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  1. 山梨県議会 2023-09-01
    令和5年9月定例会(第3号) 本文


    取得元: 山梨県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-09
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 令和5年9月定例会(第3号) 本文 2023-10-02 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 93 発言 / ヒット 0 発言 表示発言切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯議長水岸富美男君) 2 ◯笠井辰生君 3 ◯議長水岸富美男君) 4 ◯知事長崎幸太郎君) 5 ◯議長水岸富美男君) 6 ◯県民生活部長上野良人君) 7 ◯議長水岸富美男君) 8 ◯防災局長(細田 孝君) 9 ◯議長水岸富美男君) 10 ◯福祉保健部長井上弘之君) 11 ◯議長水岸富美男君) 12 ◯環境エネルギー部長(関 尚史君) 13 ◯議長水岸富美男君) 14 ◯産業労働部長染谷光一君) 15 ◯議長水岸富美男君) 16 ◯県土整備部長椎葉秀作君) 17 ◯議長水岸富美男君) 18 ◯教育長降籏友宏君) 19 ◯議長水岸富美男君) 20 ◯議長水岸富美男君) 21 ◯山田一功君 22 ◯議長水岸富美男君) 23 ◯知事長崎幸太郎君) 24 ◯議長水岸富美男君) 25 ◯山田一功君 26 ◯議長水岸富美男君) 27 ◯知事長崎幸太郎君) 28 ◯議長水岸富美男君) 29 ◯山田一功君 30 ◯議長水岸富美男君) 31 ◯知事長崎幸太郎君) 32 ◯議長水岸富美男君) 33 ◯山田一功君 34 ◯議長水岸富美男君) 35 ◯福祉保健部長井上弘之君) 36 ◯議長水岸富美男君) 37 ◯山田一功君 38 ◯議長水岸富美男君) 39 ◯知事長崎幸太郎君) 40 ◯議長水岸富美男君) 41 ◯山田一功君 42 ◯議長水岸富美男君) 43 ◯福祉保健部長井上弘之君) 44 ◯議長水岸富美男君) 45 ◯山田一功君 46 ◯議長水岸富美男君) 47 ◯県土整備部長椎葉秀作君) 48 ◯議長水岸富美男君) 49 ◯山田一功君 50 ◯議長水岸富美男君) 51 ◯県土整備部長椎葉秀作君) 52 ◯議長水岸富美男君) 53 ◯山田一功君 54 ◯議長水岸富美男君) 55 ◯知事長崎幸太郎君) 56 ◯議長水岸富美男君) 57 ◯山田一功君 58 ◯議長水岸富美男君) 59 ◯知事長崎幸太郎君) 60 ◯議長水岸富美男君) 61 ◯山田一功君 62 ◯議長水岸富美男君) 63 ◯知事政策局長(石寺淳一君) 64 ◯議長水岸富美男君) 65 ◯山田一功君 66 ◯議長水岸富美男君) 67 ◯知事長崎幸太郎君) 68 ◯議長水岸富美男君) 69 ◯山田一功君 70 ◯議長水岸富美男君) 71 ◯農政部長(大久保雅直君) 72 ◯議長水岸富美男君) 73 ◯山田一功君 74 ◯議長水岸富美男君) 75 ◯知事長崎幸太郎君) 76 ◯議長水岸富美男君) 77 ◯山田一功君 78 ◯議長水岸富美男君) 79 ◯知事長崎幸太郎君) 80 ◯議長水岸富美男君) 81 ◯山田一功君 82 ◯議長水岸富美男君) 83 ◯議長水岸富美男君) 84 ◯副議長(清水喜美男君) 85 ◯小沢栄一君 86 ◯副議長(清水喜美男君) 87 ◯知事長崎幸太郎君) 88 ◯副議長(清水喜美男君) 89 ◯農政部長(大久保雅直君) 90 ◯副議長(清水喜美男君) 91 ◯県土整備部長椎葉秀作君) 92 ◯副議長(清水喜美男君) 93 ◯副議長(清水喜美男君) ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長水岸富美男君)これより本日の会議を開きます。  直ちに日程に入ります。  日程第一、知事提出議案第六十四号議案ないし第七十七号議案、認第一号議案及び認第二号議案を一括して議題といたします。  これより、上程議案に対する質疑とあわせ、日程第二の県政一般についての代表質問を行います。  発言の通告により、笠井辰生君に四十分の発言を許します。笠井辰生君。       (笠井辰生君登壇)(拍手) 2 ◯笠井辰生君 未来やまなしの笠井辰生です。会派を代表して、今定例会に提出されました案件、並びに県政一般について質問をいたします。  質問に先立ちまして、今も新型コロナウイルス感染症の拡大防止に、昼夜を分かたず御努力をいただいております医療従事者の皆様、エッセンシャルワーカーの皆様、行政関係の皆様を初め多くの関係各位に、衷心より感謝を申し上げます。まことにありがとうございます。  五月に五類感染症に移行した後も、一医療機関当たりの平均患者数は増加が続き、第九波の様相を呈しています。  社会・経済活動と日常生活を継続しながら、県民の皆様にはどうか健康の維持に御留意いただき、私も皆様とともに感染予防に努めてまいりたく存じます。  今年は、関東大震災から百年、昭和三陸沖地震から九十年の節目の年です。天候不順が日常化し、甚大な災害がいつ起きても不思議ではない昨今、いま一度、お一人お一人の身の回りの防災の準備を御点検いただくとともに、御近所における避難手順や経路を御確認いただくことで、万一の際の自分自身や周囲の方々の救命につながるものと思います。  また、今年はバブル経済の崩壊後に、いわゆる五十五年体制が崩れた、細川内閣の発足から三十年目の年でもあります。この間、近隣諸国を初めとする国際情勢の激変に加え、震災、原子力事故、コロナ禍、円安、少子高齢化、人口減少、税負担の超過と、根本的な構造改革が進まない日本の国際競争力は低下したまま、国政は硬直しているようにも思えます。  今こそ、ここ山梨から、選択を制約されない社会の構築、多彩で豊かな選択肢の提供の推進を通じて、長崎知事の掲げる強靱な・活力ある「やまなし」、開かれた・躍動する・先進地「やまなし」の実現を後押しし、県民本位の取り組みをともに進めてまいりたいと思います。  以下、質問に入ります。  初めに、看護職員の確保対策について伺います。  団塊の世代が全て七十五歳以上となる二〇二五年が迫り、地域包括ケア体制の充実・強化が急がれる中、看護職員はチーム医療のキーパーソンとして、また医療と介護をつなぐかけ橋として、その活躍がますます期待されています。  新型コロナウイルス感染症に対しても、看護職員は患者に最も近い存在として、常に最前線で対応に当たっており、その重要性が広く国民に再認識されたところであります。  こうした中、本県の看護職員については、これまで増加を続け、令和二年末時点では、人口十万人当たり一千四百人と全国の一千三百十五人を上回っております。  これまで長年にわたり、県や県看護協会、ナースセンターなど関係者が一体となって取り組んできた成果が着実に上がっているものと評価しているところです。  しかしながら、地域に目を向けてみると、医療と介護の両現場で求められる看護職員は、とても充足しているとは言えない状況があることも事実であり、私の地元、峡南地域では、看護職員の確保は大きな課題となっています。
     また、全県を見渡してみても、看護職員の確保が困難なため、稼働病床を大幅に減らし、入院患者の受け入れを停止せざるを得ない状況も起きております。  私のもとへは、医療関係者から「募集にさまざまな工夫をしているが、いまだ看護師が見つからない」と悲鳴にも似た声が届いています。  今後、生産年齢人口が急減する中で、増加する医療ニーズに対応する看護職員を確保するには、全国に約七十万人いると言われる未就業の潜在看護職員を活用していくことが一つの答えになってくるのではないでしょうか。  また、日本看護協会が三月に公表した令和三年度の実態調査において、新卒採用者の離職率が初めて一〇%を超えたことがニュースとなりました。  本県の看護職員の離職率は、全国より低く抑えられていますが、やはり新卒採用者の離職率が五・八%から八・六%に上昇しており、コロナ禍での離職者の増加による地域の医療体制への影響が危惧されるところであります。  そこで県では、今後、看護職員の確保対策にどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。  次に、介護人材の確保・定着の促進についてであります。  高齢化の進展に伴い、介護を必要とする方は増加の一途をたどっていますが、私は、それを支えるために必要となる介護人材を将来にわたって十分に確保できるのだろうかと、大いなる危機感を持っているところです。  実際に、県内の介護職に関する令和五年四月一日現在の有効求人倍率は、二・四〇倍となっており、他の産業と比べて非常に高い水準となっております。  また、八月に介護労働安定センター山梨支部が公表した介護労働実態調査によると、県内の介護事業所の六五・七%が従業員の不足感を感じているとのことです。  知事は、介護待機者ゼロ社会の実現を掲げ、令和八年度末までに、真に施設入所が必要な方が特別養護老人ホームなどに確実に入所できるようにすることを目指していますが、この構想を実現するためにも施設で働く介護職員を十分に確保し、定着を図ることが不可欠であることは言うまでもありません。  高齢者人口がピークを迎えると推計される二〇四〇年に向けて、こうした介護職員を安定的に供給するためには、特に若い世代の方の就業を強力に促進するとともに、就業した若い世代の方が、介護業界に定着し続けられるような環境整備を進める必要があるのではないでしょうか。  具体的には、人材育成や職場環境の改善を積極的に進めるなど、若い世代の方が働いてみたいと思えるような魅力的な事業所を県内に数多くふやしていくことが考えられます。  また、介護業界に就業した方の定着を促進するためには、若い世代の方が将来展望を描けるような賃金水準を実現することも求められます。  介護事業所の多くは、国の公定価格で運営されていることから、賃上げができるような適正な公定価格への改定が必要なことは当然ですが、既に制度化されている処遇改善のための報酬加算を漏れなく取り込めるようにするなど、県として積極的に支援していくことも必要ではないでしょうか。  そこで、特に若い世代の方の介護人材の確保・定着を促進するため、県はどのような取り組みを進めていくのか伺います。  次に、大規模地震対策について伺います。  大正十二年、一九二三年九月一日、この日正午前に死者・行方不明者約十万五千人、全壊・全焼した建物約二十九万棟という近代日本の首都圏に未曽有の被害をもたらした関東大震災が発生しました。  それからの百年、地震大国と言われる我が国では、国内観測史上最大のマグニチュードを観測し、津波とともに甚大な被害をもたらした東日本大震災、それまでの地震の概念を覆す震度七の揺れを二回観測した熊本地震など、たびたび大規模地震に見舞われてきました。  今年に入っても五月に能登地方で発生した地震では、最大震度六強を記録し、倒壊した建物の映像は地震の怖さを如実に物語っています。  こうした大規模地震は、全国各地で発生する可能性があり、国においては、昨年、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進基本計画を策定し、また、今年は南海トラフ巨大地震に対する新たな目標設定のための調査を開始するなど、被害の軽減に向けた対策の検討を進めています。  こうした中、県は県内に大きな被害を及ぼすおそれがある地震の被害想定調査を行い、その結果を五月に公表しました。  この中で、曽根丘陵断層帯の地震では、甲府盆地を中心とした最大震度七の強い揺れにより、死者数は最大約三千八百人、建物の全壊・全焼数は最大約九万四千棟と極めて大きな被害が想定され、また、そのほかの地震でも県内各地で多くの被害が生ずる恐れがあることが明らかとなりました。  私はこの結果を見て、やはり県内にも絶対安全と言える地域は存在せず、地震対策の重要性に改めて思い至ったところであります。  こうした地震による被害を最小限に抑えるためには、ハード対策はもとより、県民一人一人が、自助の意識を強く持ち、地震を正しく理解し、必要な備えを行うとともに、発災時には的確な行動をとることが重要となります。  一方で、個々の対策には限界もありますので、共助の取り組みも有効と考えます。  実際に私の地元の市川三郷町では、令和元年の台風十九号の際に、民生委員と自治会の役員が連携して住民等の安否確認や避難誘導を行うなど、地域ぐるみの防災活動が展開されました。  このように大規模な災害発生時には、こうした自助、共助の取り組みとともに、県や市町村、防災関係機関が連携する必要があります。  そこで、県では、大規模地震の発生に備え、どのように取り組んでいくのか伺います。  次に、犯罪被害者等支援計画の策定についてであります。  令和元年七月に京都市伏見区で発生した京都アニメーション放火殺人事件は、三十六名の命が奪われ、三十二名が重軽傷を負うという痛ましい事件でありました。  突然、大切な人を失った御遺族や友人、同僚は、事件の後、筆舌に尽くしがたいつらい日々を過ごされたものと、心情を察すると本当にいたたまれない思いであります。  過日、事件の発生から四年余りを経て、ようやく初公判が開かれました。  今後、司法の場で事件の解明が進むものと思われますが、被害者や御遺族にとっては、裁判の結果が出ても事件の終わりにはならず、つらい思いを抱えながら裁判後も長い人生を過ごしていかなければならないのであります。  私はこのような方々が再び穏やかな生活を取り戻すことができるよう、一人一人に寄り添って、きめ細かな支援を行っていくことが行政の役割であると考えます。  県では、昨年十二月に犯罪被害者等支援条例を制定し、その後、専門家などの意見を伺いながら具体的な施策の検討を進め、先般、犯罪被害者等支援計画を策定・公表されました。  この計画が、被害者や御遺族にとって大きな支えになるものと、期待を寄せているところであります。  そこで、まず、計画の基本的な考え方と重点について伺います。  被害者は、突然事件に巻き込まれ精神的・身体的な被害を受けるのみならず、休職や失職を余儀なくされて収入が減ったり、事情によっては転居費用などの予期せぬ出費が発生するなど経済的に困窮するケースがあり得ることは想像に難くありません。  現在、国においては、犯罪被害者等への支援制度について、被害者や御遺族に支払われる給付金の大幅な引き上げなど、制度の抜本的な見直しが進められていることは承知しておりますが、実際に国において実施されるまでにはさらに時間を要することと思われます。  私は、被害者やその御家族、御遺族の早期回復のためには、県としても迅速に支援を行っていく必要があると考えます。  そこで、犯罪被害者等の経済的負担を軽減するため、県はどのように取り組んでいくのかあわせて伺います。  次に、手話言語の普及推進についてであります。  本年三月、議員提案により山梨県手話言語条例が成立し、施行されました。  私の地元、市川三郷町が、県内市町村でいち早く、平成二十七年に手話言語条例を制定していたこともあり、県議会議員となってからは、県の手話言語条例制定の必要性を強く感じていたところであり、聴覚障害者団体が切望していたこの条例が制定されたことは大変感慨深いものがあります。  手話は、昭和初期の口話教育の導入により、長年にわたり言語として認められてこなかった歴史があります。  その後、平成十八年に採択された、障害者の権利に関する条約や、平成二十三年に改正された障害者基本法に、手話が言語であることが明記されたこともあり、今日では聴覚障害のある方々の意思疎通の手段として広く使われているところであります。  また、手話が言語として強調されるゆえんは、聴覚障害のある方々の間で広く使われている日本手話が、例えば、「私は、学校へ行きます」と言う場合、「学校」、「行く」、「私」という語順で表現されるなど独自の文法体系を持つところにあります。  このように、手話がたどった歴史や独自の文法体系を持つことは、まだまだ県民に知られておらず、手話による日常的な会話表現を含めて、手話言語のことを県民に広く周知していく必要があると思います。  本県の手話言語条例は、全国で初めて手話言語の国際デーである九月二十三日を、やまなし手話言語の日とすることを明記し、普及啓発を進めることとしています。  県では、条例の制定を踏まえ、このやまなし手話言語の日に記念フォーラムを開催し、当日は聴覚障害のある方や聾学校の生徒さんに加え、多くの県民の皆さんが来場され、大変盛大に催しが行われました。  こうした県の取り組みを聴覚障害者団体の方々は大変歓迎しているところであり、ぜひ今後も継続してほしいとの声を伺っております。  そこで、手話言語の普及を一層推進し、障害のある方もない方もお互いに尊重し合える共生社会を実現していくためには、今後も聴覚障害者団体や市町村等とも連携して取り組んでいくことが重要であると考えますが、御所見を伺います。  次に、山梨の小中学校が目指すべき教育の方向性についてであります。  本県では、未来の山梨を担う子供たちの可能性を伸ばすため、教育環境の充実に向けてさまざまな取り組みを行っており、評価するところであります。  特に、全国に先駆けて導入された二十五人学級は、本年度、小学校三年生まで拡大され、児童一人一人の可能性を伸ばす、きめ細かな質の高い教育が行われています。  また、私が本年二月議会において質問したところですが、県内の小中学校では、障害の有無にかかわらず、児童生徒が、日常の学びや生活を通じて多様な個性を受けとめ、お互いを認め合うインクルーシブ教育を進めています。  加えて、私の地元である峡南地域では、人口減少が進行する中、山村留学や移住の推進によって、都会などで生活する子育て世帯を呼び込むとともに、豊かな自然環境を生かした教育に取り組んでいると承知しています。  一方で、生成AIに代表されるデジタル技術の進展や、ロシア・ウクライナ情勢による影響、気候変動による生活への影響など、子供たちの未来の世界は、急激に変化し、数年先も予測できないことが考えられます。  こうした状況の中、国では、各小中学校に配備した一人一台端末を活用し、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させることで、子供たちが困難な状況を乗り越えられる資質・能力の育成を目指しています。  本県においては、授業の中でグループワークを取り入れるなど、積極的に協働的な学びが進められているものと承知していますが、今後はさらに、教員が一方的に知識を伝授するスタイルの授業だけではなく、ICTを効果的に活用しながら、児童生徒一人一人に対応した授業が重要になるのではないでしょうか。  こうした個に応じた学びの充実は、子供たちが、学び続けることの楽しさや必要性を実感することにもつながるものであり、ひいては、本県の教育の大きな強みになると考えております。  そこで、県では、今後、小中学校の教育において、どのような授業を目指していくのか、御所見をお伺いします。  次に、食育の推進についてであります。  食べることは生きることと言われるように、健康の基本は食にあります。  特に、朝食は一日をスタートするための大事なスイッチであり、心身の健康に大変重要であることは周知の事実であります。  しかし、本年三月に公表された国の食に関する調査報告書によると、朝食をほとんど食べないと回答した二十代から三十代の若い世代の割合が高いことがわかっています。  また、ほかにも、過度な食事制限によるダイエット志向があることも取り上げられており、これらの状況が将来を担う次の世代の健康を損なうのではないかと憂慮しているところです。  一方、中高年では不規則な食事による肥満や生活習慣病の増加が見られるほか、高齢者においては、低栄養による健康面への影響が指摘されています。  生涯を健康に過ごすためには、食に関心を持ち、バランスの良い食事をとることが何よりも大切です。  そのためには、健全な食生活を実践できる力を育む食育をあらゆる世代で推進することが大変重要であると考えます。  食育では、食に関して信頼できる情報に基づく適切な判断力を養うだけではなく、地場産物を料理に取り入れることで地域の自然や食文化への理解を深めるとともに、生産者への感謝の気持ちを育んでいきます。  さらに、家族や仲間と楽しく食べることも、心身の健康のための重要な要素とされています。  しかし、現代社会では、共働き世帯や単独世帯の増加による孤食がふえ、家庭でコミュニケーションを取りながら食べる機会が減っています。  特に、コロナ禍では、感染拡大防止のため、食事中の会話を控えることが推奨されたことから、地域で食育推進に取り組む団体の方々からは、活動制限を余儀なくされたとの声を聞いています。  県では、令和三年に山梨の豊かな食の魅力を生かしながら、県民一人一人の食の大切さへの意識を高め、健全な食生活の実践を促し、心身の健康の増進と豊かな人間性を育むことを基本目標とした第四次やまなし食育推進計画を策定されました。  コロナ禍での行動制限が緩和された今、私たちはもう一度食育の重要性を見直し、家庭や学校、地域における食育活動をさらに推進する必要があると思います。  そこで、計画の進捗状況と目標達成に向けた今後の取り組みについて、県の御所見をお伺いします。  次に、食品衛生法改正に伴う対応についてであります。  令和三年六月に施行された食品衛生法の改正により、食品関係の営業許可業種が大幅に見直されました。  これは、食の安全を確保する観点から、食中毒のリスクや過去の食中毒の発生状況などを踏まえて許可業種を再編したものですが、これにより、漬物製造業が新たに許可業種となりました。  実際に、漬物の製造に関しては、平成二十四年に札幌市で白菜漬けによる患者数百六十九名、うち八名が死亡する事例や、平成二十六年に静岡市でも安倍川の花火大会で販売された浅漬けの冷やしキュウリによる患者数五百十名の大規模な食中毒事例が発生するなど、その衛生管理の徹底が求められています。  こうした状況の中、今般新たに許可業種としたことに加え、加工所の設備条件や食品の安全管理を厳格化したこと自体は、やむを得ないことであり、妥当だと考えています。  一方、長年地域伝統の漬物を自宅などで加工し、道の駅などの直売所に卸していた個人であっても、加工所の整備条件などを満たした上で、保健所に営業許可の申請をする必要があることは、関係者にどこまで周知されているのでしょうか。  この食品衛生法上の漬物製造の許可取得に対する経過措置は令和六年五月末であり、その満了まで既に一年を切っていることから、「許可が必要であるとの認識がなかった」として経過措置後に無許可で販売することがなくなるよう、新たな許可制度について十分に説明する必要があるのではないでしょうか。  また、私の地元である西八代地域では、この許可制度に対応するため、九十代のおばあちゃんが朝市や道の駅で漬物の販売を続けられるよう、家族がキッチンカーを設置し、その中で漬物を加工することを検討されている方もいると聞きます。  日本の伝統的な食品である漬物の製造・販売は、地域の高齢者の生きがいづくりの意味でも重要であることから、食品の衛生管理の徹底とともに、漬物の製造・販売を衰退させないような工夫も必要になるのではないでしょうか。  そこで、漬物製造業の許可取得に関して、県はどのように対応していくのか伺います。  次に、特定外来生物への対応についてであります。  本県は、地形、地質や気候など変化に富んだ自然環境にあり、温暖な低地から寒冷な高山帯まで、自然環境の特性に応じたさまざまな動植物が生息・生育しており、国内でも有数の生物多様性に富んだ生態系が形成されております。  一方、県内においても外来種の侵略等による生態系への影響が危惧されており、昨年九月には、甲府市内の大堀川、間門川においてナガエツルノゲイトウという特定外来植物が県内で初めて確認されました。  この植物は爆発的に繁殖すると、排水口を塞ぎ、洪水発生の要因となり、また、水面を覆いつくすため水質が悪化するなど、生態系への影響が危惧されることから、多額の県費をかけて駆除が行われました。  今後、本県への繁茂を防ぐためにも、継続的に監視していく必要があります。  特定外来生物対策については、外来生物法で、飼育や栽培、運搬、放出などを原則禁止するほか、防除について規定しています。  しかし、令和四年の一部改正以前は、国と地方公共団体の役割が明記されていなかったことから、個別の事案において防除の主体の調整に時間を要し、迅速な防除を行えないという弊害がありました。  今回の法改正により、国、県、市町村、事業者及び国民の責務が明記され、既に定着している特定外来生物により生態系等に係る被害が生じ、または生じるおそれがある場合は、県が必要な措置を講ずることとされました。  また、事業者及び国民は、外来生物の知識と理解を深め、適切に取り扱うよう努めるとともに、国及び地方公共団体の施策に協力するものとされました。  私は、繁殖力が非常に強い特定外来生物にあっては、発見がおくれ、放置してしまうと生態系等に係る被害が拡大するのに加え、防除の費用が多額となってしまうため、早期の発見と対応が重要だと考えております。  そこで、特定外来生物に関する県のこれまでの取り組みと、今般の法律改正を踏まえ、どのように対応するのか伺います。  次に、県営住宅の入居の促進についてであります。
     住宅は、誰もが安心安全で、豊かな日常生活を送るうえで最も大切な基盤の一つであります。  このうち県営住宅は、収入が相対的に低く、住宅に困窮する方の住まいとして整備され、高齢者や障害者、子育て世帯など、特に居住の安定を図る必要がある方に対する住宅セーフティネットとしての役割も担っております。  本県の県営住宅は、現在、県内各地に七千六百戸余りが供給されていますが、老朽化が進むとともに、特に利便性の低い団地を中心に、近年入居率が減少しており、今後も空き室がふえていくものと想定されます。  私の地元である峡南地域においても、いくつかの県営住宅がありますが、昔は入居率が高く、団地の敷地内で子供たちがにぎやかに遊んでいる姿を目にしてきました。  しかし、昨今では、夜に団地の近くを通りかかると、当時のにぎわいは影を潜め、部屋の明かりが点々とあるような寂しい情景となっており、改めて空き室が多いことを実感します。  空き室がふえることにより、団地全体の活気が失われ、住民同士のコミュニティーの形成にも影響を及ぼすとともに、防犯上や衛生面からも入居者の不安が大きくなることも懸念されます。  県営住宅は比較的高齢の入居者が多く、低層階が好まれるため、上層階に空き室が多く見られるようでありますが、例えば、これらの空き室に若者の入居を促進していくなど、これまでよりも幅広い方々の入居を可能としていくことが有効であると考えます。  県営住宅については、将来の需要予測に基づく長期的な視点から、老朽化した団地の用途廃止や統廃合により、管理戸数を減らしていく必要性があることも承知していますが、当面生じている空き室については、入居者の不安を払拭するためにも、入居の促進を図っていくことが大切であると考えます。  そこで、県営住宅の入居の促進について、これまでの取り組みと、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、水素・燃料電池関連産業への支援についてであります。  世界規模で異常気象が発生し、大規模な自然災害が増加するなど、気候変動問題への対応は今や人類共通の課題となっています。  このような中、水素は、運輸、産業、発電などさまざまな分野への適用を通して、社会の脱炭素化に重要な役割を果たすことが期待されています。  本県では、燃料電池分野で我が国を代表する研究機関である山梨大学の研究成果を産業振興に生かす取り組みをかねてより進めてきました。  その成果の一つである県内企業が山梨大学と共同開発した小型燃料電池は、電動アシスト自転車の電源として道の駅富士川で実証実験が開始されるなど、社会実装に向けて着実に歩みを進めています。  八月二十一日には、実証実験の開始を記念する式典が開催され、私も参加し、試乗させていただきました。  事業説明では、さまざまな課題を克服し、実証実験にこぎつけた技術者の熱い思いを感じ、水素社会が決して遠い未来の話ではないとの思いを新たにしたところです。  今後拡大していく市場の中で、県内企業の技術者の熱意を収益に結びつけていくため、これまでの技術支援に加え、サプライチェーンを意識したマッチングなどの支援も強化していく必要があると考えます。  さて、国では、水素基本戦略を六年ぶりに改定し、技術で勝ってビジネスでも勝つため、燃料電池など九つの分野を中核となる戦略分野と位置づけ、重点的に支援することとしています。  また、来年度概算要求には、水素の利用拡大に向け、化石燃料との価格差を埋める支援策も盛り込まれているものと承知しています。  全国に先駆け、水素・燃料電池関連産業の振興に取り組んできた本県にとって、国の方針は心強く、大きな追い風になるものと期待しているところです。  このような中、九月一日、県内企業の水素・燃料電池関連産業への本格参入を後押しするため、やまなし水素・燃料電池産業支援窓口が産業支援機構内に開設されました。  私は、支援窓口の設置が本県の水素・燃料電池関連産業の基幹産業化に向けた新たな展開をもたらすものと期待しております。  そこで、支援窓口の組織体制のほか、どのような支援を展開していくのか伺います。  次に、第五十回信玄公祭りの開催について伺います。  新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが五類に移行してから初めて迎えた今年の夏休みは、多くの方々が旅行やレジャーに繰り出し、全国の観光地におけるにぎわいや交通機関での混雑の様子を報道で数多く目にしました。  先般、私の地元である市川三郷町でも、「新時代への狼煙~未来を照らす華となれ~」のテーマのもと、神明の花火大会が四年ぶりに通常開催され、全国から訪れた約二十万人が、二尺玉を初め特大スターマインなど壮大で彩り豊かな花火に酔いしれました。  会場では、数え切れないほどの大型観光バスや、多くの観客であふれている飲食ブースや土産物コーナーを目の当たりにし、従前のにぎわいが戻ってきたと胸が熱くなったところです。  今月末には、本県最大の祭りである、五十回目を迎える信玄公祭りが開催されます。  昨年、三年半ぶりに開催された祭りは、過去最高の十七万八千人の観客動員を記録するとともに、十億円弱の経済効果を県内にもたらすなど、地域に大きなにぎわいと活力を与えるものとなりました。  節目となる五十回は、規模を拡大し、昨年以上に全県一体となって盛り上がる祭りとするべく準備を進めていると承知しておりますが、祭りの目玉である甲州軍団出陣の信玄公役には、世界で活躍するスーパーモデルで俳優の冨永愛さんを起用することで、祭りに新たな魅力の創出と認知度の向上が図られ、さらなる誘客促進につながるものと期待しています。  また、祭りの経済効果をより県内全域に波及させるためには、インバウンド需要の取り込みも必要であります。  日本政府観光局の直近の調査によると、訪日旅行者数は、コロナ禍前に迫る勢いで回復しており、インバウンドの獲得に向けて、積極的に海外に向けたPRを実施するべきと考えます。  私は、節目となる五十回を契機に、この信玄公祭りが、ますます魅力あふれる祭りとして、国内だけでなく海外にも広く認知され、世界各国から多くの方々に来訪していただくことで、県内経済の活性化はもちろん、地域の誇りや活力の源となり、地域の活性化に大きく寄与すると考えます。  そこで、県では、第五十回信玄公祭りをどのような内容で開催するのか伺います。  最後に、山中湖畔県有地の賃貸借契約について伺います。  山中湖畔県有地の富士急行株式会社との賃貸借契約の効力に関する争いについては、平成二十九年の住民監査請求から実に六年の歳月を費やした論争の末、同社が賃借権を有するとの控訴審判決をもって終結いたしました。  判決の確定を受け、県のこれまでの対応については、「議会など幅広い議論で合意形成を図っていれば、高額な訴訟費用は必要なかった」「従来の主張を転換したから多額の経費がかかった」など批判的な論調が目立ちます。  しかし、今回の一連の過程の中で、賃貸借契約の効力をめぐる住民訴訟を終結させ、富士急行との訴訟を防止するチャンスは間違いなくあったと理解しております。  執行部は、令和二年十一月定例会に和解案を上程していました。  和解案の内容は、平成二十八年度までの賃貸借契約の効力を問題とせず、あくまで将来の貸し付けの適正化を図るため、現在進行形である平成二十九年度からの契約について、公正な検証委員会において適正賃料や損害賠償の有無を調査するという極めて常識的なものでありました。  このとき、県が提案した和解案が成立していれば、そもそも富士急行が令和三年三月時点で契約の有効性を争点として提訴に踏み切ることはできず、結果、弁護士費用等も支出することはなかったと言えるのではないでしょうか。  我が未来やまなしは、裁判を終結させ将来に向けた話し合いがなされることは大いに結構との立場からこの和解案に賛成しましたが、当時の県議会では、残念ながら承認に至りませんでした。  その上で、結果的に多額の費用がかかったのは紛れもない事実です。これらの費用が無駄になるようなことは決してあってはなりません。  県有地は県民全体の資産であり、そこから得られる利益は県民に最大限還元されるべきものであります。  また、一審の判決文が、そもそもの賃料の契約額が安すぎるのではないかという点に完全に背を向けており、継続的に契約更新してきたから有効、造成前の素地価格を基礎とした算定方法も不当ではないとするなど、低廉な契約を将来的にも縛りかねない内容であったため、結論としての勝訴・敗訴はさておき、県民全体の資産の評価としてとてものめるものではありませんでした。  こうした考えのもと、我が未来やまなしは、令和四年十二月臨時会において、必要に応じて、従前の県の主張を繰り返すことに固執することなく、訴訟方針の見直しを検討すべきとする附帯決議を提案し、議決されました。  そこで、今回の控訴に当たり、県は附帯決議を踏まえ一審判決に対してどのような主張を行ったのか、また、契約は違法無効との県の主張に対し、非常識であるとか強烈な違和感があるといった批判もある中で、控訴によってどのような成果が得られたのか、伺います。  今回の判決によって、過去の分については一定の決着を見たわけですが、今後はこれまでの確執を乗り越え、未来に向けて双方が冷静に納得できる結論を導き出す姿勢が重要になります。  県民の多くは、富士急行と県がこれ以上裁判で争うことなく話し合いで解決することを望んでいます。  一方、これまでのいきさつもあり、話し合うと言っても、簡単でないことは十分理解できます。  また、一部の県民から、これまでの訴訟の経過等について第三者を交えて検証すべき旨の意見があるとも側聞しております。  このように、さまざまな意見がありますが、県としては、今後の賃料の適正化に向けて、どのように取り組みを進めていくのか、所見を伺います。  以上で、会派を代表しての質問を終わります。御答弁を求めます。 3 ◯議長水岸富美男君)笠井辰生君の質疑・質問が終わりました。  これより、当局の答弁を求めます。知事、長崎幸太郎君。       (知事 長崎幸太郎君登壇) 4 ◯知事長崎幸太郎君)笠井議員の御質問にお答え申し上げます。  ただいまは、未来やまなしを代表され、県政各般にわたり御質問をいただきました。  私が掲げる強靱な山梨の実現など、五つの政策の推進を後押しいただけるとの大変力強いお言葉を賜り、心から感謝を申し上げます。  また、我が国が厳しい状況に置かれている今こそ、山梨から県民本位の取り組みを進められるとの御決意に対し、深く敬意を表する次第であります。  多くのステークホルダーに御参画いただき、山梨の豊かさづくりに向けて大いに集合知が発揮されるよう、議員とともに全身全霊で取り組みを進めてまいりますことをお誓いし、以下答弁に入ります。  初めに、看護職員の確保対策についてです。  少子化により現役世代が減少する中、看護職員を安定的に確保するには、新卒職員に加え、潜在看護職員の活用や離職防止に重点を置いた対策が必要となってまいります。  まず、潜在看護職員の活用につきましては、未就業者の把握が重要なことから、離職時のナースセンターへの届け出の徹底を図り、再就業を積極的に働きかけてまいります。  また、令和六年度からは、マイナンバー制度を活用した看護職の人材活用システムが全国で運用開始される予定となっております。これにより、キャリア情報の活用が可能になることから、個々の特性に応じた職業紹介や研修情報の提供など、復職支援の取り組みをさらに強化してまいります。  また、コロナ禍では感染リスクへの不安や厳しい労働環境のほか、学生時の現場実習が十分できていなかったことが離職者の増加につながりました。このため、病院などに対しメンタルヘルス対策や勤務環境の改善に加え、経験不足の職員への丁寧な業務指導などの離職防止対策を要請したところです。  加えて、コロナの五類移行を機に休止していた普及啓発事業を再開したところであり、看護職志望者の裾野拡大を積極的に図り、看護職員を確保してまいります。  次に、介護人材の確保定着の促進についてです。今後も介護需要の大幅な増加が見込まれる中、必要な介護サービスを将来にわたって提供していくためには、若い世代の介護人材の確保定着が重要です。このため、県では本年度、養成施設が実施する高校生を対象としたオープンキャンパスなどの魅力発信事業への助成制度を創設し、就労を促進しています。  加えて、介護にまつわる感動的なエピソードを募集し、優秀作品を漫画化する表彰制度を創設することとし、九月補正予算に所要の経費を計上しております。  また、若い世代の定着を促すためには、働きやすい職場環境づくりや処遇改善の促進が重要です。  そこで、人材育成や労働時間の短縮などに関するすぐれた取り組みを行う介護事業所を県が認証する制度を設け、昨年度、初めて六つの事業所を認証しました。  一方、介護職員処遇改善加算の対象となる事業所のうち、約三割の事業所が、就業規則の整備などの事務が煩雑であるため、加算を取得していない状況であります。  このため、研修会の開催や社会保険労務士の派遣など、加算の取得を促しているところであり、今後も介護職員の賃金改善に向けて支援をしてまいります。  次に、犯罪被害者等支援計画の策定についてです。  計画では、被害者やその御家族が個人の尊厳にふさわしい処遇を保障され、個々の事情に応じた支援が適切に行われることを基本的な方針としています。  この方針のもと、総合的な支援体制の整備、被害の回復や負担の軽減に向けたきめ細やかな支援、理解を深め支援を広げる社会の形成を三つの柱として、具体的な施策を推進してまいります。  特に、今回は、一人一人に寄り添ったきめ細やかな支援ができるよう、総合的な支援体制の整備に重点を置き、支援の土台づくりを進めることとしています。  具体的には、関係機関の連携強化のための協議会や、個別の事案に対応するサポートチームを設置し、適切かつ迅速に被害者に寄り添った支援をしてまいります。  次に、犯罪被害者等の経済的負担の軽減につきましては、議員御指摘のとおり、被害の早期回復のため、早急な支援が必要となってまいります。  このため、県では、被害者御本人や御遺族への見舞金を支給することといたしました。  さらに、被害によって必要となった転居費用や弁護士委任費用に対する補助制度を創設することとし、九月補正予算に所要の経費を計上いたしました。  被害者等が困難から脱却し、安全・安心な生活を取り戻すことは、私の目指すふるさと強靱化に資することから、支援施策にしっかりと取り組んでまいります。  次に、手話言語の普及推進についてです。  手話は、独自の文法体系を持つものであり、手話がたどった歴史を含め、手話という言語への理解の輪を県民全体に広げていくことが大変重要であると考えております。  このため、先月二十三日には、全ての県民が手話を言語として認識をし、手話を使って意思疎通を行える社会を目指してフォーラムを開催いたしました。  また、市町村との連携により、手話言語を象徴する青色で庁舎をライトアップするなど、手話言語の日を県内全域に浸透させる取り組みを行いました。  本年度は、こうして高まった機運を着実に今後につなぎ、取り組みを加速してまいります。  具体的には、リーフレットや動画を活用しながら、学校や企業を対象に、県政出張講座などの機会を通じて手話言語への理解を促進する取り組みを進めます。  また、聴覚障害者団体や市町村とも連携して、手話通訳者の養成や確保に努め、聴覚障害者が意思疎通しやすい環境づくりを進めてまいります。  加えて先般、手話言語条例に基づきまして、聴覚障害者団体の方々との意見交換会を開催し、今後の県の施策展開についてさまざまな御意見をいただいたところです。  こうした御意見を踏まえまして、本年度策定する次期やまなし障害児・障害者プランに手話言語の普及推進策をしっかりと位置づけてまいります。  次に、第五十回信玄公祭りの開催についてです。  記念すべき五十回は、開の国づくりの理念のもと、多様性に富み、活力あふれる山梨の姿を描く祭りとして、神明の花火をのろしにスタートいたします。  この思いを託す信玄公役には、あらゆる可能性にチャレンジし、活躍の場を広げるその姿が、山梨の歩むべき姿と一致することから、冨永愛さんを起用することとしたことは御案内のとおりであります。  冨永信玄公率いる甲州軍団の出陣は、海外からの参加者を含めた過去最大の規模、そして、これまでにない新しい信玄公の魅力を存分に生かす演出で実施いたします。  また、誰もが自由に参加できる仮装パレードは、自分らしさを表現し、その多様性を認め合う象徴として実施をし、私もその一人として皆様とともに行進いたします。  さらに、親子で楽しむチャンバラ合戦や、国内外の食を集めたフェスを実施し、にぎわいと活力を生み出す、県民に開かれた県民参加型の祭りへと進化を加速させます。  このほか、県内各地で開催されるイベントとのコラボレーションや電車による武者の参集を行うなど、県民総参加による全県の祭りとして盛り上げてまいります。  加えて、インバウンド向けには、甲冑姿での武者行列への参加や、英語解説つきの観覧といった体験型ツアーを造成し、外国人観光客の獲得を進めてまいります。  ツアー参加者に、祭りのだいご味をSNSで拡散してもらうことで認知度を向上させ、回復基調にあるインバウンドの流れを次回以降にもつなげてまいります。
     開の国の旗印のもと、冨永信玄公とともに志を同じくする皆様と、この五十回を次の五十年に向けたスタートを切る祭りとしてまいります。  最後に、山中湖畔県有地の賃貸借契約についてです。  まず、令和四年十二月臨時県議会における附帯決議を踏まえた控訴審での主張内容と控訴の成果についてです。  具体的な経済的利益を確保する観点から、控訴審では、仮に契約が無効でないと判断された場合に備え、現行賃料の三億三千万円余を上回る額で増額請求を行っている旨も予備的に主張いたしました。  この主張の審理プロセスにおいて、高等裁判所からは、審判の対象が賃借権の存否であり、賃料額は賃貸借契約の内容を特定するものに過ぎない旨が確認され、一審判決が将来の賃料額を拘束するものではないということが明らかとなりました。  その上で、昭和二年の山林原野状態である造成前の素地価格を基礎とした低廉な賃料額を出発点として改定賃料額を算定することは、相当と言えない場合もあるとの判断が示されております。  さらに、別荘地としての開発によって得られる価値の増加分は賃借人に帰属しますが、造成による不動産自体の価値の増加分は、最終的に土地所有者に帰属するという判示がなされました。  これらの判示により、現況を基礎として賃料改定を行う基盤が形成されたと考えております。  このように、控訴審判決は造成前の素地を基礎とした賃料算定を是認した一審判決に対し、県の主張を大幅に認める内容となっております。  また、地方自治法第二百三十七条第二項に違反する取引行為の効力につきましても、重要な判断がなされました。  同項は、地方公共団体の財産は、条例又は議会の議決による場合でなければ、適正な対価なくしてこれを譲渡し、もしくは貸し付けてはならないと規定しております。  控訴審判決におきましては、普通地方公共団体から財産の貸し付けを受けようとする者は、適正な賃料を払わなければならないことを当然認識すべきであり、これに反する取引の相手方は保護に値しないと指摘しました。  その上で、同項違反の契約は最初からその効力が否定されるとし、この規定が賃貸人である県のみならず、賃借人の行動をも規制する規範であることを明確に示しています。  富士急行との契約を違法無効とする県の主張に対しましては、議員御指摘のようにさまざまな意見があります。  しかしながら、同項違反の契約は、締結時からその効力はないことが裁判所に認められたことで、県の主張の方向性が間違っていなかったことが明らかになりました。  判決では、賃料額そのものが適正か否かについての判断は行われておりません。賃料決定に当たって、不動産鑑定士による調査や外部意見の聴取といった手続を経ていることを重視し、同項違反ではないと結論づけただけであります。  返す返すも、適正な対価とは何かという根本に立ち返ることなく、漫然と従前の条件を基礎に賃料改定を行ってきた過去の行為が悔やまれるところであります。  以上のように、控訴審判決は、二百三十七条二項の正しい解釈を示しており、適正な賃料改定に向けた交渉を後押しするものとして極めて重要と言えることから、その意義は非常に大きいと考えております。  次に、今後の賃料の適正化についてです。  先ほども申し上げましたとおり、控訴審判決は、造成による価値増加分は最終的には土地所有者である県に帰属すると判示しております。  こうした観点から、今後、賃借人に対しましては、現況を基礎として評価を行うべき旨、理解を求めていくとともに、賃料改定のルールにのっとって粛々と交渉を行い、県民利益の最大化を図ってまいります。  なお、訴訟の経緯などの検証についてですが、一般的に検証なるものは、一連の事件・過程の全てを対象とすることで、初めて意味があるものとなります。  したがいまして、検証につきましては、山中湖畔県有地に係る賃料改定が終了した後に行いたいと考えております。  以上をもちまして、私の答弁といたします。  その他につきましては、担当の部長等からお答え申し上げます。 5 ◯議長水岸富美男君)県民生活部長、上野良人君。       (県民生活部長 上野良人君登壇) 6 ◯県民生活部長上野良人君)笠井議員の食育の推進についての御質問にお答えします。  計画の目標のうち、食育推進応援団や食品ロス削減推進パートナーの登録件数が大幅な伸びを示しており、事業者の食育活動への取り組みが進んでおります。  また、学校給食での地場産物の使用割合も、基準年である令和元年度の約一・八倍に増加しております。  こうしたことで、児童生徒が地域の食に触れる機会がふえ、その食や生産者への興味・関心を持つことにつながっております。  一方、朝食をとらないことがある人の割合は中学二年生と二十歳から三十九歳の若者を指標として調査しておりますが、基本的に増加傾向にあります。  このため、朝食をとらない若者に向けては、県の食育インスタグラムにより、朝食のメリットや手軽につくれるメニューなどを積極的に発信してまいります。  特に、学校においては、保護者懇談の機会を通じて朝食の大切さを伝えるなど、家庭と協力して朝食をとることの習慣化に取り組んでまいります。  食生活が多様化する中、食育の重要性は高まっており、さらなる推進のためには地域のさまざまな主体と連携・協働して取り組んでいくことが不可欠であります。  このため、食育活動を行う団体を初め、民間企業やNPO法人と協働し、地域で食育を推進する人材の育成や普及啓発になお一層取り組んでまいります。  以上でございます。 7 ◯議長水岸富美男君)防災局長、細田孝君。       (防災局長 細田 孝君登壇) 8 ◯防災局長(細田 孝君)笠井議員の大規模地震対策についての御質問にお答えします。  大規模地震に対応するためには、地震のリスクに正面から向き合い、全県一体となって自助・共助・公助の取り組みを進めることが重要です。  このため県では、本県に大きな被害を及ぼすおそれがある地震の被害想定を五月に公表し、そのリスクと、とるべき対策について周知してまいりました。  具体的には、県ホームページや出張講座、防災イベントで普及啓発を行うほか、七月には地震をテーマとしたシンポジウムを開催してきたところです。  さらに、地震のリスクをわかりやすく解説した動画や他言語でのリーフレットを作成し、外国人を含めた県民の皆様に自助の取り組みを促進してまいります。  また、地震発生時に地域住民が相互に助け合い、県や市町村などと連携して迅速かつ的確に行動できる体制を構築しておく必要があります。  このため、地域防災の中核となる防災リーダーを養成する講座や、その後のフォローアップ研修を開催しています。その上で、リーダー同士の交流会を通じて情報交換を行うことにより、各地域における共助の取り組みの活性化を図ってまいります。  さらに、県や関係機関の連携を強化するための図上訓練や、地域住民、自主防災組織などの参加による実践的な訓練を実施し、公助の実効性を高めてまいります。  加えて、いかなる地震が発生しても必要な物資が滞ることがないよう、備蓄のあり方を総合的に検討し、大規模地震への対応に万全を期してまいります。  以上でございます。 9 ◯議長水岸富美男君)福祉保健部長、井上弘之君。       (福祉保健部長 井上弘之君登壇) 10 ◯福祉保健部長井上弘之君)笠井議員の食品衛生法改正に伴う対応についての御質問にお答えします。  法改正に伴い、令和三年六月以降、漬物の製造を業として行う場合には許可が必要となりました。また、従前からの製造者は、経過措置の対象となりますが、令和六年五月末までに許可を取得することが必須となっています。  この許可を取得するためには、漬物を製造する施設ごとに基準を満たした手洗い設備や専用の製造・保管場所などを整える必要があります。  これまで県では、漬物製造者への研修会や、道の駅、農産物直売所を通じたリーフレットの配布など新たな許可制度の周知に努めてまいりました。あわせて、各保健所を窓口とした相談対応を行ってきた結果、八月末現在、七十三の漬物製造施設が許可を取得したところです。  しかし、経過措置期間満了までに一年を切る中、令和六年六月以降に無許可の漬物が流通しないよう、許可取得に向けた周知をさらに徹底する必要があります。  このため、今後、保健所において道の駅などと連携し、商品の製造者表示を参考に、許可をまだ取得していない方に対して個別に情報提供をしてまいります。その際には、漬物製造を続けたい方に対し、許可取得に向けた施設や設備のあり方について丁寧に助言をしてまいります。  以上でございます。 11 ◯議長水岸富美男君)環境・エネルギー部長、関尚史君。       (環境・エネルギー部長 関 尚史君登壇) 12 ◯環境エネルギー部長(関 尚史君)笠井議員の特定外来生物への対応についての御質問にお答えします。  これまで県では、県民向け防除方法の実地講習会や小中学生向けのリーフレットの配布などの普及啓発を行ってまいりました。また、自治会や民間団体が行う外来種の防除活動に対して経費を助成しております。  加えて、ナガエツルノゲイトウの事例のように、情報が寄せられるたびに調査を行い、繁殖の状況に応じ、防除や監視、注意喚起を行ってきたところでございます。  このほか、富士山科学研究所では、車載カメラを活用し、外来植物の繁殖状況を把握するシステムの研究を進めております。  また、今後の対応としては、現在、生物多様性戦略の策定作業を進めており、今般の法律改正の内容を反映することとしております。具体的には、法が規定する県の責務を踏まえつつ、県民、事業者及び行政が連携して特定外来生物に対応するスキームについて検討をしております。  今後は迅速な情報収集と適切な措置を講じて特定外来生物への対応力を強化し、生態系の保全と安全・安心な県民生活の実現に努めてまいります。  以上でございます。 13 ◯議長水岸富美男君)産業労働部長、染谷光一君。       (産業労働部長 染谷光一君登壇) 14 ◯産業労働部長染谷光一君)笠井議員の水素・燃料電池関連産業への支援についての御質問にお答え申し上げます。  県では、全国に先駆け、本産業への参入に必要な専門人材の養成などを進めた結果、参入企業は八十社を超えるなど着実に成長の素地が整ってまいりました。  水素利活用の動きが強まる中、蓄えた力を経営の柱として開花させるべく、今後は、受注拡大に向けた支援を強化する段階に入ったものと認識しております。  新展開に向けましては、市場ニーズを見きわめる洞察力、業界内のネットワーク、支援の方向性を見定める識見といった高度な要素を備えた支援体制が必要です。  そこで、世界的電機メーカーで本分野の責任者を務め、業界で名高い方をスーパーバイザーに招き、企業支援や施策など広範に助言いただくことといたしました。  就任早々、企業を訪問し、メーカー目線の厳しく的確な指摘や改善策の提言を行うなど既に精力的に活動いただいております。  あわせて、支援窓口には、県内企業の技術を把握し、企業支援経験が豊富な方をコーディネーターとして二名配置し、支援を展開します。具体的な支援としては、市場ニーズに適した企業技術を探索し、山梨大学やFC─Cubicなどと連携し、受注可能性を高める水準へと磨き上げていきます。  その上で、スーパーバイザーや研究機関の人脈を活用し、大手企業への技術提案会を設けるなど、中小企業単独では確保が困難な商談機会を提供します。  これらの支援により、企業の事業拡大を促進し、さらには企業誘致も積極的に進め、水素・燃料電池関連産業を、本県経済を牽引する基幹産業に育ててまいります。  以上でございます。 15 ◯議長水岸富美男君)県土整備部長、椎葉秀作君。       (県土整備部長 椎葉秀作君登壇) 16 ◯県土整備部長椎葉秀作君)笠井議員の県営住宅の入居の促進についての御質問にお答えします。  県では、令和二年度から、県内に住所または勤務場所を有するとの入居者資格要件を撤廃しました。また、県外から転入する単身者は、六十歳未満でも入居を可能とする見直しを行いました。  さらに、民間による家賃保証制度の導入など入居要件を緩和し、入居世帯は八月末までに三百四十三世帯となり、入居促進に一定の効果が見られました。  一方で、昨今の少子高齢化やコロナ禍後の生活様式の変化を踏まえると、多様なニーズに合わせたさらなる取り組みを進めていくことが必要と考えております。  このため、若年単身者の入居、子育て世帯に対する収入基準の緩和や優先的に入居できる住戸の追加指定について検討してまいります。  あわせて、さまざまな広報媒体を活用し、県営住宅への入居要件を必要とする方に対して、見直し後の資格要件などを広く周知し、さらなる入居の促進に努めてまいります。  以上でございます。 17 ◯議長水岸富美男君)教育長、降籏友宏君。       (教育長 降籏友宏君登壇) 18 ◯教育長降籏友宏君)笠井議員の山梨の小中学校が目指すべき教育の方向性についての御質問にお答え申し上げます。  これからの社会では、みずから考え、行動しながら新たな価値を創造し、困難な状況を乗り越えるチャレンジ精神などを身につけていくことが重要であります。  小中学校におきましては、各学校に一人一台端末などのICT環境が整備され、子供たちの学びの可能性が広がってきております。  これにより、これまでの教師が知識を一斉に教えるといったスタイルの授業から、子供たちが自分に合ったやり方で学びを進めるといった授業の実施がより容易となっております。  そこで、教師主体の一斉授業から子供主体の授業へと授業観の転換を図るべく、子供主体の授業づくりに向けた研究を積極的に進めてまいります。  また、国語や算数を初めとする教科等の本質を大事にしつつ、教科横断的な学習や探究的な学びなど、知識や経験を組み合わせ、アウトプットしていく学習にも注力をしてまいります。  こうした取り組みにより、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を図りながら、多様化する子供たちの資質・能力を育んでまいります。  そして、本県の少人数教育によるきめ細かな指導に加え、子供主体の学びの充実を図ることにより、みずからの可能性を最大限に引き伸ばす教育の実現を目指してまいります。  以上でございます。 19 ◯議長水岸富美男君)当局の答弁が終わりました。
     笠井辰生君に申し上げます。残り時間がありません。  これをもって笠井辰生君の代表質問を打ち切ります。  暫時休憩いたします。                                          午後二時十四分休憩        ───────────────────────────────────────                                          午後二時三十分再開議 20 ◯議長水岸富美男君)休憩前に引き続き、会議を開きます。  日程第一及び日程第二の議事を継続いたします。  これより一般質問を行います。  この際申し上げます。  一問一答により質疑を行う議員は、一問一答用質問演壇において行ってください。  また、その答弁については、最初の答弁のみ演壇で行い、それ以降は自席で行うことといたします。  重ねて申し上げます。  関連質問における答弁は、自席において行うことといたします。  発言の通告により、山田一功君に二十分の発言を許します。山田一功君。       (山田一功君登壇)(拍手) 21 ◯山田一功君 質問に先立ちまして、この二つのリボンですが、毎度おなじみではありますけれども、ブルーリボンは、北朝鮮に拉致された被害者、日本人を救う会の象徴のリボンでありますが、このブラウンリボンと言いますけれども、これは北方領土返還運動をする象徴のリボンであります。今日は北方領土の質問はいたしませんが、ぜひ御認識いただければと思います。  それでは、私は、自由民主党・開の国の立場から、今定例会に提出されました案件並びに県政一般について質問をいたします。  まず、今年も台風などによる相次ぐ災害によって、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げますとともに、被災地の一刻も早い復興を願ってやみません。  また、東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出が始まり、国際ルールを無視した一部の国の過度な反応に心を痛めているところであり、福島を初め、各地の漁業関係者や関連企業への影響が早期に収束することを願っております。  七月、会派で東京電力柏崎刈羽原子力発電所を視察しました。県外へ六割の発電をしている新潟県の現状や、脱炭素社会の実現に向けて、我が国が置かれている状況、柏崎刈羽原発の現況を見て、問題の複雑さを実感しました。  長崎知事におかれましては、県民一人ひとりが豊かさを実感できるやまなしを掲げ、こうした自然災害や感染症に対する強靱化、経済・生活基盤の強化を図るための重要な施策を次々と実行に移されております。  本年、日越外交関係樹立五十周年の節目に当たり、この夏、私はベトナムへの視察団に加えていただき、クアンビン省を訪問しました。また、先月十九日にはクアンビン省友好訪問団をお迎えし、山梨県クアンビン省姉妹友好県省締結式が開催され、成長著しいベトナム、クアンビン省の活力を本県に取り込み、両県省のポテンシャルを最大限に生かしていくことで、山梨を外に開き、県民の豊かさを実感できる開の国実現に大いに期待をしているところであります。  長崎知事の姿勢に強く共感しながら、私の理念である、ふるさとの空の青さを、森の緑を、水の清さを次の世代へ伝えたい。将来にわたって山梨県が発展し続けられるよう、全力を尽くすことをお誓い申し上げ、以下、質問に入ります。  初めに、外国人材の受け入れについて伺います。  先日、本県とベトナム、クアンビン省との間で、姉妹提携協定が無事締結に至ったことを大変うれしく思います。  私は七月、協定締結に先駆けて、山梨県議会ベトナム訪問団の一員として、同省の視察調査を行ってまいりました。  クアンビン省の省都であるドンホイ市内や西北ドンホイ工業団地を視察し、現在、アジアで最も急成長しているベトナムの勢いの一端をかいま見るとともに、その成長を支える人々の活力を実感いたしました。  また、同省人民評議会幹部と観光や農工業、福祉といった分野に関する意見交換ができたことは大変有意義でありました。  私が、今回、訪問団に期待したのは、人材不足が深刻化する山梨にベトナムの若者たちを迎え入れ、本県経済や地域社会の支え手になれないかとの思いがあったからであります。そして、相手方も大いに期待をしてくれました。  県でも同じ日程で、専門的な知見を有する職員で編成する訪問団を派遣し、同省の関連部局との間で、今後につながるさまざまな協議を行ったと伺っております。  そこで質問します。今回の訪問団派遣により、人材受け入れの観点から、県としてどのような調査・協議を行ってきたのか伺います。 22 ◯議長水岸富美男君)知事、長崎幸太郎君。       (知事 長崎幸太郎君登壇) 23 ◯知事長崎幸太郎君)山田議員の御質問にお答え申し上げます。  ただいまは、ふるさと強靱化に向けた私の施策への取り組みに御評価を賜りながら、将来にわたって山梨県が発展し続けられるよう、全力を尽くされるとの御決意をお示しになられました。  山田議員におかれましては、私の掲げる介護待機者ゼロ社会の実現に向けて、専門的見地から適切な御助言をいただきまして、深く敬意と感謝を申し上げる次第であります。  私も議員の御期待に応え、本県を全ての人に対して開かれた、開の国へと発展させるべく取り組みを進めてまいりますことをお誓いし、以下、答弁に入ります。  まず、ベトナム、クアンビン省への訪問概要について御質問をいただきました。  今回、クアンビン省の労働・傷病兵・社会問題局や、専門人材を輩出する短期大学などを訪問し、人材育成や送り出しの現状と課題を調査・協議してまいりました。  その結果、条件さえ整えば、同省から毎年三百人以上の人材を送り出せる可能性があることが明らかとなりました。  また、短期大学には、看護や土木・建設、情報技術、農業といった教育課程に多くの学生が在籍しており、本県産業と親和性が高い現状を把握できました。  一方、人材受け入れのためのインセンティブを充実し、現地の若者に積極的に情報発信して、山梨での就業につなげる必要性を再認識いたしました。  以上でございます。 24 ◯議長水岸富美男君)山田一功君。       (山田一功君登壇) 25 ◯山田一功君 今回の同省人民評議会との協議において、両県省連携の最重点事項は、人的交流であるとの認識を共有いたしました。  現在、外国人労働者を国籍別で見ると、その数は、日本全体でも本県においてもベトナム人が最も多く、そして経済の貢献度も高い状況であり、ベトナム人材を積極的に受け入れていくべきであると考えます。  国立社会保障人口問題研究所の推計によると、我が国の人口は二〇二〇年の一億二千六百十五万人から、五十年後の二〇七〇年には八千七百万人へと三割以上減少する見込みとなっております。  科学技術による省力化、業務効率化も進むとは思いますが、それにも限界があり、働き手として、また地域社会の担い手として、外国人材の受け入れは喫緊の課題であります。  そこで質問します。県では外国人材の受け入れを促進するため、安心して働ける環境づくりを進めていくとしていますが、具体的にどのように取り組んでいくのか伺います。 26 ◯議長水岸富美男君)知事、長崎幸太郎君。 27 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答え申し上げます。  円安や物価高騰の影響により実質賃金が低下するなど、日本はもはや外国人材にとって労働市場としての魅力度が低下していると言わざるを得ません。  そこで県では、外国人材が自己肯定感を持って地域社会に溶け込み、本県を第二のふるさとと感じてもらえるようにしていくことが重要と考えております。  このため、外国人活躍ビジョンに基づきまして、労働環境の適正化、日本語教育の充実などを積極的に展開し、外国人が安心して働ける環境づくりを進めています。  また、外国人材を安い労働力とする一部の誤った認識は改めていく必要があります。  このため、外国人材の成長支援と適正な労働対価の支払いの双方に取り組む企業の周知などによりまして、意識改革を推進してまいります。  以上です。 28 ◯議長水岸富美男君)山田一功君。       (山田一功君登壇) 29 ◯山田一功君 知事には前向きの答弁をいただきました。  実は、これは八月二十九日の日経新聞であります。ふえる外国人材どこからということで、これ、二〇一九年から二〇四〇年までの統計というか、今後の予想を示しておりますが、現在、ベトナム、十二万五千人から二十四万四千人と倍増する。それから、ミャンマーは一万人から十六万五千人、カンボジアは六千人から十三万一千人と、このように、アジアから今後、大分ふえるという予想がされているわけでありますが、次に、介護分野における外国人材の受け入れについて伺います。  本県の高齢化率は全国平均より高い傾向が続いており、団塊ジュニア世代が六十五歳以上の高齢者となる二〇四〇年に向けて、必要となる介護サービスが増加していくと考えられ、介護人材の確保は喫緊の課題であります。  一方で、令和四年度の介護労働実態調査によると、県内で介護労働に従事する職員の平均年齢は五十・二歳と、働く側の高齢化も進んでおり、こうした中で、介護分野の外国人材に対する期待はますます大きなものとなっております。  そこで質問します。県では、外国人材の受け入れ促進にどのように取り組んでいくのか伺います。 30 ◯議長水岸富美男君)知事、長崎幸太郎君。 31 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答え申し上げます。  外国人材の受け入れを促進するには、受入施設の負担軽減や、外国人材が安心して働き、本県で働くことに魅力を感じられる環境の整備が重要になると考えております。  このため、県では、まず受入施設に対しまして、日本語学習や介護技術の研修、学習環境を整備するための経費への助成を行っているところです。  また、県内就労者を対象に日本文化やコミュニケーション技術の研修のほか、交流会や受入施設同士の意見交換会を開催し、定着を支援してまいりました。  加えて、本年度開設いたしました介護福祉総合支援センターでは、受け入れを検討する事業者に成功事例を紹介するセミナーを開催し、受け入れを支援しております。  また、日本は他国より高齢化が進んでいるため、日本の介護技術や理論は世界の先進となっております。  このため、来られた方たちにこれらの技術や理論の習得を県が認証するといった、帰国後のキャリアアップに結びつく仕組みを検討し、本県の魅力を高めてまいります。  以上です。 32 ◯議長水岸富美男君)山田一功君。       (山田一功君登壇) 33 ◯山田一功君 ぜひ、知事の答弁に期待をしていきたいと思います。  次に、介護支援専門員、いわゆるケアマネージャーの確保・定着について伺います。  本年七月三日の地元紙で報じられておりましたが、県内でも介護支援専門員の不足により、居宅介護支援事業所の休止や撤退が相次いでおります。高齢者が訪問介護や通所介護などの在宅介護サービスを利用するためには、居宅介護支援事業所でケアプランを作成してもらう必要があります。  居宅介護支援事業所の減少は、要介護状態となった高齢者が住みなれた地域で暮らし続けられる地域包括ケアシステムの推進にとって大きな障害となってきます。  そこで質問します。過去十年間における、県内の居宅介護支援事業所の数の推移について伺います。 34 ◯議長水岸富美男君)福祉保健部長、井上弘之君。 35 ◯福祉保健部長井上弘之君)ただいまの御質問にお答えします。  厚生労働省の調査によると、県内の居宅介護支援事業所の数は、平成二十八年度をピークとして、その後は減少傾向が続いています。  令和三年度は三百十一事業所であり、平成二十八年度の三百五十五事業所から約一二%の減少となりました。  また、県が独自に調査をしたところ、令和四年度も二百九十事業所と減少に歯どめがかかっていない状況となっております。  以上でございます。 36 ◯議長水岸富美男君)山田一功君。       (山田一功君登壇) 37 ◯山田一功君 在宅サービスが崩れていくと、最終的には限界があり、施設介護にしわ寄せがかかってきますので、ぜひ、ここの歯どめをお願いしたいと思います。  私が、本年二月議会において、介護支援専門員の資格試験受験者の減少について質問したところ、長崎知事は早速、資格試験の受験要件見直しについて、直接あるいは知事会を通して国に要望していただき、大いに感謝を申し上げます。  私も、自民党県連政調会長として、全国政調会長会で同様の発言をしてまいりました。  しかしながら、受験要件の緩和については、国の制度改正を待つ必要があり、実現までには時間を要すると思われます。  そこで質問します。県として、資格試験受験者の増加を初め、介護支援専門員の確保にどのように取り組んでいくのか伺います。 38 ◯議長水岸富美男君)知事、長崎幸太郎君。 39 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答え申し上げます。  受験者減少への対応は重要であり、県では介護施設の管理者などを通じて、受験資格を持つ方に積極的な受験を促すなど、受験者の掘り起こしに努めています。  また、資格を取得していながら更新していない方が推計で三千人程度いることから、再度、介護支援専門員への就業を促すことも重要であると考えています。  このため、本年度は、資格証の再交付に必要な再研修の受講を促すチラシを作成し、介護福祉士会や看護協会などの御協力をいただき、受講の呼びかけを行っています。
     加えて、ハローワークの窓口において、対象者への周知や働きかけを依頼するなど、介護支援専門員の確保に取り組んでいるところです。  以上です。 40 ◯議長水岸富美男君)山田一功君。       (山田一功君登壇) 41 ◯山田一功君 居宅介護事業所が減っているのですが、その辞めたケアマネが施設ケアマネにすぐなれるかというと、実はグループホームなんかは認知症研修、今ちょうど四カ月ぐらいかけてやっている、この研修を終わらないと、いわゆる施設ケアマネの算定にならないので、その辺も非常に問題もあるところかなと思っております。  それで、同じ本年二月議会において、介護支援専門員の更新研修に係る受講者の負担軽減についても質問したところでありますが、介護支援専門員について、受験者の増加を図ることによる確保策に加え、現役の介護支援専門員が資格を更新するため、研修受講に係る負担軽減を図ることによる定着促進が不可欠であります。  これについても知事に動いていただき、今年度、受講生の負担が大きい事前課題の取り扱いの変更など、一定の負担軽減が図られました。  そこで質問します。来年度には、介護支援専門員の研修のカリキュラムの改定も予定されているところでありますが、県は今後、介護支援専門員の更新研修の受講者の負担軽減にどのように取り組んでいくのか伺います。 42 ◯議長水岸富美男君)福祉保健部長、井上弘之君。 43 ◯福祉保健部長井上弘之君)ただいまの御質問にお答えいたします。  更新研修については、受講者の負担軽減を図るため、座学研修を原則オンラインで実施しているところでございます。  来年度は、さらなる負担軽減を図るため、この座学研修について、時間を問わず受講できるオンデマンド方式の導入についても検討してまいります。  また、座学研修以外の課題を持ち寄り行っている集合での演習における負担軽減につきましても、他県の取り組みを参考にしながら、あわせて検討してまいります。  以上でございます。 44 ◯議長水岸富美男君)山田一功君。       (山田一功君登壇) 45 ◯山田一功君 ぜひ、演習項目等、他県の例を見ていただきたいと思います。ここの見直しは、大分重要かなと私は思っております。  さて、次に、新山梨環状道路の整備について伺います。  山梨県内においては、高速道路である中央自動車道が東西軸、中部横断自動車道が南北軸としてあり、それらを補完する道路として、新山梨環状道路と、甲府市から埼玉県深谷市を連絡する西関東連絡道路が位置づけられております。  このうち、新山梨環状道路は、慢性的な渋滞が生じている甲府都市圏の幹線道路をつなぎ、リニア中央新幹線の開業効果を県内全域に波及させるためにも不可欠であります。  災害時は、円滑な救援活動や緊急物資の輸送を支える道路となりますが、全線がつながって輪となることで、これらの効果を最大限に発揮するものであります。  そこで質問します。これまでの新山梨環状道路の整備状況はどのようになっているのか伺います。 46 ◯議長水岸富美男君)県土整備部長、椎葉秀作君。 47 ◯県土整備部長椎葉秀作君)ただいまの御質問にお答え申し上げます。  新山梨環状道路は、北部、東部、南部、西部の四つの区間で構成される、全周約四十三キロメートルの高規格道路であります。  このうち、供用しているのは、西部区間、南部区間及び東部区間の西下条から落合西インターチェンジまでであり、全周のうち約半分となっております。  未供用区間においては、東部区間の落合西インターチェンジから国道二十号までの約五・五キロメートルにおいて県が整備を進めております。  また、国が整備する北部区間、約十七キロメートルのうち七キロメートルで事業が進められております。  以上でございます。 48 ◯議長水岸富美男君)山田一功君。       (山田一功君登壇) 49 ◯山田一功君 国により事業が進められている北部区間は、並行する国道二十号や甲府韮崎線の山の手通り、また国道四百十一号線の渋滞緩和に大きく寄与するものであります。  北部区間の整備については、道づくりに市民の声を生かすPI手法(パブリックインボルブメント)により計画を進め、平成二十五年に環境影響評価書の公告・縦覧と都市計画決定の告示を行っております。  このうち、私の地元である甲斐市牛句から宇津谷間においては、平成十六年に事業化され、環境補足調査や環境保全対策など実施されております。  長年、調査業務は行われておりますが、工事着手に向けた作業は見られない状況でしたが、本年三月、国より測量作業に着手すると沿線地域に通知され、やっと動き出したと承知しております。  そこで質問いたします。牛句─宇津谷間における測量作業の進捗状況について伺います。 50 ◯議長水岸富美男君)県土整備部長、椎葉秀作君。 51 ◯県土整備部長椎葉秀作君)ただいまの御質問にお答え申し上げます。  牛句─宇津谷間においては、今月末をめどに測量作業が完了するよう進められていると承知しております。  実施に当たりましては、地元の皆様の御協力を得る中で、ドローンなど新技術を用いた測量を実施し、効率的に作業が進められております。  あわせて、地質調査も行い、これらの結果を基に、地形や建物の位置・高さを反映した詳細な図面を作成中であると聞いております。  以上でございます。 52 ◯議長水岸富美男君)山田一功君。       (山田一功君登壇) 53 ◯山田一功君 平成二十三年に、私が議員に初めてなったときには、もう地元の現地説明を一緒に歩いてやったのですが、もう既に十二年たったけど、全く進展がなかったので、今後、進捗を期待したいと思います。  新山梨環状道路は、高速道路と同様に、盛土や高架橋などで整備され、交差交通がない構造で沿道アクセスが制限された道路であります。そのうち、牛句─宇津谷間においては、中央自動車道とジャンクション方式で接続するとともに、JR中央本線を立体交差し、国道二十号と接続すると承知しております。  また、地域では、平成十三年に設立した地元住民で構成する北部区間建設促進連絡協議会や、沿線市町などで構成する建設促進期成同盟会から、早期整備を求める熱い住民の声が長年届けられていることから、牛句─宇津谷間における北部区間の今後の見通しについて伺います。 54 ◯議長水岸富美男君)知事、長崎幸太郎君。 55 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答え申し上げます。  北部区間は国により事業が進められておりますが、牛句─宇津谷間では、今後は道路の設計が実施され、次の段階として地元説明が行われることとなります。  県といたしましては、円滑に事業が進むよう、地元との調整や関係機関の協議など、国に協力をしてまいります。  また、広瀬─桜井間におきましては、早期に工事着手ができるよう、国から委託を受けている用地取得の進捗を図っております。  一方、桜井─牛句間、約十キロメートルにおきましては、沿線市町や各種団体と一層連携を図りながら、引き続き、早期事業化を国へ積極的に働きかけてまいります。  以上です。 56 ◯議長水岸富美男君)山田一功君。       (山田一功君登壇) 57 ◯山田一功君 ぜひ、早期完成をお願いしたいと思います。  次に、リニア開業に伴う空港の整備に向けた取り組みについて伺います。  リニア中央新幹線の開業は、東京─名古屋─大阪間の時間や距離を大幅に短縮し、新たな交流・連携の創出によって、社会、経済、文化、産業など、あらゆる面で飛躍的な発展をもたらすとともに、県内経済のさらなる活性化につながるものとして、大いに期待をしておるところでございます。  リニア開業を見据えて、ヒト・モノ・富を呼び込み、循環させるべく、知事は、空港開設の可能性についても、専門的な見地からしっかりと研究、検討を進める旨、述べております。  これは、八月十五日の日経新聞でございます。一面に、「ホンダジェットで地方移動、来年度事業化、訪日富裕層を見込む」という一面の記事にありますように、ホンダは来年のうちに、訪日富裕層に向けた小型ジェット機、ホンダジェットを使った地方移動サービスを始めるというもので、現地で観光とあわせたパッケージ企画として売り出し、富裕層の誘致を後押しする旨を発表しております。  プライベートジェット等の利用者は富裕層が中心ですが、今後はビジネスのみならず、インバウンド観光目的での利用も大いに期待ができるところであります。  首都圏からほど近い立地条件、この地の利を有した中で、リニアと空のアクセスがリンクすることで、まさに知事が目指す、世界に開けた日本の玄関口たる開の国が現実のものとなるのではないでしょうか。  そこで質問します。このような状況を踏まえて、本県において空港整備の可能性を検討する目的について、御所見を伺います。 58 ◯議長水岸富美男君)知事、長崎幸太郎君。 59 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答えいたします。  リニア開通を人と富が山梨に集まる契機とし、本県の発展につなげていくためには新たな視点が必要であると考えます。  このため、リニアと航空路との機能交接を構築する可能性を追求することが有益ではないかと考えたところであります。  例えば、リニア山梨県駅へのアクセスがいい地域にプライベートジェットのために不足している駐機場を確保した空港整備が考えられます。このことによりまして、ビジネス環境が改善し、インバウンドを含む人の流れを活性化させることができると期待できます。  また、地方において近距離の航空路線の需要も考えられる中、羽田空港においては、小型旅客機の離発着が制限されている状況があります。そうした状況において、羽田空港の補完的な役割も期待できるのではないかと考えております。  そこでまず、技術面や立地、あるいは採算面での妥当性など、さまざまな課題について調査をし、空港整備の可能性を検討してまいります。  以上です。 60 ◯議長水岸富美男君)山田一功君。       (山田一功君登壇) 61 ◯山田一功君 ホンダジェットは、離陸に約一千メートルちょっと、着陸には九百メートルちょっとで済むということでありますから、もう三千メートルという空港は必要なくなってきているんです。  本県における空港整備の検討につきましては、古くは昭和の時代から議論がなされてきた中で、定期便が就航するような空港は不要という結論になったと承知しております。  しかしながら、先ほど申しましたように、今や地域間の移動に欧米のようなプライベートジェットが活躍する時代が到来しつつあることに加え、空飛ぶ車など次世代モビリティーが現実味を帯びてきております。  国内外の定期便の就航を前提とした、従来の地方空港とは違う空港のあり方を考えていくべきであり、幅広く空港を活用できるよう、検討委員会の設置が必要でないかと思います。  そこで質問します。六月補正予算に計上された空港整備調査研究事業における進捗状況と今後の進め方について伺います。 62 ◯議長水岸富美男君)知事政策局長、石寺淳一君。 63 ◯知事政策局長(石寺淳一君)ただいまの御質問にお答えいたします。  六月議会における補正予算成立を受けまして、速やかにプロポーザル方式による公募を行った結果、先月上旬に業務委託契約を締結いたしました。  現在は、調査業務に着手したところであり、順次、需要予測や適地抽出などの作業を進めていくこととしております。  また、調査の進捗状況を踏まえまして、有識者や関係機関等で構成される研究会を開催していくこととしております。  以上でございます。 64 ◯議長水岸富美男君)山田一功君。       (山田一功君登壇) 65 ◯山田一功君 空港整備の検討においては、首都直下型地震や豪雨災害が発生した場合に備え、防災基地的な要素を持つ空港とするよう検討すべきではないかと考えます。  自衛隊では、災害時においてもすぐれた輸送性能を誇る輸送機を有しており、候補地の選定に当たっては、このような機材が着陸できる規模の滑走路を念頭に置くべきではないでしょうか。  いずれにしましても、目先の費用対効果だけにとらわれず、このような観点も念頭に置いて検討を進めていただくべきだと考えますが、御所見を伺います。 66 ◯議長水岸富美男君)知事、長崎幸太郎君。 67 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答え申し上げます。  災害時に陸の孤島と化し、物流や人流が寸断されるおそれのある本県にとりまして、大規模災害を想定した空のルートを確保することも大変重要な視点であると考えます。  今回の調査業務におきましては、専門的な見地から、まずは空港整備の課題を整理し、その可能性について詳細な調査を行ってまいります。  議員御指摘の点は、いずれも空港整備の可能性を検討する上で、空港のコンセプトとしても大変貴重な御意見であり、今後の調査・研究に生かしてまいります。  以上です。 68 ◯議長水岸富美男君)山田一功君。       (山田一功君登壇) 69 ◯山田一功君 知事の言葉をかりれば、野心的な取り組みということで、でも空港の場合、絶対リニアはありだよと、リニアがあって初めて空港、その視点はぜひぶれずに、今後も重要なことかなと思っております。  最後に、農泊の推進についてお伺いします。
     農泊は、農山村地域の所得の向上が図られるだけでなく、住民がみずからの地域の大きな価値に気づく契機となるなど、農山村地域の活性化につながる重要な取り組みであります。  国は、これまで農泊に持続的に取り組むことが可能な五百地域の創出を目指し、令和元年度から体制整備や観光コンテンツの開発、滞在型施設等の整備を支援してきました。  また、本年六月には国の農泊推進あり方検討会において、農泊推進実行計画を取りまとめ、この中で、農泊の推進に係る目標を掲げております。  具体的には、令和七年度までに農泊地域の宿泊者数を年間延べ七百万人とし、農山村の活性化と所得向上を目指すこととしております。  本県においても、令和元年度から、地域が取り組む魅力ある農村資源の掘り起こしや体験プログラムの開発を支援していると承知しております。  そこで質問します。本県における農泊の実施地区数と年間延べ宿泊者数について伺います。 70 ◯議長水岸富美男君)農政部長、大久保雅直君。 71 ◯農政部長(大久保雅直君)ただいまの御質問にお答えします。  県では、これまで、農泊に取り組もうとする農業者や団体に対して、地域資源を生かした魅力ある農泊のプログラムづくりを支援してまいりました。あわせて、課題や取り組み事例を共有するネットワークを構築し、農泊の取り組みを拡大してきました。  これにより、昨年度までに二十四地区で農泊に取り組み、農泊施設における昨年度の宿泊者数は一万人を超えるに至っております。  以上でございます。 72 ◯議長水岸富美男君)山田一功君。       (山田一功君登壇) 73 ◯山田一功君 次に、本県独自の農泊の取り組みについて伺います。  先ほど、令和四年度の宿泊者数は二十四地区、一万人を超えるとの実績の答弁がありましたが、全国的に農泊に取り組む地区がふえていると聞いております。  そこで質問します。今後、本県がさらに農山村地域への来訪者を取り込んでいくためには、他地域との差別化を図っていく必要があると考えます。その本県の取り組みについて伺います。 74 ◯議長水岸富美男君)知事、長崎幸太郎君。 75 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答え申し上げます。  県では、他地域との差別化を図るため、農作業によるストレス軽減効果に着目し、昨年度から企業をターゲットとしたリフレッシュ農泊を推進しています。  昨年度は四地区、企業十社を対象にモデルツアーを実施したところ、農作業後にはストレス指標の低下が確認されました。参加者からもリフレッシュ効果を実感できたなど、好評をいただきました。  このため、本年度もさらに四地区でのリフレッシュ農泊の実施を目指し、支援をしております。  以上です。 76 ◯議長水岸富美男君)山田一功君。       (山田一功君登壇) 77 ◯山田一功君 直接、農泊とは関係ないのですが、NHKを見ていましたら、七百人の村で小菅村、村ごとホテルなんていう取り組みもありましたから、いろいろな視点からこの点を見ていくといいかなと思います。  次に、今後の農泊の取り組みについて伺います。  JTB総合研究所の報告によりますと、新型コロナウイルス感染症の五類移行以降、コロナ禍で感じていた閉塞感から解放され、全ての世代で旅行を予定または検討している人が増加しているとのことであります。  このような中、本県の恵まれた自然環境や東京圏に近い立地条件を生かし、新たな来訪者を獲得するためには観光との連携が不可欠と考えます。  そこで質問します。本県の農泊プログラムを広く周知し、多くの人を呼び込むため、県はどのように取り組んでいくのか伺います。 78 ◯議長水岸富美男君)知事、長崎幸太郎君。 79 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答え申し上げます。  今後、農泊による多くの人を呼び込むには、農業体験メニューの多様化と、そして観光業者と連携した取り組みが重要であるのは、議員御指摘のとおりだと思います。  このため、本県が全国に先駆け取り組んでおります、4パーミル・イニシアチブですとか、あるいはアニマルウエルフェアの体験メニューを組み入れ、高付加価値化を図ってまいりたいと思います。  また、観光業者と連携し、こうした多様なメニューを商品化し、観光商談会で売り込んでまいります。  加えて、県ホームページ、SNSなどによりまして、積極的に発信することで、来訪者の拡大を図ってまいります。  以上です。 80 ◯議長水岸富美男君)山田一功君。       (山田一功君登壇) 81 ◯山田一功君 丁寧な答弁、ありがとうございました。  以上をもちまして、私の質問を終了いたします。  答弁を今後も、私も県議会議員として、しっかり見守っていきたいと思います。御清聴ありがとうございました。 82 ◯議長水岸富美男君)これより、山田一功君の一般質問に対する関連質問に入ります。  この際申し上げます。  関連質問については、その冒頭に関連する事項を具体的に発言願います。  関連質問ありませんか。       (「なし」と呼ぶ者あり) 83 ◯議長水岸富美男君)関連質問を打ち切ります。  これをもって、山田一功君の一般質問を打ち切ります。  暫時休憩いたします。                                          午後三時六分休憩        ───────────────────────────────────────                                          午後三時二十五分再開議 84 ◯副議長(清水喜美男君)休憩前に引き続き会議を開きます。  日程第一及び日程第二の議事を継続いたします。  この際申し上げます。  再質問における答弁は、自席において行うことといたします。  発言の通告により、小沢栄一君に二十分の発言を許します。小沢栄一君。       (小沢栄一君登壇)(拍手) 85 ◯小沢栄一君 自由民主党新緑の会、小沢栄一です。今定例議会に提出されました案件並びに県政全般についての一般質問を行います。  まずは、四月の県議会議員選挙において、地元韮崎市の皆様を初め多くの皆様の温かい御支援を賜り、初当選を果たすことができましたことに心より感謝申し上げます。いただいた御厚情をしっかりと心に刻み、県民の皆様が安心して生活できる、よりよい社会の実現に向けて、なお一層の研さんに努めてまいる所存です。  先輩議員の皆様には、まだ任期の浅い私が、こうして登壇させていただく機会を得られましたことに感謝申し上げます。  長崎知事におかれましては、その卓越した手腕で、全ての県民に豊かさを届ける豊かさ共創社会の実現に向けた政策を力強く展開されており、山梨の進化を実感しております。私も、我が新緑の会が基本理念とする現場主義のもと、県民お一人お一人の声に真摯に耳を傾け、長崎知事とともに全力を尽くしていくことをお誓い申し上げ、以下質問に入ります。  初めに、地域医療構想の推進についてであります。  二〇二五年には、団塊の世代の全てが七十五歳以上となり、高齢化が一層進展していく中、今後、県民の医療ニーズに応えていくためには、医療体制の最適化を図り、限りある医療資源を効率的に運用していくことが必要であります。  このため県では、平成二十八年に、二〇二五年に必要となる機能別の病床数を示す地域医療構想を策定し、回復期病床の確保など超高齢社会に対応できる医療体制の構築に鋭意取り組んでいると承知しております。今後、生産年齢人口が減少する一方で、二〇四〇年頃まで高齢者が増加し続けることを考えれば、地域医療構想を一層積極的に推進することが求められております。  しかし、ここ数年の状況を見ますと、医療機関では目の前の危機である新型コロナへの対応を最優先せざるを得なかったため、地域医療構想への対応は後回しになっていたところも多く、これにより構想の実現が大きくおくれるのではないか心配しているところです。  そこでまず、地域医療構想の現在の進捗状況についてお伺いします。  また、令和元年度に国が地域医療構想の進め方について、再編統合の議論が必要な公立・公的病院を一方的に公表したことがありました。これにより、対象病院が所在する地域では不安や動揺が広がりました。この件については、令和三年度に国が再編統合ありきではないと明言したことで一区切りとなりましたが、この件を通じ、構想の推進には地域の理解が不可欠であると強く実感したところです。  地域医療構想の実現に向けた医療機関の対応については、民間病院や公立・公的病院を問わず、全ての病院で本年度末までに方針の策定や検証・見直しが行われると聞いていますが、構想は地域住民の生活にも大きな影響を及ぼすものであり、その推進に当たっては、地域の理解を十分に得ながら進めていただきたいと考えています。  そこで、県では今後、地域医療構想をどのような考えで進めていくのか、御所見をお伺いします。  次に、スマート農業の推進についてであります。  私の地元、韮崎市は、県下でも有数のおいしさを誇る米を初め高品質な桃やブドウの産地として、消費者や市場から高い評価を受けております。こうした産地は、これまで農業者の熟練した技術や不断の努力により支えられてきましたが、農業従事者の減少や高齢化が進行する中で、これからも産地を維持していくためには、若者の就農定着や農家の所得向上につながる農作業の省力化、生産性の向上が求められております。  近年、ロボット技術やICT、AIなどの先端技術を活用した、いわゆるスマート農業の技術が開発され、農作業の省力・軽労化などが進んできております。全国では、GPSと自動運転技術を活用した無人走行トラクターやICTを用い遠隔操作で水田の自動給排水を行うシステムなど、さまざまなスマート農業技術が導入されております。  県内でも徐々にスマート農業が導入されてきておりますが、本県は農地の多くが中山間地の傾斜地に位置し、圃場が狭小のため、このような特性にあったスマート農業の導入が必要であります。特に本県主力の果樹栽培は作業のほとんどが熟練の技術による手作業となっているため、機械化が難しく、多くの作業を要しております。  このような中、本年度、韮崎市においても、ブドウ生産者が無人ロボット草刈り機を導入する計画があると承知しております。  また、昨年度から山梨大学が中心となり、ブドウの房作りや摘粒を自動で行うロボットの開発を行っていると聞いており、このようなこれまでにない新たなスマート農業の導入は、本県果樹産地の将来の可能性を開くものと大きく期待しております。  今後、地域農業の維持・発展のため、生産性の向上や高品質化、規模拡大による所得向上に向けて、スマート農業の一層の導入が必要であると考えています。  そこで県では、本県の特性にあったスマート農業等の推進について、今後どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いします。  次に、荒廃農地の発生防止に向けた基盤整備の推進についてであります。  本県農業は、恵まれた自然条件のもと、生産者のたゆまぬ努力により、果樹や野菜、水稲など地域の特性を生かした産地が形成されております。こうした産地の維持・発展を図るため、県では担い手の確保・育成に積極的に取り組み、昨年度の新規就農者は三百三十一人と過去最多となりました。  しかしながら、直近の農林業センサスによると、基幹的農業従事者は約二万五百人と前回調査からの五年間で約四千二百人減少しております。  また、平均年齢は六十九・九歳と高齢化が一層進行しており、今後、離農する農家の増加に伴い、後継者不在で耕作ができなくなった農地が荒廃化していくことが懸念されます。  農地は一旦荒廃化すると、営農が再開できる状態に戻すためには、多くの労力と費用がかかり、荒廃の度合いによっては、営農を再開しても以前の収穫量に戻るには長い年月がかかることもあると聞いております。  私の地元、韮崎市でも、山間部の小区画で不整形な耕作条件が悪い農地が多い地域では、営農を諦め、草木が生い茂り荒廃化した農地も見受けられます。  一方、昭和五十年代前半から、圃場整備事業により大区画化が進んだ水田では、大型機械の導入により生産効率が飛躍的に向上し、食味のすぐれたブランド米、梨北米の産地が確立されております。  このように基盤整備を行った地域では、高齢化で営農が困難な農家の農地でも、作業の受委託や担い手への農地集積が容易であることから、荒廃農地はほとんど見受けられません。  また、荒廃農地の再生活用に向けた取り組みとして、現在、市北部の穴山地区では、畑地の基盤整備が進められており、一部完成した大区画の圃場に、有機農業に取り組む新たな担い手が参入したと聞いております。  私は、農地の基盤整備は生産効率が向上し、担い手の経営規模の拡大も可能となることから、荒廃農地の発生防止に大変有効であると考えています。  そこで県では、荒廃農地の防止に向け、どのように基盤整備を推進していくのかお伺いします。  次に、韮崎市内の道路整備についてであります。  韮崎市は、甲州街道と佐久往還、駿信往還の分岐点に当たり、古くから宿場町として栄え、現在も国道二十号、国道百四十一号、県道韮崎市南アルプス富士川線などの道路が集中する交通の要衝であります。  このうち韮崎市内を走る国道二十号は、本県道路網の骨格となり、県内の地域間交流や経済活動を支える重要な道路であり、これまでも道路を管理する国において、甲府方面から峡北消防本部西交差点までの間は、順次四車線化などの整備が進められてきました。  しかしながら、この交差点から先はいまだ二車線のままであり、特に船山橋北詰交差点から武田橋北詰交差点までの間では、朝夕の通勤時間帯に慢性的な渋滞が発生しています。この渋滞は、長年にわたり地域住民や地元企業の活動に大きな支障となっていることから、早期解消を望む声は強く、県としても韮崎市とともに取り組みの推進が図られるよう、国に対し強力に働きかけることを期待するものであります。  一方、中央自動車道の韮崎インターチェンジ周辺の穂坂地区では、交通の利便性を生かし、工業団地の拡張整備が行われ、韮崎市の主力産業であるエレクトロニクス関連企業などの誘致が進んでおります。  韮崎市では、人口減少や少子高齢化が進む中、まちづくりの指針となる第七次総合計画後期基本計画を今年三月に策定したところであり、その中で企業誘致をさらに促進することにより、人口流出を防ぎ、新たな雇用を創出するとしています。  今後は、企業の進出に伴い、さらに交通需要の増加が見込まれることから、韮崎インターチェンジ周辺の道路整備が期待されているところであります。  このため、県道韮崎昇仙峡線や県道島上条宮久保絵見堂線の整備により、拠点間の交通の利便性を向上させることが企業誘致を促進し、地域経済の活性化に資するものと考えています。  そこで、韮崎インターチェンジ周辺の土地利用を促進するための道路整備について、県の御所見をお伺いします。  次に、韮崎市内における河川の伐木浚渫についてであります。  近年の地球温暖化による気候変動の影響により、今年も台風や線状降水帯による豪雨が猛威を振るい、全国各地で大規模な洪水被害が発生しており、住民の生活に深刻な影響が生じています。
     先般、非常に強い勢力の台風七号が日本列島を縦断して大雨をもたらし、特に近畿・中国地方において河川が氾濫し、甚大な洪水被害が起きたことは記憶に新しいところであります。  私の地元、韮崎市は、県を代表する釜無川と塩川が流れており、この二つの河川に南アルプスや茅ケ岳といった山地を源とする急流で土砂の流出の多い河川が多数流れ込んでおります。  このような地勢を有する韮崎市において、過去には大雨や台風により河川が氾濫して数多くの家屋が全半壊し、とうとい命が失われる甚大で痛ましい被害が発生しております。現在も、市内の河川の沿線は市街化が進展し、公共施設を初めとした重要施設が立地しており、再び洪水氾濫が起きた際には、これまで以上の大規模な被害の発生が危惧されるところであります。  こうした状況の中、市内の河川には、周囲の山々から流れ込んだ土砂の堆積や樹木の繁茂によって洪水の流れを阻害している箇所が見受けられます。今後、大雨の頻度がますます増加することが想定されており、このような河川の状態を目の当たりにしている地域の方々の洪水被害の発生を心配する多くの声を耳にしています。  一方で、県において洪水の円滑な流れを確保するため、各所で伐木や浚渫に鋭意取り組んでおり、一定の安全度が確保されていることは承知しております。私自身、地域の方々と対策を終わった河川を確認する機会がありましたが、河川を適切に管理して、洪水にしっかり備えていくことが重要であることを実感しました。  また、同時に、伐木や浚渫の作業が一過性ではなく、継続して行うことの重要さも痛感しました。洪水被害から県民の生命・財産を守るため、河川の状態や変化を的確に把握しながら、引き続き対策を進めていただきたいと考えています。  そこで、韮崎市内における河川の伐木浚渫の取り組みにつきまして、県の御所見をお伺いします。  最後に、韮崎市内における土砂災害対策についてであります。  韮崎市は豊かな自然環境に恵まれた地域であり、市内中心部を南北に流れる釜無川を挟んで、西側には鳳凰三山を代表する山地と丘陵地が広がり、東側の平地は開発が進み、にぎわいを見せています。  一方で、その市街地の北側には、茅ケ岳火山地帯の丘陵地に果樹園が広がり、起伏の変化に富んだ地域でもあります。  このような地形的特徴もあり、釜無川に流れ込む支川や渓流は、急勾配かつ地質も脆弱なことから、土石流や崖崩れなどの土砂災害リスクの高い箇所が多く存在しており、平成二十一年と二十三年に土砂災害警戒区域が指定されています。  市内では、令和三年八月に前日の降雨により、岩下地区の土砂災害警戒区域内で斜面の小崩落が発生しましたが、幸いにも人的被害がなく、胸をなでおろしたところです。  過去において最大の災害は、昭和三十四年の台風七号と十五号、通称伊勢湾台風の豪雨であり、祖母石地区や一ツ谷地区が巨石や倒木を含む濁流に飲み込まれるとともに、市内の大部分が甚大な被害を受けました。地域の方々は、いまだこのときの記憶を忘れてはおらず、最近の雨の降り方はそれ以上だという御年配の方もおります。  近年、身の危険を感じるような非常に強い雨が降ることがあり、その回数がふえているように感じています。  また、線状降水帯の発生により、記録的短時間大雨情報が繰り返し発表されるなど、全国的にも過去に例のないような雨の降り方によって土砂災害が頻発しており、十年スパンでの土砂災害発生件数を比べると一・二倍に増加していると聞いています。  このようなことから、土砂災害警戒区域を多く抱える韮崎市においても、いつ土砂災害が発生してもおかしくない状況であると考えています。  私は、こうした警戒区域にお住まいの方々と現地立ち会いに何度か行っていますが、地域の方々は大雨のたびに土石流や崖崩れを心配しながら生活しています。安全・安心な市民生活を確保するには、土砂災害が起きる前に対策施設を整備しておくことが極めて重要であると強く感じています。  そこで、韮崎市内の対策工事の状況と今後の対策施設整備の取り組みについて、県の御所見をお伺いいたします。  以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 86 ◯副議長(清水喜美男君)小沢栄一君の質疑・質問が終わりました。  これより、当局の答弁を求めます。知事、長崎幸太郎君。       (知事 長崎幸太郎君登壇) 87 ◯知事長崎幸太郎君)小沢議員の御質問にお答え申し上げます。  ただいまは、私の県政運営に対しまして御評価を賜るとともに、県民お一人お一人の声に真摯に耳を傾け、全力を尽くされるとの御決意を示されました。  また、県民が安心して生活できる持続可能な社会に向けて研さんに努められるという議員の姿勢に対し、深く敬意を表する次第であります。県民の皆様が豊かさを実感できるよう、私とともに御尽力を賜りますようお願いを申し上げ、以下答弁に入ります。  初めに、地域医療構想の推進についてです。  今後の高齢化の進展を見通せば、必要な人に必要な医療を提供するには、地域医療構想に基づき、回復期機能を持つ病床を拡充することは極めて重要であります。  構想を策定いたしました平成二十八年以降、約七割の病院で構想実現に向けた対応方針を決定し、回復期の病床は九百二十八床から一千八百六十七床へと着実に増加しています。  一方で、回復期病床の必要数二千五百六十六床とは依然として大きな開きがあることから、対象医療機関への働きかけを強め、機能転換をさらに進める必要があります。  このため、県では病院関係者向けの勉強会を開催し、改めて構想推進の機運醸成を図ってまいります。  また、対象医療機関の取り組み方針を再確認し、市町村や地域の医療関係者が参加する調整会議において、活発な議論を行うことで機能転換を促していきます。その際、将来必要となる医療機能や病床数など、地域全体を見渡した議論を十分行っていただき、丁寧に合意形成を図る中で最適な医療体制を目指します。  その上で県は、合意形成された病床機能の転換やダウンサイジングに対し助成を行うなど、積極的に支援することで構想を一層推進してまいります。  次に、スマート農業の推進についてです。  農業従事者の減少や高齢化が進む中、省力化や高品質・安定生産を可能にするため、スマート農業技術を早期に確立・普及することが重要であると考えております。  このため県では、省力化技術による労働力不足の解消に向けて、農薬散布ドローンなどの実用性を検証し、普及に努めております。本年度は、ブドウ園での自動草刈り機の導入効果を検証しているところです。  また、令和三年度に、ブドウのたくみの技を見える化したスマートグラスが、県も参画する中で開発されました。これによりまして、新規就農者への円滑な技術伝承や、経験の乏しい雇用労働者であっても、高度な管理作業を行うことが可能となりました。  現在は、このスマートグラスの技術を活用し、山梨大学を中心に自動でブドウの管理作業を行うロボットの開発が行われております。県もこのプロジェクトに引き続き参画し、省力化に取り組んでまいります。  また、ブドウの施設栽培における環境制御システムの導入を支援してきたところ、現在四割以上の農家で導入が進んでおります。今後もさらに導入を拡大することにより、一層の高品質・安定生産につなげてまいります。  さらに、データ農業による施設栽培の生産性の飛躍的向上にも取り組んでいます。現在、十アール当たりでシャインマスカットは通常の約一・五倍の二トンまで、キュウリは約二・八倍の四十四トンまで生産を拡大しております。  こうした取り組みに加え、作業性のよい圃場に計画的に再編整備するなど、本県の特性に合ったスマート農業の推進に鋭意取り組んでまいります。  次に、韮崎市内の道路整備についてです。  昭和五十七年に全線開通した中央道は、本県と首都圏や中京圏を結ぶ大動脈であり、物流や観光、産業などさまざまな分野で飛躍的な発展を支えてきました。  韮崎インターチェンジの周辺では、企業立地が進むなど土地利用の変化に伴い、近年、交通需要が高まっていることから、周辺道路の整備が重要であると考えています。  このうち、県道韮崎昇仙峡線は、インターへのアクセス強化を図るため、穂坂橋のかけかえなど市街地側から順次整備を進めてきたところです。現在、大型車の円滑な通行確保のため、インター出入口部の百六十メートル区間について道路改良を実施しており、本年度末の完成を予定しております。  また、県道島上条宮久保絵見堂線は、新山梨環状道路北部区間とつながることから、既存道路を活用したネットワークの強化が必要であると考えています。北部区間のうち、甲斐市牛句から宇津谷間では、国が測量・調査を進めており、これとあわせ県道の具体的な改良計画の検討を行うこととしております。  今後も引き続き、韮崎市を初め関係機関と連携しながら、韮崎市が描く韮崎インターチェンジ周辺の土地利用構想にも資するよう、周辺道路の機能強化を図ってまいります。  以上をもちまして、私の答弁といたします。その他につきまして、担当の部長からお答え申し上げます。 88 ◯副議長(清水喜美男君)農政部長、大久保雅直君。       (農政部長 大久保雅直君登壇) 89 ◯農政部長(大久保雅直君)小沢議員の荒廃農地の発生防止に向けた基盤整備の推進についての御質問にお答えします。  議員御指摘のとおり、荒廃農地の発生防止に向けては、生産性を向上し、担い手への集積も可能とする、圃場や農道などの基盤整備を進めることが重要であります。  このため県では、年間百ヘクタールの基盤整備を目標に掲げ、昨年度までの四年間で四百八ヘクタールの基盤整備を進めてまいりました。この中で、市町村などと連携して、区画の拡大など生産性の高い農地へ再編し、担い手への集積も積極的に進め、荒廃農地の発生防止につなげております。  また現在、市町村では、十年先を見据えた将来の農地利用のあり方を明確化する地域計画の策定を進めております。県といたしましても、引き続きこの策定に積極的にかかわってまいります。  さらに、生産性が向上し、担い手への農地集積も着実に進むよう、地域の実情に合った基盤整備モデルを提案し、実効性のある地域計画の策定を支援してまいります。  地域計画策定後は、市町村と連携し、地域の特性やニーズに沿った基盤整備を着実に進めるなど、荒廃農地の発生防止に積極的に取り組んでまいります。  以上でございます。 90 ◯副議長(清水喜美男君)県土整備部長、椎葉秀作君。       (県土整備部長 椎葉秀作君登壇) 91 ◯県土整備部長椎葉秀作君)小沢議員の御質問にお答えします。  まず、韮崎市内における河川の伐木浚渫についてであります。  激甚化・頻発化する洪水に備えるためには、定期的な巡視や出水後のパトロールにより河川を監視し、伐木や浚渫を適切に実施することが重要であります。  韮崎市を流れる釜無川や塩川などの河川は、山地から流れる土砂が堆積しているため、堆積土砂や樹木を早期に撤去し、流下能力を確保する必要があります。このため、国の三か年緊急対策予算が措置された平成三十年度以降、緊急性や重要性が高い十五河川、五十二キロメートルで伐木や浚渫を実施してまいりました。引き続き、本年度も釜無川や塩川など六河川、四キロメートルにおきまして対策を実施することとしております。  今後も、国の五か年加速化対策予算や緊急浚渫推進事業債を効率的に活用し、伐木や浚渫を継続的かつ着実に実施してまいります。  次に、韮崎市内における土砂災害対策についてであります。  韮崎市内には土砂災害警戒区域が百三十四区域あり、これまで三十七区域について砂防堰堤や崖崩れ対策施設の整備を進めてまいりました。現在、竪沢川で砂防堰堤工事を、七里岩と越道地区で崖崩れの対策工事を、甘利沢川など五カ所では工事に向けた調査・設計をそれぞれ実施しております。  引き続き、工事中の箇所は早期完成を目指すとともに、その他の箇所につきましても地域の方々の御理解、御協力をいただきながら着工時期の前倒しに努めてまいります。  今後も土砂災害により影響を受ける人家や施設の状況を考慮しながら、効果的・効率的な施設整備を着実に進めてまいります。  以上でございます。 92 ◯副議長(清水喜美男君)当局の答弁が終わりました。  小沢栄一君に申し上げます。残り時間がありません。  これより、小沢栄一君の一般質問に対する関連質問に入ります。  関連質問はありませんか。       (「なし」と呼ぶ者あり) 93 ◯副議長(清水喜美男君)関連質問を打ち切ります。  これをもって、小沢栄一君の一般質問を打ち切ります。  以上で、本日の日程は全部終了いたしました。  明十月三日、午前十一時、会議を開き、一般質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。                                          午後三時五十九分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Yamanashi Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...