長野県議会 1997-12-09
平成 9年12月定例会本会議-12月09日-02号
平成 9年12月定例会本会議-12月09日-02号平成 9年12月定例会本会議
平成9年12月9日(火曜日)
応招議員
29 番 今井勝幸
出席議員(60名)
1 番 佐野功武 22 番 母袋創一
2 番 牛山好子 23 番 宮沢宗弘
3 番 宮澤敏文 24 番 柳沢政安
4 番 花村薫平 25 番 三上孝一郎
5 番 降旗茂孝 26 番 大和代八
6 番 佐々木祥二 27 番 萩原 清
7 番 奥村 剛 28 番 島田基正
8 番 風間辰一 29 番 今井勝幸
9 番 山元秀泰 30 番 中村善行
10 番 平野成基 31 番 井出公陽
12 番 石坂千穂 32 番 太田道信
13 番 宇留賀行雄 33 番 池田益男
14 番 木下茂人 34 番 塩沢 昭
15 番 服部宏昭 35 番 佐藤良男
16 番 本郷一彦 36 番 倉田竜彦
17 番 村石正郎 37 番 金井浩正
18 番 久保田元夫 38 番 森 司朗
19 番 塚田 一 39 番 森田恒雄
20 番 高橋 宏 40 番 小林忠司
21 番 寺島義幸 41 番 古田芙士
42 番 下﨑 保 53 番 小田切行雄
43 番 小林 実 54 番 石田治一郎
44 番 宮沢勇一 55 番 小林千秀
45 番 金子松樹 56 番 西沢盛永
46 番 吉田博美 57 番 佐藤利次
47 番 中島輝夫 58 番 篠原文三
48 番 関谷高雄 59 番 清水重幸
50 番 浜 万亀彦 60 番 西山平四郎
51 番 成澤栄一 61 番 柳沢 勲
52 番 中島昭一 62 番 登内英夫
欠席議員(1名)
49 番 宮澤次雄
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説明のため出席した者
知事 吉村午良 企画局長 伊藤 寛
副知事 池田典隆 副出納長 内田雄治
出納長 古越典雄
公営企業管理者職務執行者・企業局長
小池康雄
総務部長 飯澤 清 財政課長 栗林俊春
社会部長 花岡勝明
教育委員会委員長 宮﨑和順
衛生部長 畑山善行 教育長 戸田正明
生活環境部長 矢島広道 教育次長 藤井世高
商工部長 渡辺雅文 教育次長 宮澤德富
農政部長 宮崎新一郎 警察本部長 瀬川勝久
林務部長 小林寿内 警務部長 島根 悟
土木部長 太田柳一 監査委員 丸山 勇
土木部高速道局長 所 輝雄
選挙管理委員会委員長
住宅部長 山浦衞久 中村幸枝
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職務のため出席した事務局職員
事務局長 湯沢角雄 総務課企画員 平林 信
議事課長 林 一夫 副参事兼議事課課長補佐兼記録係長
太田 浩
議事課課長補佐 谷坂成人
議事課記録専門員 若井一仁
委員会係長 小林資典
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平成9年12月9日(火曜日)議事日程
午前11時開議
行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑
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本日の会議に付した事件等
諸般の報告
行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑
午前11時1分開議
○議長(西沢盛永 君)これより本日の会議を開きます。
本日の会議は、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。
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△諸般の報告
○議長(西沢盛永 君)次に、諸般の報告は、お手元に配付したとおりであります。朗読は省略いたします。
〔議案等の部「2 諸般の報告」参照〕
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△行政事務一般に関する質問及び知事提出議案
○議長(西沢盛永 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。
お手元に配付いたしましたとおりの諸君から行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑の通告がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。
順次発言を許します。
最初に、佐藤良男君。
〔35番佐藤良男君登壇〕
◆35番(佐藤良男 君)皆さん、おはようございます。今回もまたくじ運がよくて1番に当たったわけでありまして、感謝をしております。
最初に、テレクラ条例の制定について知事にお伺いをしたいと存じます。
ことし6月の県議会におきまして、私から
テレホンクラブ規制条例について質問いたしました。続いて9月の県議会においても小林忠司議員から同じく
テレクラ規制条例の制定について知事に質問したところでありますが、知事からは「住民運動による取り組みが成果を上げており、今後とも、条例に頼るよりも、県民の理解と協力のもとに一丸となって取り組みをしていきたい」との答弁をいただいたところであります。
しかしながら、住民運動もさることながら、昨今の青少年を取り巻く環境悪化の中で、「テレクラについては条例で規制すべきではないか」との意見が県民の中から寄せられたのであります。
そこで我が県政会といたしましては、県民の世論を聞くべく、まず、県下の
高等学校PTA会長及び県PTA連合会(小学校、中学校)役員について、さらに、県下町村の議会議長並びに同青少年担当課長に対してのアンケートによる、テレホンクラブに対しての意向及び今後の対応等を調査いたしたところであります。そしてさらに、既に
青少年健全育成条例を持ちながら別に
テレクラ規制条例を設けた福島県、茨城県を視察し、また、青少年育成条例を一部改正してテレクラ条例を挿入した神奈川県についても調査をしてまいりました。
特に、神奈川県の条例に至る背景には、平成7年11月、横浜市内の女子中学生がテレクラの
ツーショットダイヤルで知り合った無職の男性に兵庫県内で殺害される事件が発生したため、県議会で急激に法規制の機運が高まってきたのであります。
一方、本県におきましても、本年9月には、飯田市内の女子中学生が、
ツーショットダイヤルを通じて男性と接触し、覚せい剤を譲り受け使用して逮捕される事件が発生するなど、テレクラをめぐる問題は極めて憂慮されるべき状況にあることは既に御高承のことと存じます。
また、他府県でテレクラ条例で追われた業者は、アリがみつを求めるごとく信州へ、長野へと進出をしてまいりまして、現在、県内における
テレクラ営業所数は33店に及び、そのカードの自販機の設置台数は154台と前年比約112%となっていると聞いております。
また、県PTA連合はテレクラ問題について再三にわたり論議がなされ、テレクラによる被害を防止するためにも
テレクラ規制条例の制定を求める動きがあるやに聞いております。
そこで我が県政会といたしましても、前述のとおり、福島県、茨城県、神奈川県の条例制定に至るまでの状況並びにその後の状況等つぶさに調査し、かつ県下PTA並びに各町村などアンケートによる意向を調査し、その結果を踏まえ、政調会、総務警察部会において慎重に審議してまいりました。
その結果、住民運動による青少年の健全育成については成果が上がっているものの、相次ぐ
テレクラ関連事件の発生等を考えるとき、条例制定について検討すべき時期に来ているのではないかとの結論に至ったのであります。
そこで、改めて知事にお伺いいたします。
知事は、この際、テレクラ営業を規制する条例を制定するお考えはないか、お尋ねをいたしたいと存じます。
次に、オリンピック等の入場券の販売についてお尋ねをいたしたいと存じます。
待望久しかった
冬季オリンピックも、開催まであと60日となりました。それぞれの会場の準備はもとより、各会場へのアクセス道の改良も順調に進捗し、20世紀を締めくくるにふさわしい、すばらしいスポーツの祭典、「愛と参加」を理念としたオリンピックが我が長野県で開催されることに、すべての県民が大きな期待と夢の実現に熱いまなざしを向けているものと思われるのであります。
ところで、半月ほど前のことでしょうか、私の町のオフトーク通信を通じて「オリンピックの入場券が余っています。御希望の方は○○か○○にお申し込みください」と連日放送しているではありませんか。驚いたのは私のみではなかったはずであります。
私は、当初、入場券の申込用紙が町を通じて全戸に配布されたとき、在京の知人に頼まれましたので
県オリンピック課を訪れいろいろと伺ったのでありますが、なかなか入場券を求めることは難しいということで申込用紙を20枚ほどいただいてまいりまして、家族や親戚、知人の名を借用して申込用紙を出したのでありますが、何とくじ運の悪いこと、一枚も当たりません。ほかの人に聞いてみましたが、多い人は100枚も出したが一枚も当たらなかったと言っております。抽せんは厳正・公平に行ったとしておりますが、「同一人が何枚も出したのは意図的にカットしたのではないか」とさえささやかれているのであります。
そんな中で、6月県議会開会中の7月1日の
オリンピック議員連盟総会にて入場券販売についての資料が提出されました。その内容は、申し込み総数646万枚余に対し販売総枚数は36万6,000枚で、単純倍率17.7倍、当せん確定数30万7,000枚余となっており、抽せんはコンピューターを使用して厳正・公平に行ったとしておりますが、抽せんに漏れた方々からは、「何枚も申し込んだが一枚も当たらなかった」として、抽せんに対して不信感を隠し切れない発言が多く聞かれたのであります。
申し込みの倍数では、最高は
フィギュアスケートの81.9倍、2位は開会式の24.2倍、3位は
スピードスケートの20.2倍、4位はフリースタイルの18.5倍、5位は
ショートトラックの13.2倍の順であり、低いものではバイアスロンが0.3倍、リュージュが0.6倍と発表されたのであります。
そこで総務部長にお尋ねをいたしますが、7月の時点で完売に等しいように発表されたものが、なぜ4カ月もたった時期に入場券がまだ残っているからと追加販売をしなければならなかったのか、その理由についてお伺いし、きょう現在の入場券の販売状況――きょう現在といってもわからないと思いますが、一番最近の販売状況はどうなっているのか、お伺いしたいと思います。素朴な県民の声を代弁しての質問であります。
次に、社会部長にお尋ねをいたしますが、90日後に開会されるパラリンピックの販売状況は現在どのようになっているのか、お尋ねをいたしたいと存じます。
次に、米の生産調整について農政部長にお尋ねをいたしたいと存じます。
平成9年度の新生産調整につきましては、例年のことながら、生産者団体、行政、関係機関が一体となっての取り組みにより、特に米生産農家の理解と協力により国からの生産調整面積を達成することができたものと存じ、敬意を表するものであります。
しかしながら、平成6年から9年と4年連続の豊作により平成10年10月末の米の在庫量は370万トンになることが見込まれ、農水省は、適正在庫量の200万トンにするよう平成10年と11年の2年間で調整しなければならないとして、来年平成10年度の生産調整面積は昨年度より17万6,000ヘクタール多い96万3,000ヘクタールに拡大し、去る11月末に国から県に転作面積の配分があったと聞いておりますが、これ以上米生産農家に転作を押しつけることはいかがなものかと思うのでありますが、米の生産調整に対する国並びに県の基本的な考え方についてまずお伺いしたいと存じます。
次に、平成10年度は、全国規模の共補償制度を採用し、従来の転作助成金は減額するとも聞いておりますが、その内容についてお伺いしたいと存じます。
また、達成できない場合、それらの市町村に対するペナルティーについてもお伺いしたいと存じます。
以上で第1回目の質問を終わりますが、県民の声を代弁しての質問と受けとめ、明確な御答弁を期待いたします。
〔知事吉村午良君登壇〕
◎知事(吉村午良 君)お答えいたします。
テレクラ規制条例制定につきましての御質問でございますが、県政会におかれましては、種々調査、また意見等をお聞きいただいておりまして、御苦労さまでございます。
テレクラに関連した事件は、さまざまな形であらわれております。テレクラを利用した大人が子供を脅迫したり、逆に子供が大人を脅迫したり、大変複雑な内容でございます。県民の皆様の間にそのような声があるのも無理はないと、このように思います。
しかし、こういった問題につきましては、県民の理解と協力のもとに、県民一人一人が自分自身の問題としてとらえ、優良な環境づくりをするということが何よりも必要でございますし、また、有害環境の排除のためには、家庭、学校、地域社会が一体となって青少年を温かく見守り育てるということがまず第一であると、このように考えております。前の答えとその点では変わりございませんが、しかし、最近は特にテレクラに関連する問題が多いわけでございますので、私どもといたしましても関心を持ってこれを見守っております。
条例等で規制しているところを見ますと、営業は学校等から200メーター以内ではできない、それ以外ではやってもいい、こういう内容の条例でございます。したがって、条例をつくりましても、すべてのテレクラを取り締まれるということではないわけでございまして、その点、微妙な問題もございます。
それから、長野県は条例がないから長野県へ行けばテレクラが非常に簡単にできるということですが、数からいいますと、長野県は現在、個室型、ツーショット型を合わせまして33カ所ですが、東京都は418カ所、神奈川県は217カ所ということで、他の地域では条例がございましてもテレクラの営業所は非常に多いということでございます。
しかし、この点をどうにかしたらどうかということにつきましては、青少年に悪影響を与えているということもございますので、今後、県民の皆さんの御意見を十分お聞きしながら、総合的な視点からこの問題について研究をしてまいりたいと考えておりますので、御了承願いたいと思います。
〔総務部長飯澤清君登壇〕
◎総務部長(飯澤清 君)お答えいたします。
オリンピックの入場券が追加販売されることになった理由と現在の入場券の販売状況についてのお尋ねでございますが、入場券の国内での販売につきましては、本年2月に抽せんによる予約販売を行いまして、引き続きまして6月からは公式販売代理店8社による窓口販売を行ってまいりました。
予約販売を行いました結果、申し込みがなかったものが約5万8,000枚、それから当せんはしたけれども最終的に代金の支払いがなかったものが約7万4,000枚生じたところでございます。それから、海外販売では当初概算で20万枚を見込んでおりましたが、結果的に約8万9,000枚が残券となりました。また、NAOCでは、できるだけ一般販売の枠を確保したいということで、スポンサー等と調整をした結果、一般販売用として約9万6,000枚が新たに確保できまして、これらを合わせまして合計32万5,000枚の残券が生じてまいりました。
これらにつきまして、
予約販売当せん者の入金の確認が8月ごろまでかかったこと、また、海外販売分についての各国との調整やスポンサー等との調整が9月ごろまでかかったため、これらの残券を一括して10月21日から11月28日まで、
公式サプライヤーである「チケットぴあ」の窓口と電話受け付けにより追加販売を行ったところであります。
現在の販売状況でございますが、競技別に見ますと、開会式、
フリースタイルスキー、
フィギュアスケート、
ショートトラックスピードスケートは全種目で売り切れとなっております。また一方で、閉会式3,300枚や、アルペンスキー、ジャンプ、
スピードスケートなどの一部の種目などで合計約22万1,000枚が残っております。
これらの残券の今後の販売方法につきましては、まず、
クロスカントリー、バイアスロン、リュージュなどの屋外競技の自由席につきましては、今月中旬を目途に「チケットぴあ」で電話予約を受け付ける準備を進めております。また、アイスホッケー、
スピードスケートなどの屋内競技を中心とした指定席の残券につきましては、1月中旬から「チケットぴあ」の窓口や電話受け付けによる販売を行うことといたしております。このほかにも、各
開催地市町村ごとにチケットオフィスを設置いたしまして、直接販売を行うことといたしております。
こうした残券の状況や販売方法につきましては、新聞等による全国的な広報を行いまして販売促進を図り、一人でも多くの皆さんに観戦いただけるよう努めてまいりますので、御理解と御協力をお願いしたいと思います。
以上でございます。
〔
社会部長花岡勝明君登壇〕
◎社会部長(花岡勝明 君)お答えをいたします。
パラリンピックの入場券の販売状況でございます。
入場券につきましては、NAPOCが
入場券販売管理センターを設置いたしまして、全国約3,000の販売代理店を通じて販売いたしているところでございます。11月末現在、全体の販売率は85.8%ということでございまして、大会が近づくに従って関心が高まってきておる実情でございます。
開会式や
アイススレッジ競技につきましてはほぼ完売に近い状況でございますけれども、
クロスカントリーやアルペンスキーにおきましては60%台ということでございますので、今後とも販売促進に一層努めてまいりたいと考えておるところでございます。
〔
農政部長宮崎新一郎君登壇〕
◎農政部長(宮崎新一郎 君)お答えをいたします。
1点目の米の生産調整に対する国及び県の基本的な考え方についてでありますが、米の生産調整対策は、米の生産と需要のバランスを調整するため、昭和46年から本格的に開始されて以来既に四半世紀が経過しておりますが、平成7年11月に施行された食糧法においては、生産調整は「米の需給及び価格の安定を確保するために最も重要な手段」として法的に位置づけられたところでございます。
この11月20日に決定されました新たな米政策におきましても、稲作生産と転作が一体となった望ましい水田営農の確立を図るとともに、我が国の稲作経営の将来展望を切り開くことを基本理念として施策を総合的に推進し、米の需給及び価格の安定を図っていくこととされております。
県といたしましては、新たな米政策は稲作農家の経営安定を早急に図るために必要な措置と考えており、その一環として実施いたします
緊急生産調整推進対策における
生産調整目標面積の増加につきましても、今後の稲作経営を考える上では万やむを得ないものと考えております。
御指摘のとおり、平成10年度は2万4,634ヘクタールと過去最大の
生産調整目標面積となりますが、農業者の理解と協力を得ながら、行政と関係団体が一体となって推進してまいることといたしておりますので、格別の御理解のほどをお願いしたいと存じます。
2点目の全国規模の共補償制度の採用と従来の転作助成金の減額についてでありますが、全国規模の共補償制度は、現在市町村単位で実施されております共補償事業を全国規模で実施することとしたもので、水田面積10アール当たり一律3,000円の生産者拠出金と、それと同額の国庫助成により基金を造成し、
生産調整目標面積を達成した農業者の実施面積に対して作物ごとに一定額を補償することにより、転作率の高い地域で生産調整を実施している農業者の経営安定を図るとともに、不公平感を緩和することを目的とするものであります。
次に、転作助成金についてでありますが、新たな米政策においては、全国規模の共補償のほか、自主流通米が価格低落した場合の価格補てんのための
稲作経営安定対策など、新たな対策を総合的に実施して生産調整実施者の経営安定を図ることとなったことにより、転作助成金だけを見ますと、大豆や麦、飼料作物などは現行の最高額3万円が2万円に、野菜などは現行の最高額6,000円が2,000円に減額されております。しかしながら、先ほど申しました全国共補償額を加えますと、大豆や麦、飼料作物などは現行と同じ5万円、野菜などは1万1,000円となります。
最後に、
生産調整目標面積を達成できない場合の当該市町村に対するペナルティーについてでございますが、食糧法のもとで平成8年度から取り組んでおります新
生産調整推進対策から目標未達成面積の翌年度上乗せや補助事業の不採択などのいわゆる
ペナルティー措置は廃止されたところであり、平成10年度からの
緊急生産調整対策におきましても
ペナルティー措置はないものとされております。
以上でございます。
〔35番佐藤良男君登壇〕
◆35番(佐藤良男 君)ただいま、テレクラ規制につきまして、県民の意向を聞き総合的な視点から研究してみたいという非常に前向きな御答弁をいただいたわけでありまして、さすが吉村知事だな、県民の意向というものはちゃんとつかんでいるなというふうに感じた次第であります。
さて、12月3日付で
県警本部生活安全部長名をもって、私ども県政会団長、幹事長、政調会長、
総務警察部会長あてに「少年の
テレクラ利用抑止及び
覚せい剤乱用防止対策の強化について」という依頼文が参ったのであります。時間がありますので申し上げてみたいと思うんですが、「最近の少年非行は、全国的には前年同期に比べ約20パーセント増加し、特に、おやじ狩りに代表される強盗・恐喝事件、援助交際の名の下に行われる売春、覚せい剤の乱用など、悪質化かつ低年齢化している現状にあり、第4のピークを形成しつつあるのではないかと危惧しているところであります。長野県における少年非行につきましても、平成7年まで減少傾向を示しておりましたが、昨年から増加に転じ、本年に入りましては前年同期に比べ約50パーセント増、増加率は全国第1位と異常な事態となっております。本年9月には、女子中学生がテレクラを通じて知り合った男性から売春の代償として覚せい剤を譲り受けて乱用していたというショッキングな事件の発生をみたところであります。その背景として、最近の社会全般における規範意識の低下や享楽的な社会風潮が、その要因の一つになっていると思われます」とあり、「家庭、学校及び関係機関・団体が連携を密にして、一丸となって取り組むことが極めて重要であります」として、「今までの健全育成活動の問題点についてご検討を願い、今後の活動や施策にご反映していただくようお願い申し上げます」と結んでいるのであります。
参考資料として、テレクラの営業所数は、ツーショット型が平成6年は4店でありましたが、平成7年には11店、平成8年には14店、平成9年11月末では20店というようにふえており、カード自販機の台数についても、平成6年の34台が平成7年は75台と倍増し、平成8年はさらに倍増して138台、平成9年11月末では154台ということで、先ほど申し上げましたように112%の増となっているのであります。
私たち部会で他県の条例を勉強した中で言い得ることは、青少年保護育成条例については、全国45道府県の例を見ますと、文言は若干違いますが、内容は、青少年等に対する淫行等の禁止、何人も青少年に対してみだらな行為又はわいせつな行為をしてはならない、罰則として6カ月から2年以下の懲役又は30万円から100万円以下の罰金に処す、こういうのが大半であります。
特に、最近改正されました東京都の例を見ますと、平成9年10月9日に都議会で議決しているわけでありますが、青少年保護育成条例には淫行処罰規定は今までなかったのでありますが、条例を改正して新たに買春処罰規定を導入したもので、「何人も、青少年に対し、金品、職務、役務その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して性交又は性交類似行為を行つてはならない」、「何人も、性交又は性交類似行為を行うことの周旋を受けて、青少年と性交又は性交類似行為を行つてはならない」、罰則として「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となっているのであります。
全国唯一の条例のない長野県においては、淫行、買春の行為に対しては、他の法令に違反しない限り取り締まりはできないということのようであります。
私たちは、青少年を保護し育成する立場から、テレクラ業者の営業を規制する条例と、成人男性が青少年に対して行う買春行為を取り締まる淫行規制条例がどうしても必要であることを強調いたしまして、私の質問をすべて終わります。
○議長(西沢盛永 君)昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時35分休憩
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午後1時1分開議
○副議長(関谷高雄 君)休憩前に引き続き会議を開きます。
続いて順次発言を許します。
服部宏昭君。
〔15番服部宏昭君登壇〕
◆15番(服部宏昭 君)順次、青少年問題や教育、林務等につきまして質問をさせていただきます。
まず初めに、テレクラ等青少年の非行対策について質問をさせていただきます。
先ほど佐藤議員からも触れられましたけれども、このほど県警より、「少年の
テレクラ利用抑止及び
覚せい剤乱用防止対策の強化について」として、女子中学生によるテレクラ売春及び覚せい剤乱用事犯を総括し、その実態をまとめ、家庭、学校及び関係機関・団体へ一丸となって青少年健全育成のために取り組むよう要請がなされました。
それによりますと、全国的にも少年非行は前年同期に比べ約20%増加し、特に、売春、覚せい剤の乱用など悪質化かつ低年齢化している現状であり、本県の少年非行も平成7年までは減少傾向にあったが昨年から増加に転じ、ことしは約50%も増加しているとのことであります。そして、増加率は全国トップだそうであります。
テレクラ営業も平成7年からぐんとふえてきましたし、そのカード自販機も約2倍あるいは4倍となってきたことと少年非行増加がちょうど同じ時期になっているわけであります。
また、テレクラを利用しての事犯もあり、家庭も学校も気づかないまま女子中学生が金欲しさに援助交際と称して何度も売春をしていたとか、友達の女子中学生も「簡単に稼げる」などと仲間にしてしまったとか、売春がもとで覚せい剤の乱用に走ってしまったケースなど、テレクラによって本県の青少年が悪の手に染まる、あるまじき実態が浮き彫りにされております。
特に、「長野県は条例がないから取り締まりができない」と他県から入り込んでくるのは、まことに遺憾であり、絶対に許すことはできない行為であります。
青少年保護育成条例やテレクラを規制する条例がないのは長野県だけであり、本県では以前から、青少年を淫行などの悪の道から守り、テレクラからも「テレクラを利用しない」「青少年に立ち入らせない」「利用カード自動販売機を設置しない」の3ない運動を地域住民、関係機関・団体が一体で取り組み、地域ぐるみでの実践活動で一定の成果が上がっていることは承知しております。
テレクラは、売春に走らせる許しがたい悪の道であり、覚せい剤の乱用にも結びついていく危険がとっても多いのであります。もう、時代がどんどん変化し、電話も簡単に使えるし、携帯電話やポケベルも急速に普及している現在、高速交通網も一段と整備され大都市や県外とも短時間で行ったり来たりできるようになったことでもあり、この時代にマッチした青少年保護育成対策を早急に構築すべき重大な時期を迎えていると思われるのであります。
テレクラ規制条例制定の論議がなされておりますが、この論議を深めるには、第1にテレクラ条例の内容について明確にした上で論議をすべきであると考えます。他県では、制定した条例の主要部分はテレクラという営業を規制するものであり、しかもその規制は学校等から200メートルとか500メートルとか一定距離内についての規制であります。ところが一番求められているのは、淫行とか買春行為、特に大人が精神的に未成熟な中学生や高校生の性を買うような行為をやめさせたいということであります。そして、これらの分野については、児童福祉法や売春防止法においては、これらの淫行や買春行為を処罰する規定が定められていないところであります。したがって、今求められている淫行、買春等の行為を阻止する上で現在の法律内容では不十分な点があるので、これらの法律を整備することをまず第一義的に考えるべきであり、その上で営業規制の必要があればテレクラ条例制定是非の論議となるものと考えるわけであります。
そこで、法律、条例の体系とテレクラに係る問題の核心をどのように整理しているのか、また、テレクラをめぐる現状をどのようにとらえておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
また、現在の法律では、強制的に買春行為をさせない、また、買春をした者を取り締まり処罰することもできないのであります。したがって、しかるべき法によって買春を取り締まることができるよう国へ働きかける必要があると思いますし、他県においても国の法律が待てないので規制の対策を講じているようですが、本県でも国の法律ができるまでこのままでおくことはできない現状において、青少年への淫行行為、つまり買春をさせないために、そこへ導いてしまうテレクラを子供たちから遠ざけるため、強制的手段を含め何らかの方策をとらなければならなくなってきているのではないかと思いますが、あわせて知事の御所見をお伺いいたします。
次に、これからの本県の教育についてお伺いいたします。
今世紀最後の世界最大のイベントである長野
冬季オリンピックがこの2月7日に開催され、22日には大きな成果を残し大成功に終了させなければならないのであります。そして、オリンピック効果を行政、民間が協力し合い確実に21世紀へつなげて、あすの長野県の飛躍的な発展に役立てなければなりません。
さて、このオリンピック後の本県の重要な課題として、教育の充実にあるとさまざまな場面でいわれております。すなわち、県におけるポストオリンピックの主要施策として、信州教育の確立に取り組んではどうかということであります。
長野県は、かつては教育県だといわれ、信州教育が高く評価されたものですが、今は大学への進学率が全国でも低い方の位置にあることなどから、残念ではありますが、その面影は乏しくなってきているのが現状であります。このことについては知事も、教育に対する関心も高く、ポスト五輪の施策の一つとして賛意を示されているようであります。ポスト五輪での教育行政を県民の大きな期待を背に強く支援し、ここにしっかり取り組んでいただくよう知事に要望しておきたいと思います。
そこで、教育委員会としても、信州教育をよみがえらせ、再生の努力をどのようにするのか、その成果がどのように上がるのか、問われることになると思います。耐えるべきときは耐え、人を思い郷土愛の心を育てる教育の実現は信州教育の原点でありましょう。信州教育の樹立に向かっての対策は計画的に進める必要がありましょうが、今後どのように取り組んでいく御所存なのか、その方策について、実践方法についてもあわせ教育委員長にお伺いいたします。
次に、順次お伺いいたします。
不登校や中退者は依然増加の傾向にあったり、中学生による殺人事件が発生したり、いじめを苦にみずからのとうとい命をなくす残酷な事態が起こったり、校内で暴力事件があったり、学校を取り巻く難問が多くなってきているのであります。このような荒廃している学校現場の中で、主に若い教師に多いようですが、ストレスがたまり、何かに追われているような恐怖や不安感に陥り、学校へ行くことにも抵抗があると訴えている教師や、重い悩みを抱え苦しんでいる教師が多いようであります。
何とか、教師が元気よく力いっぱいに伸び伸びと子供たちの教育に当たられるようにしなければなりません。教師になった後も、校内での先生方の連携を密にすることはもちろんのこと、教師が広く家庭や社会とまじり合い相互の信頼関係をつくり出すことが重要で、学校を管理し指導する立場にある教育委員会初め校長、教頭などの責任は重大であります。また、学校での教師はどうあるべきかを主眼に、採用時の優秀さだけでなく、ますます複雑になっていく教育現場に耐えられるかどうかの点も教師として要求されるべきであります。
かつて全国でも高い評価を得た信州教育は、教育に対し使命感と気骨を持って取り組んだことによるものだといわれておりますが、現在においても教師の資質向上こそ重要で、早急なその抜本的対策が望まれております。
そこで、教員採用時の学力のみでなく、実社会での体験や良識の程度、心身の忍耐力、教育に対する使命感や意欲等、幅広い視野で人材を確保するようにしたらどうかと思いますがどうでしょうか、教育長にお伺いいたします。
教育センターも設置されて、取り組んでいることとは思いますが、採用後における実社会等でさまざまな研修等を断行し、郷土愛に燃えた教育への情熱や人格ともに研さんし涵養を図るためにどのようにする御所存なのか、教育長にお伺いいたします。
教師が孤立しないために、学校組織の機能を十分生かし協調・協力システムを強固にし、校長が指導力を発揮できるようにするにはどのようにすればよいのか、あわせて教育長にお伺いいたします。
日本も、戦後の経済復興からすさまじい勢いで世界の先進国と肩を並べ、世界第2の経済大国まで成長しましたが、もう、追いつけ追い越せの時代から、中央から地方へ、官主導型から民主導型へ、生産中心から生活重視へと、ゆとりを持った時代へ変革しようとしているのであります。教育においても、知識偏重教育から創造性を養い、倫理・道徳教育の方向へ大規模な改革が必要になってきているのであります。そして、衰退してきている子供たちの知力や体力を増強させ、偏差値重視の教育を見直し、ゆとりを持った教育にしていく必要があります。時代の変遷に伴った教育の歴史的ともいえる改革について、教育委員長に御所見をお伺いいたします。
これから2003年には学校完全週5日制に移行し、2時間ほどの授業時間が短縮され、その時間を主に情報や環境などを学ぶ総合的学習に充てられるそうであります。子供たちにゆとりを与え、みずから進んで学べるよう学習意欲を持たせることであります。この総合学習の成果は、学校の姿勢はもちろん、担当する教師の資質によるところが大きいともいわれております。また、昨年に掲げた中央教育審議会の「自ら学び、考える教育」への転換をどう図るかにかかっております。学校週5日制が完全に実行されてカリキュラムに時間的余裕が生まれれば、それを、ゆとりを取り戻し、いわれている生きる力の教育実績が向上するように工夫しなければならないことも重要であります。
そこで、地域も異なり環境も違う各学校での子供たちを中心にした、取り組みが特色ある、詰め込みや学業の伝授のみにならない、子供たちの自主性に富んだ教育にしたいものであります。行政や地域も連携して体験学習によることもまさに総合的学習につながっていくと思いますが、総合的学習についてどのようにしていくのか、教育長にお伺いいたします。
県教育委員会として、必ずやってくる学校完全週5日制への取り組みを前もって十分な準備をしておく必要があると思いますが、教育長の御所見をお伺いいたします。
生涯学習や公民館事業などの地域の行事に、図書館も含めて小中学校の開放が今叫ばれています。また、少子化傾向が一層深刻な状態で進んでいる現在、小中学校でも空き教室が目立ってきており、その再利用がなかなか進まず、会計検査院の指摘もあり問題となっております。福祉などへの再利用を希望しているところもあるようですが、本県の実態と今後どのように空き教室などの施設再利用を図るのか、教育長にお伺いいたします。
次に、学校において公害や環境教育に真剣に取り組んでいただいているときではありますが、ここへきて学校でのごみ処理問題がクローズアップされてきました。
文部省では、ダイオキシン対策として、学校焼却炉の原則使用禁止を決めました。県にその通知が来ていると思いますが、学校への対応はどのようにしているのでしょうか。学校で毎日発生するごみは、焼却すれば極めて高い濃度のダイオキシンが出てくるから困っているのに、そのごみを学校独自で対応しなければならなくなっていると聞いております。学校でのごみ処理の実態とダイオキシン対策について教育長にお伺いいたします。
最後に、高等教育についてでありますが、短大も含めた大学進学率は全国的にも上位にありますが、4年制大学だけを取り上げますと低い位置にあります。学力向上にも真剣に取り組んでおりますが、身近に行ける大学の数が少ないことも原因の一つであると思われます。確かに、長野県の人口から見て大学の数が少なく、高等教育の多くを県外の大学等の教育の場に依存している状況にあります。
県においては、看護大学や工科短期大学校を設置し高等教育への門戸を広げていただきましたが、これらは社会の要請にこたえた施策であります。他県においては、地域の特色ある公立大学の設置が目立っているようであります。
また、県立短期大学の卒業生の皆さんの六鈴会においても、県民からアンケートをとって調査されたり、熱心に4年制大学への昇格運動を展開されております。短大は、社会に対し即戦力を養う教育機関として重要な役割を担っていることは言うまでもありませんが、その六鈴会の調査結果においても、県民の9割の方が県立4年制大学設置を希望しているとのことであります。県短を4年制大学に昇格することも含めて県立大学新設等について、財政的にも厳しいときではありますが、ポスト五輪の課題として検討していただきたく知事に要望いたします。
最後に、森林・林業の振興についてお伺いいたします。
国の林政審議会等において、国有林は森林整備の目標を木材生産機能重視から国土・環境保全等の公益的機能重視に転換すべきだとの方向を示してきております。この中で流域管理システムは、国有林、民有林一体となって河川流域ごとに森林を整備し、あわせて国土を保全し、水源保持を図るものであります。民有林についても、林政審議会でその政策内容が現在検討されております。
現下の林業生産活動が低迷している状況下では、国有林野事業だけでなく民有林の分野にも抜本的な改革ができれば、林業に明るい見通しが生まれるのであります。特に本県は、山林が8割近く占め、山林の荒廃が進み、松くい虫の被害も大きいなど、森林を守り育てていくことが大変困難な状況であります。
一方、県では、新時代に向かって長野県の森林・林業づくりにとして「2010年長野県森林・林業長期構想」を策定されました。そこには、さまざまな観点から、森林・林業の大切さや、これからの取り組みが示されておりますが、木材産業の不振、諸経費の増大、労働力不足等で林業を取り巻く環境は厳しく、林業の活性化を図るには容易ではありません。県及び市町村においても森林組合等の団体とともに真剣に取り組んでおりますが、しかし、さらなるその財源確保は、公共事業の圧縮や景気低迷による税収減などで将来とも大変難しい時代となっております。
そこで、このような国の改革や動向の中で本県の森林・林業行政をどのように進めていくのか、これから及び将来を見据えて、長い経験を持つ林務部長の御所見をお伺いしたいと思います。
また、特に、すぐれた自然や貴重な緑の保全については、ふるさとの森を創造するなど積極的に取り組むようであります。県民の森、市民の森等が整備され、林業体験、自然観察等を通して緑の触れ合いの推進を図り、計画的にその対策を講じていただいております。自然環境の保全は地球規模で高まり、国際的にも緑化推進が叫ばれているときだけに、森林を育て活用し公益的機能の発揮に向けた施策をどのように展開していくのか、あわせて林務部長にお伺いいたします。
以上で第1回目の質問を終わります。
〔知事吉村午良君登壇〕
◎知事(吉村午良 君)お答えいたします。
青少年の非行防止の関連の御質問でございますが、特にテレクラに関する内容でございます。
青少年の非行が非常にふえているということは極めて残念であり、遺憾に思う次第でございます。ただ、ふえている理由としては、万引きとか、あるいは麻薬とか、そういった金欲しさからくる欲望といったものに駆られての犯罪というふうにもお聞きしておりまして、テレクラ条例がないことが犯罪の原因であるように思われてもいけませんので、その点は御承知願いたいと思います。しかし、テレクラに関する事件が発生しているのは事実でございますから、そのための対策も必要だろうと、このように思っております。
テレホンクラブの営業は、御承知のように、電話を利用して男女の出会いの場を提供するだけであって、業者が性的なサービスを提供するものではないわけで、電話を通してお互いの意思を確認し合って一定の行為をするということに問題があるわけでございますから、そういうことでテレクラ営業所の規制というのはなかなか厳しいものがあるわけです。
テレクラに関連しての規制は、今お話がございましたように、学校等から200メートル以内の場所は禁止ということはできますけれども、それ以外の場所での禁止はできないわけです。したがって、それ以外の場所に逃げて営業するという可能性、また、そのための助長性もあるわけでございますから、簡単に条例をつくったからどうこうというわけにはいかないことを御承知願いたいと、このように考えております。
しかし、性的な関心によってその行為が行われるわけですから、そのための規制も必要だと、こう思っております。こういった問題につきましては、今お話がございましたけれども、できれば国の方でそういった法体系を整備するということも必要だと、こう思っております。
淫行処罰の問題につきましては、本年の児童福祉法の一部改正の際、附帯決議がされておりまして、「児童の人権尊重という観点から、虐待、買春、性的搾取等に関する規制の強化等について検討を進めること」というふうにされておりまして、そのための調査研究がされております。与党3党のプロジェクトチームにおきましても具体的な検討がされていると聞いておりますので、そういった問題がいつかは日の目を見るということを期待しております。
しかし、それまでの間、何とかしろというお話もございましたが、何とかしろといっても、先ほど申しましたようになかなか難しい問題も含んでおりますので、先ほど佐藤議員さんにお答えいたしましたとおり、総合的な立場から県としても検討を進めたいということで、また皆さんの御意見等も承って対策を強化していきたいと、このように考えております。
〔
教育委員会委員長宮﨑和順君登壇〕
◎
教育委員会委員長(宮﨑和順 君)お答えいたします。
信州教育の樹立のための取り組みについてのお尋ねでございますが、信州教育をはぐくんできたものは、県民の教育を大切にする心であります。教育を大切にするということは、すなわち先生を大切にするということであり、教師も県民の信頼にこたえ自己研さんと人格の陶冶に精進し、教育実践に情熱を傾けてまいりました。長野県が歴史的に教育県だといわれてきました理由も、この点にあると考えております。
これまで本県では、知・徳・体の調和のとれた発達を目指す全人教育の理念を基礎に据えて、子供一人一人が個性豊かで社会に貢献できる人間に育つことを目指して取り組んでまいりました。しかし、一方では、御指摘いただきましたような課題も生じてきております。
学校におきましては、子供一人一人の個性を一層尊重するとともに、確かな学力の向上を図り、ともに支え合い、人や郷土を大切にする豊かな心を育成し、学校を地域の厚い信頼に支えられた学習の場にしなくてはならないと考えております。そのためには、どの子供にもわかる魅力ある授業の実践、子供との心の通った交流、地域の教育力を生かした開かれた学校づくり、さらには、子供や社会の動きに柔軟に対応できる教養豊かな人間味あふれる教師の育成などに徹底して取り組んでまいりたいと考えております。教師の研究と修養、すなわち教師の研修の一層の充実を図ってまいる所存であります。
これからも、教育を大事にする県民の心、教師が誇りと自信を持って教育に当たる信州教育のよき伝統を継承しつつ、成長保障と学力保障の両全を目指した本県教育の推進に努めてまいる所存であります。
次に、教育改革についてのお尋ねでございますが、御指摘のように、今、我が国の教育は、中教審答申でも述べられておりますように、とかく知識の量のみを求めがちであった従来の教育から、みずから学び、みずから考える力を育てる教育への転換を図る教育改革が求められております。
真の教育改革は、学校の授業改善による内側からの改革であります。子供こそ学校の主人公であるという根本原理に立ち、子供が主体的に取り組む問題解決的・体験的な学習や、教材の選択、授業の評価への子供の積極的な参加など、質的な授業改善を進めることが大切であります。そのためには、開かれた学校づくりを推進することが不可欠であります。開かれた学校とは、家庭や地域からの声に耳を傾け、課題を真正面から受けとめ、それを学校の内外の人々と共有し、連携して、解決の方途を探り続ける学校であると考えます。
教育の改革は、子供、父母、地域住民の参加、教師と父母と住民の連携があって初めて可能になると考えております。
このような学校を目指すために、子供を主人公とし、内にも外にも開かれた学校づくりを進めながら、新しい時代に即応した教育の推進に努めていく所存でございます。
〔教育長戸田正明君登壇〕
◎教育長(戸田正明 君)順次お答えいたします。
まず、教員の採用についてのお尋ねでございます。
今日、学校現場で抱える問題は複雑・困難性を増しておりまして、精神的に悩んでいる教員が多くなっていることは、御指摘のとおりでございます。このように学校を取り巻く環境が大きく変化する中で、個性重視の教育や生徒指導上の課題等に対応できる多様な人材が求められております。
県教育委員会といたしましては、教科等に関する専門的な知識を有することはもちろんのことでありますが、教育内容の多様化や生徒指導などの今日的な諸課題に対応できる力量のある人材の確保に努めておるところでございます。
今後とも、民間経験やボランティア活動等の体験を重視するなど、知識のみでなく幅広い視点から人物を見るように一層努めてまいる所存でございます。
次に、採用後の研修についてのお尋ねでございます。
社会の変化や多様な児童生徒の実態に対応するために、教員の資質向上を本県教育の最大目標の一つと考え、総合教育センターを中心に、教師の経験や職責に応じた初任者研修、それから5年目・10年目の中堅教員研修、それから管理職研修、また、自己課題に応じて主体的に選択して学ぶ専門研修等、体系的な研修を実施しております。
教師の指導力向上を図るために、特に、視野の拡大、多様な体験、自己課題への対応の3点を大事に考えております。視野の拡大につきましては、実社会で活躍している経験豊かな外部講師を招聘しての研修、多様な体験につきましては、介護、保育、カウンセリング、コンピューター等の実技体験的研修、自己課題への対応につきましては、教科等の専門研修等に努めているところでございます。
今後とも、教師自身が地域の文化や歴史、地域のよさを実践的・体験的に学ぶとともに、日常実践の中で専門性や人格の向上に向けて互いに研さんに励むことができるよう、教員研修の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、学校組織の機能と校長の指導力についてのお尋ねでございます。
学校を取り巻く課題が複雑多岐にわたるため、ストレスがたまり、悩みを抱え苦しんでいる教師がいるということは、御指摘のとおりであります。
県教育委員会といたしましては、これらの課題を解決するには、学校の組織を十分機能させることは当然でありますが、学校、家庭、地域社会が課題を共有して解決に当たる開かれた学校づくりが重要であり、校長が指導力を十分に発揮できるような環境づくりに市町村教育委員会と連携を図りながら努めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、総合的学習についてのお尋ねでございます。
去る11月17日に公表されました教育課程審議会の中間まとめでは、各学校が創意工夫を生かし特色ある教育を展開することを改善の大きな柱の一つとしまして、小・中・高等学校へ総合的な学習の時間を導入する方向が示されております。この学習におきましては、各教科等で身につけた知識や技能を活用しながら、課題解決や探究活動に主体的・創造的に取り組む態度の育成を主なねらいとしております。
総合的な学習は、新たな教育課題としての国際理解、情報、環境等について、生活の中から課題を見つけ、教科の枠を超えて調査、発表、討議、まとめなどの活動を通して学ぶ、興味、関心に沿った楽しい学習を目指しておりますが、まだ教育課程審議会において検討がなされている段階でございます。
いずれにいたしましても、県教育委員会といたしましては、教育課程審議会の最終のまとめや学習指導要領の改訂の方向に注目しながら、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。
次に、完全学校週5日制に向けての取り組みについてのお尋ねでございます。
完全学校週5日制は、子供たちや社会全体にゆとりを確保する中で、学校、家庭、地域社会が相互に連携しつつ、子供たちに生きる力をはぐくむことを目指すものであります。
先般公表されました教育課程審議会の中間まとめでは、現行より週当たり2単位時間を削減して、ゆとりある教育活動を展開し、個性を生かす教育を充実することや、各学校が一層創意工夫を生かして時間割を編成し、特色ある教育を展開することなどを中核に据えて改善するとされております。
国においては、教育課程審議会の答申を待って、2003年の実施を目途に学習指導要領の改訂が行われることとなっております。
県教育委員会といたしましては、学校週5日制検討委員会を設置いたしましてそのあり方を検討しているところでありますが、家庭や地域の人々の十分な理解を得ながら、新しい教育課程への移行がスムーズに行えるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、小中学校の開放の実態と空き教室の利用についてのお尋ねでございます。
まず、開放の実態でございますが、本年5月1日現在、本県の小中学校599校のうち585校で施設が開放されております。開放している施設の内訳は、体育館が572校、グラウンドが536校、音楽室やコンピューター教室などが131校でございます。
また、空き教室の利用につきましては、本年5月1日現在、小中学校合わせて1,052の空き教室がございますが、市町村の将来計画では、プレイルームなどの児童生徒のためのスペース、相談・カウンセリング室などの管理スペース等学校施設として利用を考えておりますのが876室、社会教育施設等への転用が7室、撤去・廃校予定のものが20室、将来計画未定のものが149室という状況になっております。
空き教室の活用につきましては、平成5年4月に文部省から「余裕教室活用指針」が示され、それによりますと、設置者である市町村が幅広い意見を求めて余裕教室の活用を検討することとされております。
県教育委員会といたしましては、地域社会への学校開放を進め、また、それぞれの学校が空き教室を有効に活用し、ゆとりのある教育が展開できるよう、市町村教育委員会と連携をとりながら指導してまいりたいと考えております。
次に、学校でのごみ処理及びダイオキシン対策についてのお尋ねでございます。
学校でのごみ処理につきましては、本年7月に学校における焼却処理の抑制・廃止に努めるよう文部省通知があり、先般、全国的なごみ焼却炉の廃止の実態を踏まえて、小型焼却炉を原則廃止するよう再度通知がございました。また、ただし書きでは、山間部の地理的な条件や地域の廃棄物処理施設の整備状況等により、やむを得ず焼却処理を行う場合も規定しておりまして、各地域ごとの状況に配慮しながら適切なごみ処理が求められております。
学校におけるごみ焼却炉の廃止につきましては、本県では、10月20日現在の文部省調査によりますと、既に廃止している市町村は22市町村、また廃止を予定している市町村が16市町村、合わせて38市町村、全体の31.6%となっておりまして、全国では廃止及び廃止予定の市町村は44.4%となっております。また、本県の一部の市町村においては、独自のごみ処理施設が整備されていない状況もございます。
なお、環境庁では、3カ年計画で、学校、家庭などを含む小型焼却炉などのダイオキシン類の排出実態調査及び排出抑制手法等を検討すると聞いております。
したがいまして、焼却炉の廃止を含むごみ処理の適正化につきましては、地域及び学校の実情に即した対応をその関係部局と十分連携の上さらにその徹底を図るよう、関係機関に先般通知したところでございます。
県立学校におきましては、ごみの減量化を進めるとともに、極力プラスチックや塩ビ製品の持ち込みの抑制やリサイクル化等を推進しておりますが、分別収集の方法、秘密書類の処分方法、焼却炉の取り扱いなどさまざまな対応を検討していく中で、市町村等の協力を得ながら、できるところからごみ処理の適正化を図っているところでございます。
県教育委員会といたしましては、ごみ処理の適正化については環境衛生と健康管理の面から大変重要なことと考えておりまして、環境教育の面からも、ごみの減量化、リサイクル等を実践していく基本的な理解の上に立って、適切なごみ処理の推進に一層努めてまいる所存でございます。
以上でございます。
〔林務部長小林寿内君登壇〕
◎林務部長(小林寿内 君)森林・林業行政をどのように進めていくのかとのことでございますけれども、今、森林・林業は、木材需要の減少、木材価格の低迷や木材生産活動の低下など、大変厳しい状況にございます。その一方で、昭和20年代から昭和40年代にかけて植栽いたしました34万ヘクタールの人工林を中心にその蓄積量は着実に増加しておりまして、これからは木材資源を一層利用する時代を迎えようとしております。また、最近では、良好な環境づくりに寄与する森林の評価が高まりつつあるとともに、森林から生産される木材は環境への負荷が少なく、健康にすぐれた資材として注目され始めております。
このような状況を踏まえ、県としましては、「2010年長野県森林・林業長期構想」に基づき、「豊かな森林の創造」「森林経営体制の強化」「県産材利用の促進」「山村地域の活性化」「緑と人との共生」の五つの柱を基本といたしまして、豊かな恵みをもたらす健全な森林を次の世代に引き継ぐことができるよう、施策展開を進めているところでございます。
このため、県内の流域を単位といたしまして、国有林との連携を図りながら、森林整備から木材の流通加工に至るまでの一体となった体制をつくり、高性能林業機械や林道の整備、県産材利用の促進など、効率的な労務対応あるいは事業展開を図ってまいります。国におきます行財政改革の影響などから厳しい状況となりますけれども、関係者一同、知恵を出し合いながら各種事業を一層効率的に進めてまいる所存でございます。
次に、森林の公益的機能の発揮に向けた施策をどのように展開していくのかとの御質問ですけれども、県土の保全、水資源の涵養などのほか、地球温暖化防止京都会議でも議論されておりますように、二酸化炭素を吸収・固定する機能など、森林の持つ公益的機能は多様でございます。森林のこれらの機能は、森林が適正に維持管理されることにより高度に発揮することができるものであります。
このため、県民生活に直接かかわる水の確保や土砂の崩壊防止機能などを発揮させていく上で特に重要な森林につきましては、計画的に保安林の指定を進めながら、治山施設の整備や多様な森林の整備を進めてまいりたいと考えております。
また、より多くの人々に森林への理解をいただくため、塩尻市の林業総合センターにおける森林学習展示館の活用や、隣接地に整備中の体験学習の森、そして平成10年度オープン予定の戸隠森林植物園森林学習館の建設などを積極的に推進してまいりたいと考えております。
○副議長(関谷高雄 君)次に、太田道信君。
〔32番太田道信君登壇〕
◆32番(太田道信 君)通告順に従いまして順次質問させていただきたいと思います。
県民の期待と願いの冬季五輪も、いよいよ余すところ60日となったのであります。その間、知事初め関係各位皆様方の格別なる御努力をいただき今日に至りましたことに対して、心から感謝と敬意を表するところであります。
人それぞれに姿形が異なるように、まさに意見百出、自己顕示による主義主張、だれよりも自分が一番正しいとしているだけに、今日までの調整はさぞ大変なことであっただろうと理解するところであります。また、「入場券が手に入らない」「いや、まだ大分余っている」「一体、県は何をやっているんだ」という風評など、問題もまだまだ抱えているわけでありますが、物理的な問題については問題なく解決していくものと信じているのであります。
しかしながら、ことしはエルニーニョ現象が現出しているといわれ暖冬だと心配されていたものの、12月2日の夜から降り出した雪は、あたかも天が味方したのか根雪となり、冬季五輪を迎えるにふさわしい順調な滑り出しと受けとめたのでありますが、昨夜来の雨はまた心配となり、一喜一憂の思いであるわけであります。
いずれにいたしましても、あとは世紀の祭典が成功裏に終了することを祈りつつ、最後の仕上げに県民一丸となって努力することをお約束するということであろうと思うのであります。
さてそこで、本議会が終了いたしますと、オリンピック・パラリンピックと続き、次年度予算に入る3月議会となるわけでありますが、今まさに日本経済は破綻といわれ、失業率は増加、不良債権問題等、ビッグバンに対する体制なのか、日本経済再生路線を具体的に早急に対処すべきと考えるのであります。
政府は本年1月、財政再建会議を発足させ、危機的状況にある国家財政の立て直しを目指すとし、2005年度までに政府と地方自治体の財政赤字をGDP比で3%以下に抑制し、財政健全目標実現に向けた具体策を出すと同時に、歳出全体の上限設定や歳出項目のスクラップ・アンド・ビルドの徹底、さらには個別分野の歳出削減目標設定など抜本的な歳出削減策を出したのでありますが、それが公共事業費の7%削減という結果が出たものと思わざるを得ないのであります。
財政再建で金を出さないという考え方で果たして本当に日本経済が再建できるでしょうか、また、景気が回復するでしょうか。我が県は、幸いにして、知事の英知と英断をもって、オリンピックが絡んでいるとはいうものの、県下全土に公共事業を積極的に推進し投資されておられるのは、県民にとって大変喜ばしい限りと絶賛するところであります。
そこで、今までは県の中期総合計画に沿って着実に県づくりが進められてきたところでありますが、昨今の景気動向を見ますと今後は大変厳しいことが想定されるのであります。
そこで、このような厳しい情勢下でありますが、オリンピックを契機として着実に進められてきた社会基盤整備等を生かして今後の県づくりをどのように進めていかれるのか、知事にお伺いいたします。
次に、宮﨑教育委員長にお伺いいたします。
去る10月25日付県民新聞の「ざっくばらん」で、委員長は信州教育の目指すものは全人教育に尽きるとコメントされ、さらに、共生、隣人愛、喜びも悲しみも苦しみも共有できる感性を育てたいと言われておりましたが、確かに言われるとおりと共感したのであります。
しかしながら、まことに残念でありますが、最近とみに不登校と命の軽忽化が目につき、犯罪の低年化、暴力問題等、数え上げれば切りのないほど青少年のすさんだ状況がうかがわれ、しかも増加の一途をたどっている姿は悲しい限りであります。これは、単に社会現象ということだけで解決できる問題ではないような気がするのであります。先ほどの服部議員の質問と重複する部分があるかもしれませんが、これにはもっと根深い根本原理を牽引し対処すべきではないかと思うのであります。
日本国憲法の三大原理の第1に国民主権があり、第2には基本的人権の保障、すなわち個人の尊厳があります。第3は平和主義であり、平和のうちに生存する権利を有することであり、これらは、自国の主権を維持し、他国との対等関係に立とうとする決意のもとに国際協調主義を打ち出し、国際主義と主権を同時に追求する国際民主主義の理念を示したものであると理解するのでありますが、この点から見ても現状はどうでしょうか。人権は保障されず、個人の尊厳はつぶされ、絶えずおどおどした日常生活を過ごしている状況は、まさに憲法上から見ても逆行しているような気がするのであります。
憲法第23条に学問の自由がうたわれ、これは科学的真理の探究であろうと思いますし、第21条に表現の自由として外部への伝達が掲げられているのですが、これとてゆがめられている事実も否めないところであります。また、第19条に「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」としておりますが、これこそが心の問題で、心の中で考えていることを禁止したり強制はできないので、これは本来の性質上不可能に近い問題であるだけに難題であると思うのであります。また、第26条・教育の自由という説理の中に、権利の主体として親の家庭教育、学校教育、選択の自由、私立学校の自由、教師の教育の自由、子供の学習の自由等それぞれ異なった内容を持った複合的な中で、自由という言葉に翻弄され、基本的原則を見失っているような気がするのであります。
そこで、19条、23条、26条説それぞれあるわけでありますが、これらの定説を踏まえながら、今一番必要とされていながらもぼけてしまっている心の問題をどのようにとらえておられるのか、学校教育において、生徒、教師、家庭とのかかわりの中で心の問題をどのように指導していくのか、お考えをお聞かせいただきたいと思うのであります。
最後に、長い間の懸案でありました臓器移植法が10月16日から施行されることとなり、待ちわびていた患家の皆様方には大きな喜びであったことと思いますし、これにより、いっときでも精神的安堵の中で悲しみから希望の持てる解放感を味わうことができたものと推察するところであります。
同時に、それぞれの立場で大変な努力をされている中、信州大学の関係部属の中で横の連絡をとりながら移植手術の手順など勉強し、大がかりのシミュレーションを策定し、ドナーが出たとき、絶対的体制の条件下に経験と知識をもって全力を尽くすという信念で行動しているようでありますが、県の衛生部としてはこれらに対してどのような形で対応されるのでしょうか、また、協力していこうとされているのか、ドナーの問題も含めて御見解をお聞かせいただきたいと思います。
また、あわせて、骨髄移植も国際レベルでの協力が始まり、インターネットを活用したドナーの登録も始まると仄聞しておりますが、この状況を県としてはどのようにとらえ、今後どのように対処していくのかをお伺いして、第1回目の質問を終わらせていただきます。
〔知事吉村午良君登壇〕
◎知事(吉村午良 君)今後の県づくりにつきましての御質問でございます。
御指摘いただきましたように、現在、経済を含めて日本は大変厳しい状況にあると、こういうふうに思っております。以前から申し上げておりますように、今は、明治維新以来の第三の改革ということで、新しいステップを21世紀に向かってするという重大な時期にあるというふうに思っておりましたが、このような厳しい経済環境を考えますと、国民一人一人がしっかりした覚悟を持って進むということが必要だろうと考えておりますし、そういう中で、他の地域に負けないような豊かな長野県にしていくということの重要性を一層痛感いたしておるわけでございます。
今後の県づくりにつきましての御質問でございますが、長期・中期的には長期構想あるいは中期計画をつくりまして県政の推進を図っておるわけでございます。長期構想の基本理念は「交流・共生・創造」ということで、交流を広め、共生をする中で、お互いに知恵を絞ってやっていこうというのが私どもの目標でございます。
幸い、オリンピックを契機に社会基盤が順次整備されてまいりました。新幹線、高速道路、さらにはそれとアクセスする道路、あるいはまたたくさんの内外からのお客さん、こういったことが実現できました。私ども、オリンピックが長野県の将来にとって大きな誇りとなり、また自信につながるというふうに考えておりますが、先ほど申しましたような日本の状況でございますので、さらに心していかなければいけないと、このように思っております。
長期構想の中では、将来の目指す姿といたしまして、美しい信州をつくろう、それから個性を創造しよう、それから産業が伸びる信州にしようというような六つの目標を挙げておりますが、基本的には、この方向に向かって各施策を統合し、また、重点的な予算の配分をして進めていくということであろうと、こう思っております。
当面の課題といいますか問題といたしましては、オリンピックを契機にさまざまな社会基盤が整備されましたので、知名度やイメージが世界的に高まっております。招致した最初のころは、名古屋と長野が間違えられて、また名古屋かと言われたことを覚えていますが、今は間違える人はよほどでないといないと思っております。そういう意味で、この高まりを利用いたしまして文化・スポーツ等のコンベンションを誘致する。スポーツ施設もたくさんできましたし、新幹線、高速道ができまして人が集まりやすくなっているということがございますので、こういったコンベンション誘致を進めまして長野県が国際的な交流の拠点になることを目指したいと、こう思っております。
また、産業の振興につきましても、今申しましたような施設の整備ができまして、一層長野県の位置が高まっております。新幹線を例にとりますと、67%去年に比べてふえているということもございまして、人の交流が非常に盛んになっておりますし、また、周辺の地域との道路、例えば安房峠も開通いたしましたし、また、新潟県へ向けての上信越道も近々完成いたします。そういうこともございまして、こういうことを利用いたしまして長野県の発展がさらに期待できると、こう思っております。特に、海のない長野県でございますから、富山県や新潟県の港湾を利用した産業――最近は物流も大変変わっているようでございまして、そういう意味で今までと違ったスタイルでの産業の振興が図られると、このように思っております。
また、こういうことの中で、長野県には温泉地あるいは文化施設その他たくさんメリットがございますので、長野県に行ってみようという人がふえてくるんじゃないか。そういう意味で観光の発展を図りたいと思っておりまして、多彩な産業が集積する長野県、そして観光客が大勢来る長野県ということのための施策をさらに重点的にやってまいりたいと、このように考えております。
非常に厳しい経済情勢でございますけれども、今申したのは基本的なことでございますけれども、いろいろな施設整備ができましたので、これを利用して県民の皆様ともども21世紀に向かって自信の持てる豊かな長野県づくりに邁進したいと、このように考えておる次第でございます。
〔
教育委員会委員長宮﨑和順君登壇〕
◎
教育委員会委員長(宮﨑和順 君)お答えいたします。
心の問題をどうとらえているかというお尋ねでございますが、御指摘のように、新憲法、教育基本法により近代的な公教育の原理が確立し、子供に教育を受ける権利が保障され50年が経過しておりますが、21世紀を目前にして、地球時代にふさわしい教育が望まれる中で、さまざまな問題が指摘されております。心の問題もその一つであり、大人社会にしばしば見られる自己中心的な行動に影響され、子供がわがままと自由とを履き違えているという状況や、暴力や興味本位の性的な情報がはんらんするような風潮が子供の世界まで入り込んでいるという状況もございます。
ユネスコの21世紀教育国際委員会は、これからの教育の基本として、「知ることを学ぶ」「なすことを学ぶ」「ともに生きることを学ぶ」「人として生きることを学ぶ」の4本の柱を立てております。
今、私たちに特に求められているものは、信州教育の目指す全人教育とも共通する「人として生きること」であり、他者を理解し隣人愛に通じる「ともに生きること」であって、特に人の苦しみを共有できる豊かな感性をはぐくむことが重要であります。その意味から、地球時代を生きる私たちにとって、心の教育においては、やはり、自己抑制力や自己責任、公共への義務の上に自由が成立することを認識することが大切であると考えます。家庭、地域、国家、国際社会という共同体の中でともに生きるという観点を、今後、一層重視していくことが必要であります。
次に、生徒、教師、家庭とのかかわりの中で、心の問題をどのように学校教育で指導していくかというお尋ねでございますが、心の教育でまず大切なことは、子供がみずから感動できる体験を与えることであります。ボランティア体験、自然体験、勤労体験、日常生活における人と人との触れ合い体験などを通じ、みずからが生かされる喜びや心に響く感動を得ることによって子供の心が育つことが原点であると考えております。
次に、学校教育全体を通じて、人間としてのあり方、生き方を学ぶことを一層充実させることであります。今の子供は、一知半解、粘り強さに欠け、物の上辺だけを見てわかったと言って困難を回避してしまう。これは、学習の仕方に問題があると思います。教師自身が、しっかりと読書をし、自然をよく見詰め、専門性を高める中で本当の知を身につけ、自信を持って指導することにより、子供たちのためになってやらなければならないと考えます。教科書でも、自然でも、心を込めてよく見ていく中で思考というものが生まれてくるものであります。単なる知識の量から、みずから学び考える力の育成へという知の転換の中にこそ、人間のあり方に結びつく教育があると思います。
さらに、幼児期からの発達段階に応じた心の教育を継続的に行うことであります。生命を大切にする気持ち、他人の悲しみを共有できる感性、人為の及ばないものに対する畏敬の念などを、家庭、地域社会、学校が密接な連携を保ちながら、幼児期から子供にはっきり示していかなければならないと考えております。
先ほど申し上げましたユネスコ21世紀教育国際委員会のドロール委員長は、「学習 秘められた宝」と報告書に表題をつけまして、学ぶことについて、ラ・フォンテーヌの「農夫と子供たち」という寓話を引用して説明しております。
死の間際に、父親が子供たちに「先祖が残した土地に宝が隠されている。売り払ってはいけない。8月の収穫の後に土地のすべての場所を掘り起こしてみよ。そうすれば宝が出てくる」と言い残す。子供たちは、収穫の後、農地を隅から隅まで耕したけれど、宝は出てこなかった。しかし、翌年には豊かな収穫があったという寓話であります。
報告書には、労働という大切な宝を発見するという寓話をもとに、学習を大切にし、人間としての貴重な宝を発見してほしいという願いが込められております。また、働くことと学ぶことを結びつけるという問題意識のもとに、学ぶことの意味を人間が生きるということと関連させて深く掘り下げようとしております。
いずれにいたしましても、心の問題は、みずからの心を掘り起こし育てていくものであり、人としての生き方と深く結びついたものであります。また、子供が悩んでいるときこそ、学びと発見の場を与えることが大切であります。教師は、子供が学習の中から豊かな宝物を見出すことに確信を持つとともに、たゆまぬ研さんにより自信と信念を深め、創意工夫に満ちた教育実践に当たる必要があります。日々の授業改善を基盤として、心の教育に一層努めてまいりたいと考えております。
〔衛生部長畑山善行君登壇〕
◎衛生部長(畑山善行 君)お答えいたします。
最初に、臓器移植法の施行に伴う県の対応についてであります。
移植医療は、患者と医療関係者だけで成り立つ医療ではありません。臓器の提供があって初めて成り立つ医療であります。このため、移植医療の必要性、臓器提供の意義、脳死及びその判定、臓器の摘出、移植術など、移植医療全般について広く国民の方々に理解を深めてもらう必要があります。
臓器の移植に関する法律第3条に、「国及び地方公共団体は、移植医療について国民の理解を深めるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と行政の責務が規定されました。
県といたしましては、移植医療を推進するため、臓器提供意思表示カード、いわゆるドナーカードを保健所、市町村を通じて説明の上交付するとともに、県及び市町村の広報媒体を活用するなど啓発活動を推進しております。
今後とも、日本臓器移植ネットワーク、医療機関、長野県腎バンク・アイバンク協会など関係機関と連携を密にしながら、ドナーカードの普及を初め移植医療を推進するための啓発活動を積極的に行ってまいりたいと考えております。
次に、骨髄移植についてであります。
骨髄移植の国際協力につきましては、本年4月8日に財団法人日本骨髄移植推進財団が米国の骨髄バンクと業務提携を結びまして、9月24日には米国から最初の骨髄提供が行われ、現在までに8件の提供がありました。さらに、台湾や韓国の骨髄バンクとの業務提携も進められております。また、今月7日からドナー登録のインターネットを活用した申し込みが始まっております。こうした国際協力やインターネットの活用は、骨髄提供の機会の拡大をもたらし、骨髄移植の推進に役立つものと期待しております。
県といたしましては、インターネットでの申し込み方法のPRを含めまして、今後とも骨髄移植の普及啓発に努めてまいります。
〔32番太田道信君登壇〕
◆32番(太田道信 君)知事初めそれぞれ大変丁寧な御回答をちょうだいしたわけでありますが、心の問題というのは、大変大きな話題性を秘めると同時に、また、先ほどの質問にも関連がありますが、「高校教育課長時代から県下教育界は、学力や不登校問題など、さまざまな山積する課題で各界から非難を受け、苦しみの連続だった。そんな中、先生方の血のにじむような努力のおかげで、少しずつ改善の兆しが見えつつある」とのコメントが宮﨑教育委員長さんからあったわけでありますが、これはやはり、自分自身に余りにも責任を置くことを先行し過ぎているのではないかというふうにも感ずるところであります。
これは全般的にいえることだと思いますが、教師自身、教育者としての自信をなくしているのではないのでしょうか。生徒と同じ目の高さで何でも言える友達でいい、しかし、先生として自信と信念を持ち子供たちを教え育てていくという強い指導力が必要だと思うのであります。
ただいま、専門性の中で知を身につけ自信を持って指導していくという御回答をいただいたわけでありますが、どうか一層の御精進と御指導を賜り、21世紀の日本を背負う子供たちに明るい未来をつくることができるよう御努力いただくことを御要望申し上げまして、すべての質問を終わらせていただきます。
○副議長(関谷高雄 君)次に、宮沢宗弘君。
〔23番宮沢宗弘君登壇〕
◆23番(宮沢宗弘 君)かつて我が国農業は国の基幹産業であり、農は国の基なりといわれ、瑞穂の国として、先人たちが、家族経営主体の中、米づくりを中心とし、血と汗と泥にまみれ営々として食糧増産に励み、山林を、そして原野を開墾し、文字どおり朝は朝星、夜は夜星、昼は梅干し精出せのごとく、歯を食いしばり頑張ってこられました。
今日、工業立国として栄え、著しい経済成長の中で、生活、文化等あらゆる面で飛躍的に発展・向上してまいりました。まさに経済万能の時代となり、人心もすさみ、国土も荒れてまいりました。
ようやく、地球規模での環境問題、ダイオキシン問題等が話題となり、温暖化防止京都会議も今月10日までの日程で開催されています。
21世紀は、環境の時代、そして物質文明から精神文明へ心の時代ともいわれます。
私は、農林業等1次産業こそ、国政の、そして県政の最重要課題として位置づけるべきと考えます。安全な食糧の自給率を高めるとともに、国土・県土の環境保全、水源涵養、空気の浄化、景観形成等々多大な役割を担っています。21世紀は、農林業の持つ多面的公益機能を一層大切にする時代であります。
県政における農林業の位置づけと基本理念、取り組む姿勢について、農政部長及び林務部長にお伺いいたします。
続いて、農政部長にお伺いいたします。
世界的には、開発途上国を中心に人口が増加する反面、砂漠化の進行などにより農地の増加はほとんどなく、現在でも8億4,000万人の人々が飢餓や栄養不足に苦しんでいるといわれます。21世紀には食糧不足が予想される中、我が国は60%に近い食糧を輸入に頼っています。先進国でも最も低い水準の自給率といわれながらも米余り・米離れ現象が続き、その実感がわいてこないのも事実であります。
本年4月より新農業基本法制定に向け設置された政府の食料・農業・農村基本問題調査会は、去る12月5日、第4回全体会議を開き中間取りまとめの骨子を示したものの、食糧自給率の目標設定、株式会社の農地取得、中山間地に対する所得補償の導入などの是非については意見が対立、両論併記の中間取りまとめを来る19日に提示する旨、報道されました。
農業・農村を守り発展させるためには、意欲ある担い手の育成確保、経営安定の諸施策、公的支援は欠かせません。一方、株式会社の参入は、土地投機を助長し、農業・農村を破壊してしまう危険性をはらんでおり、断じて容認できません。
新農業基本法制定に向けての論議に対する見解と、県としての今後の対応についてお伺いいたします。
4年連続の豊作の中、相次ぐ減反政策に全面的に協力してきたにもかかわらず、米価は下落の一途をたどり、政府米価は対前年比マイナス2.5%と60キロ当たり1万5,805円で、2年連続の引き下げとなりました。
現場では、価格の暴落を防ぐため、政府の方針に基づき米づくりに励み、農業・農村を守るため頑張ってきたにもかかわらず、農水省は来年度の減反目標面積をさらに増し、過去最大の96万3,000ヘクタールとしました。今年度の全国転作率28.8%から35.5%となり、水田の3分の1以上に及ぶものであります。本県への配分も2万4,600ヘクタールを超え、転作率は約40%となります。
新食糧法の施行から2年、農地集約、大規模経営を目指してきたわけでありますが、現状では大規模農家ほどより厳しい環境下にあり、このままでは中核農家や後継者はますます育ちにくくなることが予想されます。
国の
緊急生産調整推進対策では、当面、麦、大豆、飼料作物等の転作作物に対しては、
生産調整推進対策における米需給安定対策、いわゆる全国共補償と水田営農確立助成金に加え、生産振興緊急対策補助金等により農家所得の低下を最小限に食いとめる対策がとられ、県農政部としては大豆等の生産拡大を図ろうとしていると聞き及んでいますが、農業を守る抜本的方向が見出せない中、助成金や補助金がいつ縮小され打ち切られるやもしれません。安心して米づくりに取り組めるシステムづくりと、労働配分を重視した園芸、野菜、果樹等適地適作での産地形成など、一層の推進が必要と考えます。
今後の減反政策に向け、本県水田営農のあり方と目指すべき方向性についてお伺いいたします。
一方、米余り現象の中、岡山県内のJAでは米トレーを開発、その実用化に向けた取り組みがなされ、長野
冬季オリンピック・パラリンピックにも活用されるといいます。環境への関心が高まる中、エコ商品として将来に期待を寄せるものでありますが、製造コストや耐水性の問題も指摘されています。
優良農地を保全し休耕田を生かす上からも、トレー以外の環境に優しい製品の開発に力を注ぐべき時代ではないかと思います。当面コスト高となっても、環境への負荷の軽減、国土保全等、長期的視点からとらえた施策が必要であります。本県においても、米加工製品の実用化に向け積極的に検討、取り組むべき課題と考えます。御所見をお伺いいたします。
今日、ダイオキシン対策が社会問題化する中、廃棄物処理法が改正され、この12月1日より施行となりました。県下各地において、小規模焼却施設の駆け込み建設着工をめぐり、住民と業者が行政を巻き込み激しく対立しています。こうした中、JA中央会と経済連は農業用廃プラスチック類の適正処理を目指し農業関連資材リサイクル運動に取り組むとのことであり、関係方面の御努力に敬意を表します。
県内の農業用廃プラスチックは年間6,000トンと推計され、その大半は農家が自家焼却している実態にあります。今回、自然と環境を守る運動として、県や関係機関・団体と連携しリサイクル運動に取り組むこととなり、生産者、JA、市町村、県、中央会、県連等の役割分担、負担のあり方等検討するとのことでありますが、今後の具体的取り組みと、県の支援・指導体制について積極的な援助が必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
警察本部長にお伺いいたします。
今世紀最後の平和の祭典・長野
冬季オリンピック・パラリンピックも間近に迫り、各国との交流も一層促進されるものと思います。
諸外国との交流が活発化するにつれ、予期せぬ犯罪も発生の度を増し、海外からの薬物、けん銃等の流入、集団密航、不法残留者や不法入国、不法就労者等の問題も深刻と聞きます。日本への活動基盤を求め、国内暴力団と共謀し、中古車の販売、武器、麻薬等の取引が行われている事実もあるといい、昭和62年には約220万人であった外国人入国者数も平成8年には425万人と約1.9倍に達し、犯罪も増加しており、8年度における来日外国人による刑法犯検挙件数は1万9,513件と前年比2,300件13.4%の増、検挙人員は6,026人とのことであります。これら犯罪は、国内の諸犯罪とともに、平和な日常生活を営む一般市民にとっては大変な脅威であり、治安対策上からも万全を期さなければなりません。
近年、来日外国人犯罪の捜査には、外国語はもとより、国際条約、出入国管理、国際捜査共助、刑事手続等内外法制度など、極めて幅広い分野に関する知識・手法が要求されるため、21世紀の国際化の時代に向けて、県警においても国際捜査に関する実務能力や国際感覚を持った人材の育成等に努められていることと思います。
そこで、県内における来日外国人犯罪の現状と、その対策について見解をお伺いいたします。
一方、不法滞在する外国人を食い物にしている悪質ブローカーや雇用者に対する徹底した取り締まりの実態はどうなっていますか。
新聞報道によると、長野中央警察署では、長野市内に住む外国人を集めて意見や要望を聞く「外国人広聴会」を開催し、長野オリンピックの開催地にふさわしい地域づくりを推進しているし、また須坂警察署では、外国人の安全対策に役立てようと「外国人との須高地域安全フォーラム」を開催して、来日外国人の生活の安全を確保する活動を積極的に推進していることを知りました。
今後、来日外国人が生活習慣の相違等から地域の安全情報等が得がたい立場にあることから、オリンピックに訪れる諸外国の人々を初め、外国人労働者や留学生及び研修生等が事件・事故に巻き込まれないための対策が重要であります。このため、具体的にはどのような対策が講じられているのか、お伺いいたします。
去る10月14日の閣議において、法務大臣が1997年版の犯罪白書を報告し了承をされました。内容は、刑法犯が過去最悪の246万件で、戦後50年間で1.8倍に増加したと指摘しています。同様に、県警のまとめによると、刑法犯は前年より260件増加し2万5,680余件にも達し、摘発人員は3,938人に上り、うち少年は54%を超えており、全国平均の49.2%を上回る割合で推移している実態を見るとき、次代を担う青少年の健全育成を願う大人の責任は極めて大きいといわざるを得ません。
特に、最近の青少年の非行の特徴の一つとして非行のゲーム化がいわれ、罪の意識が薄く、善悪の区別もつかぬままゲーム感覚での非行が多いといわれます。また一方では、性の商品化が罪の意識もなく興味本位の中で拡大し、その一形態ともいえるテレクラについては、中高生女子を中心とした性非行の拡大が指摘されているところであります。
平成8年8月に総務庁青少年対策本部が発表した「青少年と電話などに関する調査研究報告書」によれば、「テレクラ等に電話したことがある」と答えた者は、中学生女子で17%、高校生女子では27%となっています。一方、その親の認識は、テレクラ等への電話経験がないと認識している者が96%と、ほとんどの親が「我が子に限って」という気持ちが依然強く、親の現状認識が大きくずれています。
テレクラ問題が他人事に考えられ、みずからの問題として真剣に取り組まれていない大きな要因の第一はこの辺にあると考えますがいかがでしょうか、社会部長と教育長に御所見をお伺いいたします。
また、このアンケート結果についてどのように判断されますか。
本県独自で同様なアンケート調査を実施したことがありますか。
テレクラ問題について、青少年対策本部として、また教育委員会として具体的にどのような取り組みをされてきたのか、また、その効果はどのようにあらわれているのかについても、あわせてお伺いいたします。
次に、中高生女子が、興味半分やお金欲しさとはいえ、テレクラを利用したため予期しない犯罪に巻き込まれたり、さらに、弱みにつけ込んで第二次被害に遭ったりするケースがあると思われます。最近、特にショックを受けたのは、去る9月19日付の信毎の記事であります。「覚せい剤 中三逮捕 飯田の14歳女子「援助交際でもらう」」との見出しで、飯田市で、女子中学生がテレクラを利用し、売春の代償として覚せい剤をもらい、自宅などで十数回使ったという報道であります。私は、報道された内容や諸資料からして、テレクラの被害実態は相当根深いものがあろうかと思います。
そこで、今回の飯田事件は、テレクラ問題にどのように取り組むべきかという点について多くの教訓を含んでいるものと思考されます。捜査上からも、あるいは当事者が年少者という立場からも公にできない部分も多いかと思いますが、事件の背景と概要、警察の立場から見たテレクラの問題点等について警察本部長にお伺いいたします。
また、本事件に関する教育委員会の見解と対応について教育長にお伺いいたします。
ところで、本県は、青少年保護育成条例を制定せず、住民パワーといわれる住民運動、業界の自主努力、行政啓発の3本柱を推進の柱として取り組んできており、テレクラにかかわるカード自動販売機の撤去も同様に対応してきたところであります。
しかしながら現状は、地権者と業者が巧みに結びついていて、撤去を申し入れても土地の契約期限の切れる3年後あるいは5年後まで待たなければならないという現実に、撤去活動を進める現場では取り組む意欲が薄れ、撤去運動もむなしいものがあると伺います。また、運動が功を奏して撤去できても、他の地域に移動しただけであって、住民運動と業者のイタチごっこが繰り返されるだけで効果が薄いとの声も数多く聞かれました。一方、地権者が撤去に協力してくれた、裁判で業者に勝ったという例も聞きますが、成功例はごくわずかであり、これを指導する行政側では数は減ったと言っておりますが、撤去活動に携わる現場としては限界もあり、大変な歯がゆさも感じています。
「もうかれば何でもやる」というのはこの種業界の考え方だといわれ、自主規制のみで引き下がるのは果たしてどのくらい期待できるものでしょうか。「規制があれば仕方なくその規制に従う」と豪語する業者に対して、現場は全くの丸腰であり、モラルに頼るのみでありますから、規制する法がないとすれば結果は見えております。
そこで、住民運動による撤去活動の実態並びに効果について、行政の立場から社会部長に、警察の立場から県警本部長にそれぞれお伺いいたします。
さらに、テレクラを規制する条例が制定された場合、その内容にもよると思いますが、どのような効果が期待できるとお考えでしょうか、警察本部長にお伺いいたします。
テレクラに関する最後の質問になりましたが、知事にお伺いいたします。
我が社会県民連合県議団は、来年度の県政要求の一つとして、「最悪の昨年を上回る凶悪少年少女犯罪に対し、補導の強化とともに、学校と連携した非行防止対策に全力を期されたい」こと、「テレクラ問題は極めて深刻であり、テレクラ規制を条例化されたい」旨、去る11月28日、吉村知事に申し入れたところであります。また、県PTA連合会の研究大会における「スリーパワーはほぼ限界と考える。一層充実していくためにも条例制定なり他の施策を県に要望したい」旨の会長あいさつが報道されました。
先ほどの佐藤議員、服部議員の質問に対し、知事から「研究していく」「検討する」旨の答弁がありましたが、それを踏まえ、青少年健全育成と非行防止に一層効果を上げるため、スリーパワーとあわせ本県にテレクラ営業規制条例を制定することについて、さらに私からも所信をお伺いいたします。
社会部長にお伺いいたします。
2000年4月1日を目標に、公的介護保険制度がスタートの見通しとなりました。医療と介護を分離し、保険方式とし、新たな受益者負担を求めるものであります。背景は、毎年1兆円規模で膨れ上がる医療費の33%は高齢者医療であり、財政圧迫の要因とされています。
介護保険は、40歳から64歳までと65歳以上のグループに分け、当初3年間くらいは2,500円を平均基準に、前者は所得に応じ全国一律ルールで、サラリーマンは半額を事業主が、自営業者等の場合は半額を国が負担し、医療保険料と一緒に徴収することになり、後者は保険の運営主体である市町村が条例で定め徴収することとなっています。
そこで、国は介護保険制度の基礎となる要介護認定のモデル事業を新年度は全市町村に拡大する予定とのことでありますが、本県のように中山間地域の農山村を多く抱え、過疎と高齢化の進行している自治体での事業受け入れ態勢は整うのか、その見通しについてお伺いいたします。
一方、人材・財政面から介護サービスの体制が進んでいるところとおくれている自治体では、保険料にも差が生じ、住民の受ける介護内容に大きな格差が生ずることが予測されます。厚生省では、在宅サービスについて国の定めるサービス水準を確保することが困難な自治体については、法律の施行後5年を経過し政令で定める時点までは水準より低いサービスを提供できる経過措置をとると言っているようですが、県として水準に達しない市町村に対しどのような指導・支援をされていくのか、お伺いいたします。
高齢者の介護福祉施設や介護保健施設等は、国や県の補助金により年々整備されてきています。しかし、これら施設は地域によりばらつきがあり、質量ともにさまざまであり、いつでも、どこでも、だれもが利用できるという状況にはありません。また、施設の充実とともに、介護のための要員の育成確保も積極的に取り組むべき課題です。県の対応についてお伺いいたします。
一方、介護を必要とする場合は、市町村に設けられた介護認定審査会の判定により介護サービスが受けられ、市町村ごとに設置される審査会の審査判定に格差が生ずることが懸念され、受けるサービスの内容に開きが生ずることにもなりますが、どのようにお考えか、県の見解をお伺いいたします。
私たち社県連県議団の福祉部会は、過日、大分県の社会福祉介護研修センターを視察してまいりました。このセンターは、お年寄りや障害を持っている方々等だれもが気軽に利用でき、介護に関する正しい知識や技術を学べる施設として、より専門的知識・技術を研修し、福祉を支える人づくりを進める施設であります。福祉人材の確保とともに、お年寄りに専門的な相談・助言を行う総合相談センターも併設されています。福祉機器、介護用品等約1,200点が展示され、個々の障害に合わせた機器の選び方、使い方、購入方法等、体験使用できるようになっていました。
広く県民も諸技術を身につけ、福祉人材の確保を図る上からも、本県としても明るい長寿社会づくりへの拠点施設が必要と考えます。社会部長としての認識及び基本的考え方についてお伺いし、質問を終わります。
〔
農政部長宮崎新一郎君登壇〕
◎農政部長(宮崎新一郎 君)順次お答えをいたします。
1点目の県政における農業の位置づけと基本理念等についてでありますが、本県は園芸作物を中心に全国有数の農業県として発展してきておりますが、農業は、農業者の所得の確保、経営の安定など産業として重要であることはもとより、21世紀に向けて世界的に食糧需給が逼迫する可能性がある中で、消費者に新鮮で安全・高品質な農産物を安定的に供給していく役割が一層求められていくものと考えております。
また、生活のゆとりや心の安らぎの重視など価値観の多様化が進む中で、緑豊かな県土の保全・形成や安らぎのある生活空間、余暇空間としての農業・農村の役割はますます重要になってきております。
県といたしましては、農業構造の変化や国際化等の課題に的確に対応し、農業者が希望と誇りを持って取り組める農業の実現と生き生きとした農村づくりを進めるため、「2010年長野県農業長期ビジョン」に基づきまして、地域営農システムによる持続的な農業構造の構築、新規就農者や担い手の確保育成、園芸王国づくりなどを推進するとともに、美しい信州の農山村や農林業の多様な役割を広く情報発信し、農山村を維持・創造する必要性を広く県民及び都市住民に理解していただく「信州農山村ふるさと運動」を進めるなど、積極的な施策展開を図ってまいる所存でございます。
2点目の新農業基本法制定に向けての論議に対する見解と今後の対応についてであります。
新たな農業基本法の制定に当たっては、農業者が希望と誇りの持てる農業経営が実現できる政策理念の提示とそのための施策の充実が盛り込まれることが何よりも大事でありまして、かねてから国に対し強く要請してきております。特に、一つとしましては国内生産を基本とした食糧の安定供給及び体制整備、二つ目としましては農村の環境整備と活性化、三つ目としましては農業・農村の多面的な機能の維持、四つ目としましては中山間地域の農業・農村振興対策、などについて明確な位置づけがされることが必要と考えております。
食料・農業・農村基本問題調査会の現在までの議論の状況を見ますと、食糧の国内生産の重要性ですとか農業・農村の維持の必要性について、総論では肯定的な方向でまとまりつつあるわけでありますけれども、幾つかの基本的問題については農業関係委員と経済界関係委員との間で意見の隔たりが大きく、今のところ合意には至っていないという段階にあります。
御質問にありました問題につきましては、国内農業の維持のためには食糧自給率の目標設定は必要であると思います。
二つ目の株式会社の農地取得については、農地の投機的な取得や乱開発の可能性を考慮しますと極めて問題が多いという認識であります。
三つ目の中山間地域への所得補償については、国民合意を得つつ国の責任で実施すべきと考えておりまして、こういう方向で新たな農業基本法が早期に制定されますよう今後とも国に強く働きかけてまいりたいと思っております。
3点目の本県水田営農の今後のあり方の問題であります。
平成10年度の
生産調整目標面積は過去最大の規模となっておりまして、生産者にとって大変厳しいものと受けとめております。しかしながら、生産調整は米の需給均衡と価格の安定を図る上から万やむを得ない措置であるとの認識の中で、今後とも、地域における十分な話し合いを基本としつつ、今回国から出ました新たな米政策に盛り込まれた各種施策を積極的に活用いたしまして、水田の持つ高い生産力を生かすため、麦、大豆等のほか野菜などの長野県特有の園芸作物も組み入れながら、稲作と転作が一体となった望ましい水田営農の実現を図ってまいる所存でございますので、よろしくお願いいたします。
4点目の環境に優しい米加工製品等の開発の問題であります。
米の需要拡大に向けた新たな試みであると考えておりますが、米以外を原料とする製品に比べ価格が極めて高いなどの課題があるため、特定の需要に対応した製造・販売にとどまっているのが現状でございます。
今後は、環境への負荷が低い製品に対する理解の促進ですとか、加工技術開発とか流通販売ルートの確立が必要でありますので、県といたしましては、新たな米の需要拡大対策の強化を引き続き国に強く要請していくとともに、製品化の可能性について情報収集に鋭意努めてまいりたいというふうに思っております。
最後に、農業関連資材のリサイクルについてでございます。
農業用使用済みプラスチックの処理については、今回の廃棄物処理法等の改正による処理規制の強化に対応するため、県といたしましては、農業団体とともに、排出実態調査ですとか県内処理業者へのアンケート調査結果等をもとに、今後の対応方向の検討を進めてきたところであります。また、御質問にもありましたように、JA中央会、経済連など生産者団体も、事業者責任の原則に立ち、組織的な回収体制づくりを目指して準備を始めているところでございます。
今後の県の対応といたしましては、個々の農家での適正処理が非常に困難であるということですとか、環境と調和した農業・農村づくりを一層進めるという観点から、12月15日に関係機関と県で構成します県農業用プラスチック処理適正化推進会議を設置いたしまして、啓発指導の方法ですとか集団回収方法と処理体制のあり方、排出量の抑制対策あるいはリサイクルシステムといった点について検討を行いますとともに、これらを進めるための具体的な方策ですとか、県、市町村、農業団体、農家等の機能分担とか支援のあり方について鋭意検討してまいりたいと思っております。
以上でございます。
〔林務部長小林寿内君登壇〕
◎林務部長(小林寿内 君)県政における位置づけと基本理念等についてのお尋ねでございますけれども、本県のおおむね80%を占める森林は、生活環境の保全・形成を初め、私たちの生活に大変重要な役割を果たしております。
森林の持つ公益的機能は、全国で年間約39兆円の働きがあると試算されております。森林から生産される木材は、石油等限りある地下資源と異なり再生産可能で環境に負荷の少ない資材でありますし、森林の有する公益的機能は、失われた場合には外国等から輸入できるものではなく、他の産業には絶対に依存できないものでございます。
この大切な森林をよりよい姿で次の世代に引き継いでいくためには、林業及び山村の振興を図りながら、この森林を適正に維持管理していくことが非常に重要であると認識しております。そのため県といたしましては、「2010年長野県森林・林業長期構想」に基づき、従来からのさまざまな森林施策に加えまして、生活に身近な里山の活性化対策、幅広い県民・国民の森林づくりへの参加促進など、新たな取り組みを推進しているところでございます。
〔警察本部長瀬川勝久君登壇〕
◎警察本部長(瀬川勝久 君)まず、外国人犯罪対策等についての御質問にお答えをいたします。
県内における来日外国人による犯罪の現状とその対策ということでありますが、来日外国人の犯罪は御指摘のとおり年々増加の一途をたどっておりまして、県内について見ますと、5年前の検挙は155件94人でございましたが、昨年は409件123人と大幅に増加しております。本年は既に11月末現在で395件215人となっておりまして、検挙人員は既に昨年を上回っているという状況でございます。
具体的に例を挙げますと、ベトナム人らによる1都11県に及ぶ密輸目的の広域的・組織的なオートバイ窃盗事件、ブラジル人グループによる2件の集団強盗事件、タイ人による殺人・死体遺棄事件、韓国人による殺人事件等々がございました。いずれも早期に検挙・解決してはおりますけれども、その犯行はますます組織化、悪質化、広域化しておりまして、捜査が大変困難になってきているという状況にございます。
こういった状況を踏まえまして、本年3月には、3年前から特別採用しております国際犯罪捜査官――語学と国際捜査能力を備えた者でありますが、これを中心に総勢20名から成る外国人犯罪捜査室を発足させまして体制を整備いたしまして、外国人の関与する重要凶悪事件の捜査や犯罪組織の実態解明、外国人被害者の保護や生活習慣に不安を抱く者を対象とした相談活動等を活発に推進し、成果を上げているところであります。
今後も、外国人犯罪捜査上、語学力は欠くことができないということを踏まえまして、引き続き職員を国内外の語学研修に参加させたり、国際犯罪捜査官の特別採用を継続実施することとしておりますほか、20言語、約200名の民間通訳者を確保しておりまして、日ごろから警察活動に御協力をいただいているところであります。
それから、最近の広域化・組織化という外国人犯罪の傾向に対処するため、出入国関係機関でありますとか警察庁あるいは関係の都道府県警察との情報交換、共同捜査、合同捜査といったものを積極的に展開して、連携を図っているところであります。
次に、外国人にかかわる悪質なブローカー等が関与する事犯の取り締まりということでありますが、外国人労働者問題にかかわる警察の基本的な考え方でありますけれども、外国人問題の解決に寄与し、そしてまた外国人労働者の保護を図るということを基本に置きまして、あっせんブローカーでありますとか暴力団の介在する事犯、外国人労働者の人権を害するような売春等の有害業務または強制的に支配下に置く事犯、外国人労働者の弱みにつけ込んで不当な利益を得ている事犯、こういったものを重点に取り締まりを実施しているところであります。
ちなみに、本年はこれまで、外国人がスナック等の飲食店で接待とか売春をすることを知りながら働き場所をあっせんした悪質ブローカーでありますとか、それを承知で雇い入れた風俗関係業者でありますとか、その他一般の事業所で不法に外国人を長期間にわたって雇用していた悪質事業主などを、風営適正化法あるいは売春防止法あるいは不法就労助長罪等で検挙しております。現在まで、28事件、41人の検挙という状況であります。
それから、外国人問題の三つ目として、外国人の安全対策という点についてお尋ねがございました。
これまで、外国人の安全対策といたしまして、外国人の意見や要望を聴取する「外国人広聴会」を開催したり、110番の仕方等について指導するための外国人を対象とした安全教室を開催したり、市町村、各種団体、企業等の御協力を得て外国人安全対策協議会――県下に既に19協議会が設置されておりますが、こういったものの設置を進めております。また、外国語で110番がかかってきたときに、これに対応できるようなシステムも構築しております。こういったことにより、県内に居住する外国人の安全を確保するための諸対策を推進しております。
また、オリンピックで本県を訪れる選手、観客等の安全対策ということでありますが、「ホワイト・スノー作戦」による各種安全対策を推進しておりますほか、英語、フランス語による外国人安全リーフレットを作成いたしまして、これをホテルでありますとか交番等に備えつける、それから来県する外国人向けに作成されます英字新聞に載せていただくようにしております。それから、警察官が外国人から急訴を受けたときに、それに対応できるようなマニュアルを作成しております。遺憾のないように対処できるよう、具体的な対策を講じているところでございます。
次に、青少年の非行の問題であります。
飯田市の女子中学生のテレクラ利用及び覚せい剤使用事件について、まずその背景と概要というお尋ねでございますが、本県におけるテレクラ営業は、御指摘もございましたように年々増加し、県内のみにとどまらず県外からも業者でありますとか買春を目的とした男性が流入してくるという状況が見受けられるとともに、これらテレクラに関連した犯罪や性非行が増加していると、こういう状況であります。最近の社会全般における規範意識の低下や享楽的な社会風潮の中で、倫理観の欠落した一部男性と性に対する観念の低下した少女がテレクラ営業を介して結びついていると、こういう状況にあるというふうに考えられるわけであります。
この事件は、女子中学生がテレクラ――
ツーショットダイヤルでありますが、これを通じて知り合った男性と売春をして小遣いを稼ぎ、また、その代償として売春代金のかわりに覚せい剤を譲り受け乱用したという大変悪質な事件であります。さらに、この少女は仲間の3人の女子中学生にも売春相手として男性を紹介したり、女子中学生を買った男性もその女子中学生をほかの男に紹介するというような状況がありました。この女子中学生たちは年齢を偽って売春をし、稼いだ金は飲食代や遊ぶ費用に充てていた、親は自分の娘がテレクラを利用して売春をしたり覚せい剤乱用をしていることについては全く気がついていなかった、こういう状況でありました。
今回の事件では、テレクラを通じて買春した男性10名を特定し、覚せい剤取締法違反及び児童福祉法違反で2名を逮捕いたしました。そのほかの買春した男性につきましては、現行法令では適用する条文がないということで検挙できなかったということであります。
警察から見たテレクラの問題点というお尋ねがございましたが、まず、少年に対して無制限、無制約に頒布されるチラシでありますとかティッシュでありますとか、そういう少年に対して行われる広告・宣伝というもの自体が問題であろうというふうに思います。さらに、テレクラというものが少女を遊ぶ金欲しさの売春へ誘引し、さらに発展して仲間に紹介してのグループ売春というものが形成されるまで進んでいるというようなこと、そして、結果として少女売春あるいは少女を買う買春の温床となっているという状況があります。また、少女みずからが、援助交際と称して男性を呼び出してお金だけをだまし取るという、いわば加害者になっているというような結果も出ております。今回、さらにそれが覚せい剤の乱用にまで及ぶ結果を招いている。こういったことが問題点として挙げられ、健全な少年の育成に極めて深刻な悪影響を与えているものというふうに考えております。
それから、住民運動によるカード自販機の撤去活動の実態と効果についての所見ということでありますが、テレクラを利用するためのカード自動販売機が本県に初めて設置されたのは平成5年であります。平成5年当時は24台でございましたが、その後、年々増加してきておりまして、ことし9月末現在では154台というふうになっております。
県内各地において、住民運動による撤去活動が積極的に推進され、大変熱心に皆さん取り組んでおられるという状況は私も承知をしております。地域によっては効果が上がっているということも聞いておりますが、県内全体の設置台数は平成7年末と比べ79台の増加、それから平成8年末と比べ16台の増加ということになっておるわけであります。したがって、住民運動によって自動販売機が撤去されていることは事実でありましょうが、その一方で業者が新たに設置する台数の方が上回っているということが、この数字から明らかに認識されるのではないかと思います。
警察といたしましても、今後とも、関係機関・団体との連携を図りながら、テレクラ営業の実態を把握し、少年にとって有害な環境の排除に努めてまいりたいと、こう考えております。
最後に、テレクラ条例が制定された場合、どのような効果が期待できるかという御質問でございます。
テレクラ条例を設置しております他県の例を挙げさせていただきたいと思いますが、それぞれ地域の実情により規制内容に差異はありますが、一つは、営業禁止区域の設定により、学校、病院、図書館などのいわゆる保護施設、これは風俗営業あるいは風俗関連営業と同じ考え方でありますけれども、その保護施設に近接した場所での営業ができなくなる。それから、広告及び宣伝の規制により、街頭の立て看板や張り紙を初め、電話ボックスや家庭への投げ込みなど無差別なチラシ等の頒布、それから街頭などで少年に直接ティッシュやチラシ等を手渡す行為が禁止される。それから、利用カードの販売規制により、風俗営業などの少年が立ち入ることのできない場所を除き自動販売機へカードを収納することが禁止される。こういった規制が他県では実施されております。
もちろん一定の限界はあろうとは思いますけれども、相応の効果が上がっている、そしてまた住民運動と一体となって少年の健全育成のための車の両輪としての活動が進められている、こういうふうに他県での状況を認識しているところでございます。
〔
社会部長花岡勝明君登壇〕
◎社会部長(花岡勝明 君)順次お答えをいたします。
まず、テレクラにかかわるアンケート調査結果についてでございます。
お話にありましたとおり、総務庁調査によりますと、中高生のテレクラとのかかわりとそれに対する親の認識、これには大きな差があるということがいえるわけでございます。
この調査によりますと、テレクラ等への電話経験があると答えた青少年が全体で15.9%ということで、無視できない割合に上っているような調査結果であると思っております。この調査の中で、テレクラ等へ電話することへの抵抗感、こういうことについてどうかというふうにも聞いておりますけれども、「抵抗感がない」とした者がおおむね4割にも達しておりまして、青少年の規範意識がそれほど強くないという状況がうかがえるわけでございまして、これらにつきましては憂慮すべきものというふうに思っておるところでございます。
それから、青少年対策本部での具体的な取り組みということでございます。
「テレクラ3ない運動」ということで実施いたしておりまして、各御家庭に啓発用のチラシを回覧でお願いしておりますほか、啓発用のビデオを購入しまして、中学校、高等学校でそれぞれ活用していただき、生徒さんに理解を深めていただいているということもございます。特に、本年は「有害自動販売機NO宣言」をそれぞれの地域や地区でやっていこうというふうな取り決めをしておりまして、現在までに66の自治会・団体等で宣言をいただいているところでございます。そしてまた、ことしは新たに11月に県下各地で一斉行動日を設けまして、青少年育成団体の関係者のほかPTAの皆さんなどにも御参加いただいて、環境浄化運動を展開いたした次第でございます。
次に、有害自動販売機の撤去についてでございます。
今日まで、それぞれの地域におきまして積極的に取り組んでいただいておるところでございまして、昨年の12月から1年間にツーショットカード自動販売機34台が撤去されたところでございます。特に、大北地域におきましては、昨年7台設置されたツーショットカード自販機がすべて撤去されまして、現在ゼロというふうな実績も上がっている状況でございます。
このような運動を積極的に推進することによりまして、有害環境を浄化するという県民の共通認識が一層高まっていくものと認識をしているものでございます。
続きまして、介護保険制度の関係でございます。
最初に、要介護認定モデル事業についてでございます。
要介護認定モデル事業は平成8年度から実施いたしておりますけれども、本年度は県下10圏域でそれぞれ1地域を指定いたしまして、モデル介護認定審査会を置きまして、現在実施中でございます。来年度は、お話にありましたように全市町村を対象にということでございますけれども、本県には小規模な町村が多く、事務の効率化の観点から、できるだけ広域的な対応が望ましいというふうに思っております。現在、各広域圏の広域行政推進研究会におきまして介護認定審査会の広域的設置につきまして御検討いただいておりますので、県といたしましても、できるだけ広域化でやっていただくということで進めてまいりたいと考えておるところでございます。
次に、在宅介護サービスについて、国が定めるサービスの給付水準を下回るような市町村にはどう指導していくかということでございます。
今のところ、国の水準というのは示されておりません。しかしながら、現在ございます老人保健福祉計画、これの達成が介護保険制度における給付水準の大前提になるというふうに思っておりまして、そういう意味では、この達成に向けての努力が重要でございます。
県全体といたしましては、在宅の主なサービスにつきましては目標達成がおおむね可能ではないかと見込まれますけれども、市町村別に見てまいりますと格差もございますので、それぞれの市町村が経過措置の対象にならないようにしていかなければいけないということでございまして、計画目標の達成に向けまして一層市町村に働きかけをしてまいりますとともに、県といたしましても必要な財源を確保して積極的に対応していきたいと、こんなふうに思っているところでございます。
それから、施設整備や人材の養成確保の関係でございます。
特養や老健の施設整備につきましては、県全体ではおおむね順調に推移しておりますが、それぞれの圏域で目標が達成されますよう一層努力してまいりたいと、こんなふうに思っております。
マンパワーの養成確保につきましては、県では、福祉大学校における介護福祉士の養成、そしてまた介護センターでのいろいろな研修、こういうものを通じまして人材の養成確保に努めております。中でもホームヘルパーにつきましては、民間の養成機関も含めまして、本年度、県全体では1,000名程度の養成を予定しているところでございます。介護保険導入に向けまして、一層努めてまいりたいと思っている次第でございます。
それから、介護認定審査会の審査判定の問題でございます。
介護保険制度の実施に当たりまして最も重要なのが、要介護認定の公平・公正の確保ということでございます。そういう意味から、今日までモデル事業ということで進めているわけでございます。国におきましては、モデル事業の実施経過を見まして、審査判定の全国統一の基準を定めるということになっております。
県といたしましても、モデル事業を推進し、関係者の研修を実施するなど、公平・公正な審査判定が行われるよう必要な対応をしていきたいというふうに思っているところでございます。
最後に、高齢者福祉の拠点施設についてのお尋ねでございます。
大分県の施設につきましては、介護福祉に関する多くの機能を1カ所に集中させた立派な施設であると承知しております。
本県におきましては、県介護センターにおきまして家庭介護者や介護の専門職員への各種研修を行っておりますし、介護福祉機器の展示や相談にも応じているところでございます。さらにまた、福祉人材センターでの人材確保事業、高齢者総合相談センターでの相談事業等、それぞれの機関で実施している状況でございます。
今後、介護保険制度の導入を前提に考えますと、より身近な場所で介護の相談などのニーズにきめ細かに対応していくことが求められますので、現在、県下に80カ所ございます在宅介護支援センター、これを身近な総合的サービス拠点として一層充実していくことが当面重要な課題ではないかと、こんなふうに認識しているものでございます。
以上でございます。
〔教育長戸田正明君登壇〕
◎教育長(戸田正明 君)順次お答えいたします。
まず、親の現状認識のずれについてのお尋ねでございますが、子供の生活が親が考えている以上に複雑化・多様化し、親子の触れ合いが希薄化している現在、自分の子供のテレクラ等への電話経験について的確に把握することが難しくなっており、みずからの問題としてとらえにくくなっているものと思われます。
この問題は、人間の生き方にかかわる性に対する尊厳の問題であり、逃げたりそらしたりすることなく、親がともに話し合い、考え合うことが重要であると考えております。
次に、アンケート結果についてのお尋ねでございますが、中学生女子の17%、また高校生女子の27%にテレクラ等への電話経験があるという結果を深刻に受けとめ、家庭や地域社会との連携を一層密にして子供の指導に当たることが重要であると痛感したところでございます。
次に、本県独自で同様な調査を実施したことがあるかというお尋ねでございますが、本年2月に実施いたしました調査につきましては2月県議会でお答えいたしましたが、その結果は、テレクラ等への電話経験があると答えた割合は、中学生女子では9.6%、高校生女子では14.2%でございました。その後の県内の中学校・高等学校におけるテレクラ等への電話経験の状況等につきましては、現在、対象人数を拡大して調査を行っているところであります。
次に、テレクラ問題に対する県教育委員会としての取り組みと効果についてのお尋ねでございますが、昨年7月には、県下の公立中学・高等学校の全校に通知し、
ツーショットダイヤル等にかかわる性非行、性被害を防止するための指導を強化するよう指示するとともに、指導資料を配布いたしました。
学校教育の場では、警察官や薬剤師等の専門家を招いてPTAとともに講演会を開催するなど、外部の専門家や家庭、地域との連携を図った指導が行われております。
本年11月の青少年健全育成強調月間には、地域活動に学校職員やPTAが積極的に参加し、三者一体となって通学区内の有害環境の総点検を行うなど、意識の高揚と活動の盛り上がりを図っているところでございます。
次に、飯田市の女子中学生のテレクラにかかわる事件についてでございますが、この事件の重大さを厳しく受けとめまして、このような事態を繰り返さないために、去る12月5日、各教育事務所、市町村教育委員会、学校に、性非行・覚せい剤等の乱用防止についての通知を出したところでございます。
県教育委員会といたしましては、このような事例や今回の調査結果等を踏まえながら、命と体を大事にすることの理解や善悪にかかわる判断力等を育てる指導を徹底するとともに、知事部局、県警本部と一体となってさらに努力してまいる所存でございます。
以上でございます。
〔知事吉村午良君登壇〕
◎知事(吉村午良 君)青少年の健全育成につきましてさまざまな御質問があったわけでございますが、青少年の健全育成は県民すべての願いであると認識しておりますし、また同時に、県民のお一人お一人がこの問題は自分自身の問題であるということを認識する必要があると思います。したがって、心の時代といわれている今日でございますので、県民すべてがこの問題について再点検し心を新たにするということが必要であろうと考えておりますので、これからもこの問題につきましてはさまざまな角度から積極的に推進してまいりたいと、このように考えております。
テレクラ条例の問題につきましては、先ほど来申し上げておりますように、総合的な視野で研究をしてまいりたいと、このように考えております。
○副議長(関谷高雄 君)この際、15分間休憩いたします。
午後3時17分休憩
───────────────────
午後3時33分開議
○議長(西沢盛永 君)休憩前に引き続き会議を開きます。
続いて順次発言を許します。
森司朗君。
〔38番森司朗君登壇〕
◆38番(森司朗 君)アルペンスキー男子滑降スタート地点について知事にお伺いいたします。
長野五輪まであと60日を迎え、これからが最後の追い込みの重要な時期になってまいりました。競技施設はすべて完了し、オリンピック村などの運営施設もNAOCが仕上げに入っており、準備は順調に進んでおります。最後に残された滑降スタート地点問題も決着に至り、長野五輪の盛り上がりに一層弾みがつきます。ただ、この問題の解決が長い間未決着のまま推移し、なぜもっと早い段階で解決しなかったのかという意見があります。
9月県会で知事に質問しましたが、知事は「自然公園法の精神や自然保護検討会議の結果を踏まえ、自然保護という大前提のもとに1,680メートルで理解が得られるよう取り組んでいきたい」と答弁されました。それから1カ月余りの間に目まぐるしい動きがあり、最終的にはNAOCと競技団体が合意し1,765メートル地点で決着しました。長年の主張であった1,680メートルを基本としてきたにもかかわらず、どうしてこの段階で引き上げに方向転換したのでしょうか、従来から主張してきた自然保護の観点からどのように受けとめているのでしょうか。
一方、スタート地点問題が複雑でわかりにくい原因の一つとして、あの地域の利用形態があると思います。大変貴重な植生が存在し、自然公園法の地域指定より以前からスキーや夏山登山に利用されてきた歴史があります。今回、県自然保護研究所は自然環境について緊急調査を行い、その希少性、貴重性を明らかにしましたし、自然保護検討会議の議論の中でもさまざまな指摘がされました。
私は、今回の一連の経過から、八方尾根の自然保護のあり方について重要な問題提起がされたと思っております。そこで、このような議論や事実を踏まえ、五輪が終了した後、将来的にこの地域の自然の保護と利用のあり方についてどのような対応をしていかれる考えか、知事にお伺いいたします。
「県民の日」の制定について知事にお伺いいたします。
私は、平成8年2月29日、代表質問で知事に提言をしてまいった経過があります。重複は避けたいと思いますが、20世紀最後の1998年冬季五輪を開催する長野県にとって、歴史的な財産として「県民の日」を制定し、後世に語り継ぐ必要を強調してまいりました。知事は、答弁の中で「私もそういうものができればいいなあと思っておりますが、いろいろ県民の御意見があろうと思いまして、県民の意識の盛り上がりということが前提になるわけでございますから、御指摘あったような声が県下に大きくなれば、またそれに対して対応してまいりたい」と答えております。
私が提言してから1年8カ月の間において、同調する意見が出ております。平成9年9月15日に開催された日本青年会議所北陸信越地区長野ブロック協議会第28回大会においては、来年の長野冬季五輪の開会式を五輪メモリアルデーとすることを全会一致で採択し、同趣旨に賛同した署名簿1万4,158人、県内の36市町村の同意文を添えて吉村知事に提出しております。知事は、これを受けて「私も同様の気持ちであり、これから各方面と話し合いをしていきたい」と述べたようであります。
一方、長野市では、4選を果たした塚田市長は、10月28日の初登庁の日に記者会見を行い、長野冬季五輪の開会式である2月7日を市の「五輪記念平和の日」に定めることを表明し、99年以降、毎年この日に平和記念行事を行うとともに、市民スポーツデーとして同市内のすべての五輪施設を開放する方針、また、子供たちの国際交流基金を新設するようであります。
以上申し上げたとおり、開催都市長野市の「五輪記念平和の日」の制定、JC長野ブロック協のメモリアルデーの提言などがあり、これを踏まえ「県民の日」制定について知事の前向きの御所見をお伺いいたします。
長野県と河北省友好提携15周年記念行事についてお伺いいたします。
日本と中国両国の関係は、1972年9月29日、日中共同声明、1978年8月12日、日中平和友好条約が締結され、今日まで着実に発展してまいりました。近年、中国においては、この間、改革・開放政策を導入し、驚異的な経済発展を遂げております。今後におきましても、政治や経済、そして人的交流を通して、ますます安定的かつ良好な日中関係を確立していかなければなりません。本年は、国交正常化から記念すべき25周年を迎えました。来年は、日中平和条約締結20周年になります。今後も、一衣帯水の間柄にある隣国中国のよきパートナーとして、新たな協力関係の発展に努めなければならないと思っております。
さて、1983年11月11日、長野県と河北省が友好提携を締結して、来年は記念すべき15周年を迎えます。過去の5周年及び10周年の際の記念事業では友好・経済・文化交流が行われ、とりわけ、記念式典、政府代表者の招聘、長野県代表団の派遣、平和友好祈念像の建立など大変意義深い事業に取り組まれ、長野県と河北省の友好のきずなは一層深まりました。
ところで、私は昨年、中国を訪問する機会に恵まれ、発展を続ける河北省を目の当たりにしてまいりました。その際、各種経済交流のさらなる促進と、貧困な農村地域などへの小中学校の建設、就学機会の確保のための奨学金の交付など、教育面での充実に力を入れているように感じられました。
そうした中で、長野県日中友好協会におきましても15周年記念行事の実施を計画しているようであります。県においても、今日までの交流の成果を踏まえつつ、記念事業を盛大に行い、大きな成果を上げられることを今から期待するものであります。
そこで、既に検討の段階に入っているのではないかと思いますが、15周年記念事業に対する基本的な考え方と、あわせて友好・経済・文化交流事業等の内容を知事にお伺いいたします。
次に、昨年12月13日の一般質問で、冬季五輪に河北省の代表受け入れについて質問いたしました。総務部長から「本県との友好提携先である河北省からもおいでいただきたいと思っておりますので、今後、相手方の意向を確認しながら検討してまいりたい」との答弁がありました。意向打診をされたと思いますが、具体的な経過について総務部長にお伺いいたします。
長野県の観光政策について商工部長にお伺いいたします。
長野県は、本州のほぼ中央に位置し、日本の屋根と呼ばれ、日本アルプスの雄大な山々、豊かな森林資源、四季折々の美しい豊かな自然に恵まれており、多くの観光客に親しまれております。
長野県観光地利用者統計によりますと、平成3年度の観光客の延べ利用者数1億764万人をピークに、年々、微減ではありますが減少を続けている状況にあります。ちなみに、平成8年度の観光客の延べ利用者数は1億142万人に落ち込み、とりわけスキー客の利用者数はピーク時に比較して478万人激減しており、観光政策の新たな展開が求められている現状にあります。
北信地域は冬期のスキーを中心とした観光地が多く、スキー客激減という現状に危機感を持ち、北信7市町村による奥信濃から北信州というネーミングの変更や統一的な誘客宣伝活動など、新交通時代にふさわしい新たな地域観光のあり方について模索を始めております。
北陸新幹線東京―長野間の開業や越後と信州を結ぶ上信越自動車道の開通は、長野県観光にとって有利なインパクトを与えてくれます。新幹線の開業、上信越自動車道の開通により新たな観光需要が生み出されると思いますが、長野県の観光ビジョンはどうあるべきか、その基本的な考え方をお伺いいたします。
従来の本県観光は、宿泊需要を前提とした施策を立ててまいりましたが、高速交通網の整備により時間と距離が短縮し、東京マーケットに組み込まれ、観光客の日帰り客が増加することが予測されます。長野県観光地がそれぞれの個性を生かし、長野県らしい魅力をどうつくり上げるかがポイントとなります。観光客の日帰り受け皿対策をどのように進めるか、お伺いいたします。
次に、スキー利用客は、ここ数年、極端に減少しております。96・97シーズンは1,641万人で対前年比90.4%、また、スキーリフト輸送実績によると約1億9,400万人で対前年比91.4%に落ち込みました。仄聞するところによりますと、暖冬や不況の影響、スキー人口の減少などが原因かもしれませんが、今後、スキー場の施設サービス、情報サービス提供の充実、ファミリー対策など、スキー利用客の拡大対策をどのような視点で進められるのか、お伺いいたします。
中山間地域集落の活性化と農山村の将来像について農政部長にお伺いいたします。
国土庁は、「地域の集落の動向と国土資源、自然環境等に与える影響に関する調査」を行いました。「農山漁村地域においては、近年、農林水産業をはじめとする地域産業の停滞や過疎化・高齢化など、著しい社会条件の変化が生じており、農山漁村の地域的最小単位である集落にあっては、最近10年間で全体(約14万集落)の2%弱が消滅している可能性がある」と指摘、「当該地域には、国土保全上の観点から重要な役割を果たしている農用地や森林等の国土資源、原生的な森林や二次的な自然等の豊かな自然環境、長い歴史の過程で人間が作り出してきた有形無形の伝統文化等が多く存在しているが、これらは集落に居住する住民の経済社会活動と密接なかかわりを有していることから、集落の消滅は国土資源の適切な管理、自然環境の保全、伝統文化の継承等に影響を及ぼすことが予測される」としております。
この調査で明らかになったことは、昭和35年から平成7年にかけて消滅した集落数は、回答のあった982市町村では551集落が無住化しており、これは平成7年における回答市町村の全集落数に対して1.44%に当たります。
本県で回答のあった60市町村では、平成7年度集落数2,128、昭和35年から平成7年にかけて消滅した集落数は62、消滅集落率2.9%になっております。
また、今後の集落消長状況を見ると、本県回答市町村の2,022集落のうち、今後10年間で無住化の可能性がある集落が19、今後10年間でかなり衰退し、その後は無住化の可能性もある集落が61、しばらく無住化することはないが、衰退していく集落が306、衰退しているが、現状で安定しそうな集落が565、現状維持または発展する集落が1,071となっております。今後10年間で県内386の集落が無住化または衰退していくこととなります。
この原因は幾つか考えられますが、前に述べましたとおり、農林業の不振や高齢化の進行、若い労働力の流出化などによる構造的な条件が重なり合い、深刻な事態をつくり出しております。
無住化集落がふえれば、森林や水田が荒廃し、保水や防災という公益的な機能が低下し、国土保全に重大な影響を及ぼすとともに、また、長年地域に根づいている伝統文化はいや応なしに消えていきます。今回の調査は、今すぐにも中山間地域集落の活性化対策が必要なことを示唆しているのではないでしょうか。
そこで農政部長にお伺いいたします。
このような中山間地域集落の現状認識において、農山村の活性化をどのような将来像で図っていかれるのか、また、現在の無住化集落の農地の活用をどのように進められるのか、具体的な対策をお伺いいたします。
公共事業の入札制度について土木部長にお伺いいたします。
公共事業の入札は、第1に透明性の確保、第2に公平性の確保、第3に競争性の向上が強く求められている中で、高知県土木部では、公共事業の入札・契約制度の改善の一環として、全国に先駆けて設計金額を試行的に公表した県単独工事2件の指名競争入札が去る11月18日行われたように聞いております。その結果、単純に比較することはいいのかどうかわかりませんが、1億円以上の道路新設工事では落札率96.69%、平成8年度の平均落札率98.12%よりも1.43ポイント下回りました。また、5,000万円の橋梁工事では落札率79.34%となりました。
今後も試行錯誤されていくと思いますが、今回の入札結果について、発注者の県土木部の監理課は「入札参加者を対象に、設計金額の事前公表についてアンケートを予定しています。それらを踏まえ、時間をかけて分析しないと具体的な論評は難しい。今後も事前公表を続けるかどうかを含めて、分析をもとに検討したい」としております。
この初の設計金額公表入札は、画期的な試みであることは間違いありません。今後の推移を注視する必要があります。今回行われた設計金額公表入札については、将来の検討すべき課題であると認識しております。
土木部長には、このような入札方式の導入は談合排除に役立つと思われますが、その見解と、県としても新しい入札方式の導入を検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
最後に、精神保健対策について衛生部長にお伺いいたします。
総務庁長野行政監察事務所は、去る9月11日、県の衛生部に対し、精神保健対策が適正に行われているかどうかを調査するため、地方監察に着手したとの新聞報道がありました。栗田病院問題が発端だと思います。本問題については、県議会において、県の指導監督が不適切であったのではないかという指摘がされてまいりました。今回の地方監察は、人権への配慮や社会復帰への支援など精神保健行政全般にわたって行われると聞いており、県はこのことを重く受けとめていかなければなりません。
衛生部長にお伺いいたします。
今回の地方監察はどんな目的で行われたのでしょうか、また、現在、監察についてはどのような状況になっておりますか、お伺いいたしまして、第1回の質問を終わります。
〔知事吉村午良君登壇〕
◎知事(吉村午良 君)順次お答えを申し上げます。
最初は、アルペンスキーの男子滑降スタート地点の問題でございます。
経過は、皆さん方、特に森さんはよく御存じのことと思いますので詳細には申し上げませんけれども、原則的にFISの方は、一般の人々が滑っていること、また、オリンピックの滑降は1分40秒台でないと成果が出てこない、こういうことで数年来主張してきました。私の方は、あそこは自然公園法の第1種特別地域であり、現在滑っているのは経過的に滑っているだけで、これを競技として使うことはできない、また、工作物を設置することも環境庁の意見等もございまして絶対できない、こういうことで了解を求めてきたわけでございますけれども、なかなかかみ合わないということがこれまでの経過でございます。
したがって、もっと早くということでございますが、やはりこういう問題は時が経過しないと先が見えてこないということで、どの場合でもそうですけれども、これもそのような関係でございます。
そこで、ことしの10月21日に自然保護検討会議を開きまして長野県の主張の再確認を行いました。ここには、ホドラーさん、また今回設計を担当するルッシさん等も見えまして、自然保護検討会議の内容を聞き、また、ホドラーさんほかの説明もしてもらいました。そこでできれば長野の主張を納得してもらいたいと思っておりましたけれども、あちらさんはもとの主張を曲げないということで経過をいたした次第でございます。
そうこうしているうちに、11月1日にIOC調整委員会議が長野で開かれました。その際ホドラーさんから発表されまして、「この問題は、IOC、FIS、JOC、NAOCの四者は日本が決定することに決めた」と。「バイ ジャパン」ということで、日本が責任を持って決めるということを発表しました。したがって、そこで初めてFISも日本にげたを預けるという形になったわけでございます。
そういうことで経過をいたしましたけれども、ルッシさんのコース案が出ましたけれども、これは相変わらず自然保護地域を通るという案ですから私どもとしては受け入れられないということで、そうこうしているうちに、それでは余り時間がかかり過ぎるということで、11月20日に組織委員会議がございまして、その際に、この問題を解決するための検討委員会――副知事も入りまして5人で検討委員会をつくりまして、検討委員会で結論を出したらそれに従うということに決めました。検討委員会では、何回か現地等も見まして協議した結果、今回の案に決定いたしました。
今回の案は、自然保護地域は原則通らないという私どもの主張がそのまま認められたわけでございますし、また、工作物も自然公園法の区域外につくり、それは簡素なものにするというようなことで、ただ、安全性、危険性等からして2カ所ばかり通過するのはやむを得ない、一部はジャンピングで下に接地しないで通過するということですから植生には影響ないだろうと、こういうことで了承した次第でございます。
そういうことで、両者が従来の主張を歩み寄って、NAOCは、引き上げるけれども従来の主張の自然公園地域は原則通らない、それからFISの方も、そうしますと大体10秒から12秒くらい時間が延びるそうですから、向こうの主張の1分40秒台という期待には沿うということで、両者が合意いたしました。そして、この問題は12月4日のIOCの理事会で小林総長から報告して了解されたということでございますので、これで決着したということでございますから、これは御理解いただきたいと思っております。
まあ、決まるまでには、上げろという御意見もあり、NAOCの主張がいいじゃないかという御意見もございましたけれども、こういうことで決着しましたので、いろいろお考えはあろうかと思いますけれども、この点で皆さんに御理解いただきたいと、こう思っております。
この問題は、日本だけじゃなくて世界じゅうに鳴り響いておりまして、私もバンコクに行ったらバンコクの人がそのことを一番心配しておりました。というのは、バンコクでもNHKの放送が入るものですから知っているわけです。バンコクの方にも報告しておきましたけれども、こういうことで決着いたしました。
国内でも、これについて私にお手紙をくださった人もございます。決まってよかったなということで、歌をつくって送ってくれました。すばらしい歌ですから紹介いたしますが、「ともどもに知恵を出しあい輪を結び 世界の友と手を握りあう」という大変すばらしい歌をつくっていただきました。このとおりだと思います。
それから終了した後の自然保護の関係でございますが、この問題を契機に、自然保護の問題、また利用のあり方等につきまして私どもも考え直す点があるわけでございますし、また、白馬村におきましてもこの問題に関する認識が高まっているということを聞いております。
そこで県といたしましては、自然保護の問題につきましては、自然保護研究所で時間をかけて植生の内容等を調査してもらって、そのことをみんなに知らせてもらうということ、これはちょっと時間がかかると思いますけれども。
また、オリンピックが終わった後につきましては、白馬村、それから関係者、学者、そういった方々と協議する場を設けて、今後の利用のあり方について検討していくというふうに考えております。この点は白馬の村長さんも了解されておるようでございますから、白馬村と十分協議しながら今後のあり方について検討してまいりたいと、このように考えておりますので御了承願います。
それから「県民の日」の制定でございますが、お話がございましたように、先般、つくったらどうかというお話がございまして、私もできればいいなあと今もそう思っておりますし、また、その後、多くの方々から制定についてのお話がございますので、これもまた皆さんの御意見を聞きながら決めていきたいと、こう思っております。
ただ、2月7日がいいかどうか。お話のように長野市でも決めるようですから重なってもいけないんで、人によっては、「2月は寒いから、ほかの日がいいんじゃないか」と。例えば、オリンピックが決まったのは6月15日ですから、「6月は休みもないし、6月15日がいいんじゃないか」と言う人もいます。まあ、いろいろ御意見があろうかと思いますから、県民の皆様の御意見を承りながら、できれば「県民の日」として制定していきたいと。
ただ、「県民の日」というのは各県にもありまして、建県といいますか県ができた日を「県民の日」にするということもございますから、合わせて一本ということでどうでしょうか。まあ、滑降コースと同じように歩み寄っていただきたいと、こう思っております。
それから河北省との15周年記念事業でございますが、これまでの15年間、大変友好裏に過ごしてまいりました。最初は儀礼的でお祭り的なことが多かったんですが、最近は実質的な交流が進んでおりますし、また、毎年若者が約400人行って友好を深めておりますので、非常にこの提携はよかったと、こう思っております。
来年11月が15周年でございまして、その際には私ども、あちらへ参りまして記念事業を展開したいと、こう思っております。今、河北省と協議を進めておりますが、代表団の相互訪問、それから観光果樹園の指導、それから写真展の開催、それから経済交流につきましては経済貿易商談会へ県内企業が参加するということも考えております。代表には池田副知事が行く予定でおります。
それから、日中友好協会も大変熱心にやっておられまして、オリンピックには中国の友人を100人くらい招待するということも決まっているようでございますし、またスポーツ大会等も開くようでございますので、協力しながら進めていきたいと考えております。
〔総務部長飯澤清君登壇〕
◎総務部長(飯澤清 君)お答えいたします。
長野オリンピックの際の河北省代表団の受け入れについての御質問でございますが、本県と友好あるいは姉妹提携を結んでおります河北省とアメリカのミズーリ州につきましては、この機会にぜひ省長さんや知事さんにお越しいただきたいということで御招待を申し上げ、具体的日程についてそれぞれ協議を行っているところでございます。
現在のところ、河北省からは葉連松省長を初め7名の代表団が来日され、開会式や競技をごらんいただくとともに、県内の状況を視察する予定となっております。
これを機会に、平和と友好の祭典であるオリンピックに集う喜びを分かち合うとともに、一層の親善を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔商工部長渡辺雅文君登壇〕
◎商工部長(渡辺雅文 君)観光振興についてお答えします。
最初に、新幹線の開業、上信越自動車道の開通を踏まえた本県の観光ビジョンについてでございますが、県では、平成12年度を目標年度といたしました県の観光振興基本計画でございます「さわやか信州プラン21」を策定し、観光振興の基本的な考え方を示しております。この計画では、本県観光振興の課題といたしまして、多様化・個性化する観光需要への的確な対応と、オリンピックの開催、充実する高速交通網の積極的な活用の2点を掲げております。
高速交通網の整備やオリンピック・パラリンピックの開催は、さらに多くの観光客を本県に迎える重要な契機となりますが、これを生かしていくためには、観光地としての信州の魅力を高めていくことが何より重要であります。そのためには、地域の自然、文化等豊富な資源を有効に活用した信州らしい観光メニューの提供や、ホスピタリティー、もてなしの心にあふれた洗練された観光サービスの提供に努め、いわゆる信州ファンを着実にふやしていくことが必要であると考えております。同時に、高速交通網を効果的に活用し、より幅広く観光客を県内各地に誘客するために、他県を含めた各観光地間の連携強化、広域観光ルートの設定等、広域的な対応が必要であると考えております。
このような観点から、今後は特に、それぞれの地域の資源を再評価し、その効果的な活用を図りますとともに、広域観光の推進に努めてまいりたいと考えております。
次に、日帰り観光客の受け皿対策についてでございますが、日帰り観光客に対しては、限られた時間の中であっても信州のよさを味わうことができるようにすると同時に、再び来てみたい信州、また、ゆっくり楽しんでみたい信州といった印象を与え、将来につなげていくことが重要であります。そのためには、個々の観光地がそれぞれの特色を生かし、他の地域にはない個性を発揮し、魅力あるものとするとともに、広域的視点に立ったきめ細かな情報提供やスムーズな観光地間の移動対策が必要となっております。
県といたしましても、現在、各観光地の個性化を図るとともに、交通拠点を中心とした自然景観、史跡、博物館、美術館等の目的別のモデルコース、また、所要時間、地域の味、地場産品等につきまして、日帰り客の利便性を配慮した情報提供を行っているところであります。
今後は、さらに観光関連企業、各地域との連携を図りながら、バスやレンタカー等による観光地間の移動対策も含め、日帰り観光客の受け皿対策に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、スキー場利用客の拡大策でございますが、近年、スキー人口の減少、また若者のスキー離れが懸念されておりまして、スキー場間の競争が一層激しくなっております。このような状況のもとで、県下のスキー場におきましても、車社会に対応した大規模な駐車場、仮眠所、また、スノーボード利用者のための専用ゲレンデの設置、ファミリー対策としての託児所、子供広場等のハード面での整備のほか、共通リフト券、シルバー向けの割引リフト券等のソフト面での対策が進められております。
今後は、スキー客の動向を踏まえ、立地環境等を生かした特色あるスキー場づくりを進めるとともに、地域のスキー場や宿泊観光地が連携を強化し、温泉やグルメ等、スキー以外の楽しみとあわせた複合的な観光メニューの充実に取り組むことが必要となっております。また、各スキー場の特色、イベント、積雪状況、スキー以外の観光等のきめ細かな情報を、いろいろな手段を通じて一層積極的に情報発信していく必要がございます。
県といたしましても、今後、スキー場関係者、各地域との連携を一層強めまして、オリンピック開催地としての効果を最大限に生かしながら、本県観光の基本ともいえますスキー客の増加を図ってまいりたいと考えております。
〔
農政部長宮崎新一郎君登壇〕
◎農政部長(宮崎新一郎 君)お答えをいたします。
農山村の活性化対策についてでありますが、本県は、国の特定農山村地域の指定が97市町村に及ぶなど大部分が中山間地域となっておりますが、大変不利な営農条件の中で自助努力だけでは維持が困難な地域や集落も多く見られ、御指摘のとおり大変難しい状況にあると認識をいたしております。
昨年3月策定いたしました農業長期ビジョンにおいて、中山間地域の中でも特に林野率が高く農業生産条件が不利で、現在、農業生産性が低い49町村を山間農村地帯としておりますが、これらの町村につきましては、「ふるさとの香りあふれる郷」として農業・農村の活性化を図ってまいることといたしております。
具体的には、一つといたしまして、冷涼な気候や標高差などの立地条件を生かした花ですとか、地大根など地域固有の農作物や山菜の栽培、伝統的な農産物加工方法の活用など、個性的な農業生産による「山里の豊かさを生かした農業振興」であります。
二つといたしましては、林業や観光業、食品加工業など地域の多様な産業との連携、直売や産直、観光農園など地域資源を有効に活用した「創意と工夫による農業を中心とした地域産業の育成」であります。
三つといたしましては、飯山市に代表されるような取り組みでありますけれども、グリーンツーリズムの推進等により、地域住民のみならず都市住民にとっても憩いの場や心のふるさととなるような「交流とふれあいの郷づくり」を目指してまいりたいと考えております。
このためには、農業者、関係機関、市町村公社等が一体となって持続的な農業生産の展開を図り、集落機能を維持・活性化することがまず重要でありますので、このような仕組みを早期に構築するため、市町村の地域営農システムへの取り組みを積極的に支援してまいることといたしております。
さらに、中山間地域の実情に即した簡易な土地基盤整備や、農業生産施設・機械、交流施設等への助成施策の充実を図りますとともに、農道、集落排水処理施設等の整備などを計画的に推進しまして、快適な生活環境による定住条件の整備に努めてまいりたいと思っております。
次に、無住化集落の農地活用対策についてでありますが、農地は、耕作放棄地となることによりまして、農業生産ができなくなるだけではなく、国土保全機能が低下して土砂崩落など災害の発生も懸念されるところであります。
県といたしましては、市町村や地域において、十分な話し合いと合意の上で、農作物の生産を進める区域と、景観保全や交流促進の場など農地以外として保全管理する区域に区分し、計画的に活用と保全を図ることが重要であると考えております。このため、市町村が行う地域営農システム等による農地の遊休化の防止や遊休農地の有効活用への取り組みを支援するとともに、これらの農地に対し計画的な整備が推進されるよう、中山間地域総合整備事業などの基盤整備事業等により支援してまいりたいと考えております。
以上です。
〔土木部長太田柳一君登壇〕
◎土木部長(太田柳一 君)お答えいたします。
本県におきましては、入札・契約制度の透明性や入札の競争性を確保するため、指名業者の事前公表、落札結果の公表などを行いまして、適正な入札が行われるよう努めてきたところでございます。
そこで、設計金額公表入札についてでありますが、設計金額の公表を行うことにより、入札における透明性の確保が期待される反面、設計金額が目安となって、業者間の競争が制限され、談合行為が行われるおそれがあると思われます。また、落札価格の高どまりが懸念されること、入札業者の見積もり努力を損なわせることにもつながるおそれがあると考えております。
次に、新しい入札方式の導入についてでありますが、現在、中央建設業審議会におきまして、入札・契約手続の透明性の一層の向上を図るため、設計金額に基づき設定されます予定価格の公表を初め、経営事項審査結果の公表等についても検討がなされております。さらに、従来の発注方式のほかに新たな発注方式としまして、建設費縮減提案型入札・契約方式、いわゆるVE方式等についてもあわせて審議されておりますので、その動向を注視してまいりますとともに、来春に予定されておりますこの建議の結果を踏まえ検討してまいりたいと考えております。
〔衛生部長畑山善行君登壇〕
◎衛生部長(畑山善行 君)お答えいたします。
今回の地方監察について長野行政監察事務所は、その理由の一つとして、本県の精神保健対策として、精神障害者に対する医療及び保護の的確な実施、社会復帰対策の推進、自立するための各種支援措置の充実などが重要な課題となっていること、二つとして、総務庁が平成7年に厚生省に対して行った精神保健対策に関する勧告への対応を確認する必要があること、これらの2点から、本県における精神保健関係法の施行状況を調査し、関係行政の改善に資することを目的に実施するとしております。
長野行政監察事務所では、本年8月から11月にかけまして、県関係機関、市町村、精神病院、社会復帰施設、関係団体などに対し、医療・保護対策、社会復帰対策、各種支援措置の実施状況などについて調査を行い、現在、その結果の取りまとめの段階と聞いております。
以上であります。
○議長(西沢盛永 君)次は塚田一君でありますが、同君の質問事項中、選挙管理委員会の所管に属する事項が通告されておりますので、これに対する答弁のため
選挙管理委員会委員長中村幸枝君の出席を求めましたので、報告いたします。
塚田一君。
〔19番塚田一君登壇〕
◆19番(塚田一 君)お許しを得ましたので、一般質問をいたします。
だれにも確実にやってくる老い、避けることのできない老齢化を冷静に認める中で、人間の生き方を深く思いながら、高齢者の雇用対策について質問をいたしたいと思います。
私は、高齢化の急速な進行の中で、高齢者の働く場の確保という課題が極めて重要になっているという認識のもとに、こうした問題に対する社会部長のお考えをお伺いいたしたいと思います。
最近、経済企画庁の景気判断から「回復」の2文字が消えたわけですが、このことは、我が国の経済社会が極めて困難な局面に入ってきたことを意味するものと考えております。相次ぐ金融機関の破綻を初め、企業倒産件数も伸びてきており、とりわけ中小零細企業の皆さんの不安感は日増しに強まっているものと思われます。県内の有効求人倍率も、この夏以降、次第に低下してきております。10月の有効求人倍率は1.18倍と引き続き1倍を超えており、全国的にも高い位置を維持しておりますが、業種によっては大変厳しい状況にあるものもあり、雇用面でも注意を要する状況に差しかかってきているのではないかと考えております。
さて、こうした状況のもとで、高齢者の働く場を確保するということは決して容易なことではありません。60歳以上の高齢者については、有効求人倍率が0.13倍と大変低い水準で推移しており、現在においても高齢者のニーズに合った働く場が十分に用意されているとはいえませんし、今後、高齢化が進展し高齢の求職者がふえてくれば、この倍率はさらに低下するのではないかと懸念されているところであります。
2001年からは年金の支給開始年齢の引き上げが始まります。また、来年4月からは60歳定年が義務化されるわけでありますが、特に全国に先駆けて高齢化が進行している本県においては、こうした状況変化の中で高齢者の働く場の確保に積極的に取り組んでいかなければ、多くの県民が生活不安に陥ることとなり、地域社会の活力の減退も招きかねないと考えられます。
また、高齢者が定年後に選択する生き方、働き方というものは、個々人の考え方や健康状態も勘案すれば大変バラエティーに富んだものになっていると思われ、こうしたニーズにいかにこたえていくかも行政の大きな課題であると考えます。
さらに、特に切実な問題として雇用と年金の関係があります。年金の支給開始年齢が引き上げられる中で、60歳定年とのはざまが生じ、雇用と年金の接続ができない状況が予想されますが、これは、今後定年を迎える高齢者にとって大きな負担と不安を強いるものであります。
国の財政構造改革の中では、年金制度を含め社会保障制度の大幅改正も検討されることとなっている中で、今後、県民の皆さんが安心して高齢期を迎えることができるよう、県としてもここで積極的な高齢者の雇用開発対策を進めるべきであると考えます。
そこで、まず第1に、こうした高齢者の厳しい雇用環境を改善するためには、雇用する側である企業の意識変革や賃金制度を含めた社内制度の改革が重要であると思いますが、これらについて県はこれまでどういう対策を講じてこられ、また、今後どのような対応をされようとしているのか、お伺いいたします。
また、高齢者の雇用の拡大のためには、企業側の改革ばかりではなく、高齢者自身の意識変革やそれを支える行政のあり方が問題になると考えます。すなわち、高齢者自身に対しては、定年イコール引退ではなく、定年後にあっても、これまでの職業生活における知識や経験、技能を生かし、働くことを通じた一層の社会貢献をしていただくことが重要であると考えます。また、行政施策においても、高齢者が単に社会や地域から支えられる存在としてではなく、今後の超高齢社会を支えていく重要な役割を果たす存在として位置づけ、働く高齢者を行政がしっかりと支えていく仕組みづくりが必要となっているのではないでしょうか。
そこで重要なのは、高齢者やその予備軍である中年層に対して、高齢期の就業などについていかに適切なアドバイスをしていくのか、また、いかに個々のニーズに合った情報提供を図っていくのか、さらに、定年後も働こうとする高齢者に対してどのような支援を行っていくのか、などの課題があると考えております。
特に私が現在注目しているのは、シルバー人材センターの役割であり存在であります。シルバー人材センターは、県内既に19カ所、68市町村をカバーしており、来年1月には北佐久郡の5町村を加えて73市町村に事業区域が広がろうとしております。会員数は1万1,000人を超え、年間契約高は44億円となっているとのことであります。
最近、県内のそこここで、シルバー人材センターの帽子をかぶった高齢者の方々が街路の清掃や植え込みの整備にいそしんでいる姿が見られるようになってきております。また、シルバーによる高齢者介護・福祉サービスも充実しつつあり、さらには、就業を通じた社会貢献のみならず、環境美化のボランティアやリサイクル活動にも自主的に取り組んでおられまして、こうしたシルバーの皆様の姿勢には特に頭の下がる思いがいたします。行政としても、もっともっとこうした活動を支援しなければならないという思いであります。
私としては、こうしたシルバー人材センターという大きな活力を持った存在を、超高齢社会を支える一つの柱としてしっかり育てていく必要があり、県行政としても、こうした認識に立ち一層の支援を行っていく必要があると考えます。
そこで、こうしたシルバー人材センターの育成も含めた高齢者に対する雇用・就業支援の対策について、現在、県はどのような問題意識を持ち、また、今後の対策についてどうお考えになっているのか、お伺いいたします。
次に、公職選挙法の改正等について県
選挙管理委員会委員長にお伺いいたします。
中村委員長におかれましては、年末何かと御多端の折にもかかわりませず遠路お出ましいただきましたことを心から感謝いたしますとともに、長野県初の女性選管委員長としての存在に改めて敬意を表するものでございます。
本論に入ります。
選挙は、国民が政治に参加する最も基本的かつ重要な機会であり、投票率が高いか低いかは国民の政治参加のバロメーターといえます。
しかしながら、全国的に投票率の低下傾向が続いておりまして、平成7年の参議院議員通常選挙では全国平均の投票率が44.52%ということで、国政選挙で初めて50%を下回りました。また、昨年の衆議院議員総選挙においては、全国平均の投票率が衆議院選挙では初めて59.65%と60%を下回り、また、本県においても、70.20%と全国第3位の投票率ながら、過去最低を記録するという状況になっております。
データを調べてみますと、長野県はまだよい方であります。平成7年4月9日の統一地方選挙の県議選挙は67.03%、平成7年7月23日の参議院通常選挙は全国が44.52%、長野県は54.50%、そして平成8年10月20日執行の衆議院の総選挙は全国が59.65%、長野県は70.20%――先ほど申し上げたとおりです。それから昨年10月20日の県知事選挙は、前回は54.05%ですが、今回は70.71%と大きく向上しています。投票率に関しましては、長野県の場合、県民の政治参加意欲の高さと長野県選挙管理委員会の努力を高く評価いたしたい、かように思うものであります。
このように、最近の投票率の低下は極めて顕著でありまして、全国的な投票率の低下傾向が続きますことは、政治に対する国民の信頼を低下させ、ひいては民主主義の基盤そのものを揺るがしかねないのではないか、民主主義の危機といってよいのではないかと大変憂慮するところであります。
現在開会中の臨時国会では、この投票率の低下傾向を受けて、投票時間の2時間延長等を盛り込んだ公職選挙法の改正案が審議中であります。
この公職選挙法の改正は、最近の各選挙における投票率が低下傾向にあることから、選挙人がより投票しやすい環境を整えるため、投票時間の延長、不在者投票制度の改善等の措置を講じ、投票率の向上を図るという趣旨で行われるものと思います。
その内容の主なものとして、第1点は投票時間の延長があります。これは有権者の要望も多く、最近のライフスタイルの変化や余暇活動の多様化などの状況にかんがみ、現在、午前7時から午後6時までとなっています投票時間を2時間延長し、午後8時までとするものであります。
第2点は、選挙人が利用しやすい不在者投票制度とするため、不在者投票の要件を緩和するとともに、通勤者等が利用しやすいように、現在、午前8時30分から午後5時までとなっています不在者投票時間を3時間延長し、午後8時までとするものであります。
これらの法改正により有権者の利便は向上するものと思いますが、反面、投票時間の2時間延長により市町村によっては開票作業が深夜に及ぶことも考えられ、市町村選挙管理委員会の投票、開票に関する事務は大きく増加すると思われます。
県内市町村選管の声としては、「投票が午後6時までの現行制度でも、午後5時を過ぎれば投票者は極めて少なくなる」「延長すれば投票者がふえるということは、現場の経験からして考えられない」「経費が余分にかかるだけだ」「小手先の改正では投票率は上がらない」などの意見が相当数あります。
投票率の低下の本質は、投票時間の延長や不在者投票の条件緩和などの技術的問題にあるのではなく、現在の政治状況とそれに対する有権者の意識にあるといえます。地方選挙、国政選挙を問わず、その選挙の中身がよくなること、争点が鮮明になること、立候補者が政見を真剣に訴えること、そういうことが肝要だといえます。このことは、さきの宮城県知事選挙や神戸市長選挙においてはっきりしております。同じ宮城県内の選挙でも、選挙民をないがしろにした感がある参議院補選は低投票率に終わり、脱政党対政党の激戦となった県知事選挙においては、前回を16ポイント以上も上回った投票率となっております。震災後の復興行政が争点となった神戸市長選は、前回比25ポイントも上昇しました。
そこで、今回の法改正のうち、特に投票時間の2時間延長に対する選管委員長の御所見をお伺いいたしたいと思います。
また、あわせて、県選挙管理委員会としての投票率向上への考え方、取り組み方についてもお伺いいたします。
今後とも、選挙制度の改正に当たっては、県の選挙管理委員会におかれましては、もっと市町村などの声が反映されるようにしていくべきではないかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
以上、第1回目の質問を終わります。
〔
社会部長花岡勝明君登壇〕
◎社会部長(花岡勝明 君)お答えをいたします。
まず、高齢者の雇用環境改善のための企業指導についてでございます。
お話にありましたとおり、高齢化が急速に進む中で、高年齢者の職場開発は緊急かつ重要な課題であると受けとめております。
県におきましては、高齢者雇用対策を県雇用安定・創出総合対策の重要な柱の一つとして位置づけ、積極的に対応しているところでございます。一つには、平成10年4月の60歳定年義務化の周知徹底、二つ目として、65歳までの継続雇用制度の導入の促進ということでございます。これにつきましては、国の助成金の活用に加えまして、県といたしましても雇用環境整備促進事業を全国に先駆けて実施いたしておるところでございます。
その結果、本年6月1日現在の県内60歳定年の達成率は95.7%となっておりまして、来年の4月までにはほぼ完全に達成できるのではないかと、こんなふうに思っております。また、65歳継続雇用制度の導入率も37.2%ということでございまして、全国平均は21.6%でございますので、それを大きく上回っている状況でございます。
しかし、お話にもございましたとおり、今後、年金支給開始年齢が65歳に引き上げられることになっておりますので、雇用と年金の連携を図る上からも、継続雇用制度の導入、高年齢者の職場開発につきまして一層努力していく必要があるというふうに思っております。
65歳現役社会の実現ということで、企業の理解の促進を図るということが最も重要でございますけれども、具体的には、高年齢者雇用アドバイザーの活用等によりまして、賃金制度の改善でありますとか社内制度面での対応につきましても、きめ細かな指導・援助を行ってまいりたいと考えておるところでございます。
次に、高齢者に対する雇用・就業支援対策でございますけれども、高齢者の中には、定年後急速に再就職意欲が減退し、そのまま職業生活から引退されてしまう方も少なくないわけでございます。多くの方々は終身雇用制度のもとで長期間雇用されてきた方々でございまして、求人情報の活用方法など求職活動そのものに大変ふなれであるというのが実態だと思います。
こういう状況の中で、県といたしましては、高齢期の職業生活に必要な各種の情報を収集・提供するための機関といたしまして、平成7年に高齢期雇用就業支援センターを設置いたしたところでございます。また、本年からは独自の事業といたしまして、各安定所におきましてシルバーワークセミナーを開催しているところでございます。また、高齢者に利用しやすい身近な相談窓口ということで、職業安定所のほかに高年齢者職業相談室を県内13カ所に置いておりまして、そういうところでも相談に応じております。
また、お話がありましたシルバー人材センターの関係でございますけれども、高齢期における多様なニーズの受け皿といたしまして、また、高齢者自身が地域の各種ニーズに対応することを通じた活力ある地域社会づくりという視点からも、大変重要な役割を果たすものと考えております。お話がありましたが、シルバー人材センターがまだ置かれていないところもございまして、この未設置地域の解消を初めといたしまして、シルバー人材センターの組織の充実強化に向けまして今後とも一層努めてまいりたいと、このように考えております。
〔
選挙管理委員会委員長中村幸枝君登壇〕
◎
選挙管理委員会委員長(中村幸枝 君)公職選挙法の改正の関係についてのお尋ねですが、順次お答えいたします。
まず、投票時間の2時間延長に対する所見についてのお尋ねですが、御指摘のとおり、投票時間の2時間延長、不在者投票の制度改善等を内容とする公職選挙法の改正案が現在国会で審議中でございますので、これを前提にお答えいたします。
昨年の衆議院議員総選挙における有権者の意識調査によりますと、選挙を棄権した理由として、最も多い約40%の人が「レジャーや仕事など他に用があったから」と回答していることを考えますと、投票時間を2時間延長して午後8時までとすることは、有権者の投票機会をふやすことになりますので、そのPR効果を含めまして投票率の向上に資するものではないかと考えています。
また、御指摘のとおり、投票時間が延長された場合には市町村選挙管理委員会の事務が増加すると考えられますので、国の指導を踏まえ、投票・開票事務が適正迅速に行われるよう市町村選挙管理委員会を指導してまいりたいと考えております。
次に、投票率向上への考え方、取り組みについてのお尋ねですが、県選挙管理委員会としましては、投票率向上に向け、あらゆる機会を通じて有権者の政治意識の向上を図るべく啓発事業を実施しております。
本年度は、投票率が低い若年層向けのパンフレットを作成し成人式等で配布するほか、小・中・高校生を対象にしたポスターコンクール等を実施しております。
また、選挙時には投票日や投票方法等の周知のための啓発事業を実施しており、昨年10月の衆議院議員総選挙、県知事選挙においては、若者向けポスターを作成したほか、エコーはがき、インターネット、SL型広告宣伝車等により選挙期日の周知及び投票参加の呼びかけを行いました。
今後も、市町村選挙管理委員会、明るい選挙推進協議会と連携して、積極的に啓発事業を展開してまいりたいと考えております。
次に、県の選挙管理委員会は、選挙制度の改正に当たっては、もっと市町村などの声が反映されるようにしていくべきではないかとのお尋ねですが、今後とも、選挙制度の改正に当たっては、有権者の意向、投票環境の整備、市町村選挙管理委員会の事情等が考慮されるべきものと考えております。
〔19番塚田一君登壇〕
◆19番(塚田一 君)それぞれ御答弁ありがとうございました。
先ほど、第1回目の質問と申し上げましたが、それぞれ内容的にほぼ満足のいく内容でございますので再質問はいたさないわけでございますが、選管委員長さんのお答えの中で、アンケートをとったところ、レジャーや仕事などが忙しいからという理由が最も多かった、それが投票率低下の要因をなしているというようなお話があったわけでございます。
私、さっきデータの中では申し上げなかったんですが、一つだけあえて落としたのがあるんです。いわゆる市町村段階の選挙なんですが、特に市町村の首長の選挙においては、一番悪い前回でさえ82.62%という高い投票率が出ているわけです。選挙の種類によって投票率が大きく乱高下するというか変化するわけですが、身近な市町村の首長の選挙においては、今までは90%台の投票率、今回は少し落ちても82.62%というような投票率があらわれてくるというのは、決してレジャーとかそういうことではなくて、やはり政治の中身、自分の住んでいる地域への思い、そういうものが投票率に結びつくのであって、決してレジャーとかそういうことではない、そんなふうに思うんです。
これは、自治省の調査ということですから、県選管の方へ申し上げてもせん方ないことですが、私は、中央選管に対して、レジャーだから投票へ行かないということじゃなくて、長野県とすれば政治に対する一つの思いというものが如実に投票率にあらわれているんだということで、これは私一人の意見じゃないと思うんですが、もっとお調べになってやっていただければありがたい、こんなふうに思うんです。お答えは要りません。
以上申し上げまして、適切なお答えをいただきましたことを感謝いたしまして終わります。
○議長(西沢盛永 君)会議規則第13条第2項の規定により、本日はこれをもって延会いたしたいと思います。
次会は、明10日午前10時30分に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。
本日は、これをもって延会いたします。
午後4時49分散会...