山梨県議会 2023-12-01
令和5年12月定例会(第5号) 本文
畜産農家等の飼料代、資材高騰は深刻です。燃料代をはじめ高騰する資材費や飼料代への支援が必要です。
また、中小・小規模事業者はコロナ禍での特別融資、いわゆるゼロゼロ融資の返済が本格化し、過剰債務が中小企業・小規模事業者の経営に重い負担となっています。
加えて、物価・原材料の高騰により、コロナ危機を上回る倒産・廃業の危機にさらされています。ゼロゼロ融資を別枠にして返済を猶予し、新たな融資を可能とする別枠融資といった特別な仕組みが必要です。県としての対応を求め、併せて見解を伺います。
次に、学校給食費についてです。
学校給食費は、甲府市内の小学校で年間約五万二千円、中学校で六万五千円です。子供が二人以上いれば十一万円を超え、保護者にとっては重い負担となっています。
小中学校の子供を持つ保護者が、山梨県に住む全ての小中学生に、義務教育の間、学校給食を無料にしてほしいという思いから、「学校給食無料にしよ~よ」の会を立ち上げました。
会が行ったアンケートによると、回答者の九二%が給食費を負担に感じており、「給食は教育の一環だと思うので無償にすべき」「県内で地域差があることがおかしい。無償化で統一してほしい」「義務教育に係る子供の費用は無料に」など、全県での無償化を求める声がたくさん寄せられました。
県は、人口減少危機対策パッケージの中で、無償化を実施する市町村への支援の検討を明示しています。
県は、九月議会での日本共産党の質問に対して、具体的な支援策については、市町村の状況を見ながら総合的に検討すると答弁しました。どのような検討を行ってきたのですか、また、具体的にどのような支援をするのですか、お答えください。
憲法二十六条で「義務教育は、これを無償とする」と明記されていることからも、学校給食を無償とするのが本来あるべき姿ではないでしょうか。全県で小中学校給食費を無償化することを求め、見解を伺います。
また、特別支援学校などの県立学校については、昨年の九月補正で給食費補助が予算化されましたが、食材費が三%以上上昇した際に上昇分の半額を補助するという、極めて限定的なもので、予算百六十九万円に対して、わずか五十万円程度の執行でした。
国からの重点支援交付金も活用して、特別支援学校についても、義務教育である小学部・中学部は県の責任で無償化にするべきではないですか。見解を伺います。
次に、介護保険についてです。
まず、介護保険における利用者二割負担についてです。
来年度は介護保険改定の年です。六十五歳以上の介護保険料は、介護保険制度がスタートした二〇〇〇年から全国平均で二倍以上になり、今回の改定でさらに保険料が上がるのか、大きな焦点になっています。
さらに政府は、今回の改定で、二割負担の対象を年収二百二十万円に引き下げようとしています。介護はお金がかかって大変という声が聞かれ、介護自殺や介護心中が社会問題となっています。
さらに負担増となれば介護サービスの利用控えが進み、重症化を招くことは必至です。利用料二割負担を撤回するよう国に求めるべきではありませんか。見解を求めます。
次に、介護労働者の処遇改善についてです。
介護保険をめぐって大きな問題になっているのが介護従事者不足です。
六月補正予算で成立した福祉施設等賃上げ支援金については、一部の介護事業所や保育施設等から、来年度以降の給与水準を維持することが困難なため申請をためらっているという声が出されました。
こうしたことから、申請の締切りを一か月延長したと承知していますが、対象となる事業所が申請できたのか心配です。最終的な申請状況について伺います。
介護現場では、賃金が低いために生活の維持が大変で将来展望が持てず、やりがいを持って就職してもすぐに辞めていく実態があります。
政府は、介護職員の給与を来年二月から五月まで、月平均六千円引き上げるとしていますが、全産業平均と比べて月約七万円も少ない現状では、とても足りません。夜勤をしても手取りが十六万円から十七万円で、子供が欲しいが介護の仕事では家族を養えないと、仕事を続けるかどうか悩む職員もいると聞きます。
健康長寿やまなしプランによると、介護人材については目標値に対して千三百三十八人不足しています。また、介護職の離職率は目標値より高くなっています。
介護職員の確保と定着に関して根本的に解決するには、賃金アップ、労働条件の改善しかないと思います。来年度以降も県として賃上げの継続支援を行うべきではないでしょうか。答弁を求めます。
次に、施設利用料の負担軽減についてです。
県は介護待機者ゼロを目指し、ショートステイを特別養護老人ホームに転換する事業を進めていますが、ショートステイを特別養護老人ホームと看板を変えただけで、見せかけの待機者数減らしです。特別養護老人ホームを増やすこと、介護従事者を増やすこと、お金の心配なく利用できる制度がそろって、初めて待機者ゼロが進められるのではありませんか。
介護施設はお部屋代や食費は介護保険の利用料とは別の自己負担だけで十万円を超える場合もあります。月六万円程度の国民年金では、とても利用できません。非課税世帯には減免制度もありますが、預金通帳を全部提出させ、貯金が五百万円以上であれば減免の対象になりません。
介護待機者ゼロを実現するには、利用料の負担軽減が必須です。県の補助制度創設を求めます。最後まで在宅で過ごしたいという願いを実現させるには、在宅と入所を行き来できる地域密着の小規模看護多機能施設を増やすことも必要ではありませんか。併せて見解を伺います。
次に、看護職員修学資金についてです。
県の看護職員修学資金・看護学生への奨学金は、県内で働くことを前提とした制度です。卒業生の九〇%が県内に就職しているという養成校で、奨学金の申請をした学生のうち九人が奨学金を受けられませんでした。
申請しても通らないのはなぜですか。奨学生の募集定員に対して、申請数と申請受理数はどのようになっていますか。併せてお答えください。
県の看護職員需給計画によると、仕事と、子育てや介護など個人の生活の双方を充実させるワークライフバランスが著しく進んだ場合、看護職員は不足するとの推計が出ています。県内に就職する看護師を増やすためにも、希望する学生が奨学金を受けられるようにすることが必要ではないでしょうか。見解を求めます。
次に、会計年度任用職員についてです。
会計年度任用職員の任期は一年間。非正規雇用の地方公務員の約九割を占めており、六割が年収二百万円未満という実態があります。会計年度任用職員は、正規職員と同じように責任を持って仕事をしています。県庁の会計年度任用職員は何人いますか。また、男女比はどうなっていますか。
今議会に、正規職員の給与改定議案が出されています。総務省は、会計年度任用職員も正規職員に準じて四月に遡って支給するよう地方自治体に通知し、県の人事委員会も同様に勧告しています。国からの通知のとおり、会計年度任用職員についても、正規職員と同様に四月に遡り支給するべきと考えます。併せて答弁を求めます。
次に、地域枠の医学生奨学金の違約金についてです。
県の医学生奨学金の違約金については、高額な違約金条項は違法だとして、消費者団体から該当する条項の削除を求める訴訟が起こされています。
地域枠の医学生は、全員が奨学金を受けることが条件とされ、卒業後の九年間、県内の特定公立病院等で就労することで、奨学金返済が免除される仕組みになっています。
契約書では、災害、疾病、その他やむを得ない理由があると認められた場合に限り、九年間継続して就労できなくてもよいとされています。
しかし、結婚、介護、子育てなどはやむを得ない理由として考慮しないとなっています。結婚、介護、子育てなど、社会通念上やむを得ない理由とされるべきライフイベントが認められていないのは問題だと思いますが、見解を伺います。
また、山梨県は、奨学金に一〇%の利息をつけ、さらに違約金を課し、最大で二千三百四十万円を全額で一括返済せよという契約です。高額な違約金条項を設けているのは全国で山梨県のみです。人道に反する違約金条項は撤回するべきではないですか。見解を伺います。
次に、中部横断自動車道、長坂・八千穂間の整備についてです。
建設に反対の声が根強くあります。先日行われた説明会では、住民から「新しく造ったばかりの家もあり、地域のコミュニティーを分断してしまう」「八ヶ岳の伏流水を使用しているが、枯渇したときの補償はどうなるのか」と具体的な不安の声が出されました。
道路建設によって、住宅環境だけでなく、雄大な自然環境・景観破壊、優良農地の減少など、住民の暮らしに将来にわたって影響を及ぼすものになります。
なぜ、この道路が必要なのでしょうか。国道百四十一号の拡幅で充分対応できます。長坂から野辺山まで十五分程度の時間短縮にしかならず、高速道路をわざわざ通す必要はありません。
そもそも都市計画地域がない北杜市に都市計画道路を造ることについて、まともな説明が行われていません。報道によると、山梨県への経済効果は七十五億円しかありません。
平成二十六年の国交省関東整備局の検討書によると、当初の建設費用は二千百億円程度と言われましたが、現在のルートでは建設費用は幾らかかるのですか。経済効果は幾らですか。県の回答を求めます。
莫大な建設費用をかけ、自然を破壊する道路建設はやめるべきです。見解を伺います。
次に、富士山登山鉄道構想についてです。
日本共産党は、富士山を守り、しっかりと次の世代に引き継ぎたいという思いから、オーバーツーリズムの解消と環境保全のために、マイカー規制の拡充や電気バスの活用など、登山鉄道によらない現実的な提案をしてきました。富士吉田市の市長や市議会、環境・公害研究が専門の大学教授なども反対しています。
九月議会で日本共産党は、道路交通法第四条を生かせば排気ガスを出す観光バスなどについても規制することができると指摘しました。県は、解釈や運用については検討したいと答弁しています。どのような検討が行われ、どのような結果を得たのか伺います。
あわせて、車両規制について担当の省庁に問い合わせたのか、その結果どうだったのか、お答えください。
登山鉄道構想で示された総費用千四百億円のうち、今回の説明会で配付された資料によると、「県は全て負担するわけではない」となっています。
また、
知事は所信表明で、ファンドや民間企業と共に参画し、国の財政的支援もいただくとして、県費の支出を最小限とすると述べました。
総費用の金額についてはコロナ以前の話であり、実際にはこれ以上の費用がかかるのではありませんか。総費用はどこまで膨らむのですか、県は幾ら負担するのですか、併せて答弁を求めます。
また、
知事は、六月議会で、海外富裕層を呼び込むことが一つの目的であり、環境保全というなら、既に運行している電気バスの利用で充分だと指摘した私の質問に対して、電気バスはオペレーションに問題があり、非現実的と答弁しました。
九月議会では、
知事政策局長が、別の視点からの提案も議論の俎上にのせると答弁しています。立ち乗りが危ないと言うなら、座って乗れるバスが運行できる台数に制限すればいいだけの話です。
改めて、莫大な費用をかけずに環境への負荷を抑えるためにも、電気バスの運行が適切であり、解決策だと考えますが、答弁を求めます。
次に、米軍機の県内上空での訓練についてです。
十一月二十九日、米軍横田基地所属のオスプレイが屋久島沖で墜落しました。北富士演習場ではこれまでにも米軍のオスプレイの訓練が行われ、十一月二十九日から十二月二日にも、墜落したオスプレイと同機種の訓練を実施すると通告されていました。
実際にオスプレイの飛行は確認されたのですか。危険なオスプレイが山梨県上空で訓練を続けることをこれ以上許すわけにはいきません。県として抗議し、訓練の中止を求めるべきです。
また、十一月に三日間、十二月に入って二日間、山梨県上空で米軍機の空中給油訓練が行われました。
今年六月に県内上空で行われた空中給油訓練に対して、山梨県は防衛省南関東防衛局に、県民が不安を感じないよう、安全に配慮してほしいと口頭で申し入れたと報道されています。これでは、空中給油訓練を県が容認するかのような姿勢です。
空中給油訓練は危険な訓練であり、陸地上空で行わないことは、日米間の取決めであると国会答弁でも確認されています。県民の命と財産が危険にさらされていることに対して、米軍に抗議し、中止を要請するべきです。併せて
知事の答弁を求めます。
次に、県有地問題についてです。
山中湖畔県有地の富士急行との裁判の経過について、県は、広報誌ふれあいで県有地特集の臨時号を発行しました。いまだ検証も行われていない中で、広報誌を使って一方的に県の考えだけを発信することに対して、県民から疑問視する声が上がっています。
日本共産党が議会質問でも指摘し、市民団体も県に申入れを行いましたが、まずは第三者委員会等で県有地問題を検証し、経過と事実関係を明らかにすることが必要ではありませんか。答弁を求めます。
賃料交渉のための弁護士費用として二百二十万円が提案されています。県有地裁判で二億円の弁護士費用を使った上に、さらになぜ弁護士費用が必要なのですか。県が主張してきた賃料二十億円を提示するのですか。再度、不動産鑑定をするのはなぜですか。説明を求めます。
また、今議会に賃料交渉の成功報酬が債務負担行為として提案されていますが、限度額について金額が明記されていません。何をもって、幾らの賃料決定なら成功と言えるのか。成功報酬金額の根拠、計算式を説明してください。県民の税金を、これ以上賃料交渉に費やすことは理解されません。答弁を求めます。
次に、
知事の政治姿勢についてです。
政治資金パーティー問題で、販売ノルマを超えて集めた分について、二階派、志帥会も派閥から議員側に十万円から百万円程度の寄附があった、いわゆるキックバックがあったと報道されています。志帥会から国会議員への寄附が行われた日に、
知事の政治資金管理団体の日本金融経済研究フォーラム21に対しても、一千万円を超える寄附がありました。これは、キックバックではありませんか。
また、
知事は政治資金パーティーを毎年開催し、昨年は二か所で合わせて五千百八十万円を集めましたが、開催費用は二百四十万円です。利益率九五%というのは、庶民感覚からするとあまりにも異常ではないですか。見解を伺います。
パーティー券の大半は企業や団体が購入しており、形を変えた企業・団体献金となっているのが実態です。企業・団体による寄附を禁止するとともに、パーティー券購入も全面的に禁止するべきです。政治資金パーティーそのものをやめることを求め、質問を終わります。
3
◯議長(
水岸富美男君)菅野幹子さんの質疑・質問が終わりました。
これより当局の答弁を求めます。
知事、
長崎幸太郎君。
(
知事 長崎幸太郎君登壇)
4
◯知事(
長崎幸太郎君)菅野議員の御質問にお答え申し上げます。
初めに、地域枠の医学生奨学金の違約金についてです。
キャリア形成プログラムでは、地域枠医師は県内の指定医療機関で九年間、医師として従事する義務があります。
一方で、この九年の義務は、医師免許取得後十五年以内に果たせばよいものであり、六年間は自身のライフイベントやキャリア形成に活用できるものであります。
さらに勤務先の制度を利用して、育児休業や介護休業を取得した場合には、取得した期間分だけ十五年間がさらに延長されることとなります。
このようにプログラムは、ライフイベントにも配慮した形で柔軟に運用することとしております。
次に、違約金につきましては、地域医療を守る観点から令和二年度に設定したものであり、撤回することは考えておりません。
地域枠は一般枠とは別の試験であり、就業条件をあらかじめ明示した上で受験をしていただくものであります。山梨県内で医師として医療の実践を志す多くの受験生の中から、特に選ばれて入学し、医師になった方であること、そして、その背後にいる山梨県内で医道の実践を志しながらも、競争試験の結果、涙をのまざるを得なくなった大勢の受験生の存在があることなどを考えると、就業義務は果たしていただくべきものであると考えます。
さらに、離脱されることで、本県の地域医療に穴が空き、医師の再調達コストなどの負担を県ひいては県民に強いるものであります。
以上のことを踏まえると、違約金を課すことは極めて妥当であると考えております。
なお、疾病等により医師としての業務ができなくなった場合には、違約金は免除されることとなります。
次に、志帥会から私の政治資金管理団体への寄附及び私の政治資金パーティーに関してですが、御覧いただきました上での御質問かと思いますが、収支報告書に載せるべきものについては、収支報告書にて処理をしているものと認識をしております。
現在、さらに総点検を指示して作業をしているところと承知をしております。
なお、この際ですが、直近、自民党における派閥内でのパーティー券の処理について、多くの報道がなされております。全てのお金の流れを見える形でつまびらかにする、それこそが政治資金規正法の根本の趣旨であると理解をしております。
そして、その法の趣旨に対して誠実であるべきが政治の責任であると考えております。
今回の一連の報道にて知り得る限りにおきましても、法の趣旨に誠実であること、そして県民、国民の皆様に対しまして、透明で公正な政治活動の実践を求められるものとして、いま一度考えるべきところは多々ございます。
私の思いといたしましては、そうした政治のプロセス、政治の過程の透明性と検証性、これを確保・担保した上で、志を同じくする県民の皆様、国民の皆様、そして同志の皆様と歩みを進めていくことであると考えております。
このたびのパーティー券の処理をめぐる課題は、自らがしっかりと見識を改めてまいらなければならないものであります。
本年は、私の資金管理団体におきましても、政治資金収支報告書の訂正を行いましたことなどに鑑みまして、今回の社会的な課題意識を改めて重く受け止めております。
このため、新たに資金管理団体及び事務所として法令遵守監督者を配置することといたしまして、資金管理団体事務所における監督指導体制を改善・強化してまいる所存であります。
あわせまして、政治活動の透明性を高めるための外部からの監査体制の可能性についても、今現在検討しているところであります。
同時に、私を含めまして、全スタッフのコンプライアンスあるいは法令研修を年明けにも行いたいと考えております。
以上でございます。
5
◯議長(
水岸富美男君)副
知事、
長田公君。
(副
知事 長田 公君登壇)
6 ◯副
知事(
長田 公君)菅野議員の富士山登山鉄道構想についての御質問にお答えいたします。
まず、道路交通法第四条の解釈・運用及び車両規制についてであります。
県では、先般設置した富士山登山鉄道構想事業化検討会における法制度検討部会の下に、庁内連絡会議を設置することとしております。その中で、関係法令の解釈や運用について検討を進め、必要に応じ、国に対し照会してまいります。
次に、総工費及び県の負担額についてであります。
総工費につきましては、構想策定段階において試算した額であり、現在、経費の積算に関し、時点修正の作業を行っているところです。
県の負担額につきましては、総工費に対する民間資金や国の財政支援の規模が未定ですが、県費以外の収入の最大化に努め、県費支出を最小化してまいります。
最後に、電気バスの運行についてであります。
富士吉田市が実証実験を行った自動運転の電気バスなど、具体的な提案をいただく中で議論の俎上にのせ、LRTとの比較検討を行ってまいります。
以上でございます。
7
◯議長(
水岸富美男君)総務部長、
関口龍海君。
(総務部長
関口龍海君登壇)
8
◯総務部長(
関口龍海君)菅野議員の御質問にお答えをいたします。
まず、県民の暮らしを支える支援についてであります。
物価高騰の影響が長期化する中で、生活者・事業者への支援は言うまでもなく重要でございます。
国では、物価高から国民生活を守ることを柱の一つとした総合経済対策の裏づけとなる補正予算が、先月二十九日に成立したところでございます。これを受けまして、本県でも緊急で必要となる物価高騰対策などの予算について、今議会中の追加提案に向けまして、至急準備を進めているところでございます。
次に、会計年度任用職員についてでございます。
人数及び男女比につきましては、本年四月一日現在で、県庁全体において二千三百六十二名が在職しております。うち男性が八百八十二名で全体の三七%、女性が千四百八十名で六三%でございまして、男女比はおおよそ二対三となっております。
また、給与の遡及改定につきましては、正規職員と異なり、雇用形態が複雑であるなどもろもろの課題がございますが、早急に結論を出すように検討しているところでございます。
以上でございます。
9
◯議長(
水岸富美男君)県民生活部長、
上野良人君。
(県民生活部長
上野良人君登壇)
10
◯県民生活部長(
上野良人君)菅野議員の米軍機の県内上空での訓練についての御質問にお答えいたします。
墜落したオスプレイと同機種の飛行訓練については、十一月二十九日から十二月二日の間、北富士演習場では確認されておりません。
軍用機の種類にかかわらず、その飛行については、県民生活に悪影響が及ぶようなことは避けていただかなければならないと考えております。
今後も、県民の生命・財産の安全を確保する観点から、防衛省に対し、県民の方々の安全・安心に最大限配慮するよう求めてまいります。
以上でございます。
11
◯議長(
水岸富美男君)福祉保健部長、
井上弘之君。
(福祉保健部長
井上弘之君登壇)
12
◯福祉保健部長(
井上弘之君)菅野議員の御質問にお答えします。
まず、医療機関や福祉施設への支援についてであります。
医療機関や福祉施設への物価高騰対策については、六月補正予算において、光熱費や食費の高騰分に対する支援を行いました。追加の支援については、医療機関や福祉施設の実情を精査する一方、限られた財源の中で支援が可能かどうか現在検討しております。
次に、介護保険についての御質問にお答えします。
まず、介護保険における利用者二割負担についてであります。
見直しは、介護保険制度の持続可能性を高め、世代間の公平性を確保する観点などから検討されているものと承知しております。
現在、国において議論されているところであり、その動向を注視してまいります。
次に、介護労働者の処遇改善についてであります。
物価高騰対策賃上げ支援金については、予算計上額に対し八割近い申請をいただいており、多くの介護職員などへの支援が図られたと考えております。
また、先般成立した国の補正予算に、介護職員処遇改善支援事業が計上されたところであり、今後、適切に対応してまいります。
なお、介護従事者の賃上げにつきましては、本来、国が定める介護報酬の改定により対応すべきものであり、全国
知事会を通じて強く要望しております。
次に、施設利用料の負担軽減についてであります。
介護保険施設を利用する方の食費・居住費につきましては、利用者の所得段階に応じた負担限度額の設定が行われております。
また、低所得者に対しては、特別養護老人ホームなどの利用に際し、社会福祉法人などによる利用者負担の軽減も行われております。
看護小規模多機能型居宅介護事業所については、市町村と連携し、国の支援策の活用を促すことなどにより、普及を図ってまいりたいと考えております。
次に、看護職員修学資金についてであります。
修学資金は、各大学・養成所の定員や卒業見込み数、推薦順などを勘案し、予算の範囲で対応を決定しているところであります。
令和五年度は、県内の三大学と四養成所などから百四十六人の申請があり、百十七人に貸与をしております。
予算枠については、平成二十八年度に拡充したところであり、今後も限られた財源の中で、効果的な事業の実施に努め、必要な看護職員を確保してまいります。
以上でございます。
13
◯議長(
水岸富美男君)林政部長、
入倉博文君。
(林政部長
入倉博文君登壇)
14
◯林政部長(
入倉博文君)菅野議員の県有地問題についての御質問にお答えをいたします。
まず、第三者委員会による検証についてでございます。
検証を行うべきとの御意見についてでございますが、検証は一連の事件・過程の全てを対象にすることで、初めて意味あるものとなります。
本年九月議会で表明しているとおり、山中湖畔県有地に係る賃料改定が終了した後に検証してまいりたいと考えております。
なお、ふれあい臨時号は、県有地訴訟の判決内容を県民の皆様に分かりやすいよう解説したものであり、一方的との御指摘は当たらないと考えております。
次に、弁護士費用及び不動産鑑定の必要性についてでございます。
御党も再三問題提起されてきたとおり、富士急行が負担する山中湖畔県有地の賃料は、その経済的価値に比して相当ではないと考えております。
控訴審判決におきましても、造成前の素地価格による低廉に抑えられた賃料額を基準とすることについては、疑問が投げかけられております。
このため、控訴審判決の中で示された考え方などを踏まえ、賃料改定に向けた交渉を進めていくことが必要となります。のみならず、同社に貸し付けております県有地は、山中湖畔県有地のほかに五件あり、全ての案件について賃料改定の合意に至っておりません。
今後、交渉を本格化させるに当たっては、裁判例や鑑定基準の正しい解釈に基づく高度な交渉を全ての案件について一体的に行っていくことが求められます。このため、不動産関係の法令や実務に精通した弁護士を選定し、交渉を依頼することとしたものでございます。
県有地訴訟で弁護士費用を既に使っているとの御指摘でございますが、訴訟追行と賃料増額交渉は別個の事務でございまして、別途予算措置が必要であることは論をまちません。
また、不動産鑑定につきましては、控訴審判決の内容を取り入れ、かつ最新の地価及び物価の動向なども考慮したものを新たに取得する必要がございます。
なお、提示する賃料の額につきましては、今後の適正な契約事務の遂行に支障となりますので、お答えは差し控えさせていただきます。
次に、報酬金額の根拠、計算式についてでございます。
今回、債務負担行為とした弁護士費用は、議案のとおり、経済的利益が確保された場合の報酬であり、旧日弁連報酬基準により算定することとしております。
この基準では、賃料増額事案に係る報酬の額は、増額分の七年分の額に一定の係数を乗じ、これに所定の額を加えたものとなります。
なお、債務負担行為の限度額を数字で具体的に記載できない場合に、文言の記載をもって限度額とすることは、地方自治法施行令で認められているところでございます。
以上でございます。
15
◯議長(
水岸富美男君)産業労働部長、
染谷光一君。
(産業労働部長
染谷光一君登壇)
16
◯産業労働部長(
染谷光一君)菅野議員の融資の返済についての御質問にお答えいたします。
県では、ゼロゼロ融資からの借換えや、物価高騰による新たな資金事業に対応した特別枠の融資制度を運用しております。
また、金融機関に対しましては、ゼロゼロ融資の返済期間の延長など、事業者の実情に応じた対応をお願いしているところでございます。
以上でございます。
17
◯議長(
水岸富美男君)農政部長、
大久保雅直君。
(農政部長
大久保雅直君登壇)
18
◯農政部長(
大久保雅直君)菅野議員の農家への支援についての御質問にお答えします。
県では、持続可能な経営に向けて、生産性の向上やコストの削減につながる設備・機器の導入を積極的に支援しています。
今後も、国の物価高騰対策を踏まえ、検討していきます。
以上でございます。
19
◯議長(
水岸富美男君)県土整備部長、
椎葉秀作君。
(県土整備部長
椎葉秀作君登壇)
20
◯県土整備部長(
椎葉秀作君)菅野議員の中部横断自動車道、長坂─八千穂間の整備についての御質問にお答えします。
今般示されたルートに係る建設費用や便益につきましては、事業化への手続の中で事業予定者である国から示されるものと考えております。
開通区間におきましては、企業の立地の増加、農産物の促進に向けたコールドチェーン体制の構築、観光活性化、災害時の代替機能の確保や救急搬送時間の短縮など様々な効果が現れており、長坂─八千穂間の開通により、さらなる効果が期待できると考えております。
移動時間の短縮による県外との連携強化や、迅速な救急医療、災害時の避難・救援路として重要な役割を担うことから、引き続き早期の事業化を国に働きかけてまいります。
以上でございます。
21
◯議長(
水岸富美男君)教育長、
降籏友宏君。
(教育長
降籏友宏君登壇)
22
◯教育長(
降籏友宏君)菅野議員の学校給食費についての御質問にお答え申し上げます。
小中学校の給食につきましては、学校給食法に基づき市町村が主体的に実施しており、保護者負担の考え方についても、各市町村の判断に委ねられております。
県としては、子育てに係る経済的負担の軽減を図るため、人口減少危機対策パッケージに給食費無償化に関する補助の検討を盛り込んでいるところであります。
現在、この給食費に係る支援の検討につきましては、県内市町村及び他県における給食費に係る支援の状況や仕組み、必要性などについて調査を進めております。
県立特別支援学校の小中学部の給食費につきましても、市町村への支援と併せて検討しているところであります。
以上でございます。
23
◯議長(
水岸富美男君)当局の答弁が終わりました。
菅野幹子さんに申し上げます。再質問はありませんか。菅野幹子さん。
24
◯菅野幹子君 まず、政治資金パーティーの問題です。
収支報告書に記載はされているとの答弁がありましたけれども、志帥会から一千六万円の寄附があります。ほかの団体が、多くても数百万円なのに、
知事にだけ一千六万円というのは飛び抜けています。
知事は先日、マスコミの取材に対して、キックバックの仕組みについて、最初からそういうルールでパーティー券の購入をお願いしていると答えていました。
そこでお聞きします。そのルールというのはどのような内容ですか。例えば、ノルマとキックバックの関係はどうなっているのか、お答えください。
あわせて、派閥のパーティー券代が
知事個人に対する寄附となって戻ってくる、それはつまり、自分への事実上の政治献金になるということを承知していたのですか、お答えください。
25
◯議長(
水岸富美男君)
知事、
長崎幸太郎君。
26
◯知事(
長崎幸太郎君)お答え申し上げます。
まず、ルールに関しましては、一定のノルマがあらかじめ割り当てられていまして、そのノルマを上回る部分につきましては、後日、寄附という形で私の政治団体に戻ってくることになります。
したがいまして、私個人への資金提供ということにはなっておりません。あくまでも政治団体に対する寄附という位置づけになっております。
以上です。
27
◯議長(
水岸富美男君)菅野幹子さんに申し上げます。残り時間がありません。
これより菅野幹子さんの一般質問に対する関連質問に入ります。
この際申し上げます。
関連質問については、その冒頭に関連する事項を具体的に
発言願います。
関連質問はありませんか。名取泰君。
28
◯名取 泰君 関連質問を行います。
まず、学校給食費について。
県立の特別支援学校の小中学部の給食費について、十一月十五日の決算特別委員会では、学校給食法で給食の食材費などは保護者の負担とすると定めていることから、無償化することはできないという趣旨の答弁がありました。
このことについては、国会で何度もやり取りがされ、今年四月十九日の衆議院文部科学委員会でも、この学校給食法第十一条の解釈について、保護者の負担を自治体等の判断により補助することを妨げるものではないと答弁がありました。
つまり、地方自治体が給食費の無償化や補助を行うことを禁じているわけではありません。県はこのことを承知しているんでしょうか。承知しているならば、なぜ先ほどのような答弁になるのでしょうか。明確に答えてください。
そしてもう一点、給食費無償化の総合的な検討を行ってきたということですが、その中身について、県は全県で小中学校の給食費を無償にする場合、総額で幾ら必要になるかを試算したんでしょうか。当然試算をしていると思いますが、その金額をお答えください。
次に、富士山登山鉄道構想について。
日本共産党は、電気バスを活用すれば登山鉄道を造る必要はないという立場から様々な提案を行ってきましたが、
知事は、今議会の説明要旨の中で、七十七人乗りの電気バスについては立ち乗りを含めてなので安全性に問題がある上に、サービスとしてふさわしくないと述べました。
しかし、座って移動ということが必要であるならば、既に国内でも座席が五十席程度の電気バスが製品化されています。
さらに、富士山登山鉄道構想では、一時間当たりの最大輸送人員を千二百人に抑えようとしていることも九月議会で指摘をいたしましたが、これを、先ほどの座席五十席の電気バスで輸送するとしたら、二十四台です。電気バスで十分対応できると思いますが、なぜ、こうしたこともしっかり検討しないんでしょうか、答弁を求めます。
次に、
知事の政治姿勢について。
先ほど指摘のあったように、
知事は派閥からのキックバックによる収入以外にも
知事自らの政治資金パーティーによる収益があります。
昨年度で見れば、手元に四千九百四十万円が残る利益率九五%です。これらは、
知事という立場から検証する必要があると思います。
例えば、国では首相をはじめ閣僚は大規模な政治資金パーティーの開催は自粛することとなっています。これは、パーティー券の大半が企業団体に購入をされ、形を変えた企業団体献金となることから、行政の長として強力な権限を持つ閣僚が企業のパーティー券販売で金銭を受け取れば、企業の意向で行政がゆがめられる可能性があるからです。
知事も山梨県行政の長として強力な権限を持つ立場ですから、これに基づいた対応が必要だと思います。
そこで、伺います。
知事の政治資金パーティー券を企業団体を通じて購入してもらっている実態はあったのか。そして、パーティー券を購入した企業が県の公共事業や業務委託を受注した実態はあったのか、全容を明らかにする必要があると思いますが、
知事、お答えください。
29
◯議長(
水岸富美男君)副
知事、
長田公君。
30 ◯副
知事(
長田 公君)ただいまの名取議員の関連質問にお答えいたします。
七十七人乗りの電気バスについてでございます。
さきの議会で御提案いただきました七十七人乗りEVバスにつきましては、メーカーのカタログによりますと座席数は二十五席、五十人以上が立ち乗りとなるという状況でございます。
このことにつきましては、カーブが多い富士スバルラインにおいて安全性に問題があるほか、世界遺産富士山で提供するサービスとしてふさわしくないと考え、
知事は所信で述べたところでございます。
引き続き、具体的かつ現実的な提案につきましては、議論の俎上にのせ、集合知を発揮して、これからの富士山にふさわしい交通システムを検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
31
◯議長(
水岸富美男君)教育長、
降籏友宏君。
32
◯教育長(
降籏友宏君)名取議員の学校給食費についての関連質問に対してお答え申し上げます。
まず、お尋ねの学校給食法第十一条のことについて県は承知しているのかということにつきましてでありますが、学校給食法第十一条には、経費の負担について定められていると承知しておりまして、「学校給食実施に必要な施設・設備に要する経費、また、並びに学校給食の運営に要する経費のうち政令で定めるものは、義務教育諸学校の設置者の負担とする」としており、それ以外の学校給食に要する経費につきましては、「保護者の負担とする」と定められていると承知しております。
その上で、県立の特別支援学校の小中学校の給食費についての検討状況につきまして、なぜ先ほどのような答弁になるかとのお尋ねでございますけれども、現在、市町村に対する給食費支援の検討をしているところと併せまして、この県立特別支援学校の小中学校の給食につきましても検討しているというところで、その状況をお答えしたところでございます。
また、次に、具体的にどのような検討をしているのかといった中で、この必要となる経費につきましては試算をしているところなのかというお尋ねでございますけれども、現在、様々検討する中で、どれぐらいの費用がかかるのかといったところにつきましても検討をしているところであります。
いろいろな場面、状況におきまして、かなり状況や使われた金額などが変わってくるところでありますので、具体的なお答えにつきましては、今時点で差し控えさせていただきたいと存じます。
以上でございます。
33
◯議長(
水岸富美男君)
知事、
長崎幸太郎君。
34
◯知事(
長崎幸太郎君)すみません。まず、私の政治資金パーティーに関しましては、政治資金規正法をはじめ法令に基づいて適正に処理しており、また、その購入者のいかんにつきましても、同法の規定にのっとり適正に公開されているものと認識をしております。
いずれにいたしましても、私どもの資金管理団体及び事務所として法令遵守監督者を配置し、今後、さらなる資金管理団体、事務所におけるコンプライアンスの徹底を図ってまいりたいと思います。
また、あわせまして、政治活動の透明性を高めるための外部からの監査体制の可能性についてもしっかりと検討してまいりたいと思います。
以上です。
35
◯議長(
水岸富美男君)ほかに関連質問はありませんか。名取泰君。
36
◯名取 泰君 給食費の無償化について再質問しますけども、先ほど質問で、学校給食法第十一条の解釈を、国は保護者の負担を自治体等の判断により補助することを妨げるものではないと言っているわけで、その国の解釈をちゃんと承知しているのかということを答えてください。
あと、
知事の政治姿勢について。
パーティー券購入という形を変えた企業団体献金により政治がゆがめられてはいないかということを検証するためにも全容を明らかにすべきだと思います。
先ほど指摘したように、県行政のトップにある
知事が利益率九五%という政治資金パーティーを行うこと自体が県民から不信を招く問題だと思いますので、このような政治資金パーティーは開催すべきではないと考えますが、
知事の答弁を求めます。
37
◯議長(
水岸富美男君)
知事、
長崎幸太郎君。
38
◯知事(
長崎幸太郎君)私が開催いたします政治資金パーティーによりまして、政治がゆがめられているという事実は全くありません。
政治資金パーティーは、事務所の運営、その他政治活動において極めて重要なものとなっておりますので、これは適正なルールの下で引き続き行ってまいりたいと思います。
以上です。
39
◯議長(
水岸富美男君)教育長、
降籏友宏君。
40
◯教育長(
降籏友宏君)学校給食費に関する関連質問の再質問にお答えいたします。
さきの国会の質疑の中で、先ほど議員がお尋ねしたような、自治体が保護者負担についての支援をすることについて妨げるものではないと、そのような趣旨のやり取りがあったということにつきましては承知をしております。
ただ、すみません、具体的なものについては、現在、私のほうで確認はしていないところであります。
以上でございます。
41
◯議長(
水岸富美男君)ほかに関連質問はありますか。名取泰君。
42
◯名取 泰君 給食費無償化については、全県で無償化するための試算もまだ明確な金額が答弁ありませんでした。早急に、そうしたことも含めて具体的な試算を示すように求めて、質問を終わります。
43
◯議長(
水岸富美男君)関連質問を打ち切ります。
これをもって、菅野幹子さんの一般質問を打ち切ります。
暫時休憩いたします。
午後一時五十四分休憩
───────────────────────────────────────
午後二時十分再開議
44 ◯副議長(清水喜美男君)休憩前に引き続き会議を開きます。
日程第一及び日程第二の議事を継続いたします。
発言の通告により、佐野弘仁君に二十分の
発言を許します。佐野弘仁君。
(佐野弘仁君登壇)(拍手)
45 ◯佐野弘仁君 公明党の佐野弘仁でございます。私は公明党の立場から、今議会に提出されました案件並びに県政一般について質問させていただきます。
国際情勢が混沌とする中、物価高騰、急速な少子高齢化の進展など、今まさにある眼前の最重要課題の解決には、物価高から生活者を守り、成長型経済への転換を図るための総合経済対策の推進が必要であります。
知事は、国の経済対策への対応として、政府が閣議決定したデフレ完全脱却のための総合経済対策について、国の動向を注視しつつ、必要な場合には予算の追加提案など、迅速な対応を行う旨を表明されております。
政府と地方自治体は共に力を合わせ、国による支援メニューについて、県をはじめ基礎自治体市町村においても、実情に合わせた住民のための施策を展開していく必要があります。
長崎
知事は九月議会で既に、県民のための施策立案の方向性について、「県内外の区別はもとより、さらには国内外の区別なく、切れ目のない集合知のつながりで施策をつくらなければなりません」と述べられました。また、施策の目的、帰着点について、「ふるさと強靱化と開の国とは、決して理念や理想ではありません。成長ある社会たる豊かさ共創社会への手続であり、手順です」と述べられました。
これは、我々公明党の「大衆とともに」の立党精神に基づく多様性を育む共生社会の知恵の結集による政策立案の方向性とも一致します。また、議会人としても、最も住民に近い地方議会の目指すべき県民意見の集約の共通項でもあります。
知事の述べられました施策立案の方向性と目的、帰着点を目指し、これからも二元的代表制の議会人として善政競争の議論を強くし、もって正しく政策の立案、決定、実行の各フェーズにおいてお支えしていくと決意させていただき、以下、質問に入らせていただきます。
初めに、男性の働き方改革、育休取得率向上についてお伺いします。
政府は少子化対策の一環として、本年六月、男性の育休取得率を二〇三〇年までに、これまでの三〇%から八五%に引き上げることとしました。
一方、山梨県では
知事の下、同じく本年六月に都道府県レベルで初となる、人口減少危機突破宣言を発出、翌七月には、市町村や企業、団体と人口減少危機突破共同宣言を行うとともに、宣言を具体的なアクションにつなげるため、賛同企業が自らの取組を記載したマニフェストを作成し、県が紹介していく考えであることも明らかにされました。
私も六月議会で少子化に資する政策提案をしましたが、本県の少子化対策は、県の最上位計画である、山梨県総合計画の重要政策の一つとして位置づけられております。
県においては、出生率回復に向けた具体的政策の取りまとめを速やかに進め、人口減少危機対策パッケージとして公表したところであり、政策課題に対し、適時に施策を具現化する県の対応を高く評価するものであります。
七月に発表された県の男性職員の育休取得促進は、その施策の一つであり、その目標である取得率一〇〇%は、国の目標八五%を大きく上回るものとなっています。
また、県の二〇二二年度の育休取得率は三二・九%と、国のこれまでの目標を上回っていますが、県の新たな目標である一〇〇%にはまだ開きがあります。これからの取組によりさらなる向上を期待します。
この高い先進性、先見的な公共政策目標を行政が率先の範を示し、役儀と捉えていることは重要であり、高く評価されることであります。そして、この範の流れは必ず民間企業にも広がり、山梨県内企業の育休取得率はさらに向上する可能性があります。
国の調査では、企業等で働く男性の育児休業の取得率は、昨年度が一三・九七%で、前の年度から微増しましたが、二〇二五年度で五〇%達成という政府の新目標には、いまだ開きがあります。男性が育児休業を取りやすい環境づくりは重要だと考えられます。
また、育休を単に取得すればよいのでもないと考えます。令和三年十二月、島根県松江市内の企業の視察を行いましたが、男女共同参画、少子化対策の観点から、男性が育児を行う、実のある男性の育休取得の向上が必要であることを実感しました。
そこで質問します。まずは、県庁として、男性職員の育児休業取得率の向上に向け、具体的にどのように取組を進めていくのか伺います。
次に、企業・団体においても男性の育児休業取得率を向上させるため、今ある支援制度や表彰制度等の周知を業種ごとに細かく行う必要があると考えますが、当局の御所見をお示しください。
次に、水素エネルギー社会実現に向けた取り組みについてお伺いします。
令和五年四月四日、総理大臣官邸において、第三回再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議が開催され、岸田総理は、世界に先駆けて国家戦略として策定した、水素基本戦略を改定する方針を示されました。
国の動きも背景に、
知事は、甲府市米倉山の水素・燃料電池の研究開発機能を強化・拡大し、米倉山を国の戦略に呼応したムーブメントを牽引する世界的イノベーション拠点とすることを目指す意向を表明されました。
その上で、やまなし水素社会実現戦略会議を六月に設置し、米倉山の機能を最大限に発揮し、さらに強化するための方策の検討を進めているものと承知しております。
さて、県では、平成三十年三月、やまなし水素エネルギー社会実現ロードマップを策定し、水素エネルギーの利用拡大、CO2フリー水素サプライチェーンの構築、水素・燃料電池関連産業の振興の三つを目指すべき方向として掲げました。
しかし、ロードマップは策定から五年が経過し、国の戦略改定など環境が大きく変わる中、必要であればちゅうちょなく見直すことも必要です。特に、水素エネルギー社会の実現に向けては、国内外から注目されているP2Gシステムの技術の確立に加え、関連産業の集積地やまなし水素・燃料電池バレーの実現が求められます。県内企業の規模拡大や県外からの立地は、新たな雇用機会が創出され、地域経済を活性化させる可能性が多く秘められています。
国の戦略では、二〇三〇年の水素等導入目標を年三百万トンと掲げており、逆算から、これに向けた企業の設備投資が近い将来、活発化することを考えると、集積に向けた取組は喫緊の課題です。
そこで質問します。県では、水素エネルギー社会の実現に向け、関連産業の集積にどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、帯状疱疹ワクチンについてお伺いします。
帯状疱疹は、日本人の成人の九〇%以上が原因となるウイルスを体内に保有しているとされ、加齢とともに発症率が上がり、重篤化した場合には、失明や難聴などの後遺症を引き起こすだけでなく、高齢者ほど入院率や死亡率が高くなる疾患です。
このような特性を持つ疾患に対し、帯状疱疹ワクチンは、帯状疱疹やその後遺症、関連死などを減少させることから非常に有効であると考えます。
しかしながら、帯状疱疹ワクチンは、現在のところ、予防接種法に基づく定期接種に位置づけられておりません。ワクチンの接種費用は種類にもよりますが、約四万円と高額であり、特に高齢者や低所得者にとっては大きな負担となります。
こうした状況を踏まえ、公明党はこれまで、各市町村地域の住民の強い要望を受けて、接種費用を補助する事業を推進してまいりました。その結果、全国で三百を超す特別区、市町村でワクチン接種費用の補助事業が導入されています。一方で、財政力の弱い自治体にとっては、ワクチン接種の助成に係る財源を単独で確保することは非常に難しいことであるとも承知しています。
近年、定期接種化を求める声が多く寄せられており、昨年九月には、日本感染症学会、日本小児科学会など二十三団体から構成される予防接種推進専門協議会が、国に対し、ワクチンの定期接種化についての要望を行ったところです。やはり本来は、国が一律に対応すべきであると考えます。
こうした動きも踏まえる中で、我々公明党は、党を挙げて、国による定期接種化に向け取り組んでいるところであります。
そこで質問します。多くの国民、県民が発症の可能性があること、また、高齢化が進んでいる現状に鑑みれば、帯状疱疹ワクチンの定期接種化は、県民の健康増進に大いに寄与するものと考えますが、帯状疱疹ワクチンの定期接種化について、当局の御所見をお伺いします。
次に、視覚障がい者の情報取得サポートについてお伺いします。
生活現場での困り事を障害のある多くの方々にお聞きしてみると、情報を取得するためのサポートが必要とのお声をいただきます。日本視覚障害情報普及支援協会では、視覚障害者の方々が日々生活を営む上で不便を感じる、困っているとの声を聞き、この課題解決のために、ユニボイスの音声コード付き印刷物を使っております。
さらに、この音声コードはガイドブックや地図誘導サービスで利用が可能であり、失読症状などで文字情報が読み取れない方のみならず、本県でも重要なインバウンド観光で来日する外国人の方々が、日本語を読めない場合などの問題解決にも役立つツールと考えられています。
また、DXの促進としても、今後はスマホを使用される本県の高齢者にも利便性向上につながるツールとして期待が持てます。このユニボイス・ブラインドアプリは無料でスマホを使用して利活用されます。
視覚障害者の情報取得サポートとしては、本年三月二十四日の参議院予算委員会で公明党塩田博昭議員が、総務省所管の選挙の投票所入場券に音声コードを付与し発送している自治体の先進事例を紹介され、公的な通知について、音声コードの普及を早急に進めてもらいたいと主張しました。
岸田首相は御答弁の中で、先進事例を積極的に横展開するよう努力すると述べ、さらに再質問で、視覚障害があっても利用できるハザードマップの作成を要請しました。
斉藤鉄夫国土交通大臣は、国交省ウェブサイトで災害リスク情報をまとめて提供する、重ねるハザードマップを音声読み上げソフトに対応させるなどの改善を、出水期を目指して取り組むと応じました。
本県でも、視覚障害者の方々が令和三年十二月の
知事と語る会で、課題と述べられていた重度心身障害者医療費のスマホを使った電子決済についても、県は昨年度、音声案内をできるようアプリを改良し、利便性の向上を図ったと承知しております。
そこで質問します。初めに、国においても省庁を越えて、視覚障害者の情報取得サポートの推進を目指しております。ユニボイスのアプリを使うことで容易に情報を取得することができます。まずは早急に、県が作成する印刷物へのユニボイスの活用を全庁的に推進し、視覚障害者の方々への普及を図ることが必要と考えますが、当局の御所見をお伺いします。
次に、今後、情報取得サポートなどのアプリ開発、提供がますます進むものと考えられますが、効果的な利用に向けては、情報の受け手である県民の側がデジタルに強くなることも重要だと考えますが、当局の御所見をお伺いします。
次に、子宮頸がん検診とHPVワクチン接種の推進についてお伺いします。
本質問は、今十二月議会ではお二人の議員が
発言され、私も令和三年十一月議会に続いて二回目の
発言をさせていただきます。
国の第四期がん対策推進基本計画では、誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指すとの全体目標が掲げられています。
令和三年十月一日に開催された第六十九回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会の資料、HPVワクチンの安全性・有効性に関する最新のエビデンスについてには、ワクチンの安全性に関し、HPVワクチンと自己免疫性疾患発症には関連はなかったこと、及びワクチン接種後と重篤な副反応との関連性を示すエビデンスは示されなかったことが記載されています。また、四価HPVワクチンの有効性が示されたとの結論が出されています。この科学的根拠により、HPVワクチンの積極的勧奨が再開され、さらに令和五年四月からは、九価HPVワクチンの定期接種が開始されました。
これまでに判明したエビデンスが上手に対象者に伝わらないまま、令和六年度末を迎えると、キャッチアップ接種が終了し、対象者が無料で接種できる機会を失うことになります。必要とされる三回の接種には半年間を要することから、キャッチアップ接種の三回を公費で完了するためには、令和六年九月末までに初回接種を開始する必要があり、早急な対応が必要となります。
イギリスの医学誌であるランセット・パブリック・ヘルスには、オーストラリアのHPVワクチン接種率が高いこと、また、検診受診率も日本が四割強であるのに比し、オーストラリアは五六・三%と高く、今後十年で子宮頸がんがほとんどなくなるという研究報告が発表され、二〇二八年までに子宮頸がん発病は、十万人に四例未満まで減る予測がされ、希少がんと呼ばれるレベルになるとのことです。
がんリスクが大きくなることを防ぐため、ワクチンを接種していても、二年に一回、子宮頸がん検診を受けることも必要です。
そこで質問します。子宮頸がん検診受診率を上げるための取組、また、キャッチアップ未接種者に対して、強く再度の勧奨をすべきと考えますが、当局の御所見をお伺いします。
さて、令和四年八月の、第十九回厚生科学審議会予防接種小委員会において、HPVワクチンの男性への接種定期接種化の是非を今後検討すること、最初のステップとして、男性を含めたHPV関連がんについて、科学的知見を取りまとめるファクトシートへの追記を国立感染症研究所に依頼することが合意されました。
日本では、HPVワクチンは女子のみの定期接種ですが、海外では男女ともに公費負担で接種できる国もあり、日本国内では十近くの市区町村で接種費用助成が開始、または開始の検討がされています。
昨年十一月には、当事者である男子大学生らが定期接種化を求める約一万五千名分の署名を厚生労働省に提出しています。子宮頸がんはワクチンで予防できる唯一のがんと言われており、男性へのHPVワクチン接種を進めることで、女性の未接種者に対して大きな注意喚起の意味合いも望めます。
そこで質問します。接種主体である市町村が、正確な知見をもって制度を検討できるよう、県としても男性へのHPVワクチン接種について積極的に情報提供を行っていくことが必要と考えますが、当局の御所見をお伺いします。
次に、富士山登山鉄道構想の技術的確認事項についてお伺いします。
県では現在、山梨県側の富士山五合目への交通システムを、車から次世代型路面電車、LRTに代替する富士山登山鉄道構想を提唱しています。
構想の基本コンセプトにおいては、既存の道路をそのまま使用し、新たな景観や環境への影響を抑制する、また、架線レスを前提に、先進的な技術導入に向けた検討・実証を行い、富士山にふさわしい交通システムの導入を目指すとしています。
そして、登山鉄道の技術的課題の項においては、登坂性能や制動性能、架線レスシステムの導入などについて、厳しい自然環境の富士山に対応できるよう、今後の検討・検証を行うことが求められるとしています。
まず、架線レスシステムの電車は実例がありますが、その多くは、自然環境がさほど厳しくない平地路線に導入されています。特に安全は譲れない条件であり、富士山のような厳冬期を含む厳しい自然環境や急勾配に対応できるかどうかは検証が必要だと考えられます。メーカーや専門家による技術面での課題、具体的な掘り下げが必要です。
次に、運行支障に関する対策として、雪や氷、落石など山岳地帯特有の運行支障に対する対策として、危険予測箇所への退避シェードの設置などの検討が必要と考えられます。
次に、LRTでの最急勾配は、宇都宮ライトレールでの六十パーミルの運行とされており、箱根登山鉄道は粘着式鉄道、静摩擦に頼って走行するLRTと同じく、いわゆる鉄道、鉄車輪を採用しています。
粘着式鉄道としては、日本で最大の勾配を登ることができ、富士山登山鉄道構想で想定されているのと同じく、その最急勾配は八十パーミルです。連続する急坂への技術的対応は未踏の領域であり、安全率を含め検討が必要と考えられます。
また、箱根登山鉄道では、古い技術ではあっても信頼性のある方式で、登山電車に散水タンクが装備され、走行中に車輪とレールの間に水をまくことで摩擦力を低下させ、何か所か存在する急カーブの脱輪を防止しています。この方式は、富士山登山鉄道でも踏襲されるものと考えられ、水の散布を行うことでの架線レスシステムでのLRT給電方式に危険や不具合が生じるおそれが存在し、技術的検討が必要であります。
さらに、ブレーキは四種類を想定されていますが、急勾配の富士山の厳冬期では、車両の登坂力と制動力が重要となります。特に下り坂では速度制限が必要と急カーブでの水散布が必要なため、相反する想定での制動力の確保が課題となります。
富士山のような厳しい自然環境下での運行は未知数であり、したがって、具体的な技術的掘り下げとともに繰り返しの実験、一側面でない多面的なデータ収集と蓄積、安全率に余裕を担保させるための検証結果の解析が、計画の実行に重要な判断基準になります。
そこで質問します。以上の五項目については、検討会への提案事項、検証項目、議会の判断基準として必要と考えられるものであり、富士山登山鉄道開設時にクリアしなければならない、ありたき姿として、特に重要度の高い必須の項目だと考えていますが、当局の御所見をお伺いします。
以上をもちまして、令和五年十二月議会での質問を閉じさせていただきます。御清聴、誠にありがとうございました。
46 ◯副議長(清水喜美男君)佐野弘仁君の質疑・質問が終わりました。
これより当局の答弁を求めます。
知事、
長崎幸太郎君。
(
知事 長崎幸太郎君登壇)
47
◯知事(
長崎幸太郎君)佐野議員の御質問にお答え申し上げます。
ただいまは、私の目指す豊かさ共創社会の実現に向け、善政競争をしながら、施策の立案から実行までお支えいただけるとの大変心強いお言葉を賜りました。
佐野議員におかれましては、社会の様々な不安から生活者を守るため、常に弱者の視点にも立って課題に取り組んでこられていることに対しまして、深い敬意と感謝を申し上げる次第であります。
私も、県民の皆様との対話を重ね、誰もが豊かさを実感できる山梨の実現を目指し、積極果敢に取り組んでまいりますことを固くお誓いをし、以下、答弁に入ります。
初めに、男性の働き方改革、育休取得率の向上についてです。
議員御指摘のとおり、男性の育休取得を進める上では、育休を取得しやすい環境づくりと人口減少対策としての実効性の確保が極めて重要であると考えております。このため、まずは県庁がモデルとなり、取得率一〇〇%と最低三か月間、在宅で育児に関わることを目標とした取組を県内外に広げてまいります。
具体的には、育休を取得しやすい環境づくりとして、対象職員に向けては、テレワークや時短勤務を組み合わせた柔軟なプランの提案などを行っております。加えて、業務応援を行った職員への手当加算制度や管理職などへの人事評価加点制度も新たに導入するとともに、全庁を挙げた業務の効率化も進めております。
また、実効性の確保に向け、三か月以上在宅で育児に関わることで夫婦間の信頼が深まり、次の子の出産や再度の育休取得につながることを目指しております。
これにより、八月以降、対象の男性職員二十四名全員が育休を取得する計画を作成し、三か月以上の在宅での育児を目指して、順次取り組んでいるところであります。
今後、管理職のマネジメント力の向上など、さらなる環境整備に取り組みながら、男性職員の育休取得を促進してまいります。
また、企業・団体には、働き方改革アドバイザーが、訪問時に育休取得の支援制度を紹介しているほか、経済団体を通じて表彰制度を周知しています。現在進めている働き方改革に関する調査を業種ごとに分析するなどを行い、御指摘の業種ごとの支援、表彰も含め、より効果的な施策を立案し、企業などにおける男性の育休取得促進に取り組んでまいります。
次に、水素エネルギー社会実現に向けた取組についてです。
国内外で加速する水素利活用の流れは、関連産業の振興と集積に取り組んできた本県にとりまして大変な好機であり、県内企業の参入促進と企業誘致を進めております。
まず、参入促進につきましては、新設した支援窓口を中心に、P2G関連企業や県外企業への発注開拓など、受注獲得に向けた支援を鋭意進めております。
先日は、P2G関連の世界的企業を招き、技術ニーズを県内企業が直接聞ける場を提供したところ、貴重な機会として大変活発な意見交換が行われました。P2Gシステムや山梨大学など、優位性を生かした支援により企業参入を促し、研究開発のみならず、ものづくりも含めた関連産業の集積を進めてまいります。
続いて、企業立地の推進につきましては、本県にはインフラ、知見の集積、手厚い助成制度など誇るべき強みがあり、企業訪問などで積極的にPRをしております。加えて、メディアに取り上げられるよう、経済部記者などを招いたプレスツアーを来年二月に開催するとともに、参加者へ継続的に情報発信をしてまいります。
また、グリーン水素の先進地であります米倉山の機能強化に向けて、水素パイプラインなどの整備をするとともに、企業の開発行為に必要な基礎条件整備を早急に進めてまいります。
なお、ロードマップにつきましては、議員御指摘のとおり、策定時に比べ環境が大きく変化していることから、必要な見直しを行うことといたします。
一方、国際競争が激しさを増す中、企業立地を進めるためには、我が国が技術的優位性を持つ分野で企業の国内投資を促す環境整備も必要であります。この点、全国
知事会などを通じて国へ訴えてきましたが、エネルギー安全保障や経済成長の観点から、引き続きあらゆる機会を捉え、働きかけてまいります。
カーボンニュートラル推進のトップランナーとなり、一日も早い水素社会の実現に貢献するとともに、この動きを本県経済の発展につなげてまいりたいと考えております。
次に、視覚障害者の情報取得サポートについてです。
視覚障害のある方が安心して日常生活を営むためには、一人一人の障害特性に応じ、円滑に情報取得ができる環境整備が極めて重要であると考えております。このため、議員御指摘のユニボイスにつきましても積極的な活用を図ることとし、まずは手話言語条例の啓発リーフレットに取り入れたところです。
今後は、県が作成する印刷物へのユニボイスの活用を順次拡大し、行政情報を音声で提供できる体制を整えてまいります。その際には、視覚障害者団体の御意見を伺いながら、障害のある方々にとってより必要性の高い情報から優先して発信するとともに、できるだけ早期に、全ての一般広報印刷物に導入できるよう努めてまいります。
また、県公式ホームページでも、視覚障害のある方が最新の県政情報を取得できるよう、音声読み上げ機能を実装しております。
次に、情報取得サポートのアプリなどを効果的に活用するためには、情報の受け手側もデジタル技術を使いこなすスキルが必要であります。このため、それぞれのニーズに応じた研修などを通じまして、基礎的なデジタルリテラシーの底上げを図ることで、効果的な情報取得をサポートしてまいります。
次に、子宮頸がん検診とHPVワクチン接種の推進についてです。
子宮頸がん検診の受診率向上に向けましては、県産婦人科医会や山梨大学医学部附属病院と連携した取組を進めております。
まず、子宮頸がんや検診についての理解を深めるための情報や検診が可能な医療機関の
一覧などを掲載した専用サイトを開設しております。また、大学キャンパスでの検診の実施や企業に出向いての啓発など、一人でも多くの女性が受診の機会を得られるように受診率の向上に努めています。
これらによりまして、本県の子宮頸がんの検診受診率は、令和四年に初めて五〇%を超え、全国トップレベルの水準となっております。
次に、キャッチアップ接種ですが、昨年度、県内市町村で全ての対象者に勧奨を行っておりますが、議員御指摘のとおり、来年度末をもって制度が終了いたします。県では、キャッチアップ接種を希望される方が機会を逃すことがないよう、市町村に対し、再度の勧奨の実施を働きかけてまいります。
さらに、男性へのHPVワクチン接種につきましては、女性へのウイルス感染を防ぐ効果やHPVに起因する他の疾病を予防する効果が期待されています。
県としては、国の審議会における最新の検討状況の把握や、全国の市区町村における助成制度の事例を調査し、正確な情報を市町村に提供してまいります。
最後に、富士山登山鉄道構想の技術的確認事項についてです。
県では、富士山登山鉄道構想のさらなる検討の深掘りに向けまして、事業スキームや技術的課題、法制度について検討する専門家会議を十月に発足させました。議員御指摘の五つの技術的確認事項につきましては、現在、技術課題検討部会において調査・検討を行っております。
まず、架線レスシステムにつきましては、バッテリー方式やワイヤレス給電などの方法があります。その中から航続距離、必要となる設備、冬期への対応といった観点で検討を進めてまいります。
次に、退避シェードの設置につきましては、五合目駅舎に半地下構造のシェルターを整備するほか、途中駅にも設置する予定であります。
最急勾配への対応につきましては、海外において百パーミルを超えるLRTもあることから、検討部会において、こうした事例も研究してまいります。
架線レスの給電方式における水による危険や不具合への対応につきましては、議員の御指摘を踏まえ、今後しっかりと検討を行ってまいります。
最後に、制動力の確保につきましては、回生ブレーキのほか、機械式やレール粘着式、圧着式など複数のブレーキを搭載予定であり、安全性を慎重に検証します。
今後も引き続き、検討部会において、技術的な確認事項の調査・検討を進め、エビデンスに基づく検討結果を県議会はじめ県民の皆様にお示ししてまいります。
いずれにしろ、重要な論点につきまして御指摘をいただいたことに深く感謝を申し上げます。県としては、五合目への理想的な交通システムを現実の課題として議論を進めていくに当たり、様々な視点からの御指摘を大いに歓迎するものであります。
現在、私たちが提案しているLRTにつきましては、いただいた検討課題も含め、しっかりと研究・検証を進めてまいります。また、LRT以外の具体的な提案につきましても、しっかりと吟味、勘案をし、議論の熟度を高めてまいります。
以上をもちまして私の答弁といたします。その他につきまして、担当からお答え申し上げます。
48 ◯副議長(清水喜美男君)感染症対策統轄官、成島春仁君。
(感染症対策統轄官 成島春仁君登壇)
49 ◯感染症対策統轄官(成島春仁君)佐野議員の帯状疱疹ワクチンについての御質問にお答えします。
帯状疱疹は、八十歳までに三人に一人が罹患するとされ、後遺症や関連死を伴うだけではなく、慢性疼痛など日常生活に影響を及ぼす合併症を伴う疾患でございます。特に高齢化が進む本県では、対応が必要な疾患であると認識しております。
発症の予防として、任意接種である帯状疱疹ワクチンが有効とされており、接種により発症率の低減や重症化の予防などの効果が期待されております。
一方、接種するワクチンにつきましては、その効果のみならず、副反応や健康被害の対応などについても十分検討する必要がございます。
こうした点を踏まえまして、県としましては、議員御指摘のとおり、帯状疱疹ワクチン接種は、予防接種法に基づく定期接種として、国が一律で行うべきであると考えております。このため、全国衛生部長会を通じまして、国に対し、接種の安全性を十分に検討した上で、早期に定期接種化するよう要望しているところでございます。
現在、厚生労働省の審議会において、帯状疱疹の特性、ワクチンの有効性・安全性及び費用対効果など、定期接種化に向けた検討が行われているところでございます。
こうした審議会の動向も注視するとともに、定期接種化に向けた検討が加速するよう、引き続き国へ働きかけるなど適切に対応してまいります。
以上でございます。
50 ◯副議長(清水喜美男君)当局の答弁が終わりました。
佐野弘仁君に申し上げます。再質問はありませんか。
51 ◯佐野弘仁君 ございません。
52 ◯副議長(清水喜美男君)これをもって、佐野弘仁君の一般質問を打ち切ります。
暫時休憩いたします。
午後二時四十四分休憩
───────────────────────────────────────
午後三時零分再開議
53
◯議長(
水岸富美男君)休憩前に引き続き会議を開きます。
日程第一及び日程第二の議事を継続いたします。
この際申し上げます。
一問一答により質問を行う議員は、一問一答用質問演壇において行ってください。
また、この答弁については、最初の答弁のみ演壇で行い、それ以降は自席で行うことといたします。
発言の通告により、向山憲稔君に二十分の
発言を許します。向山憲稔君。
(向山憲稔君登壇)(拍手)
54 ◯向山憲稔君 自民党信明会の向山憲稔です。今定例会に提出されました案件並びに県政一般について質問いたします。
最初に、半導体関連産業のさらなる集積についてお伺いします。
日本国内において半導体が地域経済を牽引しております。コロナ禍でのテレワークや巣ごもり需要によって、パソコンやクラウドサービスの需要が急拡大し、世界半導体市場統計によると、半導体市場は二〇二一、二〇二二年に急激な伸びを記録し、来年は市場規模が五千八百八十三億ドルに上り、過去最高を更新するとの予測も発表されました。
我が国においては、経済安全保障の面から供給網の見直しが進み、国内への生産回帰で新規の投資が拡大しており、国の今年度の補正予算でも半導体の生産能力増強に二兆円を計上。経済産業省の会議では、二〇三〇年までに十二兆円規模の官民による投資を行い、関連企業の売上高を押し上げる方針を示しています。
北海道や九州で大規模な工場の建設計画が話題となり、半導体関連産業が集積する山梨などでは、GDPがコロナ前を超えるとともに、甲斐市では半導体大手のルネサスエレクトロニクスが八年前に閉鎖した工場を来年春に再稼働させるなど、さらなる成長が期待できます。
そこで質問します。かつての日の丸半導体復活で半導体関連産業に対する官民を挙げた取組が進む中、工場誘致や人材確保など、山梨県としてはこれまでどのように取り組んできたのか。
また、生成AI、人工知能や電気自動車、EVなど新たな分野の成長により、さらなる活況が見込まれていますが、山梨県としてどのように産業集積を図っていく考えか、見解をお伺いします。
55
◯議長(
水岸富美男君)
知事、
長崎幸太郎君。
(
知事 長崎幸太郎君登壇)
56
◯知事(
長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答え申し上げます。
工場誘致につきましては、県助成金を活用し、この五年で二百一億円の設備投資や百五十七人の雇用をもたらし、今後も一千億円程度の投資が公表されております。
人材確保につきましては、県特設サイトにおける特色ある企業情報の紹介、就職説明会の大幅拡充、奨学金返還支援制度といった施策を展開しております。
また、さらなる大規模投資を呼び込むため、助成金の限度額を五十億円に引き上げ、半導体など成長分野の集積を図るため、助成率を上乗せしたところです。
今後、三千社に対する立地計画などの調査結果を活用し、立地意向のある企業へ本県の優位性をアピールすることで産業の集積を図ってまいります。
以上です。
57
◯議長(
水岸富美男君)向山憲稔君。
(向山憲稔君登壇)
58 ◯向山憲稔君
知事から御答弁をいただきました。工場誘致等の実績を確認できました。
国は半導体の分野について、二〇三〇年までに国内売上高の目標として十五兆円を掲げて、種類ごとの戦略をまとめたロードマップも示しております。加えて、国の示す新たな経済対策においては、半導体関連産業を集積する地域のインフラ整備の支援に関し、自治体向けの新たな交付金を創設する方針です。
全国各地で半導体工場の誘致が行われる中で、答弁にもありましたとおり、山梨県が進める助成金の限度額五十億円への引上げ等が突破口となって、さらなる誘致、産業集積が進むことを期待しております。
次に、市街化調整区域における取組についてお伺いします。
国は半導体や蓄電池などの工場の立地を後押しするため、開発が制限されている市街化調整区域でも開発許可手続の緩和を行う方針を示しました。
具体的には、市街化調整区域で自治体が計画を策定して工場の立地を許可できるようにするほか、複数の省庁が関与する農地転用の手続について、手続の迅速化を図り、開発許可の大幅な期間短縮を目指しています。
こうした規制緩和を利用して、山梨県内において、半導体関連産業の工場誘致等への取組をさらに進めてほしいと願います。特にリニア中央新幹線の新駅がある甲府都市計画区域の南部地域は市街化調整区域が多く、半導体の生産開発拠点として国と地方自治体が連携・協働して取り組むことができる適地となり得るのではないでしょうか。
そこで質問します。国の規制緩和等を踏まえて、県内の市街化調整区域等への半導体関連産業の誘致についてどのように取り組む考えか、見解をお伺いします。
59
◯議長(
水岸富美男君)産業労働部長、
染谷光一君。
60
◯産業労働部長(
染谷光一君)ただいまの御質問にお答えいたします。
県は半導体関連産業を成長分野に位置づけ、市町村と連携して企業誘致や事業拡大に積極的に取り組んでおります。
市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域でございますが、市町が地権者や関係機関と協議し、地区計画策定などの手続を行えば産業用地にできる場合がございます。
先般、国は経済対策で市街化調整区域での開発許可を得るための要件を緩和することや土地利用調整手続に要する期間の短縮の方針を示しております。
今後も国の動向も踏まえ、必要な情報収集を行うとともに、市町とも十分に意思疎通を図って、国制度に関する助言などの支援を行ってまいります。
以上でございます。
61
◯議長(
水岸富美男君)向山憲稔君。
(向山憲稔君登壇)
62 ◯向山憲稔君 部長から御答弁いただきまして、これまでの一般質問でも取り上げておりますけれども、リニア新駅の近郊エリアについては、県と市が連携して産業系用途での開発と市街化区域の拡大に向けて取り組む方向性が示されております。加えて、駅南側エリアの十一・五ヘクタールについては、甲府市が公的活用と民間活用の二つのゾーンに分けて整備計画を策定する予定であります。
静岡の問題はありますけれども、山梨県の未来を大きく変えるであろうリニア中央新幹線の開業に向けて、新駅周辺開発と絡めながら、市街化調整区域の在り方を議論してほしいと思います。
国の制度に関する助言などの支援ということもありましたけれども、ぜひ県と市が一体となって、場合によっては県がリードしながらまちづくりを進めていただきたいと思います。
次に、リニア新駅と富士山のアクセス向上についてお伺いします。
リゾートと首都機能を掛け合わせる富士五湖自然首都圏構想に向けた取組が長崎
知事を先頭に進んでいます。豊かな自然の中で生活して余暇を楽しみながらも、首都圏の民間企業や公的機関で働く新たなワークライフスタイルを実現し、将来的には、大規模な学会などが開催できる国際会議場の整備、ホテル、レストラン、レジャー施設などを誘致し、通称ダボス会議が毎年開催されるスイスのスキーリゾート、ダボスに匹敵するエリアを目指すと、今定例会の所信表明でも示されました。
地方で開催される国際会議は、各地に大きな経済効果を生み出します。岡山県倉敷市では、先進七か国G7の労働雇用相会合が開催され、その経済効果は、市の開催経費の約十四倍となる、推計十億円以上に上ったという数字も出ています。
自然首都圏構想の下、いわゆるビジネスイベントの総称であるMICE施設が整備されて、ダボス会議に並ぶ山梨会議が実現すれば、経済波及効果は絶大だと考えます。
また、構想実現の一つとして富士山登山鉄道も議論されていますが、首都圏と山梨を短時間で結ぶリニア中央新幹線を最大限活用する方策についても議論を深めてほしいと思います。
推進組織の富士五湖自然首都圏フォーラムは、富士北麓地域の自治体が中心で、甲府圏域の自治体は入っていません。リニアインパクトを最大限にするため、甲府圏域の自治体も加えて構想実現を図る必要もあるのではないでしょうか。
その中で例えば、登山鉄道に導入を検討している次世代型路面電車、LRTをリニア新駅まで延伸する、またはリニア新駅と富士山を結ぶ新たなトンネルや道路などのインフラを整備するなどの計画を打ち出して実現することができれば、さらなる魅力向上になるはずです。
県は、新世代の空飛ぶクルマの実用化に向けた取組を進めていると承知していますが、リニア新駅がある甲府圏域と富士北麓地域を新たなインフラによって直結することが県全体の利益につながると思います。
そこで質問します。リニア新駅と富士山をつなぐ交通手段について、今後どのように進めていく考えか、見解をお伺いします。
63
◯議長(
水岸富美男君)
知事、
長崎幸太郎君。
64
◯知事(
長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答え申し上げます。
リニア中央新幹線の開業効果を最大限発揮するためには、リニア山梨県駅と県内各地との良好なアクセスを確保する必要があります。
富士北麓地域へのアクセスにつきましては、現時点においては、新たな御坂トンネルなどの道路整備に加えまして、空飛ぶクルマについて技術動向を注視しつつ、導入可能性を研究しているところです。
なお、議員御指摘の自然首都圏フォーラムへのリニア山梨県駅近郊の自治体、甲府圏域の自治体の参加はすばらしいアイデアだと考えます。ぜひとも今後そのように進めてまいりたいと思います。その上で、ぜひLRTによる連結についても大いに議論をしていただきたいと思います。
以上です。
65
◯議長(
水岸富美男君)向山憲稔君。
(向山憲稔君登壇)
66 ◯向山憲稔君
知事から自然首都圏フォーラムの在り方、構成等について前向きな御答弁をいただきました。
中核市となった甲府市を含む九市一町は、県央ネットやまなしというものを構成しています。この中枢都市圏の県央ネットやまなしは、南アルプスユネスコパークなどの豊かな自然を生かし、リニア新駅を核とした圏域づくりを目指しております。中枢都市圏の機能も生かして富士北麓地域と連携をして自然首都圏を目指すことができれば、県内全域での機運醸成にもつながるのではないかと考えます。
仮にリニア新駅と富士山をLRTなどで結ぶにしても、議論となっている富士山登山鉄道を実現するにしても、巨額の建設費用が課題となります。
ここで、これは個人的な見解ですけれども、構想実現を目指すのであれば、カジノを含むIR、統合型リゾートの誘致を今こそ検討すべきと考えます。
四年前の十二
月定例会一般質問でも提案したIR誘致ですけれども、現在は大阪だけで進められていて賛否両論はあるものの、雇用創出、消費拡大、民間投資など巨大な経済効果が見込まれています。ダボスにもカジノは存在します。ダボスと匹敵するエリアを実現するためには、カジノ、IRの誘致による財源捻出とまちづくりを目指してはいかがかと思います。
経済波及効果が一兆円を超えるとも言われるIRが現実のものとなれば、壮大なインフラ計画も実現可能だと考えます。いずれにしても、山梨県が世界に打って出る大きなチャンスとしてリニア開業、そして新駅と富士山を結ぶ新たなルートの開発を期待したいと思います。
次に、甲府城周辺における県と市が連携した観光振興についてお伺いします。
モデルの冨永愛さんが女性として初めて信玄公役を務めた第五十回信玄公祭りは、過去最多の二十三万五千人が来場するなど大盛況となりました。甲州軍団が出陣した甲府城をはじめ甲府市中心市街地には、インバウンド客の姿も多く見られ、県内外に甲府・山梨の魅力を発信する絶好の機会になったと思います。
衰退が叫ばれて久しい中心市街地ですけれども、コロナ前の二〇一八年には、甲府市開府五百年記念事業の一環として東京ディズニーリゾート三十五周年スペシャルパレードが実施され、約十二万人が平和通りを埋め尽くしたこともありました。
信玄公祭りやディズニーパレードは、コンテンツが充実さえすれば、中心市街地であっても、大規模集客は可能だということを明らかにしています。官民が一体となった魅力づくりが、県と甲府市に求められています。
甲府市は小江戸甲府城下町整備プランに基づき、甲府城南側エリアの整備を進めています。整備プランでは、甲府城南側を市内の各拠点とつなぐ新たな歴史文化のランドマークとして、回遊性の向上、にぎわいの創出につながる整備を計画しています。
一方、県は史跡甲府城跡整備基本計画に基づき、内堀の復元などを事業化しています。これは、二〇一九年に策定した県総合計画の中で、史跡甲府城跡の適切な継承と中心市街地の活性化を掲げており、その一つとして実行しています。
しかし、本年策定した総合計画では、史跡等文化財の適切な継承と保存による地域活性化とだけ記されています。
そこで質問します。総合計画において、中心市街地の活性化という文言は見られなくなりましたが、観光、産業の側面から、県としてどのように甲府城周辺の活性化に関わっていくのかお伺いします。
67
◯議長(
水岸富美男君)観光文化・スポーツ部長、落合直樹君。
68 ◯観光文化・スポーツ部長(落合直樹君)ただいまの御質問にお答えいたします。
甲府城南側エリアの整備につきましては、議員御指摘のとおり、にぎわいの空間づくりを甲府市が、お堀や石垣など歴史的空間の整備を県が行う役割分担で進めているところでございます。
今後、甲府市において、甲府城下町の整備プランの具体化に向けた作業が進められると伺っております。県では、甲府城の調査研究成果を甲府市に提供し、歴史景観の視点から助言を行うなど、観光資源としての魅力を高める支援を行ってまいる所存でございます。
以上でございます。
69
◯議長(
水岸富美男君)向山憲稔君。
(向山憲稔君登壇)
70 ◯向山憲稔君 部長から県と市の役割分担の部分で答弁いただきましたけれども、ここで再度確認をしたいのですが、新たな総合計画の中では中心市街地の活性化という文言がない状態です。県の主要施策としてのにぎわいづくりに取り組んでいく考えがあるのか、再質問をしたいと思います。
71
◯議長(
水岸富美男君)観光文化・スポーツ部長、落合直樹君。
72 ◯観光文化・スポーツ部長(落合直樹君)ただいまの再質問にお答えいたします。
県としましては、歴史景観の観点から、観光資源として甲府市の振興計画に協力してまいる所存でございます。
以上であります。
73
◯議長(
水岸富美男君)向山憲稔君。
(向山憲稔君登壇)
74 ◯向山憲稔君 歴史景観の部分でというところで御答弁をいただきましたけれども、県と市のスタンスの違いが少しあるのかなと感じました。
そんな中で、中心市街地では岡島百貨店の跡地の再開発という一大事業も進んでおります。これも委員会等で繰り返し意見しておりますけれども、単なる補助金事業とするのではなくて、県と市でまちづくりの方向性を広く県民に示してもらう機会としていただきたいと思います。活性化という旗印の下、費用対効果を見誤らないようにして、次世代につながるまちづくりになることを期待します。
次に、甲府城周辺における景観保全等に関する要望についてお伺いします。
今年六月に県考古学協会などが、甲府城跡と城下町遺跡の景観保全などを求める要望書を提出しました。要望書では、高さ制限など景観保全のための施策等を検討するよう求めています。甲府市にも同様の要望書が提出され、岡島百貨店跡地の再開発など高層ビルの建設を踏まえた動きと見られます。
景観保全及び文化財保護は当然に取り組むことである一方で、過度の規制によって地域発展に必要な開発が抑制されるようなことは避けなければなりません。文化財の保存と活用、バランスを取って進めてほしいと思いますが、県に出された景観保全等に関する要望について見解をお伺いします。
75
◯議長(
水岸富美男君)観光文化・スポーツ部長、落合直樹君。
76 ◯観光文化・スポーツ部長(落合直樹君)ただいまの御質問にお答えいたします。
甲府城及びその周辺は、文化財保護法の規制を受ける埋蔵文化財包蔵地であり、県と甲府市それぞれの権限により、開発に伴う発掘調査などに対応しているところでございます。
また、景観保全に関する権限は甲府市に帰属しており、市の景観条例や景観計画に基づき、甲府城周辺地域の景観形成が図られているところです。
県では、要望のありました史跡甲府城跡の調査研究と保存の徹底に努めるとともに、整備基本計画に基づき追加指定などの取組を着実に進めてまいります。
以上でございます。
77
◯議長(
水岸富美男君)向山憲稔君。
(向山憲稔君登壇)
78 ◯向山憲稔君 ぜひ県としても各種団体、住民の皆さんの理解を得られるように取り組んでほしいと思います。
次に、民間団体を生かした観光の取組についてお伺いします。
コロナ禍を経てようやくインバウンドを含めた観光需要が回復しつつある中、より質の高いおもてなしを官民協働でつくり出す必要があります。観光地の魅力を伝える上で、ボランティア観光ガイドは大きな役割を果たしています。
甲府市においては、武田神社の信玄ミュージアムなどで市から支援を受ける観光ガイド、また甲府城においては、県から支援を受ける甲府城御案内仕隊の方々が観光ガイドを担っています。
歴史文化をより深く知る機会が得られると観光客から好評だと承知していますが、一方で、観光地で活動するボランティア同士の横のつながり、連携する機会が少ないとの話を聞くことがあります。
観光資源の魅力を最大限に引き出すため、活躍するボランティアの方々の連携を図るとともに、官民ともに観光客を受け入れる体制を構築して観光振興につなげてほしいと考えますが、見解をお伺いします。
79
◯議長(
水岸富美男君)観光文化・スポーツ部長、落合直樹君。
80 ◯観光文化・スポーツ部長(落合直樹君)ただいまの御質問にお答えいたします。
甲府市のみならず、地域の観光ボランティアガイドの方々は、地元自治体や観光協会が中心となって連携し活動していただいているところでございます。
また、市町村をまたぐ広域的な連携につきましては、県が主体となって交流会を開催するなど、観光ボランティア相互の連携強化を図ってまいる所存でございます。
以上でございます。
81
◯議長(
水岸富美男君)向山憲稔君。
(向山憲稔君登壇)
82 ◯向山憲稔君 部長から答弁いただきましたけれども、ここで再認識するのは、甲府城御案内仕隊は、当時の山梨県の観光振興課がボランティアを募って結成した団体であるということです。だからこそ、今回も県と市のボランティアガイドの連携をこの質問で取り上げさせてもらいました。
先月、甲府城御案内仕隊の皆さんの案内で甲府城を改めて見学をする機会がありまして、また、今年の八月には、農政産業観光委員会の県外調査で宮城県の仙台城跡を訪れた際も現地の観光ボランティアの方から丁寧で分かりやすい説明をいただきました。いずれの地でもボランティアさんの熱い想いに触れるとともに、ふだん気づかない新しい発見をいただきました。
共通していたのは、どちらの団体の方も、行政のサポートも必要だとおっしゃっていたところです。想いある皆さんの活動がより生かされるように、民間団体同士の連携、官民の協働が進むよう取り組んでいただきたいと思います。
次に、公文書の管理についてお伺いします。
公文書は、歴史を後世に伝えるだけでなく、様々な事業を将来検証する際にも必要となる資料として不可欠なものです。
県内には公文書や民間資料を保持する公文書館が設置されていませんが、県立図書館ほか四つの施設がおのおのに管理することになっています。複数の施設に歴史資料が散在するケースは珍しく、また、関東近郊において公文書館が未設置なのは山梨県だけということもあり、適切な資料の管理を求める有識者の意見もあります。
実際に弊害も出ていると感じます。昨年六
月定例会で空港整備に関して質問した際、過去の関連資料が廃棄処分されていたことが分かりました。予算を投じて作成した一九九二年当時の検討委員会の報告書及び二〇一〇年の庁内検討委員会の最終報告書が、行政文書の保存期間が過ぎていることを理由に処分され、閲覧できない状態となっていました。本来であれば、現在の議論に生かせる資料だったはずですが、形式的に廃棄処分してしまった判断が正しかったのか疑問が残ります。
こうしたことも踏まえ、県における公文書や歴史的資料がどのように保存・管理されているのかお伺いします。
83
◯議長(
水岸富美男君)総務部長、
関口龍海君。
84
◯総務部長(
関口龍海君)ただいまの御質問にお答えをいたします。
本県におきましては、保存期間を終えた行政文書のうち、歴史的な価値のあるものについては、県立図書館や県立博物館などの施設に移管することとしております。
これらの文書は、県立図書館は近代以降の資料を、県立博物館はそれ以前の古い文書を扱うこととするなど、各施設間で役割分担をして管理をしているところでございます。
以上でございます。
85
◯議長(
水岸富美男君)向山憲稔君。
(向山憲稔君登壇)
86 ◯向山憲稔君 総務部長から御答弁いただきましたけれども、県はコロナ対策の過程で得た知見や経験を後世に生かすため、新型コロナウイルス感染症対応の検証記録業務を行いました。速やかな記録化と第三者による客観的な評価を得る点で重要な取組だと評価できますけれども、この膨大な関連資料を今後、どのように保存・管理していくのかが課題だと考えます。そういった意味でも、文書を保存するのか処分するのかという判断は高度な見識が求められます。
そこで次に、公文書館の設置及びアーキビストの採用についてお伺いします。
貴重な資料を管理するためには、専門知識を持った職員が求められ、公文書館には専門職員のアーキビストが設置されることになっています。
このアーキビストとは聞き慣れない職業ですけれども、組織において日々作成される膨大な記録の中から、世代を越えて永続的な価値を有する記録を評価・選別し、将来にわたっての利用を保障するという極めて重要な役割を担います。公文書館が設置されていない山梨県において、文書を管理する各施設にアーキビストは配置されていません。
そこで質問します。公文書館の設置とともに専門職員アーキビストを配置して、公文書や歴史的資料を一括管理することが将来の山梨県の財産にもなると考えますが、見解をお伺いします。
87
◯議長(
水岸富美男君)
知事、
長崎幸太郎君。
88
◯知事(
長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答え申し上げます。
まず、公文書館の設置ですが、まずは県庁内の文書庫などの既存施設を有効活用し、歴史資料を一括で管理できる体制を整えてまいりたいと考えております。
また、公文書管理の専門資格でありますアーキビストにつきましては、令和二年度に創設されたばかりであり、現時点において有資格者が少なく、都市部に偏っている状況にあります。
このため当面は、職員に国立公文書館が実施する研修へ参加させることによりまして、公文書の管理に必要となる専門的な知識を持つ職員の養成に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
89
◯議長(
水岸富美男君)向山憲稔君。
(向山憲稔君登壇)
90 ◯向山憲稔君
知事から御答弁いただきました。先日、山梨県出身の歴史学者の方と公文書管理について意見交換する機会がありまして、その中で印象に残っているのは、公文書管理は、現在と未来の県民に対する行政の責任という言葉をいただきました。費用面もありますけれども、創意工夫をした上で、適切な管理・保存ができる体制の構築をお願いしたいと思います。
また、DX等を活用した保存方法も含めて、効率的かつ、また透明性ある公文書管理を検討していただきたいと思います。
次に、中小・小規模事業者に対する省エネ・再エネ設備導入加速化事業費補助金についてお伺いします。
山梨県は、原油などエネルギー価格の高騰に向き合う事業者に対する支援として、中小・小規模事業者等に省エネ・再エネ設備の導入に向けた助成金を三度にわたって予算執行してきました。多くの事業所及び関連業者に対する支援策で、光熱費の負担軽減に加えて脱炭素化も期待できる、そして経済波及効果もあった事業だと評価しています。
そこで質問します。これまでの事業に関する利用実績とその評価についてお伺いします。
91
◯議長(
水岸富美男君)産業労働部長、
染谷光一君。
92
◯産業労働部長(
染谷光一君)ただいまの御質問にお答えいたします。
この補助金につきましては、これまで三次にわたる募集を行っており、一次、二次を合わせた交付決定は七百七十八件、約十六億円となっております。三次募集では七百三十件、予算額と同水準の約十五億円の申請を受けたところであります。
事業者の皆様からは、物価高騰の中、エネルギーコストの削減につながったとの声が寄せられており、高い評価をいただいているものと考えております。
以上でございます。
93
◯議長(
水岸富美男君)向山憲稔君。
(向山憲稔君登壇)
94 ◯向山憲稔君 御答弁いただきまして、私のところにも好意的な意見をいただいておりますけれども、それを踏まえて、来年度予算における事業継続の考え方についてお伺いします。
現在も電気料金や原材料価格の高騰は続いており、多くの事業者や小規模事業者から制度の継続を求める声も聞いています。これまでも補助額の下限の引下げ、対象範囲の拡大など助成制度の充実を図ってきたことは承知しておりますけれども、来年度予算においても制度と補助金を継続して、省エネ・再エネ設備の導入促進を進めるべきと考えますが、見解をお伺いします。
95
◯議長(
水岸富美男君)産業労働部長、
染谷光一君。
96
◯産業労働部長(
染谷光一君)ただいまの御質問にお答えいたします。
この補助金は、中小企業の皆様から高い評価をいただいております。事業の継続につきましては、こうした状況や国における物価高騰対策の補正予算の成立を受け、速やかに検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
97
◯議長(
水岸富美男君)向山憲稔君。
(向山憲稔君登壇)
98 ◯向山憲稔君 ぜひ様々な好意的な意見も受け止めて、来年度予算のほうで検討していただきたいと思います。
次に、動物虐待への対応についてお伺いします。
山梨県内で足が切断された姿の猫が複数保護・確認されています。狩猟用のわな、トラバサミを使った犯行、または鋭利な刃物で切りつけられた可能性もあり、新聞やテレビで取り上げられて全国的な注目を集める事態になりました。
こうした現状を踏まえて、南甲府署を中心にパトロールも実施されたと承知していますが、県として現状をどのように把握をしているのか、どのように対応しているのか、見解をお伺いします。
99
◯議長(
水岸富美男君)福祉保健部長、
井上弘之君。
100
◯福祉保健部長(
井上弘之君)ただいまの御質問にお答えします。
県では本年十月、一部の足を失った猫がいるとのボランティアからの通報を受け、現地を調査しましたが、違法なわなは発見できませんでした。また、わなの使用許可について、地元の昭和町、中央市に確認したところ、両市町に許可を受けた方はいませんでした。その後、警察署、両市町及び保健所が合同でパトロールを行い、危険なわなの設置防止と負傷動物発見時の通報を呼びかけたところでございます。
以上でございます。
101
◯議長(
水岸富美男君)向山憲稔君。
(向山憲稔君登壇)
102 ◯向山憲稔君 ありがとうございます。県だけではなくて、県警による捜査もあると思いますけれども、事件によって不安に思う方々もいらっしゃると思います。ぜひ関係機関と協力をして対策を行っていただきたいと思います。
今回の事件は、何者かによって故意に行われた仕業とすれば、許されない行為だと思います。
県は、人と動物が共生する社会を実現するため、昨年度から飼い主の有無を問わず、猫の不妊去勢手術を行う場合の助成制度を大幅に拡充して、全ての市町村と連携して取組を進めています。最終的に殺処分数ゼロを実現するとともに、アニマルウエルフェアなどの施策と相まって動物愛護の先進県として全国をリードできるはずです。
昨年七月には、関係団体やボランティアが結束して機運の醸成を図るため、決起集会として、人と動物の共生社会キックオフミーティングも開催しております。今回の問題は、そうした運動の高まりや機運醸成を妨げることにもつながりかねません。
今回の件にかかわらず、地域猫活動の不理解・不認識は各地域に残っているのが現状だと思います。小さな命を救うため、残虐な行為を起こさせないためには、動物愛護の精神を広める取組が重要になりますが、見解をお伺いします。
103
◯議長(
水岸富美男君)福祉保健部長、
井上弘之君。
104
◯福祉保健部長(
井上弘之君)ただいまの御質問にお答えします。
これまで県では、動物愛護デーのイベントや動物愛護教室の開催、地域猫活動への支援などを通じ、県民の意識の向上を図ってきました。特に動物愛護教室では、小学生を中心に動物の命の大切さを学ぶ機会を提供しております。
本年度は、新たに動物愛護専用のポータルサイトを開設し、関連の情報について県民により分かりやすく発信していきます。
以上でございます。
105
◯議長(
水岸富美男君)向山憲稔君。
(向山憲稔君登壇)
106 ◯向山憲稔君 御答弁いただきまして、日々動物と向き合っている民間団体の皆さんのお力も借りて、一人でも多くの方に地域猫の考え方や動物と共生の在り方を理解してもらえるような取組を進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
最後に、グラウンド・ゴルフ競技の支援についてお伺いします。
グラウンド・ゴルフは、四十一年前に鳥取県内で生涯スポーツの一環としてスタートして以降、今や高齢者をはじめジュニア世代も親しむなど、生涯スポーツの代表的な競技となっております。人口比率における山梨県内の競技人口は多く、県民の健康寿命を支えるスポーツと言ってもいいと思います。
そこで質問します。大会開催やプレー環境の確保など、グラウンド・ゴルフのさらなる普及について、県としてどのように支援していく考えかお伺いします。
107
◯議長(
水岸富美男君)観光文化・スポーツ部長、落合直樹君。
108 ◯観光文化・スポーツ部長(落合直樹君)ただいまの質問にお答えいたします。
グラウンド・ゴルフは山梨県グラウンド・ゴルフ協会などの御尽力により普及が進んでいるものと認識しております。県といたしましても、スポーツ・レクリエーション祭への助成などを通じ、協会の活動を引き続き支援してまいります。
以上でございます。
109
◯議長(
水岸富美男君)向山憲稔君。
(向山憲稔君登壇)
110 ◯向山憲稔君 ぜひ人口比率の多い、山梨県内の競技人口の多さも考えて取組を進めてほしいと思います。
その上で、グラウンド・ゴルフ専用のグラウンド整備についてお伺いします。
ほかの県では、日本グラウンド・ゴルフ協会から認定されたコースが整備されて、さらにグラウンド・ゴルフが盛り上がりを見せているところもございます。
競技人口の多い山梨県では専用グラウンドの整備を求める声が出ていますけれども、専用グラウンドの整備について、県としてどのように考えるのかお伺いします。
111
◯議長(
水岸富美男君)観光文化・スポーツ部長、落合直樹君。
112 ◯観光文化・スポーツ部長(落合直樹君)ただいまの質問にお答えいたします。
県内には、日本グラウンド・ゴルフ協会から認定されたコースが丘の公園に整備されております。このほか小瀬スポーツ公園や青少年センターをはじめ、芝生化が進む多くの公立施設においても御利用いただける環境が整備されているところでございます。
以上でございます。
113
◯議長(
水岸富美男君)向山憲稔君。
(向山憲稔君登壇)
114 ◯向山憲稔君 御答弁いただきまして、既存の施設も含めて、全国大会も含めた誘致等もぜひ考えていただきたいと思います。
日々グラウンド・ゴルフの練習に励み、生きがいとしている方々は少なくありませんので、競技のさらなる普及、専用グラウンドの整備も含めて検討していただきたいと思います。
質問の最後になりますけれども、明日はヴァンフォーレ甲府のサッカーの最終節がありますので、ヴァンフォーレ甲府がアジアチャンピオンズリーグで勝ち抜けるように、この山梨の地から声援を送りたいと思います。ヴァンフォーレ甲府の必勝を祈願して、私の質問を終わりたいと思います。
以上です。ありがとうございました。
115
◯議長(
水岸富美男君)これをもって、向山憲稔君の一般質問を打ち切ります。
暫時休憩いたします。
午後三時三十二分休憩
───────────────────────────────────────
午後三時五十分再開議
116
◯議長(
水岸富美男君)休憩前に引き続き会議を開きます。
日程第一及び日程第二の議事を継続いたします。
発言の通告により、福井太一君に二十分の
発言を許します。福井太一君。
(福井太一君登壇)(拍手)
117 ◯福井太一君 今定例会に提出されました案件並びに県政一般について質問をいたします。
まず、国際情勢に目を向けますと、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、イスラエルとパレスチナをめぐる問題が武力衝突に発展し、現地の惨状が毎日のように報道されています。
複雑な歴史的経緯や政治的背景があるとはいえ、罪のない一般市民や子供たちを犠牲にする理由にはなりません。命を落とされた方の冥福と、戦禍にさらされている方の安全を祈るとともに、戦闘の停止と人道的支援の必要性を訴えます。
国内に目を移しますと、不登校児童生徒数等が過去最多を更新し、県内においても同様であり、子供の権利、人権に関わる重大な問題となっています。
学校や家庭、地域はもちろん、行政各部局や関連する施設・団体が人権尊重の理念を共有し、連携することで、全ての子供が安全で安心して過ごせる居場所、その基盤となるコミュニティーをつくっていくことが急務です。
また、高齢者に対する支援も必要です。一例ですが、高齢ドライバーによる事故が増加傾向にある中、対策として運転免許証返納を促す動きが広がっています。しかし、山梨県においては生活に支障が出る懸念が大きく、返納が進んでいない実態があります。
多くの自治体で独自の施策を設けていますが、医療機関や店舗への送迎などをボランティアで行っている例もあり、支援のさらなる充実が求められます。
互いの多様性を認め、権利を尊重し、全ての人が自分らしく安心して暮らすことのできる社会の実現にこそ、これまで述べてきた課題解決の鍵があると考えます。そして、それは長崎
知事も標榜されていることと理解しております。
私も、笑顔や夢、希望にあふれる山梨の未来に向け、諸課題解決に共に全力で取り組むことをお誓いし、以下質問に入ります。
初めに、第五十回信玄公祭りについて伺います。
新型コロナウイルス感染症が五類移行されてから初めての秋を迎え、県内各地で様々なイベントが開催されました。地域に子供たちの歓声と、世代を超えた交流が戻り、笑顔があふれました。
特に、十月に開催された節目の第五十回信玄公祭りには、過去最高の来場者数があり、大いににぎわいました。
私も祭りの盛会を願う県民の一人として、公式ガイドブックを県内の全公立小中学校へ配付したり、SNSで発信したりするなど周知に努めました。
モデルで俳優の冨永愛さんが信玄公、俳優の白須慶子さんが勘助役を、いずれも女性として初めて演じたことに注目が集まりました。単なる話題性だけでなく、女性活躍の推進や多様性を尊重する県の姿勢を印象づける記念すべき祭りになったと大いに評価しています。
昨今、急速に進展したグローバル化の一方で、不安定な国際情勢が続いています。また、人口問題や環境問題を抱える中、デジタル化を中心とした技術革新が加速度的に進み、不確実性が高く、将来の予測が困難なブーカ時代とも言われます。
このような状況だからこそ、様々な背景や特性を持つあらゆる人が、適切に関わり合いながら社会をつくり上げていく共生社会の実現が重要となります。
山梨県においても、今年三月から多様性を認め合う共生社会づくり条例が施行され、多様な文化や価値観を持った人々を理解し、積極的に受け入れ、互いに支え合う寛容な社会の実現に向け歩み出しました。
今回の信玄公祭りも、パレードやスポーツ、食、伝統芸能等、付随する様々なイベントの集合体と位置づける中で、性や障害、国籍、年齢などの違いを越えて、あらゆる人に開かれた祭りになったと考えます。
県民にとって関心の高い、山梨が誇る祭りだけに、開催時期や内容について様々な御意見があることも承知しております。
そこで、第五十回信玄公祭りの開催状況と、この祭りが果たした役割や意義について、
知事の御所見を伺います。
また、それを踏まえ、来年度以降どのような祭りにしていくのか併せて伺います。
次に、国際交流事業における生活困窮世帯の子どもへの経験格差の是正について伺います。
知事はこれまでも、いかなる家庭環境にあっても、子供たちが安心して学べる環境を整備するとおっしゃっています。ふるさと山梨に生まれたからこそ、山梨で育つからこそ、自分の可能性を最大限に発揮できると、子供自身も実感できる環境をつくることは私たちの責任です。
しかしながら、金銭的に余裕のない家庭で育つ子供たちの中には、夢を語ることを諦めてしまうことがあるのが現状です。家庭の経済格差を教育格差につなげてはいけません。教育格差は経験の格差につながります。
県では、山梨県子ども未来進学支援事業や、高等学校等入学準備サポート事業給付金制度などを導入し、多くの世帯が利用していると承知していますが、学ぶことに価値を見いだせず、制度利用をためらう子供たちもいるのではないでしょうか。安心して学べる環境とともに、将来を悲観させないようにすることも政治の責任ではないでしょうか。
山梨県にはベトナム、台湾、韓国、ブラジルなどの姉妹友好地域等があり、幾つかの地域においては青少年交流もこれまで行われてきました。海外に直接行き、そこで得られる貴重な経験が、未来の山梨を担う子供たちにとって、どれだけ意義深いものとなるでしょう。
先月、日台国際交流促進議員懇話会の一員として、二〇一八年に山梨県議会との友好交流促進覚書を締結した台湾の高雄市議会を訪問しました。
盛大な歓迎を受ける中、高雄市の教育局長と子供だけでなく教職員も含めた教育交流について意見交換をし、非常に有意義な訪問となりました。
海外へ訪問するとなると、生活困窮世帯のお子さんにとっては金銭的に大きなハードルがあります。将来に夢や希望を持ち、語ることができるよう、誰もが海外交流を希望することができる仕組みを構築しなければならないと考えます。
誰にでも公平にその機会が与えられる、また、情報が行き届かなくてはなりません。特に、非課税世帯などの子供たちが取り残されるようなことになってはいないでしょうか。
そこで、県でこれから実施予定の高校生の国際交流事業における生活困窮世帯への支援について、県の御所見を伺います。
次に、学校の働き方改革の推進について伺います。
県においては、今年度から、長崎
知事のリーダーシップの下、教育委員会から学校現場への文書半減プロジェクトが行われております。行政主導による大胆な業務削減となっており、学校現場からは好評の声が届いております。
また、小学校については一年生から三年生まで二十五人学級が導入され、さらに、アクティブ加配の拡充により人員増が行われています。今後は、中学校についても、はぐくみプランの改善により人員増が図られることを期待しています。
国においては、八月二十八日に中央教育審議会の特別部会が教員不足解消に向けた緊急提言をまとめました。その中の具体策として、「標準授業時数を大幅に上回っている学校は、見直すことを前提に点検を行い、指導体制に見合った計画に見直し」とあります。
これは六
月定例会の一般質問において私が指摘したことであり、県教委からも九月二十九日付で各地教委に向けて中教審の緊急提言を踏まえた取組の徹底等についての通知が発出されました。県教委主導で年間授業時数の見直しが行われていることにも、現場からは感謝の声が上がっております。
山梨県教職員組合の調査によると、小学校における学級担任の約六一%が週に二十五時間以上の授業を担当しております。
多くの小学校では週の授業時数が二十九時間ですので、これは、空きこまが全くない日があるということであり、授業以外の家庭学習やノートの添削、教材研究等を行う時間がないまま、休憩さえも取れずに退勤時刻を迎え、時間外勤務を行わざるを得ないというのが現状です。
この週当たりの持ちこま数を削減できれば、現状、月平均七十時間に及ぶ時間外勤務を、勤務時間内に少しでも収めることができます。持ちこま数を削減するために、肥大化した学習指導要領を削減しなければなりません。
しかし、現状では、先ほどから触れている年間の総授業時数の見直しのほかに、中教審の緊急提言にもある小学校高学年の教科担任制の強化などの教職員定数の改善が考えられます。
県内でも専科加配が置かれている学校では、持ちこま数削減の取組が始まっています。
しかし、山梨県における小学校専科指導加配は、算数・理科・体育への活用を原則と教科に縛りがあり、運用面で支障が出る場合があります。各校の状況に合わせた柔軟な運用が可能となれば、持ちこま数削減にも資することとなると考えます。
また、県内に配置されている専科加配教員は八十七人であり、恩恵を受けている学校はほぼ半数です。国の方針に沿って学校現場の働き方改革を進めるためには、小学校においては専科教員のさらなる配置と教科の対象を広げる運用を推し進めていくことが不可欠であり、そのための国への働きかけや県費単独加配の検討が必要だと考えます。
学校現場では、いまだにトイレに行く時間もない、給食を五分で流し込み十分に味わえない、家族とゆっくり過ごす時間もないという切実な声が上がっています。
このような職場環境では人材確保の観点からも危機的状況です。ブラックな職場という印象が払拭されなければ持続可能な教育現場を構築することは困難です。学校の働き方改革と人材確保はセットで進めなければなりません。
今まさに、時数の見直し、空き時間の確保、人員増といった実効性のある取組が必要と考えますが、県の御所見を伺います。
次に、水稲の生産振興について伺います。
私の地元、峡北地域は山梨の米どころであり、中でも北杜市武川町は、かつて徳川幕府への献上米を生産したと言われる歴史ある産地として知られています。特に武川町産の農林四十八号は、通称「よんぱち米」と親しまれ、新潟産コシヒカリと並びブランド米として認知され、県外からも買い求める方がいるほどです。
現在、峡北地域で生産される梨北米は、農家が丹精込めて栽培しており、その品質は消費者から高い評価を受けております。
しかし、本年は主力品種であるコシヒカリの一等米の比率が十月末時点で七七・五%と、昨年より一三ポイント低くなっております。格付が下がれば買取り価格も下がり、農家の所得に大きな影響が及びます。
全国的にも、夏の猛暑と水不足により、生育不良や米粒が割れるいわゆる胴割れ米などが発生し、一等米の比率が著しく低下している産地が多いと報道されています。今後も生育期の高温が続くと、米の生産に大きく影響し、農家の生産意欲が低下するおそれがあります。
このような中、他県では高温に強い品種の育成や普及が進められていると聞いており、本県においても、高温でも品質が優れ、安定して生産できる品種の導入が必要であると考えます。
そこでまず、高温に強い新たな品種の導入・普及に、県はどのように取り組んでいくのか伺います。
また、県では農業分野における地球温暖化対策、SDGsの取組として、4パーミル・イニシアチブを進めており、本県産農産物の高付加価値化にもつながることから、さらなる拡大を期待しています。
これまでは、果樹の剪定枝を炭にして土壌に炭素を貯留する取組を中心に進められてきましたが、昨年十一月、水稲と野菜が認証制度の対象に追加されたと承知しています。水稲での4パーミル・イニシアチブの拡大は、農業分野における脱炭素化を一層進めるものであり、産地全体で取り組むことが重要と考えます。
そこで、県では、水稲における4パーミル・イニシアチブをどのように推進していくのか併せて伺います。
次に、非正規雇用労働者の待遇改善について伺います。
令和二年度の山梨県における非正規雇用労働者の数は十一万千三百七十五人、役員を除く雇用者に占める割合は三六・三%となっております。
山梨県における最低賃金は四十円引き上げられ、時間額九百三十八円に十月一日に改定されました。この都道府県ごとに設定される最低賃金については、集団的労使交渉のない企業を含めた、社会全体の賃金を底支えする重要な役割を果たしています。
過去最高の四十円の引上げは、労働者にとって大変喜ばしいことであります。
しかし、その一方で、賃上げが物価上昇に追いつかず、家計を圧迫しており、県民は賃上げを実感することができない状況にもあります。理想は、物価上昇に勝つ賃上げを実現し、物価と賃金の好循環をつくっていくことであります。
そのためには、物価上昇の一番の要因となっている原材料価格の高騰への対応や、省資源・省エネ・省力化を実現する最新鋭の設備投資、そのための研究開発投資と技術開発、サプライチェーンの再構築が必要であり、県もこの間、様々な施策を展開していることと承知しています。
国では、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律が改正され、令和三年四月一日から、中小企業においても、短時間労働者、有期雇用労働者と通常の労働者との不合理な待遇差が禁止されました。
非正規雇用労働で働くデメリットとして、正規雇用労働と比べ賃金が低いことや福利厚生が十分でないことが挙げられます。非正規雇用労働者の待遇改善や正規雇用労働者を増やしていくことと、賃上げの両輪で県民生活を保障していくことが重要です。
また、山梨県において、今年六月に全国初となる人口減少危機突破宣言を行い、人口減少に対応する施策をパッケージとして、それぞれのライフステージにおいて切れ目のない支援を目指しています。
中でも、過日立ち上げられた豊かさ共創スリーアップ推進協議会には大いに期待するところです。働き手がスキルアップをすることにより、企業収益がアップし、それが賃金アップにつながるというスリーアップの好循環を広く県内に波及することにより、地域経済が活性化し、豊かさが実感できる山梨の実現が人口減少を食い止めると信じています。
人口減少対策と雇用対策は表裏一体であり、特に非正規雇用労働者の処遇改善については喫緊の課題です。山梨労働局においては山梨働き方改革推進支援センターを設置し、社労士等の専門家が、中小企業事業主の方から、非正規雇用労働者の待遇改善について、労務管理上の相談に応じています。
県においては、山梨労働局や連合山梨をはじめ、他団体との連携を図りながら非正規雇用労働者への支援を行っていることは承知しています。
県議会定例会本会議の質問と答弁において「非正規」という
発言が令和三年度には四回、令和四年度は八回に対し、今年度は六月議会だけでも十回と、これは非正規雇用労働者への関心が高まり、支援の必要性が認識されてきたことの現れだと捉えます。
しかしながら、待遇改善には至らずに依然厳しい生活を強いられている非正規雇用労働者の声が多く寄せられていることからも、関係機関とのさらなる連携強化も必要であると考えます。
そこで、非正規雇用労働者の待遇改善策の現状と今後の展望について、御所見を伺います。
次に、トラック運送業界の課題について伺います。
二〇二四年四月に、トラックドライバーの労働時間や運行距離に関する新たな基準が施行されます。これにより、一日の拘束時間の上限が十五時間から十三時間になり、年間の拘束時間の上限は三千五百十六時間から三千三百時間と二百十六時間短縮されます。一日の運送距離の上限も七百キロメートルから五百五十キロメートルとなります。
具体的には、山梨から出発したトラックが、現行であれば広島付近まで行けたものが、改正後には大阪付近までしか行くことができなくなります。
これは、ドライバーの過労死ラインを超えた労働時間を是正し、命と健康を守るためには大きな一歩であると言えます。
しかし、ドライバーの数が増えないままに新たな基準が施行されれば、ドライバーの長時間労働によって成り立ってきた運送ネットワークの維持が難しくなり、以前と同じような物流が確保できない可能性もあります。
国においても持続可能な物流の実現に向けた検討会が立ち上げられました。検討会の最終取りまとめによれば、労働時間削減のために具体的な対応を行わなかった場合には、営業用のトラックの運送能力は、二〇二四年には一四・二%、輸送トン数換算で四億トン相当が、二〇三〇年には同じく三四・一%、九・四億トン相当が不足すると試算されました。
持続可能な物流の実現に向けては、ドライバーの労働環境の改善とともに、慢性化した人材不足への対応が必要です。
また、国土交通省は、法を遵守し他産業と同等の賃金水準を確保するために必要不可欠な運賃として、標準的な運賃を制定しました。
これに合わせて、トラック運送事業者は運賃の改定を進めていますが、国土交通省は、標準的な運賃は、運送事業者が法令を遵守して持続的に事業を運営する際の参考になる運賃を示すものであり、標準的な運賃と異なる運賃を収受したことのみをもって罰則が科されるなどペナルティーを伴うものではないとしています。
そのため、中には未届けのまま安価で運送行為を行う事業者もいると聞きます。こうした法令の多くは国の所管であることは承知しているところではありますが、県においても、適正運賃契約を行った運送事業者が、適正な経営を行わない運送事業者にシェアを奪われることがないよう、国への標準的な運賃の届出を促す取組が求められていると考えます。
そこで、持続可能な物流の実現に向けて、どのような支援に取り組んでいくのか伺います。
最後に、路面標示の補修整備について伺います。
山梨県は、多くの観光客が集まる八ヶ岳山麓や富士北麓地域をはじめ観光地が点在しています。新型コロナウイルス感染症が五類に移行したことで観光地はにぎわいを取り戻し、様々なイベントが活発に行われ、社会活動が活性化してきていることを実感しているところです。
これに伴い、県内外から観光地を訪れるドライバーの交通事故も後を絶たず、昨年の同時期に比べ、県外ドライバーの事故も増加している状況であると聞いております。このような情勢の中、交通ルールの遵守を促し、交通事故抑止に期するためには、交通安全の基盤である路面標示が重要であると考えます。
しかしながら、県内の道路においては、白線や横断歩道などの薄くなった路面標示が散見される状況であります。
過去には滋賀県大津市で散歩途中の未就学児童が犠牲になる事故や、記憶に新しいところでは千葉県八街市で帰宅途中の児童複数人が死傷する痛ましい交通事故が発生しております。
このような交通事故があった際には、教育委員会、学校関係者、道路管理者、県警察等による緊急合同点検を行い、路面標示の新設や補修をしてきたものと認識しておりますが、このような有事の際の対応のみならず、定期的に摩耗状況等を把握し、補修整備を行っていくことが重要であると考えます。
私の地元である北杜市にも、今後、インバウンドを含めた観光客のさらなる増加が見込まれるところ、慣れない道路での運転による交通事故により、通学児童や地元住民が巻き込まれるようなことがあってはなりません。
路面標示については、交通事故の抑止に重要な役割を果たすものであることに加え、見やすく、はっきり標示されている良好な状態を維持することで、県内の道路を走行するドライバーの交通ルールの遵守にもつながるものと考えます。
そこで、路面標示の補修整備について、設置者である道路管理者、県警察がどのように取り組まれているのか伺います。
以上をもちまして、私の一般質問を終わります。御清聴、誠にありがとうございました。
118
◯議長(
水岸富美男君)福井太一君の質疑・質問が終わりました。
これより、当局の答弁を求めます。
知事、
長崎幸太郎君。
(
知事 長崎幸太郎君登壇)
119
◯知事(
長崎幸太郎君)福井議員の御質問にお答え申し上げます。
ただいまは、山梨の未来に向け、私とともに様々な課題の解決に全力で取り組んでいただけるとの御決意を示されました。誰もが自分らしく活躍できる共生社会を目指すという私の考えに共感をいただき、心強く感じております。
私も希望あふれる社会の構築に向け、積極的に取り組んでまいりますので、一層の御支援・御協力を賜りますようお願い申し上げ、以下答弁に入ります。
初めに、第五十回信玄公祭りについてです。
五十回の節目の祭りは、冨永信玄公に代表される、新しい取組に対し大きな反響をいただき、記録とともに記憶に残る祭りであったと考えております。ここ開の国山梨から、多様な個性の結集が生み出す力、紛争やまぬ世の中に対する平和への希求など、多くのメッセージを発信することができました。
また、市川三郷町の花火に始まり、中央線や身延線による武者の参集、諏訪から特急あずさと速さを競ったのろしリレーなど、全県一体で祭りを盛り上げました。
さらに、都留市出身の白須慶子さんが勘助を演じたことにより、甲府・国中だけの祭りから、オール山梨の祭りへと進化を遂げることができたと考えております。
今後については、現在、実行委員会において検証作業を進めていますが、県民誰もが楽しめ、山梨の活力につながる祭りという考え方は終始一貫しております。
このコンセプトの下、次回の開催時期も含め関係者の皆様と議論を深め、時代に合った魅力づくりに取り組み、地域活性化につながる祭りとしてまいります。
次に、国際交流事業における生活困窮世帯の子供への経験格差の是正についてです。
高校生の時期に、異なる言語や多様な文化・考え方に直接触れることは大変有意義であり、家庭の経済状況を問わず、参加できる可能性を開くことは重要であると考えております。
このため県では、国際交流事業の実施に当たって、経済的に困窮している家庭の生徒が、渡航費などについて個人負担なく参加できるよう配慮しております。
本年度の国際交流事業については、ベトナムの高校生との交流や台湾での企業インターンシップ、海外の大学の講義を経験する国内留学を行います。現時点では、これらの事業に家庭の経済状況が厳しい生徒が六名参加する予定となっております。
県では、生徒が募集要項を手に取る前から金銭面を懸念して興味・関心を失わないよう、渡航費など参加費用の助成について情報発信の工夫を図ってまいります。
家庭の経済状況が厳しい生徒たちには、これらの事業に積極的に参加していただき、これを契機に自身の夢や目標の実現につなげてもらうことを願っております。
引き続き、誰一人取り残されることなく、自らの可能性を信じ、未来に向かって挑戦できる教育環境を提供してまいります。
次に、水稲の生産振興についてです。
これまで県では、総合農業技術センターにおいて、高温でも安定生産が可能で、品質や食味に優れる品種を選抜し、実証してまいりました。
こうした中、昨年度、にじのきらめきを有望品種として選抜し、本年度までに県下九か所に実証圃場を設置し、栽培適性などについて調査してまいりました。
これまでに高品質な生産が確認できているため、今後、適正な施肥量などの実証も進め、技術マニュアルを整備し、JAと連携して普及を進めてまいります。
また、水稲における4パーミル・イニシアチブの取組は、土壌への炭素貯留に加え、温室効果ガスのメタンの発生抑制効果が期待できます。このため県では、JAや大規模な水稲生産者に対して個別に説明を行い、4パーミル・イニシアチブの意識を醸成し、取組の拡大を進めています。
また、本年度から、水稲圃場において、炭化したもみ殻の散布や秋の稲わらのすき込みなど、具体的な炭素貯留やメタンの発生抑制の方法を普及しております。
さらに、来年二月に本県で開催する全国サミットで、この取組を全国に拡大するなど、日本のトップランナーとして農業分野での脱炭素化を進めてまいります。
最後に、非正規雇用労働者の待遇改善についてです。
県では、非正規雇用労働者の待遇改善に関し、働き方改革アドバイザーや社会保険労務士を企業に派遣し、働き方改革関連法の周知を図っています。
また、企業の待遇改善の取組を後押しするよう、経営者や人事担当者などを対象としたセミナーを開催し、優良事例を紹介しております。
賃上げと設備投資を行う企業への助成に関しましては、正社員化も進める場合は、独自に補助上限を国の二倍とするなど強力な待遇改善の誘導策を講じております。
さらには、景気の悪化により就職が困難であった就職氷河期世代につきましては、正規雇用化に向け、国助成に上乗せして支給を行い、雇用の安定化を図っています。
来年一月にはキャリアアップ・ユニバーシティを開講し、企業収益や働く人の賃金アップにつながる実践的な講座をスタートいたします。
また、現在、少子化対策が県政課題でありますが、非正規雇用者は経済的に弱く、不安定な立場であり、結婚、出産に消極的な方が多いものと考えられます。
このため、正規化に向けた地方独自の取組への支援や育休中の収入保障のための雇用保険適用拡大の早期実現を目指し、国へ要望活動を行っているところであります。
さらに、今後、内閣官房参与の山崎史郎氏を筆頭とした専門家グループと連携をし、人手不足の状況下における非正規雇用労働者の実態について労使双方の立場から調査・分析を行い、待遇改善策に生かしてまいります。
あわせまして、待遇改善に関する社会的な仕組みについて、県内労働界と議論を交わした上で、国全体の話でありますので、全国
知事会などの場を活用してしっかりと議論をし、国に働きかけをしていきたいと考えております。
以上をもちまして、私の答弁といたします。その他につきまして、担当の部長等からお答え申し上げます。
120
◯議長(
水岸富美男君)産業労働部長、
染谷光一君。
(産業労働部長
染谷光一君登壇)
121
◯産業労働部長(
染谷光一君)福井議員のトラック運送業界の課題についての御質問にお答え申し上げます。
議員御指摘のとおり、持続可能な物流を実現するためには、人材確保と労働環境の改善が有効な対応策と考えられます。
県では、ドライバーの人材確保に向け、県トラック協会が事業者向けに行う大型から準中型までの免許取得費用への助成に対し、補助を行っております。
人材確保には賃金も重要であり、賃上げと設備投資を行った企業に対し、国制度を拡充する形で県独自の助成制度を設け、賃金アップを促しております。
労働環境の改善につきましては、働き方改革に向け、社会保険労務士の派遣などにより、個別課題の改善も支援してございます。
また、従事しているドライバーの健康管理のため、健康診断や脳ドックに対する助成を倍増したところでございます。
さらに、こうした取組と並行して、DXの導入により業務の見直しや効率化を図ることも必要です。このため、県ではトラック協会向けに、DXの効果を学び、実際にデジタルツールを使った研修を二回にわたり実施し、リテラシーの向上を図っております。
さらに、本年度から、商工会連合会に四人のDX経営指導員を配置し、事業者の生産性向上に向けた支援体制も強化しております。
なお、標準的な運賃につきましては、協会と連携を図り県内全てのトラック事業者の届出を促すとともに、その重要性につきまして県民への理解・普及に努めてまいります。
以上でございます。
122
◯議長(
水岸富美男君)県土整備部長、
椎葉秀作君。
(県土整備部長
椎葉秀作君登壇)
123
◯県土整備部長(
椎葉秀作君)福井議員の路面標示の補修整備についての御質問にお答えします。
道路管理者が管理する路面標示には、道路の中央に設置する白色の中央線や、路肩に設置する外側線などがございます。これらの路面標示は、交通量や除雪などにより摩耗の進行が大きく異なることから、定期的なパトロールにより、状況を確認しているところでございます。
こうした確認結果を基に、摩耗が激しい交差点や急カーブなどの危険性が高い箇所を優先し、補修を行っているところでございます。
今後も引き続き路面標示の適切な維持管理に努め、安全で走行しやすい良好な道路環境を確保してまいります。
以上でございます。
124
◯議長(
水岸富美男君)教育長、
降籏友宏君。
(教育長
降籏友宏君登壇)
125
◯教育長(
降籏友宏君)福井議員の学校の働き方改革の推進についての御質問にお答え申し上げます。
教員の持ちこま数の軽減などの学校における働き方改革を推進し、教員の負担軽減と子供に向き合う時間の確保を実現させることは、大変重要であると考えております。
県では授業時数につきまして、市町村教育委員会に対し、全ての学校における本年度の点検の実施と、それを踏まえた来年度の教育課程の編成について指導したところであります。
具体的には、標準授業時数である年間千十五単位時間を大幅に上回る千八十六単位時間以上の教育課程を編成する学校に対しまして、見直しの実施を指導いたしました。
また、学校行事につきましては、教育上、真に必要とされるものに精選し重点化を図るよう指導し、例えば、運動会の開会式の簡素化などの取組を促しております。
さらに、小学校の学級担任の持ちこま数を軽減し、空き時間を確保するためには、議員御指摘のとおり、教科担任制の専科加配などの活用も有効であると考えております。
国では、来年度予算の概算要求において、小学校教科担任制の専科加配教員につきまして、前倒しで配置するために必要な経費を要求しているところと承知しております。
県といたしましても、この制度を最大限に活用するとともに、専科加配の定数改善や対象教科の拡大について、全国
知事会などを通じて国に対して引き続き要望してまいります。
加えて、二十五人学級などの少人数教育の推進に伴い教員の増員も進めておりまして、教員の負担軽減に大きく寄与しております。
これらの取組により、教員の負担を軽減させ、より質の高い教育を実現できるよう、引き続き学校の働き方改革にしっかりと取り組んでまいります。
以上でございます。
126
◯議長(
水岸富美男君)警察本部長、小柳津明君。
(警察本部長 小柳津 明君登壇)
127 ◯警察本部長(小柳津 明君)福井議員の路面標示の補修整備についての御質問にお答えします。
県警察が管理する路面標示には、横断歩道・一時停止・黄色の中央線等があります。路面標示の摩耗箇所につきましては、警察署が平素の活動を通じて点検しているほか、県民の皆様から寄せられる意見・要望を通じて把握しております。
これらを基に補修箇所を選定し、交通量・降雪量等の道路環境や交通事故の発生状況を踏まえて優先順位を付し、予算の範囲内で順次更新をしております。
県警察では、今後も道路管理者と連携を図りながら、適切な補修整備を進めてまいります。
以上でございます。
128
◯議長(
水岸富美男君)当局の答弁が終わりました。
福井太一君に申し上げます。再質問はありませんか。福井太一君。
129 ◯福井太一君 にじのきらめきが優良品種になっていることが分かりまして、ただ、地域が誇る農林四十八号、これは既にブランド米として定着をして、守っていかなければならないと考えております。今夏の猛暑で品質が著しく低下した農林四十八号ですけれども、この先も猛暑の影響で品質の低下が懸念される年も増えてくるんではないかと。
そこで、県では高温下でも農林四十八号の品質確保に向けて、どのように取り組んでいくのか伺います。
130
◯議長(
水岸富美男君)農政部長、
大久保雅直君。
131
◯農政部長(
大久保雅直君)福井議員の水稲の生産振興についての再質問にお答えいたします。
まず、JA全農やまなしを通じまして、生産者に優良な種子を供給するため、県総合農業技術センターで種子の増産を図ってまいります。また、高温時に穂が出ることによる胴割れなどを防ぐため、田植えの時期を遅らせることや、稲の温度を下げるため夜間に取水することなど、高温対策を改めて徹底してまいります。
以上でございます。
132
◯議長(
水岸富美男君)福井太一君に申し上げます。再質問はありませんか。福井太一君。
133 ◯福井太一君 先日、教育長も強い決意を示したメッセージが発出されました。大いに評価するところですが、周知については不十分だと感じています。ペーパーレス・デジタル化が進む一方で、真に大事な情報は紙で配付することが大事ではないでしょうか。今後どのような周知に努めるのか伺い、質問を終わります。
134
◯議長(
水岸富美男君)教育長、
降籏友宏君。
135
◯教育長(
降籏友宏君)福井議員の学校の働き方改革についての再質問にお答え申し上げます。
議員御指摘の学校の働き方改革に関する教育長メッセージにつきましては、去る十一月上旬に公立学校の保護者に発信したところでございます。
これにつきましては、私の動画メッセージに触れていただきましたが、動画のQRコードがついておりまして、これを読むことによってメッセージが見られるというような仕組みにしているわけでありますが、学校への配付につきましては、電子配付のほか、働き方改革の関係イベントで、紙で配付をいたしましたり、県教育委員会の公式SNSでの発信などにより周知を図っているところでございます。
議員御指摘の動画につきましては、今後も県を挙げて様々な発信手段を通じながら周知を図ってまいりたいと考えているところでございます。
議員におかれましても、幅広くお知り合いの方にこのメッセージにつきまして御紹介いただきまして、保護者メッセージの周知や、動画をより見ていただきますよう御協力いただけますと幸いでございます。
以上でございます。
136
◯議長(
水岸富美男君)これをもって、福井太一君の一般質問を打ち切ります。
───────────────────────────────────────
137
◯議長(
水岸富美男君)次に、議案の付託について申し上げます。
ただいま議題となっております第七十八号議案ないし第九十九号議案については、お手元に配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
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令和五年十二
月定例会
付 託 表
総務委員会
第七十九号 山梨県
知事、副
知事、公営企業の管理者、教育長及び常勤監査委員の通勤手当及び期末手当支給
条例及び山梨県特別職の秘書の職の指定等に関する条例中改正の件
第八十号 山梨県議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例中改正の件
第八十一号 山梨県職員給与条例及び山梨県一般職の任期付研究員及び任期付職員の採用等に関する条例中改
正の件
第八十三号 山梨県警察職員給与条例及び山梨県一般職の任期付研究員及び任期付職員の採用等に関する条例
中改正の件
第八十四号 山梨県職員給与条例等中改正の件
第八十六号 令和五年度山梨県一般会計補正予算(第六号)第一条第一項歳入歳出予算の補正額及び歳入歳出
予算の総額並びに同条第二項歳入各款及び歳出中総務委員会関係のもの、第二条繰越明許費の補
正中総務委員会関係のもの、第三条債務負担行為の補正中総務委員会関係のもの並びに第四条地
方債の補正
第八十八号 令和五年度山梨県集中管理特別会計補正予算(第一号)
第九十八号 当せん金付証票発売の件
教育厚生委員会
第八十二号 山梨県学校職員給与条例及び山梨県一般職の任期付研究員及び任期付職員の採用等に関する条例
中改正の件
第八十六号 令和五年度山梨県一般会計補正予算(第六号)第一条第二項歳出中教育厚生委員会関係のもの、
第二条繰越明許費の補正中教育厚生委員会関係のもの及び第三条債務負担行為の補正中教育厚生
委員会関係のもの
第九十九号 地方独立行政法人山梨県立病院機構の中期目標を定める件
農政産業観光委員会
第八十六号 令和五年度山梨県一般会計補正予算(第六号)第一条第二項歳出中農政産業観光委員会関係のも
の、第二条繰越明許費の補正中農政産業観光委員会関係のもの及び第三条債務負担行為の補正中
農政産業観光委員会関係のもの
第八十九号 令和五年度山梨県営電気事業会計補正予算(第三号)
第九十六号 訴えの提起の件
第九十七号 指定管理者の指定の件
土木森林環境委員会
第七十八号 山梨県再生資源物の不適正保管等の防止及び産業廃棄物の適正管理の促進に関する条例制定の件
第八十五号 山梨県道路法施行条例及び山梨県流水占用料等に関する条例中改正の件
第八十六号 令和五年度山梨県一般会計補正予算(第六号)第一条第二項歳出中土木森林環境委員会関係のも
の、第二条繰越明許費の補正中土木森林環境委員会関係のもの及び第三条債務負担行為の補正中
土木森林環境委員会関係のもの
第八十七号 令和五年度山梨県恩賜県有財産特別会計補正予算(第三号)
第九十号 契約締結の件
第九十一号 契約締結の件
第九十二号 契約締結の件
第九十三号 契約締結の件
第九十四号 変更契約締結の件
第九十五号 訴えの提起の件
───────────────────────────────────────
138
◯議長(
水岸富美男君)次に、請願の付託について申し上げます。
今回受理した請願は、お手元に配付の請願文書表のとおり、教育厚生委員会に付託いたします。
───────────────────────────────────────
令和五年十二
月定例会
請 願 文 書 表
教 育 厚 生 委 員 会
┌─────┬─────────────┬─────────┬────────────────────┐
│受理番号 │ 第五─十三号 │ 受理年月日 │ 令和五年十二月七日 │
├─────┼─────────────┼─────────┼────────────────────┤
│ │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ │ゆきとどいた教育を求めるこ│請願者の住所 │ │
│件 名│ │ │ (略) │
│ │とについて │及 び 氏 名 │ │
│ │ │ │ │
│ │ │ │ │
├─────┼─────────────┴─────────┴────────────────────┤
│ │ │
│ │【請願趣旨】 │
│ │ │
│ │ 少人数学級を求める多くの父母・保護者・地域・団体からの声、山梨県を初めとする自治体で │
│ │ │
│ │の意見書採択等の動きにより、義務標準法の改正によって小学校での三十五人以下学級が前進し │
│ │ │
│ │た。また、山梨県においては、国に先駆けた二十五人学級が実現している。引き続き、子供たち │
│ │ │
│ │の命と健康を守り、学びを保障していくためには、二十五人学級のさらなる拡大が必要である。 │
│ │ │
│ │ 一人一人の子供が確かな学力を身につけ、心身ともに健やかに成長することは、父母・県民・ │
│ │ │
│ │教職員の切実な願いである。そのためには、山梨の教育条件、教育環境の整備のさらなる拡充が │
│ │ │
│ │必要である。 │
│ │ │
│ │ 全ての子供・父母の願いに応えるため、教育条件の改善、教育環境の整備に関する以下の要求 │
│請 願 の│ │
│ │を実現していただけるよう請願する。 │
│ │ │
│ │【請願事項】 │
│要 旨│ │
│ │ 一.義務・高校標準法を改正し、国の責任で、小・中学校、高校での三十五人以下学級を早期 │
│ │ │
│ │ に実現すること、自治体独自の少人数学級が維持でき、欠員が生じないよう十分な教職員を │
│ │ │
│ │ 確保すること、「二十人学級」を展望して少人数学級をさらに前進させることを、国に要望す│
│ │ │
│ │ ること。 │
│ │ │
│ │ 二.父母・住民合意のない、小・中学校、高校の統廃合はしないこと。 │
│ │ │
│ │ 三.私学において、就学支援金拡充で保護者負担の軽減を図ること。 │
│ │ │
│ │ 四.知的障害特別支援学校の過大・過密問題を解消するために、新設校設置を進めること。 │
│ │ │
│ │ 五.国に「高校無償化」を復活するよう働きかけること。 │
│ │ │
│ │ 六.県独自で高校生・大学生等への「給付制奨学金」制度を拡充・新設すること。 │
│ │ │
├─────┼────────────────────────────────────────────┤
│ │ │
│紹介議員 │名取 泰 菅野 幹子 │
│ │ │
└─────┴────────────────────────────────────────────┘
───────────────────────────────────────
139
◯議長(
水岸富美男君)ただいま付託いたしました議案及び請願は、お手元に配付の委員会日程表により審査を願います。
───────────────────────────────────────
委 員 会 日 程 表
┌─────────┬───────┬──────┬───────┬─────────────────┐
│ │ │ │ │ │
│ 委 員 会 名 │ 月 日 │ 開会時刻 │ 委員会室名 │ 備 考 │
│ │ │ │ │ │
├─────────┼───────┼──────┼───────┼─────────────────┤
│ │ │ │ │1) 警察 │
│ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │2) 人口減少危機対策、
知事政策、 │
│ │ │ │ │ │
│ │十二月十三日 │ │ │ DX・情報政策、県民生活、 │
│総 務 委 員 会│ │午前十時 │第一委員会室 │ │
│ │十二月十四日 │ │ │ 男女共同参画・共生社会 │
│ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │3) 総務、防災、出納、人事、監査、│
│ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ 議会 │
├─────────┼───────┼──────┼───────┼─────────────────┤
│ │十二月十二日 │ │ │1) 教育 │
│教育厚生委員会 │ │午前十時 │第二委員会室 │ │
│ │十二月十四日 │ │ │2) 感染症対策、福祉保健、子育て │
├─────────┼───────┼──────┼───────┼─────────────────┤
│ │ │ │ │1) 産業労働、労働委 │
│ │ │ │ │ │
│ │十二月十三日 │ │ │2) 観光文化・スポーツ │
│農政産業観光委員会│ │午前十時 │第三委員会室 │ │
│ │十二月十四日 │ │ │3) 農政 │
│ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │4) 企業 │
├─────────┼───────┼──────┼───────┼─────────────────┤
│ │十二月十二日 │ │ │1) 県土整備 │
│土木森林環境委員会│ │午前十時 │第四委員会室 │ │
│ │十二月十四日 │ │ │2) 林政、環境・エネルギー │
└─────────┴───────┴──────┴───────┴─────────────────┘
───────────────────────────────────────
140
◯議長(
水岸富美男君)次に、休会についてお諮りいたします。十二月十二日ないし十五日は、委員会等のため休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
141
◯議長(
水岸富美男君)御異議なしと認めます。よって、休会については、お諮りしたとおり決定いたしました。
以上で、本日の日程は全部終了いたしました。
来る十二月十八日、会議を開くこととし、本日はこれをもって散会いたします。
午後四時二十九分散会
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