランでは、13年度の達成目標ということでいろいろ数値目標も定めておるところでございますけれども、10年度末までに、リフトつき路線バスは8台の目標に対しまして5台、リフトつきタクシーは18台に対して9台、また、地方事務所等に配置しております専任手話通訳者は8名に対して5名ということで、目標に向けて順次整備を進めているところでございます。
今回の
パラリンピックを契機にいたしましてノーマライゼーションの理念が県民の間に一段と深まったというふうに思っておりまして、今後、障害のある人もない人もともに暮らせる社会、これの形成に向けてプランを計画的に進めてまいりたいというふうに考えております。
〔土木部長太田柳一君登壇〕
◎土木部長(太田柳一 君)お答えいたします。
土木部におきましては、「さわやか信州障害者プラン」の一環として、幅の広い歩道の整備や歩道の段差切り下げ、点字ブロックの敷設などの事業を進めているところでございます。
御質問にありました長野市若里の歩道橋につきましては、周辺に長野赤十字病院や障害者向けの市営住宅があり、お年寄りや障害者の利用が多いこと、さらに横断する県道は4車線と幅員も広いことから、利用者の安全性や利便性を確保するため、県下では初めてエレベーターづきの横断歩道橋を設置したところでございます。
今後の歩道橋へのエレベーター設置につきましては、御提言の趣旨を踏まえ、交通状況や周辺施設の状況などを総合的に判断し、検討してまいりたいと考えております。
〔
住宅部長山浦衞久君登壇〕
◎住宅部長(山浦衞久 君)順次お答えをいたします。
1点目の建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づく特定建築物の件数についてのお尋ねでございますが、県下全体で2,219棟ございまして、その内訳は、公共施設が855棟、民間施設が1,364棟でございます。平成10年1月末現在で耐震診断を実施した建築物は104棟、そのうち公共施設が92棟、民間施設が12棟でございます。耐震改修を実施した建築物につきましては24棟でございまして、公共施設が19棟、民間施設が5棟でございます。
実施状況から判断いたしますと、公共施設に比べ民間施設において診断・改修がおくれているということがいえると思います。この要因といたしましては、特定建築物の所有者に相当の経費負担がかかること、建築物の改修が事業活動に直接結びつかないことなどが考えられます。
県といたしましては、阪神・淡路大震災を教訓として、建築物の安全性の向上を図るため、診断・改修が順次実施されますよう今後とも啓発に努めてまいる所存でございます。
次に、官民を問わずどのような建築物から優先して耐震診断を行うべきか、基本的な考え方についてのお尋ねでございますが、建築物の用途別では、災害対策本部や災害拠点病院、避難所として指定されている施設など災害時に重要な機能を果たすべき建築物、それから百貨店やホテルなど不特定多数の者が利用する建築物などに力点を置いて実施すべきであると考えております。建築物の形態としましては、構造上弱いと考えられる建築物を、地域別では、木造住宅の密集している市街地、避難路に沿った地区の建築物などが考えられます。
次に、県営住宅の耐震診断についてのお尋ねでございますが、診断対象住宅のすべてについて安全を図るため、平成7年2月に耐震性を診断することが急務と考え実施することといたしました。耐震診断の対象といたしましては、昭和55年以前に建築された住宅2,127棟を構造別・規模別に10タイプに類型化し、5タイプずつを6年度及び7年度に実施いたしました。この結果を受けまして、平成8年度から耐震改修を実施し、今後も計画的に改修を進めてまいりたいと考えております。
次に、市町村や民間の施設に対する指導等に関するお尋ねでございますが、県では、建築物防災週間におきまして、ホテル、大規模店舗、病院、集会施設など不特定多数の者が利用する建築物を中心に立入指導を実施し、耐震診断・耐震改修の促進について所有者の理解を求めているところでございます。
また、建築技術者を対象といたしまして耐震診断講習会を実施し、修了者のうちから耐震診断アドバイザーを委嘱して地域の研修会やイベントなどに派遣し、指導・助言を含め相談に応じているところでございます。
さらに、特定建築物の所有者や建築関係者等を対象に地震防災セミナーを開催し、意識の高揚に努めるとともに、耐震診断・耐震改修の促進のための冊子を所有者に配布するなど、普及啓発に努めているところでございます。
次に、耐震診断業務を建築士事務所協会に委託することについてのお尋ねでございますが、耐震診断業務を委託する場合、地方自治法に基づき、建設コンサルタント業務の入札参加資格者として登録されている者のうちから、委託物件の用途、構造、規模及び耐震診断業務に関する過去の実績などを勘案して指名業者を選定いたしまして、指名競争入札で発注しているところでございます。
昨今、公共事業の発注に当たりましては、透明性、客観性の確保や競争性の向上がより一層求められている社会情勢でございますので、これらを踏まえて今後も対応してまいりたいと考えております。
なお、建築士事務所協会への委託につきましては、その可能性につきまして今後研究してまいりたいと考えております。
以上であります。
〔9番山元秀泰君登壇〕
◆9番(山元秀泰 君)それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
時間がありませんのでお願いだけ申し上げますが、「仏つくって魂入れず」という言葉もありますが、車いす使用者用駐車場をつくって障害者の方が入れずということでは、何のためにつくったのかというふうな部分もあるわけでありますので、条例の精神がしっかり生かされるように啓蒙活動をさらに進めていただきたいというふうにお願いをしたいと思います。
また、歩道橋なんかつくらなくても障害者が安心して渡れることができる社会にぜひお願いをしたいというふうに思います。
また、耐震構造もいつでもいいということではありませんので、進んでまたお願いをしたいというふうに思います。まだまだ件数が少ないのではないかと私は思っております。
以上をもちまして質問のすべてを終わらせていただきます。
○副議長(関谷高雄 君)次に、塩沢昭君。
〔34番塩沢昭君登壇〕
◆34番(塩沢昭 君)通告に従いまして順次御質問申し上げますので、よろしく御答弁をお願いいたします。
オリンピック・
パラリンピックが先日閉幕いたしましたが、私たちに大きな感動を与えてくれましたこの競技大会は、人の和もさることながら、何といっても長野県の美しい雪とどこまでも澄んだ氷があったからこそ開催することができたものであり、長野県の豊かな自然、大自然の恵みに感謝するところであります。
しかしその一方で、中南信地方におきましては、1月半ば、この時期としては大変珍しい大雪に見舞われ、農林業関係に大きな被害をもたらしました。100年来といわれる記録的な豪雪と湿った重い雪により、パイプハウスなどの施設を中心に13億円以上という大きな被害とお聞きしておりますが、パイプハウスの倒壊は農家にとって生産のよりどころとなるいわば核となるものを失うことであり、被災農家の話を伺ってみましても、精神的なダメージが極めて大きく、やる気を喪失している農家も多いと感じたところでございます。
時間とともにパイプハウス等の復旧が進む中で、とてもうれしく感じたことは、新聞等にも報じられましたように、JAの皆さんや普及センターなど多くの関係機関の職員の皆さんを初め農業高校の生徒の皆さんまでもが、被災農家を励ますとともに、ハウスの撤去や除雪作業にボランティア的に農家と汗を流して復旧に当たられた点であります。このことは、気落ちしております農家にやる気を奮い起こす直接的なきっかけとなったと思いますし、今後のさらなる信頼関係の構築に向けて見えない財産となったのではないかと感じ、復旧支援に当たられた多くの方々に敬意を表する次第であります。
何としても、被災農家の皆さんがこの大雪被害から一日も早く立ち直っていただき、新たな営農意欲を取り戻してほしいと念願しているところであります。そのためには、今後の農業継続を進める上でも、施設の復旧支援やきめ細かな農家経営対策などが極めて大切であると考えます。
そこで農政部長にお伺いいたします。
1月の豪雪での農業被害について、被害施設等の復旧に当たっての具体的な支援などどのような対策を講じようとしているのか、お伺いをいたします。
また、同じようにこの大雪で林業関係にも大きな被害がありましたが、この点につきましては、先ほど森田議員の方から質問がありましたように、早急に復旧を願うとともに、これからも引き続きこれに対する県や関係市町村の適切な対応を私の方からも求めておきたいと、こんなふうに思います。
この大雪の林業に対する被害の中で、アカマツ林にも相当の被害が出ておりますが、御案内のように、下伊那地方におきましても、昭和58年に松くい虫被害が発生して以来、年々被害が拡大しております。大雪によって幹や枝が折れて衰弱したアカマツは松くい虫の温床となる可能性があり、その被害の拡大が懸念されるところでありますので、今回の災害による被害木の整理など、一刻も早い森林の復旧を重ねてお願いしたいと思います。
そこで、松くい虫防除対策についてお伺いいたします。
県内のアカマツ林は森林面積の14%の約9万5,000ヘクタールにも及び、木材の生産はもとより、緑や水を供給するなど、古くから生活や文化と深いかかわりを持ち、里山の森林を形成する本県の代表的な樹種であります。
また、アカマツは急傾斜地や岩石地などにも生育し、土砂の崩壊を防ぎながら美しい景観をつくり出しておりますし、マツタケの生産量も平成8年度で全国第2位と、地域振興に生かされているところであります。
このようにアカマツ林は重要な役割を担っておりますが、被害区域は拡大の傾向を示しており、被害量は平成9年度も4万8,000立方メートル余の被害が見込まれ、依然として大きなものとなっており、森林所有者やマツタケ生産者の悩みは深刻となっております。
県政といたしましても、重点課題として取り組みがなされ、一定の効果は見られておりますが、森林の機能を損なうような地区も見受けられ、松くい虫被害の撲滅に向けた抜本的な対策が必要だと考えます。
また、松くい虫の被害地域に隣接している未被害市町村では被害の侵入に対して非常に危機感を持っており、これ以上被害地域を拡大させないようにすることが強く望まれております。
そこで、松くい虫被害の鎮静化に向けて今後防除対策をどのように進めていくのか、林務部長にお伺いして第1回の質問を終わります。
〔農政部長宮崎新一郎君登壇〕
◎農政部長(宮崎新一郎 君)お答えをいたします。
まず初めに、このたび被害を受けられました農家の方々にお見舞いを申し上げますとともに、除雪、復旧に当たられたさまざまのボランティアの方々に深く敬意を表するところであります。
1月の豪雪による農業被害額は61市町村で13億2,100万円余と甚大な被害となりましたが、その多くは花卉や野菜のパイプハウス等の農業生産施設であり、今後の営農の継続を図る上で被災施設の速やかな復旧が必要であります。
県といたしましては、県単独の農作物等災害緊急対策事業により、市町村が緊急に行う施設資材や植えかえ用種苗の購入に対し助成することといたしまして、本議会に2月補正予算として8,584万7,000円をお願いしているところでございます。
また、被災農家におけるパイプハウス等の早期再建を支援するため、農業近代化資金を活用いたしまして、県、市町村、農業団体が協調して上乗せ利子補給を行うことにより、農家の借受金利を1.1%以下とする新たな低利融資を2月より実施いたしております。
さらに、農業改良普及センターに雪害対策相談窓口13カ所を設置いたしまして、被災農家に対する迅速な技術指導など、具体的な相談活動を進めてきたところでございます。
今後とも、被災施設の早期復旧を初めとした各般の対策を講ずることによりまして、農業者の営農意欲の喚起と経営の安定に努めてまいる所存でございます。
〔林務部長小林寿内君登壇〕
◎林務部長(小林寿内 君)お答えいたします。
最初に、アカマツの被害木の整理でございますが、地域によっては、お話のとおり松くい虫の温床となる可能性がありますので、早急に着手してまいりたいと考えており、ただいま準備を進めているところでございます。
それから、今後の松くい虫防除対策につきましては、関係する市町村や団体等と連携をとりながら、被害木処理、薬剤散布、樹種転換など、従来からの防除対策に新たな対策を加え実施してまいりたいと考えております。
その一つとして、被害木の伐倒駆除はマツノマダラカミキリが羽化脱出する前に実施することが肝要でありますので、地域の気象条件を考慮しながら、7月10日を限度として地域別に期限を設定して、適期駆除をより徹底してまいりたいと考えております。
二つ目といたしましては、まだ被害の入っていない地域への拡大防止対策でございますが、おおむね2キロメートル幅のベルト状の被害防止帯を県下5カ所に設定しまして、被害木の空中探査や薬剤散布等各種対策を集中的に実施するとともに、この防止帯から激害地に向かって駆除を行い、被害区域の縮小を図るものでございます。
三つ目といたしましては、被害が集中した急傾斜地などで伐倒処理に支障を来し、林地の荒廃が進み表土の流出のおそれのある森林に、植栽や丸太さくの設置などを行う激害地特別対策を実施してまいります。
いずれにいたしましても、従来からの方法に新たな方法を加える中で、マツタケ産地の松林を守るため、また森林の公益機能を低下させないため、松くい虫の一日も早い終息に向けて努力してまいりたいと考えております。
○副議長(関谷高雄 君)次に、宮澤敏文君。
〔3番宮澤敏文君登壇〕
◆3番(宮澤敏文 君)通告に従いまして順次質問をさせていただきます。
まず、新たな農業基本法についてお伺いいたします。
戦後の経済復興の中、農業と他産業との生産性や所得格差の是正、農業生産の選択的拡大などを目指し昭和36年に制定されました農業基本法も、はや37年目を迎えようとしております。
この間、農業構造改善事業を初めとした幾多の事業により、園芸作物や畜産など農業の近代化は進められたものの、高度経済成長の中で、農山村から若者の流出による農業従事者の急激な減少、過疎化、高齢化、さらに国際化の進展に伴う輸入農産物の増加を初め、自給率の低下、農産物価格の低下など、残念にも農業基本法が目指した方向と大きく状況が変わってきております。
もう、これまでの農業政策の考え方だけでは対処できなくなっている状況の中で、我が国の食糧と農業・農村の新しいあり方を目指し、新たな農業基本法を制定するための検討が現在なされており、昨年4月、食料・農業・農村基本問題調査会が国で設置され、この夏ごろには最終答申を出す予定だと聞いております。
戦後50年を超え、成長一辺倒の社会経済システムが壁にぶち当たり、新たな価値観、生き方が求められる今、人間と自然、人間と人間、人間と伝統や文化などを重視した関係をつくり上げ、発展と競争から調和と共存へ、物から心へ、健康や心地よさ・美しさを優先するような価値観への転換が図られようとしております。
人々が自然を慈しみ、人と自然のかかわりを第一に生きる根源である食べ物を大切にすること、それは暮らしと命の安全と安心を確保することでもあると考えます。その意味でも、食糧を生み出し、自然と向き合う農業は、21世紀の人類のたゆまざる発展の基本となるべきものではないかと確信するものであります。
新たな農業基本法においては、長期的視野に立った国民の食糧を安全かつ安定的に供給するとともに、緑豊かな国土を維持し保全することが重要であり、そのためにも、国内生産力の向上、農業者が希望の持てる農業政策、農村の持つ機能を失うことのない地域政策を具体的に提示することが必要だと思います。
去る12月に出されましたこの基本問題調査会の中間取りまとめでは、農業関係委員と経済界委員との意見の隔たりが大きく、特に、国内農業生産の位置づけ、自給率の目標化、株式会社の農地取得、中山間地域におけるデカップリング措置の導入の4点については意見がかみ合わず、今後、国民的議論を深めるとされております。
私は、平成8年12月の本会議で、中山間地域のデカップリング措置の導入について、その必要性を質問させていただきました。今まで、重要性は理解できるが、もっと国民的合意が必要という風潮でありましたが、国における論議はいまだなかなか進んでいない状況であり、残念でなりません。
21世紀に向け、食糧・農業・農村に対する重要性がまだまだ国民各層に広く伝わっていないことは残念なことであり、今後、基本問題調査会の最終答申に向け、委員への要請は当然でありますが、もっともっと広く県民・国民に対し重要性のPRと意識の高揚を図っていくことが必要であると考えます。
そこで、今回出された基本問題調査会の中間取りまとめに対する基本的な考えと、最終答申に向けて今後どのように取り組むか、農政部長にお伺いいたします。
次に、「信州農山村ふるさと運動」についてであります。
環境先進県を目指す本県では、「日本一美しい自然が映える環境県に」を大きなテーマとしておりますが、その美しさは、アルプスの山並みや川や湖の美しさだけではなく、例えば安曇野の北アルプスと水田や伝統的農家のたたずまいが一体となった景観、県下各地の棚田の四季折々の風景の移り変わり、八ケ岳山ろくの見渡す限りの高原野菜など、農業の営みと恵まれた自然とが一体となって美しい景観をつくり上げていると思います。この美しい農村景観は、日本人のだれもが心に持つふるさとの原風景ともいえるもので、たゆまない農業生産があって初めて維持されてきたものであります。
しかしながら、中山間地域を初めとして過疎化や高齢化が進行する中で、遊休荒廃地の増加など、そこに住む住民だけではこの美しい農村景観を維持していくことが困難となっている地域も見られるのが現状であります。
オリンピックの感動的な閉会式の中で、長野で生まれた唱歌「ふるさと」を全員が合唱し、長野から生きる源であるふるさとが全世界に発信されました。「ウサギおいし こぶなつりし」ふるさとは長野県であります。
このような中で、県を中心として、「信州の農山村は日本のふるさと」を基本とし、シンポジウムやインターネット等を活用して、信州の農林業・農山村のすばらしさを広く全国に情報発信する「信州農山村ふるさと運動」を昨年6月スタートさせたことは、まことにすばらしい取り組みで、大いに期待するところでありますが、今後どのようにこの運動を充実し展開していくのか、農政部長にお伺いいたします。
続いて、衛生部長にお伺いいたします。
今県会における衛生部長の議案説明を拝見しまするに、平均寿命が世界一の長寿国日本の中でも誇り得る長寿県になったこと、また、県民一人当たりの医療費についても、老人一人当たり医療費や1件当たり入院日数が全国で最も少なく、健康レベルアップのモデル県になった本県の今日までの功績におごることなく、三大成人病対策や高齢社会の到来に対応する医療体制など、県民を取り巻く医療環境を正しく分析し、多様化、高齢化する県民ニーズに「いつでも・どこでも・等しく」の3原則を堅持し、包括的な供給体制の確立を目指しております。国の医療制度が大きく変わろうとしているとき、県民にとって実にありがたく、ぜひともその推進を願うものであります。
これを踏まえ、2点について質問をいたします。
まず、2000年に実施が決定し、現在、市町村の最大の関心事の一つである介護保険制度の導入についてであります。
介護認定審査会の判定の公平や、それに対応する介護サービスの整備等多くの問題点があるわけでありますが、県レベルで考えますと、本人負担がある以上、地域住民が在宅サービスにしろ施設サービスにしろ公平な介護サービスが受けられるかということにあると思います。
平成9年度までの「さわやか信州高齢者プラン」の施設整備の進捗状況を見ますに、老人保健施設や老人性痴呆疾患センターで広域ごとの整備に大分ばらつきが見られるのであります。財政力のない広域では施設整備の資金がなく、民間でも進出するパワーが不足しているといった状況であります。これは、大方針である「いつでも・どこでも・等しく」の3原則に反し、毎月ひとしく保険料を払う住民にとって大変な問題であり、市町村でも最も頭の痛いところであります。
このように、介護保険制度がスタートする2000年までに、県下医療ブロック10地区で施設整備がおくれている地域に県としてどう対応するのか。過去に医療過疎地域に県立病院をつくり、過疎地域医療を充実させ、公平な医療行政に取り組んでこられた衛生部長のお考えをお伺いいたします。
次に、県下の病院経営が厳しくなる中で、介護保険制度との絡みで療養型病床群の導入が進められ、来年度新規事業として総合リハビリテーション医療の充実とあわせた鹿教湯病院の整備を図ることは、まことに当を得た対応だと思います。療養型病床群は、今後の病院経営を助け、長期入院療養を可能とする新しい制度だとお聞きしております。
そこで、療養型病床群は本県としていつごろまでにどのように整備していくのか、衛生部長にお伺いいたします。
最後に、
オリンピック・
パラリンピックが多くの感動とドラマを残し大成功のうちに終了いたしました。とりわけ、大会前、スタート地点問題で国内外から注目されました滑降競技は、天候不順による順延が続く中で、多くの関係者の不眠不休の努力の結果により、2月16日の国際
オリンピック会議の折、サマランチ会長が会場内の質問に答えて「世界に誇る最高のコースだった」と絶賛されました。この一言を聞いたとき、今日まで準備し御苦労されたすべての人々の一日一日が報われたと思った次第であります。
今
オリンピック・
パラリンピックは、県民の一人一人が何らかの形で参加をし、世界のナガノという大きな財産を得ることができました。この財産をどう生かすか、今県会でも多くの議員から質問が出され、質疑応答がありました。とりわけ、
パラリンピックは行政面で今後の優しい社会づくりを考える意味でも実に有意義でありました。
今
パラリンピックは、初めてのアジアでの開催であり、今まで以上に国際的大会へ成長させた充実の大会でありました。大会の盛り上がりは、吉村知事を初めすべての関係者、ボランティアの皆さんの御尽力であり、200万県民の誇りであり、心からの賛辞を送るものであります。
その中で、視覚障害者の競技は、障害を持つ選手と健常者のガイド役との二人が一体となり競技する種目であります。本県小谷村出身の小林選手は、経験の浅いバイアスロン競技で見事最初の金メダルに輝いてくれました。小林選手は、生まれつき視力が弱く、松本盲学校を卒業後、短大でマッサージの技術を習得し、東京都の特別養護老人ホームで働きながら歯を食いしばって練習し、努力に努力を重ねて選手に選ばれました。そのガイド役の中村由紀さんは、企業に就職後、同じ小谷村出身の小林選手のガイド役を引き受け、遠征も合宿も自費で休暇を使いながら、恵まれない条件を克服し、二人三脚で励まし合って努力の末、金メダルを獲得したのであります。
高校、大学時代、全国でも有力な選手として将来を期待されていた中村由紀さんは、その後伸び悩み、スキーをやめようかというときに小林深雪選手との出会いがあったとのこと。ふだんスキー練習を余りやっていない小林選手との技術的ギャップは大きく、最初はまどろこしくて戸惑い悩んだこともあったようですが、転んでも転んでも起き上がり一生懸命に頑張る小林深雪選手に感動し、心から一つになれたと語ってくれました。
バイアスロンは動と静の競技であります。選手にとって精神的な安定がまず第一で、欧米選手に比べ走力で劣る日本選手の金メダルは、まさに二人の信頼のたまものであり、今後の福祉行政に意義深い教訓を与えてくれたと思う次第であります。
また、平成7年、災害に洗われた小谷村にとって、二人の快挙は、まさに小さな村のあすの希望と、今まで以上の地域の横のまとまりをつくり出してくれました。
これは一つの例でありますが、かかった費用の計算をすることも重要かもしれませんが、あのすばらしい感動をどう行政が生かし今後の社会づくりに結びつけていくのか、開催地長野の使命は重いと思います。
そこで次にお伺いいたします。
オリンピックの選手・コーチは練習や強化対策に比較的恵まれていると思いますが、身障者スポーツを取り巻く環境は、さきの小林、中村両選手の例のように厳しいものがあります。この大会で感動した障害を持つ当事者やその家族に大きな希望と励みを与え、自分たちもチャレンジしようとする新しい芽が出てくると思いますし、信じます。その新たな芽を育てることが今後大切だと思います。
今県会の母袋議員、三上議員の質問に、社会部長が障害者スポーツの振興について答えておられますが、その原資はどのようにつくられるのかという同趣旨の18日の宇留賀議員の質問に答えて、今回は国が振興・育成費を出していただいた、今後も連絡をとり合い国へ要望していくという内容でありました。
そこで私は、開催県長野がリーダーシップをとり、1998年
パラリンピック開催記念基金の創設を提案するものでありますが、いかがでしょうか。
今
パラリンピックの組織委員会の会長は、世界の顔となられた吉村知事であります。また、今大会へ最大の選手団を送ったのも長野県であります。大会が終了した後も、「長野県は積極的だ、すばらしい」と評価が受けられるような対策を願うものであります。そこで、1998年
パラリンピック開催記念基金の創設も含め、開催県として独自な財源を用意する考えはないのか、社会部長にお伺いいたします。
次に、県民・国民が最も感動したと調査結果が発表されております白馬村のジャンプ台の有効利用についてであります。
冬シーズンの観光のウエートが重い白馬山ろく地域にとって、この冬の落ち込みは過去に例を見ない閑散たるものでありました。同村全金融機関のオーバーローンは200億円を超える実態であり、3月中の償還見込みは元金、利息とも50%程度と見られております。この状況を何とか打ち破るために、地元では、ジャンプ台を観光の目玉として、グリーン期のダイナミックな活用に大きな期待を寄せております。
ラージジャンプの金メダリスト船木選手の地元小樽では、船木メモリアルを建設しようという動きがあると聞いております。メモリアルについては、本日、奥村議員からも提案がありましたが、地元でもジャンプ台のあの感動を体験できる施設建設をお願いしたい気持ちを持っているわけでありますが、今後、いろいろな角度から吉村知事にぜひ御検討をお願い申し上げるものであります。
その中で、まず、ジャンプ台を管理する教育委員会は、あの感動をどのように生かし、地元観光活性化の熱い思いをどのように受けとめ、今後どう対策していくのか、お伺いいたします。
オリンピック・
パラリンピックのこの財産を限りなくダイナミックに積極的に生かすことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
〔農政部長宮崎新一郎君登壇〕
◎農政部長(宮崎新一郎 君)お答えをいたします。
最初に、新しい農業基本法についてでありますが、食料・農業・農村基本問題調査会の中間取りまとめでは、農業・農村の重要性に評価がなされていると考えておりますが、今後の農政方針の基本となります御指摘の4点につきましては、賛成、反対が両論併記となっているほか、具体的な政策が示されていない内容となっております。
県といたしましては、新しい基本法の中に、一つとしましては国内農業生産を基本とした食糧供給構造の再編成、次に食糧自給率の政策目標化、そして中山間地域の活性化施策の充実と直接的な日本型の所得補償制度の導入、そして4点目としましては株式会社の農地の権利取得を認めないこと、などが明示されることが重要と考えております。このため、去る3月10日、私と関係農業団体の代表で基本問題調査会に対しまして要請を行ってきたところであります。
最終答申に基づく新しい基本法が、具体的な施策を盛り込み、農業・農村の将来に明るい展望の持てるものとなるよう、今後とも農業団体と連携し強く要請してまいりますとともに、農業・農村の重要性に対する県民の理解と合意を得るよう努めてまいりたいと思っております。
次に、「信州農山村ふるさと運動」の推進についてでございます。
昨年6月、協議会の設立以来、県民一人一人が誇りに思っております美しい信州の農山村の魅力や農林業の多様な役割を、インターネット、パンフレット、シンポジウムなどを活用いたしまして、広く全国に情報発信をしてまいりました。
2年目となります平成10年度は、情報発信内容をさらに質・量ともに充実したいと思っております。加えまして、新たに、信州にゆかりの深い著名人など100人程度をふるさと応援団としてお願いいたしまして、農山村と都市とのネットワークづくりに取り組むなど、運動の一層の推進を図ってまいりたいと思っております。
さらに、新たに県の支援事業といたしまして、県内の棚田調査や農山村・農林業の果たす公益的機能の評価算定などを実施いたしまして、信州は日本のふるさと、この輪が大きくなりますように、さらに加えまして、農山村住民の自主的な活動の促進ですとか、本県農林業・農山村の活性化につなげていく所存でございます。
〔衛生部長畑山善行君登壇〕
◎衛生部長(畑山善行 君)お答えいたします。
初めに、老人保健施設及び老人性痴呆疾患センターの整備についてのお尋ねがありました。
老人保健施設は、寝たきり等の状態にあります高齢者の家庭復帰を目指した療養施設であります。また、老人性痴呆疾患センターは、痴呆性の高齢者への専門的医療相談や休日・夜間の救急対応等に当たる施設であります。それぞれ、「さわやか信州高齢者プラン」に基づきまして、保健福祉圏域ごとにその整備を進めてきております。
現時点での老人保健施設の整備率は、継続事業分も含めまして96%であります。また、老人性痴呆疾患センターは、10圏域のうち7圏域で整備済みであります。全体としてはおおむね順調に進んでおります。
しかしながら、国の予算措置や地域における事業主体の体制などによりまして、二、三の圏域においては整備目標に達しておりません。これら未整備の圏域におきましても、現在、計画中の事業主体がありますので、平成11年度までの計画期間中に目標が達成できますよう、指導、調整を進めるとともに、国並びに地域の関係機関へ働きかけてまいります。
なお、老人保健施設に関しましては、寝たきりや痴呆などの介護を必要とする高齢者の実態を十分に把握して、今後の介護保険事業支援計画の策定に反映してまいりたいと考えております。
次に、療養型病床群の整備についてのお尋ねであります。
療養型病床群は、長期にわたり療養を必要とする患者のために、病室や廊下を広くとるなど療養環境に十分配慮した医療施設です。介護保険制度では、特別養護老人ホーム及び老人保健施設と並びまして施設サービスの柱となっているものです。
国におきましては、平成12年度の介護保険の施行までに全国で19万床の療養型病床群が必要であると試算しており、近く2次医療圏ごとの整備目標の算定基準を都道府県に示す予定です。また、療養型病床群の整備を促進するため、入院施設のある診療所におきましても療養型病床群を設置できるよう医療法を改正し、ことしの4月から施行することとしております。
県といたしましては、昨年12月に策定しました第3次長野県保健医療計画において、第2次保健医療圏ごとに療養型病床群の計画的な整備を図ることとしております。国から整備目標の算定基準が示されるのを受けまして、10保健医療圏ごとの目標値を速やかに策定したいと考えております。これらの整備目標に沿って、医療施設近代化施設整備事業などを活用し、療養型病床群の整備促進を図ってまいりたいと考えております。
以上です。
〔社会部長花岡勝明君登壇〕
◎社会部長(花岡勝明 君)お答えいたします。
パラリンピック開催記念基金のようなものはどうかということでございます。
長野
パラリンピックに向けましての国内代表選手の強化につきましては、国の方で障害者スポーツ関係団体に助成をいたしまして実施をいたしました。
県といたしましても、県内の選手が国内代表選手になれるようにということで、平成5年から選手の育成強化に取り組んでまいりました。その結果、70名という国内選手の中で21名の長野県関係者を出すことができまして、大変大きな成果となったところでございますし、また、県内選手の活躍によって大変な盛り上がりがあったということでございます。
新年度は、スポーツ指導員の養成という面で努力をしていきたいと、こんなふうに思っているところでございます。
基金という御提言でございますけれども、現在の金利状況等を勘案いたしますと難しいというふうに思っておりますが、国におきましては、長野
パラリンピックの成果を踏まえ、今後の障害者スポーツのあり方を検討する場を設け、その中で選手強化方策も検討するというふうに聞いておりますので、その検討の状況を踏まえながら対応していく必要があろうかと、こんなふうに考えているところでございます。
〔教育長戸田正明君登壇〕
◎教育長(戸田正明 君)お答えいたします。
白馬ジャンプ競技場の活用と今後の対策についてのお尋ねでございます。
白馬のジャンプ台は、数々のすばらしい記録を生み出したすぐれた競技施設でございまして、雄大な北アルプスを背景にした眺望と相まって、ジャンプ台を訪れる人々の数は、建設当時の平成5年度には4万8,000人であったものが、9年度には35万人を超えるほど観光スポットとして親しまれ、今後の活用に寄せる地域の期待も大きいものと認識しております。
県教育委員会といたしましても、夏の大会では世界最高のランクであるFISサマーグランプリ大会を初め、各種国際大会の開催や強化練習など、ジャンプ競技の普及・振興に引き続き取り組んでまいりますほか、地元の観光活性化にも役立ててまいりたいと考えております。
新年度では、トイレ棟を増設いたしまして、
日本オリンピック史上通算100個目となった舞台を見ようと訪れる観光客の増加に対応するなど、共同設置者である白馬村や関係団体などと連携を図りながら、今後とも白馬ジャンプ競技場の有効利用に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(関谷高雄 君)次に、塚田一君。
〔19番塚田一君登壇〕
◆19番(塚田一 君)19番塚田一でございます。
県下市町村における国際交流事業の推進について総務部長にお伺いいたします。
行った、見た、泣いた、そしてテレビでも見た、泣けた――涙はうれしいときにも出るものと知りました。
2月初めから約1カ月半にわたって、ここ世界のナガノで繰り広げられてまいりました大きな二つの国際イベント、「愛と参加」の長野
オリンピック、そして「ふれあいと感動」の長野
パラリンピックも、県民に多くの感動を残して成功裏にその幕を閉じることができました。以下、省略したいところですが、どうしてもカットできません。
「史上最高のすばらしい大会であった」と各方面から称賛されたこの二つの大会の開催の成功に向けて、その準備、運営に並々ならぬ御尽力をいただいた知事初めすべての大会関係者に対しまして、県民の一人として改めて心からお礼と御慰労を申し上げる次第でございます。また同時に、両大会を盛り上げた144万人もの内外の観客にも改めて「ようこそ長野へ」とお礼を申し上げたいと存じます。もう、みんなが金メダル有資格者です。
今回の
オリンピック・
パラリンピックの開催を通して、県民は有形無形の多くの財産を得ることができました。
オリンピック施設や新幹線、高速道路等々の交通網の整備などハード面はもちろんですが、県民が一体となって一つの大きな事業をなし遂げたという自信や誇りは、これから21世紀に向かって大きく飛躍する長野県民の心の中に大きな財産となって残っていくことと思います。
今回の
オリンピック・
パラリンピックは、県民の皆さんが世界に目を向け、世界の人々と触れ合う国際交流の絶好の機会であり、その準備段階から、世界から長野に集う選手・役員や観客などの皆さんを温かくお迎えするための数々の取り組みが、県民一丸となって行われてまいりました。
県民一人一人のホスピタリティーの醸成と国際感覚の高揚を図るため、一つの学校や商店が参加国の一つの国のことを学習し、応援し、交流を深める一校一国運動や一店一国運動が展開され、また、公民館活動としての国際理解講座や広く県民を対象に県が実施した数多くの語学講座の開催など、あらゆる場を活用して国際理解の促進が行われました。
さらに、大会期間中には、商店街や観光地など町中で関係者の御尽力によりまして外国語で書かれた案内標識があちらこちらに立てられましたし、外国語による地図やパンフレットが町中にあふれておりました。また、飲食店では英文メニューが登場しましたし、タクシーの中にも外国人と基本的な会話ができるよう指さし問答表が備えられ、さらには、外国人からの両替や国際郵便等の要求に応じるため銀行や郵便局は土曜日・日曜日も開かれていました。
このような取り組みに対して、海外から長野を訪れた人々から高い評価が与えられました。これはまさに、
オリンピック・
パラリンピック決定以来、県の関係部局が連携を図りながら総合的にこのような取り組みに対して陰ながら応援してきたたまものであると同時に、県民、競技運営要員、ボランティア、商店街、公共交通機関、金融機関、飲食店・ホテル、医療機関、福祉機関、行政機関、そして警察、自衛隊、消防など関係者が一体となった、外国人に優しい地域づくりに向けての地道な努力が花開いた結果でございます。
これからは、
オリンピック・
パラリンピックの開催を契機に、県内各地域において国際交流に対する住民の皆さんの関心も高まると思います。また、県内に住む外国人の数も3万人を超えているとお聞きしておりますが、今後は、経済、文化などのグローバル化の中で、長野県を訪れ、県内に暮らす外国人もふえると思います。したがいまして、今後は県内各地で国際交流というものをみずからの地域の問題として考えていかなければならない側面が出てくると思います。
外国からお見えのお客さんを温かくおもてなししようという今回の取り組みには、若干、地域的な偏りがあったことは否めませんが、今後は、県内各市町村において、今回の取り組みを参考としながら、また地域の活性化という点も考えながら、住民と一体となった国際交流を進めていかなければなりません。
そこで、市町村における今後の国際交流を考えるに当たって、2点ほど御質問いたします。
まず、県の国際交流員の配置の問題です。
県では現在、50人の国際交流員が県庁や地方事務所などに配置されており、これまで、外国人という立場から、
オリンピック・
パラリンピックを控えた本県の国際化の推進に向けて精力的に取り組んできていただきました。
多くの県民が外国人と物おじせず接することができたのも、国際交流フェスティバルなど各種国際交流会の開催や、国際理解促進のための各種講演会・講座の中でのスピーチ、そして数々のテレビ・ラジオ出演など、ともすれば閉鎖的といわれる長野県民の国際意識を高めていただいた彼らの陰の力に負うところが大きかったのではないでしょうか。
私の住む坂城町にも平成4年から国際交流員が来ており、以来、町の文化祭で外国の歴史や地理を紹介する展示やビデオ上映を行ったり、また異文化講座を運営したりして、町民と親しく交流し、町民からも慕われてまいりました。
しかしながら、県全体を見ると、残念ながら市町村レベルではまだ国際交流員の数は少なく、県で働く国際交流員のお力をおかりしながら地域の国際化を進めていかなければならない状況にあります。また、地域の国際化を目指す動きには、まだ地域的に温度差があるのも事実だろうと思います。
ここで盛り上がったせっかくの県民の国際意識をさらに県全体に根づかせるためには、今後とも国際交流員の力は大きいと思います。
オリンピック・
パラリンピックが終わり、3月でやめる国際交流員もかなり出ると聞いておりますが、今後、県としてどのように国際交流員を配置しようとしているのか、また、市町村の進める国際交流事業とどう連携を図っていくのか、お伺いいたします。
次に、県内市町村の国際友好姉妹都市提携の現状等についてお伺いいたします。
県内の市町村でも、国際交流や国際協力への取り組みが盛んになってくる中で、その取り組みやすいということもあって、海外の都市との友好姉妹提携の締結が国際交流の柱の一つとなっております。
県では既に、昭和40年にアメリカ・ミズーリ州と、昭和58年には中国河北省との間でも友好姉妹提携をして、現在、幅広く交流を進めております。ことしは特に中国河北省と15周年の記念事業を行うとのことでございまして、県にはさまざまなノウハウが蓄積されているかと思います。
そこで、それらを踏まえた市町村へのアドバイスというような意味で、県内市町村の国際友好姉妹都市の提携状況と、そのあるべき姿をどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
第1回目の質問は以上ですが、どうやら、
飯澤総務部長の一般職としてのお立場での本会議場における一般質問に対する御答弁は、これからの私への御答弁をもって最終となるような予感を覚えます。その意味合いからして、花も実もある記念碑的な御答弁を期待いたすところでございます。
〔
総務部長飯澤清君登壇〕
◎総務部長(飯澤清 君)順次お答えいたします。
まず、国際交流員の配置方針と市町村の進める国際交流事業との連携についての御質問でございますが、長野
オリンピック・
パラリンピックは、県民の皆さんのホスピタリティーが世界の人々に伝わり大きな感動を呼び、大成功のうちに終了することができました。御指摘のように、準備の段階から多岐にわたり活躍いただいた国際交流員の存在も、大会の成功を支えた大きな要因の一つではなかったかと考えております。
今後は、両大会を通じて県内各地で大いに盛り上がった草の根交流やボランティアなどで大会を支えた経験などを財産に、各地域で住民が身近に参加できる国際交流事業を一層推進する必要があります。
このため県では、来年度から全地方事務所に1ないし2名の国際交流員を配置することとしております。これらの国際交流員は、各地域の国際交流イベントや異文化理解講座、語学講座などを各地域のボランティアの協力を得て企画・運営をしていくほか、市町村や広域単位または民間団体で行われる各種事業に対しても積極的に助言・参画することとしております。
したがって、市町村におきましても、国際交流員との連携を密にして、両大会を通じて大きく芽生えた国際交流の機運を定着させるとともに、外国人に暮らしやすい地域づくりに努めていただきたいと考えておるところでございます。
次に、県内市町村の国際友好姉妹都市の提携状況と今後のあり方についての御質問でございますが、現在、県内には、12の市、10の町、12の村、1町村会の合計35団体が10カ国41都市と友好姉妹提携を結んでおります。これらのうち16団体が、
オリンピックの開催が決まった平成3年以降、提携を結んでおります。これは、
オリンピック・
パラリンピックの開催の決定を契機として、県内の市町村が国際化への対応に目を向けたことによるものと考えております。
地域レベルの国際化、住民の国際理解を推進していくために、海外の都市等との友好交流を進めることは住民の理解を得やすい最も効果的な方法の一つであると思いますので、引き続きより多くの市町村においてこうした取り組みが進むことを期待いたしております。
これまでの交流の中には、単に提携だけに終わってしまっているものも見受けられます。儀礼的な親善訪問だけの交流ではなく、小中学生、青少年の相互交流、各自治体の特性を生かした分野における技術研修生の受け入れ、お互いの文化を理解するためのホームステイの実施など、さまざまな分野で、多くの地域住民の参加のもとに、創意と工夫を凝らした息の長い取り組みが必要ではないかと考えております。
県におきましては、財団法人自治体国際化協会と連携をとりながら、交流希望市町村への情報提供や事業の進め方などについての相談・指導を引き続き行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔19番塚田一君登壇〕
◆19番(塚田一 君)御懇切な御答弁ありがとうございました。
思い出が脳裏をよぎります。昭和四十三、四年ごろ、総務部地方課行政係主事という肩書であったあの白皙の青年が、現在、長野県の一般職の職員の頂点に上りつめ、さらに近々新たなる飛しょうのときを迎えられている姿に接し、まことに感無量の思いであります。
今後の御活躍をお祈りして、終わります。
○副議長(関谷高雄 君)この際、15分間休憩いたします。
午後2時32分休憩
───────────────────
午後2時47分開議
○議長(西沢盛永 君)休憩前に引き続き会議を開きます。
続いて発言を許します。
木下茂人君。
〔14番木下茂人君登壇〕
◆14番(木下茂人 君)3日間熱心に進められてまいりました一般質問も、いよいよ大詰めになりました。お疲れのことと思いますけれども、もうしばらく時間をいただきたいと思います。
最初に、大きな感動と夢と挑戦の意欲を与えてくれました
オリンピック・
パラリンピックの成功をお喜び申し上げます。また、長い間その推進に当たられました知事を初めすべての関係者に、敬意を込めて「御苦労さまでございました」と申し上げたいと思います。
質問に先立ちまして、雪害対策について一言述べたいと思います。
歴史的なことしの大雪は、県下各地に大きな被害を及ぼしました。雪になれない南信地域の被害も大きく、交通渋滞や建物破壊、農業施設等への打撃は人々の生活を脅かしました。特に農業施設の打撃は大きく、ようやく収穫の始まったアルストロメリアのパイプハウスが雪で押しつぶされ壊滅状態になった農家も多く、落胆の余り「もう農業をやっていくことはできない」と意気消沈、茫然としておりました。これらの農家は、専業農家で、中核農家として地域の農業を担ってきた人々であります。これは何としても立ち直ってもらわなければならないと、県を初め市町村や農協等へ緊急対策を要請してまいりましたところ、いち早く対応してくださいました。
先ほど塩沢県議の質疑の中にも出てきましたが、県におきましては、今回、8,500余万円の補正予算を本県議会へ提案いたしまして、農業施設の復旧資材に助成するほか、農業融資制度を利用して低利融資への道を開く等、力強い対策を打ち出され、市町村や農協もこれに呼応してそれぞれの対策を連携して進めることになり、農家もこうした取り組みが大きな励みになってようやく平常心を取り戻し、昨今はまた農業を継続すべく復旧に取りかかっております。
また、
オリンピック入賞者に贈るアルストロメリア等の花も、残っている施設をフル稼働して支障のないよう懸命の努力をする活動にも拍車がかかりました。
道路の除雪につきましては、建設事務所の職員を初め受託業者等、徹夜を重ねての懸命な努力をしましたが、予想を超える雪のため、反省し今後に備えなければならない事項もあると思います。
また、破壊された施設で県にかかわるものもあります。再建について万全の措置をお願いいたします。
知事を初め関係の皆様の雪害に対する敏速適切な対応に敬意を表するとともに、今後の課題への積極的な推進を要請する次第であります。ありがとうございました。
質問に入ります。
介護保険について社会部長にお伺いいたします。
一般質問も22人のしんがりということになりますと、用意した質問事項はほとんど出尽くしてしまいました。この中で介護保険について重ねて質問するのは、21世紀の最大の不安要因である高齢社会の介護についてその命運を分かつ課題でありますので、重複する点もありますが、そういう制度なら安心して頼れるなという納得のいく答弁を期待して質問をいたします。
まず、要介護認定審査会の審査についてお伺いいたします。
この審査会においては、全国一律の客観的な基準に基づき公平に審査することになっておりますが、その公平性が確保できるか否かについてお聞きしたいと思います。
介護サービスの需要、供給について、需要が供給を上回るとき、供給量に合わせた要介護の認定をすることになりはしないかとの不安を持ちますが、そういうことはありませんか。まず、この点についてお伺いしたいと思います。
次に、供給量に関係なく基準に従って認定するとすれば、要介護の認定を受けながら供給不足のため介護サービスを受けることのできない人をどう扱いますか。保険料を徴収していて要介護の認定を受けているのに、従来のようにただ待機させておくことはできないと思いますので、このときの扱いについて確認しておきたいと思います。
給付サービスに必要な施設やマンパワー等の基盤整備は、ゴールドプランに沿って進められており、本議会における社会部長の答弁からも、「さわやか信州高齢者プラン」の目標は達成できる見込みはついているようであります。しかし、ゴールドプランは介護保険以前の計画であります。したがって、ゴールドプランの達成即保険給付を満足させるレベルの達成にはなりません。
基盤整備の必要量は、新年度から策定する市町村介護保険事業計画及び都道府県介護保険事業支援計画における給付すべきサービスの内容が明確になって初めて把握されることは、質疑の中で説明がありました。
しかし、この計画の策定を待つまでもなく、例えば特養について平成10年度末の「さわやか信州高齢者プラン」達成率の見込みが97%であるのに待機者が約2,000人もいる実態から見ましても、相当の基盤整備不足、したがってサービスの供給不足が予測されます。そのことがわかっていながら、その整備もしないで、なぜそんなに急いで保険導入に突入しなければならないのでしょうか。ここが理解できないところであります。この点についての明快な御説明をお願いいたします。
基盤整備が不十分で需要に見合う介護を受けることができないのなら、それができるまでは保険料を取られる保険制度よりは従来の福祉行政でやってくれた方がいいよというのは、だれが考えても無理からぬことではありませんか。このことについての県の御所見をお伺いいたします。
また、こうした事態が起こったときには保険制度に対する不満が生じるおそれがありますが、どう対処されるお考えであるか、お伺いいたします。
次に、国は保険導入後に基盤整備をすることにしているようですが、整備の財源は何を充当するのでしょうか。これを国の財政軽減を図るために保険会計で負担するようなことがあるとすれば、介護保険の名をかりて国の財政負担を保険料で肩がわりするものであって、国民負担を過重にするものであるとの非難を甘受しなければならないと思いますが、そういうことはないかどうか、また、その非難は当たらないかどうか、御所見をお伺いいたします。
このことは国会においても論議があったやに聞きますが、国において財政支援する保証はあるのでしょうか、お伺いいたしたいと思います。
次に、在宅サービス重視の視点から、その具体策についてお伺いいたします。
ノーマライゼーションが浸透する中で、老後は住みなれた自分の家で生活をしたいと考えている高齢者が圧倒的に多いのが我が国の実情であります。介護保険制度の中でも在宅介護を重視していく方針が示されていることは、賛同できるところであります。
在宅介護の最大の問題は、家族に大変な負担がかかることであります。日本労働組合総連合会の資料によりますと、介護を受ける者に対し憎しみを感じたことがある介護者は3人に1人、介護を受ける者に対し虐待をしたことがある介護者は2人に1人あるという調査結果が出ております。介護について、介護者はすさまじいまでの負担を負うことをうかがうことができるわけでございます。この負担をいかに軽減できるか、これが在宅介護定着のポイントであると思います。
在宅介護を支援するサービスには、ホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイあるいは訪問看護等があり、サービスの濃度にもよりますけれども、こうした支援を受けてもなお家族の負担ははかり知れないものがあり、紙おむつや寝巻きの支給程度では在宅介護の促進は困難であると思います。
また、農村部には、他人に家庭内を見られるのが嫌だという人がまだまだたくさんおります。そのことのよしあしの問題もありましょうが、プライバシー保護の立場から一定の配慮が必要であろうと考えます。
以上のように、在宅介護については、支援にも限界があり、あるいは受ける側にも全面的に受けがたい心理もあって、今後も家族の負担は避けては考えられないと思われます。
したがって、任せられるところは家族介護に任せ、必要な支援サービスをしていくことが自然な形であり、定着しやすい方向だと思います。
この場合、家族の労苦に報いるためには、お金だけで解決できる問題ではないけれども、せめて介護慰労金を支給すべきであると思います。介護は社会全体で支えていくという理念を持ちながら、その社会負担とその裏腹になる家庭負担について、施設介護と在宅介護とでは格差が大き過ぎます。この格差を埋めることによって、施設から在宅へ需要も回転していくものと考えます。そのためにも現金支給は必要であります。
在宅介護現金支給については、保険給付の中で将来の課題として先送りしてしまったということでございますけれども、そういうことでは在宅重視の柱が抜けてしまうことになり、在宅介護の促進は困難であると考えますが、そういうことになってしまった理由は何だったのでしょうか、その経過についてお伺いいたします。
また、現金支給の必要性と国の取り組みの経過についての県の御所見をお聞かせください。
さらに、そうした考えに基づいて県が今後どういう対応をとられるのかについても、あわせてお伺いしたいと思います。
次に、医療の問題について知事にお伺いしたいと思います。
現在、県立病院は五つ。このうち、阿南、木曽の2病院は過疎対策として、駒ケ根とこども病院は特殊分野の病院として、それぞれの機能を果たしながら運営されております。
残る須坂病院は一般の総合病院であります。この須坂病院では、平成8年までの直近4年間の決算は毎年一億数千万円の欠損金を出し、平成8年度末の未処理欠損金は5億4,500余万円となっております。平成8年度においては、県の一般会計から7億9,400余万円を負担しております。
こうした中、脳神経外科を新設し、病床数も264床から310床に増加し、病棟を新築して、総事業費106億円を投じて病院整備事業を進めるため、今県議会へ提案されている予算案にも関連経費1億3,092万7,000円が計上されております。
公立病院なるがゆえに、不採算分野についてもこれを受け入れ、悪化した経営について一般会計で支援をし、あるいは医療に対する県民ニーズにこたえて病院を整備することは、県民の福祉を推進する立場から結構なことだと思います。ただ、県立病院のない地域の立場としては、こうした県費による医療サービスの恩恵を県民が等しく享受することができるよう願うところでございます。
国立病院や日赤病院等県の支援を受けることのできる病院もない地域では、市町村が気張ってその地域の拠点病院をつくらざるを得ません。私の出身の伊那市におきましても、市町村立病院としてやらざるを得ず、現在、老朽化した病院の再建計画が進められておりますが、その費用は実に市の1年間の予算規模に匹敵する莫大なもので、起債の適用はありますが、借金は当然償還しなければならず、市の財政を圧迫します。市民にとって、病院の建設・運営は大きな負担となります。
県の財政も厳しいことは承知しておりますが、市町村もまた同様な状況でございますので、県立病院はもとより国立病院も日赤病院も厚生連病院もない地域において、市町村が経営する病院については相応の県の支援をしていただきたいと考えますがいかがでしょうか、知事の温かい御所見をお聞かせいただきたいと思います。
以上をもちまして私の第1回の質問を終わらせていただきます。
〔社会部長花岡勝明君登壇〕
◎社会部長(花岡勝明 君)介護保険についてでございます。
まず、要介護認定についてでございますけれども、要介護認定は、国が定める全国一律の基準に基づきまして、高齢者の心身の状態に応じ、介護が必要であるか否か、介護を必要とする場合どの程度の介護が必要であるかについて審査判定するものでございます。
介護サービスの供給不足についての御心配ということでございますけれども、各市町村ができるだけこのようなことにならないよう、基盤整備の充実について積極的に指導・支援をしてまいりたいと考えております。
また、介護サービスを受ける場合には、介護サービス計画、いわゆるケアプランでございますが、これを策定することとされておりますので、適切な利用調整が行われるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、なぜ今、介護保険かということでございます。
我が国におきましては、人口の高齢化の進展に伴いまして、寝たきりや痴呆などにより介護を必要とする高齢者が急速にふえているという状況でございまして、今日、介護問題は国民の老後生活における最大の不安要因ということでございます。こうした状況を踏まえまして、現行制度の再構築を図り、国民の共同連帯の理念に基づき、社会全体で介護を支える新たな仕組みとして介護保険制度が創設されたということでございます。
国におきましては、介護保険制度について、課題や問題点はあるけれども、介護の現状と21世紀の超高齢社会を見据えたとき、問題点が完全に解決されるまで制度は創設しないといったことでは本質的な解決にはならないので、まずは制度を立ち上げ、いろいろな課題や問題点に積極的に対応していくことが必要であるとしておるところでございます。
今回の介護保険制度の創設に至る過程では、長い時間と幾多の議論が重ねられておりまして、多くの課題を含みながらも、平成12年度から導入されることが決定されたところでございます。
県といたしましては、この新しい保険制度を円滑に導入するため、介護サービスの不足による不満が生じないよう、基盤整備の推進に向けまして市町村とともに全力を挙げて取り組んでいくことが最大の課題であると考えております。
次に、介護サービス基盤整備の財源でございます。
介護保険の財源は保険料と公費負担で構成されておりまして、介護サービスの給付など介護保険事業に要する経費に充当されることになっております。特別養護老人ホームなどの施設整備につきましては、介護保険制度導入後におきましても、引き続き現行と同じ国と県の補助制度により行うということになっているところでございます。
また、国の財政支援についての保証はどうかということでございますが、介護保険法の中で、国の責務として基盤整備の確保に関する施策を講ずることが明記されておりますので、国におきましても必要な基盤整備については積極的に支援がなされるものと理解しているところでございます。
次に、介護保険制度における現金支給の問題でございます。
現金支給につきましては、法律の立案の過程でいろいろ議論がなされたところでございます。家族だけで介護を行っている者との公平性や家計支出の増大などの観点から、現金支給を行うべきであるとする意見の一方で、現金支給が介護サービスに使われる保証がなく、家族による適切な介護に結びつかないのではないかというふうな問題点もありまして、国の老人保健福祉審議会の最終報告では賛成・反対の両論併記とされたところでございます。
こうした議論を踏まえ、国では最終的に、現金支給については当面行わず、将来の課題ということで整理をされたところでございます。
現金支給の問題につきましては、法律も5年後の制度見直しというふうな規定を設けておりますので、今後における世論の動向等に十分留意していく必要があるものと考えておるところでございます。
〔知事吉村午良君登壇〕
◎知事(吉村午良 君)市町村の病院に何らかの補助ができないかという御質問でございます。
自治体病院は現在22あるわけでして、それらの病院は、一般医療のほか不採算といわれる高度医療あるいは救急医療を行って、地域住民の期待にこたえているわけでございます。
こういった病院に対しましては、現在、救急医療、僻地医療を確保するための施設や運営費、あるいは特殊診療部門の整備に対しまして補助を行っております。わけても、市町村立の病院を整備したり医療機器を購入する場合には起債が全額認められておりまして、その償還金の4割は交付税措置が行われております。したがって、そういう制度の中で運営をしていただきたいと、このように考えております。
自治体病院からも、毎年、何か県の補助をというお話がございますが、同じ立場でございますので、県立も市町村立も同じ立場でそれぞれの努力でやってほしいと、こう申し上げているわけでございます。
県下の病院、市町村立もあり、県立もあり、日赤もあり、厚生連の病院もあり、いろいろございますけれども、それぞれにそれをつくる場合のいろいろな歴史的な経過がございまして、それぞれが戦後数十年経る中で地域の病院として立ち上がっておりますので、それぞれの責任で処理してもらうということが原則じゃないかと、このように考えております。
〔14番木下茂人君登壇〕
◆14番(木下茂人 君)御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
介護保険制度につきましては、これは国が決めた制度でありまして、その段階で県も意見は具申したと思いますが、社会部長に答弁を求めても苦しい立場もあろうかと思います。
ただ、私ども、内容をいろいろと説明を受ける中では、まだ見えないことがたくさんある、その見えないことがあるのに汽車は発車してしまう、こういうことに非常に不安を覚えるわけでございます。その見えないというのは、市町村が立てる市町村介護保険事業計画、それによってどういうものを支給していくかというようなことが見えてくるはずだと思いますけれども、そういうものはこれからつくるわけですから、努力するといっても、それがどんなふうに出てくるかということはまだわからないわけでございます。しかし、そういう中で国は2000年には発車するということを決めてしまっているわけでございます。それに対して、国民は内容が余りわからない中で恐らく期待をしているだろうというふうに思うわけでございます。
まあ、こういうふうにして走り出すわけでございますけれども、取るものは取るんだけれども、くれるものはどれだけくれるかということがわからない、そういう灰色の列車が走り出すわけでございまして、あたりが見えるようになってから「いや、こんなはずじゃなかった」と言っても、もうその汽車からおろしてもらうことはできないわけですから、介護保険がそういうミステリートレーンになるようなことがないように願うわけでございます。
そういうことで、これを実施する地方としては、県が窓口になって国にそういうことをつなげていただきたいということを願っているところだと思いますので、どうか県におきましてもそういう役割を果たしていただきますように御要望を申し上げる次第でございます。
また、病院につきましては……
○議長(西沢盛永 君)木下茂人君に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたので発言を終了願います。
◆14番(木下茂人 君)(続)後刻またお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
要請を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(西沢盛永 君)以上で
行政事務一般に関する質問及び
知事提出議案に対する質疑を終局いたしました。
───────────────────
△
知事提出議案委員会付託
○議長(西沢盛永 君)次に、
知事提出議案をそれぞれ所管の委員会に付託いたします。
各委員会におかれては、慎重審議の上、速やかに議長の手元まで審査報告書の提出を願います。付託一覧表は後刻お手元に配付いたします。
───────────────────
△請願・
陳情提出報告、委員会付託
○議長(西沢盛永 君)次に、去る12月定例会後、県議会に対して請願及び陳情の提出がありましたので、報告いたします。
〔職員朗読、議案等の部「5 請願・陳情文書表」参照〕
○議長(西沢盛永 君)以上であります。
ただいま報告いたしました請願及び陳情を、それぞれ関係の委員会に付託いたします。
各委員会におかれては、慎重審議の上、速やかに議長の手元まで審査報告書の提出を願います。請願・陳情文書表は後刻お手元に配付いたします。
───────────────────
△請願・
陳情取り下げ
○議長(西沢盛永 君)次に、お手元に配付いたしましたとおり、請願及び陳情の取下願がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。
ただいま報告いたしました請願及び
陳情取り下げの件を本日の日程に追加いたします。
本件を一括して議題といたします。
お諮りいたします。本件については、それぞれ願い出のとおり取り下げを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西沢盛永 君)御異議なしと認めます。よって、本件はそれぞれ願い出のとおり取り下げを許可することに決定いたしました。
〔議案等の部「7 請願・陳情取下願」参照〕
───────────────────
△
議員提出議案の報告
○議長(西沢盛永 君)次に、議員から議案の提出がありましたので、報告いたします。
〔職員朗読〕
議第1号
長野
オリンピック冬季競技大会と長野
パラリンピック冬
季競技大会の支援に感謝する決議案提出書
平成10年3月19日
長野県議会議長 西 沢 盛 永 殿
提 出 者
石 田 治一郎
賛 成 者
成 澤 栄 一 西 山 平四郎 中 島 輝 夫
吉 田 博 美 小 林 実 倉 田 竜 彦
三 上 孝一郎 服 部 宏 昭 石 坂 千 穂
寺 島 義 幸 高 橋 宏 久保田 元 夫
佐 野 功 武 宮 澤 敏 文 風 間 辰 一
長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。
───────────────────
議第2号
児童手当制度の拡充に関する意見書案提出書
平成10年3月19日
長野県議会議長 西 沢 盛 永 殿
提 出 者
石 田 治一郎 大 和 代 八 佐 野 功 武
賛 成 者
中 島 昭 一 柳 沢 勲 西 山 平四郎
清 水 重 幸 篠 原 文 三 佐 藤 利 次
小 林 千 秀 下 﨑 保 中 島 輝 夫
吉 田 博 美 金 子 松 樹 宮 沢 勇 一
小 林 実 古 田 芙 士 小 林 忠 司
佐 藤 良 男 塩 沢 昭 池 田 益 男
太 田 道 信 井 出 公 陽 中 村 善 行
今 井 勝 幸 島 田 基 正 母 袋 創 一
寺 島 義 幸 高 橋 宏 塚 田 一
久保田 元 夫 奥 村 剛 村 石 正 郎
本 郷 一 彦 平 野 成 基 山 元 秀 泰
風 間 辰 一 佐々木 祥 二 降 旗 茂 孝
浜 万亀彦 森 田 恒 雄 倉 田 竜 彦
柳 沢 政 安 三 上 孝一郎 森 司 朗
宮 沢 宗 弘 金 井 浩 正 成 澤 栄 一
小田切 行 雄 服 部 宏 昭 木 下 茂 人
宮 澤 敏 文 花 村 薫 平 宇留賀 行 雄
石 坂 千 穂 牛 山 好 子
長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。
───────────────────
議第3号
林業・木材産業の振興に関する意見書案提出書
平成10年3月19日
長野県議会議長 西 沢 盛 永 殿
提 出 者
浜 万亀彦 宮 沢 勇 一 大 和 代 八
賛 成 者
石 田 治一郎 柳 沢 勲 西 山 平四郎
清 水 重 幸 篠 原 文 三 佐 藤 利 次
小 林 千 秀 下 﨑 保 吉 田 博 美
中 島 輝 夫 金 子 松 樹 小 林 実
古 田 芙 士 小 林 忠 司 佐 藤 良 男
塩 沢 昭 池 田 益 男 太 田 道 信
井 出 公 陽 中 村 善 行 今 井 勝 幸
島 田 基 正 母 袋 創 一 寺 島 義 幸
高 橋 宏 塚 田 一 久保田 元 夫
奥 村 剛 村 石 正 郎 本 郷 一 彦
平 野 成 基 山 元 秀 泰 風 間 辰 一
佐々木 祥 二 降 旗 茂 孝 中 島 昭 一
成 澤 栄 一 森 田 恒 雄 金 井 浩 正
倉 田 竜 彦 宮 沢 宗 弘 三 上 孝一郎
森 司 朗 柳 沢 政 安 宮 澤 次 雄
小田切 行 雄 服 部 宏 昭 花 村 薫 平
宮 澤 敏 文 木 下 茂 人 宇留賀 行 雄
石 坂 千 穂 佐 野 功 武 牛 山 好 子
長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。
───────────────────
議第4号
新しい食料・農業・農村政策の確立に関する意見書案提
出書
平成10年3月19日
長野県議会議長 西 沢 盛 永 殿
提 出 者
石 田 治一郎 中 島 昭 一 大 和 代 八
賛 成 者
浜 万亀彦 柳 沢 勲 西 山 平四郎
清 水 重 幸 篠 原 文 三 佐 藤 利 次
小 林 千 秀 下 﨑 保 中 島 輝 夫
吉 田 博 美 金 子 松 樹 宮 沢 勇 一
小 林 実 古 田 芙 士 小 林 忠 司
佐 藤 良 男 塩 沢 昭 池 田 益 男
太 田 道 信 井 出 公 陽 中 村 善 行
今 井 勝 幸 島 田 基 正 母 袋 創 一
寺 島 義 幸 高 橋 宏 塚 田 一
久保田 元 夫 奥 村 剛 村 石 正 郎
本 郷 一 彦 平 野 成 基 山 元 秀 泰
風 間 辰 一 佐々木 祥 二 降 旗 茂 孝
森 田 恒 雄 倉 田 竜 彦 柳 沢 政 安
三 上 孝一郎 森 司 朗 宮 沢 宗 弘
金 井 浩 正 成 澤 栄 一 小田切 行 雄
服 部 宏 昭 宮 澤 敏 文 花 村 薫 平
木 下 茂 人 宇留賀 行 雄 石 坂 千 穂
佐 野 功 武 牛 山 好 子
長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。
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議第5号
平成10年度畜産・酪農・蚕糸政策の確立及び政策価格の
決定に関する意見書案提出書
平成10年3月19日
長野県議会議長 西 沢 盛 永 殿
提 出 者
石 田 治一郎 中 島 昭 一 大 和 代 八
賛 成 者
浜 万亀彦 柳 沢 勲 西 山 平四郎
清 水 重 幸 篠 原 文 三 佐 藤 利 次
小 林 千 秀 下 﨑 保 中 島 輝 夫
吉 田 博 美 金 子 松 樹 宮 沢 勇 一
小 林 実 古 田 芙 士 小 林 忠 司
佐 藤 良 男 塩 沢 昭 池 田 益 男
太 田 道 信 井 出 公 陽 中 村 善 行
今 井 勝 幸 島 田 基 正 母 袋 創 一
寺 島 義 幸 高 橋 宏 塚 田 一
久保田 元 夫 奥 村 剛 村 石 正 郎
本 郷 一 彦 平 野 成 基 山 元 秀 泰
風 間 辰 一 佐々木 祥 二 降 旗 茂 孝
森 田 恒 雄 倉 田 竜 彦 柳 沢 政 安
三 上 孝一郎 森 司 朗 宮 沢 宗 弘
金 井 浩 正 成 澤 栄 一 小田切 行 雄
服 部 宏 昭 木 下 茂 人 宮 澤 敏 文
花 村 薫 平 宇留賀 行 雄 石 坂 千 穂
佐 野 功 武 牛 山 好 子
長野県議会会議規則第23条第1項の規定により、議案を別紙のとおり提出します。
〔議案等の部「1 議案 (2)
議員提出議案」参照〕
○議長(西沢盛永 君)以上であります。
ただいま報告いたしました
議員提出議案を本日の日程に追加いたします。
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△
議員提出議案
○議長(西沢盛永 君)最初に、議第1号「長野
オリンピック冬季競技大会と長野
パラリンピック冬季競技大会の支援に感謝する決議案」を議題といたします。
提出者の説明を求めます。
石田治一郎君。
〔54番石田治一郎君登壇〕
◎54番(石田治一郎 君)議第1号「長野
オリンピック冬季競技大会と長野
パラリンピック冬季競技大会の支援に感謝する決議案」につきまして、簡潔に提案理由の説明をいたします。
長野県民の半世紀にわたる悲願であり、夢であり、当県議会においては、昭和60年2月定例会において招致決議をし、さらに平成8年9月定例会において両大会の成功に向け超党派で
オリンピック・
パラリンピック特別委員会を設置し、準備の段階からさまざまな形で支援をしてまいりました長野
オリンピック並びに長野
パラリンピックが、それぞれ史上最多の国や地域の参加のもと、史上最高の冬季大会との評価を得、大きな成功をおさめ閉幕したところであります。
長野に向け厳しい練習を積み重ねてきた日本選手の活躍は、大いに大会を盛り上げてくれました。また、熱戦を繰り広げた選手たちのひたむきな姿は、世界じゅうの人々に大きな感動を与え、次代を担う子供たちや障害のあるすべての人々に大きな夢と希望を与えてくれました。
両大会を成功裏になし遂げたことは、多くの県民に大きな自信と誇りを与えてくれたばかりでなく、世界の人々との友好や平和の大切さを深く認識させてくれたところであります。
本大会の成功は、悪天候によるたび重なる競技日程の変更や厳しい気象条件の中にあっても、常に笑顔を絶やさず、会場整理、輸送、通訳など幅広い分野で大切な役割を担い、御活躍をいただいた国内外の3万5,000人を超すボランティアの皆さんを初め、昼夜に及びコース整備などに取り組まれた競技運営要員や自衛隊の皆さん、交通規制や競技運営に御協力いただいた地域住民の皆さん、早朝から深夜まで交通整理や警備に当たっていただいた警察の皆さん、さらには消防、医療、福祉、行政関係の皆さんなど、全国各地の大勢の皆さんの献身的な御支援のたまものであります。
大会準備や運営に総力を挙げて取り組まれた両組織委員会の皆さんと一体となったこれらの方々の協力なくしては、大会の成功はあり得なかったといっても過言ではありません。
そこで、当県議会として、大会の招致の段階から長期にわたり御支援、御協力をいただいた国内外の各界各層の皆さん、直接・間接に大会を支えていただいたすべての皆さんに対し深甚なる感謝の意を表する決議案を発議した次第であります。
また、平和の実現は世界のすべての人々の切なる願いであります。
オリンピックの開催を通じて世界に平和をアピールするため、
オリンピック停戦決議や対人地雷廃絶等の取り組みがなされました。これを契機として、県民とともに世界の平和と友好に向け一層努力していくことについても、あわせて決意したいと思う次第であります。
本決議案は、
オリンピック・
パラリンピック特別委員会で御同意をいただき提案に至ったわけでございますので、全議員さんの賛成をお願い申し上げまして、提案説明といたします。
○議長(西沢盛永 君)以上であります。
お諮りいたします。本案については、会議規則第44条の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西沢盛永 君)御異議なしと認めます。よって、本案は委員会審査を省略することに決定いたしました。
本案に対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を採決いたします。
本案、原案どおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西沢盛永 君)御異議なしと認めます。よって、本案は原案どおり可決されました。
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△
議員提出議案
○議長(西沢盛永 君)次に、議第2号「児童手当制度の拡充に関する意見書案」、議第3号「林業・木材産業の振興に関する意見書案」、議第4号「新しい食料・農業・農村政策の確立に関する意見書案」及び議第5号「平成10年度畜産・酪農・蚕糸政策の確立及び政策価格の決定に関する意見書案」を一括して議題といたします。
お諮りいたします。本案については、それぞれ会議規則第44条の規定により提出者の説明及び委員会付託を省略いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西沢盛永 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ提出者の説明及び委員会審査を省略することに決定いたしました。
本案それぞれに対して質疑及び討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。
本案それぞれ、原案どおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(西沢盛永 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ原案どおり可決されました。
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○議長(西沢盛永 君)次会は、来る3月26日午後1時に再開して、各委員長の報告案件全部を日程といたします。書面通知は省略いたします。
本日は、これをもって散会いたします。
午後3時29分散会...